政治改革に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 40 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1994/06/21
会議録
○委員長(上野雄文君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を開会いたします。 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上野雄文君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に角田義一君を指名いたします。 —————————————
○委員長(上野雄文君) 公職選挙法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、発議者松浦功君から趣旨説明を聴取いたします。松浦功君。
○松浦功君 ただいま議題となりました公職選挙法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。 参議院選挙区選出議員の定数の配分につきましては、昭和二十二年に参議院地方区選出議員選挙として制度が創設されて以来、昭和四十六年の沖縄県復帰に伴う定数二人増の改正を経て今日に至っておりますが、その後の大幅な人口移動により議員定数は各選挙区間において著しい不均衡を生じ、平成二年国勢調査人口によりますと、議員一人当たり人口の格差は最大で一対六・四八に達しております。 昭和五十八年四月の最高裁判所の判決におきましては、旧地方区の選挙制度に関し、参議院の選挙制度の趣旨等に照らし国会の裁量権を広く認め、定数配分規定は合憲であるとされたものの、議員一人当たりの選挙人数の格差が拡大し、いわゆる逆転現象が生じていることが指摘されております。 また、先般、政治改革関連法案が成立し、衆議院議員選挙の名簿届け出政党等の得票率要件が有効投票総数の百分の二以上とされたこと等に関連し、参議院比例代表選出議員の選挙における名簿届け出政党の要件の見直し等を行う必要があります。 本案は、以上のような状況にかんがみ、次のとおり改正しようとするものであります。 第一に、参議院選挙区選出議員の各選挙区の定数の配分につきましては、宮城県を二人区から四人区に、埼玉県を四人区から六人区に、神奈川県を四人区から六人区に、岐阜県を二人区から四人区に、それぞれ増員することといたしております。 また、北海道を八人区から四人区に、兵庫県を六人区から四人区に、福岡県を六人区から四人区に、それぞれ減員することといたしております。 これにより、選挙区選出議員の議員一人当たり人口の選挙区間格差は、平成二年国勢調査人口において最大で一対四・八一に縮小し、また、逆転現象は解消されることになります。 第二に、参議院比例代表選出議員の選挙における名簿届け出政党等の得票率要件につきましては、直近における衆議院議員の総選挙または参議院議員の通常選挙における当該政党等の得票総数が有効投票総数の百分の四以上であることから百分の二以上であることに緩和することといたしております。 第三に、参議院の名簿届け出政党等が行う新聞広告の公費負担につきましては、政党等の当該選挙における得票総数が有効投票総数の百分の一以上である場合に限ることといたしております。 なお、この法律は公布の日から施行することといたしております。 以上がこの法律案の提案の趣旨及び内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(上野雄文君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉川春子君 提案者に質問いたします。 参議院は、衆議院と同様に国権の最高機関である国会を構成し、全国民を代表する選挙された議員で組織するとされており、参議院においても選挙権の平等原則は当然適用されると思います。提案者は参議院でもできる限り平等原則を貫くべきというお考えなのでしょうか、それとも憲法上の選挙権の平等原則は参議院にはそのまま適用しなくてもよいとお考えでしょうか、お尋ねします。
○松浦功君 一般論として、参議院議員の選挙についても一票の価値の平等が貫かれることが好ましいというふうに判断をいたしております。 なぜそういうことを申し上げるかと申しますと、参議院の選挙制度についてはいろいろな考え方があるわけでございまして、基本的な骨組みいかんによっては格差が当然生ぜざるを得ないという結果になることもあり得るということを念頭に置いておることを申し上げておきたいと思います。
○吉川春子君 好ましいというのは非常に幅を持った表現ですが、憲法上の選挙権の平等原則というのは基本的に参議院にも貫かれるべきなのか、それとも貫かれなくていいのか、好ましいというあいまいな表現ではなくてもう少し的確におっしゃっていただきたいと思います。
○松浦功君 一般論として、先生御指摘のように貫かるべきものであるということを基本原則として考えております。
○吉川春子君 この間、判例におきましてもいろいろな判決が出ているんですけれども、しかし、平等原則を貫くべきであるという点ではやっぱり一貫していると思うんですが、判例に対しての御認識はいかがですか。
○松浦功君 御指摘のとおり参議院の選挙制度についても、最高裁でたびたび言われておりますように、できる限り一票の価値が平等になるようにすることが一つの原則だろうというふうには理解をいたしております。
○吉川春子君 できる限りという修飾語がついていたかどうかですけれども、例えば昭和五十八年の四月二十七日の最高裁判決では「憲法は、衆議院及び参議院の各議員を選挙する権利の重要性にかんがみ、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産または収入によって選挙人の資格を差別してはならないものとするにとどまらず、議員の選出における各選挙人の投票の有する価値の平等をも要求しているものと解すべきである。」と、このように言っているわけでありまして、判例は国会の裁量権ということを根拠に合憲判決を出している場合も、やはり平等原則は貫かれるべきであると、このように判示しているわけです。 それで、次にお伺いいたしますけれども、今回選挙区の定数は百五十二として、選挙区について八増八減案を提案されたわけですけれども、そしてその格差は人口の最少鳥取県、最大東京都で比べますと四・八一倍になっておりますけれども、これは次の国勢調査ではもう格差は五倍を超える——「次の」というのは来年ということですが、こういうことは明らかなんです。それで、その八増八減という定数配分の方法はどういう基準、原理に基づくものなのでしょうか。
○松浦功君 まことに難しい御質問でございますが、検討委員会等の議論ではかっちり最大剰余法であるとかドント法であるとか、そういう結論で八増八減という結果を導き出したということはないようでございます。基本的には百五十二という定数の範囲でできるだけ影響する県を少なくして、そしてなおかつ逆転現象をなくする、そういうことで結果的に四増四減、八増八減という結果が出たと承知をいたしております。
○吉川春子君 今おっしゃられたように、何か哲学があるとか配分の方程式があるとかそういうことではなくて、非常にある点では政策的な配慮といいますか、その結果出てきたのが八増八減案だということ、私もそういうふうに理解しておりまして、今の御答弁もそうであったと思います。 それで、法制局にお伺いいたしますけれども、二段階ドント式によって定数配分をしますと現在の定数のまま百五十二という枠内でどういう配分になるんでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○法制局参事(天野英太郎君) お答えを申し上げます。 ただいま御指摘の二段階ドントという方式でございますけれども、これは、まず最初に総定数のうちの各二人につきまして全都道府県に均一に割り振りました後、残余の五十八議席につきまして二人を単位にいたしましてドント式で配分をする、こういう配分方式であるというふうに理解をしておるわけでございますが、この方式をとりまして百五十二の総定数を配分いたしますと、東京は十二、大阪、神奈川が八、愛知、埼玉、北海道、千葉、兵庫、福岡が六、静岡、広島、茨城、京都、新潟、宮城が四、それ以外の県が二となるということでございまして、最大格差につきましては愛知と鳥取の間で三・六二倍ということになるのではないかというふうに思っております。
○吉川春子君 もう一つ法制局にお伺いしたいんですけれども、もう一つよくやられる方法で、参議院制度が発足した当時、二十年代の当初、最大剰余方式という配分方法を用いたわけですけれども、その配分方法を用いた場合に、今の人口でいうとどういう配分になるかお答えいただけませんでしょうか。
○法制局参事(天野英太郎君) お答えをいたします。 参議院の選挙制度ができました当時に、当時の地方区の定数配分について用いられましたと思われます方式を現在の人口なり総定数というものを前提にして割り振りました場合には、基本的には定数がゼロになるというそういう選挙区が恐らく四選挙区ほど出てまいるということになろうかというふうに思っておりまして、そういう配分方式は現在のところはなかなかとりにくいのではないのかなというふうに存じておるところでございます。
○吉川春子君 ゼロになるのはまずいわけで、そのゼロになるところを二で補正した結果で結構ですが、そういうふうにするとどうなりますか。
○法制局参事(天野英太郎君) ただいま、ゼロという選挙区について二人というものを確保するような補正をしていくということになるとどうであるかという御指摘でございますけれども、その補正という事柄、意味なり手法につきましては、私どもいろいろな考え方があろうかというふうに思っておるところでございまして、私ども言うまでもないことながら、法制上の立案をする立場にございまして、そういういろいろな考え方のある数学的な、あるいは統計上の問題について自信があるお答えをするような立場ではないということを御理解をいただきたいと思いますが、先生の御指摘もございますので、御指摘のようなことで私ども最大格差を最小にするというふうな立場で試算をいろいろ部内でしてみましたところ、大体やはり三・六二倍が最大格差になるというふうな形の数字が出てまいるということは一応言えようかというふうに思っております。
○吉川春子君 格差はさっきのドントと同じで三・六二倍、そして選挙区の定数は、大きいところだけ言いますと、東京十二、大阪、神奈川は八、埼玉、愛知、北海道、千葉、兵庫、福岡は六になる、こういうことで大体いいですか。
○法制局参事(天野英太郎君) お答えいたします。 大体仰せのとおりだと思います。
○吉川春子君 つまり、ドント方式、それから参議院のスタート当初の最大剰余方式、この両方の配分でやった場合に、東京は十二ということは選挙のときの定数は六、大阪、神奈川は八ということは四、埼玉、愛知、北海道、千葉、兵庫、福岡は六ですから三という形になって、そして格差は三・六二倍と、こういうふうになるわけです。 先ほど趣旨説明がありました八増八減案というのは、格差が四・八一倍、そしてしかも個々の選挙区でいえば、人口その他に照らして、面積に照らして、非常に少ない定数を余儀なくされる、こういう結果になるわけです。だから、その八増八減案というのは、通常使われているそのどちらでもないといいますか、非常に政治的な考慮、政策的な考慮といいますか、そういうことに基づいて出てきた案ではないか、こういう疑問を払拭し得ないわけですけれども、そういうものになかなかこたえられないんじゃないか。 そして、しかも、私たちはやっぱり格差是正ということが非常に必要だと思うんですが、今度の改正案では、ちょっと注意的に言いますと、私たちは今の定数の中での配分という方式には反対して具体的に増員案を出しているんですけれども、それが受け入れられませんので、百歩譲って今の枠内で定数是正を考えるという立場で質問申し上げるんですけれども、今回の八増八減によれば、例えば人口最小の鳥取県と北海道の格差というのは、現行は二・二九倍、これが八増八減では四・五八倍に広がるんですね。兵庫は現行二・九三倍が四・三九倍になる。福岡は二・六〇倍が三・九〇倍になる。これは格差の是正というより、こういう大きな選挙区にとっては格差の拡大ということで、是正と逆行するんじゃないでしょうか。松浦先生、この点いかがでしょうか。
○松浦功君 計数的には今御指摘いただいたとおりのことになると思います。ですから、吉川先生の御主張も一つの的を射た議論ではあろうかと思いますけれども、今回の四増四減というのは、現行百五十二ということを前提に、なおかつ増減する県の数をできるだけ少なくしながら逆転是正だけを考える、そういう前提に立ってつくったものでございまして、少なくとも前よりは、六・何倍というものが四・八一倍になるわけでございますから、総体としては格差は縮まってきていると、そういうふうにごらんをいただくのが私は当たり前じゃないかなと、こんなふうに思っております。
○吉川春子君 定数が減る県をできるだけ少なく抑えたいと、そのことは今二度もおっしゃいましたけれども、そういうことが先行して、そしてやっぱり格差は今の定数の中でも三・何倍に抑えられるものを、四・八一倍にまで格差というものを残したと、そういうことは非常に私は問題なのではないかと思うわけです。 で、激しい意見を言ってこられる方の中には、これは党利党略ではないか、こういう御意見もあるわけですけれども、そういう御意見に対して反論の余地がないのではないか。やはり今の定数をいじらないという前提に立っても、でも、その中で最大限格差をなくす、憲法上の要請でもある格差を少なくするという方向で配慮されるような案を提出なさるべきではなかったかと思いますが、もう一度質問します。
○松浦功君 先ほど申し上げましたように、相対的には一番大きい格差が現行制度よりはずっと下がってくるわけでございます。そういうことを見ながらやはり一歩前進であるなということを考えつつ、しかも影響する県をできるだけ少なくしながら逆転是正がなるように、逆転現象を改められるようにということだけに念頭を置いてやった結果がこうなったということだと思います。 しかし、結論的に申し上げますならば、これからの参議院制度をどうするかということをこれからますます考えていかなきゃならない、その中でさらに格差是正に努めるということは当然のことではなかろうか、こんなふうに思っております。
○吉川春子君 判例も逆転区という言葉を使っているのがあったかと思うんですけれども、逆転区を解消しなさいというふうに言っているわけじゃないんですよね。要するに、格差が物すごく開いている、そしてその極端な例としていわゆる逆転区という現象もあるんですよ、だから格差の是正をもっとしなければならないと。しかし、それは裁判所として違憲とまで言えない根拠としては、国会に裁量権があると。まあ、中には統治行為論でそういう裁判をやるべきじゃないという御意見を付せられた最高裁の判事もおられますけれども、そういう司法の配慮のもとに合憲判決も出ているわけなんで、私たち国会、立法府としては、最大限やはり一票の価値の平等ということに近づけるような格差是正ということをやるのが使命である、そういうふうに思うわけですけれども、今回の八増八減はそれとはほど遠い内容になっているというふうに私は指摘せざるを得ないわけです。 それで、次の質問に移りたいと思いますが、選挙制度というのはすべての国民がかかわりを持つ問題でして、主権者たる国民、とりわけ今回の増減の対象になっている県は利害関係もいろいろあるし御意見もお持ちなわけですから、そういうところに耳を傾けるべきではなかったのかというふうに思うわけです。 それで、私も参加させていただきました検討委員会が大綱というものを出しました。これは異なる意見も併記していますので純粋な意味での大綱とは言えないかもしれませんが、とにかくその検討委員会が大綱を出した。その大綱案は現行より二議席減の百五十で出したわけなんですね。四増五減としたわけです。その場合、鹿児島は今より二減となっていたわけです。これでは納得できないと鹿児島県は県議会の議長も陳情に上京されましたけれども、選挙区としてはそういう意見をおっしゃることは私は当然のことだと思うんです。今回百五十二になって鹿児島は減にはならなくなったんですけれども、御意見をお持ちの県というのはほかにもいっぱいあるわけで、こういう県民の声は当然よく聞くべきではないかと、私は検討委員会の中でもぜひ大綱をまとめる前に公聴会を持ちましょうという提案をしましたけれども、それは入れられませんでした。 提案者におかれましては、国民からはどういう声が上がっているのか、例えば今度かなり劇的に定数が減る北海道などからはどういう声が届いているのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
○松浦功君 減らなければいいなということを一部の方が言っておるのを耳にしたということは否定いたしません。しかし、北海道につきましても、何としても困るというほどの強い御意見があったという記憶は私はございません。
○吉川春子君 そうですか。私が聞いているのとはちょっと違うんですけれども。 私は、県の声を聞いた結果その県の要望を全部入れた選挙区の定数を決めるべきだとか、そういうことを申し上げているんじゃなくて、ともかくこういうふうに決めますよ、それぞれあなたの県はこうなりますよ、その県はそれぞれ御意見をお持ちでしょうからおっしゃってくださいと、こういうようなことは民主主義の手続として、とりわけ選挙法ですから、そういうことは手続として国民の意見を聞くということをやって、そういう意見も入れた上で慎重に定数の是正というものを行うべきではないかと私は思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○松浦功君 その点につきましては、私どもも提案者の所属する党も、それぞれ長い期間かかっていろいろと意見を聞いてまいったと思います。特に私の所属する自由民主党においては、もう三年間ぐらいこの問題を中心にいろいろと意見を聞いてまいりました。 しかし、何せ何か基本的な方向が変わるということにならない限り、定数が百五十二ということが動かせないということである限りは非常に大きな制約を受けるわけでございまして、なかなか先生のおっしゃるような方向には向かない。しかし、気持ちとしては、将来抜本的に参議院の選挙制度をどう改めるかという中において、大いに格差の縮小に努めるように努力すべきだというふうに私は考えております。
○吉川春子君 九二年の十二月の道議会において、八増八減の是正案に反対とする全会派一致の決議が上がっております。これは、定数削減によって、参議院制度本来の趣旨や地域の特殊性が無視されるばかりか、選挙民の不平等感を一層増幅させる、また、北海道が広域ブロックという特殊性を有することから金のかからない選挙をめざす政治改革に逆行する結果を招きかねないと、こういうふうに指摘しているわけなんですね。 今回の各党の合意につきまして赤旗が取材したんですけれども、その当時の議長は、広大な面積を抱える本道で政治の光りをあてる保証となるのが議員定数、激減緩和の方向で検討してもらいたかったと、こういうふうに語っておられますし、また、決議の際の提案者の一人となった自民党の議員は、過疎化の進展の中で地域住民の声を代弁する議員が必要、数を減らすのが政治改革というわけではない、地方自治体の議員定数でも、削減するのが改革であるかのように言われているけれどもそう短絡的に言えるものではない、声の代弁、チェック機能など重視すべきだということで、定数削減への疑問をおっしゃっておられるわけです。 地方の時代とか地方重視とかいろいろ口では言っていますけれども、こういう地方の声にやっぱりどうこたえていくのかということも私たちの一つの課題かとも思うんです。こういうようなことを民主主義の手続として非常に尊重してやっていくべきじゃないか。地方の声を聞くという点に対してはどういうふうにお考えでしょうか。
○松浦功君 いろいろな形でこの問題については論議をしてきたと思いますが、各段階において、それぞれの組織その他を通じて、これらの問題について意見の吸収ということには努めてまいったつもりでございます。 ただ、先ほど来申し上げておりますように、一般論としては吉川委員のおっしゃることもよくわかります。しかし、一カ所をどうこうするということになれば必ずほかにゆがみが出てくるわけでございます。整合性を保ちながらということになれば、制度の基本的な問題をどうこう変えない限りはどうにもならない、そういう趣旨でこの提案をしておるというふうに御理解をいただけたら幸せでございます。
○吉川春子君 一カ所を変えればゆがみが生ずるというふうに言われたわけですけれども、だからこそ割とみんなが納得できる配分方法、客観的な配分方法で定数の配分を行って格差を是正していくということで、私、先ほどドント方式とか最大剰余方式を出したんですけれども、だから、そういう方式でもない第三の方式でやった、しかもなかなかわかりにくい、そういう不明朗さを残してはやっぱりよくないというふうに思います。 私は、基本的には定数格差、格差是正ということをやる場合に、今の百五十二という枠内でやるのはとても無理があるんじゃないかなということで、私たちは増員案も提出したわけなんです。参議院の場合は四十七都道府県に全部偶数で配分しなきゃならないとか、それから人口のアンバランスが昭和二十年代の最初のころは七倍ぐらいだったのが今は十九倍になっているとか、いろんなことを考えると、ともかくこの枠の中でやるということは一つ大きな無理がある。しかし、その無理があることをやろうとするんだったらやっぱりそういうみんながよくわかる方法でやるべきだということ、そして、やるについては、それはもちろん痛みを伴うわけですが、そういう県については十分意見を聞くべきだと。この委員会も、私は、本来ならば公聴会を持って、そして各地域で住民の意見を聞いてやるぐらいのそういう配慮がなされてしかるべきではなかったかということを強く思うわけです。 最後の質問ですけれども、今回の改正案は、最初から、各派代表者会議でも言われたんですけれども、来年の選挙に向けてとにかく当面の是正をやろうということで検討委員会もスタートいたしました。そして、四月と五月という二カ月の間かなり集中的に議論はしたものの、やっぱり二カ月というか一カ月半ぐらいの間でこの案がまとめられたもので、これはまさに抜本的な是正にはとても時間的にもなり得ないし、議論もまだ不十分であったというふうに私自身思っています。 それで、やはり定数是正ということは憲法上の要請でもあるし、非常に民主的な選挙制度を実現していくということは私たちの役目でもあるんですけれども、そのためにすべての会派が同じテーブルに着いて長期的な、長期的なと言っても十年とかそういう意味じゃなくて、ことし、来年というそういう短いあれじゃなくて、もう少し三年なり六年なりという議論の期間をとって、本当にだれもが納得できる、憲法の原則に照らしても合致できる、そういう改革というのが必要じゃないかと思うんです。 そういう民主的な話し合いの場をやっぱり持ってこれからはやっていくべきではないかと思いますが、この点についてのお考えはいかがでしょうか。
○松浦功君 私は、全く吉川先生のお説に賛成です。ただ、この問題は、同じテーブルに各派が着くということでございますから、各派で相談をして決めていくということだと思っております。 ただ、はっきり言えますことは、各派のどの会派の皆様方も、このままではいけない、来年の選挙に向けての改正はこれでいいかもしれぬけれども、それから先の問題はさらに勉強しなきゃいかぬという気持ちが強いと思います。できる限りそういう方向で努力をしてまいりたいと思っております。
○吉川春子君 終わります。
○委員長(上野雄文君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、公職選挙法等改正案についての反対討論を行います。 参議院は衆議院と同様に国権の最高機関である国会を構成し、憲法四十三条は、両議院は全国民を代表する選挙された議員でこれを組織することとしております。したがって、参議院でも選挙権の平等原則が貫かれるべきは当然であります。 日本共産党は、この見地から、参議院でも一対二未満の原則を尊重すべきであると考えます。しかし、同時に、参議院制度発足の経緯を踏まえて、格差は発足時の二倍台に抑えるというさしあたっての参議院定数是正のために二十六名増の案を提起してまいりました。 そもそも定数是正は、人口がアンバランスになったもとで、国民の参政権を保障し、主権者、国民の意思を国会の構成に正しく反映させるため、各選挙区間の議員定数のゆがみを正そうというものです。民意の反映、選挙権の平等確保という憲法の要請、国民の要望にこたえようとすれば、必要な場合、総定数の増員を検討するのは当然のことであります。 ところが、今回の八増八減による改正案は、格差是正の見地はないに等しく、是正の名にも値しないものです。このことは今質疑の中で私が明らかにいたしました。すなわち、いわゆる逆転区解消だけに絞った結果、本是正案では議員一人当たり人口が最小の鳥取県と各是正選挙区との一票の格差は、北海道二・二九が四・五八、兵庫が二・九三が四・三九、福岡二・六〇が三・九一と、もともと二倍を超えている選挙区の格差を、是正の名のもとにさらに四倍前後に拡大する重大な改悪を行っているのであります。これでは、いわゆる逆転区が解消されたとしても定数是正の名に値しないと言わざるを得ません。 また、比例代表制の政党の新聞広告の公費負担の条件を、現行はすべての政党を対象としていたものを、改正案では比例代表選挙において得票率一%以上の政党に限るとしたことは、諸外国に比べて法外に高い供託金に加え新たに新聞広告も負担させるのは、新しい政党の進出を抑えるものとなり、賛成できません。 なお、比例代表選挙における名簿届け出要件を四%から二%に引き下げるのは当然の措置と考えます。 最後に、本来、選挙制度は議会制民主主義の根幹にかかわるもので、その改変はいわば土俵づくりをどうするかという問題であり、各党の合意と国民の納得を得て行うべきものであります。我が党の強い反対にもかかわらず、是正対象選挙区などで公聴会を開催して国民の意見を聞くという機会も持たずに極めて短時間の審議で議決するやり方に遺憾の意を表明し、反対の討論を終わります。
○委員長(上野雄文君) 他に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(上野雄文君) 速記を起こしてください。 これより採決に入ります。 公職選挙法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(上野雄文君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上野雄文君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十分散会 —————・—————