商工委員会 第9号
- 発言数
- 206 件
- 登壇者
- 35 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1994/06/22
会議録
○委員長(中曽根弘文君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十一日、橋本敦君が委員を辞任され、その補欠として高崎裕子君が選任されました。 —————————————
○委員長(中曽根弘文君) 去る六月十七日、予算委員会から、本日六月二十二日一日間、平成六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公正取引委員会及び経済企画庁、通商産業省所管、中小企業金融公庫並びに中小企業信用保険公庫について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 —————————————
○委員長(中曽根弘文君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 本件審査のため、本日、参考人として住宅・都市整備公団理事青柳幸人君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(中曽根弘文君) 次に、通商産業大臣から説明を聴取いたします。畑通商産業大臣。
○国務大臣(畑英次郎君) 平成六年度の通商産業省関係予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。 我が国経済は、ストック調整の長期化、中長期的な不透明感、閉塞感から景気は依然厳しい状況が続いておりますが、最近一部に明るい動きが見られ始めており、景気は最悪期を脱しつつあると期待いたしております。 一方、世界経済も先進諸国経済の回復の兆し等、明るい展開が生じつつありますが、欧米での深刻な失業問題を背景として、各国において国内経済優先の動きが強まりつつある状況のもと、我が国市場の閉鎖性を指摘する声が根強く見られます。 我が国としては、できるだけ早い時期に景気を本格的な回復軌道に乗せ、我が国経済を安定的、持続的な成長軌道に戻していくとともに、経済改革の一層の推進を図り、来るべき高齢化社会の到来に向けて、中長期的に活力のある豊かさに満ちた経済社会を構築することが必要不可欠であります。 また、顕在化しつつある地球環境問題、冷戦構造終結後の安全保障等、グローバルな課題への責任ある対応と主体的役割を果たすことが一層重要となっております。 私は、このような認識のもとに、平成六年度の通商産業省関係予算等の作成に当たり、次のような基本方針に沿って諸施策の実現を図ることとした次第であります。 第一は、創造的革新に向けた構造調整支援として、新たな事業展開への支援、中小企業対策、繊維産業対策等を推進するとともに、将来の発展基盤の整備として情報化の推進、技術研究開発基盤の強化を行うものであります。 第二は、国際協調型分業構造の構築として、輸入の促進、途上国等の支援等を推進するとともに、地球的課題に対する責任ある対応として、旧ソ連、東欧支援、エネルギー環境国際協力等を推進するものであります。 第三は、環境調和型経済社会の構築として、省資源、再資源化対策等を推進するとともに、総合的エネルギー政策の新展開として、安定的かつ柔軟なエネルギー供給体制の構築等を行うものであります。 第四は、ゆとりと豊かさを実感できる生活の実現として、総合製品安全対策、高齢化社会への対応等を推進するものであります。 この結果、一般会計は八千九百八十六億三千七百万円を計上しております。特別会計につきましては、石炭並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計六千八百四十五億七千三百万円、電源開発促進対策特別会計四千百六十二億五千四百万円、特許特別会計七百五十三億四千万円等、当省所管の五つの特別会計にそれぞれ所要の予算額を計上しているところであります。また、財政投融資計画につきましては、財投規模ベースで九兆九千五百七十八億円を計上いたしております。 以上、平成六年度における通商産業省関係の予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げました。 通商産業省関係予算及び財政投融資計画の詳細につきましては、お手元に資料をお配りしてありますが、委員各位のお許しをいただき説明を省略させていただきたいと存じます。 何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○委員長(中曽根弘文君) 次に、経済企画庁長官から説明を聴取いたします。寺澤経済企画庁長官。
○国務大臣(寺澤芳男君) 平成六年度の経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明申し上げます。 総理府所管一般会計歳出予算のうち経済企画庁の予算額は五百五十七億円余であります。また、財政投融資計画につきましては、海外経済協力基金に係る分として六千四百十三億円を予定しております。 以下、重点事項につきまして、その内容を御説明申し上げます。 第一に、適切かつ機動的な経済運営の推進に必要な経費として十三億九千万円余を計上しております。 この内訳の主なものは、足元の経済状況を的確に把握するため早期政策判断システムの開発運用、公共料金関連事業における効率性指標の開発調査及び国民生活安定対策等、経済政策推進に必要な経費であります。 第二に、地球社会と共存し生活者を重視する社会の実現に必要な経費として三十三億六千万円余を計上しております。 この内訳の主なものは、消費者安全施策の推進、消費者被害原因究明機器の整備及び国民生活センターの機能の充実、強化のために必要な経費であります。 第三に、国際協調の推進に必要な経費として四百三十二億五千万円余を計上しております。 この内訳の主なものは、まず海外経済協力基金に対する交付金四百二十八億円余であります。本基金の平成六年度の事業規模は、九千四百億円を予定しており、このための資金として、一般会計において前述の交付金のほか出資金三千二百十九億円が大蔵省に計上されるとともに、財政投融資計画においても資金運用部資金等からの借入金六千四百十三億円が予定されております。 また、市場アクセス改善のための積極的な取り組み、途上国援助における自助努力支援の推進、旧計画経済諸国の開放市場経済移行くの知的支援の強化などに必要な経費が含まれております。 第四に、経済分析、情報収集及び情報提供機能の強化に必要な経費として十八億八千万円余を計上しております。 この内訳の主なものは、経済基礎統計の充実、消費者、地方公共団体等との間の情報提供、収集機能の強化などに必要な経費であります。 以上、平成六年度における経済企画庁関係の予算及び財政投融資計画について、その概要を御説明申し上げました。
○委員長(中曽根弘文君) 次に、公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。小粥公正取引委員会委員長。
○政府委員(小粥正巳君) 平成六年度の公正取引委員会関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 総理府所管一般会計歳出予算のうち、公正取引委員会の予算額は五十二億四千四百万円となっており、これは前年度予算額に比べて七億一千七百万円、一五・八%の増額となっております。 以下、その内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、独占禁止法施行経費等として四十四億九千八百万円を計上しております。違反事件の審査のための経費、経済実態や流通実態の調査及び対策のための経費など、独占禁止法を厳正に運用するとともに、法運用の透明性を確保するための経費であります。この中には、違反事件に対する審査部門の増員や違反事件の審査機能を強化する機構の拡充のための経費が含まれております。 第二に、下請代金支払遅延等防止法施行経費として四千七百万円を計上しております。法運用の強化と啓発、普及活動を積極的に行い、下請取引の適正化を推進するための経費であります。 第三に、不当景品類及び不当表示防止法施行経費として二億六千二百万円を計上しております。公正な競争を維持、促進することにより、消費者利益の保護を図り、景品表示行政を積極的に推進するための経費であります。 第四に、庁舎移転関係経費として四億三千七百万円を計上しております。庁舎移転による事務効率化を図るための経費であります。 以上、平成六年度における公正取引委員会の予算につきまして、その概要を御説明申し上げました。 何とぞ御審議のほど、よろしくお願いいたします。
○委員長(中曽根弘文君) 以上で説明の聴取は終わりました。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○真島一男君 きょうのニュースでこの委員会に関連あるものが、各媒体のトップを飾るものが二つございました。御承知のとおりニューヨークで遂に円が百円を切るという状況が出たということ、もう一つは一−三月のGDPが三・九%という数字が出てきたということでございます。 それで、何といってもニューヨークで戦後最高値を出したという状況でございますが、この原因、評価及び対策についてもちろんお考えであろうと思うのでございますが、両大臣にお伺いしたいと思います。 初めに企画庁長官にお伺いをいたします。
○国務大臣(寺澤芳男君) 委員御指摘のように、戦後初めて百円を切ったということは大変にマインドとしても大きなことでありまして、我が国経済に与える影響も決して少ないものではないと私は考えます。特に、急速にやってきたこの円高というのが経済運営をしております者として非常に私としては心配であります。 ただし、このよってきた原因というものは、結局アメリカのいわゆるトリプル安と言われる経済実態、株、債券そしてドル、アメリカ経済の実態がそれほどよくはないんでないかと思われるアメリカ市場における債券の売り、株の売り、それが急激なドル安と。これはむしろドル安と受けとめた方が私はいいんだろうと思います。こういうふうにあらわれたと私は分析をしております。 日本経済に対する影響として、やはり経済企画庁としてきちんとやらなきゃならない施策というものは内需主導型の経済、これを着実に進める。そのためには、規制緩和も必要であるし、今現在作業をしておりますが公共投資基本計画の見直し、これも必要であろうかと思われます。そういう内需主導型の経済をしっかりとこれから着実に実行することによって、去年の八月の百円四十銭の円高のときとは状況が若干違っているんではないかと私は思います。 そしてもう一つ、委員御指摘のきのうの年率三・九%という一−三月の数字、これとあわせまして、消費が若干上向いてきたとか、住宅建設あるいは公共投資の堅調というものも明るい面としてはあるわけでございますので、今までどおりの着実な経済運営に取り組んでいきたいと思っております。
○真島一男君 通産大臣お願いします。
○国務大臣(畑英次郎君) 実は、けさほど自動車工業会の方々といろいろ意見の交換をさせていただいておったわけでございますが、その節にも、けさほどの円高という問題が最大の、そしてまた大きな懸念材料としましていろいろ意見交換をさせていただいたわけでございます。 直接の引き金といいますものはアメリカ側の貿易統計等々がその一因をなしておるのではないかなというふうに考えますが、ただいま寺澤長官も御指摘のとおり、いわばこれは円高という姿になってあらわれて大変な懸念材料になっておりますが、ヨーロッパ通貨等々との関係からいいましても、これはドル安という傾向が一段と強まったというような意味合いの中に受けとめさせていただいておるわけでございます。 何といっても、我が国におきましてはようやく明るい材料をかいま見ることができるような昨今の姿の中で、大変なショックを受ける数字であるわけでございまして、さような意味合いにおきましては、ただいま経企庁長官からも御発言ございましたとおり、いわゆる対外経済改革要綱等に基づきます公共投資の上積み問題、あるいはまた規制緩和の問題等々、さらに積極果敢に展開を図っていかなければならない、かように考えておるような次第でございます。 そしてまた、実はかような事態に対応すべく、政府側におきましても、本日正午に関係閣僚が集まりましてこの対策を緊急に具体的に話をしたい、かような段取りをいたしておるような状況にあるわけでございます。
○真島一男君 市場介入についての警戒感も当然あると思うんです。それにつきましてはどんな御意見をお持ちか、通産大臣。
○国務大臣(畑英次郎君) これはいわゆる為替通貨当局が、私の立場からいささか当たりさわりがあるかもしれませんが率直に言わせていただければ、いわゆる市場介入、そしてまた先ほど申し上げましたような意味合いにおきましては各国協調介入というような姿が展開されることを期待したい、こういう心境でございます。
○真島一男君 今、通産大臣は貿易統計と言われたんですが、これは恐らく四月のアメリカの商務省の出した貿易統計のことだと思うんですけれども、あの中では御承知のとおり対日赤字は五・六%減少して全体では五十四億ドル赤字になっておる。しかしながら、今ドル安という表現を使われましたけれども、対ヨーロッパ通貨についてはそんな大きな変化はない。言ってみれば、私の感じでは円だけがねらい撃ちされているという感じが強いのでございます。その辺がちょっと認識が私との間でずれがあるような気がいたしますけれども、ちょっと通産大臣から御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(畑英次郎君) 実は貿易統計の数字でございますが、五月の数字、私の手元の資料であるわけでございまして、そういう中にございまして、特にマルク高という意味合いでは私の認識ではやはりドル安というものが一つの大きなポイントだというように受けとめさせていただいております。いずれにしましても、我が国のせっかくの景気回復に向けての大問題と、こういう認識の中で対応策を進めてまいりたい、こう考えております。
○真島一男君 対日貿易の赤字が減少しているということと今度のこととの関係はどんなふうに見ておられますか、通産大臣。
○政府委員(坂本吉弘君) 委員御承知のとおり、為替のマーケットはいわゆるドルの需給の側面とそれからやや心理的なマーケットの反応というこの二つの側面があり得るかと存じます。 御指摘のように、ドルの収支並びに為替の需給の中で、貿易面におきましては今御指摘のようなところが一時的に見られたわけでございますけれども、一方、資本取引の側面におきましてこの年初来いわゆる外国人の株買いと申しますか、そういう資金がほぼ月百億ドルぐらいの単位で流入をしてきているという事情がございます。したがって、株価は上がったという状況にあるわけでございますけれども、一方、貿易で稼いだドルというものが対外的に必ずしも投資資金として流れていっていないという資金需給の問題がございまして、ややマーケットにはドルの過剰感といったようなものがございます。 したがいまして、ドルの需給の中で、いわゆる経常収支を構成する貿易の動きのほかに、実は資本収支の問題があろうかと存じます。そういう意味では若干ドル安の方向に動く地合いがあることも事実ではないか、こんなふうに認識をいたしているところでございます。
○真島一男君 経済企画庁長官は長いことニューヨークにおいでになって市場経済の真っただ中におられたわけですが、これは企画庁長官としてというよりはその御経験の中で教えていただければと思うんです。 アメリカの経済雑誌のファイナンシャル・ワールドによる九三年度のウォール街の高額所得者ランキングというのが出ております。ジョージ・ソロス、ヘッジファンドの帝王、あるいはタイガースとか、そういうところが例えば十一億ドルとかそういうふうな途方もない金を稼いで、そしてまた今度のことについても投機筋の介入ということがちらほら活字になって出てきているというようなこともあるわけでございますが、ソロスのそういうファンドマネージメントの動きみたいなものについて、御承知の範囲で結構でございますからお話しいただければと思います。
○国務大臣(寺澤芳男君) アメリカには、委員もよく御存じのようにヘッジファンドという一種の私的な投資信託のようなものがございます。ヘッジという名前が示しているように、ほかの投資信託には許されていない債券とか株の空売りを許されている唯一のファンドであるという意味でヘッジという名前がつけられるというふうに私は記憶しているわけですが、そのヘッジファンドというのが去年軒並みに大もうけをいたしました。これは今言ったように何をやってもいいというめちゃくちゃな投機的なファンドでありまして、株もよし債券もよしオプションもよし空売りもよし通貨もよしと。 そして、そのファンドマネージャー、そのジョージ・ソロスという人は、お客様からファンドを、それも一人が一千万ドルとか二千万ドル単位の大口のお金を集めまして、それでそれを運用するわけですが、運用の手数料がもうけの一〇%ないし二〇%入るという非常に高率の運用手数料をとっております。したがいまして、今御指摘のように、新聞によりますと九三年にジョージ・ソロスが十一億ドルの所得があるというふうなことが報ぜられているわけですが、ただしどうもことしになってからぱっとしないというようなことを聞いております。
○真島一男君 為替のレートの基準として、理論としてはよく購買力平価説と国際収支という二説がございますけれども、正直言って日本の場合は、日本の今のレートは高いというのと安いというのとそれぞれ極端に差が開いているということが実情でございます。この両者の大きなギャップの原因は那辺にあるかということを、これは企画庁の方がよろしゅうございますでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(土志田征一君) お答えをいたします。 先生御指摘のように、為替レートの理論で一般的によく言われておりますのは、一つは購買力平価で決まるという議論でございまして、この場合日本の価格と世界の価格を等しくするような水準に為替レートが決まるという説でございます。もう一つは、国際収支説と言われておりますけれども、いわば経常収支その他国際収支がバランスするような水準に為替レートが決まる、こういう説でございます。 ただ、いずれも何に着目するかによってかなり出てくるレートの水準というのは違うわけでございまして、国際収支説の方で言いますと、国際収支のどの部分を考えるか、経常収支を考えるのかあるいは資本移動まで含めて考えるかによって全然違うわけでございます。よく経常収支を均衡させるようなレートというのを取り上げる方がおられるわけでございますが、先ほどから御議論ございますように、資本移動がかなり活発でございますし、世界的に見ますと貯蓄が不足している国と貯蓄が超過になっている国が併存しているような状況のもとで、経常収支を均衡させるようなレートを適正レートだというふうに一概に言いますのはやや無理があろうかと思っております。 また購買力平価についても、輸出物価なのかあるいは一般消費者物価まで含めた範囲までとるかによって全く数値が違ってくるわけでございます。 理論的に考えますと、適正レートを考えるというようなことになりますと、やはり自由な市場経済のもとで安定成長が実現した状態というようなことが前提となると思われますので、その意味ではやはり内需拡大とか規制緩和によりましてこうした状態をつくり出していけば、先生御指摘のような二つの説で適正レートがかなりギャップがあるというようなことも縮小してくるのではないかというふうに考えております。
○真島一男君 それで、外国ではどうでございますか。まだ円は高くなると、バーグステンあたりは八十円説をひところ言っていたようなことがありましたけれども、日本の経済はこんなときどうなるかというのはこれはまたもう一つ議論いたしますけれども、こんな大きなギャップ、片方では購買力平価と百円近く違うというようなことがあるんですけれども、外国の例をもし御存じなら御紹介いただきたいと思います。
○政府委員(土志田征一君) 先ほど申し上げましたように、具体的な数字というのはそれぞれ取り上げる範囲によって違うわけでございますが、考え方で申し上げましたように、当然アメリカで言えば、アメリカの赤字を例えば経常赤字だけを取り上げますればもっとどんどんドル安が進まなければいけないということになりますでしょうが、他方アメリカの物価水準ということで考えれば、まさしくそれは日本の方と逆になりますので、こういう前提でそれぞれ計算すれば日本と同じように逆のギャップがあるということになろうかと思います。
○真島一男君 通産大臣にお伺いしたいんですが、ここ数カ月間の日米の経済協議、依然として対日貿易収支の赤字は大きくあるわけでございますけれども、それについての現況を御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(畑英次郎君) 御案内のとおり、協議再開に当たりまして、数値目標等々の問題をクリアしましての協議再開に相なったわけでございますが、ただいま我が方とアメリカ側との客観基準等々、これをめぐりましての具体的な論議が課長クラスあるいはまた次官クラス交互に行われておるというのが最近の実態であるわけでございます。そういう中にございまして、きょうのような数字等々の問題がどういう影響を及ぼすかなということを実は懸念いたしつつあるわけではございますけれども、やはり一つの節目としましてサミットの問題等々、そういうものに向けまして、双方ともにこの機会に何としても妥結に向けて最善の努力をしようというような雰囲気の中で交渉が行われておることは事実でございます。 私の立場におきましては、従来の管理貿易につながる、保護貿易につながるような決着を拙速の中でつくり出すことは絶対に避けていかなければならない。そしてまた、日米間だけの問題ではなくして、世界貿易に、世界の経済運営に反するような要素を内容に含めた決着であってはならない、こういうことを基本にさらに一つの山場というものをつくり上げながら問題解決への努力がただいまなされておる、こういう現況にあるわけでございます。
○真島一男君 今、管理貿易論との関係でお話がございましたけれども、その辺について日本とアメリカの間でどのあたりに共通項が見出されそうな状況にあるか、これは局長の方からお話をいただければと思います。 それから、スーパー三〇一の話というのは今どんなふうになっておるのか、それもお聞きいたしたいと思います。
○政府委員(坂本吉弘君) 御承知のとおり、日米フレームワーク協議の中で現在優先三分野という三つの分野について協議を進めているところでございます。 先ほど大臣が申し上げましたように、いわゆる数値目標というものを導入しないということで、それを前提に協議が再開されたわけでございますけれども、日米双方において共通いたしておりますのは、一つは我が国に対するマーケットアクセスの増大を図る。そして、いわゆる競争力のある外国の製品並びにサービスというものの実質的な増加を図るという目的においては合意をいたしております。 また、そのマーケットアクセスがどのように進展をしているかという実態の把握をするために双方でこれを評価していこう。その評価の基準としてのオブジェクティブクライテリア、客観的基準と申しておりますけれども、そういうものを双方で持とう。さらに、その基準によって判断された進展状況というものを踏まえてさらにどのような措置、どのような対策を講ずることが必要かという点についても双方で合意をしてこれを進めていく。この点につきましては合意をいたしておるところでございます。 そこのところで、実は従来マーケットアクセスを拡大するためには具体的な数値を盛り込んだいわば一つの物差し、そういうものが要るとアメリカ側は主張いたしておりました。その点をめぐってこれから議論を、さらに進展状況をはかるための基準というものをいかようなものにするかという点について具体的に交渉する、こういうことになっておるわけでございます。 三〇一条につきましては、これが現在九月末に我が国の、アメリカでいう優先交渉分野、外国貿易慣行というものを特定したいということ、そういうタイムスケジュールを現在つくっておるところでございます。 なお、これとほぼ同様のものとして公共調達、アメリカは公共調達につきましてはいわゆるタイトルセブンという条項がございまして、これは六月の末というものを期限といたしましていわゆる優先外国慣行ということで指定をするかどうかという状況にございます。 私どもといたしましては、いずれにせよこの六月末のタイトルセブンの期限、それから九月末のスーパー三〇一条の指定の期限というものがあるわけでございますけれども、これによって日米に対立的な雰囲気が形成されるのは好ましくない。したがいまして、一つの目安として交渉を進めていく、そしてできることなら合意を目指す、こういう立場で臨んでいこうと思っているところでございます。
○真島一男君 今、日米経済協議のお話を伺いながら、実は六年ほど前に私自身が担当した日米の建設市場摩擦のときの進行と類似するものがあるなというふうに思ったりもしているところでございますが、そういう中で、このたびの円高、これが続いていくかどうかということについてなかなか予測をしがたいと思うのでございますけれども、円高が続いていくとしたときにまた貿易収支にどのような影響を与えてくるのか。もちろん国内産業の問題はございますけれども、その辺について局長の方から見通しを立てていただければありがたいと思います。
○政府委員(中川勝弘君) 最近の貿易収支の動向でございますけれども、九三年度円ベースでは十五兆三千八百億円ということで、前年度九・一%減少を見せております。 輸出の方も、ドルベースでは九三年度六・五%ふえておりまして、円ベースでは八・〇%前年より下がるということになっております。数量の伸びも実質は輸出は二・五%減少を見せているところでございます。 輸入については、ドルベースで四・八%ふえておりまして、円ベースでは円高の差益ということもございまして減少いたしております。 総じて申し上げますと、貿易収支は円ベースでは既に九三年から減少を見せ始めているということでございまして、円高の影響が輸出産業に極めて大きくきいてきているという状況にございます。
○真島一男君 円レートが、九一年百三十六円ぐらいでございましたか、それからここまで至っている、百円飛びからさらに百円を切るというところまで進んでおるわけで、それによって輸出品目さらには輸入品目などに変動というか一つの変化があるかなというようなことをお感じになることはありますでしょうか。
○政府委員(中川勝弘君) 輸出を円ベースの数字で見てみますと、最近の傾向でございますけれども、特にビデオカメラ、ビデオ、テレビ等々の家電製品の伸びが九三年度で前年に比べまして二〇%程度落ちております。また、コンピューター、事務用機器あるいは鉄鋼等も五%、一〇%程度の減少になっております。自動車も二〇%の減少になっております。一方で、自動車の海外生産等が進んでおりますので、自動車部品とかあるいはエンジンというものの輸出はふえております。また、これはアメリカの景気の動向が大変いいということにもよりますが、半導体の電子部品等がふえてきております。 総じて輸出の傾向を見てみますと、耐久消費財の伸びが落ちてきておりまして、海外生産が進むにつれて部品の輸出がふえてくるという状況にございます。 輸入の方では、御承知のように石油の価格が最近低迷をいたしておりまして、日本の輸入のかなりの部分がこの原燃料でございますので、この伸びが落ちておりますけれども、一方で事務用機器あるいは半導体、また値段が高騰しております木材等、また生活関係では繊維製品等の輸入の伸びがふえてまいりました。 いずれにいたしましても、この円高によって貿易構造あるいは海外投資の姿が変わりつつあるというのが現状だと思います。
○真島一男君 よく、一円円高になると自動車産業ではどれぐらいの被害というか損失、それをこうむるとかというような話がございますが、多少業種別にそういうことがおわかりであれば教えていただきたいと思います。
○政府委員(堤富男君) ちょっと手元に数字がないのでございますが、きょう自動車工業会と大臣とお会いしたときの話もございますが、一円で五百億円とか、それから、それはある意味で経常収支の一割ぐらいになると、一円で。今のはもちろん全社です。
○真島一男君 自動車産業以外はわかりませんね。それはいいです。 それで、そういうふうに見てきた場合に、この円高の中で我が国をどういうふうに運営していくかというときに、百円体制に産業が次第にシフトするというか淘汰されるというか、そういうのも一つの方向であろうと思うのです。 そうした中で、実は購買力平価的な考え方からいうと、言ってみれば一生懸命働いて汗を流して円高で苦しめられているというような状況がますます強くなるんだろうということも考えられる。それならば、輸入をした品物が輸入価格を反映した国内価格であればそれはそれで国民生活は豊かになるだろうということも当然出てくるわけでございます。そういうことで、国際収支説と平価説のギャップを埋めるための一つの大事な政策であろうと思うのでございますけれども、その辺についての現状及びその対策について企画庁の方から御説明いただきたいと思います。
○政府委員(谷弘一君) まず、内外価格差と申しますか、御指摘のように購買力とレートの間に大きな開きがあるということで日本の物価が非常に高くなっておるということでございまして、今御指摘のように、この辺が輸入というものを通じまして物価が下がっていくという一つの契機になるということだと思います。 その辺につきまして、輸入物価が円高を反映いたしましたり、輸入物価が卸売物価に反映するかどうか、こういうひとつ調査をしております。 この中では百十七品目につきまして、輸入品目とそれから国内卸売物価の中の共通品目をとらえまして輸入物価と卸売物価がどう動いているかというのをやっておりますが、この百十七品目の中で十品目につきまして規制品目がございます。この規制品目の十品目とそれからその他の百七品目、一応規制がないという品目を比べますと、規制のあるものは輸入の価格が下がっても国内の卸売物価の方へは反映しにくい、そういう結果が今調査として出ております。 それから、あと一般的な傾向でございますが、これは規制しているかしていないかということに関係なしに、三十七品目について輸入品が国内の小売価格にどう響いているかというのを平成五年の二月から累積的に毎月調べております。これは三十七品目をとらえておりまして、これを見ますと、今まで、昨年の二月から最近月までで申しますと、三十七品目の輸入品のうち三十品目は国内価格が下がっておるという結果がございまして、そういう意味では、最近とみに急速な円高もございますが、輸入品の価格が下がり、それが国内の卸売物価ないし輸入品の価格に反映するという一般的傾向がございます。その中で、一方で規制等のある分野ではそういう円高の国内物価への反映がしにくい、そういう事実が指摘されます。
○真島一男君 今規制のある十品目とおっしゃいましたけれども、それはどういうものでございましょうか。
○政府委員(谷弘一君) 今申し上げましたその百十七品目のうちの規制品目十品目を取り上げたものでございますが、この規制品目といたしましては、粉乳、粗糖、たばこ、ウイスキー、ブドウ酒、ブランデー、生糸、小麦、牛肉、豚肉という以上十品目でございます。
○真島一男君 今伺いますと、その規制品目につきましては一次産品が多いということが共通しているようでございますが、それはそれとして、我が国が円高の中でひとつ生きていくためには円高に対応できる産業構造にしなきゃならぬということが言われます。しかし、それは一つの方向であるけれども、私はそれにも限界があるなというふうに思うのでございます。 もちろんそれに向かって進むということは大切なことでございますが、生産費を見た場合に一番大きなウエートを占める材料関係でございますけれども、例えば鉄鋼あるいは建設関係ですとセメント、鉄はそんなに差がない方かもしれませんけれども、そういうものについての内外価格差のようなものがこれからさらに出てくるというときに、そういうものが国内の系列調達的なものから系列を壊し、国外から調達するという方向へ進んでいくということが考えられます。 そういうときに、それはそれで輸出体制としては必要だ、しかし我が国の産業の中で、殊に地方の産業の中で一つの空洞化ということがまた今まで以上に起こるのではないかということも非常に気になるところでございますが、通商担当としてはその辺はいかにお考えでございましょうか。
○政府委員(堤富男君) まず、消費者にとって日本の円というのは一ドル二百円しか価値がない。それから、国内の卸売物価という形で国内の工場がどのくらいの価値のあるものを使っているかということですが、これは一ドル百七十円ぐらいのものになっております。したがいまして、二百円のコストの労働者を使い、百七十円のコストの部品、材料を使い、あるいはサービスを使い、それで百五円とか、きょうは百円台でございますが、そういうことで競争するというのは大変になっていると思います。 その中で起きております空洞化という議論は、土地が高い、労賃が高い、部品、材料も一部は高いというような中で、どうしても企業の状況から見ますと海外投資の方が採算が合うということが起き始めていることは事実でございます。現在、統計で見ますと三百六十億ドルぐらいの対外投資がありまして、ピーク時の半分ぐらいだから大丈夫だというような見方もあります。 それから、海外生産比率というのが日本は平均しますと六%ぐらいでございまして、アメリカの二〇%から見ると大丈夫だというような考え方もありますが、詳細に見ますと、例えばアジアの製造業への投資がどうなっているかといいますと、九二年は六%、九三年は一八%、それから今年度はこれが何と五〇%を超えるというような形で急速に出ておる。 それから、海外生産比率も個別の業種を見ますと、カラーテレビは昔四〇%が海外生産でしたが、今は七〇%になっている、VTRは六%が四〇%になっている、あるいは電子レンジは二〇%が六〇%になっているというようなことで、かなり成長産業であると思われた分野の商品を海外で生産するようになっております。 これは、ある意味で日本全体の経済構造の中で内外価格差が中間財においても消費財においても非常にあるために、日本は製造業にとってやや住みにくい国になってくるおそれがありまして、空洞化の兆しかあるというふうに我々は思っております。 その結果は、当然のことながら輸入増という形での厳しい産業が出てまいりますし、それから部品調達を海外で行うということになる結果、下請の中小企業は非常に厳しいということにもなりますし、さらに日本全体として効率産業と非効率産業が併存して、効率産業の方が競争にさらされているために海外に出ていく結果、トータルとしましては日本全体が何となく活力のないことになるおそれがあると思います。 もちろん、海外投資全部がいかぬというふうに私たちは申し上げていることはございません。むしろ、それが世界経済の調整に役に立つという面もあると思います。その中で日本の構造の中のゆがみ、あるいは内外価格差、急激な円高というような格好でゆがんで出ていくような部分はやはり注意をしなければいかぬというふうに思っております。
○真島一男君 私も、そういう視点で通産省が物を見ていらっしゃるということは大変重要なことだと思っております。ドイツでも最近非常に製造業が住みにくくなってきて相当思い切った対策をとっているというようなことも、ことしの通商白書の中で一番おもしろく私も読ませていただいたのでございますけれども、しかし同時にこの問題は大きい問題ですので後日に譲ることにいたします。 企画庁にお伺いいたします。 先ほど来、企画庁の方としても、公共投資基本計画、現在の四百二十兆、九一年から十年間で四百三十兆ということについて今までも検討いただいているけれども、こういう新しい情勢のもとでさらにもう一回公共投資の役割、それは社会資本の整備と同時に内需を振興して輸入を促進するという役割を持っているわけですが、そういうことについて、現在の計画についてどんな評価をなさっているか。そして、これから先どういう形で四百三十兆の積み増しを、計画をつくり直すとか新たに計画をつくるとかいうこと、そしてその内容についてどういうことがこれからのニーズとして対応できる格好になっていくのだろうというようなことについての御議論をなさっていると承知をしておりますけれども、お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(寺澤芳男君) 今、経済企画庁の中の社会資本整備研究会というところで民間の有識者にお集まり願って非常に詰めた議論をしております。来週いっぱいには具体的に答申の形で出せるよう非常に急ピッチで討論をしております。 その基本的な考え方というのは、結局高齢化社会を二十一世紀に迎える日本として、まだ活力のある時代に社会資本というものをきちんと整備しておこうということでありまして、特に生活環境、文化機能に係るものへの配分の重点化、これだけエコノミックスパワーとかなんとな言われながら先進諸国に比べてまだまだ国民の生活に立ちおくれがある、それを何とか直していこうというのが基本的な考え方でありますので、その検討を進めているわけであります。 なお、幾らこれに積み増しをするのか、あるいは再配分をどうするのかという内容につきましては今鋭意検討中でありまして、来週中には何とかできるように取り組んでおる、これが実情であります。
○真島一男君 今ある四百三十兆は一回御破算にして、九五年からもう一回五百五十なり六百という数字でつくるということになると思いますけれども、それでいいのかということ、それから生活、文化とおっしゃいましたが、もう少し具体的にお話を例えればありがたいと思います。
○国務大臣(寺澤芳男君) まず、最初の委員の御指摘の点につきましても今真剣に検討をしております。 それから、もう少し具体的にというお話でありましたが、関係省庁からのヒアリングあるいは社会資本整備に関する考え方の整理等について、今実際にその研究会で議論が行われておりますので、それがどういう結果になるのか、あと十日ばかりのことでございますのでぜひ御期待くださいというか、待っていてください。
○真島一男君 終わります。
○村田誠醇君 最初に経済企画庁長官にお尋ねをいたします。 ただいま同僚議員の方からも質問がありましたけれども、ニューヨーク市場で円が一時九十九円台という値をつけた。これについて一つお聞きしたいんです。 経済がようやく上向きになりつつあるかなというときにまた円高が来た。しかも最高の値段がついたということでございます。しかし、思い起こしてみますと、一年前も実は経済が少しよくなったかなと思ったところに円高、それから長雨、冷夏、そしてもう一つ重なったのが政治空白、政治的ないろいろな混乱が起こって、本来経済的に適切に対応しなければいけなかった時期にその対応ができなくて日本経済がさらに悪化したというのが大概の人の言うことであります。政治空白の部分をどういうふうに評価するかというのは若干別問題といたしまして、ある。 そうすると、ことしも実は、まだ冷夏にはなっていませんけれども、似たような状況が起こるのではないかと心配するわけですね。私どもとしては、円が九十九円台をつけたというこの意味と、それから適切に経済政策を打っていかなきゃいけないこの時期に政治的にまたどうも混乱が起こりそうな状況も一方で出てきているということになると、二年続けて景気の上昇の腰を折るのではないかなということが心配されるわけでございます。 その点について、もちろん景気の上昇の腰を折っては困るわけでございますけれども、折らないためにひとつ経企庁の方としていかなる対応、この円高に対して考え方を持って、今後どのような施策を打っていくおつもりなのか、まず長官の考え方といいましょうか、見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(寺澤芳男君) やはり、戦後初めて百円を切ったというこの円高、特に急速にやってまいりましたので、私も事実心配しております。ただ、円高の影響については、これもちろん一般論ですが、一方ではプラスの面もあるわけであります。ただ、このマイナスの画すなわち急激な円高が輸出産業の円建ての手取りを減らして企業収益がますます圧迫される、あるいは我々が非常に望んでいた企業の設備投資というのもやはりマイナスの影響があるということでありますので、我が国の内需拡大のための努力を阻害する懸念があることは、委員御指摘のように、私も心配をしております。 今おっしゃった去年の八月の百円四十銭というときと状態が似ているではないかと。ちょうど景気がよくなり始めたときに足を引っ張るような円高ということについては、若干の違いがあるのは、結局、今十五兆円の総合経済対策それからそれに含まれました所得税、住民税の減税、これは六月から始まるわけですが、そういったいろんな施策を政府としてはとっておりまして、それと同時に規制緩和、これはあくまでも内需主導型の経済体制をつくるという大変重要なことでありますが、この規制緩和の基本的な体制も六月中には出そうというようなことで、その点がちょっと去年の八月の円高と若干様相が異なるのではないか。 とにもかくにも、委員御指摘のようにこの急速な円高ということは、特に日本の国際競争力のある優良企業が本当に機関銃で撃たれるように撃たれているわけですから、大変に憂慮すべき状態だと思っております。 ただ、たまたまきのう我々の公表しましたQEでも確認されましたように、我が国の経済、一方では明るい動きが次第に広がっていることも事実であり、もちろんこれから政府としては経済や為替の動向に細心の注意を払わなければいけないんですが、適切でかつ非常にタイミングのよい経済運営に努めることによって、何とか明るい、やっとやって来た明るさを持続的な回復につなげたい。 きょうも十二時から経済関係閣僚が総理と集まって相談することになっておるわけでありますが、一口で言いますと、今までやってきた内需主導型の経済体制、それに必要な規制緩和、これを着実に実行していく、これが円高の基本的な対策だろうと考えております。
○村田誠醇君 ぜひ経済のかじ取りを、これは個々の産業じゃなくして日本全体のかじ取りでございますので、ひとつよろしくお願いをしておきます。 もう一点だけ、この円高がもたらす影響についてちょっとお聞きをしたい。 というのは、エコノミストの中で従来から日本の経済というのは成長をずっと続けていくんだという成長神話論みたいなのがあるわけでございまして、アメリカと比較した場合、常に日本の平均成長率の方が過去はずっと高かった。ところが、だんだん日本の経済が成熟してきたといいましょうか、経済が発展して安定成長になってきたら日本経済の成長率がだんだん落ちてきた。それと同時に、はっきりしてきたことは、この数年間にわたって日本の経済成長力の方がアメリカの経済成長力よりも落ち始めてきた。数字的に平均成長率が落ちてきた。 どこで統計をとるかというのは非常に難しいと思うんですけれども、ある人は、一九七四年から九一年まで、要するに第一次オイルショックから九一年までの日米の経済成長率を比較して見ると、七六年に経済成長率でアメリカに初めて負けた、まあ勝ち負けという表現はいいのかどうかは別として。それ以降、八三年、八四年、八六年と日本の経済成長力の方が落ちている。通算すると十三勝四敗一分け、相撲の星取りでいくと。一分けというのは、七四年のオイルショックが日米とも同じマイナスの成長率、同率だったということで引分け一。それで九二年−九四年はこれまた日本の場合は三連敗と。 そうしますと、こういうふうに日本の経済の潜在的な成長力というものが落ちているんじゃないかということを片一方で指摘する識者のところにもってきて、この二けたの九十九円というのがぼんとぶつかったときに、果たして日本の経済というのは、これから先の潜在的な成長力の可能性というのでしょうか、非常に先行き疑問がつくのではないかと思われるんです。これはまだ仮定の話でございますけれども、その辺については経企庁としてはどのような見解をお持ちなのか。特にこの円高が成長力に与える影響について、簡単で結構でございますが、御説明いただきたい。
○政府委員(吉川淳君) 今御質問ございましたのは、日本経済の潜在的な成長力の見方と、しかも国際的な現在の円高に象徴されますような変動のもとでそれをどう考えるかという御質問だと存します。 これは経済学者の間でございますけれども、従来から潜在成長力の考え方につきましては、一応潜在成長力に寄与すると思われる生産要素、労働、資本、最近では技術的なものも含めますけれども、こういったものが与えられた条件のもとで最大限の貢献をした場合、貢献と申しますのはこの場合はそれぞれの生産性といったものでございますが、した場合にトータルな経済はどれくらい成長するんだろうかということで、従来から経済企画庁でもずっとこれにつきましていろいろ分析してきたところでございます。 最近に至りまして、こういう考え方の中にもう一点入ってまいりましたのは、国際的な自由化の流れの中で日本の、例えば今申し上げました労働、資本、技術といったものが世界で共通に利用されるというもとでだんだんと国際的にある水準に収れんしていくのではないか。 具体的に申しますれば、例えば賃金の場合はある国際的な、これは先進国のところでございますけれども、そういうところへ収れんしていくんではないかという考えが出てまいっておりまして、これは私どもは確かに流れとしてはそういう方向にあるのではないか。したがいまして、昨今、日本の高賃金の問題が出てまいりますけれども、これは長い目で見ますとある国際的な水準に平準化しつつある動きであるというふうに見ることもできるわけでございます。 これを生産性という面からとらえてみますと、その賃金に見合ったところで生産性が決まってまいります。ということで、広い意味では日本のそういう労働、今は労働の例だけ申し上げましたけれども、労働、資本、技術といったものそれぞれが貢献する生産性というものが次第に国際的なところへ動いていく。こういう意味で申しますと、だんだんと世界的にそういった意味での生産性、生産力というのは似通うところへ行くんではないか、こういう感じがしておるところでございます。 このような考え方に基づきますと、日本は今どういう状況にあるかということから申しますと、賃金という点ではかなりもう近づいてきておるわけでございます。しかしながら……
○村田誠醇君 ちょっと短くしてください。
○政府委員(吉川淳君) 失礼いたしました。 資本とか技術とか、こういうものをもっと生かしていこうという点におきましてはまだまだ余地があるという意味で、潜在的な生産力の余地を残している。こういうふうな感じがしておりますので、なお国際的にはやや高目の成長が続くのではないか、こういうふうな考え方でございます。
○村田誠醇君 余り学説の論議をしてもしようがありませんから、与えられた時間もわずかでございますので、次に公正取引委員会にお聞きをしたい。 昨今いろいろ問題になっておりますゼネコンの疑惑についてお聞きしたいんですが、きっかけとなりましたのが埼玉土曜会の案件でございます。 そこで、一体これはどうだったのか。いろいろ資料を出してほしいということを公取にもお願いをいたしました。ところが出てこない。いろいろ調べましたところ、浦和地方裁判所で起こしております損害賠償の案件について公正取引委員会から資料がいっぱい出ているんですね。私どもそれを聞きまして、公正取引委員会に資料を出してくれと言ったら、どれを出しましたかという項目だけの資料が出てきた。そんなはずはないでしょうということで裁判の関係者にお聞きをしましたら、実に多数のものが出てきた。我々が目につかないようなものまで出ている。 例えば、鹿島建設の担当者を公正取引委員会の会議室に呼んで事情を聴取した供述調書まで全部書いてあるんですね。裁判所に記録として提出されている。ところが、私どもがこういう場面で質問したいから出してくれと言っても公正取引委員会は出してくれない。項目しか出てこない。これは一体どういうことなんだろうかということを私どもは強く指摘をせざるを得ない。 なぜそういうことを言うかといえば、実は公正取引委員会がこの事件に関連して一定の処罰をなさいました。まあ行政上の措置をとった。それに絡んで再発防止ということも関係各ゼネコンの業者に要請したし、その旨の連絡も公正取引委員会に入っているはずです。しかし、このゼネコンの疑惑を日時的に追っかけてみれば、実に公正取引委員会に約束した再発防止、談合の防止の約束と並行して各地方でやっているし、再発防止を約束した担当者が実は関係していたということがはっきりしてきている。そうしますと、資料を明確に公表してもらうということが一番再発防止に役に立つんだろうと思うんですけれども、まずそのことについて公正取引委員会の見解をお聞きしたいと思います。
○政府委員(小粥正巳君) ただいまお尋ねの埼玉土曜会事件でございますけれども、これは私どもといたしまして、今御指摘もございましたように公正取引委員会としての排除措置を行いました。その排除措置の内容といたしましては、再発防止につきましてのそれまでにもとられなかったような、私としては非常に厳しい再発防止措置も排除処分に含めてとったつもりでございます。 ところで、お尋ねの資料の点でございますけれども、これは御案内のように、埼玉土曜会事件につきまして、住民有志の方から県に代位したという形で損害賠償請求訴訟が起こされているところでございます。その損害賠償請求訴訟の過程におきまして、原告側から裁判所に対して公正取引委員会から関係の資料を提出してもらいたい、こういう旨の申し出がありまして、裁判所から私どものところに文書送付委嘱があったわけでございます。 私ども、この種の独占禁止法違反行為について、私どもが正式の審決をいたしましたそのような事件につきまして損害賠償請求訴訟が起こされました場合に、関係者からの要求がありました場合には、私どもの独占禁止法の執行力の強化あるいは施行の徹底という趣旨に基づきまして、原告側の訴訟負担の軽減という考え方に基づいて必要と考えられます資料を提供することにしております。その提供につきましては、このような場合についての資料提供基準として先般公表をしているところでございます。今回もその提供基準に基づきまして裁判所に提出をしたことは御指摘のとおりでございます。 ところで、この種の資料につきましては、ただいま申し上げましたような趣旨で裁判所に提出をしたものでございますが、その中には、一般的に申しまして私どもが職務上知り得た企業者の秘密に属するものが当然含まれているわけでございます。したがいまして、あくまで一般的に申し上げますと、国会におきましてそのような資料についての提供の要求をいただきました場合に、私どものこの秘密保持義務との関連で検討させていただき、一定の対応をさせていただいているところでございます。
○村田誠醇君 裁判所に提示した資料、ここに全文持っているんですけれども、これ自体が法律に基づいて公正取引委員会が裁判所から要求があったんで提供したわけですよね。我々国会議員も法律に基づいて、調査権ということで資料なり要求できるんです。その手続については、裁判所を介するかどうするかというのは別として、手続をとったらお互いに資料が出てくるはずなのに、我々には出さないで、裁判を起こさない限り出てこないというんであれば、私どもとしてはこれは納得できない。まずそのことだけを強く言っておきます。ただ、きょうはそのことだけを論議するわけじゃありません。ちょっと本来のものをやらなきゃいけないので、時間もありませんからそのことだけを強く公正取引委員会に要求しておきます。 本題に入りたいんですけれども、独禁法に基づいて、こういうゼネコンの発注あるいは官公需の受注についていろいろなガイドラインを公正取引委員会は設けられておると思うんですけれども、片一方で、中小企業を育成するという意味で官公需の適格組合というのをつくって、なるべく中小企業に発注してくださいよという政策をとっているわけでございます。 この官公需の適格組合が、出てくるであろう予想される官公需について情報を集めたりあるいは働きかけをする。これは大手企業に渡さないで自分たちに発注してくれ、あるいは組合の中で受け取った仕事をどういうふうに配分するか、次はどの業者がやるかとかという、仮にこういう話し合い、情報収集、相談、こういうものをした場合は、独禁法上の考え方からして一体これは違法というふうに理解するんですか、それともこれは許される範囲内の行為というふうにみなされるんでしょうか。あるいはケース・バイ・ケースで、グレーになる部分もあるしクロになる部分もあるというふうに判断なさるのか。 官公需の発注の仕方と中小企業の政策というのはかなり密接に絡むものですから、一体どのような見解を公正取引委員会がお持ちなのか、お聞きをしたいと思います。
○政府委員(小粥正巳君) ただいまのお尋ねは、官公庁の事業の発注につきましての小規模事業者が構成をする一定の資格のある組合の行為、そのような場合のお尋ねかと存じます。 御案内のように、小規模事業者の相互扶助を目的とするなど、一定の要件を備えました組合の共同事業につきましては基本的に独禁法の適用除外になっているところでございます。したがいまして、御質問の点につきまして、今申し上げましたような要件を満たす事業協同組合等が仮に組合員の共同受注のために組合として入札に参加するということ自体は基本的に独禁法上問題となるものではないと考えております。 しかし、例えばでございますけれども、組合がみずから入札に参加する場合に、ほかの入札参加者と共同してあらかじめ受注予定者を決定する、こういうことでありますとか、あるいはその組合に属する個々の組合員が事業者として入札に参加します場合に、その組合が入札参加者の中から受注予定者をあらかじめ決めてしまうというような行為がもしございますと、これは独占禁止法に原則として違反をする行為と考えられるわけでございます。したがいまして、協同組合の独占禁止法適用除外、この定めは、あくまで今申し上げましたような不当な取引制限にわたるような行為はその適用除外が該当しない。独禁法のいわば基本原則に基づいて判断をしなければならない、こういうことでございます。 今御指摘の点、これは率直に申しますと、個々の具体的な入札におきます実態に即して申し上げませんと、実は一般論として申し上げるのはなかなか難しゅうございますけれども、ごく基本的な考え方は今申し上げましたようなところでございます。 なお、ついでに申し上げますれば、今私ども公共入札に関するいわゆるガイドライン、独占禁止法上の考え方を整理いたしましてこの三月に原案を実は公表いたしました。現在、それにつきましてのいろいろな御意見を内外からいただいているところでございますが、これらの御意見を参酌しながら、なるべく近いうちに、例えばこの夏をめどにいわば確定版として公表いたすつもりでございます。その中には、ただいまお尋ねのようなケースにつきましてもできるだけ、私どもの審決例に即しまして、違反となるもの、ならないもの、あるいはそのおそれのあるもの、そういう三分類によりましてお示しをしてまいりたい、そんなふうに考えております。
○村田誠醇君 ぜひ細かくお願いをしたいと思うんですね。 この適格組合というのはすべての省庁にわたってきますので必ずしも建設だけに限らない、もちろん建設も入るし、建設だけに限らない一般の役所が、官公需が必要とするものの需要に対して全部適格組合制度というのはあるわけでございます。そういう意味でいけば建設についても同じようなことが小規模のものについては出てくるということがございますので、全部一律に、例えばこういう行為をやった場合はだめなんだよというのを明確にしてもらわないと、情報収集したり働きかけをしたら全部違反になっちゃうのかな、そういうふうに心配をする業者もかなりおりますので、その辺については明確にひとつ基準を決めていただきたいということをお願いをしておきます。 それともう一つ、時間がありませんのでお聞きをしたいんですが、どの程度の実態を把握しているのかわかりませんが、昨今、小売業を中心としてフランチャイズ制度をとる企業といいましょうか経営体が随分ふえてきた。 いろいろそれに参加している人のお話を聞いてみますと、例えば売り上げの代金は契約に基づいて本部の方に一定期間入れて、そして仕入れ代金だとかいろんな必要経費を差っ引いて残ったものを二カ月後に決済して渡してくれるとか、あるいは、同じ資本の経営している大型スーパーで売っている小売の値段よりも自分が仕入れているものの方が高い、高いので実はそこのお店で売っているのを買ってきて自分の店で売ろうかと思ってもこれは契約上できない、あるいは仕入れてはいけない、あるいは仕入れた料金については本部に全部報告しなければいけないとか、そのFCの契約によって、本部と末端といいましょうか、小売の担当のところとの間で随分とトラブルが起こるということも若干聞いているわけでございます。 そういう意味で、独禁法で一つ考えられるその優越的地位の利用といいましょうか乱用といいましょうかに該当するような事例もあるのではないか、あるいはそういう訴えが公正取引委員会の方にも来ているんではないかと思うんです。一体、このFCの契約と今言いましたように独禁法とは、表現は悪いんですけれども、どういう契約の中身であった場合は違反になるのか、独禁法上今言った幾つかの項目にひっかかるのか、それともひっかからない、基本的に当事者問同士の契約の自由でオーケーなんだというふうに理解していいのか。その辺の基本的な考え方、もしくは実態に即して、そういういろんな訴えが出ていたのかどうかも含めて、あわせて御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(小粥正巳君) いわゆるフランチャイズシステムについての御質問でございますが、私ども実は十年余前でございますが、昭和五十六年度と五十七年度にこの業界についての実態調査を行ったことがございます。その調査によりますと、例えばフランチャイズ契約の加盟者募集に際しまして情報提供が十分に行われていない、あるいはこの契約におきまして、本部が加盟者に対して例えば商品、原材料等の購入先を制限している等々、競争政策の見地からいろいろ問題ではないかという実態も出てまいりました。 そこで、この調査結果を踏まえまして、昭和五十八年でございますけれども、私どもフランチャイズシステムに関する独占禁止法上の考え方についていわゆるガイドラインを公表したところでございます。 そこで、今お尋ねの点でございますけれども、簡単に申し上げたいと思いますが、私ども、フランチャイズ契約というのは、これは加盟者が本部の一定の方針のもとで統一的な活動をし、企業規模の小さな加盟者の事業能力を強化、向上させて、ひいては市場における競争を活発にする効果がある、基本的にはそういう効果があるだろうと思っております。 しかし、この契約は、今も御指摘のありましたように、加盟者を通常の取引契約と比べますと格段に強い契約関係のもとでいわば本部の系列に組み込む、こういう内容のものでございますから、加盟希望者の加盟に当たっての判断を誤らせるような行為があってはならない、つまり今のような不十分な情報の提供ということではこれはぐあいが悪い。また、契約内容につきましては、契約全体としまして本部と加盟者との間で相互的にバランスが保たれていることが必要である。もしそうでなくて加盟者だけが不当に拘束されるということになりますと、これは今御指摘のございました本部側の契約上のいわゆる取引上の優越的な地位、その乱用に当たる行為も起こり得ることである、こんなふうに考えております。 そこで、今申し上げましたこのガイドラインにつきましても、できるだけその調査結果を踏まえた具体的な事例を類型化いたしまして、このような場合には不公正な取引方法の類型に当たる、その問題があり得るということを指摘しているところでございます。 そしてなお、お尋ねでございますが、このフランチャイズシステムにつきましてこのガイドラインを発表しまして以来、約十年でございますけれども、私どもに時々この種の問題についての相談事例はございます。あるいは違反行為があるのではないかという申告もございます。私ども、それについては相談に応じ、あるいは申告の際には必要な調査をしておりますけれども、これまで特にこの違反行為として指摘をするまでのケースはございませんが、相談事例等を通じまして、今申し上げました独占禁止法上問題のないようにという方向で適宜必要に応じて指導等をしているところでございます。 ただいまの御指摘も踏まえまして、今後ともこのフランチャイズシステムの運用につきまして、今申し上げましたようなガイドラインの考え方に従って対応してまいりたいと思っております。
○山下栄一君 エネルギーの規制緩和につきまして二点お伺いいたします。 石油製品の輸入規制緩和につきまして、おととい石油審議会の石油部会で中間報告が公表されました。その中で、特石法を廃止いたしまして、ガソリン等の石油製品の輸入を石油精製、元売会社以外にも可能にする、こういう提言がなされているわけでございます。電気事業の規制緩和につきましても、電気事業審議会の答申がこの一両日中にされる、このように聞いておるわけでございます。先日のガス事業法の一部改正に続きまして、いよいよ石油、電気につきましても規制緩和が進められていく、こういう方向になるわけでございます。 〔委員長退席、理事沓掛哲男君着席〕 内外価格差是正の観点から大変大事な提言だと思うわけでございますけれども、エネルギー部門の規制緩和の総括的な方針を明らかにしてください。
○政府委員(川田洋輝君) お答え申し上げます。 まず、エネルギーにつきましては、御承知のように安定供給の確保というのが基本的に大切なことでございますけれども、この安定供給確保についての規制が効率的な供給を阻害していることがあるのではないか、あるいは内外価格差問題についての広範な指摘が行われておりますことは先生今御指摘のとおりでございます。こういうことから、我々は安定供給の確保と効率的な供給の確保をバランスをよく考えながら進めていく必要がある、こういう観点からエネルギー産業全般にわたって規制緩和の論議を進めさせていただいているところでございます。 主要な三分野につきましてポイントのみ御説明をさせていただきます。 まず、ガス事業におきます規制緩和につきましては、御指摘のとおり大口需要者向け供給についての規制緩和を主たる内容といたしますがス事業法の改正法案を今国会に提出させていただきまして、去る十七日に成立をさせていただいたところでございます。今後、この新たな制度の定着と円滑な施行に全力を挙げてまいりたいというように思っております。その際、衆参両院の商工委員会において付されております附帯決議の趣旨を十分尊重いたしまして、適切な運用に努めてまいりたいと考えております。 次に、石油事業における規制緩和につきましては、去る六月二十日に石油審議会石油政策基本問題小委員会の中間取りまとめが出されまして、特定石油製品輸入暫定措置法の廃止によります石油製品輸入主体の拡大など、市場原理の一層の活用の方向性が示されたところでございます。今後は、見直しの必要性が指摘されました備蓄制度と品質維持制度につきまして引き続き検討を進めまして、こういう検討を踏まえて本年末を目途に最終取りまとめを行って、所要の法改正その他の方向に進みたいというふうに考えております。 そして三つ目に、電気事業における規制緩和について申し上げますと、これにつきましても効率的な電力供給システムのあり方について電気事業審議会で御審議をいただいておりまして、取りまとめの最終段階に至っております。具体的に申し上げますと、卸電気事業に係る参入許可の原則撤廃などによります即発電事業の自由化を図りますとともに、需要家への直接供給に関する参入規制の整備等を実施するといった内容のものでございます。また、保安に係る規制につきましても、その緩和につきまして積極的に取り組み、取りまとめを進めているところでございます。今後は、中間報告の内容に即しまして詳細な検討を進めて、これにつきましても本年末を目途に取りまとめを行って、法律改正等が必要になれば、次にそのステップを踏んでまいりたいと考えておるところでございます。
○山下栄一君 新エネルギーの推進の件でございますけれども、平成六年度予算の中に家庭用太陽光発電システムの普及、促進のための補助金が創設されたわけでございますが、極めて私は意義があると思うわけでございます。ただ、概算要求の段階では三分の二の助成を要求しておったわけでございますが、結果的には二分の一助成、総額二十億円、こういうふうに削減されたわけでございます。 三分の二の助成が行われておりますと、家庭における初期投資は二百万円である。三キロワットの発電システムが起こす電気は年間約九万円で済むわけでございますので、二十二年でペイするという計算になる。それが二分の一になりますと三十六、七年たたないとペイできない。 こういうことでございまして、このシステムの順調な普及を図るためには追加的な措置を積極的に図る必要がある。予算的に不可能であるならば、世帯数七百世帯を五百世帯に削減してでもペイする期間を減らすという観点が考えられるわけでございますけれども、平成七年度以降の予算について太陽光発電システム家庭設置についてのお考えを伺いたいと思います。
○政府委員(川田洋輝君) 御指摘の住宅用太陽光発電システムの普及促進事業につきましては、本システムの設置者をモニターとして所要のデータを収集し、消費者ニーズに合致した機器性能の向上を図るとともに、政策的な初期需要の創出によりまして市場の形成を図り、関係者の努力によるコスト低減を促して需要の拡大を図って将来の本格的普及を目指そうというものでございます。 この事業につきましては、国による実質的な買い上げを行おうというものではございませんで、本システムの潜在的な需要を喚起いたしまして市場を創出しようという観点から、国が過半を負担するということは困難であろうかというふうに思いますが、太陽光発電システム導入というのは積極的にこれを進めるべきものでございますので、他の資源エネルギー、再生可能エネルギーに対する支援レベルから比べますと大幅に上回る二分の一の補助率ということを決定させていただいたものでございます。その内容、規模ともに私ども大変画期的な予算であるというように考えておるところでございます。 〔理事沓掛哲男君退席、委員長着席〕 次年度以降の取り扱いに関するお尋ねもあったわけでございますけれども、本予算は本年度が初年度の予算でございますので、予算を成立させていただきました後、できるだけ早く設置者の募集などの手続を進めたいと考えておりまして、それについての応募状況、システムコストの状況、その他市場体制の整備状況などの推移を見ながら太陽光発電システムの自律的な普及、これが目標でございますので、これに向けて効果的、効率的に施策を進めていきたいと考えております。
○高崎裕子君 まず、通産省にお尋ねいたしますが、マンションの建てかえ問題をきっかけにして費用負担をめぐってさまざまな問題が出てきております。中でもガス供給をめぐって、関東を中心に、本来ガス事業者が負担すべきものを居住者が負担させられているということが大きな問題になっているわけです。 ガス供給規程及び実施細目で、ガス事業者の負担として本支管と供給管、それから開発者、つまり公団とか公営住宅などですけれども、これの負担として内管というふうに明文化されているわけです。今最も問題となっているのは公団とか公営住宅などの集合住宅の場合なんですけれども、ガス事業者が負担するというふうになっている「「本支管」とはこ「道路に並行して敷設するものをいい」、細則で、この「「道路」とは、一般に交通の用に供せられる場所をいい、公道・私道および団地内道路を含みます。」と、こう規定されております。したがって、この団地内道路は基本的に本支管ということですね。
○政府委員(白川進君) ただいま先生の御指摘のとおり、供給規程において「「本支管」とは、導管のうち、道路に並行して敷設するもの」と定められておりまして、さらに供給規程実施細則において「「道路」とは、一般に交通の用に供せられる場所をいい、公道・私道および団地内道路を含み」というふうに定められていることは御指摘のとおりでございます。
○高崎裕子君 もう少し詳しく。今言ったように、原則として団地内道路というのは本支管ということでよろしいわけですね。
○政府委員(白川進君) こういうことが基本として定められておりますけれども、ただ公道のほかに私道及び団地内道路を道路に含むこととしているという趣旨は、本支管がガス事業運営の基盤でございまして、ガス事業者の導管ネットワークを形成するためには、公道のみならず私道や団地内道路を含めて効率的に導管を整備していくことがガスの使用者に対する円滑なガス供給の上で必要であるという考え方に基づくものでございます。 ただ、ガス導管が導管ネットワークを構成するということに足るためには、敷設後も事業者が必要と思われるときに延伸、増径、入れかえなどの変更ないしは修繕の工事が可能な場所になければならないという事情にございます。 このために、特に団地内道路にガス導管を敷設する際には、その団地内道路がこうした今申し上げたような工事が可能な状況にあるのかどうかについて疑義がある、あるいはその道路が私有地にある場合におきまして、修繕その他についての土地使用について所有者の承諾を受けられるのかどうかといったようなことについて疑義があるときなどには、その道路の所有者たる団地造成者、先生の今おっしゃっておられる公団なども含むわけでございますけれども、とガス事業者がこれらの点について協議をいたしまして、ガス導管を本支管とするかまたは内管にするかを判断せざるを得ない状況がございます。これによりまして、一部の団地内道路にあるガス導管は内管となっているのが実態でございます。
○高崎裕子君 供給規程は明確に団地内道路に敷設されるガス管は本支管であるというふうにしており、協議をして開発者負担の内管にするということもあるというわけですが、これは本支管であるという供給規程と並列的に扱うということは全くおかしいわけで、今も疑義があるときにはというふうに言われましたけれども、協議をして決めるなら初めから団地内道路は本支管であるというふうに規定する意味はないわけで、この協議というのは、疑義があるとき、例外的なものであるということなんです。 そこで、住宅公団にお尋ねいたしますけれども、明らかに団地内道路であるにもかかわらず内管扱いになっているというケースがあるわけです。もっと具体的に言いますと、大阪ガスは厳格に供給規程どおり団地内道路はすべて本支管扱いということになっているんですけれども、それ以外のガス会社は内管になっているわけなんです。つまり、ガス事業者が負担しなければならないのに公団が負担をしているということになって、これは当然分譲であればその価格にはね返っできますし、それから賃貸はもう家賃に組み込まれてしまうということになり、これは大変重大な問題だというふうに思うんです。 どうしてこういう内管扱いになったのかということと、またこれについてはやっぱり改善していただかないと困ると思うんですが、改善のための対応をどういうふうに考えておられるか、お尋ねいたします。
○参考人(青柳幸人君) 公団団地の団地内道路に埋設するガス管を内管とするか本支管とするかにつきましては、団地内道路の構造、形状、維持管理形態等、団地建設時の諸条件に応じてガス会社と合意して敷設してまいりました。当公団につきましては、昭和五十七年以前の団地につきましては、団地内道路に埋設するガス管を本支管とするものと内管とするものと混在しております。しかしながら、昭和五十八年以降は、今までの団地建設の実態を踏まえまして本支管扱いにしております。 二番目の点でございますが、公団といたしましては、公団が管理している賃貸住宅につきましては、団地内道路に埋設しているガス管が内管となっているものにつきましては本支管とするようにガス会社の検討状況も踏まえまして要望してまいりたいというふうに思っております。また、公団の分譲住宅につきましては、既に居住者に譲渡しているものでございまして、大変難しい問題ではございますが、仮に管理組合等から要望がございますれば、その趣旨につきまして公団からもガス会社に申し添えたい、かように考えている次第でございます。
○高崎裕子君 今分譲の点でガス事業者に申し添えたいというお話でしたが、これは単に伝えるということよりは、もう少し積極的だということですね。
○参考人(青柳幸人君) 今申し上げましたように、既に公団の手を離れている物件でございますのでその辺は非常に難しい問題でございまして、同じ繰り返しになるかと思いますが、管理組合から内管を本支管にしたいという要望があれば、それを受けてその趣旨をガス会社に申し添えたい、かように思っています。
○高崎裕子君 それから、次に建設省にお尋ねいたします。 大阪では自治体が公営住宅の負担にならないように供給規程どおり行われています。私のいる北海道ですが、これは道営も札幌市営も調べましたら、公道から供給する団地の敷地に入ったとたん団地内道路であっても内管扱い、すなわち公営住宅持ちになっています。これは千葉県でも千葉市でも内管扱いで同じなんです。大阪を除く全国各地の公営住宅がこうした扱いになっていると思われますので、実態を把握するための調査をして直ちにこの点は改善をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○説明員(那珂正君) 公営住宅団地におきますがス管の敷設の負担区分につきましても、ただいま御指摘がございました問題、あるいは通産省、住都公団、それぞれから御説明がありました問題があります。その理解といたしましては、ガス事業法に基づき一般ガス事業者が定め通産大臣が認可する供給規程において、導管のうち道路に並行して敷設する本支管はガス会社の負担と定められる、しかも供給規程におきまして、実施上必要な細目的事項はその都度使用者とガス会社との協議によって定めるということとしているわけでございまして、全く同様な扱いだと思います。 住宅事業者の立場から見ましても、団地内道路は利用形態、管理形態がさまざまでございまして、すべて団地内道路に敷設するガス管をガス会社の負担とすべきとは言い切れないのでございます。しかしながら、住宅建設コストの低減を図る観点から、今後建設いたします住宅団地につきまして、各公営住宅事業主体に対し、ガス事業法並びに供給規程の趣旨を十分理解した上、ガス会社と負担区分について協議するよう指導してまいりたいと思います。
○高崎裕子君 それで、ちょっと時間がありませんのであと一問。 会計検査院にせっかく来ていただいておりますが、今お話を伺っていただいたと思いますけれども、本来ガス事業者が負担すべきものを公団とか公営住宅が余計な負担をしているということになっておりますので、この点は調査をしていただきたいということ。最後に大臣に一言で結構ですけれども、本支管であるのが内管となっている、これから老朽化していくわけですから敷設がえするときに不当な負担をかぶるということになったら大問題ということで、関係住民から移設などの対策をとってほしいという要望が必ず出てくると思いますし、通産省としてはこの対応をぜひ指導していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○説明員(丸山淳一君) お答えいたします。 今後の検査におきまして、先生御指摘のような点から公団住宅、公営住宅につきましてガス管にかかる経費が増高し、その結果、公団の会計経理あるいは国の補助金に係る会計経理に不当な損害が生じていないか、十分に留意してまいりたいと存じます。
○国務大臣(畑英次郎君) お気持ちとしては十分わかるわけでございますが、これはそれぞれの守備範囲と申しますか責任範囲といいますか、当事者間のお話し合いが基礎になる、かような認識をいたしております。
○高崎裕子君 これから全国的に大変問題になってきますので、通産省としてはぜひ強力な御指導をよろしくお願いいたしまして、質問を終わります。
○井上計君 先ほどお話がありましたが、円高対策緊急経済閣僚会議ということでありますから、両大臣どうぞ御退席いただいて結構でございます。 大臣御退席でありますし、時間もせっぱ詰まっておりますから簡単に申し上げたい。中小企業問題に絞って長官にお尋ねをし、また御意見を伺いたいと思います。 その前に、きょう配られました一般会計歳出予算の明細書等をざっと斜めに読んだわけでありますが、これは委員長、また同僚各委員にもお願いでありますけれども、この中の四ページからからいろんな諸謝金というのがあるんです。総額では三千四百九十二万五千円になります。これをずっと見ますと、八千円なんてあるんです。最近は小学生にお年至っても八千円やると怒られるようなんですが、八千円だとか一万円だとか七千円だというのがあるわけです。こんなことまで明細にずっとこれが続いておりますし、また旅費、それからエネ庁だとか何かの一万円だ二万円ということまで明細に上げなくちゃいかぬ現在の予算編成のあり方、これはもう通産省だけでありませんで、各省庁でも共通する問題でありますが、こんなことではますます事務が煩雑で渋滞してどうにもならぬであろう。 こんなことは、予算編成の中で、これは大蔵省の問題ではありますけれども、科目流用は当然できるでありましょうけれども、もっとまとめて簡素化するように、きょう委員会の委嘱でありますから、できますれば委員会としてのそういうふうな意見というか、ものをお出しいただければありがたいと思います。 そこで、長官にお尋ねをいたします。時間がありませんから絞ってお伺いをいたしますけれども、規制緩和が随分と進んでまいりました。規制緩和については、もちろん総論では我々賛成でありますし、またこれからさらにいろんな国際問題等々考えたときには進めていくべきでありますけれども、しかし急激な規制緩和によっていろんな影響が特に中小企業に起きております。これは御承知だと思います。 まず、例を挙げますと、先般の大店法の営業時間、閉店時間の延長等によって周辺の小売商はかなり影響を受けておる、こう聞いております。あるいは酒税法、小売酒販の免許の緩和、輸入のお酒の関税引き下げ等々によって最近はもう大都市周辺には酒の安売り店が随分とふえまして、そのために酒の既存の小売店の転廃業ということがふえておる、こう聞いておりますが、どのような認識をしておられますか。これらについての状況等、短い時間でありますけれどもお聞かせをいただきたい、こう思います。 それから、一括してお尋ねいたしますけれども、昨日の夕刊ですかに出ておりますが、物価安定政策会議ですか、総理の諮問機関であります、この研究委員会がきのうまとめた報告書案では、大規模小売店舗法の廃止等を初めとして四十項目に上る大幅な規制緩和策を打ち出しているということが新聞に出ておりました。事実であろうと思いますが、これについて、実際問題としてこんなことがトラスチックに行われると転廃業、経営危機に陥る中小企業が随分ふえると思うんです。これは小売店だけの問題じゃありません。例えていうと自動車の車検の見直しでも、既に言われておりますが現在の自動車の車検業者の三分の二ぐらいはもう転廃業せざるを得ないんではないか、こんなことも言われておりますが、そういうことについてどういうふうな御見解でおられるのか。規制緩和に伴っての中小企業に対する影響であります。 それから、もう一問お尋ねをいたしますけれども、昨日も連立与党の政策会議で税制改革大綱についてのまとめをしたと思います。私は与党ではありますけれども、その中でいろんな不満を持っている面があります。だからといって与党でありますからそう余り強力な反対はできませんが、特にその中で消費税の問題、これについては学者等を中心として、あるいは一部の人たちが中小企業の益税はけしからぬということを随分言われておる。私自身は言われているような益税がそんなにあると思っておりません。それらのために、今後消費税率を上げる場合益税がもっとふえるから、したがって中小企業に対する特例を大幅に見直すという意見が強く出ております。例えば免税ラインの引き下げであるとかあるいは限界控除の引き下げであるとか簡易課税ラインの引き下げ等々言われております。 私は、中小企業のいろんな状況を考えたときに、個人的には賛成しがたいと思っております。与党がそんなことを言うとおかしいんですけれども、中小企業庁長官はこの中小企業に対する消費税問題についてどのようにお考えでありますか。 以上、一括して申し上げましたけれども、私の持ち時間は十二時五分まででありますので、十二時五分前に御答弁を終わっていただかないと今度は本会議に影響がありますので、簡略にひとつお差し支えない範囲でお答えをいただきたいと思います。 以上です。
○政府委員(長田英機君) 井上先生から今酒、大店法、そのほかのいろいろな規制項目についてのお話の例示がございましたが、今私実は政府部内で進めている規制項目の具体的な項目それぞれについて存じているわけではないわけでございますけれども、現在のような中小企業が置かれている厳しい環境からいたしますと、やはり規制緩和項目によりましては中小企業が厳しい影響を受けるということはあるというふうに考えるわけでございます。 こういうような状況に対応いたしましては、私ども実は平成五年度におきましても三度にわたる補正を組んだりいたしましていろいろな対策を実施し、またこれから六年度の予算を通していただきますとそれがまた対策に加わってくるというようなことでございます。そういうことで、特定な業種について、私は他の担当省のことについて申し上げることはできませんけれども、中小企業庁長官の立場としましては、中小企業の実態というものに即した規制緩和というものをやっぱり行っていく必要があるんじゃないかというふうに考えているところでございます。 一例で、私も関与しております大店法の例がございましたのでそれについて申し上げますと、大店法につきましては既に五月一日から閉店時間の届け出基準あるいは休業日数の問題、それからさらに規制している千平方メートル未満の届けの原則自由化というようなことをやっております。何と申しましてもこの実行の状況を慎重に見きわめていくということが第一であるというふうに考えるわけでございまして、大店法廃止というようなことは、私どもとしては、賛成し得ないと申しますか、とにかく今やっている、やり始めた対策を慎重に見きわめていくということが重要だと思うわけでございます。 それからもう一点の消費税につきまして、中小企業特例の話でございますが、これは昨日政府の税制調査会それから与党の税制改革協議会で報告がそれぞれ出されたところでございます。この中にも中小企業特例について書いてございます。 私は、この中小企業特例につきましては、基本的な考え方として、制度の公平性の要請それから納税事務の簡素化というような要請とのバランスをどうとっていくかということであると思いますし、特にその見直しに当たりましては、中小企業者からは、中小企業が価格転嫁能力がないというような事情あるいは事務処理能力が非常に乏しい、こういうような事情に十分配慮してほしいという要望を私ども一様に強く受けているわけでございます。 こういう点から、今回の報告を私どもが見させていただきましたところによりますと、この答申、報告は、中小企業の要請に一定の配慮を示していると一応評価できると思います。まあしかし、中小企業特例のより具体的なあり方と申しますか内容と申しますか、それはこれから検討されていくことでございますので、私どもとしては、今後検討が行われてまいります段階におきまして、先ほど申し上げましたような中小企業者の声を十分に反映し配慮しながら適切に検討が行われていくということを期待し祈るという立場にあるわけでございます。
○井上計君 ありがとうございました。
○委員長(中曽根弘文君) 以上をもちまして、平成六年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、総理府所管のうち公正取引委員会及び経済企画庁、通商産業省所管、中小企業金融公庫並びに中小企業信用保険公庫についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 この際、午後二時まで休憩いたします。 午後零時二分休憩 —————・————— 午後二時十二分開会
○委員長(中曽根弘文君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、高崎裕子君が委員を辞任され、その補欠として橋本敦君が選任されました。 —————————————
○委員長(中曽根弘文君) 製造物責任法案(閣法第五三号)及び製造物責任法案(参第二号)を一括して議題といたします。 —————————————
○委員長(中曽根弘文君) この際、去る二十日の本委員会における吉村剛太郎君の質疑に関し、厚生省田中業務局長から発言を求められておりますので、これを許します。田中業務局長。
○政府委員(田中健次君) 御指摘のように、血液につきましては医療界、宗教界などでさまざまな考え方があることは十分承知をいたしております。 中央薬事審議会におきましても、輸血用の血液製剤の取り扱いにつきまして種々議論のあったところでありますが、輸血用血液製剤は生体機能の一部を補充、移植するという性格を有していること等から製造物責任法の対象とすべきではないとする多数意見が示されました。その後、具体的な法案の作成に当たりまして、日本赤十字社等の関係者の理解を求めながら、政府部内で協議した結果、輸血用の血液製剤は血液に保存液、抗凝固液等を加えたものでありまして、加工された動産であることから製造物責任法の対象に含めることとされました。 この間、厚生省といたしましてはできる限り関係者の理解が得られるよう努めたところでありますが、なお医療界や医療の第一線において輸血用血液製剤を本法の対象とすることについての懸念や、輸血用血液製剤の安定供給に対する不安などが存在することは、御理解いただくための努力が十分ではなかった面があると反省をいたしております。 なお、今後厚生省といたしましては、本法案におきます輸血用血液製剤の取り扱いに関しまして、関係者に十分周知し、御理解を得るよう努力をいたしますとともに、輸血用の血液製剤の安定供給に支障が生ずることのないよう、一層努力してまいりたいと考えております。 —————————————
○委員長(中曽根弘文君) これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉村剛太郎君 本日は、田中業務局長わざわざおみえいただきまして、ただいまのような答弁をいただいた次第でございます。 過般の当委員会での私の質問の中でも再三申しておりましたように、政府提案のPL制度、PL法案といいますものは大変画期的なものであると私なりに評価をしておるところでございます。また、消費者の被害を救済するという大変大きな、重要な面を持っておるわけでございまして、その中で輸血によります被害を受けた方々を救済するということ、そして今なおそのような症状で苦しんでおられる方を救済するということ、これまた我々の大変大きな務めであろう、このように思っておるところでございます。ただ、いろいろと質問の経緯の中で、全血製剤また血液成分製剤に対しまして、これが製造物という概念の中に入るかどうかということでいろいろと議論を重ねた次第でございます。 局長の答弁の中にありましたように、血液学会、日赤、また医師会、それぞれ専門的な立場の方々が科学者の立場からその全血製剤並びに成分製剤についてはどうも製造物というものに入れるには無理がある、なじまないという学会の意見であった、このように思います。それは厚生省として十分に認識もしておるところではないか、このように思っておるところでございます。 特に血液といいますのは、そういう自然科学の分野で研究また考えるものでありますと同時に、これも過般申しましたように、例えばある宗教団体は輸血を絶対しないんだ、薬は飲むけれども輸血はしないんだというような考えでございます。これはまさに宗教的な見地、観点であろうと思います。例えば悪いんですが兄弟杯、酒の中に血を垂らしてお互いに飲み合うということによって精神的なつながりを強めるというようなこと、非常に観念的な分野というのもあるわけです。 そういうものを承知の上で、こうやって我々が論議しておりますのは、国会とか政治とか法律といいますのは、これはまさに社会科学の分野でございます。そういう純然たる学問、自然科学の分野、観念の分野を承知しながらなおかつ政策判断として製造物に入れるということ。それは、目的としてはそういう被害を救済するというようなこと、大変これはすばらしいことだと思います。おぼれている人を何がなんでも救いたいということであろうと思いますが、おぼれているから飛び込んで助ける方がわざわざおぼれてしまうようなことであってはこれはならない、このように思う次第でございます。 本来、輸血用の血液といいますのは、善意の国民からいただいて、それを非営利団体の日赤がチェックし、保存し、そして供給しているということでございますから、そういう面ではいわゆる経済行為とは随分違う、流通といっても経済行為とは随分違う形ではないかというわけでございます。そういうことで、私は今もなお製造物という概念に入れるのは大変難しい問題ではないかな、このように思っております。 輸血によって肝炎なりエイズなりにかかる方々、また御本人のいろいろな行為、また体質によってそういう肝炎なりエイズにかかる方々、その起因するところは違うけれども患者としては一緒なんです。これをやっぱり救っていかなければならない。これが我々の、また厚生省の、医療業界の務めではないかな、このように思う次第でございまして、こういう形の中でやるということ、これは本当にちょっとなじみがどうかなという感じがするわけでございます。大局的な見地から、また社会の中でよりよい方向に持っていくということは、これは十分私なりにわかっているところでございますが、そういう面で大変私はまだまだ納得がいかない点がございます。 ただ、この後我が自民党の専門家でございます宮崎先生もいろいろとこの点についての御質問もあろうか、このように思う次第でございます。きょうは局長の御答弁を拝聴いたしまして、もう時間もございませんから私の質問は終わらせていただきます。
○斎藤文夫君 自民党の斎藤文夫でございます。 いよいよ歴史的とも言うべきPL法の大詰めを迎えておるところでございます。 さてそこで、いろいろ既に論議をされておるところでありますが、多少重複を免れませんけれどもお尋ねをさせていただき、改めて成立に向けて進んでまいりたいと思います。 まず本法につきましては、我が自由民主党も数年来の大変大きなテーマとして取り組んだところでありまして、製造物責任制度に関する小委員会というものをつくりまして両三年にわたり検討を加え、平成三年の十月には同委員会が中間報告を取りまとめました。これはもう通産大臣よく御存じのところでございまして、二十二項目にわたる検討項目を出して、これらをできる限り詰めて早い時期にPL法をつくろうということで努力をしてきたところでございます。 申し上げるまでもなく、PL法は、明治二十九年に民法制定以来、約百年の間は民法によって製造物等の責任を問うてきたところでございましたが、ここに過失責任の原則を欠陥責任に改めて消費者保護という大きな視点を打ち出したところでございまして、私どもも、時代の流れ、あるいはまた国際的に見て当然そういう分野へ入っていかなければならない、むしろもう数年早くてもよかったのかなというような気がいたすところでございます。 ただ、今まで日本には、経済構造を見ても大手企業対中小零細企業、こういう特殊な二重構造の中で日本の経済というものが発展をしてきた事実があり、あるいは歴史の中の商習慣というものは他の国から見るとユニークな点が多々あるようであります。それがあるときには関税障壁となり、市場障壁となり、指摘を受けてまいったところでありますけれども、そういういろいろな今日までの歴史、風土、習慣、文化、そういうものにこれからこのPL法というものが導入をされることによっていろんな影響が出てくるのではないか。そこで、こんなような背景を土台といたしましていろいろ御質問をさせていただきたいと思います。 まず、産業界の受けとめ方はどうだったのか。大手企業あるいは中小零細企業それぞれスケール的に差がありますからその立場立場で問題があるわけでありますが、例えば欠陥責任にかわって消費者を保護する、こういうことになりましたときに、まずアメリカにおいては訴訟件数あるいは賠償金額、保険料などが急激に上がった、保険ももうこれ以上受けないとかいろんな問題が起きました。これは御案内のように製造物責任危機というのが二回起きました。そういうことを見ますと、我が国の経済、社会、文化に及ぼす影響というものは、これは相当なものがあるんじゃないか。 昨年、私どもの小委員会がコーネル大学のヘンダーソン教授をお招きしまして、アメリカのPL法についてのいろいろな問題点をお聞きいたしました。そのときに、今アメリカでは逆にこういうPL法についてこれでいいかという見直しか行われている、日本は後発であるわけですけれども、アメリカの轍を踏まないように十分御検討された方がよろしい、こういうことも承っておるところであります。それだけに重ねて慎重な配慮が必要なのかなと。 そういう観点に立ちまして、日本の産業界はどうこの法律を受けとめているか、通産大臣の御所見をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま斎藤先生御指摘のとおり、いわば百年ぶりといいますか、画期的な一つの新法をつくるといったような意味合いの位置づけがなされるんではないかなというふうに考えるわけでございます。私自身もこの法そのものを受けとめます場合におきましては、まず何といっても、それぞれの分野における一つの意識改革をお願いしなければならない。 そういう中にございまして、本問題につきましては、自民党さんのお立場を初め各政党のお立場におきましての従来から長い間にわたります真剣なお取り組みを賜ったわけでございます。そういうような御審議を願う過程におきましても、いわゆる産業界の関係の方々の御参加を願う、あるいはまた御意見をいただく、そういうようなお取り組みの中から今日この法案提出に至るまでの間、産業界の各界各層の方々、そしてまたとりわけ本問題につきましては懸念をされました中小企業の代表の方々も御参加を願っての御協議、御審議、討議、そういうものを踏まえての今回の法案提出であるわけでございますので、私は大方の御理解を産業界のお立場でもいただいておるというようにも受けとめさせていただいておるわけでございます。 さはさりながら、やはりこれから先の取り組み等々の点に関しましては、何といっても一年間の猶予期間の中における、産業界等々あるいはまた消費者の方々に対しましても、とりわけ中小企業に対しましてもさらなる御理解を願い、そしてまた行政サイドの対応策についての責任も極めて大きいものがあるというように考えるわけでございます。 さような意味合いで、従来の御理解を賜った、そしてまた懸念材料等々に御指摘を賜りました内容に的確に行政が対応をしていく、そういう責任が本法案の中にも精神として十二分に盛り込まれておる、かように受けとめさせていただいておるわけでございます。産業界のそれなりの御理解と御協力がいただける、さような認識を持たさせていただいている次第でございます。
○斎藤文夫君 実は時間が急に短くなりましたので、急いでいろいろ質問をさせていただきます。 法務省関係の方がおいでだと思いますが、元来日本では、元来というより最近、特に人の命は地球より重い、こういうような日本社会でありますし、同時に、例えば交通事故等を見ておりますと、車対人の事故にかかわる原因はいろいろあるんですけれども、大方機械が悪いというような判断が私どもの町の中ではしょっちゅう見られます。人間の能力にはおのずと限界がある。前方不注意にもいろいろ能力的に無理がある。にもかかわらず、人身事故を起こすとドライバーは前方不注意でやはり厳しく処分をされる。こういうような日本社会でございますから、改めて消費者が被害をこうむったときに厳しい追及がこれからPL法によって起こる可能性があります。アメリカ型の乱訴社会になる危険性が十分あるのかなと。 また、それに対応して十分裁判官がいろいろな状況証拠の中で適切な御処理を適切な期間ででき得るだけの能力をお持ちになるのか。元来、裁判官のお立場、あるいはそれを立証される検事のお立場というものは、いろいろ証拠に基づくとはいいますけれども、技術的な分野の証拠というのは一朝にしてなかなか知識にはなりません。それだけに、御判断をされるのにも率直に言って手間暇がかかり、そうでなくても、なかなか裁判は長年かかるというケースが多い。 そういう中で、PL法によるいろんな訴訟事件が起きてくると、裁判業務というものが残念ながら停滞をする、そういう可能性なきにしもあらず、こう思っておりますので、その辺をお聞かせいただきたい。
○説明員(升田純君) まず、委員御指摘のとおり、人の命は地球より重いというぐあいに判決の中で明らかにした最高裁の裁判もございます。我が国では、裁判あるいは不法行為制度のもとにおきまして、その理想といたしますところは、真に救済されるべき者が適切に救済されるということが望ましいということを掲げている、これは当然のことであろうかと思います。 そこで、まず一つの問題点といたしまして、逆にアメリカ型のような乱訴社会になるのではないかという懸念があることも承知しております。しかしながら、本法律案は御案内のとおり、製造物の欠陥によりまして人の生命、身体または財産に被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の要件を、従来の主観的な要件であります過失から客観的な要件であります欠陥に変換することによりまして、従前の裁判例におきます実務上の工夫を取り入れ、法的安定性を高めようとするものであるという点にもありまして、この法律によりまして我が国が御指摘のような乱訴社会になる可能性は低いと思っております。 〔委員長退席、理事沓掛哲男君着席〕 また、アメリカにおきましては、確かに御指摘のように、一時期訴訟件数が急増いたしまして、製造物責任危機と呼ばれる弊害が生じたと聞いております。しかしながら、その原因は弁護士が多いということ、弁護士の成功報酬制度、懲罰的損害賠償制度、陪審制度など、我が国とは異なるアメリカ固有の司法制度によるものであると指摘されておりまして、この観点からも製造物責任制度の導入によりまして我が国が乱訴社会になるといった懸念はないものと考えられるわけでございます。 なお、我が国と司法制度が比較的類似しておりますヨーロッパ諸国におきましては、製造物責任制度の導入の後に乱訴の弊害といった現象は生じていないと承知しております。 さらに、委員御指摘の点の技術的な事項につきまして、裁判官の判断はどうなんだというお尋ねでございますけれども、裁判官といいましても、技術的な専門的な問題につきましては素人でございます。そのために、民事訴訟法におきましては、民事訴訟法の三百一条以下でございますけれども、裁判官のそういった専門的な知識を補充するために鑑定という証拠調べの制度が認められておりまして、これを活用することによりましてそういった専門的な事項につきましても適切な判断ができる、こういうぐあいになっているわけでございます。
○斎藤文夫君 御説明のようになってほしいと期待をいたしておきます。 それから、経済企画庁にお尋ねを申し上げますが、PL保険などこれから掛けていかなきゃいけません。もう既に掛けている企業ももちろんあるわけですが、負担が当然増加をいたします。生産性の向上で果たしてそういうコストアップを吸収することができるか、あるいはまた、物価に転嫁をしていくのか。一説によりますと〇・〇幾つの程度ですと、こういうことを聞いたこともございますけれども、その影響をどうお考えになっておられるでしょうか。
○政府委員(坂本導聰君) 我が国と民事司法制度においてかなり類似性を持っておりまして、また本法律案と同様の特徴を持ったEC指令に基づいて製造物責任制度を導入したEU及びEFTA各国について見ますと、これまでのところ、御指摘のような製造コスト、保険料等において目立った影響はあらわれていないということでございます。 また御指摘の、この制度を導入いたしまして、今まで未加入であった企業あるいは製品が仮にすべて保険に加入するという大胆な前提を置いて私どもで試算しましたところ、それがしかもすべて価格に転嫁されるという前提で試算しましたところ、消費者物価の上昇率は〇・〇〇五〇%程度という結果が得られたところであり、少なくとも短期的には大きな影響はないものと考えております。
○斎藤文夫君 経企庁はしばしば見込みを違う場合がございますから、その辺のところは〇・〇〇五ぐらいであれば、これはもう本当に影響がない、こう判断をされるところですが、中小零細企業にとりますと、これはもっとウエートが高まるわけです。大手企業はそういうパーセントでそうかなと思いますけれども、その辺のところがやはり中小企業の特性で影響が出てくる。そうすると、それを物価に転嫁できない、こういう問題につながりますので、十分その辺も配慮していただきたいと思います。 それからこれは通産大臣にぜひひとつ御答弁をいただきたいんですが、こういう法律、つくづく考えるんですが、乱訴社会にならないよとは言うけれども、お互いにその責任の所在をめぐって消費者と製造業者、あるいは外国から輸入すれば輸入業者が裁判で争わなきゃならないことにもなります。また、中には製造者間でも下請と大手企業が裁判で争うとか、国と製造者の争いも生じてくるとか、考えると本当に大丈夫なのかなという気がするわけです。 今の日本の世の中は、明治以来の純風美俗でと、こういうような風潮はすっかり影を潜めております。大家族主義も崩壊したと言われている今日でありますから、そういう人情、機微というものが日本人の特性だとは申し上げません。しかし、日本人の本当に血の伝統というものはもっともっと違うところにある。そういう日本人のよさというものを二十一世紀まで伝えていくことが今に生きる私たちの一番大きな務めだと思っているんです。 〔理事沓掛哲男君退席、委員長着席〕 ところが、こういうPL法という、言うならば責任を明確にさせる、またその責任をとことん追及して賠償を求める、こういういわゆるそろばん社会に置きかえられる、弁護士の方々もいろいろ相談を受ければそれを助けていろんなまた活動も新たな観点から起きてくる等々、社会的な波風というものを思うと、これは法律的ではなくてむしろ人文的に考えて、日本の家庭、日本の社会、いわゆる会社と従業員、会社と製品と消費者、いわゆる今までとは違った次元のものになりはしないか。こんなことをつくづく思っているものですから、通産大臣の所感をお聞かせください。
○国務大臣(畑英次郎君) 先ほど斎藤先生から、このPL法のアメリカ社会における対応等につきましては、乱訴社会がそこに展開をされたということがございました。そういうことを考えました場合に、ただいま先生御指摘のとおり、日本的な風土の中におけるこのPL法案というようなものが、これからのそれぞれの立場における努力のしようによっては、いわゆる裁判外での問題解決、私はそういうことに一つの大きなウエートをかけていく必要があるんではないかなというようにも考えるわけでございます。 そしてまた、生産者側におきましては従来以上に安全性を確保する、そしてまた消費者側におきましても、より自己責任のお立場でもってのなすべきことはきちんとやっていくという、従来の日本人的ないわゆる物の考え方の中における理解を高めることによっての私は法の円満な実施といいますものが展開できるんではないかなというふうに考えます。それには、やはり行政側が一カ年間の猶予期間等々、なおまた引き続き、これは本来の持っております意味合いのものの周知徹底を図る、その努力を忘れてはならない、かように考えるわけでございます。あくまでも、その間にいわゆる人間性といいますものが従来どおりベースになくてはならないという中における、きちんとしたビジネスでの割り切り方をそこにつくっていかなければならない、かように考えております。
○斎藤文夫君 話題を変えまして、貿易との関係について一、二お尋ねをいたします。 日本は、自由貿易体制を堅持する国でありますが、これでPL法を施行しますと、例えば輸入業者は、万一外国製品を輸入してきてその欠陥によって責任を問われると輸入業者の責任になる、こういう立場から、とりわけ発展途上国等の製品はまだまだいろんな意味で、日本の基準に照らして輸入していますよとはいうものの、欠陥とは申しませんけれども問題点等もなきにしもあらずとなると、業者は当然輸入しないで、先進国、欧米諸国の製品を輸入する。それがNIES諸国あるいはまた途上国から見ると、日本の市場の障壁であるというような見方にならないだろうか。私の勘ぐりなら結構なんですけれども、そういう商品の選別基準を高めると、開発国からの輸入が何となく阻害されるのではないかという点が一点。 それから、これはアメリカ型、EC指令型とかありまして、日本がそれに加わっていくわけでありますが、日本はEC指令型である、こう言われております。いずれにしても、ガット・ウルグアイ・ラウンドで貿易の自由化を守るために各国が汗を流してきました。今、そのガット・ウルグアイ・ラウンドのポストとしてWTOがいよいよ発足をするわけであります。これは畑大臣が一番厳しい御勉強をされたところでありますが、今度、WTOあたりで世界のこういうPL法を統一しようよ、これをひとつWTOのテーマにでもしていただいて今世紀中に話し合いというような形のものをおつくりになられた方が、これまた輸入の障壁だ何だという問題に置きかえられないで済むのではないか。こういう観点に立ちましてぜひひとつ、世界共通のPL法的な発想についてのお考えはいかがかとお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま、このPL法が輸入そのものの阻害要因にならないか、あるいはまた発展途上国に対する大きな影響を与えはしないかというようなお話の中から、やはり国際的に調和のとれたあるべきPL法案でなくてはならない、さような意味合いでのWTO体制に移行する中におきましても真剣に取り組んではいかがというような御指摘を賜ったわけでございます。 今回のPL法そのものも、さような意味合いのものを踏まえた調和のとれる姿の中での法案の提出をさせていただいたわけでございまして、いわばさような意味合いでは輸入の阻害要因になるという度合いは少なくとも少ない、こう申し上げて差し支えがないというふうに考えます。そしてまた、斎藤先生御指摘のとおり、これからのWTO体制に向けまして、発展途上国のお立場にございましてもかような意味合いの調和のとれました体制づくりといいますものに、我が方におきましても努力を積み重ねていかなければならない、さような認識を持たせていただいている次第でございます。
○斎藤文夫君 中小企業関連で幾つかお尋ねをしておきたいと思います。 時間がありませんので、項目で申し上げてまいります。 第一に、例えば被告たる部品、原材料製造業者が欠陥の発生につきみずからの無過失を証明する場合に、これは大手企業ならいろいろな角度からそういう手間暇を下し得る。ところが、中小零細企業ではなかなかそういう費用は負担が大きくて、現実の問題としてできにくい。だからこの抗弁というものは実効が上がらないんじゃないか、こういう懸念を持っておりますが、いかがでございましょうか。 二つ目は、親企業と下請企業の関連の中で、万一事故が発生した場合、部品製造の責任という形の中でどうも中小零細企業、下請企業にしわ寄せが来るのではないか。今までのいろいろな長い下請と大手企業との関連を見ておりますと、そういう責任の割合のしわ寄せというものが中小企業に来ないように何か対応をしなきゃいけないのじゃないかなという気がいたします。 それと、中小企業がみずから新しい製品を開発し市場に送り出そう、それは通産省が実は積極的に応援をしてきたところでございますし、また中小企業の生き残り対策としても当然私は重要な柱だと思う。ところが、こういうような製造責任がより明確になってきますと、いわゆる新商品開発の意欲が中小企業においては阻害される、こういうようなことが十分考えられますので、この点についても一言お触れをいただきたいと思います。 それから、これは開発危険の抗弁における科学または技術に関する知見、こういう問題にも間接的には関係をするんですけれども、製造の責任でさっきお話ししましたが、入手可能な最高水準のものを持てと規定をされていますけれども、中小企業がそんな高い水準のものを持てるはずがない。こういうようなことについてのやはり問題点を感ずるのは私ばかりではない、このように思います。 それからさらに、中小企業がこのPL法を受け入れて、そして従来どおりの経済活動をやっていくには、先ほどの一年間の周知期間とかいろいろ行政的な御指導、こういうことも言われましたけれども、特に私は、中小企業に対する適宜適切な支援をお願いしたいと思います。 その際に、例えば都道府県とか商工会議所、それから地域の中小企業団体等々でいろいろ中小企業の指導等をやっておりますけれども、このPL法についての指導や相談、そういうもののできるシステムというものをおつくりいただけないものか。それは例えば事件が起きたら弁護士へ行きなさいよ、私たちのところには何か事件があると弁護士さんどこかにいませんかと言って相談に来る中小企業がたくさんお互いにあるわけです。そういうようなときに公的な、準公的な窓口で受けていただけると、非常に中小企業にとっては力強いな、私はこのように思います。 それからもう一つ、中小企業問題として見逃せないのは、万一責任を問われたときの弁済、賠償の問題です。そのためには保険料を掛けてリスクを保険会社にジョイントするのは当然だといいますけれども、その保険料だってこれからどう決まっていくのか。中小企業にとって大きな負担だということになればこれまた問題でもございますし、万一賠償を問われると、中小零細企業、仮に支払いができない、こういうことになったら大変でありますから、そのための例えは貸倒準備金のような賠償準備金制度、こういうものも必要じゃないか。 大蔵省はこういう状況下ですから難しいかもしれませんけれども、例えばこのリスク保険については当然全額経費として見る、あるいはまた賠償準備金もこれも見ましょうというなら、税の上におけるインセンティブをこの際与えていただきたい、こう要求をしたいところでありますが、それらについてお聞かせをいただきたい。
○政府委員(清川佑二君) 側質問の中で、まず法律そのものにかかわる部分を御説明させていただきたいと思います。 まず第一に、部品、原材料の抗弁の問題でございます。零細下請企業にとって、部品、原材料製造者の抗弁の規定そのものがなかなか使いにくいのではないかという御指摘でございました。この部品、原材料の製造業者の抗弁につきまして、斎藤委員御指摘の結果が生じたことについて過失がないことを証明することは必要でございます。この趣旨は、ほかの事業者から与えられた指示を前提といたしましても、やはり部品、原材料製造業者が置かれた状況を踏まえると、欠陥の発生についての見通しができた、あるいはそのような欠陥の発生そのものを回避することができたというような場合にまで免責を認めるのは、これは合理的な理由がないということに基づくものでございます。 その場合の予見の可能性、あるいは結果の回避の可能性の問題でございますが、これは当該部品、原材料製造業者の技術水準あるいはその業態あるいはまた発注者との力関係など、諸般の事情を総合的に勘案して問題となっている欠陥の発生についての予見の可能性、回避の可能性がないと認められた場合に、この場合には過失がないと認定されるわけでございまして、立証に過大な負担を課すことにはならないというふうに考えているわけでございます。 もう一つの開発危険の抗弁の問題でございます。技術の進歩に伴いまして、技術の開発を妨げることのないよう、本法案第四条第一項には開発危険の抗弁という抗弁を設けているわけでございます。この開発危険の抗弁は、一種の抗弁でございますから、裁判の際、そのときにおいて当該製造物が欠陥を有すると判断される場合に、今度は被告が立証を行いまして、製造物の引き渡しのときにおける科学または技術の知見によってこれを認識することができなかったと客観的に認められたときに被告が免責されるわけでございます。したがいまして、これは一種の訴訟上の問題でございます。 しからば、中小企業にとって技術力の向上ということをどのようにして可能ならしめるかということがこの中小企業者にとって大きな問題でございます。中小企業の技術力の向上につきましては、従来から中小企業庁におきまして、都道府県の公設試験研究機関あるいは中小企業事業団などの関係機関と一体となって技術指導あるいは技術研修、技術開発、産学官の交流などの技術力の向上対策を実施しているわけでございます。このような状態にございますので、通産省といたしましては、引き続き中小企業の技術力の向上に努め、本法案の成立の暁にこの法律の施行に支障のないように努めてまいりたいと考えております。
○政府委員(村田成二君) 中小企業行政を担当しておる立場から先生御指摘の点につきまして二、三お答え申し上げたいと思います。 まず第一点の、下請へのしわ寄せの御心配、御懸念の点でございますが、私どもといたしましても、今この点が一番心配でございますし、また念を入れて行政的に対応していかにゃいかぬと思っている点でございます。 いろいろな法律問題もあろうかと思いますけれども、具体的にいろいろなしわ寄せ形態というのが想定されるわけでございます。例えば親事業者が自己の地位を利用いたしまして下請事業者に不当に責任を押しつけるような行為、例えば下請事業者の過失がないにもかかわらず親事業者の行った製造物責任法上の賠償につきまして、下請事業者に負担をさせるというような契約をするというような行為、こういったものはやはり独占禁止法、特に優越的地位の乱用という項目に触れてくるかと思います。 それからまた、不当な契約に基づく求償あるいはPL保険の保険料の下請事業者への不当な押しつけといったようなことがありますれば、下請代金の減額あるいは買いただきといったことに類するわけでございまして、そういった意味で下請代金支払遅延等防止法の違反、こういうことになっているわけでございます。 いずれにいたしましても、私どもといたしましては公正取引委員会と十分協力をいたしまして、下請代金取締法の調査あるいは検査、そういったものの徹底を期していきたい。そして、こういった今申し上げましたような不当なしわ寄せということが生ずることのないよう、親企業に対しても指導を徹底してまいりたい、かように思っております。 それからまた、法案上発注書面というのは非常に重要な位置づけになってまいりますけれども、こういった発注書面の重要性につきましても、例えば各県に設置されております下請企業振興協会等々を通じまして下請事業者の皆さんにこの重要性を認識してもらうべく啓蒙、普及、指導を行ってまいりたい、こういうふうに考えております。 それからまた、いろいろ相談に行きたいところがあるという方も多いかと思います。私どもといたしましては、従来、この下請企業振興協会に顧問弁護士制度というものをしいておりますけれども、今までは五名五カ所でございました。現在、審議をお願いしております平成六年度予算案におきましては、これを一挙に三十カ所にふやすべく要求に盛り込んでいるところでございまして、こういう形を通じましてきめ細かな対応をしてまいりたい、かように思っている次第でございます。 それからまた、ただいま商務流通審議官の方からお答え申し上げたわけでございますが、やはり新商品開発、これにつきまして特に製品安全面での技術力あるいは品質向上対策、その他のいろいろな準備、これが肝要かと思っております。私どもといたしましては、平成六年度の予算案におきましていろいろな形の、商工会、商工会議所を通じましたこういった安全面での、それからまた制度自体に対する知識の普及あるいは指導といったような予算項目について要求を盛り込んでいるところでございまして、かようなものを通じましてきめ細かな指導の徹底を図ってまいりたい、かように考えている次第でございます。特に、商工会、商工会議所を通じましては約二百カ所の講習会を予定しております。こういったきめ細かな対応を図ってまいりたい、かように考えている次第でございます。
○説明員(玉木林太郎君) 委員お尋ねの税制上の措置でございますけれども、具体的なものでないと税制当局としては大変お答えしにくいものではございますが、お話しありましたうち保険に関するものについて申し上げれば、その保険がどのようなものであるかにもよりますけれども、一般の損害保険の保険料というようなものでございますと課税所得の計算上経費として控除、損金算入されることになるかと思います。 その他いろいろな税制上の御要望もあろうかと思いますが、言うまでもございませんが、税調答申にも御指摘いただいてますように、税制上の特別措置や税負担の公平等の税制の基本理念の例外措置ということで考えておりますので、新設、拡充については政策目的、効果を十分吟味して、税制としての整合性に十分配慮しながら特に慎重に対処すべきものというのが税制当局としての考え方というふうに申し上げさせていただきたいと思います。
○斎藤文夫君 実は二十分ほど質問時間が短縮されましたので、まだいろいろお聞きしたかったわけでありますが、最後の一問についてお尋ねをして終わらせていただきたいと思います。 PL法の精神は、私に言わせますと、消費者の保護と製造者の責任の自覚の向上ということにもあると思うんです。とは言いながら、冒頭もお話ししましたが、製造者のみに責任を押しつける、要求するだけではなくて、消費者も善意でしかも商品知識豊富な賢い消費者であってほしいと思うんです。ですから、そういう教育というものがこれからの社会では大変重要な意味を持ってくるのかな。その意味で、消費者を保護しそして企業も行政も一体となって商品の安全性を高めていく。このPL法というものは、いろいろまだ血液の問題等ございましても大いに前向きで取り組んでいかなきゃならない。その中で日本経済がダイナミックに発展すること、我々の国民生活がより豊かになっていくこと、こういうことを念じながら進んでいくであろうと期待をいたします。 最後に一言ずつ両大臣のお考えをお聞かせいただき、終わらせていただきます。
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま斎藤先生御指摘のとおり、これは生産者側におきましても消費者側におきましても、そしてまた行政サイドにおきましても、いわばこういった時代の大きな転換に伴う意識改革をそれぞれ自覚をしていかなくてはならない。そういう中におきましての、それぞれの立場における、先生御指摘のような意味合いでのより安全な製品をつくる、そしてまた消費者におきましても自己責任等々の中から的確な選択をしていただく、こういうことがこれからの課題であり、私どもはそういった趣旨の周知徹底を引き続き努力をしていかなければならない、さような受けとめ方をさせていただいている次第でございます。
○国務大臣(寺澤芳男君) 大量生産、大量消費の現代社会において、どうしても被害をこうむりやすい消費者、被害者、これを守るために非常に重要な法案であろうかと思います。各界が今国会における成立に強い期待を寄せているところであります。ぜひとも速やかに御賛同くださいますようよろしくお願いいたします。
○斎藤文夫君 ありがとうございました。
○宮崎秀樹君 私はこのPL法の中に輸血用の血液製剤が対象となるかならないか、この問題に絞って御質問をしたいと思います。 私は実は外科医でありまして、現在も現役でやっております。輸血を実際自分で何回も患者さんに治療上必要とするときは今までやっておりました。そういう医療行為をしている現場から、またこういう医療に携わっていらっしゃらない方とは多少は考え方も違いがあろうかと思いますけれども、そういう専門分野の中から、これがPL法になじむのかなじまないか、そういうことに焦点を絞って今お話ししたいと思います。何せ皆さん医学をそう勉強している方じゃございませんので、皆さんにわかりやすくこの委員会でその真実というものを明らかにして、これが本当にいいのかどうかということを御判断願えれば大変ありがたいと思うわけであります。 そもそも血液というのは我々の体内に体重の十三分の一ですか、あるわけです。これは製造物の原料として今我々の体の中を駆けめぐっているわけじゃないんです。だから基盤が全然違うんです。しかも、この血液というものは、輸血するとはいっても消費者の方、これは患者さんですけれども、もう緊急で不可欠であり、そして消費者の方が選べない状況の中でしかこれは使えないわけです。 また供給する血液は、日本は外国と違いまして、年間七百五十万人の国民の方々から本当の善意で献血をいただいている。そして、それを全く非営利団体の日本赤十字社、ここで患者さんに供給する輸血用血液を保存できるような状況で貯蔵していただいております。これは二十一日しかもちません。名古屋空港で事故がありましたけれども、そのときも、日本であればこそ先に血液がそこへ運ばれて用意されている、そして現場でもって輸血される。 ですから、そういう状況の中にあるものをPL法に入れて、責任はそれでもうないというような考え方になるとこれは恐ろしいことでありまして、中央薬事審議会、国民生活審議会がこれはなじまないですよと、こう言ったものがある日突然この法案の中に入ってしまった。だれがどこでここに入れたのか、どういう経過で入れたのか、まず所管の大臣にお伺いしたいと思います。これは大臣でなきゃだめですよ。
○説明員(市川和孝君) 先生の御指摘のとおり、中央薬事審議会におきましては、輸血用血液製剤を製造物の対象とすることは適当でないという多数の御意見があったわけでございますが、その後本法の検討過程におきまして、輸血用の血液製剤は保存液、抗凝固液等を加えたものであり、加工された動産であるから製造物の定義に該当するということで本法の対象となってきたものでございます。
○宮崎秀樹君 それは、だれがだれの権限で入れたんですか。これは法案だって入ってくるんでしょう、この中にそういうものが入っていますよと。これはだれが何の権限でこれは適用しているんですと、だれがそれを言ったんですか。
○説明員(市川和孝君) 政府部内での血液製剤の取り扱いに関する検討の結果、製造物に該当する、こういうことになったものでございます。
○宮崎秀樹君 それでは重ねて聞きますけれども、骨髄移植、臓器移植、これは該当するんですか。
○説明員(市川和孝君) 骨髄移植あるいはその他臓器移植というようなものの場合には、これは提供者どこれを受け取る方というものが特定をされまして、実際にこういうものが流通をすることもございませんが、輸血用の血液製剤の場合には、全国相当の数の献血者からいただいたものを加工いたしまして、これをあらかじめ貯蔵しておきまして需要に応じて医療機関にお届けする、こういう形になっているわけでございまして、その点はかなり違いがあるのではないかというふうに考えております。
○宮崎秀樹君 骨髄バンク、臓器は全部移植ネットワーク、全部これは流通です。バンクがあるんです。これはあなたのは詭弁です。やることは、中身全く一緒です。だからこういうごまかしをやると怖いんです。だれかがファッショでこういうことをやる。本当のことを言うと真実は私は賛成なんです、はっきり言ってPL法というのは。だから、この輸血に関しては、別途全部救えるような法律を結局つくった方がいいんですよというのが私の本心なんです。PL法でやったら、これは不可抗力なものはもう救えないです。私は、そういうものまで救った方がいいですよという考えを持っているんです。 今のあなたの答弁だと私は答弁になっていないと思うんです。何で流通しないんですか。
○説明員(市川和孝君) 先生御案内のとおり、輸血用の血液製剤につきましては、薬事法上の医薬品としての承認、許可が与えられているわけでございまして、そういう形で流通をいたしておるわけでございます。これに対しまして臓器移植の場合には、非常に医療サービスといいましょうか、という色彩が極めて強いのではないかというふうに私ども考えております。
○宮崎秀樹君 ならばお聞きします。医薬品副作用被害救済基金制度にこの輸血用の血液が入っていませんよ。これはそういうものじゃないという意味ですか。あなたの答弁、食い違うじゃないですか。
○説明員(市川和孝君) 御指摘のとおり、医薬品副作用被害救済制度におきましては輸血用の血液製剤は救済対象からは除外をいたしておりますが、これは医薬品の中でもとりわけ重要な病気に使われるもので、しかもしばしば重大な副作用が避け得ない、しかも代替物がないというような場合のものを除外しているのでございます。具体的には、輸血用の血液製剤、抗がん剤あるいは免疫抑制剤、こういったものを救済対象から除外している、こういうことでございまして、医薬品であるという点につきましては、救済基金法においても輸血用血液製剤を医薬品ととらえているわけでございます。
○宮崎秀樹君 あるときは医薬品で、あるときは医薬品でない。全く統一見解ないじゃないですか。 それと、骨髄移植の場合にはちゃんと健康保険の点数に載っているんですよ、きちっとね。健康保険の点数にちゃんと骨髄移植は載っているんです。あなたの言うのは恐らく薬価基準だけのことを言っているんだと思うけれども、これはそういうところに載っていないからそうだと、実態は全く一緒なんですよ。 輸血にしたって血液型が合わなきゃこれはもうできませんから、これは特定の人に決まっているんです。骨髄移植と一緒ですよ。生きた細胞なんです、これ。そういうことを片方でやって片方は外すと。これは私は後でまた事例を挙げて言いますが、時間がございませんから次にいきます。時間がないから飛ばしていきましょう。 サイトメガロウイルスというのがありますね。これは成人の約九割の人が持っているものです。この検査を献血された方すべてにやっていますか。 これはどういうことかと申しますと、このサイトメガロウイルスを九割の人は持っているんですから、非常に抵抗力の弱いそういう患者さんにやったときに肺炎を起こしたり何かでやっぱり何万人か、死んでいるんですね、これ。そういうものですよ。 血液というのはそういういろんなものを含んでいるんで、きょうは、それに含まれた、内蔵されたものを全部ここでさらけ出して、国民の前で、そしてこの血液の持つ特殊性というものは一般の製造物と違うんだよということをやはり認識してもらわないと、何もわからない人が寄ってたかってこれそうだと言うのは大変無責任なんですよ。そこを僕はきちっときょうはやりたいと思っております。 このサイトメガロウイルスは何でやらないのか説明してください。
○説明員(市川和孝君) サイトメガロウイルスにつきましては、我が国におきましては非常に多くの方が抗体陽性と言われていること、それから欧米諸国におきましても検査をルーチンに実施していないことなどからすべての献血血液に対しましては抗体検査を実施しておりません。
○宮崎秀樹君 それじゃ、それによって起きた肺炎だとかそういうものは一体だれが責任持つんですか、どこが責任持つんですか。やらない理由は、大勢持っているからやらないんだ、そういうことですか。
○説明員(市川和孝君) 今申し上げましたように、サイトメガロウイルスの抗体検査はすべての献血検査には導入しておりませんが、ただいま申し上げましたように、我が国におきましてはかなり多くの方が抗体陽性だと、それから欧米諸国においても検査を実施していないことなどから通常有すべき安全性を欠いているとは言えないと考えておりまして、検査をしていないことが欠陥には該当しないと考えております。したがいまして、製造物責任法の対象であるか否かを問わず製造者に法的責任はないものと考えております。
○宮崎秀樹君 私はだれが責任を持つかと言っているんですよ。どこが責任持つんですか。
○説明員(市川和孝君) ただいま御説明申し上げましたように、製造物責任法の対象であるか否かを問わず、これは製造者には法的責任はないと考えているわけでございます。 なお、日本赤十字社におきましては、医療機関からの要請に基づきまして、サイトメガロウイルス抗体陰性血を必要とする患者に使用するためのサイトメガロウイルス抗体陰性の輸血用血液製剤の供給が一部行われておるところでございます。 なお、先生の御指摘の点でございますが、先ほど申し上げましたような事情から、これにつきましてはだれに責任があるということではなくて、やはりこれはいわば受忍と申しますか、そういう範囲内のことではないかというふうに考えているわけでございます。
○宮崎秀樹君 いや、あなたが考えてもだめなんですよ。これ裁判になったらそうはいかないんですね。裁判になったときには、これ一体PL法に入った場合と入らない場合とどういうふうに変わるんですか。裁判になったときはどうなるんですか、これ。あなたは責任はないないと言っているけれども。 これは、今度は法務省。
○説明員(升田純君) まず、御指摘の血液製剤が製造物責任法の対象物になるという場合には、もちろん欠陥の有無あるいは開発危険の抗弁が認められるかどうかという点が問題になろうかと思います。 仮に、その対象から除外される、あるいはその対象になる場合でも同じでございますけれども、民法の不法行為制度、七百九条以下にございますけれども、その制度によって判断される、こういうことになろうと思います。その場合には、基本的には過失の有無ということが問題になりまして、いずれにしましてもそういった高度の医学的知見というものが問題になろうかと思います。
○宮崎秀樹君 大変微妙な問題でして、高度な医学的知見というのは。未熟児網膜症というのがありましたね。あれは一時期、新しい知識が普及するまでの間といって、年数は裁判でまちまちだったんですね、個別の裁判で。これは全国の裁判でまちまちの判決が出るんですね。これは裁判官の考え方だから、優秀な弁護士がついたのとつかないのと、優秀な検察官がいるのと、これまた全然違うんですよ、裁判の判例は。 これは大混乱を起こすんです、この血液については。これは直接人命にかかわるわけです。しかも有機的な、倫理的に言ったら人間の血は私は製造物の原料じゃないと思うんです。こういう基本的な哲学をわきまえないで、何でもかんでも取り込んでしまえと機械的にやることは非常に私は思想的にも危険だと思いますね。私はそういう点を非常にきょうは指摘したいと思います。 それから次に、移植片対宿主、日本語で言うとそういう病気があるんです。GVHDです。これはどういう病気かといいますと、リンパ球に問題があるんですけれども、やはりこれも抗原抗体反応の全く逆なものでありまして、千人に一人ぐらい起こる確率と言われております。 じゃ、これをそういう状況に持ち込まないためにはどうしたらいいか。これ一度かかりますと九〇%以上の死亡率があるんです。四百ccの輸血のパック、これにレントゲンを照射しなさい、それは平均して約十五グレイ、これを七分か八分がけなさい、こういうことが言われております。それを各病院でかけなさい、こう言われております。 しかし、一週間後に大手術をする、輸血を準備しなきゃいけないという人は免疫反応を全部調べてこれをやればある程度それは対応できますけれども、大体輸血をする患者さんは救急医療告示機関で救急車でやってくる方、それから大出血してすぐ緊急に輸血する方、これは調べている余裕も何もないですね、緊急性で。こういう人たちにレントゲン照射をしないでやってしまった。しかし結果的にはそういう問題が起きた。これはまた大問題です。 じゃ、よしんば一カ月後に大手術するという方に放射線をその病院でかけた、そうするとこれはいろんな問題起きるんですね。放射線をかけた病院がやはりPL法の対象になるんですか。加工したものをさらに加工するんですね、これ。レントゲンをかけてリンパ球を今度はなくしていくんですから。 まず第一問の設問は、こういう移植片対宿主というような、これは赤鬼病とかいうふうな名前もついていますけれども、そういうものに対する責任所在。その表示がついているものには照射をしなさいよということですね。そういうことに対して照射をした場合としない場合、これは一体どういうふうに判断されるのか、これについてちょっと詳しくお聞きしたいと思います。
○説明員(市川和孝君) 御指摘のとおり、白血球を含みます輸血用の血液製剤におきましては、まれにでございますけれども移植片対宿主病というのがあらわれることがございまして、その旨の警告表示がなされております。これはいわゆるGVHDでございますが、GVHDの予防のための放射線照射につきましては、輸血学会のガイドライン等におきまして適応が示されておりまして、これらにのっとりまして白血球を含む輸血用血液製剤に対して放射線照射をすることが医師の判断によって行われておるわけでございます。 輸血用の血液製剤は、放射線照射によりましてカリウムが増加するというようなことがございまして、照射後は速やかに使用することが望まれております。このため、すべての輸血用血液製剤に対して放射線を照射するということは血液事業に支障を生ずる可能性がございます。また、諸外国におきましても、すべての輸血用血液製剤に対して放射線照射をするというようなことは現在では行われておりません。 このような輸血用の血液製剤の有用性等とともに、あらかじめ放射線照射をすることの困難性、あるいは一般の医療機関における放射線照射設備の普及状況、血液製剤の非代替性等のような事情を総合的に考慮いたしますと、放射線照射が行われていないということによってGVHDが起こったとしても、そのことをもって当該血液製剤に欠陥があるとは判断されないものと考えられます。 また、使用時に放射線照射をするように製品に適切に表示がなされているかどうかという事情も欠陥の判断の際には考慮されるものであると考えております。なお、この場合におきまして、治療に当たる医師は通常予想される使用法にのっとっている場合には責任を問われることはないと考えております。
○宮崎秀樹君 あなたが考えています、考えていますと言うのはそれはいいんですよ。実際にあなたが考えたって何にもならないんだ、これは。現実というものがあるんですからね。現実はそうはいかない。そこら辺のギャップをやはりきちっと、考えているなんて言わないで、そうでございますと、私が責任持って何でもそういうことは一切迷惑がかりませんと言うんならいいですよ。そんなこと言えっこないでしょう。だから、言えないことをここで幾ら考えている、思いますというような言葉で言われても、これは納得できないです。 それほど非常に奥の深い問題がこの血液にはあるわけですよ。だから、私がこの中で申し上げたいのは、やっぱりこういうものは別途のものできちっとやらないと救えないんじゃないかというふうに考えております。 こういう難しい問題を話しているとみんな眠くなりますから、もう少しわかりやすい問題に入りたいと思います。 血液の抗凝固剤、いわゆるヘパリンだとかクエン酸、これはどういう分野で、これに対して欠陥があったときに、どういう法律でこれは担保されているんですか。
○説明員(市川和孝君) 先生の御質問に的確にお答えしているのかちょっと私もわかりかねるところがあるのでございますが、輸血用血液製剤に加えられます抗凝固剤等につきましては薬事法上その安全性等の規制が行われている、こういうことでございます。
○宮崎秀樹君 そうです。これは薬事法できちっと担保されていますね。ですから、この抗凝固剤によって何か起きたときには、いわゆる医薬品の副作用被害救済基金制度できちっと対応できないんですか、どうなんですか。
○説明員(市川和孝君) 今の御指摘の点につきましては、救済制度の対象に輸血用血液製剤ということで除外医薬品として指定がされておりますので、救済の対象にはなっておりません。
○宮崎秀樹君 私は抗凝固剤そのものを言っているんですよ。それは大丈夫でしょう。
○説明員(市川和孝君) これは血液と一体となってその製品を形づくっているということで、輸血用の血液製剤という形で除外されておりますので対象にはなっておりません。
○宮崎秀樹君 あなたね、わかってないんだよ、全然。わかってない人がこういうところで答えてもだめだから、わかっている人答えてくださいよ。 抗凝固剤、私はクエン酸そのものを言っているんですよ、ヘパリンそのものを。これは薬事法で担保されているんだから、それは医薬品副作用被害救済基金制度でちゃんと担保されているんでしょう。そういうことを言っているんですよ。こんなことでそんないいかげんなことをくるくるやられちゃかなわないな、時間つぶされて。間違いないでしょう。はいとかいいえでいいから答えなさい。
○説明員(市川和孝君) 先生の御質問の点がヘパリンだけのものであれば、これは対象でございます。
○宮崎秀樹君 そう言っているんだよ、最初から私は。 それで、そのパックの中へ入れるんだから、これ針刺して。それは全部PL法ができれば今度はPL法で担保されるんですな。
○説明員(市川和孝君) パック等に欠陥がありますれば、それは対象になると思います。
○宮崎秀樹君 そうすると、中身の血液だ、今度。血液はPLの対象外でしょう、どうですか。
○説明員(市川和孝君) 血液そのものは製造物ではございませんので、血液そのものはこれは製造物には当たらない、こういうことでございます。
○宮崎秀樹君 そうすると、その血液から派生する副作用なりなんなり、そのものから出ている化学的な反応これも血液そのものから出るものは全部そういうことまでは一切PLの対象になってきませんね。
○説明員(市川和孝君) 血液そのものから成りますものは、かなりいろんな検査をいたしましてもやはりすべての危険を除去できないわけでございまして、またこれにかわる有効な治療物、代替物もないわけでございます。したがいまして、血液そのもの、輸血用の抗凝固剤等が添加されました輸血用血液製剤そのものにつきましては、その欠陥という概念につきましてるる当委員会でもこれまで政府の見解を御説明申し上げてきたところでございます。
○宮崎秀樹君 あなたはわかっていないからもういいよ、大事なところなんだけれどもね。血液そのものがそうでなければ、血液そのものから起こる免疫反応だとかいろんなものはすべてもうPLの対象にならないということでしょう。そういうことでしょう、結論は。なるわけないでしょう、一言で、血液そのもののことを言っているんだから。
○説明員(市川和孝君) 繰り返して御説明申し上げますが、血液そのものは現実には製剤として世の中に出回っているわけではございませんで、血液に抗凝固剤、あるいは保存剤等を加えてバッグに入れられたものが市場に出ているわけでございます。
○宮崎秀樹君 あなたはだめだ。話していてもなかなかかみ合わない。結構です。 そこで、実は総務庁が平成三年の八月に行った平成二年度の定期調査というのを、各省庁のものをやっているんですね。その中で血液事業に関する調査結果に基づく勧告を厚生省に行っております。それによりますと、「厚生省は、地方公共団体、日本赤十字社の連携の強化を図る観点から、次の措置を講ずる必要がある。」、「血液事業における国、地方公共団体、日本赤十字社の役割と責任を法的に明確化することについて検討すること。」と出ているんです。その後このフォローをやっていらっしゃいますか、総務庁。
○説明員(木内徳治君) 血液事業につきましては、その推進を図っていくために国民の理解と協力を得るとともに、血液製剤の適正な需要を踏まえた計画的な血液の確保を図っていく体制が不可欠であるという観点から調査を行いまして、その結果、都道府県における血液確保目標量の調整であるとか、都道府県や市町村の献血推進協議会等の献血推進体制について不十分な状況が見られましたことから、これについて所要の措置を講ずるとともに、血液事業における国、地方公共団体、日本赤十字社の役割と責任を法的に明確にすることについて検討するよう勧告を行っております。 これに対しまして、厚生省からは平成四年の三月と十二月に勧告に対する措置状況といたしまして次のような措置状況を聴取しております。血液事業における国、地方公共団体、日本赤十字社の役割と責任の法的明確化については、血液事業に係る技術的発展を踏まえた上、血液事業関係者の意向を十分把握しながら検討することとしたいという回答でございます。 具体的には、国、地方公共団体、日本赤十字社の役割と責任の法的明確化については、血漿分画製剤の開発等の動向を踏まえる必要があるものと承知しておりまして、現在私どもとしましてはその推移を見守っているところでございます。 —————————————
○委員長(中曽根弘文君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、浜四津敏子君が委員を辞任され、その補欠として牛嶋正君が選任されました。 —————————————
○宮崎秀樹君 厚生省は一九九一年に「理想の血液事業を求めて」という本を出しております。その中に、昭和三十一年に採血及び供血あっせん業取締法という法律を実はつくっているんです。その後全然法律というものを考えていない。そこには国の役割の規定もなければ地方公共団体の役割の規定もない、それから日本赤十字社の役割の規定もございません。また、日赤以外の血液事業関係者の責務の規定もありません。ただ、当時は昭和三十二年、献血者数はたったの二百六人です。平成元年は七百八十七万七千人が献血をしておられます。 こんなように時代背景が異なっておりまして、そういうような状況の中で、総務庁の勧告にもかかわりませず、この血液の事業にかかわる法制度についてまさに放置していたということは、私は怠慢以外の何物でもない。そして、今回このPL法にこれを入れ込めば、まあ附則でいいんだよというようなことではこれは大変なことだと思うんですね。その辺のことについて厚生省、現在どんなことを考えられていますか。
○説明員(市川和孝君) 先生のただいま御指摘のような点は私どもも承知をいたしております。 血液事業におきます国、地方公共団体、日本赤十字社の役割と責任の法的明確化ということでございますけれども、血液に関しましては、現在非常に技術的な動向といいましょうか技術的な発展の著しい分野でございまして、バイオの技術によります血漿分画製剤等の血液代替物等が開発されてきているとか、かなり動きがございますので、そういった動きを踏まえた上で血液事業関係者の意向を十分把握しながら検討することといたしております。
○宮崎秀樹君 検討することって、きょうから始めるんですか。今まで検討していたんで すか。どうなんですか。私実態知っていますけれども、正直に答えてくださいうそはばれますよ。
○説明員(市川和孝君) とりわけ技術進展が著しい状況があるということから、私どもといたしましても輸血臨床の将来像に関する研究とか、それから代替血液製剤に関する研究というようなものを実施いたしておるわけでございまして、こういった基礎データの現在積み重ねをやっているという段階でございます。
○宮崎秀樹君 平成二年に都道府県の反対に遭ってこの厚生省の動きがとまった限り、今のところは具体的に動いてないんですね。さっき言ったでしょう。 これは重要なことですから、これを契機に真剣にひとつおやりいただかないと、きょうは厚生委員会で大臣向こうへ行っているから私はそちらの方を優先してきょうは遠慮したんだけれども、閣僚ここにいらっしゃいますから、お二人の閣僚、ひとつ閣議でこういう大事なことをないがしろにしていたということはぴしっとやっていただきたい。特にきょうは主管大臣は経企庁長官ですか、御答弁お願いします。
○国務大臣(寺澤芳男君) 委員の今おっしゃったことを私責任を持って厚生大臣に伝えておきます。
○宮崎秀樹君 ありがとうございます。 私はこのPL法にはなじまないと思っているから、そういう血液についてはきちっとした法律を別途つくってすべてを包含して救っていきたいなというふうに思っているわけであります。 そこで、輸血用の血液に係るPL訴訟が起こった場合、無過失責任を製造者である日本赤十字社に負わせるべきだという判断を裁判官が行う過程において、その輸血用血液を当該患者に使用した医療側そして献血者は全く関係なしとされるものかどうかという問題であります。これは献血者にいろいろなことが及ぶということになりますと、これはまさに善意で献血している状況のものが途絶えてしまう。これは重要なことなんですね。ですから私はここら辺を一番心配しております。 患者さん側に原因がなかったかという判断が必要である。また、献血者の献血時の申告内容、健康状態についての検証が必要となるケースも一つ考えられます。そういうことについて、そういうことは起こり得ないということが果たして断言できるんですか。どうでしょうか。
○説明員(升田純君) 輸血用血液製剤に関します製造物責任訴訟が提起された場合、そういった関係者がどのように関係するかという問題でございますけれども、まず関係の内容が重要になろうかと思います。 まず、製造物責任の責任主体になるかどうかという問題でございますけれども、本法律案におきましては、責任主体は当該製造物を業として製造または加工した製造業者等でございまして、医師等の医療関係者または献血者というものはいずれも輸血用血液製剤を製造または加工した者とは言えないということになりますので、本法律案によりまして製造物責任を問われることはないということになります。 続きまして、それではそういった医療関係者あるいは献血者が訴訟におきまして何らかの関係があるかどうかといいますと、例えば輸血用血液製剤の製造業者であります日本赤十字社等につきまして製造物責任の正否が争われるといった訴訟におきましては、裁判所が欠陥の有無を判断する過程におきまして、御指摘のように医師などの医療関係者につきまして証人あるいは鑑定人として証言を求めたり、献血者につきまして証人として証言を求めるということも事案によってはあり得るということがございます。絶対にないというわけではありませんけれども、ただし常にあるということではなくて、必要に応じて、事案に応じてということになろうかと思います。 もっとも、一般的に申しますと、我が国の裁判権に服する者は、職業上の秘密などの証言拒絶事由がある場合を除きまして、証人として過去の事実につきまして自己が認識したところを訴訟において供述すべきという公法上の義務を負っておりまして、こういう観点から医師あるいは献血者だけが特別の義務を負うということではないということは御理解いただきたいと思います。 また、医師などの学識経験者で裁判所から鑑定人に指定された者につきましても、事件の種類を問わず鑑定人として鑑定する義務を負うことになっておりまして、この点につきましても学識経験者の中で医療関係者だけが特に重い義務を負わされるというものでもないということになります。 また、これらの義務といいますのは、現行の過失責任のもとで製造業者の過失の有無が問われたという場合でも認められておりまして、製造物責任の導入によりまして特に義務が加重されるということではないわけでございます。 したがいまして、過失責任、つまり現行法上のもとと比較いたしまして何らそういった方々に法律上の不利益を課すというものではないわけでございます。
○宮崎秀樹君 今の御答弁のように、絶対に裁判に巻き込まれないということはあり得ないんですね。仮にそういうところへ呼ばれるということ自体がもう私は大きな影響が出ていると思うんです。ですから、別途の法律でこれはきちっとやった方がいいんではないかというふうに私は思っておるわけであります。 それから、私はかつて子宮外妊娠の患者さんで二日だったのを内科の先生から往診依頼されまして行きました。もう脈が振れない、心臓がとまっている。その方を、救急車を呼んですぐ人工呼吸をやって心臓マッサージをやってそして輸血を取り寄せると。そうすると、私のところは名古屋市の郊外ですから、名古屋市の血液センターから三十分ぐらいかかります。間に合わないです、これ。そこで、市民病院が近いところにある、車で五分ですから。ここへ連絡をして、すぐそこから取り寄せた。そうしてやって辛うじて救命できました、緊急手術やって。 その場合、今度この法律ができますと、血液センターからこちらへ来る、しかし一回他の医療機関へ行ってそこで保存している、そうすると、それを取り寄せてやるということは私はそこの医療機関が拒否すると思うんですね。こういうPL法で今度は保存の状態、そういうところまで巻き込まれるんじゃないか。こういうような事態が起きかねない。これは、幾らここでそんなことはないよないよと言っても、いろいろな事例が起きてくるとこれは巻き込まれる。そういうことも勘案して、こういういろんなことを想定しながらこの問題はやはりきちっと整理していかなきゃいかぬ。 そういう事態について、厚生省、どうお考えでしょうか。
○説明員(市川和孝君) 製造物責任を問われますのは製造業者等でありまして、お医者さんが製造物責任を問われることはないということは先ほども出ていたわけでございますが、先生御指摘のように大変貴重な献血血液でございます。その有効利用を図ることは大変重要でございまして、国といたしましても、さきに血液製剤の保管管理マニュアルというものをつくりまして医療機関の方々にも普及、徹底を図っているわけでございます。こういう中で、やはり一たん届けられた血液製剤につきましての保管のあり方と申しますか、こういったような点もマニュアル化しておりまして、こういった点をより一層普及、徹底を今後も図りまして医療関係者の理解と協力を求めていきたい、このように考えております。
○宮崎秀樹君 なかなか私はこれは難しい問題が起きると思います。そういうことが起こってからでは私は大変なことになるなということで、むしろ国民の幸せになることを考えて、やはりこの法律というものはとことん審議していく必要があるんではないかと思っております。 それから、最後になりますけれども、輸血用の血液製剤と安全性の向上、献血運動の推進、それから輸血医療の進展、副作用の救済などを目的とした法体系というものをやはりこれからきちっと整理していく必要があると思っております。 一つ具体的な例でお尋ねしたいんですが、今度、農産物の未加工のものが除外されてますね。生きた魚はいいんですよということになっております。生きた魚を、パックに酸素を入れまして、そして水道の水、水道の水はたしか加工品ですね、それから酸素も加工品ですね、そしてこれを輸送する。これは加工品とは言わないんですか。酸素は魚の肺に入っていくし、水も入っていく。例えば水が汚れて水俣病みたいなような汚染があったとする。こういうことについて、これはいいんだよと。人の舌を肥やすものはよくて、人の命に使う輸血はこれはPL法だよと。 どうもここのところがわからないんですが、それをちょっと明快にひとつ御説明していただきたいと思います。そして、それはだれがどこでそういうことを決めたか、決める人はどういう人か、ひとつそこら辺わからないものですからお願いします。
○政府委員(坂本導聰君) 一般論でございますので私から答弁いたします。 第二条の一項におきまして、「この法律において「製造物」とは、製造又は加工された動産をいう。」ということで、問題はこの加工だろうと思います。この加工につきましては、一般に動産を材料としてこれに工作を加え、その本質は維持させつつ新しい属性を付加し、価値を加えているかどうかによって判断されるものでございますが、御指摘のような魚について、酸素を入れたということにつきましては基本的には加工には当たらない、製造物にはならないと考えております。
○宮崎秀樹君 それはあなたの判断ですか。
○政府委員(坂本導聰君) 個々最終的には裁判所で判断されることとなりますが、この法律案は裁判所での裁判規範であると同時に、裁判外での行為規範でもございます。したがいまして、政府の答弁あるいは解釈内容はそういう面で一つの規範として役に立つものと思いますし、裁判所を具体的に拘束はできませんが、裁判に当たっての一つのしんしゃく事項になるものと考えております。
○宮崎秀樹君 それは極めておかしいですよ。酸素というのは入っているんです。吸収されるんです。それから水もそうですよ。それはよくて、それで何で、生きている細胞です、血液は。顕微鏡でごらんなさい。あれは生きていなきゃだめなんですからね、輸血したって。それはだめだよと。全くこれは論理が飛躍していて両方とも整合性とれません。そういう恣意的な判断をするからこれはなかなか問題が多いんですよ。 もう時間が来たのでやめますけれども、ここら辺はもっときちっと、きょう皆さんこれを聞いていて、やはりこれはだれが聞いてもちょっとおかしいと思うんですよ。だから、血液というものはやっぱり特殊性のあるものだから、別にこれを救うように、別途、このPLでない方が国民のためになるということが私の結論でございます。 終わります。
○一井淳治君 この法案は、産業界や消費者等のさまざまな意見が出てまいりまして、これは利害関係が非常に違うわけですから、このまとめが非常に容易でない作業であったというふうに思いますけれども、関係者の方のいろんな努力によりましてここまでまとまってきたというふうに思います。 そういった中で、ことしの四月にPL法プロジェクトチームの検討結果という一つのまとめがありまして、そこには産業界やあるいは消費者、法曹界等々の意見をうまく集約したということがございますので、この検討結果について、今後そういう方向でこの法案が運営あるいは裁判所においても解釈されるということが確保されるということも非常に大切なことであろうというふうに思うわけであります。 そういった観点で質問をさせていただきますけれども、一つは推定規定の問題です。この検討結果においては、推定規定については採用をしないというふうに結論を出したわけですけれども、その反面、「裁判工事案の内容に応じて事実上の推定を柔軟に活用する」という方向が一つ出されておるわけでございます。 それからもう一つは、「国、都道府県等の事故原因究明機関の整備又は民間の各種の検査機関及び試験研究機関の充実を図ることにより、被害者の立証負担の問題に対応すべきである」という、推定規定を採用しない反面、この二つの点の充実をするということで一つの妥協ができているわけですね。 ですから、今申し上げた二点を実際に裁判やあるいは運営の場面において、現実に消費者がそういうふうに保護されているという状況ができなきゃいかぬわけですから、その点についてどのような対応をなさるのか、関係の方から答弁をいただきたいと思います。
○説明員(升田純君) まず、委員御指摘の事実上の推定の問題でございますけれども、前提といたしまして、実際の裁判におきましてどういう過程で判断されておるかということをまず申し上げたいと思います。 まず、証拠に基づきまして事実を確定する、その上で法律に従って結論を出すということになっておりまして、その中で事実をどういうぐあいに確定していくかという問題が重要になってくるわけでございます。 一般的に申し上げますと、民事訴訟法の百八十五条に自由心証主義というものがとられておりまして、いささか専門的になって恐縮ですけれども、論理の法則と経験則に基づいて判断をする、こういうことになっております。その中で、事実上の推定と言われておりますのは、裁判官の自由心証の一作用といたしまして、経験則の適用によりましてある事実から他の事実を推認するということをいうと言われておるわけでございます。 こういう事実上の推定といいますのは、実際に過失責任あるいは製造物責任の中におきましては、個々の事案の内容とか証拠の提出状況、当該事案における諸般の事情を総合考慮した上で、経験則の適用により一定の事実から欠陥あるいは過失あるいは因果関係といった争いになる主要事実を推認することによりまして、事案に即した公平な被害者の立証の負担といった面も考慮して解決を図っていくということになっておるわけでございます。 こういうような被害者の立証負担の軽減をもたらす事実上の認定に関する事実の運用が一般的に事実上の推定の活用と言われているところだと理解しております。
○政府委員(坂本導聰君) 御指摘の原因究明につきましては、国の機関等における原因究明、検査、分析能力の拡充強化、民間検査機関等の原因究明に係る受け入れ体制の整備、消費生活センター等からの問い合わせに対する国の機関等の紹介、あっせん体制の整備等を積極的に推進することとしております。
○一井淳治君 まず、事実上の推定ですけれども、今お答えいただいたことは全部時間のむだなんですね。そんなことはわかり切っているんですよ。それを実際にどのように保証していくかということなんです。そうしないと空文になるんです。消費者団体は、ああ、だまされた、政治家にだまされたと言いますよ、これは。ですから、このことをきちんとやっていくということが国会の責任なんです。ですから、そこを聞いているんです。その先を聞いているんです、この事実上の推定については。 具体的に、裁判の場面において、裁判官がそういったことを念頭に置いてこの法律を運用していかなくちゃいかぬわけですから、それをどのように保証していくかということを聞いているわけです。
○説明員(升田純君) 事実上の推定といいますのは何も新しいことではございませんで、従前から事実認定の一つの手法として一般的に利用されているわけでございます。 したがいまして、今後ともいろいろ問題になった場合には同様な手法が利用されるというぐあいに考えております。
○一井淳治君 結局、法務省には全く誠意がないということがよくわかりました。 私はほかの機会でも言っているんですが、例えばゼネコン汚職でも、いかにこれをなくするかということは国を挙げて考えなくちゃいけないときに、一番冷たいのが法務省だったと思いますよ。ここでは、その点だけ言っておきます。それ以上言ったって時間のむだですから。 ただ、私の要望としては、この法律についていろいろ解説書ができたり、あるいは論評が出ると思います。そういった際に、推定規定を外したということ、これは大変な問題なんです。この推定規定を外すときに、事実上の推定の活用を図るということで消費者を納得させているんですから、裁判所においてもそういったことを裁判官が認識してもらいたいということを、問題提起をするということを言い続けてもらう以外にないと思うんです。ほかにもあれば、いろいろと法務省の方やあるいは関係官庁の方に知恵を出していただいてそういうふうに運用をしてもらわないと、この法律は全く違う法になるんですよ。 私どもも実際にプロジェクトチームの検討結果の場面に出たんです。この点が問題だというふうに言うたら、絶対間違いありませんからと言われたんです。それで、今になってこんなふうなことを言われたら全く心外なんです。本当に心外ですよ。とにかく適当に言ってその場を繕って、それでもう前に進んで、それで一つの合意形成をしたけれども、この間言っておったことがもうぐらぐらしているわけなんです。 ですから、非常に心配して聞いたわけなんですけれども、法務省は頼りにならないというのはわかったんだけれども、しかし頼りにならないじゃ済みませんから、消費者は困りますから、ですから考え直して、こういった重要なことがあるということを持ち帰って法務省の上役の方によくお伝えいただきたいというふうに思います。 それから、その際、国や行政機関についても整備をするということをよくよく聞かされておるわけですけれども、特に立証負担の問題については、国等の研究機関が積極的に協力をしていろいろな実験の成果等を消費者に対して提供してもらわなくちゃいけないわけですね。そういったふうにしていただけるんでしょうか、どうなんでしょうか。
○政府委員(坂本導聰君) まず、前段の点でございますが、政府としては今まで国会で答弁申し上げたものについて解説書をつくって徹底的に説明したいと考えております。 それから、御指摘のような原因究明にかかわる体制整備については、本年度予算案においても積極的な予算をお願いしているところでございます。
○一井淳治君 開発危険の抗弁との関係なんですが、「入手可能な最高の科学、技術の水準を判断基準とすべきである。」というのがこのプロジェクトの考え方でございます。それに対して法文の方は「科学又は技術に関する知見」というふうになっておりまして、「入手可能な最高の」というのがなくなってしまったわけです。 そこのところをどのように理解したらいいのか。知見とは入手可能な最高のものだということをはっきり確認をいたしたいと思います。
○政府委員(坂本導聰君) 知見とは、欠陥の有無を判断するに当たって影響を与え得る程度に確立された知識のすべてであり、また特定の者の有するものではなく、客観的に社会に存在する知識の総体を指すものでございます。したがいまして、開発危険の抗弁におきますところの条文は、御指摘のように入手可能な最高の科学技術の水準が判断基準となるものと考えております。
○一井淳治君 それから、この開発危険の抗弁の項目に、部品の製造業者の問題に関して「部品等の製造業者が完成品の製造業者とともにその損害を賠償する責任を負うのが原則である。」ということがプロジェクトの方では指摘されておるわけですけれども、この点は法律の条文にはないわけですね。どのように運用されるんでしょうか。
○政府委員(清川佑二君) 製造物責任が当該製造物の欠陥の存在に着目して損害賠償責任を認めるというものである以上、部品、原材料というものでありましても引き渡しのときに欠陥が存在したとすれば、その製造業者と、当該部品、原材料を組み込んだ他の製造物の製造業者とはともに損害賠償責任を負うこととなるわけでございます。ただ、第四条第二項にございますように抗弁の規定がございますので、一定の条件のもとに抗弁が認められる場合に賠償の責めを負わないということとされているものがございます。
○一井淳治君 ちょっとよく聞き取れなかったんですが、原則的には双方が責任を負うんですね。
○政府委員(清川佑二君) 御指摘の場合には、製造物責任ということで部品、原材料の製造業者、そしてまた当該部品、原材料を組み込んだ他の製造物の製造業者双方とも、被害者に対しまして事故の責任原因と相当因果関係にある損害につきまして賠償する義務を負うことになります。
○一井淳治君 それからもう一点、紛争処理、原因究明体制ですけれども、裁判になじまないような被害に関する紛争処理の問題、あるいはそういったことでは解決できないさまざまな案件があるわけです。そういったさまざまな案件に対する紛争処理の体制あるいは原因究明体制について充実して行政としても積極的に協力していくということが言われておったわけですけれども、そのあたりはどうなんでしょうか。
○政府委員(清川佑二君) 裁判外の紛争処理体制でございますが、具体的には少額被害などにつきましては、広く相対交渉、あるいはまた地方の消費生活センター、苦情処理委員会等、消費者が身近に利用できる既存の体制の一層の活用をするということになります。これらで解決できないような案件につきましては、ニーズに応じまして個別の製品分野ごとに専門的な知見を活用した体制を整備する、その場合には中立性、公平性の確保を図りながら整備するということが必要と考えております。 このために、一つには国及び国の地方機関の消費者相談窓口につきましては専門家を配置する、また例えば通商産業検査所など原因究明能力を有する機関との連携強化による相談、あっせん体制の充実を図る、また必要に応じまして製品関連技術の専門家を都道府県等の紛争処理機関に対して協力せしめるということを考えております。 また、民間の活力を活用した製品分野ごとの体制整備につきましては、紛争解決の手続あるいは結果が被害者にとりまして納得のいく中立、公平なものであるということがかかる制度の信頼性を確保するということになると考えますので、審査体制の中立、あるいはまた判断基準につきまして国が一定の要件をガイドラインとして示すというようなことを含めて検討しております。
○一井淳治君 最後に要望して、質問を終わらせていただきたいと思います。 輸血用血液製剤による被害の救済制度の問題でございます。医薬品の副作用被害につきましては、民事責任がない場合にも救済機構がありまして救済が図られるというふうになっておるわけでございますけれども、輸血用血液製剤のウイルス感染や免疫反応による副作用被害については救済制度が設けられていないという一つの大きな課題がございます。そういった被害が起きますと人命にかかわる大変深刻な被害になるわけでございますから、国としても救済制度を設けることについて検討していただきたいという希望を申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○橋本敦君 前回に続きまして、質問をさせていただきます。きょうは、いわゆる開発危険の抗弁の問題から入りたいと思います。 この問題については、これまで消費者の皆さんや実際の裁判に携わってこられた弁護士の皆さん、あるいは関係団体の皆さんから、開発危険の抗弁を認めないことが、消費者である立場の被害者の迅速かつ的確な救済には極めて重要な課題だということで主張されてきたところであります。ところが、財界の方は一貫してこれに反対をしてきたわけであります。そういうことの中で、残念ながら政府案では開発危険の抗弁が入れられるということになったわけであります。 この点、私ども日本共産党案につきましては、「当該製造物を流通に置いた時点における科学知識又は技術知識の水準によっては当該欠陥を認識することができなかった場合に」、「責任を免れることができるものと解釈してはならない。」とはっきりと条文で明記することによって、この開発危険の抗弁を入れないことにしているわけであります。 もしもこの抗弁を認めるということになりますと、製造物業者からすればPL法で正式に抗弁として主張することができるということになりますから、こういう抗弁はかなり出てくると予想される。そういう抗弁が出てきますと、裁判所はPL法に基づく正式の抗弁として取り扱わざるを得ませんから、その抗弁にもかかわらず、消費者の側は、製造物業者が知り得なかった欠陥であるということは成り立たない、知っておったはずだということを主張かつ立証しなきゃならぬ。これは訴訟の当事者主義ですから当然であります。 そうすると、かねてから問題になっておる技術水準や高度の科学知識や、あるいは欠陥の問題についての情報など知り得ない弱い立場の消費者、それに比べてこういった情報を独占的に持っている製造物業者との関係、そういう関係の中で過大な立証責任が消費者側に負担させられる、そのことが結局はもとに戻ってしまう、こういうことになるおそれがあるのではないかという重大な問題が依然として残るわけです。 経企庁は、この問題について基本的にどう考えておられますか。
○政府委員(坂本導聰君) 開発危険の抗弁の規定を入れましたのは、仮に開発危険の抗弁の規定がございませんと技術革新に対する意欲がそがれ、その停滞が生ずることによってかえって消費者にも不利益がもたらされるということから、この開発危険の抗弁が必要であると考えたわけでございます。EC諸国でも同様の考え方でこの規定が入れられております。 ただ、この開発危険の抗弁が規定されていなくても、解釈上、予見可能性が欠陥の考慮事情に含まれるのではないかとの議論が生じ、一つの争点となる可能性がありまして、かえって争点が拡散するという問題があります。その意味では、むしろ開発危険の抗弁を認め、その要件を明定する方が争点の拡散の防止を通じて審理の迅速化に資すると考えられますし、またその立証責任は製造業者等にあるわけでございまして、原告側にあるわけではございません。
○橋本敦君 まず第一点の科学、技術の進展に阻害を及ぼすという問題については、これは反対する側から極めて強く主張されてきました。それはEC諸国においてもそういう議論はあった。EC指令の中で開発危険の抗弁はあったけれども、そういう主張を受けていろいろ多くの議論があったから、そういう議論は正しいということじゃなくて、結局、各国のそれぞれの主体的なオプションに任せておるというのが現状ですね。 あなたも御存じだと思うけれども、アメリカのゴア副大統領、彼は上院議員のときに、そういう意見が出たことについて、幾つかの事例を検討した上で、開発危険の抗弁は技術革新を阻害するものではない、むしろ安全性に関する技術革新を促進する、そういう状況もあるということを言っておるわけです。大いに議論のあるところです。 そして、第二番目にあなたが言われた、抗弁を認めて、その抗弁の要件を明定しておくことがいいだろうというお話がありました。それじゃ、その要件はどういうように明定するのかということなんですが、そういう要件の明定に関して次に伺いますと、要するにこの法案に書いてあります知見の問題、「製造業者等が引き渡した時における科学又は技術に関する知見によってはこと書いてある、この知見の程度が問題なわけですよ、そうでしょう。 だから、もしもあなたが消費者の救済ということに力点を置いてこの法の運用、解釈をするということになれば、ここでいう知見を含めて要件を極めて厳しく限定的に解釈、運用するという姿勢を貫かなければならないはずです。その点はどうお考えですか。
○政府委員(坂本導聰君) 本法律案第四条の一号における知見でございますが、これは欠陥の有無を判断するに当たって影響を受け得る程度に確立された知識のすべてであり、また特定の者の有するものではなく、客観的に社会に存在する知識の総体を指すものであります。すなわち、他に影響を及ぼし得る程度に確立された知識であれば、初歩的なものから最高水準のものまでのすべてが含まれることとなり、おのずから免責されるためには当該欠陥の有無の判断のための最高水準の知識に照らしても欠陥の存在を認識することができなかったことを証明することが必要になります。 したがいまして、だれにとって入手可能かどうかという判断を行う必要はなく、欠陥の有無を判断するに当たって影響を受け得る程度に確立された知識、言いかえれば入手可能な最高の科学、技術の水準ということでございます。
○橋本敦君 ですから、私が指摘したように、厳しく要件を限定的に解釈するという立場で今言ったような答弁をなさった、こう理解していいんでしょう。簡単に言ってください。そういう趣旨でしょう、要するに。
○政府委員(坂本導聰君) ただいま申し上げたとおりの趣旨でございます。御指摘のとおりでございます。
○橋本敦君 そこで、もう一つ踏み込んでお聞きしたいんです。 入手可能なという言葉があるんですね。これは客観的に世界の最高水準の知識を入手可能なということを言っているのであって、当該製造業者がその業者の特定の状況、知識水準、そういったレベルにダウンをした上で入手可能であったかどうかということを判断する、そういう問題ではない、こう理解していいですか。結論だけで結構ですよ。
○政府委員(坂本導聰君) 当該製造業者が有している知識ということではございません。また一方、特定の学者だけが持っているからといってこれに当たるというわけでもございません。
○橋本敦君 ですから、当該製造業者が知識を欠き、技術水準が低いから入手可能でなかったというようなことは理由にならないということはわかりました。それ大事なことです。 それで、あなたがおっしゃる最高の知識水準をどう理解し、どう解釈するかということもこれまた大事な問題です。これは非常に難しい問題ですから、どう定義するか、これはなかなか大変ですが、一つの参考としてここに資料がありますけれども、EC委員会の第三総局国際貿易・産業関係首席顧問ハンス・タシュナーさんの見解というのは非常に大事だと思います。 私が持っておりますのは経企庁が編集協力なさったエコノミー・ソサエティー・ポリシーという雑誌ですが、この雑誌に「待ったなしのPL論議」というところでハンス・タシュナーさんが講演をなさった。この講演は、去年の四月九日、第十四次国民生活審議会第二回消費者政策部会で講演をなさっているんですが、この講演の中でこうおっしゃっているんですね。 「次に開発危険ですが、これは大きな論議を呼んだ問題でした。開発危険という言葉をどのように理解すればよいのでしょうか。我々は、ある製品が流通に置かれて、その時点で欠陥があったがこ、次が大事ですよ。「地球上の人間の誰もその製品の欠陥性を発見することができなかった場合と理解しています。」、こうおっしゃっています。だから、最高の技術水準でもわからなかった、こういうふうになる。およそ「地球上の人間の誰もその製品の欠陥性を発見することができなかった場合」、これほど厳しく高度の厳格な要件で解釈すべきだ、こういうことをおっしゃっている。これは基本的な考え方ですよ。これが客観的にどうであるかということはいろいろ難しい。 しかし、それほど大事な問題として厳しい限定的解釈でこのタシュナーさんがおっしゃっているというこの問題は、経企庁が編集協力されておる雑誌にもきちっと講演が載っているわけですから、これをそのとおりとは言いませんが、これほど厳しいものだということをよく踏まえて、開発危険の抗弁というものが乱用されないように厳しく解釈運用すべきであるということについてそのとおりだと思うんですが、結論的な見解を言ってください。
○政府委員(坂本導聰君) これは先ほど申し上げましたように、他に影響を及ぼし得る程度に確立された知識ということでございまして、そのメーカーがそういう知識を持っていなかったということは、それだけで抗弁できませんが、一万ある学者がそういう見識を持っていたということをもって直ちにそれに該当するということにもなりませんで、先ほど申し上げましたように、入手し得る最高の科学技術水準のという意味でございます。
○橋本敦君 時間がないから議論しませんが、ある学者だけがといったって、タシュナーさんは、この地球上のだれかがと言っているぐらい厳しく解釈しろとおっしゃっているんです。ある学者がそういうことをおっしゃったら、それはまさに重要な科学、技術上の見解として考慮する必要があるのは当たり前なんですよ。だから、そんなことをここで幾ら概念論争してもしょうがないから、基本的な精神として解釈運用の基本を、まさにこのPL法が被害者でおる消費者、国民の被害と損害をきちっと効果的に的確に賠償することを進めていくという立場で運用していくんだ、そういうことできちっとやるということでなきゃ経企庁が提案しているという根本指針にもとることになるということを私は言っているんです。 それから、次にいきましょう。推定規定の問題です。 この推定規定の問題は非常に重要です。先ほど一井さんからも議論がありましたけれども、社会党や公明党の両党の案にも入っていたんです。入っていたんですが、今度の政府案ではこれは抜けました。 私どもの日本共産党案では、この推定について、欠陥の推定、それから欠陥と損害との因果関係の推定、そして損害発生時の欠陥をもって流通開始時の欠陥と推定するという三つの推定規定を入れました。これは基本的に消費者の過大な立証負担を軽減して的確に製造物責任者の社会的安全性に関する責任を全うさせなくちゃならぬという立場から出てくるわけですが、残念ながら政府案ではない。 そこで、事実上の推定が行われるからだというお話であって、一井さんがいろいろ議論されて、私はその議論はもっともだと思うんですが、この事実上の推定というのは何もPL法ができたからあるのではなくて、もともと裁判上なされているわけです。しかも、その事実上の推定というのは、先ほど法務省から説明があったように、事実認定における裁判官の自由心証の中でやられるんですから、事実上の推定がうまく運用される、こう言ってもいいわけです。国会も政府も裁判官の自由心証と裁判権の独立に介入、干渉できません。だから、裁判官に任されることになる。それでは被害者の救済にやっぱり不安定性、まさに心配があるから推定規定を設けるべきだ、こう言っているんです。 だから、そこのところを本当に理解した上で、政府はそういう事実上の推定があるからという答弁をするなら、それはそれなりに責任を持って今後の運用をやっていかなくちゃならぬ、そういうことだということを理解されますか。
○政府委員(坂本導聰君) これは各党の中でも議論がございまして事実上の推定が必要であると、これは委員御指摘のように今までも過失責任のもとにおいて裁判所で推定が働かされていると、これは過失が欠陥に変わっても同様の事実上の推定を働かせていただくことを私どもは期待しているということでございます。
○橋本敦君 だから、当たり前のことを当たり前に言っておられるだけなんだと、本当にPL法の精神を生かすというなら推定規定を入れるべきだったんだよということを言っておきましょう。 そこで、時間がありませんから、その次に情報公開の問題に移ります。 実際の訴訟になった場合に、主張、立証を合理的に対等の立場で消費者と製造業者の側がやっていくということのためにも、消費者側、国民の側のために情報をほぼ独占している製造者側に対して情報開示をやらせるということは裁判の公正性からいっても私は大事なことだと思うんです。単なる当事者主義ということだけではない、真の当事者主義を実現する上で大事なことだと思うんです。 この点で、一昨日もこの点が議論されまして、民事訴訟法の見直しを今法制審でやっているから情報開示の問題はそこで適切に処理されるはずだ、民事訴訟手続一般の規定として考えた方がよいという答弁がありました。その答弁は変わりませんか。
○説明員(升田純君) ただいま委員御指摘のように、訴訟におきまして被害者の立証負担が問題になりますのは製造物責任に特有な事柄ではないと理解しておりまして、証拠収集の問題につきましても民事裁判手続一般の問題として検討すべきであるということで、法制審議会の民事訴訟法部会におきまして民事訴訟法の全面改正の問題の中で取り上げられておる問題だというぐあいに理解しております。
○橋本敦君 そこで問題は、PL法が今まさに成立しようとしておるが、その民事訴訟法部会の中でそのことについて考慮された案が出ているでしょうか。私は出ていないと思います。 今、法制審の民事訴訟法部会で提案されておる甲案と乙案という二つの案があることは明白ですが、その甲案によっては、文書の提出について、証言の拒絶理由、それと同様の理由がある場合を除いて文書提出命令を裁判所が出せることになりますね。そうすると、証言の拒絶理由の中に職業上の秘密、企業秘密がもし入るとすれば、これは何のためにやっているのかわかりません。PL法には適用されないことになります。 乙案では、法律関係と密接な関係を有する事項について作成された文書について開示、つまり提出義務を負うという案であります。そうすると、法律関係と密接な関係を有する事項ですから、例えば製品に関する契約書、それに添付した製品の仕様書、これは含まれるんでしょうが、欠陥を立証する上で非常に大事なオリジナルの製造物の設計図、工場における生産指示書あるいは工程表、そういったものが含まれるかどうかは裁判官の解釈次第でどうなるか、極めてこれは難しいかもしれない。 だから、もう時間がないから私は端的に言います。今ここで議論されているPL法に関連して、消費者の立場を本当に正しく守るために大事な情報開示としての文書提出を民事訴訟の中でやるとすれば、一般的な民事訴訟の規定の仕方の検討ということであっても、このPL法で議論になった消費者の立証負担軽減のための合理的な情報開示を製造者にさせるというこの問題は、特別にこの問題としてきちっと法務省も議論をし、経企庁も議論をし、政府部内で慎重な議論を遂げた上でやってもらわなきゃならぬということが一つ。 それからもう一つは、法制審の審議で、これいつになったら民事訴訟法の改正ができますか。わからぬでしょう。しかし、もうPL法は成立するんですよ。もう法として存在するんです。このPL法でいうところの情報開示の問題は民事訴訟法の改正でやります、こう政府は言っても、先に成立して、現に訴訟が起こってきて、民訴法の改正はまだずっと先だ、こうなるということになれば、国民の権利を守る上で重大な問題を残すまま法案が先にできる、こうなるでしょう。 政府として、そういうことに対してどう責任をとるんですか。この点については重大な問題なので、政府部内できちっと議論をしてもらうことを私は長官にも、また法務省にもお願いしておきたいと思いますが、いかがですか。これを伺って質問を終わります。
○国務大臣(寺澤芳男君) 委員の御意見は責任を持って法務大臣にお伝えしておきます。
○説明員(升田純君) 民事訴訟法の改正の問題につきましては、何しろ民事訴訟法全体の改正でございまして、なお時間がかかるとは思いますけれども、御指摘の点も踏まえまして証拠収集手続の問題が検討されるであろう、こういうぐあいに考えております。
○橋本敦君 検討がされるであろうではなくて、検討せい。 終わります。
○委員長(中曽根弘文君) 他に御発言もなければ、製造物責任法案(閣法第五三号)に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 製造物責任法案(閣法第五三号)に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(中曽根弘文君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 沓掛君から発言を求められておりますので、これを許します。沓掛君。
○沓掛哲男君 私は、ただいま可決されました製造物責任法案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲民主連合、新緑風会及び公明党・国民会議の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 製造物責任法案に対する附帯決議(案) 本法は、製造物の欠陥によって生じる責任の あり方を基本的に改めるものである。施行後の 本法の運用が円滑に行われるとともに、製造物 の欠陥による被害の防止と救済の実効を高める ため、政府は、本法施行に当たり、次の諸点に ついて適切な措置を講ずべきである。 一 立法の趣旨や条項の解釈等、当委員会の審 議を通じて明らかにされた内容について、消 費者、中小企業者等関係者に十分周知徹底さ れるよう努めること。 二 欠陥の存在、欠陥と損害との因果関係等に ついて、被害者の立証負担の軽減を図るた め、国及び地方自治体の検査機関、国民生活 センターや消費生活センター等、公平かつ中 立的な民間検査機関等の検査体制の整備に努 めるとともに、相互の連携強化により、多様 な事故に対する原因究明機能の充実強化を図 ること。 三 被害の迅速かつ簡便な救済を図るため、裁 判外の紛争処理体制の整備を図ること。 四 欠陥の早期発見、再発防止を図る観点か ら、事故情報の収集体制を整備するととも に、企業秘密やプライバシーの保護及び情報 収集面への影響にも配慮しつつ、情報公開に 努める等、事故情報の積極的な提供を図るこ と。 五 輸血用血液製剤の欠陥については、その使 用が緊急避難的なものであること、副作用等 についての明確な警告表示がなされているこ と、世界最高水準の安全対策が講じられてい るものであること等、当委員会の審議を通じ て明らかにされた製品の特殊性を考慮して総 合的に判断されるものであることを周知徹底 すること。 六 輸血用血液製剤による被害者の救済につい ては、その特殊性にかんがみ、特別の救済機 関等の設置に努めること。 七 中小企業者の負担を軽減するため、製品安 全対策、クレーム処理等について相談・指導 体制の充実を図るとともに、製品安全対策の 推進のための積極的な支援を行うこと。 また、下請事業者に不当な負担を及ぼすこ ととならないよう十分配慮すること。 八 国の製品安全規制については、経済・社会 の変化や技術革新に対応し、適時適切に見直 すことにより、危害の予防に万全を期するこ と。 九 製品被害の未然防止を図るため、製造者が 添付する製品取扱説明書及び警告表示につい て適切かつ理解しやすいものとなるようにす るとともに、消費者の安全に係る教育、啓発 に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(中曽根弘文君) ただいま沓掛君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(中曽根弘文君) 全会一致と認めます。よって、沓掛君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、寺澤経済企画庁長官及び畑通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、順次これを許します。寺澤経済企画庁長官。
○国務大臣(寺澤芳男君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重して、適切な措置の実施に努めてまいる所存でございます。
○委員長(中曽根弘文君) 畑通商産業大臣。
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十二分に尊重いたしまして、適切な措置の実施に努めてまいる覚悟でございます。
○委員長(中曽根弘文君) なお、本案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十四分散会