予算委員会第四分科会 第1号
- 発言数
- 323 件
- 登壇者
- 45 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1994/06/07
会議録
○土田主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 本分科会は、厚生省及び労働省所管について審査を行うことになっております。 なお、各省所管事項の説明は、各省審査の冒頭に聴取いたします。 平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計予算及び平成六年度政府関係機関予算中厚生省所管について、政府から説明を聴取いたします。大内厚生大臣。
○大内国務大臣 平成六年度厚生省所管一般会計及び特別会計予算の概要について御説明申し上げます。 平成六年度厚生省所管一般会計予算の総額は十三兆六千百九億円、平成五年度当初予算額と比較いたしますと四千三百五十七億円、三・三%の増加となっております。国の一般会計予算総額に対し一八・六%、一般歳出に対し三三・三%の割合を占めております。 厚生省予算につきましては、非常に厳しい財政事情のもとにおいても、年金、医療、福祉といった国民生活の基盤の確保を図るため、必要な予算の確保を図っております。 以下、その主要施策について御説明申し上げます。 第一に、年金制度の改正であります。 公的年金制度については、本年の財政再計算に当たり、今後とも国民の生活を支える柱として先行きに不安のない仕組みとするとともに、二十一世紀の本格的な高齢社会にふさわしい仕組みとするため給付と負担の均衡を図る等必要な見直しを行うこととしております。具体的には、高齢者雇用との連携を図りつつ、六十歳代前半の老齢厚生年金について見直しを行うとともに、年金額の引き上げ、遺族年金、障害年金の改善、保険料の適切な見直し等所要の改正を行うこととしております。 第二に、医療保険制度及び老人保険制度の改正であります。 人口の高齢化の進展や医療に対する国民のニーズの多様化、高度化などに適切に対応しながら、二十一世紀に向けて良質な医療を効率的かつ安定的に供給するため、付添看護・介護の解消や在宅医療の推進、入院時の食事に係る給付の見直しなどを一体的に実施することとしております。また、老人保健制度については、利用者本位・在宅ケアの重視を基本に、保健、福祉の均衡のとれた施策の総合的推進を図ることとしております。 また、診療報酬につきましては、本年四月から三・三%の引き上げを実施し、さらに、十月からは、制度改正を前提に一・五%、合わせて四・八%の引き上げを行うこととしております。 第三に、児童家庭対策についてであります。 子供が健やかに生まれ育っための環境づくりを進めるため、総合的な児童家庭対策を推進することとし、その第一段階として、エンゼルプランプレリュードと銘打ち、子育て支援のための基金の創設、時間延長型保育サービス事業の充実、職場内保育施設への運営費助成の創設などを行うこととしております。また、本年は国際家族年でありますことから各種記念事業を実施することとしております。 第四に、高齢者保健福祉対策については、高齢社会において、国民が安心して老後を送ることができるよう「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を着実に推進してまいります。特に、ホームヘルプサービス事業などの在宅対策や特別養護老人ホームなどの整備について大幅な拡充を図ることとしております。 第五に、障害者等の福祉対策についてであります。 障害者福祉対策につきましては、自立と社会参加を目指し、障害者や高齢者にやさしいまちづくり推進事業を創設するとともに、障害者の明るいくらし促進事業の充実等を図ることとしております。 また、福利厚生センターの創設等社会福祉事業従事職員の養成確保対策の充実を図るとともに、市町村ボランティアセンターの新設などボランティア活動振興のための基盤整備を行うこととしております。 第六に、水道・廃棄物処理対策についてであります。 水道施設につきましては、生活先進国にふさわしい水道を整備するため、簡易水道の普及とともに、高度浄水施設など安全で良質な水道水の安定供給のための施設整備を進めることとしております。 また、廃棄物処理対策につきましては、ごみ排出量の増大に対応するため、施設の計画的整備を推進するとともに、ごみの減量化、再生利用などを進めるため、施設整備、啓発活動の充実を図ることとしております。 さらに、生活排水対策として水道水源地域を重点に合併処理浄化槽の設置整備を推進することとしております。 第七に、疾病対策についてであります。 がん対策につきましては、「がん克服新十か年戦略」に基づき、がんの克服を主眼とした臨床応用や予防研究を実施するとともに、がん診療情報ネットワークの整備を推進することとしております。 エイズ対策につきましては、新たにエイズストップ七年作戦を展開することとし、医療体制の充実、エイズ治療薬等の研究開発、さらには国際協力の推進などを図ることとしております。 以上のほか、保健医療対策の充実、食品の安全対策、安全な医薬品の確保、戦傷病者戦没者遺族等の援護対策、原爆被爆者対策などの諸施策の推進を図ることとしております。 なお、委員各位のお手元に資料が配付されておりますが、厚生省所管一般会計及び特別会計予算の主要経費別概要につきましては、お許しを得て説明を省略させていただきたいと存じます。 今後とも国民の健康と福祉の向上を図るために、厚生行政の推進に一層の努力をしてまいりたいと考えておりますので、何とぞ、格別の御支援、御協力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。 ありがとうございました。
○土田主査 この際、お諮りいたします。 厚生省所管関係予算の重点項目については、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土田主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔大内国務大臣の説明を省略した部分〕 次に、平成六年度厚生省所管一般会計予算の概要を主要経費別に御説明申し上げます。 第一は、社会保障関係費のうち、生活保護費につきましては、総額一兆五百二十四億円を計上しております。 生活保護費につきましては、国民生活の動向等を勘案して改善を図ることとし、生活扶助基準につきましては、平成五年度に比し、丁六%引き上げることとしたほか、教育扶助基準等の改善を行うこととしております。 なお、引き続き制度の趣旨に沿って適正な運用を図ることとしております。 第二は、社会福祉費でありますが、総額三兆千八百七十五億円を計上しております。 まず、児童家庭対策につきましては、共働き家庭等を支援するため、乳児保育、障害児保育等の特別保育対策の一層の充実を図るとともに、小児慢性特定疾患児の福祉の増進のための手帳交付事業の創設や、ひきこもり・不登校児童福祉対策モデル事業の充実、児童扶養手当の引上げ等を図ることとしております。 次に、高齢者保健福祉対策についてでありますが、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の着実な実施を図るとともに、ショートステイの利用期間の弾力化、ケアハウスにおける介護職員の増員、早朝又は夕方の利用が可能となるようなデイサービス事業の拡充、在宅サービス施設の複合的整備、さらには分散型老人保健施設の整備等を行うこととしております。 障害者等の福祉対策につきましては、障害者の自立や社会参加のための身体障害者デイサービス事業や精神薄弱者グループホームの拡充、いわゆる小規模作業所に対する運営費補助の改善等を行うこととしております。 社会福祉施設整備につきましては、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」に基づき、所要の施設整備の促進を図るとともに、重度障害者施設等について所要の整備を行うこととしております。 また、社会福祉施設の運営費の改善につきましては、職員の勤務時間の短縮を進めるとともに、生活費の引上げ等入所者の処遇改善等を図ることとしております。 以上のほか、地域における民間社会福祉活動を推進するため、地域社会のボランティアを活用したふれあいのまちづくり事業等の拡充強化を図ることとし、また、婦人保護事業や地域改善事業の実施等につきましても所要の措置を講ずることとしております。 第三は、社会保険費でありますが、総額八兆千三百五十九億円を計上しております。 まず、社会保険国庫負担金につきましては、総額九千三百六十九億円を計上しております。 なお、政府管掌健康保険の国庫補助につきましては、平成六年度の特例措置として国庫補助金繰入れ額を千二百億円減額しております。 次に、厚生年金保険国庫負担金につきましては、総額二兆九千七百九十一億円を計上しております。 次に、国民年金国庫負担金でありますが、総額一兆四千三百八十九億円を計上しております。 なお、一般会計から国民年金特別会計への繰入れの平準化措置による平成六年度の加算額二千八十二億円を繰り延べることとしております。 国民健康保険助成費につきましては、総額二兆七千五百六十一億円を計上しております。 以上のほか、健康保険組合につきましては、引き続き運営の安定化対策を講ずることとしております。 第四は、保健衛生対策費でありますが、総額六千五百九十九億円を計上しております。 本格的な高齢社会において、国民が健康な生活を享受できるよう、骨粗鬆症健診事業の実施を始め健康づくりや成人病の発生予防対策を積極的に推進するとともに、老人保健事業につきましては、引き続き健康教育、健康相談、機能訓練等の充実を図ることとしております。 疾病対策につきましては、主要施策で申し上げたがん対策、エイズ対策の推進のほか、難病患者の在宅医療、精神障害者の社会復帰対策、予防接種対策の充実を図るとともに、引き続き臓器移植対策及び結核対策の推進を図ることとしております。 地域保健医療対策につきましては、保健所機能の充実強化、市町村保健センターの整備促進を図るとともに、医療施設の近代化の促進、救急医療体制の整備、へき地保健医療対策等の充実を図ることとしております。 さらに、難病、エイズ等対象とする患者数が少ないため、開発が進んでいない希少疾病用医薬品等の研究開発の推進を図ることとしております。 原爆被爆者対策につきましては、医療特別手当等各種手当を引き上げるなど原爆被爆者対策の推進を図ることとしております。 以上のほか、保健・医療施設の整備、食品等の安全対策、血液対策、麻薬・覚せい剤対策等の経費を計上しております。 第五は、恩給関係費のうち、遺族及び留守家族等援護費でありますが、総額千二百十二億円を計上しております。 まず、遺族年金等につきましては、恩給の引上げに準じて額の引上げを行うこととしております。 また、ソ連抑留中死亡者等の遺骨収集、慰霊巡拝等の慰霊事業、戦没者追悼平和祈念館(仮称)の建設等の事業を実施するとともに、中国残留孤児及び残留婦人等に対する施策の充実を図ることとしております。 第六は、公共事業関係費のうち、環境衛生施設整備費でありますが、総額三千二十四億円を計上しております。 まず、水道施設整備費でありますが、簡易水道及び高度浄水施設等の水道施設の整備を推進することとしております。 また、廃棄物処理施設整備費につきましては、ごみ処理施設、リサイクルセンター、最終処分場、合併処理浄化槽等の積極的な整備を図ることとしております。 以上が、平成六年度厚生省所管一般会計予算の概要であります。 次に、平成六年度厚生省所管特別会計予算について申し上げます。 第一に、厚生保険特別会計につきましては、一般会計から三兆九千百九十六億円の繰入れを行い、各勘定の歳入、歳出予算を計上しております。 第二に、船員保険特別会計につきましては、一般会計から七十億円の繰入れを行い、歳入、歳出予算を計上しております。 第三に、国立病院特別会計につきましては、一般会計から二千五百八十八億円の繰入れを行い、各勘定の歳入、歳出予算を計上しております。 第四に、国民年金特別会計につきましては、一般会計から一兆四千三百八十九億円の繰入れを行い、各勘定の歳入、歳出予算を計上しております。 以上が、平成六年度厚生省所管特別会計予算の概要であります。 何とぞ、格別の御協力を賜りますようお願い申し上げます。 ―――――――――――――
○土田主査 以上をもちまして厚生省所管についての説明は終わりました。 ―――――――――――――
○土田主査 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑時間はこれを厳守せられ、議事の進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上田勇君。
○上田(勇)分科員 公明党の上田勇でございます。 本日は、大内大臣初め厚生省の皆様、早朝より大変御苦労さまでございます。 きょうは、国民生活と密接な関係にあります福祉、医療等厚生省所管の問題について何点か質問をさせていただきます。 まず初めに、高齢者福祉の問題についてでございます。 先ほど大臣の御発言の中にもありましたが、厚生省では「高齢者保健福祉推進十か年戦略」いわゆるゴールドプランを策定いたしまして、それに基づいて各自治体におきましては老人保健福祉計画を策定し、着実な整備を進めているところであります。 これまでは、首都圏などの大都市圏では比較的高齢者の人口の割合が低いということもあったのですが、こうした地域におきましても現在高齢化が急速に進んでおり、こうした福祉政策の推進が急務となっているのが現状でございます。例えば私の地元の横浜市におきましても、ゴールドプランに沿って策定された計画を見てみますと、平成十一年度までに、例えば特別養護老人ホームだとこれから二十三カ所、二千三百床、老人保健施設だと四十二カ所、約四千二百床を増設するというような計画になっております。 先日、新聞でも、大都市ほど特養老人ホームの入所待機者が多い、なかなか入れないという現実がある。例えば東京都では一万七千人、私の地元の神奈川県でも三千六百人の入所できないお年寄りがいるというふうに報じられていたところであります。 大都市圏におきましては、こうした施設を整備していくに当たりまして、これまでのさまざまな土地の問題のこともありまして、用地の取得に要する費用が極めて高くなっております。また同時に、建設費や人件費もその他の地域に比べますと割高になっておって、各自治体にとっては大きな負担になっているのじゃないかというふうに思います。 また、用地費が高いために、このような福祉施設がどうしても比較的土地価格の安い市の周辺部あるいは交通の不便なところに設置されるケースも多く見られまして、長年住みなれた土地からどうしても離れなくてはならない、そういったお年寄りの切実な声もたくさん聞いております。 特養老人ホームや老健施設の整備に当たりまして、ただいま申し上げましたような大都市圏の実情に即応するような支援対策を講じていくことが私は必要であると考えておりますが、現在どのような対策を講じておられ、また今後さらにその対策をどういうふうに充実させていかれる考えなのか、お伺いしたいと思います。
○横尾政府委員 大都市部の特別養護老人ホーム及び老健施設の整備の促進策でございますが、おっしゃいますように、用地の制約というものと建築単価ということが二大問題であろうと思っております。 用地の制約につきましては、特に高層化あるいは他の福祉施設との複合化、あるいは他の公共施設、例えば小学校や中学校との合築、こういった形で用地の制約を乗り越えていただきたいと存じまして、高層化についての割り増し単価あるいは複合化についての融資制度を設けているところでございます。また、小中学校の合築については、関係方面の理解を得て、徐々にそういった試行的な取り組みがなされてきているところであると認識をしております。 また、建築単価につきましては、平成五年度から都市部において一〇%までの割り増し単価の制度を設けたところでございまして、本年度においても九%の改善を図ったところでございます。 また、老人保健施設でございますが、老人保健施設は定額の、一カ所当たり幾らという補助制度を設けておりまして、これが一般的な場合には一カ所当たり千五百万ということでございますが、大都市につきましては、大都市の加算でありますとか高層化とか複合化の加算という形で、例えば六千二百万円でありますとか八千七百万円といったような、他に比べて大幅な補助が行われるようにしたところでございます。 しかしながら、なかなか老健施設の大都市部での整備が進みませんところから、平成六年度からは分散型の老健施設の整備という方式を生み出しまして、例えば老健施設機能の中でデイケアの部分は多少離れた地域に設置をすることもできるというような規制緩和も行ったところでございます。 今後ゴールドプランを進めていく中で、基本となります特別養護老人ホーム及び老健施設の整備につきまして、さらに検討を進めてまいりたいと思っております。
○上田(勇)分科員 この問題につきまして、先日、厚生省さんからも、こうした施設の用地費に対する補助というのが、土地という資産の性格上補助になじまないという御説明を受けました。私もそれは十分理解するところでございますが、実際、大都市圏におきましてこれから整備が急務である、それを確保していかなければいけないという現実がございます。そうした中で、今後、用地の手当て、あるいは今御説明ありましたようなさまざまなアイデアを出していただきまして、その整備促進ができるように特段の御配慮をお願いしたいというふうに考えております。 次に、高齢者福祉を進めるに当たりましては、施設の整備もこれまた重要でありますが、それと同時にやはり従事する人材の養成、確保、これが重要ではないかというふうに考えます。現在、看護婦や介護福祉士等の資格や経験を持っておられて、またなおかつ仕事にぜひともつきたいという意欲を持っているにもかかわらず、現実には労働条件が整備されてなかったり、また非常に過酷な労働条件のもとにあったり、相応の処遇が行われていないというような実情もありまして、そうした方々の知識や経験が十分には活用されていないというような声も福祉の現場からはよく伺うところであります。 今後、看護婦、介護福祉士等福祉に従事される人材の養成、それからまた処遇の改善について必要であるというふうに考えておりますけれども、その辺の厚生省の御方針をお伺いしたいと思います。
○土井政府委員 ただいま御質問がありました福祉、保健医療の分野における人材確保の問題でございますが、私どもも重要な課題と受けとめております。御案内のとおり、平成四年にはマンパワー二法を制定していただきまして、それに基づきまして、今お話がありました養成力の確保、就業の促進、資質の向上、処遇の改善などの面にわたりまして総合的な対策に取り組んでいるというところでございます。 御質問の点につきまして具体的に申し上げますと、養成力の強化策といたしましては、介護福祉士あるいは看護婦等の養成施設の整備費に対する助成、それからそこに学ぶ学生に対する修学資金、こういったものを充実しているところでございます。 また、処遇の充実策でございますけれども、これはいろいろな意味での勤務条件の基礎的な条件整備ということがございます。それと同時に、福利厚生面での充実ということも肝要でございまして、看護婦さんのための院内保育所の整備あるいは社会福祉事業従事者の福利厚生事業を全国的な形で実施をしようということで、新年度予算の中に福利厚生センターへの新たな助成というようなことも盛り込んでおりまして、平成六年度の予算案においてもできるだけの努力をしているところでございます。
○上田(勇)分科員 また、ただいまの質問と関連してでございますが、今国会に提出されております医療保険制度、老人保健制度改正案におきまして、いわゆる介護職員の院内化ということが含まれております。私は、いろいろ御説明を聞く中で、この改正が患者の経済的負担を大幅に軽減する方向であるということについて大変評価しているところでございますが、ただ気になるのが、一部の方々から、こうした改正が行われると病院職員などの労働の強化につながるのではないか、そういう御懸念も耳にしております。このことについていろいろな御批判がある中においての御所見と、また、そうした事態が生じないためにどのような対策を考えられているのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○多田政府委員 今回提出させていただいております法案で、付添看護の解消ということをうたっておりまして、これにつきましては先生も御評価いただいて、大変ありがたいと思っているのでございます。それに伴いまして、病院が必要な職員を確保しないで労働強化につながっていくなどということがあってはならないということについては、私どもも十分その点を配慮していかなければならないと考えているところでございます。 積極的に病院が介護職員を雇用するという側面からは、何といっても診療報酬上の手当てというものが非常に大切でございます。こういう意味で、診療報酬上の評価につきまして、既に二月の中医協におきましても、計画的に付き添いのない病院への移行を促進するため家政婦などを院内化する場合の経済的な評価ということをきちっとやる、あるいは看護婦、准看護婦及び看護補助者が今一体となっている看護料体系というものを見直して、看護婦及び准看護婦を評価する体系と看護補助者を評価する体系をはっきり分けて、それを組み合わせていくことによって明示的に看護補助者の位置づけも考えていくようなことなど、基本的な方向を示しておられるところでございます。 いずれにいたしましても、これから中医協の御議論をさらに踏まえて、こうした看護補助者を評価する体系のもとで、医療機関における賃金の実態などを十分勘案しながら、必要なマンパワーの確保を図られるように努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
○上田(勇)分科員 現在こうして医療、介護の現場に携わっている方々は大変な条件の中で仕事をされているというふうに聞いております。また、とりわけいろいろな面で、そうした方々の仕事に対する評価といったものがなかなか十分にないというような、いろいろな御不満も聞く中でありまして、これからどうしてもそういう方々に高齢者福祉に対していろいろな貢献をしていっていただかなければならないのが現実でございますので、ぜひとも本当の意味で意欲のわく、また労働条件も改善されまして、処遇も適正に行われるような十分な配慮を今後ともよろしくお願いしたいというふうに思います。 次に、安心できる老後のための対策が重要であると同時に、やはりこれからもう一つの、少子社会ということにおきましては、子育てを支援していくための対策ということも極めて重要な課題というふうに考えております。 平成六年度の予算案に駅型保育モデル事業というのが新規に計上されていると伺っておりますが、今年度からモデル事業としてスタートさせるということでありますけれども、私は、この事業は女性の積極的な社会参加を支援していく上でとても注目に値するものだというふうに考えております。今後この事業の拡充をどんどん図っていくべきであるというふうに考えておりますが、今後の取り組みの方針をぜひお聞かせ願いたいと思います。
○瀬田政府委員 先生御指摘のように、働く女性の増加や就労形態の多様化に伴いまして、仕事と子育ての両立を支援するためのきめ細かな保育サービスの充実が必要となってきております。そのため、今年度の予算案におきましても、延長型保育サービスの充実とか乳児保育の充実強化というふうなことをお願いしているわけでございますが、その一環として、先生御指摘のような駅型保育事業というものを始めることにしたわけでございます。 駅型保育モデル事業というのは、最寄りの駅ビル等に保育施設を設けまして、通勤の便を考えた保育サービスというものをモデル的に実施をしてみよう、こういった事業でございまして、平成六年度予算案に、先生御指摘のように新規事業として盛り込ませていただいておるわけでございます。 この事業は、初年度におきましては全国八カ所において実施することを考えておりますが、今後とも、こういった多様な働く女性のニーズに対応いたしまして、できるだけきめ細かな保育サービスの充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
○上田(勇)分科員 先日この事業につきましてお伺いした折に、新規の事業でもございまして、事業の詳細な内容であるとか採択あるいは助成のための要件等についてはこれから具体的に詰めていくというようなお話でございました。その点はぜひとも早急に詰めていただく必要があるわけですけれども、現実の問題としては、駅周辺ということになりますと、場所の確保の問題であるとか、要件が余り厳し過ぎますと確保がなかなかできないのではないかということが予想されます。もちろん当初は、先ほどお話しのようにモデル事業ということで八カ所ということでありますが、これをさらに拡充していくことも当然予想される中で、その辺の事業の詳細というのでしょうか、またさらにそれの助成を受けるための要綱等について、基本的な考え方、方針について現時点でわかっていることがあればお伺いしたいと思います。
○瀬田政府委員 駅型保育事業といたしましては、設置場所といたしましてできるだけターミナル駅ということを考えておりまして、通勤に便利な、不特定多数の企業が入居するようなオフィスビルといったものを対象にしたいと考えて現在交渉を進めている、こういう段階でございます。 この駅型保育モデル事業に対する補助といたしましては、一定の面積が必要になるわけでございますので、その賃借料と申しますか、それから運営費といったものを補助したいというふうに考えて交渉を進めている、こういう段階でございます。
○上田(勇)分科員 この事業の詳細等についてはこれから具体化を図っていかれるということでありますので、その点はぜひとも詳細に、また、これが本当に有効に活用できる事業となるように御検討をいただきたいと思います。 次に、少し話は飛ぶのですが、現在国内で働いている外国人の方々の医療の問題についてお伺いしたいと思います。 現在、とりわけ大都市部を中心といたしまして、多数の外国人の方々がさまざまな仕事に従事しております。入国の経緯であるとか滞在資格の問題などいろいろな場合がありますけれども、こうした外国人が日本の経済の一部を担っているというのは、これは否定できない事実となっております。 いわゆる不法に滞在している外国人が、例えば病気になったりけがをした場合に、現行の日本の医療制度の対象の外に置かれておりますので、現実にさまざまな問題が生じております。 医療費の負担が高過ぎるために、重い病気にかかっていてもなかなか病院に行こうとしないという例とか、また、仕事でけがをして病院に運び込まれてもたらい回しにされたりした事例も聞いております。そうした人道上非常に悲惨な事例というのを私も数多く耳にしております。また、これは病院側の立場に立ってみますと、仮に善意で診療しても、その代金が保険でカバーできないので未払いのままになってしまって経営を圧迫してしまうという現実があるのではないかというふうにも思います。 今、日本は、国際化を進めるという日本の立場といたしまして、こうした外国人が、たとえ不法に滞在しているとはいえ、基本的な人権にも属するような医療サービスの適正な最低水準のものは提供すべき義務があるのではないかというふうに考えます。 多くの自治体におきましては、現実の問題として、実際にそういう病気やけがの外国人の方がおられた場合に、人道的な見地からさまざまな支援策を実施しているのが現状でありますが、日本の中で今さまざまな仕事に従事されている外国人の方々の問題というのは、これは国の医療や労働、外交等の基本政策にかかわるものであるというふうに私は認識しております。 もちろん、これはもう医療だけの問題ではなくて労働政策、外交政策の問題でもありますが、厚生省だけで対応すべき問題とはとても思っておりませんけれども、厚生省としてこうした問題にどのように対処されていく考えなのか。また、それぞれ各自にさまざま対策を実施している自治体等に対して、厚生省からはどのような協力を考えられているのか、その点について御見解をお伺いしたいと思います。
○大内国務大臣 御指摘の問題は極めて現実的かつ深刻な問題でございまして、先般来羽田総理からも、この外国人労働者に対する医療問題について真剣に検討してほしいという強い要請がございました。 御案内のとおり、適法に我が国に滞在している外国人労働者につきましては、内外無差別の原則に立ちまして日本の各制度が適用されているわけでございますが、御指摘のように約三十万人になんなんとする単純労務に従事されているような外国人、不法滞在者といいますか、につきましては、これは不法滞在を助長することがあってはならないわけでございますので、そういう面から医療保険等の適用が現在はなされていないわけでございます。 そうした状況によりまして、これらの不法滞在者が医療機関で受診した場合に、その費用が払えないとか未払いになるケースも生じておりますし、また、幾つかの事例を御指摘いただきましたように、人道上からも看過できないといったような問題もあるわけでございます。 したがって私どもは、この問題につきましては、適法滞在者とのバランスという問題は一つ考えなきゃなりませんし、また、本人や事業主の責任との関係につきましても整理しなければなりませんが、やはり基本的には人道主義という立場に立ちましてこの問題を根本的に検討しようということから、今有識者から成る検討会というものの設置を平成六年度予算案の中で具体的に提唱しているわけでございまして、この予算をお通しいただきますと、直ちにその検討会が発足いたしまして早急に結論を出す、こういう体制にあることを御報告申し上げます。
○上田(勇)分科員 こうした外国人の労働者の方々、アジアや南米の諸国から来られている方が多いわけですけれども、いろいろな滞在の資格の問題であるとか法的要件の問題については、当然のことながら、労働省さん、外務省さんを含めた検討がこれからいろいろ必要であるというふうに考えております。ただいま労働省の方との協議を開始されていることは大変に大きな前進ではないかというふうに考えます。 特に、これら外国から来られる方々が、不法とはいえ現実の問題として今日本の産業構造の中に組み込まれていて、実際にいろいろな仕事の現場に携わっている。特に中小企業の経営者などの話を聞きますと、若干今は景気の落ち込みもありまして人材に余裕があるというものの、景気回復していけば、特に単純作業を中心にして、どうしてもそういう外国人の方々の手をかりないと採算がとれないというような声を聞くところであります。 と同時に、そういった方が仕事の途中などでけがをした場合などに、経営者としてもそれを全部見るということになると非常に大きな負担になる。逆に、それをほっておくというのも人道上非常にたえがたいというような、本当に切実な声を伺っているところであります。ぜひとも、この点について早急に前向きな御検討をお願いしたいというふうに考えているところであります。 次に、最後になりますが、大都市といえばどこでもいわゆる簡易宿泊密集地域というのがあります。私も現在、こうした地域と隣接するところに住んでいるわけでありますけれども、そこの方々、住民の方々、また、いわゆるホームレスの方々の福祉対策についてお伺いしたいというふうに思います。 現在、長引く不況のためにこうした住民の方々の生活がこれまで以上に困窮しまして、その結果、周辺地域を含めた地域の安定や、また治安の問題等も懸念されているのが現状であります。また、なかなか仕事が見つからずに結局ホームレスになってしまう、そういった事態も現実に生じております。 自治体におきましては、緊急避難的な住居や食事の提供あるいは定期的な健康診断等の医療サービスなどの諸般の福祉対策を実施しておりますが、そのための経費が年々増大しているというような声を伺います。国としても、こうした人たちは定住しているわけじゃない方々も多いので、その辺の対策というのがなかなか難しいかもしれませんが、ぜひとも、都市の中心部の安定と安全に資するためにも、生活保護等福祉対策の充実を図っていただきたいと思いますが、この点についての御所見をお伺いしたいと思います。
○土井政府委員 ただいま御質問の点は、大変私どもも頭の痛い問題だと感じております。 ただ、生活保護制度につきましては、御案内のとおり、稼働能力その他あらゆるものを活用していただいて、しかも、今お話がありましたが、安定した居住地といったものを前提にしてその制度を適用していくという仕組みでございまして、お話しのような労働者あるいはホームレスの方々の対応策としてなかなか十分対応し切れない。もちろん、今言ったような要件を満たす場合にはこれを適用していくということで対応が可能となっておりますけれども、多くの方々がそういう要件を満たしていないというような事情にあると伺っております。 そういう状況の中で大都市地域、これは特定の大都市地域だと私ども伺っておりますけれども、そういう中で地方自治体単独の施策を講じておられるということでございまして、それに対して国が助成を行えないかという地方自治体からの要望も伺っておりますけれども、限られた自治体の単独事業ということで、なかなかそういう点での打開も難しいのではないかというのが今日の私どもの理解でございます。
○上田(勇)分科員 なかなか難しい問題でありまして、大変なことではないかと思いますけれども、私ども地元におきましても大変な問題になっております。また、そうした地域に住んでいる方々の立場も考えますと、ぜひとも前向きな検討をお願いしたいというふうに考えているところでございます。 きょうは、いわゆる大都市を中心といたしましたいろいろな福祉や医療の問題について何点か質問をさせていただきましたが、時間でございますので、これで質問を終わらせていただきます。大変ありがとうございました。
○土田主査 これにて上田勇君の質疑は終了いたしました。 次に、横光克彦君。
○横光分科員 横光克彦でございます。よろしくお願いいたします。 まず最初に、障害者基本法についてお尋ねいたします。 我が国は、経済先進国と言われておる国でありながら、身体的また精神的障害などによる社会的なハンディキャップを抱えている人々に対する施策や国民意識が非常に立ちおくれていたわけでございますが、それでも、ここ十数年でいろいろな改善が図られ、国民の理解もかなり進んでまいりました。そして、昨年十一月、参議院で心身障害者対策基本法が改められまして、障害者基本法という法律に改正されたわけでございます。これは二十三年ぶりの大幅な改正となったわけで、今回の改正は新法と言ってもよいくらいな大きく踏み込んだ改正であろう、そういうふうに思っております。 そこで、新たに改正されました障害者基本法、そしてこの理念、これを生かしてどのように実際の施策として各省庁あるいは地方自治体等と協力し合いながら反映させていくのか、そこのところをお伺いしたい、このように思います。 まず、厚生省にお尋ねいたしますが、この基本法を福祉施策また所得保障の分野でどのように反映させるおつもりなのでしょうか、これをお伺いいたします。
○土井政府委員 ただいま御質問がありました障害者基本法でございますけれども、御指摘がありましたとおり、新たに基本的理念として障害者の完全参加と平等という理念が規定されたところでございます。 厚生省といたしましては、こういった理念の実現に資するという観点から、身体障害者福祉法などに基づく福祉施策、あるいは国民年金法に基づく障害基礎年金の支給等の施策を講じておりますけれども、この基本法の趣旨を踏まえまして、今後とも関連する施策の推進に努力をしてまいりたいと考えているところでございます。 平成六年度の予算案におきましては、若干例示的に申し上げますと、障害者の社会参加を支えるための、障害者などにやさしいまちづくり推進事業、これを新しくつくりたい、あるいは盲導犬の育成、リフトつき福祉バスの運行事業の推進、ガイドヘルパーネットワーク事業の充実、障害基礎年金、特別障害者手当の給付額の引き上げなどを盛り込んでおりまして、できるだけの努力をしているところでございます。
○横光分科員 障害者にやさしいまちづくり、これをぜひ推進していただきたいと思います。 次に、ここが大きく改善されたところだと思うのですが、事業者に対して所要の努力義務規定というものが設けられました。このことに関連して建設省では、民間事業者等のこともございますが、どのように反映されていくのか、そこのところをお尋ねいたします。
○羽生説明員 建設省といたしまして、国民のだれもが老いを迎え、障害を持つ可能性を有するという考え方に立ちまして、国民が一生を通じて豊かな生活を送ることができるよう、高齢者及び障害者への配慮が社会全体になされなければならないというふうに考えております。 先生御指摘の障害者基本法第二十二条の二の第二項におきまして、「公共的施設を設置する事業者は、」「当該公共的施設の構造、設備の整備等について障害者の利用の便宜を図るよう努めなければならない。」とされたところでございます。 建設省といたしましては、この趣旨にも沿いまして、デパート、ホテル等の不特定多数の者が利用する建築物におきまして、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できるような措置が促進されるよう、本国会に、高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律案を上程いたしまして、審議をお願いいたしているところでございます。 本法案の内容といたしましては、不特定多数の者が利用する建築物の建築主に対し指導助言等を行うとともに、補助、税制、融資による助成によりまして誘導や促進の措置を図っていくということを内容としているところでございます。
○横光分科員 事業者に対して所要の努力義務規定が課せられたということ、これは非常に重要で、また価値のある改正であろう。どうかこれを実際の施策に、今のようなホテルあるいはデパートあるいは銀行、そういったものにも、障害を持つ方々が本当に使用しやすい施設をこれからどんどんつくっていただきたいと思います。 次に、雇用の面で労働省にお聞きいたしたいと思います。この基本法をどのように反映されていかれるおつもりか。
○渡邊(信)政府委員 労働省としましては、障害者基本法に規定をされました国及び地方公共団体の講ずるべき施策や事業主が果たすべき役割を踏まえまして、今後とも障害者の種類、程度に応じたきめ細かな職業指導等の措置を講じますとともに、雇用率制度の厳正な運用、各種助成措置の活用等によりまして、雇用の促進、安定を図ってまいりたいと考えております。 また、基本法の目的に示されております障害者の自立と社会活動への参加の促進という観点を踏まえまして、特に就職が困難な重度の障害者の方の雇用の促進を図るために、障害者雇用促進法の改正法案を今国会に提出しております。 今後とも基本法の趣旨を踏まえまして障害者の雇用に努めてまいりたいと考えております。
○横光分科員 どうもありがとうございます。 やはり障害を持つ方々にとっては、本当に一番大事な問題は働く場所なんです。特に、今お話がありました重度障害者にとりましては非常に厳しい状況でございます。また、働く意欲がありながらそういった場がないというのが今大きな問題になっておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。 次に、同じように関連で、文部省はこの基本法を学校教育面でどのように生かされるおつもりでしょうか。
○嶋崎説明員 私ども文部省におきましては、今回の障害者基本法の趣旨、いわゆる障害のある児童生徒の自立、社会参加を教育に反映することが極めて重要であろうかと考えておるところでございます。 私ども文部省におきましては、従来から、障害のある児童生徒のうち通常の学級での指導を受けることが困難な児童生徒、また通常の学級の指導では十分な教育効果が期待できない児童生徒につきまして、まさに特別な配慮のもとに、より手厚くきめ細かな教育を行ってきたところでございます。 具体的に申し上げますと、小人数の学級編制、当該分野につきましての知識経験を有する教職員の配置であるとか障害に応じた特別の設備、教材、教育内容、方法等、このような施策を進めてきたところでございますが、今後ともこのような施策の充実に努めたいと思っております。 また、小中高等学校におきまして、道徳や特別活動におきましても、人間愛の精神とか福祉の心、社会奉仕の精神などの育成を図りますとともに、社会福祉について理解を深める指導を行うなど、障害者の方々の自立や社会参加を促すような環境づくりが重要であると考えまして、このような施策を今後ともいろいろと努めてまいりたいと思っておるところでございます。
○横光分科員 今障害者の教育に特殊教育という分野があるのですが、この特殊という名前が非常に差別的な意味にとられるという声も多々あります。この名称変更、このことに関しましては文部省はどのようにお考えでしょうか。共生あるいは障害児とか、いろいろな案が挙がっておりますが、そこのところをお尋ねいたします。
○嶋崎説明員 今先生御指摘の特殊教育という用語でございますが、これにつきましては、私ども、その内容といたしまして、特殊教育関係者の間では、いわゆる障害のある児童生徒のうち、まさに通常の学級の指導では受けることが困難であるとか十分な教育効果が期待できない、こういった方々を対象に、特別な配慮のもとにより手厚くきめ細かな教育を行う、こういったような教育の内容をあらわす用語として、学校教育法制定当初、特殊教育という用語が一番適切ではないかというふうに定められた経緯がございます。 もちろん特殊教育という用語につきましてはもういろいろと御意見のあることは私ども承知しておりますが、今申し上げましたような教育の内容をより正確に表現しつつ、かつ何らの心理的なこだわりのない表現というものにつきまして、今の段階では国民的な合意が得られる用語について具体的な一案というのはないこともまた事実でございます。 また、いろいろと他の代案等提案されているところでございますが、それぞれについてまた異論もあると伺っております。私どもとしては、特殊教育という用語にこだわるわけではございませんが、そういった国民的合意の得られる用語が見出されるまでは当面やむを得ないのかな、ただ、この用語の問題につきましては長期的に考えてまいりたいと考えているところでございます。
○横光分科員 障害者が一人でも多く社会参加できるようになるためには、町、社会そのものが住みやすくならなければならない、このように考えているところでございます。この障害者基本法というすばらしい法律ができたわけですので、これを土台にして、各省庁そしてまた地方自治体とも協力し合いながらよりよい施策を打ち出していっていただきたい、このように切にお願いするところでございます。 次に、がらっと変わりまして、ちょっとエイズ対策についてお尋ねいたします。 先日エイズ患者が一人亡くなられました。御承知のように、エイズというのは大変恐ろしい病気ですね。一番恐ろしいことは、現在のところ治療薬がない、治療方法がない、そしてまた、これに感染いたしますと死に至るおそれが非常に強いということ、そういったことが一番怖いと言われている原因じゃないかと思うのです。厚生省はこのエイズ対策におきまして、感染予防、そしてまた患者・感染者への差別や偏見の防止のために、真剣に、前向きに取り組んでこられたと私は思っておるのです。そのことに対しましては感謝と敬意を表するところでございます。 そこでお尋ねいたしますが、現在の日本でのエイズ患者及び感染者の数、これをお知らせください。また、日本人の女性の数をちょっとお聞きしたいのです。
○谷(修)政府委員 現在、我が国での患者の数並びに感染者の数でございますが、ことしの四月末までで、患者七百十三人、感染者三千二十二人という数字になっております。このうち女性の数でございますが、女性につきましては、患者で三十四人、感染者で六百八十三人でございます。ただ、今申し上げた数字は血液製剤によって感染された数も含んでおります。
○横光分科員 日本におけるこの二、三年の増加の状況、これは欧米あるいは東南アジアと比較してどのような状況であるか、お知らせください。
○谷(修)政府委員 御承知のように、エイズは一九八一年にアメリカで初めて報告されたわけでございますが、その後一九九三年末までの十三年間で、世界で患者として報告されたのは八十五万人と承知をしております。ただWHOの推計では、患者は三百万人、感染者は千五百万人ではないかというような推計がなされております。 特に、最近では南アジアを中心にした地域で非常に流行が起きている。これは、当初アフリカ地域を中心にして起きていた感染の形態と、この数年のアジアにおける感染の形態というのが非常に似ているということから、今後アジア地域において大きな問題になってくるということが心配されているわけでございます。
○横光分科員 日本の増加率は、少しずつではありますが、下がり傾向にあるということでしょうか。
○谷(修)政府委員 現在、厚生省の中に設置をいたしましたエイズサーベイランス委員会で二月に一回、各都道府県を通じて得られました患者並びに感染者の集計をいたしておりますけれども、最近特に、今おっしゃったような意味での増加傾向が減ったということはないと思っております。ただ、先ほど来申し上げておりますような、外国に比べますと我が国は患者並びに感染者とも非常に少ないということだろうと思っております。
○横光分科員 感染しやすい、蔓延しやすい病気が日本ではまだまだそういう状況で、外国に比べてこれだけ割と抑えられているということは、これは大事なことであろうと思います。エイズ対策関係予算が、平成五年度は前年度の五倍、約百一億円も予算に組み込まれ、そしてまた今年度も同規模の予算計上がされているわけですけれども、国を挙げてのエイズ予防作戦、エイズストップ作戦が大きな効をあらわし始めているということではないかと私は思うのです。しかし、この病気は本当に恐ろしい病気ですので、まだまだ予断を許さない状況であろうと思います。 先ほど女性の患者の数を聞きましたが、なぜ女性については心配かと申しますと、私の調べでは、母予感染が三〇%と非常に高いのです。子供への感染が悲劇から悲劇を生むということになりかねません。この子供への感染を回避するためにはどのような方法があるのか。今非常に人口妊娠中絶という問題が大きな問題になっております。より確実な避妊法を主体性を持って講じる必要があるのじゃないか、そういうときが来たのじゃないか、私はそう思うわけです。 それで、次にビルのことについてちょっとお尋ねいたしたいのです。これは、生命の尊厳という立場からお尋ね申し上げます。 地球的には爆発的な人口増加が大きな問題となっております。しかし、日本ではそれとは逆に、先ほどの御質問にもございましたが、少子化が進んでいる。特に出生率の低下が著しいのが首都圏なんですね、東京、京都、大阪、神奈川。このことを考えますと、出生率の低下の大きな原因はやはり経済的な理由じゃなかろうか。首都圏に子供が少なくなっている傾向というのは、住居問題、それから教育問題、そういった経済的な問題が大きいのではないかという気がするわけです。さらに、働く女性が増加しているということ。 先ほど言いました人口妊娠中絶が現在大きな問題となっておりますが、この中絶、避妊という問題と少子化という問題は、それはもちろん関連はありますが、必ずしも大きな結びつきがあるとは私は思えないのですが、そこのところの認識はどのようにお考えでしょうか。
○谷(修)政府委員 今先生、エイズのことに関連して避妊というお話もされて、またさらに少子化というようなことでございますが、もちろんこのエイズ予防につきましては、先生もお触れになりましたように、私どもはエイズストップ作戦ということで幅広く対策をやっているわけでございます。その中では、エイズの予防というのは、一つは、正しい知識を持っていただくということ、それから、具体的なこととして私どもが申し上げているのは、コンドームを使うというようなことを申し上げて、対策の一つとして掲げているわけでございます。 ただ、いわゆる母予感染ということに関しましては、皆無ではございませんけれども、幸い我が国ではまだ事例としては比較的少ないわけでございますが、エイズ予防と避妊というのはもちろん直接の関係はないわけでございますので、エイズ対策としては、やはり基本的には正しい知識を持っていただくということだろうというふうに思っております。 また、エイズとの関係で申し上げますと、先ほどの少子化ということは直接関係はございませんけれども、いわゆる超高齢化社会と少子社会というようなことから、厚生省としては子供の健全育成というようなことに大変力を入れてきているところでございます。
○横光分科員 望まない妊娠という言葉があるのですね。毎日新聞社の全国家族計画世論調査によりますと、既婚女性の中絶経験者はおよそ三〇%ある。しかもそのうち二回以上の複数回の中絶経験者はおよそ四〇%を占めている。さらに、この割合は過去八年間大きな変化を示していないのです。この数字は大変な数字だと私は思うのですね。さらに、これを各世代別に見ますと、十歳代では六五%の人が中絶経験者である。そして、ここが問題なんですが、四十歳以上では八一%も中絶経験者である。未婚女性の社会的環境による産めない性、そしてまた四十歳以上の、子供を産み終えた世代の人たちの産めない性というものが強く介在していると思うわけです。そして、中絶に至った際の避妊法は、二人に一人がコンドームで避妊していたものであり、いずれも男性任せの避妊で失敗していた。つまり、避妊していたつもりでも、幾ら注意していても失敗があるという現実があるわけです。 中絶というのは、女性の胎内に芽生えた新たな命を、その命をみずからの手で摘むという非常に残酷なことであろうと私は思うわけです。生まれるすべての子供は望まれたとうとい子でなければならないと思うわけです。生命のとうとさを考えるならば、さらなる確実な避妊法を講じるべきじゃないか。新しい生命、それが摘まれるというような現実をつくらないようにしなきゃいけないのじゃないか。この新しい生命、生まれてもどうせすぐ摘まれるならば、生まれないようにするのがやはり一つの講ずるべき方策ではなかろうかと私は思うわけでございます。 このような、本当に中絶というものが非常に多く、そして多くの命が摘まれていっているという現状は認識されますか。
○谷(修)政府委員 直接の所管ではございませんが、いわゆる母子保健対策あるいは児童家庭対策の中で、そういったような母子保健対策の中で、正しい避妊の方法なり、あるいは計画的な出産と申しますか、育児なりということも含めた指導はしているところでございます。
○横光分科員 確かに、エイズという病気のためには、その感染予防に絶対的に必要なのはコンドームであろうと思います。これは絶対に必要なんです。しかし、それと同時に、今までのような新しい命の芽が摘まれることのないようにするためには、やはりさらなる避妊方法を考えなきゃいけないのじゃないかと私は思うわけです。これは女性の心身ともに大変なダメージ、要するに、望まない妊娠に見舞われた上にさらに新たな命を摘まれるという心身両面のダメージ、こういったものが非常に大きいという現実があるわけですね。 そして、そのためには、低用量ビルというものが外国では非常に使用されている。我が国においても、一九八六年に、世界で避妊法の主流となっている安全性の高い低用量ビルの必要性について検討するために厚生省による研究班が組織され、母子保健上好ましいとの見解を得て、低用量ビルの臨床試験が行われたのです。この治験には、約五千人の女性の協力により三年間にわたる七万周期以上の臨床成績よりその有効性や安全性が既に確認されたにもかかわらず、ちょうどそのときにエイズという病気が蔓延し始めた。その問題のために継続審議となっているわけでございます。 日本では現在、いわゆる中高用量ビルというものが、治療用のホルモン配合剤ですが、代用されているわけです。これは副作用がちょこつとあるとか、そういったことで服用低下、ビル離れの現象が起きているわけですが、海外では、信頼性が高く安全性も極めてすぐれた、しかも副作用も軽減されている避妊用の低用量ビルがもう当たり前になっている。しかも、これは女性のみずからの意思によって避妊法の主役となっているというわけですね。これが日本ではなかなかまだまだ認可されない。 私は、エイズの予防のためにはコンドームが必要だということはそのとおりだと思っているのです。確かにコンドームは絶対に必要なのです。しかし、それと同時に、繰り返しますが、ビルも必要だと思うわけです。先ほど申しました悲劇を生まないためにも、悲劇をつくらないためにも、女性の側の意思で確実な避妊方法が必要だと思うわけなんです。ピルの使用は、強制するためではなくて、世界で現在六千三百万人の女性が使用していると言われているのですね。日本の女性にも、選択肢の一つとしてこの恩恵にあずかる権利があるんじゃなかろうか、そういう思いがしております。本当に、新しい命を、消される命をつくるのなら、その命をつくる前に何らかの方法をとるべきではないかと私は思うわけです。一つの性行為によって予想される二つの悲劇として、エイズを含めた性感染症、そして望まない妊娠としての中絶、この二つがあるのですね。 中高用量ビルが医師の処方のもとに現在認可されている。ですから、これと同じように、低用量が避妊用として医師の処方のもとに認可されれば、結局コンドームはエイズ予防のために必要なんですよ、それと同時に避妊としては医師の処方によってこのビルを使えるのですよという、エイズ予防にも、しかも避妊対策にもなる、そういった状況が私は生まれると思うのです。 ですから、全世界で幅広く用いられているビルがなぜ我が国では認められないのか、そこのところをちょっとお尋ねいたします。
○田中(健)政府委員 お話の経口避妊薬、ビルでございますが、開発を行っております数社の製薬会社から承認申請が出されておりますが、この承認の可否については、現在中央薬事審議会に諮問をいたしまして、配合剤調査会で審議が行われておるところでございます。審議会におきましては、こうした承認申請が出されたビルの個々の品目につきまして、有効性、安全性等に関する審議が行われておりますけれども、おっしゃるように、これはいまだに結論が出ておりません。 これに関連する問題といたしまして、今お話もございましたように、ビルの使用がエイズの病原体HIVの感染の拡大に与える影響などにつきまして、中央薬事審議会で公衆衛生上の観点からの議論も現在行われておるということで、いまだにこのビルの承認につきまして結論が出ていない、こういう状況でございます。
○横光分科員 命の尊厳ということから、ぜひこの問題をもう少し寛容な気持ちで対処していただきたい。要するに、障害を持つ方々、さらにはエイズ感染になった患者の方々、そしてまた女性の人権、そういった弱者の人たちに本当に手を差し伸べるのが政治ではなかろうか、こういうふうに私は思うわけでございます。そこのところをどうかよろしくお願い申し上げます。 どうもありがとうございました。
○土田主査 これにて横光克彦君の質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○土田主査 次に、労働省所管について政府から説明を聴取いたします。鳩山労働大臣。
○鳩山国務大臣 平成六年度労働省所管一般会計及び特別会計予算について、その概要を御説明申し上げます。 労働省所管の一般会計は四千六百五億円で、これを前年度当初予算額と比較いたしますと二百八十四億円の減額となっております。 これは、雇用保険国庫負担の労働保険特別会計への三百億円の繰り入れ特例措置によるものでございます。 次に、労働保険特別会計について、各勘定ごとに歳入歳出予算額を申し上げます。 労災勘定の歳入予算額は二兆三千十二億円で、これを前年度当初予算額と比較いたしますと五百四十七億円の減額となっております。 また、歳出予算額は一兆四千二百四十一億円で、これを前年度当初予算額と比較いたしますと九百七十七億円の増額となっております。 雇用勘定につきましては、歳入予算額、歳出予算額とも二兆九千九百四十三億円で、これを前年度当初予算額と比較いたしますと三千億円の増額となっております。 徴収勘定につきましては、歳入予算額、歳出予算額とも三兆七千百四十五億円で、これを前年度当初予算額と比較いたしますと百二十四億円の減額となっております。 最後に、石炭並びに石油及びエネルギー需給構造高度化対策特別会計の石炭勘定のうち労働省所管分の歳出予算額は百五十九億円で、これを前年度当初予算額と比較いたしますと一億円の増額となっております。 平成六年度の労働省関係予算につきましては、雇用情勢の変化に即応した対策の推進と高齢化等今後の構造変化への適切な対応、ゆとりが実感でき安心して働ける勤労者生活の実現、多様な個性能力が発揮できる環境の整備、障害者等に対する対策の推進、国際社会への積極的貢献など、今後の労働行政の重要課題に的確に対応していくための予算措置を十分配慮しつつ、財源の重点配分を行いながら、必要な予算を計上したところであります。 以下、主要な内容について、その概要を御説明申し上げるべきではございますが、委員各位のお手元に資料を配付してございますので、お許しを得て、説明を省略させていただきたいと存じます。 何とぞ、格別の御協力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。ありがとうございました。
○土田主査 この際、お諮りいたします。 労働省所管関係予算の重点項目については、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○土田主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔鳩山国務大臣の説明を省略した部分〕 以下、その主要な内容について、概略をご説明申し上げます。 第一は、雇用情勢の変化に即応した対策の推進と高齢化等今後の構造変化への適切な対応に必要な経費であります。 今後の雇用の見通しは、景気の動向によるところが大きいところではありますが、ここしばらくは厳しい状況が続くものと考えられることから雇用の安定に万全を期すための対策の実施が重要な課題となっております。 このため、昨年十二月に策定した雇用支援トータルプログラムに基づき、企業の雇用維持支援の強化等による失業の予防、離職者の再就職促進等及び地域雇用対策の強化等による新たな雇用機会開発への支援など、積極的かつきめ細かな雇用対策を推進していくこととしております。 また、急速な高齢化の進展や女性の職場進出が一層進むなかで職業生活の円滑な継続を援助促進するとともに、失業中の生活の安定、再就職の一層の促進を図っていくための雇用保険制度の整備・充実が必要となっております。 このため、雇用継続給付として高年齢雇用継続給付および育児休業給付の創設、求職者給付の改善、再就職手当の拡充などを行うこととしております。 さらに、本格的な高齢化社会の到来を迎えて、我が国経済社会の活力を維持し、高年齢者が生きがいを持って暮らすことのできる社会を築くためには、少なくとも六十五歳まで働けるようにすることが喫緊の課題となっております。 このため、六十五歳までの継続雇用を推進するとともに、労働者派遣を活用した雇用システムの創設等により、六十五歳までの雇用の確保を図るほか、シルバー人材センターの増設等高齢者対策の一層の推進を図ることとしております。 そのほか、介護労働力確保対策の推進につきましては、急速な高齢化の進展に伴う企業の従業員の在宅介護需要への対応を図るため、在宅介護需給安定事業の推進及び介護労働者能力開発事業の充実を図ることとしておりますし、構造変化に適切に対応できる職業能力開発の推進についても積極的展開を図っていくこととしております。 これらに要する経費として二兆五千百八十六億円を計上いたしております。 第二は、ゆとりが実感でき、安心して働ける勤労者生活の実現に必要な経費であります。 ゆとりある勤労者生活を実現するためには、労働時間の短縮は欠くことのできない課題であります。 このため、年間総労働時間千八百時間の早期実現に向け、週四十時間労働制の実施を図るための改正労働基準法の普及促進、並びに時間短縮の取組の遅れている中小企業に対して、地域の企業集団単位で時短への取組を推進する地域時短推進事業を実施することとしております。 また、労働災害の防止対策を推進するため、労働災害が他産業に比べて多い建設業、特に、死亡災害の占める割合が多い専門工事業者に対して、専門工事業者安全管理活動等促進事業を実施するとともに、重度被災労働者及びその家族に対する在宅介護に関する支援として労災ケアサポート事業を実施することとしております。 そのほか、快適通勤の実現等勤労者福祉の充実や中小企業の魅力づくり対策についても推進していくこととしております。 これらに要する経費として一兆二千八百六億円を計上いたしております。 第三は、多様な個性、能力が発揮できる環境の整備に必要な経費であります。働きがいと豊かさを実感し、多様な価値観が実現できるようにするためには、勤労者の多様な個性、能力が発揮されるような環境を形成することが必要であります。 このため、女子学生の募集・採用における就職問題への対応や男女の意識差から生ずる職場の諸問題解消等を含め、男女の雇用機会均等の確保対策を推進していくこととしております。 また、中小企業における介護休業制度の導入促進のための中小企業集団における仕事と介護支援トータルプラン事業を実施するとともに、勤労者が仕事と育児を両立できるようファミリー・サポート・センターの設立などを行うこととしております。 そのほか、パートタイム労働者の雇用管理の改善等を事業主等が自主的に取り組むことができるよう支援するための中小企業短時間労働者雇用管理改善等助成金、事業主団体短時間労働者雇用管理改善等助成金の創設を行うこととしております。 これらに要する経費として百五十九億円を計上いたしております。 第四は、障害者等に対する対策の推進に必要な経費であります。障害者の雇用については、引き続き雇用率制度の厳正な運用に努めるとともに重度障害者の雇用の促進を図ることが必要です。 このため、福祉部門と雇用部門との連携により、職業リハビリテーション・ネットワークの構築を図るなどにより障害者の職業的自立を促進するための地域障害者雇用推進総合モデル事業を拡充するとともに、重度視覚障害者の職域拡大を図るための職業適応指導等を行うこととしております。 また、特別な配慮を必要とする人々に対する職業生活援助等対策についても、それぞれきめ細かな対策を引き続き推進することとしております。 これらに要する経費として八百八十七億円を計上いたしております。 第五は、国際社会への積極的貢献に必要な経費であります。 国際化の推進に対応し、国際的な相互理解及び国際協力について積極的に推進することとしております。 また、技能実習制度等の円滑な実施とともに、外国人労働者問題についても適切な対応を図ることとしております。 これらに要する経費として百二十五億円を計上いたしております。 第六は、行政推進体制の整備等に必要な経費であります。 我が国が内外の厳しい環境の下で今後とも発展していくためには、良好な労使関係を維持していくことが不可欠であり、産業労働懇話会の活用等により労使の相互理解と信頼を強化するための環境づくりを推進することとしております。 また、経済社会の変化に伴う行政需要に的確に対応していくため、行政体制等の一層の整備を図っていくこととしております。 以上、平成六年度労働省所管一般会計及び特別会計の予算について概略を御説明申し上げました。 何とぞ、格別の御協力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。 ―――――――――――――
○土田主査 以上をもちまして労働省所管についての説明は終わりました。 ―――――――――――――
○土田主査 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑時間はこれを厳守せられ、議事の進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上田清司君。
○上田(清)分科員 改新(新生党)の上田清司です。三つの点について大臣並びに関係政府委員にお伺いしたいと思います。 まず第一ですが、新卒者の就労の条件づくり、二番目に女性の就労の実質的な条件づくりというものについて、三番目に労働生産性について伺いたいと思います。 まず第一ですが、私の資料が若干古いもので、一九九一年までの日本の失業率の把握しか私できておりませんが、九二年、九三年の失業率について、パーセンテージを委員の方、教えていただきたいのです。
○七瀬政府委員 九二年、つまり平成四年でございますけれども、年間を通して二・二%、それから九三年、平成五年が二・五%という状況でございます。
○上田(清)分科員 九四は出ていますか、上半期なりで。
○七瀬政府委員 九四につきましては、現在の数字が二・八%でございます。現在というのは四月現在でございます。
○上田(清)分科員 ありがとうございます。 御承知のとおり、失業率がどんどん上がってきているという現況、欧州やアメリカ、もろもろに比べると大変少ない失業率であるわけですが、これについて実は毎日新聞の昨日付の主要企業二百社におけるアンケート調査の結果が出ております。 来年、つまり来春の新卒者の採用状況についての見込み、このことについてアンケート調査がございまして、製造業百十六社で、必ず採用を減らすという企業が六四%、まあことし並みだというのが十三・八%、ふやすというところが八・六%、未定が一二・九。非製造業八十四社においても、減らすと言ったところが五四・八で、ことし並みだというのが一四・三、ふやすというところが六・〇、未定が二五%。合計で見ても減らすというところが六〇%という、来春の新卒者の採用見込みについて大変厳しい情勢が出ているのです。 こうした分について、私は、日本の社会という部分は、所得再分配も含めた非常に平等志向の強い社会がゆえに大変安定した社会をつくってきたのではないか、犯罪率一つを見ても、あるいはまた失業率、もろもろを見ても大変すばらしい、ある意味ではいい結果を生んでいたのではないかというふうに思っておりますし、OECDなんかの調査でも、世界一所得再分配が行われている、こんなことをある意味では誇りに思っているわけでございますが、近年における不況を伴う失業率の増大、それから何よりも新卒者の採用に対する企業の手控えというものがあるいは日本社会に重大な影響を与えるのではないか、私はこのように考えているのです。 と申しますのは、昨年の十二月ぐらいにある勉強会で、連合の鷲尾事務局長からのお話を私にとってはかなり示唆的に承ったことがございます。と申しますのは、ヨーロッパの失業率が八%や一〇%ぐらいで推移していることは御承知のとおりだと思いますが、高齢者よりも若者の失業率が非常に高いというこの現実でございます。つまり、労働界においても既得権が定着している。このことに実は私は問題を感じているわけでございます。 既に御承知のとおり、連立与党、我々は、ある意味では日本社会全体の既得権に果敢に挑戦するということも大きな政治の使命にしているわけでございますが、このことに関して言えば、労働界においてもあるいは新卒者を排除するという形の中で高齢者による既得権が徐々に形成されているのではないか、このように実は憂慮しているのですが、大臣におかれましてどのようなお考えを持っておられるか、ちょっとお伺いしたいと思います。いかがでしょうか。
○鳩山国務大臣 雇用情勢は非常に厳しい状況にございまして、上田先生御指摘のとおりでございます。そして、本年は雇用サミットがアメリカのデトロイトで開かれたわけですが、これも初めてのことでございまして、雇用をめぐってサミット的なものが開かれた。それは、お隣に座っておられる近藤鉄雄先生が労働大臣時代に提唱されたことの成果であります。 また、今OECDの閣僚理事会に政務次官を派遣をいたしておるわけでございますが、そこでもテーマが失業あるいは雇用そして成長という、ナポリ・サミットのテーマもそういうふうになってくるだろうということで、今例えばOECDだけで三千五百万とか四千万という失業者がいるのではないか、その辺をどうすればいいんだ、マクロ経済の運営と産業の構造変化と雇用の関係はどうなるかということが盛んに議論されているわけで、我が国も今こういうような大変厳しい景気の状況が続いていく中で、本格的な正しい雇用政策というものが求められている、このように考えておるところでございます。 我が国でも、先生御指摘のとおり、新規学卒者が非常に厳しい状況に陥っているわけでございまして、そのためにありとあらゆる手段を使って、できる限り多くの方が順調に就職できますように働きかけをしてまいりたいと思っております。 特に、大学等の新卒者の採用計画について全国的規模での詳細な企業調査というものを現在進めているところでございまして、その結果を待ちたいと思っております。もちろん公共職業安定所を通じたヒアリングも常にいたしておるわけですが、依然として状況が厳しいことには変わりがないと思っております。とりわけ、後から御質問あると思いますが、女子学生の問題もございますので、総理大臣を中心として、来期の新卒者のための閣僚懇談会を既に二回開いたという状況にあります。
○上田(清)分科員 それではちょっと政府委員の方にお伺いしたいと思いますが、昨年度の新卒者の、大企業と中小企業とを分けて、就労状態というのでしょうか、就職状況について承りたいと思いますが、どのような状況でございましたか。
○七瀬政府委員 まことに申しわけございませんけれども、現在そういう数字を把握いたしておりません。
○上田(清)分科員 わかりました。それでは後で結構でございますので、可能な限り資料をいただければ幸いだと思います。 私がちょっと記憶している限りにおいては、基本的には、最終的にはおさまるべくしておさまったというようなことを伺っておりますが、もちろん希望どおりおさまったかどうかということは別問題でございます。徐々にランクを下げておさまるべきところにおさまつたというのが現況ではなかったかと思いますが、こうした点についても、どの程度の希望でおさまったかということもあわせて資料で御報告いただければ大変ありがたいと思っております。 続きまして、私、新卒者が社会参加の道を閉ざされるということについての影響を先ほどちょっと申し上げました。これをもう少し掘り下げてみたいのですが、当然、社会人としてのスタートの最初のつまずき、就業に失敗するということは、大変これは重大な問題だと思っております。 もちろん大学入試等は、何回もトライできるあるいは複数の大学をたくさん受けるということで、やや選択において余裕があるというふうに理解しておるのですが、どうも就職に関して、新卒時にきっちりと就職することと、そのときふらふらしてしまうとかなりある時期までしばしばふらふらせざるを得ないという社会評価の中で、とりわけ日本の場合は、社会的常識だとかそういう社会的制裁というのでしょうか、そういうところに大変大きなものがございますので、この新卒者をきっちりと就業させるということは、これまで築いてきた日本の社会を安定的に維持するあるいは発展させるということに関して大変重要な機能を持っていると思うのです。 もう一点ですが、大変高度な産業社会、とりわけ情報・通信等がこれから期待される産業だというときに、例えば私個人を含めても、新たにOA機器を含めたそういう技術に対応できる能力を持っていないような部分があるのですが、若い人たちは大変新技術に対する対応能力を持っている。そうした新技術を開発する意味でも、またまたそうした若い人たちの就業というのが極めて大事なことだというふうに考えているわけですが、こうした点について大臣の所見を伺いたいのです。
○鳩山国務大臣 私が田中角栄先生の秘書になりまして、そして将来政治をやりたいということをお話しをしたときに、田中先生がおっしゃった言葉で非常に印象的なことがあるのです。 それは、鳩山なあ、政治家の事務所をやっておると陳情が三つ来るんだ。一つは、交通違反を何とかもみ消してくれという陳情だ。これはもともと悪いことしたんだからそれはだめなんだ。それからもう一つは入学なんだ。どこどこの学校を受けるんだ、頼む頼むとこういうことだ。しかし、これも結局は本人の実力の問題で、無理してレベルの高いところに押し込むことができたって、ついていけなかったりいろいろなことがあって問題が起きるんだ。問題は就職なんだ。 この就職の相談だけは、その男、その女性のいわば人生を決めることであるから、これはまさに、彼ら、彼女らは学校へ行っておって、それは学校へ行っているということも、学生時代も人生だけれども、そこから初めて本当の人生という荒波にこぎ出すわけで、そこに生きがいがあったりやりがいがあったりすれば幸せになれるし、そこがうまくいかないと人生全体が狂ってしまうので、就職の相談というのは人生相談であるというふうに心得て、その本人の気持ちを十二分にとらえるような丁寧な相談活動をやれよと、こういうふうに言われたことがある。 したがって私は、その田中先生の言葉というものと今の上田代議士の最初におっしゃったこととは全く同じだと思うし、新卒者の方が、仕事とよくマッチして、やりがいを持って、働きがいを持って生きていけるようにするのが我々の務めだと思うわけでございます。 最後に申し上げたいことは、しかしながらこれから産業構造が変化をしていくわけでございます。雇用に関する中期雇用ビジョンというものを昨日受け取って発表いたしたところで、新聞をごらんいただければいいと思いますけれども、これから産業構造が変化する。そうすると、労働力の需給関係も相当程度範囲が変わっていくわけでございまして、そういうときに先生御指摘のようにミスマッチが起きるといかぬわけでしょう。 例えば高度な情報とか通信とかいう分野では当然労働力の需要というのが発生する。ところが、そこに見合った、訓練を受けた人たちがいなければ、そこには逆に人手不足という現象が起きる。その辺がうまくマッチすることが、マクロ的に見てその分野その分野に見合った人数がきちんと就職していくということが、ミクロ的にいえばそれぞれ個々人の生きがい、働きがいということになるだろう、そう思いまして、できるだけきめ細かく労働行政をやっていきたいと考えています。 〔主査退席、近藤(鉄)主査代理着席〕
○上田(清)分科員 続きまして、男女雇用機会均等法、一九八六年に施行されたわけです。それはそれとして、こうした女性の雇用問題について大変発展的に理解が進んできているわけでございますが、もっと担保する条件づくりはないだろうかというふうに実は私は考えているところなんです。そうした担保する知恵として、諸外国に大変事例がございまして、例えばクオータ制、割り当てをきっちりやっている。こういう事例を公的機関の中で生かすことが可能ではないだろうか。 私の知るところでは、例えばアメリカのバーモント州では、州政府の発注する契約事業の一〇%を女性が設立した企業と結ばなければいけないという、契約事業一〇%のクオータ法をつくっているわけですね。 あるいはバーリトン市なんかは、女性と建設業条例という条例がございまして、公共工事建設を請け負う事業体に対して一定の女性の雇用を義務づける。これは技能職ですが、六人から十五人は一人以上の女性を雇わなければいけない、十五人以上は一〇%以上の女性を雇わなければいけない。要するに、公共工事に絡む契約をしている会社は一定程度女性を雇用しなければならないというクオータ制、こうした部分も女性の社会進出に大変役立つものではないかなと思っているわけでございます。 私は、昨日たまたま選挙区内のある市の市長さんとお話をいたしました。 最初に上から学科で順位をとっていけば三十人中二十五人が女性だ、しかしながら現場の声は女性じゃない。女性はある意味では過保護にされている。例えば残業においても男性と違う条件になっている。そういう部分で、仕事の忙しいときに女性が戦力にならないとか、そういう実態面からなかなかうまくいかない部分、それからまた女性の意識の部分についても大変問題がある。入ったときは最優秀選手であるけれども、就職した後の意識の中で、必ずしも最優秀選手ではない、むしろお荷物になっている、そういう実態もあるのでなかなか難しいのだというようなお話を実はお伺いしたばかりです。 この問題を含めて、クオータ制で割り当てながらも、同時に、なぜ女性が入るときには最優秀であっても入ってからなかなかうまくいかないのか、こういう問題について、労働省が掘り下げた議論というものが何らかの形でできたことがございますか。ちょっとお伺いしたいと思います。
○松原(亘)政府委員 まず、前段のクオータ制でございますけれども、私ども、男女雇用機会均等法の策定作業に当たりまして、我が国における男女の雇用機会の均等というのをどう認識するのかという議論をまずいたしたわけでございます。 そのときにさまざまな議論があったわけでございますけれども、我が国では、あくまでも機会の均等を目指すべきだということで、結果の平等を志向するというやり方は適当ではない、これは労使もお入りいただいた会議で出た方向性でございます。いわばクオータというのは一種の結果平等を求めるというやり方でございますけれども、そのときの議論で、我が国はあくまでも能力に応じて平等に取り扱われるような機会の均等を確保すべきだということになったわけでございます。 そういうことから、現在の雇用機会均等法の精神は、機会の均等を確保する、そして、その与えられた機会が女性の地位の向上につながっていくかどうかということ、それはあくまでもその女性の意欲、能力に応じてだ、こういうことで今の均等法の施行を進めているわけでございます。 先生御指摘の、どこの市か存じませんけれども、そこで御指摘があったことについては、女性はこうだととかく言われがちなんですけれども、本当は、最優秀で入った男性でも場合によってはだめになっていってしまうかもしれないのですね。それが、現在の世の中は、どうしても女性が何かあるとそれは女性だからということになってしまう。やはり、どうしても根強い女性に対する固定的な考え方というものがあるのではないかというふうに思います。 ですから、私ども、男女雇用機会均等法の精神を徹底させるためには、まず何よりも男性それから企業、こういった方々の女性に対する意識、女性の能力に対する意識というものを変えていただかなければいけないのではないか。それは、女性をマスとして、平均値として見るのではなく、個々の女性の意欲、能力を的確に判断してもらいたいというふうに思っているわけでございます。 しかしながら、なお一部に、やはり女性であるからということで職業の継続が難しい場面に出くわすというのも確かでございます。育児ですとか介護、本来はこれは男性も半分担っていただきたいと思うわけですけれども、世の中はなかなかそう理想どおりにはいきませんで、多くは女性の肩にかかっている。そうすると、そういったことと職業生活との継続ということの両立がなかなかできない、難しい場面に出くわす女性も多いということがございます。それでやめてしまうということにもなるわけで、私どもとしては、そういうことのないように、職業生活と家庭生活を両立できるような、働き続けたいという方はそういうことのできるような環境整備をやっていくことがまたもう一方で必要だというふうに考えているわけでございます。
○上田(清)分科員 大変御高説をいただきました。おっしゃるとおりだと思います。まさしく女性の意識も条件によって変わってくるのではないかなというふうに思います。 例えば、保育所が六時に閉まるということであれば、どんなに職業意識として重要な段階においても、七時、八時までやらざるを得ない状況の中でも六時に保育所まで行かなければいけないということで、あるいは職場の中においてやや斜めの視線を受けてしまう。そういう意味で、女性が社会的に参加できることを実質的に担保する条件づくりこそが極めて大事なことではないか。 そういう意味で、公的機関こそは、例えば保育時間を、九時、十時でも時と場合によってはきっちり窓口を開ける、あるいは空間としても駅前の非常に便利な場所に設置していくとか、そういう工夫をしていかないと、今局長が言われたようなお話になっていくのではないかなというふうに思っております。どうぞその辺も労働行政、これもまた文部省、厚生省、もろもろ関連があると思いますが、調整していただきながら、担保する条件をぜひ考えていただきたいというふうにお願い申し上げたいと思います。 もう一つ、ちょうど鳩山大臣は文部大臣の経験者でございますので、小学校における男性のクオータ制というのを考えられないでしょうか。 御承知のとおり、小学校の教員は大変女性が多くて、私は非常に寂しい思いが個人的にしているのです。これは、採用の段階で優秀な女性が採用されるということかもしれませんが、その辺も、先ほどの見解からいけばまさに機会の平等であって、結果の平等を保証していないということでございます。男女共生社会という観点から見れば、クオータ制の枠を考えてみることも非常に大事なことではないかなということですので、見解だけで結構でございます。
○鳩山国務大臣 基本的には機会の均等であって、クオータという、割り当てていくという考え方は、結果平等を重んじるばかりにプロセスとしてむしろおかしなことになったり、あるいはかえってそういう問題の意識し過ぎ、例えばクオータ制で女性を採用しなさいというのも非常にいいのですけれども、結果を導くためには早いのかもしれませんが、そこまで女性というものあるいは婦人問題というものを意識しなければいかぬのかということにもつながるような気がするのでございます。 教員における男性のクオータ制ということについては、非常にユニークな御提案でございますが、これは実態を私も調べてみたいとは思っております。どのくらいの男性教員がいてどれくらいの女性教員がいるのか、私は今正しい資料を持っておりません。 ですから、それはそれぞれの都道府県の教育委員会において試験をやり、採用をやりということでございますから、これも、基本的には機会均等、原則自由ということでやっていただいている仕組みを変えるのは、そう簡単なことではないと私は思います。 ただ、先生のおっしゃることに一つだけ特別な意義を感じるのは、教育というものはやはり青少年の将来に決定的な影響を与えるものであって、例えば一つの学校が全部男性だけが教職員であるというのも問題でしょうし、学校一つ全部が女性教員だというのも問題があるのだろうと。それは、男女というものが機会は均等だ、平等だ、人権も能力もみんな同じだけれども、それぞれ別に特徴も持っているわけでございますから、男は子供を産むことができないわけでございますので、そういう男女の特徴等を子供たちがきちんと勉強しながら平等性を身につけていくという意味では、余りに偏った教職員の男女比というのは若干の問題があるのかなという気はします。
○上田(清)分科員 質問通告にありませんでしたが、日本の労働生産性というものについて若干、時間の許す限り質問させてもらいたいと思います。 これは大前研一先生の「異端者の時代」という本の中で、「日本産業の隠れた失業者数」という統計を含めて、日本の労働生産性がいかに低いかということをOECD統計、経済企画庁の国民経済計算年報、日本生産性本部、マッキンゼーの分析をもとにした指標がございます。例えばアメリカの生産性を一〇〇と見たときに、農業・鉱業は三〇、製造業は八三、建設業が九七、サービス業が四四、これは流通、小売です。その他のサービス業が四五。 こうした数字の中で、雑駁に申し上げれば、国際水準で見れば二千万人の潜在的な失業者を抱えているということと、総額で九十五兆円の損失に至っている、また一人当たりに直せば七十五万円の非効率になっているというような数字を出されておられるのですが、日本の労働生産性について、平均も含めて、労働省としては、アメリカを例にして高いのか低いのか、あるいは世界的に見てどうなのかということについて、御所見を例えれば大変ありがたいと思っております。
○鳩山国務大臣 私はこの問題に答える能力を持っておりませんが、ただこれはやはり、日本型社会、アメリカ型社会、それは社会のでき方、歴史あるいは地勢的なもの、さまざまな要件が加わってのことだろうなとつくづく思うわけでございます。 例えば農業における数値というのは当然規模によっていると思いますし、小売商業等で日本の労働生産性が一々低く出ておりますのも、恐らくアメリカでいえば、好きだという人もいますが私は余り好きじゃないのですが、無味乾燥な巨大ビルの中にモールというのがどんどん続いていくようなありさま、あれも大規模小売商業でございますから、当然数値は大きく出ていくのだろう。日本のように商店街に魚屋さんがあって八百屋さんがあって文房具屋さんがあって、それが地域コミュニティーを形成しておって、おじさん、おばさん、お兄さん、お姉さんと一緒に子供たちが生活する、そういう習慣とかいろいろな違いがあるなと思いまして、それを単に金銭評価することは、それは評価することはできるのかもしれませんけれども、それは社会の活力というものとイコールではないなという気がいたします。
○上田(清)分科員 時間もありませんので、大変ありがとうございます。 私も今の大臣の見解には基本的に賛成でございます。とはいえ、製造業方面における生産性を高めるということに関しては、ややそうしたコミュニティーとは別個の部分があると思いますので、そうした点について、もし、いやそんなことはないよ、日本の生産性も頑張っていますよというお話がございましたら、一言で結構でございますので、御所見をお願いしたいと思います。
○七瀬政府委員 とりあえず数字だけ申し上げますと、製造業で米国と比較した場合に、為替レートで計算いたしますと、日本が一〇〇でアメリカが七九。ただ、購買力平価ですと一一二というようなことになっていると思います。 それで、我が国としても、生産性を高めるためにはいわば間接部門とかそういったところで、雇用に配慮を払いながら生産性を高める努力を労使でやっているのが現状であると認識いたしております。
○上田(清)分科員 ありがとうございました。
○近藤(鉄)主査代理 これにて上田清司君の質疑は終了いたしました。 次に、柳沢伯夫君。
○柳沢分科員 きょうは実はシルバー人材センターのことについて御質疑をさせていただきたい、こう思ったわけですが、一つ非常におもしろいことがありました。 それはどういうことかというと、私、地元のシルバー人材センターをいろいろ活用させていただいておりまして、そういうつながり、御縁から、ぜひ先生この問題を予算委員会で取り上げてください、厚生大臣にぜひ質問をしてください、こういう注文だったのですね。つまり、シルバー人材センターの行政が、まさにその責任者においても労働省の行政と認識されてないということがございます。これは私も、そう言われましたので、厚生省の人を先に呼んで若干の状況を聞いたりしたのですけれども、この点は、いきなり私が間違ったことを種にしてちょっと文句を言うようになって恐縮なんですが、やはりもうちょっと労働省としてもこの辺は心してPRに努めていただいた方がいいのじゃないか、こういうふうに思います。 しかし、せっかくこうしてお時間をまとまっていただきましたので、私は実は予算委員会の本委員会の方でかねてからこの問題は論じておきたいなと思っておりまして、今も上田さんがいささかそのあたりのことについて御質疑をなさいましたけれども、私もこの際少し時間をいただいて、つまり雇用の問題について基本的な問題を二、三ただしておきたい、このように思います。 今回の羽田内閣、いろいろ世評言われておりまして、私どもも、この難しい時代のかじ取りとして、これがいわば全日本の政治の力を結集したようなラインアップになっているのだろうかということからすると、こういうことでいいのだろうかということでいささか心を痛めるわけですが、しかし、その中で労働大臣に鳩山先生が起用されたということは、私は非常に期待される面がある、率直に言ってそのように思うのであります。 これはどういうことかと申しますと、今大臣のお言葉にも既にありましたように、まさに世界の先進国は挙げて雇用問題というものに苦しんでいるという状況にありまして、我々の国は非常に雇用問題が少なかった。相対的に少なかった国ですが、それでも非常にこの問題に深刻な局面があらわれている、こういうように思っております。 そういう意味で、まさに雇用というものは非常に重要で、今回バブル経済がありまして、このときに政府は、当時は自民党政権でしたけれども、景気の下降局面に入ったその始まりの時点の認知を誤ったということをよく言われたのですけれども、実はこれは経済政策の根本の目標を雇用と物価に置いておったせいなんです。 雇用は非常に堅調でありまして、その他の指標では景気が実は下降局面であるというシグナルを送っていたのですが、雇用だけは物すごくばんばんに張っていまして、したがって、なかなかその認知において我々は正確を期し得なかったという側面もあります。そのくらい、経済政策の二大目標の一つであるのが実は雇用でありまして、そういう意味で私はこの問題は非常に大事だ、こう認識しております。 そこで、私の前に発言された上田先生は、彼の立場がどういう立場かということで、ちょっと何か私は頭がすっと整理し得なかったのですが、まず第一にお尋ねしたいのは、日本的雇用慣行というものを労働省はどういうふうに評価して、これについて今後どういうかじ取りをしていくかということなのです。私は、あらかじめ私の考えを申し上げておくと、実は日本的雇用慣行というものはでき得る限り維持すべきものであるという立場です。 もともとが日本的な雇用慣行に服していると見られる雇用労働者というのは、すべてではないのですね。学者の説では、五千万人くらいのうちの千二百万人くらい、四分の一弱くらいの人がこの日本的雇用慣行に服して、実は日本経済の強さの原動力になっている。そういうことでありますから、これは認識を誤ってはならないので、この辺は非常に大事だと思うのですが、どうも最近の、鳩山大臣を別とすると、細川内閣から羽田内閣というような方々が新保守主義という風潮のもとにありまして、一定の風と申すべきか、空気と申しますかあるいは潮の流れというか、こういうものに非常に影響されているということを否定できません。こういう中で、この日本的雇用慣行に対してもかなりマイナスイメージ、こういうものはむしろ破壊して雇用の流動化を図るべきだというような方向にともすれば行きがちだ、こう思っているのです。 私は、率直に言うと労働省は頑張っているなという感じがしているのですけれども、まず公式に労働省のこの問題についての考え方をお尋ねしておきたい、このように思います。
○鳩山国務大臣 ただいまの柳沢先生のお話を承っておって、基本的ないわゆる日本型の雇用慣行、昔は終身雇用という言葉も頻繁に使われたけれども、恐らく基本的に私は同じ考え方なのではないかと今思っております。 と申しますのは、昨日、雇用政策研究会に中期雇用ビジョンというものをつくっていただいて、これを事務次官が受け取り発表しました。新聞で、大きく詳しい記事を書いたところはいろいろなことを書いてくれますが、これを小さく扱ったところは、例えば終身雇用制に労働省が変更を加えるなんというような見出しになっておりまして、これではつくられた方の本旨でもないだろう。 これは、実は教育改革と同じであって、もし労働改革のようなものがあるとすれば、例えば教育改革を今やっていますけれども、恐らく日本の義務教育制度の基本というものを維持しているから私は成果を上げることができるだろうと思うわけで、これを何でもかんでも変えればいいのだというので、個性重視だからということで、教科書の検定もなし、学習指導要領もなしなんということをやったら、恐らく日本の教育の強さの基本が崩れるだろうと思うのです。 それと同じように、日本型の雇用慣行というものがあって、それは、一つの会社に長くいる、会社に面倒を見てもらえる、そして多少不況になっても雇用調整助成金をいただくような形で一つのグループ内に残って、また景気がよくなったときにその会社やグループのために働くという中にやはりこの日本経済の強さがあったわけで、これから産業構造がどんなに変化していったとしても、そこの基本を壊してしまったら日本経済は非常に弱体化するだろうと基本的には思っています。 きょうの朝、鷲尾悦也連合事務局長が書かれた文章もそのような意味内容が入っておって、とにかく、労働力の流動化といったら何でも流動化すればいいみたいに思うのは大間違いだということも、私は非常に同じ考え方だと思っております。
○柳沢分科員 これは、まさに日本の労働問題を非常に長く研究されてきた、私尊敬しているのですが、小池和男教授なんかも言っておりますけれども、もしそういうことをしたら非常にモラルが低下する。それからまた、日本の場合、企業内で人材育成というか教育研修をしているのですね。そういうことをやって非常に優秀な従業員というか労働者をつくっておる。それを、私はいささかアメリカに生活したこともあってそのあたりのことを知っているのですけれども、さんざん企業でノウハウを身につけて、それでぽっとスピンオフをしてしまう、こういうことについては当時も非常に割り切れなさを感じたわけでありますけれども、私はただいまの大臣のお言葉で大変勇気づけられたわけでございます。 ただその中で、今も上田さんが触れておりましたけれども、雇用の維持ということと、新規の雇用というかあるいは新規就職というか、この面がいささかトレードオフの関係にあるわけですね。この点は非常に悩みだと私は思っておるのです。 私は、アメリカの友人なんかとこういった問題を話すときに、アメリカ人が今日本に対して一番関心を持っているのは、おまえのところはナショナリストライトが出てくる危険性はないのかということです。ヨーロッパあたりでスキンヘッドで飛び回っている右翼、若い人たち、これはどうして生まれて社会的な不安を醸し出しているかというと、やはり雇用の問題に行き当たらざるを得ないと私は思うのです。 そういうことで、先ほど女性の問題も出ておったわけですけれども、特にこういったことになりますと、男子の若い人たちが雇用の機会を失うということにはそういった危険も伴うのだということをかなり強く頭に置いていただかないと、そういった風潮が出ますと、あっという間に燎原の火のごとく広がることは必定な社会現象だと思うのですね。この点は非常に御憂慮賜りたいと思いますが、大臣、一言お伺いできればと思います。
○鳩山国務大臣 幾ら自由経済体制であっても、そうした中で企業には社会的責任があるだろうと昔から言われてきている。最近ではメセナなどという動きもあるけれども、企業とか産業界の重要な社会的責任として、やはりそういう若い国民もきちんと雇用をして、景気がいいときにはばんばん雇用して景気が悪くなったらどんどん吐き出すというのは、やはり企業が責任を正しく果たしていない。少なくとも、各企業の責任というよりも、産業界の責任を果たしていないことになるのではないかと私は考えております。そういう意味で、特に若い新しい労働力をできるだけそれぞれの産業が就職をさせてくださるように、これからも懸命にお願いをしてまいりたいと思っております。
○柳沢分科員 大臣のお答えでこれまた私は納得いたしますけれども、今言った労働問題だけではなく、ある種の社会問題に広がる危険性を持った問題だということで、よろしくお願いをいたしたい、このように思います。 次の問題は、今これまた上田さんも取り上げておったわけですが、日本の労働生産性、あるいはそのものずばり賃金といったことについての問題であります。 これは、国際比較で内外価格差ということをよく言われますけれども、私は、労働賃金についても内外価格差が生じてきてしまったという考え方もとらなければならないのではないかと思うのです。 これは昨年の二月の新聞でございますので、やや統計が古いわけですけれども、一九九〇年の時間当たりの平均賃金の比較というのが出ておるのです。もともと賃金の国際比較というのは非常に難しいという前提で、しかしながらということで立論がなされておるわけでございますけれども、ちょっと申し上げますと、要するに為替レートが百二十六円の段階で、日本を一〇〇といたしますとアメリカは七五だということなんです。四分の三の賃金です。これは、私の地元の浜松の自動車部品メーカーの社長さんにもせんだってお話を伺いました。先生、アトランタで時給十ドルなんですよと。日本は一九九〇年で時給千八百二十一円。アトランタでは十ドルだと言ったのですが、この統計によりますと十ドル八十三セントです。これがまさに賃金の内外価格差だろうと思うのですね。 そこで、労働生産性のことについては先ほどもうお答えになられたとおり。この労働生産性も恐らく付加価値を総労働時間で割って出しますから、この付加価値の評価に当たっては為替レートの影響を受けますね。そういうようなことで、実は非常に日本が割高になっているのですが、こういうことを背景としてリストラ、雇用調整が行われている。 あるいはもっとそれが進めば、これは海外へ生産基地を移動するということで、日本の国内における産業の空洞化という現象が出ていることは御案内のとおりです。これは、いずれも雇用の問題に直結した現象であります。このことに対して、この羽田内閣あるいは鳩山労働大臣のもとにおける労働省は一体どういうような考え方を持っているのか、このことが問題なんです。 そうして、先ほど来大臣がいろいろと言及されました中期雇用ビジョン発表、けさ見まして、おお、やってる、やってると思って感心をしたわけですが、私が見た中での一番詳しい日本経済新聞の記事の中でも、最終的には最近における葵の御紋ともいうべき規制緩和で雇用機会をふやすしかないんだ、そういうようなことにどうやらなっているかのごとくであります。これは新聞記事で、我々現物に触れておりませんのでそういう推測をしたわけですけれども、これはどうですか、事実の確認。余り難しく言われると時間が足りなくなりますので、簡潔に。 できるだけ日本的な雇用慣行を維持して雇用の維持をしなくてはいけません、しかし、それにしてもいろいろな面で流動化ということは避けがたい面もある、こうなっていますね。それで、一定の雇用を確保するためには、その場合に規制を緩和して新規の事業がたくさん出てもらわなければ労働力は過剰になってしまうというようなことを言っているわけですけれども、この辺の大筋の議論の仕方というものはいかがであったわけでしょうか。
○鳩山国務大臣 例えば先生お手持ちの中期雇用ビジョンの新聞記事がおありだと思いますけれども、これは三%ぐらいの成長が予定されておって、またその三%成長するためにはより一層の社会資本の投下率の増大というのがありまして、そして規制緩和、構造調整等がきちんとできて、その結果でしょうか、三%の経済成長ができたときには労働力の需給関係が見合うけれども、それらの条件を満たさないと労働力が余ってしまう、こういう話だろうと思うわけであります。したがって、規制緩和とか構造改革というものは、新しい雇用を最終的には創出するんだ、つくり上げるんだというふうな議論がなされていると思うわけでございます。 場合によっては、経済の空洞化と言われる現象ですら、部品が売れるんだとか、逆に向こうから発注が来るんだとかということで、企業が外国へ進出することも新しい雇用を生むというような議論もなされることがあろうと思います。ですから、経済や雇用が高度化していくことによって雇用に関する新しい需要が生まれるのは私も確かだろうと思います。 しかし、そのプロセスにおいては、逆に非常に多くの失業を生む可能性があるわけですから、規制緩和、あるいは内外価格差をなくそうとするそういう規制緩和をやれば、当然弱いものはばたばたいくということで、そういうことがあってはいけないわけなので、長期的に見た、マクロ的に見た労働力の移動というのがあるとすれば、その大移動が失業がない形で進むようにきめ細かに手を打つのが労働行政の仕事なのかな、私はそういうふうにとらえております。
○柳沢分科員 これは非常に難しいところでして、規制緩和をすれば短期的にはまさしく失業を生む、そういう可能性の方が強い。しかし産業が活性化すればこれは雇用の機会を新たにつくり出すことになる、こういうことをどう見るかということであります。 ところが、羽田内閣というか、その前の細川内閣当時から、今の政権担当されておる政治勢力の人たちは、一貫してこの規制緩和を後者の方、中長期的なことであるのだけれども実は短期的にも期待できるなどと言って、昨年の八月でしたか、そのときの景気対策は真っ先に規制緩和というのをのせるわけですね。私は、そういうアプローチというのが非常に問題がありますよということをまず一つ申し上げたいわけです。 それと同時に、本当に規制緩和が中長期的にも雇用の機会を創出するだろうかということに対しては、これはアメリカがまだ、中長期的な成果を評価できる局面にあるかどうかはともかくとして、私どもの友人は、アメリカは景気の回復が出てきた、そういう兆候が出てきた、しかし非常に不思議な景気の回復である、雇用がちっともふえない景気の回復である、こういうことを規制緩和をやった後の景気回復で言っているのですよ。この点は労働省としては非常に留意をして、強く留意をして、今後の経済政策の展開に当たってしっかり発言をしていっていただきたい、こう思うのですね。 私は、結論を言ってしまうとどういうことかというと、こういうアプローチは間違いだと思っています。これはもっと原因のところにさかのぼって手当てをしなければいけないのじゃないかと私は思っているのです。 これは今の空気、時流には全く反する議論であることは百も承知なのです。すべては為替レートから来ているのです。しかもその為替レートは、では経常収支というか貿易あるいは貿易外の収支が為替の市場でどういうふうに出会うかによってレートが決まっているかというと、違うのですね。そういう実物あるいはサービスの貿易量に比べて資本取引の量というものが圧倒的なのです。資本取引の方向はどういうふうなことで決まるかというと、思惑です。思惑の中で一番大きな影響を与えているのは、アメリカ政府当局者の為替政策に対する意向なのですよ。 私は、そういう点で非常に為替政策、為替レートというものについて一もう一つ発展途上国の安い労働力をどういうふうにこの問題に絡めて解決していくかという問題、これはこれからOECDやサミットで取り上げられるわけです。しかし、産業の空洞化だとかリストラの緊要性が高まっているということの背景は、先進国と発展途上国の間だけで起こっているのじゃないのですね。先進国同士の間でも起こっている。その先進国同士の間で起こっていることの重大な要因は、これは為替レートの問題なのです。 ですから私は、余り規制緩和ということを葵の御紋のようにする今日の風潮はともかくとして、労働省の方々がもう一段掘り下げてよくこの現象を見ておいていただきたいな、雇用という観点から皆さんが一番物が言える立場にあるのではないか、こう思いまして、その点を期待いたします。 最後になりましたけれども、本題のシルバー人材センターの話に移らせていただきます。 このシルバー人材センター、私などは自分がいろいろな形で、例えば家内の手伝いをしてくださる人だとか事務所で大量のあて名書きが必要になるときだとか、割と実は接触が多いものでありますけれども、非常に皆さん生き生きと、有能ですね。やはり日本人の一番いいところが出ているのじゃないか。あて名書きなんか、字はきれいたし、絶対信頼がおけるわけですね。 こういうようなことで、私は非常にこの制度は評価しているのです。ただ、彼らが最近心配をしておるのは、昨年の八月に出ましたシルバー人材センターの在り方に関する研究会報告の中で、センターの事業につきましては、非常に重要な就業対策の柱であって、国が引き続き必要な補助をしていくのだけれども、一方、センターの自助努力の促進の観点から補助内容の見直しも必要である。この一句でもってもうみんな跳び上がってしまったわけです。 ああ、これは補助金を削られる、こういうことでありまして、我々こんなに一生懸命やっているじゃないですか、大したお金でもないはずなんで、ぜひこの補助金は、むしろ前向きな見直しは歓迎するけれども、そういうように金額をちびるような方向での見直しについては、そういう態度はぜひ見直してもらいたい、こういう要望が強く寄せられております。 この点についての回答をいただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
○七瀬政府委員 シルバー人材センターの役割につきまして先生から大変温かいお言葉をいただきまして、ありがとうございます。そういう団体でございますので、国といたしましても積極的にその育成援助に努めてきたところでございます。 また、お話の件は、設立後間もないセンターにつきまして仕事量を確保するために、市町村がセンターに仕事を発注する場合に補助を行ってきた、それが自立していくに従ってこういった補助金は、事の性格として、やはり自立の精神からいって十年たったところには御遠慮いただこうということをいたしたわけでございまして、その点についてはぜひ御理解をいただきたいと思います。 ただ、シルバー人材センター全体の補助金につきましては、平成六年度の予算におきましても、二十カ所の増設を含めて前年度比四%増、百五十五億ということを計上いたしておりまして、シルバー人材センターの事業内容の充実ということについては今後とも努めてまいりたいというふうに思っております。
○鳩山国務大臣 結局、市町村がシルバー人材センターに仕事を出した場合にそれを補助する仕組みというのは、シルバー人材センターを育成するために必要な制度と位置づけているわけですが、十年ぐらいの間には軌道に乗ってもらいたいという願いが込められております。 というのも、これは本来、市町村が仕事を出す、それに補助するわけですから、言い方は悪いですけれども、得をするのは市町村であって、シルバー人材センターのメンバーの方々ではないわけですね、仕事が他に順調にあるならば。そういうことを考えますと、その辺は十年ぐらいで御勘弁いただいて、そのかわり運営費の補助の方は、労働省内でどういう動きがあるかわかりませんけれども、これは減らさないで国がきちっと雇用労働対策としてやっているということを示していくべきだと思います。
○柳沢分科員 ありがとうございました。
○近藤(鉄)主査代理 これにて柳沢伯夫君の質疑は終了いたしました。 次に、小沢鋭仁君。
○小沢(鋭)分科員 さきがけ・青雲・民主の風の小沢鋭仁でございます。 本日は、予算委員会の分科会でお時間をちょうだいしまして、感謝を申し上げます。私の質問は、一つは婦人問題、婦人の社会とのかかわりについて質問をさせていただきたいと思っております。その点どうしても、婦人問題の場合に、単に婦人の就業だけではないものですから、厚生省さんの方にもきょうは、枠外のようでありますが、お越しをいただいておりまして、感謝を申し上げるところであります。そしてまた、二十一世紀福祉ビジョンの関連を御質問させていただきたいと思います。 まず、女性の社会進出が近年大変ふえております。私は、ある意味では新世代の政治家として、そういった問題が我々の世代の課題であろうという気持ちでこれまでも取り組んでまいってきたところでありますが、その問題意識の原点は、一つは、我々が生まれてくるときに男女の性別をみずから選んで生まれてきているわけではないということだと思っております。生まれてくるときにみずからそれを選んでくるのであれば、いわゆる女性の社会的な権利あるいはまた環境が不十分であったとしても、それはまた別にメリットもあり、その観点からみずから選択をしたということであれば、それは仕方がないことであろうと思いますが、我々の人生というのはそれを選んできていないんだというところを原点では大事にしなければいけない。そういった意味では、機会、チャンスの平等というものが当然ながら真剣に考えられなくてはいけない、そういう問題意識を持っておりますことをまず申し上げたいと思います。 そういう中で、日本という国はかなりいろいろな分野で先進国の重要な一員になってきておりますが、その中でやはり女性の社会進出の面は、ややまだ不十分なのかなという印象を私は持っているところであります。 そういう中にあって、女性の社会とのかかわりは、これは実は本日の労働省さんの枠、いわゆる所管だけではなくて、大変広い話でありまして、子育ての問題もありますし、そしてまた年をとっていけば介護の問題もあるわけでありますし、そういう年代ごとに、いわゆる婦人の問題というのは今の行政組織の枠を超えて、文部省であり、あるいは厚生省であり、そして就労ということに関しては労働省であり、そういう幅広い分野にまたがっているというところが、私はまずこの問題の特質として指摘を申し上げたいところであります。 その調整機関として、総理府に婦人問題企画推進本部というのが設置されているわけでありますが、本日はそちらまで御迷惑をかけるといけないものですから、労働省の鳩山大臣のところでまず第一点、そういう婦人の問題を考えるときに幅広い視点というのが重要だ、そしてそういった観点を持たないと女性の社会的な進出という問題が、あるいは就労という問題が根本から解決されないのではないか、そういった認識を私は持っているわけでありますが、大臣の御見解を承りたいと思うところでございます。
○鳩山国務大臣 小沢委員おっしゃるとおりだと思いまして、この女性の問題というのは幅広くとらえていかなければならないわけで、単に雇用の問題だけではないだろうと思っております。 いわゆる女性担当として内閣官房長官、それから総理大臣を本部長とする婦人問題企画推進本部というのもございますけれども、また、労働省の婦人局長も参っておりますが、婦人局の仕事も、これは単に女性の雇用の問題だけを扱うのではなくて、婦人の地位の向上その他の婦人問題一般を所掌する役職となっておりますので、労働省自体がこの婦人問題を幅広くとらえていかなければならないと思います。 平塚らいてうさんの、最初にこの運動を始めるときに、女性は昔太陽であった、今は月であって、要するに人から光が当たらないと自分から輝くことができないということで我々はこういう運動を起こすというような、そんな文章を受験勉強時代に見た記憶がありますけれども、もうそういう時代にないことは間違いないのですが、もうそういう時代じゃないことは明らかなんですが、それでもなおどこかに女性だから、婦人だからということで幾ばくかのものが残っておる、そこが問題だ、だから、幅広い観点ですべて処さなければならぬ、そう思います。
○小沢(鋭)分科員 ぜひとも今大臣がおっしゃっていただいたような視点で今後とも取り組んでいただきたいと御要望申し上げたいと思います。 次に、具体的な領域で女性の問題を質問させていただきたいと思います。 まず、昭和六十一年にいわゆる男女雇用機会均等法、これが施行になっているわけでありまして、そういった中で、募集、採用、配置、昇進、そういった分野における事業主の努力義務が明記されてきているところであります。その現状に関しまして、主に募集、採用、そういったところでも結構でありますし、その後どんな推移をしたかというのを労働省の方でどういうふうに御認識をしているか、お答えをいただきたいと思います。
○松原(亘)政府委員 男女雇用機会均等法の施行を契機といたしまして、これまで求人は男子のみとしていたようなところが男女を問わない求人にするといったようなことですとか、女性の職域も、とかくこれまで女性が多いところがふえていたというような傾向から、例えば建設業ですとか運輸業ですとか、どちらかというと男性主体の職場、そういったところにも職域が拡大していくといったようなこともございました。また、女性の管理職につきましても少ないながらふえてきている、女性を管理職に積極的に登用しようという企業の姿勢といいますか、方針といったようなことも見えてきているわけでございます。 ちょっと具体的に数字を申し上げますと、男女雇用機会均等法施行前の調査でございますけれども、大卒者を公募した企業のうち、男子だけを募集したという企業は六五%ぐらいございました。それが、雇用機会均等法が施行され、次第に定着をしてまいりました平成四年度の調査によりますと、六二・三%の企業がいずれの職種、コースも男女とも募集している、四年制大卒の事務系でございますけれども。というふうに、もちろん男子だけ募集している企業もまだあるわけではございますけれども、大きく女子に対する門戸は開かれたというふうに思っております。 また、女性の配置につきましても、かつては女性を補助的な業務に配置するという企業が多かったのですけれども、最近では能力や適性に応じてすべての業務に配置するという企業が平成四年で五五%、それから女性の特質、感性を生かせる職務に配置するが三八%というふうになってきております。この女性の特質、感性を生かせる職務ということにつきましても、女性だからということではなくて、だんだん女性の中でも個人の能力や適性を判断していこうというような方向になってきているなど、この均等法の精神は企業の雇用管理に大きく影響し、着々と定着をしてきているというふうに私どもは考えているところでございます。
○小沢(鋭)分科員 ありがとうございました。 着実な進展ということに関しましては、私も同感でございます。ただ、今おっしゃっていただいた募集のところは私も同じような数字を持っているわけでございますが、同時に採用になりますとややその数字が落ちているところもあり、これはまたぜひとも、今後とも採用の部分も募集の話と同じような形で伸びていくことが望ましいのかなというふうに思っているところでございます。 それでは次に、そういった女性のいわゆる社会進出に当たって、私が実はこの委員会で質問させていただこうと思いましたのは、ある意味では、これはすぐれて男性のワーキングスタイルの問題ではないかと思ったからであります。男である私が女性の問題をこういった形で質問したのは、まさにその問題意識があったからであります。 私事ではありますが、私もまた家内もずっと仕事を一緒にしてきた家庭でありまして、そういった中で約二十年近くいろいろなことを悩みながら、そして解決しながらやってきたわけであります。その中でつくづく感じてきておりますことは、いわゆる日本の社会というのがよく言われているところの会社中心主義社会ということであって、そしてその会社中心主義の会社の中は男性中心主義社会とも言われているわけであります。 具体的に言うと、残業をこなすのは当たり前でありまして、最近はサービス残業ですか、そんなような言葉も出ているわけでありますが、残業をするのはとにかく当たり前、そして会社での仕事だけではなくてその後の接待ですね、夜接待をするのは当たり前、そして、土日になるとまたこれがゴルフという形での接待ゴルフになる。 要は、男性が、父親が家庭にいないケースが大変多い。そしてまた、それが当たり前の感覚で今まで来ている。そこは恐らく私どもの世代からやや違ってきているのではないか、家庭と仕事の両立といったような意識が相当強くなってきているのではないかと思っているわけでありますが、そういった今までの社会意識、それがこの女性の問題に関して極めて強い。女性の社会進出の問題は、すぐれて男性のワーキングスタイルの問題ではないかというふうに私は思っているわけであります。 特に、昔と今を比べてみて、職住が離れているわけです。仕事の場と住居が離れている。通勤というのがある。そして、仕事場に行くと、それはもう家庭とか地域とかと分断されてしまう。昔は近くで子供を遊ばせておけばよかったわけです。ある意味では職住が近接、隣接しているわけですから、子供を遊ばせておけばよかった。しかし、今は完全に通勤というものが間に入ることによって分離されている。これはもう現代社会の特質でありまして、そういった社会の生活構造が変われば、当然ながら政治とか行政もそれに対応しないとどこかにしわ寄せがいってしまう。それが女性にしわ寄せが今いっているのではないかという意識もあるわけであります。 ですから、そういった意味においては、すぐに行政的にどういう対応をということではないのでありますが、女性の社会進出の問題というのは、すぐれてそういった日本の社会の構造、特に男性のワーキングスタイルにかなり影響があるのではないかといった観点を、やはり同世代だと思っておるものですから、鳩山大臣の方からも御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 確かに先生おっしゃるとおりそういう要素が非常に色濃くある、でもこれをどうすればいいかといえば、時代の変化を待たなければいけない、あるいは国民の意識の変化を待たなければいけないという要素もあるのではないだろうか、そんなふうに思います。 前に女子差別撤廃条約という、そういう国際条約に入って批准するかどうかという議論があったときに、私はこういうことを聞かされたことがございます。要するに、男女の完全なる平等というのが実現をすれば、例えば学校の教科書で、お父さん会社に行ってらっしゃいといって、お父さんがかばんを持っている、お母さんがエプロンで、あるいは掃除機か何かかけていて手を振るというのは、小学校の教科書でもそういう絵はもうかけなくなるので、会社に行く人あるいは家事をやる人の性別が明らかになってはいけないんだというような話を聞いて、なるほどそこまで来てしまうんだなと思いましたし、逆に言えば、でもそこまでいかなければ男は男の世界があるというような感覚で生きておったのでは、ある意味では本当に男女の平等な世の中はできないのだなというふうに考えてきたわけで、ただいまの小沢先生の御指摘はそういうような面も強く含んでいるのだというふうに考えるわけでございます。 ただ、世代もございますし、先生は今奥様とともに働きながら家庭を二人で維持してきたとおっしゃいましたけれども、私も戦後の生まれでございまして、委員よりは六つほど私の方が年上でございますが、例えば日曜日とか土曜日に暇があれば、掃除、洗濯は余りいたしませんけれども、大体家族の食事をつくるのは私だ、これはもう数年前から相場が決まっております。そういうふうに、私のような人間は単なる変わり者なのかもしれませんが、それは年が十上の方、二十上の方に比べれば我々の世代の意識は相当変化してきていますので、それをさらに推し進めるような、あるいはインセンティブとなり得るような事柄がどこかにないかということは研究していきたいと思います。
○小沢(鋭)分科員 大変頼もしい御答弁をありがとうございました。ぜひともよろしくお願い申し上げます。 続きまして、具体的な支援体制といった点について御質問をさせていただきたいと思います。 最近は高齢化社会あるいは高齢化時代と言われているわけでありますが、この意味は二つございます。一つは、お年寄りの皆さんたちが健やかに長寿化しているということ、それからもう一つは、生まれてくる子供の数が少ない、少子化社会になっているということ、この二つが相まって高齢化の進展が進んでいると私は考えるわけであります。 第一番目の長寿化の方の話は、これは極めて好ましい、望ましい話でございます。そういった意味では、そちらの方は大いに進んでいくことがこれからも期待されるわけであります。 二番目の少子化の問題、こちらの方は社会の中で何らかの対応をしていかなければいけない大変重要な問題だと私は思っているところであります。そういった問題を考えていくときに、やはり女性の社会進出、仕事、就労をするから子育てがなかなか大変だというような問題が大きいのだろうと私は思うわけであります。 そういった観点で考えたときに、これは厚生省さんの方になるかと思いますが、例えば保育の問題で最近言われているのが二点あるようであります。いわゆるゼロ歳児保育に象徴される小さいお子さんの保育の問題、預かってくださるところが極めて少ないということ。それから、夜間保育というのですか、時間延長のところがなかなかフレキシブルではなくて、とにかく仕事をしていても帰る時間帯に会議なんかがぶつかって、そこのところを抜けるかどうかというような話で、本当に仕事をしているお母さん方はどきどきはらはらという思いをしているようでありますが、そういった意味での夜間保育。この二点に関して、現状と、今後どういう取り組みをなさるか、お聞かせいただきたいと思います。
○柴田説明員 先生今御指摘のように、就労と育児の両立支援、これは大変大事なことでございまして、本日御審議いただいております平成六年度の予算案におきましても、エンゼルプランプレリュードと銘打ちまして保育対策を中心にかなり充実をしているということでございます。 具体的に今御指摘のありました乳児保育につきましては、箇所数を六百六十一カ所ふやすということと、それから、今までは一定の人数、赤ちゃん三人以上というようなところを補助対象にしていたわけですけれども、今度はそれに満たないところでも継続的にやっているようなところは補助の対象に加えるというような、新たな拡大もしたわけでございます。 それから、夜間の保育ニーズに対応します延長保育でございますけれども、これにつきましても、従来の延長保育を二時間型、四時間型、六時間型というようなタイプに新たに再編し、予算額も、従来に比べますと十三億を五十二億ということで約三・八倍にふやしております。その中身は、保母さんの配置、要するに保母さんの体制の整備を中心にふやしているところでございます。 こんなことで、私どもも、今後もこういう乳児保育なり夜間の保育ニーズに対応する延長保育の充実は引き続き努力してまいりたいと考えております。
○小沢(鋭)分科員 続きまして、同様の質問でありますけれども、育児休業について御質問したいと思います。 今御答弁の中にありましたけれども、そうやって働いていらっしゃるお母さん方に対する支援は着々と充実しているわけでありますが、私は、その一番根本で、ある意味では行政対応の意識改革が必要ではないかと思う点があるわけであります。それはどういうことかといいますと、依然として経済的な理由で働かなければいけない大変厳しい環境におられる方も多いわけであります。しかしながら、同時に最近の女性の社会進出がこれだけ増大しているということは、決して経済的理由からではない、これはある意味で女性自身の自己実現といいますか、そういった話の中で、キャリアパスというかキャリアとして、とにかく自分の生きていく価値としてそれを選択している方たちがふえてきているから、これだけの社会進出の増大という話になってくるのだろうと思います。 そういった観点で育児支援の話を考えてみますと、育児休業法ができましたけれども、これは期間が一年でございますね。そういう中にあって、経済的な理由でなくて働いていらっしゃる人にとって大事な話は、経済的な担保ではなくていわゆるキャリアパスの継続だ、そちらの方がより重要だと考えるわけであります。 そういった観点で、日本の社会は、特に大手あるいはまた役所もそうだと思います。一たん退職をする、一年間の休職は認められているわけでありますが、しかし、家庭のチョイスによっては幼稚園に行くまでとか例えば四歳までとかといったところもあるわけでありまして、そういった少し長期間仕事をやめても、少なくともそのときに経済的支援は必要がない、しかし、社会の、前にいたところにはもう一回戻れるというチャンスが重要なんじゃないかと私は思うわけでありますが、そういった観点に対してのお取り組みはどのようにお考えでしょうか。
○松原(亘)政府委員 御指摘のように、現在の育児休業法は子供が一歳未満の労働者が休業できることになっているわけでございます。同じく育児休業法の中で、小学校に入るまでの子供を持つ労働者についても育児と仕事との両立という面でさまざまな困難があるわけでございますことから、そういう労働者につきましても、育児休業なり勤務時間の短縮といったような措置に準ずるような措置をとるように事業主に対する努力義務も規定をいたしております。こういった努力義務につきましても、私ども育児休業法の趣旨とあわせて事業主に対する周知啓発をやっているわけでございます。 ただ、先生御指摘の、もっとずっと長期のというような場合については、今申し上げた休業という形でやる場合もございますけれども、例えば、一たん退職してまたしばらくたってからもとの企業に戻れるというような制度もあろうかと思います。幾つかの企業は、いわゆる女子再雇用制度というような名称で呼んでおりますけれども、そういった一たん退職した後もとの企業に戻れる制度もある場合には有効であろうと思っているところでございまして、あわせてこういった再雇用制度の普及といったことにも努めているところでございます。
○小沢(鋭)分科員 特に後半部分の再雇用制度、私も銀行におりましたからそういう制度がございましたが、なかなかもとに戻れないところがややあるのですね。会社には戻れるけれども、仕事としてもとに戻れない。そこのところは、個人の能力の問題も当然あるわけです。しかし、チャンスをできるだけ広くという観点でお取り組みをいただきたいと思います。 次に、福祉社会のビジョン、これに関連して二点御質問させていただきたいと思います。 一つは、ワークシェアリングについてでございます。御承知のように、福祉社会ビジョンをベースにして、例えば財源の問題、具体的には消費税率のアップ等の問題が今出てきているわけでありますが、さきがけ・青雲・民主の風の方は、行革なくして税制改革なしということを一貫して主張しているところであります。そういう中にあって、行革という話ではないけれども、同時に福祉の中身そのものもやはり考えなければいけないと思うところがあります。 そういった中で、新しい考え方として一点、最近フランスあたりでワークシェアリングという議論が盛んになってきております。ドイツのフォルクスワーゲン社は週休三日、これは雇用調整の中でのワークシェアリングだと思いますけれども、そういった問題が出てきております。日本においては、高齢者といわゆる若い世代とのワークシェアリングという話があり得ないか。きょう新聞でたまたま見たわけでありますが、年率三%の経済成長がなければ今の供給がオーバーしてしまう。これは新聞でちらっと見ただけで不勉強で申しわけありませんが、そういったことを考えたときに、世代間のワークシェアリングというのが必要である。 若い人は特に、例えばもう半日ぐらい休みをふやして時間を与える、それによって、スポーツ、芸術あるいは学術といったようなところで、新しい消費のフィールドというのも広がっていくのではないか、消費のフロンティアも広がっていくのではないか、なおかつ、高齢者の皆さんも週に半日あるいは一日ぐらいはワークシェアリングで生きがいとして働いていただく、こういう考え方は最近聞くところでありますが、労働省としてはどんなふうにお受けとめでございましょうか。
○鳩山国務大臣 ワークシェアリングという概念は、私は決して詳しいわけではありませんが、今後の、二十一世紀の世の中に入っていく中で、非常に興味ある検討すべき話題、あるいは課題の一つではないかなというふうに思うわけでございます。 と申しますのも、結局、勤労者がゆとりを持って、そして心豊かに生きていくときに幸せになれるということを考えてみると、普通人間は、働くときは常に目いっぱい働くということを前提にしておるわけですけれども、それを前提に置かないケースというのもあってもいいのではないか。つまりそれは、高齢者の場合が特にそうなんだろうと思うわけで、いずれ六十五歳まで現役でばりばり働いてもらえる、そんな世の中を目指しているのですと、昨日も雇用保険法で私は答弁をいたしました。 それは基本的にそういうふうに思ってはいるわけですが、しかし、五十五を過ぎ、六十を過ぎていけば、やはりそれなりの人生体験あるいは経験に基づいて、もっと短時間の労働をしてみたい、あるいは本当に好きなことをちょっとだけでもいいから生きがいとして仕事を残したいとか、いろいろな考え方が出てくるわけでございましょう。その辺と今小沢先生御指摘のワークシェアリングの問題というのはどこかでリンクしていくわけでございますので、これからの興味ある検討課題とさせていただきたいと思います。
○小沢(鋭)分科員 時間が参ったようですが、もう一点だけ簡単に御質問させてください。 先ほどちょっと言いかけた話ですが、要は福祉のコストです。福祉のコストというのは、これはもう毎年増大していくのが当たり前だというのが今コンセンサスになっているわけでありますが、それは全体量としてはふえていくにしても、しかし、部分的には逆に削れるところもあるのではないかという視点を持つのも重要だろうと思うのです。福祉のコストは毎年当たり前にふえていくんだと思うのは、その部分をないがしろにしてしまう。 その中で、特に医療費の問題であります。ここは工夫ができる部分なのかなということと同時に、医療費の場合には、保険診療でありますから、ある意味では、お医者さんの数、歯科医師さんの数がふえるに従って、保険給付もある程度関連して相関的にふえていく。マーケットで処理できる話じゃないものですから、そういった意味においては、いわゆる適正な医療の水準、まあ人員の水準ですね、それとあと、これは全国レベルで考えてみますと、濃いところ、薄いところあると思いますが、適正配置。 マーケットで処理できる話ではないですといった点で、そういった問題が行政にとっては物すごく重要になると思うわけでありまして、最近は過剰時代というような話もあります。本当に必要なところにはしっかりといていただかなければ困るわけでありますが、そういった観点に関しまして厚生省はどのようにお取り組みになられているか、お願いいたします。
○今田説明員 御指摘のように、医療サービスは少し特殊でございまして、自由競争による市場原理が必ずしも機能しないという面がございます。したがいまして、医師数あるいは歯科医師数が過剰になった場合に、医療サービスが低下するとかあるいは御指摘のように医療費の増大を招く、こういった問題が考えられるわけでございます。したがいまして、厚生省といたしましても、医師数及び歯科医師数については適正な水準というものを確保することが必要ではないか、このような観点に立っておるわけでございます。 昭和五十年代の後半に至りまして、将来的に医師あるいは歯科医師が過剰になるという危惧が生まれまして、六十一年に、昭和七十年、平成七年になりますけれども、これを目途に新規参入につきまして、医師は少なくとも一〇%、歯科医師は二〇%それぞれ削減をするという御意見が出されまして、この意見に基づきまして、文部省あるいは関係方面の御協力を得て、現在、医師については七・五%、それから歯科医師については一九・五%の定員の削減が行われました。 なお、六十一年以降、地域医療計画に基づきます必要病床数の設定でありますとか、あるいはゴールドプランの推進などで医師等の需要に影響を与える出来事が多々生まれてまいりましたので、平成五年から改めて医師需給の見直し等に関する検討会を設けまして、現在、鋭意検討を進めているところでございます。
○小沢(鋭)分科員 ありがとうございました。 以上で質問を終わります。
○近藤(鉄)主査代理 これにて小沢鋭仁君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして労働省所管についての質疑は終了いたしました。 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時四十九分休憩 ――――◇――――― 午後三時三分開議
○土田主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 厚生省所管について審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本孝史君。
○山本(孝)分科員 短い時間でございますので、早速質問に入らせていただきます。 まずは、脳死と臓器移植の問題でございます。 脳死及び臓器移植の問題については、去る四月十二日に臓器の移植に関する法律案が議員提案で出されております、今まだ審議に入れない状況でございますけれども。私も、昨年十月から臓器移植の各党協議会のメンバーになりましたし、あるいはこの三月には委員派遣の脳死等医療問題に関する調査団の一員としてヨーロッパ、アメリカを回ってまいりました。 御承知のように、この問題についてはいろいろな意見がございます。私も、実は選挙区の中でアンケートを実施してみました。一般の方とお医者さんとを対象にしてやったのですが、なかなか回収が難しいわけですけれども、そこの傾向を若干申し上げますと、お医者さんと一般市民の方とともに脳死ということについては受け入れることができるというふうにおっしゃる方が多いのですが、さて、この臓器移植法について賛成ですか反対ですかというふうにお伺いをしますと、一般の方もあるいはお医者さんも、二対一、三分の一の方は反対だというふうにおっしゃるわけです。 その主な理由としては、これはお医者さんからの意見ですが、幾ら法律で縛ってもすべてが裏の金銭へ動く可能性がある、それから、医者の売名行為になるおそれがあります、移植を勧める医師たちへの信頼感がない。実は、これはお医者さんがそうお答えになっておられるのです。一般の方たちも、身内が突然脳死状態になったときに家族に納得のいく判断ができるとは思えない、あるいは、自分の家族を失った経験から最後の対話の重要性を感じた、それをどうぞ邪魔しないでいただきたい。それで、自分の身内の方を脳死で失った方は、もともと脳死は認めていたんだけれども自分の身内が脳死で亡くなってからはなかなか認めづらくなったというような心境の変化を語っておられる方もおられました。 これから審議ということで、なかなか内容にまで立ち入れないと思いますが、この臓器移植法を考えるときに、一つ参考になるのは腎移植ですね。腎バンクというものは既にもう存在をしているわけです。人工透析を受けて生活をなさっておられる方たちで、腎移植を希望して登録している方が今一万九千人おられます。一万九千人の方が腎移植を待っておられる。ところが、ここしばらくの腎移植の結果を見ますと、死体腎で毎年大体二百例。二百例ですから、百人の方から死体腎の提供がある。あるいは、生体腎を含めましても、大体七百件からよくて八百件というような程度しか行われておりません。 一生懸命ドナーカードの普及あるいは腎移植の必要性を説いておられると思うのですが、全国に腎バンクというようなものも各都道府県単位にございますので、なぜこんなに死体腎の提供者が少ないのか。その辺は、厚生省としてどういうふうにお考えでいらっしゃいますか、まずお伺いをします。
○谷(修)政府委員 今お触れになりましたように、人工透析を現在受けておられる方が十一万人を超えているわけでございますが、そのうち移植を希望されている方が一万九千人くらいおられるわけでございます。 厚生省では、腎移植の普及ということにつきましては、先ほどお触れになりましたような地方腎センターの設置ですとか、あるいは腎バンク等の設置を行うとともに、腎移植の推進月間ということを毎年十月にやるとか、あるいはパンフレットを作成するとか、ドナーカードを普及させるというようなことをやってきているわけでございますが、残念ながら諸外国に比べて腎移植、特に死体腎からの移植というのは少ないということはおっしゃるとおりでございます。 これにつきましては、私どもの立場としては、腎移植の有効性というようなことについてさらにPRをしていかなければいけない、いわゆる啓発普及ということをしていく必要があるというふうに考えておりますが、また、移植全体について、いろいろな機会をとらえて移植の有効性ということについて啓発普及をしていく必要があるというふうに考えております。いずれにしても、国民の方の御理解を得なければなかなか移植というものは腎臓も含めて進んでいかないというふうな認識は持っております。
○山本(孝)分科員 申し上げているように、臓器移植法ができてすぐに心臓ですとかあるいは肝臓ですとかを希望しておられる方たちすべてにこの臓器が提供されるとは到底思えない。腎バンクあるいは腎移植の今の例をよき先例として十分に検討していただいて、そこにどういう問題があるのか、なぜ日本で臓器移植が定着しないのか、そういった教訓を得る大変いい先行例だと思います。 ただ、繰り返しの質問で恐縮ですが、さっき申し上げましたように、私のアンケートでも随分医療に対する不信とかお医者さんに対する御不満というのが一般市民の中に根強くあるように思います。医療というのは医師と患者の共同作業であるという認識が大切だと思うのですが、患者の側に積極的にお医者さんに聞いていく、まず教えてくださいよという姿勢が大切でしょうし、お医者さんの側も、見せないとか知らせない、あるいは答えないというような感じのお医者さんが多いというふうに残念ながら言われているわけですけれども、そうしますと、インフォームド・コンセントということも今言われていますが、こういう医療への不信とか不満をどういう形で解消していったらいいのかということはどんなふうにお考えでしょうか、お聞かせください。
○寺松政府委員 今の先生の御指摘でございますが、適切な医療というものを提供していくためには、医師を初めといたします医療の担い手とそれから患者との間によりよい信頼関係が築かれることが大事であります。 こういうふうに認識いたしておりますが、このために、さきの医療法の改正におきまして、医療提供の基本的理念として、医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に関します規定を盛り込んだわけでございます。さらに、昨年の七月からでございますが、インフォームド・コンセントのあり方に関します検討会というものを設置いたしまして、先ほどから何度も繰り返しておりますが、医療の担い手と患者との信頼関係を構築するために必要な方策につきまして、いろいろと御検討をいただいておるところでございます。 また、今御指摘の医師の教育、研修の問題でございますけれども、この中でやることが非常に大事だということは承知いたしておりまして、とりわけ卒後の臨床研修というものにつきまして、患者やその家族との信頼関係を基礎といたしまして、患者の持つ問題を全人的に把握する、そして適切に解決できる医師を養成できるように、臨床研修の到達目標というものを設定いたしまして、その改善に努めているところでございます。
○山本(孝)分科員 ぜひ卒後教育の中でいろいろな形で取り組みをしていただきたいと思います。 あわせて、これは文部省の方の御管轄になるのでここで申し上げるのもなんでしょうが、医学教育そのものは大学の医学部の中で行われているものが多いと思います。厚生省と文部省と一緒に連絡をとりながら、この日本の医療水準、お医者さんの姿勢に随分かかっているように思いますので、ぜひ積極的にお取り組みをいただきたい、そんなふうに思います。 続いての質問なんですが、たばこの問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 せんだっての厚生委員会でもやはりこの問題が取り上げられました。御承知のように、五月三十一日が世界禁煙デーでございましたけれども、八九年にWHOで決議をされましたたばこに関するWHOの行動計画というのがございまして、この中では、九四年までに加盟国の少なくとも半分、五〇%でたばこ対策計画をつくるということになっています。 現在、厚生省の方でもこの決議に沿ってたばこの行動計画をおつくりになるという御予定だそうですけれども、この見通し、あるいはどういうふうな内容の計画を立てようというふうに今お考えなのか、この辺、お教えいただきたいと思います。
○谷(修)政府委員 たばこ行動計画でありますが、一九八九年、第四十二回のWHOの総会で、先ほどお触れになりましたように、たばこに関するWHOの行動計画の決議がなされておりまして、たばこ対策に関する計画の策定が求められているわけでございます。 厚生省では、昨年の五月に公衆衛生審議会から喫煙と健康問題に関する報告書、いわゆるたばこ白書と呼んでおりますが、それが報告をされておりまして、この報告書を踏まえながら、今後総合的な喫煙対策を進めるということでこのたばこ行動計画を策定をすることにしております。 WHOの加盟国が約百九十カ国ございますけれども、現在、一九八九年の総会の決議に沿った内容のたばこ行動計画、ナショナルプログラムと言われておりますが、を策定している国は約十カ国というふうに承知をしております。 私どもでは、現在御審議をいただいております政府の予算案の中で、この行動計画の策定費というのを計上させていただいております。これは、額は二百四十万ということでそう大きな額ではございませんが、検討するための専門委員をお願いをして、各方面の委員にお願いをして検討をしていただくという予定にいたしているわけでございます。したがいまして、私どもとしては、本年度の予算案が成立後、できるだけ速やかにこの検討会を設置いたしまして行動計画をつくっていきたい。 これは、WHOの決議の中にもおおむねの方向といいますか、項目というのは示されているわけでございますけれども、いわゆるたばこを吸わないという防煙対策というのですが、それからたばこを吸っている人がやめるための禁煙対策、あるいはたばこを吸っている人と吸わない人との間の分煙対策といいますか、そういうようなことを総合的に考えていくというような内容の行動計画というものを一応想定はしております。
○山本(孝)分科員 既に新聞等で、あるいは厚生省御自身でおつくりになっている資料の中にも書かれている話ですが、いわゆる受動喫煙と言われていますけれども、自分が吸うわけじゃなくて、隣の人が吸っている、その煙を二次的に吸ってしまう、この害の方が、吸っている人自身よりも実は被害が大きいということになっているわけですね。御家庭の中で御主人がたばこを吸っておられる家庭と吸っておられない家庭がある、吸っておられる家庭の方が奥さんが肺がんで亡くなる率がはるかに高いというような数字もございます。 この世界禁煙デーを前後に、随分厚生省の方もこういうキャンペーンをお張りいただいたこともありましょう、新聞等でもたばこの害についての記事がほぼ連日のように出ていたようには思いますが、実際のところ、これまでの対策というのがほとんどなかったのじゃないかというふうに思えるわけです。現在、たばこの行動計画策定中ですけれども、例えば今年度ですと、どのくらいの経費でたばこの害についての厚生省の方として何か対策のようなものをとっておられますでしょうか、そういう金額的なものはございますか。
○谷(修)政府委員 正確な数字はちょっと今手元にございませんが、先ほど申し上げたような行動計画を策定するという経費も含めて、健康づくり対策の中でそういったようなたばこに対する啓発普及ということもやっておりますが、そういう関連のもので約千八百万ぐらいというふうに承知をしております。
○山本(孝)分科員 そうしますと、厚生省のサイドで千八百万円ぐらいの経費をかけていろいろと禁煙、分煙、防煙ということの対策をおやりになっておられる。 ここで大蔵省の方にお伺いをしたいわけですけれども、たばこのいわゆる外箱に警告文を入れる、健康のために吸い過ぎに注意しましょうというような警告文、あるいはテレビや雑誌媒体での広告の規制、こういったものは大蔵省のたばこ事業法の中で規定がされているわけですね。専売制度であったというようなこともあって、大蔵省が所管されておられる法律の中にそういう問題が含まれている。 そうしますと、本来健康ということからいけば厚生省のお仕事なのかなというふうにも思うところがあるわけですけれども、大蔵省の方の皆さんでこのたばこの喫煙の被害というものについてどういうふうに御認識をされておられるのか、あわせて、何か大蔵省サイドで今後対策をお考えになっておられるのでしょうか、そこをお伺いします。
○大西説明員 受動喫煙の影響についてのお尋ねでございますが、私ども、大蔵大臣の諮問機関でたばこ事業等審議会というのがございます。この審議会で、平成元年五月に「喫煙と健康の問題に関連するたばこ事業のあり方について」という答申をまとめてございます。 その中で、受動喫煙の健康への影響についてでございますが、現段階では必ずしも明確にされていないものの、たばこの煙が非喫煙者、ノースモーカーに対しまして、目とか鼻とかのどとか、そういったものへの刺激等を生じさせていることが多い。また、吸い殻による防災とかあるいは美観上の問題というような点も指摘されておりますので、喫煙者の節度が強く求められているというふうに書かれてございます。 このため、公共施設、職場等におきます、いわゆるこれは分煙化と呼んでおりますが、喫煙場所及び喫煙時間の制限等の分煙化の措置につきまして、これが施設管理者等の判断に基づいて適切に進められるべきであり、たばこ事業関係者においても喫煙マナーの普及啓発に努める必要がある、こういうふうに述べられておるわけでございます。私ども大蔵省といたしましては、これを受けまして、一層充実した喫煙マナーの普及活動を行うよう、たばこ事業の関係者に対して要請をしております。 その中身につきましては、各事業者の自主的な判断にゆだねることといたしておりますが、一、二例を挙げますと、日本たばこ産業、JTがスモーキンクリーン・キャンペーンをもう二十年来やっておりますし、また携帯用の小さな灰皿の無料配布とか、テレビでのマナー広告の放映といったようなさまざまな活動をしておるところでございます。なお、御承知と思いますが、紙巻きたばこの包装には「喫煙マナーをまもりましょう」という文言を、これは業界の任意の措置として入れさせていただいておるところでございます。 以上でございます。
○山本(孝)分科員 済みません。そのマナーの問題ではなくて、健康被害というか、命にかかわる問題ですので、これはもっと前向きにお取り組みをいただきたいのですね。大蔵省というお立場で、たばこがかなりの税収入、二兆円くらいですか、を占めているという部分があります。あるいは、たばこの栽培農家というのがおられますから、なかなか難しい問題もあるのでしょう。その点はよくわかるのですけれども、やはり健康被害ということからいくと、何となく大蔵省さんというのは所管外なのかなというか、ちょっとお立場が難しいのかなというふうに思うわけですね。 そこで、一つお考えをいただきたいのは、例えば禁煙・分煙法というようなものはできないのだろうかという御提案なんです。内容的には、病院の中は、これはもう場所柄全面的に禁煙にしていただく。公共施設、それから駅、職場での今おっしゃいましたような分煙・禁煙対策ですね。これも、駅ということになりますと運輸省さんの管轄になるのでしょうか、あるいは職場ということになりますと労働省の労働安全衛生法の対応になるのだろうというふうにも思います。コマーシャル規制も、今はたばこ会社の自主規制に任されているわけですけれども、もう少しこの健康被害ということに注意をするならば、積極的に取り組めるところがあるのではないだろうか。今、駅なんかでも終日禁煙という駅が随分できてきました。できればそういう動きも応援してあげられるような、何か今自主規制だとかあるいは省令、政令でやっておられるような部分を少し書き込んでいけば、こういう法律ができるのではないかなというふうに思うのですね。 話はかわりますが、福祉のまちづくりという法律も実は考えているのですが、これも厚生省だけではできませんで、運輸省、建設省、それから総務庁だとか、いろいろなところにまたがっていく、省庁の壁をまたがっていくことについてはなかなか調整がとりづらい。国の方でというか、政府の方ですっと動いていただけないような、実に歯がゆい気持ちを持っているわけです。 したがって、厚生省が一生懸命これから行動計画をお立てになったりもしていくわけですので、予算面での措置も含めて、さっき千八百万という話がありましたけれども、もう少しこの辺もお考えをいただけないだろうか。まあ、禁煙・分煙法というのをすぐにお考えはいただけないかもしれませんけれども、その辺、大蔵省の方に先にお聞きをしておりますが、どんなふうなお気持ちで取り組んでいただけるでしょうか。厚生省の方、応援いただけますでしょうかということを含めて、お答えをいただきたいと思います。
○大西説明員 お答え申し上げます。 少し繰り返しになって恐縮でございますが、先ほど申し上げましたように、分煙につきましては施設管理者の判断に基づいて適切に進められるべきであるというふうに私ども整理をしております。医療機関とか交通機関などの公共施設におきましても、施設管理者の判断に基づく分煙措置が適切に進められてきているものと承知をしておるわけでございます。 現在、我が国では約三千三百万人の喫煙者が存在すると推定されております。このような状況の中で喫煙を規制をするという方法を検討するといたしますと、これは喫煙の心身全体に対する影響とか我が国の社会風土、あるいはたばこと社会のかかわり、いろいろ総合的に勘案する必要が出てくるのではないかと考えます。こういった事柄への配慮を欠いて施策を講ずるというのはいかがなものかというふうにも考える次第でございます。御指摘の法的な規制ということにつきましては、こういった点を十分配慮しながら慎重に考えるべきではないかというふうに考えております。 それから、たばこ行動計画をこれから作成するということでございまして、積極的に大蔵省は考えるかという御質問であろうかと思いますが、大蔵省といたしましては、従来より喫煙と健康の問題には十分配慮し、これに対処してきておるところでございます。今度のたばこ行動計画の作成に当たりましては、関係省庁との連携を図りながら、我が国には嗜好品として定着したたばこの現状があるわけでございまして、端的に言えば、先ほど申し上げた三千三百万人の喫煙者がいるとか、たばこ自体の歴史は五百年あるわけでございますが、そういった現状を踏まえながら検討を行ってまいる所存でございます。 以上、お答え申し上げました。
○山本(孝)分科員 繰り返しになりますけれども、ぜひよろしくお願いをします。喫煙対策に関する関係省庁連絡会議というのも実はあるようにお聞きしておりますけれども、そういったものも機能的に動かしていただいて、大蔵省としてぜひ御支援をいただきたい。大蔵さんがうんと言っていただかないとなかなか動かないところがありますので、よろしくお願いをします。 もう時間がなくなりましたので、恐縮でございますが、最後にもう一つだけ。 先ほどの本会議で年金法についての御質疑がございました。随分おくれているねというふうに心配をされているわけですけれども、御承知のとおりにこの年金制度というのは国民全員が参加をしての制度でございますし、老後の生活設計の中心になっているのはやはり年金制度というふうに思います。成立がおくれますと、国民生活への影響が極めて大きい。もちろん健康保険法も実はございますけれども、そういう法律であろうと思います。 年金制度の長期的な安定というのが一番の課題になっているということは、もう既に指摘をされているとおりでございますけれども、やはりこういう状況を考えると、一日も早くこの審議に取りかかりをして、そしてこの国会の中で、大変窮屈ではありますけれども、余り定例日とかということにかかわらずやっていきたいというふうに私たちは思っているわけです。ぜひこの成立を目指すべきだというふうに思います。この点についての厚生大臣の御見解をぜひお聞かせいただきたいというふうに思います。
○井奥政府委員 山本先生の御指摘、まさにそのとおりでございまして、厚生省も幾つかの法案を出させていただいておりますが、政府といたしましても最重要法案の一つと、こういうふうに位置づけをさせていただきまして、本日、年金改革法案につきましては本会議で趣旨説明をさせていただいたとおりでございます。何とぞひとつ、速やかな御審議を賜りまして、成案までよろしくお願いを申し上げたいというふうに思っております。 なお、今回この国会に御提案をさせていただいております年金改革法案というのは、二十一世紀の高齢化社会においても、年金制度が安定して老後生活の柱としてその役割を果たしていくために必要な改革を盛り込ませていただいているわけでございます。 とりわけ、本年十月から五年に一度の制度改正によります年金金額の引き上げが盛り込まれているわけでございまして、これは年金受給者が約二千八百万人いらっしゃるわけでありますが、この方々が特に待ち望んでおられるものでございまして、法案成立が、これは一日でもおくれますと、十月分の年金の支払いが改正後の新年金額で行えないということの懸念がございます。きょうもある報道機関でそういったことがちらっと報道されたわけでありますが、我々は大変苦慮をしておりまして、ぜひともよろしくお願いを申し上げたいと思っております。 また、児童扶養手当額の引き上げにつきましても、障害年金の支給要件の改善、年金教育資金の貸付制度の創設等も本年の十月からの実施を予定をいたしておるところでございまして、これからの改善の円滑な実施にも影響が出てくるわけでございます。 いずれにいたしましても、今回の年金改正法案は、国民生活に密着をした重要な法案でございますので、速やかな法案の御審議を賜りまして、ぜひとも今国会で改正案の成立をお願いを申し上げたい、このように考えておる次第でございます。
○山本(孝)分科員 本当にそう思います。大変に大きな改正でございますし、繰り返しになりますが、老後の生活の中で年金が一番大きな柱だと思います。 私も、交通遺児育英会におりまして、交通遺児家庭、母子家庭ですけれども、たくさん見てまいりました。この中で、今回の改正の中に盛り込まれております子供の支給要件の改善ですね、十八歳になった途端に打ち切りじゃなくて、十八歳の年度末で打ち切りをする、この延長をしていただけるというのが大変に期待をされて、待っている方がいっぱいいるわけですね。そういう、大きな改正もありますけれども、本当にたくさんの方々が待っている改正点もありますので、ぜひ一日も早くこの年金法の成立をしていただきたいというふうにお願い申し上げて、私の質問を終わりにさせていただきます。 ありがとうございました。
○土田主査 これにて山本孝史君の質疑は終了いたしました。 次に、福島豊君。
○福島分科員 時間が限られておりますので、質問に早速入らせていただこうと思います。 まず初めに、私、ジストニアについて厚生省のお考えをお聞きしたいと思っております。 ジストニアといいますと聞きなれない言葉でございますけれども、まず質問の前に、これについて簡単に説明させていただきたいと思います。 ジストニアというのは、持続的な筋肉の収縮によりまして、首や体がねじれたり、また不自然な動作を繰り返し、しばしば異常姿勢を引き起こす一部の病気のことを申します。 ジストニアの分類には、部位、体のどこの場所が異常な動作を繰り返すのかという、そのような分類、また、原因による分類がございます。部位による分類では、体の一部に限局する局所性のジストニアというのがございます。また、二カ所以上にまたがる分節性ジストニア、全身に見られる全身性ジストニァなどに分類されます。 局所性ジストニアには、眼瞼けいれん、まぶたのけいれんですね、書痙、痙性斜頸などが挙げられます。眼瞼けいれんでは、これは進行いたしますと、まぶたのけいれんにより目をあけることができなくなり、機能的な失明状態に至るという大変に重篤な状態となります。書痙は、よく知られておりますように、字を書こうとするときに手に震えが起こったり、また力が入り過ぎたりして書字が困難になる状態を言います。斜頸は、首の筋肉に不随意に力が入りまして、首が回転して頭が前後屈するような状態を呈します。局所性ジストニアにはこういった種類の病態があるわけでございます。 また、その原因についての分類はどうなっているかといいますと、他の病気の一症状としてジストニアが認められる症候性ジストニアと、原因が明らかでない特発性ジストニアに分けられるわけでございます。 いずれにしましても、現代の医学におきましては、まだまだ原因、またメカニズムが明らかではない病気でございますけれども、多くの患者さんは、その運動や姿勢の異常によりまして日常生活上の困難を余儀なくされており、一日も早い原因の究明、また治療法の確立が望まれておるわけでございます。 こういった事実を踏まえまして、以下何点か御質問させていただきたいと思います。 まず第一点目ですが、厚生省では、「原因不明、治療法未確立てあり、かつ、後遺症を残すおそれが少なくない疾病」、また「経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家庭の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病」を難病として考え、昭和四十七年以降、調査研究の推進、医療費自己負担の解消、医療施設整備を三本柱とする対策を講じてこられました。この施策は、治療の困難な病気に苦しむ多くの患者さんに希望を与えてきたことは厚生省の輝かしい業績である、私はそのように思っております。 ここでこのジストニアを考えてみますと、原因が不明、また治療法が未確立、また姿勢異常、運動異常などが慢性に持続することによって、職業上の困難、それに基づく経済的な困窮、家族の負担、本人の精神的な負担を考えると、いわゆる難病としての性格を持つ疾病であると私は思います。この点につきましての厚生省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○谷(修)政府委員 今先生お触れになりましたこのジストニアでございますが、ジストニアというものについては、症状の名前としてそれを理解をするのか、あるいはまたそういったような症状を有する方の病気の総称という形でも理解をされているようでございますが、ただ、いずれにしても、病態が非常に多岐にわたって、原因が不明、かつ治療法が未確立である、いろいろな姿勢異常、運動異常といったようなものを来すというようなことから、すべてがということはどうかよくわかりませんが、いわゆる難病としての対象となる部分もあるというふうに理解をしております。
○福島分科員 そうしますと、多くの難病に対しましては、その研究を促進するために、特定疾患調査研究班を編成しましてその研究を推進しておるわけでございますけれども、このジストニアの原因究明のための研究を推進するため、何らかの施策を講じていただきたいと私は思いますけれども、厚生省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○谷(修)政府委員 私どもは従来から、ジストニア症状といいますか、ジストニア症候群というのでしょうか、そういうようなものを示す疾患につきまして、特定疾患の調査研究事業の対象として研究を進めてきております。 例えば、ハンテントン舞踏病とか、専門家を前にして恐縮でございますが、神経変性疾患とか運動失調とか、そういうような班をつくりましていろいろ研究をしてきておりますし、また、子供に見られるホモシスチン尿症といったようなことにつきましては、子供の慢性特定疾患の治療研究班の研究事業の対象としているところでございます。 そういう意味で、調査研究事業あるいは治療研究事業、それぞれ必要なものについては対象としているところでございますけれども、こういったようなジストニア症状を示す疾患を含めましたいわゆる難病対策については、今後とも力を入れてまいりたいというふうに考えております。
○福島分科員 引き続きまして治療ですけれども、幸い、近年このジストニアに対しましてはボツリヌス療法が欧米で実用化されております。また、それが有効な治療として注目を浴びておるところでございます。 ボツリヌス療法は、ボツリヌス菌の毒素を精製し、薄めて、そのごく微量を筋肉内に注射することによりまして局所に軽い麻痺を引き起こし、筋肉の異常な緊張によるジストニアの症状が改善を来すわけでございます。私の知人も、眼瞼けいれんで目をあけることができず、日常生活に困窮し、また仕事もやめざるを得なかったわけですが、この治療により劇的な改善を見ることができ、大変に喜んでおられました。 厚生省におかれましては、昨年十月よりオーファンドラッグの開発の促進のための措置を講じられるようになり、医療上の必要性が高いにもかかわらず研究開発が進んでいなかった医薬品等の研究開発に対して十分な支援体制がとられるようになったことは大変に大きな前進である、そのように評価いたしております。このボツリヌス治療につきましても、このような観点から、厚生省の積極的な支援をいただくことにより、多くのジストニアに苦しむ患者さんたちに大きな希望を与えることができると私は思いますけれども、厚生省の対策、またお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○田中(健)政府委員 ただいまお話がございましたが、厚生省といたしましては、医療上の必要性が高いにもかかわりませず、患者の数が少ないことによりまして研究開発の進みにくい医薬品の研究開発を促進するというために、希少疾病用医薬品の指定制度、いわゆるオーファンドラッグの制度でございますが、これを昨年、平成五年の十月から発足をさせております。 お話のジストニアの治療薬といたしましては、既に昨年、平成五年の十一月にオーファンドラッグに指定いたしたものがございます。その医薬品の成分名はA型ボツリヌス毒素でございまして、予定されております効能または効果は、局所性ジストニァ、先ほどお話がございました眼瞼けいれんと斜頸、それから顔面のけいれんでございます。本剤につきましては、現在臨床試験の実施中でございますけれども、臨床データ等の資料が整いまして私どもに承認申請がなされますと、オーファンドラッグ制度に則しまして優先的に審査をするということといたしておるところでございます。
○福島分科員 大変にありがとうございます。 最後に、ジストニアについての質問を終わります前に、御答弁は結構でございますので、私の要望を一点だけ申し上げて、この質問を締めくくらせていただきたいと思っております。 このジストニアの中には、鞍業上のストレスと関係が深いと考えられる場合があることが指摘されております。 次のような症例がございます。三十歳の男性、自動車工場で車体の下に顔だけを潜り込ませ、首を左上に向け、見上げるような姿勢を一日じゅうとり続ける作業をしていたところ、勤務時間以外でも無意識に同じ姿勢をとるようになってしまった、このような症例がございました。自動車工場の作業とこの異常姿勢を結びつけるメカニズムは現在のところ明らかではありません。しかし、それ以外にも同様な症例があることを考えますと、一定のジストニァの症例と職業の関係を疑わざるを得ないと思います。医学的に十分確立された事柄ではないかもしれませんが、患者さんの苦しみを考えるとき、労働環境衛生の視点から、関係省庁の皆様には前向きの対応を講じてくださることを希望として述べさせていただきたいと思います。 続きまして、次は医療法に基づく医療計画における病床数について御質問させていただきたいと思います。 我が国の医療施設は、先進諸国と比較しても量的には充足された水準にあると考えられますが、二十一世紀の高齢化社会を展望するとき、多様化している国民の医療需要に対して、保健医療関係施設間の機能分担と連携を図り、地域保健医療のシステム化を推進し、健康増進から疾病の予防、診断、治療及びリハビリテーションの包括的、継続的かつ合理的なサービスを供給できる体制の確立が必要であると思います。そのため、医療法が昭和六十年に改正され、医療計画制度が創設されました。そして、昭和六十三年までに各都道府県で医療計画が作成されたのは、まことに事宜を得た施策であったものと思います。 この計画の中では、必要的記載事項として、二次及び三次医療圏を設定し、病院病床についての種別ごとの必要病床数を定めることとされております。日本の医療における病床数の水準を考えるとき、このような適切なコントロールは必要な対策であろうかと思いますが、この計画のもとで幾つかの問題点が指摘されております。以下、二点にわたり御質問したいと思います。 まず初めに、各施設の遊休病床の取り扱いでございます。 病棟閉鎖などの事情により、全く稼働していない遊休病床を有する施設が間々存在いたします。しかし、医療計画ではこうした病床も既存病床数としてカウントされているようでございます。一時的な要員不足による短期間の病棟閉鎖はやむを得ないと思いますが、長期にわたり改善がなく、閉鎖を続ける場合には、病床数を既得権化するのではなく、現実に即した対応、評価が必要ではないかと私は思いますが、この点につきましての厚生省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○寺松政府委員 今先生から、医療計画制度につきまして高い評価をいただいたと思っておりまして、大変感謝を申し上げたいと思いますが、その運用につきましてはいろいろと苦労いたしておるところでございます。 今先生の御指摘の医療計画上の既存病床としてカウントされております病床につきまして、病棟閉鎖などの事情によって長期間にわたり全く病床として使われていないというようなことについて、医療計画を適正に機能させる上から考えますと望ましいことではないと思うわけであります。 しかしながら、どのような事情によりましてこの病棟が閉鎖されているのかというのは、個々の医療機関によりましていろいろございます。最近は特に医療機関の経営の悪化が伝えられておりますが、そういうような中でどんどんダウンサイジングしておるところもございますし、あるいは一時的に閉鎖して、また新しい診療機能をつけていこうとか、いろいろ御計画のところもございまして、そのようにいろいろその医療機関個々によりまして事情があるということを、また一つ申し上げたいのでございます。 したがいまして、いわゆる遊休病床につきましては、一律にどのように対応したらよいかということはなかなか難しいのでありますけれども、地域の医療を適正に確保する、こういう観点から、やはり必要な対応あるいは評価を研究していかなければならぬのじゃないか、このように思っておるわけでございます。
○福島分科員 次に、今後の医療の変化の中で、また大変に厳しい経営状況の中で、医療機関、特に病院はさまざまのリストラ、また構造改革を迫られておるわけでございます。 医療計画におきましても、特定の病床等にかかわる特例が認められ、がん、また小児疾患、周産期疾患、循環器疾患等の専門病床など、今後必要性が高まっていく領域に対しては配慮がなされておると思いますけれども、その場合に、同時に原則として特定病床の増床分に応じた一般病床の削減が指導されるなど、個々の医療機関においては、その経営を考えたときにハードルが高くなりまして、医療水準の向上を図り、リストラを図っていこうという病院の努力に対して、そのマイナス要因として働いている場合もあるのではないか、そのように思います。 今後、こうした公的病院また私的病院の努力に対して、それを促進する意味からも、例えばベッド数の減少等の制限をつけない特定病床の増床というようなものを認めるような弾力的な施策を、医療機関の個々の評価というものをベースに行っていく必要があるのではないか、そのように思うわけでございますけれども、厚生省としてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○寺松政府委員 今の先生の御指摘に対してのお答えを申し上げたいと思います。 御承知のとおり、医療計画におきましては、二次医療圏ごとに当該医療圏の人口構造や患者の受療状況、そういうようなものに基づきまして必要病床数を算定しておる、こういうわけでございまして、これを上回る場合には、新規の病院の開設や増床をする場合には、各都道府県の医療審議会でございますけれども、英和を集めましたその医療審議会の意見を聞いた上で、都道府県知事が勧告をして、必要な場合は抑えるということになるわけでございます。そういう勧告をすることができることになっておるわけであります。 これが一般的な原則でありますが、例外的な措置として、今先生御指摘のがんやそれから難病等の政策医療というものにつきまして、どうしても必要だという場合には病床を整備することができる、こういうふうにしておりまして、私ども、それを特定病床と呼んでおるわけでございますが、これは必要病床数を上回る病床の増加として認めておる、こういうわけでございます。 こういう措置はあくまでも例外的だというふうに考えておりまして、公的病院等大きな病院がございますが、その中で一般病床を持っておる場合に、そこに政策医療的な特定病床をふやすとするならば、人員の確保等もなかなか問題がございます。したがいまして、でき得る限り公的病院なりその病院が必要とする特定病床と申しますか、政策医療的な疾病に対します特定病床というものを確保するかわりに、一般病床の方は民間にお任せするというふうなことも一つの方策でもございます。いわゆる限られたマンパワーと申しましょうか、そういうようなことも頭に入れた上で対応していかなければならない、このように考えておるわけでございますが、個々の事例につきましては、私ども、今先生の御指摘のように、十分精査した上でそれぞれ都道府県を指導して特定の病床等を認めていく、こういうように考えておるところでございます。
○福島分科員 ありがとうございます。 続きまして、消費税のことをちょっとお聞きしたいと思います。 現在、連立与党では税制改革についての検討が進められておりますけれども、その検討とは切り離した形でお聞きしたいと思っております。 現在、民間病院等の経営が非常に厳しい、そういうことが指摘されております。その中で、もし消費税率の引き上げのようなことが生じた場合にどうなるのか、またそれに対してどのような対応ができるのかという点について、本来ならば大蔵省にお聞きすべきことかもしれませんが、先ほども言いましたように税制は今どうするこうするとも言えないと思いますので、消費税の導入に対して、診療報酬による対応を今どのように評価しているのかというような観点からお聞きしたいと思っております。 医療におきましては、最終消費者は患者でございます。そして、診療報酬は非課税となっております。しかし、医療機関は実際に医療を行う場合に、また薬品、その他材料費、一般経費など、その購入時に消費税を払うわけでございます。その消費税を、しかし診療報酬は非課税でございますから患者に転嫁することはできません。ある機械的な試算では、現行三%の税率では病床百当たり年間千四百五十万円の負担がある。これをまた引き上げを考えたような場合ですと、七%では三千三百九十万円、一〇%では四千八百五十万円の負担になる、そのように推計されております。現在の厳しい経営状況の中でこうした負担は大変な重荷になるということは容易に想像されるところでございます。消費税導入の際には診療報酬の引き上げによって対応いたしましたが、それも現実には負担の一〇%程度にしか当たらないとの指摘もございます。 今後どのような税制改革が検討されるのか、現時点では論じることはできませんけれども、厚生省のお考えとして、現行の消費税制のもとでの医療機関の負担について今後どのように対応していくのか、また税率の変更のようなことがもしあった場合に、どのような対応が望ましいというふうに考えておられるのか、お考えをお聞きしたいと思います。
○寺松政府委員 今先生御指摘のように、民間の医療機関の経営につきましては大変厳しい状況にあるということは、私ども、昨年の六月でございますか、調査をいたしました結果、そのような事態はよく浮き彫りにされたわけでございます。 そこで私ども、今先生の御指摘の消費税に関する問題でございますが、特に問題にいたしておりますのは、民間の病院の団体というようなところで負担が大変だというようなことを私どもの方へ申し出られておりまして、改善をお願いしたいというような御意見がございます。しかし、医療関係全体が、そういう考え方、いろいろな立場がありまして、まだ御意見がまとまってはおりません。そういうような状況でございますが、今先生の御指摘については、これから私どもの方をちょっと御紹介してみたいと思います。 消費税につきましては、社会保険医療等については非課税とされておるのは今先生の御指摘のとおりでありますが、医療機関が購入いたします医薬品等については消費税が課せられるために、消費税分を円滑かつ適正に転嫁できるような環境づくりを図るという観点から、消費税にかかわるコストアップ分を手当てすべく、消費税の導入に合わせまして、平成元年四月でございますけれども、薬価基準については医療費ベースで〇・六五%の引き上げ、また診療報酬につきましては〇・一一%というものの引き上げを行ったということがございます。 平成二年の薬価基準の改定からは、薬価調査におきまして、医療機関に納入されます価格を消費税抜きの実勢価格として調査いたしまして、その上で消費税分を上乗せしたものを新薬価といたしておりまして、消費税を織り込んだ薬価設定を行っておる、こういう状況でございます。また、同年の診療報酬改定からは、消費税が導入されたことに伴うコストアップ分につきましても医療経済実態調査で把握いたしまして、これを踏まえて改定率を設定しておる、消費税については診療報酬上も考慮しているというふうに考えておるところでございます。 そこで、消費税をめぐります今後の対応についての御質問でございますが、今税制改革につきまして、いろいろ御議論されております。そのようなことを踏まえまして、医療を取り巻きます諸般の動向、そういうようなものを勘案して適切に対応してまいりたいということを現段階では申し上げたいと存じます。
○福島分科員 大変にありがとうございます。 最後に、年金についてお尋ねしたいと思います。 本日、本会議で年金改正法案について趣旨説明がございました。この改正案につきましては、連立与党で長時間にわたって検討を続けてきたものでございます。二十一世紀の高齢化社会を望みますときに、年金というものは高齢化社会を支える大きな柱でございます。そして、人口構造の変化に伴って、安定的な運営をするためにはどうしても改正を定期的に行っていかなければならない。そして、今回の改正というのは、その意味で二十一世紀に備える大変に大きな、かつ重要な改正であるというふうに認識いたしております。 しかしなかなか、その改正案につきまして今国会では成立困難という見方が一部では言われております。私ども連立与党の中で長時間議論をしてきた立場からはそれはまことに残念であるし、また、今回は特に十月からの支給額の改定もございますし、その改定を待ち望んでおられる国民の皆様に大変に申しわけないという思いでいっぱいでございます。そのような意味から、一日も早くこの改正案を成立させる目標に向かいましての厚生大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
○井奥政府委員 福島先生のお尋ねでございますが、私ども、願ってもないことだというふうに思っております。本日、御高承のように年金改正法案というのが本会議で趣旨説明をさせていただきました。何とぞ速やかに御審議を賜りまして、御可決をしていただきたいと心からお願いをいたすものでございます。 御高承のように、社会保障費というのは五十九兆円、その中の三十一兆円が年金ということでございます。今回国会に御提案をさせていただいている年金改正法案というのは、先生も今お話しになられましたように、二十一世紀の高齢社会においても年金制度が安定をして老後生活の柱としての役割を果たしていくために必要な改革を盛り込ませていただいた法案でございます。 とりわけ本年十月から、五年に一度でございますが、制度改正による年金引き上げが盛り込まれておるわけでございます。これは、特に八十三歳以上の御高齢の方々の福祉年金受給者というのが現在七十万人いらっしゃるわけでございまして、その方々を含めまして、現在の年金受給者約二千八百万人の方々が待ち望んでおられるものであります。そういったことを含めまして、本法案の成立がおくれましたならば、十月からの年金の支払いが改正後の新年金額で行えないということが懸念をされるわけでございます。 また、児童扶養手当額の引き上げ、そしてまた障害年金の支給要件の改善、年金教育資金の貸付制度の創設等も本年の十月からの実施を予定をいたしておるわけでございます。これらの改善の円滑な実施にも影響が出てくるわけでございまして、いずれにいたしましても、今回の年金改正法案は国民生活に密着をした重要な法案でございますので、速やかに御審議をいただきまして、ぜひとも今国会でこれが成案となりますように何とぞ先生方のお力をおかりを申し上げたい、私からも重ねてお願いを申し上げる次第でございます。
○福島分科員 今大変におかたい御決意をお聞きしまして、私どもも全力で頑張っていきたい、そのように決意いたしております。 ありがとうございました。
○土田主査 これにて福島豊君の質疑は終了いたしました。 次に、田中昭一君。
○田中(昭)分科員 社会党の田中でございます。大変お疲れさまでございます。 わずか三十分でございますが、私は難病問題、とりわけ網膜色素変性症の問題につきまして三点ないし四点ぐらいについてお尋ねをして、ぜひ今後厚生省の御努力をお願いしたい、こういう立場で質問なり御意見を申し上げたいと思っております。 もう私がいろいろ説明をする必要がないと思いますが、網膜色素変性症という病気ですね、私の友人の弟さんにもひどい患者さんがおられまして、いろいろと生活なり仕事の面などについて聞いておるのですが、視野が狭くなって、そしていつ失明するかわからない、そういう不安に非常におびえておるわけです。御承知のとおりだと思います。 この問題につきまして、実は私も幾度となく患者の皆さんと厚生省の皆さんに陳情も申し上げましたし、八万名の署名もいただきまして、特定疾思いわゆる難病の指定について国会請願を行いましたし、課長さんにも再三いろいろとお尋ねをした経過がございます。これも御承知と思いますけれども、この国会請願は衆参の厚生委員会で採択をされておる、こういう状況でございます。しかしなかなか事態は進展をしない、こういう状況がずっと続いておるわけです。 患者の皆さんや御家族の皆さん方は、的確な治療法が明確にないという状況の中で、失明の不安におびえながら、わらにもすがる思いで東洋医学などに大変高いお金を払って治療に通っておる。そういう意味では、治療費の面でも生活の面でも大変な負担を強いられておる。もう御存じと思いますけれども、こういう状況について私は強く訴えたい、こう実は思っておるわけです。 そこで、第一に私が申し上げたいのは、今申し上げました網膜色素変性症について難病指定ができないのかどうなのか、この点について少し御見解を明確にお聞きをしたい、こう実は思っておるわけです。 難病対策要綱というのが厚生省から出されておりまして、「原因不明、治療方法未確立てあり、かつ、後遺症を残すおそれが少なくない疾病」それから「経過が慢性にわたり、単に経済的な問題のみならず介護等に著しく人手を要するために家庭の負担が重く、また精神的にも負担の大きい疾病」という二つの条件の上に立ちまして、三点についてその対策の進め方を明らかにしております。 これは随分前に難病対策要綱として出されたと思っておるわけですが、これを読みますと、私はこういう点については素人でございますし、いろいろ御意見も聞いていますけれども、私は、この文章だけでは、網膜色素変性症については難病指定が可能ではないかな、なぜ指定ができないのかという点についてどうしても理解ができない面がございます。皆さん方は大変苦しんでおられるわけですね。もうこれは厚生省の皆さん方も御承知のとおりだと思うのです。 なぜいつまでたっても難病指定ができてきちんとした対策が立てられないのか。八万もの署名が出されて衆参両院で請願が採択されても、なお一向に進展をしない。こういう状況になりますと、患者や御家族の皆さん方は、政治というのは一体何だろうかという疑問すらわいているのではないかな、こう実は思っておりまして、この点につきまして少し厚生省の御見解をいただきたい。これが第一点であります。
○谷(修)政府委員 今先生おっしゃいました網膜色素変性症についてでございますが、いわゆる難病につきましては、特定疾患の調査研究事業というのと治療研究事業と、この二つがあることは十分御承知かと存じます。 それで、この網膜色素変性症につきましては、調査研究の対象疾患として以前から調査研究をしてきているわけでございます。これらの調査研究の対象としている難病のうちから、診断基準が非常に確立をし、かつ、難治度あるいは重症度が高く、また患者数が少ないというようなために公費負担を行うことによって治療研究を行うというようなことでないと原因の究明あるいは治療方法の確立などに困難を来すおそれのある疾病として、現在三十五の疾患を治療研究事業の対象としているわけでございます。 この網膜色素変性症につきましては、先ほど来先生お触れになっておりますように、原因不明で非常に進行性であるということは私どもも十分に承知をしておりますが、これら調査研究事業のうち、どういう疾患を治療研究の対象事業にするかということにつきましては、厚生大臣の私的な諮問機関ではございますが特定疾患対策懇談会の専門家の御意見を聞いて、幾つかの疾患について指定をしていくといったような仕組みをとっております。 この網膜色素変性症につきましては、いわゆる診断基準と申しますか、非常に限られた医療機関、専門のお医者さんの中では相当認識が進んでいるようでございますけれども、診断基準ということについてかなりまだ専門家の中で意見が分かれている。したがって、この疾患について調査をしているわけでございますけれども、この疾患の把握、どれぐらい患者さんがおられるかということについてもかなり幅のある調査結果が出ているというようなこともございまして、この懇談会の先生方の御意見として、今までまだ余り対象疾患としてどうかというようなお話になっていないわけでございます。 ただ、いずれにいたしましても、この調査研究対象事業の中から治療研究の対象を懇談会の御意見を得た上で決定をしていくというようなことでございますので、今後のこの調査研究の事業の進展を見て、また懇談会の御意見も伺ってまいりたい、このように考えている次第でございます。
○田中(昭)分科員 病気をいろいろと解明をするとかいろいろ懇談会で議論をするとか、それはそれで積極的にやっていく点については、我々もそのとおり十分理解ができるわけです。しかし、現実に多くの患者がおられるわけで、この患者の皆さん方は、本当に治療の面でも生活の面でも困っているわけです。したがって、単に学術的な面でいろいろと議論をするのでなくて、やはり厚生省という立場では、これはもうしかし一カ月、二カ月とか半年とか一年とかという問題じゃないわけですね、何年も何年も今おっしゃられるような答えがずっと返ってきているわけですから。 しかし、その間患者の皆さん方は本当に治療の面でも生活の面でも困っておられるわけですし、非常に不安な生活をずっと続けておられるし、病気は進行している、こういう状況でございますから、そういう意味ではもっと積極的にこの病気の解明と、これはやはりきちんと難病だという指定をしていただくという積極的な姿勢というものをもう少しきょうは示していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○谷(修)政府委員 先ほど来申し上げておりますように、この網膜色素変性症につきましては、調査研究の対象疾患として長年研究は続けているわけでございますが、確かにいまだ解明されていないところも幾つかあるということで、引き続き研究をお願いするわけでございます。 ただ一方、この難病対策ということにつきましては、全体的に、今までのような疾患単位でやっていくのか、それから先ほど来先生がお触れになっておられますような治療研究事業というのをどのようにやっていくのかというようなことも含めまして、難病対策そのものがこのような対策をスタートしてからちょうど二十年たっておりますので、現在、昨年の秋以来、この難病対策についての専門委員会を設置をいたしまして、難病対策全体についての、今後の難病対策のあり方と申しますかについて御検討いただいているところであります。 そういう意味で、この難病対策全体を今後どのような形で進めるべきかといったような御意見がまとまりますれば、それに沿って難病対策全体の今後のあり方ということについて見直しをしてまいりたいというふうに考えております。
○田中(昭)分科員 いずれにいたしましても、患者さんの皆さんや、それから国民の皆さん方がこういう問題について、厚生省なり政府の対応について納得ができるような、そういう結論を一日も早く出していただきますように、きょうは時間がございませんから申し上げておきたい、こういうふうに思います。 そこで、少し具体的になりますが、最近この網膜色素変性症の原因が遺伝子にあるらしいという報告がございますが、遺伝子が原因である難病は、先ほどおっしゃられた三十五の指定のうちどれぐらいあるのか。それから、現在遺伝子研究などはどの程度進んでいるのか。それから、遺伝子が原因であるということになれば、完治するということは一体どういうことになるのか。それから、難病対策要綱について、ある程度その基準について必要だと思いますけれども、遺伝子障害については、私は、やはり一律難病指定にするなど大胆な基準の導入が必要ではないかな、こういう点を考えているわけですが、この点、厚生省の見解をお聞きをしたいと思います。
○谷(修)政府委員 網膜色素変性症について、先ほどお触れになりましたように、最近遺伝子による診断が可能になったというような研究報告が出されていることは私ども報告を受けておりますけれども、ただ、この疾患を持っておられる方のごく一部だというようなことも聞いているわけでございます。 遺伝子学的といいますか、遺伝子による診断が可能な疾患という意味でありますれば、いわゆる遺伝子を通じた疾病の研究というのはこの数年間相当進歩しておりますし、現在の医学の研究の主流は遺伝子を中心とした分野である。特に、話がそれて恐縮でございますが、がんにいたしましてもあるいはエイズにいたしましても、遺伝子からの研究をしていくというのが主流でございますから、そういう意味で、現在特定疾患の調査研究の対象になっている疾患のうちでも三分の一程度は遺伝子による何らかの診断というようなことが試みられているということは、承知をいたしております。 ただ、これは私どもの知る限りでも、まだあくまでも非常に研究レベルであるということで、こういったような方法が一般的な診断方法として確立をされるというまでには、まだ時間がかかるのではないかというふうに考えております。 難病対策についての要綱の問題でございますが、要綱につきましては、先ほどもちょっとお答えをさせていただきましたように、難病対策そのものが二十年前にスタートをいたしましたものでございますので、そういう意味で、難病対策の今後のあり方と今後どのように進めていくかということについては、昨年の秋に公衆衛生審議会の中に専門委員会を設けまして、幅広い角度から御検討をいただいている段階でございます。
○田中(昭)分科員 いずれにいたしましても、この問題が先ほど申し上げましたように納得のいくような対策が早急に結論として出されますように、私は強く訴えておきたいと思います。 時間がございませんので、二つ目の問題について申し上げたいと思います。 これは身体障害者の障害程度等級表の問題についてでございます。障害認定では、もうこれも皆さん御専門ですから御承知と思いますが、視力の障害の場合には一級まで認定をされている、こういう状況になっています。しかし、視野障害の場合は、失明に近い視野であっても四級どまり、こういうことになっておるというふうに聞いておるわけです。 もう随分月日もたっておりますけれども、八二年の三月に身障者福祉審議会から、視野狭窄の見直しは「改善すべき要素として検討されてよい。」という答申が出ている、こういうふうに聞いているわけです。これは八二年ですからもう十年以上経過をしているわけですが、この等級表の改定が実はまだなされてないわけです。そういう意味で、我々としては、やはり等級表の見直しを早急にこの答申に基づいてやるべきではないかな、こういうふうに思っているのですが、この点を含めまして二、三点お聞きをしたいのです。 等級表というのはいつできて、今日に至るまでどういう改定、変遷があったのかということを聞きたいし、次の改定の時期はいつごろ、どういう改定をやられるのか、こういう点についても実はお聞きをしたいわけです。 それから三つ目としては、早い時期の改定を厚生省としてはぜひやっていただきまして、先ほど申し上げましたように、くどくど申し上げませんけれども、この色変症の等級を、四級どまりということではなくて、ぜひ答申に基づきまして検討して引き上げをしていただきたいということを強く申し上げたいのですが、この点について御見解をお聞きをしたいと思います。
○土井政府委員 前段につきまして、私からお答えを申し上げたいと存じます。 身体障害者等級表でございますけれども、御案内のとおり、身体障害者福祉法に基づきまして、障害の程度に応じた援護の均等性を確保するという趣旨で設けられております。 具体的には、法制定間もなくこの等級表というものが定められておりますけれども、御指摘の視覚障害の問題につきましては、視力及び視野という二つの機能につきまして専門的な見地から設定がされておりまして、先生御指摘の網膜色素変性症の症状につきましては、四級または五級という認定基準に相なっております。 これまでのところ、その他の障害を含めまして審議会の部会から意見具申をちょうだいしまして、手直しを適宜行ってきておりますけれども、最近におきましては、昭和六十一年の九月に、これは内部障害の関係の手直しを行って、それ以降今日までのところ手直しを行っていないという状況になっているところでございます。 前段につきましては、以上でございます。
○大内国務大臣 今御指摘の網膜色素変性症の等級づけの問題でございますが、今お話がございましたように、視野がだんだん狭くなった場合の等級の格付は四級ないし五級、全く見えなくなった場合に一級ということでございまして、二、三級の該当者がないという状況にあることは御指摘のとおりでございます。 この御病気の場合は、特に働き盛りでの年齢で発病する、そしてその視野障害による日常生活上の不自由さというものは相当の程度に及んでいるということを伺っておりますので、こうした障害認定の問題につきましては、御指摘の点を踏まえまして、少し前向きに検討したい。具体的には、今御指摘のように八二年の答申を障害者の福祉審議会の方からちょうだいしているという経緯がございますので、その部会に早急に諮りまして、先生の御指摘の御期待にこたえたい、こう思っております。
○田中(昭)分科員 大臣から大変前向きな御回答をいただきまして、これは本当に患者の皆さんや御家族の皆さんは大変喜んでいただけるだろう、こう思います。早急に改定を行っていただくようによろしくお願いを申し上げておきたい、こういうふうに思います。 それでは、三つ目の問題ですが、先ほども若干議論をいたしましたけれども、きちんとした治療法が確立をしていないという点がございます。厚生省は十数年前から研究班をつくって懸命に研究をしておられる、こういうふうに聞いておりますけれども、いまだ完全な治療法ができていない、大変不安な状態の中で推移をしてきている、こういう状況だと思います。 したがいまして、こうした状況の中で、患者や御家族の皆さんが唯一の望みをかけて今いろいろやっているのがはり治療だ、こういうふうにお聞きをいたしておりまして、このはり治療のために多額のお金を使って中国にまでお出かけになっておる方も何人かおられる、こういうことも聞いております。いずれにしましても、多くの患者の皆さん方がいつ失明するかという不安の中で、わらにもすがる思いではり治療を行っている、これが実態だと思っております。 この点については厚生省の方も十分把握をしておられるのではないかな、こういうふうに思いますけれども、このはり治療が、これも御承知と思いますが、保険の適用がないわけです。したがって、費用が相当高くかかって生活の面でも非常に負担になっている。しかし、病気は進行するわけですから、何とかして治療したいということで無理をしながらはり治療を行っている、こういうふうにお聞きをしているわけです。 そういう意味で、月二回くらいのはり治療で十万円を超す治療費を払わなければいけない、こういう話なども聞いておるのですけれども、このはり、きゅうの研究をもう少し積極的に厚生省としてやることができないか、それから、公費の負担について何らかの措置ができないか、保険の適用などは全く考えられないのか、こういう点などを含めまして少し厚生省の御見解をお聞きをしたい、こう思います。
○谷(修)政府委員 はり、きゅうについて現在調査研究班の方で具体的に研究をしているかどうか、ちょっと承知をいたしておりませんが、患者さんを診ておられる先生方の御意見などをいろいろ聞いてみたいと思っております。
○田中(昭)分科員 それはちょっと答弁としては無責任ではないかなと思うのですね。 私も何回か患者の皆さん方と治療法につきまして厚生省にもいろいろ御意見を申し上げましたし、はり、きゅうの保険適用などについてもいろいろ問題提起をした経過がございますが、全然御検討になっていないのか、あるいは今後検討する余地はないのか。それは先ほどの前向きの姿勢に比較して非常に消極的ではないかなと思うのですが。
○多田政府委員 はり、きゅうによる網膜色素変性症の治療についての保険適用の問題でございますけれども、保険給付にいたします場合には、医師による適当な治療手段がない場合でありまして施術による効果が期待できるものということで、具体的には今、神経痛とかリューマチとか、その他この類似疾患に限って、医師の同意書等一定の要件のもとに療養費払いということをしておることは先生御承知のとおりでございまして、保険料あるいは公費といったようなものが財源となります保険給付におきましては、やはり治療による効果が明確であるということでないと、なかなか保険適用は困難と言わざるを得ない状況にありますことを御理解いただきたいと思います。
○田中(昭)分科員 私たちは、全く治療法がはっきりしていない、しかし少しでもよくなりたい、そういう中で、はり治療による効果がやはりあらわれてきているから患者の皆さん方は積極的にはり、きゅうにお通いになっておられる、こういうふうにお聞きをいたします。したがって、もう少しはり、きゅうによる治療法の研究を促進してもらう。このことと、患者の皆さん方が、いろいろ治療法がない中で、はり、きゅうだとやはりよくなって、これは新聞記事もあるのですが、時間がありません、そういう具体的な現実的な経過がございますから、少し前向きに受けとめていただきまして、厚生省としてももう少しミクロの対策をぜひ考えていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○多田政府委員 保険適用の立場から申し上げますと、はり治療による効果が明確に確認されれば保険適用というのは当然に考えられることだと思いますけれども、現状ではそういう状態に至っていないというふうに理解をしております。
○田中(昭)分科員 治療法について長い間研究をされておるというふうにずっとお聞きをしているわけですが、その中にははり、きゅうの治療法による研究というのは全く入っていないということですか。一生懸命やっているけれどもまだきちんとした効果があるという結論が出ていない、こういうことですか。
○谷(修)政府委員 私どもが承知しております範囲では、現在までのところ網膜色素変性症について治療法として研究をしてまいりましたことの一つは、ビタミンの大量投与ということについて主として研究をしてきたというふうに承知をしておりまして、はり、きゅうについての研究報告というのはまだまとめられていないのではないかというふうに理解をしております。
○田中(昭)分科員 それじゃこの点は、患者の皆さん方が現実的に今治療法がはっきりしていない中ではり治療をやられておるわけですから、もう少し患者の皆さん方とコミュニケーションをやりながら、いずれにしても早急にやはりきちんとした治療法の結論を出していただくということが必要だと思いますから、私たちもさらに努力をしたいと思いますが、厚生省の方もきょうの提起を受けとめておいていただきたい、こう思います。 時間がございませんからこれで終わりたいと思いますが、いずれにいたしましても、網膜色素変性症を含む難病指定ができない難病について、やはり患者や御家族の皆さん方は大変苦しんでおられるわけですから、厚生省としてこれらの問題についてさらに前向きに取り組まれていただきますように心からお願いを申し上げまして、私の質疑を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○土田主査 これにて田中昭一君の質疑は終了いたしました。 次に、近藤鉄雄君。
○近藤(鉄)分科員 きょうは民社党の年次党大会でございまして、厚生大臣、わざわざ党大会を抜け出して我々の質問に応じていただきまして、まず御苦労さまでございます。 同時に、大臣は、新聞等で伝えるところによりますと、この党大会を契機に委員長の職を辞される、そして政務といいますか、閣僚としての政策的な内閣の仕事に全力を投ぜられる、こういうようなことを漏れ承っているわけでございます。 実は、私は委員長とは長いおつき合いでございまして、特に、海部内閣のときに私は自民党の予算委員会の理事をやっておりました。大臣は民社党の理事をされておりました。そして山花さんが最初の方は社会党の理事をしていらっしゃったのではないかと思います。当時、大臣は民社党の政審会長であられたのだけれども、今度は委員長におなりになるということで、私たち記憶しておるのだけれども、予算委員会の理事の仲間から民社党という大政党の委員長が出た、うれしいことだということで祝賀会をしたのじゃなかったかと思うのであります。 そういうような大臣との関係もございまして、連立与党が発足して以来、いろいろ私の立場もございますけれども、厚生大臣大内先生のお仕事に応援をしてまいったつもりでございますが、民社党委員長の職を辞されるということは、政治家として大臣の一つの考えかもしれません。 しかし、厚生大臣という仕事も大変な仕事でございまして、ちょうど一年半前に、私は労働大臣で、パリのOECDで労働大臣会議がございました。そのとき、当時の事務総長のペイユさんに、大勢の労働大臣、OECD二十数カ国集まったのでありますけれども、会議の中で、まさに今世界最大の問題は雇用問題、失業問題だ、だから各国の閣僚の中で労働大臣が最重要閣僚なのだということをぶち上げまして、労働大臣だけで時々集まろう、こういうことを言っておったのです。最近のデトロイトにおける労働サミット、そして今度のOECDでは雇用問題が最重要課題になる、そしてナポリ・サミットでも雇用問題が大きな課題、だ、こういうことになって、私は大変意を強くしたわけであります。 あらゆる国の政治にとって大事なものは、雇用の安定確保だと思うのです。そして国民の健康だと思うのです。国民の雇用が安定をし、そして国民の健康が確保されるなら、私は、政治のべーシックス、基本的な課題は果たされた、達成された。そこから先いろいろなことが、当然社会のことでありますからあっていいのですけれども、まず雇用の安定と、そして健康の確保ということがあらゆる政府の二大課題だと考えれば、大内先生が民社党の委員長の職を辞されても、厚生大臣としてあなたが持っている全力を注がれるということは、まさに政治家として極めて大事なことであり、言ってみれば政治家の本懐であるというふうに私は思いますので、改めて大臣に心から御声援を送りたいと思う次第でございます。 そこで、限られた時間でございますから端的に質問させていただきたいわけでありますけれども、私はちょうど六十五歳です。そして、私たちの小学校の同級生、中学校の同級生、大学の同級生、時々会いますが、みんな元気いっぱいなのです。元気いっぱいだけれども、共通して言えることは、六十五歳ですから仕事についていないのです。 田舎で農業やっているとか親から引き継いだ中小企業をやっているのはやっておりますけれども、税務署の職員であった人とか役場の職員であった人、会社のサラリーマン、学校の先生、押しなべて仕事がないのです。早いので五十五歳からもう年金で生活している。五十五歳から十歳で六十五歳。 その後どうなるのだということで、どうしておるかというと、いや、年金もあるし、土地も家もあって、畑があるから女房と二人で畑づくりでもして、田舎のことだから魚釣りに行ったり、山菜とりに行ったり、キノコをとりに行ったりして結構楽しいと言うのだけれども、大臣、私はそれを見て思うのですけれども、我が日本はある一面では健康な高齢社会に入りつつあると思うのですね。そして、健康な高齢者の方々を若い世代が全部支えていくということでいいのかどうかということを基本的に考えます。 最近私は、田舎で座談会をいたしますと皆さんにお話しするのだけれども、考えてください、二十歳から六十歳まで四十年働きました、そして六十歳からお迎えが来るまであと二十年か二十数年働かないとすると、単純計算すると、四十の人が二十の人を助けるわけですから、食わせるわけだから、まさに二人で一人ですよ。だから、それはどうもおかしいではないか、こういうことを私は非常に強く最近は感ずるわけであります。 ですから、きょうは労働大臣もと思ったのでありますが、労働大臣はいろいろ用事があるようでありますので、年金とか福祉とかいろいろな問題を考える前に、六十歳、六十五歳以上の人たちにどういう仕事をしてもらうかというか、社会参加していくかということが非常に大きな課題だと私は思います。 労働省から質問してもいいのだけれども、時間がないからはしょって申します。これは労働省からもらった総務庁の統計でありますけれども、六十歳以上の「高年齢者の就業・不就業の状況」の中で、高年齢者、六十歳以上が二千三百三十二万人です。そのうち、仕事がない無業者が約千五百万人います。その中で、仕事につきたいという人が百六十万人いらっしゃるのですね。しかし、その百六十万人の中で実際求職活動をしていらっしゃるのが五十六万人、約六十万人です。そうすると、差し引き百万人の人が、仕事はしたいけれども求職活動はしていらっしゃらない。総務庁の統計ですから失業の統計に入らないのですね。失業統計というのは、職安に行って仕事を探していますよと言えば入るのですけれども、したいのだけれども求職活動をしてない人は失業に入らないわけであります。 そこで、なぜ求職活動をしないのだろうということをさらに聞いてみると、探してみたが見つからなかったからあきらめた、自分の希望する仕事がどうもありそうもないからあきらめている、自分の知識や能力に自信がないからやらないのだ、家族の介護、看病のためという人もいらっしゃいますけれども、病気や高齢のためが約五十万人です。そうすると、非常に大ざっぱに言いますと、六十歳以上の百六十万人の人が就業を希望しておって、六十万人近い人が求職活動をしていますけれども、百万人の人は仕事をしたいけれども求職活動をしていない。ただし、その中で半分くらい、五十万人の人は仕事はしたいのだけれども病気だし年をとったから無理はしない、こういうことであります。 ただ、それ以外に、今のは仕事をしたいという人だけれども、高齢者で仕事をしたくないと思った、仕事をしたいと思わなくなった理由を調べてみると、もう今までの技能や経験が通用しなくなったからが十万人、適当な就職口が見つからなかったからが二十五万人、約三十五万人ですね。合わせますと七、八十万人の人が実は仕事があれば仕事についていい。そう考えますと、今日本は百九十五万人の失業者です。これが三%の失業。百九十五万で三%と考えれば、七十万の人が実は潜在的な失業と考えると、日本の失業率は三%からぽんと四%以上になってしまいます。そういう状況であります。 前置きが長くなりましたが、まず、労働省から見えておると思うのでありますけれども、そういった年はとっているけれども仕事につきたいんだという人に対して、労働省はどういう積極的な雇用対策をしているのか、承りたいと思います。
○中井説明員 高齢者の雇用ということでございますけれども、実際に高齢者の方々、六十歳を超えますと、今までのようにフルタイムだけじゃなくて、短期であるとか任意就業であるとか、そういったいろいろな形での就業を望まれる方が多いわけで、そういったような高齢者の方々のさまざまな雇用が実現できるように、今回も高齢者雇用安定法の改正を国会にお願いをしておりまして、そういったものでいろいろな働き方のシステムをつくり上げていきたい、そういうふうに考えております。
○近藤(鉄)分科員 労働省さんの答弁もわかりますけれども、率直に言って、これは通り一遍じゃなしに、本格的に仕事をしたい人が七十万もいるのだということを考えれば、この人たちに積極的な雇用の機会を開発してさしあげるということ。これまでもやっておって、今度は高齢者雇用継続給付金制度をつくるということで、これは賛成でありますけれども、これは継続雇用ですから、六十歳を六十五歳まで。だけれども、もう仕事から離れて、まさに私の中学校、小学校の同級生みたいに、本当に元気いっぱい、真っ黒にやけていますし、ますます元気いっぱいの人たちに対して、積極的な仕事の機会をぜひつくっていただきたいと私は思うわけであります。 私が労働大臣のときにドイツに参りまして、ドイツ連邦雇用福祉大臣、ドイツは厚生省と労働省が一緒みたいな大臣で、これはCDUのブリュームさんで、いわば保守的な労働組合のリーダーであって、コールさんが政権とってから労働大臣になって、今残っている閣僚はおれだけだと言って自慢しておりましたけれども、彼と会っていろいろ話を伺いました。日本は千八百時間年間労働時間にしようと努力してもなかなか達成できないけれども、ドイツはもう千八百時間を過ぎて今度は千六百時間だ、こう言うから、大臣、それは千八百時間だってふうふうしているのに、千六百時間なんか一体大丈夫なのか、そんなことでドイツ経済はもつのかということを、実は私、率直に聞いたら、ブリューム大臣は笑って、それは大丈夫だミニスター近藤、確かに千八百時間から千六百時間、一割労働時間を短縮しても、六十歳で引退する人も六十五歳まで働いてもらえば、掛け算をすると生涯労働時間は変わらないと言うのですね。 確かにそうですね。一年労働時間一割カットをしたって、今度は就業年数が一割ふえれば、掛け算すればまたもとに戻るのだ。そうでしょう。そして、その方が社会福祉、社会保険負担、医療負担、トータルで考えるとずっと採算が合うといいますか合理的だということを、ブリューム大臣が笑って言っていましたが、そうはいっても、最近のドイツの現状を見ると、ちょっと労働時間が短過ぎたのではないかということでいろいろ逆戻りもあるようでありますから、そう理屈どおりにはならないと思うのであります。 ただ、大臣、高齢化社会というものは本当にそれだけ元気な人たちがふえている社会でありますから、健康で年をとるということについて、それこそ政府は従来以上に真剣になっていいのではないかな、こういうふうに私は考えるわけであります。 そこで、厚生大臣に承るのか事務方に承るのかでありますけれども、勤労者、国民の生涯健康、生まれ落ちて、学校に行って、そして仕事について、そしてリタイアする、いずれ寿命を終えるわけでありますけれども、国民の生涯健康というものについて厚生省はどういうような対策を考えていらっしゃるのか、どんな部局でどういう研究をして、そしてどういう指導をしていらっしゃるのか、承りたいと思います。
○谷(修)政府委員 先ほど来、近藤先生からお話を伺ったわけでございますが、社会全体が高齢化をしてくるといいますか、人口が高齢化をしてくる。一方、人生八十年時代というような時代におきまして、生涯を通じた健康あるいはすべての国民が健やかに生涯を過ごす、そういうことができるようにすることが、広い意味での健康づくり対策ということにおいて非常に重要なことだと認識をしております。 厚生省では、今先生がお触れになりました生涯健康ということを含めまして、国民の健康づくり対策あるいは疾病予防といったようなことに広範囲に取り組んでいるわけでございますが、その中で、健康づくりということにつきましては、特に昭和五十年代以降国民健康づくり運動というものを展開をしてまいりました。さらにそれを昭和六十三年に、第二次国民健康づくり対策といったようなことで、取り組みの目標としては、健康に老いると申しますか、生涯健康に過ごすということでございますが、具体的には、栄養、運動、休養というこの三本柱を前面に、食生活の改善とか適度な運動、それから十分な休養といった生活習慣、いわゆる健康的な生活習慣の確立ということを目標にしております。 具体的には、健康づくりのための、例えば食生活指針でございますとか、運動指針あるいは休養指針というものを、専門家の意見をもとに取りまとめをし、それをいろいろな機会を通じまして、広く国民の皆様に御理解をいただけるようなパンフレットあるいはガイドラインといったようなことでまとめてきております。また、各年代に合わせました健康診査といったようなことの充実も図ってきているわけでございます。 いずれにいたしましても、冒頭にも申し上げましたように、人生八十年時代における健康づくりということで、先ほど申し上げたような基本的な考え方で健康づくり対策に取り組んできているところでございます。
○近藤(鉄)分科員 そこで、厚生省さんがそういう指針をお出しになった。私なども、だんだん年をとってまいりますと、余り太らないようにどうしたらいいのだみたいな本を、あんちょこを買って読んで、そうかと思っても余り実行しませんから、言っていることとやっていることは多少違います。ただ、だからこそ私は、国民の健康というものは、その職場職場なりその場所場所で考える。 当然やっていらっしゃると思いますけれども、例えば学生や生徒の健康は、学校という場があるから、そこで学校保健ということで、厚生省の大きな健康プランのシステムの中で、サブシステムとして学校という場で子供たちの健康をきちっと指導している。そうすると、家庭ではなかなかできないことも学校ではきちっとやられるということもあるでしょう。 そこで、労働省は労災保険という制度があって、そして各会社、従業員五十人以上の会社には産業医を置く、こういうことになっているわけであります。産業医制度を通じて従業員の健康管理、健康指導というものがいろいろできるはずではないかと私は考えるわけでありますけれども、産業医制度と勤労者の健康管理、健康指導の関係についてどういうことをやっておられるのか、労働省からの説明を受けたいと思います。
○松村説明員 労働省といたしましては、産業医の活動を最近強化いたしまして、昨年度から、今委員御指摘の産業医の選任の義務のない五十人未満の小規模事業所においても産業保健活動を実施する、こういう地域産業保健センターというものを整備を始めております。 また、こういった活動あるいは産業医の活動を支援するために、都道府県単位で都道府県産業保健推進センターというものを同時に発足をさせておりまして、勤労者の健康確保対策の充実に取り組んでいるところでございます。
○近藤(鉄)分科員 例えば健診とか人間ドックなんですが、例えば四十歳以上年をとったら人間ドックでチェックしなさいというふうなことはもうみんなわかっている。だけれども、案外なかなかできないものですね。私も、実は恥ずかしながら人間ドックに入ったのは三回しがない。それは、一回は十数年前に入りました、政治家になってから。それから、労働大臣になってから、横浜労災病院に新しいVIPの病室ができたからひとつ体験入院をしようと思って、入って、そして私の場合は胆石がひっかかって手術をして、それから元気になっておるわけであります。うちの家内なんかは生まれて初めて一緒に入った。 申し上げたいことは、健診だとか人間ドックということが言われて久しいけれども、なかなかお互いに多忙ですから行きませんよね。そうするうちに手おくれになってしまって、早くわかれば助かった人たちが、もうがんの発見がおくれて亡くなるなんということはたくさんあるわけであります。そういうことを考えていくと、これはもっと積極的に健診だとか人間ドックということを実行する。 それは、先ほど言いましたように、せっかく会社、工場、事務所に働いているんだったら、そういう職場を通じての、強制的とは言い過ぎだけれども、ある意味じゃ機械的にそういう人間ドックや健診というものを実行すべきだ、こういうふうに私は考えるのでありますけれども、厚生省さん、いわゆる健康保険でそういった人間ドックや健診というものはどういうふうにカバーがされているのか承りたいと思います。
○多田政府委員 健康保険の方では、例えば政府管掌健康保険におきましては、一般健診といたしまして、四十歳以上の被保険者及び配偶者あるいは三十五歳以上四十歳未満で希望する被保険者に対しまして健診を行う。あるいは日帰り人間ドックとして、四十、四十五、五十、五十五歳と五年ごとの年齢を指定しまして、被保険者及び配偶者、あるいは五十六歳以上の退職直前の被保険者につきましては特別に日帰り人間ドックを利用できるようにする。あるいは乳・子宮がん検診として、三十歳代の女子被保険者などを対象とした事業を行っているところでございます。健康保険組合におきましても類似のことを実施をしている状況でございます。 なお、今国会に提出しています健康保険法の改正案におきましても、こうした事業は保険者本来の事業として考えるべきではないか、現在のところこういうことを保険者は行うことができるということになっておりますけれども、本来の事業としてこれをやることを努力していくべきであるということで、努力義務を課すといったような体制を提案しているところでございます。
○近藤(鉄)分科員 健康保険というのは原則として病気になってからの保険ですよね。そして労災保険というのも、労災を受けて、そしてそれに対する保険になっているわけであります。まあこれは言われて久しいわけでありますけれども、今や医学は予防医学だと。さっきのブリュームさんのお話ではないけれども、初め健康でチェックすればかえって医療保険の負担が少なくて済む、こういうことでありますので、今のそういった保険制度の公費負担が赤字ということが言われている中で、もっともっとプリベンチィブなメディシンといいますか医療というものに厚生省や労働省が積極的に取り組んだら、その個人も助かるし社会的にも費用負担がある程度軽減できる、こういうふうに思うのでありますけれども、厚生大臣、どうですかね。 せっかく健康保険がありますけれども、これはやはり、病気になってからじゃなしに、むしろ健康保障の面に一歩踏み込んで厚生省として考える、そして、今お話にございましたけれども、いろいろな分野についてさらには個人の負担を減らす、そのことが結果的に医療保険としての健康保険制度の負担を軽減するということになると私は思うのですけれども、どうお考えでしょうか。
○多田政府委員 先生御指摘のとおりでありますが、法定給付として構成します場合には、これは医療保険として疾病に対する治療ということを中心にいたしますけれども、保健福祉施設というのを保険者がそれぞれやって、まさに先生がおっしゃるように、予防的な措置を講じ、そして健康水準を高めることによって結局医療費の節減にもつながるではないかということで、保険者の方としてはそれぞれそういうことに努力をするというのが、今までそういう事業ができるという規定でございましたのを、今回はむしろ努力義務を課して、そういうことをやることが保険者の一番大事な仕事の一つではないかということに明確に位置づけていきたい、こういうふうに考えておるところでございまして、全く先生のおっしゃるとおりだと思っております。
○近藤(鉄)分科員 いわゆる過労死問題ですね、労働省さん。これは大変判定が難しくていろいろ議論があるところでありますけれども、労働者がもう過労死してしまってからあわててこれは過労死だ過労死だなんて議論したって意味がないので、過労死であれ何であれ、それは不幸なこと、悲劇的なことでありますから、事前にチェックしておく。 そこで、先ほど地域産業保健センターをつくって五十人以下の事業所に対しても健康チェックを進めるんだというお話でありました。それはもちろん大事だけれども、それと一緒に五十人以上の事業所に対しても、もっともっと積極的な、まさに健康予防といいますか、事前のチェックとしての健診なり人間ドックなりそういったものを積極的にこれから進めるという考えは労働省にはないのですか。
○松村説明員 労働省といたしましても、労働者の高齢化とか、あるいは作業態様というのが相当変わってまいりまして、生涯を通じた健康保持増進ということが非常に重要だという観点に立ちまして、これまで私ども健康診断の項目の改正というのをやらせていただきました。 これは、今までの項目に加えて、予防的な成人病の対策などを加えたものでございます。またさらに、心と体両面にわたる健康保持増進対策というものも昭和六十三年から進めております。それからさらに、働く場の問題がございまして、快適な職場環境の形成というようなことを進めておるところでございます。
○近藤(鉄)分科員 繰り返しますけれども、健康の保持というのが私たちの最大の政策課題であるとすれば、せっかく産業医制度というのが労働省のもとに置かれておるわけでありますので、私も大臣をいたしましていろいろなところを見て回ったけれども、率直に言ってまだまだできることがたくさんあるのではないかなと、こういうふうに思うのですね。 そこで、健診をするなり人間ドックというものをもっともっと普及して、そして悪いところがわかれば、それはもう健康保険で町の病院なり市立病院なりなんなり、どんどん回せばいいわけであります。そのことが健康保険の財政にも逆にプラスになる。こういうことだとすると、やはり国民の健康保持というものについて、従来以上に労働省さんがしつかり取り組んでいただきたい。 そういう角度から見て、いわゆる労働省がやっている労災病院というのも、従来の労災病院のコンセプトというのは、例えば炭鉱の近くに労災病院をつくったりまたコンビナートの近くに労災病院をつくって、炭鉱が崩れた、コンビナートが爆発した、さあ大変だからといって労災病院に運び込む。若干そういう感じの労災病院が、炭鉱の近くなりまたコンビナートの近くにあったわけでありますけれども、そういう地域地域の勤労者の健康管理のいわばセンター病院として、また、産業医に一般的な健康診断についてのマニュアルを提供するとか訓練をするとか、そういう形の、まあ労災病院という名前がどうも労働災害となってしまうからどういう名前にするかはまた考えていただくとして、新しいコンセプトで労災病院というものを、最近の言葉で言うといわばリストラクチャー、リエンジニア、そういうお考え方が労働省にあるかどうか、承っておきたいと思います。
○伊藤説明員 ただいま先生から労災病院のあり方につきまして貴重な御示唆をいただいたわけでございますが、私どもも労災病院のあり方につきまして、近年勤労者の健康に対する意識が非常に高まってきていること、あるいは職業性の疾病につきましてもいろいろ多様化していることを踏まえまして、これから労災病院がどのような役割、機能を持っていくべきかということについて、専門家の方々にお願いしまして、今鋭意検討を行っているところでございます。 労災病院につきまして、単に事後の労災補償という観点だけではなくて、勤労者の健康に関するニーズをうまく吸収して、健康管理対策という観点からどういう役割、機能を果たしていけるか、先生の御示唆等も十分参考にしながら、専門家の方々の検討を急いでまいりたいというふうに思っております。
○近藤(鉄)分科員 大臣いらっしゃいますが、私は、ぜひ大臣のリーダーシップのもとに、やはり国民の健康維持、管理、向上のまさにトータルなナショナルプランといいますか、戦略をつくっていただいて、そして既成のいろいろな制度がありますから、それをグランドストラテジーのそれぞれのいわば方面部隊として、おまえはこの役割を果たせ、おまえはこつちをやるんだという形で全体の国民の健康に日本の政治が思い切って傾斜をしていく、こういうことにぜひひとつ進めていただきたいと思うのでありますけれども、大臣のお考えを承りたいと思います。
○大内国務大臣 私は、厚生大臣に就任しましてから、特に社会保障という面でのグランドストラテジーといいますか、そういうものをまず確立したいと思って、二十一世紀の福祉ビジョンというものを実際に提起し、一つの結論を得たわけでございます。 その中の医療という分野で見ますと、先ほど来先生がるる強調されておりましたように、やはり予防とか早期発見といったようなものがこれからの国民の健康保持にとっては非常に重要な課題になってきている。病気になってから治療するということでは、これは医療費という面から見ても非常に損失が大きい。ですから、健康保持といいますか予防といいますか、そういう意味でのグランドストラテジーといったようなものがやはり御指摘のように必要になってきているのではないか。それは、厚生省分野だけでは解決できなくて、労働省とか文部省とかあるいはその他の分野に非常に関連のする、総合的な政策が必要になってきているということを痛感をしております。 したがいまして、私どものできる分野というのはもちろんあるわけでございますが、むしろ横の連絡を、労働省は労働省、厚生省は厚生省、部分的にはそれぞれ相当やられているわけでございますが、やはり総合化されていない。そういう面で、先生が御指摘のようなグランドデザインといったようなものをこれから政府として真正面から取り組んで、まさに縦割り行政を打ち破るという思いでやる必要があるというふうに痛感をしております。 先生から前々からいろいろな意味でいろいろなサジェスチョンを賜りへ私はできるだけそれを忠実に、例えば国会の移転なんという問題も提起しまして、これをひとつ軌道に乗せるという面でも御指導いただいたわけでございますが、この健康保持、予防という面でのグランドストラテジーといったようなものの確立について少し早急に研究したい、こう思っております。
○近藤(鉄)分科員 大臣は今度は厚生行政一本で頑張るということでありますので、大内厚生行政ここにありというものをぜひこの際つくっていただきたい、我々も応援させていただきたいと思います。 そこで労働省さん、私は、これからの時代というのは、二十までに身につけた技術、技能、知識で一生生活ができるような時代でないかもしれませんね、まさに日進月歩ですから。だから、昔だったら大学で医学を勉強する、大学で物理の勉強をする、大学で機械を、技術、技能もそうだけれども、これで大体一生食えたと思うのです。だけれども、これからは食べられなくなってきている。どんどん変わってくる。とすれば、私は、生涯職業訓練というものが非常に大事で、もう初めから、一生のうちに二回、三回、四回仕事がかわるという前提で職業訓練なり能力開発をすべきだ、こういうふうに思っておるのであります。 そういう可塑性があるヒューマンパワーといいますか、人間能力というものを育てていくというので、話はちょっとわきにそれますけれども、私の選挙区に工場団地があります。大手の企業がみんな来ている。工場を持っている。下請の工場があって、この間話をしたら、もう雇用スリム化で、どんどん大手の従業員が割り当てられてくる。雇えというんだけれども、困った。 なぜ困ったかというと、第一点として、賃金が高い、だから安く使えない。これは困った問題。そして、何とか我慢する。第二点としては、誇りが高い。それはそうですよね。本社工場で働いていたんだから、下請の工場なんか行ったってという、誇りが高い。これもまあ我慢しよう。しかし、一番我慢ならないのは、能力がない。こういうふうに言っている。 なぜ能力がないかというと、名前を挙げないけれども、大手の本社工場でしょう、大手の直営工場なんです。それで下請の中小企業と、こっちの方が能力があると思うんだけれども、能力がない。 どういうわけかというと、結局、大手工場の職工さん、職人は一つのパートだけ一生懸命やっているんですね。だけれども、中小企業の中小工場は何でも屋なんですよ。だから、若くして何でもやっているから応用がきくんですね。だけれども、誇り高き高収入、賃金取りの従業員は、誇り高くて賃金高いけれども、まさに単能工なんですよ。だから応用がきかない。それが一番困ったという話を聞いて、なるほどそうかと私は感心した。 そこで、そういうふうに人生何回も仕事をかわるんだという前提で能力開発というものを積極的に進める必要があるのです。そこで、もう時間もないからはしょりますけれども、有給休暇制、二十日間ありますね。これを全部キャリーオーバーはできなくても、例えば一年二十日間のうち十日間をためて、十年たっと百日でしょう。そうすると、土曜、日曜を入れたら半年ぐらいにはなり、休めますよね。半年まとめて休めれば、その間、例えば技術屋だったら海外に行って勉強してくるとか、国内留学でもいいですよね。十年ごとに、リトレーニング、リエデュケーションする、研究ができる。そういうことでやると、二十前後で勉強して、三十前後で半年どこかで勉強する。四十前後でまた勉強する、五十前後で勉強する、六十前後で勉強する。私など六十を過ぎたけれども、半年でもいいからどこかへ行って勉強させてくれるなら、もうちょっと頭はよくなるのじゃないかなと思わないでもないのであります。 そういうふうに有給休暇を十年ためてまとめて使う、しかも完全にレジャーでも構わないのですよ。だけれども、そういう能力再開発みたいにまとめて使えるということは、労働省さん、今の制度でできるのでしょうか、できないのでしょうか。
○伊藤説明員 有給休暇につきまして、今の制度でできるかどうかという点についてお答えいたしますと、現在の有給休暇につきましては、確かに最高二十日付与されて、もらえるわけですが、それを一年で消化するのが前提の制度になっておりまして、その時効も二年というのが今の労働基準法の定めてございます。したがいまして、今のような形の現在の労働基準法のもとではなかなかやりにくいのが実情でございます。 ただ、労働時間の短縮の中の一方策といたしまして、長い職業生涯の中で、働く方々が節目節目に自己を啓発したりいろいろな休みをとる、そういうリフレッシュ休暇なんかも進めております。そういったリフレッシュ休暇をつくる企業には、例えば年次有給休暇の未消化分を法律とはまた別に積み立てておいて、それをリフレッシュ休暇に上乗せして使う、そういったアイデアもいかがでしょうかというような知恵をいろいろ提供しているところでございます。 ただ、正直申し上げて余り進んでいない。それは、今度は毎年毎年の有給休暇の取得率が下がってしまうという一方の問題もございまして、普及は今まだまだでございます。 いずれにしましても、有給休暇の取得促進、また、これから有給休暇がどうあるべきかというようなことについて、前回の労働基準法の改正の際に国会におきましてもいろいろ御意見をいただきまして宿題になっておりますので、関係の審議会の方でそういった点をこれから議論することになっておりますので、そういった先生の御意見もその場に紹介して、いろいろ御議論を願っていくようにいたしたいと思っております。
○近藤(鉄)分科員 フランス人というのは、早く年金生活になりたい、できれば五十でも五十五でももう早く仕事をやめて、あとは年金で生活して人生をのんびりしたい、こういう話を昔フランスで聞いたことがあるのです。 私が申し上げたいのは、例えば六十歳定年でも六十五歳定年でもそこが目標で、六十五歳で定年、ああやった、ああもう疲れた、あとは年金でのんびり生活しよう、あとはお迎えを待っているだけだという人生はどうも余り楽しい人生じゃないと思うのですね。六十になっても六十五になっても、もっとやるよ、こういうふうになる人生。 ということは、我々政治家やなんかはそういうのとはまさに逆だけれども、十年に一遍半年くらい、時々まとめて勉強するなり海外に行くなり何かして伸び伸びリフレッシュして、また次の十年頑張ろう、半年くらいいろいろな経験をしてまた次の十年いこう、こうやれば、この勢いでいくと、八十はおろか九十、百だっていけるかもしれません、十年くらいでリフレッシュすれば。そして、お迎えが来たときは余り御迷惑をおかけしないでお迎えに従っていく、こういう人生が僕はいいのではないかなと思うのです。だから、それが豊かな社会でも、もうわき目も振らずがつがつ頑張って、ああ疲れたというのでは……。 話が飛んでしまうけれども、昔、私は行政管理庁の政務次官のときに山形の刑務所を見たのです。そして、終わって刑務所の警備員の話を聞いたのだけれども、三コロという話を聞きました。それは、刑務所の仕事をして、そしてリタイアして、田舎だから多少の貯金で家を建てると三年でころりといく。今の言葉で過労死、純過労死じゃないけれども。みんなそれぐらい非常に精神的に厳しい仕事をしているのですね。昔の刑務所は権力刑務所だから、たたこうが泣こうが何でも構わなかった。ところが、今は民主刑務所だから非常に気を使う。こうやっているから、終わったら、ああ終わった、家買った、ころり、こういつてしまう。 そういう人生は、やはりいろいろなフラストレーションとか抑圧がたまっていくわけです。だから、それを時々ふわっとして切りかえてやる、まさに経済大国というならそれぐらいの人生を日本人がやらせていただいていいのではないかな、私はこういうふうに思います。 労働省さん、二十日間の有給休暇はもちろん大事だし、我々二十日間とれるどころか、私はともかく、うちの秘書だって有給休暇二十日間なんか絶対とっていないと思う。これは元労働大臣としてじくじたるものがありますけれども、やはりせっかく制度があるなら、ためて、健康もリフレッシュする、頭もリフレッシュする、肉体もリフレッシュする、そして次にまた十年を迎える。そして最後まで希望を持って働けるような人生設計というものをぜひひとつ、まさに人間担当関係省である厚生省さんと労働省さんが一緒になってそういう計画をつくっていただきたい。厚生大臣、特にこの点をお願いしたいと思うわけであります。 そこで、それに関連しますが、私は今度できた高齢者雇用維持助成制度はそれとして賛成だけれども、例えば新日鉄、名前を挙げるのはどうかと思うけれども、立派な会社だけれども、幾ら立派な会社でも、六十歳、六十五歳とずっと同じ会社にいなくたっていいのかなという気がするのです。ずばり言いますと、もっとその年代に応じた仕事はあると思うのですね。 端的に言って、介護なんかはこれからまさに、私はお年寄りの健康と言ったけれども、そうは言ったって人間だから、最後は介護のお世話になる人たちがどんどんふえてくるのではないか、その介護労働者の確保というのは一番大事だと思うのです。 これは前に予算委員会でちょっとお話し申し上げたのだけれども、私もこれは老眼だが、老眼も一緒になってIC工場で働くとか、ニットで難しいミシンをやっているとか、そういう人たちが行くことなしに、例えば四十五を過ぎた御婦人の方々にある程度の訓練をして、むしろ介護に切りかえていただくということはどうかと私は思います。 いろいろ介護施設に行きますと、まじめな、まじめなというとあれだけれども、介護施設に働いておる青年は、男性も女性も非常にいい感じの、今どきなんというと大臣、これはちょっと言い過ぎかもしれませんが、ああいう施設で働いている人たちはみんな本当にいい人ですよ。若い人たちはすばらしい人たちです。目的に燃えてやっていらっしゃるのです。 だけれども、若くなくたっていいような気がするのですね。そしてもっと言えば、お年寄りの面倒を見るのはお年寄りに近い人の方が場合によってはいろいろなことがわかるかもしれませんね。そして、いずれ今度は向こう側に行くわけですから、だからいろいろな意味での準備にもなる、こういうふうに思いますので、これからの介護労働というものを、いわば従来の第二次産業の労働をしておった婦人の方々を、ある程度の基本的な訓練をして、そして介護福祉施設に再雇用するということを積極的にお考えいただいたらどうかということが一つ。 もう一つ、さっきの失業の問題に入りますが、大臣も私も田舎で座談会をするでしょう、まあ大臣は都会だけれども。中年の方、婦人会、いろいろいらっしゃいますよね。家庭の主婦です。何をしていらっしゃいますかと言うと、もう何もしていないのです、子育ても終わったのです。何か仕事をしてみたいかと言うと、してみたいです。例えば介護はどうですかと言うと、それはやってみたい。だけれども、わざわざ職安まで行って、私は仕事が欲しい、介護福祉施設に行きますというまではいかないんですよ。もう一応生活が安定した方々ですから。 だけれども、率直に言って、そこで家庭に残っておしゅうとさんの世話をするよりも、まさにそういう施設で赤の他人のお世話をして、そして何らかの収入になる。その収入で、例えば今度は逆に在宅ケアをやっていただけるような人に来ていただいて、それで見てもらう、そういうような形があっていいのじゃないかなと私は思っているわけです。 ですから、そこで結論をはしょりますと、そういう中年の御婦人の方々にある程度基礎的な訓練をすることで、介護福祉施設の従業員として活用していくということを厚生省さんないしは労働省さんでお考えになっていただけないのかな、こういうことでございますが、どうでしょうか。
○大内国務大臣 先生は外国事情も大変詳しいわけでございますが、例えばアメリカあたりを見ておりましても、中高年齢者の雇用の場というのが非常に広いですね。例えば日本のデパートの場合は大体若い方が多いのですが、アメリカのデパートの場合は御存じのようにもう圧倒的に中高年者がサービスに当たりまして、我々が入ると、メイ・アイ・ヘルプ・ユーと言って近づいできますね。それから、看護、福祉の関係を見ましても、割合に中高年の人が多い。日本の場合は非常に若い方が多い。ですから、そういうこれからの中高年齢者の職場の開拓といいますか、これを積極的に考える時期にもう来たのではないか。 と申しますのは、現在福祉関係で働いている方がたしか二百五十数万人だと思いますが、これから十年ぐらいで約百万人ぐらい需要がふえてまいります。 御案内のとおり若年労働というのはだんだん減少してまいってきておりますだけに、これから中高年齢者や女性が相当社会的に進出いたしませんと、福祉関係の産業そのものに対する労働力の需給関係もうまくいかない。ましてや、郵政とかハイテク関係を見ましても、これは相当雇用創出が起こってまいりまして、この分野は若い人が非常に要求されると思うのです。ですから、特に福祉関係の諸事業につきましては、中高年齢者の職業訓練といったような、これは簡単なもので相当できるわけですから、そういうものをやりまして、そういう中高年齢者の職場、職域の確保というものにこれから真剣に取り組むべきときが来たと私は思っております。 もちろん、近藤先生が提起されている、どういう生き方が本当にいいかということは、いろいろな論争があるところかもしれません。イギリスのウィルソン首相は、六十歳の誕生日が来たときに総理をみずからやめて仕事を打ち切られた。また、フランスの国民はできるだけ早く年金生活者になりたい。私ども日本人は、えてして働きバチの習性がございますから、できるだけ働く場があれば働いていこうという考えもございます。 これがいいのかどうかという問題はございますが、私なりに考えてみますと、やはり健康的な生活というのは、一つは、休養がとれて、そして十分栄養が行き渡った食事がとれて、そしてスポーツができて、それからもう一つは、健康診断というのが不断に定期的に行われて予防が行われる。その他幾つか要素があると思いまして、その生き方自身はその人の哲学にかかわることかもしれませんが、やはりもう一つは、仕事を何かの形でしている。我老いに至らずして死に至るという言葉がございますけれども、やはり死ぬまで健康でいるということは非常に大事で、その要素というのは今申し上げたような五つぐらいのファクターを満たすということではないかなと思っておりますだけに、先生の御提起というものは、非常に建設的な前向きな御提言として受けとめさせていただきます。
○近藤(鉄)分科員 労働省は、育児休業法をつくって、そして今度、育児休業の間もある程度の所得保障をする、こういうことになりました。今度は介護休業法をつくろうということでいろいろ検討していらっしゃる。私は、基本的に賛成でありますし、やはり家族が家族の面倒を見るというのは日本の伝統的な家庭制度というものを考える基本だろうと思うのです。 しかし、そういう面ともう一面、私は、これから高齢化社会で、高齢者で病気の方がふえて、しかも長い場合に、それは家族の労働を超えるものではないか。もっと言いますと、今までの嫁さんがおしゅうとさんの面倒を見たという形ではなしに、やはりお年寄りを長期に扱うのはある程度のプロが必要だろうと思うのですね。 それは、老人の健康なりいろいろなメンタリティーなり感情なり、生活の要所についての基礎的な訓練を受けた人がお年寄りを扱っていくということでないと、素人の嫁さんがおしゅうとさんに、ただ情だけでつき合って、もたないような面も実はこれからふえてくると思うのです。だからそういう意味で、介護労働というものを、プロをつくって、プロといってもいわゆるセミプロというのか基礎的な訓練をした人が出て、そして介護に従事していく。 しかも、片一方で、もう時間がないからはしょりますけれども、私はいっ引退するかわかりませんけれども、年をとって引退して、何らかのお金があったときに、例えばベンツのスポーツカーは要らないのですよね。高級なパソコンも要らないのです。それよりも、優しい介護人に多少の報酬を払ってもいいから来ていただいて、そしていろいろ面倒を見ていただく。かえって自分の嫁より気が楽かもしれませんね。だから、高齢化社会に介護サービスというのは、私は、言ってみればマーケッタブルだと思うのです。十分売れると思うのです。 だから、そういう形で、もう時間がなくて恐縮でありますけれども、私はよく申し上げているのだけれども、壮大な福祉プラン、基本的に私は大賛成であります。必要だと思うのだけれども、もっともっと民間活力を導入して、採算ベースで動かしていく。 私はかつて自民党通信部会長をしたときに、当時の郵政省の大幹部、今はもう偉くなってしまったけれども、おれの目の黒いうちはNTTなんて、電気通信なんという国家の神経系統を民営化するなんてとんでもない、これは国のやるものだと言って大憤慨した当時の郵政省の大幹部がいます。今この辺にいるのも偉い人なんだけれども。だけれども、どうでしょう、NTTの民営化がどれだけの成功を、日本の通信業界に革命を与えたか。そして、JRだってそうですね。分割して民営化してよくなったでしょう。 そうすると、福祉というのは厚生省さんが伝統的にやっていらっしゃって、それなりにやっていらっしゃるけれども、これを一回民間に振ってみて、そして民間でできるものは、コマーシャルでできるものは積極的に取り組んでもらう。そして、本当に国家がしなければならないことは残りますから、それは厚生省がきちっとやっていく。ただ、トータルな福祉システムというものは何が何でも国がやらなくたっていいのじゃないか、役割分担ですから。 そういう発想で、まさに世界に冠たる福祉システムを、厚生省さんの従来の伝統手法、そして新しいアイデア、さらに民間活力を導入して、ここでまさに大内厚生大臣ならではの新しい画期的なシステムをぜひ打ち立てていただきたいということを心から期待し、願望いたしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○土田主査 これにて近藤鉄雄君の質疑は終了いたしました。 次に、山元勉君。
○山元分科員 委員長も大臣も、大変御苦労さまでございます。 山元勉でございます。 早速ですけれども、この三月に厚生相のもとに置かれております高齢社会福祉ビジョン懇談会が二十一世紀福祉ビジョンというのを発表されました。その前文にこういうことが書かれているんです。「二十一世紀に向けて、急速に到来する少子・高齢社会への対応も国民的な課題となっている。」「国民一人一人が安心でき、真に幸福を実感できる福祉社会の実現を図っていくためには、今後我が国が目指すべきビジョンを明らかにし、それに向かって大胆かつ着実な前進を図っていくことが必要となっている。」こういうふうに述べて、重要な課題だとかあるいは施策について示しておられるわけです。大変時宜を得たものだというふうには思います。しかし私どもの方から、あるいは国民の側から多くの問題点やあるいは注文をしたい点が多々あるわけでございます。 きょうは分科会で短時間ですから、私は、この中で障害者や高齢者にやさしいまちづくりの問題について、問題を絞ってお尋ねをしたいというふうに思います。 そこで、早速ですけれども、大臣はこの福祉ビジョンをどのように受けとめて、どのように今後これを具体化していこうとお考えになっていらっしゃるのか、まず所信をお伺いしたいと思います。
○大内国務大臣 福祉ビジョンを策定しなければならないというのは、私が大臣になりまして早々に私自身が提起したものでございます。というのは、言うまでもなく、世界に例を見ないような超高齢化社会がいや応なしに到来いたしますし、少子社会もまた今我々が経験しているところでございますので、国民の中でやはり相当の分野が老後に不安を抱いている。若い方の中にもそういう意見がある。したがって、新しい社会の動きの中にありまして、それに対応する高齢化社会の福祉ビジョンというものをおつくりしなければ国民に対する行政の責任が果たせない、こういうような思いで実はあの問題を提起したのでございます。 したがって、あの中では言うまでもなく、超高齢化社会に対応する、主として福祉重視型の社会保障に移行していく必要がある。年金、医療という問題ももちろんしっかりやらなければなりませんが、それとともに、例えば予算面でも比較的軽視されてまいりました福祉という問題を重視しなければならぬということになりますと、特に介護システムといったようなものを再構築しなければならない。また、現在働く女性というのは五〇%台でございますが、これがだんだん七〇%台にふえていく傾向にある。そうしますと、働きながら育児と両立させていくという体制を社会的に確立しなければならないとすると、当然福祉というものが重視されていかなければならない。 ですから、今までの年金、医療、福祉が五、四、一という割合でございましたが、これを少なくとも五、三、二ぐらいに変えまして、ヨーロッパ並みの一つの社会保障の構造というものをつくり出していく必要がある、こう考えておりまして、これからの日本の社会保障の重点というのは、一つは、年金制度については長期的に信頼し安心できる年金にしなければならぬ。医療についても良質な医療が受けられるように効率化を進めなければならぬ。そして福祉については、家庭の機能というものが相当変化してまいりましたので、社会的な支援体制というものを強化しなければならぬ。 そういう意味で私は、新しい社会保障制度というものを構築していくのが今度の福祉ビジョンの提起である、こう考えておりますので、またいろいろな意味でお気づきの点の御指導を賜りまして、よりよい福祉ビジョンに仕上げ、そしてこれを具体的に予算化し、また一つ一つの問題についてはこれを年次計画、実施計画として策定し、これの具体化を図ってまいりたいと思っている次第でございます。
○山元分科員 まさに二十一世紀の国民的な最大の課題は、福祉と環境だというふうに私も思っています。そういう点で、ぜひこのビジョンを実現していく努力をお願いしたいというふうに思います。 そこで、先ほど申し上げましたように、高齢者、障害者という問題で、最初に高齢者の増加の動向ですね。確かに高齢化、恐ろしい勢いでという表現がありますけれども、その動向、その人たちが町での生活といいますか社会参加、地域での参加の現状、どういうふうに厚生省として認識をしていらっしゃるのか、まず高齢者についてお伺いしたいと思います。
○土井政府委員 ただいま御質問がありました高齢者の動向でございますけれども、既に御案内のとおり、六十五歳以上の高齢者の人数は平成五年で千六百九十万人という人数でございます。全人口の十三・五%という割合を占めております。厚生省にあります人口問題研究所の将来推計、これは先生御案内のところでございますけれども、今後急速な高齢化の進展ということを予測いたしておりまして、二〇〇〇年には六十五歳以上の高齢者の数が二千百六十九万九千人、人口比で一七%、さらに二〇二五年にはピークを迎えまして三千二百四十四万人、二五・八%、そのような状況になると推計をしているわけでございます。 私ども、こういった高齢者の方々の社会参加、非常に重要な要素であるということで、そういう基盤づくりのためにまちづくり事業等の準備に取りかかる必要があるだろうということで、新しい事業もスタートをさせたいということで新年度予算でもお願いをしているところでございます。
○山元分科員 もう一つの分野の障害者の問題ですね、現在の動向なり、あるいは障害者が置かれている今の状況についての認識はどうですか。
○土井政府委員 障害者の状況でございますけれども、平成三年十一月に実態調査を行っておりまして、在宅の身体障害者の数は二百七十二万二千人という人数でございます。これは昭和五十五年、十年前でございますけれども、百九十七万七千人というものに比べまして、七十四万五千人ふえております。また、その内容でございますけれども、就業者の数というのが八十九万四千人ということになっておりまして、同様に比較をいたしますと、二十五万人余増加をいたしております。 私ども、障害者の問題につきましては、やはり高齢化という問題が一つございます。それと同時に、国連障害者の十年の成果を踏まえまして、障害者の方々の社会参加それから就業といったようなことが非常に重要な事項であるということで、関係省庁力を合わせましてそういう課題に取り組むということで頑張っているところでございます。
○山元分科員 これはビジョンの問題じゃありませんけれども、国連障害者の十年が一昨年終わって、昨年三月に新長期計画を策定されました。具体的に、例えば副題がついておりますように、全員参加の社会づくりということが副題になっていて、障害者の完全参加と平等からもう一歩進んだ感じがするわけですけれども、そういう計画を策定して、去年の三月からですから、相当進んでいるんではないかと思うのですけれども、このことの状況はどうですか。
○土井政府委員 今お話しのとおり、昨年三月、政府として新長期計画が決定を見ているところでございます。私どもも、障害者のいろいろな施策を前進させるということで、六年度予算案におきましても幾つかのお願いをいたしております。 ただいま申し上げました障害者や高齢者にやさしいまちづくり事業の推進、これを新規事業でお願いをいたしております。また、障害者の社会参加と自立の促進を図るためのメニュー事業でございますが、障害者の明るいくらし促進事業というのを行っておりますけれども、その中に、盲導犬の育成など各種の事業を計画的に充実を図っていきたいということでお願いをいたしております。さらに、地域で利用しやすい施設の整備を進めるという観点から、身体障害者小規模複合施設の整備でありますとか、デイサービス事業の箇所数の増といったようなことをお願いをしておりまして、今後ともそういう方向で努力をしてまいりたいと考えております。
○山元分科員 これは、具体的に数字を挙げてやり合う時間はありませんけれども、確かにおっしゃるように、障害者の教育が義務化になって重度の人たちが教育を受ける、そしてそれを終わる。しかし、出ていくところがなくて、よく言われる滞留化現象が起こっているわけですね。社会に参加していけない、まちに出ていけない、やはり施設の中で年がいっても抱えている。そういう滞留化現象が起こっておりますね。ですから、それは施策として追いついていないというか、そういう状況が今出ているのだろうと思うのです。 義務化になってもう十三年になるのですかね。ですから、そういう現象が起こってきているわけですね。この長期計画という長い期間かけて頑張ろうということはわかるけれども、急がなければならぬということもぜひ心がけていただきたいというふうに思います。 そこで、時間もどんどんなくなるのですが、ことし厚生省が、障害者、高齢者が住みよい地域社会をつくるという新しい事業をまちづくりでっくられましたけれども、その事業の概要について簡単におっしゃってください。
○土井政府委員 ただいまのやさしいまちづくり推進事業でございますけれども、二つの要素がございまして、一つは、総合的な計画をつくろうということで、地域社会を構成するいろいろなメンバーの方に入っていただきまして、もちろん障害者の方々にも入っていただきまして、いろいろな計画づくり、そしてそれと同時に地域住民に対する啓発広報といったようなソフト面、これが一つでございます。 もう一つは、障害者などのための生活環境の基盤整備という形で、どちらかといいますとハード面の事業でございますが、例えば、スロープでありますとか、段差の解消でありますとか、エレベーターの設置でありますとか、そういったハード面の事業をやろうということになっておりまして、この二つの大きな事業から成り立っておるところでございます。 なお、対象市町村でございますけれども、おおむね人口十万人程度ということを考えておりまして、予算案では三十カ所予定をしているところでございます。
○山元分科員 そこで具体的に、今おっしゃった前を向いてやるという新しい事業は評価をするのですけれども、補助対象が十万人以上、十万人をめどにした市ということが一つの枠になっているわけですね。なぜ十万人以上なんですか、その理由は何ですか。
○土井政府委員 障害者のためのまちづくり事業というのは、既にいろいろな形でこれまでも実施してまいっておりますが、今申し上げましたような二つの柱を中心にして障害者の社会参加を積極的に促進していこうということはどの地方団体においても大きな課題であるという認識においては、余り差をつけずに取り組むべき課題であるという点は、我々もそのような考え方はよく理解できるわけでありますけれども、特に緊急度の高いところから手がけたいということで、限られた箇所数でございますので、新年度予算におきましては、おおむね人口十万人程度、そういう市を対象にしてスタートをさせたいと考えた次第でございます。
○山元分科員 それはおかしいですよ。私は滋賀県出身ですけれども、滋賀県で十万人というと、残念ながらというのか、情けないと言ったらいかぬですけれども、大津が二十七万で、彦根市がやっと十万を超したところで、二つしかないのですよ。しかし、滋賀県の実態を考えてみても、十万以上の都市でそういうことをしなければならないという認識を持ったら、ある程度力があるのですよ。 しかし、高齢者の密度でいいますと、そういう財政的な力の弱い、例えば、過疎化をしていくような自治体、小規模の自治体、そういうところが、財政的な能力がなくてもやはり頑張らなきゃならぬ、こういう意識を持っているわけですから、その人口が減少していくあるいは過疎化していく、高齢人口の密度が高くなっていくというところに焦点を当てるということはなぜできないのですか。
○土井政府委員 福祉のまちづくり事業をどういうところを中心にやっていくかという点につきましては、確かに先生おっしゃるとおり、地方自治体におきましてそれぞれのところで取り組みが進んでいると私どもも考えておりますけれども、今回実施する事業につきましては、全体としての緊急度の高い地域ということから、人口十万というものを、おおむねという前提がついておりますけれども、おおよそのめどに置いて三十カ所をスタートさせたいと考えた次第でございまして、今後推移を見ながら、どのようにこの事業をさらに行っていけばいいのかという点については残された問題であろうというふうにとりあえず考えているところでございます。
○山元分科員 いや、とりあえず考えるのは、まず、この小さな、財政力の弱い自治体もしっかりやってもらおうということに目を当てないと、機械的に十万、確かにそれは、人の動くところ、そういう濃度からいうと十万以上、例えば滋賀県でいうと、大津市は県庁があって人が集まってくる、だからそういう利用度は高いと言えますよ。 しかし、今言う十万以下の都市もやはり同じように、先ほど局長がおっしゃったように、六十五歳以上でも一三・五%が二〇〇〇年には一七%にどんどんとふえていくわけでしょう。今私が申し上げたように、人口が減っていくようなところはその率は高くなるはずですね、もっとひどい率で高齢化は進んでいく。そこのところではやはりそういうニーズが強いわけですから、私は、十万以上ではミスプリと違うか、こう言ったのです。 十万以下、あるいは前の、去年までありました住みよい福祉のまちづくり事業というのを厚生省がやっておられましたね、これは三万以上でしょう。なぜ十万以上というふうにラインが上がってしまって、十万以下のところを、泣かすと言ったら語弊があるかもわからぬですけれども、冷たくされようとするのですか。 私たちも、このまちづくりには評価をして、何とかもっと枠をふやしてほしいというふうについこの間までやってきたところです。ですから、これはどうしても地方で見ると矛盾ですよ、差別ですよ。差別という言葉はきついけれども、ぜひ努力をしてもらいたいと思うのです。
○大内国務大臣 御指摘の点は全くもっともだと思います。 これは、パイロット的に十万以上という一つの区切りを設けたわけでございますが、自治体によりましては、それらの都市よりかもつと高齢化速度が速いところもございますし、また、そういう一つのプランがあるのであれば我々のところでもぜひやりたいというようなところもあるわけでございますから、先生御指摘の諸点を十分踏まえまして、十万都市以上といったようなことに必ずしもこだわらないでこれを広げていくように努力をさせていただきます。
○山元分科員 あとほかの問題もあるのですが、この問題でもう少し申し上げたいのです。 同じく補助対象が公共施設となっているわけですけれども、聞いてみると、公立施設ではないのですか。例えば公共性の高い民間の施設、そういうものを含めて補助対象とはならないのですか。その点はどうですか。
○土井政府委員 おっしゃっておりますとおり、この補助対象として予定をしていますものは、これは市町村が実施する事業ということを考えておりますので、例えば道路の段差であるとか、あるいは公園における公衆便所であるとか、そういったものに障害者などに利用しやすいような施設を整備していく、そういう事業を予定しておりまして、民間の事業のものは予定をいたしておりません。
○山元分科員 これはやはり総合的に。まさに縦割りで、自治体のものでなかったらだめですよということをがらがらがんに言うことはないと思うのです。ですから、そこのところは、これも検討課題として効率的に事業をしようとしたら、そういうものもやはり公共性が高いというふうに厚生省が認めたら、それは枠は広げていくという方向で努力をしてもらいたい。 そしてもう一つですが、三十市ですね。四十七都道府県、皆思っていらっしゃると思うのですよ。例えば滋賀県一ついただいたら、こんなことを今陳情しているわけじゃないのですけれども、いただいたらこれはやはりいい船頭役をしてほしい。厚生省行って勉強してきてくれ、他府県に行って勉強してきてくれ、そして滋賀県で一つ指定されたら、それがこれからのお手本になるというふうにしようと思ったら、四十七要るわけでしょう。三十というのは、これはちょっと中途半端というか少な過ぎるというか、それはどうですか。 〔主査退席、近藤(鉄)主査代理着席〕
○土井政府委員 御指摘のとおり、数が三十カ所ということで、一県一つにも及ばないという御指摘はそのとおりでございます。 私ども、これまでやってきておりましたのは、先生先ほどちょっとお触れになりましたが、住みよい福祉のまちづくりというのは、人口規模も三万くらいで箇所数もはるかに多かったわけでございますが、事業規模が一年間千五百万ですから、三年間で四千五百万、これは一年間一億一千五百万ですので、二年間ですけれども二億三千万、かなりスケールが従来のものと違うというようなことから、精いっぱい頑張りまして三十カ所の予算を計上していただいたわけでございますが、今後できるだけの努力をいたしたいと思います。
○山元分科員 お尋ねをしたがったのですが、時間がないからどんどんと申し上げますけれども、この事業は、福祉のまちづくりというのでは、厚生省さんだけではなしにことし初めて建設省も運輸省も、これは新しい事業を起こしてもらった。これはやはり総合的にいいことだというふうに思うのです。 しかし、考えてみると、自治体の方から見るとまさに縦割りの行政という感じがするわけですね。これは運輸省のやらはる福祉のまちづくり、これは自治省がやらはる、これは厚生省がやらはる、これは文部省がやらはる、こういうことになったわけですね。そういうことになっている状況というのは、例えば今申し上げましたように、各省がそうやって頑張ってくれることはいいことですけれども、やはりそれのコントロールタワー、総合的な調整をする、本当にまちづくりの絵をしっかりと見るというのは、福祉の担当の厚生省の仕事だというふうに思うのですね。 どういうふうにことしの各省の予算を見ていらっしゃるのか、それをどういうふうにこれから調整をしていかれるのか、指導監督ともいう権限はないのかもしれませんけれども、調整をしていかれるのか、今どういうふうに認識していらっしゃいますか。
○土井政府委員 期せずして建設省、運輸省もまちづくりに取り組んでおりまして、特に建設省におきましては、御案内のとおり法律案も国会にお願いをしているという状況でございます。 昨年三月、障害者のための新しい長期計画を策定いたしましたけれども、その中で最も重要な課題である社会参加という観点に各省とも取り組んでいる、それぞれの分野分野で取り組んでいるということのあらわれでございまして、建設省におきましては人にやさしいまちづくり事業、それから運輸省におきましては生活者にやさしい交通都市づくりのためのモデル事業といったような形で、それぞれのところで取り組みがスタートをしようとしているわけでございます。 私どもは、福祉のまちづくり事業というものは、関係各省庁と十分連携を確保しながら取り組んでまいりたいということで、厚生省が中心とかどこが中心とかいうことではなくて、力を合わせて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○山元分科員 やはり、それは厚生省がしっかりとした目配りをするというのですか、特にお願いをしたいのは、例えば自治体からすると、悪い意味ではないけれども縦割り行政の最たるものだというような感じがするわけですね。 そうすると、自分のところはいいまちづくりをしようと思っても、例えば施策がどこの省が何をやっているのだ、あるいは助成措置がどこにどうあるのだ、あるいは技術的にはどういうふうに開発されているのだ、進んでいるのだ、いろいろな情報が欲しいわけですよ、自治体にすれば総合的に欲しいわけですね。ところが、今言いましたように文部省はこうだ、厚生省はこうだ、運輸省と建設省と自治省はこうだ、こうなるわけです。ですから、やはりそういうメニューというのですか、情報は一覧にしてそれぞれの自治体がわかりやすい情報を流していただく必要があると私は思うのです。 今申し上げましたように、施策の助成措置がことしてもたくさん厚生省、建設省、運輸省、ずっとあるわけでしょう。だから、そういうところそれぞれが整備の基準も違うし、持っている技術も違う。ですから、ぜひこれは、今言う庁はどこが中心ということでなしに、連携をしていただけないかと私は思うのですよ。やはりしっかりしたものを、マニュアル、きちっとそろえて自治体を指導してもらいたい。福祉の指導は厚生省だと言ったら押しつけがましいですか、そういう気持ちではないわけですか、どうですか。
○土井政府委員 先ほど申しました新しい事業のまちづくり事業の中でも、地域において協議会をつくりまして、その中で、関係者こもごも入っていただきまして、障害者あるいは高齢者のためのまちづくりの計画をつくっていただく。この計画の中には、例えば今お話がありました駅舎をどうするとか、あるいは建設省の所管であります住宅とか建物をどうするとかといったようなものも盛り込まれると思いますし、それからまた、そういったそれぞれの補助制度といったようなものがない独自の地方団体単独事業といったようなものも盛り込まれる。いろいろなものが盛り込まれていくだろう。それで私どもとしては、そういう協議会の議論の場を通じて、地域としてそういうものを総合的に受けとめていただくということが必要であろうと思います。 そして、先生御指摘の厚生省が情報提供、これはまんべんなく広く情報提供できないかという点については、これは当然の御指摘でございますので、私どもも可能な限りそのような努力についてはいたしたいと存じます。
○山元分科員 ぜひ、例えばこれはきのうの新聞ですけれども、各地域そうだと思うのですが、これは近畿が書いてあるのですけれども、福祉のまちづくり条例というのが既に大阪、兵庫は制定をして取り組んでいる、私の滋賀も京都もことしじゅうに何とかといって、今も一生懸命になってやっているわけですね。課題はここに書いてある、財源の確保だと。どのようにして上積みをしてどんどんといいものにしていくかということで努力をしているわけですね。そういう努力にやはり手引を与えるということは大変大事なことだというふうに思うので、ぜひそういう努力をしていただくようにお願いをしておきたいと思うのです。 時間がありませんから、もう一つだけですが、ふれあいのまちづくりという事業が平成三年度から行われています。これは五年たったら見直すということになっているわけですね。これはおっしゃったように小さい事業です。ですから、小さな事業を自治体でやっているわけですけれども、やはり人もっけて、社会福祉協議会の皆さん、ほかの団体の皆さんと一緒にふれあいのまちづくりという事業をやっているわけです。だんだん初めての年から五年後が近づいてきて、見直しというのは打ち切りなのか継続ありなのか、部分的に認めてもらえるのか、一体どうなるのか、人の配置も含めて心配をしているのですよ。 ですから、網の目のようにやはり福祉のまちづくりを全国でやろうとすると、こういう事業は大臣も頑張ってもらって、またことしも予算を概算要求の中でしっかりととってもらって、それぞれの地域が打ち切りだとか減額だとかいうようなことにならぬように努力をしてもらいたいと思うのですが、どうですか。
○土井政府委員 ふれあいのまちづくり事業でございますけれども、平成三年度にスタートをいたしまして、その際、実施後五年たつと見直しをするということを申し上げてまいりました。したがって、平成八年度以降どうするかということについては、まだこれからの検討課題という形で残っております。 私どもとしましては、平成七年度末までに具体的なこれまでの実施状況あるいは成果の状況、そういったものを踏まえまして、よく検討をし、評価を行って、平成八年度以降どのようなあり方がいいのかということについて検討をしてまいりたい、そのように考えているところでございます。
○山元分科員 時間が来てしまいましたから、ぜひこれは先ほど言いましたように、本当に網の目、先ほどおっしゃった十万以上というのは動脈かもしれぬけれども、これは毛細血管のところの福祉がまちづくりですから、ぜひそういう努力をしていただきたいというふうに思います。 最後に大臣、先ほどから申し上げておりますように、福祉ビジョンに沿った具体化というのですか、していこうと思うと、やはり福祉のまちづくりというのは出発は自治体、地域社会、そしてまた帰着するところは地方自治体ですね。ですから、そういう点で国民の皆さんが、先ほど大臣が五、三、二というふうにおっしゃいましたけれども、そういう転換も望んでいますし、やはり行き届いた行政というのを待ち望んでいるわけですから、格段の努力をしていただきたいというふうに思っていますから、先ほどの論議から、高齢者、障害者にやさしいまちづくりについてどのようにこれから御努力いただけるか、一言お伺いをして終わりたいと思います。
○大内国務大臣 先ほど来、現場からの非常に貴重な御意見、御示唆を賜りまして私ども大変啓蒙されたわけでございますが、これは補助の対象でございますだけに、予算的な制約ももちろんあるわけでございますが、実際に必要なところに実際に必要なまちづくりが行われるという視点に立ちまして、先生の御指摘の点については十分留意いたしましてこれから努力をさせていただきます。本当にありがとうございました。
○山元分科員 ありがとうございました。
○近藤(鉄)主査代理 これにて山元勉君の質疑は終了いたしました。 次に、川島實君。
○川島分科員 私は、今回提案をされております年金制度の改革について、賛成の立場と申しますか、今の改革ではまだ緩過ぎる、こういう立場から問題提起をいたしたいと思います。 今回提案されている改革は、当面の緊急課題としては理解はできるわけでございますれども、二十一世紀に向けて国民一人一人が胸を張って、本格的な高齢化社会に向かって夢を持って安心して老後の生活を営むには、経済的にはよいとしても、各自の人生観から見て余りにも若者に負担を強いているような肩身の狭い気がしてならないわけでございます。一方若者の立場からは、自分の生活を力いっぱい生きたいのに、情報公開が少ないためと言ってもいいと思いますが、この改革では見えてこない社会連帯の精神や世代を通じての負担も理解できますけれども、自分の責任で老後が安心して豊かに伸び伸びと暮らせるような、そうした抜本的な年金改革を政治が示してほしい、こういう声も実は聞こえてくるわけです。 そのためには、これまでの厚生年金を含め共済年金の四つの部門、国民年金、これらの赤字の原因といいますか、本来ならあるべき積立金なり、そして若者が将来それに所属する組合なり、掛けている年金の人たちが老後を、自分が掛けた分の掛金の積立金の複利のあるべき姿が、六十五歳からもらう段になって、もらった価格との不足分というのは一体どのくらいあるのか。この辺が実は一向に見えてこないわけでございまして、この辺の原因究明といいますか、今の財政赤字になった、そういう問題点が一体どこにあったかというのがまず最初に解明をする必要があるのではなかろうかと思いますが、この点についてどのように受けとめておるのか、お伺いをしておきたいと思います。
○山口(剛)政府委員 年金制度における自己責任、あるいは老後生活における自助努力というのは大変重要なことだと思います。 もう御案内のとおりでありますけれども、公的年金というのは、個人の自己努力だけでは限界がある、そういう保険事故、長い老後あるいは障害、遺族といったような事故が起きたときに、社会連帯の考え方に立って、個人では対応できない、例えば物価の上昇によってその積み立てた分が目減りしてしまうとか、あるいは生活水準の向上に追いついていけないというようなことがないようにしようということでございまして、これが公的年金といわゆる貯蓄あるいは個人的な年金制度との役割の大変大きな違いであると思います。 こういう制度がどうして運営できるかということですが、これは、若い人たちに強制的に加入をしていただいて安定的な保険集団をつくっていく、そして、経済社会の状況に応じて年金給付を改善をしていかなければならない部分は後代の世代が負担をする、そういう約束をいたしまして、その約束を順繰りにやっていく。私どもは世代間扶養の仕組みということを言っているわけですけれども、こういう仕組みで公的年金制度ができているということは、まず御理解をいただきたいと思うわけでございます。 年金のそういう必要な給付をどういうふうに賄っていくかということにつきましては、最初からもう完全に積み立てて、将来の必要な給付、社会経済情勢に応じて給付を上げていくという分まで完全に積み立てておくというのは、これは最初から膨大な保険料を徴収をするということにもなりますし、経済社会の変動を正確に予測をするということもできませんので、これは無理でございます。 それと、年金制度は、もう御案内のとおりですけれども、まず発足当初は年金受給者も非常に少ない、それから、掛けている期間も短いですから年金額も非常に少ない、したがって給付費も非常に少ない、しかし、その後、加入期間も長くなり成熟をしてくるということで、急速に給付規模がふえていく。 これをどういうふうに負担をしていくかということについて、そのときどきの必要な負担をそれぞれの時代にしていくというのが、完全な積立方式の対極として、賦課方式としてあるわけですけれども、この賦課方式についても、年金制度が若い時代は非常に低い保険料で済む、将来大変なツケを残すということで問題があり、現実の私どもの公的年金制度の財政計画といたしましては、将来の給付水準等をそのときどき、これは五年ごとにやっておりますけれども、人口推計等で見直しをいたしまして、将来の世代に大きなツケを残さない、段階的に保険料を上げていくことによって将来に大きなツケを残さないというような財政計画を五年ごとに立てまして、そして、年金財政で赤字が……(川島分科員「時間を一人でとらぬでください。私は一問質問しただけですよ。全部わかっています」と呼ぶ)もうやめますけれども、赤字が生ずるというようなことがないように財政計画を立てている。今回も、五年ごとのその新しい財政計画のもとに、赤字が生ずるというようなことがないような財政計画を立てて、現在お諮りをしているということでございます。
○近藤(鉄)主査代理 答弁は簡便に願います。 川島實君。
○川島分科員 私が問題にしておりますのは、少なくとも、掛けた掛金が幾らあって、将来それが積み立ててあった場合の複利のお金が幾らあってと、借りた形でその財政をよそへお使いになるのは結構ですが、そういうはっきりした形のものがわからなければ、経済情勢によって一四・六から二九・六まで全部値上がりしていくわけですから、そういうことを全部含めて、国民がこれからどうなっていくのだろうかということがわからなければいかぬ。 それは、年金基金ができて、月三万円掛けると、これから老後は六十五歳から五十万円ずっと死ぬまでもらえますよということをはっきり明示されているのですけれども、厚生年金なり共済年金は、掛けた掛金が一体どう使われておるのか全然わからない。共済年金なんかは組合員にもわからないのですよ。病院経営したり、福祉施設の経営を行ったり、貸付を行ったり、そういういろいろな角度で使っておりますから、年金として積み立てている積立金が幾らあって、複利で運用されて、それがあるべき姿か、年利五・五なら五・五で厚生省が言う形で積み立ててあったら幾らあるのか、その人たちが老後もらったときに今の時点で幾ら足らないのかということが、厚生年金なり共済年金なり、全部きちっとデータとして出るわけですよ。それを出してから、こうした形で改革をしたときにどれだけそれを穴埋めできるかという試算になるわけです。足らない分を間接税で、税でもってそれを負担をして、きちっとした制度に直す。そうなれば、六・三人が二・二人で高齢者一人を支える時代になっても、みずからの掛けたお金で胸を張って生きられるわけです。 このことについて、共済組合四つありますので、いろいろ資料提供もお願いをしておりますけれども、まず大蔵省の方の国家公務員の共済年金の赤字の原因といいますか、どのくらい赤字になっているかということを、ひとつお聞かせいただきたい。
○飯原説明員 国家公務員共済組合の年金につきましての財務内容についての御質問でございますが、まず最初にお断りをさせていただきたいのは、共済組合の財政再計算は、厚生年金と時期がずれておりまして、本年の十月に行うということになっておりますので、現時点、保険料をどれぐらいにすれば収支償うような財政見通しになるかという点については、現在鋭意作業中ということもございまして、まだ手元に数字がございません。それをまずお断りをさせていただきます。 それからもう一つ、積立金の使途についてでございます。国家公務員共済組合の場合には、これは企業の場合ですと会社がやっておりますような福利厚生事業を、共済組合の形、助け合いの形でやっておりますので、そうした方面にも資金が使われておりますが、これは当然有利、利子をつけてまた積立金に戻るということでございますので、その辺の事情を御理解願いたいというふうに考えております。
○川島分科員 原因がはっきりしないと、再建する場合でもまたまた同じ失敗を繰り返さなければいかぬわけですから、掛けた掛金、そして、積み立てた本来あるべきお金がどれだけ足らないのだろうか、そして、これから受給のお金が非常に高いから、これでやった場合はどれだけ不足するかがわからなければいかぬ。そして、よそへ使ったものは使ったで、例えば年利が五・五の計算で今厚生省はやっておりますけれども、過去三十年間の厚生年金の利回りは六・七なのですね。それは、余った分の余剰金はよそへ使われてもいいとか、いろいろな形の考え方があると思います。厚生省と打ち合わせして、結局、年代ごとの掛けた人の平均の金額と掛金が全部わかれば、私の方で全部計算できるわけですよ。 例えば、さっき言った年金基金の三万円で掛けて五十万円もらえるという例は、五・五でいきますと、九十万の金額になるわけです。四十万は、これは信託会社なり基金の運営の事務的経費にかかっているだろう、こうわかるわけです。今回皆さんの出している改革案でいきますと、二十歳から五十九歳までの掛金は合計が一億二千二百十三万七千円余、それから、その運用利子の合計が一億四千五百四万二千円余。それから、六十五歳から八十五歳までの夫婦の国の補助金が、基礎年金の部分三分の一、これが四千八百十万七千円余、これの運用利子が、使わずに持っていると仮定いたしますと四千四百八十三万円余。それから、六十歳から八十五歳までの運用利子の合計が三億六千九百六十一万六千円余。合計いたしますと、収入が七億二千九百七十三万四千百四十七円になるわけです。それから支出の方が、六十歳から八十五歳までの受給の合計、女房の基礎年金部分の部分と本人がもらう合計が五億四百六十七万六千円。それから、障害年金なり遺族年金の負担分、これも厚生省が約このくらいだと言うものですから、これが一億九十三万五千二百円、差し引きいたしますと一億二千四百十二万二千円のお金が残るわけです。これは今の改革を出したわけですから、これは穴埋めをしていただいて結構です。それでも足らない部分は間接税、福祉目的税、いろいろ言われておりますけれども、これらの税でもって充てんして、きちっとした安心できる年金の財政運営が必要だと私は言っているわけでございますけれども、このことについて何かコメントございますか。
○山口(剛)政府委員 先ほど私、長々と申し上げましたように、公的年金は個人の年金とは違いますので、個人が幾ら積み立ててそれを運用して、受給すると幾らもらえるというような計算はしていない。先生さっき御指摘の個人年金で、例えば三万積んで月額五十万円の年金を六十五からいただけるという設計のものがあるというふうにお聞きをいたしましたけれども、それはあくまでも個人年金の水準として、今の価格で五十万円の年金を六十五歳から支給をするという設計のものでございます。そこのところは基本的に、公的年金の場合は、その五十万円が将来の物価、生活水準の上昇に応じて引き上げていくというのが公的年金の、これは絶対の期待されている機能でございますので、そこのところは個人年金ほど正確に出てこないということはまず御理解いただきたいと思うのです。 それにしましても、先生が今一例としてお示しをいただいたような一定の前提を置いて、仮に今何歳の人間が過去に公的年金に幾ら保険料を払ってきた、将来平均的に生きるとしてどれくらいの年金をもらうかという計算をいたしますと、これは前提の置き方によっていろいろ違うわけでございますけれども、私どもの試算によりますと、現在の、例えば大変高齢な方については御自分の過去の保険料に比べて六倍を超えるような給付をもらうことになるし、若い人たちについては二倍、本人の拠出ですけれども二倍近い数字になる。世代間にそういう差が出てくるということは事実でございます。 しかし、これは何度も言って恐縮ですけれども、公的年金というのは、個人が積み立ててそれの運用収入も含めたものを将来もらうということではなくて、老後の必要な期間、物価、賃金等の上昇に応じた改善をした給付を受けるという、公的年金の機能がそういうことでございますので、その機能を果たしていくためには、将来の世代にある程度の負担をお願いをしなければならない。 また、今大変高齢な方については、年金制度が未成熟であったために私的に御両親のお世話をしているとかいうこともあるわけですから、世代間にそういう差があるということは、公的年金のあり方としては決して不公平ではないのではないかというふうに基本的に考えております。
○川島分科員 私はそういうことを言っているのではないのですね。きちっと赤字を、一つずつの団体をはっきり出させて、それをまたあるべき正常な姿としてつくり上げる。だから、負担は負担でいいのですよ、福祉のために障害年金なり遺族年金の負担は一人が幾ら持たなければいかぬよと。先ほど言いましたように一億円余持っているのですから。 これはあなたたちから出ました、現在の二十歳の人が今度掛金が一四・六から二九・六の上がった物価スライドでいきますと、個人年金が六十五歳で最初は月三十五万ですか、そして厚生年金は百三十万。将来的には、八十五歳ぐらいいくと月二百万近くもらえるのでしょう。こういうふうにガラス張りにわかるようにしてもらう。 そして、赤字の部分が幾らあるか、今まで積み立てた人が、自分たちが積み立てて、複利でそれが計算されてくるわけですから、ほかの民間の養老年金だとかいろいろなものは全部計算できるわけですよ、今コンピューターが発達していますから。そういうふうにして、この年代は平均して幾ら足らぬかということも全部出るのですよ。年代ごとに保険料の表だけ来れば私の方で計算してあげますよ、一カ月かかっても。それもやってくれない。その情報を公開しないということを私は不服に思っているわけなんです。情報を公開していただければ、みんなで英知を結集して、お年寄りは胸を張って老後が生きられるし、若い者も、ぜひ掛金を掛けておかなければいかぬということがわかるわけですよ。 今三万円で五十万もらえるという年金が、基金でやって、なかなか市町村もふえないと言っていますでしょう。ところが、民間の保険の年金をやっているところは、ほかにもっと、死んだときにいろいろな形で、けがをしたときに保障しますということで、この国民年金よりも民間の方がいいですよと、みんな窓口の係の人たちが逆に説得されているのですよ、入ってくださいと言うと。こういう事態をあなたは知っておみえになりますか。これではいかぬ。 もう一つは、一元化問題が言われておりますけれども、私は、一元化に入る前におのおの、先ほど言ったように共済組合が組合員の掛けた掛金が幾らあって、複利でその人たちのものを五・五の年利で計算した場合は幾らになって、これが財産として残っている積立金の額と比べて幾ら赤字になっているか。そうすると、今後、この国が言っている年金改革のスライドで保険料を上げて、これが何年になったら埋まるか。二〇二五年なら二五年の時点になったときに、みんなが掛けたものは老後に胸を張ってもらえる。また、国のためにこれだけ遺族年金や障害年金を払っても一億二千万も残るのですよという、胸を張れるような形の年金の財政をやってもらいたい。それには、全部一元化してプールしてしまうとわからなくなってしまいますから、今のような形で四共済組合を現存させながら、おのおのが競って事務的経費に努力をするとか、運用利益を生むために努力をする。 皆さんは全然発表しないけれども、アメリカの州の公務員の組合は、結局掛金は全部積立金。運用の利益と政府の補助だけで受給者に払うことが全部できる。新しく全部積み立てがふえてすごく財産を持っている組合があるわけですよ、積立方式をやっていて。 政府が言いますと、物価が上昇して、それについていけない、こうおっしゃいますけれども、そんなことじゃないのです。お金を、受給者の金額をふやして、見直しをするときにも掛金も見直しをしていくわけですから、今のこのままでいけば、さっきみたいに残る。これをきちっと守っていけば、政治がきっちりやっておれば、財政の破綻を来すことはないわけですから、今までの赤字の部分をちゃんとすればいい。福祉は福祉で堂々とやればいいですよ。負担があれば、これだけはあなたに負担をしてもらうということははっきり出さなければいけない。 うやむやのうちに、いっどこでどういう形で赤字になったかわからない。たまったお金があればよそに回してしまう。貸し付けならいいですよ。相互扶助もわかりますけれども、今のような現状のままでは、私はいつまでたっても同じような、何年かたつと同じような改革を提起しなきゃならない状況になろうかと思いますので、その辺のことについて、大臣、御感想ございませんか。
○大内国務大臣 非常に具体的な御計算に基づく一つの御見識だと思っておりますし、私ども、アメリカの地方職員の組合の年金等についても若干研究もしております。あそこは主として御案内のとおり積立金を積み立てていって、その複利で年金を確保する、まあ自助努力が中心でございます。 日本の場合は、先生よく御存じのとおり世代間の相互扶助というような形で歴史的に発展してまいりまして、厚生年金の場合は十七年、国民年金の場合は三十六年というそういうスタートもございましたために、高年齢者が少ない掛金で若い人よりか余計給付を受けるといったような矛盾も出てきたのでございます。 しかし、やはりよりよい年金制度をつくるという意味では、いろいろな試算を出し合いながら比較してみるということは必要でございますし、私ども、そういうよりいいものがあれば、いつでも謙虚に耳を傾けるということはやぶさかではございませんが、私どもが歴史的に積み上げてきたこの世代間方式、社会保険方式というものは、これはなかなか、皆さんのコンセンサスを得てやっている問題でもございますので、先生一層そういう試算を我々にお示しをいただきまして、我々が十分検討する機会を与えていただければありがたいと思っております。
○川島分科員 私は細かい点は今回は触れていません、時間もございませんので。だから、この試算のつくり直しも、最初から三回、四回にわたって厚生省の資料に基づいて、最終的にこの一億二千万残る、この試算はどこが違っているかということを全部表にしてあります。何回もレクをやりまして、大体これで妥当性があるんだろうというのがこの最終的な案なんですよ。 それで、私は、今回の改革で本当に老後を心配しないような形にするには、データがないものですから、実際おのおのの四共済組合の赤字がどの幅あるか、厚生年金が年代ごとに出てくるデータがないものですからどれだけ使い込んで赤字になっておるのかということがわからないのですよ。そういうものが年代ごとに全部出れば、こちらでもできるし、その分だけ消費税なり間接税で充てるんだということも提案として出てくるわけですね。これを何年度で解決するかということも全部試算ができるわけですね。 今の場合ですと、ただ漠然とお互いに相互扶助で持っていくんだということで、お金のあるうちはばんばん使って、赤字は後のときに、また見直しのときに改革すればいい。これでは年金財政はたまったものじゃないと思いますので、ひとつできるだけ原因究明に努力をしてもらいたいと思いますし、それより前に情報を公開してもらいたい。 今、現状どういう形で運営がなされているか。例えば共済組合ですと、病院をつくったり、きょうの本会議で言っていました、教員のものが十四も施設をつくっているとか、貸し付けをやっているとか、貸付金が不良債権で取れるのかどうかという問題もあります。国民年金なら、それこそ本当にたくさんの人たちが払わないとか、いろいろな問題点もあるわけです。皆さんは計算にはなっていないけれども、例えば市町村は国民年金のお金を集めるために、岡崎市、三十三万の都市の中で二十人の人たちが集金をするために一生懸命頑張っている。こういうこともデータとして出ないわけですから、この辺のところも考えながら、財政立て直しについてひとつ情報公開をしてもらいたいと思いますけれども、いかがでございますか。
○山口(剛)政府委員 年金制度につきましては、国民の皆さんのコンセンサスを得て運営をしていかなければならないものでございますので、情報の公開等については今までも留意してきたつもりでございますけれども、今後ともその点については心がけて努力をしてまいりたいと思います。 先生のお考えがちょっと私ども基本的に理解できない部分がありまして失礼をいたしましたけれども、もう少し勉強もさせていただきたいと思います。
○川島分科員 要望しておきますけれども、これから税制改革等がありまして、年金部分の赤字が本当に幾ら足らぬかという額をつかむためには非常に努力をしなきゃいかぬ。その努力をする根本的な情報を持っているわけですけれども、なかなか出そうとしない。余りにも複雑になっておりまして出せないのかもわかりません。 もしそうだとすれば、これからいろいろな形で、電算機そのものを改革する努力も必要ですし、そういうものを全部開示していただいて、どこにメスを入れてきちっとした立て直しができるかということをひとつお願いをしておきたいと思いますので、大臣、一言お願いいたしたいと思います。
○大内国務大臣 御指摘の例えば年金財政の中身あるいはその運用状況、これは共済年金でも同じだと思いますが、この種の問題は全くその情報を秘匿する必要性がないものでございまして、本来はもう全部公開すべきものでございますし、また私の理解するところでは、もうそのほとんどは公開されているのではないか。ただ、先生がおっしゃるような図式といいますか、そういう形での公開という、整理の仕方があるいは悪いのかもしれませんが、いろいろな形で公開されているように私は考えておりますが、先生が御指摘の点については十分留意いたしまして、最大限の公開ができるように努力をさせていただきたいと思っております。
○川島分科員 ありがとうございました。 時間ですので、終わります。
○近藤(鉄)主査代理 これにて川島實君の質疑は終了いたしました。 次に、中島武敏君。
○中島(武)分科員 私は、きょうはビールス性肝炎対策について質問いたします。 日本におけるビールス肝炎患者は二百万人、キャリアは三百万人と言われておりまして、合わせますと五百万人に上ります。特に、私の身近なところにもC型肝炎が大変ふえております。 それで、予防対策はB、C型ともほぼ確立されたと言ってもよいと思います。入り口は既にふさがれたわけであります。治療面でも、インターフェロンがC型肝炎活動性については保険適用となって、患者に大変明るい希望を与えております。しかし、効果が期待できるすべての肝炎に使えないなどの制限があって、早期治療、社会復帰への道を困難にしているという解決すべき課題が残されていると思うわけであります。 そこで私は、第一に、C型肝炎の再治療に保険を適用する問題について伺いたいと思います。 現在はインターフェロンの再治療に保険適用が許されておりませんので、治療が中途半端で終わったり、あるいはまた再燃してもインターフェロン治療が受けられないために肝硬変から肝がんへと進んで、高い医療費に苦しみながら、果てはあたら命を失い、そして家族は働き手を失って悲しみに暮れるという例も決して少なくはありません。 私は、この質問に立つに当たりまして、患者団体の皆さん、また厚生省の難治性肝炎調査研究班に属しておられる先生方の論文も読みました。また、直接お話も伺いました。そこで私は、この勉強の中でわかったことがあります。それは何かというと、インターフェロンが効かなかったという場合にも二種類あるということがわかりました。 一つは完全無効であります。これはつまりビールスの量が例えば十の八乗とか九乗とかあるいは十乗といった非常にたくさんのビールスがいるという場合であります。 二つ目は、無効ではあっても完全無効ではないという場合で、これも二種類あるということがわかりました。その一つは、第一回目の治療でトランスアミナーゼ、GPTが正常化したけれども再燃をした、こういう場合であります。この場合の再治療は非常に効果があると言われております。四〇%から五〇%が著効と報告されております。特に、サブタイプがⅢ型、Ⅳ型の場合は再治療で効果的であると言われております。それからまた、第一回目でビールスの量が減っている場合は非常に有望である、こう報告されております。 もう一つは、トランスアミナーゼが正常化しなかった場合ですけれども、その場合でもHCV―RNA、つまりビールスの量が一過性であってもマイナスであるという場合には、大変再治療が有効だと言われております。 つまり、私何か詳しいことを申しましたけれども、一時的にしろインターフェロンに反応した症例は再治療で期待ができるというのがこれらの先生方の合意を得ている中身ではないかと私は思うわけであります。ところが、保険が再適用されないために、自費でインターフェロン治療を受けるということになりますと、非常に高価なためになかなかそれができない。結局インターフェロン治療が受けられない。毎日死を見詰めながら生活をしているという人たちのために、ぜひひとつ保険を適用すべきではないかと思うわけですけれども、この点について伺います。 〔近藤(鉄)主査代理退席、高木(義)主査代理着席〕
○多田政府委員 C型肝炎のインターフェロンを六カ月を超えて投与しないということにつきまして、保険給付しないということにつきましては、通常、インターフェロンによるウイルス抑制効果というのは比較的短期間にあらわれるということになっておりまして、その効果を維持するための期間にも十分配慮した上で六カ月という期間を設定しているところでございます。また、投与期間に応じて、うつ状態あるいは間質性の肺炎等の副作用も発現をする可能性が非常に高い薬でございますので、そういうことにつきましても配慮した上でのこういう取り扱いになっているところでございます。 六カ月の投与で一たん治った後に再発した場合に再投与という問題につきましては、再発事例に対してのインターフェロン療法の必要性及び有効性などに関しましていろいろ学会等の御意見も伺った中で、専門家の間でも一定の結論がまだ得られていないという認識に立っておりまして、そういう状況でございますので、インターフェロンの再投与に関して、副作用の問題等も勘案しながら、現在のところは再投与を認めないということでやっておりますけれども、この問題につきましては今後とも十分検討を進めていきたいと考えているところでございます。
○中島(武)分科員 私も随分いろいろこの問題についての論文やら諸先生の話やら聞きました。聞きましたけれども、今の局長の答弁は、まだ学会でも意見が一致していないというお話なんです。だけれども、それはそうなのかな。私がいろいろ読んでいるものについて言えば、随分もう合意はできていると言ってもいい段階ではないのか、そういうふうに思えてならないわけなんです。 それで、合意ができたという場合、治験が進んで大体これは合意に達しているという場合には、保険の適用ということを検討されますね。
○多田政府委員 さらに専門家の御意見を十分に徴していきたいと思っています。
○中島(武)分科員 実は今の御答弁なんですけれども、率直に申し上げて、ちょっと私自身の認識とは少しギャップがあるのですけれども、再治療の場合に保険を適用するということを認めている県があるのを御存じでしょうか。私の調べでは、保険の再適用を認めている地方自治体は、兵庫、大阪、北海道、新潟、この四道府県なんですね。この四道府県では非常に患者に喜ばれているのです。そして、そこではまた成績が上がっていることは申し上げるまでもありません。 私、実はこの問題について大臣に決断を本当に求めなければならない、求めたい段階に来ているということを率直に申し上げたいのです。情に厚いと言われる大内さんが大臣である間に、ぜひひとつこの問題について決断してほしいと思うのです。二百万の患者の皆さん、それに患者の予備軍である膨大なキャリアの人たち、こういう人たちは、今大内さんが、厚生大臣がどういう発言をするかというので、五百万の人々が注視をしているわけなんです。急いで再治療に保険を検討したい、こういう答弁を、私はぜひ今の局長答弁の上に立って、なおかつ言いたいのです。 実は、御存じと思いますけれども、患者本人の責任でこの病気にかかっているわけではないのですよ。全く本人の責任ではないのです。私も国の責任がないとは言えないと思いますが、国の責任であるかどうかということよりも、本人の責任でないことははっきりしているのです。本人の責任でない、それにもかかわらず、保険が再適用されないために、今の不安におびえながら生きているたくさんの人たちに対して、私は、安心して希望を持って生きる光を大臣は与えてほしいと思うのです。 大内さんの答弁をお願いします。
○大内国務大臣 今中島先生の御意見は、恐らく患者の皆さんの切々たる要請を踏まえた御意見であろう、そう思って拝聴をいたしました。 ただ、中島先生御存じのように、このインターフェロンの投与の結果、大変重篤な副作用も起こっているということも事実でございますだけに、これは人の健康、生命にかかわる問題だけに、私どもとしては、その治験の結果、いや六カ月以上超えて投与しても大丈夫だ、これは極めて有効であるという相当有権的な保証が与えられて初めて厚生省としては踏み切れるわけでございます。 しかし、先生自身もいろいろな調査をされまして、必ずしも学会全体で否定的ではないというようなお話も承りました。私ども、この問題については、何よりもまず専門家の皆様の大体の意見、集約された意見に基づいて決定をしなければならないわけで、行政当局が恣意的にこれを決定するということは許されないわけでございますので、先生の御研究の成果につきましても十分フォローさせていただきまして、何とか患者の皆様の御期待にこたえるような方向でできるだけ努力をしてみたいと思っておりますので、もう少しお時間をちょうだいしたいと思う次第でございます。
○中島(武)分科員 一言だけ申しますけれども、私、実は発言を行うというときに、六カ月問題について聞きたいということをちょっと最初に申したのです。それで六カ月のところが何かひっかかっていらっしゃるのかなと思うのですけれども、先ほど申しましたように、私は六カ月問題にこだわって発言しているのではありません。そうじゃなくて、六カ月が終わればインターフェロンの投与はおしまいになるのです。おしまいになって、うんと効果があったという人も出ますし、それほどでもないが多少効果があったという人も出ます。あるいは、そうじゃないというふうに言われる人もいますけれども、しかし、そうじゃないと言われる人たちの中にも、冒頭申し上げたような、いろいろ救えるということがだんだん出てきている。 だから、私の申し上げておるのは再燃した場合ですね。俗に言えば再発というふうに言うのでしょうけれども、この場合はビールスはずっと生き続けているものですから、再発と言うのじゃなくて再燃という言葉を使っているわけですけれども、そういう場合のことなのでありまして、そこのところはひとつ誤解のないようにしていただきたいと思うのです。 それから、この問題に関連して、私もう一つお尋ねしたいと思っておる問題があります。それは、同じC型肝炎でありましても、インターフェロン治療は非活動性には保険が適用されていないのですね。早くインターフェロン治療をやれば早く治ることは、例外はあるそうですけれども、しかし、これは確実なことではないかと思うのです。長期的に見ますと、医療費という上でも、国民医療費を見ましても、短期にはそれはその方がお金がかかるということになるのは当然なんですけれども、長期的に見れば、もう早くに治してしまって、そして安心して活動できるようにするわけですから、これは財政的な面から考えても、また早期治療という点からいっても、このことは非常に大事なことではないかと私は思いまして、この点についてもあわせてお伺いしたいと思います。
○田中(健)政府委員 ただいまの先生の御質問は、非活動性慢性肝炎の保険適用の問題だったと思いますが、その前に、薬事法上の問題がございますので、その点で御説明をさせていただきます。 薬事法の承認にかかわっておりますインターフェロンの対象疾患でございますけれども、現在はがんとB型肝炎、それからC型肝炎でございますけれども、そのうちのC型肝炎につきましては、C型の活動性慢性肝炎に限って薬事法上の承認がなされておる、こういう状態であるわけでございます。 したがいまして、インターフェロンの医薬品としての効能、効果に非活動性の慢性肝炎を追加をして承認をするということのためには、まず、製造者であります申請者が、その有効性あるいは安全性を証明いたします臨床試験成績等の資料を添えまして厚生省の方に承認申請をする必要があるわけでございまして、これを受けまして厚生省は、その資料に基づきまして、有効性、安全性について中央薬事審議会におきまして審査を行い、有効性、安全性が認められた場合にさらに効能、効果を追加をする、こういうことが必要なわけでございます。
○中島(武)分科員 この効能、効果の追加ですね、これの申請はまだありませんか。
○田中(健)政府委員 まだそういう申請は出ておりません。
○中島(武)分科員 私も、これは非常に大事なことだと思っていろいろ聞いてみましたら、間もなく申請が出るんじゃないかという話を聞いております。申請が出たら、多くの人の命と健康にかかわる問題ですから、ぜひひとつ検討を早く行って、結論を出していただきたいと思います。 それから、これと同じようなことなんですけれども、もう一つ申し上げたい問題があります。それは肝硬変なんです。 肝硬変というのは治らない、こういうふうに従来は俗によく言われていたのですけれども、しかし肝硬変もまた初期のうちは治るということの報告が出されております。インターフェロン治療を行って、肝硬変も初期の場合でしたら五〇%がHCV―RNAが消失をする、こういう報告があります。残念なことに、大部分は一過性だということが言われておりますが、しかし、その中でも一〇%程度は完全に治る、こういう症例がいろいろ報告されております、まあ皆さん御存じだと思うのですけれども。仮にHCV―RNAが消失しなくとも、しかし一時的にせよ、一過性の場合にはその間はずっと肝機能が改善されるのですね。それからまた、肝臓の線維化のマーカーも改善されることは間違いないのですよ。そういう報告が随分出されておりますし、また、肝硬変なのでもうあきらめているような人たちも、そういう報告を読んで、うん、これは何とか治るんじゃないかという希望を持っておるのですよ。だから、私は、ぜひひとつこういう人たちにも早くこの希望をかなえさせてあげたいと思うのですね。これも先ほどお話のあったような効能追加の話になるのでしょうか。ちょっと答えてください。
○田中(健)政府委員 ただいまの肝硬変でございますけれども、これも先ほど申しました非活動性慢性肝炎と同様に、現在のインターフェロンの対象疾患には入っておりません。したがいまして、新たに効能、効果の追加承認というのが必要でございまして、メーカーの方で臨床試験成績等をそろえまして承認申請がございましたら、私どもは、有効性、安全性について先ほどの場合と同様に厳正に審査をして対応いたしたい、こういうことになろうかと思います。
○中島(武)分科員 実は、先ほどからなかなか副作用が強いという話が出ているのです。確かに副作用は人によっては強い。しかし、人によっては大したことはない。いろいろ、差が非常に大きいようであります。しかし、多少のいわば副作用があっても、なおかつ、やはり治るものなら治して元気に活動したい、あるいはもっと生きたい、この希望というのは本当に切実なものがあるのですね。 そういう点からいって、今インターフェロンが適用されているのは活動性の段階だけなんですけれども、これをぜひひとつ取っ払っていかなきゃいかぬのじゃないか。さっきも大内厚生大臣に聞いたのですけれども、これだけ議論をやっての感想をもう一度ちょっと聞かせてください。
○大内国務大臣 先ほど業務局長が申し上げた面がございますが、中島先生、非常に熱心に御研究を賜りまして、それなりの一つの御見識、結果をここで発表されていると思いますので、先生の御提言につきましても十分検討いたしまして、追加申請等が行われた場合には、こういう手続は重要でございますが、できるだけ早急に結論が出るように、そして、患者の皆様の御期待にこたえるように一生懸命やらせていただきます。
○中島(武)分科員 では、次の問題に移ります。 これはB型肝炎の母予感染防止事業の問題なんですが、HBs抗原がプラスだけれども、しかしe抗原がマイナスの母親から生まれる新生児に肝障害が生じている。急性肝炎だとかあるいは劇症肝炎だとか、そして、命を失うという人たちがあるものですから、これは非常に大問題になっております。そこで、この点でぜひひとつ御検討をいただきたい、実施していただきたい。 検討じゃなくて本当にすぐやってもらいたいというふうに思いますのは、e抗原マイナスの母親から生まれた新生児に対しても、感染予防措置事業の対象にしてほしい、そして公費で治療できるようにしてほしいということであります。これも、こういう状態にあるお母さんたちの、本当に物すごい切なる要求なんですよ。きょうはひとつ、これもきっぱりとした答弁がほしいなと期待しておるのです。
○瀬田政府委員 先生御指摘のB型肝炎の母予感染予防につきましては、現在、妊婦を対象にHBs抗原及びHBe抗原の検査を行いまして、両検査の結果がともに陽性の妊婦から生まれた子供さんに限って、HBs抗原検査、さらにはワクチン及びグロブリンの投与を行いまして、キャリア化の防止を図っておる、先生おっしゃったとおりでございます。これは、このような妊婦につきましては、母予感染の確率が極めて高い。大体八割から九割というふうに言われておりますけれども、そういったことから特に予防のための対策をとっている、こういうわけでございます。 こういった趣旨でこの事業をやっておりますので、HBe抗原が陰性の妊婦から生まれた子供にまでこの事業を現在拡大していくということにつきましては、実は難しい面もあるわけでございますけれども、一方、先生もちょっと御指摘いただきましたけれども、平成四年度の心身障害研究として行った、HBs抗原陽性、HBe抗原陰性の女性から生まれた子供の感染状況の調査におきまして、こういった場合でも感染が起こり得るという報告がなされておるわけでございまして、こうした事実に対しどういうふうに対応していくかということにつきまして、十分検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
○中島(武)分科員 その検討結果を早く出して、そして、感染予防措置の対象に加えていただきたいんですよ。私も、実は今言われた平成四年度の厚生省の肝炎研究連絡協議会の白木班長の報告を読みました。これは、結論的に言えば、HBVキャーリア妊婦からの出生すべてに対して感染予防措置を行うのが望ましいと考えられる、こういう結論を出しているわけですね。この道の専門の班長さんが出しているんですから、ぜひひとつ、早く検討、結論を出していただきたいと思います。 このことを要望して、最後に、実は、残されておる時間で、これは厚生大臣にぜひと思って、お願いといいますか、伺いたい問題なんですが、エイズ関係の研究対策費というのは年々ふえまして、四十三億円でございますね。ところが、肝炎の研究対策費というのはほぼ二億円なんです。だから、この研究対策費という点でいいますと、肝炎の方は二十分の一というようなところでしょうか。 しかし、エイズの患者数に比べまして、きょうも午前中にエイズの患者数の発表がありましたけれども、これに比べて、肝炎の患者は比較にならないぐらい多いわけですよ。それで、肝炎の患者が多いのはどこかといいますと、日本、それからアジア、アフリカであります。エイズの患者はどこにいるのかというと、多いのはやはりアメリカを中心にヨーロッパであります。それで、日本はもちろんですけれども、アジア、アフリカ、世界の肝炎撲滅のために日本の果たすべき役割というのは非常に大きいんじゃないかと私は思うのです。それにしては研究対策費がどうも、エイズの研究対策費が多いなんていうような考えは私は全然持っておりませんけれども、しかし、肝炎研究費が少ないということは言わなきゃいかぬと思うのですね。これは少ないですよ。二億円ですよ。 患者が二百万人いる、キャリアは三百万人いるというのに対して、余りにも少ないんじゃないか。世界に対する国際貢献、こういう立場からいっても、日本の果たすべき役割というものも考えて、そして、この際、思い切って研究対策費を増額をして、研究と治療ですね、これに力を注ぐべきじゃないかと思うのです。 きょうは、ひとつ大内さんの明快な答弁を聞いて、私の質問もこれで終わりにしようかと思うのですけれども。
○大内国務大臣 中島先生とは長いおつき合いでございまして、中島先生の今の御意見、同感です。 今エイズという問題が非常に大きな問題になっております。確かに重大な問題でございますが、それ以前からウイルス肝炎のキャリアというのは、B型肝炎のキャリアだけでももう既に世界では二億二千万人。うち、御指摘のようにアジア関係で一億七千万人ということでございますから、この肝炎の治療法の確立というのは国際的にも非常に重要で、WHOでも今一生懸命やっているわけでございます。 私どもといたしましても、従来より、このウイルスの実態の解明あるいは感染経路の解明、あるいはワクチンの開発、あるいはインターフェロン等の治療薬の開発等の研究のために相当力は尽くしてきたつもりでございますが、御指摘のように、二億円というのはいかにも少ないという御指摘はごもっともだと思っております。したがいまして、この研究開発あるいは治療という面でそれらの予算が増額するように、また、WHOに対する研究委託というものもございますので、そういう面で先生の意を体して頑張っていきたいと思っております。
○中島(武)分科員 じゃ、これで終わります。
○高木(義)主査代理 これにて中島武敏君の質疑は終了いたしました。 次に、秋葉忠利君。
○秋葉分科員 社会党の秋葉でございます。大臣を初め、大変長い一日でございますので、大変お疲れだと思いますが、問題はどれも非常に重要な問題ですので、関係者を初め非常に関心を持っているところですので、しばらくおつき合いをいただければと思います。 きょうは、ソーシャルワーカー、MSWとかPSW、それから表現としてはソーシャルワーカー・イン・ホスピタルという表現の方がいいとおっしゃっている方々もいらっしゃるわけですが、そういったソーシャルワーカーの資格化の問題、それから、これはスピーチセラピストというふうに英語ではいうんですが、略称でSTと呼んでおります。そういったセラピストの資格化の問題について、現状を中心に確認をさせていただきたいと思うんですが、その前に、このところマスコミで非常に大きな問題として取り上げられております、核兵器の使用が国際法違反であるかどうかという問題について大臣の御所見を伺いたいんです。 それは、国際法違反かどうかということではなくて、この問題がそもそも提起されましたのは、WHOがWHOとして、つまり、環境とかあるいは人間の健康といった視点から考えて核兵器の使用が当然国際法違反ではないかという問題提起をいたしまして、この問題について国際司法裁判所に対して勧告的意見を出してほしいという要請をしたことがきっかけになっております。 この問題について、いささか問題があるのではないか、WHOがそこまでやるのは越権ではないかとまでは外務省は言っておりませんけれども、それに近いことを言う人もあるわけですが、私は、被爆国という観点から考えましても、あるいは核の問題について、核戦争を防止する国際医師の会、IPPNWという組織がありますが、この組織の活動等からしても、やはり健康の問題の一環としてWHOがこの問題を取り上げたということは非常に重要ではないかと思っております。ですから、これが越権行為であるというような立場はとっておりませんけれども、かえって、WHOがこういった問題にまで広範に関心を持っているというところを高く評価したい気持ちが非常に強いんですけれども、この点について、大内厚生大臣から、どのような評価をなさっているのか例えれば大変ありがたいと思います。
○大内国務大臣 私も、先般五月の初めにWHOの総会に参りまして、いろいろな演説をやらせていただいたのでございますが、WHOが、人類、人間の健康を守るという見地からこういう核兵器の使用問題について関心を持つということは意義深いことであろう、こう思っておるわけであります。特に我が国の場合には、唯一の被爆国でございますし、そして、多くの人々がこの原子爆弾によって亡くなられた非常に悲惨な経験を持っている国家でございますし、それなるがゆえに、核兵器の使用禁止につきましては、各国にまさるとも劣らない非常に強い意見、意向を持っていることも事実でございます。 核兵器というのは、私もいろいろな角度から研究したことがございますが、極めて物すごい殺傷力というものを持っているわけでございまして、今は、毒ガスとか化学兵器といったような問題は国際法上はその使用が禁止されているわけでございますが、それらと比べてもはるかに大きな殺傷力を持っているということを考えますときに、人道主義の立場に立って、こういう兵器は使ってはならない兵器ではないか。まして、そこから瞬時に生まれるいろいろな被害だけではなくて、後生にわたりまして放射能等の問題を引き起こしていくだけに、私ども日本の願いとしては、こういう兵器が二度とつくられてはならぬ、こういう思いでございます。 ただ、実定法上の国際法上どうなるかといったような問題は、厚生大臣が申し上げることではなくて、やはり条約の締結あるいは条約の解釈といったようなものを担当している外務省にゆだねたいと思っておりますが、少なくとも、国民の健康を預かる厚生省という立場からいたしますと、このような核兵器の使用というものは人道主義に反するものである、こう考えております。
○秋葉分科員 ありがとうございました。 では、きょう私が質問したい本題に入らせていただきたいのですが、ざっと私の頭の中の理解では三つの異なった分野と言ったらいいのでしょうか、その資格化というふうに分けられるかもしれないのですが、非常に問題として共通しているところがありますので、順次この現状についてどのような段階にあるのかといったことを伺いたいと思います。 その理由は、この資格化について非常に混乱した情報が飛び交っているために論点の整理が十分に行われていない、その結果として建設的な方向への歩みが少し遅くなっているのではないかというような気がいたします。ですから、まず第一段階として、厚生省の立場はどのようなものであって、そしてその中で、それぞれの資格化の現段階での状況はどうなっているのかというところを、時間が余りありませんので、できるだけ簡潔に要約をして御報告いだだければと思います。 まず、ソーシャルワーカーの方からお願いできれば大変ありがたいと思います。
○寺松政府委員 簡単にはなかなか御説明ができないのでございますけれども、今先生言われましたように、三つの団体があります。大きく言いますと、そういうことになるのだと思います。 そのうちの、まず精神科のソーシャルワーカーというものにつきましては、その業務の特殊性にかんがみまして精神科ソーシャルワーカー独自の資格の制度化を主張しておる、これが日本精神医学ソーシャル・ワーカー協会でございます。 それから次に、精神科以外の医療ソーシャルワーカーについてでございますが、医療関係職種としての資格を求めているという団体、これが全国医療ソーシャルワーカー連盟というふうに承知いたしております。 それから、社会福祉士の資格を病院のソーシャルワーカーも取得できるようにすべきであるとの意見を持つ団体、これが日本医療社会事業協会。 この三つではないかと思いますが、いずれにいたしましても、その団体三つとも資格化を主張しておることには変わりがないわけでございますが、それぞれ違った立場で主張されております。 それで、このような段階が現段階でございまして、私どもは、この医療ソーシャルワーカーの資格化につきましては、なお関係団体の間でさまざまな御意見があるというように聞いておりますので、その辺を十分御検討いただくようにというふうに認識いたしておるわけでございます。
○秋葉分科員 そうすると、厚生省の立場としては、具体的に何か提案をひつ提げてこういった関係団体について説得を行うという立場ではなくて、どちらかというと、その関係者の間での話し合いを促進してもらうという方向で、働きかけるとしたら話し合いをすることを働きかける、その結果を待って、厚生省としてはその合意が得られた段階で先に進むという姿勢だというふうに理解してよろしゅうございますか。
○寺松政府委員 私どもも、こういう新しい職種についての資格化の問題につきましては、検討会をつくって実は検討していただいたわけでございます。そのときの検討会の御意見も、やはり関係団体の合意を得てこういうものは資格化をするべきだというふうな御意見でございました。私どもは、そのようなことを踏まえまして、いろいろとお話し合いをお願いしたい、このように思っておるわけでございます。
○秋葉分科員 それはそれで、非常に関係者の主体性を重んずるという立場からは理解できるのですが、それと同時に、各病院において、病院のリストラといいますか、そういったことが全国的に起こっているという事実もございます。その中で、病院に勤めるソーシャルワーカーの地位が実際の雇用の問題として具体的に脅かされているという現状もあるのですけれども、そのために、資格化を早くしてほしいといった、これはより現実的な立場からの声もあります。そういった問題について、そこまで視野に入れた上で、ではどうすればいいかとなるとこれは非常に問題が難しいのですけれども、その辺の認識はどうお持ちになっていらっしゃいますか。
○寺松政府委員 何度も申し上げましたように、こういう関係団体の御意見を尊重するということが必要なのではないかと思います。強引にある一つの方向だけのお考えに沿って資格化を進めていくということは、そのほかの方々のいろいろな問題をそのままないがしろにしてしまうことになるわけでございますから、私どもは、鋭意そういう団体間におかれまして御議論をいただいてお話をまとめていただきたい、このように思っておるわけであります。
○秋葉分科員 現在のこういったものの一つの資格として社会福祉士という制度がもう既に存在しているというふうに理解しておりますけれども、残念ながら、その旧制度でも、現在長い間病院でソーシャルワーカーとして働いている人たちにこの資格を取るための試験を受ける資格もない、こういう現状があるわけです。 例えば、一つのこれは便宜的な措置として、何年以上の実際の経験がある場合にはこの受験資格をかなり緩める、つまり、実地における体験を専門学校卒業といったところに、ある程度の計算は必要でしょうけれども、振りかえるといったような措置をとることによって、現在病院の中で起こっているようなさまざまな雇用の問題について、ある程度の解決策といいますか、その一つとしてそういった可能性も考えられるのじゃないかと思いますけれども、そういった可能性を検討するということは可能でしょうか。
○寺松政府委員 今先生のお話を聞いておりますと、社会福祉の分野とそれから医療の分野といろいろな団体がありまして、そこは今おっしゃっているような話になかなかならないのじゃないかと思います。 いずれにいたしましても、それぞれ基礎科目等も違いましたり、いろいろするわけでございます。例えば、医療の分野の方々は社会福祉科目と保健医療科目を一緒に養成課程でやるとか、あるいは逆に社会福祉のサイドの方々は社会福祉科目だけが基礎であって、それでいいのではないかというような御意見とかいろいろございます。 そういうようなことでございますから、そこら辺をはっきりと分けてやるべきなのかどうか、あるいはそういうふうに調整がつけられるものかどうか、そういうふうなことについては私どもはもちろん検討していかなければならない話だと思います。これは私ども医療の方のサイドだけではなくて、福祉の方のサイドでもいろいろと御検討をいただかなければならぬ、このように思います。 〔高木(義)主査代理退席、主査着席〕
○秋葉分科員 今のはちょっと質問と答えがずれているような気がするのですが、時間がありませんので、次の問題に移らせていただきます。 PSW、これは精神医療福祉士という名称になるかと思うのですが、その資格化について研究班が五月中にスタートするというお話を以前伺いました。その研究班の仕事とこれからのスケジュールがどうなるかといった点について、簡単で結構ですから、このPSWの資格化という点で、この研究班の役割と今後のスケジュールを簡単に御紹介いただければと思います。
○谷(修)政府委員 精神科ソーシャルワーカー、いわゆるPSWの資格化の問題は、経緯は先生先ほど来お話しされたとおりでございますが、いわゆるPSWとMSWという二つの、二つと言っていいのかどうかわかりませんが、PSWについて、MSWとは別に資格をつくるというお話がPSWの方々の中から、日本精神医学ソーシャル・ワーカー協会からは精神科ソーシャルワーカーの国家資格化の実現を要望という、昨年の秋でございます。一方、日本医療社会事業協会の方からは、それについて反対の表明がことしの五月になされたというような経緯がございまして、ことしの六月から研究班、精神科ソーシャルワーカーの業務といわゆる医行為との関係に関する研究班というものを設けて、PSWの業務と医師法における医行為との関係あるいはPSWと他の医療ソーシャルワーカー業務との関係、そういったようなことについて少し専門家の立場で整理をしていただく、検討をしていただこうというようなことで研究班を発足させることにいたしておりまして、できますればことしじゅうぐらいに検討をしていただきたい、このように考えております。
○秋葉分科員 そうしますと、ことしじゅうに何らかの報告書なりなんなりが出るんだと思いますけれども、その結果としてPSWを切り離して資格化することが望ましいというような結論が出た場合には、そちらの方向で進むというふうに理解してよろしいんだと思うんですけれども、報告書の結論を今からそんたくするというのはちょっと行き過ぎかもしれませんけれども、大体見通しはどういうふうになると厚生省としては考えていらっしゃるのでしょうか。
○谷(修)政府委員 今までの細かい経過は省略をさせていただきますが、この研究班では、今申し上げたような問題について専門家の立場で論点あるいは議論すべき事項というものを整理していただいて、いずれにしてもそれぞれの関係者の間での議論というものが詰まりませんとこの話はなかなか前へ進めづらい、今までのこの問題についての経緯等からもそうせざるを得ないということでございますので、この研究班では、改めて先ほど申し上げたような観点からの論点の整理あるいは考え方の整理ということをやっていただいた上で、関係団体の意見というものをさらに聞いていく、そういう整理をしていきたいと思っております。
○秋葉分科員 時間がありませんので一点確認しておきたいのですが、ではその報告書が出たということだけで、例えば先ほど挙げられました三つの協会があるわけですが、そちらの方の、例えば一つの団体が非常に強硬にこの問題について、MSWの方の関係の団体ではあるけれどもPSWを切り離すには非常に強い反対をするといったような状況の中で強引にPSWの資格化をするといったようなことは考えていない、こういうふうに理解してよろしいのでしょうか。
○谷(修)政府委員 PSWの業務というものについて、先ほどの医行為との関係あるいは他の業務との関係というようなことについての論点を整理をするということでございますので、この研究班の結論だけで何か直ちに資格化というのはなかなか難しい。今までの経緯もございますので、関係者の意見というものをその上でさらに聞いていかなければいけない、それでないと現実的に物が進まないというふうに私どもは認識をしております。
○秋葉分科員 済みません、たくさん聞きたいことがあるものですから、細切れになってしまって大変申しわけないのですが、STについて、医療言語聴覚療法士の資格化について伺いたいのですけれども、こちらの方の資格化、現状はどういったところにあるのか、御説明いただければありがたいと思います。
○寺松政府委員 今御質問の、言語聴覚療法士の件でございますけれども、かねてより資格法制化を求める声がございまして、従来から職務領域をめぐって、一部に教育か医療かなどの意見があったわけでございます。したがいまして、資格のあり方についての関係者の意見は必ずしも一致しておりません。 そういうところであったわけでございますが、先ほどもちょっと例に挙げました、昭和六十二年三月に新たな医療関係職種の資格制度の在り方に関する検討会というものを私ども設けまして、その中間報告におきましても、関係者の意見の調整を待って法制化すべきである、こういう意見をいただいておることは先ほど述べたとおりでございます。 その後、昭和六十三年十二月でございますけれども、言語聴覚療法士の資格法制化を推進するために、日本医師会あるいは日本医学会、そういうような関係団体が二十六団体ほど加わりまして、医療言語聴覚士資格制度推進協議会というものをつくったわけでございます。それが本年の二月になりまして、医療言語聴覚士、仮称でございますけれども、その資格法の基本的な考え方というようなことをまとめられたわけでございます。そして法制化に向けていろいろな準備をされております。 一つは、例えば療法担当者の実習でございますとか、あるいは療法士の養成の施設の認定でございますとか、あるいは療法士の認定というようなことにつきましても、既にいろいろな条件づくりということでおやりになっているところでございます。 そこで、先ほど申し上げました基本的な考え方をまとめられたものにつきまして、言語聴覚療法に携わります者の団体のほかに、患者団体あるいはその他の関係者の意見調整というものを今現在やられておるというふうに聞いております。
○秋葉分科員 先日いただいた資料ですと、主に三つの団体、今おっしゃった推進協議会とそれから言語療法士協会、それに聴能言語士協会ですか、この三つの団体の間に意見の相違があるということでしたけれども、今のお話を伺っておりますと、厚生省は一と二の方の意見に従って動いているということで、先ほどのMSW、PSWの際には関係者の主体的な合意によることというような、かなり基本的な線がしっかりしているようなお話もあったわけですけれども、こちらにくるとそれはかなぐり捨てて、第三者としての立場はとらないというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○寺松政府委員 今先生御指摘の団体がどういう団体かあれでございますけれども、私どもが聞いておりますのは、いわゆる言語療法士の協会というのは、二つは入っておることは承知いたしております。 その二つと申しますのは、一つは日本言語療法士協会でございますか、もう一つは日本聴能言語士協会、こういうふうな方々だと聞いておりますが、私ども先ほどから何度も申し上げておりますように、一方的な御意見だけ伺うということではなくて、いろいろな団体の御意見を聞いた上で合意を図っていただくという努力をいろいろやっておられますから、それを待つというのが今の段階で言えることではないかと存じます。
○秋葉分科員 これは厚生省でいただいた資料についての質問なのですけれども、STの意識調査というものが行われております。これは推進協議会、今の資格化について一方の立場をとっている方々の団体ですけれども、だからすべてが悪いということにはもちろんなりません、それぞれ意見があるわけですから。ただし、意見の相違がある際には、例えば意識調査をするにしても何にしても、これは人間の傾向として、やはり自分の主張する意見に有利なような結果ができれば生まれてほしい。ある場合には、意図するしないにかかわらず、そういった方向で恣意が加わってしまうというようなことがあるわけですけれども、この議論の中でも、一方の側の調査結果をここに載せておられるということは、厚生省の立場としてはどういうことなのでしょうか。 これ以外に、例えば厚生省でより中立的な調査を行う、あるいは明白に中立な立場をとっている機関に調査を依頼するといった方法があると思うのですけれども、あえてそういった方法をとられなかった理由はどういうところにあるのでしょうか。
○寺松政府委員 今おっしゃっているアンケート調査の件でございますけれども、これは私どもが求めてやったわけではないと存じます。やはり推進協議会の方で意見をおまとめになった、アンケートをされたというふうに聞いております。そのデータを御紹介したのだと承知しておりますが。
○秋葉分科員 僕が伺ったのは、そういう調査はだれがやったかわかっているのです。だから、対立する意見があるわけでしょう。それで、その間の主体的な話を待つというのであれば、厚生省がいわばその仲裁役として、行司として軍配を握っているときに、軍配の裏側に片方の団体がやった調査をぺたっと張って、こういう結果があるぞというような形で示すのはどうかな、片方に加担しているととられてもしようがないのではないかなということを申し上げているのです。 例えばそういう本当に主体的な結果というものを待つのであれば、中立的な立場から厚生省が独自の調査をしてもいいでしょうし、あるいはそれ以外の機関が調査するということもあるわけですから、そういったところまで細かい配慮をされた上で話し合いの推進をするといった態度をとっていただけるものなのでしょうか。いかがでしょう。
○寺松政府委員 今先生が御指摘の団体というのは、推進協議会に入っていない、こういうふうなことでおっしゃっているのだろうと思いますので、そのような方々の御意見はもちろんお聞きしたいと存じますから、私どものところへいろいろとお話しに来ていただけると結構だと存じます。
○秋葉分科員 それはぜひお願いしますし、それ以外のいろいろな問題点も私も指摘させていただきますので、ぜひこれから聞いていただきたいと思うのです。 実は、私がいろいろと御意見を伺った関係者の方々の間には、相矛盾するような立場の方がいらっしゃるのです。ですから、さっき申し上げたように、もう資格化は理想的な形では待てないから、どんな形でもいいからともかく資格化をしてもらいたいのだ、そうじゃないと自分たちの職場が守れないというような立場で、ある制度に賛成をしている方もいらっしゃるのです。だけれども、資格化はできるだけ早くしてほしいのだけれども、医師の指導のもとというようなものがついたのでは、自分たちの本来の仕事が十分にできない立場に追い込まれるから、それはだめなのだという立場の方もいらっしゃるのです。 実は、そこに共通しているのは、私は二つ問題があると思うのですが、一つは、これはMSWと呼ぼうとPSWと呼ぼうと、あるいはSTと呼ぼうと、非常に重要な仕事であるにもかかわらず、やはりそういった方々の社会的な評価が非常に低い、こういうことがあると思うのです。だからこそ雇用が不安定になり、だからこそ資格化という形で何とかその社会的な地位を高めようという努力をされているのだと思います。 ところが、現在はイタチごっこになってしまって、資格化を行う際に結局意見がなかなかまとまらないというのも、またこういった仕事の社会的地位が低いところに原因があるというようなことになってしまっているのです。そういった本質的な問題を解決するために、ぜひ厚生省として、ただ単に資格化の問題にAとBという案があって対立をしているんだということで考えるのではなくて、そのAとBを包括するような本質的な問題というものを理解した上で、何とかそこのところを考えていただきたい。やはりそれはその仕事そのものについての本質的な理解だと思いますし、社会的な地位を高める、関心を高めるといったところだと思います。それが非常に重要なので、ぜひそういった方向での建設的な、創造的なアイデアを厚生省の方から出していただきたい。 その点に関して、ひとつぜひお願いしたいことは、今厚生省がお考えになっているさまざまな資格化というのは、現在の医療法の枠の中でこういった資格化を考えていらっしゃる。ところが、医療法そのものは明治時代にできた、現代の社会の状態を反映しているものでもありませんし、あるいは新しい技術を反映しているものでもない、医学界の最先端の知識を反映しているものでもありません。そして、リストラというような経済的な問題も同時に起こっている。となると、やはりこれはある意味で明治時代にできた医療法の枠というものを超えたところでの新しい創造的なアイデアを出すといった基本的な姿勢が必要なのではないかと思うのです。 ですから、もう時間がありませんので、この点について具体的に私ここで、どういったことをやればいいということを申し上げることはできませんけれども、最後に大内大臣、そういった基本的な観点を押さえることで、この問題を、少数意見を切り捨てるという立場ではなくて、すべてのこういったSTなりMSW、PSWといった重要な仕事についていらっしゃる方々が、本当に誇りを持って自分たちの仕事を確保でき、そして社会全体にとってもいい方向になるような、そういう役割をぜひ厚生省とした果たしていただきたい。その点について、最後に大臣のお考えを伺いたいと思います。
○大内国務大臣 厚生省といたしましては、基本的にはやはり関係団体の合意を得た上で国家資格化を行うことが必要と考えておりまして、そういう意味で、すべての関係諸団体の意見を公正中立な立場でよくお伺いをしたい。 しかし、御指摘のように、その資格化を求める起点というのは、言うまでもなく社会的な評価というものを何とかかち得たい、高めたい、こういう共通項をお持ちなわけでございますから、厚生省といたしましては、まさに御指摘のような創造的な立場に立って、我々なりに助言できるものがあればしたい、こう思っておりまして、先生の非常にまじめな御指摘に対しまして、何とか私どもなりに努力をさせていただきたいと思っている次第でございます。
○秋葉分科員 ありがとうございました。
○土田主査 これにて秋葉忠利君の質疑は終了いたしました。 次に、岩浅嘉仁君。
○岩浅分科員 改新(新生党)の岩浅嘉仁でございます。終日御苦労さまでございます。 限られた時間でございますから、直ちに質問に入りたいと思いますが、私は、老人問題、そして地域保健法、さらに今いろいろ問題になっております劇症溶連菌感染症、この大きく三つについて御質問を申し上げたいと思います。 もう御承知でございますが、昭和三十一年の国連の定義によりまして、六十五歳以上の人口割合が七%以上であると高齢化社会、一四%以上になりますと高齢化の化が抜けまして高齢社会あるいは超高齢化社会、こういうふうな定義がなされたそうでありますけれども、昭和三十一年でございます。 昭和三十年の日本人の平均寿命、これは男子が六十三・六歳、女子が六十七・七五歳でございましたから、六十五歳老人説というのも当時なら当然のことであろうと思うのですけれども、今や世界に冠たる長寿大国になりまして、六十五歳で老人と呼ぶのは抵抗があるのではないか、こういう意見もよく聞かれるわけでございます。また、今日本人の三大死因でありますがんとか心臓病、脳卒中、この三つの病気が治るようになりますと、さらに寿命は九年ないし十年延びるであろう、こういうことも言われております。そうなれば、人生八十年時代から人生九十年時代、こういうことが達成できるわけでございます。 その中で、昨年出されました厚生省の高齢者施策の基本方向に関する懇談会、この中にこういう提起がなされております。六十五歳以上を高齢者とする考えを見直す必要があるのではないか。また将来においては、高齢者は七十歳ぐらいまでは現役であり得るという考えのもとに社会システムを構築していく必要がある。六十五歳以上は、体力、見識、経済基盤などから見て多様な幅のある集団と位置づけ、老人という呼称の再考察が必要なのではないか。こういう報告がなされておりますが、この老人という呼称についてどういうお考えをお持ちなのか、まずお伺いいたしたいと思います。
○横尾政府委員 年配の方々を表現する言葉といたしまして行政上さまざまなものがございまして、御指摘の老人、老人保健法などと申しますが、そのほかに高齢者あるいは高年齢者などがございます。 この老人という言葉については、先ほど御指摘がありましたような、新しい呼び方も含めて検討すべきだという御意見がありますが、この懇談会報告が出されました後、一部からは、老人というのはなかなかいい言葉であるというお考えも示されております。例えて申しますと、老人クラブというのがございますが、そのメンバーの方々は、これはかねてから定着をして自分たちも愛着を持っている表現であるというふうな御意見もちょうだいしているところでございます。 いずれにいたしましても、関連する方々がこれならばと言っていただけるような状況での見直しというものが欠かせないと考えておりますので、私どもも世論の動向を踏まえながら検討をさせていただこうと考えている次第であります。
○岩浅分科員 老人という言葉もいい響きがあるじゃないか、こういう意見もあるという御意見でありますが、社会通念上どうしても老人イコール弱者というイメージは当然あると思うのです。老いに対する不安とか嫌悪感というのがやはりこの言葉には投影されておる。 大内大臣は昭和五年のお生まれでございますね。私の二回り上のうまでございますが、六十四歳でございますか。来年六十五歳になっていわゆる高齢者の仲間入りをする。定義的にはそうなるのですけれども、私は大臣を見ていて、決して高齢者というイメージは全然受けないわけなんですが、大臣御自身はこの老人という呼称を再考察するということはどうお考えになっていますか。
○大内国務大臣 ただいま横尾局長からるるお話があったとおりでございますが、やはり老人という音から来る印象を率直に言いますと、もう年老いて先が短い人というような印象を受けまして、いわゆる活力のある世代というような印象がなかなか出てこない。そういう意味では、いろいろな評価の仕方があると思いますが、よりいい評価があればそういう言葉で統一していくことが望ましいのではないか。もちろん、今高齢者とかいろいろな呼び名があるわけでございますが、しかしこれは国際的な一つのスタンダードもございますので、その呼称についてはいろいろ御研究あってしかるべし、こう思っております。
○岩浅分科員 ぜひ御検討いただきたいと思います。 次に、老人福祉、高齢者福祉全般についてであります。 私は、四国の徳島の選出でありますが、過疎県、後進県でございます。徳島県でも高齢化率二五%を超える自治体が五十市町村のうち十七町村にも及んでおるわけでございます。国もゴールドプラン等を初めいろいろな福祉施策で積極果敢にお取り組みをいただいておりますけれども、やはり実際に地元におりまして、過疎地域を抱えておる地域、過疎というのは、まさに国のしわ寄せが最初に来る、恩恵は最後に来る、非常に悲しい宿命を背負った地域であると思います。 そういう中で、全般的なことで結構ですが、過疎、弱小の町村が多い県では、財政的な支援の拡大とか広域的な福祉政策の取り組みを可能にする制度というのがますますこれから必要になってまいりますけれども、そういう点を踏まえて国は特に過疎地域を抱えておる県に対してどういう考えを、福祉に対してどういう考えを持っておるのか、これがまず第一点であります。 その次に、一つの施策として、厚生省の方で在宅の寝たきり老人等に対して老人訪問看護ステーションの看護婦等を訪問させる、いわゆる老人訪問看護ステーション制度を創設をされておるわけであります。 この制度は、介護されている老人の生活の質の向上あるいは介護者負担の軽減効果等が期待されておりますので、早急な普及が望まれている制度にもかかわらず、平成十一年の設置目標数五千カ所に対しまして平成五年十二月現在で三百三十八カ所。五千カ所に対して三百三十八カ所、全体計画の六・八%しか整備されていないのが現状でございます。この伸び悩むステーション数と訪問看護実施上の問題点あるいは今後の整備計画についてお示しをいただきたいと思います。
○横尾政府委員 まず最初に、過疎地域に対する福祉サービスの展開の方途についてでございます。 過疎地域の多くは極めて高齢化が進行している地域でもございます。そういう地域にふさわしいサービスのありようというものが必要になっていると考えておりまして、具体的にゴールドプランの諸施策の中では、過疎地域に特別に高齢者生活福祉センターの制度を設けたところでございます。これは現在百一カ所のセンターが設置をされております。 次に、特別養護老人ホームでございますが、これも人口が少ない場所で大規模なホームを設置することが難しいということで、特例をもって三十人規模の設置を認めているところでございまして、この制度を活用して九十カ所の設置が行われております。 今後もこれらの制度、小規模な施設の制度の活用がいただけるものだと思っております。 また、この施設整備に関します市町村負担については、先生御案内のことと存じますが、過疎地域にはいわゆる過疎債の起債が認められておりまして、ある意味では財政的な弱さをカバーするシステムになっているところでございます。 また、この平成六年度からの新たな制度といたしまして、地方交付税上、高齢者保健福祉に係る基準財政需要額につきまして、従来の人口割ではなく、高齢者の人口に応じて算定するための高齢者保健福祉費というものが新たに創設されたところでございまして、先ほど来申し上げております高齢化が進行した過疎地域にとりましては、一つの朗報になるのではないかというふうに思っております。 また、基本的には、非常に人口が少ない、数百人あるいは数千人の単位の人口規模で福祉施策をさまざまに展開することはなかなか困難を伴うというふうに考えておりまして、それぞれの自治体が共同で一つの特別養護老人ホームあるいは老人保健施設等を運営することをお勧めしております。既に例えば高知県におきましては、三町村が共同で福祉公社を設置をいたしまして運営に当たるというようなことを始められておりまして、この市町村間の共同事業というものも今後の方向ではないかと考えております。 次に、訪問看護ステーションのことについて申し上げます。 訪問看護ステーションの整備状況はまだ遅々たるものでございますが、今後大幅に整備をするというために、平成五年度では社会福祉・医療事業団による融資制度を創設いたしました。また、本年四月の療養費の改定におきまして、老人訪問看護療養費を大幅に引き上げたところでございまして、これで余裕を持った運営ができるのではないかというふうに考えておる次第でございます。 また、御提案を申し上げております健康保険法等の一部を改正する法律案におきまして、平成六年度から老人訪問看護ステーションの施設整備のための新たな補助制度を設けるということを提案させていただいております。
○岩浅分科員 御答弁にあったわけでありますが、診療報酬の改善によって、これは大きくこの制度自体に寄与をされると私も期待をいたしておるところでありますけれども、ある民間の団体が調査をしまして、全国二百七十四のステーションの所長を対象にした経営状況の調査では、約九割のステーションが赤字であるという厳しい実情が出ております、もうこれは御承知だろうと思いますが。 それともう一つ、制約があるわけですね。例えば、ステーションを設置できるのは老人保健法に規定されている医療法人、地方公共団体、社会福祉法人等の公的な組織に限られている。看護職の個人的な設立は認可はされていないと伺っておるのですが、現場からは看護職主導のステーション制度化を望む声も大変強いと伺っております。 厚生大臣が定めた一定の基準を満たした場合は看護職個人でもステーション設置が可能な体制づくりを認めてはどうかということ。もう一つは、診療報酬等の関係もございまして、訪問看護というのは医師の指示書なしには行えないにもかかわらず、現状ではその制度そのものを知らない医師がたくさんいる、こういう問題点も指摘をされておるのですが、こういういわゆる陸路についてどのように改善をしていかれる御予定なのか、伺いたいと思います。
○横尾政府委員 まず設置主体の問題でございますが、老人訪問看護事業は、平成三年の老人保健法の改正に伴いまして御審議をいただきました.が、その際に、各委員からの御質疑あるいは附帯決議におきまして、今後の運営についていろいろ検討をする必要があるから非常に慎重に設置者については対応すべきであるというような御指摘をいただいたところでございまして、今お話のありました個人の問題も、もう少し様子を見させていただきまして、当分公的な法人に限定して運営をさせていただきたいと考えているところでございます。 また、もう一点の医師に対するPR等でございますが、その点につきましては、かねてから訪問看護事業者の方々から御指摘をいただいておりましたので、最近、医療関係者に医療関係者向けの利用方法に関するパンフレットを作成いたしまして、御理解をいただく手はずを整えたところでございます。また最近、訪問看護事業者の協会が、任意団体でございますが設けられましたので、こうした組織も通じましていろいろ御相談を申し上げたいと考えております。
○岩浅分科員 当面は公的機関に限りたいという御答弁だったと思うのですが、私が先ほど申し上げましたように、これは制度としてはいい制度でありながら、十一年の目標五千カ所に対して六・八%しか整備ができておらない、こういうことを考えますと、なかなか目標達成は大変なのではないかなと危惧をいたしておりますから、やはりこれ、ある程度の規制でございますから、福祉に関してはこの規制の緩和というのは非常にいいことではないか。私は素人でありますが、そういうふうに感じておりますから、ぜひ前向きに御検討いただきたいと思います。 もう時間がありませんので、地域保健法について、それと最後の質問も一緒にさせていただきます。 地域保健法関係につきましては、これから審議をされるわけでありますけれども、この法改正が国民にとりどういうメリットがあるのか、全体的な構想で、まずそれが第一点。 さらに、またまた過疎地のことでございますが、この法案の要旨によりますと、過疎とか弱小町村の多いところでは保健所は減るということも考えられます。例えば今私の地元の徳島県でございますと、八カ所に保健所があるわけでございますが、今後二次保健医療圏とか高齢者保健福祉圏を基準として統廃合ということになりますと、三カ所くらいに減るのではないか、こういう声が出ております。 また、技術者の処遇の問題、これは答えていただかなくても結構でございますけれども、そういうことで、法を改正することによって、いい面と新たに過疎地域にとっては厳しい面ということも現場から心配の声が上がっておるわけでございます。そういう点について、国は、厚生省はどういうふうな考えを持っておるのか。 それと最後に、これはもう現状だけお聞きしたいのです。今週刊誌、テレビ、新聞、いろいろ載っております、人食いバクテリアとかいろんな言い方をされておりますが、病名もいろいろな名前があるようでございますが、A群溶連菌が原因の劇症溶連菌感染症、これが社会的なパニックになる要素もあるわけでございます。厚生省も本年二月からこの病気について調査研究に乗り出したということを伺っておりますけれども、実態はどういう状況にあるのか、いたずらに社会不安をあおるような病気なのかどうか、その点も踏まえて御答弁をいただきたいと思います。
○寺松政府委員 先生の最初の御質問でございますが、地域保健の今回の見直しは国民にとってどういうメリットがあるのか、こういうお話でございます。 まず、基本的な考え方から申し上げたいと思いますが、今回の地域保健の見直しは、サービスの受け手であります生活者の立場というものを重視するとともに地方分権を推進する、こういうことにしております。 また、こういう考え方につきましてメリットとして考えられることでございますが、母子保健サービスなどの身近な保健サービス、そういうものの実施主体を市町村にいたしまして、赤ちゃんからお年寄りまでの、生涯を通じた健康づくりが住民に最も身近な市町村で実施できる、これが第 一点でございます。 第二点は、既に市町村が実施主体となっております福祉サービス、こちらと一体的にやれるということで、総合的なニーズに対応できるのではないかというのが第二点でございます。 第三点は、保健所というものにつきまして専門的、技術的、広域的機能を強化するということにいたしておりまして、エイズ対策でございますとか難病対策などの充実を図ることができる、このように考えております。 このようにいたしまして、保健所と市町村の保健センターとが相携えまして、それぞれの役割を分担しながら、国民に対して利用しやすい、内容の充実した保健サービスを提供する、こういうことができるのではないかと考えておるわけでございます。 それから、先生の御質問の第二点でございますが、保健所が集約されて利用者が不便になるのではないかというお話がございます。 今回の制度の改正でございますけれども、都道府県の保健所それから市町村の役割を見直す、そして、母子保健サービスなど住民に身近なサービスについては、住民が最も利用しやすい身近な行政主体であります市町村においてサービスを受ける、こういうことになるわけでございます。 こうしたことを前提にいたしまして、都道府県の保健所においては、専門的、技術的、先ほどもちょっと例を申し上げましたが、エイズとか精神障害者対策とか難病対策とかいうふうなもの、あるいは広域的に機能を強化することによりまして、例えば食品衛生とか環境衛生というふうなサービスにつきましても、その規模を拡大することによって効率的にやれるようにしたい、このように考えております。それぞれ巡回サービスとか機動力を使いまして、保健所の所管の区域をくまなく監視したり指導したりする、こういうことになるのではないかと思っておりまして、そのようなことによって利用者の便を図っていきたい、このように思います。
○谷(修)政府委員 劇症溶連菌感染症のことでございますが、昨年千葉県においてこういったような症例の報告がございましたので、私どもでは、ことしの二月に研究班をつくりまして実態の把握を行ってまいりました。現在までのところ、この研究班からの報告によれば、今までに我が国では四十三名の患者が発生しているというような報告を得ております。 ただ、これは確かに、先生ちょっとお触れになりましたように大変劇症と申しますか、重要な、重篤な症状を呈するわけでございますけれども、既に大部分の、私どもを含めて大部分の国民はこの病気については免疫を持っているということでありますし、また発病する率が低い、また病気そのものが伝染をするものではないというようなことでございますので、必要以上にといいますか、恐れる必要はないのではないかというふうに思っております。 ただ、この研究班におきましては、感染経路とか発病のメカニズム、また早期に治療をすればペニシリン系の薬剤が有効だと言われておりますけれども、新しい治療方法あるいは診断方法、そういったようなことについて現在研究を進めているところでございます。
○岩浅分科員 ありがとうございました。 地域保健法につきましてはまた後日に譲りたいと思うのですが、これは一見すると地方分権に沿っておるように見えるわけでございますけれども、内容的には、地方にとっては非常に厳しいような側面も出てくるのではないかと私は考えているところでございます。 大変雑駁な質問でありましたが、御協力をいただきましてありがとうございました。これで終わらせていただきます。
○土田主査 これにて岩浅嘉仁君の質疑は終了いたしました。 次に、松下忠洋君。
○松下分科員 鹿児島の第二区、山の方から出てまいりました、松下忠洋と申します。新人の一年生でございます。よろしくお願いを申し上げたいと思います。朝九時からの休みなしの御審議でお疲れでございましょうが、あと一時間でございますので、ひとつ気合いを入れて、深呼吸して、よろしくお答えいただきたいと思います。 五つのことについてお尋ねしたいと思っております。一つが、総理府に設置されていると聞いておりますが、障害者に対する対策推進本部の現状はどうかということです。それから、福祉対策の一元的実施が必要ではないかということについてです。もう一つは、バリアフリー対策の現状と方針についてお尋ねしたい。もう一つは、独居、ひとり住まいの高齢者それから障害者用の緊急通報システムの整備、そして医療ネットワークづくりの推進。そしてもう一つが、学校における福祉教育の取り組みについてお尋ねしたい、こう思っております。 一年少し前になりますけれども、私が当選してまいります前でございますが、地域を回っておりまして、現在の福祉そして高齢者対策、それから過疎の問題も含めた、地方が抱えている大きな出来事が集約されている事件に出くわしたわけでございます。 仲間たちと数人である地域を回っておりまして、これは山の方の町ですけれども、ある一軒の家に入りましたら、八十近いおばあさんが、土間で倒れたと思われるように血痕がありまして、そこを上がって、こたつでぐたっとなって、声も出ないような状態で、血を出して寝ておられました。ひとり住まいでした。 それで、どうされたのですかということでお聞きしましたら、町に買い物に行って、少し寒かったし、帰ってきて、土間へ入ったところで倒れたということでございまして、二時間ぐらいかかって、やっと土間からこたつに上がったそうです。土間は、たたきは土ですけれども、田舎はそこから非常に高いです、農家ですし。やっとはい上がって、こたつの中に潜り込んだ。そして、とにかく電話をしようと思って、在宅の、しょっちゅう来てもらっているお医者さんに電話しようと思ったのですけれども、日曜日でしたから、そのお医者さんがおられないということなんですね。それで、どうしようもなくてそこで寝ておられたときに私たちが入っていったということなんです。 それで、おばあさんに、では日曜日だから日曜当番の医者を探そうということで、新聞を見て、そして日曜日の当番のお医者さんに電話をしたのです。おられましたけれども、そのおばあさんの状態は、寒くて、そして倒れられて、頭を打ってちょっと血が出ておりましたので、私そっと寝かしたのですけれども、その日曜当番のお医者さんにおばあさんの状態を、こういう状態だと話しましたら、そのお医者さんは、私のうちにはそういう頭を打ったりしたような人たちに来てもらっても、そういうような設備がないし十分診られないので、ちょっと離れたところに大きな何とか病院という総合病院がありますけれども、そこに行ってください、こういうことなんですよ。 それで、そこに電話しましたら、私が行ったのは午前中だったのですけれども、そこの当番のお医者さんは四時にならなければ見えないということなんですね。それで、とにかくこう頭を動かさないようにして寝かせながら、まず自分の家の親族に電話をしようと思って、聞いて、そして親族の方に電話した。周りにはだれもおられませんし、その隣の家も離れていますから、なかなか思うようにいかない。その親族の方は車で二時間ぐらいかかる鹿児島市に全部が行っているということですから、そこに連絡して、来てもらうまでに二時間くらい待っているわけですね。そして、病状をお話しして、やっとお医者さんのところに四時過ぎてから連れていったという状態なんですよ。 ここでいろいろな問題があると申しましたのは、その地域の中に一軒しか家がないというところにひとりでおばあさんが住んでいる。そういう人たちが倒れたときに連絡するところが周りにない。過疎ですから、家族はみんな出ていっている。それを見てくれる親族も、兄弟も近くにいない。そして、日曜日だから自分のかかりつけの医者にしてもそれはいない。日曜当番に電話しても診ない、そしてどこかに回していくということなんですね。 こういういろいろな問題が絡んでいる。自分でどこか連絡しようと思っても、連絡することもできないというような状態になっているわけですね。それを見て、これはやはり本当にいかぬなということをしみじみ思って、それから福祉の勉強をいろいろ始めたわけであります。今でも一年生が集まっていろいろ勉強しておりますけれども、そういうことの経験から、先ほど申しました五つのことに絞ってお尋ねしたいと思っているのであります。 まず、障害者対策推進本部の現状。総理府に障害者を対象とした推進本部ができている、各省庁集まって、共通の課題を引っ張り出しながらやっていこうというものがあると聞いておりますけれども、それが今どのような形で、どういうところの省庁が集まってそういうものをつくっておられて、それがどのように機能しているか、簡単にお教えください。
○中山説明員 御説明申し上げます。 障害者対策推進本部は、昭和五十七年の四月一日に、それまでの国際障害者年推進本部を引き継ぐ形で閣議決定により発足しております。この障害者対策推進本部のメンバーでございますが、内閣総理大臣が本部長、それから内閣官房長官と厚生大臣が副本部長、それから十九省庁の次官等が本部員というふうになっておりまして、私ども総理府の内政審議室が事務局を承っておるということでございます。 それで、本部は、障害者対策がいろいろな施策分野にかかわっておりまして関係省庁が多いわけでございますので、それを横の横断的な連携を強化するという観点から設置されたものでございまして、推進本部では主として、例えば障害者対策に関する長期的な計画の策定とか、それから障害者白書の作成とか、それから障害者の日の啓発広報といったようなことをやっております。
○松下分科員 ここに、厚生省が出されました二十一世紀福祉ビジョンがございます。もう皆さん何回も何回も読まれて内容は熟知しておられると思いますし、これを反映して予算をつけておられるというふうに信じておりますけれども、今総理府の方に障害者対策推進本部のことをお尋ねいたしました。 今皆様方は、口でも、この中を読んでも、これから高齢化社会に向かうと書いてございます。そして、障害者に対する思いやりある社会をつくっていこうとも書いておられます。その総理府の中に今、障害者対策推進本部のほかに何か、将来の福祉ビジョンに向けて、高齢者の方たちも含めたそういう大きな二十一世紀福祉ビジョンを実現するための、各省庁が持ち寄っているいろいろな事業、プログラム、そしてプロジェクトをきちっと推進、調整するようなものができておりますか。
○中山説明員 ただいま総理府の方では、障害者対策推進本部を担当しておるだけでございます。そういうふうに総合的な、高齢者等を含めたものにつきましては総理府では担当しておりません。
○松下分科員 そこを大臣にもお尋ねしたいと思っているわけです。 これは、厚生省だけで取り組んでいく福祉ビジョンではないのですよ。これは厚生省がつくられましたけれども、これからの高齢化社会それから障害者に対するいろいろな事業を進めていくときには、関係省庁がそれぞれのプログラムを持っている。プロジェクトを持っている。そういう人たちがそれぞれの省庁でそれぞれの事業を、言葉悪く言えば勝手に進めていくということになりますと、きちんとした調整なしのままに進んでいくと効率的に進まない。 そして、障害者だけではなくて、これから高齢化に向かうわけですから、高齢者も含めて一緒にする。そして、これは重複する部分がありますから、一つの福祉対策本部というものをきっちりと、国家として、国としてつくって、そこで、厚生省初め各省庁が持っている、将来のそういう社会をつくっていくことに対するビジョンそれからプログラム、プロジェクトというものを、本当に力のある人たちが集まって調整する、そして機能させていくということをしていかなければいけないのじゃないでしょうか。それを欠いたままそれぞれのところで仕事をしていても、これはいいものはできていくはずがないと思います。 ぜひそういう福祉対策本部というものをきちっとつくって、総理大臣を本部長とする国としての体制を内外に示さなければいけないのじゃないでしょうか。厚生大臣、お考えをお聞かせください。
○大内国務大臣 既にお読みいただきましたその高齢化の福祉に関するビジョン、つまり二十一世紀福祉ビジョンの策定段階におきましても、これは厚生省だけではできないなというふうに思いましたので、建設省あるいは労働省、文部省といったようなところからも御協力を賜りましてこの福祉ビジョンというものはつくられたのでございます。したがいまして、これを具体化する段階におきましても、やはり各省庁の縦割りを排しまして、相当横に緊密な連携をとって総合的な政策としてこれを実施に移していかなければならぬ、そういう決意でこのビジョンをあらわしたものでございます。 しからば、その受け皿というものが御指摘のようにちゃんとできているかということになりますと、今内閣官房の方から御報告がございましたように、形としては一応総理府に障害者対策推進本部というものが設置されまして、この構成もできている。それからまた、福祉、高齢者施策につきましても、長寿社会対策関係閣僚会議というものがございまして、総務庁に老人対策室というものが設置されているのでございますが、今福祉ビジョンというものを政府としてつくり上げようとしているところでございますので、この福祉ビジョンを実施する何らかの実施主体といいますか、横断的な実施主体というものをつくること、これは非常に重要な課題だと思っておりますので、御趣旨の線に沿ってこれを実現するように誠心誠意努力したい、こう思っております。
○松下分科員 大臣のお話でございますが、よく調べてみますと、総理府の中に障害者対策推進本部ができている。これは、各省庁がそれぞれやっている事業を、何回か集まって、こういうことをやっていますという報告を受けて、はい、ありがとう、一緒にやりましようという話をする。それでまた、閣僚会議にいたしましても、それぞれ持っている事業を、こういうことをやっているということをPRし紹介しながらやっていこうじゃないか、ともすればそういう形式に流れるところがあるのですね。 私が申し上げているのは、実際にやっている人たち、実力者がしっかりと集まって、個々のプロジェクトについて、おれのところではこういうことがあるけれども、おまえのところはどうだ、後から申しますけれども、バリアフリーをするとき、駅にどうする、道路をどうする、それが今度バスにどう行くかというようにつながりがあるわけですから、そういうところを実際的に機能するような形のものに、高齢者も入れて、障害者も入って、一緒に福祉ビジョンを実現するための実のある、機能するものをつくっていかなければいけないということを私は申し上げたのです。もう一言お願いしたいと思います。
○大内国務大臣 今私が申し上げましたのは、初めて政府として福祉ビジョンができたわけでございますから、それを強力に実施する実施部隊を整備する必要がある、今まではこういうものがありましたけれどもと、こういうお話を申し上げたわけでございまして、御意向はよく酌まさせていただきます。
○松下分科員 ひとつよろしくお願いしたいと思いますが、今の大臣のお話に対して、総理府大臣官房参事官、一言。
○中山説明員 総理府といたしましても、そういうような動きがありますれば、十分事務当局として受け皿をつくってまいりたいというふうに思っております。
○松下分科員 ありがとうございました。ぜひ前向きにといいますか、本気でといいますか、本当に取り組んで実現していただきたいと思います。この問題は、私もずっと注目してフォローしていきながら、いろいろな場面でまた自分の考えを申し上げたいと思っておりますので、大臣、よろしくお願いを申し上げます。 もう一つは、地方自治体における福祉関係窓口を一本にできないだろうかということでございます。 お年寄りあるいは体の不自由な方たちが県庁に行く、年金の手続である課に行く、体が不自由なのでいろいろな器材について相談しようと思ったらまた別のところに行く、それから、障害者によるいろいろなスポーツ大会をやろうとするとまた別のところに行かなければならない。これは町村の役場もそうですし、市役所もそうですけれども、その当事者一人一人がそれぞれいろいろなところに行かなければいけないようになっているところが多いと聞いております。現に私のところの近くを幾つか調べてみましたけれども、やはりそうなっています。 そうではなくて、それぞれの事業はそれぞれのところでやっているのでしょうけれども、この窓口を入りやすい、相談を受けやすいところにできないだろうか。高齢者用、障害者用、体にハンディキャップを持っている人たちのために、そこに行けば、まずそこできちっと話を聞いてくれて取り次いでくれる、そして、むだのないようにここですよと案内してくれる。 わからないから行ってみたら、いや、そこじゃありません、こっちですというふうにあちこち回される、そういうことによって自分たちの社会はこういうものなんだろうかという、意欲の問題にまでかかわってきますから、そういう優しい思いやりのある窓口をわかりやすいところにきちっとつけていただく、そういうことはそんなに難しくないと思うのです。そういう実情を調べておられますでしょうか。そういう話は来ておると思うのですけれども、そういうことをまずお聞きしたい。 もう一つは、そういうときに福祉一一〇番をつくっていただけないだろうかと思うのです。これは、やっているところもあると思います。全国共通にだれでも電話をかけられる、二九四番という頭をつけて、〇一一〇でもいいし、一一〇でもいいですし、そういう番号にする。福祉の問題を相談するのだったら、だれでも二九四をかけて一一〇番する、北海道から沖縄までいろいろなことで相談できるようなものに取り組んでいくことをここで御提案申し上げたいわけです。そのような窓口一本化について、どのように現状を把握して、どのように進めていこうとしておるのか、具体的に、簡明にお願いします。
○横尾政府委員 高齢者の施策がさまざまに進展をいたしますと、それらのサービスをどのように受けることができるのか、あるいは自分の地域内にはどういう施設があるのかという情報が十分に利用者の側に伝わりませんと、せっかく用意をされたサービスが的確に利用されないことになるわけでございます。そうした点についての御指摘は、ゴールドプランの進捗に伴いまして声として大きくなってまいりました。 そこで、高齢者施策に関しましては、御提案申し上げております健康保険法等の一部を改正する法律の中に、在宅介護支援センターを法律上に位置づけるという改正内容を織り込んでおります。 この介護支援センターの性格は、中学校区程度に必ず一カ所設ける。全国で一万カ所になるわけでございますが、整備をいたしまして、地域の利用者の立場に立ってさまざまの御相談を受け付け、そして利用者の立場に立って利用の決定あるいはサービスの提供等を行うというようなことで、委員御指摘の、相談についてのたらい回しがないようにという観点から整備を進めるものでございます。 ただ、簡単なことであるというようなお話もありましたが、実は、こういったたらい回しのない相談センターを的確に運営することは周到な準備が必要でございまして、そのためにも関係方面との連絡を十分整えながら取り組んでまいりたいと思っております。 また、一一〇番的なものという御提案でございますが、高齢者の相談窓口といたしまして、既に各都道府県、県庁あるいは県から委託を受けた社会福祉協議会等に一一〇番を設けておりまして、井げたの八〇八〇、ハレバレと通称しておりますが、これで多様な御相談を承る体制を準備しておりまして、その内容の充実にも努めているところでございます。
○松下分科員 御努力いただいていることは承知しておるわけですけれども、ちょっとした心遣いで、お年寄りや体の不自由な方たちが非常に気持ちを安らかにして、それこそ晴れ晴れとして相談に行けるということになるわけですから、県庁、市役所、町村の役場にそういうものが一本化されて、ここでまず受けますよという、最初の玄関での受け口を一つにしておいてもらいたいというお願いをしているわけです。一度調べていただいて、そういうことをしなさいよということをそこでぜひ実現させていただきたい。 そして、福祉一一〇番も、二九四をつけてハレバレにするなり、ぜひ全国どこでもそれがかけられるようにしていただきたい。時間がありませんので、これはまた別の機会に申し上げますが、よろしくお願いしたいと思います。 あと、バリアフリー対策についてお願いしたいと思います。 建設省、運輸省、厚生省、お見えだと思いますけれども、二十一世紀福祉ビジョンを受け、これから高齢化社会を迎えるに当たって、それぞれの政策の中でバリアフリーについてどのように取り組んでおられるのか、それを予算の中にどのように反映しておられるのか、簡明に教えていただきたい。
○山本説明員 住宅行政について取り組んでおります点を簡潔に二点御説明させていただきます。 まず公共部門が直接供給します住宅についてでございます。平成三年度から新たにつくりますすべての公営住宅、公団住宅につきまして、床の段差を解消するとか手すりをつけるといった高齢化対応仕様の標準化を進めております。それから、現にあります住宅につきましても、同じように住戸改善の中で精いっぱい改良に努めているところでございます。 それから民間住宅につきましては、新しい住宅をお建てになる場合あるいは現にある住宅を改良される場合につきまして、融資額を通常より割り増すという制度でこの施策を進めているわけであります。 高齢社会を目前にしているという事実に立脚しまして、これからもこの施策をせいぜい進めていくという姿勢でございますけれども、平成六年度の予算の中で、公営住宅につきましては標準化の仕様をさらに充実する、例えばドアのノブをレバー方式にするといったようなことも盛り込んでおりますし、住宅金融公庫の融資につきましては、割り増し融資額をこれまでの五十万円から百万円に増額するといったようなことも盛り込ませていただいているところでございます。
○佐藤説明員 建設省の道路関係について申し上げます。 道路につきましては、平成五年から第十一次五カ年計画の中で、人にやさしい道づくりといった観点から事業を進めております。その中で、特に歩行者の視点から物事を見るといった形で、断続的にある歩道を連続的につなげる事業とか、それから歩道の幅員が狭くて電動車等がすれ違いが難しいといったことも非常にございますので、三メーター以上の歩道を設置するといったこととか、駅周辺の横断歩道橋といったところにつきまして、上っていくところをスロープつきとかエレベーターつき、それから歩道についての車道との段差をなくすための切り下げとか、そういった少しきめの細かいことについても対応していきたいといったことで進めております。特に六年度からは、駅前とか商店街におきまして、建築物から建築物に移るときに下へおりてきて行くのが非常に不自由をかけるといったことで、むしろ建物から建物へつながる連続的な歩道橋的なものといったようなことも事業の中に取り込んで進めていくといったことで、今後も前向きに対応していきたいというふうに考えております。
○淡路説明員 運輸省の施策について簡単に御説明申し上げます。 運輸省は、航空、バス、鉄道、タクシーという公共輸送機関を担当しておりますけれども、私どもとしても、先生御指摘のバリアフリーということについては、大変重要な課題であるということで取り組んでおります。重点的に取り組んでおります三点について簡単に申し上げたいと思います。 本年の三月に、公共交通ターミナルにおける高齢者、障害者のための施設整備ガイドラインというものを策定いたしました。この中身は、例えば駅の改札口とか、駅に設けますエスカレーター、エレベーターの規格をより高度なものにするということでつくったものでございますけれども、現在このようなガイドラインに基づいて事業者等を鋭意指導しているところでございます。 もう一つは、障害者などの方々が出発地から目的地まで、まさにバリアフリーで連続して公共輸送機関を利用できるための対策ということで、現在、平成五年からでございますけれども、三カ年かけて横浜市と金沢市でモデル交通計画をつくるという作業をしております。 さらにまた、いつも御指摘を受けます鉄道駅、これは非常におくれているという御指摘を受けておりますけれども、今年度、今お願いしております予算の中で、新規施策といたしまして、障害者対応型エレベーター、エスカレーター設置事業に対しまして国費による補助制度等を新設するということにしてございます。 以上、簡単でございますが……。
○松下分科員 各省庁、それぞれ大きなプロジェクトに取り組んでおられますけれども、それの調整とか、一つの箇所に集中したときにいろいろな調整が必ず出てくるわけですから、先ほど冒頭に申しましたような調整機関がどうしても必要なんだということを御理解いただきたいと思います。 時間もなくなってまいりましたが、学校における福祉教育についてお尋ねしたいと思います。 高齢者や障害者に対する福祉、そしていろいろな介護の問題について、小学校、中学校、高等学校で、少なくとも高等学校までに必須科目としてきちっと教えていく、それは実際の実技も含めた介護、ボランティアの問題も含めて。今ボランティアになっているわけですけれども、そうじゃなくて、生徒たちが実際に現地に行ってお手伝いをするということも実習の中に入れた、そういう教育カリキュラムというものをつくっていくべきじゃないかと思っているのですが、その現状、そしてこれからの考え方をお示しいただきたい。
○嶋崎説明員 まず、先生御指摘の学校教育における福祉教育でございますが、学校教育におきましては、児童生徒が高齢者や障害者につきまして正しい理解と認識を深めることは、私ども極めて重要と考えておるところでございます。 今回の学習指導要領の改訂におきましても、その方針の一つに、豊かな心を持ちたくましく生きる人間の育成を図ることということを掲げまして、他人を思いやる心や感謝の心、公共のために尽くす心を育てることなどを重視いたしまして、社会の変化に適切に対応する観点から、内容の改善を図っているところでございます。具体的に申し上げますと、小中高等学校の道徳や特別活動におきまして、人間愛の精神、福祉の心、社会保障の精神などの育成を図りますとともに、社会科や家庭科において、社会福祉についての理解を深める指導を行っているところでございます。 また、これからの学校教育のあり方といたしまして、いわゆる開かれた学校という観点が大切であるわけでございまして、地域の高齢者など社会人を講師として迎えたり、福祉施設など地域の諸施設の積極的な活用であるとか、特殊教育小学校との交流など、家庭や地域社会との連携を深めますとともに、学校相互の連携とか交流を図っていくことにつきまして、学習指導要領の配慮事項として新たにお示しをしているところでございます。このため各学校では、例えば社会科の郷土の歴史の学習で地域の高齢者の方の話を聞いたり、家庭科の授業の一環として老人ホームを訪問するなどさまざまな工夫が行われているところでございます。 それから第二点目の御質問といたしまして、ボランティア、介護活動を小中高の教育課程の中に位置づけるということでございますが、これからの教育におきましては、豊かな心を持ってたくましく生きる人間の育成を図ることが重要であると私ども考えているところでございます。 そのためには、他人を思いやる心や感謝の心、公共のために尽くす心を育てることなどに配慮する必要があると考えているところでございます。そして、生活経験などの希薄化しております児童生徒が、体験を通しまして高齢者や障害者につきまして正しい理解と認識を深めまして、福祉の心とか社会に奉仕する精神など、こういったものを培うことは極めて重要であると考えておるところでございます。 こういったことで、新しい学習指導要領におきましても、社会奉仕の精神を涵養して公共の福祉と社会の発展に尽くそうとする態度を育成することを重視いたしますとともに、高齢化の進展等、社会の変化に適切に対応する観点から、例えば今回新たに男女必修とした高等学校の家庭科では、高齢者の生活と福祉という項目を設けまして、社会福祉の意義や課題、それからボランティア活動を通しての高齢者への理解等につきまして指導するようにしたところでございますし、また特別活動では、中高のクラブ活動の中に奉仕的な活動を明示いたしまして、また、小中高の学校行事の中で、勤労生産的行事とございましたものを、勤労生産・奉仕的行事と改めて内容の充実を図っているところでございます。 また具体的に申し上げますと、地域の実情に応じて各学校において、家庭科の授業の一環として老人ホームを訪問したり、特別活動の中で地域の障害者施策に行って奉仕活動など、さまざまな活動が行われているところでございます。 さらに高等学校におきましては、福祉、介護に関する教育として福祉科等の学科を置きまして、家庭看護、社会福祉制度などの科目が開設されて、福祉、介護に関する専門的教育が行われているところでございます。 文部省といたしましても、今後とも学校におけるこのような教育が適切に実施されますよう一層指導の充実に努めてまいりたい、かように考えているところでございます。
○松下分科員 もっと話は簡単にしなさいよ。書いたものを全部読まなくてもいいんだよ。どういうことをやるのかやらないのか、将来どういうふうに取り組んでいくのかということをびしつと言わなければだめだよ。やはりそれだけの知恵がある役人でないと、しっかりしないとだめだよ。福祉というのは心がこもってなければいかぬのですよ。時間も限られているわけだから、やるのかやらないのか、高等学校のカリキュラムに実習を取り入れてやるのですか、どうですか。それだけ聞きたい。
○嶋崎説明員 このたび新たに制定されました学習指導要領におきまして、このようないわゆるボランティア、介護活動を取り入れる道を開いているところでございます。今後ともこれらの充実に努めてまいりたいと思っているところでございます。
○松下分科員 この問題は、しっかりとまた勉強してまいりますので、よろしくお願いします。 あと、緊急関係の連絡網の整備を聞きたいと思いましたけれども、時間がなくなりましたから次の機会にしますが、ひとつよろしく、独居老人、それから医療システムをぴしっと完成させるようなシステムをつくっていただきたいと要望しておきます。よろしくお願いします。 ありがとうございました。
○土田主査 これにて松下忠洋君の質疑は終了いたしました。 最後に、濱田健一君。
○濱田(健)分科員 私も、前の松下さんと同じ鹿児島二区の一年生の濱田健一でございます。 大臣を初め政府委員の皆さん方も、朝九時から本会議三時間を挟んで十二時間の長丁場、本当に御苦労さまでした。私の質問で終わりですので、もうしばらく頑張っていただきたいというふうに思います。私も一年生で、厚生関係のことについて全く素人でございますので、勉強の意味も含めて、三点ほどに絞らせていただいて御質問をさせていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。 本日、本会議において、年金法の改正案がトータルした形で趣旨説明がなされましたが、私は、年金関係の現状について、今地元の皆さん方と話をする中で、二つの問題点を考えておりますので、その考え方をお知らせ願いたいというふうに思います。 まず一点目ですが、障害基礎年金の子供への加算の問題です。 障害基礎年金の子供への加算が、現在、障害認定の日に生まれている子供が胎児としておなかの中にいるかが条件になっていると思います。障害認定日以前に出生した、または胎児であった子とそうでない子供とがともに同じ親に監護をされている場合に、実質的に何ら変わらない子供の間で不平等が生じているというふうに思っているのですが、この点を何とか是正できないものかというふうに思っております。ひとつ厚生省の前向きな御答弁をお願いしたいと思います。
○山口(剛)政府委員 御指摘の点につきましては、先生御指摘のとおりなんですけれども、公的年金制度は保険の仕組みをとっておりますので、老齢でありますとか障害でありますとか死亡といった保険事故の生じた時点で権利関係が発生をするというのを基本的な原則にしております。その時点でその生活実態等に着目をして、その必要性に応じて給付を行うという考え方でございます。 したがいまして、障害基礎年金の子供の加算につきましても、保険事故が発生をしたときに生計維持関係のあったお子さんについて加算をするという仕組みをとっているわけでございまして、保険事故が発生してしまった後お生まれになったお子さんについて、この保険の仕組みをとっている年金制度で特別な給付を加算するということは、制度的に難しい面があるということは御理解をいただきたいと存じます。
○濱田(健)分科員 ですから、その制度を変えてほしいとお願いしているわけで、現行の制度の枠内で論議をしようとは私も思っていないわけです。やはり障害を持ちながら社会人としてまた家庭人として一生懸命に努力しておられる皆さん方にとっては、もう少し考えてほしいなというふうに思われるのは当然だと思うのですよ。特に、二十歳前後の若い障害者の方とか若年の障害者は、将来に向けて結婚をし、子供ができても加算がつくことはないという状況の中で、やはり不平等だなという声が聞こえてくるのです。 障害を持っていらっしゃる皆さんが時々こういうふうにおっしゃるのです。障害者のひがみだととられるかもしれないけれども、障害者の間では、国は障害者には子供はできないとか、あるいは障害者は子供をつくるべきではないという考えが根底にあるのじゃないかというようなことをおっしゃるのです。いや、そんなことはないですよと私も言うのですけれども、昨年末に成立した障害者基本法の第一条「障害者の自立と社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動への参加を促進する」という文言があると思うのですが、やはりそういう意味でも、加算の対象を広げることはその趣旨にかなっているのじゃないかなというふうに思うものですから、この辺を制度として前向きに変えられないのかどうか、検討の余地はないのかどうか、もう一言言っていただけませんか。
○山口(剛)政府委員 御指摘の点は実態としてわからないわけではございませんけれども、先ほども申し上げましたように、保険の仕組みをとっている年金制度においてそれに対応するということにつきましては、余り例も適当ではないかもしれませんが、例えば老齢年金を受給される権利が発生をしたときに扶養関係にある奥様がいれば、年金制度として加算をするということをいたしているわけでございますが、例は少ないと思いますが、老齢という事故が発生した後に新たに御結婚されるとか再婚されるというようなケースにつきましても、年金制度としては妻の加算をつけない。例えばそういうふうに保険制度をとっているということから来る年金制度での対応の限界ということにつきましても、これは御理解を賜りたいと存じます。
○濱田(健)分科員 初めてこういう質問をして、もっとどうにかならないかというようなことだけで終わってしまいそうなんですが、こういう声というのはちまたにはあふれているということを理解してもらいながら、やはり時間はかかっても、制度としての新しい進展というものを思考を停止せずに考えていく方向というものだけは堅持していただきたいなというふうに思いますので、今後の課題として、提起として頭の中に入れておいていただきたいというふうに思います。 それと、二点目ですが、昭和三十六年の四月一日に国民年金制度が発足しているわけなんですが、そのときの内容として、掛金を二十歳から六十歳までの四十年間納めるということになっておりますね。この時点で特例として、昭和十六年四月一日以前に生まれた方、その時点で二十歳以上の方なんですが、この方たちは六十歳に達するまでの間にこの四十年間の加入期間を満たすことができないということで、いわゆる加入可能年数という形で、完全納付によっての基礎年金の全額支給がなされていると思うのですが、四月二日生まれの人と翌年の四月一日生まれの人でいくと、その加入可能年数を超えて、極端に言うと十一カ月余計に掛金を納付させられているという状況が生じているというふうに思うのですね。 相互扶助制度ということでありますから、その辺は大目に見ろということの部分があるのかもしれないのだけれども、やはり掛ける人たちにとってみたら大きな金ですので、どうしてこういうひずみが出てきているのかなという声が聞かれるのですね。この辺を何らかの制度として、形を変えてでも納付期限を、いわゆる加入可能年数の間でとめるとか、たくさん掛けた部分については受給する中身というものを若干ふやすとか、そういうことは取り扱えないのだろうかという疑問点がありますので、その辺のことをちょっと教えていただきたいと思います。
○山口(剛)政府委員 これも、大変難しい問題を御提起いただいたわけですけれども、御説明ございましたように、基礎年金につきましては、二十から六十まで四十年間保険料を納付をしていただきますと満額の基礎年金が支給をされるという仕組みになっているわけでございますが、御指摘のように、皆年全体制になりました昭和三十六年に二十を超えておられた方については、六十歳までの間に四十年間の保険料を納付することができませんので、このままですと満額の基礎年金が受けられないということで、これは満額の年金を受給していただくために特別な期間の短縮措置を設けようということで、生年月日別に加入可能年数、本来なら四十年のところを三十九年から二十五年まで短縮をする。それで、その年限を納めれば満額の基礎年金が受けられるようにという特別の経過措置を講じたわけでございます。 したがいまして、考え方としましては、四十年本来掛けるところをそれだけの期間がないということですから、厳密に言えば、御指摘のように、三十九年という年数ではなくて、生年月日別に三十九年十一カ月の方から三十九年一カ月、三十九年ぴたりという方のように経過措置を大変きめ細かく、今の年数でやりますと十五通りの経過措置になるわけですが、月単位でやりますと百八十通りの経過措置を設けるというのが筋かもしれませんけれども、この点については、当時これは、六十年改正のときに基礎年金ができたわけですけれども、大変事務的にも複雑になるということと、満額年金を受給するための特例の期間の短縮措置でございますので、一応の割り切りということで、年で制度的には割り切ったという経緯がございます。 したがいまして、現実には一カ月から十一カ月、生年月日によって納付をしていただく期間が違うということが生ずるわけでございますけれども、この点は、四十年加入していただくのが原則であるところの期間を短縮したという特例措置、そして事務処理上の観点等から一定の割り切りをせざるを得なかった。この点についても、大変恐縮でございますけれども御理解を賜りたいと思いますし、私どもも、被保険者、受給者には、この点については十分御理解をいただいた上で、年金制度に加入をし、また年金を受給していただくという努力は引き続きさせていただきたいと思っております。
○濱田(健)分科員 今おっしゃったとおりに、加入可能年数としたところに若干問題があって、当時もう少し詳しく、いろいろな調査とかどんなひずみが出てくるのかということなんかを勉強されて、加入可能月数というふうにしたらこういう問題は出なかったのかなというふうに思うわけですが、現在の状況でどうこう言うことはできないわけですが、これも、先ほどの基礎年金の部分等もひっくるめまして、問題提起として考えていただきたいというふうに思っております。 いずれにせよ、国民の皆さん方、制度としても中身としても細かいところまでなかなか理解し得ない、そういう部分がありますので、専門的な論議だけに終始することがないようにということをまずお願いしたいと思いますし、こういう制度というのは国民の幅広い支持の上で成り立っていくというふうに思います。やはり、国民の一人一人のこういう、私の選挙区なら選挙区にいる生活者、地域で地道に生活していらっしゃる皆さん方の声というものを、厚生行政というのは温かみのある行政ですから、先ほどの松下さんの話じゃないですけれども、より小さく拾ってもらって対応していただきたいというふうに思います。 この声は、障害を持っていて一生懸命働き生きていらっしゃる皆さん、そして今の生活費の中で、国民年金の掛金というのもそう小さなお金じゃないと思うのですね。そういう人たちの声ですので、絶対に変えられないんだということじゃなくて、世の中の動きにつれてこういう部分も変えていくという方向性というものを示していただく時期が来るようにしていただきたいというふうに思います。 三点目ですが、がらっと中身は変わるわけですけれども、弗素と虫歯予防の関係についてお尋ねをしたいと思うのです。 厚生省としては、この弗素の洗口や塗布が、虫歯予防について基本的にどのように効果があるのかないのか、あるとおっしゃると思うのですが、その辺の基本的な認識というものをまず教えていただきたいと思います。
○寺松政府委員 今先生の御指摘の虫歯とそれから弗素の関係でございます。 虫歯は、多くの原因がありましてなかなか難しいということでございますが、その予防方法といたしましては、いわゆる歯磨きでございますとか甘味の制限、それから弗素の洗口あるいは局所塗布、あるいは歯磨きの中に弗素の化合物を入れるというようなこと、そういうようなことによりまして予防しておるというのが一般的なのでございますけれども、WHOやあるいは口腔衛生学会あるいは日本歯科医師会というようなところでもそのように、公衆衛生的に見てあるいは集団として見て効果がある、こういうふうに御意見をまとめられておりまして、厚生省といたしましても、そういう弗素化合物等の使用が非常に有効だ、こういうふうに考えておるわけでございます。
○濱田(健)分科員 厚生省の施策としては全国的に弗素の洗口とか塗布、これらを具体的にこういう事業としてやっているよ、推進しているよ、こういうふうにして具体的に実効ある状況になっているよというような事例等がありましたら、教えていただきたいと思います。
○寺松政府委員 私ども、弗素洗口等の普及につきましていろいろと過去やってまいっております。 一つは、平成二年でございますけれども、「幼児期における歯科保健指導の手引きについて」ということで、厚生省の健康政策局長通知で都道府県知事あるいは保健所を設置する市長に発出いたしておりまして、そこで具体的に書いております。 二番目といたしましては、平成四年でございますけれども、歯科診療報酬点数表におきまして、歯科口腔衛生指導料について歯科衛生士が弗化物局所応用を行った際には加算するという制度を新設いたしました。このようなことで普及を図っておるわけでございます。 それからもう一つは、毎年でございますが、歯の衛生週間というのがちょうど今、六月四日から六月十日まで行われておるわけでございますが、「歯の衛生広報ノート」というのを毎年出しておりまして、それによりまして弗素化合物等の応用について知識の普及等を図っておるわけでございます。 ちょっと、これは厚生省自身がやりましたデータではございませんが、日本口腔衛生学会等が行いましたデータによりますと、弗素洗口は、平成二年の調査で、これを実施している施設数は九百八十八ございまして、実際に実施しております人数は約十五万人というわけでございます。昭和六十年、ですから五、六年前の話でございますが、これに比較しますと、三百五十二施設、約三万人がふえておるという状況でございます。弗素局所塗布につきましては、それを必要とする年齢と考えられておりますのが一歳から十四歳というようなことでございまして、その二〇%に普及しておる、こういうふうに言われておるわけでございます。 それからもう一つでございますが、虫歯の予防効果につきましていろいろとデータがあるわけでございますが、その中で、弗素洗口において新潟県が県内の実施児童を対象としました調査によりますと、就学前から継続して実施している場合には約四七%に虫歯が少ない、こういうような報告がなされておるところでございまして、私ども、効果があるのではないか、このように思っておるわけでございます。
○濱田(健)分科員 効果があるという説と、薬害といいますか、危険性もあるよという話が別な側から見るとあるのです。例えば、弗素経口投与によるマウスの奇形発生という実験の証明とか、発がん性があるというようなこと、妊娠中の女性が乱用するとダウン症児が生まれるとか、骨の障害、甲状腺の病気の発生、腎臓障害、それから酵素の障害といいますか、アルカリホスファターゼというのが上昇するとか、難聴になってしまう、または歯自体でいうと斑状歯が出てくるというような問題点等も一部では出されているのです。 この辺の事例というものはどうつかんでいらっしゃるのか、この辺をどう乗り越えていこうとしているのか、その辺の御見解を聞かせていただけないでしょうか。
○田中(健)政府委員 ただいま薬の関係の事例がいろいろございましたけれども、この弗素洗口それから弗素局所塗布に用いられます医療用の医薬品といたしましては、弗化ナトリウム溶液とその顆粒が承認をされておるところでございます。医薬品の承認に当たりましては、メーカーから効能効果、用法、用量等を臨床試験をいたしまして、そのデータに基づきまして安全性、有効性の審査をして、それで認可に当たりましては、その用法、用量で用いるということで認可をいたしてきているわけでございます。 それで、この医薬品の使用上の注意の欄には、副作用といたしまして過敏症状があらわれたとする報告があり、そのような場合には直ちに洗口または塗布を中止させる旨の記載がされておりますけれども、認可時点の用法、用量に従ってこの医薬品を用いたことで重篤な副作用があらわれたとする報告は、私どもとしては受けておりません。
○濱田(健)分科員 いろいろな資料としてはそういう危険性も出ているということで、もう一回お聞きしたいのですが、先ほど、九百八十八の自治体ですか、十五万人というのは。
○寺松政府委員 施設数でございます。県の数でいきますと、二十九県だと承知しております。
○濱田(健)分科員 あくまでもこれは、実施しているところは、個人として希望をしている人たちがやるのか、あるいは集団的にやろうとしているのか、その辺のことがおわかりでしたらちょっと教えてください。
○寺松政府委員 私どもが承知しておりますのは、父兄等にいろいろ説明をし、その希望に応じて塗布等をやっておるものでございます。
○濱田(健)分科員 文部省関係になってしまいますからもう言葉としては触れませんが、集団としてある町ならある町というか、個人の意思以外に集団としてこの弗素の洗口なり塗布をさせていくという方向性が仮にあるとすると、厚生省としてはその辺の見解はどうですか。
○寺松政府委員 私が先ほど申し上げましたように、強制的だとかあるいはそれを奨励するとかいうものではないと存じます。やはりいろいろと成果を見ますと、集団的にこういう弗化物等を使った場合に虫歯の数が少ないというデータがございますけれども、これは個々の人につきましてはそれぞれの方の選択に任せられるべきでございますから、やはりインフォームド・コンセントというのでしょうか、十分内容を説明した上で投与を受けたいという方にしていくべきではないかと考えております。
○濱田(健)分科員 ぜひ厚生省としても、進めていかれる立場と問題点等も一緒に並行させながら、国民の皆さん方には提起をしていただきたいというふうにお願いしておきたいと思います。 最後に、最初の二つの質問について、なかなか今の制度ではできないということでございましたけれども、大臣の締めの言葉としてぜひ温かみのある、いろいろな省庁の中で一番温かい、きめ細かな行政をされる厚生省としても、私が述べました国民の声をきめ細かに受けとめながらやっていただきたいということの決意といいますか、お願いしまして、最後の質問とさせていただきたいと思うのですが、大臣、ひとつよろしくお願いします。
○大内国務大臣 障害後の加算あるいは年金の問題について非常にきめの細かい御指摘を賜りまして、局長からお答え申し上げましたように、現行の制度ではなかなかその御要請にはこたえられないわけでございますが、平等、公正という見地から、御指摘のような点についてはなお勉強させていただく余地が十分あると思って拝聴させていただきました。
○濱田(健)分科員 どうもありがとうございました。 中身のない質問だったかもしれませんが、やはり私たち議員がきめ細かく声を聞いて施策に生かしていこうという決意も含めて質問をいたしましたので、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。
○土田主査 これにて濱田健一君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして厚生省所管についての質疑は終了いたしました。 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 分科員各位の御協力により、本分科会の議事を終了することができました。ここに厚くお礼を申し上げます。 これにて散会いたします。 午後九時十一分散会