大蔵委員会 第5号
- 発言数
- 266 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1994/06/20
会議録
○委員長(上杉光弘君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十七日、鈴木和美君が委員を辞任され、その補欠として瀬谷英行君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(上杉光弘君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上杉光弘君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に牛嶋正君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(上杉光弘君) 租税及び金融等に関する調査を議題といたします。 去る七日の委員会におきまして、財政及び金融等の基本施策について藤井大蔵大臣から所信を聴取しておりますので、これより大臣の所信に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤泰三君 自由民主党の佐藤でございます。相続税問題あるいは消費税関連の質問をしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 その前に、ちょっとこれは初歩的な質問で失礼とは存じますが、日切れ法案という意味を御説明願えればと存じます。
○政府委員(小川是君) 従来、一般的に院において日切れ法案の扱いをお願いしてまいりましたのは、年度末までに、つまり三月三十一日までにその法案を成立させていただきませんと四月以降の予算の執行に支障が生ずる、あるいは税だけで考えましても国民生活に対して支障を生ずるというような観点から、ぜひとも三月末までに成立をさせていただきたい法案、こういったものにつきまして私ども日切れ法案としてお願いをしてきたという経緯がございます。
○佐藤泰三君 そのように私らも理解しておったのでございますが、三月の日切れ法案のときに酒税、相続税まとめて大変多くの法案が一気に可決されましたので、何といいますか、何かちょっと最後に押し込める感じを受けましたので、今後日切れ法案につきましてはやはりある程度はっきり分けてしていただければなと、初歩的なんでございますが、要望するわけでございます。 引き続きまして、相続税についてお尋ねしたいんですが、バブルの地価高騰によりまして、近年、相続税を納め切れない人が非常に急増しているように伺っております。十年前までは相続件数の二ないし五%が課税対象だったそうですが、最近では全国平均で一〇%近く、しかも東京都など大都会では二〇%が課税対象となっておると聞いております。 また、今まで相続税等考えもしなかった人たちが、ある日突然肉親の不幸によりまして、相続税を納めるため先祖代々の居住地を手放し、あるいは長年継続しました事業を放棄しなくちゃいけないというような事態が非常に起こっておる。また、そのために物納申請もこのところ急激にふえておると承っております。 過日、自民党の政調会で、渋谷地区の商店街の山口彰市さんが来て、何代も続いたお豆腐屋さん等のお店が相続のために廃止するようになった、中小企業はなくなってしまうんじゃないかという陳情を受けたのでございますが、これらを加味しまして、相続税の課税状況をお教え願いたいと思います。
○政府委員(小川是君) 相続税の課税状況でございますが、直近のところで私どもつかんでおりますのは平成四年度までの課税実績でございます。 平成四年度の場合、全国でお亡くなりになられた方が八十五万六千人でございますが、このうち課税件数が五万四千四百四十九件ということで、お亡くなりになられた方に対する課税件数の割合は六・四%ということになっております。 確かに全国は六%台でございますが、東京国税局管内だけで申し上げますとこれが一一・六%ということでございますから、東京における課税件数割合が全国平均に比べて非常に高いというのは事実でございます。
○佐藤泰三君 地価高騰によりまして相続税が急に膨らんで都市部で即納ができなくなっているというわけでございますが、平成四年の物納申請件数が一万二千七百七十八件。私はここに資料を持っているのでございますが、平成元年が五百十五件、平成四年度は一万二千七百七十八件、しかもその許可件数が二千百十三件、六分の一。物納申請金額の約一〇%が許可をされておるというふうな状況のようでございますが、残りの九〇%の物納不許可の方はどのようになっておるか、ひとつお教え願いたいと思います。
○政府委員(吉川勲君) 平成四年度につきましては、物納申請件数は先生御指摘のように一万二千七百七十八件でございます。五年度につきましては現在集計中でございますけれども、約一万件程度の申請があったものと考えております。若干減りぎみでございます。 他方、処理につきましては、四年度につきましては処理件数自身は三千二百五十三件でございますけれども、許可いたしましたのが二千百十三件でございまして、残りの分は未処理になっているわけでございます。五年度につきましては、鋭意処理に努力いたしました結果、三年度の約三倍強に当たりますところの約一万件を処理いたしまして、ほぼ五年度の申請に見合う処理を下したものと考えております。 今後の処理でございますけれども、こうした物納申請の急増に対処いたしますために、これまでも物納担当部門の拡充とか担当者の増員、東京、大阪の両国税局に新たに設置されました納税管理官の活用などに努めたところでございますけれども、六年度におきましても、これまでとってきた各措置を継続強化いたしますほか、今年度増設等が予定されております納税管理官、納税専門官等を活用するなどいたしまして処理体制を一層強化いたしまして、その事務の処理促進と適正処理に努めてまいりたいと考えております。
○佐藤泰三君 不動産を売買して相続税を納めるという場合ですが、不動産の譲渡所得税がかかる。そのあげくにまた相続税がかかる。いわゆるダブルパンチの徴税になる。ですから、少なくとも譲渡所得にかかった税額は相続税から一〇〇%控除するのが私は税の基本じゃないかと思うんです。弱り目にたたり目といいますか、親父が死んで会社がなくなる、二重のパンチでは同じ国民としてちょっと冷たい扱いじゃないかと思うんですが、いかがですか、大臣。
○国務大臣(藤井裕久君) 大変そういうお気持ちは理解できます。ただ、税の理論からいいますと、相続税は財産税であって、その移転によって富が次の世代へ移った、あるいは奥様に移った、配偶者に移ったということによって課税がされる。それから譲渡所得の方は、まさにそれまでに生じた益というものに対する課税でありますから、税の論理としてはこれは十分説明できると思います。 しかしながら、今佐藤委員御指摘のようなことがございまして、今度の税制改正では、現在の仕組みといたしましては、売られた場合の譲渡所得から、昔はその部分に見合う相続税の税額を引いていたんでございますが、とにかく不動産に関する相続税は全部引いてよろしいということになっております。ということによって、現実に譲渡所得税がかからないケースも十分出てまいります。 さらに、今までは相続があってから二年以内にその譲渡があった場合に限ると言っておりましたが、今度の改正で直しましてこれを三年にいたしましたので、今のような実際問題としての対応というのは、税の理屈を守る範囲でそれなりにできているように考えております。
○佐藤泰三君 それに対する考慮も払っておられるようでございますけれども、しかし現実に九割近くが物納申請を拒否されておる。当然延納しますが、その延納にまた利子もつく。この前たしか延納利子は四・二%と私聞いておったんですが、調べたら実際は六%はしているということでございますので、この辺の利子につきましても、今の低金利のときを考えるとちょっと何かおかしいんじゃないかなと思うのでございます。 税法は税法としまして、やはり先祖伝来の家屋敷をなくし、悲嘆に暮れている。何らかここに温情主義が散見されたらいいんじゃないかと思うのでございますが、その延納の利子については一律四・二ぐらいでよろしいんじゃないかなと思うんですが、いかがでございましょう。
○政府委員(小川是君) 今お話のございました四・二%という延納利子率は、相続税として対象となった遺産の資産構成に応じまして、特に不動産が多いような場合には長期の延納を認めるとともに、全体の資産の中で七五%以上を占めるような場合には四・二%といたしておりまして、一般的には六%という利子卒を置いてございます。そのほかいろいろ細かく事情によりまして軽減しているところがございますが、最低が四・二だというのは御指摘のとおりでございます。市中における利子がどれぐらいであるかというのは、そのときどきによって動くわけでございます。 そこで、相続税の延納につきましては、やはり納税者間の公平であるとかあるいは制度の安定性、明確性といったような観点から、この利子卒は安定的なものとして、余り市場の利子率の変動に応じてこれを変動させるという性格のものではないというふうに考えるわけでございます。 そういった意味からいたしますと、むしろ市場における利子率が非常に低下しているときには市中からの金融を受けるといったような形で相続税の納付を選択するという道もあるわけでございますから、やはりこうした制度上、安定的にまた長期的に明確なものに維持しておく必要がある、このように考えているわけでございます。
○佐藤泰三君 そこで、大臣にまた質問といいますか、要望といいますか、お願いするのでございますが、相続によって事業が継承できないという件数が都会地では多うございますし、病院関係でも、大体東京都内の病院で医院長が死ぬと継承できない現状でございます。農家が二十年ですか、納税猶予がございますが、本当に純粋に事業をやっているさっきの渋谷の話とかあるいは我々病院仲間という場合には、何らかそういう意味の二十年間の延納とかそういう制度を、農家並みとは申しませんけれどもしていただきたい。このままですと、恐らく日本全体で中小企業は大体都会地ではなくなってしまう。あるのは大資本の大企業とサラリーマンだけの社会になってくるんじゃなかろうか。日本の経済社会は今までは中小企業で支えられておりますが、その中小企業が年々歳々減ってくるんじゃなかろうかというふうに思うわけでございます。 私の身近で恐縮ですが、埼玉の川口でございます。鋳物機械が多うございます。非常に地価が高騰して高層ビルができました。それでほとんど継承できなく、明治以来の各工場がマンション化になりつつございまして、かつて鋳物の町、今ほとんどもう数えるほどすらないという現状でございますので、大資本主義も結構でございますけれども、日本には日本古来の中小企業という味のあるものがございましたので、この点もお考え願って、ひとつ何か税の方面で大臣の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) 今御指摘の中小企業のお立場、そしてまた、私はこの今の相続税の問題というのは大都会中心に土地の値段が上がり過ぎたというところからきていると思います。全国の問題というよりもやはり大都会問題であり、今佐藤委員のお話の川口などはその典型的な一つになると私も思います。 そういう意味から、全体としての課税最低限を上げていくと、いつも申し上げておりますように、熊本などではほとんど相続税を払う方もなくなってしまうという逆の現象も起こります。 そこで、政府がずっとやり続けてまいりました方向というのは、ある一定の面積を限ってそこの評価をがたっと下げるというやり方でございます。御承知のように、先刻大変な御配慮をいただきまして成立させていただきました租税特別措置法におきましては、原則として二百平米までは八〇%評価を落とす、つまり評価の二〇%にするという形になっておりますので、ぜひともそういうことで御対応いただければありがたいと思っております。 農家の問題につきましてあえて申し上げれば、おっしゃるとおり基本原則として二十年相続税延納、農業を続けていれば免除という仕組みがございますが、ただ前回の改正によりまして、市街化区域内の農地についてはその適用をやめる、やめると同時に、生産緑地という一つの都市計画法上の仕組みに乗った場合については三十年以上少なくとも農業を継続していただくという前提でこれに対応しておりまして、中小企業の方あるいは一般のサラリーマンの方からこれは少しアンバランス過ぎるのではないかということに対しておこたえをしている次第でございます。どうかその点で御理解をいただければありがたいと思うわけでございます。
○佐藤泰三君 相続税の問題はいろいろ御見解があると思うんですが、戦後のシャウプ勧告でできたものだと思うんですが、大体三代で財産ゼロ、最近は二代でなくなるんじゃないかと思うんです。 資産というものは個人の非常な努力と蓄積によってできたもので、それを次代が継承しながら事業を拡大して社会に貢献していくというのが資本主義の事業の原則と思うんですが、二代三代でゼロになっては資本主義の原点が崩れるんじゃないかなと思うのでございます。社会的公平という非常に稚拙なマルキシズム的発想があるいはあるのかなと思うんですけれども、今後ともひとつ何分とも、この相続税ということの非常に身近な問題で始終散見していますので、実際にまたその延納の点もお考え賜れればと思うのでございます。 次に、消費税につきまして何点か御教示願いたいと思います。 大蔵省がこのほど出しました税制改革の機械的な試算は、初めに消費税を上げたい、七%以上でなきゃならないというような考えでございましたけれども、一種のこれはデモンストレーションだったのかなと思うんでございますが、実際にこの消費税の国際的な立場、G7に加盟の先進国の消費税と日本の消費税を比べてどんな割合になっているかお教え願いたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) もし細目が必要であれば主税局長から答えさせますが、税率で申しますと、日本が今三%でございますが、イギリスがこの間上げて一七・五、フランスが一八・六、ドイツが一五というふうに承知をいたしております。 また、これらの税収の国税全体に占める割合でございますが、我が国が一〇%であるのに対してイギリス二五・六、ドイツ三一、フランス四五というふうに承知をいたしております。
○佐藤泰三君 消費税につきましては非常に国民に強い抵抗感がありますし、我々同僚もこの問題を出すとけんかになってしまうんです。非常に何か消費税というものは悪税であるというイメージが国民全体に強くしみ渡っておりますけれども、むしろこれは、この点の大蔵省の広報関係の怠慢じゃないかと私は思うんです。世界の消費税はこうなっていますという数字をわかりやすく、余り大蔵言葉じゃなく、平凡なわかりやすい言葉で国民にPRされれば理解を得られると思うんです。 ただぽこっと出てくる、天下の悪税なりという考えが非常にしみついております。我々の同業者に非常に強いのでございます。この話をしたら必ずけんかになってしまうということは、誤解されているので、この点をひとつもっと広報関係で、どうも大慶言葉というのは難しい言葉が多うございますから、片仮名時代ですから、もっと平易な言葉でだれにも理解できるような形で説明していただきたい。これはぜひ消費税のために、将来の高齢化に向けましてもお願いするわけでございます。 次に、法人税につきましてお伺いしますが、税制改正で個人所得税や消費税につきましては論議が盛んでありましたが、これからの高齢化社会を迎えるに当たりまして企業の負担、個人負担のバランスを考えなきゃいけないだろうと思います。特に、法人税についてはどのように考えていらっしゃるか。 また、法人税は外国に比べて非常に高い、約五〇%と聞いておりますが、その高い法人税のために企業の海外流出が非常に多いように散見します。現に私の知っている大きな企業も東マレーに全部越してしまった。あとはマンションにしてしまった。 また、この前ペナンに行きましたときも、ペナンに百三十二社日本の企業が進出しております。しかも昼夜三交代で非常に張り切っている。大体賃金が一カ月五千円か六千円で、三交代で働いているから、とても日本に帰れないという形で優秀な企業が海外に逃避する傾向がございます。それもたしかマレーやシンガポールは法人税は一〇%ぐらいと思ったんですが、日本は大体五〇%だという形がございますから、その点もお考えになると日本の優秀な企業がどんどん逃避するんじゃないかと思います。その点につきましての大蔵省の見解と今後の見通しにつきましてひとつ。
○国務大臣(藤井裕久君) 国際比較も一つの重要な基準だと思います。そういう意味からいいますと、直接税の比率が日本は各国に比べて高い、その中で法人税の高いというのはもう御指摘のとおりだと思います、まず比率においてですね。そして実効税率で見ますと、日本は約五〇%、四九・幾らでございます。アメリカが先刻上げたと言われても四一ぐらいでございまして、五〇に近いのはドイツだと思います。フランス、イギリスは三〇%台の前半、おっしゃるとおりだと思います。 私どもといたしましては、やはりおっしゃるように国際競争力という観点からも、また企業の活力という観点からもこれは検討すべき事項だと思っておりますが、同時に、また逆の立場からのいろいろ御指摘のありますような、課税ベースが狭いんじゃないのかという御指摘があるわけでありまして、私どもは両方のお気持ちをよく体して、課税ベースを広げながら税率を下げるというのが今後のあるべき法人税の取り組み方であるというふうに考えております。
○佐藤泰三君 法人税、所得税、相続税は日本が世界に冠たるトップレベルの最高水準をいっている。消費税はしかも最低である。この辺のことももうちょっと国民のコンセンサスを得ていかないといけないんじゃないか。消費税問題でいろいろと国民の反発を受けているのは、一つは私は大蔵省のPR不足という責任じゃないかと思いますので、その点もぜひひとつ、余り聖域にこだわらないでやっていただきたいと強く要望するものでございます。 次に所得税についてちょっとお尋ねしますが、ことしは一年限りの減税となっておりますが、来年度以降についてどのような改正を考えておられるのかお伺いしたいと思います。 また、我が国の所得税は国税、地方税と合わせますと最高税率で六五%と、これまた外国に比べて高い税率になっておるわけでございます。最近、一時これを五〇%以内にするというふうな何か見解があったように思うんですが、そのまま据え置きになって、最近の報道では、政府・与党の間では最高税率は下げない方針だというふうに承っていますが、それにつきましての御見解をひとつ。
○国務大臣(藤井裕久君) 本委員会にもたびたび御報告申し上げておりますように、私どもが基本的に税制改革を考えておりますのは、今後の来るべき長寿社会に向かって国民の皆様に御負担をいただく姿としてどれが一番スムーズかということをいろいろ考え、所得税の今持っている仕組み、すなわち中堅所得層で急勾配で税がふえていくというこの仕組みのままですと、そこいらの方々に非常に多くの負担がかかってくるということから、この分を是正して広く皆様方に御負担していただいて、むしろ長寿社会をごく自然に立派にやっていこうというような形から、消費課税の充実、所得課税の軽減をお願いしようとしているところでございます。 そういう中で、現在の経済情勢を踏まえて、やはり減税をとにかく先行してやるべきだというお話が出て、私どももそういう多くの皆様、特に国会の皆様の御意向などを体して、所得税で言えば五兆五千億でございますが、六兆円の減税を実施したわけでございます。これはそういう意味からいいますと基本的税制の改革じゃございませんので、御承知のように、納めてくださる税金の一律二〇%をカットするというやり方をさせていただいております。 したがって、これは基本的税制改革そのものではございませんで、この減税を第一歩として、今回大変なお計らいで成立させていただきました特別減税法あるいは地方税法におきまして、全会一致と言うと吉岡委員には怒られるのでありますが、意味が違うということを別にいたしまして、全会一致で本格的な所得税減税を含め税制改正を行うこと、こういう御決定を修正という形でいただいておりますので、そういう方向で、いわゆる一律二〇%カットというような形でない、本格的な所得税の矛盾点というものを是正する意味での所得税減税を含む基本税制改正をやりたいと思っております。もちろん、これから国会にお出しして皆様方の御批判をいただくわけです。 そのときの最高税率問題ということについてはまだ決めてございません。今の所得税の矛盾という中には、課税最低限が非常に高くて、最低税率が低くて、最高税率が非常に高いということがあるのでございますが、この最低税率から最高税率にいく間が非常に短いという問題が大きく取り上げられているわけでありまして、この間を伸ばすことによって急勾配を直していこうという議論が一つあるわけであります。最高税率の問題もさることながら、この急勾配をややならしていくということで中堅所得者の方々の税負担感におこたえしなきゃいかぬと思っております。 したがいまして、この六五%問題につきましては現在結論を出しておりませんので、御理解をいただきたいと思います。
○佐藤泰三君 税率問題はいろいろございますけれども、これを決めたころはまだまだ日本のGNPも所得も低いですから、はるか雲の上の税率と思って安心したんでしょうが、今は世界一の高賃金、高収入になりましたから、近づいてきて庶民に影響してくると。やっぱりこれを見まして、これはもうちょっと幅をひとつ伸ばしていただかないといけないんじゃないかなと、今後の要望でございます。 ところで、直間比率の問題が基本だろうと思うんですが、消費税につきましてちょっとまたお伺いしますが、内税、外税を決めるのはどこで決めるのか、その点ちょっとまた言ってください。
○政府委員(小川是君) 一般に、事業者が消費税相当額を価格の中に込めて表示をするか、それともこれを込めないで表示をするかということにつきましては、税法の問題ではなくて、一般的な商慣習と申しますか、商品の性質であるとか支払いの態様とかあるいは取引の状況を見ながら、どれがいいかということを各事業者が商売上判断をしておられる、こういう性格のものであるというふうに考えております。
○佐藤泰三君 そうしますと、これは卸売業者、それから販売の方の自由裁量でよろしいわけですね。
○政府委員(小川是君) そのとおりでございまして、各事業者が御自分の商売上便利なものを選択しておられるという性格のものでございます。
○佐藤泰三君 そこで、厚生省の古いらっしゃると思うんですが、医薬品につきましてちょっとお伺いしたいんですが、この前私聞きましたら、大蔵省でも厚生省でも、保険医薬品はすべてこれは内税でございますと明快なる御回答を賜っておるんです。それを医師会に話したら、そんなことはないと大げんかになっちゃいました。見てみると言われて見たら、確かに今月の請求、薬三百二十何万、消費税九万何がしときちっと明示してあるんです。だから私大分参ったんでございます。 よく考えはわかるんですが、この点、保険医薬品につきましては内税にすべしというあるいは厚生省の通達かなんかあるんでございますか。
○説明員(堤修三君) 医薬品につきましては一般の商品と同様に消費税が課税されるわけでありまして、消費税を円滑に転嫁するために、卸と医療機関の間におきましては通例外税方式による取引が行われております。特に私どもの方で内税方式にしなさいといったような指導をしておりません。これは事業者、卸の業者がそういう判断をして外税方式で取引をしている、これが通例だということでございます。
○佐藤泰三君 さっきも私聞いたときは確かに、保険使用薬品は保険薬価がありますから、内税で入っていますから、一切医療機関は関係ないという御回答をいただいておるんですが、これはどうなんです。
○説明員(堤修三君) 保険薬価は内税であるというふうな御理解が行き渡っているようでございますが、その意味は、医療機関が医薬品の購入に要しました費用につきましては社会保険から償還されるわけであります。社会保険の診療報酬は御案内のとおり薬剤費も含めまして非課税となっております。そういうわけでありますので、そのままでございますと医療機関が消費税分を負担してしまう。 そこで、平成元年の消費税導入時に、消費税の相当分につきまして薬価基準を底上げをいたしております。それからその後も、薬価調査によりまして把握をいたしました本体価格に消費税相当分を上乗せして薬価基準の改正を行っております。つまり、薬価基準の中に消費税相当分が組み込まれているという意味で内税という御理解をなさっているのではなかろうかと思いますが、薬価自体は社会保険診療報酬が非課税という前提でございますので、それを内税方式と言われるとやや不正確かと思います。しかし、実態としては相当分が込みになっておりますので、実際には医療機関がその消費税分を余分に負担するということはないようになっている、こういうことでございます。
○佐藤泰三君 今承ってわかったんですが、一般では理解できないんですね。内税であるとはっきり言いながら、しかも薬屋からはぴしっと外税で請求してくる。医療関係者、ちょっと言っても理解してもらえませんね、活字に弱いですから。薬価幾らと外税でぴしっと毎月来ますから。活字に弱いためにコンセンサスを得られない。下手するとけんかになっちゃうということがございます。 これもやっぱり消費税のPRが足らないからで、薬価に含まれているんでしたら表に外税云々と明示しないでするように、これはぜひひとつ何らか問屋に指導していただきたい。あるいは括弧するとかですね。このままでは非常な混乱を招きまして、次の消費税問題でまた全国の医療関係がごたごたしますので、その点ひとつぜひ説明して、ただ今のように外税からぼんと請求しないように何かできませんか。
○説明員(堤修三君) 消費税と薬価基準の関係というのはなかなかわかりにくい問題でございまして、医療機関の先生方からもよくお問い合わせをいただいております。今申し上げましたようなことでございますので、私どもといたしましても、卸業者の団体もございますので、そういう団体等を通じまして機会を見まして、消費税と薬価基準の関係についてもっとわかりやすく医療機関の先生方に御説明をするように指導をしていきたいと思います。
○佐藤泰三君 再度確認でございますが、よく本を買いますと消費税の分と括弧に入ってますね。日本じゅうの薬局関係ですか、製薬会社ですか、ああいう形にひとつぜひ統一していただきたいと思うんです。そうしないと、なかなか活字に弱い連中ですから、活字が絶対と、憲法だと思っていますから、ちょっと理解に困るんですよね。幾ら言ってもわかりません。これはいかがですか。
○説明員(堤修三君) どういうような表示をするのがわかりやすいかということはあるかと思いますけれども、消費税を導入されたときに、消費税を円滑に転嫁するためには外税方式がいいだろうということで、今までずっとそういう格好でやってきております。いずれにいたしましても、非常にわかりにくい問題でございますので、よくわかっていただけますように、きちんと説明するように指導いたしたいと思います。
○佐藤泰三君 今の薬価につきます消費税はぜひひとつ早急に対応をして、日本医師会にそれを通知していただきたいと思うんでございます。これまたやはりPRが足らないために、非常に末端で誤解をしまして、活字を突きつけられると何とも言えませんので、その点をぜひひとつしていただきたいと思います。 これからのいろんな税制改革につきまして、まず手短な、幼稚なことかもしれませんけれども、その辺から説いていかないとなかなか国民の理解を得られないと思いますので、これは大蔵も厚生もそうでございますが、ぜひひとつ消費税の理解を得るような一段のまた御努力をお願いするわけでございます。いかがでございましょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) ただいまの佐藤委員の御指摘は大変重要なことだと思います。こういうものは多くの方々がそれなりに理解していただかなければとてもできるものではないと考えております。同時に、その皆様の代表である国会の皆様に理解をしていただかなければとてもできるものでないということはよく承知をいたしておりますし、今の御指摘の点は今までも大分やらしていただいているつもりでございますが、言葉を易しくする問題等を含めまして、一層徹底してやってまいりたいと思います。
○佐藤泰三君 厚生省の方もどうぞ。
○説明員(堤修三君) 再度お答えさせていただきますが、卸業者の団体がございますので、私ども密接に連絡をとっておりますし、御指摘の趣旨も踏まえてよく医療機関の先生方にわかっていただけるように対応したいと思います。
○佐藤泰三君 それでは、ぜひひとつ厚生省の方も業者にその点をはっきり不満がないように、あなたは消費税は関係ないんだというふうな形で図書と同じように明示を、簡単なことですからお願いしておきます。 次に、景気回復が大きな課題だと思うのでございますが、政府は五兆八千五百億ですか、所得減税をして消費に回すということで、もうそろそろあれでございますけれども、なかなかこれも、一緒に提出されました厚生年金保険料の値上げ、あるいは老人医療の一日六百円の食事等を見ますと、厚生年金の二%アップ、満年度で二兆六千億ですか、入院患者が一日六百円で約二千億、二兆八千億の国民の負担増になるわけでございまして、年度途中ですから、十月に実施になりますと一兆一千二百五十億の国民の負担が実質ふえるわけでございます。 そうしますと、五兆八千億の減税のうちから約二〇%が消えるという単純計算になるんでございますけれども、これなどを考えますときに、その辺に対する対策と申しますか、これはどのような対策をおやりになるんでございましょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 現在の経済情勢というのは、俗な言葉で言えば、ことしの一月ぐらいから景気が大分変わってきているな、こういう方もある反面、全然まだ変わっていないよという方もある、こういう状況だと思います。指標の上でもその両方があるという極めて難しいデリケートな段階だと思います。 これを本格的に定着させるために、繰り返しますが、過般減税法案を通していただいたことは大変ありがたいことであり、現在その執行のための最後の段階でございます。もう既に実行されているところもあると思いますが、これらを本格化する、そして、今これまた最終段階に入っております平成六年度予算の成立をぜひ一日も早くお願いしたい、こういうことに尽きておると思います。 そこで、具体的な二点の御指摘でございます。これはむしろ厚生省がお答えになるのがいいのかもしれませんが、年金につきましては、その分というのはみんな年金として出ていくものでございまして、負担する方といただく方というのに、その過程の違いはあるかもしれませんけれども、スクエアの関係になっていると思います。 健保につきましても、この分は付添看護等の解消に充てるわけでございますから、そういう意味においても、その分が支出になるという形であると考えております。 もし必要であれば、細目は厚生省から答えていただくのがいいかと思います。
○佐藤泰三君 よろしくどうぞ、直間比率の見直し、相続税問題、御検討賜りたいと思うわけでございます。 最後に、これまたくどい要望でございますけれども、不景気不景気と言いながら今年度も一年間に一千二百万人も海外に観光に行っていらっしゃる。五月の連休にも数十万人行っていらっしゃる。こんな恵まれた景気のいい国はないわけなんですが、しかし不景気不景気という国民の不満の声があるんです。この点もやはり政府のPRが足らないんじゃないか。 現に、日産の下請にこの前聞きましたら、高校卒の男子が大体十五万円強。青島に工場をつくったら五千円でわんさか人が来る。要するに三十倍の賃金でございます。 ということを考えますときに、今までは桜が咲けば景気に関係なしに賃金が上がってまいりました。秋になると人事院がございます。ほかに定期昇給がございました。非常にすばらしい天国だなと思ったんですが、そうそう世の中は甘くございませんので、冷戦構造が終わってアメリカの巻き返しがございます。 現に、飛行機の搭乗員、スチュワーデス、アメリカ人を使うと約半分近くで間に合うというような形態でございますから、これを考えますと、何か日本の将来の経済が非常に不安になっていけないと小さな胸を痛めざるを得ないんです。 その点、ひとつこれからもぜひ大蔵大臣を中心に、世界の中の日本でございますから、島国と違いますから、冷戦も終わりましたから、どうぞその点の世界の情勢というものをわかりやすく国民にPRされまして、国民の末端の不平不満のないように一段のまた御努力をくどくお願い申し上げまして、終わります。
○委員長(上杉光弘君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時四十五分休憩 ―――――・――――― 午後一時開会
○委員長(上杉光弘君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、大臣の所信に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○前畑幸子君 大臣に財政の現状について少しお聞きしていきたいと思います。 平成六年度の一般会計の発行公債が十三兆六千四百三十億円ということでした。そして、このうち所得税減税のための公債は三兆一千三百三十八億円ということでございましたけれども、大蔵大臣はこの公債の性格について、平成六年の二月二十三日でしたか、参議院の予算委員会において楢崎先生の御質問に、この公債の性格については特例公債とは違うものであるというお答えをされているわけでございますが、六カ月ぐらいの償還期限の短期国債にするのであるということであったと思います。このとおりと理解していいでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) ただいまのは三兆一千億の国債についての御質問だと存じます。私は正確に申し上げたつもりだったのでございますが、これは法律上では特例公債であると申し上げたつもりです。しかしながら、同時に、年内に基本的な税制改革をやるという合意があるからこれは単純な特例公債でないというふうに考えられる、こういうふうに申し上げたと思います。 そこで、第二段の御質問でございますが、これについては、今後のこの国債の取り扱いについては税制改革の一環としてお決めをいただくわけでありますから、償還方法等についてもそういう中でまたおのずから固まってくると存じます。したがいまして、とりあえずはこの分につきましては短期国債、平成七年度償還の短期国債、TBと世に言われているものによって対応したいと考えております。
○前畑幸子君 そうすると、短期国債という意味をどのように理解させていただいたらいいでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) これは年度越してございますけれども、年内に一定の方向、税制改革の方向が見きわめられる段階において償還方法等が正確に決まってまいるわけでありますから、当面短期国債をもってつなぐ、こういう趣旨でございます。
○前畑幸子君 そうしますと、商行為の中でいう、手形を書きかえ書きかえしながらきちっとした税制が決まるまでつないでいくという意味のものととらえていいわけでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 年内に基本的方向が定まるということでございますから、今の前畑委員のようなことにはならないと考えております。
○前畑幸子君 それはさておきまして、私ども連立にいましたときには税制改革協議会というのを精力的にやってまいりましたけれども、そのときに、大体六月末をめどに税制を決めるということでおりました。今、私どもも社会党、さきがけと一緒に、六月末をめどに、あらゆる方向から税制がどうあるべきかという方向を検討しておりますけれども、与党の方の大体の方針は出てまいりましたでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 当時の連立与党の税制改革協議会、二月十七日にできたと思います。前畑先生も大変御熱心に御討議に加わっていただいたわけで、週数回のペースでずっとやってきたと思います。そういう中で社会党さんが連立を離脱されたということになっておりますけれども、同じようなペースで議論は進んでおります。内容はもう御承知のとおりであると存じますが、三つの部会に分けて、それらを集中的に税制協議会でまとめる、今週にもその結論が出てまいると思います。 かたがた、税制調査会におかれましても十一月に答申を出されましたが、新しい羽田内閣ができた後、羽田総理は改めてまた税制調査会に出向かれて、既定方針と同じくこの問題は引き継ぐのである、答申をぜひお願いしたいということを述べられ、これも今週中には結論が出てまいると思います。 これらを踏まえて連立与党の成案を得たいと考えております。
○前畑幸子君 大体大臣も新聞等で御発言になっていらっしゃるので、大枠というものは決まってきているのではないかなと思いますけれども、十八日の日経によりますと、藤井大臣も六月中にまとめる税制抜本改革案に税率と実施時期を盛り込むということを期待しているという御発言がありましたが、そうした時期を迎えていると思いますけれども、今の状況を御説明いただけますでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 私どもといたしましては、既定方針、繰り返しませんけれども、平成六年度でやらせていただいておりますような当面の景気対策ということではなく、基本的な税制改革をまずやらせていただきたいと思っております。 同時に、これが単なる歯どめない特例公債によるということはまた許すべきことでないということでもあり、また、今後の長寿社会を見据えれば消費課税の充実が必要であるという前提のもとに、税率、そしてまた、多くの方が言われておりますいわゆる先行期間等々については具体的に決定をしていただきたいと期待をいたしております。
○前畑幸子君 今年度は戻し減税という形でされましたけれども、まだ決まっていないということですが、来年、再来年の方向はきちっとした税制改革の中でうたわれるのか、また今のような形で戻し減税の形をとっていかれるのか、どちらを今大臣はお考えですか。
○国務大臣(藤井裕久君) 大変御質問に異を申し上げて恐縮でございますが、私どもは本年といえども戻し減税とは考えておりません。戻し減税とは、昭和五十六年等にやりましたように、昨年分のいただきました税金の一部をお返しするという仕組みを私どもは戻し減税と言っております。本年やらせていただいておりますのは、いわゆる減税である。いただいたもの、あるいはこれからいただくべきものについて減税をさせていただくということでありますから、これは通常の減税と考えております。 同時にまた、これを来年以降どうするかということでございますが、ただいまも申し上げましたように、これは景気対策として一律いただくべき税金の二〇%をお返しするということでありますから、基本的な税制改革とは考えておりません。
○前畑幸子君 大蔵大臣におかれましては、この七月にナポリ・サミットの予定がおありだと思いますけれども、G7においても引き続いて減税を公約されなければならない立場におありだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) これも予算委員会で申し上げておりますように、私はG7に三回参りましたが公約的なことは一切申しておりません。ましてや、減税の規模、また今話に出ました先行期間などは一切申しておりません。私がG7において申していることは、既に政府の方針として決まった二月八日対策、そしてまた特別減税法において、全会一致をもって、税制全般を見直して基本的な所得税減税をやるという御決定をいただいたという事実、これを申し上げでまいりました。あくまでもこれは政府が決定すべき国内政策であるということを念のために申し上げたいと思います。 したがいまして、来るべきナポリ・サミットは、これは総理が主としてなさることでありまして、私どもがとやかく申し上げることではございませんが、その場がありとせば、その時点において決まった政府の政策を申し上げるつもりでございます。
○前畑幸子君 そうすると、それまでにきちっとした制度減税の大枠が決まってくるというふうに大臣はとらえていらっしゃるのかと思います。 十八日のやはり日経新聞に与党税制協議会の方の御発言で、「六兆円は対外公約で変えられない」と減税に対しておっしゃっているんですが、その辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) その御発言はどなたかは私は存じませんが、今申し上げたように対外公約というものはありません。ありませんが、私どもとしてあるべき基本的税制改革の際の所得税減税の規模は、規模としては現在程度が望ましいのではないか。内容は違います、内容は違いますが、規模としてはその程度が望ましいのではないかという感じを持っております。
○前畑幸子君 そうしますと、今後の減税は継続という方向でとらえていいかと思いますが、月末までに日程は残すところ十日足らずでございますが、今後のスケジュールに対する大臣の見通しはどのようにつかんでいらっしゃるかということと、そうしますと先ほどの今年度の短期公債に関しましても具体的な償還計画を立てなければならないと思いますけれども、それに関するお考えはいかがなものか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま申し上げましたように、六月末までに成案を得て年内に法律として成立をさせたい、こういうことを申し上げているわけであります。その既定方針は変わっておりません。 ただ、御承知のように私ども少数連立与党でございます。当然のことながら、大きな野党の皆様方が多くいらっしゃるわけでございまして、こういう方々の御理解をいただくことは大変大事なことだと考えております。また、年内にそういうものを成立させていただけるならば、償還計画というものもおのずから定まってくると考えております。
○前畑幸子君 先日お出しになりました、政府税調に提出された機械的試算というものを見せていただいているんですけれども、これによりますと消費税一〇%に引き上げたというケースが出ております。これに関して大臣はどういう御所見をお持ちですか。
○国務大臣(藤井裕久君) これも予算委員会等々で、またマスコミの皆様にもややしつこいほど申し上げたのでございますが、これは機械的試算であって政策意図は入っていないということを申しております。 いずれにいたしても、税制調査会が数量的なめどを見ないとなかなか具体的な議論に入っていけないのでぜひ計算だけしてくれということで、私どもはそういう危惧を持ちながら、かつ今申し上げたように、しつこいほど皆様方に事前にこの趣旨を申し上げて提出したものであります。 そのとき、税制調査会から三つの前提を示されました。一つは、消費課税の充実と所得課税の軽減というこの基本方向に即したものであること、将来の福祉施策に対して適切に対応できるものであること、第三番目に、これによって財政体質をより悪くすることのないようにということの前提がございましたもので、私どもは三つの税率を機械的計算の前提にさせていただきました。 しかし、繰り返して申し上げますが、これは機械的計算でございますから、これをもとにして皆様方のいろんな御論議をいただきたいというふうに考えております。
○前畑幸子君 機械的なものだとおっしゃればそれまでですけれども、こういうふうにして一つのパターンを示されると、やはりこの辺に大蔵省としての意図があるのかなというふうに思わざるを得ないわけです。 六年度における減税と同規模の減税を継続して行う、それによりますと六兆二千億円ということでございますけれども、六・二兆というその根拠はどこから来たものでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 平成六年の減税が六兆円でございます。五兆五千億が所得課税関係でございます。あとは相続税、そして自動車の消費税、そして法人特別税でございますが、相続税については平年度化があります。したがいまして、端数をはしょって六・〇が六・二に平年度化するとなるという趣旨でございます。
○前畑幸子君 社会保障関係も五・七兆円ということで出ておりますけれども、大蔵省の方に聞きましたら、これは厚生省の方がこういう数字を出してきたから書いただけだということでございます。まだ福祉ビジョンのきちっとした予算も出てないわけで、こういう数字がひとり歩きするということはやはりいかがなものかと思うわけで、消費税率を上げるための一つのパターンとして見られるということは余りよくない。今、与党におかれましても野党におかれましても一生懸命論議をしているわけですから、その辺もう少しきちっとした対応のもとにこういう数字というものは出していただきたいなと思います。 それから、この十年間におきます納税者、納税企業の数の増加というのは大変なものだと思います。そこで、できましたら個人申告の納税者の数とか法人申告の納税者の数、それから源泉徴収義務者数、それから源泉の還付申告者数、それから相続税申告者数、贈与税の申告者数、それから新しく入りました消費税、地価税の申告件数を、この十年ぐらいの推移を平成四年度の件数と比べて御説明いただけたらと思います。
○政府委員(若林勝三君) お答えいたします。 まず申告所得税の納税者数でございますが、平成四年度におきましては八百五十七万八千人でございます。これが十年前の五十七年度におきましては六百五十七万九千人でございますので、約一・三倍になってございます。 それから法人の数でございますが、平成四年度は二百六十六万五千件、それに対しまして十年前の五十七年度は百八十七万七千件でございますので、対比いたしますと一・四倍になっております。 それから源泉徴収義務者数でございますが、これは三百九十万二千件が平成四年度でございまして、五十七年度は三百十二万件でございます。この比は一・三倍になっております。 それから源泉の還付申告者数でございますが、これは平成四年度では七百三十四万六千人ということで、昭和五十七年度の五百五十一万六千人に対しまして一・三倍となっております。 それから相続税の申告者数でございますが、これは被相続人の数で申し上げますと、平成四年度五万四千人、五十七年度が三万六千人と、一・五倍でございます。 それから贈与税の納税者数につきましては、平成四年度四十九万二千人、それが五十七年度では二十七万八千人と、一・八倍でございます。 それから消費税の申告件数でございますが、平成四年度二百二十七万二千件ということでございます。これは最近導入されましたので十年前の数字は当然ないわけでございます。 それから地価税の納税者数は四万一千件、これも同様に四年度が初年度でございますので、こういう数になっております。
○前畑幸子君 五十七年と平成四年というのではちょっとあれでしょうけれども、本当は平成元年ぐらいから四年度ぐらいの増が知りたかったんですけれども、それはわかりませんでしょうか。
○政府委員(若林勝三君) 恐縮でございます。今、六十二年と平成四年、五年前を比べた数字であれば手元にございますので、もし差し支えなければ平成四年度と比べた五年前と平成元年の数字で申し上げさせていただきますと、申告所得税の納税者数につきましては七百七十万人ということで、先ほどの平成四年度の数に比べますと一・一倍になっております。 それから法人数でございますと、二百十四万七千件ということで、同じように平成四年に比べますと一・二倍でございます。 それから源泉徴収義務者数で比べますと、これは六十二年が三百四十一万三千件ということで、一・一倍でございます。 それから源泉還付申告者数で見ますと、六百九十九万三千人でございますので、平成四年度に比べますとやはり一・一倍でございます。 それから相続件数、被相続人数で見ますと五万九千人ということで、これはお亡くなりになった被相続人の数でございますと〇・九倍ということで、逆にこれは平成四年度に比べて、むしろ平成四年度より六十二年の方が多かったという格好になっております。 それから贈与税の納税者数で見ますと、四十三万三千人でございましたので、平成四年に比べますとやはり一・一倍になっております。 消費税の申告件数、これは平成元年でございますので、数字を申し上げますと百九十七万六千件ということで、平成四年の二百三十七万二千件に比べますと一・二倍、これは元年との比較でございます。 以上でございます。
○前畑幸子君 高度成長の中で、そしてまた納税申告者が随分ふえてきたことはこれでおわかりになると思いますけれども、一つ私が申し上げたいのは、源泉還付申告者数というのがだんだんとふえるわけですね。これは住宅取得控除それから医療費控除、そういう諸控除による源泉の還付対象者だと思います。 これは、ここ数年来、御家庭の奥さんたちがテレビを通じて、少しでも税を正しく申告して返していただきましょうという、税に対する関心を持たせる意味では医療費控除というのは大変よかったと思っております。 しかし、最初は五万円以上の医療費が控除対象になりました。それが数年前から十万円に上がりました。それによって、いつも細かいことで大変恐縮ですけれども、七万から八万ぐらいの医療費がかかった小さい子供さんを抱えた御家庭は控除の対象にはなっていないわけですね。そうして、今社会保険でも国民健康保険でも五万九千円以上ですかね、高額医療費を払った方は区役所の方で戻していただけますね。 ですから、私は、もう医療費控除というのを税で還付するということはそろそろやめる、そして基礎控除に五万円上乗せすることによってやはり税の簡素化ということも少しこれから考えていかれてはいかがかと思いますけれども、大臣、どう思われますでしょうか。
○政府委員(小川是君) 各種の控除の関係につきましては、今委員御指摘のように、むしろ基本的な控除の中で考えていくべきではないか、複雑ではないかという御意見があるわけでございます。 中では、医療費控除につきましては、一般的な家計負担の水準を上回って偶発的な支出を余儀なくされるものについては、担税力の減殺ということについてそれなりのしんしゃくをする、こういう所得税制度というのは合理性を持っているのではないか。 その水準、どこまで基礎的な人的控除でカバーされていると考え、どこからを医療費控除の対象にするかという点の見直しは常時必要であるといたしましても、これまでのところ、医療費控除については、ただいま申し上げたような趣旨から、比較的これを存続することについて納税者の方を含め国民の皆さん方の御理解といいますか、考え方が整理されているのではないかという感じがいたしまして、これを一般的な控除に吸収してしまうというのはなかなか困難ではないかというふうに考える次第でございます。
○前畑幸子君 医療費控除の実務面から判断しますと、とにかく十二万円の医療費の領収証を計算するなり、その領収証の枚数というものは膨大な枚数が集まらなければならないと思います。実務者というのは、こういう大きい紙に領収証を全部添付して、合計を入れて、そして申告書に添付して出すわけですけれども、そういうものを出す以上、今度は税務署の方ではそれをきちっとチェックしなければなりません。そういう実務的な能力にも限界がきているのではないかなということを常々私は三月に思うんです。ですから、このあり方も少しこれから見直していただくことは大事ではないかなと思います。 それから、元年から消費税、そしてここ二年間地価税というものが入って、新しい税が入りました。こういうものに対して国税職員の増加というものが四年度が五百五十一人、五年度が三百五十一人ということで、約九百人ほどの増員はございましたけれども、今までの既存の事務以外にいろいろなそういう税が入ったわけで、また今回特別減税も入りまして、大変事務的にオーバーワークになるんではないかなと思うんです。 そうすると、そういうことに能力というか時間を割くことによって、本当の税務の調査対象というものに時間が回らないのではないかなと私は心配するんですが、その辺はいかがでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 第一線の事情をよく御承知の前畑委員から税務の執行について温かいお話をいただいたと思います。 税務の執行という面からいうと、前畑委員の御指摘のような角度というのは確かにあるわけでございますが、主税局長お答えいたしましたように、この医療費という問題は、やはり通常の家計の負担では考えられない偶発的なプラスアルファであることも事実でありまして、基本的にはなるたけ控除というものは少ない方がいいことは事実でありますが、医療費についてはやはり特別の配慮が要るのではないかという点を勘案してこの制度があるわけでございまして、今のところこれはそれなりの意義を持っているというふうに申し上げたいと思います。
○前畑幸子君 私はそれが悪いということではないんですが、小さなど言いますと語弊がございますけれども、そういうことに能力を使うよりも、税の捕捉の方に対応する時間を与えていただくのがやはり税の公平につながるのではないかなと。 そしてまた、今の職員の数で、九百人足らずの増員で、地価税から消費税からいろいろな新しい税が入ってまいりました、それに対応する能力がやはり不足するのではないかなという気も私は見ていて思うわけです。 それからもう一つ、この経済高度成長がはじけまして、納税者の数におきます滞納状況をちょっとお知らせいただけたらと思います。
○政府委員(吉川勲君) 平成四年度の滞納残高は、件数では二百九十八万件でございまして、金額では二兆五百十五億円となっております。
○前畑幸子君 現在の滞納残高が二兆ということですね。そうしますと、これは累積滞納額ですが、件数の推移としてはいかがなものでしょうか。
○政府委員(吉川勲君) 件数で申し上げますと、十年前の五十七年度当時二百二十一万件でございましたので、件数面では一・四倍、当時金額では六千二百四億でございましたので、金額的には約三・三倍となっております。
○前畑幸子君 そうしますと、幾ら正しい税を数字的には確定していただきましても、これが国庫に入らなくてはやはり困るわけでして、この滞納残高というものは今後どのくらいのペースで徴収できる見込みでいらっしゃいますでしょうか。
○政府委員(吉川勲君) 今後と言われましてもなかなか難しゅうございますけれども、最近の滞納整理状況を見ますと、年間で一兆五千四百億円程度の処理済み滞納額を上げております。
○前畑幸子君 それに加えまして相続税の物納も、午前中に佐藤委員からお聞きになられましたけれども、随分納税者もふえ、納税額もふえ、同じようにやはり滞納もふえてきているのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(吉川勲君) 徴収部では大きな問題を二つ抱えておりまして、一つは先ほど申しました滞納残高の増加でございます。もう一つは相続税の物納の急増でございまして、この二つが徴収部の大きな問題でございます。
○前畑幸子君 そうしますと、こういう経済の事情に応じて徴収部の人員というものはどのような推移をしているのでしょうか。
○政府委員(吉川勲君) 国税庁における徴収部系統の定員数につきましては、平成四年度で七千七百九十九名でございまして、十年前の五十七年度は八千六十人でございましたから、二百六十一名の減少になっております。 ただ、これにつきまして若干御説明いたしますと、五十七年度から五十八年度にかけまして、源泉事務等、従来徴収部が行っておりました事務を課税部、当時直税部でございましたけれども、引き継ぎました関係上若干特殊事情がございますので、例えば五十八年度と比較いたしますと七十五名の増、約一%の増加になっております。
○前畑幸子君 今御説明のように物納申請件数もふえてきて、いろいろな意味で事務量が増加してきた割には実数定員というものがふえていないように思います。 国税職員の対応も、皆さん行っていただきますと、税務署でまず窓口に立ちまして声をかけられなかったことはないと思います。お客様はどちらへ見えましたか、何の御用でしたかと。今、税務職員というのは徴税の先頭に立っておりますので、ただでさえ税金を払うことに対して厳しい国民の目にさらされているわけですね。しかし一方、市役所とか県の行政へ行きますと、こちらがうろうろしていてもだれも声をかけてくれません。これはどこへ行くんですかと言うと、あちらです、そちらへ行きますと、こちらですと、こういうのが今の役所のあり方です。 ですから、私は税務職員をかばうつもりはありません。いろいろな人がいると思いますけれども、やはり国民の目にさらされた徴税の先頭に立っている国税職員がもう少し心にゆとりと体力にゆとりを持って対応することが、税の捕捉をする中で不公平を正していく意味でも必要ではないかなと思いますので、大臣のその辺の気持ちを一言お聞きしたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) 本当に税務職員に対して温かい目を向けていただいてありがたいことだと思っております。私も三十数年前に第一線で働いておりましたが、今に加えて、もう一つ非常な緊張感があるということも加えなきゃいけないと思います。非常な緊張感のある職場でもあるわけであります。 私どもといたしましては、全体としての公務員の縮減、削減ということの中で、平成六年度は二千人の公務員を削減いたしました。これもまた多くの納税者の方々の強い期待であるということも事実であり、その中で、直接の担当ではないけれども大蔵省がまず率先してそういうことをやらなきゃいけないという立場にもございます。全体として減らしながら、重点的に大事なところに振りかえていくというのが人事のあり方だと思います。 そういう中で、国税全体としては今報告申し上げましたように増員が行われているわけでありますが、徴収に限定しますと、今説明申し上げたような内部事情があるにしろ純減になっているということは事実であり、私どもとしては、基本論で恐縮でありますが、全体としてはやはり公務員は縮減していかなければいけないという中で、重点的に場を選んでいかなければならないという気持ちで今後扱ってまいりたいと思います。
○前畑幸子君 ありがとうございました。
○吉岡吉典君 予算委員会以来論議されてきている機械的計算に関連してですけれども、その前に、今度やろうとする税制改革は抜本税制改革ですか、それとも過渡的というか中間的な税制改革なのか、この点お答え願います。
○国務大臣(藤井裕久君) 私ども基本的な税制改革と申しており、かつ、いつも御説明申し上げておりますように、今後の長寿社会のあり方を見据えての改革でありますから、とりあえずの改革とは考えておりません。
○吉岡吉典君 そうだとすると、予算委員会での答弁もありましたけれども、消費税の試算だけでなくさまざまな検討をなさっているということだろうと思います。その中で機械的計算だけが発表されているから、これは魂胆があるんじゃないかと、先ほど来のような論議が出てくるのも避けがたいと思うわけです。 そういう点で言うと、例えば行政改革をどういうふうに上げれば財政はどうなるかとか、そういうさまざまの試算というのも行われているのかどうなのかということをお伺いします。
○国務大臣(藤井裕久君) これも予算委員会でお答えいたしましたように、あの機械的計算をもととしていろいろな御議論をいただく中に、当然のことながら、行政改革あるいは不公平税制と言われている政策減税のあり方等々を御議論いただくことは当然と考えております。特に行政改革については、今の御質問にもありましたように、公務員の定員の削減等々を通じて毎年やっております。また、政治の場にある者はこれに常に焦点を当てていかなければならないと思っております。もちろんこれからもやっていくことは当然であり、行政改革大綱においてはいろいろ具体的な提言もやっていく、こういうことになっております。
○吉岡吉典君 不公平税制をどういうふうに是正するかという点での検討をなさっている資料があれば私は提出していただきたいんですけれども、とりあえずここで、法人税の企業規模別負担率をどういうふうに調べておいでなのか、この報告を求めたいと思います。
○政府委員(小川是君) 法人税の税負担率につきましては、基本税率が国税の法人税率が三七・五%でございますし、中小法人につきましては所得の八百万円まで二八%の軽減税率が適用されることになっております。 それから、法人の地方税まで含めたところのいわゆる実効税負担率では、現在のところ四九%強、こういう形になっているわけでございます。
○吉岡吉典君 企業規模別の負担率を報告してくださいと私は言ったんですよ。
○政府委員(小川是君) 法人関係では国税庁の会社標本調査結果報告というのがございます。この調査結果によりますと、有所得法人、利益法人の中小法人につきましては、直近のところでございますが、所得金額が十六兆六千億に対しまして税額が五兆八千億、負担率にいたしまして三五・二%となっております。 これに対して、いわゆる資本金一億円超の大法人につきましては、所得金額が二十六兆二千億、算出税額が九兆八千億ということで、負担率は三七・五%となっております。
○吉岡吉典君 二つに分けての報告ですけれども、これではよくわかりませんので、最近東京新聞に百万円未満から百億円以上までの法人の負担率というのが表になって出ております。これによると、国内で納められた実際の法人税負担率で一番高いのは一億円以上、そして一番低いのが百億円以上。この百億円以上というのは百万円未満よりもまだ低い、こういう数字が出ております。大体こういう傾向になっているというふうにお認めになりますか。
○政府委員(小川是君) 東京新聞に出ておりましたデータを私どもも拝見いたしました。大変世の中を惑わせるような一つの試算であるというふうに思っております。 法人税の負担の問題は、法人所得課税というものがどういうものであるか、またその課税システムの中で、ここで問題にしておりますのは例えば所得税額控除であるとか外国税額控除を問題にしているわけでございますが、法人が利子等につきまして源泉所得税を課せられたときに、その源泉所得税額を納めるべき法人税額から控除するのは当然のことでございますし、外国で納付した法人税額があるときには、外国における所得を我が国の法人税が課税所得としている以上、これを控除するのは当然のことでございます。そういったところを無視してこういった税負担のバランスを論ずるということは、極めて当を得ないのではないかというふうに考えております。
○吉岡吉典君 大変な言葉で、人を惑わせるものだという言葉まで使ってこれを批判されるというからには、あなた方もそれじゃ実際はどうだというものを出さなければ、発表されている数字を言葉で言うだけではだめですね。 私どもが試算したものもあります。それによると、数字は違いますけれども、やはり傾向としては百億円以上が一番低く、それは百万円未満よりもまだ低いという実質税負担率が出ております。 私どものその試算、差し上げてもいいんですけれども、こういうものは世を惑わすなどと言って非難を浴びせた以上は、大蔵省の責任において実際はこうだというものを出さなければ、言葉だけではこれはよくないと思いますが、大臣どうですか、出しますか。
○政府委員(小川是君) 申し上げましたのは、こうした法人の実際上の負担がどの程度であるかということにつきましては、課税所得の計算、それから税率の適用、それからそれに対して税額控除があれば、その税額控除の適用がどうであるかということを一つずつ性格に応じて御議論をいただきたいというところでございます。 そういう意味におきまして、法人税の課税上、先ほど申し上げました税率適用以外に関係いたしますのは、例えば租税特別措置の問題でございます。これにつきましては、最近のところで、法人関係の租税特別措置による減収額は全体としまして約四千三百億、このうち大法人関係が二千六百六十億、中小法人関係が一千六百六十億、このようになっているわけでございます。
○吉岡吉典君 そんな弁明は要らないんです。これに対応する百万円未満から百億円以上の法人の実質負担率というものを出すか出さないかということを私は聞いているわけです。 大臣、基本的税制改革をやろうというのなら、さまざまな材料を国民に発表して、これがだめなら、大蔵省の責任持つもの、不公平税制からあらゆる資料を出して国民的な論議を経て答えを出していくというやり方が必要だと思います。レーガン税制改革はいろいろな論議があるわけですけれども、さまざまな試算をあれは出して国民的論議にかけたんですよね。私はそういうやり方を大蔵省もやるべきだと思います。 大臣、そういう基本的税制改革をやろうというのなら、これのみならずさまざまなものを出して、魂胆があってだと言われるような機械的計算だけでないものを全部出すということをここで約束していただきたいんです。
○国務大臣(藤井裕久君) 私どもといたしましては、いろんな御要望に対してはいろいろな資料を出させていただいているつもりでございます。機械的計算も出すようにという強いお話があってお出ししているのも事実でありますし、そのほかにいろんな資料も出しておりますが、今のこの問題については、やりとりにもございましたように、こういう形の分け方というのは大蔵省ではなかなかしていないと思いますし、前提条件がいろいろあるんだと思います。それらをどう整理するかということはなかなか難しいのではないかと、今、吉岡委員の御質問、小川主税局長の答弁を聞きながら考えておった次第でございます。
○島袋宗康君 大臣は、さきの本委員会における所信表明で、景気回復の機運は着実に熟しつつあるとの認識を示されております。そこで、大蔵省は現時点で景気回復の見込みをどのように見ておられますか。 また、現在の為替相場の動向は景気回復にどういう影響を与えておるか、その辺の考え方をお聞かせ願いたいと思います。 さらに、この相場は、去る四月二十四日に開催されたG7、蔵相・中央銀行総裁会議で確認された考え方からすれば満足できる円相場であるのかどうか、その三点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) 現在の経済の情勢は、先ほども申し上げましたが非常にデリケートなところにあるように思います。余り詳しくは申し上げませんが、公共投資、住宅投資というものは引き続いて非常に堅調だと思います。それに加えまして、いわゆる消費というものについても明るい面が出かかってきている資料もございます。さらに、鉱工業生産もそれなりの数字を出しておりまして、企業マインドというものも一時に比べると明るくなってきているということは事実だと思います。 しかしながら、同時に、まだ指標の上ではそういう景気の回復を明らかに示唆していない指標もあることも事実でありまして、非常にデリケートな時期であり、私どもといたしましては、二月八日の史上最大と言われております総合経済対策を着実にやる。もう既に院の大変な御配慮によって減税は全部やらしていただく体制はできました。また、予算も最終段階の御審議を賜っております。こういうことを院のお許しをいただければ着実に実行させていただき、かつ、この総合経済対策にもありますような、資産インフレに伴うひずみというのがいろいろあるわけです。金融機関における不良債権問題等々、これらも着実に解きほぐしを今やっているわけでありまして、相まって、今芽が出かかった景気回復の芽を着実に花を吹かせていく努力をする一番重要なときだと私は思っております。 それから相場の問題でございますが、まずやはりこういう景気回復の軌道に乗りかかっているときに非常に問題として見ておりますのが、一つが雇用の問題だと思います。 雇用の問題というのは、経済学的に言うと景気の最終段階において出てくると言いますが、しかしこれは働きたい人が働く場がないというのが一番問題なのであって、これを何とかしっかり支えていかなければならない。そのためのトータルプランというものが三千億でありますが、今御審議をいただいております平成六年度の予算に出させていただいておりますが、これらも着実に実行して、雇用に大きく波及していかないということが非常に重要だと思います。 もう一つが相場だと思います。円相場だと思います。おっしゃるとおりでありまして、私どもは相場の動きというものについては非常に注意深く見守っております。 四月二十四日のG7、それらを含めて全部そうなのでありますが、はっきり申し上げられることは、G7の通貨当局、大蔵大臣、中央銀行総裁の認識は常に共通でございます。すなわち、急激なレートの変動あるいは不安定なレートの変動ということは、その国の経済のみならず世界経済に望ましくないということが第一でありまして、そのためには為替相場において適時適切に緊密に連絡し合いながら対応をとっていく、こういう合意があります。いろいろとこの国がどうだと言われておりますが、事通貨当局に関しては同じ認識で立ち向かっているということをここで申し上げたいと思います。 そこで、最後の御質問の相場は幾らならいいかということなのでございますが、これにつきましてもG7の通貨当局の合意がありまして、相場自体には言及しないという合意がございます。 とにかく一兆ドルというお金が毎日二十四時間世界の市場を流れておるわけでありまして、相場がどの辺がいいのかということをしかるべき人間が言うということは、極めて問題が多いというのがG7の通貨当局の共通の認識でございますので、ひとつその点はお許しをいただきたいと思います。
○島袋宗康君 次に進みたいと思います。 大臣は、個人所得税の軽減と消費課税の充実を柱にバランスのとれた安定的な税体系を構築するとして、増減税一体の税制改革の実現を表明しておられます。しかし、一部マスコミの報道によれば、政府税制調査会の答申案の骨格は、所得税減税を来年度以降も継続するという減税先行の方向で動いているようであります。この骨格は、大臣がこれまで述べてこられましたバランスのとれた税体系の構築にかなうとお考えですか。 また、税制改革の年内実現は公約であると参議院予算委員会で言明されたわけでありますけれども、その見通しについてあわせてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) 私は常に税制改革は一体として処理ということを申し上げております。一体として処理ということは、これもずっと議事録を調べていただければわかるのでございますが、一緒に実施するということとはニュアンスが違うことは御理解いただけると思います。一緒に事柄を決める。 そこに、今大分マスコミさん、あるいはいろんな方々から誉言葉で出ておりますように、減税先行期間という言葉が出ております。これらは私どもは否定しているわけではございません。ただ、一体的に処理する、一緒に決めていただくということが大事だということをあえてこの際申し上げさせていただきたいと思います。 それから、私どもは少数与党ではありますけれども、日本の将来にとっても私は間違った方向でないということを確信しております。年内にこの実現を図るということのために各党の皆様方、そして多くの皆様方に御理解をいただく最大限の努力をしなければならないと考えております。
○島袋宗康君 平成六年度予算の大綱では限られた資金の重点的・効率的配分に努められたようでありますけれども、具体的な成果は予算案でどういうふうになっておりますか。 とりわけ、防衛予算については伸び率の関係でどのように御努力されたのか。また、各省庁別の配分については従来と比べてほとんど変化がないように思われますけれども、重点的・効率的な配分という点ではどういうふうな努力をされたのか、お伺いいたします。
○国務大臣(藤井裕久君) 限られた資金を重点的に配分するということは大変大事なことだと思っております。 先日も予算委員会で御質問があったときに、感想を言うようにというお話でありました。一般の国民の方の中では、この配分がえは余り大きなものではありませんねという御感想を持っておられるのは事実だと思いますが、その道に入った人たちから言うと、大変なことをやったな、よくここまでできたなというような御意見も伺っているのは事実でありまして、実情はそこらにあると思います。 特に、生活環境の整備のための予算というのは、廃棄物とか下水とか農村集落の排水とか、いずれも十数%伸ばしております。一年ではこういうものはまだ芽がなかなか出ませんけれども、これを続けてやっていくということによって必ずその方向は出てくる。特に、都市の幹線鉄道でございます地下鉄などについても非常に大きく配分し直しているということ。これを続けていくということが大事だというふうに思います。 ただ、これも予算委員会でいつもお答えいたしておりますように、それは都市を優遇して地方を何か冷遇するんじゃないかというお話がありますが、これは全く違います。今のように排水ということは都市、地方に関係のない話、廃棄物も関係のない話でありまして、こういうことについては私どもは都市、地方に関係なく重点的にそういう生活環境に配分していくことが大事だというふうに考えておる次第でございます。 その数字が必要であれば事務方からお答えさせていただきますが、昨年に比べると相当な、我々的に言うと相当な配分がえを行ったと思います。世の中の方から見ると一%ですかというようなことであることも事実であります。 次は防衛でありますが、防衛は全体として〇・九%というふうに抑えさせていただいたということは、全体の七十三兆の予算配分の中での位置づけというふうにまず御理解をいただきたいと思います。 それから同時に、正面装備と後方支援というような意味におきまして、後方支援がやはりおくれているというような点についてはこのところずっと配慮をしてきているつもりでございます。 そういう意味で、誉言葉にありました重点的・効率的な配分、同じ事業であってもやはり重点的にその中でまた実施計画を組んでいくということも大事なことだと考えておりまして、今後とも最大限努力してまいるつもりであります。
○委員長(上杉光弘君) 以上で大臣の所信に対する質疑は終了いたしました。
○委員長(上杉光弘君) 次に、平成六年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案及び証券取引法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。藤井大蔵大臣。
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま議題となりました二法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 まず、平成六年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案につきまして御説明申し上げます。 平成六年度予算の編成に当たりましては、現下のまことに深刻な財政事情と厳しい経済状況にかんがみ、平成五年度第三次補正予算とあわせ、可能な限り景気に配慮するよう努めるとともに、従来にも増して徹底した歳出の洗い直しに取り組む一方、限られた資金の重点的・効率的配分に努め、質的な充実に配慮したところであります。 本法律案は、こうした努力に加え、平成六年度の財政運営を適切に行うため、各種制度の運営に支障が生じない範囲の特例的な措置として、平成六年度において、国債費定率繰り入れの停止等の会計間の繰り入れ等に関する措置を講ずるものであります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、国債費定率繰り入れ等の停止であります。 毎年度国債の元金の償還に充てるため国債整理基金特別会計に繰り入れるべき金額は、国債整理基金特別会計法第二条第二項に規定する前年度首国債総額の百分の一・六に相当する金額及び同法第二条ノ二第一項に規定する割引国債に係る発行価格差減額の年割額に相当する金額とされておりますが、平成六年度におきましては、これらの規定は適用しないこととしております。 なお、定率繰り入れ等の停止に伴い国債整理基金の運営に支障が生じることのないよう、別途、NTT株式の売却収入に係る無利子貸し付けについて繰り上げ償還を実施するとともに、地方公共団体等に対し相当額の償還時補助金を交付することとし、このため必要となる措置を講ずることとしております。 第二は、国民年金国庫負担金の平準化措置による平成六年度の加算額に係る一般会計からの繰り入れの特例であります。 平成六年度における一般会計から国民年金特別会計国民年金勘定への繰り入れについては、国民年金特別会計への国庫負担金の繰り入れの平準化を図るための一般会計からする繰り入れの特例に関する法律の規定による繰入金額の算定において加算するものとされている金額はこれを加算しないものとするとともに、後日、将来にわたる国民年金事業の財政の安定が損なわれることのないよう、加算しなかった金額に相当する額及びその運用収入相当額の合算額に達するまでの金額を一般会計から繰り入れるものとしております。 第三は、政府管掌健康保険事業に係る繰り入れの特例であります。 平成六年度における一般会計から厚生保険特別会計健康勘定への繰り入れについては、健康保険法に定める額から千二百億円を控除して繰り入れるものとするとともに、後日、政府管掌健康保険事業の適正な運営が確保されるよう、各年度の当該勘定の収支の状況等を勘案して、繰り入れ調整分及びその運用収入相当額の合算額に達するまでの金額を一般会計から繰り入れるものとしております。 第四は、雇用保険事業に係る一般会計からの繰り入れの特例であります。 平成六年度における一般会計から労働保険特別会計雇用勘定への繰り入れについては、雇用保険法に定める額から三百億円を控除して繰り入れるものとするとともに、後日、雇用保険事業の適正な運営が確保されるよう、各年度の当該勘定の収支の状況等を勘案して、繰り入れ調整分及びその運用収入相当額の合算額に達するまでの金額を一般会計から繰り入れるものとしております。 第五は、一般会計において承継した債務等の償還の特例についてであります。 交付税及び譲与税配付金特別会計における借入金のうち一般会計に帰属したもの並びに日本国有鉄道及び日本国有鉄道清算事業団の債務のうち一般会計において承継したもののうち、平成六年度において償還すべき金額については、それぞれその資金運用部に対する償還を延期することができることとし、当該延期に係る金額については、五年以内の据置期間を含め、十年以内に償還しなければならないこととしております。 第六は、自動車損害賠償責任再保険特別会計から一般会計への繰り入れであります。 平成六年度において、自動車損害賠償責任再保険特別会計の保険勘定及び保障勘定から八千百億円を限り、一般会計に繰り入れることができることとするとともに、後日、繰入金相当額及びその運用収入相当額の合算額に達するまでの金額を一般会計から繰り入れるものとしております。 第七は、造幣局特別会計から一般会計への繰り入れであります。 平成六年度において、造幣局特別会計から一億円を限り、一般会計に繰り入れることができることとしております。 なお、本法律案は、その施行日を平成六年四月一日として提案いたしておりましたが、その期日を経過いたしましたので、衆議院において、交付の日に修正されておりますので御報告いたします。 第二に、証券取引法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 政府は、自己の株式の取得に係る規制の緩和に対応して、証券取引の公正を確保するため、自己の株式に係る株券の買い付け状況に関する開示、自己の株式に係る株券に関する公開買い付け、内部者取引規制等について、所要の制度の整備を図ることとし、ここに本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、自己の株式に係る株券の買い付けを行う場合には、投資者保護の観点から、三カ月ごとに買い付け状況の開示を義務づけることとしております。 第二に、利益による株式の消却のために行う株券の買い付けに関して、公開買い付けの制度の整備を図ることとしております。 第三に、自己の株式の取得を行うことについての決定を内部者取引規制上の重要事実として規定し、これを公表しなければ会社及び会社関係者は、当該会社の株式に係る株券の買い付け等をしてはならないこととしております。 そのほか、証券会社による取引報告書の作成等につき、所要の改正を行うこととしております。 以上が二法律案の提案理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(上杉光弘君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○楢崎泰昌君 まず、証券取引法の一部を改正する法律案について若干の御質問を申し上げたいと思います。 これは、過日、自己株式取得について商法で規制の緩和が図られたということに対応するものだというぐあいに思っております。これを証券取引法の改正で若干の肉づけをなさるということでありますが、この自己株式取得というのはどの程度の意味があり、どのように株式市場における証券取引の上で期待をなされているか、まずお答えください。
○政府委員(日高壮平君) ただいま御指摘がございました自己株式の取得規制の緩和についてでございますけれども、このたび御提案を別途させていただいております商法の改正法案におきまして、株主総会の決議に基づいて配当可能利益を用いて自己株式を取得、消却することが可能になるということでございます。 この場合に、企業はその配当可能利益を、従来のやり方といいますか使い道ということでございますと、まず一つは再投資をする、その結果将来の企業の価値を高めるという道が一つございますし、もう一つは配当として株主に還元をするという道があるわけでございますが、今回の改正によりまして、企業を取り巻く経済環境などを考え、例えば有効な再投資先がない場合、そういったような場合には配当可能利益を自己株式の取得という形で売却に応じた株主に還元をする、同時に消却後の自己資本利益率の向上が期待できる、そのようないわば株主に対する利益を還元する際の一つの道をさらにふやしていく、オルターナティブにふやした、そういう考え方でございます。 このように、結果として株式投資の魅力を高め、ひいては安定的で活力のある証券市場の確立に役立つであろうというふうに期待をいたしているわけでございます。
○楢崎泰昌君 従来、自己株式の取得を制限していた、認めていなかったということはそれなりの理由があったわけですね。一番恐ろしいのはインサイダー取引であるというぐあいに思いますが、それについてこの一部改正案ではいろいろな工夫をやっておられるように思いますけれども、これで十分それが機能するんでしょうか。私はまた、今証券局長が言われたいろんなメリットというものが果たしてこんな大きな規制をかけて実現するんだろうかというようなおそれを抱くものでありますが、それについてのお考えをお示しください。
○政府委員(日高壮平君) 確かに、この自己株式の取得規制を緩和するという場合に二つの側面があろうかと思います。 一つは、公正な株式取引をめぐって、例えば今回改正をお願いしておりますインサイダー規制との関係とかあるいは株価操縦との関係とか、何といっても自己の会社の株式について一番知り得る会社の経営者がこの判断をするわけでございますから、そういう意味で公正な取引をいかに確保するかということが一つ大事になってまいります。そのような観点から今回証券取引法の改正をお願いしているというところでございます。 もう一点、逆の見方からすれば、従来なかなか行われておらなかった自己株式の取得規制が今回の改正によってどの程度行われるかということであろうかと思います。確かに従来は株価操縦等のそういうおそれがあるといったことが一つあります。そういったことからもなかなか行いにくかった。あるいはみなし配当課税ということで税制の問題が一つネックになっていたということもあろうかと思います。 こういった問題については、税制の問題につきましても今回所要の改正が行われておりますので、両々相まって、私どもとしては、従来行われていなかった自己株式取得規制について、今回の制度改革によって十分取得をし、消却をする、その道が広く行われていくであろうということが期待できるのではないかというふうに考えているわけでございます。
○楢崎泰昌君 インサイダー取引はもちろん禁止もされている、それから相場操縦防止規定もある、不正取引についてのいろんな規制もある、しかしなかなか後を絶たないというのが実情であるわけです。そういうことから見ると、今、自己株式の取得が証取法の改正によって認められ、そしてそれに規制が加えられてはいるけれども、それについては十分細心の注意をもってこの法律の運用を遺憾なくおやり願いたいというぐあいに思っています。それは質問じゃなくて申し上げるだけということにしましょう。 次に、国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律について御質問したいと思いますが、今何本かの特例を御説明いただきました。七本あるというふうに思いますけれども、その七本の特例法律で一般会計が財政負担を軽くしたと、一般会計としてですよ。国としてはそうじゃないと思いますけれども、軽くしたというのはどれくらい合計であるんでしょうか。五兆円ぐらいに思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(竹島一彦君) 御指摘のとおり、今お願いを申し上げております法律に含まれております歳出歳入両面の特例措置でございますけれども、大きなものは定率繰り入れの停止に伴いまして三兆八百四十九億円、それから、あとは税外収入面におきます特別措置でございますが、自賠責からの一般会計繰り入れ八千百億円等々を含めまして、全体で約五兆円でございます。
○楢崎泰昌君 これはまさに特例ですから毎年の歳入ではないわけですね。あるいは歳入軽減ではないわけです。ということは、今財政が非常に逼迫をしているときでございますけれども、これは毎年行われるというようなものじゃないんだろうというぐあいに思っているんです。 国債整理基金については、先ほどちょっと大臣が御説明になったように、NTTのB型の貸し付けの償還ということをもとにして基金への繰り入れの特例を設けられた。ほかの特別会計等々を見ても、毎年行われるものと思われないんですけれども、いかがでしょう。
○政府委員(竹島一彦君) 御指摘のとおりでございます。全体で七本に整理されております今回の特例措置は六年度予算に係る特例措置でございまして、毎年毎年行われるものではございません。
○楢崎泰昌君 私はさきの大蔵委員会でも御質問いたしましたけれども、我が国の財政の基盤が非常に脆弱になっていることを大変憂えているものでございます。現在の国債の発行高、これは年度末には二百兆を超え二百一兆円になるというぐあいに大蔵省は言っておられます。さらにそのほかに、隠れ借金というと大蔵省嫌がるんでしょうけれども、それ以外に国が負担として持っているものが数十億あるというぐあいに言われてますが、いかがでしょう。
○政府委員(竹島一彦君) 御指摘のとおり、国債残高は平成六年度末で二百一兆円程度になります。それ以外に、よく言われます隠れ借金というものでございますが、私どもはその関係資料といたしまして国会に「今後処理を要する措置」ということでお示しを申し上げておりますけれども、その中にもろもろのものがございます。性格の違うものが入っておりますが、あえてこれを合計いたしますと、平成六年度末で約三十八兆七千億円でございます。
○楢崎泰昌君 それは国鉄の整理勘定は入っていますか。
○政府委員(竹島一彦君) ただいまの数字には、国鉄清算事業団の長期債務二十五兆八千億円を含んででございます。
○楢崎泰昌君 二百一兆と気軽に言いますけれども、一年間の国民所得の半分近くを占めているわけです。国の財政がこのような大きな負担を持ち、なおかつ経済対策もやらなきゃいけないという大変な苦境に立っているわけですけれども、公債にこれだけ財政が頼るというのはどうも私は正常なものとは思えない感じがいたしているわけです。 物差しが余りないですから、物差しとして各国との比較を考えてみたいと思うんですけれども、公債依存度、それから長期政府債務残高の対GDP比較、それから、日本は国債の利子支払い額が大きいですね、二割近く占めていますね。こんなんで財政いいんだろうかという感じがいたすんですけれども、その三つについて各国との比較をお示しください。
○政府委員(竹島一彦君) まず長期政府債務残高の対GDP比から申し上げます。九四年度の我が国のその数値は五三・六%でございまして、アメリカの五九・五に次ぎまして、G5の中でワーストツーでございます。それから利払い費率、歳出予算に占める利払い費の割合でございますが、これで申し上げますと我が国は九四年度で一五・九%、これはアメリカの一四・〇を上回るワーストワンでございます。それから公債依存度で申し上げますと我が国は九四年度で一八・七%でございまして、これにつきましてはフランスの一九・七%に次いでワーストツーということになっております。
○楢崎泰昌君 今数字を言われましたけれども、どれをとってみてもどうも正常な姿とは言いがたいですね。我が国は日米協議においてアメリカに対して、おまえのところは財政赤字を出し過ぎているんじゃないかということを主張されているというぐあいに聞いていますけれども、いや自分の方が大変なんですね、実を言えば。こういう状態で今の財政運営をやっていかれるということは非常に問題が多いんじゃないかというぐあいに思います。 今提出されています予算でも、いわゆる建設国債が十兆五千億ぐらいですか。それから赤字特例債、これが三兆というぐあいになっているんですね。このまま推移していくと、先ほど申された五兆円、この特例法による五兆円ですね。それは実質赤字なんですよ。毎年行われるものではないと、特に国債整理基金への繰り入れ停止は、もう来年はNTTのBがないわけですから、これは来年はどうしても繰り入れをせざるを得ない立場に立つんですね。そういう財政事情の中で政府は経済政策をやらなきゃいかぬということで大変苦境には立っていると思うけれども、この財政状況を大蔵大臣はどのように見られておられますか。
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま楢崎委員がるる御指摘になりましたように極めて深刻な事態だと受けとめておりまして、これを少しでも是正していくということが私どもに課せられた極めて大きな課題だと考えております。 〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕 昨年の八月以来、ややもすれば景気対策ということで、建設国債ではありました、また今回はおっしゃるように特例公債も含めてでありますが、そういうような中に入っていっていることは極めて財政のあり方からいえば問題だと考えておりましたが、しかし景気の対策ということもこれは配慮しなきゃいかぬということからこういうことをやらせていただきました。 しかし同時に、今御指摘のような観点というのは基本の問題だと思います。予算委員会でも何度も申し上げたのでありますが、国を滅ぼすのは戦争と財政だという言葉もあるぐらいでありまして、これに対しては極めて深刻に受けとめております。
○楢崎泰昌君 大蔵大臣の財政の危機に対する受けとめ方は大切なことだというぐあいに思いますけれども、どうも政府は経済対策に対してウエートがかかり過ぎているというのか、いずれにしても、アメリカから言われたからというわけじゃないというふうにおっしゃるでしょうけれども、先週の新聞を見ていると、政府は公共投資新計画を検討している、十年間でさらに百兆ぐらい増額をすると。百兆増額をするということになりますと、そのうち半分近くは恐らく国費だというぐあいに思います。五十兆円になると思います。あるいはそれ以上になるかもしれません。大蔵当局にお伺いしましても、財政投融資、地方負担等々じゃわからぬと言うものですから、そのくらいに腰だめで聞いておきましょう。 このような計画をおつくりになる。実のことを言うと、あれはことしの三月だったと思いますけれども、経済対策を出されましたね。そのときには注意深く財源を確保してというような文言が入っていますけれども、そういう観点ほどういうぐあいに考えておられますか。
○国務大臣(藤井裕久君) 今、公共投資基本計画の見直し、つまり配分がえ、積み増しも含む、こういうことで経済企画庁が勉強しておられます。また、三月二十九日対策というのが経済改革要綱でございますが、これについては後世代に負担を残さない形でという文言を使っておりまして、私どもといたしましては公共投資は重要であると思っております。 〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕 これは、単に景気対策として重要であるのみならず、社会資本、特に生活環境に配慮した社会資本は大事だと思っておりますが、建設国債といえども借金であるという事実は変わらないわけでありますから、このことについて私どもとしては、注意深くというお言葉をいただきましたが、後世代に負担を残さないような形でこれを処理するというのを三月二十九日に合意をいたしております。
○楢崎泰昌君 今おっしゃった三月二十九日の閣議決定に「後世代に負担を残さないような財源の確保を前提とし」と書いております。これはどういう意味ですか。公債発行ではやらないという意味ですか、税制でやるという意味ですか。公債発行をやったって、それは後世代に負担を残さないという意味ですか。どっちでしょう。
○国務大臣(藤井裕久君) これから御議論になるところだとは思いますが、私といたしましては、建設国債といえども借金であり、後世代に負担を残すという認識を持っております。
○楢崎泰昌君 ぜひそういう認識のもとに……。 建設国債は後世代に負担を残さないんだ、したがって幾らふやしたってそれは構わないんだというような考え方は――先ほど申し上げたように公債がいかに我が財政にとって重圧になっているか、今、一般会計に対する負担が一五%だったですか、それも公債の収入に入れてあるやつなんですよ。税金の方からいうと二〇%になっちゃうんですよ。それだけの負担を現世代の人間が払っていかなきゃならない。それがさらに増大するということに建設国債といえどもなってしまうんですね。 そこの点は十分考えて、大蔵大臣との程度関与されているかわかりませんけれども、この新聞にあるように、百兆平気でふやすんだというような議論がまかり通ってもらっては大変困るんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(藤井裕久君) 財政について御心配をいただいております楢崎委員の御質問を大変うれしく承っております。 さっきお答えしたとおりでありまして、社会資本の整備で確かにまだおくれている面が多い、特に生活環境に多いということから、社会資本の整備を着実に進めるということは必要だと思いますが、それは後世代に、また現世代にもそうでありますが、その負担を残すというような形であってはならないと考えており、今経済企画庁が中心になって進めております公共投資基本計画の見直しについては、財政当局としての今申し上げた立場をしっかり言うつもりであります。
○楢崎泰昌君 この問題まだちょっと議論し足りないというぐあいに思いますけれども、後日また機会があったらやらしていただきたいと思います。 次に、先ほどから話題に出ておりますけれども、税制改革に関する機械的試算です。何にもなきゃ議論ができないじゃないの、さらに税制調査会からそのような御要望がございましたというような美しい言葉で逃げておられますけれども、この機械的試算というのは明らかに誘導なんですね。こういうぐあいになるからそうなんだ、こういう計算しかないよと。いろいろ御議論はいただきますと言うけれども、実はこの前提があって皆さん議論をするんですね。私はどうもこの税制改革の機械的試算について幾つかの問題点があるように思います。 まず第一に、税制調査会並びに与党の税調は今週中に結論を出されるんですか。
○国務大臣(藤井裕久君) これはおのおののお立場があるので私がそうですと言うわけにはまいりませんが、私の承知している範囲では、税制改革協議会及び税制調査会は今週中にも一つのものをおまとめになるように伺っております。
○楢崎泰昌君 そこで、まず最初に問題点として指摘しておきたいところは、この機械的計算の中では、きょう法律案として御審議をいただいている五兆円の歳入不足については注書きでメンションをしておられるわけですね。ところが、この機械的計算で歳出増が必要だと言っておられるのは五兆七千億なんです。ほぼ同じ金額が増要因だと片っ方だけが言われ、片っ方の五兆円がなおざりにされて単純に注書きだけにされている。ここの参考二のところに書いてございますよね、約五兆円については別にあるよと。遠慮しいしい書いたのかどうだかよくわかりませんけれども、なぜこれが参考にとどまるんですか。
○国務大臣(藤井裕久君) これは整理の仕方と言えばそれまでなのでございますが、私どもといたしましては、一番基本にあります福祉の問題を取り上げております。そしてそういう中で、今の五兆円の問題のみならず、前半に御質問になりました公共投資もあるんですよということは注書きをいたしております。さらに、逆の意味の、自然増収もあるんですよということの注書きをいたしておりまして、それらは十分御議論をいただくべき対象だと考えております。
○楢崎泰昌君 大蔵省は御議論をいただけばいいと言っておられるけれども、税制調査会でこの参考になっているところについて十分な議論をしていただいているとはなかなか思えませんけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(藤井裕久君) 私どもといたしましては、少なくとも税制改革協議会あるいは税制調査会の皆さんは十分このことを御認識の上御議論になっていると考えております。また、この国会を通じまして各党の皆様方にもそこらのあたりは既に大分御議論がありましたので、私は今の点は御説明申し上げているつもりでございます。
○楢崎泰昌君 五兆円の歳入欠陥があるのに対して五兆円歳出増があるよというんだったら、それは欠陥じゃないかもしれませんけれども、歳入不足の五兆円の方をまず議論するのが本筋であって、お金もないのに歳出増のところだけ議論するというのは随分おかしいんじゃないかというぐあいに思っているんです。しかし、大臣は御議論をしていただいていると思いますという以上のことはなかなか言えぬとは思いますけれども。 第二点としては、二十一世紀福祉ビジョン、この構想については既にいろいろ言われておりますけれども、実は厚生省がおつくりになったもので、実際上主計局にも話してあるよというようなお話がありましたけれども、それは実態的に検証されたものではない。それを大蔵省が、これから税制大改革をやろうというときに、そして消費税という新たな増税を図ろうというときに、機械的試算であるという名前がつこうがつくまいがそれを議論としてお出しになるというのは、極めて散漫というのか、問題があるんじゃないかと思うんです。 税調の答申案というのは、実はまだもちろん発表になっておりませんけれども、先週の金曜日に読売新聞にすっぱ抜かれているんです。それを見ると大変よくおわかりになっていて、「厚生大臣の私的諮問機関「高齢社会福祉ビジョン懇談会」のとりまとめた「二十一世紀福祉ビジョン」の考え方をそのまま鵜のみにするのではなく、受益者負担や自助努力、民間サービスの拡大等といった要素も十分勘案の上、国民負担の安易な増大を招かないよう」勉強をしていくべきであると考えていると、これは新聞報道ですからそのとおりの答申になるかどうかはわかりませんけれども、大筋においてそのような認識が示されているんだというぐあいに思うんです。 そうなると、御参考というけれども、実はこの機械的試算が新聞に報道され、税調の中においてこういうことが言われているということを別にして、どんどん世論を誘導していく、そのような危険性を私は非常に感じるんです。 まずお答え願いたいのは、これは政府の決めたものじゃない、勝手にと言うと悪いですけれども、厚生省の全くの試算であると。確かにゴールドプランというものがございまして、これは平成二年だったと思いますが、それに沿って計算をしたものだということになっておるようでございますけれども、実はこれがどの程度の権威を持ち得るものかというのを非常に疑問に思うし、その疑問に思うものを正式の機関に機械的試算とはいえ誘導的にお出しになっているのはいかがなものでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) この福祉ビジョンは、私は昔からいろいろこういう話にもかかわってまいりましたが、相当よく勉強された結果だと思います。かつて昭和五十年代のころから、当時の政府が当時の野党の皆さんから福祉計画を出せということを何度も言われたわけであります。結局それは無理で、ビジョン的なものであったわけでありますが、そのときのビジョンに比べても相当これは突っ込んだ、勉強されたビジョンだと私は考えております。そして、形式論をあえて言う必要はないのでありますが、当然閣議にもこれは報告になっております。 同時にまた、税制調査会は、一つのめどだから、あの厚生省の福祉ビジョンのうちのケース皿、いわゆる適正負担・適正福祉というものを前提に計算してみないかというサジェスチョンのあったことも事実であります。
○楢崎泰昌君 相当突っ込んだものだと。計算は突っ込んであるかもしれません。しかし政策がきちっと突っ込んだものであるのかどうか、非常にやっぱり問題があると思います。税調の答申にも多分書かれるでしょうけれども、介護であるとか公的援助であるとかいうものを一体どうすべきかという議論はこれからやらなきゃいけない問題です。 さらに私は疑問に思っておりますのは、ケースⅡを基本に出しておられるわけですが、この機械的試算は二〇〇〇年の平成十二年には五・七兆円社会保障費がアップするんだと、こういうお話ですが、私が思うのは、これは九七年四月一日から税制改正を行おうという案なんです。それまで財源がないんですよ。赤字国債を相当大きくしない限りは財源がないんです。そうすると、九七年の四月から七、八、九、十の四年間に五・七兆円社会保障費を増加しようという機械的計算になっているんですね。二十一世紀ビジョンは、実のことをいうと二〇二五年をにらんで段階的にふやしていく。厚生省から御説明を伺いますと、とはいっても介護関係なんかは二〇〇〇年には全部実現してしまうんだという前提になってこの機械的試算の五・七兆円というのは計算されているんです。 私は日本の予算というのは、ローマは一日にしてならずという格言がありますけれども、徐々に段階的に少しずつ予算をつけていっているというのが今までの傾向だというぐあいに思いますけれども、二〇〇〇年に五・七兆円ふえるという案はうのみにしたにしてもちょっとひど過ぎませんか。
○国務大臣(藤井裕久君) 細かい数字については担当から話を申し上げたいと思いますが、この五・七兆円というのは本当は五・三兆なんです。〇・四兆というのはこれは物価スライドです。消費税が入った場合の年金などの物価スライドをこれは入れているわけでありますから五・三兆と言ったらいいんだと思いますが、それは別といたしまして、同時に、二〇〇〇年の数字を現在価値に換算したということはもう十分御承知のとおりでございます。そういうことを含めての五・三兆円であるということをまず申し上げられます。 それから、予算委員会でも大分御議論がありましたように、介護のあり方はこのままでいいのかという角度からの御議論がありました。すべてを公的なものにこれは持っていき過ぎるのではないかとか、もう少し自己努力というものを入れるべきではないかとか、いろいろ御議論がありました。そういう御議論は当然私ども政府としては謙虚に受けとめることだと思っておりますが、同時に、一つの試算を出すときの、機械的計算を出すときの前提といたしましてケースⅡで出したということは、私としては過去の例から見ると一つの方向を相当具体的に出したんじゃないかなという認識を持っております。
○楢崎泰昌君 もちろんこの数字がひとり歩きされても困るわけだし、方向性といえば、こんなことを言って悪いけれども、高齢化社会が進んでいく、高齢化社会に対応して相当な経費がかかるというかのは方向としては当然ですよ。 しかし、あえてこのケースⅡを持ってこられたというところに私は問題があると思うんです。時間がありませんから余り長々とやりたくありませんけれども、経済成長率を実はこの二十一世紀ビジョンは使っておられるわけです。A、B、Cに分けて、AとBは最初の何年間は五%、Cは四%、その次は四%、三%、三%というような数字を使って、経済成長率を使っていかれるんですね。 これは後日議論したいと思いますけれども、日本の経済はこんなに大きな経済成長をするんでしょうかという疑問がまず第一にあるんです。先ほどちょっと大臣も言われましたけれども、また同僚議員の御質問がありましたように、なかなか日本の国の産業空洞化というものは深刻なものが出てくると思いますね。現在、空洞化といえば産業の空洞化だけではなくて、実は大蔵省所管の金融問題についても空洞化が進んでいるんじゃないかという疑いすら持っているわけです。 そのようなときに当たって、高度成長の持続のままにいろいろな計画をおつくりになっているということについて私は疑問に思っていますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) これをどうやって推定するかというのはいろいろ御議論のあるところだと思っておりますが、これは生活大国五カ年計画そのものに乗っかったということはもう御承知のとおりと思います。名目五、実質三・五、これに乗っております。それが実際どう動くかという問題、あるいはそれを改定すべきではないかという問題、これはあると思います。特に後者の問題は経済企画庁でございますので余り私が先走ったことを申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思いますが、もしそれが仮にそこまでいかなかった場合は、当然のことながら自然増収はもっと減ってくるということは申し上げられると思います。
○楢崎泰昌君 もう時間がありませんから質問やめますけれども、生活大国五カ年計画のときに五%というのはそうなんですけれども、あれは平成二年だったと思いますね。相当古い。今現在の経済情勢では当然見返しをしなきゃならないときに至っているというぐあいに思います。しかし、この問題を議論していますと非常に長くなりますので、私の質問はこれで終わります。
○清水達雄君 今まで各先生方から随分御質問が出たわけでございますが、そういう意味で若干重複するところがあると思いますけれども、税制改革の問題について御質問申し上げたいと思います。 まず、総理は、六月中に成案を得て必ずや年内に税制改革が実現するよう最大限の努力をしてまいります、こういうことをおっしゃっているわけですが、六月中に成案を得て国会に提出するまでの間、どんな手順であるいはどんな手続で国民の合意を得るような努力といいますか、そういうようなことをされるのかについてお伺いします。
○国務大臣(藤井裕久君) まず何よりもその間において国会の皆様方にも十分そこで御説明すべきことだと思います。同時に、いつか楢崎委員からもお話があったんでありますが、私も先頭に立って出て、十三年前、大蔵政務次官をやったときはほとんど東京にいないで全国行脚というのをやりましたが、それらを含めて、またいろんなパンフレット等を使って多くの方々の御理解を少しでも得られる努力をしていかなければならない、そして、それと並行して法案としての準備をしていかなければならないと考えております。
○清水達雄君 それで、六月中に成案を得るというこの成案とはどういうものなんでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 私どもといたしましては、少なくとも所得税減税の規模、先行期間、そして消費税の税率ぐらいは一つの骨格であるというふうに期待をいたしております。
○清水達雄君 今お話にあった内容ですと、大体それを法案に書けば税制改革案になる、細かいところはいろいろありますけれども、骨格としてはもうそういう中身は固まったもの、例えば所得税の税率構造なども全部表現されているようなそういう中身のものなんでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) ただいまの問題はこれからの問題だと思いますし、例えば消費税で非常に御議論のあります中小企業の特例等というものが、どういう段階でどういうふうに具体的にするかなどいろいろあると存じます。
○清水達雄君 またその問題は後から続いて出てくると思いますけれども、この七月のナポリ・サミットとか日米経済協議に向けて、日本政府としてその内容をどう説明するかということでございまして、これは前畑委員のお話にあったように、公約は言わない、それから従来減税の規模とか先行期間というものも言っていないというふうなお話でございましたが、対外的には大体平成七年も六年と同じ程度の減税はやりますよというふうな程度にするのか、それとも六月のその成案に基づいてある程度の骨格はおっしゃるのか、その点をお伺いします。
○国務大臣(藤井裕久君) 先ほどの御質問にもお答えいたしましたように、私どもは国際会議の場というのは政策協調の場だと思っております。政策協調の場においては国内で決まっていないことを言うことは一切ありません。しかし、国内で決まったことを言うというのは政策協調として大変大事なことだと考えておりますから、終始私はG7でそういう姿勢でやってまいりました。 今回は総理が主でありますので差し出がましいことは申しませんが、大蔵大臣会議等でもあれば、その基本方針で今までやったとおりにまいりたいと思います。
○清水達雄君 先ほどの成案なんですけれども、総理が所信表明で成案と言うからには政府の成案という意味だと思うんですね。そういうことになりますと、今お話しの日本国内で決まったことという中にその成案というのは含まれるんでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 政府・与党で決めたことは一応成案と考えさせていただきたいと思います。
○清水達雄君 先ほど楢崎委員の御質問にもあったんですけれども、今世の中に出ておりますのは、これは政府税調から頼まれて税制改革に関する機械的試算というのを出しただけで、所得税の税率構造の変更等の所得税減税の姿は全く示されていない。それから二十一世紀福祉ビジョンも、これは懇談会の報告であって政府部門で十分検討されているものではないわけでございます。 特にこの福祉ビジョンの問題なんかにつきましては、国民がどういった形で高齢化社会に対応していくか、どういうつもりでやっていこうかという、これは税やいわゆる社会福祉関係の負担との絡みもありまして、国民の選択によるべきもの、それによって政策決定されるべきものというふうに思っておりますが、この二十一世紀福祉ビジョンというふうなものはとてもそういう段階のものではない。 こういう状況におきまして、六月に成案が出て、政府・与党一体となってつくったんだからこれはもう国内で決まったものだというふうにするのは、私は非常におかしいと思うんですね。そういうことでは恐らく適切な政策決定はできないだろうと思いますし、国民の合意も得られないんじゃないかというふうに思うわけでございます。 この六月に何で成案を得なきゃならないかという点も私は疑問でございまして、サミットでもなければ六月でなくたっていいんじゃないかというふうに思うわけなんですが、以上の点について御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) まず減税について、規模についてお話がありました。これは試算といいますか機械的計算においては同規模ということを一応置いております。これは御議論いただくことかもしれませんが、一応あるべき税制の姿を想定するとそういうものになるということも含みながら置いてあるわけであります。 二十一世紀福祉ビジョンは、楢崎委員の御質問にもお答えいたしましたように、過去にもこういう話がいろいろあった。そのときいろいろと過去の政府においてもっくったのでございますが、それに比べると非常に私は進んだ、勉強した成果だろうと思います。そういう意味で、先ほど申し上げましたように、あるべき方向を相当具体的に示しており、今後の検討の材料に十分たえ得る、なり得るものだと考えております。 六月の成案というのは、先ほどお答えいたしましたように、今後の段取りを考えるとこの程度の時間が必要であると思料したからでございます。
○清水達雄君 今回の税制改革の問題でありますとか、高齢化社会をにらんだ福祉ビジョンというものは今後の国政にとって極めて大きな事柄でございまして、これなどは十分時間をかけてちゃんと検討しなきゃいけない。 私、今まで二回ほど経済計画にも参画したことがありますが、昔の経済計画というのは、先ほど経済成長の話もありましたけれども、経済成長から公共投資の問題から、あるいは社会福祉のあり方から全部一体的に議論をして決めたものなわけですね。やっぱりあの程度のことをやらないと、とても一体的なあるべき姿というのは私は出てこないんじゃないかというふうに思っているわけでございまして、どうも今のような状況でいくということは、極めて拙速に過ぎるということを非常に強く感ずるわけでございます。 これは、この前の特別減税法の附則で、抜本的な改革案を今年じゅうにつくるなんということを自民党も一緒になって修正をやりました。僕はあれは全くそういう実態的な、どのくらいどういう検討をしなきゃならないかということをやや考えないで決めたことじゃないかという感じを非常に持っているわけでございまして、その程度の問題であるというふうに思うわけでございます。 そんなことはかり言っていても仕方がありませんから、六月の成案というのは、政府・与党がそう決めたから、それでもって国内的には一応の結論といいますか決定であると言うことについては、私はどうも大変な抵抗を感ずる。そんなものじゃないだろうというふうに思うわけでございまして、やっぱりもうちょっと国民によく説明をして、国民の反応といいますか、そういうものを見て考えていかなきゃならないんじゃないかというふうに思っているわけでございます。 それで、やや具体的な問題として、あと所得税減税の問題とそれから社会福祉ビジョンにつきまして若干の質問をいたしたいと思うわけでございます。 最近の新聞報道によりますと、政府税調の答申案らしいものが新聞に出ているわけでございます。これですと、所得税・住民税減税につきまして、最高税率を六五%から五〇%程度に引き下げる、それから所得税率二〇%及び住民税率一〇%の適用区分の幅の拡大によって中堅所得層の実効税率を引き下げる、それから課税最低限を引き上げ、消費税の引き上げに際し低所得者にも配慮するというふうなことが言われているわけでございますが、大蔵省も大体そういうふうにお考えでございますか。
○国務大臣(藤井裕久君) 三点について御質問ございました。 今私は所得税の持っている問題点ということからいいますと、現実に課税最低限は相当高い、そしてその始まる最低税率がこれまた非常に低い、そして最高税率はもう非常に高いと。もう一つの問題が、最低税率から最高税率にいく間のスパンというんでしょうか、それが非常に狭いために猛烈な急角度になる。ここだと思います。 そういう意味からいいますと、税率問題もさることながら、このスパンを伸ばすということが大事であるということが一つであって、これは未定でございます。決定しておりません。どういう新聞記事が出ていたかわかりませんが未定でございます。 それから税率適用区分の問題につきましては、今具体的にある層とおっしゃいましたが、これも決まっておりませんで、少なくともこのスパンを長くする、長くしてこの世の中を一番支えてくださっている方々の急角度の重税感を緩和する、こういう方向でいきたいというのが私どもの立場です。 課税最低限につきましては、確かに今非常に高いところにございます。しかしこれが消費税が入るということになると、やはり税も納めていらっしゃらない方の対策が必要であると同時に、課税最低限すれすれで入るような方々の対策というものも考えなければいけない。これは税調でも言っておられるわけでありまして、そのときには第三番目の問題も考慮すべき点だと考えております。
○清水達雄君 その程度のお話で、税調答申がいつ出るのかわかりませんけれども、これから出てそれで六月じゅうに成案を決めるというふうなことで、今のような大蔵省の答弁だということではとてもこれは納得できるような事柄じゃないと思うんです。 政府税調の答申が出て、それでさらにいろいろ議論するとか、政府税調の答申をもっと延ばしてその間にいろいろ国民の声を聞くとか、あるいは野党にもよく説明をするとかいうふうなことをやらないと、何だか今のようなお話ですと、出たら途端に決まっちゃってという、出るもう数日前ですよね、きょうは。そこでまだ中身が説明できないということじゃ、どうも私はなかなか納得がいかないというふうに思っているわけでございます。 そこで、今の所得税の税率構造の話なんですが、課税最低限は三百二十七万七千円ということでございます。欧米諸国で高いところはドイツとかフランスが二百五十万円、それからイギリスなどは八十二万円というふうなことでございます。これをさらに引き上げるということになると課税の幅はもっと狭くなっちゃう。これは例えば最高税率の方をもっとずっと伸ばして、税率の高い方はもっとうんと高額所得者の方だよと、こういうふうに伸ばしていけばあるいは広くなるかもしれません。だから、何かそういうことをやらないと、単に課税最低限は消費税を導入するから引き上げはやむを得ぬということだと、所得税構造の改革に逆行するようなことになるというふうに思うわけでございます。 最高税率を引き下げるのか引き下げないのかもわからない。あるいはもし引き下げないならばもっとずっと五〇%なんかがかかるラインを相当高額所得者の方にずらしていくとか、何かそんなふうな説明も何にもないというふうなことじゃどうしようもないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) ちょっと言葉が足りなかったかもしれませんが、そのことを今お話ししたつもりでございます。つまり、第二の問題として適用区分をどうするんだというお話につきましては、そのスパンをうんと広げるということを私ども考えていますということを申し上げたつもりでございます。
○清水達雄君 確かに直接税を低くして間接税のウエートを高くするということは私は当然やるべきことだろうというふうに思っておりますが、今の五兆五千億円減税というのは所得税、住民税の二〇%減税ですね。二〇%も減税をして、それで消費税率を差し引き増税になるように七%以上も引き上げるというのは、いかにも急激な改革に過ぎないだろうかという感じを非常に持つわけでございます。 二〇〇〇年まではことし一九九四年ですからまだ六年もあるわけですし、それから二〇〇〇年よりももうちょっと先ぐらいまでは徐々に変えていくということだってあり得るんじゃないか。福祉ビジョンの方だって、そんなに一遍に介護ができるような人が育つわけもないだろうし、高齢化だって進むとは言うけれどもそんなに急速に進んでいるわけじゃないんで、そういう考え方もあるんじゃないかという感じがするんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) これも予算委員会及び当委員会で何度も申し上げておりますように、あれは機械的計算であって、それをもとにしていろいろ御議論をいただきたい。ただいま清水委員のような御意見もあります。また、予算委員会でもいろいろこの点についての御意見があります。それらの御意見も十分お聞きするという趣旨でございますので、その点は御理解をいただきたいと思います。
○清水達雄君 そういう意見をよく聞くとおっしゃるけれども、六月に成案を待ちゃったら、成案をまた変更するというお話でございますか。
○国務大臣(藤井裕久君) さっき前畑委員にもお答えしたように、連立与党は二月からこれを精力的に勉強しておりまして、おのおのの方はもう相当イメージができていると思います。そういう連立与党の御意見、そしてまたこうやって予算委員会、これは衆議院も含めてでありますが、衆議院の予算委員会、大蔵委員会等、あるいはほかの委員会でもこういう御議論が出ているように聞いておりますが、そんなことも考えながらやっていくわけですが、もうおのおのの皆さんに相当イメージがあるということもひとつ御理解をいただきたいと思います。
○清水達雄君 私はどうもそうは思わないんです。例えば楢崎委員のさっきの質問だって、そういうふうな状況にはない、自民党の国会議員だってほとんどそういう状況にはないと思うんです。 前に消費税をつくったときに自民党は惨敗をいたしました。参議院の一人区は三勝二十三敗ということだったわけです。連立与党とおっしゃいますけれども、いわゆる少数与党のような状況でございまして、もっとやっぱり野党の人たちによく説明をしたり議論をさせたりして、聞くべきものがあれば聞くとかそういうことにしないと、六月に成案が出たからもうそれで突き進むんですというんじゃ、自民党が消費税をつくったとき以上にいろいろ問題が大きいんじゃないかというふうに思うわけですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) もう一回繰り返すようでございますが、連立与党は少なくとも二月からは相当精力的にやっていることと、各党、私どもよりはるかに大きい政党が野党で今幾つもあるわけでありますが、そういう皆様方のところへは局長を初め各職員が相当幅広くこの今の状況、やや抽象的だとおっしゃいましたけれども、物の考え方の方向については相当幅広く御説明させていただいていることも御理解いただきたいと思います。
○清水達雄君 私も自民党の税制調査会にも出ておりますし、資格はないけれどもいわゆる幹部が集まるような会合にも出てお話を伺っておりますけれども、話の中身がいわゆる所得税減税の案というのは出てこないし、それから社会福祉ビジョンについてだって、そんなにきちっと検討され、政府内でもまれたような形というふうに聞いていないわけです。だから、そういうところがやっぱり非常に大きな問題があるというふうに思っているわけでございます。 それから、この今回の税制改革をやるにつきまして、行政改革でありますとかあるいは不公平税制の是正だとか、いろんなことも言われているわけでございます。行政改革なんかによってそんなに一遍に金が出てくるとは私も思いませんが、よく従来から言われておりました、クロヨンとか言われるいわゆる源泉所得課税の方と申告所得課税の方との間の不公平、そういうものは非常にあるわけです。これは我々日常に生活をしていても非常に感ずるわけでございますけれども、そういうものの是正といいますか、不公平是正というようなことにさらにもっと取り組むというふうなお考えはないんでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) この行政改革の問題というのは、政治に携わる人間なら常にそこに焦点を当てなければいけない非常に重要な問題だと思います。私たちは国民の皆様の税金によってこういう仕事をさせていただいているわけでありますから、このことは常にやらなければならない。 さっきも申し上げたように、定員の削減はもう連年やってきておりまして、平成六年は今までの定員削減をはるかに超える二千名を削減しております。毎年毎年子何百名というものを削減してきております。またもちろん、まだこういうところがやられていないという問題もいろいろございまして、そういうことについては私どもとしては、この行政改革大綱の中で行政官庁の具体的な話、あるいはまた、少なくとも九十二の特殊法人について全部を見直すということを既に掲げております。 不公平税制につきましては、私どもは政策減税と言っておりますが、何が不公平かということをはっきりしていく中で一つ一つ、これも前の政権のときからずっとやっておられるわけでありまして、本年も公益法人のあり方、あるいはこれは一つの政策目的が強過ぎるのかもしれませんが、企業の秘匿金の問題だとか、世の中の世論にこたえた施策はずっとやってきておるつもりであります。 特に、今おっしゃった執行の問題もこれは大変大事でございまして、税制の不公平だというお感じの中に執行の問題について御不満を持っておられる方が非常に多いということは私どもはよく承知しております。本日は国税庁参っておりませんが、長官以下五万の職員はまさにそのために日夜精励しているということも御理解をいただきたいと思います。
○清水達雄君 一番の問題は、申告所得課税の場合の経費の見方というのが非常にあるわけです。これは何か簡易課税制度みたいなことで、何かもうちょっと機械的に経費の幅だとか、我々よく給与所得で、原稿を書くと原稿料の三〇%は経費と見るとかいうようなことをやっておりますけれども、ただ汗かいて一生懸命努力するというだけじゃなかなかこれは大変なんで、何かそんなふうなことは考えられないのかどうか。難しい問題ではあると思うんですけれども、その辺いかがでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) サラリーマンの方の給与所得控除というのはいろんな性格もあると言われておりますが、一つの大きなファクターが概算経費控除だと思います。したがいまして、四〇%なり三五%というものをサラリーマンの方は概算経費控除をしていると思います。 それと同じことを申告納税者の方にできないかというお話だと思いますが、これは建前論が入ってきて恐縮でございますが、申告納税というのは実額制度であるということで、お医者様も含めて概算経費控除であったものを実額控除に、特に所得の高い方はやったとか、やはり方向としては実額控除の方向に今は行っておりますもので、今の御指摘は大変実際的な御指摘だとは思うのでございますが、やはり申告納税の基本からいいますと実額控除という仕組みはとらざるを得ないと思います。
○清水達雄君 ちょっと物の言い方が――全体をひっくるめて僕は簡易税制的にしろということを言っているわけじゃなくて、例えば自動車を買ったときに、仕事の上で使う割合が二割ぐらいしかなくて、実際は家計上使う割合が八割もあるというふうなときに、そういう問題をどう解決していくかというもっと細かい話を実はしているわけでございますけれども、そういう点についてもいろいろ検討を続けていただきたいというふうに思うわけでございます。 それからもう一つ、これは消費税についての住宅の問題でございます。 政府税調答申でも複数税率はとらないというふうなことが新聞にも出ておりましたけれども、住宅については七%にも引き上げられますと非常にその増税額が大きくなるわけでございます。平成五年の首都圏の平均の新築マンション価格は四千四百八十八万円。消費税率が三%だと税額は九十四万円でございます。これが七%に上がりますと税額は二百二十万円ということになりまして、百二十六万円の増額になるということになります。 この百二十六万円を住宅金融公庫の基準金利で、つまり今十年間ですと四・〇五%ですけれども、これで借り増しをしますと年間六万七千円から七万円の返済金の増加になります。三十五年間の合計では二百四十一万円の増加になるということになります。 それから、住宅取得促進税制というのがありまして、減税をしていただいているんですけれども、この六年間の減税額が百六十万円でございまして、これをも六十万円も消費税が上回ってしまうということになる。特に、持ち家取得層も最近は所得水準が低い人の方が多くなってきて、七百万円以下の人の割合が六〇%にも達するという状況にもなっている。 それからもう一つ、戸建て持ち家、これは二千五百万円。これは首都圏の平均でございますけれども、これの七%の消費税額というのは百七十五万円になります。この百七十五万円というのはちょうど六畳の部屋に相当するんです。だから、七%の消費税を払わなければ六畳の部屋がもう一つつくれる、こういうことでございます。 やっぱり住宅というのは、その消費という面から見ますと、三十年とか四十年とかにわたって消費をするわけですね。帰属家賃というふうな考え方もありますけれども。そういう事柄でありますので、こういうふうに大きく税額が上がるということの影響は非常に大きいわけでございますので、何かやっぱり特例措置が必要ではないかなというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(小川是君) 消費税につきましては、申すまでもなく消費一般に広く公平に負担を求めるというと、ころに大変大きな特質があるわけでございます。したがいまして、現在我が国の政策的配慮に基づく非課税の範囲は、医療であるとか福祉、教育、家賃といったものに限定されているわけでございます。 仮に消費税が改まりますときには、もとより住宅取得についても今御指摘のような影響があるわけでございますが、その他消費一般、全体として同じように影響があるわけでございます。したがいまして、確かに一個としてとらえれば大きいことは事実でございますが、また逆に申しますと、小さな各種の消費、支出についても、小さな負担が重なった形で消費税というのは国民生活の中で御負担をいただくものでございます。 そういう意味から申しますと、消費税の課税ベースを大幅に縮小させ、制度の公平性、中立性、簡素性といったような観点から大きな問題を生ずる住宅に対する特例といいますのは、やはり考えられない。とりわけ、これだけ大きなものでございますと、その分逆に申しますと、税収を一定にいたしますと、他の標準税率を引き上げるというはね返りもあるわけでございます。 そうした観点からいたしますと、住宅もまた一律に消費税の課税対象として課税をしていくというのが適切であるというふうに考えているわけでございます。
○清水達雄君 それで、外国との比較の話でございますけれども、イギリス、ドイツ、フラン又、それからECの第六次指令、これでは不動産の譲渡、賃貸は非課税ということになっておりますし、イギリスでは特に居住用建物の建築はゼロ税率となっているわけでございまして、いわゆる日本で言う非課税とは違って、途中段階でかかってきた税金が全部還付されるというゼロ税率方式をとっている。我が国では、不動産じゃなくて土地ですね、土地の譲渡、賃貸と家賃だけが非課税になっている。 それから中古住宅の問題でございますけれども、これはいわば二重課税みたいな話になるわけですが、ヨーロッパやECの指令では中古住宅の譲渡も非課税になっている、日本では課税になっている、こういう状況にあるわけですね。 そこで、イギリスとドイツについて、国民が住宅を購入した場合、新築住宅と中古住宅の場合に分けて、付加価値税の課税がどうなっているかをまず御説明いただきたいと思います。
○政府委員(小川是君) ただいまの問題は大変実は難しい問題がございます。ございますと申しますのは、まず住宅を取得する場合、新築でございますけれども、自分で発注をした場合と分譲を購入する場合と両方あるわけでございますから整理をするのが大変難しいわけでございますが、私どもが承知いたしておりますのは、イギリスでは建築行為、建築の請負のところは今お話がありましたようにゼロ税率の適用だと承知いたしております。ドイツの場合には課税であるというふうに承知いたしております。 そういう意味で、我が国とドイツとは同じである。EC指令もここは課税ということになっております。イギリスの場合のゼロ税率の問題点は、かの国の食料品に対するゼロ税率の適用と同様の問題をはらんでいようかと思います。 次に、そうした建物の譲渡につきましては、我が国の場合には課税になっておりますが、イギリスとドイツでは非課税ということになっております。ECの指令では新築は課税ですが、中古の場合には非課税ということになっております。 そこで、中古につきまして今御指摘のように日本の場合には課税でこれらの国では非課税であるという点につきましては、我が国の場合にも、中古の住宅につきましてこれを売却した場合に、これを譲り受けて売却する場合に、課税ではございますが、実はみなしの仕入れ控除が認められておりますから、実質的にはその差の分に課税ということになります。通常、住宅の場合でございますと減価しているはずでございますから、ここのところには実際上負担は生じてこないのではないかというふうに思うわけでございます。 ヨーロッパの場合に非課税にしているというところにつきましては、これは我が国のようなみなし仕入れ控除を認めておりません。したがいましてこうした形で非課税という措置をとっているのではないか、このように理解をしているところでございます。
○清水達雄君 今の御説明でちょっとわからないところがあったんですが、ECの第六次指令では住宅の新築については課税というお答えでしたね。不動産の譲渡、賃貸は非課税になっているというふうに私は聞いているんですけれども、その点もう一度確認をしたいということ。 それから、我が国の中古住宅につきましては、例えば、業者が古い住宅を買い取りをしまして、それを改修をしたりしてまた売るというときに、改修をやれば当然そこで付加価値をつける行為が行われますから、そういうのには恐らく課税がされるんだろうと思いますが、業者が買ってそれを次の人に売る場合に、仕入れ控除で引かれてしまうから現実には課税は起こらないということですか。確認したいと思います。
○政府委員(小川是君) ECの指令の点につきましては、私どもがっかんでおりますのは、新築建物の譲渡は課税、それから中古の建物の譲渡は非課税である、このように承知をいたしております。 それから、今お尋ねの我が国における、中古の住宅を事業者が買い取ってこれに手を加えて売却をするという場合には、事業者でございますから、課税事業者であれば当然消費税の課税対象になる。しかし、当該事業者は仕入れ控除として、今言われた改良部分につきましては当然改良に要した費用について消費税を負担しているはずでございますから、これを控除できるのはもとより、消費者からいわば仕入れたその旧中古住宅についてもみなしの仕入れ控除ができる、こういうことでございます。したがいまして、差の部分について実質的には課税が生ずるということになるわけでございます。
○清水達雄君 要するに、ECの指令では新築住宅の譲渡は課税だということになっておりますけれども、まあドイツは注文住宅は課税をされるというふうなお話もありましたけれども、とにかくヨーロッパにおいては不動産の譲渡、賃貸は非課税という状況になっているわけですが、どうしてこういうことになっているのか。 先ほどお話があったように、とにかく消費税というのは一般的に課税するんだと、値段が高い物であろうと安い物であろうと、安い物は毎日買うから積み上げれば大きくなるというふうなお話でしたけれども、なぜヨーロッパでは住宅についてこういうやや特例的ないろんな措置をとっているのかということを御説明いただけますか。
○政府委員(小川是君) 先ほど申し上げましたように、住宅の場合、まず建築請負のところが課税か非課税かというところが出発点でございます。そこではイギリスだけが特殊でございまして、それ以外では課税である。つまり家を建てればそれに要した資材、労務賃に対して付加価値税が負担されているわけでございます。あと譲渡が、これを譲渡した場合に非課税ということになっているわけでございますから、建てられた建物が付加価値税の負担を負っているという点は間違いのないところであると存じます。 ただ、細かい点にわたりますと、やはり各国における住宅と土地というもの、建物と土地との一体性、それから我が国の場合には、当然のことながら住宅というのは耐久消費財というよりはもうちょっと長い耐用年数を持った財貨というふうに考えられておりますが、ヨーロッパ諸国の場合、石だとかレンガでつくった建物と土地との一体性から、非常に長期のいわば土地に類似するような資産として認識されている。そういった点がこのような各国における課税方式に影響しているのではないかというふうに推察するわけでございます。
○清水達雄君 そこで、もう二つほどちょっと疑問点があるんですけれども、住宅には消費税だけじゃなくて登録免許税とか印紙税とかいう別の流通税があるわけです。 登録免許税について言いますと、マンションにつきましては、これは合計して申し上げますけれども、登免税、印紙税含めまして三十二万九千円、それから戸建て住宅については六十三万八千円の登録免許税がかかっているわけですよ。これは東京圏での平均値でつかまえた数でございます。 ところが、今回のいわゆる固定資産税評価の上昇によりまして十五倍も二十倍も上がったところがあるわけで、こういうところは例えば十五倍上がりますと、四〇%の率を掛けることにしましたけれども六倍になるわけですね、登免税。こういう状況下においてまた消費税も上がるというんじゃ、非常に何かそういう意味でもこれはやや二重課税というふうに思うのが一つ。 それからもう一つは――きょうはもう時間がなくなりましたから、これは後にしましょうか。あとまだ続きがありますけれども、これはあさっての委嘱審査で引き続いてやりたいと思っておりますので、他の流通税との関係だけお答えください。
○政府委員(小川是君) 今御指摘の登録免許税と印紙税の問題でございますが、我が国ではどちらの税も大変古くからございまして、これらの流通税は財貨サービスを消費する行為に着目して課税されるものではないということをまず申し上げたいと存じます。 登録免許税の場合には、やはり土地とか建物といった財産権の権利の創設あるいは移転の登記等により受ける法律的な利益というものに着目して登記等という行為自体に課税を行っているものでございますし、また印紙税の場合には、不動産譲渡などの経済取引等の場合に作成される文書、その背後にある担税力に着目して課税されるものでございますから、消費行為に着目して課税が行われる消費税とはやはり課税根拠を異にするものとして、ともに存在し得るものである、このように考えているわけでございます。
○清水達雄君 大蔵省流に理屈を言えばそういうことになるんだろうと思いますが、ただ登録免許税などは固定資産税の評価額にある率を掛けてかけられるわけでして、それでもう非常に膨大な額になるわけですよ、今度の七〇%課税のあれでいきますと。 現実にはどういう現象が起きているかというと、いわゆる登記簿謄本をとるのに登記簿謄本の交付料なんというのがあるんだけれども、これにいわゆる登記簿謄本をコンピューター化するシステム変換の経費がその特別会計の中で何か処理される、一般会計から繰り入れられないというふうな問題があって、べらぼうに今交付手数料が上がっているわけですよ。 というふうな問題もあり、私はどうも実態的に見まして大変なこれは実際は二重課税になっているというふうに思っているわけで、そういう意味においても何らかのこれは配慮が必要ではないかなというふうな感じがいたします。 あと、いろいろ社会福祉ビジョンに関連した問題とか固定資産税の問題で厚生省、自治省、国土庁の方々に来ていただいておりまして、きょうはまことに申しわけございませんでしたけれども、あさってやらせていただきたいと思っておりますので、これで終わります。
○前畑幸子君 私も、まず、六年度における財政運営のための国債整理基金の方から御質問させていただきます。 多少重複するかもしれませんけれども、九四年五月三十日の日経新聞によりますと、九三年度の国の一般会計の税収は景気の低迷の長期化の影響によって一兆円規模の税収不足になるということでございますけれども、大蔵省の見通しはこれについてどのようなお考えでしょうか。
○政府委員(小川是君) 平成五年度の税収につきましては、補正後予算額で五十五兆六千八百億円となっておりまして、現在のところ判明しております四月末までの実績によりますと、対前年同月比で一〇〇・八%となっております。補正後予算の伸び率が一〇二・三%というところから見ますと、一・五%ポイント下回っております。 五年度の年度を通じた税収動向はあと五月中に入ってくるものまででございますが、なお三月期決算法人に係る法人税収、あるいはこれらの法人に係る消費税収を含む五月分税収の動向を見きわめる必要があるわけでございますが、一般会計全体としても、先ほど申し上げました補正予算の見積もりで想定した税収の達成は難しい状況にあるというふうに考えております。
○前畑幸子君 今の御説明のとおりで、特に景気低迷によります法人税の税収は前年同期比一〇・四%減と大変落ち込みが大きいということが書かれております。 この不足額を、税外収入として日銀の納付金とか日本中央競馬会の納付金などの確保とか、予算に計上しましたけれども歳出不用額などで穴埋めするということでございますけれども、これだけでは補い切れないほどの不足額が出ることは明らかだと思いますが、いかがですか。
○政府委員(竹島一彦君) 税外収入、それから歳出の不用分についてのお話がございましたのですが、出納整理期間が終了しましてからまだ日も浅いこともございまして、今現在具体的な計数を集計するに至っておりません。 お話の中で、日銀納付金と中央競馬会につきましては例外的にもう既に決算がそれぞれ公表されておりまして、日銀につきましては当初予算額に比べまして二千五百億円強、それから日本中央競馬会の納付金につきましても五百九十億円ばかり予算額を上回る決算になっておりますが、それ以外のことにつきましては現段階で具体的な計数を把握しておりません。 いずれにしましても、税収について心配される状況もこれあり、今後これらの税外収入なり歳出不用額の確定を待たなきゃなりませんけれども、一般論といいますか制度論といたしましては、我が国の場合は決算調整資金という制度を持っておりますので、万が一御指摘のような事態が現実のものとなった場合にはそういった制度ということになろうかと思っております。
○前畑幸子君 今、穴埋めし切れない場合は決算調整資金を活用するということをおっしゃいましたけれども、決算調整資金は現在残高がゼロということではないでしょうか。そうしますと、次には国債整理基金から資金を繰り入れるということになるわけだと思いますが、これ三年連続で税収が見積もりを下回るわけですけれども、財政のやりくりが大変だと思いますが、その辺いかがでしょうか。
○政府委員(竹島一彦君) まだきょう現在そういう制度を発動するかどうかということについて予断を持って申し上げられる段階にないわけでございますが、制度の運用といたしましては、確かに決算調整資金は現在残高がございませんので、それが必要となった場合には、国債整理基金の方から決算調整資金の方に資金融通をいたしまして一般会計の決算の処理に当たるという形になろうかと思います。
○前畑幸子君 そうしますと、九三年度の歳入不足というのは国債の整理基金から繰り入れられるわけですけれども、本年度国債整理基金への定率繰り入れ停止に伴い国債費の償還財源が不足する分については、特別会計が保有しているNTT無利子貸付金を償還することで穴埋めをするということですが、この貸付金の残高も本年度でゼロになるわけではないでしょうか。
○政府委員(竹島一彦君) 平成六年度の予算におきまして定率繰り入れの停止をお願い申し上げておるわけでございますが、そのままにしておきますと六年度の国債整理基金の資金繰りに支障を来すということから、御指摘のとおり、NTTの無利子貸付事業で貸し付けておりました残高の残りをすべて繰り上げ償還をいたしまして国債整理基金の資金の回復を図っているわけでございます。そういうことで六年度の国債整理基金の運営の円滑さというものは確保されるものというふうに考えております。
○前畑幸子君 ちょっと私は理解がしにくいんですけれども、このNTTの無利子の貸付金というのは元来特例公債の償還に充てるべきものとしていたと思うんですが、それが最初の目的であったと思いますが、その辺、それでいいでしょうか。
○政府委員(竹島一彦君) NTTの株式の売却収入、これにつきましては、これは国債整理基金に帰属するということで、特例公債のみならず公債の償還財源に充てるというのが本来のことでございます。 ただ実際には、NTTの株式が売却されてその資金が入ってまいりましてからの状況といたしましては、一方で社会資本の整備充実が必要であるという要請がございまして、片や国債整理基金自体には資金の余裕といいますか、償還に当たってそれだけの資金を持っていく必要もないという資金状況にあったために、公共事業の方に無利子貸し付けということでその資金の運用を行ったわけでございます。 このたび定率繰り入れの停止ということになりましたので、そのままにしておきますと国債整理基金の資金繰りに支障を来すということから、本来国債整理基金のものであるお金を、いっとき無利子で運用していたものを本来の姿に戻すという形で繰り上げ償還をしているということでございますので、資金の本来の使途に戻すという意味で今回の措置をお願いしておるわけでございまして、何か趣旨を変えているというようなことはございません。
○前畑幸子君 しかし、今の状況ですと財政赤字の穴埋めのために使ってしまうような感じがいたしますので、そうしますと特例公債の償還財源というものはどうなるのでしょうか。
○政府委員(竹島一彦君) 本来国債整理基金に帰属すべき資金として売却収入があったと、それが一時運用されておったということでございまして、それをもとに戻すということでございまして、別な歳出の財源にこれが充てられているということは当たらないというふうに思います。
○前畑幸子君 あちらこちらからのやりくりでちょっと私自身がよくわかりませんけれども、その中に今度一般会計からの労働保険特別会計雇用勘定への繰り入れの特例というのがございますね。これは失業保険事業を行っているもので、今回この勘定から一般会計へ繰り入れを行うということですが、現在大変不況の中で失業が増加しているにもかかわらず、なぜこの勘定の金額まで繰り入れに充当することになったのか、そのわけを御説明ください。
○政府委員(竹島一彦君) 今回この繰り入れ特例法で、大きく七本の事柄につきまして特例的な措置をお許しいただくべくお願い申し上げておりますが、その背景は、六年度の予算編成が大変厳しい財源事情のもとで編成されざるを得なかった。そこで、いわゆるやりくりと言われておりますが、あらゆる面でそういう観点から検討いたしました。 お尋ねの雇用保険の国庫負担の特例措置につきましても、そういった基本的な六年度の予算編成のために、そのそれぞれの制度に支障のない範囲で御協力をいただくという観点から検討させていただきました結果でございまして、雇用保険の国庫負担につきましては、具体的には六年度の特例措置といたしまして三百億円の特例措置をお願いする。しかしながらこれにつきましては、雇用保険の方に積立金ということでお持ちいただいております。そういったものと総合的に判断いたしまして、雇用保険の本来の運営に支障を来さないという範囲内のものである。いずれにしても、将来これはお返しをするという前提で御協力をいただくということにしたものでございます。
○前畑幸子君 失業保険の事業からも三百億円借りるということで、大変厳しい状況だなということはわかります。 次にもう一つ、国民年金ですね。これは昭和五十八年度において初めてとられた措置であるようです。それ以来十五年かけて年度間の国庫負担金を調整しようとするものであるということですが、五十八年度から六十三年度までの国庫負担減額による運用収入の減少分は、平成五年度以降補てんされることになっておりますと。これを今年度は中止となったわけです。本年度は加算を行わないものであるというんですが、なぜでしょうか。
○政府委員(竹島一彦君) その他の特別措置と全く同様な趣旨でございます。お説のとおり、この国民年金についての国庫負担というのは既に平準化法によりまして決められたスケジュールによって負担をするということになっているわけでございますが、そこでまいりますと、平成六年度には二千八十二億円一般会計から国民年金特別会計に加算して繰り入れるということになっているわけでございます。 ただ、先ほど来申し上げておりますような一般会計の厳しい財源事情に照らしまして、この二千八十二億円につきましても、国民年金特別会計に実質的な支障を生ずることなく後年度にその繰り入れを繰り延べさせていただくということをお願い申し上げているわけでございます。
○前畑幸子君 そうしますと、本年度加算しなかった分というのは後年度どのような計画で補てんされるわけですか。
○政府委員(竹島一彦君) これにつきましてはただいま具体的に何年度という年度を申し上げることはできませんが、いずれにしましても、既定の平準化法で決まっておりますスケジュールの最終年度以降に、今回の二千八十二億円の繰り越した分、これが乗せられていくという形で、新しい繰り入れスケジュールによりまして対応されていくということになろうかと考えております。
○前畑幸子君 今申し上げたのは九年度までの間に要するに減算額と加算額を補てんするということになっているわけですので、六年度中止するということは、来年度からの見通しもこれは変わってくるわけですね。
○政府委員(竹島一彦君) 今回繰り延べる二千八十二億円につきましては後年度に送らせていただくということでございますが、七年度につきましては、先ほど申し上げました平準化法によります加算額というものが既に決まっておるわけでございます。これを踏まえて具体的に七年度の予算編成段階で平準化法に基づく繰り入れをどうするか、これはやはり七年度予算編成段階で検討されるべきものだというふうに考えておりますが、いずれにしましても、今回六年度の分として繰り延べをお願い申し上げております二千八十二億円につきましては、これは将来きちんと国民年金に支障を来さないようにお返しをするというふうに考えております。
○前畑幸子君 今、年金基金というのも大変苦しいというふうに私ども聞いていて、払い込みのできない方が随分ふえているということのようですけれども、これは七年度の方が大きい金額で二千三百七十二億円とか、八年度などは二千六百二十一億円という金額になってきておりますので、これはだんだん後ろへ送られていくのかなと思いますけれども、そこまで手をつけなきゃならないという財政状況だと判断するのかなとも思います。 それからもう一つ、次に政管健保の国庫補助の繰り入れの特例ですけれども、この特例は前年度積立金黒字見込み額を控除した金額を当年度国庫補助額として繰り入れるものということで、これだけ黒字分を減額されるわけです。 これを見ますと、六十年から平成元年まで各年度のいわゆる財源確保法というので政管健保の国庫補助の特例措置が行われてきたものですが、平成二年から四年度までは行われなかったわけです。五年度からまた復活しまして、本年度も本法律案により行われることになっているということでございますけれども、そのいきさつについて伺いたいと思います。
○政府委員(竹島一彦君) 御指摘のとおり、政管健保の国庫補助の繰り入れにつきましては既に特例措置が講じられておりまして、昭和六十年度からそういうのが行われておりますが、いっとき中断されて、また残念ながら五年度、六年度とそれをお願い申し上げておりまして、この繰り入れ特例措置の累計で、六年度末で七千百三十九億円という金額になっております。
○前畑幸子君 随分あちらこちらから借り入れるところがあっていいとは思いますが、もう一つまだ借りれるところがあるんです。自動車損害賠償責任再保険というのからも一般会計へ繰り入れられているわけです。これは保険勘定から七千八百億円、それから保障勘定から三百億円ということで一般会計に繰り入れることができるということになっております。 これも昭和五十八年以来久しぶりといいますか、十一年ぶりになるわけですけれども、今、自動車事故というのは大変ふえてまいりました。そして増加の一途にあるわけです。保険の支払い金額というのも随分ふえてきていると思います。私の感じでは、任意保険というのは二年ぐらい前から随分高くなりました。これは対人、対物と分かれていると思いますけれども、対人もきょうびは一億――三億と大変大きい金額になりましたし、それから対物保険というのは、車両価格も高くなりましたので随分保険料も高くなりました。 大変この自賠責保険に関しましては余裕があるようですが、こうした中で、どういう理由でここからもお借り入れになるんでしょうか。
○政府委員(竹島一彦君) 自賠責につきましては、昨年の保険料率の改定の際もいろいろ検討がなされまして、今回このような特例措置を行いましても実態的、実質的に自賠責の財政運営に支障が生じることのないようにという、そういう範囲内でこの特別のことをお願いしているわけでございます。 具体的には、今回八千百億円の繰り入れ特例をお願い申し上げておりますけれども、将来、利息相当額を含めましてお返しをするということでございます。それらの規模それからタイミング等につきましては、自賠責が自賠責の立場でいろいろ検討されている消費者還元等々のことも含めまして、そういったことに実質的な影響が及ばない範囲内でこの特例措置をお願いしているということを御理解いただきたいと思います。
○前畑幸子君 今おっしゃったお言葉を返すようですけれども、これは自動車を持っている個人なり企業が自賠責保険ということでそれぞれ掛けているわけです。平成三年の四月に平均約八%の引き下げを行ったということですね。そして次に五年の四月一日からまた一三%引き下げたということになっておりますけれども、それでも大変この累積運用益の額というのが平成四年末には一兆二千三百億円に達するということで、このことは大変結構なことだと思いますけれども、それだけ余裕があるならば、国民が掛けたお金ですから、余り悠長に使っていただくということはいかがなものかと思います。 この特会の累積運用益を国が当てにされるということは大変いかがなものかと思いますが、どういう見解でいらっしゃいますか。
○政府委員(山口公生君) 自賠責特会の積立金につきましては、自賠審という審議会の御答申によりまして、平成五年の四月から今おっしゃいました一三%の保険料の引き下げを行って、その財源としてこの積立金を活用しているわけでございます。したがいまして、五年に一三%の大幅な引き下げを行い得ましたのも、この積立金を今後八年間にわたって取り崩すという前提でございました。そういった形でこの積立金を保険料の引き下げに使っているわけでございます。 今回の一般会計への繰り入れ措置をしましても、その引き下げに使うという趣旨に全く影響はない形できちんと利息をつけて返していただくということにしておりますので、引き下げ財源として使われている趣旨は何ら変わるものではございません。
○前畑幸子君 私の感覚でいきますと、四年の末に一兆二千三百億円あって七千八百億も貸せるというのですと、もっと下げてもよかったんではないでしょうか。
○政府委員(山口公生君) ちなみに、平成五年の四月から一三%の大幅な引き下げをやったわけですが、その以後約一年間の事故の見込みを見ますと、一三二・九%という事故率の見込みでございます。すなわち、一〇〇%というのがちょうど収支とんとんになるわけですから、このオーバーをしております三十数%分はその積立金を取り崩していくということで対応していくわけでございます。 それで、低目に抑えられた保険料をしばらく継続するその期間は、その積立金をどんどん取り崩して対応していくという形になっております。例えばもし今一挙に保険料を大幅に下げますと、また事故率との関係からいいますと、次の年に今度は上げなきゃいけないということになってまいります。したがって、安定的にやるには七、八年かけてずっとその低水準を維持しようという考え方でやっているものでございます。
○前畑幸子君 平成三年の三月三十一日、平成五年の三月三十一日と自賠責保険料の推移を見ますとどんどん下がっているわけですね。きょうびこれだけ物価が上がるときに下がるということは、国民の自動車の事故に対する関心も、やはり自分たちが一生懸命事故をしないように努力すれば保険料も下がってくるという一つのいい材料にもなるのではないかなと思います。 やはり自賠責というのは、私どもも掛けていましても、自動車屋さんが言われるままに、高いのか安いのかも考えたこともございませんでしたけれども、このように十何%と下がっているということは大変国民全体の気持ちの上でいいことではないかと思うんですね。もっとこれをPRしていただいて、自分たちが事故をしないようにすればこのようになるということをPRしていただいて、そういうとうとい財源ですから、やはりきちっと国の方も返していただくことをお願いしたいと思います。 以上でございます。 それから次に、証券取引法の一部を改正する法案についてちょっとお聞きしたいと思います。 今回、自己株式の取得規制の見直しというものが出たわけですけれども、大量の投機資金が証券市場に流出してそして株価を上昇させ、新株発行による資金調達が大量に行われるなどによりまして株価が今度は下降の傾向になったという、ここのところ大変目まぐるしい株価の動きがあったわけでございますけれども、今回の取得規制緩和の目的というものは、どこにあるわけでしょうか。 〔委員長退席、理事竹山裕君着席〕
○政府委員(日高壮平君) 今回の自己株式取得規制の緩和の目的でございますが、この趣旨は、会社は従来配当可能利益を処分する場合に二つの道がございました。一つは再投資をして将来への企業価値をさらに高めるという方法であり、もう一つは配当として株主に還元をする、そういう二つの道があったわけでございますが、今回の自己株式取得規制の緩和によりまして、企業は自分たち企業を取り巻く経済環境等を考え、例えば有効な再投資先がない場合にはその配当可能利益を自己株式の取得という形で売却に応じた株主に還元をする、同時に、消却後の自己資本利益率の向上を期待する、そういう道も選択できるようになるわけでございます。 このように、株主へ利益を還元する際の選択肢をふやすということが今回の規制緩和の大きな目的でございまして、この方法によって結果的に株式投資の魅力が高められ、ひいては安定的で活力のある証券市場の確立に資するということを期待しているわけでございます。
○前畑幸子君 そうしますと、そういう証券市場を活性化することによって株価の対策の一つにしようということでしょうか。
○政府委員(日高壮平君) 中長期的に見た場合、今申し上げたように証券市場の活性化に資するだろうということで期待をいたしておりますが、その自己株式取得自体が株価にどのような影響を与えるかにつきましては、学者によっても意見が分かれておりますし、おおむね通説で言われておりますのは、当面の株価については中立的ではないかというのが通説であろうと思います。 そのようなことから申し上げても、今回の規制緩和は直接当面の株価対策ということでお願いをしているわけではございません。
○前畑幸子君 現行の商法ではいわゆる企業の自己株式取得というものは禁止されているわけですけれども、今回こういうことを実施すれば、株価操作とかインサイダー取引とかという御心配はないでしょうか。
○政府委員(日高壮平君) 確かに、御指摘がございましたように、企業の経営者というものはその企業の経営環境について、経営内容について一番承知をしている立場にあるわけでございますから、自己株式取得規制が緩和された場合に、インサイダー規制のおそれが強まるということはある程度否定できないかと思います。 したがって、そのような考え方から私どもとしては、今回の規制緩和がそういったインサイダー規制を免れるような、そういった不公正な取引が行われることのないように、今回証券取引法の改正をお願いをしてインサイダー規制上の重要事実ということをはっきりと法律にうたい、このインサイダー規制というものが適正に行われるようにしたいということで現在御審議をお願いしている、そういう状況でございます。
○前畑幸子君 日本商事のインサイダー疑惑というのがございます。これは自社株をうまく売り抜けた方の例でございますけれども、やはりこういう心配が私は出るのではないかなと思います。 役員が関与している場合は完全にインサイダー取引と認定することはできると思いますけれども、今回のこの日本商事のように、従業員といいますか、一般の社員までがその対象にあったということは、この自社株の取得規制と相反するものにはなりませんでしょうか。
○政府委員(日高壮平君) 日本商事の案件そのものにつきましては監視委員会の方からお答えをしていただきたいと思いますが、一般的に申し上げて、先ほど申し上げたように、インサイダー規制というものが十分適正に動いていく、そのための法的な手当てをしているということです。法的な手当てをちゃんとすることによって、そういった御心配のような事態が起こらないように私どもとしても手当てをしているというふうに考えておるわけでございます。
○前畑幸子君 しかし、取得については原則禁止が維持され、例外的な場合の範囲が拡大となるということですけれども、ちょっとその意味が私よく理解できませんが、今度の法案の規制緩和によりまして投資家あるいは企業にとってどんなメリットが出てくるのでしょうか。
○政府委員(日高壮平君) 先ほど申し上げましたように、企業のサイドから見れば、株主に対する利益を還元する方策として新しく自己株式取得という道が設けられるということで、それは同時に、企業から見れば財務政策の一つの道が新しくつけ加えられるというメリットがあろうかと思います。他方、投資家側から見れば、株主に対するいわば利益の還元の方策が一つつけ加えられることによって、株主に目を向けた経営というものが行われていくであろう、そういう面からの期待が十分目的として考えられるということでございます。
○前畑幸子君 あくまで自己株式の取得というものは、会社の財務とか運営とか方針というものがわかるわけですから、そういう立場にいる人たちが今度株価操縦を行う原因をつくることにはなりませんでしょうか。
○政府委員(日高壮平君) 先ほどのインサイダー規制の問題と同様に、企業の経営内容について熟知している企業の経営者が自己株取得に関与するということでございますので、それが株価操縦に当たることのないように十分手当てをしなければならない。 ただ、株価操縦の問題につきましては、現在既に証券取引法上規定が整備されておりますので、その現在の規定を十分活用することによってそのような危険を排除することができるというふうに考えているわけでございます。
○前畑幸子君 そうしますと、証券局としまして投資家や企業にとってどのような効果を期待していらっしゃるかということと、それからまた、自己株式取得に慎重にならざるを得ないというまじめな企業も逆に出るのではないかと思いますが、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(日高壮平君) 確かに、企業の経営者が今回の規制緩和によって自己株取得についてどのように考えていくか、これは一義的にはっきりと現段階で断定することはなかなか難しかろうとは思います。私どもとしては、先ほど申し上げたように、中長期的な証券市場の活性化の方策の一つとして今回の規制緩和を行う、同時に、それが不公正な取引を惹起することであってはならないということで必要な法改正をお願いしている、そういう状況でございます。
○前畑幸子君 とにかくいい方向に使っていただくように、きちっとした規制といいますか、こういう場合はいけませんよ、こういう場合はいいという基準をある程度つくっていただくことも大事ではないかと思います。 〔理事竹山裕君退席、委員長着席〕 それからもう一つ、それに関連しまして、持ち株会社の解禁論が出てきております。三月三十一日の日経ですけれども、「経済界、「外圧」で強気」ということで、欧米では持ち株会社が認められているということでございます。この辺についてどのようにお考えでしょうか。
○説明員(舟橋和幸君) 持ち株会社解禁論に対する公正取引委員会の考え方でございますが、御案内のとおり独禁法第九条におきまして、事業支配力の過度の集中を防止する、こういう観点から、持ち株会社、これは株式を所有することによって国内の会社の事業活動を支配する、それを主たる事業とする会社でございますが、その設立や持ち株会社への転化、これを禁止いたしておるわけでございます。 この持ち株会社禁止制度の趣旨でございますが、これは我が国におきまして過去にいわゆる財閥が持ち株会社を通じて支配力を拡大したというそういう歴史的沿革を踏まえまして、持ち株会社の機能、目的、これが他の会社の事業活動の支配そのものにある、しかもそれ自体が経済力集中の手段である、そういうことから独禁法の目的でございます「公正且つ自由な競争」、これを阻害するおそれがある、こういう理由で禁止いたしておるわけでございます。 さらに、その現代的意義ということでございますが、我が国では企業による株式の所有が広く見られる、そういった中で内外から、株式の所有や株の相互持ち合い、これが参入障壁なり投資障壁として指摘されている、そういう状況があるわけでございますが、その中で我が国の大きな課題といたしまして、我が国市場の市場開放それから競争の促進、そういったことが課題となっている現在、持ち株会社は経済力集中の手段である、それから企業の系列化、企業集団の形成強化の核となる、そういうおそれがあるわけでございまして、持ち株会社を解禁するということはこういった大きな課題に逆行するものではないかというふうに考えておるところでございます。 したがいまして、持ち株会社が解禁されますと、独禁政策の後退、日本経済の閉鎖性、不透明性を象徴する、そういうものとして海外からの批判も受けるのではないか。さらに、リストラのために持ち株会社を認めてはと、そういう御議論もあるわけでございますが、独禁法の枠内におきまして株式の所有等は可能でございます。したがいまして、持ち株会社がなければその企業のリストラが円滑に進まないかといいますと、そういうことはないのではないかということでございます。 公正取引委員会といたしましては、事業支配力の過度集中を防止する、そういう趣旨にのっとりまして独禁法第九条の適正な運用に努めてきておるところでございまして、この規定は我が国独禁政策のかなめの一つということで定着をするに至っておるところでございまして、規定を見直す考えはないということでございます。
○前畑幸子君 大臣にお聞きしたいんですけれども、持ち株会社の解禁は今御説明があったように独占禁止法九条に反するということで、これを見直すというようなことが出ております。そして欧米企業では、日本市場でも持ち株会社を通じた新規参入がしやすいように日本政府に働きかけているということでございます。 二年ぐらい前でしたか、金融制度改革のときに、要するに持ち株会社方式はやめて、そして子会社方式にいろいろな論議を尽くした上でなったわけでございます。まだつい先日のことですが、もう方向転換のようなことが持ち上がってきているわけですけれども、大臣の方針はいかがでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 今御指摘の金融制度改革の際に、業際問題をどうするかというようなときに、確かに本体でそういうものをやるのがいいのか、そして子会社方式か、持ち株会社方式がいいかいろいろ議論があったのは事実でありますが、結果として御承知のように子会社方式でやるということを決めたわけでありますし、特に今公取からもお話があったように、持ち株会社というのは適当でないということをはっきり言われているわけでありまして、私どもは独禁法を改正するような気持ちは何も持っておりません。
○前畑幸子君 それならばいいんですけれども、「金融機関による一〇〇%出資子会社方式では他業態参入は不十分で、金融界は近い将来、持ち株会社方式を持ち出す。」、こう書かれているんですけれども、重ねてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) 一部報道にそういうことがあるかもしれませんが、今お答えしたとおり。であって、持ち株会社方式は適当でない、改正をお願いする気はないということをもう一度申し上げます。
○前畑幸子君 もう一つ。解禁を求める経済界にとって外圧が頼りであると、そしてまた、政府が出している規制緩和の一環として持ち株会社が参入しやすくなるのではないかという懸念もありますが、大丈夫でしょうか、重ねてお願いします。
○国務大臣(藤井裕久君) 規制緩和の問題はもう既に御承知のように着実に進めてまいりますけれども、そのこととこの持ち株会社の問題は違う次元で考えておりまして、持ち株会社というものは過去のいろんな沿革から見て日本においては適当でないという判断をいたしておることを、三度目でありますが、お答えさせていただきます。
○前畑幸子君 時間ですので、ちょっと済みませんがもう一つ。 この四月一日から株式委託手数料の一部が、十億円以上が自由化されることになりました。自由化されるということはいいことと私はとらえたいのですけれども、小口売買が中心の一般の投資家にとっては何の恩恵もないのではないかと思います。そして、国際的に見ると手数料は自由化した方がいいということで論議したことがあるわけですけれども、これからこの手数料の自由化がどういう方向に行くのか。そしてまた、それが行きますと今度は中小の証券会社にとって大変経営が厳しくなると思いますが、そこのあたりはどのようにとらえておられますか。
○国務大臣(藤井裕久君) 確かに手数料自由化ということで四月から十億円以上の取引について自由化したわけでありますが、これが一体どういう影響を与えるのかということを慎重にこれから見ていかなきゃならない段階だと思っております。特に中小証券会社あるいは個人投資家の例を出されましたけれども、恩恵がないところかマイナスになることだって考えられるわけでありまして、米英などもこれをやっているわけでありますが、その効果というものについてはまだいろいろと検討すべき事項があると諸外国でも言っているわけでございまして、私どもはこれについてはまず様子を見守るというのが現在の状況でございます。
○前畑幸子君 ありがとうございました。
○吉岡吉典君 最初にさっきの続きを一問。 法人企業の規模別実質負担率の問題ですが、いろいろ前提があって難しいということですけれども、私は東京新聞と同じ前提でやれということを言うわけじゃありませんが、大蔵省の前提による計算もできないということなのかどうなのかという点が第一点。 第二点は、この機械的試算は歳出の削減で生み出すケースというものも計算されていない、それから不公平税制の是正で捻出するケースも計算されていないと私は思いますが、これは計算されていないのか、計算はあるということなのか。計算されていないと私は思いますが、それは、財源は結局消費税という考えのあらわれだというふうに考えます。 それと関連してもう一点お伺いしたいのは、この財源問題について言うと、機械的試算のほかに、先ほどもちょっと話が出ておりましたけれども、公共投資基本計画について、現行計画、二〇〇〇年までに四百三十兆円となっていましたね。それを百兆円以上上回る積み増しか検討されていると、こういうふうに言われております。 そうなると、この財源策は、もし消費税でということになれば、一〇%でもとても支え切れないということになりますが、そういう財源、消費税との関係でどのようにお考えになっているか、三点お伺いします。
○国務大臣(藤井裕久君) 先ほどの第一点でございますが、私どもとしてもいろんな前提があって確たることが確定できませんので、大蔵省としてもこれをあのように規模別に細かく出すということはなかなか難しいと考えております。 第二番目の機械的な計算の話でございますが、私は何度がここでも申し上げておりますように、一つの基準で出したにすぎないわけであって、当然のことながら歳出の削減については一層の努力をすべきものだと思っておりますし、政策減税についてもいろんな御意見を承りながらやるべきものについてはやってまいらなきゃならない。ただ、政策減税の中で何が不公平かということについていろいろ御意見があるのは事実でありますが、多くの方々がこれはやはり是正すべきであるということに対しては、的確にやっていかなきゃいけない、こういうふうに考えております。 第三番目の公共投資基本計画でありますが、これは単に積み増しであると同時に見直しも含まれておるわけで、生活環境関連というものをより重視していくという意味の見直しをしたいということも含めてでありますが、その上積みも含めまして、先ほどお答えいたしましたように、後世代に負担を残さないということは極めて重要な財政政策であると考えております。
○吉岡吉典君 その問題はまた改めて議論することにしまして、法案に則して質問します。 証券取引法の一部改正法案ですが、先ほど来の論議を聞いておりますと、この今出されている証券取引法の一部改正法案というものがなければ自己株式取得の解禁というものは不公正を生み出すおそれがある、こういう認識ですね。
○政府委員(日高壮平君) 自己株式取得規制につきましては、実際に定められておりますのは商法でございます。従来の商法の考え方を今回改めて、別途商法の改正をお願いしているわけでございます。 その商法の改正によりまして自己株式取得が広く行われるようになった場合に、証券取引の立場から見れば、先ほどもお話し申し上げましたとおり、インサイダー規制等、不公正な取引が行われないようにするための所要の規定の整備が要るであろうということで今回改正をお願いしておるわけでございます。
○吉岡吉典君 つまり、ほっておけばおそれがあるということでしょう。それははっきり言いなさいよ。
○政府委員(日高壮平君) インサイダー規制につきましては、何の手当てもしなければインサイダー規制を免れるおそれがあるということは否定できないだろうと思います。だからこそ重要事実として今回規定をさせていただいておる。 もう一つの株価操縦の問題につきましては、これは規定の整備を図るまでもなく現在の証取法で十分対応が可能であるというふうに考えております。
○吉岡吉典君 先ほども論議があった点ですが、今回の自己株式取得の解禁というのはどういう目的によるものか。まあいろいろ回りくどい論理で、結果としては株式に対する魅力を強め、活性化ということを期待している、目的というよりは期待しているという表現であったと思いますけれども、そういうことですか。もう一度お伺いします。
○政府委員(日高壮平君) そのとおりでございます。
○吉岡吉典君 そうしますと、これは逆に言うと、株式活性化、そういうことを期待しつつ、ほっておくと不公平を生み出すような危ない要素を持ったものでもあるところの自己株式取得の解禁ということをやったということになる、論理としてそういうことになるわけですね。やっぱりかなりの危険を念頭に置きつつ、こういう法律上の歯どめをかけつつそういうことをやられたと思うんですが、それほど必要だったんですか。
○政府委員(日高壮平君) この自己株式取得規制の緩和につきましては、先ほど申し上げたように、証券市場の活性化に役立つであろうということで、累次の経済対策にも計上されているところでございます。 なお、今おっしゃられましたけれども、私どもとしては、これは証券市場の活性化という目的だけではなしに、企業サイドから見ても、先ほど申し上げたように、株主に対する利益の配分の方法を一つふやすという意味で、株主に目を向けた政策が企業として組みやすくなる、そういう面を十分御勘案いただきたいと思うわけでございます。
○吉岡吉典君 この改正法案でとられた措置で大体想定される不公正ということの危険は防げる、そういう判断にお立ちになっていますか。
○政府委員(日高壮平君) 株式をめぐる不公正な取引というのは、実は一義的にどういう形態が広く行われているかというのはなかなか難しいわけでございますけれども、少なくとも先ほど申し上げたとおり、企業の経営内容について熟知している企業の経営者等が自己株式取得について関与するということでございますので、通常考えられるものとすれば、インサイダー規制、いわゆる内部者取引規制との関連、もう一つは株価操縦との関連ではないかというふうに思っております。 前者のインサイダー規制につきましては必要な法改正をお願いしてございますし、株価操縦の問題については、先ほど申し上げたとおり、自動的に現在の証取法の大枠の中で十分対応が可能であろうというふうに考えておるわけでございます。
○吉岡吉典君 証券取引審議会は、自己株取得に関して具体的な項目を挙げて、いろいろな行為を株式操縦との関係で問題があるものとして列記しております。これもこの法律の中に取り入れた方がよりよかったんじゃないかというふうに指摘する向きもありますが、その点ほどのようにお考えになりますか。
○政府委員(日高壮平君) 相場操縦との関係で幾つかの具体的な事例について、例えばこういうことが行われた場合にはそのおそれがあるよということで証券取引審議会の報告の中に具体的に列挙されたわけでございます。 ただ、これを実際に法制面としてはっきりと定義をするということにつきましては、現在の証取法における株価操縦禁止規定というものは、いわば一つの形式的な行為だけで判断すべきものではなくて、その行為を行った主観的な要素、あるいはその影響とかいろいろなものを総合的に判断して決定すべき問題でございますので、今申し上げたものは、一つのたまたまたそういったものが疑われやすいよという意味での取引の目安を取引審議会の報告ということで掲げさせていただきましたけれども、それを具体的に法制的な面で規定をし、それでいわば違法性を阻却するような形では、なかなか現在の法体系のもとではとりにくいということで、今回そこまではやっていないということでございます。
○吉岡吉典君 私どもはこの法案に賛成でございますから、そうだとすると運用の面できちっとしてもらわなくちゃならない問題になります。 そこで、証券取引等監視委員会は、この証取審の報告が掲げた項目、今後の調査に当たってこれをどのように受けとめておられるかということをお伺いします。 これは監視委員会の方にお伺いします。
○政府委員(杉崎重光君) 私ども監視委員会は、その発足に当たりまして新たに株価操縦等の犯則事件の調査の権限をちょうだいいたしております。そして、この相場操縦の禁止規定でございますけれども、これにつきましては既に判例もございますし、また過去の証取審におきましても報告がございます。そして、今回証取法の改正に関連いたしまして、ただいま御指摘ございましたとおり、自己株式の取得等の規制緩和に当たって、相場操縦禁止規定との関連で問題が生じ得る行為が具体的に列挙されてございます。 これらの判決あるいは報告書、こうしたものを私どもはよく踏まえまして、今後とも相場操縦行為等の犯則の疑いがあるものにつきましては予断を持つことなく調査を進めまして、取引の公正を害する悪質な行為については告発によりまして刑事訴追を求めるなど、厳正に対処してまいる所存でございます。
○吉岡吉典君 財政運営特例法案ですが、時間が来ましたので一問だけ簡単に行わせていただきます。 二年連続定率繰り入れの停止ということになると、定率繰り入れというこの制度を大蔵省はどういう認識で見ておられるかということを考えざるを得ません。 定率繰り入れは我が国の減債制度の基本であるとされ、しかもこの定率繰り入れを基本とする現行の減債制度の意義は、他の支出に充て得る財源がこれによって制約されることによって財政の膨張、ひいては公債残高の累増に対する間接的歯どめになるというようなことも財政審の答申では強調されているわけです。 そういうことが連続して停止されるということになると、この制度そのものを非常に軽くお考えになっているんじゃないかという気がします。そして、こういうことを繰り返していたら本当に財政はパンクしてしまうんじゃないかと私は思います。 先ほどの質問でNTT株式の問題がありましたけれども、さっき答弁もありましたように、もとへ戻すものはもうことしなくなっちゃうわけでしょう。一体どうするんですか。そういう点、ちょっと簡潔に大臣にお伺いします。
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま御指摘のように、この減債制度は昭和四十年の国債発行後に、直ちにあるべき姿として今吉岡委員御指摘のような角度からとられたものでございます。そしてずっと守ってきているわけでございますが、赤字国債を出したときにこれは実際上機能しなかったというのも事実であります。そして、それをしっかりやるというのがあるべき姿であるということはそのとおりだと思います。 私どもといたしましては、先ほど来の御議論を伺って思っておりますが、いいことをやっているとは思っておりません。決していいことをやっているとは思っておりませんが、やりくりとしてどうにもならないところである、過去何十年間の積み上げがきているということも事実でありまして、私どもとしてはいいことをやるということではなく、やむを得ざる措置としてこのようなことをやらせていただいております。もちろん、減債制度というのは本来あるべき姿であるということは絶対に忘れてはいけない財政政策の基本だと考えております。
○吉岡吉典君 終わります。
○島袋宗康君 証券取引法の一部改正案について二、三お尋ねしたいと思います。 自社株取得のルールを策定する必要性についてまずお伺いしたいと思います。 企業が自己株式を時価で買い取る場合、株価に対しては中立的であるべきだとされております。しかし、自己株式取得は会社の財務運営を預かる者自身が行うものでありますから、このような者がこれを利用して株価操作を行おうとする誘因が強く働く可能性があるとされております。 他方、会社は自己株式取得に際し、株価操作であるとの疑惑を恐れて取得に過度に慎重になることも考えられるんじゃないか。このような懸念に対して証券取引審議会の報告では、自己株式取得に当たって株価操作禁止規定等に違反するとの疑いを招くような具体的態様を列挙しております。このような態様を示すことにより、これが避けるべき行為の一つの目安として機能し、公正かつ円滑な取引が行われることが期待されているわけであります。 しかし、法案では公正な取引とされる基準が法文化されていないわけでありますけれども、これでは株価操作の疑念を持たれることを嫌い自社株取得に消極的な会社が出てくる可能性がありはしないか。改正法案の実効性についてはちょっと疑問を抱かざるを得ないというふうに思います。 今回、自社株取得の規制緩和に当たって、株価操作の疑いのない、いわゆるセーフ・ハーバー・ルールを作成しなかった理由は何なのか、その辺についてお伺いいたします。
○政府委員(日高壮平君) 今御指摘がございましたセーフ・ハーバー・ルールというものは、現在アメリカのSEC、証券取引委員会の規則で定められたものでございます。 ちょっと具体的に申し上げますと、このセーフ・ハーバー・ルールというのは、自己株式の買い付けを委託する証券会社の数、買い付けの時期、買い付けの価格あるいは買い付けの数量について一定のルールに従って自己株式の買い付けを行った場合には、それらの事項を理由として相場操縦禁止規定の違反とされることはない、いわば一種の違法性阻却要因をSECの規則という形で定めたものでございます。 先ほども申し上げましたけれども、我が国の相場操縦の禁止規定、これは証取法の百五十九条でございますが、この相場操縦禁止規定をどのように認定するかということでございますけれども、これは取引の動機などの主観的な要素、売買取引に付随した前後の事情等を総合的に考えて個別事例ごとに判断する必要があるということで、現在の私どもの司法体系の考え方のもとでは、先ほどのアメリカのような画一的な類型的な基準で違法性を阻却するような、一義的に違法性を阻却するような考え方はとり得ないというのが私どもの考え方であり、司法当局の考え方であったわけでございます。 したがって、そういう意味で、株価操縦禁止規定にこれが当たるのか当たらないのかなかなかわからないではないかという当然御指摘もあるわけでございますので、そのような御指摘にもこたえるために証券取引審議会の報告の中にそういった、むしろ避けた方が望ましいと思われるような一つの目安を掲げさせていただいた。これが現在の法制面における我々のとり得る限度ではなかったかということでございます。
○島袋宗康君 最近、株主総会をめぐるトラブルが絶えないわけであります。また近年、総会屋対策からか、株主総会の開催が六月二十九日に集中している状況であります。これは会社の総会屋を排除するための方策であると思いますけれども、反面、複数の会社の株式を保有する健全な株主の正当な権利行使を妨げているのではないかというふうにも思われます。今回の自社株取得の要件に定時株主総会の決議を求めていることからしても、形骸化された株主総会のままでいいはずはないと私は思っております。 ところで、株式投資の魅力を高め、安定的で活力ある証券市場を確立することは一我が国の新しい経済社会を展望する上で大きな課題と思います。つまり、個人株主の割合が欧米に比べ低い我が国の現状にかんがみ、株主の正当な権利行使を保障して投資者の保護を図り、正確な情報に基づき安心して投資できる個人株主をふやしていくことこそが今必要であると思います。そのことがひいては証券市場の活性化に資するものだと思っております。 大蔵省は個人株主をふやすための環境整備などについてどういうふうにお考えなのか、御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) 後者の方について私の基本的な考えを申し上げますが、私は今御指摘のように大変大事なことだと思っております。個人株主をふやして要するに証券市場のすそ野を広げるということは大変大事なことだと思っておりまして、既に前政権以来ではございますけれども、売買の単位を小さくするとか、あるいは従業員持ち株制度をもう少し弾力化するとか、あるいは証券投資信託に株式を入れるとか、いろんな意味できめ細かく、しかし同時に個人株主をふやしていくという基本に沿った施策をとっておりますが、ただいまの島袋委員の御指摘は大変大事なことだと思っておりますので、今後ともますます個人投資家が証券市場に、より戻ってくるように努力をいたしたいと思っております。
○政府委員(日高壮平君) 前段にお話がございました株主総会の開催日が集中しているのではないかという問題につきましては、基本的にこれにつきましては会社の判断において決定されているということでございますので、私どもとしてはちょっと御意見を差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、株主総会が株主のためになるように、そういった形で運営されるように私どもとしてもその関係者に期待をいたしたい、お願いをしたいというふうに考えております。
○島袋宗康君 終わります。
○委員長(上杉光弘君) 以上で両案に対する質疑は終局いたしました。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○吉岡吉典君 私は、日本共産党を代表して、議題になっている二法案のうち、平成六年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案について、反対の討論を行います。 本法案は、九四年度予算の歳入不足を賄うために、国債整理基金への定率繰り入れを停止することなどにより、約五兆円の財源を捻出しようとするものであります。 定率繰り入れは我が国減債制度の基本であり、これを当初予算から停止する今回の措置は、国債残高削減の努力を政府みずから放棄するものと言わなければなりません。また、国民年金特別会計、政管健保などへの一般会計からの繰り入れの停止措置については、本来負担すべき支払いを繰り延べ、これらの特別会計の財政基盤を不安定にするものであります。 これらのやりくりの措置が毎年のように続けられた結果、繰り延べ期間の利子相当分を含め、その残高であるいわゆる隠れ借金は巨額に達しております。これは、予算を粉飾し、財政の実態をわかりにくくするものであるとともに、残高二百兆円を上回る国債残高とあわせ、将来の国民の大きな負担となるものであります。 以上の理由から、本法案に対して反対の態度をとるものであります。
○委員長(上杉光弘君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより順次両案の採決に入ります。 まず、平成六年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(上杉光弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、証券取引法の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(上杉光弘君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上杉光弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十九分散会 ―――――・―――――