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129回国会参議院1994/06/07

大蔵委員会 第4号

発言数
8
登壇者
4
会派数
3
開催日
1994/06/07

会議録

上杉光弘自由民主党

○委員長(上杉光弘君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  租税及び金融等に関する調査を議題とし、財政及び金融等の基本施策について、藤井大蔵大臣から所信を聴取いたします。藤井大蔵大臣。

藤井裕久改新大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 今後における財政金融政策の基本的な考え方につきましては、先般の財政演説において所信を申し述べたところでありますが、本委員会において重ねて所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。  まず、最近の内外経済情勢について申し上げます。  我が国経済は、現在、設備投資や雇用情勢に厳しさが見られるなど、総じて低迷を続けております。  世界経済は、国によりばらつきが見られるものの、全体としては景気回復が着実に進行しつつあると言えます。しかしながら、先進諸国は、大幅な財政赤字や高失業などの構造問題を抱え、経済構造改革に向けた努力が必要とされており、また、開発途上国の一部や旧ソ連、中・東欧諸国では、依然として厳しい経済状況が続いております。  私は、今後の財政金融政策の運営に当たり、このような最近の内外経済情勢を踏まえ、以下に申し述べる諸課題に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。  第一の課題は、本格的な景気回復の実現を図ることであります。  さきに申し上げましたように経済は厳しい状況が続いておりますが、個人消費に持ち直しの動きが見られるなど、回復の機運は着実に熟しつつあります。  こうした回復の芽を大きく膨らませ、我が国経済を平成六年度中のできるだけ早い時期に本格的な回復に移行させ、七年度以降の安定成長を確実なものとするため、先般、十五兆円を上回る史上最大規模の総合経済対策を決定いたしました。本対策は、五兆八千五百億円規模の所得減税の実施等や、公共投資等の拡大などの内需拡大策のほか、課題を抱える分野における重点的な対応などを盛り込んだ、質量ともに充実した文字どおり総合的な経済対策であります。こうした幅広い諸施策を一体として実施しつつ、これとあわせ平成六年度予算においても可能な限り景気に配慮するよう努めてまいる所存であり、これが、先行きに対する不透明感を払拭するとともに、個人消費を初めとする内需の盛り上がりにつながり、我が国経済の本格的な回復に大きく資するものと確信しております。  金融面では、七次にわたる公定歩合の引き下げが実施されてきたところでありますが、今後とも、その効果が一層浸透していくことを期待しております。  また、為替については、我が国としては、為替相場が経済の基礎的諸条件を反映して安定的に推移することが望ましいと考えており、このような基本的な考え方は、去る四月二十四日、ワシントンで開催されたG7蔵相・中央銀行総裁会議において、各国共通の認識として改めて確認されたところであります。今後とも為替相場の動向を十分注視し、関係各国と緊密に連絡をとりつつ、適宜適切に対処し、為替相場の安定を図ってまいる所存であります。  第二の課題は、財政改革を引き続き強力に推進することであります。  政府は、厳しい経済状況に対し、累次にわたる経済対策を策定してまいりましたが、これに盛り込まれた公共事業関係費の追加等については、やむを得ざる措置として、建設公債の追加発行により賄うこととしたところであります。  さらに、平成六年度予算におきましても、現下の厳しい財政事情のもとで、平成五年度第三次補正予算とあわせ可能な限り景気に配慮するよう努めるとの観点等から、建設公債の発行により、公共事業等の財源を確保するとともに、所得税減税等に伴う税収減に対処するものに限って、特例公債の発行によることといたしました。  この結果、公債依存度は一八・七%と当初予算としては昭和六十二年度以来の水準となり、公債残高も平成六年度末にはついに二百兆円を超える見込みである等、我が国財政をめぐる事情は、構造的にますます厳しさを増しております。このような公債残高の累増を放置すれば、既に歳出予算の二割程度を占めている国債費の増高につながり、政策的経費をさらに圧迫するなど財政の一層の硬直化を招くこととなります。これまで厳しい経済状況のもとで景気浮揚に向け大きな役割を担ってきた我が国財政は、今や深刻な状況に立ち至っております。  一方、本格的な高齢化社会の到来に備え、福祉の充実、着実な社会資本の整備、国際社会への貢献等さまざまな財政需要に適切にこたえていく必要があります。これら新たな時代のニーズに的確に対応し、豊かで活力ある経済社会の建設を進めていくためには、何よりもまず、財政の対応力の回復に努めていかなければなりません。  このため、まことに深刻な状況にある今こそ、引き続き健全な財政運営を確保し、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げていくという財政運営の基本的方向に沿って一層の努力を払っていくことが重要であり、今後とも財政改革を強力に推進していく覚悟であります。  第三の課題は、年内に税制改革の実現を図ることであります。  活力ある豊かな高齢化社会の実現を目指し、財政の体質の改善に配慮しつつ、個人所得課税の軽減と消費課税の充実を柱に、バランスのとれた安定的な税体系を構築し、税制改革を実現することは緊急に取り組むべき課題であります。  税制改革の年内の実現は新内閣の最重要課題と考えており、前内閣での取り組みを継承して、国民の皆様の意見に十分耳を傾け、税制調査会で審議を進めていただきながら、国会の議決に沿い、各党会派の御理解と御協力をいただいて、六月中には成案を得て、必ずや年内に税制改革を実現するよう最大限の努力を傾けてまいる所存であります。  第四の課題は、調和ある対外経済関係の形成と世界経済発展への貢献に努めることであります。  先般、ワシントンで開催されたG7蔵相・中央銀行総裁会議においては、世界経済のインフレなき持続的成長の強化を目指し、各国が引き続き昨年の東京サミットで合意された成長戦略及び構造政策を追求していくこととされました。我が国としては、このような経済政策協調プロセスにおいて各国と協力していくとともに、三月にハワイで開催されたAPEC蔵相会議の成果等を踏まえ、アジア・太平洋地域の各国との対話にも努めてまいります。  七年余にわたり交渉が続けられてきたガット・ウルグアイ・ラウンド交渉は、本年四月十二日から十五日までモロッコのマラケシュにおいて閣僚会合が開催され、正式に終了いたしました。このことは、何よりも国際経済秩序に対する信認が確保されたことを示すものであります。  合意の概要といたしましては、まず、鉱工業品及び農産品等についての大幅な関税引き下げが実現されるとともに、農産品についての関税化や農業補助金の削減等が行われることとなりました。次に、金融等のサービスの分野についての多国間の自由化ルールを規定した協定が策定されるとともに、知的財産権の分野について国際的な取引を促進するための協定が策定されました。また、アンチダンピング関税等の貿易ルールの分野については規律の強化が図られております。さらに、これらウルグアイ・ラウンド交渉の成果を統一的に実施するための枠組みとして、これまでのガットにかわる世界貿易機関の設置が合意されたほか、紛争処理手続の整備が行われております。  政府としては、今後、条約の締結、所要の国内法の整備のための御審議をお願いすることを予定しており、大蔵省といたしましても、関連する法律案の準備を進めていくことといたしております。  平成六年度におきましては、関税制度について、市場アクセスの一層の改善を図る等の観点から、粗糖の関税引き下げ、自動車部品の関税撤廃等の改正を行ったところであります。  経済協力につきましては、特に開発途上国における人づくりに対する二国間技術協力に重点を置き、さらに国際開発金融機関を通じた一層の協力も進めつつ、引き続き開発途上国への支援の促進に努めてまいるとともに、旧計画経済諸国についても市場経済への円滑な移行のため、他の主要先進国とも協調しつつ適切な支援を行ってまいる所存であります。  第五の課題は、金融・証券市場の活性化であります。  我が国経済の今後の発展を確保するためには、経済活動に必要な資金の円滑な供給を図ることが不可欠であります。こうした観点から、先般公表した「金融機関の不良資産問題についての行政上の指針」に沿って、不良資産の処理の促進を図りつつ、資金の円滑な供給の確保を図ってまいりたいと考えております。  また、金融自由化につきましても、着実に推進してまいる所存であります。  金融制度改革につきましては、金融制度改革法が昨年四月に施行されて一年が経過しました。この間、金融機関及び証券会社の子会社方式による相互参入や地域金融機関の信託業務への参入が進められているほか、諸規制、諸慣行の見直しも着実に実施に移されております。また、預金金利の自由化につきましては、昨年六月に定期預金金利が完全自由化され、本年十月には流動性預金金利の自由化を実施することといたしております。これにより、昭和六十年以来取り組んでまいりました金利自由化が完了することとなります。  証券市場の活性化については、今国会に既に提出されております商法改正案における自己株式の取得に関する規制緩和に対応して、証券取引制度の整備を図るため、証券取引法の一部を改正する法律案を今国会に提出したところであります。また、企業の新規公開につきましても、今般、その一層の促進が図られたところであります。今後とも、証券市場、証券取引に係る手続の簡素化、規制の緩和等を引き続き推進してまいる所存であります。  次に、平成六年度予算の大要について御説明いたします。  平成六年度予算につきましては、去る三月四日、前内閣によって提出され、その大要につき本会議において説明があったところですが、先般の内閣総理大臣の所信表明演説にありますように、新内閣としては、これを引き継ぎ責任を持ってその実施に当たる考えであります。  平成六年度予算は、現下のまことに深刻な財政事情と厳しい経済状況にかんがみ、平成五年度第三次補正予算とあわせ可能な限り景気に配慮するよう努めるとともに、財政体質の歯どめなき悪化につながりかねない特例公債の発行を抑制するため、従来にも増して徹底した歳出の洗い直しに取り組む一方、限られた資金の重点的、効率的配分に努め、質的な充実に配慮することとして編成したものであります。  歳出面につきましては、既存の制度、施策について見直しを行うなど、経費の節減合理化に努めることとし、一般歳出の規模は、四十兆八千五百四十八億円、前年度当初予算に対し二・三%の増加と抑制されたものとなっております。  これに、地方交付税交付金及び国債費のほか、平成四年度の決算上の不足に係る決算調整資金を通じた国債整理基金からの繰り入れ相当額につき、法律の規定に従い、同基金に繰り戻すこととした額等を加えた一般会計予算規模は七十三兆八百十七億円、前年度当初予算に対し一・〇%の増加となっております。  次に、歳入面について申し述べます。  税制については、当面の経済社会状況等を踏まえた政策的要請にこたえるため、所得税減税、相続税減税等を実施するとともに、土地税制等について適切な対応を図る一方、公益法人等に対する課税の適正化、租税特別措置の整理合理化を進めるほか、酒類に対する税負担の適正化その他所要の措置を講ずることとし、このための法律の改正については、先般、本国会において成立したところであります。  公債につきましては、建設公債十兆五千九十二億円を発行するほか、所得税減税等に伴う税収減に対処するものに限って、特例公債三兆一千三百三十八億円を発行することといたしております。この特例公債については、年内に実施が図られる税制改革の中でその償還財源の問題についても適切に対処されるべきものと考えており、歯どめのない財政体質の悪化につながりかねない特例公債とは異なるものになり得ると考えております。なお、借換債を含めた公債の総発行予定額は三十六兆五千三百十億円となっております。  財政投融資計画につきましては、景気に配慮するとともに、国民生活の質の向上等各般の政策的諸要請に的確に対応していくとの考え方に立ち、住宅建設、中小企業支援、地域の活性化等の分野を中心に重点的、効率的な資金配分を図ったところであります。  この結果、財政投融資計画の規模は四十七兆八千五百八十二億円、前年度当初計画に対し四・六%の増加となっております。また、資金運用事業を除いた一般財投の規模は三十九兆四千八十二億円、七・七%の増加となっております。  以上、財政金融政策に関する私の所信の一端を申し述べました。  なお、既に御審議を経て成立した六件のほか、本国会で御審議をお願いすることを予定しております大蔵省関係の法律案は、平成六年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案、国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案及びさきに申し上げた証券取引法の一部を改正する法律案の三件でありますが、このうち、平成六年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案及び証券取引法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会において御審議をお願いすることになると存じます。  それぞれの内答につきましては、逐次、御説明することとなりますが、何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。

上杉光弘自由民主党

○委員長(上杉光弘君) 以上で所信の聴取は終わりました。     —————————————

上杉光弘自由民主党

○委員長(上杉光弘君) この際、北橋大蔵政務次官及び石田大蔵政務次官より、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。北橋大蔵政務次官。

北橋健治改新大蔵政務次官

○政府委員(北橋健治君) 先般、図らずも大蔵政務次官を拝命いたしました北橋でございます。  重要な諸課題を前に、職員の重大さをひしひしと痛感をいたしております。微力ながら全力を傾注して職務の遂行に当たる所存でございます。委員各位の御指導と御叱正を心からお願い申し上げまして、一言ごあいさつにかえる次第であります。  ありがとうございました。(拍手)

上杉光弘自由民主党

○委員長(上杉光弘君) 石田大蔵政務次官。

石田祝稔公明党大蔵政務次官

○政府委員(石田祝稔君) 先般、図らずも大蔵政務次官の大任を拝命いたしました石田祝稔でございます。  厳しい財政情勢の折から、その職員の重大さを一層自覚いたしまして、委員長初め各先生、諸先生の御指導をいただきながら誠心誠意職務遂行に努めてまいる所存でございます。どうかよろしく御指導、御鞭撻のほどお願い申し上げます。  きょうは大変ありがとうございました。(拍手)

上杉光弘自由民主党

○委員長(上杉光弘君) 本日はこれにて散会いたします。    午前十一時四十七分散会      —————・—————

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