農林水産委員会 第4号
- 発言数
- 45 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1994/04/27
会議録
○委員長(浦田勝君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告をいたします。 三月二十九日、高崎裕子君が委員を辞任され、その補欠として林紀子君が選任されました。 また、三月三十日、穐山篤君及び櫻井規順君が委員を辞任され、その補欠として村沢牧君及び三上隆雄君が選任されました。 —————————————
○委員長(浦田勝君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任いただきたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浦田勝君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に林紀子君を指名いたします。 —————————————
○委員長(浦田勝君) 保安林整備臨時措置法の一部を改正する法律案(衆第八号)を議題といたします。 まず、提出者衆議院農林水産委員長竹内猛君から趣旨説明を聴取いたします。竹内君。
○衆議院議員(竹内猛君) ただいま議題となりました保安林整備臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及びその主な内容を御説明申し上げます。 現行の保安林整備臨時措置法は、昭和二十八年の大災害を契機に、山地災害の防止を主目的として保安林を計画的に整備するため、昭和二十九年に制定されたものであります。その後、森林の水源涵養機能、山地災害防止機能、保健休養機能等の発揮に対する国民的要請等に対処して保安林の整備を促進するため、昭和三十九年及び四十九年にはその有効期間が延長され、さらに昭和五十九年には、その有効期間が延長されるとともに、機能の低下している保安林について所期の機能の回復を図るための措置が講ぜられ、今日に至っております。 しかしながら、最近における都市化の進展等に伴い、山地、山ろく地帯での開発が進んだ地域等においては、より小規模な山地災害の防備の必要性が高まっており、地域住民の安全性の確保等の観点から、保安林の早急な配備が必要となっております。 このため、本案は、保安林の整備を緊急かつ計画的に進めることとし、保安林整備臨時措置法の有効期間を平成十六年三月三十一日まで延長しようとするものであります。 以上が本案の提案の趣旨及びその主な内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いを申し上げます。
○委員長(浦田勝君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○井上吉夫君 竹内委員長、大変御苦労さまでございます。 申し上げるまでもなく、我が国は極めて急峻な地形と降雨量の多い国であります。したがって、自然を守るということが極めて困難な地形の中にありながら、恐らくは世界でも一、二を争うような森林国になって、そして国土が保全されている。そういう中で果たしてきた保安林整備事業というのは、これは今後も続けていかなきゃなりませんけれども、関係者の努力によって今日があるということを考えますと、私どもはこの国土をお互いにしっかり守っていかなきゃならぬという気持ちを深くするものであります。 提案理由の中にも述ベておられますように、戦中戦後の森林の過伐等によって山地が大変荒れてまいったという状況のもとで、昭和二十八年には特に西日本に連続して大災害が発生したことを契機として、緊急かつ計画的な保安林の整備を進めて国土の保全に資することを目的として制定されたのが保安林整備臨時措置法であり、その後、十年間の限時法として四回延長されて今日に至っているということは各位御承知のとおりであります。 そこで、この機会に改めて、昭和二十九年から始まりました保安林整備臨時措置法の各期ごとの特徴といいますか、そういうものを振り返って、このことは事務方の方がいいと思いますから、林野庁長官に各期ごとの保安林整備臨時措置法のそれぞれの特徴と実績といいますか、そういうことについて一通り説明をしてもらいたいと思います。
○政府委員(塚本隆久君) ただいまお話にもございましたように、昭和二十九年に十年間の限時法として保安林整備臨時措置法は制定されたものでございますが、その後、保安林をめぐる社会情勢等の変化に対応するため、昭和三十九年、昭和四十九年及び昭和五十九年の三回にわたりましてその有効期限が延長され、今日に至っております。 その間、第一期、二十九年から三十八年まででございますが、第一期には災害の防備を主たる目的とした保安林の整備が促進されました。それから、その後の第二期には、我が国経済の高度成長による水需要の急激な増大に対処いたしまして、水源涵養保安林の整備を中心とした保安林整備が促進されております。さらにその後の第三期には、都市化の進展、生活環境の悪化や森林レクリエーション需要の増大に対処いたしまして、保健保安林等の整備が促進されております。そして第四期、この十年間でございますが、機能の低下した保安林が増大したことを踏まえまして、特定保安林制度を創設し、約五十三万ヘクタールの特定保安林の指定等を通じて保安林の質的整備を実施するとともに、地域の実情に即したきめ細かな保安林の配備を行ってまいったところでございます。 これらの措置によりまして、昭和二十八年度末には二百五十二万ヘクタールでありました保安林の面積は、平成四年度末現在で森林面積の約三割、国土面積の約二割に当たる八百三十六万ヘクタールに達するなど、全体的にほぼ当初の目的を達成する等、相当の成果をおさめていると考えております。
○井上吉夫君 これまで保安林整備計画に基づきまして保安林の整備が行われ、今塚本長官の説明のように相当の成果をおさめてまいったと見ることができると思うんですが、一方では異常な降雨量等気象の大変な激変等もありまして、昨年発生した鹿児島県等における災害に見るように、依然として山地災害が発生する状況がなかなかに改善されておりません。 このような状況にかんがみ、今般、保安林整備臨時措置法の一部を改正する法律案が提出されたところでありますが、現在の保安林をめぐる情勢をどのように認識し、今回の法律案の提出に至ったか、法律改正の趣旨について御説明を願いたいと思います。
○政府委員(塚本隆久君) 最近における国土の開発、都市化の進展等に伴いまして、山地、山ろく地帯での開発が進んだ地域等におきましては山地災害の発生の危険が高まっておりますし、また、交通・通信網が全国に広がることによりまして、より小規模な山地災害の防備の必要性も増大して。きております。 さらに、良質な飲用水の確保、身近な緑の保全等に対する国民的要請が高まってきておるわけでございまして、こうした事態に対処するために、保安林の早急な配備が必要となっておるところでございます。 また、林業をめぐる厳しい環境のもとで、適切な施業及び管理が行われずに機能が低下している保安林が依然として存在しており、山地災害の発生等を未然に防止するためにも早急にその機能を確保する必要があると考えております。 このため、山地災害の防備に重点を置きまして、良質な飲用水の確保や身近な緑の保全等にも配慮しつつ、保安林の配備を緊急かつ計画的に進めるとともに、機能の低下した保安林の早期解消を図る必要があると考えております。 このため、保安林整備臨時措置法の有効期限を平成十五年度末までに延長するものでございます。
○井上吉夫君 それでは、最近の山地災害の発生状況がどうなっているのか、さらに山地災害の防備のために今後保安林整備をどのように進めていくつもりか、お尋ねをしたいと思います。
○政府委員(塚本隆久君) 我が国におきましては、近年、国土の開発、都市化の進展等に伴いまして従来にも増して山地、山ろく地帯に人家、道路等が増加し、山地災害の発生の危険性が高まってきております。また今日、交通網や情報通信網が国土全域に張りめぐらされておりますことから、小規模な土砂崩壊等であってもその機能の一部損傷が全体の機能低下に結びつくという脆弱性も有しております。 このような中で、最近の我が国における自然災害の被害は、平成二年の阿蘇・竹田地域における豪雨災害、平成三年の大分県等における台風十九号災害、平成五年の鹿児島県等における豪雨災害に見られますように、林地崩壊等が人家、道路等を直撃しまして、人命、財産が失われるような災害が後を絶たない状況にございます。 こうしたことから、山地災害の未然防止を図るために、災害の危険性の高い地域等、必要な箇所に保安林を適切に配備するとともに、機能の低下した保安林につきましては、特定保安林制度に基づきまして所要の整備を行い、その早期解消を図っていく考えでございます。
○井上吉夫君 最近、水道水源の水質の悪化が懸念されるなど、安全で良質な飲料水に対する国民の要請がとみに高まってきております。 そこで、水質保全に配慮した保安林の整備をどのように図っていくつもりなのか。同時に、身近な緑の保全等の環境の問題が強く叫ばれてまいっております。今後、これに対応して保安林制度としてはどのようにこのことに対応していくつもりか、このことについてのお答えを願いたいと思います。
○政府委員(塚本隆久君) 近年、国民の安全でおいしい水に対する需要の高まりに対応いたしまして、次期保安林整備計画におきましては、特に施設の脆弱な簡易水道等の取水口の上流部の森林等におきまして干害防備保安林等の指定を促進するなど、水質保全機能の維持、高度発揮に努めてまいりたいと考えております。あわせて、必要に応じ治山事業等を適宜実施いたしまして、水質保全に資することにいたしたいと思っております。 また、国民の間で身近な緑の保全が強く叫ばれるとともに、景観の保全や野生鳥獣の観察等に対する要請も一層高まっておりますので、こうしたことに対応すべく保健保安林等の指定を促進し、また必要に応じ治山事業等を実施していく考えでございます。
○井上吉夫君 そこで、今後の保安林整備につきましては、保安林整備計画を第五期に見合った形で計画をつくり上げて、それに基づいて実施されていくということになろうと思うのですが、次期の保安林整備計画の内容をどのように考えておられるのか、お答えを願いたいと思います。
○政府委員(塚本隆久君) 保安林整備計画につきましては、平成六年度以降四年間で全国二百十八の流域別に計画を策定するために必要な調査を実施いたしまして、中央森林審議会の意見を聞いて逐次改定を行っていくことといたしております。 保安林整備計画の主な計画内容でございますが、一つは災害の多発に対応した土砂流出防備保安林等の緊急かつ計画的な配備を図るということ、それから、水質保全対策を強化するために水質を保全する保安林、具体的には水源涵養保安林、干害防備保安林でございますが、これの指定を促進してまいりたいと考えております。特に簡易水道上流における保安林について、緊急かつ計画的な配備に努めてまいりたいと考えております。あわせて、水質を保全する保安林につきましては伐採方法を択抜、いわゆる抜き切りとする等の指定施業要件の整備も行ってまいりたいと考えております。 それから、環境の保全に配慮した身近な緑の保全等を目的とする保健保安林等の指定についても促進してまいりたいと思っております。 それから、社会環境の変化に対応いたしまして保安林の解除、指定がえ、こういったことも計画をいたしたいと思っています。 それから、最後でございますが、特定保安林制度等による機能の低下した保安林の緊急かつ計画的な整備を実施してまいりたい、このように考えております。
○井上吉夫君 前期の法律改正のときに、特定保安林という形で十分機能してない保安林について特別の力を入れていく必要があるということをつけ加えられまして、既に五十三万ヘクタールぐらいの特定保安林が指定をされて急速な整備にかかられている。これも引き続き今期も力を入れてやっていくということでありますが、今、保安林、とりわけ特定保安林という場合は、率直に言えばもうどうにもならないほど人手も足りなければ状況もよくないというところ、そういうところを何とかしなければならないということで特定保安林というのを制度としてつくられたわけでありますから、今日本のこれまで整ってきた山を維持するのも大変な時期に、本当に指定したはいいけれども、それを維持していくということが言うほどうまくいくんだろうか、単なる勧告だけでそういう山が立派に保持できるのであろうかということを懸念するわけであります。 幸いなことに、自治省が地方財政措置の中で、必要な山林等について県を含めて関係市町村等が公有林として買い取って、そして経営移譲をやっていくという場合は、購入費も財政力に応じてかなり面倒を見るということと、それから、それを維持することについても経費のかなりな部分を財政的に面倒を見るということを林野と国土と自治省一緒になっていろいろ検討された上で去年からこの制度が生まれております。同時にまた県の林業公社なり、いわば幾つかの林業の組織体がこういう場合にそれに対応するというような事業の展開をしております。 この際、一つ一つその内容を聞こうとは思いませんが、せっかく特定保安林として指定をして、ほったらかしておったらだれも手をつけないというそういう株分については特別の力を入れて、この制度が十分にそのねらいを発揮するようにひとつ頑張っていただきたいと思います。 保安林のこの整備計画に基づく執行は、一方では治山事業としてその保全のための対策を打つと同時に、もう一つは、その上にどういう山を育てていくかという人の力が、とりわけ山村の林業関係者の力が加わっていかなければ、この制度を立派に維持することはできないと思います。先ほども申し上げましたように、極めて急峻な地形でありながら日本は二千五百万町歩の山が生々と育ちつつある。しかし、今の材価と、そして林業を取り巻く諸般の情勢から見た場合に、果たして今の山がそのまま維持できるだろうか、伐採した後必ず植林してくれるだろうかと、そういうことを懸念する一人であります。 したがって、そのことを考えますと、この国民生活に重要な役割を担っております保安林を実際に管理している林業者が、現下の林業をめぐる厳しい情勢に対応して大変な苦労をして山を守っている。一この前いただいた林業白書によれば、昭和三十九年ないし四十年のころの造林の利回りは六・三%である。ところが今〇・九%の利回りということが示されております。〇・九%の利回りで、だれに林業に力を入れてくれということを言える人がいるでしょうか。そして、言葉でどんなに言ってもとても林家の意欲を奮い立たせることは無理だと思います。したがってこの際は、可能な限り国民全部の財産だというそういう認識や評価を高めながら、今あります査定係数をできるだけいい姿で確保して、若干でも高い補助率でもって山が維持できる、そういうことにもっともっと力を入れていく必要があるというぐあいに考えるわけであります。 簡単で結構でございますが、このことに対する私の考え方に対して、とりわけ林野庁長官の決意あるいは認識というものを聞かせていただければありがたいと思います。
○政府委員(塚本隆久君) ただいまお話もございましたように、保安林の整備を担っている者は森林所有者等林業に直接携わっている者でございますが、これら林業者をめぐる最近の状況は、造林費等経営コストの増大、山村の過疎化を背景とする林業従事者の減少、高齢化の進展等、大変厳しいものがあるわけでございます。林業をめぐる諸情勢が一層厳しくなる中ではありますが、やはり森林所有者が通常の施業を実施することにより機能の回復が図り得る森林、そして将来は一定の林業収益を期待し得る森林につきましては、国としても最善の助成を行う中で、森林所有者みずからの手で整備を図っていくということが重要であると思っております。 こうしたことで、国といたしましても、保安林の整備につきましては治山事業の実施のほか造林補助事業あるいは税制・金融上の優遇措置を講ずる。こういったことにあわせまして、さらには林業事業体の体質強化でありますとか、機械化の促進等々につきまして積極的に努力をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○井上吉夫君 世界的に緑の資源を保持することの大事さが言われているさなか、日本は約一千万町歩の人工林を含む二千五百万町歩の山を持っております。既にかなりな部分が成熟過程に入って、年間七千万立方の成長量があると言われております。今伐採をしております日本の年間の伐採量というのは三千万立方に足りません。自給率でいうならば二五%を割っております。成長分量だけ切っていって、自然をずっと資源を保持しながら国民生活に寄与するということを続けていき、林家もまたそのことを通して意欲を持って林業を業として成り立つようにするというそういう状態をつくっていくならば、世界全体のためにも私は日本が貢献する道の一つであるというぐあいに考えるわけであります。 そのことを一方で考えながら、まさに国産材時代に入ったと言われる状況の中で、なかなかに林業が業という姿に伸びていかない今日の状況をどう我々はとらえていくべきかというそのことをしっかり考えながら、そのことを通して私はやっぱり山をもっともっと有効な形で守っていくということにつながるということを強調しておきたいと思います。 ここで私は、森林保険制度について最後にお尋ねしたいと思うんです。 というのは、農業の分野でも御承知のとおり農業共済制度が極めて整っております。国が再保険を引き受けておりますと同時に、掛金助成や事務費助成の措置が講じられておって、昨年の冷害に際しましても農家の経営に大きな力を発揮してまいりましたことは御承知のとおりであります。ところが、森林保険制度について内容を見てみますと、それと比べて極端に見劣りがするという状況にある。 九州の森林は、昨年や平成三年の十九号台風によって大きな損害をこうむって、まだまだほとんどが回復していないという状況にあります。被災した森林を復旧し整備するのも大変な御苦労でありますが、何しろ何十年にもわたって森林に投資し手入れをしなければならない産業でありますだけに、この材価の低迷や人夫賃の高騰などを考えてみますと、農業以上に手を加えていかなきゃならぬ、国の助成が必要だ。もし、こういうせっかく育った山が一たん大変な台風災害でも受けた場合は林家はもうそれっきりで、林業経営の意欲を失ってそのまま日本の森林の荒廃につながるというぐあいに私は心配するわけであります。 森林を荒廃から守るためには、災害が発生した場合でも林家が意欲を失わずに経営を維持し、森林を復旧できる体制を整えなければならない。もちろん現在、災害復旧事業や造林補助事業等があります。しかしこれだけでは、長年育成してようやくかなりの所得になろうとするときに、それこそ全く無価値になるだけでなくてその復旧に新しい投資が要るという状況を考えますと、どうしてもこの際、これらの損失を補てんする保険制度を林業の分野にしっかり確立するということは、先ほど農業の事例で申し上げた以上に大変な長期間を要するということと、林業を取り巻く諸情勢から見て私は喫緊の問題だと考えるわけであります。 先ほどちょっと触れましたように、日本の森林は資源の成熟過程に入っている。異常気象の発生と相まちまして大規模な森林災害が発生しやすい状況にあるにもかかわらず、現在の森林に関する保険制度においては、御承知かと思いますが、全国森林組合連合会が行う森林共済事業、これには異常罹災対策がありません。したがって、大災害が発生した場合は、その安定的な経営という立場から見て今やっております全森連にはそれだけの能力がありません。また、一方では国営保険というのがありますが、これはたしか新植十年間だと思います。こっちのほうはまあまあの黒字経営だと聞くわけであります。 従前から、この二つの山に対する保険制度を一本化してもっともっと効率的な運営をしたらどうかということとあわせて、途中で触れましたように、大きな災害を受けた場合の再保険制度というものを組み入れたそういう保険制度が林業の分野にもぜひとも必要である、しかも、それはもう待ったなしに今直ちに必要な制度であるというぐあいに私は思うんです。それがなければ、今日まで戦後営々として築いてきたこの美林は、立っている間はいいでしょうが、伐採した後、本当にまた植えて育ててくれるだけの意欲を林家に求めることができるだろうか。そうなった場合の日本の林業や森林や国土というものを考えるならば、ひとり林家の問題として片づけられる種類のものではない。もし、このことを早急に制度化することを怠るならば、きょう答弁をしてくれました林野庁長官はその責めが問われかねない。 残念ながら、今新しい内閣ができておりませんから担当大臣は現在おられませんけれども、省を挙げて私はこの問題とは取り組んでほしい。そして、早急な結論を出して、今申し上げましたように再保険制度をしっかり組み込んで、しかも、生産に向けてのもろもろの補助制度がありますが、国営保険と全森連共済との一元化ということによってもう一つ大事な災害を受けた場合の補償制度というものをぜひ確立する必要がある、このことについての見解を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(塚本隆久君) 森林の整備と林業経営の安定を図るためには、森林に関する保険制度の充実が必要でございます。我が国の森林は資源構成が成熟しつつありますけれども、そうした中で、平成三年の台風災害に見られますように甚大な被害をもたらす災害が発生をいたしております。森林に関する保険制度は、このような場合に森林所有者の損失を補てんし、森林の維持培養を助ける役割を担っておるものでございます。 しかし、この制度につきましては、現在、加入率が低いこと、国営保険と全森連共済が併存し事業運営を効率化する余地があること、平成三年の台風災害によりまして全森連共済に多額の赤字が発生していること等の問題があります。このため、災害によって林業の再生産が阻害されることを防止するとともに、林業経営の安定を図る観点から森林に関する保険制度の充実をぜひ行っていく必要がある、このように考えております。 現在、関係団体、関係機関等と諸問題の解決に向けて調整を急いでおるところでございますが、早急にその結論を出してまいりたいと考えております。
○野別隆俊君 私は、今井上議員からお話がございましたように、森林の重要性というものはもうここで長々とお話しする必要もありませんが、保安林制度が始まったのも、昭和二十八年の大災害、この災害を受けて初めてやっぱり山が災害防止に非常に重要な役割を果たすということがわかって、二十九年度からこの制度がつくられてきたものだと思います。特に、山はみずからの生産による売り上げをある面では目標としておりますけれども、国土の保全、水源の涵養、生活環境の保全、さらに多目的な公益的機能を果たしているわけであります。ところが、そういった公益的な機能を果たしていることが国民全体にどれだけわかっているのかということであります。 水源税が不成功に終わりましたけれども、山は依然として厳しい状況にあります。昭和四十年前後には日本の山に四十四万人の働く労働者がおりました。平成三年には十一万人に減っているのであります。山の面積は依然として変わっていない。国土の六七%は山でございます。そして、約二千五百万ヘクタールの山を四十四万人で守ったものが今度は十一万人になっている。しかも平均年齢は、御案内のとおり四十年前後は三十七、八歳でありました、山で働いている労働者は。今は五十九歳前後が日本の山の平均年齢になっているのです。しかも、今の推測でいくとこれから若い人がほとんど入りません。後で数字のはっきりしたものを出していただきたいと思いますが、私どもが新聞等で見る限りでは、ことし入った若い労働者は百二十名前後であります。このままでいくならば、西暦二〇〇〇年、あと六年後には日本の山で働く労働者は六万人になるであろう。 さっき長官は答弁の中で、何とか個人の山は個人で守っていくような体制をつくっていきたいと。とてもこれは守られる状態じゃないのです。しかも、自給率からいきましても、昭和四十年前後には七〇%の自給率でありました。昨年は既に自給率は二五%に落ちている。こういう現実の山の状態をどう国民に、これは林野庁だけの問題じゃありませんが、国を挙げてはっきり山が大事だ、公益的機能も一年間に三十九兆円、国民にこれだけの公益的な役割を果たしているんだ、こういうことをもう少し国民にわかるような形で、林野庁としてもその先鞭をつけていろんな形で宣伝していく必要があるのではないか。まずはそのことについてお尋ねをいたします。
○政府委員(塚本隆久君) 森林に対する国民の期待、要請というのが、従来の木材生産や国土保全といったものに比べまして、自然保護の問題でありますとか森林レクリエーションの問題でありますとか、あるいは森林教育、そして最近では地球環境問題まで大変幅広く大きくなってきていると考えております。そうした森林に対する国民の期待が大きくなっている反面、それを守り育てていくべき山村とかあるいは林業、こういったものは大変厳しい状況にあるわけでございまして、国民全体の理解と協力を得る中でこうした問題を打開していかなければならないと考えておるところでございます。 そういった観点に立ちまして、森林について、国民生活にとって極めて重要なものであるといったPRを私どももいろいろと手がけておるところでございまして、例えば、従来から水源の森フォーラムとか森と湖に親しむ旬間、こういったものにおける講演会を開催いたしまして広く国民にPRをいたしております。また、保安林等に関しましては解説板を設置する、あるいは最近制度化されました森林インストラクター制度、こういったものを活用いたしまして森林教室等を開催いたしておるところでございます。また、国民の皆様から御寄附をいただいて現在造成中でございます緑と水の森林基金、この森林基金の運用益によりまして緑の少年団、こういったものを育成したり、あるいは緑化に関する民間活動グループの育成に努める、あるいはまた国土緑化の推進についてのいろいろな催しを開催する等々、いろんな立場で森林の重要性につきまして国民の理解を得るように努めておるところでございます。
○野別隆俊君 私は、井上さんからさっき質問がございましたから前段の四十年間については特別申し上げませんが、これから十年間保安林の整備計画を進めていかれるわけでありますが、この点について、今までとこの点が変わりますよと。 私は、ちょっと今までの予算がどういうふうになっていたのかということを事業費ベースで見てみますと、第一期の十年間、二十九年から三十八年までは、この当時はこれは基本の出発ですから、日本の必要な森林をほとんどここで、約十九万七千ヘクタール確保されて、この十年間で九十二億一千九百万円の予算が保安林に投下をされたわけであります。その後年々減りまして、第二期は五万八千ヘクタール、そして金額も十年間で五十四億七千六百万円入れられているんですが、第三期では五千ヘクタールに、もう極端も極端、第一期は別枠といたしまして、第二期からいたしましても十分の一に減って、金額も二十七億七千八百万円でありまして、この十年十年周期でこういうふうに極端に保安林の費用が減っている。それから、五十九年から平成五年度までは○・五千ヘクタールですから五百町歩、金額では二億八千八百万円。 十年間でこんなに極端に保安林の費用が減っているのかどうか。こういうことでいけば、これから保安林の確保は極めて重大なことになるのではないか、管理も十分行き届かなくなるのではないかという心配がされるわけでありますが、こういったことで今後十年間またさらにこれが減っていくのかどうか。この辺についてお伺いをいたします。
○政府委員(塚本隆久君) ただいまのお話は保安林買い入れのお話だというふうに受け取っていますが、確かに国による保安林の買い入れ面積はこのところ減少いたしております。 その理由につきましては、一つは買い入れの対象となるような保安林について、これは民有林でございますが、治山事業あるいは造林事業等によって整備を進めているということがございまして、あえて国が買い入れをする必要がない状態になっているということが一つございます。それから、やはり国有林野事業の特別会計の財政事情が大変厳しい状況にございまして、なかなか保安林を買い入れるところまでお金が回っていかない。こういった二つの理由によりまして保安林面積の買い入れが少なくなっているというふうに考えております。 今後、保安林の買い入れにつきましては、現地調査、実態調査を行いまして、本当に買い入れが必要な地域につきましては国有林で引き続き買い入れを行ってまいりたいと思っておりますが、面積につきましては調査を行った上で決めてまいりたい、このように考えております。
○野別隆俊君 私は、前々期以前のことは、これは最初の出発時点ですから余り申し上げませんが、前期から今期にかけてこの十年間で前期の十分の一に下がっている。そして私は、需要というのは非常にあるんだと。何ではっきりしているかというと、保安林の利用者が非常にふえているということですね。例えば、保健保安林の利用者は急激にふえておりまして、これだけでも二億人を突破しているわけです。延べ人員でいくと、利用者は二億人を突破しでふえている。そして、そこにはレクリェーション基地をどんどんふやしているのであります。新しくこれからまだ利用すべきである。私は健康の上からいっても大いにこれは利用させるべきではないか。 それから、もう少し林野庁が考える場合は、山に国民の関心を持たせると同時に、国民の健康管理という面からいってもこれは重要であります。特に子供の教育についても、私はこれは地方行政委員会でも一回聞いたことがありましたが、私どものときには子供の教科書の中のかなりな部分に山のことが書いてございました。今全国的に見ると、山のことは副読本ではかなり広く出ておりますが、副読本で山村をうんとふやしたって大きな成果は上がっていかないんです。都市の人たちに山の大事さということを普及することが一番大事なんです。それには山にレクリエーションで行かせる。そして空気がいいんです。特に夏山などは冬山の十倍からいい空気が出ているわけであります。だから、山にいれば健康になる。病気になっている人が山で生活すれば健康になる。外国ではこういうことは常に行われているわけであります。こういったことからいっても、こういった保健保安林というものの利用はまだまだ広がっていく、私はこのように考える。 また、国民の皆さんに山のありがたさというものを教えなきゃならぬ。学校教育の中で山がこういう働きをしているよというようなことが行われていたらもう少し成果が上がるんじゃないか。一年間に四十兆円からの国民に公益的な機能を果たしている、空気代だけでも十八兆円ですよ、あなたが飲んでいる水は山があって水が飲めるんですよと、飲める理由をずっと話をしていく。 ここからは文部省にちょっとお尋ねをしたいと思うんですが、学校教育でもう少し山の大事さ、山が人間とどういう関係があるか。鳥がおり、動物がおる。これも全部山が養っているのだ。人間が養っているのじゃないのだ。自然の山に実がなり、山芋があり、そうして動物が生きている、それを人間が今破壊している、こういうことを子供に教えるべきじゃないか。山の実のなる木はみんな里に持ってきて植えているから山の鳥は生活ができないんだ。タヌキが町に来るのもそのとおりじゃないですか。だから、山をよみがえらせるための教育、これはどういう形で副読本などがやられているのか、都市部か全体的か、この辺についてお伺いをしたいと思います。
○説明員(銭谷眞美君) 学校教育におきましては、ただいま先生御指摘のように、森林が国民生活の中で大変重要な役割を果たしているということにかんがみまして、特に平成四年度から新たに実施をいたしております学習指導要領において社会科や地理歴史科を中心に森林、林業に関する指導を充実しているところでございます。 そのポイントは、例えば小学校の五年生の社会科の例を取り上げて申し上げますと、国土学習という時間があるわけでございますけれども、その中で国土の保全や水資源の涵養などのために森林資源が大切な役割を果たしているということや、そういう森林資源の育成や保護に従事をしている方々の工夫や努力あるいは環境保全のための国民一人一人の協力の必要性ということに気づかせる指導に心がけているところでございます。またこういった内容につきましては、各教科書に現在はきちんと記載をするということになっております。 さらに加えまして、先生御指摘ございましたけれども、子供たちが実際に森林に出かけていったり、あるいはそういう方々のお話を聞くといったような体験的な学習の推進ということも大事でございますので、現在文部省では、これはまだ全国九十五校でございますけれども、勤労生産学習研究推進校というのをつくりまして、そういった体験的な学習の推進研究を行っている状況にございます。
○野別隆俊君 時間が過ぎていきますから簡単に申し上げますが、今の問題について、九十何枚とも言われましたが、そうじゃなくて、できるだけ多くの子供たちが山に行く山学校もやったらどうか。そうして、山の体験学校をどんどんやらせるべきです。私どもは山の中で育ちましたが、山でどんなことでもできるように、危険だ危険だということでやらないことに問題があるのです。もう少し文部省も思い切ってやっていただきたい。 そして、正しい教育ということになると、僕は先生方に、林野庁の専門の方々がたまには各県の郡部ぐらいでもいいから集まって年間一、二回ぐらいは学習をやって、山のことについて子供に教育のできるような質のいい指導がないと、ただ教科書に書いてあることを読んだような教え方ではだめなんです。ぜひひとつそういう面では林野庁としてもこれを考えていただきたい。 それから今度は、山に行く場合も、林野庁の、その人の考えじゃなくて、山が今こうだということを十分話のできる人たちを、そういう教育のためにも山で指導する。そうして山に対する認識を、ただ遊びだけじゃない、遊びだけでも効果はあります、いい空気を吸うだけでも。しかし、それだけじゃなくて、山の認識を高めるということが今大事であります。その点についても積極的に対応していただきたい。 それからもう一つ、山の認識を高めるために、国会には林業活性化議員連盟があっていろいろ勉強していただいております。最近、地方でも積極的にこれを取り上げていただくように進めているわけでありますが、私の県も四十四市町村ありますが、もう既に六〇%の市町村は林業活性化議員連盟をつくりました。議員の皆さんも道路をやるときには鉢巻き締めて一生懸命になりますけれども、自分たちの生活の糧の山の問題については今まで余り積極的にそういう運動がない。こういうことも、山の認識を高めるためにも都市の市町村も積極的にこれをつくらせる。私の県では市が八つありますが、この中の七つはもうできている。しかもそれは川下です。川下が理解をしていかなければ山を守ることはできないのです。積極的にこれに取り組む。 林野庁は自分たちのことだと思ったらだめなんですよ。だから、余り積極的でない。しかし、私の県は、もう営林署長を初め働いている労働者の皆さんが一緒になって市町村の議会に行って、そしてまた地域の労働者と一体になってそういう話を進めていますから、今四十四市町村の中の二十六か七もう既にできています。そうして、多くの人たちが認識をする、議会もみんなでこういう認識をしていく、こういう運動が必要だと思うので、もう少し積極的に林野庁も出先にそういう指導ができるようにお願いをしたいわけであります。 以上です。
○政府委員(塚本隆久君) 森林レクリエーションあるいは森林教育といったものに対する関心が年々高まっておるところでございまして、そうしたことで森林を利用する人々の数もふえております。林野庁といたしましては、そういったもののために保健保安林というものをつくっておるわけでございますが、こうしたものの整備を引き続き進めていくことにいたしております。 具体的には、利用者が安全で快適な利用ができるような保健保安林の自然探索路でありますとか給水施設でありますとか防護さく、こういった各種の施設を整備していきたい、このように考えておりますし、また平成六年度の新しい事業といたしまして、この法案の延長との関連もございますが、環境保全型保安林施設整備事業ということで、野鳥等の自然観察施設でありますとか森林観察歩道、こういったものも整備していくということにいたしております。 こういった整備のほかに、実際に山に来ていただく人たちの教育等を担当するために、都道府県あるいは営林署、こういったところに対しまして具体的に指導を行いまして、地域の小中学生が山に来た場合にはいろいろな形でそうしたものを利用できるように体制を整えておるところでございます。 ただいまお話にございましたように、特に青少年に対する森林教育というものが極めて重要であるという認識のもとに、今後さらにこうしたことについて努力をしてまいりたいと考えております。
○野別隆俊君 次に、水質保全目的の保安林の問題についてお伺いいたしますが、この問題は、私は宮崎市出身でございますから、宮崎市の水は市のちょっと上流の方で確保しているのでありますけれども、その上流が、森林だけならきれいな水でございますけれども、養豚団地、牛の団地、鶏の団地というのがございまして、大変汚水が濃度の濃い汚水になっておって、もう水が飲めない状態なんですね。これはもう宮崎の市長は腹かくかもしれませんが、現実にそういう状態に来ているんです。水道局はカルキをいっぱい入れて、あれは、においがありまして飲めないような水なんです。 水の加工はなかなか大変なんです。水質はもう悪くなる一方。それでどういうことにしているかというと、飲み水は山にとりにいくのです。一週間分ぐらいをとりにいくんです。日曜日に山に行って水をとってくる。そして、飲み水はそれを飲む。水道水が飲めない状態に来つつある。そして、機械を入れている。高いものは十五、六万、安いのでも六万ぐらい。水道がありながらもそういう機械を入れなきゃならぬような状態がある。もありますから、二、三十キロぐらいのところにそういう小さい保安林があって、ダムができて、そこから水がとれるようになれば良質な水が飲めるわけです。個人個人が十何万もかけて施設なんかする必要のない状態をつくっていくことが大事なんです。 これは林野庁の責任だけではありませんけれども、国家的責任です。しかし、林野庁としても、国民の前に一つ一つやっぱりそういったいいことをやっていく、それが林業政策の理解を高めることにもなるわけでありますから、その点をひとつ。 それからもう一つ、時間がありませんから申し上げますが、防潮保安林ですね。 私のところは十号線沿いに延岡市がございますが、あれから三キロぐらい手前のところに行きますと、これは林野庁の山でございますが、松の木が全部枯れました。もう九〇%枯れている。今まで海が全然見えなかった、木で。ところが、この五、六年の間に透き通って見えるようになったんです。それは台風の災害で木が痛めつけられたのと、一番大きいのは何といっても松くい虫、これにやられてしまった。ですから、もう風が来たらすうすうと通るので、今度は家屋の被害が大きく、これはもう甚大な被害が出ているわけです。それを今から育てなきゃならぬ。 なぜあれが何本か枯れていくのに防除をやらなかったのか。枯れたままずっと置いている。ですから、次々拡大をしていく。あれを一本一本やって後処理をすればふえないはずなんです。こういうことがやっぱり置き去りにされている。これは予算が足らないからできないと言えばそうかもしれませんけれども、こういったことを林野庁みずからやっているわけであります。 防潮林、防風林は大事な役割を果たしているんです。こういったことについての対応をどうされるのか、ぜひひとつお伺いをしておきたい。
○政府委員(塚本隆久君) まず、水質等の問題でございますが、これまでも私ども水源涵養保安林というものを積極的に配置をいたしまして、洪水の防止あるいは渇水の緩和、各種用水の確保、こういったことに努めてまいったところでございます。 残念ながら、養豚団地につきましては私どもの権限が及びませんので、その周辺の森林等につきましては、実態に応じてしかるべく水質保全対策を講じていく必要があるというふうに考えておるところでございます。 近年、国民の安全で良質な飲用水の確保に対する要請はとみに高まってきておりますので、これからも森林の有する水質保全機能に着目して、水源涵養保安林を積極的に必要な箇所に配備をいたしまして、必要な水の量と質、こういうものを確保してまいりたい、このように考えておるところでございまして、次期の保安林整備計画におきましても、利水ダムの周辺の森林でありますとか簡易水道上流の森林につきまして、水質保全あるいは水量確保といった観点から積極的に水源涵養保安林等の配備を行ってまいりたいと考えておるところでございます。 それから、松くい虫のことでございますが、松林というのは海岸の防風保安林やあるいは土砂流出防備保安林等、あるいはまたすぐれた景観を示す森林として大変重要な役割を果たしておりますので、こういったものが松くい虫によって枯れていくということにつきましては、私どももこれまで松くい虫被害対策特別措置法等に基づきまして防除に万全を期してまいったところでございますが、御指摘のように、いろいろ地域によりましては被害が拡大いたしておるところがあります。 こういったことにつきまして、引き続き、保全する松林につきましてはヘリコプターによりまする特別防除でありますとかあるいは地上散布、特別抜倒駆除等、を組み合わせまして徹底した防除を今後とも実施してまいりたい。 それから、保全する松林の周辺にある松林につきましては、これを計画的な樹種転換を行いまして別の樹種にかえまして中心となる松林というものを守ってまいりたい、このように考えておるところでございます。
○野別隆俊君 時間がありませんから、まだ四つぐらいございましたが、これでやめることにいたしますけれども、林野庁も積極的に取り組んでいただいておることはよくわかります。私もそういうことをよくわかって、自治省からの千八百億をやるときにも塩川自治大臣と積極的な取り組みをいたしました。ああいった予算を自治省からこれからまたさらにふやしてもらわなければ、林野庁だけで山が守れるとは思えません。これは国民全体としての運動を広げることが大事。 そのためには、今申し上げましたように、水源税があればそういったことも積極的にやれるのかなという気もいたします。これは水源税じゃなくてもいいんです、いろいろな方法でやることもありましょうから。もう少し山に対する関心を国民的な運動として起こす、こういうことを林野庁も、何かこう遠慮がましいような運動じゃなくて積極的にやっていただきたい。 また、大蔵省に対しても遠慮する必要はない。林野庁も約三兆円近くの赤字を抱えているんですが、この赤字が出た原因はわかっているわけだから、林野庁だけがやれるはずがない。民間は人手がなくなる、林野庁も人手を減らす、こういうことじゃなくて、もう少し積極的な前向きの対応をしていただきますようにお願いをして、終わります。
○林紀子君 近年、森林や水資源など環境問題への社会的関心が高まりまして、水源地域へのゴルフ場、廃棄物の処理場建設など、水質悪化を引き起こす開発には厳しい批判が高まっています。 こうした施設建設に伴う保安林解除の審査について、まずお伺いしたいと思いますが、林野庁は関係住民の意見を十分反映させるためにどういう手だてをとっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(塚本隆久君) 保安林の解除に当たって関係住民の意見を反映させることにつきましては、まず解除に当たりましては、あらかじめ地域住民の代表者である市町村長及び直接の利害関係を有する者の意見を調査するとともに、指定理由の消滅による解除の場合はこれらの者の同意を得ることを要件といたしております。 それから二つ目に、解除をする旨告示した時点においても、直接の利害関係者及び関係地方公共団体の長が意見を提出する機会を設け、意見があった場合は、公開の聴聞を行うこと等によりまして遺憾なきを期することといたしております。こういったことで、直接の利害関係者に加えて、地域住民の意見を広く反映させているところでございます。
○林紀子君 今お話がありましたが、実態は、代表者の同意書を添付する、それだけで済まされている場合というのが往々にしてあるということを聞いておりますけれども、反対意見がある場合は、それも含めてきちんと記載するようにということを引き続き林野庁の方としても指導していただきたいと思います。 そして、今直接の利害関係者というお話がありましたけれども、この直接の利害関係者というのは、特に水源涵養保安林についてはどういう範囲の人たちをいうのかというのをお聞かせください。
○政府委員(塚本隆久君) この直接の利害関係者というのは、ケース・バイ・ケースによりまして、なかなか画一的な基準というものはないわけでございますけれども、例えば洪水の防止に関連して申しますならば、過去の災害状況あるいは地形、土地の利用状況、こういったことから見て、ある場所の保安林の指定が解除された場合に、そこに浸水等のおそれがあるというふうに判断するような地域でありますとか、あるいはため池等をつくっている場合に、その周辺の森林、こういったものについては、やっぱりため池を利用するような人は直接利害関係がある。こういういろんな場合があるわけでございまして、目に見えた利害関係があるというようなことで判断をいたしておるところでございます。
○林紀子君 今までも水質保全ということについて論議がございましたけれども、そうしますと、下流域で水を飲んでいる住民、そういう人たちはこの利害関係者に当たりますか。
○政府委員(塚本隆久君) 例えば群馬県の水を東京都の人たちが飲むわけでございますが、そういう場合は利害関係者にはなっておりません。
○林紀子君 そういうことで、飲み水という意味では大変広い範囲の人たちがやはり直接利害関係があるんだと思うわけです。例えば厚生省などでは、水道水取水口から十五キロから二十キロの範囲は影響を受けるということで、合併浄化槽とか下水整備等の対象範囲になっているということを聞いておりますし、また環境庁でも、水系全体を考えるということで、上流から浄水場のところまで水質の汚濁に関係があると認められる地域というふうに考えているということなんですね。 そうしますと、今林野庁長官の方からお答えがありました林野庁が考えているこの直接の利害関係者というのは、余りに範囲が狭過ぎるんじゃないかと思うわけです。ですから、そういうことでは、新たに保安林指定ということは、確かに積極的なことがありますし、ぜひしていただかなければいけませんけれども、今ある保安林を保全していく、そのためにこの関係者という範囲をもっと広く見直すべきだと思いますが、どのようにお考えになりますか。
○政府委員(塚本隆久君) 例えば簡易水道のような場合には森林の中に取水口が設けられるようなケースが多いわけでございますので、そういったものにつきましては、当然かなりの範囲にわたりまして森林の保全等について十分配慮した山の取り扱いをしておるところでございます。 ただ、山から流れた水が大きな河川に入りまして、それがずっと下流に流れて大きな町の水道水源になる、こういうことになるような場合は、私どもの山から流れた水が途中でいろんなものが混入されて水質が悪くなっていくということもありますので、そこら辺については私どもある一定の線を引かざるを得ないということでございまして、先ほど申し上げましたように、水質保全ということにつきましては、簡易水道等の取水口についてはかなり広い範囲で利害関係者というものを考えていきたいと思ってはおりますけれども、一般の取水口、一般の大都市の取水ということにつきましては、そこまで広げることはいかがかというふうに考えているところでございます。
○林紀子君 確かに、簡易水道の場合は直接もう口に入るということで厳密にしていただかなくちゃいけないということはあるわけですが、先ほどのお話にもありましたように、飲み水の最源流部でどうなのか。そこに保安林がある、水源涵養保安林がある、そういうときというのは本当に広い範囲で考えるということが必要だと思うわけです。 具体的に、いろいろな例があると思いますけれども、私の住んでおります広島ですが、広島市では百万市民の水源である太田川の上流に今ごみ埋立地建設計画というのが持ち上がっております。この最上流部が保安林、水源涵養保安林五十五ヘクタールなんです。ところが、これもつぶして七十五年にわたるごみ埋め立てをここでやっていく。これに対して住民から今大変激しい非難の声が上がっているわけです。また、東広島市や福富町というところでも保安林を含む森林にゴルフ場を建設する。そこで下流に位置する簡易ダムの農業汚染が危惧されまして、下流の住民の皆さんからも反対の声が上がっているわけです。 特に水源涵養保安林は、解除してゴルフ場などになってしまいますと、水源涵養機能が損なわれるだけではなくて、かえってそれがマイナスで農業汚染の大もとになってしまう、こういうことになると思うわけです。ですから、この保安林を解除されるということはプラスとマイナス、もう大違いになると思うわけです。一度水源が汚染されますと孫子の代まで被害が及ぶということになるわけですので、こうした世論に耳を傾けて、どうしても広い範囲で利害関係者ということも考えていただいて、そういう世論も十分に聞いていくということをぜひここでお願いをしたいと思います。 それから、保安林法制度検討会というところが解除手続の簡素化ということをうたって、添付書類の簡素化というものも提案しているということですけれども、いたずらな規制緩和によって解除がしやすくなるようなことにならないように、これもあわせてお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(塚本隆久君) まず最初の広島県の廃棄物処理、ゴルフ場建設の問題でございますが、廃棄物処理場の建設につきましては、保安林の解除は公益上の理由ということで解除するかどうかということを決めておるわけでございまして、廃棄物処理場によってもたらされる公益と水源涵養保安林がなくなることによる公益の逸失、こういったものを比較いたしまして総合的な見地で考えていくというのが原則になっております。 それからゴルフ場につきましては、これはいわゆる指定理由の消滅、みなし解除という項目で処理いたすわけでございますが、こういったものにつきましては、市町村計画の市町村の公的な土地利用計画に位置づけられているかどうか、こういった問題もあわせて考える中で対応していくことになろうかと思っております。 もちろん、農業等につきましては、これはまた別の規制によって対応していくということになろうと思いますが、いずれにいたしましても、地域住民の方々に迷惑がかからないようなそういうやり方について今後いろいろと検討してまいりたい、このように考えておるところでございます。 それから、保安林法制度検討会の報告書で保安林解除の事務手続の一層の簡素化ということが言われておるわけでございますが、保安林を解除する場合にはいろいろ手続的に煩わしい点がございます。したがって、こういったものについてはやはり行政改革の推進という立場からも簡素化すべきであるということが言われておるところでございまして、添付書類等の簡素化等これまでも実施してきておるところでございますが、ただ、これによりまして保安林の解除が安易になされる、いろんな審査等がずさんになる、こういうことは決してございませんので、その点については誤解のないように御理解いただきたいと思っております。
○林紀子君 先ほど公益的機能によってごみ処理場か保安林解除か、どっちかを考えるというお話でした。しかし、保安林が一度解除されてしまってそこの木が切られてしまうというようなことになりましたら、それはもう五十年、六十年本当に回復するまでには大変な時期がかかるわけですから、そういうことも林野庁としては特にお考えいただきたいということを最後に申し上げたいと思います。 そして、安易な林地開発や保安林解除は許可しない、そして、環境時代に即した保安林整備を行っていくという方向でこれからも御努力いただきたいということをお願いいたしまして、終わらせていただきます。
○委員長(浦田勝君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 保安林整備臨時措置法の一部を改正する法律案(衆第八号)に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(浦田勝君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(浦田勝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時五十三分散会 —————・—————