商工委員会 第1号
- 発言数
- 101 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1994/03/29
会議録
○委員長(中曽根弘文君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二月八日、横尾和伸君が、また同十五日、峰崎直樹君が委員を辞任され、その補欠として及川順郎君及び三石久江君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(中曽根弘文君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、産業貿易及び経済計画等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(中曽根弘文君) 繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。熊谷通商産業大臣。
○国務大臣(熊谷弘君) 繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 繊維工業につきましては、現行の繊維工業構造改善臨時措置法に基づきまして、昭和四十九年度から構造改善事業を実施し、商品開発力や技術開発力の強化、設備の近代化等を推進してまいりました。 しかしながら、現在、我が国繊維工業は消費の低迷、輸入の増大等厳しい環境変化に直面しており、高付加価値化による品質面での差別化やクイックレスポンスによるサービス面での差別化を緊急に実現することが不可欠となっております。 一方、我が国繊維製品の流通部門について見れば複雑でむだの多い流通構造となっており、現下の衣料品消費の低迷により構造改革の必要性が顕在化してきております。 これらの状況を踏まえ、一昨年十二月、通商産業大臣より繊維工業審議会及び産業構造審議会に対しまして、今後の繊維産業及びその施策のあり方について諮問がなされ、約一年間にわたり両審議会において慎重な審議が重ねられました。 その結果、昨年十二月、我が国繊維産業が現在の厳しい環境変化を克服し、今後さらなる発展を遂げていくためには、市場の求めるものを把握し、開発し、生産、販売するという市場指向型の産業構造の構築と、消費者を刺激し、潜在的ニーズを引き出すための創造性をはぐくむ産業構造の構築が不可欠であるとの答申を得たところであります。 政府といたしましては、この答申の内容に沿って政策を推進すべく、本法律案を提案することといたした次第であります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一は、この法律が廃止されるものとされる期限につきまして、本年六月三十日までとなっているものを平成十一年六月三十日まで五年間延長することであります。 第二は、繊維工業と繊維製品の流通部門の構造改善を総合的に推進するため、法律の題名を繊維産業構造改善臨時措置法とし、従来の繊維工業の構造改善に加え、繊維製品の販売の事業を構造改善の対象とすることであります。 第三は、施策対象者を拡大し、繊維工業者と繊維製品販売業者の連携による情報化を軸とした販売または在庫の管理の合理化や繊維工業者、繊維製品販売業者、デザイナーの共同による新商品開発などを内容とする構造改善事業を促進することとすることであります。 第四は、産地基盤の整備のため、産地の核としての役割を果たしている繊維リソースセンター等を構造改善円滑化計画の作成主体とすることにより、これらが行う構造改善円滑化事業に対するソフト面での支援を充実することであります。 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(中曽根弘文君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○真島一男君 初めに、熊谷通産大臣に我が国の景気の現状、そしてその回復の見通しについてお伺いをいたしたいと思います。 その際あわせて、細川内閣で熱心におやりになっている規制緩和というものがその中でどういう役割を果たしているかについても触れていただきたい。できれば、できるだけ細かく業種別にアウトラインをお示しいただければありがたいと思っておりますが、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(熊谷弘君) 最近の我が国経済が依然として厳しい情勢下にあることはもう御案内のとおりでございます。もちろん、鉱工業生産でありますとか住宅着工、それから企業の業況判断などにおきまして一部に明るい動きが見られ始めていることも事実でございます。私といたしましては、総合的に判断いたしますと、景気は最悪期を抜け出しつつあるのではないかという期待を込めた感じを持っておるわけでございます。 ただ、これらの動きの中には、辛目に見ますと、企業の決算対策の結果じゃないかというようなことも考えられないわけではありませんし、御案内のとおりの為替市場の動きでございまして、その影響もまだまだ見きわめていかなければならないところもある。こういうことでございますので、少し春の日差しか出たかなと思いつつも、今後とも注視し続けていかなければならない、こう思っておるところであります。 ただ、いずれにせよ重要なことは、こういった新しい動きといいますか、こういったいい方向への動きが本格的かつ広範なものとなり、我が国経済をできるだけ早い時期に本格的な回復軌道に乗せるべく官民が努力することでありまして、政府といたしましても、先般決定した総合経済対策の着実な実施に努める一方、景気に十分配慮した平成六年度予算の成立に向けて最大限努力してまいりたいと考えているところであります。 次に、御指摘になりました規制緩和と不況の問題でございます。 政府規制の緩和が経済の拡大に大きな役割を果たすと私どもは認識しておりますが、さらば定量的にどれぐらいのものであるかということになりますと、これをお示しすることは正直言いましてなかなか困難でございます。 ただ、方向といたしましては、まず第一に、政府規制の緩和によりまして新規事業をつくり出すことが可能になるということでございまして、これは委員も御案内のとおりいろいろ評価は分かれるところでありますが、レーガン政権以来のアメリカ政府が展開してきた政策は明らかにこの面では多大な効果がございまして、多くのハイテク商品を中心にした新しい産業分野が開花し始めているということは事実でございます。 そういう点が可能になりますと、経済の活性化、消費者の選択の幅の拡大というものが広がってくるのではないか。例えば、情報通信の分野等につきましてはこういった効果は非常に大きいのではないかというふうに我々は考えるわけでございます。 それから第二に、内外価格差の是正。 日本経済の抱える最大の問題が内外価格差にあらわれていると私どもは思いますが、その内外価格差がよって来るところというものの、すべてではありませんけれども、大きな要因の一つとしてやはりこの過剰な規制というものがあることも事実でございます。 こうしたものが取っ払われることによりまして内外価格差の是正が進むということになりますと、もちろん生活者の利益が増すだけではなくて、実質所得の拡大を通じて経済の拡大につながっていくというふうに考えられるわけであります。そうして、全体といたしまして経済社会システムに関する国際社会との調和と透明性の確保がなされる、こういうことが考えられるわけでありまして、短期にすぐに即効性があるとはなかなか言いがたいものがございますけれども、日本経済の今抱える構造問題を直視して考えれば政府規制緩和というものが非常に大きな役割を果たすものと考えているところであります。
○真島一男君 平成六年度予算につきましては、非常に今異常な状態が続いていると申し上げなければならないことはまことに残念でございます。そのことについて大臣の御感想を例えればと思っておりますが、そこは適当でいいですけれども。 ただ、六年度予算で繊維関係の予算が大変頑張っていただいていることは仄聞をいたしているわけでございますけれども、それについて御説明いただきたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 平成六年度の繊維産業対策につきましては、昨年の十二月に繊維工業審議会と産業構造審議会の合同部会でいわゆる新繊維ビジョンというものが答申をされておりまして、それに基づきまして特に市場指向型の産業構造の構築あるいは創造性をはぐくむ産業構造の構築、こういった方向で新しい構造改善事業を図るということになっておりまして、その関連の予算が新規に二億八千万円計上されております。 具体的には、繊維産業の情報化対策として情報化構造改善グループに対する支援、このフィージビリティースタディーの助成と、それからその基盤になります情報化基盤整備事業についての補助金ということでございまして、この新規予算が三億円増加になっておりまして、既存の予算約二億円と合わせまして全体では四・七億円ということでございまして、繊維関係の対策としては非常に大きな伸びを示しているところでございます。 ただ、御承知のように繊維対策につきましては、こういった大企業も含めた対策と同時に中小企業対策で相当部分が繊維対策に向けられておりまして、今回も開発型の構造改善グループ等に対する助成あるいは繊維リソースセンター等に対する助成は、例えば地場産業振興対策費補助金、中小企業対策によるというようなことになっておりまして、こういった中小企業対策の活用も含めて予算上は総合的な繊維対策を講ずることをお願いしたいというふうに思っております。
○国務大臣(熊谷弘君) 繊維産業対策といいますか、正直言いますと全体としての予算の規模は小そうございますけれども、ただ従来から比べれば飛躍的な中身を込め政策を込め予算の中に取り込んでおるわけでございまして、私どもとしては今回の予算審議を一刻も早く進めていただきまして、繊維業者のもとにこの予算をお届けいただけるようにお願いをしたいと思っているところであります。
○真島一男君 これからの二十一世紀を見通したときに、我が国の経済の成長を支えていく将来性のある産業というもの、どういうものを通産省としては考えていらっしゃるのか。そういう中で、往年の力はないとはいえ現在も大変に大きな力を持っているこの繊維産業がどういう形でそういう新しい形の産業として伸びていくことが期待できるのかということについてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(熊谷弘君) 委員御指摘のとおりでございまして、私どもは現下の国の経済の状況、ある意味で閉塞状況の中に入っているわけですけれども、そういう中で一方でなかなか賃金は上げられない。もうアメリカに比べても賃金格差逆転しておりまして、日本の方がはるかに名目賃金は高い。しかも、他方で開発途上国がどんどん追い上げている。そういう中で日本の産業が生き抜いていき、また日本経済が一億二千万を食べさせていくためには大変な構造改革の努力が必要でございます。内外価格差の是正を含めた政策が必要なゆえんでございますけれども、しかしそれだけですと雇用市場におきまして非常な問題が出てくるわけでございます。 これを今度働く人々の新しい職場、新しい活路、こういうものを見出していくということが政策的に大変大事なところである、こう考えておるところでありまして、今回の総合経済対策を受けまして去る二月に通産省におきまして新規市場創造プログラムというものをまとめたわけでございます。従来通産省は新しい産業を育てる政策をやってまいりましたけれども、どちらかと言いますと供給サイドに立ってそして産業を育てるということをやってまいりましたが、今回のプログラムの特徴はむしろ市場をつくる、需要の側から消費者の側からその産業に注文を回していく、そういう考え方で新しい事業機会、産業を育成していこうという考え方でございます。 具体的な分野ということでございますが、一応八つの新規・成長分野という分野にまとめておりまして、新しいニーズに対応する分野を展望いたしておるわけでございます。具体的に申し上げますと、一つは住宅関連分野、二番目が情報・通信の関連分野、三番目がエネルギーの関連分野、四番目が環境にかかわる分野、五番目が医療・福祉関連の分野、六番目が新流通・輸入関連の分野、七番目が生活文化・余暇・自己実現活動関連分野、ちょっと難しゅうございますが要するに新しい生活、ライフスタイルを提言し、そして消費者にこれをお届けする、そういう考え方の新しい分野。それから八番目が安全性・信頼性関連分野、こういったものを一応分野として提言、提示いたしておるところでございます。 こういうものに対しまして、具体的には政策といたしましてその将来展望を明らかにするとともに、研究開発でありますとか規制緩和とかあるいは社会資本の整備というような形でいろいろな政策手段を組み合わせまして、そういう産業を、事業機会をつくり上げていこうということでございます。その考え方の中で繊維産業についてはどうかかわりがあるのかということになるわけですけれども、生活文化・余暇・自己実現活動関連分野の中の最も有力な、私は再生した繊維産業は活躍できる余地がある分野ではないかと思っております。 今後、産業構造審議会におきまして具体的な検討を進めていくわけでありますが、繊維産業は委員御案内のとおり二百数十万、三百万近い雇用者を現実に広く抱えている産業でありまして、先ほど言いました分野の中でも最も成長性が高い大産業になるだろうと言われる情報・通信分野が郵政省の推計では二〇一〇年に二百万人ぐらいの雇用。ところが、繊維産業は現実に二百数十万の雇用者を既に抱えている大産業でございまして、この産業を時代に適応して新しく強く、しかも消費者のニーズに合った産業としてよみがえらせるということは、私は大変大事な政策だ、こう考えているところであります。
○真島一男君 前回の、現在の法律をつくった平成元年にこの改正をやったときに、五年後の今の時点ではこんな格好に生産量が、当時の言葉は繊維工業でございますが、なっているだろうというビジョンを描いていたんだというところをひとつお教えいただければと思いますが、いかがでございましょうか。
○政府委員(土居征夫君) 五年前の平成元年でございますが、これはプラザ合意後数年たった時点でございますけれども、そういう為替レートの面での国際情勢の変化等から、新たにファッション化の動向を踏まえた実需対応型の供給体制の構築を図っていく、そういう基本指針が審議会でも出されました。 それに基づきまして具体的には、需要の多品種、少量、短サイクル化に対応する新しい実需対応型の供給体制の構築のための構造改善事業、これを進める。さらには、構造改善事業の支援のための、法律上は円滑化計画と言っておりますが、こういった事業の推進。さらには、新しく繊維産業の商品企画力とか情報収集、発信力の向上のための基盤的施設であります繊維リソースセンターの整備、こういったことを通じまして新しい繊維産業政策を展開するというビジョンを出して政策に取り組んだわけでございます。 その過程でいろいろと新しい試みがなされ、新たなライフスタイルを提案する生活文化提案型産業への脱皮、このような努力が図られてきたわけでございますが、御承知のように環境条件が大きく変わりました。 一つは最近のバブルの崩壊と、それからこの長期不況のもとでの消費行動が大きく変化をいたしました。それから第二点は、円高の大幅な進行という事態もございます。さらに、第三点といたしましては、中国を初めとします発展途上国との産業調整がいよいよ本格化した。そういう大きな環境変化がございました。こういった新しい根の深い環境変化への新たな対応が迫られているというのが現下の状況でございます。
○真島一男君 そういうものを踏まえての今次の改正案の御提出であったと思うのでございますが、その中でこの改正法に基づいて繊維産業対策を実施すると五年後にはこんな形の繊維産業界になりますよというイメージを、ひとつ国民にわかりやすく御説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 五年後の姿といいますか、今後の中長期的な繊維産業の姿につきましては、昨年十二月の審議会の新繊維ビジョンで方向が提示されているところでございますけれども、大ざっぱに申しますと、日本の繊維産業というのは非常に環境条件いろいろ恵まれた面もございます。それから、生活文化大国になっていくという過程の中で、生活文化提案型産業として先ほど大臣が申しましたように日本の産業構造の中で新しく開花していく面もあわせ持っている産業である、そういう位置づけがなされているわけでございます。 ただ、先ほど御説明しましたような非常にここ五年間、短期的にはいろんな意味での構造調整を迫られている。特に、発展途上国との産業調整は非常に厳しいものがございます。そういった産業調整を乗り越えて、その後の生活文化提案型産業としての新しい開花、発展を目指していくというのが今回の法改正の前提になります新繊維ビジョンの考え方でございます。
○真島一男君 今のお答えですと、どうも五年後のビジョンの入り口の話だけでございますので、もう少しビジュアルな物の言い方でちょっと工夫をしていただきたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 失礼いたしました。ちょっと言葉足らずで恐縮でございました。 今の新繊維ビジョンで、具体的に今後の五年間で新しい繊維産業が将来の発展基盤を築くために取り組んでいく課題としまして三つの方法が指摘されております。 第一点は、これまで製造業の構造改革を進めてまいりましたけれども、流通も含めた大きな繊維産業としての構造改善、これによりましていわば製造業自身も発展途上国とある程度競争をして生き残っていく基盤ができるという意味で、従来はプロダクトアウトという方向でございましたけれども、マーケットイン型の市場指向型の産業構造改革、これは特に流通の改革あるいは繊維産業の情報基盤の整備、こういったものが最大のポイントになります。 第二番目は、繊維の産地を中心といたしまして従来は下請依存型、こういう構造が非常に強かったわけでございますが、イタリア等の例に見ますように、むしろ産地あるいは中堅、中小企業がみずから企画力、発信機能を持ってクリエーションを追求していく、創造して発信をしていく、そういう方向への構造改革。このためには実はこの法律でもデザイナー等を新たに対象に加えまして、こういったものとリンクした主体的な構造改善、産地のクリエーションを目指した構造改善を進めていくというのが二番目の方向でございます。 三番目は、グローバリゼーションといいますか、アジア市場を含めまして総合的にグローバルな展開を図りながら日本の繊維の産業基盤を構築していく。 この三つの方向によって五年後の将来の発展基盤の形成を図っていきたい、そういうことでございます。
○真島一男君 日本の繊維産業、繊維工業の一つの特色として、大企業から本当の零細企業にわたるまで一つのビエラルヒーの形になっているところがあるわけでございますが、現在見ましても、従業員一人から三人というような事業所が全体の事業所の五一・九%を占めているというような状況でございますが、そういう中でヒェラルビーの構造がこれからどう変わっていくか。そうして、日本の繊維産業の中に東レとかレナウンとかいうリーディングの産業があるんですが、それが果たしていく役割というのは今後ますます強くなるのか。 また、そのこと自体がプラスの面とマイナスの面と両方あると思うんですが、将来一つ一つの事業所にとって自分たちのところはどうなるんだろうな、大きいところは大きいところでどうなっていくのかなということについて何かビジョンを与えていただければと思うんですが、いかがでございましょうか。
○政府委員(土居征夫君) 我が国の繊維産業は、今御指摘ありましたように川上から川下まで各部門に大企業が存在しておりまして、その大企業の旺盛な技術開発力あるいは商品企画力によって、例えば合繊の場合には新合繊に見られますような世界の最高水準の繊維製品を内外の市場に提供しているわけでございます。 ただ、先生おっしゃいましたように特に製造業の工程間分業ということで、中小企業の存在というのがまた繊維産業には特徴づけられるわけでございます。こういった中小企業は独自の企画力、デザイン力を持ってそれぞれの役割を果たしていくということでございまして、中小企業と大企業が相互に影響し合うことによって一つの大きな工業集積を日本の場合にはつくっているわけでございまして、これは総じていいますと日本の繊維産業にとってはプラスサムの補完効果があるというふうに考えております。
○真島一男君 今の御説明はどちらかというとプロダクトアウト型の産業を引きずった形についての御説明だとも思いたくなるような点もあるんですが、これからマーケットイン型にいくときにこのままの形がそのままずっと平行移動していくのかなというところについては私は疑問があるんですが、そこはどうでございましょう。
○政府委員(土居征夫君) 御指摘のとおり、現状のまま移行していくということでは対応できないということでございまして、今回のビジョンにもありますように、特に中小企業の場合には下請製造体制というところからクリエーション、発信機能を持った、みずから企画機能を持った新しい形への展開というのが必要でございます。 ただ、これはフランスの場合でもイタリアの場合でもそうでございますが、やはりそういったファッション産業としての対応に対しては中小企業による対応というのが新しいすぐれた形態として実際に機能しているわけでございまして、新しい意味での中小企業と大企業の相互依存関係というのがまた構築されていく必要があるだろうというふうに考えております。
○真島一男君 そういう中で、今おっしゃったようなことはなかなか言うはやすく行うはかたいところでございますが、諸外国の中ではこんなふうにうまくやっているところがありますよということを例を挙げて御説明いただければありがたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 今回の新繊維ビジョンを作成する過程で、審議会あるいは事務局であります通産省がいろいろと勉強した諸外国といたしましてはやはりアメリカとイタリアでございます。 アメリカの繊維産業の場合には非常に大きな国内マーケットがございます。特に、定番品を中心といたしまして情報ネットワークを軸にした、いわゆるクイックレスボンスシステムというものがここ十年以内に構築されてまいりまして、これによって流通ロスの低減を中心といたしました国内生産拠点の強化というものが図られてきております。非常に今アメリカの繊維産業がよみがえったと言われておりますが、そういった意味で日本の繊維産業を考える場合の一つの参考事例ということで考えているわけでございます。 イタリアの方につきましては、御承知のように中小企業を中心といたしまして一味違った個性を競う差別化競争を繰り広げてきておるということでございまして、特にイタリアの伝統に裏づけられました品質とかデザインとか、こういったもので世界的な繊維産業の競争力を高めているという一つの要素がございます。 この二つの国が今度の繊維ビジョンを考える上での大きな参考事例ということになっている次第でございます。
○真島一男君 現在、我が国の国内の繊維市場は二十兆とも言われておりますけれども、その中で内需のうちで外国の製品の占めるシェアはどれくらいになるでしょうか、綿と合繊で違うと思いますけれども。
○政府委員(土居征夫君) 日本の繊維につきまして今手元にあるのは物流ベースでございますけれども、いわゆる輸入浸透率という概念がございます。内需に占める輸入の比率、これを糸ベースに換算しまして物流ベースで見ておりまして、それによりますと九三年で五〇%強という数字になっております。一九八〇年代は二〇%前後あったわけでございますけれども、先ほど来御説明しましたような、発展途上国との産業調整が進みまして現在五〇%強の輸入品の比率になっております。 合繊と綿に分けてみますと、綿の方がやはり輸入浸透率が非常に高くて、たしか九三年時点で七五%前後というように見ております。合繊の方はちょっと手元に正確な数字はございませんが、二割前後かと考えております。
○真島一男君 合繊の数字はもうちょっと高いような数字を私見たことがあるんでございますけれども。
○政府委員(土居征夫君) 失礼しました。 合繊の数字は三〇%でございます。
○真島一男君 実は、こういう急激な輸入の増大に対しましてMFAの制度があるということで、通商問題小委員会で既に御検討に入っているということも伺っておりますが、どのような議論がなされているのか。それから、今後はこんなスケジュールを考えておりますというようなこと。 そして、アメリカはほとんどの国とMFAの協定を結んでおるわけですけれども、アメリカがそれを結んだときの状況というようなものもそこで触れていただきたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) MFAにつきましては、御指摘のように繊維工業審議会及び産業構造審議会におきまして通商問題小委員会を設けて、新繊維ビジョンに基づきましたこの問題の検討を昨年から続けておるわけでございます。 この新繊維ビジョンではMFAについて、繊維対策につきましては構造改善等を円滑に行うための国内支援策、これを基本とするというふうに位置づけておりますけれども、輸入増加に伴う国内の悪影響の軽減についてMFAの発動による効果と問題点を比較考量して、種々の支援策に実効が期待できない場合の手段というふうに位置づけておるわけでございます。 具体的にその内容を検討しておるわけでございますが、これまで昨年の八月から繊維産業の個々の業界、先ほどお話がありましたような線とか合繊とがそれぞれの業界に分けて業界からのヒアリングをずっと続けてまいりまして、一月でヒアリングが終了いたしましたのでこれについての具体的な中身の審議に今入っているところでございまして、現在のところ五月ごろにその取りまとめを予定しているところでございます。 それから、アメリカの例でございますけれども、アメリカにつきましては約三十カ国と二国間協定を締結しているわけでございまして、繊維製品輸入に占めるMFA規制品目の輸入の比率につきましては公表はされておりませんので正確な把握が困難でございますけれども、米国の繊維製品の約八割がMFAの対象になっているというふうに言われております。
○真島一男君 今までの業界のヒアリングの内容について差し支えなければお聞かせいただきたいと思っております。 それから、アメリカがこのMFAを発動したときの繊維製品のアメリカに入ってくる輸入量の増加というものは今の日本の状況と比較してどんな状況であったのかということについても御説明いただきたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 最初のヒアリングの内容でございますけれども、具体的には綿関係の紡績あるいは織布、それからニット、タオル、こういった業界のヒアリング、それから合繊につきましては糸と織物、こういった業界のヒアリングを行ったわけでございます。 先ほど御説明しましたように、発展途上国との調整の深刻度ということからいいますと綿関係の業界が浸透率が七五を超えておるということと同時に、やはり現在国内で内需が減っている中で輸入がふえ、かつ特定国からの輸入がふえているということから、いずれにしても、中期的には将来の発展基盤を築くためにある程度の産業調整は不可避だという覚悟をして構造調整をやっているけれども、こういう状況で特に昨年来なかなか厳しい状況にある、そういうヒアリングを受けておるところでございます。 合繊の関係につきましては、今現在は輸入動向についてはそれほど厳しい状況ということではございませんけれども、周辺諸国の設備投資の状況が非常に急テンポで進んでおりまして、近い将来日本を中心として非常に大きな需給ギャップが生じて急激な輸入が日本に行われるおそれがあるという点を業界は危惧しているところでございます。 それから二番目の、アメリカの発動のときの状況でございますけれども、アメリカが最初にMFAを発動した時点では増加率は二割程度でございましたけれども、日本の繊維輸出のシェアは七%ぐらいということでございまして、いずれにしても、客観的に申しまして今の日本の状況に至るかなり前の段階でMFAを発動しておるというのは事実でございます。
○真島一男君 繊維不況と言われて長く続いておりますけれども、地方の中小企業の中ではいろいろ工夫してきちっとした戦略を持って成功している例もあるというふうに伺っています。どういう成功例があるのか、どういう戦略でそこはうまくいっているのかということについて御紹介をいただきたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) この構造改善対策をスタートした五年前の時点では、設備近代化といいますか新鋭機械の導入によって、言ってみれば日本の差別化品の生産体制を構築するというところにポイントがあったわけでございますが、こういった点について成功しているところもございますし、あるいは例えば大阪の泉佐野市にありますタオルメーカーのように産地内の二十社で連携をいたしまして新しい生産体制を構築して、特に新商品の開発、一本の組合ブランドによる新製品の販売、こういった形で成功しているところもございます。 あるいは群馬県のニットの例なんかで言いますと、今回やろうとしておりますクイックレスポンスの先取りという形で、やはり中小企業が連携をいたしまして顧客一人一人のサイズとか好みを取り入れたデザイン一品ごとに個別生産を行うということでございます。注文を受けたその日のうちに商品の引き渡し可能なようなそういう小回りのきいた体制を構築するという形で成功しているところもございます。 いずれにしても、総じて言えば、消費者ニーズを的確につかむ企画力、それから独自の販路の確保、こういった点が成功のポイントであるというふうに思っております。
○真島一男君 先ほど大臣が日本の経済の問題で内外価格差ということが重要な課題だとおっしゃいましたけれども、今我が国で最も価格破壊と言われているのは衣料品の分野であるだろうと思いますが、青山とかアオキというようなところはそれを実現しているというふうに申し上げていいと思います。どういう方法でこれが今日まで進んできて、そして価格破壊と申しますかそういうものは大体どんなぐあいになっているのかということをお伺いしたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) このところ百貨店、量販店の衣料品売り上げは約二年ばかり前年同期を割り込むというそういう状況の中にあるわけでございますけれども、今御指摘になりましたような大手の紳士服のロードサイドチェーン等が低価格を武器に急成長を遂げているというのは事実でございます。 こういった業者は、既存の小売業の場合には商品供給をアパレル卸等に全面的に依存する形の小売をやっているわけでございますが、こういったロードサイドショップの場合にはみずから商品企画、生産を行うということが一つ。それから、徹底的なPOSシステムの導入によりまして流通マージンを削減するという点がございます。さらに、大量のロット買いも買い取りによります取引によりまして大幅にコストを削減する、そういった点。さらには郊外立地によります店舗運営コストの低減、こういったところから消費者への低価格商品の供給を実現しているということでございます。
○真島一男君 生産については外国でつくられているものも多いというふうに承知をしておりますが、その実態はどうでございましょうか。また、そのときの原料のテキスタイルは外国でつくるようになっているのかということ。 それから、大体今までの感じからいくと何割ぐらい安いものかなということも、これは余り正確でなくても結構でございますが、お願いいたしましょう。
○政府委員(土居征夫君) これはロードサイドショツブだけではございませんけれども、基本的に今海外展開が進んでおりますのは縫製の部分でございまして、この部分につきましてはロードサイドチェーン等も日本から生地を出しまして海外で縫製して日本に再輸入するという形でコスト低減を図っているということのようでございます。 どのぐらいかということはなかなか統計がございませんのではっきりいたしませんが、今全体として衣料品の価格自身はこういう構造不況の中で低価格になっておりますけれども、その中で特に低価格を武器に急成長を遂げているということでございますので、相当の低価格の供給が実現をしている、そういうことだというふうに考えております。
○真島一男君 ロードサイドショップのような形で流通業が製造にかかわるという格好でくるということが一つの方向だろうと思うんですが、じゃみんながみんなそうなっていいのかねというところもあると私は思います。繊維産業には昔から流通の問題が、日本の問屋さんというとまず織物問屋が一番大きかったわけですけれども、そういうものがこれから先ほどういう格好になっているのが一番理想的であるかというようなことについて御所見を伺いたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 繊維産業の流通構造の変革につきましては、今お話がありましたように小売のサイドからの委託製造という形での展開というのが一つございますけれども、同時に、川上といいますか紡績とか合繊メーカーの方が川中、川下に乗り出していくという形での構造改善もございますし、あるいは御指摘ありましたような座元商社、問屋がむしろ中核になって新しい流通改革に取り組んでいく、そういういろんな試みがなされております。そういったものの集大成として繊維産業の流通構造改革を進めていくということになるかというふうに考えております。
○真島一男君 日本の繊維産業界の一つのメリットとしてデザインにすぐれているというお話がございましたけれども、我が国出身のすぐれたデザイナーはたくさんいらっしゃるようになったということでございますが、国内の市場を見てみると日本の製品にそれらのデザイナーの御活躍がまだまだ不十分じゃないか。我が国の製品の中に余り十分に生かされてないのじゃないか。むしろ外国のブランドとの提携が目立つというようなことが一般的だと思うのでございますが、ここら辺についてはどういうふうなことをこれからやるべきだというふうにお考えでございましょうか。
○政府委員(土居征夫君) 一九八〇年代以来世界を舞台に活躍している日本のファッションデザイナー、非常に多く輩出しているわけでございますが、確かに先生おっしゃいましたようにそれが日本の繊維産業としての世界に対するファッションの発信になっているかというとそういうことではございませんで、これは新繊維ビジョンでも指摘されております。日本のアパレル産業も、巨大な日本の市場、こういったメリットのおかげでむしろ規模的には非常に大きいわけでございますけれども、国際的なビジネス展開の点ではむしろ今後の課題が残っている、そういう指摘を受けておりまして、せっかくの世界的なファッションデザイナーがいるということを強みとして繊維産業の次の展開はそういった点にあろうかというふうに考えております。
○真島一男君 その次なる展開の中に、私はやはりアジアの国々に対する輸出の問題を考えていくことが大事だと思うのでございますが、我が国のすぐれたデザイナーを活用することによって輸出について新しい需要を創出するというような戦略は重要だと思うんですが、いかがでございましょうか、
○国務大臣(熊谷弘君) バブルの破裂によりまして少し空気が沈滞したんでございますけれども、現在やっております構造改善、さらにその前の構造改善事業の推移の過程の中で、我々も諸外国、特にアジア諸国と日本の繊維ファッション産業とのかかわりというのを勉強してきたことを覚えております。数年前ですけれども、香港でありますとかシンガポールのように開かれた都市では原宿のファッションがほぼ一週間で伝えられるということで、また原宿を中心にアパレルあるいは織物の業界の方々がつながっていくという、一つの新しい萌芽が見られていたように私は覚えております。 アジアの工業化が進み所得水準が高くなり、日本とのいろいろな意味での均質化が進んでまいりますと、日本の非常にハイレベルの市場がやがてアジア市場を包み込むような形で日本の繊維産業の活躍の場に十分なり得る、まさに委員が御指摘のとおりのような環境は広く整いつつあるんではないか。しかも、情報化が進んでおりまして映像その他が次々にいわばリアルタイムで各地に伝えられるという時代でもございます。 そういうことを考えますと、委員が御示唆いただいたような方向こそ、この新しい繊維産業構造改善臨時措置法の描くイメージの中でつくり上げられた商品が輸出産業化していくということを私どもは目指していくべきだというふうに考えるところであります。
○真島一男君 今まではどちらかというとテキスタイルの広幅の織物を中心にしていたわけでございますが、小幅物の和装の業界というのは、これもなかなか厳しいというふうに耳に入ってくるのでございますが、どんな現状だというふうに理解したらよろしゅうございましょうか。
○政府委員(土居征夫君) 最近の和装業界は、生活の洋式化あるいは着物の高級化、高額化によりまして消費需要の減退に直面しているところでございまして、特にバブルの崩壊によりまして最近の消費者の価格志向が高まりまして、そういった意味でも和装絹製品の需要の落ち込みは非常に大きいものがございます。そういう状況の中で現在和装絹織物の生産は、物量ベースで八八年、五年前に比較しまして約七割の水準にまで達しておるところでございます。
○真島一男君 その中で特に絹の二次製品の輸入が増大しているわけでございますが、擬装輸入という問題があるというふうに伺っておりますけれども、これについての対応。 それから、今の和装業界が七割の水準に落ち込んでいるというんですが、これはこれで言ってみれば商工行政としては仕方がないことだというふうな御認識なのか、伺いたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 最初の擬装輸入の問題につきましては、現在絹糸と絹織物につきましては生糸の一元輸入制度との関係がございまして輸入管理の体制に入っておりまして、特に中国、韓国との間で二国間協議を実施しまして輸入数量を設定しているところでございます。実は、織物には該当しないんですけれども、例えば一本糸を抜けば反物に戻るような形で織物が二次製品という形で入ってくるという擬装の問題が業界からもいろいろ提示をされてございまして、この問題につきましてはその後検討を進めまして、この四月一日からこういった脱法輸入を防止するための事前確認制の対象範囲の拡大、こういったことを実施することにしております。 それから、和装織物につきましては生産が七割の水準に至っておりますけれども、これは繊維産業全体の傾向でもございます。したがいまして、繊維産業全体としては実は発展途上国との今産業調整の局面にございますので、二十一世紀に向けては、これは先ほど大臣も申しましたように、輸出も含めた新しい生活文化提案型産業としての開花ということが必要でございますけれども、この今厳しい局面の中ではある程度の発展途上国との産業調整はやむを得ないものがあるのではないかというふうに考えております。
○真島一男君 私が繊維産業政策をずっと拝見している中で地方公共団体の使い方というもの、もう少し通産省本省で指針を立ててこういうことで一緒にやろうじゃないかというものが、これは私の偏見でなければいいんですけれども残念ながら弱いような気がいたします。地方にとりまして繊維産業というのはかってはリーディング産業でございましたし、今でも地方の経済は繊維によって支えられているところ、地域によっては工業出荷額のうちの三割も占めるというようなところもございますから、そういう地域政策の立場から地方公共団体の活用についてお力をお出しいただくのはいいことではないかというふうに思っております。 同時にまた、私も町づくりを長いことやってきた人間として、大臣も言われたようなファッションのイメージを膨らませていく、日本にそういうファッションありということで東南アジアの国々にそういうものを広めていくには、やはり日本のこの町に行くとファッションの町があるんだというような、ファッションを中心にした町づくりというようなことも、これまた公共団体と一緒にやる仕事ですけれども御検討になってはいかがかというようなことを思っておりますが、御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(熊谷弘君) 委員の御指摘は、まさに我々が従来からそうありたいと思うことを御指摘いただいたと思っております。 ただ、まず最初に申し上げておきますと、繊維産業政策、繊維工業政策は本来的に地域産業という性格を強く持ちました繊維についての政策でございますので、実は各地域ごとの都道府県あるいは市町村とは深い連携関係がございます。政策手段といたしましていわゆる中小企業の高度化事業等の活用でございますので、資金的にも国だけではなくて県も御一緒して金を出していただくということになります。したがいまして、実は現実には非常な連携関係がとられておるわけでございます。 ただ、それじゃ万全にできているかというと委員の御指摘のとおりでありまして、特に繊維産業が新しい生活文化の提案をしていくということになりますと、深い伝統文化とのかかわりあるいはその地域の生活のあり方、ある意味での文化という環境の中にすばらしい繊維製品というものができ上がってくるわけでございます。各地域を見ましても、北陸地方にいたしましてもあるいは近畿地方にいたしましても、そういった深い伝統文化とのかかわりの中で非常に繊維産業が発展しているところもございます。 あるいは委員の同僚でありますか先輩でありましょうか、例えば岐阜県知事さんなどのようにそうしたことに非常に早くから志されまして、ファッションタウンといいますか、周辺環境を整えながら地域づくりと連携をとっていただいているところもございます。我々といたしましては、委員の御指摘のような方向を、しかもこれはそういうふうにやってまいりますと繊維だけではなくてそのかかわりのある地域の他の産業と実は深くかかわってまいりまして、全体の産業の底上げということにもなってまいりますので、我々の今後の大きな宿題とさせていただきたいと考えております。
○真島一男君 終わります。
○一井淳治君 ただいま真島一男委員の方から法案の基本的な問題につきまして種々御質疑がありましたので、私は少し個別の問題について深めていきたいというふうに思います。 今回の法案によりますと、情報化促進そして開発促進という二つの事業を構造改善事業に新設されるというわけでありますけれども、この情報化を中心として今後構造改善が進んでいくわけであります。そうなりますと正しい情報をつくっていく、情報の規格を今後の発展のためにうまく設定していくということが非常に重要ではなかろうかというふうに思います。そういった意味合いで情報の規格づくりについてどのようなお考えをお持ちなのか、まず質問したいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 御指摘になりました情報化の前提になります規格の整備につきましては、先ほど来御説明しましたように、予算措置も拡充いたしまして新たに整備をしていくということで今度の繊維対策の基本になっておるわけでございます。 具体的には、商品コード体系の統一それから電子データ交換、EDIと申しますけれどもこのEDIにかかわる標準化、こういったことが不可欠ということでございますので、商品コードといたしましては国際的に互換性がありますJANコード、これを用いることとしてその普及と、それからEDIの標準化につきまして推進をしていくということにしております。この推進のためにはメーカー、流通段階を含めました業種横断的な業界組織といいますか、こういったものを整備してこれを推進していきたいというふうに考えております。
○一井淳治君 情報につきましては、産業界が広く使える、共用して利用できるというのと同時に、大企業に限らず小規模の企業でも使いやすいということが大事だと思います。 それからまた、情報化につきましては、たしか情報システム化委員会とかいうふうなものがあったように思いますけれども、ありませんですかね。 〔委員長退席、理事沓掛哲男君着席〕 たしか構造改善事業協会、というふうなところがありまして、そこで情報システム化についても論議がなされておったように思うのですけれども、そのあたりの関連も大事ではなかろうかというふうに思うわけでございますけれども、そのあたりはどうなっていますか。
○政府委員(土居征夫君) 最初の、情報化につきましての大企業と中小企業の問題でございますけれども、これは大企業、中小企業を問わず日本の繊維産業の将来の発展のために繊維産業を通じました情報化基盤の整備が大命題でございます。その情報化につきましては、情報を共有していくということから中小企業にとっても非常にメリットがあるという面がございます。と同時に、今回の情報化対策につきましては、特に予算措置の面では中小企業に重点を当ててこの対策を講じていくということにしておりまして、そういった面で情報化が中小企業にも裨益するような施策の目配りをしていく必要があるというふうに考えております。 それから、二番目の繊維工業構造改善事業協会における情報システム化の委員会の件でございますが、これは実は平成六年度予算が成立してから本格的に先ほどのような業種横断的な組織による取り組みということになってくるわけでございますが、それの事前勉強をことしの一月から始めておるということでございまして、アメリカヘも小さなミッションでございますが調査団を派遣して勉強して、この法律の成立を待っているという状況でございます。
○一井淳治君 情報化にはいろんな側面があると思います。今回のように消費者の需要を即応的につかんで商品開発に結びつけていくという場合には、商品の持っている属性といいますか、それに結びついて消費者のニーズというものがあると思いますけれども、そういったものを商品の購入段階で商品ニーズを的確に把握していく。そういう分析といいますか、情報を集めるときに、消費者ニーズとかあるいは将来どういう商品が売れていくだろうかというそういった傾向、これを速やかに分析していく、そういう情報の収集の方法が非常に大事ではなかろうかというふうに思うわけですけれども、そのあたりはいかがでしょうか。
○政府委員(土居征夫君) 今御説明しましたデータベースの統一のところはこれは基本でございますが、同時に、今先生御指摘がありましたような消費者に一番近いところでの売れ筋情報、これを分析して、特に中小企業を中心とします製造業はそれをもとに次の商品企画をしていくというふうに役立てていくことが非常に重要なポイントでございます。そういった面でのPOS情報の分析提供システムの開発ということが中小企業対策として重要という観点から、来年度予算でその点についての予算を新たに計上しているところでございます。
○一井淳治君 情報化ということは、産業構造の変革あるいは業界の成長のために非常にいい側面もありますけれども、また情報化を誤ればマイナスの側面も出てくるというふうに思うわけでございます。 今までの通産行政を見ておりますと、これはそういう仕組みではなかったんですけれども、大体において中小企業を支援していくということが多かったように思うんですけれども、今回は百貨店とか大量販売店とか、そういうような大資本も縦の情報化の系列に入ってくるわけであります。 この情報化を通して小規模の企業が例えば大企業の支配下に入って支配されてしまうというふうになっても困りますし、また情報が余り外部に出ない、そのグループだけの秘密を守るとか、あるいはそのグループだけで凝り固まるというふうな情報化に進展していったら産業界全体の発展が図れない、あるいは一部のものが発展から疎外されてしまうというふうになります。この情報化というものはいい側面もあるけれども、やりしくじると何か構造が変になってしまうということもあるというふうに思うわけでございますけれども、そのあたりについてはどのようなお考えをお持ちでございましょうか。
○国務大臣(熊谷弘君) 大変重要な御指摘かと思うんです。ただ、情報ネットワークというものの意味合いを考えますと、これは情報化議論が起こったときからずっと絶えず繰り返される議論ですが、大きなコンピューターを持ったところがどんどん強くなるという想定とは逆でございまして、今はむしろ小さいコンピューター化がネットワーク化していくということでダウンサイジングをしてむしろ小が大をのむというような形、一般論でございますけれども、これで繊維の場合についてどうかと。 実は私も先般、昨年の暮れでございましたけれども、福岡へ参りまして博多織のところを見ました。小さな機屋さん、織り屋さんの中に、織機に小さないわばマイコンが全部ついていまして、そしてその注文をカードに入れますともうちゃんと織り柄がそこへ出てくる。これは実は、繰り返され、た構造改善のもとで、我々が構造改善の最初の事業に取り組んでいたころにはそんなことができるかと、こんな織機のそばにそんなものをつけるのはばかばかしいというような議論があったころですが、今やもうそれが何げなく使われておりまして、むしろそこで余った人たちは企画室のところへ行って絵をかいたり、こんなものをつくったらどうだというので若い女性たちがディスカッションをしているという現場を見させていただきました。 そういうベースができているところにネットワークが進みますと、むしろ小企業にとってはなかなかアクセスできない情報データベース、それを自由に使えるようになるわけでありまして、そのことがまた今回の大きなねらいであります。ただ、おっしゃるとおり、それが系列化の中で情報がクローズドされまして中小企業には使えないということになってはこれは情報化じゃございませんので、我々もそういった方向を十分考えて政策を展開しなければならないというふうに思うところであります。
○一井淳治君 大臣も十分おわかりのようでございますけれども、一つには小規模企業、中小企業が自主性を失ってはいけないという心配もございますし、この問題はさらに突き詰めていきますと、日本人の体質といいますか業界の体質といいますか、今まさに日本経済の発展のために規制緩和をして大きな発展を図らなくちゃいけないという、その問題と結びついてくると思うんです。今までは横並びとかあるいは大きなものに巻かれてくっついていったら何とかなるという思想だったんですけれども、これを打破しなくちゃいけないわけです。 ですから、旧体制を守るような情報化ではいけないので、やはり企画力のある、新しい商品開発力を持つ企業であればそれは中小企業でもどんどん発展していくという、そういう通産行政であるようにここで希望して申し上げておきたいというふうに思います。 次に、今回の法案の改正の中でも取り上げていただいておりますが、リソースセンターの課題でございます。各地方にリソースセンターが順々に設置されまして活動を始めておるわけでございますけれども、このリソースセンターの目的、そしてこれが十分に機能を発揮しているのかどうか、その辺を実は心配いたしております。 といいますのは、もうこれは通産省におかれても十分キャッチしておられると思いますけれども、大体弱いといいますか経済的に斜陽になりつつある団体がこういったリソースセンターを持つわけですから、つくるところまではいけるんだけれども、つくった後の維持管理、経営が非常に赤字になってしまうという大きな課題がありまして、この赤字の問題で頭がいっぱいになってしまって本来の目的が十分に達成できないというそういうことも、言い過ぎかもしれませんが現実の問題としてあるように思います。そのあたりのことについて御所見を伺いたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 各地域の繊維リソースセンターにつきましては、基本的には計画段階から単年度黒字に転換するのは開業後六、七年、そういう想定で始めておるわけでございまして、一番最初に開業したリソースセンターもまだ三年三カ月の状況でございますから、そういう意味では事業の公益的な性格から各センターとも今赤字という状況でございます。 ただ、それに加えまして、リソースセンターを設置した、あるいはこの前の構造改善対策がスタートした時点に比べまして経済環境がまた大きく変わっているという状況から、長期的にも非常に厳しい状況にはなってきているというのは事実でございます。そういった点から今度の法改正におきましても、新たに繊維リソースセンターを法律上の構造改善円滑化計画の作成主体に追加をする。これは従来は組合だけが作成主体だったんですけれども、繊維リソースセンターは大体公益法人あるいは株式会社の形態をとっておりますので、これを対象にいたしまして中小企業対策でいろんな諸事業の面での支援を行えるような形にしていこうとしております。 本日の前の質問で大臣からお話ししました生活文化セクターの新規市場創造プログラム、こういった点で繊維産業を非常に大きく位置づけているわけでございますが、新しいこういう繊維リソースセンターのような基盤整備、こういったものをまた通産省としては繊維対策に加えまして、次の新規市場創造プログラムの中でも大きく位置づけていきたいというふうに考えております。
○一井淳治君 リソースセンターをつくる場合には大体立派なビルをつくりますね。そのビルの建築費とかそういった課題が非常に重くのしかかってくるというわけです。 〔理事沓掛哲男君退席、委員長着席〕 それで、これはビルなしでもできるのかもしれませんが、やはりその地域で何か非常に目新しい活動を始めている、そして業界の皆さんの注意、関心を引きながら新しい発展を図っていこうとすればビルが必要なのかもしれません。 ただ、現実の問題として赤字、これが本当に大きな問題であります。これは本来であれば地元のリソースセンターをつくっていくに至った団体が一あるいは地元の業界等が解決すべき問題であるということはわかるんですけれども、しかしそんなことを言っておったら所期の目的がなかなか達成できないという現実があるわけですから、もう少し一歩進んだ検討をお願いしたいと思うんですが、どうでしょうか。
○政府委員(土居征夫君) 先生御指摘になりましたように、従来は建物といいますかハード中心の対策。それで、その後の経済環境の悪化によりまして長期的な経営の見通しも非常に厳しいという状況でございます。 ただ、こういったハード面の支援だけではなしに、具体的な運営面でのいろんな事業の支援、いわゆるソフト面での支援が重要だということで、第一歩ではございますけれども、今度の法律の中でそういう形で中小企業対策、具体的には地場産業振興対策費補助金、中小企業対策の予算をこのリソースセンターに直接支給できるような体制にまず第一歩いたしまして、今後さらに対策の充実を図っていきたいというふうに考えております。
○一井淳治君 繊維業界の活性化のためには業界自体も従来の型を破らなけりゃいけないわけですけれども、通産省の支援体制も従来の型を破ることも考えながら一層の御配慮をぜひともお願いしたいというふうに思います。 それから、先ほど真島委員の方からも質問があったわけでございますけれども、MFAの問題がやはり大変重要な課題であるというふうに思います。これは業界によってそれぞれいろんな影響の大きさが一律ではないというふうに思うんですけれども、このMFAを受け入れるかどうかというそういう側面から見た場合に業界の状態はどうなっていますか。
○政府委員(土居征夫君) このMFA問題につきましては、現在、審議会の小委員会で昨年来検討を進めておりまして、そこで業界からのヒアリングをやっております。特に、発展途上国からの輸入急増で非常に産業調整を第一線にあって迫られている業種ということでいいますと、やはり綿関係の業界でございまして、綿糸、綿織物あるいはタオル、ニット、こういった業界が非常に厳しい状況にあるという御指摘がございました。そのほかに合繊関係が、次のステップとしてやはりアジア諸国の大幅な設備の増強テンポがございますので、需給見通しにつきまして若干厳しい見方をいたしておりまして、今後数年のうちに大幅な輸入急増が見られるだろうというふうに考えておるようでございます。
○一井淳治君 ここに去年の十二月十六日の新聞のコピーがございますが、ゼンセン同盟がもう我慢の限界ということで大会を持たれて、その席に熊谷通産大臣も御出席いただいたということで、非常に御関心が深いということがわかりまして心強く思っております。 このMFAの問題につきましては、何か拒否反応といいますか、内容を十分に研究をしないでとにかく輸入禁止あるいは輸入制限それ自体がいけないんだという、反射的に悪なんだというふうなとらえ方をする人が少なからず、いやかえってそういった人が多いんじゃないかというふうに思います。そういった意味でMFAの内容を、一方的に全面的な締め出しをするものではなくてこういうふうな内容なんだと、そして世界各国が現に実施しているというあたりをもう少しわかりやすく関係者の方にPRする必要があるんじゃなかろうかというふうに思います。 ただ、これはまだそれを受け入れるかどうかを決めていないわけですからPRというのは早過ぎるかもしれませんが、それに先立ちまして、このMFAの内容についてはそういうふうに悪だと決めつけられるような内容なのかどうか、そのあたりについて御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) MFA規制につきましては、ガットにはセーフガードという規定がございますけれども、それに比べまして、相手国の選択適用が認められるという点、あるいは代償措置なしに対策が講じられる点ということではセーフガードよりも発動しやすい体制になっているわけで、国際的にそういう状況になっているということでございます。 同時に、輸入につきましては毎年六%以上の伸びを、制限を行う場合にも確保しなきゃいけないということで、過度な輸入制限にならないような配慮はこの仕組みの中に取り入れられているわけでございます。 それから今、先生御指摘ありましたように、諸外国がこういう措置を国際ルールとして導入している中で、日本は日本の置かれた国情ということから本件の発動をこれまでしてこなかったというわけでございますけれども、そういった点につきましては、審議会の答申もございますし、現在小委員会で慎重に御審議をいただいているところでございます。その審議結果を見て、必要に応じて内外に説明をしていきたいというふうに考えております。
○一井淳治君 今我々は法案を審議しておりまして、これは繊維業界の再建を図ろうとしているわけなんですけれども、外国製品が急激に入ってきたらこの法案をつくっても意味がないわけです。ですから、やはり最低限時間稼ぎはしてもらわなければなりませんし、あるいは外国の諸製品と日本の産業とが共存できるような体制をつくるまでは、むちゃくちゃな輸入品が入ってきて日本の産業界を大混乱に陥れるということだけは、これは回避してもらわなくちゃいけないというふうに思うわけであります。 したがって、今お話がありましたように、資料によりますと五月には一応の報告が出るということでありますけれども、輸入制限あるいは輸入禁止が悪なんだという大前提ではなくて、MFAについて十分に検討して、そしてそれが相手国の理解も得ながら、日本の繊維産業を守る上にどうしても必要なんだというふうな場合には、MFAも我が国が締結に進んでいくんだということを前提にして結論に至っていかなくちゃならないというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(熊谷弘君) 委員の御指摘のとおり、繊維産業の将来を考えてみた場合に、このMFAの枠組みを踏まえて我が国の繊維産業も考えていかなければならないところにきているというふうに思います。 今まではどちらかといいますと、これは比喩の誤謬ということがありますから問題があるかもしれませんが、例えて言えば、MFAに我々は入っておりますけれどもこれは使わないという前提で入っておったわけでございます。したがいまして、持っている刀も竹みつで抜いても切れない。今回、小委員会を設けて少なくとも手続その他の規定も含めて整備していきましょうということで、抜けばいつでも切れるという形になってくるわけであります。ただし、このMFAの刀は名刀村雨丸になるときもありますけれども、抜き方によっては妖刀村正にもなるわけでありまして、一天にわかにかき曇って日本をめぐって大騒動ということにもなりかねないわけでございますので、体制を整備しつつも、そのやり方についてはやっぱり慎重にならなければならないと思います。 ただ、今回のこの手続規定の整備も含めた方向への作業は、余りこの先々想像を交えていろいろ考え過ぎずに淡々と進めてまいりたい。その上で今後のことにつきましては、名刀になるように私は整備していくべきではないかというふうに思っておるところであります。
○一井淳治君 ぜひともおかしげな思惑に引っ張られないように、正しい報告がなされるように御配慮を賜りたいと思います。 それからもう一つダンピングに関して、これはパキスタン・イスラム共和国産の二十番手カード綿糸についてアンチダンピングの調査を開始したという決定がなされたということが二月ごろ報じられました。この問題につきましても、やはり同じような立場で正当な結論になるように、しかも余り引き延ばしするんではなくて、出た以上は正しい判断を早急に出すという淡々とした、普通の当たり前の対応をしていただくというのが一番いいと思うんですが、いかがでございましょう。
○国務大臣(熊谷弘君) そのように考えておりまして、現在調査を進めているところでございます。
○一井淳治君 それから、今回の法案で一つの大きな課題といいますのはつくり過ぎをやらない。今までは思惑で大量の商品をつくって、縫製メーカーが返品を食らって在庫が非常にふえて、これをまた安売りするというふうなこともありまして、そういったものを考えながら構造を変えていこうという新しい試みであるわけであります。 その反面、今までとは違った新しいリスクの負担をどうするかということが裏表の問題としてあると思うわけでございます。これは企業にとっては大変な問題でありまして、だれもリスクはかぶりたくない、人に押しつけたいということになるわけですから、このところもうまくあわせながら通産省において御指導いただかないといけないというふうに思うわけでございますけれども、このリスク負担について簡単にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 構造改善をこれから進める過程で特に流通面でのリスク負担、これがどういう状況になってくるかということでございますけれども、いずれにしても取引上の中小企業へのしわ寄せといった問題がなるべく解消されるような方向で政策には取り組んでいく必要があると思っております。 なお、優越的な地位の乱用によります取引条件の押しつけ等につきましては、これは別途独禁法あるいは下請代金支払遅延等防止法等の関係法令によって規制を行っているところでございますので、こういった点でも関係省庁と十分連絡をとりながら進めていきたいというふうに考えております。
○一井淳治君 結構です。
○市川正一君 熊谷通産大臣は、この法案の提案理由の説明の中で、我が国の繊維工業の現状について「消費の低迷、輸入の増大寺厳しい環境変化に直面して」いる、こう述べられました。 この指摘は、繊維産業対策の前提になっている消費不況を克服する対策が極めて重要であるということを示していると思うんです。これにこたえるためには、増税を前提としない大幅な所得減税、時間短縮、大幅賃上げなど国民の懐を豊かにする、購買力を高める、そういうことこそ消費不況を克服し繊維の消費もふやしていく根本になると思うんですが、大臣の御所見をまず承りたいと思います。
○国務大臣(熊谷弘君) この新たな繊維産業政策の必要なよって来る理由につきましては、委員の御指摘のとおりの我々認識をいたしておるところであります。 そこで、もちろん全体のマクロの経済運営の適切な展開によりまして、本来の日本の経済の持っておる成長力を発揮できるような経済環境をつくっていくということが、大きな消費の拡大を含めて経済の順調な発展のために大変大事なことであるというふうに考えておるところであります。そのために、今回政府といたしましては総合経済対策を含めた来年度予算も含めて対策を講じてきたところでございます。一刻も早く今回の提出いたしております予算の成立が期せられまして、景気の順調な回復軌道への復帰というものを我々も大きく期待をいたしているところであります。
○市川正一君 今の予算案はそうなっていないということなのですが、これはきょう本論でありませんからまたの機会に譲りたい。 続けて、私は不況対策について具体的に伺いたいんです。 最近、丹後や奄美など幾つかの繊維産地の実情を現地で聞いてみました。今度の法律改正でいろいろ対策をとってくれるのは確かにありがたい。しかし今多額の借金を抱えている。これが返せないことには新しいことをやろうということでもできない。高金利の時代に融資を受けた借金を今の低金利の融資に借りかえさせてほしいというのが共通しての切実な声だったんですね。この声に積極的にこたえる必要があると思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(長田英機君) 政府系金融機関の借りかえの話だと思いますが、この政府系の中小企業の金融機関は長期で固定金利で融資をしております。したがいまして、固定金利で長期にやっておりますとそれだけ中小企業者の経営の先行きの見通しも非常に立ちやすいというような点も十分に頭に入れて制度金融としてやっておるわけでございます。 それを低金利で借りかえを認めるということになりますと、そういう長期固定金利という物の考え方の体系と合わないというようなこと、それからさらに、個々のそれぞれの中小企業者との間の契約でやっておりましてそれを前提にしていろいろな金融機関が資金収支等を組んでいるというような実情から見まして、非常に要望は強いんでございますが、借りかえということは残念ながら困難である、こういうことでございます。
○市川正一君 今、委員席から経済も生き物だという声がありましたが、私はそうだと思うんですよ。そういう政府の姿勢が多くの国民を苦しめている。 ここに私が持ってきたのはサンデー毎日ですが、この一年間に二十二人の自殺者が出ている京都の丹後ちりめんのあの地域です。だから、あなたが殺したとは言いませんが、そういうことにやっぱりなるんですよ。この丹後地域では、丹後織物工業組合が産地ぐるみで構造改善円滑化事業に取り組んでおります。例えば、リース事業で高度な機械も設置できたと喜んでいるんですよ。歓迎しているんですよ。しかし、これに必要な資金の融資の金利は二・一%、これをせめて一%に引き下げてもらえぬだろうかという要望が出ております。こうした金利引き下げ要求は丹後に限ったことだけではありません。 ここに私が持ってまいりましたのは、官製団体ですが東京都中小企業団体中央会、ここからも長期低利の融資等助成制度の充実を図ってほしいという要望が出されております。 こういう要望にこたえることがこの円滑化事業の一層の推進に貢献する、そういうふうに思いませんか。
○政府委員(長田英機君) それでは私、中小企業全般の立場から申し上げます。 今回の不況につきましては、平成五年度だけにおきましても三次にわたる補正予算を組みまして、追加融資規模も四兆円を超える融資をやっております。そのほかにいろいろな制度を設けまして、低利の融資を行うようにしているところでございまして、例えば、先ほど先生二・一%あるいは一%というふうなお話がございましたが、中には中小企業事業団の高度化融資は無利子あるいは二・七%、政策的なものは無利子というようなこともやっているわけでございます。 それから、先ほどの御質問の件でちょっとつけ加えさせていただきたいと思うんですが、借りかえの御質問でございまして、実は中小企業の方々が、この不況下で元利金の返済に非常に困っておられるというような方がいるということで、実は平成五年の六月からでございますが、返済資金の緊急特別貸付制度というものを設けてきております。 実は今の高金利との関係なんでございますけれども、この制度を去る二月から改善をいたしまして、緊急融資の対象になる金利水準を六・九%超というものを六・五%超というふうに一つは引き下げたわけでございますし、さらに、この高い金利分につきましては一時的に金利を払わなくてもよろしいという繰り延べ措置を講じたわけでございます。これにつきましてもいろいろ国会方面で議論がありましたが、そういう議論も十分踏まえましてこのような措置を講じているわけでございます。そのようにぜひ御理解いただきたいと思います。
○市川正一君 何にもしてないということのために長い時間を必要とせぬのですよ。十二時までしかないんで、簡潔にお願いします。 続けますが、丹後地域のあるアパレル業者は、おととしあたりから仕事が減り始めて今では当時の四分の一以下になっているし、単価も発注元の言いなりで下がる一方だと、借入金の返済のめども立たぬ、こう言っております。 そこで伺いたいんですが、織工審の答申も、「優越的地位の濫用による不公正な取引等に対しては、国において独占禁止法、下請代金支払遅延等防止法等による厳正な対応が必要である。」、御承知だと思いますがこう述べております。この問題は、古くまた新しい課題でありますが、今回の法改正ではこの対策にどういう対応をなさっているんでしょうか。
○政府委員(土居征夫君) 今お話ありました独禁法それから下請代金支払遅延等防止法、これによります運用につきましては、この法律とは別に中小企業庁におきまして、公正取引委員会とも共同しながら、先ほど来説明しましたように、繊維対策についてはこの構造改善法と同時に中小企業対策が相当繊維業界に対しては活用されておりまして、そういった観点で今先生御指摘ありましたような優越的な地位の乱用防止のための施策の実行を期しているところでございます。
○市川正一君 続けます。 現地に私入りまして、そこで切実に出されてくる問題は、勤め人には雇用保険があるように中小業者にも休業保障制度というのをつくって、不況で仕事がないときは保障してもらえぬだろうか、こういう声が異口同音に出ております。これは私思うに、現行の小規模企業共済制度に雇用保険と同様の国庫補助を行えば実現できるんじゃないか。私は、今こういう深刻な不況下で政府が制度創設を真剣に検討なさるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(長田英機君) 小規模企業共済制度の中に休業時の所得保障を導入する可能性についてでございますが、中小企業政策審議会などの場におきまして実は過去何回もいろいろ検討をしてきております。その結果、導入に当たりましては業種とか年齢とか地域等の要因による発生の頻度とか、共済金額をどうするか、あるいは休業の認定の方法などいろいろ技術的な問題もございまして、過去の検討では今後さらに十分もっと検討していこう、こういうようなことに実はなっているわけなのでございます。 私どもとしては、確かに小規模企業の人が病気や災害になった場合には大変でございますので、そういう資金需要があります場合には、共済の契約者のためには特別の融資を行うというような制度を現在やっているわけでございます。 それからさらに、先生の御質問の点でございますが、実は平成五年の十一月から私ども中小企業政策審議会を動かしまして、この休業時の所得保障の問題を含めまして小規模共済制度全体をどうしていくかということの検討を現在している段階でございます。したがいまして、その中で各界の皆様方の考え方も十分踏まえて今の問題も議論してまいりたいと思うわけでございます。
○市川正一君 ただ検討するだけじゃなしに、十分に検討するというその十分に私は注目をして承りました。実際、小規模企業共済制度への国庫補助は六十五億なんです。中小企業倒産防止共済への国庫補助は十二億なんです。だから、ほかと比べてもっと余地はあるし、ひとつ今の長官の答弁を具体的に推進していただきたいということを重ねて要望いたします。 もう一つ深刻な問題は輸入の増加であります。通産省の資料でも、昨年の輸入浸透率は五〇・三%というデータが示されております。これを繊維工業の現状で見ますと、例えば生産指数は九〇年を一〇〇として見ますと、現行法による構造改善事業が始まった八九年には一〇二・八%だったのが、九二年には九四・七%に減っているんですね。一万繊維貿易は、円ベースでは八七年から、ドルベースでは八六年から一貫して入超で赤字が続いております。また、繊維製品の国別輸入の状況を見ると、東南アジアと中国で繊維製品輸入全体の七五・四%を占めております。 こういう事態を見るときに、我が国の繊維産業の圧倒的多数が中小零細企業であることからしても、構造改善を効果的に進めるためにも、輸入規制措置をとるべき段階にあるということを私はここに問題を提起したいんです。 中小企業基本法第二十二条は、御承知のように、「物品の輸入によってこれと競争関係にある物品を生産する中小企業に重大な損害を与え又は与えるおそれがある場合において、緊急に必要があるときは、関税率の調整、輸入の制限等必要な施策を講ずるものとする。」、こう規定しております。私は、今こそ本条を発動して繊維部門の輸入規制に踏み切るべきときであるというふうに考えますが、通産大臣の認識と所見を承りたい。
○国務大臣(熊谷弘君) 特に繊維産業に輸入の増大に伴いましてさまざまな問題が起こってきていることは、私どももよく認識をいたしているところであります。委員御指摘の中小企業基本法の規定に基づいて直ちに輸入制限に踏み切るべきかどうかということになりますと、他方で、国際社会におきましては自由な貿易という原則のもとにガットという体制がしかれておりまして、そしてそのガットのルールにやはり即応していかなければならない。そういうことが、日本が自由貿易社会の中で生きていく大事なポイントだろうと思うのであります。 そこで、ガットの枠の中でMFAという枠組みがあるわけでございますが、従来このMFAにつきましては、いわば日本はこれを使わないという形であったわけです。今の委員も御指摘のような状況の中で新繊維ビジョンの答申を受けまして、繊維工業審議会に設置された通商問題小委員会におきまして、現在その枠組みについて日本国の場合はこれは発動するとすればどのようにすればいいのか、するべきかどうかということを含めた検討を進めておるところでありまして、五月中旬ぐらいまでには何とかまとめたいということで集中的に作業をいたしておるところであります。 ただ、輸入を制限すること自体を目的とするよりは、やはり基本的には構造改善を進めて、そうしなくても強い産業にしていくということが一番基本にあるべきだと私どもは思いますけれども、しかし他方で、そうした枠組みについてこれをやはりきちっとつくり上げていくことも現在の状況の中では大事なのではないだろうかということで、両面進めているというところでございます。
○市川正一君 大臣のMFA竹みつ論については後にちょっと残しておきます。 私は、今大臣がおっしゃったような認識、そんなに状況は甘くないと思うんです。 「東洋経済」を見ますと、海外進出企業総覧九三年版でありますが、繊維製造業の海外進出は全体で三百五十三件に上ります。そのうち二百二十八件、約七割近くがタイ、中国、香港、インドネシアなどアジア地域であります。また、繊維製品の卸売業は全体で百三十二件でありますが、そのうち六十件がやはりアジア地域です。 そのねらいは、この地域における低賃金の労働力確保とともに日本への逆輸入を大きな目途にしておることは明らかです。つまり、我が国企業によるアジア地域への海外進出によって国内への輸入が急増し、国内産地での空洞化が進んでいる、このことが今日繊維産業の不振のもう一つの重要な原因になっていることは明白じゃありませんか。とすれば、このような国内産業を空洞化し、打撃を与える海外進出は規制する必要がやっぱりあると思うのですが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(土居征夫君) 今回の法改正の前提になっております新繊維ビジョンでも、一方ではただいま大臣がお答えしましたような輸入増加に対応して、国内対策を基本としながらもMFAをどう考えるかという議論もなされておりますが、一方では日本の繊維産業もグローバルに、国際的に戦略を考えていく必要があるということでございます。海外進出につきましては件数のお話もございましたけれども、現在日本の国内の繊維産業はまた膨大な数、膨大な企業体制がございます。 そういった中で特に労働集約的な面が強い部分について一種の国際間の分業といいますか、あるいは発展途上国とのすみ分けという形でグローバルな展開がなされておるということにつきまして、これは新繊維ビジョンではむしろ積極的に位置づけておるところでございまして、ただ海外展開が国内産業の空洞化につながってはいけない、そういう観点からの対応が別途必要だと、そういう位置づけになっているわけでございます。
○市川正一君 言うこと聞くことさっぱり話がかみ合わないのですがね。あなたは膨大な数と、確かに十三万ありますが、その十三万の繊維関係の事業者が今どんどん減ってるじゃないですか。一万五千、この数年間に減ってるじゃないですか。それをやると言うんですか、あなた。 それはまた後でただしますが、そこで私、大臣のさっきの竹みつ論ですけれども、さっき村正と言って正宗と言うのをお忘れになったので、それをこの際私の方から訂正しておきます。 今、小委員会でMFAの発動について検討している、五月ごろに結論を得るというさっきお話しでした。しかし、一体何を検討しておるんですか。アメリカもヨーロッパももう既に皆発動しているじゃないですか。輸入が急増し国内産業がこれほど深刻な打撃を受けているというもとで今さら何を検討して、何をどんなにするというんですか。それをはっきりしてほしいと思います。
○政府委員(土居征夫君) これは確かにMFAにつきましては、輸入の急増という観点から国内の構造改善を無にしないような対応が必要であるという議論、側面がございますが、一方では、これまでも日本が発動してこなかったことの背景でございますけれども、現在日本は国を挙げて輸入促進に努めなきゃいけない、黒字を減らしていかなきゃいけない、そういう状況がございます。あるいは、繊維産業は日本にとっても重要な産業でございますが、アジア発展途上国にとっても成長の起爆剤になる基本的な産業でございまして、アジア発展途上国の繊維産業の成長に日本経済としては協力していかなきゃいけない、そのために日本の市場もできるだけオープンにしていかなきゃいけない、そういう状況もございます。 さらには、MFAということになりますと輸入制限ということになりますので、どうしても消費者物価への影響とか、消費者への影響ということも別途考えなきゃいけない、そういう問題もございますし、あるいは規制に伴いますいろいろな弊害というのもございますので、そういった点を十分比較考量しるというのが実は新繊維ビジョンの答申の中身でございまして、そういった点を中心に現在小委員会で今後の考え方について整理をしているところでございます。
○市川正一君 聞いておったら繊維産業というのはちょうど米と同じような運命をたどるようなお話なんで、そんなものじゃないと思うんです。 私はMFAを考えてみたときに、繊維といっても毛でしょう、化合繊でしょう、それから綿が中心です。それで、絹関係は対象になってないんです。ウルグアイ・ラウンドで合意されれば絹関係の二国間協定は廃止の方向に進みます。そうすると、今でも和装産地を中心に壊滅的打撃を受けているこの絹関係、この面からも私は輸入規制措置をとるべきだと思うのですが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(土居征夫君) 絹製品につきましてはMFAの取り決めの対象となっていないわけでございますけれども、これは御承知のように一九七四年から生糸の一元輸入制度ということで完全な国家貿易の体系になっております。生糸の内外価格差が非常に大きくなっている、そういうことから実は絹の関係の繊維製品につきまして、絹糸、絹織物につきまして二国間で、中国等と協議を通じまして輸入数量を設定して輸入管理を実施しております。 そういった形でこの問題には対応してきているところでございますが、今先生お話がありましたように、この二国間の措置につきまして十年でフェードアウトしていくということがウルグアイ・ラウンドで方向が出ているわけでございますので、この点につきましては農水省とも相談をいたしまして、生糸の輸入についての体制、特に内外価格差があるというところを中心に、このフェードアウトが円滑にいくように原材料の対応措置等、十分整合性のとれるような対応を考えていきたいというふうに考えているわけでございます。
○市川正一君 時間が迫ってまいりましたので、論議をずっと寄せていきたいんです。収れんいたします。 私は、現行法に基づく構造改善事業の実態をリアルに分析をしていくこと抜きにして新しい対策は出てこないと思うんですね。そこで、構造改善事業への参加企業数は、繊維工業の全事業者数がさっき言いました約十三万、それから見ると一割に満ちません、大体九%です。九割以上の事業者が構造改善事業を実施できないでいるというのもまた現実なんですね。 一方、通産省の資料によりますと、さっき私は大きい声を出しましたが、八五年から九一年の間に繊維事業者は一万五千企業も減っているんです、つぶされているんです。織工法で対策をとっているにもかかわらずこういうことになっている原因はどこにあるのか、これをどう評価なさっているのかをお伺いしたいと思います。
○政府委員(土居征夫君) 最初に、この繊維工業構造改善臨時措置法による対象事業者のカバーですけれども、一割未満ということで少ないじゃないかというお話なんでございますが、これにつきましては、運用の弾力化によりましてこの範囲をできるだけ広げていきたいというふうに考えております。 先ほど申しましたように繊維対策については、この構造改善臨時措置法はいわば基本的な骨格の対策、中核的な対策をやっておりまして、このほかに中小企業対策が、例えば産地振興対策につきましてはいわゆる集積活性化法というもので、あるいは中小繊維産業の新分野進出につきましては昨年末に成立しましたリストラ支援法によって、その他あらゆる中小企業対策、これは相当部分が繊維対策として講じられております。 その中でこの法律は、特に繊維産業が異業種多段階になっておるという点に着目しまして、そういう垂直的な連携によります構造改善を進めるという点に着目してこの対策をとっているわけでございまして、いわば繊維産業対策の中の中核的なリーダー産業を育てていくというところがこの構造改善対策としての役割だということでございます。 いずれにしましても、先ほど来お話がありましたように、繊維産業の事業所の数はこれまで減ってきております。数が減るということ自体はいろんな形がありますが、合併とか集約化によって減る場合もあるわけでございます。 ただ、この繊維産業の場合には発展途上国との産業調整でいわばすみ分けが進む中で、新しい産業は伸びできますけれども、そういった産業調整をとられるところもやはりあるということは認めざるを得ないわけでございまして、それは業界自身もそういう言い方で、ヒアリングの中ではそういう厳しい面は認識していかなきゃいけないという前提でこの対策に取り組むという、そういう状況になっているわけでございます。
○市川正一君 そうしますと、今までの実態に即して分析もしそこから新しい施策の方向を見出していく上で、現実は国の施策を利用できるのは限られた企業でしかなかったというのもこれは一つの事実なんです、結果としてですよ。事実、一万五千の事業者が減少している。これでは、政府の繊維対策は繊維産業を発展させるというよりも、自然淘汰に任せるということになってしまうんではないかと。 要するに、繊維事業者がもっと広く構造改善事業に参加できるような思い切った対策にこの際踏み切っていくという姿勢を私は強く要望し、見解を求めて質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(熊谷弘君) 中小企業がオーバーラップしている政策の場合は、しばしば委員御指摘のように政策対象者が全体の中でわずかじゃないかという御批判を受けることになるわけでございます。 今回の法案に基づく政策が、もちろんその大宗が中小企業であることは言うまでもないわけでありますが、特に生活産業局長からも御説明申し上げましたように、生産から流通に至るまでの非常に多段階のしかもそれぞれが全部業種として独立しているという、歴史的に繊維産業が育ってきたゆえんのものなんですが、そういう特徴をやっぱりネットワークでつなげていくということになりますと、特に零細事業者の多い生産工程の部分が一緒についていってくれなければ全体としての産業が強くなりません。 そういうことを踏まえまして、特に今回からは中小企業近代化資金等助成法の特例を設けまして小規模事業者についても特段の配慮をする。これで恐らく相当の数の、一番末端の本当は一番生産性を上げてもらわなければならないおじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さんだけでやっている機屋さんとか整理屋さんだとか、そういった工程の方々を広くこの構造改善策の中に取り込んでいくという工夫はいたしているところでありますけれども、なお足らざるところを研究させていただきたいと思います。
○市川正一君 終わります。
○委員長(中曽根弘文君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(中曽根弘文君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(中曽根弘文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時五分散会 —————・—————