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129回国会衆議院1994/06/08

予算委員会 第18号

発言数
312
登壇者
43
会派数
8
開催日
1994/06/08

会議録

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 これより会議を開きます。  この際、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。  委員の異動に伴いまして、現在理事が五名欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 御異議なしと認めます。  それでは、理事に       月原 茂皓君    山田  宏君       後藤  茂君    中西 績介君    及び 草川 昭三君 を指名いたします。      ――――◇―――――

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計予算、平成六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  この際、各分科会主査より、それぞれの分科会における審査の報告を求めます。  第一分科会主査官本一三君。

宮本一三改新

○宮本委員 第一分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  本分科会は、昨日審査を行いました。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。  内閣及び総理府本府関係では、国政調査権と守秘義務の関係、和風迎賓館の設置、行政改革の推進体制のあり方、動物の保護及び管理に関する啓発の必要性、旧日本赤十字社救護看護婦等への慰労給付金の増額等について、  総務庁関係では、省庁の統廃合等行政改革、同和対策の推進、青少年の育成対策、財団法人交通遺児育英会の役員人事等について、  防衛庁、裁判所、会計検査院関係では、自衛隊における教育のあり方、民事訴訟等の審議の迅速化、会計検査院の機能充実強化等について質疑がありました。  以上、御報告申し上げます。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 第二分科会主査山本幸三君。

山本幸三改新

○山本(幸)委員 第二分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  本分科会においても、昨七日審査を行いました。  質疑内容の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。  まず、法務省関係では、検事による暴力事件等一連の検察不祥事、法務省と検察庁の関係、司法書士の特認試験のあり方、関西新空港開港に伴う入国管理業務に関する諸問題等であります。  次に、外務省関係では、海外広報協会に係る諸問題、北朝鮮の核疑惑問題についての政府の対処方針、外交体制の強化等であります。  次に、大蔵省関係では、税の適正課税の重要性、変額保険についての指導、酒類販売免許に対する規制緩和、金融機関の不良債権の償却、税制改革に係る諸問題、非営利団体に対する寄附金の税制上の取り扱い、相続税の最高税率の緩和、地ビールに係る規制緩和等であります。  以上、御報告申し上げます。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 第三分科会主査山本拓君。

山本拓改新

○山本(拓)委員 第三分科会における審査の経過を御報告申し上げます。  本分科会も同様に、昨七日審査を行いました。  質疑応答の詳細は会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。  まず、自治省関係では、地方自治法の改正と広域連合制度の創設、地方分権のあり方、我が国選挙制度の改革、行政書士制度の改善、住民税、所得税の減税に伴う地方財源の確保などであります。  次に、文部省関係では、大学学部の整備充実、大学における理工系教育のあり方、国際理解教育の推進、義務教育費国庫負担金見直しの影響、教育行政における地方分権のあり方、教科書の再生紙化、学校教育におけるいじめ対策、学習障害児に対する文部省の取り組み、私立学校への助成の確保、ワールドカップサッカーの我が国への招致などでありました。  以上、御報告申し上げます。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 第四分科会主査土田龍司君。

土田龍司改新

○土田委員 第四分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  本分科会においても各分科会同様、昨日審査を行いました。  質疑内容は広範多岐にわたりましたので、その詳細は会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。  まず、厚生省関係では、二十一世紀福祉ビジョンの目的と実現見通し、住みよい福祉のまちづくり事業の進捗状況、障害者基本法の理念の政策への反映、大都市圏における特別養護老人ホーム等の整備促進、老人訪問看護制度の充実化、年金改革のあり方、脳死と臓器移植問題、エイズ対策、ウイルス性肝炎対策、網膜色素変性症対策、ソーシャルワーカーの国家資格化、不法滞在外国人への医療保険の適用見通し、たばこの煙害対策、弗素と虫歯予防との関係などでありました。  次に、労働省関係では、我が国の労働生産性、男女雇用機会均等法施行後における女性の社会進出の状況、育児休業制度の整備・改善策、高齢者の雇用促進策、勤労者の健康管理対策、新規学卒者の就職問題、シルバー人材センターへの補助金の見直しなどでありました。  以上、御報告申し上げます。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 第五分科会主査鮫島宗明君。

鮫島宗明改新

○鮫島委員 第五分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  本分科会においても同様に、昨七日審査を行いました。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。  まず、環境庁関係では、環境基本計画の進捗状況、大都市圏の緑地空間の保全、三河湾の水質汚染の現状、環境の日の祝日制定の必要性、放置自動車等の実態調査とその対策などであります。  次に、農林水産省関係では、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意に対する評価、今後の食糧管理制度のあり方、中山間地域の活性化対策、農業振興法の運用のあり方、農業後継者確保等のための魅力ある農村づくりの必要性、オゾン層破壊と臭化メチル薫蒸の関係、今後の畑作振興の見通し、サトウキビ生産の振興策、畜産公害に対応するための諸施策、林道の整備促進の必要性、森林の立ち枯れの発生状況などであります。  以上、御報告申し上げます。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 第六分科会主査長浜博行君。

長浜博行改新

○長浜委員 第六分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  本分科会においても各分科会同様、昨七日審査を行いました。  質疑内容の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。  まず、通商産業省関係では、円高に伴う産業の空洞化、中小企業対策とその効果、政府系中小企業金融機関の融資の状況、マルチメディア産業の振興、著作権処理の円滑化、製造物責任法、繊維産業保護のためのMFA協定の発動、絹織物価格の下落、農地における石炭鉱害の復旧、鉱山地域の活性化とリサイクル・マイン・パーク計画、太陽光発電システムの普及への基盤整備、天然ガス用パイプラインの建設、古紙利用促進の必要性、むつ小川原工業基地の開発への展望などであります。  次に、経済企画庁関係では、経済見通しと景気対策、現在の不況の原因、我が国の潜在成長率、内外価格差の解消などであります。  以上、御報告申し上げます。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 第七分科会主査東祥三君。

東祥三公明党

○東(祥)委員 第七分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  本分科会においても各分科会同様、昨七日審査を行いました。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて御報告申し上げます。  まず、運輸省関係では、整備新幹線の建設促進、新幹線の騒音対策、首都圏の鉄道整備と通勤混雑の緩和対策、地下鉄建設に対する助成のあり方、鉄道用地の活用による市街地再開発の推進、積雪寒冷地域におけるスリップ事故防止対策、運転代行業問題、国際空港の整備促進、中華航空機墜落事故の補償問題、航空運賃等公共輸送機関運賃の適正化、離島空港と基幹空港の路線開設、港湾整備事業の推進、海運政策の基本的考え方、テクノスーパーライナー開発の現況、日本船舶振興会問題などであります。  次に、郵政省関係では、郵便切手発行政策、郵便関係職員の夜勤体制のあり方などであります。  以上、御報告申し上げます。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 第八分科会主査北側一雄君。

北側一雄公明党

○北側委員 第八分科会における審査の経過について御報告申し上げます。  本分科会においても各分科会同様、昨七日審査を行いました。  質疑応答の詳細につきましては会議録に譲ることとし、ここでは質疑事項のうち主なものについて申し上げます。  まず、国土庁関係では、首都機能移転の進捗状況、第二国土軸構想の推進、半島振興対策の推進などであります。  次に、建設省関係では、身障者、高齢者に配慮した住宅・社会資本の整備、高規格幹線道路及び地域高規格道路の整備、一般道路の拡幅及びバイパスの整備、有料道路制度のあり方、高速道路料金の値上げ凍結問題、連続立体交差事業の推進、大都市における電線類の地中化の促進、地方拠点都市づくりの推進、公共工事に係る入札制度の改善、開発と自然環境の保全との調和、災害復旧事業の促進などであります。  以上、御報告申し上げます。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 以上をもちまして各分科会主査の報告は終了いたしました。     ―――――――――――――

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 これより締めくくり総括質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。草川昭三君。

草川昭三公明党

○草川委員 本日ここに予算案の締めくくりの総括質疑が行われることになりましたことについて、まず、山口委員長の御努力に大変感謝を申し上げます。また、各党各会派の皆様方に大変御協力があったことを、与党を代表いたしましてお礼を申し上げる次第であります。  さて、委員長に大変恐縮でございますが、私ども昨夜のことについて一言申し上げさせていただきたいんですが、実は、理事会が開かれる最終場面におきまして、延会手続のため委員会が開かれるということを私自身が御確認をさせていただき、まとめの文言について相談中、実は委員会が開催をされてしまいました。大変恐縮でございますが、一言そのことについて御発言をさせていただきたいと思っております。  そこで、歳入欠陥についてまず御審議をさせていただきたいわけでございますが、九三年度の一般会計の税収について質問をします。  長期不況の影響で、昨年の十二月に減額補正をし、その予算額に計上されました税収が明らかに下回ることが確定的になったのではないか、こんなように思います。しかも、一部の報道によりますと、この税収が一兆円を超える不足になるとの報道もあるわけでございますが、どのような見通しを持っているのか、お伺いしたいと思います。

小川是大蔵省主税局長

○小川(是)政府委員 平成五年度税収につきましては、現在のところ判明しております四月末の税収実績を見ますと、累計で前年対比一〇〇・八%となっております。これは、補正後予算伸率の一〇二・三%に対しまして一・五%ほど下回っております。  お尋ねの、五年度全体を通じて最終的に税収はどうなるかという点でございますが、既にわかっております五年分の所得税の確定申告が補正後予算の見積もりを下回っておりますので、申告所得税収は補正後の見積もりを下回ることが避けがたいと考えております。また、残りますのは三月期決算法人に係る法人税収及び消費税収、これが主力でございますが、これを含む五月分の税収を見なければならないわけでございますが、一般会計全体といたしましても、補正予算の見積もりで想定した税収動向の達成は容易ではない、このように現状を見ているところでございます。  ただ、最終的な姿がどうなるかという点につきましては、やはり三月期決算法人のウエートが高いものですから、これによって大きく影響されるため、さらに五月分の税収をよく見ていく必要がある、このように考えております。

草川昭三公明党

○草川委員 四月末の収入の調べが出ておるわけでありますので、残りはあと一カ月の五月だけであります。最終的には七月三十一日の締め切りを見ないとわかりませんけれども、相当大きなマイナスになるのではないかと思います。  その原因は法人税収入でございますが、企業収益の悪化、こういうものに歯どめがかからない、そのために法人税収入が伸び悩んでいるのが主要な原因ではないか。あるいは国内の消費の落ち込み、消費税等の進捗状況を見ましても、二一%ぐらいですか、落ち込んでおるようでございます。いろいろとこの不足額について、当然のことながら税外収入にそれを求めなければいけない、こういうことになるわけでございますが、一体どういうものがあるのか、どう対処するのか、お伺いをしたいわけであります。  不用額で穴埋めをするとかいうようなことを言っておりますが、金利が下がったからといって、不用額が多少出ても、それだけでは穴埋めもなかなか困難ではないかと思いますし、それから、国債整理基金からの繰り入れを考えるというようなことも一応は俎上にのっておるようでございますが、これまた九五年度の予算には返還をしなければいけないという問題もあるのではないか、こんなことを考えるわけでございますが、五年度決算において歳入欠陥が生じた場合、どのような対応を当局は考えているのか、お伺いをしたいと思います。

篠沢恭助大蔵省主計局長

○篠沢政府委員 お答えを申し上げます。  五年度決算につきまして、税収実績がまだ四月末までの判明だというようなこと、それから、全体の税外収入、歳出不用の額につきましても判明しておりませんので確たることを申し上げられる段階にはございませんが、ただいま先生からおっしゃられましたような決算上の不足というものが生じてまいりました場合に対応するための制度といたしましては、決算調整資金制度がございます。これによって対応していくほかにはないということになろうかと思います。

草川昭三公明党

○草川委員 決算調整資金から不足分を繰り入れるという方向でお考えのようでございますが、今後の財政運営について、一段と厳しいわけでございますが、その点について大蔵大臣から一言答弁をお願いしたいと思います。

藤井裕久改革大蔵大臣

○藤井国務大臣 ただいま両局長が答えましたとおりでございまして、税収の最終見通しは立っておりませんが、今一〇二・三と一〇〇・八という数字を申し上げました、どうもこういう事態にあること。そしてさらに、税外収入、不用等々をよく念査していかなければ最終的なことは申し上げられない段階でございます。  ただ、今最後にお触れになりましたように、私ども決算調整資金という制度のあることはよく承知をしているつもりでございます。     〔委員長退席、後藤委員長代理着席〕

草川昭三公明党

○草川委員 では、第二番目の問題として北朝鮮問題、特に核疑惑の問題についてお伺いいたします、  柿澤外務大臣は十一日より韓国、これは土曜日曜日になると思うのでございますが、引き続き中国を訪問されるというように新聞報道では出ておるわけでございますが、当然訪問の主要な問題は北朝鮮の核問題ではないか、こう思うのでございますが、どのような外交努力をされるのか。  また、伝えられるところによりますと、中国の銭外務大臣、外相は、この制裁については、単なる制裁では問題は解決しない、かえってその矛盾が激化するのではないだろうかというような報道もなされております。いずれにいたしましても、この経済制裁等々の実施に際しては中国の協力が非常に大きな問題になってくるわけでございますが、どのようなお考えか、どのように中国側に対処されるのか、まず外務大臣の見解をお聞きしたいと思います。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 お尋ねの件でございますが、日本と韓国との間では日韓定期外相会議を開いておりまして、それを開くべき時期に来ておりました。ただ、なかなか国会日程等との都合で調整がつきませんでしたが、この機会に開催をしようという方向で話が進められたわけでございます。  そして、これも国会日程が許されればという前提でございますが、土曜日に韓国を訪問して、韓国の外務大臣等韓国の指導者との会談をしてまいりたいと思っております。そこでは日韓間の二国間問題、また国際情勢、広範にわたって話し合いをすることになっておりますが、先生御指摘の北朝鮮の核疑惑問題は当面の両国にとっての大きな関心事でございますので、この点についても当然できる限りの話し合いをしてまいりたいと思っております。この点につきましては、私どもとしては引き続き話し合いによる解決ということが最も望ましいという点に立って、韓国と意見を調整をしてまいりたいと思っております。  まだ国連におきましてもとのような措置が決定されますか、未確定の状態でございますので、そうした点についても当然議論はあるかと思いますけれども、これらの点についても両国が協力して有効な形で行動がとれるよう、協力して北朝鮮に対して翻意を促せるような方法がとれるよう努力をしてまいりたいと思います。  また、中国につきましては、御指摘のように、今後ともこの問題では中国が関与していただくということが大事であろうかと考えまして、韓国へ訪問する機会に、時間的に許されるならばということで中国側にも打診をいたしました。日曜日のほんの数時間でございますが、その中で先方も私の訪問を受け入れてくれる方向で調整してくださっているということでございますので、そのときには銭其珠外相初め中国首脳部とも意見を交換してきたい。  そして、中国の考え方につきましては、先般、トウカセン外務次官が参りましたときにも話し合いをしまして、草川先生御指摘のようなお考えを持っているということも承知をしております。その点では中国の真意を十分に伺うとともに、中国と北朝鮮の我々よりも深い関係といいますか、その関係を生かして、ぜひとも北朝鮮にIAEAの査察を受け入れ、そして国際社会の核疑惑を解消するような方向で努力してもらうよう、さらに働きかけをしていただくようお願いをしてまいりたい、こう考えております。

草川昭三公明党

○草川委員 総理大臣にお伺いをいたしますが、昨日政府は、この朝鮮民主主義人民共和国、北朝鮮の核疑惑について四本柱の柱を打ち出されたと聞いているわけですが、その中に、今外務大臣の答弁にもございましたように、対中国を含め最大限の外交努力をするという柱があるわけであります。政府の方は、とりあえず当面、中国に対する対応というのを非常に優先的というのですか、中心的な課題としてとらまえてみえるのか、総理の見解をお伺いしたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 お話しのとおりやはり中国は、今外務大臣からも申し上げましたように、北朝鮮とは大変深い友好国であるということ、あるいは経済的な関係も大変強いということがございます。そういった意味で、やはり中国からの影響力というのは非常に大きいということでありますし、また中国は常任理事国であるということもございます。そういう意味で、中国の考え方をお聞きすると同時に、やはり中国からの影響力というもの、これをひとつぜひお願いしたいということであります。  中国は常々、制裁とか圧力というものでは物事は解決しないということを言われておりますけれども、しかしやっぱり核の疑惑を持っていちゃいけないということ、それから、核がもしあそこの半島に出来するということはこれは困ることなんだということを強く感じておられまして、今日までもいろいろな形での対話の努力はしてくださっておるというふうに承知しておりまして、それをさらにお願いをしたいというふうに考えております。

草川昭三公明党

○草川委員 それから、これも外務省にお伺いしたいわけでありますけれども、この北朝鮮が、北朝鮮の立場に立ちますと経済制裁ということに対しては断固対抗手段をとるというような声明も出ている、こういうように承知をしておるわけでありますが、具体的には核拡散防止条約、NPTから脱退をするのではないか、そして、さらにその上に立って云々というような見解も出ておるようでございますけれども、その見通しについてどのような把握をしておられるか、お伺いしたいと思います。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 北朝鮮側は、一方では大変強硬な発言をいたしておりますが、同時にIAEAの査察を受け入れてもよいというような話もございます。例えば五メガワット実験炉の燃料棒については抽出は済んでしまいましたけれども、しかし例えば番号が振ってあるのでそれについての検証は可能ではないかというようなことも北朝鮮側はおっしゃっておるようでございまして、そういう点では今直ちに脱退ということでなく、粘り強くこちら側が話しかけていけば、その中で何らかの前向きの反応をしてもらえるものと一ルの望みといいますか期待を持っているところでございます。

草川昭三公明党

○草川委員 じゃ、もう一問お伺いしたいのですが、使用済み燃料棒の取り出し記録など、これは燃料棒の交換の状況を復元できるデータ、こういうものを北朝鮮に提出をさせるというのも一つの方法ではないだろうか、IAEAと北朝鮮とが妥協することもあり得る大きな問題点だと私は思うのですが、その点はどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○林(暘)政府委員 お答え申し上げます。  先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、北朝鮮側は自分たちが取り出した燃料棒についてきちんと保管しているので将来の査察ができるのではないかということを言っておりますが、片やIAEAの方は、これはIAEAがやっております査察すべてに共通することでございますが、自分たちが、査察員がきちんと自分たちの目で確認したものに基づく査察以外には確信を持って意見を述べることができないという立場をとっておりますので、専ら北朝鮮側の資料だけに基づいて査察をやるということについては困難があるということがIAEAの立場と承知しております。

草川昭三公明党

○草川委員 じゃ、少し送金問題についてお伺いをいたしますが、制裁の場合に送金停止とか資産凍結という、こういった措置がいろいろと言われておるわけでございますが、これは大蔵省告示によってそういう対応が果たして可能かどうか、こういうことをお伺いしたいわけでございますが、まずそのことについて大蔵省からお答え願いたいと思います。

加藤隆俊大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 お答え申し上げます。  まず第一に、現在、国際社会として国連安全保障理事会を通じて適切な対応を検討することを追求している段階でありますので、北朝鮮に対する経済制裁について、その内容を予断を持ってお答えすることは困難であるという状況について御理解を賜りたいと思います。  なお、従前の例ということで申し上げますと、国連安全保障理事会において経済制裁措置が決議された場合には、我が国は、決議内容に沿いまして、外為法に基づく大蔵省告示の改正により制裁対象国への送金禁止等を実施してきており、国連安全保障理事会の決議の内容を誠実に履行してきておるところでございます。

草川昭三公明党

○草川委員 そこで、ちょっと総理にお伺いしたいのですが、この経済制裁について経済界の代表、例えば同友会の代表幹事などは、経済制裁の実施は慎重であるべきだ、あるいは経済制裁というのは実際の効果の面からも疑問があるのではないかという、こういう問題提起が出ておるわけでございますが、これらのことを踏まえまして、総理としてこの北朝鮮の制裁についていま一度お考えをお伺いしたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 先ほど来お答え申し上げますとおり、現在、国際社会といたしまして国連安保理事会を通じ,ながら適切な対応を検討すること、これを実は追求している段階であるということでございまして、対話を通じた解決というものが放棄されたわけではないというふうに私どもは理解しております。このときに今のような御指摘の具体的な問題について私の方からこうであるということを申し上げることはひとつお許しをいただきたいと思うわけでありますけれども、国連として一つの方向を出され、そういう中で我が国として果たし得る役割というものが課せられる場合には、これは我が国としてもやはり国連の一員として適切な対応をしていきたいというふうに考えております。  ただ、一般論として申し上げますと、そういった今御指摘のような一つの重大な事態というものに一つの方向が出されたというようなことに対しましては、従来から政府におきましても関係省庁間で情報交換などを行っておりまして、今御指摘のあったような問題なんかについても、いろいろな形で議論はなされておるものであろうというふうに承知いたしております。

草川昭三公明党

○草川委員 少しこれは防衛庁にお伺いをいたしますけれども、アメリカのCNNテレビは六月の二日、米国防総省筋の話として、六月一日に日本海で北朝鮮が二度目のミサイルの発射実験を行ったという報道をしておりますが、防衛庁はどのように事態を把握をしているか、お伺いをしたいと思います。

神田厚改新防衛庁長官

○神田国務大臣 六月一日に二度目のミサイルの実験をしたということにつきましては事実を確認しておりますが、それ以上の細かいことにつきましては差し控えさせていただきます。

草川昭三公明党

○草川委員 事実を確認をしておるという御答弁でございますが、それ以上のことはお答えできないと言うんですが、事実を確認をしたということならばそれなりの、周辺、例えばどのような規模のものか、どのような能力のものかはある程度把握をされておると思うのですが、これは防衛庁の方からお伺いしたいと思います。

村田直昭防衛庁防衛局長

○村田(直)政府委員 先般行われました実験に使用されましたミサイルでございますけれども、これについては、短射程の対艦ミサイルであるというふうに承知をしています。

草川昭三公明党

○草川委員 この問題については最後の質問をいたしますが、予想される非軍事的な点について国連決議が行われた場合に、自衛隊の米軍に対する物品等の提供や便宜供与は、個々の法令の改正ではなくて、北朝鮮問題に限定した臨時特別措置法として一括した法整備を行うことがベターではないかというのが私の意見でございますが、この点についてどのような見解を持っておられるかお伺いしたいと思います。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 国連における決定も、いろいろと今後紆余曲折があろうかと思います。また、時間がかかるという話もアメリカの国連代表等が言っているようでございますので、今草川先生が御指摘のような事態を想定してどうこうと言うのはまだ時期尚早ではないかと思っておりますが、一つのお考えとして承って、私どもも対応の参考にさせていただきたいと思っております。

草川昭三公明党

○草川委員 じゃ、ついでにお伺いしますが、経済制裁と簡単にいいますけれども、もちろん中国に対するいろんな働きかけもございますし、いろんな手順というのがあると思うのです。簡単に私は経済制裁の決議というものが出ることはないと思うんですが、大体どの程度の期間が必要になるのか。これはもう簡単な見通しは困難だと思いますが、経済制裁、経済制裁という言葉がひとり歩きをしておりますが、私はかなり長期に、長期の先にその問題が出てくるのではないかと思うのですが、どんな見通しかお伺いをします。

柳井俊二外務省総合外交政策局長

○柳井政府委員 安保理におきましては、先日ブリックスIAEA事務局長の報告を受けまして、三日に非公式会合を開催いたしました。このときにはブリックス事務局長から口頭の報告があったわけでございます。また、去る六日、月曜日でございますが、六日から五常任理事国を中心にいたしまして非公式な話し合いを行っておると承知しております。  ただ、まだこの非公式協議におきましては決議案が出ているというわけではございませんで、国連安保理が今後とるべき措置の内容、タイミング、あるいはどういうことを目標にするかという点、あるいはさらには制裁というものをそもそもとるかどうかというような根本的な問題についての意見交換が行われたという段階でございます。  したがいまして、現在我が国として確たる見通しを申し上げる段階にはございませんけれども、先ほど草川先生がおっしゃいましたとおり、まだしばらく時間がかかるだろうという感じでございます。

草川昭三公明党

○草川委員 時間が来ましたので、円高と鉄鋼の話はまた後日の機会に譲りまして、LD障害児の話を最後に文部省にお伺いをしたいと思います。  実は、全国に学習障害児、LDという略称があるのでございますが、大体子供さんたちの二%強という対象になっております。  このLD障害児というのは、ごく簡単に言いますと、脳の中枢神経系の発達や働きに偏りがある、そのために思考や行動にアンバランスが生じまして、知能にはそれほどおくれはないのに、学校だとか社会において特別な手だてがないまま二次的な情緒障害あるいは不登校、こういうことを起こしやすいことになっておるわけであります。  アメリカ合衆国では、LDの対象者は一九六八年に医学会でも定義づけをされておりまして、また、各州においても治療教育が州法律で定められておるわけであります。非常に日本では立ちおくれになっておるわけでございまして、この実態調査を速やかに行ってもらいたい、あるいは国として学習上の困難な類型に応じた指導内容をやってもらいたいという非常に強い要望があるわけでございます。  そんなことについて、文部省としてどのような現状か、あるいはまた次年度の予算編成に対してどういう対応をされておみえになるのか、文部大臣にお伺いしたいと思います。

赤松良子文部大臣

○赤松国務大臣 草川先生から大変ちゃんとした定義を伺いまして、実は私どもは、専門家の間でさえ定義が余りはっきりしていないというような状態だという認識でございます。  LD、ラーニングディスアビリティーの省略した言葉だということと、それが全体として程度が低いわけではないのにアンバランスがあるのだというようなことは承知しておりますが、定義あるいは判定の方法も専門家の間で必ずしも一定していない。それから、医学的な原因につきまして先生今御指摘ございましたけれども、これにつきましても余り明らかになっているとは言い切れないというようなこともございます。  そこで、そういう場合はまずはその研究から始めるということになるかと存じますので、平成四年度から調査研究協力者会議を設けまして、この定義あるいは実態把握の方法等について検討いたしております。また、国立特殊教育総合研究所におきまして、平成三年度から四年計画、つまり三、四、五、六でございますが、基礎的な研究を行っているところでございます。  このような研究を通じまして、ある程度定義あるいは判定方法を明らかにした後、教育学あるいは医学、心理学等の関係各分野の専門家の御意見を十分伺いながら総合的かつ慎重に研究を進め、その方向を見出すことといたしたい、このように考えております。

草川昭三公明党

○草川委員 以上で終わります。

後藤茂日本社会党・護憲民主連合

○後藤委員長代理 これにて草川君の質疑は終了いたしました。  次に、中川秀直君。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 いよいよ締めくくり総括質疑に入りましたが、今次予算委員会は先月の二十三日から審議が始まりました。それまでに至るおくれについては、これは政府の責任であると総理も暫定予算のときにも御答弁がございましたが、二十三日から数えまして土曜日、日曜日を除きますときようで実質十三日、これは本当に異例の早さであります。今委員部にお調べをいただきましたら、戦後間もない昭和二十四年に、付託から衆議院の予算委員会で可決をされるまで十三日、ほぼこれに匹敵するタイ記録ということになるわけですが、それ以降は大体三十五日とか、長いときは七十日ということもあります。  そういうようなことになったことは、我々野党が、ともかく国民生活に責任を持って予算を早く成立させなきゃいかぬ、こういう観点から、むしろ与党側が理事会でもきょうはもう大変遅いからあすにしようという場合も、我々は今晩じゆうに済まそう、そういうことが二度ほどあった記憶がございますし、ともかくこういった事態に来たのは、あくまで国民生活に対して私どもが大変な責任を持って事に当たろうとしたことであろうということを申し上げておきたいと思います。  ただ、その間で一番懸案になったのは、何と申しましても細川前総理の喚問問題でした。これについては与党側から一切前向きなお答えがいただけないまま、ぎりぎりの昨日まで私どもはお待ちをいたしておったわけですが、それでもなかなかいただけないということで、山口委員長が長年の政治経歴を踏まえられて高度の御判断から収拾案、あっせん案を昨日出されたわけで、私どもはこれは当然であろう、こう思っております。  委員長にぜひお願いでございますが、この実現に向けて全力を挙げてお願いをしたい、こう思いますし、なお私どもは、他の証人喚問につきましても引き続き要求をしてまいります。小沢証人喚問、また池田証人喚問につきましてもお願いをしてまいります。  早速質疑に入らせていただきます。  ともかく時間が余りありませんので簡潔なお答えをいただきたいのですが、まず北朝鮮の核疑惑の問題でございます。  一つの情報として、アメリカと北朝鮮の間での交渉というものが昨日あたりから始まったんじゃないか、こういう情報もございますけれども、それは政府は把握していますか。     〔後藤委員長代理退席、委員長着席〕

川島裕外務省アジア局長

○川島政府委員 お答え申し上げます。  承知しておりません。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 先ほど大臣からも御答弁がありましたが、事態はかなり流動的で、北朝鮮の内部にもいろいろな意見があるようですし、外務省とまた現場、いろいろあるようですから、そういうものも十分把握しつつお進めにならないといけないのではないか、かように思います。  それから、総理は、ともかく経済制裁措置が安保理でとられたら憲法の枠内で最大限の措置をとる、こういうことを七日の日に御表明になっておるわけですが、この最大限の措置というのは具体的にどういうことでしょう。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 これは、今この時点で具体的にどうこうということを申し上げることは、ひとつ差し控えさせていただきたいと思います。  最大限というのは、あくまでも憲法に許された中におけるものであるということであります。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 理由は、外交上、防衛上の秘密ということもありましょうし、国益ということもあるでしょうし、北朝鮮を刺激したくない、あるいはまた要らざる不安も与えたくないと、いろいろあるでしょうが、ある新聞の社説に、そういう議論が国会でなかなか行われないのは、政府部内では公式に、非公式に検討されながら国会で議論されない、これでは、例えば経済制裁が決まって法改正という部分だって、後ほど触れますが、たくさんあるのですよね、やらなければならぬことが。それを一挙に国会に提出して、一瞬にして成立させた方が政治的な摩擦が少ないという御判断かもしれませんが、国会というのはそういうものではない。やはり軽視だと思いますよ、そんなやり方は。むしろ国民の理解の上にやっていかないといけないわけで、官僚だけの判断であってはならぬはずだ。  ともかく国民の理解なしに実際の政策を進めることは不可能なんですから、そういう意味で、やはりそういう議論もいろいろ深めていかないといけない。これはもうこの十三日間いろいろな議論をしてきたのですが、政府側がずっとそういう態度なものですから深まらないという御批判も、実は社説等では取り上げられておるわけですよね。  そういう意味で、いろいろ私は、有事立法とは言いませんが、当然経済制裁が決まったら緊急立法が必要だと思いますよ、幾つか。その点はどうですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 今、中川委員御指摘の点につきましては、まさに国連の安保理においてどのような措置をとるか、今後議論をされていく段階でございますので、その措置の内容によって我が方の対応も変わってこようと思いますし、立法措置の必要、不必要という点も、その段階で判断をしなければならないと思っております。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 いや、それはもう当然ですが、大体それは、柳井さんも行かれて、それからまた総理は、仮に国連決議がなくても、日米韓でいろいろな憲法の枠内でこれは努力をしなければならないことが出てくるという御答弁もされておるわけだ。というと、あらゆる事態を想定して、皆様方も石原副長官のところで情報連絡会なんかやっておられるわけですね。そうなると、当然緊急立法が、もしやるということになれば出てくる。それは、急に国会に出して、はい、すぐ一瞬に通してください、そんなわけにいきませんよ。だからやはり議論も深めておく必要がある、こう申し上げておるわけです。  例えば、もう時間がありませんから要点だけ伺いますが、いろいろなそういう緊急立法が全く必要ないという御判断ですか、必要だという御判断ですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 重ねての答弁になって恐縮でございますが、まさに国連の決定の内容いかんによると考えております。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 例えば経済制裁に伴って米軍艦船に対する燃料補給の要請が来た場合、これはもう海上阻止活動が決まった場合ですね。これは国連の決議があるなしにかかわらず、そういうのが来た場合にはどうされるんですか。今の現行法で、自衛隊法や物品管理法でそういうものは認められないでしょう。日米共同作戦のときだけでしょう。また、他の国の艦艇は認められませんね、燃料補給は。どうするんですか。法律改正が必要なんじゃないですか。

村田直昭防衛庁防衛局長

○村田(直)政府委員 お答えいたします。  先般も、先ほど柿澤外務大臣から御答弁がありましたように、そのような事態が具体的に生じたときに、それから検討するということでございますけれども、先生お尋ねの現在はどういう状況かということにつきましては、現在で自衛隊が米軍等に給油をするということにつきましては、共同訓練の際に、一定の条件のもとで物品管理法二十九条の例外措置として行えるという措置がある。そのほか、一時的に航空基地等に燃料不足でおりました航空機等に対して給油を行うことができるという、特定の条件下においてのみ今行える状況になっておるということでございます。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 ですから、当然そういう事態になれば法改正が必要になってくるわけですね、これは。  ちょっと論点を変えますが、例えば日米安保条約の六条で、極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、米軍が在日米軍基地を使用する、その場合は事前協議ですね。あるいはまた、九州、日本海側の各空港や港湾の使用を申し入れてきた場合、あるいは岸・ハーター往復書簡で定められた在日米軍基地から朝鮮半島への直接な出動、この同意を求める、これはいずれも事前協議ですね。今後このケースの場合に事前協議を求めたときには、政府としてどうお考えなんですか。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 お答え申し上げます。  先生のおっしゃっておられます安保条約の事前協議は、三つのケースについて行われるわけでございますが、先生が今御提起の問題は、日本国から行われる戦闘作戦行動のための基地として、日本国内の施設及び区域の使用が問題になった場合の事前協議のことを指しておられると思います。  先生の御質問は、そういう一般論といたしまして、この問題について日本政府に米国政府が事前協議を申し入れてきた場合の日本政府の対応の基準、諾否の基準についての御質問かと思いますが、従来から御説明いたしておりますのは、その諾否を与えるときの日本政府の基準、考え方は、まず日本の安全を考え、かつアメリカの行動が極東の平和と安全にいかにかかわる行動になっているか、それからそのときの全体の国際情勢、その他そのときの事態に応じて諾否の基準を考えるということが、その一般的な基準であるということを従来から御説明申し上げてきているところでございます。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 一般論として、そういう基準で判断することがあり得るということですね。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 お答え申し上げます。  ただいま申し上げましたその基準に照らして、米軍の直接戦闘作戦行動の基地として施設、区域を認めることが安保条約の目的上もかなうという判断に立ち至れば、イエスもある。当然事前協議制度でございますから、イエスもノーもあるというのが一般論としてのお答えになろうかと思います。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 先日この場で政府側から、我が党の中山太郎委員の御質問に答えられて、日米相互物品役務融通協定、締結を前提に検討中である、こういうことですが、当然そういうことも、事態が進展すれば、ないとは言い切れないわけですが、それはやはり国内法の改正もしなければいけないんじゃないですか、もしそういうことを結ぶということになりますと。

村田直昭防衛庁防衛局長

○村田(直)政府委員 お答えします。  物品役務融通協定、いわゆるACSAでございますけれども、これにつきましては、現在防衛庁においてその仕組みあるいは法的な側面というようなことについて検討をしております。  これは昭和六十三年の第十八回の日米安保事務レベル協議において、米側から訓練を円滑に行うためにやろうじゃないかということで提案がありまして、今言ったように検討しておるところでございますが、当然法的側面を検討しているということは、幾つかの法律についての例外措置というか、そういうようなことを考える必要があるというふうに検討しております。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 いろいろとそういう事態も予想されるので、総理、いろいろそういう議論もどこかでしておかなければいけないんだということを私は冒頭申し上げたわけですね。いろいろそういう事態も起こってくる。法改正やそういうケースが幾つでもある。だから、やっぱり一般論としていろいろな議論はしなきゃいけない。それを恐れていたら間に合わないですよ、国会でいろいろな議論を始めたって。そういう意味で私はお尋ねをいたしておるわけですよ。  経済制裁についてもいろいろとございます。  まず第一に、いろいろ議論をされていますけれども、例えば人の行き来、これの交流を制限する、こういう場合。まあ船舶、航空機の乗り入れ禁止等は運輸大臣の許可権限で対応できますね。それから一時帰国者の再入国不許可も、許可しないということも法務大臣の告示でできる。そういうことになっていますが、ただ、北朝鮮への一時帰国者の再入国許可を与えないということができるかどうか。これは法的には可能だと思いますが、憲法の居住、移転の自由の二十二条に反しないかという問題も出てこようかと思います。  後ほど触れますが、送金停止といったような問題になりますと、渡航者が現金を持ち出す携帯送金という問題がどうしても出てまいります。これは大蔵省のサイドでは防げませんね。となると、この問題は再入国許可を与えるか与えないかという問題とやはり絡んでくる。それは、そういう二十二条に触れないかどうか。どうですか。

中井洽改新法務大臣

○中井国務大臣 お答えいたします。  国連安保理で何らかの措置が決定される場合には、憲法の範囲内で責任ある対応がとれるよう事務当局に検討方を指示しているところでありまして、お話のありました十四条あるいは二十二条、これらのことも頭に置いて検討をいたさせております。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 それ以上はどうやっても答弁できないということですな。  大蔵大臣、その送金停止の問題ですが、やはり大蔵省への外国為替の関係の申請を必要とするような、そういう手続をとって、大蔵大臣が告示をして、そして大蔵省が申請をとめる、こういう形になっていくと思うのですが、北朝鮮が日本の銀行に保有する資産の引き出しも、そういう検討対象に考えていらっしゃいますか。

加藤隆俊大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 お答え申し上げます。  現在、安保理を中心に対応を検討されておりますので、現在の問題について予断をもってお答えをすることは差し控えさせていただきたいと思います。  従来の例でということでお答え申し上げますと、日本にあります非居住者の預金の預け入れなり払い出しにつきましては、国連の制裁決議の内容に沿って、外為法によって対応措置をとってきたところでございます。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 一般論としてそれじゃ伺いますが、いわゆる一般論でこういうケースが出てきた場合に、必ず第三国からの送金ということもあり得るのですよね。そうすると、例えば国連決議、一般論ですよ、国連決議の制裁ならば、その第三国に対して協力をお願いするということも必要になってこようと思います。また、そうでない場合は、なかなか蛇口は締まらない、こういうふうに規制不能になってくるんではないかと思いますが、一般論としてどうですか。

加藤隆俊大蔵省国際金融局長

○加藤(隆)政府委員 一般論としてお答え申し上げますが、国連の安保理の決議が採択されました場合には、その加盟国及び地域に当該決議の誠実な履行を義務づけるものであります。したがいまして、仮にこの安保理の制裁決議において送金規制が入りました場合には、それぞれの国連加盟国及び地域が、自国の法制に応じて措置をとるということでございます。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 これも一般論ですが、物の部分、貿易の部分ですが、これは輸出、輸入貿易管理令でそこを改正して対象品目を指定するというような手続も必要になってこようと思いますね。しかし、これもそういう法手続が必要だろうと思いますし、また第三国を経由するそうしたものに規制の網をかけることは、これは私は難しいと思います。また医薬品等は、人道上の配慮というものがあろうと思います。一般論として、その辺はどんなふうに考えておりますか。

畑英次郎改新通商産業大臣

○畑国務大臣 ただいま委員御指摘のとおり、外為法に基づきます輸出入規制あるいはまた役務取引の規制等々、きちっと対応ができる法的整備がなされておりますことも御案内のとおりでございますが、第三国云々等々になりますと、いささか難しい問題点が存在する、かように承知をいたしておるところでございます。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 それでは、海上封鎖ではなくて海上阻止活動、阻止行動、戦争でない平時に国連加盟国の海軍が安保理の要請に基づいて実施するもの、これは、海上封鎖とは異なって目的・任務として武力行使は含まれていないが、相手国が武力で対抗するなど特定の状況になった場合はそれに見合った措置の行使が許される、こういうふうにされております。  我が国の憲法との関係で、この問題についてはいかがですか。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 今先生、海上阻止活動というお言葉を使われ、確かにそういう言葉は新聞、テレビでも使われておりますし、私たちも使うことがございますけれども、実は最近、いわゆる海上阻止活動というものが国連の安保理決議の中に出てきましたのは、最近私たち承知する限り三つ例がございまして、一つはイラクのクウェート侵略のときでございます。それから二つ目は旧ユーゴの事態との関連、それから三つ目はハイチにおきます事態との関連でそういう決議が、つまり……(中川(秀)委員「説明はいいです」と呼ぶ)はい。そのときに安保理が出した決議は、まず貿易の制限、禁止ということが前提でございまして、それを実効あらしめるために各国に船舶を出して、基本的には相手は商船だと思いますが、商船の積み荷と目的地を検査、確認する行動であるということでございます。  したがいまして、基本的に相手は商船でございますので、商船が大砲を搭載して航行するということは考えられませんので、基本的に、活動の核心のところが、実力の行使が絡む問題が出てくるとは想定しにくいわけでございますが、しかし日本はこの三つの活動に参加したこともございませんので、今各国にいろいろ当たって調べておりますので、今この段階で憲法上の問題がどうかという点は、にわかにお答えできないということはぜひ御了解いただきたいというふうに思います。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 やはり立法府ですから、いろいろな問題点を指摘しておかなければならぬ、そういう意味からもお尋ねをいたしておるわけです。だから、ぎりぎりとそこを何とか言えなんという言い方はいたしませんが、いずれにしても、そういっても商船であったって、先ほど言った特定の状況にならぬということは言い切れませんね。武力をもってそれに対して抵抗するという場合だってないとは言い切れない。指示に従わない場合のことはどうするのか、特定の状況の場合はどうするのか。  例えば、米軍が海上阻止行動をする、その場合に自衛隊も参加をしようということになれば、当然自衛隊の任務を定めた三条か、あるいは百条の改正は必要になってこようと思いますし、あるいはまた、仮に海上阻止活動というものが実施された場合、あるいは海上封鎖が実施された場合、海上保安庁がまず対応するんでしょうが、自衛隊については、八十二条において海上警備行動、これは防衛庁長官が首相の承認を得なければならぬとされていますが、そういうことになっていくのではないかと書かれております。またいろいろ報道もなされて推測が行われていますが、その場合、日本の領海内の巡視などは行えるのでしょうが、それ以上の行動は、これはやはり集団自衛権から見て無理ではないかと思いますが、これは一般論ですが、どうですか。

村田直昭防衛庁防衛局長

○村田(直)政府委員 非常に技術的なお話でございますので私の方からお答えさせていただきますが、先生お尋ねのまず海上阻止行動、先ほど条約局長の方から御答弁がありましたけれども、まずその内容について、きちっとした概念規定が行われていないということでございまして、それについて、現在これが、憲法上禁じられている武力の行使というようなものと関係はどうなのだということについては、具体的にお答えすることが非常に難しいと。  それで一般的に、先生今言われました自衛隊法の八十二条に規定する海上における警備行動でございますが、この目的は、海上における人命、財産の保護または治安の維持というようなことに基づいて、事態が海上保安庁のみにおいては対応できないという場合に海上自衛隊が行動するということでございまして、このことと、それからいわゆる経済制裁の実効性を確保するというようなこととの関係については、なおこれは研究を要する余地があって、今一概にこれで可能であるとか、これでは難しいとかというようなことを断定するのは難しいと。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 領海外はどうですか。

村田直昭防衛庁防衛局長

○村田(直)政府委員 これは基本的には、まずは一義的には海上保安庁の方で対応していただくことだと思います。  海上自衛隊について言えば、それは海上保安庁の支援後拠として行うわけでございますから、海上保安庁がそのことについて、仮にできるとするとすればできるし、できないという範囲では、警備行動としては自衛隊としてもその権限を行使できない、こういうことになろうかと思います。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 領海外はできないということですね。

村田直昭防衛庁防衛局長

○村田(直)政府委員 そこのところについては、具体的にまだ今お答えするような、要するに海上保安庁が領海あるいは公海ということでどのような権限を行使できるかということによることになろうというふうに考えております。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 ちょっとその辺も、ともかく法律もきちんとあるわけですから、それとの関係できちんと検討しないと、今みたいなあいまいなことを言って、事態がこうなりましたというわけにはいきませんよ。きちんと自衛隊の任務あるいは八十二条の手続、この辺はしっかり押さえておかないと、例えば海上封鎖という事態になった場合に、米軍が北朝鮮付近の海上で、米側にアメリカの船の後方支援活動をしてくれ、こう言われたときに、領海外の支援になりますね。これはどうなるのですか、このケースは。  ついでに伺いますが、それとかあるいは偵察活動をしてほしいという、例えば北朝鮮上空を偵察活動をしてほしい、あるいは日本のイージス艦によって米艦船の護衛をしてくれ、こんなことを言われた場合はどうされるのですか。

村田直昭防衛庁防衛局長

○村田(直)政府委員 お答えいたします。  先生のお尋ねは、非常に個々具体的なケースを挙げられて、この場合はどうだ、こういうことでございますが、それぞれのケースについて、その具体的な個々の条件によって、現行の自衛隊法上できることもあればできないこともございます。それを、個々の条件をきちっと与えられない限り、この場合はできる、その場合はできないというようなことをなかなか言いにくいわけでございまして、現行自衛隊法の権限において、私どもはできることは積極的にしなければならないし、それが現行自衛隊法でできないというようなときには、それはできないときにどうするかという問題は次の問題でございまして、それについては現時点ではなお私どもとしては勉強をしておるという状況でございます。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 総理に伺いますが、今のいろいろなやりとりでもおわかりのとおり、たくさんのいろいろな問題がございます。  総理は、普遍的安全保障という連立与党の合意について、軍事的措置は含まれない、こういうふうにお答えになられました。しかし、どこまでを軍事的措置とするか、あるいは憲法の範囲内の内容か。つまり軍事的措置と軍事的協力との境目の問題等々、実はまだ詰め切れていない議論がたくさんあるわけですね。今、検討するとかいろいろなそういう御答弁があって、いずれも一般論でも非常にあいまいな答弁で、まだきちっと整理整とんされているということは言えないと思います。  冒頭申しましたが、しかしこれだけのことは、やはり国民の理解なしにそういう政策は進められません。ですから、当然内部で検討をいろいろされているわけですから、それについて詰まったところからやはり国会の議論に付していかないと、私は何もできないだろうと思います。  そういう意味で、私はこれは委員長にもお願いですけれども、いろいろ検討された内容について、もちろんいろいろな配慮も必要なことはよくわかります、わかってお尋ねしておるわけですが、しかし、ここはこうだ、ここは法改正が必要だ、ここは必要ない、ここはこういうふうな関係であると、やはり整理したものをきちっとお示しいただかないと、立法府としては、これは本当に困るのじゃないか、こう私は思います。  そういう点で、総理に、この政府全体を掌握されながら御努力をいただきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 先ほど集団的自衛権の問題について軍事的なというお話があったわけでありますけれども、私が申し上げた趣旨は、いわゆる武力を用いるという部分のことを申し上げたことをまず申し上げておきたいと思います。  それから、もう一点は、今お話のやりとりを私もお聞きしております。確かに、判断等についての非常に難しいところがあることは私もよく承知しておりますし、また、そういった有事のときに対応するということについても、やはり国民の理解を得るということは非常に重要なことであります。これも、私も承知しております。先ほどの論説、そして中川委員からのお考えというのは、私はその意味で一つの考え方であろうというふうに思います。  ただ問題は、御案内のとおり、非常にこれは微妙な問題を含んでおるということ。要するに、話し合いで対応しようと言いながら、いや、彼らはいろいろな問題についてもう具体的にやっているじゃないかということのメッセージというのが、残念ですけれども、本当の話し合いによって進めているものを阻害してしまうとなったら、国際社会も相当懸念しながら対応しておるときに、この公の場で議論してしまうということになると、これはなかなか難しいなという思いが率直にあることはぜひとも御理解をいただきたいというふうに存じます。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 議論をいたそうとは思いませんが、安保理で経済制裁が決まる。その場合に、いきなり日本政府としても実施するということよりも、あらかじめどういうものが日本は可能であり、どういうものを考えているか、むしろそういうメッセージを少しずつ送りながら、段階的にそういうふうなメッセージを送っていく方が、かえって北朝鮮に理解を、日本も心配しているのだな、こういうメッセージになり、あるいはかえって北朝鮮にIAEAに協力していただくということにもなる。私は、今総理の御答弁の中に、そういう御判断は必要なのじゃないかと思うのですよ。  そういう意味で、ただ平和解決で対話だけする、だから一切今はそういうことはもう言えないのだというだけで、いきなり決まって実施といったって国民もついていけない、また外交上のそういうものにもならない。ここはちょっと僕は違うのじゃないかと思いますが、いかがですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 もうお気持ちは私もよくわかるところであります。  ただ、例えばこの間のIAEAの査察の後についても、国連あたりも非常に慎重に実は事を運んでおるということ、これはぜひ御理解をいただきたいと思う。しかし一方で、そういったことが、やはり国際社会がきちんと、あなたが門戸を開かないと、いろいろなことを準備しているのだよというメッセージを送ることも大事じゃないのかということ、これは私は、よく中川委員の御指摘は理解するところであります。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 委員長、いずれにしても、私は、そういう総理の二度にわたる御答弁、恐縮でしたが、理解した上で、やはり国民の理解も得なければならぬわけですから、整理をするところは整理をして国会に御報告をいただく、こういうことが必要だと思いますので、その点はひとつ委員会でもお願いをしたい、こう思います。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 承りました。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 その整理の際にちょっとお願いをしておきますが、外務大臣が、TMD、いわゆる新しいミサイルの日米共同開発について安保のかかわり等も含め検討中である、アメリカの提案に対して、という御答弁を先日なさいましたね。これだって、やはり集団自衛権との関係がありますよ。また、憲法とも関係があります。この点もきちんとやはりお答えをいただかないと、報道ばかりなされて、準備ばかり進んでも、ちょっと待ったということになるかもしれないし、やはりその辺も整理がついたところで報告していただかないといけない、このように思います。  また、万一、万々が一の場合の在留邦人の問題はどうするか、こういうことだって当然いろいろ真剣に考えておかなければいけない。この辺もやはり心の準備だけというわけにはいかない。法的な準備だって必要になってくるかもしれない。そういうような問題もやはり真剣に考えて整理をしていただきたい、これを特にお願いを申し上げておきます。  もう一つ、一般論なんですが、外務省にちょっとお伺いをしますけれども、外務省の方は、憲法九条による「国権の発動」という中に国連決議は入っていると思われますか、入ってないと思いますか。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 申しわけありません。先生の御質問の趣旨、仲間とも打ち合わせてみたのですけれども、ちょっとわかりかねますので、もう一度ちょっと。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 憲法の九条にございます「国権の発動」、国権の発動による戦争は放棄するというこの「国権の発動」、この「国権の発動」の中に国連決議によるものは含まれていると考えますか、含まれてないと考えますか。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 基本的には、先生、これは法制局が憲法の解釈をしておられるので法制局の方にお聞きいただきたいと思いますけれども、この憲法九条は、「国権の発動たる戦争」というものを「永久にこれを放棄する。」というふうに書いてございますので国連の決議がこの国権の発動たる戦争というものを伴うような形でしか日本が参加できないものであるとすれば、それは日本の憲法九条上、日本としてはそういうものに参加はできない、こういうことであろうと思います。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 法制局長官、今の外務省の御答弁でいいですか。

大出峻郎内閣法制局長官

○大出政府委員 憲法九条のただいま御指摘の「国権の発動」といいますのは、「国権の発動たる戦争」というような言い方をいたしておるわけでありますが、これは要するに、別な言い方をすれば、我が国の行為による戦争、そういうものを放棄する、こういう趣旨のものであろうかと思います。  今の国連決議との関係ということについては、どういう場合を想定されて御指摘になられているのか、ちょっと私もよく理解できないところがありますので、はっきりいたしません。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 どなたがとは申しませんが、外務省の中にもいろんな議論があって、憲法九条の「国権の発動」は日本政府の意思によるものであるから、国連の決議、国連の意思によるもの、それに従っていく場合は、国連の決議に従っていく場合は国権の発動に当たらない、こういう意見を持っている人もいるんですよ。その場合は武力行使もよいという考え方をする人がいらっしゃるんです。まあどのくらいいらっしゃるかということはあえて言いませんが、決して少なからずいらっしゃると、僕はそう認識しております。その点についてどうかというふうにお伺いをしたわけです。

大出峻郎内閣法制局長官

○大出政府委員 要するに、憲法第九条は、我が国が戦争を放棄する、あるいは原則的に我が国を防衛するための必要最小限度の自衛権を行使するということ以外のいわゆる武力行使、武力による威嚇というものを我が国は放棄する、我が国の行為によってそうすることを放棄するということであります。  ただいまのお話につきまして、国連決議との関連について、いろんな場合があるいはあり得るのかどうかちょっとわかりませんけれども、原則的に申し上げますれば、要するに国連の決議に従って我が国がこれらの行為をするということであれば、我が国の行為でございますから、それはやはり九条によって放棄をしているというふうに理解すべきものと思います。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 結構でございます。  最後に、外交、安全保障の関係でお伺いしますが、総理、総理も先日来も議論されていますが、国際司法裁判所に十日に提出する予定の核兵器の使用に関する我が国の陳述書、これについては与党内でもいろいろ議論があって、外務省は核兵器の使用が実定国際法上国際法に違反するという判断が成立するに至っていない、純粋法解釈で違法とはいえないという答弁をしようとしたことに対して、実定法上はそうなんだろうけれども、一般の人からすれば認めているような印象はある、何かわかりやすいあれをしなければいけないんだろうな、こうお答えになったと報道にございます。練り直すということで理解してよろしいでしょうか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 今いろんな御意見をちょうだいしながら、私どもといたしましても積極的に今議論を詰めておるところであるということを申し上げさせていただきたいと思います。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 これは非常に重要な問題ですね。非核三原則との関係もございます。それから、唯一の被爆国という広島、長崎の被爆者、核廃絶を求める日本国民の感情、これをむしろ逆なでするような陳述書であってはならぬ、このように思います。  それから、実定法上、実定法で明記されていないから違反でないというのは、やはり国際法というものが時代の変化に、要請に応じて徐々にこうやって整備をされていくということを考えれば、そういうふうに断定してしまうという印象を与えるのはよろしくない、こういうふうにも思いますし、また、やはり核兵器が大量殺りく兵器であることはもう間違いのない事実であって、ジュネーブにおいて日本も一九七〇年に署名した毒ガス等の禁止に関する議定書だって、我が国は毒ガス、細菌兵器の大量殺りく兵器、これを禁止しているものに対して署名しておるわけですね。同じような考え方であらねばならぬ、このように思います。  そういう意味で非常に重要な問題ですから、これはどういう陳述書を出したかお答えをいただかなければ、十日過ぎたらいけない。これはもう、これだけ問題になっておるわけですから、国民だって心配しておるわけですから、当然それは国会に報告がありましょうね。  政府、いかがですか。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 お答え申し上げます。  私たちの承知をしておりますところ、各国がICJ、国際司法裁判所に各国の陳述書を提出した場合に、ICJがある時期にそれを取りまとめて公表すると承知いたしております。その時点で私たちも公表できることになるわけでございますので、国会にも御提出申し上げたいというふうに考えております。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 既に連立与党の政策幹事会には御説明になった。そこでまた話題になったようですから、当然それは与党だけでなくて国会全体に対してどういうふうにするんだということは説明していただかなければ、これだけの重要な問題ですよ。私は、そこはきちんとしていただかなきゃ困る、このように思います。そこはきちんとお願いいたしておきます。  続いて、景気、経済対策について少しお伺いします。  日本経済は「一部に明るい動きがみられるものの、総じて低迷」という五月の経済報告から、今月の経済報告は、「総じて低迷が続いているものの、一部に明るい動きがみられる。」と。まあ言ってみれば文章の前半と後半を入れかえたわけであります。なかなか経済報告というのは難しいんぐ減速しつつあるが拡大過程にあるとか、まことに非常に難しいところも、国民にはわかりにくいところも、それこそ普通の言葉にしていただきたいというところもあるわけですが、いずれにしても、どこで谷が、底が来るか、このことが一番問題になってきているところだと思います。底入れ再宣言がいっかと。  昨年経企庁は底入れ宣言をして失敗をいたしました。したがって、あつものに懲りてなますを吹いて非常に慎重になっているところもわかりますが、私は、積極的に評価する指標は評価をしながら、実態をなるべく正確にわかりやすく伝えていただきたい、こう思うんですが、ただ、経企庁が非常に慎重になるということもわからなくない。つまり、景気の楽観説に私はやっぱり異議が幾つかあります。  ともかく、循環的な要因とデフレ圧力が消費というパイを上下からこう引っ張っているような状況ですし、それからまた個人消費がそれじゃ景気をリードできるかという問題も、既にもう消費者のところには物があふれていますし、また、価格下落で利幅が減った分、量をさばこうとするから価格がますます下がるわけですね。価格が下がれば際限がなくまだ下がるんじゃないかということになって、みんなで、メーカーも小売も自分で自分の首を絞めるようなところもございますし、それから数は売れてももうからないということもございます。だから個人消費の自律的な拡大というのはなかなか難しい条件も出てくるのではないかと思います。  それから、よく輸出輸出と言いますが、円高対策が進んで輸出する物がだんだんなくなってくることだってあり得るわけです。それから、内需を食う逆輸入というのもどんどん拡大してまいりますね。これは内需を食いますね。まあそういうこともございますし、それから設備投資も、もうよほどの技術革新がなければ、この三年連続ダウンというものをはね返してかつてのような伸びを期すことはなかなか難しいのではないか、そういうこともございます。  それから、公共投資が景気に行くかということも、やっぱり非常に柔軟性に欠けた予算配分でもありますし、もう乗数効果も非常に低くなってきていることは政府もお認めになっておるところで、ここもどうなのかなということもございます。  簡単に言えば、もういろいろな、これは羽田総理も言っておられるわけですけれども、ともかく規制緩和、競争政策をどんどん進めて産業のリストラを進める。あるいはまた、人材流動化を妨げるような制度も廃止をして労働力も再配分する。そしてそういう競争政策の強化を通じて内外価格差を解消する。情報化投資、住宅投資、社会資本整備を柱に内需を拡大する。それから、公共料金の引き上げを中身を吟味して、吟味に吟味をして抑制をしていく。そして政府部門の役割を見直す。私は、そういうような構造的なことをきちんとしなければいけない。ただ、それには時間がかかりますね。ですから、当然当面のこととして、この底入れ、再底入れ宣言が出るような努力をしなければいけない。  我が党は、我が自由民主党は、そういう意味で景気対策が不十分だと。したがって、一般公共事業についての一〇%の積み増し、後ほどまた組み替え動議で詳しく提出をさせていただきますけれども、また、施設についても同様、中小企業対策費については中小公庫等に対する出資の追加、また既往の中小企業に対する貸し付けについては一%金利を減免しろといったような、そういう増額を要求をいたす方針であります。また、私学助成についてもやはり納得できないということで修正を求めます。ゴールドプランについても六年度予算編成の際に議論された必要額の積み増しをお願いします。合計約一兆九千数百億の追加を要求する方針であります。  こういうことについて、総理はどのように御対処になりますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 景気そのものについても細かく申し上げることは差し控えますけれども、いずれにしましても、累次にわたります補正予算等景気対策、こういったものが今効果を上げながら一つの明るい兆しというものが見えてきているんだろうというふうに考えております。  そして今現在は、私ども、まさにきょう、いろいろと最後の総括をやっていただいておるということでございますので、私どもはこれを通していただいて、直ちにこれを着実に実施することが大事なことであろうというふうに考えております。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 ひとつ我が党のこの修正要求、組み替え動議も真剣に御検討いただきたい、このように思います。  私、いろんな多くの国民の皆さんと話しているとこういう議論があるのですよ、大蔵大臣。  貸出金利が今住宅金融公庫でも大体五%超えておりますよ。(藤井国務大臣「公庫、基礎金利は四・〇五%です」と呼ぶ)だけれども、一般のものは五%を超えましたよ。大体普通の市中でも庶民が借りる金利、あるいは中小企業でもみんな五%超えておりますよ。定期預金は総じて何%ですか、定期預金の利率は、一年物で。大体一・六五%ですよ、銀行で出ているのは。  これがなぜこういうことになるのか。それは金融機関のやっぱり膨大な不良資産、この償却、これも必要でしょう。わかりますよ。でも、こういうことをやっても長ければ三十年超すという銀行もあるんです、調べてみると。大体平均で七年。まあもう大分時間がたっていますから、あと六年ぐらいかかるんじゃないか、こう言われている。こんな状態が続いていって、果たして本当に庶民に高齢化への備えができますか。  私はやっぱり金融機関の自己責任というのもあると思う。リストラや合併や統合も当然やるべきだと思う。もう日本も成熟社会です。やっぱりそういう組織は大いに自由競争で、競争でやっていただく、そして私どもは、そういう行政機構とか企業とか、あるいは団体とか、そういうものを守るという以上に個人個人の日本人を守っていく、こういう理念が必要ですよ。  そういう意味で、なぜこんなことなんだと。物価だって一・五、ことし政府見通しは上がると言っている。しかし、公共料金がもっと上がれば民間金融機関じゃ〇・三五、今予定されておるものだけでも上乗せされるという調査だってあるんですから、経企庁だって知っていると思いますが。合わせたって、それは一・五どころか丁八にも二にもなるかもしれない。金利は一・六五ですか。  私は、こういうことについても真剣に大蔵省は考えなければいけない。これは行政指導でやっているんだ、いわば談合なのかと、こういう議論になってくるかもしれませんよ。私は、そういう意味でこの点も指摘をしておきたいと思う。何か御答弁ありますか。     〔委員長退席、後藤委員長代理着席〕

藤井裕久改革大蔵大臣

○藤井国務大臣 まず私は、金利低下は今まで公定歩合でいうと六%が一・七五ですから、まあ四二五落ちているわけですね。それに比べて民間の市中金利というのは着実に落ちたと思っています。それが一つです。  それから、金利低下局面においては今中川委員が指摘されたような側面があることは否定できないと思います。金利上昇局面は逆に作用します。  それから、もう一つ申し上げたいのは、今おっしゃったのは利ざやの話だと思います。利ざやは平成五年度の金融機関の決算において着実に減少しております。これは、今おっしゃった事態が、要するに本当の中小企業の方々の金利に波及してきた結果だと思っております。  不良資産の問題は、もう御承知のとおり、平成五年度末で見ますと、秋よりは減ってきておりますし、また債権償却の特別勘定もふえてきておりまして、これも着実に端緒をつかんでいるというふうに考えています。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 具体的な数字の議論までする時間がありませんが、純粋な国民感情としてそういう声がかなり上がってきている。それも、低下局面とおっしゃいますが、かなりの時間がたっているのですよ、この状態が。(藤井国務大臣「それはもう利ざやが減っている」と呼ぶ)いやいや、減ったって、その減り方の程度の問題ですよ。国民感情からすれば、そういう声がかなりもう充満してきているということを十分考えて、そこはやはり大蔵省は行政をしていかなければ、これは問題になってまいりますよ。その点はよく指摘をいたしておきます。  それから、公共料金の問題について先日、三日の当委員会の公聴会で紺谷公述人がこういうことを言われました。年内凍結、最初聞いて、ええ、よかったと国民は思ったでしょう。しかし、ほとんどのものは秋に予定されているものだから、たった二カ月、えっ、ばかにしているわ、こういうふうに受けとめたのではないかと。これは公述人の公述です。  政府は国民を過小評価しているのではないか、国民は目先の利益だけ見ているからそういうような扱いをしておけばいいのだ、こう見ているのではないか、こういう御指摘で、ともかく一律凍結なんということはあり得ない。凍結を一律できるなら、いかに安易な値上げ申請だったかということになる。そういう意味で、もっと長い目で見て、必要なものについては国民も説得する、しかし必要のないものは大いに合理化努力をさせる、こういう説明をしないと、国民はそんな細かいことを言ったってわからないよでは余りに国民を過小評価している。大体御趣旨はそういうことでした。  私は胸にグサリとくるものがありましたよ。それはやはり、年内凍結と言ったって、元旦になつて一斉に上がるのでは変なお年玉だ、そんなことになって何が評価されましょうか。そういう意味で、公共料金の問題についても、本当にそうした中身の議論をきちっとして、そして競争政策も生かしながら、また、公共料金に対する情報も徹底的に公開しながらやっていくということが必要じゃないかと思うのです。  これは私個人の意見ですが、農林大臣、いずれウルグアイ・ラウンドで部分自由化がふえてまいりましたら差益が出ますね、為替差益が。ことしの場合は、あれだけ共済に膨大な穴があいた、それを埋め合わせた。私は理解をいたしております。  でも、将来例えば、試算によれば二〇〇〇年には二千二百億の差益が生まれる。こういうものもやはりきちんと説明をして、さあ消費者米価にどの程度はね返らせていくのかということも、やはりわかりやすく説明しないと、なかなか消費者の理解は得られないのではないか。農業対策も必要なことはわかります。だが、それに全部使って、後説明もしない、そんなことでは許されないことなのではないかと思いますが、いかがですか。

加藤六月改新農林水産大臣

○加藤国務大臣 ミニマムアクセス受諾に伴う輸入米の扱い、そしてまたその差額その他、あるいはマークアップ等々につきましては、今各界各方面の御意見、特に農政審を中心に御意見を承っておるところでございますが、今中川委員がおっしゃったような趣旨等もいろいろ考慮に入れながら検討していきたいと思います。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 よろしくお願いします。  それで、総理、政治改革とも多少絡むのですが、今の国民の政治不信というのは政策不信なのじゃないか。単に、いろいろな金権腐敗とかそんなことだけではなくて、政策不信なのではないか。私はそういうことも一部あると思うのです。消費税の問題にしてもあるいはこういう公共料金の問題にしても、やはり国民に徹底的な説明をし、そしてそれについて国民の意見を問いただす、こういう作業をやはりしなければ、なかなかこの政策不信というのは解消できない。  そのために私は幾つか提案があるのですが、一九七八年、当予算委員会で当時の真田法制局長官が、個別的な事案について国民の全体の意思をあるいは総意を国会がいろいろな審議の参考にするために国民投票に付するという制度は、直ちに憲法違反にはならぬ、こう答弁されております。当時福田内閣でしたが、福田首相も、国会のイニシアチブによるところの世論調査、これが有益である場合もあり得ます、こう答えておられるわけですね。  ついでにちょっと申し上げますと、英国では六七年に緑書、グリーンペーパーという制度が登場しております。これは、白書とちょっと違いまして、既に決定された施策について記した白書ではなくて、むしろ国民に討議を求めて全国民に提出される提案に関する政府の記述文書なんです。つまり、まだ決める前の途中経過の記述文書なんですね。こういう制度をやっているのであります。  私は、先ほど真田長官の時代にそういう答弁のあった国民投票とかあるいはこういう英国のグリーンペーパーとか、議会の間接民主制を飛び越える直接民主制、こういう批判もありましょうけれども、しかし、そういう議会の審議を補完する、政策の間接民主制とでもいいましょうか、そういうものも、例えば本当に二大政党になってツーパッケージの政策しかないかといえば、必ずしもそうでないと思うのです。この部分はいいけれどもこっちはこっちがいい、アメリカがクロスボーティングなんてなっていくように、これだけ成熟した社会になっていけば、当然そういうことも起こり得るわけですね。  だから、この点に関しては私は党議拘束を外すことに賛成だと思っていますが、それ以外に、制度としても、そういう消費税とか年金とか国民生活全体の問題で利害の錯綜するものについては、そしてまた、形成途上の政策については、政策形成上参考とする世論調査でいいと思うのですね。そして、そういうことをやることによってまた官庁なんかも開かれた組織になっていくし、単に国会の想定問答集だけで忙しいのではなくて、やはり開かれた組織になっていく。また、シンクタンクが発展していく。そういう意味で、この緑書制度なんというのは大いに我々は学ぶべきではないか、こう思います。  それから、国民投票は、これは院の問題でもありますけれども、大いにやっていくということも十分検討すべきだと思います。  後段の問題は党首として、政治家としてお伺いすることになるわけですが、前段の問題は、緑書制度の問題は政府としての問題になってきます。国民投票の問題になってくると、これは政党の問題、院の問題になってまいりますが。私は、政策と民意の乖離といいましょうか、そういう閉ざされた社会状況の閉塞状況を打破していくためにこれは重要な考え方じゃないかと思うのですが、これはいかがですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 今お話のございました二点でありますけれども、確かに、英国の緑書的なやり方というもの、これは一つのこれから私ども考えなければならぬ問題だろうと思います。日本の場合にも、白書、このときに、過去のものについて問いながら、報告しながら、これからとり得る措置、とろうとする措置というものも、たしかあれはあわせて出されておると思っております。  ただ問題は、これは一般国民の人が全部見られるかというと、報道なんかの中で紹介されたりなんかするものを見て承知のところでありましょうから、もっと国民に読んでもらうのだという姿勢は私たちも考えていかなければいかぬ問題だろうと思います。  それから、今の、国民の利害にかかわるような問題については、一つの国民投票みたいなというお話があったわけでありますけれども、こういった問題につきまして、私ども、やはり公聴会の制なんというのがあるわけでありまして、公聴会についての形骸化なんということが指摘されていることも私も承知しておるわけでありますし、また、審議会についての形骸化もありまして、私もちょっとこの間物を申したことがありましたけれども、いずれにしましても、そういったものはもっと活用していくということが大事じゃないか。  政治改革のときに論議したときに、まさに今お話があったとおり、腐敗問題とかそういった問題についても改革しなきゃいかぬけれども、もっと国会の論戦の中から日本の行く先とかそういったものが見えてくるような議論ができるようにしていかなければいけないんだということで、国会における公聴会ですとかあるいは参考人なんかの意見聴取なんというものをもっと活用すべきだなんということを、どこどこ党の推薦とかそういうことと関係なく、いろいろなそういった問題に対して関心を持つ方の意見を聞くということは、私は大事だろうというふうに思っております。  ただ、国民のあれになりますと、これはなかなか利害が、といいますと、公共料金を上げるのはどうだと言ったら、だれも反対となかなか。成熟した日本だからもう大丈夫だろうという御指摘、それが前提でありますけれども、私は、税についてどうだといったら、やはりそれは上げないでくれよというのが圧倒的に出てきてしまったときに、対応がどうなるのかなということであろうと思っておりまして、まだ今国民投票に付するということは、私は時期尚早かなと思います。  ただ、今マルチメディア等が論議されておりますけれども、このメディアなんかがもっと高いあれになって、さあ一遍に国民に問うなんということがあったときにどうするのかなんということは、これから議論していく課題であろうというふうに思っております。

中川秀直自由民主党・自由国民会議

○中川(秀)委員 議論にしようとは思わぬのですが、やはり私は政治家が国民を過小評価してはいかぬと思うのです。また、国民も政治を過小評価したら、政治がなければどうなりますか。どんどんどんどん官僚の皆さんがお進めになっていって、これが必ずしも民意を反映しないことだってある。政治というのは極めて重要だという、自分たちの問題で考えていかなければ政治なんかよくなるわけない。  同じように我々も、国民はこれだけもう賢いんだという判断でいろいろなそういう工夫をしていかないと、我々の政治としての権威もなくなるし、発展もないわけですよ。そういう意味で私は、首相公選もやるべきだということをかねて言っておりますし、それからまた、国民投票も、それから首相公選で選ばれた総理が役所の局長以上はポリティカルポインティーにすべきだ、こういう考え方を持っております。これは役所のOBも含めて任命する、広く民間からも任命する、そういう考え方を持っています。これは、いずれまた改めてゆっくり御議論をさせていただきたいと思います。     〔後藤委員長代理退席、委員長着席〕  時間がもう本当になくなってきてしまったのですが、消費税についてもいろいろお伺いしたいことが山ほどあるんです。もう時間がない。ともかく、直間比率ということは言っていませんとか、大蔵大臣の御答弁を聞いても随分変わってきたなという感じも多少するんですが、いろいろ審議のこともお聞きいただいて、直接税に法人税が入っておる問題とかいろいろな議論がここでもなされました。日本は直接税、決して高くないんだよという議論も行われました。  いろいろな議論がありまして、この機械的試算も税の自然増収が入っておりませんね。それから、消費税の増収、我々は大体一%で二兆三千七百億と計算していたのですが、この計算によると少し下がってきておるのですね、この試算の数字は。その辺の御説明もいただかなければならぬなということやら、あるいはまた、先に増税ありきということではないということなんですが、ともかく、ここに使われている福祉ビジョンということが盛んに使われておるわけですけれども、これについてももうさまざまな議論がなされています。私も全くそうだな、こう思いますよ、福祉ビジョンの積算根拠というのは極めてあいまいですわ。厚生大臣、ちょっとお聞きになりますか。  ともかく、九三年度で十七兆円だった公費負担が一挙に五兆五千億急増するケースを予想しておるわけですよ、これは。一挙に五兆五千億。そうでしょう。  そして、その中身を見ると、例えば高齢者対策の公費負担増は三兆円、これに対して児童対策が四兆円、児童優先の内容であります。これはいいんです。ただし、その具体的な中身というと、ゼロ歳児の三分の一と一、二歳児の三分の二を保育園に収容する、小学生低学年の三分の二が放課後児童クラブを利用する、こんな社会像、家庭像なんですよ。そんなことは今までの日本の社会の、私ども子を持つ親としてイメージしてきたものを全く一新する内容ですわ。こういうことのための増税だったら、もうなおさら反対するという納税者だって出てこないとは限らない。  それから、ともかく大ざっぱな試算であるということはいろいろあるのですね。成長率を五%と計算しておるが、果たしてそうなのか。これは年金制度でも、三十年間で運用利回りが一%違えば掛金は二割違いますよ。そういうこともありますよ。総合的に見ないと。  それから、まあともかく、いろいろ保母さんや老人ホームの寮母さんを増員して、一人で三人のお年寄りをお世話することができるようになれば、それだけ現在介護を負担している三十万人の専業主婦なんかは別の仕事ができるということもあるんですね。それはいいことですよ。しかし、そうなってくると、その三十万人が支払う税金や社会保険料で、さらに十万人程度の福祉事業従事者の給料が払えるかもしれません。そういうことだってあり得ますよ、経済ですから、すべてに関連していくわけですから。そういう計算まで入っているかどうかですよ。私は幾ら読んでもわかりませんでした。  それから、週一、二回のホームヘルパーのサービスを週三、四回にしたいということになれば、一人当たりにかける時間にもよりますけれども、ホームヘルパー二十五万人ぐらい要る。そのようなマンパワーが果たして大丈夫なのかということもある。  私の知っている人がオーストラリアへ行きました。そして、二十五万ぐらいの都市へ行きました。人口の約一%がやはり要介護対象の高齢者なんですよ。だから、二千五百人ね、二十五万人で。そのうち約千人ぐらいは公的な施設なんです。あと千五百人は在宅なんですよ。それに対して何人の体制でやっているかといいますと、大体六十人ぐらいの体制なんです、ホームヘルパーが、二十五万人で。一人が大体二十五軒なんです。毎日一回行くんです、そのかわり。一人が二十五軒持っているんです、ホームヘルパーが、毎日。  ただし、一軒の家へ行くのは二十分なんです。入浴指導と保健指導だけです。炊事、洗濯、掃除はしないんです。炊事、洗濯、掃除のヘルパーはだれがやるか。市民なんですよ。市の給食センターで学童につくる食事と一緒にお年寄りの在宅の千五百人の食事をつくるんです。市民が一人十軒持って、ホットプレートで配達するんです。そういうシステムだってやっている。そして、掃除もボランティア、それもボランティア。あすは我が身、親も世話になった、自分も我が身だとやっているんです。そんな福祉社会を築いていくということの中に初めて国民の理解が得られるので、またそうでなければ、日本の発展もない。  もう時間が参りました。きょうは言いっ放しで終わります。真剣に考えてください。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 これにて中川君の質疑は終了いたしました。  午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時五十八分休憩      ――――◇―――――     午後一時一分開議

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。中西績介君。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員 第一次の連立内閣、社会党は参加をいたしておりまして、第二次羽田内閣には離脱をするといういろいろな出来事がございましたけれども、結果的には少数政権ということになったわけであります。私は、少数政権であればあるほど、率直に申し上げて、多くの国民の皆さんから信頼され、そして野党の皆さんからも信頼される体制がまず問われなくてはならぬと思っています。これが最も重要な選択肢になると思うのでありますけれども、余りにもいろいろ多くの問題があり過ぎたような感じがいたします。  時間がございませんのでそれぞれ一つずつには触れませんけれども、まず私は、一番の問題になりました点についてだけ一、二触れまして、羽田内閣の性格づけをしなくてはならぬのではないか、こう思っております。  そこで、細川前総理が侵略戦争を認め謝罪した、この歴史的事実を直視いたしまして、再び誤りのないようにという国家としての決意をアジアに鮮明にいたしたわけでありますけれども、羽田内閣発足直ちに、国際的にも大きな失望を抱かせるような内容が出てまいりました。それが私は永野発言であったのではないか、こう思います。  そこでお聞きしますけれども、大臣の任命は首相の専権事項であります。首相はどのような基準で大臣を選任いたしたのか。その基準は憲法改悪を目的とするものだと思いたくありませんけれども、具体的にお伺いしたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 確かに、私どもの内閣が発足いたしましたときに、法務大臣の発言によりましていろいろな国に改めて?りい、苦しい思いをさせてしまったこと、本当に私は残念に思っております。  実は、この考え方につきましては、単に細川政権のあれを踏襲しているというだけではなくて、私自身、数年前からこのことを主張し、そしてこの前の選挙のときにも街頭でもどこでも実は訴えてきた問題でございまして、私はやはりあの戦争というものは反省し、そして我々はこれを後世に伝えながら、日本の国が平和の中で今日培ってきたこの思いというもので国際的にも貢献していきたいということが基本であります。  そして、今お話のありました任命権者としてどういう基準でかという話でありますけれども、これは当然適材適所ということでありますと同時に、人格あるいは識見、こういったものを考えながらそれぞれお願いを申し上げたということでございます。  もちろん、大変な能力とか、そういったものについても私ども評価しながらお願いをしたところでありまして、永野さんにつきましても、私は長いおつき合いでございまして、人柄からいきましても、いろいろなものに対するバランス感覚というものからいっても、法務大臣に最もふさわしい人であろうというふうに思いながらお願いをしたところでありました。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員 今のお答えの後半部分について、総理はヨーロッパ訪問中でございまして、永野前法務大臣の人柄をたたえ、なお今もそれに近いことを申されたわけであります。弁護したとか個人的な心情だとか、こうした問題については私はとやかくは言いませんけれども、問題は、国の基本姿勢にかかわる問題であり、結果としてはそのことが国益を大きく傷つけたのではないかという気がしてならないわけですね。  したがって、この事態を受けて直ちに、総理は大臣を罷免することのできる統制権を持っておるわけでありますから、罷免してでも内外にこの誤りを正し、明らかにすることの方がよかったのではないか、そのことがむしろ国際的にも羽田内閣の信頼を回復することになり得たのではないかと私は思っています。この点についてどのようにお考えだったのですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 私は、お話は電話等でも申し上げましたけれども、しかし、帰ってよくお話を聞いてということでありました。しかし、そのときにはもう既に大臣は辞表をお持ちになったということでありまして、罷免ではありませんでした。  しかし、我が国として直ちにこうこうこういう思いでこれからの国政をするということを世界に鮮明にしたということで、各国の理解は十分得られたというふうに理解をいたしております。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員 私は、ヨーロッパにおける新聞だとかテレビだとか、いろいろなものの情報等を少し集めてみました。ところが、総理が訪欧したということよりも、こちらの方が大きく報道されたということが訪問国等においてあったということがこうして次々に明らかになってきています。フランスにおきましてもあるいはドイツにおきましても、それぞれみんなそうした印象を強めておるわけです。  特に、この永野発言があった以降、フランスのル・モンド紙等に出ておるいろいろな記事、あるいはドイツにおける戦争犯罪否定に違憲判決ということ等を含めてのいろいろな論調、あるいはドイツにおきまして、日本に過去の反省はあるかというような論調がこうして示されておるのですね。ですから、その結果が必ずしも総理が期待をしたような内容になっていなかった。私は、このことを考えると、非常に残念でならないわけであります。  さらにまた、外務大臣の発言等におきましてもあるいは防衛庁長官の発言におきましても、すべて撤回はなさいましたけれども、大臣に就任をして直後の発言等におきましては、むしろ確信犯的な要素をその中に秘めておったんではないか。ちょうど前回、中西啓介君が第一次内閣の中で発言をし、防衛庁長官をやめられたという事態とまさに軌を一にするような内容ではなかったか。今これを撤回されたから羽田内閣の性格そのものが大きく変わったということはあり得ないんではないか、こう私は思っています。  したがって、この点についてはこれより以上私は追及はいたしませんけれども、いずれにしても、国際的に見ましても国内的に見ても、内閣不統一のこうした問題等があるといたしますなら、先ほど申し上げたように、少数政権であるならば、その信頼というものがなければさらに混迷の度を深めていくということを私たちは指摘しなくてはならぬと思うのです。  だのに、このようにして、発言すればそれを撤回すればよろしいというこうしたあり方そのものは、この少数政権は、逆に国民から、あるいはこういう議会の中におきましても大きく指弾される状況というのが出てくるのではないか、こう私は思います。  したがって、この点を考えますと、これから後多くの難題が控えておるときでありますだけに、このような問題等についてはこれからさらに明らかにしていきたいと思っております。また後で、今、外務省が提出をしようとしておる核問題等についても、あるいは朝鮮問題等につきましてもいろいろ多くの問題がございますので、そこでまた指摘をしていきたいと思っておりますけれども、いずれにしても、総理はこの点に関してどのような見解をお持ちかということを明確にしてください。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 御指摘いただいたこと、我々も拳々服膺してまいりたいと思います。  ただ、私ども内閣が発足いたしまして直ちの閣議でございましたけれども、私のこの内閣は憲法、これを遵守しながら進んでいくということですから、憲法を逸脱するような発言とかそういったものは慎んでほしいということを実は各閣僚の皆様に申し上げたところでございまして、我々もこれから憲法というものを大事にしていきたい。  そして私は、この憲法についてのいろいろな議論がありますけれども、やはりこの憲法の精神そのものはますますその輝きを増してきたということ、そしてこういったものを土台にしながら日本の国は世界に向かっても貢献していくべきである、このことを所信表明の中でも実は申し上げたところでございまして、私どもはそういった姿勢でこれから臨んでいきたいというふうに考えております。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員 外国の報道関係等におけるいろいろな内容につきましても、時間があればそれぞれ明らかにしたい。どれだけ日本の現内閣そして日本の体制に対する不信というものが増長されておるかということをこのことは示しておるわけですから。残念ながら時間がございませんからこれを一々指摘はできませんけれども、一つだけ私は外務大臣にお聞きいたします。  外務大臣はやはり多くの発言をいたしておりますけれども、それだけ確信を持ってやっておるわけでありますから、むしろ訂正をするより、みずから身を引くべきだと私は思うわけであります。したがって、この点に関してだけお伺いをし、答弁を求めたいと思います。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 私は、首班指名に当たりまして、羽田総理とも政策に関する意見の交換をする機会がございました。  その中で、当時は社会党も含めた連立与党側の政策に関する合意書を読ませていただきました。そして、これは細川内閣成立のときの基本合意、これは非常に大枠の合意でございましたが、それに比べて、それぞれの政策についてかなり具体的な合意ができているということで評価をさせていただきました。その政策の合意の枠の中で仕事をさせていただけるということでございますので、外務大臣としての職をお受けしたわけでございます。  内閣の一員として、これからもその内閣の方針に従って務めを一生懸命果たしてまいりたい、こう考えております。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員 それであるなら、ここで問題になったときに一言でそのことを認め、素直にやはり発言をすべきであっただろうと思います。長時間かかって追及されなければ撤回をしないというその態度は、決して私はそうでなかった、この点だけ申し上げて、終わります。  次に、順序を飛ばしまして、核兵器の使用の違法性に係る国際司法裁判所への我が国陳述書の提出についてお伺いをしたいと思います。  私は、報道関係で報道されたときに、まさに羽田内閣の性格をそのまままた、先ほどは触れませんでしたけれども、あらわしたものとしか言いようがありません。この前から論議をずっと聞いておりますと、実定法上の云々だとかいろいろ言っておりますけれども、今日本が置かれておる、あるいは国際的にどのように核の位置づけがなってきておるかということを本当に羽田内閣、考えておられるかどうかということを私は危惧をするからであります。  特に、今提出をしようとする内容の中にありますように、「純粋に法的観点から言えば、今日までの諸国の国家慣行や国際法学者の学説等を客観的に判断した場合、今日の実定国際法に違反するとまでは言えない」という。  そこで、このようなことを世界保健機構が国際司法裁判所に対して要請をし、そしてその結果、このような内容のものの照会があったわけでありまして、それに回答すると言っております。健康及び環境への影響の観点から、戦争または他の武力紛争において国家が核兵器を使用することは、世界保健機関の憲章を含む国際法上の義務の違反となるかというようなことで聞き合わせておりますけれども、このこと自体も私は、今の時期に適応できない保健機構ではないかということを言いたくなるくらいであります。  したがって、なぜこの(1)と(2)、特に「核廃絶に対する我が国の考え方」等が示されておりながら、この分野についてどれだけ大きな国民的な反撃があり、そして多くの皆さんの核に対する、我々国会における三原則にいたしましてもすべて決議がずっとなされてきておるわけですから、その中でなぜこのようにしなくてはならなかったのか、この点だけ聞いておきます。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 この件は、WHOから国際司法裁判所に対して国際法違反であるかどうかという問い合わせがあり、それを加盟国各国の意見を聴取するという形で、陳述書の形で提出をするようにという要請があったものでございます。  それにつきましては、政府の中で検討いたしてきておりましたが、公表すべき性格のものでございませんでしたので、マスコミ等での報道の中では、その実定法上国際法違反であると断定することはできないという部分だけが取り上げられまして、そしてそこが強調されたということは私どもにとっても実は残念なことでございまして、必ずしも真意を正確に伝えるものではなかったと思っております。  骨子という形でこの委員会にも参考資料として配付をさせていただきましたが、そこにも書きましたように、我が国のこの問題に関する基本的な姿勢は、核兵器の使用は、純粋に法的な観点からいえば、法的な観点からいえばでございますが、今日実定国際法に違反するという判断が国際社会の中で法的に成立、確立しているということは言えないとは考えますが、その絶大な破壊力また殺傷力のゆえに、国際法の思想的な基盤である人道主義の精神には合致しないものであるということを述べているわけでございます。  御承知のとおり、唯一の被爆国である我が国としては、核兵器が二度と使用されることがあってはならないと考えているところでございまして、我が国が非核三原則を堅持するとともに、今後とも核軍縮、核不拡散の推進に努力して、核兵器の究極的廃絶に向けて努力していく所存であることはその書面の中にも述べていく所存でございますので、そうした姿勢を御理解をいただきたいと思っております。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員 わざわざここに書かれてあるのですよ。「唯一の被爆国である我が国としては、」ということがびしっと書かれておるならば、国際法上、今どのようになっているかということです。国連における決議におきましても、あるいはその他の多くのこうした決議を見てみましても、これを容認するところは今やないということがはっきりしておるのです。  これを肯定したところがあるなら、それなら明らかにしてください。核兵器はということでぴしっと明らかにすればまた論議ができますけれども、そのことはないわけですね。ずっとたくさんのこれに対する、核兵器あるいは核に対する見解というのは決議なりいろいろな協定なりで出されておるわけでありますから、それに類するものがあるんだったら出していただくとはっきりしてくると思いますね。その点を明確にしてほしいと思います。外務大臣にお答えいただきます。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 一つだけお答え申し上げさせていただきたいと思いますのは、昨年の十二月に、国会の先生からこの核兵器の廃絶の問題につきまして質問主意書が出てございます。これに対しまして、政府として閣議でもお認めいただいた答弁書が出ております。  その中で、「世界の平和と安全が最終的には核兵器を含む軍事力による抑止により保たれているとの現実」という表現がございますけれども、私は、先生を初めとする国民の皆様方が核兵器に対するいろいろなお気持ち、それは私も日本人でございますから、広島、長崎の問題があって、そういう気持ちは全くもう本当に共有いたしますけれども、残念ながら、現実の世界は核の抑止というものが一定の平和を維持するための役割を果たしているというのも現実で、したがいまして、私たちが世界の国民として努力すべきことは、この核に頼らなくてもいい世界をつくっていくということだと思うのです。  ですから、最終的に核が廃絶される世界というものをつくるべき努力をすべきではございますけれども、現実の問題として、現時点では核の抑止というものが世界の平和と安定に一定の役割を果たしているというその現実はやはり踏まえなくちゃいかぬということは重要じゃないかというふうに考える次第でございます。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員 私がさっき要請をしたことに何も答えていないのですしそしてしかも、抑止力云々ということを中心にしてこの論理は展開をされておる。ということになりますと、これは論外だと思いますね。  では、被爆国の我々がどういう姿勢でこうしたものに対応していくか、国際的に我々がむしろ積極的にこれを否定をし、多くの皆さんにそのことをどのように知らせていくかということが我々の務めだろうと思います。したがって、ここに書いてある、実定国際法に違反するとまでは言ってないという、そうした資料を全部ここに示してください。  それともう一つは、今言われましたこの抑止力を中心にする論理の展開というのは、これは納得できません。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 速記をとめてください。     〔速記中止〕

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 では、速記を起こしてください。  私の方から、今の理事の皆さん方の協議の結果についてお伺いを申し上げます。  一つは、中西委員が求めました、「実定国際法に違反するとまでは言えない」、こう言っておるわけですから、それに関する一切の資料を提出してほしい、この要求にこたえていただく、これが第一。  それから第二は、核によって平和が守られているという、そういう御発言がございました。今我が国は北朝鮮の核査察を求めているわけです。それと、核によって平和が守られているというこの発言との、この二つがどのように整合するのか、この点に対する明確な見解を述べていただきたい。  以上であります。  丹波条約局長。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 第一点の、この実定法と申しますのは、通常国際法の世界で言われておりますところの戦闘行動が行われる場合の外的手段の制限に関する諸取り決め、諸条約が念頭にございます。すべて網羅的に集められるかどうかはあれでございますが、私、今手元に若干のものを持っております。これを整理して資料としてお出し申し上げたい。その中には、例えば毒ガス兵器の問題あるいは細菌兵器の問題の条約その他があるわけですが、これを整理してお出し申し上げたいと存じます。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員 私はもう一つ、参議院で核兵器廃絶に関する質問主意書というのがあるんですよ。これを見ますと、前内閣総理大臣の名によって、「世界の平和と安全が、最終的には、核兵器を含む軍事力による抑止により保たれていることは事実であると認識している。」というような言い方もありますけれども、ここに、「広島市及び長崎市に対する原爆投下も含め、核兵器の使用が国際法違反であるとは言いきれないが、国際法の根底にある基本思想の一つたる人道主義に合致しないものであるとの意味において国際法の精神に反すると考えている。」ということを、ちゃんと正式のあれで出されておるのですよ。だから、人道的にどう考えるかということを優先をせずに、実定法上という、こうした考え方の中でやるところに無理があるわけです。  しかも、先ほど答弁しておった、実定法の中に生物兵器、化学兵器のやつはある、こう言っているでしょう、禁止が。ところが、これには禁止がない、こういう言い方になっているんですよ。だから問題なんです。これは人道上大変な殺りく兵器であるということはだれしもが認めておるけれども、化学兵器あるいは生物兵器については禁止をしておるのに、これができておらないところに今問題があるんであって、だから、それを禁止をする中心に我が国は座って、主導的な役割を果たすというのが被爆国日本の最も大きな役割ではないかと私は思うんですよ。  そうであれば、なぜここだけを主張して、しかもほかのところを見るとみんな、使用されてはならないとかいろんなことが書かれてあるんです。そして、これをなくさなきゃならぬと書かれてあるけれども、同じ出される文書の中に、それを認めるかのごときのものが一緒に混在をしておるというところに問題があるんです。  だから、この点は私はもう一回総理から答弁をいただいて、そして内閣で、ちゃんとここでけりをつけるように統一的なものを出していただく。撤回以外にはその方法はないと私は思っています。どうでしょう。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 この問題については、WHOの方からのいわゆる法律についての解釈ということでありますから、今、中西委員の方からも御指摘がありましたように、これは、毒ガスですとかあるいは細菌兵器ですとか、こういったものは、実際にもう既にこれはいけませんよという法律があるわけですね。  ですけれども、この場合には法律がないということで、要するに今のあれで、実定国際法に違反するとまではこれはいかないというのは、これを否定するものがないからいかないということで、しかし、まさにこれからの我が国の姿勢というのは、「その絶大な破壊力、殺傷力の故に、国際法の思想的基盤にある人道主義の精神に合致しないものである」ということで主張しているわけですから、まさに我が国としての主張というのはここで堂々と主張されて、現在の法律ではこうであるけれども我が国はこういうものを主張しているということで、むしろ私はそれを主張していくべきだというふうに考えますよ。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員 世界保健機関が昨年五月、核兵器の使用が健康や環境上与える影響という観点から判断を求める決議をしておるんですよ。そのときにも日本はその決議から棄権をしておるんですよ。まさに基本姿勢がここにあるんですね。核兵器の使用が健康や環境上影響を与えるという観点からの判断を求める決議、これに参加をしないということになれば、何を意味するんですか。健康、環境、その影響ですよ、その判断をしようとしている。ここは、さっきから言う抑止力の問題じゃないんです。この点はやはり明らかにしていかないと、抑止力肯定論だけがひとり歩きをするという、こういう事態はどんなことがあっても私は許すことはできぬと思います。撤回をするまで私は動きません。  先ほどから私申し上げておりますように、後からまた朝鮮問題にも触れますけれども、朝鮮における核問題を重要視し、そして、国連で決議が上げられない場合においても、三国、日米韓、これは協調して何らかの制裁措置までとろうかという、こういうことを言っているときでしょう。核拡散をやらせないというためにも、日本がやはりそのお手本になるように世界に主張していくということがなくてはならぬと私は思うのですね。この点は十分考えていただかないと困ると思うのです。  したがって、ここの文章にある「実定国際法に違反するとまでは言えない」というところをなぜ残さなくちゃならぬかということが全く私たちは理解できないわけですから、この点を削除すればもう大体多くの皆さんに理解いただけると思いますから、この点を十分勘案されんことを。  それで、またこれは、後に時間を残しまして、回答いただくようにしたいと思います。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 ただいま中西委員が提起された問題につきましては、本委員会の終了までに、政府において見解を明確に表明をいただきたいと存じます。  その分については留保して、質疑を続けてください。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員 それでは、朝鮮問題について、二、三問題指摘をしながら、お答えをいただければと思っています。  北朝鮮の問題は、余りにも私は、この前からの論議を聞いておりましても、日本の政府、そしてアメリカを対象にしての話が多過ぎるのではないかという気がしてならないわけであります。もう細かい点は触れません。  そこでお聞きしますけれども、残念ながらこことは外交がまだ、お互い認め合っておりませんので、多くの国々はある中で、朝鮮民主主義人民共和国は外されておるわけですね。平和友好条約が締結されてないという、こういう事態の中であります。  そこで、私はもう一度振り返ってみたいと思いますけれども、かつて対中国との国交がなかったときに、隣にある国だからお互いにということで民間外交が盛んに行われました。ところが、何で北朝鮮の場合にはこうしたものが全く行われないのか。依然として冷戦構造の中における一国としての取り扱いしかなされておらないところに問題があるような気がしてなりません。  特に私が指摘をしたいと思いますのは、世界でこうした核を実際に持っておるところにおきましても、IAEAに加盟をしておらないところ等は幾つもあるわけだし、そういう状況の中におけるこの北朝鮮のあり方は、これには加盟をしているわけですからね、そこいらを十分考えないといけない。むしろ今、アメリカあたりでも時々顔をのぞかせる意見の中に、北朝鮮の核脅威はアメリカにはないわけですから、あるのはむしろ、北朝鮮の核武装にかこつけて日本が核武装をするのではないかという危惧が顔をのぞかせるという状況だってあるわけでしょう。  こうした状況でありますだけに、先ほどから指摘をしておる問題、核武装問題については先ほどから論議されておりますように、明確にしておく必要がここからもあるわけであります。  何としてもこの二つ、近くにある北朝鮮の問題とそしてこの核武装問題については、容認するかどうかという問題等について私たちが今考えるときに非常に大事なことは、私は、日本から物を発想するのでなしに、中国だとか近隣諸国との関係から十分やはり配慮してやるということにならないと、こうした国際的な問題の政策、誤ることが多々出てくるのではないかということを一番恐れております。  したがって、そうした意味で総理にお聞きしますけれども、北朝鮮、核問題に対する基本的な考え方とこれからの積極的な対応ですね。新聞を読むと、どうもアメリカ側に立って、一緒に経済制裁まで含んでやるかのごとき報道等が時々流れますから、そうでなしに、日本の主体を明確にして、こうした見解を明らかにする必要があると思いますが、この点についてお答えください。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 基本的には、我が国といたしましては、やはり核というものは将来に向かってだんだんなくなしていくなり縮小し、そして廃絶に向けていく、これが私は基本であろうと思っております。  そして、北朝鮮につきましては、そういう中にあって、核というものを拡散してはならないというのが、今私はこの時代だろうというふうに思っております。そういう中で、今核が持たれるんじゃないのかという疑惑に対しましては、これはアメリカと日本ということじゃありません、まさに国際社会、これがやはりそういう思いを持っておるということ、そして隣国の韓国あるいは中国もやはり朝鮮半島に核が出来することに対しては、これはもう断固反対という立場であります。  そういう中で、我が国といたしましては、北に対して、対話によって何とかこの核の疑惑を晴らしてもらうということが一番の私たちの目標でありまして、経済制裁というのは、皆さんの御質問に対して、ただ一般論でこうこうこういうときにどうなんだといったときに、私どもは今国際社会でもそういうことは話されていないからそれを申し上げるわけにいかぬと。  ただ、一般論としてという御質問に対して、今までよその地域にあってもそういった経済制裁ですとかそういったことがとられたということを前提にして、ただ一般論としてお話ししているということでありまして、私どもは相当注意深く、やはり北に、ともかく門戸を広げなさい、そして核の疑惑を晴らしてくださいと。ということであるならば、我が国も韓国もあるいはアメリカもまた国際社会も、いわゆる北の民生向上に対して協力しましょう、そういう思いを私どもは何回も何回もこの場所からも発信をし続け、また中国に行ったときにあるいは北との交流のある皆様方に対してもそのことを語りかけてきたということであります。  これが私たちの基本的な考えであります。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員 そこで、総理に私はお聞きしなくてはならぬのは、政策九項目合意のときに、今中国に対していろいろ働きかけをしていますね、ところがあのときに、朝鮮問題をめぐって、日中というこの関係を大事にしていかなくちゃならぬし、ここを無視をして北東アジアにおける外交問題等については結論は出せないと私は思います、だのにこれを削って一般論とするという、こういう事態がありましたね。  ですから、あなたたちが所属をする党がそういうことをむしろ認めなくてはならぬのに、逆にあなたが所属する党が中心になってこの分野において論議し、削除するということになって、一般論の中に全部包含をしてしまうというこうしたやり方をして、それでもって今度はそこから出ておる内閣総理大臣なり多くの皆さんが今度中国に向けていろいろ話をしたって、これは通る話じゃないと私は思うのですよ。  中国をそれほど重視をしておるし、北東アジアにおける日本、中国というのは中心的な役割を果たさなくちゃならぬわけですから、そういう点がやはり不一致な面、矛盾する面がたくさんあるわけですよ。ここいらをちゃんととらえておかないと、北朝鮮問題についての正確な判断なり日本の主体的な判断というものが抜け落ちてしまうのではないかということを私は一番恐れるわけですね。この点はどうですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 あのときの経過につきましては、各党との話し合いの中で進められてまいったわけでありますけれども、いずれにしましても、それで中国の立場というのは基本的に、私がたしか一月に伺いましたときにも、ともかく北との関係について今我々の方から皆さんからのお話によって圧力だとか制裁とか、そういったことばこれはできないんだということを何回も実は言われておったという経過がありました。  しかし私は、もうずっと御答弁申し上げたり、あるいは今日までも中国との話し合い、中国から日本を訪れる皆様方に対しましても、やはりそれでもなおかつ話し合ってほしいということで、私は、中国も懸命に今北との接触等をしてくださっておるということは情報でも承っておりまして、そういう中で中国との話し合いというのはやはり大事にしていかなきゃならぬというふうに考えております。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員 私は、一番冒頭に、やはり信頼ということがなければ外交の根底が揺らぐということを考えなくちゃならぬと思いますよ。そのときに、先ほど申し上げましたように、「日米及び日中、日韓の各国間で緊密に連携し、協調して対応するものとする。」という文章があったのに、ここを「日・米及び日・韓の各国間で緊密に連携し、協調して対応する。アジアにおける関係各国と必要に応じ連携するものとする。」こういう文章になっちゃったのですね。  だからそれは、結局、一つの政策を合意するに当たって、これが一つの障害になっておったということなのですから、内閣から離脱をするという、連立から離脱するという決意すらもしなくちゃならぬような状況がここから出てきたのですから、こうしたことを考えますと、本当に今外交をやる場合には、あなたが今言われるように、中国との関係は割合うまくいっていますと言うかもしれないけれども、しかし、根底にある信頼関係というのはどうなのかということになってくるのです。  ですから、この点を十分これからも考慮をしなくてはならぬ点だとして私は指摘をして、時間がありませんから、次に移ります。  そこで、問題になりました京都の朝鮮学園の問題についてお聞かせいただきたいと思います。  京都問題については、時間がありませんから、私、これを示しますけれども、ここに一切の届け出書、それから和解調書、それから不勧告通知書、全部登録済みで、資料は一切あります。整っています。これなのになぜこのような事件が起こったのか、この点、簡単にお答えください。

中田恒夫警察庁刑事局保安部長

○中田(恒)政府委員 お答えいたします。  お尋ねの件は、学校法人京都朝鮮学園が国土利用計画法の規制地域外の京都市山科区内に学校建設用地を取得するに際しまして、同法上の届け出をしていなかったという容疑で、一昨日、京都府警において関係箇所を捜索したものでありますけれども、捜索後に必要な届け出をしていたという事実がわかったという事案であります。  本件違反容疑につきましては、事前に京都市に照会をいたしまして、無届けである旨の公文書による回答を得ていたものでありますけれども、捜索後、関係者から届け出をしたという供述があったために、直ちに京都市に再照会をしたところ、京都市の係官の書類の検索ミスによって誤った回答がなされていたという事情が判明したというものでございます。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員 私は今聞いておって、じゃ、なぜ京都市にそのことの照会をしたのですか。

中田恒夫警察庁刑事局保安部長

○中田(恒)政府委員 お答えいたします。  国土利用計画法の届け出がなされていないという疑いがあったからでございます。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員 それでは、それをだれが密告したのですか。

中田恒夫警察庁刑事局保安部長

○中田(恒)政府委員 お答えいたします。  当時、山科区内のそのような建設用地について、そのような違反容疑があるのではないかという情報が住民から寄せられたものであります。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員 私は、そこに作為的なものがあり、意図的なものがあるというのですね。少なくとも、今私が示したこうした登録すべきもの、そして登記は全部済んでいるのですよ。ですからやはり、少なくともそうしたものが果たしてあるかどうかということを簡単に、何か情報が入れば、密告者があれば直ちにこうした措置をとっていくという、ここに今の警察の、公安のあり方がまた問われておるわけでしょう。ですから、この点を私は明快に一つはしなくちゃならぬ。そうせぬと、何か京都市の市役所職員が、こうした事態を起こした原因はここにあるというふうに集約してしまうような感じがしてなりません。  時が、今北朝鮮問題がこのようになり、先般も大阪で千人を超える捜査員が入り、今度の場合だって、報道によりますと、またあるいはお聞きしますと、二百九十人から四百人という家宅捜索をやっておるわけであります。  そこで聞きますが、じゃ朝鮮総連と、捜査をしたところ、この学園が何の関係があるんですか。学校法人と何の関係があるのか。

中田恒夫警察庁刑事局保安部長

○中田(恒)政府委員 お答えいたします。  お尋ねの場所につきましては、本件捜索に当たりまして、関連場所としてそれぞれについて、裁判官から令状の発付を得て捜索を実施したものでございます。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員 私は、裁判所も裁判所だと思うんですね。調査もせずに、警察からそういうものが要求されれば直ちにそれを、これはもう考えられぬですよ。  私は、今ずっと報道されている中で、後でやろうと思いましたけれども、時間が参りましたからやめますけれども、朝鮮人の差別問題が頻繁に起こっているでしょう。この問題が出てから、朝鮮の子たちが通学途上でいろんな嫌がらせをやられていますね。こういうのは、必ず何か問題が出るとそういう事態というのはあるわけです。したがって、本来ならば法は平等でなくちゃならぬわけですから、この総連というのは、国交のない中では、国交のあるところとの関係からいたしますと大使館の役制を果たすようなところなんですよ。だから、それがないということによってこういうことを平気でやっていくわけでしょう。その無感覚さ。  さらに、外務大臣、私、本当はお聞きしようと思ったんだけれども、今度は中国に外務大臣は行かれるでしょう。中国に行かれるんだけれども、アジア各国から、あるいは中国から見たこの種誤り、日本のとった行動というものがどのように多くの皆さんから懸念されておるのか。これはおとといの深夜からきのうの午後三時ごろまでの間に、外国通信社二十八社からこうした問題について、その真相は何なのかということを聞き合わせてきているんですよね。これに象徴されるように、日本のこれからの信頼問題にかかわる事柄としてこれが出てまいりました。  そこで最後に、国家公安委員長はこのことに関して、新聞報道によりますと遺憾の意を表明しておりました。この点はそのように考えておられるかどうか。これから後さらに私たちは調査をし明らかにしますけれども、国家公安委員長の責任を問わなくちゃならぬ問題だと私は思っています。ですから、この点についてのお答えをいただきます。

石井一改新自治大臣・国家公安委員会委員長

○石井国務大臣 私もこの事態を厳しく認識いたしまして、通知を受けましたとき、またその後の処理等につきまして、幾たびか警察庁長官を初め関係者と議論をいたしました。  要は、今御指摘がございましたように、一点目は近所からそういう通報があり、二点目は京都市に照会をし、理財局長名の正式の文書が入ったというふうなことでこの行動を起こしたわけでございまして、捜査についての違法はなかったけれども、結果的には国内的にも国際的にも大変迷惑をおかけした、こういうことは二度と繰り返してはいけない、こういう認識のもとに今後も十分注意をしてまいりたいと思っております。  先ほどの嫌がらせの問題につきましても、警察はその認知したものにはこれまで被疑者を検挙するなり、厳正に取り締まっておるわけでございますが、今後警察としては、厳正公平、不偏不党を旨として、今回のものに深い反省のもとにしっかりとした措置を行っていきたいと思います。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員 総理の見解についてお伺いします。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 ただいま石井国家公安委員長の方からもお答えを申し上げましたけれども、捜査の手続そのものに私は瑕疵があったというふうには思いません。しかし、及ぼしたもの、これについては私も、実際に不偏不党でなければいけないということと、今実際にこういういろんな問題が議論されているところでありまして、私どもの答弁でさえわからないぞと言われるぐらいに慎重にやっているときでございますから、やっぱり慎重の上にも慎重を期さなきゃいけなかったんじゃないのかということ。  それから、大阪におきますいたずらといいますか嫌がらせ、こういったことはもう本当に慎まなきゃいけないことで、私も心を痛めているというのが本当のところでありまして、いずれにしましても、やっぱりみんなが冷静にあらなければいけないというかうに私は考えております。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員 私は、外務大臣なりなんなりから政府の統一見解なりなんなりを出していただくように、あるいは撤回をするかどうかについてお聞きしておりましたけれども、この点、どうなんでしょう。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 先ほどの国際司法裁判所への陳述書につきましては、核兵器使用の法的評価につきましては、先生の御指摘の点も十分念頭に置きつつ、適切な表現となるよう再検討いたしてまいりたいと思います。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員 今答弁いただきましたので、これを私は今回は信頼をしますから、後になって問題の起こるようにしないようにしていただきたいと思います。  そこで、もうちょっと時間があるようでありますから、先ほどの問題でありますけれども、私たちはこのように論議いたしますと、何かいろいろ後ろの方からも声があるようでございますけれども、私は、やはり差別という問題についてもう少し日本人というのは慎重に対処しなくちゃならぬと思うのです。  私、出身が北九州ですから、戦争中の朝鮮人の多くの皆さんの取り扱い、そしてどれだけ炭鉱で、あるいはセメントの石灰採掘場で、あるいは大臣の出身の長野県で扱われたかということを考えますときに、その痛みはなかなか私もやはり欠けるところがあるのです。絶えず私も指摘されます。  ですから、やはり私たちがここで認識を一致させなくてはならぬ点は、本当にこの前から総理が言っておりますように、その痛みを分かち合える、近隣の人としてお互いに信頼できる、こうした問題をやはり明らかに我々が内外に声明できるように、だれから指摘されても我々が何も動揺することのないようにしなくてはならぬと思うんです。そうした意味で、こうした問題が出ておるときだけに多くの皆さんに関心を持っていただいて、そのことが誤りなんだということを積極的に私たちはやはりここで明らかにしていく必要がある、ここが今一番大事じゃないか。  ですから、私、ここに書いております戦後処理の仕方についても、やはりきょう十分皆さんの答弁をお聞きしようと思ったのだけれども、それができませんでした、戦後処理の問題等について。いちずにここにあるのですね、全部。  ですから、この前、中尾衆議院議員の方からここで言われておりましたように、我々と考えは違いますけれども、東南アジアとかいうところについてはある程度意見は一致しませんが、朝鮮半島から中国に向けてのこの認識というのは、中尾さんであっても我々は一致するところがあるわけですから、ですから、意見の違いはそれぞれあるでしょう。しかし、これらの問題についてもう少し本格的に掘り下げた論議をしておかないと、私は、これから我々が世界に向けて中心的に、積極的に働きかけをするときに、これが大きな支障になるということをぜひ御理解をいただいて今後の対応をしていただきたいと思います。戦後処理問題についても同様です。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 これから日本の国が国際的にきちんとした役割を果たすときに、やはり本当の信頼関係、理解というものがなければいけない。その意味で、この戦争によってもたらしたもの、これはやはり私どもは真っ正面から見詰めながら対応していくことが大事だろう、全く今御指摘のあったこと、私どもも同感であります。  以上であります。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員 終わります。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 これにて中西君の質疑は終了いたしました。  次に、松本善明君。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 六月四日に、日米韓三国政府代表がワシントンで共同新聞発表をいたしました。  それによりますと、北朝鮮の核疑惑について、同国の行動が朝鮮半島に重大な情勢をつくり出し、また北東アジア地域の平和と安定に対し、さらに国際的不拡散努力に対し脅威をつくり出したとして、制裁を含む適切な対応策をとるとのことであります。  これは、アメリカ主導の北朝鮮軍事制裁への動きに日本が一層深入りしたものとして極めて重大だと思います。新聞発表は、制裁などの対応策を国連安保理事会を通じて協議するとしておりますが、これは国連安保理事会に制裁の決定を促すとともに、決定できなければ三国の共同行動で制裁を加えるという危険なものであります。  そこでお聞きしたいのでありますが、核不拡散条約、NPTに制裁の規定があるかどうか、その他、核兵器を持っているかもしれないということが制裁の対象となる明文の国際法規があるか、この二点について外務省に簡明な答弁を求めます。     〔委員長退席、後藤委員長代理着席〕

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○林(暘)政府委員 お答え申し上げます。  NPT条約そのものにはそういう規定はございません。ただ、IAEA憲章の中に、保障措置協定に違反した場合に安保理事会に報告をするということと、それから、IAEAとして、IAEAが行っている技術協力であるとか援助とかいうことを協定違反があった場合に停止することができるという規定がございます。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 今の答弁でわかりますように、制裁ということを、核兵器を持っているかもしれないということで制裁の対象になるという明文の国際法規はないのであります。  国連憲章はもちろん、核不拡散条約にも明文の根拠がないにもかかわらず、アメリカが制裁を強調するのは、いわゆる拡散対抗構想という危険な軍事戦略によるものであります。それは、ソ連の崩壊という世界情勢の中で、中小国に核兵器の拡散がされることが新たな脅威だとして、核兵器を含むあらゆる力で対抗するというものであります。  北朝鮮問題はこの戦略の具体化であります。北朝鮮のいわゆる核疑惑に対する対応との関係で、本委員会でもずっと議論されておりますように、我が国の核政策は極めて重要な問題になってきております。  まず、根本問題として、今までも議論をされておりますが、国際司法裁判所への陳述書の問題、核兵器の使用は国際法に違反しない、これが中心の問題でありますけれども、この問題についてお聞きします。  国際司法裁判所の審理自体も、世界保健機構が、核兵器の使用は国際法違反という認識から、賛成七十三、反対四十という圧倒的多数で裁定を求めることとなったものであり、世界の反核世論の反映であります。ところが、羽田内閣は、逆に、核兵器の使用が国際法に違反しないという陳述を出すということでありますから、これは広島、長崎の原爆の犠牲になった人たちを裏切り、世界の核戦争阻止、核兵器廃絶の世論に背を向けるものであり、決して許すことのできないものであります。  既に日本原水爆被害者団体協議会は、このことに抗議をする特別決議を採択いたしました。この決議は、  原爆…四九年前のあの八月、一瞬にして広島と長崎の街を火災地獄と化し、幾十万の無事の民を、とりわけ戦争と何の関わりもなく、体力も抵抗力もない幼児や老人を、劫火のなかで焼き殺したあの暴虐…さらにその後も辛うじて生き残った者を片時の休みもなくじわじわと苦しめ続け、殺し続けてきた悪魔の業――これが国際法違反でないと誰が言えるか。「当日の死者の六五%が、九歳以下の幼児、六〇歳以上の老人、一〇歳から五九歳の女性であった」「逃げるいとまもなく、助け出されるすべもなく、劫火のなかで焼き殺された」この事実一つとってみても、原爆が無差別大量虐殺の残虐兵器であり、国際法違反であることは明白である。 こう述べております。まさに地獄を味わった人たちの痛切な訴えであります。  広島、長崎の県知事、広島、長崎の市長、四者が連名で、核兵器の違法性を世界に訴える陳述書を出すよう政府に要請し、最近、政府が核兵器の使用が違法でないという陳述書を出すという動きを知って、急遽広島、長崎の両市長から重ねて内閣に要請があったと思います。被爆地の県知事、市長として当然のことであります。  総理は、唯一の被爆国の総理として、核兵器が国際法違反であるということを世界に訴える責任がある、こう私は思いますが、羽田総理の考えを聞きたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 これは、松本委員の方からの御指摘の思いというのは私は理解できないことはございません。  ただ、この問題については、後ほどまたお答えをすることになっておりますけれども、現実に核が存在するという中で一つのまた抑止力を果たしておるという現状、こういう中にあって、いわゆる法律を解釈するときにはこれは実定国際法に違反するとまでは言えないけれどもということで、これから我が内閣として、まさにその絶大な破壊力、殺傷力のゆえに国際法の思想的基盤にある人道主義の精神に合致しないものであるという考え方を私どもは申し上げて、まさに核というものに対しての痛烈なる、これをなくしていくんだという思いをこの中できちんと私は表現しておるというふうに考えております。     〔後藤委員長代理退席、委員長着席〕

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 問題の焦点は、実定法上違法とは言えないというところが焦点なんです。あと幾ら修飾してもそこが変わらない限りはだめなんですよ。再検討すると言ってもそこが中心であります。  それで、今総理は核抑止力に触れられましたけれども、核抑止力というのは核兵器を使用するかもしれないということが前提になってあることなんです。ですから、これを言う限りは核兵器の使用を認めるということになる。それが日本の政府として許されるかどうかという問題が問われているのです。  私はここで、石田総務庁長官にお聞きしたいのです。  あなたは創価学会員で、あなたの信仰は仏教の流れをくむものだと私は思います。違っていれば訂正してください。仏教では人を殺すということは許されない、こういうふうに教えていると思いますが、大量虐殺兵器を違法でないと言うことはあなたの信仰と反しないのかどうか。それから、公明党は核兵器の不使用宣言、不使用協定などを言って核兵器の使用に反対をしているけれども、この公約との関係でどう考えるのか、お聞きをしたいと思います。

石田幸四郎公明党総務庁長官

○石田国務大臣 お答えを申し上げます。し  信仰上の問題は別としまして、基本的に、私は、仏教というのは慈悲の精神を具現していく、そういったことを説いているというふうに理解をいたしております。  また、私ども党の立場におきまして、核兵器の使用については、広島、長崎の例を見るまでもなく、人々に大変な苦しみを与えてきた現実を見ますときに、二度と核兵器を使用してはならない、そういう立場を堅持しておるわけでございまして、今度の問題につきましても、私としましては、非公式ではございますけれども、今回の核使用というものが国際法上不法ではないというような言い方については極めて残念に思っておりますので、非公式には、そこら辺の問題については外務大臣にももう一度再考するように申し上げてきたところであります。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 閣僚としてはっきり、核兵器の使用は違法でないという陳述書を出すことに反対をされますか。

石田幸四郎公明党総務庁長官

○石田国務大臣 これは内閣全体として検討しなきゃならないわけでございますから、私は私の信条としてそのことを強く言いたいと思います。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 報道されているところによると、浜四津環境庁長官、それから神田防衛庁長官はこれについて御意見があるということが報道されていますが、それぞれお答えをいただきたいと思います。

浜四津敏子公明党・国民会議環境庁長官

○浜四津国務大臣 お答えいたします。私は、核兵器は最終的に廃絶すべきものだという信念を持っております。そして、世界の平和のためには、核を使用しない、そしてまた、核を持たない、核を最終的にどの国も廃絶していく、それを求めていきたい、こういうふうに思っております。  したがいまして、今回の核使用に関しましては国際法の精神に反する、こういうふうに考えております。

神田厚改新防衛庁長官

○神田国務大臣 お答えいたします。  核の陳述書については、中西議員に提出したという骨子を外務省に依頼中でございます。  外務省の方から後ほどいろいろな範囲の中で…

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 ちょっとはっきり聞きます。  私の聞いていることは、核兵器の使用が国際法に違反をしないという陳述書を出すことについて、閣僚として反対されるか賛成されるか、それをお聞きしたいのです。

神田厚改新防衛庁長官

○神田国務大臣 きょうの夕方、政府見解として御答弁する予定でございます。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 政府の陳述書は再検討するということですが、今日の実定国際法に違反するとまでは言えないというのが中心で、先ほどの総理の答弁もそういう線でありますので、基本的に、再検討しても変わらないのではないかと思います。  私は、国連総会で一九六一年以来、再三核兵器使用禁止の決議を採択をしておりますが、これを想起をしてもらいたい。一九六一年の国連総会の決議は四項目を明確に宣言をしています。念のために読みますが、  (a) 核及び熱核兵器の使用は、国際連合の精神、字義及び目的に反するものであり、したがって国際連合憲章の直接の違反である。  (b) 核及び熱核兵器の使用は、戦争の範囲を逸脱し、人類及び文明に無差別の苦痛及び破壊をもたらすものであり、したがって、国際法の諸規則及び人道法に反するものである。  (c) 核及び熱核兵器の使用は、戦争とは無関係の世界の諸国民をこれらの兵器の使用によって生ずるすべての害悪にさらすものであるため、ひとり敵国に対するのみならず、人類全体に対する戦争である。  (d) 核及び熱核兵器を使用するいかなる国も、国際連合憲章に違反し、人道法に反する行為を行い並びに人類及び文明に対する犯罪を犯しているものとみなされる。 この四項目を宣言をしております。極めて明瞭であります。最近の、一九九三年、昨年の決議も、核兵器のいかなる使用も国連憲章の違反となり、人間性に対する犯罪となると明確に決議をしております。国連総会決議が国連憲章の明確な違反と言っておるということであります。  総理は、何をもって実定国際法と言うのですか。国連総会の見解を何と考えるのか、この点についての総理の見解を伺いたいと思います。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○林(暘)政府委員 松本先生御指摘のとおり、一九六一年に今お読み上げになりましたような国連の決議というものがございました。これに対して日本が賛成したことは事実でございますが、それは、先ほどから議論がございますように、日本としては、核兵器の使用を含めて武力の行使が一般的には国連憲章のもとで禁止されている、核兵器の使用がその破壊力、殺傷力ゆえに国際法の思想的基盤にある人道主義の精神に合致しないものである、そういうような観点から、かかる道義的な態度を表明して賛成をしたわけでございます。  それから、この使用禁止に関する決議については、今御指摘のとおり、その後毎年のようにずっと行われております。我が国の態度は、六一年については賛成をしておりますが、その後、棄権をしたり、場合によっては反対をしたりしていることがございます。  いずれにいたしましても、これは決議でそういうことがあったわけでございまして、いわゆる実定国際法としてこの決議によって実定国際法上そういったものが確立しているということではないというふうに承知しております。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 総理に聞きますが、こういうことを言っているから私はだめなんだというふうに思うのです。国連総会の決議で明確に国際連合憲章に反しているということを言っているんです。これを軽視をしているんです。これは実定国際法になってないんだと。言いたいのは、拘束力がないんだと、こう言いたいんだと思うんですよ。だけれども、そういう姿勢で日本がいていいのかどうかということが今問われているんです、  私は総理に今の問題を含めて聞きたいと思いますので言いますが、日本政府が賛成したという、先ほど私が読み上げました一九六一年総会決議はこう言っています。  人間に対する無用な苦痛を引き起こす大量破壊兵器の使用は人道法及び国際法の諸原則に反するものとして過去に禁止されてきたことを想起し、と述べて、一八六八年のセント・ピータースブルグ宣言でありますとかへーグ平和会議諸条約などたくさんの今までの国際法を引用をしております。  総理、このセント・ピ一夕ースブルグ宣言、「戦闘外に置かれた人の苦痛を増大しその死を必然にする兵器の使用は人道に反する」、いわゆる非戦闘員の大量虐殺は違法だということなんです。この非戦闘員の大量虐殺、広島、長崎では実際に行われました。私たちはそれを体験しているわけです。あなたは、それを違法でないと言い切れますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 声を大変大きくされたので、私もその気持ちはわかりますよ。しかし、私が先ほどから申し上げておりますのは、実定国際法という中で、こうこうこういうことであるけれども、その後ずっと申し上げて、これは人道主義の精神に合致しないものであるということを決めつけておるわけでございますから、私は、それでまさにこういった問題に対しての日本の姿勢というものを明らかにしているというふうに思います。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 人道主義の精神に反するとか、国際法の精神に反するとか政府は言っているけれども、それならはっきり国際法に反すると言うべきじゃないですか。何で言わないんですか。それはなぜですか。なぜそこがはっきり国際法に反すると、人道主義に反すると言えないんですか。総理が自分でお答えになったんだから、なぜか言ってください。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 これは、ここにありますまさに実定国際法、これの法律の解釈を問われているということであるから、法律の解釈としてはそうであるけれども、しかし、実際に我々としてはこういう考え方でいきますということを言っているわけです。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 総理、あなたは我が国の、核兵器の使用が国際法に違反しているということを判示をした一九六三年十二月七日の東京地裁の判決、これは世界で唯一の、核兵器の使用が国際法に違反しているということを判示した判決であります。そして確定をしております。これを読んだことがありますか、あなた。ちゃんと答えてください、読んだことないなら。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 申しわけありません。読んでおりません。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 私は、唯一の被爆国の総理として、この判決を読んでないというのは大変残念です。  といいますのは、この判決で争われたのは、あなたが言われた実定国際法に反するかどうかということが中心の争点だったんです。そうなんですよ。そして、私が読み上げましたセント・ピータースブルグ宣言とかハーグの平和会議の諸条約とか、そういうものが全部争点として出てきて、そして、東京地裁はこれは実定国際法に反するということを判決したんですよ。それをあなた方は読まないで、そんな実定国際法に違反をしているとは言えないなんていう陳述書を世界に対して出すなんということは、絶対許されないです。  これは、核兵器の使用が国際法に違反しているということは明々白々であります。だから政府も、国際法の精神に反するとか、あるいは国際法の思想的基盤にある人道主義に反するとか言わざるを得ないし、今追及をされて、再検討するということを言わざるを得ないんですよ。これは、核兵器の使用が違法でないというような陳述書は絶対出すべきではない。  きょうのある新聞の社説では、外務省の対応は法匪だと。法の匪賊ですよ。これはそういうことが社説に書かれるぐらい。あなたは、新聞報道によれば、一般の人間からすれば核兵器の使用を認めるような印象はあるということを記者団にしゃべられたそうです。そういうことであるならば、この核兵器の使用は違法でないというような陳述書は絶対出すべきではない。そして、出すなら、核兵器の使用は違法だということを出さなければなりません。そのようなことをやるかどうか、はっきりお答えいただきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 この問題については、別に記者団にどうというより、私はここで実は御答弁申し上げたということであります。  これからの我が国としてどう出すかということにつきましては、今これは検討させておるところであります。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 あなたが核兵器の使用を違法だというふうに言い切らない。政府がそういうことだというのは、実はアメリカの核兵器独占体制の永続化の野望のために、邪魔になる国に対しては軍事制裁を加える拡散対抗構想のためではないかと思う。換言すれば、北朝鮮軍事制裁で核兵器の使用が想定されているからです。アメリカの北朝鮮制裁は、「一九九四年朝鮮危機」と題するアメリカ議会調査局の報告でも裏づけられている、軍事制裁を含むものであります。そこに記述をされている八段階の対抗策には、封鎖、敵核施設の破壊、先制攻撃の開始、核兵器の使用まであります。  総理、アメリカ軍による朝鮮先制攻撃、核使用は朝鮮半島が核戦場になるということであります。北朝鮮の核疑惑よりもこの方がはるかに危険ではありませんか。今緊急に求められていることは、核兵器をすべて禁止をする核兵器全面禁止協定の速やかな実現を図る方向で、核兵器をめぐるさまざまの危険を根本的に解決をすることであります。唯一の被爆国日本の政府は、このために国際的なイニシアをあらゆる分野で発揮すべきです。それが日本の政府の総理大臣のやるべきことであります。総理大臣、その点について、その決意があるかどうか伺いたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 私は全くその決意は持っております。核廃絶という言葉は余り今までは使われてきませんでした。しかし私は、核廃絶に向かって進んでいくべきものである、そして日本はまさに唯一の被爆国としてそういった姿勢をとろうということを実はいろんなところで言っておるところであります。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 もしその決意が本当であるならば、この夕方の再検討の結果がどうなるか、私は、それがただ言って国民をだますだけでないように、きちっとやってほしいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 それと、もう一つお考えいただかなきゃならぬ問題は、実際に核を持っている国があるんですよ、この世界の中に。そういう中で、どうやってそれをだんだんだんだんなくしていかなきゃならないのか、そこを私たちはやつばりきちんと踏まえながら対応していかなければ、残念ですけれども、現実、本当の意味での廃絶に向かって進めることはできないというふうに思います。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 だから、核兵器を全面的に廃絶をするというこの全面禁止協定の締結のために動かなければならぬのですよ。  次に、ペリー・アメリカ国防長官は四月の二十二日に東京の外国特派員協会で講演をしました。そこで、「北朝鮮は、制裁の発動は戦争宣言に等しいと言っている。アメリカの国防長官としての私には、こうした脅威に対応して米軍の即応態勢を適切なものにしておく責任がある。したがって、国連が北朝鮮に対する制裁に進むなら、私は米軍の即応態勢強化に必要な措置を講ずるとともに、韓国にも同様の措置をとるよう要請する方針である。」と述べました。  さらに質疑応答で、アメリカ独自の制裁を言明するとともに、「まず制裁に動けば危険性が高まるので、我々としては即応態勢を強化しなければならない。他方、即応態勢の強化は、そのこと自体が挑発的なものとなり、戦争の危険性を高める。」と述べました。  羽田総理、あなたが憲法の範囲内で協力をすると表明したアメリカの国防長官が、制裁は結局戦争の危険性を高めると言っているんですよ。それに備えると言っているんですよ。アメリカの独自制裁は戦争に日本が巻き込まれる道であります。あくまでも制裁に反対をして、この問題の平和的な解決のために全力を尽くすべきだと思います。その点についての羽田総理大臣の決意を伺いたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 いろんな問題の解決には、残念ですけれども、例えば今の核の開発というのが本当にこれがそのまま進んでしまうとなると、これはもうまたゆゆしき問題になってくるだろう、そういったことに対してやっぱり一つの制裁というものが必要な場合だってあるということであります。  例えばユーゴスラビアなんかにつきましても、まさに国連の決議によって、ユーゴスラビアの、例えばセルビアの地域に対する一つの制裁措置というものを発動する。これは、実際にはその後またいろいろな動きが出てきましたけれども、しかし、あの時点でおさまったというのは、一時的でもおさまったというのは、やっぱり制裁措置が国連で発動されたから、そういったことがあるんだろうと思う。  残念ですけれども、今まだ力と力の一つの拮抗というものがある、そういう中にあって、あるときには制裁というものが有効であるというふうに思っております。ですから、そういったことがないように、ないために、我々は今真剣ないろいろな外交努力を続けておるということでございます。

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 それは、日本の憲法の精神には私は反すると思う。到底納得はできません。  あなたがそのように言われるのは、やっぱり結局アメリカの核独占を維持をするという、それに協力をするということになるんですよ。結果としては、私はあなたがその姿勢である限りは、羽田内閣は核兵器の使用を認めることに、今晩のあれを見なければなりませんけれども、そういう危険を極めて強く感じます。そして、これは唯一の被爆国の首相としてふさわしくない、極めて明らかです。しかも、日本が戦禍に巻き込まれることを防ぐ能力はないということも全く明らかになりました。  熊谷官房長官は、この委員会でも問題になりましたけれども、北朝鮮問題で、一気に危機管理体制をつくることができる、検討しているが、平時にこれを出せば大変な混乱になるとテレビで発言をいたしました。内閣委員会で私も聞きましたけれども、この発言を認めました。国会無視と言ってもよい重大な発言であります。  我が党は、羽田内閣の発足のときから、解散・総選挙で国民に信を問えと主張し、既に羽田内閣は信任できないとの見解を明らかにしてまいりましたけれども、きょうの論議を通じましても、核政策を見ましても、日本の平和と安全を守るという点でも、民主主義を守るという点でも、信任できないということは極めて明らかになりました。  一日も早く衆議院を解散し、総選挙で国民の意を問い、主権者国民の意思に従って政治を行うという民主主義の原則を確立しなければならないと思います。それが、総理が国民に対して、しなければならない唯一の、しかも最も重要なことだということを述べて、私の質問を終わります。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 これにて松本君の質疑は終了いたしました。  次に、江藤隆美君。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 長い予算委員会の審議がいよいよきょうは最終日を迎えて、夜には予算案が成立をしようという状況になりました。顧みて、羽田総理はどういう感想を持っておられるのか、この予算成立までについてどういう感想を持ってきょうの日を迎えられておるか、まずそれを承っておきたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 まず、諸般のいろいろな事情がある中で予算の審議がおくれてしまったということ、これについて大変恐縮に思っております。しかし、割合と短い期間の間に大変精力的にこの委員会を持っていただいたということ、それから、関連法案の審議等も同時に並行して進めていただいたということ、こういったことに対して、改めて感謝したい気持ちであります。  それとあわせまして、やっぱり一つの時代というものは大きく変化しておるということを、皆様の御議論というものを通じながら今改めて感じておることを率直に申し上げたいと思います。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 私どもはかねがね、これほど景気が悪い、もう中小企業は悲鳴を上げておる、去年は災害もあった、ことしは恐らく夏になったら高校、大学生の就職先というのは大幅に制限をされて、就職浪人があふれていくでしょう、そういうことを予測しておったから、予算編成を早く急げということを常々言っておったのです。  しかしながら、前にも申し上げたように、細川内閣そしてまた羽田内閣に引き継いで何を優先したかといったら政治改革優先だった。私はこの前の予算委員会であなたに申し上げたら、予算も大事だけれども、政治改革はもっと大事だったと、こういう認識を示されました。政治改革というのは政治家の心構えの問題であって、予算は国民全体のものであると私は考えてきた。  だから、昨年の年末には、財源の問題で予算編成をやると社会党が抜けていくから、財源問題に触れるのが嫌だから予算編成は年を越してしまった、こういうことでしょう。そして、三月になってようやくに予算案が出てきた。大蔵大臣も言ったように、財政法第二十七条違反を平気で大蔵省が犯した。そしてその責任すら感じない。そしたら、翌月になったら、今度は細川さんが投げ出してしまった。  しかし、私はこの審議を通じてずっと考えることがあるんですよ。一体政府・与党に口で言うように本当に予算を早く通そうという姿勢があったのかどうか。あったのか。全くない、全く。私は諸君に聞いてみた。何か与党から言ってくるかと、こないと言う。全然言ってこない。予算関連法案の成立を急いでくれと言ってくるか。いや、役人だけは一生懸命来るけれども、(発言する者あり)近ごろ役人も来ないの、どういうことだ。だから、一体この内閣というのはどういう内閣なんだと私は思う。  今までは予算を通そうといったら、与党というのは、もう挙げて必死の思いをして、野党の皆さんにお願いをして、そしてやってきた。山口さんも一緒に国対委員長をやって、随分とあなたにも頭を下げたものだ、怒られもしたし。そうしながら一生懸命、とにかく期日のうちに予算を編成して、そして暫定予算を組まないように、暫定予算を組んだら新規事業ができないわけですから、それで必死になってみな頑張ったものだ。そしたら近ごろは、予算の早期成立にもあるいはまた関連法案の成立についても、全く政府・与党からそういう強力な働きかけがないということは一体どういうことですか、所見を承りたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 全く働きかけないというよりは、私のところに毎日報告がありますけれども、それぞれの立場の人たちが、ともかく我々としては最大限の努力をしておるというふうに考えておるところであります。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 私のわきに、あなた、筆頭理事の深谷君がおるが、全くしていないと言うんだから、それならうその報告をあなたは聞いておったということだ。  だから、ある説によれば、とにもかくにも予算なんかどうだっていいやと、政治改革優先で、区割り法案が早くできて、とにかくそれとあわせて予算は成立すればいい、だめだったらまた暫定、暫定で補正予算を組んでいく。細川内閣ができてから一体補正予算、暫定予算は何回やりましたか。細切れ予算です。  景気に明るい兆しが見えたとか企画庁やら通産省が言っておるというが、政治がその役割を果たしたのではない。国民に一番評判の悪い日本の官僚組織が頑張っておったから景気は私は落ち込まぬで済んだんだと思う。羽田内閣の功績でも何でもない。  昔は国会対策委員会というのがありました。国対政治を廃止すると言った。それは国対をやったことのない人の言うことです。それは金がどうだとか、物がどうだとか言われたことがある。それは特定の人がやったことです。私は山口さんたちと一緒にやってきたけれども、そんなことで日本の国会を運営していこうなどということを考えたことはない。それぞれの立場で、それぞれの意見を持って、一生懸命この国の政治に取り組んできたという我々は自負がある。今は窓口がないわけでしょう、どこにも。連立与党の窓口はどこですか、一体。  現場主義だと言う。その現場たるや、また全部本国に持ち帰る。そして特定の人の裁断を仰がなければ一向に決まらぬ。だから、当事者能力のないのが現場におるわけだから、あなた、何ぼやったって進むはずがない。  国対というのは、言われるような批判される面もあったでしょう。しかし、予算委員会でも本会議でもその他の委員会でも、全部国会がとまってしまっても、国会対策委員会だけは機能するという一つの意味がありました。今は、一カ所とまったら全部とまっちゃうでしょう。そして、かつて共産党が少数派だったときあるいは民社党が少数政党であったときでも、少数政党の意見というものを国会運営に生かすのが国対の一つの使命であると私どもは考えてきた。そういうものを全部なくした。それならそれにかわるものを一体つくったかといったら、つくらない。  にもかかわらず、予算は、そしてまた予算関連法案は、今予算関連法案を会期内に通せといって頑張ってきたのは自民党と社会党じゃないんですか。連立与党じゃありませんよ。だから、きょうの夕方には本年度予算案が衆議院を通過して、そして関連法案も大部分が成立するという状態になったならば、予算よりか政治改革だと言っておったが、やはり国会の良識というのは、我々は、政治改革法案も通すし、それから予算審議もちゃんとやってきたということをやはり総理は率直に認めて、自民党やら社会党やらこれに協力してきた皆さんに、一つの反省と深甚の敬意を表するくらいの気持ちはあっていいと私は思いますが、どうですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 一番後段の部分については、第一番目に私は申し上げたところでございまして、私は、就任しましたときに申し上げましたけれども、今日の課題というのは、これは与党とか野党ということではなくて、これはだれもがやはり理解をいただけるものであろうということを申し上げておったわけであります。  しかし、一ずれにいたしましても、先ほどから政治改革と予算あるいは景気というお話がありましたけれども、私自身大蔵大臣をやっておりますときに、あるいはその以前、いろいろな景気問題に取り組んだときにも、残念ですけれども、政治の場からの発信というものがはね返ってきてしまうという中で、どうしてもやはり政治改革をやらなければいけないということで、予算も重要であるし、景気も大事である。だとすれば、ここの場から発信するものを信頼されるものにしたいということから、実は政治改革というものを何としても進めなきゃならない、これは自民党時代から私どもそのつもりで対応してきたところでありまして、この点についても御理解をいただきたいと思います。  我々も、これからもさらに誠意を尽くしていくと同時に、本当にいろいろな面で御協力いただいておりますことに対しては心から感謝を申し上げたいと思います。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 昨晩の十二時ごろにこの予算委員会が開かれまして、細川前総理の証人喚問の問題がここで諮られた。私は個人的に言うと、同じ九州で隣同士の熊本県ですからね、細川さんのことはたくさん知っているのです。だけれども、古い人間ですから、やはり側隠の情があるので、細川さんのそういう問題については、きょうまで触れることは私は遠慮してきておった。しかし、情けないことには、あれほど金権汚職の追及に熱心だった諸君までが一生懸命証人喚問を阻むことに夜中まで頑張っておる姿を見て、これはいかぬなと私は思う。  羽田さん、あなたは政治改革に命をかけると言われた。政治改革とは何ですか。しょせんは政治家と金との問題だったはずです。だから、数は力なり、力は金なりといって派閥は金を集めて、そうしてやったから国民の批判を受けた。ゼネコン汚職なんかが起こってきた。佐川急便が起こってきた。いろいろな問題が起こってきた。リクルート問題が起こってきた。政治改革を進めるのに大きな汚点は、私は細川さんみずからが身の潔白を証明することができなかったということだろうと思うのです。それを、細川隠しをやりながら政治改革などと言うことはおこがましい。どう思いますか。  もう一つ言うなら、かつて我々自民党も、中曽根元総理をここに私はお連れしたこともある。あの人は、検察庁が嫌疑なしといって発表した後です。十分調べてみたけれども一切の嫌疑はなかったと言われたけれども、当時の野党諸君の要求に応じて、私どもはつらい思いをしながら、中曽根さんを私はここに案内したことをよう忘れない。竹下元総理もそのとおり、あるいは鈴木元総理も参考人としてここに出られました。政治改革を標榜するのだったら、新生党の代表であるあなたが、なぜ細川さんにこの場所に来て証人喚問に応ぜよと言って自分の新生党を指導し、細川さんにそれを勧めませんか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 これはまさに院で御議論いただいた問題でございますし、また、細川さん御自身はみずからがともかく説明すべきことは説明したいということを言っておられたということでありまして、私が今どうこうという話ではないというふうに思います。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 あなたたちはずっとここへ並んでおって、そして細川さんがいかにいいかげんな答弁を繰り返してきたかということは、少なくとも、よく言われるように胸に手を当てて考えたならば、良心のかけらでもあったら、あの発言は随分と欺隔に満ちておったということはわかるはずですよ。やめた後も何ですか。あれはおちゃらけだ、自民党を分裂させるためだと。(「目くらましだ」と呼ぶ者あり)目くらましか、久しくそういう懐かしい言葉を聞いた。しかも金利も、元本に利子をつけて銀行金利でちゃんと払っています、これもうそ八百だった。あるいは株の問題も、いかがわしい話ばかりであります。  だったら、政治改革をなし遂げようというなら、なぜここに細川さんを証人台に立たせませんか。あなたは新生党の党首だ。一番反対しているのは新生党だよ。なぜですか。何か出てきたら困ることがあるんですか。困らぬなら、あなたが名誉にかけても細川さんの疑惑を晴らしてやるというのが、私は本当の政治家としての友情だと思う。もう一回所見を求めます。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 これはもう何回か、こういう議論があることはもう御本人もよく御存じのことでございまして、私が今どうこうという話ではない。  私は新生党の確かに党主であります。しかし、もう実際に議院のこの現場の中でみんなが議論していただいておる問題でありまして、私は今連立の上に乗っているということ、これだけは理解いただきたいと思います。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 あなた、現場に能力がなくて……(羽田内閣総理大臣「侮辱ですよ」と呼ぶ)侮辱と言ったって、事実だからしようがないじゃない。当事者能力のない人たちを相手にしたって。だから、党首たる者が決断すれば、この問題は片づくことでしょう。  あくまでもあなたはかばい立てしますか。そうしたら、まだ田中、竹下、金丸のそのままの影を引きずっておる羽田内閣と言われてもしようがない。一番悪い体質を引きずってきておる内閣だと言っても、それは言い逃れることはできないじゃありませんか。  あなたは普通の人と言われた。普通の人の常識でわかるような処置をすることが政治家の一番の大事なことですよ。やはり、私は今内閣におりますからやりませんと、こう言いますか。それなら党首をやめたらいかがですか。もう一度お尋ねします。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 私は、初めスタートをいたしますときに、まさに今言われたことで、私は専ら政務に専念をいたしますということを第一回目の閣議でも実は申し上げておるところであります。  また今、田中、竹下、金丸というようなお話がございましたけれども、私どもは、いろんな方々の理解の中であそこのグループというのは存在したこと、そして私は、日本の政治に一つの大きな、新しい一つの道をつくってきたことも事実である、それは皆さんも御理解をいただきたいというふうに思います。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 あなたたちは、佐川急便の問題で金丸さんをとうとう牢獄に入れて、あのお年寄りを逮捕させて、そしてあの人の名誉をすべて奪ってしまったんじゃ。あなたたちはみんなそのとき金丸邸におった人たちじゃないですか。そういう歴史を経てやってきたんだったならば、ちゃんとけじめをつけるのが当たり前のことです。  ただ、残念ながら、細川さんの問題をそのままにして政治改革などと言うことはおこがましい。それはいかなる詭弁を弄しようとも、そういうことは、それは世間様に通用する話ではない、私はそう思う。だから、どうせ、やりますとはよう言わぬでしょうから。  ちょっと、日本新党から出ておる大臣さん、何とかいう人だったな。寺澤さんか、あなたには初めてお目にかかるから、あなたにちょっと聞いておきます。  日本新党が選挙のときに新聞広告した。どんな広告をしたか、覚えていますか。

寺澤芳男経済企画庁長官

○寺澤国務大臣 例えば、金権政治の廃止とかあるいは政界総取っかえとか、いろんなことを広告したように覚えています。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 これ、政治家は都合の悪いことはすぐ忘れるそうだから。「ヤミ献金を受け取らない」「政治は力、力は数と思わない」、大連合とか統一会派とかいや何だとか、数集めの陣取り合戦ばっかりやっておった、実際は。「国民の気持ちがわかる」という。何がわかっているんだ。「堂々と嘘をつかない」、どういうことですか、これは。「堂々と嘘をつかない」、こっそりとつけばいいのか。  こういう国民に対する約束をして、新聞広告までして、そして日本新党というのは国民の支持を得て、あなたたちはここの国会へ出てきた。細川さんがやってき、日本新党が一生懸命証人喚問を拒んでおる姿は正しいと思いますか。あなたはどう思っていますか。

寺澤芳男経済企画庁長官

○寺澤国務大臣 私としては、前細川総理を信頼をしております。今、国会の中でいろいろな論議がされておりまして、その論議のとおりこれはやはり行われなければならないというふうに思っています。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 意味不明のことを言うちゃいかぬ。  それならもう一つ、「結党宣言」。「結党宣言」の中にこう書いてある。「政治家や政治団体による株や土地に対する投機を一切禁止する。」株の投機しませんでしたか。土地投機はやっていませんでしたか。それでもあなたは細川さんを信頼すると言いますか。もう一回。

寺澤芳男経済企画庁長官

○寺澤国務大臣 これはとにかく皆さんがいろいろな御審議をなさって決めることで、私自身、細川さんの弁護士でもないし、それから細川事務所の関係、直接の関係でもありませんので、その内容がよくわからないという……。ただ、ですから、人間関係として信頼しているということしか、私としては申し上げられないんです。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 あなたに対して失礼なことを聞いた。あなたは本当は株屋さんだった。だから、細川さんが株の投機をしたって、それは悪いこととは思えない。約束を破っても。  政治家というのは、最低の倫理は、選挙で約束したことを守るということですよ。それが最低限度の譲ってはならない政治家の倫理だと私は思っておるのです。政治家から節操を失って何が残りますか。  だから、あなたはここへ出てきて、ただ単に、おつき合いが少ないし、おだてられて衆議院へ出たのだから余り知らぬ、そんなことで通ることではない。いやしくも国会議員であり、少なくとも国務大臣として職を奉じておる以上、自分の良心に恥じないような答弁をここでしなさい。どうですか。

寺澤芳男経済企画庁長官

○寺澤国務大臣 私は自分の信念に反するようなことを申し上げておるわけではありません。私は、細川前総理を信頼しているし、信じております。それを率直に申し上げただけでありまして、そして、具体的に細川前総理がやったことにつきましては、先ほど申し上げたように、その内容について事実関係を知りませんので、国会でそれを御審議なさるということであるということであれば、私としては、それはあくまでも国会の、衆議院の問題じゃないかと私は思っています。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 さっきは失礼しました。あなたは衆議院じゃなくて参議院だった。ごめんなさい。  それなら、あれほどの大問題を、自分たちの党首のことを全く知らないでは通りませんよ。それほど疑惑が持たれ、何十回ここでやられましたか、何十回。  私はそんなことを言うのは嫌なんじゃ、大体。今さらそんな、人の懐をどうこうという話は嫌や。しかし、余りにも卑劣な行いが過ぎるから、いいかげんにしたらどうだと、こう思って私は総理にも聞いたのです。  あなたはどう思いますか。それほど疑惑が持たれたら、政治家として、国民に対するこうした約束からして、証人喚問に応ずべきだと思いませんか。どうですか。

寺澤芳男経済企画庁長官

○寺澤国務大臣 これはあくまでも細川前総理の個人的な問題でありますし、私自身といたしましては、こういう、全体的にこの問題が非常に問われている、そしてそれが確かにいろんな政治の空転を呼んでいるということで細川さん御自身も総理をおやめになった、そういうことでございますので、十分にこの問題については審議が行われるべきだと私は思います。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 それでは、証人喚問に応ずべきだと思いますか。  個人の問題とおっしゃるが、公職選挙法に基づいていやしくも選ばれた者は、一般の私人とは違いますよ。明らかに公人ですよ、それは。間違わぬように。どうですか。  それじゃ、喚問に応ずべきかどうかということだけ聞く。

寺澤芳男経済企画庁長官

○寺澤国務大臣 これは私、何回も申し上げますが、私個人といたしましては、細川前総理を人間的に信頼申し上げていますので、また、喚問に応じる必要はないと私自身は思っています。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 そしたら、これから深山さんという人の証人喚問が国会において行われて、次々と事実が明らかになってきたならば、あなたは責任とりますか。それほどここで言い張るんだったら、責任とりますか。ただ、やめたからもう責任とったという言い方は、世の中では通用しない。金丸さんなんか、あなた、やめてからやられたじゃないですか。田中さんだってそのとおりですよ。  今大臣は、喚問を必要ない、こう言われたわけだから、このことについては、これはいささか聞き捨てならぬ話でありますから、協議を願いたいと思います。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 速記を起こしてください。  寺澤経済企画庁長官。

寺澤芳男経済企画庁長官

○寺澤国務大臣 私の今の発言なんですが、この問題はあくまでも衆議院の問題でありまして、そういう意味で、私が申し上げたことが穏当でなかった、あるいは適当でなかったということであれば……(「あればじゃないんだよ」と呼ぶ者あり)適当でなかったので、陳謝いたします。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 これはかっての仲間として、私は、羽田さん、総理に対して言いにくいけれども、総理大臣はあなた一人じゃからな、しっかり頑張りなされやと私はこの前言った。そしたら、二、三日したら、今度は新聞に出てきたんだ。私は普通の人で、なりたくてなったんじゃない、こうなってしまってまことに心外だといって日本記者クラブで話をしたというが、これを聞いて、おれ、がっかりしてね。(羽田内閣総理大臣「しなかった、心外なんて言わないよ、思いもかけないと言ったんだよ」と呼ぶ)しなかったというならいいよ。  だから、やっぱりそういうことは言うちゃいかぬ。一国の総理大臣は、やっぱり志を高く持って、日本民族の誇りを持たせるように毅然としていなきゃいかぬと私は思う。だから、あの新聞記事は、求めてなったわけではない、こうなってしまってまことに心外である、こう言ったと書いてあるから、あれは新聞記事が間違いであるというなら、間違いとおっしゃってください。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 私、心外という言葉は今まで使ったことないと思いますけれども、いつも思いもかけずにということは言っております。  しかし、思いもかけず、これは、私は本当ですよ。しかし、今まで私はすべて、いろいろな仕事をやってまいりましたけれども、そういう場面にありましても、与えられたことに対しては毅然として私は対応してきたつもり、これが二十五年間の私の政治の歩み、これは江藤さんよく御案内のとおりであります。  ですから、私はみずからが望んだものでもないけれども、みずからの運命に対しては毅然として対応していく、これが今私の思いであり、今日までそのつもりで努めてきたつもりであります。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 それは、あなたは名前から孜だから、そう努めてもらわないかぬ。  そこで、午前中からも、それから午後になっても、今度の国際司法裁判所への日本政府の意見書について、たくさんの意見が述べられた。私は、核兵器の使用は国際法上必ずしも違法とは言えないという政府の考え方には、賛成いたしかねるんです。  外務大臣にちょっとお尋ねする。  一九〇七年に、いわゆる開戦ニ関スル条約、ハーグ第三条約というのが結ばれたのですね。内容はどういうものか、御存じですか。その名前、聞いたことありますか。中身、御存じですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 名前は聞いたことがありますが、内容については正確にお答えできませんので、政府委員から答弁させていただきます。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 これほどの大事なときだから、外務大臣がそれくらいの基礎知識は御存じかと思って聞いただけの話。  昔から、戦争というのはいわゆる決闘の原理だと言われてきた。話し合いがっかぬときは決闘する。それが国家間においても、外交交渉上どうしてもうまくいかぬときは実力行使だってある。だから、そのときにハーグ第三条約というのが結ばれた。それは何と書いてある。  このときに交戦法規が決まって、そして決められたのは、非戦闘員の殺傷、一般の住民を殺したり傷つけちゃいけませんよと。非戦闘員の殺傷。それから、非軍事施設、一般の住宅とか工場とかですね、非軍事施設を傷めてはならない。それから第三番目が、不必要な残虐兵器を使ってはならないと、このときに決められておる。  先ほど来、皆さんの答弁を聞いておると、実定法に明示されていないからこれは国際法上違反ではない、こう言うんだそうだが、私はそんなことはないと思う。明らかにハーグ条約違反だと私は思う。違いますか。条約局長に聞いておるんじゃない。  私が聞くのは、北朝鮮に対する危機というのは、アメリカは刻々戦争の危機は迫っておると言う。経済制裁をやったら我が国に対する宣戦布告とみなすと北朝鮮側は言ったわけでしょう。それほどせっぱ詰まったときに、それは丹波条約局長はすぐれた人だけれども、あなたの意見を聞いたってしようがないのだ。これは政治の判断だ。政治の判断だから政治家の意見を聞く。どうですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 ただいま江藤先生が御指摘をされましたハーグ第三条約の条文を今伺いました。一般論として、今おっしゃったような戦争の、ルールと言ってはいけませんけれども、一つ最低限守るべきことを規定をされているのだと私は認識をいたしました。  その意味で、先ほど来申しておりますように、核兵器が大量殺りく兵器になる、また非戦闘員を巻き込む可能性が非常に高いという意味では、そこで言っている規定に非常に近いものだというふうに考えますが、外務省の方で従来とってきました従来からの政府見解というのは、実定法、国際法としての実定法の中には、先ほど申しましたような毒ガスの禁止条約とか化学兵器の禁止条約、そういうものを指して言っているということで、その点については実定法上の違法性ということの観念では援用していなかったものと承知しております。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 不必要な残虐兵器の使用を禁止するというのがこのハーグ条約の中にあるわけであって、それはあなた、原爆ほど悲惨な兵器がありますか。私は親戚の者を一人広島で失い、私の大事な友人が長崎で被爆をして、いまだに彼は苦しんでおる。それを私は生活の中で見ておるから、いかなることがあっても再び原爆の使用などというのがあってはならぬと私は若いころから思ってきた。だから今度の、国際法上必ずしも違法とは言えないなどという、そういういいかげんなことを報告をして、被爆国家日本が将来本当に平和国家としてやっていける心構えが見えるのかというと、私は見えないと思う。  総理、日本は、アメリカの核の庇護のもとにある。それから国連常任理事国の仲間入りをしたい。今、国連常任理事国というのは全部核兵器を持っておる。そういうものに対して気兼ねをするからこういう表現になるのじゃありませんか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 私は、ここの場所でも再三御答弁申し上げてまいりましたけれども、我が国が国連に入る一つの資格あるいは働きというのは、今御指摘があったとおり、この常任理事国五カ国は全部核保有国である、そういうところに核を持たない国というのが新しい時代の中で私は一つの役割を果たすことができるだろう、その意味でも国連で私たちは責めを負っていく資格があるということを申し上げてまいったところであります。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 それなら、もう一回検討して文書を練り直しなさい。文書は頭が大事。一番頭が大事。頭から、国際法上規定がないから違法ではないなどという、そういう表現というのは、私は軽率に過ぎると思う。  環境庁長官は先ほど、こういう報告に反対と明らかに言われましたね。私はさすがに立派だと敬意を表します。そういうやはり良心がなきゃ私はだめだと思いますよ。自分の考え方が持てないような閣僚がどうしますか。役人の意見を聞かなきゃ何もわからぬというのじゃだめだ、そんなことでは。  だから、私はもう一つお尋ねしたいことは、国連で経済制裁をやろうという動きがあるわけでしょう。それだったら、持っておるのか持っていないのかわからぬものに対して経済制裁というのば私はおかしいという議論になるのではないかと思われてならぬ、実定法がないというんだったらですね。  なぜ私がそういうことを言うかというと、東京軍事裁判は何ですか。これこそ条約局長に聞くわ。これを裁いた国際法がありますか。このときに、東京軍事裁判をやるそれだけの国際的なきちっとした法規がありましたか。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 もう先生もこの点については本当にお詳しい先生でございますので御説明の要はもうほとんどないわけでございますけれども、この東京裁判につきましては、私は先生の御意見も承知しておりますし、いろんな異論、いろんな考え方が存在しておりますけれども、平和条約第十一条におきまして日本国政府は極東軍事裁判所のこの裁判というものを受諾しております。  私もいろんな気持ちは実は持っておりますけれども、こういう形で受諾をすることが日本が戦後国際社会に復帰していくための一つのやむを得ない受諾だった、したがって、日本政府としてこれに今異論を唱える立場にないということは先生も全部御承知の上での御質問かと思います。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 ちょっと条約局長、私は今ここに資料はないけれども、あなたの言われたのにちょっと私は疑義があるんです。  サンフランシスコ条約第十一条で日本は東京軍事裁判を受け入れたと言いますね。しかし、そうですが。昭和二十六年、西村条約局長は何と答えていますか。あれは判決を受諾したのである、判決を。だから、サンフランシスコ条約が発効すれば今の戦犯も全部釈放される、全部無罪になる、そして係争中の、裁判中のものも全部釈放しなきゃならぬから、その規定を定めたのがあの第十一条でしょう。違いますか。  これは外務大臣にはわからぬから、あなたでなきゃいかぬ。この昭和二十六年の西村条約局長の意見と違うようなことを言わぬでくださいよ。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 先生も今お手元にないとおっしゃいましたけれども、私も今手元にその西村局長の具体的な表現は持っておりませんけれども、今先生がおっしゃったような、西村条約局長がどういう表現をされたかはあれですけれども、おっしゃったような御意見が存在していることは十分承知いたしております。  その意味は、この十一条におきまして「日本国は、極東国際軍事裁判所」、もう後を略します、先生御承知ですから。裁判所の「裁判を受諾し、」というふうになっているのは、実はこれは、判決を受諾しと書くべきだったのではないかという議論です。  英語では「ジャッジメント」こうなっておりますけれども、要するにこの議論をされる方は、まさに今先生おっしゃったとおり、判決を受諾しといって、その本当に狭いところを受諾しているはずなのに、この日本語は裁判として全体に網をかぶせて、それを受諾している、それはやはりおかしいんじゃないかという御議論でございますけれども、しかし東京裁判の判決を読みますと、裁判というのは、実は裁判長は、これからジャッジメントを自分は読むと言って、そのジャッジメントが全体をかぶせて言っているものですから、包括的にここでは「裁判を受諾し、」という考え方が私は正しいと思っておりまして、日本政府はずうっと、自民党政権時代も私たち政府はそういう説明をいたしておりまして、自民党の先生方にも御了承はいただいておるというふうに考えておる次第でございます。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 お互いに手元に資料がないわけですから、昭和二十六年の西村条約局長の答弁をもう一回読んでみてください。一番最初が判決を受諾しとなっているのですよ、判決を。裁判を受諾しというので始まっておるのではないのです。そして、こういうふうなサンフランシスコ条約が発効すれば戦犯が釈放され、あるいは裁判中の者を釈放せにゃいかぬから、連合国の許しなくては勝手なことをしてはいかぬよという裁判を受諾したと最後に言っているのですよ。これはもう一回きちんとして、見てください。  ということは、あのときに東京裁判は、あなた、東京軍事裁判をやる国際法はなかったわけでしょう。ありましたか。――ありましたか。あなたが余計なことを言ったから余計な議論になって時間をつぶしたんだ。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 どうも申しわけありません。  先ほども申し上げましたけれども、例えば、一つの例ですが、罪刑法定主義という観点から見れば、確かに先生おっしゃっておられるとおり、あの裁判は、一九二八年の不戦条約違反である、それが侵略であるという考え方に立っておりますけれども、それではその不戦条約の違反が行われた場合に、個々の、それを犯したかくかくの、括弧つきの被告ですが、を裁判にかけて犯罪者とすることができるかといえば、それはそういうものではなかったのではないか、したがって、罪刑法定主義に違反するのではないかという御意見が存在していることも先生十分御承知のとおりでございまして、私もいろいろな感情は持ちますけれども、先ほど申し上げたところに戻りますが、日本政府は、あるいは日本は、戦後国際社会に復帰していくための一つのやむを得ない道として十一条でこの裁判を受諾せざるを得なかった、その他いろいろな条項があったことは御承知のとおりです。  以上でございます。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 それは私も、あの状況の中でほかに日本が選択の方法があったかといったら、あなたが言われるようになかったと思う。だからこそ、戦後五十年だからもう一回歴史の検証をしてみてはどうですかと、私が申し上げておることはそのことです。  あなたははしなくも、不戦条約で裁かれたと言われましたね。一九二八年、パリで調印された不戦条約で東京軍事裁判は裁かれた。不戦条約は、何と書いてありますか。アメリカのケロッグ国務長官は上院で、あれは当事国が侵略戦争であると言うなら侵略であるし、これは自衛戦争であると言うなら自衛のための戦争だと言っておるわけでしょう。あれが不戦条約です。ただ、イギリスの代表は国へ帰ってこういうことを言っているわけです。我々が植民地にしておる我が領土に攻めてきたやつも侵略だと。随分勝手なことを言ったものだと思う。  だから、東京軍事裁判ですらそういう国際法は存在しなかったのですよ。それでも裁かれたんだ。だとするならば、今回の北朝鮮のそういう制裁に対しては、日本はよほど慎重にしなければならぬ。理屈はちゃんとっきますかということです。外務大臣、つきますか。(発言する者あり)それだったら東京軍事裁判にさかのぼるんだ。世界というのは常にそういうふうに勝者が支配してきたわけですよ。常に勝者が支配してきた。負けたやつは哀れよな。  どうですか。東京軍事裁判はそういう法律はなかったのに日本は裁かれて、歴史を五十年間引きずつてきた。北朝鮮は、そういう実定法もないのに、それなら経済制裁やれますか、実際問題として。それで我が国の正義だと言えますか。  私は北朝鮮を擁護するのではないのですよ。北朝鮮を擁護するのでもなければ、アメリカを誹議するのでもない。しかし、日本の正義のために私はこのことは明らかにしておかにゃいかぬと思うからお尋ねするのです。  総理に意見がありますか。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 北朝鮮の核疑惑が国連においてどのように評価をされるか、これはまさにこれから国連の安全保障理事会で議論をさるべき問題でございます。  我が国といたしましては、今先生が御指摘のような問題もあり、その点についてはできるだけ慎重に考えるべきだということは申しているつもりでございます。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 それでは、先ほどから議論があるように、核兵器の使用は国際法上必ずしも違法ではないという表現は変えますね。このままやりますか。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 先ほど答弁をさせていただきましたように、この核兵器の使用の法的評価につきましては、今御指摘のような点も含めて十分念頭に置いて適切な表現になるよう再検討をいたしたいと思っております。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 核兵器を持ったり使用したり、それによって他国に脅威を与えるということは不幸なことですから、それはやめてほしい。だけれども、余りそのような、こういう露骨な表現というのはそれは避けた方がよろしい。  そして、政府が勝手にやる、そんなものではないと私は思う。この扱い次第では日本は戦争に巻き込まれるかもしらぬのですよ。だったら、国会の意見をよく聞いて、国会の了承を得た上で私は国連の司法裁判所にこの報告書は出すのが建前だと思いますが、総理はどう思いますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 ただいま外務大臣から御答弁申し上げましたとおり、今その問題についてどういうあれで皆さんに御理解いただけるか、私ども検討しておるところであります。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 速記を起こして。  江藤君。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 各党の皆さんが熱心にこのことにこだわって議論をされてきたのは、日本の安全保障と、それから、ややともすれば戦争の危機がある。今は飽衣飽食、平和なれしておる日本でありますが、ミサイル一発撃たれたら、それこそ大混乱をするであろうと心ある人は皆心配しておる。そういうときのことでありますから、これを取り消すか、全文を取り消すか、それか出さないか、それとも全く表現を変えるか、政府においてひとつ統一見解を至急にお願いをしたいと思います。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 速記をとめて。     〔速記中止〕

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 速記を起こして。  暫時休憩いたします。     午後三時四十五分休憩      ――――◇―――――     午後四時五十三分開議

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。柿澤外務大臣、

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 先ほど来御議論をいただいております核兵器の使用の国際法上の評価につきましては、当委員会でのさまざまな御議論を踏まえまして、核兵器の使用が実定法上違法とは言い切れないとの部分を削除することといたしたいと思います。  ここまでいろいろと予算委員会の審議等に御迷惑をかけましたことをおわびを申し上げます。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 質疑を続行いたします。江藤君。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 長いこと休憩時間を挟みまして大変恐縮でしたが、ただいまの外務大臣の発言を聞きますと、削除は結構ですが、恐らく文章にならないだろうと思います、そこの部分だけ取ったってね。恐らく、文章が前と後ろとつながらぬようになっておかしなものになると思いますから、この委員会が終わるまでに文章にして各委員のところへぜひ御配付を賜りたい。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 御趣旨に沿って努力をいたします。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 それでは、話題を変えまして、二つ総理に聞いておきたいと思います。  北朝鮮に対して国連決議が行われたならば、憲法の許す範囲内で最大限の協力をする、こうしばしば述べられておられますが、ならば、国連決議がなかったならば一切の制裁には日本は参加はしないと了解してよろしいのか。  例えば湾岸戦争のときには、あれは多国籍軍でしたよね。ですから、今後考えられるとするならば、日本とアメリカと韓国が、三カ国が主体になって国連決議にかわる北朝鮮への何らかの措置をする、こう考えなきゃならない。  ですから、国連決議がなければその他のいかなる行動も起こさないのですか。あるいは、なかったならば別途また方法を考えるのですか。どちらですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 この問題につきましては、現在国連の方もああいう議長声明という形で今呼びかけをしておるということでございまして、しかし、その後、国連の方で、やはりそういった問題について常任理事会で議論をするという段階でありますから、それ以上のことについて今私どもが、私どもは何といってもやはり話し合いによってこれは解決したいということで、北朝鮮が一日も早くやはり国際世論というものを理解していただいて、国際社会に対して窓を開いてもらいたいというのが私たちの願いでそのために今いろいろな努力をいたしておるところでございますから、それ以上のことについては今お許しをいただきたいと思います。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 それ以上のことについては今は言えない、その気持ちもわかりますが、日本は国連中心主義ということを標榜してきたわけでありまして、湾岸戦争のときのイラクやらクウェートの問題とは、これは問題が全く違う。このことは、私は、やはり厳しくひとつここで申し上げておきたい。  それからもう一つ、簡単で結構です。今後いかなることがあっても、日本の自衛隊を戦争に参加させることはありませんね。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 まさに現在の憲法ではそのようになっております。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 それでは、先ほどの文章ができますまで残りの時間を保留させていただきます。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 これにて江藤君の質疑は、保留部分を除き、終了いたしました。  次に、野中広務君。

野中広務自由民主党・自由国民会議

○野中委員 私は、先日の集中審議におきまして保留をいたしました質問に、同僚議員のお許しをいただきまして、若干の時間をいただきました。  きょうは締めくくり総括の日でもありますので、私の考えておる点について若干の質問をし、さらに加えて、先般保留をいたしました政治倫理に関しましてお伺いをし、私の考え方を申し述べたいと思うのであります。  最初に、先ほど来お話がございますけれども、安保常任理事国入りについてお伺いをいたします。  総理は、先般の訪欧以来、やや私どもにとっては異常とも言えるほど、国際連合の安全保障常任理事国入りを強く求める発言を繰り返しておられるわけでございますが、私は、どこに真意があるのか、ややはかりかねるのであります。日本が常任理事国になることによってどのような日本を目指そうとしておるのか、そこでどのような役割を果たそうとされるのか、その点をまずお伺いをいたしたいと存じます。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 御案内のとおり、今国連の改組といいますか、安保理の改組も含めまして議論がされておるところでございまして、我が国もこの作業部会の中で幅広い立場から議論をいたしております。  そういう中にあって、もしそういうチャンスを得るというのだったならば、これに対して私どもも常任理事国としての務めをしたいということは、これは日本は戦後五十年の間に、平和の中でいろいろなノウハウというのは持ってきたというふうに思っております。その意味で、私どもが果たす役割というのは、安全保障理事会の中でも幅広い観点から役割を果たすことができるであろう。これは先ほども申し上げましたように、戦後五十年、平和の中で暮らしてきたということの中で対応することができるというふうに思っております。

野中広務自由民主党・自由国民会議

○野中委員 そこでお伺いをしたいのでありますけれども、アメリカの上院は、ことしの一月の末であったと思いますけれども、日本などの常任理事国入りについては、武力行使を含む国連平和維持活動について参加できる体制を整えない限り認めるべきではないと、附帯決議を可決をいたしております。また、三月に我が国に来られましたフランスのジュッペ外務大臣も、常任理事国には権利と義務がある、すなわち、PKOに参加する義務があると述べておられるのであります。  PKO法の見直し等の時期を前にいたしまして、先般来より指摘をされましたように、一部閣僚からはいわゆる有事立法とかあるいは集団的自衛権とのかかわりについていろいろと述べられておるわけでございますけれども、財政負担がアメリカに次いで二番目であるから、あるいは財政面の支援でアメリカから期待をされておるから、あるいはカンボジアやモザンビーク等の国際貢献というのが非常に高い評価を受けておるから、そんな事情だけで私は安保常任理事国入りというものが考えられてはならないと思うのであります。  先ほど総理みずからも、あるいは江藤委員からの指摘もありましたように、現在の安全保障の常任理事国というのは、すべて核を保有しておるのであります。しかも、一朝有事の際の軍事的参加をすべて可能にしておる国々であります。  どうも日本で今、新聞等の世論調査で五〇%を超える国民が国連の安保常任理事国入りを支持しておる等、そのような報道に接するたびに、私は、日本が今の安全保障理事国の現状を認識をしながら、国民によく理解を求めながら、本当にこの常任理事国入りというものの役割、そして責任を果たそうとしておるのか、また、国民はそういう認識をよく理解した上で支持しておるのか、そういうところに不安を覚えるわけでございます。その点についてお考えを聞きたいと思います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 私ども、やはり国民の理解を得ながらこういった問題を進めていかなきゃならぬということは、もう全く同感であります。  ただ、我が国は、世界の平和と安全のため、政治経済などの幅広い分野で常任理事国たるに相ふさわしい多大な貢献を行ってきておる、そういったことで、いろいろな国から日本に対して常任理事国入りというものの招請といいますか、推薦だとかあるいは日本を支持するとか、そういう声が聞こえてくるのではなかろうかと思います。  そして、今お話がありましたように、今の常任理事国というのは、まさに核の保有国だけしかないということでありますね。そういうことで本当にいいのだろうか。保有していない国がそういう中に入ることもやはり必要なんじゃなかろうか。  それと今までの、ポスト冷戦といいますか、冷戦時代までの国連への要請というのは、やはり核の対蒔というものがあったわけでありますけれども、最近起こっている紛争というのは、むしろ歴史的なものを背景として、国境ですとかあるいは宗教紛争ですとか、そういったものがもとになっているということでございまして、その意味で、カンボジアでの日本の役割ですとかモザンビークでの役割、こういったもので日本が果たした役割というのはやはり非常に大きかったのじゃなかろうかというやうに思っております。  それと、アメリカでは確かに議会の中でそういう声がありますけれども、ガリ事務総長が日本に来られたときには明確に、日本が追加的なものを、常任理事国になったからといってこれを負うものではないということまで言われておるということ、私はこういった言葉というものを評価しながら、今申し上げているような考えに至っておるということであります。

野中広務自由民主党・自由国民会議

○野中委員 私は、今総理がおっしゃいましたけれども、安保常任理事国が現在果たしておる役割、あるいはこれからの安保常任理事国が新たな改組をされない限り、日本は入るという条件を満たさない、このように思っておるのです、むしろ。向こうの方から日本が入れるような環境というものをつくらない限り、今は核保有国がすべて入っておる、そしてすべて軍事的に参加する、そういう条件、我が国がクリアできないそういう部分がたくさんあるわけですから、それを改組しない限り常任理事国入りというのはむしろできないと解釈するべきである。それを、安全保障常任理事国に日本の参加を求めるために改組されるという、そういう方向で政府は動いていらっしゃるわけですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 まさにこれからの国連の果たす役割というのが幅広く実は議論をされておるわけでございまして、そういう中にあって日本が働く余地といいますか、働く場所、新しい場所というものが生まれてくるであろうというふうに確信しておりますし、いずれにいたしましても、国連というのは、常任理事国の中で、この五カ国、P5というのですか、この中でいろいろなことが話し合いされて、そしていろいろなものがどんどん進んでいくという状況にあるという中にあって、核保有国だけで進められていることは、これは新しい時代、新しい世界の秩序、こういうものを目指していくときにも、私はむしろ逆に不適当じゃないのかなというふうに思います。

野中広務自由民主党・自由国民会議

○野中委員 総理が不適当であると思われても、安保常任理事国というものの果たす役割が、そしてその使命が改組されない限り、我が国はやはり参加できないと思うのですけれども、そこのところを明確にしてほしいと思うのです。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 現在のあれでも、この間ガリさんがお見えになったときに、何というのですか、新しいものが追加される、日本が新しいものを考えなければいけない、例えば憲法を改正しなければいけないとかいろいろなことを言う議論がありましたね。そういったものを踏まえての議論の中でガリ事務総長はそういうことを言われておるということ、このことを考えても、日本としてきちんと参加することができるし、やはり日本がそういった中で発言していくことが私はこれから重要であろうというふうに考えます。

野中広務自由民主党・自由国民会議

○野中委員 そこで、防衛庁長官を含めてお考えを聞きたいと思うのですが、今総理からもお話がありましたように、今後も国境あるいは宗教、民族、資源等の地域紛争というのは、残念ながら世界の各地で今も起きておりますし、また起きていくであろうと思うわけでございます。  私は昨年、カンボジアで活躍しておるPKO活動を、みずから現地に参って、特にタケオあるいはカンポットで、一生懸命あの国の再建のために頑張ってくれておる自衛隊の諸君の活動をこの目で見てまいりました。あの際は、第一次六百人、第二次六百人、さらに高田警視を初めとうとい犠牲者も、警察官やあるいはボランティアの中から出してしまったわけであります。  そういうのを見てまいりまして痛切に思いましたのは、これから、では自衛隊は求められたらどこへでも、どのような人数でも派遣されるわけでありますか。そこにどのような歯どめをかけ、どんな考え方を持って臨もうとしておられるわけでありますか。まずお伺いしたいと思います。

神田厚改新防衛庁長官

○神田国務大臣 野中先生にお答え申し上げます。  この常任理事国入りということにつきましては、総理も非常に熱心でございまして、また国連大使も非常に熱心でございます。  私ども、きのう発令しましてモザンビークに出発をさせました。ただ、出発する前には、いろいろ出発の条件につきましては、事前に十二分な調査をして、危険のないところに出発できるような形でやっております。ですから、何百人という人を一遍に今この時期に出せるかどうかは極めて、準備もありますし、いろいろなことを考えていかなければならないと思っております。

野中広務自由民主党・自由国民会議

○野中委員 私はそういう点を聞いているわけじゃないんです。国連から、例えば今ゴラン高原で、すか、あそこの国連兵力の引き渡しの監視のためにカナダの後方支援を求められておる、あるいは政府は非常に前向きに取り組んでおられるという話を聞くわけであります。そうすると、これから国連から要請を受けたら自衛隊はどこへでも派遣をされるわけですか、それは何名を限度としておられるのですか、そういうことを具体的に今防衛庁はお考えなんですか、我が国は考えていらっしゃるわけですか、こういうことを私は尋ねておるわけでございます。  すなわち、私はカンボジアへ行きましたが、現地に行かない人の議論でこういう問題を論じてはいけないと思っているんです。確かに自衛隊は、幸いにも一人、盲腸の手術を受けられた方ぐらいで、無事帰ってきてくれました。大変うれしいことだったと思います。  しかし、四十度を超すあの灼熱の地で、しかも遠く家族と離れて数カ月、日本と四時間の時差がある、その間、作業とそして時差のある関係を、みんなずらっと一つよりない電話口に並んで、家族の声を聞きたい、聞かしたい、こればっかりを毎日思って、ひたむきに待っているのです。家族もそうなんです。それを送り出した家族の不安と、現地でひたむきに家族の声を聞きたい、聞かそうとしてしかもそういう困難の中でやっておるそういう人たちの気持ちに立って、もっとあなた方は、これから自衛隊に入っていく人たちが、国連の協力を求められたときにどういう状況でどの国へ、どういう歯どめで行くんだということが明確にされなかったら、何の歯どめもなしに要請されたら行くということになっているんですか。私はそこのところをお伺いしている。

神田厚改新防衛庁長官

○神田国務大臣 PKO法の五原則のもとにお送りすることになっております。したがって、国連が言われたとおりそのままできるのかどうか、外務省と相談をしながら事前準備をしております。

野中広務自由民主党・自由国民会議

○野中委員 私は、大変失礼でございますけれども、危険と隣り合わせをしながら、家族の不安、本人の不安を含めて、今いわゆるPKO活動に従事をしてくれておる人、これからもその任を受けたら行かなくてはならない人、そういうことを考えたときに、三軍の長にある長官の答弁というのはまことに私は残念だと思うわけぐこの人たちの心中を思い、これからの日本の自衛隊の諸君の士気を思うときに、もっと明確な答弁がこういう重要なことについてされなくてはならないと思うわけでございます。総理、いかがですか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 国連から要請があったら何でも出すのかという御指摘がありましたけれども、今これは防衛庁長官からもお答えいたしましたとおり、このPKO法を通しましたときの五原則というものがございます。この五原則、これを私どもはやはりまず一つの尺度にいたします。  そしてこれから、カンボジアですとかモザンビークですとか、我々は今経験をいたしておるわけでございますから、来年でしたか見直しのときがあります。このときにこういった経験をもとにしながら、日本は何がまたできるのかということについての議論は、やはりそれからであろうというふうに思っております。それまでの間は、この五原則に基づいてやるということであります。  また、私自身も、大変短い、二日間という短い時間でありましたけれども、カンボジアの現地を訪ね、そして現地で活動されております皆様にお話ししたり、お話を聞いたりしてまいったわけでありますし、またその後、各地区から帰られた方あるいは出かける方、こういった方々ともお話をしてまいりまして、今野中委員から御指摘のように、向こうに本当に出かけていく人の立場というものも私たちはやはりよく考えなければいかぬ。  ただし、日本の国として今日でき得る努力というものは、やはり平和をつくるために積極的な努力をしなければならない。私はこのことを、また、自衛隊の人たちも誇りを持って行けるような環境というものをつくっていかなければいけないというふうに考えております。

野中広務自由民主党・自由国民会議

○野中委員 今も総理からありましたけれども、これから参加していく自衛隊の諸君、それはどこに命令が下るかもわからぬ。そして、今まで出てきた人たちも、再び行きたいというそんな気持ちになっているかどうかということを、私はそれぞれの隊員の気持ちを聞いております。そう考えたときに、より慎重でなければならないということを特に申し上げておきたいと思うわけでございますし、そういうことについて今なお具体的に私たちは防衛庁長官から聞けないことを私は残念に思います。  次に、日米包括協議について私ちょっと触れてみたいと思うのでありますけれども、前の質問のときにも言いましたけれども、細川内閣の八カ月というのは大きな政治的ドラマがありました。それは米の市場開放であり、政治改革であり、国民福祉税であり、この前にも私申し上げましたけれども、すべて日本においては草木も眠るうし三つどき、午前二時、午前四時、午前一時、こういうときに行われた政治的決断であり、ドラマでありました。  日本の国民にとってこれほど大きな影響を受けるそういう決断を、実は日本人の多くは知らない。例えば新聞では、あの時間というのはほとんどもう、せいぜい朝刊の最終版に間に合ったらいいぐらい。だから社説も書けなければ解説も書けない、こういう時期なんです。  こういうドラマは、実はアメリカでは、サンフランシスコでは午前九時、株式の始まる時間でしょう。そして、ワシントンやニューヨークではお昼の食事の時間でしょう。何か私は、あの日本の大きな政治決断というのが、一番大切な国民が知らない時間で、アメリカの時間に合わせたような細川総理の記者会見というのが行われたような気がしてならないのであります。  そう考えましたときに、やはり先般の日米包括協議というのは、多くの私は反省点を持っておると思うわけでございます。一月の三十一日に既にクリントン大統領のもとには消費税七%、あるいは六兆円減税、十五兆円の景気対策というのが日本の政治家から届けられたと私は聞いております。そして、八日には木内特使が行かれました。総理はこの前、特使というのは外務省からきちっと決めて、そしてそれを官邸から派遣をするものだ、こう答弁をされたと思うのですが、元フランス大使の木内さんというのは、そういう手順を踏んで派遣をされたのでありますか。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 あのときに木内さんが行かれたのは、まさに個人的な、総理みずからの気持ちというのを率直に伝えてほしいということで、いわゆる普通の特使というのとはちょっと違うというふうに思います。

野中広務自由民主党・自由国民会議

○野中委員 今総理が言われましたように、私は先ほど、一月三十一日クリントンには既に税の問題、景気対策、減税が入っておった、そういう話をいたしました。細川さんには二月の二日これが伝えられ、そして二月三日のあの夜明けの記者会見に突然なった。結果的には、社会党やあるいは民社党、公明党を含めた反対の中に国民福祉税は幻に終わってしまった。その後、八日に木内さんが行かれたわけですね。だから、総理の親書を持った特使だから、ゴア副大統領もクリントン大統領も会うたわけであります。  私の聞いておるのは、やはり日本の特使が総理の親書を持ってくるんだから、副大統領も大統領も会った。けれども、大体事前に来る人というのは、総理なりそういう人が来たときに、お互いにいろいろな立場はあっても、ここらあたりで落としどころというものを持ってくるものと思って、そしてお会いをしたら、何のことはない、何にも持ってきていなかった。  そして、最後にクリントンに木内さんが残された言葉は、大統領、日本の官僚は百二十年の歴史を持っております、こういう言葉を残されたと聞くわけであります。恐らくクリントンは、もうこの国民福祉税の幻に終わったこと、そしてこの木内さんの言葉を聞いたときに、官僚支配になった日本とこれ以上話すことは時間のむだだと考えたと言われております。  けれども、羽田さんが行かれて、そして三回も熱心な交渉をやられ、深夜にわたり、マクロの部分は別として、あるいは自動車とか部品は別としても、いわゆる保険やあるいは政府調達、こういう問題については七、八割方もう合意ができる、そういう状況が出ておったけれども、結果としてだめになった。  私は、管理貿易につながらない方向を羽田さんは選んだというのは、それは評価しているのですよ。それは評価しておりますけれども、しかし羽田さんですら、おれは松岡洋右にはなりたくないと言ったんでしょう、あなた。そんなこと、私ちゃんと聞いているのですよ。  そういう状況の中で、細川さんだけは、初めてノーと言った日本の総理とか、あるいは成熟した大人の関係とかいって浮かれちゃって、そして残念ながら日本の一部の官僚とさらにはマスコミは、戦勝国みたいな大騒ぎをやりました。その後出てきたのは何ですか。いわゆるモトローラの制裁じゃありませんか。そしたら日本はそれを見事に受け入れて、開銀から六百六十億の融資を行い、そしてアメリカの言いなりになったわけだ。結果的には、恫喝したら言うことを聞く国なんだ、そういう印象を私は与えてしまったと思うのですよ。  だから、今も残念ながらいろいろな努力はされておるけれども、日本の政治家はだれ一人参加することなく、日本の官僚によってまあ前進的な方向にあると言われて、私どもも安心はしながら期待をしておりますけれども、しかし政治家の決断と政治家の大きな努力なしに物事が進んでいくことに大きな不安を私は覚えるわけでございます。  したがって、今私は幾つかの問題について言いましたけれども、羽田さんがこれから総理として、この前は外務大臣として総理より一日早く入られて、いろいろな、カンターさんを初めとして苦労をされました。これからも日米関係の信頼のために、幾つかの私は緊張した場面を迎えると思う。迎えると思うけれども、しかし結果として、先ほど申し上げたように、モトローラの問題というのは、細川さんが解決したとも羽田さんが解決したともアメリカのニュースは伝えていないのだ。小沢一郎さんが解決したとアメリカのニュース、新聞は書いている。結局、六百六十億という融資は、利子補給を含めて政府がこれからまた対応せざるを得ないのじゃないですか。  こういうことを考えたときに、先ほど申し上げましたように、これからも幾たびか緊張の時期を迎えるであろうと思いますけれども、日米間の信頼を築き、そして我が国の主体性を確立し、政治家の存在感をきちっと与えるような協議が、これからの日米協議で進められることを私は要請をしておきたいと思います。総理のお考えを伺います。

羽田孜改新内閣総理大臣

○羽田内閣総理大臣 一点申し上げたいことは、例のあの細川さんの大人の関係あるいは成熟した関係ということで浮かれていたというお話、あるいはその後みんなが、これでもうノーと言ったというのでのんきになってしまったというお話があったわけでありますけれども、しかしこの点につきましては、今お話がありましたように、私がカンターさんと延々と話したときに、カンターさんの方から、ヨーロッパとカナダとは不調に終わることはしょっちゅうある、ついてはおまえさん余り気にしないでほしいという実は要請があったということでございまして、そういう話があった。そのことを私は総理に御報告しましたから、総理はそういう表現をされたということであります。  そして、今お話があったことも私はきちんと踏まえながら、今後ともやはり私としてはちゃんとした対応、日本の立場というものを守りながら、しかも自由貿易という基本を守りながら、これからもアメリカとも対等にお話し合いをしていくということをはっきりと申し上げたいと思います。

野中広務自由民主党・自由国民会議

○野中委員 時間を勘違いしておりましたので、私は柿澤さんにお伺いをいたします。  外務大臣、後藤正さんというのはあなたの何ですか。かつて秘書をしておられましたね。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 さようでございます。

野中広務自由民主党・自由国民会議

○野中委員 富坂治彦さん、牧山昭郎さんというのはどういう方でありますか。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 前者は私の秘書をしていたことがあったと思いますが、後者は友人でございます。

野中広務自由民主党・自由国民会議

○野中委員 都市フォーラムというのは、これは政治団体ですか、お伺いします。  あわせて、時間がありませんから、ブレーントラストアソシェイツという株式会社は、あなた御存じですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 最初にお話のあったのは、政治団体ではないと思います。  後のお話の、会社というお話でしたが、それは存じません。

野中広務自由民主党・自由国民会議

○野中委員 存じませんというのはいただけない話でありまして、今私が申し上げました富坂さん、そして後藤さん、富坂さんはこの会社の代表取締役であります。そして、後藤さんは秘書であります。あなたはこれを、この会社で都市フォーラムをつくって、この会社は建築資材から仕上げ、それから旅行業、これは大臣認可を受けております。それから、損保あるいは各種イベント、通行料金別納制度の利用者加入の募集、いろいろな仕事をやっていらっしゃいますけれども、これはあなた御存じでしょう。あなたは、代表としてあいさつをここに載せていらっしゃるのだから。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 たしか、私の秘書をやめてから何か旅行の仕事をやるということで会社をつくったと聞いておりまして、それが今のお話の都市フォーラムの旅行の何か案内をしていたように思います。

野中広務自由民主党・自由国民会議

○野中委員 そうじゃなしに、あなたは都市フォーラムの代表なんですよ。そして、一般廃棄物、産業廃棄物の処理等で研究を重ねて、そして日本と他の国と比較して、進んでいる部分を取り入れるために、幾度かの講習会をやって、あなた自身二回も海外へこの人たちを連れて旅行に行っていらっしゃる。これにあなたのあいさつが書いてある。だから、今おっしゃったことは、よそごとみたいな話をおっしゃっておるけれども、あなた自身がここに書いていらっしゃる。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 私は、都市出身の議員として、これからの都市の廃棄物その他、どのような形で処理をすべきかについては、関心は持っておりました。そういう意味で、その都市フォーラムが西欧の事情を調査するということで行ったことは承知しておりますし、その意義について、ぜひしつかり勉強してほしいというような話をしたことはございます。しかし、私は参加はいたしておりませんので、念のためつけ加えます。

野中広務自由民主党・自由国民会議

○野中委員 あなたは、私の台湾の事務所の問題についても、最初は全く知らないと言われた。次は、オフィスとして私の知人が、友人が使ってくれと言われたとおっしゃった。そして私が、呉さん初め張さん、その他田中英光さん、みんな名前を挙げたら、そしたら、それは友人であり、ひょっとしたら私の顧問とか、そんな者を使っておったかもわからないとか、秘書を使っておったかもわからぬと、全部質問のたびに変わってまいりました。そして、あなたは、私が後援会と言ったのをファンクラブとしておっしゃることによって、やはり組織として台湾に存在したことをお認めになったのです。  昭和五十二年のころからあなたは、かつて長者番付の日本一となったあの故長谷川万治氏の女婿の長谷川剛さん、あなたの後援会長だという話でありますけれども、その建物を賃貸されました。平成四年には、今の豪邸に、長谷川さんの方で改築をされて、自分の自宅は、この間申し上げたようにお貸しになっております。  したがいまして、私はそういうことを考えますときに、またこの間から私は、ベトナムやカンボジアやインドネシアやあるいはフランスについて、いろいろと言いました。あなたは、私はヨーロッパについていろんな努力をしてまいりましたけれども、東南アジアやそういうところには関係ありませんとおっしゃった。しかし、現にベトナムにおいても、あるいは現にカンボジアにおいては、フン・センさんとあなたは、同じ深川の岡田さんとの仲介をされて、そして合弁会社がつくられて、我が党の代議士と一緒に、あなた、向こうへ行って豪華な接待を受けておられるじゃないですか。行った人がそう言っているんですよ。  だから、これから私は、外務大臣として、あなたのような行動をしてきた方は不適格だと言っている。全くあなたは、もう今日、日本の外交を預かるのに不適格な人だ。私は、先ほど来述べてまいりました問題を、時間がありませんから一々ここで申しませんけれども、私は、あなたは外交を預かる顔としてやっていくことが不適格な人である。あるいは、きょうの核兵器の使用の問題等についても、たびたび答弁が変わっていきました。けれども、このことについて、中西委員を含め、江藤委員を含め、松本委員を含めそれぞれ発言された方々の論議を通じて、先ほど訂正削除をされましたことは、我が国の国家の危機に直面しながら、国会の論議を通じて国会の存在する重みというものを私は同じ場所におりながら実感することができて、国会の論議の重要性というものを、存在感の重みというものを強く感じたわけであります。そのたびごとに変わっていく答弁、そういうことについても、あなたは政治的責任をとられるべきであります。  私は、そういう点について。あなたは外務大臣として不適格である、したがってあなたは外務大臣を辞任されるべきである。まあ、社会党等は、この予算が済んだら内閣総辞職を言っていらっしゃいます。我が党もまた、それなりの考え方を持つております。けれども、それまでにあなたは、やはりこの激動する国際情勢の中で、みずから歩んできた、そしてみずからこの委員会に出て答弁してきたことが変わっていくそういうことについて、政治家としてもあるいは外務大臣としても、国益のためにみずから辞職することがあなたに与えられた道である、こう私は考えるとともに、あなたの辞職を求めたいと思うのであります。  次に、熊谷官房長官に申し上げたいと存じます。  通産省の前内藤局長の参考人招致につきましては、本人よりワシントンから、ノースウエスト航空で成田着て出席をさせていただくという旨、衆議院委員部に連絡をされました後、五日の午後十一時過ぎに内藤氏の奥さんから委員部の職員に、タクシーで空港へ向かう途中、突然吐血をし、アレキサンドリア病院に入院をした。その後、十二時過ぎにまた、現在自分も治療室には入れないので病状はわからないが、医師に確認をしたところ、旅行の継続は不可能だと言われました、申しわけありませんがあすの委員会には出席できかねます、こういう電話が入りました。  本日、委員長を通じて私どもに、内藤さんの奥様からの手紙とそして診断書がここに出されました。非常にいろんな問題があったのだと思いますけれども、胃潰瘍の再発のために二週間の旅行不能の状況になった、その間、常時医師の指示に従って静養することを命ぜられております、そういうことが書かれて、そして診断書がつけられております。  私は、このことに至る間、非常にさまざまな情報が我々のところにもありました。内藤さん本人が吐血をし入院治療中であることは、いろんな情報がありますけれども、この診断書をもって委員長から報告をされまして、事実であることを確認をしたのでありますけれども、内藤さん本人がこのような状態に至らざるを得なかった背景には、実に深刻かつ重大な問題があったと、我々も重大な関心を持っておるところであります。これからも、これを検証していかなくてはならないと思っておるのであります。内藤さんが一日も早く回復されまして、当委員会に出席をされまして真実を述べていただきたいと、期待をしておるところであります。  それにしましても、先般の本委員会における、通産省の正常化のために辞表提出を前提にして、熊谷大臣の、あの当時の国会の質問を通じて、いわゆるやらせ質問によって内藤局長辞任へのシナリオをつくったと、大塚さんが証言をされました。また、私がこの間指摘をしたように、それ以前の九月二十三日から、熊谷大臣は神戸製鋼の元次官の福川さんに、内藤の辞職をさすということを言っておったというようなことまで検証されております。  このような強権的かつ陰湿なやり方、こういう人が内閣のかなめの官房長官の職にあることは、私は国家機能のあり方としてまことに危険である、こうすら断ぜざるを得ないと思うのでありますが、熊谷官房長官の答弁がありましたらお伺いをいたしましょう。

熊谷弘改新内閣官房長官

○熊谷国務大臣 御質問の点につきましてお答えをさせていただきますけれども、まず、私と井上議員の間のお話し合いにつきましては、私もそのようなことはなかったとお答えを申し上げてまいりましたところでございますし、また、井上議員も総理の質問に対しまして、そのようなことはなかったと御返事をされたと私は聞いております。当事者二人が否定をいたしているわけでございまして、私ども、みじんもやましいことはございません。  次に、神戸製鋼の方についてのお話でございますけれども、どのような内容であるかというのは、私は検証されたということはよくわかりませんが、これも私ども、そのような会話をいたしておりません。前回、私がお話を、御説明を申し上げたとおりでございます。

野中広務自由民主党・自由国民会議

○野中委員 官房長官がどのように言われましようとも、大塚さんがこの場所へ来て、そしてみずから、長い間勤めてきた通産省の正常化のためにみずからの職を賭して、そしてその事実を発言をされたわけでございます。私は、官房長官の今の発言はまことに残念であります。  また、我が党の佐藤信二委員が指摘をいたしましたように、熊谷官房長官が通産省在職中に推薦されて人事院から行かれたのは、ハーバード大学の留学じゃなしに、行政官の短期在外駐在員として行かれたのであります。熊谷大臣からの報告にも、目下、MITとハーバードの先生のところに行って研究を進めております、こういう報告だけが入っておるじゃありませんか。私は、そういう意味においても、あなたのハーバード大学留学をも含めて、重大な問題が存在しておると思うのであります。  羽田内閣の官房長官として、一連の、わずかな間にも、会期の延長を言い、官房長官として、久保書記長の会談に総理の総辞職をにおわすようなことまで発言する怖さ、これはすべて私は共通しておると思うのであります。  私は、日本が重大な局面を迎えておるときに、やっぱりあなたは不適性であります。柿澤外務大臣とともに、あなたは官房長官の職を辞されるべきであります。私は、あえてそのことを申し上げておきたいと思います。  以上で私の、柿澤外務大臣及び熊谷官房長官の辞任を求めて、質疑を終わりたいと思います。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 これにて野中君の質疑は終了いたしました。     〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員長代理 速記をとめてください。     〔速記中止〕

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員長代理 速記を起こしてください。柿澤外務大臣。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 本日の、当委員会を初めとする皆様の御意見等も勘案をいたしまして、次のような文章に修正をいたしたいと存じます。  核兵器の使用は、その絶大な破壊力、殺傷力のゆえに、国際法の思想的基盤にある人道主義の精神に合致しないものであると考える。  以上でございます。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員長代理 この際、江藤隆美君の残余の質疑を許します。江藤隆美君。

江藤隆美自由民主党・自由国民会議

○江藤委員 ただいま外務大臣の修正の文章をいただきました。これで了解をいたします。  ただ、この際申し上げておきたいと思いますことは、これが国連の本部に集まっていくわけでしょう。そうすると、これから先、長い将来にわたって、世界の核兵器に対する考え方というのが、世界各国の意見というのが中心になっていくわけでありますから、だから、日本が、唯一の被爆国である、それから、そのために生じた苦難の中から非核三原則の旗を掲げてきたわけですから、その非核三原則の旗を高々と掲げて、やっぱり自信と勇気を持って国際社会の中に生きていくということが私は大事だと思うのです。  これは、外務省の事務当局からすれば、過去のいきさつ、経緯、それらから当初出されたような文章しか出せなかったと思うのです。しかし、事態は全く違う。そのときに政治が判断をするところである。国会は役人がやるところではない。国の重大なる将来にかかわることは、政治がみずからの責任において判断すべきことであるということを、私はこの際に申し上げておきたいと思うのです。  そして最後に、この予算委員会を通じてさまざまな意見がありました。まず永野法務大臣に始まって、ただいまも柿澤外務大臣、そして熊谷官房長官に対して議員辞職についての勧告もありました。私は非常に残念なことだと思う。このようなことは、私も二十五年近く国会にお世話になっておりますが、このようなことは今までなかったことであります。それだけ、この内閣というのには余りにも問題が多過ぎる。そして、もう一つ許しがたいことは、政治改革を掲げながら細川さんの証人喚問すらついに拒み続けてきた、これは政治改革内閣ではないと私は思う。  したがって、今度予算が国会を通過しましたならば、内閣は直ちに総辞職をするか、また、国会を解散して国民に信を問うか、いずれの道かを選ばれるように最後に申し上げて、質問を終わります。

中西績介日本社会党・護憲民主連合

○中西(績)委員長代理 これにて江藤君の質疑は終了いたしました。  これにて締めくくり総括質疑は終了いたしました。  以上をもちまして平成六年度予算三案に対する質疑はすべて終局いたしました。  速記をとめてください。     〔速記中止〕     〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 速記を起こしてください。     ―――――――――――――

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 ただいま自由民主党深谷隆司君外三名から、並びに日本共産党松本善明君外一名から、それぞれ平成六年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出をされております。  この際、両動議について提出者より順次趣旨の弁明を求めます。まず、深谷隆司君。  平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計   予算及び平成六年度政府関係機関予算につき   撤回のうえ編成替えを求めるの動議     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

深谷隆司自由民主党

○深谷委員 私は、自由民主党を代表して、平成六年度予算三案につき政府が撤回のうえ編成替えを求める動議について、提案理由及び概要を御説明いたします。  今、政府の最大の政治課題は、戦後最長、最大の規模となった今回の不況から一刻も早く脱却し、あらゆる手段を講じて景気回復を図ることであります。  そのために政府は、平成五年内に六年度予算を編成し、財政法に基づいて平成六年一月にはこれを国会に提出すべきでありました。しかるに、政府はその義務を怠り、国民大多数の声を無視して、連立政権内部の抗争や政治的思惑によっていたずらに提案をおくらせ、あまっさえ細川前総理は、突如みずからの疑惑追及から逃れるために辞任し、大切な予算を投げ出してしまったのであります。これは、無責任きわまりない暴挙であり、国民に対する裏切り行為で、断じて許されざることと思うのであります。  続く羽田政権も、不透明な成立過程と問題大臣を抱えた少数与党でその政策も一貫性を欠き、今なお予算成立には至っておらないのであります。  過日、十分な検討もなく、民間、地方も含めた公共料金値上げ凍結を図りましたが、決定過程を見ますと、目先の人気取りに終始し、税制対策同様、国民生活の実態に対する認識を全く欠き、その責任は重大であります。  自由民主党が要求している景気対策に資する社会資本整備や、土地流動化策、社会福祉対策、中小企業対策についても十分な措置がなされているとは言えません。予算編成のおくれは、地方財政にも大きな影響を与えて地方の景気回復の足を引っ張っているばかりか、私学助成費の削減等によって地方財源は圧迫されております。  また、我が国の安全保障にかかわる防衛費について、教育訓練費並びに基地対策費が不十分であります。  よって、政府は、平成六年度予算案を撤回し、次の重点項目について施策の充実を図るよう組み替えるべきであります。  組み替えの重点事項は以下のとおりであります。  まず第一は、公共事業費の追加であります。一般公共事業関係については、特に宅地開発・住宅整備、上・下水道、農業集落排水、廃棄物処理施設、公園整備、生活関連道路等の生活環境整備関係事業に重点を置いて事業の推進を図ることであります。  施設費については、従来から基盤整備を強く求められている教育施設、病院、社会福祉施設、研究開発施設に重点を置いてその整備を図ることであります。  次に、私立高等学校等経常費助成費に対する補助を追加し、教育に対する国の責任と義務を果たすとともに、教育と教育費の都道府県間の格差が広がらないように努めることであります。  さらに、高齢化社会に対応し、社会福祉政策の充実を図るため、特別養護老人ホームの整備、在宅福祉事業の推進等「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、いわゆるゴールドプランを前倒しして実施することであります。  次は、厳しい経済情勢の中で苦境に立たされている経営基盤の脆弱な中小企業に対する施策であります。  特に資金繰りが悪化している中小企業の経営安定を図るため、中小企業金融公庫、国民金融公庫等に対する出資の追加を行うことにより、中小企業運転資金支援特別貸付制度及び緊急経営支援貸付制度の一層の拡充を図ることが必要であります。  また、現在の金利水準は確かに低くなっておりますが、過去の高い金利水準のときに借り入れた資金については、中小企業者はその金利負担に非常に苦しんでいるのが実態であります。このため、中小企業金融公庫、国民金融公庫等における六・八%以上の高金利の既往の貸付残高について一%の金利を減免し、金利負担に苦しむ中小企業の経営の安定を図ることとし、中小企業金融公庫、国民金融公庫等に大幅な出資を追加することであります。  一方、防衛関係費については、自衛隊の人材確保を図るための隊員募集の強化や隊員の士気、練度の維持向上に資するための教育訓練費、装備品修理費、燃料費の追加並びに基地の安定使用に資するための住宅防音工事の追加等を行うものであります。  以上、総計一兆九千二百三十三億円の国費を追加するよう要求するものであります。  これに要する経費は、予備費の支出、建設公債並びに徹底した行政経費の節減によって措置するよう要求いたします。  以上が動議の概要であります。  国民生活の安定を図るため、委員各位には党派を超えて御理解、御賛同賜りまするようにぜひともよろしくお願いいたし、私の説明を終わりたいと存じます。(拍手)

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 次に、松本善明君。     ―――――――――――――  平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計   予算及び平成六年度政府関係機関予算につき   撤回のうえ編成替えを求めるの動議     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

松本善明日本共産党

○松本(善)委員 私は、日本共産党を代表して、平成六年度政府予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について、提案理由及び概要を御説明いたします。  まず、撤回、編成替えを求める理由であります。  九四年度政府予算案は、不況の打開、生活向上、平和な日本、金権腐敗の一掃を求める国民の願いにこたえるものとなっておりません。  第一に、今求められるのは、戦後最悪の不況に対してどのような対策をとるかということでありますが、政府案は、最も深刻に不況の影響を受けている中小企業、勤労者に対してまともな対策をとるものとなっておりません。それどころか、消費税の大増税を前提とし、年金の改悪を初め不況の中で充実すべき福祉と教育を逆に悪化させようとしております。  第二に、軍事費が引き続き増額され、今や日本の軍事費が世界で第二位にまでなっていることであります。羽田内閣が、北朝鮮の核疑惑を口実に、国際法上も道理のない制裁を行うため有事・戦時立法をたくらんでいるもとで、AWACSの購入や思いやり予算の拡大などは極めて危険なものとなっております。  第三に、巨額の公共事業費が計上されていますが、政官財の癒着には何のメスも入れられておらず、国家予算の膨大な浪費の構造は温存されたままであります。  次に、編成替えの概要であります。  第一に、いかなる名称、仕組みであれ消費税の増税計画は撤回し、庶民に手厚い恒常的な所得減税を行うこと、固定資産税、相続税の増税を中止することであります。  第二に、年金改悪を初め社会保障の改悪を一切やめ、基礎年金の増額、国庫負担率の引き上げ、老人差別医療の廃止などを行うことであります。  第三に、大企業の人減らし、リストラ、海外移転、下請いじめを規制するとともに、官公需の中小企業向け発注率の引き上げ、住宅や福祉施設を重点とする公共事業への転換など、国民の立場に立って不況対策を実施することであります。  第四に、ガット・ウルグアイ・ラウンドによる、米を初め農産物の輸入自由化措置を撤回し、減反政策をやめ、食糧の自給率を向上させることであります。  第五に、思いやり予算、日米共同演習費など、米軍支援の一切の予算を廃止し、AWACSなど正面装備費を全額カットすることであります。  第六に、国の都合で地方財源を削る不当な措置は撤回し、ひもつき国庫補助金を自治体が自由に選択できる総合補助金方式に切りかえることであります。  四十兆円に上る公共事業の膨大な浪費の構造にメスを入れること、大企業・大金持ち優遇の不公正税制を根本的に正すこと、最悪の浪費である軍事費を半減させること、これら国民の立場に立った改革を行えば、予算を組み替えるための財源が十分にあることは明白であります。  委員各位の御賛同を期待して、趣旨の弁明といたします。(拍手)

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 これにて両動議の趣旨弁明は終了いたしました。

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 これより討論に入ります。  平成六年度予算三案及びこれに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動機二件を一括して討論に付します。  討論の通告がありますので、順次これを許します。草川昭三君。

草川昭三公明党

○草川委員 私は、改新、公明党、さきがけ・青雲・民主の風の各会派を代表し、ただいま議題となっております平成六年度予算三案に対し、賛成の討論を行うものであります。  現在我が国経済を見ると、公共投資は堅調に推移するとともに住宅投資も高い水準を示しており、個人消費にはやや持ち直しの動きが見られるものの、我が国経済は総じて低迷が続いており、予断を許しません。  政府は、このような経済情勢を踏まえ、本年二月に史上最大規模の総合経済対策及びこれを実施するための平成五年度第三次補正予算を決定し、幅広い諸施策を一体として実行に移しつつ、景気回復のための努力を行ってきております。  平成六年度予算は、五年度第三次補正予算とあわせ、可能な限り景気に配慮するよう努めており、これが先行きに対する不透明感を払拭するとともに、内需の盛り上がりにつながり、我が国経済の本格的な回復に大きく資するものと確信しております。  以下、本予算に賛成する主な理由を申し述べます。  賛成の第一の理由は、公共投資の拡充等を行うなど景気回復のために十分な配慮がなされていることであります。  一般歳出が対前年度比二・三%増と極めて抑制された姿となっている中で、公共事業関係費については、対前年度比四・〇%増と高い伸びが確保されております。  また、公共事業の配分に当たっては、住宅、下水道、廃棄物処理施設等の国民生活の質の向上に結びつく分野に対し思い切った重点投資を行うなど、重点的、効率的な財政資金の配分に特段の努力が払われています。  賛成の第二の理由は、社会保障の充実を初め、生活者重視の視点等を踏まえ、時代の要請に的確に対応した予算となっていることであります。  社会保障については、医療保険制度の改正、年金制度の改正等各種施策の合理化、適正化に努めるとともに、少子化、共働き世代の増加等の環境変化を踏まえた児童家庭対策の積極的拡充、在宅福祉対策の大幅な拡充等「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の着実な実施、がん、エイズ対策等の推進等真に必要な施策についてきめ細かな配慮が行われております。  また、雇用対策については、雇用の安定を図るため、「雇用支援トータルプログラム」に基づく総合的な雇用対策を実施するとともに、高齢化の進展等に対応した施策の充実を図ることとしております。  このほか、文教及び科学振興費、中小企業対策費、農林水産関係予算等、いずれも時宜にかなつた適切なものとなっております。  賛成の第三の理由は、国際国家日本として、世界経済発展への貢献に努める姿勢が強く打ち出されていることであります。  一般会計政府開発援助予算は対前年度比四・八%増を確保するとともに、内容においても、発展途上国における人づくりに対する協力に重点を置くほか、環境・人口問題、人権・難民支援など、地球的規模の問題、今日的課題への対処を図ることとしており、国際貢献に対する我が国の決意がうかがわれるものとなっております。  賛成の第四の理由は、防衛関係費について適切に計上されている点であります。  防衛関係費については、国際情勢の変化等を受けて修正された中期防衛力整備計画のもと、まことに深刻な財政事情等を踏まえ、極力その抑制を図るとともに、防衛力全体として均衡がとれた態勢の維持整備に努め、前年度に対し〇・九%増の防衛関係費を計上しており、まことに適切な内容となっております。  賛成の第五の理由は、財政改革を引き続き強力に推進する姿勢が貫かれていることであります。  今回の予算においては、建設公債の発行により、公共事業等の財源を確保するとともに、所得税減税等に伴う税収減に対処するものに限って、特例公債の発行によることとしております。  この結果、公債残高は平成六年度末にはついに二百兆円を超える見込みである等、我が国財政をめぐる事情は、構造的にますます厳しさを増しております。今こそ健全な財政運営を確保し、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げていくという基本的方向に沿って一層の努力を払っていくことが重要であります。  平成六年度予算では、既存の制度、施策について見直しを行うなど、経費の節減合理化に努め、従来にも増して徹底した歳出の洗い直しに取り組む一方、限られた資金の重点的、効率的配分に努め、質的な充実に配慮しております。  また、前述の特例公債については、年内に実施が図られる税制改革の中で、その償還財源の問題についても適切に対処されるべきものと考えられ、歯どめのない財政体質の悪化につながりかねない特例公債とは異なるものと考えております。  以上のとおり今回の予算は、景気浮揚の必要性の中で、ぎりぎりの財政節度を守った適切な予算であると高く評価するものであります。  以上、平成六年度予算案に賛成する主な理由を申し述べましたが、私は、本予算が現在我が国が直面している景気情勢等に的確に対応し得るものと確信しております。その一日も早い成立を強く望むとともに、政府におかれては、本予算の成立の後は、盛り込まれた施策を速やかにかつ着実に実施に移されるよう、強く要望をいたします。  なお、自由民主党提出の撤回のうえ編成替えを求めるの動議及び日本共産党提出の撤回のうえ編成替えを求めるの動議については、見解を異にするため、反対をいたします。  以上です。(拍手)

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 次に、衛藤征士郎君。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤(征)委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました我が党提出の平成六年度一般会計予算外二案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議に賛成し、平成六年度一般会計予算外二案に対して反対の討論を行うものであります。  まず、討論に先立ち、細川前内閣、そして今回の羽田内閣と続く連立政権の政治姿勢、政治手法について一言触れておきたいと思います。  昨年八月に細川連立内閣が成立してから今日まで、我が国の政治は、まさに混迷、混乱そのもので、今日に至るもなおそのような状況が続いております。昨年の米市場の部分開放受け入れから始まり、政治改革問題、景気対策、平成六年度予算の編成、国民福祉税の導入問題、日米包括経済協議などなど、いずれも国家国民にとってゆるがせにできない重大問題でありました。  しかるに、連立内閣の対応、取り組みたるや、お粗末きわまりなきどたばた劇そのもので、直視するにたえないものでありました。我が国国民はもちろんのこと、諸外国の人々の目にもどのように映ったのでありましょうか。政治と我が国に対する信頼はことごとく失われたのであります。  四月八日、細川前総理が自分自身の佐川疑惑隠しのため、無責任にも政権を投げ出してから、四月二十八日に羽田内閣が成立するまでの三週間、連立与党内の党利党略によるパワーゲームのため、国政の停滞はそのきわみに達し、まさに無政状態と化したのでありました。このような政治空白をもたらした連立与党各党の責任は厳しく問わなければなりません。  また、国民福祉税の導入問題や院内会派改新の結成過程に典型的に見られるように、政府・連立与党の意思決定のシステムとプロセスは不透明そのもので、民主主義で最も重要な手続論を全く無視するという強権的政治手法とその体質に危惧の念を抱くのは、私一人ではないと思います。政治理念、政策のよしあしを云々する以前に、このような強権的政治に対しては、我が自由民主党は断固対決していくということをここに表明いたしておきます。  以下、本予算の組み替えが必要な理由を申し上げます。  その第一は、現下の深刻な景気状況に対して政府原案ではその内容が不十分なことであります。  我が党は、二月に政府によって示された経済見通しが実態とかけ離れており、余りにも楽天的であることを指摘してまいりました。実現不可能な実質二・四%の成長率を一体どのようにして達成するつもりなのでありましょうか。こうした誤った経済見通しに基づいた予算案は景気対策として極めて不十分であると言わざるを得ません。  我が党は、組み替え動議に示したように、一般公共事業費及び教育、病院、研究開発等の施設費について政府原案の一〇%増の九千億円の追加を要求しております。これによって、景気の回復をより確実なものとすることができると確信しております。また、深刻な経営難に陥っている中小企業に対する融資を円滑化するための中小公庫等に対する追加出資八百億円を行うとともに、既に貸し付けられた高金利の負担を減免するための追加出資八千五百億円が必要であります。  組み替えが必要な第二の理由は、我が党の基本政策や基本理念に照らして、政府原案は納得し得る内容が盛り込まれていないからであります。  例えば、私学助成において私立高等学校等経常費助成費補助金が大幅に削減されていることであります。すなわち、本年度予算案においては、対前年度比、実に二五%減、二百十二億円が大幅に削減され、同補助金の総額は、わずか六百三十五億円であります。  削減分については、地方交付税を都道府県に交付し、私学が受け取る補助金は減らないようにするとされてはおりますが、これは一般財源となり、知事の判断によっては私学にそのまま配分されるとは限らないのであります。その場合においては、私学に対する地方公共団体の助成水準の低下や格差の拡大を招きかねず、結果として父母の負担が増加することとなります。  さらに、社会福祉事業の予算も極めて不十分であります。我が党は「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、いわゆるゴールドプランを意欲的に推進してまいりました。高齢化社会の進展に対応して、さらに本事業を充実させる必要があり、今次、我が党の編成替え要求では、特別養護老人ホームの整備及び在宅福祉事業の推進のため、五百億円の前倒し実施を求めております。  また、我が国の安全保障にかかわる防衛費についても、隊員の士気、練度の向上に資する教育訓練費や基地の安定使用に必要な住宅防音工事の追加など、百九十四億円の積み増しが必要であります。こうした歳出を賄うため、建設国債の発行、予備費の活用並びに行政経費の節減によって措置することとしており、いわゆる赤字国債の発行は不必要であることを申し添えておきます。  いずれにしても、本年度予算案は、例年と比べ三カ月近い大幅なおくれとなっております。その責任は、挙げて政府・連立与党にあることを声を大にして申し上げなければなりません。そもそも、政府原案の編成を二月中旬までおくらせ、しかも、予算の国会提出は、何と三月四日、例年ならば予算が本院を通過する時期であります。これは明らかに財政法第二十七条違反であり、政府みずから法を犯した事実は重大であります。  さらに、細川前総理の疑惑解明に対する政府・連立与党の不誠実な対応及び二十日間にわたる連立与党の権力闘争による羽田内閣成立までの時間の空費により、予算の実質審議入りはおくれにおくれ、五月二十三日となったのであります。し私は、今日まで、これほど国の予算を軽視し、粗末にした内閣を寡聞にして知りません。  これは、とりもなおさず、政府が、我が国が戦後最悪の経済危機に直面しているという実態認識を欠いていることにほかならず、経済無策、国民生活無視と断ぜざるを得ないのであります。  以上、政府の予算案の編成替えの必要性と内容及び連立内閣の政治姿勢、政治手法の問題点を申し述べ、私の討論といたします。  なお、日本共産党提出の編成替えを求めるの動議については、反対するものであります。  以上であります。(拍手)

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 次に、細川律夫君。

細川律夫日本社会党・護憲民主連合

○細川(律)委員 私は、日本社会党・護憲民主連合を代表して、ただいま議題となっております平成六年度総予算三案について、政府原案に賛成し、自由民主党及び日本共産党からそれぞれ提出されました編成替えを求めるの動議に反対の討論を行うものであります。  まず総括的に、本予算案は、我が党が連立政権に参画する際に主張いたしました生活者優先、平和と軍縮の一層の推進などの発想が一定程度盛り込まれており、その問題意識においては、新しい方向への記念すべき試みがなされたものと評価していることを申し上げておきたいと存じます。  以下、政府原案に賛成する主な理由を申し上げます。  賛成の第一の理由は、公共投資の拡充等、景気に十分配慮したものとなっていることであります。  我が国経済史上最長ともいえる不況の克服に、五兆五千億円にも上る特別減税が実施されることは、消費不況の性格が色濃い今回の不況への対処方法として、時宜にかなったものであります。公共事業関係についても、本格的な高齢化社会が到来する前に着実に社会資本整備を推進するとともに、平成五年度第三次補正予算とあわせ、景気に配慮するために高い伸びが確保されております。中小企業対策や土地・住宅税制などを含め、その効果が大いに期待されます。また、公共事業の配分でも、住宅・下水道・環境衛生、自然公園などの国民生活の質の向上に結びつく分野を重視するなど、不十分ながらも、生活者の視点に立った予算編成の端緒が開かれていると言えます。  第二の理由は、社会保障の充実、雇用対策など、生活に直結した施策を推進するものとなっていることであります。  例えば、ホームヘルパーの派遣については、六千六百人増の五万九千五人を見込み、老人デイサービス施設については、八百五十カ所増の五千百八十カ所を見込むなど、ゴールドプランの前倒し実施が実現されていることを示しております。雇用対策につきましても、我々の主張が取り入れられる形で策定されました雇用支援トータルプログラムに基づく総合的な雇用対策が盛り込まれているのであります。  第三の理由は、防衛予算の縮小が実現していることであります。  今回の防衛費の伸び率を実に三十四年ぶりに〇・九%の低水準に圧縮できたことは、連立政権に我が党が参画して初めてなし得たものであり、軍縮への第一歩として画期的な成果として自負するものであります。  細川前内閣は、防衛計画の大綱の見直しに着手して国民の期待を集めました。今日、ポスト冷戦時代にふさわしい国民の納得の得られる防衛政策を追求すべきであることは、異論の余地がないところであり、我が党は、さらに軍縮を求めるものであります。  第四の理由として、歳入面でも不公正税制の改革が図られていることをこの際指摘しておきたいと思います。  例えば、使途不明金に対する四〇%の追加負担をさせることとしたこと、あるいは交際費についても、非課税対象となっていたところを一〇%課税としたことなど、税の公平性の実現に着実な一歩を踏み出したものとして評価しているところであります。  以上、政府案に賛成する主な理由を申し上げました。  最後に、羽田内閣は細川前内閣から政府予算を引き継ぐことになったわけでありますが、細川前総理が、過去の我が国の侵略行為や植民地支配について率直に反省とおわびの気持ちを表明するとともに、軍縮については積極的な姿勢を示し、防衛大綱の見直しにも着手して、国民に支持され、アジア近隣諸国にも歓迎をされました。  しかしながら、羽田内閣は、閣僚の中からこれらを否定し、日本の軍事的行動に積極的な発言をする者が続いたこと、そしてまた、国際司法裁判所に対する意見陳述書においても、核兵器の使用が国際法に違反しないかのような見解を示そうとしていたことは、まことに遺憾であります。  日本は、世界の中で唯一の被爆国であり、平和憲法を有する国として、政府が平和と軍縮について世界に向かって積極的に対応されることを強く求めながら、私の賛成討論を終わります。(拍手)

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 次に、穀田恵二君。

穀田恵二日本共産党

○穀田委員 私は、日本共産党を代表し、平成六年度政府予算三案に対して反対、日本共産党提出の組み替え動議に賛成の討論を行います。  本会議や本委員会における審議を通じて、政府予算案の反国民的で危険な性格が明らかになりました。  まず、九四年度予算は軍縮を口にして編成されましたが、引き続き軍事費は増額され、今や日本の軍事費は世界第二位にまでなっていることであります。在日米軍への思いやり予算は二千五百三億円という巨額なものであり、到底容認することはできません。  羽田内閣が、北朝鮮の核疑惑問題を口実に、緊急な事態に備えると称して、憲法の平和的、民主的な原則を踏みにじって、有事すなわち戦時立法づくりを進めているもとで、九四年度予算の軍拡路線は極めて危険なものとなっています。  このことは、「国務大臣は、文民でなければならない。」との憲法の規定を無視して法務大臣を任命し、みずからも日本軍国主義の行った戦争を侵略戦争と認めない羽田首相の姿勢と不可分であります。  また、戦後最悪の不況に対してまともな対策がとられていないばかりか、高齢化社会のためと称して、消費税率アップを前提にしたものとなっている点です。消費税は、年金生活の高齢者からも容赦なく徴税する最悪の大衆課税であり、高齢化社会に最もふさわしくない税制です。一度も国民の審判を受けずに税率引き上げを強行しようなどとは、断じて許されません。  しかも、失業率はかつてなく高まり、大企業の新規採用の中止や手控え、労働者に犠牲を強いるリストラの強行、中小企業の倒産も高水準という事態に対して、冷たい対策しかとられていません。削減されている中小企業対策費予算は、一般会計に占める比率が八〇年度以降一貫して低下し続け、史上最低となりました。  不況が深刻な折だからこそ、福祉や教育の充実が求められますが、生活者重視とは裏腹に、年金、医療、教育などの全面的改悪を行おうとしています。年金支給開始年齢の六十五歳への引き延ばし、入院時の食事代の患者負担導入、私立学校への助成費の二五%にも上る削減など、新たな制度改悪がメジロ押しです。  さらに、地方分権を推し進めるといいながら、実際には、補助金や地方交付税を削減し、地方税収の不足には大量の赤字地方債の発行や特会借り入れを押しつけるなど、地方自治体と住民に負担を押しつける予算となっています。  その上、五年ぶりの赤字国債を含めて十三兆円をはるかに超える国債の発行で、公債依存度は実に一八・七%、発行残高は二百一兆円、国債や借入金の金利負担だけで約十二兆円にもなっており、一層のサラ金財政へ道を開く予算です。  なお、自民党の動議につきましては、政府案の本質を変えるものではなく、意見を異にする部分もあるので賛成できません。  今羽田内閣がなすべきことは、悪政の強行ではなく、憲政の常道に従って解散・総選挙を行い、国民に信を問うことであります。与党が強行した小選挙区制、並立制は憲法と議会制民主主義を踏みにじるものであり、どの党も公約に掲げなかったことは事実が証明しています。民意が反映する中選挙区制のもとでの解散・総選挙を強く要求して、討論を終わるものです。(拍手)

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 これより採決に入ります。  まず、深谷隆司君外三名提出の平成六年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 起立少数。よって、深谷隆司君外三名提出の動議は否決されました。  次に、松本善明君外一名提出の平成六年度予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 起立少数。よって、松本善明君外一名提出の動議は否決されました。  次に、平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計予算、平成六年度政府関係機関予算、以上三案を一括しイー、採決いたします。  三案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 起立多数。よって、平成六年度予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました平成六年度予算三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――      〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 この際、申し上げます。  去る五月二十七日の委員会において、深山正敏君を証人として出頭を求めることに決定をし、その日時については委員長に一任いただいておりましたが、委員長は、来る十五日午後一時に出頭を求めることにいたしましたので、御報告いたします。  なお、衆議院規則第五十三条により、その手続をとることといたします。     ―――――――――――――

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 また、さきに決定いたしました内藤参考人の招致につきましては、本人が急病となりましたため、実現するに至りませんでした。よって、この際、改めてお諮りいたします。  予算の実施状況に関する件調査のため、同君を参考人として本委員会に出席を求め、意見を聴取することとし、その日時は、同参考人が出席可能となり次第とし、具体的には、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。      〔「異議なし」 と呼ぶ者あり〕

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――

山口鶴男日本社会党・護憲民主連合

○山口委員長 この際、一言ごあいさつを申し上げます。  去る五月十七日の審査開始以来、終始真剣なる論議を重ねていただき、本日ここに審査を終了するに至りました。  これもひとえに各党の理事並びに委員各位の御理解と御協力のたまものと存じます。ここに深く深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。  ありがとうございました。(拍手)  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時三十一分散会      ――――◇―――――

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