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129回国会参議院1994/06/21

議院運営委員会国会等移転小委員会 第1号

発言数
26
登壇者
8
会派数
5
開催日
1994/06/21

会議録

磯村修新緑風会

○小委員長(磯村修君) ただいまから国会等移転小委員会を開会いたします。  国会等の移転に関する調査を議題とし、本日は、去る六月十四日に、国会等の移転に関する法律第十三条第三項の規定に基づき、国会等移転調査会から提出された中間報告に関する件について、参考人として国会等移転調査会会長の宇野收君から御意見を承ることといたします。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。  本日は、御多忙中のところ当小委員会に御出席いただきまして、ありがとうございます。小委員会を代表いたしまして、厚く御礼を申し上げます。  それでは、議事の進め方について申し上げます。まず、参考人から二十分程度で中間報告について御説明をしていただき、その後、小委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。  それでは、参考人から御説明をお願いいたします。宇野参考人。

宇野收国会等移転調査会会長

○参考人(宇野收君) ただいま御紹介いただきました国会等移転調査会会長の宇野でございます。  昨年の九月より、国会等移転調査会の基本部会を中心に調査、審議してまいりました「首都機能移転その意義と効果」に関しまして、去る六月十日に開催されました第四回国会等移転調査会におきまして中間報告を取りまとめ、同日付で羽田内閣総理大臣に私から御報告をいたしました。その後、十四日付で内閣総理大臣より国会に報告されたと承っております。  本日、この場にお招きいただきまして御報告の機会を賜りまして、まことにありがとうございます。  基本部会は、昨年五月十八日に開催されました第二回調査会においてその設置が決定されまして、昨年の九月七日に第一回部会を開催して以来、精力的に審議を進め、途中二回にわたる海外調査、東京都からのヒアリング、公聴会等も交えながら、本年五月十八日までに計十一回にわたり検討を進めてまいりました。  基本部会の審議に当たりましては、私も可能な限り出席させていただきましたが、国土庁の首都機能移転問題に関する懇談会取りまとめや内閣の首都機能移転問題を考える有識者会議の取りまとめの議論、その他従来からあるもろもろの学説や論調等をも踏まえつつ、移転の意義と効果を大きく八つの観点から検討をいたしました。  すなわち、中間報告の最後のページに基本部会の開催の経緯がございますが、「国際的役割の増大への対応」、「新しい社会への変革のトリガー」、「人心一新の好機」、「政治、行政改革の契機」、「東京の過密問題解決への寄与」、「二十一世紀にふさわしい国土構造の実現」、「地震等災害に対する脆弱性への対応」及び「その他」の八項目であります。これらにつきまして、専門的に調査、審議を進めてまいりましたが、このたび、これまでの成果を幅広く国民各位の御議論に供することが必要であると考え、調査会の中間報告としてここに取りまとめた次第でございます。  首都圏移転問題に関する報告書といたしましては、過去におきましても、先ほど申し上げましたように国土庁懇談会取りまとめがございますが、これは国土政策上の観点にウエートを置いた報告内容となっており、また、内閣の有識者会議取りまとめは、大所高所から首都機能移転の必要性を強調したものであります。  今回の中間報告は、各委員の見識と英知を結集して、これら先行した二つの懇談会における論点につきましても一層具体的かつ詳細な分析に努めるとともに、より幅広い観点から新たに、国民の意識、価値観、政治行政システム、経済社会構造、国際情勢の変化等、多岐にわたる観点からの検討を加えたほか、歴史的な考察をも行うなど、さらに広い視野に立ち、掘り下げた議論を行った上で取りまとめたものであります。また、具体的な例示をふんだんに盛り込むとともに、通常の型にとらわれない文体、言葉を用いるなどして、国民的合意を図る上でより理解しやすい内容にすることを目標としてまいりました。  報告書を順にめくっていただきますと、最初に「はじめに」、続いて「目次」がございまして、一ページの「序章」となっていくわけであります。その「序章」の冒頭に、「われわれが、この小論で試みようとしていることは、首都機能移転という壮大な歌劇の序曲を奏でることである。」というくだりがございます。首都機能移転をオペラに例えていますが、皆様御承知のように、オペラの場合、通常、第一幕の前に序曲が演奏されるわけでありますが、序曲は幕あけがすぐそこまで来ていることを告げるとともに、幕あけ以降に展開されるであろう歌劇の内容を聴衆にあらかじめ暗示することを役目としていると言われております。  こうしたことになぞらえまして、ここでは、この中間報告がこれから始まっていく首都機能移転という壮大なプロジェクトの幕あけを宣言するとともに、その道筋を多くの国民が内容を予見した上で理解を深めていただくことにより首都機能移転への理解を高め、かつ期待を膨らませていただこうということであります。  全体の章立ては、いわゆる起承転結を意識して構成しております。  まず、起に当たります「第一章 転換期を迎えた日本とその二十一世紀における新しい方向」は、今なぜ首都機能移転が必要かについて議論を説き起こすために必要な我が国内外の情勢変化に関しまして、来るべき二十一世紀における変革の方向について概観しております。  三ページからの「1 価値観の多様化と「個」の確立」では、従来、組織中心の価値観や横並びの重視により個を軽視してきた我が国社会において、最近社会の成熟化に伴い、国民が個性豊かな生活を求め、価値観が多様化しつつあり、また国際的な交流意欲も積極性を増しつつあること。  次に、六ページからの「2 改革・転換期にある政治・行政システム」では、今まで我が国の経済社会を長く支えてきた政治行政システムが情勢の激変により、政策課題が著しく変化してきたにもかかわらず、総合的な視野の不足が指摘され、変革への機敏な対応をおくらせており、このため制度疲労を来していること。政治行政と経済社会との関係を二十一世紀にふさわしい新たな関係に変える視点が重要であり、政治行政が国民から見てもまた国際社会から見てもわかりやすい姿で遂行されることなど、透明、公正な政治行政が求められていること。  次に、七ページからの「3 変革を求められる経済・社会」では、従来の国内産業重視の、効率的な生産重視の経済社会構造が、成熟化社会を迎え、自立、自助の社会への変革をおくらせ、国民の多様な価値観の実現を妨げ、国民の豊かさの実感を阻んでおり、またゆとりや精神的豊かさへの欲求、国際協調への要請が高まりつつある今日、そのような経済社会構造が大きな体質改善を求められていること。  次に、九ページからの「4 冷戦構造の崩壊と新たな国際秩序の模索」では、米ソ二超大国が対峙する冷戦時代が終えんを迎え、新たな国際秩序の構築が模索されており、我が国がその地位にふさわしい役割を十分に果たしていくことが求められていること。  次に、十ページからの「5 東京一極集中と国土利用のアンバランス」では、経済的、文化的側面のみならず、心理的でも抜きがたい東京一極集中志向を背景として、東京圏においては依然として深刻な住宅、通勤、通学、交通、廃棄物処理等の諸問題が山積しており、東京一極集中のメカニズムの打破が求められていることなどをそれぞれ分析しております。  次に、起承転結の承に当たります「第二章 首都機能移転の意義」におきましては、十三ページからの「1 国政全般の改革」で、我が国が根本に踏み込んだ幅広い改革を迫られており、首都機能移転がそのための重要な機会であり、国政全般の改革を強力に補佐補完し、加速し定着させる手段であること、規制緩和、地方分権と並び二十一世紀へ向けた我が国社会の改革のための車の両輪とも言うべき重要施策であること。  十五ページからの「2 首都機能移転の歴史的役割」で、内外の歴史を振り返れば、首都機能移転は新しい時代を創生じようとするときに新たな政治行政システムへの転換、国民意識の変革、新しい文化の生成、国土構造の改編等さまざまな面で重要な役割を果たしてきたこと。  さらに十七ページからの「3 首都としての東京の限界」では、東京は過密巨大都市化に伴う諸問題の深刻さ、地震災害に対する弱さ、国際政治活動への制約等、首都としてさまざまな限界に直面していることといった三つの観点からの首都機能移転の意義を述べた上で、二十ページからの「4 政経分離と首都機能移転の必要性」において、第一章で分析いたしました社会変革をより確実に推進し、加速し定着させていくためには明治以降、政官民一体となって経済発展に専念してきた体制を改め、新しいルールを確立するとともに、物理的な政経分離を図る必要があること。その際、政治行政機能がみずから率先して移転すること、すなわち首都機能移転が最も効率有効かつ適切な手段であること。  さらに二十二ページからの「5 新しい日本は新しい革袋に」において、平清盛と源頼朝の歴史的事例等を踏まえて、新しい日本を築いていくためには新首都という新しい革袋が必要であることを強調しております。  さて、「第三章 首都機能移転の効果」は、首都機能移転のもたらす効果について述べております。  そこでまず、首都機能移転が社会全体の雰囲気を一新し、政治、行政、経済、文化等に大きな変化を生じさせること。そしてそれが相互に作用し合い、定着していくことにより、我が国のあり方そのものを大きく変貌させるものであることを述べた上で、二十四ページからの「1 東京中心の社会構造の変革」で、東京中心の序列意識が崩れ、人々や企業の東京志向が緩和され、東京への優位性が相対的に低下することにより、地域の自立が促進されるとともに、東京中心の社会構造が意識面から改革されていくこと。  二十五ページからの「2 新しい視点に対応した政治・行政システムの確立」で、規制緩和や地方分権と政治行政改革を促進する契機になり、政策立案の視点が経済効率重視、大都会的なものから生活優先的、地域住民的なものに変化することとともに危機管理機能が格段向上するなど、新しい政治行政システムが確立されること。  二十七ページの「3 新たな経済発展」で、新首都の建設で、世に認められた独創的技術の応用、関連社会資本の整備による広範な社会的、経済的効果、内需の拡大等により新たな経済発展が図られ諸外国との経済的あつれきが緩和されること。  さらに、二十八ページからの「4 世界へ向けた日本の新しい姿」で、首都機能移転が今後の日本の新しい姿を世界にシンボリックにアピールすることにより、我が国の理解の増進に役立ち、また国際交流を促進すること。  二十九ページからの「5 国土構造の改編」で、東京については、過密の軽減、都市居住環境の向上、防災性の向上。国土全般については、東京への集中が集中を呼ぶメカニズムの打破、東京の吸引力の大幅な減殺、新首都圏の形成による国土構造の改編、複合的な情報通信、交通ネットワークの形成。防災については、政経分離により、リスク分散、災害対応力の強化等、国土構造の改編に大きな効果を及ぼすことの五つの柱にくくって、できるだけわかりやすく根拠を示しつつ説明をしようとしております。  さて、「第四章 「新首都時代」の創出」は、結に相当する部分であります。  そこにおきましては、まず三十二ページからの「1 新首都の創造」で、我々がどんな新首都をつくろうとしているか。すなわち、我が国の未来を国民と国際社会にアピールし、新しく生まれ変わる日本の姿を代表するような日本の進路を象徴する都市であること。新しい時代の要請に対応して、生まれ変わる政治行政システムが十分にその機能を発揮できるような新しい政治行政都市であること。世界と日本をつなぐ役割を十分に果たせる本格的な国際政治都市であることを述べた上で、三十五ページからの「2 生まれ変わる東京と新首都との連携」で、首都機能移転を契機に生まれ変わる東京と政治行政の新たな中心地となる新首都との間の機能的な分担、協力関係を支えるための密接な連携の確保について考え、また三十六ページからの「3 首都機能移転の問題点とその克服」で、国民の求心力、方向性の喪失のおそれ、日本経済の活力、効率性の低下のおそれ、東京の活力低下のおそれ、新首都への新たな集中のおそれ、投資の優先度に対する疑問の五つの問題について当調査会として見解を述べると同時に、それらをどう克服していったらよいかのとりあえずの解決策を探るとともに、四十ページからの「4 新首都づくりに当たって予め講ずべき措置」では、第一回公聴会での御意見等も踏まえ、新首都づくりに当たって、あらかじめ公正、透明な手続の確保、土地投機の防止、環境との調和、共生の確保が図られるよう措置される必要がある旨を記述いたしました。  そして最後に、四十一ページからの「5 「新首都時代」の展望」及び四十四ページからの「6 「東京時代」から「新首都時代」へ」で、新首都がつくり出す新しい時代、すなわち魅力ある選択肢が多様に提供される自由度の高い時代、国の政治、行政の運営がより開かれた透明性の高いものになっていく時代、豊かな国際社会が展開する時代及び独創的で個性的な地域社会の形成が進んでいく時代の実現について期待を込めて展望してみました。  新首都の建設は、人々が時代の変化を実感し、心機一転してよりよい未来を志向する、そういう歴史的な一大事業であり、それにめぐり合い、参画する機会を得ることは、未来に向けた夢の創造そのものであると言えましょう。  中間報告の概要は以上でございますが、私から羽田内閣総理大臣に御報告申し上げましたところ、総理からは、未来を見据えた夢のある仕事だ、二十一世紀のあり方を今考えることが大切である旨申されました。私も全く同感でございます。  本調査会におきましては、この中間報告を踏まえて、今後首都機能移転の具体化に向けて新首都の具体像や首都機能移転の進め方などについてだれもが胸の中に描き得る検討材料を提供できるようさらに議論を進めてまいりたいと思っております。  また国会におかれましても、広く内外の人々に語りかけるなど、国民にわかりやすいPRの実施に努められ、一歩一歩実現に向け国民の合意の形成が図られますよう努力されんことを期待を申し上げます。  なお、お手元にございます十ページ程度の中間報告の要点は、首都機能移転はいかなる意義と効果を持つものなのか、また問題点やその解決策は何か、さらに新首都はどんな首都になり、どのような時代が展望されるのかなとにつきまして中間報告の主要なポイントをまとめてみたものでございますので御参照ください。  以上をもちまして、私からの報告とさせていただきます。ありがとうございました。

磯村修新緑風会

○小委員長(磯村修君) ありがとうございました。  それでは、これより参考人に対する質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

田辺哲夫自由民主党

○田辺哲夫君 宇野参考人には、きょうは御多用中のところを御足労いただきましてありがとう存じました。また、調査会で会長職を務めていただきまして、私どもも心から敬意を表しておるところでございます。  実は、私は東京で長らく政治をやっておりました。ちょうど八年前に東京都議会の推薦をいただきまして参議院に出てまいりましたが、この首都機能移転につきまして、政治上または行政上いろいろな質問が参ります。もちろん、私も決議とか法律には賛成した立場でございますので、これは反対じゃございません。賛成でございますが、そのような声を背景にいたしまして、極めてざっくばらんでございますが、基本的な問題につきましてお尋ねしたいと思います。  まず第一に、遷都との関連でございますが、言うならば遷都とか分都とか展都とか、この首都機能移転につきましていろいろ言われておりました。今回の国会等の移転、これは三権分立の中枢が移転するということでございますから、実態的には私は遷都ではなかろうか、このような感じを抱いておりますが、人によりますと憲法第一条を持ち出しまして、天皇は日本国の象徴である、このような観点から天皇の居住する地域が首都ではなかろうか、このような発言が実は多いわけでございます。私も憲法を持ち出されますと、国会は国政の最高の立場である、こういう点からさてどうかなというような一点の疑念を抱くわけでございます。  私に精神的支柱を与えていただく、こういう観点から、この国会等移転が遷都であるか、または天皇の居住地でございますこの東京が首都であるのかお教えを一点だけいただきたいと思います。  次に、今まで日本におきまする天皇の所在地、いわば皇居の移転でございますが、いろいろ考えますと、有史以来飛鳥にあった。次に近江京、滋賀県にあった、これは天智天皇の時代でございます。そしてまた飛鳥に戻りまして藤原京。そして今度は平城京、奈良でございます。そして平安京。そして東京というように段階を踏んできたわけでございます。しかしながら、鎌倉時代とか室町時代とか江戸時代とかお話がございました。これでいきますと、実態的に政治権力が結集しておるところが首都ではなかろうかというような御発言にも承ることができます。  このような歴史的経緯からいきまして、どこを実態として首都と定めるのか、このような点もお聞き申し上げたいと存じます。  私どもがいろいろ教わりました範囲におきますと、革命とか改革とか、または大きな民族的な大変動、こういう事態が生じましたときに天皇の居住地が移るという実は歴史的背景がございました。  例えば近江京でございますが、これは天智天皇が百済の応援によりまして新羅と戦った、そして大敗いたしまして、都を移すべきということで近江に都を移したわけでございます。これは大きな社会的変動でございました。また、江戸はもちろんいろいろな要素があったわけでございますが、この辺の実態を踏まえましてひとつ教えていただきたいものでございます。  次に、国際的視点から見ました首都でございますが、この中にもいろいろな論議が書かれておりました。  私、個人的見解でございますが、小さな国の首都はなかなか移転しない。欧州におきましてもフランスとかイタリーとかイギリス、または韓国、この首都は移転しておりません。大きな国の首都が実は移転しておるわけでございまして、大きな国といいましても面積の大きい国でございます。  オーストラリアのキャンベラ、このキャンベラのございますニューサウスウェールズ州という州がございまして、そこにシドニーもあるわけでございますが、この州と実は東京が姉妹都市提携を結びました。私が都議会議長の時代にシドニーに参りまして、それを提携した事実がございます。そのときにキャンベラへ参りますと、あの時代は非常に小さな町だった、人口もたしか三十万前後ぐらいではなかったかと思います。シドニーの経済人といろいろと話しますと、非常に都合が悪い、例えば官庁へちょっと用事に行くにも一日かかる、非常に不便だ、首都がまずいところに移ってもらったなという意見が実は多かったわけでございます。私はこれは十年ぐらい前の記憶でございますが、今頭に残っておるわけでございます。  また、実はブラジルのブラジリアでございますが、ここも将来的展望をいたしましてすばらしい首都になるというようなお話がございますが、この都市には私は行っておりませんが、ここも何かしらいろいろなうわさが実は流れておる町でございます。  こういう実態を踏んまえますと、首都の移転というものは非常に難しい。人心一新、新しい都市づくり、この点は十分わかっておりますが、ひとつ慎重に堅実に財政的基盤を有してやっていただきたい、こんな願いでございます。  そして、アメリカとか実は中国でございまして、ワシントンとか北京より大きな町があることは間違いございません。しかしながら、戦後この首都が変わったということはなかったわけでございまして、そこら辺もまとめましてお答えをいただきたいものでございます。  私は時間が限られておりますので、あと簡単に二つ、三つばかり申し上げますが、いろいろ論議が煮詰まりまして、まず第一に場所を見つけなきゃなりません。この場所を見つけるのが非常に実は難しいわけでございますが、この構想に基づきました立派な場所を見つけていただきたい。  国際交流というようなお話がございましたが、まさにそのとおりでございまして、私は陸海空、これがそろった場所でなければ新首都としてなかなか難しいのではなかろうか、こんな実は願望を抱いておるわけでございますが、ひとつリニアモーターカー等々もお考えいただきまして、すばらしい場所の選定をしなければならない。もちろん、私どもにも責任があることは承知しておるわけでございます。そこで、国際的国内的、すべてがほぼ合意のとれました場所の選定をしていただきたいと存じます。  次に、財政的基盤の確立、これなくして新首都はつくられないと思います。今、非常に財政的に軟弱でございまして、私は大きな金を積み立てて、そして初めてこれが実現するような気がしてなりません。このような点もひとつあわせてお答えいただきたいと思います。  最後に、都民の皆さんが大変願望しておりますのは、東京の将来がどうなるかということでございます。ここが私は大きな消極的意見が出てくる源泉だと思いますが、今の書類におきましても経済面、文化面で一万の極を極として発展を遂げるということが述べられておるわけでございます。東京はニューヨーク、またロンドンと並びまして世界の三大金融都市でございます。こんな点も踏んまえまして、お答えをいただきたいものでございます。私は賛成でございますが、都民のいろいろの意見を集約いたしまして、お尋ねした次第でございます。  以上でございます。

宇野收国会等移転調査会会長

○参考人(宇野收君) 今、田辺先生から基本的にこの中間報告の趣旨は理解をしているとおっしゃっていただきまして、ありがとうございました。  幾つかの問題を指摘されました。まず第一に、いろんも言葉があって、展都とか分都とかいろいろあるけれども、要するにこの問題を言おうとしているのは遷都を言っているのかということの御質問があったかと思いますが、これについてはやはり遷都的な考え方で今議論をしておるということでございます。機能別に行政は行政でどこかへ行く、あるいは立法は立法で別のところへ行くというような考え方でなくて、一括して移転をするということが基本的な議論でございます。しかし、これは後ほど展開していく選定基準との関連においてまだ十分詰まったわけではございませんが、基本的にはそういう考え方でございます。  それから、過去の歴史をずっと引かれまして近江京その他ずっといろいろお話があったことは、私は関西在住者でございますから、身近に難波京があって、そして平城京があって、平安京に移るまでに近江京があったりいろんなことがあったということもよく存じておりますが、今回の遷都というのは、過去の天皇が彩られたより以上の大きな意味合いを持っておるというふうに私は理解しております。あえて言うならば、やはり鎌倉に鎌倉幕府ができたときは、あれは武家政治が一つの時代に入ったわけでありますから、時代の背景ができた。あるいは江戸に幕府ができたときもまたこれ一つの大きな意味があったというふうに理解しておりますが、今回はまさにそれを上回る大きな歴史的な意味があるというふうに考えております。  それから財政的基盤の問題でありますが、これはまさに非常に大きな財政の支出を伴うわけであります。この辺につきましては十数兆というふうな一つの数字がひとり歩きしておるようでありますが、果たして十数兆でおさまるものかどうかということもまだ定かではございません。したがって、大きな財政負担を伴う問題をどうするかということについては、やはり基本的に財政的に支出をするという考え方と、受益者が負担をする、その地域の受益者が何がしかの負担をするという考え方も委員の中にはございます。この辺のところはこれからまだ議論をしていかなければならない問題だと思っております。しかし、全く受益者だけがこういうことができるかといったら、これはできない相談ではないかとも思いますから、財政の負担とそして地域受益者の負担というものをどういうふうに兼ね合わすかという問題であろうかなと思いますが、これは私の個人的な今見解の域を出ておりません。  それから東京の将来をどうするのかと、これはもう大変なやはり大きな問題だと思います。そもそも今回の遷都の問題というのは、やはり時代の大きな変わり目に今までのような一極集中のままで日本の体制はいいのかという一つの歴史的な転換点での発想がある一方で、現在の東京都に住んでおられる皆様方の災害問題を含め、あるいは生活環境問題を含め、このままじゃもう行き詰まるよという問題があることは事実でありますから、この問題はこの問題として移転とともに並行してこれはどうしても考えなきゃいかぬ問題だというふうに思っております。  ただ、これを全国民的に見ると、東京都が困るからどこかへ出ていってくれというふうな観点で遷都問題を言ってはいけないということも事実でございますから、一方で東京の問題があります、一方で日本の将来を考えて、東京の問題も解決するが日本の将来のため移転するという考えだというふうに私は理解をしております。  それからあともう一つ何かありましたか。

田辺哲夫自由民主党

○田辺哲夫君 外国との関係です。

宇野收国会等移転調査会会長

○参考人(宇野收君) これは新首都のあるべき位置が陸海空をまとめて便利なところというお話に絡めてですか。

田辺哲夫自由民主党

○田辺哲夫君 いや、外国の面積の小さい国、大きい国、またはアメリカとか中国、こういう点をお尋ねしたんです。

宇野收国会等移転調査会会長

○参考人(宇野收君) これは、私どもも調査会でキャンベラへ参り、ワシントンあるいはオタワを見て、そしてブラジリアだけはもうあそこはどうもうまくいってないらしいから行かないでおこうということで参りませんでしたが、やはりあの位置を決めたときの考え方というのは、先生御承知のとおり、キャンベラの場合はメルボルンとシドニーの間のところでいこうかなという妥協の産物でございますし、ワシントンの場合も南軍と北軍のあったところの妥協の産物で決まったというようないきさつがあって、どうもそれぞれやはり何か妥協で決まったようなところがあります。  日本の場合にはやはり何といっても基本的に大事なことは、東京に災害が起こったときに同じ系列の災害の起こるような場所ではいけないという防災上の問題が非常に大きな観点の一つではないかというふうに思います。  それ以外に、先ほどおっしゃった陸海空から見て交通のアクセスの非常に便利なところでないと国民が困るのではないかという問題があろうかと思います。これらの問題は調査会といたしましては今回の中間報告を出した後、新都市部会で専門的にこれからいろんな資料も集め、そして詰めてまいるということになっております。大体調査会としては再来年の三月までが一つの期間でございますから、十分にその辺を詰めてまた御報告を申し上げたいというふうに思っております。

田辺哲夫自由民主党

○田辺哲夫君 ありがとうございました。

上野公成自由民主党

○上野公成君 私は、群馬県選出の上野と申します。  赤城山ろくも最近立候補しまして候補地の一つでございますけれども、私は、今回の中間報告は先ほど会長は序曲だというふうに言われたわけでございますが、報告書の中にも書いてありますように、最も心を砕いてきた課題はいかにして多数の人の理解を得て首都機能移転を推進できるか、こういうことで合意形成のための中間報告だと思うわけでございます。  私はこれを素直に読ませていただいたんですが、これを読んでやはりどうしても移転が必要かどうかということを見ますと、読めば読むほど、私の読み方が悪いのかもしれませんけれども、これで国民の皆さん全体の合意を得るのはなかなか大変じゃないかなという感じを、これは大変苦労しておまとめいただいたわけでございますけれども、正直なところそういう感じがしたわけでございます。  総理府の世論調査でも遷都に賛成だという意見が多数を占めているということでございますけれども、これは総論としては確かにそういうことだと思うわけでございます。候補地はいろんなところがあるわけでございまして、例えば那須なら那須に決まった途端にほかの人は恐らく反対をするというようなことになって、反対の方が多くなるんじゃないかなという危険もあるし、実際にはそういうことが考えられるわけでございます。  そこで、国民的な合意形成のために、この中間報告を土台にしまして今後調査会としては具体的にどのようなことをされていくということを考えておられるか、まずお聞きしたいと思います。それとの関連でございますけれども、中間報告の第四章のところに「首都機能移転の問題点とその克服」として五項目挙げられておるわけでございます。これは、首都機能を移転するとこういういいことがあるよというプラスの面は別にして、全部それと対になったマイナス面をずっと指摘されたわけでございます。マイナス面が全然ないということは考えられないわけでございますけれども、これを最小限に抑えて、これがみんなに説得力を持つということが国民的合意を得られる大事なことじゃないか。いいぞいいぞということも大切でございますが、こういう悪いことが確かにあるわけだけれどもこれは最低に抑えられるんだということが一つ大きなことだと思うわけでございますけれども、ちょっとそこを読ませていただいても、具体的にああそうかなというようなところまではなかなかいかないんじゃないか。  特に一つだけ例を申し上げますと、「投資の優先度に対する疑問」というのが五番目に書いてあります。これは高齢化社会がやってくるわけでございまして、だんだん投資余力がなくなってくるわけですね。ただでさえ消費税を導入しないとなかなか大変だというような状態でございまして、私も高齢化社会の勉強をいろいろしているんですけれども、二十歳から六十五歳以下が生産力のある世代だとすると、それが六十何%あるやつが五四、五%ぐらいまでかなり落ちていくわけです。それをずっと見てみますと、なかなか投資をするようなタイミングというのが正直なところ言ってないんじゃないか。その前に高速道路網も整備をしなきゃいけないし、まだまだたくさんやることがあるわけでございまして、この文章を読ませていただいただけでもちょっと迫力に欠けるかなというようなことを正直感じましたので、その三点についてちょっとお答えをいただきたいと思います。

宇野收国会等移転調査会会長

○参考人(宇野收君) 今、上野先生から御指摘をいただきました問題で、最初に合意の形成の問題でありますが、これは私ども調査会の方も一年がかりで調査会の中での合意の形成に大分時間を費やして今回の中間報告になったわけであります。  この調査会のメンバーの中には、国会からこれだけのものを言われてもうこれは決まっているんだ、だからいかにやるかということだけやったらいいんだという御意見の方もありました。しかし、そうじゃないだろう、これはもうやっぱり国民の皆さんが理解をする。合意といいましても、これは満場一致というやつはないですね。国会でも満場一致というのはなかなか難しいように伺っております。したがって、大多数の方が理解をしていただいたらまあいいという意味での合意でありますが、それにしてもこういう中間報告を出したから大体皆わかったよというふうにはなかなかいかないわけであります。したがって、私どもとしてはやはり合意の形成に、今まで公聴会を一遍やりましたが、これはまだ一遍だけでありますから、これから数度にわたって各地を回って公聴会もやりたいと思いますが、しかしこれでも十分ではないと思うんです。  ですから、これは先生方にもお願い申し上げたいんですが、やはりマスメディアを使ってこういう問題をぶつけて、そしてそれに対して皆さんの反響を聞きながらまた理解をしてもらうというような、例えばテレビなんかの討論会をやるとか、そういうことが非常に必要ではないかと思いますので、この点は特にこちらからもお願い申し上げたいというふうに思います。  それから、問題点といいますか、もっと的確に言えばデメリットかもしれませんね。そんなことのデメリットがあるのにどうするのかという問題の中で、私どもは率直にやはりこういう問題について今の時点で考えますと、集中することによって非常にメリットがあるわけですね。しかし、また逆に言うと集中することによって非常なデメリットがあるわけで、最も大きなデメリットは災害が起こったときに対応ができないというデメリットだと思いますが、通勤その他、居住環境が悪いというのもデメリットであります。したがって、ここでメリット、デメリットだけの問題を議論するならば、やっぱり分散することによってのデメリットはもうこれは避けられない。しかし、大きな時代の流れを見ると、分散することが次の時代への対応に正しい方向であるという考え方で割り切らないと、メリットばかりあるようなことというのはとてもないんではないかと私は理解をいたしております。  それとの関連で、財政支出を出すときに一体優先順位がそういうところにあるのかねという御質問かと思います。  私も、例えば福祉対策にこれだけ要るよ、あるいはアクセス、道路その他についてこれだけ要るよというのを削って首都圏の建設に持っていくのかねということになりますと、これは今申し上げているデメリット、メリット論と同じでありまして、現在の時代感覚で見たらこれはそこへ回せないということだと思うんです。しかし、少し歴史的な視点を考えて、二十一世紀の日本づくりということを考えると、これはやっておかなければならないという一つの重要度が問題だという理解も私はあるんだろうと思うんです。その辺のところはこれからもう一遍また皆さんと議論をしながらやっていかぬといけない問題で、ただそんなものに金を出せないよというだけでこの問題を流してはいかがかなというふうに思います。  それともう一つは、財政的には今非常に厳しい厳しいと言っておりますが、しかしながら日本の体力は今まだ十分にあるんです。これからもう十年、二十年して本当に老齢化の社会に入ったら体力はないんですね。そうしますと、今やらなかったらもうこれは先になったらできないままになってしまって、その結果日本の国の展望というのは難しいものになるんではないかと私は思います。

上野公成自由民主党

○上野公成君 むしろ、今お答えになった後段のことの方をお聞きしたつもりなんですよね。  ですから、今普通のことをやっていてもなかなか大変なのに、これは早ければ早いほど余力があるわけですけれども、なかなか合意形成を得られるのにも時間がかかるのでそういう余力があるのかなという感じがしたものですから。最後のお答えで結構なことは結構なんですけれども、後段のことについてお尋ねしたつもりなんです。

宇野收国会等移転調査会会長

○参考人(宇野收君) ちょっと私の言葉が足りなかったかもしれませんが、余力のある間にやらなきゃいかぬという問題と、それから冒頭申し上げましたように、すべてが国の支出で賄うべきなのか、その中の何がしかのものは受益者が負担するのかという問題も含めて、この問題はさらに検討をしてまいりたいということでございます。

岩崎昭弥日本社会党・護憲民主連合

○岩崎昭弥君 私は岐阜ですが、実はまだこれを読んでいないんです。それで、要点だけをここへ来る前にちらっと見ただけですが、しかしこの中間報告は、さっき御批判もありましたが、私は起承転結で上手にまとめてあるというふうに思うんです。そして、問題の提起それから首都機能移転の意義、それから首都機能移転の効果、それによって新首都時代の創出ということで、将来の日本の首都をつくることによって時代がどう変わっていくか、世界の中の日本をどう表現するかという、そういうことであるというふうに思うんです。  それで、私はこの首都機能の移転について、東京都の都民の感情として大変抵抗があるというお話も聞きましたし、それから日本の歴史の中で、かつては権力で都を変えた例がありますね、転々と変えました。大津もその例だと思いますが、しかし日本の遷都は大きく言えばやっぱり奈良から平安京をつくったときとそれから京都から東京へ来たときと、この二つだと私は思うんです。今度、この首都機能移転で考えていらっしゃる構想はそれに匹敵する二十一世紀の大事業だというふうにとらえた方がいいというふうに思うんです。  今、私はっきり言いまして、国政全般でも地方分権だとかそれから規制緩和とかいろいろ言っていますけれども、東京のこの建物の中でやっておったのではなかなかいかぬと思うんです。つまり、もう人心とも一新するという形で首都機能というものを持っていくことによって、そういうことが一挙に解決していくというふうに思うんです。  それから、やっぱり東京も限界がありまして、今東京は土地がないものですから、今度は五十メートル以下の深度の土地を使っていろんな町づくりだとか都市施設をつくろうという構想がありまして、それを国会に出すなんという空気もありますが、そういう発想になっていくんです。そうするとますます金も機能もまた東京へ集中しまして、私は東京がパンクすると思うんです。だから、今この中間報告で言ってくださったように、やっぱり東京から離れた方がいいというのが私の考えでございます。  その場合に、例えば先ほどブラジリアとか、キャンベラの話も出ました。私は、ブラジルにしてもオーストラリアにしても前の都市はそのまま機能を十分に発揮していると思うんです。むしろ新首都の方がその機能を発揮していなかったわけですので、私は日本の場合はそういう前例といいますか、成功しなかったところを十分参考にして日本はそういうことでないという、例えば奈良から京都へ行って京都が栄えたように、また京都から東京へ来て東京がこのようになったように、膨張する必要はないですが、五十万なり六十万の都市で世界に誇り得る首都機能をつくれるようなそういうことをやっていただきたいと思うし、そういう議論もしていただきたいと思うのです。今後はそういうことをやっていただけるかどうかということでございます。  それから、この東京からもそうですが、首都機能の移転の問題点というのはいろいろ出されました。ここにも書いていますが、「国民の求心力、方向性の喪失のおそれ」、それから「日本経済の活力、効率性の低下のおそれ」、「東京の活力低下のおそれ」、それから「新首都への新たな集中のおそれ」、それから「投資の優先度に対する疑問」とありましたが、私は日本の場合は、移転する首都が例えば人口から都市機能からおおよその設計をきちっとすればそれはきちっと整理できるように思うのです。むしろ日本は都市計画にしても、それから建築技術にしても世界の最高の技術を持っておるわけですから、そういう技術を駆使して新首都をつくっていただくように実はお願いをしたいというふうに思っておるんです。  同時に、先ほどもちょっと地理的条件がありました。空の便も陸の便もそれから海の便も便利なところがいいというところが、そういう御指摘がありましたので、それもそのとおりだというふうに思うんですね。リニア新幹線もできますから、これはとにかく東京にも大阪にも近い、そういうことでやってもらいたいという考えもありますし、そういう議論もあったのかどうかもお聞きしたいわけです。  同時に、日本の首都になりますので、もちろん欲も言えば、例えば今後の展開として地震とか火災による災害の少ないところだとか、地形が急峻でないとかあるいは水が十分にあるとか、それから今言いましたように東京圏からも大阪圏からも両方とも交通至便な場所にあるとか、それから土地が安くて十分に手に入るとかいろいろあります。そのほかに加えて、日本の首都になるわけですから、自然的条件で言えば例えば富士山が見えるとかそれからきれいな湖があるとか、あるいは日本を象徴する文化、例えば京都に近いとか奈良に近いとか、そういう条件も含めて私はこれから議論をお願いしたいと思っておるんです。そういうことも含めてやっていただけるかどうかということでございます。  それから、会長さんからお話がありましたように、この中間報告を私は文章じゃなしに絵にかく、何というかイラストでもよろしいし、もちろんマスメディアを使ってもらうと一番いいわけですが、そういうものを使って国民の関心を高めていただきたい。  とにかく、東京は別にして、東京以外の日本の各都市や市町村は東京一極集中には懲り懲りしておるわけです。だから、そういう意味で全国民的な視野に立って私はこれからの国会移転の議論をより一層深めてもらいたい、こういうふうに思っているんですが、その点について会長さんの御意見をいただきたいわけです。  以上です。

宇野收国会等移転調査会会長

○参考人(宇野收君) 今御指摘いただきました岩崎先生、ありがとうございました。  新首都がどういう条件をそろえなければならないかという問題につきましては、まだ具体的に詰めはいたしておりませんけれども、これが次のステップとして大事な問題でございます。  今まで調査会でやりましたことは、合意の形成と首都移転というのはどういう意味があるかということについて調査会でまとめて中間報告を出しました。  これから先は、新首都の選定の基準という問題を専門的に詰める必要がございます。そのために新都市部会を今つくって、これもスタートいたします。そのときの基準は、今先生御指摘のとおり、やはり国民の皆さんが米やすい場所でなければならないという位置の問題もありますし、それからもう一つは、何といっても東京都のケースから考えて防災上災害に対する対応ができるようなところでないといけないという問題もございますし、そういう問題を専門的に詰めてもらうことになっておりますから、これはいたします。  それからもう一つは、国民にもっとよく知ってもらうためにテレビその他すべての問題についていかにするかということについては私どももいろいろ考えておりますが、さっき申し上げたとおりでありますから、ぜひこれはまたいろいろお知恵をちょうだいしたいと思います。今考えておりますことは、当面公聴会を各地へずっと回ってやるという問題がありますが、あとはやはり私は、テレビその他についていろんなそこでの討論会をやるとか公聴会をやるとかというふうな問題までできるかなということを考えております。

岩崎昭弥日本社会党・護憲民主連合

○岩崎昭弥君 それで、公聴会の位置ですが、これは何というか日本全体でやってもらわなきゃいかぬですが、既に候補地として手を挙げているところがありますね。大体そういう地域の人たちが集まれるところは、ほぼやっぱり見落としなくやっていただく必要があろうかと思うんです。そのほかにも、つまり国民全体に呼びかけるということで、テレビやその他でもやっていただきたいというふうに思うんですが、よろしいでしょうか。

宇野收国会等移転調査会会長

○参考人(宇野收君) これはいろいろお世話になっている国土庁の皆様ともよく御相談をいたしましてやりたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。

井上哲夫新緑風会

○井上哲夫君 井上でございます。新緑風会を代表いたしまして、一言だけお礼とそれからお尋ねをしたいと思います。  きょうは本当に御苦労さまでございます。まことにありがとうございます。  時間の関係もありますし、私がお尋ねしたいことはほかの委員の方が聞かれた点もありますので、一点だけお聞きをいたしまして質問を終わりたいと思います。  それは、総論賛成各論反対になるんではないかとか、あるいは場所の選定が実は大変重要なことではないかとかいろんな御質問やら御指摘があったわけでございますが、結論としてこの最終報告というのは、調査会の宇野会長さんを初め皆さん方はめどとしていつごろには出したい、出さなければならない、こういう点についてはいかがでございますか。  以上でございます。

宇野收国会等移転調査会会長

○参考人(宇野收君) そもそもこの調査会は、再来年の三月までが私どもの期限でありますから、少なくともそれまでには出すということでございます。  ただ、調査の内容がどの辺まで踏み込むかということについてはまだ議論を十分詰めておりません。  具体的に申しますと、どこが好ましいですよというところまでは恐らく踏み込まないと思います。こういう基準、こういう選定基準に合致するところがいいんではないかというところで調査会の報告は終わると思います。したがって、その基準に基づいて具体的にどの場所がいいかということを決めるのはまた別の機関にやっていただくというのが穏当ではないかというふうに考えておりますが、この辺についてはまだ皆さんとよく御相談しておりません。

片上公人公明党・国民会議

○片上公人君 会長、本当に御苦労さまでございます。  私もお伺いしたいことは同僚の議員が大体全部お話ししてくれました。私、率直に申し上げまして、この中間報告読ませていただいて見事なものだという実感をいたしております。  私も田辺先生と同じように国会、こちらへ来たわけでございますが、ちょうどそのころ土地問題が大騒ぎのころでございまして、土地の特別委員会へ入っていろいろ勉強させていただいたときに一極集中の大変さというのがわかりまして、改めていろいろ見たときに、首都機能の移転はもう随分大事だなということを感じまして、それなりに一生懸命勉強させてもらいました。  そのときに、六十二年でしたが、会長の会社まで行っていろいろ御高説を承ったわけでございます。そういう中で私なりにいろんな感じたこと、調べたことを一冊の本にさせてもらいましたけれども、改めてこの中間報告を見たときに、それはもう百倍ぐらいすごいのができておるなというのがよくわかりまして、さすがだなという思いでいっぱいでございます。  ただ、この調査会で、法律ができてから、移転の対象範囲とか、また選定基準とか、移転の時期の目標等を審議するとされておるわけですが、その検討の前に今回、意義と効果という中間報告を出された趣旨について、先ほどもちょっと触れられましたが、一点お伺いしたいということ。  この国民の合意形成というのは、先ほど先生方から出ておりましたけれども、この法律の第三条では、国は、国会等の移転について検討を行うに当たっては、広く国民の意見を聞かなきゃならぬということでございます。先ほどマスメディアを使う話がありましたが、会長の私見でも結構でございます、さらにありましたら、どのような具体的な方法を考えていらっしゃるのかということをお聞きするとともに、私どもも全力を挙げてこのすばらしい意義と効果がある首都機能移転が実現するように努力したいことの決意を申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

宇野收国会等移転調査会会長

○参考人(宇野收君) 片上先生ありがとうございました。  大変力強い御支援をいただいたわけでありますが、どういうふうにして国民の皆さんにもっと理解してもらって、もっと合意される方がふえるようにしたらいいのかについては、先ほどから申し上げているような公聴会あるいはマスメディアを使うということ以外についてちょっと私も余り知恵がありません。むしろこれはいろいろ先生方から御指示あるいは御示唆をいただきたいというふうにお願いしたいと思います。「二〇〇X年遷都の日」というのを書いておられますけれども、その馬力でぜひひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 今の片上先生の御意見と角度の違う方向からの質問をさせていただくことになるんですが、今やらなくちゃならぬという、時は今だというお話もございましたが、逆に冷静に考えてみますと、今なぜ首都機能の移転なのかということがやっぱり一番大きな問題だろうと思うんですね。  その背景を探っていきますと、私は結局行き当たるところは、今日の東京が巨大な一極集中という、こういうことになっている。その中で、この中間報告でも十二ページで記載されておりますように多数の大都市問題が山積みになっている。したがって、ここで居住する都民の皆さんにとっては、高遠狭と言われる住宅事情、通勤地獄、そしてまた深刻な交通渋滞、廃棄物処理等々、豊かで快適な都市生活の実現の前にこういった問題が立ちはだかっているという問題提起をなさっていらっしゃる。私はこれはそのとおりだと思うんですね。  そこで、首都機能の移転というところへ行く前の国民的意識としては、余りにもひどい東京の一極集中をどう解決してくれるのかということがやっぱり一つは大きな問題提起の出発点であり、インセンティブと思うんですね。  そこで考えてみますと、なぜこういう巨大な一極集中になったかということの冷静な分析が一つは要るだろう。その点はここではある程度分析をなさって、第一章の「東京一極集中と国土利用のアンバランス」というところで出てはおるんですが、私はこの分析はもっともっと深めていただきたいということを思うわけですね。  大きく言えば私、巨大な東京への大企業を中心とする経済の中心がどんどん集中してきたということ、これがやっぱり一つは大きい問題だろうと思うんです。果たしてその問題のとらえ方でそれをどう解決するという視点が出てくるだろうか、首都機能移転ということで出てくるだろうかということが一つ。  それからもう一つの問題は、この三十八ページにもお書きいただいているとおりだと私は思うんですが、「法律が想定している国会等の移転は、国会並びに行政及び司法に関する機能の中枢的なものの移転であり、それに該当する機関の従事者約五万人、政党本部、大使館等首都機能と密接不可分な機能やこれらに伴って移転する機能の従事者、それらの家族を含めても、約三十万人と試算されており、三千万人を超える東京圏の人口に比べればわずか一%」であるという御指摘がある。そのとおりだと思うんですね。したがって、この報告書でも、こういったわずかな人口動態の移転ということにすぎない関係もあり、東京の今後の機能ということで言うならば、三十八ページに続いて書かれておりますように、「東京は、将来とも経済、文化の中心として、また、豊かな消費人口に支えられた経済、文化の情報発信源として」依然として「その重要性は変わらない」ということを述べていらっしゃる。  つまり、私流にこれを裏返して解釈いたしますと、首都機能の移転によって今私が指摘した問題の出発点である東京一極集中というここのところの解決は具体的にそのことによって出てこないのではないか。依然として一極集中大都市問題、山積みになっている東京の都市問題というのは残されるということで、この首都機能移転が根本的な解決ということにならぬのではないかという疑念を持つんですが、そういった点についてのお考えがお示しいただければと思って質問した次第でございます。

宇野收国会等移転調査会会長

○参考人(宇野收君) 今橋本先生から御指摘のとおり、この集中がなぜ起こったかという問題についてはこれは大変大事な議論だと思います。私どもとしては相当数この議論は詰めたつもりでおります。  一言で言うなれば、やっぱり歴史的に見て日本国が近代国家になる過程で、欧米にいかに追いついて近代国家を早くつくるかというもうせっぱ詰まった状態の中で、一番いいシステムというのは中央集権制で官僚国家にするということであったと思います。これが成功したんだと思います。成功し過ぎた結果、戦争になってアメリカに負けました。負けましたときにアメリカは地方自治と自治権を言っておりましたけれども、占領軍として日本の統治をするのにはやっぱりどうも中央集権にしている方がいいという思いがあったんだと思いますから、一見地方自治体があるがごときでありますが、実態は依然として中央集権官僚体制が続いたということだと思うんです。それに加えてやはり世界が情報化社会に入りまして、情報というのは一点に集中することによって効果が出るということもまた大きな背景にあって、東京の一極集中というのはもうとどまることなく進んでおるというのが実情だと思います。  ただ、その反面で幾つかの問題点があることはもう先生御指摘のとおりでありますが、とりわけやっぱり大きいのは、災害が起こったときにこれを管理する力が東京にはないという問題だと思います。もう一つは、やはり残念ながら徳川時代にあったような日本の文化が非常に各藩別に重層的にあって、各地方に個性があった時代でなくなっちゃって、すべて東京の風に倣うという大変薄っぺらな文化国家というものになってしまうということも、また目に見えない大きな弊害だったと思いますので、これをどう変えるかという問題だという認識で議論はしたわけでございます。  しかし、これは簡単にいかない問題なんですね。したがって、今度遷都をしたからそれが解決するというふうには思っておりません。遷都も必要でございますが、同時に本当の意味でここで地方分権をやらなければいけないという問題だと思います。同時にまた、今中央集権国家ができる過程で政財官の癒着という問題を持っていることも先刻御承知でありますが、このもとを言えば集権をしているから権限がある、権限があるから癒着が起こるということでありますから、やっぱり規制の緩和をしなきゃいかぬ。  したがって、規制の緩和と地方の分権と同時にやはり首都が移らなきゃいかぬというのは何かというと、もう時代が変わったと。変わったときに再び中央集権のようなことをやることをやめるような方法をしなきゃいかぬということでありますから、政治と経済を分けて政治機能は別のところへ持っていくという考え方で進めてきたということでございます。これをもって万能薬ということにならないかもしれません。しかし、この試みをやらなければ大きな解決はないんではないかというふうに思うわけでございます。

橋本敦日本共産党

○橋本敦君 ありがとうございました。  それで、今の御意見ですが、私が歴史的経過を考えて違う意見を持っておることだけちょっと言わせてほしいんですが、政官財の中央集権的癒着という構造が政治構造として東京の一極集中をプロモートしたということはわかるんです。その基盤としての日本の経済構造は、それとは相関連しながらやっぱり巨大な経済の中枢ということで、東京集中がそれ自体の経済のメカニズムで来たと私は思うんですね。中央集権というそのことで一極集中が起こるのかというと、例えば日本の明治政府がモデルにしたドイツのビスマルク時代の中央集権ということもありますけれども、ドイツはやっぱり国土分散型できているわけです。だから、中央集権という上部構造だけの問題ではなかなか解決できないという側面も持っているわけです。  したがって、今規制緩和その他おっしゃいましたけれども、それも一つの視点ではありましょうけれども、歴史的にも経済、政治構造的にももっともっと真剣に我々も含めて分析をしていくことが必要だなということを痛感しておりますので、意見としてつけ加えさせていただいて終わります。

磯村修新緑風会

○小委員長(磯村修君) 以上で宇野参考人に対する質疑は終了いたしました。  宇野参考人には、御多用中にもかかわらず、当小委員会のために貴重な御意見をお聞かせいただき、まことにありがとうございました。小委員会を代表して感謝いたします。(拍手)  本日の調査はこの程度といたします。  これにて散会いたします。    午後五時五十七分散会

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