外務委員会 第3号
- 発言数
- 168 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1994/06/20
会議録
○委員長(井上章平君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十七日、北村哲男君、猪木寛至君が委員を辞任され、その補欠として角田義一君、吉田之久君がそれぞれ選任されました。 —————————————
○委員長(井上章平君) 航空業務に関する日本国とブルネイ・ダルサラーム国との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国政府とモンゴル国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国政府とハンガリー共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国と南アフリカ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とジョルダン・ハシェミット王国との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国政府とヴィエトナム社会主義共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、以上七件を一括して議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。柿澤外務大臣。
○国務大臣(柿澤弘治君) ただいま議題となりました航空業務に関する日本国とブルネイ・ダルサラーム国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 政府は、ブルネイとの間で航空協定を締結するため、ブルネイ政府と交渉を行いました結果、平成五年十一月二十九日に東京において、我が万羽田外務大臣と先方ザカリア通信大臣との間でこの協定に署名を行った次第であります。 この協定は、我が国とブルネイとの間の定期航空業務を開設することを目的としており、そのための権利を相互に許与すること、業務の開始及び運営についての手続及び条件等を取り決めるとともに、両国の指定航空企業がそれぞれの業務を行うことができる路線を定めるものであります。また、この協定は、我が国が従来締結した多くの航空協定と形式、内容においてほぼ同様のものであります。 この協定の締結によって我が国とブルネイとの間の人的交流及び経済的交流が増進され、両国間の友好関係の一層の強化に資することとなることが期待されます。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 次に、航空業務に関する日本国政府とモンゴル国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 政府は、モンゴルとの間で航空協定を締結するため、モンゴル政府と交渉を行いました結果、平成五年十一月二十五日に東京において、我が万羽田外務大臣と先方ツォグト通商産業大臣との間でこの協定に署名を行った次第であります。 この協定は、我が国とモンゴルとの間の定期航空業務を開設することを目的としており、そのための権利を相互に許与すること、業務の開始及び運営についての手続及び条件等を取り決めるとともに、両国の指定航空企業がそれぞれの業務を行うことができる路線を定めるものであります。また、この協定は、我が国が従来締結した多くの航空協定と形式、内容においてほぼ同様のものであります。 この協定の締結によって我が国とモンゴルとの間の人的交流及び経済的交流が増進され、両国間の友好関係の一層の強化に資することとなることが期待されます。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 次に、航空業務に関する日本国政府とハンガリー共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 政府は、ハンガリーとの間で航空協定を締結するため、ハンガリー政府と交渉を行いました結果、平成六年二月二十三日にブダペストにおいて、我が方堤在ハンガリー大使と先方シャムジュラ運輸・通信・水資源管理大臣との間でこの協定に署名を行った次第であります。 この協定は、我が国とハンガリーとの間の定期航空業務を開設することを目的としており、そのための権利を相互に許与すること、業務の開始及び運営についての手続及び条件等を取り決めるとともに、両国の指定航空企業がそれぞれの業務を行うことができる路線を定めるものであります。また、この協定は、我が国が従来締結した多くの航空協定と形式、内容においてほぼ同様のものであります。 この協定の締結によって我が国とハンガリーとの間の人的交流及び経済的交流が増進され、両国間の友好関係の一層の強化に資することとなることが期待されます。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 次に、航空業務に関する日本国と南アフリカ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 政府は、南アフリカとの間で航空協定を締結するため、南アフリカ政府と交渉を行いました結果、平成六年三月八日にプレトリアにおいて、我が方瀬崎在南アフリカ大使と先方ヴェルヘムット運輸郵政大臣との間でこの協定に署名を行った次第であります。 この協定は、我が国と南アフリカとの間の定期航空業務を開設することを目的としており、そのための権利を相互に許与すること、業務の開始及び運営についての手続及び条件等を取り決めるとともに、両国の指定航空企業がそれぞれの業務を行うことができる路線を定めるものであります。また、この協定は、我が国が従来締結した多くの航空協定と形式、内容においてほぼ同様のものであります。 この協定の締結によって我が国と南アフリカとの間の人的交流及び経済的交流が増進され、両国間の友好関係の一層の強化に資することとなることが期待されます。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 次に、航空業務に関する日本国とジョルダン・ハシェミット王国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 政府は、ジョルダンとの間で航空協定を締結するため、ジョルダン政府と交渉を行いました結果、平成六年四月十三日にアンマンにおいて、我が方池田在ジョルダン大使と先方シュウェイバー民間航空庁長官との間でこの協定に署名を行った次第であります。 この協定は、我が国とジョルダシとの間の定期航空業務を開設することを目的としており、そのための権利を相互に許与すること、業務の開始及び運営についての手続及び条件等を取り決めるとともに、両国の指定航空企業がそれぞれの業務を行うことができる路線を定めるものであります。また、この協定は、我が国が従来締結した多くの航空協定と形式、内容においてほぼ同様のものであります。 この協定の締結によって我が国とジョルダンとの間の人的交流及び経済的交流が増進され、両国間の友好関係の一層の強化に資することとなることが期待されます。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 次に、航空業務に関する日本国政府とヴィエトナム社会主義共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 政府は、ベトナムとの間で航空協定を締結するため、ベトナム政府と交渉を行いました結果、平成六年五月二十三日にハノイにおいて、我が万古屋駐ベトナム臨時代理大使と先方ニー民間航空庁長官との間でこの協定に署名を行った次第であります。 この協定は、我が国とベトナムとの間の定期航空業務を開設することを目的としており、そのための権利を相互に許与すること、業務の開始及び運営についての手続及び条件等を取り決めるとともに、両国の指定航空企業がそれぞれの業務を行うことができる路線を定めるものであります。また、この協定は、我が国が従来締結した多くの航空協定と形式、内容においてほぼ同様のものであります。 この協定の締結によって我が国とベトナムとの商の人的交流及び経済的交流が増進され、両国間の友好関係の一層の強化に資することとなることが期待されます。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 政府は、シンガポールとの間の現行租税条約にかわる新たな租税協定を締結するため、シンガポール政府と数次にわたって交渉を行いました結果、平成六年四月九日にシンガポールにおいて、我が芳川村特命全権大使と先方コー内国歳入庁長官との間でこの協定に署名を行った次第であります。 この協定は、現行条約にかわるものであり、同条約を含めこれまでに我が国が諸外国との間で締結してきた租税条約と同様に、経済的、人的交流等に伴って発生する国際的な二重課税を可能な限り回避するとともに、二重課税が発生する場合には、これを排除することを目的として、我が国とシンガポールとの間で課税権を調整するものであります。この協定を現行条約と比較した場合における特色といたしましては、協定の対象税目に地方税を追加し、用語の定義を整備し、一定の投資所得について源泉地国において限度税率を引岩下げるとともに、譲渡収益、協定の不正利用防止等について新たに独立の条項を設け、また、みなし外国税額控除の適用に期限を設けたほか、協定全般にわたって最近の租税条約の改善された規定をできる限り取り入れたものであり、近年我が国が諸外国との間で締結した租税条約と同様、OECDモデル条約案に基本的に沿ったものとなっております。 この協定の締結によって我が国とシンガポールとの間の二重課税回避の制度がさらに整備され、両国間の経済及び文化の面での交流が一層促進されるものと期待されます。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 以上七件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いを申し上げます。
○委員長(井上章平君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより七件の質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○野沢太三君 このたび、カーター元大統領が北朝鮮を訪問しまして、金日成主席と会談をし、行き詰まり状態になっておりました北朝鮮の核開発問題について突っ込んだ話し合いが行われました。その結果、これまで何回も提案されながら実現しなかった南北の首脳会談が、カーター氏の仲介ということで合意されましたことはまことに画期的なことと思います。 また、米国が、核兵器の開発の凍結を条件に第三次の米朝高官協議に応ずる姿勢を示し、そのための実務者協議が近々行われる見通しが出てきたことも注目すべき点と思いますが、この一連の動きについて、外務省は米国、韓国等から何らかの報告や連絡を受けておるでしょうか。
○政府委員(川島裕君) カーター元大統領の北朝鮮訪問以来、連日、逐次連絡を受けております。
○野沢太三君 カーター氏の訪朝全体につきまして、外務大臣、どのように評価されておられるか、お願いします。
○国務大臣(柿澤弘治君) 北朝鮮の核開発疑惑につきましてのIAEAの査察が行き詰まっている状態、そして国連の安全保障理事会で制裁措置を含む諸措置が協議をされるという深刻な事態の中で、カーター元大統領が訪朝され、金日成主席とともに会談をして、先生御指摘のように米朝会談についてのいろいろな議論をされ、また南北首脳会談についての具体的な提言をされたことは、私たちにとっても話し合い解決を求める立場から見て、歓迎すべき動きであったと考えております。 ただ、これから米朝交渉が行われるに至るまでには、北朝鮮が言っております核開発計画の凍結とは一体どのような意味を持っているのか、またIAEAの査察を受け入れるという場合、その範囲はどうなのか、いろいろときちっと明確にしなければならない課題があろうかと思います。その点につきましては、アメリカ政府側も外交チャネルを通じて事前に確認をするということを言っておりますので、正式の米朝交渉に至るまでにはそうした予備的な話し合いが必要ではないかと思っております。 韓国と北朝鮮との首脳会談につきましても、これはいろいろな形で従来も提案されながら、なかなか実現をしなかったという経緯がございます。そうした意味で、今後両国間で話し合いが行われ、実現に向けて進んでいくことを我々も期待をいたしますし、それが実現すれば朝鮮半島における緊張緩和のために大きな前進になるものと期待をいたしているところでございます。
○野沢太三君 その一方で、クリントン大統領は、カーター氏が国連制裁協議というものは中止されるんだということを言ったことに対して、高官レベルの協議の見通しがつくまではこれまでどおり制裁決議の協議を安保理各国と続けると言っておるようですが、この点はどうでしょうか。
○国務大臣(柿澤弘治君) カーター大統領も、その後、これは個人的な発言であったということをおっしゃっているようでございますが、アメリカ政府としては今申しましたように、カーター・金日成会談の内容についてまだ不明確な点が幾つかございます。そういう点を外交チャネルできちっと確認されるまで、やはり国連における議論というものは続ける必要があるのではないかというのが基本的な態度であろうかと思います。これはやはりそうした国際社会の一致した北朝鮮核開発疑惑解決についての懸念というものが表明される中で今後話し合いが行われなければ、また従来のようにいろいろな形で北朝鮮側が態度を明確にしないという懸念もございますので、その点は必要なのではないかと思います。 ただ、事実問題としては、やはりこれから米朝予備折衝ということになりますと、国連における議論のペースはやや落ちていくかもしれない、見守るという形になるかもしれないというふうに考えております。
○野沢太三君 制裁決議は第一次から第二次というような段取りで何段階にも分けて行われるという話になっておりますが、この決議そのものに対して、中国、ロシアともに慎重な姿勢をとっているように伺っておりますが、カーター氏もまた、制裁は効果がなくて、かえって相手が反発を強めるだけだと、こういった表現をしておりますけれども、日本としての対応は一体どちらに重点を置くのか、外相のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(柿澤弘治君) 中国、ロシアが国連における制裁措置について慎重な姿勢を見せているということは、野沢委員御指摘のとおりでございます。 しかしながら、一方では今回議論をされております国連の安保理での決議案の内容というものは、決して対話の窓口を閉ざすわけではなく、今、委員御指摘のように、猶予期間を設けながら北朝鮮の翻意を促すという形になっておりますし、第一段階では実質的な経済制裁というよりも、むしろ国際社会全体として北朝鮮に対するいわば警告的な要素が強いものというふうに考えておりますので、やはりそうした国際社会全体として北朝鮮の核開発疑惑は解明されなければならないという意思を示す意味でも、この議論は続けられてしかるべきではないかというふうに私どもは考えております。
○野沢太三君 これから話し合いによって事態を打開していくことが最も望ましい、私もそう思いますが、その中で過去の問題を積み残したまま進むかどうか、この点はやはり近隣国としての日本の立場はアメリカとはいささか逢ってしかるべきだと思うんですが、この点について外務大臣、きのうも報道等では御意見があったようですが、はっきりお伺いしたいと思います。
○国務大臣(柿澤弘治君) 現在のアメリカの立場も、過去を不問にするというふうな形のものとは私どもは理解をいたしておりません。特別査察を含むIAEAの査察を北朝鮮が受け入れることということを言っておりますし、また、長い目で見てNPT条約への完全復帰ということになりますれば、今まで査察を受けなかったさまざまな施設についての査察等も今後議論をされるわけでございますので、そういう意味ではアメリカ側としても過去は一切不問というような姿勢をとっているというふうに理解することはできないのではないかというふうに考えております。 我が国としては、今、委員御指摘のとおり、やはり朝鮮半島において核兵器が製造されるというようなことは我が国に対しても直接的な脅威になるわけでございますので、その点では従来の核施設の運転歴も含めて今後明確にされるべきであるということが日本政府の立場でございます。
○野沢太三君 いずれにいたしましても、日本としては独自な対話の道をしっかりつくることが大事だという気がいたします。既に自民党あるいは社会党の議員団も行っておられますが、今後とも引き続きいろんな形でパイプを通して直接向こうのトップクラスとの接触を継続されるように希望をいたしておきます。 次に、航空協定に入らせていただきます。 現在、諸外国と交わしております航空協定の現状並びに今後の見込まれる乗り入れの希望、これについてお伺いしたいと思います。
○政府委員(小池寛治君) 六月現在、我が国が諸外国との間で航空協定を締結しておりますが、その数は四十カ国に上っております。 日本側企業の国際線定期便は、一部の国との間で運休しておりまして、二十二カ国との間で就航しております。週約五百便飛んでおります。外国企業の国際線定期便の日本への乗り入れは、三十五カ国の航空会社が就航しておりまして、週約千便に達しております。合計週約千五百便の定期便が我が国と他国の間を往来していることになります。 また、今日現在、我が国に対して新規航空協定の締結を正式に申し入れてきている国は、今国会に提出している六件を除きまして三十八カ国ございます。
○野沢太三君 今回この協定を交わそうとしております六カ国のうち、我が国が運航を希望する国はどこでしょうか。
○説明員(土井勝二君) 今回六カ国の協定を御審議をお願いしているわけでございますが、私ども運輸省として聞いているところでは、日本側企業が乗り入れの希望を持っているのはベトナムでございます。
○野沢太三君 先ほどのお話のように、現在、我が国に乗り入れておりまする外国の航空会社、これが約三分の二のお客さんを運んでおり、日本企業は三分の一程度しか運んでいない。六カ国との協定ができ上がって、この中で日本側が就航を予定しているのはベトナム一カ国だけだと、あとはすべて先方の方から関西空港への乗り入れ、こういうことになりまして、近年低下しております日本企業のシェアというものはますます低下をする危惧があると思うんですが、この点、運輸省いかがでしょう。
○説明員(土井勝二君) 先生今御指摘のように、確かにいわゆる輸送のシェアというのは日本対外国全体で一対二ぐらいでございます。 この理由といたしまして、いろんな要因があろうかと思いますけれども、コストの競争力の問題であるとか、あるいはいろいろなルートにつきまして、日本の企業としては必ずしも意欲はないけれども先方があるとかといういろんな要因があろうかと思いますが、私ども運輸省といたしましては、基本的には日本の企業もそれらの相手国との間でなるべく路線を張ってもらいたい、それによって日本の企業としての役割を果たしていただきたいというふうに思っておりまして、そのために基本的に日本の企業の外国のエアラインとの間の競争力を高めていくべきだと思っております。 そのために、先般も航空審議会においてその審議をしていただきまして、またそれに対する答申をいただいたところでございます。
○野沢太三君 御健闘を祈るわけでございますが、今回この協定を結べる下地といたしまして、関西国際空港がこの九月に開業するということが大きな背景として出てきておるわけでございますが、伺いますと、今のところ十九カ国二十二社、週二百二十七便を予定しているということであります。しかし、これは計画に対して大幅に下回っているように思いますが、いかがでしょうか。
○説明員(土井勝二君) 関西国際空港につきましては、この空港は基本的に成田とか羽田と違いまして、国際と国内の両路線が乗り入れる空港でございます。そして、国内の路線についても相当強化されまして、国内については、まず一日六十三便、週間にしますと四百四十一便というのが決まっております。それから国際線につきましては、ただいま先生も御指摘のとおり、週間ベースで二百二十七便ということでございます。 国内については、ほぼ私ども当初考えていたような目標の便数がと思いますが、国際については、確かに少し目標よりは現在のところは少ないというのが事実でございます。ただ、国際線につきましては、まだ交渉が続行中の米国とか中国とか、比較的大所も残っておりまして、これらの交渉がまとまっできますと、それを踏まえて増便が出てくると。 それから、先ほどの二百二十七便というのは、既に運輸省が認可した便数でございますが、これから日本の国と既に合意している中身に基づいて増便をしてくる国とか、ただいま御審議いただいている六カ国の新規協定国とか、こういった国の企業もこれから認可を申請してくれるだろうということでございまして、これからこの二百二十七便に大分上積みをされていくだろうと思っておりますので、開港当初、あるいは半年後の来年の夏とか、そういう時点で次第に便数はふえていくだろうというふうに思っております。
○野沢太三君 確かに初めての二十四時間空港であるということ、それから国内便と簡単な乗り継ぎで各地に行けるという大変なメリットがあるように思います。その意味で、国際、国内どもにもう少し関西空港の機能をPRしてこの乗り入れ便数をふやす努力を重ねていただきたい、これは期待でございます。 そういう中で、しかし成田に対する乗れ入れ希望というものは相変わらず強いと伺っておるわけでございますが、現時点での乗り入れ希望数についていかがでしょうか。
○説明員(土井勝二君) 成田空港につきましては、大体三年前ないし四年前からいわゆる便数が凍結をされた状態でございます。したがいまして、ここ三、四年間は増便というのが行われてないわけでございますが、ただいま先生おっしゃいました増便ないし新規乗り入れの意欲というのは、現に成田に乗り入れている国もそうですし、それからまだ乗り入れていない国も、いずれも相当強い意欲を持っていることは事実でございます。 特に、現在日本との航空協定の締結を申し入れている国が三十八カ国ございますが、これらの国もできれば成田に乗り入れをしたい、特に現在折衝中である成田空港の二期工事が完成すれば乗り入れをしたいという希望があるわけでございまして、潜在的には強い要望が成田についてあるというふうに考えております。
○野沢太三君 そういう中で、二期工事にかかわる話し合いでございますが、九一年の五月に運輸大臣が強制的手段はとらないんだということを言明していただいて、公開シンポジウムとか円卓会議等で話し合いを繰り返してきておるんですが、現在この話し合いは進んでいるんでしょうか、見通しはどうでしょうか。
○説明員(谷山將君) いわゆる成田空港問題につきましては、平和的な話し合い解決を目指しまして、隅谷調査団などの御尽力のもと、昨年終結いたしました成田空港問題シンポジウムの結論を受けまして成田空港問題円卓会議が開催されているところでございます。円卓会議では、空港と地域との共生の道について、反対同盟のみならず、広く地域との話し合いを続けているところでございます。 このようなことから、会議の結論を出すめどにつきましては現在申し上げることはできませんが、このような対話を積み重ねることにより、できる限り早く結論を見出せるよう努力してまいる所存でございます。
○野沢太三君 関西空港が開業しても、依然として成田空港の重要性、その需要というものは大変厳しいものがあると思います。その意味で、ぜひともひとつ精力的に話し合いを進めまして、一日も早い見通しがつきまするようこれは大いに期待をするわけでございます。 こういう中で、中部にも国際空港が欲しいんだということで、地元から常滑油にやはり国際空港をという声が出ておりますが、これが具体化するのはいつごろになるでしょうか。
○説明員(谷山將君) 中部新国際空港構想につきましては、第六次空港整備五カ年計画におきまして、将来における空港需要を勘案しつつ、現空港との関係を含めた整備の内容、採算性と費用負担、空域、アクセス等の諸問題について関係者が連携して総合的な調査を進めるとされておりますので、これを受けまして、現在運輸省において五カ年計画期間中に成立可能性について評価すべく、地元と分担して調査を行っております。 調査につきましては平成三年度から着手しておりまして、地元で分担される海象、気象、地質関係の現地調査の結果を踏まえて、空港計画、空域及び空港等の概略設計並びに潮流等の環境アセスメントにかかる調査を進めております。 また、平成六年度予算案では、五カ年計画の四年度目として調査費二億二千万円を計上いたしまして、空港計画、空域、空港等建設技術等に関する調査を促進するとともに、事業採算性等についての基礎的な検討を開始することとしております。 今後は鋭意調査を進め、本五カ年計画期間中、これは平成七年度まででございますけれども、この計画期間中に成立可能性について評価していきたいと考えております。
○野沢太三君 日本にとっては国際空港はまだまだ必要だし、あるいはその機能の充実も図らなければならないと思うんですが、成田の見通しが定かでない中で、この中部の国際空港を早期に建設することと、地元からも要望の出ております関西空港の二期工事、いわゆる全体構想を早期に実現することとどちらを急ぐのか、あるいはこれは並行して進めるべきなのか、どちらが費用対効果が大きいのか、その辺についての運輸省のお考えをお聞かせください。
○説明員(谷山將君) 関西空港の全体構想、中部の新国際空港構想、いずれも非常に大事なものと考えておりまして、平成八年度から始まります第七次空港整備五カ年計画の検討作業の中で十分検討してまいりたいと考えております。
○野沢太三君 そういうことでございますが、日本へ今乗り入れている外国の航空会社を見ますると、アメリカが圧倒的に多くて三分の一以上を占めております。千五百のうちの五百十九便ということでありますが、日米間の人貨の往来というものがいかに大きいか、航空便の数あるいはその中身を見てもわかるわけでございます。お客さんの数で見ましても日米間の数というものは他の路線に比べても大変多いわけでございます。 そこで問題になりますのは、どうも日米航空協定の中身が大分片務的といいましょうか、不公平な状態になっているんじゃないかと、これは長年言われてきております。特に、以遠区間におきましてお客さんの数で十倍以上の差がついてしまっていかにもアンバランスだと思うんですが、これは過日出ました航空審議会の答申でも指摘を受けておりますが、これに対する改善の道はないのかどうか、どのような努力をしているか、お話しをいただきたいと思います。
○説明員(土井勝二君) お答えいたします。 日米航空問題につきましては、確かに先生今御指摘のように、以遠権を初めといたしまして不平等があったりあるいは輸送便数、輸送力について不均衡があったりしております。これの原因の一つに日米航空協定の枠組みの問題もあるわけでございまして、日本政府といたしましてこの協定の枠組みの是正ということについて長年交渉を続けてきております。 現在のところ日米航空交渉がちょっと間遠になっておりますが続いている状態でございまして、平成四年十月それから平成五年八月と二回協議が行われておりまして、現在次の回の開催を待っているということでございます。ただいまのところ合意に至ってはおりません。 したがいまして、次の回の航空交渉も含めまして、ただいま申しましたような日米航空権益の不平等あるいは不均衡問題についてこれからも協議をしてまいりたい。それから、あわせて関西空港への乗り入れ問題、具体的な路線とか便数問題についてもできる限り同等になる形で協議をしてまいりたいというふうに思っております。
○野沢太三君 伺ったとおりでありまして、ひとつ外務大臣、包括協議等で向こうから買え買えと言われっぱなしでなくて、直してもらいたいことがこの航空協定の中でもございますので、こちらからも機会ある都度、ひとつこれは主張していただきたいと思います。 そういう中で、しかも世界的不況という悪条件の中ですら我が国の国際航空需要というものは増加の一途をたどってきておりまして、平成四年度当たりで三千四百四十九万人のお客様で、昭和四十五年から平均一〇%以上の伸びを示している。それにもかかわらず、日航は赤字に転落し、ほかの会社も苦戦を強いられている。明らかにこれは国際的競争におくれをとった、また円高というような影響もあったかと思いますが、このままでは生き残れないんじゃないかという心配もささやかれておるわけでございます。 六月十三日に出された航空審議会の答申でも出ておりますが、まずは航空会社自身の自助努力、リストラが必要ではございますが、国としてなすべき施策はいかようなものがあるのか、これについてお話を伺いたいと思います。
○説明員(土井勝二君) お答えいたします。 我が国の航空企業がますます激化している国際競争の中で競争力を強化してお客さんや貨物の積み取りを図っていく、それでその競争の中で生き残っていくということが大変大事な問題でございまして、ただいま先生もおっしゃいましたように、運輸大臣の諮問機関である航空審議会におきまして平成五年、去年の九月三十日に諮問をして、去る六月十三日に答申をいただいております。 中身は、基本的にはまず企業が自分でコスト競争力を高める、あるいは収入面でサービスの多様化なども含めて増収を図るということでございますが、今お尋ねの件でございますが、あわせて国としても企業の自助努力を支援するという形でいろんなことをすべきだということがこの答申の中でうたわれておりますので、私どもとしてもそれに向けて対策をしたいというふうに思っております。 具体的には、いろんな技術的な規制も含めまして規制が航空の安全を図るためにあるわけでございますが、これにつきまして安全を低下させない範囲で何とか規制の見直しというのができないのかということとか、先ほどの日米関係に端的に出ているわけでございますが、いわば不平等なり不均衡なりというのが解決するような形の航空交渉をこれから行っていくことであるとか、あるいは先ほどの関西国際空港、中部新空港等の国際的な拠点空港、特に国内と十分結びやすいようなハブ空港を整備するとか、あるいはそれに必要な財源措置を検討するとか、そういった面でも国としてあるいは運輸省として適切な対策を講じていきたいというふうに思っております。
○野沢太三君 やはり空港整備の段階からもう少し本腰を入れて、公的資金を導入するとかあるいは地方自治体の力を活用するとかいう形で、単にそれが利用者負担というところにしわが寄らないようにしっかりと頑張っていただきたいと思います。 次に、航空の安全問題についてお伺いいたしますが、シベリア上空が現在十二本毎時というのが六本に制限をされて、しかもこれがおくれにつながっている。例えば、ロシアの管制設備が老朽化し、レーダーその他が余り使い物にならない、したがって指定高度に誘導するのに心配がどうもあるので路線を二つに分けて使い分ける、こんなことをやっているようですが、こういった問題に対して技術援助とか資金援助ができないものかどうか、具体的な援助として極めて有効ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 今、野沢委員御指摘のように、ロシアの上空において航空機の乗り入れ制限が行われておりますけれども、この制限の改善は我が国にとっても有益と考えられることから、現在本件については日ロ両国の航空当局者で協議が進められているところでございます。 航空の分野については、ロシアの管制官を招請して技術研修を実施しておりまして、今後もかかる研修の実施は我が国の航空交通の安全確保に有益であるというふうに考えております。 他方、御指摘の管制設備の改善に関する支援につきましては、現在乗り入れ制限を改善するためにロシア側との協議が進められているところでありますが、支援を行うということは当面まだ考えておりません。 いずれにいたしましても、ロシアとの協議の結果、早期に改善が図られることを期待いたしております。
○野沢太三君 援助の形として一般的なお金をただ上げるというよりも具体的にこのような事柄に特定しながら効果がはっきり出るような援助の仕方が有効ではないかと思いますので、一層ひとつ御努力をお願いいたしたいと思います。 続いて、中華航空機の事故に移りたいと思いますが、委員会の方で今分析をしていただいているようですが、現時点においての中間的結論がと思いますが、おわかりの範囲で結構ですからお話しいただきたいと思います。
○説明員(中山茂一君) お答えいたします。 航空事故調査委員会におきましては、五月十日、それまでの調査の結果につきまして経過報告をいたしました。経過報告においては、進入時に操縦及び自動操縦装置の動きが適正に行われなくなり墜落に至ったというのが一つの考え方として存在すると発表をいたしました。 事故原因につきましては、これまでさまざまな報道がなされましたが、現在はまだ人為的な面、機材的な面、いずれも特定できる状況にありません。今後、あらゆる面から詳細な調査解析を行っていくこととしております。 事故原因の究明は、認定した事実及び必要な試験研究の結果を総合的に解析することにより行うこととなるため、過去の例から見ましても相当の日時を必要とするものと考えられます。
○野沢太三君 そういう中で、相変わらずA300ということで同一機種が毎日飛んでいるわけですね。機器の故障があるいは操縦のミスかわからないまま、お客さんはそのまま乗せている。これは一体どういうことになっているのか。 現段階におきまするA300系統の機材あるいは運航会社に対する安全上の指導は一体どうなっているんでしょ。うか。
○説明員(石塚武美君) お答えいたします。運輸省におきましては、五月十日に航空事故調査委員会が公表した経過報告を踏まえて、事故機と同型、これはA300—600型でございますが、及び類似の航空機、これは在来型と言われますA300型機でございます、を使用する日本エアシステム社に対して、自動操縦装置の操作手順の徹底等につき指導を行うとともに、台湾当局に対してもしかるべきルートを通じて中華航空に対して所要の指導を行うように要請いたしました。
○野沢太三君 それでは、時間がなくなりましたが、租税条約について御質問を申し上げたいと思います。 最近、移転価格税制を適用して国際企業に対して追徴課税を行うケースが出ております。日本あるいはアメリカが主な舞台となっておりますが、一体こういうことでどのぐらいの数がこれまで指摘され、どのくらいの金額が更正されたか、おわかりでしょうか。
○説明員(青山慶二君) 先生御指摘のございましたように、最近我が国経済が国際化してまいりまして、国際取引の増加によりましてこれを利用しました租税回避も認められるようになってまいりました。国税庁では、国際取引を重点に置いて調査する項目の一つと位置づけております。調査に当たりましては、租税条約に基づく情報交換ですとか、それから調査官の海外派遣等を含めた徹底した調査を実施するとともに、不正所得ですとかまたは国外移転所得の把握に努めております。 先生お尋ねの件数につきましては、昭和六十二事務年度から平成四事務年度までの六事務年度間におきまして、移転価格の調査事績を申し上げますと、約五十件、約五百億円の増差所得を計上いたしております。
○野沢太三君 経済の自由化が進んでますますこの種の国際間の取引並びにそれに伴う税務というものの仕事がふえていくと思います。抜本的な税制改革も予定されている中で、ぜひこの分野での御努力を一層続けられますことを期待いたしまして、私の質問を終わります。
○矢野哲朗君 大分時間が経過してしまいまして、残された時間、精いっぱいやりたいと思いますので御協力をお願い申し上げます。今回の航空協定、六カ国との協定承認が求められているわけでありますけれども、提案理由の説明の中でも、従来締結した多くの航空協定と形式、内容においてほぼ同様なものだということでありますから、内容については特に問題がないと解釈をさせていただいております。また、航空協定の目的としては、当然のことながら、人的交流及び経済的交流が増進されて両国間の友好関係の一層の強化に資する、このことを期待したい、当然そう思うわけであります。 先ほどの説明で今三十八、この六カ国を除いて締結要望国があるというふうな話だったのでありますけれども、三十八プラス六でありますから四十四になりますか、四十四締結要望国の中で、ブルネイ、モンゴル、ハンガリー、南アフリカ、ジョルダン、ベトナム、この六カ国がどのような具体的な展開を経過して今回この場で承認を求められているのか。 もっと簡単に申し上げるならば、当然我が国として外交戦略上、加えてODAの展開その他もろもろのことを含めると、当然のことながら一つの戦略があってしかるべきかなと、こう考えます。一定の地域のゾーニングをして、例えばアジア地域の中で日本がどう中心的存在でこのネットを組むんだと、こんなことも一つの事例だと思うんであります。 そんな中で今回のこの六カ国を見ると、特に我が国と交流の熟度が増したとか、それから非常に申し出が早かったということも含めて最優先に対処しなきゃいけないというふうないろんな事由が考えられるわけでありますが、この六カ国についてとりわけ具体的なそういう理由が考えられないんだけれども、その辺、今後の外交戦略上、広く世界地図を見たときに今後どう対応していくのか、基本的な考え方、なおかつその基本的な考え方からなぜ今回この六カ国を、ただ手続上整理がされたということでこの六カ国になった、こういうことはないと思うんだけれども、その辺での考え方をまずお示しいただきたいと思います。
○国務大臣(柿澤弘治君) 我が国としては、航空協定を締結して、人的、経済的交流を各国との間で拡充をしたいということは、基本的に矢野委員御指摘のとおりでございます。そうした中で、できるだけ多くの国々と協定を締結して相互乗り入れを実現したいわけでございますが、何しろ空港の事情等、容量の制限があって全部それを満たせないのはまことに残念だと思っております。 〔委員長退席、理事野沢太三君着席〕 そうした中で、どのような基準でそれでは優先順位を決めているのかということでございますが、これは今御指摘のように、両国の航空の事情、それから政治、経済、文化等の交流の関係、また相手国のハイジャック防止対策への配慮、それから相手国の航空企業各社の責任限度額の現状等、いろんな要素を勘案しながら決定をしているところでございます。今回御提案をいたしておりますところも長年の懸案になっているところでございまして、その意味ではそうした長期的な交渉の成果も踏まえて選定をいたし、航空協定を締結することとしたわけでございます。 そのほか、長い間の懸案になっている国が幾つかございますが、それぞれまだ解決すべき技術的な問題点等もあり、今後の交渉にゆだねられているということでございまして、その点ではそれなりの選定基準に基づいて我々としても優先度を決めているということは御理解をいただきたいと思っております。
○矢野哲朗君 説明は私も理解させていただいたんでありますけれども、例えば長い間の懸案事項ということで今待機しているその他の三十八カ国の諸国を見ますと、今回の六カ国が諸条件を満たしたという理由もあるかもしれないけれども最優先にというふうな、日本の外交戦略上どうも私もそこまで理解できないものですから、その辺を一定の基準ということも含めながら日本の外交どうあるべしと、その辺での戦略を持ってして今後この航空協定の相手国を選択していただきたい。 特に申し上げたいのは、今回、日本から他国に乗り入れを希望しているのは、まさに六カ国のうちベトナムだけであとは一方通行ということであります。実際、お互いの乗り入れがあって、先ほど説明の中にもあったように人的交流を促進してお互いに理解を深めるんだと、これが目的だと思いますので、片道交通じゃなかなかそういった意味でもお互いの関係が熟度が達していないというようなことも言い切れるんではないかなと。こういう点から、ひとつ今後十分外交戦略上どうあるべしということで御決定をいただきたいと思います。 〔理事野沢太三君退席、委員長着席〕
○国務大臣(柿澤弘治君) 矢野委員の御指摘のとおり今後とも進めるつもりでございますが、一言つけ加えますと、今回御承認をいただくべくお願いをいたしております国々は、それぞれそうした面でも重要な国だと思っております。 例えばブルネイ・ダルサラーム、これはASEANの六カ国の中に属します石油の産出国として我が国としても大事な国でございます。それからモンゴル、これも御承知のとおり我が国としては今後関係を強化する大事な国でございます。中国とロシアの間に挟まれて、その意味では我々としても戦略的な重要性、地政学的な重要性があると思っております。ハンガリーも、これは中東欧圏の中ではこれから重要な交流拠点になろうかと思っておりますので、その点もぜひ御理解をいただきたい。また、南アフリカは、御承知のとおり新しい自由選挙のもとで新政府ができ上がりました。これから南部アフリカの経済発展の拠点として我が国としても重視すべき国であると思っております。ジョルダンも、中東諸国の中では、王家と天皇家との緊密な関係もあり、地政学的にも非常に重要でございます。ベトナムは御承知のとおりでございます。その点では、その他、今懸案になっております中ではイスラエルとかポーランドそしてポルトガル等がございますけれども、それらに比べても決して遜色のない重要な国々であると理解をいたしております。
○矢野哲朗君 運輸省にお伺いしますけれども、今申し上げたように、ベトナムについては一方的な乗り入れを日本側のエアラインが希望しているということで、他方、五カ国については一方乗り入れのみということであります。 先般の航空審議会の答申でも、JAL初め日本のエアラインの経営状況が非常に厳しいゆえ、その対策方が懸念されているわけでありますけれども、特に行政による環境の整備が必要だと。特に航空交渉のあり方として、シカゴ体制のもとで「二国間航空交渉を進めるにあたっては、路線・便数の決め方や航空企業の新規参入等の面でできる限り我が国の利用者の利益の確保に努めるとともに、我が国航空企業の存立にも配慮していくことを基本とするべきである。」、こういうふうな項目が記されているわけであります。 つまり、日本の外交の戦略と航空行政が綿密に絡み合う必要性を十分訴えているというふうにこの一項目で理解するわけでありますけれども、航空行政の面から、日本のエアラインの整然とした発展を確保する点から、航空協定がどのようにあるべきなのか、その辺も含めての、今後の育成を含めての所見をお伺いしたいと思います。
○説明員(土井勝二君) お答え申し上げます。 日本の航空会社につきましては、ただいま先生からも御指摘のように大変苦しい経営状況がここ二、三年続いております。この原因といたしまして、世界的な不況の中で一般的に需要は前に比べると減っている、しかしながらエアラインの業務の場合は直ちに供給力を削減するというのはなかなかできにくい、機材の問題それから要員の問題もございます。したがいまして、私どもが考えておりますのは、どうも世界的に国際路線において供給の過剰がある、結果として運賃の水準が下がっている。ですから、見かけ上お客様の人数はそう減っていないけれども、いわゆるイールドという収益が減っている。そういうことで経営状況が非常に苦しくなっているわけでございます。 このことにつきまして、先ほどもお話申し上げましたけれども、まず第一に、日本の航空企業自身が競争力、これをコスト面、収入面でも高めていかなければいけないというふうに思っておりまして、これについては運輸省もそう考えておりますし、エアラインの皆さんもそう自覚をされて今大変リストラのための努力とか収入増の努力をされております。しかしながら、エアラインだけではできないこともあるわけでございまして、先生もおっしゃいましたように、航空交渉といったような二国間の相談、協議の場で、外務省と一緒に私ども運輸省としても日本の国益なりあるいは企業の存立の問題も含めて交渉をしているという状況でございます。 特に、現在のところはこの航空交渉の枠組みというのはただいまもお話がございましたようにシカゴ体制、二国間の航空協定の場で相談するということになっておりますので、その中で、利用者の利益とそれから日本の企業の存立という二つの観点をいわば両にらみで相手方と相談をして、特に冒頭申し上げた供給過剰になるというのはエアラインにとっても大変痛いことですが、資源の利用といった面でもむだ遣いになりますので、供給過剰といったようなところが出ないように交渉の場で相談をして合意をしていきたいというところを基本的に考えております。
○矢野哲朗君 当然のことながら、一つの手順として航空協定が結ばれる、そしてしかるべき航空企業が選定されるというふうな手順だろうと思うのであります。 今回ベトナムに乗り入れ方非常に積極的だという点からして、なおかつ先ほどお話があったように、一部、安全面は重視しながらも自由競争を導入してみたいというふうな一つの考え方の披瀝があったわけでありますけれども、その辺を十分考慮しながら、例えば今後ベトナムについてどういうふうな選定過程があるのか、その辺ちょっと御説明願います。
○説明員(土井勝二君) ただいま御審議いただいておりますベトナムとの航空協定の発効後におきまして、ベトナムに乗り入れの希望のある我が国の企業が運輸省に免許を申請してまいります。この免許申請を受けまして、運輸省といたしましては、運輸大臣の諮問機関である運輸審議会におきまして審議をしていただきまして、その答申を経て免許をするという段取りになってまいります。免許企業というのがここで決定されました暁には、これを外交ルートで指定を相手方にしていく、そういう手順になります。 ちなみに、免許基準というのが航空法の第百一条にございまして、そこで需給の問題あるいは事業計画が経営上安全上適切かとか、事業を的確に遂行する能力があるかといったところが審査されるということになっております。
○矢野哲朗君 話は移るんでありますけれども、先ほど野沢委員からもお話がありました今年四月二十六日の中華航空の大事故、亡くなられた方には心から御冥福を申し上げたいしへけがをなされた方々には一日も早い全快を祈りたい、こんな気持ちでいっぱいであります。 今繰り返し議論させていただいたのは、二国間の航空協定の必要性、そのことはあくまでも民間航空の安全かつ整然とした発展を確保する、この趣旨で二国間の航空協定が必要だというふうなことだと思います。しかしながら、日華間の外交はないわけでありますから、実際日本と台湾の間の航空協定の取り交わしか、現在どういうふうな内容、どんな形で取り交わしかされているのか、その辺ちょっとお聞きします。
○政府委員(川島裕君) お答え申し上げます。 日中国交正常化以来、我が国は日中共同声明の枠組みの中で日台関係を非政府間の実務関係として維持してきている次第でございます。そういう状況のもとで、一九七五年に民間航空業務の維持に関する財団法人交流協会と亜東関係協会との間の取り決めが締結されて、この取り決めを通じて日台間の航空業務が行われているということでございます。
○矢野哲朗君 内容については今論議された航空協定とほぼ準ずるということで別に問題がない、今回これだけの事故が起きて、見直し、なおかつ改定する余地がないというふうな判断なのかどうなのか、その辺もお伺いします。
○説明員(土井勝二君) ただいまの御質問につきましては、運輸省といたしましてはただいまアジア局長が申し上げた取り決めの内容で、基本的には安全の面につきましても問題がないと考えております。
○矢野哲朗君 ところで、昨年の二月、現外務大臣、当時政務次官でいらっしゃったわけです。ですから当然御承知だと思うんでありますけれども、財団法人交流協会と亜東関係協会で協議されて、台北—福岡間の新しい航空路線を設置するというふうな意見の一致を見て暫定協議書を取り交わしたというふうな話を聞いております。 このことについて、どういった内容で、どういった形で協定書が取り交わされたのか、なおかつ協定書を取り交わすに当たって、当然のことながら、先ほど話されたように、日中共同声明の枠組みの中でということでありますから、いろんな諸問題が想定されたわけだと思うのであります。その辺の諸問題を当然解決した上で協定書を取り交わしたと思うのでありますけれども、その辺の経過も含めて説明を願います。
○政府委員(川島裕君) 昨年の二月に交流協会と亜東協会との間で、要するに日台間に二社目の航空企業を参入させるということを枠組みとする暫定的な合意が、これは議事録という形でなされたわけでございます。 その中身といたしましては、二社目として日本側からはエアニッポン、それから台湾側からは長榮航空、EVAでございますが、まさに先と言われたとおり福岡—台北間でございます。 それで、これは去年の二月だったのでございますけれども、その後に両方の当局がこの暫定的な合意を受けまして所要の調整をやってきたということでございます。なかんずくこの日台間の航空関係というものはやはり日中共同声明の枠組みの中で取り進める必要があるという観点から、中国の理解をしかるべく得る必要があったということで、それに当初考えていたよりも時間がかかったということでございます。 ただ、最近に至りまして、その辺のところも中国の理解ということも含めまして調整が大体において整いつつありますので、今後の段取りとしてはまた両協会の間で協議が取り進められることになろうかと思っております。
○矢野哲朗君 今、局長から説明がありましたけれども、私は話が逆だと思うんであります。当然それなりの、暫定協議書とはいえ協定を取り交わすということになりますれば、取り交わす時点の以前においてしかるべき、例えば日中共同声明の枠組みの中でこういうことをやっていくんだということになりますれば、北京政府に対する打診をし了解を求める、こういうふうな一連の行動があってしかるべきと思うんでありますが、その点の考えは。
○政府委員(川島裕君) 昨年の二月当時の時点では中国の理解というものは得られるであろうという雰囲気であったというふうに承知しております。ただ、その後中国とのやりとりで当初より中国側の調整と申しますか、返答が非常におくれてしまったというのが実態でございます。
○矢野哲朗君 得られるであろうという想定のもとにというところが非常に漠然としたところなんだけれども、その後、先ほどの説明からしても一年強、既に経過した中で具体的な進展、昨今になって初めて中国政府としての前向きな姿勢がうかがわれるというような答弁があったわけでありますけれども、少なくとも一年以上経過したということは外交上私は非常に礼を失するというふうな対応になろうと思うんであります。 しからば、ほぼ了解が求められるというのはどういう基準でそういう理解をしたのか。
○政府委員(川島裕君) 昨年の二月に中国からどういうような感触を得たかということでございますけれども、まさに中国としてはその理解をすることに問題なかろうという感触を得たということでございます。
○矢野哲朗君 繰り返すようでありますけれども、感触を得たということはその後速やかに協議書に基づいて一連の具体的な展開がなされてしかるべき、こういうふうな話ですよね。それが一年も経過するに当たって何の具体的な進展もなかったという現実をもってして、どういう点で了解を得られるだろうというふうな想定をされたのか、その辺ちょっと説明してください。
○政府委員(川島裕君) これは時間が思ったよりかかったものですから、中国との間では相当しばしば催促をするプロセスがあったわけでございます。その段階での中国の説明は……
○矢野哲朗君 いや、過程の話じゃないですよ、スタートのときですよ。 取り交わすに当たって当然そういう雰囲気があったけれども一年経過しちゃったわけですね。そうでしょう。だから、取り交わすに当たってそういう雰囲気があったというのはどういう確認をしたのか、具体的に。
○政府委員(川島裕君) その当時に日中間でいろんな非公式なやりとりがあったわけでございます。ですから、正式に前もって了承をとるというような手順を踏んだわけではございません。
○矢野哲朗君 こんな重要な事柄を事前に了解もとらないで日本と台湾の間だけで進めたという話ですか。
○政府委員(川島裕君) これは中国の了解を前提としてするという話ではなく、他方、七五年に日台の民間航空の取り決めをつくった際にも、まずできて、しかしこれは今後進めていくに当たって常に中国の理解を得ていかなければならない、こういう立場を明確にしておりまして、ですから、まず日台間は民間レベルで動かしていく、しかし、その動かす過程においてやはり中国の理解は得る必要があるという立場で一貫してきております。したがって、まず先に了承をとってから日台間で事が動き出すということではないことを御理解いただきたいと思います。
○矢野哲朗君 しからば、民間同士というふうな一つの言いわけをなさったわけでありますから、では、この民間同士の約束事についてなぜ中国政府にそれなりの打診、了解を求めるというような必要性があったのか、その辺での判断を御説明ください。
○政府委員(川島裕君) 民間の取り決めてございますけれども、非政府間の日台間の関係を動かしていくという中で、我が国の国内法令の範囲内でできる限り支持と協力を与える方針であるということはつとに明らかにしているわけでございまして、今度の暫定的合意が民間間でできたのを受けて、政府としてこれを支持し協力するという立場なわけでございます。その意味で政府の役割はあるわけでございまして、その一環として日中間の外交処理という観点から理解を求める努力というものが必要だったわけでございます。
○矢野哲朗君 その観点からいくと、民間同士の約束だとは言いながら、例えば日本の国会にいずれかの形で報告なり了承なりというふうな形は必要だと思いませんか。
○政府委員(川島裕君) これはほかの、今御審議いただいている航空協定でございますとか、これは法的拘束力を有する国際約束でございますのでまさに国会の御審議をいただいている次第ですけれども、日台間の場合は民間間の取り決めがあって、その取り決めを受けてそれぞれの当局が国内法令の範囲内で必要な措置をとってこれに協力するという立て方ですので、あくまで民間の取り決めであるところの日台間の航空に関する枠組みとその他の、今御審議いただいているような政府間の航空協定とはおのずから御審議いただくか否かについて取り扱いが違うということでございます。
○矢野哲朗君 非常に微妙な問題なんですよね。二言目には民間同士というふうな話をなされる、片や北京政府との問題で、要するに日中共同声明の枠組みの中で打診をさせていただいた、こういう必要性があるよと。 しからば、内容的に同じような航空協定ということを前提とするならば、少なからずいずれかの形で国会に報告なりひとつの了解を求めるような手続は私は必要だと思うんでありますけれども、その点、また同じような答弁を繰り返すのかな。
○政府委員(小池寛治君) 先ほどアジア局長の方から答弁いたしましたけれども、我が国が締結しております航空協定というのは法的拘束力を有する国際約束ということで、それを実施するためには航空法などの関係国内法の規定を維持する義務を国際的に負うことになっております。したがいまして、その締結について国会の承認を求める必要があるわけでございます。他方、日台間の航空関係についてはそのような航空協定を締結することはできないというのは先生よく御承知のとおりで、あくまでも民間取り決めである二つの協会間の取り決めを尊重して、政府として国内法令の範囲内で必要な措置をとっているものであります。 両者の間には取り扱いをめぐって大きな差がございまして、日台間の航空関係について国会の承認を求めることは必要となっていない事情を御理解願いたいと思います。
○委員長(井上章平君) 矢野君、時間が参りましたのでもう一問だけ。
○矢野哲朗君 時間が来たものだから、この点また改めて論議をさせていただきたいと思います。非常に微妙な問題があろうと思いますよ。運輸省の所管の中で今回のこの航空協定が結ばれている、外務省が全くノータッチだということについては私も非常に問題があろうという考えをしております。 加えて、先ほどお話しいただいたように、この暫定協議の中で署名された方がどういう立場で署名されたのか。なおかつ内容について先ほど運輸省の確認をさせていただいて、この航空協定を結んだ結果、例えばどこどこの航空会社を選定するという一連の手順があるにもかかわらず、この航空協定については冒頭から具体的な民間航空会社が明記されているということ自体が、どうも何となくその辺が、どうしてそういうふうなことになったのか、全く不透明な部分が多い、私もこういうふうに理解せざるを得ないんです。 ですから、この件については改めて質疑をさせていただこうと、二国間の国際的な協約じゃないから国会に報告がないという中で、今の段階としては余りにも不透明の中で話が進められたという感触が非常に強いものでありますから、その辺に疑問を持ちつつ、きょうの段階ではこの議論を終わらせていただきます。
○清水澄子君 今回のこのモンゴル、ベトナムとの航空協定を締結することによって、今後どのような人的交流、また経済的な交流が期待されているのか、お伺いいたします。
○国務大臣(柿澤弘治君) ベトナムとの関係につきましては、先生御承知のとおり、日本も昨年ODAを再開する等、本格的な経済交流がスタートしているところでございます。ベトナム側におきましても、中国の方式に倣って改革開放ということで外資を積極的に導入しながら経済の発展を図るという方針をとっておりまして、その点では我が国との経済交流が今後飛躍的に増大することが期待をされております。 特に今回乗り入れることになりますホーチミンシティーはベトナム南部の経済の活動の拠点でございまして、その意味でもこの航空協定は我が国との人的経済的交流を促進する意味で大変大きな意味があるものと期待をいたしております。
○清水澄子君 次に、私は朝鮮民主主義人民共和国、つまり北朝鮮の制裁問題についてお尋ねしたいと思います。まず、私は柿澤外務大臣にお尋ねしたいわけです。 今回、カーター元米大統領と北朝鮮の金日成主席との会談によりまして、北朝鮮の核疑惑問題をめぐる緊張というのが再び交渉による解決への一つの兆しというものが見えてきたと思うんです。 ところがきのう、NHKの「日曜討論」の中で外務大臣は、在韓米軍の撤退問題に関連をして、北朝鮮に金日成体制の続く限り韓国に在韓米軍の存在は必要であるというような趣旨の発言をなさっておられました。私は、金日成体制を好むか好まないかはそれぞれ個人の評価があると思います。しかし、それを決定するのは北朝鮮の人々でありますし、在韓米軍につきましてもそれは韓国が決めることであって、韓国とアメリカとの関係であると思うんです。それを一国の外務大臣がそういう形でああいう公的な討論会で発言されている、これは私はまさに内政干渉であると思います。日本の外交責任を問われる発言ではないか。とりわけ今、対話の努力がなされようとしているときの発言としてもまことに私はそれは不適切であると思いますし、外交というのは交渉によっていろんな紛争的な問題を解決すると思うわけですけれども、私はそういう意味で、外務大臣は日本の外交責任者として非常に適格性を欠いていると思います。 ですから、きょう私はそのことをお聞きしたいんですけれども、きのうのそういう発言の部分を撤回なさるおつもりはございませんですか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 在韓米軍の問題につきましては、従来のカーター路線を継承するものとしてこれが在韓米軍の撤退に結びつくのではないかという趣旨の御発言が他の発言者からございました。それについて私はコメントをしたわけでございまして、必ずしもそういう形で在韓米軍の撤退に直ちに結びつくものとは考えられないという私の判断を申し上げたわけでございます。 それと同時に、やはり日米安全保障条約に基づく米軍の我が国における駐留が、日本の安全だけでなくアジア、特に北東アジアの安全について大事な要素になっているということは近隣諸国とほぼ共通の認識になっております。その意味でも在韓米軍の存在というものが、これが韓国の安全保障にかかわる問題だけでなく、アジア全体、特に北東アジア全体の安全にかかわる問題という点で我が国の安全にも関連する問題であるという認識を示したつもりでございました。その意味では撤回というようなことは考えておりません。
○清水澄子君 撤回なさらないんですね。 その問題は私きょうちょっとここに深く入り込む時間的余裕がないんですが、きょう公的なここの外務委員会で重要な発言をなさった。これ日米安保問題で言うならば、それは日米安保条約の問題にもかかわってくると思いますけれども、外務大臣というのはそういう考え方と姿勢で今の外交をされていくわけですね。ですから方針は変わってきたんですね、それでは、今までとは。
○国務大臣(柿澤弘治君) 私たちは、北朝鮮の核開発疑惑が話し合いによって解決されるべきである、話し合いによって解決されてほしいということは再三にわたって申し上げてきたわけでございまして、その点についてはきのうも明確に述べているつもりでございます。 その問題と今の在韓米軍の云々という話とは別途の文脈の中で議論をされたことと承知をいたしておりまして、今のクリントン政権がカーター政権が一時主張したようなそうした方向へそのまま進んでいくのではないかというかなり断定的なお話がありましたので、私としてはそれは必ずしもそうはならないであろう、またそれが北東アジアの安全にとって、安全保障全体の枠組みにとって好ましいかどうかという疑念を呈したということでございます。これは内政干渉するつもりもございません。我が国の安全に絡んで申し上げたことでございます。
○清水澄子君 でもこれは絶対に重大な問題を含んでおります。またこれは後ほど私は問題を追及したいと思います。 次に移りますけれども、これまで北朝鮮に対してIAEAの核査察が行われてきたわけですけれども、北朝鮮が国際法に違反した具体的な事実があったのか、それをぜひ挙げていただきたい。そして、それはどのような国際法に違反をしているのか、その国際法の名称を挙げていただきたいと思います。
○政府委員(林暘君) この北朝鮮の核疑惑が一年数カ月前に始まりまして以降いろいろな決議がIAEAでなされておりますが、基本的に今、先生御指摘のどういう条約、国際法に違反しているかということについて申し上げれば、北朝鮮がIAEAとの間に結んだ保障措置協定、これはNPTの三条に基づいて締結することが義務づけられているわけでございますが、その保障措置協定による査察の義務の履行に違反しているということでございます。
○清水澄子君 保障措置協定に違反している、履行に違反しているわけですね。 そのことは制裁に相当する、国際法との関係ですね、国連憲章第七章のいうところの「平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動」に相当するものという認識でございますか。
○政府委員(柳井俊二君) ただいまの先生の御指摘の点でございますけれども、御承知のとおり安保理は国連憲章第三十九条に基づきまして平和に対する脅威あるいは平和の破壊といったことの存在を決定いたしまして、国際の平和及び安全を維持し、または回復するためにいかなる措置をとるかということにつきまして決定をする広い権限を持っているわけでございます。この認定あるいは決定というものは専ら安保理が行うものでございまして、一般論でございますけれども、このような認定なり決定なりというものは、決議が議論をされる際の諸状況を踏まえまして、安保理におきまして総合的に検討するというものでございます。 この北朝鮮の問題につきましては、御承知のとおり、現在安保理におきまして常任理事国を中心として決議案が非公式に話し合われている段階でございますので、この問題について安保理が今後どのような認定をするかということについては現段階で予断することは差し控えたいと思います。 先ほど申し上げましたことは、一般論としての安保理の権限の問題でございます。
○清水澄子君 私は一般論は聞いてないんです。どのような具体的な事実がこの三十九条の制裁理由に該当するのかということを伺っています。
○政府委員(柳井俊二君) 若干繰り返しになりますけれども、先ほど申し上げましたように、安保理は国際の平和に対する脅威あるいは平和の破壊ということの認定に当たりまして広くいろいろな状況を踏まえて検討するということでございます。 ただ、先ほど林審議官の方からも答弁がございましたように、この問題につきましては国際社会が、昨年の五月に安保理決議、それからことしに入りまして三月と五月の安保理議長声明等によりまして、北朝鮮に対しましてIAEAの保障措置協定に基づく査察の受け入れを粘り強く呼びかけてきたわけでございますが、それにもかかわらず北朝鮮がこれに誠実にこたえていないということは、国際社会に核不拡散に対する重大な懸念を呼び起こしてきたというふうに受けとめられているわけでございます。 したがいまして、予断はできませんけれども、安保理におきまして審議をする際には、このような事実も十分に勘案されるものと考えております。
○清水澄子君 今おっしゃっているのはちょっとポイントが外れていると思うんですね。これは何か具体的な事実がない限り、私は本当に平和の破壊、平和に対する脅威として制裁的な決議はできないと思うんです。ですからどんな事実があったのかということをお伺いしているんです。 これはあくまでもアメリカも言っているように核開発の疑惑と言っているわけですから、事実というのはまだわからない段階ですね。ですから、疑惑という段階でも制裁というのをやるわけで、その場合に、事実がなくてもこれからの世界情勢は何か疑惑があったらそういう制裁を加えるということをやっていくわけですか。
○政府委員(柳井俊二君) 先ほど来申し上げておりますように、平和に対する脅威等の認定は安保理が権限を持っているわけでございます。したがいまして、私どもとしてここで現段階で安保理がどのような認定をするかということについて予断をもって申し上げることは差し控えたいということでございます。 ただ、先ほども林審議官の方から御答弁申し上げましたように、北朝鮮がこのIAEAの保障措置協定に違反し、しかもその違反の範囲を拡大しているということを六月のIAEA理事会におきましても決議しているわけでございまして、それから先ほど申し上げましたように、国連の安保理を含めまして国際社会が再三この疑惑を晴らすように北朝鮮に呼びかけ、また関係国が粘り強く対話を続けてきたにもかかわらず、むしろ北朝鮮がこの疑惑を深めたという事実があるわけでございます。 これも御承知のとおり、現在の国際社会におきましては、核の拡散の問題というのが平和に対する重大な懸念であるということが認識されているわけでございまして、例えば、一九九二年ですからおととしになりますけれども、一月にいわゆる安保理サミットが行われたわけでございます。そのときの安保理サミットの議長声明におきましても、そのような認識が示されていることは御記憶と思います。
○清水澄子君 時間がなくて残念なんですが、核不拡散を進めるというのは当然だと思います。むしろ核は私は禁止していくべきだと思っておりますが、今IAEAを無視しているのは北朝鮮だけじゃありませんね。私は北朝鮮をかばうわけで言っているんじゃないんです。それだけ厳密になさるんであれば、NPT加盟国百六十四カ国のうち五十五カ国はIAEAとの間に保障措置協定を結んでいないですね。そして、それぞれ北朝鮮と同じようなレベルにある国でも、九カ国がその保障措置を締結しないで自由にプルトニウムを分離抽出、生産をしているわけです。ですから、そういうところも全部なさるというのであれば、それは非常に一つの主張として納得できます。 それからもう一つ、NPTは非常に不平等性を持った条約であって、核保有国の特権が固定化されているという点で、これが国際的にも非常に問題になっている。そういう中で、北朝鮮の今までのNPTに違反が問われるような、そういうところは私は問題があると思っているんですけれども、じゃそれをなぜ今日までほっておいてきたのか。これはその当時これに入ることを勧めたソ連も、そしてアメリカもわかっていてほっておいて、IAEAも今までほっといた。そういうふうな問題について、これはその裏には政治的な問題が非常に絡んでいるだけに、日本のこの対応というのはもう少しさまざまな角度からやっぱり検討すべきである、こういうふうに私は認識をしております。 そこでお尋ねいたしますけれども、安保理決議が不成立の場合には、日本はアメリカや韓国と歩調を合わせて制裁行動をとる用意があるということを今まで聞いておりますけれども、その場合の制裁行動というのはどのような具体的なことを指していらっしゃいますか。
○政府委員(柳井俊二君) 御承知のとおり、今まで関係国、それには日米韓が含まれるわけでございますけれども、関係国の間で協議をしてまいりました。せんだって六月の初めに日米韓の協議をワシントンで行ったわけでございますが、そのときのプレスリリースでも明らかにしておりますとおり、この関係三カ国は事態が非常に困難な状況になりましたので、安保理を通じてこの北朝鮮の核の問題にどう対処するかということについての意見交換をしたわけでございます。その後、アメリカから決議案が非公式に示されまして、現在安保理で非公式協議が行われているわけでございます。 先ほど大臣からも御答弁ございましたように、先週来の動きに照らしましてあるいはこのような非公式協議のペースが少し遅くなるということも考えられるわけでございますが、いずれにいたしましても、現在国際的な努力が行われておりますのは、安保理を通じて何らかの措置をとる、決議をするということでございまして、それが不成立の場合にどうするかということは一切話しておらない次第でございます。したがいまして、現段階におきまして、安保理決議が不成立の場合にどうするかということを申し上げるのは、いろいろ差しさわりがあると思います。
○清水澄子君 それは、私は当然だと思います。不成立の場合でもどうするということを外務大臣など早くから盛んにおっしゃっていらっしゃるんですけれども、不成立の場合にやるということは、国連という第三者機関の決議も何もない中で国交のない北朝鮮との間で日本が独自のそういう制裁行為をするということは、日本と北朝鮮との関係というのは法的にどういうふうになっていくのか。これは敵国関係になってまいります。ですから、そうなると日本にいる皆さん方は敵国人になってしまうわけで、いろいろ日本の国内法、これは大変いろんな問題が起きてくると思って非常に心配をしておりました。 そこで、私はあえてここでお願いしたいんですけれども、今回カーター元大統領が行かれていて、そしてカーター氏自身が、制裁が北朝鮮の社会経済に及ぼす影響は全くないだろう、独特の社会体制だから逆に制裁は逆効果をもたらすだろう、そして、北朝鮮はこの国連制裁が決議されれば、自分の国を侮辱されている、犯罪者扱いされているという受けとめ方になり、いわゆるその国のメンツをすべてつぶしてしまう、だからやはりこれはあくまでも話し合いという、そういう対話の外交が必要だということを主張していらっしゃるわけですが、政府は対話の外交をあくまでも進めていくという、そういうかたい決意をお持ちでしょうか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 私どもは終始一貫して対話による解決ということを求めてきておることは、委員御承知のとおりでございます。 残念ながら、IAEAの査察のもとでの、検証のもとでの五メガワット実験炉の核燃料棒の抽出等が実現できませんで、その点が深刻な事態になっているということでございますが、今後とも話し合いによる解決が望ましいという立場で努力をしていきたいと考えております。
○清水澄子君 努力をしていきたいと座っていないで、努力をしていただきたいと思います……
○国務大臣(柿澤弘治君) いたしております。
○清水澄子君 例えば北朝鮮に対する国連安保理の制裁決議が成立した場合に、朝鮮の停戦協定、三十八度線では停戦協定があるわけですけれども、その関係をどのように見ていらっしゃるのか。 北朝鮮に対する制裁で国連安保理決議の内容が実質的に軍事的な制裁を含んだ場合、朝鮮休戦協定によるこの朝鮮半島というのはどういう休戦状態になるのか、その点を政府はどのように認識していらっしゃるのかお尋ねします。
○政府委員(柳井俊二君) 現在のところ、国連の安保理はまだ経済制裁を決議したわけでもございませんし、またその内容について合意をしたという段階でもございません。 他方、ただいま御指摘になりました朝鮮の軍事休戦協定につきましては、国際連合軍司令部の司令官と朝鮮民主主義人民共和国軍司令官、それに中国人民軍の司令官、この三者の間で合意したものでございます。したがいまして、我が国は当然当事者じゃございませんので、我が国としてこの協定を有権的に解釈する立場にはございません。 したがいまして、安保理の経済制裁、さらには進んで軍事制裁ということは現在一切話題にもなっておらないわけでございますので、経済制裁とかあるいは軍事制裁というものが仮に決議された場合にこの休戦協定にどういう影響を与えるかということについて、現段階で申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。
○清水澄子君 差し控えないでください。やっぱり私たちはみんな考える必要があるんです。 停戦協定には国連軍総司令官も署名をしている一人ですから、国連は停戦協定の当事者でしょう。当事者が自分たちからそれに違反することはできない。だから停戦協定がある以上は、ここで国連軍は武力行使をしたりそれをみずから違反することはできないのだ、このことは確認できますね。
○政府委員(柳井俊二君) 先ほども申し上げましたように、現在、軍事制裁というようなことは一切国連におきましても話の対象になっていないわけでございます。 したがいまして、そのようなことが、またこれが仮定の問題としてどういう状況でそういう軍事制裁というようなことになるのかこれも明らかでない現段階におきまして、そのようなことがこの休戦協定にどういう影響を及ぼすのか、それとの関係をどう考えるのかということにつきましては、残念でございますけれども現段階ではこれ以上申し上げることは差し控えたいと思います。
○清水澄子君 これは当然明らかなことだと思いますけれども、どうして差し控えなければならないんですか。法的にも条約的にも当然これは明らかなことだと思うんです。 一方、全くまた状況が決まらない中でも経済制裁をこうできるああできるという発表をなさる傍ら、こういう法的にはっきり、国際法上はっきりしていることについてはいつでも見解を差し控える。一体国会というのを何とお考えになっていらっしゃるのか。やはりそういう問題はしっかり認識する必要があると思います。もう一度お答えください。
○政府委員(柳井俊二君) 繰り返しになりますけれども、軍事制裁というようなことをおっしゃるわけでございますが、それがまた議題にも上っておりませんし、当然そういうことを検討する段階ではないと思います。 そのような制裁というものがどういう状況のもとで行われるかということは全く明らかでないわけでございまして、確かに休戦協定というのは存在いたしますが、それに対して将来どういう影響があるのか、仮定の問題として軍事制裁があった場合にはどうなるのかという点につきましては、その方は全く明らかでないわけでございますので、やはり現段階で具体的なことを申し上げるのは適当でないと思います。
○清水澄子君 外務大臣、六月十二日に中国の銭其シン外交部長と会談されていると思います。そこで安保理常任理事国としての中国に対して安保理を通した検討を促していらっしゃいます。これは暗に拒否権の行使を差し控えるように求めたものと私は受けとめるわけですけれども、中国も朝鮮休戦協定の一方の当事国ですね。その中国に対して休戦協定を危うくするような行動への協力を求めること自体、外務大臣は外交認識を、状況を正確にお持ちじゃない、非常に外務大臣として不適格だということを再度私は申し上げたいと思います。 柿澤外務大臣は、銭其シン外交部長との会談によって中国が北朝鮮の核疑惑問題に対してどのような方針をもって臨んでいるのか、それを明らかにしていただきたいと思います。それをどう評価していらっしゃるのか、中国の対処方針、その点について明確にお答えください。
○国務大臣(柿澤弘治君) 先ほど来大変主観的な御判断でおっしゃっておられる、不適任というお言葉がございましたが、私も日本の国の外交を預かり、そして国民の平和、生命の安全を守るために努力をしているわけでございまして、国内の争いと外交の重要性というものはぜひともこれは切り離しをいただいて御議論をいただきたい。御批判は謙虚に受けますけれども、その点はよろしくお願いを申し上げたいと思っております。 また、銭其シン外務大臣との会談の内容でございますが、私は中国に拒否権の行使をしないようにというような話は一切いたしておりません。そうではなくて、国連における議論の場に最後まで中国も協力をして、関与をして、国際社会としてどのような措置をとることが大事かということについて議論に加わっていただくことが大事だということを申し上げたわけでございまして、それについては中国は、制裁は必ずしもこの問題の解決には結びつかないというお立場を明確におっしゃっておられましたけれども、しかし中国独自の建設的な役割を果たしていきたいというふうにおっしゃっておられたわけでございまして、私の本意は銭其環副総理・外務大臣にはきちっと正確に伝わっているものと私は確信をいたしております。 それから、休戦協定の問題に触れることは全くその段階で必要はあるとは思いませんでした。というのは、今、国連で議論されていることは、第一段階の措置というのは経済制裁もほとんど含んでいない、ある意味ではほぼ警告決議に等しいような内容でございますし、第二段階で経済的な措置等についても触れられてはいるようですけれども、しかしこれも改めて国連の決議を必要とするわけでございまして、自動的に発動されるわけではありません。しかも第一段階ですら三十日の猶予期間を持ってということでございますから、ましてや軍事制裁というようなおどろおどろしいことをこの機会に日中の外務大臣が取り上げること自体が私はこの問題の解決を複雑にするという意味で決して望ましい方法ではないというふうに考えております。
○清水澄子君 私は中国の対処をどのように評価されていますかと伺ったんですよね。私自身も主観的じゃありません、客観的ないろんな状況を見ながら判断しておりますので、誤らないでいただきたいと思います。どのように評価されていますか、中国のあり方。
○国務大臣(柿澤弘治君) 中国の何に対する評価でございますか。
○清水澄子君 制裁を伴わないであくまで対話でいこうという姿勢をずっと追求していらっしゃいますけれども、そのことをどのように評価をされていらっしゃいますか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 中国は北朝鮮とは国境を接する国でございますし、また友好関係を持っている国でもあります。その意味で対話による解決というものを強く主張しておられるということは中国のお立場として私も理解できるところでございます。 ただ、先ほど来申し上げておりますように、もう一年数カ月にわたって対話による解決の努力、IAEAの査察のもとで核施設の中で抽出されます可能性のあるプルトニウムが軍事的に転用されないという検証をしていただきたいという国際社会の一致しての願いを北朝鮮側が無視して行動していることについては、中国も非常に深刻な憂慮をいたしておりました。 そして、銭其シン外務大臣が明確におっしゃっておられましたのは、中国は二つの政策を並行して追求する、一つは、北朝鮮に核兵器が誕生することは絶対に望まない、そして二つ目は、北朝鮮の平和と安定が破壊されるような行為は認めるわけにはいかない、この二つでございまして、北朝鮮の核開発疑惑に関しましてはこれを晴らすことが必要だという立場では我々と、また国際社会と認識を共通にいたしているということを改めて確認をいたしました。
○清水澄子君 最後に外務大臣にお伺いしたいんですけれども、アメリカは、やはり一方で制裁という問題も掲げながら、一方ではやはりカーター元米大統領と金日成主席の会談に見られるように米朝の直接的な交渉窓口をいろいろ模索したり維持していると思います。そして、米朝会談の再開の道をたどろうともしているわけですね。そして、韓国は当然今度は北朝鮮との南北会談に同意をしている。中国やロシアは当然北朝鮮との交渉の窓口を持っているわけで、そういう中で日本だけが何もルートを持っていないんですね、話し合いのルートを。そして、日朝正常化交渉は中断したままになっているわけで、北朝鮮との関係国の中では日本だけが直接的な交渉窓口を持っていない。 にもかかわらず、きのう、大臣はNHKの討論会の中で、北朝鮮の核疑惑の解消を見なければ絶対に日朝正常化交渉は再開しないんだ、こういう趣旨のことを述べておられるんですけれども、本当に日朝正常化交渉というのは、他の国の持たない外交の、話し合いの一つの場になる、そういうカードをなぜ、日朝正常化をきちんとやっていくというそういう交渉と同時に核疑惑の解明も進めていくという日本独自の外交の姿勢、自主性をなぜつくり出そうとなさらないのか、その点について私はどうしても外務大臣の姿勢に問題があると思います。 これを何度も私は申し上げているのは、きのうもテレビで大臣は、日朝交渉は六回目で中断していますなんて、私こういう外務大臣がいるんだなと思いました。八回目なんですよ、お教えしておきます。本当に日朝正常化交渉にいかに熱意がないか、六回目なんて言うのは、あんなに大勢の前でおっしゃっていたら本当に恥ずかしいと思う。それほどこれに一生懸命になっていらっしゃらないから私はこういう状況があるんだと思いますが、本当に先ほどから話し合いによる解決を提唱されるならば、いち早く日朝正常化交渉をどのようにこれを実現していくのか、それに大臣自身がむしろ自分自身でこの問題解決のために柱を、方針を出していただくべきだと思いますが、その点について最後お尋ねして、終わりたいと思います。
○国務大臣(柿澤弘治君) 回数等についての発言で事実に反することがあればそれは訂正させていただきます。 また、先ほど中国の方針として、朝鮮半島における平和と安定を害するようなことは望まないということについて、北朝鮮というふうに限定して申し上げたかもしれません。この点は朝鮮半島ということでございますので、その点お許しをいただきたいと思います。 それからまた、日朝国交正常化交渉、それは日本も熱意を持って取り組んでまいりました。その過程で核開発疑惑の問題についての解明も先方に求めてきたところでございますが、直接的にこの交渉が中断をしたのが李恩恵問題でございまして、先方が一方的に席を立つ、その後我々の呼びかけに対しても応じてこないという状態の中で中断状態が続いているわけでございますので、先方がそのテーブルに着くということであれば我々の方はいつでも応ずる用意がある、心を開いているということは再三申し上げているところでございます。 また、昨日の発言を言及されましたけれども、核開発疑惑がすべて解明されなければ日朝交渉に応じないということは申していないつもりでございます。そうしたものが解明され、そして北朝鮮がその問題で誠意を持って対応してくれれば日朝国交正常化を妥結に導く、再開するということではなく妥結に導く良好な環境ができるであろうということを申し上げたわけでございまして、この点について話し合いを拒むものではございませんので、この点ぜひとも御理解をいただきたいと思います。
○清水澄子君 終わります。
○委員長(井上章平君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 —————・————— 午後一時開会
○委員長(井上章平君) ただいまから外務委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、永野茂門君、角田義一君が委員を辞任され、その補欠として田村秀昭君、北村哲男君が選任されました。 —————————————
○委員長(井上章平君) 休憩前に引き続き、航空業務に関する日本国とブルネイ・ダルサラーム国との間の協定の締結について承認を求めるの件外六件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松前達郎君 きょうの午前中の質疑で、私が予定しておりました質疑はほとんど尽きているんじゃないかと。関西新空港の開設による航空機の受け入れ能力の増大、これに伴う航空協定だということだと思いますが、六カ国と一挙に結ぶ理由ですとか、あるいは他の国でどこから申し入れがさらにあるのかとか、新たに協定を結ぶ準備というのがどういうところを対象に考えているか、また同時に運航される定期便数とか、そういうことを質問したかったんですが、もう既に質疑がございましたので、これは私の方からしないことにいたします。 それで、これらの協定ずっと見まして、運航する実態を見ますと、多くの部分はいわゆるロシアの上空を飛ぶ場合が多いんですね。特に、ヨーロッパに行く場合ロシアの上空を経由していく、こういうことが多いわけなんです。これについては、先ほど航空管制等の能力の問題というのは、これはハバロフスクの航空管制だと思いますが、一遍に七機以上のコントロールができないということですから待たされることが非常に多いわけですね。ですから、それについては日本として航空管制能力を増大するための手だて、これはいろんな訓練とか機材の供与もあるかもしれません。そういったようなことについて努力をするとおっしゃったわけですから、これは大いに進めてもらわないと、協定を結んでも上空を飛べない、飛ぶのに非常に制約を受ける、こういうことになろうと思いますから、これはひとつよろしくお願いをしたいと思います。 それともう一つは、我が国の企業の航空機がその路線を使う場合と相手国の航空機が路線を飛ぶ場合、この二つの場合、これはイコールであるのが一番理想的かもしれません。ところが、どうも日本からなかなか余り興味がないような、企業として飛ばす予定が少ないような感じなんですね。これは、何かそこには大きな理由があると思うんです。例えば機材の不足の問題もありましょうし、あるいはニーズの不足もあります。ニーズの不足があるとすれば協定を結ぶ必要はないんで、その辺どういうふうに見ておられるか、これをまずお伺いしたいと思います。
○説明員(土井勝二君) お答えいたします。 ただいまの、日本の企業がどういう場合に航空協定に基づいて相手に乗り入れるか、それから乗り入れないかという点でございますが、基本的には、当然のことながら各航空企業、JALでありますとかANAでありますとか、そういう航空企業がその需要のぐあい、あるいは商売がうまくいきそうかどうかというのを判断あるいは予想いたしましてその乗り入れ計画を決める、その辺を私どもも見ながら乗り入れ計画について必要な措置を考えていくということだろうと思います。 現在のところ、日本のエアラインが実際に乗り入れている場所というのは、御承知のように北米大陸、ヨーロッパ大陸、それからアジアといった、この三つの大きな地域が主な場所でございます。その一番の大きな理由は、そこに日本人客を初めとした需要が相当規模にあるということで、それの運航が商売になるということが最大の理由だろうと思います。それ以外の地域になりますと、どうしても日本人のお客さんの需要が少ないために、少ない便数で日本の企業がやるということが、これは残念ながらコスト競争力の問題、費用面の問題もございますのでなかなか商売になりにくいと。そうなると、民間企業としてはそこに意欲が、先ほど申しましたような三つの地域におけるのと比べると少ないということになろうかと思います。
○松前達郎君 それともう一つ問題があると思うんですが、関西新空港の着陸料の問題ですね。これが世界一高いんじゃないかと思うんですが、これもやはり大きな理由になるんだろうと思うんです。これは協定ができてもなかなか皆さん飛んでこない、何も協定だけじゃなくて、協定以外の国の航空会社も含めて。これは着陸料については何か最近は議論になっていますけれども、動きはありますか。
○説明員(金澤悟君) お答え申し上げます。 関西国際空港の着陸料でございますが、昨年の十月に関西国際空港株式会社の方から国際的な航空会社の集まりでございますIATAに対しまして、トン当たり二千六百四十円、国際線の場合でございますが、これはおおむね成田の一割高というレベルでございます。この料金を提示いたしまして、その後おおむね二月に一遍ぐらいずつ交渉を行っております。既に五回交渉を終わりまして、今月の三十日に第六回目の交渉に入る予定にしております。 非常に着陸料が世界的に高いということで、多くの方面からいろいろ御批判があることは事実でございます。しかしながら、この関西国際空港は、委員御承知のとおり海上五キロに建設された、非常に環境問題のない、環境に優しい空港でございますので、結果的に建設コストというものも非常に高くなっております。ですから、そういった点について航空関係者の御理解をいただきながら、ぜひ円満にある程度話し合いがつくように我々もこの両者間の交渉、協議を見守っていきたい、こういうふうに考えております。あと七十日余でございますので、その間に議論がまとまりますように我々強く希望しておる、こういう状況であります。
○松前達郎君 高い理由はいろいろあると思いますけれども、これもできるだけ、まあ会社がつぶれちゃ困るんですけれども、できるだけ安くできるような努力をするようにひとつ指導をしていただければと思います。 それともう一つ、租税協定の問題なんですが、これについては、今あるシンガポールとの租税協定をまた新たに結び直すということですね。この中身で教育に関する問題、教授等を対象にしたもの、これは免除から除外されているんですね。それともう一つは外国税額控除というもの、これもやはり廃止されると、私はそういうふうに見たんですけれども、この理由は一体どういう理由でしょうか。
○政府委員(小池寛治君) 先生御指摘のとおり、現行条約にある教授条項というのは本協定では規定されておりません。これは、交渉の過程におきましてシンガポール側が、職業によって課税上の取り扱いを異なったものにすることについては課税の公平の観点から問題があるとして、この条項を規定することに反対したという経緯がございます。また、我が国の条約でも教授条項を規定していない協定がございますので、先方の主張を受け入れたという経緯がございます。 それから、みなし外国税額控除についての御質問ですけれども、我が国として、開発途上国に対しての経済協力という政策的配慮から、相手国から強い要望がある場合にはみなし外国税額控除を甲規定することに応じてきております。今回の交渉におきましても、シンガポール・サイドとしてはみなし外国税額控除を引き続き認めてほしいということを、みなし外国税額控除を撤廃することに強く反対した経緯がございます。 我が国としては、シンガポールの経済の発展状況にかんがみましてこれを引き続き認めることは好ましくないという指摘を行って、それで、交渉を行いました結果、これを早期に撤廃することがシンガポールに与える影響などを考えて、またシンガポールが二〇〇〇年までに先進国の仲間入りをするということを表明しておりますので、二〇〇〇年までの経過期間を付した上でみなし外国税額控除を撤廃するということで合意した経緯がございます。
○松前達郎君 経済発展の背景というものを配慮しながらということですね、一言で言いますと。 それじゃ次に移りますが、これは外務大臣にお伺いしたいんですが、最近、北朝鮮の核開発疑惑の問題が非常に取りざたされている、これはもう大変重要なことだと思いますが、どうもその中でロシアが抜けているんですよね、大体議論の中で。非常にロシアという名前が出てこない。国境も続いているし、鉄道も直通しているところですね。しかも核開発についての技術援助もやっているんだから、やはりロシアという国はある程度ターゲットというか視野の中へ入れなきゃいけないだろう。 そこで、南北朝鮮、アメリカ、ロシア、中国、日本、これらの国々による国際会議の提案をたしかロシアが行っていると思います。これはちょっと時間がかかる問題でしょうけれども、恐らくこの問題は急に解決できないと思いますが、このような提案があるということについて大臣としてどういうふうにお考えですか、これを最後にお伺いいたします。
○国務大臣(柿澤弘治君) ロシアはこの問題に常に関心を払ってきておりまして、昨年コーズィレフ外務大臣が東京へいらっしゃったときにも、日本政府からロシアの北朝鮮へのさまざまな働きかけをお願いいたしたところでございます。また、先般、韓国の金泳三大統領がロシアを訪問いたしまして、エリツィン大統領との間でいろいろ、北朝鮮の核疑惑についてはロシアとしても関心を持っているということを表明され、その点では関与はしてきていると思います。 八者会合につきましては、ロシアの提案として私どもも聞いておりますが、これにつきましては、現在、IAEA、そしてその後を引き継いで国連の安保理というものがこの対北朝鮮政策といいますか措置を議論している段階でございますので、そこへ八者会合が入ってくるということが、そうした話し合い、対話の道筋を若干二重化するんじゃないだろうか、また混乱を招くのではないだろうかという懸念がP5、国連の安保理の常任理事国等にもあるようでございます。中国へ行ったときにもその話を出しましたら、中国も、ちょっとどの段階でやったらいいのか、決して反対とは言わないけれども今すぐやるのはいかがか、こういう趣旨のことをおっしゃっておられました。今度の国連の決議の中でもアメリカは、ロシアの提案を配慮しながら適当な時期に国際会議を開くことが望ましいというようなことに触れるように聞いておりますので、適当な時期というのが大事なのではないだろうかというふうに思っております。
○松前達郎君 終わります。
○立木洋君 最初に、租税条約の問題についてお尋ねしたいと思います。 今まで外国とのこの租税条約の問題については、私どもが繰り返し問題を指摘したのは、外国税額控除制度それ自体がやはりいろいろな問題があるのではないか、特に税金逃れのメカニズムをつくるというふうな問題点からこれまで繰り返し指摘をしてきました。その中の一つとして、やはり今、同僚議員も述べられたみなし課税の問題、これが一つの問題として存在したということは御承知のとおりです。これは、期限がつけられているとはいえ、みなし課税の問題がやはり条項として依然として引き継がれているという問題があるわけです。 シンガポールはタックスヘーブンの国、地域などとして挙げられていますし、企業がこうしたタックスヘーブンを利用して国際的な租税戦略を展開するというふうなこともしばしば問題になっているところであるわけで、外国税額控除のほか、このタックスヘーブンあるいは移転価格操作などを規制して海外税務調査などを適正に行えば一兆一千七百億円の法人税増収が見込まれるという指摘もあります。 今、税収不足などが問題にされているわけですから、こうした問題についても当然大蔵省としては注目される必要があるというふうに思うわけですが、このみなし課税がシンガポールの場合に期限つきとなって二〇〇一年以降この効力を失わせるというふうにした基本的な考え方とその理由、それから、これまでほかの国と結んでいる租税条約の中で存在しているみなし課税の問題については今後どういう態度をとるのか、あるいは今後新しく租税条約を結ぶ国々に対してはどういうふうな態度をとるのか、その基本的な考えについて大蔵省の方から説明してください。
○説明員(竹内洋君) お答えいたします。 まず、先生から御指摘の点のまず第一、みなし外国税額控除についてのそもそもの問題でございますが、その点につきましてまずお答えいたしますと、みなし外国税額控除は、租税条約の規定に基づき開発途上国が減免した税額を納付したものとみなして外国税額控除の適用を認める制度でございます。これにつきましては、一般に開発途上国は自国の経済開発を促進するため、海外からの一定の投資に対して租税上の優遇措置を講じてきているわけでございまして、投資企業の本国、この場合は日本でございます、が海外で得た所得を一たん課税対象に取り込み、しかる後に海外で支払った税金を控除する仕組み、いわゆる全世界所得課税、まあ外国税額控除方式を採用しておりますと、開発途上国がせっかく減免した所得が投資企業の本国で全額課税対象に取り込まれ課税されることになると、開発途上国が講じた減免の効果がなくなってしまうという問題があるわけでございます。 したがいまして、こういう制度上の問題を解決するため、みなし外国税額控除はそうした開発途上国に対してのインセンティブを減殺しないために開発途上国側の強い要請により租税条約で認められているものでございまして、そういう体系のものでございます。 御指摘のシンガポールとのみなし外国税額控除制度でございますが、先生御指摘のようにタックスヘーブンとも言われているシンガポールになぜ認めるのかということでございますが、シンガポールとのみなし外国税額控除制度で申し上げますと、相手国が自国経済の開発の促進のために導入している措置を対象としているものでございまして、実体のないいわゆるぺーパーカンパニーにも認められるような措置は対象としておりません。 それからまた、タックスヘーブンについても御言及がございましたけれども、タックスヘーブン税制は、いわゆる租税軽課国に子会社等を設立してこれを利用した税負担の不当な軽減を図ろうとする租税回避行為を対象とすることを目的としておりまして、その子会社等が実体を有している場合等には適用されない、シンガポールで実業を行っている場合には適用されないということでございまして、したがいまして、タックスヘーブン税制による規制の対象とすべき子会社等にみなし外国税額控除が適用されるというようなことは問題ないということでございます。 次に、シンガポールとの間のみなし外国税額控除につきまして、シンガポールはもはや開発途上国ではないではないか、したがってみなし外国税額控除制度を認める必要がないのではないかという問題でございますが、先ほど外務省の方からもお答えいたしましたように、シンガポール経済の実情、すなわち一人当たりGNPが私どもがみなし外国税額控除を認めております世銀卒業基準を大幅に上回るような経済の発展が進んだ状況でございますので、今回のシンガポールとの新しい租税協定ではみなし外国税額控除を西暦二〇〇〇年をもって廃止することといたしまして、我が国が従来供与していたみなし外国税額控除を初めて廃止するものでございます。 最後に先生からお尋ねがございました今後のみなし外国税額控除制度についての考え方でございますが、まず、基本的には世銀卒業基準に該当するかどうかという客観的基準をメルクマールといたしまして、新規の租税条約を結ぶ際にはみなし外国税額控除制度を導入するかどうかについて考えていきたいと思っております。 もちろんこの世銀卒業基準というのは単なる客観的メルクマールでございまして、例えば今回のシンガポールとの交渉などのように、シンガポールが都市国家であるために単なる世銀卒業基準では非常にGNPパーキャピタが大きく出てしまうというような国もございました。また一方では、物物経済が発達しておりまして、その世銀卒業基準という単純メルクマールでは所得が小さ過ぎに出るというような国もございます。いずれにいたしましても、この客観的基準を一つのメルクマールとして新規の条約を結んでいきたいと思っております。 なお、既にこの世銀卒業基準をもってすればみなし外国税額控除を認めるには適当ではないという国も出てきておりますので、将来の条約改正構想の機会があった際には、このシンガポールの廃止を第一号といたしまして、我々の交渉の過程の中でみなし外国税額控除制度の廃止について取り上げていきたいと思っております。
○立木洋君 この問題、これまた討論すると何回も繰り返しになるからこれ以上言いませんけれども、しかし、みなし制度をどう見直すかという根本的な問題ではやっぱり問題が残っていると僕は思うんですよ。その問題については今度改めて次の機会にやりたいと思います。 今、日本の政府の問われている重要な問題の一つに核兵器の問題があると思うんですね。これは午前中からいろいろ問題になってきましたように、いわゆる北朝鮮の核開発疑惑にどういう態度をとるのか、あるいは中国の核実験に対してどういう態度をとるのか、さらには核兵器の使用という問題が大きな問題になりましたけれども、これにどういう態度を政府がとるのか、あるいは日本が憲法とのかかわりで核兵器の所有という問題についてどういう態度をとるのか、これらの問題というのは、改めて今、日本政府が核兵器の問題で鋭く問われている一連の問題だと私は考えるんです。 これらの問題を見てみますと、政府の対応あるいは施策、これが必ずしも私は整合性を持っていない、一体何を基準にそれぞれの問題に政府がこれまでとったような態度をとるのかということは、それぞれやっぱり厳しく問われなければならない問題点があるんじゃないかと私は思います。 そういう見地から幾つかお尋ねしたいんですが、先般の国際司法裁判所に対する、核兵器の使用は必ずしも違法とは言えないという陳述書の内容ですね。これは文言を削除されました。しかし、その考え方を変えたわけではないというふうに政府は述べられているわけですが、これはどういうことなんでしょうか、大臣。
○国務大臣(柿澤弘治君) 政府は、この陳述書を検討を始めました段階から、実定国際法上違反と言えるかどうかという法理論の問題、法解釈論の問題と、また将来にわたって核兵器を廃絶しなければならないという政策論の問題と、両方をこの陳述書に織り込もうという方針で検討してまいりました。法理論の問題については実定国際法上違反と断定した形の実定法というのはございません。まあ国連憲章その他の解釈によっては違反という考え方をとっていらっしゃる方もございますけれども、そういう意味で違反とは言えないという文言を加えた案を検討していたところでございます。 しかし重要なところは、しかしながら国際法の基盤にある人道主義に反する、したがって日本政府としては核廃絶に向けて今後とも努力をしていくというふうにあったつもりでございますが、世間の注目が実定法上違反と言えないというところに集中され誤解を受けるということで、委員の御意向等もお伺いした上で削除することにいたしたわけでございます。 ただ、この実定法上違反と言えるか言えないかについては、依然としてやはり国際的に問題になっているところでございますので、その点で政府としてそこは断定をここではしていないということを申し上げているところでございます。
○立木洋君 国際法上という意味で若干お尋ねしたいんですが、セントペテルスブルグの宣言、一八六八年の宣言は、これは戦争法の原則として定められた内容ですね。そういうのに基づいてハーグの条約、さらにはジュネーブ諸条約の追加議定書が出されてきたわけですが、そういう国際条約の中でどのような兵器が禁止されているんでしょうか。禁止されている兵器についてお述べいただきたい。
○政府委員(丹波實君) 伝統的な戦時国際法の世界の中で、確かに先生おっしゃったようなセントピータースブルグ宣言、これは一八六八年でございますけれども、以来、個々の害敵手段を制限するため、あるいは一般的な基準を定めるための条約がたくさん締結されてきております。 先生、今個々の具体的なことをお求めでございましょうか、全部を挙げると先生のお時間をとってしまいますので……
○立木洋君 主要なものだけ。
○政府委員(丹波實君) 主要なものを挙げさせていただきますと、例えば一八九九年の例のダムダム弾禁止宣言というのがやっぱり有名なものだと思います。それから、一般的な基準を定めたものとしては、今、先生も挙げられた一九〇七年のハーグ陸戦法規、これは特に……
○立木洋君 丹波さん、申しわけない。それだけでも大分長くなるんです。あなた、朝日新聞で言ったのがぴしゃっとしているでしょう、朝日新聞のインタビューであれを述べたらいいじゃないですか。どういう原則が確立されているんですか。
○政府委員(丹波實君) わかりました。失礼いたしました。 ですから、この問題を考えるに当たりましては二つのことが基準に考えられておりまして、一つは戦闘手段の軍事的効果、それからもう一つは人道の原則のバランスということに立っていろんな規制が行われてきているわけですが、典型的なものを今の先生の御指示によって挙げますと、今世紀の初めに作成されました毒ガス兵器の使用禁止に関する幾つかの国際約束、それからただいま申し上げたダムダム弾禁止に関する国際約束、あるいは一九二五年のいわゆるジュネーブ議定書、これは毒ガス、細菌学的手段の禁止に関する国際約束ですけれども、それから近年では一九七二年の生物兵器等の開発、生産、貯蔵の禁止に関する条約、あるいは一九八〇年の過度に障害を与えまたは無差別に効果を及ぼすことがあると認められる通常兵器の禁止に関する国際約束等がございます。
○立木洋君 陸海空の戦闘すべてに関して、過度の障害や無用の苦痛を与える兵器の使用禁止は、一般的には国際慣習法として確立された原則であるという点は間違いございませんね、丹波さん。
○政府委員(丹波實君) この点につきましては、一般国際法上、慣習法として確立された原則であると思います。 しかしながら一言つけ加えさせていただきますと、具体的に何が不必要にまで苦痛を与える兵器に含まれるかという点については種々の議論がありまして、国際社会の合意は、先ほど挙げましたような特定の兵器を具体的に規制しない限り規制の対象にはならないというふうに考えられる方もあるということを、あわせて申し上げさせていただきたいと思います。
○立木洋君 国際法上、過度の障害や無用の苦痛を与える兵器の使用は禁止されている、これはあなた自身も認めたわけです。それならば、ここで言われている過度の障害や無用の苦痛を与える兵器に核兵器は該当しないのかするのかという問題は、あなたが後段に述べた点だと思うんだけれども、そういう過度の障害や無用の苦痛を与える兵器に核兵器が該当するのかしないのか、その点をあなた明確に、簡単にで結構ですから。
○政府委員(丹波實君) 過度の苦痛を与える兵器を使用してはならないという考え方は確立されておりますが、それではどういう個々の害敵手段がそれに該当するか、したがって禁止されねばならないかということにつきましては、国際法の世界では個々の害敵手段を特定して条約的な措置がとられてきておる。 核兵器につきましては、残念ながら今日の現実の国際法の世界の中ではそのような措置は今日までとられてきていない。したがいまして、単に類推によって核兵器が、以上先ほどから先生と私の間で幾つかの条約の名前が挙がっておりますが、その中に入っているということを類推するのは不適当であるというのが一貫した私たちの考え方でございます。
○立木洋君 あなたは国際法というのを非常に矮小化していますよね。いわゆるセントペテルスブルクの宣言から出されてきたいわゆる戦争という行為があっても、どういう種類の兵器をなぜ使ってはならないのかという形で人類の英知というのがつくられてきたわけでしょう。だから、最初はいわゆる無用な苦痛を与えるだとか無差別な障害を及ぼすだとかというふうなものが一般的に禁止された。それが個々の段階に発展してきて、ダムダム弾になり毒ガスになり生物兵器になって使用が禁止されるようになったわけです。核兵器が登場してすぐ核兵器の使用禁止にはならないというのはこれは当たり前のことなんです。 私が言いたいのは、いわゆるさっき言ったハーグ条約の中のマルテンス条項ではっきりされているのは、明文の慣習に反して人道の法則及び国際法の原則に反するのはたとえ法規に明文がなくても禁止されるというふうにこの陸戦ノ法規慣例二関スル条約では明確になっているでしょう。だから、明文がなくても禁止されるんですよ。国際法というのをもっとあなた広く考えないといけない。いわゆる戦争中における国際法というものはどういうものなのか。名指しかなくたって、いわゆる純粋な実定国際法上なんていうような二重三重に形容詞をつけたってだめなんですよ。何のためにいわゆる戦時における国際法の原則がつくられたのか。だから、このマルテンス条項に比したってあなたの言い分は私は成り立たないと、どうですか。
○政府委員(丹波實君) この点につきましては私は必ずしも先生のお考え、お立場に賛成はいたしませんけれども、しかし先生には少なくとも一貫性がある、ずっと昔からそういう同じ立場をとっておられる。昨年の十二月でございますか、先生はまさにこの問題につきまして質問主意書を出しておられまして、私たちの考え方はまさに閣議決定した上で先ほど大体私が述べましたことを簡単に回答しておることも先生御承知で、全部そういう問題を御承知の上で再び問題提起をしておられると思います。 私どももちろん核兵器はもう廃絶されるべきだと、そういう方向に向かっていくべきだという点については全く先生と同意見でございますが、あくまでもそういう政策論、あるべき論を離れて、現状の国際法上はどうかということを申し上げているんで、決して国際法を私は、矮小と言われましたか、そういうふうに考えているつもりはございません。いろんな文献、いろんな書類を読んでいろいろ国際法を見た上で申し上げているんで、日本の例えは国際法学会で大御所と言われる横田喜三郎先生、それから高野雄一先生の本を見ても、横田先生は次のように述べておられるわけですね。「原子爆弾はたしかに被害が大きく、残酷なものであり、人道に強く反する。しかし、他方で、その軍事的効果が大きく、非人道的であるというだけで、国際法上で禁止されるとはいいえないであろう。」、また高野先生も「使用の方法、態様によって交戦法規上違法となるというべきだが、一般に核兵器使用が当然に違法とはいえない。そこに核兵器禁止の努力と連動の意義があり、その重要性がある」ということを述べておられまして、決して国際法を矮小に解釈したから私たちの政府の考え方が出てくるということではない点についてもぜひ御理解いただきたいと思います。
○立木洋君 これは本当に何日間あなたとしゃべったって結論が出そうにないから、これはここでちょっと打ち切りますけれども、ただ、政策上の問題として核兵器の使用は禁止されるべきであるという点についてはどうですか、大臣。
○国務大臣(柿澤弘治君) これは政治論であり政策論でございますから私からお答えをさせていただきますが、残念ながら米ソ対立の冷戦構造の中では、それぞれの両大国が大量の核兵器を持ち大量報復能力を持って戦争の抑止力としてきたという事実があったことは、これは否めない事実であったかと思います。しかしながら、現在冷戦構造が終えんに向かい、その意味では米ソの間でも核削減のスタートが切られたということは新しい時代を私たちは迎えていると思っております。その意味では核廃絶に向けて好ましい環境が出てきた。その中で日本は広島、長崎の経験をもとにして、この核廃絶のために先頭に立って努力をする責任があると私は考えます。 ただ同時に、一方では米ソ両大国以外の国が核兵器を保有する、もしくは保有したいということで努力をしている。この核拡散が現実化してしまいますとこれはもうとめどもない核使用の可能性が出てくるわけでございます。その意味では核不拡散体制をしっかり守っていく、そしてその中にある非相称性といいますか、持っている者と持たざる者との不平等性という言葉を使ってもいいかもしれませんが、そういうものを是正していくこともこれは我々の責任であろうかと思います。 それから既に核兵器実験の停止条約が議論をされておりますが、そういうものの実現のために努力をしていくということで、着実に現実的に核廃絶に向かって進んでいくことが必要であろうと思っております。
○立木洋君 核兵器の使用はやっぱりされてはだめなんだと、禁止されなければならないんだという考え方だとおっしゃるんですね。 今までそれなら国連総会で核兵器の使用の禁止に関する条約というのは何本土程されてどういう結論になっていますか。端的にお答えいただきたい。
○政府委員(林暘君) 今のお尋ねは核兵器禁止に関する決議が何本今まで出され、成立したかというお尋ねだと思いますけれども、核兵器の禁止に関する決議といえばいろいろな種類のものが含まれておりますけれども、概括的にいわゆる核不使用決議ということについて申し上げますと、一九六一年から九三年までの間に、これは毎年ではございません、最近では毎年になっておりますけれども、二十二本の決議案が表決に付されていずれも採択をされているという状況でございます。
○立木洋君 私が計算すると三十五本あるんですよね。これは核兵器の使用禁止に関する条約、あるいは核保有国に対してすべての核兵器の先制不使用宣言を求める決議を内容とするいわゆる核不使用と核戦争防止の決議だとか、それから核中性子兵器禁止の決議だとか、いろいろあります。それからその条約を締結するための会議開催に関する決議だとか、これ全部挙げると三十五本あります。これは全部採択された。 ところが日本政府が賛成したのは一九六一年のただ一本ですね。あと全部反対しているか棄権しているんですよ。使用は禁止されるべきだという政府がそういう使用を禁止することを内容とした国連の決議になぜ棄権だとか反対をするのか。口では使用を禁止するという立場は政策的にはとっていると言って、いわゆる国際法上は禁止されていないと。私は詭弁だと思うんですよ。政策に一貫性があるならば、丹波さん、私に一貫性があると言うなら、そうです、私、日本共産党は一貫性を持っていますよ、核兵器は。最初から禁止すべきだと。だけど最初に賛成していたのがなぜ棄権に回ったり反対に回ったりしたんですか。その理由を端的に述べてください。
○政府委員(林暘君) 今御指摘のとおり、一九六一年の決議について日本は賛成をいたしまして、その他のものについては棄権ないし反対をいたしております。 一九六一年の決議について賛成いたしましたのは、そこにありますようなまさに核の惨禍を防止しなければならないという、そういう道義的な立場を踏まえて賛成したわけでございますが、その後の、今、先生御指摘のとおり核兵器の使用禁止だけではなくていろいろな種類のものがございますので一言では申し上げかねますけれども、例えば一九六二年以降の同様の決議に棄権をいたしましたのは、決議の内容がどちらかといえば核兵器の使用禁止条約を署名するための特別会議の招集に重点を置いた決議であるという、そちらの方に重点が置かれているということで棄権をしているわけでございます。 それから反対をした決議が、例えば核使用禁止の決議で八〇年と八一年に反対をいたしております。これはそのときの投票の……
○立木洋君 それ以後もある。
○政府委員(林暘君) それ以後のものは、これは先制不使用の方の決議でございまして、これについては御指摘のとおり反対をいたしております。
○立木洋君 大臣、核兵器の使用ということは国連憲章の見地から見てはどういうことになりますか。国連憲章では許されるのか、つまり国連憲章ではそういうことはなじまない、許されない、核兵器の使用というのは。国連憲章からの見地でどういうふうに判断されますか。
○国務大臣(柿澤弘治君) 先ほど申しましたように国際法の精神である人道主義というのには反するという意味では国連憲章の精神には反すると思いますが、明文上の規定はございません。
○立木洋君 日本政府は、核兵器の使用は国連の精神及び字義、目的に反し、したがって国連憲章に反するという決議文に日本政府は賛成しているんですよね。その後これに反対した理由は先ほど言いましたけれども、核兵器の使用は国連憲章に反するということは明確に日本政府はそういう考えだということでいいんですか。明確にしておいてください。
○国務大臣(柿澤弘治君) 国連憲章の精神には反するということは一貫した日本政府の考え方であったと思います。 ただ、先ほど申しましたように、その後米ソの冷戦構造というものが深まりまして、その中での大量報復という核抑止力というものに世界の平和、平和も恐怖の平和でございますが、これに依存していたという現実をやはり無視するわけにはいかないのではないか、その点をぜひ御理解をいただきたいと思っております。
○立木洋君 一九六一年の核兵器の使用禁止宣言については日本政府は賛成し、そこでは国連憲章に反するという文言になっているわけですけれども、それにも賛成をされている。岡崎代表はこれが採択されたときに、「わが代表団は、あらゆる手段を用いて、核戦争の惨禍が人類にふりかかるのを阻止することが必要と信じ、核兵器使用禁止案に賛成投票を行なう。同案が採択されれば、それは核軍縮の分野における現実的かつ具体的進展のため好影響を与えるであろう。」と述べた。 その明くる年、六二年から今度棄権に回っているわけですね、会議の開催の日を決めるという内容については。それから、一九八〇年代以降になってくると、核兵器不使用及び核戦争防止の決議、この決議に対しては日本はずっと反対になっている。その反対の内容を見ると、結局、核兵器の保有国が先制不使用の宣言をすべて行えという内容になっているわけですね。つまり、中国とソ連が先に私たちは核兵器を使いませんということを宣言した。それを受けてアメリカも含めてすべての核兵器保有国は核兵器の先制不使用宣言を同様に行いなさいという決議に日本政府はずっと一貫して反対をしてきている。つまり、アメリカの政策に、態度に同調して反対をしてきた。 アメリカの合衆国海軍指令六百十三条を見ますと、「現在のところ国家の戦争における核兵器の使用を明示的に禁止する国際法規はない。明示的禁止がない場合は、敵の戦闘員及び他の軍事目標に対する核兵器の使用は許される」と明記されているんです。 この立場を大臣は容認されますか、反対されますか、アメリカのこういう主張を。端的に。
○国務大臣(柿澤弘治君) 道義的には私どもは奨励さるべきことではないと思っておりますが、先ほど来申し上げておりますように、通常兵器におけるソ連の巨大な力を前にした米軍としては、それに対する抑止力としての核の使用の可能性というものを全面的にギブアップすることはできなかったのではないか、そこにやはり軍事戦略的な問題点があったというふうに理解をいたしております。
○立木洋君 国際法上いわゆる核兵器の使用が禁止されているという見解をとる人とそうでない人とがいる、議論があると丹波さんが言われた。日本の政府はその議論の側で禁止されていないという側の立ち場をとっている、これは解釈の問題として言われるけれども。しかし、根本的にはそれは日本政府の立場と政策と関連しているんですよ。問題は、核兵器の使用を禁止するというならば、国連においてもどこの場においても一貫してそういう立場をとるべきだ。なぜそれを棄権だとか反対だとかいう態度をとるのかという問題が第一にあるでしょう。 これは解釈の問題だけではないんです、核兵器の使用の禁止の問題というのは。国際法上どうかという問題については、そういうふうに核兵器の使用を禁止するという国際法を、ないと言うならそれを実現する努力をするのが核兵器の使用を禁止するという立場をとる最も公正な立場ではないかと私は思うんですよ。 そういう点から、今後国連でこの問題が問題になったときに、明確に使用禁止については賛成の立場をとるのかどうか、それともこういう問題について使用禁止するというならば国際的に日本政府は使用禁止するという立場に立って現実の行為として努力をするのか、その点だけ明確に二点、大臣にお答えいただきたい。それが明確でないと、先ほど言った使用禁止というのはまやかしになるということになるので、一貫性ある態度を明確に、最後に述べていただきたい。
○国務大臣(柿澤弘治君) そうした方向で努力をいたしたいと思いますが、それが実現するためにはやはり米ロの核軍縮がさらに進んでいくこと、また、核不拡散が、今後核査察体制が維持されていること、そうした条件が整っていくことが同時に必要であろうかと思います。 日本政府としては、そうしたものに努力をしながら、今、立木委員がおっしゃった方向で行動できるように努力をしていきたいと思っています。
○椎名素夫君 大変時間も限られておりますので一つだけ伺いたいんですが、総理大臣が十八日、街頭演説を錦糸町でなすった。その中で、本当は私は北朝鮮は核兵器を持っていないと思う、つくろうとしてもいないと思う、こうおっしゃったわけですが、もしこういう認識ですと、今、北朝鮮についていろいろと大騒ぎをしているのは全部空騒ぎだという話になりますね。 そうなると、もし総理のこの認識が政府の認識だとすると、国連にしてもアメリカにしても韓国にしても、あるいは制裁などについては幾分慎重にすべきだというような慎重な態度をとっているロシアにしてもあるいは中国にしても、やっていること、それから一年数カ月に及ぶさまざまな交渉、カー夕ーさんがわざわざ出かけていったこと、これ、みんな空騒ぎだという話になってしまって、どうも日本政府の言っていることやっていることすべてが不可解だという話になってしまうと思うんです。しかし、それにもかかわらず、先ほどもお話がございましたように、あるいは制裁というようなことがあるかもしれない、非公式の米韓との協議はなさっているということですから、素直に考えると何が何だかわからぬという話にこれはなると思うのであります。 一体この総理の御発言には何か根拠があるのか。どうも、どういうようなことでこれを解決するかというような解決の方法についてはさまざまな議論が現にあるわけですけれども、そもそも解決すべき問題もないということを言ってしまうと何のためにやっているのかわからぬし、それから、もしそう思っていらっしゃるとすると、しかし何にも問題はないんだけれども世界じゅうで騒いでいるからつき合うかということでやっているのかという話になりゃせぬかと思うんですね。 この総理の御認識が政府の認識であるかどうか、これははっきりと伺っておかないといかぬと思いますので、この質問一つだけを伺いたいと思います。
○国務大臣(柿澤弘治君) 今、椎名委員御指摘の総理の御発言は街頭演説において行われたものでございますので、その文脈等、必ずしも明確ではございませんが、政府といたしましては、北朝鮮が核兵器を保有しているかいないか、また保有する意図があるかないかについては、明確に確認できるだけの十分な情報を持っていないという立場でございます。 しかしながら、つけ加えておきますと、六月二日のIAEA事務局長から国連事務総長あての書簡の中では、IAEAの事務局長は明確にこう述べておられます。保障措置の対象である核物質に関する北朝鮮側の申告ぶりとIAEAの分析結果の間に不一致があることが明らかとなり、グラム単位であれ、キログラム単位であれ、IAEAに対して申告された以上のプルトニウムが過去に精製されていたことが示唆されたと、IAEAの事務局長は明確に述べていらっしゃるわけでございます。この点は、日本政府としても念頭に置かなければならないことだと思っております。 したがって、キログラム単位のプルトニウムが精製され、貯蔵されているとすれば、これは核兵器の生産につながるものでございますので、この点については我々としては重大な懸念を持っているということでございます。 ですから、この北朝鮮の核兵器開発疑惑というものは、決して我が国に無関係のものではなくしばしば申し述べておりますように、北東アジアの安全保障にとって重大な懸念材料であり、また我が国の安全保障にとっても重大な懸念の材料であるということを申し述べ、その意味でも国際社会としてそうした疑惑を解明し、そして北朝鮮が核兵器を精製、製造、所有しないような形でIAEAの査察が完全に行われることを求めるという姿勢で努力をしているわけでございます。 この羽田総理の街頭演説の内容は、私もつまびらかにはいたしませんが、北朝鮮は核兵器を完全に持っているかどうかについては疑問がある、まあプルトニウムを抽出しているということとそれが兵器になっているということとは、もう一段階ございますので、そうした点をお話しをされたのではないか。また、つくろうともしていないと思うというのは、金日成主席が再三にわたって、自分たちはつくるつもりはないとおっしゃっている言葉を真実のものとして理解したい、そう期待したいという趣旨のことを申し述べられたのではないかと思っておりまして、我が国としては、公式には北朝鮮が核を持っているか持っていないかについては明言できる立場ではない。 ただし、IAEA事務局長の書簡で明確に規定されておりますように、何らかの量のプルトニウムが既に抽出されているという事実だけは否定できない。この点は認識をしなければならないのではないかと思っております。
○椎名素夫君 核兵器が既にあるだろうとか、つくるつもりでいるだろうとかいうような話を言っているんじゃないんですが、だから疑惑というんでしょう。だけれども、それを前提にしてみんなが一生懸命働いているときに、今、総理をかばってさまざまた言いわけをされましたけれども、こういう重大なことで余りいいかげんなことをおっしゃらないようにぜひ御注意を願いたい、これだけ申し上げておきます。
○委員長(井上章平君) 他に御発言もなければ、七件の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○立木洋君 私は、日本共産党を代表し、シンガポールとの租税条約に反対の討論を行います。 反対の第一の理由は、企業の海外進出はバブルがはじけた後も依然として高い水準で推移をしております。これは国内での不況を理由に大企業が一層の利潤追求のため行うもので、より大きな利潤のために海外に進出して得た所得に内外格差をなくすこと自体が企業の利益を優遇するもので、必要のない優遇税制であるという点であります。 第二の理由は、日本の国内産業の空洞化は重大な社会問題であります。また、進出先の国での産業の育成にも十分な注意が必要である。これらに対して税制による規制などが重要な施策となります。条約の実施によりこうした施策自体が規制されることは問題があるという点であります。第三には、税制として正当性のない優遇であるみなし外国税額控除を期限つきとはいえ引き継いでいるということは、租税条約としての欠陥であり、国民の利益に反するものであるという点であります。 以上、反対の理由を述べて討論を終わります。
○委員長(井上章平君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。 まず、航空業務に関する日本国とブルネイ・ダルサラーム国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(井上章平君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、航空業務に関する日本国政府とモンゴル国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(井上章平君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、航空業務に関する日本国政府とハンガリー共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(井上章平君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、航空業務に関する日本国と南アフリカ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(井上章平君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、航空業務に関する日本国とジョルダン・ハシェミット王国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(井上章平君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、航空業務に関する日本国政府とヴィエトナム社会主義共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(井上章平君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(井上章平君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、以上七件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(井上章平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時五十九分散会 —————・—————