規制緩和に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 63 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1994/06/20
会議録
○委員長(木暮山人君) ただいまから規制緩和に関する特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る三日、中尾則幸君が委員を辞任され、その補欠として喜岡淳君が選任されました。 —————————————
○委員長(木暮山人君) 規制緩和に関する調査を議題といたします。 前回の委員会において聴取いたしました所信に対し、これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○陣内孝雄君 総務庁長官御就任、改めておめでとうございます。自由民主党の陣内孝雄でございます。 先般の長官の所信に対しまして少しお伺いいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。規制緩和が叫ばれておりますけれども、これが余りムードに流されて全体を見失うようでありますと、経済、社会、文化あるいは対外関係等の各面で混乱が起こり、大変遺憾なことになりはしないかと、こういうふうな点が気がかりでございます。 政府におきましては、規制緩和に取り組む基本的な姿勢をしっかりと持っていてもらいたいと思うわけでございますが、この点につきまして総務庁の基本姿勢をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(石田幸四郎君) 陣内先生にお答え申し上げる前にまず一言、特別委員長初め特別委員会の諸先生におかれましては、夜遅くまで規制緩和について御審議を賜りますことに心から恐縮をいたし、また御礼を申し上げたいと、このように存ずる次第でございます。よろしくお願いを申し上げます。 さて、陣内先生の御質疑でございますが、先生が御指摘をされますようにこの規制緩和というのは、現在の経済情勢を考えるだけではなく、国際経済という観点、あるいは貿易という観点から考えてみましても、まさに国際的にも規制緩和の要求が強いわけでございます。そういう中で、この規制緩和に何を求めていくべきかというようなことが大変私は重要ではないかというふうに思うわけでございます。 政府としましては、今までこの規制緩和の方針に基づいて進めてきたわけでございますけれども、まず私どもが考えなければならないポイントは、やはり経済構造全体の改革を進めなければならない現在の内外の情勢であろうというふうに思うわけでございます。 まさに今一ドル百円時代というようなそういうおそれが強い状況にあるわけでございまして、そういった意味におきまして、国際経済の中で日本が今後どう生きていくか、こういう問題が一つあろうかと思うわけでございます。そういった意味での国際的な要求、アメリカあるいはヨーロッパにおきましてもこの規制緩和への要求が強いということは先生も御承知のとおりだと思うわけでございます。 また一方において、国内におきましても、バブル経済崩壊後の状況、今申し上げました一ドル百円時代というものを想定してみた場合に、何としてもその中で経済の活性化を再度図っていかなければならないというような状況にございます。 一ドル百円時代というようなことで、自動車産業にいたしましても、あるいは家電の業界にいたしましても、大変その収益に厳しい状況が生まれてきておりますし、国内的にもやや頭打ちというような状況もあるわけでございまして、そういった意味では、新しい産業界のさまざまなリーダーシップを担えるようなそういうような産業も芽を出してもらわなければならない、そういう状況もあるわけでございます。 先般、光ファイバー網を二〇〇〇年までに各家庭に通したいというような郵政審議会等の話もありましたように、そういうふうなことを考えてみますと、今までの、従来の規制というものももう一遍見直す必要があろうかと思います。 確かに現在のさまざまな規制というのは、欧米を追い越せということでここ三十年以上にわたって産業を育ててきた、そういう意味での問題があろうかと思うわけでございます。しかし、時代は今大きく変わろうとしているわけでございますから、これらの諸規制を見直して新しい時代の産業構築のために資するような、そういう体制をつくっていかなければならないであろうと、このように考えているわけでございます。 もちろん、先生も御承知のとおり、この規制の問題は経済的規制というものと社会的規制というものに大きく大別されるわけでございます。しかし、今後の経済社会の状況を見た場合に、経済規制は原則ゼロというような方針も行革審等で方向が示されておるわけでございますから、この点はそれなりに見直しをしていかなければならない。一方、社会的規制というのは、健康であるとかあるいはまた安全という立場に立ってのそういった諸規制でございますから、それはそれとして一面において強化をしていかなきゃならない問題も当然考えるわけでございます。 しかしながら、その社会的規制というもの、あるいは経済的規制というもの、一つの法律の中に両面がうたわれているケースも多いわけでございますので、一つ一つ見直しをしながら、残すべきものは残し、改革すべきものは改革するというようなことを考えていかなきゃなりません。 それから、もう一点考えなければなりませんのは、やはり経済構造全体の変革を促進するわけでございますから、当然これは労働力のシフトの変化が出てくるわけでございます。そういうような問題に対しても十分考えながら進めていくべき問題ではないかと、このように基本的に考えているところでございます。
○陣内孝雄君 我が国の傾向として何事にも非常にぶれが大きい、そういう意味では規制緩和について、今長官がおっしゃいましたように、これの重要性、必要性、あるいはまた緊急性というのはわかるわけでございますが、十分その辺冷静に、一方では冷静に対応していかなければならないなというふうな感じを持っておりますので、そのことを申し上げておきます。 次に、こういうお話の中でも先の部分と影の部分があるなということを感じたわけでございます。光の部分は、これはそれなりに期待が持てる、ニュービジネスなんかそのチャンスがふえていくということで私ども大いに期待したいと思いますが、一方で影の部分、いわゆる失業の問題とかあるいは企業の倒産の問題、一時的なデフレによるそういった経済的な弱者が困ってくるような点も懸念されるわけでございまして、そういうものに対して一体どういうぐあいに政府としては考えておられるのか、そのことをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石田幸四郎君) 規制緩和の基本的な考えについては今申し述べさせていただいたわけでございますが、やはり市場経済全体を見回してみたときに、規制緩和というのは経済に対する打ち出の小づちではないわけでございまして、いい面も悪い面もあろうかと存じます。 一例を申し上げますと、例えば現在実施されております例の自動車の六カ月点検、これの廃止が決まったわけでございますが、こういった自動車の整備業界については、約五千億の売り上げ減というようなことがささやかれているわけであります。そのように考えてみますと、やはりそういう規制緩和によって業界が経済的な打撃を受ける、逆にまた自動車のユーザーの方は五千億のメリットがあるというような、両面にわたるわけでございますので、そういった意味におきまして、この規制緩和を進めるに際しては常に中小企業対策というものとさらにまた雇用問題、これに配慮していかなければならないというふうに思っているところでございます。 同時にまた、この規制緩和を進めるについては、消費者への、国民の皆様全般に対する情報の提供、あるいはまた消費者救済の立場、そういうような問題も配慮に入れていかなければならない問題であろうというふうに思っているところでございます。 これらのさらに細かい考え方については、恐縮でございますが局長から答弁をさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。
○政府委員(八木俊道君) 大臣から御答弁申し上げた基本姿勢にのっとりまして、基本的には産業構造の構造調整の諸施策を進めていくということでございます。事業分野別にスクラップ・アンド・ビルドの考え方によりまして構造調整の円滑な推進を図っていくという産業構造調整政策が何よりも肝心でございます。 あわせまして、中小企業対策という局面におきましては、中小企業の構造調整の支援、それから中小企業の経営基盤の強化対策、これには中小企業関係の金融対策の強化、高度化事業の円滑な進展ということがございます。さらに中小企業活性化支援対策の問題、中小小売商業の諸問題、下請の関係等の問題がございます。さまざまな振興政策をあわせてセットしていくという中小企業対策をこれは怠ってはならないであろうと考えておる次第でございます。 雇用の問題を大臣お触れになりましたが、具体的に申しますと、雇用調整助成金の関係の仕組みをさらに強めていく、あるいはまた企業の事業再構築援助の充実、職業能力の開発支援、あるいはまた離職者の関係では、雇用開発助成金の充実、再就職訓練の諸問題、こうした関係がございます。雇用機会の開発の支援のための地域対策、企業対策、こうした問題もございます。 それから、大臣御答弁のございました三点目、消費者行政の関係におきましては、消費者に対するさまざまな情報の提供とあわせまして、消費者の啓発、相談サービスの充実等の諸課題がございます。 さらに、今国会でお願いをいたしております製造物責任制度、この辺の充実強化もまた大きな課題でございまして、被害に関連するさまざまな紛争の処理、調停制度の充実、あるいはまた消費者への情報提供、こういったところも強化をしていかなければならないわけでございます。 さらに第四点といたしましては、独禁政策、各種のガイドラインの整備、独禁法の適正な運用、あるいはまた適用除外カルテル、再販制度等に関する的確な見直し、さらには中小企業の下請取引の適正化等も含めまして、関連する諸施策を講じていくことによりまして規制緩和政策の円滑な具体化ということを心がけてまいらなければならない。 その意味では、まさに全政府的な取り組みを必要とする分野ではなかろうか、問題の困難性と同時に大きな政策的な広がりのもとにこの問題に取り組んでいく、こういう課題ではなかろうかと考えているところでございます。
○陣内孝雄君 今の世の中を見ておりますと、規制緩和につきましては、外国の要求だとかあるいは歴史の流れであるとか、こういうようなことで規制緩和を声高に叫んでいるように聞こえる面もあるわけでございますが、それに官僚の抵抗というものを対峙させまして、緩和は善だ、それから慎重になるということは守旧といいますか悪だ、こういうふうな構図ができ上がっているのではないかなという心配を私はちょっとするわけでございます。 官僚が規制緩和に抵抗するというように私たちの目に映るというのは、官僚は自分たちの権限保持のためにというだけではなくて、やっぱり規制緩和の持つ先ほど来の影の部分、これに対する国民の声なき声といいますか、こういうものを考慮して所管の行政のあり方を十分見きわめて慎重に対処している面があるんじゃないかなと、こういうふうにも思うわけでございます。 したがって、規制緩和の影の部分を官僚の抵抗に置きかえて議論する風潮が行き過ぎますと、物事の本質を見失わせるおそれがあるように思うわけでございます。そうならないようにひとつお願いしたいと思います。 そして、時間の関係もございますので先へ進みますが、いずれにしても規制緩和のメリット、デメリットを国民の前に十分に明らかにしておくということが大事だろうと思いますが、今もその点について相当お触れいただきましたけれども、改めてこういうものを十分国民の前に明らかにした上で、拙速を避けて腰を落ちつけて取り組んでいただきたいと思うものですから、大臣にその辺についてのお考えをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(石田幸四郎君) 先生が御指摘の点は大変重要なテーマであろうというふうに思うわけでございます。もちろんこういうような規制緩和の特別委員会におきまして御議論をいただくということは非常に大事でございますし、また規制緩和というものがどういった点でメリットがあり、どこにまたデメリットがあるか、この辺が全体的にわかっていかなければ国民の皆さんは納得していただけないであろうというふうに思うわけでございます。 先般来いろんな議論がございまして、規制緩和をする場合にどういうような経済効果があるんだというような御指摘が予算委員会等でもございました。しかしながら、この規制緩和については、もう一つ一つ大変いろいろな法律がかぶさっておりますし、いろんな産業に関連があるわけでございますから、それを総括的に経済効果がどれだけあるかというふうに想定をするのは非常に難しい。難しいとばかり言ってられませんので、経企庁にも今十分この点を申し上げて、勉強していただきたいということでお願いをしてございます。やや前向きの返事をいただいておるわけでございます。 それからもう一つ、実はおととい私は熊本へ参りまして、熊本の方の財界の方々にこの行政改革の問題についていろいろ御意見を伺ったわけでございますが、そこではやはり零細企業の方々の、大店法の完全撤廃という問題については非常に強い懸念の表明がございました。本当に零細的な商店はつぶれてしまうというようなお話をちょうだいいたしました。これはほかの地域に行きましても大店法との関連がやはり言われております。私どもの方としては通産省とも現在話し合いを進めているわけでございますが、こういった点はやはり段階的に進めていく必要があるというふうに思っております。 そういった意味におきまして、総務庁としましても、行革大綱の中に規制緩和全体について、今現在専門三部会やっておりますので、この成果を月末に皆様にお示しをしたいと思っておりますが、それが終わりましたらさらに五カ年の計画を立てて、そしてきちんきちんと手順を踏んで段階的に規制緩和を進められるようにいたしたい。その間皆様方の御意見、国民の皆さん方の御意見も十分聞きながら、やるべきところは積極的にやってまいりますが、同時に慎重を要する問題については十分議論を尽くしながら、残すべきものは残し、強化すべきものは強化しながらも、規制緩和全体を進めてみたいと思うわけでございます。
○陣内孝雄君 先ほど大臣もお触れになりましたけれども、この規制緩和には社会的規制緩和と経済的規制緩和があると。それぞれに対する緩和の考え方をお伺いしたわけでございます。私はそうあってほしいと思うわけでございますが、社会的規制の中には環境とか消費者保護などの面からむしろもっと強化していかなきゃいけないようなものもあるんじゃないかということを思うわけでございます。 そこで、それに関連してちょっとお尋ねしたいんですが、現在、国において医薬品販売規制の緩和について検討されておるということでございますが、この医薬品というのは生命関連の商品でもあります。したがって、これも今おっしゃいましたけれども、大規模店舗に係る経済的規制緩和のあり方としてこれを取り上げていくというのは私は適当でないじゃないか、消費者保護の観点からすると、社会的規制として医薬品の有効性や安全性を十分に守れるように従来のような規制を適切に続けていくというようなことがむしろ大事じゃないかなということを感じたわけでございます。 その点についての御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石田幸四郎君) 今先生御指摘の医薬品の問題はまさに生命、健康にかかわる問題でございますので、慎重の上にも慎重であらねばならぬというふうに思っております。 今回の専門部会の中でこの医薬品の問題、それから食料品の問題、化粧品の問題、これがやはり外国との関連においてさまざまな注文をつけられておるわけで、今その議論を積極的に担当省庁の方と進めておるわけでございます。 そういう中で、例えば、通常どうしても薬剤師が状況を聞きながら医薬品を販売するというような必要のないものも中にはあるわけでございまして、そういったものは小さな町、村の方でもそんな形で扱われているところがございます。あるいはミニスーパーなども若干扱わせてほしいというような問題もあるようでございます。あるいはまた、いわゆる通信販売、そういった面でも一部分になりましょうけれども、医薬品を扱いたいというようなそういうような意見もあるわけでございまして、そういうものは緩和できるのではなかろうかなというふうには一面思います。 しかし、聞いてみますと、やはり化粧品の問題でも日本とあるいはヨーロッパの方の考え方というのは基本的にちょっと違うところがあるんじゃないかというような指摘もございますので、こういった医薬品等については、厳に審査等を明確にした上で、やはり責任のある販売ができるような、そういうことで考えていかなければならないというふうに思うわけでございます。 したがいましてい今回の規制緩和においては、そういった医薬品であるとか化粧品であるとか、そういった面の手続の問題でございますとか、あるいは国際的に共通しているそういう検査の仕組みであるとか、そういったものは十分検討をしていかなければならないと思いますけれども、日本が禁じております成分等については、これはもう断固として守るべきものは守るというような、そういう形で今議論を進めているところでございます。
○陣内孝雄君 規制緩和に当たっては、そのほかにも日本のよい伝統とか文化を尊重するという視点を持って当たっていくべきじゃなかろうかという考えも私は持っているわけでございまして、単なる自己責任原則の押しつけとかあるいは考え方の急激な変化というのは我が国の風土になじまない点もあろうかと思いますので、その辺についての対処方針を再度お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石田幸四郎君) 特にアメリカ、ヨーロッパと日本の経済構造を考えてみますと、基本的に経済構造が違うと申しますか、やはり日本の経済は中小企業に負いますところが大変大きいわけでございます。そういうことはまさに一つの経済の文化というような推移をたどっているようにも思いますので、そういった点は本当に注意をしながら、十分注意を払いながらやっていかなければならない問題であろうというふうに思います。 また、町づくりの考え方もやはり欧米諸国とは若干日本の場合は違うように思います。やはり狭い地域にたくさんの人口が集中するというような、そういうようなことが考えられますし、そういう中で中小企業が生きてきたというような背景も考えますと、そこら辺のところは先生御指摘のように、十分地域の皆様方の御意見も拝聴しながら規制緩和を進めるというような心構えが必要であろうと、このように基本的に考えているところでございます。
○陣内孝雄君 いろいろとお伺いさせていただきたい点もございますが、縦割り行政の弊害是正、あるいはそこから生ずる規制を緩和する上で、行政のレビュー機能が極めて重要であると思うものでございますので、行政監察機能につきましてひとつお伺いをしたいと思います。 行政監察機能というのは、直接の規制緩和じゃないかもしれませんけれども結果的には、各省の縦割り行政の中で、それが二重の許可を必要としたり、あるいはまた基準が違うためにいろいろ混乱を巻き起こしたりする。そういう面では、これを正すことによってこれは規制緩和以上の効果があるんじゃないかと私は思うわけでございます。 そういう面で、今既に行政監察局ではいろんなことをやってこられておるわけですが、この前お示しになりました中期行革大綱の中でございますか、別紙四にいろいろと掲げてございます個別省際問題の改善事項といいますか、ちょっとあれに関連しましてお尋ねしたいと思うわけでございます。こういうものをどういう形で改善事項として指摘いただいたのか、その辺のことをお聞かせいただきたいと思います。事務的にで結構でございますので。
○政府委員(田中一昭君) ただいま委員御指摘の個別省際問題でございますが、第三次行革審の御要請に基づきまして、私ども行政監察局において制度とかその運営の実態を調査しまして、その結果を踏まえまして、行革審が平成五年十月の最終答申において改善の方策を示されました。それを受けまして、平成六年二月、先ほど申されました中期行革大綱において改善策が決定されたものでございます。それらにつきましては、現在各省庁におきましてその具体的な実施に努めておるところでございます。 経緯は要約しますと、行政監察をやった結果が答申に盛られ、それが閣議決定で中期行革大綱に盛られた、こういうことであります。
○陣内孝雄君 大変御苦労をいただいてああいう立派な結果が出てきたと思いますが、これを意見に従いまして改善していただくことがこれから大事だと思います。その辺についてのフォローアップをぜひお願いしたいと思うわけでございます。 ああいうことを進めていく上で、私は、行政監察局は各省の行政の実態を十分とらえておられると思いますけれども、さらに人事交流等をやられまして、今後もっと強力な改善を求めていかれるように、これが行政改革でもありかつまた規制緩和の近道でもあるというふうに思うわけでございます。その点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(田中一昭君) 陣内委員のおっしゃったとおりでございまして、行革大綱に盛られた事項につきましては、先ほど申し上げましたように、各省で今具体的実施に努めておりまして、監察局としましては、必要に応じてフォローアップを行う必要があればそれをやっていくというつもりでおります。しかし、閣議決定後問もないことでもございますので、当面、先ほどおっしゃいました別紙四につきましては、各省庁の改善の状況を見守りながら、私ども計画的に監察をやっておりますが、必要に応じてフォローアップの時期等について検討していきたいと思います。 なお、監察の体制でございますとかあるいは人事交流の問題でございますが、全くおっしゃるとおりでございまして、私どもも委員御指摘のとおり、行政監察というものが、国民の立場から社会経済の変化に対応して行政の役割を見直すということ、それから行政の総合性とか効率性とか公正性、あるいは行政に対する国民の信頼を確保するという上で果たすべき役割は極めて大きいと考えております。 したがいまして、その体制強化につきましても常に意を用いておりまして、まず何を監察するかにつきましても計画的にやっておりますが、それを立てる場合でも各界の有識者によります行政監察懇話会の意見を踏まえながら、三年計画でございますが、中期の行政監察予定テーマもつくっております。そういう中で、優先度を考えながら計画的に監察を実施する、それが一つでございます。 また、必要最小限の組織定員の確保を図る努力もしております。また、研修の強化とか各省庁との人事交流も進めておるところでございます。 人事交流でございますけれども、私どものところに百五十数名今本庁におりますが、大体三分の一強が各省経験がございます。また、各省庁から出向しておる人、私どもの局に監察官、これは課長クラスでございますが、そういうのを含めまして、大体監察官補佐でございますが、六人命来ております用地方の出先相互での人事交流も、まだささやかでございますけれども努力しておるところでございます。 今後とも、今仰せの趣旨から積極的に人事交流は進めてまいりたい、このように考えております。
○陣内孝雄君 規制緩和によるニュービジネスの誕生ということで大変期待が寄せられておりますし、また規制緩和によって経済構造改革が進むということも確かだと思いますが、これから我が国の先端産業を育成したり、あるいは日本の産業を国際的に通用するようなものにするには、技術革新というのが欠かせないと思うわけでございます。要は、そういうことができる有能な人材をいかに開発あるいは育成していくかということでございまして、そのための教育というのがこれからやっぱり大事になっていくだろうと思います。 教育の面でもそういう人材育成に役立つような規制緩和というのがあるんじゃないかなと思うわけでございますが、その点を最後にお伺いいたしまして、終わらせていただきます。
○国務大臣(石田幸四郎君) 日本が明治百年を過ぎて今日まで、今日におきまして世界の一流国というふうに言われるその根本に教育の推進があったというふうに理解をいたしておるところでございます。特に、現在の経済は技術によるところが非常に多いわけでございますので、そういった意味で新しい人材を次から次へと将来に向けて登用していかなければならない、その基本がいわゆる教育であるということは、私も先生と同じように考えておるところでございます。 規制緩和が即教育の前進のために役立つかどうかということについては、私も突然の先生のお話でございまして十分研究はいたしておりませんが、先生のそういったお考えを受けまして、さらにまた文部省とも十分話し合いをしてまいりたい、何としても新しい時代の人材を集められるような教育の方向へと努力をさせていただきたいと存じます。
○陣内孝雄君 終わります。
○今井澄君 それでは、社会党の今井澄でございますが、私の方から質問をさせていただきたいと思います。 長官並びに総務庁の皆さんには本当に遅い時間に大変御苦労さまでございます。 さて今、陣内委員から大変広範にわたり御質問がありましたので、私としてはできるだけ重複を避ける形で、また重複するものは視点を変えて御質問を申し上げたいと思います。 先ほど長官から規制緩和についての基本的な考え方をお伺いしたわけで、大体私も納得するところでありますが、視点を変えまして、何のために行うのかという目的の方から整理いたしますと、一つは先ほどお聞きいたしましたように基本的にはいわゆる経済改革と言われる問題、それも国内の経済構造の改革あるいは新産業の育成等を含めて新しい時代に見合ったものに変えていくということと同時に、国際的な流れの中で貿易が自由に行われるよう、そこに障壁が残らないようにということだろうというふうに思います。 そのことは一つあるいは根本的な目的だろうと思いますが、もう一つ、規制緩和ということが言われて久しいわけですが、特に昨年連立政権ができて以降強力にこの規制緩和が言われるようになった背景あるいは目的には、やはり政治改革との密接な関連があろうかと私は思います。 政治改革の目的は、もちろん幾つもの側面から言えるわけでありますが、その一つは、国民から遊離した腐敗した金権腐敗政治というものが問題になってきたことも事実でありまして、その根底に政官業の癒着あるいは三角構造というものが言われていたと思います。 その政官業の癒着構造の一つの原因となっていたものが政府による規制である、あるいは行政指導等を含めた、法律を含めた規制であるということもこれも事実であろうと思うわけであります。 したがって、この規制緩和の目的の一つに、政府によるそういった規制、そしてその規制に基づく政官業の癒着を断ち切るということが、規制緩和の目的の一つであるというふうに思いますが、その点のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(石田幸四郎君) 先生御指摘の政治改革との関連。これは細川前総理が政治改革、経済改革、行政改革と三つの柱を掲げたわけでございまして、その三つの柱を掲げた根底にあるものは、やはり先生御指摘のとおり、政官業の癒着の問題も大きく絡んでいると思うわけでございます。 その中で、特に行政改革、経済改革の角度から考えてみますと、やはり私は、現在行われている行政の仕組みというのが三十年、四十年同じ体制であった、それがなかなか変わり得なかったというところに、現在の経済の一つの行き詰まりもあるんだろうと思うわけでございます。 総務庁的に考えてみますと、前国会で行政手続法を皆さんの御審議をいただいて通していただいたわけでございますが、これは長い間国民の皆さんが大変不満をお持ちであった、いわゆる口で指導するわけでございますから、なかなか都合が悪いと何カ月も返事をしないというような状況がございました。この行政手続法を制定していただいたことから、そこら辺の改善がようやく緒についたわけでございます。 そういうふうにいたしまして、行政と国民との間の透明性を確保するためにも、私は今後の行政改革が、あるいは規制緩和が一歩も二歩も役立つのではなかろうかなと、こんなふうに考えておるところでございます。 いずれにいたしましても、今先生御指摘の角度で私たちも真剣にこれを推進してまいりたいと思いますので、どうか御指導のほどを賜りたいと存じます。
○今井澄君 大変明快な御答弁をいただきまして、私としても安心した次第でございます。 私も、かつて連立与党の一員として、規制緩和を初めとして行政改革、政治改革、経済改革、ともにやってきた立場から、ぜひ進めていただきたいと思いますが、その問題で御質問をさらに進めさせていただく前に、ちょっと一つお尋ねしたいことがございます。 先ほども陣内委員の方からもお話がございましたように、この規制には経済的規制と社会的規制とがある。そして、その社会的規制については、経済改革研究会の答申の中に「「自己責任」を原則に最小限に」と書かれているわけですが、この辺にはちょっとやっぱり心配がございまして、環境保護が世界的な課題となっている中でも、また薬害とかあるいは農業による善とか、そういったものが最近でも後を絶たないところか、次々と明らかになっているという現状の中で、ちょっとその規制のことについてお尋ねしたいと思います。 最近も連日、ソリブジンというお薬、これは帯状疱疹のお薬ですが、これを抗がん剤と併用して死に至るという恐るべき事態が起こって、しかもそれに絡んで、その副作用の公表される直前に関係会社の社員が株の暴落を見越して売り抜けたとが、非常にあるまじきことが行われている。こういうものについては非常に問題だと思います。 また、これはつい先週の新聞記事にも、「CNP相模川水系でも」発見された。このCNPというのは水田の除草剤であるわけですけれども、これは厚生省から研究費をもらった研究で、新潟県でこのCNPを使っている地域で胆のうがんが多発しているという、そういう結果が出まして、ことし三月でしたか、厚生省で、クロとは断定できないが限りなくクロに近い灰色だという結果が出まして、すぐに農林水産省の方でもこの使用についての、禁止とまではいきませんけれども、自粛を求めるということの中で、各都道府県がこの禁止を言ったわけですが、相変わらずことし、信濃川水系でもこのCNPが散布されて発見されました。 二週間ぐらい前のNHKのテレビによっても、使っている農民に聞いたところが、何しろ余っているものだからもったいないということで、回収されなかったものが使われているんですね。 それで、神奈川県でも調べてみたら、この記事によりますと、「県西部の酒匂川水系に続いて、県中部を流れる相模川水系の水道原水からも検出されていることが十七日、わかった。」。これは横浜市だとか横須賀市だとか、こういうところの水が全部こうなんですね。そういうふうなことがあるわけですから、こういうものについての規制というのは迅速にきちっとやらないといけないことだと思うんです。 ところで、先ほど陣内委員の御質問に対するお答えでほぼ安心したわけですが、確認の意味で御質問申し上げたいのは、今規制緩和について経団連等からいろんな要望が出ておりますが、その中で、簡単に言いますと、ビタミン剤、風邪薬等はコンビニで売ってもいいんじゃないかということで規制緩和をしてほしいということなんです。 これは御承知だと思いますが、ビタミン剤の中のビタミンCは還元作用というのがありまして、ほかの薬と使うとそのほかの薬の作用を変化させるということがあります。それから、風邪薬は普通に買えるからいいじゃないかというけれども、これは医者が使う薬と成分が全然違うわけではないんですね。ただ濃度が違うだけですから、たくさん飲んだりすると非常に問題があるわけですね。こういうふうな規制緩和について一体どうお考えなのか。 先ほどちょっと、薬剤師がちゃんと対面して話をしなくてもいいものは今でも許されているところがあるからいいんじゃないかとも思うとのお話がありましたが、これは緊急避難的に薬局がないところでは薬剤師がいないところでも特定の薬を売れるというのが薬事法にあるだけであって、薬剤師が話をしなくても売っていいということではないんですね。 それから、やっぱり同じ経団連要望の中に、アルコールの通信販売を自由化しろというのがあるんですね。ところが、アルコールの害がだんだんふえてきているというのが今言われているわけです。これは成人のアルコール依存症だけではなくて、今だんだん若い人の中にアルコールが広がって、高校生、中学生——調べてみると、中学生でも六%が一週間に一度以上酒を飲んでいる人がいるというんですね。これは非常に問題なんで、まさか中学生が通信販売を利用するとは思いませんけれども、こういうふうにだれに売られるのかわからない、対面しないで販売するというのは非常に危険だろうと思います。 さらに、その面では今酒類の自動販売機のことが問題になっておりますし、つい最近も東京都の公立学校のPTA連合会が自動販売機の禁止を改めて要求しておりますし、こういうことについては公衆衛生審議会等でも答申が出ておりますが、この自販機の規制あるいは撤去、こういったことについてどうお考えか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(石田幸四郎君) 規制緩和を進めていく上において、やはり国民の皆さん方の自己責任というのは、私は非常に重要だと思うわけでございます。 たまたま、きょうあたりのNHKでも放置自転車の問題がございまして、全国でも七十万台以上放置されているというようなことでございます。消火栓のそばまで自転車を置いておるというようなことを考えますと、これからの経済はできるだけ、経済の自由なる活動というものはへその原則は保持されていかなければならないと思うのでございますが、しかしやはりそういった国民全体の皆さん方の、自分の身は自分で守るんだということが、社会の体制を本当に保持していくんだ、よりよい共同の社会をつくるんだというような意識を常に持っていただかないとこれはうまくいかないわけでございます。その点は今後どういうふうに進めていけるか、私どもも十分考えていかなければならない問題だと思います。 今具体的にビタミン剤の問題、アルコールの通信販売の問題あるいは自販機の問題等の御質問がございましたのですが、先ほど私が申し上げたのは、ごくごく限定されたものという意味で申し上げたわけでございまして、この問題については実は今度の専門部会のことでも随分議論がございました。 そこら辺の原則を踏まえて、管理局長の方から今までの議論を踏まえて御答弁をさせていただきたいと存じます。
○政府委員(八木俊道君) 具体的な詰めは目下進めているところでございますが、その詰めに当たりましては、この二月十五日に閣議決定をいたしました「今後における行政改革の推進方策について」の中で、経済的規制の問題と社会的規制の問題は明確に考え方を書き分けているわけでございます。 経済的規制につきましては、「原則自由・例外規制とすることを基本的考え方とし、大幅な緩和を目指す。」と。これは基本的に大変積極的に前へ進んでいくということでございます。他方、社会的規制につきましては、「本来の政策目的に沿った必要最小限のものとする」、この基本的な考え方のもとに進んでいくと。綿密な点検を必要とするというのが政府の全体的なスタンスでございます。 お尋ねいただきました三点につきましても、目下確かに一つの論議の俎上にのっていることは事実でございますが、どのような条件のもとでどの程度の緩和が適当であるのか、もちろんこれは関係各省の審議会等の専門的な論議を要する問題も多々ございます。それらを含めまして綿密な詰めを今後進めていきたい。 御指摘いただきましたことにつきましては、今後の調整に当たりまして重要な御意見として承ってまいりたいと考えている次第でございます。
○今井澄君 先ほど長官から自己責任の問題を言われました。私もやはり日本においてはこの自己責任ということがもう少し強調されていい面もあると確かに思うわけであります。 しかし、やはり何といいますか、例えばアルコールの問題について言いますと、アル中というのはこれは病気でありまして、幾ら説得してもそれで治るというものではないということもあるわけですし、アルコールは一種の飲食料である面と同時に、これは薬物という、薬理作用を持ったものであるという意味も含めまして、あるいは農業等は使う側とそれで被害を受ける側とが別であるという意味で、やっぱり公的な責任で規制等を考えていただきたいと思います。 さて、それはそれといたしまして、先ほどの行政改革、政治改革、経済改革、との結び目としての規制緩和のことについてでありますが、今既に国会に上程されております行政改革委員会にかかわる問題でちょっと、その法案審議とは違いますので先走ったことになるかもしれませんが、私はやはりこの間の行革審の答申あるいは平岩研究会、経済改革研究会の中に盛られたいわゆる第三者機関のあり方について幾つかお尋ねしていきたいと思います。 行革審の方では、「規制緩和の継続的推進を確実なものとするため、民間有識者等から成る強力な第三者的な推進機関(規制緩和オンブズマン(仮称))を設置する。」ということが書いてあるわけであります。 それからまた、平岩研究会の中間報告の中では、「法律に基づき強力な第三者機関を設置する。」、そしてこの機関は、推進本部をつくって、その推進本部の規制緩和推進計画を審議するとともに、その実施を監視するというふうに書いてあるわけですね。 また、その最終報告の中には、「規制緩和に関して勧告権を有し、自らの事務局を持った強力な第三者機関の立法化を急ぐ。」と書いてあるわけです。これは聞くところによりますと、この最終報告が出る前の段階では、「自らの事務局」ではなくて、独立した事務局というのが文案にあったのが、最終段階で「自らの」と表現が弱められたというふうに私は聞いております。 あるいは、行革推進本部を設置して行えというのがこの平岩研究会の中間報告にあるわけで、内閣総理大臣を中心とする強力な推進本部を内閣に設置する、そこでは平成六年度内に期間を五年とする推進計画をつくって、五年間でできなかったらさらに五年間で見直すというふうなことが書いてあるんですね。 繰り返しこういうふうに行革審あるいは平岩研究会で出てきていることは、先ほどもちょっとお話にありました、なかなかこれまで規制緩和が言われているのに進まなかった、そしてそれはどちらかというと、経済改革、経済構造の改革とか貿易の自由化とかいうこともさることながら、いわゆる政官業の癒着構造の方に関係をする。 先ほど陣内委員の方からは、規制緩和に反対するのを悪というふうに言ってはいけない、私もそのとおりだと思いますし、どうも官僚が抵抗していると一概にそういうことを言い立てるのも私は問題だとは思います。しかし、やはりその辺に、これまでなかなか、端的に言いますとやっぱり官僚の皆さんがいろいろ抵抗をして進まなかったというところに、この答申の中に繰り返し繰り返し、強力などか、独立したとか、みずからのとか、監視するとか、そういう言葉で出てきているんだというふうに私は理解しております。 そこで、この行政改革委員会を設置するに当たって、第三者機関ですね、それを設置するに当たっては、強力な機関とするためにはいわゆる国家行政組織法における三条機関にすべきではないかという意見が強くあったわけでありますが、今回の行政改革委員会は八条機関なわけですね。この辺について、私もやはり三条機関として設置すべきではなかったかと思うわけですが、その辺についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(石田幸四郎君) これはまさに大論争が従来ともにあったところではないかというふうに思うのでございますが、行政改革はやはり行政の最高責任者であります総理が責任を持って推進をしなければならない、本来そういうものだと思います。また、現在の社会情勢がどう、あるいは経済情勢がどう、そういうような問題ももちろんございましょうけれども、行政改革はいわゆる不断に努力をしながら国民の皆さんの御要望にこたえていく、そういう改革をしなければならない問題であろうと思うわけでございます。 政府のそういった一方におきます努力と同時に、また政府の独断的な考えでこういった行政改革が進められるというわけにはまいらないわけでございますので、そういった意味におきまして民間を代表する強力な第三者機関が必要である、このように行革審においても平岩研究会におきましても御指摘があったところであろうというふうに思っております。 しかしながら、これが八条委員会がいいか、あるいは三条委員会がいいかというような問題になりますと、これはやはり今まで、じゃどんな機関が八条委員会であり、どんな機関が三条委員会であるか、この性格を的確に見ていかなければならない問題であろうというふうに思うわけでございます。 現在行われております第三者機関の中で八条委員会で運営をされておりますのは、原子力委員会、宇宙開発委員会、あるいは航空事故調査委員会、原子力安全委員会、あるいは国鉄再建のときにありました日本国有鉄道再建監理委員会、あるいは証券取引等監視委員会ですか、これはいずれも八条委員会で行われているわけでございます。特に一番的確な例は、あれだけの大改革を遂げました国鉄の民営化の問題は、まさに八条委員会で議論をしていただいてあれだけの成果を生んできたところでございます。 一方、三条委員会の方を見てみますと、例えば公正取引委員会、国家公安委員会、あるいはまた中央労働委員会、あるいは人事院というような、そういうようなところがあるわけでございまして、この公正取引委員会にいたしましても、あるいは国家公安委員会にいたしましても、やはり総理のもとでというのは、概括的には当然そういうような総理の権限を排除しているわけではございませんけれども、そういう行政の権限とは一応、法律によって命令権その他が確定をされておるわけでございまして、いわば独自にやり得る、そういう性格を持った委員会だと思うわけでございます。 私どもは、行政改革委員会を八条委員会にお願いいたしておりますのは、今申し上げましたように行政改革の最高責任者は総理でございますから、その民間の方々が総理もしくは総理を通して各省庁にいろいろ改善方、改革方を要請していくと。しかし、最高の行政改革の責任者は総理ですよということがより明確になった形で行われていかないと、総理と関係なしにどんどん法律に基づいて命令を発するというような機構では、総理の行政監督責任というものがあいまいになってくるおそれがあるわけでございますので、そういった点も考えて八条委員会でお願いをいたしておるところでございます。 三条委員会におきます御議論はいろいろございました。あるいは、別にそういう強力な行政改革委員会を国会の中に置けという御議論もありました。しかし、国会の中へ置きますということにつきましては、これは国会で考えていただかなきゃならない問題でございます。しかし、国会そのものがやはり行政に対するさまざまな監視をし、また指導していくという立場にもございましょうから、そこら辺のところの性格の重複さをどういうふうに克服していくかという等の議論がまだ残されているのではなかろうかなと、基本的にはこんなふうに考えているところでございます。
○今井澄君 御答弁でございますが、私はやはり先ほどから繰り返して言っておりますように、古くて新しい課題、なかなか進まないこの行政改革ないし規制緩和、これを強力に進めるためには、どうしてもやはりある程度独立した機関が必要だろう。 例えば、先ほどのお話で中央労働委員会、これが三条機関で存在する。これはいわゆる不当労働行為に対しての審判を行うという意味では、こういう言葉もあり得るかと思いますが一種の不当行政行為、規制にしてもあるいは規制緩和の進め方についても適当でないというものに対してやはり勧告を行う、監視を行うという意味では、第三条機関であっても構わないし、あることが論理的におかしいとは思いませんし、また非常に有効であるような気もいたします。 またもう一つ、歴史的に今大きな変革期であるということを考えると、これは総務庁からの御説明でも私もたびたびお伺いしたんですが、戦後アメリカの指導のもとにいろいろ三条機関が置かれたけれどもそれが整理されてきた。まさに日本が落ちついてくるに従って整理されたと思うんですが、今また日本は戦後に等しいような変革期であるという意味では、やはりそういう独立した機関があってもいいんではないかと思います。しかし、その辺の論争をしても余り生産的ではないというので、三条でも八条でも実効が上がればいいという意味で、国鉄再建委員会のような機能が果たせればそれで十分だと思うわけですが、それにつきましてはやっぱり委員の選任が非常に大切だと思います。 それにつきましては、やはり規制を十分に進めるためには、その規制にこだわる官僚あるいは官僚の出身者から委員を選ばないということが一つ大切なことではないかと思います。つい先ほども新聞で、長官がそういう趣旨で委員を選ばれるというふうな報道を読ませていただきましたが、やはり基本的にはこの委員会に、監視委員会、第三者機関には官僚のOBを入れるべきでないというふうに思いますが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(石田幸四郎君) 行政委員の方々の選任については、もちろん両院の議決をちょうだいしなきゃならぬわけでございますが、総理の専権事項というふうにもなっておるわけでございます。総理から直接まだ御指示はいただいておりませんけれども、この問題、官房長官等も予算委員会等において今先生が御指摘になったとおりの答弁をさせていただいているところでございますし、また私もそういうつもりでこれからの議論を進めたいと、こう思っております。 ただ、それだけにやはり強力な事務局が必要であるというふうに思っておりますので、そこら辺のところも十分留意をしていきたい。既に準備室等をつくりまして着々とその準備も事務的には進めておるところでございます。そのこともつけ加えて御報告を申し上げます。
○今井澄君 実は、その事務局のことをちょっとお尋ねしようと思ったわけです。この委員の方々はフルタイムで専任でということには、あるいは一部の方はそうなるんでしょうけれども、なかなか全員がということにならないと思います。また、規制の問題というのは、非常に膨大な量、中身も複雑な内容を持っているわけでありますので、やっぱり事務局というのは非常に大事だと思うんですね。 そこで、今、強力なというお話がございましたが、先ほどもちょっと引用しましたように、「自らの」という表現で最終報告にはなっている。 しかし、お聞きしますと、かなりの激しい議論の中でそうなったようですが、もともとは、独立した事務局を持つということで議論をされてきたというふうに聞いております。独立したという意味は、通常、そういう八条委員会ができた場合には、その所管官庁から派遣される、あるいは各省庁から事務局員が、寄せ集めと言うとちょっと人聞きが悪いですが、要するに派遣されるということで、実質的に事務局のメンバーは既存の省庁の職員が行くということが考えられるわけです。 今回の強力な事務局というのは、人数の点でどのぐらい強力なのか、また各省庁からの独立性という意味ではどの程度強力なみずからの機関なのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石田幸四郎君) まず行政改革委員のことから触れさせていただきたいわけでございますが、今回五人のメンバーでというふうに、原案はそのようにお願いを申し上げているところでございます。その中で、専任をというような意見がいろいろございましたので、一応専任の委員は二名まで置けるような状況にいたしてございます。 ただ、全員を専任にというような御議論もあったのでございますけれども、これは実は公務員規定の問題がございまして、そのような職務につく者は他の職業を兼務することができないということになっておりますので、かなり日本的にも認められる有識者の中から選ばなきゃならないということになりますれば、なかなか五人全員が専従の委員というわけにはまいらない、これが実情であろうというふうに思います。 そういった意味で、今のところは大体一人になるのかなというような、二人まで枠はございますけれども、一人になるのかな、二人になるのかなというところで今後の議論を進めなきゃならぬと思っております。 また、先生今御指摘の強力な事務局ということでございますが、明確に申し上げましてこれは総務庁が軸になる以外にないわけでございます。例えば民間の方々を引っ張ってきて事務局を構成するといいましても、法律に対する知識、今までの行政に対する知識、あるいはそういった法律と関係業界との問題の知識、そういったものを持っている人を集めるのは非常に困難でございます。むしろ総務庁が軸になってやっていかなければ、各省庁とのコミュニケーションあるいはいろいろな改革の要望、そういった問題もスムーズにはいかないだろうと私は思っているところでございます。 つくり方につきましては管理局長の方からまたさらに答弁をさせていただきたいと思います。
○政府委員(八木俊道君) 委員の人選につきましては、大臣から御答弁のございましたとおり、法律上極めて明確に書いてございまして、「委員は、行政の改善問題に関して優れた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。」、まさに総理の政治決定で御任命をいただく。その前提として各会派、具体的には議院運営委員会の御理解をいただかなければ手続が動かない、そういう分厚い仕組みになっているところでございます。 それから、委員は原則非常勤、「ただし、そのうち二人以内は、常勤とする」、これまた法律上明確に書かせていただいて御提案を申し上げているところでございます。 事務局のお尋ねがございました。これまた法律案の第十一条で明らかに法律の規定として事務局を設置する、法律上のステータスを持つ事務局ということでございます。独立の事務局という御趣旨にまさに合うものと考えておりまして、委員会の下部機構として事務局を置くという規定をとらせていただいておる次第でございます。「事務局長のほか、所要の職員を置く。」ということでございますが、これはまさに委員会の業務執行上必要な事務体制をとるということでございまして、大事につきましてはこれはまさしく内閣総理大臣の任命と、こういうことに同じくなるわけでございます。
○今井澄君 どうもやっぱり心配であります、特に事務局や何かの問題ですけれども。これは委員にしてもあるいは事務局にしても、着手少壮の行政学者とか大学にいたり研究所にいたりする人を、三年なり五年なりということで国家公務員として任用してまた大学に戻ってもらうというふうな形もこの広い日本の中では可能であると思うので、ちょっとお手盛りになる心配がどうもあってあれなんですが、時間がなくなってきましたので最後に一つだけお尋ねします。またこの問題はいずれ当該の委員会での質疑に引き継がれると思いますが。 もう一つ、実はこの行政改革委員会で非常に不思議なのは、これは本来規制緩和の推進を監視する、規制緩和の推進計画に意見を述べるはずなのに、重要な目的の一つに情報公開法をつくるということ、漏れ聞くところ二年間ぐらいかけて情報公開法の骨子をつくろうというのがあるんですけれども、これは本来の第三者機関の目的と全く違う。逆に言えば、こういう目的が含まれることによって第三者機関、監視機関としての役割が損なわれるということが心配なんですが、なぜ情報公開法をつくることがこの使命に盛られているのか、それについてお答え願います。
○政府委員(八木俊道君) まず二つのお尋ねがございました。この機関の監視機関的な性格がはっきりしているのかどうかということでございます。 これにつきましては、委員会設置法の内容におきまして、第二条「所掌事務」というところにおきまして、「委員会は、次に掲げる事項に関して講ぜられる施策の実施状況を監視する。」という明確な所掌事務を打ち出しているところでございまして、この対象がまさしく規制緩和の推進状況、こういうことでございまして、委員御指摘の第一点につきましては極めて明快な法律上の構成をとっているところでございます。 第二点に、なぜそれでは情報公開制度というものが第二のテーマとして入っているかということでございます。 所掌事務の第二項におきまして、「行政機関の保有する情報の公開に係る制度に関する事項を調査審議する。」、この規定があることは事実でございます。この問題もまた大変今日重要な行政改革の課題でございまして、ことしの二月十五日決定の中期行革大綱の極めて重要なテーマでございますが、同時にまた規制緩和政策を進めていくに当たりましても、行政がオープンであることがその関連条件でもあると私ども考えておりまして、規制緩和の問題と情報公開の問題とは、その基礎において共通の認識のもとに打ち出された、まさに大きな行政改革の課題であるということをどうか側理解いただきたいと存じます。
○今井澄君 終わりますが、情報公開については本来推進本部でやることで、第三者機関ではないというふうに私は思っておることをつけ加えて、質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○小島慶三君 石田長官、お疲れのところ御出馬いただきましてどうもありがとうございます。 私は、今の規制緩和の意味合い、意義と申しますか、これは本当に今までも随分規制緩和という言葉が使われたり、行政改革という言葉が使われたりしましたけれども、今の段階の意義というのは前と比較にならないほどの重要性を持っているというふうに思います。この規制緩和によって、先ほど長官から御説明がありましたように、内外価格差を是正する、あるいは新しいビジネスを喚起する、それによって日本の持つ経常黒字、こういったものは縮小する、内に熟するということが今度の規制緩和の意味だろうと思いますが、そういうことで、従来のと比較にならないほどの重要な意味を持っていると思うわけであります。 従来でも確かに規制緩和という言葉はいろいろ出てきたわけでありまして、例えば土光さんが臨調をやられて以来、これは五十七年には行政事務簡素合理化法ということで、三十二法律四十九項目規制緩和になっております。五十八年には二十六法律三十九項目、それから六十年には、これは地方公共団体や何かに対するものでありますが、国の関与等整理合理化法、四法律六項目。同じくその年に二十六法律四十二項目。六十一年にはさらに二十法律二十項目というふうなことで、非常にたびたびこの法律の改廃、簡素化というものが行われてきたわけであります。 それにもかかわらず、一方ではやはり新しい法律がつくられるたびに規制とかそういったものがふえてくる、新しい組織もふえてくるというふうなことで、いわばさいの河原のようになかなかこの問題が進まなかった。しかし、今度はそういうことではいけないので、内閣全体の意思として、日本の活路を求めるための規制緩和ということで話が登場しているんだと思うのでございます。 そういう意味で新しいこの法律が、今回の一括法やなんかにつきましても、また各省から出されておるもの、単独の各省関係の二十四法律ですか、こういうふうなものにつきましても、また独禁法の適用除外といったようなものに関する二十七項目の改廃にいたしましても、これひとつまた、本当に全部足並みをそろえて、石田長官の指示のもとに大きく足並みを伸ばしていくということが期待されるわけでございます。ぜひそういう御努力をお願いしたいと思います。 ただ、私気になりますことが二つありますのは、一つは、今回、一括法はこの次に議論になるとは思うんですけれども、一括法の中でも廃止されている法律というのは四法律にすぎない。それから届け出の緩和というのが二十項目ということで、そうしますと、許認可というものを緩和するとしましても、非常に大きなものは許認可の届け出化、そしてまた届け出については二十法律関係で届け出を緩和するということになっております。 確かに各省からいろいろ単独で大きな意味を持つ規制緩和の動きも出ておると思うんですけれども、この一括法だけ拝見しますと、何かやりやすいものといいますか、そういうものが先に取り上げられているという感じがしないでもない。誤解であれば幸いでありますが、これを切り札、スタートにして、今後五年間で規制緩和おやりになるということだったんですけれども、難しいものだけが残るということにならないように、ぜひその辺の推進力も今後ともお願いをしたいというふうに思うのでございます。 それからもう一点は、時間の関係で手短に申しますが、確かに法律の改廃ということで中央の規制緩和は進むと思うんですけれども、問題は地方の関係ですね、県とかあるいは市町村の条例というか、こういうものが実に多いことでございます。 また、住民の生活と密接に結びついているのは、むしろそういうふうな地方でありますから、これがごねられると届け出一つもなかなか自由にならないということがあるわけでございまして、この辺が今回、規制緩和を中央でおやりになるにしても、それとともに地方のそういった点にどうやったらその話が及んでくるか、中央、地方を通じての意識改革が行われるか、この辺のところが実は心配の種なのでございますが、この辺ひとつ大臣からお答えいただきたい。
○国務大臣(石田幸四郎君) ただいま小島先生の方からいろいろな御指摘をちょうだいいたしました。 ひとつ正直な感想を申し上げるわけでございますが、私は総務庁長官になりまして、前総務庁長官が一割削減ということを打ち出されました。相当に期待をしておったわけでございます。 そうしましたらば、その後いろいろ精査をしてみますと、毎年国会で四十本から五十本ぐらいの法律が上がりますものですから、減る分は確かに減る努力をいたしておるのでございますが、そういうわけで新しい法律によってまた規制がぐんとふえる、トータルでは減らないというようなことで大変びっくりしまして、これは困ったものだなというのが就任当時の正直な感想でございました。 そんなことでいろいろ考えたのでございますが、やはりこういった規制緩和をするについては、法律がどうしても社会の大きな進展に伴ってそういうような法律ができるわけでございますから、これは防きようがないと。そのかわり、新しい法律をつくるときに十分審査をしていただきまして、特に見直し条項を原則づけると。もちろん法律によりましてはそうはいかない場合もあるのでございますが、これは法制局の方とも十分打ち合わせをしまして、そしてとにかく五年間なら五年間やって、そのときに見直しをするのを原則とするということをひとつ行革大綱の中に織り込ませていただいたところでございます。 それからもう一点。法律四十本でございますが、そのときも法制局とのさまざまな打ち合わせの中で、共通項でくくれるものは一括法でいこう、明らかに政策を変えなきゃならぬというような問題は個別法でいく以外にないと、こういうような法制局の見解に基づきまして、個別法二十四と一括法四十というふうに分けたわけでございます。 それから、地方の方のお話がございましたけれども、これもいろいろな問題を私ども聞かされておりまして、中央と地方の関連において、必置規制であるとかさまざまな国の機関事務をやってもらっているわけでございますから、いろんな問題がございます。 そんなことで、今地方分権もようやく専門部会ということでスタートをさせていただきましたが、総務庁としましては今各省庁に、長い間の習慣的な問題になって、もう必要ないと考えていいのではないかという問題、あるいは必置規制の問題、そういう問題ももう一遍見直しをしてもらいたい。ぜひこれはまた国会の皆様の御論議にも資するようにいたしたいし、それから地方分権の議論にもそこら辺を提供させていただきまして、議論をしていただきたいと、こんなふうに思っているところでございます。そこら込もう少し管理局長の方から答弁させていただきたいと思います。 それから、ちょっと先ほど言い忘れたんですが、行革大綱の中に特に私が強く要望して入れてもらいましたのは、報告、届け出の問題でございます。この煩雑さというものは大変なものでございますので、これの緩和をやはり行革大綱の中に入れて、各省庁明確にその目標も立てながら整理していただくということを入れさせていただきました。 例えば百貨店なり大型スーパーなり、いろいろな売り場ごとの届け出が必要なわけでございます。そういうようなことはもうやめようじゃないかと。要するに、百貨店なら百貨店が一括でそういったものは、届け出なら届け出、報告なら報告ができるというふうにしなければ、これはもう大変煩雑なことになっておりますし、行政の複雑さもまたこれは考えていかなきゃならない問題でございますので、そういう報告、届け出の問題についても行革大綱の中に明確にさせていただいたということでございます。 特に地方と中央の関係につきまして管理局長の方から御答弁させていただきます。
○政府委員(八木俊道君) まさに大臣から御答弁を申し上げたとおりでございまして、規制緩和の中に、地方公共団体独自の条例、規則、通達、例えて申しますと、宅地開発指導要綱のような問題もございます。大いに自覚をしているところでございます。 ただ、この問題につきましては、地方自治のあり方問題というものが一つございます。政府、各省庁といたしましては、当然指導についてはこれは徹底して行うということでございますが、そこから先の制度改正ということになりますと、おのずから地方自治の尊重ということとの兼ね合いをどうとるかという問題でございます。三千二百五十ほどに及ぶ地方公共団体、そのあり方は行政実態さまざまでございますので、一体その辺のどういった団体に焦点を当てた政策の見直しかできるのかということは本当に各省の悩みのあるところでございます。 しかしながら、規制緩和の大きな流れの中にぜひひとつ地方公共団体も乗ってきていただきたいということで、今後とも指導の徹底を図ってまいりたい、関係各省と協調しながら、私どもその点に特段の留意をしてまいりたいと考えているところでございます。
○小島慶三君 ありがとうございました。 私どもは今、地方の問題については地方分権基本法といったようなものをいろいろ研究しておるわけでございますけれども、この規制緩和の問題が中央だけで終わってしまいますと、逆に今度は地方集権でもありませんが、そういう形で規制がこちらの方に移っただけになるということでは何もなりませんので、その辺、ぜひ総務庁の方の強力な御指導をこれはお願いしたいと思っております。 それからもう一つ、先ほど陣内先生からいろいろ御指摘があったんですけれども、規制緩和というのはいわばもろ刃のやいばみたいな面がございまして、確かに最初に申し上げましたような非常に大きな日本の運命を決める、日本の進路を決めるような方向に違いないのであります。けれども、これは一方では、今までの制度的な習慣と申しますか、あるいはそういったものに基づく価値観と申しますか、そういうものほかなり牢固として抜けないという面もあるわけでございますし、そういう意味での抵抗もございましょう。 やっていく間にこれは、確かに雇用というか、そういった問題にも大きな影響をもたらしていくことは先ほど大臣の御説明にもあったとおりでございます。これはやっぱりある程度、企画庁の方で御研究のようでありますが、どの程度の雇用のシフトというか、こういうものをもたらすか、どの程度の経済的影響をもたらしていくのか、ちょっとその辺の検討をひとつお願いしたいと思うのでございます。 ある学者の説によりますと、規制緩和を徹底的にやれば二百四十九万の失業者ができる、その反面でニュービジネスで二百五十七万の就業者ができる、だからとんとんなんだ。こういう話もあったんですけれども、職業の適性ということもございましょうから、右から左へそれがすらっと変わっていってそろばん上はいいんだということには私なかなかならないと思うのでございます。 そうしますと、やはりそれだけの数になりますと、地域の問題、それから社会不安の問題とかいろいろ出てまいりましょうし、それから新しく雇用を転換する人にとっても、いろいろ技術指導とかそういった面でのトレーニングとか十分に準備が必要でございましょう。また、そういうことを政府の方としてもできるだけ支援してこのシフトをスムーズにするということをお考えになる必要があるんじゃないか。 これは本当に新しい経済計画をつくるくらいの大作業だと思うのでございますが、ぜひそういう点も御検討いただきたいというふうにお願い申し上げます。
○国務大臣(石田幸四郎君) 具体的な表現で申し上げますと、例えばトラック運送業については現在、県内なら県内というようなそういう地域の指定があるわけでございます。これをもう少し広域的にやるべきだという御意見もございます。こういったことをやりますと、当然トラック業界の中では競争激化ということになってまいりますので、そこから、力の強い企業が勝ち、力の弱い企業が撤退というようなことにもなりかねない。そういうことがこの規制緩和には絶えずつきまとっていく。 規制緩和は打ち出の小づちではございませんで、確かにそういった市場経済の活性化を促す新しい意欲を持っていただく、そういう意味合いにおいては大変効果があるし、これが三年、四年、五年というふうに浸透してまいりますれば、それなりの新しい経済効果を生むことはあり得るわけであります。 ただ、先生御指摘のように、これは予算委員会等でもしばしば労働大臣が失業なき移動ということを盛んにおっしゃっておるわけなんですが、そんなに口ほどうまくいく話ではないということは、これはもうだれが考えてみましてもそういうことが言えるわけでございますので、相当、ある意味においては慎重にいかなければならないし、新しいそういった誘導政策あるいはまた政策的な金融面での手助け、そういうものが必要であろうというふうに思います。 ただ、今ようやく規制緩和が緒についたばかりでございますので、これからやはり半年ぐらいかけて、じっくりもっときめ細かい対応ができるようにいたしておかなければならない、その準備を今から早急に進めなければならないと、このように考えているところでございます。 続いて局長から答弁をさせていただきたいと思います。
○政府委員(八木俊道君) 大臣から御答弁のございましたとおり、関連する諸対策につきましては、これはもう本当に政府全体を挙げて手落ちのないようにしていかなければならないわけでございますが、各種の摩擦的な諸問題は当然予想されるわけでございまして、御指摘のように、一つのビジネスが生まれ、他方において競争が激しくなることによりまして、若干の事業分野においてはリストラクチャリングの努力がまた必要とされるという局面を迎えるわけでございます。 私ども、これらの対策が整合的に、総合的に展開されなければいけないわけでございまして、規制緩和につきまして第一弾をこの二月十五日、第二次分がこの六月末ということでございますが、最終的には年度内に五カ年間をめどにする全体計画をまとめて、総合的に進めていく、まさに計画的にこれを進めていくという趣旨もその点にあるわけでございまして、御指摘をいただきながら今後鋭意目配り、問題の極力生じないように努力をいたしてまいりたいと存ずる次第でございます。
○小島慶三君 私の持ち時間は三十二分までなんで、まさに三十二分でもう時間がなくなってしまったんですけれども、もし通産省の方がおいででしたらあと二、三分ひとつお許しいただけませんでしょうか。
○委員長(木暮山人君) 急いでやってください。
○小島慶三君 はい、急いでやりますから。 今度の規制緩和で非常に目立ちますのは、通産省の関係のエネルギーについての自由化といいますか、規制緩和でありまして、先般ガス事業法は商工委員会を通過したわけであります。 これは、従来の公益事業という観念からしますとかなり画期的なものだと私ども思っております。大口の料金の自由化とか、供給区域の外に出てもいいとか、そういった点で本当にびっくりするような緩和であるわけでありますが、こういう形の、公益事業を自由企業にしていくというそういう方向なのかどうか、電気事業なんかについても同じような形がとられるのかどうか。 それからもう一つ、先ほどガソリンの輸入の自由化というのが新聞に載っておりましたけれども、これは石油については、これも大変革でありましょうが、そういうことになるのでしょうか。その辺のところをごく手短に教えていただきたいと思います。
○説明員(田島秀雄君) まず、公益事業でございますが、ガス事業につきましては、総合エネルギー調査会で昨年御報告を賜りまして、審議会で御議論をいただき、ガス事業法の改正を御提案申し上げまして、先生方の御指導のもとに、ついせんだって十七日に成立をさせていただいたところでございます。 内容的には、先生ただいまおっしゃられましたとおり、大口需要につきまして料金を弾力化する、それから供給区域の内外につきまして大口のガスの供給について機会を新たにつくる、あるいは拡大するというものでございます。この場合に私ども、小口需要向けの供給につきましては、消費者保護、公益事業規制という形で引き続き行う必要があるという、これまた審議会の御報告を受けましてそういうふうな手当てをさせていただいておるところでございます。 また、電気につきましては、我が国の電気供給は安定供給の面では大変すぐれた実績を上げてきておるわけでございますけれども、内外価格差の御指摘等もございます中で、効率化に向けた努力が今求められているのではないかというような観点から、今回規制緩和を含めまして電力供給システムの見直しに向けて電気事業審議会というところで小委員会を設けまして御検討をいただいてきたところでございます。 大変長くなりまして恐縮でございますが、明二十一日に小委員会の御報告をいただくことになっておりまして、この中では発電網の自由化、それから全体の供給システムを損なわない範囲で直接供給の道を開くといったようなことを御指摘賜っておるわけでございまして、引き続きこういったことで御審議を続けて検討を続けさせていただきたいと思っておるところでございます。
○説明員(日下一正君) 石油業にかかわる規制緩和につきましては、本年二月以降、石油審議会に石油政策基本問題小委員会というのを設けまして、ここで安定供給と効率的な供給のあり方につきましてその適切なバランスということで検討を続けてきたわけであります。御指摘のように、本日中間取りまとめを行ったところでございまして、中間取りまとめの中では、まさに先生御指摘のように、特石法の廃止による石油製品輸入主体の拡大など、市場原理の一層の活用という方向性が示されたところでございます。
○小島慶三君 終わります。ありがとうございました。
○橋本敦君 続きまして、私から質問をさせていただきます。 規制緩和ということがまさに今日の大きな流れ、政治の重要なキーワードになっている感じがするわけですが、私どもは、確かに非常に複雑な時代おくれの官僚的規制が国民生活に押しつけられている側面がある、これは撤廃しなくちゃならない、こう考えております。それと同時に、今日の複雑な現代社会におきまして、社会的規制を含めて、国民生活を維持するために、また安全を守るために環境を守るために一層の規制が必要だという側面もある、こういうふうに思っているわけです。 したがって、規制緩和そのものについては、私どもとしては一つ一つ政府の具体的な施策、打ち出されてくる問題を検討しながら、十分個別的分析的に対応していく必要があるということを考えております。規制緩和だからすべてよし、あるいはすべてよくない、こういう態度はとらないつもりでおるわけであります。 しかし、それにしても今日の規制緩和の大きな基調は何かと、こう考えますと、今日まで行革審その他でずっと歩んでまいりました経過を考えてみましても、結論的には私は、端的に言えば国民の側からの生活要求を基本にこの問題が出てきたというより、やはり財界及びアメリカの、日本の産業構造の転換ということにかかわった大きな要求がインセンティブになっている、そういう課題だという気がするわけであります。 これは八八年十二月の第二次行革審答申の中でも、産業構造の転換と国際的調和、これを二つの大きな柱にしている。そして、産業構造の転換というのは市場原理を基本とした産業構造の転換であるし、国際的調和ということになれば市場アクセスの改善ということで、貿易関係で日本への参入を外国企業も含めて、特にアメリカを中心にやっていくということが言われているというように思うわけですね。 だから、こういった今日の規制緩和の背景について大臣がどう認識していらっしゃるかということを基本にしながら、ひとつ具体的にお伺いしたいと思うのであります。 アメリカは日米経済協議で大変広範な要求を出してまいりまして、農産物、サービス、流通、運輸、金融、医療品、これの基準・認証あるいは環境基準の緩和、さまざまであります。あるいは系列の問題もあります。基本的に日本政府は広範にこれを受け入れる方向で日米合意がなされたんですが、そのうちの一つとして私は、大店法の問題を特にきょうはお伺いしておきたいと思うんです。 といいますのは、大店法の規制が相次いで緩和されてくる中で、在来の商店街が大変な苦労をされておるけれどもどうしても寂れていくという傾向は、町づくりとも絡んで、中小商店の営業の確保ということとも絡んでやっぱり大事な問題だと思うんですね。 この問題で、最近の新聞にも出ておりましたが、政府は行革推進本部作業部会の中間報告を受けて、規制緩和の本格的取り組みの一つとして、アメリカが強く要求している市場アクセスの問題の解決の一つにこの大店法の廃止をいよいよ具体的に打ち出すのではないかということが言われておるんですが、果たしてそうなのかどうか、現時点での大臣の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(石田幸四郎君) 私たちがこの社会の中で生きていく上におきましては経済活動が欠かせないことは、これはもう橋本先生に申し上げるまでもないわけでございます。 また現在、ロシアあるいは中国におきましても市場経済が導入をされまして、経済の自由なる競争と申しますか、この推進がますます世界的に拍車がかかってきているというふうに認識をいたしております。また、昨年年末近くにありましたウルグアイ・ラウンドの問題にいたしましても、そういうような背景の中でいわゆる共存共生を目指して経済の自由活動、自由競争を促進しようという大きな流れになっておるわけでございます。そういう面が一面ございます。 あるいは、先ほど申し上げましたように、日本の経済構造も長い間のそういった規制の中で生きてきたその面の不合理も生じてきている、それがかえって消費者の不利益につながっている面もあるわけでございます。 詳しくは個別の問題については申し上げませんけれども、そういう観点からの規制緩和というものが必要であることは先生も御存じのとおりであろうというふうに推測を申し上げる次第でございます。 今話題になっております日米経済協議の問題、再開に向けて議論が進められておるわけでございますが、この日米のいわゆる貿易収支の問題につきましては、一つには経済構造に大きな違いがあるということは今までも十分言われてきたところでございますが、それだけになかなかこの貿易摩擦の解消につながっていかなかった経過がございます。そういうようなところから、アメリカから特に日本市場への参入について厳しい要求がございます。また、ヨーロッパからもございます。大体ヨーロッパの要求とアメリカの要求事項、ほとんど重なっておりまして、そう大きな違いはないというふうに思っておりますので、政府としましては、対外的な経済規制というものを念頭に置いてこの改革を進めようとしているところでございます。 大店法の廃止問題について、具体的にアメリカが強く考えているし、廃止というところまで踏み込むべしというような御要求もあろうかと思いますが、今先生が御指摘になりましたように小規模店舗の問題、商店街の問題、さまざまございますので、私どもとしましてはまず、この五月に行われました大店法の改正の状況をやはりいま少し見なければならないというふうに一つは考えているところでございますし、それが直ちに廃止の方向へ進むべきというふうには思っていないところでございます。 これまさに今通産省とも議論をしている最中でございますので、結論がこの六月末に申し上げられると存じますが、そこら辺の推移を見ていただきましてさらに御議論をちょうだいいたしたいと、こう思います。
○橋本敦君 わかりました。十分慎重な御検討をお願いして、次に進みたいと思います。 もう一つ、別の側面から考えて御意見を承りたいと思うんですが、それは国民生活に深くかかわる社会的、公的規制の見直しの問題として、一つは国民の特に生命、安全にかかわる問題は、これは犠牲にしてはならぬということであります。 その問題で、内外価格差が大きいということで食品の緩和要望も今御指摘の国際的な関係から強く出ておるものでもあるし、また財界からもそれについて要求もあるわけですが、国際基準より厳しい食品添加物の制限、サンプル検査、こういったものがノンタリブバリア、非関税障壁ということでいろいろ外国から批判されていることもある。しかし、国民生活の安全を守るためにはやっぱり政府は我が国の自主性と主権を守って慎重を期していただかなくちゃならぬと思うのですが、その一つとして食品の日付表示の問題をきょうはお伺いしておきたいと思うのであります。 これは農林物資規格法あるいは食品衛生法などで製造年月日とされている日付表示を、今度は賞味期限の表示に変えるという問題であります。そうなった場合には、消費者の側から見たらどうなるかとなりますと、いつつくられたかということはわかりませんから、鮮度の目安がつけにくくなるという不利益があるし、同時に賞味期限はいつまでだというのは一方的に製造者の判断でなされるということになりますから、それが消費者に一方的に押しつけられて、これに対する批判的な意見が述べられる消費者はいいですが、そうでない消費者はうのみにせざるを得ないという問題があります。だから、新鮮で安全な食品という点から、国民の願いに逆行するという側面を持っているわけですね。 ところがアメリカは、日米経済構造協議の中でも議論が出たと思うんですけれども、日本へ持ってくるのに時間がかかりますから、製造年月日を食品の日付表示ということで義務づけておりますと、当然期間というものがたってくるわけですから、アメリカにとっては不利益がある。だから、製造年月日がつい古くなるという、こういう不利益を解消するために賞味期限に変えるということを要求してくる。これはアメリカの要求だけれども、日本の財界、食品メーカーにとっても、賞味期限の方がいいという考えも出てくる。こういうことからこの問題が出てきているというように私は思うわけです。 しかし、これは今言ったように国民の側から見て非常に大事なことでありますから、こういう点の規制緩和はやるべきではないというように私は思っておりますが、そうした国民の生命、安全という点とのかかわりにおける規制緩和はどうあるべきかということとの関連で、この食品表示の問題に触れながら、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石田幸四郎君) 社会的規制の中で特に考えなければならないのは、健康、環境、安全、雇用、こういうような基本的な問題であろうというふうに思っております。 そういう意味におきまして、橋本先生から今食品添加物の問題が御指摘がございました。今まさにここら辺の問題が議論をされておるわけでございますが、この食品添加物の問題と同時に、また植物検疫の問題がございますので、これについてはやっぱり果物等の輸入にもかかわってまいりますので、慎重にやらなければならないということで、鋭意合議論を進めているところでございます。 具体的な賞味期限の問題、製造年月日の問題、これは一方的な、あるいはまた製造者の方から見れば確かに楽なやり方と言わざるを得ない一面がございます。しかし、本当にその面で健康の問題が十分担保されるならばというような考え方も当然一方においてあるわけでございますから、やはり個別に考えていかなければならない問題であろうと思っております。 局長から詳しく答弁させていただきます。
○政府委員(八木俊道君) この二月十五日に決定をいたしました「今後における行政改革の推進方策について」、いわゆる中期行革大綱におきまして食品の日付方式の改正につきまして掲げているわけでございますが、これは既に昨年の九月十六日の緊急経済対策の一環として掲げたところでございます。 内外極力無差別という方向で日本のさまざまな規制を国際的に調和させていくという取り組みの一環でございますが、実際にはこの決定の内容は、食品の日付表示につきまして消費者への十分な説明を行い、国際的な規格、基準等も踏まえ、製造年月日表示から期限表示を原則とする方式へ移行する、こういう方針決定でございますが、実際には厚生省、農水省の重要な問題でございますので、厚生省におきます食品衛生調査会及び農林水産省におきます農林物資規格調査会、これらの機関への諮問等を経まして十分な点検の上に立ってこれを実施する、こういうことになっているところでございまして、各所管省におきまして的確な判断がなされるものと期待しているところでございます。
○橋本敦君 慎重にやってください。 終わります。
○西川潔君 どうぞよろしくお願いいたします。 昨年、連立政権のスタートと同時に、重要政策の一つの柱といたしましてこの規制緩和を挙げられたわけですが、最近はかなり浸透してまいりました。でも、私も身近な方々になかなかこの規制緩和というのを説明しにくいんです。 素朴な疑問でございますが、羽田政権は普通の言葉で普通の政治をやるというふうにおっしゃっておられるわけですけれども、石田大臣がもしこの規制緩和というのを身近な人たちに、特に私は高齢者福祉を勉強させていただいておりますが、年金等々で生活をしておられる方から、潔さん、この規制緩和というのはとよく聞かれるんです。難しいんですけれども、大臣がもしアピールをするといたしましたらどのようにアピールをなさいますか。
○国務大臣(石田幸四郎君) 政治用語で言いますといろいろな言葉になってくるわけでございますので、私としましては、先ほど申し上げました自動車の六カ月点検の廃止とかいうような個別な問題で御理解をいただくように努力をいたしておるところでございます。 どうしても言葉で言いますと抽象的になってしまいますものですから、特に今度の規制緩和の問題について、先ほど申し上げましたように、じゃ経済効果はどういうふうな規模であるんだということはなかなかマクロでは算定ができない状況がございます。まだ実施されていないというような状況もございますが、それではなりませんので、そういった意味におきまして、例えば何々の問題が規制緩和されれば、それは相対的にその業界の中でどれだけの経済効果が生まれるかもしれない、あるいは消費者にとってどれだけのメリットがあるかもしれないと、ここら辺の表現を的確に申し上げられればなということで、今鋭意そこら辺も研究をさせていただいているところでございます。 あとは、今度の三専門部会、それから大蔵が検討しております金融、保険、証券等の問題につきましても、この六月末に個別的にかなりの数、今ちょっと幾つになるということは申し上げられないんですが、相当な数になりますので、そこら辺はまたマスコミ等を通じて国民の皆さんに、個別の問題として申し上げますと、それぞれの関係者の方々がそれを見ていただいて、これはかなり努力をしているなというようなことを見ていただけるであろうと、こう思っておるところでございます。
○西川潔君 次に、時代の変化によりまして不要ないし過剰あるいは不合理となっているというお言葉も大臣の方からもお伺いしたわけですけれども、公的規制というのはその時代その時代の要請を反映したものでありまして、その意味では、規制の緩和が進む一方で新たな規制が生まれてくるのもこれは当然であると思うわけです。 例えば現在、全国の自治体に福祉の町づくり条例を制定する動きが広まりつつございます。高齢化社会に向けましてお年寄りや障害者の方々が安心して生活を送ることができる町づくりを目指して一定の規制を設けようということでございますけれども、この取り組み等はまさしく現代社会や時代の要請を反映したものでございますが、しかし、この規制緩和という言葉のみがひとり歩きをして規制イコール悪であるという間違ったイメージに結びついてはこれはならないと思います。 今後、規制緩和を進めていく中におきまして、本当に必要とする規制までもが一歩後退あるいは是とめをするようなことがあってはならないと僕は思うわけです。あくまでも冷静に対応することが必要であると思うわけですけれども、これも素朴な疑問なんですけれども、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(石田幸四郎君) 地方自治体のさまざまなやり方についての規制を、中央がどんどんこうしろああしろとは言いにくいわけでございまして、またそういうことが押しつけになってはならないわけでございます。さりとて、じゃ地方自治体の行政がその地域住民の意に沿わないような形で進められたら、これまた大変なことになるわけでございまして、そこら辺私ども大変気にしているところでございます。 今度自治省の方で、そういった意味において中央には行政改革委員会という民間の有識者を委員に任命して監視の意味を含めた行政万般に対する御注文をいただくことになっておるわけでございますが、自治大臣の方から、各地方にもそういう意味合いのいわゆる住民を代表する形、どういう形になるかわかりませんが、そういうような行政に対して改革を注文つけられるそういう機構をつくるべきだということの意見が出ております。 この八月に、恐らく次官通達になるんだと思うんですけれども、そういう形で地方に要請を申し上げるということを承っているところでございますので、これができますれば中央の行政も地方の行政も、ある意味においてそれぞれの国民が十分注文をつけられる体制ができるのではないかと、こんなふうに考えているところでございます。
○西川潔君 次に、先日、福祉の方ですけれども、関係者の方々にその立場で規制緩和に対する要望についてお伺いしたわけですけれども、一番最初に皆さんがおっしゃるのはやはり手続の簡素化だと、こういうふうにおっしゃいます。 例えば、お聞きいただきたいんですが、ある日突然家族のだれかが病気で倒れます。重い後遺症が残ります。常時車いすが必要になったという場合、そういった方々に対して車いすやベッドを貸してもらえる制度があるわけですが、もうこれは皆さんよく御存じなんですけれども、しかし、この制度を利用するに当たりまして本当に気が遠くなるような手続が必要となります。 最初にまず身体障害者としての認定を受けなげればなりません。この認定を受ける手続が実に煩難でございまして、役所で書類をもらいまして、それからこの書類、県知事指定の病院で診断を受けます。等級判定が出ます。あなたは何級ですという結果が出るわけです。そして、その書類が市町村から今度は知事のところに上がります。そして、そこでまた審査が行われるわけです。その後にやっと身体障害者の手帳が交付されるわけでございます。大臣、ここまでどれぐらいかかると思われますか。
○国務大臣(石田幸四郎君) ちょっと想像がつきません。
○西川潔君 生活者重視という、大臣、ずっと僕は今までも国会でお話を聞いてまいりましたので、ちょっと伺ってみたいなと思ったものですから、大変御無礼をいたしましたが、ここまででも約三カ月もかかってしまいます。 ここにきてやっと補助器具の申請がここでできるわけです。そして書類が回って補助器具が自宅に参ります。その期間が一カ月かかりまして、トータル何と四カ月もかかるわけでございます。ですから、車いすが届いたときには既にもう寝たきりになっているという人も実はいらっしゃるわけでございます。 決してこういうケースも少なくございませんので、こういう点で専門家の方々のお話では、何よりもまずこの身体障害者の認定手続を、医師ならばだれでも——だれでもという部分にはいろいろ難しい幅広い問題がございますが、その認定ができるようにならないと、現在では寝たきりのお年寄りがこの身体障害者手帳を受けることが本当に不可能に近いわけでございます。 大臣にぜひ私はお伺いしたいんですけれども、今後規制緩和を進めていくに当たりまして、このような身近な福祉の規制緩和、こういう部分に光を当てていただきたいと思うんですけれども、御答弁をいただいて、私のこれ最後の質問にしたいと思います。
○国務大臣(石田幸四郎君) 総務庁は実は恩給の問題を扱っておりまして、その審査については、何しろ古い話でございますから、いわゆる傷病の関係が年齢とともに変化をしてまいりまして、それに伴って傷病恩給、そういったものの資格を変えてもらいたいというような御要求等もございます。これは大変な実は手間暇がかかる。事実関係を調査しなければいけませんので、なかなかそう簡単にまいらないので、役所の苦労もわかりますし、申請者の御苦労も本当にしばしば聞かされているところでございます。 それから、私は交通関係を長い間やっておりました関係もございまして、やはり交通事故によります障害の問題、この認定も大変な手間暇がかかっていることは私もよく承知をいたしておるのでございますが、余り簡便にいかないわけなんですね。今、西川先生が御指摘になった問題については、一つはそういった地方の対応が非常に大事だと思います。 この間神戸市へ参りまして、いろんな問題を話し合いをしたのでございますが、神戸市ではできるだけ区役所等が、市民の人がそういった問題で相談に来るときに、その階で片づくように工夫をしておると、こういうお話を聞きました。そういった点は地方自治体等の対応を本当に全体的に考えていただく必要があるだろうというふうに思います。 今、西川先生御指摘のそういう書類だとか審査というのは実に複雑多岐でありますし、手間暇がかかるわけでございますから、何とかそこら辺改善をするということでは実態を調べなきゃなりません。それが国の場合、いきなり地方自治体の問題として取り上げるというのはなかなか難しい面がございますので、権限が及ばないわけでございますから、しかしながらそうも言っておられませんので、一つにはやはりそういった行政監察の問題がそれを調べて改善をする方向へ導いていく、そういうことができるかもしれませんので、大至急これは行政監察局と相談をしてみたいと、このように存ずる次第でございます。
○西川潔君 ありがとうございました。
○委員長(木暮山人君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後八時四分散会