予算委員会第五分科会 第1号
- 発言数
- 372 件
- 登壇者
- 45 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 1994/06/07
会議録
○鮫島主査 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査を務めることになりました。よろしくお願い申し上げます。 本分科会は、総理府所管中環境庁並びに農林水産省所管について審査を行うことになっております。 なお、各省庁所管事項の説明は、各省庁審査の冒頭に聴取いたします。 平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計予算及び平成六年度政府関係機関予算中総理府所管環境庁について、政府から説明を聴取いたします。浜四津国務大臣。
○浜四津国務大臣 平成六年度環境庁関係予算案について、その概要を御説明申し上げます。 まず予算の基礎となっております環境政策の基本的な考え方について御説明申し上げます。 今日環境問題は、我が国の内政及び外交において重要な政策課題となっております。とりわけ、地球の温暖化、オゾン層破壊などの地球環境問題は、人類の生存の基盤に深刻な影響を与える緊急かつ重要な問題であります。我が国は大規模な経済活動を営み、地球環境に大きなかかわりを持つとともに、環境の保全に関するさまざまな経験と技術を有しておりますが、こうした経験や技術を生かし、国際的地位にふさわしい役割を率先して果たしていかなければなりません。 また、国内に目を向ければ、大都市地域における窒素酸化物などによる大気汚染や生活排水による水質汚濁などの都市・生活型公害の改善のおくれ、廃棄物の増加、さらに科学技術の進歩に伴う新たな環境汚染のおそれ、身近な自然の減少、自然との触れ合いを求める国民のニーズの高まりへの対応などの課題も山積しております。 これらの問題の多くは、我々の社会経済活動の拡大に起因しており、日常の企業活動や国民一人一人の生活のあり方そのものを問うものとなっております。 前国会において成立させていただいた環境基本法は、これらの課題に適切に対応し、地球環境時代にふさわしい新たな環境政策を総合的に展開する上での基本となる理念や施策の方向性を示すものであり、さらに環境政策を展開していく上での大きな礎となるものであります。環境基本法においては、環境保全の基本理念として、現在及び将来の世代が恵み豊かな環境の恵沢を享受できるよう、政府と国民が一体となってこれまでの経済社会システムや行動様式を見直し、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を構築するとともに、我が国の世界への貢献の重要な柱として、国際的協調のもとに地球環境の保全に積極的に取り組んでいくことが示されております。 環境基本法の制定を受け、そこに盛り込まれたこうした理念やそれに基づく施策を着実に実現していくことが今まさに求められており、本年を環境基本法に基づく新たな環境政策の展開のためのステップとなるべき年として、これに積極的に取り組んでいかなければならないと考えております。 このような認識に立って、次に掲げる施策について重点的に取り組むこととしております。 第一は、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会の構築に向けての新たな取り組みの展開であります。第二は、地球環境の保全の推進であります。第三は、自然環境の保全と適正な利用の推進であります。第四は、大気、水、土壌環境などの保全の推進であります。第五は、環境保健施策の推進であります。第六は、環境研究の推進であります。 平成六年度総理府所管一般会計歳出予算要求額のうち、以上のような基本的考え方のもとに計上した環境庁予算要求額は、六百七十三億千七百万円であり、これを前年度の当初予算額六百三十六億七千三百万円と比較すると、三十六億四千四百万円、五・七%の増額となっております。 予算要求額の主要な項目につきましては、お手元にお配りしてある資料のとおりでありますが、委員各位のお許しを得まして、説明を省略させていただきたいと存じます。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
○鮫島主査 この際、お諮りいたします。 ただいま浜四津国務大臣から申し出がありました環境庁関係予算の主要項目の説明につきましては、これを省略して、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鮫島主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 〔浜四津国務大臣の説明を省略した部分〕 予算要求額の主要な項目について、御説明申し上げます。 第一に、環境保全の企画調整等については、昨年十一月に成立した「環境基本法」の枠組みの下に、「環境基本計画」の策定をはじめ、環境影響評価制度特別総合調査の実施、環境保全のための経済的手法の検討、環境教育・環境学習の促進等環境政策の新たな展開に向けた取組を積極的に推進するとともに、気候変動枠組み条約を踏まえた総合的な地球温暖化防止対策の推進、開発途上国の環境問題への取組に対する支援、アジア太平洋地域における持続可能な開発に向けた長期展望の策定等地球環境問題への取組を積極的に推進することとし、これらに必要な経費として二十億五千百万円を計上しております。 第二に、公害による健康被害者の救済等については、水俣病問題の早期解決を図るため平成四年度より実施している水俣病総合対策を充実するほか、従来に引き続き、公害健康被害補償制度の適正かつ円滑な実施を図るとともに、公害健康被害補償予防協会に設けられている基金により行う健康被害予防事業や環境保健に関する各種調査・研究を推進することとし、これらに必要な経費として二百二十九億千五百万円を計上しております。 第三に、大気汚染等の防止については、「自動車から排出される窒素酸化物の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」に基づく大都市地域の窒素酸化物対策の推進をはじめ、オゾン層保護対策、浮遊粒子状物質対策、未規制大気汚染物質対策等の推進を図ることとしております。 また、騒音、振動及び悪臭対策についても、引き続き推進を図ることとし、これらに必要な経費として十二億九千四百万円を計上しております。 第四に、水質汚濁の防止については、本年二月に成立した「特定水道利水障害の防止のための水道水源水域の水質の保全に関する特別措置法」に基づき所要の対策を推進するとともに、生活排水対策、海域における富栄養化対策及び水質総量規制、湖沼水質の保全並びに地下水質の保全等の対策を推進するための経費として十二億八千七百万円を計上しております。 このほか、地盤沈下防止及び廃棄物対策費として一億九千百万円、土壌汚染防止及び農薬対策費として二億三千五百万円をそれぞれ計上しております。 第五に、環境事業団については、建設譲渡事業及び融資事業等を引き続き推進するほか、地球環境保全に取り組む民間団体の活動を支援するため平成五年度に創設された「地球環境基金」事業の拡充を図ることとし、同事業団の事業に対する助成等に必要な経費として六十億四千七百万円を計上しております。 第六に、公害監視等設備の整備については、地方公共団体の監視測定体制等の整備を助成するために必要な経費として八億二千九百万円を計上し ております。 第七に、環境保全に関する調査研究の推進のための経費については、総額五十九億千五百万円を計上しております。 この内訳としては、まず、国立試験研究機関等の公害防止等試験研究費として十九億千八百万円を環境庁において一括計上するとともに、環境保全総合調査研究促進調整費として一億九百万円を計上し、関係省庁が所管する各種の環境保全に関する調査研究の総合的調整を行うほか、地球環境研究総合推進費として二十三億円を計上し、関係省庁の所管する国立試験研究機関等が行う各種の地球環境保全に関する調査研究の総合的推進を図ることとしております。 また、公害防止等調査研究費として十五億八千八百万円を計上し、地球観測衛星アデオス及びアデオスⅡに搭載する成層圏オゾン等の観測機器の開発、環境汚染による健康影響の解明、その他大気汚染、水質汚濁、自然保護等に関する各種調査研究を進めることとしております。 第八に、自然環境の保全と適正な利用の推進について申し上げます。 まず、自然環境の保全対策及び野生生物の保護対策については、生物多様性条約を踏まえ、生物多様性の保全を総合的に推進するため、生物多様性調査をはじめとする調査研究を拡充するほか、絶滅のおそれのある野生動植物について、保護増殖対策の強化及び国立公園管理事務所の改組による現地管理体制の整備を図るとともに、国設鳥獣保護区の管理強化等を推進することとしており、これらに、自然公園等の維持管理等に必要な経費を合わせ、十七億七千八百万円を計上しております。 次に、自然公園等の整備事業については、国民が快適で安全に自然とふれあうことができる場として、国立・国定公園における自然体験滞在拠点をはじめ、自然教育のための自然環境保全活動拠点、長距離自然歩道、国民保養温泉地等の整備を推進するほか、国民公園の整備を図ることとし、これらの整備に必要な経費について、平成六年度より公共事業関係費として位置付け、八十九億四千八百万円を計上しております。 第九に、環境保全施設の整備については、野生生物保護管理施設等整備、酸性雨測定所施設整備及び生活排水対策重点地域内における水質保全施設整備助成に必要な経費として七億二千八百万円を計上しております。 第十に、環境庁研究所については、国立環境研究所において、地球環境問題をはじめ環境全般にわたる研究を積極的に推進するとともに、研究所施設の整備を図るために必要な経費として六十九億八千三百万円を計上し、また、国立水俣病研究センターの運営等に必要な経費として四億八千八百万円を計上しております。 以上、平成六年度環境庁関係予算案の概要につきまして御説明申し上げました。 何とぞ、本予算案の成立につきましては、格別の御協力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。 ―――――――――――――
○鮫島主査 以上をもちまして総理府所管中環境庁についての説明は終わりました。 ―――――――――――――
○鮫島主査 質疑に入るに先立ちまして、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。 また、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔、明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。白沢三郎君。
○白沢分科員 白沢三郎でございます。 環境行政等々のあり方について幾つか御質問を申し上げたいところでありますけれども、何せ今委員長さんからもお話がございましたように、実は大変時間が限られております。そういうことで、総体的、しかもアバウトに長官の御意見あるいは環境庁の御意向をお聞きしたい、こう思っておるところであります。 きのうもずっと夜中まで白書等々いろいろ見せていただいたのですが、環境行政は大変に難しい、しかも幅が広くて、至るところにいろいろな問題があるわけです。それで、おとといの朝日新聞にも大学教授の話が実は出ておった。あるいは砂漠の問題までこれは環境庁に影響する、こういうことでして、恐らく一番難しい問題が、いろいろな省庁分野に問題があると思うのですけれども、過去、昔からあるいは戦後、環境庁はずっといろいろな問題を抱えて今日まで来たわけでありますので、そういう意味では、長官のこれからの責任が大変重くて、しかもまた国民が一番大きく期待をしている役所である、こういうことで、ぜひとも頑張っていただきたいと思っておるところであります。 環境行政全般にわたる前に、実は私は新潟出身であります。そんなことでして、地元に帰ったときに、地元の新聞、新潟日報でありますが、「佐渡でハネムーン 新婚トキ」こういう見出しがありました。それで、「9月にも中国が貸し出し 二世誕生に期待」こういうことでして、新潟県民はおろか、佐渡の人はもちろんでありますけれども、それと環境庁から派遣をされておった近辻さん、この人は保護センター、私も県議会出身でありますから実は二、三回行っておりますが、この人が大変に熱心に、しかも自分の生涯をトキに捧げる、こういう姿勢で取り組んでおって、大変感銘を受けたことがあるのです。 そういう中で、過去、空にトキが飛んでおった。そして、絶滅するということで網で捕獲しまして、それでもだめ、そういうことで今度中国に貸して、それでもまだだめ。年になっているものですから能力がないということだったのでしょう。それで、我々新潟県民、もちろん環境庁もそうでしょうけれども、中国に四十数羽いる保護鳥のトキ、あとは一体世界のどこにいるんだ、こういうことで、あとは佐渡、こういう三カ所、こうだろうと思っておるのですけれども、我々は佐渡の空にトキ色をしたトキが一日も早く舞っていただきたい、こういう要望をしておるところであります。 それで、新聞等によりますと、お聞きしますと、中国から偉い人がきょう来る。きのう来たのですか、徐有芳さんだそうでありますけれども、これは大臣だそうですね。今夕、長官がお会いしてトキのことでお話をする、こういう見出しでありますが、これは外交上もありますし、今こういう場で言いにくいこともあるでしょうし、また今発言をして、外務省あるいはほかの中国との約束等々もありますから、私はこれ以上のお答えは結構でありますけれども、ぜひともきょうお話をされたときに、我々国民の熱意を向こうの方にお伝えを申し上げて、そして日本が若い夫婦を佐渡でお借りできるように心から御期待を申し上げたい。ぜひともよろしくお願いを申し上げる次第であります。 次に、時間もございませんから、環境行政全般についてお話をお聞きしたい。 今日の環境行政のあり方については、これは実はいろいろな問題がありますけれども、地球環境問題を初めとして今日の環境問題を解決するには、まず何といっても、一昨年ブラジルで開催をされて合意をなされた地球サミットだろうと思っているんです。この実現に向けて世界が努力をすることが環境問題を克服する大きな課題になっておると思っているのです。 それで、我が国でも去年十一月、長官が先ほどお話しなされたとおり、環境基本法が成立をされて、いち早くその組織体制を整備しつつあろうと思っておるのです。しかし、それはこれからのスタートでして、これから果たしてどういうふうにするのか、こういう具体的な取り組みというのは全く緒についたばかりでして、これからだろうと 思っております。 そういう意味では、大臣の活躍が正念場である、こう思っていますが、そんな中で環境庁が果たす役割は、これは国民から見ても、あるいは環境行政から見ても大きな責任があるわけでして、それを遂行するためには、特に大臣を初め省庁の皆さん方の強力なリーダーシップ、これがぜひとも欠かせない要件であろう、こう思っております。 そこで、幾つか御質問をしたいのですが、現在政府部内で環境基本計画の策定作業が進んでいる、こういうことでありますが、この策定作業というものは、先ほど私が申したとおりこれからの環境行政にとって一番大きな問題、課題、そして重要な計画であろう、こう思っておるのです。 そこで、その意味からして、この策定作業に当たっては、環境庁のみならず恐らくいろいろな方から御意見を聞いて、いろいろな角度からも研究をなされて幅広くやっておると思いますが、ぜひともこれはさまざまな方の御意見をよく聞いていただいて、そしてその人たちの意向も反映されるようにすべきである、私はこう考えておるのですが、環境庁の御意見をまずお聞きしたい。 同時にまた、計画を実行しなければならないわけでありますが、とかく絵にかいたもちになるような傾向がなきにしもあらず。過去、環境庁ではないんですが、ほかの省庁等々にしても、そういうことがないようにぜひともお願いしたい。そのためには、先ほど来再三申し上げているとおり、環境庁が大臣を初め強力なリーダーシップでこれを遂行していただきたい。こういうことで、長官の決意あるいは考え方をお伺いしたいと思っております。
○浜四津国務大臣 白沢先生、励ましのお言葉、大変ありがとうございます。 また、先生の地元のトキの保護また繁殖につきまして御尽力いただきまして、大変ありがとうございます。 ただいまの環境基本計画についての御質問でございますが、昨年十一月に制定されました環境基本法が目指します、健全で恵み豊かな環境を維持しつつ、環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会を築くための各般の環境政策を総合的、計画的に推進していく上で、先生おっしゃいますように、環境計画というのは非常に重要なものというふうに考えております。 この環境基本計画につきましては、現在中央環境審議会におきまして、各界の御意見をいただきながら鋭意御審議を進めていただいているところであります。環境政策を総合的、計画的に推進していくことができるような全体像をお示しいただけるものと期待しております。 環境庁といたしましても、関係省庁と連携をとりながら、実効性ある計画の策定に努力してまいりたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○白沢分科員 次にお伺いをしたいのですが、環境教育、環境学習の推進についてお伺いをしたい。 環境基本法において示されているように、今日の環境問題の解決のためには、あらゆる主体の積極的な参加と行動が何よりも重要である、こう書いてあります。また、これまでのライフスタイルを見直して、環境に優しいものへ変えていくためには、あらゆる世代に対して教育学習の機会が提供されるべきである、こう書いてあると実は思うのです。 今までにも環境庁がいろいろなことで、例えば自然に親しむ運動であるとか川をきれいにする市民団体とかごみをみんなで拾おうとか、各自治体あるいは各グループがいろいろなことをやって啓発あるいは普及に相努めてきたと思っております。このごみの問題も実はいろいろな問題がございまして、かつては消費は美徳である、こういう時代があったのですが、今そんなことを言ったら大変なことになってしまう。こういうことも環境庁が幾ら声を大にしても、これはなかなか実現が難しいものです。 そういうことで、いろいろなことをやってこられたとは思うのですが、まだまだこれからの二十一世紀に向かっては大変なことだろう。特に若い子供さんたちは、我々でもそうでありますが、物を大切にするというのは実は余り教わらなかった。昔でありますと、私たちのおふくろなんかも、米は余ったら残して明くる日食べるんだ、こういうことですが、今の若い人なんてそんなことを言ったら、ばかじゃないか、言葉は大変乱暴でありますけれども、そういう物の考え方が随分と変わってきた。 ですから、環境庁もいろいろ努力をされてきたと思うのですが、やはりこの基本法の制定を機会に、さらに抜本的にこれに取り組む必要があるんだろう、私はこういうことを痛感しておるわけでありますが、その環境庁の考え方あるいは取り組みについてお伺いをしたいと思っております。
○森政府委員 環境教育あるいは環境学習ということが極めて重要であることは、ただいまお話しのとおりでございます。 これを進めていく進め方はいろいろな手法があるわけでございます。先ほどお話しのように、先生、白書をきのうお読みいただいたということでございます。実はその中で、ことしの白書の特色は、環境教育的なもの、すなわち市民団体の取り組みあるいは企業の内部努力、そういったものもあえて取り上げております。それをもう一つわかりやすくしようということで、ことし初めての試みとして「マンガで見る環境白書」というようなものもつくって、小中学生をターゲットにして、それを手にした子供たちを守る父兄にもそのものが行くようにというような知恵も出してみたところでございます。 これは一つの知恵でございますが、私どももこれまで教育学習、こういうものの必要性から、関係省庁の連携はもちろんのこと、我々ができるだけのことをやり続けてまいったつもりでございます。 これからもさらに、国民すべてが環境保全ということに向けて進んでいかなければならない今の状況でございます。なお一層努力を続けてまいりたいと思います。
○白沢分科員 時間がございませんから、次に進みます。 この環境問題というのは、これは大変難しい問題でして、国民一人一人あるいはまた企業、事業体、こういうものもまた考えなければならない。これは国内的な問題でありますし、それから国際的にも、あるいは地球環境上の問題も考えなければならない、こういうことで本当に範囲が広いわけであります。 今私がお聞きをしたのは国民に対してで、今度は企業に対してどういう姿勢であるか、こういうことをお聞きしたいのですが、ことしの白書でも取り上げられたように、最近は企業において環境保全の自主的な取り組みが積極的に行われておりと、こう書いてございます。 海外でもこれらの取り組みに関するルールづくりをするために、国際標準化機構、ISOというのだそうでありますが、こういうことで国際標準の策定作業等々のために環境監査等の論議が活発に行われている、こう書いてございます。これに関して、環境庁のこれからの動きに対して、私は積極的に関与していくべきである、こう思っておるのですが、これらの点についてお伺いをしたいと思っております。
○森政府委員 企業に環境に優しい行動をとっていただくというのが大変大事な問題でございます。これまで私どもも、環境に優しい企業行動ということについて調査をいたしました。必ずしも満足のいく状況ではございません。私どもは、さらにその企業の行動指針といったようなものもつくって、企業にいろいろな行動を促していきたいと思っております。 一方、国際的には、ただいまお話にございました国際標準化機構、ISOというところで、企業自体が内部で環境に関し監査システムをつくり上げる、こういうような動きが強まってまいってお ります。企業御自身も既にこのISOの動きに連動するかのごとく内部で検討が進められておりますが、私どももそのISOの会合に積極的に参加をすると同時に、そこで得られました情報を国内に流し、企業にも関心を持ってもらい、一つの方向に向かって努力をしてまいりたいと思っております。
○白沢分科員 ありがとうございました。 今度は、次に進みまして、この事業等々あるいは世界の機構等々についてお聞きをしたのですが、こういうことを促進する等で環境への負担の低減を図っていくこと、これはもちろん必要なことは言うまでもないわけであります。 最近、心の豊かさを求めるとかあるいは実感をする、こういうような環境の整備、例えば川の水辺であるとか公園であるとか、あるいは自然公園、都市公園、いろいろあるわけでありますけれども、こういうところに浸って、そして余暇を活用して、そして生きているんだなという実感を味わいたい、こういうことに実はなっておるのだろうと思っているのです。近年においては、やはりこれらの国民のニーズにこたえるのも環境庁の大きな仕事であろう、こう実は思っておるのです。 私も建設委員会に属しておるのですが、今までは、国立公園などのすぐれた自然を有する公園であっても、例えば災害等になってもこれは公共事業に認定をされていなかった。都市公園等々においては公共事業のはずでありますが、この国立公園等々においては整備事業費なんかで一生懸命やっておるものですから、なかなか思うように整備されていない、これが実態であったのだろうと思っておるのです。 そういう意味で、今年度の予算、たしか相当ふえておるのですが、自然公園の整備事業も公共事業に位置づけておく、こういうことになったことは大変うれしいことであって、またありがたいことだったな、こう思っておるのです。 しかし、自然との触れ合いの場の整備にはまだまだ十分とは言えない。私は不十分だろうと思っておるのです。今後、これから心の豊かさを実感するような、あるいは生きがいを感ずるような、そしてストレス解消するような近郊の公園あるいは自然の場所、これらを整備して国民のニーズにこたえるためには、相当やはり努力をしていただかなければならない、実はこう思っているのです。それが環境庁にとっても大きな仕事であって役割である。大変重要なことだろうと思っているのですが、この件について環境庁の見解をお聞きをしたい、こう思っております。
○奥村政府委員 先生御指摘のように、都市化の進展とか国民の余暇時間の増大等に伴いまして、自然との触れ合いを求めるニーズというのは急速に高まっておるわけでございます。こうした事情を背景に、本年度の予算から、私どもが行っております自然公園等の整備事業についても新たに公共事業関係費として位置づけられ、予算の増加が図られているところでございます。 環境基本法におきましても、先生御指摘のような身近な自然、あるいは貴重な自然も当然でありますが、そうした多様な自然環境の保全が重要であること、また、自然と人との豊かな触れ合いを推進することが環境政策の指針としてうたわれているところでございます。 私ども環境庁としては、これまで自然公園における野営場やビジターセンターの整備、それから身近な自然環境の地域において、とんぼの里のようなふるさといきものふれあいの里、こういったものを整備してきているところでございます。今後とも、公共事業に位置づけられたことを一つの契機として、さらにその推進を図ってまいりたいと考えております。
○白沢分科員 以上、国内問題は大体アバウトでありますが、今度は国際的な地球環境問題であります。この分野でも大変多くの問題が残っておることはもう御案内のとおりであります。 まず、オゾン層の保護について、これをお伺いをしたいと思っております。 先ごろ発表された環境白書においては、オゾン層の破壊が確実に進行している、こう報告をされております。こういうことを考えてみますと、かつてオゾン層の保護対策については、六十三年に国内法が成立して、地球環境問題の中では、日本は比較的早くからこの対策を進めてきた分野であろう、私は実はこう思っているのですが、この白書を見てもおわかりのとおり、では六十三年以後、日本は早くこの手を打ってきたけれども、今までの努力、成果が、結果でありますけれども、余り上がっていなかったのではないか、こう言わざるを得ないような実は内容であるのですが、環境庁としてこの問題をどう認識をしておって、そして今後どのように取り組んでいくのか、これをお伺いをしたいと思っております。
○松田(朗)政府委員 お答えいたします。 先生御指摘のオゾン層の破壊につきましては、世界的に見ますと、南極の上空におきまして五年連続して大規模なオゾンホールが確認されているというようなこともございますし、その対策が非常に重要であると考えておるわけでございます。 先生御指摘のように、オゾン層の保護につきましては、世界の国際会議、モントリオール議定書というものに基づきましていろいろな規制措置が講じられておりまして、日本も国内におきまして、特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律というもの、これはいわゆるオゾン層の保護法と言っておりますが、これに基づきまして、世界の取り決めと同じように今まで四物質のものを規制してまいりました。それで、かつて十六万トンぐらいの生産量がもう六万トン以下に減ってきておりまして、着実に国内での生産量は減っているということでございます。 さらにそれに加えまして、一昨年さらに三つの物質を生産規制するという取り決めがなされましたので、それを受けまして、今国会で法律を改正すべく現在御審議をいただいておるところでございます。こういうことによりまして、新しく生産されるオゾンの破壊物質については、着実に減少していくだろうと思っております。 ただし、既に生産されているものがいろいろな冷媒として使われております。これがやはり問題だというふうに考えておりまして、私どもはこの使用済みのフロンの回収、しかもそれを使えるものは再利用しますが、どうしても再利用できないものは破壊する。ここのところが重要な問題だと考えております。したがいまして、地方自治体と協力いたしまして、フロンを回収するモデル、社会的なシステムを構築しようということで、昨年度から環境庁におきましてもモデル事業に要する予算を要求しておりまして、いろいろなケースを研究しているところでございます。 それに加えまして、ことしの四月でございますが、そういういろいろな事例を踏まえまして新たな社会的な仕組みを構築するためには、関係省庁の協力、自治体の協力が必要でございますので、政府部内にオゾン層保護対策推進会議というものを設置いたしまして、検討を進めてきているところでございます。 以上のような体制によりまして、今後とも関係省庁と連携を密にして、オゾン層保護対策を推進してまいりたいと思っております。
○白沢分科員 ぜひとも御努力を願いたいと思っております。 それでは、時間ももうあれでありますが、地球温暖化対策についてお伺いをしたいと思います。 二酸化炭素の排出というものは、火をつけても、車あるいはボイラーでも至るところにいろいろな問題が出ているわけでありますので、大変な問題でございます。そういうことで、我々の日常生活や一般の事業活動等に実は密接に関係しておるわけでありまして、これをなくすることはほとんど不可能なのでしょうけれども、削減をするということでありますが、あらゆる場面で二酸化炭素を削減しようとするインセンティブが働く仕組みを何とか考えなければならないのだろう、実は こう思っているのです。 そこで、まず経済的な手法として、例えばの話でありますが、環境税だとかいう話もちらちら出ておるようでありますけれども、世界各国においてあるいは国際機関の動向においてこれはどうなっておるのか、こういうことが第一点。 次に、そういう状況を踏まえて、環境庁としてこの問題にどう取り組まれるおつもりなのか、こういうことの所見をお伺いをしたいと思っております。
○森政府委員 ただいまお話しの経済的手法、これはいろいろな形のものがあるわけでございます。 一つは、税あるいはデポジットシステムあるいは資金援助をするというような形態、さらに、ちょっと日本ではなじみが少ないわけでありますが、売買可能な排出権、煙突から煙が出るのを権利として売買することができるという仕組みでございますが、こういうようなものもOECDでは経済的手法と言っております。そのうちの一つに今お話がございました税も含まれているということであります。 この手法につきましては、これまでの公害に関する規制的手法に加えて、経済的なインセンティブを与えることによって一定方向へ誘導していこうということでありまして、OECDあるいはG7、サミットでもこれまで三回にわたって議論が行われております。こういうことで、国際的動向としてはこの経済的手法の導入という方向に向いてきております。 我が国では、これまでもいろいろな形で検討を進めてまいりました。今回の環境基本法の中でも明確にその位置づけをいたしているわけでございますが、国民に負担を課するというような形でございますので、具体的な導入に当たりましては、その効果等に関する調査研究を行って、国民の理解と協力を得るという形をとっております。 今後、内外の研究成果あるいは国際的動向、国内におきます政策の動向などを参考にしまして、環境改善効果、さらに我が国の経済に与える影響等につきまして引き続き研究を深めてまいりたいと考えております。
○白沢分科員 以上、時間でありますのでやめさせてもらいますが、今長官あるいは環境庁から、基本的な考え方あるいは取り組みについて大ざっぱでありますが、いろいろとお伺いをしたのですが、いずれにしましても、これを実行するためには環境庁が相当なリーダーシップを発揮していただく、もちろん長官初め庁の皆さん方、これが一番大切なことなのだろうと思っております。また一方では、環境保全については、我が国としても世界に対してこれまた貢献できる分野も相当あるのだろう。世界に対してもリーダーシップをぜひとも発揮していただきたい、こういう御決意を長官からお伺いをしたい。 それとまた、補足でありますが、きょうの夕方の会談、成功させていただきたいと思っております。トキはとにかく世界で一番美しい鳥だと言われておりますし、大臣も今一番美人の大臣だ、こう世間で言われておるわけでありますので、美人の大臣と一番美しいトキが面会をしていただいてということであれば、これは我々新潟県にとっても大変ありがたい。 また、現地で本当に冬寒い中あるいは春夏秋冬、朝昼晩休むことなくトキを監視しておられる環境庁の職員、あるいは村の人たちも全部そうでありますが、そういう人たちに長官からぜひとも慰労の言葉をかけていただきたい。政局もごたごたしておりますが、落ちつくのだろうと思っておりますから、そういうものが一段落をしたらぜひとも佐渡に一度足をお運び願えれば大変ありがたい、こういう気持ちを込めて、先ほどの決意もお聞きをして私の質問を終わりたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○浜四津国務大臣 先生を初めといたしまして、新潟県の皆様また関係者の方々の努力が実を結びますよう、環境庁といたしましても、また私も最大限努力をさせていただきたいと考えております。 また、先ほどお話がありました地球環境問題、私たち人類の生存にかかわる大変重要な問題でございますので、政府一体となってこれを内政、外交上の最重要課題の一つとして取り組ませていただきたいと思っております。 日本はこれまで大規模な経済活動を営みまして、その分野で地球環境に大変大きなかかわりを持ってまいりました。それと同時に、地球環境保全の分野で多くの経験、そしてまた技術を持っておりますので、こうした地球環境保全に積極的に取り組んでいくことが重要だというふうに考えております。また、日本だけではとても解決できるものではございませんので、世界の国々と力を合わせながら取り組ませていただきたい、こう思っております。 こうした観点から、私としましては、日本が環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を構築するとともに、また、国際社会において占める地位に応じて、地球環境保全について国際的なリーダーシップをぜひとらせていただきたいと考えております。
○白沢分科員 以上で終わります。ありがとうございました。
○鮫島主査 これにて白沢三郎君の質疑は終了いたしました。 次に、福留泰蔵君。
○福留分科員 公明党の福留泰蔵でございます。 本日は、この第五分科会で質問をさせていただく機会を得ましたことをまず御礼申し上げたいと思います。また、浜四津長官におかれましては、このたびの大変厳しい状況の中での大臣の御就任、大変に御苦労が多いかと思いますけれども、数多くの皆さんが大変な期待をなさっておりますし、また喜んでいらっしゃいますので、どうかその期待にこたえて頑張っていただけるよう、まず冒頭をもってお祝いを申し上げたいと思います。 きょうは、私は、この分科会におきまして、大都市圏の中における緑地空間の今後のあり方ということで質問をさせていただきたいと思います。 大都市圏の緑地空間といっても漠然としたものがありますので、きょうは具体例を通しながら質問させていただきたいと思うわけでございます。 実は先週の土曜日でありますけれども、NHKテレビの「小さな旅」という番組で、見沼田んぼのことが取り上げられておりました。ごらんになったかどうかわかりませんけれども、私も見ましたけれども、大変美しい自然が残っております。 実を申し上げますと、私はその近くに住んでおりますので前から知っていたのですけれども、この見沼田んぼというのは都心部から二十キロから三十キロの距離に位置している地域でございます。埼玉県の川口市、浦和市、大宮市の三市にまたがっておりまして、南北は十四キロ、外周は約四十四キロに及びまして、つまり二十キロから三十キロというと、神奈川の方へ伸ばしてみますと川崎から横浜の間に入る範囲でございます。この地域に千二百五十七ヘクタールの田んぼが残っている。豊島区とほぼ同じ面積の田んぼというか緑地が残っている地域でございます。 田んぼといいましても、最近は田んぼは減少しておりまして畑地が多くなっているようでございまして、主に花卉栽培、また野菜等の生産が行われている現状であります。また、農地のほか公園、グラウンド等の公共用地などにもなっているのですが、この見沼田んぼを囲む斜面林と見沼田んぼの中央部を流れます芝川流域というのは、非常に貴重な自然資産を形成しております。テレビを見ていてもきれいなところをよく撮っているなと思ったのですけれども、大変すばらしい空間でありまして、都心部から二十キロちょっと行ったところにこういう自然空間が残っているということは、私は大変すばらしいことだろうと思います。 この見沼田んぼというのは、実は昭和三十三年九月に狩野川台風というのが来まして、この狩野川台風が来ましたときに見沼田んぼの中央を流れています芝川がはんらんしまして、下流域の川口市の約三万戸の家屋が浸水の被害に遭いました。この狩野川台風の後、治水対策という面から、たしか昭和四十年に見沼田圃農地転用方針の三原則というものが決められ、またその後、昭和四十四年にその三原則の補足というものが打ち出されました。そして、以後約三十年間にわたりまして行政指導による土地利用についての規制がかけられてきたわけです。この三原則があったがゆえに、大都市圏内のこの地域にこんな広大な緑地空間が残っているという状況でございます。 しかし、今ここへ来まして、都市生活者としてはこういうふうな地域にこういう緑地空間が残っているということは非常にありがたいことですし、貴重な財産だという視点があろうかと思いますけれども、片やその三原則の規制の中で生活していらっしゃるというか、見沼にお住まいの地権者の皆様にとってみれば、地権者の方々の犠牲の上に緑地空間が保存されているというような現状がありまして、この三原則について今後どうするべきか。 つまり、この環境をこのまま保全していくのかどうか、あるいは地権者の権利というものを考慮して開発の方にいくのかどうか、今そういう選択のときに差しかかっているのではないだろうか、私はそう思っているわけで、これは地元の埼玉県におきましても、協議会を通して今盛んに協議をされているところでございます。 今申し上げましたとおり、この見沼田んぼ問題というのは、見沼という地域の問題でありますけれども、実はそこにある大都市圏内における環境保全というのをいかにすべきかという問題、それからあわせて下流の川口市に対する治水対策上の問題、そしてさらに都市近郊の農業のあり方の問題、さまざまな要素が実はここに複雑に絡み合っているわけであります。環境行政というのは、大変にそういう複雑な絡み合っている要素がたくさんあるかと思いますけれども、またその一つの例ではなかろうかと私は思います。 ただその中で、共通の皆さんの思いというのは、首都圏の中におけるこういう貴重な自然というものは、やはり共有財産としてできるだけ残していきたいという思いはあろうかと思います。 そこで、こういうふうな面について複合的、複眼的な対策というものを今後講じていく必要があるのではないか。ケニアのことわざで、これはもうよく御存じでありますけれども、地球を大事にしなさい、それは祖先から与えられたものではなく、子孫から預かったものだからというふうなことわざがありますけれども、自然環境というものは祖先からもらったものだから、自分たちの勝手にしてよいというのではなくして、地球環境の将来を見据えて、大事にしながら、よりよい状態で次の世代に引き継いでいくという責任が私たちにはあろうかと思います。 そういう点から、環境行政には長期的な視点が求められると思うわけでございますけれども、現在の環境行政全般を含めて、この見沼田んぼの問題について環境庁長官の御認識を伺いたい。そして、もし現地に行かれたことがないようでしたら、一度現地の御視察をぜひお願いしたいと思うのです。どうぞよろしく。
○浜四津国務大臣 福留先生、大変温かい励ましをありがとうございます。任期をいただいている間、全力で環境行政の前進のために尽くさせていただきたいと考えております。 今お話のありました見沼田んぼでございますが、先生の地元、埼玉の大宮市、浦和市、川口市、この三市にわたって広がっております見沼田んぼ、首都圏に大規模に残されました身近な美しい自然環境として、都市住民にとっても大変貴重な財産であるというふうに認識しております。 この見沼田んぼの保全の方策につきましては、これまで先生を初め地元の皆様方、御尽力されてこられたわけですけれども、現在、埼玉県の土地利用協議会において鋭意検討中でございます。その結論が得られて、また関係者の御協力を得まして、この見沼田んぼ、適切な保全が図られることが大変重要だというふうに考えております。機会がありましたらぜひ現場を見させていただきたいというふうに思っております。ありがとうございます。
○福留分科員 大変ありがとうございます。できるだけ早い機会に御視察をいただければと思います。 今長官の方からもお話ありましたとおり、埼玉県では大宮、浦和、川口という関係三市と地権者、それから自然保護団体、学識経験者等で構成します見沼田んぼの土地利用協議会というものが設置されておりまして、種々の検討を重ねているところでございます。 平成五年の四月には土地利用基本方針を発表しておりまして、その基本方針の中に、見沼田んぼは首都近郊の大規模緑地空間として治水機能を保持しつつ、農地、公園、緑地として土地利用を図るという形になっているところでございます。今後、この基本方針に沿って、見沼田んぼについて種々の施策がなされていくと思いますけれども、この問題は、先ほどから実は何度も強調しておりますけれども、一つの市や県の問題ではないということを私は強調したいのであります。公有地化というのがこれから必要になっていくのではないかとも思いますし、また良好な自然空間の保全にしても、県や関係市の努力だけでは、やはりそこには限界があるのではないか。 それから、先ほども申し上げましたとおり、ここの見沼田んぼという問題については、環境保全という問題、治水対策という問題、農業対策等々の問題があります。ですから、これに関係する省庁につきましても、環境庁、建設省、農水省、自治省、国土庁といった多くの省庁にまたがる問題を内包しているわけでございます。 そこで、提案でございますけれども、このような貴重な緑地空間の保全という大命題を根底に置きまして、今後公有地化を進める、そして自然系の公園として残す方向で、ぜひとも環境庁さんが音頭をとっていただいて、各関係省庁に呼びかけて、見沼田んぼの総合的な環境保全のための施策をつくり上げるべきだと思いますけれども、環境庁の御見解をお伺いしたいと思います。
○奥村政府委員 先ほど大臣から御答弁がございましたように、見沼田んぼは首都圏に残された大変貴重な自然環境だというふうに私どもも理解しております。現在、埼玉県において土地利用協議会が開かれ、そこで各般の専門家から成る方々が鋭意検討されているところでございます。 国としてどのような協力ができるかにつきましては、埼玉県の土地利用協議会の検討の進展を見きわめることが重要であると考えておりますが、先生御指摘のように、環境庁として、そうした状況の中で、必要があれば、関係省庁にわたる事項について適切に関係省庁と連携を図ってまいりたいというふうに考えております。
○福留分科員 ぜひとも主体的にこの問題について取り組んでいっていただきたい、重ねて御要望申し上げます。 実はもう一つ、先ほども申し上げていますけれども、この見沼田んぼの良好な自然環境というものを形成しております大きな要素であります斜面林という林があるのですけれども、今その斜面林については三原則の適用外でありまして、県、市によって一部公有地化が進んでおります。大部分は私有地でありますので、その保全には大変な限界があるわけでありますけれども、自然の貴重な財産であります斜面林の持つ、またその保水機能から見ても重要な役割を果たす斜面林のことを考えてみましても、乱開発を防ぐということは非常に重要だろうと思います。 先ほども申し上げましたとおり、県の方では今トラスト等を始めているところでございますけれども、まだまだ微々たる状況であるかのように私は伺っているところでございまして、ぜひとも国としても公有地化について何らかの支援なり援助 なりをしていくべきではなかろうか。今、国ではナショナルトラスト等による支援を行っておられるところでございますけれども、この見沼の斜面林の保全のためにも、その公有地化について環境庁が中心になって積極的な推進をしていくお考えはないか、お伺いしたいと思います。
○奥村政府委員 先生御指摘のように、見沼田んぼについては、埼玉県も支援をされた形でのナショナルトラストがございまして、一部の地域について公有化が行われているという状況でございます。 私ども、ナショナルトラストについては、税制上の措置などを通じましてその支援を行っておるところでございますが、今後さらにこうした措置が公有化に活用されるような方策について検討してまいりたいと思っております。
○福留分科員 ぜひともそこら辺のところを積極的に御支援いただきたいと思います。 環境庁としてもなかなか難しい部分があるのかなというふうな理解をするわけでございますけれども、今度はちょっと国土庁の方にお伺いしたいと思います。 全国総合開発計画、四全総の総点検を今やっていらっしゃるところだと思いますけれども、まずその経過について御説明をお願いしたいと思います。
○牛嶋説明員 御承知のように四全総、昭和六十二年にできましてから約七年が経過をいたしまして、その間大きな経済社会情勢の変化というものもございましたので、現在、四全総の総合的点検作業というのを国土審議会の調査部会というところで行っているところでございます。この六月中旬にも最終的な取りまとめが行われる予定でございます。
○福留分科員 そうすると今、四全総の取りまとめ段階ということでございますけれども、次の五全総について、次期の全国総合開発計画については今後の検討を踏まえてということになるのでしょうか。
○牛嶋説明員 次の全総計画の策定につきましては、今行っていただいております四全総の総合的点検作業の成果を踏まえて検討をしてまいりたいということでございます。
○福留分科員 この見沼の問題、先ほどから申し上げているところでございますけれども、これは埼玉の一部の県南の地域の問題としてとらえるのではなくして、やはり大都市圏の、この首都圏の共有財産として、国レベルでこの位置づけというものを明確にしていく必要があるのではないかと私は思っているところであります。そういう観点からして、四全総はまだ今取りまとめの段階であるということでございますけれども、次の全国総合開発計画がもし策定される段階になりましたなら、ぜひともこの見沼田んぼというものの位置づけをその中でしていただきたいと思う次第でございます。 実は、新全国総合開発計画、これは第二次になるのでしょうか、昭和四十四年のこの「新全国総合開発計画」の第二部の「地方別総合開発の基本構想」の「第四 首都圏整備開発の基本構想」の中に、「渡良瀬遊水池および九十九里海岸を大規模水辺レクリエーション地帯として」整備を図るというふうなことが構想として挙げられているわけでございまして、また、これを一つのベースにしているんだと思いますけれども、平成三年九月の「首都圏基本計画」の中にも「渡良瀬遊水池について治水利水事業と並行して広域的なレクリエーションのための利用を図る」というようなことが書いてあるわけでございます。 今、渡良瀬の話を申し上げましたけれども、私が申し上げたいのは、見沼についてもこのような位置づけをぜひやっていただきたいと提案申し上げる次第でございます。まだ次のことでしょうからはっきりしないと思いますけれども、国土庁のお考えをお伺いしたいと思います。
○牛嶋説明員 先生御指摘のように、農地につきましては、その保全を通じまして国土及び環境の保全に資するという機能があるわけでございます。そういう観点からも、今回の四全総の総合的点検作業の中で、この適切な管理のあり方も含めまして調査審議をいただいているところでございまして、国土庁といたしましても、今後の国土づくりにおきます適正な農地の管理のあり方について、引き続き検討を進めてまいりたいと考えております。
○福留分科員 ありがとうございました。 さて、先ほどから見沼というこの地域を対象にしながら、自然保護のあり方、また治水対策等々複雑な問題が絡んでいることについて考えてきているわけでございますけれども、今度は建設省の方にお伺いしたいと思います。 この地域は、先ほどから申し上げているとおり、治水という問題が非常に大きなテーマにもなっているわけであります。この地域の中に流れている芝川という川がありまして、今河川の改修作業をやっているところでございます。今の計画でいきますと、おそらくその改修がすべて終わるのは百年後ぐらいではなかろうかと言われるような状況の中で進んでいる。 いずれにしても、開発をする、また公園をつくるにしても、治水というものがきちんとしないとこの地域には手が触れられない状況というものもあるわけでございまして、そういう意味において、やはり治水対策としての河川の役割というのは非常に大きいものがあるのじゃないか。 と同時に、河川というものが実は今環境という面から見ても非常に重要な役割を担っているのだろうと思うのです。先ほど、見沼というものがテレビで放映されて、非常にきれいな自然環境が残っているというふうなことを私申し上げた次第でございますけれども、実は遠くから見ると非常にきれいなのですけれども、現実に近くに行ってみると、川なんか非常に臭くて、非常に汚い川となっているわけでございます。 ある私の知人から聞いたところによりますと、この川の中に背骨が折れ曲がったような魚が結構見られる。これは、いわゆる農薬のいろいろな被害を受けているというようなことだろうと思います。遠いところから見たらきれいに見えるんだけれども、現実的には、環境問題というのも、水が汚れているという問題を含めて、いろいろな問題があるんだということだろうと思います。ですから、治水という面から、また環境という面からも、河川の問題というものがここにあるのではないかと思うのです。 今申し上げましたとおり、この見沼田んぼという問題、その中を流れる芝川というものは表裏一体の存在だろうと思います。見沼田んぼの治水機能の保持、それから緑地及び自然空間の保全を考えるときに、近年建設省が進めておられます自然共生型の事業手法によって双方の目的が達成できるのではないかと思っているところでございます。 そこで、具体的にお尋ねしたいのですけれども、清流ルネッサンス21事業、それから多自然型川づくりというふうなことが建設省の中の事業としてあるようでございますけれども、この件について御説明をお願いしたいと思います。
○石川説明員 芝川につきましては、ただいま先生からお話があったように、埼玉県の桶川付近から発しまして、見沼田んぼの中を貫流しまして最後は荒川に合流する河川でございます。流域面積が約百十六平方キロメートル、流路延長約三十五キロメートルの川でございます。芝川では、現在、河道改修あるいは調節池の整備等の事業を埼玉県が実施しておるところでございますが、まだ整備の途中段階であるということでございまして、見沼田んぼの持っております遊水機能の確保は今後とも必要であろうというふうに考えております。 それから、先生御指摘の清流ルネッサンス21という事業でございますが、これは水質汚濁の著しい河川等におきまして、河川管理者だけではなくて、下水道管理者あるいは地元の市町村あるいは地元の住民団体等の方々が一体となって水環境改善の計画を策定し、その総合的な実施、重点的な 実施をするということを考えておる事業でございます。おおむね西暦二〇〇〇年までに改善目標を達成しようということで進めているものでございます。 昨年、平成五年七月に二十四カ所を第一次の対象として選定したところでありますが、今後、都道府県の要望等を踏まえまして、第二次選定を行うことも考えております。芝川についてそれがどうかというような点がございますが、地元から要望がございますれば、対象河川として考慮の対象となるというふうに考えております。 それから、多自然型川づくりでございます。これは、従来の川のつくり方が非常に単調で、三面張りでよろしくないというようなお話もございますので、生物の良好な生育環境に配慮したり、あわせて美しい自然景観を保全したりあるいは創出したりというような目的で行っている事業でございます。芝川につきましても、このような手法を推進していくよう、県を指導してまいりたいというふうに考えております。
○福留分科員 ありがとうございます。大変前向きの答弁と受けとめております。地元とも相談して、ぜひともそのような事業を芝川についても適用していただけるようお願いをしておきたいと思います。 時間が参りましたので以上で質問を終わらせていただきますけれども、先ほど来申し上げているとおり、大都市圏、この首都圏の近郊というよりも、その圏内にこのような自然空間というのが残っている。私たちはこれをやはり守っていかなければならないと思います。私たちの生活の中で緑と水の果たす役割というのは非常に大きいだろうと思います。 私は埼玉に住んでいますけれども、埼玉というところはいわば東京のベッドタウンとしての機能を持っているわけなんですけれども、ある意味でいえば埼玉都民と言われるような方々が多く住んでいらっしゃる。昼間は東京へ出かけていって仕事をして、そして埼玉は寝に帰ってくるというところでありますけれども、しかし、その埼玉には皆さん何を期待していらっしゃるかというと、やはり都市生活の一つの憩いとして、緑と水というものを多くの住民の方々は期待されておりまして、その市民の方々が期待される緑と水というものを残している。この財産というものを今後とも大事にしていきたいと思っております。 日曜日になりますと、バードウォッチングを楽しまれる方々、またハイキングを楽しまれる方々が数多く出られまして、私はこの貴重な自然というものをぜひとも残していきたいと考えておりまして、いろいろな難しい状況があると思いますけれども、先ほど来申し上げているとおり、環境庁の方でぜひとも積極的に主体的に音頭をとられていただきたいということを最後に申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 本日はありがとうございました。
○鮫島主査 これにて福留泰蔵君の質疑は終了いたしました。 次に、川島實君。
○川島分科員 私は、最初に、渥美湾、通称三河湾とも呼ばれておりますけれども、水質汚濁対策についてお伺いをしていきたいと思います。 既に本年、環境庁等を含めまして、愛知県が三河湾環境改善事業計画を発表いたしております。それらの項目について具体的にお尋ねをいたしたいと思います。 まず、三河湾は、広さが約六百平方キロメートル、渥美半島伊良湖岬と知多半島師崎を結ぶ内海で、閉鎖性の海でございますけれども、平均の水深は約九・二メートルと浅いのが特徴でございまして、海岸線は三百六十キロ、一部は三河湾の国定公園に指定をされておるところでございます。 そこで、従来からこの地域では、三河湾を何とかしなければならないという形で、七市十町の方々が協議会を組みまして活動をしておるわけでございます。近年さらに協力会員が三市四町二村が加わりまして、この問題をいろいろ討議をしているわけでございますが、一向に水質がよくなっていない、こういう状況でございまして、非常に危機感を実は持っておるわけでございます。 そこで、まず最初に、化学的酸素要求量にかかわる総量削減計画がいろいろなされているわけでございますけれども、この計画が計画どおり進んでおるのかどうか、CODの負荷量の削減目標、それからその対策、これらについてまずお伺いをしておきたいと思います。
○野中政府委員 三河湾でございますけれども、先生お話しのとおり、依然として環境基準の未達成の水域が残されているわけでございます。そういう意味で、三河湾を含みます伊勢湾につきまして、現在、平成六年度を目標年度といたしますCODの第三次総量規制を実施をいたしております。 この第三次総量規制の目標量等でございますが、伊勢湾全体のCODの負荷量につきまして、平成元年度の一日当たり二百七十二トンから、平成六年度におきまして一日当たり二百五十一トンまで削減をすることを目標といたしております。また、愛知県の負荷量について見ますと、いずれも一日当たりでございますが、平成元年度の百五十三トンから平成六年度の百四十二トンまで削減をするという目標を立てて、鋭意その削減に努力をしているというところでございます。 この削減目標量を達成をいたしますための対策といたしましては、下水道等の生活排水処理施設の整備の促進といったような生活排水対策、あるいは総量規制基準の重視といったような産業排水対策、それから小規模の事業場に対する排水対策、普及啓発といったような対策を推進をしているところでございます。
○川島分科員 さらに、昨年八月に窒素と燐の環境基準を決定をいたしましたが、これらに対しての対策はどのようになっておりますか。
○野中政府委員 お話しのとおり、閉鎖性の海域におきます富栄養化といったような被害を防止いたしますために、昨年八月に窒素及び燐に係る環境基準及び排水基準を設定をいたしたわけでございます。これは全国的な話でございます。そして、富栄養化対策の総合的な推進について都道府県などにも通知をしたところでございます。 こうした全般的な問題を受けまして、三河湾でございますが、三河湾におきます窒素、燐の環境基準の当てはめにつきまして、現在、愛知県の方で検討が進められているわけでございます。窒素、燐の排水規制の徹底、あるいは生活排水対策の推進といったような、窒素、燐の削減に係る総合的な対策を着実に実施をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○川島分科員 この問題は、従来からずっと目標の中の一つとして取り上げられてきておるわけでございます。例えば閉鎖性の海の川の上流に位置する住宅だとか工場だとか、いろいろな家畜等を養っているそういう工場だとか、いろいろな問題がございますし、例えば洗剤を使わずに天然石けんを使うとかいう方策もあって、いろいろ教育的な啓蒙も行われているようでございます。 しかし、それでは全体計画、具体的にこの地域全体の計画として、浄化槽の設置をきちっといつまでにやるとか、流域下水道がいつまでに完成するとか、工場の方は割と工場排水について規制が守られておるようでございますが、家庭雑排水についての問題にしても、ただ教育啓蒙だけで、具体的にこの地域をそうした洗剤を使わない地域にするとか、そういうところまで踏み込んだ形が地域ではとれなくて困っているわけでございます。その辺のことについての指導というのはどのように受けとめておられますか。
○野中政府委員 地域全体、三河湾を含みます伊勢湾全体を目標にした計画という意味では、先生御承知のとおり、私どもは、先ほど御説明を申し上げました総量削減制度というのがございまして、この湾に注ぎ込みます河川あるいはその流域を対象といたしまして、各工場、事業場等から出てくる汚濁負荷を全体的に規制をしていこうというような計画を立てて、具体的に今実施をしてい るということでございまして、総量削減制度、総量規制制度というのがその一つのものでございます。 また、先生お話しの生活排水対策等々の対策を進めることが極めて大事でございますけれども、この生活排水対策はなかなか広範に各家庭等に関係をいたしますもので、工場、事業場以上に対策が難しいという点もございます。 私ども、現在、水質汚濁防止法に基づきまして生活排水対策の重点地域というのを定めまして、そういうところには生活排水対策のための推進計画というのをつくっておりまして、そういう中で各省庁で実施をされております下水道整備計画等々を位置づけさせていただきまして、各省と協力をしてやらせていただいている、こういうような制度も設けているわけでございます。三河湾の地域につきましても、これらの重点地域に指定をされているところがあるわけでございます。 こういうような制度を活用しながら、PRだけではなくて、各省協力したいろいろな事業の推進を計画的に進めていく、あるいは総量規制という形で各工場、事業場からの排水規制をしていくというようなことを今総合的に実施をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○川島分科員 次に、「蒲郡・竹島周辺の海中に砂投入し、三河湾浄化作戦の一つとして、人工干潟造成が始まる」ということで非常に大きく報道されておるわけでございますが、これらのねらいは、三河湾全体としてどのくらいの効果があるのか、その辺のところをひとつ御報告をいただきたいと思います。運輸省でも結構でございます。
○井上説明員 お答えをいたします。 先生御指摘のとおり、三河湾について、私ども、各種の水質浄化に係る事業に取り組んでいるところでございます。 これにつきましては、三河湾といいましても非常に広いものですから、その海底の底質の非常に汚染が進んでいるところを中心に当面手がけているわけでございまして、私ども、これ全体が進む段階での効用、効果ということについては、申しわけございませんけれども、定量的に把握する段階にはまだ至っておりませんが、それぞれの実施箇所での成果ということについては、かなりの水質改善の効果が確認をされております。 以上でございます。
○川島分科員 次に、閉鎖性の海でございまして、現在もその環境基準が守られていない、基準まで到達していない、適合になっていない地域が、この渥美の水質汚濁環境基準の水域乙と、そして奥の環境基準の水域甲というところはほとんどなのでございます。それらをなくしていくために、どうしても海水を太平洋側から導水をする。これは十数年前から愛知県においてもいろいろ調査が進められておりまして、一メーター以上の満ち潮と干潮の差があるから、導入できてきれいになるということはわかっているわけですけれども、非常にお金がかかるという経済的な要素があります。 それらを含めて、運輸省の第五港湾局では、運河の問題は前回も言われておるわけでございますけれども、模型をつくって、浄化作戦を含めて検討がなされているやに聞いておるわけでございますが、この辺のことについてはどのように進んでいるのか、お伺いをしておきたいと思います。
○井上説明員 ただいまの点についてお答えをいたします。 運輸省におきましては、伊勢湾、三河湾の海域の環境の保全と創造ということは非常に重要な課題であるというふうに認識をいたしておりまして、そうした観点から、伊勢湾水理模型実験場におきまして、これまで環境に関する基礎的な調査を各種実施をしてきております。 先生御指摘のとおり、当地域のような閉鎖的な海域におきます水質の浄化に対しまして、外海から直接導水を図るということも有効な手段の一つであるというふうに考えておりまして、運河開削による導水の水質浄化効果について現在検討を進めておるところでございます。 三河湾の抜本的な水質改善ということの観点からは、内陸におきます流入負荷の削減でありますとか、湾域全体におきます底質の浄化などを含めまして、他省庁や地元自治体とも連携をいたしまして、一層の検討を進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○川島分科員 次に、三河湾の中で油の流出の問題がいろいろ言われているわけでございますが、港湾における昨年度なり最近の流出事故等の発生状況といいますか、これらの対策についてどのように行っているのか、海上保安庁にお伺いをしたいと思います。
○高橋説明員 お答えいたします。 海上保安庁におきましては、船舶からの油等によります海洋汚染を防止するために、立入検査ですとか訪船指導、海洋汚染防止講習会等あらゆる機会をとらえまして、船舶の乗組員等の海事関係者ですとかその他の皆さんに対しまして、海洋汚染の防止指導や法令の周知徹底を図っております。平成六年二月には愛知県の蒲郡市におきまして海洋汚染防止講習会を開きまして、百五十名を対象として実施したところであります。 なお、平成五年に海上保安庁が三河湾におきまして確認した船舶からの油によります海洋汚染の発生件数は、一件でございました。
○川島分科員 次に、この水域環境は、よく赤潮等が発生をして非常に地元を悩ませておるわけでございまして、海水浴場の水質等がどう保証されておるのか、この辺の対策についてお伺いをしておきたいと思います。
○野中政府委員 お話しのように、三河湾の赤潮の状況でございますけれども、六十三年度で四十九件、以降、元年で四十一件、二年度で六十四件、三年度三十五件、四年度三十件というふうに推移をしておりまして、先生御指摘のとおり、赤潮がかなりのレベルで発生をしているといったような状況でございます。 また、三河湾におきましては、この赤潮以外にも、底層の貧酸素化に起因をいたしますいわゆる苦潮が発生をして、アサリ等の漁業被害も生じて いるといったような状況もあるわけでございます。こういうようなことのために、閉鎖性海域の対策といたしましては、先ほど御説明申し上げたような対策を講じているわけでございます。 また、海水浴場の件でございますけれども、私ども環境庁におきましては、遊泳人口がおおむね五万人以上の海水浴場につきまして毎年水質調査を実施し、その水質を評価いたしております。この調査では、ふん便性大腸菌群数、それから油膜の有無、COD、透明度の各項目ごとに、水質判定基準に基づきまして海水浴場に適するものと適さないものというふうに分類をし、判定をしているものでございます。それからさらに、これによりまして適と判定をされた海水浴場につきましては、水質の清澄なものから、水質AA、水質A、水質Bというふうに細分をして評価しているわけでございます。 三河湾の中で環境庁の水質調査の対象となる海水浴場は、渥美半島先端に位置します伊良湖海水浴場でございますけれども、平成五年度の調査結果によれば、この海水浴場の水質評価結果は適というふうに判断をされておりまして、水質レベルはAというふうに評価をされているわけでございます。 いずれにいたしましても、赤潮の問題等も含めまして、三河湾の水質浄化を図っていくことは極めて重要でございますので、私どもといたしましては、総量規制、あるいは窒素、燐に係る環境基準、排水基準の徹底等々といったようなことを含めまして、総合的な対策を推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○川島分科員 次に、この三河湾を見ていただくとおわかりのように、渥美の一番悪い、環境が守られていない甲地区というのはほとんど、これから埋立計画がいっぱい運輸省第五港湾局で出される予定になっているわけです。この色のところが結局埋め立ての予定地なんです。 そこでお伺いをするわけですけれども、本来ならば砂浜があって海辺があるところが、こういう埋め立てによって産業に全部奪われてしまう。だからこれからは、生活者重視という立場から、海を奪うのじゃなくて、埋め立てのときには必ずもとどおりにお返しをするという形で、埋め立ての多くの海辺の面積に砂浜をつくる、こういうことが必要ではなかろうかと思うわけですけれども、運輸省はこれらの件についてどのような受けとめ方をしておるのか、お伺いをしておきたいと思います。
○井上説明員 お答えをさせていただきます。 三河港の整備について、今先生御指摘の今後の開発についてでございますけれども、物流需要の増大でありますとか工業集積の拡大に対応した整備はもとよりでございますが、海洋性レクリエーションの一層の地域での発展というようなことに対しても多角的に取り組んでいこうというふうに、地元の方では今検討をされておるわけでございます。 もとより、港湾の長期的な計画の立案でありますとか埋立事業の実施に際しましては、港湾及びその周辺の環境に与える影響を事前に評価いたしまして、水質環境の保全にこれまでも十分配慮をして取り組んでいるところでございます。そういう状況の中ではありますが、今後一層港湾環境の保全でありますとか創造への取り組みを強化するため、私ども本年の三月に新たな港湾環境政策を策定いたしまして、総合的、より計画的に、生物や生態系にも配慮した、自然環境と共生をした港湾をつくっていこうということを決めたところでございます。 この港湾環境政策におきまして、先生が今お話しになりました水質浄化の方策として、海底にこれまで堆積をした汚泥の除去でありますとか覆砂などという従来やってきたこととともに、生物、生態系が持つ水質浄化能力を積極的に活用いたしまして、海域自身の浄化機能を向上させるべく海浜や干潟などの整備促進を図ることといたしております。 したがいまして、今後の三河港の港湾整備におきましても、埋立地の土地利用や周辺の海域利用などと整合を図りつつ、海浜や干潟などを適切に計画整備することによりまして、自然環境と共生した港づくりを進めていくことが重要であるというふうに考えております。 以上であります。
○川島分科員 大臣にお伺いをいたします。 今運輸省の方からもそのような答弁があって、これは是として受け取りますが、従来の港湾の、航路を広げるために出た良質の砂等を、汚泥を防ぐために上からかぶせることに使ったり埋め立て用に使ったり、いろいろなされているわけですけれども、一番欠けているのは、やはり海岸をほとんど占拠している埋め立ての海岸線のところですね。 先ほど、海水浴場が良だという報告がありましたけれども、海水浴場なんて本当にちょっとしかないわけですよね。全部占拠されてしまっている。自然が破壊されておると言っても言い過ぎじゃないわけでございます。これらの問題を含めて、これから三河湾全体の環境の問題について環境庁がもう少ししっかりと各省庁をまとめていただいて、どしどしと提言をしていただきたい、こう考えるわけでございますが、長官の御決意のほどをひとつお伺いをしておきたいと思います。
○浜四津国務大臣 ただいまお話を伺っておりまして、三河湾等の閉鎖性水域の水質の問題、それからまた今御指摘がありました埋め立てによって住民の方々の海水浴場がなかなか十分には得られない、こんな問題があるということを伺わせていただきました。 この水質保全の問題、特に閉鎖性水域におきましては、水の出入りも悪くてCODの環境基準達成率が低い、あるいは赤潮が発生する、苦潮が発生する、いろいろな問題があるということを認識しております。また、その改善が大きな課題であるというふうに考えております。関係省庁と十分に連携をとりつつ、水質改善の問題、そしてまた住民の方々の自然との触れ合いのニーズにこたえるために、総合的な政策の推進を図ってまいりたいというふうに決意しております。
○川島分科員 次に、水道水源の保全についてお尋ねをいたしたいと思います。 本年度、下水道整備などの事業を一定区域内で重点的に進めることで水源である河川を汚染から守り、おいしく安全な水道水を供給しようということで、水道水源保全法が成立をいたしておるところでございます。 そこで、具体的に私たちが住んでおります岡崎の三十三万近い市民が飲んでおります水道水の取水口、乙川になるわけですけれども、その上流の問題点についてお伺いをしておきたいと思います。 これは生活排水だとか家畜工場の排水だとか田んぼや畑の農薬、これらが汚染原因になっているわけですけれども、現在あるゴルフ場、今建設中のゴルフ場、これらを考えますと、現在あるゴルフ場から出てきておる水とこれからつくろうとするゴルフ場の近くの川の水というのはこのぐらいの差がある。つくるとまた同じように悪くなってしまうのじゃなかろうかということで、住民の人たちも非常に苦労して苦り切っているわけでございますけれども、こうした水道水源の水をきちっと確保するためにどのような対策が講じられているのかということを、まずお伺いをしておきたいと思います。
○野中政府委員 水道水源になります地域の水質保全等につきましては、いろいろな対策が講じられているわけでございますが、先生の今のお話にございましたゴルフ場の問題につきましては、いわゆる農薬によります水質汚濁ということが問題になろうかと思うわけでございます。 この農薬によります水質汚濁につきましては、現在農薬取締法に基づきまして、農薬の登録段階あるいは使用段階といったようなところで必要な規制を行っているところでございます。特に、ゴルフ場で使用されます農薬による水質汚濁の問題につきましては、私ども平成二年の五月にゴルフ場に使用される農薬による水質汚濁の防止に係る暫定指導指針というのを定めまして、ゴルフ場の排出水中の農薬の残留実態の把握、あるいは指針値を超えた場合のゴルフ場に対する農薬の適正使用の指導といったようなことを都道府県に通知をしているというような状況でございます。 その結果、最近では指針値を超える事例は少なくなりつつあるというふうに考えているわけでございますが、一部指針値を超えている例につきましては、都道府県において適切な原因調査をしていただくというような措置を講じているわけでございます。そういったようなことがこれまで講じてきた措置でございます。 同じような問題に関連をいたしまして、農薬取締法に基づきます水質汚濁性の農薬の指定といったようなことも講じまして、一層の対策を強化をしたところでございまして、今後ともゴルフ場農薬の水質汚濁の問題の未然防止につきまして、一層措置の徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
○川島分科員 現在の特別措置法と事業促進法の関係で、水道水源に関係するところは、地域を指定して何年までにきちっと浄化槽を整備するとか、汚染原因であるところの除去に努めるとかいう形がやれるわけでございます。 だから、こういう水道水源の心配、おそれのあるところについては、例えば取水口をもっと上に変更するとか、その変更するについては厚生省も建設省もいろいろ手続がまた面倒のようでございますけれども、このようなところも環境庁がしっかり指導的な役割を果たしてもらうとか、いろいろ考えられるわけでございます。そういう水道水源の上にあるところについての汚染除去の計画というのはやれないものでございましょうか。
○野中政府委員 水道水源地域の問題につきましては、私どもも先般国会で成立をさせていただきました特定水道利水障害の防止のための水道水源 水域の水質の保全に関する特別措置法というものがございます。また同時に、厚生省さんの方から提案された事業促進法といったものも成立をしているわけでございます。これらの法律の適切な施行、それから生活排水対策等につきましては、先ほど申し上げました水質汚濁防止法に基づきます重点地域の指定、推進計画の策定といったようなことを通じまして、重点的にその保全が図られるようにしてまいりたいというふうに考えております。
○川島分科員 時間がございませんので最後に大臣にお伺いしますが、豊田市は水源保全基金というのを自主的につくりまして、水道代に上乗せをして森林を保護するとか、いろいろな水源対策のためにそれを使っているわけでございます。そういう自主的な自治体もあるわけでございますから、環境庁は、国民がおいしい水を大切にすると同時においしい水を自然から恵みを受ける、こういう気持ちからいろいろな形で協力ができると思いますので、それに対しての指導的な役割を十分発揮してもらいたいと思うわけでございますけれども、御決意のほどをお伺いして、終わりたいと思います。
○浜四津国務大臣 ただいま先生から御指摘がありましたように、飲み水の安全性、またおいしい水を確保する、それに対する国民の方々の関心は大変高いものがあるということを十分認識しております。 環境庁といたしましても、飲み水の安全性につきましても、おいしい水につきましても、総合的な施策に取り組ませていただきたい。特に関心の高い有害物質あるいはトリハロメタン等の対策につきましては、特別措置法の着実な運用によりまして一生懸命取り組ませていただきたいというふうに考えております。また、地方公共団体あるいはさまざまな関係者の方々のお力をいただいて、ともに取り組ませていただきたいというふうに決意しておりますので、よろしくお願いいたします。
○川島分科員 ありがとうございました。終わります。
○鮫島主査 これにて川島實君の質疑は終了いたしました。 次に、小澤潔君。
○小澤(潔)分科員 大臣、連日御苦労さまでございます。 先般は「環境の日」中央記念式典、本当に盛大でおめでたい限りでありました。私も党にありましては環境部会長、そして地球環境特別委員会の会長代行等をやらせていただいておりました。したがって、地球環境には人一倍意欲を持っておる一人でもあります。 先般の記念式典には、皇太子御夫妻にお出ましをいただいて、本当に雰囲気が盛り上がりました。そして大臣の式辞も、そして静岡県の石川知事さん、御殿場市長の内海さん、ボランティアの代表の皆さんと総理とともに衛星中継対話をいたしましたが、本当に立派でした。お世辞は申し上げませんので、率直に申し上げておきたいと思います。また、環境アピールも採択をされて、本当に有意義な記念式典であったと思います。 そこで、私もいろいろと感銘をし、この記念式典に臨んだのですが、恐らく大臣も感銘はもちろんしたと思いますし、いろいろと感無量の点もあったろうと思いますが、地球環境のこの大事な問題等々含めて、当日の御感想があればひとつ承りたいと思います。
○浜四津国務大臣 六月五日の環境の日、環境基本法による制定後初めての環境の日を記念しての中央記念式典、皇太子殿下また同妃殿下の御臨席をいただきまして、羽田内閣総理大臣にも御出席いただきまして、盛大に開催できましたことを大変光栄に、またありがたく思っております。また小澤先生、当日本当にお忙しい中御出席賜りまして、大変ありがとうございました。小澤先生、地元でも御一緒で、長年環境問題に取り組んでこられたということを敬意を持って見させていただいてまいりました。 当日は、参加いただいた方々の御努力によりまして、おかげさまで無事式典を終えることができまして、ほっとしております。また、今先生からお話がございましたように、テレビスクリーンを通じまして、静岡県の知事さんやあるいは御殿場市の市長さん、またボランティアの方々ともお話しすることができまして、日ごろの活動、取り組み等についても伺わせていただきまして、こうした皆様方の環境保全にかける熱意を肌で感じさせていただき、本当に感激いたしました。 この式典が契機となりまして、多くの皆様の間で環境についての議論が喚起され、また環境保全のための取り組みが幅広く展開されるようになりますことを期待しております。大変ありがとうございました。
○小澤(潔)分科員 次に、私は、長官に環境の日についてお伺いをいたしたいと思います。 実は、先週の月曜日に時間をもらいまして、三点についてやりたかったのでありますが、とても時間がなくて、きょうは税制問題も後ほど大蔵省の第二委員室でやらしてもらうのですが、三問のうち特に一問、ただいま申し上げた環境の日についてお伺いをしてまいりたいと思います。 環境基本法では、その総則第十条に、六月五日を環境の日とし、国及び地方公共団体は、その趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めることがうたわれております。改めてこの環境の日を設けた意味と、六月五日とした理由について、まず環境庁長官にお伺いをいたします。
○大西政府委員 事務的な要素も含んでおりますので、官房長の方からお答えさせていただきます。 環境の日の規定は、御承知のとおり昨年十一月、もっともその前の六月の段階でありますが、環境基本法成立の際に議員修正という形で入れられたという経緯がございますが、この趣旨は、やはり広く環境の保全についての国民の関心と理解を深めるとともに、その環境の保全に関する活動を行う意欲を高めるということを目的として定めたということでございます。 この六月五日を環境の日と定めましたのは、この六月五日が世界環境デーであるということでございますが、この世界環境デーは、実は一九七二年にストックホルムで開催されました国連人間環境会議におきまして、私どもの代表でありました当時の大石武一環境庁長官がこれを演説で提唱されまして、この会議の開催日、六月五日をその日として指定することが国連総会で決められたという経過がございます。 私どもはその翌年から、この六月五日を中心として今日までいろいろな普及啓発事業を行ってきたわけでありますが、この法律でもって法律上の記念日といいますか、環境の日と定められた、こういう経緯でございます。
○小澤(潔)分科員 長官、今お聞きのとおり、我が国が国連に提唱して六月五日が世界環境デーと定められているので、だから環境の日を六月五日にしたということです。まことに結構な趣旨だと思います。 そこで、私としてはぜひお願いをいたしたいのですが、この六月五日の環境の日を我が国のみばかりではなく、国連に働きかけて世界共通の祝日にしていただきたい。私は地球サミットが開催された年、あれは平成四年と思いましたが、ちょうどPKOの審議が真つただ中でして、当時の宮澤総理、ひとつ喜んで行くところだったのですが、急遽行けなくなってしまった。恐らくあのときは中村環境庁長官が代行で行ったと思うのです。 そういったいきさつがあり、そして、いろいろ国連参加の各首脳陣が寄って決まったことを今度はその各国会議員がいかに実践に移すか、こういった会合へ私は出席をさせていただきました。この地球サミットの成果をフォローアップするために、列国議会同盟が主催した環境と開発に関する列国議会同盟の特別会議に、我が国の国会を代表して衆参両院から派遣された議員団の団長として参加をさせていただきました。また、国会を代 表して演説をさせていただき、思い出を新たにいたしております。 そのときの機会に、地球人ということなら国も人種も宗教の違いも関係ない、我々の命の母である地球環境を守るために何をしたらいいのか、その日一日世界じゅうで考える、あるいは行動するための世界共通の祝日を実現しよう、こう提唱したわけでありますが、各国の議員さん、多くの皆さんから賛同をいただきました。 長官、世界じゅうのカレンダーに、国も人種も宗教の違いも関係なく、たった一日であっても世界が同じ日の祝日を持つということのすばらしさ、かけがえのないこの地球という星にともに生きていることを実感させる祝日、それが我が国のリーダーシップによって実現したら、世界じゅうの心を一つに触れ合わせるすばらしい国際貢献になると思いますが、いかがでしょうか。
○浜四津国務大臣 ただいま先生からお話がありましたように、我が国の提唱によりまして世界環境デーも定められ、またその後も、先生初め先輩の皆様、また関係者の方々の御努力によって世界の中でもこの環境問題にリーダーシップをとってきた、こういうことを認識しております。 ただいまのこの六月五日を国際的な休日にするようにリーダーシップをとったらどうかという御提案でございますが、先生の本当に環境問題に取り組まれる熱意に基づく大変貴重な御意見として承っておきたいと思っております。 ただ、国際的に共通の休日にするかどうかにつきましては、各国の文化、歴史あるいは宗教あるいは経済等の諸事情の違いもあって、慎重な取り扱いが必要かとも思います。また、我が国におきまして祝日とすべきかどうかにつきましては、ほかにも既にいろいろな日が祝日化の御意見があるというふうに伺っておりまして、率直に言ってなかなか難しい問題でもありまして、慎重に判断する必要があるかとも思います。 しかし、せっかくの先生の御提案でもありますし、祝日になれば環境の日の意義がより一層多くの方々に認識されるようにもなると思いますので、今後これらを念頭に置いて考えてみたいと思っております。
○小澤(潔)分科員 せっかく世界の国の中から国連の常任理事国になってほしいといった声も今沸き上がっておるところであります。そういう日本でありますから、決して世界共通の祝日、環境の日を実現することは不可能なことではないと思いますので、ぜひ前向きに御検討をいただき、よく総理にも、総理の回答をお聞きしたいところでありますが、きょうの場に総理はおりませんので、ひとつ長官から、小澤潔からこういった問題の提起があったと、環境については特に我が日本はまだまだですが、環境だけは世界の先進国と言って胸を張れる点もありますので、ひとつ大いにこの点を総理にも前向きに検討してもらいたいこともお願いしていただきたいと思います。 そこで、まず日本から六月五日、環境デーを国民の祝日としたらどうかと思うのです。段階的にまず日本をやり、それで世界をやる、こういったことで、ひとつ環境庁長官の前向きの答弁を期待して、本日は一点のみで終わりますが、よろしくお願いいたします。
○浜四津国務大臣 ただいまの先生の御提案、羽田総理に確かにお伝えしたいと思います。そして、先ほども申し上げましたが、本当に私自身も、この日が祝日になればより一層多くの方々の関心も集まり、また環境保全への取り組みも積極的になされるというふうに思いますので、先生のこの御提案、真剣に考えさせていただきたい..、総理にも必ず伝えさせていただきたいと思います。
○小澤(潔)分科員 どうもありがとうございました。
○鮫島主査 これにて小澤潔君の質疑は終了いたしました。 次に、上田晃弘君。
○上田(晃)分科員 公明党の上田晃弘でございます。大臣、毎日激務大変御苦労さまでございます。私は、浜四津大臣の御就任を心からお祝い申し上げる一人でございます。 まず、大臣に御就任になりまして、この環境行政、多岐にわたっているわけでございますが、特にどの辺に力点を置いて進められようとされているのか、またこだわりを持っておられる点はどういう点か、これをなるべく短い言葉でお示しいただいた方がより本音をお聞きできるのではないか、こんなふうに思いますので、それをひとつお願いしたい。 あわせまして、連立政権十カ月たったわけでございます。連立政権になりまして環境行政という面におきまして顕著に進展した、このように誇れる部分につきまして御答弁をいただければ、こんなふうに思うところでございます。
○浜四津国務大臣 励ましのお言葉大変ありがとうございます。環境庁長官、大任を拝しまして、一生懸命取り組ませていただきたいと決意を新たにしております。 今日の環境問題、時間的また空間的に大きな広がりを持っております。また、産業公害から都市型公害へ、また地球規模の問題へ、こういうことで対象範囲が広がり、内容も複雑多岐にわたっております。就任のときのごあいさつでもちょっとお話しさせていただきましたが、この環境問題、本当に地球全体、そしてまた人類の生存がかかわる大変重要な問題であるというふうに認識しております。 その環境行政を預かる環境庁長官という大任を拝しまして、本当に気が引き締まる思いがいたしましたが、まず取り組まなくてはいけない具体的な施策といたしましては、昨年十一月に成立いたしました環境基本法、ここに基本的な理念また具体的なこれから取り組むべき施策の方向性が示されておりますが、それをもとにして、まずは実効性のある環境基本計画の策定ということに最大限努力を傾けさせていただきたいと思っております。また地球環境の保全につきましては、地球サミットの合意の実現に向けまして国際的な取り組みに積極的に参加させていただきたい、リーダーシップをとらせていただきたい、こう思っております。 連立政権になってからどこが変わったか、こういうお話でございますが、私たち連立政権、生活者の視点に立った政治を、こういうことを掲げさせていただきました。まさに環境問題というのは、生活者に密接にかかわりがある、また生活する方々にとって安全、そしてまた本当に生命の基本にかかわる問題であるというふうに思っております。そういう視点が非常に重視されてきた、より一層図られてきたのではないかと思っておりまして、今後もその視点を忘れずに全力で取り組ませていただきたいと決意しております。
○上田(晃)分科員 次に、環境に優しい行動というものを国民の皆様にPRするわけでございますけれども、その工夫と申しましょうか、いま一つまだ弱いような気がしてなりません。 例えばけさも国会に来る前に、ちょっと正確な記憶ではないかもしれませんが、「もっと地球となかよくなれるはず」でいいのですか、このような垂れ幕を拝見しました。大変詩情あふれる言葉ではある、このように思うのですが、また逆に申しますと、では何をすればよいのか、これが不明確な言葉かなという気もいたします。つまり、例えば交通標語であれば「飲んだら乗るな、乗るなら飲むな」、万人がもう脳裏にしみ込んでいるような行動規範というものがしつかり訴えられている、こう思うわけでございます。 環境庁といたしましては、さまざまな関係省庁の問題、業界等の問題もあって、具体的な行動規範を一つのキャッチフレーズにして打ち出そうとしますと、さまざまな障壁の問題、あるいは特定の業界を意図的にいじめているのじゃないかとか、このようなことを言われるということも考えられてのことかと思うのですが、やはり具体的に、今国民としてぜひこの一点はやっていただきたいんだ、こういうことを月間でも年間でも結構でございますので、行動計画を一つの言葉として 集中的にアピールしていく、このような問題を今後さらに研究された方がよろしいのではないか、こんなふうに思うのですが、大臣、いかがでございますか。
○浜四津国務大臣 確かに先生御指摘のとおりかと思います。キャッチフレーズといたしましては「もっと地球となかよくなれるはず」、こういうキャッチフレーズを掲げさせていただいておりましたが、確かに、では具体的に何をすればいいのかということは、このキャッチフレーズからは直接には出てまいりません。 具体的な行動につきましてはパンフレット等で示させていただいておりますけれども、おっしゃるように、例えば紙とか缶とか瓶をリサイクルできるように捨てない、あるいは油をそのまま流しに捨てない、こういう具体的なところもキャッチフレーズに入れてもいいのかなと私は個人的に、確かにその方が効果があるかなというふうにも思っておりますので、これから検討させていただきたいと思います。
○上田(晃)分科員 ひとつよろしくお願い申し上げます。 それでは次に、個別の、とりわけ私が住んでおります横浜で困っております問題等について何点かお尋ねさせていただきたい、こんなふうに思うところでございます。 最近、都市環境問題の一つといたしまして、放置自動車のことが問題になっているわけでございます。新聞報道等を見ましても、放置自動車は一万台とも、また二万台とも三万台とも言われておりまして、その実態が明確になっていないわけでございます。私も平成五年の環境白書を拝見させていただきましたが、放置自動車という問題については、一般ごみの項目にも産業廃棄物の項目にも交通公害の項目にも記載はございません。環境庁としては、放置自動車の問題を一つの顕著な都市環境破壊問題として御認識なさっているのかどうかをまずお尋ねいたしたいと思います。
○野中政府委員 放置自動車の問題でございますけれども、確かにこれはそれぞれの方のモラルの問題ということではございますけれども、また同時に環境にかかわる問題であるというふうにも私ども認識をしているわけでございます。この問題を解決するためには、もちろん取り締まり、管理の強化をするということもございますけれども、同時に、製造、販売業者等の協力も得て、適切な回収ルートあるいは処理体制の整備というようなことが必要であるというふうに私どもも考えているところでございます。 こうした点につきまして、これまで厚生省なり運輸省なり関係省庁でもいろいろな取り組みがなされておりますし、また同時に、地方公共団体においてもいろいろな対応が開始をされているわけでございます。環境庁といたしましても、これらの問題、非常に重要な問題というふうに認識をしつつ、関係省庁と協調しながら、普及啓発の面等々、本問題の解決に努めてまいりたいというふうに考えております。
○上田(晃)分科員 今、総括的な御答弁をいただいたわけでございますが、これは一つには厚生省の管轄にもなってくる部分だと思うのです。先ほどもちょっと触れさせていただきましたが、まずはどのくらい実態として出ているのかという統計を明確にするというところから始めなければならないと思うわけでございます。 と同時に、この放置自動車の問題につきましては、これは廃棄物なのか駐車禁止車両なのか、大変判別も難しいところがございまして、さまざまな省庁の方に私もお尋ねしたのですが、放置自動車というものの定義がいま一つはっきりしていない部分もございます。今後、一体どこが明確に統計をとっていかれようとしているのか、またこの放置自動車の定義、この辺について明確にお答えいただければありがたいと思います。
○三本木説明員 御説明申し上げます。 平成三年に厚生省は関係の自動車業界とも相談をいたしまして、この路上放棄車についてどのように回収処理をするかということで、基本的には、自動車業界に路上放棄車処理協力会というものをつくっていただきまして、その中で回収処理に要する費用について一部寄附をする、そういうような仕組みが一応できているわけでございます。 確かに、先生御指摘のように、何が路上放棄車で廃棄物であるか否かという認定は、これは大変複雑な問題にかかわっております。簡単に申し上げますと、所有権があるのかないのかという点が大変問題でございます。そのためには、やはり判定のための手続を関係法令の中で関係者が集まってきっちりとしていく。いささかそれについては時間を要するじゃないかという問題はありますけれども、そういったきちっとした形で判定をしていくことを現在進めております。 それから、実態でございますが、したがって、何が路上放棄車になっているかというのは極めて難しいわけでありますが、参考までに、この路上放棄車処理協力会、自動車工業会が中心になっておりますが、平成五年では約一万四千台を回収処理をしていただいております。その処理費の一部としては約二億円弱が放棄車処理協力会から各市町村に出されている、こういうような実態でございまして、これはいわば放棄車の一部ということだと思いますが、全容についてはなかなかはっきりしていないというのが実態でございます。努力をしているというところを御理解いただければと思います。
○上田(晃)分科員 それでは、環境庁も中心になっていただいて、厚生省また建設省、さまざまなところが関係されると思いますが、この問題につきましてしっかりとした対応を国レベルとして今後御協議をいただきたい、このように願うところでございます。 それで、一つは、出てきた放置自動車等を自工会の方も一部寄附等をしていただいて処理をしている、また自治体としても一般財源の中からさまざまな処理をしている、こういうのが今実態なわけでございますが、やはり本来の考え方である、つまり生産者、または受益者、それから排出責任者、こうした方々の意識を明確にしていただくためにも、そろそろいわゆるデポジット制度の導入というものを検討をしていくべき時期に入っているのではないか、こんなふうにも思うのですが、その辺についての御見解と今後の方向性を御教示いただければありがたいと思います。
○三本木説明員 先生御指摘のデポジット制度というものも、廃棄物の回収処理ということ、廃自動車にかかわらずでございますが、そういう必要性についていろいろな方面から指摘があることは私どももよく承知しております。しかし、デポジットだけで問題が解決できるのかどうかということもよく検討していかなければならないわけでございます。 現在厚生省では、廃棄物の回収処理に要するコストが極めて高くなっておりまして、市町村の財政負担も伴って大変な問題になっておりますので、生活環境審議会の中で経済システムの中にどういう形で上手に廃棄物の回収処理のコストが組み込めるのかという検討を進めております。厚生省といたしましては、こういう検討結果を踏まえながら、またその検討結果の中で出されるであろうと思われます考え方、こういうものを参考にしながら、廃自動車の回収処理についてもどういうような措置が望まれるのかということについては、検討をしていかなければならない問題だというふうに考えております。
○上田(晃)分科員 次に、放置自動車問題以上に私の地域横浜で実は最近顕著な問題になってきておりますのが、放置船、放置艇というのでしょうか、つまり、五トン級未満のプレジャーボートを中心としましたところの川に違法係留、放置してある船の問題が大きな問題として市民の間で話題になってきているわけでございます。 この放置船の問題につきましても、また同じようなことで恐縮でございますが、平成五年度の白書を私もつぶさに見ましたが、具体的な記載はございません。「港湾の環境整備」という項目のと ころに「海洋性レクリエーション基地の整備を推進」とわずかにうたっているだけでございました。このレクリエーション基地の整備推進、これは当然重要な施策であることは私も承知しておりますが、これだけでは解決策にならない、このように思うわけでございます。 現在、プレジャーボートの普及台数は大変な勢いで伸びております。もちろん港湾を整備するにしても、これは常識的に考えてみまして、港湾整備、マリーナの整備の方が追いつかない。だんだん川の違法係留がふえている、そうなっているわけでございます。 自動車の場合でございますと、御案内のとおり、きちんとした登録制度もございますし、それから車庫証明も必要になります。また、道路財源といたしましてさまざまな目的税もちょうだいしているわけでございますし、先般も大変話題になりました高速道路料金の問題、高速道路料金という形でもまたお支払いになっているわけでございます。道路交通法がありまして、各種取り締まりも大変厳重でございますね。そういうような制度、法整備がかなりなされていても、先ほどお尋ねしたような放置自動車問題等がまた惹起しているわけでございます。 その自動車周辺から比べますと、今申し上げたプレジャーボート問題、これは大変申しわけない言い方になるかもしれませんが、私が思うところ、ほとんど無法地帯と言っていいのではないか、こんな感さえするわけでございます。 この問題も、運輸省、建設省、通産省、海上保安庁、警察、自治体、さまざまなところがこれまた絡んでこられるわけでございますが、今のうちにプレジャーボートに関する法的規制、とりわけ違法係留の問題、これをどう解決するかという法律の確立、またプレジャーボート等を購入していただく際の税制や登録手続を今後どうしていくのか、取り締まりはどのレベルでどういうことをするのが好ましいのか、このような部分を早急に確立していかないと、問題はさらに大きくなるばかりではないのか、こんなふうに思っております。 現在、私が住んでいる横浜、それともう一つよく紙面をにぎわせているのは、埼玉の方でもございますし、岡山でもございましたし、また滋賀県の琵琶湖の周辺、このようなところで出てきているわけでございますので、その辺の対応策をどのようにお考えになっておられるのか、そこをお示しいただきたい、このように思うところでございます。
○柴田説明員 お答え申し上げます。 全国のプレジャーボート隻数、約三十一万隻というふうに見込まれてございますが、このうち港湾のほか漁港、河川等に無断係留されておりますいわゆる放置プレジャーボートというのは、約十万隻ございます。 いわゆる放置艇問題につきましては、無断係留に伴いまして、港湾、河川、漁港等の管理上の問題のほかに、近隣での自動車の不法駐車、さらには騒音、それからごみの投棄などの周辺環境の問題、さらには一般船舶や漁業者など他の水域利用者との競合の問題というふうに極めて多様でございます。その問題の深刻度も、また解決方策として実現可能な内容につきましても、地方によってかなりの差があるのではないかというふうに考えるところでございます。 このような問題に対しまして、運輸省といたしましては、まず保管場所の確保を進めることが重要であるという観点から、昭和六十三年に全国マリーナ等整備方針というものを定めまして、公共マリーナや簡易な係留施設でございますプレジャーボートスポットの整備のほか、民間マリーナの整備への支援を強力に進めているところでございます。今後とも、こうした施設の整備にさらに努めてまいりたいというふうに考えてございます。 また、昨年二月には、いわゆる放置プレジャーボートの所有者を特定して、ここからどけてくださいということをお願いするわけでございますが、そういうために、地方公共団体からの問い合わせに応じまして、小型船舶検査機構という検査機関がございますが、その検査機関が検査の際に入手したデータ、こういうものを活用いたしまして、所有者等に関する情報の開示ということで措置を講じたところでございます。 さらに、先ほど申し上げました不法駐車とか騒音とかごみという問題もございますので、利用者自身の適切な舟艇の維持保管等に関するマナーの向上問題につきましては、販売事業者や愛好者団体を通じて啓蒙活動を行っているところでございます。例えば、ことしの二月に東京ボートショーといった形で行われてございますが、この際にもパンフレットの配布ということを行っておるわけでございます。さらに、いわゆるメーカーサイドにおきましても、現在こういった放置艇問題について検討が進められているところでございます。 先ほど先生御指摘ございました、さらに全般的な問題について検討していくべきではないかという御指摘でございます。 先ほども申し上げましたとおり、放置艇問題というふうに一くくりに申し上げましても極めて多様ということでございまして、直ちに一律の対策を講じるということは必ずしも適切ではないのではないかというふうにも考えてございますが、先生の御指摘の点も踏まえまして、保管場所の整備とそこへの保管、こういうことを進める観点から、関係省庁とも連携しながら、また地方公共団体との情報交換ということも進めながら検討していきたいというふうに考えてございます。
○上田(晃)分科員 対策につきましてはひとつ速やかな対応をお願いいたしたい、このようによろしくお願い申し上げます。 このプレジャーボート問題は、今の係留の問題もそうでございますが、当然先ほどお尋ねした自動車と同じでございまして、いわゆる廃船、沈船、このような問題がございまして、放置自動車の処理処分より大変莫大な費用がこれまた自治体にかかっております。 しかも、最近はFRPというのですね、つまり、グラスファイバーか何かをお使いになっているのだと思いますが、これは処理がなかなか難しい、こういう問題がございまして、新聞報道によりますと、現在このFRP船がふえていて、西暦二〇〇〇年には現在の十五倍ぐらいになるのではないか、このような予想もございます。このまま放置しておきますと、この問題も看過できないわけでございます。 この辺につきましては関係省庁としてどのようにお考えになっているのかということと、もう一つは、先ほど自動車の場合ですと、自工会の皆さんのさまざまな寄附の問題等もございましたが、この辺につきましては各メーカーの皆さんはどのような前向きな対応を考えておられるのか、この辺ひとつ教えていただければと思います。
○柴田説明員 先ほど申し上げた内容の一環として、いわゆるFRP船に対する処理の問題についても、先ほど申し上げました業界の内部で検討が進められているというふうに理解しております。
○上田(晃)分科員 わかりました。じゃ、きょうはその辺までにとどめておきたいと思います。 次に、オゾン層問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 一九九二年十一月のモントリオール議定書締約国会議、ここで既に生産されたオゾン層破壊物質の再利用並びに破壊を目的とした回収を促進しようという決議がなされた、このように私も存じ上げております。この回収と再利用、破壊等の問題についてお尋ねいたしたいと思います。 今国会でオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律案がこれから審議されるわけでございますが、この一日も早い成立は当然のことといたしまして、さらに今後の課題といたしまして、フロンの再利用、破壊を目的とした回収の義務化というものを法案に盛り込めるかな、また盛り込むべきなのかな、このようにも思っているのです が、この点につきましての御所見をお伺いいたしたいと思います。
○松田(朗)政府委員 先生御指摘のように、フロンにつきましては、国際会議の取り決めを受けまして国内法のオゾン層保護法で対応しておるわけでございます。今国会でもその改正をお願いしておりますが、その中には、正直申し上げましてフロンの回収を義務づける項目は入っておりません。 と申しますのは、フロンの回収につきましては、モントリオール議定書の決議の中におきましては、これは製品の生産等の規制について決められておりまして、ただし、既にもう生産されたものについては、これは重要であるとの認識で、法律上ということでなくていろいろ対応を求められておるわけでございまして、我が国といたしても、法律に盛り込むというのでなくて、これを回収するための最も効率的な社会的なシステムを構築するという観点でいろいろ対策を講じようとするところでございます。 具体的には、環境庁独自の政策といたしましては、平成五年度からモデル事業としまして幾つかの自治体に実証研究をお願いしておりますし、なお、将来そういうものを受けまして、具体的にどういうふうな関係省庁が協力していけばいいかというような場といたしまして、関係省庁から成るオゾン層保護対策推進会議というものをことしの四月に発足させたばかりでございます。
○上田(晃)分科員 今お話もございましたモデル事業でございますが、これも神奈川県と国の方で現在進めておられることを承知しておるわけでございます。 国と神奈川県で廃棄冷蔵庫から回収をしたフロンの破壊を目的としたモデル事業を進められようとしているわけでございますが、聞くところによりますと、プラズマ方式の実証施設で破壊をしよう、このような計画だというふうに伺っております。 もう一つは、私が住んでおります横浜市内では、焼却方式と申すんでしょうか、これで回収したフロンを破壊する、このような研究も進められているというふうにも伺っております。 簡単にで結構でございますので、それぞれのプラズマ方式また焼却方式、この技術の特性、コスト面などに関しましての長所、短所をお示しいただきたいと思います。
○松田(朗)政府委員 御指摘のように、フロンを回収、再利用しても、どうしても再利用に結びつかないものがございます。そういうものは最終的には破壊しなければならないということでございます。その有力な方法として国際会議でも六つの方式が認められておりますが、これはほとんどが単純に言えば燃やしてしまうというのが基本になっております。 もう一つの、先生御指摘のプラズマ分解法と申しますのは、これは燃やすというよりも、反応炉におきまして高電流を流しまして反応させて分解させて無害のものにする、こういう仕掛けでございます。 したがいまして、国際会議でも認められました燃焼方式による各種の方式というものは、これは国内でも物によっては使えるような施設があるかもわかりませんし、要するに既存の施設も利用できるということでございますから、コスト的にもそうべらぼうに高いものではございません。しかし、このプラズマ分解法というものは新しく日本が開発したものでございますから、ざっと言えば億単位のものになるであろう、こういう価格の差があるわけでございます。 いずれにしても、どういう手法が一番我が国に適しているのか、それで実効上将来推奨できるのかということにつきましては、やはり検証する必要があろうということで、環境庁といたしましても、それを評価するための研究費等を今後要求していかなければならないというふうに考えているわけでございます。
○上田(晃)分科員 そろそろ時間でございますので、最後のお尋ねにさせていただきたいと思います。 今もちょっと触れました家庭用の冷蔵庫のフロンの回収、破壊の問題でございます。全体の量からいきますと二%、このように承っておりますが、廃棄冷蔵庫が全国で年間約三百万台くらい出てくる、こういうことでございます。 私、思いますのは、このフロンの回収、破壊という問題も当然なんですが、家庭用の廃棄冷蔵庫のフロンを破壊をするその費用、コストは、お使いになった消費者また売ったメーカー、販売店、ここが応分にきちんと負担する、これを学習していただくといいますか、そういう意味でも大変モデル的なものになっているのではないかと思うのです。 つまり、簡単に言いますと、電気冷蔵庫を自分で勝手に捨てるということは事実上ないわけで、現実的には、ほとんどは新しい冷蔵庫を買ったときに古い冷蔵庫を電器屋さんに持っていってもらうというのが普通だと思うのです。そうなりますと、そのときにお使いになっていた方も、はい、回収料幾ら、またメーカー、販売店さんもその処理費用幾ら、きちっと使用者また販売者、受益者、排出者が負担するんだということを国民の皆さんに認識していただく格好のテキストなのではないか、こんなふうに思っているのです。 その意味で、横浜市では電器の販売店さんや各団体がそのような事業をこれから推進されようと計画されているわけで、私もその成功を本当に期待しているわけでございます。全国的なレベルにおいても、この辺のところをしっかりと推進していくべきではないのか、こんなふうに思うのですが、いかがに考えておられるのか、これを最後の質問とさせていただきたいと思います。
○西出説明員 お答えいたします。 回収の問題、私どもでも昨年の秋から通産大臣の諮問機関であります化学品審議会の中にこの回収作業、破壊の問題についての分科会を設けまして、検討してきたところでございます。特に、特定フロンにつきましては、一番用途として使われる分野としての洗浄分野につきましては、既に大半が済んでいるところでございまして、技術的にも可能だということで、冷媒分野についての……(上田(晃)分科員「もう時間ございませんので、冷蔵庫の部分だけで結構でございます」と呼ぶ)はい。 その中で、特に大半の部分について、業務用の冷凍機あるいはカーエアコンについては再利用が可能であるということで、市場メカニズムを通じて回収率を上げていくということでございますが、先生今御指摘の家庭用の冷蔵庫、これは回収した後、再利用が非常に難しいということでございまして、その意味では、まず一つは破壊技術をきちっと確立するということで、これは昨年の補正予算で実証プラントの予算をとっておりますので、これによって早急に破壊技術の確立を進めていきたいと考えております。 二点目は、先生御指摘のように、一体だれがその負担をするかという問題がございまして、この点が解決していないということで現実には回収が進んでいないわけでございますけれども、この分科会の中の議論でも、例えば家庭用の冷蔵庫でいえば、この冷蔵庫を通じて受益者となるメーカーあるいはフロンのメーカー、それから販売事業者、破壊事業者、それに今御指摘の消費者も含めて、役割分担あるいは費用の分担ということを考えていく必要があろうという御指摘をいただいております。 そういう意味では、今回横浜市で進められております委員会、具体的な中での役割分担あるいは費用の分担まで含めて、これからの効率的な仕組みをつくっていくという上で非常に重要なことだというふうに私ども考えております。 その意味で、私どももこの委員会に参加させていただいておりますし、関係の業界にも参加していただいているということでございまして、その中で具体的な姿を出していきたい、そのために必要なことがあれば関係業界も指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○上田(晃)分科員 どうも時間が二分ばかり超過いたしまして、ありがとうございました。以上で終わります。
○鮫島主査 これにて上田晃弘君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして、総理府所管中環境庁についての質疑は終了いたしました。 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時二十六分休憩 ――――◇――――― 午後三時四分開議
○若林主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 主査所用のため、その指名により、私が主査の職務を行います。 農林水産省所管について、政府から説明を聴取いたします。加藤農林水産大臣。
○加藤国務大臣 平成六年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。 まず、予算の基礎となっております農林水産施策の基本方針について御説明申し上げます。 農林水産業は、国民生活に欠くことのできない食糧等の安定供給という大切な使命に加えて、地域社会の活力維持、国土・自然環境の保全等を通じ、我が国経済社会の発展と国民生活の安定に大きく貢献しております。また、国土空間の大半を占める農山漁村は、農林水産業の生産の場であるとともに、農林漁業者、地域住民の生活の場であります。そして、緑や水が豊かで自然に恵まれ、伝統と地域文化に裏づけられた人間性豊かな生活を享受し得る国民共有の財産であります。 しかしながらへ農林水産業と農山漁村を取り巻く状況は大きく変化し、後継者の減少、高齢化の進行、地域社会の活力低下等の事態が生じてきております。特に、農業につきましては、昨年のガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意により、新たな国境措置のもとで厳しい環境のもとに置かれることになると認識しております。このような状況のもと、魅力ある農林水産業の実現、中山間地域を含む地域社会の活性化を図っていくことが求められております。 このため、農林水産省としましては、一昨年取りまとめた「新しい食料・農業・農村政策の方向」の本格的な展開を図り、活力ある地域農業、農村づくりを進める観点から、関連諸制度、諸施策について充実強化を図るとともに、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意の成立に伴う今後の国際化の進展を踏まえて、国内農業の体質強化などの対策を積極的に推進していくため、平成六年度予算においても、所要の予算を計上したところであります。 まず、その枠組みから御説明します。 平成六年度一般会計予算における農林水産予算の総額は、関係省庁分を含めて、三兆四千百八十八億円となっております。その内訳は、公共事業費が一兆八千五百五十九億円、非公共事業費のうちの一般事業費が一兆二千八百八十六億円、食糧管理費が二千七百四十三億円であります。 なお、このほかにNTT事業償還時補助分として五千九十億円が計上されており、これを含めた農林水産予算の総額は三兆九千二百七十八億円となります。 以下、農林水産予算の重点事項につきましては、委員各位のお許しを得まして、御説明を省略させていただきたいと存じます。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。 以上であります。
○若林主査代理 この際、お諮りいたします。 ただいま加藤農林水産大臣から申し出がありました農林水産省関係予算の重点事項の説明につきましては、これを省略して、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○若林主査代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔加藤国務大臣の説明を省略した部分〕 以下、予算の重点項目について御説明します。 第一は、国民生活に欠かせない食料を安定供給するための担い手の育成であります。 経営感覚に優れた効率的・安定的な経営体が生産の大半を担う農業構造を実現するため、地域農業の展開の指針となる市町村基本構想の早期策定を進めるとともに、経営改善を図ろうとする農業者に対する支援・相談活動の強化を図ります。 また、力強い農業担い手を育成するための長期資金及び運転資金からなる総合的な融資制度を創設し、特に長期資金については、二%という低利の金利の実現を図ります。 さらに、農業経営育成のための新しい農業構造改善事業の創設、担い生育成のための生産基盤の積極的整備など、低コスト生産や規模拡大に必要な条件整備のための対策を強化します。 このほか、意欲と経営能力に優れた青年農業者等の育成確保対策を充実強化するとともに、農山漁村における女性の活動促進のための対策を実施します。 第二は、国土を保全し、自然環境を維持している中山間地域等の活性化であります。 中山間地域において、地域の創意工夫を活かして市町村が実施する地域活性化への取組みを支援するとともに、中山間地域における営農改善のための資金の金利の引下げを行います。 また、地域の特産物や地域の特性を活かした地域活性化対策を創設します。 第三は、立ち遅れている農村地域の生活環境の整備であります。 都市と比較して著しく立ち遅れている農村地域の生活環境の整備を図るため、集落排水施設や農道等の整備を積極的に推進するとともに、地域住民が誇りを持って快適に居住できるよう、景観形成、環境保全に配慮した「美しいむらづくり」を進めます。 第四は、活力ある農業生産の展開であります。 昨年の未曾有の冷害等の経験を踏まえ、気象条件に左右されにくい安定的な国内農業生産体制を構築するため、冷害に強い生産技術の実証、生産安定化のための条件整備を推進するとともに、耐冷性品種の育成等異常気象に対応した試験研究の充実を図ります。 また、水田営農活性化対策については、米の需給事情に対応して転作面積の緩和を行うとともに、地域や農業者の意向に即した生産性の高い水田営農を推進します。 さらに、畜産、畑作農業、野菜生産等の振興のための各種施策を展開します。 第五は、環境問題への積極的な対応であります。 農業が本来持っている物質循環機能を活かして、生産性との調和などに留意しつつ、環境への負荷の軽減に配慮した環境保全型農業の地域合意に基づく導入・展開を支援します。 また、公共用水域に流入する農業用用排水の水質改善や動植物の成育に必要な環境整備等農村地域における環境保全対策を推進します。 第六は、技術の開発・普及による農業生産の効率化と労働時間の短縮であります。 革新的な農業機械の開発・実用化を進めるとともに、今後実用化が見込まれる革新的な技術の生産現場での導入・実証を推進します。 また、バイオテクノロジー等の基礎的・先導的研究を推進するとともに、重要政策課題に対応した研究開発を支援します。 さらに、農業に関する総合的な普及指導体制をを実施します。 第七は、食生活の安全性確保・品質向上のための消費者行政サービスの充実であります。 消費者が安心できる食生活をおくれるよう、輸入食品の増大に対応して輸入食品の品質表示の適正化を推進するとともに、食品についての消費者被害の未然・再発防止及び被害救済のための総合的な対策を実施します。 第八は、緑豊かな森林の整備と山村地域の活性 化であります。 多様で質の高い森林を育成するため、造林・林道事業及び治山事業を計画的に推進するとともに、保安林の緊急整備を進めます。 また、森林整備を促進するため、無利子の造林資金を創設するともに、林業労働環境の改善、国産材の供給体制の整備、山村の生活環境の整備等の対策を推進します。 さらに、国有林野事業については、改善計画に即して経営改善を着実に推進します。 第九は、国民に開かれた漁港・漁村の形成と豊かな海の保全であります。 漁港事業及び沿岸漁場整備開発事業について、新たな長期計画を策定するとともに、漁村地域の活性化を図るため、新たな沿岸漁業構造改善事業を発足します。 また、我が国周辺水域の漁業振興を図るため、資源管理型漁業の推進・定着化を進めるとともに、回遊性の魚種に重点を置いた栽培漁業などっくり育てる漁業を推進します。 次に、特別会計予算について御説明いたします。 食糧管理特別会計においては、管理経費の節減等に努めつつ、一般会計から調整勘定へ所要額の繰入れを行うとともに、その他の各特別会計についてもそれぞれ所要の予算を計上しております。 最後に、財政投融資計画については、農林漁業金融公庫による資金運用部資金等の借入れ等総額八千六百九億円を予定しております。 これをもちまして、平成六年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
○若林主査代理 以上をもちまして農林水産省所管についての説明は終わりました。
○若林主査代理 質疑に入るに先立ちまして、政府当局に申し上げます。 質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岡崎トミ子君。
○岡崎(ト)分科員 オゾン層の破壊についてお伺いしたいと思います。 気象庁が発表いたしました五月二十日付のレポートでは、南極でのオゾン層破壊が進んでおりまして、昭和基地の二月、三月、四月の月平均オゾン全量は過去最小値を記録したということです。オゾン層を守るということは大変に緊急の課題だと思いますけれども、まず発表された気象庁に、どのように認識しているか、お伺いしたいと思います。
○八木説明員 お答えします。 気象庁が本年発刊しました「近年における世界の異常気象と気候変動 その実態と見通し」において、オゾン層の現状について観察成果を発表しております。 それによると、南極では、一九七〇年代末以降、毎年十月を中心にオゾン層が著しく少なくなるオゾンホールという現象があらわれています。オゾンホールの規模は年々拡大しており、この五年間、今御指摘のありましたように、連続して過去最大級のオゾンホールがあらわれています。南極ほど激しくはありませんが、地球全体でもオゾン量は減少しております用地理的には、赤道域ではオゾン量の減少は見られず、南北両半球とも高緯度でオゾン量の減少率が大きくなっています。季節的には、両半球とも冬及び春に減少が顕著になっています。 また日本土空については、札幌、筑波、鹿児島、那覇の四地点で気象庁が観測しているデータを解析した結果、我が国では札幌で統計的に有意な、明確な減少傾向があらわれています。 以上です。
○岡崎(ト)分科員 私もこのレポートを読ませていただきまして、オゾン全量の少ない状況の原因を明確に解明することができないようですけれども、間違いなく人為的に大気中に放出されましたフロンによる継続的なオゾン層破壊であろうというふうに思います。殊に昨年は最大のオゾンホールが観測されたというのは、非常に深刻な状況ではないかと思います。 こういう事態を受けまして、一九九二年にオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書締約国会議では、特定ハロンは昨年いっぱいで全廃、特定フロン、四塩化炭素、1・1・1トリクロロエタン、代替ハロンは九六年一月一日以降全廃、代替フロンのHCFCは二〇三〇年以降全廃と国際合意されているわけですけれども、来年いっぱいで全廃できるか、私は大変心配なんですが、日本での規制状況はどうなっているか、お伺いしたいと思います。通産省にお願いします。
○西出説明員 お答えいたします。 オゾン層保護問題につきましては、ただいま御指摘のように、国際的な枠組みとしてウィーン条約あるいはモントリオール議定書というものがございまして、これに基づいて各国において所要の対策が講じられているところでございます。 我が国におきましては平成元年に、いわゆるオゾン層保護法と言われておりますけれども、特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律というのが制定されまして、同年七月から特定物質の製造数量の規制を行っております。 さらに、御指摘のありました九二年のモントリオール議定書の改定によりまして、特定フロン等の規制物質の全廃時期を大幅に前倒しするということ、それから、代替フロンの一種でありますHCFC、代替ハロンの一種でありますHBFC、臭化メチル、この三つが新たに規制の対象として追加されることになったわけでございます。 このうち既存規制物質の削減スケジュールの前倒しにつきましては、オゾン層保護法の運用により既に対応しているところでございますけれども、新規に追加されます規制物質につきましては、この製造を通産大臣の許可制にかからしめることを内容といたしまして、いわゆるオゾン層保護法の一部を改正する法律案を今国会に提出したところでございます。 また、こういう規制に合わせまして、削減を円滑に進めるために、代替品の開発普及あるいはその導入の助成につきましていろいろな助成措置を講じていく、また関係事業者の需要削減のための努力を積極的に支援するということを進めているところでございます。
○岡崎(ト)分科員 今のお話のように、新たにオゾン破壊物質として臭化メチルが追加されたわけなんですが、農薬を所管しております農水省はこれをどう受けとめているでしょうか。
○日出政府委員 この臭化メチルでございますが、我が国では大部分が農薬として使われているわけでございまして、特に土壌薫蒸剤として七割、植物検疫のための薬剤として三割、こういった使われ方をしているわけでございます。 こういった形で重要な薬剤ではございますけれども、モントリオール議定書に規定されておりますような規制内容を具体化する特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律案、これが通りますれば、この法律に従いまして的確に対応してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○岡崎(ト)分科員 具体的におっしゃっていただきたいと思います。九一年レベルに抑えるということになっているわけですね。
○日出政府委員 そのとおりでございます。
○岡崎(ト)分科員 臭化メチルのオゾン層破壊係数は、フロンⅡを一とした場合に〇・七とされましたが、これは非常に高い係数だと思います。九六年に全廃が決まっております四塩化炭素は一・一ですね。そしてトリクロロエタンは〇・一。臭化メチルは〇・七です。しかも短期的にはもっと高いかもしれないというふうに言われているわけなんです。臭化メチルの使用を早急に規制すべきではないかと思いますが、いかがでしょう か。
○日出政府委員 私どもの方がお答えするのが的確かどうかわかりませんが、いずれにしましても、九二年のモントリオール議定書締約国会議の結果を踏まえまして、先ほど申し上げましたように、オゾン層保護法改正案に基づきます措置によりましてきちんと対応していきたいと思っております。 なお、これらの措置以上の対応を行うべきだというような御指摘でございますが、ともかく、いずれにしましても現在締約国会議の作業部会でオゾン層破壊係数、先生お話しになりました係数の問題あるいは臭化メチルの海洋面からの自然発生量等につきましての検討がなされている段階でございまして、これらの結果を踏まえまして、九五年のモントリオール議定書締約国会議におきまして臭化メチルの規制の見直しが行われることになっておりますので、この結果を待ちまして適切に対処してまいりたいと思っております。
○岡崎(ト)分科員 既に臭化メチルのオゾン層破壊係数は〇・七であるとモントリオール議定書の附属書に書かれておりまして、本当に高い係数だというふうに私は再度申し上げたいと思いますが、これを否定することになります。待たずに一刻も早くこれに取り組むということが大事ではないかというふうに思うのですね。 殊に日本での臭化メチルの生産量は、九一年に九千三百六十六トン、九三年には一万百六十七トンとなっておりまして、使用量の方もアメリカが第一位、日本第二位と、日本は臭化メチル多消費国になっております。世界に先駆けてオゾン層を守るために臭化メチルの削減をするべきだ、こういうふうに思います。その意図が見られませんが、今後どういう対策をおとりになろうとしているのでしょうか。
○日出政府委員 いずれにしましても、オゾン層の保護は地球環境保全の観点から大変重要でございます。一方、土壌の薫蒸剤あるいは植物検疫のための薬剤としての重要性もございます。いずれにしましても、私どもとしますれば、早急に臭化メチルの使用量の抑制あるいは代替技術の方策等につきまして検討を急がなければいけませんので、ただいま私ども省内に官房審議官を座長とします臭化メチル対策推進会議を設置いたしまして、こういった検討を急いでまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
○岡崎(ト)分科員 国際的に見てみますと、臭化メチルの削減は進んでいるのです。 モントリオール議定書締約国会議作業部会科学技術評価委員会のまとめ、「臭化メチルに関する法制面での変化」なんですけれども、例えば今私の手元にありますものでは、デンマーク、これは九五年までに使用、生産、輸出、販売を禁止するように提案、そして九八年一月一日からは全面禁止というふうに出ておりますし、例えばドイツ、オランダでは、地下水の汚染という事態もありまして、土壌薫蒸用は既に使用されておりません。 そしてデンマーク、ノルウェーにおきましては、一九九八年までに全廃の計画を持っております。オランダではもう既に使用されていないということですけれども、例えば認められている検疫薫蒸であっても厳しい管理下にあるということです。スイスはほとんどの土壌薫蒸を禁止しています。アメリカは二〇〇一年までに生産、輸入、使用を全廃する。これは議定書とは別になっておりまして、大気保全法の中でオゾン層破壊係数〇・一以上のものは全廃するというふうになっております、 今、土壌薫蒸の禁止がふえて、その方面での使用が急速に減っているというのが北ヨーロッパでも見られるわけなんですが、例えば建造物の薫蒸も減っている。アメリカではそれが顕著になっているわけなんです。 このように、各国がオゾン層を守るために臭化メチルの削減を目指してさまざまな努力をしているわけなんです。しかし、日本は減るどころかふえている。しかも日本は、新たに臭化メチル薫蒸を義務づけてニュージーランドのリンゴをもう既に輸入しております。さらにアメリカのリンゴを輸入しようとしております。非常に問題だというふうに思っております。モントリオール議定書の批准を目指しております外務省の意見も聞きたいというふうに思うのですね。 それから、大変危険だなというふうに思いますのは、検疫薫蒸の場合には、これが大気中に出てくるパーセンテージが八〇%で、土壌の方は四〇ないし五〇%ということで、検疫を減らさないとこれはもう大変なことになる。何としても検疫の部分でこの臭化メチルというのは減らしていかなければいけないというふうに思いますけれども、外務省、いかがでしょうか。
○金森説明員 臭化メチルにつきましては、一九九二年十一月に開催されましたモントリオール議定書の第四回締約国会合におきまして、九五年一月一日以降、九一年のレベルでその消費と生産を凍結するということで国際的に合意されたところでございます。 その際、臭化メチルは農産物の検疫上不可欠な物質であり、かつ現在検疫目的の薬剤として適当な代替物質がないということから、検疫に使用されるものにつきましては本件規制の例外としてその使用が引き続き認められているところでございます。したがいまして、現時点でこういった検疫目的で臭化メチルを使用するということにつきまして、議定書上は問題はないものというふうに考えております。 ただ、先ほど来話がありましたように、現在このモントリオール議定書のもとで専門家による作業部会が開かれておりまして、ここで臭化メチルの規制の見直しについていろいろ検討が行われております。この検討を経まして、九五年の第七回締約国会合でこの臭化メチルの規制の見直しが行われれば、この見直しの結果を尊重して適切に対処していく必要があるというふうに考えております。
○岡崎(ト)分科員 そうしますと外務省、議定書の精神から考えますと、例えば検疫薫蒸が除かれているから議定書の違反とはならないというふうに言ったとしても、これはもう本当にどんどん削減しなければいけないということについては最大限お認めになりますね。
○金森説明員 モントリオール議定書の精神は、まさにオゾン層を破壊する効果のある物質を規制していくということが最大の眼目であるというふうに考えております。ただ同時に、適当な代替物質がなく、その使用がやむを得ないという場合には、不可欠な用途あるいは特定用途ということで認められておるわけでございまして、そういった観点からしまして、現時点でこういった検疫目的で臭化メチルを使うということについては問題はないというふうに考えております。
○岡崎(ト)分科員 その精神が本当におかしいなというふうに思うのですね。どちらの方が大事なのかなと思います。何しろこのオゾン層の破壊ということでいいましたら、人間の免疫システムに影響を与えましたり、地表の植物に悪影響を与えたり、あるいは皮膚がんを発生させたりということですから、一刻も早くこちらの議定書の精神を考えて、削減するということに私は重点を置かなければいけないというふうに思うのですね。 アメリカは二〇〇一年までに臭化メチルの生産、使用を全廃するとしておりまして、仮に九五年にアメリカリンゴが輸入されたとしても、この技術は五年しか使えないことになりますね。農林省はリンゴの輸入に関連してこの点についてアメリカとどういう話し合いをしたのか、アメリカはどんなふうに言っているのか、教えてください。
○日出政府委員 先生御案内のとおり、植物防疫法で輸入が禁止されております生果実等につきまして、その生果実についています対象病害虫につきまして完全に殺虫なり殺菌なりの技術が開発されますれば輸入を解禁する、こういうルールの中で、ただいまお話しの例えばアメリカ産のリンゴの輸入解禁問題が出てきたわけでございますが、 私どもは、輸出国できちんとした殺虫、殺菌技術が確立され、それを専門家が評価できるものであれば、それを前提として輸入を解禁する、こういう立場をとってきているわけでございます。 そこで、今回アメリカ産のリンゴにつきましては、この臭化メチルで、例えばアメリカリンゴコシンクイ等の病害虫につきまして、これを殺虫、殺菌するということでございますが、私どもとしましては、ただいまのところは臭化メチルの薫蒸以外に手法がないということの専門家の話を聞いておるわけでございますが、将来、例えばアメリカ等におきまして臭化メチルの使用が禁止された場合には、臭化メチルを使いました検疫措置による輸出は認められないということを相手国側に申し上げている、こういう状況でございます。
○岡崎(ト)分科員 それでは重ねて確かめさせていただきますが、二〇〇一年になって臭化メチルにかわるコドリンガ殺虫技術が実用にたえるようなものになっていない場合は、農水省はアメリカリンゴの輸入を禁止するということを確認させていただいてよろしいでしょうか。ついでにですけれども、サクランボ、クルミ、ネクタリンはどうなりますでしょうか。
○日出政府委員 いずれにしましても、臭化メチルの問題につきましては、そういう状況になりますれば、輸出を行いたいのであれば代替技術を開発する必要があるということもあわせて当然申し上げておりますので、そういったこととして対応していただくということになるわけでございます。
○岡崎(ト)分科員 明快にわかりやすく答えていただきたいのです。アメリカリンゴあるいはサクランボ、クルミ、ネクタリン、そういう技術が開発されていなければ輸入は禁止するということでよろしゅうございますね。
○日出政府委員 臭化メチルを使いました検疫措置による輸出というものは、一定の時点においてもし認められなくなりますれば、さらに輸出国におきまして代替技術を開発する必要があるということは向こうの国へ申し上げております。
○岡崎(ト)分科員 オゾン層を破壊するような技術を相手国に義務づけますのは、国際的な信義に反しているというふうに思います。ニュージーランドのリンゴもそうだと思います。新たなコドリンガ殺虫技術が開発されるまでは、リンゴの輸入をはっきりと禁止すべきだというふうに思います。 日本は一九七一年にリンゴの自由化をしておりますが、それが今まで輸入できなかったのは、植物防疫法でコドリンガなどの害虫が生息する地域からのリンゴの輸入を禁止してきたからです。ニュージーランド、アメリカもそういう地域だから、今までリンゴを輸入できなかったわけです。その植物防疫上の問題が解決したとして政府はリンゴの輸入を解禁したわけです。 しかし、この地域のコドリンガが絶滅したわけではない。コドリンガを殺す方法が開発されたというだけなわけです。コドリンガ殺虫の技術が臭化メチル薫蒸であります。つまり、臭化メチル薫蒸しないとニュージーランドやアメリカからのリンゴは輸入できない。これが義務づけでなくて一体何なんでしょうか。やはり義務づけではないでしょうか。 ニュージーランドやアメリカの視察をした日本の生産者は、両国とも臭化メチル薫蒸はしたくないけれども、日本がやれというから仕方なしにやっているという話を直接聞いてまいりました。日本政府は、他国にオゾン層破壊ガスを使えと押しつけているというふうに言っても仕方がないんじゃないかと思います。日本での臭化メチルの使用が多いからこそ、国内の臭化メチルの削減を早くやるべきだというふうに思います。 オゾン層は待ってくれません。また、議定書で例外となっているから検疫薫蒸に幾らでも臭化メチルを使用しても構わないという、そこまではいかないかもしれませんが、そういう姿勢が私は問題ではないかというふうに思うんです。今回のアメリカリンゴの輸入に関して、日本政府がアメリカに臭化メチル薫蒸を義務づけていることをごまかしてはいけないというふうに思います。アメリカが勝手に使っているのをやめろと言っているのではないわけです。日本政府が使えと言っているのですから、この点、農水省はどう考えているのか、しっかりとお答えいただきたいと思います。
○日出政府委員 主権のあります国の殺虫技術あるいは殺菌技術でございます。我が国がどういうふうにしろということを義務づけるような立場ではございません。 ただ、ややもしますとこの問題につきましては、一方で貿易障壁だというような議論もございます。そういう意味でいいますれば、世界的に百カ国の国が参加してつくりました植物防疫条約に基づきます各国の植物防疫法の建前は、やはりきちんとした殺虫技術あるいは殺菌技術が確立すれば輸入を解禁すべきだというルールになっておりますので、そのルールに従ってただいま日米間あるいは各国との議論を進めているわけでございます。
○岡崎(ト)分科員 義務づけでないということであれば、臭化メチルでなくても、臭化メチルを薫蒸しなくていい。義務づけじゃないならそれでいいわけですか。
○日出政府委員 若干言葉が足りなかったかもしれませんが、もう少し臭化メチルの中身を申し上げますれば、アメリカのリンゴ、あるいはアメリカでなくてもよろしいのですが、臭化メチルを使いまして仮に殺虫をいたしました場合に、例えば千トンの輸出量で数百キロ、一万トンで数トンといったような臭化メチルの使用量でございます。 さらに、先ほど外務省からもお話がありましたように、モントリオール議定書締約国会議におきましても、検疫用に使います臭化メチルにつきましては規制の対象から除外するということになっておりますので、国際間の主張として、臭化メチルを使ったリンゴの輸入を禁止し続けるということは、国際間では主張しがたいということを申し上げているわけでございます。
○岡崎(ト)分科員 いろいろとお伺いしてまいりましたけれども、私はオゾン層破壊という問題に関しては一刻も猶予がならないと思います。外務省、環境庁、通産省もこの議定書の精神を尊重いたしまして、こういったやり方に反対すべきではないかと私は思いますけれども、それぞれ御意見を伺いたいと思います。わかりやすく簡単に、精神についておっしゃっていただきたいと思います。
○松本説明員 オゾン層の破壊の状況は、御指摘のとおり極めて深刻でございます。そして、その対策は重要かつ緊急の課題であると思います。 そして、可能な分野についてはできるだけ積極的に対策を講じていくことが望ましいと思うわけでございますが、今御指摘のあった臭化メチルの問題につきましては、先ほど農林省あるいは外務省の方からお答えがありましたように、一九九五年のモントリオール議定書の第七回締約国会合でさらにその規制措置の内容等について見直し、検討がなされるということでございますので、その検討結果を踏まえて我が国としても適切に対応をしていくということが必要であろうと考えております。
○金森説明員 先生御指摘のとおり、オゾン層破壊は緊急に対応すべき問題であると考えております。 特に、臭化メチルにつきましては、先ほど申し上げましたように、この議定書のもとで専門家による作業部会が設置されまして、適当な代替物質がないかどうか等の検討が行われておるところでございますし、日本からもこの検討に積極的に参加をしておるところでございます。こういったことを通じまして、外務省としましては、このオゾン層破壊防止のための国際協力を進めていきたいと考えております。
○西出説明員 オゾン層保護のために、私どももオゾン層保護の適切な実施ということで、これま で規制物質についての削減、全廃の実施ということに全力を挙げてきているところでございます。新規の規制物質、臭化メチルを含めまして、今国会でぜひ法律を改正して、規制対象に含めるということで議定書の実施に全力を挙げてまいりたいと思っております。
○岡崎(ト)分科員 もう一つ、輸入リンゴの安全性について厚生省に伺いたいと思います。 農水省は、臭化メチル薫蒸されましたリンゴに臭化メチルが十一日以上残留するというデータを出しておりますが、従来、臭化メチルはすぐ分解するとされまして、残留基準も臭化メチルそのものではなく、分解物の臭素が決められております。今回、リンゴに十一日以上臭化メチルの形で残留するということなんですが、これでは臭化メチル入りのリンゴを消費者が食べる可能性も出てまいります。 厚生省はこれをどういうふうに考えておりますでしょうか。現在、臭化メチル薫蒸されたニュージーランドのリンゴが輸入されておりますが、臭化メチルの残留を調査したことがあるでしょうか、伺います。
○山本説明員 臭化メチルの調査につきましては、やったことはありますが、検出したことはありません。
○岡崎(ト)分科員 どういう結果でございましたでしょうか、
○山本説明員 初回の輸入で航空機で入ったものにつきまして検査をやりましたけれども、検出されませんでしたということでございます。
○岡崎(ト)分科員 これは人の口に入るものですから、公表すべきものではないのでしょうか。どういうことになったのか私は知りたいと思います。間違いなく十一日以上ということになっていて、十一から十三というふうに出ていましたね。 例えば、これまでサクランボ、クルミ、ネクタリンが既に入っているわけなんですけれども、そういうものについての残留がはっきりいたしませんと、これは非常に無責任だと思うのです。安全性を第一に考えていただきたい厚生省ですから、そこをはっきりしていただきたい。これからきっちり調べるべきだと思いますし、それを公表していただけますか。
○山本説明員 お問い合わせがあった分については私どもの方でデータをお伝えしたことはありますけれども、それで一応十分ではなかったかと思っております。
○岡崎(ト)分科員 そういう姿勢は私は本当にただただ驚いてしまいますけれども、今でも輸入のサクランボを食べている人がおります。そういう方々に臭化メチルそのものが入るかもしれないということで、私は非常に危険ではないかなと思います。そういう意味において、ぜひともこれははっきりと公表もし、残留が残るのであれば早速動いていただかなければいけないと思いますけれども、いかがでしょうか。
○山本説明員 先生の御指摘の中にもございましたように、臭化メチルそのものは、その物理的、化学的な性質から非常に気化しやすい物質でありまして、薫蒸されたリンゴに残留する可能性は非常に少ないと考えております。 厚生省といたしましては、リンゴにつきまして臭化メチル薫蒸によって生じる臭素について二〇ppmの残留基準をつくっておりますし、また、現在輸入されておるニュージーランド産のリンゴにつきましく輸出国における農薬の使用状況等も踏まえまして臭素を含む残留農薬の検査を行っておりまして、その安全性の確保に努めております。 先生から今御指摘いただきました臭化メチルを検査項目に追加するかどうかということは、現在のところ私どもはその必要はないものと考えております。これは諸外国でも、また国際基準の方でも臭素に関する残留基準を設定するというやり方でやっておりますので、問題はないと思っておりますけれども、御指摘いただきましたので、関係資料も含めてさらに精査してまいりたいと思っております。
○岡崎(ト)分科員 最後に、この委員会での確認として、ぜひこの調査をしていただくということを再度お願いしたいと思います。 以上で質問を終わります。
○若林主査代理 これにて岡崎トミ子君の質疑は終了いたしました。 次に、実川幸夫君。
○実川分科員 新生党の実川でございます。 常日ごろより同じ党で加藤大臣には御指導をいただいております。その大臣に御質問をいただく機会を得まして、大変光栄に思っております。また、朝から農水委員会、本会議と、本当に御苦労さまでございます。 三点に絞りまして御質問させていただきますけれども、実は、私は米につきまして大変関心がございました。そういうことで、持ち時間すべてを米について御質問しようかと思っておったのですけれども、これまで農水委員会また本会議等でいろいろな答弁を聞いておりますので、米については一点だけ質問させていただきたいと思います。 昨年は五十年あるいは百年に一遍というような大冷害に見舞われました。私も昨年、農水委員の一人といたしまして北海道を視察してまいりました。そこへ行く前日、私の選挙区が千葉県でございますので、地元の皆さんから冷害状況を見てくれと言われまして、県の職員と視察してまいりました。その次の日に北海道に参りまして、なおさらその差が私の耳に入っております。直接農業に携わる青年から実が入っていない穂を見せられました。あの状況はいまだに目に映っております。その後、御承知のように、ウルグアイ・ラウンド、ミニマムアクセス等の受け入れ等がございました。本当に昨年は米農家にとりましては大変な一年ではなかったかと思います。 そして、その後、御承知のように二月、三月の米騒動がございました。いろいろと当時から食管制度が議論されております。今も農政審の方で議論されておりますけれども、この食管制度についてお伺いしたいと思います。 昭和十七年に制定されましてもう五十年以上たっておるわけでございます。戦後、食糧難のときにはいろいろな形で国民の皆さんに安定供給をしたということは当然のことでございますけれども、その後、経済成長期あるいは安定期、また米のないときあるいは余ったとき、いろいろ制度を経て今日まで来たわけでございます。その食管制度の構造、性格そのものはこの五十年間で大きく変化していることはもう御承知のとおりだと思いますけれども、ある意味では極めて不自然な、無理の多い制度がこれまで続いてきたということは本当に奇跡に近いのではないか、私もそのように思っています。 そういう中で、先ほど申し上げましたように、ウルグアイ・ラウンド、そしてこの二月、三月の米不足、米騒動が起きたわけでございます。今いろいろと各界各層でこの食管制度について議論されておりますけれども、あの騒動のときには、この制度の下では本当に考えられないようなやみ米等がまかり通っておりました。一説には百万トン以上が出回っていたのではないか、そのような状況でございました。 そこで、この食管制度について大臣にお伺いしたいと思うのですけれども、ある学者などは、もうこの制度なんというのは要らないのじゃないか、撤廃すべきじゃないかという極端な意見もございます。ただ、食糧供給、また日本の農業を守るためにはどうしても必要な制度ではないかと私は思います。そこで大臣、この食管制度そのものについてどのようにお考えになっておるのか、また、新聞等で出ておりますけれども、今までこういう経過がありますのでいろいろな議論があるのは当然ですが、十月の臨時国会で上程するとか七月に中間報告があると言われております。どの点に力点を置いてこの食管制度を改革するべきであるのか、その点についてお伺いしたいと思います。
○加藤国務大臣 私も、実川委員の師匠でありました山村新治郎先生とともに農政を語り、ともに農政を議論してきたという経過を今思い出しておるわけでございます。前回私が農林大臣を拝命したときは、食管制度の根幹は守る、こういう表現をいたしました。今回私は、食管制度の基本を守りつつという表現をいたしております。 戦前、戦中、戦後を通じまして、食管法はいろいろな改正、あるいは幅広い議論があってきたのは事実でございますが、今おっしゃいましたように、昨年の大不作、大凶作ということ、それに伴うところの緊急臨時措置としての外国産米の輸入ということ、そして昨年暮れはミニマムアクセスの受け入れという問題等々、我が国の米を中心とする農政あるいは食管制度というものが大きく議論され、浮かび上がってきたのは事実だろう、こう思うわけでございます。 しかし、今おっしゃいましたように、ウルグアイ・ラウンドの批准を国会でお願いするまでに、食管制度を初めいろいろなものの改正、改革等々の法案がどんなに要るかということは、当然これから大いに検討していくところでございます。 私が申しました食管制度の基本というのは、はっきり申し上げますと、生産者に対しては再生産の確保、それから消費者に対しては安全で安心できる食糧を安定的に供給していく、この二つが食管制度の基本だろうと思っております。こういう基本的な考え方をはっきり堅持しながら、一昨年、新政策というものを決めております。 「新しい食料・農業・農村政策の方向」、この新政策の線に沿ってどうやるか、こうやるかということも含めまして、今農政審議会で御議論いただき、また逆に各種団体からもこの食管制度に対しての改正、改革、いろいろな議論を幅広くいただいております。また、国会からもそういう議論が起こっております。これら幅広いものを集約しながら、審議会の御答申をいただいた線を踏まえまして、今申し上げました食管制度の基本を守りながらやっていきたい、こう思っておるところでございます。 大変長くなりましたが、以上でございます。
○実川分科員 今大臣から詳細に御説明をいただきました。ありがとうございました。 いずれにしましても、生産者、消費者安定ということが基本だと思います。この米というものは日本人の心でもあり、また日本文化の核でもあろうかと思います。そういうことからいたしましても、これから総合的な判断のもとに、各省庁とも協議しながら、早い時期に御提示をしていただきたいと思います。 せっかく食糧庁長官がいらっしゃいますので、米についてもう一点だけお尋ねさせていただきます。 私のことで大変恐縮なんですけれども、地元でお米屋さん、小売業者の皆さんに大変御支持をいただいております。先週、小売業者の皆さんの集まり、懇親会の方に移りまして、同じような質問を二、三の人から受けました。 と申しますのは、先ほど申しました二月、三月の米騒動、米不足のとき、食糧庁長官もテレビ等、大分引っ張り出されまして大変だったと思いますけれども、今それから二、三カ月たっておるのですが、外米等は売れ行きが悪いというのは当然わかっていると思います。とにかくBタイプのお米というのはほとんど売れないという状況でございます。そういう中でどういうわけか、例年に比べますと国産米も売れ行きが非常に悪いという質問がございました。 そのとき、たしか二月、三月の米不足のときには、米からパンの方にかわった方がたくさんいらっしゃいます。また、米不足のために買いだめをした方もたくさんいらっしゃったと思いますけれども、そういう理由から今、米が売れないのじゃないか。いろいろ理由があるかもしれませんけれども、長官、その点につきまして何か情報等が入っておりましたら、お聞かせいただきたいと思います。
○上野(博)政府委員 今委員御指摘のとおり、二月、三月と大分米の需要が高まりましたが、四月、五月とやはり売れ行きが落ちているという状況にございます。私どもがとっております消費の状況からいいましても、お米の消費がやや少なくなっておりまして、それにかわって食パンとかめん類の小麦粉製品の購入量が増加をしているという状況にございますので、国内産米の不足を背景にいたしまして、多分一時的にお米と小麦粉製品との間で代替関係が生じているのではないかというふうに思っております。 ただ、先ほどお話ございましたように、十一月以来三月ぐらいまでの間にかけましてかなりお米の売れ行きがよかったという状況はございまして、家庭内に大分たまっているのではないかというお話もございまして、トータルとしてのお米の需要が米離れというような話にまで及んでいるのかどうかという点は、もう少し様子を見なければならないのではないかと思っているところでございます。
○実川分科員 私も農家の生まれでございますので、米につきましては三度三度食べてもいいくらい好きなものでございます。どうか米離れのないように、食糧庁としても大いに指導していただきたいと思います。 次に移らせていただきます。 後継者問題でございますが、午前中の農水委員会でもこの問題が取り上げられておりました。確かにこれからの農業というものは、後継者にかかっているものと言っても過言ではないかと思います。その地域地域によって後継者問題はいろいろな見方があろうかと思いますけれども、何か後継者につきますと悲観的な要素ばかりがあるのじゃないか、そう言われておりますけれども、決してそういうところばかりではないというようなことを御説明しながら、質問させていただきたいと思います。 実は、私の選挙区は千葉県でございます。御承知のように大変温暖な地域でございます。野菜等につきましても大変適した地域でございます。それとまた一番大きなことは、今千葉県の人口は五百七十万近くになっています。恐らく数年後にはもう六百万近くになるんではないかと思います。そういう人口急増地域でもございます。それとまだ、それ以上に大きなことは、東京都という大きな台所、胃袋を抱えております。 そういうことでございますので、この数年、葉物を中心にしまして野菜の総生産額ではずっと日本一を続けております。いろいろな地域差はあるかもしれませんけれども、若い農業青年たちが本当に目の色を変えて、もうかる農業あるいは楽しい農業というように大変今頑張っております。そういうことで、高校生、中学生も、次は農業をやるんだということで順調に後継者も育っている地域でございます。そういうことも含めまして、こういう地域もあるんだということで、後継者について御質問させていただきたいと思います。 午前中の農水委員会でも、農業改良助長法の中で、これまでの普及員とかあるいは技術員について、また管理とか質問がございました。その普及員制度につきまして今回改正されるわけでありますけれども、どの点に視点を置いて改正されたのか、まずその点をお伺いしたいと思います。 それから、その中にございます、各県にあると思いますが農業大学校、これは千葉県でも大変今真剣に取り組んでいるのでございますけれども、各県の大学校の実態についてお伺いしたいと思います。また、毎年卒業者が出るわけでありますけれども、その卒業者はどのくらい農業にかかわっておるのか、その辺もお伺いしたいと思います。 それからもう一点、新規の就農者でございます。これはUターンも含めまして、全国でこの数年間どのくらい農業についておるか。この三点、お伺いしたいと思います。
○日出政府委員 常々縁の下の力持ちであります改良普及員につきまして御質問いただきまして、本当にありがとうございます。 先生今お話しのように、先ほど農林水産委員会で可決、成立していただきました農業改良助長法の一部改正の目的で、今回はかなり法改正の性格を明確にしておるわけでございます。 四つの目的を挙げてございまして、一つは能率的で環境と調和のとれた農法の発達、二つ目は効率的かつ安定的な農業経営の育成、三つ目は地域の特性に即した農業の振興、四つ目は農村生活の改善ということで、現下の農業、農村をめぐる諸問題について的確に対応していこうという趣旨で、今回この改良助長法の改正を行うことにしたわけでございます。 ただ、先生もちょっとお触れになりましたが、こういうことになりますと、実は改良普及員なり改良普及所のレベルアップをしなければいけないということになります。特に、幾つか出てまいりますが、例えば効率的かつ安定的な農業経営の育成一つとりましても、大変知識あるいはレベルの高い農業者を相手にした改良普及ということが望まれます。 そういう意味で、平成二年ごろかろ、この普及員の資質向上ということで、海外派遣に七十一人とか、あるいは国内留学に百四十七人、あるいはビジネススクールとか民間企業にざっと百六十人とか、こういった方を派遣をしまして、資質の向上をするということを急いでいるわけでございます。 そういう意味で、こういった新しいテーマに対応した改良普及員の、実はなかなか質量ともにとても十分とは言いがたいものがございますので、これから必死になりまして、施設整備とあわせまして資質の向上、体制の強化ということを図っていくというのが第一の課題だと思っております。 二つ目のお話でございますが、農業大学校の実態あるいは卒業者の就農率の話でございますが、先生も御案内のとおり、約四十一県におきまして農業大学校というのがございます。在校生は四千五百人に及びます。高等学校を卒業しまして大体二年間、全寮制のもとで実践教育を行うというのが原型でございます。近年はこの入学者の数がふえてきておりまして、女性なりあるいは非農家出身の入校者がふえておるわけでございます。 この方たちがどういう形で農業に従事するかということでございますが、学校を卒業しまして直接就農いたします方が三割、あるいはこの中で、専業は別なものでありますけれども、一部農業に従事する、兼業的な形で従事する方たちを含めますと大体卒業生の七割が今農業に従事している、こういうようなことになるわけでございます。 さらに、近年の新規就農者の動向のお話に触れられましたが、若干景気後退もあるかと思いますが、実は近年、新規就農青年あるいはUターン就農者の数が徐々にふえつつあるということでございます。 そういう中で、通常、新規学卒就農者が千七百人ということがよく出ておりますが、先生のお話でもありましたように、特に関東近県では、野菜農家、花農家を中心にしまして後継者になっている方が非常に多うございますが、この新規学卒就農者の千七百人のほかに、一度他産業に就職した後に就農する方、この方たちが実は平成三年以降増加をいたしまして、平成四年には二千六百人になっているわけでございます。あるいは新規学卒者のうちで兼業的に就農した人が二万二千人いる。 こういうような形で、就農予備軍と申しましょうか、ちょっと言葉がよくありませんが、そういう方たちがおられますので、この方たちの中からこれからの農業を担っていただく方を大いに育てていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○実川分科員 今、普及員についていろいろ御説明がございました。実は私どもの後援会の青年部なんですが、先ほどからお話し申し上げていますように、大変農業に熱心でして、もうバイオとかいろいろな新しい研究に取り組んでおります。毎週土曜日に集まりがあるのですが、先週の六月四日ですか、私も久しぶりに顔を出しました。 ちょうど今スイカで、とにかく一番忙しい時期でございますので、十時ごろから始まったのですけれども、その中で二、三の人から今お話がございました普及員の話が出まして、どういうふうに思っているんだという話をしましたところ、私どもの地域では、普及員に対しまして、失礼な言い方かもしれませんけれども、昔はいろいろ御指導をいただきながら経営方法も教えてもらったのですけれども、今ではほとんど相談することがないというようなことを言っておったわけでございます。 それだけ私どもの地域の農業青年というものは、バイオとかいろいろわからないことがありましたら農林省の出先、つくばの方へ行ったり、夜、講師を呼んで講演を聞いたり、そういうような熱心な地域でございますので、大変失礼な言い方かもしれませんけれども、普及員、技術員というものが今ほとんど役に立っていないというような話でございました。 そういうことがございますので、どうかこれからも、せっかく法改正したのですから、海外研修とか大変でしょうけれども、技術面でも積極的に指導していただければと、このように思います。 また、大学校でございますけれども、これまた手前みそになりますが、今千葉県の大学校でも大変熱心に、私も視察に参りましたけれども、特にUターン就農者、これに対しても積極的に指導しております。そういうことがございますので、どうかこれからも、千葉県も含めまして、大学校につきましてはよき指導をしていただきたいと思います。 また三点目の就農者、これは全国千七百から二千何人と言われておりましたけれども、千葉県の場合は大体三百人から四百人毎年就農者がおられます。そういうことでございますので、地域によっては新しい農業青年というのは悲観的ではなくて、本当に積極的にこれからも考えていただきたいと思います。それだけ地域によって、また恵まれた地域でございますけれども、そういう状況があるということを認識していただきたいと思います。 それから、せっかくですので、先ほど女性の就農者というお話がございました。実は私どもの選挙区で富里町というところなのですが、十年前に村から町になった。一万数千人から二万数千人になり、現在ではもう四万八千人、次回の国勢調査では恐らく市になると思います。全国でも珍しい、村から町、それから市になるという町なのですけれども、非常に人口のふえている地域でございます。そういうところでございますので、農家と団地、小さい団地、大きい団地ありますけれども、五分、十分で行けるところにございます。 そういうことで、これは新農者にはなりませんけれども、パートの御婦人方が、今までスーパーとか町の工業団地の工場とかデパート、賃金はそちらの方が高かったのですけれども、最近は、この四、五年は農業、いわゆる農家にパートに行く方がたくさんふえて、先日も集団でスーパーをやめて農家の方にパートに行ったということを聞いております。私も大変喜ばしいことだと思います。 確かに賃金は安くなったけれども、非常に体の健康にもいいし、また帰りには、変な話ですけれども、本当に新鮮な野菜もいただいて帰ってくるというようなことをおっしゃっておりました。感想だけで結構ですけれども、こういうような状況をどのようにお思いでしょうか。
○日出政府委員 これからの農業で特に伸びてまいります野菜でありますとか花でありますとか、これは付加価値が高いということはありますが、一方で、かなり人手を食う労働集約的な農業部門でございます。 先生のお話のように、関東でよく見られる例でございますが、他産業におられます奥様方をパートとして雇ってやっております方が、北関東で、 花とか野菜とかそういうもので非常にふえてまいりました。これからの農業といたしますれば、そういった外側の方をどういうふうに上手に雇用をしてやっていくのかというのが、一つの大きな決め手であろうかと思っておるわけでございます。 そういう意味で、普及の問題でもそうでございますが、一般的に経営管理といいましょうか、農家の方々も生業として農業をやるわけではなくて、経営としてやっていただくという前提で、私どもは、先般の改良助長法の改正も含めて、こういった面についてこれからも力を入れていかなければいかぬ、そういうふうに考えている次第でございます。
○実川分科員 最後になりますけれども、有機農業について質問させていただきます。 これも午前中の委員会で取り上げられておりましたけれども、地球規模の環境問題が大変関心のある中で、有機農業は世界的な傾向だと思います。昨年は有機農業大会がアジアで初めて日本で開かれた、このように聞いております。また一方では、日本人の食生活と申しましょうか、グルメ志向ということからも、このブームが広がってきたのではないかと思います。 先ほどから申しておりますけれども、私の選挙区は非常に団地と近いものですから、消費者の皆さんもこの有機農業に大変興味を持っておりまして、またある地域では、若い人たちが中心になってこの有機農業に大変熱心に取り組んでおります。そういうことで、土曜日、日曜日になりますと、近くの団地の奥さん、だんなさん方が一緒になりまして、この有機農業を見学しながら野菜を買いに来ている、そのような状況でございます。 そういうことでこの有機農業、午前中にも質問がございましたけれども、これからの日本農業の中での位置づけをどのように考えているのか、お伺いいたしたいと思います。
○日出政府委員 ただいま先生御指摘の有機農業でございますが、全国的にいいますれば大体農家数の約一%ぐらい、三万戸ぐらいのところで有機農業をやっているだろうというふうに私ども推定しておるわけですが、その中で、本当に化学肥料あるいは農薬を使わない本当の有機農業の中の有機農業、これはその中の三〇%ぐらい、約一万戸ぐらいの農家で行われているのじゃないかと思っております。ただ、この方たちは、ある意味で各地各自で、先生お話しのように消費者とのつながりの中でつくってきたとか、いろいろな経緯でそれぞれの有機農業をやってきているわけでございます。 ただ、これも私どもがいつも言っております環境保全型農業の中の一つの大きな極にあるものだろうというふうに思っておりまして、私どもとしますれば、改良資金などを使って例えば無利子の資金でこういったものを進めていけるようにするとか、あるいは、その他の施設整備などの補助事業等も実は平成六年度から準備をしたいというふうに思っておるわけでございますが、有機農業をなさっている方には、余りそういった政府なりなんなりの力をかりないで、自分たちだけでやるという声も実は強うございます。 いずれにしましても、私どもはそういうメニューを用意いたしまして、いざというときには御支援できるようなことを進めていきたいというふうに思っている次第でございます、
○実川分科員 昨年の十二月だったと思いますけれども、消費者問題特別委員会で築地市場を見学に行ったのです。その一角でしたけれども、有機農業コーナーというのを設けてありました。私の地元の青年部のつくった野菜がその三分の一ぐらい占めておりまして、それを写真に撮りまして地元に帰りまして見せたら、大変喜んでおりました。とにかく、私どもの地元でもこの有機農業に大変積極的に取り組んでおりますので、これから出荷施設とかあるいは導入資金等いろいろとお世話になると思いますが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 大体以上で質問を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○若林主査代理 これにて実川幸夫君の質疑は終了いたしました。 次に、大畠章宏君。
○大畠分科員 日本社会党の大畠章宏でございます。幾つか最近の農業問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。 私は今商工委員会に属しておりますけれども、この四、五年、仕事をさせていただきましてつくづく感じるのは、人間はもっと自然界に対して謙虚にならなければならないのじゃないか。いわゆる自然界の流れ、あるいは生物の発達というものを考えますと、きちっとそのサイクルといいますか輪ができているわけですね。小さな生物をより大きなものが食べ、それを繰り返しながらきちっとしたサイクルができているわけでありまして、このサイクルというものをもうちょっと私たち人間が謙虚にとらえて行動すべきじゃないかということを反省を含めて実感をしながら、仕事をさせていただいているところであります。 そういう中で、この食糧問題、ともすると、おいしければいい、あるいは安ければいいという形で見られがちでありますけれども、昨年の冷害問題を契機として、食糧というのが大変私たちにとって重要なものであるといわことを改めて日本人がみんな感じたのではないかと思います。 この米問題だけではなくて、農業全体について今非常に就業する人が少ない、特に若い方々の農業につく割合が非常に少ないということは統計上からも言われておるわけでありますが、この問題は非常に切実な問題であります。日本国内で食糧が生産されなくても、輸入すればいいじゃないかという考えもあるかもしれませんけれども、安心して食べられる食糧を安定的に供給するというのは、独立国家としては大変重要な、基本的な問題でございます。 そこで、この農業問題について何点か伺いたいと思います。 まず、これはたびたび伺っておるのですけれども、農村というものをどのような形で魅力あるものにしていくのか。これも農業に従事する若者を確保する一つの重要な因子だと思いますし、さらに、農業という職業できちっとした収入が得られる、そういうものが明確でないと、どんなに農業をやってくれと言っても、私はなかなか今の若者の皆さんには受け入れられないのではないか。 そういうことで、全体としてこの農業というものを魅力あるものにするために、どういうことを農林省として考えておられるのか。さらには、農業地域といいますか農村地域、農村という町づくりといいますか、そういうものについてどのような方策を新たに考えようとしておられるのか。 それから、都会は都会でいいところがあるかもしれないけれども、農村には農村のすばらしいところがあるのですね。何よりも自然が豊かである。緑が多く水もきれい、空気もきれいだ。また、人情面においても非常にきめ細かなアジア独特のものがございます。そういうものを含めて、一体どういう形で農村という環境をうまく利用した村づくりというものをこれから進めたらいいのか、そこら辺について最初にお伺いしたいと思います。
○入澤政府委員 一昨年から検討いたしまして昨年発表いたしました新政策の検討過程で、私ども、全国で生き生きとして農作業に励んでいる農業青年等にかなり会いました。各地の実態調査をいたしまして、嫁さんも来て笑い声が絶えない、そういう農村の要件というのは一体何だろうかということを分析してみました。 まず、農村では四つ共通項があったと私は思うのです。 一つは、安定的に所得が得られるような農業を初めとしていろいろな産業が定着している。 二つ目は、開かれた村づくりですね。新しい流行とか新しい技術がどんどん入ってくるような、そういう自由な雰囲気が村全体にみなぎっている。 三つ目は、アクセスですね。道路とか情報網がきちんと整備されていまして、一時間もすれば ちょっとした地方都市に行きまして都市の雰囲気も味わえる。都市と農村のギャップを余り感じない。 四つ目は、各市町村長さんたちが理念を持って村づくりをやっている。我が村を美しくということで、理念を持っていろいろな村づくりを追求しているということ。 この四つの項目が生き生きとして農業をやっている村の大体共通な項目でございまして、私どもが新政策でねらったのは、農山村に住んで農業を職業として選択する、そのための条件は一体何かということでいろいろなことを調査したのですけれども、農山村については今申し上げたようなところ。 農業については三つやはり条件があるのではないかと思ったのです。 その一つが、農山村のところと同じ共通項目なんですけれども、所得の安定ですね。 もう一つは、労働時間を他産業並みにする。これが千八百時間とか二千時間という目標を出したわけです。 三つ目が、労働基準法の適用は農業にはまだないわけでございますが、しかし、その精神は農業の現場においても準用されるような労働条件の改善、こういうものがなされなければいけない。 農業におけるこの三つの条件と農山村における四つの条件、これを組み合わせて農業政策、農村政策をやっていこうではないかということで、新政策の中で具体的な処方せんを検討しているわけでございます。 また、去年は農業基盤法と中山間の法律を出しまして、一応基盤整備の関係からの枠組みをつくったわけでございます。
○大畠分科員 基本的な考えはそういうことだと思いますが、実際問題なかなかそのような村づくりが進んでいないし、現実に過疎化はどんどん進んできているというのも一方の現実だと思うのです。 過疎化が進むというのは、すなわち若者にとって農業というものは魅力がない。単なる労働条件云々だけではなくて、収入も非常に他産業に比べて十分な状況ではない。そしてそれを補完するだけの、何といいますか、収入が少なくてもおれはこれでやるんだといういま一つインパクトもない。 特に収入問題については、私も製造業で仕事をしておりましたけれども、どうも物をつくるというものの価値が、何か流通業界との関係で軽んじられているのではないかと思うのですね。物をつくるというのは、大変シビアに仕事をしているのですが、物を一個つくった、ところがそれを実際お店で売るときには、物をつくったときの価格よりもかなりの値段で売られている。例えば流通の方の人が給料が高くて、物をつくっている人が流通業界で働いている方よりも少ないとすれば、何かどこかおかしいところがあるのではないかという感じがするんですよ。 私はもうちょっと物をつくるという原点を大切にしてほしいと思うし、農業に携わっているいろいろな関係の方もおられますが、そういう方にもぜひもう一回、物をつくるという原点でやっている人の立場を考えた全体的なものにしていただきたいと思うのですが、ここら辺、農林省としてはどういう認識をお持ちですか。
○入澤政府委員 農業は国家の米と言われる鉄鋼産業と似たところがございまして、素材産業的な分野はかなり競争力をなくしたりなんかして追い込まれていますが、鉄鋼産業でもそれぞれの大メーカーは付加価値を高める工夫をいたしまして、全体として日本の鉄鋼産業界を世界に冠たるものにしている。こういう他産業の例も学ぶべきではないかと私は思うのです。 現に農業の現場で各地にそういうことが出ていまして、生産したものをいかに付加価値を高めて、流通、加工、販売過程まで農業自体が進出するか、農業者自体が進出するかということで勝負をすることが必要ではないかと思っているのです。 産業連関表で見ますと、年々一次産業の所得というのは減っているわけですね。この前の直近のデータでは、一次産業所得が一七%です。二次産業、三次産業過程が八三%。パイが大きくなっている場合にはそれでもいいのですが、パイのふえ方が少なくなってきている、安定経済成長になったという場合には、農業側の一次産業所得をふやすためには、どうしても流通、加工、サービス過程に手を伸ばさなくてはいけない。 その意味では、我々構造改善事業等でいろいろな農産物の処理加工施設などをつくったり、それからまたスーパーやデパートの特約販売をしたりということを進めていますけれども、やはり流通、加工、販売過程に歓迎されるようなものをつくって、付加価値を高めて、そこから所得を農家に還元するような仕組みをこれから広範につくっていくことがやはり基本的に必要ではないかというふうに考えています。
○大畠分科員 実は過般、私は五月にフランスの方に行きまして、あるデパートに入って果物売り場に行ったのですが、日本の食料品売り場とは異なる光景をちょっと目にしたのです。 それは、トマトだったらトマトが山積みされているのですよね。パックなんかされていないですよ。山積みされているのですよ。それで、何個でもいいのですが、五個でも六個でも必要な分だけ手にとって、そしてあるところに袋がありまして、その袋に入れて台ばかりみたいなところにちょっと乗せますと、それでグラムがはかられてレシートというか、ぴたっと張る。何グラムですから何円ですという。もちろんトマトとかニンジンとか、いろいろな押すボタンがあるのですが、トマトというところを押すとそういう値段が出てきて、ぺたっと張れば、レジに行けばそれで買えるのですよ。これは非常に便利だなと。発泡スチロールの受け皿も要らない、ラップもしていない、途中の流通で非常に運びやすいという形。 あるいは消費者もそういうものを好んでいるかもしれないけれども、何かもうちょっと日本の農産物の販売方法においても、そういうごみがふえないようにして、かつ消費者にとっても安価に買える、あるいは生産者の方に余分にお金が回るとか。どうも今利便性を追求するためにそうなってしまっているのですね。 これは農林省の管轄ではないかもしらぬけれども、もう一回そこら辺、どうしたら生産者になるべく多くのお金を還元できるか、そういう目で見ることも必要ではないかなと思いますので、ぜひ流通も含めて再度見直しをお願いしたいと思います。 ちょっと順番が飛びますが、もう一つお伺いしたいのは、農家のことを一番考えて指導している、そういうところは一体どこなのだろうか。もちろん農林省は一生懸命日本の農業全体、あるいは食糧問題を考えておりますが、最先端のところで、農家というのは個人経営ですよね。一つの会社をつくってやっているようなものですが、個人経営のところに適切な指導をする、そこがどうも最近明確な形にならなくなってきているんじゃないかと思うのですよ。 もちろん営農指導員とかなんとかという方もおられますが、どうも営農指導員の方も非常に数は少なく、農協さんの場合、どちらかというと農協さんの運営のためにかなり力が注がれて、本来の営農指導とかなんとかというのは非常に小さなセクションになってしまっているということも聞いているのですね、これは事実かもしれないけれども。 日本の農業も言ってみればベースは一つの農家ですから、そういう農家の方が自分の子供に、後はおまえやってくれよというような形にしていくのは、そのおやじさんが一生懸命考えればいいかもしれないけれども、やはりどこかでトータル的にこういうことをやってみたらどうですかと。要するに、そういうことによって利益が返ってくるとかなんとかじゃなくて、農家自身のことを考えて真剣に指導をする、そういうセクションはどこにあるのか、ちょっとそういう御認識だけを。
○日出政府委員 先生からそういう御質問が出ますことは大変残念なわけでございまして、きょうの午前中に農林水産委員会で農業改良助長法の一部改正が可決されましたが、その中で改良普及員の役割につきまして、これからの新しい農業、農村の課題に対応して普及員が今一生懸命やっておりますということを申し上げたわけでございます。 改良普及員は、約六百数十人の専門技術員と一万人の改良普及員、これは県の職員の身分でございますが、国と県が一緒になりまして、協同農業普及事業というふうに昭和二十三年から言ってきていますように、国は大きな枠組みをつくりますが、実際に県の実情に合ったような形で農家を指導できるようにということで、国と県の協同事業という珍しい性格の事業でございます。 さらに、農協の営農指導につきましてちょっとお触れになりましたが、確かに農協の営農指導につきましては、指導員は一万八千人いるということになっておりますが、なかなか農協の経営実態その他で、思うような力が発揮できないということは事実あるようでございます。私どもとしますれば、この農協の営農指導員やあるいは農業委員会あるいは市町村、こういったところと連携をとりまして、地域地域に合ったような指導体制、こういうものを、普及を中心にいたしましてとっていきたいということを考えているわけでございます。
○入澤政府委員 若干補足させていただきますと、今先生の御指摘になった点につきましては、実は去年国会で御審議いただきました経営基盤強化法、それから特定農山村法の制定過程の中でかなり議論がありまして、私ども予算をいただきまして、ことし全国の三千市町村に経営指導センター、営農指導センターというのをつくろうと思っています。 これは、農協や農業委員会の指導的な立場の方だけでなくて、中小企業診断士とか市場の関係者あるいは食品の製造メーカーの関係者も入れまして、そこに行きますと新作物の導入の相談もできれば普及員を通じて技術の相談もできる、それからマーケティングの相談もできる、場合によっては税務相談もできるというような総合的な経営支援センターというのを、もうそろそろ全国各地につくるべき時期じゃないかという御指摘もありまして、そのような予算もとって、今全国的に体制を整備するべく努力をしているところでございます。
○大畠分科員 ぜひ私は農協さんにも頑張っていただきたいと思うし、農業協同組合というのがどういう目的で設立されたのか、その原点に立ち返って、農家全体、農家の収入をいかにふやすか、そういう意味でもぜひ頑張っていただきたいと思います。 もう一つ、今お話がありました改良普及事業の件ですが、私は県会議員時代にもこの改良普及所にいろいろ行って話を聞いてきましたけれども、非常に若手が頑張っていますよ。頑張っていますが、何か知らないけれども最近どんどん改良普及所が統合化されてきましたね。農協の統合も今進んでいますが、この改良普及所の統合で非常に人も減ってきているんじゃないかと思うのです。ここ数年の傾向についてちょっと教えていただけますか。
○日出政府委員 先生お尋ねの改良普及所の箇所でございますが、徐々に減ってきておりますが、そう大きな減り方ではございません。それから、普及所の職員の数でございますが、これも若干の減りではございますけれども、微減といったような状況でございます。 むしろ、先生お話しのように、改良普及員の世代交代の時期になっておりまして、今、若手の三十歳以下の方が県によりますと四〇%近くおられます。今までのように農家にはまり込んでやっていくものから、普及所を中心にしました経営分析とか、そういったものに普及の中身も少し変わりつつございます。 そういう意味で、中身についての入れかわりの時期ではあると思いますが、なるべく体制の強化はこれからも続けて、きちっとした体制でやっていきたいというふうに私どもとしては思っております。
○大畠分科員 今お話があって、幾つか統合する、人員的にはそんなに減っていませんという話ですが、行ってみると非常に今元気がなくなってきているのですね。改良普及所の役割は多いにもかかわらず、全体として何かそういう、農林省の方針かどうかわかりませんが、統合して新しい建物になるということは一つかもしれませんけれども、どうもいま一つ少しずつ人員も少なくなってきている。 私は、昨年の米問題を含めて、日本できちっと安全な食糧を安定して供給するという体制をつくるならば、まさに農家の一番の味方というのは改良普及所の指導員ではないかと思うのですよ。そういう意味で、農家に余りはまり込まないで、経営分析とかなんかでやるんだというんだけれども、やはり農家は中小企業、小企業ですから、できればはまり込んでいって、今度の春には何を植えるんですか、例えばこれでなくてこうやったらどうですかというように、逆にかなり農家にはまり込んだ指導をしないと、農家が一戸だけで飛躍的な形になる、あるいはまた子供さんに農業というものを受け継いでいい態勢まではなかなか持つていけないのではないかと思うのですね。 したがって、私はぜひこの改良普及所の強化というのを図っていただきたい。逆に言えば、農家のことを本当に考えて一生懸命やっているのは、今唯一改良普及所の職員ではないか、私は地域を回ってそう感じているのですよ。これは損得ではなくて、本当にどんな作物をやったらいいか、非常に研究熱心に、中堅といいますか若手の方ですから頑張っているので、その方々が元気が出るといいますか、希望を持って仕事ができるような方針をぜひ農林省として出していただきたいと思うのですが、いかがですか。
○日出政府委員 大変お力強い御支援のお言葉をいただいたわけでございます。先生の今お話しのような趣旨にまさしくのっとりまして、今回の改良助長法の改正を出させていただいたわけでございます。 先ほどちょっと私、御説明した言葉が足らなかったかもしれませんが、世代交代の中で若い改良普及員がふえてきた。この方たちはかっての世なれた普及員に比べますと、実は農家段階に入るのがやや不得意であります。ただ、入らないという意味でなくて、当然入ってやるわけではございますが、そこで今、若い方たちの資質の向上といいますか、そういうことをしなければいけません。 ともかく一万人の体制で非常に幅広い、環境保全型農業もございますれば経営体の育成もございます。農村生活の改善もございます。そういう意味で、改良普及員の資質の向上を図ることが大変大事なことになってまいりますので、外国留学、国内留学あるいは民間企業への派遣、いろいろな形で望ましい資質の向上ということを図るべく、急いで今そういった研修体制の強化を図っている、こういう状況でございます。
○大畠分科員 日本は農業国であります。もともと農耕民族というところからスタートしていますので、今工業立国になってきていますが、その日本を支えてきた歴史ある農業というものに魅力が出て、そして若者が挑戦するという環境をつくるために、ぜひ農林省としても頑張っていただきたいということをお願いしておきたいと思います。 次に、お米の問題については、既に本会議等でも質問されていますので、重複は避けたいと思いますが、今、私ども社会党の方では、やはり今回の米騒動の原因は備蓄が不十分だったと。これは前政権の自民党さんの関係者の方も、ある方々にも聞いていますが、それは自民党さんとしても何か認めておられるような話がありました。 いずれにしても、この備蓄体制の整備、社会党としては二百万トンの備蓄をしてほしい。さらに は新聞紙上でも、備蓄のときに温度を下げるとか真空パックの形にすればお米の品質を保つことができるとか、いろいろな工夫がされております。ぜひこの件については、農林省としても昨年の反省を踏まえて実施していただきたいと思いますが、その件について簡単にお答えいただきたいと思います。
○上野(博)政府委員 今回のような不作のときにも、安定して米が供給できるような体制をつくっておくということは確かに大事なことでございますけれども、一方で、過去におきまして非常にたくさん米の在庫がたまり過ぎて、この過剰米の処理に大変な財政負担をしたということもございまして、そういう両面からの問題を考えてまいらなければならないのではないかというふうに思っております。 現在、在庫の回復を図りますために水田営農活性化対策の見直しを行い、生産調整面積の減少を行いまして、平成八米穀年度末、すなわち平成八年十月末の在庫数量を百三十万トンぐらいに回復するという計画を立てまして、ことしの作付にも臨んでいるところでございます。 長期的には、今回のウルグアイ・ラウンドの合意を国内に導入してまいります際に、安定的な農業の国内生産が可能になるようにということを考える一方、また国民にも安定的に供給ができるというような観点から、ミニマムアクセスという形での輸入米の導入ということもございますので、いろいろな要素を考えまして、備蓄を含んだ新たな米の管理システムというものを考えなければならないということで、現在農政審議会にも御検討をいただいているところでございます。
○大畠分科員 今回のお米の問題では、大変諸外国に協力を求めて、何とか日本人の食糧というものを確保できました。今お話がありましたように、余ってしまったことがあったという話ですけれども、そろそろこの日本の食糧政策については、世界の食糧政策の中の日本の食糧政策という位置づけにして、世界的には食糧が全体的に不足しているわけでありますから、もう日本だけのことを考えた食糧政策というだけではならないのではないか。 例えば、タイにしたって、アメリカにしたって、オーストラリアにしたって、日本のために一生懸命増産して送ってくれたわけです。あるいは向こうで食べる分を削ってまで送ってくれたかもしれません。そういう意味では、お金を出して買ったからというだけでは済まないと思うのです。 したがって、地球全体といいますか、世界全体の食糧はどういう形で確保するかということを考えながら、日本の食糧政策というものをしなければならない。そうなれば、余るという概念はもうそろそろ離れて、過剰な生産をされたものは何かの形で諸外国に援助をする。そういう形で、一定量の備蓄を備えながら、それ以上のときには諸外国に援助するとか、そういうことも十分これから考えていただきたいなと思います。これは要望であります。 また別の機会にお願いしたいと思いますが、少し視野を広げて、世界の食糧をどういう形で供給するか、その中での日本の食糧のあり方、こういうことをぜひ考えてお仕事をしていただきたいと思います。 最後に、林業問題についてもお伺いしたいと思ったのですが、時間が参りました。林業については、山も採算が合うか合わないかといったら、非常に合わない産業になってきましたけれども、やはり自然があっての人間なんですね。山が今千七百万ヘクタールずつ一年間に失われている、あと百年たつと丸坊主になるという話もありますし、地球上からそういう森林がなくなった場合には、まず生物は生きていくのはなかなか難しいでしょう。 そういう意味からも、この山に対する認識というものを、農林省の認識ももうちょっと変えていただかなければならないかもしれません。山に金がかかるからもうやめたということじゃなくて、やはり山にきちっと投資をしていくということは、五十年後、百年後の日本人に対する当然な行為だと思いますので、ぜひこの森林あるいは山づくりのための投資というものを、これまでの観点から変えた形でやっていただきたいと思います。これは要望をしておいて、また別の機会に御討論させていただきたいと思います。 最後に、大臣がおられますので大臣に、日本の農業、あるいはまた今いろいろなやりとりをしましたけれども、特に食糧の自給という観点からの基本方針、あるいは山に対する御認識等々について御見解を伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○加藤国務大臣 まず、食糧自給の基本方針、我が国の農業、農村の今日置かれておる状況、そしてまたそれに絡むいろいろな問題等がありますが、私は、国土資源を有効に利用して、可能な限りの国内農業生産を維持拡大していかなければいけない。今回のミニマムアクセスの受け入れ、あるいはまた平成米騒動等々、いろいろな問題を通じて強くその点を思い、またその方向に向かっていかなければならぬと考えております。 それから森林については、もう私が改めて申し上げるまでもありません。単に木材を利用するということだけじゃなしに、緑と水の源泉である。したがって、今おっしゃいました地球環境の保全あるいは豊かな国民生活の実現という点からも、立派に整備して、次の世代に立派に整えて送っていかなければならない義務があると思っておるわけでございます。 いろいろありがとうございました。
○大畠分科員 ありがとうございました。
○若林主査代理 これにて大畠章宏君の質疑は終了いたしました。 次に、岸本光造君。
○岸本分科員 ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意に伴う国内対策、とりわけ温州ミカンの対策についてまずお伺いをいたしたいと思います。 六十三年からオレンジ並びにオレンジ果汁の自由化が始まったのですが、これにつきましてどのようにとらまえておるかという質問を午前の農林水産委員会で申し上げましたところ、農蚕園芸局長さんは果汁対策が非常に大事になってきたという認識を冒頭に示されて、また分科会へ引き継ぎますということでつながってまいったわけでございます。 そこでもう一回、ちょっとはしょって、午前の農林水産委員会の答弁であったと思うのですが、生果につきましてどのように認識をされておるか。 私の考えをちょっと申し上げたいと思うのですが、ミカンの価格が非常に低落をしておるわけです。それは消費者の側から言えば、高品質なものを少量多品目とよく言われております。ミカン離れという現象もあるでしょう。そんなことがいろいろ重なりましてミカン離れが進んでおる。今、正確にわかりませんが、その年によっても違うでしょうけれども、百六十万トンから多いときには二百万トン近くいっているのではないかと思うのです。私は、このミカンの適正量を大体百万トン体制に持っていくべきだというふうに考えて常日ごろ主張をしておるわけですが、ミカンの生果の安定のためにはそのような考え方が間違っているかどうか、まずその辺から聞かせていただきたいな、こう思います。
○日出政府委員 ただいま先生のお話のございました認識、私どももそう大きく違っているわけではございません。 おっしゃいますように、平成三年四月に生鮮オレンジが輸入の自由化をされたわけでございますが、その後の輸入量を見てみますと、それほど大きくふえているわけではございません。平成三年に実はカリフォルニアの寒波の影響がありまして若干下がりましたが、その後、四年、五年と見てまいりますと、オレンジの輸入量がそう大きくふえているわけではないという認識でございます。 そういう意味で、国内の温州ミカンの価格の低迷が、この生果といいますか生鮮オレンジのせいであったという理解ではないわけでございます。むしろ四年、五年のこの価格の低迷といいますのは、果実が小玉であったとか、あるいは天候不良に伴います糖度不足といったことが原因だと思っております。 ただ基本的に、先生がお話しになりましたように、果実につきましては少量多品種の商品形態にどんどん移行しているような感じがいたしますこと、あるいはもっと大きな問題といたしますと、輸入オレンジ果汁の価格が円高等によりまして極めて低い水準にありまして、オレンジ果汁の輸入が大変ふえておる、その中でかんきつ果汁の消費量が減っている、こういうような状況の中で、今のような温州ミカンの生果をめぐる厳しい状況が出てきたのだろうというふうに思っておるわけでございます。 さて、これをどの程度抑制をしていくのか、これにつきましては、私どもことしの状況を見ますれば、四年、五年と低迷をいたしておりますし、昨年は指針の発動ということがあったわけでございますが、ことしも生産者団体は指針の発動によりまして計画生産ということを要望してきております。私どももその必要性は大いにあるのであろうというふうに思っておりますが、今具体的にどの程度のものにするのか、いろいろ関係者と相談をしている状況でございます。
○岸本分科員 四年、五年は大変低迷をした。これはなぜ低迷したのですかな。その前の二年、三年はよかったのですかな。これは何でよかったのですかな。そして四年、五年はなぜ悪かったのですかな。ちょっとそれ簡潔に答えてもらえませんか。
○日出政府委員 二年、三年は、先ほど申し上げました炎天の効果である程度需給が締まったというふうな感じがございます。ただ、四年、五年は、さっき申し上げましたように、生鮮オレンジの輸入の影響ではなくて、むしろ四年、五年それぞれが例えば果実が小玉だったとかあるいは糖度不足だったとか、こういうことが市場関係者の話によりますとかなり大きく響いていた、こういうことでございます。
○岸本分科員 あれは違いましたかな、四年、五年のその前の年は九州の風水害のあった年ではありませんかな。多分そうだと思うのですよ。九州地方が非常に悪い。台風のおかげで九州が大体全滅した。九州のミカンがだめだった。つまり、全体の量が物すごい少なかった。炎天のおかげで高値であったという部分もあるでしょう。あるでしょうけれども、全体の生産量が百万近く減っていたのではないか、私はこう思うのです。 したがって、自然環境がどうであろうがなかろうが、輸入がどうであろうがなかろうが、やはりもうミカンは百万トン体制にしないことにはミカン農家は成り立たない。 先ほどからの論議は、金もうけできる農業でなかったらいかぬ、所得が保障されている農業でなかったらいかぬ、農林水産省の。パンフレットにも、どこにもかにも皆書いているわけですよ。皆書いているけれども、なかなか保障をしてくれてないです。農林水産省があって農家があるのではなしに、農山村や農家があって農林水産省があると私は思うのです。だから、このままいったらみんな離農してしまって、農家がなくなったらもう農林水産省という役所が要らなくなる、そんなことになってしまう。 だから、少なくともこのミカン問題については、ミカンというものは今の内外の状況を勘案して、自由化対策の一つとして百万トン体制にするということがどうしても大事だ、そういうふうに私は考えるわけですが、どうでしょうか。
○日出政府委員 自由化の大きな影響が出ましたのが先ほど申し上げたかんきつの果汁ということになります。果汁対策を含めまして、かんきつの果汁の問題と生果と別々にせずに、一体のものとして私どもはこの対策について検討していきたいというふうに思っておるわけでございます。
○岸本分科員 局長がおっしゃっている果汁というのはジュースのことでしょう。ミカンジュースのことでしょう。ミカンジュースは、生果があって、それを絞ってジュースにするわけですよ。だから生果の大体の量を決めないといかぬわけです。大体一本のミカンの木がありましたら、天の上の方になったミカンというのは、生果で流通するおいしいミカンなんです。ところが葉の裏の方にある、すその方のミカンは、これはやはり味がまずいし、小玉にもなるから、これはどうしてもジュースあるいは缶詰で加工してもらって、生果全体の質を上げるという役割を果たしてもらわなくてはいかぬわけです。 だから、ジュースについては私はまた後ほど申し上げますけれども、まず生果の対策を百万トン体制に、これは断固やらないとまた同じことを繰り返すことになるから。四年、五年の低迷と言いますけれども、これは昭和三十八年から続いている低迷ですよ。昭和三十八年ですよ。もう二十年、三十年続いているこの低迷に対してどう対応していくのかということを根本的に考えてもらわないといかぬと思います。ジュースにちょっとまだいかぬといてくださいよ。答弁してください。
○日出政府委員 先ほどから申し上げておりますように、温州ミカンの需給につきましては、果実消費の多様化の進展等々ございます。そういう厳しい状況にあると認識しております。現在、果樹農業振興基本方針の見直しに実は着手しているところでありますので、その中で今の需給の問題につきまして検討してまいりたいと思っております。
○岸本分科員 その結論はいつごろ出るのですか。
○日出政府委員 まだ具体的にいつというふうにちょっと申し上げる段階ではございません。
○岸本分科員 ことしもミカンの花つきは物すごいいいですよ。このままいくと二百万トン出ますよ。何ぼ摘果したって、花がたくさんついているときは豊作貧乏です。だから百万トン体制を目指してやることがまず大事。大体、方針を出すと言うけれども、それはいつかわからぬというようなことでは、農家ほったらかしじゃないですか。それはいつまでに決めて大体やりますよという方向を出してくれないと困る。いつになるかわからぬということでは、これは農家はほったらかし。ことしももうミカンは花が咲いて、じき実がなってくる。これどうしてくれる。
○日出政府委員 今月に果樹農業振興審議会での議論もございます。六年度中を目途にいたしましてこの見直しを行いたいというふうには考えておるわけでございますが、さらに具体的にいつごろになるか、これはちょっと今のところ何とも申し上げられないということでございます。
○岸本分科員 もう余り言っても、それはここで答弁できないと思いますから、できるだけ早くして、農家の人に一年待てと言ったら、今ミカン農家にとっては一年苦しみを延ばすだけだから、できるだけ早く方針を出して、ミカン農家、二十五府県ありますけれども、その現場の声にこたえてほしいと思う。 私は、ミカンの自由化がされるときにちょうど和歌山県議会の議長をやっていまして、全国のミカン生産府県二十五府県に呼びかけてミカン生産府県県議会連絡協議会というのをつくって、私、たまたま言い出したものだから会長になれということで、この問題については徹底的に取り組んできたのです。 昭和六十二年、三年、加藤先生が当時まだ農林水産大臣であられたときに、私はその内外の連合のことで何回か大臣のところへ陳情に行ったことも記憶にありますれども、そういう取り組みをしていってもう十年もたつわけですよ。十年たっても一個も成果が上がってこぬですよ、何をやっても。だから、この二十五府県の農家の皆さんは、非常に苦しい思いをして今日の状態、また米の自由化かということで苦しんでおるわけです。 そこで、生果の価格を上げるためには、やはり 小玉とか葉裏のものとか陽裏の小さいものとか品質の劣るものについては、これはやはり加工に回さなければいかぬのです。ところが、加工に回すにも、今ジュースは全然だめですよ、ジュース工場は。全国で七、八カ所ジュース工場はあると思いますけれども、大きなもの、マンモスのジュース工場は、これは国の政策で十数年前につくっていただいたのですが、そのジュース工場は全部今全国的に稼働していないと思いますよ。 というのは、原料がただでも、搾ってもらったらキロ当たり三百円の経費はかかるわけです。そんな状態で、ジュース工場は全部ストップですよ。したがって、和歌山なんかのミカン農家は、ミカンをとっても、ジュース工場へ何割かの割り当てを昔はもらってやっておったのですが、それができない、捨てなくちゃ仕方がないという現状なのです。これはやはりオレンジ果汁の自由化による決定的な影響です。だから、これの対策をちゃんとしてもらわないと、自由化対策はできたということにはならぬと私は思います。 それと、これの対策で、価格安定制度の中で特別補てんをしていただいておるわけですけれども、これがだんだん傾斜配分が逆に年度を追うごとに低くなっているわけですよ。おかしいことやな、これは本当に。だからこれは逆に上げてくれればいいのに、なかなか知恵のある人がうまいこと抜けそをするのに考えたことだろうと私は思うけれども。おまけにこれが平成七年、七年というと来年ですか、来年で打ち切りですよね。これは絶対打ち切ってもらっては困る。どんなことをしてもこれは打ち切ってもらっては困る。その辺の関係、ジュースの前後の問題をお答えをいただきたいと思います。
○日出政府委員 先生今お話しの加工原料用の果実価格安定対策でございますが、果樹農家に対しても、あるいは加工する方の経営安定を図る上でも大変大事な役割を持っているわけでございますが、いずれにしましても、六十三年のオレンジ果汁の自由化の決定に伴いまして、六十三年度から平成七年度までの八年間につきまして、果汁原料の価格低下を補てんするための特別対策事業を実施しているわけでございますので、まずこれを推進していくというのが基本であろうというふうに考えておるわけでございます。 また、将来に向けては、さらに先生お話しのように、産地の体質強化でありますとか、果汁工場の整備等ということをあわせて行わなければいけませんので、ガットのウルグアイ・ラウンド農業合意に伴います農業施策に関する基本方針に基づく検討課題の一つというふうに理解をしておるわけでございます。
○岸本分科員 検討課題の一つということは、今度のウルグアイ・ラウンドの合意に基づく中でこのオレンジ並びにオレンジ果汁の問題を取り上げていく、こういうことですか。
○日出政府委員 農業合意そのものではございませんが、自由化の影響によって起きたものでございます。そういう意味で、先ほど申し上げましたように、産地の体質強化とか果汁工場の整備、そういったものとあわせて、自由化に伴う一つの大きな問題だということで、検討課題の一つだと申し上げたわけでございます。
○岸本分科員 そうしたら、この価格安定制度の中の特別補てんの部分はどうなりますか。これはもう来年度打ち切られるのですよ。これは継続するかしないか、この問題。
○日出政府委員 それにつきましてもただいま検討を急いでいるところでございますので、もう少し時間をいただきたいと思っております。
○岸本分科員 検討していただくのは結構ですが、検討したらだめだった、これではだめだからな。だからその辺は、何か農家のためになるだろう方向に向かって検討してくれるかどうか。検討したけれどもあかんのでという結論だけもらっても、これはしようがないのですよ。だから、これは何としても特別補てんを平成七年で打ち切らない。 そして、いよいよ自由化ということになってまいりますけれども、そのときの対策として、生果の百万トン体制、それからジュース工場が稼働できるように、動けるように安定制度の中で補てん事業をやってもらう、これは継続してもらう、この二つだけはどうしてもやってもらわなきゃいかぬと私は思うわけです。私は全国のミカン農家に成りかわってここで言います。もう一回答弁ください。
○日出政府委員 ただいま先生お話しのようなミカン農家をめぐります難しい問題、あるいは加工の方々の経営安定をめぐる上での大変大きな問題、こういうこと等々を踏まえまして検討をただいま急いでおりますので、もうちょっと時間をおかしいただきたいと思っております。
○岸本分科員 それでは私、大臣に要望しておきます。 二十五府県、かなりのミカン農家がございますけれども、前向きに、大体生果が百万トン体制、それからジュース工場が稼働できるように特別補てんをお願いを申し上げたいわけですが、これはもう大臣に特段の政治的な配慮をお願いしたい、こういうふうにお願いするわけです。これは要望でございます。
○加藤国務大臣 ミカン農家の経営安定を図る観点から適時適切に検討してまいる、今岸本委員のおっしゃったことをよく胸に入れ、頭の中心に置いておくということを約束させていただきます。
○岸本分科員 どうもありがとうございました。よろしくお願いを申し上げます。 次に、ちょっと話を変えます。中山間地域の活性化についてなんですが、もう時間もかなり過ぎてまいりましたので、簡潔にやっていきます。 平成三年の農政審で、耕地の総面積を現在の五百五十万ヘクタールから五百万ヘクタールぐらいあるいは五百三十万ヘクタールぐらいに減らそうか、こういう話があるというふうに聞くわけですが、そういうことはあるのでしょうか。これは食糧自給率五〇%とかと言っていましたけれども。 それから、食糧の自給率を上げるということが日本の国家的な命題、民族的な課題であろうというふうに思いますけれども、初めに耕地面積を決めてしまって、そして自給率を出していくというようなやり方は、手法としていかがなものかと私は思うわけです。水田転作なんかは一律でやってきたわけですけれども、こんな余り一律的なやり方ではよくないのではないか、そういうふうに思います。特に、農業基盤の整備と国土保全の両方の兼ね合いがあるわけですから、その辺のことをよく考えて、地域地域に合った見直しの仕方というものがあって、そういう精神でこの中山間に対する事業を展開していただきたいな、こう思うわけです。
○入澤政府委員 御指摘のとおり、中山間地域といいましても、まさに各地におきまして立地条件が違うわけでございます。したがいまして、私ども中山間地域の活性化対策を考える場合には、まさにその地域の特性を十分に踏まえて計画をつくらなければいけないということで、今回も、国が基本方針をつくって上から押しつけるという方式は一切やめたわけでございます。市町村中心の計画、下からの積み重ねの計画を尊重いたしまして、それに対して必要な基盤整備等を行うという方針で臨んだわけでございます。
○岸本分科員 わかりました。それはお願いしておきます。 それから、日本は、段々畑というような言葉でよく言われますが、急傾斜地がございます。その急傾斜地の段々畑に果樹園が展開されておるというような風景は、新幹線の中からもどこからもよく見えるわけですけれども、これを大規模な構造改善によってフラット化する。そして、私どもがよく言うのですが、ハイヒールを履いてでも、ちょっとその辺でキュウリをつくったり、ナスビをつくったり、そのほかの野菜をつくったり、エンドウをつくったりできるような、そういう農家の耕地をつくり出さなければいけない。 だから、活性化とか後継者問題とかいろいろよく言われるわけですけれども、この段々畑、急傾斜地を、ハイヒールで農業ができる、そういうキャッチフレーズというのはちょっと不謹慎かもわかりませんけれども、そんな格好で農業ができるような高率の構造改善の補助事業、フラット化事業とでもいうようなものを考えていただかないことには、新政策でいろいろすばらしいプランを出してもらっているのですが、耕地が段々畑であるために、特に和歌山なんかはそれがひどいわけでして、猫の額という言葉がありますが、そんなのがだあっと重なって段々畑だ、これでは農業が展開できませんので、高率で国でそんなところはみんな直してやるわというぐらいの馬力で、まず投資をしてやる方法を検討していただきたい。お願いします。
○入澤政府委員 中山間地域は平場と比べて、先ほどから申し上げておりますように、立地条件が非常に悪い。そのために基盤整備をやる場合でもコストが高いわけですね。例えば圃場整備なんかでも二割か三割高いです。そのために中山間地域における基盤整備というのは、国土保全という観点を踏まえながら、例えば等高線に沿った整備とかまち直しとかいうことを私どもはやっておりまして、今度はそれを逆にフラット化するということになりますと、物すごくコストがかかるわけですね。 果たしてどちらが合理的なのかということは、その所々の状態をよく見なければ一概に言えないことじゃないかと私は思います。特にフラット化するかどうかは別にいたしまして、高率の補助体系はもう既に組んでおりまして、中山間地域では、補助率は平場よりも五%高い。例えば中山間地域農村活性化総合整備事業みたいなものを設けておりますし、こういうものをうまく活用しながら、可能な限り働きやすい環境づくりを踏まえた樹園地整備を行っていただきたいと考えております。
○岸本分科員 今の答弁の中で、中山間では平地より補助率が五%高い。全体を一〇〇パーとしたら、受益者負担はどれくらいになるのですか。
○入澤政府委員 国庫補助率は五五%であります。残りを県、市町村が持ち、それから一部を農家が負担するという仕組みでございます。
○岸本分科員 そうすると、受益者負担、農家負担は大体どれくらいになりますか。国と県の負担を除いて、市町村または受益者負担の割合はどれくらいになりますか。
○入澤政府委員 県、市町村が何%出すかによるのですけれども、平場であれば五〇%の補助の場合には大体十二・五%が農家負担であります。ですから、一〇%内外の負担になるのじゃないかと思います。
○岸本分科員 ありがとうございました。 それと、先ほど構造改善局長が四つ言っていましたね、農家がよくなる、みんながにぎやかにやっているとか。その中で、きつい、汚い、厳しいという農村の環境整備の話は出ましたか。特に私がお願いしたいのは、集落の排水事業です。これは物すごく喜ばれているわけですから、これの環境整備をどんどん進めてやっていただきたい、これを続けてやっていただきたい。
○入澤政府委員 先ほど四つ申し上げましたが、一番最後に美しい村づくり、これは当然集落排水を含めた景観に優しい基盤整備を行うということでございまして、入っております。
○岸本分科員 わかりました。私は頭が悪いので、あなたがさつき言われた四つが、美しい村づくりを一生懸命するという志のある町長や村長さんがいる町というふうに聞いたものですから、それが環境整備と結びつかなかったものですから、えらいどうも済みません。確かにみんなきれいな空気の中で生活できる環境整備づくりが大事だと思います。 次に、森林の問題、林業の問題、林政の問題、林産業の問題、保安林を含めて、つまり林の問題なんです。 これは先ほど大臣も申されておりましたが、国土保全、緑の基地、それから水源の確保とかいろいろなことを言われるわけですが、実際に林業をめぐる環境は大変悪化している。後継ぎはいないし、切った木は売れないし、間伐に行く者はいないし、いろいろな手だてをしてやっても、滅びゆく森の姿、これが現実ではないかと私は思うわけです。 農水省の方には新政策があるわけですが、林野庁にも新政策があるのかどうか。それで、こういう厳しい実態をどうやって革命的に脱出するかという方法を何か考えなければいかぬと思うのですが、その辺の抜本的な対策をどういうふうにお考えであるのか、林野庁の方から答弁をいただきたいと思います。
○塚本政府委員 ただいまお話にございましたように、国民の森林に対する期待、関心は、木材の生産に加えまして、国土保全とか自然保護あるいは森林レクリエーションや森林教育といったものに関してまで、大変幅広く大きくなっているわけでありますけれども、そうした森林を守り育てていくべき山村林業は、木材価格の低迷とか経営コストの増高あるいは労務者の減少といった大変厳しい状況に置かれているわけでございまして、山村林業の活性化を図るということが極めて重要な課題であると認識いたしております。 こういった中で、農政の新政策と比較するわけにはまいりませんが、私ども、流域管理システムの定着を通じまして林業の振興を図ってまいりたいということでございます。 具体的には、全国を百五十八の流域に分けまして、それぞれの流域の民有林、国有林が一体となって、あるいは上流の森林所有者、下流の木材加工業者が一体となりまして、流域森林の整備や地域の林業・木材産業の生産、流通、加工といった一体的な取り組みの中で林業あるいは木材産業の振興を図っていきたい。そして、基盤整備あるいは林業構造改善事業等につきましても、流域を単位に重点的に推進をしていきたいということでございまして、今後ともこうした流域管理システムの定着を図る中で、山村林業の活性化に向けて努力をしてまいりたいと思っております。
○岸本分科員 私、先ほど聞くのを忘れてしまつたので、農蚕園芸局長に一つだけ聞きたいのですが、ことしのミカンの摘果目標はどれぐらい出ているのですか。
○日出政府委員 その問題につきましても、今月十六日に果樹農業振興審議会が開かれます。これを目指しまして、どういった形で進めていくのか、数字はどういうふうにするのか、今関係団体等と詰めている最中でございます。
○岸本分科員 時間が過ぎてしまったようですから、一つだけ要望しておきます。 朝も農林水産委員会で申し上げましたように、農業の活性化は農業、林業に従事する者が金もうけができるということです。金もうけをさせてあげる政策をつくってやるということです。そうしたら後継者の問題も花嫁問題も全部解消するのです。だから、そのための政策を展開していただくようにお願いをいたします。 それともう一つ、ミカンの生産量はことしは少なくとも百二十万から百三十万トンくらい、だから十万トンの摘果体制にするのか二十万トンの体制にするのかわかりませんけれども、それくらいの体制で展開していただくことを要望しておきます。 ありがとうございました。
○若林主査代理 これにて岸本光造君の質疑は終了いたしました。 次に、錦織淳君。 〔若林主査代理退席、主査着席〕
○錦織分科員 与えられた時間がわずかでございますので、二つの点に絞ってお尋ねいたします。 一つは、ガット・ウルグアイ・ラウンド後の日本の農業を国際戦略の中でどのように位置づけ、守っていくかという点が第一でございます。 既にマラケシュにおいて調印され、ガット・ウルグアイ・ラウンドの交渉はほぼ九分九厘完成を している段階でございます。終わりは次の始まりでございまして、やがて次のガット交渉において、日本の農業をどうしていくかという次の戦略が求められていると考えます。 そこで、まず最初に確認をしておきたいのは、このガット・ウルグアイ・ラウンドにおける農業合意の評価でございます。 ここに平成五年十二月十五日に出された外務省の「妥結に対する評価」というものがございますが、この文書によりますと、自由貿易体制の維持強化は日本の国益である、今回、このような自由貿易体制の維持強化がこの交渉妥結によって図られたことは我が国の国益に合致するんだ、このような評価がなされております。 しかし他方で、政府あるいは当時の細川総理を初め農水大臣、いずれもこの農業合意に関しては、これは苦渋に満ちた選択であった、あるいはやむを得ざる選択であった、このように評価をしておられるはずでございますが、改めて、現農水大臣にその点、つまり農業合意に限ってどのような評価をなされるのか、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○加藤国務大臣 政府あるいはまた私たち自身も、国会における三回の決議というものを踏まえて過去七年間、ちょうどウルグァイにおけるプンタデルエステで初めて交渉が始まったとき、私は当時の日本の農林大臣であった。そして、過去三回の国会の決議を踏まえて、農産物の包括的関税化は受け入れられないということで、国会も政府も、あらゆる機会、あらゆる場所を通じて徹底的に運動してきた、これは紛れもない事実であり、みんなそこは認識しておるところです。 ところが、いろいろやってきて、やり抜いたときにも、結局包括的関税化というのには例外は設けない、世界が、世論がどんどんどんどんそういうようになってきてしまったというところに、各国の農業協定の調整をやっておるドゥニ議長の包括関税化の特例措置という問題が浮上してきたというのは御存じのとおりでございます。 そういう中で、昨年暮れの当時の細川内閣の連立各党、まさに苦渋の選択をしたというように私も認識しております。
○錦織分科員 そうしますと、次の問題として、米のミニマムアクセスという関税化の特例措置については、七年目以降の扱いについては基本的には白紙である、そして六年目の交渉においてこの点がレビューされる、このように説明をされておるわけでございます。 ところで、多くの農業関係者、従事者は、この七年目以降の取り扱いがどうなるだろうか、さらに大きな後退がなされるのではないかという大きな不安を持っているわけでございます。 そこで、私どもは、次の第二ラウンドといいますか、次の七年目以降の場面、つまり六年目においてスタートする見直されるべきレビュー、ここにおいて今回と同じようなまた苦渋の決断をしてはならないわけでありまして、そのために具体的にどのような国際世論の形成、その他の対策を講ずるお考えであるのか、そういうことについてお伺いをしたいと思います。
○加藤国務大臣 たしかきようでございますか、きょう、あすはパリにおいてOECDの閣僚理事会が行われております。悲しいかな我が日本からは、国会がこういう事情で閣僚理事会に閣僚を送ることができなかった。私は、七年前には国会の特別のお許しをいただいて、パリのOECDにおける閣僚理事会でフードセキュリティーという問題あるいは農業と環境の問題を強く訴えて、初めてOECDの閣僚理事会においてフードセキュリティーという言葉が受け入れられたと記憶しております。 それと同じで、簡単に申し上げますと、今度はガットというのはなくなる、WTOというのが成立していく。そうすると、政治は国連である、それから経済諸問題はすべてWTOである、こういう認識を持って、ある面では今回批准を一日も早くしていただいて、WTOのいろいろな機関にまず日本の関係者をたくさん入れていくということ。それから、今回の農業協定のいろいろなところへ出てきておりますが、環境問題、国土保全問題、食糧安全保障問題、こういうものを機会あるごとに、今まで以上に熱心に、国会もそれから各種団体も政府も、あらゆる国際関係の会合の場で熱心に計画的に言っていくということが必要である、こう私は思っております。
○錦織分科員 既に多くの方が指摘しておられますように、このガットの自由貿易の論理というものと農業というものの持っている特性、その特性からくる論理というものが時として相矛盾する、この点をどう調和させるかということが、これは我が国のみならずすべての先進工業諸国を含む共通の問題意識になっていかなければならない、そういう段階に来ていると思います。 先ほど引用いたしました外務省の評価は、全体として国益にむしろかなっているんだという積極的な評価をなされておるわけですが、しかし他方で、これと相矛盾する苦渋に満ちた決断、これをどう考えるかということを我が国が今後考えていかない限り、同じような問題が起きていくのではないか。 既に大臣御指摘のように、WTOにおいては環境に関する委員会の設立が決定されて、環境問題からこの農業問題を考えていくという一つのアプローチもあろうかと思われます。また、あるいは食糧安全保障という問題、さらには国土の保全、こういった観点もあろうかと思われます。しかしながら、私はなおそういった論理ではまだまだ不十分ではないか。 つまり、農業そのものがすべての国における産業構造の中で、工業とどのような調和をさせていくのかという、それぞれ各国の独自の政策追求の自由といいますか、そういった観点が必要ではないか。今やそこの次元にまで突き進んでいくべき段階に来ている。次のガットは環境ガットである、こう言う方もおられますが、環境問題においてもなお狭過ぎる。もっともっと広い観点から、この農業というものを人類が生き延びていくためにどう各国が産業政策の中にあるいは文明的に位置づけるかというような視点が必要ではないかと思いますが、大臣はいかがお考えでございましょうか。
○加藤国務大臣 農業を世界的視野において見る場合、いろいろな見方がある。それぞれの国によって、その国の地形、自然的条件あるいは人口、広さ等々でいろいろあると思います。 私も国際会議に出ていろいろやりますと、おまえの言うのに全く賛成だと言ってすり寄ってくる人もあるかと思うと、おまえの考え方はまだ狭い、世界は今開かれて短くなっておるんだ、こういうことをおっしゃる人もあるし、いろいろあります。ありますが、我々がこの地球上に人類として生きていく限り食糧というものは大変大切であるし、その食糧は農業が生み出していくわけでありますから、そういう点では政治の道にある者としては世界共通だと思う。 ただ、不思議に思うのは、いわゆる世界先進国が農業の輸出国であるという一つの大きな特徴がありますね。それからもう一つは、世界的に見ますと、御存じのケアンズ・グループというのがあります。このケアンズ・グループには十四カ国入っております。私は、このケアンズ・グループの総理とか指導者にお目にかかった場合も、いろいろなことを今までも、一国会議員であった時代にも熱心に言ってきたのですが、農業というものの大切さは随分認識されておると思うわけであります。 この農業と、さらに今度は、今おっしゃったような環境という大切な、大きな問題がはっきり世界的に認識されてき出したということは、ある面でいうと、日本を中心とする今までの必死の努力というものが世界的に認められてきた。農業と環境、こう私は認識しておりますから、そこら辺は錦織さんと意見を全く一致するものであると思います。
○錦織分科員 ありがとうございます。 そうしますと、まだこの第一ラウンドといいま すか、ガット・ウルグアイ・ラウンドが正式には最後の手続的な完結をしていない段階ですから、次のことを論ずるのはまだ早いというお考えもあるかと思いますが、すぐに六年目がやってくると思いますので、そういったこれまでの反省を踏まえて、早く国際世論の形成、国内世論の形成を含めて、そういった戦略を農水省の内部においてお立ていただきたいということを御要望いたします。 それで、時間がございませんので次の質問に移らせていただきます。 次の質問は、保安林の管理に関する問題でございます。この間の農林水産委員会で既にお尋ねをいたしました。大事な点で幾つか、私の方から考えますとお答えが不十分なところがございますので、この場で引き続きお尋ねする形をとらせていただきます。 保安林の重要性については、既にさきの保安林整備臨時措置法の一部改正法案が、日切れということで緊迫した段階に、農林水産委員会の提案という形で、どうしても通さなければいけないという、こういった全会一致の考えであったわけでございます。したがって、この保安林の重要性については今さら言うまでもないわけでございますが、問題は、その保安林の管理がどのような形でなされているかということでございます。 さきの平成六年三月の保安林整備臨時措置法の一部改正法案について、農水委員会の調査室が作成された文書によりますと、近時、廃棄物の投棄あるいは無許可開発等違法行為が保安林に関して発生しているということですが、現在掌握しておられる件数がございましたら、ちょっと簡単に教えていただけないでしょうか。
○塚本政府委員 保安林における森林法違反行為といたしましては、森林法第三十四条一項の伐採許可違反、そして同条第二項の土地の形質変更等に関する許可違反がございます。 これらの違反行為につきましては、近年減少傾向にありますものの、依然として発生をいたしておりまして、最近五カ年平均の違反行為件数は、全国で七十一件となっております。
○錦織分科員 先ほど引用しました調査室の次のページのところを読みますと、森林は、一度荒廃すればその機能が失われて、再び育成するには長期間を要し、回復も容易ではない、このように指摘されております。したがって、保安林に対する無許可伐採等の侵害行為があった場合には直ちに対処すべきであり、そのために森林法はさまざまな強力な規定を置いていることは御存じのとおりでございます。 ところで、そのような適切な対処が迅速になされるためには、保安林がどこに存在しているかということについて、直ちに把握できるようにされていなければならないはずでございます。そのために、森林法の規定を見ますと、一つは保安林台帳を調製せよ、このように書いてございます。また同時に、標識を設置せよ、このように書いてございますが、こういった形で保安林の所在の管理がなされている。これはこれで、私の今のような理解でよろしゅうございますか。
○塚本政府委員 保安林の所在の確認につきましては、現地に標識を設置をしておるということ、それから台帳といたしましては、保安林台帳とその附属図、こういうものを整備をいたしまして、それに基づいて管理をいたしておるということでございます。
○錦織分科員 そうしますと、森林法の規定を受けまして森林法の施行規則を読みますと、保安林台帳については「帳簿及び図面をもって組成するもの」、このようにされております。そしてその記載事項に変更があったときは速やかにこれを訂正すべきものと規定されておりますが、この規定に従って現実の保安林の管理が行われていると解してよろしゅうございますか。
○塚本政府委員 現実の管理はそれぞれの都道府県の農林事務所等現地の出先機関で行っておるわけでございますが、おおむねそのような形で行われていると考えております。
○錦織分科員 私がお尋ねしているのは、だれがやっているかということではなくして、この法律及び施行規則の規定に従って保安林の台帳、そういったものが整備され、帳簿及び図面によって整備されており、そしてその記載事項に変更があったときは直ちにこれを訂正する、そのような現実の運用がなされているのかどうか。そして、機関委任事務ということですから、都道府県に対して林野庁としてそのような指導をきちっとしておられるのかどうかということをお尋ねしているわけでございます。
○塚本政府委員 現地におきまして記載事項等に変更があった場合、適切に変更がなされているかどうか、これにつきましては現在確認をいたしておりませんが、そのような形で行われているものと考えております。
○錦織分科員 そうしますと、これら私が引用いたしました森林法の諸規定並びに下位規範である森林法施行規則、これらの規定を総合いたしますと、図面、帳簿、そして現場における標識、そういったものによって保安林がどこに現実に存在しておるかということを直ちに把握する、そういう体制になっているということはそれでよろしゅうございますか。
○塚本政府委員 保安林の記載事項あるいは図面と現地の関係につきましては、国土調査等が行われている地域につきましては、記載事項あるいは図面と現地の状態が合っているということがあるわけでございますが、旧来から指定されている保安林の中には、近代的な測量技術によらずに指定されているものもありまして、現地と図面、こういうものが合っていない、こういうことは間々あることであろうと思っております。
○錦織分科員 旧来というのはいつでしょうか。そしてまた、今のお答えをお聞きいたしますと、実際には現実に保安林がどこに存在しているかわからないといったことが多々存在する、これが現状だというふうにお聞きしてよろしいでしょうか。
○塚本政府委員 保安林の位置につきましては、地番と公図によりまして登記簿にあるわけでございますが、ただ、そういった地番の面積なり公図の位置というものが現実の姿と合っていないということは間々あることでございます。ただ、大体の位置、こういったものは公図あるいは保安林の附属図、これと一致していると思っておりますが、山のことでありますので、全体の図面が非常に大きかったり小さかったり、あるいは位置がずれていたり、こういうことはよくあることであるというふうに考えております。
○錦織分科員 私の質問にお答えいただきたいのですが、先ほど来申し上げているように、森林法の関連法規によれば、帳簿と図面、それによって把握せよ、このように法律で義務づけておるわけです。そして、もし変動があれば帳簿と図面を変更しなさい、そして、それは速やかにこれを訂正せよ、このように書いてございますから、常時その所在、そういったものが把握されていなければならないはずであって、もし図面が不備である、あるいはいろいろな理由によってどこにあるかわからないというようなのが多数存在するということになると、これは大変問題でございます。 つまり、我々の大切な保安林がどこにあるかわからないにもかかわらず、多額の予算が組まれたり、あるいはまた保安林の指定によって権利制限がなされるということになると、これは大変な問題でございます。したがって、少なくとも長官の御答弁としては、建前として、そのような保安林の所在についてはきちっと確認できる、そのようにお答えなさるのが筋ではございませんか。
○塚本政府委員 再三お答え申し上げておりますように、山というものは、非常に測量その他が行き届いていないところもあるわけでございまして、大まかな位置、そういったものはわかるわけでございますが、面積が、きちんと地番に掲げてあるような面積があるか、あるいは位置が、一つの沢からはかったところとまた別の沢からはかってきたところ、そういうものが一致しないという こと等々はあるわけでございます。 もちろんこうしたものにつきましては、発見した場合には直ちに測量等によりまして位置を確定していくということになりますし、また、開発等が行われる場合に、保安林等が所在する場合には、そういった保安林等の位置について十分確認をする中で開発するようにということの指導はいたしておるわけでございますが、全面的に公簿上に掲げられた保安林の面積あるいは位置がきちんと現場にあるということは、現実の姿として申し上げられない状況にございます。
○錦織分科員 そうすると、所在の不確かな保安林というのは、何件ぐらい、どのぐらいの割合であるんですか。
○塚本政府委員 そこは図面によりまして、現状と図面がわずかに違っているものからかなり違っているものまで、いろいろあろうと思います。具体的に何件あるかということは把握しておりません。
○錦織分科員 そうしますと、私は先ほど来の答弁を聞いて非常に驚いております。つまり、先ほどの繰り返しになりますけれども、これだけ国民の権利を制限する、公共の福祉という観点から私権を制限する、自分の山でありながら罰則をもつて伐採することが禁じられているという、これだけ重大な権利制限を課している保安林が、実際にどこにあるかわからない。 しかも、法律の規定によれば、帳簿、図面、そしてさらに、御丁寧にも現場には標識を立てなさいということによって、だれが見てもどこにあるかということがわかっていなければならないはずの保安林が、実際にはどこにあるのかわからないということがしばしば起きるということになると、これは大変問題ではございませんか。いかがでしょうか。
○塚本政府委員 現地でわからないということを申し上げているのではなくて、現地と図面が合わないということを申し上げているわけでございまして、現実に保安林というものはそこにあるわけでございまして、それは標識が立っておりましたり、あるいは保全対象として近くに保安林がある。現実にはそういうところが、客観的な材料から推していけばそれが保安林であるということのあかしはあるわけでございまして、そういうものを権利の制限等の対象にしているということでございます。 ただ、現在、例えば周辺の人たちがみんな認めている保安林というものの大きさなり位置というものが公簿上の大きさなり位置というものと必ずしも合っているかどうかと言われますと、そこについてはいろいろ誤差が出てくる場合がある、こういうことでございます。
○錦織分科員 私は先ほどのお話を聞いて、つまり、先ほど申し上げたように、長官が、いや、保安林の管理は厳正になされております、所在はきちっと申し上げられます、こうお答えになるんであれば、それはそれで了といたします。しかし、そうではなくして、先ほど来極めて自信のなさげなお話をなさるものですから、それでは一体現実の保安林行政においては、法律の建前に従った管理がなされていないのではないかというふうに考えざるを得ないわけでございます。 一つだけお尋ねしますが、先ほど引用いたしましたように、森林法の規定によれば、現場で直ちに確認できる、それは面積なんかいいですよ、大きさがどのぐらいかとか、そんな細かいことを聞いているんじゃないんです。ここが保安林だということは、標識を立てるんですから、これは小学生でもわかるようにしておきなさいよということだと思いますが、その標識というのはきちっと設置されておるんでしょうか、
○塚本政府委員 標識につきましては、きちんと整備するように指導をいたしております。そしてまた、整備されているというふうに思っております。
○錦織分科員 そうしますと、先ほどの帳簿及び図面、そういったものによってまずその所在を確認できるはずだということでございますね。 ところで、基本的には、まず現場はともかくとして、その保安林がどこにあるかということを判断する基礎的な資料は、森林法の規定に基づく台帳、つまり帳簿及び図面である。これに従ってその保安林の所在場所を判断する、こう解してよろしゅうございますか。
○塚本政府委員 そのとおりでございます。
○錦織分科員 そうしますと、有力な反証が出ない限りは、この帳簿及び図面に記載されたものが正しいという判断でまず行政としては動くんだ、このように解してよろしゅうございますか。
○塚本政府委員 先ほど来申し上げておりますように、図面というものが現地と非常に違っている場合がありますので、とりあえず帳簿、図面によりましてその位置を確認し、現実には現地に参りまして、客観的なデータ等から、そこにある保安林というものが現在規制対象になっておる保安林だというふうに確認をしておるというのが現実の姿であると思っております。
○錦織分科員 私がお尋ねしたがったのは、つまり、いろいろな証拠を使う、それは結構なんですが、問題は、保安林管理者としてはまず法の規定に従って帳簿と図面を基本に考える、こう考えてよろしいのかどうかということをお尋ねしております。
○塚本政府委員 基本的にはそのように考えておるところでございます。
○錦織分科員 時間がまいりましたので、もう少しいろいろお尋ねしたいんでありますけれども、先ほど来申し上げておりますように、もし現実に、この帳簿と図面あるいは現場の標識、これによってきちっと所在の管理されているはずの保安林が、どこにあるのかわからないということが常態である、あるいはかなりそういった件数が多い、これは決して希有な例ではないということになりますと、これは大変大きな問題だと思います。 そこで、私としては、そういった現状を踏まえて、保安林の管理について厳正な管理ができるように具体的にどうすべきだとお考えなのか、その点を最後にお尋ねしたいと思います。
○塚本政府委員 保安林の管理につきましては、くどいようでございますが、図面、帳簿と現地が合わないことがしばしばあるということでございまして、大体そういうところに保安林があるということは間違いないと思いますので、そこは誤解のないようにお願いを申し上げたいと思っております。 ただ、そういうふうに、現実の姿として帳簿あるいは図面と合わない保安林につきましては、今後そうしたものはいわゆる現地に合った形で図面というものを訂正していく、あるいはまた場合によっては現地そのものについても精査をする、こういう形で保安林の境界の確認、そういったものについて必要に応じ予算配賦等もいたしまして、都道府県にお願いをしていきたい、このように思っております。
○錦織分科員 時間が参りましたので、質問はこれで終わりにいたしますが、今のお答え、前回のお答えを総合いたしますと、多々問題をはらんでいるように思われますので、この点については、保安林の今日的な重要性にかんがみ、なお十分御検討くださるよう最後にお願いを申し上げて、私の質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○鮫島主査 これにて錦織淳君の質疑は終了いたしました。 次に、古堅実吉君。
○古堅分科員 きょうは、沖縄のサトウキビ問題についてお尋ねをします。 沖縄のサトウキビ農業は、沖縄農業の基幹作物でありながらも、価格がこの十年余据え置きあるいは引き下げの連続で、農家が赤字経営を余儀なくされて引き合わない農業で苦しんでいます。 五月に発表された九三年産の生産量は百八万三千トンで、復帰後最低であります。一九八九年産が最高でありましたが、その実績に照らしてわずか六〇%程度にとどまっております。九〇年産か ら続いている減少傾向に歯どめがかかっておりません。収穫面積でも、統計では八九年からの四年間で二百ヘクタール近い農地が放棄畑となっているなど、減少が続いています。生産従事者の高齢化も深刻であります。八〇年に六十歳代が二四%であったのが、九〇年には三七%にもなっています。 沖縄のサトウキビ農業のこうした深刻な事態を克服するための抜本的な施策が必要です。まず最初に大臣からお聞きしたい。
○加藤国務大臣 古堅委員がおっしゃいましたように、サトウキビ関係の皆さんの高齢化の進展、機械化の立ちおくれ等から、栽培農家数あるいは栽培面積の減少が進んで困難な事情にあるということは、私もよく認識いたしておるところでございます。 サトウキビ生産振興総合対策の趣旨に基づきまして、サトウキビの生産性の向上並びに六年産からの品質取引への円滑な移行を図るということで、いろいろな努力をいたしております。例えば、収穫機等の普及による機械化作業体系の確立、あるいは生産の組織化、高品質で安定的な品種と技術の普及、経営の複合化等の推進、それから区画整理等機械化に対応した土地基盤の整備と農地利用の集積等々の対策を総合的に実施しなければならぬ、こう思っておるわけでございます。 これらの施策を地域の実態に上手に合わせながら総合的に実施することによりまして、サトウキビの生産性及び品質の向上と農業経営の安定に努めてまいらなければならぬし、また、農水省としてはそういうように努めてきておりますということを申させていただきます。
○古堅分科員 サトウキビの振興にはいろいろな面からの組み合わせが大事です。私たち沖縄にあって、その組み合わせの中でも一番大事な点はやはり引き合う価格政策にあると思いますが、今大臣からはその点についてはお言葉がございませんでした。 次に進みますが、サトウキビ価格では、九四年産から品質取引を実施するということが確認されております。沖縄のサトウキビ農業の現状から、品質取引の実施について当初から疑問とする声もたくさんありました。近年のようなサトウキビ生産量の減少傾向が続く中で、果たして農家の不安をなくして円滑に移行できるのか、この時点に至っても大変疑問です。 そこで、品質取引の実施に向けて政府としてはどのような準備をしてきているか、品質分布調査あるいは模擬取引などどうなっているか、その点を伺わせていただきたい。
○鈴木(久)政府委員 サトウキビにつきましては、平成六年産から現在の重量取引から品質取引に移行する予定でございます。その円滑な導入に向けた検討、準備を適切かつ着実に推進することを目的としまして、国レベルにおきましては、国、県、農業団体、糖業者団体によりますさとうきび品質取引推進連絡協議会を設けて検討しておるところでございます。 この協議会におきましては、専門的な検討部会を設けまして、品質の評価測定方法の確立、取引体制の整備、優良品種の開発普及、栽培技術の改善普及、こういった課題の整理と年次別準備計画を策定しまして、関係者の合意のもとに円滑な移行に向けてその準備の計画的な推進に努めているところでございます。 その最終段階としまして、平成四年、五年産につきましては品質分布調査を実施しておりますし、また平成五年産につきましては模擬品質取引を実施したところでございまして、現在その取りまとめを行っているところでございます。
○古堅分科員 品質取引は甘蔗糖度を基本とするということが既に決定されております。そこで、基準値、価格体系等は決まったのか。決まっていなければ、いつごろをめどに決めようとしているのか、今後の見通しなどについて示していただきたいと思います。
○鈴木(久)政府委員 サトウキビの品質取引を実施するに際しての基準糖度及び価格体系につきましては、先ほど申し上げましたさとうきび品質取引推進連絡協議会が平成四年産及び五年産の製糖期にサトウキビの生産地域全域を対象としまして品質分布調査を実施したところでございます。したがいまして、この取りまとめ結果などを十分に評価、分析して、本年秋の平成六年産のサトウキビの最低生産者価格決定時に適正に決定してまいりたいというように考えております。
○古堅分科員 十月に行われています。その年の価格決定、それと同時に最終的には決まるということですね。
○鈴木(久)政府委員 その予定にしております。
○古堅分科員 品質取引の実施を前にして、農家の皆さんからは、基準値がどうなるか農家への説明が不十分で不安だとか、もともと引き合わない価格の上、品質で格差がつけられたら収入がさらに減るのではないかなど、多くの不安の声が率直に語られています。 私どもは、沖縄の現状を考えて品質取引の導入には反対してまいりました。ところが、既に十月の価格決定までにはめどをつけたいというところまで事は進んでまいっています。 そこで、基準値、価格体系等の決定に当たって、農家収入が減収となって農家経営にさらに打撃を与えることにならないようにしてもらわなければなりません。そのためには、農家の皆さんの声をよく聞いて、納得がいくように進めていくことが大事です。大臣、お約束できますか。
○鈴木(久)政府委員 この品質取引の実施に当たりましては、農家の意向並びに製糖業者の御意見、こういったものを十分踏まえて適正に決定してまいりたいというように思っております。
○古堅分科員 今農民の声などを含めて申し上げましたが、それを実施することによって深刻な打撃を生産農家に与えるということになったのでは、幾ら口で沖縄のサトウキビ振興などと言っても、逆立ちしたことにしかなりません。そういう面で申し上げているわけですが、大臣、いかがで すか。
○加藤国務大臣 品質取引の具体的内容については、今まで局長がお答えしたとおりでございますが、私としましては、本年秋を目途に決定したいと考えておるのでございますが、この品質取引の導入を契機として、沖縄、鹿児島両県のサトウキビの品質及び生産性の向上が図られ、生産振興に資するものになるように努めていかなくてはならない、こう思っております。 考えてみますと、毎年毎年これを決定する前後には、沖縄あるいは鹿児島県の奄美関係の皆さんが大挙東京に押しかけてこられて、いろいろ議論もし、模様も承っておるのでありますが、この品質取引の導入を契機に、そういうことがないように、ひとつサトウキビの生産性の向上、品質の同上あるいは生産振興ができるようにとこいねがっておるところでございます。
○古堅分科員 政府は、品質取引の実施に向けて、九二年産から十億円の品質取引対策基金の造成を計画し、進めています。その基金ですが、生産者価格の中からトン当たり百円を国庫資金として充ててまいっています。ところが、近年の生産量の減少で、目標とする基金の造成は困難な見通しです。その基金の不足分について政府はどのように措置されるつもりか、御説明ください。
○鈴木(久)政府委員 品質取引対策基金につきましては、四年産から三カ年程度を目標に基金造成を行うということで、同年産よりサトウキビ一トン当たり百円を措置したところでございます。その際、沖縄県は、国と県と合わせまして十億円程度の造成を期待しておったところでございます。 しかしながら、サトウキビの生産量の低下によって、期待額の造成がちょっと難しくなっております。そういったことから、品質取引対策基金の事業を的確に実施し得ないおそれが生じたことから、昨年十月の価格決定時に、品質取引対策基金がその事業を着実に実施し得るように措置するということが決められたところでございます。 これを受けまして、平成六年度の予算におきまして、低コスト省力化生産体制整備事業の中の産地確立・品質向上緊急対策型を拡充しまして、サトウキビの生産振興対策を総合的に推進することとしておりまして、この中で鹿児島県、沖縄県の品質取引運営組織に対する補助を行うことができるようにしております。 また、両県との協議を通じまして、市町村、農協、糖業者団体も基金の造成に参画するとの合意形成を行っておりまして、その結果、沖縄県におきましては、当初の目標額十億円を上回る基金の造成が図られるという見込みになっております。
○古堅分科員 今の御説明に念を押してお聞きしたいのですが、新たに新年度に設けられた今言うところからこの基金そのものに繰り入れられる、こういう仕組みができるという御説明ですか、別途のことを今説明しておられるのですか。
○鈴木(久)政府委員 ただいま、ことしの予算で措置しております事業につきましては、これは基金そのものではなくて、基金の中に事業費として組み入れるということで、この予算の中で必要な額につきまして、事業実行に充てる経費として予算計上しているところでございます。
○古堅分科員 農家からしますと、基金に充てるからということで、先ほどありましたようにトン当たり百円手取り価格から差し引かれ、その基金が不足しそうだということになったというので、今度は市町村や農協あるいは製糖工場に負担させる方向に指導を進めているということであります。 そのことが回り回って生産者の負担にならないとは言えないというふうに考えますし、第一、これまでの経緯に照らし、この基金の不足分は、本来予定しておったように、政府が別枠で措置するなどということで積極的に確保できるようにしなくてはいかぬじゃないかというふうに考えますが、いかがですか。
○鈴木(久)政府委員 この基金が円滑に運営していくというためには、もちろん国の方もこういった観点から所要の対応をしていかなくてはならないと思いますけれども、やはり関係の市町村、農協、糖業者団体等の協力も得ながら、また国におきましても必要な運営費の助成をするといった中で、基金とこの運営費の助成、こういったものを合わせまして、事業が円滑に運営できるようにしてまいりたいというように考えております。
○古堅分科員 今直接の御答弁がいただけないのですけれども、申し上げたような趣旨を踏まえて、できたら検討していただきたいというふうに思います。 次に、機械化の推進の問題についてお聞きしたいと思います。 沖縄農協中央会の報告では、一九九二年産の機械化収穫率は一八・九%、南北大東島を除けば九・五%となっておりまして、その面ではまだおくれた実態となっております。農家の高齢化、労働力不足が進む中で、収穫作業の機械化、省力化は申すまでもなく急を要する課題です。 反面、機械の使用料がトン当たり平均六千円かかるというふうに言われますし、本島では耕作面積が狭小で、地形が複雑で丘陵地が多く、導入の効果が上がりにくい、各地性質の異なった土質に機械化が対応し切れない、機械化は地力の低下を招く、そういうことなどを指摘する面もございます。そういうことが農家の機械化導入への不安となって、積極的に進めにくいという一つの要因にもなっているように思います。 そこで、機械化の導入では、沖縄の実態に即した形での研究開発が大変重要ではないかというふうに思いますが、その点について御意見を聞かせてください。
○日出政府委員 先生お話しのとおり、沖縄のサトウキビ作の将来を握っております一つが、この機械化ということだろうと思っております。十アール当たり労働時間がただいま百三十五時間程度だと思います。その中でも特に収穫作業が約半分を占めておりますが、この部分が実はほとんどが手作業でございます。 そこで、私どもといたしますれば、外国から入りました大型のハーベスター、収穫機だけでなくて、本島の栽培規模の小さい地域にも合うような中・小型のハーベスターも開発を進めておりましたが、近年この小型のハーベスターも実用化されてまいりました。そこで、比較的規模の大きい大・中型のハーベスターを石垣とか先ほどお話しの南北の大東島とか、あるいは本島では小型のハーベスターとか、こういう形で地域の実情に応じて導入、普及を進めているということで、先生も御案内のとおり、近年大変な勢いで小型のハーベスターが入りっっございます。 ただ、これだけでは十分ではございませんので、これから先将来的に言いますれば、植えつけから収穫までの機械化一貫作業体系の確立ということによります省力化を実現するために、補助作業者なしで植えつけを行いますオートプランター、あるいは株出し管理作業を一行程で行う株出し管理機の実用化、こういうことが重要だと考えておりまして、平成六年度からこれらの機械の実用化のための事業を新たに実施するということにいたしてまいりたいと思っております。 今後とも、サトウキビを生産振興する上で機械化というのは大変重要でございますので、その推進に努めてまいりたいということでございます。
○古堅分科員 沖縄の具体的な事情に合うような研究開発を進めてほしいということと、機械化方向に進めてほしいと思いながらも、その使用料が高くて引き合わないなどという、そういう面からの難点も切り離すことのできない機械化方向に向けての解決すべき課題ですから、そういうことも含めてぜひいろいろと検討、研究を進めていただきたいと思います。 次に、害虫の問題についてお尋ねします。ことし一月、サトウキビの新害虫シロスジオサゾウムシというのが県内各地で発生して、関係者を大きな不安に陥れました。新害虫と言われるそのものについての防除対策はどうなっているか、お聞かせください。
○日出政府委員 先生お話しのシロスジオサゾウムシでございますが、ゾウムシの一種ということで、主にフィリピン諸島に分布いたしまして、ヤシ類の害虫ということで知られているわけでございますが、サトウキビへの加害は今回が初めてだということでございます。 そのために、実は生態その他が十分明らかではございません。あるいは有効な防除薬剤もこれから検索を急がなきゃいかぬ、こういう状況でございますが、今お話しのように初めてのものでございます。私どもとすれば、的確な防除対策を一日も早く進めてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
○古堅分科員 今どういうことが実際に手をっけられておるのですか。それでどのようになっていくのでしょうか。
○日出政府委員 この有効な防除対策を立てますには、先ほど申し上げましたように生態が明らかでありませんと、どういう時期にどういう対策をとるのか、これが実ははっきりしないわけでございます。あるいは被害状況につきましても、私ども、発生面積等につきましては伺っておるわけでございますが、被害状況も詳しく調べなきゃいけない。その上でさらに有効な防除薬剤をどういうものに求めていくのか、これも実は今大変急いでおるわけではございますけれども、まだこれを検索するという段階でございます。 ともかく、一日も早く今申し上げましたように的確な防除対策をとるという前提でただいま技術陣が一生懸命やっておりますので、しばらく時間を置かしていただきたいと思っております。
○古堅分科員 次に、サトウキビの絞りかすのバガス利用であります。 このバガスを原料にした非木材紙について、日本リサイクルセンター市民の会が大手製紙メーカーなどと協力して低コストでの実用化に成功、名刺や手提げ袋に活用、脚光を浴びている、こう いう報道もございます。同センターは、現在東南アジアから原料を輸入しているということで、バガスパルプ工場や研究所が沖縄にできたらという期待を寄せているという面もございます。 一方、農水省食品総合研究所が虫歯になりにくい甘味料の研究開発を進めているということも報道されました。農水省としてバガスの有効利用についてどのような認識を持っておられるか。サトウキビ農業を推進するために総合的な施策を推進する。そのために、バガスの有効利用について農水省としても積極的に推進を図るべきではないかというふうに思います。そこらあたりを含めて御意見を聞かしてください。
○鈴木(久)政府委員 バガスにつきましては、その九十数%、九割以上が製糖工場の燃料源として利用されておりまして、ある意味では甘糖の集荷、製造経費の低減に寄与しているところでございます。 また一方、糖業者におきましても、土地生産性の向上を図る観点から、バガスの農地還元が必要であるという認識に立ちまして、工場ボイラーの改善によって燃焼効率を向上させまして、余剰のバガスを農家に提供するといったような例も見られます。これは数%でございます。今後とも、供給する側の糖業者と受け手となる農協等が現地におきまして十分に協議して、双方が納得し得る形で土地還元をするといったような指導をしてまいりたいというように思っております。 なお、バガスが燃料あるいは堆肥として利用された後になお余裕があるということであれば、さらに他用途への高度利用、こういったものにつきましても検討してまいりたいというように思っております。
○古堅分科員 農水省の食品総合研究所が今申し上げたような研究を進めているということは、それは本当ですか。
○武政政府委員 私ども、ただいまちょっとそのあれがありませんので、調べて御連絡を申し上げたいと思います。
○古堅分科員 私は従来から、サトウキビ農業を推進するためには沖縄に国直轄の研究機関をつくるべきであるということを主張してまいりましたが、そのたびに政府は、県の農業試験場を国指定の研究機関にしているというふうな答弁を繰り返してこられました。 今申し上げたような深刻な事態にあるサトウキビ農業の抜本的振興策を進めていくためには、引き続き価格の引き上げ、基盤整備、機械化導入、品種改良、病害虫の防除、バガスの有効利用、そういうことなどが重要であります。それらを推進するためにも一層研究機関の充実、それが大事ではないかというふうに考えます。 北海道のてん菜などは農水省直轄の研究機関でやっておるわけですから、サトウキビについても国直轄の研究機関を沖縄に設置して推進していくということが大事じゃないかというふうにずっと思い続けておるのですが、そういう立場から大臣、検討していただけますか。
○武政政府委員 先生おっしゃいますように、サトウキビにつきましては沖縄を初め南西諸島の重要な作物だというふうに認識しておりまして、そういう意味では、私ども国の研究機関としましても九州農業試験場、それから今度改めました国際農林水産業研究センターの沖縄支所、この二つの研究施設で国機関としても品種改良と栽培の研究を進めさせておるわけでございます。 ただ、この二つの機関だけでは足りない部分がございますので、沖縄県の方に国の指定試験として、さらに品種改良と病害虫防除に関する研究をやっていただいているという関係でございます。これは、あくまでもサトウキビの研究が重要であるから、国の方を補うという意味でやっていただいているというふうに御理解いただきたいと思います。 それ以外にも、私どもとしては、沖縄県農業関係試験研究機関が研究をできるだけきちっとやっていけるように特別の配慮をいたしているわけでございますし、そういう結果として、先生も御存じのように、多収性で大変糖量も高いNi6であるとかNi7、最近Ni9という品種もでき上がってまいりましたし、機械化に対する研究も進んでまいりました。我々も国と県と両方密接な連携を持たして、研究を充実させていくという努力を続けてまいりたい、こう考えております。
○古堅分科員 時間がございませんので、その問題それ以上突っ込みませんが、ぜひ御検討も願いたい、そう申し上げておきます。 最後に、品質取引の実施が近づいてまいっておりますが、条件整備も不十分のまま、その品質取引の実施だけが先行していくということでは、農家は救われないような思いがいたします。生産農家がこれまで以上の打撃を受け、サトウキビ離れを促進する結果にならないように万全の対策をとっていただかなくちゃいけません。 そういう深刻な事態を迎えた中で品質取引の実施ということに踏み切ることに関連してのことですから、大臣、最後にそれへの抜本的な対策について、もう一度決意も含めてお聞かせください。
○加藤国務大臣 この品質取引につきましては、平成元年産の価格決定に当たって、平成六年産から導入するということを決定いたしたのは、委員御存じのとおりでございます。そして、それ以降、国、県、農業団体、農業者、糖業者が一体となって取り組んできた、私はこう認識しておるわけでございます。 そして、先ほどお答え申し上げましたように、この品質取引の導入を契機に、沖縄、鹿児島両県のサトウキビの品質及び生産性の向上が図られ、生産振興に資するように努めてまいらなければならない、こう考えておるところでございます。
○古堅分科員 終わります。
○鮫島主査 これにて古堅実吉君の質疑は終了いたしました。 次に、矢上雅義君。
○矢上分科員 日本新党を代表して質疑を行います。矢上雅義でございます。 先日以来、麦価等の決定につきましては、加藤農林水産大臣以下関係省庁の皆様方に御尽力をいただきましたことに厚くお礼を申し上げます。私、農林水産関係の質疑は今回が初めてでございます。また、農政の問題におきましては非常に多くのタブーとかスローガンが多くて、一回生の私にとりましては一寸先がやみというか、非常に霧に包まれたような部分がございますので、きょうは皆様方の胸をおかりするような覚悟で、基本的な理念等についてお聞きしたいと思います。 まず第一番目の質問でございますが、先日の朝日新聞の記事に砂漠化防止条約の話が出ておりました。これによりますと、世界の陸地の二五%が砂漠化地域で、一年に六万平方キロのスピードで砂漠化が進んでいる。砂漠化が進むということは当然耕地可能面積が減少していくということでございますから、今後の世界的規模の食糧供給力に不安を投げかける材料でもございます。 また、皆様方御存じのように、二十一世紀の人口爆発、二〇〇〇年で六十三億、二〇五〇年で百億を超えるという統計が出ておりますが、将来的に人口増加と食糧生産のバランスが崩れ、需給が逼迫すると思われております。食糧の多くを輸入に頼る日本にとりましても非常に関心の高い分野で、まあ近い将来のことでもございますので、その点について農林水産省の見解をお聞きしたいと思っております。
○高橋(政)政府委員 世界の中長期的な食糧需給がどういうことかというお話でございますが、一口に申し上げまして、今先生がおっしゃったとおりではないかと思っております。 まず、需要の面を見ますと、今お話がございましたように、特に開発途上国を中心にしまして人口増加、それから食糧消費水準が向上いたしますことに伴いまして、飼料用穀物需要の増加が見込まれます。 しかしながら、供給面、いわゆる生産面の方を見ますと、最近でも世界の耕地面積というのはほ ぼ横ばいのような状況でございまして、今後の耕地面積の拡大ということを見てみますと、ただいまお話がございましたように、砂漠化の進行であるとか、あるいは最近地球環境問題が言われておりまして、肥料や農薬の使用などが制限されるというようなことも起こってまいりますと、これまでのペースでの生産増加はなかなか難しいというような需要と供給面の予測があるわけでございまして、今後、世界の食糧需給は不安定な面があらわれてくるだろうというふうに予測しております。
○矢上分科員 どうもありがとうございます。 今おっしゃったように、肥料、農薬の制限等も含めて、環境と調和させようとすると、どうしてもまた不安定な需給が見込まれるという御見解です。 日本という国は経済大国であると同時に技術大国でもあり、日本の農業というのは工業化以前から、また工業化が進んだ後も非常な技術の蓄積があると考えられますが、その農業分野での技術的国際貢献という可能性、前述の砂漠化防止条約への対応をも含め、農業分野での国際貢献について現状と展望をお聞かせ願えればと思っております。
○東(久)政府委員 我が国の国際協力につきましては、農林水産業協力というものを行いますときに三つの理念を持ちます。一つは、開発途上国の食糧不足の解消に貢献するということでございます。それからもう一つは、その開発途上国における農民の生活の安定向上ということでございます。第三番目が、先生御指摘の砂漠化の進行と熱帯林の減少というようなことも含めまして、地球的規模での環境問題への対応という、その三つの観点から我が国の特に農林水産業の開発援助ということをやっておるわけでございます。 これらにつきましては、大きく分けて、協力の対応として、技術協力と資金協力という二国間を通ずるものがございます。それからもう一つは、国連食糧農業機関と言っておりますが、FAO、それからWFP、世界食糧計画というような国際機関を通ずる多国間協力というものと、両面相まって農業協力をやっておるわけでございます。 この規模でございますけれども、私ども、JICAを中心に技術協力の専門員というのを派遣しております。今約千二百名強の人間を世界各地に派遣しております。これはもちろん長期のものでございますが、一時的な調査等へ行くのは除いての人数でございます。それから、研修員の受け入れというのを毎年大量にやっております。これは農業の指導的立場に立つ方の研修でございますが、開発途上国から約千二、三百人の規模でやってきております。そのほか、開発調査等JICAでの技術協力ということが一つございます。これらにつきましては、JICAの予算、これは平成六年度で農林水産業の開発関係で約百八十五億の要求をいたしております。 それから資金協力の関係でございますが、無償資金協力、それから食糧増産援助のための協力というようなことで、無償資金協力で、ちょっと平成四年度の数字しか持ち合わせておりませんが二百七十億程度、それから食糧増産援助で二百七十億程度というようなことでやっておりますし、さらにケネディ・ラウンドの食糧援助というようなものも百五十億くらいやっています。それからさらに、資金協力で円借款、農林水産関係で五百億強のものがあるということでございます。 これらはいろいろ定義の仕方がございますので、多少ぶれがございますけれども、相当大規模な形で協力しておりますし、先生御指摘のとおり、我が農林省の中には相当の技術的な蓄積がございます。また開発途上国、いろいろな地域がございますので、その地域地域に応じた形での協力ということが必要でございますが、今後ともこれらの問題については充実させていきたいというふうに考えております。
○矢上分科員 どうもありがとうございます。 いろいろ今お話をお聞かせいただきまして、人的協力、また資金援助等多大な努力をされていることはうかがえますが、テレビ、新聞等で知る範囲ではございますが、こちらがいいと思ってしてあげたことが、技術水準が高過ぎて、電気、水道が余りないところで余り使い道がなかったりとか、そういうお話もよくお聞きします。私もまだ現場に行って見たわけではございませんが、限られた予算の中でございますので、向こうの水準に合わせて、また喜ばれるような海外援助をしていただければと希望いたします。 次に、国外の状況から国内に目を転じていきたいと思います。 農業に関しましては、食管法の改正の問題、またいろいろ政府の価格を決める場合でも内外価格差の問題、また後継者の問題等、複雑な問題が絡み合っております。現場の農業者は非常に混乱しておりますし、また行政の皆様方も農家をどう定義するとか農業の定義、いろいろ混乱が生じておると思いますが、それらの政策を貫く食糧政策についての一貰した農林水産省の基本理念というものについて、大臣にぜひ御意見を例えればと思っております。
○加藤国務大臣 食糧というのは国民生活にとって最も基礎的な物資であるということは、全国、全国民、全国会議員共通であると思います。国民に対して安全な食糧を安定的に供給していくということは国の基本的な役割である、こう認識いたしております。 したがいまして、こういうことを踏まえまして、国土条件に制約のある我が国にとりましては、国内供給が可能なものについては国内供給を基本としながら、輸入と備蓄というものを適切に組み合わせて対処していくということが我が国食糧政策の基本的な考えである、こう考えております。
○矢上分科員 食糧政策の基本は、要約しますと、国内生産を基本に輸入と備蓄をしっかり考えていく、そして安定した供給、安全な品物を届けることだという御意見だと思います。 今おっしゃいましたように、安全な食糧の安定供給が基本理念の一つだとします。そしてまた、あくまでも基本は国内農産物の安定供給にあると考えました場合、乳価、畜産物価格、また今回の麦価決定といろいろ拝見させていただきまして、年ごとにどんどん自給率が下がっている。 これはだれの責任というわけでもございませんが、牛肉に関して見ますれば、昭和五十年に八一%、平成元年に五四%、平成四年に四九%。また今回の小麦にしましても、四%の底から努力されて昭和六十三年に一七%まで上昇し、そしてまた今回一二%前後に下がっていく。下がりぎみの傾向が今後も続くということは否定できない事実でございます。 このまま食生活の多様化、市場開放という条件が重なっていった場合に、今のカロリー自給率四六%、これは先進国の中でも極端に低いという状況であると思いますが、今後どうなっていくのか、このような現状の中で果たして国民に対し安全な食糧の安定供給という基本理念を確保していけるのか、その方策について大臣にぜひ御意見を聞かせていただければと思います。
○加藤国務大臣 ただいま矢上委員がおっしゃいました国際化の進展、それから食生活の多様化ということ等々で、残念ながら食糧自給率は低下傾向にございます。 そこで一昨年、国会、政府、国民の英知を結集してつくりました新政策というのがございます。新しい食料、農村、農業を基本にしたものでございますが、この新政策を強力に推進して、効率的、安定的な経営体が生産の根幹を担う力強い農業構造をできるだけ早く実現しなければならない。そして、これとともに、日本の国土資源を有効に活用することによって可能な限り国内農業生産を維持拡大し、国民への食糧の安定供給に努めることが重要である。 今回ガット・ウルグアイ・ラウンドのミニマムアクセスを受け入れた後、ますますこういう点について国民的コンセンサスをいただいて、今申し 上げた線を実現していかなければならぬと考えておるところでございます。
○矢上分科員 ただいまの大臣の御見解は、力強い農業経営体、そしてまた国土資源の有効活用、それによる国内農業生産力の維持向上ということで、これはガット・ウルグアイ・ラウンドに対して新政策を強力に推進するということだと理解しておりますが、いつもこのガットの問題に対して出てきますのが、国際競争力を農業者に要求して経営感覚を身につけてもらう、低コスト化を図る、これは当然のことでございます。 ただ、現場でよく出てきますのが、海外の製品と同じ土俵に乗って戦う以上、他産業から供給される機械、肥料、飼料等の生産資材の流適合理化、低価格化等に一層努力してほしいという要望が強くございますので、合理的そして公正な観点からも一層の研究調査等に努めていただければと思っております。 次の質問に移りますが、足腰の強い農業という観点から、今おっしゃいましたように、一つは生産性を高めるための土地改良という事業の面、もう一つは非常に少なくなっております担い生育成の問題が重要になってくると思います。 まず前者についてですが、圃場整備率五〇%の現状は、中山間地の問題、また以前土地改良を行ったところで狭い形での土地改良の問題等を含めて、十分ではない部分もございますので、今後の土地基盤整備の計画等についてぜひ教えていただければと思っています。
○入澤政府委員 現在進めております土地改良事業は、平成五年四月に閣議決定されました第四次土地改良長期計画に基づいて行っております。計画総額は四十一兆円でございまして、そのポイントは三つございます。 一つは、魅力ある農業を実現するため、生産性を上げるために生産基盤をきちんと整備する。二つ目は、快適で美しい田園空間を形成するという視点から、農村地域の総合的な整備を図る。それから三つ目は、安全な国土を維持形成するために、国土保全的な観点に立った防災事業等をきちんと整備するということでございます。 具体的な整備水準の目標といたしまして、新政策でいっています効率的、安定的な経営体が生産性や収益性の高い農業を展開する基盤を整備するという視点から、水田では、現在のところ三十アール程度以上に整備された割合が五〇%ぐらいありますけれども、これを七五%以上に引き上げる。この中でも大区画化を進めていこうではないか、機械の使用効率を高めるために一ヘクタール程度以上の大区画に整備された水田を持とうではないかということで、その割合は現在三%でございますが、これを十年間で三〇%程度に引き上げる。 畑では、農道が整備された割合を、今五六%ございますけれども、これを七五%に、畑地かんがい施設が整備された割合を一五%から三〇%に引き上げるというふうな目標を掲げて推進しているところでございます。 それから、農村地域における快適な生活環境の形成という視点から農業集落の排水事業をやっておりますけれども、新たにこの十年間で三万集落ぐらいを対象に集落排水施設の整備を行うという方針でおります。
○矢上分科員 政治というものは、国家百年の大計として水を治め、また田畑を改良するということの繰り返しで行われてきたことだと思っておりますが、ただ同時に、現実に生産者におきましては経営が非常に厳しいとか、また中山間地におきましては日に日に農家戸数が減っていっておるものですから、現実問題として、話は違いますけれども、公民館の建築一つとっても、兼業農家、跡取りのいない方、また跡取りのいる方等でなかなか話し合いがつかない。 これが大規模な土地改良におきましては、さらにまた難しい問題が出てきております。用水路の問題にしましても、百年も二百年も前につくりました。水路を整備したのはいいものの、毎年人数が減ってきてどうやって維持管理をやっていくかという問題。また圃場整備にしましても、計画変更等による長期化で事業費が思いがけず二倍、三倍となり、なかなか思ったとおりの実績が進んでいかない。実際には生産者にもかなり厳しい現状もある。 また、その上で国土の有効利用というものを政治として頑張っていかなければならない。非常に難しい問題でございますが、この第四次土地改良長期計画を推進していく上で、このような問題も含めた土地改良事業の負担問題等についてどのように対処していかれるのか、またその悩み等をお聞かせ願えればと思っております。
○入澤政府委員 土地改良事業は、一般に農家に利益が発生するわけでございますから、国、県、市町村が負担したその残りの部分を農家に負担してもらっておるわけでございます。 土地改良事業それぞれの事業ごとに見ますと、そんなに年償還額が高いわけではございません。例えば、国営かんがい排水事業でいいますと、十アール当たり平均しますと年四千円とか、あるいは国営農地開発事業でありますれば一万三千円とか、そういうオーダーでございます。 問題は、こういう事業を重ね合わせて一地区でかんがい排水事業もやれば農地開発事業もやれば圃場整備事業もやる、そういうふうな場合にピーク時の年償還額が高くなるということでございます。そういう地区が全国各地にありますので、そういう場合の農家負担をいかにして軽減するかということでかなりの工夫をやっているわけでございます。 一つは、当然のことながら事業費単価を抑制するということが一番基本でございまして、これについてはかなり毎年努力をやっております。 それからまた、財政当局の御支援を得まして、国営事業における償還方法を逐次改善してきた。例えば、工種別に完了する制度を設けまして、工事建設中の建設費利息の増高を防ぐ。それから、計画償還制度というのも昭和六十二年度に創設しまして、土地改良区が償還準備金を自主的に積み立てるという場合に、あわせて国営事業地区の償還期間を延長する。例えば十五年または十七年を二十五年にするとか、あるいは償還方法を弾力化する。 それから、これはある意味では非常に画期的な制度だと思うのですけれども、平成二年度から土地改良負担金総合償還対策事業というのを創設いたしまして、国庫から約一千億円の資金を五年間造成いたしまして、負担金の償還が困難な地区に対しましていろいろな助成をやっているわけでございます。例えば、無利子融資により償還金の一定部分を繰り延べして毎年の償還金を平準化する。これは十アール当たりピーク時償還額の最大七割まで軽減するというような効果がございます。 それから、計画償還助成事業ということで、財投とあわせて事業をやっている場合には、そういう地区に対しましては一般型並みの五%まで利子を軽減する。それから、円滑化事業というふうなこともやっています。 こういうふうな事業をやるほかに、事業費補正等の地方財政措置の充実によりまして、地方公共団体の負担の軽減をお願いするということで、いろいろな施策をやってきたわけでございます。 これだけでもかなりやっているのですけれども、さらに新政策を踏まえまして、構造政策を推進する上で特に重要となる圃場整備事業につきまして、補助率を五〇%にかさ上げした担い生育成基盤整備事業、あるいは担い手への農地利用の集積を要件に土地改良負担金の一部に無利子資金を導入する、こういうふうな事業を創設いたしまして、農家負担の軽減に努めているところでございます。
○矢上分科員 どうもありがとうございます。 先ほどおっしゃったように、確かに負担金の問題につきましては、重いか軽いかという問題は、正直申し上げまして、私も現場を歩いてみまして負担金は大したことないという地区も結構あります。また、逆に負担金が重そうに感じるところ は、最初から土地基盤整備に手をつけることが困難な地域であったり、そしてそういうところに限って過疎地で生活も厳しい。 非常に複雑な要件が相まっておりますが、共通して言えることは、やはり国家事業になりますと長期間かかる。その間に、以前にした見通しと将来十年、二十年たった場合の見通しは違ってくる。これはどうしても出てくることではございますが、こういうことを防いでいくためにも、適地適作を念頭に置いた適正な規模の土地改良、そしてまた計画どおり短期に終了する、そういうことによって生産者の負担金が結果的に平準化されたり、軽減されたりするような努力をぜひ進めていただければと思っております。今回の土地改良長期計画を速やかに推進し、一刻も早く生産性の高い圃場を整備されることを望んでおります。 また次に、二番目の担い手の問題でございますが、年間の新規就農者が千七百人。日本農業を維持するため、また有事の際の備え、備蓄にとりましても、生産者は不可欠であり、ある一定以上の人数を必要としております。新しい担い手を確保するための政策、また現在従事しておられる若手農業者のための技術指導等、具体的な政策等をお聞かせ願えればと思っております。
○日出政府委員 今先生のお話のように、次代の農業を担っていくべき人材の確保状況につきましては、大変憂慮すべきものがあるわけでございます。私どもといたしますれば、農家子弟のみならず、農外からの新規参入者も含めて、幅広く人材を育成確保していくということが大変大事だろうというふうに思っておるわけでございます。 先生お話しの、今新規学卒就農青年千七百人という数字をお挙げになりましたが、実はそのほかに三十四歳以下でUターン就農青年が二千六百人おります。新規就農青年ということでいいますれば四千三百人ということでございますが、これも五十年当時に比べますと約十分の一というようなことでございますので、この人材確保の問題は大変大事になってくるわけでございます。 私どもといたしますれば、こういった人材確保でございますが、就農前、就農時、それから就農後、要するに三つの段階に分けまして、より効果的な対策をとらなければいけないだろうというふうに思っているわけでございます。 また、この対策も、補助事業のようなもの、あるいは金融措置みたいなもの、それから税のようなもの、それぞれの時期にわたりましていろいろなものが出てまいります。例えば、御案内のように税制措置で割り増し償却などございますが、これはどちらかといいますと就農後のことになりますし、金融措置でありますれば、就農する前の研修というところから始まりまして、経営開始の資金でありますとか農地取得資金でありますとか、そういったようなそれぞれの資金制度もある、こういうことでございます。 ただ、幾つかのこういった国の新規就農のための育成確保策も大分体系化されてまいりましたし、あるいは都道府県の対策もかなり充実されてきたわけでありますけれども、さらに私どもといたしますれば、普及の事業の中でもこういった人づくりを従来から基本としてきたわけでございますので、改良普及センター、今は改良普及所と言っておりますが、これを改名をして、地域農業改良普及センターというところで新規就農促進業務を新設するとか、あるいは農業大学校で生涯教育をしていくとか、こういう幾つかの点につきましても一歩、二歩進めたいということで、現在農業改良助長法の改正を国会で審議をお願いしている、こういう状況でございます。
○矢上分科員 どうもありがとうございます。 また、今の対策につけ加えて、私たち子供のころはお米は一粒も残すなと言われて育った時代でございます。学校教育に農業を、いろいろ肉体労働等含めてですが、なるべく導入していただいて理解を深めていかれるように、今後の対応を望みます。 次に、ちょっと時間がないもので急ぎますが、現実の問題として起こっております畜産業におけるふん尿処理、畜産公害の問題でございます。 昭和四十八年の公害問題の苦情件数一万一千件、平成元年以降三千件台まで落ちておりますが、対策が充実したというよりも、農家戸数の減少等の影響もあると考えております。ただ、個人等で堆肥処理場をつくろうとしても経営上合わなかったり、また、共同体で補助を受けようとしましても、農家戸数の減で一つの村に数戸しかいない、なかなか共同体でもできない。それで、大きな見方での堆厩肥センターをどうやってつくっていくか、また、つくった後の流通をどうするか、センターの維持管理等を含めて、総合的な対策についてお聞かせ願えればと思っております。
○高木(勇)政府委員 お答え申し上げます。 先生おっしゃられましたように、畜産環境問題といいますか、その主な原因になっておりますのが家畜ふん尿処理の問題でございます。この家畜ふん尿処理でございますが、本来、畜産経営を行うことによって家畜ふん尿が出てくるわけでございますが、この家畜ふん尿につきましては、御承知のように有機物を大量に含んでいるわけでございまして、これを堆肥化しまして土壌に還元する、それを基本にしましたリサイクル利用を進めていくことが、環境保全だけでなくて資源の有効利用、ひいては経営の改善という点からも極めて有効であるというふうに私ども考えております。 そういった点から、畜産農家に対します家畜ふん尿の適切な処理、特に畑作部門とか稲作部門といったいわゆる耕種部門との連携強化のための指導、それから、今先生からも御指摘ありましたが、個人ではかなりの額に上るということもございますので、共同利用の家畜ふん尿処理施設の整備に対しましての助成、それから、一定の地域である程度まとまって経営をするということも必要でございますので、集団的な経営移転に対する助成、それから、個人施設に対しましては低利の融資とかリース事業、賃貸をする。実際施設を買うとかなりの金額に上るということで、リース事業ということもやっております。それから税金の点では、浄化処理施設に対します特別償却、これは法人税、所得税等にあるわけでございますし、また固定資産税の面でも減免措置を行うというような対策を講じてきているわけであります。 さらに平成六年度におきましては、水質保全に係る規制が強化されまして、そういったことに対応するために高度な家畜ふん尿処理施設を緊急に整備するための事業とか、家畜ふん尿処理に関しましてはいろいろな新技術も開発されておりますが、その実用化を図っていくための良質の堆厩肥の製造とか、それを実際に流通させる技術開発の事業、それから、農林漁業金融公庫資金のうち畜産経営環境保全資金というのがございますが、その貸付限度額を引き上げるというような新たな対策も講じているわけでございます。 これからも地域の実態を踏まえて、先生おっしゃられたような方向で努力をしてまいりたいと思っております。
○矢上分科員 多頭化による規模拡大が進めば進むほど、さらに深刻度がスピードアップしてまいります。それと同時に、よくできた、バランスのとれた総合計画でございますが、地域住民のリーダーシップと合意が不可欠だと考えておりますので、積極的に、かつまた十分配慮された上で進めていただければと思います。 最後でございますが、質問する予定でございましたメキシコで行われましたIWC、国際捕鯨委員会に五月二十三日から二日間ほど出席いたしまして、水産庁の島次長を初め関係者の皆様方が一生懸命頑張られました。しかし、残念な結果となり、南氷洋の一部が聖域化いたしました。ミンククジラ等七十六万頭が生息し、また年間二千頭まで捕獲可能という状況の中で、科学的調査を無視された形で聖域化が決定した。それに対して九十日間という異議申し立ての期間もございますが、積極的に検討いただきまして、日本政府としての毅然たる態度をとっていただければと思っております。これを要望いたしまして、質問を終わらせ ていただきます。 どうもありがとうございました。
○鮫島主査 これにて矢上雅義君の質疑は終了いたしました。 次に、永井哲男君。
○永井(哲)分科員 日本社会党・護憲民主連合の永井哲男でございます。 きょうは農業問題、とりわけ畑作の問題についてお聞きいたしたい、そういうふうに思います。 最初に、五月二十三日付の北海道新聞、これは産経新聞にも同様な記事が載っておりますが、その中で、「米麦価、段階下げへ 二〇〇〇年までに政府 内外価格差二〇%縮小」、こういう見出しで記事が載せられております。二〇〇〇年までに内外価格差を二〇%縮小する、そのためには生産者麦価でいえば一六%引き下げなければならない、こういうような記事の内容であります。 ガット合意によって農家の皆さんは大変不安に駆られている状況であります。合意の結果というのがこういうような結果をもたらすのか、こういうような引き下げをもたらすのか。こうであれば、農家の皆さんは農業の将来というものに到底期待が持てないのではないでしょうか。 これからの価格の政策、価格に対してどう取り組むのか、そういうことを、特にここは農家の不安を一掃するためもありまして、大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
○加藤国務大臣 米や麦の生産者価格というのはもう御存じのとおりでございまして、食管法の規定に基づいて、生産費や物価、その他経済事情を参酌して、米価審議会にお諮りして適正に決定しておるということでございます。 こうした中で、私たちとしたら、規模拡大や生産組織の育成等を通じて生産性の向上を図り、これを価格に的確に反映させることによって内外価格差というものを極力縮小していく。そして、大切なのは、国民に対する安定供給に努めていくことが一番大切であると考えているわけでございます。したがいまして、報道されているような水準の一律引き下げを行っていくという考え方は持つていないということをはっきり申し上げておきます。
○永井(哲)分科員 それを聞いて生産者の皆さんも少しは安心するのではないか、そういうふうに思います。 さて、今回の麦価では大臣にも大変お骨折りいただきました。関係省庁の皆さん、そしてまた財政当局の方にも大変お世話になったことを感謝申し上げたいと思います。生産者からも、今回の麦価は、十分な満足を得る、そういうところまではいかないが、一定の評価をし得るというような回答といいますか、声を私のところにいただいているところでございます。 さて、そのときに、社会党の要請書の一番最初に、麦類が基礎的な食糧であるとの位置づけを明確化することが重要である、また、麦作農家が安心して生産に励めるよう、自給率の向上を基本とした中長期的生産振興策、経営対策を講ずることが重要であると要求しているところでございます。 小麦の自給率は、平成五年産では六十三万八千トン、一〇・二%ということで、これまでの一二%というのを大きく割り込んでおります。これを中長期的な目標である一四ないし一九%へ持つていく。そうするには、これは六百四十七万トンというところでございますから、九十万トンから百二十二万トンというのが目標になるわけであります。六十四万トンという昨年度のベースではなくて、その以前の七十五万トンというベースから考えれば、十五万トンから五十万トンをさらにふやさなければいけない、こういうような状況であります。 これは相当な施策を講じなければ、このレベルに達するのは非常に難しい、そういうふうに思います。そういう点で、自給率の向上という目標に変更はないのかという点と、その目的に向かって中長期的な対策としてどのような施策を講じるのかということについてお伺いいたしたいと思います。
○日出政府委員 先生御指摘のように、自給率としますと、平成十二年度に一四ないし一九%というようなことを実は掲げたわけでございますが、現実の麦生産につきましては、転作緩和の影響によりまして、特に関東以北の六条大麦が減っていく、あるいは水田裏麦が減っていくといった形で、実はこの二年ほどかなりの大きなスピードで落ちてきているわけでございます。北海道の畑作の麦につきましては、合理的な輪作体系の中での作物でございますので、これにつきましては昨年からことしにかけて大体減りどまったのではないかというふうには思っておりますが、現実にはそういった厳しい麦作をめぐる状況があるわけでございます。 私どもといたしますれば、麦につきましては、今申し上げましたように畑作におきましては輪作体系の中の大きな作物でございますし、水田作では水稲との結びつきによりまして土地なり労働力なり機械なりの有効利用を図り得る作物だということで、米と並びまして大変大事な作物だというふうに考えておるわけでございます。 そういう意味で、今後の小麦を含みます麦作振興をどういうふうに進めていくのかということにつきましては、今いろいろな形で検討を急いでおるわけでございますが、とりあえず私どもといたしますれば、新政策で示しました経営展望というものがございます。 これを含めて、北海道ではさらに地域に即しました展望をつくりっっあるわけでございますが、こういった実現に向けまして規模拡大の推進、これは都府県でございますれば例えば期間借地等を利用するといったような問題、あるいは北海道でありますれば、良品質麦、特に北見六六号といったような良品質麦の普及といったようなことで、品質の向上を進めながら麦作振興を図っていくというのがまず基本ではないだろうかというふうに考える次第でございます。
○永井(哲)分科員 今度の麦価の関連でも、新品種である北見六六号の一類格付という点は、麦作農家に対して大きな希望というものを与えている一因になるというふうにも思います。ただ、その作付面積が減っているというのは、単なる転作緩和の影響ばかりではなく、北海道においても、おととしの天候が悪くてその作付面積が減ったという水準が維持をされたというところで、悪いところで下げとまっているという点をぜひ御理解いただきたい、そういうふうに思います。 私ども、特にこの小麦の位置づけ、基礎的な食糧としての位置づけを明確化するということをうたっておりますが、それはある意味での米との格差をどうしていくのか、輸送コストについての考えということも含まれているところでございます。また、中長期的な展望については、特に中期的な生産者価格の安定ということもぜひ考慮に入れて考えていただきたいというふうに思います。 今おっしゃられたように、麦というのを単に麦だけではなく畑作の輪作体系の一環として守らなければならないというのは、そうでなければ畑作全体、畑地は守れないということになるわけでありますが、特にその中で、北海道でいえばバレイショ、ビート、そしてまた豆というのがいずれもガットの影響というものを大きく受けるだろうというふうに予測されております。このような中で畑作全体の振興策、これをどう守り、そして振興していくんだということについて、再度お聞きいたしたいと思います。
○日出政府委員 北海道の畑作物につきましては、雑豆その他いろいろございますが、ガットの中でも、これらの雑豆等の畑作物につきましては、これまでの輸入制限措置を関税化するということになったわけでございます。この中身は、大体関税相当量、いわゆるTEにつきましては国内生産者保護が可能な水準を確保できたということで、当面国内生産への影響は最小限に抑えられたと思っております。 ただ、この六年間がいわば勝負のときだろうと思っております。長期的に見ますれば輸入品との競争が強まるわけでございますから、この六年間で畑作経営の体質の強化を図らなければいかぬということでございます。 そういう意味でいいますれば、国産品の高品質化の問題あるいは需要確保の問題、作物横断的な畑作経営の体質の強化の問題等々、いろいろ課題があるわけでございます。現在農政審でも議論をしていただいておりますが、必要な生産、流通にわたる各般の対策を早急に検討してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○永井(哲)分科員 新農政の方向についての問題でありますけれども、地元では、こういった大規模化というのが一体実現可能なのか、そういった生産者の声も寄せられております。また北海道では、これから十五年先には現在九万戸の農家が六万八千戸になるだろう、そういうような予測を立てているところでございますが、その六万八千戸の農家、これを維持するには毎年二千三百人の新規の就農者が必要である。ところが、昨年度の実績では五百人ということで、この六万八千戸というような体制さえ大幅に割るような勢いで離農というものが進んでいるという状況であります。 そういったような状況の中で、新農政が考えている必要な人員の確保というものが一体できるのかどうか、そして、新農政の中でも北海道自体ではいろいろなモデルというものをつくっているところですけれども、このモデルの立て方というのも少ないのではないか、こういった大規模効率化一辺倒というような印象をどうしても受けやすい。そういうことについてこれからどういう方向を目指していくのでしょうか。
○日出政府委員 北海道の畑作経営を考えますときに、これがより魅力のある経営になっておりませんと、先ほど先生のお話しのような新規就農ということもないわけでございます。 この北海道におきます畑作経営をより魅力的なものにするためにはどうしたらいいかということで、先生もちょっとお触れになりましたが、平成五年九月に農政審議会から実は「稲作以外の主要経営部門についての経営の展望と政策展開の基本方向」ということで報告がなされておりまして、この中で北海道畑作の経営展望を示したわけでございます。 これは、国が示した類型は、農政審報告でも書いてあるのでございますが、典型的な経営の姿を示したということで、実は例えば四十八ヘクタールの経営規模といったようなことを提示しておりますので、これはやや画一的ではないかという議論がございますが、当然のことながら、北海道が例えば農業経営基盤強化法におきます基本方針で、地域的なあるいは地域の実情に応じました多様な諸形態の展望というのをいたしておりますので、両々相まって北海道の実態に即した経営の姿を描いている、こういうことだろうと思っております。 いずれにしましても、この北海道の畑作経営をより魅力のあるようなものにするということのためには、ともかく大規模畑作あるいは畑作と野菜の複合あるいは畑作と野菜と肉用牛複合といったような、幾つかの地域にもう既に存立しております姿かたちを前提としましたきめ細かな経営類型を含めて、これの実現に向けていろいろな対策を進めていかなければいかぬということだろうと思っております。 今、私どもといたしますれば、都府県の農業がどちらかといいますと近場に他産業就業の機会があるのに対して、北海道の場合には農業専業ということを前提にしてやっていくという意味で、大変それなりの厳しさというものが経営実態としてあろうかと思っておりますが、何といいましても、北海道はそういった意味で日本の中では最も生産性の高い農業を実現しているところでございます。 そういう意味で、畑作につきましても、今申し上げましたような大規模畑作一辺倒ではなくて、いろいろな複合経営も含めて地域の実態に応じたような経営が実現できますように、私どもも一生懸命やっていきたいというふうに思っている次第でございます。
○永井(哲)分科員 これからの農業という点では、特に安全性というものにも十分な考慮を払っていかなければいけないと思っているところでございます。 ところで、コーデックス委員会を初めとするその中での残留農薬の国際比較、これもちょっと調査いたしましたけれども、その中で、例えばピリミホスメチルというものについては、国際基準が一〇ppmであるのに対して日本の食品衛生法の基準が一・〇ppmである。そういう意味でいえば、十倍も国際基準の方が甘いというか緩和されている。このような例が多々見られるところでございます。国産品と外国製品との差別化、その中で食糧の安全、これも重要な課題としてこれから取り組んでいかなければいけないと思っているところです。 そういう中で、安全のためという意味でも、また生産性を維持するといった点でも、ロー・インプット・サステーナブル・アグリカルチャー、これはLISAという形でアメリカでやっているそうですけれども、こういう方向というものをこれから日本の農業のあり方としても、やはり持続可能な開発というような観点で育てていかなければならないと思います。 かつて北海道では、作目が十五品目ぐらい、そういう中で最大作付面積が燕麦の十三万ヘクタールぐらいだ、輪作体系を維持するのに何ら苦労はしなかったといったような状況でありました。今やそれは、地域によってバレイショとてん菜の交互作、麦の連作、そういったような中で、やはり土というものをどういうふうにつくっていくのかというのが重要な問題になっていると思います。 その点で、社会党の要請書の中でも、緑肥を初めとする土づくりという問題を要求したところでございますが、どういうふうに土づくりというものを振興させていくか、そのお考えについてお聞きいたします。
○日出政府委員 先生、今LISA農業につきましてお触れになったわけでございますが、私どもは、平成四年度から環境保全型農業推進事業ということで、日本型の環境保全型農業を進めていこうということで始めておるわけでございます。 これは、化学的な肥料でありますとか農薬をどの程度落とせるのか、各県段階で技術的な検討を行い、それをそれぞれ地元の普及所段階に落としまして技術的な実証をする、こういうような事業でございますが、これにつきましては、北海道が特に冷涼な気候の中で比較的こういった環境保全型農業に取り組みやすいということで、全国の一つの典型といいますか、そういうことになっているわけでございます。 この中で、最近北海道で言われておりますのが、先生がお触れになりました土づくりでございます。特に、輪作作物で輪作体系の中で回している畑作経営の中でも、一つのものをやり過ぎますとすぐに連作障害が出てくる。こういう中で、例えば緑肥作物のすき込みといったことも特に農業団体からも言われておるわけでございます。 これにつきましては、私ども、既にこの緑肥作物のすき込みにつきましても助成の対象ということにしておりますし、あるいは土壌・土層改良については補助事業の対象として積極的に推進しているわけでございますが、今後とも、こういった緑肥作物の導入を初めといたしました土づくりなり、あるいは合理的な輪作体系確立のための施策というものをより積極的に推進してまいりたいというふうに考える次第でございます。
○永井(哲)分科員 そういう観点からも、有機の肥料、これがたしか六百万トンぐらいのところ、ふん尿といいますか、そういう堆肥としては四百万トンぐらいである、そういうようなことも聞いております。畜産の関係で、そういった堆肥というものを新たな土壌改良剤というような位置づけでもって、この基本的な土づくりというものをさ らに支援していく、そしてまた、緑肥等の作物の導入というものをその実証展示圃そのほかでもいろいろと既に手がけているということは知っておりますが、さらに大幅に強化していくということが今後の方向としてぜひ必要なところではないかと思っているところです。 次に、価格差の解消と縮小というもの、これも図っていかなければならないところだというふうに思います。その中で、農家自身の手によっていかんともしがたいというような部分、資材それから輸送コスト、輸送コストという点でいえば今年度は過積載の取り締まりが強化されて、さらにその点より多くなるだろうということも予想されます。そういうような部分の支援といいますか、それをどのようにしていくのか、その点についてお聞きいたしたいと思います。
○鈴木(久)政府委員 食料品の流通コストにつきまして申し上げます。 食料品の流通コストにつきましては、食料品の特性によって必要となる経費が多様でございますので、一律に比較することは適当でございませんけれども、我が国の食料品についてその消費者価格に占める流通コストの比較を見ますと、他の一般の日用品や外国の食料品と比べてほぼ同程度というような水準になっております。 食料品流通の一層の合理化、効率化を図ることは、民間の関係業界にとってはもちろん、国にとっても重要な課題であると考えております。食品流通構造改善促進法に基づく措置の有効的な実施によりまして、食品の生産から小売段階に至る流通過程の各段階における流通コストのさらなる削減に努力をしてまいりたいというように考えております。 また、産地における集出荷施設、貯蔵施設などの出荷体制の整備、生鮮食料品の大半を占める卸売市場の施設整備、中小の食料品商業の近代化、効率的な物流システムの構築、こういったような各般の施策を推進し、食料品流通の合理化、効率化に努めてまいる考えでございます。
○永井(哲)分科員 資材関係について。
○日出政府委員 お話しのように、内外価格差の議論をいたしますときに、食料品の流通コストの低減と並びまして生産資材費の節減という問題がございます。これにつきましては、私どもとしますと、二つの入り口といいますか着眼点があるだろうと思っております。 一つは、効率的な生産体制をつくることによりまして、農業機械等の効率的な利用を推進するという点でございます。これにつきましては、北海道では非常にそういう意味では効率的な機械の利用等が行われておりますが、都府県においては過剰投資というものが多くのところで見られております。そういう意味で、こういった機械の効率的な利用といったところをどういうように進めていくのかというのが一つございます。 それからもう一つは、そもそも個別の資材につきまして、この資材価格が下げられないかという問題だろうと思っております。ただ、この問題は、生産、流通、利用各段階でそれぞれより合理的なあり方を求めていかなきゃいかぬという問題がございます。あるいは農業生産資材といいましても、一番問題な肥料の問題あるいは農薬の問題、農機の問題、実は生産、流通、消費、それぞれありようが違っております。私どもは、今後とも関係省庁と連携をとりながら、輸入の活用でございますとかあるいは流通の改善とかいうことも含めて、関係団体なり業界の指導ということをやってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○永井(哲)分科員 経団連の規制緩和の中でも、農業、食料品に関していろいろと指摘されているところでございます。 その規制緩和の中で、若干そこの担当者とも話したことがあります。これまでの消費者負担型といった政策というのはある程度限界があるのかもわからない。そのときには財政負担型というような形で何らかの代替措置というものを図っていかなければ、生産者はなかなか競争はできないと思うわけですけれども、その点、所得補償なり財政負担型といったものの導入に対してはどのようにお考えでしょうか、
○高橋(政)政府委員 価格政策をどんなふうに考えていくかということだろうと思います。 現在、我が国の農産物の価格政策につきましては、例えば乳価のように不足払いをしているもの、いわゆる財政負担型といいますものと、それから米麦価のように消費者負担型といいますものとあるわけでございます。 いずれにいたしましても、納税者としての国民、それから消費者としての国民の皆さん方に納得をしていただけるような価格あるいは生産コストでなければならないわけでございますので、我々といたしましては、いろいろな生産対策なり構造対策をしながら、少しでも生産性の向上に努めていくということが必要ではなかろうかというふうに思っております。
○永井(哲)分科員 これからの農業政策は、当然広く国民の理解というものを得ていかなければ成り立たないと思います。そういう中で、世界の食糧の事情というものを考えて、日本の国際的な貢献というようなことも含めてどう考えていくのか、また安全な食糧というものをどう位置づけ、これにどういう価値を与えていくのか、自然環境の維持というものの価値をどう考えていくのか、そういうものがあると思います。農村の崩壊を招くような、そして地方が存在しなくなるようなことで国土の均衡ある発展というのが保てるのかどうか。 また、本日の毎日新聞にも出ておりましたけれども、二〇〇〇年には経済成長を三%ぐらいに保たなければ労働力が過剰になるというような試算も出ております。そういった中で、これまでの高度成長の中で都市が農村の人口を吸収したような構造が今後も果たして保てるのか、そういうことが問題になってくるというふうに思います。 その中で、国づくりとか自然に対する、農業に対する哲学というものが農業政策の中で求められると思いますが、大臣の方で何かお考えであれば、その点最後にお聞きして、私の質問とさせていただきたいと思います。何といっても、これまで大規模、効率化というのが余りにも正面に出過ぎていたというふうに思います。そういったものからの方向転換に対する希望の持てるような哲学というものを聞かせていただきたい、そういうふうに思います。
○加藤国務大臣 改めて私が申し上げるまでもないわけでございますけれども、いつも私自身が申し上げておるのは、農村、農業が着実に、そして活力を持つということが日本国が国として成り立っていく基本である、こういう考え方を持っておるわけでございます。 それに伴うもろもろの食糧政策その他をやっていかなくてはなりません。特にウルグアイ・ラウンドその他で、新しい国境措置のもとで我が国の農業もさらにいろいろな苦難の道があると思いますが、国民の理解をいただいて、そして今申し上げたような潤いと活力のある農村、農業というものを築き上げていくために、国も国会も政府も国民も一体となって取り組んでいかなくてはならぬと思っておるわけでございます。
○永井(哲)分科員 私たちも農業を守るために全力で頑張ることをお約束申し上げて、私の質問を終了させていただきます。 ありがとうございました。
○鮫島主査 これにて永井哲男君の質疑は終了いたしました。 次に、栗原博久君、
○栗原(博)分科員 私は新潟二区の栗原博久と申します。大臣、初めてお目にかかります。 今、まさしく農業が国の礎であるという大臣の御発言を承りました。私は以前に地方公務員をやっておりまして、大臣御記憶かどうかわかりませんが、前に旗野進一という国会議員がおりまして、その方に勧められて実は公務員を棒に振って政治の道を歩きまして、十六年間あって国会に出てまいったのです。 六度目の挑戦でございますが、その中で、いかに農業が苦難の道の中にあるか。しかしまた、国民の理解を求めねばならぬという大臣のお話を承りまして、私は大変意を強くしたのでありますが、大臣、国民の理解をいただくにはどのような形でどういうことを理解いただくか、ちょっとお話を賜りたいのです。
○加藤国務大臣 例えば、今回我々はミニマムアクセスを苦渋の決断として受け入れることをいたしました。そして、農村や農業がそれで被害が大きい、痛い痛い痛いと言っておっただけではだめ。それに対して農村、農業が必死の努力をする。そしてその痛みというものを国民の皆さんに理解してもらうと、おのずからいろいろな国民からの協力、応援というのが生まれてきて道が開けてくる。 だから、具体的にとおっしゃいますと、要は、今回の農村、農民の痛みというものを国民に本当にわかってもらうようにみんなして努力していかなくてはならぬ。そこから具体的な問題の解決策が一つずつ生まれてくる、こう思っておるところでございます。
○栗原(博)分科員 今の大臣の、農民の痛み、私は農民にだけ痛みを求めるのではなくて、行政の立場で、あるいは我々政治家みずからも痛みを分かち合い、特に農家の皆さんに対してその痛みを和らげてやるのが政治だと思っておりまして、大臣のお話を聞きまして、大臣が米の開放のあのころ大臣をされておれば、日本の農業の方向も少しは変わってきたのかなと実は思っております。御期待申し上げます。 そういう中で、きょう私は農振法についてお尋ねしたいのでございますが、この法律は昭和四十四年九月二十七日施行だというふうに承っております。この農振法は、法律の趣旨の中に、我が国経済の高度成長に伴う都市地域への著しい人口集中と各地域における工業開発及び交通網の整備の急速な進行云々、こうなかなかもっともらしい文句を記してございます。実際問題この法律は、同じ年の昭和四十四年六月十四日に制定されました新都市計画法の中における都市側の土地に対する需要に対して、農業サイドでそれを守ろう、そういう法律の根幹があったと実は私は柔軟に解釈しておるのですが、その解釈は間違っていないと思うのです。 今日、ウルグアイ・ラウンドのこういう状況を迎えまして、まさしく日本の農業が変わろうとしておる。その変わる大前提は、今後農地をどのように守っていくか、守っていくと同時に、国民に与えられた限られた国土の中における農地、これをまたいかにして有効に利用するかということだと思うのです。 ミニマムアクセスで四十万から八十万トンの米を輸入せねばならない。しかしながら、我が国はやはり水田の作付をすれば当然過剰の米が出るわけでありますから、その中で現在の農地を農業者と、そしてまた土地は農業者のためだけではありませんから、国民のみんなで分かち合う財産ですから、国民からの合意のもとでこの農地を有効に利用しながら、かつまた米の過剰等に対応する新しい政策を打ち出していくのに利用すべきだと私は思っているのです。 ところが、この農振法は、どうも運用の面におきまして農振法の農用地区域の除外等についてなかなか厳しいという御指摘が、実はこれは開発業者じゃなくて市町村の自治体の首長さんからも大変要請、要望があるわけでございまして、こういう中でなぜ農振法の農用地区域の除外が厳しい、そのように思われているかということをちょっとお尋ねしたいと思うのです。
○入澤政府委員 農振法は、今先生御指摘のとおり、都市計画法に対応いたしまして食糧の供給基地としての農地を守るために制定されまして、その中で特に農用地区域という線引きを行いまして、これにつきましては農業投資を重点的にやって、食糧の供給基地、生産基盤として長く守っていこうということで設定されておりますので、これにつきましては農地転用を厳しくしております。これは一般原則であります。 ただ、農用地区域内の土地につきましても、社会経済の発展状況の中で都市的な土地需要が生じております。その都市的な土地需要に対して合理的に対応することが必要であるというふうに判断された場合には、農用地区域から除外をして、その上で農地転用手続を進めているという状況でございます。 一般的に開発事業者及び市町村長さんたちがこの線引きの制度、農地転用の許可制度が厳しいと言われる理由は、一つには地価の格差が余りにもはっきりし過ぎてきた。市街化区域の中の農地の価格、これが高過ぎるものですから、なかなか市街化区域に都市的な施設を整備することができない。そこで市街化調整区域の農地に需要を求める。しかし、市街化調整区域の中の農用地につきましては農地転用させないという基本原則がございますので、なかなか自分の思うとおりに施設の整備ができないという状況が背景にあるようでございます。 ですから、厳しいという背景は、せんじ詰めてみれば地価の問題、市街化区域、市街化調整区域の中の線引きによって生じる地価の格差の問題、これが背景にあるようでございます。
○栗原(博)分科員 局長のお話もわかるのでございますが、市街化調整区域と農用地区域、これは重複していることは重複しているようでございますね、新法の指定地域。 ただ、今私が申し上げたのは、むしろ市街化調整区域が設定されてない地域、要するに農振法だけの網にかかっている地域、そういうところでよく言われるわけでございまして、むしろ新都市計画の中に組み込まれているところには、もう都市計画法の中でがちっと組まれていますから、農振法に対して余りとやかく言う方は少ないと思うのです。都市計画の線引きになっていない地域にこういう事態が起きているということを十二分にひとつ御留意いただきたいと思います。 それで、この法律は、指定によって利益を、あめの部分として農地あっせん事業とかの関連での税制優遇措置もありますし、あるいはまたその地域において農業投資を集中的にやる、例えば土地改良とか融資制度等、この区域に入っていなければ対象にならない、そういうあめがありますが、そのかわり、むちと言うと大変表現が強過ぎますが、むちとして農用地区域の農地の転用の制限があるわけです。仰せのとおり、問題になります農用地区域の開発行為の制限ですか、これが最も大きなむちだと思うのです。 ちょっとその中でこの農振法の運用についてお聞きしたいのですが、あくまでも農振法は、我が国の農業の守るべきものは守るという法律であるというふうに解釈せねばならぬと思うのです。 そうであれば、土地利用について法律の中にいろいろ勧告条項がございますね。あるいはまた特定利用についての設定を協議する事項がありますが、今まで農振法を運用する中において、この土地利用についての勧告、こういうケースはどの程度あるのか。ちょっと私、事前に通告しないで申しわけないのですが、あるかということですね。あるいはまた市町村の利用権、今申し上げました特定利用の設定についての協議、こういうものは果たしてどの程度、実際問題この法律の中においてされているかということを、おわかりでありましたらお聞かせ願いたいと思うのです。
○入澤政府委員 農振の農用地区域の線引きあるいは農地転用をめぐって、協議とか勧告とか制度は設けられておりますけれども、そういった方策を具体的に講じた例というのは余りありません。
○栗原(博)分科員 そうしますと、この法律は本来日本農業を土地利用の面から導いていく、それについてはやはり我が国の農地を守るという観点から、この二つの項目が本来ならば一番発動されるものであると私は思うのですね。 ところが、それが全然形骸化しておりまして、実際問題は土地の制限のみに供されている。その土地の制限もやはり関係の農家に対してはあめの 部分ですね。この部分が振りかざされて、農振法というけれども、土地の利用規制の方にだけ目が向いているというふうに私は実は感じるのでございますが、その点いかがでございましょう。
○入澤政府委員 農振の農用地区域の変更をする場合には農業振興地域整備計画の変更が必要なんですが、これは毎年行っております。県によって年に一回という場合もありますし、それから数回行っている場合もあります。市町村では、県に申請する前に毎月受けっけている場合もありますし、年に何回か分けて行われている場合もあります。 要するに、土地利用のスプロールを防止する、都市的な施設を整備する場合のスプロールを防止すると同時に、優良な集団的な農地を守る、この二点を十分に考えた上で農地転用が行われるのであれば、農振の農用地区域であるといっても、これは要するに柔軟に対応して、農用地区域から除外しているわけでございます。 ちなみに、農用地区域から除外する場合の統一的な基準を二、三申し上げますと、一つは、農用地区域以外に施設を設置すれば代替すべき土地がないということ、それから二つ目は、可能な限り農用地区域の利用上の支障が軽微であること、それから、農用地区域から除外した後も農地等の集団性が除外された農地において保たれるということ、それから土地利用の混在が生じないこと、さらに、土地基盤整備事業などをやった場合には完了後八年を経過している、こんな条件に該当すれば計画を逐次変更して柔軟に対応していますので、それほど問題がないのじゃないか。 ただ、恐らく先生のところに問題として国会で追及してくれとか、いろいろな陳情があるのは、圃場整備をやったど真ん中に体育館をつくったりなんかしたりするケース、そういうケースはかなりあるのです。そういうケースが都道府県や市町村、公共的な機関によってなされていますので、私どもはそれは問題じゃないかということで、そういう場合には立地についての計画変更を指導いたしまして、そして都道府県や市町村の側の要望にもこたえるように指導しているところでございます。
○栗原(博)分科員 この立法を措置された昭和四十四年、恐らく法律が論議されたのは昭和四十年に入ってからだと思うのですが、それから約三十年を経過しています。昔は十年一昔、今はもう二、三年一昔ですから、それに対応していない法律でなかろうかと思います。 と申しますのは、市町村計画さえ変更すればいいと。しかし、市町村計画を変更すればいいでは済まない。いやしくも日本農業をこれからどうして守るかという大事な問題ですから、十年や二十年の長期ビジョンの中に、本当にこれだけ残すんだという堅固たる計画をつくるべきです。そうでなく、そのときの市町村のいろいろの需要に応じて、公共的な施設であればなるべく外すとか、あるいは地域振興立法などによるテクノポリスなどはわかりますが、リゾート法でも外しますとかいうようなこんな法律は、私はこれは農地を守る面で弱い法律だと思うのですよ。 ですから、今後日本の農業をどのようにするかという中において、あるいは生産調整、どうしても転用を誘導する土地も出てくると思うものですから、やはり国道沿線とかだれが見ても、例えば地価の比較があると、いやもうこれは線を引くと隣の土地が坪五万はする、今だったら一反三百万だ、これでは余りにも差があるということで、簡単に線を外してはならぬというお考えも時たまあるかもわかりません。 しかし、やはり時代に即すべきで、ただむやみに二ヘクタールという、農政局長、まあ大臣許可ですか、県の許可面積範囲から超えるということで農地転用を妨げている。農用地の除外を難しくしている。このようにこの農振法というものが大変足かせになっていると考えている方もおられます。局長のお考えもわかります、そういうことはまたこの法律の趣旨をもう一度、特に首長がわからぬとどうにもなりませんから、首長等にこの趣旨を説得しながら、かつまたこの運用について十二分にひとつ御処置を賜りたいというふうにお願いしまして、この件について質問を終わらせていただきます。 次に、わたしの地元の件なのでございますが、こうして各地区で今基盤整備あるいは農地事業をいろいろやられております。 そこで、私、先般も厚生委員会で実は取り上げたのですが、水道原水の法律がこの二月二十五日ですか、厚生省サイドの法律と環境庁サイドの法律、これはまあ役所の縦割り行政でしょうか、あるいはまた縄張り争いもあったかと思うのですが、そのように同じ趣旨の法律を二つもつくって何とか今日に至っておるのです。その中で、この法律が、私も当初質問の中で申し上げたのですが、農薬等の、農業サイドにおける方に目を向いていないということを申し上げておったわけです。 新聞等で御承知のように、実は余りいい話ではないのですが、農薬の中におけるMO乳剤ですか、CNPという問題で、私の母校の新潟大学の山本教授が、CNPを使っている除草剤の中で実は胆のうがんが発生する相関関係が大変高いということで、このCNPの使用を中止するようにということで市民運動が大変沸き起こって、本来製造メーカー等のお立場もあったと思うのですが、農林省の強力な指導の中で三井東圧さんがCNPの自主的な製造中止をし、また製品の回収を図ったということで、うまくいっていると思うのです。 それはそれといたしまして、私どもの選挙区で白根市という市があるのでございますが、この地域は信濃川と阿賀野川に挟まれておりまして、ちょうど浮き島のような形になっているわけです。ここは昔ガスを掘っておりまして、そのために地下が地盤沈下したということで、昭和三十六年には県営で地盤沈下対策事業もされておりますし、また四十九年には県営の圃場整備等をされて、農地がよみがえってまいったわけです。 しかしながら、それでもまだ湛水するということで、今回農林省の御努力でここに国営の総合農地防災事業というものをお認めいただきまして、本年度予算で四億を計上していると伺っておるわけです。大変立派な事業でありますし、これはぜひひとつ私は地元国会議員といたしまして早急なる着工を御要請申し上げるわけでございます。 ただ、今私が申したこの事業は受益面積が約七千二百三十ヘクタールあるわけでありますが、ずっと下流に今まで二つの排水地点があるわけでございます。上流の方が雨が降ると湛水するということで、上流部分に三十年に一度の洪水を想定して排水機場をつくるということで、これも大変ありがたい限りでございます。これについては現場の調査事務所あるいはまた県当局も、国の指導を受けながら必死になってその事業推進に尽くしているわけです。 ただ、その下流で白根市の市民、四万人近い市民でございますが、水をとっているわけでありまして、今までだったら大したことは気がつかなかった。しかしながら、今回、環境庁、農林省あるいはまた厚生省、みんな水に関係する法律が三十三もあります。その三十三の法律を糾合しまして、国民にいかにしてきれいな水を供与するかということで、特に水質検査では三十年ぶりの改正をしながらこの法律ができたわけです。 ちょうどそのころこの白根市の問題が出てまいったわけでございますが、この事業について地元の要望は、これは市長さんも立場がありますから、早く事業をしたい、これによって、下流の取水口の問題で事業が遅滞したら大変だというお考えもあります。土地改良の理事長もそうだと思うのです。ただ、今の政権は生活者優先の政治を標傍しておると思うので、このことについて、こういう問題を本省の方では把握されているかどうか、ちょっとお聞きしたいと思うのです。
○入澤政府委員 質問の御通告がありましたので、若干調べてまいりました。 国営総合農地防災事業の日根郷地区の問題だと思うのですけれども、これは新潟県中央に開けました蒲原平野の北部に位置する信濃川と中ノ口川に囲まれた輪中地帯である白根市と加茂市の農地約五千四百ヘクタール、この農地を対象にいたしまして排水能力の増強を行う事業で、平成六年度から総事業費百七十億円で着手しようとしているものでございます。 この地域の地形が極めて平たんで、地域の排水は機械排水に依存していますけれども、地盤沈下とか近年の地域開発等によりまして洪水の流出形態が変化して、小雨、余り大雨でないときでも湛水被害を呈して、農地とか農業施設に被害が生じている。こういうことから、この事業に期待するところ大であるということで、この事業におきまして新たに排水機場二カ所、それから排水路四・九キロメートルの新増設、改修を行う事業だと聞いております。 御質問の排水口につきましては、この事業の中で地域の排水機能を増強するために新設を予定している萱場排水機場の排水口だと思いますけれども、その施設規模が最大排水量毎秒二十八立方メートル、ポンプ三台を予定しております。この排水機場は洪水時の排水を行うものでありまして、排水のほとんどが降雨であるということから、その下流の水道水の取り入れ口の水質には心配ないのじゃないかというふうに技術者の皆さんは言っておりました。 ただ私は、今先生御指摘のとおり、ちょっとでも心配がある場合には、十分に水質調査等をやって万全の措置を構ずるべきだということを指示いたしまして、水質調査をやった上で、しかも距離が八百メーターもありますし、毎秒の河川流量に対する排水量の割合というのは大体六%程度で非常に少ないということから、御心配のようなことはないのではないか。しかし、住民の間でそういうような心配があるとすれば、十分に御理解を求める努力をやるということで対応をしたいと考えております。
○栗原(博)分科員 今局長が御答弁で、小雨が降る程度で湛水するとおっしゃいましたね。そうしますと、小雨が降った程度でこのポンプ場は排水機能を発揮するということでございますか。
○入澤政府委員 大雨のときだけでなくて、小雨時等においても湛水被害を呈するような状況になっているということを申し上げたわけです。
○栗原(博)分科員 小雨でも湛水する。ですから、要するにこの排水機場はそのとき稼働するということで解釈してよろしいですか。
○入澤政府委員 そういう場合においても十分に機能するようにポンプを設置するということでございます。
○栗原(博)分科員 実はこれはちょっと大事な点でございまして、地元の排水の問題については、私は農業者でございますから、昔は自分の田んぼの水を飲んでいましたが、それでも体を壊したことはございません。 しかしながら、今時代が変わりまして、こうして水道原水の法律が二つもできまして、また水道原水法について政府広報を使って一生懸命どんどん宣伝している中において、明らかに今飲んでいる水道水の上に、八百メートルであっても、あの中ノ口川は狭い川で蛇行しておる川でございまして、恐らく水が拡散しなくて平野側に流れるのではないかと私は思うのですよ。 そこの中に機場をつくる場合、三十年に一度の洪水のときに使うのだ、常時排水しないのだというように地元で説明されているのですね。それからまたもう一つは、同意は九八%ですか、ちょうだいしているのですよ。ですから、これも即ゴーなんです。ところが、最近CNP問題が出てまいりまして、市民運動の方々が大変問題提起をされておるのですね。 そうしますと、明らかに現在ある取水口の上につくるのは、今の時代の感覚からいって、農林省の皆さんも少し時代錯誤をしているのじゃないかなということを私は思うのですね。 では、取水口を今の萱場の排水機場の上に持っていくというのは大変なお金もかかるかわかりません。私は、萱場に流れてくる水は決して危険な水が流れてくるとは思いません。 我々はいつも田んぼを使っているのです。私自身もその川の対岸で実は今でも田んぼを耕しておりまして、朝、国会に来る前に自分の田んぼに水を回してくることにしておるわけなんです。その中で、農家はよろしいのですが、農家以外の方の感情的なものをお酌み取りくださいまして、農業排水は危険じゃございません、農業排水は安全な水であります。しかしながら、時代の流れの中においてこの問題をぜひひとつ再検討してくださいますように、本当に質問よりもお願いでございますが、どうか局長、ひとつよろしくお願いします。 ありがとうございました。
○鮫島主査 これにて栗原博久君の質疑は終了いたしました。 次に、畠山健治郎君。
○畠山分科員 私は、農水省に対する御質問をさせていただきます。 御案内のとおり、農業農村整備事業は、生産基盤の整備を通じて生産性の高い農業を実現し、食糧の安全と安定的な供給を確保するとともに、国民の生命や財産を守り、国土や自然環境の保全など広範かつ多岐にわたる公益性の高い事業であり、極めて重要な役割を担っております。今、国際化の急速な進展や社会構造の変化の中にあって、効率的で力強い農業をつくるためには、農業、農村生産と生活基盤の整備の推進が不可欠かつ緊急の課題でございます。また、農村地域においては、生産と生活が一体的に営まれており、生産基盤の整備がすなわち生活環境の整備でもあります。 こうした農業農村整備事業の持つ多面的な役割や特質を十分に発揮せしめるためには、各種施策の連携を図りつつ、事業を総合的かつ計画的に推進しなければなりません。加えて、ガット・ウルグアイ・ラウンド後の日本の農業は、有史来経験したことのない時代を迎えております。これに適切で思い切った施策が緊急に求められております。 そのような観点から、以下、地元を中心に、これまで私が受けた陳情や請願が本年度予算にどのように反映され、あるいは反映されていないのか、その理由やお考えを率直にお伺いをいたしたいと思います。 まず第一に、新農政の本格的展開についてお尋ねを申し上げたいと思います。 国民食糧の安全と安定供給を確保するために、農業経営基盤強化促進法の普及と定着を推進し、担い生育成対策の拡充強化はどのように図られておるでしょうか。また、国土の保全と自然環境を維持し、ハンディーを背負いながらも懸命に頑張っておられる中山間地域の活性化を図るために、特定農山村整備促進法がことしはどのような特徴で生かされておられるのか。さらにまた、生産効率、労働時間短縮を促進するための農業機械化促進法が施策としてどのように生かされておるのか、お伺いをいたします。
○入澤政府委員 昨年制定されました農業経営基盤強化促進法、現在この法律の執行に当たっているわけでございます。 まず第一に、各都道府県で基本方針の策定が終了いたしました。さらに、各市町村におきまして基本構想の策定を急いでおりますけれども、これによりまして各地域におきます農業経営と農業構造の目標の明確化をまず図っていきたい。さらに、この農業経営基盤強化促進法に新たに改めて農地保有合理化事業というのがきちんと位置づけられましたので、その事業内容を拡充強化して、認定農業者への農地利用の集積活動を強化していきたい。さらに、法人化ということも議論になりまして、できれば経営マインドを持った農家層が法人化のメリットを生かして農業経営をやっていくことも必要だということで、法人化の推進につきましても各般の努力をやっているわけでございます。 平成六年度予算におきましては、このような方針に即しまして、まず、市町村の基本構想につきましては、平成七年度までに順次策定していくという計画を繰り上げまして、平成六年度中に全市町村で策定するように今努力をしているところでございます。さらに、農業経営の規模拡大とか生産方式の合理化とか、経営改善を図ろうとする農業者に対する支援体制、相談体制を強化しなければいけないということが法案の策定過程で議論されましたけれども、その議論を踏まえまして、全市町村に経営改善支援センターを設置するということで、これは予算措置が講ぜられております。 それから、認定農業者に対しまして計画達成に必要な資金を総合的に融通する制度も創設されまして、これらを使いまして新しい担い手対策を講ずることとしているわけでございます。 次に、中山間地域の特定農山村整備促進法がどのように生かされているかということでございますが、この特定農山村法の制定は平成五年六月十六日制定だったんですけれども、施行がおくれまして、九月二十八日施行でございました。同日、特定農山村地域の公示がなされまして、現在この法律に基づきます各市町村の農林業等活性化基盤整備計画の作成が進められております。平成五年度には七十一の市町村が計画作成に着手いたしまして、本年度にはさらに多くの市町村でこの計画に取り組むということが見込まれております。 私どもといたしましては、平成六年度予算におきまして、新規作物の導入など市町村におけるソフト面の取り組みを一層促進するために、新たに中山間地域の経営改善・安定資金の金利を引き下げる、それから市町村におけるソフト活動を安定的、継続的に支援するための資金の造成を行う、それから農業経営の改善、安定に関する先進優良事例等の収集、提供等による営農支援を行う、それから、農業生産基盤や生活環境の整備を促進するため、採択要件とか補助率等に配慮した各種の公共事業を重点的に中山間地域において実施するというような措置を講じているところでございます。
○日出政府委員 先生、農業機械化促進法につきましてお触れになったわけでございます。 新政策の具体化の一環ということで、農業機械化促進法の一部改正を実は行ったわけでございますが、先生お話しのように、生産効率なり労働時間短縮あるいはさらに労働負担の軽減、こういった点でも実は機械化の促進というのが非常にかなめでございます。 ただ、普通の建設用の機械なんかに比べますと、市場に出ます台数が非常に少ないものでございますから、なかなか企業化といいますか商品化といいますか、そういうことは難しかったわけでございますが、昨年この農業機械化促進法の一部を改正いたしまして、国が定めます基本方針に即して生物系特定産業技術研究推進機構、私ども生研機構と言っております、ここを中心に緊急性の高い農業機械の試験研究を行う、あるいは、この生研機構なり地方公共団体及び民間の出資によりまして新農業機械実用化促進株式会社というのがつくってありますが、これが試験研究が完了した機械につきまして、製造用の金型の貸し付けなど行いまして実用化を促進する、こういったようなことで、新たな農業機械の開発、実用化の体制を整備したところでございます。 これによりまして、実はもう既に四機種、例えば大型汎用コンバインでございますとか野菜接ぎ木ロボットとか、こういったものが開発されまして、この秋には早くも市販される見込みになっておりますし、これからさらに二十機種以上の高性能農業機械の開発を進めることといたしております。 私どもといたしましては、これら開発機の効率的な導入を促進することによりまして、農業の現場におきまして生産効率の向上なり、労働期間の短縮なり、あるいは農業労働の負担の軽減といったところを進めてまいりたいというふうに思っている次第でございます。 〔主査退席、若林主査代理着席〕
○畠山分科員 特に農業機械の問題についてでございますが、現在の農業機械、一作業一機種みたいな格好になっておりまして、結果的には機械化貧乏みたいな格好になってしまっておるわけであります。何とか今後の新たな農業機械の開発に当たりましては、汎用化の方向あるいはアタッチ化の方向でぜひひとつ積極果敢に取り組みをしていただきますように、特にお願いを申し上げておきたいというふうに思っております。 次に、構造対策についてお尋ねを申し上げたいと思います。 地域農業振興計画に基づく地域の農業諸資源を最大限に活用した生産性の高い土地利用型農業を確立するため、集落あるいは地域を基本とする地域営農集団と、この面からの担い手の育成が図られなければならない。農業農村活性化農業構造改善事業を積極的に進める必要があると思うが、どのように施策に反映されていらっしゃるでしょうか。 また、農地保有合理化促進事業、農作業受委託事業など、農地利用調整に対するJAの機能が十分に発揮できる措置を充実強化すべきだと思いますが、いかがでしょうか。 さらにまた、第四次土地利用長期計画に示されておるところの農業基盤整備事業の実現を目指すとともに、農家負担の軽減措置や土地改良事業償還円滑化対策などを積極的に推進すべきと思いますが、どう反映されていらっしゃるんでしょうか、お尋ねを申し上げたいと思います。
○入澤政府委員 たくさんの質問ですので、まとめて御答弁させていただきます。 まず最初の、地域農業振興計画に基づく生産性の高い土地利用型農業を確立するために、組織経営体を含む担い手の育成をどうして図っていくかということでございますが、昨年制定されました農業経営基盤強化促進法は、これはまさに国からの方針を、普通は法律をつくるときには国の基本方針というのを出すのですけれども、まさに地域の、地方の方針を十分に尊重しようということで、国の方針という規定を置かなかったのです。 現在、市町村が基本構想をつくっておりますけれども、この基本構想を策定するに当たりましては、農家の意向を把握するための調査を実施します。さらに、これは農業政策では当たり前なんですけれども、集落段階での話し合い、これを継続して重ねて行い、地域からの積み上げによってこの基本構想が策定されるように努めているところでございます。 このようにして策定された基本構想に即しまして、私どもとしましては、各地域でどういう経営体を育成していくかということにつきまして、各地区のモデルをかなり調べております。そういうモデルを各地域に示しまして、この地域ではこういうモデルが適用されないかどうかというふうなことをまずいろいろな機会を通じてPRしているわけでございます。 例えば、個別経営で土地利用型の担い手が存在する地域では、これらの経営体として兼業農家が個別経営に稲作の基幹的な作業を全部ゆだねる、そして残った兼業農家の人たちはほかの作物、換金作物、野菜とか花に切りかえていく、そして全体として生産性の高い土地利用型農業をやっていこうじゃないかというようなケース。 それから、個別経営が施設型農業に特化している地域、こういうところでは、土地利用型農業につきましては、生産組織のオペレーターグループ、こういうものが法人等の組織経営体を形成いたしまして地域の土地利用型農業を担っていくというところがございますが、そういうケースを適用するところはそのようなことを参考にしてやっていくわけです。 それから、担い手が極端に不足している地域、こういうところでは、集落等を基礎とした農用地利用改善団体あるいは農協が地域の合意に基づきまして農業経営を推進する。例えば集落営農と言っておりますけれども、農協が土地利用計画を 定めて、さらに機械の効率的な利用計画を定めて、利用権と所有権と全く分離した形で地域の土地利用型農業を行うというふうなケースもございます。 いろいろなケースを示しまして、あなたの地区はどういうケースがふさわしいのかということを指し示しながら、指導しながら担い手の育成を図っていくというふうなきめの細かい指導体制をつくっているわけでございます。 それから、農業農村活性化農業構造改善事業を積極的に進める必要があるということでございまして、この事業は、地域の創意工夫と主体的取り組みを基本に、地域の立地条件に即した農業、農村の活性化を推進することを目標といたしまして、平成二年度に発足して以来平成五年度まで約六百地区で事業を実施しております。着実な事業がなされているわけでございます。 特に、平成六年度予算におきましては、新政策で経営マインドを持った、経営感覚にすぐれた農業の担い手を育成していくんだというふうなことがうたわれましたので、これに対応するようなメニューをつくろうじゃないかということで、簡単な土地基盤整備とかあるいは施設整備等を集中的かつ短期間、我々二年間を予定していますけれども、二年間で整備する農業経営育成促進農業構造改善事業、こういうものもこの農業農村活性化農業構造改善事業のメニューの一つに加えまして実行しているところでございます。 それから、農地保有合理化促進事業とか農作業受委託事業などJAの機能を十分に発揮できるようにしたらどうかということでございまして、これはまさに昨年八月に施行されました農業経営基盤強化促進法におきましては、市町村が策定する基本構想の中で、農地保有合理化法人たる農業協同組合というのをきちんと位置づける。そして、その農地保有合理化法人である農協に、従来から実施してきました農用地等の賃貸借事業に加えまして、新たに農用地の売り渡し信託の引き受けとか、あるいはあわせて信託の委託者に対して資金を貸し付ける事業、農地信託等事業と言っていますが、こういうことを行わせる。あるいは、借り受けた農用地等を利用して、新たに農業経営を営もうとする者に農業の技術とか経営方法を実地に研修する事業、これを創設したところでございまして、このようなことを農協にもやってもらうということで、農協の機能を十分に生かそうとしているわけでございます。 さらに、農業協同組合は、従来から農作業の受委託のあっせんとか農作業の受委託の組織化の推進等をやっておりますけれども、こういうふうな事業を拡充強化するということでございます。現在のところ、農地保有合理化法人たる農協は、平成四年度末二百六十八、そして具体的に事業を実施している農協は百二十五に達しております。いずれにしましても、農協の機能を十分活用しながら、農地保有合理化事業等を進めていきたいというふうに考えているわけでございます。 それから、土地改良長期計画を推進していく中で農家負担の軽減をどうするかということでございますが、これにつきましても着実に制度を拡充しております。具体的には、事業費単価の抑制措置を図るとか、あるいは国費を一千億円積みまして、それを使いながら農家の毎年の平均償還額を引き下げていくとか、あるいは補助率の関係では、平成五年度から圃場整備事業につきまして補助率を五〇%にかさ上げした事業とか、あるいは土地改良負担金の一部に無利子資金を導入する事業、こういうような事業も創設いたしまして、可能な限りの手段を駆使して農家負担の軽減に努めているという状況でございます。
○畠山分科員 次に、農山村地域活性化対策についてお伺いをいたしたいと存じます。 都市と農村の交流事業を積極的に支援し、JAがよりその機能を果たせるよう、組合員とともに進める農村型リゾート整備事業等について、農家民宿関連施設の整備等の助成や、地域特産加工事業への助成措置の拡充強化を図り、安定就労機会を確保すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○入澤政府委員 農業者が農村に定住するためには、何といっても安定した所得を確保しなければいけない。それは農業所得によって十分確保されればいいですけれども、それだけではなくて、いろいろな形で、その地域全体で工夫をして確保することが必要ではないかと思います。 その意味におきまして、私ども、今先生御指摘のとおり、一つは都市農村交流で、観光資源等を使って民宿等による収入をふやすということで、グリーン・ツーリズムということでその事業を行っております。これは、農業構造改善事業の中で、グリーン・ツーリズムを行うところでは民宿に必要な各種環境施設の整備等を助成することにしております。 それからまた、何といっても付加価値を高めて所得をふやさなければいけない。単に素材生産だけで十分な所得を得られていればいいのですけれども、流通加工サービス過程にできるだけ参入して、そこから所得を農家の側に引き寄せるということも必要でありまして、そういう意味では地域特産加工事業にもっと積極的に取り組まなければいかぬということで、これも構造改善事業をうまく使いながらやっております。 いろいろな優秀な事例がございましく例えば新潟県の入広瀬村等におきましては、農林漁業体験実習館を中心として入り込み客が年間二十二万人に達した。うち宿泊者数が四万人ということで、山菜の加工品の販売額が一億四千三百万円に上がって、十分にその地域の雇用、所得の確保に寄与している。 あるいは青森県の板柳町におきましては、農産物処理加工施設の年商売り上げが四億三千万円に達した。それから自然活用総合管理センター、ふるさとセンターと言っていますけれども、そのふるさとセンターの入り込み客が年間十二万人、就業者は百人、これが地元の雇用で定住の促進に役立っている。 各地に農業構造改善事業のいろいろな補助金を使って施設が整備されて、このように定住、それから農家所得の確保に寄与している事例があります。こういう事例を各地域に普及しながら、農業者の所得の確保等に努めてまいりたいと思っております。
○畠山分科員 立派な事例もあるというようなことのお話でありますが、問題は、そうでない部分が非常に大きいわけであります。一体なぜそうなるのかというようなことをひとつよく反省をしていただいて、いい事例はいろいろな機会に情報としてきちっと農家まで届けていただく、ここの部分がまだまだ不足しているんじゃないかというふうに考えます。ぜひひとつ工夫をしていただきたいと存じます。 次に、農と住の調和という観点から、計画的で良好な町づくりを実現するために、行政とJAによるまちづくり協議会の組織化と必要な助成措置を行い、再開発を必要としない良好な住環境の実現のために、宅地化農地を区分し、面整備等の順次実施し得る計画的な方策を講ずるとともに、また、建設省所管との関連もあろうかと思いますが、共同開発の促進対策としての小規模土地区画整理事業や道路整備事業等に対する助成措置等をも含めた推進策が必要ではないかと考えます。いかがお考えでしょうか。
○入澤政府委員 農と住の調和した計画的で良好な町づくりを実現するということは、私どもも希望しているところでございまして、まちづくり推進協議会の設置を推進しております。これは地権者の合意形成機関ということで大きな役割を果たしているのですけれども、地方公共団体とか農協系統の組織の協力、支援をいただきながら、農林省としてもまた国土庁と連携を図って、このまちづくり推進協議会を開催するように指導しているところでございます。 それから、市街化区域内の農地につきましては、生産緑地地区として指定された農地につきまして、その多面的な機能が発揮されるように計画的な保全を図ることが必要なんですけれども、計 画的な宅地化を推進するということもまた必要でありまして、その円滑な推進のために、今回、農住組合の地区の対象に生産緑地を含めることができるように、設立要件等を緩和するなどの農住組合法の一部改正をお願いしているところでございます。 さらに、市街化区域内農地の計画的な宅地化につきましては、従来から関係省庁が連携してその推進に努めております。農林省といたしましては、市街化区域内につきましては、原則として土地基盤整備事業などその効用が長期に及ぶ施策は行いませんけれども、生産緑地地区に指定された農地につきましては、相当長期にわたり営農継続が見込まれていることから、集出荷施設だとか農機具庫等の整備を行うための助成とか金融上の措置を講じているところでございます。 農村地域におきましても、次三男の住宅等の非農業的土地需要に対応するために、昨年末の農政審議会におきまして、住民の合意を基礎とした農業集落地域土地利用構想という制度を新しくつくるべきじゃないかという提言がございました。私どもは、この提言を受けまして、現在その実現方に向けて検討を行っているところでございます。
○畠山分科員 次に、農業施設の持つ多面的な機能を活用するために、水環境整備事業等の充実や地域ぐるみため池再編総合整備事業の拡充促進等、事業効率と良環境造成効果を図るべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○入澤政府委員 従来の土地改良事業のほかに、農業水利施設等における親水、水に親しむこと、それから自然景観等の多面的な機能の利活用、または保全を図るということが極めて重要になってきたということでございまして、平成三年度には、水路等の農業水利施設を対象に、これらの保全等と一体的に親水、景観保全施設、それから生態系保全施設等を整備する水環境整備事業というのを起こしております。 それから、平成五年度には、ため池の改修などとともに、水質保全施設とか水環境施設等を整備する地域ぐるみため池再編総合整備事業なども創設しております。 このような事業によりまして、環境にも配慮した土地改良事業というものをやっていきたいというふうに考えておるわけでございます。 平成六年度予算におきましては、水環境整備事業とそれから地域ぐるみため池再編総合整備事業につきましては、それぞれ対前年度比一一〇%、四二〇%と、大幅に予算を伸ばしております。 さらに、自然環境の保全対策を一層推進するという観点から、新たに、農地やアシ、ヨシなどの有する自然浄化作用を活用して農業用排水の水質浄化対策を総合的に実施する農村地域水質保全対策事業、こういうものも認められましたし、それから、ため池等の周辺で動植物の生育に必要な湿地保全等を実施する自然環境保全整備事業、これも大蔵省から認められまして、予算に計上しているところでございます。 これらを実施することによりまして、さらに従来の土地改良に加えまして、環境保全に配慮した土地改良事業というものを実施したいというふうに考えているわけでございます。
○畠山分科員 次に、森林関係についてお尋ねを申し上げたいと思います。 森林の持つ公益的な機能に対する国民的期待に積極的に対処するために、平成六年度は第八次治山五カ年計画の三年目と伺っておりますが、治山事業の緊急かつ計画的な推進を図らなければならないと存じます。また、治山事業の円滑な推進と自治体財源の安定確保のために、公共事業債の適用範囲の拡大と充当率の引き上げが図られなければならないと考えますが、いかがでしょうか。
○塚本政府委員 治山事業は、森林の造成維持を通じまして、山地に起因する災害から国民の生命財産を保全するとともに、水資源の涵養、生活環境の保全、創出を図る重要な国土保全施策の一つであり、第八次治山事業五カ年計画に基づき緊急かつ計画的な事業の実施を図っておるところでございます。 平成六年度におきましては、近年における激甚な山地災害の多発状況、国民生活の質の向上に対する要請の高まり等に対処するため、防災対策としての事業を積極的に推進するとともに、森林の機能が著しく悪化した保安林の整備を集中的に行う事業や、取水施設上流の保安林における水質を保全するための事業等を新たに創設することとしております。今後とも、治山事業の着実な推進に努めてまいりたいと考えておるところでございます。 このような中で、治山事業に係る一般公共事業債につきましては、都道府県の一般財源の不足分を補てんし、円滑な事業の推進を図る上で重要なものであると認識をいたしております。 平成六年度につきましては、平成五年度に措置されている通常分に加えまして、平成六年度における地方財源の不足額と、平成五年度における公共事業等の国庫補助負担率の恒久化に伴う平成六年度の地方財政への影響額に対処するために、臨時公共事業債が措置されることとなっております。 このような形で、治山事業につきましては、修繕事業を除く全事業の起債対象事業化が図られたところでありますし、また、充当率につきましても、その引き上げが行われたところでございます。今後とも、治山事業の円滑な推進に努力してまいりたいと考えております。
○畠山分科員 平成六年度は森林整備事業計画の三年目に当たると伺っております。森林資源の充実、林業の活性化、生活環境の整備を推進するために、森林整備事業計画に基づく林道事業の着実な実行が図られなければならないと考えます。 また、林道網の整備拡充は、林道振興はもとより、農山村地域の産業、経済及び生活基盤の整備にとっても欠くことのできない施策でありますので、現状の極めて低い整備率の向上のために予算の大幅な拡大が必要かと存じます。 さらに、林道事業の円滑な推進と、これに必要な地方財源の安定確保のために、一般公共事業への繰り入れと充当率の引き上げ、辺地対策事業債、過疎対策事業債での起債枠の拡充がぜひとも必要であろうかと存じます。これに対する対応をお伺いいたしたいと思います。
○塚本政府委員 林道は、効率的な森林施業の実施や適正な森林の維持管理、あるいは機械化の促進を図っていく上で根幹的な施設であります。また、農山村の生活環境の改善と地域の活性化にも大きな役割を果たしているものであります。 このため、平成四年度に策定されました森林整備事業計画に基づきまして、生活環境施設の整備、山村の活性化に役立つ林道の整備を行っておるところでありますし、また流域林業活性化のための基幹林道及び高密な路網の整備について、現在鋭意努力いたしておるところでございます。 このような中で、林道事業の円滑な推進を図るためには安定的な地方財源の確保が必要なものと考えておるところでございまして、このため、平成六年度は、都道府県及び市町村が実施する国庫補助林道事業の地方負担額につきまして、これまで行われていなかった臨時公共事業債による措置がなされることになっているほか、辺地及び過疎対策事業債の計画額につきましても拡充されることになっておるところでございます。 今後とも、地方財源の安定的確保を図りながら、林道事業の計画的かつ着実な実施に努めてまいりたいと考えております。
○畠山分科員 最後になりますが、冒頭にも申し上げましたように、ウルグアイ・ラウンド後の日本の農業、大変な事態を迎えることでございます。ベテラン大臣でございます。精いっぱいの御活躍を心から御祈念申し上げながら、終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○若林主査代理 これにて畠山健治郎君の質疑は終了いたしました。 次に、小林守君。 〔若林主査代理退席、主査着席〕
○小林分科員 小林守でございます。この第五分科会も最後の発言者となりました。遅くまで本当に御苦労さまです。 私の地元の奥日光の樹木の立ち枯れの問題についてお聞きしたいと思います。 まず、現状の認識や現状の把握についてお聞きをしたいと思いますが、マスコミ等でいろいろと森林の衰退や立ち枯れの問題が報道されてきておりますけれども、私たち社会党の林業対策特別委員会におきましても、奥日光、裏男体の深刻となっている樹木の立ち枯れ調査を去る五月二十一日に実施いたしました。 その際には、地元出身の上野雄文参議院議員と私、それから社会党の林業対策委員会の事務局長の早川先生においでいただきまして、そのほか全林野の皆さん、そして前橋市にあります森林の会という市民団体の皆さん、さらにはオブザーバーとして営林署の皆さんや県の職員の皆さんも参加され、マスコミも大勢一緒に調査をしていただいたわけでありますが、総勢二十五名ぐらいの調査団を送ったわけであります。 森林保護を目指しているこの森林の会の皆様方の調査によりますると、奥日光の男体山、女峰山、大真名子山、そして念仏平や日光白根山等で立ち枯れが確認されまして、その面積はおよそ二千五百ヘクタールにも上っていると言われているわけであります。樹木の種類につきましては、オオシラビソ、コメツガ、ダケカンバ等の十一種類に上ると報告されておったわけであります。 そこで、まず最初にお聞きいたしますけれども、この奥日光の立ち枯れ問題について林野庁はいつごろから認識をされているのか、お聞きいたします。
○塚本政府委員 御指摘の日光の立ち枯れ現象につきましては、昭和四十年代から太郎山や男体山の一部に小規模な一斉の立ち枯れが発生している、こういったことが現地の営林局より報告がなされております。これにつきましては、現地における後継樹の更新状況や土砂流出の有無等の観点から、森林管理上は特別の問題はない、このように考えておるところでございます。
○小林分科員 現在の立ち枯れの状況についてはどういう調査をなさっているのか、そこをまずお聞きしたいと思います。
○塚本政府委員 現在日光で発生をいたしております立ち枯れに関しましては、つくばにございます森林総合研究所における調査研究、それから現地を管轄いたしております前橋営林局における調査等が実施されているところでございます。 このうち森林総合研究所では、平成三年度に日光白根山、男体山におきまして森林衰退についての調査を行っておりますし、また平成五年度からは日光男体山におきまして高海抜山岳地域に降下する酸性物質の動態を把握する、こういった調査並びに樹木の枯損の実態解明のための研究、こういうものを実施しておるところでございます。 それから、前橋営林局におきましては、研究機関による調査研究との連携を強める必要があることから、昨年より日光地域一円の現地調査を行っておるところでございます。
○小林分科員 今お話にありましたように、酸性降下物質等の調査を行っているというようなお話もございました。 そこで、酸性雨とか酸性霧との関連で、マスコミ等においては各地で森林衰退や立ち枯れの問題が報道されているわけでございますが、奥日光のほかにどのような地域で同じような立ち枯れが問題になっているのか、挙げていただきたいと思います。
○塚本政府委員 樹木の立ち枯れにつきましては、ただいまお話にございました酸性霧、酸性雨、こういったものとの関連もございますし、また自然的な要因もあるわけでございますが、こういったさまざまな要因で発生しているものをいろいろ調査いたしてみますと、例えば群馬県の赤城山のカンバ類あるいは神奈川県丹沢のブナ、大山のモミ、関東平野北西部の社寺有林等の高齢級の杉等、あるいはまた北海道、九州、そういったところに立ち枯れが発生しているという報告を受けております。
○小林分科員 おおよそ現状についての認識、把握の状況についてお話を伺ったわけでありますが、次に、原因等の究明のための研究、これがどう進められているのか等についてお聞きいたしたいと思います。 そこで、奥日光での我々の調査の報告ということになろうかと思いますが、この立ち枯れの問題につきましては、いずれも標高千七百五十メートル付近と非常に特徴的なところで発生しているということ、そして特に南東斜面に集中しているという特徴がございます。 このような現象は、今お話にありましたように、関東平野の北西部の赤城山ろくとか丹沢山地等でも確認されているということでありまして、素人考えで判断するならば、これは首都圏で発生した酸性の大気汚染物質を含んだ風が直接当たっているのではないか、そういうところなのではないかというふうに容易に想像できるわけでございます。 この立ち枯れの問題について科学的な原因究明ということになりますると、諸説があるようでございます。酸性霧説とか凍害によるものだというような学者先生のお話もあるようですし、またナラタケ菌が原因なんだというようなこともあります。または異常気象とか、それらの複合的な原因によるものだというようなもの、諸説あるわけでございますけれども、一般的に私どもは、何といっても酸性霧の影響が非常に強い、かなり蓋然性が高いと言って過言でないというふうに思っているところであります。 そういうことで、まず最初に、酸性霧とか酸性雨というのはどういうメカニズムで生まれるものなのか。そして、普通の雨というのは、よく酸性だ、中性だ、アルカリだというようなことについては出ではかるわけでございますけれども、どのくらいのpHが数字的に酸性なのか、酸性雨というのか、その辺を教えていただきたいと思います。
○松本説明員 酸性雨あるいは酸性霧の発生メカニズムについて説明をせよというお話でございますが、酸性雨あるいは酸性霧と申しますのは、工場あるいは自動車などの人間活動、あるいは余り多くはないかもしれませんが火山などの自然活動、これによって排出されます硫黄酸化物や窒素酸化物などが大気中で硫酸イオンあるいは硝酸イオンに変化をいたしまして、降水中あるいは霧の中に取り込まれまして酸性度の強い雨あるいは霧になる、こういう発生プロセスを経て生じる現象であります。 御承知のとおり、出で酸性度をはかるわけでございます。出の七というのが中性でございますが、一般に酸性雨ないしは酸性霧と申しますのはpH五・六以下ということでございます。これはなぜかと申しますと、一般の大気中にCO2、炭酸ガスなどがございまして、それが自然に溶け込みますとやや酸性化するということで、そういう影響を除いたもの、すなわち出五・六以下、これを酸性雨と申しております。 それから、先ほど日光、赤城山等におきます立ち枯れについてのお話がございました。原因につきましては、先生お話しのとおり首都圏等からの大気汚染物質が原因ではないか、あるいは酸性雨あるいは酸性霧、寒さによる被害、ナラタケ菌、風害、複合影響等の諸説があるわけでございますが、私どもも現時点ではその原因を明らかにすることはなおできていないというのが率直なところでございまして、さらに関連データの収集、知見の集積に努めていく必要があると考えております。
○小林分科員 今、工場や自動車等の排気ガスに含まれている硫黄酸化物や窒素酸化物が空中で硫酸イオンとか硝酸イオンになって、それが酸性雨とか霧の原因になるんだというようなお話だったわけですけれども、工場とか自動車から排出される物質ということになりますると、栃木県にもも ちろん工場もありますし自動車も走っているわけです。しかし、何といっても大都市を背景に、やはり首都圏で排出される工場の排気物質とか自動車の排煙、こういうものが大きな原因だろうというふうに断定できるのだろうと思います。 それから、気流の関係でよく言われることは、鹿島灘から、それから相模湾あたりから大体関東平野を通って、首都圏の排気物質を気流に乗せて西北部の山岳地帯に運んでいくというふうによく言われるわけであります。 御承知のように、日光連山というのは、関東平野の北西部にびょうぶのように立っているというふうな地勢というか、位置が表現されるわけでございます。そういうことで考えるならば、まさに首都圏で発生した排気物質がその気流に乗って日光連山に当たってくる。それが雨になったり霧という形で、高いところの山岳地帯で霧になって長期滞留というか、雨よりも相当時間的に滞留時間が長いというふうに言われているのですけれども、そういうところの南東斜面に影響が出るというふうに、素人考えではございますけれどもほぼ断定していいのではないか、そのように思うのです。 このような現象について、ほかの同じような現象が考えられるところについて環境庁の方ではどのように考えられているか。このような酸性霧とか酸性雨が観測されるところ、この関東については先ほどもちょっとありましたけれども、気流の関係で見ていった場合どうなのかということをお聞きしたいと思います。
○松本説明員 酸性雨ないしは酸性霧がどういうようなところで観測されているかという御指摘かと思いますが、私ども環境庁では、昭和五十八年度から第一次、それから六十三年度から第二次の酸性雨対策調査というのを全国的に展開をいたしまして、それぞれ第一次、第二次、全国二十九の測定点で酸性雨の測定を行ったわけでございます。地域的に若干の差はございますけれども、全国的に出四から五台の酸性雨が観測をされております。これは、欧米諸国でいわゆる酸性雨が問題になっている国々とほぼ同程度の酸性度の強い酸性雨が日本でも降っているというのが事実であろうと思っております。
○小林分科員 そういう状況の中で被害が徐々に広がっている、深刻になっているというふうに言えると思いますが、枯れる森、溶ける石像、死んだ湖というようなことで、よく北米やヨーロッパ等においても本当に大きな問題になっているわけでありまして、国境を越える環境問題だと言われているわけですし、このような大きな問題と同時に、これは日本の中でも地域的な問題として首都圏と関東北西部の問題とか、それから大陸と日本との関係もいよいよ問題になってくるかなというような状況であるわけであります。 そんなことで、一日も早い原因究明とその対策を講じるために、調査研究にしっかりと取り組んでいただかなければならない状況なのですけれども、特に森林環境、気象などいろいろな科学を総合してこの問題については研究する必要があると思いますけれども、関係省庁及び地元の栃木県等も含めてどのような連携と共同研究がなされているのか、調査研究の体制等についてお聞きしたいと思います。
○塚本政府委員 林野庁におきましては、先ほど申し上げましたように、森林総合研究所を中心として酸性雨等による森林への影響についての研究を推進いたしておるところでございます。また、これまでも農林水産省の他の研究機関や他省庁の研究機関、こういったところと協力分担を行いまして共同研究を実施をいたしております。 また、平成二年度から、林野庁は酸性雨につきまして全国に千二百点の観測地点を設けて、森林への酸性雨の影響の実態調査、実態把握、こういったものを行っておるわけでございますが、これにつきましては都道府県の関係者の皆様方に協力をいただいておるところでございます。 酸性雨が及ぼす森林等への影響、あるいはそういったものを監視していくということ、あるいはまたそうしたものの原因を早急に解明していくということ、これがためには都道府県等さまざまな分野との協力が重要であると考えておるところでございまして、今後とも積極的に関係試験研究機関や都道府県、そういったところとの共同作業というものを進めてまいりたいと考えております。
○小林分科員 それでは、今後の対策という観点に立って、そのような研究調査体制にしっかりと取り組んでいただいて、そして早急に対策をとっていかなければならないという観点で質問を展開したいと思います。 先ほども申したとおり、北米やヨーロッパ等においては既に大きな地球環境問題という観点でも取り上げられてきているわけでございますけれども、申すまでもなく森林の保全とか復旧というのは極めて重要な課題でありますし、地球サミット以降においても、さまざまな国際会議の場で森林の保全及び持続可能な森林経営、この実現に向けて継続的に議論されてきているところでございます。我が国の森林についても、国土の保全、水資源の涵養、木材供給、保健文化等の多面的な機能を有しているわけでございますし、私たちはそういう観点に立って、森林をどう保全し育成していくか、大きな課題を担っているところであります。 そこで、これまた地元の問題で恐縮でございますけれども、過去の教訓という意味からいって、一たん自然の生態系というか自然のサイクルが壊れると大変な費用がかかる。復旧というのは大変な費用がかかるというふうに言えると思いますし、大変な時間もかかるというふうに言われるわけでございます。 足尾銅山の周辺の森林復旧の事例について、御存じのように松木沢というところは足尾銅山の銅の精錬の際に排出された亜硫酸ガスの影響によって、まさにはげ山になってしまったというような状況でありますし、別の言い方では、日本のグランドキャニオンだというような言い方もされているところでございますけれども、この足尾の荒廃地につきましては一生懸命復旧対策が進められているところでございます。 聞くところによると、ヘリコプターで植生盤を岩盤に張りつけるような形で、何とか緑化しようというような努力が積み重ねられているわけでございますが、その復旧の状況とその効果等についてまずお聞きしておきたいと思います。
○塚本政府委員 足尾地区における荒廃地の復旧についてでございますが、昭和三十一年に精錬施設が改善されたことを契機に本格的な治山事業に着手いたしまして、平成五年までの三十八年間に、国有林、民有林合わせまして約百六十四億円の治山事業費を投入いたしておるところでございます。この結果、現在では煙害裸地二千六百ヘクタールの約四割、一千ヘクタールに緑が再生いたしまして、林地にはキツネ、カモシカ等の動物が、また渓流にはイワナ等が生息するようになったというふうに聞いております。 今後とも、良好な森林の再生を図るために、引き続き積極的に治山事業の実施に努めてまいる考えでございます。
○小林分科員 足尾につきましては復旧事業が効果的に進められているというようなお話でございましたし、積極的に引き続き頑張っていただきたいと思うところでございます。 それでは、今回のこの日光の立ち枯れの調査箇所の場合に、このまま原因究明を待っていいのかどうか。やはり蓋然性の高い酸性雨というような原因も言われているわけでありますから、それに対応して、少なくとも営林署の職員の皆さん、本当に知識と技術と経験を持っているわけでありますから、それを集積、集約いたして、こういう状況の中でもどうやったら再生できるのかということは相当持っているのだと思うのですね。 そういう点で、その知識、技術を生かして、ぜひ現状の段階でも可能な限りの復旧対策というか、そういうものと取り組んでいただきたい、そのように思うわけでありますけれども、特にこの 奥日光の場合は、国有林の場合は水源涵養保安林として指定をされているところでありますから、そういう点で、今日の状況における復旧事業に積極的に手をつけていく。試行的ではあっても、その経験を積み重ねていくということが大事なんだと思うのですね。そういう意味で、実際にどう予算措置をとられて復旧的な試行、実験がされているのか、そこをぜひ示していただきたいと思います。
○塚本政府委員 この日光国有林の立ち枯れ箇所におきましては、平成五年度から、保安林改良事業によりまして、カラマツ、ダケカンバ、コメツガの平均樹高三メートル程度の大苗をシカの食害防止つきネットをつけて植栽いたしまして、保安林の機能回復を図っているところであります。成長についても順調であるというふうに聞いております。 今後におきましても、現地での活着状況、成長状況等を観察しながら、引き続きこうした保安林改良事業というものを実施してまいりたいと思っております。また、全国的にもこういった箇所がありますれば、ただいま申し上げました保安林改良事業等を利用いたしまして、森林の復旧に努めてまいりたいと考えております。
○小林分科員 我々の現在持っている知恵を出し合って積極的に復旧に努めていただきたいと思いますし、それが原因究明が成ったときにも生かされる技術だと私は確信をしているところでございます。 それでは次に、日本の森林の約三〇%を占めているのは国有林でございます。この国有林を管轄しているのは営林署でございますが、大変大きな役割を果たしているわけでございます。森林の大切さというもの、そして森林の持っている公益的な機能、そういうことで、経営だけの感覚で山を見るのではなくて、もう地球環境の問題だという観点を大事にして取り組んでいかなければならない、そういう時代の要請が国際的な世論の中でもより一層高まっているのだろう、そんなふうに思っているわけであります。 山が荒れているというようなこともよく指摘されているところですし、後継者難で困っているというような状況もお聞きしているわけですけれども、営林署の役割は、民有林に対する指導という立場にもあると思うのですね。そういう点で、営林署の組織や予算等こういう問題等も含めて、営林署の体制、それから民有林も含めた全体的な林野行政、そういう立場でどのような対策を考えておられるのか、お示しをいただきたいと思います。
○塚本政府委員 国有林野事業は、今お話にございましたように、我が国の森林面積の約三割を占める国有林野の管理経営を通じまして、国土の保全、水資源の涵養、あるいは自然環境の保全形成等の公益的な機能の発揮など、重要な使命を担っておるところでございます。このため、全国有林を国土保全林、自然維持林、森林空間利用林、木材生産林の四つの機能に区分をいたしまして、それぞれの森林がその機能を十分に発揮できるように、現在管理経営を行っているところでございます。 ただ、木材生産にかかわる分野につきましては、現在収入的に大変厳しい状況にございますし、また支出もなかなか削減できないということで、財政的に大変厳しい状況にあるわけでございます。こういったことを踏まえまして、平成三年に国有林野事業の改善に関する計画というものを新しくいたしまして、現在、それに従いまして事業運営の改善合理化や要員規模の適正化、自己収入の確保等について努力をするほか、所要の財源措置を講じまして経営改善を推進いたしておるところでございます。 国有林野事業につきましては、先ほど申し上げましたように、木材の生産といったことのほかに、公益的機能というものを十分に発揮していく必要があることは十分認識いたしておりますので、今後ともそういった国有林の役割が十分果たされるように、いろいろな面で努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○小林分科員 それでは時間も参りましたので、最後に、このような問題を含めて、森林の持つ地球的な役割、そして我々に与えてくれる限りない恵みというか、そういうものをしっかりと私たちは守って、育成していかなければならない立場にあるのだろうと思います。そういうことで、総括的に大臣に、この問題についての認識、決意等を踏まえてお考えをお伺いしまして、終わりにしたいと思います。
○加藤国務大臣 私が改めて申し上げるまでもございませんが、森林は緑と水の源泉であり、地球環境の保全、豊かな国民生活の実現のためにも、これを立派に整備して次の世代に引き継いでいかなければならない義務がある、私はこう考えておるところでございます。 そこで、このために、森林計画制度、保安林制度等の適切な運用を図りますとともに、治山、造林、林道事業の計画的な推進によりまして、木材供給のみならず、公益的機能を適切に発揮し得る森林の整備を今図っておるところでございますが、今後ともこのような森林の整備の推進に努めてまいりたい、こう覚悟をいたしておるところでございます。
○小林分科員 ありがとうございました。終わります。
○鮫島主査 これにて小林守君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして農林水産省所管についての質疑は終了いたしました。 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 分科員各位の御協力により、本分科会の議事を滞りなく終了することができました。ここに厚く御礼申し上げます。 これにて散会いたします。 午後八時四十七分散会