文教委員会 第2号
- 発言数
- 64 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1994/05/13
会議録
○委員長(石井道子君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る四月二十八日、浜四津敏子君が委員を辞任され、その補欠として及川順郎君が選任されました。 また、本日、北澤俊美君が委員を辞任され、その補欠として石井一二君が選任されました。 —————————————
○委員長(石井道子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井道子君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に及川順郎君を指名いたします。 —————————————
○委員長(石井道子君) この際、赤松文部大臣及び勝木文部政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。赤松文部大臣。
○国務大臣(赤松良子君) このたび再び文部大臣を拝命いたしました赤松でございます。 教育、学術、文化、スポーツの振興のため全力を傾けてまいる決意でございますので、委員長並びに各委員の皆様方には引き続き御指導、御協力を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(石井道子君) 勝木文部政務次官。
○政府委員(勝木健司君) このたび文部政務次官を拝命いたしました勝木でございます。 文部大臣をよく補佐して、教育、学術、文化、スポーツの振興、充実に全力を尽くしてまいる決意でございます。委員長並びに各委員の皆様方の御指導、御協力をよろしくお願い申し上げます。 —————————————
○委員長(石井道子君) 国立学校設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。赤松文部大臣。
○国務大臣(赤松良子君) このたび、政府から提出いたしました国立学校設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、国立大学の学部の設置及び短期大学部の廃止等について規定するものでございます。 まず、第一は、学部の設置についてであります。 これは、各大学における大学改革と教育研究体制整備の一環として、宇都宮大学の教養部を改組して国際学部を、岡山大学の教養部を改組して環境理工学部をそれぞれ設置しようとするものであります。 なお、これらの学部は本年十月一日に設置し、平成七年四月から学生を受け入れることといたしております。 第二は、短期大学部の廃止についてであります。 これは、昼夜開議制による教育体制の充実のため、新潟大学及び静岡大学に併設されている夜間三年制の短期大学部を廃止して、それぞれの大学の関係学部に統合するとともに、看護等医療技術教育の充実等を図るため、神戸大学に併設されている医療技術短期大学部を廃止して同大学の医学部に統合しようとするものであります。 なお、これらの短期大学部は、平成七年度から学生募集を停止し、平成八年度限りで廃止することを予定いたしております。 このほか、昭和四十八年度以後に設置された医科大学等に係る平成六年度の職員の定員を定めることといたしております。 なお、衆議院において施行期日に関する附則の規定の一部が修正されましたので、念のため申し添えます。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願いいたします。
○委員長(石井道子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○南野知惠子君 このたび赤松文部大臣の再度の御就任、おめでとうございます。 まず、文部大臣にお伺いしたいことがございますが、四月二十六日の産経新聞の夕刊、二十七日の朝日新聞の朝刊などに見られた記事についてでございます。 新会派「改新」結成に関連いたしまして、政権枠組みの混乱状態のときに、ある党の幹部政治家がどの女と一緒に寝ようがいいじゃないかと記者に語った言葉は暴言にほかならないと思います。女性を寝る相手と表現する心に潜む女性べっ視は、日本のみならず全世界の女性の心を傷つけるものです。また、見方を変えれば、男性はどの女性とも簡単に寝れるのかとの解釈ができ、日本男子の品位を下げる男性べっ視ともとれないでしょうか。 政治にとって最も大切な問題を男女の仲に例えることは、両院の品性を著しく傷つけると同時に、政治そのものに対して、また全国民に対しての冒涜ともとれます。 豊かな人間教育、健全な子供の育成に心がける文部省におかれましても心を痛めておられると思いますが、子供の手本になり切れない大人たちにこそ、生きる心、心して生きることの大切さを理解する性教育が必要ではないでしょうか。品格ある人間教育に対する大臣の胸の内を、まずお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(赤松良子君) その言葉を新聞等で目にいたしまして、何といいますか、我が目を疑ったというのが実感でございます。 直接その場に居合わせたわけではございませんので、評論家としてならば幾らでもコメントができると思いますが、閣僚というのは大変その発言の重さというものがあるというふうに承知しておりますので、余りいろいろと申し上げるのは差し控えさせていただきますが、もしそういう御発言があったとするならば、もう情けないとしか言いようがないように思っております。 いろいろ先生がおっしゃいました品性だとか子供に対する教育上のよくない影響だとか、全くおっしゃるとおりでございますが、何しろいろいろなことをたくさんおっしゃる方もおられまして、そういう発言というのはその前後の脈絡等あるいはその発言されたときの状況等をよく知らないと、間違ったコメントをするといけませんので、その程度にさせていただきたいと思います。
○南野知惠子君 ありがとうございました。 大変苦しいお胸の内のようでございますが、引き続きまして看護関係について質問させていただきたいと思います。このことは、国民の健康生活維持、健康な子孫の育成に大いに関与するものであると信じております。 科学技術の進歩に伴いまして、近年の医学、医療の高度化は目覚ましいものがあり、まさに日進月歩であります。このような中で、医療現場における看護業務の高度化が進んでおります。また、高度化した医療を提供するにはチーム医療が重要で、医師とチームを組んで活躍できる看護婦が必要となってきております。また、我が国の高齢化は急速に進み、未曾有の高齢社会を迎えることになります用地域における保健医療、福祉体制の構築が重要な課題となり、訪問看護の実施など、地域における看護職の役割はますます重要となってきております。このような中で、高度の専門知識・技術と思いやりのある豊かな人間性を持つ看護婦を養成することは緊急の課題であります。 平成四年に看護婦人材確保法が制定され、この法律に基づいての看護婦の人材確保に関する基本方針が定められました。この基本方針においては、看護系大学の積極的な整備がうたわれております。既に文部省におかれましては、このような状況を踏まえ看護系大学を積極的に整備しておられるところであり、改めて敬意を表します。 現在、看護大学は三十一校あり、そのうち助産学教育を行っているところは十四校と聞いております。今回、特に平成六年度に神戸大学に保健学科を設置され助産婦の資格が取れる助産学専攻も整備されるものと伺っておりますが、大学教育においては助産学は選択制となっているため養成数が不安定となっております。また、助産技術の習得などに関するカリキュラムや教師の数なども各大学により検討が進められておりますが、大学教育で今後どう位置づけていくかという問題も関心が高いものですので、これらの件につきましてはまた改めてお伺いしたいと思っております。 私は、先日、看護系大学関係者とお話しする機会があったのですが、看護系大学を設置するに当たって看護系教員がどうしても不足して困っているということを聞きました。教育は人なりということを申しますが、看護系大学を設置するに当たってまさに教員は最も重要であります。 そこでお伺いしたいのですが、文部省におかれては、看護系大学を設置するに当たっての教員不足に対して現状をどう認識しておられるのでしょうか。また、このような深刻な看護教員の不足に対してどのような対策をとっておられるのか、お尋ねいたします。
○政府委員(遠山敦子君) 御指摘のように、日本におきます急速な高齢化の進展あるいは保健医療を取り巻きます環境の変化等に伴いまして、看護婦等の不足とともに、資質の高い看護婦等の養成が強く求められているところでございます。このような状況を踏まえまして、お話にありましたような看護婦の人材確保法が平成四年に制定されたこともありまして、近年、国立、公立、私立を通じまして看護系の学部学科の設置が急速に進められております。 数字で見ますと、平成三年には十一校しかなかったものが平成四年には十四校、平成五年度には二十二校、そして平成六年度には政府予算案に計上されております国立大学分を含めますと三十一校となる予定でございまして、三年間で約三倍という状況でございます。 このような状況のもとで、設立に当たりましては、看護学を教えあるいは研究する教授、助教授等のスタッフを必要数確保することが最大の難しい問題になっていることは御指摘のとおりでございまして、各大学とも大変な御苦労のもとに人材を集めておられる実態でございます。 今後、設置を予定している大学にありましても当分の間はこのような御苦労が続くと思われるところでございますけれども、基本的には、看護系の大学や大学院の整備が進む中で、大学院生あるいは助手、講師等の若手の中から教授、助教授としてふさわしい人材が逐次育成されていくものと考えているところでございます。
○南野知惠子君 今、御答弁いただきましたように、看護系大学を整備するに当たってもその教員を養成する大学院の整備が重要であります。また、看護学の教育研究を振興するに当たりましても大学院は重要であります。かつて、仄聞するところによりますと、看護学という学問はないと語っておられた方がいらっしゃったという話がございますが、今そのようなことをおっしゃる方はおられないと思っております。今後、看護業務の進展を図る上で看護学の振興は不可欠であります。 そこでお伺いいたしますが、現在、看護系大学の大学院の具体的な整備状況はどのようなのでしょうか。また、看護系大学院の今後の整備方針をお伺いいたします。
○政府委員(遠山敦子君) お尋ねの第一点の看護系大学の大学院の具体的な整備状況について、まずお答えを申し上げます。 平成六年度現在、看護系の大学院は国立大学で四大学に置かれております。千葉大学の看護学研究科看護学専攻、東京大学の医学系研究科保健学専攻、東京医科歯科大学の医学系研究科保健衛生学専攻、そして琉球大学の保健学研究科保健学専攻が置かれております。このうち千葉大学と東京大学につきましては博士課程が置かれているところでございます。 また、私立大学では、現在、三大学に看護系大学院が置かれておりまして、聖路加看護大学、日本赤十字看護大学及び北里大学の三大学でございますが、これらはいずれも看護学研究科看護学専攻が置かれております。そして、このうち聖路加看護大学には博士課程が置かれているところでございます。 したがいまして、国立と私立合わせて修士課程が七大学、博士課程が三大学となっているところでございます。 第二の御質問の点でございますが、今後、看護系大学院の設置につきましては、大学の教員養成等社会的な需要を考慮いたしまして大学院としてふさわしい条件を整えた大学からの申請があれば、私どもとしては積極的に対応してまいる考えでございます。
○南野知惠子君 ぜひお願いしたいところでございます。 また、文部省におかれましては、リフレッシュ教育を推進されていると伺っております。理工系の大学院を中心として社会人の積極的な受け入れを進められているものと承知いたしておりますが、看護系大学院におきましても看護職の免許を有する社会人の受け入れは重要であると思います。むしろ看護系大学における深刻な看護教員の不足や、これまで我が国に看護系大学院が極めて少なかった、いやほとんどなかったということを考えれば、社会人の受け入れは他の分野以上に重要と思われます。私の知人でも、大学院で社会人の受け入れがあるならば入学したいという意欲的な人がおります。 そこで、現在、看護系大学院における社会人の受け入れ状況はどうなっているのでしょうか。また、今後、社会人の受け入れを一層推進すべきと考えますが、いかがお考えでございましょうか、お願いいたします。
○政府委員(遠山敦子君) 確かに御指摘のように、社会全体の生涯学習に対するニーズは大変大きいものがございまして、大学院レベルにおきましても社会人受け入れを積極的に実施すべきであると考えているところでございます。特に看護学の場合はこれまで大学院が少なかったという事情もございまして、他の分野以上にニーズが高いものと承知いたしております。 文部省といたしましては、このようなニーズに大学がこたえられますように、夜間や土曜の午後等に授業または研究指導を行う昼夜開議制を開く、あるいは専ら夜間において授業を行う夜間大学院の制度を開く、あるいは正規の学生以外の人が大学院で特定の科目のみを履修して単位を取得することができる科目等履修生等の社会人の受け入れに配慮した大学院制度の弾力化の措置を講じてまいっているところでございます。 看護の分野について申し上げますと、北里大学の大学院、千葉大学大学院、琉球大学大学院におきまして昼夜開議制を実施し、現職の看護婦を修士課程に受け入れていると聞いております。 文部省といたしましては、今後ともこのような動きを大いにバックアップして社会人の生涯学習ニーズにこたえていくことを期待しているところでございます。
○南野知惠子君 ぜひ門戸を広げていただきたいと思っております。 また、医学部などの分野におきましては論文博士の授与がかなり行われておるということをお聞きいたしております。看護教員の不足ということを考えますと、看護の分野におきましても論文博士の授与が必要ではないでしょうか。 我が国が指導、援助を行っている開発途上国にも博士取得者がかなりおりますことは御存じと思われます。また、最近、看護系大学の教員の中に看護学に関して研究業績を上げた者がふえてまいっております。こうした人々に博士取得の道を開く上でも論文博士の授与は必要であると思われます。論文博士の授与を積極的に行っていくべきと考えておりますが、お考えはいかがでございましょうか。
○政府委員(遠山敦子君) このことは御案内と存じますけれども、論文博士の授与につきましては、その分野についての博士課程を有する大学が論文審査等を行って、そして博士課程を修了した者と同等以上の力があると認めた者に対してその博士号を出すということができるわけでございます。したがいまして、論文博士の円滑な授与のためには、まず看護系の博士課程の存在がその前提となるわけでございます。 ところが、御承知のとおり、日本では昭和三十九年に設立されました先ほど申した東大の大学院の保健学専攻が長く唯一の看護系の博士課程でございました。近年やっと昭和六十二年に聖路加看護大学、それから平成五年に千葉大学に看護系の博士課程が設置されたばかりでございます。このような状況を受けまして、現在までに論文博士は東京大学から保健学の分野で九十四人に授与されているところでございます。恐らくこの中に看護学を専攻した方がおられるのであろうと思いますが、ちょっとその実数はつかんでおりません。 お話しのように、近年、大学の整備に伴いまして助手等の若手研究者の数もふえてまいっておりますので、文部省としましても、この中からすぐれた研究実績を上げ、かつ論文博士を取得していく人がふえてくることを期待しているところでございますし、博士課程を置く大学にありましても、論文の審査には教授にとりまして時間も労力もかかるものではございますけれども、やはり看護学の発展のために、審査は厳正にしなくてはなりませんが、できるだけ便宜を図っていただくことを期待しているところでございます。
○南野知惠子君 看護の分野といたしましては、最近、研究しているものが地域社会学でありましたりまたはスポーツと妊娠というものでありましたり、そういう意味でレフェリーの方々が大変不足といいますか、その分野を専攻してくださる方が少のうございますので、それでなかなか伸び悩んでいるというのも現状でございますので、ぜひそこら辺の御理解もいただきたいと思っております。 最後でございますが、今後、我が国の高齢社会の到来を考えますときに、看護職の役割といいますものはますます増加し、その重要性が叫ばれてまいっております。こうしたことを踏まえまして、今後さらに看護系大学や大学院の設置を積極的に推進していくべきと考えておりますが、文部省としての御見解を伺いまして最後とさせていただきます。
○国務大臣(赤松良子君) ただいま先生の御指摘がございましたことは、もうすべてそのとおりというふうに思っております。 既にいろいろディベートがございましたので、私はちょっと観点を変えて最近経験いたしましたことで申し上げますと、非常に丈夫で病気をしたことのなかった私の仲のいい友達が、二年ほど前に入院をいたしまして大きな手術をしたのでございます。その後、もうすっかり、ああ看護婦さんというのは大事だねということを心の底からの叫びのようにして言うようになりました。そういうふうに、もう人間の幸せというのは本当にいい看護婦さんに恵まれるか恵まれないかですごく違うんだということをその人は実感した。その人は物を書く仕事なものですから、そういうことをどんどん書いてくださいよと私は言ったわけでございます。 それから高齢化の進展、これまたみんながいつか必ず年をとってそれこそいい看護職の方に恵まれるかどうかというのは老後の幸せにとってとても大きな影響があるわけで、そういう方がたくさんいてくださるということがとても大事だというのは私たちには割合とわかりやすいのではないか。その点、この問題はわかりにくい問題ではない。 では、具体的にどうすればいいかという、その養成の方法とかあるいはどういう整備をすればいいかというようなことは、今、政府委員がるる申し上げましたので私どもも一生懸命やっているということをおわかりいただけたかと思いますので、文部省はそのつもりで一生懸命やっております、これからもいたしますということを申し上げて、お答えにさせていただきます。
○南野知惠子君 やはり病気なさった方は、看護婦は大事、ドクターは神様、看護婦は天使というふうに見ていただけるんですが、常日ごろそのような認識をいただいておりますことは大変うれしいことだと思います。 教育の問題につきまして御高配いただきまして、ますます我々も頑張ってまいりますが、看護婦たちも頑張ってまいりまして、地域の方々へのいいサービスが提供できることを念じております。 ありがとうございました。
○宮崎秀樹君 大臣、再度の御就任おめでとうございます。そんなに長くないようでございますけれども、健康に御留意され、ひとつ頑張っていただきたいと思います。 時間がちょっと食い込んでいるので、私は短くやりたいと思います。簡潔にやりたいと思います。 今回の宇都宮大学、岡山大学の教養部を改組して新学部をつくるということは大変結構なことでございます。しかし、二十一世紀を目前に控えまして超高齢化時代を迎える中で、ただいま南野委員から看護婦さんのお話が出ましたけれども、医療従事者、特に理学療法士だとか作業療法士、放射線技師さん等、こういうコメディカルの養成施設が国立ては大変私は少ないような気がするんですけれども、現在、国立大学においてこういう学部等養成機関というのは大体どのくらいございましょうか。
○政府委員(遠山敦子君) 事実だけ申し上げます。 国立大学では、平成元年に東京医科歯科大学医学部に臨床検査技師の養成課程も含みます四年制の保健衛生学科をつくりました。また、平成四年には広島大学医学部に理学療法士、作業療法士の養成課程も含みます四年制の保健学科、それから平成五年には大阪大学医療技術短期大学部の改組によりまして、ここにも医学部に四年制の保健学科を設置したところでございます。 また、今回審議をお願いいたしております法案におきまして、神戸大学医療技術短期大学部の廃止をその内容としておりますけれども、これはこの短期大学部を発展的に解消いたしまして神戸大学医学部に理学療法士、作業療法士、臨床検査技師の養成課程を含みます四年制の保健学科を設置することにしているものでございます。 このほか、これらコメディカルの養成を行っております国立の医療技術短期大学は平成六年四月現在二十一ございます。
○宮崎秀樹君 まだまだ私は需要と供給のバランスがとれていないと思うので、大臣、どうでしょう。今後こういう教養部の廃止に伴って新学部を創設するときに、こういうものを視野の中に入れてひとつ努力をしていただくというようなお覚悟がおありかどうか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(赤松良子君) 今、政府委員から事実を申し上げましたが、この方向はとても正しいというふうに思っております。 医療技術が飛躍的に向上していく、それに見合う技術者がいなければ幾ら一部の技術のレベルが向上してもそれを多くの人が享受することはできないというふうに思います。そのために、そういう方たちを教育する機関というものを整備して、そういう方たちが十分に全国に配置されるということはとても重要なことだというふうに考えております。一度にたくさんというわけにもなかなかまいりませんので、このたびのように御要請に応じてそういうものをふやしていくという心構えていることを申し上げたいと思います。
○宮崎秀樹君 ぜひ前向きにやっていただきたいと思います。 それから今回の法案の改正で、昭和四十八年度以降に設置されました医科大学の職員の問題ですが、この平成六年度の増員の件は、ほとんど内容は看護婦さんだというお話を伺ったんですね。そこで、国立大学病院が特定機能病院というものに手を挙げて申請されその方向でいくということになるのは、現在幾つぐらい全国でございますか。
○説明員(真野章君) 現在、特定機能病院といいますのは三十五病院ございますが、そのうち国立大学の附属病院は四病院ございます。
○宮崎秀樹君 そうしますと、医師の数は私は充足していると思うんですね。ところが、看護婦さん初め医療従事者等につきまして人員の配備が現状ではできているんですか。そして、ほかの大学は人員が足りないからその配備にはとても間に合わないということでこれをやっていないのか、その辺の実態はどうなっていますでしょうか。
○政府委員(遠山敦子君) 国立大学病院のケースでございますけれども、特定機能病院となることによって医学の教育研究に支障が生じるのではないかという懸念があったわけでございますけれども、既に特定機能病院として承認を受けた国立大学病院の実態等から、現状において特定機能病院となった場合にも国立大学病院の使命を十分に果たしていくことが可能であるという認識のもとに、今後は順次特定機能病院への申請が進むものと考えております。ということは、いろいろな人的な条件等も既に整っているというふうに考えております。
○宮崎秀樹君 この辺は非常にいろんな問題が絡んでいまして、来年平成七年度から付添看護婦を病院は廃止する、それは病院自体が雇用して完全看護に持っていくということになっていますね。これは今国会で健康保険法改正の法案が通れば、十月一日から付添看護婦の廃止に向けた財源としていわゆる給食料の一部負担八百円というのが出ておりますので、これになりますと早急に人員を確保するために国立大学病院はその体制を整えなければいけませんね。これは来年からもしやらなければ病院として認めないんですから。だから、この辺の問題は大変私は重要な問題だと思うんです。 と同時に、大学病院というのは教育と診療と研究をやる機関ですから、社会保険診療報酬だけでこれを補てんしてやろうという考え、これは私は間違いじゃないかと思うんですね。文部省の教育面、研究面に対してはやはり別の枠で人員の確保をしないとできない。それと、健康保険上の問題のいわゆる付添看護婦の廃止に対する人員の増加というものとの兼ね合いをどこでどういうふうに線を引いていくかという問題が私は重要な問題だと思います。 この答えはなかなか難しいと思いますけれども、今後これは厚生省と文部省とよく話し合われて、そして大学病院の特殊ないわゆる医療機関並びに教育機関というものの性格をきちっと位置づけていかないと大変難しい問題が出てくると思います。それに対しても、もう時間がございませんので、ほんの三十秒でいいですから両方からお答えをいただきたい。
○政府委員(遠山敦子君) 二点ございましたけれども、付添看護婦の件につきましては、これは既に基準看護を行う体制が整えられております。また、毎年大変厳しい定員事情でございますけれども、百名程度の看護要員の増員を行ってまいっておりまして、その点につきましては、付添看護婦を全廃するということになりましても国立大学につきましては対応し得る内容となっております。 それから第二の点でございますけれども、先生御指摘のとおり、国立大学病院は診療を通じて医学の教育研究を行う場として重要なものでございまして、したがいましてその大学病院の必要とする経費につきましては、診療に対して得た社会保険診療収入を歳入として計上することは当然でございますけれども、大学病院におきます診療、教育研究に必要な経費につきましてはこれまでも文部省予算によって措置しているところでございます。これは診療報酬の総額のみで行っているということでは全くございませんで、むしろかなり多額の予算を計上しているところでございます。ただ、時間がありませんので詳しく御説明できないのは残念でございますが、その点について御説明させていただきます。
○宮崎秀樹君 厚生省は時間ないから結構です。最後に一つ。 現場は全然違うんですよ。現場へ行ってみると、付添看護婦さんがいなくちゃできないんですよ、今。そんなうまいぐあいにいっていないです。一回入院されたらわかります。時間ございませんから、とにかくこの辺は今後厚生省ともよく詰めてやっていただきたいと思います。 終わります。
○上山和人君 日本社会党・護憲民主連合の上山和人でございます。 私は、今回の法律案の中で、国立大学の教養部の改組または廃止の問題に絞って御質問申し上げます。 平成三年二月八日の大学審議会の「大学教育の改善について」という答申以降、大学において教養部の改組または廃止が進んでいるのでございまして、本法律案が成立をいたしますと、国立大学全国で九十八のうち教養部を置く大学はわずか十七大学になるのでありますけれども、そのように認識して間違いございませんか、局長。
○政府委員(遠山敦子君) そのとおりでございます。
○上山和人君 それでは、今回の法律案が成立をしますと十七大学に教養部が残ることになるわけでありますけれども、この残っている十七大学はそれではこれから来年度以降教養部をどうしようとしているのか。残っている十七大学の教養部の取り扱いをめぐる動向についてどう把握なさっていらっしゃるのか。時間が余りありませんので、局長から簡潔にお答えをいただきます。
○政府委員(遠山敦子君) 教養部の廃止に伴いましてどのように大学を改革していくかということでございますが、教養部改革はその廃止が目的ではございませんで、それぞれ大学におきますカリキュラムの充実ということを目的にしているものでございます。したがいまして、それぞれの大学、学部の教育の理念、目標ということを明確にして、それに乗っかって改革が考えられるわけでございますが、そのためには教養教育を実現する授業のあり方、あるいは専門教育との有機的な連携のあり方、あるいは全学的な教養教育の実施体制のあり方などについてその大学がそれぞれ独自に考えを進められるべきものと考えます。 したがいまして、教養部を仮に廃止する場合に対応するやり方といたしましては、全学的な再編制によって学部を新設するケースがございますし、大学院を充実していくケースあるいは既存の学部を充実するケース、それから教養部自体を存続するというふうに決めることもあり得るわけでございます。それらはいずれも各大学がみずからの行き方について真剣に検討されて構想が出てまいるものと思っております。
○上山和人君 私は九州の出身でございますけれども、九州の中でまだ教養部が残っている大学がかなりあるんです。この残っている大学の動向を調べてみますと、ほとんど近い将来教養部を改組するあるいは教養部を廃止する方向で今、検討が進んでいると私は把握をいたしております。 したがいまして、平成三年二月八日の大学審議会の答申以降の流れとしては、教養部の改組あるいは廃止をしてさらに教育課程を改革する、この流れはもう全国的な流れになっておりまして、恐らく国立大学から教養部は近い将来姿を消すことになるのではないかと思うわけでございます。 そうしますと、戦後の学制改革によりまして昭和二十四年に今の新しい大学の制度がスタートしておりますから、以来四十数年を経過しているわけでございまして、この時点で教養部がなくなったり、要するに見えなくなるわけでございますから、一般の国民の目には非常に見えにくくなるわけです。一体、大学における教養部は一般教育を担当するところでありますからこれから大学の一般教育はどうなるんだろうかと、極めて国民の関心が高いわけでございまして、これはむしろこれからこそ大学における一般教育の重要性はますます重くなる、大きくなるという認識が私は国民の間に広くあるからだと思うのでございます。 そして、この四十年余りの歴史の中で新しい大学の成果と欠陥と申しましょうか、あるいは長所と短所といいましょうか、そういうものが入念に分析された上で、欠陥、短所があればそれを補うものとして改革の必要が生じたと思うんです。 したがって、局長から簡潔でよろしいですから、この大学審議会の答申以降の大学改革、教育課程の改革、とりわけ教養部の改革の背景について、整理をしてお答えいただけないでしょうか。
○政府委員(遠山敦子君) 大変大きな御質問でございまして的確にお答えできるかどうかでございますけれども、新制大学発足以来、確かに半世紀近くなるわけでございまして、しかしこれまでの間、新制大学が果たした役割は極めて大きいものがあると思います。 一つは、大学の伝統的な使命でございます学術研究の推進の上で数々の貢献をしてまいりましたし、それから複線型から単線型の教育システムへの移行、あるいは大学教育の普及拡大に資したこと、あるいは教員、医師、工学系の技術者などすぐれた人材の育成ということをやってまいりました。これにより今日の日本があるということも言えるのではないかと思うわけでございますが、他方、新制大学のあり方につきましてはいろんな問題もあったわけでございます。 時間がないので詳しく申し述べられませんけれども、やはり特に新制大学の特色とした一般教養を身につけた教養ある市民、そして職業能力も持った人材を養成するという理念があったわけでございますが、特に一般教育の充実ということにつきましては、この半世紀の間に必ずしも充実した形で行われてこなかったという指摘もあるわけでございます。具体的に一般教育の理念を実施するという上で硬直的であったり、あるいは必ずしも十分に機能していなかった側面があるという御指摘が非常に多いわけでございます。 特に近年、学問の進展あるいは社会経済状況の変化というものが著しいわけでございまして、大学のあり方について国民各般からの期待の中身が変化をしてまいっているわけでございます。そのようなことに対応していくために、いろいろ大学の改革をしていただく必要があるということの盛り上がりがあったわけでございます。そのようなことから大学審議会が設置され、平成三年の大きな大学設置基準の改革等につながっていったわけでございます。 先生の御質問に必ずしも十分答えられなかったかもしれませんけれども、戦後の新制大学の理念とした一般教育の充実という点において必ずしも十分でなかった点があったということが今回の一般教育の見直しにつながっているということも言えるのではないかと思うわけでございます。
○上山和人君 今、局長から一般教育の理念を中心としてお答えがございました。いずれこの問題はまた機会を改めて深く論議をしたいと思います。きょうは時間の厳しい制限がございますので。 私は、これからの大学教育の中の一般教育の位置づけなり一般教育の意味を考える場合に、二つの側面から具体的に考えてみたいといつも思っているんです。 一つは、大学に入ってくる学生の問題、学生の状況。つまり大学入試もいろいろ改善されておりまして、なかなか難しいんですけれども、入試科目がだんだん少なくなる傾向にあるんです。そうすると高等学校におきましては、背に腹はかえられませんから入試科目を中心とする受験教育に偏りがちなんですね。そのことによって入ってくる学生にもやっぱり一定程度のレベルについての変化があるんじゃないでしょうか。時間がございませんのでこれはほんの一面しか今申し上げておりませんが、そういう学生たちを迎える大学として一般教育はいかに準備をすべきか、考えるべきかという視点が一つはあるんじゃないでしょうか。 もう一つは、今、四十年余り大学から学生を社会に送り込んできたわけですけれども、その学生たちが卒業して社会人となって生きている生き方を見ながら、果たしてこれまでの大学教育はこれでよかったのか、あるいは一般教育はあれでよかったのかという反すうといいますか、そういう視点から一つの側面としては大学教育の中の一般教育の位置づけなり意味を考えるべきではないかと思いますので、両面から、局長、なかなか時間がなくて難しい問題ですけれども、今までお考えになっていることをお示しいただければと思います。
○政府委員(遠山敦子君) 先生御指摘のように、大学教育のあり方はやはりそこに入ってくる学生の資質なり意識なりというものにもマッチした面がある必要があると思います。特に学部教育におきましてはそのような配慮が非常に大事であろうと思っております。 その意味で、今回の大学改革の大きな柱に教育機能の強化ということをうたっておりますが、これは学部教育のあり方を従来型の一方的な講義形態というふうなことではなくていろんな工夫をすべきではないか。例えば少人数教育をやってみたり、ディベートの機会を設けたり、要するにそれらは一般教育の理念、目標の実現でもあると思うわけでございます。 申すまでもないと思いますけれども、一般教育の理念、目標としましては、各般の学問への幅広い関心を抱かせますとともに、基礎的な理解力あるいは広い視野というものを身につけさせることも大事でございますし、単に知識を広めるということではなくて、物の見方、考え方あるいは判断力、構成力、対話力、表現力といったようなものを身につけさせる、そういう幅広いねらいがあるはずでございます。 そういったことから、先生のおっしゃいました後段の方のこれまでの大学における教養教育のあり方への反省というものが出てまいっている。そういうものを加味して現在の改革というものが進んでいるし、またそうであるべきだと考えております。
○上山和人君 一つの側面のお答えはございましたけれども、これまたいずれ詳細にこの委員会としては分析をする責任があるんじゃないでしょうか。 もう一つの側面として、私は、大学が社会に送り込んできた卒業生の生き方を見ながら、一体あれでよかったのかという視点がなければいけないんじゃないかと思うんです。 これは大ざっぱな話になりますけれども、よくニューでもしか先生という言い方があります。かつて高度経済成長時代の人が余っていた時代は、比較的教職につきやすい時期がございました。したがって、先生にでもなろう、先生にしかなれない、そういう言い方がありました。でもしか先生と言われたんです。ところが、今はニューでもしか先生と言われるようになった。ニューでもしかとは何か。上司の言うことなら何でもする、上司の言うことしかしない、そういう状況をニューでもしか先生という言い方で批判されているわけですけれども、一緒くたにくくって言えば、指示待ち人間と言われているタイプになるんじゃないでしょうか。 そういう傾向、これは全体を律することはできませんけれども、この中にも若い人たちたくさんいらっしゃるので失礼になることもあるかもしれませんが、傾向として若い人たちの間にそういうニューでもしか的な状態があることは私は否めないと思うんです。 送り出した卒業生たちの社会人としてのそういう生き方を見ながら、一体これまでの大学教育における一般教育はどうであったかということも考えてみる視点として大事じゃないかと思うんです。その点についてどうですか。
○政府委員(遠山敦子君) 先ほどもその点について若干触れたつもりでございましたけれども、言葉が足りずに申しわけありませんでした。 今、先生がおっしゃいましたような傾向といいますのは、今の若い人たちを総称するときによく用いられる分析であろうかと思います。その意味ではある程度事実であるかもしれません。確かに指示待ち族と言われたり、命令の中身がわかったときに初めてやる、そういう資質といいますか形ではなくて、やはり自分で考える力を持つ、自分で学ぶ力を持つ、そして個性を持った資質である人たちが世の中に出てほしいというのは社会の大きな要望であると思います。 大学もそういうふうなことを本来ならば先生おっしゃるようによく考えて、そういう人材、そういう傾向を、どのようにして大学教育において本来望まれるような知識あるいは感性あるいは判断力といったものを身につけるかという角度からそのカリキュラムを見直し、そして教員たちがそういう理想に向けて協力し合って教育を展開していくということは非常に大事だと思っておりまして、その意味では、先生のおっしゃっていることについて多くの大学人、きっと心ある大学人たちは皆そういうふうなことを思っておられると思いますけれども、より大きな力としてそういう方向に向かっていけば大変私どもとしても期待するところだと考えております。
○上山和人君 教育の評価は大変難しゅうございますから、何も責任が大学だけにあるわけじゃなくて、高校そして義務教育あるいは幼年時代の教育を含めて、そういう日本の今の教育体系の中で社会に出ていく学生たちがいるわけでございまして、そういう全般について、新しい時代に向かう今ですから、この前の総理大臣の施政方針演説を聞いていましても大変新しいスタンスの決意が表明されたと私たちは思っておりますから、総合的にやっぱりもう少し時間をかけていずれは論議をする機会をつくっていただきたいと思うところです。 でも、わずかの時間でありますけれども、今、私が御質問申し上げて局長が御答弁になりました。それを通してもはっきりしていることが一つだけあると思うんですね。それはこれからの大学教育の中で、入ってくる学生を見る場合にもあるいはこれまで社会に出ていった卒業生たちの姿を見ても、やっぱり大学教育の中で一般教育というのは今まで以上に重要だということについては認識を共有できるんじゃないでしょうか。その点はそういう認識でいいと思うんですが、よろしゅうございますね。
○政府委員(遠山敦子君) 一般教育の重要性につきましては、もうおっしゃるとおりでございます。 ただ、これまでのやり方であった一般教育のあり方でいいかということになりますと、やはりそれは改革を要するということで現在の改革の流れが起きているということについては付言させていただきたいと思いますし、大変恐縮ですが、もう一言だけお話ししたいのは、今、改革に取り組んでおられる大学の例の中では、先生が御指摘になられたようないろいろな問題を解決するようないろいろな非常にいい取り組みがなされているということを一言つけ加えさせていただきたいと思います。
○上山和人君 教養部が改組されるあるいは姿を消すということになると、最初申し上げましたように、なかなか一般の国民の皆さんの目には見えにくいし、わかりにくいことなんですね、はっきり申し上げて。したがって、私は、局長がお答えになりましたように、教養部の改組、一般教育課程の改革というのは、教養部がなくなっても今まで以上に一般教育が充実して学生に履修されるんだということの保証がなければならないし、そのことをもっと深く国民に理解をさせることも必要じゃないか、そんなふうに思います。 そこで、今、局長御答弁のように、私たちはこの前三月十七日に宇都宮大学にお伺いいたしまして、この法律案の中に提案をされているわけでありますけれど池、宇都宮大学の教育課程の改革の実情を直接学長や各部長からお伺いする機会がごさいました。そして、なるほど私たちの心配が本当に吹っ飛ぶような実に見事な、教養部はなくなるけれども、しかし一般教育そのものは今まで以上に充実して、学生に履修させる機構も含めて体制ができ上がっているということを知ることができたんです。これは局長も御一緒でした。こういう改革の資料もそのときいただきました。 私は、こういう真剣な大学側の御努力は、宇都宮大学に限らない、すべての教養部の改組に当たって一般教育課程を改革なさる大学ではどの大学も例外なく宇都宮大学と同じような努力が行われているんだと確信をするわけでありますけれども、やっぱりその保証がなければこの法律案に賛同することはできないと思うんです。 したがって、これからの文部省の責任というのは、大学の自治権との整合性の範囲で、やっぱり私たちは法律に責任を持つ立場でありますから、法律を改正していくなら大学のこういう努力は今後とも引き続き引き継がれなければならないし、より強化されるべきであるという観点で、これからの文部省のフォローアップの責任が非常に大きくなるんじゃないか。 私は、大学の自治権との整合性の範囲でと、これは大事なことですから申し上げるんですけれども、その範囲で非常に大きな責任が文部省にもあると思いますので、最後に文部大臣からそのことへの決意をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(赤松良子君) もう先生のおっしゃることに全く賛成でございまして、まず大学の自治ということは大事、しかしそれを侵さない範囲で文部省がよく方針を考え、またフォローアップをするということが非常に重要なことだと実感をいたしております。 実は、私は一般教養をちょっと女子大で教えておりました。こういうものがなくなるというその時期に、これは私立てございますけれども、国立と軌を一にして一般教養教育のあり方が見直されている時期でございまして、教養がなくなるなんておやおやと思ったこともございました。 でも、よく考えてみると、何も教養教育が必要でないなんてだれも言っているわけでもないし、大学の当事者もそういうふうには決して思っていないわけで、専門教育とうまく組み合わせてより豊かな教養教育をするということを目指しておられるのだというふうに今や理解をいたしておりまして、先生、今、宇都宮大学の例をお出しになってくださったんですが、残念ながら私はその大学には伺っておりませんけれども、そういうふうに工夫がされているということで大変勇気づけられている次第でございます。ほかのところでもぜひそういうふうであっていただきたいと思い、かつ文部省がそういう方向で御協力ができるようにというふうに願っている次第でございます。
○上山和人君 今の大臣の決意の表明を理解いたしますので、本法律案に賛意を表明しまして、質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○橋本敦君 今回の国立学校設置法改正によりまして、宇都宮大学と岡山大学で教養部が廃止されて新学部が設置をされることになるわけですが、この改組に伴って真にその目的が達成されるように若干の問題点を感じておるところがございまして、それをぜひ文部省の方の御意見も踏まえながらフォローアップをしていただきたいという期待を込めて質問をさせていただくわけであります。 といいますのは、教養部に所属しておられる教官が新設学部及び既設学部等に分属することになるというお話を伺いました。ところが宇都宮大学の場合、伺ってみますと、既設学部に移る教養部教官の研究室のスペースが十分確保できるのかという面で、当面それはなかなか困難でそう簡単にスムーズにいかないという事情があるということも聞きました。 一方、岡山大学の場合ですが、教養部の施設には実験研究に対応できる施設設備というものは、これは教養部の性質からもそうでしょうが、ないわけですね。ところが新設される環境理工学部というのは、これは実験系学部ですからそういう設備がぜひとも必要になる。この環境理工学部も、当面は既存施設の有効活用ということしかやれないということで現在の教養部校舎を利用しながらやるようですが、実験系学部の教育研究活動に本当にふさわしい設備が早く整えられなければならないという課題があります。 ですから、この法案が成立してもそういったことが予算上の措置及び具体的な設備の改善前進としてフォローアップしてまいりませんと、仏つくって魂入れずといいますか、所期の目的が達せられない。こういう問題で、文部省としても大学のこうした課題の改善のための要求に沿った予算措置というものが来年度いよいよ必要になってくるかと思うんですが、そこらについてどのようなお考えでいらっしゃるのか、伺わせていただきたいと思います。
○政府委員(遠山敦子君) 先生お話しのように、新しい学部ができたときにそれぞれの学部のねらいあるいはカリキュラムの内容に応じた施設設備が整えられるということは大変大事なことでございます。両大学ともに時代を見据えた中身のある改革の構想でございますので、私どもとしても施設設備の面についても十分配慮してまいりたいと思っているところでございます。 具体的に研究室がどう、あるいは実験の場所がどうというところまで今、詳しくお話しすることはできませんけれども、宇都宮大学と岡山大学の新学部につきましては、旧教養部棟など既存の施設の活用あるいは新規の設備費の措置によりまして平成七年四月からの学生受け入れに支障のないよう対処することといたしております。とにかくこの法律を上げていただきまして設置することを認めるということを決定していただきませんと、次の概算要求で大きな予算要求をすることができないわけでございます。 これからのやり方といたしましては、大学とも相談しながらより充実したものとなるようにさらに必要な経費の確保に努力してまいりたいと思いますが、設備費につきましては、特に実験系を持ちます岡山大学の新学部関連としましては、年次計画によりまして一億七千五百万円を当面予定いたしておりますし、宇都宮大学につきましては設備費二千四百万円ということで、私どもとしても最善の努力を払っておりますが、今後ともさらに努力をしてまいりたいと思っております。
○橋本敦君 それでは今後とも一層の努力をお願いしておきます。 次に、若手研究者の問題に話を移したいんですが、それといいますのは、五月一日、メーデーの日ですが、夜にNHKの報道スペシャルがございまして、そのテーマが「「求む・若き頭脳」工学部研究室の危機」、こういう題でございました。私も文教委員の一人でございますので、これは見なくちゃいかぬなという思いで見たんですが、見て本当によかったと思うんですね。これを見まして、我が国の今の研究実態から、これは予算上の大学の設備改善はもちろんのことながら、将来国家百年の計を考えましても、基礎的な科学研究の充実ということについて人材の養成が本当に大事だということを痛感をいたしました。 これはちなみにの質問ですが、文部大臣、これをごらんになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(赤松良子君) 残念ながらそのプログラムは見ておりません。
○橋本敦君 ビデオがありましたらぜひ一遍ごらんいただきたいと思うんですね。欧米諸国に比べまして我が国の大学院生が少ないことは言うまでもないんですが、後継者を育てる、大学研究室でもスタッフをそろえるということが各大学で今、非常に困難になっている一つの要因として、院生の研究及び生活条件が極めて厳しいという問題があるということですね。これはNHKスペシャルでも具体的に出ておりました。 こうした原因についてどう改善していくかということでいろんな課題があるんですけれども、大学院生というのは、同世代のほとんどの若者が就職をして自立した生計を営む年代に入っているんですが、依然として院生は学費を払わなきゃなりません。そしてまた、本人や両親の年齢を考えましても、親に経済的な依存をいつまでも続けるということが困難な状況が親も老齢化いたしますから出てくるという、そういうジェネレーションに属してくるわけで、したがって大学院の重視を政府が言うならば、この院生の研究生活及び具体的な生活の支障となる問題の改善のために奨学事業や授業料免除の制度の充実拡充ということは差し迫った急務になっているんじゃないか、私はこう思うわけですね。 ちなみに、全国大学院生協議会が昨年の十二月十九日にまとめたアンケート調査結果を見ますと、現在の生活の経済状態で大変苦しいというのが二一%、苦しいというのが四七%、合わせますと六八%ですから、七割近くが厳しい生活条件に耐えながら研究活動に従事していることがわかりますね。 これを英仏等に比べてみますと、NHKスペシャルでも一部出ておりましたけれども、大変な違いがございまして、基本的には授業料は無料だというところがあるし、奨学金そのものが生活費として給付制で丸々もらえるということがございます。特にフランスではドクター二年以上になりますと大学卒初任給にふさわしい研究助成費が給付されるということを聞いておりますし、カリフォルニア大学では全院生に対して四十八万円の奨学金が、これはもう全院生です、出されるということです。 ところが日本の場合は、院生になりますと、初年度、入学金と授業料で納付金が七十万円要る。正確には七十万七千六百円ですが、これを払わなくちゃならない。しかも、奨学金といえども貸与制である上に、ドクターでもその金額は月額十万六千円というわずかなものだと、こうなるわけですね。貸与率も非常に少なくて、修士課程で二五・七%、ドクターコースで五六・四%、これは九二年度ですが、そういう状況だというように伺っております。 こういうわけですから、これの充実ということについては一つは貸与率を引き上げるために枠を広げなくちゃならぬ。それから貸与の金額を引き上げるということを工夫しなきゃならぬ。それからもう一つは、貸与制ではなくて給付制に移行することを真剣に考える、そういう時期に差しかかっているんじゃないかというように思うんですが、こういった問題について文部省としてはいかがお考えでしょうか、伺わせていただきたいと思います。
○政府委員(遠山敦子君) 大学院生の生活が大変苦しい、こういうことに対していろいろ援助すべきではないかというお話でございます。 私どもといたしましてもいろいろ努力してはいるわけでございますけれども、まず給費制はどうかということについては、日本育英会の奨学金は、制度創設以来、返還金を後進育成の資金として循環運用する貸与制をとっているところでございまして、給費制にするということは財政上の大きな問題がございます。 ただ、私どもも、今後における育英奨学のあり方はどうあったらいいかということで調査研究会を設けまして御議論いただきまして、その報告が昨年六月に出たわけでございますが、博士課程の学生が経済的に安定した状況で勉学に専念できるようにするということは大変大事だけれども、近年の厳しい財政状況のもとで当面は貸与制を維持しながら、返還免除制度の弾力化、あるいは貸与人員、貸与月額の一層の充実を図っていくことが適当であるという報告をいただいたわけでございます。それによりまして、平成六年度におきまして大学院学生の急増に対応しまして量的拡充を図ろうということで、平成六年度予算案におきましては博士課程千五百人、修士課程二千人、計三千五百人の増員を図ることといたしております。 今後ともいろいろな形で院生の生活について考えていかなくてはならないと思いますが、これ以外にも例えばティーチングアシスタントの制度の導入をいたしておりますし、またちょっと趣旨は違うのでございますが、日本学術振興会の特別研究員制度、これは給費制でございますが、これについても着々と増員が図られているということでございます。
○橋本敦君 一層の努力をこの点ではお願いする以外に当面はないんですけれども、民間企業の方の研究所にどんどん優秀な人材が行くという傾向があって、大学の研究室に残るというのが非常に少なくなってきている、本当に大変だということを私はこの間のテレビを見て痛感をして、そういった話は聞いておりましたけれども、改めて切実な問題だというふうに思ったんですね。 次に、奨学金の問題じゃなくて授業料の免除の問題ですが、これは国立学校設置法十二条に規定がございまして、これが根拠になって費用の全部、一部の免除あるいは支払い猶予という措置がとられるわけです。これについて、大学院生の場合にその年齢等からいって配偶者がある場合が当然出てくるんですが、そうした場合に親の経済状態を考慮するということも、これは本人の実態を正確に見る上で親の経済状態いかんにかかわらず見てやってほしいと思うんです。配偶者の問題についても、配偶者に収入があるからということでこの規定を弾力的に運用できないということではちょっと硬直過ぎるんではないか。 同じような問題が奨学金の貸与基準についてもあるのではないかという感じがしておりますが、合理的な運用ということでお考えいただいている面があるでしょうか。
○政府委員(遠山敦子君) 授業料免除制度の家計基準につきましても、大学院生の置かれております家計状況等を総合的に勘案いたしまして、大学院につきましては平成六年度から、親から独立していると認められる者につきましては本人の収入で判断する方法に改定したところでございます。これは既にことし三月十七日付の局長通知で明らかにしているところでございます。これによりまして免除率の改善も進むものと考えております。 また、院生に対する奨学金貸与基準でございますけれども、配偶者のいる場合はどうかというお尋ねかと思いますが、配偶者がいるという場合には特別の事由があるというふうに認めまして弾力的な運用をする、あるいは研究能力が特にすぐれているというような人に対しましては普通の収入基準額にアローアソス、許容範囲を設けまして、もとの額の三〇%以上までは認めるということでございまして、かなり弾力的に扱えるようになっているところでございます。
○橋本敦君 わかりました。 それでは、もう時間が迫ってまいりましたので、最後に国立大学の授業料について質問をさせていただいて終わりたいと思います。 去る四月八日に政府の物価問題に関する関係閣僚会議がございまして、文部大臣も御出席になったと思うんですが、その後記者会見をなさって文部大臣自身が、公共料金の取り扱いに関する基本方針に関連をした御発言と思いますけれども、今後の国立大学の授業料、入学金の改定方法に関して、これまで授業料と入学金を交互で上げてきたということ、このパターンを見直すことも含めて検討しなくちゃならぬ、そしてまた同時に、教育費の負担というのが少子化の要因、つまり親の負担が大きくなりますから子供が少なくなっていく、そういう分析もあることだから大きな幅で引き上げることは問題だという御発言をなさっていらっしゃるのを拝見いたしました。私もそれは基本的には全く同感でございます。 実際問題としてその点について、大学生のいる世帯の月平均教育費が一体どのくらいになっているかということは厚生省の国民生活基礎調査でも明らかになっておるところでございまして、一言申し上げますと、高等専門学校、短大、大学に通学する下宿生を持つ世帯では、授業料のほか生活費を含む平均仕送り額が一・一人当たり十六万円、こういう額になっているんですね。だから平均で一カ月十六万円子供に送らなくちゃならぬという親の負担も大変なことでございまして、その点、教育費を支出している世帯というのは大変苦しいという数字が厚生省のこの調査でも一九・六%、やや苦しいが三四%、合わせますと半分以上の五三・六%が苦しいということが国民の声として出ているわけですね。 したがって、こういったことを考えますと、大学の授業料というのはことしは値上げは反対と私ども言っておったんですが、授業料の引き上げは今後ともやはり抑えて、学費はできるだけ抑えていくというのが日本の教育問題では依然として重要な課題であろう、こう思っておりますが、この点について大臣の所見をお伺いして質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(赤松良子君) 私も実は授業料を安易に上げるとかあるいは大幅に上げるとかというのはいかがなものかというふうに思っておりましたので、物価問題に関する関係閣僚会議でちょうど公共料金を上げる場合には国民生活に及ぼす影響もよく考えて厳正にという方針を出され、やむを得ないものに限る、時期や改定の幅もよく考えなきゃいけないという方針でございますから、これは私としては大変納得できる内容だと思ったわけでございます。 その日のその直後に総理が例のやめられるということで辞意を表明されまして、これが同じ日でございまして、それで私はびっくりしたんですが、今、この閣僚会議の結論につきましては内閣がかわろうが生きているものというふうに私は理解しておりますので、あのときに記者会見で申しましたことも変える必要がないというふうに思っております。 安易に何かパターンだからというのではなく、本当に必要な値上げはそれは仕方がないかと思いますが、その幅も今までこうやってきたからなどというのではなく、よく考えて値上げをする場合にもするという方向でいきたいものだとふうに考えております。
○橋本敦君 終わります。
○委員長(石井道子君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井道子君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。——別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 国立学校設置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石井道子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井道子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十四分散会 —————・—————