予算委員会 第8号
- 発言数
- 260 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1994/05/24
会議録
○山口委員長 これより会議を開きます。 平成六年度一般会計予算、平成六年度特別会計予算、平成六年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田名部匡省君。
○田名部委員 まず、日米関係の御質問をさせていただきますけれども、前細川総理は成熟した日米関係ということでありましたが、羽田総理はどういう考え方を持ってこれから日米関係に対処しようとしておるか、まずお伺いをいたしたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 基本的には、日本とアメリカというのは、もう他に比較できないほど互いに協力し合う関係に現在あるというふうに思っております。特に、グローバルな、国際的な問題、例えば環境問題に対応するとか、あるいはエイズですとか人口問題に対応する、こういった問題、それから安全保障の面でも日米間というのはまさにうまくいっております。また、政治的ないろいろな行動についてもうまくいっているんじゃなかろうかというふうに思っております。 そして、ただ残念ですが、経済の問題でいろいろと問題がありました。私が夜中まで交渉いたしましたときにも、カンターさんが実は話されたことに、アメリカとヨーロッパ、あるいはカナダとアメリカ、これは年じゅう決裂したり不調に終わったりなんかしておる。しかし、ヨーロッパと、あるいはカナダとアメリカは別におかしくなっておりませんというようなことを、報告を、私は実は、カンターさんがそう言っておりましたと、不調に終わる前にその話をいたしました。 そういうことで、今度の場合でも不調に終わっておりますけれども、常に交渉の窓口はお互いに開いておこうと、そして、お互いにやっぱり日本の市場に入りたい、あるいはアメリカの市場に入りたい、あるいは、何というのですか、サービスその他でも日本に対して参入できるものがあったら参入していきたい、そういったことについてもう本当に率直に話し合おう、これが大人の関係という言葉で表現されたのかもしれません。
○田名部委員 日米関係は、過去にはいろいろ戦争もありました。また、我々が大変困っておるときも大変な援助もいただいたという深い関係にあるのですね。ですから丁非常に大事な関係と言っていいわけです。 ただ、残されている問題は、きょうの新聞にも報道されておりますが、日米包括協議再開、大分柔軟な対応をするのではないかとも受けとめられるところはあるわけでありますけれども、いずれにしても、約束を着実に実行する。やはり私ども見ておっても、この数値目標も、ヨーロッパもガットの事務局長のサザーランドさんも、大方皆さん反対なんですね。そこのところはひとつクリアしていかなきゃならぬ、こう思います。 どうも私はプラザ合意でドルが非常に安くなって円が高くなったという、これにはまあいろいろありますけれども、当時四百六十二億ドルだったんですね、八五年で。それがずっと五百億ドル台をいきまして、九〇年にわずかに四百十一億ドルと下がったときがあった。ところが最近、クリントン政権ができて五百九十三億ドル。円がその間二百円、百五十円、今では百四円台。 これはアメリカは当初円高圧力をかけて、そして自動車や半導体、ハイテク産業、これに打撃を与えれば日本との貿易赤字を減らすことができるなんという、これはマスコミの報道でありますけれども、そういう考えがあったかどうかわかりませんが、いずれにしても対日貿易は減るどころかふえておる、円が幾ら高くなっても。そういうのは一体どういうふうに御理解をしておられるのか、あるいはこれが推移すると我が国の経済にどのような影響が出てくるのかということをお伺いをいたしたいと思います。これは経企庁でしょうか。
○寺澤国務大臣 お答え申し上げます。 円高状況にもかかわらず、どうしてアメリカの対日貿易の収支赤字が減らないのかという御質問だと思います。 やはりアメリカのドルベースの日本からの輸入額は、アメリカの景気が今非常によいということ、だからなかなか減らない。それから、円高に伴いまして輸入価格が上がっております。そういうことでやはり増加が続いております。 一方、今度はアメリカのドルベースの日本への輸出額ですが、逆に日本が景気が悪いものですから、我が国の経済の低迷が続いていることによってずっと横ばいで推移しております。したがって、我が国とアメリカの経済状況の相違を主因に、米国の対日貿易収支赤字は拡大をしております。
○田名部委員 それもそうだろうと思うのですが、かつてアメリカが繁栄時代に、ハードウエア、製造業のそうしたものが日本とかヨーロッパとかあるいは特に東南アジア、そういうところに出ていったわけですね。それで、ソフト部門がアメリカに残った。そういうところにまた人材もどんどん集まっていったわけです。ですから、製造業の働く比率というものは日本よりうんと低い。 しかも、アメリカでつくっていない製品というのはいっぱいあるわけです。例えばコンピューター、これは機種によってはハードウエアのほとんどは輸入をしておる。あるいは音響機器、あるいはVTRとビデオカメラ、ファクシミリというのは、これはもうアメリカは製造してないんです。あるいは複写機にしても、まあそうしたもの、言ってみればアメリカが輸入しなければ成り立たない部分、これはICもそうですね、そういうものが実は三六・七%あるわけです。ですから、もういや応なしに向こうが必要で入っていく部門というものはある。 あるいは資本財という、例えば韓国でもそうですが、韓国の自動車が外国に向けては非常に強い。しかし、日本から部品というものを持っていかないと、これは自動車ができないわけですね。そうしたものもずっとやってみると、にわかにどうもアメリカの赤字というものはそう簡単に減らないのでないだろうか。ここのところの認識もまたアメリカに持っていただかなきゃならぬこともあります。 あるいは、かつて政府調達の問題もありましたが、スーパーコンピューターで見ると、日本は九三年度の補正予算分で十三台のうち八台がアメリカ製です。アメリカはゼロなんです、日本製というのは。あるいは医療機器も、輸入の比率が私の方は三二%、アメリカはわずか三%なんだ。電気通信機器が六・三で、向こうは〇・三。政府調達全体で見ても日本の方が多いという、努力はしているということなんです。それが正しく理解されていないのではないだろうか。 そこで、これは外務大臣にお答えいただきたいんですが、外交交渉というのはややもすると、政府あるいは国会議員同士のレベルということだけでは、ちょっとアメリカ全体に理解を得るというのは難しいんではないだろうか。もっとマスコミとかあるいは民間レベル、特にこの場合は、私は、企業の方々が大いにやはり努力して輸入のために全力を挙げるという、こういう姿勢というものもなければ、なかなかこれは政府だけでやっておってもうまくいくと思わないんですね。そういう体制をつくったらどうか、こう思うんですが、いずれにしても、日本としても改善しなければならぬものは、これは積極的にやらなきゃいかぬ。そういうことでアメリカのまた認識も変えていただく。 外交交渉というのはこういうことを恐らくおやりになっていると思うのですが、どういう御認識を持って交渉に当たられようとしておるのか、ちょっとお伺いします。
○柿澤国務大臣 田名部先生御指摘のとおり、日米経済関係は民間各分野において大変密接なものになっております。相互依存といいますか、どちらもどちらの経済がなければ成り立たないというくらい密接な関係だと思っております、その意味で、日米経済摩擦の解消は大きな政治の課題でございまして、現在包括経済協議の再開のために政府関係の者がワシントンへ行っておりまして、交渉中でございます。できるだけ早い時期に再開のめどをつけたいということで今も努力中でございます。 また、その中で、政府関係の分野につきましては、田名部先生御指摘のとおり、政府の努力によって何らかの成果が上がるわけでございますが、民間分野につきましては必ずしも、自由経済を建前としております日本で政府がすべて取り仕切るわけにはまいりません。 その意味で、先般も富士ゼロックスの小林陽太郎さんが、先週でございましたか、ワシントンへ行ってカンター代表と会ったときに、民間分野でも何らかの努力目標を自主的に決めて、そうした政府間の努力に協力をするということも考えなきゃいけないんじゃないかということが、民間サイドからも自発的に出ているということは私どもにとっては大変心強い限りでございます。 この点については、通産省を初め所管官庁がございますので、そうしたところとも御相談をしながら、そういう形で官民あわせての努力ができるようになることを期待をいたしております。
○田名部委員 まあ期待も当然でありますが、もっと積極的にそういうチームみたいなものをつくってどんどんおやりいただきたい、こう思うんです。 どうも最近、政治家の対応が後手後手で遅いんじゃないかという国民の大方の意見が多いんですね。あのバブル時代、地価が高騰して、しばらくたってから、やっぱりこれはちょっとおかしいよということで、当時手を入れた。まあ金融機関もそういうことでいろいろ手直しをせざるを得なくなっていった。この期間というのは結構あったんですね。しかし、この責任はだれかというんでなくて、やっぱり政治家はみんな負って、国民のために景気をよくしなきゃいかぬわけでして、どうも当時の野党の方々は当時の宮澤さんを大変追及する、かわってみると、今度はまた別に追及する。まあこれは責任政党、政権党ですから、政権を持っている方々の重みというのは私もわかります。しかし、これで景気がよくなるわけがないんですよ、こんな議論で。どうするかということを、もっとやっぱり真剣にこの議会を通じて私どもはやっていかなきゃいかぬ、こう思います。 そこで、これは経団連も相次いでいろいろなレポートを出しておりますけれども、新しい創造的な技術の開発を進めて雇用の創出を図る、そのためには基盤の整備を国でしっかりやってほしいということを言っておるようでありますが、その中で、国際化というのは何でも国際並みにならなきゃいかぬということで、実質の租税負担率が高い、賃金も高い、地価も高い。これはできるものとできないものとあります。ありますけれども、やっぱりそれを目指していかなきゃいかぬと思うんです。 これはちなみに月給で、今、日本が三十七万、タイが二万、中国が五千円ですよね。今、こんなに近隣の国と格差があっていいんだろうか。中国の人たちが五千円か七千円持ってきて、一カ月日本で生活ができるような状況でないんですね。まあこれは経済の状況の違いでやむを得ないんですけれども、世界的に比べてみても日本がもう一番高い。これは、賃金が上がる、物価が上がる、賃金が上がる、物価が上がるというこの繰り返しで、国民がさっぱり豊かになっていないんですよ。 そうすると、これからの政策というのは、物価をどうやって下げるかということをやっていかないと、日本だけが突出してこんな状態になっては、内外価格差を議論してみても何をやってみても、これはもううまくいかない。そういうことを思うんですがね。 そこで、最近マルチメディア、新しい分野だということで、これはもう世界挙げて取り組んでいる。特にアメリカは非常にこの取り組みが、クリントンさんもゴアさんも熱心なんです。初めて補助金を出してやろうと。しかも、医療、教育、いろいろな公共施設に光ファイバーを敷く。そこまで敷くと、その間はみんな使いますからね。そこで、まあこの事業を、基盤を整備しようということになると、どうしても予算をどうするかという話になってくる。 ところが、余りアメリカがこれ突出していきますと、ソフトが強いですから、日本のハード部分というのをまた輸出をするということになると、これはまた新たな貿易摩擦の種になりかねない。そこで、やっぱり国内でこれをきちっと我々も整備して、そうして経済の活性化を図っていこう、こういうことであります。 この辺については、どうです。郵政大臣、まず現況はどうなっておりますか。韓国もシンガポールもということで熱心なようですが、ちょっとお知らせいただきたい。
○日笠国務大臣 情報通信基盤の整備は大変重要な課題でございまして、私も羽田総理から郵政大臣の任命をいただいたときに、省益を乗り越えて国益を核として考えていただきたい、将来の大変重要な分野である、こういう御指示をいただいたところでございます。 この基盤整備は、来るべき高齢化社会への対応、それから一極集中を排する多極分散、それから環境保全は当然ながら、持続的な経済発展等々、諸課題が大変多くございますが、それを克服していく上で非常に重要な役割を果たすものと思っております。 郵政省といたしましては、もう既に一部新聞報道等が出ておりますが、二〇一〇年がちょうど日本の人口のピークになります。そのときまでを目指しまして、このマルチメディアの市場を拡大をしていかなければなりませんし、時代の要請でもございます。我々の試算、シミュレーションによりますと、二〇一〇年には百二十三兆円規模の市場、二百四十三万人の雇用が創出されるだろうという試算を持っておるわけでございます。これは自動車産業、電機産業に匹敵する大きな市場、雇用の創出が期待されるわけでございます。 そういう観点から、現在電気通信審議会の方に、去年の三月でございますが諮問をいたしまして、この五月末には答申をいただく予定になっております。この答申をいただきますと、それを政策展開をいたしまして、多くの方々の御理解をいただきつつ着実に進めていかなければならない、このように思っております。 諸外国の件は、もう先生よく御存じのとおり、ゴア副大統領がNII、全米情報通信基盤ということを言っておりますし、先日リオデジャネイロではそのさらに上のGII、グローバルな観点で情報通信基盤を整備していこう、またシンガポールでもIT二〇〇〇というようなことで高度の情報通信基盤を備えていこう。 先日、五月五日から七日まで韓国へ行ってまいりましたけれども、韓国も二〇一五年までには進めていこう、こういうことで、今後韓国ともアジア・インフォメーション・インフラストラクチャーということで政策協議をしていこう、また民間人を踏まえたフォーラムを開催しようとか、また職員の相互交流をしていこうとか、こういうことを決めてきた次第でございまして、おっしゃるように大変重要な分野でございますから、積極的に推進をしていきたい、かように考えております。
○田名部委員 お互いシンガポールに行ったことは多いと思うんですが、すばらしい空港ですよね。アジアの玄関だと、こう言っているんです、向こうでは。なるほど、そう言われてもやむを得ないほど立派です。これにこの通信と情報、これをやって、もういよいよアジアの中心になろう、こう言って一生懸命やっておる。 ところが、一方我が方はどうかというと、話はわかってもなかなか前へ進まない。この辺がやはり政治の責任だろうと私は思うんですね。特に、去年の二月に対外経済問題に対する関係閣僚懇談会で、四百三十兆、上積みを含む内需拡大という議論がされた。これは今後ナポリ・サミットに向けて貿易不均衡の是正策を求められておるんですから、もうちょっとこの辺はきちっと詰めていかなきゃいかぬ。 特に、既に景気対策のために九三年度までに百三十兆円、これはもう実行しているんですね。四百三十兆円、十カ年ですから、あと三百兆円、これをこの二〇〇〇年までやりますとマイナス三・二%で実現しちゃうんです。ですから、百兆円を上積みしても平均四・四%、ことしはまあ公共投資が非常に伸びたということもあって四・八%ですから、それより下でいい。まあそこまで期待できるかどうかは別として、そういうことを思い切ってやられたらどうか。そうでないと、新しい分野というのは出てこないんですよ。予算では、シーリングで私も随分自民党の時代の皆さんと一緒になってえらい苦労をしました。 しかし、公共事業費の中で公共事業関係費、これは治山とか道路とか港湾とか土地改良とかいろいろあります。その他の施設というのは、文教、研究、医療、社会福祉、情報通信関係とあるわけですよ。この公共事業関係の平成六年度の予算というのは八兆三千四百三十六億、その他施設費、今言った文教とかそれが一兆百七十億なんです。 この中で、例えば光ファイバーを設置しないことにはこれはどうにもなりませんから、これをやろうとしておる方に、このその他施設費に郵政省関係が五十三億しかないのですよ。一体これでいっこの光ファイバーを設置して、今言うような体制に日本を変えていくのか。政府がきちっといつからいつまでに、例えば二〇〇〇年までにはこうします、二〇〇五年までにはこうしますということがないと、民間がついてこないのですよ、いつやるかわからぬものに。整備するはずがない。 これを明確にしてあげるということと、何といってもやはりこれは国だけではできません。民間も一緒になってこれを仕組んで実行していかないと、これは相当なおくれを来すんじゃないだろうか。これは教育、医療、いろいろな分野で活躍できるものでありますから、この辺の公共事業の配分とかそういうものについて、これは大蔵大臣でしょう、ひとつ御所見を承りたいと思います。
○藤井国務大臣 まず、今御指摘の情報通信部門というのは、郵政大臣もお答えいたしましたように、これから非常に重要な、ニュービジネスという言葉もありますけれども、新しい分野だと思います。そういう意味で、行政改革本部では一つの大きな部会を設けてこの情報通信関係の規制緩和をやっている、こういうことだと思います。 また公共投資につきましても、御指摘のように、二十一世紀に本格的な長寿社会を迎える前に我が国の公共投資整備というものを充実しておかなきゃならない、そのとおりだと思います。昨日も衛藤委員からのお話もございましたように、その中で公共投資を重点的に配分していかなければならないということももう御指摘のとおりだと思います。 そこで、情報通信の公的部門の関与の問題だろうと思うのでございますが、私は、情報通信については基盤的部分というものは公的なものが持つべきだと思いますが、民間との分野調整という問題もあろうかと思います。そこいらは郵政大臣ともよく御相談してまいりますが、基盤的整備は情報通信については公の責任と考えております。
○田名部委員 そこで、公の責任で基本的なところはやる、これは結構でありますが、そのやる財源をどうするかということは十分まだ詰まっていないようでありますから、上積み部分をしっかりとお決めいただいて、将来の方向を示していただきたい。 次に、今申し上げたように基盤整備の計画年次というものは明確にしないといかぬのですね、郵政大臣。これがしつかりしていませんと、今申し上げたように企業でありますとか個人でありますとかというのは非常に困るのですね、明確にしないと。いつまでにどうするという計画がないと皆が困る。この辺についてはいろいろとおやりになっているのですか、ちょっとお伺いします。
○日笠国務大臣 今まさに電気通信審議会、五月末に答申をいただくわけでございますが、一部いろいろ作業の中で聞いておりますことは、二〇〇〇年までにはいわゆる都道府県、それからまた大都市、これの整備、それから二〇〇五年ぐらいまでにはその他市町村、二〇一〇年までには何とか全家庭までと、こういう一応の計画を今あらあら考えておるようでございます。 ともあれ、五月三十一日に答申をいただきますと、積極的に推進をしたいと思いますし、先ほど大蔵大臣がおっしゃったように、これは郵政省の、私たちの悲願でもございますが、新しい社会資本整備でございます情報通信の分野は、できれば公共事業に格上げといいましょうか、していただけるような方向で大蔵省とも折衝させていただきたいな、かように考えておりますので、また御支援のほどよろしくお願い申し上げたいと思います。
○田名部委員 いずれにしても、先ほど来、大変な成長が期待される、また雇用創出も自動車産業よりも上を行くということを言われているわけでありますから、今までの企業が一生懸命努力してリストラとかなんとかやっておりますけれども、やはり新しい分野で日本の経済というものをどうしていくかという基本的なこともやってあげないとなかなか難しいのではないか、こう思うのです。 そこで、これを進めようとすると人の問題があります、文部大臣。若い人たちの理工離れが大変進んでおるわけですが、加えて若い人の人口がどんどんどんどん減少していく。そういうことを考えてみますと、従来の画一的な教育を見直す必要があるのではないだろうか。何でも大学を出ておけばいいという時代から、もっともっと子供たちに責任を持ってその分野で日本を背負っていくんだという、こんな感じのことを考えてみると、そういうことになるのですが、個性重視の教育改革、特にソフト、ハード面の理工系教育が必要だと思うのですね。 アメリカは、ハードは外国、ソフトは国内、こうやったのですが、日本は、私はそうなってはいかぬと思うのですね。やはりハード面も国内でしっかりやっていく。何でもかんでも外国に全部を依存しないんだというには、やはり若い人たちの教育というものをしっかりしていないと、アメリカはああいう政策をやったものですから、大卒の半分は金融とかそういう分野にみんな行ってしまったのです。ですから、残っていないのですね、優秀な人材が。そういうことを日本はしてはいかぬ。アメリカと同じようなことをやってはいかぬ。大体、日本もややその傾向になってきていますよね。アジアの方に工場を持っていって、空洞化を起こして、しかし資本財は持っていっているから、なかなかほかのように空洞化はしないだろうと思うのです。 しかし、いずれにしても、そういうことを考えますと、これからの教育は一体どうあるべきなのかということで、お考えがありましたらお伺いいたしたいと思います。
○赤松国務大臣 先生御指摘のように、日本にとりましては人材というものが本当に大切だと思います。これは、資源の乏しい国でございまして、人材が豊かだということが今日の日本をあらしめている大きな要素だと思います。中でも、今技術その他大変大きな変わり目にあって、それに対応できるような方たちが育っていくということの大切さはますます大きいというふうに考えているわけでございます。 そういうときに、若い者の理工科離れといいますか、そういうものが憂慮をされているということもあるわけでございまして、幸い理工科を勉強するという学生が減っているわけではございませんで、実数はふえているわけでございますけれども、比率として減っている。そういたしますと、その質の面で多少心配があるのではないかということもございますので、理工科の魅力というものをもっと大学の中であるいは大学院の中で高める、そしてそういう魅力のある分野だよということを多くの方に知っていただくということが必要なのではないかと思います。 本年の二月でございましたか、高等教育局長の私的な諮問機関でございますが懇談会をつくりまして、理工科の魅力を高める懇談というようなものを、主として大学の理工系の学者の皆様方にお集まりいただいて、そういう懇談もいたしているところでございます。 いずれにいたしましても、大学あるいは大学院でそういう分野での施設などもよく充実をいたしまして、大学がそういう分野の新設あるいは改組というようなものを企画される場合は、大いにそれに文部省としてもエンカレッジをするというような方向で考えておりまして、先生御指摘のような点について十分今後も配慮していきたいというふうに考えております。
○田名部委員 まあ一とおり伺ってまいりましたが、これはこれだけで済む話でないんですね。例えばこれを進めていくとなると、医療法の改正、公民館を使ってこうやろうというと文部省、もう使うところのあらゆる制度を変えていかなければならない、そうでないとこれは進まないのです、せっかくつくっても。したがって、縦割り行政がけしからぬとかなんとか言われるのはまあいろいろ私もよくわかります、見ておって。本当に機能的に政治が活動していくというには、本当に思い切ったことを、リーダーシップを発揮してやるという心構えでこれに対処しなければならない、こう思っております。 時間がありませんので次に進ましていただきますが、ウルグアイ・ラウンドのことで、私も随分この関係者として苦労した一人でありますが、何といっても、日本の繁栄というものはやはり国際貿易、貿易の自由化によってもたらされたというのは、これはそのとおりであります。しかしながら、どうも、農業、農村に思いを寄せておる、特に羽田総理は、これはもう非常に農村に対する、農業に対する思いというものは深い方であります。それで、この農業合意の受け入れによって国際化の荒波にさらされるわけでありますから、農村、農業者の皆さんのことを考えざるを得ない。 私は、まあ団体の人たちはいろいろ言いますけれども、農家だけはどんなことがあっても守ろうという気持ちは今でも持っております。したがって、この不安を払拭したりあるいは影響を最小限にとどめる、そのために総理も私も、いかにして最小限にとどめるかということで努力してきたわけであります。 いずれにしても、私が取りまとめました「新しい食料・農業・農村政策の方向」、これは中長期的展望に立って総合的に見直したものなんです。多少また変えていかなきゃならぬ部分も出てくるかと思いますが、この新しいウルグアイ・ラウンドの合意を受け入れて、二十一世紀に向けた農業構造の早期実現、あるいは農業の体質強化のための基盤づくりに早急に打ち出していかなきゃならぬ、こう思うんですが、これは総理の決意を伺っておきたい、こう思います。
○羽田内閣総理大臣 今お話がありましたように、田名部さんには農林大臣を二期お務めになる中で、まさに一番の難しい問題、そして日本が、今度のガット・ウルグアイ・ラウンドといいますと、もう米以外は報道されないとかあるいは語られないという中で、大変世界からも注視されておったということで御苦労があったわけです。 そういう中で、私ども、国会の決議というものを、何とかひとつこれを各国に理解してもらおうという努力をしたわけでありますけれども、結果としてあのミニマムアクセスを受け入れざるを得なかったというのは、これはまさにぎりぎりの決断であったというふうに私も理解をいたしております。 そういう中にありまして、ただ人口は、相当これは世界はまだ伸びていきます。また、土地の壊廃なんというものも実際に起こっているというのが現状であります。そういうことを考えましたときに、食糧というものを考えたときに対する農業のサイドからの供給、また、この供給する立場の人たちあるいはその人たちが住む場所という問題、こういった問題について対応することが、これは単に農業者というだけではなくて、日本の国にとってやはり本当に重要なことであろうというふうに私は認識をいたしております。 その意味で、こういったウルグアイ・ラウンドの決着というものを契機にして、ちょうど田名部さんが大臣の時代に、今お話があった農業と食糧ということで議論がされておったわけですけれども、このウルグアイ・ラウンドが決着したということ、これはやはり一つの契機、弾みとして、これから本当に農業に携わる人たちが誇りを持てる、あるいは生活する基盤というものもしっかりとしたもの、こういうものをつくり上げるのが私は次の時代に向かっての、やはりこれは日本全体の要請であろうとさえ思っておりますので、そんなつもりでともどもに努力をしていきたいし、また農政審の報告等も受けながら我々としては全力を尽くしていきたいということを申し上げたいと思います。
○田名部委員 まだまだ残っておりますが、時間でありますから終わりますが、国際空港の問題で、着陸料の額が非常に高過ぎるということと、これはアメリカに旅行する人をどんどんやることによって赤字の解消につながる、あるいは私は、欲しい物を売ってくれるんなら一番ありがたいので、日本が一番何が欲しいかというと、石油なんですよ。アラスカの石油をどんどん売ってくれれば赤字がどんどん解消するだろうと思うのですが、嫌な物ばっかり売らないで、欲しい物を売る、売っていただく。貿易というのはそんなものですから、これからの交渉の過程で頑張っていただきたい。 一つは、暦年制度のことをお伺いしようと思ったのですよ。積雪寒冷地帯は大変苦労しておる。これは、かつて福田総理のとき、中曽根総理のときに検討するということになっておるのですが、あれから、中曽根さんの時代から随分たちましたが、後でまた機会があればお伺いしたい、こう思っております。 以上で私は終わって、次に宮本委員に譲りたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○山口委員長 この際、宮本一三君から関連質疑の申し出があります。田名部君の持ち時間の範囲内でこれを許します。宮本一三君。
○宮本委員 最初に、総理に御質問をさしてもらいたいと思います。 民主政治のもとでは、やはり国民の皆様方の声を直接に聞くということが非常に大事なことだと思うわけでございますけれども、総理着任後直ちに、ファクスで意見をお受けしますという目安箱を設けられました。すばらしい発想だし、またすばらしい手法だと思いますが、総理、こうしたファクスを通されまして、問題は中身でございますが、どのような声が聞こえてき、またどのようにこれに対応されようと考えておられるか、御意見をお伺いしたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 このファクス、もう既に千六、七百通ぐらいになっておると、大体一日百七、八十ぐらい、多いときには二百何十ということであります。これ全部目を通すということは私自身がやることはできませんけれども、担当の皆さん方が全部これは目を通していただいておるところであります。 内容につきましては、やはり景気対策というものに対して、こんなやり方はどうだろうという割合と具体的なことを書かれてくるものもあります。また、何というのですか、例えば環境問題なんかについて書いてくる方、あるいは犬、猫というものの今も人間と同じように扱うべきで、例えば野良猫、野良犬狩り、そして焼却してしまうなんというのはとんでもないことだという実はおしかりなんかもあります。 それから小さな子供、十歳ぐらいの子供からのファクスなんかもあります。それから投票について、日本に在住している方の、外国人ですけれども、生まれ育ったにもかかわらず投票権がない、私は税金も納めているんです、もういつまでもお客さんじゃたまりませんというものですとか、そしてそういうものに対して私自身も幾つか返事を書きましたけれども、これは採用できるぞというようなもの、こういったものについては各省の方にも実は回しております。そして、それに対してどんな措置をとられたのか、これは総理府の方に報告をいただく。 また、そういったものに対して一つずつ、それを全部細かく書くというわけにもいきません。これはもう物すごい細かい字で、パソコンなんかで打ってこられるのもありまして、全部は細かく返事することはできませんけれども、何とかやはり声というものを私たちは新しい国政の中に反映していきたいというふうに、目安箱を活用していきたいというふうに思っております。
○宮本委員 ありがとうございました。 せっかくの貴重な声でございますので、ぜひ国政に反映していただきたい、このように思うわけであります。 続きまして、国土庁長官にお伺いしたいわけでございますが、戦後急成長の過程で、効率を求めるということは確かに必要であったわけでございますけれども、そのために何でも東京、東京というふうな形で東京一極集中が過度に進んでしまっているように思うわけでございます。やはり均衡のとれた国土の発展こそが必要なわけで、そこで私は、関西圏が非常に大事だと思います。東京圏に次ぎまして、人口の面でも、あるいはまたいろんな都市機能というか、そういったものも集積をしておるわけでございますので、今後の我が国の均衡のある発展のためにも、関西圏の振興ということは非常に大きな重要な課題になってこようかというふうに思うわけであります。 四全総が作成されましてからもう七年になるわけでございますけれども、策定後の最近の状況を踏まえまして、新しい国土計画における関西圏の位置づけ、これが一体どういうふうになっておるのかということについて、国土庁長官の御意見をお伺いしたいと思います。
○左藤国務大臣 今お示しの点につきまして、四全総におきましては「関西圏は、東京圏に次ぐ諸機能の集積を持つことから、その特性を生かして独自の全国的、世界的な中枢機能を担う。」こういうふうに書かれておりますけれども、その後、今お話しのように、現状を見ますと、やはり人口の社会減、それから工業出荷額とかそういった産業活動の面でも全国に占めます割合が低下しておるという実情でございます。 しかしながら、一方におきまして、これから関西文化学術研究都市の整備の推進とか、あるいは大阪湾のいわゆるベイエリア法、これに基づきます臨海地域の一体整備の推進とか、それからこの九月に開港いたします関西国際空港、そういった新たな発展という意味で大規模なプロジェクトを次々とこれから花開かしていかなきゃならない、そういう状況にあります。 今お話のございました四全総の見直しといいますか、その段階において総合的な点検ということを今やっていただいておりますが、そういったところに、関西のそうした状況に積極的に取り組んでいただきたいということで、審議会の方の作業を待っておるわけでございますが、我々もそういうことで、私自身もまた関西の出身でもございまして、どうしてでもこうしたことについてこれから大いに発展していくように期待をし、また我々もそういった面で努力をしていかなきゃならない、このように考えておるところでございます。
○宮本委員 ありがとうございました。 時間もございませんので、最後になりましたが、最近の景気動向についてお伺いしたいと思います。 去る五月十日に経済企画庁の方で月例経済報告がございましたけれども、いろいろ述べられた後、最後、一部に明るい動きが見られるものの、総じて低迷していると。要するに、全体としては低迷しておる、非常に暗い印象を持ったわけであります。これは経済の厳しさを示すものかもしれませんけれども、私は、この判断にやや疑問といいますか、現時点ではもう少し明るいものが見られるのじゃないかな、動きとしてはそういう方向に動いているのじゃないかなというふうな感じを持っております。 特に、消費支出の動向についての見方がいろいろ分かれます。ややよくなったというわけでございますが、これは非常に大きい総需要に占めるシェアを持っております。半分以上、六割近いシェアを持っている消費支出の動きでございますからこれは大事な判断になるわけでございますが、きょう出ていました開発銀行の調査結果を見ましても、統計のとり方とかいろいろありますが、どうも消費に対する見方は今までちょっと弱過ぎたんじゃないかというふうな意見も出ておりました。 私は思うのでございますけれども、消費もかなりよくなってきていることは企画庁も認められておりますし、また、住宅建設の方も非常に快調に進んでおります。年間百五十万戸ベース以上で昨年からずっと続いておりますし、それから政府支出の方も工事ベース、請負ベースといいますか、着工ベースともにかなりよくなってきております。 問題は、心配なのは民間設備投資の問題でございます。これは、一−三月の実績見込みで三・八%という数字がちょっと出ておりましたけれども、これは一時的かもしれません。四−六あるいは七−九についての企画庁の法人企業動向調査、これは計画ベースでございますが、やはりマイナスの数字になっておるということでございます。これがどう動くかが本当に景気動向に大きな動きを決めるわけでございますけれども、これはやはり企業の心理といいますか、企業マインドが大きく影響するわけでございます。 それだけに、政府がどのような腹づもりでこれから経済を引っ張っていこうとしておられるのか。この点が余りにも現実よりもむしろシュアにといいますか、慎重に見過ぎるということ、これもいいことですけれども、せっかくの企業マインドをむしろ経済企画庁の方で水をかけているんじゃないか、そんな気もするものですから、ひとつこの辺の御判断、もう一度考えていただいて、底入れ宣言はできるのではないかなと私は思うわけでございますが、ひとつよろしくお願いします。
○寺澤国務大臣 お答えいたします。 宮本委員御指摘のように、今明るい経済指標もございます。御指摘のように公共工事着工が三月では前年比六七・八%増、堅調であります。また、御指摘のように住宅建設も高い水準で推移しております。個人消費についても、一部の家電製品の出荷が前の年を上回るなど、やや持ち直しの動きも見られます。 ただ、四月の例えば百貨店売上高は、東京地区で前年比四・五%減と二十六カ月連続して前年割れとなっております。また、四月の新車新規登録届け出台数を見ても前年度比三・六%減となっておりまして、十三カ月連続前年割れを続けているという、必ずしも明るいばかりの数字ではないのであります。 また、御指摘のように設備投資もずっと減っております。先行指標である機械受注、これは三月の前月比一〇・三%増となりましたけれども、四−六の見通しを見ますと一三・〇%減となっており、設備投資全体の現状といたしましては減少がやはり続いております。さらに企業収益も引き続き減少しておりますし、雇用情勢も大変に厳しい状態が製造業を中心に今見られているわけであります。したがいまして、景気の現状としては、一部に明るい動きが見えるものの、総じて低迷が続いているというふうに我々は考えております。 これの打開策が今いろいろ言われているわけですが、やはり本当に民間主導型の開放経済、規制を撤廃した、そしていろいろな政府の経済対策を盛り込んで、税制改革もやり、そして早く予算も成立しということで、委員御指摘のような民間の企業家のマインドが高ぶるような政策をとっていくことによって、早く、平成六年度中には景気を回復軌道に乗せたいというふうに考えております。
○宮本委員 以上で終わります。(拍手)
○山口委員長 これにて田名部君、宮本君の質疑は終了いたしました。 次に、長浜博行君。
○長浜委員 日本新党の長浜博行でございます。 まず基本認識としまして、前細川政権の「責任ある変革」を引き継いでいただいている羽田政権、その中において細川政権が政治改革の実現、いわゆる政治改革関連法案を可決をしたということでありますが、実は私は、本来の政治改革といいますか、私自身が日本新党に参画をし、そして現在もいる大きな理由なのでありますが、やはり行財政改革と規制緩和、きのう衛藤委員も御指摘になったところでありますが、この二つの大きな問題を解決をしないと本当の意味での日本の政治改革がなし遂げられないのではないかな、こういう感を特に強くしているわけであります。 ここ十年、二十年、歴代内閣が行財政改革を訴えながら、そして規制緩和をしなければいけないと言いながら、細川政権もその例に漏れないわけでありますが、この問題を解決できないまま次の政権に引き継がざるを得ないということであります。盛んに言われていることでありますけれども、公的規制が、例えば許認可、届け出、報告等を含めれば一万一千件以上もある。こういった問題にどう対処をしていくのか、大きな問題であるように思うわけであります。 細川政権のときに経済改革研究会、いわゆる平岩研究会ができまして、例えば許認可とか行財政改革の監視をする第三者機関、こういうものが設立をされようとしたと思います。そして設立をされた。しかし悲しいかな、骨抜きと言っては怒られますが、所期の成果が達せられないような状態になってきている。生活者主権の政治とか国民の手に政治をとか、言葉は簡単なのでありますが、延々と続いているこの問題を解決していくこと、これが基本認識に立っているように思われるのであります。 〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕 そこで、今税制改革の問題が叫ばれておりますが、当然のことながら、今申し上げました行財政改革を推進をして歳出を削減をするというのは当然のことでありますが、私自身としては、いわゆるシャウプ税制以来そろそろ抜本的な税制改革に取り組まなければならない時期に来ているのではないかな、若干怖いですが、そういったことも逃げずに議論をしていく必要があるのではないかなというふうに認識をしているわけであります。 直間比率の問題、いわゆる直接税で、国税で七〇%ぐらい、地方税で八九・九%というような直接税の負担があるわけでありますが、いずれにしましても、大蔵省の試算あるいは政府税調の答申、こういった形の中で地方公聴会が開かれ、国民の声が聞かれるような中において、その立場が違っても、党派が違っても議論を避けることなく、税制問題は政治家の使命として取り組んでいかなければならない、そのように認識をしているわけであります。 そしてまた、今言われますように、仮に間接税の増税が行われるような場合においては、いわゆる景気対策に伴うところの所得減税という意味合いではなくて、今申し上げましたように、抜本的な税制改革を行うに当たり、そしてまた所得減税を続けるとしたら、その先行所得減税の期間の中におけるところの代替財源の赤字公債の問題、そしてこれの償還方法、あるいは政府支出、当然消費税が上がれば政府支出もそれに比例して増していくわけでありますが、こういったすべてのことを絡めて議論をしていかなければならないのかなというふうに思っておるわけであります。 そしてまた、所得税ばかり脚光を浴びますが、例えば法人税三七・五%と、それから地方の法人事業税を合わせれば五〇%、五〇%を超えてしまうような状態になっているかもしれない。先ほど、田名部委員は、技術移転といいますか、教育の問題から企業が海外に出ていくというようなお話をされたように思いますが、ひょっとしたら、これはコストではありませんが、法人税負担のような問題から企業が本社機能を海外に移転するとか、こういった問題も起きてくるような気がいたしているわけであります。 ですから、法人税を含めて問題を考えなければいけませんが、しかし、まあ税制の問題は複雑で、きのう大出委員も御指摘があったように、所得税でいえば捕捉率の問題、あるいは法人税でいえば二百三十万を超える法人企業のうちの一体何%の会社がいわゆる赤字法人となっておらず税金を払っているのか、これが本当に努力をして黒字体質に変えなければいけない、そう努力されているならともかく、そうでない場合があるんだとしたらこれも大問題でありまして、こういった税制の問題を避けることなく議論をしていかなければならない、そういったもう土俵際の時期に来ているのではないか、そのように税制問題のことを私は認識をしておりますが、総理大臣の御見解をお願いをいたします。
○羽田内閣総理大臣 今お話がありましたように、逃げずに真っ正面から議論しよう。実は、政治改革というのは、金の問題もありますけれども、やはり一つの選挙区から複数が出ているということ、しかも同じ政党から何人も出るという中で本当の議論ができないということ、責任ある議論をするためにというのが政治改革であったというふうに思っております。 それから、今お話がありましたこと、行政改革あるいは規制緩和、こういったものはもうやはり避けて通れないものであるということでありまして、私どもは、やはり活力のあるこの国をつくっていくためには、今お話があったような行政改革、規制緩和、こういったものに本当に積極的に取り組んでいかなければならない。私どもは細川内閣のその意を受けながら、今そういったことを進め、きょうも実は地方分権についての作業部会というものを発足させるということを決定をいたしたところであります。 そして、今お話がありましたように、そういったときに税の問題も、これも避けて通れないという話でありまして、今ちょっとここにあります資料をあれいたしますと、所得課税というのがOECD二十四カ国中で日本は第一位なんですね。ところが、資産課税というのは七位であるということ、それから消費課税の割合は二十四カ国中実は最下位というふうになっておるということ、こういう現状であります。 そして、私ども、今日の日本の社会の現状を見ましたときに、今お話があったように、高齢化というのが大変進んでおるということで、高齢化に対応するために、これは広く薄くできるだけ多くの人たちでやはりこれを分担していくという考え方というのが大事なことであろうと思っております。 ですから、所得ですとか資産ですとか、そういったものに対してのバランスというものももちろん大事でありますけれども、ともかく広く薄くみんなが負担していくということ、そういうものでないと私はもう対応できなくなってしまうというふうに思っておりまして、今お話のありましたとおり、私ども、そういったものを本当に国民にも理解されるような議論を展開する中で、やはりこの税の問題についてはもう真っ正面から取り組んでいかなければならないということを申し上げたいと存じます。
○長浜委員 大蔵大臣にも一言よろしくお願いします。
○藤井国務大臣 ただいまの税制問題は、もう総理の言われたとおりでございますので繰り返すことは避けさせていただきます。 また、お話の中にありました、歯どめのない赤字国債というお話がございました。これは極めて日本の経済体質を悪くします。ヨーロッパ、アメリカの例を見ても、財政体質を崩したがゆえに金利が高どまりして、結局経済を沈滞化させる。国を滅ぼすのは財政だという言葉もあるくらいでございまして、私は、この点についてはきちっとしたけじめをつけていかなければならない、御指摘のとおりだと思います。 また、捕捉率のお話がございまして、不公平税制、昨日大出委員のお話がございまして、私もいろいろ立場を申し上げましたが、この捕捉率という話は執行の問題でございますが、執行の問題も極めて重要な問題であると考えております。 私は、世に言うようなクロヨンとかトーゴーサンということはあり得ないと考えております。しかし、執行に当たる、これは国税庁でございますけれども、公平な税の執行ということに常に心がけてまいりたいと思います。
○長浜委員 その税制のときにも問題になったところでありますが、福祉社会の到来という、あるいは高齢化社会というふうに言ったらいいのかもしれませんが、いわゆる社会保障負担の中における、年金とか医療費は金額ベースでは九割でありますけれども、これからは福祉の問題について、これまた避けることができない議論であります。 三月末に出された厚生省の二十一世紀福祉ビジョン、これは二〇二五年までの今後三十年間の日本のあり方を考えるという問題であって、この一年とか二年とか、あるいはきょうとかあすのという姿ではないわけであります。三十年間にわたり、二十一世紀にわたり、日本の国をどういう国家にしていくのか、こういった重要な問題のたたき台になっている議論だと思います。 人間としての豊かな暮らしを享受をするためには一体どういうふうにしていったらいいのか。大変難しい問題でありますが、一人一人が、寝たきり老人になったときに一体だれが介護をしてくれるのか。あるいは、女性の社会進出に伴いながら、子育てが大変だな。先ほども少子社会の話が出ておりましたが、高齢化社会の進展と、皮肉なことにこの少子社会の到来というのが表裏一体をなして起こってきているわけでございます。 私は、個人的で恐縮でありますが、二人、三歳と二歳のちっちゃな子供がいるわけでありますが、少しでも少子社会を脱するべく協力をしなければいけないという部分もあるのでありますけれども、なかなか難しい状況にあるのも事実であります。 しかし、こういった意味の中においても、国がなすこと、あるいは地方自治体がなすこと、あるいは地域社会がなすこと、家庭でなすこと、こういった、なかなか福祉の問題というのはとらえどころがなく、かつ、どこまで財政負担に頼らなければいけないのか。こういう予算面ということだけではなくて、私は、昨今言われていますように、ボランティア社会の到来、ボランティアでいわゆる福祉の中において自然な形で人間としてやれるべきことがないのか、こういった問題を深く考えている議員の一人でありまして、厚生大臣に御所見を伺いたいと思います。
○大内国務大臣 御指摘のように、今日本は避けがたい二つの流れの中で動いているわけでありまして、一つは超高齢化社会の到来、これから六年後の二十一世紀におきましては働き手の四人に一人が御老人になる。二〇二五年には二人に一人が御老人になる。それともう一つは、子供をだんだん産まなくなってまいりまして、今お二人というお話がございましたが、日本では一・五、これは民族的には衰亡をしていく数字でございます。 他方、今介護を必要とする御老人の数は約二百万人でございますが、同じく六年後の二十一世紀においては二百八十万人に達し、二〇二五年には五百二十万人にも達するということから、今国民の多くは、老後に七割もの人々が不安を感ずる。これは、やはり社会保障そのものを再構築しなければならないという事態に至っていると思うのでございます。 したがって、今御指摘のように、三月の二十八日に二十一世紀の福祉ビジョンというものを数字も含めてお示しをしたというのは、何とかそういう老後の不安に私どもとしてはこたえなければならぬ。そのためには、まず年金についても信頼できる、安心できる制度をつくり上げなければならぬ、医療についても効率化が必要である。しかし、これからの社会保障の全体像の中で、今まで年金が五、それから医療が四、福祉が一となってまいりましたが、これを五、三、二ぐらいに変える必要がある、これは大体欧米型の形でございますが。 そうしますと、介護という問題と、育児、つまり子育てという問題について、これから社会保障の重点が移っていかなければならぬ。そういう見地から、私は、ゴールドプランについてもこれを見直すべきである。したがって、新ゴールドプランというものを、早急にこれを確立したいということが一つ。 それから、御婦人の皆さん、女性の皆様が安心して出産、育児ができるような、つまり社会的進出を可能にするような、エンゼルプランといいますか、児童家庭対策というものを飛躍的に充実させる必要がある。そうなると、例えば保育所といったような問題についても、今は六時で閉まってしまいますけれども、これを二時間、四時間、六時間と延長する、あるいは駅でも保育ができる、企業でもできるといったような多様なニーズにこたえられるような保育制度というものも確立しなければならぬ。 それらの面を総合的にこれから打ち立てまして、羽田政権が福祉を重視する政権であるということを実証してまいりたいと思っている次第でございます。 〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕
○長浜委員 次に、物価対策について伺いますが、物価対策といいますか、公共料金の値上げの年内凍結が行われたわけであります。いろいろな考え方があると思いますが、私は、これは大変なショック療法でありますし、そして、公営企業といいますか、あるいは競争が割と少ないと言われている分野においてのコスト意識とか合理化努力、こういったものが改めて見直されている、こういう状況が提示されているのではないかというふうに思います。 昨日、深谷委員からも指摘がありましたように、中小企業においては血の出るようなコスト削減の努力の中において国際競争の中で生き残っていっているわけでありますから、こういった点からも公共事業に対する意識改革も必要になってくると思われますが、いわゆる物価対策的な見地に立って、経企庁長官の御所見を伺いたいと思います。
○寺澤国務大臣 お答えします。 今回の措置によって年内の値上げを抑制された公共料金の中には、国民生活、国民経済にとって非常に重要な意味を持つものも入っております。今、円高差益の問題、あるいは消費者が安い価格を志向しているという現実、そしてなおかつ、民間の企業が大変な努力をして物価を下げようという、こういう努力をしているとき、相まって、やはり国民生活に非常に重要な意味を持つ公共料金の値上げをとにもかくにも年内抑制したということは、大変に大きな意義があるものと私は思っております。そして、これが日本の景気回復のためにも役に立つというふうに考えております。
○長浜委員 それと、物価の意味でありますが、一説には四〇%もあると言われる他の先進諸国との内外価格差、こういったことを解消するためにも、先ほど来もうしつこく申し上げておりますが、規制緩和を避けることはできない。経済的規制は、原則は自由として、公正な競争原理に基づいていくべきだというふうに思います。 例えば、そしたら安全性や何かはどうするんだという議論であれば、昨今のPL法の制定等、新たな法体系の整備によってカバーができる部分というのが随分あるわけでありますから、これも誤解を受けやすい議論なのでありますが、例えば一〇%物価が下がるのであれば、消費税が七%ついたとしても、その三%は消費者に還元されるわけでありますし、現在の消費税率三%を、これを所与のものと考えれば、七%がそのまま消費者に還元される、こういった非常に粗っぽい議論もできるわけでありますので、物価を下げる努力、こういったものも忘れることはできないというふうに思います。 一言、総理大臣にお願いいたします。
○羽田内閣総理大臣 この問題につきましては、やはり前内閣のときから久保田経済企画庁長官などと、今御指摘がありました、四〇%も内外価格差があるんじゃないのかというお話がありましたけれども、こういった問題について議論をしてまいりまして、けさも大内大臣の方からも基礎物価のお話がありました。 私どもは、そういう意味で、かつては所得倍増ということが池田内閣の時代にありました。しかし、これからは安定成長という中で、なかなか所得を倍増していこうなんということは、これは難しい。むしろ、今お話がありましたように、物価というものを本当に下げていくということを考えなきゃならぬ。 しかし、お話しのとおり、やはり物価を下げるときには、いろいろな規制があるものですから、その規制に対応するために逆に物価を上げてしまっているという面もある。その意味では規制緩和というものも必要であろうというふうに思っておりまして、きょうも実は各関係の閣僚の皆様方に、物価というものを何年間でどのくらい下げる、この目標というものをひとつつくることができないだろうかという問いかけをいたしておりまして、私ども、今お話のあったことも拳々服膺しながら、物価対策というものを本当に充実させるようにしていきたいということを申し上げたいと思います。
○長浜委員 続きまして、日曜日にいわゆる子どもの権利条約が発効をしたわけであります。子供の表現の自由、体罰の禁止等が盛り込まれている内容でありまして、国会では三月に議決をしたというふうに思います。 いじめとか校内暴力の人権侵害の問題、この問題も大変心を痛めるところでありますが、それに先立つ二十日、東京の中野富士見中で起きた生徒の自殺事件、いわゆる教師まで加わった葬式ごっこをやって十三歳の子供を自殺にまで追いやったといういじめでありますが、東京高裁が有罪の判決を出した。こういう子供の権利が確保される反面の中において、子供の人権が侵害をされている。 先ほども私ごとを申し上げましたが、やはり子供のいじめの問題は、子を持つ親として看過できないような問題であります。そして、仮にこれが高学歴化社会を求める受験戦争の副産物だとしたら、こんな悲劇はないわけでありますから、こういった問題について、いわゆる子供の権利が確保をされる、しかしその中において、いじめは多分毎年の統計によれば減っているのでしょうが、いまだに存在をしている中において、文部省は教育の現場にどういう指導をなされているのか、御答弁を願いたいと思います。
○赤松国務大臣 いじめの問題については、本当に心痛む事件が時々起こるわけでございます。 今御指摘のございました中野富士見中学の問題もそうでございますが、これはこの判決を重く受けとめておりますが、将来どうやっていじめをなくすことができるかということを深刻に考えているわけでございまして、私は、人をいじめるというのは本当に人格として卑劣な行為だというふうに思うわけでございます。しかし、それが後を絶たないということで、先生方にもぜひこの問題をなくすための努力をさらにしていただくということで、昨年も十二月に初中局長の通知も出しまして、学校の責任、とりわけ担任の責任というところを強調もいたしました。 それから、今度の児童の権利条約、これを契機といたしまして、条約につきましては外務省の担当ではございましょうが、私どももこの条約がとりわけ子供の権利について深い関係のある条約でございますから、そういうものの中で子供の人権を守るということがいかに重要なことかということをこの際強調をするという観点から次官通知を出し、また、さらにもう少しわかりやすい資料などもつくりまして、学校、教育委員会その他にも配付して、条約の精神、趣旨がよりよく浸透するように、それが子供のいじめの廃絶あるいは問題行動をなくすということにつながっていくように、いい影響を持つようにという点で条約の精神をよく伝えたいというふうに考えております。
○長浜委員 ありがとうございました。 それと、郵政大臣、先ほど田名部委員からも質問がありましたが、次世代高速通信網、いわゆる情報ハイウエーの分野においては、これからの日本の産業を引っ張っていく分野であると同時に、いわゆる国際規格の問題を含めて対応におくれることがなきよう対応のほどよろしくお願いをいたします。 時間の関係もありますので、これで質問を終了いたします。ありがとうございます。(拍手)
○山口委員長 これにて長浜君の質疑は終了いたしました。 次に、渡海紀三朗君。
○渡海委員 新党さきがけの渡海紀三朗でございます。 まず、内外の情勢大変厳しいものがございます。そういう中で羽田総理御就任をいただいたわけでございますし、また、関係閣僚の皆さんには大変御苦労が多いというふうに予測されるわけでございますが、どうか国家国民のために精いっぱい御努力をいただきますように冒頭まずお願いを申し上げたいと思います。 限られた時間でございますので、できるだけ問題を絞って、基本的なことに限って御質問をさせていただきたいというふうに考えております。 まず、総理にお伺いをしたいというふうに思いますが、総理は所信表明演説の中で、改革と協調ということをモットーとするということに言及をされておるわけでありますし、また先日、これは報道で見たわけでございます。その後もたびたびテレビの画面で使われているようでありますが、とにかく少数政権、ある意味で、これは総理のお言葉でございますから失礼になるかもしれませんが、我々は力がありませんけれども、とにかくよく話し合って、少数政権であってもいろいろなことがやれるんだというふうな趣旨の演説をされております。 では具体的に、やはり少数政権というのは大変運営が難しいというふうに考えられるわけでありますけれども、どのようなことに心がけてこれから政権を運営をされようとしておられるのか、その基本的な総理の姿勢をお伺いをさせていただきたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 私ども細川政権を受け継いだわけでありますけれども、もう今お話がありましたように、私どもは少数与党という上に成り立つ政権であるということであります。しかし、細川政権のころから取り組んでまいりました政治改革の問題、あるいは規制緩和等を含みます、あるいは地方分権なんかも含みますいわゆる行政改革というものがあります。また、やはり規制緩和等を伴います経済改革という問題、こういった問題ですとか、また、次の高齢化時代といいますか、こういった時代に対応するためにともかくやはりみんなが広く薄く負担していこうという税制改革の問題、こういった問題。そのほか対米関係、今、もう精力的にあれし、そろそろ今どんなようになっているか、私もちょっと関心を持っておるわけですけれども、今アメリカとも交渉しております。そういった対外関係の問題。こういった問題は全部、これは与党、野党ということではなくて、お互いにやはり有無通ずるものであろうというふうに思っております。 そういう意味で、私どもが率直にそのことを国民の皆さんに訴える、また各党の皆様方にお話を申し上げる、そういう中でそれらを解決するために全力を投球する、誠心誠意を持って当たるということであれば、私は、いろいろな仕事というものは前に進めることができるだろうというふうに思います。その場合には、誠心誠意当たるときには、当然協調ということをやはり頭の中に大きく置いて対応することが重要であろうという認識をしながら、これから政局の運営に当たっていきたいというふうに思っております。
○渡海委員 今のお言葉にございましたように、ぜひそのように心がけていただいて、さまざまな意見があることは、これは仕方ありません。しかしながら、その意見をまとめるときに、ぜひ、唐突に、急にいろいろな案が出てきたというふうなことがないように心がけていただきたいというふうに要望を申し上げておきたいと思います。 これもマスコミ報道でございますが、総理は、就任のときに、例えば新生党から党籍を離脱するというふうな話とか、先日、前衆議院副議長の功績をたたえるパーティーというのがございましたが、統一会派改新の結成について、いささかそのときには怒りを覚えたというふうな、これは正確ではございませんけれども、報道でございますから、そんな声が聞こえてきております。 細川前政権で、やはり一つの反省として、連立与党というのはそれぞれの、先ほどお話しになりました協調、そして信頼関係というものを大切にしていかなければいけないということを、私どもも連立与党の一員として学ばせていただいたわけでございますし、考えようによっては、やはり政治勢力というのがありまして、その一方の政治勢力に主導権が移っているというふうなそんな感じが出てまいりますと、片側からすればこれはちょっとどうかなと信頼関係を失うというふうな、かえって求心力が低下をする、そういう傾向があったというふうに私自身は総括をしておるところでございます。 国会内会派の問題というのは、これはもちろん政党間の問題でございますから、政府がどうのこうのという問題ではないかもしれません。また、新しい、改新ですね、統一会派の中にも、この会派を解消すべきであるという意見もあるやに聞いておるわけでありますが、今のところこれは具体化はまだしてないわけでございます。 総理御自身は、今後も、こういった会派の問題等をお考えになって、例えば党籍を離脱されるとか、そういった具体的な行動を考えておられるのかどうか、一連のことについて総理のお考えをお伺いをさせていただきます。
○羽田内閣総理大臣 私の立場でありますけれども、連立の各政党の上に私は今あるということでありますから、一党の何々ということはもう許してもらいたいということを実は申し上げておるわけでありまして、できるだけいろいろな会合なんかも、各党がそろう、そういうところだったらいつでも行きますよということを申し上げておりまして、そんなつもりで対応することがやはり必要であろうというふうに思っております。かつて自民党時代にも、総理ですとかあるいは閣僚ですとか、そういった方々が派閥を離脱するなんというのもやはりその姿勢の一つであったというふうに考えるわけでありまして、特に連立の上に乗っているということでありますから、そのことは特に申し上げることができると思います。 それともう一つは、何というんですか、今お話があったわけでありますけれども、やはりそれぞれが、生い立ちというものがみんな各政党それぞれ違うわけでありますから、そういう皆様方の立場というものを尊重する、そこに本当に信頼関係が生まれてくるんだろうと思うんです。連立の中でも、だれとだれがどこで会ったなんというとお互いに疑心暗鬼になっているなんという、これはもう本当に、国というよりは、国がどこかへ置き去りにされているんじゃないのかねという指摘なんかもあることを、我々はよく注意しなければいけないんじゃないのかなということを最近改めて強く思っておることを申し上げたいと思います。
○渡海委員 私は、自民党時代から先輩であります羽田総理に長年にわたって御指導をいただいてまいりました。特に政治改革につきましては、当時の政治改革本部ですね、総理、たしか選挙制度調査会長をされていたと思います。そんなことで、全国行脚といいますか、全国の自由民主党員にいろいろな説明をするんだ、そんなことも御一緒をさせていただいたわけでございます。 同時に、先日、羽田総理はこの委員会で、私は従来から並立論者である、小選挙区比例代表並立論者である、これは私自身も全く同じ考えを主張をしてきておりまして、そういう意味で、今回この政治改革関連四法案が成立をしたということは、大変私自身にとっても政治活動の中で意義のあることだというふうに受けとめております。 しかしながら、先ほどからお話がございますように、少数与党という船出になったわけでございますね。そういった中で、世論調査を見ましても、国民の中から、現在の政治状況を変える、より安定した政権を望む声というのもあることもこれはまた事実でございます。こういったことを考えた場合に、やはり早い時期に衆議院、総選挙をやって民意を問え、こんな声すら出てきているというのが現在の現状である、そのように認識をいたしております。 私自身も、今申し上げましたように、選挙制度をやらなければいけないというふうに頑張ってきた人間の一人でございますから、もちろん次の総選挙は新しい制度でやるべきだ、私は個人的には断じてそのようにやるべきだというふうに思っておりますが、国民の声というものも民主主義でございますから大事にしなければいけない。憲法六十九条の解散権ということは、これは縛れないということは当たり前でありますけれども、こういったことを考えたときに、これは個人的な思いで申しわけないですが、羽田総理だからこそ、私は中選挙区での解散は羽田総理にはやってほしくない、そんな思いがするわけでございます。 仮に政治状況が行き詰まった場合に、総理はどういうふうにそれに対して対処をされるのか、これはあくまで想定でございますから、現時点で大変難しい質問ではございますけれども、基本的な考え方をお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○羽田内閣総理大臣 この問題につきましては、本当にただひたすら誠心誠意努めていきますというのがもう今私の申し上げることであります。 ただ、一般のあれとしては、つい先ごろ、やっぱりあれだけ御苦労なさった伊東正義先生が他界されたわけでありますけれども、大変長い時間をかけましてこれがようやく一つの、あと区画をつくるというところまでたどり着いたということですね。そしてこの区画ができて、そしてそれが周知徹底されたときに初めていつからこれが実施されるということが決められていくというわけでありますから、それが決められませんと、そのほかの法律も全部だめになってしまうということになりますね、政治資金規正法ですとか。 そうすると、一体何のためだったんだろうということになろうと思っておりまして、まあ私も個人的には、解散権とかそういったものはいついかなるときでも縛ってはならない、これは議院内閣制のやっぱり私は大事なところだろうというふうに思います。 しかし、一般論として言えば、やはりこの新しい選挙制度のもとで選挙をやるということが好ましいだろうというふうに私も考えておることであります。
○渡海委員 いろいろと意見があるところではございますが、大変厳しい局面が予測される中でございますから、そういうことにならないように、冒頭お話しになりましたように、協調の姿勢を十分保っていただいて今後も政権運営に臨んでいただきたいというふうに思います。 次に、政界再編成について一点お伺いをいたしますが、総理は今後政界再編成というのはどのような経過を経て進行するとお考えでございますか。 また、総理は従来から二大政党論を唱えておられるというふうに承知をいたしておりますが、そうだとするならば、総理がお考えのこの二大政党といいますか二大勢力といいますか、その軸というか旗というか、どういった基準でもって、理念でもって今後の日本の政界が再編成をされていくとお考えなのか、総理のお考えを聞かせていただきたいというふうに思います。
○羽田内閣総理大臣 私がこの二大政党論を唱えておりましたのは自民党にあった時代でありました。そのときに、私どもの当時念頭にありましたのは、私たちが外に出て、そして一緒になって物をつくっていくということではなくて、野党の中の再編成というようなことを念頭に置きながら二大政党ということを言っておったわけです。ということは、いずれにしても二大政党制がいいんじゃないのかということは、やはり時代というのはだんだん選択の幅というのは割合と狭くなってきておる。そういったものを真っ正面から議論し合う、同じ土俵の中で議論する、そしてそれが切瑳琢磨して、そしてあるときに政策等で行き詰まったときには今度ほかの政権に交代していくということが割合と行われる、しかも、安定して行われる。そういうことのためにお互いに責任政党と言われる政党というのが二つあることがいいのじゃないのかということを申しておったわけです。 ただ、私自身が皆さんと一緒に自民党を出るという中で新しい政界再編が行われました。そして、社会党ですとか公明党、民社党、その他の党の皆さん方と一緒になっていろいろな議論をしてまいりました。そのときに私思いましたことは、例えばPL法の問題にいたしましても、あるいは情報公開の問題にいたしましても、あるいは弱者あるいは生活者というもの、こういったものを重視する見方、こんなものが、逆に私たちはそういった見方の方に近づいていく。あるいは安全保障の問題についても真っ正面から今度は議論できる、あるいは税の問題についても一緒になって議論できるというようなことができるようになってきた。そういう中に、私は日本のこれからの新しく歩むべき道というものはそこに指し示されているのじゃないのかなというふうに思います。 そういうことで、そういう勢力ともう一つの勢力、これは自民党も一つの勢力でありましょう、今大変数があるわけですから。こういったところで真っ正面から議論する中で、そこから一つのものが生まれてくるということが私は好ましいのじゃないのかというふうに思います。ですから、今二大政党にすぐいけばいいんですけれども、そうはなかなかいかないというときに、二つの大きな勢力というようなものが今望まれるものなのかなという思いを持っていることを率直に申し上げます。
○渡海委員 もちろん政策とか政治手法とか、いろいろな考えが、意見があるわけでありますが、単に選挙を戦うためだけにとにかく勢力を結集するといったような力が往々にして働きがちであるというふうに、これは私個人の観測でございますが、感じられてなりません。ですから、やはりこれは、そこは性急にということではなしに、今総理もまさにお話しになりましたような、いろいろな意見の集約というものの過程をきっちり経た上で私は勢力が集約されていく、これがいいのではないかな、そういうふうに思っておりますので、これも繰り返して申し上げますが、そういった姿勢を十分保ってこれからも運営をしていただきたいというふうに思います。 時間が余りありませんから次の問題に移らせていただきますが、先般の公共料金の一律値上げの凍結という、この問題でございます。 昨日の委員会でもこれは非常に唐突だったじゃないかというような指摘もあったわけでございますし、いきなり発表された、当日この委員会を開いていたわけでございますから、その間に官房長官が記者会見をされたというふうな点につきましても、実は理事会でも大変厳しい指摘がなされているところでございまして、それだったら委員会で少しそういった趣旨が話されてもよかったんじゃないかな、こんな意見もございます。しかしながらこれは決まったことでありますから、いろいろと考えてみますと羽田さんらしい決断かなとも思っておるところであります。 しかしながら、国民の中には、今回の措置について、税制改革論議のためにちょっと時間稼ぎをしているのじゃないかというような厳しい批判もございます。特に国民生活に関係の深い、例えば道路通行料の問題であるとか住宅家賃の問題であるとか、こういった問題を考えてみますと、これは財投、借金によって建設をして、この借金を払っていかなきゃいけないという仕組みを考えますと、ことし上がらなくても結局ツケは後に回るんじゃないか、こんな心配もあるわけでございますし、今凍結したからといって抜本的な解決にはならない、こういうことだと思います。 羽田政権というのは本当に、きょうもいろいろと議論が出ておりますが、規制緩和も含めて行政改革を断行する政権なのか、それとも違うのかといった厳しい目が現在注がれておるわけでございまして、先ほど来から改革、改革という言葉がたびたび出てくるわけでございますけれども、そういったことも含めて、例えば特殊法人の改革なり、そして総理自身も本委員会で公団のリストラが必要だというふうなことをお述べになったこと、こういった経緯も考えたときに、やはりこの問題をきっちりとやることが国民の声にこたえることだというふうに判断をいたしております。 先週たしか総務庁長官も、特殊法人の二年以内の見直し、これを二月にお決めになったわけでございますが、少し繰り上げたらどうか、こういった意見も表明をされておるわけでございます。 そこで、総理にお伺いいたしますが、年内の公共料金の凍結というのをお決めになったわけでございますから、この際この期間中に、やはり先ほどから話題になっておりますような公社の問題等を、例えば民営化などの問題、経営形態の問題等も含めてより深く踏み込んで、これから抜本的な改革の具体案を早急に政府で検討する、そんなお考えはございませんか。そのことを総理にお聞きしたいというふうに思っております。まず、総理のお考えを。
○羽田内閣総理大臣 公共料金の問題ですけれども、実はあの日は、何か質問者の方の中にそういった日程もおありのようでしたから、私は実はそこで御説明申し上げようと思っておりましたところ、ほかの方の何か質問が長くなったためにそれがなかったということで発表の方が先になったということをまず申し上げておきたいと思います。 それから、年内と言わないで、特殊法人、これを先にやったらどうだろう。確かに、行政改革ですとかそういったものを進める、それとこういった公共料金を圧縮していくということ、これをあわせてやること、これが一番望ましいことであろうと思っております。 ただ、問題は、特殊法人の例えば統廃合というような問題につきましては、これはまさに人が一緒についているものでございますから、これを例えば繰り上げてさっとやってしまうということは、これはなかなか難しい問題であろうと思っております。しかし、それを避けて通るということではありませんけれども、これはさきに閣議でもう決定しておりますし、今後における行政改革の推進方策、こういった中で特殊法人の見直しというものに取り組んでいこうということはもう既に決定をされておりまして、私どもはそういった中でこれこそ議論を積み重ねながら、特殊法人の問題についても、これは真っ正面からやっぱり取り組まなければいけない問題であろうというふうに私自身考えております。
○渡海委員 建設大臣手が挙がったようでございますけれども、何か御意見ございますか。——それでは建設大臣、この問題について。
○森本国務大臣 渡海委員から高速道路の通行料等々、この凍結期間中にいろいろとそういった公団等々のあり方について検討してはどうかという御質問をただいまいただいたところでございます。 私たちも五月二十日の、総理の決断を得まして、今いろいろと検討をさせていただいているところでございますが、御承知のように、高速道路、四全総の中で一万一千五百二十キロというのを出したわけでございますけれども、まだ外国に比べますと非常におくれているわけでございまして、その一万一千五百二十キロの間でまだ四八%しか達成ができていないという状況でございまして、これをやはり早く整備をしていかなければならない。 今渡海委員の方から民営化を含めたあり方という御意見がございましたが、民営化にいたしますと、採算性の合わないところが切り捨てられるという状況等々も出てまいります。全国のネットワーク等々を考えた場合に、やはり同じように、全国でその問題を負担し解決していかなければならないと思っています。 おっしゃっていただきました経費節減あるいは人員削減については、今までも全力で取り組んでまいったところでございますが、さらにまた私どもの方もその削減に向かって取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○渡海委員 確かに、やはり全国いろいろな状況がございますから、そういう中でバランスのある国土の発展を図っていくという趣旨からして、今の建設大臣のおっしゃる意味もわかるつもりでございますけれども、例えば建設は公団的な組織でやっていく、あえて言いますと、公営でやっていくけれども、各種の運営等に関してはどんどんどんどんとやはり民営化を進めていくといったようなアイデアもあると思うんですね。そんなことも含めてこれから、先ほども申し上げましたように、年内と言わず、特殊法人の改革を達成するまでは料金は値上げしないんだというふうな意気込みでこの問題に取り組んでいただきたいというふうに思います。 あと行政改革について実は数点申し上げようと思ったわけでございますが、時間の関係もございますので、特にこの規制緩和なりこういった問題について、改革という旗を継承するということを羽田総理御自身が言っておられるわけでございます。いろいろな事業団体がございます。そして、例えば一つ例を取り上げますと、いろいろな事業団体でいろいろな企画をして、いろいろな研修をするとかいうようなことも随分オーバーラップして行われている、こういったこともあるようでございますので、特殊法人の全体の幅も含めてぜひこの問題に真剣に、しかも早急に、具体的に取り組んでいただきたいということを重ねて申し上げておきたいというふうに思います。 あと一点、この行政改革に関してでございますが、公務員の制度の改革の問題でございます。 我が党の武村代表がさきの代表質問で、この制度改革案として一括採用ということを考えてはどうか、そのような提案をさせていただきました。 この一括採用という問題は国家公務員でございますけれども、イギリスとかフランスなどで行われているというふうにも聞いておるところでございますし、アメリカは、御存じのようにとにかく政府がかわれば省庁の役人、もちろんいろいろなレベルがございますけれども、これがかなり大幅に入れかわる、メリットシステムというのですか、何かそんな制度が採用されていることは皆さんも御案内のとおりであります。 これらのことを考えますと、これはちょっとある方から教えていただいたんですが、マックス・ウェーバーがこんなことを言っているようですね。国家の行政組織は、それを構成する職員が長く組織の運営に携わると、行政が肥大化をして、役目を終えた制度も温存しようとする傾向がある。これは大変厳しい言い方になると思いますけれども、そういうことを考えますと、この公務員制度の改革というものも行政改革の一環として絶対に避けて通れない課題であろうというふうに考えます。 また、総理が所信表明で「縦割り行政の弊害除去」ということを言われたわけでございますから、真っ正面から取り組もうという決意表明だというふうに思っておりますけれども、これらの問題について総理はどのようにお考えか、少し具体的にお話をいただきたいというふうに思っておりますが、よろしくお願いします。
○羽田内閣総理大臣 今お話がありましたように、まさにマックス・ウェーバーの言葉というのは至言だなというふうにお聞きをいたしたところであります。 ただ、役所の中では、もう御案内のとおり一つの課というものにただ長くいるというよりは、むしろこれを交流させていこうという動き、これが最近では行われておりますし、また地方自治体、こういったところにも人を派遣するというようなこともどんどん行われるようになってきておるということで、大分一つの風通しというのはよくなってきているというふうに私は理解をいたしております。 そして、確かにアメリカのように、大統領がかわりますと一遍に三千人とか、あるときは七千人なんて話も聞きますけれども、そうかわっていくというのは、これは確かにいろんな面で発想が大きく転換されるという意味では、私は一つのおもしろい制度だというふうに思います。 ただ問題は、今度は一貫性とか継続性ということになると、これは逆に大変弱くなってきておるというところがあろうというふうに思っておりまして、私ども話しているときにも、あれ、今度は全然違っちゃったぞ、あるいは、前のときにはやってくれたけれども、我々になってから何もやってないねなんて言われて戸惑ってしまうこともあるわけでありまして、逆に日本の方は、継続性とか一貫性というものが貫かれているということはいいことだというふうに思います。 しかし、今お話がありましたように、やっぱりそこに滞ってしまってはいけないということであろうと思っております。そして、一つの役所の中でずっと勤めているということになりますと、局はかわったとしましても、一つの役所の窓から物を見るという見方になってしまって、いろんな角度から見られなくなってしまうというおそれというものはあろうというふうに私は思っております。 そういうことを考えましたときに、私どもは、これからの採用の仕方というものももちろんありますけれども、そういった人たちがこれから役所という一つの、全体の役所という機構の中でどんなふうに働いていくのか、こういった問題については、もっともっと議論してみる必要があろうということを改めて強く思わされていることを申し上げます。
○渡海委員 最近の政府の行政改革推進本部での規制緩和の議論、これを見ておりましても、なかなか縦割り行政の壁を破るというのは大変なことだなと正直思っております。それぞれ今総理がお述べになったような理由はあるわけでございますけれども、やっぱりここは大胆にチャレンジしてみる、そんなことが必要であろうというふうに思います。 特に連立政権ができてから、これは私どもにも責任がございます、一緒にやらしていただきましたから。官主導とか政治のリーダーシップが欠けているとかいうふうなことをよく指摘をいただいたわけでございます。もちろんこれに反論のあるところではあろうとは思いますけれども、やはりそういうことが指摘をされるということ自身、我々は謙虚に受けとめていかなければいけないというふうに考えておりました。そういったことも含めて、やはり政治がリーダーシップを持って国家を運営をしているんだ、そんな姿勢を示していただくためにも、ぜひこの問題により精力的にお取り組みをいただきたいということをお願いを申し上げておきたいと思います。 時間がなかなかないんですが、税制改革について一点お答えをいただきたいというふうに思います。 二十七日の政府の税制調査会に幾つかの消費税の引き上げの税率、それを盛り込んだ試算が示されるやに実は聞いておるわけでございますけれども、先ほど来の質問と関係をいたしますが、例えば行政改革をやって歳出を削減するということをやればこんなことが考えられて、実はこれぐらい歳出が削減をされるんだ、こういう議論は余り行われていないように仄聞をいたしておるわけであります。税制改革、これは大事な問題でございます。我々も避けて通ろうとは思っておりません。 しかしながら、従来から言われておりますように、やっぱり福祉のビジョンをきっちりと示すこと、そして行政改革をきっちりとやるという前提に立った税制改革でなければなかなか国民の理解は得られない、そのように判断をいたしております。この歳出削減の議論というものをやはり同時並行的に行うべき、そのように考えておりますし、今大蔵大臣もうなずいておられますが、そのような作業が政府の中でどのように行われているのか、また今後どういうふうに行っていこうとされているのかお伺いをしたいというふうに思います。
○藤井国務大臣 ただいまのお話は極めて重要な点だと思っております。私どものような立場の人間は、国民の御負担によって行政が成り立ち、財政が成り立っているわけでありますから、常にこのことを努力していかなければならないと考えておりますし、具体的な話につきましては、先ほど行政改革については総理から基本的な物の進め方、お話があったと思います。 財政改革につきましても、先ほど来申し上げておりますように、それこそ戦争と財政が国を滅ぼすという言葉があるように、この健全化のため、そしてそのために国民の御負担を少しでも減らしていくという努力、これは極めて大事だと思っております。それを定量的に示すという問題については、今御指摘がございましたが、これをもう厳格な形で定量的に示すことはなかなか難しいのでございますが、しかし毎年毎年努力し、同時に国債残高が累増しない限度というのが大体国債依存度五%でございます。それに向かってあらゆる努力をしていきたいと思っております。 また一つ、せっかくお話がございましたのであえて申し上げさせていただきますが、税制調査会に何か数字を出すのではないかというお話でございますが、これが大蔵素案とか草案ととられるとまことに困るわけでございまして、税制調査会の一部に意見がありますのは、こういうケースだったらどういう形になるとか、こういうケースならどういう形になるんだと幾つもケースを御設定いただいて機械的計算をさせていただくという趣旨でございますので、一つのものに持っていきたいという趣旨は全くないということもあわせて御理解をいただきたいと思います。
○渡海委員 その点については了承をさせていただきますが、やっぱり具体的なそういった試算ですね、あくまで言われた場合の試算を大蔵省はやっているという意味ですね、今大臣がお話しになったのは。ですから、それはそういうことなんでしょう。そういうふうにおっしゃっているんですから、そういうふうに受け取らせていただきますけれども、単にそういうふうにするということだけじゃなくて、先ほどから申し上げておりますように、やっぱり歳出を削減するある種の目標なりそして具体的なスタディーなりというものもどうか真剣にお考えをいただいて、はっきりと提示をして、その上で国民の意思を問うといったような形をぜひとっていただきたいということをお願いを申し上げておきます。 あと一点。私どもは先ほど申し上げましたように、税制改革、逃げるつもりはありません。そして増税がすべて悪と言うつもりもありませんけれども、この景気の問題を考えますと、所得税減税と従来の間接税の議論、この問題をやっぱり一体処理をするというのは現下の経済情勢からすれば余り適当でないという、こういう御意見があるわけでございます。国民福祉税の例をとってもやはりそのような背景が私はあったというふうにも思っておるところでありますが、総理はあくまでこの一体処理というものにこだわられるのか、その点をお聞きをしたいというふうに思います。
○羽田内閣総理大臣 確かにお話がありましたように、所得税は減額します、しかし間接税の方は上げます、これが時間格差というものがなくてやったとすれば、これは確かに消費をむしろ減退させてしまう、貯金に回ってしまうという効果しかないだろうというふうに思います。 ただ問題は、それではいつまでもこれを放置していいのか、あるいはこれを考えずにこちらの議論をして一つの方向を示さないでやっていいのかということになりますと、残念ですけれども、今度増税だけやるというのは、これはとてもできるものではないですね。 ですから、そういう意味では、やはり所得税はこうしていきますよ、それで時間格差を置きながら、このときからこんなふうにさせていただきたいということをやっぱりこの機会に一緒に解決していくということが大事だろう。しかし、時間の格差というものは置くということは私は考えられるというふうに考えております。
○渡海委員 単に時間の格差を置くということではなくて、例えばある指標を決めて、いわゆるこういう条件、こういう状況になれば現実にこういうふうにするといったような議論も私は可能だと思うんですね。例えば三年先にはもうこうするんだということを今決めてしまわない、こういったことも私はやっていけると思っておりますので、意見として申し上げておきたい、慎重に考えていただきたいというふうに思います。 時間が余りありません。きょうは実は安全保障問題についても数点お聞きをする予定でございましたが、先ほど来、まあ先ほど来といいますか、昨日来の議論で各委員からさまざまな質問が出ております。特に、普遍的安全保障という連立与党の合意の中で出てまいりましたこの概念につきましては、あえて申し上げますと、この解釈をきっちりしていかないとなかなか議論がかみ合わないというふうな、そんな感じがいたしております。 中川委員、また深谷委員等からむ、このところをきっちりと政府見解として、これはもっとも与党の合意でございますから、これは与党の合意として一応統一見解はお出しいただいたわけでございますけれども、実はそれを受けて、与党は与党でいいのだけれども、政府は一体どういうふうにお考えなのかというこのあたりを、まあ大変今苦慮されているというふうなこともお聞きをしておるわけでございまして、これは失礼になったらお許しをいただきたいと思いますけれども、できるだけ早急に各委員の要望にこたえて、示していただきたい。そうでないとなかなか、実は私も数点質問は用意をさせていただいたわけでございますが、その前提がはっきりしないとなかなか議論が進まないというふうに思いますので、その点を強く総理並びに関係閣僚の皆さんに申し入れをさせていただきたいというふうに思います。 冒頭にも申し上げましたけれども、少数与党という大変厳しい状況でもございますし、内外ともに大変いろいろな問題が山積している中でございますけれども、どうか先日来の予算委員会の質問、いろいろやりとりを聞いておりますと、取り消しますとか、そういうこともあるようでございますので、慎重に、そして国家国民のために精いっぱい御努力をいただきますように、最後に心よりまたこれは御要望というか期待を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
○山口委員長 これにて渡海君の質疑は終了いたしました。 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○山口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。草川昭三君。
○草川委員 公明党の草川でございます。 まず、総理の政治姿勢についてお伺いをしたいと思います。 羽田政権は、改革の継続政権だと思います。その改革路線は政治改革が出発であり、これは三十八年間続いた自民党政権のあかを洗い流し、腐敗を根絶する政権をつくることであると私は思っております。 政権が腐敗したきっかけの一つは、ゼネコンをめぐる政治家と金、政界、官界、財界の癒着がひどく、国民の強い政治不信を招き、昨年七月、御存じのとおりの総選挙によりまして、国民の強い期待があったからこそ連立政権ができたと思います。 改めて、総理の見解をお伺いしたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 やはり世界も大変大きく動いておりますけれども、戦後五十年を迎えようとするというところで、大きな変革というものが求められておったというふうに思っております。 そのときに、何といっても、これは民間の皆さん方もリストラをやっていらっしゃいますけれども、行政も改革しなければいけない、またさらに経済の改革もやらなければいけないということであるときに、やはり政治がまず改革していくということが重要であろうということで、たしか七年ぐらい前からですか、政治改革というものが俎上にのせられ、そして前政権のときに一応の形がつくられたわけでありまして、まずやはり政治が真っ先に改革をするということが重要であろうというふうに考えております。
○草川委員 政治改革の重要性についてお答えになりましたが、この際、法務省刑事局長にお伺いをいたしますが、いわゆるゼネコンの汚職事件につきまして、東京地検が捜査の終結宣言をしたのではないか、このような報道がございますが、実際に捜査は終結をしたのかどうか、改めてこれもお伺いをしたいと思います。
○則定政府委員 お答えいたします。 いわゆるゼネコン汚職事件につきましては、昨年六月、東京地検特捜部が強制着手いたしまして、その後本年四月まで、数々の贈収賄事件の捜査処理を実行いたしました。 現時点では、既に、起訴いたしました一連の事件の補充捜査を残しまして、いわゆる実質的な捜査は終了していると報告を受けております。
○草川委員 ただいまの報告のように、刑事事件の捜査は終了した、こういうように報告があったわけでございますが、問題は、政治課題が残っていると思います。 我々の責務というのは、政治改革を実現をすることではないでしょうか。政治改革の柱は、新しい選挙制度を柱とする政治改革関連法の速やかな実現にあると思います。 ところが、巷間、予算の成立後、内閣不信任決議案を提出する、そして、現行中選挙区制のもとでの解散・総選挙論というのが野党から浮上をしているわけであります。不信任を出そうと出すまいと、予算の成立後総辞職を求め、改革の動きというものをストップさせようという動きがありますけれども、政治改革の完成に向けて総理は一体どのようにお考えになるのか、あるいは今後の決意というものを述べていただきたい、こう思います。
○羽田内閣総理大臣 この問題につきましてはいろんな御意見もあろうかと思いますけれども、これはまさに自民党時代にこの政治改革の大綱というのがつくられ、そして今度のでき上がりました法案というのはまさにあれとほとんど実は変わらないものであるというふうに理解をいたしております。 その意味で、私はやっぱり改革については、自民党さんも当然これについては御理解をいただいておるものであろうというふうに考えておりまして、何としてもこれを、最終的には区画法案ができないと結局政治資金も何も全部だめになってしまうという話でございますから、これについては私は御協力をいただけるものであるというふうに確信をいたしております。
○草川委員 総理に一言申し上げておきますが、自民党さんも社会党さんもとおっしゃっていただきませんとこれは問題がございますので、改めてひとつ御注意を申し上げておきたいと思います。 その次の質問でございますけれども、羽田政権は、予算の成立のみならず、予算の関連法案の成立にも責任を持って対処をしていただきたい、私はこう思うんです。特に、年金だとか医療を初め、数多く生活関連のさまざまな予算関連法案があるわけでありますから、ぜひ国民の熱望するたくさんの関連法案の成立にも責任を持って対処をしていただきたい、こう思うんですが、その点はどうでしょう。
○羽田内閣総理大臣 今お話がございました予算関連法案で、今特に挙げられた問題というのは、それぞれ、もうこれもやっぱり避けて通れない問題であるということでございまして、ぜひともこの問題についても与野党の皆様方の御協力をいただきまして完成させなければならないというふうに考えております。
○草川委員 それから、昨日来から公共料金の凍結をめぐりまして、まあ私どもは総理の勇断、決断、大変高い評価をしておるわけでございますが、人気取りだとか、あるいはまた消費税率の引き上げへの伏線だというようないろいろな批判があるわけでありますけれども、要するに、私は、国民生活ということを考えた総理の英断である、だれが何を言おうと、だれが言うから悪いのではなくて、何が正しいかという立場に立てば、これは明らかに国民の皆さんに喜んでいただけることだと思うんです。 ただ問題は、いわゆるその後の展望ということに大変問題があるわけでございますので、将来の公共料金決定方式の見直しをどのように考えていくのか、フォローするのか、あるいは、少数与党というのは非常に不安定だと、不安定になればなるほど官僚支配というのが強くなる、官僚支配になると、省益あって、各省庁の利益が優先をして、国益というのが二の次になる、こういうような批判もあるわけでありますから、ひとつ、今私が申し上げたような点を含めて、公共料金の凍結ということを新しい出発点として次の展望を踏まえていただきたい。このことについての総理の見解を求めたいわけであります。
○羽田内閣総理大臣 確かにお話がありましたように、物事をすれば必ず批判があること、これは私たちやっぱり覚悟しなければいけないし、またその批判というものを乗り越えながらやっていかなきゃならぬと思います。 〔委員長退席、後藤委員長代理着席〕 ただ、蛮勇というのはあるときには必要でありますけれども、ただ蛮勇だけでは世の中というのは壊れていってしまうということでありまして、その意味で、今お話がありましたように、やっぱりこれからの公共料金のあり方、特に、公共料金というのは競争のあるものもあります。例えばタクシーですとかそういったものは競争なんかがありますけれども、競争のないものも実はあるということがあります。 そういう意味で、コストがどうしてこうなってきたのかということについての透明性、こういうものは非常に重要であると同時に、どんなようなリストラ、こういうものをやった上でどうしても上げなきゃいけないんだということを、こういう問題について、やはりみんなが見えるような形で何か説明することはできないのか、こういう問題等も含めて今後検討をしていただきたいと思います。また、今度ああいう措置をとることによりまして、今まで既にやったところなんかも一つの学習効果というものはあったんではなかろうかというふうに考えておるところであります。 それともう一点。これはひとつ余計なあれでございますけれども、きょう閣議におきましても、確かに公共料金を据え置いたわけでありますけれども、ただそれだけではなくて、やはり基礎的な物価等がいろいろな国と比較したときにどうも高いという現状がある、こういうことも踏まえまして、所得倍増ということはできない、むしろ価格を下げていく。安定的な経済の中で給与が余り上がらないとしても、価格を抑えることによって国民生活というものを上げることができるんだろう、それを関係の皆様方によってひとつ検討してもらいたいということを御指示申し上げたところでございまして、そういった問題等もこれから真剣に取り組んでいきたいと思いますので、委員の皆様にもいろいろな意味でまたサジェスチョンを賜りたいとお願いを申し上げます。
○草川委員 内外価格差問題についても真剣な対応をしていただいて、実質的に国民の皆さんに喜んでいただける方策というものをとっていただきたい。要望を申し上げておきます。 では、続いて大蔵大臣に減税問題についてお伺いをします。 いわゆる所得税減税というのは、国際的な公約とされている。この問題をめぐって、為替レート等にも反映した経過もあるわけでございますので、大蔵大臣の見解をお願いしたいと思います。
○藤井国務大臣 所得税減税を含む税制改革につきましては、最近で言いますと、三月二十九日、対外経済改革要綱におきまして所得税減税を含む税制改革を行うということを決めさせていただいておりますし、また国会におかれましては、特別減税法成立に当たりまして全会一致をもってその趣旨の修正をしていただいておる。 こういう中にありまして、私どもは、前内閣から引き継いでこの所得税の減税を含む税制改革を何とか実現してまいりたい、連立与党の皆様の御協議を重ねる上において、また我々少数与党でございますから、国会の各党の皆様の御理解をいただきながら、着実にこれを進めてまいりたいと考えております。
○草川委員 ぜひ今御答弁がありましたように、国会ではすべての会派が一致して附則が修正、追加をされているわけです。ですからこれは、だれも将来のことを考え、国民の皆さんのことを考え、しかも国際的な背景を考えてこの減税というものに取り組んだと思います。 改めてひとつ税制改革について、今後の取り組み方、あるいは進め方についても方針を述べていただきたいと思います。
○藤井国務大臣 ただいま申し上げましたように、前内閣以来の基本的な方針であります、これからの長寿社会を安定的なものにしていくためには、現在のようにやや所得税の累進度の高いものに偏った仕組みの中においてはなかなか不安定にならざるを得ない。 先ほど総理の答弁にもありましたように、これを軽減するとともに、幅広い方々に薄く御負担をいただく形において、これからの長寿社会の安定を図っていかなければならない。これが基本的な方向であり、そのことは、実際給付を受けられる方にとっても、いわゆる福祉ビジョンというものが単なる絵にかいたもちじゃなく、本当に実効性のあるものであるという安心を得ていただけると思っておりますし、また御負担をなさる方にとっても、自分たちが将来働く場合に所得税が累増していくのではないという意味での安心感を持っていただく、こういう意味において非常に重要な施策だと思っております。 手法につきましては、先ほど申し上げましたように、連立与党の御協議を含め、かつ国会における多くの党派の皆様の御理解をいただき、当然のことながら国民の皆様の御理解をいただく形で進めてまいりたいと思います。
○草川委員 では、日銀総裁においで願っておりますので、お伺いをいたします。 私は、本年の二月のこの予算委員会において総裁に質問させていただきました。その際、景気に対する展望でございましたが、総裁の方から、子細に眺めれば幾つかの明るい材料もある、しかし実体経済は停滞だ、こんなような御答弁がございました。その後の経済指標の動きを見ますと、個人消費、輸出等に改善が見られておりますし、企業のビジネスマインドというんですか、考え方もやや明るさを取り戻しているようにうかがわれます。 景気の現状及び先行きについての見通しをお伺いしたいと思います。
○三重野参考人 日本経済、今委員が御指摘になりましたように、年が改まってから、主としてこれは個人消費回りではございますけれども、明るい指標あるいは下げどまりの指標がふえてきております。これまた今委員が御指摘のとおり、企業のセンチメントも落ちつきを取り戻してきたように思います。したがいまして、私どもは、現在は景気が下げどまりになりつつあるというふうに受けとめております。 たまたまでございますが、去年の春も同じように明るい兆しが見えたことがございます。しかしその後、去年の場合は、急速な円高とか異常気象とかその他いろんな悪材料が重なりまして再び景気が停滞に戻りましたので、これから先を展望いたします場合、去年との差を考えてみますと有益じゃないかと思います。 そういう場合、やはり去年に比べまして、景気の回復にとってプラスの材料が幾つかございます。一つは、やはりいわゆる各種のストック調整あるいは企業のリストラというのがこの一年間確実に進捗いたしました。二番目は、これまでとられてまいりました財政金融政策の効果が、これまた着実に浸透しつつあると思います。それから三番目は、世界の景気、特にアメリカの景気がそうでございますけれども、去年に比べてかなり明るくなってまいりました。こういう点から見ますと、昨年に比べて景気回復への、何といいますか、条件というか改善は整ってきたようにも思います。 しかし、これから先を展望する場合、まだまだマイナスの材料も多うございます。例えば、やはり大きな経常黒字のもとで、貿易摩擦の問題あるいは不安定な円高の問題は依然残されております。それから二番目に、いわゆる雇用の調整、これもまだ調整し切ってはおりません。三番目に、いわゆるバランスシート調整、ストック調整はかなり進捗しましたけれども、企業及び金融機関のバランスシート調整というのはまだ道半ばでございます。 こういう点を考えますと、昨年に比較しますと景気回復への基盤はかなり整ってきたとは申しましても、まだ現在の明るさが本当に長続きするのかどうか、あるいはさらに広がるかどうかについては、もう少し慎重な見きわめを要するというふうに考えておりまして、私どもは、丹念にこれからの景気の推移をチェックしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○草川委員 今総裁の方から、バブルの後遺症は依然残っているという趣旨の御答弁があったわけでありますが、五月の連休の間に一時為替レートというのは百円台まで急上昇しました。現在は百四円台まで戻していると思うんですが、為替市場も落ちつきを取り戻していますが、これは五月四日のアメリカのベンツェン財務長官の、米国政府はドル安を望んでいない、現在の為替相場はファンダメンタルズを反映していないというような発言にもとを発しているわけでございますけれども、その後の協調介入あるいは米国の利上げ、日独の利下げあるいは低目誘導といった政策協調が功を奏したのではないかと言われているわけでありますが、その点は、総裁どのように受けとめておみえになりますか。
○三重野参考人 為替相場に関しましては、先月のワシントンにおけるG7で合意、これはもう委員つとに御承知のとおりでございますけれども、これは従来の合意をもう一遍再確認したわけでございますが、それは、やはり為替レートというのは経済のファンダメンタルズを反映しなきゃならない、急速な変化は好ましくない、しかし、為替市場においては各国は非常に緊密な連絡を持たなければならないということでございますが、そういう合意が再確認されました後、五月四日に財務長官が、今委員が御指摘のような声明を発し、かつ、各国が協調行動に出たわけで、これはそのG7の合意の線に沿ったものでございます。 私どもは、このG7の合意というのは各国の共通のコンセンサスとして確立されたものだというふうに受けとめておりまして、私どもも、引き続きその線に沿って、為替市場を見ながら各国と緊密な連絡をとりまして適切に対処してまいりたいと思います。 ただ、委員ちょっと御指摘になりました金利につきましての協調でございますが、これはもう委員に申し上げるまでもないんですけれども、各国の中央銀行は自国の経済の安定発展を祈っていろいろ政策をやっているわけでありまして、他国に追随したりあるいは自分の国の経済を離れて政策協調をいたすことはございませんし、かつまた、金融政策、これももう委員には釈迦に説法でございますけれども、経済のファンダメンタルズを総合的に見ていたしておりまして、為替のコントロールにのみその金融政策を割り当てることは不適切でかつ有効でないというふうに考えておりますが、いずれにしろ、為替市場の動向につきましてはよく注意して見てまいりたいと思っております。
○草川委員 自国の経済の状況が優先であり、それから離れた金融政策に協調はないという答弁でございますが、それはもう当然のことだと思います。 そこで、これは前回のこの委員会で私が取り上げたことでございますが、最近、実質金利という概念を用いて金融政策の景気刺激の度合いを判断をするという意見があります。そういう見方もあります。しかしながら、それの基礎になります消費者物価指数というのがあるんですが、それ自体、この指標というのが各国においてつくり方が違う、こういうことがあるわけであります。 例えば我が国の場合でも、価格破壊、特に郊外店で大量の洋服だとかいろいろなものがありますが、これがなかなか物価指数に反映しない、正確じゃない。だからこの価格破壊というのをもっと大切にしろ、先ほどの話じゃありませんが、民間は血の出るような物価引き下げに努力をしておるわけでありますから政府も考えろというような趣旨もあるんですが、要するに、この価格破壊と言われるような状況の中では必ずしも実勢を反映していない。したがって、実質金利といった指標のみで金融政策を判断するのは適当ではないのではないだろうかというのが私の素人ながらの意見なんですが、その点、総裁はどのようにお考えになられるか、お答え願いたいと思います。
○三重野参考人 結論から先に申し上げますと、私どもは委員の御見解と全く同意見でございます。 確かに実質金利というものは、金利が景気刺激に与える影響を図る上には有用な概念ではございますが、実際にその実質金利を具体的かつ正確に把握するためには、委員が御指摘になった点もございますし、そのほかに、やはり一般の消費者あるいは企業がこれからの予想インフレ率をどういうふうに見ているのかということを具体的にはなかなか把握しがたいというふうに思っております。 したがいまして私どもは、金融政策を運営するに当たりましては、特に金融状況については、単に実質金利だけではなくて、マネーサプライの状況、企業金融の状況、その他すべてそういうものを総合的に勘案して金融政策を進めるべきで、実質金利だけに重きを置いて金融政策を進めることは適当でない、こういうふうに判断いたしております。
○草川委員 じゃ最後の一問でございますが、過日、住宅金融専門会社の、俗に言う住専の債権問題に絡めまして日銀貸し出しに触れた記事が掲載をされました。私は、住宅金融専門会社についても、農協関係のところからの融資が大分焦げついて約六兆円だと、こう言われておりますし、さまざまな問題提起をしておるわけでありますが、日銀の貸し出しの目的について一体どのように考えているのか。 あるいは、この日銀の貸し出しの運営については実態が非常に不透明だ、こういう批判があるわけであります。こういう批判にこたえる趣旨からも、日銀の貸し出しにかかわる情報はもっと公開さるべきだと思うんですが、その点はどうでしょう。
○三重野参考人 委員が今御指摘になりました覚書については、その存在の有無も私どもも承知いたしておりませんので、一般的な問題としてお答えをしたいと思います。 そもそも論から申し上げてちょっと恐縮でございますが、中央銀行の使命というのは通貨価値の維持と信用制度の保持、育成でありますが、私どものいたしておる業務というのは、すべてこの使命を達成するために行われているわけであります。 委員御質問の貸し出しについて申しますと、我々は、貸し出しについては、市場の資金需給の様子と、もう一つは個別の金融機関の資金繰りを勘案して行っておりますが、それの目的といたしますところは、やはり市場の金利が非常にいい金利が出るようにコントロールするということが一つと、もう一つは個別の金融機関の資金繰りが破綻することによってそれが直ちに金融システム全体に大きな影響を及ぼさないようにする、そういう観点から行っているわけでありまして、これが即また日本銀行の使命を果たすものというふうに考えておるわけでございます。 委員の御指摘の、それではその透明性というのをもっとはっきりさせてはどうかということでございますが、日本銀行の貸し出しは、毎日の残高は即、それからその貸出先の業態別の区別というのは毎月発表いたしておりまして、これは先進国の中でも決してその透明度が薄いということはございません。 ただ、委員がおっしゃいましたのが、もし個別の金融機関についての貸し出しということでございますならば、これは私どもと向こうの金融機関との個別の取引でございまして、それを公表することが時としてやはり金融市場に非常に不測の影響を与えるということもございますので、これは公表いたしておりませんのはぜひ御理解していただきたい、こういうふうに考えております。
○草川委員 では、総裁は結構でございます。ありがとうございました。 では、規制緩和について石田大臣にお伺いをしたいと思います。 規制緩和の推進に関する総論としての決意は、もう既に何回か本委員会でも出ておりますので伺っております。 問題は、昨日、住宅・土地作業部会の専門員の意見が公表されておりますが、有益な意見が非常に多いと思うのです。しかし、基本的には政府が主体的に責任をとって取り組んでいただきたいし、そのための行革本部もあるわけであります。今後、関係省庁のいろいろな努力を、あるいはまた協力を求めなければなりませんが、総務庁長官としての考え方を承りたいと思います。
○石田国務大臣 お答えいたします。 御指摘のように、経済改革、市場の活性化のため、また対外経済対策のために、規制緩和は政府としても最も本腰を入れてやらなければならない問題だというふうに認識をいたしておるところでございます。 それで、今までのこの規制緩和の取りまとめにつきましては、昨年の九月、本年の二月というふうに規制緩和方策を取りまとめてきたわけでございまして、その結果としまして、一括法で四十法律、個別法で二十四法律を今国会に提出を申し上げ、審議をお願いをするというところまで来ておるわけでございます。 第二段階としましては、現在、行革本部の作業部会が三つ、また大蔵関係では保険、金融等の問題で検討を進めておられますが、ここでの作業を真剣にやりまして、これをまとめなければならな い。 それからもう一つは、年度内になりましょうが、やはりこれからの五カ年計画を立てて、そしてこの規制緩和を順次進めていく。こういうような三つの段取りを考えながらやっておるわけでございます。 中でも、行革本部のこの作業部会の成果が極めて重要でございます。ナポリ・サミットの問題もございますし、日米包括協議の問題もございますので、何としても成果を出さなければならぬというふうに決意をいたしておるわけでございまして、この五月の十九日にも関係の深い七省庁、それぞれ大臣のところへお邪魔を申し上げまして、さらなる努力を御要請を申し上げたところでございます。 今御指摘がございました昨日の土地・住宅部会におきまして、この専門員の方々の御意見を承っておるわけでございますが、ここの専門員の方々と各省庁との話し合い、極めて有意義で、高い評価をいただいておるところでございます。 一つ一つの問題をここで申し上げるだけの時間はないかと存じますが、そういう中におきまして、例えば大都市を中心とする農地の休耕地、これなんかの点検をやるべきだというようなことに対して、農水大臣からもこれは大至急調査をいたしますというようなことで、専門員の方々と話がかみ合っておりますので、私はそれぞれの部会でかなりの成果を期待することができるのではないかと、もちろん今までの流れもありますから、それを乗り越えるということはなかなか大変だと思いますけれども、各大臣のリーダーシップのもとにきちんとしたとにかく成果を上げてさらに前へ進みたいと思っております。
○草川委員 今の答弁の中にもございましたように、昨日のこの作業部会で、住宅購入費を軽減する定期借地権つき住宅を普及しようという、こういう提起もございます。 そこで、建設大臣にお伺いをしたいと思いますが、特に住宅・都市整備公団については、定期借地権制度を活用して、これは地主さんに土地を借りるという、その上に建物をつくる、こういうことでございますが、住宅供給を行うための所要経費を来年度、平成七年度予算要求に盛り込むべきではないか、私はそういうように提案をしたいわけでございますが、どのようなお考えか。 あるいは、住宅金融公庫の融資が今行われておりますけれども、上物のみならず、建物のみならず保証金についても融資の対象にすべきではないか、こんなようなことを提言したいと思うのですが、どのようなお考えかお伺いをします。 〔後藤委員長代理退席、委員長着席〕
○森本国務大臣 草川委員お尋ねの定期借地権制度を活用して住宅供給を行っていってはどうかという点でございますが、以前から草川委員この問題に大変御熱心に取り組んでいただいておりまして、この定期借地権制度を活用するということ、これは従来の持ち家制度と異なりまして、初期の段階で大変少額の金額で取得できるということ、さらにまたよりよい住宅をつくるということ、あるいは職場に近い住宅を取得するのに非常に有効的ではないだろうかと私たちも思っておりまして、今委員が御指摘いただきましたように、住都公団でその制度をしっかりとやっていけばという御意見でございますが、公団におきましても、学識経験者等十七名から成ります新しい住宅供給方式に関する研究委員会等々を設置いたしまして、今その点について検討しているところでございます。その検討の成果を踏まえまして、推進を図ってまいりたいと思います。 と同時に、委員がおっしゃっていただきましたように、平成七年度に向けた施策の中で、私どもも極めて重要課題の一つとしてこの問題に全力を挙げて取り組ませていただきたいと考えておるところでございます。 また、保証金に対する制度につきましては、債権を保全するための具体的な方法について検討を行っているところでございます。これらをあわせまして契約モデルの整備等々も行いまして、推進に全力で取り組んでまいりたい、このように考えておるところでございます。
○草川委員 ぜひお願いをしたいわけであります。特にこれは公明党が長い間主張してきたことでございますし、おかげで二千数百万円程度で分譲ができるようになってまいりました。非常に多くのサラリーマンの方々からも期待をされていることでございますので、積極的な七年度予算に対する対応をしていただきたいと思います。 さて、これは前回の委員会でも申し上げたのですが、建設業の腐敗をめぐりまして、その一つに工事完成保証人制度というものがあるということを前回も申し上げました。 では、しかるべき工事完成保証人制度というのをなくすかわりの新しい問題は一体何か。我々も随分考えまして、アメリカ等でもいろいろなことをやっておみえになるようなので、それを参考にしまして、いわゆるボンド制度、これは難しいことですが、一つの債権保証会社というようなものを、損保会社等々が中心になるという意見もあるんですが、さきにこれは中央建設業審議会の建議でも工事完成保証人を廃止するということを決められたようでございますが、私が今申し上げたこのボンド制度というものについての大臣の見解をこの際お伺いしたい、こういうように思います。
○森本国務大臣 昨年十二月の審議会で出されました建議で工事完成保証人制度は廃止されることになりました。したがって、それにかわる新しい履行システムを考えていかなければならないということでございます。 今委員がおっしゃっていただきましたように、米国でも普及しております履行ボンド制度、この制度について検討を始めたところでございます。 また、先般私が大臣に就任しました後の朝のNHKでも履行ボンド制度について検討していくというふうに申し上げましたが、学識経験者をメンバーとして履行保証制度研究会、これを早急に設置いたしまして、年内をめどに結論を出してまいりたいと思います。 入札ボンド制度についてはいろいろ議論がございますので、履行ボンド制度のそういった状況を踏まえて、よく検討してまいりたいと考えております。
○草川委員 新しい公共投資をどのように消化していくか等もございますので、ぜひお願いをしたいと思います。 そこで、続いてフィリピンに対する食糧増産援助の問題についてお伺いをしたいと思います。これはもう主として外務省でございます。 過日、報道機関によりまして、日本が政府開発援助、ODAの一環としてフィリピンに拠出をしている食糧増産援助物資、これは肥料でございますが、これはすべてではありませんが、一部をフィリピン政府が国内業者に不透明なやり方で供出をし、八億円を超す利益を得させていることが明らかになったという報道がございました。 複数のいろんな関係者のお話によりますと、この資金が一九九二年五月の大統領選挙で特定候補に流れたというようなニュースもあるわけでございまして、日本のODAがもし選挙資金等々に流用されたとすると問題もあるわけであります。このようなことについてどのようにお考えか、外務省にお伺いをしたいと思います。
○平林政府委員 お答え申し上げます。 本件をめぐりまして、一部の報道によりまして国民の皆様に疑念が生じるようなこととなったことを大変残念だと考えております。 我が国は、昭和五十二年以来でございますが、フィリピンに対しまして先生御指摘の食糧増産援助を供与いたしておりまして、肥料、資機材等を供与してきております。先方の政府あるいはこれを利用する農民の方々等からは、それなりの感謝の念も寄せられております。 交換公文上、日本とフィリピンとの政府間の約束上、先方政府は、日本から供与されました肥料、資機材を国内の需要者に配布、販売いたしまして、その売上代金を見返り資金として現地通貨で積み立てる、こういう仕組みになっております。この見返り資金は、先方政府の資金ではございますが、政府間の約束によりまして、日本政府としては、透明性を確保する、こういう見地からできる限りの情報提供も求めてきております。 これまで、この見返り資金をもちまして、日本政府の同意のもとで、先方の穀物センターの建設とか畜産強化計画とか、そういう具体的な農業関連プロジェクトが実現し、有効に使用されていると理解しております。 いずれにいたしましても、こういう報道がなされましたので、さらに政府といたしましては事実関係につきましてきちんと把握する必要がある、こういうふうに考えております。 現在、我が方の在フィリピン大使館に訓令を打ちまして、先方の関係機関、大統領府まで含めまして接触して調査中でございます。調査の結果を踏まえまして厳正に対処してまいりたい、こういうふうに考えております。
○草川委員 今も答弁がありましたように、ODAというのは、かねて我々も数多く指摘してきた点があるわけですから、ひとつ慎重に、現地の方々に喜んでいただきたいと思うわけであります。 ちなみに、硫安が使われておるわけでありますが、硫安の値段は、私もこれは毎回取り上げておりますが、内外価格差が逆にあるのです。日本の国内ではトン当たり二万四千五百円で農民に手渡されておりますが、輸出価格は八千五百八十七円であります。こういう実態をどのように踏まえて、ODAは、日本の高いものを購入して相手側に渡しているのか、輸出をする安い品物を買って現地に渡しているのか、これまた非常に重要な問題であります。 我々は連立政権をとって、この種のものについての意見反映をしようと思っておりますが、残念ながら、まだこの細部に至るところまでは意見が反映しておりません。こういう重要な問題は、きょうは時間がございませんので、さらにいろいろと問題提起をして進めていきたいということだけ申し上げておきたいと思います。 それで、次にこの問題については移らさせていただきます。 厚生省の担当官にお願いをしたいわけですが、局長にお願いしたいわけですが、羽田政権というのは、優しい心ということを随分総理も言っておみえになります。 それで、国民の中には年金で生活をしておみえになる方もたくさんおみえになります。本当に年金生活者の方々に優しい手続をしておるのかどうか。 ちょっとこれは総理にも聞いてもらいたいのですが、今私が手元に持っておりますのは国民年金、厚生年金の老齢給付裁定請求書という請求書なんです。B4判。これの中の字が大変細かいのです。横一センチの間に四文字入っているのです。縦に四十行ぐらいあるのですかね。これは高齢者にとりましては非常に細かくなり過ぎていますし、この書式の簡素化あるいは文字の拡大をやったらどうだろう。これは一つの例でございますけれども、私は、お年寄りのためにもつと親切にとせっかく総理が言ってみえるわけですから、現場ではそういう協力をされたらいかがなものか、こう思うのですが、局長の答弁をお願いします。
○佐藤(隆)政府委員 お答えいたします。 年金の裁定に当たりましては、本人の資格期間など必要最小限の事項につきまして裁定請求書に記載していただきまして本人から申告をしていただく、このようになっているわけでございますが、これらにつきまして、該当するものを丸で囲む方法により簡素化を図る、あるいは、本人の記入が難しいという問題につきましては、事務所の窓口におきまして本人の申し立てを確認いたしまして記入する方法をとるなど、本人の負担の軽減に努めているところでございます。それでも御指摘のような点もございまして、今後とも、文字の拡大も含めまして、年金請求者への配慮について検討を進めてまいりたいと考えております。
○草川委員 ぜひよろしくお願いを申し上げます。 では、続きまして文部省にお伺いをしますが、これまた宮澤内閣のときに私取り上げたのですが、中学校あるいは小学校の生徒がリコーダーという縦笛を使います。ところが、手に欠損のある方、障害の方々はこの笛が吹けません。そこで改造笛というのがある。大変お金がかかるのですが、この改造笛ならば片手でも演奏をすることができる、こういうことを主張してまいりました。 ところが、その後いろいろと、文部省の方も全国の教師の方々にそういう改造笛があるということを紹介はしていただいておるわけでございますけれども、まだまだ私はその配慮が足りないのではないか、こんなことを考えておりますので、これは文部大臣でも局長でも結構でございますが、今後どのような対応をされていくのか、ひとつ御答弁を願いたいと思います。
○赤松国務大臣 昨年五月、予算委員会で先生からそのような御指摘があったというふうに伺っております。その後、都道府県あるいは指定都市の担当の主事の会議、あるいはこれは小学校三年生でやる教科だということでございますが、教師の会議、研修会議などで、こういう改造の笛を使えば、だれでも手の欠損があってもできるようになるということをよく情報を交換するというようなことをいたしております。 また今後とも、それは一年ぽっきりということではなくて、ことしも同様の会議が、六月指導主事の会議、七月、八月に教師の会議とございますので、新任の教師にもそれが伝わるように続けていきたいというふうに考えております。
○草川委員 ぜひ教師の指導、先生の先生、そういう指導要領にも反映するようにお願いを申し上げます。 最後になりますので、総理あるいは通産大臣、外務大臣にお伺いしたいと思います。 すなわち、これは二〇〇五年における万国博覧会についてであります。これは地方分権にも影響することでありますし、地方の活性化あるいは将来の夢、そしてまた大きなプロジェクト、こういう問題でもございます。ひとつ国の一大プロジェクトでございますので、二〇〇五年というと随分先のようでございますけれども、立候補をするためにはもうわずかその先は二年後でございます。 愛知県におきましても、基本構想を受けて、海部元総理大臣が会長になられまして一生懸命やっておみえになるところでございます。このことについて、ひとつ通産大臣の方からどのような状況になっているのかお伺いをし、そして、これについては条約の早期の批准ということがございますので外務大臣、そして最後に、その意を受けて総理大臣の見解を賜って、私の質問を終わりたいと思います。
○畑国務大臣 ついせんだって愛知県知事もお見えになりまして、大変な誘致に対する御熱意の披瀝を承ったわけでございますが、御案内のとおり、昭和六十三年から中部政財界の皆様方が万博誘致委員会等々を結成をされまして、ただいま先生お話しのとおり、基本構想が近く最終版が出るというような段階にも相なっておるわけでございますから、通産省の立場にございましては、担当省といたしまして、さらに国民各界各層幅広くこの問題に対する取り組みが展開できますような、さような意味合いでの御協力を全面的に申し上げてまいりたい、かように考えております。
○柿澤国務大臣 草川先生御指摘の一九八八年に採択されました国際博覧会条約改正案につきましては、我が国におきましても、将来各国における万国博覧会のあり方等総合的な観点から各国と議論をしてきておりまして、今改正案につきましても、そうした観点、また愛知万博誘致の皆様の御熱意にもこたえて積極的に検討してまいりたいと思っております。
○羽田内閣総理大臣 大変意欲的な構想であろうというふうに考えております。しかも、愛知県は技術というものをこれから売り物にしていこうということをかつて知事からお聞きしたことがありますけれども、それに文化、交流あるいは新しい地球の創造ということで、まさに一つの世紀を飾るものであろうというふうに考えまして、今それぞれの大臣からお答えがございましたけれども、我々としてもできる限りの御協力を申し上げるということを申し上げたいと存じます。
○草川委員 ありがとうございました。 以上で終わります。(拍手)
○山口委員長 これにて草川君の質疑は終了いたしました。 次に、中野寛成君。
○中野委員 会派改新の民社党を代表して、お尋ねを申し上げます。 まずは、羽田内閣の発足に心からお祝いを申し上げたいと思います。そして、閣僚の皆様の、大変厳しい折でありますが、それだけに御健闘をお祈りを申し上げる次第であります。 さて、まず総理にお尋ねをしたいのでありますが、最近、変革とか改革という言葉がよく使われるわけであります。我々もそうでありますが、最近の政党の名前も、改革とか民主、社会とか自由とか、ある意味では方法論に関する名前が多いと思います。目指す目標、言うならば変革とか改革の後に来る新しい国、新しい社会はいかなるものなのかという目標を示すということが国民にとっては大変大切なのではないだろうか、こう思うのであります。 総理の所信表明演説をひもといてみますと、「これから目指すべき社会とそこに至るまでの道筋について、国民の理解と御支援を仰ぐための努力こそが求められます。」と述べられ、「私は、今後、開かれた中での政策決定を旨とし、国民の皆様と積極的に意見を交わしながら我が国の進むべき方向を見定めてまいるつもりであります。」また、「国民合意のもとで、より豊かで安心のできる社会」「国際社会の中で信頼される国となるために、」と一つの方向性をここで述べられているようにも思うのでありますが、しかし、より一層中期的な言葉でこの際述べられる必要があるのではないだろうか、こういう感じがするわけであります。 私は、今日までの政治や経済の流れをこう見ますときに、大変我流で大ざっぱな分け方で恐縮でありますが、十八世紀の産業革命をきっかけといたしまして、十九世紀というのは比較的自由放任的な経済の時代だったのではないか。それゆえに、政治もまた小さな政府の時代であったという気がします。第一次産業から第二次産業への転換期でもありました。ゆえに、体力中心の経済とも言えたでありましょう。 しかし、それが行き詰まって、十九世紀末、そこで世界大恐慌が生まれたり、また、その経済中心の社会を政治的にコントロールしようとする、そのコントロールのやり方、その度合いによって、共産主義や社会主義や修正資本主義というものが生まれてきたと思うのであります。ゆえに、それは自由から公正へという価値観の転換がありました。同時に、経済を政治がコントロールしようとする時代でもありました。大きな政府が生まれ、そしてまた、経済的には第二次産業中心の時代でありましたから、発明、発見、いわゆる知徳体で言うならば、知力の時代であった。 しかし、それもまた、独裁体制や、そしてまたイデオロギー戦争や、そして国家財政の赤字、また共産社会においては国民の無気力というものが生まれてきて、一つの壁にぶつかり、今日世界的な大不況を招いている、こう言っても過言ではないだろうと思うのであります。むしろこれからは、経済や政治を支える人間の力、自由や公正を本当に価値あるものにするための人間の心の働きというものが大切であろうと思うのであります。 そう考えますときに、私は、これまた勝手な我流の名前のつけ方で恐縮ですが、ヒューマンエコノミックスとでもいいましょうか、友愛経済学の確立、そしてまた、友情国家の建設というようなものが今まさに望まれているのではないだろうか、こう感じるわけであります。 私がなぜ友情という言葉を使いたいかといいますと、この友情というのは、例えば国家間でいいますと、大きな国、小さな国の区別なく、対等の関係で友情を持とうとするでしょうし、また個人的な人間の間でも上下ではかりません。男女間も同じでありますし、ある意味では人間と自然の関係も、友情でお互いに地球を守り地球から守られるという、人間の対等でかつ謙虚な姿勢というものが環境問題にも作用するということでなければならぬだろう。福祉、社会保障の世界でも同じことが言えるのではないだろうかと思うのであります。 ちなみに、今世界は深刻な雇用不安におびえているわけでありますが、旧来のケインズ主義では、原則として一つの国が自分のためだけに景気対策を行う。しかし、友情の哲学に立てば、諸国が同時に公債を発行し、公共投資や雇用確保政策を実施する、世界全体の景気を回復させる発想を持つ。こういう発想というものが今必要なのではないだろうかと思うのであります。 先般の、ことしもまたこれは重要問題でありますが、ウルグアイ・ラウンドの問題にしましても、欧米や日本やそういうところが、食糧がある程度安定している、余っているところが買え、買わぬで争っている。買うは悪い、売るがいいというのでウルグアイ・ラウンドと言うのかもしれませんけれども、これじゃしゃれにもならぬ。そして、南西アジアや、またアフリカなどでは毎日何万人も、餓死者が出ているということでは、これは本当の友情ある、我々が目指す世界ではないだろうと思うのであります。 そういう意味で、総理が目指されるこれからの国家像、または世界観というものを、短時間でまことに恐縮でございますが、まずお示しをいただきたいと思うのであります。
○羽田内閣総理大臣 今お話がありましたように、ちょうど戦後五十年というのを経過してきておりますと、これは内外におきましても古い秩序というのが壊れるといいますか、変革というものを求める時代になってきておると思います。しかし、まだ新しい秩序というものは見えていないという中で、世界の国が新しい秩序というものをめぐって今いろいろな考え方の錯綜というものがあるのであろうというふうに思っております。 そういう中にありまして、我が国といたしましては、確かに経済で大きく成長した。しかし、そこでバブル、これが破裂した。そして、今日非常に厳しい状況にある。しかし、こういった中で、何か最近では人間性といいますか、そういったものを取り戻しつつあるというようなことも方々で実はささやかれ、あるいは家庭というもの、団らんというものを大事にしようなんということが言われるようになってきておりまして、まさに私はそういう意味では、今お話がありましたように、友愛ですとかあるいは心というものを大事にする時代、こういうものが私たちとしてこれから目指していかなければならないものであろう。 ただ、経済の発展だけを目指すのではなくて、環境にも優しいという、今言葉がいいかどうかわかりませんけれども、環境にも配慮する、あるいは野生の動物にも配慮する、そして隣人にも配慮する、そういうものが必要であろうというふうに思っております。私は、そんなのをだれもが安心して生活のできる社会なんという言い方をしたわけであります。 それと同時に、これは他人にもいろいろな心を配ると同時に、他国に対してもやはり優しい配慮というものが今求められるときであろうというふうに考えております。その意味で、今世界を見てみますと、確かに宗教ですとか、あるいは国境の問題ですとか、あるいは権力の抗争ですとか、そういったことの中で各国が争っておりますけれども、かつての東西冷戦のころとはやっぱり違ってきておると思っております。 そういう意味で、そういったところはただ力だけでどうのこうのということはなかなか難しいのだろうと思います。いろいろな語りかけ、あるいは日本の持てる力で彼らに協力する、そういったものがそこに平和をつくったり、あるいはそこに活力の生み出す地域をつくり出すということもあろうというふうに思っておりまして、今御指摘がありましたように、ただ二国間だけというのではなくて、もっと広い範囲にわたって日本としてもやり得ることをきちんと努めていくということが大変大切なんじゃなかろうかというふうに思っております。 いずれにしましても、国内にあっても、よその国に対しても、相手の立場に立って物事を進めるということが大事であろうというふうに思います。
○中野委員 ちょっと通告の順番を変えますが、話が国際社会のことに御答弁の中でもなりましたから、国連に関連したことをお尋ねをしたいと思うのであります。 日本は、地球を守り世界を運営する共同経営者という自覚が必要だと思うのであります。我々もそうでありますが、国連の決定に従うという言葉をつい使ってしまうわけであります。むしろ国連にこういうことを決定してもらおうという努力をするという日本からの積極的な提言、姿勢というものが今必要だと思うのであります。国連改革に対しても、もっと日本は積極的に提言をしていいのではないか。 例えば安保の常任理事国入り。私は、積極的にみずから手を挙げるべきだと思います。そのときによく軍事的貢献ができるかどうかということがクローズアップされて論じられるのでありますが、国連というのは、お互いに自分の国が持てる力というものを出し合って、そして助け合う、いわゆる友情の輪で結ばれるべき国際社会の輪だと思うのであります。ゆえに、日本は日本なりのやり方、日本が担うべき分野というものが当然そこにあるだろうと思います。しかしながら、日本ほどの経済大国になりますと、よく議論される軍事的な面においても、そう我関知せずというばかりにもいかない。 そこで、日本が自発的にどこまでできるかを日本が判断し、日本が提言をする。ある意味では名のり出るといいますか、申し入れるという構図でなければいけないものであって、国連で決定をされて日本に軍事的貢献を押しつけられるというものではない。自発的に日本が、国際社会の常識に照らし合わせて、いかなることをなすべきかを判断すべきものであろうというふうに思うのであります。 そういう意味で、私は、常任理事国入りについて、もっと日本は遠慮をしないで、または謙譲の美徳を発揮し過ぎないで、積極的に手を挙げてしかるべきもの、こういうふうに思うのであります。同時にまた、国連に対する我々日本人の意識の変革というものも必要ですし、一方、国連の改革も必要であろうと思います。 今日、たびたび申し上げて恐縮ですが、少数の大国と多数の小国の間の確執も国連では間々見受けられることであります。国連の理事会やまたは総会の運営のあり方、いわゆる国連民主主義のあり方についても、もっと我々は議論してもいいし提言してもいいのではないかと思うのであります。 国連発足五十周年を来年に控えまして、まさに国連改革に向かって、大胆な改革に向かっての提言を日本はしていく、その中で安全保障理事会のあり方も考え、また日本のその中に占める位置も考えていくべきなのではないか、こう思うのでありますが、総理はどうお考えでしょうか。
○羽田内閣総理大臣 今お話がありましたように、まさに国連が創設されまして五十年、これを迎えようといたしております。この間に冷戦というものが終局したということでありまして、国連に対する新しいニーズといいますか、こういったものが非常に大きくなってきておると思います。 一つはPKO、要するに、先ほどもちょっと申し上げましたような地域の紛争というもの、これに対してどう対応するのかということがあります。また一方では、環境問題ですとか人口ですとかあるいはエイズ、こういった問題に対して国際社会でどう対応していくのか、そんなときにも国連という一つの機関というものが、新しい時代の要請の中で今求められているのじゃなかろうかというふうに考えております。 そして、そういう中で日本として一体どう対応するのか、また国連の常任理事国入りということに対してやっぱり積極的に発言をしていくべきじゃないのかというお話があったわけでありますけれども、まさに日本の国は、もうここまで来ますと、ただ言われたからとか、遠慮しながら物事をやるというよりは、日本が戦後五十年培ってきた、今申し上げましたような幾つかの問題についての技術ですとかあるいはノウハウですとか、こういったものを日本は積み上げてきたと思いますね。 ですから、そういうもので国際社会に貢献していくということについては、やっぱり何の遠慮もしていてはいけない。遠慮していては本当の平和も、あるいは繁栄といいますか、そういったものも築かれていかないということを考えたときに、やはり私たちは常任理事国入りに対しても、我々はこういう貢献をするよという中で主張して、そして理事国としての働きをしていくんだということなんかを主張することは、私は大変重要なことであろうと思いますし、また、日本の国は今申し上げたようなことで十分役割を果たしていくことができるだろうというふうに思っております。 そして、民主主義というお話があったわけでありますけれども、確かに、国連内の民主主義につきましては、必ずしも数の論理といいますか、そういったものは妥当しないというふうに思っております。しかし、できる限り加盟国の声というものを意思決定に反映させていくということが重要であるわけでございまして、そんなときに日本のような国がいろんな点で発言していくということが、これは小さな国あるいは弱い国、こういった国のためにもいいことなんじゃないのかなというふうに思い、また日本こそがそういう役割を果たすべきであろうというふうに考えておるところであります。
○中野委員 最後に、日本が国際社会で占める位置づけの中、また国連の中で果たす役割、その位置づけについて総理から触れられました。私は、そのスタンス、まことに正しいと思います。そして、そのスタンスで積極的にやはり日本は行動をしていただきたい。せっかく外務大臣から総理になられた羽田総理のもとでありますから、ぜひそのことを、まさにこの瞬間からむしろ行動に移す、その気概を持って外務大臣ともども臨んでいただきたい、私はこう思います。 また国際問題ですので、ついでに日米経済問題で一点だけお尋ねをしておきたいと思いますが、カッター米国大統領補佐官とかカンター米通商代表、またタイソン米大統領経済諮問委員長等の発言を見ますと、かなりの変化が見られます。現在ワシントンで行われております日米非公式協議の動きも見ておりますと、かなり顕著に変化が見られるようになってきたなという感じがいたします。 このことがうまくいって、きょうじゅうにでも公式会談再開が合意されるといいなと思っているのでありますが、これらについて見通しをお聞きしたいことが一つと、その協議の再開が合意されますと、まず想像されますのが、今後の交渉のテーマとして自動車・部品などの個別分野に移行することになるというふうに考えられます。 このときに、米国側が引き続き数値目標と同様な日本側の公約を要求したとなりますと、またこれは壁にぶつかるというふうなことなども想定されるわけでありまして、いろいろ状況の変化に対応もしていかなければならない。合衆国の場合は中間選挙を控えておりますので、対日姿勢の軟化に油断は禁物だ、こうも思うのでありますが、現在の状況と総理の今後のこの交渉に臨むスタンスについてお答えいただきたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 日米間はかけがえのない二国関係であろうというふうに考えておりまして、政治あるいは安全保障、またグローバルな協力、こういうことを進めることは当然でありますけれども、また今はそういった問題については非常によくいっていると思います。しかし、経済関係がおかしくなってしまってはこれはどうにもならないということがあろうというふうに考えます。 そういう中で、長時間にわたってアメリカで話すと同時に、またマラケシュでも話し合ったわけです。そういう中で、お互いがお互いの理解というものは深まったというふうに、お互いがどこに問題点があるのかということは深まったというふうに思っております。 そして、今御指摘がありましたように、私どもの指示を受けながら現在ワシントンの方で話し合いが進められておりまして、現在どうなったかという実は結果の報告というのはまだ来ておりませんけれども、いろいろな問題で煮詰まりつつあるというふうに私は実は理解をいたしておるところであります。 ただ、今御指摘がありましたように、数値目標ということがありましたけれども、これは実はアメリカのクリントンさんもカンターさんもタイソンさんたちも、数値目標を定めてそれによって制裁するというようなことは、そうじゃないんだという話を私たちに盛んにしてくださいました。 ただ問題は、そういうことになりますと、数値というものが出ますと、どうしてもこれがひとり歩きしてしまうということがあるものですから、これはだめなんですよということを相当細かくお話をしてまいったところでありまして、私はそういうものにならないのではないかというふうに期待をしておりますし、また、そのように努力をしなければいけないというふうに思っております。 そして、今お話のございました、今度個々の分野の問題でありますけれども、個々の分野の問題につきましては、これは私どもの国も六百億ドル近くの黒字ができてしまっておる、国際的にも千数百億ドルということになってしまっておるという意味で、やはり日本の市場というものをできるだけオープンにしなければいけない。 また、それをすることが国民生活にもいいんだということ、これを原点にしながら、そこで規制の緩和をするとか、あるいは参入するのにいろんな、例えば政府調達の場合なんかも透明性というものを確保するとか、そういったことによって競争力のあるものが日本の市場に参入できるような機会というものをつくる。これは、我々はただ言われたからというんじゃなくて、我々の方からみずからやっていく問題であろうというふうに考えておりまして、そういうことでこれから指導しながら、実のあるものをつくり上げていくことが大事であろうというふうに考えております。 いずれにしましても、日本が開かれた市場、そして国民もそれによって利益を得る、またそういったものによってこの黒字幅というものが意味あるものに、縮小というものが図られるよう努力していく必要があろうというふうに考えております。
○中野委員 国益を代表する外交交渉というのは、なかなか個人間のように我慢すれば足りるというような問題ではありませんので困難を伴いますけれども、しかし日米関係、その日米間の友情というのは日本にとっては極めて重要であります。ぜひ積極的に今後ともお取り組みをいただきたいと思います。 時間がなくなってまいりましたから、内政問題について若干まとめてお尋ねをいたします。 現在は平成六年度予算審議中でありますが、与党の政策担当者の一員としては、平成七年度予算編成のことも気になるわけであります。現在審議中の予算案は生活者重視ということで、道路、住宅、下水道、環境衛生、公園などにかなり力を注ぎました。 しかし、これからの問題でありますが、シーリングの問題等もよく言われます。平成七年度予算、間もなく各省庁から概算要求等が出てまいりますし、そして八月早々にはこの概算要求基準も決めなければなりません。ちょっと早とちりかもしれませんけれども、しかし、そろそろ準備をする各省庁なり、また我々としては、どこに重点を置くのかというのは、これは予算編成の重点は内閣の性格をそのままあらわすわけでありまして、総理にその基本的な姿勢についてお伺いをしたいのと、それから、先般来公共料金の凍結が出てまいりました。 これも先の問題としてお尋ねいたしますが、今後、言うならば来年年明けてからなされるであろう方途に三つあります。一つは、凍結期間の分も上乗せして値上げするという方法、二つ目は、そのまま原案を改めて再スタートさせるという方法、三つ目は、凍結期間中に厳しく見直して、そして値上げをしないか、もしくはしても圧縮するという方法、この三つがあると思います。 私どもは、やはり真剣な議論をする中にあって、せっかく半年間の期間が設けられるわけでありますから、これはむしろ厳しく見直して圧縮するぐらいの姿勢というものがこれから必要だと思います。このことについて、あわせてお尋ねをしたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 もうお話がありましたように、六年度予算の御審議をお願いしているさなかでありますから、七年度予算について具体的なことを申し上げることは、これはできないことはお許しをいただきたいと思います。 ただ、いずれにしましても、大変深刻な財政事情でありますけれども、やはり景気ですとかあるいは内需拡大、こういったものにも配慮しながら、公共事業等の各般の施策につきまして資金の重点的な効率的な配分というものが必要であろうというふうに思います。 そういったときに、与党の方でいろいろと御議論をいただきまして方向性を示しております国民生活重視、こういった観点に立ちながら施策の優先順位というものはやはり厳しい選択をしていかなければならないというふうに考えておりまして、いずれにいたしましても、財源の重点的あるいは効率的な配分、これに心がけていきたいというふうに思います。 それから公共料金でございますけれども、三つのことがお話があったわけでございますけれども、いずれにしましても、時期の問題あるいはその幅の問題、こういった問題については、我々の中の機関がございますから、公共料金を扱う機関、この中でも十分検討していただきたいと思っております。 いずれにしましても、公共事業ということでございますので、公の機関でありますから、ともかくできるだけ効率のいいものにしてもらうように、この間にさらに検討を進めてもらいたいなということを期待をいたしておることを申し上げたいと存じます。
○中野委員 時間が参りましたから、最後に一言。 景気が回復をいたしましても、雇用問題はなお深刻であろうと言われております。まして、経済構造の転換期に当たって、雇用問題は、我々が最も重点を置かなければならない政治的課題であろうと思います。景気回復、そしてとりわけ雇用問題。また、雇用が安定をすれば景気回復につながるという逆の言い方もできようかと思います。そのことについて、最後に御要望申し上げて、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。(拍手)
○山口委員長 これにて中野君の質疑は終了いたしました。 この際、昨日の深谷君の質疑に関連し、野中広務君から質疑の申し出がありますので、これを許します。野中広務君。
○野中委員 昨年の八月に政治改革の旗を掲げて細川内閣が発足をいたしました。そして、政治改革がいつの間にか、選挙制度だけを改革したら政治改革のような空気に引っ張られてまいりました。 さらに、そういう中から細川さん自身の政治改革、すなわち国民が求めたきれいな政治をやってほしいという願いが、細川さん自身の疑惑の中から国会が停滞をしてくることになりました。そして、幾たびかこの場において細川さん自身の疑惑を追及されましたけれども、細川さんは、例えば東京佐川急便のあの一億円の借り入れや利子につきましても、自分はすべて返した、誠心誠意答えておると、そして資料もお出しになりました。 領収書は、御承知のように、申し上げるまでもなく、コクヨの市販されておる領収書で、名前も、だれが発行したかもわからない、判も押してない、番号もない、そんな領収書を出されてみたり、あるいは金銭出入り帳に至りましては、六十一年の九月三十一日。私は、四年目に一遍二月二十九日という日があるのは知っておりますけれども、日本の暦の上で九月の三十一日というのは全くきょうまで知らないんですけれども、こんなものが出てきたり、あるいは六十一年の十二月の三十一日。 東京佐川側に聞きましたら、幾ら佐川急便でも、十二月三十一日は一切の仕事をしておりませんと言う。だのに、十二月三十一日という日付で利息を入れたという出入り帳が出てきたり、あるいは昭和六十四年一月三十日、昭和六十四年六月三十日。昭和六十四年というのはもう一月の初めに終わって、平成になっているんです。 それに、そんなのを、私が誠心誠意出しておる書類であります、信じてくださいと言って出してきて、とうとう自分で政治改革をやることなく、自分が疑惑を晴らすこともなく、何か、とにかく予算編成は政治改革を仕上げなければ、景気対策も何にもいいんだ、連立与党はもちろんのこと、さらに財界、官界を含めてそんな雰囲気になりまして、予算は年内編成ができないまま越年をし、昨日、深谷、衛藤両委員も指摘をいたしましたように、三月四日になって初めて国会に提案をされてまいりました。 私は、総理自身もお認めになりましたし、予算委員会の理事会においても連立与党の理事の諸君がお認めになりましたけれども、この予算が国民生活が非常に重要なときにおくれてきたのは、一月中に出さなくてはならない予算を三月に入って出してきて、しかもその後は、御承知のように細川さんが突然みずから辞意表明を四月の八日になさいました。 それからの推移は改めて申し上げるまでもありませんけれども、さあ、もう細川さんのやめ方というのは、子供がおもちゃが嫌になったといってぽいっとほってしまったようなそんな感じで、竹下内閣を初めとする我が党内閣のときには、やはりいろいろな問題が起きましたけれども、私の首は差し出します、せめて予算だけは通してくださいということで、予算を担保にして総辞職をしていったのであります。だのに、細川さんは、一番重要な予算がおくれておるのに、それも、今子供がおもちゃをほったということを言いましたけれども、そんな表現が当たるような、何にも予算を担保しないでぱあっとやめちゃった。 そしたらその後は、今度は、首班指名をやることよりも先に政策だ、こういうことになっちゃいまして、そして、今の羽田総理は外務大臣として外へ出ていかれる。さらに村山、武村両党の代表は、そして大内さんも委員長会議をやるべきだ、こういう話ですけれども、最後は大内さんは変わり身が鮮やかでございまして、きょうまたそこにすっと座っていらっしゃるわけで、随分変わり身の早い人だなと私は感心をしておるわけでございますけれども、そんなことで、ぎゅうぎゅうぎゅうぎゅう今度は政策の詰めが行われてきた。 そして最後に、社会党に、北朝鮮問題を初めとするいわゆる我が国安全保障の問題、あるいは間接税の問題、こういう問題について、まあ社会党が従来の中から、非常に苦悩の中から選択してきたぎりぎりの線を、いわゆる政策合意として連立与党の政策合意を遂げて、そして羽田孜、本会議で孜という字は難しいからちゃんと間違えぬようにせいよといって「羽田孜」と書いて、首班指名をめでたく衆参でお受けになりました直後に、後ろからばさっと切って落とすようにいわゆる改新という会派をつくって、社会党は、中にはある人は、いや社会党なんて、何かかんか言っておったって、どうせ馬にニンジンをぶら下げたようなもので、大臣ポストでつったら最後はついてくるよと言った人があるそうです。 また、時には、社会党はげたの雪だ、ついてもついても離れない、やがて解けてなくなる、こんなことをその当時私も聞いたものでございますけれども、最後にはついてくるよという安易な考え方でやりましたけれども、さすが社会党も、私は五分の魂があったと思います。ようやく連立政権から抜けられまして、あのときの社会党の皆さんのすがすがしい顔を見たら、きのうの大出さんの質問でも、この前の質問は何かもう一つ元気のない、迫力のない質問でしたけれども、きのうはやっぱり、昔の姿で出ておりますという、大出さんらしい質問を久しぶりに私は聞かしていただいたわけでございます。 そんな内閣の発足でございますだけに、私、東京に出て国政に参画してから、羽田総理とは大変いろんな分野で教えてもらってきました。むしろ心からおめでとう、頑張ってくださいと言いたいんですけれども、あの経過を見ると、どうも私の腹の中からおめでとうと言えないんですよ。私は、そういう上に立って、いわゆる羽田政権の抱えている問題について、若干の質問をしてまいりたいと思うのでございます。 第一は、やっぱり柿澤さんですな、柿澤外務大臣。 ここにありますね。百二十九通常国会、我が自由民主党を代表して、ことしの三月七日、本会議で、まあ東京の六区の皆さんもよく私は聞いておいてほしいと思うんですが、この中を見ると、本当によくあなたはテレビに出て、渡辺美智雄先生を総理にしたい、涙ぐんで、あなた言っておりましたよ。だから、せめて首班指名のときは渡辺美智雄という票が出てくるのかと思ったら、あなたまでが「羽田孜」と書いて、今度はすうっと外務大臣になっているね。やっぱり私は、政治家である前に一人の人間だと思うんです。人間には最低の道徳と最低の信義が必要とされます。その道徳も信義も守れない人が、これだけ国際間の非常に緊張のあるときに、一体日本の顔として外交政策をやることができますか。 あなたは、やれイトマン事件だ、リクルート事件だ、佐川事件だ、全部名前が出ているんだ。そして、台湾に事務所を持っておられて、私らは確認しておる、事務所を持っておられたでしょう。インドネシアの友好議員連盟を初めODAに関係するいろんな国の議員連盟の事務局長や幹部を兼ねて、あなたはよく行っておられた。ODAにかかわる外務大臣をやって、一体、刷新な羽田内閣の有力閣僚としてあなたはやっていける、そういう自信があるんですか。台湾の事務所の話を聞かしてください。
○柿澤国務大臣 野中先生からいろいろ御指摘がございましたが、三月の衆議院本会議の代表質問につきましては、私は自民党代表として、確かに細川連立内閣の持っている問題点、脆弱さというものについて指摘をし、そして政策の実行のためにしっかりした内閣をつくるべきだということを申しました。 しかし、お読みいただければわかりますように、そこに書いてありますことは、また、私が発言しましたことは、ただの批判ではなく、それぞれの問題点について積極的な提言をし、そして細川総理に実行を迫ったものでございまして、細川総理の答弁の中でも、それについて幾つかは前向きに検討したいという答弁もございました。また現在、私も外務大臣を拝命して、そこで発言したことを実行すべく努力をしているところでございまして、その点の間に私は節を変えたということはございません。 また、今いろいろと私の一身上のことについて御指摘がございましたが、いやしくも外務大臣として職責を全うするのに、ODAについて批判がある、疑念があるとおっしゃったことは、私は全く心外でございまして、そういうことはございません。台湾にも事務所はありませんし、インドネシア議員連盟の事務局長も務めておりません。私が務めておるのはフランスとかベルギーとかヨーロッパでございまして、友好のしるしとして一生懸命ボランティアとしてやらしていただいているということを、この際明確に申し上げたいと思います。
○野中委員 あなたは台湾に事務所を持ったことないんですか。もう一度聞きます。持った証拠があったらどうします。
○柿澤国務大臣 全くありません。私は、議員になりました直後に、同志とともに台湾も訪ねたことはあります。そして、台湾の方々が親日的で、私どもにいろいろな形でこれからの経済発展の可能性を語り、そして助力を求めてきたこともあります。そうした方々に好意として、友人としてお手伝いをしたことがございます。そういう意味での友人はありますが、私が事業をやったり、またそれに絡んで報酬を取ったりしたことは全くありません。
○野中委員 あなた、自分の質問を聞いてくれたらいい、見てくれたらいいとおっしゃっておるけれども、経済無策、外交無策になるのではないか、そんな予感が不幸にも的中しつつある、そして、もう細川さんの政権はだめだから自民党に政権を返せ、自民党には人材豊富なんだ、こう言っておられるのですよ。だからまあ、もともと渡り鳥の人で、ぬくいところへぬくいところへと行きたい人だ、あなたは。だからまあ私は、そういう移り気の、身の処し方の上手な人が、先ほど申し上げたように一国の顔として外交をやられることはまことに不適切だと。 あなたが今まで言われたようなことがないと言われるなら、きょう私は時間がありませんから、これから徹底してあなたとやり合いましょう。そして、そういう人は外務大臣として不適切だ、したがって、私はあなたに辞任を要求する、そういうことをあらかじめここで申し上げておきます。 さて、日笠郵政大臣。 委員長、ちょっとこの資料をお配りをしたいのですが、いいですか。
○山口委員長 いいですよ。
○野中委員 日笠郵政大臣にお伺いを、まあ郵政大臣に聞くのがいいのか国家公安委員長に聞くのがいいのかわからないのですが、郵政大臣は、五月十八日の山陽新聞、これに郵政大臣としての就任ごあいさつを載せていらっしゃいます。「羽田内閣の若大将としてがんばってもらいたい。」そしてずっとあいさつを載せて、下に、「日笠郵政大臣の御活躍を期待します。」という、そういう関連企業の広告が出ておる。しかもその中には、郵政省の建物と受注関係にある井上通信建設株式会社まである。 あなたは少なくとも公職選挙法を御存じだと思うわけでございますが、これは明らかに公職選挙法百五十二条の違反であります。これについての御認識を伺いたいと存じます。念のため、山陽新聞は発行部数三十五万部と聞いております。
○日笠国務大臣 本日御質問があるということをお聞きいたしまして、昼休みの時間、経過を事務所を通じて確認をいたしましたことをまず御報告したいと思います。 まず四月二十八日の就任以来、地元のテレビ、新聞等のメディアから就任祝いの広告等々の要請があったそうでございますが、スポンサーとかクライアントにつきまして紹介をしてもらいたいというような話もございましたが、一切そういうってはございませんのでお断りをしたわけでございます。 その中で、御指摘の山陽新聞の広告部の方は、掲載企業は当広告部が営業して集めますということでお話がございましたので、地元の事務所の方がこれなら公職選挙法にかからないのだろうという判断をして、了承をしたそうでございます。また、御指摘のあいさつ文も山陽新聞の方がファクスで事務所へ送ってこられたそうでございまして、政策を中心に述べておるということで、この程度ならいいんだろうということで地元で判断をして、了承して掲載となったようでございます。 ともあれ、もし私が考えたあいさつ文ならば、伊達政宗じゃございませんが、あのセキレイの花押、サインですね、目玉のところに針を押すということをよく言いますが、私は自分の名前のところだけはサインペンなんかで自筆をすることにしております。そういうことも御理解をいただきたいと思います。 しかし、結果といたしまして、百五十二条に反しておるとは私は理解をしておりませんが、後ほど、何でしたら自治省の方からお聞きいただきたいと思いますが、事務所がやったこととはいえ、また私が関知してないこととはいえ、使用責任がございますので、政治改革を進めておる折から、有権者の皆様方にいささかでも疑念を呈したことにつきましては、心から自戒自重いたしまして、今後こういうことがないように取り組んでいきたいと思いますので、御理解をお願い申し上げたいと思います。
○野中委員 我が党が政権を持っておるときも、秘書が、秘書がという話を随分聞いて、私どもも時にうんざりするときがあったわけでございますけれども、今また同じようなお話を承りました。私はまことに残念だと思います。 改革の旗手としてきょうまでやってこられた羽田さんが新しいスタートで、我々がこんな質問をしなくちゃならないのはまことに残念でありますけれども、この広告行為、我々は葬儀委員長を引き受けても、選挙管理委員会へよく尋ねて、葬儀委員長として名前を出すのはいいけれども会葬御礼はいけないと言われて、会葬のときには名前を出さないんです。そこまでやっておるのに、こんなものが公職選挙法に触れないで通るなら、岡山県警だって、警察庁だって、私はスピード違反だって検挙できないと思うよ。石井国家公安委員長、見解があったら言ってください。
○石井国務大臣 この問題を十分調査するだけの時間を与えられておりませんので、恐縮であります。 ただ、この広告が本人負担でなく企業の負担であるということになっておったとすれば、公選法百五十二条に違反してないと、こういうふうに解釈できるというふうに伺っております。 私は、今、日笠郵政大臣が反省をされておりました、政治家のサイドに大きな責任もあると思いますが、同時に新聞社のコマーシャリズムということについてもひとつ注意を喚起しておきたいと存じます。
○野中委員 私、こんなことで時間はとりたくないんですが、郵政省が直接発注する業者が広告主になっておるのに、国家公安委員長が広告主が別であればいいんだと、そんな解釈なんてあり得ないんですよ。改めて、これは岡山県警も対処をされることをこの席を通じて、私は一人の有権者としても要望をしておきたいと思うわけでございます。 さて、熊谷官房長官、あなたは、自分が通産省で使っておられた秘書官をそのまま官房長官秘書官として舟木氏を連れてこられました。例のないことでございます。何か思われるところがあったんですか、お伺いいたします。
○熊谷国務大臣 私も、思わぬ官房長官というお仕事をちょうだいいたしまして、非常に短い期間で対応しなければならないと。しかも、官房長官の仕事は広報の仕事が非常に大きな役割を占めるというふうに伺いまして、正直言いまして、私の周りに、事務所の中には広報について的確に機敏にできる人材が残念ながらおりませんので、御無理、御迷惑はかけると思ったわけでありますけれども、通産省にお願いをいたしまして、政務秘書官として舟木秘書官にさしていただいたわけでございます。
○野中委員 私はこの際、総理にも要望しておきたいと思うのですが、加藤農水大臣も、娘さんのお婿さんとはいえ大蔵省から割愛して、そして農水省の秘書官に連れてきておられます。 内閣がそういう状態で、もしそういう人が、熊谷さんがこの前、これから後で触れますけれども、通産相のときに、通産省の内藤局長をいわゆる箔づけ人事でやめろと言ったことと同じように、もし農水大臣の娘婿さんが秘書官としておって、選挙にでも箔づけで出られたらやはり問題になるんじゃないですか。私はこれ以上言おうとは思いませんけれども、特に官房長官、こういうやり方が国家の将来を誤らないように、あえて私は申し上げておきます。 なぜそんなことを言うかとあなたは思われるかもわかりませんけれども、大体官房長官、あなたが杉山憲夫さんと小沢一郎さんと三人で伊豆長岡の三養荘へ金丸氏を呼んで、そして天下人にしてほしい、そして政治家に一つずつ印をつけた、そのときから政局の混乱は始まり出した。おととしの八月二十四日、それは羽田さんの誕生日の晩だ。その晩四人がお集まりになった。これもそういうレールの中にある。 私はここで長々と言おうとは思いませんけれども、そういうことを考えると、この間熊谷官房長官が、社会党の久保書記長が中国で記者会見して、この予算が通ったら羽田内閣が総辞職をすれば我々も連立に復帰する用意があると言ったときに、これに呼応するような発言をされた。いやしくも内閣総理大臣を差しおいて官房長官が、予算が通ったら総理が総辞職をするというようなそんなエールを送れる、そんな思い上がりというのは、私はあなた自身の権力志向に対する怖さを感じる。 公共料金の据え置きもまたそうであります。我々も、公共料金はなし得ればできるだけ値上げしないでやっていきたい、やってほしい。国民生活が特に厳しいときでありますだけに、そう思うのは常であります。けれども、公共料金というのは、きょうも日本道路公団の料金のあり方について公聴会がやられておりますから、建設大臣、私は四時十五分までは結構ですから、あなた何なら公聴会に出て、そしてこの公聴会の意見を聞かれたらいいですよ、委員長の許可を得て。やはり聞いてほしいと思うんだ。 そういうときに、どのようにして公共料金をできるだけ上げないようにやっていくかみんな努力をしておる。もちろんいろんな組織もみずからのリストラを考えなくてはならないと思います。けれども、やはり公聴会をやり、審議会をやって、そして年内凍結といったら十二月まででしょう。電話料金、あるいは道路公団の利用料金、みんな大体十月から考えておったのですね。そうしたら二カ月だけ延ばすのですか。年度内なんですか、年内なんですか。一月一日からならもういいんですか。 まずそれを聞きますとともに、次に私は、あの十八日の日は、山口委員長からも注意があったようでありますけれども、ここで予算委員会の暫定の補正の審議が行われておる最中に官房長官は記者会見に出ていかれた。そして帰ってこられた。少なくとも、議会制民主主義の上に立って議院内閣制であれば、国会というものが、しかも予算委員会が機能しておる最中なら、そこに諮られて当然の話じゃありませんか。 格好よく自分だけがずばっと抜けて記者会見して一方的に発表して、あなたの発言によって、都道府県議会や市町村議会で議決をして、そして公共料金の値上げをしなければならないと考えておった自治体は、自治省事務次官から要請を受けました。じゃ一体、議会の議決というのはどうなるんでありましょう。あるいは、現に公共料金を値上げするためにそれぞれの審議会があり、そしてそれぞれ公聴会等がセットをされて、公共料金はどうあるべきかというシステムがある、ストーリーがある。それを全く無視して、官房長官が一方的にぱっと発表すれば、それですべてができる。国民には何か物すごくいいことをやったように思われるのですけれども、たった二カ月なんですよ。もう既に二兆数千億という公共料金は細川内閣になってから上がってきている。 あと、公共料金を、今言われておる分をたった二カ月だけ送って、あれだけいい格好をして、そして今すべてのシステムを、ストーリーを無視して、議会を無視して、地方の議会の存在も地方の首長の存在も無視して、一体この内閣は何をやろうとするのですか。私は怖さを感じます。お考えを聞きたいと思います。
○加藤国務大臣 先ほど野中委員のお話、どういう意味でおっしゃったのかわかりませんが、私は大蔵省にお願いし、慎重な大蔵省が手続をされて二週間もかかって審議をした上でお決めいただいたという経過があります。何か変にとられておったのではいけませんから、この席をかりてはっきり申し上げておきます。 なお、念のために申し上げておきますが、自民党の現職の国会議員の中でそういう方々が何十人おられるかとお答えしてもよろしいと思いますが、それは控えさせていただきます。
○野中委員 加藤農水大臣、私は、大蔵省からあなたのお嬢さんのお婿さんといえども秘書官に連れてこられた、これは今後もし選挙にでも出られるならば、また、熊谷さんが箔づけ人事だと言って局長の首を切ったように、同じような状態をつくるからあえて申し上げただけであって、大蔵省と申し上げただけで、外務省とも、あるいはよその役所を言うたわけではない。大蔵省から連れてこられたことは間違いないのですよ。それで、自民党のときにもやったことがあるでしょう。そういうことをやって、政策的には大筋において間違いなかったけれども、自民党は残念ながら下野せざるを得なかったのです。 しかし、田中眞紀子さんが言うたように、自民党の中の一番悪いところを持ったのが飛んで出てすっとしたという人があるわけなんです。まあこのごろは、自民党を出たいのかテレビに出たいのかわからぬのまで飛んで出たから、私どもはすっとしているんですよ。まだちょっとぐらい出るやつがおるかもわかりませんけれどもね。まあ余り言わない方が私は……(発言する者あり)いやいや、言われたらいいですよ、幾らでも。幾らでも言われたらいいけれども、事実を事実として言っただけの話だ。注意を喚起しておいただけの話だ。 以上です。
○熊谷国務大臣 御質問の趣旨は、公共料金の凍結の問題についての発表の仕方についてかと思います。 実は、この件につきましては、私どもも手抜かりがあったというふうに思っておりまして、大変申しわけないことだったと思っております。実は、予算委員長からも厳しい御指摘をいただきまして、私も二度とこのようなことのないようにということでおわびを申し上げたわけでございます。 ただ、総理も先ほど御質問にお答えしたわけでございますが、委員の中にちょうど御質問がありそうだということで、実はまだ最終的にやれるかどうかということで相談をしておった最中だものですから、前向きの答えはしたいなというようなことを、午前中の段階でしたけれども、二人で耳打ちをしておったのですが、総理から私、院内の総理の部屋に呼ばれまして、最終的に決断をした。すぐ手はずを整えてくれということで、いろいろと事務当局に命じまして手だてを講じて、やっと四時に間に合ったということでございましたけれども、こういう状況下の中で、仮にもさまざまな声があったにせよ、いろいろな意味で手続面におきまして気配り、十分な手配りが足りなかったということは申しわけなかったことだというふうに思っております。
○野中委員 今回の手続について官房長官からお伺いをいたします。 ただ、地方公共団体やあるいは道路公団でもさようでありましょうけれども、やはり延ばしたものは同じように、年内といったら二カ月延ばすんでしょう、一月一日から上げるんでしょう。そうしたらそれだけオンしなきゃならない。さっき質問があったとおりです。それが本当に国民サービスに通じるのですか。 私はそう考えたときに、やるのなら、やはりその分利子補給を考えてやるとか真水で入れてやるとか、あるいは地方の公共企業に対するものについては自治省で財政的な配慮を考えるとか、そういったものがなければ、社会党に抜き打ちしたみたいに、やはり議会で手続してちゃんとしてきた地方公共団体というのは後ろからけさがけでやられたみたいなものですよ。こんなことはできません。 やはりそれぞれ交付税とか、あるいはそういう処置を考えることを政策的に詰めてやらなければ、私はそれぞれの地方公共団体は大変な迷惑を受けると思うのです。あなた方がいい格好をされるのはそれでいいけれども、それが大きくまた地方公共団体の存立にさえ影響を与えないように、特に要望をしておきたいと思うのです。
○熊谷国務大臣 ただいまの御指摘につきましては、実は閣内からもいろいろな議論が出、また総理自身からも問題意識として出ました。今委員が御指摘に加えて、この公共料金のアップ凍結をやはり行革にも結びつけていく、そういったこともあわせ総合的にフォローアップをしょうじゃないかというお考えが示されまして、これから早期にプロジェクトチームを内閣につくりまして、そして早期に結論を出して、委員の今御指摘のようなものを含めて対応を講じてまいりたいと考えておるところであります。
○野中委員 羽田内閣が発足をいたしまして、先ほど申し上げたような一連の混乱の中に、外交的にも私は大変取り返しのつかない失点をやったと思うのですね。例えば、タイの首相の訪日を延期するとかあるいはエジプトの大統領の訪日を延期するとか、また日本とEUの関係閣僚会議が延期になるとか、こういう残念な結果があったと思います。 それはやはり私は非常に流動した期間の、政権の二重構造と言われる、そういう問題に根を持っておるんではないか。あなたはないとおっしゃるけれども、しかし、いみじくもきのう、あなたは、統一会派をつくるという届け出をあの瞬間まで知らなかったということを言われた。やはり政権の二重構造があるということなんだ。 それは、一つはやはり政権の裏側の人たちかもわかりません。世に小沢さんのことを指して言う人もあります。もう一つはやはり、日米包括協議も後ほど触れますけれども、官僚支配ということもあります。二重構造というのは、この二点から考え直してやっていかなくてはいけないと思うわけでございます。総理に何か意見があったらお伺いをいたしたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 今お話がありましたように、タイ、そしてEU、またエジプト、このそれぞれの首脳の方が来れなくなったこと、これはまさに政治の空白であったということであります。私ども、あの四十日抗争というものを思い起こしながら、そういうことにならないようにというふうに心がけたつもりでありましたけれども、結果としてそうなったことは大変残念に思っております。 それから、今お話がありました例のやつについて、おまえさんは知らない、それが二重構造だというお話でありましたけれども、実は私はこの問題については、当日のたしか昼ごろでしたか午後でしたか、実は聞いております。 ただ、聞いておりますけれども、そのときには、まさに各党の中できちんとお話し合いができた、あるいは社会党との話し合いもできたという報告を実は聞いておりましたものですから、本当に話し合うような場所ができたということは大変いいなというふうに私は感じておったということでありまして、それ以上深くいろんな動きというものが察知できなかったというのは、どうも官邸の中に入ってしまうとそういうものが、ちょうど入った日その日であったものですからなおさらそういう疎通が図れなかったということだろうと思っておりますけれども、しかし大変残念なことだというふうに思っておることを率直に申し上げさしていただきます。
○野中委員 細川内閣以来きょうまでの新生党代表幹事の小沢一郎さんの一連の発言や行動というのは、私は異常な感じを受けるときがあります。いわゆる政権のキーマンと言われ、そして新生党の代表幹事であり実力者でありますだけに、その異常さは際立って国民にも映るんではないかと思うのであります。 例えば、おれは潜ると言って何日間か行方がわからないとか、まあ一連の、もう言い尽くされましたけれどもマスコミに対する批判発言とか、あるいは去年の九月、ことしの三月、そして先般の連休、すべて国会開会中でありますけれども、家族を御一緒されたヨーロッパ旅行でございます。国内においてどこへ行って何をされたか、それを掌握することはできませんけれども、少なくとも衆議院議員として、しかもこの人ですからVIP扱いで、公用旅券を持っていらっしゃる以上多少の公的便宜を受けていらっしゃるはずであります。もしいわゆるVIPとして扱われておったら、その国へ行けばその国の監視下に置かれるわけであります。そんなことが我が国の国益を害することがなければと願っておる一人であります。 さらに今回の羽田総理は、就任以来直ちにヨーロッパに行かれました。けれども、私は、それはサミットを前にしての総理のお考えであったかもわかりませんけれども、あれだけ日米関係が、包括協議が決裂をして重大なとき、まあきょうの報道等を見てようやく修復関係が出てきたことを喜んでおる一人でありますけれども、やはりあれだけ日米関係が決裂をしたという不幸な状態にあるときに、米国へだれ一人閣僚が行かなかった。外務大臣もほかへ行った。 そして、北朝鮮問題というのは、何か細川内閣になってから、北朝鮮問題を脅威に扱うことによって我が国の防衛力の強化を考えておるんではなかろうかと思うほど異常な突出ぶりでありました。確かに、北朝鮮の核の疑惑が晴らされたいと思うことは当たり前のことであります。 ここに、四年前に金丸・田邊訪朝団の事務総長としてお行きになりました石井さんが書かれました「近づいてきた遠い国」、誤解を正しておかなければならないという本があります。この中にも、その団員として参加した私が、これは実はだれも嫌がってやらなかったんです。核疑惑を晴らせという発言を向こうにぶつけるのは、行った中でみんな嫌がったんです。自民党と朝鮮労働党のテーマの中で、私が引き受けることになって、そして私が核の疑惑を晴らせと言った。当時の全容淳国際部長と激しいやりとりになりました。石井さんの文章では、野中代議士が「切っ先鋭く」と書いてある。そして、私の発言した内容をすべてここに書いてくださっておりますけれども、核の疑惑は晴らさなくてはなりません。 しかし、長い長い歴史の中で、幾たびか朝鮮半島全体にはぬぐいがたい屈辱を与え、犠牲を強いてまいりました。前にも私はここで言いましたけれども、私たちは子供のころから、朝鮮半島の皆さん方が日本へ連れてこられて、そして人間でないような、むちでしばかれて、そしてまだ息があるのに土の中に埋め込まれるような、そんな激しい状態まで私は目にしてまいりました。それだけに、何とかこの人たちの心をいやすことができればということを、韓国を含め、あるいは北朝鮮を含めて、私は常に熱い思いで、せめて我々の世代においてこれを解消しておかなければ、札束でこの人たちの心を買うことはできません。あるいは、きのうも大出さんからお話がありましたけれども、向こうに対する軍備を日本が持つことによって、武力で向こうを制圧することも不可能であります。 何よりも大切なことは、人と人との交わりであり、心と心の触れ合いであり、その中から信頼関係と尊敬関係を生み出さない限り、私は、我が国の将来にとって朝鮮半島、中国というのは一番大切な国だと思う。そこに対する心の通い合いというのが全く欠落しています。 羽田総理になってから、少しトーンダウンしましたね。粘り強い話、粘り強い話、そういう状態になりましたけれども、それまでは、とにかくもう国際連合が決めたら経済制裁をやるんだ。国際連合は中国が拒否権を持っているんです。北朝鮮と話し合える唯一の国はやっぱり中国だと思います。それなら、だれかを中国に派遣すべきだったと思います。 あるいは、石井さんは今まだ日朝友好議員連盟の会長じゃありませんか。みずから日朝友好議員連盟の会長なら、あれだけ傷つけて傷つけてやる前に、今ようやく朝米間のこの話し合いはやや軌道に乗りつつあるということを聞いて私も喜んでおりますけれども、しかし、アメリカと北朝鮮が話し合いをして、日本が取り残されたらどうなるんですか。 日本はここと、この本で言われておる「近づいてきた遠い国」という関係を、また遠い国にしちゃったんです。何とか私は北朝鮮が核の疑惑を晴らしてくれて、そして日朝会談が円滑に進んでいき、せめて我々の世代でこの国との関係が正常化しなければ、次の世代にこのまま残しては大変だと思うんです。 ぜひ、総理のお考えをお伺いしたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 今お話しになりました思い、私も全くこの点については同感であります。ですから、私が外務大臣を務めておりましたときにも、記者会見あるいは国会の答弁でも、ともかく粘り強い話し合いというものが必要であるということを、もう何回も実は申し上げてまいったところであります。 そして、今お話がありましたように、野中委員が子供のころから、北の人たちが、連行されてきた人たちを見てというお話がありましたけれども、私も実は信州に疎開したばっかりのころ、ちょうど上田駅というところの坂道を上った四つ角で、雪の中で、松代の大本営をあれされるために連れてこられた人たちだと思いますけれども、その人たちが本当にたたかれて、まあ傷つきながらうごめいている、この姿を見せられたときに、私は本当に何てことをするんだろうという思いをいたしました。本当に同じ飯を食ってどこが違うんだということを彼らが実は叫んでおったのを覚えております。 そういう意味で、やはりこれは朝鮮半島全体に対して、我々は大戦あるいはその以前の問題というもの、これがどのぐらい彼らに苦しみ、痛みというものを覚えさせたかわからないという意味で、私どもはこういった問題に対しては、まさに朝鮮半島全体のものとしてやはり受けとめて、また我々はそういう思いを持たなきゃいけないというふうに思っております。 しかし、今野中委員からお話がありましたように、やはり核というものは、これはあれしちやいけないというお話、これもまた私全く同感でありまして、そのためにやはり話し合いによってやることが大事だということのために、実は中国に対しましても、私が行きましたときも中国からひとつ友人として語りかけてもらいたいということをお願いし、また細川総理が三月に出かけましたときにもそのことを中国にお願いし、またその後も何人かの人を派遣いたしまして、中国政府にも働きかけをいたしておるということであります。 今お話しになったことは、私どもはやはり核というものは、これはもう何としても生んではいけないという思いで、これは国際社会と一緒になって我々は行動していかなければならぬと思っておりますけれども、しかし常にやはり窓口、門戸を開いておくということは重要なことであろうというふうに考えておることを申し上げたいと思います。
○野中委員 そのほか私は、安保理事会の常任理事国の問題あるいは普遍的安全保障の問題等をお伺いしたいのですが、若干時間を限られておりますので、先に入って、時間が余ればまたお伺いをしたいと思います。 米の市場開放についてお伺いをいたします。 細川政権というのは、振り返ってみますと実に夜のドラマづくりの好きな政治手法をとられたものでございます。細川内閣が発足して八カ月、幾つかの大きな政治的ドラマというか国家的決断がありました。昨年暮れの十二月十三日の午前四時の米の市場開放、一月二十八日午前一時の政治改革法案の総総合意による決着、二月三日午前二時の国民福祉税七%の実施発表、三月二日夜十二時前の内閣改造見送り、四月五日の夜、参議院の下村、西川両氏と食事をされたときに首相をやめたいと言われた、その発言をまた夜中にお取り消しになりました。 大きく分けまして以上の五つではなかろうかと今思うのでございますけれども、そのすべてが深夜に行われておりますけれども、副総理としてそばにおられました羽田総理、何か理由があったのでありますか。
○羽田内閣総理大臣 それぞれがやはり難しい問題であったということで、例えば国民福祉税のときには、やはり予算の編成というものの関係がある、どうしても時間が限られておるという中で、議論に議論を重ねる中で結果として夜中になってしまったということがございます。 それから今それぞれの、ほかの米の問題のときにも、これは各党の中で議論が続いたということのために夜中になってしまったということでございまして、私も実はそういう厄介な問題を扱ったときに、たしか野中委員なんかとも一緒に電気通信かなんかの問題で夜中になったことがありますけれども、やはり難しい問題というのはどうしても夜中まで議論をしていってしまうということで、結果として幾つも難しい問題があったものですから夜中になってしまったんだというふうに、因果関係については私にもよく理解はできませんけれども、そんな思いを率直に述べさせていただきます。
○野中委員 米の市場開放でありますけれども、先ほど申し上げましたように、十二月の十三日、細川総理はミニマムアクセスの受諾を決定されました。先般の我が党の質問にもありましたが、たび重なる国会決議というものは一体何だったのだろう。国会決議というものの重さ、あるいは立法府としての全体の責任を考えるときに、国会がミニマムアクセスを受け入れる、そういう過去の決議に対応する処置はどういう方法があったんだろうか。 私は、国会としてみずから立法府の権威を傷つけたんではないかと自問自答をしておるわけでございます。我が国の政治家の中でも第一級の農政通と言われる総理のお考えがありましたら、お伺いをいたしたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 この問題につきましては、まさにウルグアイ・ラウンドが始まって以来七年数カ月たったわけでありますけれども、この間に、私どもは国会の決議というものを何とか大切にしたいということのために各国に対して、これはアメリカだけではありません、各国あるいはガット事務局、こういったところにも何回も出かけていきながら、私どもの国の食糧の事情、あるいは米というものが生み出す環境の問題ですとか、あるいは農村の地域の問題ですとか、こういったものをつぶさに実は話しかけてまいりました。 ただ私は、その間でもしばしば申し上げたことは、どうもこれは日本の国の一カ国の一産品だけを、先進国である日本が何の傷もつかないということはあり得ないと言って、しばしば羽田氏、自由化容認なんということを新聞等で書かれましたけれども、自由化を別に何も容認したわけじゃないので、私たちは日本の立場というものを何とか守りたいということのために必死の努力をしてきたということであります。ただ、残念ですけれども我々の主張というのは全部は入れられなかったことは、これは事実であります。 しかし、ぎりぎりのところで、私どもはあそこで食いとめることができたんじゃなかろうかというふうに考えておりまして、まさに断腸の思いでありましたけれどもああいう決断というものをせざるを得なかったということ、これは、やはり百を超える国が集まって、しかもその中で最も貿易の受益国である日本の立場というもの、これを考えたときに、やむを得ない措置であったということをぜひとも理解をいただきたいというふうにお願いを申し上げたいと思います。
○野中委員 詳しくはもう経過は申し上げませんけれども、結果的には、非常に小売店を初め消費者の中に食糧に対する不信感と混乱をもたらしてしまいまして、かつて五十年前のあの食糧のなかったときの時代を思い起こさせたり、あるいはロシアの行列を思い出すような行列が時に並んだり、こんなこともありまして、きょうはここまでですと打ち切られてむなしく帰っていく人たちを見ることがありました。最近は鎮静化をいたしましたけれども、なお最近では早場米の田植えをしておる農家や、あるいは苗代のある農家にやみ米の購入の話が各地で起きております。青田刈りとか黒田刈りとか言われておるような深刻な状況に至ったわけでございます。 ところで総理は、昨年の天保以来のあの凶作と言われるのをどのようにとらまえていらっしゃいますか。
○羽田内閣総理大臣 基本的には、御案内のとおりの長い冷夏であり、しかも大変多くの雨が降ったということ、これがやはり一番の大きな原因であったろうというふうに思っております。 しかし、農業技術というものを相当高く蓄えた人たち、あるいは有機肥料ですとかそういったものを活用していた方々、そういった中では、隣の田んぼが不作であっても不作の率が全然違っておったというようなことも聞いておりまして、私ども、やはり土づくりですとか、あるいは農業の生産に対する肥料の扱い方ですとか、そういったものなんかについてももっとしっかりあれしておかなければいけないなと。 そして、特に日本の場合には、今情報通信というのが非常によく発達しておりまして、農村部でも有線放送等があります。こんなものはもっと活用することができるのじゃないのかということを改めて実は思わされた次第であります。
○野中委員 今総理がお話しになりましたけれども、大蔵大臣は米の凶作についてどう考えておられますか。
○藤井国務大臣 大変な冷夏、長雨という異常の事態があったことも事実でありますが、農業政策の中で、これらに対応できるだけの諸般の問題にやや手抜かりがあったということもあわせて考えております。
○野中委員 今藤井大蔵大臣から私は凶作についてのお話をいただいたわけでございますが、それぞれ当時の細川総理以下、胸の痛む思い、そういうお話を承ってまいりました。 しかし、我々が去年、まだ十二月の上旬、国会決議を中心として、一生懸命にここで米の市場開放について議論をしておる十二月の七日の夜九時半から十時半、藤井大蔵大臣の自宅における記者懇の内容がここにあります。政権の中枢にある者が、記者との話とはいえ、こんな話をあの当時しておったというのは、私は農民の皆さんに紹介をするとともに、怒りを込めて言わなくてはならないと思うのです。 あなたはこの晩、もう既に米国とECとの交渉はオーケーだと聞いておる。予算委員会では自民党の要望もあって、米の集中審議をやることになりそうだ。集中審議をやるかわりに補正を通してもらわないと、それくらいのことは与党の国対はやってもらわなくては困る。総理が表明するときは、他の国の動きをよく見きわめてということになるだろう。特に表明をするときは、日本の農業がどうなるかということを、たとえイメージであっても、国民に説明しなくてはならない。そのときには、影響を受ける人たちに細かい配慮をするということは、もちろん言うことになる。例えば中山間地域などへの配慮ということがイメージとして語られなくてはならない。農業従事者に対する見返り措置だが、あくまで新農政に基づいてということだ。 今回の凶作は、総理は、天からの恩恵、天からの恵み、まことにラッキーだった、減反分への補償は凶作のためにほとんど考えなくてよいということで、四十万トン分を生産量から減らすということは大変なことだから、平年作に換算してどういうことになるかということを考えると非常にうれしいことだ、こんな話をあなたはしておられる。そして、このときに、既に六年先のことも検討に入っておるだろうということを七日の時点で言っていらした。 しかも、許すことができないのはあなたのこの考えなんだ。ばらまき的な施策はやらなくてはならないだろうし、政治的な配慮も必要だろうけれども、「たとえやっても極めて少額になる。」第二種兼業の農家は「新農政でやる気のある人に譲ってもらうということなのだから、大きな声では言えないがほっておいても十年か十五年すればいなくなる人たちだ。しそういう人たちの転作支援のために金を出すような考え方は政権内部にはない。何と恐ろしいことを、あの熱心に予算委員会で一生懸命審議しておる最中にあなたは語っておられるわけであります。 時間がありませんから、最後に行きますけれども、政治日程についてお話しになっております。一つは、消費税の引き上げ、景気回復についてでありますが、これについては、日笠さんと飲んでおったんだけれども、あの辺もおおむね了解をしてくれておるようだ。 さらに、政治改革を優先的に進めて、景気対策はその後だという基本線はいささかも揺らいでない。だって考えてみればわかることだが、政治改革で選挙制度を変えてしまえば、与党にいる社会党や公明党は与党から離れることができなくなるじゃないか。与党を離れたら当選できなくなるんだから。そのくさびができていないから、税制改革を含む景気対策に取り組むならば、与党がまとまった形をつくっておかなきゃならぬ。十二月の七日の夜九時半から十時半の間に、あなたはこんな恐ろしいことを言っておるわけです。あなたのお考えを聞きたい。
○藤井国務大臣 一つ一つそれは覚えていないのでございますが、一つは農政問題について、私は新農政、これは前内閣で決めていただいたことでありますが、これは極めて大事な方向であるという趣旨のことを申し上げたと思います。もう一つは、やはり政治改革は大変大事なことであるということも申し上げました。 個々の言葉については、実は今覚えておりません、申しわけございませんが。
○野中委員 私は、凶作に悩む農民の心も知らないで、一国の政権の中枢にある大蔵大臣が、中山間地の農民なんてどうせ十年か十五年したら死んでいってなくなるんだ、そんな心ない話をしておったことは絶対に許すことができません。改めてあなたの責任を追及をしたいと思うのであります。 ところで、輸入米の内外格差の問題でありますけれども、消費者には輸入した価格に上乗せをして、そして、その上乗せをした差益は農業共済に充てるということを前の畑農水相、現在の通産大臣はおっしゃいましたけれども、どれだけの額がどのようになるのか、農水大臣にお伺いをしたいと思います。
○畑国務大臣 御案内のとおり、この輸入米の取り扱いは現在も進行中であるわけでございます。トン当たり、これは粗っぽい数字で申し上げるわけでございますが、いわゆる三十万トン対例えば五万トン、その差が二十五万円。それに対しまして、諸掛かり等々を考えますと、例えば百万トンであれば大方二千万円近くなるのかなというようなことがただいま念頭にあるわけでございます。
○野中委員 生活者、消費者重視の内閣だと言っておきながら、私は、結局は……(「二千億でしょう」と呼ぶ者あり)二千億でしょう。結局は差額の二千億は消費者から、高く消費者に売りつけて、そして、農業共済というのは相互扶助ですから、結局国費の入れるものを助けようというわけじゃないですか。これは消費者重視の政策でも何でもありません。 次に、今日もう完全に現行の食管制度は崩れてしまっておるわけでありますけれども、農水大臣、改めて食管制度をどのように考えておられますか、お伺いします。
○加藤国務大臣 お答えする前に、先ほどの畑通産大臣がお答えしました外米、輸入米の差益の問題は、昨年暮れの国会において特別措置法によりまして共済保険関係に補てんさしていただくという法律が通過、成立し、その線に従って処置しまして、実は先般、第一回分として農業共済再保険特別会計の農業勘定へ四百八十億円繰り入れをさしていただいております。 またその件につきましては、全国農業共済関係の皆さんが国民の多くの皆さんに感謝するという言葉を出されておることを御報告さしていただきます。 それから、食管会計の問題につきましては、昨年暮れ、たしか十二月十七日だったと思いますが、ミニマムアクセス受け入れに伴うところの閣議了解というのが行われたわけでございますけれども、その間にいろいろ議論し、方針を決めていただいたわけであります。 そこで、私たちとしましては、ミニマムアクセスを受け入れた問題、そしてまた昨年の前古未曾有の不況という問題、そしてこの二月、三月にありました平成米騒動、これはまあ備蓄問題になるわけでございますが、こういった問題を幅広く議論し、検討し、そして、ただいま農政審議会において全国各地の皆さんの御意見を承っておるところでございますが、これらを総合的に勘案しまして、国民に安定的な食糧を供給し、また生産者である農民が再生産への意欲を持つような線を十分加味しながら今後やっていきたい、こう考えておるところでございます。
○野中委員 なお、ことしの四月の五日、新生党の小沢代表は新農政を批判をされまして、米は自給をするべきなんだ。五倍でも、高くても現在のいわゆる農業をそのまま進めていけばいいんだよ。おれはずっとこの五年、十年言ってきたけれども、農水省は新しい知恵とか発想をしないんだよと、全中の会長との懇談を自分の後援会の便りにもすべて載せていらっしゃいます。政権内部で新農政に対する考え方の違いがあるのでございますか。 もう一つ、先ほど草川議員の発言で、総務庁長官がいわゆる農振地域の宅地の解除について、何かテレビを見ている農民は、もう農振地域はすべて宅地に転換できるようなそういう印象を持つような回答になったと思うのですが、農水大臣、お考えがありましたらお伺いします。
○加藤国務大臣 後段の分につきましては、先ほど石田総務庁長官が草川委員に対する質問にお答えいたしましたが、昨日の土地・住宅の部会におきまして私はこういうように発言いたしております。 それは、耕作放棄地が首都圏において四千四百ヘクタールある。これはもう既存の事実でございます。それについての専門委員の皆さん方の御意見の両論が披瀝されまして、その中でどうするかという言葉がありましたから、今後農地としてやっていくところはさらに集約して農地としてやっていきます、農地に適さないところがあるんなら、それは転用、転進を考えます、そういう問題について早急に調査を開始いたしたい、こういうように私は申し上げておるところでございます。 すべての農地をやめさして宅地に転用するという趣旨ではなく、耕作放棄地の問題についての議論の一端であったということをこの席をかりましてはっきり申し上げておきます。
○野中委員 なお、時間が余りありませんので、一つ飛んで、通産省の内藤局長問題に関連して、あわせて公務員問題についてお伺いをいたしたいと存じます。 通産省内藤局長の退任についての各種の報道によりますと、この局長の辞任は、実質的には解任と世に言われておるのでありますけれども、当時の熊谷通産大臣によれば、棚橋前事務次官の子息の総選挙出馬に対して箔づけの人事をやった、これをきっかけに省内に怪文書が流され省内を暗くした、以上の二点とされておるのであります。 その辞職勧告から内藤氏が辞表を提出するまでの異常な事態、時には省内の若手からの解任反対運動、あるいは本人から辞職理由を問われて、きょうは来てもらっておると思いますけれども、熊野事務次官が声を上げて泣かれたという、そんな報道さえされております。実際のところ、その二点では、産業政策局長という次期事務次官ポストとも言われるこの人の解任理由にはならないと思うのであります。 また、解任の時期というのは、普通、国会の終わった六月の定例異動のときに交代してもいいのに、昨年の十二月、景気対策の最も重要なこの時期に通産省の対策の責任者の首をすげかえるというのは全く理解ができませんし、内藤氏は日米交渉にも重大な影響を持つ人であったと聞いておるのであります。そして、熊谷さん自身も出馬をされるときには、箔づけ人事で出馬をされたと私は聞いております。 さらに言うならば、熊谷大臣が大臣就任の直前から内藤氏の首切りを考えていたのではないかと言う人もあります。また、国会において公明党の、今郵政大臣として座っていらっしゃいますけれども、日笠代議士のやらせ質問とも言われる質問がございました。 この際、私は、いわゆる役所の責任というのは、個人の犯罪行為は別として、事務方の責任は事務方のトップがとるものであります。これからの役所の秩序のあり方を考えるときに、熊野事務次官のこの一連の処置についてのお考えを聞きたいと思います。
○熊野説明員 たくさん委員から御指摘ございましたので、全部にお答えできるかどうかでございますけれども、いずれにいたしましても、役所の幹部の人事は、次官が事務方の責任者としていろいろ考えた上で大臣に相談をするのが一般的な慣行であると思います。また、当然のことでございますけれども、重要な人事案件につきましては、あらかじめ大臣の意向等も踏まえながら人事を考えるということもまた当然でございます。 いずれにいたしましても、本件につきましては、私が当時の熊谷通商産業大臣と十分な相談を行った上で決定をしたものでありまして、また、そういう中で私から正式に内藤前局長に辞職の勧奨を行って、最終的には本人の御判断で辞職をいただいたものであります。 その間、いろいろ少なからぬ動揺が生じたことはまことに遺憾ではありましたけれども、通産省の行政にいっときといえども停滞があってはならないというふうに心いたしまして、私といたしましては、全力を挙げてその当時の諸問題に取り組んだつもりでおります。 本年二月に産業政策局長を中心とする幹部異動を行いまして、体制も整備確立をして、人心を新たにして内外のいろいろな問題に全力を挙げて、省を挙げて取り組んでいるところでございます。 いずれにいたしましても、ただいま申し上げましたように、この人事は省内の人心一新を図るために行ったものでありますので、その点よろしく御理解を賜ればと思います。
○野中委員 時間がありませんので、一緒にお伺いをしておきたいと思います。 通産省は、いわゆる怪文書が通産省の内部の作成であるということを認めて、情報が流出しないようにされたと聞いております。そうであるならば、省内を怪文書によって暗くした張本人である怪文書の作成者は何の処分もなく、一人の局長だけ処分するのは全く一方的な処置だと私は思うのであります。 しかも、内藤氏や若手の官僚たちが怪文書の犯人を探すように再三にわたって大臣官房に要請しているにもかかわらず、熊野次官も牧野官房長も何の調査もしていない、これは一体どうなるのかと思うのであります。この怪文書は通産省内のある特定のグループが作成に関与したと私どもは聞いております。これは公然と指摘をしておる人があります。いわゆる怪文書について、私は事務次官の説明をこの際聞きたいと思います。 さらに、この特定グループが新生党の小沢代表幹事と親しい関係にあり、また、この人たちが小沢さんが発行されました「日本改造計画」の執筆グループの一員であったとも言われております。さらに、九一年に小沢さんが旧ソ連に赴かれたときに二百四十億ドルの経済援助プランの構想をぶち上げたが、この構想プランは、熊谷さんをその仲介役として、その特定のグループが関与して作成したという指摘があるのであります。 もし事実であれば、これは外務省、大蔵省等に対する重大な越権行為でもあるし、当時からこの特定グループが小沢さんや熊谷さんと親しい関係にあったという証拠を示すという人もあります。ソ連の崩壊によって不発に終わったわけでありますけれども、最近もロシアを訪問されておりますし、私どもにはまことに不可解に思うのであります。今回の人事も、その特定グループを優遇するためにとられた処置ではないかと推定をされるのであります。 また報道によると、この特定グループに関連をして、通産省と株式会社IBC、インターナショナル・ビジネス・コミュニケーションズという会社が取りざたされております。この会社は営利を追求する株式会社でありながら、通産省の関連団体となっております。そしてこの会社は、日本の産業界の代弁者として対米PRとロビーイングを目的としている。そこには日本自転車振興会、さらに日本小型自動車振興会から公的資金が入れられ、さらに日本自動車工業会、日本電子機械工業会、日本電子工業振興協会、日本機械工業連合会を通じて株式会社IBCに恒常的に金が流されております。しかも、それを年間予算として使い切っているのであります。平成五年度までに、単純計算しても二十八億円もの巨額な資金が投入されていると言われておるのであります。 通産省に確認をしますが、こうした業者団体が金を流し込む組織にしては、その活動実績が極めて乏しいのであります。また、小沢一郎さんが会長のジョン万次郎の会に一千万が寄附をされたとも言われておるのであります。この会社の設立趣意、発起人、また通産省がどんな形で関与しているかを具体的に、これは時間がありませんから、資料として提出をされることを委員長に要望をしておきます。 報道をされるところによりますと、IBCは通産省内では高島章環境立地局長の会社、いわゆる高島カンパニーと呼ばれており、機械情報産業局の所管で、高島氏の腹心である中野氏が中心となって設立をしたと言われております。 IBCの金の使い道は、上部団体であるIBCC、海外ビジネス・コミュニケーション評議会の運営委員会が審議検討をし、許可を行っておるが、このメンバーにも通産官僚が入っておって、中野氏や伊佐山氏などの特定グループが入っておるのであります。IBCの経理は通産省の職員が一手に握り、その実態はわからない仕組みをつくっているのであります。以上のことから、株式会社IBCが通産省のトンネル会社であると言われても不思議でないのであります。 ちなみに、高島さんは渋谷の松濤に超高級マンションを賃貸をして、週刊写真誌では敷金が六カ月、月百三十万の家賃だと言われて、また代々木には億ションを所有しておられるというのです。国家公務員ではとてもできない生活状態と言われております。国税庁等の調査が必要であり、総務庁も関心を持つべきであると思うのであります。今の体制では、通産省の自浄作用はとてもやれない、そういうことを言う人もあります。 この際、私は、この申し上げた状況について、熊野事務次官の御所見をお伺いしたいと思います。
○熊谷国務大臣 全体に私のほとんど知らない話を御指摘されていましたのですが、一つだけ、ソ連との関係で私が関与した二百四十億ドルのプロジェクトどうの云々というのは、これは全くのでたらめでございます。当時も新聞に報道されて、我々も愕然としたわけでありますけれども、あれは当時輸出商談が行われているものをリストアップしまして、日ロの間にこういう商談が行われているということを私自身が調べたことはございますけれども、これを経済プロジェクトとして供与したというようなことは全くございませんので、この点あらかじめ御説明させていただきます。
○熊野説明員 通産省の大事につきましては、先ほども申し上げましたように、常に公正中立、成績主義、適材適所という基本方針にのっとってやっておりまして、御指摘のような、いろいろなことによって人事が曲げられるような、そういうことは一切ないということをこの席で断言をさせていただきたいと思います。 それから、IBCについていろいろな御指摘がありましたので、これにつきましては、担当局長の方からお答えをさせます。
○野中委員 資料でください、時間がありませんから。
○山口委員長 IBC関係について野中委員から御要求のありました資料につきましては、理事会において協議をいたします。
○野中委員 時間がありませんので他の質問は終わりたいと思いますが、熊野事務次官は、国民福祉税のときにも、あるいは景気対策についても、大蔵省の斎藤事務次官と一緒にマスコミを回ったり、各財界団体を回ったり、異常なことをやり、通産省は景気対策についても、それぞれ財界にこれを評価するファクスを流してくれるように注文をしてみたり、非常に異常な状態をやっていらっしゃいます。 この点は、残念ながら時間がありませんので次に譲っていきたいと思いますし、せっかく人事院の総裁を初め関係の皆さんに来ていただきましたけれども、亀井議員に渡す時間になりましたので、私の質問を以上で終わります。(拍手)
○山口委員長 この際、亀井静香君から関連質疑の申し出があります。深谷君の持ち時間の範囲内でこれを許します。亀井静香君。
○亀井(静)委員 亀井でございます。 羽田総理、このたびは御就任おめでとうございます。内外ともに大変なときでありますが、ぜひ頑張っていただきたい。 ただ、総理、先日、雨の中を渋谷の街頭に出られて、何か少数政権で思うようにいかぬというように愚痴っておられましたが、細川さんには似合いますけれども総理には似合いませんので、官邸にどんとお座りになって、景気対策を含めて強いリーダーシップを発揮をいただきたい、このようにまずお願いをいたしたいと思います。 昨年の夏、御承知のように経済のバブルが崩壊いたしましたけれども、その後、政治のバブルともいうべき現象が起きてまいりました。現在も引き続いておるわけでありますけれども、今国民の中には、景気も大変心配だけれども、あわせてこの政治のバブルの泡のかなたに、政教一致の強権政治があらわれてくるのではないかなということを大変心配をしておられる。 先日、五月十二日も、そういうことから宗教団体あるいは民間の言論人、有識者の方々が四月会という会をおつくりになりまして国民運動を開始をされておる、そういう状況は御承知かと思います。 〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕 総理御案内のように、我が国は戦前において宗教団体が、これは創価学会を含めて弾圧をされるという非常に不幸な歴史がございました。また、言論の自由も抑圧された。二度とこれを繰り返してはならぬということで、現在の憲法におきましても、十九条、二十条、二十一条と、内心の自由の確保を含めて、宗教の自由、言論の自由の確保を憲法の基本としてうたっておることはもう御承知のとおりであろうと思います。政治が宗教を支配してもなりませんし、また逆に宗教が政治を支配してもならぬということであろうかと思います。 先日総理は、このたびパートナーを組んでおられます公明党について、宗教政党だというようなことも言っておられましたけれども、この憲法上の規定、総理であれば当然遵守をしなければならない責務があるわけでありますが、総理として現在どういう配慮、配意をされておるか、まずこの点をお伺いをいたしたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 憲法の定めます政教分離、この原則は、憲法第二十条の第一項前段で規定をする「信教の自由」の保障を実質的なものにするために、国及びその機関が国権の行使の場において宗教に介入し、または関与することを排除する趣旨であります。また、政府といたしましては、今後ともこのような政教分離、この原則を踏まえながら国政に当たっていく考え方であるということを申し上げたいと思います。 なお、この間、私は宗教政党という発言を確かにいたしました。というのは、あそこにはドイツの方々なんかがちょうどいらっしゃいましたところで、やはり宗教の名前のついた政党なんかもいらしたもので何げなくしゃべったということで、それはそういう意味であったということを御承知いただきたいと思います。 〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕
○亀井(静)委員 石田総務庁長官にお伺いいたします。 長官の率いておられます公明党、昨年の選挙におきまして創価学会員の献身的な選挙活動を含めて躍進をしたわけでありますが、当時の公明党の公約、政治理念というのは、一言で言いますと、穏健な平和主義を希求をするということであったというのを私は記憶をいたしております。そういう意味では、自民党と非常に共通する点もあるわけでありますけれども、それで選挙を勝ち抜かれたというように私どもは承知をいたしております。 ところが、選挙が終わりましたら新生党とパートナーをお組みになった。私の親しい創価学会の会員の方も、当時目を白黒したわけでありますが、私は、新生党を批判をするつもりはございません。政党である限りはいろんな主義主張を持つのは当然でありますが、ただ新生党が、従来自民党において非常に問題だなと、反省しろと自民党に対して強く言われた部分を大部分引きずって党を結成されたということは、これは国民周知の事実であります。 また、御承知のように、その実質的リーダーであります小沢さんの理念、これは、国連決議があれば軍事行動にまで踏み込むという、また、そういうことについて憲法解釈を非常に柔軟にやっていこうという、いわば公明党の穏健な平和路線とは私どもどう考えても対極にある、そうした新生党があっという間に手を結んで、政治のバブルが御承知のように始まったということであろうかと思います。 ぜひ私は石田長官にお願いしたいんですが、この際、国民の前で、少なくとも創価学会員の方々があれだけ選挙を一生懸命おやりになったんですから、納得される説明を簡単にひとつお願いしたいと思うのです。よろしくお願いします。
○石田国務大臣 お答えを申し上げます。創価学会の皆様方の熱心な御支援によりまして公明党は、この前の衆議院の選挙、まずまずの成果をおさめさせていただいたわけでございます。 ただ、あのときの選挙の後に、いわゆる八会派におきます連立政権ができたわけでございまして、確かにそのときの軸になりましたのは新生党であり公明党であったと思いますが、しかし、そこには社会党がいらっしゃり、民社党もいらっしゃる。日本新党、さきがけ等がいわゆる新しい時代の政治を目指して結集し、合意事項をつくって、そして政権を担当するという形になってきたわけでございます。 その後、この八カ月の間にいろいろな議論がございました。先回、特に改新ができないきさつ等、そういった御事情はもう全部存じのとおりでございますが、そういったところから今回の政権も、いわゆる公明党、新生党が中心という、しかしそこにはまたもちろん民社党の方からも三人の大臣が出ておるわけでございます。いわば連立政権でございます。そういった意味で、そういった連立の協議の中で政府・与党会議等をやりながら、いろいろな問題を詰め、決定をいたしておるわけでございます。 そういった御事情はもう十分亀井委員御存じのとおりでございますが、今御指摘のところのいわゆる小沢氏のいろいろな国連加盟への考え方、そういうようなものは、私はまだ、新生党の中で議論をして、新生党の政策として固まったものとは一度も承ったことはございません。そういった意味合いにおきまして、私たちが今後そういった国連活動をする際については、公明党は公明党としての平和路線をしっかりと踏まえた議論をしてまいりたいと思っています。
○亀井(静)委員 このことは、委員長にお聞きすること自体が間違っておったかというように私は思うわけでございますが、再度ちょっと委員長にお聞きします。 前の公明党の委員長の矢野さんが文芸春秋で、公明党の最高人事というのは池田大作氏によって事実上決まるというようにとられても仕方がない、そうした文章を載せておられたことは事実であろうと思うのです。長官にお尋ねしますが、現在の公明党も同様、最高人事、池田大作氏の意向、指示によって決まっておるのかどうか、お伺いしたいと思います。 なお、ちょっと時間がございませんので続けて申し上げますが、このたびの連立の組閣人事、また、昨年度の組閣大事について、池田大作氏から具体的な御指示がありましたか、あるいは具体的な協議をされましたか、簡単にお答え願いたい。
○石田国務大臣 公明党の人事はまさに公明党でやっておるわけでございまして、池田先生から御指示があったとか、そういうようなことはございません。特に、私が委員長になりましてもう五年になりますけれども、あのときの新聞等をごらんいただければわかるんですが、一般紙にも、今度の大事について創価学会の方から何か注文を出すとか、そういうようなことは一切ないということを学会が言っているというような記事が、たしか朝日新聞か毎日新聞かと思いますが、出ております。 そういうような状態で、やはり人事、政策というのは大会を通して決めるわけでございますから、そのような御懸念は必要ないと存じます。
○亀井(静)委員 それでは、ちょっと具体的なことを前提にして、再度同じことについて御答弁をお願いしたいと思います。 昨年の八月八日、これは連立政権の組閣される前であります。前日ですね。第六十八回の本部幹部会におきまして池田大作名誉会長が、組閣前ですよ、公明党の大臣のポストが、労働大臣、総務庁長官、郵政大臣、これを強く示唆した発言をしておるということ、聞いておられるかどうかでありますけれども、こういう事実がございます。なお、このときに池田名誉会長は、あしたぐらいデエジンが、大臣じゃなくて、まあなまりがあるのか知りませんが、デエジンがどんどん誕生する、これは創価学会幹部皆さんの部下だということをはっきりと言っておられるのですね。創価学会の幹部の部下だということを池田大作さんは言っておるわけです。 なお、同じ幹部会で、秋谷栄之助会長が、池田先生は先日、宗教革命は即政治革命、政治改革につながっていく、それが歴史の方程式であると述べられました。また、学会は日本の動向を決する柱であり魂である、学会があればこそ新しい政府の夜明けを開くことができると私たちの使命と確信を明確に与えてくださいましたということを、この幹部会で秋谷会長は言っておられます。 なお、昨年の選挙におきましては、中部地方に対しまして、池田会長は「大中部 巌と勝ち抜け朗らかに 天下とる日は 今こそ勝ち行け」、こうした和歌を激励として贈っておられます。 こうした幹部会における組閣前の池田会長の言動からして、先ほど長官がおっしゃったように、 一切そういう指示なり協議はしておらぬとおっしゃるということは、私はどう考えたって納得いかない。もう一度答弁をお願いします。
○石田国務大臣 同じような御質問が参議院でも衆議院でもあったわけでございますが、当時の状況をずっと思い起こしていただければおわかりいただけるんじゃないかと思うのですが、いわゆる公明党が政権の中に入って大臣のポストというようなことで、いろいろな新聞がいろいろな角度から予測記事をずっと出しておりました。 私はやはりそういう中での、池田先生がもしそういったことをおっしゃったというのであれば、それはそういう予測のたぐいのものであろう、そういうふうに認識をいたしておるところでございます。
○亀井(静)委員 私は納得をいたしません。それではやむを得ませんので……(発言する者あり)
○山口委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○山口委員長 それじゃ、速記を起こしてください。 亀井君。
○亀井(静)委員 私といたしましては、国民の皆様方にぜひ聞いていただきたい、そういう気持ちでいっぱいでございますが、今後の扱いにつきましては御協議をいただきたいと思います。 石田長官、長官に申し上げます。 このテープ、ダビングでもいたしまして後でお届けしますから、本物かどうか、声紋で鑑定をしていただきたいと思います。その上で、もし今の公明党が池田大作氏に支配をされておられないということであれば、私は、少なくとも抗議をされる内容だというように思うのです、公党として。かつ、私は、名誉棄損でやはり池田会長を公明党としては訴えられる、そういう処置をとられるべきことが中に入っている、私はこのように思います。後でお渡ししますから御検討をいただきたいと思います。(発言する者あり)先ほどちょっと簡単に言いましたけれども、時間が余りないですから。時間をくれないのだからしようがないでしょう。 次に総理、総理に申し上げます。 今こうして新しい布陣で御出発なさったわけでありますが、先ほど来私が申し上げておりますように、国民は、羽田内閣の背後に、テープの声その人そのものが羽田政権の背後にいるというように国民は思っておるのですよ。そうして三分の一、羽田内閣の三分の一を公明党の所属の大臣で占めておられるということなのですね。憲法二十条に御承知の規定がありますね。いかなる宗教団体も、政治権力を行使してはならないとなっている。池田大作氏が、大臣は創価学会の幹部の部下だと言っているのですよ。そうでしょう。池田大作氏が創価学会の幹部の部下だと言っている大臣が六名も国政のそれぞれの部署の最高責任者として行政を担当しているのですよ。私は、この事態は羽田総理としてはやはり深刻に受けとめていただきたいと思うのです。 まあ、幸いかどうか知りませんが、社会党の大幹部が今もう一度戻りたいというようなことを言っておられますから、恥も外聞もなく社会党の方に入っていただいて、色を薄められたらどうですか。私は、今のままの羽田政権、これは間違いなく国民はそういう目で見ておる。そういうことをぜひひとつ御認識をいただきたいと思います。 総理、ちょっと感想で結構でございますからお答えください。
○羽田内閣総理大臣 今いろいろな御指摘があったわけでありますけれども、少なくも公明党の皆さん方、これはやはり公明党という名前を名乗りながら選挙に打って出て、そして国民の多くの方の支持を得ながら当選されておる方たちであるということであります。ですから、その意味でやはり国会を構成するメンバーであるということをぜひ御理解いただきたい。 それから、今のテープのことについて私がどうこうと言うことは、これは控えたいと思います。ただ、閣僚について何か全然違ったところでどうだというお話でありますけれども、私はこうこうこういう人をということをわざわざ石田さんに、委員長に申し上げまして、そしてその方を出していただいたというようなこともありまして、決してよその方が任命したものであるということではあり得ないということ。 それから、今の内閣を進めていくのにいろいろな注文とかなんとかというのも、特別な私たちの常識外のものを強いられたり、あるいはこれをこうしてほしいなんということを言われたことは一切ないということでありまして、実に公正に話をされておる、それぞれが非常に見識の高い主張をされておるということもこの機会にあわせて申し上げさせていただきます。
○石田国務大臣 今総理からもお話がございましたけれども、例えば浜四津環境庁長官、まさにその当日に私からお話を申し上げたという経過がございまして、本人は準備も何もなくて大変びっくりされた状況もございます。そのことをもってしても、大事につきましては、党関係は私と党の少数の幹部でやっているわけでございます。 先ほどテープの内容について池田先生を告訴すべきだというようなことをおっしゃっておりましたけれども、そういう意思は全くございません。
○亀井(静)委員 ちょっと待ってください。あなたはまだこのテープを聞いてないんですね、委員長からとめられて。中身がわからないのになぜあなたは、長官はそうした告訴の意思もなければ何もないということをおっしゃるのか、私はこの点は非常に理解できない。もう時間がありませんので答弁は結構です。 こうした公明党を事実上指揮し、支配をしておられる池田大作氏に率いられております創価学会、私はあえて申し上げます、これが残念ながら宗教法人法に言う宗教法人の適格性を失ってきたのではないかと言われても仕方がない状況に今なっておろうかと思います。 宗教法人法の八十一条一項によりますと、「法令に違反して、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる行為をしたこと。」「宗教団体の目的を著しく逸脱した行為をしたこと」、こういう場合には裁判所は請求または職権によって宗教法人の資格を取り消しすることができるという規定がございます。最近の学会につきまして非常に心を痛めておられる純真な方々、この方々が、私どものところにも、憲法二十条を考える会にも次々といろいろな情報を寄せておられます。 大げさに申し上げますと、池田大作氏の寝言まで伝わってくるような状況に今なっておるわけでありますが、きょうは、創価学会の宗教法人法に触れるような行為をいろいろな問題について取り上げたいわけでありますが、残念ながら時間がございません。特に、池田大作氏自身あるいは創価学会についての税務上の問題については、私は、国会としてももう放置できない状況に来ておる、このように確信をいたします。 きょうは時間がございませんので、国民の生命、身体、安全に直接関係のあることについて、政府に対して、私は、要望なりさせていただきたいと思います。 財務等につきましても、一言言わせていただきますと、他の宗教団体においては例を見ないようなマルPだとかあるいは接待、あるいは毎年一万円以上の額の財務を銀行振り込みという、宗教団体の御布施としては私は信じられない銀行振り込みというような形で毎年毎年膨大な金が集められておるという事実があることは、皆様方もいろいろなことで御承知と思います。 また、こうして集められた金が、SGIという宗教団体でも何でもない任意団体でありますが、これを通じて外国にどんどんばらまかれておるという実態がございます。この実態について詳細は申しませんが、中には、寄附の申し出をして断られているというような、恥をかいておられる状況もある。ブラジルの邦字新聞には、百七十万円提供を申し出て断られたということで、現地のブラジルの日系人も大変恥ずかしい思いをしたというようなこともあるようでございますけれども、こうしたことについて、法治国家である我が国において放置されることは絶対許されないと思います。 中小企業の経営者あるいは一般の国民は、ある場合には国税庁の厳しいとも言われるような調査も受けております。交際費の使途についてスナックのママのところまで調査に行かれる、また、一般の宗教法人については水子供養の名簿まで要求をされる、そうした状況の中で、ただ創価学会についてそうした状況が白昼堂々とまかり通っておる。 平成二年に国税庁が調査をいたしましたけれども、私は、守秘義務だなんてことを言っているときではない、やはり国民が納得する形で、平成二年度の調査、どの程度のことをやったのか、また、その結果どういう処置をとったかということを国民の前に明らかにすべきだと思う。 国会の中の追及によって国税庁が腰を上げて調査をやるというようなことになりますと、先ほども申し上げましたように、もう創価学会の中からありとあらゆる極秘の情報がどんどん出ておるわけでありますから、国税庁としても、そういう状況の中で国会の論議で嫌々腰を上げるというようなことをやった場合には、間違いなく大蔵省、国税庁の幹部は責任を問われる事態に立ち至る、私はこのことを断言をいたしたいと思うわけであります。 時間がだんだんなくなってまいりましたけれども、先ほど国民の生命、身体に影響のあることに限ってということを私申し上げましたが、かつて創価学会が組織的な盗聴事件とか組織的な選挙違反事件、暴行事件の数々を行ってきたということは、これは今御承知のように明白なことでありますが、最近、大石寺との対立関係の中でゆゆしき事態が全国的に発生をしておる点、これをぜひひとつ政府として、公明党が連立に入っておるからということは関係なしに、生命、身体に関することでありますから、私はきっちりと対応をしていただきたいと思うわけであります。 時間がございませんので余り中身まで申し上げるわけにいきませんが、例えば沖縄におきましては、平成六年、ことしの五月七日、木刀を持った者が住職を襲うというようなことが起きております。また、放火が起きております。また、広島でも同様、放火が起きまして、また、ダイナマイトで爆破するというような脅迫もなされております。個々にはもういろいろ申し上げませんけれども、無数の脅迫、また勢を頼んで寺院、僧侶を囲み、脅迫をする、あるいは暴行を加えるという事案が頻発をしております。一一〇番にいたしましても、これは警察庁でわかるはずでありますけれども、もう年間何百件の一一〇番での救助要請が出ておるという状況があります。 これは告訴をもってどうこうするという事案ではございません。組織による威力業務妨害が明らかに成立するような事案が非常に多いわけでありますので、私は警察当局がこれに対してはきっちりとした対応をすべきだと思います。 私も警察庁に対してそういうことをその都度お願いはいたしておりますけれども、残念ながら各県警、また警察署段階におきましては、宗教団体同士の争いだ、告訴してくれというようなことを言っておる。現場に行ってもちゃんとした処置をしないで、犯人が確保できる状況にあってもなかなか積極的なことをやらないという状況もあります。広島県警なんかの場合は、現場で捕まえたり、非常にちゃんとしたことをやっておりますが、静岡県がいけませんね、静岡県警。(発言する者あり)類推じゃない。時間がないから中身を言わないのです。私は、そういうことをきちっとお願いしたい。もう答弁結構です、時間がございませんから。 文部大臣に私はちょっと答弁をお願いしたいと思います。 先ほども申し上げましたように、宗教法人法八十一条一項に基づいて、取り消し請求を文化庁はやる権限を持っております。そうであれば、これだけの反社会的、またいろんな違法行為が積み上げられておる現状があれば、私は、当然裁判所に対して申し立てをすべきだと思うのです。これでだめというんであったら、集団的に人殺しでもやらぬ限りは宗教団体は大丈夫だということになってしまいます。私は、このことにつきまして文部大臣からぜひひとつ簡単に答弁をお願いをいたしたいと思います。 時間がなくなりますから、あわせてちょっと申し上げます。 池田大作氏が、これは私は陣頭指揮をしておるとは思いませんけれども、実質的な最高責任者である以上は、その責を免れない。また、政教分離について秋谷会長が昨日、それをやるというようなことをおっしゃいましたけれども、過去そういう発言があっても同じことが繰り返されておる。私は、池田大作氏自身が国会に出てこられて、そして政教分離の問題、そうした社会的にいろいろ問題になっておる各種の違法行為の問題等についてきっちりとこの国会において説明をされ、今後の方針等について御説明をされる必要がある。私は池田大作氏の証人喚問を委員長にお願いをいたしたいと思います。 それで、どうぞ文部大臣、ちょっと先ほどのあれに答えてください。
○赤松国務大臣 先生の御質問は、宗教法人法八十条に規定する認証の取り消しということでございましょうか。もしそうでございますと、認証の取り消しは当該認証証書を交付した日から一年以内に限り行えるものということになっておりますので、この場合は該当いたしません。 それで、八十一条の方は、一定の事由があると認めるときは裁判所が宗教法人について解散命令を出すことができるという規定でございます。こちらの方でございますと、一定の事由があるかどうかという問題になると思いますが、現在創価学会の所轄庁は東京都知事でございまして、東京都の知事から創価学会が宗教法人法八十一条の解散事由に該当しているという報告は受けておりません。
○山口委員長 なお、亀井君から御要求の証人喚問の問題につきましては、理事会において協議をいたします。 これにて深谷君、衛藤君、野中君、亀井君の質疑は終了いたしました。 次に、志位和夫君。
○志位委員 私は、日本共産党を代表して、羽田総理並びに関係閣僚に質問するものであります。 まず、永野前法務大臣の問題と過去の戦争に対する首相の基本認識についてお伺いしたい。 問題になった永野発言というのは、戦前の天皇制政府、軍部さながらの言葉で、あの戦争について全面的に肯定、美化したもので、大変驚くべき内容でした。全世界でこの発言の内容が報道されまして、戦後半世紀たってもなお日本はあの戦争を反省していないのか、こういう憤激を呼び起こしました。 私、辞任は当然ですが、辞任すれば一件落着にはならない、このことを言いたいと思うのですね。ああいう人物を法務大臣に任命した首相の任命責任が、私は今厳しく問われているというふうに思います。ところが首相から出た言葉を聞きますと、所信表明演説でも、それから本会議の答弁を見ましても、結果として残念だった、この一言なんですね。私は、反省の言葉が全く聞かれないというのは、これは大変異常に受け取りました。 そこで、私、総理に伺いたいのですが、総理はああいう人物を任命したことを間違いだった、任命したこと自体間違いだったということをお認めになりますか。
○羽田内閣総理大臣 結果としてそういうことになるのかもしれません。 ただ、私は永野さんとは一緒にEUの、かつてのECですね、この会議なんかで、例えばこういった戦争の問題ですとかそういったことを一緒に実は議論をしてきました。そういう中で、非常に人格がしっかりしているということと、あるいは戦争というものはやはり起こしてはならないんだということを非常に明確に実は認めている方でございまして、私はそれを信頼しておったものですから、結果として残念であったということを申し上げておるということであります。
○志位委員 今の答弁を聞いておりますと、結果として残念だった、つまり、任命そのものは間違いじゃなかったけれども、いろいろと経過があってああいう発言があったから結果がまずかったということになるわけですね。任命の反省がない。私はここが非常に重大な問題だと思うのですよ。 それで、今平和を愛する人だとかいう話をされましたけれども、私、あなたの任命責任という問題を憲法に照らしてきちっと吟味してみる必要があると思います。 御承知のように、憲法六十六条二項では、総理大臣その他閣僚は文民でなければならないという規定があります。そしてこの文民とはという問題については、旧陸海軍の職業軍人であって現在なお軍国主義思想に深く染まっている者は文民とはみなさないという政府の統一見解がございますね。あなたはこれをよく考慮の上で任命したという答弁をされました。しかし、永野さんという方はもう戦前からの職業軍人、ああいう発言を見れば、私は、この文民規定の違反だった、これは明白だと思うのですね。その点で、こういう問題について我が党の議員が参議院の本会議で質問しましたら、あなたはこう答えた、永野氏は軍国主義思想の持ち主でないと。 しかし、私はこれはとんでもない話だと思うのですよ。あの永野氏の発言というのは、単に南京事件はでっち上げたったというだけじゃないのですよ。あの戦争目的について、あれは植民地解放の戦争だった、大東亜共栄圏確立のための戦争だった、戦争目的としては、当時としては許される基本的に正しいものだったということまで言っていますね。 それから、それに加えてこういうことも言ったわけです。戦争は、日本がつぶされそうだったから生きるために立ち上がったものであって、日本の状況をそこまで持ってきた諸外国が問題だった。これは結局、あの戦争の原因は連合国側にあったという話になるわけですよ。まさに当時の軍部が、自存自衛、大東亜共栄圏、こういうことをスローガンに戦争に突っ走ったそのままじゃないですか。あなたはこういう思想が軍国主義思想ではないとおっしゃるのですか。
○羽田内閣総理大臣 戦争が起こるにはいろんな理由があること、そしてまたいろんな議論があるということ、これは私も承知しております。 しかし私は、永野さんと今まで実はずっとおつき合いをしてきまして、いろんな議論をともにしてきたのですけれども、軍国主義の思想に染まった人であるというふうには受けとめておらないわけであります。 しかし、いずれにしましても相手の、要するに近隣の諸国ですね、日本の国がどう思おうと、その戦場になったところあるいは日本が植民地化したところ、こういったところの人たちが耐えがたい苦しみとか痛みというものを持ったということ、これもまた事実なんですね。そのことを私たちはやはり反省し、そしてそういった方々に対しておわびをするときはおわびをする、そして行動していくということが今私たちに求められているのだろうというふうに私は理解をしながら、数年前からそういったことをそれぞれの場所で申し上げてきておるということであります。
○志位委員 永野氏の思想を軍国主義思想でないとあなたが言い切るのは、私は本当に異常な話だと思うのですよ。今までつき合ってきたと言うけれども、じゃ、あなたはこういうことを知っていますか。 一九八八年に、当時の奥野国土庁長官が問題発言で辞任されたことがありましたね。あの戦争は植民地を解放するためのものだった、あるいは日本には侵略の意図はなかった、こういう発言でした。そういう侵略戦争の肯定発言で引責辞任をした、こういう問題があったのですね。そのとき、ちょうどこれは八八年の五月十八日ですが、「奥野発言を支持する国民の集い」というのがやられています。これが行われて、奥野発言を全面的に支持するという決議文まで上がっているのですよ。 これは、呼びかけ人は別の人ですけれども、賛同人に国会議員が四人おりまして、このうちの一人が永野さんなんですよ。ですから、奥野発言を、ああいう発言を全面的に支持する、その集会の賛同人になった、これは自分の思想もそうだということですよ。ですから、あの永野さんの発言というのはたまたまあったのじゃない。いいですか、たまたまあったのじゃない。もうずっと一貫した、いわば確信、みずからの思想としてあったものなんですね。 あなたは、この奥野さんの問題での集会の賛同人に名を連ねていたということを知っていましたか。知った上での任命ですか。知っていたか知っていないか、答えてください。
○羽田内閣総理大臣 承知いたしておりません。
○志位委員 承知いたしておらないという、それは無責任ですよ、あなた。大体もともと永野さんというのは職業軍人という経歴を持っているわけで、ずっとああやって防衛庁の高官まで上り詰めてきた人でしょう。その人を二人目の、法律の上では二人目に名前が出てくる法務大臣の地位に任命するときにきちんと調べてもいない。これ自体が無責任だということになるわけですけれども、あなた、こういう一貫した軍国主義思想の持ち主を、これを軍国主義思想じゃないと言うのだったら、あなたの言う軍国主義思想というのは一体何ですか。はっきりあなたがあなたの言葉で軍国主義思想とはどういうものですか、答えてください。
○羽田内閣総理大臣 まずその問題につきましては、要するにその国の力、武力、こういったものによってみずからの思想を相手にあれする、あるいは権益というものを相手から、権益をそこに及ぼす、これがまさに一つの軍国主義的な思想であろうと思います。 ただ、私は永野さんを判断をするときに、実は、私は選挙のときにもなぜ今日本がわびなきゃいけないのか、反省しなきゃいけないのかということを訴えて歩きました。そして、我が党はそれで行動したわけですね。それに対しまして彼は一緒になって行動しておったものですから、彼の相当重要な人がそのために彼の組織を去りました。そのことを話したときに、彼はそれでいいんだ、結構ですということさえ実は言われておりました。 そして、今度のこの発言というものが起こったときに、直ちに報道されましたね。そのときに多くの国の人たちに痛みを改めてあれしてしまったことに対して申しわけないということを率直に、実はたしかわびられておったというふうに思っております。
○志位委員 撤回するということを言われましたけれども、私はあの記者会見も拝見したんですけれども、やりとりについて。まあ本当の意味で思想を撤回してないですよ。あの戦争はやむを得ざるものだったと、そういう一面があったということを相変わらず言っていますからね。まともな撤回とは言えない。 それからあなた、軍国主義思想というのは力で他国の権益を奪うものだ、それは戦前の日本の軍国主義がやったことでしょう。それと同じ言葉を永野さんは言ったわけですよ。だから、永野さんのような思想は軍国主義思想じゃないかと私が言ったのに対して、あなたの方は何度聞いても、これは軍国主義思想ではないということになると、羽田さん、いいですか、あなた自身の思想が問われるんですよ。あなた自身が永野法務大臣と同じ思想に立っているんではないかという、こういう問題を問われているんですよ。これは総理の資格にかかわる問題が提起されているということになるわけだ。 じゃ、次に進みたいと思うんです。 私がこれだけ聞いても、永野さんは平和な人だったというあなたの考え方の根本にはあなた自身の戦争観があると思うんですよ。そこを少し聞いてみたいと思うんです。 こういう憲法に対する無責任の根っこにあるあなたの侵略戦争に対する認識なんですけれども、あなたは所信表明演説の中で、過去の戦争について我が国の侵略行為があったということは認めました。しかし、侵略戦争という認識は述べられなかったわけですね。それで、この点我が党の不破委員長が代表質問で、なぜ侵略戦争と言えないのかというふうに聞かれて、あなたは、侵略戦争という用語の意味はいろいろある、こうしてあくまで侵略戦争という認識を述べることを拒否されました。 しかし羽田さん、これは用語の問題でごまかせる問題じゃない。歴史の判定が下った問題なんですよ、あの戦争に対する評価というのは。この歴史の判定が下った問題について、一人の政治家であるあなたが一体どういう判断を下すのかという問題ですから、あれこれの用語の問題、学問上の問題、定義の問題じゃない。あなたの普通の言葉でこれは語っていただきたい。侵略戦争と言えないんですか。
○羽田内閣総理大臣 侵略戦争という言葉は、何で侵略行為というのでいけないのでしょう。
○志位委員 ここの言葉の違いは非常に大きいんですよ。いいですか。私はなぜ侵略戦争と言えないのかということを聞いているわけでね。侵略行為ということになりますと、これは個々の軍隊が出先でいろいろとまずいことをやった、不法なことを働いた、そういう個々の行為の問題という言い抜けもできるんですね。羽田さん、よく聞いててくださいよ、大事なところだから、あなたの質問に私は答えているんだから。いいですか。 侵略的行為といったら、個々の軍隊が出先でやったいろいろな行為に間違いがあったということでの言い抜けができるんですよ。しかし、侵略戦争ということになれば、あの戦争の全体の性格、目的が侵略であったという戦争の全体の認識になるんですよ。これは全く次元が違うんです。だから、侵略行為でごまかさないでいただきたい。侵略戦争と言えるかどうか、はっきり答えていただきたい。
○羽田内閣総理大臣 ちょっと今調べさせておりますけれども、国連憲章にも侵略的行為という言葉でたしか書かれていたと思いますので、今調べております。 しかし、私は、行為、結果そのもの、いろいろな人があったと思いますよ、あのときのいろいろな考え方の中に。しかし、結果としてまさに耐えがたい苦しみや悲しみというものあるいは痛みというものをもたらしてしまった。これに対して私は、反省し、そしておわびしながら、日本の国は こういったことを起こさないようにしていきましようということを言っているんですよ。なぜそんなにあなた自身が言葉にこだわらなきゃならないのか。
○志位委員 私は、今あなたの答弁をなかなか興味深く聞いたんですよ。結果として問題だった。 じゃ、私は逆に問いたいんですけれども、戦争目的が侵略だった、あなたはこう認識しているんですか、それとも、結果がいろいろあったけれども目的にはそれなりのものがあった、どっちなんですか。
○羽田内閣総理大臣 それは実際に傷つけてしまった、しかも、あのときにどんな理由があろうとも、日本が例えば勝てない戦争というものを主導しちゃったとか、そういったことに対してはいろんなやっぱり問題があります。それから、中にはやっぱり権力を伸ばそうと考えた人もあったろうというふうに思います。いずれにしましても、それにはいろんな複雑なあれがある。 そこで、国際的にも、たしか国連憲章だったか何かにも侵略行為というような書き方がされていたんじゃなかろうかというふうに考えておりまして、ちょっと今これはまだ資料を持っておりませんので……
○志位委員 今、国連憲章の話が出ましたので、じゃ、あなたはこの侵略戦争の問題について、その目的が侵略だとお認めにならないので、ポツダム宣言、私ちょっときょう持ってきたのですが、ポツダム宣言の第六項には、日本の行った戦争の目的を世界征服の戦争だった、こう規定していますよ。それから、国連憲章、あなたが言ったから言いますけれども、侵略的行為じゃないですよ。第五十三条には「侵略政策」。いいですか、「侵略政策しというのは、戦争の目的が侵略だったということですよ。ポツダム宣言にも「世界征服」と言っているんですから、戦争の目的が侵略ということになるじゃないですか。いいですか、あなたはポツダム宣言を認めないんですか。
○山口委員長 丹波条約局長。
○志位委員 条約局長に聞いているんじゃない。総理大臣の認識を聞いているんだ。
○丹波政府委員 委員長から御指名をいただきましたので、御説明させていただきたいと思います。 総理からも御答弁があろうかと思いますけれども、事実関係の問題がございますので、私から整理させていただきたいと思います。 先生御承知のとおり侵略戦争あるいは侵略行為といった言葉につきましては、それは、中心的な概念は、一般に他国に対する違法な武力の行使を中心的な概念といたしてはおりますけれども、これは国際法上確立した定義はないわけでございます。ですから、例えば国連憲章の三十九条に「侵略行為」という言葉がございますが、侵略とは何かということをめぐって国連の長い歴史の中で大変議論が闘わされまして、一九七四年に総会が侵略の定義というものを採択しておりますが、これも安保理が三十九条に従って侵略行為があったかどうかを決定するガイドラインにすぎないと、法的な拘束力は持っていないということになっておる次第でございます。 そういう意味で、侵略戦争とか侵略行為という言葉にはいろんな意味がございますので、先ほどから総理が申しておられる、申しわけなかったという言葉をあらわすために、この場合には文脈から考えて侵略行為が適当であろうという言葉を総理が選ばれてお使いになられた、こういうふうに承知いたしております。
○志位委員 定義の問題とか、国際法的なそういう国連憲章でどういう定義があったかということを聞いているんじゃないんです。侵略戦争という言葉は、いいですか、アジアの諸国の方々、これはみんな侵略戦争だと、日本の戦争をそう考えて いるんですよ。 あなたは私にこっちが言葉にこだわっていると言いますけれども、こだわっているのはあなたなんだ。侵略的行為としか言わないで、侵略戦争と絶対口が裂けても言わない、それはあなたなんですよ。だから、それを私は今聞いているわけで、なぜ言えないのか。ポツダム宣言には、さっき言ったように、世界征服のための戦争だったと書 いてあるんですよ。いいですか、これは国連憲章、今いろいろ言われたけれども「侵略政策」と書いてあるんです。戦争目的が侵略だったとはっきり書いてあるんです。なぜこれを認められないんですか。ポツダム宣言を認めるのか認めないのか、はっきり答えてください。
○羽田内閣総理大臣 ポツダム宣言を認めないということは、これはあり得ません。ただ、先ほどからお話しでありますけれども、私はあの戦争によって傷ついた人たち、これはやっぱりいかぬよということで、我々はこれからそういったものをきちんと腹に置きながら、そういった行為というのは再び起こらないようにしていこう、そして、本当に日本の国はこの地域というものを平和にするために一生懸命汗をかいていきましようという、まさにこれからの我々の姿勢というものは大事だと思うんですよ。
○志位委員 これからの姿勢ということをあなたがおっしゃるんで、戦争の基本認識をこれだけ聞いた。これは非常に大事な問題なんで、単なる言葉にとどまらない問題なんでこれだけ聞いたんですが、これだけ聞いても侵略戦争という言葉をお認めにならないというところに、私は今の羽田政権の性格が非常に世界にとって重大なものだということを言わざるを得ません。 私、例えばこれは先ほどあなたの答弁の中で、いろいろな理由があったと、戦争を行うには。これは確かにあなたは読売新聞の報道によるとそういう認識を述べています。四月二十三日の会見で、太平洋戦争についてこうあなたはおっしゃっている。あの時点では、日本としては武器を持っても立ち上がらなければいけないということで、ABCD包囲網を打破するという意味で行動したんだろう、残念ながら、国際的な理解は得られない、そのためにいろんなところに迷惑をかげながら敗れてしまった、こういう発言されていますね。 あなたの考えはこうですか。太平洋戦争の開戦にはそれなりの理由があった、アメリカ、イギリス、中国、オランダ、いわゆるABCD包囲陣で経済封鎖がやられた、それを突破するためにやむなく立ち上がらざるを得なかった、それなりの理由があった、しかし、それが国際的な理解が得られなかったからまずかったんだと、これはあなたの見解ですか。
○羽田内閣総理大臣 それだけ話したはずないですよ。私がいつも言っていることは、そういう議論というものも実際にまじめにそう考えていた人たちもあるということ。しかし、実際に、残念ですけれども、そういったことで本当に国民を犠牲にして戦って、その結果というものは勝利を得ることができるのか、そういうことも実際にわからなかった、これも一つ問題がある。 それから、実際にそれによって戦場にしてしまった国々、こういったところに対しても大変な迷惑をかけてしまっておるということ。戦争というものが起こるときにはいろいろな議論がありますよ。ですから、そのあたりは私はこれからまた少し議論してみなければならぬと思いますけれども、しかし、私は結果として多くの人たちを傷つけたということ、これを深く私たちが、みずからがそれを知りながら再びそんなことのないように努力することが大事だと思います。
○志位委員 今の答弁を聞きますと、一般的にそういう議論があったという話なんですけれども、これは一般的にあったというにとどまらないですね。あなたはそういうことをあちこちでおっしゃっているんですよ。 例えばこれはボイスという雑誌で、去年の九月号ですけれども、この中でこうおっしゃっている。「開戦には開戦の理由があったと私は思っています。日本が列強に抑えられた。しかし、戦争によってアジアの国にまで迷惑をかけた。」(羽田内閣総理大臣「そうです」と呼ぶ)そうですとおっしゃったね。つまり、列強に抑えられた、それなりの理由があった、私は思っていますと一人称で言っているんですよ。これ問題だと思わないかな。 いいですか。結果として侵略行為が起こった、しかし、開戦にはそれなりの理由があった。こうなりますと、いいですか、この考えに立ちますと、太平洋戦争の責任といいますか、少なくとも原因だな、これは連合国側にあるという話になっちゃうんですよ。ABCD包囲陣をしいたのはあっち側だからあっち側に責任があるということになる。 しかし、そういうアメリカなどのいわゆるABCD包囲陣なるものの原因になったのは日本の侵略でしょう。一九三一年に始まる柳条湖事件のあの中国東北地方に対する侵略戦争、三七年に始まる、盧溝橋事件に始まるああいう中国全土の侵略戦争、そして東南アジアへの侵略、そういう中であの経済制裁はやられたわけでしょう。ですから、開戦にはそれなりの理由があったとか、いいですか、ABCD包囲陣を突破するためにやむにやまれず立ち上がったんだとか、これは理由にならない。 こういうことを言ったら、戦前の軍部が自存自衛のための戦争だったと、一体どこが違うのか。永野氏が、まあやむを得ざる戦いだったんだ、日本を圧迫した、そこまで追い込んでいった諸外国が悪いんだと、どこが違うのですか。
○羽田内閣総理大臣 私は、あなたのような学問をされる、あるいはそういう追求する型の人間じゃありません。実際にみずからが経験してきたこと、あるいはそれによって及ぼされたこと、そういったことを肌で感じながら行動してきている人間であります。ですから、そうやって一つずつ詰められれば、何というのですか、いろいろな問題があるかもしれません。しかし私は、結果に対して、これは日本としてきちんと考えなきゃならない、一つずつのいろいろな事例というものに私自身が触れながら、そういう判断に至って、そういういろいろなところで発言をし、行動をしてきておるということであります。
○志位委員 結局、この討論を通じて、私がこれだけ聞いても永野氏のあの思想を軍国主義思想ではなかったというこの総理の発言、それから、侵略戦争ではなかった、侵略戦争と言えないあなたのこの立場、そしてABCD包囲陣突破だと、この戦前のまさに自存自衛論と違わないこの立場、私、これを聞いていますと、戦後の国際社会というのは、総理、いいですか、日本、ドイツ、イタリア、こういう諸国による侵略戦争の断罪の上に成り立っているのですよ。日本の戦後政治だって、あの侵略戦争を二度と繰り返しちゃいかぬと、この反省の上に憲法の平和原則がつくられたわけですよね。それを、やはり私はその原点を否定することになると思う、あなたの発言は。 それで結局、この国際社会の原点、日本の戦後政治の原点を否定せざるを得ない立場にあなたは立っているというふうに私は思うのですね。 私は、ドイツやイタリアでいまだにあの戦争を侵略戦争でないと言う首相がもしいたら、これはえらいことになると思うし、永野氏のような発言を軍国主義思想でないと言い切る人がいたら、これもえらい問題になると思いますが、やはり私は、そういう資格では、幾ら国際貢献、国際政治といっても、それに参加する根本的な前提を欠くことになるということを最後に指摘しておきたいし、私ども日本共産党は、この問題は、戦前から一貫してこの戦争に反対してきた党としてこれからも追及するということを申し述べて、次に進みたいと思います。 次は、消費税の税率引き上げの問題についてであります。 首相も署名した連立与党の確認事項の中では間接税率の引き上げ、このことが明記されました。それからあなたの所信表明演説でも、この確認事項を尊重し、年内に税制改革を実現するということがうたわれました。まさに消費税増税の方向だと思います。今不況の中で、国民生活は非常に大変であります。そういうときに、低い所得の方ほど重い負担を強いるこの消費税の増税の方向が出てきたことに国民の多くは不安を強めております。 〔委員長退席、後藤委員長代理着席〕 私、きのう毎日新聞で出たある投書に非常に胸が痛みました。八十三歳のお年寄り、女性の方が出している投書でありますが、消費税が上がればもう生きていけない、せめて毎日の食事だけには消費税をかけないでください、お願いします、こういう叫びですよ。 そこで私が第一に首相に伺いたいのは、あなたが消費税の増税として挙げている直間比率の是正の問題についてであります。 我が党の不破委員長が代表質問の中で、直間比率の是正というのは間接税の割合をどこまで引き上げたら達成されるというのか、こう聞きました。そう聞いたのに対してあなたは、OECD、経済協力開発機構諸国との比較を挙げられました。国際的な比較をすると、OECDの加盟二十四カ国中、日本は消費課税の割合は最下位になっている、だから引き上げが必要だというのがあなたの答弁の趣旨だったというふうに思います。 そこで、私は聞きたいのですが、OECD加盟二十四カ国での税収に占める消費課税の割合の平均値、それから日本の消費課税の割合、この二点の数字について、大蔵省が政府税調に出した資料があると思うので、大蔵省答えていただけますか。
○小川(是)政府委員 OECD加盟二十四カ国、一九九一年のデータによりますと、税収に占める消費課税のウエートの平均は四〇・三%でございます。日本は、これがこの年一九・二%で二十四位であったということでございます。
○志位委員 今数字が出されたのですが、羽田さん、あなたは、直間比率の是正は間接税の割合をどこまで引き上げたら達成できるのだ、この問いに答えて、OECD諸国と比べて消費課税が低いという答弁をされたわけですね。だから引き上げが必要だという答弁でした。 ところが、OECD諸国の消費課税の平均値は、今のお話でも四〇・三%になる、これは税収に占める割合ですね。OECD並みに仮にするとするならば、消費課税の割合、今は一九・二%という数字でしたから、それを四〇・三%に引き上げることになるわけです。 私は、そのためには消費税率がどのくらい必要かと計算してみましたら、増減税同額の場合では大体税率一二%という数字が出てきます。それから、増税だけの場合、これは一八%です。これは両極端でしょうから、真ん中あたりに真理があるとすると、大体一五%という水準になるのですよ。 ですから、あなたが直間比率の是正と言うけれども、あなたの言う直間比率の是正というのは、当面の税率がどうなるにせよ、この消費課税の割合をOECD並みにするということですか。
○羽田内閣総理大臣 OECD並みにするというのじゃなくて、二十四カ国あるうちの最低であるということを申し上げたのです。ただ私たちは、やはり間接税というものを考えなければならない、高いということでございますから、それは今最低なんですよということを申し上げたわけですね。 ですから、何も別にOECD並みに上げようということを言っているわけじゃない。ただ、それより何より、やはり所得課税というものに偏ったものであるということであるとすれば、これは中堅サラリーマンの人たち、みんなやはりこれは大変厳しいものですよね。ですから、やはり社会というものを構成している人たちがみんなで広く薄くこれを負担していこうということ、それから先ほど毎日新聞のあれを御説明がありましたけれども、そういった皆様方に対しては、これは確かに逆進性というのはどうしても間接税には伴うものですよね。ですから、そういった場合には、今度は福祉政策とか、そういったものでやはり考えていくべきものだろうというふうに私は今考えております。
○志位委員 OECD並みを目指すのではないのだ、事実を述べたまでだという御答弁だったと思うのですが、これは、私はなぜこういう質問をしたかというと、政府自身が御任命になった加藤税調会長、ヨーロッパ並みの一五%にするという発言が出るのですね。そういう発言がそういう公式の場でも出ますから、私はそういう質問をしたわけで、そうじゃないというのだったら、じゃもう一問聞きたいのですけれども、あなたが言う直間比率の是正、いいですか、直間比率の是正の基準というのは何ですか。今はゆがんでいるというわけでしょう、直間比率が。何かの基準に照らして間接税が低いというわけでしょう。この基準というのは、一体何なのですか。基準がなきゃ是正の話にならないでしょう。
○藤井国務大臣 先ほどからの御議論で、私は、直間比率先にありきじゃないということをまず申し上げたいと思います。 これからの福祉社会を着実に健全なものにするためには、今の日本に比べれば消費課税のウエートをふやしていかなければならない、これを終始申し上げていることでございます。 じゃ、幾らが正しいんだ。ある税だけが正しければ、これは単一税になってしまうわけですね。ですから、おのおの税の持っている特性というものがあると思います。いい面と限界があると思います。所得課税というものは、きのうの言葉で言えば垂直的公平を確保するといういい面がありますが、度を超してくると勤労意欲を阻害いたします。消費税は、そういう意味で薄く広く負担をしていただくといういい面がありますが、余りに多くなると、これは逆進性という問題、今御指摘の点が出てきます。おのおのそのよさと限界というものをバランスとっていく。 それから、もう一つ申し上げたいのは、おのおのの国は歴史と国民性というものを持っているということだと思います。そういうことから今のものができている。しかしながら、日本はそういうことをやってきたために、振り返ってみたら非常に所得課税が重くなり過ぎているために、今後の福祉社会をやっていくにはマイナス面が多く出るであろう、こういうことから今のような考えをとっております。
○志位委員 結局、直間比率の是正ということで私は基準を聞いたんですが、その基準はないんですね、はっきり言えば。今首を振っていますけれども。バランス、バランスと言っているだけで基準がないんですよ。そうすると、直間比率の是正ということで基準もなしにその言葉が次から次へと繰り返して出ますと、私、無限の増税のレールに乗せられちゃうという、この不安があると思うんですよ。今、首振っているけれども、やっぱりそうでしょう。 それで、先ほど直接税と間接税の話をされましたけれども、日本が直接税中心の税制になっているというのは決して悪いことじゃない。やはり間接税というのは、あなたも認められたように逆進性を伴う、非常に甚だしい逆進性を消費税の場合なんか与えているわけですよ。低所得者層に本当に重い。ですから、税制の公平の上で直接税中心の税制というのは決して悪いことじゃない、こう私は確信を持って申し上げたい。 それから、よくあなた方は、何というんですか、所得課税の軽減と消費課税の充実で勤労所得者層の負担を軽くすると言うけれども、私たちが税調の中期答申で試算して、一番控え目の消費税率の増額で試算してみても、大体年収七百三十万ぐらいの、八三%ぐらいの勤労者は差し引き増税になっちゃうんですね。ですから、この中堅サラリーマンが負担が軽くなるというのも、これも道理がない。 あなたが直間比率の是正と言うけれども、基準がない。ですから、私先ほど一番最初にOECDを聞いたのはそういう意味なんですよ。基準は何かと聞かれて、唯一答えとして出てくるのはOECDに比べて低いということになっちゃったら、それ以外の基準は示さないということになれば、結局いろいろ言ってもOECD並みが本音じゃないかということを私たちは非常に危惧するわけです。 当面の税率について、例えば国民福祉税の七%でも九兆五千億円ですかの増税ですよ。勤労者 一世帯当たり大体十七万円の増税ですよ。この七%でも大変なのに、この七%も一つの通過点でその先もまたあるんじゃないかということになつできますと、これはやはり国民をなしまし的に大変な増税のレールに乗せるもので、私たちは絶対そういうやり方は反対だ、直間比率の是正、この名でどんどんどんどん税率を上げられたらかなわぬということを私言っておきたいと思うのですね。 第二の問題……(藤井国務大臣「反論させてください」と呼ぶ)いいですよ。じゃ、一言言いなさい。一言ですよ。
○藤井国務大臣 一言といいますか、さっきから言っているように直間比率先にありきじゃないんですよ。それから、日本は戦前は間接税国なんですね。これもよく御承知と思います。戦後のシャウプ税制によって直接税国になった、そういう歴史とか沿革とか、さらに国民性というものを踏まえながら今の税の仕組みができていることは各国間違いないんですね。 そして私は、志位委員が言われるように、所得税中心主義が正しいと思っています。しかし、度を超すとその限界を超してしまうということをさっきから申し上げているわけで、今後の長寿社会の中では所得税は度を超して負担になってくる可能性があるから、だから今この時点においてバランスを少し直していこう、こういうことだということを御理解ください。
○志位委員 直間比率是正先にありきじゃないと言うけれども、あなた方の確認事項の中で間接税率の引き上げということを明記しているから私はそのことを聞いているわけで、まさに先にありきじゃないですか。だって政権の始まる前に確認事項でやっているんだから、まさに先にありきですよ。 それから、シャウプ税制の問題を今言われたけれども、これはやはりそういう民主的な税制のつの方向をつくったんです、戦後、直接税中心という方向で。これはやはり積極的な方向だったわけで、これを骨抜きにしちゃいかぬということを私は言いたいし、それから度を超すと直接税がいけないと言いましたけれども、これは先ほど言ったように、差し引きでも、結局勤労所得者層の圧倒的多数が増税になるという現実を私申し上げておきたいと思います。 さて、第二の問題は、私聞きたいのは、この消費税の問題で、国民生活にこれだけの深刻な影響を及ぼす重大な問題を国民の意を問うことなく強行されることが許されるのかという、この問題であります。 昨年の総選挙で、私の党は消費税率を上げますと公約に掲げた党は、与野党を通して一つもございません。公明党、民社党、消費税率引き上げ絶対反対ということを述べて選挙を戦われた。私は、選挙の公約を無視してこういう重大問題をごり押しすればどんなに国民の厳しい批判を浴びるかは、これはかつての中曽根内閣の売上税の問題、竹下内閣のときの消費税の問題、これは明らかなんですね。 そこで、私は総理に伺いたいんですが、総理は、この間接税の税率の引き上げ、消費税の増税という国民生活の根幹にかかわるこういう問題を一度も国民に信を問うことなしに決めてしまうというやり方、このやり方が民主政治において許されるというふうに考えておりますか。どうですか。
○羽田内閣総理大臣 これにつきましては、私は選挙のときにもそういった税の問題なんか、普通我々選挙をやる者としては一切これはやらない方がいいんだろう、しかし必要なこともありますと。 ただ、そういったときには、私どもとしてはそういったことも考えさしていただく。実は、ある場所なんかではそういったことを、これはもう絶対に消費税を上げませんということを約束してくれれば我々もやりますよなんという話があって、その人の例をとりながらも私は実はお話ししてきたぐらいでございまして、要するに国民のために税というのは使うわけでございますから、私は国民の中に理解というものはだんだん生まれてくるものであろうというふうに思います。
○志位委員 肝心の問題にお答えになっていないですよ。こういう問題を国民の意を問うことなしに決められるかと。あなたはこの前の選挙で訴えてきたということだと思うんですがね。 私、新生党の政策、全部調べてみたんですよ。七月一日に基本政策、総選挙に対する基本政策が出ておりますが、この中には一言も消費税の増税一の話はないですよ。 それから、これは「現代」という雑誌で、総選挙の直後、これは九月号ですけれども、この中であなたはインタビューに答えてこう言っています。「新生党の政策として、今、消費税の引き上げをするとは言ってません。」これは総選挙の投票日の五日後ですからね。新生党としては、消費税の引き上げをやると言って選挙を戦ったわけじゃないわけですね。新生党ですらそうなんだ。まあ、随分その疑いがあった新生党ですら党首が、いいですか、私たちは消費税の税率引き上げを言ってない、新生党の政策じゃありません、こう言っているんですよ。どの党も言ってないんですよ。社会党は抜けちゃったけれども、公明党や民社党は反対ですからね。増税反対。こういうことが許されるのかということを聞いているんですね。どうですか。
○羽田内閣総理大臣 当時、自民党時代にも、いわゆる所得税、これは減税するということは言っておりませんでした。しかし、減税は、やはり所得税の減税をやって、ただでさえ歳入が少ないところを、これをまた所得税減税やったら、そしてその穴埋めせずにまたこれをどんどん減税をやっていったとなったら、国の財政は一体どうなってしまうのか。私たちがもしそれをやったら、今度は国民から私たち自身が問われるわけですよ。 ですから、まさに選挙の前に言うのもあるけれども、実際にやって国民の理解が得られないとしたら、私たち自身がやはり問われる。そういう中でもやはり対応していかなければならないのじゃないのかなというときもあるのじゃないかと思います。
○志位委員 結局、いろいろ検討してみたら上げることが必要だからということを選挙後決めたという話だと思うのですよ。 ただ、やはり私は、税制というのは民主主義の一番の根幹だと思うのですね。まああなたにこういうことを説明する必要もないと思うけれども、例えば近代の議会制度、近代の国家制度というのは、みんな税制からつくられているわけですよ。つまり、支配者が勝手に税金を決めることはだめだ、人民が税金を決める権利は持っている、ここから議会はできてきたわけですよ。ですから、やはりそれが民主主義のイロハなんであって、やはりこういう重大な問題を、あなたは結局答弁の中で、まあ選挙中には言わなかったけれども、後でいろいろ事情が……(羽田内閣総理大臣「私は言ったよ」と呼ぶ)あなた、まあ、言わなかったと言っているから……
○羽田内閣総理大臣 いや、そうじゃないですよ。それは党としてということであって、私は各会場でみんな話してきていますよ。
○志位委員 いや、党として言っているかというのが大事な問題ですよ。党としては言っていないとあなたが言っているのだから。いいですか。
○後藤委員長代理 発言を求めてください。
○志位委員 委員長の許可を得ないで言ったのはそっちですからね。
○後藤委員長代理 委員長は指名しましたよ。
○志位委員 やはり私は、そういう重大な問題を国民の意を問うことなしにやるやり方は許されないということを言っておきたいと思うのですね。 それで、この点では、公明党の委員長の石田長官にもお聞きしたい。 あなた方はもっとはっきりしているんですよ。あなた方は、総選挙での公約の中で、消費税の税率は上げるべきでない、はっきりおっしゃっていますね。 例えばこれ、去年の七月七日付の朝日新聞の政策対照表、これは各党が責任を持って政策を全部書くものです。この中ではっきり、税率の引き上げはやらない、こう言っておりますよ。 それから、同じ日にNHKの討論会、インタビューがやられて、市川書記長と神崎国対委員長が出席されております。これがそのときの公明新聞。この公明新聞には、税率アップ「絶対やらない」。「絶対やらない」ですよ。あなた方の新聞ですからね。 いいですか、こう選挙のときにはっきり公約されていた。その党首であるあなたが、連立与党の確認事項の中で、間接税率引き上げ、これに署名するのは、これは明らかに公約違反じゃないですか。
○石田国務大臣 選挙前のことにつきましては、そのときの、要するに次の政治体制がどうなるかは全くわからないわけでございます。 しかし、連立政権になって財政に責任を持たなければならないというような状況の中では、各党との話し合いの中でそういうような決定を下したのは、ある意味においてやむを得ないことであろうと思います。 ただ、公明党としましては、確かに消費税反対でございますけれども、要するに消費税の税制がしかれて、その後だんだんと定着をしてきて、そのことについてはもう定着をしているということは認めざるを得ないということも選挙前には申し上げておるわけでございます。 〔後藤委員長代理退席、委員長着席〕
○志位委員 そこまでは言っているのだけれども、税率引き上げですよ。これは、選挙後のことはわからない、連立の合意だったからしようがないんだ。そうすると、あなた方の国民に対する公約というのは一体何なんですか。 私は公明新聞、結構よく読んでいるのですけれども、これは公明新聞の総選挙中に出した、「政党・政治家を選ぶ 4つの基準」というものですよ。 この中に「公約を守る党か」、これが四つの基準のうちの、あなた、一つに挙げているのですね。 ちょっと読み上げてみましょうか。「思い出して下さい。自民党は、昭和六十一年の衆参同日選挙の時も「大型間接税導入はしません」と国民にウソをついて三百議席を獲得しました。ウソとごまかしは、自民党の専売特許といえます。」これは私が言っているのではないですからね。そして「公明党は国民の声を政治に反映するまじめな党です。約束したことは必ず実行する党です。」うそとごまかしは専売特許だと。(「どこの新聞だよ、それは」と呼ぶ者あり)公明新聞です、公明新聞。赤旗が言っているんじゃないんです。赤旗もそういう面がありますけれども。 いいですか、あなた方、自民党政治の継承ということを言われたけれども、この専売特許も継承するんですか。どうですか。
○石田国務大臣 志位さんの御指摘もわからぬではございませんけれども、現実に財政に対して責任を持たなきゃならないという状況の中で、しかも、もう減税も実施してしまったわけでしょう。そういった問題に対する国民の恩恵、そのことについて共産党は全然お認めにならないんでしょうか。また、そういう現実についてお認めにならないんでしょうか。 そういうようなことを今日の景気の低迷の中で実施せざるを得なかった、そういうことによって財政にも大きな穴があいてきた、それに対しても何の措置もしなくていいというようなおっしゃり方をするんでしょうか、そこら辺は私は納得しません。
○志位委員 苦し紛れに、ともかく全然問題をすりかえてそんなことを言ってもだめですよ。公約を守ってないじゃないかというこの点を聞いているわけですからね。 減税の財源の問題については、もう消費税の増税だということにすぐ持ってくる、その考えが間違っていると。私たちは、もう財源の問題は、大企業優遇税制の是正とか、あるいはいろいろなむだや浪費の是正とか、こういう問題を具体的に明らかにしているということを一言述べておきます。 あなた、そうやって問題をすりかえたって全然だめだよ。もう公明党がやはりこういうことでは、今度の総選挙で何を公約しようと、これは国民には一切空手形だということだけ私は指摘しておきたいと思います。 それから、私、この問題で一つ、連立与党のこの政策決定の過程に非常に大きな問題点を感ぜざるを得ないんです。あなた、連立の合意だから仕方がないと、こう言ったでしょう。みんな連立の合意ということで国民への公約が捨てられているんじゃないか。小選挙区並立制の問題だって、まあ、つい最近までここに座っていた社会党の方は、民主主義を覆す制度だと言いながらこれに賛成する、もう合意だからしようがない、米の自由化もそうだと。消費税もそうだ。自分たちの固有の政策、みんなありながら、連立政権の合意だというこの一点でみんなそれがほごにされるという政治が民主政治でしょうか。私はこういうやり方では国民に責任を負った政治はできないと思うんですね。 これは羽田首相に伺いたいのですけれども、こういう考え方、いいですか、連立政権の合意があれば国民への公約はやむを得ないんだと、こういう考え方。あなた方は連立政権の合意と国民への公約と一体どっちを上に置きますか。
○羽田内閣総理大臣 どちらを上に置きますかという、それは当然公約というものは基本にあります。ただ、要するにそれぞれがみんな違った政党が集まるときに、これはあるときにはそれを乗り越えなきゃならぬ場合だってあるわけでございまして、それと同時に、やっぱり所得税、当時は所得税を例えば減税するということはなかったわけですね。それを所得税減税というあれだけ大きなものをやったわけなんですから、それが要するにまた一つの大きな世論にまでなってきたわけでしょう。そういう中で所得税減税がなされたということ。 ということになりますと、その後のことについても考えなきゃいかぬし、高齢化社会がそこに来るということがあれば、それに対しても対応しなければいけないということ、これはぜひ御理解いただきたい。ですから、確認事項というものはそういう中でつくられていくものであろうというふうに思っております。
○志位委員 公約が基礎だと言いながら、あなたの党は、党として選挙で訴えてないことを実際上はやられようとする。で、公明党などについては全く正反対なことをやられようとする。結局、私は、連立与党の合意だ、合意だということで、国民への公約はどうでもいいんだというのがあなた方の政権の実態だということを指摘しておきたい。 第三に、私、消費税の問題で伺いたいのは、あなた方がこの消費税の増税を押しつける理屈としていつも高齢化社会のためということを言われます。しかし、ここにはいろいろごまかしがあると私は言わざるを得ないのですね。 一つ目は、高齢化社会になることによって大変な危機になるということが大変オーバーに言われているということであります。 例えば細川前首相は、ことしの年頭の会見でこう言われている。現在は一人の高齢者を約五人の働き手が支えていますが、二十一世紀のピーク時には約二人で支えることになります、ごく単純に考えますと、このための負担は倍以上になります。この倍以上、この数字はどこでも出てくるんですよ。これは「今週の日本」という政府の広報紙ですけれども、これでも、五月十六日付、最新号で同じ数字が繰り返し繰り返し出てくるわけであります。 そこで私は、働き手の負担ということを云々しているので、数字を具体的に聞きたいのですが、働き手の数、すなわち就業人口、これはこれからどうなっていきますか。 労働省に伺いたいんですが、一九九〇年の労働力人口と二〇二〇年、この見通し、これを示してください。労働省の労働力需給の長期展望研究会が試算していると思います。
○七瀬政府委員 労働省といたしましては、全人口の将来推計をもとに労働力人口を推計いたしております。直近は、一九九二年に将来の人口の推計が出ておりますので、それをもとに労働力人口を試算いたしております。それで、一九九三年には六千六百十五万人でございますが、そのときの最新の人口の将来推計をもとにした労働力人口の試算は二〇一〇年までしかいたしておりません。(志位委員「二〇一〇年は」と呼ぶ)二〇一〇年は六千六百三万でございます。
○志位委員 今二〇一〇年までしか試算していないと言ったんですけれども、二〇二〇年の試算もあるんですよ。それは六千七百八十五万人です。ですから、現在が大体六千六百五十三万人と言われて、二〇二〇年六千七百八十五万人、こういう数字があるわけで、私、パネルにしてみたんです。これ、委員の方もごらんください。 それで、これをパネルにしてみたんですけれども、これが大体現在ですよ。それから二〇二〇年。就業人口は大体六千万人台で推移するんです。微増ですけれどもふえるんですね。それから、人口は一億二千万人台で大体推移しております。これは若干ふえて、少し減りぎみになりますが、だからこれが就業人口と非就業人口の現在と将来の姿なんですよ。これは確かにお年寄りがふえるんですけれども、お年寄りの中でも働く方もふえる。それから女性の方の職場の進出もふえる。そういうことを考えると、就業人口は減らないんですね。微増ですけれどもふえます。 ですから、一人の働き手の負担が倍以上になるというのは、これはどう見たって誇張なんですよ。今も未来も大体一人の就業者が一人の非就業者を支えるというのは変わらない。もちろんお年寄りがふえれば年金の問題、医療の問題、この負担がふえるということは当たり前ですし、ふやすことも当たり前です。しかし、それを考慮に入れたとしても、一人の働き手の負担が倍以上になる、これは根拠のない過大な数字だと、これは私は明らかだということを指摘しておきたい。これはありとあらゆるところでこの問題が出てくるんで、こういう過大な数字は、負担が全然ふえないと言っているんじゃないですよ。しかし、その負担を二倍以上だ、こうやって過大に描くやり方はやめていただきたい。
○藤井国務大臣 ただいまの図表は全く正しいと思っております。 ただ、お年寄りの方も働く、あるいは女性の方も働くというのは、その図で言いますと下に入っているわけですね。問題は上なんですね。問題は上ですが、今と全然様相が変わるのは、お年寄りのウエートが物すごくふえて子供の方が減っている、こういう数字になるわけでございます。もちろん非就労者という意味においては同じでございますが、お子様に対する養育というものは大変大事な問題だと思います。思いますが、お年寄りにかかる負担の方がはるかに多いということから、今私どもが申し上げているような物の考え方が出るということを御理解いただきたいと思います。
○志位委員 私も、お年寄りがふえればその負担がふえるということを否定しているんじゃないんです。しかし、倍以上になるというのは過大じゃないか。例えば年率二、三%経済成長すれば、二〇二〇年には大体倍のGNPになるんですよ。ですから、給付が二倍になり、お年寄りの数が二倍になったとして、四倍の給付が必要になったとしても、それを差し引いても、自由に使える分のお金というのはふえるんですよ。 ですから、そういう二倍以上の危機あおりを、はっきり根拠を示せないわけですから、それはやめていただきたいということなんですね。もうこれはいいです。これはこれ以上やってもしようがないから。あなた方の答弁はわかっているんですよ。生産年齢人口と老齢人口という問題だと思うんですが、もう要らないです、繰り返しになるから。
○藤井国務大臣 お話でございますけれども、お子様には年金はないわけなんです。お年寄りに年金が出てくる。これはもう全然違う要因でございますね。それから、医療費でございます。医療費もお年を召せば五倍になる、これは大体常識でございますね。 そういうことからいいますと、今の非就労者というのは、その表の中のお年寄りが非常にふえるということは、年金、医療を通じまして全く増大要因になるということ、これも御理解をいただきたいと思います。
○志位委員 私は、お年寄りがふえて、年金、医療がふえるということを否定しているんじゃない。もっとふやさなければならぬということを言っているわけですね。ただ、あなた方の言う計算ですよ。今は五人で一人だが、将来は二人で一人になって倍以上になる。この基礎にあるのは、あなた方は言わなかったけれども、分母は生産年齢人口、分子は老齢人口ですか、これをやるからそうなっちゃうんですね。それは、しかし、さっき言ったように、お年寄りでも働いている方もいるし、生産年齢人口でも働いてない方もいるんだから、そういう過大な危機あおりはやめなさいということを言ったんですね。 さて、二つ目の問題について進みたいと思うんですけれども、私、高齢化社会のためということをよく言われるんですが、消費税の増税による最大の被害者が低所得者層とお年寄りになっている、このことをもう一つ言いたい。 もう一枚、私はきょうパネルをつくってまいりました。これはお年寄りの消費税の負担率のパネルであります。横軸は収入別の分位ですね。第一分位から第十分位まであります。縦軸は現行の消費税の負担率です。収入に占める税負担の割合です。 これを見ますと、一つは逆進性がはっきりしてまいります。この青い部分は全世帯の平均の消費税の負担率ですが、これは非常に逆進性がはっきりして、低い所得の方ほど重く、高い所得の方は低い。この消費税の逆進性がはっきりあらわれます。 それともう一つ、私、それに高齢者夫婦の方の消費税の負担率、グラフ、重ねてみました。そうすると、こういう赤いところになってまいります。これは全体として全世帯平均よりも高齢者の夫婦の方の方が消費税の負担は厳しいんですね。それで、特に一番収入の低い年収二百万円以下の方は、税負担率は三%を超えちゃうんですよ。これは、超えるということはどういうことかといいますと、収入だけでは生活できなくて、貯蓄を取りまして生活する状態になっているわけです。これは総務庁の資料でつくったものですからね、政府の資料です。 私、高齢化社会のためと言いますけれども、冒頭に紹介したように、消費税の増税で一番つらい目に遭うのは年金や貯蓄を頼りにして暮らしているお年寄りだと、これはもう疑いない事実ですよ。ですから、その事実を、まず総理、御認識になって今の間接税論議をやっていらっしゃるのかどうか伺いたい。どういう認識か。
○羽田内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、まさに私の口から逆進性ということを申し上げたわけでありましてね。ですから、そういったものについては、例えば税率がもしアップするときにはどう対応するのかということを考えなきゃいかぬというふうに思っております。
○志位委員 日本の老齢年金の受給者は約一千六百万人です。その半分以上は月額三万円の極端に低い国民年金の受給額の方々です。多くのお年寄りが、年金では足らなくて、わずかな貯蓄を取りまして生活に充てているという実態なわけです。しかも、高齢者世帯の圧倒的多数には所得税の減税の恩恵はほとんどありません。増税だけがかかってくる。ですから、私、高齢化社会のためと言いながら、結局高齢者からもっと負担してもらおうということでは、これはお年寄りに対して申しわけのない政治になると思う。 高齢化社会のためということがいろいろと言われるんですけれども、年金の問題をとっても、医療の問題をとっても、それから介護の問題をとっても、これは本当に今の現状というのはお年寄りにとってつらい政治ですよ。ですから、この実態を本気になってよくしていくということを真剣に政府は追求していただきたい。 その点で最後に一点だけ聞いておきたいんですけれども、今老後には三つの不安があるというふうに言われるんですよ。年金と医療と介護。私、特に寝たきりのお年寄りと言われる現状についてどういう御認識をお持ちかということをお聞きしたいんですね。 厚生省の資料でも、寝たきりを初めとする要介護のお年寄りの数というのは在宅だけで八十三万人に上ります、これは新しい資料ですけれども。日本は寝たきり大国じゃないかという不名誉なことも言われます。そのぐらい事態は深刻です。 最近、私、朝日新聞で両親の介護をされている家族の方の切実な投書を非常に胸を痛くして読みました。「介護者の痛みは経験した者にしかわからないでしょう。国の福祉政策は在宅介護を方向づけていますが、介護者がいてはじめて成り立つことにどれほどの配慮があるのでしょうか。とりあえず、一日でも介護から解放され、心の豊かさを取り戻せる時間を与えて下ださい。そのためのヘルパーの人材確保が必要です。」介護されているお年寄りも、介護している側も大変苦しんでいる。欧米諸国では寝たきりという事態はないわけですから、これは政治の責任だと思うんですね。 総理に、私、一言でいいんですけれども、この事態を政治の責任と考えていらっしゃるか、この御認識を伺いたい。
○羽田内閣総理大臣 この御指摘は私も全く同感でございます。介護をされる方あるいは介護をしなければならない方を抱えていらっしゃる勤労者の方々がどんな苦しみを持っているかということは私もよくわかっております。 ただ、確かに日本の高齢化というのは非常に早く進んだ。これは、医療ですとか薬品ですとかあるいは栄養ですとか、そういったものが急速に進んだということがあるんでしょう。世界一の長寿国なんて言われるようになってきておるということでありまして、そういう中から、なかなか介護に対するヘルパーの準備ですとか、そういったものが要するに我々が計画するようになかなか進んでいかなかったということはあり得ようと思っておりまして、これはまさに大内大臣のところが所管をいたしておりますけれども、新しいゴールドプランというものをつくろうというのは、まさに今のヘルパー、介護人ですね、こういった方々を確保するということがやはり一つの中心的な課題になっておるということは申し上げられると思います。
○志位委員 私、政治の責任ということはお認めになったので、どういう政治が寝たきり大国と言われる現実をつくり出したかということは一つ御認識願いたいものである。 私、先日、訪問介護をされている方々と懇談する機会があったんです。そのときに、なぜ日本でこの寝たきり大国と言われている事態になっているのか、こう聞きましたら、一言で答えが返ってきました。それは、これまでの政府の政策が、介護をするのは主に家族の仕事だと、行政はそれを補助すればいいと、この考え方に立ってきたからだと。 しかし、介護には四つの条件が必要なんだ。一つは体力、二つ目は技術、三つ目は時間、四つ目は心もこもっていなきゃならぬ。この四つすべてを家族介護で満たすことができるだろうか。今は、高齢者が高齢者を介護しなければならない、そういう事態が進んで、家族介護という考え方ではもう破産しているんだということをおっしゃっていましたよ。 それで、やはり介護という問題は、家族介護中心のこれまでの政策を根本的に転換して、公的な介護が基本は責任を持つというところに政策の抜本的な転換をやらないと、今の現実は私はなくならないと思います。 この点で、やはり日本型福祉社会ということでこの二十年間言われてきた考え方、これがやはり大きな間違いのもとだったと私は思うんです。これは大平内閣以来の考えですけれども、介護をやるのは家族の責任、行政はその補助だ、公的福祉はできるだけ身軽にという考え方でやってきたんですが、それがもたらした一つの今の現実だということを申し上げたい。これは朝日新聞ですが、そういう日本型福祉は破綻しているという社説も出たこともあります。 それから、ゴールドプランということも言われましたけれども、新ゴールドプランを見ましても、それからゴールドプランのもとの案を見ましても、例えばホームヘルパーさんの問題一つとっても、あれを全部達成したとしても、大体私が試算してみたら、介護を要するお年寄りの約一割ぐらいですよ、まともな介護がいくのは。それから、ゴールドプランを見直すと言いますけれども、その見直しの中身を見ても、ホームヘルパーさんの水準を引き上げるという方向は出ていないんです。水準は一緒なんです。 ですから、二十一世紀のあの福祉ビジョン、私も拝見しましたけれども、結局あの中で、増税だけははっきりしているけれども、そういう本当の福祉のビジョン、それは本当にお寒い限りだ。私は、高齢化社会と言うんだったら、介護の問題でも医療の問題でも年金の問題でも、本当に高齢化社会のための足場をしっかりつくっていく、これを増税の口実にするようなことは絶対だめだということを申し上げて、次の問題に移りたいと思います。 北朝鮮に対するいわゆる制裁問題についてであります。 日本共産党は、この問題について、北朝鮮が核兵器を持つことにはもちろん反対です。そのことを繰り返しこれまでも表明してまいりました。また、北朝鮮の犯してきた国際的テロや無法行為に対して最も厳しい批判をこれまでもやってまいりました。しかし、私は、この朝鮮半島を核のない地域にするという問題は二つの原則が大事だと思う。 第一は、アメリカなどの特定の核保有大国が核兵器を持つのは当然だという立場ではなくて、全世界の核兵器を速やかに一掃する、この立場に立って問題の解決が図られるべきだというのが一点です。 それから第二に、戦争につながるような制裁ではなく、あくまでも平和的話し合いによって問題を解決すべきだというのが二つ目であります。また、その際、北朝鮮の代表が繰り返し、我々は核兵器を持っていないし、将来も持つつもりがないというこの国際的言明も重視されなければならないのも当然だと思います。 この点で、私は政府のとっている態度について幾つか問題点をお聞きしたい。 第一は、政府は盛んに平和的解決、こういうことをおっしゃる。そこで私聞きたいのですが、あなた方の姿勢というのは、あくまでも平和的解決を貫くという立場ですか。それとも、事と次第によっては北朝鮮に対する制裁も選択肢の一つとしてあり得るという立場ですか。はっきりお答えください、総理。
○羽田内閣総理大臣 この問題について、一斉に軍縮をという話でございますけれども、私どもとしましては、やはり核保有国、これがいつまでも核を持っていてよろしい、あるいはふやしてよろしいなんということを申しているのじゃないので、やはりこれは国連の場その他でも軍縮を慫慂していくこと、将来に向かってはやはり廃絶まで行くことが重要であろうというふうに思っております。 それから、対話について、これはどこまでも本当に平和的な解決なのかというお話でありますけれども、私どもはやはり対話によって粘り強い話し合いをしてほしい、これはアメリカに対してもあるいはそのほかの国に対しても申し上げてきたことであり、また、中国には、まさに一番の友人として彼らに語りかけてもらいたいということも実は申し上げてきているわけなんです。 ただ、私たちはそのときにもう一つ考えなければならぬことは、そのためにも、例えば日本は原子力のいろいろな施設、発電所なんか持っていますよね。こういったものに対してIAEAの保障措置というものがきちんととられているわけです。 ですから、やはり北朝鮮の場合にも、核をつくらないんだと、つくってないんだよ、持ってないんだよという言葉だけじゃなくて、実際にそういう疑惑があるとするならば、それを堂々と見せてもらいたい。そうすればもう何の疑惑もなくなって、そのときには韓国でも日本でも、朝鮮民主主義人民共和国のこれからの民生の向上、このためにでも働くことができるわけですから、私どもは徹底して対話で、やはり平和の中に話し合いをつけていきたいというのが本当の気持ちであることを申し上げます。
○志位委員 そうすると、制裁というのは選択肢に入らないというふうに理解してよろしいですか。一言で。
○羽田内閣総理大臣 これは一言と言われましても難しいのですけれども、いずれにしましても、これは彼らがいつまでも国際社会に対し理解されないということになりますと、国際社会としては対応しないと、その間にもし万が一つくられるということになったら、これは大変なことでありますから。ですから、やはり保障措置をきちんと受けてもらうように、国際社会に胸を開いてもらいたい、心を開いてもらいたいというのが私の偽らない気持ちであります。
○志位委員 制裁が選択肢の一つかということについて、これははっきりお答えにならないのですね。 それから、先ほど核保有国の核はいつまでも持ち続けていいという立場じゃないというふうにおっしゃいましたけれども、いいですか、アメリカの側は一九九四年の国防報告の中で、核兵器というのは永続的な現実だと、将来にわたってなくなる見込みはないんだとはっきり言っていますよ。将来にわたってアメリカは核兵器を保有し続けるんだという、一方でこれは現実としてあるんですからね。この現実に対してきちんと物を言わないで、そして核防条約の無期限延長に賛成するということになれば、これは核保有の永続化を認めることになるということは明らかだということは一言言っておきたいと思うのです。 私、それじゃちょっとお聞きしたいのですけれども、先ほどの制裁云々の問題について、これは私が仮定で聞いているんじゃないんですね。あなたも同席された二月十一日の日米首脳会談、ここで細川前首相が、国連安保理で経済制裁が決まれば日本としてなし得る限りの対応をする、はっきり言明しているのですよ。二月十一日というのは、国連で全然もう制裁なんという議論のない段階ですよ、もちろん。もう二月に、三カ月前から制裁は選択肢の一つだということをはっきり言明されているわけですね。羽田さんもクリストファーさんと一緒に同席されていたと思うのですね、衛星中継でも映っておりましたから、私も見ましたけれどもね。 この発言は御存じだと思うのですが、これは結局、平和的解決と口では言うけれども、実際には選択肢として制裁もあるよということをアメリカに対しては約束しているということじゃないですか。
○羽田内閣総理大臣 これは私どもは、そのときに細川総理がお話しになっていることは、やはり粘り強く対話を続けてくださいということをしつこくしつこく実は言われているわけですよ。そして、そういう中にあって、もし万が一ということは、要するにいつまでもこのまま保障措置というものが受け入れられないとしたら、もしそのときに開発されてしまったら一体どうするのでしょうか。そういったときには一体どうするんだということに対して、我々としては憲法の許される中において対応いたしましょう、我が国としても責めをひとつ負いますよということを言っていることです。 それから、一つだからこれはお許しいただきたいんだけれども、きょう日本政府代表として広島の会議に外務政務次官が出ておりますけれども、核拡散防止条約は無期限延長されるべきだが、同時に、核兵器保有国が軍縮に一層努力する重要性を指摘したい、また、全面核実験禁止に向けた多国間の交渉の早期妥結に我々としても貢献するということを主張したことを、ちょっとあれでございますが、述べさせていただきます。
○志位委員 もう一つあなた方が制裁という言葉を使われた場所があるのですよ。これは四月二十二日のペリー国防長官と当時の羽田外務大臣の会談ですね。この場でも同じやりとりがされていて、羽田さん、この中で、北朝鮮が態度を変更しなかった場合、国連安保理で段階的に制裁を決定することもやむを得ない、その際、日本は憲法の範囲内で責任ある対応をとる考えだ。やはりこの制裁という言葉を口にされているのですね。 私、この問題をずっと見てまいりまして、非常に危険に思うことがある。それはアメリカとのこの二回の会談で、制裁という言葉をあなた方は使っているのですよ。日米首脳会談、羽田・ペリー会談、この二つの会談で、アメリカに対しては、場合によっては経済制裁、これが必要だということを言っておるんですが、日本の国会に来ると、まあともかく平和的解決でということをおっしゃる。これは非常に、何というんですか、アメリカには約束したことが日本でちゃんと語れないのかという矛盾を本当に感じますよ。 ですから、私も、これは平和的な解決、これはもう何よりなんだけれども、平和的解決が大事なときに、国連で議論もされていないときに、もう二月の段階から経済制裁という言葉をそれこそ口に出す。ペリーさんが来ればまた経済制裁だということを言う。こういう政府の姿勢が本当に平和解決を望んでいる姿勢なんだろうか。しかも、日本の国会ではこのことを聞かれてもなかなか答えないんだけれども、アメリカの政府にだけ言うというのは、これはまじめな姿勢なんだろうかと、こう言わざるを得ないわけですね。 それから、二つ目の問題、その問題に関連しますから、いいですか。私、国連の決定なしにアメリカなどが独自の行動を決めた場合に、日本が連携と協力をすることがあり得るのかどうかという点、この点をお聞きしたいのですね。 これは、羽田総理の所信表明演説を読みますと、三つの選択肢が書いてありますね。一つは対話による解決、あなたが今強調されていることなんだ。私たちも、すべてこれでやるべきだという立場です。それから二つ目は、国連の方針への対応。そして三つ目の選択肢としてこう言っているんですよ。また、憲法のもとで緊急の事態に備えるとともに、日米及び日韓の各国間で緊密に連携し、協調して対応する。これは総理、北朝鮮問題で仮に国連の方針がなくてもアメリカが協力を求めてきたときにはそれに協力するという意味合いの文章ですか。あなたが言われたことですから、お答えください。
○羽田内閣総理大臣 第一段目の問題につきましては、仮にもしそこまでに対話が閉ざされてしまってできない場合に、仮にそういうことが国連等で決定された場合には、日本は憲法に許される範囲内において対応いたしますということは、私は国会でも申し上げております。これは別に何もアメリカの人に申し上げているということではありません。 それから、第二段目の問題につきましては、これが本当に一体どうなっていくのかということについて、これはまだ今仮定のあれでございますけれども、我々としては今お話があったそういったところと十分な連絡をとりながら適切な対応をするということであります。 ただ、今問題は、朝鮮民主主義人民共和国の中にありましても査察等が進められておるということでありまして、私たちはそういう中で本当に国際社会に理解される対応をとってくれることを望んでおるということであります。
○志位委員 質問に答えていないんですね。私は、この部分、あなたの所信表明のこの部分が、国連の方針なしにアメリカが協力を求めてきたときに日本が協力するという意味合いなのか、国連の枠内のことなのか、枠外も含むのか、この二つに一つ、はっきりお答えいただきたいということなんです。
○羽田内閣総理大臣 今まさにそのことについての具体的なことを申し上げるときではないということを、これは申し上げざるを得ません。
○志位委員 自分で言われたことを具体的には言えないということに、こうなっているわけですけれども、あなたの私が紹介した所信表明のこのくだりは、与党の確認文書の中に同じくだりが出てくるのですよ。そっくり同じです、ほとんど文章まで。この確認文書をつくった人たちは、このくだりの意味をはっきり語っているんですよ。 例えば、小沢新生党代表幹事、市川公明党書記長、このお二人が四月二十一日の与党代表者会議で発言されたということは報道されておりますが、この二人はこう言っている。このくだりは、中国が拒否権などを行使するなどして決議ができないまま有事になったらどうするかということに対応する議論だ、アメリカが経済制裁をやろうと言ってきたときに、中国と相談するのでは信用を失う。これが二人の説明ですよ。 それからもう一つ、これは公明党市川書記長の五月十五日の民放テレビでの発言でありますが、この部分は、中国が拒否権を発動するとか、あるいは中国の国連における違う態度によって国連の決議ができなかった、あるいは決議が非常に不明確なものになった、そういう場合にアメリカと韓国が一定の何らかの対応をしようとした場合、日本はどうするのか、この場合、私たちは日韓、日米、緊密な連絡の上、協調して対応するという原則を確認事項の中でうたっている、当然これは、いいですか、国連の枠外の事態、こう言っているんですよ。 だから、あなたが何と言おうと、与党の確認文書をつくったシナリオライター、このシナリオライターの皆さんは、はっきりこれは疑問の余地なく、この部分は国連の枠外の活動だ、国連の方針がないもとでアメリカが協力を求めてきたときにどうするか、中国が拒否権を発動して決議が上がらない、このときでも対応できなきゃならぬということで盛り込んだ文章なんだということを、つくった本人が言っているんですよ。そうすると、そういうことになるじゃないですか。違うんですか。
○羽田内閣総理大臣 これは、基本的には、今まだそういった問題について、例えば北がどういう行動をしているということではない。まさに今、対話の中で、しかもIAEAの査察団が行って今まさにその調査というものをやっている段階であります。非常にデリケートなときです。ですから、そういったことについて今私は議論したくない。 ただ、私どもは、国連が決定したときには、あくまでも日本という国は憲法というものに基づきながら対応をするということであります。
○志位委員 議論したくないと言うけれども、あなたが所信表明で言った言葉の意味を聞いているわけですよ。あなたが言った言葉なんですよ、「また、」というのは。だから、それは国連の枠外なのか枠内なのか、はっきり答えてください。
○羽田内閣総理大臣 それにつきましては、日本というのは、いずれにしてもアメリカと日本というのは当然これは日米安全保障条約、あるいは韓国と米国とも関係を持っておるという事態、こういったのが北東アジアの中にあるんだということを、これを私は訴えておるものであって、今の、何ですか、半島の問題についての問題ではなかろうというふうに思っております。
○志位委員 半島の問題ではなかろうなんていう、そういうごまかしを言ってもらっちゃ困る。はっきり北朝鮮に対する対応の問題で、三つ目の選択肢で「また、」と言っているんですよ。あなたの所信表明の演説じゃないですか。一般論として日米間の協力が必要だとかなんとかという話じゃないですよ、これは。あなたの中で、北朝鮮への対応のことを言っているでしょう。そうでしょう。はっきり答えてください、もう一回。だめですよ、そんな。
○羽田内閣総理大臣 これはまさに今申し上げました、いずれにせよ、我が国は、国連の方針が決定された場合には、これに従うものとする。また、日本国憲法のもとで緊急事態に備えるとともに、日米及び日韓の各国間で緊密に連携し、協調して対応するということでありまして、私どもとしましては、もし万が一、残念ですけれども、そういう難しい事態になったときには、この地域の安全のために我が国としてでき得る憲法の範囲内において対応するということであります。
○志位委員 いいですか、万が一つて、こっちが仮定形で言っているんじゃないですよ。あなたが言った言葉の意味を聞いているんだから。 それを、いいですか、はっきり答えてください。国連の枠内なのか枠外なのかと私の問いです。答えられないですか、これ。答えられないとすると、これまた重大なんだけれども。はっきり答えてください。もう一回だけ聞きます。
○羽田内閣総理大臣 ここでわざわざ説明しておりますけれども、日本国憲法のもとで緊急の事態に備えるということでありまして、ですから、国連そのものの決定とは、これは別の次元の問題であろうというふうに私は理解いたします。 それから、我々としては、当然政府としてこれは進めていきます。それは、政党の中にはいろんな議論があります。そして一つの方向というものを示すことがあります。しかし、我々はその事態というものを政府として、内閣としてやはり直視しながら進んでいくということであって、これは政党の合意そのまんまが全部実行されるというものではないということもあわせて申し上げておきます。
○志位委員 国連の外もあるのだという答弁をされたので、これはなかなか非常に重要な答弁だと思うのですよ。 結局、あなた方は三つシナリオがあるのですよ。平和解決ということを言いながら、ちゃんと制裁ということをアメリカに約束してくる。そして、三つ目に、国連で決定がなくてもアメリカとの共同の対応もあるのだということを言われたというのは、非常にこれは重大だと思うのですね。私、アメリカが今制裁の名でやろうとしていることは生易しいものではないということを一つ申し上げたい。 これは、きょう持ってきたのは、ペリー国防長官が三月十五日にUSAツデーという中で言っていることですけれども、この中で、経済制裁を超える選択は軍事選択である、我々の軍事指導者は戦争になれば恐らく勝てるだろう、しかしその場合は非常に重大な損害と数十万人に上る死傷者が出るだろう、ここまで言っているのですね。これはペリー国防長官の発言ですよ。 ですから、アメリカはそこまでシナリオを持っている。あなたはこういうことを知った上でこういう確認事項を結ばれ、そして所信表明をやられたかどうか私は知りませんが、いいですか、アメリカが、自分の方の持っている核はこれは未来永劫持ち続ける、これを当然視しながら、ほかの国にちょっとでも核開発の疑惑があると一方的にこれを認定したら、一方的に戦争をやってもいいのだ、最後は軍事的選択もあり得るのだということになったら、私は、これは国際社会に無法を持ち込むことになると思う。それに、あなた方が確認事項あるいは所信表明の中で、緊密な連携、協力ということをうたわれたのは非常に危険な方向だというふうに思います。 それで、第三に私聞きたいのは、有事立法の問題です。 その中で、今、有事立法、あるいは緊急立法と言いかえてもいるようでありますが、この話が出てまいります。かつて、七八年当時あるいは八〇年代の二回の中間報告、こういうものを読みますと、なかなかこの内容は重大であります。 例えば、自衛隊が陣地をつくるために土地を収用して、その上にある工作物を撤去する、あるいは、食料品とか医薬品などを、強制的にそういう物資を徴発する、あるいは、医師や看護婦などの徴用、国内での通信、電波規制、空域や海上での交通規制。要するに、日本国民の生活と権利をあらゆる面で軍の行動に従属させるという内容ですよ。 加えて、きょう聞きませんけれども、いろいろ閣僚の中からは、日本海で米軍が行動したときには駆けつけていって給油をやる、物資の補給をやる、そのための新しい立法措置も必要だということを言った方もおられる。 私、これは首相に伺いたいのですが、首相は、有事立法について答弁の中で、政府部内で検討を加えている、もし必要があるときは国民にも訴えていく、こういうふうに言われていますが、どんな検討を具体的にやっているのですか、具体的にお聞かせ願いたい。
○羽田内閣総理大臣 この問題については、五十二年に有事立法というのは研究を始めておりますね。そして、五十六年、五十九年とたしか公表されております。そして、実際に戦場になったときの対応ということでいろいろな、自衛隊なんかがふだんですとなかなか、例えば橋なんかでも、橋梁の確かに重量の制限ですとかいろいろなものがありますわね。そういったものに対してどういう対応をするのかというようなことが研究されておるということであろうと思います。
○志位委員 今研究中だ、こういう答弁だと思うのですが、私、熊谷官房長官が五月一日放映されたテレビ朝日の番組で、朝鮮半島で衝突が起こった場合の対応についてこうおっしゃっている。一月といわずコンセンサスさえあれば一気に危機管理体制をつくることができる、事が起これば何をすべきか十分にわかっている、そのための素材はきっちりとできている。こうなりますと、検討中なんてものじゃないのですよ。過去完了形なのですよ。もう基本的に有事立法の準備は完了しているということだ。 しかもあなた、このテレビ番組の中でこう言っているのですよ。平時に、何も問題が起こっていないときにこれを出せば、今の日本の政治の土壌ですから大変な混乱が起こります。あなた方が検討しているものは平時に出せば日本の政治が大混乱する、そういうことですか。あなたが言っているのですから、はっきりお答えください。
○熊谷国務大臣 これはテレビ放映で、まさに私は全体を見て文脈で受け取っていただきたいのですが、いわゆる有事立法について私はお話を申し上げていたのではございません。 これは、いわゆる北朝鮮問題で、国連等でいろいろ議論になってくるということになったときに一体どうなるんだと。いや、それは今せっかく平和裏にやっているときに一々具体的に話を想定をしてお話をするのはいかがかと思うということを何度も繰り返しておるわけでございます。 その上で、それでも重大事が起こったときにはどうなるのかということでございましたので、それは私はたしか三野委員にもお答えをしたわけでありますけれども、これは新聞等では誤って見出しをつくってありますが、実務レベルで検討をいたしておりますということを申し上げました。実務的準備完了、こういうふうに報道されているわけですが、そういう意味ではございませんで、実務レベルで準備はしておりますと。その意味は、各省庁レベルで情報交換をし、またそれぞれの省庁におきましてその事務所掌範囲内において検討を進めております、もし何事かあればそれに必要なことについて準備を開始する用意がある、こういうことを申し上げたくてお話を申し上げたわけでございます。
○志位委員 これはあなた、私、起こしたやつがあるのですよ。私もテレビを見ていたのですけれども、余りひどいので、ちょっと。これは放映されたものですから、報道なんていうのじゃない。みんな見ているのですから、日本じゅうの人が。 その中であなた、有事立法の問題じゃない、緊急立法の問題じゃないと言うけれども、危機管理体制を一気につくることができる、まさにそのことをずばり言っているのですよ。一月といわずコンセンサスがあれば一気にできると。しかも、それを今出したら、ここは私、あなたの話を聞いていてぞっとしたんだけれども、今出したら日本の政治に大混乱が起こる、平時に出したら。 平時に出したら大混乱が起こるようなものを、あなた方は、じゃ有事になったら一気に通そうというわけですか。本当にそれは恐ろしい発想ですよ。いや、それはあなたそう言っているのですよ。言っている、これ。はっきり言っています。平時に何も問題が起こっていないときにこれを出せば、日本の政治の土壌ですから大混乱になる、これはとんでもない発言だよ。これは平時に大混乱が起こることなんですか。 ですから、もうこれは時間がなくなりましたからこれ以上あなたと詰めていてもしようがないけれども、私、この議論を通じて痛感しましたのは、平和的解決、これは結構ですよ、口で言うのは。本当にそのとおりやっていただきたい。しかし、あなた方は平和的解決ということを言いながら、先ほど言ったように、アメリカとの会談では制裁ということを国連でも議論されていないときからもう約束してくる。それから、あなたの所信表明演説の中で、国連の方針がなくても対応するという部分を入れ込んでくる。そして、平時に出したら大混乱するようなシナリオをもう着々と進めている。つまり平和的解決、平和的解決と言いながら、実際やっていることはそういうことだということになれば、国民に隠れてこれをやるということで二重に危険なやり方だ。 私たち日本共産党は、この北朝鮮問題を通じて、これを口実にして日本の憲法を踏み破るような、そういう危険な道に日本を引き込むやり方には絶対に反対して、平和を守るために闘っていきたいというふうに思います。 最後に、当面の政局に関する首相の姿勢をお聞きしたい。 今、さまざまな世論調査を見ましても、国民の六割、七割という方が速やかな解散・総選挙によって国民に信を問えということを求めております。なぜそういうふうに今国民が解散を求めているか、それはやはり理由があるのですよ。 あなた方の政権が、国会の議席で衆議院の三分の一、参議院の四分の一しか占めていない、そういう少数与党政権である。これは、こういう原因があるからです。国民の支持でいえば、連立与党の方々みんな合わせて大体得票率三〇%ですから、三〇%しか得票がないのに政権を持っているという、この国民の支持と政権のいわばギャップですね、これをやはり国民は解散・総選挙によって埋めてほしい、もっと民意の反映した政権、民意の反映した国会をつくるべきだというのが国民の皆さんの声だと私は思います。 ところが、あなた方の発言を聞いていますと、ともかく次の総選挙は小選挙区制でやらなければ絶対だめだ、小選挙区制以外の選挙は邪道だ、政治改革つぶしたということで、もう一切それ以外の選挙は受け付けないという態度をとっていらっしゃる。しかし、国民の皆さんは速やかな解散・総選挙を望んでいるのですよ。あなた方自身が引き起こしたこういう少数与党政権、こういう事態によってそういう事態が起こったのですね。 ですから、私は総理に聞きたいのですけれども、小選挙区制でなければ絶対だめという、そういう態度をとるべきではない。区割りができるまでは国民の審判は絶対だめだ、区割りができるまでは、この制度が完成するまでは国民の審判は抑えつける、これはもう絶対拒否する、この態度ではだめだと思うのですが、いかがですか。
○羽田内閣総理大臣 私は絶対だめだなんということを一度も言ったことはありませんよ。総理大臣の解散権というものは、いかなる状況があろうともこれを外すことはない。要するに、内閣の拒否権というのは解散以外にないわけですよ。ですから、それは一切私は外すことはありませんということを言っているぐらいでありまして、絶対ないなんということは言っておりません。 しかし、今お話がありましたが、世論調査でお答えをするとなると、例えば旧選挙法のままで、中選挙区のままでやりなさいというのは二七%、そして新しい選挙制度でやりなさいというのが五九%、そういう世論というものがあるということも御理解をいただきたいと思っております。
○志位委員 絶対にやらないという、あなたの方は、解散権は縛られないという話は、そういう状況になったらやむを得ずやることもあるという意味であって、方針としては絶対やるべきじゃないという方針をあなた方がおとりになっているから私は聞いたわけですね。 それから、今世論調査の数字が出ましたけれども、最近の、これはフジテレビですか、フジテレビの世論調査が報道されていましたが、七割の方が、中選挙区制であっても、選挙制度を問わず速やかに国民の民意を問いなさいという世論調査の結果のあることも述べておきたいし、あなたの引かれた中でも三割の方は中選挙区制でも早く選挙をやってくれという声もあるということも私は指摘しておきたい。 私、やはり今国民の支持と政権の間にギャップがある、三割の支持しかないのに政権があるというこのギャップは、本当に議会制民主主義にとって重大だと思うのですよ。ところが、これは小選挙区並立制の問題の原点に立ち戻って考えるならば、基本に立ち戻って考えるならば、そういう民意と政権のギャップを制度的につくり出すのが並立制ですよ。 これは、私が十月にこの委員会で細川前総理と、大政党本位に民意をゆがめる、こういう特徴を持っているかという論戦をやったことがあるのですが、これをお認めになりましたよ。羽田さん御自身も、これは自民党の選挙制度調査会長だったときに出した「政治改革 一問一答」、私もよく読ませていただきましたけれども、この中で、小選挙区制というのは大政党にとって得票率以上の議席占有率を持つという特性がある。並立制になっても、それは緩和されたとしても、基本的に変わらない。 そういう点で、並立制になれば三、四割の国民の支持しかなくても政権を握れる。六割ぐらいの議席を握れる。政権も握れる。つまり、今ある政権と国民の支持のギャップをまさに制度的に保障するのが小選挙区制ですよ。 ですから私は、今国民は、国民の支持に基づいた政権を望んでいる。国民の多数の支持に基づいた政権を望んでいる。国民の多数の世論をきちんと反映した国会をつくることを望んでいる。そのときに、民意をゆがめる、大政党有利に民意をゆがめて少数政党を切り捨てるような、そういう制度のもとで選挙を行うべきでない。私どもは、中選挙区制のもとで、民意を反映し、少数意見もこれを尊重されるというこの制度のもとで選挙を行う、これが憲政の常道だということを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。(拍手)
○山口委員長 これにて志位君の質疑は終了いたしました。 次回は、明二十五日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時六分散会