労働委員会 第5号
- 発言数
- 98 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1994/06/10
会議録
○松岡委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、参議院送付、障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤城徳彦君。
○赤城委員 おはようございます。障害者の雇用の促進等に関する法律に関しまして御質問させていただきます。 まず、障害者の雇用の現状でございますが、先般の法案の趣旨説明にもございましたけれども、法定雇用率一・六%に対して実雇用率一・四一%、まだまだということでございます。この一・四一%も、よく見てみますと、前回の法律改正でカウントの仕方を変えておりますので、重度の精薄者のダブルカウント、あるいは短時間の重度身体障害者または重度精薄者がカウントに加えられたということで、実際にはその分見かけ上の増し分がある。あるいは、分母に当たります常用雇用労働者数、これが不況の影響で余り伸びていない。そういう意味では、この一・四一%という数字自体相当割り引いて見なければいけないのじゃないかと思いますけれども、その点の数字的な背景はどうなっていますでしょうか。
○七瀬政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、一つは、分母となります常用労働者全体の伸びが余り伸びていないということもございますし、それから、おっしゃいますように、ダブルカウント制度で数字が上がってきているということもございますので、雇用率の上昇がそのまま障害者雇用の絶対数の拡大を意味するものではないと思います。 ただ、平成五年度の調査におきましても、分母の常用労働者数の伸びが一・二%となっているのに対しまして、障害を持っておられる方々の実数の伸びが三・五%ということでございますので、厳しい雇用状況の中でも、労使の皆さん方に障害者の雇用に非常に御努力いただいているということは言えるのではないかと思っております。
○赤城委員 全体として法定雇用率にどのくらい近づいているかというのは一つの政策目標であるのですけれども、やはり大事なのはその中身で、どういう障害者にどの程度雇用が進んでいるかということになると思うのです。 さらに、その中身を検証してみますと、重度の身体障害者の就業率が大体三三%、三人に一人、一般の身体障害者では四三・七%ですから、やはり重度の身体障害者はまだまだおくれている。それから、精神薄弱者はまたさらに深刻でありまして、精神薄弱者の雇用数に占める重度の精神薄弱者が九・七%、精神障害者については特に数字的なあれはありませんけれども、これもまだ雇用が進んでいないと聞いております。 前回の法改正では、まさにこういうところに焦点を当てて、重度の障害者を中心として、また、特に精神薄弱者や精神障害者をこの法律対象に加えるということで、広く障害者全般を法目的にして雇用の促進を図ろう、こういうことだったのですけれども、この数字を見ましてもなかなか改善が見られていないのじゃないか。そういう意味では、カウントだけ割り増ししてみてもだめなのであって、本当にそこら辺の雇用がどう進んでいるのか、それを教えてください。
○渡邊(信)政府委員 今御指摘いただきましたように、前回の法改正によりまして、特に重度の方の雇用促進を目指そうということで努力をしてまいりました。 今おっしゃいましたが、重度の方の就業の実態を見ますと、まだなかなか立ちおくれが見られるという状況でありますが、重度の方の就業者数も年々ふえてきてはおります。ただ、大変不十分でございますので、今回の法改正によりまして、特に、さらに重度の方の雇用促進を図るためにきめの細かい対策が必要ではないか、こういったことで今回提案をお願いしております。
○赤城委員 細かく見ていきますといろいろ問題が出てくるのですけれども、もう一つは企業の規模別でありまして、千人以上の大企業で見ますと雇用率一・三%、中堅というのですか中小で、六十三人から九十九人の規模で二・二%。ですから、本来でしたら、その社会的責任から見て、企業の規模が大きくなるほど、大きな企業というのはそれなりに障害者の雇用ということに対してもっと理解があっていいのではないかと思うのですけれども、数字の上ではむしろ大企業ほど雇用が進んでいない。 そこで、企業の障害者雇用に関する計画を出させて、それについて勧告や指導をする、それでもなかなか進んでいないところに対して公表するということで、平成四年、四社について公表したわけですね。調査したのが大体二百二十社、計画提 出させたのが二百二十社ありまして、そのうち特に雇用が進んでいないというところについて公表した、こういうことなんです。 このことでかなり障害者の雇用が進んだというふうに聞いておりますが、どういう基準でこの対象企業、二百二十社を特にこの公表対象ということで計画提出させたということなんですけれども、企業はこれほどたくさんありますし、まだまだそこら辺厳しく指導していかなければならないような企業もあるかと私は思うのですが、どういうふうな経緯で対象企業を選出して、また公表に至ったのかというところを教えてください。
○渡邊(信)政府委員 現行の法律の中に、雇用率の達成の低い企業については雇用の計画をつくるように命令を労働大臣が出しまして指導する、達成率のどうしても低いところは最終的には公表するという制度がございまして、今お話のありましたように、平成四年におきましては四社を公表したわけでございます。 現在、雇用率が一・六ということで、その半分程度ということで〇・八%にも達しないところに計画作成命令をかけておるわけでございまして、これに基づきまして、何年かかけてこの計画を達成してもらおうということで指導しておりますが、その計画を出してもらってもどうしても達成が進まないというところについて最終的には公表する、こういう手続でやっております。 〔委員長退席、大石(正)委員長代理着席〕
○赤城委員 法定雇用率一・六の半分にも達していないところという基準ですから、そのぐらいの数になるのかと思うのですけれども、実際には、一・六に対して例えば大企業で言うと一・三だ、まだまだおくれているとか、そういうところが一番問題なところで、本当に悪いところもさることながら、あともうちょっと伸ばしてほしいところ、もうちょっと対象が広がってもいいのではないかと思うのです。さらに、企業の規模別あるいは業種別もありますね、製造業とサービス業とか、それから障害者の種類別、程度別、そういうところをきめ細かく対応していただきたいと思うのです。 さらに、特に現下の不況、これもいろいろな面で雇用に対して影響を与えておりますし、障害者についてもそのしわ寄せというのがあるのではないかと思うのです。これは厚生省の方の数字だと思うのですけれども、身体障害者の就業率は昭和六十二年から平成三年にかけて相当上がっておりまして、二九%から三四・一%。 ところが、このときの新聞記事か何かで、なぜ上がったかの理由として、特に自営業者が高齢化して障害を持った、新しく障害者を雇用したのではなくて、既に働いている人が高齢になって障害を持った例が多いと。それから、調査時点が平成三年ですので、好景気で雇用が伸びたという面があるのではないかと言われております。これの新しい調査がまだ出ておりませんが、今現在では、かなり不況の影響が平成三年から今日には出ているのではないかと思います。 別の数字で見ますと、有効求職者数、平成五年から六年にかけて障害者の中の求職者が一万人も増加していて、七万千百五十七人。そういうことから見ますと、かなり不況の影響が出ているのではないかと思うのでありますけれども、そこら辺はどうでしょうか。 〔大石(正)委員長代理退席、委員長着席〕
○渡邊(信)政府委員 その点につきましては今御指摘のとおりでございまして、障害者の方につきましては、安定所に登録をしましていろいろときめの細かい職業紹介、職業相談をするというシステムにしておりまして、新規の求職者が出ますと累積をしていくわけであります。 安定所に現在登録をしておられる障害者の方は、平成四年度末で六万一千人でありましたが、五年度末では七万一千人ということで、約一万人増加しております。これは、新規の障害者の求職がふえると同時に新たに就職をされる方が少ないということで、絶対数としてふえてきた、こういうことになっていると思います。
○赤城委員 今までいろいろな側面からこの一・四一の中身を見てきたのですけれども、やはり障害者の雇用を促進する、これを法定雇用率まで引っ張っていくというのは施策の目標であって、実際にどのぐらい雇用の目的が達成されたかというのは、いろいろなところから光を当ててみなければいけない。 今までいろいろ申し上げたわけですけれども、障害者がまずどういう障害を持たれているか、その程度はどうなのか、あるいはそれを受け入れる企業は業種別、規模別でどうなのか、そういったところをいろいろな側面から光を当てつつ、最後には、障害者が健常者と同じように能力とか意欲に応じて就業ができる、社会で活躍できる、そういうところを目指していかなければいけないわけですけれども、今までの数字を見ますと、まだまだそれには到達していないのではないか、大変厳しいと私は思いますけれども、大臣、どういうふうに見られますか。 〔委員長退席、宮本委員長代理着席〕
○鳩山国務大臣 赤城先生がただいま話された部分が最終的に一番重要なことでございまして、それをノーマライゼーションというふうに表現するのでありましょうか、あるいは文部省的な世界、教育の世界ではインテグレーションというような表現もされるようでございまして、障害者の方が健常者の皆さんとある意味で言うと同等に、違和感なく暮らすことができる、一緒に勉強をすることができる、そして一緒にそれぞれ生きがいを持って仕事をすることができる、そういう社会をつくっていくことは我が国家の大きな目標の一つであることは間違いがないと思います。 そして、今回のこの障害者に関する雇用促進法もその最終目的はそこにあるわけでございまして、例えば法定雇用率が一・六である、六十三人に一人障害者を雇っておればいいんだ、法定雇用率を達成していればもう万々歳、おれたちは責任がないんだというような感覚で日本のあらゆる企業が歩んでいけば、私は、ノーマライゼーションという崇高な理想は達成することができないだろうと思うわけでございます。 先生御指摘のように、いわゆる後天的というのでしょうか、特に交通事故等で新たに身体障害者になっていかれる方が多い、そういう方が就職するから率が上がっているのじゃないかという先生の御指摘も全く正しいことと思います。それぞれのいろいろなケースがあろうと思いますけれども、要は、先ほど既に御指摘がありましたが、障害者の有効求職者数がふえているじゃないかということは、私聞いておりまして一番衝撃的なことであって、一・四とか一・六というパーセンテージの話だけでなくて、それだけ大勢の方が働く意欲をより持つようになっていただいたのに、それにこたえられるような仕事というものがまだお与えできていないのであろうか。そこに一種のミスマッチというのでしょうか、十分にマッチさせる政策ができていないとするならば、より一層我々は努力をしなければならないなとつくづく思ったところでございます。 そして、大企業ほど雇用率が低いという非常に残念な現象がございます。大企業であればあるほど、いろいろな職種、職場が考えられるわけでございます。それは、中小企業で多少危険性を伴うような、例えば旋盤とかいろいろな作業をやっている中で、いろいろな危険性が伴うからちょっと精神薄弱者の方は危ないなということはあると思うのですね。そのために、雇いたいけれども雇えないという方もおられるかもしれない。それに比べれば大企業はいろいろな場所がありますから、それだけ本来中小企業以上に大きな責任を果たしてもらっていいのではないか、こう思います。
○赤城委員 そういうわけで、特にきめ細かく対応していかなければいけない、それがまさに今回の法律改正の趣旨になってくると思うのであります。 そこで、障害者雇用支援センターを市町村単位に設けてそういったきめ細かい対応をしよう、こういうことでありますけれども、しかし、市町村 単位といいましても、全国三千市町村にすべからくこれを設置するということでもなかなかないようでございます。これからどういうふうに支援センターを設置していくのか、また、特に前回の法律改正でも焦点になりました重度の障害者あるいは精神薄弱者、そういった方に対してどういうふうにきめ細かな支援、サービスをされるのかということを教えてください。
○渡邊(信)政府委員 今回、授産所のような福祉部門と雇用との連携をうまくとりながら重度の方の雇用を進めていこうということを考えておるわけでございます。 重度の方の雇用を促進するためには、単に職場の中だけで十分手当てがなされればいいというだけでなくて、例えば通勤とか住宅とか、雇用を取り巻く周辺のいろいろな問題をあわせて考えないとなかなか雇用が進まないのではないかと考えております。特に、重度の方の雇用については地域のボランティアの方の協力を得るようなことも必要だと思っておりますし、やはり身近な地方自治体において自治体を挙げて取り組むということがないとなかなか進まないと思っておりまして、今回考えております障害者雇用支援センターというものは市町村の区域を単位として設立してもらおうというふうに思っているわけであります。 まずモデル的に開始をするということになると思いますので、今年度は四市町村を計画しているわけであります。まだまだ出発時点は大変少ないわけでありますが、当面発足する市町村につきましては、必ずしも県庁所在地というような大きなところだけではなくて、人口三十万人程度の人口集積地を中核とした区域、こういったもの等も考えたらどうかというふうに現在考えているところであります。いずれにしましても、市町村がまず取り組む姿勢を示していただいてそれに対して助成をしようということですから、まず第一義的には市町村の主体的な姿勢というものが必要かというふうに思っております。 このセンターで行います業務、特に支援の対象となる重度の障害者ですけれども、これは法律上の定義としましては、職業生活を進める上で継続的な支援が必要だ、こういう方ということに定義をしておりまして、具体的には重度の身体障害者の方、重度の視覚障害者あるいは聴覚障害者、脳性麻痺といった重度の方あるいは精神薄弱者、精神障害回復者、こういった方が対象となるというふうに思っております。 ここで行います具体的な業務ですけれども、例えばセンターの施設の中に作業室を設けまして専任の指導員を置きます。そこで、例えば簡単な部品の組み立て等の作業をして、実際にそこで作業をしていただきまして基本的な労働習慣を身につけていく、あるいは就職後の職場定着の指導、こういったことをボランティアの支援等も受けながらやっていったらどうか、こんな構想を描いているところでございます。
○赤城委員 今までは県の職業センターがございましたけれども、やはり県庁所在地にしかないということではなかなか、特に障害者の方にとっても負担でありますので、きめ細かく各地区、重点的にこの支援センター、これから設置していただきたいと思います。 そこで、これからのいろいろな対策、これは法案の中にも盛られておりますけれども、例えば助成措置について、現行は作業施設だけでしたけれども、福祉施設をこれに加える。福祉施設と一言で言いましても随分範囲が広いと思いますが、具体的にはどんな施設が対象になるのか、お願いします。
○渡邊(信)政府委員 従来は福祉施設は助成の対象でなかったわけでございますが、今回障害者の方の職場定着を一層進める、こういった観点から企業における福祉施設も助成の対象とするということにいたしております。具体的には、保養所でありますとか体育施設あるいは食堂、休憩室、こういったものを障害者向きに設置する、あるいは改造するといったときに助成をしたらどうかというふうに考えております。
○赤城委員 福祉施設に対しても助成する、あるいは通勤や住宅の方ですね、これも団体に対しても助成していくということで、相当な充実が見込める、望めると思います。 もう一つは、障害者の処遇の改善または雇用の継続を図るために行う配置転換、職種転換、これを新しく十八条の二の三、要するに配置転換やポスト、昇進をするときの施設ということなんですけれども、これは具体的にどういうことを指しているのか。それから、障害者を雇用するときに必要な施設あるいは雇用を継続する、更新するときに必要な施設というのは十八条の二号や二号の二で今までこれは認められていたわけですけれども、配置転換をした、あるいは昇進をした、これも基本的には同じであって、これは障害者を雇用するために必要な特別な機械、施設に対して助成します、これは今までも言ってきたことですけれども、なぜ新たに号を起こして設けているのか、そこもあわせて説明してください。
○渡邊(信)政府委員 障害者の雇用につきましては、現行法では一・六という雇用率制度を柱にして進めてきているわけでありまして、従来、どうしても雇用の量を確保するというところが重点になってまいりました。先ほど大臣の御答弁にもありましたように、障害者の雇用は単に量が確保されればいいというだけじゃなくて、障害者の方が本当に持てる能力を発揮して職業生活を送ることができる、こういったことが重要で、いわば量と同時に質もこれから考慮していかなければいけないというふうに思っております。 今回、ささやかではありますが改善に取り組もうとしておりますのはそういった趣旨に基づくものでありまして、従来の助成は、障害者の方を採用するときに職場施設を改善しないとなかなか雇用につけない。そういうことで職場環境を改善をして障害者を採用するというときに助成を出していたわけでありまして、あるいは当初改善した設備をさらに改善するというふうなときについてのみ助成をしておりました。 今般は、先ほど申しましたような観点から、職業についた障害者の方がその職場の中でさらにキャリアアップをしていく、別の職場に移るあるいは管理的な職業に移っていくというふうなとき一に、採用後に必要となる職場環境の改善、こういったものを新たに助成の対象にするということで雇用の質の方のアップということをぜひやっていただきたい、こんな観点から新たに取り組むことにしたものでございます。
○赤城委員 これは法律の立て方の問題だと思うのですけれども、要するに障害者を雇用する、そのために必要な、例えば機械についても障害者が扱いやすいように改良しなければならない、そのために必要な助成をします、こういうのが、この関連の十八条の条項の趣旨だと思います。 ということは、今まで、雇用をするときとその機械を更新するときはできましたけれども、配置がえになりました、あるいは管理職になりましたというときには認められなかった、非常に狭くこの条を立てていた。一方で、さっきの福祉施設につきましては、福祉の向上のための施設とか、そういうふうな書き方で体育施設あり、食堂あり、休憩所あり、非常に幅広く、福祉のための施設だったらいいですよと、これは非常にバランスからいって悪いんじゃないか。 むしろ、広く法目的に合うような施設について、障害者のための必要な施設については面倒を見ますよ、あとは政省令、そっちで見ていけばいいのであって、なぜここだけ非常に狭く解釈しているのかなというのが疑問なんですけれども、どうでしょう。
○渡邊(信)政府委員 この助成措置の財源でございますけれども、雇用率を達成していない事業主から徴収しました納付金によって助成をいろいろとやっているわけでありまして、そういった意味では使途を厳格に法律で書くということになっております。ということで、従来、職場環境改善の助成につきましては、法律の規定の仕方が採用時のものに限るというふうな書き方になっておりま して、今回それに追加をして、採用後の設備の改善についても加えるということにしたものでございます。 ただ、先生御指摘のように、私どももこの条文を見ておりまして、本当にバランスがとれているかどうかというところはやはり問題もあるというふうに思っておりますので、いずれ整理をする機会は必要ではないかというふうには思っております。
○赤城委員 それから先ほどの御答弁の中にもありましたけれども、この支援センターは特にボランティアというものに焦点を当てていこう、こういうことでございます。確かに、障害者の雇用を促進するためにボランティアに負うところというのは非常に大きいと思います。 ところで、今回の法改正の中で、そういう雇用促進を支援していただくボランティアの方に対して、情報の収集、提供や研修をします、こういうふうに出ておりますけれども、そういう情報とか研修とかそれもさることながら、これから、例えば通勤のために付き添っていただく方とか、そういうボランティアの精神的な負担もありますし、実際の生活の上で自分の仕事をお持ちの方でもかなりの犠牲を払いながら障害者の雇用のために働いていただいている。そういうところにもつと直接にボランティアの方のバックアップ、支援ができないものかなと思うのです。 それからもう一つは、ボランティアの方にだけ、もちろん、だけじゃないのですけれども、負担をかけて障害者の雇用を促進していくということではいけないわけで、やはり行政の側とボランティアの側との関係をこれからどういうふうにしていくのか。ボランティアの方にお願いしなければならない部分あるいは行政として支えていかなければならない部分、双方あると思いますけれども、その関係をどういうふうにお考えでしょうか。
○渡邊(信)政府委員 今回支援センターを設立いたしまして、その重要な一つの部分として、ボランティアの方の活用というものを考えているわけであります。ただ、これは全く初めての試みですから、どういうふうにボランティアの方が、本当に集まってくれるのか、本当に障害者のために親身に活動していただくことができるのか、あるいは今おっしゃいましたように行政として研修等以外にも何らかの支援が必要かということは、実際のところ試行錯誤的なところがあろうかというふうに思っております。 現在の段階では、ボランティアの方、家庭の主婦ですとか学生の方あるいは地域でこういった運動をしておられる方とか、そういったことを予定をしているわけでありますが、その方に対する財政的援助というものは現在の段階では考えてない、純粋なボランティアとしてやっていただこうというふうに思っているわけですが、これは今申しましたように、実際に経験を積む中で、どういった行政的な援助が必要であるかというふうなことはまた検討しなければいけないというふうに思っております。 さらに、現行の制度といたしましては、ボランティアの域を越えまして、事業所で実際に、例えば精神薄弱者の方の業務遂行を援助する方を置くとか、あるいは視覚障害者の方のためにいろいろなものを読んだり聞かせたりするといった仕事をする職場の介助者を置く、こういった方を事業主が配置しました場合には、月十五万を上限として助成をしているわけでありまして、仮にボランティアの方がそういった職も兼ねるということになると、制度の中に入ってくるということになろうと思いますが、いずれにしましても、ボランティアの方と職場における介助者との関係等につきましては、この事業が始まっていろいろとやってみる中で、いろいろと考えていく点もあろうかと思います。 〔宮本委員長代理退席、委員長着席〕
○赤城委員 このボランティアという言葉、これは自発的な、ボランタリーなということだと思うのです。だからボランティアの方の自主性でやっていただくのであって、行政がそれに対していろいろ財政的に援助してしまってはボランティアにならないんだというふうな議論がほかのところでもあるのですね。 例えば、PKO活動にボランティアで行っていただく。会社を休業して、休みをとって行くのだけれども、場合によってはそれだけの理解が得られなくて会社をやめなければいけない。あの中田厚仁さん、カンボジアで亡くなられましたけれども、あの方にカンボジアでお会いしたときには、私はカンボジアのために働きたい、会社の理解が得られなかったから私やめてきました、もう帰るところはないのですと言われながら、ボランティアの仕事をされていたのです。 しゃくし定規な解釈で言うと、自発的にやっていることだから、会社を休んだときの給与保障とかあるいはそういう財政的なバックアップというのは、ボランティアに対してやるのはおかしいというふうな理屈があるのかもしれませんけれども、私は、そういうみずからの犠牲を払いながら社会のために奉仕していただく方に対して、より積極的な財政的な支援というのもあっていいものではないかな。ボランティアの語源からどうこうじゃなくて、そういう犠牲を払いながら奉仕していただいている方に対して、より行政としてもそれを支えてあげていただきたいと要望しておきます。 それから、特例子会社という制度ができまして、大分ふえてきた、このように聞いております。障害者の方に合った職場を提供するという面ではプラスでもありますけれども、しかし健常者の職場と障害者の子会社という別の職場があって、ノーマライゼーションの考え方からすると、健常者の中に障害者もまざって一緒に働くということでなければいけないのです。一面で障害者の雇用を促進する制度ではありますけれども、他面ノーマライゼーションという考え方からすると、障害者を分離してしまうというふうなデメリットがあると思います。この特例子会社、今どういう状況で、そこら辺どういうふうにお考えでしょうか。
○鳩山国務大臣 この問題は、詳しくは政府委員から御答弁申し上げますが、今先生がおっしゃっていることは、これは教育の世界でも一番大きな話題になっているわけですね。 結局、ノーマライゼーションというのは、健常者の方と一緒になって、それこそお互いが余り気を使わなくてもいいような状態になることを目指してノーマライゼーションと言うんだとは思うのですけれども、そんな中で、統合教育、インテグレーションなどという言葉があえて使われたりするのも、ただ一緒にするだけじゃだめなので、やはりその障害者あるいは障害児にとって一番いい環境や状況をつくってやること、それが統合教育というものではないか。一緒にすることが統合じゃないんだよ、一緒にする局面もあり、多少別に扱う局面もあり、その巧みなミックスによって、子供であれば一番自然に、障害児が一番自然に伸びていったり能力を発揮したり回復したりする、そういうふうに整えてやることが大事なんだよ、私はどうもそういう議論をしばしば耳にしたことがございます。 今回のこの障害者の雇用の問題を考えてみましても、それは非常に重度の、例えば精神薄弱というようなことで、これはもう一定限度以上のことは全くできませんというような方々が共同作業所のようなところで涙ぐましく努力しておられる姿というのはまた美しいものがある。そういう方々は、一般の職場に移してもちょっと、それはなかなか難しいという条件の方も世の中にはおありだとは思うけれども、そうでなくて、一般の健常者と一緒に仕事をすることが十二分にできる、こういう状況の方であっても、ただ一番彼らに合う職場あるいは仕事内容というのは何だろうと考えた場合は、とにかく一般の職場にぶち込みます、健常者と一緒ですというだけでなくて、やや特別の配慮を加えた職場というものがあってもいいのかな、そういう中からこういう特例子会社、あるいはこれは最近第三セクターでできてくるのもある のですか、そういうふうな形になっているのではないかと私は思っています。
○赤城委員 このノーマライゼーションという考え方、考えれば考えるほど難しい問題でありまして、これはあるいは今まで、例えば障害者の方、物理的に一緒の職場では働けないというようなことが、あるいは生活の面でも、例えば階段があってどうしてもそこに行けなかった、あそこには行けなかった、そういうふうな今までできなかったことが、いろいろな政策的な支援や技術的な問題が解決をして、スロープがついてあそこの階段も上れるようになった、パソコンでも、障害者用のパソコンができてこの職場で一緒に働けるようになった、あるいは職場の構成自体、通路やいろいろな施設ができて働きやすくなって一緒に働けるようになった。一緒に働けないんだと思ってしまえば、そこでとまってしまうのですね。しかし、いろいろな技術改良や政策的な前進があって、バックアップがあって、今までできなかったことができるようになってきたんだ、だから、なかなか難しいけれども、究極はやはりノーマライゼーション、一緒に働ける、同じなんだというところを目指してやっていきたいな、そういうふうに思うわけであります。 いろいろ難しい問題ではございますけれども、アジア・太平洋障害者の十年というのが始まりましたし、障害者の雇用に関する新長期計画あるいは障害者基本法、これも成立をした、これから大きく障害者の対策というのを前進していかなければいけないと思います。最後に、もし大臣、何かこれからの障害者の雇用あるいは障害者対策全般について御決意がありましたらお伺いして、質問を終わらせていただきます。
○鳩山国務大臣 今までの障害者の雇用対策というものは、法定雇用率等を設けることによって、納付金制度をつくることによって、いわば産業界の方に障害者をある程度、六十三人に一人ぐらいは雇ってくださいよという政策が中心であったと思うわけでございますが、今回のこの法改正の主目的は、最初は四カ所とかそういうような小さなスタートになりますけれども、市町村レベルにきめ細かに雇用支援センターをつくっていくことによって、いわば職業リハビリというのか、障害者の方が仕事へなじめるように、一種の職業訓練、これも一種のノーマライゼーションなのだろうと思いますが、そういうことをやらせていただくことによって、障害者の方々が各仕事場へ行って就職をしてもうまく暮らせるようにという、できる限りきめ細やかな職業リハビリをやろうということで、その両面が機能することで事態の前進を図るというのが今回の最大の目標だと思っております。 ただ、一人一人障害者の皆様方にはそれぞれ生身のお体をお持ちですからいろいろな要素があるわけで、一律に判断をしても、一律に扱ってもみんなが幸せになれるとは限らないという難しい問題もありますし、後半赤城代議士の方から御指摘をいただいた一緒にするということあるいはもっと温かい扱い方とか、これは本当に障害児教育でも障害者の雇用でも常につきまとう問題だと思うのですね。ノーマライゼーションというのは、みんなとにかく一緒ならばいいというほど単純な概念ではないはずでございますから、その辺の扱いも我々研究していかなくてはならないと思うし、あるいはLD、ラーニングディスアビリティーという、この間予算委員会でも問題になっておりましたが、学習障害児とか学習障害者と言われている方々等もいわば新たな分野として対応を考えなければならないと思っておりまして、課題は山積をいたしております。 いずれにいたしましても、我が国が二十一世紀に向かって本当の意味で世界で一流の国家になるためには、障害者に対して意識過剰になる、そういう国家ではなくて、障害者を自然に受け入れる、そんな国家を目指していくべきだと考えます。
○赤城委員 ぜひ今回のこの法改正を契機に、大臣が今おっしゃられたような新しい方向、障害者雇用がさらに前進しますよう御努力をお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○松岡委員長 山元勉君。
○山元委員 山元でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。 「完全参加と平等」という大きなスローガンで取り組まれました国連障害者の十年が一昨年終わりました。それに続いて、昨年の三月に今度は「全員参加の社会づくりをめざして」、そういうスローガンで障害者対策に関する新長期計画がつくられました。そういった中で、障害者の自立意識も高まりましたし、さらにはそれに対する社会の認識も高まったというふうに思います。そして、行政の施策も一定前進をしてまいりました。 しかし、障害者の社会参加の一つの目安であります障害者の雇用率でいいますと、十年前に一・二五であった、昨年は一・四一であった。これは十年かかって、先ほど話がありまして、少し甘い数字になっているのではないかと言われましたけれども、それにしても〇・一六%しか上昇をしていない、いわば改善されていないわけです。決して速いとは言えない状況だというふうに思います。 幸いにして、ことしの予算で障害者の社会参加ということで、障害者と高齢者にやさしいまちづくり事業というのが厚生省だけではなしに運輸省でも建設省でも取り組まれるようになりました。これは前進だというふうに思います。そういった中で、さらに雇用の面では一層の前進ということで今度の法改正が行われるわけです。 私は、この中で考えるのですが、細川政権の中でこの予算編成作業に当たって、私ども社会党の作業チームもこういう福祉のまちづくりについて努力をいたしましたし、またこの法案づくりでは、この四月まで永井前政務次官はそちら側にいらっしゃって汗をかいていただいたわけです。そういう意味で、大きな前進ということで賛成をする立場で、きょうはひとつ障害者の雇用、社会参加ということで幾つか御質問を申し上げて、また要望も申し上げたいというふうに思うわけです。 そこで、最初に大臣にお尋ねしたいわけですが、この障害者の雇用についてどういう状況にあるのか、あるいはどういう動向を示しているのか、大臣の認識と、これに対して労働省としてどういうふうに取り組もうというふうにお考えになっていらっしゃるのか、まず御所見をお伺いしたいと思います。
○鳩山国務大臣 先生既にある程度御指摘をされましたし、赤城委員と私とのやりとりも聞いていただいておったかと思いますが、先生お話しのように、いわゆる法定雇用率というものを設定してから十年という間にそれほど大幅な改善を見ていないではないかとおっしゃられると、確かに歩みは遅々たるものであろうかと思っております。 ただ、平成四年の六月に一・三六%、昨年の六月には一・四一%と近年着実な改善を見てまいりましたのは、この法律の効果があらわれてきているというだけでなくて、日本という国家全体が成熟して相当意識も改まってきているからではないか、そのようにも考えるわけでございます。実際、雇用されている障害者の数も、平成四年には二十三万人、平成五年には二十四万一千人と、一応着実な増加をしているわけでございます。 ただ、もちろん法定雇用率は下回っております。先ほど分母分子の話で、最近景気の状況がよくないから分母が余りふえていないからねと言われれば、もちろん我々はそれを否定することはできません。そして、分子の方はダブルカウント制をしいたからではないか、こう言われますと、確かに重度の方をダブルカウントにしましたから、その分若干の率の増はあろうかと思いますが、しかし、これは何も率を大きく見せるためにダブルカウントにしたのじゃなくて、重度の方を少しでも多く雇っていただきたいという政府、国家としての願いがダブルカウント制ということになっているわけでございますので、その辺を御理解をいただきたいと思っております。 ただ、先ほども議論に出てまいりましたが、障害をお持ちの方で有効求職者数というのでしょうか、職業安定所に働きたいのだが何とかなりませんかとお見えになる数がこれまた増加しているということを考えれば、法定雇用率の一・六〇というのは何も絶対的な数字ではないわけでございまして、その辺の状況を見て法定雇用率だって当然変化あってしかるべし、このように考えるわけでございます。 ですから、先ほども申し上げましたが、私どもとしては、今後この法律改正によりまして障害をお持ちの方が仕事につきやすくなるように、企業側にお願いをするというのではなくて、それは今までもやってきたわけですから、もちろん企業側にもいろいろな、バスを買ったらどうですか、手すりをつけたらどうですか、設備どうですかということをこれからやっていくわけですけれども、それ以上に、この法律改正の主眼というものはきめ細かな市町村レベルでの職業訓練あるいは職業リハビリということをやらせていただいて、適正、適当な職場を探し出させていただいて、そのことによって障害者の方が生きがいを持って健常者と同じように幸せになっていただくこと、これが法改正の目的でございます。
○山元委員 私は、大臣が文部大臣のときに文教委員でございました。学校図書館法の問題だとか国立学校設置法の問題で議論をさせていただきまして、そのときに、実にユニークで力強い答弁もいただいていたわけですね。そして、言葉だけではなしに、この間も図書館の問題で、子どもと本の議連ですか、つくっていただいて、私もさすがだということで参加をさせてもらいました。 今度労働行政、この間の論議を聞いておりましたら初めてだとおっしゃっていましたけれども、どうかユニークなその力強いリーダーシップをここでも発揮をしていただきたいというふうにお願いをしたいわけですが、今の状況は大変不況で厳しい。 きょうの新聞を見ますと、鳩山大臣が三日ほど前に参議院でお答えになったことがちょっと出ていまして、こういう書き方がしてある。鳩山労働大臣は「できる限り自然に女性が男性にまじって当たり前に働けるようになるのがベストだ。」今もおっしゃっている、「空気とかムードとか意識改革ができればいいと思う」と答えたと、まあこれは局長の言葉とくくって、「答えるにとどまった。」というようなニュアンスで書いてありますね。ですから、この女子学生の就職の問題もあるいは障害者の雇用の問題も大胆に、今申し上げましたようなそのユニークな発想、大胆な発想でぜひお取り組みをいただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。
○鳩山国務大臣 私、その記事をけさ見たのですが、それはひどい誤解に基づいておりまして、私は、男女雇用機会均等法、指針も変更して厳しくやる、ありとあらゆる経済団体にもお話をする、総理を中心とした閣僚懇談会を設置する、ただ、男女雇用機会均等法に直ちに罰則を設けるべきだなどという答弁はもちろんいたしておりませんし、企業名公表ということについても私はそういう答弁はしておりませんから、それはもっと激しく、業者テストのときぐらい激しくやったらどうだ、こういうふうにお思いになる方も多いかと思うし、私も勉強してまいりたいと思いますが、その新聞に出ておる部分は、いや本当は、国民の意識改革が進んで労働省にも婦人局なんという局がなくたって、もう国民全体の空気としてすべてが平等で行ける方が望ましいという部分をとられて、鳩山労働大臣は余りやる気がないんじゃないかというふうな意味で、ややシニカルに書かれたかなというような、ちょっと残念な気持ちがあるものですから……。
○山元委員 わかりました。了解します。 そこで、時間も少ないですから、少し具体的にお尋ねをしていきたいのですけれども、民間においても努力をされていますけれども、この一・六%の問題ですが、全体に今一・四一だと。しかし、詳しく見てみると、百人以下の規模のところでは二・一一%、まあオーバーしているわけですね。ところが、だんだんだんだん悪くなっていって、千人規模以上ですと一・三%というふうに極めて悪いわけです。そういう一・三%という企業を例えば達成率で見てみると、企業で百人以下の規模では目標率を四二%が未達成で、達成した側で言うと達成は五七・七%あるわけで、半数以上が達成しているわけですけれども、大規模企業では二二%しか達成してないわけですね。これはひどい数字だというふうに思うのです。そういう千人以上の規模の企業に対する指導というのはもっと厳格にすべきではないかというふうに思うのですが、どういう指導をされているのか、対応をされているのか、お尋ねをしたいと思います。
○渡邊(信)政府委員 御指摘のように、雇用率を企業規模別に見ますと、企業規模が小さいほどよくて、大きくなるほど、特に大企業では雇用率の達成率が低いというふうな大変遺憾な状況になっているわけであります。このため、労働省としましては、大企業は特に模範になっていただくような存在ですから、ここがおくれているのは大変問題だという意識を持ちまして、大企業につきましては重点的に従来から指導を重ねております。各県においてやっていることはもちろんでございますけれども、雇用率の低い大企業につきましては採用担当者、トップの方を直接本省に来ていただきまして、例えば私から直接指導するというふうなことをやっておりまして、ここ何年かそういった努力を続けております。 そういった結果、確かに現状を見るとまだまだ低いのですが、例えば平成四年度ぐらいから大企業、特に千人以上の企業における雇用率はかなり改善を見ておりまして、これも少し変な話なんですが、現在では五百人から九百九十九人規模よりも千人以上の方が雇用率の達成率が高くなっている、こういったことがあります。引き続き、大企業は他の企業の模範になっていただくように、こういった努力を強化していきたいと思っております。
○山元委員 そういうお気持ちはもちろんお持ちだろうというふうに思いますけれども、しかし、やはりこれ、ずっと続いている傾向というのは思い切って直す必要があるだろうと思うのですね。例えば、そういう者に対して今おっしゃったように局長が直接呼んで話をするんだ、おしかりをするんだということですけれども、雇用法の改正のたびに、一九八七年の十月の改正のときにも、それから次の九二年ですか、おととしの改正のときにも附帯決議がつけられていて、公表制度の活用も十分に検討することということが附帯決議で言われているわけですね。ですから、今の企業というのは社会的なイメージといいますか、そういうものを大変大事にするわけですけれども、これはやはり企業名の公表がされていないと私は思うのですが、こういうふうに達成率が二二%というようなことの状態を生んでいるきついところについては、公表という、一つのこれは制裁だと思いますけれども、行うべきではないかというふうに思うのですが、それはいかがですか。
○七瀬政府委員 お答えいたします。 実際に公表をすべきではないか、する必要があるんじゃないかという議論は、御指摘ございましたように国会の場でも議論ございますし、私どももいろいろと議論をしてまいりました。やはり障害者の雇用を伸ばしていくためには、社会全般の意識の問題もありますし、それから事業主にできるだけ自主的にやっていただくということが基本にあるんだろうと思います。そういった意味で、公表という措置に踏み切るときの踏み切り方というのは、正直申しまして非常に難しいところがあろうかと思っております。 ただ、御指摘ございましたように、公表制度、いざというときには非常に改善が見られないところには公表するんだということをはっきりさせておくということも大事で、そういった意味で、三年前だったと思いますが、数は四社でございますけれども公表に踏み切った結果、そのことを契機にかなり雇用状況が改善されてきたということも ございますので、今後ともそういったことも考えながら、公表制度、公表に踏み切ることも含めて厳正な対応をしてまいりたいというふうに考えております。
○山元委員 いたずらに制裁というのがいいとは思いませんけれども、やはりこういう状況というのは、真面目に一生懸命になって努力をしている企業が多いわけですから、そういう点でやはり思い切ったことが必要なんだ、それが附帯決議に含まれているんだろうというふうに思いますから、よろしく措置をしていただきたいというふうに思います。 そして、去年の六月ですけれども、ことしはまだ出ていませんが、未達成企業に対する指導の結果について労働省が発表しておられるわけですね。それで、公表したという形跡がないから今お尋ねをしたのですけれども、もう一つ、大企業に対する指導で、公表対象企業には該当しないけれども、不足する障害者数が原則として五十人以上の企業について調査をした。五十人以上障害者を雇用しなければならないという企業は、少なくとも三千人以上の企業ですね、逆算すると。三千百何十人以上の大企業です。その大企業を対象に実施をした。これは公表対象外です。私は、これもいかにも甘いような気がするのですね。三千人以上で五十人雇わにゃならぬのに、してないというところについて指導を実施をした。これについてやはりもっと拡大をすべきではないか。障害者を三人雇わにゃならぬ企業でも、一生懸命ああやって努力しているわけですね、三人雇わにゃならぬ企業でも一生懸命努力している。ところが、五十人以上雇わにゃならぬ企業について、これはやはり大変なサボタージュだと思うんですよね。そういう認識をお持ちにならぬですかね。これはいかにも差が大きいと思うんですね。ですから、そういう五十人以上の大企業を対象に調査をするというような甘い範囲ではなしに、もう少しやはり厳しく範囲を決めて調査をすべきではないかと思うんですが、それはいかがですか。
○渡邊(信)政府委員 雇用率の達成指導ですけれども、先ほど申しましたが、雇用率一・六に対して〇・八にも達していないというところをまず指導の対象にいたしまして、労働大臣から雇い入れの計画をつくるよう命令を出す。それに基づいて指導いたしまして、それでもなお実施をしてもらえないというところは、最終的に公表する。公表するということを前提にして、私ども、特別指導と言っておりますけれども、そういった特別指導をしながら、雇用率がアップするようにやってきているわけであります。 こういったこととは別に、必ずしもそういった基準には該当しないけれども、大企業というのは非常に雇用する方もたくさん雇用しなければいけない、そういうところが低いということは大変問題だということで、今御指摘のありましたような五十人以上のところにつきましては、先ほど申しました基準に該当しない場合でも、例えば本省の方から直接指導する、こういったやり方できておるわけでありまして、一定の基準というものはやはり必要であろうと思っておる。大企業ですから採用する人数も多くなる、こういうことでございまして、大企業ですと、一カ所で年度末に障害者の方が定年で例えば十人もやめたというふうなときに、努力はするけれどもなかなか十人新しい方を見つけるのは困難だというふうな問題も、大企業は大企業なりに持っているわけでありますから、やはり大企業だから特別厳しくするということはなかなか難しい。やはり全体の基準でかげながら、ただそれを上回るようなものについて直接指導する、こういったことで運用しておりますので、今後、こういったことでさらに努力をしていきたいというふうに考えております。
○鳩山国務大臣 具体的にはそういうことだと思いますし、いろいろな指導の方法があると思いますが、ただ、先生御指摘の、五十人以上とおっしゃった件ですね。五十人以上不足するなどということは許しがたいことだと思いますね。要するに、企業としての社会的な責任をどう自覚しているのか、障害者というものをどういうふうに温かく迎えていくべきかということについての認識が全くない。それは、特別な事情がある場合もあるでしょう。だけれども、五十人以上というと、先生のおっしゃったように三千人以上に相当するわけですから、そういうものは許してはならないという気持ちを私は強く持ちます。
○山元委員 障害者の雇用という面では、企業にとっては、一つの社会貢献だという積極的な意識ももちろんあります。けれども、一つの責務だというような気持ちもあるわけですね。けれども、リスクもあるけれども頑張らなくちゃいかぬといって、例えば、さっき言いましたように、百人以下の企業では五七%、五八%は達成している、大企業では二〇%しか達成してないということは、今大臣がおっしゃった許しがたいという厳しい表現がありましたけれども、やはりそういう気持ちで、公平に扱うような、小さな企業は努力しているということをしっかりと踏まえたような指導をこれからもやってもらいたいというふうにお願いをしておきたいと思います。 次に、去年の末に障害者雇用審議会の意見書が出まして、その中に、次第にそういう雇用率は上昇しているけれども、しかしながら、重度身体障害者、精神薄弱者、精神障害回復者については立ちおくれが見られる、これまでの雇用対策では対応が十分でなかったようなこういう面について対策を講ずる必要性が高まっている、これは審議会の指摘なんですね。この辺、まだ半年しかたっていませんけれども、そういう重度身体障害者、精神薄弱者、精神障害回復者、こういう人たちについての労働省の今までの対応。この人たちは、本当に切実な願いを持っている人たちです。その問題についてどういうふうに対応していらっしゃるのか、お伺いしたい。
○渡邊(信)政府委員 御指摘のように、障害者の中でも重度の身体障害者あるいは精神薄弱者、精神障害回復者の方につきましては、就業率もまだまだ障害者の中でも特に低いということが実情になっております。 労働省としましても、従来から特に重度の方あるいは精神薄弱者の方については重点的に、例えば安定所における指導等を行ってきたところでありますが、各種の助成措置につきましても、重度の方を多数雇用している企業に対します手厚い助成、あるいは職場環境改善に対する助成、あるいは第三セクター方式による企業の設立による重度障害者の雇用の促進、こういったことをいろいろと努力をしながらやってきているつもりでありますが、おっしゃるように、まだまだ重度の方が立ちおくれているのが実情かと思います。
○山元委員 全部にいろいろわたるわけにいきませんけれども、重度障害者の問題でいいますと、求職人口が非常にふえてきている。それは、大臣、もう御承知だと思いますが、昭和五十四年、今から十五年前ですね、養護学校の義務化というのが行われて、そして現に、義務化されたら、盲聾養護学校の在籍者数がどんとふえた。前の年、五十三年までは七万人ほどが在籍者だったけれども、五十四年、義務化になったら八万八千人にどんと上がったわけですね。それが五十四年から始まつているわけです。十五年前ですね。 そうすると、その人たちがずっと教育を受けて、今までだと就学免除とか就学猶予だとかいうふうに切り捨てられて、求職人口になかなかなつていかなかった。けれども、義務化になって、重度の障害者も養護学校で教育を受けて、そして求職をする、求職人口に入っていく、そういうときに今来ているわけです。もう既に大分たっているわけですね。 ですから、重度の障害者の皆さんが職を求めるということは、人がどんと多くなるということは、いわば十五年前から予定されていたことなんですね。それが、今答弁がありましたように、確かにおくれている。おくれているというのは、これはやはりエラーだと思うんですよ。ただ単にずるずるとおくれていったのではなしに、明らかに十五年前に、ああ、十年後、十五年後にはこうな る、重度障害者を何とかして受け入れる皿をつくらなきゃならぬ、あるいはそういう雇用の場をつくらなきゃならぬという施策がなければならなかったというふうに思うんですが、そういう点についてはどう考えていらっしゃいますか。
○渡邊(信)政府委員 これは、いささか繰り返しになるわけでありますが、私どもも、重度の方はやはり雇用につくことが大変難しい、これは生活の問題等もいろいろあるわけでありまして、そういったことを総合的に検討しながら雇用を進めていく必要がある。それだけに、重度の方はより難しいという問題があるということを認識しながら、従来から特に重度の方を多数雇用する場合には通常の場合よりも手厚い助成をしていくとか、先ほどからお話に出ておりましたが、重度の方を採用してもらったときには、一人を二人に雇用率として数えて報奨金等において手厚くしようとか、あるいは自治体と民間企業が一緒になりまして第三セクターをつくって、例えば工場をつくるとき二億円程度の助成をしようとか、そういったことをいろいろやりながらやってきているわけであります。一貫して努力は続けてきているつもりですが、先ほど申しましたような、特に通常の障害者の方に比べてさらに困難だという方の雇用がまだまだおくれているのが実態かと思いまして、今般そういったことも踏まえまして、重度の方のきめ細かな雇用対策ということで法案の改正もお願いしているというところでございます。
○山元委員 これは大変費用もかかりますし、新しい分野といいますか、どんどん開拓していかなきゃならぬ部分ですから、重度の問題あるいは精神障害回復者の問題、精薄者の問題、それぞれまた違う対策をとらなきゃなりません。ですから、大変ですけれどもぜひこれは、今申し上げましたように、十五年間で、滞留化現象という言葉があるんですよね。養護学校で養護教育を受けて、職につきたい、社会に出たいけれども、出るところがない。例えば、十五年以上そういう施設にいるという人が現在一六%に達していると言われるんです。あるいは四十歳以上の人が三〇%もいる、施設にですね。これは滞留化現象、行き場がないということですね。ですから、そういう人たちが本当に社会参加できるような、あるいは就職できるような条件というのは、大変難しいけれども、ぜひ積極的な御努力をこれはお願いをしておきたいというふうに思います。 時間が余りなんですから、新しい事業の雇用支援センターについて具体的にお伺いをしてまいりたいというふうに思います。 この問題については、もう八年前、一九八六年ですけれども、その当時の私どもの社会党の石橋委員長が、「障害者雇用促進のための「レインボー・センター」設立の提唱」ということで提案をしているわけです。 それは、ずっとそれから以後社会党の一つの願いといいますか、そういうものであったわけですけれども、概略言いますと、八年前に、各企業において、障害者が就労する具体的職務及び障害者受け入れを前提とした職務編成の開発が進んでいないことが指摘されて残念だ、そういうことを解決していくためにレインボー・センターというのをつくってはどうか。そして、そこでこの雇用センターと同じような提案をしているわけです。各都道府県ごとに、障害者団体が中心となって設立、運営するとか、あるいは障害者雇用に関する各種の情報提供及び個々のケースに応じた相談やアドバイスや定着指導に当たるとか、あるいは職業カウンセラーその他の専門家を積極的に養成をする、そういう仕事をしていくんだという提案を八年前に社会党はしているわけです。 そういう意味で、今度の雇用支援センターというのは、ついに実現できたというような思いで高く評価をしているわけですけれども、一遍このセンターの設立の趣旨ですね、私は、社会党のレインボー・センターの趣旨、概略だけ申し上げましたが、このセンターの設立の趣旨と概要についてちょっと説明をしていただきたいと思います。
○渡邊(信)政府委員 今、八年前からつとにレインボー・センター構想を打ち出しておられたというお話がありました。今回の雇用支援センターには、確かに今おっしゃったような思想が生きているのではないかと私どもも思っております。 今般設立を予定しております障害者雇用支援センターですが、先ほど来お話の出ております雇用のおくれている重度の方の雇用を促進する、こういった観点から、市町村に主体になっていただきまして設立を考えているものであります。 特に、重度の障害者の方は、授産所のような福祉施設に長い間おられると、なかなかそこから外へ、雇用の場へつながっていかないというような問題があるわけでありまして、今回はその福祉部門と雇用部門とをしっかり連携をさせよう、こういったことを目標にしているわけであります。 具体的には、福祉部門にいらっしゃる重度の方、この方たちで職業的自立の意欲も能力もありそうだという方につきましては、きめの細かい職業リハビリテーションをしまして、また職業適性検査等も行う、簡単な職業訓練も行ってみる。こういったことをいたしまして、さらに進めば、実際に企業に行って実地見学をする、企業における作業もやってみる。こういうことをしながら、確かに雇用についても大丈夫だという方は、安定所の紹介によりまして実際に就職につなげる、こういったことを一貫してやろうというふうに思っているわけです。 その過程では、先ほどお話に出ておりますボランティアの方などにも御支援をいただいて、福祉部門と雇用部門と連携を図りながら最終的に就職に結びつくように努力をしたい、こういったことを基本的な考え方として今回御提案をしているところでございます。
○山元委員 およそ四つの指定を考えていらっしゃるのですね。私の出身の滋賀でも、去年の六月に滋賀県障害者雇用対策長期計画というのが立てられて、そしてこのセンター構想を先取りするような形で計画が進められてきました。今回いよいよ日の目を見て、滋賀だけではないところ、多くが手を挙げて待ち望んでいるのだろうというふうに思います。 こういう計画が出て、いち早くそういうふうに手を挙げるところ、そういう自治体の、何といいますか、自主的な積極的な努力というのはこれからも呼び起こしていくということが大事であろうというふうに思うわけです。そういう事業を全国に広げていくということで、今申し上げましたように、滋賀県にも見られるような自主的、積極的なものを呼び起こしていくという施策というのですか、そういう手だてというのはどういうふうにお考えですか。
○渡邊(信)政府委員 今回の雇用支援センター構想は、まず市町村が主体になって法人の設立等あるいは運営費の助成等をお願いする、こういうことを考えておりまして、国はそのバックアップをするということにしておりますから、まず何と申しましても個々の市町村においてこういった事業に取り組もうという主体的な意欲、努力というものが大変必要なわけであります。 今お話に出ました滋賀県におきましては、早い段階から同じような構想で、既にこの法案の内容を先取りするような形で準備が進められておりまして、現在まだ法案が成立する前ですが、労働省に対しましても、ぜひこの構想に乗りたいというお話も来ているところでございまして、こういった積極的な取り組みがあって、初めてこのセンター構想もうまく実現をしていくというふうに考えております。 当面はまだ四センターということで今年度予算をセットしておりまして、いろいろと私どもも下準備ということで市町村の意向を聞いているわけですが、実際にはまだまだなかなかこの滋賀のようなケースがどんどん出てくるという状況ではないわけであります。まず市町村に手を挙げていただいて初めてこの事業がスタートするわけですから、滋賀のようなケースをどんどん広めていくといったこと、あるいは県を通じ、いろいろなところを通じましてこの構想を宣伝し、滋賀のような 積極的なところがふえていくということを期待しております。
○山元委員 評価していただいていて、県人としてうれしいわけですけれども、今もおっしゃいました、その計画が今あるのですが、市町村レベルでという言葉ですね、局長、お使いになりました。この障害者の問題で言いますと、先ほども言いましたように、幾つかの分野があって多様な障害者がいらっしゃるわけですね。そして、それは何といっても点として広い範囲でいらっしゃるのですね。ですから、市町村単独で、市町村レベルで単独で事業をやろうということについては、やはりこれは効率が悪いというふうに思うのですね。 滋賀の場合でいいますと、大津・湖南地域といって、滋賀県の三分の一近くの人口密集地帯を湖南といいますが、ずっと広いわけですけれども、そういうところをカバーしようということで発想されているわけです。市町村レベルでというのとは少し違うわけですね。 ですから私は、障害者の皆さんへの支援ということでいえば、やはりエリアは広くとって、規模を大きくしていく必要があるだろうというふうに思うのですね。ですから、そういう点、各県に例えば一つずつでもいいから、できるだけ広いエリアで運営をするというセンターをつくるという方向を目指すべきではないか。この市町村レベルでという言葉を余り使っていただきたくないと思うのですが、それはいかがですか。
○鳩山国務大臣 市町村レベルでという言い方を私もいたしておりますのは、都道府県レベルではありません、都道府県というと四十七、一つずつつくりますという発想ではなくて、もっと住民に密着したきめ細かな仕事をする、そういう支援センターにしたいという意味で申し上げておりますので、ですから、そういった意味では、先生御指摘のように、市町村レベルでと私が申し上げたのは、若干ミスリーディングであることは率直におわび申し上げたいと思っております。 ですから、滋賀県なら滋賀県でどのような需要があるか、私は詳しくは知りませんけれども、各県で大体、小さくてこの程度で済むというところであれば二カ所とか三カ所で済むところもあるでしょうし、うちの県は面積も広くていろいろだから五カ所、六カ所でというようなところもあるでしょうし、三千三百地方公共団体を発想して言っているわけではないのです。ただ、滋賀県は一つ、東京都も一つと、そういう都道府県の単位のものではないということ、その市町村の発意というのでしょうか、我々こういうのをやろうというそういう気持ちを大切にしたいということを、あえてそういう表現をしたというふうに御理解いただきたいと思います。
○山元委員 わかりました。ぜひそういうふうに、障害者雇用という一つの特性といいますか、そういうことからも広いエリアでということについて御努力をいただきたいと思います。 そして、このセンターですけれども、この設置とかあるいはそれからの運営というものについて、企業の労使あるいは障害者の関係の団体、障害者団体等の積極的な参加とか協力というものがなければ、生き生きとしたセンターにならないだろうというふうに思うのですね。そういう点、そういう人たち、今申し上げましたような団体あるいは労使というものについて参加、協力をお願いをしていくという方策ですね、どういうふうにとられるのですか。
○渡邊(信)政府委員 障害者、特に重度の方の雇用を進めます場合には、雇用の場における問題だけではなくて、そこに至る過程というものが大変大事だろうと思います。例えば、通勤一つとっても、職場に行くことがそもそも大変だという方も多いわけでありまして、重度の方の雇用を促進するためには、障害者の住んでおられる地域を挙げての取り組み、ボランティアも活用したそういった取り組みが必要だというふうに思っております。そういう意味でも、最小の、最も身近な行政単位である市町村においてこういったものが行われるのが望ましい、こういうふうに思っているわけでありまして、当然そこでは労使の方とかあるいは障害者団体の方の協力を最大限いただきながら進めていく必要があると思っております。
○山元委員 この問題に関して、ILOの第百五十九号条約、御承知だと思いますけれども、その条約の中にも、このことに関する国の政策を策定し、実施し、あるいは定期的に検討する、そういうことは代表的な使用者団体及び労働者団体、それから代表的な障害者の及び障害者のための団体も協議を受けるというふうになっているわけですね。ですから、国の政策を計画策定し、実施し、検討する、そういうことについて、今申し上げましたような団体と積極的に協議をする、こういうふうになっているわけです。 時間がありませんから、これはこの精神はやはり大事にして、今まで例えば労働政策等については審議会方式などもとられて、悪く言えば形だけそういうふうに整えられるけれども、ということになるわけです。ここに書いてあるように、策定から実施から検討までずっと一貫してそういう団体と協議をしなさいというふうに書いてある精神というのは、やはりそういうことを粘り強くきめ細かくやらぬとこういう政策というものは実が入りませんよということだというふうに思うのですね。ですから、ぜひそういうふうに努力をしていただきたい。これは御要請だけを申し上げておきたいと思います。 もう一つですが、先ほども少し出ましたが、障害者の雇用のための子会社、あるいは第三セクターがつくられていって、それぞれ民間の企業の皆さん、あるいは第三セクターでいえば自治体の皆さんが努力をしていただいている、こういう動きがずっと出てきているわけです。例えば、新聞記事を見ますと、そういうものをあらわすのに「障害者の自支援助、採算性も重視」とか「職場に工夫、戦力育てる」、そういうふうに前向きにこの問題を取り上げていこうという動きがあるわけです。こういう第三セクターの御努力といいますか子会社づくりの努力というものについて、労働省はどういうふうに対応していらっしゃるのか、あるいはそれをさらに促進していくためにどういう施策をお持ちなのか、少し説明をしていただきたい。
○七瀬政府委員 ただいまお話にございました第三セクター方式、これも障害者の雇用を伸ばすための非常に実効のある仕組みだろうと思っておりまして、私ども、各都道府県に少なくとも一カ所ということでやってまいりました。また、そのためにいろいろ助成もいたしております。 その結果、例えば平成に入りましてからは、その以前よりもピッチが上がりまして、毎年二つずつくらい設立されてきているということでございますが、問題は、設置されている県では複数設置されている県があるけれども、されていない県がまだ多数あるということでございますので、設置されている県のノウハウ、経験を本当にいろいろな形を通じて未設置県に伝えていくという仕組みをざらにきちんとやっていくことが、課せられた課題であるというふうに認識いたしております。
○山元委員 ぜひ都道府県に一つ、そしてそれは社会貢献としてすばらしいことなんだ、あるいは企業としての採算性は十分あるんだ、そういうふうなことをひとつモデルになるように努力をしていただいて広げていく。幸いにしてそういう努力をしてくれる企業が身近にある、自治体があるというところの障害者は幸せですけれども、そうでないところへずっと広げていく、こういう方式というものを広げていくということは、これは今までにそういう例が余りないわけですから、ぜひ努力をしていただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。 時間がありませんから、最後にもう一つだけですが、先ほども少し出ていました納付金会計の問題ですね。見ると、昨年度末ですか、四百億円の剰余金があるわけです。これは未達成企業が多ければ多いほど納付金が多いわけですね。これは不幸せです。金はどんどん入ってきて残る。事業が、これを使って福祉施策を進めていくということが 行われなければ、それが少なければ金は残ってくる。逆に、だんだんと達成率が上がってきて納付金が減ってくると会計が乏しくなる、事業が進んでくると金が要る、ついには赤字になる、こういうことになるわけですね。私は、早く赤字になるような状況が生まれることがいいことだと思うのですね。四百億円もの金が残っていて、これはにんまりしている場合ではないと思うのですよ。 詳しいことは、少し具体例を挙げたかったのですけれども、そういう点で、やはり一方で納付金の収入が減るような手だてをすべきだと思いますし、一方でやはりこれだけあったら、私は、労働省の皆さん大変人手不足で大変かもしれぬけれども、もっとどんどんときめ細かく施策を進めていってほしい。今言いましたように、納付金が減ってくる、事業が拡大してくる、赤字になったら国庫で、やはりわんさわんさとみんな一緒になって政府予算から出すのが当たり前だという運動をやりましょうや、そうでないと、四百億円というのがむだな貯金ということになってしまうだろうというふうに思いますから。その点はどうです。
○渡邊(信)政府委員 この納付金というのはゼロになるということがやはり理想だと思いまして、現在四百億の、これは平成四年度の数字ですけれども、四百億の剰余金があるということで、今般福祉施設への新しい助成というふうなことを考えまして、積極的に活用していこうと思っておりますが、最終的には、雇用率が達成されまして、納付金がゼロになるということを目指したいと思っております。 なお、この剰余金の活用ですけれども、例えば施設をつくって助成をするというようなときに、その後のランニングコストもかかるわけですから、十分財政の将来見込みというふうなものを考えながら計画的な支出が必要だと思っておりますが、いずれにしても、私どもこれを余す必要はないわけですから、有効に活用したいと思います。
○山元委員 もう少しいいですか、その金の使い方で一つだけ。 事業主団体というのがこの金を使う相手です、助成金を交付する相手。事業主ということだったらわかるわけですが、事業主団体にパスだとかいろいろの事業に対する助成をする。事業主団体の規定というのですか、どういうことを考えていらっしゃいますか。
○渡邊(信)政府委員 従来、特に重度の方の雇用については、通勤対策や住宅対策が必要だということで、事業主が例えば障害者の方のために住宅をつくるというようなときに助成をしておりましたが、今般事業主の団体についても助成の対象に加えるということにいたしました。これは、事業主が単独で行いますよりやはり規模のメリットというふうなこともありますし、事業主団体ということになれば地域的な広がりもできるだろう、こういったことを加味いたしまして、今般事業主の団体を助成の対象に加えるということにしたものでございます。
○山元委員 だから、事業主団体とは、例えば工業団地があって、そこのところにグループをつくれば通勤バスの助成がしてもらえる、運転手の補助をしてもらえるとか、それはわかるのです。私は、そういう既にある工業団地等はすぐ発想できるけれども、例えば、私の地元でいいますと地場産業でちりめん工場が、機屋さんが幾つかあるのですね。そういうちりめん屋さんの会社が、工場が幾つか固まって何とかしてくれと言ったら、それは事業主団体と認められるのか。あるいは、大きな企業が二つあって、全然関係ない、こっちは電機屋さんでこっちは繊維会社としたら、ここのところでバスをとめてもらおうか、そのためのなにをつくろうかいと言ってこのA社とB社とが話し合いをしたら、それは事業主団体と認められるのですか。私が言いたいのは、できるだけそういうことについて、工業団地がきちっとあるような既成の事業主団体というものでなしに、良識的なしっかりとした意図がわかるようなところには範囲を拡大して認めてほしいなという気があるのですが。
○渡邊(信)政府委員 代表的なものとしましては、工業団地とかあるいは中小企業協同組合とかいうようなものが考えられると思いますが、今お話にありましたようないろいろな団体で代表者あるいは管理人の定めがきちっとしている、したがって事業主の団体だと認められるというものについては広く助成の対象に考えております。
○山元委員 時間が来てしまいました。 障害者の雇用の条件というのは非常に難しい、景気の動向にもよりますけれども、そういう難しい状況になっている。最初に申し上げましたように、障害者の十年が過ぎあるいは新長期計画も立てられた、それから障害者基本法も制定された、そういう高まりがずっとあるわけです。しかし、私は甘いことはないと思うのですね。例えば、新聞でもついこの間、「歯ぎしりの「自主退職」 障害者にリストラの波」、まず障害者がやめていかざるを得ないような状況が企業の中でつくられているとか、首を切られるとか、あるいは別の新聞では、一月末の新聞ですけれども、「障害者に木枯らしの季節社会貢献より企業の論理」ということで、障害者が首を切られていくという状況も一方であるわけです。 一方でそういう施策も確かに進んでいきます。けれども、今しっかりとした積極的な姿勢でこの問題に取り組んでいかなければいけないという指摘を私も先ほどから幾つかさせてもらいましたけれども、これからの取り組みについて大臣の決意といいますかお考えをお聞かせをいただいて、終わりたいと思います。
○鳩山国務大臣 労働省という役所は、常に働く勤労者の立場に立って物を考えるべきであろう。もちろんそれは企業のことも考えないわけではないですが、しかし基本的なスタンスとしては働く人たちの立場に立って物を考えるべきであって、その中でもとりわけハンディキャップを負っておられる、ほっておくと社会的に弱い立場に追い込まれてしまいがちな方々の立場を思いやるということが私は最も重要なことだろうと思っておりまして、今先生が読み上げられた新聞の見出しの幾つかを拝聴いたすだけで、何か背筋が寒くなるような思いがいたすわけです。 自由主義経済社会というものは、企業は何をやってもいいということではないわけで、社会全体が利潤、利益を求めていけばそれでいいという社会では絶対にないと私は考えておりますので、労働省あるいは労働行政がそれこそ障害者雇用に関して命がけだなと皆さんに評価していただけるような姿をお見せできる日まで、努力を続けなければいけないと存じます。
○山元委員 ありがとうございました。終わります。
○松岡委員長 寺前巖君。
○寺前委員 四点ほどお聞きをしたいと思います。 その一つは、障害者の雇用率の問題です。九三年十月発行の労働省の「身体障害者及び精神薄弱者の雇用状況について」というのを読んでみますと、去年の六月現在で、一般企業で一・四一%という雇用率になっている。先ほどからお話があったとおりなんです。それを細分化して規模別に見ると、大企業の雇用率の方が悪いのが一般的にずっと数字として出てきます。この前、高齢者の雇用の問題を見ていたら、継続的雇用という面でも大企業の方が悪い。それから障害者の問題でも大企業の方が悪い。社会的存在としては大企業の位置が社会的発言権があるだけに、そうすると労働省が意識的にこの分野にメスを入れるということを真剣に考えなければいけないことになるなということをつくづく感ずる次第です。 何か本を読んでおりましたら、こんなのがありました。身体障害者雇用納付金制度というのは、「事業主からの拠出金であって決して罰金的なものではありません。このため、身体障害者雇用納付金は税法上損金又は必要経費として取り扱われます。」えらい優しく取り扱うのだが、実際上は、雇用率を達成していないところについては納付金を出してもらいますよ、懲罰的な意味を含んでい る性格じゃないのでしょうか。そうでなかったら、雇用率の義務化というものが社会的責任としての感じを持たないことになるのじゃないだろうか、わざわざこんな言い方をしなくたっていいのじゃないだろうかなと私は感ずるのですよ。 一般的な話ですから、まずは大臣に御見解を聞きたいと思います。
○鳩山国務大臣 私は、こうした問題について法律的な精緻な議論をする能力を持っておりません。 ただ、率直に申し上げて、労働大臣になりまして、障害者の雇用に関する法定されたパーセンテージというものを聞いて、片や納付金というものを納める、片やいわば御褒美というような形でお金を差し上げるということを聞いたときには、つまり罰金でしようというふうに労働省の皆さんにはお話を申し上げた。まあ罰金というか、納付金という形になっております。 ですから、自由経済体制とか、まさに経済的な規制という意味でこれをどういうふうに言えばいいのか、私は法制局的な能力を全く持っておりませんが、しかし企業の社会的な責任というものを考えれば、しかも六十三人に一人雇えばいいんで、従業員数が三百一人以上のところから始まるわけですから、中小企業等についてはこれを適用していないということを考えれば、一定規模の力を持った企業にはその責任を全うしてもらいますよという意味でこの制度が設けられていると私は思いますから、これは恐らく法律上は罰金と呼ぶことはできないのでありましょう、あくまでも納付金なのでありましょうが、私は心としては罰金であっていい、こう思っております。
○寺前委員 だから、私は何も法律の話をしているのじゃなくして、わざわざ労働省の文書の中にそんなことを書かなくてもいいのになということを感じますので、大臣にちょっと聞いてみただけです。 ところで、職業安定局集計の資料を見ておりましたら、実雇用率というのが、六十三人から九十九人のところは二・一一ということになるのでしょうか、百人から二百九十九人になると一・五二だ、三百人から四百九十九人は一・三二だ、それから五百人から九百九十九人までが一・二八、千人以上が一・三〇という数字が出ているのですが、国なり自治体なりの雇用率はたしか二ですね。それから、特殊法人の場合で一・九でしたね、たしか。 そうすると、本当に小さい、百人未満のところは全部国の水準も突破することができているんだ、こう考えてきたときに、それでは何で雇用率をあえて一・六というふうに低い段階を提起しておらなければならぬのか。この点でも、社会的存在として、国なり特殊法人なりの水準をおのれの使命としてやろうじゃないかということを大手企業の中に提起することは検討されないのだろうか。私は、今の話の続きとして不思議でならないので、次に聞いてみたいと思うのです。
○渡邊(信)政府委員 この法定雇用率の一・六というものがどういう考え方に基づいてそもそも設定されているかということではないかと思いますが、この一・六という数字が達成をされますと、働く意欲と能力がある障害者につきましては、ほぼ雇用の場、職業の場を確保できる、こういったことを一応の前提としてはじき出された数字でありまして、これはかつては一・五であったわけですが、その後障害者がふえている、こういった状況等も背景にいたしまして、一・六に現在引き上げが行われているものでありまして、ただ、この数字は法律上五年ごとに見直すということにされておりますから、これが次回は平成八年ですけれども、その時点につきましては、また雇用の状況等を見ながら数字の見直しもあるかと思いますが、現在は一・六という数字でほぼ障害者の方の雇用は達成できる目標ではないか、こういったことでやっているわけでございますから、特にどこに高くどこに低くというふうなことは現在考えておりません。
○寺前委員 だから私は、見直しをする以上、見直しをしてもらわなければならぬ分野というのは、その点でも零細な業者の皆さんがそういう努力をしておられることと比べてみてもおかしいなと思うし、それからさらに、精神薄弱者についてはたしか雇用の義務はないのでしょう。それから、精神障害者、難病患者などは全くらち外なんでしょう。こういうものを含めて、私は、障害者の問題について、せっかく国際障害者年何年計画というのをやってきて、もう終わったけれども、今改めて今日のこの雇用の不安な状況を考えたときに、こういう点の見直しをひとつぜひ考えてほしいと大臣にお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○鳩山国務大臣 障害の種類によって障害者をどういうふうに見るかということがございまして、一般に身体障害者の場合は雇用義務がありますし、雇用率へのカウントがされますし、当然助成金も出ますし、職業指導等もある、こういうことになるわけですね。精神薄弱者の場合は、雇用義務のところだけがなくて、雇用率へのカウントがあり、助成金も出るというようなこと、また、いわゆる精神障害回復者と言われる方、精神分裂病、躁うつ病、てんかん等が回復してこられた方々に関しては、雇用義務もカウントもなされないけれども助成金は出るというような形になって、その他の障害者について、難病の方等は職業指導や求人開拓はする、こういうことになっておるわけで、こういう分類が今のところはされておって、合理性を持っていると思いますけれども、例えば、今この四つ分類があっても、その中にLDの方などどういうふうに分類されるんですか、こう言われたら、私は今答弁できないとか、難しい問題がいっぱいあろうと思っております。 要は、冒頭政府委員の方からもお話をいたしましたが、働く意欲があって、そしてきめ細やかな職業リハビリをやることによって働くことのできる、意欲もあって働くこともできる方が社会に参加できる、そういう方々をすべて参加せしめるような施策をやっていくということで、こういう分類も考えていかなければならないと思います。
○寺前委員 では、働く意欲のある人が働く意欲を満足させるようにさせてあげるために、制度的な見直しというのは常に検討されるべきじゃないだろうかという意味で今の問題提起を私はしたのですが、面倒見てくれますか。
○鳩山国務大臣 だから、結局そこはぎりぎりまで努力をするということだろうと思うのですね。いわゆる働く意欲とか能力という問題なんでしょうけれども、例えば精神的な障害を持たれている方々が、生活指導も非常に難しいとか、就業、仕事につかせることにかなりの困難が伴うというような場合、事業主に対してそういう方の雇用を義務づけるということになると、これはまたなかなか難しい問題も起きてくるわけでしょうから、ただ、そういう方を雇えば雇用率にはカウントいたしますよという、そういう仕組みになっているわけでしょう。ですから、そういうように、義務づける、雇用を義務づけるのは事業主にとっては酷だけれども、でも、そういう方も今後のきめ細やかな指導等でぎりぎりまで社会参加できるように努力するということだろうと思います。
○寺前委員 どうもあいまいですが、検討してください。 それから、私はこの間、滋賀県の信楽町の社会福祉法人信楽青年寮の話を聞きました。八十人ほどの寮生のうち、三十人ほどが事業所に雇用されている。施設の職員が仕事に一緒に連れて行くことから始まるわけですが、時に障害者がトラブルを起こしても、その後フォローする体制がとれているので仕事も続けられる。よほど介護を面倒見ていかないと困難だという障害者が、意欲はあってもなかなか進まないという問題がある。こういうことで、せめて三人に一人の面倒を見る人がついたら、いろいろやっていけるんだということを盛んに言っておられました。 例えば、紙を十枚数えるからといって、くぎを十本数えられるとは限らない人がおるのです。だから、辛気臭いぐらい面倒見ていかないとこうい う人たちの意欲を引き出すことはできないし、しかし、それだけの手を打っていったら生き生きとした社会への参加ができるんだ。そういう点では、業務遂行援助者制度というのをつくられたようなんですけれども、聞いてみたら、これが知られていないという問題があるんですね。せっかくいい制度であったら、私は大いに宣伝して、積極的に組み入れてもらったらいいと思うのですが、これは一体どういうふうに今普及されているんでしょうか。
○渡邊(信)政府委員 特に精神薄弱者の方の就業を援助するということで、今御指摘のあった援助者の制度を設けておりまして、国としても援助者を得た場合には助成をするという制度を設けておりますが、まだまだ利用されるケースが少ないという御指摘につきましてはそのとおりだろうと思います。私ども全国の安定所等を通じて、例えばパンフレットもつくってPRに努めているということでございます。まだまだ努力が足りないということでございますので、さらに努力を続けなければいけないと思います。
○寺前委員 これはたしか百七十七人の予算でやっておられるはずですね。間違いございませんね。全国何県に普及しているでしょう。
○渡邊(信)政府委員 四年度の支給件数の実績が百十七件ということでございます。(寺前委員「何県に広がっている、地方自治体」と呼ぶ)その資料は手元に持ち合わせておりません。
○寺前委員 その程度なんでしょう。要するに普及はしていない。せっかくいい制度を考えたのにと私は残念でならないんだ。だから、この前の総務庁の職安を何カ所調査したとかこうやったじゃないけれども、障害者問題があれだけ大問題になってきたのに、国際障害者年まで設けてきたのに、せっかく考えた制度が生きてきていないということが私は残念でならないので、ぜひともこれをあまねく普及することができるように検討してください。これをお願いしたいと思います。よろしおすか、それは。御答弁ありますか。
○七瀬政府委員 ただいま先生のお話の趣旨も踏まえまして、こういう制度が広く周知徹底され利用されていくように対応していきたいと考えております。
○寺前委員 時間の都合もありますので次にいきますが、障害者雇用支援センターというのをいよいよ今度は発足させようと、聞いてみたら埼玉、滋賀、岡山、熊本の四カ所でまず始めるというんですけれども、都道府県でいきますと、今障害者の職訓校というのは何県にあるでしょうか。
○渡邊(信)政府委員 設置の箇所数で現在、全国十九校でございます。
○寺前委員 全国十九県、それで、これまた障害者雇用支援センターで訓練をしていこうと、いいことだと私は思う。だけれども、ことしは出発で四県で来年は四十県いきますのやというのやったら、これはそうかというふうに私は聞きますけれども、四県で、もしもこれは同じテンポでいったら日本全国何県あるんだろうかな、こうなりますやろ。十年かかる。職訓校は前からあったんだけれども、障害者の職訓校十九校、前からあったところでこの水準だったら、せっかく制度をつくったって、ああいう制度がありまっせという話だけになってしまって、全国にせっかくの制度が生きてこないことになってはこれまた大変だと思うんです。私は、これは県段階からもっと下の段階までつくっていかなければならぬ制度だと思うだけに、国自身が積極的な年次計画を立てておやりになることが必要ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○七瀬政府委員 今回御提案申し上げている法律案の中で支援センターを設けることといたしておりますが、まず四カ所と申しましたのは、最初の年に既に準備ができているところを中心にできるだけ立派なものをつくって、その成果が全国的に広がりを見せていく、そしていろいろなところで準備ができていくということで逐年整備、設立をやっていこうということでございますので、それはやはりもう少しテンポを速めなければいかぬということもございますし、ある程度計画的にやっていかなければならぬということでございますが、実施計画というか、機運の盛り上がりとあわせて計画的につくってまいりたいと思っております。
○寺前委員 だから、計画的といったって二十年計画ではちょっと遅うなるということになりますので、詰めた計画を大臣ぜひ見てほしいと思うのです。 最後に、もう一つお聞きしたいのです。 これは昨年の春の予算委員会で問題になったことですけれども、障害者が職業訓練施設に行く場合には、それは働いておった人が行くという場合と一から行く場合と若干違いますけれども、そこへ行ったら十万前後のお金が出る。だけれども、全国三千五百カ所という共同作業所で働いている、訓練を受けている多くの方々がおるわけです。そういうところは面倒を見ない。せっかく訓練をして一般社会に出ていくということでどっちもやっておられるのに、これは見いひんのはおかしいじゃないかということが話題になりました。そのときに、当時の村上国務大臣は「就職の困難な重度障害者の雇用促進については、この意見具申にございますように、福祉対策との連携を図っていくことが重要であろうかと、大いにそれはやってまいりたい。そしてまた、おっしゃいますように、そのような観点から障害者の雇用促進に役立つ作業所についてどのような援助ができるのか、十分今後検討課題としていきたい、」今後検討課題にしていきたいと言われて、もう一年になるわけですが、今度の中にこれが生きてきているんでしょうか。御説明をいただきたいと思います。
○渡邊(信)政府委員 今般設立を予定しております雇用支援センターにつきましては、基本的には授産所等の福祉部門と連携をとりながら重度の方の就職促進を考えているわけでありますが、その対象としましては、授産所等だけではなくて、いわゆる小規模作業所といったところにおられる障害者についても、この方たちを対象にしようということで予定をしておるというふうに考えております。
○寺前委員 具体的中身はどういうことをおやりになる計画ですか。
○渡邊(信)政府委員 これは特に小規模作業所だけということではなくて、今回の構想の中身になるかと思いますけれども、福祉部門、小規模作業所等も含めましたそういったところで簡単な訓練なり作業なりを行っている重度の方で職業につけそうだという方につきましては、この雇用支援センターにおいていろいろな訓練なり職業適性検査なりというものを行って雇用に結びつけようと思っているわけでございます。
○寺前委員 いや、私の聞いているのは、小規模作業所で面倒見ないかぬじゃないかと去年問題提起して、大臣が検討しよう、こうおっしゃった、ことしの中にそれは生きてきているんですかと聞いているんです。ちょっと具体的に御説明をいただきたい、こういうことです。
○太田説明員 先生御指摘のように、いわゆる小規模作業所につきましては、重度の障害者を一般雇用に結びつけるに当たりまして一定の役割を果たしているものと私どもも考えているわけでございます。このことを踏まえまして、今年度から職業リハビリテーションの一環としまして、小規模作業所に入所いたしまして一般就職を希望する障害者を対象に、その生活指導のための支援を小規模作業所と連携して行うような新しい事業を実施することといたしております。
○寺前委員 私、非常に大事だと思うのです。初めて労働省が小規模作業所にそうやって積極策に打って出られた。私はこれは注目すべきだと思うのです。 そこで、せっかく展望を開かれる役割を果たされたんだから、次には、何というんですか、共同作業所、小規模作業所へ行きますと軽度の人が結構おるわけですよ。こういう軽度の方々を一体どういうふうに次へ、働くことができる展望に向かっていくのかという訓練をやっているわけですか ら、そういう人たちが今度の制度で、普及するならば、私は非常に値打ちのある出発点にことしはなるというふうにこの問題について評価しているのです。 だから、そういう意味では、ぜひせっかくことしからやろうということに進められたのだったら、今全国にある都道府県では、小規模作業所については何ぼかずっと面倒を見てきているのですよね、お金を出して面倒を見てきているのです。そこで、これらの規模の中で、例えば身障手帳の三級、四級を持っている人はどれだけおるとか、療育手帳を持っている人が中程度以上どれだけおるとか、そういう実態調査をやっていただいたら、この分野の人たちがどれだけ積極的に就職へ発展させることができるかという性格を持つことになりますので、私は、せっかく出発された助成制度を前進させるために、実態調査をやってもらう必要があるのじゃないだろうかなということを感じますので、いかがでしょうか。
○渡邊(信)政府委員 私ども、すべての障害を持つ方に雇用の場を確保するということが目的でございますから、今先生おっしゃったようなことも十分念頭に置いて考えていきたいと思います。
○寺前委員 そうすると、今度の法改正の中で、通勤や住宅について面倒を見ましょうという内容が入っていますね。そうすると、私は、こういう問題についても、小規模作業所がせっかく踏み出されたのですから、こういう問題についても企業や団体の面倒を見るんだということに、団体の中に入りますから、したがって小規模の作業所についても同じように取り扱われることを検討してほしいと思うのですが、いかがでしょうか。
○渡邊(信)政府委員 この住宅や通勤に対します助成は、納付金を財源にして支給するというものでございまして、この納付金はあくまで雇用関係のあります事業主から徴収する、事業主から納めていただいている財源でございますので、一般的に申しますと、雇用関係のないところにつきましてこの納付金を使用するということは現行法ではできないというふうに考えております。
○寺前委員 そうすると、せっかくその枠を取っ払って、小規模作業所にまで問題を、一般就職をするという前提の小規模作業所について面倒を見ましょうということで、これは展望をちょっと開いたわけですね。それで、これを普及してもらうように調査研究してもらう。そうすると、通勤やこういう問題についても、やはり悩みは同じことに来ているわけですね。だから、これを何らかの形で切り開く道を私はぜひ検討してほしいなというふうに思うのですが、もう時間が来ましたので、大臣にひとつ御検討いただけないだろうか、お願いしたいと思う。
○鳩山国務大臣 小規模作業所等は、私も地元でよく立ち寄ることがございまして、そうした中から、正式な雇用関係のある、そんな働く人生を送れる人もこれから出てくるはずだというふうに思いますから、それこそ支援センターが全国に何百と網羅されていく段階で、その支援センターと全国数千あるという小規模作業所とが連携をとって雇用の、いろいろな職業の訓練をやる、共同してリハビリをやるというような形になっていけば理想であろうと思っておりますが、ただいま部長の方からお答え申し上げましたように、何といってもこれは納付金という形で、雇用関係を取り結んでいるところからお金をちょうだいしている。実質的には従業員三百一人以上のところからこれをちょうだいしておるというようなことでありますと、私どもあくまでもこの雇用の促進という観点で何でもかんでもやりたいのですけれども、これは身障者の雇用の促進のための法律でございまして、あくまでも雇用政策でございます。この雇用政策と福祉政策の連携をどうとっていくかということは、また別途考えていかなければならないことだと思います。
○寺前委員 お約束の時間が来たので終わりますが、何も納付金だけですべてを見なければならぬということはございませんので、そこは大臣のやらなければならない使命だというふうに思いますので、ぜひとも御検討いただきたいということをお願いして終わります。 ありがとうございました。
○松岡委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○松岡委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○松岡委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○松岡委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時四十七分散会