予算委員会第二分科会 第1号
- 発言数
- 316 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1994/06/07
会議録
○山本主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査を務めることになりました。何とぞよろしくお願い申し上げます。 本分科会は、法務省、外務省及び大蔵省所管について審査を行うことになっております。 なお、各省所管事項の説明は、各省審査の冒頭に聴取いたします。 平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計予算及び平成六年度政府関係機関予算中法務省所管について、政府から説明を聴取いたします。中井法務大臣。
○中井国務大臣 平成六年度法務省所管の予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 法務省は、法秩序の確保並びに国民の権利保全等国の基盤的業務を遂行し、適正・円滑な法務行政を推進するため、現下の厳しい財政事情のもとではありますが、所要の予算の確保に努めております。 法務省所管の一般会計予算額は五千四百四億六百万円、登記特別会計予算額は一千五百九十五億四千百万円、うち一般会計からの繰入額七百十二億九千二百万円でありまして、その純計額は六千二百八十六億五千五百万円となっております。 この純計額を前年度当初予算額と比較いたしますと、二百四十二億五千五百万円の増額となり、増加率にいたしまして四%となっております。 何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。 なお、時間の関係もありますので、お手元に配付してあります印刷物を、主査におかれまして、会議録に掲載せられますようお願い申し上げます。
○山本主査 この際、お諮りいたします。 ただいま中井法務大臣から申し出がありましたとおり、法務省所管関係予算の概要につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 平成六年度法務省所管予定経費要求説明書 平成六年度法務省所管の予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、法務省所管の一般会計予算額は、五千四百四億六百万円であり、登記特別会計予算額は、一千五百九十五億四千百万円でありまして、その純計額は、六千二百八十六億五千五百万円となっております。 この純計額を前年度当初予算額六千四十四億円と比較しますと、二百四十二億五千五百万円の増額となっております。 次に、重点事項別に予算の内容について、御説明申し上げます。 まず、定員の関係でありますが、前年度定員に比較いたしますと純増二百十一人となっております。 平成六年度の増員は、新規五百二十人と部門間配置転換による振替増員七十六人とを合わせ、合計五百九十六人となっております。 その内容を申し上げますと、 一 法務局における登記事務、訟務事務及び人権擁護事務の処理体制を強化するため、登記特別会計の百五十八人を含め、百六十三人 二 検察庁における特捜事犯、財政経済事犯及び国際犯罪事犯等に対処するとともに、公判審理の迅速化を図るため、九十二人 三 刑務所における保安体制、処遇体制及び医療体制の充実を図るため、百十二人 四 少年院及び少年鑑別所における教育、観護体制の充実を図るため、三十二人 五 保護観察活動等の充実を図るため、二十六人 六 出入国審査及び在留資格審査並びに退去強制手続の業務の充実強化を図るため、百七十一人となっております。 他方、平成三年七月五日の閣議決定に基づく平成六年度定員削減分として三百八十五人を削減することとなっております。 次に、主な事項の経費につきまして、概要を御説明申し上げます。 まず、一般会計では、 一 刑事事件の処理等検察活動に要する経費として、四十八億一千四百万円 二 刑務所等矯正施設における被収容者の衣食、医療、教育及び作業等に要する経費として、二百九十三億五千四百万円 三 保護観察に付された少年等を更生させるための補導援護等に要する経費として、五十八億七千六百万円 四 出入国の管理及び難民の認定等に要する経費並びに在留外国人の登録等に要する経費として、百二十億五百万円 五 破壊活動防止のための公安調査活動に要する経費として、二十六億九千八百万円 六 施設費としましては、老朽・狭あい化が著しい基幹の大行刑施設及び拘置支所の継続整備を含め、法務省の庁舎及び施設の整備に要する経費として、百六十億九千六百万円 をそれぞれ計上しております。 次に、登記特別会計について御説明申し上げます。 登記特別会計の歳入予算は、一千六百三十六億七千六百万円、歳出予算は、一千五百九十五億四千百万円でありまして、歳出の主な内容といたしましては、登記事務のコンピュータ化計画を推進するとともに登記事務を適正、迅速に処理するための事務取扱費として、一千五百四億五千七百万円を計上し、ほかに、登記所等の施設の整備に要する経費として、七十九億三千八百万円を計上しております。 以上、法務省関係の平成六年度予定経費要求の内容について、その概要を御説明申し上げました。 —————————————
○山本主査 以上をもちまして法務省所管についての説明は終わりました。
○山本主査 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます、 なお、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります、 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安倍晋三君。
○安倍(晋)分科員 私は、昨今、検察官の不祥事が相次いで発生をいたしておりますので、そのことに関しまして質問をさせていただきたいと思います。 九〇年には、光進の元部長に対していわゆる暴行を含む、被疑者に対してのまさに暴行凌辱の事件が発生をいたしました。また、九三年におきましては、ゼネコン疑惑に関して金沢検事の暴行事件もございました。また、本年は、つくば市の汚職に関しまして暴行があった、そういう訴えがされております。これ以外にも検察官によるセクハラ事件等、そういう事件が頻発をしておりますので、こうした検察の不祥事について、大臣がどのような感想を持っておられるか、お伺いしたいと思います。
○中井国務大臣 安倍議員お尋ねのような不祥事が相次いで発生しましたこと、あってはならない出来事であり、まことに遺憾であると感じております。 検察当局におきましては、今回の事件を契機に、職員の指導監督を徹底するなど、再発防止のための努力を続けていると聞いておりますが、大臣といたしましても、検察当局がその適正な運営に不可欠な綱紀の保持に努め、国民の期待と信頼にこたえられるよう尽力をしてまいりたいと考えております。
○安倍(晋)分科員 こうした事件につきましては、これは個人の資質に問題があるのか、または検察庁自体にそうした体質があるのか、その辺についてどういう感想をお持ちか、お伺いをしたいと思います。
○中井国務大臣 お尋ねの金沢さんの件につきましては処理が済みました。あと二件ございますので、この二件の決着を待って、両方の意味でのいろいろな対策、これを講じさせていきたい、このように考えております。
○安倍(晋)分科員 戦後、こうした検事による被疑者への暴行事件というのはどれくらい発生していたのか、教えていただきたいと思います。
○原田政府委員 お尋ねの件でございますが、最近に至るまで、検事が参考人あるいは被疑者に具体的な暴行を行ったということで問題となり、その事実が、証明されたといいますか、認知されまして、処分に至ったという件はなかったようでございます。最近に至ってそのような事犯が表面化したということでございます。
○安倍(晋)分科員 問題は、今までそういう具体的な例がなかったわけでありますが、しかし、なかったからといって、実際にそういう事実がなかったかどうかということは、これは大変大きな疑問でございます。 事実、金沢検事にいたしましても、それまでのいろいろな取り調べにおいてそれを疑わせるような行為があった、そのように仄聞をいたしているわけでございます。やはり、これは本人の資質というよりも、この数年間だけで同じような事件が三件起きているわけでありますから、そうしたことを許すような、たとえ暴行を働いても自白を引き出した方がいいんだ、ある程度やむを得ないんだというような空気があるように私は考えるわけであります。 しかし、過去の事件についてはそれなりの調査をされていると思いますし、また、司法の判断もあとの二件については下されると思うわけでありますが、やはり大事なのは、今後の防止策でありまして、今後こうしたことが起こらないように防止策を施していくというのが大変重要である、私はそのように思います。 今大臣からも、こうしたことが起こらないように防止に努めていきたい、そういう御答弁がございましたが、具体的にどういう方策を考えておられるのか、御説明いただきたいと思います。
○原田政府委員 御指摘いただきましたように、このような事例が発生いたしましたということは、私どもにとって大変衝撃でございまして、御質問の趣旨も体しまして、今後とも最善の努力を尽くしてまいりたいと思います。 具体的に申し上げますと、このような事案にかんがみまして、本人に対する処分を厳正にいたしていくということ、またこれに関係する監督者の処分につきましても、事案に即して明確にさせていただきたいということが、まずございます。 それから、改めてこの種事案といいますか、このような事態が二度と発生することがないようにということで、あらゆる機会、各種の会合がございますが、そのような機会を、あらゆる場合をとらえて、これは検察官の上級の者から、法務大臣及び検事総長を初めとする幹部検察官において、個々の検察職員がその立場を十分に自覚して公私にわたって厳しく律するように訓示を行うなど、全職員に対する指示を徹底させてまいりたいと存じます。 さらに、そのような事態を踏まえまして、最近における若手職員の訓練、指導にさらに再検討を加えまして、いわゆる新任検事制度の教育制度を初め、若手検察官に対する指導、研修を一段と強化してまいりたい。現在、特に新任検事制度につきましては、そのカリキュラム、教育の仕方につきまして全面的に洗い直しを行っておりまして、できれば明年度の新任検事からこれを適用して、二度とこのようなことがないように、私どもとしても最善を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
○安倍(晋)分科員 ただいま官房長から御説明をいただいたわけでございますが、例えば刑事訴訟法は個人の自由の保障に深くかかわる法律だと思うわけでありますが、この刑事訴訟法が司法試験において選択科目になっているということもございます。これは大変学習が難しいからということも理由の一つのようでございます。やはりこれは被疑者の人権とか民主主義の根幹をなす個人の自由について保障をしている法でございますから、これを今後は、例えば検察官においてはこうした学習を集中的に行っていくということも大切ではないかと私は思います。 それと同時に、取り調べの中でどういうことが行われたかということはなかなか当事者でない限りわからないわけであります。例えば暴行等を行えばそれなりに腕が折れたりとかあざが残ったりとか肉体的な証拠となるものが残るわけでありますが、そうではなくて、精神的に拷問に近い形で本人のプライドを崩させるような暴言等々を吐いたとしても、これはほかに証人となるべき中立な人がいないわけでありますから、言った言わないという結果に陥っていくというのは、これは大変明確だと私は思っています。 そういう中で、取り調べにおいては記録をする、例えばテープレコーダーにとって記録をするというような処置も必要ではないかと私は思いますが、その点についてはどのようなお考えでしょうか。
○則定政府委員 お答えをいたします。 被疑者を中心といたします事件関係者の取り調べに際しまして、検察庁で検事が事件関係者の人権を十分に尊重しながら関係者から事情を聞く、これが基本でございまして、そのときに、今御指摘のように、仮に相手方の人権を傷つけるような言動、特に言葉の上での人格を傷つけるようなやりとりというものがこれまたあってはならないというふうに私ども指導しておるわけでございます。 ただ、御指摘のように、それぞれの調べの場というものがいわば密室に近い状態ということでございまして、そこで現にどのようなやりとりがなされたのか、これが客観的に記録に残らない。したがいまして、言った言わないということになるということだろうと思います。現に、そのようなやりとりの問題につきまして裁判過程で種々申し立てがあり、裁判所が立ち会い事務官を初めとしまして証拠調べをする、そこで一般的に被疑者のあるいは被告人の弁解ということで排斥される、事実として認められないという場合が多いわけでございます。 御指摘のように、そういう調べの場の透明性確保の一つの方法といたしまして、テープレコーダー等の導入という問題でございますけれども、現在日本で刑事事件の事実立証の場合に、実体法の構成要件の規定の仕方ということもございまして、直接いわば犯罪にかかわった人の供述、いわゆる自白というものが事実認定上相当程度重い意味合いを持っている、まだそういうことが必要であるというケースが非常にございます。 そこで、個々の取り調べの過程で相手方と取り調べ検事との間にいわゆるラポといいましょうか、信頼関係、人間関係を築いて説得をする、これが大変難しいわけでございまして、一部始終を長時間にわたってテープにとるといったことが、今の日本の刑事訴訟の全体構造の中でどのように実践していくだろうか、また、その場合にどのような問題が起こるであろうか、これらにつきまして種々検討を重ねた上でその採否を決める必要があろうかと思っております。一概にそれは実行不可能ということではございませんけれども、いろいろな施策との絡みで今後検討していく問題であろうというふうに思っております。
○安倍(晋)分科員 この件についてはぜひとも御検討いただきたいと思います。特に、裁判等において事務官等がそうした意味で証言をされたとしても、やはり我々一般大衆から見れば、その事務官も検察と基本的にはぐるではないか、法務省の役人であるわけですから、これはやはり一体となっているのであろう、そのように見られてもしようがない、私はそのように思っています。 大体国民が受けている印象としては、恐らく似たようなことをやっているのであろう、他方、それと同時に、やはりそうしたいろいろな凶悪事件等々を追及していく上にはやむを得ないのではないかという気持ちにおいて許されているのではないか、私はこのように思うわけであります。 しかしながら、やはり検察というのは国民の全幅の信頼を得て事件を捜査をしていくということによってのみ正義を断行できるということでありますから、そうした意味、観点からも、一点の曇りもないようにしていくためにも、取り調べの中でどうしたことが行われているかということを公正にしていくべきである。そうしなければ裁判官も、果たしてこの自白が本当に被告人が申し立てているようにいろいろな意味での強制によるものであったかどうかという判断が実際は大変つきにくいのではないかと私は思うわけでありますから、その辺のところを御勘案をいただきたいと思います。 それと同時にもう一点、先ほどお話がございましたように、いろいろと防止策を講じておられるということでございますが、こうした事件が頻発をしてきたわけでございますから、これは例えば検事の皆さんだけではなくて第三者の知識人とか学識経験者等を入れてこうした防止対策を考える、そうした機関をつくっていただきたいと思うわけでございます。 またこうした防止策についていろいろな善処を図っていきたいということであっても、割とお役所仕事としては、そのまま随分長い時間がたってしまっているうちにだんだん結果がどうであったかということがわからなくなっていくという経緯もあるわけでありますから、その点もぜひとも御考慮いただきたい。そういう防止策について、もう一度大臣の姿勢を教えていただきたいと思います。
○中井国務大臣 今回の相次いだ検事の不祥事、これに検察当局も大変大きなショックを受けておりますし、また私自身も二度と起こしてはならないことと考え、指導をいたしていくつもりであります。 先生からいろいろとお話がございました幅広い御意見や御批判を率直に受けとめて、基本的な人権の認識、これらが十分なされた中で法の正義、執行が行われるよう全力を挙げてまいります。
○安倍(晋)分科員 ただいま御質問させていただきました取り調べにおいてどういうことが行われているかということを国民が大変大きな疑惑の目で見ているということと同時に、裁判所と検察庁のあり方の問題でございますが、それとまた検察庁と法務省のかかわり方についてお伺いをさせていただきたいと思うわけであります。 法務省の事務次官と検事総長との関係なわけでありますが、法務大臣は検察を含めて法務行政を指揮監督をするということになっているわけであります。例えば法務省の事務次官が検事総長よりも年次的には下であるというようなこと、あるいは法務省の中のそれぞれの局長等々がほとんど検察官によって占められているということでございますが、そのことについて、本来は、自衛隊と防衛庁、シビリアンコントロールというほどではないにしろ、やはり中立的な立場から監督をしていくあるいは指揮をしていくということが必要ではないかと私は思います。 もちろん、大変専門的な分野でございますから、そうした意味で、専門的な知識のない人がやっていいかという問題ももちろん勘案をしていかなければいけないわけでございますが、まず、法務省の中において、課長以上の役職について検察官が何%ぐらいを占めているかということをお伺いしたいと思います。
○原田政府委員 法務省の職員で課長以上の職員は総数五十四人でございますが、そのうち検事の身分を持つ者の割合は、現在約六七%ぐらいになっております。
○安倍(晋)分科員 例えば人権擁護局長も身分は検事である。もちろん、もともとは裁判官であって、法務省に出向している建前から検事ということになっているということでございますが、しかし、このことは、やはり国民に対しては大きな誤解を与える。例えば被疑者の人権を考える、その局長が検事であっていいのかということにもなってくるわけでございますので、裁判官自体を局長に任命するというよしあしも含めて、これは、例えば全くの普通の民間人を任用するということも含めて御検討をいただきたい、このように思うわけであります。 この人権擁護局長に見られるように、司法と法務省が人事の交流を行っているということに対しては、国民の目から見て、これは検察と裁判官が一体になっているんではないか、大岡越前のように裁判官と検察官が同一人物であるということではないにしろ、一体になっているんではないかという疑惑もあります。私もまさにそのとおりであると思います。 もちろん法務省にいる間にかかわった事案については、裁判官は忌避をされるということでございますが、しかし、その中で人的な交流が行われるわけでありまして、この人のことはよくわかっている、大変信頼をしている、その人が検察官として有罪を立証しようとしているんであるから間違いないんではないか、このような予断を招くことになる、このように私は危惧を感じるわけでありますが、大臣の、政治家として、交流の是非についてお伺いしたいと思います。
○中井国務大臣 私も、大臣就任早々一番最初に法務省の諸君に尋ねましたのは、機構の中でどれだけ検事さんがおられて、どなたが検事さんかということでございます。 先生のおっしゃるような御批判やらもあるかとは存じますが、しかし、法務大臣につきまして、日々の業務の中で感じますことは、やはり検事さんじゃないと法務行政というのはなかなかできない面が数多くある、このことも痛感をいたしております。同時に、検事さんが、法務省へ検事の身分のままで勤務し、そしてその中でいろいろな行政に触れていく、あるいはまた国会等で御批判もいただく、同時に外交官として出向する、あるいはいろいろなところへ出かけていって幅を広める、このことも大事なことではないか、このように感じております。 検察庁あるいは検事が、大変大事な、厳しい役割を負っておりますから、身を慎み、また人格も高めていかなければならない仕事ではありますけれども、それがゆえに、検察の中だけにおって世間と交流がない、あるいは世間を知らない、こういうことであったんでは余計マイナスが出てくるのではないか、このようにも考え、そういった意味で、現行制度、御批判もいただきながら続けていくことがいいことであり、その中でできる限り幅広い視野が養えるよう人事交流等も考えていきたい、このように考えております。
○安倍(晋)分科員 例えば被疑者から保釈の請求があった際に、検察側が抗告したというときにはなかなか保釈が認められないというケースが大変多いわけでありますが、そのことはひとえに、例えば裁判官が何となく検察の方にある程度常に理を認める、感情的にどうしても肩入れしているんではないか、そういうような疑いも私は持つわけでございます。 それに関連して、中村喜四郎元建設大臣の事件について、もうほとんど時間もございませんが、御質問させていただきたいと思うわけであります。 中村議員は完全黙秘を貫いているということを新聞等で承知をしているわけでございますが、黙秘というのは当然憲法で保障されている権利でございます。黙秘をしたからということで保釈の請求を裁判所は却下したんではないということでございますが、しかし、検察として、黙秘を行っているということに対して、黙秘を行っているがために、保釈請求に対して検察の方からこれはノーであるというような申し立てをしたというようなことも、私、記事等でしか知り得ていないわけでありますが、ということになると、果たして検察庁は黙秘権ということをどう考えているかということでございますが、大臣の御意見をいただきたいと思います。
○中井国務大臣 お答えをする前に、お話がありました検察と裁判官の間がツーカーで、国民から、場合によっては御批判もいただく面もあるんじゃないかということについては、私どもは御批判は御批判として承りますが、常にそれぞれの立場で疑われることのないように厳然とやっておる、このように申し上げておきたいし、同時にまた、裁判所と弁護士会との交流、人事交流もございまして、いろいろな形で被疑者の方々の弁護人も裁判所との信頼関係、これ等もあるのではないかと考えております。 お尋ねの中村衆議院議員の保釈却下の問題につきましては、黙秘をしておるから検察側は却下の方向で書類を出しておるということではなしに、万一仮釈放ということで裁判所が御決定をなさった場合に、証拠隠滅の疑いが、あるいはおそれが 非常にある、このように考えてのことである、このように私どもは聞いております。しかし、釈放するかしないかは裁判所の御決定でございますので、中身については余り申し上げたくないというのが率直な思いでございます。
○安倍(晋)分科員 黙秘についてでございますが、被疑者を取り調べる際に、その被疑者が黙秘する権利があるかどうか、そういう説明を行っているかどうかということを、まず御質問させていただきます。
○則定政府委員 これは被疑者ごとに、そういう黙秘権を検察官の方から告知しておることは事実でございます。
○安倍(晋)分科員 そういうことであれば、新聞等々で、黙秘をしていると、例えば保釈について不利になるというような憶測の記事がいろいろと出ているわけでありますが、そういうことに対しては基本的に違っているということで、ある意味では訂正等々をしっかりと申し入れをしておいていただきたいと思うわけであります。 でないと、今後、例えばそういう事件に一般の市民が巻き込まれた場合、これはやはり黙秘をすると不利なのかな、そういう先入観も与えるわけでありますから、これは基本的な権利としてあるんだ、そのことによって有利不利にならないということははっきりとさせておくべきである。むしろ、これは法務省の方から、そういうことは全くないというような、例えばいろいろな記者会見等々の機会をとらえて断言をしておいた方がいいのではないか、私はこのように思います。 時間がないので、最後に大臣に一問お伺いしたいわけでございますが、中村議員はさきの首班指名において投票を自分としてはしたいという要求があったようでございます。本人の犯したであろうと言われているこの事件について、その有罪無罪にかかわらず、彼が前回の選挙において国民の信託を得たのは事実でありました。その中において、首班指名に記名で一票を入れるというのは大変重大な権利であり、かつまた国会議員としての責務であります。その権限をこれは奪うわけでありますから、大変重大なことではないかと私は思っています。 特に、もともと中村喜四郎議員は自民党に所属をしていたわけであります。そして、どういう投票行動をとったかはわからないわけでありますが、法務大臣が所属をしておられます連立政権側とは相対峙する側にいる。彼がだれに投票するかというのは我々は全くわからないわけでありますが、かつて所属をしていた政党からして、法務大臣とは反対側の政党の候補者に一票を入れる可能性が非常に高いわけであります。 そういう中で、法務大臣が指揮監督をする検察がこうした首班指名の権利自体を奪う方に加担をするということは、私はいささか問題ではないか。むしろ、我が党がもし政権にあって、法務大臣という職責も我が党の議員が行っているという中においては、これはこれでまた話が違ってくるわけであります。しかし、反対党の人が大臣の職責にあるという中で、この一票の行使を封じるというのは、私はいささか行き過ぎではないか、このように考えるわけであります。 もちろん、我が党としてその一票を、例えばこういう情勢の中で我が党の候補者に一票を記名投票で入れていただいた場合、かえってこれはマイナスになるのではないかということを言う議員も事実いるわけでございますが、そのこととは全く別に、これはやはりそうした権利というのは本来は重く見るべきではないか、このように思うわけでございますので、大臣の御見解を承りたいと思います。
○中井国務大臣 安倍議員御指摘のとおり、私ども衆議院議員に課せられました最大の職務の一つが首班指名であること、承知をいたしております。 中村議員の逮捕につきましても、実は議員であるがゆえに、在宅での起訴ということも十分あったわけでありますが、中村議員自身が黙秘を含めてああいう対応であられたため、やむを得ず国会へ逮捕請求を手続に従ってお出しをし、お願いをしたわけでございます。これに対して、国会におきましても自民党さんを含めて十分な御審議をいただき、そして満場一致でこれをお認めになられたというところで逮捕に至ったわけであることは、安倍先生御承知のとおりであろうか、このように考えております。 その他、保釈の件につきましては、先ほどから申し上げましたように、刑事訴訟手続の過程において裁判所が弁護人からの保釈請求を却下する旨の決定をしたものであって、法務大臣としてはこの決定について申し上げることはできないと考えております。ただ、法務省、検察当局、常に不偏不党の姿勢を崩していない、このことは私はこの機会に強く申し上げておきたい、このように思います。
○山本主査 これにて安倍晋三君の質疑は終了いたしました。 次に、金田誠一君。
○金田(誠)分科員 司法書士の関係につきましてお尋ねをいたしたいと存じます。 司法書士法第三条でございますけれども、試験のほかに法務大臣が認定することができるという条項がございまして、これを特認というふうにおっしゃっているようでございますけれども、ここ数年のこの特認者数を、一、二年前で結構でございます、お知らせをいただきたいと思います。
○濱崎政府委員 いわゆる特認、法務大臣が一定の職務経験に基づいて資格認定を行う者、その認定者の数でございますが、この数はそういう資格を付与するにふさわしい職務経験を有する者で、その資格付与を希望される方の数が年々変動するという要素がございますので、試験の方の合格者の数と違いまして年々かなり大きな変動がございます。 ここ一、二年の数で申し上げますと、二百数十人から三百数十人の数になっております。数字を申し上げますと、平成四年が三百四十七、平成五年が二百四十七という数字になっております。
○金田(誠)分科員 この特認で認定する場合でございますけれども、認定するに当たっての法務省内部での試験といいますか、そういうものはあるのでしょうか。
○濱崎政府委員 この認定の基準は法律で定まっておりまして、一定の職務経験を有する者の中から、法務大臣が司法書士の業務を行うのに必要な知識及び能力を有すると認めた者ということになっております。 その判断基準といたしまして、その職務経験の期間、その質、職務の内容、そういったことと、それから、最終的に司法書士の業務を行うに必要な知識及び能力を有するかどうかを判定するための一定の試験を行い、その両者をあわせて認可の可否を判定しているという実情でございます。
○金田(誠)分科員 といいますと、試験はあるということだと思いますが、その試験はどのように行われているものでございましょうか。日にちを統一して年に一回とか、それの全国共通の試験問題をどこで作成して、例えば都道府県一カ所で試験をするとか、その辺のところをちょっと教えていただきたいのですが。
○濱崎政府委員 ただいま申しましたように、この試験というのは、その認可の申し出といいますか、申請をした人それぞれの職務経験の期間、内容、それと試験とをあわせて、それを総合して、その知識及び能力を有するかどうかという判断をするということでございますので、この試験については、必ずしも全国統一の試験内容を定めて、それで統一的に行っているということではございません。 それから、この試験はいわゆる司法書士試験のように全国統一的に一つの機会に行うということではなくて、個々の申請ごとに、その個人個人について、今申しましたようなその人の職歴等にかんがみて、さらに、この程度の試験を実施するのが適当であるという判断のもとに試験を実施して いるということであります。
○金田(誠)分科員 非常にわかりづらいのですが、例えば私が認定を受けたいと思って申請をすると、私の職歴などを精査されて、この人は試験が必要だ、あるいは試験は必要でないと、一人一人についてその判断をするということでしょうか。
○濱崎政府委員 御案内のとおり、裁判所事務官、書記官あるいは法務事務官等の職務に十年以上従事している者、これがその資格者の中心でございますけれども、運用といたしましては、十年の職務ということだけでは、一般的に言って、必ずしもその業務を行うに必要な知識、能力を一般的に有しているとは判断しがたいというようなことで、これは内部的なものでございますけれども、それよりもう少し厳格な経験年数あるいは職務の内容といったものでもって運用をしております。 その上に、今申しましたような方法で、その方の職務経験を基準にして、この人についてはどういう試験を補充的にするのが適当かという個別の判断に基づいて試験を行うということでございます。 御案内のとおり、司法書士の業務というのは、業務内容は幾つかございますけれども、何といっても登記事務というのが業務内容の中心でございます。例えば、その登記事務に長年従事していて、その職務の内容も司法書士業務と業務内容、仕事の内容において非常に密接な関係がある、そういう職務に極めて長い年月従事して、その十分な職責を全うしているということになりますと、登記の実務というようなことについてはとりわけ改めて試験する必要がないのではないかというような場合もございます。 そういう場合に、しかしながら、実体法の点についてはさらに一定のテストをするということが必要だ、そういうことでございますので、それぞれの職務経験に応じた必要な試験を実施しているということであります。
○金田(誠)分科員 どういう職種の場合はどういう試験をする、どういう前歴の場合はどういう補充試験をするというようなことを書いた内規といいますか、要綱といいますか、そういうものはございますでしょうか。 それと、あわせてお聞かせいただきたいのですが、実は、昭和五十三年六月十五日の参議院法務委員会での政府委員、香川保一様というのでしょうか、この方の答弁でございますが、 この試験は法務大臣が行う試験でございますけ れども、実際は法務大臣から一応法務局長に委 任してやらせるというふうなことを考えておる わけでございます。ただ、現在も同じでござい ますが、ばらばらにやったのでは不公平になり ますので、したがって、本省で問題をつくっ て、それで、各実施は地方法務局でやってもら うというふうなことを考えておるわけでござい まして、これが特認に当たっての質疑に対する答弁でございますが、今の御答弁とこの昭和五十三年の、これは司法書士法の全面改正のときの委員会でございますけれども、全く食い違っておるのではないかと思いますが、いかがなものですか。
○濱崎政府委員 御指摘の当時の香川民事局長の答弁にございましたように、法務局、地方法務局長に委任して行っている、最終的には法務局、地方法務局長の判断によって行っているわけでございます。現実の問題といたしましては、いろいろな事務連絡等におきまして、各法務局でアンバランスが生ずることがないようにということについては十分協議をし、法務省の考え方を伝達しております。 それから、試験問題の内容につきましても、今申しましたように、その受験資格申請をされる方によって必ずしも同じ試験をやっているわけではございませんけれども、試験問題につきましては、ある程度事務連絡という形で一定の統一がとれるような配慮をしているところでございます。 そういう意味で、当時の答弁と基本的に食い違っているとは思っておらないところでございます。(金田(誠)分科員「内規の関係」と呼ぶ)御指摘のような内規基準はつくっておりません。
○金田(誠)分科員 前段御説明いただいた特認者の試験のあり方とこの答弁と食い違っておらないという再度の御答弁だったのですが、そういうことでしょうか。 昭和五十三年には、この試験は法務大臣が行う試験でございますけれども、実際は法務大臣から法務局長に委任してやらせるというふうな考えです。不公平になりますので、したがって、本省で問題をつくって、それで、各実施は地方法務局でやってもらう。 これは全国一律のものでなければまさに不公平になるわけで、その試験の期日も、期日をずらしてアトランダムにやられていたのでは、例えば試験問題が漏えいするということも十分にあるわけでございまして、これはいかがですか。 この昭和五十三年の御答弁の趣旨と今現実に行われているということとは全く違っているというふうに思うのですが。
○濱崎政府委員 試験の仕方というのは、これは正規の司法書士試験のように法律できちっと決まっているものではございませんので、その資格、一定のやり方というのが不動のものとして確定しているわけではございません。 この試験をどういうふうにやれば一番適切かということは、私ども司法書士制度を所管する立場においては日々考えているところでございまして、一時は、今御指摘のあったような全国統一問題というようなことで実施した時期もあるやに承知しております。しかしながら、先ほど申しましたように、いろいろな職務経験、それから試験の成績を総合して判定するという観点からいいますと、必ずしも統一的な試験をするというのは実情に合わないということも考慮いたしまして、今申しましたような運用をしているわけです。 それから、試験問題の漏えいという観点から申しますと、それはどういうやり方をやりましても漏えいの危険性というのはあるわけでございますけれども、そういう統一的なやり方をやるという場合とそうでない場合というので漏えいの危険に基本的な違いがあるというふうには考えておらない。そういうことについては、もう厳にそういうことのないようにということで、徹底してやっているつもりでございます。
○金田(誠)分科員 恐らく検事さんの資格をお持ちだと思いますが、そういう御資格の方がお答えする内容ともちょっと思えないような御答弁で、面食らっているわけでございますけれども、ちょっと角度を変えてお尋ねいたします。 平成四年度が三百四十七人、五年度が二百四十七人、こういう特認者があったということでございますが、それでは、それぞれ特認を希望された方は何人ずつおりましたでしょうか。
○濱崎政府委員 申しわけありませんが、その数は今調査しておりません。
○金田(誠)分科員 この特認希望というものは、それではどういう手続で希望者は名のりを上げることができるのでしょうか。内規か何かは本当にないのですか。一定の勤務基準、これこれに当てはまった者で、あるいはその他の要件がこれこれあれば特認の希望を申し出ることができる。申し出た場合は、これこれこういう前歴の者はこういう試験、こういう前歴の者はこういう試験、これこれのものをクリアすると特認になれるという客観的なものはないのですか。
○濱崎政府委員 申請するについて一定の要件というものは定めておりません。もちろん法律上の要件がございますから、これに達しなければ認可されないということは客観的にも明らかでございますが、それ以上の申請の要件というものは定めておりません。 ただ、先ほどもちょっと申しましたように、これは試験の結果の公表の問題と同様でございますので公表することは差し控えさせていただきますが、要するに合否の判定の基準として一定の内部 的な判断基準、これは試験の合否の決定の基準と類似、同性質のものかと思っておりますけれども、そういうものは運用上の基準としてございます。 そういうことで運用してきておりますので、申請される方もおのずから、過去の認可された人、されなかった人の経歴等考え合わせてある程度の、おおよそのことを承知しておられるという実情はあるかもしれません。しかしながら、申請に当たって要件を課するということはしておりません。
○金田(誠)分科員 特認された人の数は先ほどわかりましたが、されなかった人の数はわかりますか。
○濱崎政府委員 これは、申請されて取り下げをされるという方も実際にかなり多くございまして、そういう数については実は民事局の方で全法務局分を集約しておりませんので、申請したけれども結局不合格になった、あるいは取り下げたという人の数は承知しておらないわけでございます。
○金田(誠)分科員 申請を受けて、個別の判断プラス試験ということで合否を決めて、合格者何名、その他何名ということを本当にやっておられるのですか。その地方法務局長なりどなたかの権限で恣意的に決めておられるのではないですか。
○濱崎政府委員 これは今申しましたように、取り下げられた分については本省に上がってまいりませんけれども、認可相当あるいは認可不相当ということで最終決定をするについては、これは必ず本省に上がってくるわけでございまして、本省においてその人の職歴、それから試験の結果というものをチェックをして最終的な判断をするわけでございますので、現場でそういった手心を加えるということはできない仕組みになっております。
○金田(誠)分科員 認可不相当だった数は、それでは本省でわかるのではないでしょうか。
○濱崎政府委員 認可不相当の数、大多数がそういうことで取り下げになる場合が多いわけでございますが、最終的に認可不相当という判断をした件数は今承知しておりません。調査すればわかるかもしれません。
○金田(誠)分科員 認可不相当という数はあるのですか。認可不相当にするという者は出させないで、取り下げさせて、初めから認可に相当する者だけを申請させて全部認可する、こういうことじゃないですか。
○濱崎政府委員 御指摘のとおり、そういう運用をする場合が多うございます。しかし、全くないということではなかろうと思っております。
○金田(誠)分科員 といいますと、申請取り下げということになりますと試験もやらないということだと思いますが、したがって、あらかじめ認可する者の固有名詞というのは全部決まってしまっていて、その申請だけ出さすというようなことなのでしょうか。
○濱崎政府委員 結論的に申しまして、決してそういうことではございません。 それから、申請された者について試験をした結果これは難しいという場合に、御本人が不合格といいますか、不認可といいますか、そういう判断をもらうよりは、それは取り下げたいということで取り下げられる場合がほとんどである。むしろ、大多数の申請者の方がそういう取り扱いを希望されるということからそうなっているわけでございます。初めから基準に合致しないからテストも受けさせないというようなことはございません。
○金田(誠)分科員 問題は、その取り下げ者なるものがどの程度の数にそれぞれ上っているのかがわからないと、どれほどその公正な平等な運用がなされているのかというのはちょっとわからない気がいたしますが、取り下げ者の数というのは調査いただけますでしょうか。
○濱崎政府委員 これまでそういうことで、そういうものの数を把握するように法務局、地方法務局の方に指示しておりませんものですから、大変申しわけございませんけれども、ちょっと難しいだろうと思います。
○金田(誠)分科員 認可を希望する方々はどのように申請をするということを知らされるのでしょうか。これこれこういう要件を満たした者は認可申請することができますから、いついつまでに申請書を出してください、こういう通知か何かのあるものでしょうか。
○濱崎政府委員 これは、資格を有する方はいろいろな職場におられるわけでございますので、特にそういう資格を有する方に対してこちらから連絡をする、通知をするというようなことはいたしておりません。あくまでも当事者の方でこういう制度を承知せられた上で申請をされるということでございます。
○金田(誠)分科員 特認の申請手続の書類というのはあると思いますが、その様式などは決まっているものでしょうか。
○濱崎政府委員 様式は決まっております。
○金田(誠)分科員 その様式はどういう要綱とか内規とかに基づくものですか。
○濱崎政府委員 それは、この様式については特に法令上の規定があるわけでございませんので、これは法務大臣、それを具体的に処理します私どもの方で相当な方式ということで決めさせていただいているわけであります。
○金田(誠)分科員 特認者の数は、先ほど三百四十七、二百四十七というのはわかりましたが、その前歴、法務省出身あるいは検察庁であるとか、あるいは裁判所であるとか、この法にはいろいろ前歴の基準があるわけでございますが、その他というのもございますけれども、それを調査したものがございますでしょうか。この数の内訳。
○濱崎政府委員 認定者の出身庁別の統計というものはとっておりませんので、その詳細な数字は出しておりません。ただ、一般的に申し上げますれば、出身母体としては多くの部分が法務事務官でございまして、その他裁判所、検察庁等の職員も相当数認定を受けているということでございます。
○金田(誠)分科員 特認の方でなくて、今度は試験の方でちょっとお聞かせいただきたいと思うのですが、司法書士試験の採点は何点満点ということになっているのでしょうか。第一次、第二次、それぞれお聞かせいただきたいと思います。 それと、合格者の最高点と最低点は。それぞれ最近の例で結構ですが。
○濱崎政府委員 これはどの国家試験も同様かと思いますけれども、司法試験の合格の点数というものを満点幾ら、最低点幾らというような形で公表するということはいたしておりませんので、その点についての御答弁は御容赦願いたいと思います。
○金田(誠)分科員 特認の関係ですが、御説明ですと、試験のあり方も本当に理解できないような形で行われているようでございます。それから、特認の該当者はどういう方が該当になるのか、どういう前歴であればどういう試験を要するのか、これもわからない。あるいは何人受けて何人却下されたのか、これもわからないようでございます。疑ってかかるわけではないのですが、法務省の職責からいいますと、法のもとの平等、すべて同じく取り扱われる、機会均等といいますか、御自分の内部でぜひそういう形を実施していただきたいものだ、こう思うわけです。 今までの御答弁ですと、かなり恣意的に運用されているのかなという疑いを持たれてもしようがないようになっているようでございますが、今後に向けて、ひとつ大臣いかがでしょうか、もっと公明正大、開かれたものにしていくという方向でぜひ御努力いただきたいと思うのですが。
○中井国務大臣 今金田議員の御質問をずっと聞かせていただきまして、私もちょうど一年生議員のときに法改正がございまして、自分でもそれなりに走り回ったことを思い出しておりました。訴訟制度やら登記事務やらをお支えいただいて、国民生活にとって切り離せない本当に大事な司法書 士の制度でございます。 同時に、議員のお尋ねの流れから言えば、一般国民の試験は大変難しいではないか、大体二、三%、四百人ぐらいしか合格しない、それを特認のゆえにぱっぱか無原則にやっているのではないかというおしかりであろうか、このように察知をさせていただいておったところでございます。 税理士さんなんかを見ますと、税理士さんの場合も特認がありますが、これは試験がない、こういう制度との兼ね合いもあろうか。しかし、法制定当時の国会での御質疑やら、私の勉強不足のところもございますので、一度詳しく事務方から事情、状況を聞きまして検討させていただきたい。 そして、いやしくも後ろ指を指されることのないように、また、特認で司法書士さんにおなりになった方が、これまた変なやゆや後ろ指を指されることのないように、毅然たる対応で、プライドを持って職業についていただけるように検討させていただきたい、このように考えます。
○金田(誠)分科員 ありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。 問題は、特認者と一般の試験で受かってくる方、こういう両者の問題もあるわけでございまして、ただ、特認で入ってくる方がそれなりの知識、経験を有して、どこから見ても当然であるということが明らかになれば問題はないわけでございますから、ぜひ試験制度、任用制度、特認に当たっての基準等を公にしていただいて、信頼感を高める、違和感を持たせないように、そういう方向で御努力、御検討いただきたいということが一つ。 もう一つは、同じような職歴、経験等を有する方で、特認される方とされない方、それの使い分けが、まかり間違っても例えば労務管理上に使われるとかそういうことであってはならないわけでございまして、ぜひそういうことがないようにという意味も含めて、ひとつ特認制度の公開的な運用といいますか、制度の確立といいますか、それは以前も委員会の中でかなりそういうことが述べられているわけでございますから、ぜひそうした形に基づいて改善を図っていただきたいということをお願い申し上げまして、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○山本主査 これにて金田誠一君の質疑は終了いたしました。 次に、藤田スミ君。
○藤田分科員 関西国際空港を初めとする入国管理局の業務に関してお伺いをしたいと思います。 入国管理局の統計資料を拝見いたしますと、この数年間の我が国の出入国者数の増加というのは大変著しいものがあります。そのうち外国人の出入国も、ここ一、二年の審査の厳格化による頭打ちはありますものの、関西国際空港の開港だとか地方空港への国際線の増大などを考えてみますと、さらにふえ続ける見通しを持っておられるわけです。 しかし、それによる現場の業務の増大と複雑化は極めて深刻なものになってまいります。そうした中で、関西国際空港には大阪入国管理局の大阪空港出張所を移転し、それを格上げして関西国際空港支局を設置すると伺っております。 そこで、まず入国管理局職員の増員についてですが、法務省に伺いますと、関西国際空港支局には、大阪空港の全職員約八十名の異動に加えて約百八十名を増員し、二百六十名体制で取り組んでいきたいと聞いておりますが、そのとおりでよろしゅうございますか。
○塚田(千)政府委員 新空港での適正迅速な出入国審査を実現するため、お尋ねのとおり総数で二百六十人、これは六年度増員の百五十六人を含めた数でございますが、職員を二百六十人配置することを考えております。
○藤田分科員 私は、この二百六十名体制でも求められる業務量に見合うものになるのかなと心配しておりますし、それは関係者も同様であります。 私、現場を見てまいりまして、本当に入国管理業務というのは大変だな、緊張も非常に激しいものがありますし、それから極度のストレスから病人も相次いでいると聞かされました。特に最近の外国人の不法入国、不法在留の急増のもとで、ハイテク技術を駆使した偽造パスポート、写真の巧妙な張りかえだとか、あるいは航空会社や国連の職員を装った虚偽の申請などが横行していると言われているわけです。それが本物かどうかということを判定しなければなりませんから、時間がかかる上に高度な技術と豊富な経験が必要となってまいります。 さらに、現在は午前七時から九時までの発着のみであった大阪空港から、二十四時間体制に移るわけですから、交代勤務を考えれば、予定されている二百六十名になっても十分とは言えないだろうと思っております。ここは大臣、絶対に二百六十名はふやすことはあっても割らないでいただきたい。 また一方、名古屋空港などの地方空港からの出入国も増加しておりまして、相次ぐ出張所の開設など、そういう点からも増員は極めて不十分なものと言わざるを得ないわけです。 これまで法務委員会では抜本的な増員を求める請願が毎年採択され、歴代の法務大臣も増員への努力を約束してこられましたが、我が国の玄関口での厳正な対応のために十分な増員へ全力を挙げるべきだと思います。大臣の御決意のほどをお聞かせください。
○中井国務大臣 藤田先生から入管事務に関していろいろと御指摘を賜りまして、もう御指摘のとおりでございます。 かてて加えて、日本へお入りいただくいわゆる外国人、人数もふえておりますが、各国からお越しになる、その言語上の研修、これのレベルの高さをどうするかという問題もございます。 二週間前の土曜日に、私も成田の入国管理の状況を視察に行ってまいりました。厳しい条件の中で職員の皆さん方が本当に見事に職務に精励をしていただいておること、感激をしたわけでございます。 法務省も必死の努力をいたし、国会各党の先生方の御支援もありまして、昨年は関西国際空港の開港ということで二百十一人の増員を大蔵当局との間でお認めをいただき、今御審議いただいている予算の中に計上しているわけでございます。しかし、この二百十一人も、法務省内部におきまして職員を削る、削れないところを削らざるを得ない、こういう大変難しい状況でございます。そのうち百七十一人が入管に割り当てられました増員でございます。その百七十一人の大半の百五十六人を関西国際空港へ配置する、こういう予定でおるわけでございます。 しかし、これからも出入国に関しましてまだまだ御指摘のような増員の必要があると考えております。御協力をいただき、精いっぱい対応をさせていただきたい、このように決意をいたしております。
○藤田分科員 大臣の方から言語上の問題もお話がございましたので、私はその言語上のことを今これから質問をしたいと思うのですが、これが現実には本当に個人任せになっている嫌いが多いわけです。言語、語学研修というのは、国の責任で十分な期間と内容を備えたものに抜本的に改善するべきだと私は思います。 例えば英語なんですが、語学研修の枠というのは、大阪では、英語で半年に三人、だから年間六人。それからハングル語、中国、タガログ、これはフィリピンですが、それからタイ語、これら四つで全国でそれぞれ三名ずつ、年間六名というのが枠なんですね。とてもじゃないけれども対応し切れないということで、非常に苦労をしております。これはもう本当に、おっしゃるように外国語ができなかったら仕事にならないわけですから、抜本的に改めていただきたい。 それから、新しい人が採用されると、わずか二、三週間の研修ですぐ現場を担当するというこ とで、その研修とその後の現場での実務研修というのも、専任教官というようなものがいないために、つまりベテランの職員、先輩がみずからの業務をこなしながら指導し教育するということで、これがまた物すごい負担になってまいります。十分な研修をだれもが受けられるようにすることは急務だと思いますが、この二点をもう一度お答えください。
○中井国務大臣 御指摘のこと、十分理解をさせていただきます。私も、入国管理局から業務内容の説明を受けましたときに、それらの点についてただしたことを覚えております。 ただ、厳しい予算の中で、限られた人数の中での研修をどうやるか、常によりよい方向が出せるように、職務に十分間に合うように、研修も実り多いものにしていきたいと考えておりますが、一つだけ先生御理解を賜りたいのは、出入国の管理官は通訳ではありませんから、幾つかの話彙を十分話せ、聞き取れればいい、こういうところもあります。そして、その中に何人かの本当に語学に達者な人がおって、十分な会話が必要な場合にはそれらを呼んでくる、こういう形で今のところ何とか職務に間に合わせておる、これが現状であろうか。 これらを踏まえながら、鋭意研修等、あるいは職員の個人的な犠牲だけでこういうものがやられないように努力を続けてまいりたいと思います。
○藤田分科員 ぜひ国の責任で、語学がこなせるようにお願いをいたします。 次に、福利厚生面の問題でございますが、関西空港への移転で多くの職員が泉州に住むことになるわけであります。今この泉州の貝塚というところに合同宿舎を五十二戸入管用として確保されているわけでありますが、これはすべて世帯用なんですね。しかし、新採用職員の多数は単身者なんです。その単身者用の宿舎がなくて、一戸を仕切って三人が入るというようなことで、借り上げ先を探すのに経理の方も本当に困っているというようなことを聞いております。交代勤務で個々ばらばらに不規則な生活を余儀なくされる入管職員に個別の宿舎を国が責任を持って確保するのは当然だと考えますが、この点はどうでしょうか。 もう一つの問題は、今回新採用される中の多数が女性なんです。六十数名女性がおります。その数にふさわしい、やはり女性独特の求める休息所、あるいはまたふろも要るわけです。ところが、現空港にはそれがありません。そういうことでは困るわけですね。 ついでに申しましたら、入管の予算がまことに後手後手に回ることが多いと思わざるを得ないのです。例えばことし採用された女子職員の制服、夏服がございません。そこで男子用の古着を借用しているわけです。見ましたら、少しセンスのあるものならともかく、ちょっとこっけいたし、かたいわけです。形は同じなんですがボタンの位置が左前です。 そういうことで、今年度の予算の成立のおくれがあるとしてもまことに恥ずかしい。税関を引き合いに出したくはないのですが、そこでは昨年の予算で完備されているわけです。これはもう九月の開港、その当時はまだ大阪は暑うございまして、夏服でございます。そのときにはひとつ真っさらの女性用の制服にしていただきたい。
○中井国務大臣 住宅につきましては事務局から答えさせますが、服装につきましては、過般成田に視察に参りましたときに、予算がおくれてどんな迷惑かけておるんだと聞きましたら、ことしの夏服をあきらめなきゃならない、こういうことでございましたから、事務当局で検討をいたしていただきまして、予算がおくれておりますが、夏には夏服を何とか着ていただける、こういうやりくりをいたすことにいたしました。 また、女性の方の服がなくて男性用だということは、デザインがいいか悪いか、服装のテザインについては格別お詳しい先生のお尋ねでございますから私とやかく申しませんが、お尋ねのように女性の進出が最近ふえて、私どもも大変喜ばしいことだと考えております職場だけに、きめ細かい配慮をこれからもいたしてまいります。
○塚田(千)政府委員 宿舎の件につきましてお答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、関西空港まで比較的近い貝塚というところに合同宿舎を割り当ててもらっていますが、既に配分を受けた戸数は五十二戸ではございませんで、七十四戸いただいております。 ただ、御指摘のとおり確かに全戸とも世帯用でございまして、独身用のがなかなか難しいということで、別途これを手当てすべく今非常に努力を重ねておるところなんでございますけれども、この国家公務員の、特に独身用の個室といいますか宿舎がなかなか見つけにくいというのは、入管だけではなくて全省庁共通の問題でございます。しかし、我々精いっぱい努力を続けていきたいと存じております。 それと、女性を大量に採用することに伴いまして、休憩室だとかシャワーだとかそういう施設の整備状況はどうなっているのかというお尋ねでございますが、藤田先生、あるいは関西空港を御視察いただいたと思うのでございますけれども、現在女性職員のために所要の休憩室あるいは仮眠室、更衣室あるいはシャワーつきのふろ場、浴場も整備しているところでございます。
○藤田分科員 制服は男性も女性も同じ形なんです。ボタンのつけ方が、大臣の服と私と違うように、そこのところなんです。
○中井国務大臣 調べて対応させてもらいます。
○藤田分科員 問題は、六十数名とふえるこの女子職員の数に見合った福利施設になっているかどうかが問題ですので、これはまた実際に入りましたら、そういうことになっているかどうかということを確かめて、また改善が必要な場合はぜひそれでお願いをしたいと思います。 それから単身用の宿舎というのは、これはまた非常に切実でございますので、御努力はぜひ続けていただきたい。二戸を三つに区切ってなんていったら、日がな一日本当に自由になった気分になれませんので、この点は念を押しておきたいと思います。 次に、通勤の問題なんですが、現在の夜間発着のない大阪空港での勤務を見ましても、仮眠を挟む十六時間勤務のパターンを含めて三つのパターンを、ちょうど病院の看護婦さんのように組み合わせて勤務が行われているわけです。これが二十四時間体制ということになればどういうことになるのかな、もっと不規則なものになってくると思います。そうすると、交代勤務の出勤、帰宅の交通機関がない場合もありますし、タクシーやあるいは自家用車で通わざるを得ないというようなことも出てまいります。 ところが、大臣御承知だと思いますが、あそこの空港に行こうと思ったら、海を泳ぐか船で行くか、陸上を使おうと思ったら連絡橋一本です。この連絡橋が、往復すると、というよりか往復するということを前提にして最初から千七百円という料金が取られることになります。この点については今いろいろと、その中に勤務する者に通行料金が負担にならないようにそれぞれ対策を考えているようなんですが、法務省の方はどういうふうにこの点は考えていらっしゃるのか、お伺いをしておきたいわけです。
○塚田(千)政府委員 先生御指摘のとおり、新しい空港のもとで今までよりも業務が非常にふえますので、それに見合う職員の勤務体制ということで我々考えているところでございますけれども、通常の交通機関を利用し得る時間帯で通勤できるシフトといいますか割り振りにするように基本的にはやっております。 これに伴う通勤手当につきましても、一般職の職員の給与等に関する法律及び人事院規則に基づいて支給するということでございますけれども、つまり、シフトを工夫して、基本的には無理な通勤体制にならないように十分配慮していくつもりでございます。
○藤田分科員 私は、もう少し現場の認識という ものを身につけてほしいな、こう思うのですが、そんなわけにいかないときがあるのですよ。別にその日残業でも何でもなくても、相手があることですから、いろいろわかりにくいところを話して、そして入国を認めるか出国を認めるかということでトラブってきて、決着がつかないで、どうしてもそのまま何か添い寝するみたいな状態で時間を過ごすとかいうようなことで、勤務状態が非常に不規則になるわけです。 そういうような場合とか、それからあるいは何かの都合でやはり車で渡っていかんならぬとき、一々千七百円も要った日には、あの関西空港というのは、言ってみれば入国管理局があって成り立つわけでしょう。入国管理局があそこになかったら空港開かれしません。だから、そういう点ではもっと積極的に、そこにいる職員に対して、定期でも見せたらぱっと通してもらえるような手だてというのをきちんと前もって話し合いをしておくべきだというふうに思うのです。 もう一度その辺答えてください。
○塚田(千)政府委員 私も先般新空港へ視察に行かせていただきまして、様子を見てまいりました。御指摘の、アクセスが非常に悪くて大変だなということは私も十分認識いたしました。したがいまして、九月からスタートするわけでございますけれども、勤務体制シフトを上手に組むということが非常に大事だという気がいたしておりますので、研究中でございます。 先生に御指摘いただいた点は十分認識いたしまして、念頭に入れてこのシフトの組み方も研究していきたい、こう考えております。
○藤田分科員 この伊丹周辺や大阪北部などの非常に遠方から関空へ通う職員は、長時間通勤とともに交通費の問題で不安を持たざるを得ません。上限が四万円という現行の交通費支給を全額支給という方向で改めるように努力をしていただきたい。 それから、女性の職員が増加しているというのが特徴ですが、現在の入管行政は、労働条件に関する人事院規則や法律をほとんど顧みない長時間労働によって成り立っているわけでありますから、早急に職務時間や業務内容の抜本的な改革が必要になっているところであります。この点は、最後にもう一点大臣にお伺いをしておきたいと思います。 もう一つの問題は給与改善の問題であります。この点については、もう大臣も読んでいただいているんじゃないかなと思いますが、前の前の法務大臣、三ケ月元大臣がこういうふうにおっしゃいました。このときは矯正関係の職員の問題も含めておりますが、今時間があれですから、あえてそこのところを私は抜き読みいたします。 入国管理事務の職員は交代制勤務というふうな、勤務条件として非常に厳しい条件のもとで勤務しておりまして、非常に緊張度の高い仕事でございます。出入国の公正な管理など、いわば国の秩序を支える重要な職務に従事しておりまして、日ごろの労苦に報いるためにも職員の給与改善は極めて重要であると認識しているところでございます。これらの職員の給与の改善につきましては、勤務の実態に配慮して、職員の給与改善のための環境整備に努力してまいりたいと考えております。 これが三ケ月元法務大臣のお言葉でございます。私は、ちょっと先ほどから長くなっていますが、この点について大臣の御答弁を求めておきたいと思います。
○中井国務大臣 出入国管理官といいますのは、いろいろと御指摘を賜ったわけでありますが、一方で考えれば、外国の方が日本へお越しになられて一番最初に会う日本人でございます。ここでの印象が日本の印象をよくも悪くもする、このように考えております。そういう意味で、大変厳しい条件の中で本当にスマートににこやかにやっていただいておること、私は感謝をいたしておりますけれども、そういう厳しい職務だ。また時間等も大変不規則、そして同時に御指摘がたびたびありましたように、うれしいことに女子の方々の御希望、そして採用が非常にふえておる職場でもございます。 これらを十分考えまして、厳しい予算状況、またシーリング等もございますけれども、できる限り彼らの御要望にこたえられる、こういう方向で頑張っていきたい、このように考えております。きょうは御激励ありがとうございました。
○藤田分科員 どうもありがとうございます。 交通費問題につきましては、大体御答弁がわかっておりますので、もうあえて私は答弁を求めません。努力をしていただくということで、皆さん一様にうなずいていらっしゃいますので、努力をしていただくというふうに受けとめておきたいと思います。 おっしゃるように、私も外国に参りまして、大体入管のところでこの国は感じがいいとか悪いとか、そんなことは余り単純過ぎるかなと思いながら、やはり親しみの持てる国、持てない国というふうに、最初そういうふうにだれでもが感ずるものであります。まして、それこそ顔で笑って体で泣いているというようなことがあっては困ります。ぜひ女性の職員が増加をしたということを機会に一層労働条件の改善に努めていただき、そして関空に関しては二百六十名体制、それが絶対に崩れることのないように御奮闘をいただきたいということをお願いして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○山本主査 これにて藤田スミ君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして法務省所管についての質疑は終了いたしました。 法務大臣初め政府委員各位、御苦労さまでございました。 —————————————
○山本主査 次に、外務省所管について、政府から説明を聴取いたします。柿澤外務大臣。
○柿澤国務大臣 平成六年度外務省所管一般会計予算案の概要について御説明申し上げます。 外務省予算の総額は、六千九百四十六億四千九百万円であり、これを平成五年度予算と比較いたしますと、三百五億四千九百万円の増加であり四・六%の伸びとなっております。 今日の国際情勢は、東西対立の構造が変化し、新たな国際秩序が模索されている中で、不透明で不確実な変革期を逆えております。世界経済については、多くの国が景気の低迷と深刻な失業問題に悩んでいます。地域紛争については、旧ユーゴスラビアやソマリアの紛争は、依然解決の兆しが見えません。また、北朝鮮の核兵器開発疑惑や旧ソ連の解体等による大量破壊兵器の拡散の危険は、世界の安寧を脅かしています。さらに、開発途上国の貧困の問題は一層深刻化しており、地球環境、麻薬、難民、人口、エイズ等の新たな地球的規模の問題に対する関心が増大しております。 このような状況の中で、我が国としても、その国際的地位、影響力を踏まえ、ますます増大する国際社会の期待にこたえ、一層積極的で創造性豊かな役割を果たす必要があります。 かかる観点から、我が国外交に課された使命は極めて重大であり、流動的な国際情勢に的確に対応し、先を見据えた機動的な外交活動を展開していく必要があります。このため平成六年度においては、その足腰とでもいうべき外交実施体制の拡充と国際貢献策の充実強化の二点を最重要事項として、予算の強化拡充を図る所存であります。 まず、外交実施体制の拡充に関する予算について申し上げます。 定員の増強につきましては、平成六年度においては百五十名の増員を得て、外務省定員を合計四千七百六十五名とする所存であります。また、機構面では、在ジャマイカ大使館及び在ドバイ総領事館を開設すること等を予定しております。 さらに、在外公館の機能強化のために、在外公館施設等の強化及び海外邦人安全対策、危機管理体制の強化のための経費三百十四億円を計上して おります。 加えて、外交政策策定の基盤となる情勢判断を的確に行うために不可欠な情報・通信機能の強化に要する経費として五十二億円を計上しております。 次に、国際貢献策の充実強化に関する子算について申し述べます。 国際貢献策の充実強化の三つの柱は、二国間援助等の拡充、平和及び難民・人道分野、地球的規模の問題に関する貢献そして国際文化交流の強化であります。 まず、二国間援助等の拡充の大半を占める平成六年度政府開発援助(ODA)につきましては一般会計予算において、政府全体で対前年度比四・八%の増額を図っております。このうち外務省予算においては、無償資金協力予算を対前年度比三・二%増の二千五百十億円計上しておりますが、その内訳は、経済開発等援助費が二千七十九億円、食糧増産等援助費が四百三十一億円であります。さらに、人的協力の拡充のため一技術協力予算の拡充に努め、なかんずく、国際協力事業団事業費は対前年度比五・五%増の一千六百二十七億円を計上しているほか、国際協力事業団の定員につき三十二名の純増を図る等援助実施体制の強化に努めております。 次に、平和及び難民・人道分野、地球的規模の問題に関する貢献でありますが、新しい世界平和の秩序の構築のための国際協力を進めることが必要との認識に立ち、国連の平和維持活動を初めとする平和及び難民・人道分野での国際機関などによる活動の支援のため対前年度比十七億円増の二百二十二億円を計上しております。 また、地球環境問題、あるいは麻薬問題といった国境を越えて国際社会に影響を及ぼす地球的規模の問題に取り組むため、国際機関を通じて積極的貢献を行うべく、百億円を計上しております。 さらに、国際文化交流の強化でありますが、各国との知的・文化的交流を図り、異なる文化間の相互交流を促進するため百四十七億円を計上し、国際交流基金事業の拡充強化及び文化協力の推進を図ることとしております。 以上が重点事項を中心とした外務省関係予算の概要であります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 なお、時間の関係もございますので、詳細につきましてはお手元に「国会に対する予算説明」なる印刷物を配付させていただきましたので、主査におかれましては、これが会議録に掲載されますようお取り計らいをお願い申し上げます。
○山本主査 この際、お諮りいたします。 ただいま柿澤外務大臣から申し出がありましたとおり、外務省所管関係予算の概要につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 外務省所管平成六年度予算案の説明 外務省所管の平成六年度予算案について大要を御説明いたします。 予算総額は六千九百四十六億四千九百三十九万九千円で、これを主要経費別に区分いたしますと、経済協力費五千百二十四億五千三十八万九千円、エネルギー対策費三十八億五百四十万五千円、その他の事項経費一千七百八十三億九千三百六十万五千円であります。また「組織別」に大別いたしますと、外務本省五千九百七十八億六千三百九十万八千円、在外公館九百六十七億八千五百四十九万一千円であります。 只今その内容について御説明いたします。 (組織)外務本省 第一 外務本省一般行政に必要な経費二百八十七億八千九百四十四万九千円は、「外務省設置法」に基づく所掌事務のうち本省内部部局及び外務省研修所において所掌する一般事務を処理するために必要な職員一、八七八名の人件費及び事務費等、並びに審議会の運営経費であります。 第二 外交運営の充実に必要な経費七十九億三千七百十一万五千円は、諸外国との外交交渉により幾多の懸案の解決をはかり、また、各種の条約協定を締結する必要がありますが、これらの交渉を我が国に有利に展開させるため本省において必要な情報収集費等であります。 第三 情報啓発事業及び国際文化事業実施等に必要な経費百七十三億一千六百十二万七千円は、国際情勢に関する国内啓発、海外に対する本邦事情の紹介及び文化交流事業等を通じて国際間の相互理解を深めるため必要な経費並びに国際交流基金補助金百二十九億四千四百二十四万一千円及び啓発宣伝事業等委託費七億三千三十三万六千円等であります。 第四 海外渡航関係事務処理に必要な経費百九億三千五十六万九千円は、「旅券法」に基、つく旅券の発給等海外渡航事務を処理するため必要な経費であります。 第五 諸外国に関する外交政策の樹立等に必要な経費四十七億九千四百五十万五千円は、アジア、北米、中南米、欧州、大洋州、中近東、アフリカ諸国に関する外交政策の企画立案及びその実施の総合調整を行うため必要な経費と財団法人交流協会補助金十六億三千四百十二万四千円、財団法人日本国際問題研究所補助金五億七千三百三十七万三千円、社団法人北方領土復帰期成同盟補助金五千四百十三万七千円及び社団法人国際協力会等補助金一億五千百二十万円並びにインドシナ難民救援業務委託費十億二千二百十一万一千円であります。 第六 国際経済情勢の調査及び通商交渉の準備等に必要な経費二億六千五百八十五万三千円は、国際経済に関する基礎的資料を広範かつ組織的に収集し、これに基づいて国際経済を的確に把握するための調査及び通商交渉を行う際の準備等に必要な経費であります。 第七 条約締結及び条約集の編集等に必要な経費一億一千二百六十九万円は、国際条約の締結及び加入に関する事務処理並びに条約集の編集及び先例法規等の調査研究に必要な事務費であります。 第八 国際協力に必要な経費二十二億四千四百十一万一千円は、国際連合等各国際機関との連絡、その活動の調査研究等に必要な経費及び各種の国際会議に我が国の代表を派遣し、また、本邦で国際会議を開催するため必要な経費と財団法人日本国際連合協会等補助金四千五百九十七万三千円であります。 第九 外務本省の施設整備に必要な経費十六億七千八百三十五万八千円は、外務本省庁舎等の施設整備に必要な経費であります。 第十 経済技術協力に必要な経費五十二億六千三百二十七万七千円は、海外との経済技術協力に関する企画立案及びその実施の総合調整並びに技術協力事業に要する経費の地方公共団体等に対する補助金二十五億八千八十四万五千円等であります。 第十一 経済開発等の援助に必要な経費二千五百十億九千六十九万二千円は、発展途上国の経済開発等のために行う援助及び海外における災害等に対処して行う緊急援助に必要な経費であります。 第十二 経済協力に係る国際分担金等の支払に必要な経費九百三十四億二千二百十万円は、我が国が加盟している経済協力に係る各種国際機関に対する分担金及び拠出金を支払うため必要な経費であります。 第十三 国際原子力機関分担金等の支払に必要な経費三十八億五百四十万五千円は、我が国が加盟している国際原子力機関に対する分担金及び拠出金を支払うため必要な経費であります。 第十四 国際分担金等の支払に必要な経費七十五億三千九百三十三万七千円は、我が国が加盟している各種国際機関に対する分担金及び拠出金を支払うため必要な経費であります。 第十五 国際協力事業団交付金に必要な経費一千五百七十八億六千八百三十二万円は、国際協力事業団の行う技術協力事業、青年海外協力活動事業及び海外移住事業等に要する経費の同事業団に対する交付に必要な経費であります。 第十六 国際協力事業団出資に必要な経費四十八億六百万円は、国際協力事業団の行う施設取得等に要する資金に充てるための同事業団に対する出資に必要な経費であります。 (組織)在外公館 第一在外公館事務運営等に必要な経費六百八十八億九千二百五十三万七千円は、既設公館百七十五館六代表部と平成六年度中に新設予定の在ジャマイカ大使館及び在ドバイ総領事館設置のため新たに必要となった職員並びに既設公館の職員の増加、合計二、八八七名の人件費及び事務費等であります。 第二 外交運営の充実に必要な経費百四十億四千六百六万三千円は、諸外国との外交交渉の我が国に有利な展開を期するため在外公館において必要な情報収集費等であります。 第三 対外宣伝及び国際文化事業実施等に必要な経費二十九億八千六百八十一万七千円は、我が国と諸外国との親善に寄与するため、我が国の政治、経済及び文化等の実情を組織的に諸外国に紹介するとともに、国際文化交流の推進及び海外子女教育を行うため必要な経費であります。 第四 自由貿易体制の維持強化に必要な経費二億九千百七十九万四千円は、自由貿易体制の維持強化のための諸外国における啓発宣伝運動を実施する等のため必要な経費であります。 第五 在外公館施設整備に必要な経費百五億六千八百二十八万円は、在ヴィエトナム大使館事務所・公邸・宿舎新営工事(第一期工事)、在ネパール大使館事務所新営工事(第一期工事)、在ロシア大使館事務所新営用基本設計等の建設費、その他関連経費であります。 以上が只今上程されております外務省所管平成六年度予算の大要であります。 慎重御審議のほどをお願い申し上げます。 —————————————
○山本主査 以上をもちまして外務省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○山本主査 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小森龍邦君。
○小森分科員 本論に入ります前に、本論というのはきょうは海外広報協会のことについてお尋ねしたいと思っていますが、先般、衆議院予算委員会におきまして、石原慎太郎議員の方から表現問題をめぐって若干の議論があったようであります。 その際、私、気にかかりますことは、外務大臣の答弁でございますが、極めて抽象的に、歴史上出てきた言葉を使わないわけにはいきませんですよねというような意味の答弁でありまして、それをそのまま聞きますと、これまで大変人々を傷つけ、世の中をいびつなものにしてきた差別語、賎称語についてもむしろ肯定する意味合いの強い答弁をなさっておるように思いますが、もし言葉が足りなかったとすれば、この際、その点について簡単に外務大臣の見解を聞いておきたいと思います。
○柿澤国務大臣 先般、予算委員会で石原慎太郎議員から質問がございました。私の所管ではございませんので個人的な感想ということで申し上げたわけでございますが、そのときも申し上げましたように、それぞれの個人が御自分の責任でないいろいろな理由によりハンディキャップを持っていらっしゃるそういう者に対しては、社会の構成員として我々は温かい思いといいますか、思いやりの気持ちを持つことは大事だということを申し上げたつもりでございます。 ただ、石原委員が、例えばドストエフスキーの小説の題を挙げて、一体こういうものも否定していいのかという御質問がありましたので、そうした歴史的、伝統的にいろいろな形で定着をした表現についての取り扱いについては難しい問題がありますということを申し上げたわけでございまして、肯定的にそういうものをどんどん使っていいという意味で申し上げたのではない、むしろ温かい思いやりを持ってそうした点については配慮をしていくことが大事ではないかという思いを私は持っているということを申し上げさせていただきます。
○小森分科員 温かい思いやりということは人間社会にとって非常に大事なことであり、美しいことでありますが、今私が人生の主たるテーマとしております被差別部落の解放ということは、温かい思いやりの前に、つまり差別をしておる事実を取り除いてもらいたい。その事実をそのままにしておいて、何だか高いところから下を見おろすように温かい思いやりなんということは、これは明治の終わりから六五年間、昭和の初期にかけて既に克服をされた物の考え方なんです。 それを今ごろ閣僚の一員たる外務大臣が、石原慎太郎議員の言われておることには部落問題もあれば、厳密に言うと女性の問題もあれば、そして身体障害者の問題もあるのに、そういうことを一つにひっくるめて温かい思いやりというようなことは、社会的、歴史的な理由で踏みつけられておる者にとっては、そういう言葉自体がむしろ侮辱に感ずるのです。 だからもう少し、私はこの間中井法務大臣にも言いましたが、連立内閣にあっては、閣僚はもっと人権の問題についてこれまでの歴史的経過など深い勉強をしていただきまして、言葉遣いに過ちなきを期していただきたいと思います。 また機会を得てシナという問題あるいはつんぼ桟敷とかめくら判とか、これは政府が地方自治体にそんなことは改めなさいと通達を出しているのです。それに対して、あなたの方からそんなことはわかり切ったことじゃないかとばんと言わなければ、総務庁が幾ら社会啓発と言ったところで国会自体から崩れていっていることになります。特に賎称語、「四つ」の問題について、私はあれはやゆに相当する言論だと思います。 これは中井法務大臣も、この間法務委員会でそういうような言い方をしてやゆするのはいかがかと思うという答弁をしていますが、一言でよろしいですから、再度私の主張しておることに対して見解をいただきたいと思います。
○柿澤国務大臣 私は、主として身体に障害を持つ方々についての思いをあのときに申し上げたつもりでございますが、今委員御指摘のように、もっと幅広い意味を持っているということは念頭に置かなければならない、改めて今御指摘をいただいて考えているところでございますので、そうした気持ちを持って対応していきたいと思っております。
○小森分科員 これから本論に入りますから余りくどくど申し上げませんけれども、先人が努力してこういう差別の問題に対してどういう思想的悩みを持ち、どういう間違ったものが克服をされてきたか、ここのところはぜひとも閣僚としてしっかりした認識を持って対処していただきたい、強くお願いをしておきたいと思います。 さて、きょうは極めて事務的なことを外務省の事務当局から聞きたいと思いますけれども、主として私は外務省の責任者である大臣から聞きたいと思いますので、つまり政策的判断というようなものにかかわることが多いと思いますので、その点をお願いをしておきたいと思います。 まずは、さきの衆議院決算委員会の分科会におきましても、時間の関係で指摘するにとどめたことでありますが、海外広報協会が銀座に本店とい うか本社のあるホワイト企業という会社から事務所を借りていたのに、その借家料といいますか、家賃を政治団体水曜会に払っておる。この払っておったという事実は先般もお認めになりましたが、どういうわけで貸している者以外の者に金を払っておるのか、その点はどういう見解を持っておられますか。
○天江説明員 先生にお答えします。 水曜会と海外広報協会との関係でございますが、石井光次郎自民党代議士が水曜会をつくられました後で、亡くなられた後に、海外広報協会の現在の理事長でございます方がこの水曜会の代表になってございます。それで、当時は海外広報協会の理事でございましたが、この方が石井光次郎さんのお孫さんに当たるという関係でございます。
○小森分科員 私が尋ねておるのは、貸した人に家賃を払うのが当たり前なのに、貸していない者に家賃を払うというのはどういうことかと尋ねているのです。
○天江説明員 それは誤解がございまして、この水曜会にホワイト企業がビルを貸しておったわけでございますが、この水曜会が海外広報協会にビルを又貸ししておったということで、契約上はそのようになってございますし、また月々お金を振り込んでおるという証拠もございます。
○小森分科員 そうすると、水曜会の平成三年度の事務所貸し料、つまり家賃収入は八百万円以上ありますね。それから、その前の年の事務所貸し料が七百五十万円を少々切りますがありますね。結局、水曜会というのはほかにものを貸すような事務所を持っておるのにホワイト企業から借りていたのですか。
○天江説明員 私どもは海外広報協会の監督官庁でございまして、水曜会につきましてはその辺は定かではございません。
○小森分科員 月々どれくらい払っていたのですか。
○天江説明員 先般もお答え申し上げましたが、月々七十一万円を昨年度、平成四年度に払っておると承知しております。
○小森分科員 そうすると、この事務所貸し料というのは、月々七十何万払っておれは、八百何十万とか七百何十万というのはほとんどそれで満額ですね。 では、又貸しをしたという契約書などもあなたは見ているのですか。
○天江説明員 ホワイト企業が水曜会に賃貸しておったという契約は私どもは関知しておりませんが、私どもが海外広報協会の事務所から聞いているところでは、水曜会から昭和五十七年六月から平成四年二月までその家屋を借りておったということを承知してございます。
○小森分科員 このことだけで時間をとることはできませんからちょっと要約しておきますけれども、公益法人たるべきものが、ちょっとその関連を調べてみたら、こいつおかしいなということは、あなた方としては避けなければならぬことですよ。今言うような言い方からすれば、これは又貸しだったのだという言い方ですが、その又貸しというのが、果たして借地借家法とか民法法典と合致するかどうかということも調べてみなければいかぬと思いますけれども、少なくとも、政治団体へ金を払うというのは常識的にはおかしいじゃないかという疑問が出ますよ。そういう国民の素朴な疑問に対してあなたはどう思いますか。
○天江説明員 ただいまの御質問でございますが、先ほど先生がおっしゃっておりましたように、法律上は問題がございません。私、個人的にはそういうことはない方がよろしいと思いますが、現在水曜会は解散してございまして、この件は現在存在しないと承知しております。
○小森分科員 ない方がよろしいということでなくて、公益法人なんだから疑われるようなことをしてはいけない。公益法人というのは国が他の法人よりは少し手厚い保護をしているわけでしょう。その手厚い保護をされておるものが、建物とか土地の本当の所有者に金を払わずに政治団体へ金を払っていた。不動産屋へ払っていたというならまだわかりますけれども、政治団体へ払っていたということになれば、好ましいことではない、そういう消極的な言葉では片づかない問題があるでしょう。そういう観点からどうですか。
○天江説明員 今後はそのようなことがないように指導していきたいと思います。
○小森分科員 私もこれはまだおかしいと思うから引き続いて調べます。また別の機会に継続してやります。海外広報協会というのは、例えば、まだ会社が設立されていないUMCに早くから業務を委託したり、いろいろな、泥臭いというか、どろどろしたことがいっぱいあるわけでしょう。これはその中の一つですよ。だから私は引き続いてこれは調べますが、これからの問題については、今あなたが言われたようなことを厳重に守っていただきたいと思います。 では続いて、今度は大臣にお尋ねをいたしますが、大臣は、公益法人たるこの海外広報協会の持っている使命といいますか、目的といいますか、そういうものはどういうふうにお考えでしょうか。
○柿澤国務大臣 我が国の外交政策、その他海外に対して広報するための団体と考えております。
○小森分科員 それは、もちろん我が国の国益、そして対外的協調、そんなものが前提だと私は思いますが、ただ我が国を宣伝さえすればいいというものじゃないでしょう。その点はどうですか。
○柿澤国務大臣 委員のおっしゃるとおりだと思います。
○小森分科員 実は、海外広報協会がアメリカで「ジス・ウイーク・イン・ジャパン」、「今週の日本」という番組をやっておった。そのやっておった番組をアメリカが、大変うさん臭い、こういう考えを持ちまして、「九九〇年九月、アメリカ議会は、予算審議で忙しい時期であるにもかかわらず、二度にわたって外国の対米ロビイングに関する公聴会を開催したが、」「同じ時期、日米構造協議の最終報告に関する公聴会が延期されたことを考え合わせると、外国によるロビイングがいかに注目を集めたかがわかるだろう。」こんなことを「影響力の代理人」という書物の中に、パット・チョートというアメリカの評論家の書かれた本なんでありますが、わざわざこの本の中にJCICAという略語で、これは海外広報協会のことだと思いますけれども、後に何か名前を少しごじゃごじゃと改められておるようでありますが、当時はそういうことであったと思います。 これじゃ海外広報協会というものは、先ほど大臣の言われたような趣旨からいうと、実は海外で問題を起こしておることになるではないか、こういうふうに思いますが、どうですか。
○天江説明員 ただいまの点につきましては、私どもがいろいろと監査を行ったり、あるいは監督、指導しているその業務の中に対米テレビ広報というのも入ってございます。ただ、これは私どもチェックしてございますが、アメリカに対する広報でもって国益が阻害されたというふうには思ってございません。逆に、海外広報協会の行っている事業が適切なものであるというふうに私どもは確信してございます。
○小森分科員 大臣答えてくださいね。言葉の上で適切であったというのは、それは、こういう空間があって私が発言をとめて先方が答えれば、言葉の上で適切であったということは言えるのですよ。言葉を知っておりさえずれば言えるのですよ。 問題は、そういう日本からしかけておるアメリカのCNNという、これは正式に言いますとケーブル・ニュース・ネットワークだそうですが、このCNNを通じて「ジス・ウイーク・イン・ジャパン」という番組を開始して、そんなこともあってアメリカ議会が予算の忙しい最中に二度にわたって、どうも最近の対米ロビーイングというのは問題があるといって公聴会を開いて、アメリカ議会の中に日本ロビー警戒論者の意見が相当出 た、大勢を占めた、こういうことになっておって、いや有益だったということは言えますか。
○柿澤国務大臣 アメリカの議会の中で、日本を含む外国のロビー活動というのが議論をされたということは承知をいたしておりますが、御指摘のそのCNNの番組がそういう意味で批判の対象になっていたかどうかということは、現在私は承知をいたしておりません。ただ、今政府委員から説明がありましたように、監査等も行っておりますので、内容については適切なものであったと私どもも信じております。
○小森分科員 外務大臣、こういう問題は信じるとか信じぬの問題じゃないのです。それが客観的にどうであったかということで、そういう対米ロビーに対する警戒論が展開されたということになれば、日本の外務省は中身に対しても手放しでほっておくわけにはいかないのですね。 だから、考えなきゃならぬことは、予算審議の最中に、忙しいさなかに二回にわたって公聴会を開き、対米ロビー宣伝活動、これは問題だ、相互の文化の理解を進めておるというよりは日本の考え方を押しつけている、つまり日本的にその考え方を持ち込もうとしておる。 その日本的考え方というのは何かといったら、要するにこの海外広報協会を後ろからバックアップしておるいわゆる笹川財団と言われるものではないですか。「笹川の資金で設立された米日財団がラジオやテレビの日本に関する番組を提供しはじめたのは、一九八〇年代半ばのことである。」これはパット・チョートという人が分析しておるのです。だから、余り物を無視しちゃだめですよ。しかも、その笹川財団には長らく渡邉理事長が就任しておったわけでしょう。それが日本の政界をぐちゃぐちゃにしたわけでしょう。佐川の渡邉、この人が日本の政界をぐちゃぐちゃにしたわけでしょう。 そんなことを考えたら、何でもかんでも、公益法人だという資格を一度与えたらそれですべては大丈夫なんだという考えを持っておったら、せっかく公的な資金を使ってやる海外での行動が日本の国益を損ねることになるのじゃないですか。だから、信ずるとか信じないとかいうことじゃなくて、客観的事実をもとにして外務大臣は答弁してくださいよ。
○柿澤国務大臣 今先生御指摘の点は、その出資者にどういう人がいたか、また役員にどういう方がいたかということでアメリカ側から指摘をされたというようなお話であろうかと思いますが、そうした点についても、もちろん十分に監督官庁としては考えていかなきゃならない問題でございます。しかし、そのこととCNNで広報された広報の内容の質とが直接かかわっていたかどうかという点が問題ではないかと私ども思います。 その意味で、日本の広報、日本側が日本の考え方を述べるということは、外国との間の差異を埋めるという意味で、先方から見て必ずしもある意味では受け入れられないという部分があるかもしれませんけれども、しかし日本側が日本の考え方を外国で知っていただくために、日本のいろいろな考え方、また日本の主張というものを述べていくことはやはり大事なことであろうかと思います。 その内容についての御批判であればこれは再検討しなければならないと思いますけれども、それと今御指摘のような名前の方が加わっていたという点については、また別の問題として考えなければいけないのではないかと思います。
○小森分科員 だれが加わっておるかということが一番大きな問題でなくて、内容が問題だからアメリカは警戒心を持っておるわけでしょう。それが日本の立場から調べてみて正当ならばそれは正当でよろしいですよ。しかし、先方が警戒心を持つようなことを文化などの宣伝の名目でするというのは、常識としてはこれはそもそも失格ですね。 文化評論として反撃をされるならわかりますよ。しかし、議会で政治問題化しておるわけでしょう。だから、それは決して日本のプラスにはならない、こういうことを私は言っておるわけです。しかも、そういうプラスにならないことを、要するにそういう団体をずっと支援しておる者が日本の政治もぐちゃぐちゃにしておるじゃないですか。だから、金がありさえずれば何でも政府筋は物事を認めるというようなことではいかぬということを言っているのですよ。 アメリカだけじゃないですよ。要するに、この海外広報協会のメンバーの一人ですか、さらに深くかかわっておる人々が、北方領土の返還をめぐってかなり日ソがいろいろやりとりをしておるとき、この間も週刊誌に出ておったけれども、小沢さんが二百六十億ドルの約束を、案を提示したんだとか、その先棒を担いで今の官房長官が行ったんだとかということが出ておったでしょう。そういうこととの関係において、海外広報協会に何らかの関係を持つような人がかなりその前段の取り組みをやっておるということが、いろんなマスコミの報道を総合してみるとだんだん浮き彫りになってくるのですね。 佐川急便は、そのころ、大陸トラック輸送整備ということに対する考え方を日ソ交渉の中に、かなり計画の中に入れようとしておった。東邦生命の太田清蔵会長が、大陸横断道路建設というのを提唱をしておった。私の見方では、これがあの二百六十何億ドルの中にやはり加味されておるものだろう、そういうものが頭の片隅にあったものだろうと思うのですね。 これは、財界の要求がぐっと、財界の計画がぐっと前に出てきて、そしてどっちかというと政治家は、日本の国民の世論は四島返還でしょう、歯舞、色丹、国後、択捉、四島一括返還でしょう、にもかかわらず二島返還でもよいということをしばしば言うたじゃないですか。金丸さんなんか特にそれでしょう。金丸さんの意を酌んだ小沢さんもそういう発言をしているのでしょう。 何だかこの海外広報協会という、全体からいえばこれは小さな団体だと思うけれども、小さな団体だけれども、そこに名前を連ねておるような人は、名前を連ねることによってある一定の国際問題に市民権を得たというか、公認をしてもろうたような雰囲気で、どんどんそういう国益を損ねるようなことをやっているでしょう。 だから、今アメリカの問題は、これはいわゆる対米ロビー活動に対するアメリカ議会の懸念の問題です。不発に終わっておるけれども、四島返還が、そんな経済的ないろいろな対外支援だというようなことを口実に、我が国における大企業の経済活動が向こうに入ることによって四島が二島に決まったらどうなるのですか、国益は。そんなことは外務省がちゃんと気をつけてやらなきゃならぬことでしょう。これは非常に重要な問題だから、私はまた続いてやりますよ、きょうはもう時間がないから。外務大臣もよくこれは調べておいてください。 ただし、今私が言いましたことについて、外務大臣は私の話を聞いた限りにおいてどういうふうに思われるか、お答えいただきたいと思います。
○柿澤国務大臣 私は、事務当局から聞いている限りでは、今海外広報協会の活動の中で、国民の世論に反するような二島返還とか、そういうようなことで広報活動をやったということはないというふうに聞いておりますので、その点は特に問題はないと思っておりますが、そこに関連した方々が個人の資格でどういう御活動をされたかということまでは、それは私どもとしても監督の範囲外でございますので、この点についてはコメントは差し控えさせていただきます。
○小森分科員 そういうことが言えるようなからくりが海外広報協会という団体の存在そのものなのです。つまり、それが一つのクッションになって、言う人は、私は海外広報協会のメンバーだと箔をつけて——だから財界が何も、二島返還の問題についてあるいはソビエトの経済開発について、外交交渉と歩調を合わせて言わなければならぬことはないのです。しかし、それを言うということは、海外広報協会に金を出しておるとかそれ のメンバーだとか、そういうようなことがそういうことを言わせるのです。 時間が来ましたからやめますが、海外広報協会は重要な国益を損ねつつありますよということをきょうは提起しておきたいと思います。 終わります。
○山本主査 これにて小森龍邦君の質疑は終了いたしました。 次に、柴野たいぞう君。
○柴野分科員 改新の柴野たいぞうでございます。外務大臣、連日御苦労さまでございます。 冒頭に、きょうの新聞各紙を見ても御承知のとおり、北朝鮮の問題が非常に出ておりますし、我が国の安全保障、さまざまな面からいって、事は、もし有事の場合日本海で起きるわけでございます。湾岸戦争のようにペルシャ湾という遠いかなたのことではないわけでございまして、本当に切実な懸念でございます。 そういった中で、昨日、外務省の柳井総合外交政策局長も帰国され、夕方さまざまな協議がなされたということでございます。それも一部新聞等に出ておるのでありますが、より詳細にわたりまして、どんな打ち合わせが行われて、柳井さんが向こうでどういった話し合いをしてきたか、そしてそれを受けて政府部内で協議されたと思いますが、その内容についてお聞かせいただきたいと思います。
○柳井政府委員 ワシントンにおきまして、ただいま御指摘ございましたように、金曜と土曜日に、我が国、米国、韓国の三者の間でこの問題につきまして協議をしてまいった次第でございます。 この結果、最近のIAEAの国連安保理に対する報告を踏まえまして、国連安保理におきまして、緊急に制裁を含む適切な対応を検討することが必要であるという認識で一致した次第でございます。また、今後の対応に当たりましては緊密に協議を続けていくということでも合意をいたした次第でございます。 御承知のとおり、北朝鮮が五メガワットの原子炉の燃料棒を取り出してしまったわけでございますが、この燃料棒の取り出しがIAEAの要請したような形で行われなかったものでございますから、IAEAの判断といたしまして、過去において軍事的転用が行われたか否かという点についての検証が非常にしにくくなったという判断を安保理にしたわけでございます。 そこで、今後どうするかということにつきまして、御承知のとおり現在我が国は安保理の非常任理事国でもございませんので、アメリカを通じまして我が国の考え方を伝える、また韓国も安保理の外におりますから、そういう形で我が国と韓国というこの問題について最も密接に関係する国の意見をアメリカ側に伝え、またアメリカ側の意見を聞いたということでございます。 現地時間の月曜、東京時間で申しますとけさ早くから、安保理におきまして、アメリカがほかの常任理事国と非公式協議を開始したということでございます。 我が国といたしましては、もちろん本件の対話による解決を基本的な姿勢としているわけでございますが、なかなかこの対話による解決がもたらされなかったという過去の経緯があることは御承知のとおりでございます。今後、安保理における議論の動向を踏まえまして、適切に対処していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○柴野分科員 国連安保理及びIAEAとか、そういったところでさまざまな動きがあるわけです。 きょうの毎日新聞の朝刊に「送金規制に協力を約束」という記事が載っておりますが、これもまた憶測記事じゃないかというようなこともお答えになるかもしれません。その記事の内容を読み上げますと、「先週末に開かれた日米韓の三国協議で日本から北朝鮮への送金の規制方法が詳細に検討され、日本は制裁実施となった場合、外国為替管理法第一八条に基づく告示による送金規制の用意のあることを表明、最大限の協力を約束したことが明らかになった。」これは米側の方からもありまして、「米側が、制裁の柱は中国からの原油供給停止と日本からの在日本朝鮮人総連合会の送金停止の二つだと指摘した」というふうに書かれているわけでございますが、その辺は実際どうだったのでしょうか。
○柳井政府委員 ただいまお話にございましたように、アメリカ側と申しますか、アメリカの世論と申しますか、新聞等の意見といたしまして、もし北朝鮮に対して何らかの意味のある制裁を科するという場合に考えられる方法といたしまして、中国からの石油の輸出禁止、それから我が国からの送金の禁止あるいは規制ということが言われていることは事実でございます。 ただ、この週末の三者間の協議と申しますのは事務レベルにおきましての非公式な意見交換ということでございまして、そこで何らかの決定をするという性質のものではなかったわけでございます。 そこで、詳細については申し合わせの次第もございますので余り申し上げられないのが残念でございますけれども、そこで意見交換をしたことは、特に日米韓三カ国がこれまでいろいろ、ほかのケースでございますが、ほかの国に対して行ってまいりました制裁、経済制裁でございますが、経済制裁の経験あるいは国内法との関係等につきましてそれぞれの事情を説明したということでございます。 私の方からは、よくアメリカ等で日本からの送金を規制してはどうかという話がございますので、その実態、これは特にアメリカではある特定の金額がひとり歩きをしておりまして、これは率直に申しまして実は根拠のない数字でございますが、そういう数字をもとに規制すべきだというような議論がいろいろなされておりますので、その辺の実態でございますとか、あるいは我が国の法制でございますとか、そういう事実を説明したということでございます。
○柴野分科員 こういった非常に難しい問題でもありますし、なかなか公にできない内容もあろうかと思います。また、仮定の話でもございますし、なかなか難しいと思います。 いずれにいたしましても、こういった核開発をしているのだという疑念の問題でもございますし、国際社会が一致してかなり強い態度で出ながらその窓口をやはりあけたまま、話し合いで平和裏に決着できればということで、柿澤大臣も韓国並びに中国にも急遽また行かれるというようなことも伺っているのです。行くに当たりまして、この対応に対する、要するに北朝鮮の問題がほとんどだと思いますが、基本的な姿勢、考え方をひとつ、出発するに当たりまして何か御所見があれば伺いたいと思います。
○柿澤国務大臣 まず韓国の方でございますが、これは私が就任以来、日韓外相会議をやろうという話がありました。ただ、国会日程等もあってなかなかセットできませんでしたので、この機会にやらせていただこうということで、週末を利用してソウルに出ることになったわけでございます。 その意味では、幅広く二国間の問題、また国際情勢に関する議論もしたいと思っておりますが、柴野議員御指摘のように、当面の両国にとって大きな課題である北朝鮮の核疑惑問題についても議論はしてきたいと思っております。 基本的な考え方は、今柳井局長からも説明申し上げましたように、日本としてはできるだけ対話による解決ということを目指すべきであると考えております。北朝鮮の姿勢が非常にきつい、厳しいことも事実でございますが、しかし、たとえ国連で措置をするにしても、これが、制裁が懲罰的なものであってはいけない。やはり何らかの形で北朝鮮側がIAEAの査察を受け入れて、核不拡散条約の体制の一員として今後とも国際社会のために義務を守っていく、そういう体制に戻ってもらうことを我々は期待しているわけでございますので、そういう点で、韓国と日本との間でできる だけ協調の態勢を保つよう、相互に意見を交換してきたい、こう思っております。 中国に関しましては、日程の様子もありましてなかなかスケジュールが組みにくいのですけれども、しかし、できるならやはり中国とも話し合いをすべきだ。これは羽田総理の強い御意向もございますので、無理をして行けるかどうかということを今検討中でございます。 もし中国を訪問できることになれば、今申しましたようなことに加えまして、中国はやはり北朝鮮との間で特別の関係にあるわけでございますので、そうしたことも活用してもらって、北朝鮮がIAEAの査察を受け入れられるように姿勢を変えてもらうよう、ぜひ中国側のさらに一層の御努力をお願いしたいということを申し上げてきたいと思っております。
○柴野分科員 連日の予算委員会の審議で本当に大変な中、また週末に行かれて、大変御苦労さまでございます。これは非常に今日的な議題ですのでちょっと北朝鮮問題をやらせていただいたのですが、次のテーマに移りたいと思うのです。 日本という国はもう御承知のとおり大変な経済大国になりました。世界に対しても発言権や責任分担ということも非常に大きくなってきた。しかしながら、どうもよその国から見ると顔が見えないとよく言われるわけでございまして、日本の主体的な外交姿勢とか指導力とか、そういったことがよく問われるわけでございます。 もとより、日本という国は世界が平和で自由貿易体制であるからこそやっていける国でございまして、戦争が起きたり、自由貿易ができなくなれば、日本という国は本当に大変な状況になるわけでございます。そういった意味で、武力を使って云々ということではなくて、いかに平和的な外交であらゆる問題を処理していくかということが非常に重要になってくるわけでございます。 それには、よその諸外国に比べてもっとより大きな外交の実施体制というものが必要ではないかと私は思っているわけでございます。ところが、毎年概算要求その他のときに非常に問題になりますけれども、人員をふやしてほしい、あるいは体制を強化してほしいというようなことで言われているわけでございますが、ちなみに今、我が国の外交を支える外務省の職員というのは一体何人いらっしゃるのかということを、まずとりあえず伺わせていただきたいと思います。
○池田政府委員 現在、外務省の職員は、平成五年度末をもちまして四千六百三十六名でございます。
○柴野分科員 ちなみに、世界の主要国と言われるアメリカやイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、そういったところに比べてみますと相当数が少ないということが言えるわけであります。 ここに今資料がございますが、アメリカでは本省の職員だけで一万百人、これは平成五年十月の調査の数字ですが、在外職員が六千百人、合わせて一万六千二百人。イギリスも同じような推計で八千二百八十八人、フランスも八千百十二人、ドイツは七千三百十三人ということでございまして、これは一概に、人口の多い少ないとかがございますが、我が国よりも人口が少ない国であってもかなりの数がおるわけでございます。 そういった意味で、ある面では限られた人数で効率的にやっているのじゃないかということも言えるわけですけれども、結果として非常に職員の方々の過重労働ということにもなるかと思うわけですね。そういった意味で、いつも外務省、夜遅くまでごうごうと電気をつけまして相当な、特に時差もございますし、大変な労働をしていると私は拝察をするわけでございます。 その辺の、今後ではどういうふうなところが不備でどのぐらいふやすべきか、あるいは本省も含めて、在外も含めてどのようなお考えを持っているかということをちょっと大臣に、局長でもいいですけれども、お伺いしたいのです。
○柿澤国務大臣 柴野委員より外務省の職員の勤務状況について温かい思いやりのお言葉をいただきまして、本当にありがとうございます。 全体の国家公務員としては、行政改革の枠の中で定員削減というのがかかっているわけですけれども、その中で外務省は毎年増員をさせていただいておりまして、これも皆さんの御理解のたまものと思っております。ことしも、先ほど御説明いたしましたように、平成六年度において百五十名の増員を要望しているところでございまして、何としてもこの予算の成立をお願いし、実現をさせていきたい、こういうふうに考えております。 どのような分野で増員をしていくかという点につきましては、情報収集またはODAの審査体制、さまざまな分野があろうかと思いますが、その点については官房長からちょっとつけ加えて御報告をさせていただきます。
○池田政府委員 ただいま柿澤大臣から御指摘のありました情報収集、ODAの実施体制の強化等に加えまして、例えば邦人保護の面での体制の強化、それから在外公館の機能を拡大強化していくということを重点的な分野と考えております。 それから、もちろん国際貢献ということで、環境であるとかあるいは人口、エイズといったような国際的な課題にこたえていくということ、それから文化交流等の面につきましても力を入れていきたいと思っておりますし、そういう意味では、政治、経済、文化という主要な分野におきまして全般的に体制を強化してまいりたいというように考えております。
○柴野分科員 そういった行政改革という厳しい状況の中で、これは私が当初言いましたように平和外交、外交というのはよその国に比べて特段に日本の国は力を入れていかなければいけないということだと思います。 それに関連する話なのですが、私は昨年の八月、今話題になっております旧ユーゴスラビアというところに行ってまいりまして、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クロアチアを訪問しましていろいろな要人と会ったり、その節には大使館の方々に大変お世話になったのです。 ベオグラードに大使館があるのでございますが、行ってびっくりしたのです。ほとんど屋根裏部屋、水漏れに悩まされながらほとんどかがんで部屋を行き来している、こういった状況でございます。クロアチアには総領事館もなくて、ウィーンの大使館がカバーしているという状況になっております。 御承知のとおり、明石さんがUNPROFORの国連事務総長特別代表として赴任をされておるわけでございまして、これからの国連活動で大きく注目される地域でございます。ところが、大使館員で現地語をしゃべれる人は二人しかいないという状況でございまして、情報収集といいますかさまざまな活動で、施設もともかくですが人的にも非常にお粗末という状況で、私も非常に懸念をしておるわけでございます。 そういった外交活動の前線基地、在外公館、大使館、領事館とかございますが、諸外国ですとまさにメーンストリートの一等地にでんと構えてあるわけでございますが、日本はなかなかそういうケースが少のうございます。 そういった意味で、ちなみに平成六年度の予算で在外公館の建設、修繕に充てる予算は大体幾らぐらいになっているのですか、わかればちょっと教えていただきたいのですが。
○池田政府委員 平成六年度予算政府原案でございますけれども、この中で在外公館施設の整備拡充のために計上いたしておりますのは百八億九千万円でございます。
○柴野分科員 なかなかこれは一朝一夕にいかないと思いますけれども、外交活動の前線基地、本当にある面では劣悪な環境でやっているところもあるわけでございまして、そういった意味での努力も引き続きやっていかなければいけないというふうに思うわけでございます。 余り時間がないので、あと一点だけ質問をします。 私も世界各地に行きまして、現地の大使館のスタッフの方や大使や領事などに、よく仕事の面とかいろいろなことで御協力いただいたりしている わけでございますが、なかなか優秀な方が多いのです。 外交官試験というのは突破するのが大変なのですが、そういった中である種純粋培養みたいな感じで、実際の社会体験をしないで、よくある話ですが大学四年の途中で外務省に入るというふうなことが言われるぐらいで、そのままずっと外交官としていろいろな外交官特権の中で活動しているというふうなことでございまして、人間の幅とか深い見識とかいった面でややもすると問題があるかなというふうな認識もあるわけでございます。 ちなみに、アメリカなどは大使の三五%が民間人であるということでもございますし、民間の方々、特に商社であるとか金融機関であるとかあるいはマスコミ関係だとかそういった方々、非常に世界各国をまたにかけて活躍されていたキャリアを生かした方々をどんどん外交の前線に出すべきだ。しかし、いろいろな任用の問題だとか公務員制度の根幹にある程度かかわるような面もあって、なかなか難しい面もあろうかと思います。 いずれにしましても、そういうような方向で民間の方々、能力のある方々の知識や経験が生かせるような外交体制といったことも非常に幅広い活動を展開する上で必要だと思うのですが、その辺、大臣はどうお考えでしょうか。
○柿澤国務大臣 私も大蔵省から出向して、外務省で四年間書記官をやらせていただきましたが、そういう経験から見ても、いろいろ多様な生活体験を持った人たちが外交に携わっていくということは大事なことであろうと思います。そういう点では、当面可能な点で各省庁との交流は幅広く行われておりますし、今後も続けていくべきであろうかと思います。 またそのほか、大使、公使というレベルではありませんけれども、民間の方々にも大使館でお仕事をしていただいている部分もかなりございます。そういう点では交流は図られているものと思っております。 今御指摘の幹部職員ということになりますと、これはいろいろ外交の面では長年の経験、そうしたものも必要でございますので、民間の方々がそのままというのもなかなか難しい面もございますが、これは柴野委員の一つの御見識であろうかと思いますので、今後とも検討させていただきたいと思います。
○柴野分科員 かつてベトナム戦争の終局場面で、パリでいわゆる円卓会議というのが行われておったわけでございます。私もとある書物で読んだのですが、まさに銃弾飛び交う中で生き残ってきた北ベトナム軍の将校たちは、ある面で人間の修練を積んだといいますか、修羅場の中で、仲間がどんどん亡くなっていく中でそういう民族解放闘争をやってきた、それは事の正否は後々になるわけですが。 そういった中で交渉をアメリカの外交官とやっていたわけですが、人生観というのですか一つの哲学というのですか、そういうものがなかなかマッチしない、いろいろなそごがあったというふうなこともありまして、非常にすぐれた人間性というものが結果的に交渉に大きく役立ったのではないかと言われていることもあるわけでございます。 そういった意味で、非常に学校の成績が優秀で試験を突破された方々というよりも、むしろある種個性のある、バイタリティーのある、そしていろいろなビジネスその他で非常に頑張った方々も入れて、幅広い外交体制というのができればと思っている次第でございます。 もうほとんど時間がございませんが、いずれにいたしましても、大臣、週末に韓国、中国と大変な時期に行かれるわけでございますので、実りある成果ができますようにお祈りしたいと思います。 時間が来ましたので、これで終わらせていただきます。
○山本主査 これにて柴野たいぞう君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして外務省所管についての質疑は終了いたしました。 外務大臣初め政府委員各位、御苦労さまでございました。 午後四時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時四十分休憩 ————◇————— 午後四時開議
○山本主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 大蔵省所管について、政府から説明を聴取いたします。藤井大蔵大臣。
○藤井国務大臣 平成六年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入予算額は七十三兆八百十六億六千九百万円となっております。 このうち主な事項について申し上げますと、租税及び印紙収入は五十三兆六千六百五十億円、雑収入は五兆六千四百十一億六千万円、公債金は十三兆六千四百三十億円となっております。 次に、当省所管一般会計歳出予算額は十七兆七千三百四十億円となっております。 このうち主な事項について申し上げますと、産業投資特別会計へ繰り入れば一千七百二十五億四千百万円、国債費は十四兆三千六百二億四千二百万円、政府出資は三千四百十四億円、予備費は三千五百億円、決算調整資金へ繰り入れば一兆五千四百四十七億六千八百万円となっております。 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算について申し上げます。 造幣局特別会計におきましては、歳入三百二十二億三千二百万円、歳出三百二十三億三千二百万円、差し引き一億円の歳出超過となっております。 このほか、印刷局等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算について申し上げます。 国民金融公庫におきましては、収入五千百七十四億四百万円、支出五千五百十八億七百万円、差し引き三百四十四億三百万円の支出超過となっております。 このほか、住宅金融公庫等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等をごらんいただきたいと存じます。 以上、大蔵省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。 なお、時間の関係もございまして、お手元に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明にかえさせていただきたいと存じますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○山本主査 この際、お諮りいたします。 ただいま藤井大蔵大臣から申し出がありましたとおり、大蔵省所管関係予算の概要につきましては、その詳細な説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山本主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 平成六年度一般会計歳入予算並びに大蔵省 所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入 歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算 に関する説明 平成六年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算について御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入予算額は、七十三兆八百十六億六千九百万円でありまして、これを前年度予 算額(補正予算(第二号)による補正後の改予算額。以下同じ。)に比較いたしますと、二兆一千七百五億八千万円の減少となっております。 以下、歳入予算額のうち主な事項につきまして、その概要を御説明申し上げます。 第一に、租税及印紙収入は、五十三兆六千六百五十億円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、二兆百五十億円の減少となっております。 この予算額は、現行法による租税及び印紙収入見込額五十七兆九千三百七十億円から、平成六年度の税制改正による減収見込額四兆二千七百二十億円を差し引いたものであります。 次に、各税目別に主なものを御説明申し上げます。 まず、所得税につきましては、平成六年分所得税の特別減税等による減収見込額を差し引いて、二十一兆五千百三十億円を計上いたしました。 法人税につきましては、課税の適正・公平の確保及び租税特別措置の整理合理化等による増収見込額を加えて、十三兆八千百三十億円を計上いたしました。 相続税につきましては、税率構造の緩和等による減収見込額を差し引いて、二兆七千五百億円を計上いたしました。 消費税につきましては、普通乗用自動車に係る税率の特例の廃止による減収見込額を差し引いて、五兆七千四百億円を計上いたしました。 また、酒税につきましては、税率調整等による増収見込額を加えて、二兆一千二百三十億円を計上いたしました。 以上申し述べました税目のほか、たばこ税一兆二百八十億円、揮発油税一兆七千九百七十億円、関税九千百八十億円、印紙収入一兆六千二百五十億円及びその他の各税目を加え、租税及印紙収入の合計額は、五十三兆六千六百五十億円となっております。 第二に、雑収入は、五兆六千四百十一億六千万円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、二千四十一億三千五百万円の増加となっております。 この収入のうち主なものは、日本銀行納付金五千五百十億円、日本中央競馬会納付金四千二百八十五億四千百万円、特別会計受入金四兆一千百四十七億一千七百万円等であります。 第三に、公債金は、十三兆六千四百三十億円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、三千四百九十億円の減少となっております。 この公債金につきましては、公共事業等の財源を確保するとともに、いわゆるNTT事業償還時補助の財源に充てるため、建設公債十兆五千九十二億円を発行することといたしております。 また、所得税減税等に伴う税収減に対処するものに限って、先般、本国会において成立した「平成六年分所得税の特別減税の実施等のための公債の発行の特例に関する法律」に基づき、特例公債三兆一千三百三十八億円を発行することといたしております。 最後に、前年度剰余金受入は、三十八億七千七百万円となっております。 なお、既に前内閣により別途、税外収入の確保の特別措置等のため「平成六年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案」が提出されておりますが、新内閣で引き続き御審議をお願いいたしております。 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、十七兆七千三百四十億円でありまして、これを前年度予算額に比較いたしますと、一兆七千八百四十四億二千五百万円の増加となっております。 これは、国債費が一千四百四億五千五百万円、予備費が二千億円、決算調整資金へ繰入が一兆五千四百四十七億六千八百万円増加しましたが、他方、産業投資特別会計へ繰入が四百二十六億一千二百万円減少したこと等によるものであります。 以下、歳出予算額のうち主な事項につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、第一に、産業投資特別会計へ繰入につきましては、一千七百二十五億四千百万円を計上いたしておりますが、この経費は、無利子貸付け等の財源に充てるための「日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法」に基づく産業投資特別会計への繰入れに必要なものであります。 第二に、国債費につきましては、十四兆三千六百二億四千二百万円を計上いたしておりますが、この経費は、一般会計の負担に属する国債の償還、国債及び借入金の利子等の支払並びにこれらの事務の取扱いに必要な経費の財源を、国債整理基金特別会計へ繰り入れるためのものであります。 なお、先ほど申し述べました「平成六年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案」に基づき、平成六年度において、前年度首国債総額の百分の一・六に相当する額及び割引国債に係る発行価格差減額の年割額に相当する額の繰入れは行わないことといたしております。 また、この定率繰入れ等の停止に伴い、国債整理基金特別会計の運営に支障が生じることのないように、NTT株式の売却収入に係る無利子貸付けについて繰上償還を行うこととし、このための必要な措置を講ずることといたしております。 また、同法律案に基づき、一般会計において承継した債務等のうち平成六年度に償還すべき金額七千五百五億三千万円の償還を延期することに伴い、当該債務の償還の財源につきましては、国債整理基金特別会計への繰入れは行わないことといたしております。 第三に、政府出資につきましては、中小企業信用保険公庫等二機関に対し、一般会計から出資するため必要な経費として、三千四百十四億円を計上いたしておりますが、その内訳は、中小企業信用保険公庫百九十五億円、海外経済協力基金三千二百十九億円であります。 第四に、経済協力費につきましては、四百五十一億二千二百万円を計上いたしておりますが、この経費は、国際開発金融機関を通じて供与する発展途上国に対する経済協力等に必要なものであります。 第五に、予備費につきましては、予見し難い予算の不足に充てるため、三千五百億円を計上いたしております。 最後に、決算調整資金へ繰入につきましては、一兆五千四百四十七億六千八百万円を計上いたしておりますが、この経費は、平成四年度決算不足の補てんに伴う決算調整資金から国債整理基金への繰入れに必要な資金を、一般会計から決算調整資金に繰り入れるためのものであります。 次に、当省所管の特別会計のうち主な会計につきまして、その歳入歳出予算の概要を御説明申し上げます。 まず、造幣局特別会計におきましては、歳入三百二十二億三千二百万円、歳出三百二十三億三千二百万円、差引き一億円の歳出超過となっております。これは、先ほど申し述べました「平成六年度における財政運営のための国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例等に関する法律案」に基づき、繰越利益金のうち一億円を一般会計に繰り入れることとしていることによるものであります。 次に、印刷局特別会計におきましては、歳入九百六十二億三千九百万円、歳出九百二十億二千八百万円、差引き四十二億一千百万円の歳入超過となっております。 以上申し述べました各特別会計のほか、資金運用部、国債整理基金、外国為替資金、産業投資、地震再保険及び特定国有財産整備の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等を御覧いただきたいと存じます。 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、国民金融公庫におきましては、収入五千百七十四億四百万円、支出五千五百十八億七百万円、差引き三百四十四億三百万円の支出超過となっております。 このほか、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、北海道東北開発公庫、公営企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、環境衛生金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等を御覧いただきたいと存じます。 以上、大蔵省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。 —————————————
○山本主査 以上をもちまして大蔵省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○山本主査 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野中広務君。
○野中分科員 連日御苦労さまでございます。 私も予算委員会に所属をいたしまして連日審議に参加をいたしておるわけでございますけれども、まあでき得れば政策的な面についても質問をする機会を得たいなということを思いながら、野党第一党の、しかも第一線攻撃部隊の先頭に立っておりますので、なかなかそういう議論もできないまま今日までやってまいりました。 そして、特に私がきょう絞って御質問を申し上げたいと存じておりますのは、もう藤井大蔵大臣先刻御承知のとおり、今日まで私は、予算委員会におきまして二度にもわたりまして指摘をしてまいりまして、若干その間、やや改善の努力が行われるのかなという感じを見たこともありますけれども、しかし、ことしの三月の申告等をそれぞれの地域について私なりに点検をしましたときに、私の求めてまいった税に対する適正化というのは何ら改善の道をたどっておらないという感じを私は率直に受けたわけでございまして、まことに残念に思うわけでございます。 私もいささか地方公共団体の仕事にかかわってまいりまして、税なるものの重要性を、またその適正公平さについて身をもって体験をしてきた一人でもございますし、また、先ほど大臣が説明されましたように、ことしの租税収入五十三兆というのは恐らく平成二年の五十二兆に次ぐものでなかろうかと思うほど深刻だし、それだけの歳入がなお確保されるのかということについても非常に私は疑問に思うわけでございます。 また一方、政府税調におかれましては、今基本的ないわゆる税制改革への議論が鋭意重ねられておるところでございます。実は私も三十年ほど前、泉、塩崎主税局長のときに、政府税調の委員の末席を汚したことがございます。そういう当時を振り返りながら、税の重みというものを改めて感じるわけでございます。 しかし一面、私は、国民に新たなる負担を求めようとするときに、先日来私が指摘をしておるように、中企連あるいは企業連を通じて申告をする際に何らチェックがされない、あるいはチェックがされたとしてもそれは保留をされて、そして、まああなた方は適正にやっておるとおっしゃるかもわからない、しかし実際実務は、チェックされたままで保留されて時効扱いになっております。私は多くの資料を、出せとおっしゃるなら持っております。ことしも残念ながら、数地域を調査いたしましてもそういうことが、私どもの地元だけでなく兵庫県、大阪において行われておることを私は現実に把握をして非常に残念に思い、またそのことに対する批判も出ておることも事実でございます。 こんなことを考えますときに、一方においては、最近、報道を見ておりますと、大蔵省の大先輩である銀行の会長がいわゆる相続税を延滞されておるといったようなことが出、ひょっとしたらその人が次期日銀総裁でないのかといったことが報道をされてみたり、あるいは私が指摘している、当時大阪国税局長であった高木さんがみずから大蔵省の人物像について書いていらっしゃいます。この人に、みずから歩いてきた道を厳粛に振り返り、それが三十年近い歳月なお足を引っ張り、そして多くの問題を提起し、そして問題を残し、現職の諸君にも多くの迷惑をかけておるといった反省が一体あるのかなということを、私はあの本を見ながら非常に残念に思った次第であります。 そう考えるときに、新たに国民に負担を求める際には、やはり自分たちが姿勢を正し、そして勇敢に適正化に向かって努力をしない限り、税の、いわゆる国民に求める大蔵、国税当局の姿勢というものが理解をされない、そういうように考えておるわけでございますが、大臣初め国税当局のお考えを改めてお伺いをしたいと思いますとともに、かかる分科会においてなお私はこういう質問をせざるを得ないことをまことに残念に思っておる次第であります。
○藤井国務大臣 この話は、事務方より私がお答えすべきことだと思います。 お話のように、過般二回にわたりまして非常に厳しい御指摘を受けました。私も、これは本当に真剣にかつ謙虚に受けとめたつもりでございます。 おっしゃるように、課税の適正ということは、本当に税の信頼というものを多くの国民の方に得る最大の道であると考えております。お話の後、国税庁の幹部とも話しました。また、私なりにいろいろな人にも聞きましたし、また、地域改善対策協議会で具体的な指摘まであったということもよく承知をいたしております。 私としては一歩一歩前進をしていると考えておりますが、本年においてもそのような御指摘を賜って本当に残念に思っております。私どもとしては最大限の努力をしてまいっているつもりでございますが、またいろいろなことがありましたら、むしろ教えていただきたいという気持ちでおります。
○野中分科員 今大臣から御答弁をいただいて、いろいろなことがあったらお教えをいただきたいと言われますけれども、私は自分で魔女狩りしてみたいと思っているわけではありません。本当に徹底して私は国税やあるいは皆さん方を責めようと思うのなら、私はやはりテレビの前でやっています。だけれども、私はいつも申し上げているように、そのことによって税そのものの信頼が失われてはならない、もう一つは、そのことによって全く関係のない人たちに新たなる差別を呼び起こして、そして人権侵害になってはならない、この二つを考えるから、できるだけ私はテレビの前でする質問を自分で避けてきたつもりでございます。 それが国税当局の皆さんにわかってもらえないのを私は残念に思うし、そして、ついこの間の日曜日に帰りましたら、そうしたら京都でちょっと知った人に出会いましたら、相続税の関係があって困ったので企業連に相談してやってもらおうと思った、こんな話を聞きまして、そんな聞く耳持たないと言って私は怒ったのですけれども、こういうことが安易に使われておることに対して、私は、それは三浦次長が立場上そうでありましたというのをあんなところで言えないと思いますよ。あなた淡々と言うから余計腹が立ってくるんだ、こっちは。だけれどもそれは言えない立場も私はわかります。 それを私は責めようとは思わないけれども、しかし、私は最初の質問のときに、政治生命をかけ、そして自分の命をかけると言ったんだ。次の 選挙必ず落としたるというのはおりますよ、確かに大きな波紋を呼びましたから。けれども、私を激励してくれる人もおります。そして、激励してくれるのが、意外に税理士さんとかあるいは税務署の窓口で働いたOBの人たちやら、現職の人も意外に、よく言ってくれましたと言うのですよ。 大臣は自分で大蔵省に勤務された人ですから、そういうところの人がやはりどれだけ生々しく現場で苦労してきたかは私は知っておられると思うのです。また、国税庁の三浦次長が、わかっておってもわからないような素知らぬ顔して、そんなことありませんと言わんならぬのも立場上私はわからぬわけではない。けれども、私どもも何回かこんな質問するのは嫌です。 だから、私が政治生命をかけるというのは、自分はそれによって政治の生命を絶ってもいいんだよと、あるいは、生命をかけるというのは、私はそれによってどんな迫害を受けてもいいんだよと、あるいはこの間、税のあり方について憤慨して自殺をした人がありますが、そういう抗議行動を私やったっていいんだよと、我々の世代にこういうものはきちっとやはり整理をして、見せしめにあなた方にしておかなければこれはだめなんだという、そういうひたむきな気持ちがあるから私はあえて申し上げているわけでございます。 そういう気持ちをあなた方は厳粛に考えて、その場その場の答弁で事が終わったらそれでもう済んだんだというようなことじゃなしに、この間も私、皆さんにはどんな映り方をしたか、あるいは専門的に知識の高い皆さんにはどんな聞かれ方をしたかはわかりませんけれども、税と福祉の整合性という問題について私なりに、現場で経験した人間として私は心情を吐露したつもりであります。私は、同じ気持ちであります。 したがって、やはりその場限りの答弁じゃなしに、なるほど困難であるけれどもやはり血を出しながら頑張っているな、そして適正化の機運が見えてきたな、そういうものが我々にわかるようにやってもらわなければ、新たに国民の負担を求めるあなた方の立場を私どもはやはり平場で批判をしなければならない時期がやってくるということを申し上げて、もう一度私はお考えを聞きたいと思うのであります。
○藤井国務大臣 初めのときだったと思いますが、私は、野中委員とのやりとりの中で、私も三十何年前第一線の税務署におりましたというお話を申し上げました。そしてそういう中には、大変物理的な抵抗もありますし、家族が非常に大きな犠牲を受けながら全力を出して努力をしている多くの職員を知っております。 ですから、今お話しのように、OBの人が激励をしてくださったというお話は非常にわかるような気がします。私どもとしては、私はもう学校を出てからこの道をずっとやっておりますし、今もこの道をやっておりますから、その場逃れの答弁なんというものじゃございません。もうずうっとこういうことをやってきておりますから、今のお話のおっしゃっている意味はよくわかるのですね。よくわかります。そういう中で、個々の職員たちが本当に努力をして課税の公平のために働いてくれているということもよく承知をしております。 今まだ何の変わりもないということで大変残念に思いましたが、私としては、これはここでの通り一遍の答弁ではなく、一歩一歩かもしれないけれども努力をしてまいりたいということを改めて申し上げさせていただきたいと思います。
○野中分科員 私は、自分の意図のために何かを具体的に摘発して申し上げようとかそんなことを思っているわけじゃないのです。私が前に、あるところの税務署長に言いましたのは、これは、もし私があなた方とのやりとりで、じゃ具体的にこういうことがあるじゃないかと言ってしまったときに、そこにたまたま勤務しておられる税務署長に、けさがけで、何か一言ぐらい聞かしておいてもらったらええがなと思う感じを与えさしてはいかぬと思って私は言うただけでありまして、個別に私は恨みつらみがあってこの問題を言っているわけじゃないのです。 やはり昭和四十三年以来の経過を知ってきた一人として、何とかやはり今日のこの大きな課題を背負っておる問題を、少しでも少しでも正常化への道を歩むことに勇気を持って組織としてやってもらわなければ、組織が動かないのに、後ろに守ってやる者がないのに第一線だけがこんなもの解決しようなって、それはできません。それは個人が傷ついてしまいであります。幾多個人が傷ついた人もおります。そういうことを考えるときに、組織としてやはり守る体制を確立してもらいたいということを私は特にお願いをしておきたいと思うわけでございます。 そのことだけをお願いすれば、そして決意を承れば私は質問が終わるわけでございますけれども、せっかく立ちましたので、この機会に私自身不勉強でわからない点を一つ投げかけてみて、そして教えていただきたいと思う。 それは、この間私は、政治改革関連法案の中で政党助成のあり方について質問をいたしました。法律として確定したものであります。けれども私どもは、まだ政党法の問題が与野党協議で残っておると理解をいたしております。そして私は、一人二百五十円というこういう計算だけで政党に対して、しかも法人格を持たない任意団体の政党に対して国民の血税が助成をされることが本当に政治改革につながるのかな、あるいは、税そのものを考えるときに、それが正しい選択なのかなと自分で自問自答をずっとしてきているわけでございます。だから私は、これには終始慎重に考えてきたつもりでございます。 この間も申し上げましたように、選挙権のない人もあるいは在日外国人も、あるいは日本にたまたま観光ビザで来た人も税を納めているわけでありまして、そういう人から来た税を政党に助成をするというのが、政治のコストを負担さすというのが本当に改革の名のもとにいいのかなというのはまだ私は理解ができないわけでございます。 もう一つ、ここで私が理解をできないのは、労働組合の資金なんです。これはある意味において聖域になっているのじゃないか。組合員はそれぞれ組合費を徴収をされます。一番大きな連合体では、もう二千数百億という金があると言われておるところもあるわけでございます。このごろは、その労働組合がやや政治を動かしているのじゃないかと思うほど、政界の再編を含めていろいろな感じを持つときがあるわけであります。 特に、一時のときとは違って労働争議も少なくなりましたし、ストライキ等の処分者も少なくなりましたから、いわゆる組合費をもって、専従の負担以外、そんなに大きな負担をしなければならないような要素は逆にこの十数年非常になだらかになってきた、それがまた資金の増大にもつながってきたと私は思うわけでございます。そういう点で、一体、税務当局はどのようなあり方になっておるのか、そこのところを私はお伺いをしたいと思うわけでございます。
○藤井国務大臣 これは公益法人の問題とも絡んでいるのだと思います。私どもとしては、その本体の事業については建前上触れられないということになっておりまして、正直言いまして触れておりません。ただ、そこに勤めている人の源泉徴収等々には触れております。触れておるというか、ちゃんと課税をいたしております。収益事業もやっております。 しかし、本体に触れられないという一つの原則がございまして、それらは第一義的には、各公益法人であれば監督官庁、労働組合でいえばどこになるのかな、労働省かな、そういうところに、今恐らく野中委員はその中の話をしておられるのかと思いますが、触れられない、税務当局としては触れていないという現実は申し上げられると思います。
○野中分科員 これ以上大蔵省に求めるのは困難かと私は思います。けれども、認可なり所管官庁が本当にこういうところに触れられておるか、適正なあり方についてそれなりのチェックができて おるか。今はそれが大きな政治の流れすらつくり、逆に言うたら、宗教法人と政治のあり方が言われておるけれども、全く聖域化したこの労働組合の資金と政治のあり方、政治資金のあり方というのは我々政治家の中で論議されなくてはならない問題だと私は自分で考えておるわけでございます。 大臣も有力な閣僚の一人でございます。これから内閣の問題としてこういういわゆる真の政治改革の中における聖域化したところの問題についての努力と、そして内閣としての努力がさらに大蔵大臣の指導によって進められるように、そうでなかったら本当の政治改革を実現する道に通じない。いろいろなところに聖域を残して、手の触れられないものを残しておいて、そしてさっき申し上げましたように国民の信頼と税に対する新たなる賦課、そして国民の負担を求めるということにはなり得ないのでありまして、私はそのことをあえて要望を申し上げまして、もう私の申し上げることは尽きましたので、やや時間が余っておりますけれども、これで私の質問を終わります。
○山本主査 これにて野中広務君の質疑は終了いたしました。 次に、渡辺嘉藏君。
○渡辺(嘉)分科員 変額保険の問題についてまず質問を申し上げます。 大臣もこれは、さきに大蔵委員長時代に私がやっていたときにすぐ上段から聞いていらっしゃって、時たま政府答弁があいまいだ、おかしいじゃないかと私が言って、委員長に注意してくれと言うたら、委員長からも政府委員の方へ、もっと端的にきちんと答弁しなさいという注意をされたことがあることを今大臣の顔を見ながら思い出したところであります。 本件につきましては、昨年の五月、六月に私も商工委員会、大蔵委員会で質問をいたしました。この変額保険についてはもう内容の説明は必要ないと思います。言うならば保険料を特別勘定にて運用して、その利益がふえてくる、こういうことによってお客さんにメリットがありますよ、こういうことで加入をさせておるわけですが、その場合にはハイリスクがあることも言うまでもないわけです。ところが、そのハイリスクの説明不足のままでお客さんは契約したケースが非常に多い。 そこで、その保険料の一時払い金として数千万円、中には何億という金を銀行から借り入れをいたしまして、それで保険料を払い込んだ。それがために利息の支払いにも行き詰まって、運用損による結果、利息の支払いにも困っておるということで、具体的な事例を挙げて質問したわけです。そのときに政府委員の方から、鏡味部長は、現在御指摘の運用例についても、さらに問題がないか等、引き続き見直し方につきまして検討している、こういうふうに答弁をいただいたわけですが、その後、どのように御検討されたか、お聞かせをいただきたい。
○山口(公)政府委員 昨年の国会で先生の方からいろいろ御指摘を賜りまして、改めて私どもとしては生保の各社に、それも最高の首脳が集まった場におきまして、こういった変額保険のトラブルを招くことのないように適切な内部管理体制の確立に努めるように要請をしてまいったところでございます。
○渡辺(嘉)分科員 主要保険会社が集まったところで内部指導をした、こういうことなんですが、私のところへ文書で来ましたのが、昭和六十一年七月のこれに対する留意事項としての文書と、それから六十三年五月二十五日に口頭指導をしたという三項目の件ですね、この三項目についての口頭による指導をした、こういうことだけなんです。今日、この問題については大変に苦しんでいらっしゃる方がたくさんあるわけなんですが、この程度の見直し指導でいいのかどうか、私は、これは大蔵省としては国民に対して甚だ不親切な態度ではないか。 ここに二例だけまた追加して申し上げますが、宮田という東京の方は、三菱銀行が参りまして、そして、この保険に入ると非常に有利だよ、天下の三菱だから信用しなさい、こういう説明をしていかれた。その後、平成二年に加入したわけですが、大蔵省が後押しをしている保険なんだからいい保険なんだ、こういう説明をし、そしてさらに、来年になると大蔵省はこの販売を中止させるかもしれないので今のうちに入りなさい、こういう説明をする。そこでその人は、そんないい保険ならということで一億六千万円三菱銀行から借りて、利息だけでも八千五百万円払う。今でも利息のための利息を三十万円ずつ毎月払っている。こういう事例があるのです。 あるいはまた川崎という東京の方ですが、この方もそういうような説明で一億九千万円借りた。三年間の金利だけでも六千五百万円払っておる。実に悲惨な状態が出ておるわけです。 私は、昨年も質問のときにシミュレーションしたものをお渡ししましたので、委員長、これもちょっと大臣等に配らせていただきたいと思いますから、お許しをいただきたいと思います。 この幅広いシミュレーション、これはこの前の鏡味部長はごらんになったが、今度の山口部長はまだ見ていらっしゃらないと思うけれども、あるいはまた引き継ぎで見られたかもしれません。 ここで問題は、「銀行借入金利用一時払終身保険による相続税節税効果シミュレーション(B−1)」こういうことで狩野窪さんに渡した書類なんです。これは明治生命がつくって渡しておるのです。明治生命のコンピューターに入れるとさつとこれが出てくるのです。ここにも出ておるように、土地の値上がりが七%プラスありますよ。これは土地ですからまた別です。運用利益は九%といってこれだけ想定して書いてある。その結果に基づいて計算をしてあるわけですね。 そうすると、ここでもう一つ問題は、二年後になると相続税の評価額は基礎控除を引いて三億八千五百九十六万円、二年目のところの「課税遺産額」というところを見ていただくと、こう書いてあるのですね。ところが、二年後にこの方は保険に入った後で亡くなったのです。二年後、税務署の評価額は九千五百万円、税金も、ここに書いてあるように七千万なんというようなべらぼうな金額でなしに、一割程度で済んでおる、こういう文書で加入をさせておるわけですね。 これは例を言っておると時間がありませんのであとは省きますが、この九%の運用益を強調しておること。あとのハイリスクについては何の説明もない。損した場合はこういうことがありますよということは何も記していない。もうかった、もうかる、こういう説明だけしておる。まして、これがバブルの後半で、もう株価が下がり始めておるときです。このときにこういう九%を強調したこと。それから、二年先に亡くなったときに、このシミュレーションによると三億八千万だという評価額が、実際には九千五百万であったということ、それで税金は七千万の一割にも満たなかった。 こういうシミュレーションを使えば、まさに脅迫に近い虚偽の文書と言われても当然だと思うのですが、こういう文書で説明したことが契約上妥当なのかどうか、適当な契約行為なのか、この点について重ねてちょっと教えてください。
○山口(公)政府委員 今御指摘の個別具体的な例として申し上げるわけにはちょっとまいりませんが、一般論として申し上げますと、募集人が募集またはその募集を容易たらしめるためにお客様を対象として文書図画を作成するわけでございますけれども、こういったものについては、いわゆる募取法という法律で募集文書図画に相当するというふうになるわけでございます。そういったものを使って、お客様にハイリスク・ハイリターンのリスクの方を余り説明しないで募集するということは非常に問題があるということでございます。 ただ、個々のケースで、その資料がどういったシチュエーションでどういうふうに使われたかという事実認定になりますと、ちょっと私の方から確定的なことは申し上げられません。一般的に 言ってそういった理解でよろしいだろうと思っております。
○渡辺(嘉)分科員 これはもう新聞記事でごらんになったと思うのですけれども、五月三十一日付で五月三十日の東京地裁の判決を各紙が報じたわけですね。 これによると、私が先ほど申し上げた明治生命その他ですが、ここでは明治生命に対してこういう判決を下したわけですね。これはもう中身を申し上げるまでもなく御存じですが、それでも「判決は、明治生命側が保険の危険性について十分に説明せず、むしろ虚偽の事実を告知して契約を締結させた、」先ほど申し上げたシミュレーション、ああいうのはみんなそうですね。相続税が三億八千万の評価で来ますよといったら、なに税務署が査定してきたのは九千五百万、まさに虚偽じゃありませんか。 こういうようなことによってこの判決がおりたわけですが、この際、大臣に、こういうことで、今のような大蔵省のあの指導の仕方でいいのかどうか。非常に困っておる人、悲惨な方がたくさんある。現在訴訟は何件起きておるか、そして、守秘義務の関係もあるでしょうから名前は要りませんが、訴訟はどこの地区で何件、幾ら幾らの件数が起きておるのだ、こういうことは一遍調べて明らかにしていただくとともに、大蔵省としてこれでいいのかどうか。
○山口(公)政府委員 地区別には把握できておりませんが、現在八十七件が訴訟になってございます。今先生が御指摘の件を除きますと、そのうち三件が裁判で判決が出てございます。一件につきましては、過失割合というのを裁判所が認定しまして、八対二ということで、解約返戻金の範囲内であるという内容の判決が一つ。それから、勧告による和解が成立したものが一つでございます。それから最後のもう一件は、実はお客様の方がかなり利殖でいろいろ御熱心であったということがあって、それで保険会社には責任はないというような判決もございます。 いろいろな例がございまして、お客様の方にお気の毒な例も多々ございますが、それぞれのケースにおいていろいろな場合が生じているというふうに聞いております。
○渡辺(嘉)分科員 重ねて今の件について申し上げますが、それぞれの件でそれぞれのケースというようなことで、これで私ども1私も大蔵委員会に所属しながら、きょうまたここでやるのもおかしな話だけれども、これは事務手続の関係で御了承いただきたいのですが、少なくとも大蔵省は、それは全部八十七件調べていらっしゃると思う。私の手元にあるのも八十数件の一覧表がある。大蔵省、一遍それを出していただけませんか。名前のところは消していただいてよろしい。そして、その事実をお互いに、私ども委員会の者もきちっと事実を認識しながら、これからの大蔵の行政、特に保険行政をどうするかということの大きな一つ参考にしたい。 なぜか。これはこのままほうっておきますと保険そのものの信用を失墜するのです。それがために、この件はこうこうこういうことで今提訴になっておるんだ、こういうことをぜひ一遍明らかにしてもらいたい。
○山口(公)政府委員 裁判になっておりますのが八十七件と申し上げましたが、実はその中も含めましてではございますが、いろいろなそれよりずっと多い件数が私どもの方にも大なり小なり御相談があったり苦情があったりしたわけでございます。 私どもとしては、その申し出の内容をよく聞きまして、また保険会社も呼んで、どういうところがいろいろ問題になっているのかということでお話をする、会社を呼んで説明をしてもらうというようなことをやりまして、それがきっかけで話し合いが始まったという例もございますし、また、ある言葉が言ったか言わないか、あるいは言った意味がどうとられているかというのが大分食い違いがあって、残念ながらこういう訴訟になっているケースも多々あるということでございます。 私どもとして、裁判にかかっている八十七件については裁判所の判断にお任せせざるを得ないと思うのですが、私どもがいろいろお客様や会社と接触する間においていろいろ変額保険の持っている問題点ということを十分把握したつもりでございますし、その後会社にも厳しく指導をしておりますし、最近の募集に対するパンフレットもできるだけ誤解を招かない募集をやるような形に変えさせることで今努めております。したがって、最近はそういったトラブルの発生というものはないというように考えております。
○渡辺(嘉)分科員 もう少しその問題を続けて聞くわけですが、先ほどの東京の宮田さんの場合でも、三菱銀行が最初に来ておる。いいですか、銀行が最初に来ておるケースが非常に多い。この前僕は指摘もしておきましたが、銀行がまず来ている。そして、こういう有利な保険があるから入りなさい、その保険料は銀行が貸してあげます、こういうパターンなんですね。先ほどの宮田さんの場合でも、三菱銀行がすべて、千代田生命、大同生命それからニコス、こういう保険会社を自分の方から連れてきておる。保険会社が来たんじゃないのです。これはもう募取法の完全な違反です。 と同時に、ここに日本生命のシミュレーション、お勧めの文書がある。お渡ししましたね。これは日本生命なんです。この中の一ページ目には、ここに「貴行は土地を担保として、資産家に生命保険の一時払保険料相当額を貸付けます。」以下云々と書いてある。そしてそこに、融資方法としては「三菱」と書いてありますね、この右手の方に、ずっと図がかいてある。これは勧誘員がかいたのです。三菱銀行ですよ。そうすると、ここで日本生命と三菱銀行はまた結びつくんですよ。このシミュレーションもまた、変額保険の運用実績は九%、すべてこう出てくるんですね。これは実に不届きであるとともに、こういう行為はもう完全に募取法違反ではなかろうか。 と同時に、先ほどの明治生命の場合、私は、明治生命を、個々の会社をどうのこうの言うんじゃないですよ、たまたま例が出たから申し上げただけですが、この場合に、これはもう完全に募取法二十条に抵触する。これは違法行為に対する措置をとらなければならぬのじゃないか。 なぜか。今控訴しておる。控訴しておるから長引きます。すると、控訴しておるものだから、この間また営業を続けます。これでいいのかどうか。食中毒が出た、ぱあっと営業停止をやりますね。当たり前のことなんです。ほかの保険にも影響しておる。だから、一審判決が出たら何かの措置をしなければ、かえって保険の信用を落とすんじゃないですか。大蔵省、どうですか。
○山口(公)政府委員 先生おっしゃいましたように、確かにこの変額保険にまつわるトラブルはバブルの崩壊とともに出てきたものでございまして、株価が上がっているときには何も問題なかった話ですが、そういった株価が下がってきたあたりから大分出てきたという問題でございます。 そのときにいろいろ問題になっておりますのは、銀行が非常に熱心に勧めたということももちろんございますし、あるいは募集人がいろいろ言った、言わないという問題もございます。ただ、この問題の個々のケースにおいて非常に難しいのは、説明を行った側と受けた側でどうも認識が大分ギャップがあるケースが多いということなんです。 そういうこともありまして、募取法の関係で、いろいろ、私どもとしては事実認定ではっきりしたものがあれば対処してまいらなければならないと思っておりますけれども、そういった認定問題として非常に認識のギャップがあるのでかなり困難なケースが多いのじゃないかというふうに考えております。 銀行員が保険募集をやるということは、それは募取法で禁止されております。やってはいけないことでございますけれども、それがどの程度の事実行為であったかというのもまた個別の具体的な 事実認定があって判断すべきものと考えております。
○渡辺(嘉)分科員 一年前も同じような答弁なんです。その間の事実認識と事実の説明がどういうことであったかということを見なければわからぬ、すべてそれでお逃げになる。だから、あなたに、大臣を含めて書類をお渡ししたのです。 この書類を見て、天下の日本生命であり、三菱銀行であり、明治生命なんです。こうして持ってきた書類を見て、これで事実認識を誤って受け取る人は、受け取る方がおかしいのです。これを見れば、ああ、なるほど、こういうものか。一般国民は、もちろん株を買うならば自己責任原則で損ずる場合もあると思っておるのですが、運用益と言われれば株だとばかり思わない。そうでしょう。そのときにはもう株が下がっておるのです。だから、当然運用益より運用損が出てくる危険が多分にある。とすれば、この書類を見て、認識の相違じゃないのです。だれだってこれなら、天下の三菱、天下の日本生命、天下の明治生命、そんなの信用するのが当たり前、信用しない方がおかしい。 と同時に、先ほどの私が申し上げた訴訟になっておる一覧表の内容についても、この際ぜひひとつ説明資料として私どもに出していただきたい。
○山口(公)政府委員 現在裁判所で事実認定を含めまして審理が進められておりますので、私どもとしては、そこにおける事実認定を待ちたいというふうに思っておる次第でございます。
○渡辺(嘉)分科員 いつの場合もそういうことで最後に強い者が勝つのだ。相手は大法人です。片一方は個人個人です。八百屋さんであったり、あるいはまた一サラリーマンなんです。なかなかそんなものを相手取って訴訟をやろうと思ったら大変なんです、裁判所にまで。 この前も申し上げた。大蔵省はこの変額保険のためのガイドブックをつくった。これは研究所がつくった研究所がつくったと言っておるけれども、しかし、そんなくらいなら、大蔵省、こんなタイトルをつけなさんな。「大蔵省保険第一課内変額保険研究会 監修」と書いてある。単に変額保険研究会監修ならよろしいよ。その頭に「大蔵省保険第一課内」と書いてあるじゃないですか。 こういうガイドブックが出て、そのガイドブックにははっきりと〇%、四・五%、九%の運用益を例として載せておる。損をするという例は載せてない。そしてこの中にもはっきりと、そういういろいろなシミュレーションをつくる場合でもいろいろな注意事項が書いてある。こういうものを大蔵省が出して、これをまた一般に見せておれば、一般国民は大蔵省を今度信用してくるんです。こんなことは当たり前のことなんです。だから私は言うんです。大蔵省が責任のないごとく、よその火事のごとく、悪いのは保険会社だ、中には、悪いのは欲にぼけた国民なんだと言いかねないような、こういうことはむしろ大蔵省に責任がある、こういうガイドブックの。 だから、ガイドブックは間違っておる、不十分だった。あのガイドブックは不十分、この裁判所の判決でいけば、そういうことになるんだから、不十分だったからと回収しなければいけない。ほかりっ放しじゃないですか。大臣、これはどう思いますか。
○山口(公)政府委員 大臣の御答弁の前に事実関係を申し上げます。 今のガイドブックは今はもう使っておりませんで、今は、募集人が第一線でお客さんと接触しますので、そこが一番大切だということで販売員のためのテキストを毎年更新しておりますが、そこにははっきりと、株価の低下や為替などが変動した場合には満期保険金または基本保険金額を下回ることになりますというようなことも書くようにしております。そういうことで現在は、いつもプラスだということの説明をしないようにということを徹底してやっておると思います。
○藤井国務大臣 大蔵委員時代から渡辺委員初め皆さんが非常に問題意識を持たれて、私自身もこれは非常に大きな問題だというふうな認識を持っております。 やや一般論的ですけれども、変額保険というものは世界的にもあるし、また保険審議会でも、いい、これは是認しよう、こういうことではありますけれども、日本には全くなじんでいないのですね。日本の社会で、保険の中にハイリスクがあるという保険はなじんでいないのですね。ですから、商品として売るときにその点を非常に慎重にやらなければいけないというのが第一だと思うのですね。 こういうのはあるんだからいいじゃないかではなく、日本には今までなかった、日本の風土、土壌になかった、ここのところだと思うのですよ。ですから、前からお話がありますように、ハイリスクがあるということを徹底して募集人が言わなければならない。ここが非常に私は、個々のケースでどれがどうだとわかりませんけれども、まず基本的にそういう募集人でなければならないということ。 もう一つは、やはりおっしゃったローンの話ですね。ローンをつけることによってこれを相当強く募集、勧誘したというあたりも、私はもう一つの問題点だと思います。 個々のケースでいろいろあるということは、保険部長が言ったように事実だと思いますけれども、まず基本的に、そういう認識のもとにこれに対処していかなければならないと私は思っています。
○渡辺(嘉)分科員 これはひとつ大臣、本当にそれぞれの被害者、国民の立場に立って、そしてそれぞれ銀行それから保険会社に対して適切な指導をされまして、一日も早く被害者がそれぞれの救済を受けられるように、また必要な和解もさせるようにぜひ扱っていただきたい。それも後で一緒に答弁いただきます。 それからもう一つは外国為替の送金の問題で、今朝鮮民主主義人民共和国が御案内のように核疑惑の問題で、私に言わせれば少し、これもこの変額保険と一緒で過大広告、過大宣伝の嫌いを印象として受けておりますが、この件について日米韓の担当者で先日いろいろ協議をされました。 その中で、この共和国に対する肉親を含めての送金について制限をすることがあり得るような談話が出たんです。私はこれは非常に危険なことだと思っておるんです。現在それの制限を加えておるところはイラクだとかその他いろいろな問題のあったところであって、今のイラクのような、戦争が起きた、湾岸戦争やった、だからこうだ、これはわかるのです。ところが共和国の場合には、核疑惑だけでもしそのようなことが行われるなら、私はまさにこれは、変額じゃないけれども偏向政策と言わざるを得ないんですね。 だから、この点について大蔵省としては、これは政令で決められる事項でもありますので、今までの朝鮮半島の皆さん方と日本との間のことは、これはいろいろ迷惑をかけた、また侵略的な行為もあった。その結果、戦後において私どもは歴史の事実を正しく認識し、その過去の誤りの償いの意味で永住居住権をお渡ししておるわけです。その方が、共和国であろうとその他であろうと送金をする場合に、いわゆる湾岸戦争を起こしたイラク並みに扱って送金停止をするとか、そういうことがあっては断じてならぬ、私はこう思っておること。 いま一つは、五百万円の限度についても、これを持って出るときの輸出行為、このときには五百万円の限度を左右するようなことがあってはならない。これはやはり一般の国民と同じように、他の国と同じように扱うべきだ、従来同様に扱っていくべきだ、こう思っておりますので、この二点について大臣から御答弁をいただきたいと思います。
○藤井国務大臣 まず、北朝鮮の問題でございますが、今渡辺委員も言われましたように、外交的に非常にデリケートな問題だと思いますし、御承知のように、国連の安全保障理事会を通じた対応 が検討されているときでございますので、私どもといたしましてはそれ以上に、今お話の出たような問題について予断を持ってお答えすることは差し控えたいと思います。とにかく今は、そういう国際的な場において御論議があるわけでありますから、私どもはそういうものについてはお答えは差し控えさせていただきたいと思います。 それから、話がまたもとへ戻りますけれども、変額保険については基本的に、さっきのように物を考えております。ただ、裁判になったものをどうこう言うということは、現実に今の司法制度において大蔵省としては行き過ぎなことだと思っておりますが、少なくとも先ほど申し上げましたような姿勢で業界を強く指導することはもとより、なるたけこういう問題について、被害を受けた方々の立場に立って業界を指導していく、裁判になったものについては、これは裁判としてひとつ静かに見守らせていただきたいと思います。
○渡辺(嘉)分科員 終わります。
○山本主査 これにて渡辺嘉藏君の質疑は終了いたしました。 次に、栗本慎一郎君。
○栗本分科員 御苦労さまでございます。 私は、予算の中身そのものというよりも、昨今非常に、昨年度もそうでございましたが、問題になっていると思います税収の不足といいますか、その問題についておおよその見通しについての御意見を賜りたい、お教えいただきたいと思います。 それから後に、これも大蔵関係の予算そのものというよりも、もちろん税収にかかわってきますのでそれにかかわりますけれども、いわゆる規制緩和という問題の中で論じられている中に酒販売あるいはたばこ販売についての小売の許可の問題がございます。その中で、特に一つのケースといたしまして、たばこの方もあるわけでございますが、酒類に対する公的規制について御意見を賜りたいと思っております。 まず税収不足についてでございますが、先週の朝日新聞で、今月二日に大蔵省が発表されました昨年四月から今年四月までの税収の累計が四十七兆八千七百億円で、前年同期に比べて一%弱、〇・八%の増である。これは、もちろん五月分の税収に三月決算企業の法人税が入るわけでございますから、そうしたものを調整といいますか加算していわゆる税収不足額というのが、おおよその見通し、これは世間のうわさなのかもしれませんけれども、一兆円くらいになるのではないだろうかというふうに言われているわけでございます。 大臣御承知のとおり、昨年度も一兆五千四百億円ほどの歳入不足があったわけでございまして、私は、これは不足だからいけないとか、しっかり取り立てろとか、そんなことを申し上げるわけでは毛頭ございませんで、国全体のバジェットを立てていく中でこれはどのようになっているか。これは景気との関係もございましょうけれども、まず、ちょっと一般的な御見解と見通しを大臣あるいは担当の所管からお聞きしたいと思います。
○薄井政府委員 ただいま御質問いただきました平成五年度の税収につきましては、現在のところ判明しておりますのは四月末の税収実績でございます。四月末までの累計ですと前年度比一〇〇・八%ということでやや上回っておりますが、補正後で私どもが予定しておりますのが一〇二・三%ということでして、それと比較いたしますと一・五ポイント下回って進んでいるという状況にございます。 五年度の年度を通じた税収動向、これは五月分の税収が入ってこないとわからないわけですが、今申し上げました数字というのは、五年度の所得税の確定申告が終わっておりまして、その確定申告の税収が四月末ということで入った結果がそういうことであらわれているわけでございまして、一・五ポイント下がっている要因の一つにそれが挙げられると思います。 三月期の決算法人、これが法人の中では大きなウエートを占めるわけでございますが一この法人税収あるいはそういった企業の納めている消費税収、こういったものがどうなっていくか見きわめる必要があるわけでございますが、一般会計全体としても、補正予算の見積もりで想定した税収動向の達成、つまり、先ほど先生御指摘ありました補正後で五十五兆六千八百億円ですが、これを達成することは容易でない状況にあるという認識でおります。 ただ、新聞に出ていますような数字を今つかんでいるという状況にはまだないということでございます。
○栗本分科員 つまり、新聞でこのままだと約一兆円の歳入欠陥が生じるぞというのは、新聞の側の試算といいますか、予測であるということでございますよね。
○薄井政府委員 進捗率等々が発表されておりますので、非常に粗っぽく計算いたしますといろいろな計算ができるかと思います。ただし、一般会計分税収の一三%ぐらいがまだ残っておりますし、法人税収について見ますと約三分の一が三月期決算で入ってくるものですから、なかなかそこは見きわめがたいと思っております。
○栗本分科員 これは一般的な質問でございますので一般的にお教えいただいて結構でございますけれども、もし万々一、二年続けて歳入欠陥が出たというような場合には、税制の今の制度そのもの、それぞれ一つずつ違うわけですけれども、もしも何らかの変革が個別あるいはある程度のセクション全体において行われなければ、これは歳出の方についても総枠で考えざるを得ないということに一般的になりますでしょうか。
○藤井国務大臣 これは財政全体の話でございますから、仮に何がしかの税収が落ち込んだ場合において、税外収入がどうなるか、あるいは歳出に不用がどのくらい出るか等々も見きわめながら全体を考えなければなりません。しかし、もう御承知のように決算調整資金という制度があることは、これは事実でございます。
○栗本分科員 ありがとうございました。 今のようなお話を交わしましても決定的なことは出ないのはよくわかっておるわけでございますけれども、全体に非常に厳しいということ。また歳出不用額というのは、これはある面であってよし、ある面であって悪し。歳出不用というなら何でそんな予算を繰り込んだのだ、また逆に言えば、常に予算を立ててもある程度経済実況が変われば実際これは使わなくてもいいではないか、むしろその方がいいではないか、こういった議論が錯綜するところだというふうに思いますが、大変厳しい状態であるということはお互い確認をしなければならないのかなというふうに思います。 それでは、そのことについては私たち全体で考えなければいけないという、ごく当たり前の結論に今ならざるを得ないわけでございますが、残りました時間を使わせていただいて、先ほど申し上げました酒類に対する公的規制の問題にかかわりまして、酒販免許、そのことについてちょっとお伺い申し上げたいと思っております。 これは、世間と申しますか社会全体の要求という形にもなっております規制緩和ということがございまして、その中で流通の問題で片やいわゆる大店法の問題があり、その他さまざまある中で酒類販売及びたばこ販売という、大蔵省所管の問題があるわけでございます。この酒類販売の免許についても、既に平成に入りましてかなり緩和をされてきたというふうに私も認識しておりますが、さらに一層緩和をせいという意見があるわけでございます。 この辺の実態といいますか、過去の、去年までのおおよその流れと緩和の実態、それから今後それ以上緩和をしようとするのか、あるいはこの地点で少し見きわめようとするのか、ここでもういいとお考えであるのか、この辺についてお伺いしたいと思います。
○窪田政府委員 酒の規制緩和でございますが、まず初めに、平成に入りましてからの緩和の方向でございます。 私どもは、消費者重視の観点から規制緩和を段階的かつ着実に運用、推進してまいったところでございます。まず、平成元年には新しく大型小売店舗、例の一万平米以上の店舗について免許を付与するということで緩和もしておりますし、また、アメリカの制度に倣いまして人口基準を導入する、あるいは抽せん制を導入するということで、基準の簡素化、明確化、そして運営の透明化を図ったところでございます。 その後、日米構造協議長終報告を受けまして、大型小売店舗に対する免許について、平成五年の秋までに、今まで営業している店舗についてすべて付与するというようなことに努めてまいったわけでございます。 そのほかに、行革審の第三次答申も受けまして、昨年の秋には、大型小売店舗につきましては、新たに開店する店舗についてはその開店日に合わせまして免許を付与するというようなこともいたしておりますし、また、申請者の負担軽減のために申請等に係る添付書類の削減もいたしました。 そして昨年の秋、円高差益還元ということで輸入酒フェアなどを弾力的に開催できるように、臨時免許で一千件以上の免許を付与しております。 さらに、ことしの九月から予定しておりますのは、都市部の大変昼間人口の集まるところなどに枠を拡大して免許を付与したいと考えているわけでございます。 このお酒の免許の運用、今までの緩和の方向はそういうことでございますけれども、私どもは、やはり消費者の利便、そして酒類の流通実態の推移というものを勘案しながら、酒類の持つ商品特性、すなわち財政物資である、それからアルコール飲料としての特性を有する、こういうことを踏まえました適切な運用を図るべく、既に今申し上げましたような一連の緩和策についての適切な点検、評価を行いながら、さらに今後の運用につきまして検討を重ねてまいりたいと思っております。
○栗本分科員 ありがとうございました。 今伺いますと、かなり項目的にもまた量的にもいわゆる緩和されているというふうに思うのでございますが、今おっしゃられた財政物資ということ、約二兆円の税収があるわけでございますね。これがそのように緩和をすることによって、これは難しいことで簡単に申し上げられないかもしれませんけれども、税収がふえることになるのか。量がふえる、販売量がふえればふえることになりますね。また税率を若干変えましても。 あるいは、流通というのは複雑なものでございまして、釈迦に説法でございますが、例えば制度を緩和することによって逆に流通店舗が減るとか購入機会が減ることも場合によっては起きるというふうなこともあるわけで、その辺について把握をされているのかどうか、お考えをお聞きしたいのです。
○窪田政府委員 この酒の免許緩和といいますのは、若干繰り返しになりますが、一方では消費者の利便を考えながら一方では酒類の流通実態を見る、そしてまた商品特性も考えるということでございます。これらが酒販免許制度を大幅に緩和した場合どうなるかと申しますと、これは戦前にも例があるわけでございますが、需給のバランスが崩れまして販売競争が激化する、いわゆる過当競争になりますと、酒税の確保に支障を生ずるおそれがあるというふうに考えられますし、また酒のもう一面、つまり国民の保健衛生、飲酒事故防止、未成年者の飲酒防止、種々の方面にも弊害が生ずるおそれがあるというふうに考えております。 なお、先生よく御承知のように、酒類の販売については、アメリカ、カナダ等においても専売制あるいは免許制がとられているところでございまして、私どもとしてはこの酒の販売免許そのものは今後とも維持する、その中で段階的かつ着実に運用をしてまいる、こういうふうに考えている次第でございます。
○栗本分科員 これはきょうは大蔵省関係のお話なので、そこにかかわるからといって、規制緩和の問題を一つのテストケースとしてお聞きしたのがいけなかったのかもしれませんが、酒もたばこもこれは一般的な商品ではございませんよね。アメリカにおいては、これはもう既になくなりましたけれども、有名な禁酒法というのがあったわけでございまして、今日もドライシティーという、要するにこの市では酒は売ってはいけないのですよ、あるいは売ってよくても何時から何時までと購入機会が制限されているとか、はっきり言って日本よりもかなり多くの規制があるというふうに思います。 そういたしますと、この問題というのは規制であるのは間違いないのです。酒販免許を出す出さないというのは規制であるのは間違いないのですけれども、今日言われておりますのは、基本的に経済的規制は原則自由、例外規制、しかし、社会的規制と呼ばれるものについては、これは環境の問題もそうでございますし、環境に含まれますが、都市のアメニティー、これがまるつきりほとんど日本では考えられてこなかった、そういった中で、場合によったら規制をし直す場合もあるだろうというふうに議論が、認識が深まっているというふうに思うのです。 この問題に関しては、お酒というのはそうした特別な、特別の致酔性飲料というのですか、酔いに至る飲料、そういったことからいっても、私はある面でしかるべき規制はあるべきではないだろうかと思っているわけなのです。 もう一度お伺いいたしますが、例えば規制を廃止してしまえば、先ほど審議官がおっしゃられたのは昭和十三年でございましたか、昭和十三年からいわゆる規制が行われるようになったわけですが、その以前の段階のお話をされたわけでございますね。その段階では実際に酒類販売の店が乱立し、相当倒産とか流通における経済的混乱のようなものが実際にあったわけでありますか、ちょっとお教えいただきたいのです。
○窪田政府委員 記録によりますと、小売店舗が当時は約二十五万店あったというふうに言われておりますが、これが過当競争のため十数万軒にまで落ちてきたようでございます。かなりその中で倒産あるいは廃業というようなことで流通に混乱を来した、社会的な混乱が生じた、そういうことから免許制ということで酒税の安定的確保を図ったというふうに文献では承知しております。
○栗本分科員 それはまた改めて勉強させていただきたいと思いますが、そのように承りました。 今日、ちょっと先ほど申し上げましたように、都市の環境についての日本政府全体の施策というのは非常に希薄でございまして、これは大蔵省に申し上げてもしようがないのですけれども、そういったかかわりの中からいわゆる大店法、それ自身がもし廃止されるされない、どちらの議論であるにせよ、私は東京の出身の議員でございますが、目黒区、世田谷区に巨大なスーパーがかなり広大な面積の駐車場を伴って設立されれば、その町が完全に一変いたします。既に一変いたしました。必ずそのようになるわけです。 そうさせていいのだ、そうするのだ、あるいは日本の都市はそういうふうにあるべきだという社会的なコンセンサスが、あるいは政治のリーダーシップが確認されて行われるのならばいいけれども、それは既にこの問題も、大店法の問題も社会的規制のところに踏み込んできているだろうというふうに考えて、別のところでそのようなことについての政策の仕事もしているわけですが、恐らく酒たばこの問題に関してもこれにかかわってくるだろう。 例えば二十四時間スーパー、いわゆるコンビニエンスストアで酒たばこも販売され、当然酒たばこの単品販売の物品販売業者は恐らく極めて厳しい状況に追い込まれて、多分なくなっていくことになるだろう。そうしたことはいいのならいい、悪いのなら悪いというふうなところまである程度立ち入って考えなければいけないというのが社会 的規制に立ち至っているということだと思うのです。 そういうことがございますので、ぜひとも財政物資という、そういう大蔵省の立場、国税庁の立場もあると思いますけれども、大変難しいようですが、そこを含めましてお考えをいただければというふうに思っているわけでございます。お時間大変長いようでございまして、私はことしに関しましてはこれで質問を終わらせていただきたいと思いますが、大臣から今の問題に関して、せっかくでございますから答えをいただいて終わります。
○藤井国務大臣 現在羽田内閣が進めております規制緩和は、行政改革推進本部において、民間の専門委員の方に多く入っていただきまして非常に集中的、積極的な御議論をいただいております。その中でのお話は、今栗本委員のお話のとおりでありまして、経済的規制は原則自由、ただし社会的規制についてはよく考えるという基本がございます。 酒の面について言うならば、いろんな御議論がありますが、原則自由の分野であるという御議論もあります。同時にまた、今御指摘のように、酒類というものの持っている商品の特殊性、財政物資であるということはこれまたひとつ別の次元かと思います。同時に、アルコール依存症という特別のものをもたらす商品であるというようなこととか、交通事故問題、青少年問題等々、こういう社会的問題があるという御指摘もありまして、今審議官も申し上げましたように、そういうことを見きわめながら、基本的に免許制度を守りつつ同時に消費者の方の利便、それは経済的側面だと思いますが、それにもおこたえしていくような形を模索してきたと思います。 それが今の状況だと思いますが、私どもといたしましては、行革推進本部のそういう基本的な御意向に即して、今までやってきたこの緩和というものの状況をよく見きわめながら結論を出してまいりたいと思っております。
○栗本分科員 ありがとうございました。今回はこれで質問を終わらせていただきます。
○山本主査 これにて栗本慎一郎君の質疑は終了いたしました。 次に、谷口隆義君。
○谷口分科員 公明党の谷口隆義でございます。 短時間ではございますが、若干御質問をさせていただきたい、このように思っております。大蔵大臣におかれましては日夜大変な状況でございますが、よろしくおつき合いのほどをお願いいたします。 今回は非常に景気が悪化いたしております。この景気の悪化というのは、最近の状況を聞いておりますと、若干明るさが見えてきたというようなことを聞いておりますが、根本のところに金融機関の不良債権の問題があって、この問題を乗り越えないとなかなか抜本的な景気回復というのは難しい、このように言われておるわけです。今回金融機関の不良債権の問題についてお聞きいたしたい、このように思っております。 今、都銀、長信銀、信託の不良債権の金額が十三兆強でございますか、その金額が公表されておるわけですが、これはかなり多額な金額に上っております。 私は二十年ほど会計士をやっておりまして、銀行監査も若干やったことがあるわけですが、今の金融機関、特に銀行は日銀の考査とあと大蔵省の検査、この二つがあると思うのですね。あとは会計士の監査または国税庁の調査、こういうのがあると思います。 実はこの日銀の考査、昨年の十月に毎日新聞で、不良債権の公表金額の四倍を超えるような不良債権があるというような情報がありまして、この辺について全面的に否定なさったわけでございます。私が疑問に感じておりますのは、この日銀の考査の仕方とMOFの検査の仕方がどういう形でなされておるのかということをまずお聞きいたしたい、このように思います。 きょう日銀の方は来ていらっしゃるのでしょうか。日銀考査について、大蔵検査と比較してどう違うのだというようなことをちょっとお聞きいたしたい、このように思いますのでよろしくお願いいたします。
○安斎参考人 安斎でございます。 今先生のお尋ねに直ちにお答えする前に、私どもの日本銀行の考査はどういうことで行っているのかということを申し上げたいと思います。 私どもの考査は、金融機関、取引先との約定に基づいて行っているわけです。その約定の根拠というのは、私どもの理解は、日銀法第一条に日本銀行の使命というのを書いてございまして、そこに通貨価値の安定と信用制度の保持、育成ということが書いてございます。その目的に沿うためにやっているのが考査だと御理解いただきたいと思います。 お答えしますと、私どもの立場から大蔵省の検査の内容につき申し上げる立場にはございません。それで私どもの考査について申し上げたいと思います。 私どもの考査は、個別の金融機関ごとに見ますと、二、三年に一回ぐらい参ります。それでお邪魔して、金融機関の資産内容とか収益状況あるいは事務管理の状況、さらには経営方針等、経営内容全般を私どもとして精いっぱい把握する、こういう努力をしますし、同時に、各金融機関が健全な経営をしていくために必要な我々としてできる指導ないしアドバイスをやっているわけです。こういうことが先ほど申し上げました私どもの使命遂行に役立つものと考えてやっているわけです。 それで、資産内容の調査でございますけれども、お邪魔した相手先の金融機関の個々の貸出案件ごとに、貸出先の業況がどうなっているか、返済能力があるのかないのか、担保の状況はどうなっているのかというようなものを基準にして次のように貸し出しの区分を行います。 大きく分けますと二つに分かれまして、まあ問題のない貸し出し、それから私どもではこれを査定貸し出しと言いますけれども、何がしかきずがある、何がしか以上のきずがあるという貸し出しに分けます。それで無査定の貸し出し、問題のない貸し出しと査定貸し出しと二つに分けています。 査定貸し出しは、我々のところでこういうふうに分けてございます。一つはS査定と称するもので、後で述べます二つほどの状況にはなっていないのですけれども、資産の健全性の観点から見まして何らかの瑕疵があると認められる資産、これがS査定と称しております。次はD査定でございまして、債務者の実態等から見て回収が疑問視される貸し出しなど、資産価値が著しく低下し、損失発生のおそれがあるけれども現時点では損失額を確定できない資産、これがD査定と称します。最後にL査定でございますけれども、これは債務者に返済能力あるいは返済意思がない、回収が不能と認められる貸し出しなど、そういう無価値と認められる資産。 以上でございます。
○谷口分科員 ありがとうございました。 いわゆるMOF検査の結果、不良債権として認定されているものがあるわけでございますが、日銀の考査の結果不良債権と認める。不良債権は今何パターンかおっしゃっていただいたわけですが、ほぼその認識に大きな違いがないような状況と考えてよろしいのでしょうか。
○安斎参考人 私ども大蔵省検査との関係では、どこの先に考査に入るかというときに、検査の方とのタイミングの調整等は行います。しかし、私どもが考査した内容についてそういう交換は行っておりません。したがって、我々はその比較のしようがない、こういう状況でございます。
○谷口分科員 この基準というのが非常にわかりにくいわけでございます。大蔵省検査の不良債権の認定基準というか認識基準というのですか、一つは、破綻先債権また延滞債権、この二つをもって今不良債権として認識なさっておるとお聞きいたしておりますが、例えばこの延滞債権にしまし ても、六カ月延滞ということで、聞きますと、技術的な問題で、中に一回でも内入れをしますと延滞債権にならない、こういう状況になるので、どうもこの基準がはっきりわからないというところが非常に問題ではないか。ディスクロージャーの問題でございますが、そのあたりが、どのくらいの不良債権が発生しておるのかなというところは国民が非常に気にしているところでもありますし、今回の景気の問題でも大きな問題になっておるわけでございます。 また、そのことでちょっとお聞きしたいのですが、先ほど申し上げた大蔵省検査は、都銀、長信銀、信託は破綻先債権と延滞債権、このような基準でやられている。また、地銀、第二地銀においては延滞債権は入っておらない、破綻先債権だけがディスクロージャーされている。ディスクロージャーされているというのは、要するに有価証券報告書で出しているということでディスクロージャーされている、こういうことであると思いますが、先ほど申し上げたこの延滞債権を入れるかどうかというような問題、これについてお聞きいたしたいわけでございます。地銀、第二地銀の場合はなぜこの延滞債権が入っておらないかということで、ちょっとお聞きいたします。
○寺村政府委員 まず、具体的なディスクロージャーの前に御説明をさせていただきますが、ディスクロージャーの債権と銀行検査でまいりました分類債権、問題債権とはちょっとカテゴリーが違いまして、銀行検査で銀行の資産を、いろいろその健全性の度合いに応じまして、私ども四つの分類にしております。 これは、先ほど日本銀行から説明したように、概念的にはほぼ重複すると思いますが、一番問題となる四分類というのは、回収不能または無価値となった資産、それから三分類は、回収について重大な懸念があるけれども損失額が確定していない、それから二分類は、通常の度合いを超える危険を含むと認められる、それから一分類が全く普通の債権、そういう分類で実は資産の査定を行っているわけでございます。 それから、先ほどの延滞債権なり破綻先債権というのは、これは大蔵省の検査とは関係なく、金融機関がみずから有価証券報告書で開示する概念でございまして、破綻先債権はまさに破綻先債権でございますし、延滞債権は六カ月以上利息が延滞されている債権ということで公表されているのがディスクロージャーベースの不良債権と言われているものでございます。検査の分類債権とはちょっと性格が異なっている、検査のはもう少し広い概念でとらえているということでございます。 それから、ディスクロージャーの問題につきましては、基本的には、金融自由化が進展する中で、資産の健全性を確保していくための方策として、金融機関がみずから不良資産を開示することによって、自己規制、みずから律するための規制手段として導入すべきである、こういう考え方で実は検討を進めてまいりまして、一昨年の十二月に、金融制度調査会で御議論いただきまして結論を出していただいたわけでございます。 その考え方は、実は不良債権のディスクロージャーというのは世界でもアメリカだけしかやっていない、ヨーロッパ諸国はやっていない。それは、不良債権をディスクロージャーすることによって信用秩序に与える影響というのが不測の混乱を引き起こさないような配慮がやはり必要だろうということで、しかし、基本的には日本もやはり金融自由化の進展に対応してディスクロージャーを進めるべきであるけれども、それは漸進的、段階的に進めるべきではないかということで、まず第一段階といたしまして大銀行、都銀、長信銀、信託の破綻先債権と延滞債権、それから、地域金融機関につきましては破綻先債権ということでございます。 地域金融機関につきましては、やはり、その営業区域が限定されているという問題もございまして、不良債権を開示することが地域経済にいろいろな波紋を投げかけるというような問題もございまして、やはり段階的、漸進的に進めていくワンステップとしては、まずその破綻先債権から進めていく、こういうような整理をしていただきまして、それに沿いまして今開示をしているということでございます。
○谷口分科員 今のお答えなのですが、実は不良債権が公表されておるわけですね。この公表されている不良債権と、例えばMOFの検査である銀行にいらっしゃって、これはタイムラグがありますから若干変わるでしょうけれども、その公表されている金額と不良債権がどうかという検査はもちろんその手続の中に入っておるという認識でおるわけです。そうしますと、ほぼその不良債権の金額がどの程度あるかということを検査の方で一応確認するとかいうような形になるのではないかなという認識でおりますが、それについてはどうでございましょう。
○寺村政府委員 どちらかと申しますと、例えば二分類債権は、通常の度合いを超える危険のある債権という定義でございますから、金利がきちんと入っていてもこれはやはりちょっと問題があるのじゃないかというのはやはり分類をしているということでございますので、ディスクロージャーベースよりも、当局が把握している概念はもう少し広く問題債権をとらえているということでございます。
○谷口分科員 金融制度調査会の「金融機関の資産の健全性に関する情報開示について」のお話がさっきあったと思いますが、地域金融機関と申しますか、信金、信組については、今公表はなされていないわけです。 先ほどおっしゃったように、信用秩序の維持という意味合いから、これはディスクロージャーするのがいいのかどうかというような観点があるとは思います。しかし、国民は、大体どのくらいの不良債権があるのだということを公表してもらいたいという気持ちが非常に強いわけでして、また、景気の問題につきましてもこのあたりが非常に大きな影響を持ってくると思うわけでございます。 この信金、信組について、現在どの程度の不良債権があるというように認識なさっておられるのでしょうか。
○寺村政府委員 この信金、信組につきましては、株式会社組織の銀行と違いまして、協同扶助組織である、協同組織金融機関であるという特性がございますので、基本的には金融制度調査会も、将来検討すべき課題であるけれども当面はやはりディスクロージャーを求めないということになったわけでございまして、いわゆる公表ベースでの延滞債権がどの程度あるかということについては、具体的なことは私ども把握しておりません。 一方で、銀行検査では、別途の観点からやはり個別の金融機関の資産内容については把握をしておりますけれども、公表ベースの延滞債権、具体的なその種の統計はないということでございます。
○谷口分科員 確かに今のようなことがあるわけですが、しかし一方では、やはり公開してほしいという要求もあるわけでございます。都銀、長信銀、信託、このような大きな金融機関については、行内の内部統制もとられておるし、チェックの方法もかなり厳密になされておるというような認識でおりますが、特に、規模が小さくなればなるほどそういう意味では問題が起こりやすいところであるのではないかな、こういうように危惧をいたしております。 私は関西でございますが、関西のある信用組合あたりでは、かなり高い金利をつけて、どうしてこの経営がやっていけるのだというような商品を出しておるというようなことを聞いております。このような状況の中で、大蔵省のコントロールというか、状況を十分認識なさっておられると思いますが、この公表については、現在の状況の中でこのディスクロージャーについて今後も公表をする方向でないとお考えでございましょうか。
○寺村政府委員 信金あるいは信組、中小金融機 関の業況、あるいは不良資産の状況はどういう状態かというお尋ねでございます。 これは公表ベースでの計数は今ないわけでございますけれども、私どもが検査で把握している感触から申し上げますと、当然いわゆる信金業界も今回のバブル経済の崩壊の影響を受けて不良資産が増大しているということは事実でございますが、特に大銀行、都銀、長信銀、信託に比べて信用金庫業界の不良資産の方が大きいというような感じは、感触として受けていない。 信用金庫業界の場合、もちろん全般的なあれでございますから個別的な問題は別でございますが、どちらかというとバブルの過程も割と従来からのおつき合いの深いお客様との取引で、いわゆるノンバンクですとか不動産、もちろん例外はございますけれども、余り行かないで、従来からの中小企業のお客様と堅実な取引を続けているのが総体として、例外はもちろんございますが、そういう感じを私どもは受けているところでございます。
○谷口分科員 金融機関というのは非常に社会性とか公益性を持った企業であると思うわけでございまして、今まで護送船団方式であるとか不倒神話であるとかいうような形で、一行もつぶさないという形で戦後来たわけです。しかし、今もう大変な状況になっておる。こういう状況の中で、例えば信用組合一行が倒産してもこれは大きなインパクトになるわけでございまして、十分そのあたりの状況を見ていかなければいけないのではないかな、このように思うわけでございます。 先ほどの金融機関の資産の健全性に関する情報開示についても、行く行くはディスクロージャーをやっていかなければいかぬ、こういうように答申されておると思いますが、今後そういうようなことをお考えでございましょうか。
○寺村政府委員 金融制度調査会の作業部会の報告にもございましたように、将来の方向として、金融自由化の進展に対応いたしまして、ディスクロージャーが金融機関の健全性を確保するための自己規制の手段として重要だという位置づけはおっしゃるとおりでございます。 ただ、現実問題としてそれをどのようなタイムスケジュールで進めていくかということにつきましては、やはり信用秩序に与える影響について十分慎重な考慮を払いながら、段階的、漸進的に進めていかなければならないのではないかと考えているところでございます。
○谷口分科員 一行ごとのディスクロージャーというのは大変だと思うのですけれども、全体でどの程度、一つの基準が要ると思いますが、その基準を超えたような不良債権があれば、どの程度あるというようなディスクロージャーをぜひしていただきたい。これは国民がそのように望んでおると思うわけでございます。 また、この預金者の保護という観点から見まして、ちょっとお尋ねいたしたいと思います。 今巷間言われておるのは、今回のこの一連の公定歩合の引き下げというのは、景気の活性化のためではなくてむしろ銀行救済策である、このように言われております。預金者の利息が減った分だけ金融機関の業務利益が増大したではないか、その増大した利益で不良資産の償却をしなさいと、まさにそのような構図になっておると思うわけでございますが、いかがでございましょうか。
○寺村政府委員 五年度のこの三月の決算でございますが、各業態とも実は業務純益は減少いたしております。これは、全般的な金利低下の過程におきまして、もちろん預金金利が下がりまして調達コストも減少したのでございますが、一方におきまして資金需要が低迷しておりまして、運用利回りがその資金調達コストよりも大きく下がったということで、業務純益が減少に転じているという状況でございます。
○谷口分科員 本当に預金者保護の観点から十分注意していかなければいかぬ。銀行の方は、さっき申し上げたように、自助努力をしてないんじゃないかというような意見がございます。みずから血を流して経営努力をいたしておるのか。今民間の企業においてはリストラをやって、もう大変な努力をしながら経営をやっておるわけでございますが、その経営責任を、今回六月に株主総会がございますが、この株主総会でも、またしかし例の株主代表訴訟あたりで大変な状況になるんじゃないかなとは推測できるわけでございます。 いずれにいたしましても、外部から見て、銀行が自己努力いたしておるというようになかなか見えないわけでございますが、この点についてどうでございましょうか。
○寺村政府委員 まさに御指摘のとおりでございまして、金融機関は経営の合理化、リストラクチャリングに最大限の努力を進める必要があるのではないかと考えております。バブルの崩壊による不良資産の問題、これは結局金融機関がほとんどみずからの努力で処理をしなければいけないという状況が現に起きております。日本の金融機関は戦後かつてないような厳しい経営状況に直面をいたしております。 しかし一方におきまして、金融機関は健全な経済活動に必要な資金の円滑な供給を、一方で不良資産を償却しながらやっていかなければいけない。そのためには体質を強化しなければいけない。そういう観点から、金融機関の一層の経営合理化が求められているという状況でございます。
○谷口分科員 いずれにいたしましても、銀行そのものも自己努力をしていただいて、十分預金者の期待にこたえられる体力をつけて、みずから償却できるような体質に持っていかなければいかぬわけで、そういうことができない金融機関については、今後またそれなりの対応を当然考えておられると思うわけでございます。 次に、預金者保護の観点から預金保険機構のことについてお聞きいたしたいわけでございます。 現在日本の預金保険機構というのは大体八千億程度の資金が、まあ資金しかないと言った方がいいと思いますが、そのような状況である。今まで本当にこの預金保険機構が動いたというか、稼働したのは過去四回あったわけですね。しかし、そんな大きなものではなかったと思いますが、今大変な不良債権を持った金融機関が非常に多い中で、この預金保険機構の問題が今問われておるわけでございまして、この程度の資金で大丈夫なのか。いざという場合に、一名義、預金者一人について一千万まで、こういうようになっておると思いますが、この程度の資金量で大丈夫なのかというような疑問があるわけでございます。それについてどうお考えでございましょうか。
○寺村政府委員 委員御指摘のとおり、現在預金保険機構の責任準備金残高は八千二百億円でございます。これに日本銀行からの借入限度額、これは五千億円ございますので、当面一兆三千二百億円程度の資金が用意をされているという状況でございます。こういう状況でございますので、私どもといたしましては、今、この現在の制度を変更するような緊急の必要性はないと考えているわけでございます。 不良資産の問題は、これは金融機関の自己努力で処理をしていくということで、公表ベースでも部長銀、信託で十四兆円の不良資産がございますが、償却すべきなのはその一部でございますので、各金融機関、懸命な努力で今償却に努めているという状況でございます。そういうことで、あくまでも自己責任で処理をしていただく、そのためにはリストラが必要であるということでございます。 ただ、御指摘のように、経営上の問題が大きく信用秩序の信頼に影響を及ぼすようなことのないように、日本銀行とも緊密な連絡をとりながら万全を期す所存でございますが、仮に経営上重大な困難に直面した金融機関が出てくるということになりました場合には、預金保険機構による資金援助の措置など適時適切に対応していくということを実はことしの二月八日に行政上の指針として明らかにしたところでございます。
○谷口分科員 最後に大蔵大臣、今の不良債権の 問題、ディスクロージャーの問題、また中小金融機関のディスクロージャーの問題も含めまして、ちょっと御意見を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。
○藤井国務大臣 冒頭お話が出ましたように、私は、現在の経済の状況から見て単なる総需要政策ではなかなかうまくいかない、その一つにこの金融機関問題がある、こういう認識は全く同じに考えております。したがいまして、今の角度からの御指摘は大変参考になるというか貴重な御意見として拝聴いたしておりました。 そういう中でディスクローズの問題が出たわけでありますが、銀行局長お答えいたしましたように、やはり事態の推移を見てそういうものについても国民の前に明らかにしていく必要があると考えております。 ただ、信用秩序という問題も銀行局長言いましたように重要な要因でありますが、そこいらよく検討させていただきたいと思います。
○谷口分科員 どうもありがとうございました。
○山本主査 これにて谷口隆義君の質疑は終了いたしました。 次に、五十嵐ふみひこ君。
○五十嵐(ふ)分科員 さきがけ・青雲・民主の風の五十嵐ふみひこでございます。 私は、かつての連立与党の税制改革のワーキングチームの一員だったということ、その後連立与党の同じく税制協議会のメンバーであり、また今はさきがけ・青雲・民主の風と社会党との税制協議会のメンバーということで、税にずっとかかわってまいりましたので、その関連で御質問を申し上げたいと思います。 また、昨年十二月の予算委員会で十五分間お時間をいただきまして大蔵大臣に質問させていただきましたので、その続きということで、失礼なこともあるかと思いますが、御容赦をいただきたいと思います。 私は、昨年の六年度改正をめぐる税制論議の中で幾つか腑に落ちない点がございますので、まず その点についてお伺いをしたいと思います。 私どもは、当時の連立与党の税制改正ワーキングチームとして年内編成を念頭に作業を進めておりました。税制の協議は伸縮自在にやっていたわけです。年内編成でも間に合うようにということでやっておりましたが、それが急遽越年編成ということになりました。巷間、大蔵事務次官と通産事務次官が官邸に行かれて、そして総理を説得されて越年編成が決まったと伝えられておりますけれども、なぜ越年を選ばれたか、あるいはやむを得ない事情があったのか、その辺についての御説明を賜りたいと思います。
○藤井国務大臣 これも御存じのことだと思いますが、当時の状況からいいますと、政治改革の問題が非常に喫緊の課題になっていた中で、そういう事情も含めた諸般の情勢を見ながら、あれは十二月の十七日だったと思いますが、越年編成を決定し、同時に第三次補正予算を組む、それによって当面の経済情勢、景気対策に対応する、こういう御決定をいただいたわけであります。 そういう意味からいいますと、今挙げられた通産次官や大蔵次官がそういうところに今のような形で物を頼みに行くとはおよそ次元の違う話だと考えております。
○五十嵐(ふ)分科員 ただ私は、この越年編成に至ったということがやはりかなり景気の足を引っ張ったという感じを持っておりまして、私ども下の方で下働きとして作業させていただいていた者としては、いずれにしても事務当局も含めてそうした政治決定が行われたことに対して大変遺憾だということを感じざるを得ませんでした。 また、そのあげく、越年がありましてことしになりまして二月三日でしたか、突如として国民福祉税という構想が持ち出された。これについても連立与党の代表者会議にこの大きな減税問題、それに対する財源問題がゆだねられていたということでありますけれども、しかしこの裏にはやはり事務当局の手助けがなければその当時のぺ−パーも当然出てこなかったわけです。 あの国民福祉税のパーセンテージ、そしてその出し方について大蔵大臣として現時点でどのような御感想をお持ちなのか、お伺いをしたいと思います。
○藤井国務大臣 二月三日に至る経緯は大体今お話しのとおりだと思いますが、昨年以来前総理が、これからの税制改革のあり方、いろいろな改革の中で税制改革も非常に重要である、その税制改革としては消費課税の充実、所得課税の軽減であるという御方針のもとに税制調査会の御結論をいただき、かつ当時の連立与党の幹部などともいろいろお話しになりながら、最終的に総理が御決断になった草案だと私は思います。そのときに、では個別にだれかがお手伝いをしたのかというお話でありましょうが、私は個別の問題として、技術的なことについて助言をしたことは事実であります。
○五十嵐(ふ)分科員 そのときに、これも報道で恐縮なのですけれども、細川前総理が、大蔵省に乗せられたということをおっしゃったという報道もなされているわけでありまして、大蔵省主導ではなかったのかということをもう一度お伺いをしたいと思います。
○藤井国務大臣 前総理のお気持ちについては私は承知をいたしておりませんが、私は前総理のおそばにいた範囲において、各種の改革をやらなければいけない、その大きな一つの柱が税制改革だという信念を非常に持っておられたように拝察をいたしております。そういう中で、いろいろな御判断をなさる中で、大蔵省の人間が個人的に、技術的なことで御助言を申し上げたことは事実だと思います。
○五十嵐(ふ)分科員 信念をお持ちだということは結構なことだろうと私も思います。 ただ、私はいつも申し上げるのですけれども、大平総理は大変立派だった。かつて間接税を導入されるときに、正々堂々とそれを掲げられて、大蔵の幹部にも話をされて、全国行脚といいますか、今やっとおやりになっている、きょうやられているようですけれども地方の公聴会等をたびたび開かれて、周到に国民への説得作業というのをされて、その上で選挙にそれを持って出られて、まあ敗北をして四十日抗争が起きたわけですけれども、ああいう正々堂々たる手法というのを当然とられるべきであっただろう。そういう手法をとられなかったために、唐突との批判を浴びて国民福祉税構想は一夜にして白紙に戻されるということになりました。 国民に新たな負担を、より大きな負担を求める、こうした構想について、政府が政府として発表されてこれを撤回されるということは、私は大変重要なことだろうと思います。それは責任が当然伴わなければいけないことであって、あの国民福祉税構想の撤回ということがありながら、どなたも責任をおとりにならなかったということに私は大変憤りを感じたものでありますけれども、その責任問題についてどういうお考えをお持ちなのか、伺いたいと思います。
○藤井国務大臣 私も十三年前大蔵政務次官をやっておりまして、全国行脚だけをやりました。したがいまして、多くの方々に政府の物の考え方、今の経済なり財政の現状ということを率直にお話しするということは大変大事なことだと思っております。 私は、細川総理が草案として出されたのは、これをもとにして皆さんで議論していただこう、こういうお気持ちだったと思っております。ただ、その後のいろいろな状況から、御本人が言われましたように、やり方がまずかった、自分が責任を持ってこれを撤回する、こう言われたわけでありますが、私は、当時の細川総理の御意向は、あの素案、あれは草案というふうにあえて言っておられるわけで、この草案をもとにして全国の皆様に御議論いただこう、こういうお気持ちだったと考えております。
○五十嵐(ふ)分科員 私は、消費税を廃止します、新たに国民福祉税を創設すると言い切られたあの表現を、深夜の会見を伺いましたけれども、 これは草案という感じではなかったと思っておりますが、その点は置きまして、先へ進ませていただきたいと思います。 それがきっかけで、結果として税制協議会がつくられて、抜本改正の検討に入られたわけでありますけれども、先ごろ「機械的試算」というものが政府の税制調査会に出されたというのを私どもも拝見をいたしました。その中で気になることがあるわけなのです。まず、減税の幅を六・二兆円で固定をされて計算されているということなのですが、その六・二兆円の意味について私は基本的に考える必要があるのではないかなと思います。 というのは、昨年の減税の論議の過程の中で、十月に減税が決まっていれば三兆円でよかった、十一月、十二月とおくれたことによって、これはより大きな規模で減税をしなければ景気回復の効果がないということになって、五兆円以上は少なくとも必要だろうという中で六・二兆円という幅が出てきたのだろうと私は解釈をしております。 そうすると、対外公約と言いますけれども、対外公約というのも、ことし六・二兆円やってその翌年はやらないよということでは景気回復に役立たないじゃないかということで六・二兆円、やはり景気回復という立場から決まったというふうに考えられますので、対外公約のもとの意味からしても、六・二兆円という規模が果たして現時点で景気対策に役に立つのかどうかというところにさかのぼって考えなければいけない問題なのだろうと思います。 六・二兆円の減税規模というものをどのように考えられているのか、所見をお伺いしたいと思います。
○藤井国務大臣 まず、この税制改革の物の考え方の筋道ですが、これは、今申し上げているように、あるべき税制ということから始まったわけでございます。そういう中で、五十嵐委員もずっと予算委員会に出ておられたように、当時の経済情勢、今もそれに入るのかもしれませんが、そういう中で何をやるべきか、当時既に公共投資政策、政策減税、公定歩合政策は相当フルにやられていた、その中で、やはり一般減税をやるべきじゃないかという強い意見がありました。もちろんそれには、学問的にそれだけの所得効果があるかという意見もあった。しかしながら、政府としてはあらゆる努力をするという姿勢をまず示す意味において、減税に踏み切ったわけであります。 そのときはやはり、これは明らかに景気対策をあるべき税制に先行してやった、こういうことだと思いますので、私はその税制の規模というのは、減税から話が始まったのではなく、ましてや外国に対して何がしかを約束したということは全くありません。私はG7に三回行っておりますが、全くそういうことはやっておりません。減税の額の話などは一言も言っておりませんから、対外的な問題ではございませんが、しかし今申し上げたように、初めに税制改革ありき、後から減税がくっついてきたというふうに御理解をいただきたいと思います。
○五十嵐(ふ)分科員 そうすると、「機械的試算」なるもので六・二兆円というのがずっと計算の中に織り込まれておりますけれども、これは抜本的な税制改革論議の中ではこだわらないという解釈でよろしゅうございますか。
○薄井政府委員 今回の「機械的試算」の中では、幾つかの前提をいただいて計算をしました。前提がないと私ども対応できないと申しましたので、加藤税調会長はその第一番目の前提として、平成六年に行おうとしている減税を規模的に継続するという前提を置かれました。今回の六年度に行いました減税というのは幾つかありますが、そのうち、所得課税関係で五兆五千億程度、その他のものがありまして、かつそれを平年度化しますと六兆二千億になるということで、六兆二千億という数字をとりました。 したがって、今御指摘ありましたように、この前提の規模を変えて議論していただくことは一つの方向かと思いますが、ただ、大臣が先ほど説明させていただきましたように、もともと所得税制のあり方というところから詰めていきますと、例えば最高税率なり所得税のブラケットを広げていきますと、三兆とか四兆とか、しかも住民税を入れますとかかることを私どもはいずれやりたいと思っておりましたし、税調答申もそのように書いております。それに消費税ということとなれば、低所得層への配慮ということも必要になる。 そうなりますと、平年度ベースで六兆、しかもその中で所得課税五兆五千億というのは、景気対策のためにその規模が要るという以前に、税制、所得課税のあり方としてそういう姿であると私ども思っております。景気対策としては、三年間先行するという形で景気対策を図ろうとしたのが草案の考え方であった。したがって、今回の「機械的試算」でも三年間先行するということも前提に置いております。ただし、二年、一年の場合もあり得るわけですので、これも可能性としてお示ししてある。 結論を申し上げますと、額について御議論いただくのは当然のことだと思いますが、全く意味のないことではなくて、それだけの減税を続けていただくことがこれからの税制のためにいいと思っている面もあることを申し上げておきます。
○五十嵐(ふ)分科員 六二一兆円が固定的なものではないということが確認をされれば私はいいのでありまして、逆に、私どもが昨年協議をした中では、減税規模五兆円を上回るのはなかなか難しいということになったのですね。 なぜかというと、我が国は、御承知のように課税最低限がかなり高いところの水準にある。消費税、間接税の逆進性というものを考えると、ある程度の諸控除の引き上げによる課税最低限の引き上げというのはやむを得ないけれども、これを大幅にやることはかえって税の本来のあり方からいっていびつな姿になる。 そうすると、あとは、今求められているのは、中高年齢層のサラリーマンが、子育てのお金のかかる時期にかなり高い税率にアップするというところで、所得税でいえば一〇%、特に二〇%のところのブラケットを広げなければいけないという話になってくるのだろうと思うのですね。そうすると、ある程度の是正では実はそんなには減税幅が出てこないのではないかというのが私どもの検討の結果でございました。 ですから、六・二兆円を、それにこだわらないのであればむしろ下げるのもやむを得ない。そうすると、その六・二兆円が下がってくれば、それに応じて要調整額も下がってくるではないか。要するに、逆に言うと消費税の必要なアップ率というのも下がってくるのではないかということを申し上げたいわけです。
○薄井政府委員 先生御指摘のように、所得税制の直すべき場所というのは、明らかに二〇%の税率のところのブラケットが狭過ぎる。これはどうしてそういうことになったかと言うと、前回の抜本改正のときにはどうしても中低所得階層のところの手当てをしようということに全力を尽くしましたので、そこは世界的に見ても、先進国に比べて極めて低くなっている。ところが、上の方はそういじれないということで、中間のところが急上昇するようになってしまったわけです。 ここを広げていくことがこれからの所得課税の税制改正の中心であるべきなんですが、その際に、私どもの計算をやってみますと、二()%なり、そこを上げるためには全体を見なければいけないのですが、先ほど申し上げたように、所得課税として三兆とか四兆はかかるだろうと思いますし、また一方で、物価調整減税とおっしゃいましたが、課税最低限を上げるについては、一兆とか一兆以上の金はかかってくる。一方で、六兆二千億のうちの所得課税というのは五兆五千億なんです。残りの七千億というのは、先ほど申し上げましたが、相続税とかその他の税金の分ですので、五兆五千億ぐらいやらせていただけると、今後この面ではほとんど手をつけないで、きちっとした、世界のよその国に比肩できるような所得課税 ができると思っておりまして、金額的にはそのぐらいかかる改革が必要ではないかと私どもは見ております。
○五十嵐(ふ)分科員 それから、今回の税制改正を考える際に、私は、もう一つ確認をさせていただきたいと思うところがあるのです。 それは、いわゆる消費税のアップを導入いたしますと、所得に対してどうしてもいわゆる逆進性、私は本当に逆進性という言葉が正しいかどうかわかりませんけれども、所得に対しては逆進性なるものがございます。 そのときによく言われる年金受給者、これは消費税というのは、ある意味では、経済学的には物価問題ですから、一時的に物価がその分上がるということでございますが、逆進性といっても、年金受給者に対しては、これは自動的に物価が調整されるという仕組みになっておりますので、ある意味では実はかなりそういう緩和措置がとられることになってくる。あるいは生活保護世帯についても、同様に物価調整がなされますので、これはやはりそうなんだろう。 問題は、それ以上の所得階層でかつ非課税というような世帯については、そのまま増税といいますか、所得に対して逆進がさいてきでしまうというところですね、要するに生活保護以上の所得階層でかつ非課税限度額以下の所得階層に対して、これに対する逆進性に手を打たなければいかぬ。しかし、これは言うべくしてなかなか難しいわけでありまして、税金を払っていないわけですから、おまけをしようがないということになります。 そうすると一方では、複数税率を適用して、一番痛い食料品については軽減税率を導入したらどうかという話があるわけですが、私は、パーセンテージが二けたを超えるならともかく、一けたの間で複数税率を導入すべきではないという考え方なんです。 そうすると、どういう手があるか。要するに歳出の方で面倒を見なければいけないのではないか。そうすると、税は税の世界で論議をして、歳出のことは別のところでやってくれということになると、切り離して論議をすると、ここのところがうまくいかない。 私は、例えば今児童手当というのがあるのですけれども、児童手当の考え方が所得保障なのか少子対策なのか、産めよふやせよという性質のものなのか、よくわからないのですが、どういう認識なのか伺った上で、これを所得政策として導入すれば、今、一子が五千円、二子が五千円、三子が一万円ですか、これが四人世帯で三百五十八万九千円までの世帯ということになっておりますけれども、ここをその分積み増しすれば、これは逆進性の緩和になる。確かに、逆進性の被害をこうむる世帯全部に行き渡ることにはなりませんけれども、こういった制度を組み合わせて、歳出の面を組み合わせることによって逆進性の問題は解決がつくのではないかと思っているのです。 すなわち、大蔵省のお考えとして、歳出の方も一体的に考えて逆進性論議に対応する御用意があるかどうか、伺いたいと思います。
○竹島政府委員 抜本的な税制改革に関連いたしまして、おっしゃるとおり、歳出面でも整合的な施策を講ずるべきだというのは、基本的にそのように認識しておりますが、具体的に今の児童手当がその手段としていいかどうかということにつきましては、なお検討させていただきたい。今それ以上お答えすることができません。
○五十嵐(ふ)分科員 ただ、私は、本来は児童手当について逆の意味で問題視をしていたわけでございます。というのは、最初の児童手当の性質と今は大分変わってきていらっしゃって、まさに企業が出す家族手当を誘導的に出させるというような制度に今は組みかえられているということなので、今のような発想になったわけです。 ただ、これを逆に行政改革の観点から見ると、国費ベースで総額八十億の支給なんです。それに対して、事務費が何と二十六億もかかっている。こういう制度は、本来の、もともとの子供の、少子対策ということから見ると、全く無価値に近い制度だと私は思っております。なぜかと言うと、児童手当が欲しいからといって子供を産む人はいないからでありますけれども、そういう意味でちょっとおかしな制度だなと思っているのです。また、八十億の国費に対して二十六億の事務費がかかるというような制度も問題だと思っております。 それは別の機会にしまして、もう一つ私申し上げたいことは、国民と対話をしておりますと、とにかく増税については将来の高齢化社会のためにやむを得ないという考えが大体理解が得られているんだろうと思います。しかし、その前に行政改革をやらなければ納得できないよというのがほとんどなんですね。 ところが国の方でそれを伺うと、行政改革と言うけれども、今まで随分努力しているので金目ではそんなにならないんだ、行政改革はやっても。そういうお答えをいただくことが多いんですけれども、果たしてそうなんでしょうかというところで、行政改革とその関係についてどのように努力する余地がおありになるのか。それとも、今までどおり、もう随分やってきたから行政改革ではそんなには出ませんというお考えなのか。その辺を大臣にお伺いをしたいと思います。
○藤井国務大臣 私は、政治や行政に携わっている者は不断にこの努力をしなければいけないと思うのですね。ほっておけば肥大化していく傾向があるというのが現実ですから、常に努力をしなければいけない。しかも、行政というのは時代に応じて変わらなければいけないのが固定化しているという面も含めて、常にここに光を当てていかなければならない、これを基本的に考えております。 そこで、今のお話は、金目がどうかという話のようでございますが、私は、金目に関係なくやらなければいけない、このように思っております。その結果どういう数字が出るかについては、私は今ここで断定的なことは申し上げられませんけれども、幾ら出るからやるのではなく、常に姿勢としてやり続けなければならない、このことを申し上げたいと思います。
○五十嵐(ふ)分科員 私もまさにそのとおりだと思いますが、とにかく事務事業の根源にさかのぼって徹底的に洗い直すということが必要なんだろうと思います。私も、またそれによって金も実は出てくるんだろうと思っております。 余り言いたくはないんですが、これは本来政治の側の役目だろうと思うのですが、昨年私はある離島を視察させていただきましたけれども、人口が百六十人ばかりの島に、農道ということで百億円かけて橋をかけてしまっておりました。貴重なサンゴ礁の海を破壊をしてまでかけておりましたけれども、その百六十人しかいない島で産業はサトウキビだけでございます。山がちな島でしたから、これはどう見ても経済効果に結びつくものではない。まして、農道ということでは果たしてどんなものだろうかという感想を持ちました。 過疎対策という意味でも、むしろ離島に橋をかけると流出者がふえて過疎化が進むという現象もすぐそのそばの島で実例がございますので、果たしてこうした公共事業について本当の意味で事務事業の根源にさかのぼって査定が行われているかということに疑問を感じざるを得ないわけであります。私は、これは国会の役目だとは思うのだけれども、その予算執行の効果についてもっと適正に評価をするシステムが開発されてしかるべきではないか。 それで一点お伺いをしたいのは、会計検査院が検査をされます。また、決算委員会でいろいろな論議がなされますが、それが大蔵省のその後の査定なり予算編成にどのようにフィードバックされているかということを、多少抽象的で申しわけないのですけれども、お伺いをしたいと思います。
○竹島政府委員 会計検査院と主計局の間で年に最低二回、これは定期的に意見交換をいたしております。その中で、検査院の方で検査された結 果、こういうふうに考えた方がいいとかこういう問題事項がありますよということは、我々ヒアリングをさせていただきまして、それを踏まえて予算編成を行っておるということになっております。
○五十嵐(ふ)分科員 時間が参りましたので、私はあと提案として、会計年度を二年度にすれば、両年度ですれば、これは大蔵省の皆さんもじっくりとそういう精査ができる、それから、国会に余り呼ばれなくても、予算委員会やその他のあれをされなくてもじっくりと国の施策について考える時間が持てるのではないかというようなことも思っておりますけれども、とにかく基本的には、事務事業の本当に根源にさかのぼって査定をしていただきたい。財政節度というのを申されるのはわかりますけれども、財政節度は、政治家に求めるよりもむしろ大蔵省の側に厳しく持っていただきたいということを御要望申し上げて、質問を終わります。
○山本主査 これにて五十嵐ふみひこ君の質疑は終了いたしました。 次に、河村たかし君。
○河村(た)分科員 河村たかしてございます。 初め、ひとつ総論的にお伺いして、あと、地域の問題をお伺いしたいというふうに思います。 まず一つは、何もアメリカの物まねをするというわけではございませんけれども、アメリカでは、非営利事業といいますか、そういうことを割と皆さんで気軽に届け出をしまして、そういうグループをつくって、また、そこにお金を出すのが免税になったりしまして、そんなグループが大変たくさんあるということを伺っておりますので、私は、そういうのの非営利団体といいますか、英語で言いますとノン・プロフィット・オーガニゼーションですかね、そういうような基本法をぜひ議員立法なりで制定したい、そういうふうに思っておるわけでございます。 そういう立場で、先ほど言いましたように、アメリカのまねじゃございませんが、アメリカへ行きますとそういう団体が百万団体ある、また、GNPの七%ですかね、雇用ですと大体全雇用者の六%あるということでございますけれども、まず、そういったことについて大臣が御認識をお持ちかどうかちょっとお伺いしたいと思います。
○藤井国務大臣 俗に言うNPOとなると思います。これは、向こうの内国歳入庁が認定するというふうに聞いております。もちろん日本とはいろいろ国情が違うために日本にはそういうものはございませんという、その程度には承知しております。
○河村(た)分科員 これだけ大きい広がりを持っている社会的な存在であるということは、まだ御存じでございませんでしょうか。
○藤井国務大臣 どれだけアメリカの社会に深く食い込んでいるかということについては、十分承知いたしておりません。
○河村(た)分科員 日本では、御承知のように主務官庁の許可ということに民法上なっておりますし、なかなか寄附をするというのは——実はちょっと昔にさかのぼりますと、江戸時代まで上る必要はございませんけれども、地域に図書館をつくったとか、結構そういう篤志家の皆さんというのは昔はかなりおられたと思うのですけれども、最近はどうも何かえらい金もうけが中心の世の中になりまして、何かその辺の動きが余りとらえられなくなったなと、そういうふうに思っておるのでございます。 確かに、戦後の非常に何か集中的にお金をためて大量に投資するような時代というか、一方にがあっと行くような時代には、大蔵省の一元管理というのは必要だったかもわかりませんけれども、もうそろそろ教育水準も高まりまして、何とか社会にみんな貢献しようじゃないかという、そういう時代が来ておる現在におきましては、大蔵省さんとしては、まあ主務官庁の許可は主務官庁ですけれども、税制の方で何とかそこを考えながら、そういった市民の社会参加への道を開くという、そういうおつもりはございませんでしょうか。
○薄井政府委員 日本におきましては、御指摘のように、公益法人等が何かするときの状況あるいは民間が寄附をするときの取り扱い、こういうことが御指摘のアメリカと大分違うんじゃないかということでございます。 私どももそういう点については認識しておりますが、大臣が先ほど申し上げましたように、日本の民間の方々のそういうことに対する考え方が、少なくともこれまではかなり違っていた、先生も御指摘のようにですね。その点、アメリカにおける慈善の考え方とか宗教との関係とかいろいろな意味で考え方に差があったのは事実でございます。 また、もう一つ言えますことは、アメリカにおいてはIRSが認定するということは、IRS自身がそういうノン・プロフィット・オーガニゼーションに対してきちっと管理をしていくということであって、どんなことをしてもいいということではないと思うのです。 そういう意味で、日本の場合にきついということですが、どちらかというと各省庁の専門の方々が、自分の分野でこれは適切だと思われるところを公益法人に認定し、指導育成をしていくという形でこれまで来たのは事実でございます。だから、そういうこれまでのやり方に対して、そうでない方がいいのではないかというお考え方が出てきつつあるということかと思います。 また、私ども税制の立場からも、税金としてお払いいただくものは決しておかしなところに行くわけではなくて、それこそ重要なところに使われるわけですから、企業が税金を払っていただくのかそれとも寄附をするのか、そこは同じ次元で考えたいと従来考えてきました。そういう意味でも、寄附金の扱いについては、時代とともに変えていかなければならないところもありますが、国清といいますか、歴史の違いとか、そういうことも踏まえて今の制度があるということは御認識いただきたいと思っております。
○河村(た)分科員 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、どうもこの話をしますと、日本のいわゆる風土といいますかそんな話が出てきまして、アメリカとは違うのだと、宗教の話が出てきたりすることもありますが、先ほども言いましたように、意外と日本人というのはそうではなくて、昔はかなり地域にいろいろな寄附をしたのですね。 それを今の、大蔵省が全部悪いわけじゃございませんけれども、しかし何か国民の税金を全部お上が吸い上げて、全部それをおれたちが一元的に管理して使うんだ、そういうような風土の中から、地域にもっともっとお金を出すそういう日本人の本当のいいところを少なくしていったのじゃないか、そんなふうに僕は認識を持っておるのですが、どうですか。
○薄井政府委員 御指摘の点、私どももよくわかりますが、現在寄附金控除制度がありまして、それをそれでは法人は全部使い切っていて、そこがきついから寄附ができないかというと、そういう状況でもないのですね。数字ははっきり記憶しておりませんけれども、五、六〇%ぐらいしか枠は使われていなくて、まだ四割ぐらいの今の日本の制度における寄附金枠というのがあるのですね、企業というのは一定割合寄附ができますから。 そういう意味で、日本の企業が自分のことばかり考えているとは申せないとは私は思いますけれども、やはりその辺の時代の変遷が徐々に出てくれば寄附金の枠もまずは全部使われてくるのだろう。その上で、その枠がきついほどもっと慈善的にやりたいということになってきたときに制度についてまた考えていく必要があるのかなと思ったりしております。
○河村(た)分科員 今企業の寄附金の問題が出てまいりますけれども、それも鶏か卵だろうと大抵思うのですよね。やはり出す先がたくさんあって、しっかりしたそういういわゆるノン・プロフィット・オーガニゼーションができておればもっと企業も出しやすくなるということでござい ますので、ぜひここは政治家といたしまして大蔵大臣に、そういうような社会をつくっていくのだという作業になりますので、そこら辺に前向きにお取り組みをいただけるという御答弁をいただけるとありがたいと思うのですが。
○藤井国務大臣 今河村委員がそういう熱情を持ってこういう面に入っていこうというお話、私は、国会活動としてそういうものを大いに日本の社会の中でPRして、そういう社会的基盤をつくっていかれるということについては大変結構なことだと思っています。
○河村(た)分科員 大臣の個人としての、政治家としての御感想はいかがですか。そういうような制度づくりについては。
○藤井国務大臣 個人というか、私も今こういう立場でありますから、事務方が言いましたように一つの仕組みが日本にあることは事実ですね、寄附金の控除というような制度、そしてそれは公益法人という形でできている。それと今のようなお話をどうやってこれから結びつけていくかという、やはり技術的、事務的な話もよくこなしていかなければならないということは申し上げざるを得ないと思います。
○河村(た)分科員 それをやっていく場合につきまして問題になってきますのが、結局地域の人がそのノン・プロフィット・オーガニゼーションにお金を出すということでございますので、やはり人間は何だかんだいっても憶病な点がございますから、出すと得になるというか節税になるなというのが結構重要でございまして、ここでいよいよ大蔵省の大英断が要るか。これは政治家がやることだろうと思いますけれども、やはり免税の範囲を拡大しながらもっと地域にお金を出すように、自分のお金をその団体に出すように、こういうようにしなければいけないということで、大蔵省の姿勢というのがこういう団体をつくっていくときにはまず一番基本的な問題になると思うのです。 だから、その辺の免税措置につきまして、割と今の運用は非常にかたいものですから、そこら辺のところ、仮にそういう団体の雰囲気が出てきたらもっと弾力的に運用して、社会づくりのために協力してもいいのだ、そういうようなお気持ちがおありになるかどうかお願いしたいと思います。
○薄井政府委員 先ほど申し上げましたように、日本の仕組みは公益法人等というものに対して寄附をしていただくことでおっしゃるような需要にこたえてきているわけでございますが、ただ、その分野だとか細かいところにおいて時代とともに変えなくちゃいけないところが出てきております。 その点については私どもも、ここ十年ほどいろいろ工夫しまして、時代の要請に応じて、大枠としては従来の日本型の制度の中で時代に対応できるような仕組みにしてきているつもりでございますが、先生の御指摘の点など、アメリカの事情等についても勉強させていただきたいと思っております。 先ほどちょっと申し上げましたように、IRSというのは日本でいえば国税庁です。国税庁がNPOを認定するということは、そのNPOの行動自体についても国税庁が少なくとも経理面では見ていかなければいけない。そういう、逆に言うときつい監視をしていく、監視ではないのかもしれませんけれども、きちっと見ていかなければならないという面もあるわけでして、この辺についても十分勉強していかないと、民間から見てプラスの面だけと考えていいのかどうか。 いろいろなやり方がいろいろな国であるというふうに私どもは見ております。アメリカのようなIRS方式というのは、一つのアメリカ流のやり方かなと思っております。
○河村(た)分科員 今の考え方というのは多分に最近よく出てくる話で、いわゆる高齢化社会、超高齢化社会を前にしまして、介護が大変だよと、それですぐいわゆる消費税の問題、こういうふうに来るのですけれども、仮にこういう制度が非常に充実してまいりましたら、地域のまあまあお金を持っておられる方がもっとどんどんそこにお金を出して、それでかなりの財源になってくるのではないか、僕はそんな気がします。 また、最近の財政問題でかなり大きいのは、高齢といいますか、年金をもらうようになってまた貯蓄もふえていっているような、ここら辺がかなり基本的な問題があると思うのですけれども、そういう場合でも、ある程度年をとっても何か名誉になるお金を使いたい、そういう人間の心理がかなりあると思うのですね。ですから、高齢化社会へ向けての財源としてでもはっきりこういうものを位置づけて、すぐ消費税どうのこうのという話にいかないようにぜひお願いしたいと思うのですが、どうでしょうか。
○薄井政府委員 お考えのお気持ちのところは私はわかるのですが、ただ、高齢化社会を迎えたときにどの分野でどれだけのお金が要るか。これは国民がみんなで考えないといけないわけで、そういう適正な配分というか適正な資金の使い方ということを考える上では、民間の、自分が寄附したいところに寄附してしまうんだ、自分はこういう人が気の毒だと思うからここに金を出すんだということがどれだけ許されるのか、そこは十分議論しないといけないと思うのですね。 繰り返しになりますけれども、税金というのは決してどぶに捨てるものではなくて、教育だとかあるいは福祉だとか必要なところに使われるわけです。どこにどれだけ使うべきかということをむしろ国会でもって、議会でもって議論していただくということが民主主義の原点だと思います。 民間の方の活力を生かすために民間の寄附を助長するというのは、一定の比率の中ではいいのかと思いますけれども、国のため、地方のため、あるいは我々自身のために、公平感を持ってみんなで税金を納め、それを国会あるいは議会のきちっとした監視のもとで適正に配分していき、これからの時代を築いていくということは決して間違った方向ではないと思います。それを中心にしつつ私的な寄附金についていかに誘導していくかという位置づけだと私は思っております。
○河村(た)分科員 お金の問題ばかりになりましたけれども、もう一つは、日本の社会システムというのはいわゆるお上があって、それから企業社会がある。市民というのは政治とかそういうものに余りかかわるものじゃないよ、政治無関心というか、どちらかというとそんな風潮がある意味では非常に大きかったと思うのですけれども、そういう時代とそろそろおさらばして、よく言われますが、市民の政治参加というか社会参加を本当に何とか果たしていかなければならぬ、そういう時代に来ておると思うのですね。 そういう場においてはこのノン・プロフィット・セクターというのは非常にいいわけで、そこにみんなでお金を出して、直に政府の問題にはなりませんけれども、何かみんなの意見を集約して、それをもうちょっと政府の問題につなげていく、そういうような社会構造のつくり方。社会そのものが三権分立しておるのですかね、お上、企業社会、もう一つは市民参加のノン・プロフィット・セクター、そういうところですね。 そういうような意味合いにおいても非常に大事だと思いますので、再度確認をいたしますけれども、新しい時代を見据えて、大臣におかれましても、連立政権としましては、こういうような市民の政治というか社会に対する新しい参加のあり方をぜひ研究していっていただきたいな、そんなふうに思っておりますが、最後に一言、大臣にお願いいたします。
○藤井国務大臣 今のお話のように、多くの国民の方の中にやはり自分の気持ちで世の中の役に立ちたい、こういう方はだんだんふえています。非常にふえていると思いますね。それもお金という形であらわしたいという方もだんだんふえてきていると思います。そういうことを何か生かしていけるような社会をつくっていくということは大変大事なことだと私は思っております。 ただ、今お話が出ておりましたように、今まで のいろいろな日本の仕組みとかいうのがあります。これはまた否定できない一つの仕組みだと思いますが、そういう中で今のようなお気持ちを生かしていく方向で、私も一人の政治家としていろいろ考えていきたいと思います。
○河村(た)分科員 それではその問題は終わりまして、地元といいますか、地域の問題に移りたいと思うのです。 名古屋近くでは中部新国際空港の問題が今一番期待の的でございます。まず、総論的でございますけれども、大臣にお伺いしたいのです。 御承知のように、冷戦が終わりまして国際化の波が非常に押し寄せてきました。その割に日本というのは国際空港としては非常に後進国ではないかというような気がしておりますけれども、そういうような国際化時代を見据えまして日本の国際空港のあり方、その辺の漠とした総論というか全体のとらえ方、御感想をまずひとつお伺いしたいと思います。
○藤井国務大臣 何といっても日本は世界第二の経済国でありますし、そしてまた、そういう中で世界との交流、国際社会の一員としてこれからますます大きな役割を果たしていかなければならない、そういうときに世界に向けての窓口というものをしっかりつくっておく必要はあると考えております。
○河村(た)分科員 ところで、名古屋というか中部圏におきまして、おかげさまで第六次で調査費もいただきまして、空港整備をやらせていただいておりますけれども、その中でこの中部圏の特色といたしまして、平成三年から六年まで、六年も入れまして調査費が、国ですとトータルで大体四億五千万、それに対しまして経済界と自治体で七十四億五千万。私ども名古屋、中部圏といたしましては、ただしゃべっておるだけじゃないよ、こういうような自分たちの血と涙を注ぎ込みまして、これだけのことをしながらこの空港をつくるのを待ちわびておる、これだけのお金を使ってやっておるということは、大臣、御認識ございますでしょうか。
○藤井国務大臣 承知をいたしております。
○河村(た)分科員 そういう状況でございますので、今度第七次になりますかその折には、ほかの関空も成田もございますけれども、財政当局といたしましてぜひ積極的な前向きな御指針といいますか、御方針をいただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○竹島政府委員 中部の新国際空港に関しまして、地元の自治体並びに経済界の方々が大変御熱心だというのは十分に承知をしております。 この新国際空港の扱いにつきましては、委員御案内のとおりかと思いますが、第六次空港整備五カ年計画の際に運輸省の資料といたしまして公表されているものがございまして、その中では、将来における航空需要を考慮しつつ、現空港との関係を含めた整備の内容、それから採算性と費用負担、それから空域、アクセスなどの諸問題について地域の創意工夫を反映させつつ、関係者が連携して総合的な調査を進めるということで今行われているわけでございます。 先ほど申し上げましたように、地元の熱意も踏まえまして、確かに国の方も調査をしてきておりますが、その結果を踏まえまして、第七次空整に当たりましてどのようにするか検討させていただきたいと思っております。
○河村(た)分科員 なかなか前向きなお言葉がいただけないのでいかぬのですが、地域でつくりますけれども、その中部新国際空港というのは地域の空港ではございません。これはあくまで国の空港でございます。このような国際化時代を目の前にいたしましてこれだけ地域で本当に血と汗を流しながらやっている、そういうところでございますので、国の財政の責任者といたしましては、大いに応援してやろうじゃないか、そういう一言はぜひいただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○藤井国務大臣 我が国における国際ハブ空港の整備としては、とにかく第六次整備計画の中で新東京国際空港、それから関西国際空港、これを最重点課題としてやっていく、そういう中で今の問題などをどう位置づけていくかを今検討している段階だというのが、次長が申したとおりでございます。
○河村(た)分科員 なかなか御慎重でございますけれども、中部といたしましてはさらにひとつ熱を入れてやらさせていただきたい、かように思っております。また、第七次は調査費になりますか、どういう格好になるかわかりませんけれども、ぜひ大幅増額をしていただきたい。また、それは先ほど言いましたように国際空港でございます。中部でつくっておるのだけれども日本のためにやっておるのでございますので、さらに中部圏の活性化のためにぜひ御尽力、御認識をいただきたいというふうに思っております。 それからもう一問。これは逓信関係のちょっと細かいことでございますけれども、御承知のようにマルチメディア時代を迎えまして、今までは情報というのはどちらかというと受ける方が中心でございましたけれども、双方向になりますから発信をしていく、そういうようなことを非常に大事にする時代を迎えたと言えると思います。 名古屋圏というか中部圏は非常にCATVがあるのですけれども、これはなかなか経営も苦しくて、理由はオリジナルな番組をつくり出すことが非常に苦しいという状況があるのですね。 ですから、そこを今、商工会議所の皆さんなんかが中心になりましてみんなで勉強会をつくって、何かそういうセンターみたいなのをつくって、映像センターというようなものをつくって、そこからどんどん発信していこうじゃないか。名古屋なら名古屋、名古屋の映像なり名古屋の文化をそこから発信していこうじゃないか。そんな機運があるのですけれども、なかなかこれが、中部圏は割とお金に渋いということがあるかどうかわかりませんが、今の助成制度ですと会社の組み立てまでいかないと出ないというような状況になっております。 そうじゃなくてもうちょっと前の段階で、実験といいますか——御承知のように、マルチメディアの問題点というのは、ハードはハードですけれども、例えば光ケーブルを入れたときにどういう情報を流すか。これはアプリケーションというのですが、中身の方が非常に重要視されていますので、実験が始まった段階で何かそういうものに対する、大蔵でいえば税の問題になるかもしれませんけれども、予算措置もあるかもしれませんが、そういうような問題も中部のCATVを見て思います。 もっと広く各地域地域で、この間郵政審議会で出ましたように、いずれ二〇〇〇年、二〇一〇年には光ケーブルは全部めぐらされますので、地域の情報発信をもっとスムーズにみんなできるように、ある程度の組み立てができたらそれを支援していこうじゃないか、そんな取り組みをぜひ大蔵の方にはお願いしたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○薄井政府委員 多分、先生のおっしゃるようなことを税制で措置しようとすればいわゆる租税特別措置を使うということかと思います。法人税なり所得税の本来課税とはちょっと違う、公平を害するのだけれどもどうしても支援すべき事業がある、そのために租特をそこにつけたらどうかという御質問かと思います。 そういう意味では、私は個別にこの件について勉強もしておりませんし、初めてきょう伺ったわけでございますが、租税特別措置の世界というのは、これが広がると税制としてまずいわけでして、とはいえ促進すべき事柄には税制も活用すべきだと私は思います。 そうなりますと、今ある租税特別措置を洗い直し、要らないものは切り、先生御指摘の今の点が本当に必要なものであるということがコンセンサスが得られるならばそこに持っていく、そういったような対応が一般論としては言えるのかと思います。 繰り返しますが、個別のことについては私は承 知しておりませんけれども、促進すべき事業であるのかどうか、多分郵政省さんにおいても十分議論をこれからされるのだと思いますので、そういったものを踏まえて租特全体の中でどう位置づけるかを私どもは考えていくべきだと思っております。
○河村(た)分科員 先ほども申しましたように、どちらにしろ、マルチメディアといいますか大変な時代を迎えますから、これは上から降ってくる情報じゃなくて自分たちから発信できるということが非常に重要でございますので、地域でそういうのを守り立てる、これは非常に重要になってくるのですね。 そんな意味合いにおきましては、予算等におきましても今後、光ケーブルなんかはその敷設そのものは、割と大蔵さんの考えでは、これはお上の金を使っちゃだめよ、こういうようなことでございますけれども、それはまた一つハードの面ではそういう面があるかもわかりませんが、そういう地域で盛り上げる文化に対しては、いろいろなグループをつくったら何かそういうところへ、初めのちょっと導水路みたいになりますが、ぜひそういう支援措置をやっていってほしいな、そんなことを最後にもう一回お伺いして、終わりたいと思います。
○竹島政府委員 具体的なことは郵政省の方でそれぞれのプロセスにつきまして御検討なさることかと存じますが、今おっしゃられたことに関しても既に財政面それから財政投融資の世界で支援措置がございます。 ハードについてもソフトについても、ソフトのことも強調されましたけれども、ソフトの面では、有線テレビジョン放送番組充実事業というようなものもございまして、産投会計からの出資でありますとか無利子融資といったようなものもございますので、あとは個別具体的な検討がなされて、そういう意味でこれからニーズの高い世界というふうに認識しておりますから、考えさせていただきたいと思っております。
○河村(た)分科員 終わります。ありがとうございました。
○山本主査 これにて河村たかし君の質疑は終了いたしました。 次に、小澤潔君。
○小澤(潔)分科員 大臣、毎日連続で御苦労さまです。皆さんも御苦労さまでございます。 それでは、税制について大蔵大臣にお願いをいたしたいと思います。 質問に先立って答弁についての要望を申し上げますので、この要望に沿った答弁を要求をいたしたいと思います。 今日ほど国民の目が税制に集中しているときはないと私は考えております。そこで、質問事項について速やかに実現可能なものは国民が理解できるよう具体的に答弁をお願いをいたしたいと思います。なお、今後検討する課題については、職員を激励し、必ず実現させるよう大蔵大臣の積極的な決断を期待し、国民の願いがかなえられるよう答弁をお願いをいたしたいと思います。 さて、相続税の最高税率の緩和についてお願いを申し上げます。 相続税については昨年既に我が党の深谷議員が質問をしておりますので、重複を避けることを前提としてお尋ねいたします。 そもそも相続税の趣旨は富の再配分を骨子とした税であります。この再配分の趣旨から見て、個人生活の破綻を引き起こしている現実は税の本質から逸脱していることは、深谷議員同様、私もそのとおりだと思っております。 ちなみに、主要国の相続税の最高税率を大蔵省政府委員室の資料によって調べてみました。日本七〇%、アメリカ五五%、イギリス四〇%であり、ドイツ三五%、フランス四〇%、イタリア二七%、韓国五五%、台湾六〇%で、日本がダントツとなっており、ドイツの二倍となっているのであります。 このような高率な税金によって悲劇が生まれている事実があるので、最高税率の七〇%から思い切って諸外国並みの五〇%以下にまで引き下げることなど、これらによっても相続税の本旨である富の再配分は可能であると思うが、大蔵大臣の見解をお伺いいたします。
○藤井国務大臣 今小澤委員のお話のとおりでありまして、相続税というのは富の再配分だ、こういうことだと思います。 そこで、税率の話でございますけれども、確かにおっしゃるように世界で高いところへ来ておりますが、これは今度、この間国会において可決していただきました相続税法の改正で、今までは十億円から七()%ということになっておりましたが、二十億円から七〇%、相当高いレベルに持っていかせていただいたということをひとつ御理解をいただきたい。 もう一つは、税率のみならず課税最低限から見ますと日本はむしろ非常に今高い、つまり相続税のかかる層というのが相当高いところから来ております。これは、日本は今度、今回の改正で八千万にさせていただきましたけれども、普通、常識的な国は二千万とかそこらだということもあわせて、相続税全体としては一つのバランスができているように思っておりますので、どうか御理解をいただきたいと思います。
○小澤(潔)分科員 最高税率七〇%が高過ぎるため、公示価格の八〇%に設定されている路線価を下回る時価による矛盾が発生している現実を御存じのはずです。これでも一般国民の負担軽減が実現できていると考えているでしょうか。最高税率による矛盾が至るところで露呈している現実を直視すべき時期が到来していると思いますが、いかがでしょう。
○薄井政府委員 先ほど大臣から答弁いたしましたが、ことしの改正で、七〇%が適用になるところが二十億円超の部分ということになったわけですが、実はこれは遺産全体についてではなくて、一人一人の法定相続分について適用される税率でございます。 簡単に申し上げますと、夫婦子二人の方で御主人が亡くなったというようなケースですと、奥様が半分相続し、子供がその半分のまた半分、四分の一ずつを相続するというようなケースを考えますと、八十億円以上の遺産を残さないと七〇%はかからないというように、極めて大きな軽減が既に図られております。 それともう一点は、かなり大きな遺産が残るというケースは土地を持っておられる方です。しかも居住用、お住まいとして使われている土地を持っている方でありまして、この方々についての、いわゆる小規模な宅地を所有する方々に対する課税の特例を今回大幅にまた拡充いたしました。 この両方を含めて、先ほど申し上げましたように相当の対応が図られている、先生初め皆様方から御心配いただいてきた面が対応できたのではないかなと思っておる次第です。
○小澤(潔)分科員 昭和二十年代から三十年ごろまでの相続税は、確かに一部富裕な国民に限定した税であると言える時期があったことは確かだと思うのです。現在は、自宅のみの国民にも例外なく課税される一般国民の税であることを基礎にして、諸外国並みの最高税率見直しが急務であることを申し上げているのであります。 大蔵大臣は、日本が見習うべき外国の相続税制度の研究をする予定といいますか、直す、正す予定があるかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○薄井政府委員 外国の相続に対する課税の仕方について、御存じかと思いますが、整理して申し上げさせていただきますと、日本はある意味でちょっと折衷案的な方式をとっているわけです。 御存じのように、アメリカとかイギリスでは残された遺産そのものに対して課税をする。さっきの例で言いますと、八十億円残しますと、それに税金をかける、かけた後で相続していくという形になっております。それに対してドイツとかフランスでは、遺産を取得した相続人に税金をかけます。 日本の場合も、いろいろな経緯はあるのですけれども、現在は法定相続分で相続が行われたということで総額を計算した上で、実際の相続の額に応じて案分するという知恵を使っているわけでございまして、各国それぞれにその国の財産に対する考え方、あるいは夫婦の関係といいますか、そういうものについての考え方、そういうものを受けて相続税制が築き上げられてきているということを御理解賜りたい。 したがいまして、七〇%というのが高いという御指摘については、確かによそに比べて高いのですけれども、ほかの相続税のすべてのシステムを比較してみますと、やはり日本は日本なりに今のシステムが公平であるというふうに考えております。ただし、それが一般の人まで七〇がかかってしまうのはおかしいことですから、そこのところは今回の改正で大きく対応させていただいたということでございます。
○小澤(潔)分科員 次に移ります。 物納についてお伺いいたしたい。 バブル経済の崩壊とともに、高い相続税を現金で納めることが不可能な状況の中で、物納が急増していることは大臣も御承知のとおりであろうと思います。ところが、物納基準の厳しさの余り、納税ができずに困っている人がこれまた多いのが実情であります。相続税の対象となった物件である以上、例外なく物納できるよう要件の緩和を図るべきだと考えます。現行のように最高税率を法外な七〇%に据え置くことに固執することを前提とするならば、相続税の本旨である富の再配分が実現できることを国有財産としての管理の困難性よりも重視する考え方を思い切って導入することが国民を安心させる近道であると思います。 そこで、具体的に申し上げます。今さら言うまでもありませんが、産業革命以来、世界じゅうで文明による利便追求が盛んになり、その反対給付として地球の汚染が各方面にあらわれて、社会問題を起こしております。我が国でも例外ではありません。環境庁を設けて専門的に対策を講じているところでありますが、その枠外で環境破壊を進めているのが、物納により自然に富んだ庭園、緑の恵みの樹木等が無残に切り倒されていることであり、これら公害時代と言われている都市の景観は国民共通の貴重な財産であるべきであります。 東京の田園調布は理想的な住宅地でありました。既に三代目と言われているが、二代目から宅地の半分を処分して相続税を納め、立派な庭園はアパート、マンションに変わり、また都市近郊の農村においても貴重な民家、庭園が駐車場等に変わっているのが現状であり、かけがえのない自然の破壊であります。こうして都市は砂漠化していくわけです。 そこで提案ですが、富の再配分目的でやむなく収受された管理が困難な物納財産を管理するいわば受け皿と申しますか、特殊物納財産管理機構、このようなものを創設をしたらいかがかと思っております。いかがでしょうか。 大都市地域において自然景観を維持し、住民の健康に貢献するような新しい相続税の物納の基準を考える必要があると思うが、大蔵大臣、御意見を伺いたいと思います。
○薄井政府委員 国税庁も来ておりますので、税制面からまず申し上げまして、補足をさせます。 近代税制を考えますと、税金というのは現金、お金で払うというのが原則となっております。したがって、日本の税制の中で物納、物で納めていいということになっておりますのは相続税だけでございます。それは相続税の特殊性から、お金、現金がなくても評価されて税金を納めなさいと言われるので、物納もやむを得ないという形になっているという事情があるわけです。 世界各国を見ましても、日本ほど物納を認めているところはございませんで、西欧諸国では、国の大事な遺産である文化的なもの、例えば絵画とかそういうものであれば国は物納を、財産として収納いたしますが、一般の土地等については自分で売ってから納めてほしいという形になっております。 これが近代的な税制の基本的な考え方であるというふうに私ども踏まえておりまして、とはいえ、先生も今御指摘になったように、気の毒な例もあるということで、特に地価が上がり、また急落している状況のもとで、物納をしないとやっていけないという納税者が多いわけですので、そこのところはなるべく緩めて、法令の範囲内でできる限りの収納をしていこうということで努力している状況でございます。 そういう全体的な考え方と最近の状況ということを御理解賜りたいと思います。 それから、環境破壊云々のところにつきましては、お願いします。
○吉川(勲)政府委員 お答えいたします。 物納の基本的な原則については先生十分御存じのことと思いますが、物納の許可要件につきましては、平成四年の六月の相続税法改正の際に明らかにいたしたところでございます。具体的要件に応じまして、適正に運用するよう努めているところでございます。 例えば御指摘の環境破壊の点でございますけれども、物納申請された土地内に樹木がある場合にも、原則としてその伐採を求めないことといたしておる次第でございます。
○小澤(潔)分科員 今いいものと悪いものと、できるものとできないもののお話がありましたが、国有財産として管理不能なものでも、国民の貴重な環境保全に役立つものは物納として収納することができる制度をお願いしているのであり、管理が可能なものに限定しない方向の可能性について、明確に答弁をもう一度お願いしたいと思います。
○薄井政府委員 先ほど申し上げましたように、税金は国の経費に充てるために課するものでございまして、そういう意味では、物納していただいてもいいとなっております相続税におきましても、物納したものは換価して、売りまして、国の経費に充てていくことを前提としたシステムになっているということをまず基本に考えていただきたいと思います。その上で、その個別個別の状況に応じて対応をさせていただいている。 したがって、例外なく物納の対象とすることは極めて難しい。管理、処分が困難な財産まですべて対象とするということは、税制あるいは税金の性格から考えて難しいということを御理解賜りたいと存じます。
○小澤(潔)分科員 現実の物納基準が厳格過ぎる点が問題であろうと思います。単なる誤解の問題ではない点を理解する必要があると思います。明文化された物納基準を誤解のないようなレベルに高めることが必要と考えております。物納基準の明確化についての方向をどう考えているのか、お教えをいただきたいと思います。
○吉川(勲)政府委員 もう先生十分御承知のように、国税につきましては金銭で納付することを原則といたしております。相続税につきましては、その財産課税という性格上、例外的に一定の要件のもとで物納を認めているわけでございまして、先ほど薄井審議官の方からお答えいたしましたように、どうしてもその中で一定の要件に該当するものという制約が若干あることについては御理解をいただきたいと思います。
○小澤(潔)分科員 ありがとうございました。 そこで大臣に、まあ受け皿といいますか、先ほど申し上げました特殊物納財産管理機構のようなものをぜひつくるべきであると思いますが、いかがでしょう。
○藤井国務大臣 今二人がお答え申し上げておりましたように、物納財産はもう例外であるということと、そして管理ができないようなものは基準からいってもお受けしないというようなことになっておりますので、そういうことを受けるという前提の特別の機構をつくることについては、せっかくの御提言でございますがお許しをいただきたいと思います。
○小澤(潔)分科員 では、この辺にして、次にス ポーツ施設に入りたいと思います。 スポーツ施設用地の土地関連税の軽減についてお願いをいたしたい。 大都市地域のテニスコート、ゴルフ練習場、プール、ボウリング場等のスポーツ施設は、国民の健康増進、環境保全、非常時の緊急避難場所として重要な役割を有しております。 このようなスポーツ施設用地に対しては、高負担な税による廃業を防止するために、ぜひとも固定資産税、都市計画税、地価税、相続税などの軽減を検討していただきたいと思います。なお、教育施設、運輸運送施設については一部考慮されていることもあわせて御理解をいただきたいと思います。大蔵大臣、よろしくお願いをいたします。
○薄井政府委員 幾つかの税目を御指摘いただきましたが、例えば地価税というものを取り上げてみますと、御存じのように、平成二年の土地税制論議の中から生まれてきた税制でございまして、土地に対する課税の適正公平を確保するとともに、土地基本法の基本理念を踏まえて総合的な土地対策として対応しようということで設けたものでございます。 したがいまして、本来ならば例外なしに課税すべきところではありますけれども、地価税創設の趣旨に照らしまして、公共的あるいは公益的な用途に供されている土地につきましては、これは負担を求めるには及ばないということで、例えば国、地方公共団体等が持っている土地については課税いたしておりませんし、公共法人、公益法人の有する土地、これも一部分ですが非課税としております。 また、公益的、公共的な土地に準ずるものにつきましては、一定の公的観点からの利用についての規制があるような土地、あるいはその土地または土地等で行われております事業、施設の性格にかんがみまして特別に配慮をすべきものにつきましては、課税価格の軽減をいたしております。 そういうことで、例外はあるのですが、御指摘のようなスポーツ一般のゴルフ練習場とかテニスコートのようなスポーツ施設用地にまでこれを軽減することは、地価税を創設した趣旨に合わないということを御理解いただきたいと思います。 また、相続税につきましては、ほとんど一切と言えると思いますが、そういう例外を設けておりません。これは、土地のみならず、ほかの資産についても課税いたしますから、そのバランスを考えたときに、例外を設けるということは制度になじまないということかと思います。
○瀧野説明員 スポーツ施設と地方税との関係についてお答えいたしたいと思います。 地方税におきます特別措置でございますが、これにつきましては、税制調査会におきましてもその新設、拡充を行うことは厳しく抑制すべきであるというような御答申をいただいております。特に固定資産税につきましては、先生も御案内のとおり、市町村の基幹的な税目という性格を持っておるわけでございまして、用途にかかわらず広く薄く負担していただいておる、そういう性格でございますので、この観点からも特例措置の新設はなかなか難しいというふうに考えておるわけでございます。 また、スポーツ施設といいましても、ただいま大蔵省の方からも御答弁がございましたけれども、いろいろなものがございます。会員制のものでありますとか、会社の福利厚生のようなものでありますとか、いろいろなものがございます。そういったものとの区別というような問題もございますので、スポーツ施設ということで固定資産税等につきまして特例措置を設けるというのはなかなか難しいというふうに考えております。
○小澤(潔)分科員 国民にスポーツが重要な教育であることは、文部省体育局の中に競技スポーツ課及び生涯スポーツ課があることでも明らかであり、スポーツ振興が国民の健康増進に多大な貢献をしている事実に目を向けるべきであり、地価税等の経営に与える影響を無視できない現実を知るべきであると思いますが、大蔵大臣はスポーツの振興についてどうお考えであるか、お答えをいただきたいと思います。
○藤井国務大臣 私もスポーツは大好きでございますし、スポーツの振興ということは大変大事なことだと思います。 ただ、今二人が答えましたように、これは税の公平という観点でございますので、しかも税の仕組みが、特に相続税などの例で申しましたように、そういう用途とかいうことに関係なく例外を設けていないということ、また、地価税でいいますと、特に公共性が強いものというふうに限定しておりまして、スポーツ施設はやはり個々の民間の方々がそれなりの会費をお取りになるところもあるでありましょうし、転廃業もいろいろあるでありましょうし、そういうことまでは広げていないという横並びの原則からいきますと、スポーツの施設について今の税を特別に扱うことは難しいと思います。 むしろスポーツ施設については、財政支出の面で文部省の施策によってこれは大いに振興していくことが大事だというふうに考えております。
○小澤(潔)分科員 あえてまた申し上げますが、大多数の業種は営利事業でありますが、スポーツ関連業種は当然の保護の対象となるべき教育的業種であることをどうお考えでしょうか。 あえて申し上げます。純粋な営利業種と教育的効果の高い業種とを区別する現行制度が存在する以上、非課税範囲に含まれる業種にスポーツ関連事業を認めるべきであるという点をどうお考えでしょうか。あえて二度も三度もくどく言いますが、お許しをいただきます。御答弁ください。
○薄井政府委員 先生御指摘のような例として、学校用地などでスポーツを行っているようなケースもありますが、そういったものにつきましては地価税において教育施設として対応させていただいております。
○小澤(潔)分科員 次に、税に関する白書について伺いたいと思います。 税の制度は複雑怪奇であると言わざるを得ません。一部専門家を除いて国民一般は理解が少ない。私もそうでございますが、大蔵大臣はいかがでしょう。
○藤井国務大臣 私は今御指摘の点は大変大事な点だと思っています。税というのは国民の皆様お一人お一人に深くかかわっている問題でございまして、その実情あるいは使い道も含めて多くの国民の方、特に納税者の方によく理解していただくことは大変大事なことだと思っております。 国税庁が中心でございますけれども、税のしくみ、そして何に使われているかということは今も非常にPRをいたしておりますけれども、委員の御指摘もございますように、今後とも一層この点は力を入れてまいりたいと思います。
○小澤(潔)分科員 白書とは政府が所管事項について現状を報告した文書で、イギリスで政府の発行する報告書が白の表紙であったことからこの名前が出たようでありますが、とにかく税に関する報告書等々は、国税庁から「改正税法のすべて 事務年報」、「国税庁統計年報書」、「税務統計から見た申告所得税の実態」、「税務統計から見た民間給与の実態」、「税務統計から見た法人企業の実態」等々が出ているようであり、「図説日本の税制」というものも出版されているようです。白書は四十数種類に及ぶと聞いておりますが、これも一部専門家を除いては国民にはなじんでいないと思います。 そこで、従来より政府の手法は、政府の税制調査会にまず諮問をし、答申を得て法案をつくり、国会提出、質疑というパターンで処理されておると私は思います。直接国民の意見は公聴会が利用されておりますが、一般国民は蚊帳の外の状態であろうと思います。 そこで、税のしくみ、配分はもちろん、国民が関心を持って、わかりやすく、なじみやすく、喜んで納税意欲が少しでもわくような、国民にもっとわかりやすい税の白書をつくってみたらどうかと思うのです。大臣、御答弁いただきます。
○藤井国務大臣 ただいま小澤委員の挙げられた のは非常に学問的価値のあるようなものであったと思います。そういうものもお出しすることは大変大事だと思いますが、今御指摘のように、多くの方が素直に理解していただけるという観点は大変大事だと思っておりまして、私どもで言うと、「くらしと税金」とか「知っておきたい税情報」とか「国税のしおり」とか、こういうのは絵のようなものになっておりまして、非常に多くの方々にお配りいたしております。 御指摘のような資料的価値のあるものも大事だとは思います。それはむしろ学者さんやなんかに見ていただく、利用していただくのでございましょうが、今のようなものを広く多くの国民の方にお配りできるような体制を一層充実してまいりたいと思います。
○小澤(潔)分科員 時間が参りましたので終わりたいと思いますが、今大臣のよい答弁を伺いました。一刻も早く国民が納税を喜んで協力するような手引の発行をよろしくお願いいたしたいと思います。 どうもありがとうございました。
○山本主査 これにて小澤潔君の質疑は終了いたしました。 次に、斉藤鉄夫君。
○斉藤(鉄)分科員 公明党の斉藤鉄夫でございます。 非常に長い分科会になっておりますが、あと三十分おつき合いを願いたいと思います。 私は、前半は法務省に知的障害を持つ方の人権擁護の問題についてお聞きし、後半は酒税にかかわる問題につきまして大蔵大臣に御質問させていただきたいと思います。 まず最初に、知的障害を持つ方の人権擁護の問題でございますが、最近私は地元の方で、自分の子供が知的障害を持っている、また精神薄弱である、自分が死んだ後非常に心配なので、その子供のために財産を残しておきたい、しかし、知的障害があるためにその財産が本当に子供のために役立つかどうか非常に心配だ、こういう御相談をたくさん受けます。 また、身寄りのないお年寄りが痴呆になりまして判断能力をなくし、そこにつけ込んで財産をねらうという事件も多発しております。つい最近見た新聞でも「資産狙い偽養子縁組」ということでひとり暮らしの痴呆性の老人の財産をねらった事件、暴力団「山口系組員三人を逮捕」というふうな事件も起きております。 核家族化が進む中で、適当な後見人のいない、そういう意思能力を欠いた方が今後ふえてくるわけでございますが、現状の法規ではこういう方々の財産また人権はどういう形で擁護されているのか、それをまずお聞きしたいと思います。
○升田説明員 ただいま委員御指摘の判断能力が十分でない方をどう取り扱うかという問題でございますけれども、我が国の民法におきましては、意思能力、行為能力という問題として取り扱われておるわけでございます。 まず、意思能力のない方の行為、例えば契約などがこれに含まれるわけでございますけれども、これを無効とするということによりましてその人が不利益をこうむることを防止しているということになろうかと思います。それから、意思能力がない、あるいはまたこれが不完全な方につきましては、その能力を補完し、その保護を図るための制度といたしまして、民法の七条以下にございます禁治産宣告、準禁治産宣告という制度を設けております。
○斉藤(鉄)分科員 禁治産宣告、準禁治産宣告制度でございますが、この制度は一度宣告されますと、その方はある程度の判断能力があるにもかかわらず完全な無能力者という烙印を押され、そう社会的にはみなされる。それからまた、それが戸籍に記載されて受けなくてもいいような不利益を受ける。また、中度、軽度の知的障害の方には適用されない。それから、時間や費用も非常にかかる。それから、現実問題として保佐をする保佐人による権利侵害という事例もたくさん起きている。また、四親等以内の親族がいない場合は検察官がそれに当たるということで現実的ではない、こういう問題点があると指摘されております。 この禁治産宣告また準禁治産宣告制度は、取引の安全ということに非常に大きな比重が置かれて、ハンディキャップを持った方の権利擁護という観点がほとんどない、また、古い家族制度の中で家族のだれかが面倒を見ている、こういう前提のもとに立っていると私には思えます。しかし、先ほど申し上げましたように、核家族化が進んでおりますし、また世の中の流れとして、そういうハンディキャップを持った方のノーマライゼーション、つまり、健常者もハンディキャップを持った方もそれぞれの能力に応じてともに生きるという時代になっているのではないかと思います。 したがいまして、ある程度の判断能力を持った方には、その能力に応じて自己の意思が尊重される、成年後見という言葉でも言われておりますけれども、そういう権利擁護の制度を今後日本でも考えていく必要があるのではないかと思います。欧米では、北欧、イギリス、ドイツを中心に、障害の程度に応じて、それも公的な機関が権利を擁護し財産を管理する、知的障害を持った方を残して亡くなる親御さんも本当に安心して死んでいける、こういう制度ができていると聞いておりますけれども、日本でも今後そういうものを考えていくおつもりがあるのかどうか、その点をお聞きしたいと思います。
○升田説明員 まず、先ほど申し上げました禁治産制度、準禁治産制度の制度の趣旨でございますけれども、禁治産者につきましては後見人が選任され、準禁治産者につきましては保佐人が選任され、そういう後見人あるいは保佐人によりまして、それぞれそういう形で一定の行為について保護されるということになっております。 それで、禁治産者が行った契約、あるいは準禁治産者が保佐人の同意を得ないで行った契約につきましては、これを取り消すことができるということになっておりまして、そういう意味から保護されるということになっております。基本的には、そういう判断能力が十分でない方を保護するという制度になっております。 しかしながら、今委員御指摘のように、いろいろな事情がございまして、禁治産宣告制度、準禁治産宣告制度が利用しにくい制度になっているのではないかという指摘があることも事実でございます。私どももそれは認識しておるということでございます。御指摘のように、今後高齢化社会を控えまして、意思能力が十分でない方の権利をどのように保護するかという問題につきましては、重要な問題と考えております。 また、そういう保護のあり方につきまして、ただいま委員御指摘のように、成年後見というような制度が諸外国において、例えばドイツあるいはオーストリアで立法化されていると聞いておりますけれども、私どもといたしましては、諸外国におきます。そのような法制度の進展にも配慮しながら、なお関心を持って検討を続けてまいりたいと考えております。
○斉藤(鉄)分科員 ぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います。三月九日の参議院本会議で、細川前総理も下村議員の質問に対して「成年後見問題についてのお話でございますが、成年後見の制度につきましては、高齢化社会を迎えるに当たっての課題であると認識をしておりますし、諸外国における法制度の進展などもにらみながら、今後関心を持って検討を続けてまいりたいと考えております。」このように非常に前向きな答弁をされております。 その後、法務省の中でこの成年後見制度について、将来の法制度に向けた何らかの活動といいましょうか、取り組みがなされているのでしょうか、それを御紹介いただきたいと思います。
○升田説明員 まず、法務省におきましては、法務大臣の諮問機関といたしまして法制審議会がございまして、その中で民法を所管しておりますのが民法部会になるわけでございますけれども、現 在民法部会におきましては、夫婦別氏制度の導入の可否を含む身分法の改正問題につきまして検討が進められておりまして、成年後見制度の問題につきましては、その審議の過程におきまして、将来の検討課題として話題になったことはございます。高齢化社会を迎えるに当たりまして、その成年後見制度が重要な検討課題の一つであるということは認識されております。 事務当局の私どもといたしましても、この問題につきまして関心を持っておりまして、委員御指摘の点も含めまして、今後どのような取り扱いをするのか十分に検討をしてまいりたいと考えております。
○斉藤(鉄)分科員 こういう一つ一つの問題というのは地方自治体に問題が持ち込まれておりまして、各地方自治体で対応しているというのが現状でございます。東京都などは財政上非常に豊かということもございまして、権利擁護センターというきちんとした組織もありますけれども、地方に行きますと全くないというのが現状でございます。今後、地方によってそういう格差が生じないように、国としても、オールジャパンという観点から、知的障害を持つ方、また痴呆になられた老人の方の財産、権利を守るという観点から検討を進めていっていただきたいと思います。 次に、話ががらっと変わりますけれども、酒税といいましょうか、お酒の規制緩和です。地ビールの件について質問をさせていただきたいと思います。 この三月に国会を通りました酒税法の一部を改正する法律におきまして、ビールの製造免許にかかわる最低製造数量、最低これだけつくらなければ製造免許がもらえないという最低製造数量でございますが、これが二千キロリットルから六十キロリットルに引き下げられました。 これは、私も大蔵委員また規制緩和特別委員をやらせていただいておりまして、本当に画期的なことだと思っておりますけれども、これから地ビールをつくろう、地域文化の発展をその地ビールで図ろう、こう考えていらっしゃる方にいろいろ聞いてみますと、六十キロリットルでもまだその敷居は高過ぎる、そういう意見をよく聞きます。 一年間六十キロリットルといいますと、大体一日にドラム缶一本、ビールの大瓶で二百六十本に当たるそうです。地方の村とか町でビールをつくろうとするとかなり大きな量である。それから、今地ビールが非常に発達して地域文化に貢献している国としてアメリカが挙げられますが、アメリカの場合も、地ビールが定着しているその理由は、レストランで売られている。 大手のビールメーカーのように実際に瓶や缶に詰めて売るということになりますと、当然大量生産の大メーカーにはコスト的にかなわないわけでございまして、ビールというのはっくつてすぐ飲むのがおいしいと言われておりますから、つくったものをレストランに来た方にすぐ提供する、どうしてもそういう形で地ビールというのが普及している。そういう現状を考えますと、六十キロリットルでは、レストランで食事をしに来られた方に自慢のビールを提供するという形での地ビールというのは、日本ではちょっと無理ということになります。 そういうわけで、鳴り物入りで規制緩和、規制緩和、六十キロリットルということになりましたけれども、いざふたをあけてみれば何ら規制緩和になっていない、こういう確度の高い予測もあるわけでございます。六十キロリットルではなく、レストランでも売れるように、しょうちゅう乙類に準じてせめて十キロリットル程度に落とせないか、こういう要望が非常に強いわけでございますが、この点についてはいかがでございましょうか。
○薄井政府委員 ただいま先生からお話ありましたように、今回の酒税法の改正で、画期的とおっしゃっていただきましたが、二千キロリットルからその三十三分の一ということで六十キロリットルまで引き下げをさせていただきました。 この酒類の製造免許について、最低製造数量が設けられている背景と申しますと、これは国の重要な財源といいますか、酒税も重要な財源なのですが、その保全を図るために設けられているものでございまして、今回の製造数量基準の見直しに当たりましては、酒税の保全ということも考えつつ、あわせて、御指摘のありました緊急経済対策で盛られました考え方を受けまして決断をしたところでございます。 したがって、どこがいいかというのは、どこで線を切るかということになるのですけれども、その点について触れてまいりますと、流通ルートに乗せて販売しております既存のビールメーカーとは違う売り方があり得るだろう、それはアメリカなどを見てみれば、マイクロブルーワリーあるいはブルーワリーパブといったような、今御指摘のような生産地直販あるいはチェーン店を利用した生産販売、こういった手法の場合にどのくらいの数量まで下げていけばいいかということを検討させていただいたわけです。 結果的には六十キロリットルとしたわけですが、地ビールというお話がありましたように、清酒の場合のいわゆる地酒も製造数量というのは大体この程度のものでございますし、それからアメリカの例も調べてみますと、小さいところも確かにありますが、七割、八割のメーカーはこの六十キロリットル以上、百キロリットル以上の生産をされているというような実情を踏まえまして、一番のポイントは二千キロリットルから下げてきているというそこを御理解賜って、今回の改正について御理解をお願いしたいと思います。
○斉藤(鉄)分科員 そうなのかもしれませんけれども、釈迦に説法でございますが、規制緩和というのは今回羽田政権のまさになさなければいけない一番重要な課題、そしてその旗頭に地ビールがあるんじゃないかな。しかし、言った割には現実問題として何も緩和されなかった、数字としては確かに下がったけれども、現実問題として地ビールをつくるところはどこもなかったということでは、羽田政権の姿勢を疑われることになりかねません。そういう意味で、実効あるものにするためにも、やはりもう少し下げるべきだ。 それから先ほど、最低製造数量の趣旨としては過当な販売競争による酒税保全上の問題ということもおっしゃいましたけれども、アメリカの場合を見てみますと、いわゆる地ビールは種類はたくさんあってかなり繁栄しているように見えますが酒税上は約一%そこそこだというふうにも聞いております。 そういう意味で、やはり大半の酒税は大メーカーが納める酒税でございまして、地ビールは税収上という意味ではほとんど意味がないというふうにも聞いております。そういう意味でも、規制緩和を実効あらしめるためにも、ぜひもう一度御再考いただけないでしょうか。
○薄井政府委員 ビールをつくるには大変な装置が要るというふうに私ども考えておりましたし、少し前まではそうだったわけです。したがいまして、二千キロリットルというのは当然の水準だと思っておったわけですが、今やそうでない。いろいろな考え方なり、機械、装置が考案されて、地ビールというような形で提供できるようになった。それにしてもかなりのお金が製造のために設備投資されないといけないというような事情を考えますと、六十キロリットルというのは現状において適切な水準であると私ども思っております。 それから、アメリカの税収の話が出ましたが、アメリカでは確かに小規模業者に対して低減税率を適用しているようなこともあって税収は落ちているんだと思いますが、この点については、ガットで、これはガット違反であるという指摘を受けているような状況です。同じビールであるならば同じ税金であるべきだという指摘を受けていると聞いておりますので、そういった点も御考慮いただきたいと存じます。
○斉藤(鉄)分科員 わかりました。 四月一日からスタートしました。今後の状況を 見まして、六十キロリットルで実効がないというふうな現状になった、そういう認識をされた場合には、ぜひ前向きな対応をお願いしたいと思います。 先ほどもお答えの中に出ました低減税率の話でございますが、地ビールは小規模な製造ということで、一本一本のビールにしてみれば非常にコストの高いものについてしまう。そして、それに非常に高いビールの酒税が適用される。こういうことになりますと、地ビールというのは非常に高いものについてしまう。最初は物珍しかったけれども、いざ毎日飲むとなると非常に高くて、やはりついつい今まで飲みなれた、もとの何とかビールを飲むようになってしまう。こういうことも言われております。 それで、低減税率、ガット違反という声もありましたけれども、現に日本では清酒に低減税率が適用されている、そういう例もございまして、租税特別措置法八十七条に、中小業者、年間当たり製造量が千三百キロリットル以下であるような業者の蔵から出される清酒については二百キロリットルまで低減税率を適用する、二百キロリットルまでが百分の七十、七〇%の低減税率を適用するという例も清酒にございます。 そういう意味で、今後、地ビール文化を日本に育てていくために、最初はみんな非常に小さい製造から始まるわけでございますので、この低減税率を適用して、大手製造メーカーのビールに比べて安いビールが、それでも、百分の七十ぐらいでは大手メーカーのビールに比べて安くなるとは思いませんが、それでも低減税率を適用して普及を図る、こういうお考えはございますでしょうか。
○薄井政府委員 間接税であるお酒の税金につきましては、税金の原則といいますか、考え方からすれば、どなたがおつくりになったかということとは別に、それを飲まれる、消費される方の立場から考えると、同じ負担でないとこれは公平でないというふうに思います。 したがいまして、清酒について御指摘のありましたのが極めて例外である。なぜそんな例外が今制度に持ち込まれているかという背景を申し上げますと、日本もガットのパネルで負けまして、負けましてというか指摘を受けまして、日本のお酒の税金というのは特級、一級、二級と級別がついている。特級というのはヨーロッパなりアメリカから輸入されるお酒であって、それに高い税金をかけているのは国内産品の優遇であってけしからぬということがパネルで指摘されました。 これを受けまして、私ども長い間維持してきておりました級別をやめて、今や清酒でもそういうものは何もついておりません。級別はありません。となりますと、いわゆる地酒、二級酒をつくっておられた方々の税金が非常に上がってしまったわけです。大幅増税になったその清酒等の中小零細業者に対して、一定期間だけ激変緩和措置をとらなくてはいけないということで、現在御指摘のような制度をとっておるわけでございまして、期間が過ぎれば、お酒はお酒ですから同じ負担になっていくべきものと私ども考えておりまして、同列に論じることは適当でないと思っております。
○斉藤(鉄)分科員 なかなかガードがかたくてあれなのですけれども、趣旨は、地ビール、せっかく二千キロリットルから六十キロリットルと非常に画期的な規制緩和をしたわけでございまして、その実が上がるように、しゃくし定規な解釈ではなくて、何が目的かという、何のためにやっているんだというそのことを見据えた弾力的な運用をお願いしたいと思います。
○藤井国務大臣 きょうは斉藤委員から地ビールの話をしていただいて大変ありがたく思っておりますし、御指摘のように前細川内閣以来、規制緩和というのは重要な内閣の施策だと思うのですが、その中でやや目玉的という言葉がいいのかどうかわかりませんが、この地ビールが世間に喧伝されていることも事実でございます。 そういう状況の中で、今斉藤委員御指摘のように、これが何か大きく花火を打ち上げたけれども実になっていないのでは、やはり内閣として大変大きな責任だと思っております。したがって、まず現状、今お話のように、では六十キロでどういうことになるかというのは見守っていかなければならぬと思いますけれども、本当に実のなる規制緩和であったということにすべく考えております。
○斉藤(鉄)分科員 どうもありがとうございました。 時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、今後とも地ビール文化をこの日本の地に花開かすために御努力を願いたいと思います。どうもありがとうございました。
○山本主査 これにて斉藤鉄夫君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして大蔵省所管についての質疑は終了いたしました。 大蔵大臣初め政府委員各位、御苦労さまでございました。 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 分科員各位の格段の御協力を賜りまして、本分科会の議事を無事終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。 これにて散会いたします。 午後七時五十二分散会