環境特別委員会 第6号
- 発言数
- 99 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1994/06/20
会議録
○委員長(竹村泰子君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十三日、風間昶君が委員を辞任され、その補欠として横尾和伸君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(竹村泰子君) 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○狩野安君 初めに、当委員会でも大きな関心が持たれている環境基本計画についてお伺いいたします。 同計画については現在中央環境審議会で審議中とのことでありますけれども、先般中間報告の骨子が了承されたと聞いております。その中では、今回の法案に関係する野生動植物種の保護、管理はどのような位置づけがなされているのか報告をお願いいたします。
○政府委員(奥村明雄君) お答えをいたします。 御指摘の環境基本計画は、環境保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱などを定めるものでございまして、現在、先生御指摘のように、中央環境審議会において鋭意御審議をいただいているところでございます。環境基本法におきましては生物の多様性の確保が施策の指針ということで明記をされておりますが、先生御指摘の野生動植物の保護、管理につきましては、その実現を図る上で重要な施策として考えておりまして、環境基本計画においても、今後御審議が進められ、その趣旨に沿って施策の方向づけがなされるものと考えております。
○狩野安君 先週の六月十日、当委員会で浜四津長官の所信に対する質疑が行われましたが、法案の中身に入る前に、それに関連する部分でまず長官の基本的な考えをお伺いしたいと思います。 長官は、所信の中で「生物多様性条約を踏まえ、生物多様性に関する全国的な状況を把握するための調査を充実してまいります」と述べていましたが、生物多様性の概念について長官はどのように認識されているのか、国民にわかりやすいお言葉で説明をお願いいたします。
○国務大臣(浜四津敏子君) 生物多様性の保全は人類の生存基盤である地球の生態系を支える上で不可欠であります。また、人類は、こうした多様な生物の存在と営みから、科学、文化、経済、生活等のさまざまな面で大きな恵みを受けてまいりました。こうした観点から、生物多様性の保全が人類共通の関心事となりまして、生物多様性条約が作成され、昨年の十二月に発効したところでございます。 私といたしましては、我が国の自然環境を保全するため、また地球生態系のバランスを保つためにも、生物多様性の保全を今後の環境保全行政を進める上での重要な課題の一つとして認識し、施策を進めてまいりたいと考えております。
○狩野安君 また、全国的な状況を把握するための調査を充実していくかどうか、どのように把握していくかなど調査の方法についても御説明ください。
○政府委員(奥村明雄君) 恐縮でございます、実務的な問題でございますので私から御答弁をさせていただきたいと思います。 生物の多様性を確保していく上で、まず実態の正確な把握ということが大変重要でございます。我が国の野生動植物種につきまして、西暦二〇〇〇年までの間に、その分布の状況に関する全体像を現地調査によりまして本格的に把握いたしますとともに、良好な状態で保全されている我が国を代表する生態系を有する地域の実態を把握するための総合的な調査を本年度から実施することにいたしておりまして、このため所要の予算を本年度予算案の中に計上させていただいているところでございます。
○狩野安君 所信では、今回の種の保存法の改正案の提出を含め野生動植物の保護、管理を強化してまいりますと述べておられましたが、野生動植物保護行政を進めるに当たっての長官の基本的な考え方をお伺いいたします。
○国務大臣(浜四津敏子君) 野生生物は、生態系の重要な構成要素であるだけでなく、自然環境の一部として欠かすことができないものであります。環境庁としましては、野生生物の保護、中でも種の絶滅の防止を図ることは緊急かつ重要な課題と考えております。また、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存のための施策を体系的に講ずるため、昨年四月に現行の種の保存法を施行いたしまして希少野生動植物種の指定や保護増殖事業計画の策定等をしたところでございます。 今後とも、種の現状を的確に把握しつつ、この法律に基づく捕獲、譲渡等の規制、生息地の保護、保護増殖事業等を推進いたしまして、種の絶滅の防止に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○狩野安君 生物の種の絶滅に至る速度について、人為を伴う場合としからざる場合とではどのように異なるのか、御所見があればお答えを願います。
○政府委員(奥村明雄君) お答えを申し上げます。 これまでの進化の歴史の中でも多くの種が環境の変化で滅んできたわけでございますが、産業革命以後そのスピードが大変加速度的に速くなっている。それは主として人間の活動の影響によるものというふうに考えられているところでございます。 そのスピードということで申し上げますと、マイアースという方が書かれた「沈みゆく箱舟」という本の記載によりますと、恐竜時代には大体千年で一種の減少というスピードであったわけでございますが、現在、一九七五年から二〇〇〇年までの二十五年間平均で一年周で四万の種が、これは地球規模でございますが、絶滅をしているというスピードであるというふうに推定をされておりまして、近時におけるスピードが人為の影響により大変速くなっているということを示しているものと考えているところでございます。
○狩野安君 平成五年四月一日から現行の種の保存法が施行されていますが、その施行状況について御説明を願います。
○政府委員(奥村明雄君) 種の保存法は御指摘のとおり昨年の四月一日より施行されたところでありますが、新たな国内希少野生動植物の種といたしまして、従来の特殊鳥類などから移行しました鳥類三十八種に加えまして、本年の一月にツシマヤマネコ、イリオモテヤマネコなど六種の動植物を追加指定いたしたところでございます。また、法律に基づく保護増殖事業を実施するため、昨年十一月にアホウドリなど保護増殖事業計画を策定しているところでございます。 今後、引き続き実態把握を進め、保護の必要性の高いものから順次指定を進めていきますとともに、関係機関や生息地などの地元との調整の作業を進め、対策の強化に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○狩野安君 法案の提案理由によりますと、今回の改正は二年前に行われた現行法の審議の際の附帯決議を踏まえたものとのことであり、そのこと自体は評価するところであります。 ところで、このときの当委員会の附帯決議は十一項目にわたっておりますが、今回の法改正以外の事項に対してはどのように対応しているのか、簡単に御報告をお願いいたします。
○政府委員(奥村明雄君) 今回の法改正は、先生御指摘のように、現行法の国会審議に当たりまして附帯決議の中で盛り込まれたものを具体化したものでございます。 そのほかの事項の主なものについて御説明を申し上げますと、まず、実施体制の強化という点につきましては、本年七月一日から国立公園管理事務所を国立公園・野生生物事務所に改組いたしまして、種の保存法の事務の一部を分担するような体制をしいております。また、調査研究を充実するという点につきましては、本年度から生物多様性調査を実施することといたしまして、その一環として、絶滅のおそれのある野生生物の実態についても把握することとしております。また、保護増殖事業につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、シマフクロウのつかい形成事業などに着手したほか、ツシマヤマネコの人工繁殖の実施などを予定しておるところでございます。 これまでも附帯決議の趣旨を踏まえて種々対処してまいりましたが、今後とも一層努力してまいりたいと考えております。
○狩野安君 今回の法改正で譲り渡し等の規制の対象となる希少野生動植物種の器官、加工品についてはワシントン条約で輸入規制が行われておりますが、違反事例が少なくないと聞いております。この条約違反の状況について、その背景、なぜ違反が生ずるのか、あわせて御説明をお願いいたします。
○政府委員(奥村明雄君) 先生御指摘のように、ワシントン条約に基づく水際規制は税関において行われておるところでございます。 税関当局より私ども聞いておりますところによれば、近年において税関で発見されるワシントン条約の違反は年間約三千件程度に上っておりますが、このうち生きている動植物に関するものは二百件程度ということであります。残りの大部分は、今回、国内流通規制の対象といたそうとしております加工品等に関するものでございまして、品目としては例えば各種の皮革製品、象牙製品などがあるというふうに承知しております。 その背景といたしましては、野生生物保護についての理解が必ずしも十分でないということに加えまして、こうした加工品などの取引の誘因となる潜在的需要があることが原因の一つとして考えられているところでございます。
○狩野安君 希少野生動植物種の器官、加工品の譲り渡し等につきましてはこれまで規制対象とされてなかったわけですが、その理由、そして今回それを規制できるようになった事情を御説明ください。
○政府委員(奥村明雄君) 先生から御指摘もありましたように、この種の保存法が制定された時点におきまして、加工品や部分品についても規制対象にするようにという附帯決議をちょうだいしていたところでございます。 しかしながら、その時点では、法律の制定ということが大変急がれておりましたわけでございます。具体的な個体の器官、加工品の規制を行います場合には、適法に輸入されたものと違法なものを判別しながら適法なもののみを流通させる仕組みをつくることが大変重要でありまして、その時点においては十分流通の実態が把握できていないということから、当面そうしたものを規制対象としない形で法案の成立をさせていただいたわけでございますが、その時点から適正な規制のあり方について検討を行い、今般本案のような制度により実施のめどを得たため、改正案を提出させていただいた次第でございます。
○狩野安君 今回の改正により規制対象とする予定の希少野生動植物種の器官、加工品はどのようなものか、また一方、規制対象から除外されるものはどのようなものがあるか、そしてその除外理由をあわせてお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(奥村明雄君) 規制対象となる器官、加工品につきましては、詳細には検討中でございますが、動物にあっては皮、毛皮、角、きば、甲羅など、植物にありましては花、茎、幹、枝など、いずれも体の外観を構成する部分及びその加工品で社会通念上需要が生ずる可能性のあるものを規定いたしたいと思っております。これに対しまして、肉、内臓、それから粉砕抽出されたものなどは、一般に種の判別が困難でございますので、対象としない予定といたしております。
○狩野安君 ワシントン条約関係では、種の保存法は附属書Ⅰの掲載種を譲り渡し等の規制対象にしていますが、その範囲について、条約では標本、個体、個体の部分、派生物などの用語が用いられ、また今回の改正を含めて種の保存法では個体、その器官、これらの加工品という用語が用いられております。これらの用語が条約の規定するものと法律の規定するものとでそれはどのようにかかわるのか、また個体など対象とする範囲については全く同じものなのか異なるところがあるのか、あわせて御説明をお願いいたします。
○政府委員(奥村明雄君) ワシントン条約の水際規制におきましては、先ほど国内流通規制の対象から外さなければいけないということで申し上げましたものも水際規制の対象にはなっておりまして、そうした規制は行われているところでございます。 この違いが出てまいりますのは、ワシントン条約に基づく水際規制は、持ち込まれるすべてのものを検査にかかわらしめることになっていることに加えまして、税関において訓練を受けた専門の職員の検査を受ける仕組みとなっているのに対しまして、国内での譲り渡しなどの規制は、国民がみずから、その所有するものが本法の規制対象となっているものであるかを判断して登録などの手続をとる、また、とらない場合には罰則がかかってまいる、そういうことを国民が行うわけでございますので、そういうことができるということが前提となってまいるわけでございまして、そうした意味で先ほど申しました外形上判別できるものというものを対象とせざるを得ないというふうに考えた次第でございます。
○狩野安君 今回の改正では希少野生動植物種の譲り渡し等の禁止に対して、原材料器官等と特定器官等が譲り渡し等が寛容される場合の一つになっております。これは大変わかりにくい用語であると思いますが、これらをわかりやすく御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(奥村明雄君) 法案の十二条にあります原材料器官等について御説明を申し上げます。 今回の規制対象となる希少野生動植物種の器官のうち、例えば象牙でありますとかワニ皮といったようなものにつきましては、国内でそれが分割され、また加工され、象牙でありますと印材というようなものになってまいりますし、ワニ皮ですとハンドバッグということになってまいるわけでございます。こうした原材料となる器官につきましては、原材料器官ということに指定をいたしまして、そしてそれが分割されました一定規模以下の特定器官については、登録という仕掛けに変えまして、現在国内種事業ということで届け出、記帳などの仕組みが法律上とられておりますが、これに類した形で事業者に届け出をさせ、そして記帳義務をかけることにより適法な流れと違法な流れを分離いたしまして、適法なもののみを流通させるような仕掛けにすることといたしたものでございます。 これらは基本的には適法に輸入されたものではございますが、分割、加工されて非常に細かくなってまいりまして、製品段階になりますと一般国民にも多数保有されている状況にございます。したがいまして、それらのものについて登録をもって対処するということはなじみにくいと考えまして、業者の届け出、記帳を通じた譲り渡し等の管理を行うものと工夫したものでございます。
○狩野安君 今回の改正では、商業目的で繁殖させた個体の器官の加工品も登録を受けることができることとなったそうですけれども、現行法の下で登録事務の運用状況についてお伺いいたします。
○政府委員(奥村明雄君) 現在、指定登録機関で実施しております個体の登録件数は、毎年変動はございますが、大体年間三千件程度となっております。今回の法改正によってどの程度これが増加するかということについては必ずしも明確ではございませんが、象牙とかワニ革などが指定されることによりまして登録件数は年間数万件にまで増加すると考えられているところでございます。これらの種は人工繁殖の形であれば輸入が適法に行われますので、そうした形での登録件数が増加すると考えているわけでございます。
○狩野安君 現在、登録機関は全国でどのくらい設置されているのでしょうか。また、今回設置されることとなる指定機関についてはどうなのか、御説明をお願いいたします。
○政府委員(奥村明雄君) 登録機関につきましては、種あるいは器官の判別を十分知識を持ってかつ公正、能率的に執行できる能力を有している法人などを指定する必要がございますが、現在の指定登録機関は、各地の野生動植物に関し多くの専門研究員を擁する財団法人の自然環境研究センターを一機関指定しているところでございます。 今後、この法改正に伴いまして業務量がふえてまいりますので、対象となる種、器官に応じてさらに実態を十分把握した上、施行までの間に必要な登録機関を指定して適切な運営を確保してまいりたいと考えておるところでございます。
○狩野安君 新たに届け出を必要とされる特定国際種事業について、具体的にどのような事業が定められるのか御説明をお願いいたします。
○政府委員(奥村明雄君) 本法案で新設をされる特定国際種事業の対象となるものは、希少野生動植物種の個体の特定器官、これは先ほど言いました原材料器官というものが分割されて原材料として使われるものでございますが、その譲り渡しなどを伴う事業でありまして、具体的には、これらの適法に輸入されたものを用いまして国内で製品をつくるために分割し、加工をしていく業を営んでいる、一般的に申し上げまして製造業者と申し上げてよろしいかと思いますが、これが対象となることになります。 詳細は今後、業の実態を踏まえて検討させていただきたいと思っておりますが、現在のところ象牙、ワニなどの爬虫類等の皮、それからダチョウなど鳥類の一部の皮を扱う事業を指定することを検討いたしております。 これらの製造業者については、その原材料の流れをきちっと把握いたしまして、適正な流れのものが明確になるようにし、そして先ほど申しましたように、違法なものが混入しないようにする、そういう仕組みをつくりたいと考えているところでございます。
○狩野安君 規制対象となります器官、加工品を扱う業者は零細なところが多いと思いますが、こうした事業者の実態について環境庁はどう把握しておられるのでしょうか。そして、こうした事業者に対しては国の適切な配慮が必要と考えますが、いかがでしょうか。
○政府委員(奥村明雄君) 法案を準備するに際しましては、関係省庁とも協力をして、関連する業界の実情を私どもとしても把握をいたしたところでございますが、本法案のような措置は、野生動植物の保護の徹底はもとより、今後これらの業界が国際的な信頼を得て事業を続けていくためにも必要なものである、そういう理解が業界内部にも広がっているというふうに認識をしております。 これらの業界は、先生御指摘のように、いずれも小規模な事業者がほとんどでございますが、届け出などの手続についても、必要かつ最小限のものということで、事業者の負担が過大にならないよう配慮した仕組みを考えた次第でございます。また、実施に当たりましては、関係省庁とも十分連携をとりながら、制度の手続の十分な周知徹底を図り、また適切な指導を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○狩野安君 昨年六月からペットショップGメンとして環境庁の専従職員が一人置かれ、実際に立入検査を行っていることが新聞紙上報道されております。今回の法改正により規制対象が拡大され、販売店に対する規制内容や登録事務の励行の啓発、指導あるいは立入検査の実施、業者、団体への広報活動の充実強化が求められることになると思います。 環境庁としては、人的充実、組織的な拡充強化をどのように進めていくおつもりなのですか、お聞きしたい。
○政府委員(奥村明雄君) 本法の適切な実施を確保するため、先生御指摘のように、野生動植物種の陳列を行っているものでありますとか、それから現在ございます特定国内種、これは人工繁殖したランなどの花を扱う業者などでございますが、そういったものに対して職員の立入検査をさせまして対応をいたすことになっております。 現在、立入検査は環境庁の職員が立入検査を行っておりますが、毎月一回程度の割合で、問題が指摘をされたペットショップあるいは熱帯魚の店などについて行っているところでございます。いずれも違反が立入検査の結果発見され、これらについて警察とも協力をして摘発などの指導を行っておるところでございます。 さらに、本年の七月一日からは、国立公園管理事務所を国立公園・野生生物事務所に改組いたしまして、事務所により種の保存法の事務を行わせることといたしておりまして、今後は現地事務所の職員によりまして全国の業者等に対して必要な立入検査などを行うことといたしまして、体制の充実を図ったところでございます。なお、国立公園・野生生物事務所の職員については、近年、林野庁などで働いておられる方々の部門間配置転換ということで毎年十人を超える方たちを受け入れておりまして、そういうことを通じまして体制の強化を図っておるところでございます。 また、近く委嘱することにしておりますボランティアの方々の希少野生動植物種保存推進員につきましても、種の判別に関する助言、植物専門家による園芸店などに対する指導などの御協力を求めることを考えておりまして、体制の強化に資するものと考えております。 また、近年では警察当局においても大変御理解をいただいておりますので、本法に基づく規制の強化につきましても、警察当局とも連携を深めながらより実効が上がるようにしてまいりたいと考えておるところでございます。
○狩野安君 今回の改正によって絶滅のおそれのある野生動植物の保護に対してどの程度の効果が上がるとお考えなのでしょうか、お尋ねいたします。
○政府委員(奥村明雄君) 今回の改正法案に基づく規制は、ワシントン条約などに基づき指定されている絶滅のおそれのある野生動植物の器官、加工品についても規制を行うこととしているものでございまして、違法に持ち込まれたものを排除して適法なものについてのみ流通を認めるということで、かつ、これを一般国民の目にも見える形で担保する仕組みを設けようとするものでございます。このことによって違法なものの流通が排除され、そしてまたその結果、国内への違法な持ち込みの誘因を絶とうとするものでございます。 今回の改正によりまして、希少野生動植物種の国内への違法な持ち込みの規制の徹底を図ることによりまして、ひいては原産国による違法な捕獲の防止に寄与することとなり、これらの種の保存に大いに役立つものと考えておるところでございます。
○狩野安君 絶滅のおそれのある野生動植物種の保存は緊急の課題であり、今回の法改正にとどまらず野生動植物保護行政はさらに強化していかなければならないと考えます。我が国の絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に対する保護対策が余り進んでないような気がいたしますけれども、環境庁の取り組み方、そして進め方をお聞きしたいと思います。
○政府委員(奥村明雄君) 野生動植物の保護につきましては、一方で外国から入ってまいります希少な動植物を水際で規制し、また国内では流通規制などの措置を講ずることによりまして保護するというのが一つの方策でございます。 この点については、従来は象牙などの部分品について国内流通規制がございませんでしたので、最初に御説明をいたしましたように、水際における違反品の中にはかなりなそうした部分品や加工品が含まれているという状況でございます。今回の規制強化によりまして、そうした点が充実した法制の中で種の保存の推進が図られると考えております。 また、国内の種につきましては、種の指定を行い保護増殖事業を充実いたしますとともに、生息地保護区などの指定をいたしまして保護の実施を図っていく必要があるわけでございます。現在、生息地保護区の指定については関係行政機関や地元などとの調整を行っているところでございまして、できるだけ早急に具体的な対応について関係方面との調整を終え、できるだけ早く指定をして保護対策の充実を図ってまいりたいと思っております。 また、先生御指摘のように、監視の体制を強化することが重要と考えておりまして、私どもとしては国立公園管理事務所など現地の体制を今後とも充実していきますとともに、都道府県などの協力も得、また関係省庁の御協力なども得ながらこうした面での体制充実に努力してまいりたいと考えておるところでございます。
○狩野安君 最後の質問ということですけれども、大変最近は明るい話題として中国のトキの借り受けが決まりましたけれども、この人工繁殖を行う意義と進め方、そしてまた、今後の野生動植物保護行政における課題として、これに対して浜四津長官はどのように取り組んでいく決意かをお伺いして、質問の終わりとしたいと思います。
○政府委員(奥村明雄君) それでは、私の方からとりあえず実務的な経過を御説明させていただきます。 トキについては、先生御案内のように、我が国では二羽のみが現存をしているわけでございます。これまでいろいろな手だてを尽くしてまいりましたが、増殖という点ではいまだ成果を上げていないというのが現状でございました。そういう状況の中で、本年六月、環境庁長官と中華人民共和国林業部長との会談が行われ、本年三月に細川前総理が中国側に協力要請をしておりましたトキのつがいの借り受けについて、具体的な協議を行ったところでございます。 この協議におきましては、中国側からは健康で繁殖能力を有するトキの一つがいを三年間お借りする。そして、我が国において人工繁殖の研究を進める。また、繁殖した第二世代のトキにつきましては、第一子は中国、第二子は日本、この順番に従って日本にも帰属をさせていただく。それから三点目は、トキ保護に関する普及教育、科学技術の交流を共同で行う。こういう三点を骨子といたします協力の実施が決定を見たところでございます。 我が国としても、佐渡にございますトキ保護センターでこれまでの経験や技術を生かしまして人工繁殖研究を行うことによりまして、世界のトキの保護、回復に貢献をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○国務大臣(浜四津敏子君) 今回の改正案に基づく規制は、国内国外の野生動植物の保護をさらに充実させるために、これまで個体だけだったものをさらに拡大いたしまして、これらの器官や加工品についても規制の対象にしようとするものであります。その実施に当たりましては、その実効を上げることができますように、取引の実態の把握に努めるとともに、また関係大臣ともよく協力して対策を進めてまいりたいと考えております。 また、国内に生息します希少野生動植物の保護に関しましては、種の保存法に基づきまして希少野生動植物種の指定を行いまして、保護増殖対策等を進める必要があります。今回、その一環としてトキを中国から借り受けまして、何とか二世が誕生してくれればいいと願っておりますけれども、加えまして、こうした野生生物保護行政を支える科学的知見の収集また実施体制の整備等にも十分努力してまいりたいと考えております。 野生動植物を絶滅から守ることは、環境行政の最重要課題の一つと考えております。特に、これを目的とした制度であります種の保存法につきましては、その適切な実施を図っていく必要があるというふうに考え、決意しているところでございます。
○堂本暁子君 同僚委員からも大変に法律がわかりにくいということを何度も指摘されましたが、私もこんなにわかりにくい、読みにくい法律はめったにないのではないかと思います。役所同士の連絡用の法律なのか、それとも一般の、本当にこういった象牙やワニや、そういった野生動物に関する、植物に関することを扱っている人たちにわかるような法律なのかといったら、まずわからないというふうに申し上げたい。そしてそれをさらにわかりにくくしているのは、例えば十二条の三項ですとか、それから二十条の二項もそうですし、それから三十三条の二項もそうです。それから三十三条の十三項。みんなこれは政令で決めるとなっている。政令の内容をきょうお示しいただけるかどうか環境庁に伺ったところ、出せないというお返事だったので、伺いません。 しかし、一番大事な原材料器官等とか特定国際種事業ですとか事前登録の対象とか、こういったものは全部政令でお決めになる。とすれば、一体きょうは何の審議をするのかということになってしまうわけです。ですから、この法律についての細かい詰めは最初からできないということだというふうに私は認識しておりますのですので、私は議事録をお読みくださる方なり、きょう傍聴に来てくださった方なりがわかる言葉で質問をしたいし、そして、今の質疑を伺っていても私はっきり申し上げて余りよくわかりませんでした。これからは、三十分間ですけれども、わかる日本語でぜひお答えいただきたいと存じます。 最初に、まず環境庁に伺いますが、今、蛍ですとかサクラソウ、そういうのが大変盗掘とか採集されたりして売買されている、そういった結果として少種になってしまう種がいっぱいあるわけです。今世界で大変多くの種が、一年で四万種ぐらいが絶滅しているとおっしゃいましたけれども、そのようにして盗掘なり採集される、あるいはダム工事などによって種が減っていっておりますけれども、野生動物の売買に対しては環境庁としては基本的にどう思っていらっしゃるか、簡潔にお答えください。
○政府委員(奥村明雄君) 野生動植物種は、生態系の重要な一部でございますしまた自然環境の重要な要素でございまして、取引など人為的な影響によってこれを絶滅の危機に追いやるべきでないことは当然でございます。しかしながら、国際取引などにおきましては、人工繁殖などが行われているものもございますし、ワシントン条約においてもそうしたものについては適法に輸入される道が開かれているところでございます。 したがいまして、私どもといたしましては、動植物種の絶滅を防止する観点から、適法に輸入されたものと違法に輸入されたものがまじり合わないように、適法に輸入されたものをきちっと管理できる仕組みを設けまして、そのことにより絶滅のおそれのある動植物の保全に努めてまいりたいというふうに考えておりまして、種の保存法についても、基本的にはそうしたための仕組みを設けてまいっておるところでございます。
○堂本暁子君 では、今の局長の御答弁に関連して伺わさせていただきますが、そういたしますと、ワシントン条約本来の趣旨に沿ってのことは当然でしょうが、今の御答弁からいたしますと、業者の業態規制、つまり業者並びに流通などの規制に力を入れるということで了解させていただいてよろしいでしょうか。
○政府委員(奥村明雄君) 先生御指摘のように、業者等がきちっと適正なものを流通させるということが前提でございますので、そういった規制、管理については、私どもとしても精いっぱいの努力をさせていただくべきものと考えておるところでございます。
○堂本暁子君 では、再度また今の局長の御答弁に重ねて伺いますけれども、先ほどから問題になっております象牙、べっこう、ワニ皮のようなものが主なのでしょうが、これらはもう既に輸入禁止になっています。そういたしますと、国内にある原材料あるいは在庫だけのものがこれから流通の対象ですね。この法律で申しますと、その中で容易に識別できるものであってなおかつ原材料器官であったり特定器官等ということになるわけですけれども、この在庫の中で、今回流通の意思をもって登録をして流通させることができるようになる。そしてその場合、登録が国によって強制的に行われるのか、それとも業者が任意に行うことになるんでしょうか。二十条の二項です。
○政府委員(奥村明雄君) 先生御指摘のように、象牙については輸入ができないことになっておりまして、これから製品が製造されまたは流通をしていくものは、基本的には現在在庫となっているものでございまして、現在、国内には八十トン程度の在庫があるというふうに考えております。 そして、先生お尋ねの、登録は必須であるかどうかというお尋ねでございますが、当然、製品をつくったりいたします。者としては、流通を前提といたしておりますので、そうした業者の方々は登録をいたしませんと取引ができない。自分の在庫のまま持っているということは可能でありますけれども、取引を前提としておりますので、登録は必須であるというふうにお考えいただいて結構でございます。
○堂本暁子君 関連して、それではさらに二つ展開させていただきたいと思います。 まず、今おっしゃった、必須である、しかし、今の表現ですと、任意に登録をするということ。それは、流通の適正化の方策は、登録から始まって、それから管理票というのがございますね。それから認定に至るまで、これはずっと任意に行っていくのですか。任意に行っていて環境庁として完全に野生生物が保護できるのかどうか、そのことがまず伺いたい。 それから次に重ねて伺いますが、銃刀剣は基本的に強制的に登録させられます。このような場合は国が実態を把握できる。しかし、前者のような、業者の任意に、そして業者が自主的に良心に任せて登録したり承認されたりするということであったらば、とても実態が十分には把握できない。そもそもがこれは密輸の世界です。銃剣とか麻薬とかそれからこういった種類のものは全部密輸の世界でございます。ですから水際作戦というような言葉が生まれる。とすれば、その人たちの良心をどれだけ信用していいのか。 保護法益、つまり野生動物の保護を目的としているのであれば、業者の任意の届け出制ではなくて許可制になさるべきだったのではないか。それから、監視体制にしても、ある程度強制的に行える、そういった方策をとるべきではないかと思います。善意の任意で十分なのかどうかということと、なぜ許可制にしないのか、なぜ銃刀剣のような監視体制をとらないのか、その二点についてお答えください。
○政府委員(奥村明雄君) 先生御指摘の銃砲刀剣類などのような規制にできないかどうか、あるいは、それに類した考え方になりますと、所持規制ということができないかというようなことなどがあろうかと思います。 本来この制度は、現在の規制対象となっております生きている個体の場合も全く同じ形をとっておるわけでございますが、基本的には持っているだけでは規制対象にはなっておらないわけですが、それを流通させて商業ルートに乗せて事業を行おうという場合、流通に関しては任意ではございませんで、登録をしないと流通ができないというのがこの法律の前提でございます。したがいまして、そうした業者にとっては、先生御指摘の表現で申し上げれば、任意ではなく強制的な制度だというふうに申し上げてよろしいかと思います。 ただ、管理票なり認定という点については、これも先生御指摘のように、法律の仕掛け上は任意ということになってまいるわけでございますが、最終的に認定を受けるためには登録票を発行した者でなければならないという前提条件が法律上ついておりますので、最終的にシールをつけて合法的に流通させていくためには登録票を書くということが実質的に義務化されるわけでございます。また、認定されて標章が張りついているものと張りついていないものとではやはり合法性については格段の差異がございますので、私どもとしては、実質的にこういう仕組みによりまして流通の末端にまでこうした制度が行き渡っていくというふうに考えた次第でございます。 そして、これで実態が把握できるのかというお尋ねもございました。この点については、登録票を発行する場合に、当然、輸入許可書などの輸入に関する書類を十分確認して発行いたしますとともに、最終的な標章の交付をいたします場合には登録票や管理票を引きかえとして求めることにいたしておりますので、そうしたことにより十分チェックは可能であるというふうに考えておるところでございます。
○堂本暁子君 それは、全部の業者が善意で良心的で、しかも密輸が一切ないということの前提で、この法律に全員日本じゅうが従うということになれば今おっしゃったような構図は描けるかもしれませんが、そもそもこれは現物と管理票とを照合なさるわけではないということですね。管理票を持ってくれば標章を渡すということですから、それを印鑑なら印鑑等に切った場合に、業者が、本来標章を出したものではなくて密輸してきた象牙にぺたっと張ったとしても、だれもそれは監督できない。悪く考えれば幾らでも抜けられるのがこの方式ではないかと思うんです。 標章を厳格に現物とチェックするシステムを今おつくりになっていらっしゃいますか。そのシステムがあるかないかだけで結構でございます。
○政府委員(奥村明雄君) 先ほど申しましたように、標章を発行する場合には、過去に発給いたしました登録票、それから管理票を引きかえとして求めることになっておりますので……
○堂本暁子君 現物と合わせるかだけ伺う。現物と合わせるか。
○政府委員(奥村明雄君) 現物とは照合しておりませんけれども、現物にはワシントン条約に基づく記号番号が付されておりまして、登録に当たっては登録票にその番号を記載するということになっておりますので、十分チェックはできるものと考えております。
○堂本暁子君 先ほどからるる申し上げているように、それは全部がきちっとした正規のルートで入ってきた場合のことです。ワシントン条約に基づくものが密輸されたものにはないわけですね。ですから逆用される危険性もある。もらった標章、もし十枚なら十枚もらったものを、正規のルートで入ってきたものに一枚だけ使って、あと密輸品に残りの九枚を使えば、今度は逆に密輸品が堂々と市場に出回るというからくりが生じてくるわけです。この辺、大変危険だと私は思っています。 ですから、今回規制だというふうにおっしゃっていらっしゃいますけれども、規制といっても、すべてが任意で行われる場合に果たして規制になるのかどうか。許可制にどうしてしなかったのか。そこがもう最後まで大変大きな疑問です。 通産省おいでいただいていると思うので通産省に伺います。 環境庁のお話では八十トンしかもう象牙はない。例えば象牙に限って伺わせていただきますが、今は附属書でアフリカゾウはⅠになっていますからもう輸入できない。そうすると、今百何十あるというふうに、資料では象牙の加工業者というのは六十九ぐらいあるだろうということですね。そのほかに中間業者もいましょうし、もっとここには出てこない零細な業者もいるかもしれない。そういった業者さんたちはこの八十トンが使われてしまえば失業するわけですけれども、その先の指導と申しますか、通産省としては、在庫がなくなったときにどういうふうな産業転換の指導を考えていらっしゃいますでしょうか。
○説明員(上野裕君) お答えをいたします。 御案内のように、現在、象牙については輸入禁止になっておりまして、したがいまして、過去に適法に輸入されたものを今食いつぶしているというのが実情でございます。 現状のままで在庫を食いつぶしてしまうというのが、例えば三年ないし四年後、節約をし生産量が減るともう少し長くなると思いますけれども、その時点でなおかつ現在のように輸入が禁止をされているというような状況のもとでは、やはりこれは事業を他の産業に転換をしていくというような指導も行っていかなければならないと思います。また、やり方にはいろいろございまして、別の合法的に入手し得る材料を使って、現在のいろいろな加工技術を応用をして、そういう意味では質的に新しい製品を生み出していくというようなことも考えていかなければならないというふうに今考えております。現状では、将来のそういった動向も注視しつつ在庫を活用しているというのが状況でございます。
○堂本暁子君 厳密に伺いたいんですけれども、日本は自然保護ギャング、エコノミックアニマルから今度はギャングになったわけですね。世界の野生生物を日本が一番多く輸入している。私は、こういう非常に抜け穴だらけの、しかも言ってみればむしろ業者本位の、野生生物を合法的に、むしろ下手したらば密輸品を流通させちゃうような形の法律のつくり方というのには非常に疑問を抱いています。 以下のことについてもはっきりお答えいただきたいんですが、一つは、現物と管理票、これを的確に照合していただきたい。その管理票の写しも環境庁が全部きちんともらうというふうなシステムをつくる。あるいはその標章を張ったものをきちっと見る。そのことを義務づけるというようなこと。それから事前登録。それから今度は登録から標章に至るその過程ですけれども、ここでは何ら定期的な報告は義務づけられていません。一つ一つ、こういった象牙とかべっこうとかが輸入業者から仲買やあるいは加工業者そして小売というふうに現物が動くたびに報告を義務づける。それも、今三カ月というのがありますけれども、どの段階でも半年なり三カ月なりできちっと報告を求めるというふうにすれば、許可制にしなくても幾らか流通の実態がつかめるかと思います。このことはぜひ実行していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(奥村明雄君) 先生先ほど来許可制にするかしないかという点にもお尋ねがございましたが、現在のワシントン条約上は基本的に流通が認められるものでございますので、その点についてはなかなか難しいのではないかというふうに考えているところでございます。 そこで、具体的なチェック体制でございますが、現物とのチェックにつきましては、先ほど御答弁申し上げましたが、登録に当たって、ワシントン条約に基づく記号番号が現物についておる仕掛けになっておりますので、登録票にその番号を記載することによりチェックが可能ではないかというふうに考えております。 また、事前登録につきましては、まず欠格事由ということで、違反した人については事前登録をさせないという制度がございますし、三カ月後には事後的に報告をさせる義務がございます。そしてその際に違反があった場合には業務が停止される、そして登録済証を発給できない、こういう仕掛けになっておりますので、そうした仕掛けを活用することによりまして実際の取引ができなくなるというような規制がございます。 それから、管理票につきましても、不正があった業者についてはこれを発行することを禁止することができることになっておりますので、業者にとっては大変大きな抑止効果があるというふうに考えておるところでございます。 いずれにしましても、こうした仕組みをいろいろなところで適切に活用しながら、先生御指摘のように、問題が生ずることのないような努力を払ってまいりたいと考えておるところでございます。
○堂本暁子君 もう一つは、それじゃ一体だれがその業者を監督するんですか。まずその一つは、原材料器官等については事前登録がある。しかし、容易に識別できるものについて、物についての登録はあるけれども、業者についての登録は何もこの法律には定めてないじゃないですか。それが一つ。ですから、業者登録をするようにぜひ再改正していただきたい。必ず業者登録をしてください。 それから次に、国立公園・野生生物管理というふうにお変えになる。しかし、私が伺ったところでは、そういう事務所は全国に十一だというふうに伺っています。どうやって北海道から沖縄まで網羅するんですか。そうしたら、今おっしゃった罰則規定とか、それからそこは業者に差しとめをすることができるとおっしゃるけれども、実質的にはできないのと同じことになってしまいます。 逆に、任意ですから、自分がやりたいときにだけ持っていって標章をもらってくる。ですから、最初に申し上げたように、密輸のものにそれをつけてしまうことによって逆に密輸の物品が流通するようになったら怖いという危惧を抱いているわけです。ですから許可制にすべきである。そして、厳密にするのであれば業者登録を、きちんとどの段階でも業者登録をする。そして、売るたびに、次どのようなところへ行っても、そこで報告義務を課すということをやることによって、この法律をより強めて実効のあるものにしていただきたいというふうに思います。 そして、通産省にお願いですけれども、この法律のことについて零細企業の方にぜひとも徹底していただきたい。なかなか今の環境庁のシステムでは全国を網羅することが難しいのではないかと思っていますので、そこのところを徹底していただきたいというお願いでございます。 そしてもう一つ最後に、この点について、日本の国内での流通過程が整備されることになりますと、もうワシントン条約の締約国会議が近くこの秋に開かれるということですし、そこでアフリカ諸国からは、アフリカゾウを附属書のⅠからⅡにしてほしいという論議すら出ることが予想されています。そういたしますと、附属書Ⅱになった場合には、むしろ日本は流通が合法的にいろいろ規制されているという理由で、ほとんど今は日本が輸入しているというふうに極端に言われておりますけれども、アフリカゾウが多く日本に輸入されることになりますと、これは世界の潮流に大変反することになると思います。少なくとも、たとえⅠからⅡになっても日本は自主的に規制していく、そういった姿勢をおとりになるかどうか明確にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(奥村明雄君) アフリカゾウについての議論はまだ国際的にもいろいろな議論がございますし、直ちに先生御指摘のようなⅡの方向へいくということでもないのではないかと思います。仮にそうした場合にはという御質問でございますが、今回の法改正はそうしたことを念頭に置いたものでは全くございません。 それから、この法律の規制対象につきましては、基本的にはⅠ種について規制をするということを考えておるところでございまして、これはワシントン条約における国際流通につきましても、Ⅰ種については原則禁止でございますがⅡ種については原則的に流通が可能である、したがって国内流通について規制をかけることは法制上難しいのではないかということで整理をされてきたところでございます。
○堂本暁子君 結構です。どうもありがとうございました。 法律の上ではそうかもしれませんが、結局は日本が印鑑に使うんだということで、日本人が使うから象が減るという、これは国際的な世論と反感でございます。日本がエコノミックアニマルからコンサーべーションギャングと言われるような、そういった汚名をかぶせられないためには、くれぐれも行政の方で、もうルールだけでいいからいいんだということではなくて、その少し先を指導していただきたいということが一つです。 次に、西表のことに入りたいと思いますが、やはり本体のこの法律自体が、非常に私は、二年たちますけれども、十分に運用されていないんではないかという危惧を抱きます。 と申しますのは、例えば、先ほどお答えの中にございました一月二十八日に西表のヤマネコも国内希少種として指定されたわけなんですけれども、六十二年から始まっている農水省の方の、きょう農水省にもお忙しい中をお越しいただきましたけれども、改良事業というのが進んでいるわけです。ここは、この法律の最初のところに、「国は、野生動植物の種が置かれている状況を常に把握するとともに、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存のための総合的な施策を策定し、及び実施するものとする。」というふうに定めているわけで、農水省に伺いますけれども、ぜひとも何か新しい方法をお考えいただきたい。 今の農業改良事業ですと、やはりどうしても種の保存法の方が法律としては弱い立場に立ってしまいます。日本の中で非常に微妙な西表、そして西表が守られなければ、あと百五十あるそうですが、そういった改良事業の中で、また多くの私たちが名前も知らないような植物や動物が絶滅していく可能性があるわけで、何とかこの新しい法律との整合性、それからアセスメントが、この法律が出た後で農水省としてはアセスメントをやっていらっしゃいません。そういった形でこの法律に沿った趣旨でのアセスメントもやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(加藤孝君) お答えいたします。 土地改良事業につきましては、自然や環境との調和を図りつつ実施するということが基本的に必要であるというふうに考えております。このため、具体的な事業の実施に当たりましては、五十九年八月に閣議決定されております環境影響評価実施要綱、これに基づきます環境影響評価でございますとか、あるいは各都道府県が条例等で定めます環境影響評価、これを適切に実施しているところでございますし、またこのほかにも、地元等との話し合いを通じて、自然や環境との調和が図られるよう具体的な対応をしているところでございます。 堂本先生御指摘の西表島におきます農地開発事業につきましての具体的な対応でございますけれども、農地開発事業の大富地区というところが具体的な御指摘の地区がと思うわけでございますが、沖縄県側が事業主体となりまして農地造成を目標といたしまして、お話のありましたように昭和六十二年度に着工をされてございます。平成五年度までに三十九ヘクタールの農地が造成されております。 この事業の実施に当たりまして、沖縄県あるいは地元農家等と、地元の自然保護団体でございます西表島自然史研究会との間におきまして、平成二年度からさまざまな調整が行われておるわけでございます。一定面積、十三・七ヘクタール程度でございますが、これを除外をするといったようなことでございますとか、あるいは今後も継続してモニタリング調査を行っていくというようなことでございますとか、あるいは、今後も自然環境の保護、保全に関しまして必要な調査を行いまして、その結果に基づきまして協議者によって計画の調整を行っていくといったようなことにつきまして、本年の三月に合意がなされておるところでございます。こういった合意の内容につきましては、国の内外の自然保護の関係者の理解を得るためにその内容を報告しておるところでございます。 今後の西表島の農地開発事業につきましては、事業の主体でございます沖縄県が基本的には判断するものでございますので、国としましてはその調査結果を見守りつつ適切に対処してまいりたいと思っております。いずれにいたしましても、私ども国といたしましても、農用地開発事業は農業の振興を中心にいたしまして地域の活性化を図るというものでございますけれども、地元関係者の合意を基本といたしまして、今後とも環境問題等にも十分配慮しながら計画的に推進してまいりたいというふうに考えております。
○有働正治君 環境庁が指定しています国内希少野生動植物種といわゆる日本版レッドデータブックで、絶滅の危険が増大しています危急種の中にハヤブサが含まれているのかどうか、また存続基盤が脆弱な希少種にベニアジサシ、コアジサシ、これが含まれているかどうか、まず確認を求めます。
○政府委員(奥村明雄君) 先生御指摘のハヤブサは種の保存法の国内希少野生動植物種に指定されておりまして、レッドデータブック上の区分としては、絶滅危惧種に次いだ危急種という区分になっております。それからベニアジサシ及びコアジサシは、国際希少野生動植物種という区分でございまして、レッドデータブック上は危急種よりワンランク危険の少ない希少種という区分になっておるところでございます。
○有働正治君 そのハヤブサ、ベニアジサシ、コアジサシの写真を私はここに持ってまいりました。(資料を示す)くちばしの色が少し違いますけれども、白い非常にきれいな鳥であります。その渡り鳥の保護について驚くべき事態が生じている具体的な事例を紹介して、環境庁、通産省の対応を求めるわけであります。 福岡県大牟田市の西方約六キロの有明海の海上に浮かびます、通称三池島と呼ばれています円形で直径九十メートルの無人の人工島であります。この島の中央部には、海底にあります三井三池炭鉱の坑内に新鮮な空気を送り込む直径六メートルの円筒形の入気坑が、地上の高さ約六メートル、厚さ四十センチのコンクリート壁でつくられています。私は写真が掲載されました雑誌を持ってまいりました。島の中に大きなコンクリートの円筒が直径六メートル、高さ六メートルでつくられて、ここから空気が坑内に取り込まれているというものであります。そのコンクリート壁から空気が取り込まれて実は地下五百二十メートルの坑底まで垂直の入気立て坑となっているわけであります。私、余り上手ではありませんけれども、地図を書いてまいりました。島の中に入気筒が立っていまして、そこから地下五百二十メートルまで空気が取り入れられている、こういうものであります。これは人工島でありまして、別のところに排出筒があるわけであります。海底の坑内へ送るために、この立て坑に一分間で一万五千立米と言われる風が絶えず送り込まれている。 この人工島がつくられています有明海は大きな干潟を持って、鳥たちのえさが豊富なために野鳥の宝庫となっているわけであります。そして飛来してきた野鳥は羽を休めるため、この三池島の中央部の円筒形の入気立て坑口の円の周りにとまるわけであります。先ほど写真をお見せしましたが、円筒形の周りの一番上の縁のところに、鳥は高いところにとまる習性がありますから、そこにとまるわけであります。そうしますと、強力な入気の風で中に吸い込まれるとそのまま地下五百二十メートルの坑底にたたきつけられる。こういう事態が起きて、そこに吸い込まれる鳥がいるわけであります。 楽園であるはずの無人島に思わぬ落とし穴がある。野鳥の会の人々はこれをブラックホールと呼んでいるわけであります。その中に実は先ほど大事だとおっしゃられましたハヤブサ、ベニアジサシ、コアジサシなどが多数吸い込まれているということが、地域でも野鳥の会でも大問題になっています。マスコミでも報道され、六月九日のNHKの番組でも映像としても放送されたわけでありますが、環境庁、通産省、こうしたことが起きていることは御存じでありましょうか。
○政府委員(奥村明雄君) 私ども具体的には承知をしておりませんでしたが、先生から御指摘をいただきまして県とも連絡をとっているところでございます。
○有働正治君 通産省いかがですか。知っているかどうか。
○説明員(奥村曉君) 私ども会社の方から事情等を聞いておりまして、承知しております。
○有働正治君 実はこの吸い込まれた野鳥の中に、環境庁がつけました標識が足についているコアジサシも含まれていたわけであります。標識番号三B一〇四五八というもの、これは実は救出されたわけでありますが、これはどこでつけられていたものなのか。こういう環境庁がつけた標識の鳥までが入気坑に吸い込まれていたことをどう思われるか。
○政府委員(奥村明雄君) 先生御指摘の標識は、平成四年七月二十二日に熊本県八代市の干拓地で環境庁の標識調査を行った際に、捕獲されたコアジサシ七十一羽のうち一羽につけられたものでございます。なお、標識調査は、渡りのルートを解明するために四十七年度から実施をしているものでございまして、毎年十四万羽の鳥に標識をつけて放鳥をしているという状況にございます。御指摘のような形で捕獲された原因は必ずしもわかりませんが、時期から見て繁殖期間中に事故に遭遇したものと考えられるわけでございます。 いずれにしても、貴重な鳥類ができる限りいろいろな点で配慮されることが必要ではないかというふうに考えているところでございます。
○有働正治君 実はこの五百二十メートルの地底にたたきつけられて命を落とす鳥を救出を続けられている人々がいるわけであります。この人々はこの坑内で電気巡回員などをなされている方たちでありますが、坑内で傷ついた鳥を巡回の際見つけて、袋や箱に入れられて家に持ち帰って、一晩介抱して元気になったところで空に帰してやっている。まさに地底からの救出であります。 昨年七月からことし六月十三日までで坑内に吸い込まれて保護され生還した野鳥は合計十七種類百三十一羽に上っているわけであります。恐らく死んだ鳥の方が多いのではないかということを察するわけであります。中でも多いのが希少種のベニアジサシ、先ほど写真をお見せしましたけれどもくちばしか赤いものですね、これが四十一羽含まれていました。こちらの方のコアジサシ、これが四十三羽含まれていた。それから、先ほどの冒頭述べましたハヤブサ、これも五百二十メートルのところで巡回した方が発見して救出して逃してやった、こういうこともあるわけであります。 ベニアジサシというのはなかなか本土では見られない鳥ではないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(奥村明雄君) ベニアジサシは普通、奄美諸島や沖縄諸島に東南アジア方面から夏鳥として渡来するというふうに言われておりまして、近年では九州方面でも時々見かけるようになったと聞いております。
○有働正治君 私は、日本野鳥の会が発行しています「日本の野鳥」という本を見ましたけれども、その中でも、今おっしゃられましたように、夏鳥として渡来して、ここの説明では、琉球諸島で繁殖しその周辺海上で見られるというふうに指摘してあります。そういう点では、本土で見られるというのは非常に重要ではないかと考えるわけでありますが、環境庁いかがですか。
○政府委員(奥村明雄君) 近年では九州方面でも時々見かけるようになったと聞いておりますけれども、これが継続的に見られるということであれば、何らかの変化が生じたものではないかというふうに考えております。
○有働正治君 コアジサシというのは、地面が、コンクリートの上が小石まじりの砂地がその島にはあるわけでありますけれども、コンクリートの上の砂地が半分で残りの半分が草地のようであります。この三池島を繁殖地にしているようで、先月五月九日、地域の野鳥の会の人々らが船で渡って調べたところ、約四百羽が上空を舞ったり草地にとまったりして、独特のキリッキリッという声を発していたそうであります。また、砂地に同じ色模様をしました卵を二、三個ずつ計百個以上産み分けていたのを発見しているわけであります。 私も、別の仕事の関係で先日現場を見てきたわけでありますが、コアジサシが数十羽海中に飛び込んで魚を捕まえ、また魚をくちばしに捕まえていたそのしぐさを現場で見てまいったわけであります。 野鳥の生態に詳しい専門家にお聞きしますと、コアジサシは五月ごろフィリピン方面から飛来して九月ごろ帰るようであります。以前は国内でも多く見られましたが、海岸や河川敷などの開発で産卵場所がなくなったということで希少になっているということであります。 去る三月、大牟田市議会の質問でこの問題が取り上げられ、大牟田市長は対策を企業に要請したいと答弁しているようでありますが、企業側、三井側は検討中ということで、今なお解決のめどがついていないというのが現状のようであります。去る五月二十八日、宮崎県えびの市での日本野鳥の会全国大会でも、この三池島の立て坑に野鳥が吸い込まれる問題が発表されて、防護施策を早く講じていただきたいとの特別報告がなされ、今全国的な問題になっているところであります。 なお、坑内の巡回員の方々に対し、五月の愛鳥週間に際し福岡県知事から感謝状が特別に贈られているということも、払お聞きしました。本人たちの声も私聞きましたが、夏の渡り鳥シーズンも始まっているわけで、一日も早く防護を講じるよう指導していただきたい、三池島建設以来の二十三年間に命を奪われた数知れない野鳥、中には、ある日はツバメなどがゴマをまいたように死んでいたということも本当に痛々しい表情で語っておられました。こういう命を奪われた数知れぬ野鳥たちへの償いでもあると。人間の設備で野鳥が犠牲になる、人間の手で対策を講じ、保護するのは、人間として企業としての責務だということを強く地域の方々は訴えておられたわけであります。危急種、希少種も含まれていることでもあり、政府として早急に県や市とも協力して、企業に対しても防護策を講じるよう積極的に対応していただきたいというのが共通の願いです。地域は、三池炭鉱との共存共栄を市民の方は望んでおられるわけで、そういう立場から、企業も積極的に対応していただきたいという立場からであります。 そこで、まず通産省にお聞きします。 今の法律第三十四条、「土地の所有者等の義務」の項では、「土地の所有者又は占有者は、その土地の利用に当たっては、国内希少野生動植物種の保存に留意しなければならない。」としているわけであります。早急な責任ある指導を求めるわけでありますが、いかがでありましょうか。
○説明員(奥村曉君) 御説明申し上げます。 入気立て坑の野鳥の吸入問題につきましては、基本的には企業が判断し対応すべきであると考えておりますけれども、通産省といたしましても会社から事情を聞いているところでありまして、現在、先ほど先生御指摘のように、三井三池炭鉱において野鳥保護の観点から防止対策の可能性について検討中であると承知しております。 御高承のように、入気坑というのは坑内で働く労働者あるいはガス爆発の防止等保安上極めて大切な役割を果たしているものでございます。私どもといたしましては、こうした保安対策上問題がない形で適切な対応が図られるよう期待しているところでございます。
○有働正治君 言うまでもありません。人命の問題と環境保全、これを統一的に今の技術水準では対応できると思いますので、しかるべき今の方向で積極的に対応していただきたいということを重ねて強く要望しておきます。 環境庁にお尋ねいたしますが、法律の第三十五条の環境庁による「助言又は指導」の規定の中で、「環境庁長官は、国内希少野生動植物種の保存のため必要があると認めるときは、土地の所有者又は占有者に対し、その土地の利用の方法その他の事項に関し必要な助言又は指導をすることができる。」という規定があるわけであります。そういう点で、専門家のお知恵もかりれば人命尊重どこの貴重な野鳥の保全とが統一的に私は当然できると考えるわけであります。 そこで長官、責任を持って指導、助言して問題の解決に当たっていただきたいということを強く要望いたします。見解を求めます。
○国務大臣(浜四津敏子君) 環境庁といたしましては、希少な鳥類ができる限り保護されることが望ましいと考えております。この三井三池島の吸気坑の問題のケースにつきましては、安全確保との関連を踏まえながら鳥類保護上可能な技術的工夫がないかどうかについて、関係者の間で検討研究が進められることが必要であるというふうに考えておりますが、環境庁としても県と連絡をとりながら適切に対応したいと考えております。
○有働正治君 積極的に、環境庁は環境保全というのを第一義的にもしているわけですから、責任ある対応を求めます。 それから、希少野生動植物の保護に関し、地方自治体の条例等で自治体の中では対応しているところもあるようでありますが、まだまだ、条例を制定し、保全のために積極的に対応する、そういう条例がつくられている自治体というのはどうも数少ないようであります。 環境庁、一つは、幾つぐらい条例が数として制定されているのか、二つには、環境庁としてこの問題にどのように指導なり対応していっておられるのか、今後の決意を含めて述べていただきたいと思います。
○政府委員(奥村明雄君) 野生動植物保護に関する地方公共団体の条例の制定状況でございますが、私どもが承知しているところによりますと、都道府県の条例が五つ、市町村の条例が六つ、合わせて十一でございます。 また、どのように評価し、どのように支援をするかということでございますが、私どもとしては、地域の自然的、社会的な条件を踏まえて独自に地方公共団体が条例を制定されることは、国レベルの対策と相まって、野生生物保護のすそ野を広げるという点で極めて意義が高いものというふうに認識をしているところでございまして、これまでもこうした条例の制定などにつきまして、取り組み事例の紹介などに努めますとともに、個別のケースによりまして必要な助言等支援をしてまいったところでございますが、今後ともこうした支援を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○有働正治君 積極的に対応していただきたい。 もう一つの問題を取り上げさせていただきたいと思います。湿地、干潟の保全の問題であります。 昨年のラムサール条約締約国釧路会議からちょうど一年であります。日本は開催国として国内の湿地の保全に、より特別の責務を国際的に負っているわけであります。そこで、きょうは具体例を挙げて環境庁の姿勢を積極的に求めるわけであります。 環境庁は、去る四月八日、博多湾内公有水面埋め立て、アイランドシティ整備事業につきまして環境庁長官の意見を提出していますが、その中で、和白干潟とその前面海域は国際的に重要な湿地と述べています。これはどういう意味なのか、その内容を簡潔に御説明願いたいと思います。国際的な面からいえば和白干潟はラムサール条約に登録する条件としては適合していると思いますが、否かどうか足かどうか、その点だけ結論を簡潔に。まず長官、お願いしたいと思います。
○国務大臣(浜四津敏子君) 和白干潟、そしてその前面海域につきましては、今御指摘ありましたように、ラムサール条約締約国会議の勧告に示されております国際的に重要な湿地に関するクライテリアのうちで、多数の水鳥が定期的に飛来するという条件を満たしているところから、当該地域を国際的に重要な湿地と認識しているところでございます。
○有働正治君 長官の意見では、「和白干潟とその前面海域は、希少な鳥類を含む多くの渡り鳥が飛来しこと述べています。我が国は渡り鳥等の保護を目的とした二国間の条約または協定を四カ国と結んでその履行義務を負っているわけでありますが、和白干潟に飛来する渡り鳥はどの国からの種類があるのか、対象となっている国と渡り鳥、その重要性について御説明いただきたいと思います。
○政府委員(奥村明雄君) 我が国は、先生御指摘のとおり、アメリカ、オーストラリア、中国、ロシアの四カ国との間で保護条約を締結しているところでございます。御指摘の和白干潟において確認された鳥類のうち、これら二国間条約の対象となっている主なものを挙げますと、ホシハジロ、ヒドリガモなどのカモ類が日米、日中、日ロの対象種でありまして、チュウシャクシギ、ホウロクシギ、キアシシギなどのシギ・チドリ類が四つの条約すべての対象種となっているところでございます。
○有働正治君 そうした条約上の義務を履行する上で、人工島建設によって相互協定の義務履行が不可能になるおそれがあるわけで、そうなれば結果として二国間条約の目的に反することになる、あるいはその懸念が大きいということになるんじゃないかと思うわけでありますが、その点の責任はどうお考えになっておられますか。
○政府委員(奥村明雄君) 我が国は、先生御指摘のように、二国間の渡り鳥保護条約を締結いたしまして、それぞれの対象となっております渡り鳥及びその生息環境の保護に努めておるところでございます。それぞれの条約におきましては、保護される鳥類の環境を保全しかつ改善するために適当な措置をとるように努めるという旨の一般的な保全の責務が設けられておるところでありまして、我が国もそのような努力を払っているところでございますが、御指摘の人工島の建設それ自体が条約の履行上問題となるとは考えていないところでございます。 なお、実質的にも、人工島の建設によるこれら鳥類及び生息環境への著しい影響はないと判断しておりまして、その点での問題は生じないと考えているところでございます。
○有働正治君 そう簡単に言い切れない。だからこそ博多港内公有水面埋め立てについて環境庁長官として一定の意見を付されたと私は解しているわけであります。 この中には、下水道の整備の問題、それから博多湾全域を対象とした種類、数、えさ等の追跡調査を行って影響の推移を把握、分析する問題、それから環境影響評価の予測結果についてレビューを行って、その結果を踏まえて埋立工事の工程等の変更を含め環境保全上必要な措置を講じる等々が含まれているわけであります。 一連の長官の意見は、そのとおり実行して責任を持って追跡するなり対応をするということで意見を付されたと思いますが、長官として責任ある答弁を求めます。
○政府委員(奥村明雄君) 先生御指摘のように、環境庁長官の意見では幾つかの点を指摘しております。例えば先生御指摘をいただきました工事開始後の環境監視につきましては、鳥類について博多湾全域を対象とした追跡調査の実施を求めておりまして、私どもとしても、長期間にわたるこの事業につきまして相当期間の環境監視がしかも広域的な地域にわたって必要であると考えて実施を求めたものでございまして、私どもとしてはその状況に十分関心を持って対処してまいりたいと思っております。
○有働正治君 長官、一言。
○国務大臣(浜四津敏子君) この和白干潟、そしてまたその前面海域につきましては、環境庁長官意見に沿った適切な保全の方策が講じられるものと考えております。また、その国際的な重要性が維持されるものと考えております。
○有働正治君 保全の決定的保障が約束される一つの手段は、和白干潟をラムサール条約への登録湿地とすることだと私は考えるわけであります。 その点で私重要と考えますのは、釧路会議勧告五の一で、締約国会議は、東アジアの渡り鳥の飛行経路に沿っている締約国、これは日本を当然含むわけでありますが、その締約国がラムサール湿地登録簿に追加的な湿地を指定すること、特に渡り鳥の維持のための重要な役割及び生物の多様性と漁業の保持に関するその価値という観点から、追加的な潮汐地帯の湿地を指定することを求めるとしているわけであります。 恐らく、九六年三月と予定されていると言われています次期オーストラリアでの締約国会議に向けての責務があると考えるわけであります。それに向けまして、環境庁として積極的に対応していただきたい。その中で当然和白を除外すべきではないと考えるわけでありますが、環境庁、いかがですか。
○政府委員(奥村明雄君) ラムサール条約の登録湿地につきましては、今後とも追加登録を進めることが必要と考えておりまして、国際的な基準を満たす場所について、地方自治体の意向を踏まえ、その保全措置を図りつつ、条件が整ったところから登録するように努力してまいりたいと考えております。 具体的なお尋ねの和白干潟でございますが、現在、和白干潟は特別保護地区のない県設の鳥獣保護区という位置づけになっておるところでございます。私ども、ラムサール条約の登録湿地として推薦をいたします場合には、地元で登録の意向があることを確認をすると同様に、保全上の態勢が整っているということを前提といたしておりまして、こうした点で地元の合意形成が進むことが必要と考えておりまして、この動向を見守ってまいりたいと考えております。
○有働正治君 時間も参りつつあります。 国際的に非常に、オーストラリアからも強い要望が出されています。特に次期締約国会議に向けまして、二月にはラムサール条約事務局、これはスイスですが、マイク・スマート次長と保護区設定推進担当者も来日して調査に当たっています。 そのラムサール条約の事務局次長の感想文が寄せられていますが、日本では、和白干潟のように小さいながらも貴重な生態系のあるところなど、それそれとても感銘を受けた、日本にはすばらしいウエットランドがあるので、もっと登録地がふえることを望むと、強く要望しているところであります。広中前長官も、四月八日の記者会見で非常に重要なことを指摘されたとマスコミは報道いたしました。福岡市の市長も、和白干潟は守らなければならないということは繰り返しているわけです。となりますと、人工島問題での論争は論争としても、和白干潟については、登録を地方自治体とも話し合いを進め、環境庁が積極的に対応すれば可能性が出てくる問題があると考えているわけであります。 そこで最後に、環境庁長官に一言お尋ねします。 一つは、次期締約国会議に向けて、先ほど述べましたさきの釧路の会議の提起を受けて積極的に対応していただきたい。その中で、当然和白も検討の対象に含めるべきである。それから、現地は、ぜひ長官が現地を視察していただけないかと要望も出されているところであります。これらを含めまして、積極的な対応を求めたいと思います。
○国務大臣(浜四津敏子君) 和白干潟は、多数の鳥類が飛来する国際的に重要な湿地であるというふうに考えております。ラムサール条約への登録につきましては、福岡市を初めとします地元の関係者の皆様の合意形成が必要でありまして、状況をよく見守っていきたいというふうに考えております。 また、現地の視察につきましては、日程上の問題もありまして現時点ではお答えできませんけれども、適当な機会があれば検討してみたいというふうに考えております。
○有働正治君 終わります。
○委員長(竹村泰子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより採決に入ります。 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(竹村泰子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(竹村泰子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十九分散会 ―――――・―――――