予算委員会 第6号
- 発言数
- 295 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1994/05/18
会議録
○山口委員長 これより会議を開きます。 本日付託になりました平成六年度一般会計暫定補正予算(第1号)、平成六年度特別会計暫定補正予算(特第1号)、平成六年度政府関係機関暫定補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題といたします。 まず、三案の趣旨について政府の説明を聴取いたします。藤井大蔵大臣。 ————————————— 平成六年度一般会計暫定補正予算(第1号) 平成六年度特別会計暫定補正予算(特第1号) 平成六年度政府関係機関暫定補正予算(機第1 号) 〔本号(その二)に掲載〕 —————————————
○藤井国務大臣 このたび、暫定補正予算を提出いたしましたが、その概要について説明申し上げます。この暫定補正予算は、既定の暫定予算に追加し、あわせてこれを平成六年四月一日から六月二十九日までの期間に係る暫定予算とするためのものであります。 まず、一般会計について申し上げます。 暫定予算が本予算成立までの応急的な措置であることにかんがみ、今回の暫定補正予算におきましても、既定の暫定予算に準じて、人件費、事務費等の経営的経費のほか、既存の法令等により支払い期日が到来する経費などについて、補正後暫定予算期間中における行政運営上必要最小限のものを計上することとしております。 新規の施策に係る経費につきましては、原則として計上しないこととしておりますが、生活扶助基準等の引き上げ、国立大学の学生の増募等教育及び社会政策上等の配慮から特に措置することが適当と認められるものについては、所要額を計上することとしております。 また、公共事業関係費につきましては、補正後暫定予算期間中における事業の継続的執行を図るため、一般公共事業につき、既定の暫定予算とあわせて、いわゆるNTT事業償還時補助を除く平成六年度予算額のおおむね七分の三を目途に計上することとし、その枠内において積雪寒冷地の事業については、特別の配慮を加える等所要額を計上することとしております。 地方財政につきましては、六月までに交付する地方交付税交付金に係る所要額を計上することとしております。 歳入につきましては、税収等の補正後暫定予算期間中の収入見込み額を計上するほか、公債金について、同期間中において財政法の規定により発行を予定する公債に係る収入見込み額を計上することとしております。 以上の結果、一般会計暫定補正予算による追加額は、歳入において二兆九千百九十億円、歳出において十兆八千九百三十億円となり、これを既定の暫定予算に合わせた補正後暫定予算は、歳入総額六兆七千四百七十六億円、歳出総額二十一兆九千四百四十四億円となります。 なお、十五兆一千九百六十八億円の歳出超過となりますが、国庫の資金繰りにつきましては、必要に応じ大蔵省証券を発行することができることとしております。 次に、特別会計及び政府関係機関の暫定補正予算につきましても、一般会計に準じて編成いたしております。 なお、財政投融資につきましても、一般会計に準じて、六兆九千四百五十一億円を追加し、既定の暫定財政投融資計画と合わせて、十六兆七千八百四十一億円を計上することとしております。 以上、平成六年度暫定補正予算につきまして、その概要を説明いたしました。何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
○山口委員長 これにて大蔵大臣の説明は終わりました。 —————————————
○山口委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中川秀直君。
○中川(秀)委員 私は、自由民主党を代表しまして、平成六年度暫定予算に関連しまして、総理並びに各大臣にこれからお尋ねをさせていただきたいと存じます。 まず第一に、羽田総理の政治姿勢と所信表明についてお伺いをさせていただきたいと存じます。 総理、私は、たしかもう数年前になると思いますが、ガットのCG18というウルグアイ・ラウンドの閣僚十八カ国会議に政府の代表として御一緒させていただいたことがございました。その節もいろいろ御指導いただきました。以来、立場は違いますけれども、あなたに敬愛の情を持っている一人である、こう私は思っておるところでございます。 しかし、先般行われた所信表明、またいろいろな報道機関における世論調査、そのようなもので総理に対して大変厳しい御批判も今出ていることも否定できない事実でございます。私は、国のリーダーというものはこういう批判はっきものだ、こう思います。それはまた民主主義の花でもあるわけですが、しかし、こういうものに対して、ただけしからぬということではなくて、むしろありがたい、こう思って、こういうものをびしつと正面から受けとめる、そして、言葉ではなくて行動と実績でこういうものを受け入れ、また立ち向かい、そして国民の信頼を得る、これが指導者の道じゃないか、こう思っております。そういう観点でお尋ねを申し上げますので御答弁をお願いしたい、かように思う次第であります。 まず、けさの朝刊からお伺いして恐縮なんですが、日経ですか、羽田内閣発足時の内閣支持率四二・二、不支持三一・六。予算案を成立させたらできるだけ早く解散して国民の信を問うべきだ、五一・一%。それも新制度でやるべきだというのが五〇%ですか、合わせて。ともかくそのような世論調査結果が出ておりますが、率直なこれに対するお受けとめ方、そしてまたお考えを簡単にお伺いをしたい。
○羽田内閣総理大臣 このたび、まさに思いもかけない中で内閣総理大臣に就任いたしまして、改めてその責任の重さというものを痛感をいたしておるところでございます。 今お話がありましたように、御指摘のある点あるいは御注意、こういったものは謙虚に受けとめながらやるということが大事であろうというふうに思っております。 また、今の新聞の世論調査、これによっての御指摘があるわけでありますけれども、確かに、政権が新しくかわったということがあります。そして、私どもは少数与党であるということ、こういったときに、国民の中からも早く信を問えということでありましょうけれども、御案内のとおり、今区画委員会というものが進められておりまして、ここから答申を得て私ども新しい制度を完結させるということがあります。 完結させませんと、残念ですけれども、例えば政治資金の問題にしましても、あるいは公職選挙法の問題にしましても、これが実は実らないということになるわけでございまして、そういうことを考えましたときに、私どもといたしましては、何とかやはり制度だけはしっかりとしたものを早くつくり上げる、これが必要であろうというふうに考えておりまして、中選挙区といえども解散権とかそういったものは別にあれするものじゃありませんけれども、しかし、私は新しい制度の中で選挙が行われることが望ましいというふうに考えておることだけを申し上げさせていただきます。
○中川(秀)委員 いま一つお尋ねをいたしますが、私、最近ちょっと気になります世論調査といいましょうか、そういう調査結果を新聞で読んだのです。 これは日本青少年研究所というところが高校生の日本、アメリカ、台湾の比較調査をしたものなんですが、お目にとまったかどうかわかりません。この中に、日本の高校生の五一・七%が先のことを考えずに今を楽しむ。その点の同じ答えをしたのは、米国では二二%、台湾では一三%、はるかに我が国の若者たちは、いわゆる現在享楽志向といいましょうか、そういう方向へ走っている。日本の場合は約五二%、アメリカが二二%、台湾が一三%と、はるかに違う、こういう結果なんですね。 それからまた、毎年経企庁の国民生活局がやっている国民生活選好度調査という中で、世の中がいい方向へ行っているか悪い方向へ行っているかといつも調べておるわけですが、最近、平成五年度発表になったもので言いますと、将来の暮らしについては、世の中は次第に暮らしよい方向に向かっているというふうに肯定的に答えた人は前年の四六・二%をはるかに下回って三七・九と、大幅に減少しておるわけですね。また、将来についても、女性の方が暗い見通しを持っている、また男性は、二十代、四十代がかなり否定的な見方をしておりました。こういう結果が出ております。こういう調査を予算を使ってやっておるわけですから、私ども、これはやはりきちんと受けとめて、政治に対する姿勢をきちんとしていかなければいかぬ、こう思うわけです。 平成で総理は六人目の首相になられるわけです。最初が竹下内閣でした。それから宇野内閣、それから海部内閣、宮澤内閣、細川内閣、羽田内閣。昔、歌手は十年、総理は二年で使い捨てと言ったのですが、今平成に入りましたら八カ月か九カ月ぐらいなんですね。こういう状況がずっと続いている。 私なんかも東京であるいはまた郷里でいろいろな方の話を聞いてみますと、つい先日も、二百軒ぐらいの小さな地域であったわけですが、そこの人々と話しておりましたら、我々のこの地域でも、和の精神といいましょうか、いろいろなことがあってもそういう気持ちで物事をまとめておる、しかるに、最近の政治はお互いの足の引っ張り合いばかりで見るに忍びない、本当に腹が立つ、こういうことを二、三人の方から言われました。全くそれは本当に反省をせねばならぬことだ、こう思います。 与野党が政策論争抜きに権力闘争に血道を上げているなどということは国民がかなり厳しく見ているわけで、そういう意味では、私どももこういう声を謙虚に受けとめて、国民のためになることは、野党ではありますけれども政府と協力して大いに推進をしていく。そうでないものについては、決然とやはり修正を願って、御訂正を願って我々は主張いたしてまいりますが、いずれにしても、それには政府・与党、特に総理が開かれた政策決定というものをやっていくという姿勢が極めて必要だ、こう思いますね。 ともかく、総理は協調、協調と大変強調しておられるわけですけれども、こういった一連の若者たちや国民の将来に対する暗い気持ち、あるいはまた日本じゅうに満ち満ちている政治不信、政策不信、こういうものの中で羽田内閣丸は船出をしたわけで、しかも平成に入ってころころと内閣がかわって御登場なさった。こういう全体のことを踏まえてこれから真剣におやりいただかなければならぬ、こう思うわけですが、そのことについて御感想、御意見、ひとつ御答弁願いたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 今お話があったわけでございますけれども、やはり私も、今の状況というのは政治に対する閉塞状況、こういったものを国民が感じておるんじゃなかろうかという認識を持ちます。そういったものがいろいろな各種段階における選挙の投票率、非常に低いものがあるということでありますが、こういったところにあらわれているんじゃなかろうかというふうに考えております。 ただ、確かに世界も大きく動くと同時に、やはり日本も大きく動いておるということがあろうというふうに思っておりまして、新しい一つの秩序がつくられる過渡期的な一つの産みの苦しみというようなことも言えるんじゃなかろうかというふうに思います。 しかし、今御指摘がありましたように、どうも政策論議というものがなされないじゃないかというお話であるわけでありますけれども、そういったものが国民のところに見えてこないということになると、いよいよもって一体どうなっていってしまうんだという不安があるということであります。 ただ、私どもが当面する問題というのは、政治の改革にしましても、あるいは経済の改革にしても、社会改革にいたしましても、行政改革等も含むわけでありますけれども、ともかくこういった改革というもの、あるいは国際的に日本がどんな役割を果たすのかということ、こういったことについての課題というのはもうほとんどメニューが並んでいるんじゃなかろうかというふうに思っておりまして、そういう問題に対して真正面から議論するということが、政治に対する、あるいは国民が将来に対する安心というものを取り戻すことになるんじゃなかろうかというふうに思っております。 そういう中で、我々は国内の問題については、この国に生まれ育つ人たち、生きていく人たちが将来に向かって安心の持てるような、そういう国づくりということのために本当の論議が展開されるようなものにしていかなければならないということを、私自身も痛感しておることを申し上げたいと思います。
○中川(秀)委員 総理、民主主義というものは、やはり賢い国民の意見の上に賢い政治をやっていくというのが原則だろうと思いますね。一部の人だけで物事を決めて、これを独断専行的に上意下達で決めて、ついてこい、こういうのはやはり民主主義ではない、こう言わざるを得ないと思います。 そういう意味で、今起きておる政治不信というのは、そういうプロセスを含めた政策不信というのも僕はあるのではないか。これは政府・与党だけの責任ではない、我々も大いに謙虚に反省せねばならぬことですが、政治全体がそういう民意というものを十分に酌み取って取り組んでいくということでないとこの不信は解消できないのではないか、こう思いますが、総理は国民というのは衆愚である、こうお決めになっているとは僕は思わないわけですよね。正しい判断材料を与えれば、やはり相当の正しい御判断をいただける、こうお考えいただいてやっていかなければいかぬのじゃないかと思いますが、その点、もう一点どうですか。
○羽田内閣総理大臣 この点、御指摘のあったとおり、全く私も同感であります。 先日の本会議でも申し上げたわけでありますけれども、やはり私は、日本人というのは賢であるというふうに考え、そして、国の持てる情報あるいは国の置かれている現況というもの、これを率直に国民の皆様方のところに披瀝しながら、その中で国民の理解を求めていくことが大事であろうというふうに思っておりますし、私どもの政治の運営の仕方、こういった問題についても、今御指摘のあったことを私たちは大切にしていかなければいけないというふうに考えます。
○中川(秀)委員 ぜひそうお願いしたいと存じます。 それでは、所信表明のことについてちょっと触れさせていただきたいのですが、総理は何回も、普通の言葉で政治を語りたい、言葉が通じ合う政治、心が通じ合う政治、こういうものをお訴えになりました。 確かに、演説を伺いまして、わかりやすい、平易であるし、それから心の中にすいすいと入ってくる、そういう内容であった、内容というよりか表現であった、こういうふうに思うのですが、逆に言いますと、私、大変失礼な点があるかもしれませんが、各新聞の社説やまたコラムや、総理の所信表明についてのいろいろな評論を全部集めて読んでみました。まことに総理にとっては不本意かもしれませんが、ほとんどの論調が厳しい言い方をなさっている。 つまり、演説は確かに平易だけれども、聞こえはいいが、さらさら流れるだけで心にとどまるものが少ない、普通の言葉が通じるという政治を目指すならば、少なくとも政治のこれからの目標、方向だけでなくて、手順やあるいはまた時期とか、そういうものもリーダーとして、お示しできるところは示してもらいたかった、まあ一言で言えばそういうニュアンスであったのじゃないか、こう思います。 かなり厳しいところでは、ともかく総理御就任の感想として、心を引き締めて全力で取り組む。また、改革、協調というのについては、先頭に立って、難局にくじけず、あすを目指して取り組む。また、連立政権に触れては、発足時の志を忘れることなく、これまでの経験をばねに、決意も新たに取り組む。 それから、予算の審議が進まない、日米経済協議もまだ再開されていない、朝鮮半島情勢が不透明である、こういうことを尋常ならざる事態と総理は言われたわけですが、それに対して、誠心誠意を尽くして重責を果たしていきたい。また、今日の不況、経済的な苦しさの状況については、しっかりとした将来の目標に向かって進取の気性で立ち向かうならば、おのずと新しい道は開けるだろう。また、外交上のさまざまな問題も、強い決意を持ってあらゆる外交の努力を傾注してまいる。 要するに、今度は所信表明なんですが、施政方針演説というのがありますね、施す政治の。総理のは施す政治ではなくて、姿かたちの姿勢方針演説じゃないかとこう書いているんですね、ここは。つまり、選ばれた以上は誠心誠意やるのは、また全力を尽くすのも当然だ、ただそこにもう少しそういった目標とかあるいは手順とかそういうものがはっきりわかるような、そういう内容を盛り込んでいただきたかった。 そうでないと、やはりこれは、外務大臣も総理はおやりになって、さまざまなタフネゴシェーターともおやりになってこられたわけですが、総理の演説は海外にも報道されている、そしてまた対外的にも日本の首相に対する評価あるいは日本に対する評価、こういうのにかかわってくるわけで、そういうものであるならば、もう少し所信表明に白黒をつけるような内容や方向が必要だったのじゃないか、こういうような批判もございます。 ともかくそういう意味で、国内での信頼を回復し国際社会での信頼もかち得ていくという意味で先ほど長々といろいろなことをお伺いしたわけですが、この所信表明に対するさまざまな御批判は私なんかよりも総理自身の方がお読みになった点もあろうと思いますし、私、余り気にするなと、しかしこれは言葉じゃなくて行動と実績で立ち向かって信頼をかち得るべきだということを先ほど申し上げたわけです。 そういう意味で、この所信表明に対するさまざまなこういうコメントに対して総理はどう受けとめて、そのコメントあるいは評価をどうこれから生かそうとなさっておられるか、ひとつ御答弁願いたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 御批判のありました点はやはり謙虚に受けとめなければいけないというふうに思っております。 ただ、ああいう形の中で私が実は政権の座につくということになったということ、日にちも余り置かれなかったということと、もう一つは、今お話がありましたように、施政方針というよりは、これは姿勢の点につきましては、まさに細川内閣で一緒に進めてまいりましたものですから、そういった問題はおきながら、自分が政治に取り組む姿勢を申し上げたというのが今度の所信であったというふうに思っております。 しかし、いずれにしましても、先ほども申し上げましたように、私どもが今やらなければならない、当面取り組まなければならないのは、内外ともにもうメニューは実はでき上がってしまっておるということ、それから幾つもの問題についてはもうタイムリミットが一つずつ実はあるということであろうというふうに認識しておりまして、そのあたりをもう少し明確にすればよかったのじゃなかろうかと思っております。 私はもともと余り語るというよりはみずからが行動してしまう人間でございまして、今御指摘のあった点はよく私も率直に受けとめながら、これからいろいろな問題について行動で示していきたいというふうに思っております。
○中川(秀)委員 ぜひ今のお言葉のとおり、一国の内閣総理大臣ですから、いろいろな周りにいる方々がおつくりになる文章だけでお答えになるのじゃなくて、わしはこう思う、この時期までにこれをしなきゃいけないと、メニューはあっても手順とか、あるいはいつまでとか、これがやはり指導者の決意であり、またリーダーシップだと思うのですね。そういうものを前面に出されてやっていただかないと、さっき言った政策不信、政治不信というものにもつながってきかねない。そこら辺をひとつ力いっぱいお願いをしたい、かように思います。 それでは、次の暫定補正予算と総予算の編成について、ちょっとお尋ねをいたします。 実は、後ほども触れますが、ひょっとしたら戦後最長の不況になるかもしれない、こういう厳しい経済情勢の中で、国民生活あるいは日本経済の基盤たる国家予算の成立が三カ月近くにわたっておくれようとしている、これはもう本当にゆゆしき事態でございます。今度の昨日趣旨説明が行われた平成六年度総予算は、三月の四日に実は提出をされましたね。そして、ようやくきのう趣旨説明が行われた。ともかく、この間二カ月余、二カ月半にわたっておくれてきておるわけですね。これはどういうことなのか。 私は、当委員会の理事にならしていただきましてから、連休前に予算委員会の理事会をやろうということで、委員長職権で公報にも記載をされました。ところが、その連休前の理事会に与党側の理事が出席なさらなかった、二回にわたって。一体政府というのは予算というものに対してどういう責任を痛感してやっておるんだ、私も、正直言って、疑問に思わざるを得ないというどころか、国民の立場に立てば本当に、感情的な問題ではなくて、これは許されることではないぞ、こういう気持ちに正直言ってなったわけですね。 そして五月の九日に、ようやく連休明けに理事会が与党も初めて出席をして行われました。その席で私どもの方から、二カ月も予算の趣旨説明がおくれた、これは一体だれの責任なのか、こういうことをお尋ねをいたしまして、与党の理事さんは、これはもう与党の責任だ、政府・与党の責任だ、統一見解ですねと言ったら統一見解です、こういうことでありました。 そして、この暫定予算についても、その五月の九日には、明確にいつ提出する、こういうお話も実はございませんで、私どもの方から、そんなことでいいのか、二十日には切れるのではないか、こういうことでございました。そして、実は翌五月の十日に与党側から、提出日は、十日間かかります、したがって五月の十八日いっぱいかかります、原稿を書くのに四日かかります、それからまた校正に二日かかります、出張校正に一日かかります、印刷製本に二日、国会提出に一日、合計十日間かかりますということで、九日から作業を始めて十八日になりますということでございました。 ということは、国会の審議は衆議院と参議院両方あるわけです。そうすると、十九日に審議をして、そして参議院が二十日、これでなければもう上がらないわけですね。もう切れてしまうわけですよ、予算が。私は、これは幾ら何でも無責任と申しましょうか国会軽視も甚だしいんじゃないか、ともかく二十日で切れるのに衆参一日ずつだけで審議をしろとかですね。 きょうも実は、我々が急げ急げといって、十八日中というのをきょう九時から閣議をしていただいて決定をして、暫定予算を提出して今趣旨説明があった。そして、この暫定予算をすぐ審議に入れということもこれも国会軽視でありますが、ともかく、その内容も、説明も、閣議決定前には与党にも野党にもできないなどというお話もあったやに聞きます。私のところにはべら紙で、昨日、一昨日ぐらいに簡単な数字の説明は正直言って聞かしてもらったんです、質問するんだからしようがないわけですが。 そんなことでは官僚主導、政治不在ではないか、こういうことも多くの皆さんが、議員たちも言っておるわけですが、遅くも我々はこの連休明け、五月二十日に暫定予算は切れるわけですから、連休明けにはもう当然内容も詰まっておって、できればまあ連休明けすぐ出す、あるいは十二、三日ごろに出す、そして当然十六日、七日ごろから審議に入るということだと、こう思っておった。万一これ、何か問題が起きて、不測の事態があった場合には、予算はなくなってしまうわけですよね。 新聞では四月の二十三日に、「政府・連立与党は九四年度予算案を五月二十日までの暫定予算期間中に成立させることが絶望的になったと判断」して、補正予算を編成する作業に着手した、こういう記事が載ったわけですよ、連休前に。当然ですよ、これは。作業に入るのは当然でしょう。入らない方が無責任です。ところが、なかなか出ないから聞いてみれば、連休明けの九日から作業に入ります、十日間かかります、十八日いっぱいかかります。一体これはどういうことなのか、こう思うんですね。 ともかく、まあ私、きのう財政当局に聞いたんです。この二十三日にこういうことから入っていたんだろう、それが何でこんなにおくれるんだ、こう聞きましたら、入っておりません、記事は間違いでございます、こういうことでした。 じゃ、いつそういう作業に入ったのかと言ったら、これは五月の十日でございます。なぜなんだと言ったら、政府・与党でこの暫定予算の日数を決めてもらわないと作業に入れない、それからまた、本予算の審議と院の問題にも絡むところがある、したがって役所が勝手に補正の作業に入るなどということは越権である、だから入れないんだ、まあこういうことでした。これは事務方としては、私はそうだと思います。 とするならば、これはまさに政府、総理や大蔵大臣や政府、そしてそれを支えている与党、この政府・与党の責任だということになる。当然そういうことになる。 いつ決めたのかということになるわけですが、御案内のとおり、五月の十日の政府・与党首脳会議で作業に入ることを決めた、四十日間ということを決められた。そして先ほど言ったように十日かかった。本当に私は、この点だけは幾ら何でも少し無責任過ぎるし、国会軽視であるし、また総理、きのうの新聞に、中小企業の倒産が十五カ月連続で千件を超えておる、負債総額は一年ぶりに三千億円を超えて三千六百億円だ。大変なことですよ。その中で家を捨て、手塩にかけた企業のシャッターをおろしてどこかへ行かなきゃならない人たち、働いていた路頭に迷う人たち、大変な数ですよ。もうこの四十カ月の不況下で四十万人は超えているんじゃないですか。家族を入れれば百万人じゃないですか。そういう事態のときにこんな予算編成の仕方ということは、私は国民にかわって抗議しますよ。いかがですか。
○羽田内閣総理大臣 御指摘、おしかり、私どもよくわかります。ただ、御案内のとおり、ちょうどあの時点で細川総理が退陣をされるというような事態になったということがございまして、この間、次期首班の問題ですとか、そういった問題なんかもあったということ、この点につきまして大変おくれたことはもう恐縮に存じております。
○中川(秀)委員 簡単なお答えでございますが、これは私、自分で腹立てているわけじゃなくて、国民が怒っているからかわって申し上げておるわけで、十分これを痛みとして感じつつやってもらわないと、これからもさらなる不信を巻き起こしていくと思いますよ。 また本予算審議のときにもこういう議論を同僚議員がかなり厳しくやると思いますけれども、私は、この暫定予算でも、例えば恩給の改定なんかは、支給日が七月であるから何とか改定額で支払える。また、減税は法律が通っておりますね。だから実施ができる。しかし本当は、予算案も通って、予算関連法案、歳出権を与える法案も通らなければ歳出権は発生しない。つまり、これは必要十分条件だと思いますね。予算案だけで法案が通らなければ執行ができないわけですから。逆に言えば、法案だけ通ったといっても予算案が成立しなければ十分ではない。当然これは、法制局長官、そうでしょう。そういうことでしょう。どうなんですか。
○大出政府委員 一般論として申し上げますけれども、法律と予算は国政運営のいわば二大規範ともいうべきものであろうかと思います。そしてともに国会の議決によって成立をする、こういうものでありますから、両者は一致した状態にあるべきものと考えられるわけであります。 例えば、ある施策を実施するために予算を伴う法律案が提出されている場合には、仮に法律案のみが成立をいたしたといたしましても、予算面で所要の措置が講じられない限りは、当該法律案の内容を執行することができないということとなるわけでありますし、また、逆に予算のみが成立をいたしたといたしましても、その裏づけとなる法律が成立しない限りにおきましては、予算の執行ができないというようなことになるわけであります。 このような意味で、法律と予算とがそろうことによって支出を十分に行い得るということになるのは、御指摘のとおりであると考えております。
○中川(秀)委員 大蔵大臣、ともかく六月のボーナスで減税は一律に二〇%還付をする、こういうことで、この補正予算が二十九日まであって、それから本予算がそこで成立するかどうか。その前にボーナス支払いだって当然あるわけですよね。 確かに減税の法案は通っておる。しかし、そのときに本予算の方はまだ成立していないかもしれない。そういうときに、総予算成立前でも減税は実施できるのかという議論もあったわけですよ。一貫して説明は、法律が通っているから大丈夫だ。しかし予算は通っていない。厳密に言うと、今の法制局長官の御見解のとおり両方必要なんですな、本当は。必要十分条件ですからね。本当はそうなんですね。 還付ということになれば、日本語の常識からいえば、一たん入れたものを出すわけですよ。戻すわけです。一たん入れたものを出すわけだから、当然これは歳出になるのです、理屈は。しかし財政法上とか大蔵省のあれでいうと、これはいわば調整です。あるいは、国庫納税基金みたいなものがありますな、収納基金というのかな、そういうものに入れて国庫に入れたわけじゃありませんから歳出ではありません、こういうことになるのかもしれませんが、理屈からいったら、正常な状態でいったら、予算も成立し法案も成立しなきゃ実施できないんでしょう、常識的には。この辺の説明は統一見解できちんと説明しておいてください。
○藤井国務大臣 ただいま大出長官がお話しになりましたのは歳出についてであろうと思います。また、減税、これは歳入の問題でございますが、大変国会の御理解をいただきまして三月末にはこれを成立さしていただき、四月一日から執行さしていただくようなことになりまして、本当にありがたいことだと思っておりますが、この減税についてはそういう歳出の問題でなく、既定の状況におきましてもいわゆる二〇%カット減税というのはこれによって行わせていただけるものと考えております。 また歳出については、今中川委員おっしゃっているとおりだと考えております。
○中川(秀)委員 そこで、繰り返しになって恐縮ですが、歳出権ではない、歳入に関することだ。ただ、まあ還付という言い方をしますと、一たん国庫に入れたものをまた戻すみたいな聞こえ方がするわけですよ。それは国税収納基金に入れてまだ国庫に入れていない段階でございます、歳入の調整です、こういうことでありますな、今の御説明は。 だからそれでわかるわけですけれども、しかしやはりこういう問題が生じるのも、予算提出がおくれる、本当に予算というものは年内編成、年度内成立が原則なんです。ところが今回は明らかに、年度内編成、年内成立かなんという冗談も出るぐらいおくれた。そして暫定予算もこんな状態で、連休明けから編成に入る、五月の十日に決める、こんな異常事態が起きるからこんな疑問まで出てくるわけで、そういう責任は痛感をしていただきたい、こう思います。 暫定予算の中にも弱者対策とか社会教育関係とか、普通は新規事業は入れないということですが、新規でも生活扶助基準の引き上げとか、あるいは社会福祉施設入所者の生活費の単価の引き上げとかこういう緊急のもの、こういうものは組む、過去の国会もそれを認めてきたということで組んでおられるわけですが、それは当然だと思います。 ただこれでも、もう五十日暫定組んで、今度の補正で四十日、合計九十日。ということは、一年三百六十五日ですから、約四分の一の予算を組んでいるわけですよ。暫定だから新規はなかなか組めませんといいましても、いろいろな影響が出てきますよ、これは。 今回の場合も、歳出の計上率は三〇%。かつて六十九日という暫定予算のときが、これは一九九〇年海部内閣のときに、二月に衆議院選挙があったのですが、そのときは一八・四%。今度は平均計上率が三〇%。まあ、いずれにしても四分の一より高い三分の一ですわ。これはもう本予算審議と同じですよ、考えてみれば。しかし、内容を見るといよいよ大切なものしか計上できないわけですな。 天皇陛下が御訪米の御予定がもう立っておりますが、この経費なんかも新規といえば新規のはずなんですけれども、そんなこと言っていられないから、これは年度当初からわかっているということで、早い段階でこの計画が発表されなきゃいけないということで、今までは予備費でしたが、今度は本予算ということでそれも組んでおられるようですが、これも当然です。 いずれにしても、今まで暫定予算はそういうごく限られた新規しか計上しない、あとは計上しない。でも、もう三分の一計上しなきゃいけない、期間で言えばもう四分の一に当たる。これは本当に、先ほども言ったように、この政治責任というのはかなり大きいと言わざるを得ないわけですね、常識的に考えても。 そういう点について、総理ちょっともう一言、どう思われますか。
○羽田内閣総理大臣 このおくれましたことにつきましては、まさに景気というものはやはりマインドが五〇%ということが言われるぐらいでございますから、このようにおくれているということがいろいろな面で悪い影響を与えているということを私どもも実は痛切に感じておりますし、また、私も政治家の一人としてやはりこれは大きな責任であるということを感じておることを申し上げたいと存じます。
○中川(秀)委員 昨日趣旨説明が行われた総予算ですが、これはこのままずっと行って、仮に六月の二十九日に成立をいたしたとして、実は提出からどのくらいかかることになるかというと、百十八日。過去、八七年の中曽根内閣のときに、これは売上税で紛糾したときですが、百十五日という日がありますが、多分最長審議記録ではないか、こういうことも伝えられております。 その原因ですね、おくれた原因。三月四日から四月の八日までおくれた、細川前総理がおやめになるまで、そのおくれ。それからきょうまで、実質審議に入るのは来週の月曜日、二十三日という予定と、こう聞いておりますけれども、その間のおくれ、これは何が原因だと思います、大蔵大臣。
○藤井国務大臣 いろいろな政治的な状況につきましては、私、今行政府の立場でございますので余りコメントするのは差し控えさせていただきたいと思いますが、連立与党の一員としてこの事態は重く受けとめております。 また、大蔵省の立場で申せば、三月四日に提出させていただいたということが例年に比べれば極めて不正常であったということも極めて率直にお認めいたしたいと思います。
○中川(秀)委員 総理、予算の理事会では与党側は、全部これはもう政府・与党の責任である、統一見解だと、こういうふうにおっしゃったのですが、総理、どうですか。
○羽田内閣総理大臣 まず内閣として予算を御審議をいただくという立場でございますから、これはもう私ども、やっぱり大きな責任があるということを痛感をいたします。
○中川(秀)委員 それで、おくれによっていろいろな影響も出ているのではないかと私は思うのです。実は、大蔵大臣のきのうの総予算の提案理由説明要旨、それを読んでも、社会保障でこういうことをやっております、農林関係でも文教関係でも防衛関係でもと、ずっとおっしゃった。新規施策のことが書いてあるのですね。それが全部六月の二十九日に、今国会会期中に総予算が成立するまでは、これもどうかわかりませんけれども、いずれにしてもまだかなり先だ。それまでは実行に移せないわけですよね。 例えば厚生省の、厚生大臣もおられるが、児童家庭対策やがん・エイズ対策、これはあなたのお言葉ですが、労働省の雇用支援トータルプログラム、こういうものもやっております、予算に計上しております。これが全部おくれる。厚生省は前年度九十億円程度だった児童関連の特別会計予算を一挙に六百億まで拡大した。 ところが、予算が決まらなくては新規事業に一切手をつけることはできない。予算執行の期間がどんどん短縮される。短縮されますよね、それは。 四分の一がなくなっちゃうわけだから。そうすると、このままだと年度内にきちんと消化できるかどうか、児童家庭局の課長は不安な様子だ。働くお母さんたちのための新規の延長保育サービスも四月の一日から始める予定だったが、これもストップ状態。保母さんを増員したのに補助金のめどが立たず困っている保育所があるだろう。どうですか、厚生省。
○大内国務大臣 六年度予算におきましては児童家庭対策というものを非常に意欲的に取り組みまして、例えば保育事業についても各種の保育事業を発足させるという計画でございました。そういたしますと、必然的に保母さんの増員が行われるわけでございまして、これに対する国庫補助が当然必要になってまいります。 それらの問題のみならず、例えばエイズにいたしましてもがん対策にいたしましても、例えばエイズについては拠点病院の発足、あるいはがんについては研究体制の発足と、いろいろな問題があるわけでございますが、予算の遅延によりましてそれが御指摘のような事態を迎えているということは、御指摘のとおりでございます。
○中川(秀)委員 労働省、通産省、建設省、順次ちょっとお伺いしたいと思います。 労働省は新規施策として、この状況ですから、雇用調整もこれから行われるかもしれない、もっと広がるかもしれない、大変な問題にこれからなる可能性がある。こういう状況の中で、雇用の安定に万全を期すために雇用支援トータルプログラム、こういうものに基づく雇用対策をやろうとしているわけですね。 例えば、中高年の社員に老後の生活設計の準備のために有給休暇を与えた企業に奨励金を出す施策、こういうものも盛り込まれているはずですが、五月中に成立しなければ支給は無理だ、実質来年度からの実施だ、労働省は残念がっているという記事がありますが、どうなんですか。そんなことでどうするんですか、この予算。
○鳩山国務大臣 中川先生御承知のように、ことしのナポリ・サミットでは成長と雇用ということがテーマになるわけでございましょうから、OECD諸国だけで三千数百万も失業者がいるというような状況の中で、いわば雇用問題を除いて経済を語ることができないということであろうかと思っております。 確かに先生御指摘のように、雇用支援トータルプログラムについては、既に昨年の十二月のうちに労働省では案をつくって、そして本年二月の総合経済対策の中に組み込んでいただいたわけでございまして、その関係で年度内にいわば何らかのかさ上げ等いじくりまして、その関係で今の暫定予算の中でもいわば新規でないというような扱いでかさ上げされたまま続いていくようなこともできております。 先生が御指摘されたように、実際に予算が成立をしなければ出し得ないお金、できない政策、多々あるわけでございまして、高齢期就業準備奨励金という中川先生のお話は、私も大変すぐれた制度であろうと思っておりまして、これはいわゆる中高年、あるいは高年齢者というよりもこれから高年齢者になっていく中年の方たち等が自己啓発をするために勉強する、そういう休暇を与えた企業にお金を出すなどという大変すぐれた制度でございますが、予算が成立しませんと出し得ない状況にあることは御指摘のとおりでございます。
○中川(秀)委員 実質来年度からの実施だと言っているけれども、そんなことがありますか。
○鳩山国務大臣 私はそのようには聞いておりませんが、そういう報道がなされているとすれば、また事務当局とよく打ち合わせをして、できるだけきちんとできるように考えていきたいと思います。
○中川(秀)委員 そうでなければ、何が新規施策だと、実行されない絵にかいたもちになってしまう、御努力を願わなければ困ると思います。 文部省、例えばいろいろな教育行政にかかわるさまざまな施策もあるし、特に公立小中学校の改築、増築、こういうものも当然全国各地で予定をされている。しかし、こうやって予算がおくれてまいりますと、これは当然新規ですから実行に移せない。予算がつきましても、今度は設計もせなければならぬ、入札もせなければならぬ、いろいろ時間もかかる。そうすると、建築工事にかかるのは秋以降になるんじゃないですか。普通なら、夏休みの時期に授業の邪魔にならぬように集中してやるわけですけれども、ことしはもう授業の邪魔をしながらがんがんやる、こういうことになるんじゃないですか。どう思われます、そういうことを。
○赤松国務大臣 学校施設の整備に関しましては、従来から教育上の配慮から夏休みの間に工事をするという方針でやってまいりましたことは御承知のとおりでございます。本年もぜひそのようにいたしたい。 児童生徒が、教育上といいましても、もっと具体的に言いますと、例えば安全、衛生、あるいは騒音、そういうものの被害を受けて教育が非常に思わしくない状況で行われるというようなことはぜひ避けたい。したがいまして、夏休みに工事をするという方針を本年もぜひ貫きたいというふうに思っております。 それで、それができなくならないように、できる準備をいたしまして、予算を通していただいた暁には速やかに着工できるようなことをただいま一生懸命考えているところでございます。
○中川(秀)委員 実質七月ごろに予算が成立をして、当然設計もし、さまざまなエンジニアリングもやって、それから今度は発注をし、入札をし、そして施工業者は施工業者で段取りというのがありますね、当然。手配がありますね、資材もあれば人の手配も。そんなことで、七月の二十五日からの夏休みに間に合わすということはかなり大変なことですよ。よほどの覚悟でないと、今言った答弁のようにならないのじゃないですか。よほどの努力をしてください。もう答弁は要りませんがね。 通産省が中小企業対策や、あるいは経済協力の中でも技術協力なんというのは御担当の分野であると思いますが、それもいろいろ新規施策があるはずですけれども、それももう開発途上国への調査隊派遣などの新規事業なんかがかなりおくれる、新規の派遣事業契約が交わせない、いろいろ関係国からは催促なり、いつ来るのか、そういう質問も相次いでおるというようなことも聞きます。 また、先ほど中小企業の倒産の現状をちらっと申し上げましたが、そういう状況の中で、いろいろな国の三関係金融機関の新たな施策、貸出枠の増大、こういうものもおくれていくわけですね。そういうことに対する責任というのをどう思われますか。
○畑国務大臣 先ほど中川先生御指摘のとおり、とりわけ中小企業分野におきましての深刻な実態というものを踏まえまして、いわゆる新分野進出の円滑化法等々、そういうものに積極果敢に取り組んでいかなければならない今日の現況にございまして、本予算あるいは暫定予算のおくれ等々は、まことに申しわけなく遺憾千万な実態にあるわけでございます。 なおまた、技術開発の問題も御指摘のとおりの実態にあるわけでございますので、この辺につきましての一日も早い御理解と御支援によっての本予算の成立とともに、最小必要の予算等々の執行に当たりましても、この辺を有効適切に活用をしていかなくてはならない。しかしながら、御指摘のような意味合いでの責任を痛感しながら今後の取り組みを積極的にやらさせていただきたい、こう考えておるところでございます。
○中川(秀)委員 通産大臣、ともかくそこまでおっしゃるならば、なぜ暫定予算の中に、こういう経済情勢ですから大蔵省とも相談し、総理とも相談をして、例えば今度盛っておるいろいろな貸付規模の拡大、緊急特例限度貸し付けの期間の延長とか、いろいろあるでしょう、新しいこと、この状況の中に。そういうものは、やはりこれは私は、私どもだってこれほど心配しておるわけです から、そういう御提案をいただいたら御提案をいただいたなりの処理がありますよ、当然。もう十五カ月も毎月千件を超える倒産があって、三千六百億円も負債総額が、四月かな三月かな、出た。そんな厳しい状況ですよ。路頭に迷う人がたくさん出ている。そういう判断もして、当然こういう新規も入れるべきですよ、今度の暫定の中に。 これから四十日間の中で、そういうようなことで手当てが得られずに倒産する人に対する責任とか痛みを感じなければいけない。今からでも間に合うなら、修正したらどうですか。私は、そのくらいのことが本当の政策に対する信頼、政治に対する信頼だと思いますよ。そういう点で御努力が足らないと言わざるを得ぬのですが、どうですか。
○畑国務大臣 御案内のとおり、いわゆるこの長期にわたります不況の中にございまして、四回にわたります補正等々、そしてまた最近におきましては緊急経済対策、あるいはまた総合経済対策の中にございます融資の関係、あるいはまた補正予算の計上等々、そういったことの実態を踏まえながら、ただいま御指摘のございましたような意味合いの対応をも努力をさせていただきたい、かように考えております。
○中川(秀)委員 新しい制度をせっかく提案するというのは、それほど現実が厳しいから提案しているわけでしょう。それは、三次補正とか今までの補正の繰り越しで対処できますという問題とはちょっと違うのですよ。それだけ大変だから新しいのを提案しようとしているわけでしょう。そういうものを暫定予算に入れたらいいじゃないですか、新規は入れないよじゃなくて。 繰り越しがありますといったって、大体例年よりは多いでしょうけれども、ことしは、三次まで補正したのですから。しかし、それでも大体、まあ公共事業だって一〇%ぐらいだと言われておるわけですよ、繰り越し額というのは、そんなのが常識だと。まあ、ことしはそれより多いだろう。一般経費だったらもっと少ないかもしれないでしょう、繰り越しで処理しますなんていったって。 ということは、そういうことも真剣に検討しなきゃだめですよ、おくれた責任は政府・与党にあるのだから。国民は迷惑している。だったら、そういうことぐらい今回の暫定予算でなぜ入れないのですか、もう一言。
○山口委員長 畑通産大臣、さっき、四回補正と言ったのですが、補正は三次ですからね、訂正しておいてください。
○畑国務大臣 いわゆる三次補正という前の、宮澤内閣当時におきましても経済対策を組まれた、それを数に入れましての四回と申し上げたわけでございまして、いわゆる長期不況という……(発言する者あり)
○山口委員長 本予算で言っているのですよ、私は。大臣、今度の予算は三次なのだから、そこは訂正しておいてください。
○畑国務大臣 今回の補正は三次補正であることは間違いございません。この点は訂正をさせていただきたいと思っております。 そういうような長期にわたりましての、いわゆる不況対策等々が組まれる中にございまして、ただいま申し上げましたような厳しい実態の中で、その痛みをいささかでも和らげる、そういうような意味合いでの、私どもが引き続き努力をしていかなければならない三次補正、あるいはまた三次緊急対策等々における融資関係等々を活用をして、いささか傷口を狭めてまいりたい、かような努力を続けてまいりたいと思っております。
○中川(秀)委員 いささかの努力で許されるような状況でないので、ともかく平成五年度の三次、四次じゃなくて三次補正までですよ。宮澤内閣の緊急経済対策というのは、もう一年以上前ですな。だから、ちょっとこれは対象には入らないと思います。 いずれにしても、そういう状況だから、姿勢が少し甘過ぎるといいましょうか、いささかの手当てで済むなどという、そんなものではない。もう一回真剣に検討し直してください、これは本当に。途中で直せるなら、もう一回出したっていいじゃないですか。 それから、最後に、農林省と建設省に伺いますが、農林省もいろいろ中山間地帯の活性化のための融資制度の充実等を考えておられたはずですし、この米騒動、一連のいろいろな農業の衰退、こういう中で新しい施策が望まれている。それもおくれていく、こういうことについてどう思われるか。 あるいは、建設省も一応三割組んでいらっしゃるわけだけれども、実際は新規事業はかなりおくれていくわけで、そういう意味では実害が出るのではないか。特に、寒冷地帯とか、工事は大体建設省、まずみずからのところで設計をし、見積もりをし、そして監理をし、それから発注していくわけですから、年度内発注が間に合わないかもしれない、そういう心配も出ていますよ。それについてどういうふうに考えているのか、農林大臣と建設大臣、それぞれに御答弁ください。
○加藤国務大臣 お説のとおりでございまして、中山間地あるいはまた農林関係の公共事業全般につきまして万遺漏なきを期してやらなくてはいけないのは当然でございます。 今回の補正後の暫定予算の計上内容というのはいろいろございますけれども、六年度予算額のおおむね七分の三、当初暫定十分の三を、もう御存じのとおりでございますが、目途としまして計上しまして、その枠内において特に積雪寒冷単作地帯、積寒地帯の事業につきましてはいろいろな判断をしまして七分の四程度を計上いたしておりまして、万遺漏なきを期しておるところでございます。
○森本国務大臣 中川先生から公共事業の心配をしていただいておるわけでございますが、同様に各所からいろいろと御心配をいただいておるところでございます。 建設省所管にかかわる本予算の七分の三、これを組ませていただいておりまして、御心配いただいております寒冷地域でございますが、北海道、東北それから北陸三県、十一県の事業につきましては、その七分の三の中でも特段に七分の四という配慮をさせていただいておるところでございまして、この期間であれば公共事業費は確保できているのではないかなというふうに認識をしているところでございます。 さらにまた、新規事業についていろいろ御心配をいただいているところでございますが、全体の予算の中で占める比率が非常に少ないということと、それからもう一つ、御承知いただいていますが、初年度をスタートする場合には測量、設計それから用地補償費等といった小さな規模でございますので、全体には私はこの期間中であれば事業をこなしていけるものだ、そのように今考えておるところでございます。 〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕
○中川(秀)委員 おっしゃることはよくわかりますが、ただ、ことしはそうは言いながらもそれだけでない部分も必ず出てくると思いますよ。やはり新規で緊急にやらなければならない仕事もあるし、実質上新規というのもありますよ。例えば、実施調査測量費は前年ついておっても着工はことしてあるとか、そういうものが七分の三か四ついていましても、結果的に本予算が成立しないために取りかかりが遅くなる。そうすると、発注も来春になるということだって起こり得ますでしょう、今までの例からいっても。 私は、建設省で、もちろん入札の改善も、それから公共事業は三割もアメリカより高いと、欧米より高いと言われていること、建設省自身の御調査でしたが、そういうものに対する改善もある。そういうことでいろいろ大変だと思いますけれども、またエンジニアリングの部門なんか民間だってうんと発達しているんですから、そういうものも大いに活用して、せっかくの予算が一日も早く実施に移されていくように、それだけ供用はおくれていくわけですよ。そういう意味ですね。ですから、そういう努力をことしも特段に、ことしは特別にやらなきゃいかぬと思いますよ。それはお願いしておきます。 それから、この予算関連でもう一点だけお伺いしたいことがあるんですが、きのう大蔵大臣、「財政改革を進めるに当たっての基本的考え方」と「財政の中期展望」について、いろいろ御趣旨の説明がありました。細かいことはまた別の機会に詳しくお伺いいたしますが、とりあえずあの中で特徴的なのは、ともかく国債依存度を九五年に五%未満としてきた従来の目標達成はもう断念したということですね、これは九九年まで先送りをするという内容になっておりますからね。これは、私は、現状のこういう経済の状況では、残念ですが、いたし方のないことだと思います。 しかし、その新しい九九年度までに先送りをして、九五年度以降毎年八千五百億円ずつ発行額を減額していく、九九年度に四兆円までに圧縮する、そういう新目標の達成も私はなかなか困難だと思います。税収を見たってそう思いますよ。 ともかく、当初予定した税収のはるかに少ないこの補正後の税収、平成五年度、六十一兆の予定が五十四兆というような状態でしょう。そうなってまいりますと、やはり来年度以降も、こういう目標は目標として、それは柔軟に取り組んでいかなければいけないんじゃないか。経済は生き物ですし、国民生活や日本経済の発展という、その活力ということが大事なわけで、もちろん財政も大事です。よくわかっております。 したがって、そういう意味では、定率繰り入れも一応中期展望ではまた復活することになっておったり、あるいは隠れ借金と言われるものも復活するような数字がざあっと並んでおりますが、私は、全体的に、こういう新目標も固定的なものとして考えないで、生きた実態に即した判断をなさるべきだ。 これはまあこれからの話ではありますけれども、せっかく御報告があったことについて、当然のことですが、強くこれは要望、要求をしておきたいと思いますが、いかがですか。 〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕
○藤井国務大臣 ただいまの中川委員のお話は、大変財政当局の気持ちを理解していただいているように思いまして伺っておりました。 五%というのは、御承知と思いますが、要するに公債費が累増しない体質になる一つの基準でございまして、かって平成二年にいわゆる赤字国債脱却をしたときに、次の目標として掲げたものであります。そういう目標を持つということは、私どもは今財政当局としては常に心得べきことだと思っておりますので、この目標はぜひ掲げたいと思います。 しかし、委員御指摘のように、それが非常に難しい事態にあるということも率直に事実だと思います。また、年々のいろいろな経済の動きなどによって一律にどうこうという問題でないということも御指摘のとおりだと思います。 今もお話でよくおわかりいただいていると思いますが、努力としてその目標はあくまでも掲げたいということだけ最後に申し上げたいと思います。
○中川(秀)委員 それでは次に、外交や安全保障の問題についてお尋ねをさせていただきます。 総理、もうこれは何回も衆参両院の本会議でもお尋ねが出ているところでございますが、こういう形で、一問一答でお伺いするのは初めてなものですから改めてお伺いをいたします。 駟も舌にしかずといいましょうか及ばずといいましょうか、一たん口から出た言葉はなかなか四頭立ての快速馬車でも追いつかない、つまり失言というのはなかなか取り返せないものだ、こういう意味ですが、永野前法相の南京大虐殺に関する御発言が撤回をされ、法相もおやめになったわけですが、やはり実際にしゃべった事実というのは厳然として残るわけですね。 ともかく日本とアジア諸国は過去を乗り越えようということで、首脳外交でもそういう共同声明がいつも発表されているわけですが、そうした流れに即した大臣としての公的発言をしていくのが現在の日本の政府の私は当然の義務だと思う。個人の意見を言うべき問題ではないんですよ、大臣というのは。そうでしょう。そういう意味では、極めてあってはならない発言だったと言わざるを得ません、これは。 そういう意味から考えますと、総理がヨーロッパ御訪問中のことでありましたが、そこで、ブリュッセルでの記者会見で、反省しているし勇気を持って発言を撤回した、内閣の方針を支持すると永野さんは言っておる、一緒に仕事をやっていきたい、こういうことをこの記者会見でおっしゃった。これはともかく新聞ではあっと全紙に出ておることで間違いないと思いますが、一応、それが永野さんのあの発言後の会見を評価して、発言撤回、謝罪で何とか乗り越えられる。また、永野さんというお人柄も、高潔であって立派な方であると御答弁にもありましたが、そういうことで、一応擁護するという姿勢を総理が一たん見せたというふうに受けとめられるところがある、あの記者会見は。 それは、先ほど申しましたとおり、過去を乗り越えて新しい歴史をつくろうという日本とアジアの関係、その中での公的な立場にある閣僚の発言、その影響、先ほど言った、一たん出した言葉は、なかなか失言というのは取り消せないのだ、言ったという事実は残るのだという、そういう点から考えて、私はやはり今後のアジア外交に影響がなければいいのですが、いろいろ根回しもされて、みんな各国とも一応おおむね好意的な態度をとったようです。 しかし、少なくとも気持ちというものは、この発言したという事実が残るというものの中で、かつて細川前内閣のときに、ともかくこの問題について非常に強いおわびの気持ちを伝えて、そこからまた新しいアジア諸国と日本の友好関係建設という、そういう意味では、前内閣スタート当初はそういう滑り出し方をした。 今度はちょっと違う滑り出し方になったということはまことに残念なことだけれども、残念というよりも遺憾なことだと思いますが、そういうことについて、改めて総理に今私が申し上げたこともお聞き取りいただいて、これは私が個人で言っているのではなくて、いろいろな意見、いろいろなものを今取り出して申し上げているわけですが、改めて御見解を伺いたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 この法相発言につきましては、まさに遺憾であるということを私も申し上げたいと存じます。 いずれにしましても、細川政権が発足して、過去の戦争に対する反省等、そしておわびの気持ちを率直に述べられた、そういう中でアジアの諸国も未来志向ということで、それぞれの国が語り、そして日本と共同してそういったものを築き上げていこうということが合意をされている、そのやさきであったということでございまして、この発言というものは非常に重いものがあったというふうに思っております。 永野さんが辞任をされる、そして私どももこれからの私自身の考え方、またこの内閣の考え方を伝えることによりまして、今、もう一度新しい方向へ行こうという話し合いができてきておりますけれども、いずれにいたしましても、今度の経験というものを私たちは次へ向かってのステップのために生かしていかなければならないというふうに改めて私自身も考えておることを申し上げさせていただきます。
○中川(秀)委員 今までにもこういうことが何回かございました。ともかく閣僚というものは、そういう大局というものをちゃんと押さえて、そしてその内閣の一員であるという公的な立場をきちんとされていかなければならない、当たり前のことですが、時としてそこら辺が違う結果になることは、もう厳に慎んでいただかないとこれは困るということだろうと思います。 それから、総理が御就任後、組閣後、ヨーロッパへ飛ばれまして、訪問されてこられました。大変ハードスケジュールで、御苦労であったと、その労はねぎらいたいと思いますが、ただ、このヨーロッパ訪問についてもいろいろな意見が出ております。 一連の国際的な動きの中には、例えば、一月でしたか、クリントンさんがヨーロッパへ行かれた。同じヨーロッパの話ですけれども、それでEUあるいはEC、ドロールさん、さらにはEUの議長国のギリシャのパパンドレウ首相と会談したりした。そんなときにも、ガット・ウルグァイ・ラウンド合意後の通商問題を協議して、この中で日本に対して一層の市場開放を求めることで一致した、対日要求で米、ECが歩調をそろえたというような、こういうこともことし当初にはございました。 また、総理が行かれている前後にも、例えばこれは三月ですが、ドイツ、フランスの外相会談等があって、EUの問題あるいはまた今問題になっております中欧でのさまざまな紛争、そういうものに対するEU枠内での部隊創設の話とか、あるいはメージャー首相とコール首相が四月の二十八日、七日ですか、現地時間二十七日にロンドンで会談して、この中欧、東欧問題やあるいはさまざまな問題を意見交換した。 また、五月の連休明けすぐには、十一日ですか、エリツィン・ロシア大統領がコール首相と会談をしてサミットヘの正式メンバーにしてほしい、加盟したいと。ドイツもその方向が望ましいと支持をしたと。それからまた、EU・ロシア間の友好協力条約の締結についても話し合った等々いろんな動きがこの間にもあったわけです。 総理のヨーロッパ訪問については、総理はナポリ・サミットでの雇用問題、さっき鳩山労働大臣からもあったが、それを取り込もうということでこのコールさんやいろいろと意見が一致をしたということ、また、ロシアの支援でも一致したということ、あるいは安全保障理事会の常任理事国入りについてお話しになったと、緊密に日独両国で連絡をとろうと、いろいろなそういう報道がなされているんです。 例えばフランスでも、それじゃ常任理事国はいいが、なるからには安保理で決められた国連平和維持活動に英米仏各国のように参加する義務があるよと、かねてフランスなんか、こう注文つけてきているわけです。 それに対して総理は、なった場合はなし得る限りの責任を果たす考えだと、こういう表現であったと。なし得る限りの責任とは何を指すのだ、PKOの参加にどこまで踏み込むかということは、依然としてその中ではお答えなさらなかった、総理自身が。ということについて、フランスからは、じゃそれで常任理事国入り、フランスも支持しましょうという発言はなかったと。 あるいはまたイタリアでも、おやめになるチャンピさんとお会いになったり、ベルルスコーニさんとも、これから組閣の指名を受けたわけですが、この方とお話しになったり。しかし、両方ともまだ国内で固まり切ってない会談だったとイタリア等では厳しいことを書いてるマスコミもあったようでございます。. いずれにしても、首脳外交というのは大事なんですが、期待していた国連常任理事国入りや貿易の問題で、各国の首脳の反応は総理の御期待なさった以上に寂しかったんじゃないか、あるいは成果が少なかったんじゃないかと、同行の特派員電はもう各紙みんなこう伝えておるわけですね。 コール首相からは内政の状況を聞かれて、総理が三十分お答えになったということも伝わっておりますけれども、やっぱり今回の御訪問、ヨーロッパ訪問は、訪欧はやや即席過ぎたのではないか。むしろ行くからには、先ほどのPKOの問題についてもそれなりの政策設定をきちっとして、それから行かれる、そしてこちらのことを強く主張を展開をして同意を取りつけてくる、そういうのが本当であって、そこら辺がないままに行くと、日本に対する注文の場として利用されただけじゃないかと。 ある報道は、政権基盤も十分に固まらないうちに一国の最高責任者が外国を訪問することは、逆に日本のイメージ悪化につながりかねない、こういうふうに書いたところもございます。その辺について、総理御自身が行かれていろいろな話をされてきているわけですから、そういう批判に対してこの場でお答えをいただきたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 今度の訪欧は、今ヨーロッパとは特別な大きな課題があるということではございません。ただ、定期的な首脳の会議というものをやっていこうということで、一月に細川総理が伺うということになっていたことは御案内のとおりであります。 そういう中で、確かにまだ私ども政権が発足して直ちにということであります。しかし、日本の政治が大変揺れ動いているということに対するヨーロッパ各国の大変な懸念というものがあったわけでございまして、確かに少数政権ということでありますけれども、しかし日本の中が大混乱に陥っているんじゃないんだということ、このメッセージを送るということはやはり大変大きなことであったろうというふうに思っております。 それから、まず、私は、やはり日本がこれから歩んでいく道といたしましては、国際的な貢献という中にありまして、中東ですとかあるいはアフリカですとか中欧、東欧、こういった地域に対して、またウクライナですとかあるいはロシアですとか、そういったところに対するいろいろな支援というものもどうしてもしていかなければならない、こういったときに、そういった国々と大変深いつながり、また歴史を持ちますこのヨーロッパの国と協力していかなければならないということでありまして、こういった問題を話し合いたいということ。 それと、やはり今国際的な問題になっていることについて、特にナポリ・サミットなんかが今準備が進められておるという段階でありますので、そういった問題について、特に途上国問題なんかについては、支援疲れというのが実際に各国、先進国の中で起こってきているという状況にあります。しかし、これが今支援疲れでそのままストップしてしまったならば、それこそ今転換をする国というのは滞ってしまうという現状にあるということもありますので、こういった問題についても率直な実は話し合いをいたしたところであります。 また、日本についての安保理の問題につきましては、これはフランスの方で、日本がPKOをどうという話があったわけでありますけれども、これはそうでなくて、三月にジュペ外相が訪日しましたときに、日本とドイツ、こういったところの常任理事国入り、これを明確に支持するということを言われたわけでありまして、これに対して私は謝意を表すると同時に、我が国としては、核の保有国でもないわけであります、そして新しい体制が今国連の中にできつつあるということでありますから、そういう中で、日本の戦後五十年の中で積み上げてきたノウハウ、こういったものを生かして、我々としては努めていきたいということを率直に申し上げました。 また、ドイツでも、コールさんともこういったお話をしましたけれども、コールさんとの話は、内政問題についてはむしろコールさんの方が割合と長く今日のドイツの状況という問題についてのお話があったり、あるいは統一ドイツに至るまでの問題、そして日本がこれからの領土問題等についての対応、こういった問題について大変率直に実はお話をいただいたということがあったわけです。 ただ、キンケルさんとの話の中で、常任理事国に参加したときのPKOについての話、これについての質問があったことがあります。 その中で私が申し上げたことは、先ほどちょっとフランスのところで申し上げましたように、やはり日本として戦後積み上げてきたもの、そして今PKOを必要としているのは、かつての東西が冷戦にあったときとは違って、むしろ宗教ですとかあるいは貧困ですとかあるいは民族の問題ですとか、そういった問題で紛争が起こっている、こんなときには、むしろ日本的な対応の仕方というもので必ず私は役割を果たしていくことができる、ということは、今日の憲法で許された中で日本は十分な役割を果たすことができる、また、今そういうものが望まれているんじゃないのかということを率直に実は議論を申し上げたということであります。 私は、今度の訪欧というのは、そういういろんな意味で率直な、お互いの腹を割った話し合いができたということで大変よかったというふうに思っております。
○中川(秀)委員 ある報道では、コールさんは八二年から連立政権をずっと続けておられますね。そういう御説明もあったでしょう。それで、日本はどうですかと、こう聞かれて、羽田総理が三十分ぐらい日本の状況をお話しになった。そのときに、そういう連立政権の大先輩ですな、コールさんは。そのコールさんが、一、二年とに日本の首相と信頼関係をつくって友達になるのはもうくたびれると。平成でも六人だし、この人は、もう八二年からというと、何人に会っているんでしょうかね、物すごい数ですね。ですから、できれば長いこと、もうちょっと政権を安定してほしい、こういうことも言われたらしいですね。それは事実ですか。 それから、もう休憩の時間が来ましたが、一月にクリントン大統領がドロールさんとかEUの議長国であるギリシャの首相と会ったり、いろいろ欧州委員会の委員長に会ったりして、アメリカとEU、ECで、この対日の市場開放要求は共同歩調でやっていこう、そういうこともあったわけですな。そういう問題について、各国の首脳の理解を得られるように総理はどこまで努力をされてきたのか。私は、それをみんな聞きたいんだと思いますよ。 常任理事国に入ることも大事だけれども、この問題ももっと大事なんで、外交というのはそういうものだと僕は思いますが、そこをどういうふうに成果を上げられて帰ってきたのか、それがどうもちょっとぴんと伝わってこないですね。
○羽田内閣総理大臣 政権が長くというのは、コールさんだけではなくて、ほかの方々も、日本というのは本当に大きく、よくかわるなという実は思いというのを持っておりました。ただ、みんなが言っておりましたのは、政権がかわる、しかし日本という国は安定しているということに対する驚きも実は持っておったということもあわせて申し上げることができると思います。 それから、もう一点につきまして、アメリカとEUが一緒になってやっていこう、これは確かにそういう議論があったことはありますよ。しかしEUも、一つの数値目標的なもの、こういったものを持つということはやはり困ることだし、またガットというものが一応今ここで一つの新しい方向づけをして、来年の一月一日からまた新たな歩みを始めようというときに、また日本とアメリカだけであるいは一つの目的みたいなものをつくりながらやることに対しては、我々はこれは反対であるということをはっきり述べられた。 それと同時に、私から申し上げたことは、今EUの中で各国が、例えば日本には可能性があるんだというような一つの催しをフランスなんかもやっているわけですね。そのほかの国も、いろいろと日本についての展示会をやって日本についての理解を深めるとか、あるいはイタリアなんかは、大型の伝統展というんですかね、二千年にわたる日本の歴史についての展示会をやろう、そういう中で日本というものを理解していこうということ。 それから、日本でも、実は我々の方の理解を深めるために催しをやってほしいというような話、実は常任理事国の話は先方から話があったりなんかして、わずかな話でありまして、むしろ今申し上げたような話が非常に大きかったということ、そしてお互いがやはり協力していきたいなと。これは単に経済だけではなくて、そのほかの技術開発の問題ですとか、そういった問題についても交流していきたい。 あるいはドイツなんかの場合には、若い人たちの交流というのをもっと盛んにしていきたいなということ、そして、日本から我々は刺激を受けたいということ、大変強く関心を持っておるということで、この問題については早速本当の話し合いを進めましようということなんかも合意としてでき上がっておるということでございまして、ヨーロッパが日本に対して非常に期待をしておると同時に、やはりアジア地域に対しても大変期待しておる。そして、アジアとの接点に日本がなってほしいという強い要請もされておったこと、また、向こうから見ていて、アメリカとアジアの接点にやはり日本がなってほしいということ、こういう強い話なんかもあったことを申し上げておきます。
○中川(秀)委員 ナポリ・サミットで対日要求が大合唱にならないように祈っております。 時間が参りました。
○山口委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○山口委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中川秀直君。
○中川(秀)委員 午前中に引き続きお尋ねをさせていただきます。 この前、平成五年版外交青書というのが発表になりました。分厚いのまでは全部読めませんでしたが、概要は読ませていただきました。そして、これについてのいろいろな評論というのもまた幾つか読んでみたわけでありますが、平成五年版の外交青書には何か論議を呼びそうな主張が余りない、そういう意味では例年とは少し違うのだというのがございました。 そういうことと関連するのですが、外務大臣が就任直後に、有事立法の必要性や集団的自衛権の憲法解釈について変更すべきだ、これは就任前ではなくて就任早々にそういうことをおっしゃったわけですね。再検討すべきだとか、あるいは国民的な議論を起こして、どういう法制が必要か検討すべきだ、こういうことをおっしゃったわけですが、国会が始まった途端にこれを引っ込めてしまわれた。ある意味では、にわかに発言を引っ込めて論争を回避する、こういう姿勢をおとりになったというのはどこかこの外交青書に似ているのではないか、こういう社説もありました。 いずれにしても、先ほど永野法務大臣のときも申し上げましたが、閣僚の発言というものは公的な発言であります。そして、それはそのときの内閣のつかさつかさの御所管の大臣の一つの方針であります。それがそのようにくるくる変わって、まして外務大臣という、日本の外交を預かる重要な職責にあるそういう大臣がそのように変更されるというのは、余りに発言自身が軽過ぎるし、また、全体を把握して御発言になっていない、公的なお立場を十分御理解いただいてない、こういうことになるのじゃないか、こういう批判もありますが、いかがですか。
○柿澤国務大臣 中川先生御承知のとおり、国際社会における日本の役割が大きくなり、また、国際社会からは日本に対する期待が高まっていることは御承知のとおりでございます。それだけに日本の外交の果たす役割も大変大きくなってきておりまして、私も、その重責を感じながら、羽田総理が前内閣で展開をしてこられました羽田外交を継承し、さらに発展させるべく努力をしていきたいと考えております。 また冒頭に、就任早々の発言につきまして御意見がございましたが、私は、有事立法につきましては、北朝鮮の核疑惑に関しては、国連を初めとする関係国の話し合いによる平和的な解決を期待するということを再三にわたって述べました。しかし、万が一国連において措置が決められるような場合どうなるかという御質問がございました。 仮定の問題にはお答えすべきではないというふうにお答えしたのですけれども、しかし、国民の安全に責任を持つ政府の立場としてどうかということでございましたので、細川総理、前内閣以来の考え方でございます憲法の許す範囲内でできる限りの協力をしたいという答弁を申し上げ、そのために必要な措置をとることは各部署において検討していただいているものと考えているということを申し上げたわけでございまして、かって議論をされましたような有事立法を念頭に置いて、そうしたものが必要だということは私は発言をいたしておりませんので、その点ぜひ誤解のないように申し添えさせていただきたいと思います。 〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕 また、集団的自衛権につきましては、これについても再三の御質問がございましたので、日本の自衛権のあり方と憲法との関係については、国際情勢、また、さまざまな安全保障を取り巻く情勢も変化をしてきておりますので、余り先入観を持たずに議論をしてみてはどうか、また、国民の皆さんも含めて広く議論をしていただくことが大事ではないか、こういうことを申し上げたわけでございまして、閣僚として憲法解釈の見直しに触れたわけではございません。その点で、その後も意見を変更したという趣旨のことでないことをぜひとも御理解をいただきたいと思います。 またさらに、集団自衛権につきましては、羽田内閣として、前内閣の考え方、つまり主権国家として個別的自衛権、集団的自衛権を持つことは当然であるが、憲法九条のもとでその行使は許されないという考え方を継承していくということでございますので、私も内閣の一員としてその方針を守ってまいりたいと思っております。
○中川(秀)委員 大変丁寧過ぎる答弁ですが、いささか何かこうぐるぐるっと回って、おっしゃったことを変えたような気がいたしますね。再検討する必要があるとあなたはおっしゃったわけですよね、ともかくこの憲法解釈を。そういう必要があるから国民的な議論をしてほしいと言ったわけでしょう。 何で議論する必要があるのですか。あなたは大臣ですよね。大臣がそういう議論をする必要があると。それは再検討する必要があるからでしょう。議論するのは何のためですか。 それからもう一点は、有事立法については政府の中でもいろいろ検討が行われているだろうとおっしゃった。今そういう趣旨の御答弁だった。ともかく今の御答弁は、そういう事実を述べただけだ、有事立法が必要だと言ったのではない、いろいろな部署部署でそういう検討もそれなりに行われてはおるだろうという事実を述べた、こうおっしゃったのが今の答弁ですが、報ぜられている報道によれば、どのような問題が起こるか、どのような法制が必要か検討していく必要がある、テレビと新聞ではそうあなたの言葉を伝えておるのですよ、あなたが言ったといって。そうなると、今の答弁とは全然違いますね。
○柿澤国務大臣 私も当時の発言の要旨をここに持ってきておりますが、ここに書いてございますことも、集団自衛権というか、その点については議論を深めていくことが必要だと思うということを申しておるわけでございまして、解釈を変更することが必要だということは閣僚として申し上げたことはございません。
○中川(秀)委員 だから、議論を深める必要というのは、何のために議論を深める必要があるんですか。
○柿澤国務大臣 御承知のとおり、北朝鮮の核開発疑惑問題は、我が国の安全、またアジア・太平洋の安全にも重大な懸念事項でございます。国際社会においても、そうした点についてはさまざまな角度から議論をしていることは御承知のとおりでございます。 ただ、日本としてどのような措置をとるかということを事前にそうした状況を予測しながら公の場で議論することは、かえって北朝鮮との対話のために望ましくない影響もあるということで控えさせていただいているわけでございますが、国民を含めた皆さんにそうした事態についての認識を深めていただき、また、我が国として、それに対する対応はどうあるべきかということを皆さんで議論をしていただくということは、これは大事なことであります。 そうした国民的な合意、国民的な理解の上に立って政府としても措置をとることができるわけでございますので、その点で議論を深めていただきたいということは、私としても切実な願いでございます。 〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕
○中川(秀)委員 要するに、集団的自衛権の従来の憲法解釈を変えることが必要だということですね。
○柿澤国務大臣 必要だということを申し上げているわけではありません。
○中川(秀)委員 ともかく、あなたは今まで外務政務次官も何回もおやりになり、外交のことはお詳しい。それから、特にこの問題については、従来の政府見解もどうであったかも十分御承知だ。そして、外務大臣に御就任になった。その就任早々に、ともかくそういうことについて国民的な議論を起こす必要がある、議論してもらいたいということをおっしゃったわけですよ、外務大臣としてもうそのときは外務大臣なんですから。 なぜそういう議論が必要なのかとさっきからお伺いしているわけですけれども、それは、要するに集団自衛権についての憲法解釈について検討を加える必要があるということじゃないですか。論理的に考えたって、どうしたってそうじやありませんか。言葉で言った言わないの問題ではなくて、意味合いとして、あなたはそういう考え方を持っておられるんでしようということです。 つまり、自民党におられたときに、当時の細川内閣の外交方針についてあなたは本会議場でかなり厳しくおやりにもなりましたけれども、今度は連立内閣で外務大臣におなりになったわけですが、自民党におられたころからこの議論そのものが、湾岸戦争のときにもありましたよね。 それから、その次はまた、自民党の国際社会における日本の役割に関する特別調査会、たしか小沢さんが委員長ですかであられた、あなたはそのときのメンバーでいらっしゃったですよね。そのときにもそういう考え方をまとめたわけですな。あなたはそのときの有力メンバーだった。 だから、そういう考え方があったから、外務大臣になって、そういう変更が必要だというお考えのもとに、日米安保条約が機能するのか、有事に対応できるのか国民的な議論をしてほしい、集団自衛権について、とおっしゃったんでしょう。そうでしょう。
○柿澤国務大臣 私は、かねて外交の第一線で働かせていただいてまいりましたが、その中で、国の安全を守る、そして世界の平和を守るということは外交にとって大きな課題であり、また政治家としての大きな責任だというふうに考えてまいりました。 そうした中で、国の安全を守るためのさまざまな権利についてはいろいろな議論がございます。個別的自衛権、集団的自衛権、そして集団的安全保障、最近、国際的安全保障もしくは普遍的安全保障という言葉も使われておりますが、そうしたさまざまな考え方について議論を整理して、日本の現憲法の中で何ができるのかという点については、明確に政治家と、また国民と合意を得ておくことが必要であるというふうに考えているわけでございまして、そうした中での安全保障についての議論をぜひとも深めていただきたいというのが私の発言の趣旨でございました。どうぞその点は御理解をいただきたいと思います。
○中川(秀)委員 そうではなくて、今集団的安全保障や国際的安全保障、普遍的安全保障、これは総理の御答弁でも参議院であったからまた別にお尋ねしようと思うのですが、今集団的自衛権の憲法解釈の問題をお伺いしている。 ともかくテレビ番組等で、北朝鮮の核疑惑問題に関連して、米軍への協力が必要になる場合に触れて、集団的自衛権の行使を違憲とする従来の政府の憲法解釈、これを再検討する必要がある、こういうことをあなたがおっしゃった。ともかく日米安保条約が有事に機能するのか、先ほどの前提のように、そういうケースの場合に対応できるのか国民的な議論をしてほしい、そうおっしゃった。 それを伺っておるわけですよ。 集団的安全保障とか普遍的安全保障の話ではない。集団的自衛権の憲法解釈、しかも北朝鮮の核疑惑問題に関連して米軍への協力が必要となる場合に触れてあなたはおっしゃっている。だから、当然そういう集団的自衛権の解釈の変更が、その検討が必要だという考え方であなたはおっしゃった、こうみんなとっているわけです。そこをお尋ねしておるわけです。 さっきのように持って回った言い方で、そうではない、そうではないとおっしゃるが、どうしても合点がいきませんね。
○柿澤国務大臣 冒頭から申し上げておりますように、先入観を持たずに議論をしてみてはどうかということを申し上げているわけでございまして、方向性を持って発言をしたということではないことはぜひとも御理解をいただきたいと思っております。
○中川(秀)委員 先入観というのは何でしょうか。あなた、大臣ですよ。そして、今までの歴代内閣の憲法解釈はもう決まっていた。ずっと出てきた、自民党内閣からずっと。そして、その憲法解釈にのっとって羽田内閣も統一見解を、十日に従来の政府見解でいくということを言われたのですね。あなたも入ったわけでしょう。 あなたはその前に、ともかく、そうではない、おれは外務大臣になったけれども、その憲法解釈を変える必要がある、その検討をする必要がある、だから議論を巻き起こさなければいけない、こういうことだったわけでしょう。 何の先入観なんですか。先入観がないということは、どういうことなんですか。ということは、あなたが大臣になる前に、羽田内閣はあなたの言う方向で、集団自衛権の憲法解釈を変えるべきだと思ったからそうおっしゃったのでしょう。そうじゃないですか、先入観がないということは。
○柿澤国務大臣 私は私なりにいろいろな考え方を持っております。ただ、閣僚として羽田内閣の方針を守っていくという点はつけ加えさせていただきます。
○中川(秀)委員 ちょっと、答弁になってないのですけれどもね。先入観とは何ですかと聞いているのです。先入観とは何なのかと今お伺いしているのです。
○柿澤国務大臣 現在の憲法解釈の中でそれが認められるか認められないかという点についても含めて議論をしていただいたらいかがかということでございます。
○中川(秀)委員 ということは、外務大臣としてあなたは一切の、今までの政府見解とかそういうものを先入観を持たずに議論をする必要がある、こういうことでしょう。そういうことじゃないですか。さっきの、違うと、そんなこと言ってませんということと違うじゃありませんか、答弁と。
○柿澤国務大臣 繰り返しになって大変申しわけありませんけれども、就任直後の話は、私はそういうことを申し上げたわけでございまして、まさに先入観を持って議論をしてほしいということを言ったわけではありません。その点はぜひ御理解をいただきたいと思っております。(発言する者あり)
○中川(秀)委員 委員長、ちょっと、委員会でもそういうつぶやきが漏れていますが、外務大臣就任後の——外務大臣になられたわけです。そして、今までの政府見解も十分御承知の柿澤大臣であるわけです。それが、大臣になられて、羽田内閣の一員としてそういうことをおっしゃったわけです。そして、それについて先入観を持たずにやろう、こういうことをおっしゃった。先ほど冒頭の答弁と大分違う。これ、ひとつ整理していただかないと、やはり議論がなかなかできないのですね。 委員長、ひとつお取り計らいください。
○山口委員長 今の、質問者に的確にお答えするように答弁してください。
○柿澤国務大臣 今、中川議員から統一見解というお話がありましたが、羽田総理大臣ともお話をいたしまして、現内閣においては従来の政府の見解を継承していくということでございますので、これが政府の統一見解だと理解をいたしておりまして、私も、閣僚の一員としてそれを守ってまいりますということを申し上げたいと思います。
○中川(秀)委員 それでは、要するに、十日の夜ですか、官邸で官房長官もお入りになって御協議になった、その前の発言は失言かあるいはまた放言として撤回をなさる、否定をした、こういうふうに受けとめていいわけですか。
○柿澤国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、私は見直しを提案したということはございませんので撤回ということではないと思いますが、ただ、誤解を与えたとすればその点はひとつお許しをいただきたいと存じております。
○中川(秀)委員 撤回でないとおっしゃるけれども、先入観を持たずに議論をしてもらいたい、それはやはりあなたの考えがあるからだ、個人的考えがあるからだ、こういうことでおっしゃいましたね、先ほど答弁で。だから先入観を持たずに議論していただきたい、そういうことを言った。しかし、今はもう内閣の方針に従うからそれは変えますと。撤回じゃないですか、これは。取り消しじゃないですか。単なるおわびで済むという話ではないのじゃないでしょうかね。
○柿澤国務大臣 むしろ我が国の安全保障のあり方についてどう考えるべきか、またアジア・太平洋の安全保障について日本がどのような責任を担っていくべきかという点については、私も心から国民的な議論をしていただきたいと考えておりますし、きょうこの予算委員会に御出席の先生方もその点では考え方を同じくする方だ、議論が必要だという点では考え方を同じくするものと思っております。その結論はおのずから多数によって決まっていくということでございますので、その点はぜひとも御議論をいただきたいと思っております。
○中川(秀)委員 またもとへ戻られたような感じがしますが、ということは、私も頭がこんがらかってくるのですけれども、議論を大いに今もしてもらいたいと思っている、そしてその議論は多数決で決まる。 あなたは、羽田内閣の外務大臣としてどうしたいのですか。
○柿澤国務大臣 羽田内閣の一員として羽田内閣の方針を守ってまいります。
○中川(秀)委員 いやいや、そうじゃなくて、方針を守るのは、それは十日のときにそういう協議をしたんだからわかります。 ただ、あなたは、ともかく、今も議論をしてもらいたいと再度にわたって御発言になった、この委員会でも議論をしてほしいと、こうおっしゃった、そうですね。ということは、検討しようということでしょう。その考えは変わってないということじゃないですか。 どうも同じ人物で、方針には従います、考えは変わってません、これではやはり憲法解釈の問題としては不安定過ぎますよ。撤回するなら撤回する。取り消すなら取り消す。相変わらずそういう気持ちを外務大臣として強く持っておられるならば、主管大臣ですから、やはりそれは正々堂々とおっしゃる、これが本当じゃないでしょうか。
○柿澤国務大臣 憲法九条の解釈につきましては、従来の政府見解を守ってまいります。(中川(秀)委員「取り消すということですな、撤回するということですな、前の発言を」と呼ぶ)誤解を与えた面があったとすれば、その点は残念に思っております。
○中川(秀)委員 残念に思うということぐらいでは、ちょっとなかなか、この委員会でこんな大事な時間をたくさん使ってこれほどまでやりとりする必要はないので、ともかく、細川内閣のときから、外交政策については無策になるんじゃないかと懸念をしていたけれども、まさに私の予感が不幸にも的中しつつあることを示しているのではないか、本会議でもあなたはそういう質問をしていらっしゃる。 ずうっと御発言を聞いていますと、かつて調査会でそういう議論をなさった有力メンバーとしてのあなたのお考え、私はその意味ではお考えは一貫していると思う。それを大臣になられてもおっしゃった。それが問題になった。そして内閣としては、これはかっての政府見解のとおりにいこう、こういうことになった。ならばその発言は撤回しなければ、今もその考え方を強く持っているのですと言っていたのでは、主管大臣として不安定過ぎますよ、これは、解釈が。 委員長、それをきちっとしないと質問が続きません。
○山口委員長 外交問題の主管大臣としての外務大臣、きちっと答えてください。
○柿澤国務大臣 私としては、申しわけありませんが、先ほどの答弁を繰り返すことになりますが、羽田内閣の方針をきちっと守ってまいります。
○中川(秀)委員 ちょっと、繰り返し繰り返しで、いささかどうにもならぬのですが、ともかくそういうお考えを強く持っておられることを御披瀝なさること、それは、公的なお立場の外務大臣として内閣の方針に従うならば、発言をした、大臣として発言をしたわけでしょう、最初の、就任早々。それは撤回するというのが本当じゃないですか。それをごちゃごちゃっとしておいて、そしてただ従います、従いますと言ったって、それは通らないということじゃないですか。
○山口委員長 答えるのですか、答えないのですか。
○柿澤国務大臣 最初に申し上げたのは、先入観を持たずに議論をしていただきたいということを申し上げたわけでございますが、それが見直しを提言したように報じられまして、それで与えた誤解であるとすれば、その点については私の方から撤回をさせていただきます。
○山口委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○山口委員長 それでは、速記を起こしてください。 柿澤外務大臣。
○柿澤国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、これからの我が国の外交にとって国民の安全、そして世界の平和に日本がどのように貢献するかということは大変大事な課題であると思っておりますので、この問題にかかわらず安全保障に関する議論は広くしていただきたい、この点については私の心からの願いでございますので、そこを取り消せとおっしゃられますと、これは議論を封ずることになりますので、お許しをいただきたい。 ただ、私が記者会見で発言をいたしましたことが、あたかも集団的自衛権についてこの内閣で、また、今すぐ北朝鮮の情勢に絡めて見直すべきであるという誤解を与えたとすれば、これは残念なことでございますし、私の本意でございませんので、その点については取り消させていただきます。
○中川(秀)委員 すっきりして、ともかく確認しますが、集団的自衛権の従来の政府解釈、憲法解釈、これを変更するということを議論してほしいと言ったのではない、その点でそういうふうにあなたが受け取られる発言をした部分は撤回する、それでいいですね。
○柿澤国務大臣 中川先生のおっしゃるとおりでございます。
○中川(秀)委員 言ったのは私じゃなくて、大臣、あなた自身なんだから、自分の言葉で、おっしゃったとおりですなんと言うんじゃなくて、撤回すると言わなければ、やはりそれは、これだけ重要な問題であるわけですから、きちっとしておかないと。もう一度。
○柿澤国務大臣 先ほど申しましたように、誤解を与えた部分があるとすれば、私として撤回をさせていただきます。
○中川(秀)委員 誤解を与えた部分というのをもう少し特定してください。もう一度。
○柿澤国務大臣 集団的自衛権についてこの際見直すべきであると言った点でございます。
○中川(秀)委員 しっかりそれは確認を何度も御自身の中でもしていただきたい、このように存じます。 総理、ちょっとお尋ねをしたいのは、総理自身は従来の憲法解釈を今後とも堅持する、こういうことをおっしゃったですが、これはあなた自身の信念ですか。
○羽田内閣総理大臣 御指摘のとおりであります。
○中川(秀)委員 新生党の党首である首相がそれを信念とされておられるわけですけれども、小沢さんのかつての調査会の御議論というものはちょっと方向が違っていたと思いますが、その点とのこの開きといいましょうか、考え方の間はいかがですか。
○羽田内閣総理大臣 これはどこの党でもそうでありますけれども、党を構成する中でいろんな意見があることは現実でありましょう。それから、議員の中でいろんな議論というのを幅広く議論するということは、私は自由であろうというふうに思っております。
○中川(秀)委員 その点は違うということですね、あなたの信念は。
○羽田内閣総理大臣 私は、内閣総理大臣という今職責を負うという立場にありまして、まさにこの憲法の中で物事を対応していくということであります。
○中川(秀)委員 わかりました。 続いて、それじゃもう少しお伺いしますが、総理は、十三日の参院本会議で、さきの連立政権の政策合意に盛り込まれた「安全保障」、つまり、「日本国憲法は、国連による普遍的安全保障を理念としていることを認識し、」「日米安全保障条約を維持しつつ、国連の平和活動に積極的に参加する。」こういう合意がございますね。この普遍的安全保障という言葉について、軍事的措置を含めた国連による平和安全維持の枠組みの総体を国際的安全保障といい、それは国際社会全体に受け入れられており、普遍的な性格を持つ、その意味で、普遍的安全保障とは普遍性を有する国連の枠組みだ、こうおっしゃったわけですが、連立政権の中で最初に出された表現は、集団的安全保障という言葉があって、そしてそれを普遍的安全保障に変えられた。 そうすると、普遍的安全保障と集団的安全保障はどう違うのか。それからまた、国際的安全保障とはどう違うのか。 さらには、軍事的措置を含めた国連による平和安全維持の枠組みの総体、これが国際的安全保障であるとするならば、その国際的安全保障は、あるいは集団的安全保障は、普遍的安全保障の中に入っておるのか、外なのか、あるいは別のものなのか、ちょっと御説明が不十分なんで、お聞かせ願いたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 集団安全保障とは、平和に対する脅威あるいは平和の破壊または侵略行為が発生したような場合に、国際社会が一致協力してこのような行為を行った者に対して適切な措置をとり、平和を回復しようとするものであって、国連憲章上は、そのための具体的措置が第七章に規定されているというふうに理解しております。 このような第七章に規定された措置を含む国連憲章、これが規定する国連による平和と安全の維持のための枠組みの総体は、いわばその国際社会全体によって受け入れられるものであり、国連による普遍的な安全保障とは、このような普遍性を有する国連の枠組みを意味するものというふうに承知をいたしておるところであります。
○中川(秀)委員 そう言いますと、集団的安全保障、これは軍事的措置もございますね、そういうものは普遍的安全保障の枠内のものですね。それをもっと包み込んだものが普遍的安全保障だ、こういうふうに解釈ができますね、今の御発言ですと。
○羽田内閣総理大臣 いや、我が国が対応するのは、当然、まさに日本の憲法の中に許される範囲の中で対応するということであります。
○中川(秀)委員 いや、それはわかっておるのですが、その解釈のことをちょっと申し上げているのですけれども、集団的安全保障というのは、当然これは軍事的措置も入っている、国連憲章の中 の。普遍的安全保障というのは、もっと総体の、国連の、国際社会に受け入れられている普遍的な性格を持つ安全保障、平和、安全の枠組みということの今御説明があって、そうすると、集団安全保障はその枠内に入っているものだ、こういうふうな解釈でよろしいのかということを伺っているわけです。
○丹波政府委員 いわゆる先般の連立与党間におきます政策合意の中におきます表現についての御質問かと思いますけれども、実は、私ども政府としてこの草案の作成にかかわっておりませんので、現実に普遍的安全保障という言葉にされた方々がどういうことをお考えになっておられるか、実はわかっておらないわけです。 したがいまして、私たちは、総理が本会議で答弁され、またきょうも御答弁されたように、国際法の世界の中では普遍的安全保障という言葉が確立しておりませんものですから、私たちの解釈といたしまして、先生がおっしゃるいわゆる集団安全保障、国連憲章上の集団安全保障というものが、現在世界の百八十四カ国が加盟した国連の中でそういう制度ができておる、それが世界で普遍的になっておるという意味において普遍的安全保障という言葉が使われているのではないかという解釈のもとに総理の御答弁があったというふうにお考えいただきたいと存じます。
○中川(秀)委員 いずれにしても、政府、外務省はそれはかかわっていないからわからない、また普遍的安全保障とは、普遍的に外交あるいはそういう中では確立していない、こういう御答弁でしたが、しかしそうだとすると、連立政権のこの政策合意、この合意の上に成り立った羽田内閣というものは、外交方針、あるいはこれからの問題でいろいろ絡んでくる重要な骨格部分のところでこういう言葉をお使いになったということについて、集団的安全保障との関係、我が国の憲法との関係、あるいは国連とのかかわり方との関係、従来の政府見解との関係、これについてきちんとした見解を打ち出す必要があるのではないでしょうか。 これは単なる私的な合意ですということでは許されぬと思います。やっぱり連立政権がつくられる過程の政策合意文書ですから、明確に普遍的安全保障という言葉を使っておるわけですから、これについてはきちんとした羽田内閣としての見解、方針を示していただきたい。
○山口委員長 ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○山口委員長 速記を起こしてください。 羽田内閣総理大臣。
○羽田内閣総理大臣 これは先ほどお答えをしたこととあれでございますけれども、集団安全保障というもの、これは今局長からも御答弁申し上げましたけれども、今国連加盟の百八十四カ国、これがこの基本的な考え方というものを支持しておるということでありまして、まさにこれは国際社会に対して普遍的なものであるということで普遍的安全保障という言葉が使われたということでありまして、まさにこれは一つの、先ほど国際的安全保障という言葉もお話があったと思いますけれども、そういった大体三つのあれというのは同じ意義であろうというふうに私は申し上げたいと存じます。
○中川(秀)委員 全く同じ意味ですか。それでよろしいんですか、本当にその見解で。 連立各党の委員長、石田総務庁長官、大内厚生大臣にもお伺いしてもいいんですが、ここでまた混乱してもいけないと思うから統一して出されたらいかがですかと私は申し上げているんですが、今の総理の答弁で本当によろしいんでしょうか。後からまとめて出していただいた方がいいんじゃないですか。 きちんとやはりまとめて、この点について、連立政権の合意文書ですから、その解釈の問題で、政府側でもきちっと、普遍的でない、その言葉はと言っていることですから、これについての見解をきちっと委員長から出していただくようにおっしゃってください。
○山口委員長 ただいま中川君から御要求のございました点は、連立政権の与党としての合意文書だと思いますので、与党としましての統一見解を、後で結構ですからお示しをいただくように要求をいたします。
○中川(秀)委員 よろしくお願いします。 時間がなかなか、どんどん進んでしまって、お尋ねしたいことがたくさんあって、時間がないのが焦るのでございますが、防衛庁長官が、昨年の今ごろから約一年、今度の神田防衛庁長官で四人目ということになると思います。これはもちろん政権交代や、あるいはまた御本人が辞任をされたときにこれを取り消されたわけですからまあ一応問題発言と言うべきでありましょうか、そういうものであったり、これはわかりますが、今回、在任わずか五カ月足らずの防衛庁長官がまた新たにかわられました。これは余りに頻繁過ぎるのではないか、一年に四人は、日本の安全保障ということから考えてひど過ぎるのではないか、こういう御指摘があります。 これはやはり、官僚への政治のチェック機能、とりわけ防衛庁長官の場合は、自衛隊という組織に対するシビリアンコントロールにも響くわけです。シビリアンコントロールというのは、これはかねて議論されていましたが、内局の官僚による制服自衛官の統制がシビリアンコントロールではない。本来の意味は、国民が選挙で選んだ政治家を通じて自衛隊をチェックすることである。過去の議論はそうだったと思います。それが四人も、そのチェックをしていく大事なポストである防衛庁長官がかわられる。これについての御認識は、任命権者である羽田総理、いかがですか。
○羽田内閣総理大臣 今四人というお話があったわけでありますけれども、これは、こういう政変が続いてきたという中におけるやむを得ないことであろうと思っております。 ただ、神田長官につきましては、御案内のとおり民社党時代から安全保障、防衛問題、こういった問題でよく勉強されてこられた方であって、私は今の長官はまさにそれにふさわしい方であるということを申し上げたいと思います。
○中川(秀)委員 実は前防衛庁長官は、アメリカのペリー国防長官が四月に来られた、それに対して連休中にまた行かれるというお約束をして、それを予定していたわけですね、連休中に訪米をすると。それがこういう組閣、交代によって中止になった。北朝鮮の問題もある、その防衛首脳が相互に交歓し合うということは一つの外交的な大きなメッセージでもありますが、それが中止になる。それはやはり従来の国家としての危機管理、安全保障の確立を強調してきた連立与党の姿勢とはちょっと一貫しないんじゃないかという感じがいたしますね。 交代の理由は何なんですか。前長官ではどうしていけなかったのか、今の長官について私かれこれ言いませんが。
○羽田内閣総理大臣 この問題につきましては、御案内のとおり、私もかねてから閣僚のたび重なる交代というものは余りあり得べきものではない、ないことの方がよろしいということをずっと実は十何年間言い続けてきた人間でありますけれども、今度の場合には、御案内のとおり、連立のいわゆる枠組みというものが変わってしまったというところに全体的にこうやって動かさなければならなかったという事情があることを御理解をいただきたいと思います。
○中川(秀)委員 いずれにしても、集団的自衛権をめぐる先ほど撤回されたような御発言といい、極めて今大変な情勢の中で我が国の重要な安全保障政策を、何か連立の枠組みが変わったからとか、あるいは政治的なそういう事情があったからとかというそういう小さなことで、小さなことと言ったらおしかりを受けるかもしれないけれども、事柄の重要性からすれば私はやはり比較的小さい方だと思います。そういうことでこういうことをもてあそんでしまうというか、揺り動かしていくということは私はどうも納得いくことではない、こう思うのであります。再度総理の御見解を伺いたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 御懸念は理解をいたしますし、また安全保障にかかわる問題であるということである場合にはなおさらそうでありますけれども、しかし枠組みが変わったということは、やっぱり私どもにとりましては大変大きな変化であったという中でやらざるを得なかったということで、お許しをいただきたいと思います。
○中川(秀)委員 それでは総理、新長官、神田長官は当然前長官が中止をされたこの訪米、日米防衛首脳協議、こういうものを再度時期を見てできるだけ速やかにやるように、そういう御指示を出されますか。
○羽田内閣総理大臣 今いろいろな問題について、特に議論がある問題が幾つかあろうと思っております。そういう意味では時を見ながら、先方から来られる場合もあるし、またこちらの方から伺うという場合もあろうかというふうに考えております。
○中川(秀)委員 ちょっと時間がないんでその点はまた他に譲らせていただきますが、まあ来られる場合があるというのは、四月に来られたばっかりなんですよね、先方は。それを踏まえてひとつ御判断をいただきたいと思います。 外交問題で、北朝鮮の核疑惑問題について幾つかお尋ねいたします。 時間がありませんので端的にお伺いいたしますが、もしこの燃料棒の交換を、今北朝鮮は実験原子炉でやっているわけですけれども、IAEAの査察団も十七日、ピョンヤンに着いておるわけですが、この交換状況に立ち会うのかどうか。立ち会いたいと言っているようですが、またそれが許されるのかどうか。また、本格的なやはり査察受け入れを北朝鮮がずっと拒否した場合、IAEAが再度国連安保理にこの問題の処理をゆだねるということも起こり得る。その場合は経済制裁、国連憲章四十一条の決議が成立するかもしれない。その場合に日本としてはどういう措置をとるつもりなのか、幾つかお尋ねをいたします。 経済制裁は交戦状態と考えるのか考えないのか、これが一点。二点目は、人的交流の制限、すなわち北朝鮮への一時帰国者に再入国許可を与えないといった措置はどうなのか。これは憲法の二十二条との関連はどうか。永住許可を在日朝鮮人に与えている以上、そういう再入国許可を制限することは問題はあるのかないのか。まず、簡単に答えてください。
○柿澤国務大臣 ただいま中川委員から、北朝鮮の核疑惑について、IAEAの査察が拒否された場合というようなことで御質問がございました。 しかし、IAEAの査察チームは、本日ヨンビョンに着いたところでございまして、今後、従来やり残している査察、調査、また燃料棒についての収納その他のことができるかどうか、これから確認をする段階でございます。その意味では私たちは、IAEAのチームがその所期の目的を達するよう、北朝鮮政府においても協力をしていただくよう期待をしているところでございます。 それがもしうまくいかなかった場合どうかという御質問でございますが、これは羽田総理からも本会議で何度か御答弁をされておられますように、我々としてはあくまでも関係国の話し合いの中でこの問題が平和裏に解決することを期待をいたしておりまして、そうでなかった場合ということをあえて我が国政府として申し述べるということは、そうした話し合いにもいろいろな悪影響が出るのではないかと懸念をいたしておりますので、その点については、御答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
○中川(秀)委員 外務大臣の、あるいは外交当局の、そして総理を初め政府のそういう御配慮も私は理解はいたします。だがしかし、事態というものはいつどう急変するかわからない。また、どう進展するかもわからないわけです。ありとあらゆる可能性について検討を加え、またそれについて論議をしておかないと、国民的な合意という問題も必要なわけですから、いけないという事態もあると思うのです。仮定の問題だから一切論議はできませんと言うだけで果たしていいのかどうか。 これからさまざまな問題があります。送金停止の問題もあります。海上阻止行動、いわゆる海上封鎖ではない、国連の安保理の要請に基づいてやる警察的な行動ですが、それについてはどうか。あるいは日米安保条約の六条についての適用はこれからどうしていくのか。アメリカ側が安保理決議に基づかない多国的な独自制裁措置への協力を求めてきた場合はどうなのか。 これを一切議論しないまま、事態が起きてから、政府だけでどんどんやりましたと、それはそういうわけにはいかぬと思いますよ。やはり立法府、国民の合意、そういう手続を踏みながらやっていかなきゃいけないわけで、仮定の議論だから一切できないということでは、これは私はまた国会は国会としての立場もあるのではないか、こう思います。その辺をどうお考えですか、総理。 私はもう一言言えば、何かしかるべき手段方法があるならば、また委員長のもとで理事会で御検討いただいて、秘密会なら秘密会でもいいし、いずれにしても何らかの議論を、全く仮定の議論だからしておけません、しておけませんで今国会を全部押し通すおつもりですか。
○羽田内閣総理大臣 冒頭に御質問のありました経済制裁、これが戦争状態とみなすかというお話があったわけでありますけれども、北朝鮮の方ではこれは宣戦布告のようなものとみなさざるを得ないという御質問、この点につきましては、これは北朝鮮の真意というのがよくわかりませんけれども、しかし、我が国としては、国連によるいわゆる経済制裁というものが決定されたということがあったとしましても、これは非軍事的な措置であろうというふうに思っておりまして、これは宣戦布告ないしは戦争状態、これを意味するものではないというふうに考えております。 それから、今お話があったように、こういった問題について議論ができなければというお話、これは私も理解する面はあるのです。ただ問題は、今国連の方でもともかく粘り強い対話によって北朝鮮に対して呼びかけようということで、いわゆる何々制裁とかあるいはそういう措置というもので決議とか決定されたものでないということで、わざわざ議長声明という形で呼びかけているわけですね。 そのときに、もし、もし、もしということで仮定の議論を日本で、すぐ隣国でしているとなりますと、ここから今度メッセージを逆に送ってしまうということがあり得ようと思っておりまして、私は今ここで議論をすることは、非常に微妙な段階でございますから、議論をすることは差し控えなければいけないんじゃないのかということを申し上げざるを得ないというふうに思うわけであります。
○中川(秀)委員 総理、たくさんこの点に関してもお尋ねしたいことがありまして、それ以外にも実はアメリカから言ってきている物品役務協定、ACSAの問題やらあるいはまたTMD、いわゆる新しい防御システムの問題やら、お尋ねしたいことはたくさんあるのですが、全部これは微妙な段階だからということになると、それはお尋ねしても議論がなかなかできませんね。お答えもまたいただけないだろう、そういうことになりますね。 しかし、いざ何かあった場合に、政府だけが決めてそういうことをおやりになるということも、これは問題は大いにあると思いますね。そうすると、いずれかの段階、いずれかの時期に必ずこの国会の意見も聞いて、そして政策決定に反映させる、あるいは意思決定する、そういうような場を、それは時期はいっかわかりませんけれども、今そんなこと想定はできませんが、例えば集中審議をするとか、あるいはどうしてもこれはメッセージが逆に伝わる可能性があるならば秘密会で議論をするとか、そういうことについて御協力いただけますか。いかがですか。委員長からも言ってください。
○羽田内閣総理大臣 これは理事会なり委員会の方でまたお話しいただく問題であろうと思いますけれども、そういう今大変御配慮のある御発言でありますので、そういった問題については私どもも理解をするということを申し上げたいと存じます。
○山口委員長 中川君に申し上げます。 御提起の問題は、理事会で相談をさせていただきます。
○中川(秀)委員 きょうは長時間にわたりまして失礼なことも大分申し上げ、お尋ねをさせていただきましたけれども、実は予定したのは、御通告申し上げましたとおり、あと不況打開と経済政策、それから公共料金についてはかなり具体的なことをこちら側もじっくり考えて御提言もし、そして御答弁もいただきたいと思っておりました。 それから行政改革、規制緩和、消費税や福祉ビジョンや財政の問題、それから羽田総理が情熱を込めてこられた政治改革や、さらなる次の政治システムの問題等々、実は八つ用意した質問のうち三つしかきょうはできずに、五つ残ったという状況なんですが、それもやはり時間がかかったのは、予算の出し方の問題、その責任の問題、影響の問題で大変時間がかかってしまった。それと外務大臣の御発言に基づきます政府の重要な方針についての御見解にぶれがあるということについての問題で、重要な時間がなくなってしまったわけです。 委員長、もう時間ですから質問をやめますが、残された問題はまたいずれかの機会にお尋ねしたいと存じますけれども、いずれにしても、総理、ともかく冒頭政治姿勢で伺いましたように、我が国の憲法の平和理念を尊重しつつ世界に貢献をする、そして国民の賢い合意の上に政策を展開していく、こういう政治姿勢、その上に初めて政治不信が解消され、政策不信も解消される。消費税の問題でも全部そうです。そういう議会制民主主義というものをしっかり踏まえた政治姿勢でこれからお取り組みいただくように最後にもう一度御確認をさせていただいて、質問を終わります。
○羽田内閣総理大臣 もうおっしゃったことに対してはすべて私も同意でございまして、そのつもりでこれからも政策運営等進めてまいりたいということを申し上げたいと存じます。
○中川(秀)委員 質問を終わります。ありがとうございました。
○山口委員長 これにて中川君の質疑は終了いたしました。 次に、仲村正治君。
○仲村委員 私は、連立与党の改新並びに公明党を代表して、質問を行いたいと思います。 羽田総理は、所信表明の中で、この時期になって平成六年度予算審議がいまだに進んでない現状を尋常ならざる事態だと言われた。まさに御指摘のとおり、この事態を厳しく受けとめなければならないと思っております。 平成六年度予算審議が前細川総理にかかわる問題等々で提出後八十日間もとまってしまったということでありますが、直接国民生活にかかわる予算審議だけは最優先事項として取り扱う方法はないものか、私は、ひとりそのようなことを考えて、国会全体の責任として与野党が真剣に検討すべき事項ではなかろうかというふうに考えておるところであります。 したがいまして、この暫定予算の補正予算と平成六年度予算の早期成立は、羽田新内閣に課せられた焦眉の急とも言うべき最重要課題だとして、与野党の理解と協力のもと、一日も早い成立を希望するものであります。 さて、明田新内閣は、前細川政権から改革の旗を受け継ぎ、政治改革のみならず、経済改革と行政改革実現に全力投球するということを国民の前に明言されたのであります。その三つの改革の中で、政治改革は、口では政治改革を叫びつつも、その実、すきがあればこれをつぶそうとする勢力との熾烈な闘いを続けながらも、ようやく九九%のところまでこぎつけることができました。しかし、百里の道も九十九里をもって道半ばとすれば、まだ、そのすきあればそれをつぶそうとする勢力は、虎視たんたんとその機をねらっていることを忘れてはならないと思います。 昨年七月の総選挙で全候補者が政治改革を国民に約束し、また、強く国民から求められた金権腐敗体質追放のための政治改革四法の一〇〇%達成と、次期衆議院選挙の新法による実施は、羽田内閣に課せられた使命だと考えますが、総理の御所見を承りたいと存じます。
○羽田内閣総理大臣 今回の選挙制度及び政治資金制度の改革は、これはいずれも区割り法の施行によって初めて動き出すという性質のものでございます。その意味では、政治改革を早期に実現させるためには、区割り法、これを早期に成立させることがやはり何といっても重要であろうというふうに考えております。 小選挙区の区割りにつきましては、過日衆議院選挙区の画定審議会が発足いたしまして、現在審議が行われているというふうに承知いたしております。私ども、勧告が行われましたときにはこの勧告を尊重いたしまして、関連法案を早急に提出して、次回の総選挙が新制度のもとで実施できますよう、可能な限り早い時期の成立を目指して努力をしてまいりたいというふうに考えておるところであります。
○仲村委員 昨年の通常国会で、当時の宮澤総理は、政治改革を断行しなければ我が国の民主制度は根本から崩壊をする、したがって、今我々は与党、野党を問わず泥舟に乗っているみたいなものだ、したがいまして、何としても政治生命をかけてこれを実現する、こういうふうに国民に約束をされたのでありますけれども、それは結果としてつぶれた。つぶれる直前に後藤田先生は、これをつぶしたら地獄を見る、このようなことをおっしゃっておったわけでありますが、私は今日の政治の混乱、まさにそのようなことでなかろうかという気がするわけでございます。 そして私たちは、七月の解散・総選挙に当たりましては、全体の候補者が政治改革を国民に約束をした。にもかかわらず、今申し上げたように、口では政治改革を叫びつつも、機を見てこれをつぶそうとする勢力があるというようなことを考えるときに、やはり油断をせずに、この政治改革の達成のために羽田内閣を挙げてその責任を果たすべきだ、こういうふうに思っているわけであります。 したがいまして、衆議院選挙区画定審議会、これは今お話しのとおり審議が進められているわけでありますが、予定の日程からいたしましてその答申が出てくるのはいつか、また、答申が出て実際に新制度での選挙を行えるのは早くていつなのか、その点について御説明をいただきたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 やはり改革を進めるということは、今、外からのお声の中にも国家というお話があったわけですけれども、この国というのを真っ当に持っていくためにはどうしてもこれをなし遂げなければならないということ、これはもう論をまたないところであろうと思っております。 そして、今、時期はいつだというお話であるわけでございますけれども、これは審議会が実は今発足して鋭意この検討の努力を進めておられるところでございますから、審議会に私たちが枠をはめてしまうということは、これは許されないことであろうというふうに思っておりますので、そのあたりは審議会の審議、そして勧告をいただいたならば、私たちは直ちにこれを法律にして国会に提出する。——そうです、今お話があったように途中で報告というものがありまして、それを踏まえて区画を画定し、これが私たちに勧告された暁には法案にして国会に提出し、これを速やかに御審議をいただいて通していただくということが重要であろうというふうに考えております。
○仲村委員 現在、ある党の総裁や幹事長は、予算が成立すれば羽田内閣打倒だと盛んに息巻いているような感じであります。たとえ予算が成立しても、予算関連法案が成立しなければ予算の執行ができない、また、せっかく明るい兆しが見え始めてきた景気を確実なものにすることもできないと思います。かかる点から申しましても、今解散・総選挙をして政治空白をつくることは、決して国民は望んでいないと私は思います。ただ単に党利党略のために、予算を通せば羽田内閣を打倒して解散・総選挙に追い込むんだということは、今九九%まで達成された政治改革をつぶそうとする意図がありありであります。 羽田総理は、このような国民に対する背信的暴挙の政治改革つぶしを許すことなく、粛々と政治改革の王道を自信と勇気を持って進んでいただきたい。そして、それが達成された後に新制度での衆議院選挙はやるべきだと思うが、もう一度その点について総理の御見解を承りたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 昨日、実は自民党総裁あるいは幹事長、そして私どもとお話ししたわけでございますけれども、基本的に、これは与党、野党ということではなくて、予算あるいは関連法案、こういったものの相違というのはそんな大きなものはないというふうに私も思いますということで、私どもも率直に御協力をお願い申し上げますから、ぜひ御協力をいただきたいというお話を申し上げました。 そういう中で、それぞれの皆様の方からも、要するに基本的に必要なものについては自分たちとしても協力をしようという実はお話があったところでございまして、私はこれからもそういう意味で、それぞれの皆様に呼びかけをしていきたいというふうに思っております。 なお、選挙について、まあこれはお互いに与党、野党ということになったり、政党と政党の争いということになりますから、それぞれの場ではいろんなあれがあると思いますし、また私どもがきちんと政策その他についてこたえられないということになりますと、あるいは今お話があったようなことに追い込まれるということは、これは覚悟して臨まなきゃいけないし、それだけに私どもは対話と協調というもの、改革を進めると同時にやはり協調というものをしていかなきゃいけないということ、これは申し上げたいと思います。 なお、やはり新しい選挙制度のもとでされるのが一番いいんじゃないのかというお話でありますけれども、これはそのとおりであります。ただ問題は、解散権というのは、常にやはり内閣はこれを否定するということはできないということであります。しかし、私どもは、せっかくここまで法案を院の皆様方の御協力をいただきましてやってきたことでありますから、これを通して、この新しい制度のもとでやるということは私はやはり望ましいものであろうと思います。 そうでないと、また今のままの制度でやりましたら、新しい方々にとりましては、いや、私たちはこの法案知らぬよということになってしまったのでは、これはどうにもならぬことでありますので、私どもは、何とかこの新しい制度のもとで解散に臨むということがやはりよろしいんじゃなかろうかというふうに考えております。
○仲村委員 羽田内閣のもう一つの柱は、何と申しましても現在行き詰まっている行財政改革だと思いますが、その行財政改革の必要に迫られているのはどこから来たのか、まずこれはよくよく考えなければならないと私は思います。 私たちは、昭和六十一年以来六十カ月余も続いた好景気を、イザナギ景気を上回る長期の景気だと手放しでこの好景気に浮かれ、それを謳歌した。当時それがバブル経済ということに気づかずに放漫な経済運営を許した責任は、これは非常に厳しく問われなければならないと思うのであります。 羽田総理は、所信表明の中で、過剰な自信は転落の始まりということは歴史の鉄則だと厳しい指摘をされております。 さて、過去の財政運営を振り返ってみましょう。平成四年度及び平成五年度予算の歳入欠陥を与野党の議員の皆さんおわかりだと思います。まず、平成四年度の当初の税収見積もりは六十二兆五千四十億円でありました。しかし、年度途中、四兆八千七百三十億円も減額補正をし、さらに三月末の決算時において三兆千八百五十七億円の歳入欠陥が生じた。これは合計して八兆五百八十億円。何と当初の六十二兆五千四十億円の一二・九%にも達する歳入欠陥が生じた。そして同時に平成五年度も、昨年の十二月に、六十一兆三千三十億円の当初の税収見積もりに対して五兆六千二百三十億円減額補正をした。 こういう状態の経済運営をしたことに、私は、厳しくその責任を問われなければならない、こういうふうに思っているわけであります。私は、今日の不景気並びに極度に悪化した財政硬直化は、過去の経済運営の失敗が一挙に噴き出したものである、こういうふうに指摘をせざるを得ないのであります。 そして、このような不況から脱出するために、ことしは国・地方合わせて約五兆八千億円の所得税減税を実施した。そして、その減税の穴埋めのために三兆千四百億円の特例公債を発行いたしました。しかも、この所得税減税臨時措置法の可決に当たって、与野党一致で、平成七年度以降も抜本的税制改革と減税を行うべしと附帯決議をいたしたのであります。 総理、このように減税を先行さした中で、もし与野党で決議した減税を三カ年間継続したら約十七兆円となるが、その穴埋めをどうするか。そのためにも、税制改革は避けて通れない課題であると考えております。私は、この税制改革は、政府及び附帯決議をした国会全体の責任と思うが、どうでしょうか。 また、我が国税制の現状は、直間比率の是正を含めて税制改革を行い、高齢化社会にたえ得る公平、公正かっ健全な税制度の抜本的改革は与野党の共同の責任であって、党利党略や、単なる特定政党の人気取りや、選挙戦を有利にするための政争の具に利用されるべき性質のものでない、こういうふうに考えております。 我が国の財政事情は、国の存立を破綻に追い込むほどに重度の硬直度が進んでいると言わざるを得ません。総理は、六月中に税制改革の成案をまとめて、年内に税制改革の実現を図りたいと言われていますが、この際、与野党超党派の税制改革協議会等も設置して、やはり与党、野党、国会全体の責任でこの税制改革について取り組むべきだと思いますが、総理の御所見を承りたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 今お話がありましたように、我が国の財政というのは、平成六年度末の公債残高がついに二百兆円を超えてしまうという見込みでございまして、構造的にはますます厳しさを増しております。そして、平成四年度の決算におきましては、税収が戦後初めて二年連続して減少しておるということで、約一兆五千億円の決算上の不足を生ずるなど、まことに深刻な状況に至っておるということでございます。 このような深刻な状況に対応するのには、当然これは行財政改革というものを進めていかなければいけませんけれども、今日まで、まあ私どもも、これは自民党にありましたころからでありますけれども、行財政を改革しようということで連年にわたってこういったものを続けてきておるということで、なかなかこの行財政改革の中だけではこれを満たすだけのものは生まれてこないというふうに考えております。 そこに、今お話がありましたように、減税というものをしたわけでございまして、まさにこの減税に見合うものをきちんと対応しなければならないということは、もう御指摘のとおりであります。 まあ、今度の場合には単年度の特別な措置をいたして、これは特例公債というもので対応することにいたしておるわけでありますけれども、これをこれからも続けていくということになりましたら、先ほど申し上げた財政の状況はもうどうにもならぬ状態に追い込まれてしまって、お話がありましたとおり、いわゆる高齢化社会を迎える、こういったときにどう対応するのか。あるいはそういった時代に向けて社会資本というものをきちんと整備しておかなければならない。公共事業なんかもさらにもう少し大きくすべきであるというような指摘もあるところでありまして、そういったものに対応するためにもどうにもならないということ。 いずれにしても、そういう時代に中堅層のサラリーマンの皆さん方だけに負担を負わせて、本当 にこれに対して対応できるのかということを考えたときに、私たちは、厳しくてもつらくても、国の現在の財政事情というものをもう率直に国民の皆様方にお訴えしながら、やはり直接税、間接税、こういったもののバランスというものを含めて考える対応というものをしなければならないだろうというふうに考えております。 この点につきましても、昨日お会いいたしました各党の総裁、党首の皆様方ともこの点についての御協力方をお願い申し上げたわけでございまして、まあ、前回の特別措置をやったときの全会一致の抜本的な税の改革というお話もいただいたわけでございまして、こういうものを踏まえて、各党の皆様方の御理解、また御協力をいただきたいというふうに考えておるところであります。
○仲村委員 現在の不景気、そしてまた財政事情の悪化、あるいはまた将来に向けての高齢化社会へ対応しての負担と給付のあり方等々、これは何もきのうきょう発生した問題ではないと私は思っております。今までの積み重ねが一挙に噴き出した、こういうことでありますので、これは与党、野党を問わず全体の責任で解決すべき問題だ、私はこのように考えているところであります。 次に、順序を変更して、行財政改革との関連で沖縄開発庁の統廃合問題について、総理と沖縄開発庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。 沖縄の本土復帰は、日米の返還協定に基づき、米軍基地の核抜き本土並みを大原則で決定されたものであります。しかし最近、日米間で有事の際に核持ち込みを容認する秘密協定があったと報ぜられ、県民は不安と不信におののいております。もしこれが事実とすれば、核抜き本土並み返還が欺瞞とならざるを得ないのであります。そして、我が国の非核三原則にも反する重大な問題だと思いますが、この点の事実関係について、総理並びに外務大臣から御説明をいただきたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 その点につきましては、当時の話し合いをいたしました佐藤総理、そしてその後の総理大臣、外務大臣、この事実はないことを明確にいたしておりますので、私も当然そのものであるということを確信をいたしております。
○柿澤国務大臣 羽田総理から御答弁があったとおりでございます。そうした事実はないと承知しております。
○仲村委員 今総理と外務大臣からそういう事実はないというような御答弁をいただいたところでございますが、これはもう本当に天地神明に誓ってそのようなことはない、このように受けとめてよろしゅうございますか。
○羽田内閣総理大臣 そのとおりであると信じます。
○仲村委員 次に、沖縄開発庁は、全国唯一の地上戦で悲惨な戦禍をこうむり、さらに戦後二十七年間、米軍占領下で軍事優先、民生不在の占領政策下で、社会の各分野で本土に大きく立ちおくれた沖縄県を本土並み水準に引き上げるための振興開発を推進するために設置され、極めて有効的にその業務を推進して、現在第三次振興開発計画も三年目に入ったところでありますが、しかしまだ県民所得全国最下位、失業率全国一位、その上いまだに在日米軍基地の七五%が存在し、そのため沖縄本島の面積の一九%を米軍基地に占拠されている状態であります。そのようなさまざまな制約とハンディを抱えていることは、総理も沖縄開発庁長官もよく御承知のとおりであります。 かかる状況下で、今沖縄開発庁の統廃合の意見が行財政改革論議の中で聞かされます。このことの情報を受けて、県内では非常に動揺をいたしているところでありますが、決してこれは沖縄県の現状認識を正確に把握した意見とは思われません。私は、まだ沖縄開発庁の統廃合を考えるべき時期ではない。むしろ沖縄開発庁の横割り行政は行革のお手本だ、こういうふうに言われるぐらいでありますので、その開発庁の統廃合についてはあってはならないことだと思いますが、総理並びに沖縄開発庁長官の御所見を承りたいと思います。
○佐藤国務大臣 御答弁いたします。 今仲村先生がおっしゃたとおりでございまして、私は、現在の沖縄開発庁の統合問題につきまして、いろいろな議論がされておりますけれども、これは沖縄の事情を知らない人の議論でありまして、県民の心情を考えるとまことに遺憾にたえない、しかも残念に存じておる次第でございます。 私は、沖縄問題について三つの点を考えなければいかぬと思います。一つは沖縄の特殊事情、一つは開発庁をつくった経緯、それからもう一つは地方分権の姿。 実は私は、この十五日に沖縄へ行ってまいりました。ちょうど二十数年前に沖縄復帰の三法、沖縄開発庁設置のときの特別委員をしておったということで、それから二十数年ぶりに視察しまして、それで各地を回ったり各界の人に聞きましたが、余りにも本土並み復帰がおくれておるので意外に感じて帰ったということでございます。 先ほど先生がおっしゃったとおりでございまして、特殊事情三つ、いわゆる戦場であったということ、それから二十七年間米軍の占領下にあったということ、それから特に基地の問題。私、驚きましたのは、あんなに基地が、ちょうど日本本土の七五%が沖縄にございまして、面積にすると七千四百万坪ですが、これが沖縄の基地です。しかも皆いいところが基地ですから、沖縄の開発にとっては恐らく厳しいと思います。 それからもう一つは、開発庁をつくった大きな理由というのは、本土並み復帰にするということでつくったわけでございますが、現在七二%、全国平均の七二%ということでございます。 また行政改革からいきましても、実は地方分権の姿、これが開発庁の姿、こんなことでございまして、私は、むしろこれから開発庁を拡大すべきではないか。 実は現在の基地の姿を見ておりますと、私は日米安保条約におきましてこの基地が大きな役割を果たしておると思います。そんなことでございまして、私は現在の基地問題を見ておりまして、今のままの状態でございましたら沖縄の自立は難しいと思います。 したがって、開発庁を拡大して、最初の公約どおり本土並みに早くしていくというような姿に全力を尽くしたい。恐らく総理も同じ気持ちだと思っております。そんなことでございまして、よろしくお願いする次第でございます。 総理、よろしくお願いします、そういうことですから。
○羽田内閣総理大臣 行政組織の再編問題は、社会経済情勢の変化を踏まえながら、やはり規制緩和、地方分権の推進なども勘案しながら、基本的に中長期的な課題として検討していくべきであろうというふうに認識をいたしております。 その際に、沖縄に関する行政を担当する組織のあり方を考える場合、沖縄には、ただいま長官の方からもお話がありましたけれども、本土のほかの地域にはない特別な事情があるというふうに考えまして、この点について私どもとしても十分配慮をしていく必要があろうというふうに思っております。 また、ちょうど五十年を迎えようとしているわけでありますけれども、戦中戦後を通じまして苦難の道を歩んでこられたにもかかわりませず、今平和で活力に満ちた県づくりに県民の皆さんが取り組んでいらっしゃるということに対して心から敬意申し上げますと同時に、やはり特別な一つの特色というものを持っている地域でもあるということでございまして、むしろこういった本土にないこの特色を生かすことのために、本土と一体になってこういった開発というものを進めていくことが必要であろうというふうに考えております。
○仲村委員 先ほどは総理と開発庁長官から、沖縄開発庁の存続の必要性について温かい御答弁をいただいたところでございますが、何もこれは、いつまでも甘えてそれを特別扱いしろということではございません。 さっき申し上げましたように、戦中戦後の苦難の中から立ち上がりまして、まだ本土並み水準に 達してない分野がたくさんあるわけでございまして、それに加えて全国の七五%の在日米軍基地を抱えている。これは、先ほども長官からお話がありましたが、全部利用価値の高いところを米軍が占拠しているということから、地域開発の大きな障害になっている。そういうことを考えまするときに、やはりそういう事情も十分しんしゃくしていただいて、この開発庁の存続というものは図っていただきたい。 そして、先ほど長官からお話がありましたように、地方分権あるいは行政改革のお手本みたいなことを沖縄総合事務局はやっている。まさにこれは専門家の立場から申しましてもそうだというふうに評価をされているわけでありますので、むしろ行革全体の中でこれを参考にすることも一つの方法ではなかろうか、こういうふうに考えておりますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。 あと一点、最後にガット・ウルグアイ・ラウンド受け入れ後の国内の農業農村対策についてお尋ねをしたいと思います。 昨年の十二月に、ウルグアイ・ラウンド合意は、七年前に我が国が提唱した経緯もありますが、ガット加盟百十六カ国が十五の分野で国際貿易の新たなルールの取り決めを行ったのであります。各国とも利益と痛みを分け合った、こういうことでなかろうかと思うのであります。 特に輸出貿易立国という我が国は、自由貿易の恩恵を最大に受けている国と言えますが、残念ながら農業の分野では、米のミニマムアクセスの受け入れや、米以外の輸入制限品目の関税化を受け入れたのであります。したがいまして、政府は、このガット・ウルグアイ・ラウンド受け入れ後の国内の農業、農村の生産体制の維持と活力維持対策のために、総理を本部長とする機関がつくられて、その対応に今取り組んでおられるところだと思います。 それは緊急に取り組むべき事項、あるいは中長期的に対処しなければならないもの等々ありますが、まず私が考えまするに、平成五年度の第三次補正には約五千一百億ぐらいのウルグアイ・ラウンド対策としての計上がなされたし、あるいはまた平成六年度予算にも四兆三千億のそういう対策費が組み込まれていると思いますけれども、これからの中長期計画として、本当に農村の方々が安心して農業に取り組める施策というものをどのようにお立てになっておられるのか、御説明をいただきたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 ウルグアイ・ラウンドの決定というのは大変厳しいものであったわけでございますけれども、我が国としてもこれを受け入れ、そして来年の一月一日からこれを実施させていこうということのためにこれから御協力をいただくわけであります。 いずれにいたしましても、例えば後継者難というような問題、担い手がいないというような問題なんかもあります。あるいは、例えば加工に充当しております農産物というものもあります。やはりこれらも競争になっていくということの中で、こういったものに対して原料をどう供給していくのかなんという問題、こういう問題も含めまして、ラウンドが一応決定したというこのときをとらまえて、まさに今お話があった二十一世紀に向けての新しい農業あるいは農村というのはどうあるべきなのかということを、我々としては真っ正面から対応していかなければならぬと思っております。 そういう中で、農政審でも今御議論いただいております。こういった議論を踏まえながら、私自身が本部長を務めます緊急農業農村対策本部、ここで徹底して検討した上で、先ほど申し上げたような問題も含めながら、私たちはやはり本当の意味での足腰の強い農業というもの、そして住みよく、しかも活力のある農村というものをつくっていかないといけないのだろうと思っております。 これについては、これからも農林水産委員会初め多くのところで御議論をいただき、また御示唆を賜りたいことを心からお願い申し上げたいと存じます。
○仲村委員 時間が参りましたので、終わります。
○山口委員長 これにて仲村君の質疑は終了いたしました。 次に、三野優美君。
○三野委員 二十三日からの本格的な議論の露払いをやらせていただきます。 本委員会は、平成六年度の暫定予算の補正といいますけれども、既にもう実は六年度の予算の議論に入っているわけですわな。したがって、そういう意味で、この予算審議をするに当たっての政府の若干の見解を聞いておきたいと思います。社会党の三野です。 総理、予算がおくれているので早くやってくれという話があるのです。それはもうみんなやろうと言っているのです。遅くしろという人は一人もいなかったようでありますね。 ただ、なぜこんなにおくれたのかということをちょっと振り返ってみると、私ども社会党もかって与党で、連立政権に参加させていただいておったときに、去年の秋から暮れにかけて、我が党の村山委員長は年内編成を連立与党の中で何回も何回も主張してきたし、また久保書記長も同じように連立政権の各党代表の場で主張してまいりました。しかし、国民の要求である年内編成、これはまあ国民の要求であろうがなかろうが普通の常識なんでありますが、どうもこれにこたえようとしなかった。年明けて、さて、さあやろうではないか、こう言ってもなかなか事は進まない。 私は、この経過を見ておりますと、総理の記者会見なり国会で言っている早期に予算を通してもらいたいという意図とは別なところで何らかの作用が働いているのではないのか、そういう気がしてならぬわけであります。 振り返ってみますと、それは何かというと、どうも一つの政治目標がある、その一つの政治目標を実現をさすためには、予算であろうが何であろうが全部それはある意味では人質にしちゃってでもそれを貫徹するという、こういう手法が私はあったような気がしてならぬわけであります。 私どもは与党におってそういう事態になったことの責任を感じておりますが、しかしどうにもならない。やはり大蔵省も含めて、そういう我々の要求に対して応じてくれなかった、このことが私は今日の予算のおくれをもたらしているのではないのか、こういう気がするわけであります。今日もなおかつ、ややもするとそういうにおいがしてならない。 したがって、この点については、総理から我々に言われるよりも、むしろ総理自身が連立内においてそういう対応をしたらよかろうと私は思うのであります。ただ、まあその点を言えば、恐らく、私どもがかって野党のときに、自民党も野党になってから、いや、証人喚問その他に応じなければ予算に入れないよという話がある、それが最大の理由だなんてことを与党の皆さんは言おうとしたからだろうと思うのです。 しかし、野党というのは、やはり証人喚問という重要な問題を乗り切るためにはそういう手法というのがあるんです。どこでもあるんです。また、そうでなければ応じないというゆがんだ今日の国会の状況というものがあるものですから、それだけを理由にしてこのおくれというものを問題にしてもいかぬであろう、こういうようにまず冒頭に申し上げておきたいと思います。私の見方が違っておれば、どうぞ御指摘ください。 さて二つ目に、総理にお尋ねしますが、連立とは一体何なのか、このことについて私は、私の意見も申し上げながら、ひとつ総理の見解を聞きたいと思うのです。 言うまでもありませんが、連立というのは、我が党の委員長が言っているように、異なった党、それぞれの党の理念や基本政策の違いというものを認めた上で、当面する、例えば政治改革があったでしょう、あるいは経済や財政、緊急を要する外交政策などについて、合意できる範囲のもので連立を確立する、これが基本ですね。連立政権の基本。合意できないものはしようがないです。 したがって、その政権協議に当たっては、それぞれの党がそれぞれの党の立場の違いをお互いに認め合う。そして、その立場というものを尊重しながら合意点をどう見出していくのか、これが連立政権のもとにおける政策協議であるだろうし、どういう枠組みで連立をやるのかという政権協議であっただろうと思うんです。それで、一たんそれが成立しますと、後はさらにその政権運営の過程の中で合意できる部分を拡大していく努力をする、これは当然であります。 さて、ところが、第一次の連立政権、これは細川政権、まあそれは戦後はほかにありましたけれども、発足後、国民福祉税あるいは内閣改造劇、これは連立参加の与党間で何らの議論もされていない、合意のないまま突如として提起される事態になったわけであります。こういう手法というのは、連立参加の諸党の存在を認めないばかりか、一部権力者による独裁支配体制であるし、議会制民主主義に対する挑戦であると私は断じざるを得ないと思うのです。この経過について、総理はどうお考えでしょうか、まずお尋ねしておきたいと思います。 〔委員長退席、後藤委員長代理着席〕
○羽田内閣総理大臣 今お話がありましたように、連立というものを進めていくためには、お互いにその協議の中で政策の合意をつくっていく、そしてお互いの違うところというのを認め合いながらというお話でありましたように、これはもう私は当然そういうものであろうと思います。 ただ、お互いの違いをただ認めているというだけではならぬということで、お互いにやはり垣根を乗り越えなければいけないだろうというふうに思っております。そういうものの中で一番初めスタートするときの基本的な合意というものができたんだろうというふうに考えております。そして今お話があった中で、この政権が進んでいくに当たり、予算を迎えることになるという中で国民福祉税構想というものが出てきたことも事実であります。 ただ、どうしてもやはり減税をしなければいけないということ、それから減税をするにはやはりその財源というものがどうしても必要であるということ。それからもう一つは、やはり高齢化社会というものがすぐそこにやってくるという、そういうものに対してもやはり対応しなければいけないということ。そしてそういったときに直接税、間接税の比率というものはどうあるべきなのかという中で、これは突如として起こってきたといいますか、そういう議論の過程の中から国民福祉税構想というものが生まれてきたのではなかったのかというふうに思っております。 それから、一番初めのところでお話があった点につきましては、確かにあのときの議論の中には、政治改革はどうしても必要だねというのはお互いの合意の中にあった。しかし、予算ということになりますとどうしても税という問題が出てくる。これを一遍に、一緒に二つの議論というのはなかなかできないということが予算をおくらせてしまった一つの大きな理由にはなっておろうと思っております。 いずれにしましても、私どもは大変苦しい道のりをこの八カ月間過ごしてまいったわけであります。しかし、そういう中で幾つもの分野においてお互いに垣根を乗り越え、そしてだんだんその幅が寄ってきたということ、そしてお互いにともかく一つの土俵の中で議論ができるようになったということは、これは私は大変な成果であったんじゃなかろうかというふうに考えておりまして、その意味では、私どもは今でも皆さんとともにやはり政治を進めるために協力していきたいと思っておりますし、また協力していただきたいということも心から願っておるということであります。 いずれにしましても、今言われた民主的な手法というものは、これは一つずつやはりこういった問題もルールづくりというものをしていくものであろうというふうに考えます。
○三野委員 総理に別に私はここで反論するわけではありませんけれども、総理、あなたが言われた中で、例えば国民福祉税だとかあるいは内閣改造なんというのは連立与党間で何の一口も話し合ったわけじゃないですよ。突如として夜中に出てきたんでしょう。国民もだれも知らないわけでしょう。そこで私は、そういう手法というのが連立を維持する場合の最大の難点になっている、そういう力がこの政権の中に動いていたということはやはり指摘せざるを得ないと思うのです。 さて、二つ目に申し上げますが、第二次連立政権に当たりまして、この連立の枠組みをどうするのか、これは従来どおりの八党派の枠を大枠としていこうではないか、こういう合意がありましたね。そういう合意に基づいて、さて当面する政策課題は何なのかということで各党代表者会議で政策協議をやってまいりました。直接的には平成六年度の予算審議も実はしないままそちらに集中したわけであります。 その中で社会党も、この政策協議の過程を見ておりますと、これは少し私自身の見方かもわからぬが、連立与党内の代表者会議の政策協議の中で社会党だけがしばしば孤立しようとする、新生党を含めてすべての党が社会党に譲歩、譲歩を迫ってくる。もちろん私は譲歩はしなきゃならぬと思いますよ。しかし、その過程を見ておるときに、社会党の存在、社会党の理念や政策のあり方というものをほとんど無視するような形で、国民の皆さんにはそういう情景に映ったんじゃないでしょうか。そのことが私どもの党内の党員やあるいは支持者からさまざまな意見が出てきたわけです。一体このままで社会党はいいのかという意見も出てきたわけですね。 しかし、まあ我々が求めている連立というのは、連立政権そのものが目的ではなしに、連立政権に参加することによって私どもが持っている社会党の政策を一歩でも二歩でも前進さす、そのために一緒に参加してもらおうということなんであって、社会党は消えてもいい、連立さえできればいいということではないんでありまして、その点はぜひ皆さんも、後の議論に出てきますが、ひとつ理解してもらわぬと困るわけであります。 いずれにいたしましても、非常に厳しい状況の中で、私どもの党の幹部は、長い自民党一党支配の政権から脱却しようと、そのためには連立だという国民の意見もあったでしょう、我々の要求もあった。その結果、この政策協議の中では、率直に言いまして我慢に我慢を重ねながら執行部は苦渋の選択をしたと思うんです。 この政策協議をする過程の中で、これは実は細川政権の第二次政権だと考えていたわけですね。第二次政権は細川政権だと考えていたわけです。ところが、突如として退陣表明です。しかも、それが金銭疑惑でもって退陣表明をした。次期首班指名は、言うまでもなく我が党の村山委員長が形式的には提唱するという形の中で羽田総理に決まったわけであります。私もあの四月二十五日の本会議で「羽田孜」と書かせてもらいました。私は四十年の社会党の生活をしているわけです。「村山」と書かずに他党の党首の氏名を書く私どもの心境、あなたはどう受け取られますか。ひとつ聞いておきましょう。
○羽田内閣総理大臣 この点につきましては、私は、社会党が離脱されるということに決まったときにも感想として記者にも述べておりますけれども、本当に私は残念であったというふうに心から実は思っておるところであります。そして、あれが実際に皆さんがよく理解されない中で行われてしまったとするならば、これは当然社会党の皆さん方がおしかりになるというのも私には理解できるということまで実は申し上げておるところであります。 それから、今御指摘がありましたけれども、社会党が相当大きく譲歩してきた、そういう中でいろんなつらさがあったというお話がありましたけれども、私はこれは方々で申し上げてきたことですけれども、社会党だけではなくて、私たち自身も従来からいたしますと、情報公開ですとか、あるいはPL法の問題ですとか、あるいは環境問題ですとか、あるいは大戦に対する物の考え方ですとか、こういった問題について皆さんと議論をする中で、私は別に何も後退したというふうに思っていない、やはり新しい時代の中でこれを進めていくことがいいんだろうというふうに思っておりまして、私たちもやはり大きく変化しつつあるんだというふうに御理解をいただきたいと思います。 いずれにしましても、私どもはこの八カ月間そういう苦しみの中でお互いにやってきたこと、これは私は正しい道であったと思うし、そこから新しい日本の政治の方向というものが見えてきたんじゃなかろうかというふうに考えておりまして、その点については、今でも実は誇りに思っておるところであります。 〔後藤委員長代理退席、委員長着席〕
○三野委員 いま一つ、第一次連立政権のときにも私は「細川護煕」と書いたんです。心配がなかったわけではないけれども、しかし、党の方針として決まった以上書きました。 細川政権が出発した当初は、新鮮さもあり、世論も非常に歓迎をして好スタートであったと思うんです。また、戦争責任論も含めて、国の内外ともに、新しい政権ができた、この連立政権というものは本当に新しい日本を生んで、国際社会も本当に歓迎するような政権になるんではないか、こう思ったところが、途中から、さっき言ったような国民福祉税が突如として出てきたり、いわれもないときに内閣改造論が出てきたり、結果的には金銭疑惑でもってついに裏切られました。「細川」と書いた私は裏切られました。 さて、今回「羽田孜」と書かせてもらったときに、私、手が震えたんです。率直に言いまして、間違っておったらおしかりいただいて結構でございます、これは世間が言うように新生・公明主導と言われる連立政権で心配ないのかという一部の心配があって、またもやそういうことにはならないだろうかという心配があった。それで手が震えた。 ところが、私どもが書いた「羽田孜」、あなたが首班に指名されて、それが終わるのと同時に、院内会派が改革構想から衣をかえて改新として誕生したわけであります。これが通告されました。過去八カ月の政権の中における権力支配の手法というものがさらにエスカレートして、ついに我が党も隠忍自重が、緒が切れたわけであります。そして、残念ながら我が党が政権からの離脱になった。 総理はこの経過というものをどういうようにお考えになってこれから連立政権をやろうとするのか、あるいはまた、国会運営も含めまして、あなたの政治手法をこの際聞いておきたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 今お話がありましたように、私自身の名前を書いていただいた、その結果について今お話があったわけでありますけれども、私も先ほど申し上げましたように、あの話というのは本当に何か言葉の行き違いというのか、あるいは思いの行き違いだったのか、これは私自身実はあのときにもそういう発言をいたしたわけでありまして、これはただ本当に残念に思っておるところであります。 ただ、私はそういう意味で、我々としてはともかく何とかもっと時間をかげながらお話し合いをしながら、せっかくあそこまで八カ月間、お互いにつらい、いろいろな苦しいあれもあったと思います、しかし、お互いが努力してきたこの道をもう一度何とか戻すことはできないんだろうか、そういう思いで今でもあるということです。 その意味で、私どもがやはり心得なければならないことは、少数与党の上に乗った政権でありますから、当然これは当たり前のことでありますけれども、しかし、さらに私たちとしては、各党の皆様方に政策あるいはその他の問題につきましても御相談申し上げ、あるいはやはり腹を割ってお話を申し上げ、誠心誠意努めるということが重要であろうというふうに考えておりまして、今後そういう姿勢で臨ませていただきたいということを改めて申し上げる次第であります。
○三野委員 総理はしばしばこの一連の問題について思い違いや行き違いや手違いだと言っておりますが、私はそうは思いません。 では、そこで総理にお聞きいたします。 去る五月十三日、新生党首脳と申し上げておきましょう、この新生党首脳の記者会見の中で、会派改新についてこういうように言っているのであります。新生党は、来年の参議院選挙までに連立与党は一つになるべきで、まず生い立ちや理念、政策の近い政党がまとまり、最後に社会党の現実派が入ってくるという手順でしたが、どこかで食い違った、こう言っている。 このことは何を意味しているのか。連立合意に基づく八党派が当面の政策合意で連立政権を組むのではなしに、新生党の理念、方針、政策に従う者のみによってこの連立政権をつくろうという、これがここにあらわれているわけです。そして、社会党の中の現実派、私は現実派に入るのかどうか知りませんけれども、恐らく私ほど現実的な者はないから入るのだろうと思うのですけれども、現実派が後から入ってくる。いわばこれは社会党の分断、解体でしょう。社会党の分断、解体をねらってこの改新というものをつくったのじゃないですか。首脳はそう言っている。 この改新は、将来一つの政党として発展をさせ、小選挙区並立制の新制度のもとで二大政党から一党支配体制への第一歩である、こう断ぜざるを得ません。連立に入ろうとする社会党を、現実派だけを引き寄せて分断、解体をしてこの改新をつくろうなどという意図で、どうしてまともな連立政権ができますか。まさに社会党を壟断した考え方であると言わざるを得ません。あなたは党首としてどうなんですか。
○羽田内閣総理大臣 今社会党解体とかいろいろとお話があるわけですけれども、私自身実は自民党にあって自民党という政党から出てきちゃった人間なんです。ですから私たちは、連立をつくったときにも、もうお互いの古いしがらみというかそういったものをお互いに乗り越えようじゃないかという実は話をいたしておりまして、私自身、これは新生党の諸君に怒られるかもしれませんけれども、新生党そのものも、やはりそういうときになったら別に解体することもやむを得ぬということまで実は申し上げながらいた人間であります。 そして、でき得ることだったら、二大勢力というものになることがいいな、しかし、それが一遍にできない場合には、例えばもう一つあるということもやむを得ないのじゃないのかということで、いわゆる新しい制度になったときにはやはり政党が前面に立って戦っていくということになるわけですから、その意味でできるだけ一つになっていくことが望ましいなという思いを私自身実は持っておるわけであります。 ただ、受け取り方とか書き方とか、表現の仕方によっていろんなふうにとられるわけでありますけれども、ただ、私自身そういう思いであるということをこの機会に率直に申し上げておきたいと思っております。
○三野委員 じゃ、あなたの思いとあなたのところの新生党、言いましょう、代表幹事代行なんです。十三日ですよ。きょうは十八日でしょう。十三日の記者会見で社会党解体だと言っているにもかかわらず、あなたは党首としてそんなことで通りますか。一体この記者会見についてあなたは党首としてどう責任を持つんですか。社会党が連立から離れようが離れまいが、こういう態度で連立政権の中で社会党を扱ってきた。やはり党首としてあなた、もっと責任を持った答えをしなさいよ。
○羽田内閣総理大臣 私自身は、総理大臣になったときに申し上げているわけですけれども、ただ党首というよりはまさに連立の上に乗っている人間ですから、連立の皆さん方のそれぞれの立場、ですから、いろんな街頭なんかに出るときにも、新生党のあれとしては私は行かないよということを申し上げている人間であります。そのことをまず前提に申し上げたいと思います。 それから、今どういうあれで言われたかわかりませんけれども、今言われた方なんかも、例えば幹事会、もうお名前言われましたからわざわざあれいたしません。いずれにしましても、その方なんかでも、常に幹事会ですとかのときに席をあけて自分たちは待っているということまで言っているわけなんであって、どういうふうにあの記者会見でとられたのか、本当に帰ってきていただきたいということは本気で思っているはずですから、そんな言い方なんかするはずないと思うのです。ただ、どういうふうに受け取られてしまっているのかということはあろうと思っておりますけれども、私は、その方がそんな意味で話されているのじゃないというふうに思っております。
○三野委員 あなたのところの党の人は、新聞記者会見して新聞にちゃんと載ったらば、それで我々が聞いたら、そんなつもりでなかっただなんて、じゃ新聞記者の方が間違っているのか新生党が間違っているか、ちゃんと決めてくださいよ。そうせぬと我々、本当に世の中こんな混乱されたら困る。 しかし、いずれにしてみても、あなた、連立の上に立った総理・総裁ではあるけれども、やっぱりあなたの出身の党に対して、その中心ですから責任を持たなければ、連立政権に何ぼ席をあけておいてくれても、これじゃ社会党は寄りつくにも寄りつけないじゃないですか。 本当に総理、あなた自身も真剣にやっぱりこの点は過去の経緯も踏まえて、こういう事態があることを反省もし、社会党に対しても何らか物を言ってください。私に言わぬでいいですから、どうぞ社会党の委員長なり書記長に、あなたの意図は違うと、間違いだったと、反省するなら反省する、取り消すなら取り消すとちゃんとしてくださいよ。そうでなければ、言いっ放しで得だというのはならぬです。どうですか。
○羽田内閣総理大臣 昨日のお話し合いの中でも、全くそんな思いでお話をいたしておるということです。 しかも、今私申し上げているのは、これは公のところで申し上げておるわけでありますから、当然これはもうみんなに伝わっていることであります。
○三野委員 じゃ、これは間違いだ、間違っておった、過ちだと、こういう発言は。そういうことですね。それでいいですね。新聞が間違っているのですか。だから、そこのところは新聞が間違っているのか本人かどうか知らぬけれども。
○羽田内閣総理大臣 これは、私は御本人ともちょうどこのときに、先ほど私が残念だと申し上げたときの経緯、これをお話ししたときにも、御本人もそのようにお話しになっておったことでありますから、その新聞の出方についてどういうあれがあったのか、ちょっと私には理解できないということであります。 だけれども、それだけで、今そのお話で私がここでどうこうと言いましても、今ここで急にそのお話があったことでございますから、しかし今まで彼と話したときのあれとはどうも違いますね。そういうふうに私は理解しております。
○三野委員 いや、率直に言いますが、小沢さんの問題と違いますよ、僕が言っているのは。ですから、あなた確認して、もしこういう事実があったとするならば、党に対してやっぱり謝罪しますね。それだけは確認しておきます。いいですか。確認してください。
○羽田内閣総理大臣 そのとおりでございます。
○三野委員 続いて、外務大臣にお尋ねいたします。 先ほど外務大臣は自民党の中川さんと随分議論されておったのですが、私は頭が悪いからようわからなかったのですけれどもね。あなたが三月三十日の記者会見の中でこういう発言をしていますね。「(北朝鮮問題を巡る)連立与党の政策合意は、ある意味で玉虫色だったが、今回(社会党の離脱で)玉虫色の部分は狭まった」と、こう言っているわけです。この社会党の離脱によって狭まった玉虫色というのは、どの部分ですか。
○柿澤国務大臣 三野先生、今三月三十日とおっしゃいましたが、まだ三月は何も起こっておりませんでした。四月ですか。
○三野委員 失礼しました。間違えました。ちょっと私、調べます。 あなたは読売新聞との記者会見の中で言っていますね。これは間違いないでしょう。そういう意味のことを言っているでしょう。
○柿澤国務大臣 単独の記者会見はやっていないつもりですけれども、外務大臣就任直後の記者会見が幾つかございました。 実は、私どもが羽田連立内閣に参加をさせていただくことになりましたのは、昨年の細川内閣成立のときの基本合意、これは非常に大枠の合意でございましたが、それに比べて今回連立与党間で行われました政策合意につきましては、非常に具体的な問題にも立ち入ってかなり詰めたものになっている、その点では評価できるというふうに判断をいたしました。もちろん、一部につきまして私ども、玉虫色という表現を使ったかどうかわかりませんけれども、考え方について異なる面もありますけれども、何とかこれを実現させるということが大事だというふうに判断をいたしまして入閣をさせていただいたわけでございます。 社会党が離脱して玉虫色が狭まったという表現をしたかどうか私も正確に覚えておりませんが、ただ、何とか社会党も含めた政策合意を実現させることが大事だという思いでいたことは事実でございます。
○三野委員 いや、ここにありますよ。失礼しました。五月三日でした。ここで玉虫色の部分があるけれども、今回政権に残った人たちの中でその部分は狭まったと言っているんです。社会党が抜けて残った中で狭まった。だから、社会党が抜けたために狭まった部分だけ教えてください、私はこう言っているんです。私の質問に答えてください。
○柿澤国務大臣 それは、社会党にもまたぜひ御協力をいただきたいという呼びかけ、エールのつもりで申し上げたわけでございます。 玉虫色で狭まったという点、例えば税制改正につきましての国民の合意を踏まえてというような書き方、これをどういうふうに判断するかとか、幾つか具体的に問題があったと思いますけれども、一つ一つ今確認をしておりませんので、お許しをいただきたいと思います。
○三野委員 いや、あなた、税制改革でないんです。朝鮮に関する与党政策合意の中でと、こう言っているわけです。朝鮮問題で。それで、社会党が抜けたためにその玉虫色だった部分が狭まったというんですから、社会党が抜けて朝鮮問題でどこが狭まったのか、それを僕は聞いているわけなんで、質問にだけ答えてください。ほかのことを言わぬようにね。私は頭が悪いから、余り言われたらわからぬのだから。
○柿澤国務大臣 私は議論の過程に参加をいたしておりませんでしたが、報道で知る限り、例えば日米、日韓その他の国との関係の表現の仕方等についてそれぞれの党の中に御意見の相違があり、それを妥協する表現が盛り込まれたというふうに承知をいたしております。
○三野委員 あなた、ほかのことを言うたらいかぬがな。朝鮮問題でとあなたが言っているんだから、朝鮮問題でどこが狭まったかと私は聞きよるわけなんであって、委員長、それはやはりもうちょっと答えはきちんとしてもらうようにしてくださいよ。やはりこれは非常に重要な議論ですからね。今、非常に朝鮮問題をめぐって各党さまざまな意見があるわけです。国民の中に心配があるわけですから、そこのところはちゃんとしてもらわなければ困るわけですよね。それはもう一遍後で答えてください。 もう一つ聞きます。 これは日にちが違っていますが、四月二十九日にテレビ朝日に出られましたね。それで、朝鮮民主主義人民共和国の核問題に関して、集団的自衛権の行使を禁じてきた政府の憲法解釈について、今のままで日米安保条約が機能するのか、有事に対応できるのか、再検討する必要がある時期に来た、こう言っているわけです。これは共和国の核問題で、日米安保条約がこのままで機能するのかどうか、有事に対応できるのかどうか、再検討する必要がある時期に来ているというのは、今来ているのでしょうね、来ているのでしょう。日米安保条約だけでは機能しないから、どこを再検討するのですか。再検討するとあなたは言っていますから。テレビで私はこれを見たのです。
○山口委員長 質問者の質問に的確に答えてください。
○柿澤国務大臣 これも直接のインタビューではありません、合同のインタビューであったかと思いますが……
○三野委員 いやいや、テレビ朝日にあなたは出たのです。あなたは出たんだよ。私、見ていたんだ。
○柿澤国務大臣 お答えを申し上げますが、私の真意は、先ほど申しましたように、こうした安全保障を取り巻く我が国の環境がいろいろな意味で変化している状況の中で、憲法と我が国の自衛権のあり方について幅広い議論をしていただく必要があるのではないかということを、真意として申し上げたわけでございます。それが直ちに、この北朝鮮の状況とあわせて、今日この段階で見直しをすべきだというふうに誤解を与えたといたしましたら、この点は私の真意ではございませんので、先ほど中川委員にお答えをいたしましたとおり、その点については取り消させていただきます。
○三野委員 じゃ、国民に、有事に対応するように再検討するとテレビ朝日で日本全国に流したのは、あれは間違いだったわけですか。取り消すわけですね。だから、国民に陳謝するならするでちゃんとしてもらわぬと困るのだけれども、それは取り消すのですね、このテレビ朝日は。 それならばもう一つ聞きますが、これはあなたの個人的な見解ですか。内閣は違うと言うのだから。
○柿澤国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、私の真意は、いろいろな形で国民に議論をしていただきたい、先入観を持たずに議論をしていただきたいということをお願いをしたわけでございます。
○三野委員 じゃ、再検討する時期に来たというのはあなたの個人的な見解ですね。それならそれでいいんですよ。内閣は、総理がさっき言ったように、憲法のもとでの安全保障の枠を出ないんだ、こう言ったんだけれども、あなたがここで言ったのはあなたの個人的な見解ですね。それはそれでいいんですよ。どうですか。
○柿澤国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、この点に関しましては内閣の方針に従うということを申し上げておりますし、その申し上げたことについては、誤解を与えたとすればその点は取り消させていただきますというふうに申し上げておるわけでございます。
○三野委員 ゴカイもシチカイもない。これはあなたの個人的な見解なら個人的な見解で私はいいと言うのだ。あなたの個人的な見解なのかと。いや、私はそれでいいんだ。ですから、それを聞いているわけです。内閣は決まりました、あなたのこれは個人的な見解ですねと、それを聞いているわけです。どうですか。
○柿澤国務大臣 羽田内閣の一員として、私は閣僚として従来の憲法解釈を守るということを申し上げておりますので、ここで個人的見解を述べることは適当ではないと思います。
○三野委員 あなたが言ってしまったことを私は聞いているわけです。今から言う話と違うんだ。テレビの前で国民に言ってしまったことについて、これはあなたの個人的な見解ですかということを聞いているわけですからね。だから、これから言うことじゃないんですよ。今からのは、もう羽田総理が言ったのですから、それで皆さん統一をとるのでしょう。それはそれで結構です。四月二十九日のテレビ朝日で言ったことは、あれは個人的な見解だったのですかと、こう聞いているわけです。
○柿澤国務大臣 委員長の御指摘もありますので、大変申しわけありませんが、重ねて申し上げますが、私の真意が誤解されているとすれば、その点は先ほど来申しましたように、撤回をいたしますということを申し上げているわけでございます。(発言する者あり)しかし、私の真意ではございませんので、その点はお認めをいただきたいと思います。
○三野委員 これはゴカイとかシチカイとか言うけれども、言っているわけですよ。出てしまっているわけなんですから。それをあなたは、私が誤解していると言うのですか。そうではないのでしょう。あなたも誤解したわけではないのでしょう。あなたが言ったことは個人的な見解ですかと私は聞いているわけなんですから、そこのところはもうちょっとやはりちゃんと言ってくださいよ。委員長も理事も、これはちゃんとしてくださいよ。
○山口委員長 先ほど柿澤外務大臣が取り消すと言いましたのは、これは中川君の質問に対して取り消したわけで、したがいまして、今は三野君が質問されているわけですから、三野君の質問に対して的確にお答えをいただきます。
○柿澤国務大臣 繰り返しになって申しわけありませんが、先ほど来答弁をさせていただいているとおりでございまして、私は、さまざまな状況の変化の中で日本の安全保障のあり方についてこの際国民的な議論をしていただきたいということを申し上げたわけでございまして、それが直ちに憲法解釈の見直しにつながるかどうか、これはもちろん皆さんの御議論の結果によると考えております。
○三野委員 これは、言った分はどうするのですかと言うんだよ。ちゃんと理事、話してくれよ。
○山口委員長 速記をとめて。 〔速記中止〕
○山口委員長 じゃ、速記を起こして。 三野委員は個人的見解かどうかということを尋ねているわけですから、それに対する答えがない。したがって、その問題に対して的確に答えてください。 柿澤外務大臣。
○柿澤国務大臣 先ほど来申し上げておりますが、もしも私のテレビ朝日の発言、私も正確に覚えておりませんが、しかし、それが三野議員がおっしゃるように集団自衛権を見直すべきであるという主張をしたように受け取られているとすれば、その点、私の発言が不適切であったと思いますので、おわびをして、取り消させていただきます。
○三野委員 これも、言ってから後で取り消す、取り消すなんて、取り消すことを何ぼでも言われたのでは困るがね、こっちも。 防衛庁長官にお尋ねをいたします。 防衛庁長官は、四月二十八日、集団自衛権について、憲法解釈について変更する必要が出てくる可能性もあると言うんだ。その憲法解釈について変更する必要が出てくる可能性、それはどういう時期なんですか。どういう状況なんですか。
○神田国務大臣 お答えをいたします。 この発言は、記者会見のときにいろいろ質問をされまして、そのときに答えたものでございますが、私は、集団自衛権も含めてこの北朝鮮の問題などをいろいろ考えますと、国連の安保理の決議とか、もしもそういうことで経済制裁が行われるというような場合には、やはりここで議論がされるのではないかという客観的な事実を申し上げたことでございまして、ただ、現内閣の方針はきちんと守っていきたいと思っております。
○三野委員 あなたも現内閣の方針を守るのは当たり前だけれども、ここで言う憲法解釈について変更する必要が出てくる可能性というのはどういう可能性なのか、どういう状況で憲法解釈を考えなきゃならぬのか。今あなたが言われているように、朝鮮問題があるから憲法解釈を変えなきゃならぬということですか。さっき言った朝鮮問題もあるのでこの際解釈を考えなきゃいかぬというのか。
○神田国務大臣 これは言わずもがなのことだったと思っておりまして、非常に反省をしておるの ですけれども、やはり憲法の論議も含めていろいろな意見が出るのではないかということを客観的に申しただけでございますが、これは別にその時点で話をすることではございません。深く反省をしております。
○三野委員 反省するということは、これも取り消すんですか。ちょっとはっきりしてください。反省するということは、これも取り消されるんですか。
○神田国務大臣 特に取り消しするというふうな問題ではございません。
○三野委員 それなら聞かなきゃいかぬ。取り消す必要がないと言うんだったら、これは聞かなきゃならぬのですが、憲法解釈を変更する場合はどういう場合ですか。あなたが取り消す必要がないと言うんだったらそれを聞かなきゃならぬ。
○神田国務大臣 別にこういう問題があるからという話ではございませんで、実際的にはいろいろな憲法の議論も出るだろうという話をしておったわけでございまして、議論は、そういうことで例えば北朝鮮の経済制裁というふうなことがあった場合には、ここでいろいろな議論が出てくるだろうという話をしたのであります。
○三野委員 そのとき憲法解釈を変えるのですか。あなた、それで憲法解釈を変えるのですか。
○神田国務大臣 いや、私は憲法解釈を変えるとか変えないとかは言っておりません。そこまでの話ではありません。
○三野委員 あなたは憲法解釈を変えることがあり得る、こう言ったんです。ですから、それはやはりどういうときに、先ほど北朝鮮問題が出てきて、経済制裁その他で憲法解釈を変えなきゃならぬ、そういうときが来るかもわからぬ、さっきそう言ったんでしょう。そうじゃないんですか。そうじゃないならないで、変えないなら変えないんだとか、これは間違いだと。いや、取り消すなら取り消すと、ちゃんとしてください。そうしなきゃ、あなたみたいに言ったらいつまでも議論続くがな。そうしてください。 その後で、あなたは実は九日の日に、状況によっては考え方が変わることもあるかもわからぬ。くるくるくるくる変わるのでは困るがな。あなたについて国民が全部変わるわけにいかぬわけですから。ですから、当初の四月二十八日のこの発言は取り消すなら取り消す、そうしてもらわぬと前に進まぬがな。
○神田国務大臣 何回も申し上げますけれども、私はそこまでいろいろな話をしているわけではないのです。ですから、議論が中途半端になっておりまして、その辺で誤解をいただいておりますけれども、そういう憲法解釈もいろいろなことで起こってくるだろうということを申し上げたわけでございます。
○三野委員 この問題は後の議論に譲ります。あなたとこの場でやりおったら前へ進まぬから。 次に聞きますが、あなたはこの五月一日の「新閣僚に聞く」の中で、「北東アジアを中心に日本に対する軍事的圧力がある。」とあって、防衛力の増強も軍縮もしないと。まあ世界は軍縮の時代に入っているんだけれども、軍縮しないと。ここで言う軍事的圧力のある北東アジアというのはどこの国を指すんですか。「北東アジア」と書いてある。固有名詞を言ってください、固有名詞を。
○神田国務大臣 北東アジアという言い方をしましたけれども、特にどこの国という話はしておりません。
○三野委員 じゃ、北東アジア全部が日本へ軍事的圧力を加えてきているのですか。そういうふうに理解していいんですか。
○神田国務大臣 軍事的圧力という言い方をしたのは、北東アジアに軍縮をしようと話があったようなときでありますから、今軍縮ということの中で話ばかりはできない、北東アジアにはやはり軍事的な日本にとって圧力があるだろうというような話をしたのでありまして、どこの国がどうだというような話ではありません。
○三野委員 じゃ、北東アジア全体から日本は軍事的な圧力を今感じているのですか、あなたは。そこのところを聞いているんだよ。全部なら全部でいいよ。だから、それで軍縮できないと言うんだったら。
○神田国務大臣 軍事的圧力という言い方は一般的な言い方でありまして、どこの国がどういうふうに圧力をかけているという話ではありません。
○三野委員 あなた、しかし圧力はあるんですね。どうですか、圧力は。北東アジアの軍事力が日本に対して圧力があるんですね。それであなたは軍縮できないと言う。圧力があるんですか。どういう圧力があると具体的に言ってください。
○神田国務大臣 具体的なことでは申しておりませんで、その話も非常に一般的な話だったのでありますから、そういう意味では、誤解を招いたことは申しわけないと思っております。
○三野委員 申しわけないと言ったって、少なくとも日本の自衛隊を含めた、軍隊とは今言わぬのだけれども、これを預かっているあなたが、北東アジアからは、おい、日本は軍事的圧力があるぞ、したがって軍縮などというのは冗談じゃない、こういうことを国民に言い聞かし、そして、同時にそのことは、北東アジア全体に対して、おまえたちは日本に対して軍事的圧力をかけているじゃないか、こういうことでしょう。そんな抽象的なことでは、あなた、済まぬでしょうがね。もう一遍答えてください。
○神田国務大臣 私が申しましたのはあくまで一般的な話でございまして、特定の国を指しておるわけではございません。
○三野委員 だから、全体から圧力というのはどんな圧力がかかっておるのですか。それを言わんならぬな、圧力がかかっておると言うんだから。全体でもいいかな。北東アジア全体でいいかな。
○神田国務大臣 一般的な考え方でございますから、それはどこという国を指しておりません。
○三野委員 委員長もおられるし、理事も、言っておきますが、そんな抽象的なことでは困りますよ。一般的なことだって、一般的だったらなお問題なんだ。 北東アジア全体から日本に軍事的圧力がかかって日本は軍縮するどころじゃないよと、あなた、防衛庁長官が言っている。それは一体どうなんだ。 これは大臣の発言だから大臣がちゃんと答えなさいよ、あなた。これは政府の見解なのですか。
○村田(直)政府委員 ちょっと補足をさせていただきますけれども、この発言につきまして、私も議事録を読んでおりますけれども、我が国周辺の地域がやはり対立の構図が複雑だ、それで各国の安全保障観が多様だということで、朝鮮半島や我が国の北方領土等のまだ未解決の問題もある、これは再々政府側が申しておるわけでございまして、この地域においてはやはりまだ近代化された大規模な軍事力が存在しておるということは事実でございまして、冷戦の終結に伴って、軍縮といいますかそういうものが進んでいるような大きな変化、欧州のような大きな変化はまだ見られない状況であるというようなことを踏まえまして、我が国周辺の情勢を注意深く見ていく必要があるというようなことを申しておるわけでございます。(「だれが」と呼ぶ者あり)大臣が申しておるわけでございます。
○三野委員 羽田総理、いつあの人を大臣に指名したのか知らぬけれども。 そこで、いわば防衛庁全体がそんなことを考えている、あるいは政府全体がそんなことを考えているということになると大変な問題になると私は思うんだ、北方四島の問題は今始まったことじゃないんです。これは早く解決しなきゃならぬけれども、ずっとあることでしょう、北方領土の問題は。今になつく北方四島が残っておるから軍事的圧力がかかったとか、そんなことを言っておるようでは、それは理由にならないわな。それはならぬと思う。 それで、私は、総理、この際あなたにこれを聞いておくが、こういう発言というのは、単に国民を惑わすだけではなしに、国際社会に対して、恐らく私は、朝鮮半島もそうだけれども、もっと中国なり、その他ASEANも含めて考えているかもわからぬと思う。国際社会に非常な影響をもたらすということを考えてみた場合に、こういう発言というのは撤回してもらわぬと困る。取り消すなら取り消すとちゃんとして、政府としてちゃんとした見解を出してくださいよ。
○羽田内閣総理大臣 この点につきましては、ちょうど今北朝鮮の核の問題等があります。こういった問題に対して、国際機関というものも先ほどお話ししましたように非常に粘り強い対話をしようということで、北朝鮮が国際社会に対して窓を広げてほしいということを実は慫慂しておるところでありまして、そこに違ったメッセージが行くということになってはこれは大変であるということを私たちはやっぱり十分気をつけながら、物言いというものを気をつけなきゃいけないということであります。 ですから、いろんな御質問に対しましても、一般論でしか申し上げられませんということをずっと私ども言い続けてまいっておることを御理解をいただきたいというふうに思っております。
○三野委員 しかし、防衛庁長官、これはこのまま済みませんわな。続いてさらに議論しないと、こんなことで国民を扇動したり、諸外国に対して、日本がそういう見解を持っているということになるとこれは大変な外交問題になると思うものですから、これは続いてなお議論していきたいと思います。 さて、官房長官にお尋ねします。 官房長官は五月一日の、これはもう言った方がいい、テレビ朝日。言うた言わぬ言うもんですから、もう言わないかぬ。合意さえあれば一気に危機管理体制をつくることができる、事態の推移を見て国民に訴え、政治の側も対応し直す必要がある、そのための素材はきちっとできている、こう言っているのですね。 一気に危機管理体制をつくることができる。もうできるんでしょう。その一気にできる危機管理体制というのは何ですか。そしてその管理体制のもとで、そのためにきちっとしている素材があるという素材というのは何ですか。あめ玉なのか棒なのか、その素材をちょっと出してもらいたい。
○熊谷国務大臣 委員御指摘のテレビの番組におきまして、私は、前段の部分で、総理が先ほどもお話をしておったわけでありますけれども、現在平和裏に話し合いで解決する努力が進められておる、そういう段階で具体的にあれこれと相手を威圧するようなやり方をしては無になってしまうということを再三実は強調しておったわけでございます。 その上で、さらばもし、もしというような御質問がございまして、一般的な危機管理体制という意味で申し上げたわけでございますけれども、政府においては関係省庁間で情報交換等を行っておりますし、また各省庁においてもそれぞれの立場からそれぞれの所掌事務の範囲内におきまして必要な検討は行っております。仮に緊急な事態に発展するような事態になりましても、政府としてはこれに対処するために万全の態勢をとり得るという決意を申し上げたところでございます。 素材という言葉、ちょっと誤解を生んだかもしれませんけれども、それぞれの省庁がそれぞれの所管範囲におきましてさまざまな項目について検討していることは事実でございます。 ただ、繰り返すようでございますけれども、先ほど来総理が申し上げておりますように、せっかくここで北朝鮮問題については外交的努力が進んでいるところでございますので、それを、一つ一つを、あのテレビの番組でも申し上げてきたことでありますけれども、相手に向かって威圧するようなやり方で受け取られたのではせっかくの平和裏の交渉が進まなくなるんではないか、だから申し上げることはできませんよということを申し上げているわけでございます。
○三野委員 せっかく話し合いで粘り強くやっているところだからそんなことはできませんよと言いながら、あなたは、一気にできる、危機管理体制はできているんだ、整っているんだ、こう言っている。そんなことを言っちゃいかぬ、いかぬと言いながら、危機管理体制ができていると言う。できていると国民に言ったらば、それはどういう危機管理体制なんですか、こうやって聞くのは当たり前でしょう。 だから、それはどういうふうになるか言ってもらいたい。そのためにきちっとした素材はちゃんとあるよと、きちっとできていますよと、こう言う。だから、素材はミサイルなのか、あめなのか、棒なのか、もちなのか、やはりそれは聞くのは当たり前のことなんですよ、実際は。 ですから私は、そういう意味では、話し合いを粘り強くやっているから、話し合いと言いながら、こういうことを発言しながら、もう率直に申し上げる、総理にも申し上げます、今にも朝鮮半島から鉄砲弾が飛んでくるようなことを世の中につくって、そして危機管理体制だ、憲法の見直しだ、いや、何だかんだと言いながら、実は各閣僚ともその準備態勢をしている、政府もその準備態勢をしている、これでは話し合いも候もないでしょう。 ですから、私はよく言うんです。実は私もテレビで渡辺美智雄先生と討論したことがある。あのときに竹村健一という人がおりまして、社会党はでは今北朝鮮が鉄砲を撃ってきたらどうするんだ、こういう話をするんだ。冗談じゃない、おまえ、北朝鮮が鉄砲を撃ってくるか。金日成が言っているのは、鉄砲を撃つ意思もなければ戦争する能力もありません。それはそうだろうと思いますよ。(発言する者あり)いや、信ずる、信じないは別として、二千万の国民で、しかも一番世界中で近代兵器を持っておるアメリカと一戦を交えれば、私はなくなると思いますわな。ただ、言っているのは、座して死を待つようなことはしませんよ、ソウルもひょっとしたら火の海にしますよ、こう言っているのは、それは当然だろうと思いますよ、私は。 いかにも今にも飛んでくるような印象を議論の中でつくり上げて、政府もそれに乗っちゃって、憲法の見直したとか危機管理体制だとか素材はきちっとできているよとか言いながら、世の中をだんだんおかしい方向に持っていっている。 私は実は聞いている。私、行ってきたんじゃないけれども、アメリカだって、いや、南の韓国だって、ソウルではそんなことは、今にも鉄砲の弾が飛ぶようなことは言っていないというんだ。非常に平和裏に、しかし話し合いで粘り強くとソウルが一番言っているわけですわな。日本だけが今度羽田内閣になった途端にえっこらえっこら騒いでこういう状況をつくっている。だからそこを問題にしているわけなんです。 ですから、私どもが先ほど言っているのは、外務大臣にしろ防衛庁長官にしろ官房長官にしろ、これはあなた方の個人の見解ですからそれでいいんです、私は。恐らく個人的な見解だろうと思う。そういう個人的な見解を持っている閣僚をずっと並べて、そして国民についてこいと言っているんじゃ、危なくてしようがない。ですから、そこのところを問題にしているわけです。総理、どうですか、これは。
○羽田内閣総理大臣 それぞれの閣僚も、議員であった時代、いろいろな勉強会ですとか研究会なんかで議論をされておられたと思う。そういう中に一つのあるいは考え方を持っておられるかもしれない。しかし、先ほど来それぞれの皆さんからお話がありましたように、この内閣、この方針に従って自分も歩んでいきますということをはっきりお話しになっているわけでございますから、この点についてぜひとも御理解をいただきたいというふうに思っております。 そして、私自身、先ほど来何回も申し上げておりますように、北のこの疑惑という問題については、残念ですけれどもいろいろな動きがありました。しかし、我々がやはり粘り強い対話をしている中で微妙な変化というものを見せてくれておるわけでありますから、そういったものをやはり本物にしていかなければいけないという今一番大事なときであろうというふうに思いますので、閣僚の発言というのは十分注意していかなければならないというふうに私も考えております。
○三野委員 実は、私の質問の仕方が悪いものですからまだ半分まで質問できていないので、また機会をつくってもらいたいと思いますが、総理、あなたのところの新生党代表幹事である小沢さんが、例の新会派改新の発足に当たって、社会党が離脱した。そのとき小沢さんが、どの女と一緒に、余りこれは大きな声で言うのは恥ずかしいんだけれども、どの女と一緒に寝ようと勝手じゃないか。君らが、社会党がそれほどとやかくという話があった。これは実際はもう、余りにも品が悪いものですから、私どもは余りこれは議論したくないようなものなんだ。これは同時に、言葉もさることながら社会党に対する侮辱なんですよ。 この点について、これもあなたはもうここまで問題になっているから聞いておらぬとは言わぬと思うが、きょうの社説でも言っていましたが、あなたはこれをどういうように考えて党首として対応されますか、社会党に対しては。
○羽田内閣総理大臣 この問題については本人と話したこともありますけれども、本人はまず奥さんに大変しかられたということを言っております。 それともう一点は、私はこれは社会党に対してというか、あのときのあれがどういう感情の中で話されたのかよく理解をいたしませんけれども、しかし、この発言そのものはやはり適切を欠いておるというふうに申し上げざるを得ないというふうに思っております。
○三野委員 これは明らかに社会党に対する発言ですよ。だから……(発言する者あり)それはまた後で議論するでしょうけれども、やはりあなた、党から言われなくても、それはあなたも党首として、党の委員長なり書記長にちゃんとした対応をした方が私は賢明だと思いますよ。これで党内はどれほど憤慨していますか。それはそれだけ申し上げて、後はあなたの対応に任せます。 さてそこで、これは法務大臣に聞いていると時間がかかりますから、総理に聞きます。 御承知のようにせんだって、ドイツ連立与党は十三日、ドイツでナチスによるユダヤ人大虐殺をでっち上げと主張すれば犯罪とみなし、発言者を処罰する、最高三年の禁錮刑、これを規定した刑法改正案を近く連邦議会に提出、可決することに合意した。これは通るんですね。 で、しばしば、ユダヤ人の虐殺はなかったとの主張、こういうことではドイツ国民も困るし、諸外国に対しても、第二次世界大戦で迷惑をかけた国々に対してもまことに申しわけないということで、これを法案化するようになった。 連邦の通常裁判所は、虐殺の否定自体が犯罪になるとは思わぬと言ったんだけれども、連邦憲法裁判所は四月の末、そうした主張は憲法で保障する言論の自由に当たらず、禁ずることができる、こういうことをもって連立政権はこれに合意して、国会に出すことに決めて、可決するわけであります。 我が国でも、永野前法務大臣の発言であります。今日までしばしばありました。その都度更迭はいたしましたが、なかなか後を絶たない。ドイツのこの法案についての日本政府の受けとめ方、と同時に我が国で再びこういう発言が起こらないために、あなたも各国へ陳謝したわけでしょう、起こらないためにどういう措置をされますか。この際、もう法務大臣じゃなしにこちらへ直接聞きます。——法務大臣、何か見解があれば言ってください。
○中井国務大臣 御指摘の問題は、過般新聞紙上で私も見させていただきました。早速ドイツに今問い合わせをいたしておりますが、現時点ではまだ詳しいことはわかっておりませんので、またその時点で御返答申し上げたいと思いますが、先生御承知のように、ドイツの憲法におきましては、言論の自由、第五条にありますが、その第二項に、言論の自由を一般法律によって制限することができる、こういう項目がございます。したがって、そういう項目にのっとってあるいは法制化をなさるのか、このように判断を今のところいたしているところでございます。 しかし、日本の憲法は御承知のとおりでございます。したがいまして、いろいろな言論が起こりましたときには、言論に対してはやはり言論でもってこれの当不当を御議論をいただく、そういう過程の中で不当な言論というものが適正に直されていく、これが私は現行憲法下における私どものとるべき姿であろうか。それをドイツのように直ちに刑法でもって処罰する、これについてはよほど慎重に考えていかなければならないのではないか、このように考えております。
○三野委員 私ももちろん言論の自由というのは保障されなきゃならぬと思っています。ただ、第二次世界大戦におけるナチ・ドイツの虐待、そして戦前の我が国の中国における南京の大虐殺を含めて、そして朝鮮半島及び中国人の強制連行を含めまして、国内でも大変問題だし、同時に国際社会でもこのことが非常な影響をもたらしている、そういう観点に立ってドイツはしただろうと思うのです。 だから、日本国憲法でそのことができるかどうかは別として、総理、それならば我が国でこういう発言が再び起こらないためにどういうあなたは措置を考えますか。法律で私はくくれとは言わぬが、どういう措置を考えられますか。
○羽田内閣総理大臣 この問題につきましては、先ほどの発言につきましては、私どもも本当に遺憾であることをまず申し上げたいと思います。そして、こういったことが再び起こらないようにということでありますけれども、明年戦後五十年を迎えるということがございます。 こういう中にあって、今でも、私どもああいう措置をしました。しかし、その以前からもやっぱり日本に対するいろいろなまだ疑念ですとかあるいは批判というものがあるわけです。ですから、こういった問題に対して各国の理解が得られるようないろいろな仕組みといいますか、あるいは我々として議論をしていく必要があろうというふうに考えております。 そして、そういうものがきちんとやっぱり後世の方に伝わる、そういうことも我々考えなければいけないのじゃなかろうか。そういう中でアジア諸国の本当の意味での理解というものを私たちは確保していくことが重要であろうというふうに考えております。
○三野委員 私も去年国会の方からASEAN五カ国のAICOの会議に行ってこいということで、自民党の加藤紘一先生にお供しまして行きまして、非常に勉強になりました。そのときにも、五カ国と加藤先生と私の日本側二人と大変議論をしたわけです。やっぱり日本のこの発展、経済力を含めて協力してもらいたい。しかし同時に、心配もありますよと、まだ戦後問題が全部済んだとは必ずしも言い切れませんよと、国家間の法律上は済んでいても、実質的には従軍慰安婦の問題もフィリピンから出ました、済んでませんよ、これに対してどうするんですかという話があったわけです。これは加藤先生も私もけじめをつけなきゃならぬと思うと。いずれにしても、我々は日本へ帰ったらば、戦後五十年という節目、ここで直ちにすべてが解決しないでも、解決する方向だけは示したい、このために国会議員として二人はそれぞれで努力しましょうと、こう言ったんです。 総理が総理就任に当たって議長訪問をした際に、国会決議の問題が出たようだ。ずっと自民党時代もそのことを主張していたようでありますが、この際、羽田内閣のもとで各党に呼びかけて、あなたは総理だけれども、しかし党首でもあるわけで、政治家として各党に呼びかけて、国会決議をこの国会中にやると、そういう決意はありますか。
○羽田内閣総理大臣 これは今お話がありましたように、私が自民党にありましたときにこのお話をし、当時の政調会長にもそのことを実は申し上げたという経過があるところであります。私は、内閣として、それから当時の内閣に対してもそのお話をしたことがありました。 ただ、内閣として物を言うということも大事でありますけれども、やはり国民から選ばれた国会というものがそういうことに対して方向をきちんと示すといいますか、国民の気持ちというものを表現するということ、これがさらに理解されることになるんじゃなかろうか、そういう考えを私は実は持っております。 ただこれは、まさに院の問題を総理大臣がどうこうということをここで申し上げることははばかるということは申し上げざるを得ません。しかし、お気持ちは私は全く同様のものを持っておるということを申し上げたいと存じます。
○三野委員 総理大臣としてはやりにくいという話もあるようだけれども、一政治家としてこの成功のために最大限の努力をするということは約束されると思いますが、いいですね。 寺澤経済企画庁長官、おいででございますね、お尋ねいたします。 あなたは今度の羽田連立政権の中でただ一人日本新党を代表して入閣され、まあ代表したのかどうか、そうだろうと思う、一人入閣されました。本来ならば、従来は連立政権のもとへは各党首が入ると、こう言ったんだが、社会党は入っていなかったが、社会党は入れないんです。これは全員投票ですからね、社会党の場合、党首の場合。そう簡単にいかないんですが、しかし、元総理であったために恐らく細川さんは入っていないんだろうと思います。あなたがかわって、日本新党を代表する意味も含めて入閣されたと思います。あなたは入閣の際に記者会見で、疑惑は早期にすっきりと解明すべきだと、こういう発言をされていますね。結構であります。 さて、そこでお尋ねしたいと思うし、あなたの意見も聞きたいんですが、細川前総理は四月八日の総理辞任の記者会見で、問題の佐川からの一億円は、国会で何回も答弁し、資料でも提出したとおり、間違いなく完済していると、これは何回も繰り返してきたわけです。もうそれこそ私は、昔蓄音機と言ったが、テープレコーダー並みに聞きました。 ところが、その利息については事務所と佐川の合意により、旧佐川各社から政治献金として処理していたことがきのう事務所の報告でわかったというんだ。あれだけ国会でどんどん議論して、調べてみます調べてみます、方々調べてみますと言ったんだけれども、四月八日に辞任表明したけれども、きのう、四月七日にわかったというんですね。どういう事務所になっておるか知らぬけれども、わかったというんです。私はこれを聞いて、単にこれは私だけではないと思う、国民もびっくりしただろうと思うのですよ。びっくり仰天ですわな、まさに。 そこで、これはあれほど国会の中で各党からの質問に対し、金利を含めて全額完済しているということを繰り返しておったにもかかわらず、辞任表明の日になって、利息は政治献金としてもらっていたよ、それ以外にも法に触れることがあったと、こう言う。その法に触れるというのは、早う調べて言うというのだけれども、まだ聞いていないんで私よくわかりません。あなたは同じ党だから知っていると思いますが。 これはみずからが認めたように、あの国会議論の中で佐川問題について国民をだましたと同時に、私ども連立与党も実はだまされておった。だまされる社会党が悪いと、こう言いたいんだろうけれども、だまされた。しかし、大体社会党というのはおっちょこちょいで人がいいものですから、人の言うたことは大体そのまま受けるんですが、だまされていた。 しかもそれは、文書にしてこうこうこういう形で、佐川も心配ないし、NTTも心配ないといって文書を配られたのです、私のところに。配られたのですよ。それを持っていって演説せいと言う、街頭で。シロだって演説。私、ちょっと気分がすぐれなかったので演説しなかったが、ほかの人でした人がおるそうです。社会党の国対委員長は、日曜日のテレビで、シロですと、こう言った。それは本人を信用した、これはいいことですね。人は疑わぬ方がいいです。できるだけ信用した方がいい。ところが、本人からこれを覆してきた。私は、この一つを見ても、もはや政治家としてはもちろん、総理の責任は、おやめになりましたが、しかし、もう人間として失格じゃないか、こう言わざるを得ないと思うのです。 この際、どうですか、ほかにも金の運用で不法があるというのですが、本人からお聞きになっておるならここで言ってもらうし、あなたも同じ日本新党の一員としてこの際ひとつ細川さんに、まあ自民党、共産党から既に証人要求は出ていますけれども、証人要求がもちろん出たって、出るか出ぬかはこれからの問題でしょうが、政治家として今とるべき態度というのはあるんじゃありませんか。 私は、かつて我が党内でちょっとした事件があった。私の友人だった。あなたは今議員をやめるべきだと言いました。これは同志であり友人が言うしかないのです。あなたは同じ日本新党の同志として、その同志の友情として、この際細川前総理に対して自分の身の処し方、議員辞職も含めて進言する気持ちはありませんか。
○寺澤国務大臣 お答えいたします。 細川前総理の本当に唐突な辞任については、私たち日本新党の者も非常に戸惑いました。今私たちが細川事務所から提出されたいろいろな書類を調べまして、そして細川事務所の方からの報告によりますと、やはり佐川の問題については、元本も金利も完済しておる。ただ、金利は政治献金ということで、一度事務所から佐川の方に支払っているやつをまたもらっているというような、そういう説明を受けております。 それで、日本新党としては、細川前総理を代表として、もう一度結束を固めてやっていこうというふうに考えております。
○三野委員 あなたが細川さんを党首でずっと御指導をいただくかどうかは、それはあなたたちの党内ですからいいのです。 今あなたは、金利は一たん払ったけれども、また政治献金としてもらった。本人は、金利は政治献金として旧佐川各社からもらっている、こう言っている。もらっていることは間違いないのですよ。ですから、私どもに国会で答弁した、我々に渡した資料とは全く違う。これはあなたは御存じでしょう。ですから本人が言い出したんでしょう。全部払っている、いやいや、調べてみたら、きのうになって事務所から報告を受けたらば、もらっていたと、政治献金で。払っていないと本人が言ったんですよ。それをまた言いかえるんですか。 もうそんなことはやめておいて、私は、あれほどの名門の人だし、それなりの立派な人だろうと思う。あなたの党首なんです。出処進退はちゃんとした方がいい。あなたは、やはり議員辞職も含めて進言する気持ちはないの。
○寺澤国務大臣 私は細川前総理の身の潔白を信じております。(三野委員「本人が言っているんだ」と呼ぶ)ですから、金利の問題につきましては、事務所から適正、適法に処理していると聞いております。
○三野委員 今のは委員長、いいですか、大問題ですよ。本人が、いやいや、政治献金としてもらっているんで払っていない、こう言っているのに、あなたがシロだなんて言ったって、退陣の記者会見で言ったんでしょう。どうするんですか。 もうそんなことを言うならば、やはり国会へ出てきてもらわなければ困る。そこまであなたが言うとすれば、これはやはり証人喚問は逃れられませんよ。ちゃんと出ることについて同意してもらいたいと思う。 委員長、この点は、今の答弁では私納得できませんから、ぜひ後で理事会で御検討いただきたいことをお願いしておきたいと思います。
○山口委員長 証人喚問問題につきましては、理事会で相談中であります。今後も相談いたします。
○三野委員 時間の関係がありますので、総理に、朝鮮問題で実はじっくりと三十分か四十分やりたかったのですが、時間がありませんから聞いておきたいのですが、朝鮮の核疑惑のことが問題になってかなり時間がたつわけですね。その間に大変だ、大変だ、そのとおり大変なんです。 朝鮮半島というのはもうまさに一体ですわな、日本海を含めて。そういう一体の中で、朝鮮でもし核が、朝鮮でなくても、もうこれ以上核がふえちゃ困るわけです。しかも、被爆国日本としては核は絶対認められぬ、こういう信念に国民全体が一致しているわけですが、核疑惑の問題が出て、国内ではもう大変、大変。 あなたのところの小沢さんは、今でも二発あるぞ、ことしじゅうに十発ぐらいできるぞ、こう前に記者会見で言ったのですがね。まあどこでお調べになったのか知らぬけれども、ほかの国は、あるかないかわからぬというけれども、小沢さんだけは二発あるぞ、ことしじゅうに十発になるぞ、こう言われるのですが、それはまあ私はよくわかりません。 そこで、確かに心配する、国民も心配している、政府が心配するのは当然、我々もみんな心配しています。それを、朝鮮が核を開発をしないために日本政府はどういう外交政策をとったのか、ちょっと言ってください。
○羽田内閣総理大臣 御指摘の問題につきまして、我が国といたしましては、この問題の解決のためにアメリカですとか、あるいは韓国、また中国、ロシア、その他の関係の国、こういった皆様方とこの問題について腹を割ったお話し合いをしてまいったところでございます。 そのときに私どもが常に申し上げておりますことは、北朝鮮に対しまして、核の不拡散条約、これはNPTでありますけれども、これに完全に復帰、IAEAの保障措置協定の完全な履行、南北非核化共同宣言の実施、これを通じまして核兵器開発に対する国際社会の懸念を払拭するよう、これをぜひとも努力していただきたいということを申し上げてまいったところであります。
○三野委員 アメリカや韓国や中国やロシア等にはいろいろと話した。朝鮮民主主義人民共和国にはしてませんわね。国交がないからできませんわね。この重大な時期にできないのです、日本は。そこが問題なのです。 御承知のように、南北朝鮮は国連へ同時加盟。そのときに全会一致です。日本も賛成しましたね。国連では、南北を国家として同時加盟で認めておきながら、日本は国交正常化していない。その前後しまして、旧ソ連、そして中国は南と国交正常化をしました。本来ならば、クロス承認で今度はアメリカと日本が共和国と国交正常化しなきゃならぬ。ところが、していないのです。ここに問題がある。 そこで、日本社会党、自民党、朝鮮労働党が汗をかいたのでしょう。かいて、共同声明をつくりました。いろいろと政府の重たいしりを、外務省をたたいて何回か交渉したけれども、途中で中断した。中断した中身についても、例の女性の問題ですね。一体これは、南からはそう言うけれども、果たしてあの女性を教育したのは日本人であるのかどうか、確たる証拠を日本は持っているわけじゃないのです。しかし、まあそれでやめた。いわば、これほど重大な問題があるにもかかわらず、日本が共和国と何らの接触もできないという今日の異常な日本の外交のあり方、総理、ここが問題だと私は思いますよ。 一方、共和国は、米朝関係については窓口は今でもあいているわけですね。国交正常化していないけれどもあいている、交渉していますね。非常に熱心なんです、米朝関係。ところが、日本は大して熱心でないのはなぜなのか。事は簡単です。中国を承認するかどうか、中国と正常化するかどうかのときに、我々が随分しりをたたいたけれども、もたもたもたもたして、しなくて、ニクソンが北京訪問したら慌てちゃって、日本は、田中総理が周恩来と会談したでしょう。そのことをよく知っています。日本というのはアメリカが動かなければ一歩も動かない、だから日本を相手にしてもしようがないわねと。だから、米朝問題に全力を挙げているわけです。ですから、いかなりとも米朝問題、閉じませんね。 問題は、共和国は何としても米朝関係は、恐らくこれは核をカードに使ってやっていると私は見るが、これは私の見解ですね、核をカードに使って何としても米朝関係を正常化したい。そのことによって日本はついてくるであろう。そして、今確かに経済的にも困難だという、さまざまな困難な状態がある。そして、先進国であるアメリカや日本の力もかりたいことがあるだろうと思いますよ。そういう状況の中で日本が自主的な外交がとれないという今日までの日本の外交のあり方、そして日本政府の今の態度、これは私、何としても残念だと思う。 どうですか。こっちから再開を呼びかけて正常化問題について議論すると同時に、この際、核に対する日本の立場、やめてくれ、どこまでどうなっとるんや、開かれた状況の中で経済的にも技術的にも文化的にも協力するよ、こういう呼びかけができませんか。それをやらなければ日本はやはりいつまで来てもアメリカに追随する外交から出られない、自主外交はない、こう思うんですが、どうですか。
○羽田内閣総理大臣 一番初めにお話がありましたように、やはり我が国といたしましても朝鮮半島に核が誕生するということは、いかなることがあっても被爆国としてこれは阻止しなければならないという気持ち、全く同感であります。 そして、今お話がありましたように、私どもはいわゆる北、朝鮮民主主義人民共和国、この国に対して何も敵意を持っているものじゃありません。いずれにしましても、かっての大戦のときあるいはその以前の問題で耐えがたい苦しみを与えたこと、この思いは私は実は同様に持っておるわけです。これは韓国同様に持っておるわけです。その意味で、やはりこの国に本当に胸を開いていただきたいというつもりで、例えばいろいろな記者会見その他を通じながら話しましたり、また貴党の関係の方が向こうへ行かれるときにもお話をいたしました。 また、私どもも、これは一々具体的に申し上げることはできませんけれども、在北京の大使館、こういったところを通じながら国際社会の立場について伝達する、あるいはいろいろな話しかけということもやってきておることは事実であるわけでございます。 いずれにしましても、確かに北朝鮮は、この核問題に限っては、やっぱり核を持つ、しかも一番の大国である米朝で話し合うことが何といっても、これはIAEAに対する影響とかいろいろなものをお考えなんでしょう、そういう意味もあってあれでございますけれども、私は、本当に国際社会に胸を開いていただくことができるんだったら、あの国に対しまして、韓国もあるいは中国も日本もアメリカもいろいろな国も民生の発展のために協力することができるだろうというふうに思っております。 これからもそういう話し合いというもの、これは実は先方のあれでとぎれてしまっておるということでありますから、我々の気持ちというものを理解していただいて、お話し合いすることがあればいつでも私どもは話し合っていく気持ちというもの、あるいは用意というものはあるということは申し上げたいと存じます。
○三野委員 時間が来たので終わりますが、ただ総理、あなたも言われていたように、日本は南北どちらも三十六年間の植民地政策があり、さまざまな苦しみを与えた。他の国とは違う。アメリカが行ったから、さあ日本も行かなきゃならぬということにならぬということをぜひ御理解いただいて、向こうは、閉じるような仕掛けを持っていったら閉じるのです。ですからどうぞ、やろうではないかと呼びかけてください。そのことをお願いをして終わります。 ありがとうございました。
○山口委員長 これにて三野君の質疑は終了いたしました。 次に、松本善明君。
○松本(善)委員 総理に伺いますが、暫定予算の補正の質疑ということになってきておるわけですが、五月の中旬になって本予算の審議が始まっていない。暫定予算の期間九十日になって全予算の四分の一になるという事態であります。 この予算のおくれの問題につきましては、既に議論もありましたが、政府が予算を提出したことがおくれたこと、それから細川前総理についての疑惑の追及でとまっていたこと、それから組閣にかかわる権力闘争、そういうようないろんな原因がありました。予算委員会の理事会では、与党の理事が統一見解として、このおくれは与党の責任だということの表明がありまして、そこから始まったわけでありました。 ところが、羽田総理の所信表明を聞いておりますと、細川前首相の疑惑による政権投げ出しについては、不幸にして業半ばで退陣、それから権力闘争については残念だという言葉だけで、私は全く反省がなかったんじゃないかと思うのです。きょうのこの場での議論を聞きましても、この問題についての深い反省というものが全く聞かれなかったように思いました。 予算審議が大幅におくれた大きな原因であります細川前首相の疑惑の問題から私は質問をしたいと思いますが、政治改革が言われ始めた原点は佐川疑惑ですね。それからゼネコン疑惑です。あなただとかそれから小沢一郎氏が師と仰いできた金丸信氏が、五億円もらって二十万の罰金で済んだ。これで国民の怒りが爆発をして、そして細川内閣誕生ということですが、政治改革の旗手としてあらわれたわけです。小選挙区並立制を成立させたけれども、その当の細川前首相が佐川疑惑だとかNTT株疑惑で大変大きな問題になって、国民の政治不信がますます大きくなったということだと思うのです。 これは質問の前提なんですが、総理にそこでお聞きしたいのは、先ほどもちょっと問題になりましたけれども、細川前総理が、佐川からの一億円の借金について、金利を変更した経過まで含めまして元利とも返済したということを一貫して答弁をしてきた。その証拠として、利息の入金日も詳細に明記をされている東京佐川の貸付金台帳や利息計算書まで出したわけでしょう。 ところが細川氏は、総理辞任の記者会見で、佐川の借金の一億円は返したけれども、利息については、事務所と佐川側の合意により旧佐川から各社の政治献金として処理していたことが事務所の報告で判明した、要するに利息は政治献金としていただいていたと事もなげに国会での今までの答弁を覆したわけですね。 細川氏が元利とも返済したと言い張りますから、この貸付金台帳の信用性を含めて、衆議院で十四回質問が行われています。私もやりましたけれども、自民党やその他各党やりました。それから、参議院で二十一回です。計三十五回、細川疑惑について質疑が行われている。国会審議も約一カ月にわたってとまりました。細川氏は、みずからの国会答弁も、提出した証拠も自分で否定したわけであります。 今、社会党がだまされたんだという話がございましたけれども、そういう程度の問題に私はとどまらないと思う。にせの証拠を国会に提出するということは、かってないことです。これは国会と国民を欺いたということで、これはもう本当に重大なことで、このまま看過することの絶対できない問題だ、国会の立場として私はそう思います。 この点について、総理はどういう認識を持っているか。細川前総理が国会を欺いたということについて、これは何でもないことだと思っているのかどうか、総理の認識をはっきり伺いたいと思います。 〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕
○羽田内閣総理大臣 今御指摘のありました点につきましては、細川総理御自身、自分として知る限りのものについて資料も提供いたしますということで、結果として資料を提出されてきたということ、そして御自分で御答弁等もなさっておったということでありまして、確かに古い事案であったというようなこともあったということで、御本人あるいはその関係者の記憶というものも確かにあいまいであったというふうに思っております。 ただ最後の、今利息のというお話の点について、欺いたというふうに判断をしてよろしいのか。何というのですか、前日にわかったと今御指摘がありましたですかね、前の日にわかったというあれでお話しになられたということで、私どもとしても、おやめになったという中で、あの数日の間でしょうね、まあそういう中でそれがあるいは発見されたということで報告されたのかなという実は思いを持つところでありまして、欺いたんじゃないのかという指摘については、私からはちょっと申し上げられる問題じゃなかろうというふうに思います。
○松本(善)委員 欺いたと言えるかどうかと言いますけれども、それに基づいて何人もの国会議員が質問したんですよ。それを、あなたもずっと聞いていたでしょう。それを事もなげに、いやそれは間違えてましたと。それで、証拠も出ているんですよ。ここにその貸付金台帳、利息の受取日、きちんと全部詳細に出ていますよ。そんなものを出して、それで、いやそれは間違っていました、それで通りますか。国会はそんなことを認めていいんですか。 日本の総理大臣、議会で信任を受けなければ総理になれません。その国会というのは国権の最高機関ですよ。それを欺くということについて総理大臣がどういう認識を持っているかということは、これはもう極めて重大な問題だと私は思います。もう一度答弁をしてもらいたいと思います。これははっきり欺いたと。これはもう明白ですよ。それはあなたが否定されるならあなたも同罪だということになりますよ。同じ責任を負わなければなりません。そのことを意識をしてはっきりお答えいただきたい。 〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕
○羽田内閣総理大臣 先ほども申し上げたことでございますけれども、いずれにしましても、前総理はこの道義的な責任を負うということでこのたびのような身の処し方をされたということでございまして、私といたしましては、これを重く受けとめたいというふうに考えております。
○松本(善)委員 総理、細川前総理がやめればそれでその責任をとったということなんだが、私は、あなたがこの事態をどう考えているかということがあなたの総理の資格として重大だから聞いているんですよ。それをはっきり答えていただきたいのです。 先ほども日本新党の閣僚が答えられましたけれども、八塚南海夫という秘書が、先ほど言ったことは、一億円の利息については、支払い期日に佐川各社に百万円以下に分割した政治献金の領収書を発行して、細川氏の個人口座からその分を政治団体に入れて処理をしたと、こういうことが報道された。それに基づいて今の答弁があったんだと思いますが、私は、このこと自身がうそだと思います。 もし本当にそういうことが行われていたのならば、利息を返済したことを詳細に記述した貸付金台帳を国会に提出するということはあり得ないですよ。あり得ないです。毎年毎年ちゃんと届け出をしていて、ちゃんと思っていたら、利息はもらっていたんだと、そんなことをやっておったらこんな貸付金台帳なんか出るわけがない。このことを言っていることが、今寺澤さんの言ったこと自身がうそですよ。 私は、これは絶対にあいまいにすることはできない。日本の国会としてあいまいにできないのですよ。それをはっきりさせないと、私は、国会で何うそついたって構わないうその証拠を出したっていいと、そんなことで国会の審議は絶対許されないと思います。私は、総理大臣がこのことについて間違っているということをはっきり言わなければ、そのもとで審議をしたってしようがないんじゃないかと思いますようそついたって勝手だ、うその証拠を出したって勝手だ、後でちょっと都合が悪くなれば撤回すればいいのだ、そんな審議を国会でやっていたんじゃ、それは話にならないと思うのですよ。 だから、はっきりあなたが、これは間違っていると、だましていると言わなかったら、少なくともこれは間違っているということをはっきりここで明言すべきですよ。そうでなければ審議を進められないんじゃないか、そういう総理大臣に聞いたってしようがないじゃないか、いいかげんじゃないか、また細川さんと同じことかということになるんですよ。はっきりお答えいただきたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 うそをついたとかあるいはあれだということを前提としてのお話でございますと、私がこれをどうこうということが言えるものではありません。ただ、今、確かにそうだということで実際に議論をされておったということであった、それが違っていましたよということを後で言われたんじゃ困るという今御指摘の点については、私も理解できるところであります。
○松本(善)委員 それが国会をだましたということになりませんか。今まで言っていたことが後になって違っていましたと。しかも証拠まで出したんですよ。言い間違いじゃないんですよ。はっきり、断固として言ってきたんですよ。 あなたはそんなことを言うけれども、あわせて聞きます。 さっき社会党の委員も聞かれましたけれども、連立与党政務幹事会で、総理は一億円返している、デマに惑わされないようにしろという文書まで出した。その中で、いわゆる六点セットについては、にせものの資料を提出する理由は何もないと言っているんですよ。この貸付金台帳なんかにせものであるわけがないと言っているんですよ。 あなたは連立与党の有力な党の新生党の党首でしょう。連立与党政務幹事会、こういうことを言っているのです。さっきの社会党の委員は、それに基づいて街頭演説させられたと言っているわけですよ。元利とも返しているという主張は、細川氏自身の言葉でもう崩れちゃったんですよ。あなた自身、新生党の党首としてこれに責任があるんですよ。あなたはこれで国会をだましたと思いませんか。あなた方は、総理は一億円返していると、私たちが、野党が追及したのは、デマに惑わされるなと言ってあなたはやったんですよ。その責任を何と感じていますか。はっきりお答えいただきたい。
○羽田内閣総理大臣 おしかりを受けるかもしれませんけれども、その資料というのは実は私拝見したことがなくしかも私は実はそんな演説をしたことも一度もないんでございますけれども、私どもも、本当に返したんだという話は実は何回も御本人から聞かされておったわけでございまして、多分資料をつくられたとしたら、それをまさに信頼しながらつくられたんだろうというふうに私は考えます。
○松本(善)委員 あなたもだまされていたということですか、そうすると。そうでしょう。あなたも信頼していたんだから。あなた、ちゃんと総理は一億円返している、デマにだまされないようにとありますよ。あなた、知らないでは通らないでしょう。連立与党の政務幹事会というのは正式の機関でしょう。そこで、返していると。 連立与党は何にも調べないで返しているとやったんですか。その責任は何にも感じないんですか。知りませんでしたで通るんですか。そんなばかなことないでしょう。怒られる怒られないの問題じゃないですよ、あなた。国会をだましているかどうかという重大問題なんだ。それについて総理が、これは何でもないことなんだ、おれは知らなかったと言ったら、総理の資格そのものが問題になるんですよ。
○羽田内閣総理大臣 それを知らないといいましても、皆さんも党で起こっていることをすべて御存じではないというふうに思うのですよね。 それで、私はそういう演説がなされたということやなんかも実は聞いておらないのが現実でありますし、私はあちこち街頭なんかにも出たり、あるいは方々へ演説なんかに行くことがありましたけれども、そういった資料を実は私受け取っておらなかったという、あるいは事務所が受け取ったのかもしれませんけれども、これは本当のところ、おしかりを受けるかもしれませんけれども、実際にそういうことであるということを申し上げたいと思うんです。
○松本(善)委員 総理、あなたはこれを見ているか見ていないかは別として、あなた、ここでずっと細川さんの答弁は全部聞いていたでしょう。それで一カ月とまったでしょう。何でとまったと思っているんですか。それを今になって知らなかったと。それは一体国会審議を何と考えているんだと。あなたは副総理としておったわけでしょう。総理大臣が追及されているのに、何を聞いておったんですか。そんな態度でこれからもやるんですか。そんなものを、あなたの言葉を信用して審議できますか。また細川さんと同じことをやるかもしれぬじゃないですか。あなたは全く責任を感じませんか、これ。あなた自身の責任ですよ。
○羽田内閣総理大臣 連帯責任というお話もありますけれども、いずれにしましても、細川総理は、私も本当に個人的にもこうやってお話ししておりまして、自分としてでき得る限りのこと、あるいはでき得る限りの資料、こういったものについては出したし、自分としても、何というんですか、報告を受けたものを率直にあれしている、そして間違いなく返したんだという実はお話があった。しかし、今、後段の、おやめになったときの会見のお話がありまして、そういったものが、やめられたらそれはとかって言われてしまったということにはやはり問題あるなという感じは、今御指摘を受けながら改めて強く思っております。
○松本(善)委員 あなたはそういうふうに言われていますが、本会議やその他で、あなたはこの細川さんの問題はプライベートな問題だと言っている。何がプライベートな問題ですか。これだけ公の重大問題。あなたも問題があると今言わざるを得なかった。あの佐川というのは黒い企業の代表ですよ。それと細川さんが癒着をしていた。熊本県知事選挙とのかかわりで疑惑がある。 これは公的な問題だからこそ何回も、合計でいえば三十五回も質問され、一カ月もとまっていたんですよ。そういう野党の質問は、これはプライベートなものでやった不当なものだ、こうあなたは言うつもりですか。プライベートな問題だというのは、そういうことを意味しているんですよ。公的な問題として我々が質問したのは、あれは間違っているということですか。あなたはそういうことを言うつもりですか。ちゃんと聞きたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 私が申し上げたプライベートですとか、あるいは私的という言葉を使ったことがあると思いますけれども、これを申し上げたことは、要するに実際に問題が起きた、この問題については私的な問題であるというふうな思いで実は申し上げたということでございます。
○松本(善)委員 何を言うとるんですか。あなた、新聞見ているかどうか知りませんけれども、細川さんの秘書だった深山さん、これは証人喚問を我が党も自民党も要求をしていますけれども、「一億円は、マンション支払いで不足した資金の穴埋めに使った。個人資金と政治資金の区別はあいまいで、一億円が事実上、知事選に使われたと言われれば、そうなる」、これは簡単に言うと、どんぶり勘定だったから事実上熊本県知事選挙に使ったと言えばそうだということですよ。大きく報道されているんですよ。 あなた、これを読まなかったんですか。読んでいるでしょう。これはまさに公的問題じゃないですか。こういうことがあって、まだやはりあなた、プライベートな問題だと言うのですか。まさに公的な問題で、総理としての、政治家としての資格にもかかわる問題だと私は思いますよ。これはやはりプライベートな問題ですか。
○羽田内閣総理大臣 知事選に使われたという話は、それはそれぞれの皆さん方がなされていることでありまして、御本人は、これはまさにみずからの私的なもので借り、そして私的に使ったということを主張されてきておられるわけでございますから、その意味で、私的であるというその表現は御理解いただけるんではないかというふうに思います。
○松本(善)委員 到底理解できないですよ。あなた、そんなことを言っていたら、細川さんと一緒に責任をとらざるを得なくなりますよ。元秘書で、実務をやっていたというのが深山さんなんですよ。だから、証人喚問の要求もされているんですよ。そして、与党も事実上これはやらないかぬというふうになっているんですよ。その人が、熊本県知事選挙に使ったんだと言われればそうだと言っているんです。あなた、新聞の何を読んでいるんだろう。そんなことでは細川さんと一緒に心申せざるを得なくなると私は思いますよ。 さらに、NTTの疑惑にしても、藤木、桑畑という二人の方が、細川氏の取引だ、義父の名義にしただけだ、こういうふうに証言しているんですよ。細川さんの記者会見でも、NTT株の売却代金は細川事務所に入金された、それから上田さんに渡ったというのです。これは事実上細川さんの取引だというのはもう動かせなくなってきていますよ、そういう疑惑は。もう佐川の一億円問題にしてもNTT疑惑にしても、細川さんの弁明はすべて崩れてきている。こういう疑惑の解明ができなくなって、ぼろぼろになる前に辞任したというのが実際だと思いますし、一般の見方ですよ。 あなたは、これは潔い身の処し方だと本会議で答弁したんです。どこが潔いんですか。はっきりお答えいただきたいと思う。何で潔いと思うんですか。
○羽田内閣総理大臣 確かに、今御指摘のある中ではあれでございますけれども、やはりみずからのこういった疑惑を持たれたという中にあってこの身の処し方というものは、やはり私どもとして重く受けとめたいという意味合いで申し上げたということでございます。
○松本(善)委員 あなた、そんなことを言うけれども、この会見について、古い友人という桑畑氏は、細川首相の潔癖さを演出する道具に使われた、細川事務所に謝罪してほしいと反論したんです。 何よりも細川さん自身が、あんな疑惑——これは、あんな疑惑というのは、桑畑さんとの関係での、随分前の話だけれども、事務所に任せていたとはいえ、責任を負わなきゃならぬ問題だというふうに言った点なんですよね。細川さん自身が、あんな疑惑は目くらましたと、自民党を割るために総理をやめたと、あれを公表しないとやめる理由はなかったと言っているんですよ。これが何が潔いんですか。 私は、この潔いやめ方だというのは、あなたは取り消すべきだと、取り消さないとそれはだめだと思いますよ。取り消すべきです。
○羽田内閣総理大臣 今の御指摘、最後にお話しになったことをあれしながら、この潔いという言葉は取り消したいと思います。
○松本(善)委員 あなた自身の問題もあります。 本会議で我が党の不破委員長が、東京湾横断道路の建設に際し、金丸信氏の力で飛島建設が入札に成功した例を挙げて質問をいたしました。政府発注の疑惑の大部分が、ゼネコン関係、まだやみの中であります。ゼネコン疑惑の解明というのは極めて重要なんです。公共事業費が非常に膨大でありますだけに、これを節約するだけで財源がいっぱい出てきますから。 昨年の三月に報道されて、信用性が非常に高いものだということになっております清水建設の盆暮れの献金リストにあなたの名前が出ております。この金は、前茨城県知事や前仙台市長、これはいずれも起訴されて裁判になっていますね、この人たちへのわいろも、この裏献金と同様に、その原資は本社のプール金だったと、同じ原資だったというふうに言われている。それだけでも、この清水建設からのリストにあなたの名前が載っているということは、これは極めて重大なことなんです。 刑事事件としての捜査は終了したということでありますけれども、政治家については、中央の政治家、中央政界の政治家については政治的、道義的責任があるかどうかということについては全く手つかずになっているのです。これは、刑事事件になるか否かにかかわらず、やはりきちっとしなければならぬ問題だと思います。 あなたは本会議で聞かれましたけれども、この清水建設からの献金については、報道された当時にあなたは、あったかなかったかわからない、早急に調査をするというふうに答えていたんです。ところが、一年二カ月たっても何にも言われない。これが政治改革ですかね。こんなことで政治家はいいんですか、総理大臣が。 私は、このこと自体をやはり根本的に反省しないといけないと思うんですよ。この清水建設からこういうリストにあるような金、リストによれば盆暮れ三百万円ということであります。これを受け取った事実があるかどうか。 政治倫理綱領では、「政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。」ということなんです。あなたが清水建設からこういう金を受け取ったということは、やはり重大な疑惑です。これについては、みずから進んでやはり明らかにしなければならない。実際にこの金を受け取ったかどうか、明らかにしてもらいたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 リストということにつきましては、これはどういうあれか、報道されたりなんかしたことは承知しておりますけれども、このリストの問題についてはともかくといたしまして、建設会社から私の政治団体に寄附を受けたことはあるというふうに聞いておりますし、また、政治団体に百万円を超えた寄附のあった企業というのは公表されていることでございますけれども、私どもの場合には、そういったものは適切に処理をされているというふうに報告を受けております。
○松本(善)委員 そうすると、まず、受け取ったということは事実だ、ただ適切に処理をしている、こういうことですか。はっきりお答えいただきたい。受け取ったことは事実かどうか。
○羽田内閣総理大臣 はい、適切に処理されているということであります。(松本(善)委員「受け取ったということですね」と呼ぶ)はい。
○松本(善)委員 じゃ、これはどのように適切に処理されたのか。個人では、一人一年間には百五十万円が限度であります。普通で言えば、これは適正ではないんです、そのまま受け取れば。六百万受け取っていたとすれば、それは一体どういうふうに適切に処理をしていたのか、内容をお答えをいただきたいと思います。
○羽田内閣総理大臣 今のお話は、まさに一般に報道されております、何というんですか、リストですか、献金リストとかいうことで、それを前提にしてのお話でございますけれども、私はそういうことではなくて、建設会社からの寄附は受けておるということであります。 それから、複数の団体、こういったものに寄附されたということがあるということは報告を受けております。
○松本(善)委員 だけれども、三百万ずつの盆暮れは否定されるのですか。それはさっき、受け取ったけれども適切に処理していると言ったじゃないですか。どうなんですか、前言を翻されるのですか。
○羽田内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、私が申し上げたのはこのリストのことで申し上げたわけじゃなくて、建設会社からちゃんと政治献金は受けております、そしてそれは適正に処理されているということを申し上げたところであります。 それぞれの政治団体に対します建設会社からの寄附金は、年間で百万円以下であるということであります。
○松本(善)委員 それでは、この清水建設については、そういう献金を一手に管理する立場にありました神山裕紀清水前副会長、この人の証人喚問を要求いたします。
○山口委員長 理事会において相談をいたします。
○松本(善)委員 羽田総理、私は、やはりあなたの答弁は、本当にみずから進んで疑惑を解明して腐敗政治を一掃するという熱意を感じられないです。やはり三百万、あれだけ報道されていて、もういっぱいですよ、これをただ否定するだけで私は済まないと思います。だから証人喚問を要求したのですけれども。それは根拠がなければ、じゃそれを一面トップで報道したような新聞は全部うそだということになるのですよ。私どもは、いろいろな報道の中から、あれは極めて信用性の高いものだというふうに考えております。 あなたは、国民の政治への信頼回復のために、今こそ政治腐敗の根絶を期して具体的行動を起こしていかなければならぬと所信表明で言った。だけれども、中身は小選挙区の区割り案を成立させるだけです。これでは金権腐敗の問題を選挙制度にすりかえるという腐敗隠し以外の何物でもないのですよ。これがあなた方の言う政治改革の正体かと言うのです。 私は当然、あなたは少数与党内閣ですから、解散・総選挙をすべきだと。それで、中選挙区で選挙をやるべきだ、国民に信を問うべきだと。先ほどあなたは、与党の方の質問に対して、中選挙区で選挙をやると、中選挙区で当選してきた新しい人が、そんなものは知らぬということになっては困ると言われた。これが信を問うということなんですよ。 小選挙区並立制そのものが信を問われていないんですよ。それについて、じゃ賛成した議員にしても、もう一回よく選挙民の声を聞いてみたら、やはりあれは間違っていたと、中選挙区がいいということで当選してくる人もあるかもしれませんよ。それが信を問うということでしょう。だから私どもは中選挙区で、小選挙区並立制は信を問われていないんです。これを公約に掲げて選挙をやった党は一つもありません。だから中選挙区で解散・総選挙をやるべきだということを要求をしておるわけです。 あなた方の言っている政治改革というのは、まさに金権腐敗を選挙制度にすりかえたもの、ここを根本的に正す必要があるということを私どもは主張をしています。何か言いたいことがあったら言ってください。
○羽田内閣総理大臣 何かすりかえというような議論でありますけれども、私は、中選挙区というのは、この前のときにもお話ししたかもしれませんけれども、残念ですけれども、やはり政権をとろうという政党というのはどうしても過半数を当選させなければいけない。 共産党の場合には、各選挙区から大体一人ずつ立候補させておる。まさに政党が選挙をやっているわけですよね。多分、後援会をお持ちじゃないでしょう。そして事務所を、そのためにたくさんの人を置きながらやっていらっしゃることはないと思う。 結局、何人も立てなきゃならない政党の場合には、いわゆる政党と同じ役割を、まさに自分党を維持している。そこに相当無理なお金の集め方なんかもしているというのが現状なんで、これを何としても直さなきゃならぬというのが、私たちが政治改革というものをしなきゃならない、きれいごとで私は言っているんじゃないんです。そして、私は党のいろんな仕事をやってきながら、このままではどうにもならぬぞということで、これを変えていかなければならないということで実は申し上げていることです。 それから、今、選挙制度というものを、これをちゃんと言いながらやった政党なんかないじゃないかということをおっしゃいました。私は、小選挙区比例並立にしたいということを真っ正面から実はどこの場所でもきちんと説明しました。(松本(善)委員「政党としてはないです」と呼ぶ)いや、私どもの党ではちゃんとそれが入っているはずでございます。相当細かく説明しております。パンフレットの中にもたしか書いてあると思います。 それから、自民党の政治改革大綱の中にも、小選挙区に比例を加えるということを、かつて、もう六年前にもこれは書きながら、何回も実は選挙をやってきているという事実はあるわけであります。
○松本(善)委員 終わりますが……
○山口委員長 時間もあれですから。
○松本(善)委員 時間ですから終わりますが、私は、総理の言い分には何の説得力もないということだけ言っておきます。 終わります。
○山口委員長 これにて松本君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして平成六年度暫定補正予算三案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○山口委員長 これより討論に入ります。 討論の通告がありますので、これを許します。穀田恵二君。
○穀田委員 日本共産党を代表して、平成六年度一般会計暫定補正予算外二件に反対の討論を行います。 暫定予算は、本来短期の期間を想定したものであり、合計で九十日間にもなる暫定予算は、一九五五年の鳩山内閣以来四十年ぶりの異常事態です。この責任は、連立与党が憲法と議会制民主主義に反する小選挙区制導入を最優先させたこと、細川前首相の金権疑惑問題で資料の提出や証人喚問を拒否したこと、細川氏の首相辞任後は権力抗争で時間を空費したことにあります。 これらに無反省なままで、ただ予算の成立だけは求めるというのでは、国民を納得させることはできません。しかも、金権疑惑の棚上げは、大手ゼネコンによる公共事業の浪費構造の温存と結びついております。 また、暫定補正予算は、そもそも反国民的な本予算の一部であるという点でも容認することはできません。 これまで政府は、暫定予算に含まれるのは、人件費、事務費等の経常的経費が基本であり、政策的経費については、本予算において論すべき重要なものは避けると説明してきました。 ところが、今月下旬から七月にかけて行われるリムパック94への参加費二億円、武器車両、航空機等の購入費二百八十七億円、在日米軍への思いやり予算二百九十億円などが含まれていますが、これは、アメリカが北朝鮮制裁をねらい、羽田内閣がそれに協力すると公然と口にしているもとでは、北朝鮮に出動する在日米軍のための費用、在日米軍を支援する自衛隊艦船や航空機の購入のための費用、この作戦を成功させる訓練のための費用となりかねません。このような政策判断の是非は、集団自衛権の憲法上の問題などと一体に、本予算において審議すべきものであります。 また、一億九千万円が計上されている六月の天皇訪米は、日米経済摩擦のもとでの、また戦後五十周年に当たっての日米友好の演出という政治的意図が指摘されるなど、憲法に違反し、天皇の元首化とその政治的利用を目指すものであります。しかも、これまでとは異なる新しい項目から支出されており、新規の政策経費は暫定予算には計上しないという政府の言明からしても、重大な問題を抱えております。 これらの経費が無原則的に盛り込まれた結果、暫定の期間は九十日、一年の二五%ですが、歳出総額二十一兆円、年間予算の三〇%に達しており、暫定予算の性格からも問題があります。 以上の点が反対の理由であることを明らかにし、討論を終わります。(拍手)
○山口委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○山口委員長 これより採決に入ります。 平成六年度一般会計暫定補正予算(第1号)、平成六年度特別会計暫定補正予算(特第1号)、平成六年度政府関係機関暫定補正予算(機第1号)、以上三案を一括して採決いたします。 三案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○山口委員長 起立多数。よって、平成六年度暫定補正予算三案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。 この際、お諮りいたします。 ただいま議決いたしました三案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○山口委員長 次回は、来る二十二日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十二分散会