本会議 第24号
- 発言数
- 82 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1994/06/07
会議録
○議長(土井たか子君) これより会議を開きます。 ————◇————— 国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提出)、国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案(内閣提出)、私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案(内閣提出)、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(土井たか子君) この際、内閣提出、国民年金法等の一部を改正する法律案、国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案、私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案及び地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を順次求めます。厚生大臣大内啓伍さん。 〔国務大臣大内啓伍君登壇〕
○国務大臣(大内啓伍君) 国民年金法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。 我が国は、本格的な高齢・少子社会の到来を目前に控えておりますが、国民の老後の生活設計の柱である公的年金制度が今後ともその役割を十分果たしていけるよう、制度を将来にわたり揺るぎないものとしていくことが要請されております。このため、今回の財政再計算に当たり、二十一世紀を展望して、制度全般にわたり必要な見直しを行うこととした次第であります。 その基本的視点としては、第一に、二十一世紀を活力ある長寿社会とするため、高齢者の雇用の場の確保を初め、社会経済全体のあり方が問われている中で、年金制度もこれに対応し、人生八十年時代にふさわしいものに見直していくことであります。 第二に、高齢化の進展に対応して、年金制度を長期的に安定させるため、給付と負担の均衡を図るとともに、将来の現役世代に過重な負担が生じないようにすることであります。 以下、今回提出いたしました改正案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、六十歳代前半の老齢厚生年金につきましては、その年金の額を報酬比例部分相当額とし、一般男子については平成十三年度から二十五年度にかけて、女子については平成十八年度から三十年度にかけて、現行の仕組みから段階的に切りかえることとしております。さらに、在職老齢年金について、雇用促進的な仕組みとなるよう改善を図るとともに、雇用保険法による給付との適切な調整を行うこととしております。 第二に、年金額につきましては、本年十月から、国民年金の基礎年金の額を月額六万五千円に引き上げるとともに、厚生年金保険については、現役世代との均衡に配慮し、再評価の方式を実質的賃金の上昇率に応じたものに改め、年金額を引き上げることとしております。 第三に、遺族年金、障害年金等の改善であります。 遺族年金につきましては、遺族基礎年金の支給要件等となる子の年齢要件の改善、老齢厚生年金と遺族厚生年金との併給調整の改善を行うこととしております。障害年金につきましては、障害基礎年金の所得制限の改善、障害等級に三年以上該当しなかった場合の取り扱いの改善等を行うこととしております。また、育児休業期間中の厚生年金保険料の本人負担分を免除するほか、年金受給権の確保を図るため、国民年金における高齢者の任意加入の特例や第三号被保険者の届け出の特例措置を講ずることとしております。 第四に、保険料につきましては、国民年金については平成七年四月から月額一万一千七百円に改定し、以後段階的に引き上げることとしております。厚生年金保険については、五年ごとの財政再計算期に保険料率を千分の二十五ずつ引き上げることが必要となりますが、今回の改正に際しては、これと同様の効果を保ちつつ、二段階に分けて引き上げることとし、本年十月から千分の百六十五に、平成八年十月から千分の百七十三.五に改定することとしております。また、平成七年四月から、賞与等を対象として、千分の十の料率の特別保険料を徴収することとしております。 第五に、厚生年金基金につきまして、その普及育成を図る観点から、免除保険料率の設定方法を改善するとともに、基金の資産運用に係る規制を緩和することとしております。 以上のほか、短期間我が国に滞在した外国人に対する脱退一時金の支給、国民年金の死亡一時金の改善を行うこととしております。また、沖縄の厚生年金につきまして、将来に向けて特例的に加入できる措置を講じ、年金額の改善を図ることとしております。さらに、年金福祉事業団における教育資金貸付制度の創設及び資金の運用方法の拡大等を行うこととしております。 また、児童扶養手当等につきましては、年金額の引き上げに準じて額の改定を行うとともに、その支給対象となる児童の年齢要件の改善等を行うこととしております。 以上が、国民年金法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。 ありがとうございました。(拍手) —————————————
○議長(土井たか子君) 大蔵大臣藤井裕久さん。 〔国務大臣藤井裕久君登壇〕
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま議題となりました国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 本法律案は、二十一世紀の活力ある長寿社会に向けて、国家公務員等共済組合法の年金につきまして、公務員制度の一環としての役割等に配慮しつつ、公的年金制度の一元化を展望し、基本的に厚生年金保険の見直しと同様の措置を講ずるものであります。 以下、その大要を申し上げます。 第一に、六十歳代前半の国家公務員の退職共済年金につきましては、その年金の額を職域部分を含む報酬比例部分相当額とし、平成十三年度から二十五年度にかけて、現行の仕組みから段階的に切りかえることとしております。 第二に、標準報酬の再評価の方式を実質的賃金の上昇率に応じたものに改めることとするほか、加給年金の対象となる子等の年齢要件の改善、退職共済年金と遺族共済年金の併給調整の改善等を行うとともに、新たに期末手当等を対象として、特別掛金を徴収することとしております。 第三に、日本鉄道共済組合及び日本たばこ産業共済組合に対しては、平成七年度以降の両共済組合の財政事情等を勘案し、被用者年金制度間調整事業による財政支援の前提として行われている自助努力の一環として、標準報酬の再評価の取り扱いにつき所要の特例措置を講ずることとしております。 以上、国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手) —————————————
○議長(土井たか子君) 文部大臣赤松良子さん。 〔国務大臣赤松良子君登壇〕
○国務大臣(赤松良子君) 私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。 私立学校教職員共済組合の給付については、国公立学校の教職員に対する給付の水準との均衡を保つことを本旨とし、逐次改善が進められ、現在に至っております。 今回は、最近における社会経済情勢にかんがみ、長期給付について、公的年金制度共通の措置として、厚生年金及び国家公務員等共済組合に倣った措置を講ずる等所要の改正を行うこととしております。 次に、この法律案の概要について申し上げます。 第一に、掛金及び給付の算定の基礎となる標準給与の上下限を引き上げること、 第二に、育児休業中の組合員について、当該組合員が負担すべき掛金を免除すること、 第三に、長期給付に要する費用に充てるため、新たに賞与等を標準として特別掛金を徴収すること、 第四に、年金額の改善を図るため、年金額の算定の基礎となる標準給与の月額について、いわゆる再評価を行うことといたしております。 また、国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案における六十歳以上六十五歳未満の者に支給する退職共済年金の見直し等の措置については、これらの措置に関する国家公務員等共済組合法の規定を準用することにより、私立学校教職員共済組合においても同様の措置を講ずることといたしております。 最後に、この法律の施行日は平成六年十月一日といたしておりますが、育児休業者に係る掛金の免除及び賞与等に係る特別掛金の徴収については平成七年四月一日としております。 以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手) —————————————
○議長(土井たか子君) 農林水産大臣加藤六月さん。 〔国務大臣加藤六月君登壇〕
○国務大臣(加藤六月君) ただいま議題となりました農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 我が国は、本格的な高齢・少子社会の到来を目前に控えており、国民の老後の生活設計の柱である公的年金制度を、将来にわたり揺るぎないものとしていくことが要請されております。 このような状況を踏まえ、政府といたしましては、他の公的年金制度と同様に、農林漁業団体職員共済組合制度全般にわたり必要な見直しを行うこととし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、六十歳代前半の退職共済年金につきましては、その年金の額を給与比例相当部分とし、平成十三年度から平成二十五年度にかけて、現行の仕組みから段階的に切りかえることとしております。さらに、在職支給制度について雇用促進的な仕組みとなるよう改善を図るとともに、雇用保険法による給付との調整を行うこととしております。 第二に、年金額につきましては、定額部分の額を引き上げるとともに、給与比例部分につきましては、現役世代との均衡に配慮し、再評価の方式を実質的賃金の上昇率に応じたものに改め、年金額を引き上げることとしております。 このほか、退職共済年金と遺族共済年金との併給調整の改善、育児休業期間中の掛金の免除等、所要の措置を講ずることといたしております。 以上、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手) —————————————
○議長(土井たか子君) 自治大臣石井一さん。 〔国務大臣石井一君登壇〕
○国務大臣(石井一君) ただいま議題となりました地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 本法律案は、厚生年金保険や国家公務員共済年金の見直しと整合を図りつつ、二十一世紀を展望して、雇用と年金のあり方を人生八十年時代にふさわしいものとすること、さらに、地方公務員共済年金制度を長期的に安定させることを基本的な視点として、地方公務員共済年金制度全般にわたり必要な見直しを行おうとするものであります。 以下、改正内容の大要を申し上げます。 第一に、六十歳代前半の退職共済年金につきましては、その年金の額を給料比例部分相当額とし、一般職員については平成十三年度から二十五年度にかけて、特定の警察・消防職員については平成十九年度から三十一年度にかけて、現行の仕組みから段階的に切りかえることといたしております。 第二に、年金額につきましては、その算定基礎となる給料の再評価の方式を実質的賃金の上昇率に応じたものに改めるなど、所要の改善を行うことといたしております。 第三に、遺族共済年金等につきましては、その受給権者等となる子の年齢要件の改善、退職共済年金と遺族共済年金との併給調整の改善を行うことといたしております。 第四に、掛金につきましては、新たに、期末手当等を対象として特別掛金及び負担金を徴収するとともに、育児休業期間中の組合員については申し出により掛金を免除することといたしております。 以上、地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手) ————◇————— 国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提出)、国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案(内閣提出)、私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案(内閣提出)、農林漁業団体職員共済組合法等の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(土井たか子君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。野呂昭彦さん。 〔野呂昭彦君登壇〕
○野呂昭彦君 私は、自由民主党を代表して、国家公務員共済組合法の一部を改正する法律案及び地方公務員共済組合法の一部を改正する法律案について質問いたします。 今日の我が国は、急速に、そして着実に進展しております高齢化社会を迎え、いかにして国民生活と地域福祉の安定向上に対処するかということが強く求められておるところであります。国民の努力と英知によって今日まで築いてきた我が国社会経済の繁栄と発展をより足腰の強いものとしてさらに安定させるには、多くの経験と知識を有する高齢者の雇用の確保、促進が肝要なことであり、高齢化社会を迎える中で、活力をより大きくするものであると考えます。 こうした中、老後の生活を支える大きな基盤をなすものとして、年金の占める割合が高くなってきており、重要な役割を担っております。今後、より充実したものとして、その改善強化を図ることが必要なことであります。 公的年金制度は、第一に社会的な扶養システムであり、第二に老後生活の所得保障の一番の核となるものであり、第三に社会経済の変動に対し実質的な価値を維持するものであります。この三つの柱があるわけでありますが、共済年金は、これに加え、公務員制度の一環としての性格があります。その観点から、共済年金制度の円滑な運営を維持していくためには、公務員の特殊性や現役のときの数々の制約に十分配慮し、受給者の給付水準及び支給開始年齢並びに保険料と国庫負担の均衡のとれたあり方を構築することが基本であると考えます。 このたびの年金制度の改正は、年金額の改善を図るとともに、六十歳代前半の者に支給する年金の見直し、さらに、在職老齢年金の改善、ネット所得スライド方式の導入等を内容とするもので、今後の高齢化社会に向けて、雇用と年金との連携に配慮しつつ、年金制度を雇用促進的なものとしていることなど一応の評価をするものでありますが、次の諸点について御所見をお伺いいたします。 まず第一に、雇用と年金の連携についてであります。 今日の引き続く不況の中で、雇用不安は大きな広がりを見せております。こうした状況の中で、国及び地方を通じ、公務内における六十歳定年後における雇用の場の確保をどのように進めていくのか。準備期間も考慮すれば、高齢期雇用の具体的方策の検討を急ぐべきと考えますが、その方策を含め、総理大臣のお考えを伺います。 第二は、退職共済年金のスケジュールの見直しについてであります。 政府案においては、六十歳代前半の年金については、報酬比例部分の年金を平成十三年度から平成二十五年度にかけて、三年ごとに一歳ずつ段階的に切りかえることとしておりますが、今日の雇用状況が極めて厳しい状況の中にあって、労働意欲の向上と、六十五歳雇用実現までにさらに時間的な猶予を見る必要があると考えられますので、三年ごとの見直しを一年繰り下げ、四年間に一歳ずつ引き上げることとすることが望ましいと考えますが、大蔵大臣のお考えを伺います。 第三は、保険料率の改定についてであります。 このたびの厚生年金法の一部改正においては、現行一四・五%であるものを、平成六年十月から一六・五%と二・〇%、平成八年十月からは一七・三五%とさらに〇・八五%、それぞれ引き上げが予定され、平均二・五%の引き上げとなっております。このことにより、本年実施されます所得税、住民税の減税効果を一部相殺する要因ともなっております。 共済年金においては、本年秋、財政再計算が予定されておりますが、保険料率の引き上げについていかがお考えなのか。また、将来若い人が減り、人口が減少してくると推計される中で、共済年金の将来の組合員すなわち公務員についても、現状のままの前提は崩れると思われますが、いかがお考えでしょうか。さらに、行政改革や公務員制度のあり方との関連も含めて、大蔵大臣並びに自治大臣のお考えを伺います。 第四は、鉄道共済年金についてであります。 まず、鉄道共済年金については、産業構造、就業構造等、経済及び社会的変化に加え、国鉄の経営体質のあり方が国鉄財政の状況悪化と年金制度逼迫の原因になりたことは言うまでもありません。今日、被用者年金制度間の調整事業等による支援を受ける一方、鉄道共済年金関係者の精力的な自助努力がなされています。しかしながら、年金の給付状況は、給付抑制措置により、他の共済年金受給者に比べ低水準に置かれているという現状にあります。 共済年金では老後の生活設計について約束したものが、社会経済等の変動があったとはいえ、それが守られない状況は、特に旧国鉄が国営企業であっただけに、国としての責任からも、年金制度の信頼性を著しく欠くことであります。この際、速やかに改善されるべきと考えますが、いかがお考えでしょうか。 特に、鉄道共済年金の標準報酬の再評価については、平成元年分再評価の繰り延べ期間を、法的にも一たん平成六年九月までとしておきながら、平成七年三月に延期するとともに、平成六年の再計算分は平成十一年九月まで実施を繰り延べることとされています。これらの再評価の繰り延べは、政府の責任において解除すべきであります。具体的対応について、大蔵大臣の御所見を伺います。 第五は、雇用保険関係についてであります。 このたび政府は、雇用保険法の一部改正の中で、育児休業給付の創設を盛り込んでおられます。このことは、少子化が急速に進行している中で、働く女性が育児休業を取得しやすくし、一定割合の所得保障をも含め、その後の職場復帰が円滑に行われる観点からも評価をするものでありますが、国及び地方公務員については適用されておりません。今後、働く女性公務員の社会環境を整えていく面からも、民間と公務員との労働条件の整合性を確保する観点から、共済年金制度の中で必要な措置を講じるべきと考えます。総理大臣のお考えをお伺いいたします。 第六は、公的年金一元化についてお伺いします。 政府は、平成七年目途に公的年金制度の一元化を図ることとしていますが、社会保障制度審議会や年金審議会等の議論も踏まえ、一元化についての検討会を二月末から開催していると聞いております。平成七年までの一元化議論が十分にできる時間と余裕がないのではないかと心配しておりますが、いかがでしょうか。厚生大臣に伺います。 その際、共済年金の公務員制度の一環としての性格を失うことがあってはいけないと思いますが、このことについてどうお考えですか。 現在の共済年金制度においても、公務員の特殊性や数々の制約を反映させたものとして職域年金部分がありますが、報酬比例部分の二〇%という設定は何が根拠になっているのか、厚生年金基金との比較でも低いのではないかという指摘もありますが、いかがお考えか。大蔵大臣にお伺いいたします。 今、国・地方を通ずる公務員の共済年金制度は、急速に進展する高齢化社会にあって、退職後、一人の人間として社会に貢献していくためにも、また、個々人としての堅実な生活設計を目指すためにも、その運営基盤を安定かつ強固なものにすることが肝要であります。 さらに、公務員の役割も、国際化や多様な社会の進展に伴い、一層重要になっております。公務員制度の一環としての共済年金が、現役のときのその公務における身分や職務責任などの特殊性に応分の評価と保障がなされる共済年金であるために、政府におかれては今後も適切な施策の推進を図られることを求め、質問といたします。(拍手) 〔内閣総理大臣羽田孜君登壇〕
○内閣総理大臣(羽田孜君) 公務部内における六十歳定年後における雇用の場の確保ということでございますけれども一国及び地方の公の部門におきましても、民間における高齢者雇用施策、この問題を視野に入れながら、雇用と年金との連携及び行財政改革の要請に十分配慮をしながらも、公務員の六十歳代前半における雇用に積極的に取り組むことの基本方針を先般閣議で決定をいたしたところでございます。公務部門におきます高齢者雇用は、共済年金制度との連携を図りながら、所要の準備期間を経まして段階的に進めることとしておりまして、その推進方策につきましては、今後、さらに具体的な検討を進めていくことを申し上げたいと存じます。 公務員も育児休業給付を講ずるべきということでありますけれども、民間部門におきまして、雇用保険制度の中で育児休業取得者に対します育児休業給付が支給されるということになりましたならば、これは公の部門におきましても、それに見合う何らかの措置が必要と認識をいたしておりまして、今後、適切に対応してまいりたいというふうに考えます。 また、一元化と公務員制度についてでございますけれども、公的年金制度の一元化につきましては、各制度の代表者の皆様方を含めまして、公的年金制度の一元化に関する懇談会、ここで今議論がされておることは御案内のとおりであります。今後、この場におきまして具体的な検討が進められることになるというふうに考えますが、その際には、御指摘のように各制度の性格などを踏まえた検討がなされるものというふうに私は考えております。 以上であります。(拍手) 〔国務大臣藤井裕久君登壇〕
○国務大臣(藤井裕久君) まず初めに、退職共済年金のスケジュールの見直しのお話でございますが、私どもとしては、六十歳代前半の別個の給付への切りかえは、やはり二十一世紀への活力ある長寿社会に対応していく上で不可欠であり、年金制度の長期的安定のためにはできるだけ速やかに移行を完了させたいと考えております。このため、共済年金においても、適切な準備期間に配慮しながら、厚生年金と同様のスケジュールにより段階的に切りかえを実施してまいりたいと考えております。 それから、共済年金について、本年秋の財政再計算についての御指摘だりたと思いますが、厚生年金と同様、将来にわたり年金財政の安定を確保するためには、その保険料率も段階的に引き上げを行う必要があると考えておりますし、具体的な引き上げ幅については、今後、保険者である国家公務員等共済組合連合会において数理的に計算することになっております。 それから、共済制度の前提となる将来の組合員数の見方についての御指摘でございますが、国家公務員共済組合審議会から「生産年齢人口の急激な減少が見込まれる中で、従来の加入者数一定という前提等については再検討する必要がある」、こういう答申をいただいておりまして、今後とも、この趣旨を踏まえて、財政見通しの前提等について検討してまいりたいと思っております。 次に四点、鉄道共済について御指摘がございましたが、まず、制度間調整事業による他の公的年金制度からの財政支援を受けて年金給付を維持する状況にあるという状況から見まして、拠出側の制度の理解を得るためには、当分の間、一定の自助努力を行うことは必要であるというふうに考えております。 また、鉄道共済年金の再評価の取り扱いについて御指摘がございましたが、平成七年度以降の財政事情等を勘案しつつ、各制度の代表者等から成る公的年金制度の一元化に関する懇談会、御承知と思いますが、この御了解をいただいた上で、現在繰り延べている平成元年分再評価を平成七年度から実施するとともに、平成六年分再評価の実施を、法律上、次の財政再計算期まで繰り延べるということをさせていただいておるととろであります。今後の自助努力等を含む鉄道共済年金対策全体については、同懇談会において、公的年金制度の一元化問題の中で検討されるものと考えております。 それから、職域年金部分が低いのじゃないかという御指摘だったと思います。共済年金の職域年金部分については、現役組合員の負担の限度とか、年金受給者と現役組合員の生活水準のバランス等を考慮した上で設計されておりまして、適正な給付水準と考えております。 それから最後に、共済制度のあり方について考えるとき、公務員制度の一環として応分の評価と保障があるべきではないかという御指摘だったと思います。私どもといたしましても、公務員制度の一環としての共済年金制度の役割に十分配慮しながら、公的年金制度の一元化を展望しつつ対応してきたところでございまして、今後とも、基本的にその考え方に基づいて適切に対応してまいりたいと思っております。(拍手) 〔国務大臣石井一君登壇〕
○国務大臣(石井一君) お答え申し上げます。 保険料率の引き上げに関しましては、地方公務員共済組合連合会において現在議論が進んでおるところであり、基本的には、厚生年金と同様、将来にわたり段階的に保険料率の引き上げを行っていく必要があると考えております。その際、厚生年金と同様、二段階での配慮が必要である、そのように考えております。 また、今後とも、国・地方を通じて行政改革を積極的に推進してまいる所存であります。その場合に、行政改革や地方分権の動向、高齢者福祉等の行政需要の変化、さらに将来の労働力の全体の増減など、組合員数に及ぼす影響はまことに厳しいものであるということを認識しつつ、公務員の職務精励を支える共済年金制度を将来にわたって揺るぎないものとするという観点に立って、適切な収支見通しが定められるよう努力する所存でございます。(拍手) 〔国務大臣大内啓伍君登壇〕
○国務大臣(大内啓伍君) 私に対するお尋ねは、公的年金制度の一元化、特に時間的な問題を含めてお尋ねをいただきました。 私どもといたしましては、本格的な高齢化社会に向けまして、産業構造、就業構造の変化に対応できるような長期的に安定した年金制度を確立するとともに、全国民に対しまして、給付と負担の両面にわたる公平を確保するという観点から、公的年金制度の一元化はぜひとも進めなければならない、こう考えております。 このため、政府といたしましては、平成七年を目途に一元化を完了させるという目標に向けまして、今、関係者間の合意の形成を図るために、本年二月、今御指摘いただきましたような年金各制度共通の論議の場といたしまして、公的年金制度の一元化に関する懇談会を設けたところでございますが、時期的には本年秋を目途にいたしまして、精力的に検討を行い、その結論を出したい、こう考えている次第でございます。(拍手) —————————————
○議長(土井たか子君) 持永和見さん。 〔持永和見君登壇〕
○持永和見君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律案につきまして、内閣総理大臣及び関係大臣に質問をいたします。 我が国の年金制度は、厚生年金が発足してから五十年、国民皆年金体制が発足してから三十年が経過したところでありますが、この間、年金制度は時代の要請にこたえつつ幾たびかの改正を経ながら発展を遂げ、今や国民生活にとってなくてはならないものとなっております。 国民皆年金体制のもと、すべての国民に年金保障が行われ、年金額で見ても、厚生年金では男子の平均で月額二十万円強、全国民共通の基礎年金は単身で月額六万円強、夫婦で十二万円強と、名実ともに国民の老後生活の基盤として大きな役割を果たしてきており、世界的にも決して遜色のない、誇れる年金制度となったことは、我が自由民主党が、我が国の経済を発展させつつ社会保障の充実に積極的に努めてきた結果にほかなりません。 また、我が党は、二十一世紀の高齢化社会を見据え、活力ある長寿社会が実現できるよう、これまでも果敢に年金改革に取り組んでまいりました。すなわち、高齢化社会においてこそ年金がその役割を十分に発揮でき、かつ、年金を支える将来の現役世代の負担が過重にならないよう、昭和六十年の改正においては、全国民共通の基礎年金制度の導入、現役世代とバランスのとれた給付水準の適正化対策などを行ってきたところであります。 来るべき二十一世紀の高齢化社会においても、年金制度が我が国社会保障制度の主軸として十分にその機能を果たし、国民の信頼と期待にこたえていくことができるよう適切な措置を講じていくことが、我々に課せられている重大な責務であります。 さて、議題となっております今回の年金改正法案について、その改正の基本的な考え方を中心に質問をいたしたいと考えておりますが、まず、その前に、今国会でもとりわけ重要と言われる本法案の審議については、予算審議のおくれなどのため審議入りが極めておくれていると言わざるを得ず、このことはまことに遺憾である旨を申し上げておきたいと思います。 まず第一に、今回の年金制度改正の主たる理念は何かという点について、総理大臣にお伺いをいたします。 年金制度は、保険料を拠出する現役世代にとっても、年金を受給する高齢者世代にとっても、生活に密着した制度であります。その改正に当たりては、国民が納得できるような明確な改正の理念、哲学を示すことが重要であると考えます。そこで、現在提案されている年金改正法案の基本的な考え方についての総理大臣の所見をまずお伺いいたします。 第二は、支給開始年齢の問題についてであります。 この問題は、年金制度のみならず、雇用政策、将来の国民負担など、高齢化社会を迎える我が国社会経済全般のあり方にかかわる問題であります。 現行の給付水準を維持する前提に立って、今後、急激に増加が予想される年金受給者、それに伴う保険料負担の増大をできるだけ抑制するためにも、厚生年金の支給開始年齢について徐々に六十五歳に引き上げることはやむを得ないと考えるところでありますが、六十五歳支給が避けられないのであれば、六十歳から六十五歳までの間は、本来、雇用政策で対応するのが筋であります。 労働省では、六十五歳までの雇用について、事業主の努力義務を法定化するとともに、雇用の継続を図るための高年齢雇用継続給付を創設することとしていることは評価するものであります。しかしながら、現在の高齢者の雇用をめぐる厳しい状況を考え、将来それが深刻化することを考えるとき、より抜本的な高齢者雇用対策を講ずるべきと思います。高齢者雇用対策のより一層の推進について、労働大臣の御見解をお伺いします。 今回の政府の年金改正法案では、六十歳代前半について報酬比例部分を別個の給付として支給することとしていますが、公平性の観点や雇用と年金の役割を疑問なしとしません。むしろ、何歳から受給しても生涯に受け取る年金総額が六十五歳から受給した場合と同一となる繰り上げ減額年金方式を基本とすることが、年金制度のとるべき公平適切な措置ではないかと思うものであります。この点について、厚生大臣のお考えを伺います。 第三の点として、年金に係る国民の負担水準についてお尋ねいたします。 今回の年金制度改正に際し政府が作成した年金財政の将来見通しによれば、厚生年金の保険料率は、現在の一四・五%が、最終の二〇二五年以降はこの二倍近い二九・六%になるものと予定されております。また、国民年金の保険料も、現在の一万一千百円が、最終の二〇一五年以降は今の価格でこの約二倍の二万一千七百円になるなど、極めて高い負担となる見通しとなっております。 人口の高齢化が急速に進む中、今後、国民の保険料負担が重くなることはやむを得ないものとはいえ、このような重い負担を後の世代に強いていることには疑問があるところであります。余りにも高い保険料の負担は、勤労意欲を阻害するだけでなく、年金制度そのものの基盤を揺るがす結果となりかねません。そこで、年金の水準を維持するとともに、後代の保険料負担を軽減するという観点から、年金財源に占める租税負担と社会保険料負担のバランスについて、中長期の見地から本格的な見直し検討を加える時期に来ているのではないかと考えますが、この点について、厚生大臣の率直な考え方をお伺いいたします。 第四に、国民年金の未加入、滞納についてであります。 我が国は、すべての国民が年金制度に加入する国民皆年金体制と言われていますが、国民年金の対象者については、現実には、未加入者や保険料を滞納している者も多く存在する実情にあります。こうした未加入、滞納者については、将来受け取れる年金額が極めて低い水準となり、場合によっては無年金ともなりかねず、国民皆年全体制のいわゆる空洞化が懸念されます。すべての者に公的年金制度による所得保障を行う体制を維持するためにも、こうした未加入、滞納者が生じないようにすることが必要不可欠なことと考えますが、この点について政府はどのような対策を講じようとしているのか、厚生大臣にお伺いします。 第五に、国民年金の給付水準の点についてであります。 現在の制度では、全国民に共通する基礎年金を老後生活の基礎的部分を賄うものとして支給するとともに、サラリーマンについては、これに加えて、厚生年金の加入期間支払った保険料に応じて上積みの厚生年金を支給する仕組みとなっております。これに対し、国民年金の場合には、定額の保険料負担で定額の年金給付とされていますが、国民年金の分野にも上積みの年金の支給が求められているところであります。 我が党は、前回の年金制度の改正の際に、これら自営業者もゆとりのある年金を受給できるよう、平成三年度から、基礎年金への上乗せ年金制度として国民年金基金制度を創設したところであります。しかるに、その後の基金の設置状況を見ると、必ずしも当初想定されたほどには基金への加入が進んでいないように思われます。国民の老後生活をより豊かなものにしていくためには、なお一層国民年金基金制度の普及を積極的に進めていくべきと考えますが、この点についての厚生大臣の見解をお伺いいたしたいと思います。 今や、我が国の公的年金制度は、すべての国民が、年金に加入して保険料を負担しているか、もしくは年金の支給を受けているかのいずれかであり、今回の年金改正法案も、国民一人一人にとって将来の生活設計に直接のかかわりを持つ極めて重要な法案であると言わざるを得ません。このような重要な法案については、国民的合意のもとに改正を進める観点からも、国会においては必要にして十分な審議を尽くすべきであることを強く指摘し、私の質問を終わらせていただきます。(拍手) 〔内閣総理大臣羽田孜君登壇〕
○内閣総理大臣(羽田孜君) 年金改正法案の基本的な考え方についてのお尋ねであります。 我が国の年金制度は、国民皆年金制のもとに、老後生活に欠かすことのできない重要な柱として、多くの国民の理解をいただく中で充実発展してきたものであるというふうに信じております。今後とも、老後生活の基本部分を確実に支えていくことが強く期待されております。このために、人口の高齢化ですとかあるいは少子化が進行する中で、将来にわたり安定した制度を確立して、二十一世紀の超高齢化社会にふさわしいものとしていくことが大きな課題であろうというふうに考えております。 今回の年金改正法案につきましては、今後の高齢者の高い就業意欲ですとかあるいは知識経験を生かしていくことが必要であり、年金制度におきましても、これに対応した制度とすること、そして将来の現役世代の負担を過重なものにしないようにすること、給付と負担のバランスを図ること、こういった観点から、制度全般にわたり必要な見直しをしようとするものでございます。(拍手) 〔国務大臣鳩山邦夫君登壇〕
○国務大臣(鳩山邦夫君) 先生御指摘のとおりでございまして、雇用保険法は、今改正をお願いいたしておりますが、高年齢雇用継続給付は、定年後六十五歳まで雇用の継続ができますように積極的に援助、促進しようとするものでございますが、その究極の目標は、二十一世紀になってしばらくたったころには、六十五歳までは現役で働ける、そういう世の中をつくろうということでございますから、その実効を上げるためにはあらゆる方途を用いて本格的に取り組んでいかなければならないわけでありまして、そのために、今国会に高年齢者雇用安定法の改正をお願いを申し上げているところでございます。 これは、例えば六十歳以下という定年を設けてはならない等を内容とするものでございまして、その法律の成立によって、また六十五歳まで現役というそんな時代が一歩ずつ近づいてくるものと考えております。(拍手) 〔国務大臣大内啓伍君登壇〕
○国務大臣(大内啓伍君) 四点ほどお尋ねをいただきましたが、最初の厚生年金の支給開始年齢についてでございますが、二十一世紀の活力ある長寿社会を築いていくためには、雇用と年金の連携を図りながら、高齢者が安心して生活できるような環境づくりを進めるとともに、将来の現役世代の負担が過重なものにならないようにしていくことがまず重要であると考えておる次第でございます。 このためには、雇用政策において高齢者雇用の一層の促進を図る一方、それと連携のとれた年金制度としていくことが必要だと考えているわけでございまして、このような考えに立ちますときに、六十歳代前半の年金の見直しに当たりましては、終生にわたりまして減額された年金を支給するといった繰り上げ減額年金方式ではなくて、高齢者雇用の現状等を考えまして、この期間を、賃金と合わせて生活を支える年金として、六十五歳以降の年金とは別個の給付を支給することが適当であると考えた次第でございます。 二つ目に、国庫負担と保険料のバランスのあり方についてでございますが、保険料につきましては、今後の高齢化の進展に伴いまして、段階的にこれを引き上げていかなければならないわけでございますが、今回の改正におきましては、年金受給世代と現役世代とのバランスを配慮いたしまして、後代の保険料負担を過重なものとしないために各種の措置を講じているところであります。 一方、国庫負担につきましては、今後の年金給付費の急速な増大に伴いまして、現行制度のままにおきましても、先生よく御存じのとおり大変な急増が見込まれるわけでございまして、こうした中におきまして、国庫負担のあり方を考える場合に、一つはその財源をどう確保するか、二つには社会保険方式のもとで税と保険料のバランスをどう考えていくかといった問題がございまして、御指摘のような幅広い観点からの検討が必要である、私どももそう考えておる次第でございます。 国民年金の未加入者や保険料未納者についてのお尋ねでございますが、これを打開するためには、一つは国民健康保険との連携による届け出漏れの防止、これに万全の態勢をとるとともに、非常に技術的な問題といたしましては、口座振替の促進などの対策を推進するとともに、特に未加入者の多い若年層に対しまして、年金制度の趣旨の周知徹底を図ることにも努めているところでございます。さらに、今後、基本的には基礎年金番号といったようなものの設定というものが極めて重要であると思っておりまして、未加入者や未納の防止を図るために必要な施策の一層の充実に努めてまいりたいと考えている次第でございます。 最後に、国民年金基金について、まだはかばかしくはないではないかという御趣旨のお尋ねがございまして、確かに、平成五年度末現在の加入者数は六十六万人でございまして、当初予定されたほどには基金への加入が進んでいないことは御指摘のとおりでございます。 現下の厳しい経済環境にもかかわらず、しかし、毎年着実に加入者数が増加していることも事実でございまして、今後とも、御指摘の趣旨に沿いまして、いろいろなマスメディア等々を通じまして積極的な広報活動を推進するとともに、市町村との連携やあるいは募集活動の強化等を図りまして、一層の加入促進に努めてまいる所存でございます。御期待にこたえるように頑張りたいと思っております。(拍手) —————————————
○議長(土井たか子君) 金田誠一さん。 〔金田誠一君登壇〕
○金田誠一君 ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律案及び共済組合法の一部改正法案等に関し、私は、日本社会党・護憲民主連合を代表し、総理並びに関係閣僚に質問をいたします。 日本社会は、二十一世紀に向かって急速に少子・高齢化が進行しつつありますが、それにもかかわらず、国民のだれもが安心して生活し、年をとることができる社会システムはいまだ成熟しておりません。公的年金を初めとする所得保障、保健・医療あるいは在宅・施設ケアなど、すべての分野において、どのような理念と方法により新たな社会システムを築いていくか、日本社会はいまだかって経験したことのない事態に直面をいたしております。 それだけに、政治に課せられた責任は重いと言わなければなりません。同時に、新しい社会に対応するシステムづくりは、政治の力のみで成功し得るものではなく、広範な国民的合意形成がなされて初めて展望が開けるものであることは論をまちません。 中でも公的年金制度は、継続性と普遍性を有することが国民の信頼を得る上で不可欠の要素となります。また、給付水準をどのように設定し、そのための負担をだれがどのように行うかという問題は、極めて合理的かつ技術的テーマであって、政治的権力闘争を離れ、冷静かつ自由闊達に議論されて国民的な合意形成に至ることが理想の姿であろうと考えます。かつて、五五年体制のもとでは、私たち日本人はこうした手法を全く不得意なこととしてきましたが、今日ではそれを可能にする状況が生まれつつあります。民主主義の成熟度こそが成熟した社会システムを可能にすると私は考えますが、こうした基本認識について、総理の御所見をお伺いいたします。 さて、ここで、さきの細川連立政権を振り返っていただきたいと存じます。 政権を構成した各党の間には、連立政権ゆえの当然のこととして、基本理念及び政治手法において厳然とした相違が存在いたしました。一方に新保守主義、それも相当に強権的な新保守主義があり、いま一方には社民・リベラルと呼ばれる勢力があったと思います。政治改革やガット問題や消費税問題と同様、年金改正を議論するに当たっても、双方はかなり離れた地点からスタートし、その上、極めて短期日の間に成案を得なければならないという物理的制約があり、結果として、このたびの改正案には、私どもにとっては不本意な点が幾つか残りました。 しかし、私どもは、責任を回避するつもりは全くございません。今般の年金改正案は、基本的には私どもも参加した連立与党年金プロジェクト案に基づいており、社会党としても重大な責任を負っていることは認識をいたしております。であればこそ、法案に責任を負う立場から、以下の問題点について政府における真摯な御検討を促したいと考えます。 問題の第一は、国民的合意がいまだ不十分ということでございます。 労働団体の連合からは、改正案の根幹に触れる要求が示されており、経営側においても、六十五歳までの雇用延長を積極的に進めるかどうかは極めて不透明な状態でございます。したがって、六十五歳まで働くことが普通となる社会を二十一世紀初頭に実現するという年金法改正の前提は、労使双方においていまだ合意に至っていないと考えますが、総理の御所見をお伺いいたします。 ところで、これほどまでに合意形成を困難にしている原因を総理はどのようにお考えでしょうか。 年金被保険者は、多額の保険料を支払いながら、年金に関する情報をほとんど提供されず、情報にアクセスする権利も全く保障されておりません。年金が世代間の助け合いで成り立っているという制度の基礎さえいまだ十分には理解されておらず、その中で六十五歳支給が打ち出されたことにより、公的年金の信頼度は大きく揺らぎつつあります。年金に関する情報については、年金白書ともいうべきレポートをつくるとともに、積立金の運用も含むすべての情報を公開すべきと考えますが、総理の御所見をお伺いいたします。 問題の第二は、日本経済の今後にマイナス効果を及ぼす懸念があるということでございます。 このたびの不況は、戦後一貫して推進されてきたところの生活者セクターから生産者セクターへの所得移転を行ってきた政策の破綻であり、これを再生するには、生活者・消費者を重視する政策に転換する以外に方法はありません。それは、日本産業の生産力に見合う足腰の強い購買力、消費市場を形成することであり、そのためには、国民所得の七%を占める年金給付も税制と並ぶ重要な位置づけがなされる必要があります。今次年金改正に当たり、経済との関連についてはどのような検討がなされたのか、総理の御所見をお伺いいたします。 次に、各論に入りまして、順次お尋ねいたします。 雇用の終了と年金支給のリンクは社会保障の原則であり、このためには、六十歳以降の雇用継続のために、高齢者の雇用率に応じて企業の年金保険料負担に差を設けるメリット保険料制やその他の法的措置を含む思い切った対策、例えば定年延長を盛り込むとか、そのような思い切った対策が必要と思われますが、厚生大臣、労働大臣の御所見をお伺いいたします。 次に、雇用保険と年金の調整に関して、失業給付と年金の併給停止の施行期日の延期、高年齢雇用継続給付を受けている場合に年金を一定額カットする措置の撤回、以上二点についてぜひ実現すべきと考えますが、厚生大臣、いかがでしょうか。 次に、空洞化しつつある基礎年金の抜本的な改革についてお尋ねいたします。 保険料の未納、免除者が四人に一人、加えて未加入者が二百万人から三百万人とも言われており、このままであっては二十一世紀において大量の無年金者を生むことは避けられません。政府は、国民皆年金と言うなら、少なくとも二十一世紀の初めには無年金者をゼロにすることを明確に宣言すべきと考えます。この点についての御所見を厚生大臣にお伺いいたします。 今回の改正で、ピーク時の国民年金保険料は、現在価格で月額二万一千七百円、夫婦で四万三千四百円にも上り、低所得者の多い国民年金グループにとって極めて過大な負担となり、また、負担の逆進性が一層強まることは否めないわけでございます。その一方、現在の国民年金受給者の六割程度は年金という名に値しない低額年金で、その額は三万円程度と言われております。今こそ、暮らせる年金として基礎年金の国庫負担を増額し、生活保護基準等と整合性のとれた最低生活水準まで引き上げることが必要と考えますが、厚生大臣、いかがでしょうか。 次に、鉄道共済年金については、これまでも厳しい給付抑制が行われ、他方では、現役に対しかなり高い保険料負担を強いているにもかかわらず、今回も水準引き上げが一九九九年九月まで繰り延べられたことは、制度改善に期待を寄せていた年金受給者の声に背くものと言わざるを得ません。制度再建に向け、大蔵大臣の御見解をしかと承りたいと存じます。 さて、このように述べてまいりますと、財源問題は避けて通ることができません。というより、冒頭から再三申し上げております国民的合意形成とはすなわち財源問題であると言っても過言ではないと私は考えております。これを政争の具にすることなく、合理的で技術的な問題としてとらえ、知らしむべからずという官僚的発想を打破して情報公開を徹底し、民主的な議論が尽くされるならば、給付と負担の国民的合意はおのずから得られるものと確信をいたしております。 私どもの内部には、国庫負担率を引き上げていく中で基礎年金の財源を年金目的税に求めることも検討すべきとの議論がございます。また一方では、それ以前に、不公平税制の是正や行政改革、あるいは、今後減少するであろう軍人恩給や国債償還費に求めるという見解もございます。こうした議論が全国民的な議論となり、しかるべく合意が図られるために、政府として果たすべき役割は極めて大きいものがあることをぜひ御認識いただきたいと存じます。 また、今回の改正は、二十一世紀に向けたラストチャンスではございません。五年後にいま一度見直しのチャンスが訪れます。高齢者の雇用の進捗状況や基礎年金の動向、税制改革などを勘案して大胆に見直すことこそが国民的合意形成にとって重要なことであると思いますが、最後に総理の御決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。(拍手) 〔内閣総理大臣羽田孜君登壇〕
○内閣総理大臣(羽田孜君) 給付水準、負担、こういった基本認識についてということでございました。 年金制度は、今や国民生活に浸透しておりまして、重要な一つの役割を果たしておるというふうに思いますし、また、国民の皆さんも関心が大変高いところでございます。その意味で、制度改正に当たりましては、現状や課題について広く国民の皆様に情報を提供し、御意見も幅広く承りながら、国民の合意形成に努めることが重要であろうということは、もう御指摘のとおりでございます。 このため、今回の年金改正案取りまとめの過程におきましても、年金の審議会における議論と並行いたしまして、初めての試みとして、年金財政の暫定試算の公表ですとか、あるいは国民各界各層を対象にいたしました年金改革に関する有識者調査の実施、また全国各地でのシンポジウムの開催など、幅広く国民的議論が行われるように努力をしてきたということを申し上げたいと存じます。 また、六十五歳まで働くことができる社会の実現についてのお尋ねでございますけれども、高齢者雇用の現状というものを見ますと、六十歳定年制はほぼ定着し、さらに、定年後の勤務延長制度や再雇用制度を有する企業の割合は七割となっておるところであり、また、今後官民一体となって高齢者雇用の推進に努めることによりまして、二十一世紀の初頭までに六十五歳まで働くことができる社会の実現を目指していきたいというふうに考えております。目指すべき目標といたしましては、労使双方の理解を得ていかなければいけないというふうに考えます。今回の年金制度改正は、こうした高齢者雇用の促進と連携をとりながら、六十歳代前半の年金のあり方につきまして見直しを行うものであるということを申し上げます。 三番目に、年金白書、そしてまた情報公開についての御指摘でありました。 これは御指摘のとおりで、公的年金に対する国民の信頼、これを確保していくためには、年金に関する情報公開、先ほども申し上げたとおり、やはり重要な課題であろうというふうに考えております。 このために、これまでも、国民の理解をいただくために、制度の基本的な仕組みや世代間の扶養の考え方につきまして、さまざまな媒体を活用し情報を提供するとともに、制度の運営状況につきまして子細な情報を公表しておるところでございます。さらに、国勢調査を基礎とした人口の将来推計や経済情勢の見通しなどを踏まえて財政の再計算を少なくとも五年に一回行って結果を公表し、年金制度が将来にわたり安定的に運営できるよう、制度の基本的な見直しを行っているところでございます。今後とも、国民の皆さんにわかりやすい情報の提供のためにはさらに努めていきたいというふうに考えます。 また、年金改正に当たり経済成長との関連についての御指摘でありますけれども、年金制度は高齢者の老後生活を支える柱でありますし、また、高齢者の消費を通じて我が国経済の消費需要を創出するとともに、年金積立金の活用を通じて社会資本の形成にも寄与しているということは、先ほどお話があったとおりであろうと私も考えます。したがって、年金制度が長期的に安定してその役割を果たしていくことが、我が国の社会経済の発展にも重要であろうというふうに考えておりまして、このため、今回の改正でも必要な改革に取り組んだところでございます。 また、五年後に見直すことこそが国民の合意形成にとって重要なことじゃないのかという御指摘もありました。 年金制度は国民生活に密着したものであるということはもう再三申し上げましたけれども、制度改正には十分な準備期間、これを見込んで計画的に進めることが必要であろうというふうに考えます。二十一世紀の高齢化社会に対応のできるよう、できるだけ速やかに制度改正に着手することが重要でございまして、今回御提案しております年金制度の改革につきましては、ぜひともこの時点で行うことが大事であろうというふうに考えておりまして、さらに御理解と御協力をお願い申し上げたいと存じます。 ありがとうございます。(拍手) 〔国務大臣藤井裕久君登壇〕
○国務大臣(藤井裕久君) 鉄道共済についての御質問だと存じますが、御承知のとおり、この鉄道共済の自助努力というのは、制度間の調整事業による他の公的年金制度からの財政支援を前提として実施されているわけで、支援する各制度の理解を得る上ではどうしても必要だということを御理解いただきたいと思います。 現在、平成六年度末までの鉄道共済年金対策が作成されておりますが、今回の財政再計算に当たりましては、平成七年度以降の財政事情等を勘案しながら、各制度の代表者等から成る公的年金制度の一元化に関する懇談会の御了解をいただいた上で、現在繰り延べている平成元年分再評価を平成七年度から実施するとともに、平成六年分再評価の実施を法律上次の財政再計算期まで繰り延べる、こうした次第でございます。今後の自助努力等を含む鉄道共済年金対策全体については、この懇談会において、公的年金制度一元化問題の中で検討してまいりたいと考えております。(拍手) 〔国務大臣大内啓伍君登壇〕
○国務大臣(大内啓伍君) 四点ほどお尋ねをいただきましたが、その前に、これまで社会党の皆様には、今回の年金制度の改正に当たりまして種々御鞭撻、御協力を賜りまして、本当にありがとうございました。 まず、メリット保険料制度についてお尋ねがございましたが、二十一世紀を活力ある長寿社会にしていくためには、希望するすべての方々が六十五歳まで働くことができるような社会の実現を目指していかなければならないと考えているわけでございまして、そういう見地から、定年の延長といったような問題についても真剣に取り組めという御指摘は、まことにごもっともだと思っておる次第でございます。 私どもといたしましては、高齢者雇用の促進と連携をとって、年金制度においても、六十歳代前半の厚生年金のあり方の見直しや、あるいは在職老齢年金の改善を行うこととしておりますが、御指摘のメリット保険料制につきましては、一つは、極めて多種多様な業種がございまして、高齢者雇用が困難な業種もその中にはございます。したがって、企業の高齢者雇用率によりまして個ん人の保険料率が異なることを、公平性の観点から果たしてどう考えたらいいか。二つには、膨大な数となります事業所ごとに高齢者雇用率に応じた保険料率を設定することにつきましては、事務処理上の対応がこれは極めて難しい問題もございまして、極めて困難な問題があるのではないかと考えておる次第でございます。 二番目の質問の厚生年金と雇用保険の失業給付との調整についてお尋ねがございましたが、この調整の実施につきましては、国民への周知や受給間近の者への影響にも配慮をいたしまして、施行期日を平成八年四月としたところでございまして、これは大体十分な猶予期間ではないかと考えております。 また、今回雇用保険制度で創設されます高年齢雇用継続給付は、公的な現金給付でございまして、賃金額に応じてその一定率を支給する給付であることから、賃金との調整に準じまして、年金額の一定の調整を行うこととしたものでございまして、両給付を重複して支給するということは社会保障として過剰なものになることから、適切な措置であると私どもは考えておる次第でございます。 国民年金の未加入者や保険料の未納者を二十一世紀初めにはゼロにせよ、こういう御指摘がございましたが、私ども、そのような決意に立ちましてこの問題には取り組んでまいりたいと思っておりますが、一つは、先ほどもお答え申し上げましたとおり、国民健康保険との連携による届け出漏れの防止あるいは口座振替の促進といったよう一なもろもろの対策を推進しますとともに、特に若年者層に対する年金制度の趣旨の周知徹底を極力図ってまいりたいと思っておるわけでございます。さらに、今後、基本的には基礎年金番号の設定を進めることによりまして、未加入者や未納の防止を図るために必要な施策を講じてまいりたいと考えておる次第でございます。 基礎年金の水準についてのお尋ねでございまして、基礎年金で暮らせる年金というものを保障すべきではないか、こういう御指摘でございました。 基礎年金は、全国民に共通する老後の基礎的なニーズを保障しようとするものでございまして、老後の生活のすべてをこれによって賄うという考え方に立っておらないことは御案内のとおりでございます。一方、生活保護の場合は、扶養義務者の有無あるいは個々人の収入、資産等を厳密に調査した上で、個々の状況に応じまして最低生活を送れる額を国として保障するというものでございまして、両者には目的、機能の違いがあるわけでございますので、それらを単純に比較するのは適切ではないのではないかと考えております。 なお、基盤年金の年金額につきましては、今回の改正案においても、生活水準の向上等に応じた改善を行おうとしていることは御案内のとおりでございます。(拍手) 〔国務大臣鳩山邦夫君登壇〕
○国務大臣(鳩山邦夫君) 雇用と年金との連携の問題でございますが、本格的な高齢化社会のもとで高齢者が安心して生活が送れるようにするためには、当然のごとく雇用政策と年金政策との連携が図られていなければならないわけで、そうして高齢者雇用の促進を図ることが重要でございます。この質疑の後に各委員会からの上がり法案の採決がございますが、労働委員会から二本の法律、雇用保険法と高年齢者雇用安定法、きょう二本衆議院で御可決をいただきますと、六十五歳まで現役という方向に向かって一歩も二歩も進み出すことができます。 先生御指摘のメリット保険料制につきましては、その御提案は大変興味あるものでありますが、現在の労働行政では高齢者を一定割合以上雇用する企業に対して積極的な助成を行うというような形で、その趣旨と同方向のことをやらせていただいているわけでございます。 以上でございます。(拍手) —————————————
○議長(土井たか子君) 野田実さん。 〔野田実君登壇〕
○野田実君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました私立学校教職員共済組合法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。 日本が世界に誇れるものとして、教育水準の高さがございます。明治維新以降、国民全体に教育の機会均等を保障してまいりましたことが、今日の我が国の教育水準の高さを達成したものと言えます。そして、このことが今日の日本の経済社会の発展の基礎となったとも言えるのであります。 教育水準の高さは何によって達成されたのでありましょうか。最大の功績は、質の高い教員によるところが大であると私は考えます。羽田総理が恐らく教えを請うたと思われる田中元総理は、幾つかの新しい政策を展開してまいりましたが、私は、その政策の中で画期的な政策の一つとして考えますことは、教員に対する温かい施策を講じてきたことではないかと思うのであります。 昭和四十年代後半、田中さんが総理に就任された直後、教員の給料を二倍に引き上げる方針を打ち出されました。そして、世間をあっと言わせた自民党の画期的な政策であったわけであります。また、五千人とも一万人ともいう教員を海外に派遣させることも発表をいたしました。私は、当時、大蔵省で予算編成を担当しておりましたが、とにかくびっくりいたしました。最初は、財政的に見てとても無理な対策だと思いました。ところがよく考えてみますと、この田中元総理の政策には夢と希望があり、共感を覚えるところ大でありました。そして私たち役人は、田中元総理の政策の遂行に全力を挙げたのであります。 ところが、羽田総理、あなたは教育について、また教員に対して、何をしようというのか、何をしてあげたいのか、さっぱり聞こえてまいりません。所信表明を拝聴しましても、教育、教員問題について感動することは何もございません。教育や教員問題に余り関心のない総理と思えてなりません。そこで総理、あなたの恩師田中元総理と比較して、同じ日本国の総理である自分自身をどう見ているのか、また、いかなる姿勢で今後総理を務めていくおつもりなのか、率直にお伺いをしたい。(拍手) 田中元総理のお話をいたしましたので、並び称されました福田元総理のことにも言及させていただきます。 当時、副総理兼経済企画庁長官として、第一次オイルショックの後の狂乱物価対策を担当されておりましたときのことでございます。公共料金の引き上げの要求が軒並み出されました。大変激しいものでございました。福田さんは、物価に配慮しつつ、また公共料金の引き上げをうまく調整されながら、無理なく公共料金の引き上げを図られたのであります。羽田総理も恐らく御記憶に新しいことかと存じます。全省庁の役人が喜んで福田さんに従いました。 それに比べ羽田総理は、各省庁の意見を十分聞くことなく、すべての公共料金を凍結すると一方的に決めてしまったと聞いております。これでは、余りにも知恵がない、無策としか言いようがないのであります。(拍手)こうしたやり方では、中央官庁の役人はついてこないのではないかと思います。官僚を批判するだけではだめで、官僚が信頼し、心から従っていく政策なり施策を発表することが肝要であります。 総理みずからが、教育問題について自分で考え、自分の言葉で国民に話しかけられることが肝要であります。総理にその知恵と気持ちがあるのかどうか、所見をお伺いしたい。(拍手) それでは、本論に入ります。 既に申し上げましたが、我が国が二十一世紀においても繁栄する国であり希望に満ちた国であるため、今何をなすべきか考えるとき、最も重要なことの一つは、あすの日本を背負う人材の育成、すなわち人づくりであることは論をまちません。そして、日本の人づくりのかぎを握るのは教員であります。国公私立の区分なく、教育という重要な職に携わる人々が安心して働けるように、年金や医療保険などの面で充実を図っていくことが極めて重要なことであり、また当然であると考えるものであります。 中でも、我が国の学校教育においては、私立学校に負うところ大であります。昭和二十九年に設立されました私立学校教職員共済組合は、公的年金の中では財政的には最も安定していると言われております。財政的にも健全な形でここまで発展してきたことは、これまで児童生徒の増加や私立学校の拡大などによるところもございましたが、何よりもこれまでの関係者の御努力を多とし、評価するものであります。さらにまた、自民党政策が大変間違っていなかったことを証明するものでもあります。(拍手) しかし、今後は、児童生徒の減少や高齢化の波を受け、年金受給者の増加による年金給付の増加が予想されます。今後も心配なき運営を図る旨、強い決意のほどを文部大臣から承りたいと存じます。 学校教員のおよそ半分が女性であります。女性に対する配慮が最も必要な職場でなかろうかと思います。今回の法改正で育児休業者の掛金免除について措置されておりますが、公務員では既に実質的に実施されているものであります。私学の教員に対する配慮が遅きに失した印象は免れません。今後こうしたことのないよう、文部大臣におかれても十分配慮されるよう所望するものであります。文部大臣の御所見をお伺いいたします。 この育児休業休暇と同じようにその必要性が叫ばれている休暇や、地方公共団体で先行的に制度化が進んでいる休暇がいろいろあると聞いております。例えば、高齢化社会を迎えるに当たりて必要性が叫ばれている介護休暇などがよい例であります。また、一般の企業では、一定期間の勤務の後に心身ともリフレッシュするための一定期間のリフレッシュ休暇などの導入も進んできていると聞いております。 教員の場合について見れば、夫婦共稼ぎの場合も多いので、介護休暇などについては切実な問題になってきつつあります。また、教員が学校外のことについて見聞を広めるためにも、リフレッシュ休暇などの必要性が今後高まってくる可能性が十分にあると考えられます。このような新しい時代の要請に応じた制度についても、今後その導入について、私学共済制度のもとにおいて積極的に考えていくことが必要ではないかと思います。この点について、文部大臣のお考えをお尋ねしたいと思います。 次に、共済組合の福祉事業について伺います。 共済組合の組合員にとりましては、引退した後に充実した年金をもらうことが大事であることは当然でありますが、現役で働いて年金の掛金を払っている間に何らかのメリットを享受することも大事なことではないかと思います。このため、福祉事業として宿泊所や保養所の設置運営などが行われてきておりますが、さらに、教員の質の向上、リフレッシュに真に役立つものを取り入れていくことが重要であると考えます。 例えば、教員として十年勤めた場合には、福祉事業の一環として、たとえ短期間であっても海外研修旅行の旅費を全額見るとか、夫婦ともども二十五年勤めた場合には一年間給付つき休暇を認めるとか、さまざまなことが考えられます。こうしたことに積極的に対応していくつもりがあるのかどうか、文部大臣の所見をお伺いいたします。 最後に、ボーナスからの特別掛金の問題について伺います。 今回の改正案では、ボーナスからの特別掛金を徴収することとされております。このことにつきましては、他の年金の横並びもございますから、こで特別言及することは差し控えます。 問題は、私学共済につきましては特別掛金の率が問題であります。現在の仕組みでは、特別掛金の率は私学共済の定款で定めることになっております。私学共済が公的年金制度の中で最も財政的に安定しておりますので、法律で規定しようとしております厚生年金の場合の一%上りも低い負担になることは当然と考えますが、いかがでございましょうか。また、今後、国会の審議が及ばないところで急に率が引き上げられるようなことはないでしょうか。それについてどんな形で歯どめをかけようとお考えか。この二点につきまして、文部大臣に確認しておきたいと思います。 最後に、総理に再度お尋ねいたします。 教育は最も重要な政策であります。教育行政に失敗すると、二十一世紀の日本の繁栄は期待できません。総理は、二十一世紀の日本を担う人づくりのために教育や教員に対して何をし、いかなる施策を打ち出そうとしているのか、御所見をお伺いして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手) 〔内閣総理大臣羽田孜君登壇〕
○内閣総理大臣(羽田孜君) 我が国の教育は、これまでお話がありましたとおり、国民の熱意ですとかあるいは先人の皆様方の御努力によりまして質量ともに著しく発展し、社会経済の発展の原動力となりて、国民生活ですとかあるいは文化の向上のために大きく寄与してきたものであるというふうに私も信じます。 これからの新しい時代の教育を考えるときに、私どもが考えなければならないことは、国際的に視野を持った人、あるいは心豊かで思いやりのある人、そして個性、創造性、こういったものが重んじられる教育で、そういったことを踏まえながら、あらゆる分野ですぐれた人たちを、人材を得ることができるかということがやはり大切なことであろうというふうに認識をいたしております。このために、私といたしましても、教育こそ未来の国づくりの基本という考え方で、これからも真剣に取り組んでまいりますことを申し上げたいと思います。 また、連立政権の樹立に際しますときに、この合意事項、この中に、教育については「個性と自立をめざした教育改革」、これの推進が掲げられておるところであります。私といたしましては、これを踏まえまして、みずからの信念によって、「多様な個性が重んじられ、新しい文化や経済活動が生み出されるような社会の実現」、これを目指すことを今国会の所信表明の中でも申し上げておるところであります。このような考え方を基本にして、現在進めております個性を重視した教育改革の積極的な推進、これを図ることが必要であろうというふうに考え、広く国民の皆様の合意を求めていきたいというふうに考えております。 また、二十一世紀の人づくりのため、教育と教員についてどのような施策をという話でありますけれども、今申し上げましたように、国づくりの基本というのは人づくりにあろうというふうに考えます。教育は、我が国が将来に向けて活力のある文化の薫り高い国家として発展する基礎を築いていく上で大きな役割を果たしていくものであろうというふうに思います。特に今日、個性や創造性を重視して、日本人としての自覚に立って国際的にも信頼と尊敬を得られる、しかも国際社会に貢献できる人間の育成というのは、従来以上にやはり望まれているものであろうというふうに考えます。 このために、みずから考え、主体的に判断し行動のできる力の育成を重視した新しい学習指導要領、これを実施すること、それから、教員の資質向上のための養成・研修の充実を図ってきているところでございまして、今後とも、二十一世紀に向けての人づくり、このための我が国の先生方、いわゆる教員たちの指導というものを深めていく必要があろうというふうに考えておるところであります。 以上であります。(拍手) 〔国務大臣赤松良子君登壇〕
○国務大臣(赤松良子君) 我が国の教育全般に関しまして、御高見を感銘深く拝聴いたしました。 私に対しましては五つの点の御指摘がございましたので、その点に絞りてお答え申し上げます。 まず第一に、私学共済の今後の運営についてでございますが、私学共済組合の財政が他の年金制度と比較してより安定しているのは御指摘のとおりでございます。今後、児童生徒数の減少や高齢化の進展が私学共済制度の運営に大きな影響を与えることも十分予測されるところでございます。現在、私学共済組合において、今回の制度改正を踏まえた財政再計算の準備を進めておりますが、その際の将来見通しの作成に当たりましては、将来組合員の数の動向及び年金受給者数の増大等も十分見きわめながら検討してまいりたいと考えております。今後とも、私学共済組合の長期的に安定した運営につきましては万全を期してまいりたいと考えております。 次に、育児休業者の掛金免除措置につきまして申し上げます。 国公立の義務教育諸学校等の女子教員につきまして、育児休業の法制化のときから共済掛金相当額の給与支給が措置されてまいりました。これに対しまして、私学の教員につきましては、私学が、一般の民間事業者と同様、育児休業期間中の掛金相当額の給与支給までは法律で義務づけられていなかったわけでございます。今回、私学共済におきましても、育児休業の重要性に配慮いたしまして、育児休業期間中の掛金を免除することにいたしましたが、御指摘のように教員は女性の多い職種でもございますので、今後ともその点には十分配慮してまいりたいと考えております。 さらに、介護休暇などへの今後の対応についてでございますが、御指摘のような制度については、今後、社会全体のニーズも高まり、次第に定着していくのではないかと考えております。このような問題への対応につきましては、今後の高齢化社会に対応する施策の進展等を踏まえ、この種の制度の普及状況等を勘案しながら、私学共済制度におきましても、どのようなことができるのか、検討を進めてまいりたいと考えております。 それから、福祉事業の充実の問題についてでございますが、私学共済組合におきましては、短期給付事業、長期給付事業及び福祉事業を実施しておりますが、会館・宿泊所二十三施設の経営や総合病院の経営、住宅貸付事業等の福祉事業は、共済組合の事業の大きな柱の一つと認識をいたしております。また、組合員の共済組合に対する信頼を確保していくためにも、御指摘の福祉事業の充実は重要と考えております。私学共済の福祉事業は、他の共済制度に比しても遜色ないものと考えてはおりますが、御意見を踏まえまして、今後ともその充実に努めてまいりたいと考えております。 最後に、ボーナスからの特別掛金の率についてでございますが、特別掛金の掛金率につきましては、今回の法改正を受けて、私学共済組合が政令で定める範囲内においてその定款で定めることとなっておりますが、現在の私学共済の年金財政や厚生年金等他の年金制度との均衡を考慮しながら、適切に決定されるものと認識いたしております。また、特別掛金の掛金率の引き上げの歯どめにつきましては、掛金率は政令で定める範囲内に おいて定められること、定款の変更に当たっては、組合員及び学校法人の代表者等から成る運営審議会の意見を聞くこと並びに文部大臣の認可が必要とされていることとなっており、以上のことを踏まえますと、御心配のような事態は生じないものと考えている次第でございます。(拍手) —————————————
○議長(土井たか子君) 岩佐恵美さん。 〔岩佐恵美君登壇〕
○岩佐恵美君 私は、日本共産党を代表して、国民年金法等の一部を改正する法律案を初めとする年金関連五法案について、総理並びに関係大臣に質問いたします。 政府は、福祉のためと称して消費税の税率を七%から一〇%程度に上げる必要があるとの大蔵省の試算を政府税調に提出しました。 消費税は、現在でも年金生活者を初め庶民にとって重い負担であり、耐えがたい苦痛となっています。消費税をなくしてほしい、それが国民の声です。その消費税の税率を引き上げ、さらに年金制度の改悪、医療の病院給食一日八百円の新たな負担増によって高齢者を苦しめるなど、福祉の充実どころか破壊ではありませんか。お金がない、高齢化社会を迎えて大変だと言って、ただ単に紙の上の計算式で、安易に犠牲を国民、高齢者に押しつけるだけなら、政治は要らないではありませんか。 しかも、政府は、しきりに高齢者がふえると大変になると高齢化社会危機論をあおっています。しかし、さきの予算委員会での我が党の志位書記局長の質問に対し、大蔵大臣は、就業人口が総人口を支える一対二の割合は現在も将来も変わらないことを認めています。さらに、今後二ないし三%の経済成長率があれば、高齢化のピーク時には国民所得は二倍となり、社会保障の絶対額が倍になりたとしても立派に支えられます。国民をおどすような、事実にも反する高齢化社会危機論の宣伝はやめるべきです。 総理、年金の財源について言えば、保険料の負担割合を現在の企業五、労働者五からヨーロッパ並みの七対三に変えれば、新たに十兆円の財源を確保できます。資本金十億円以上の企業の内部留保が最近四年間で二十数兆円もふえていることを見れば、十分負担が可能です。そして、国民の暮らし、福祉充実のための財源確保のためには、不公平税制を是正し、軍事栄えて民滅ぶにならないよう、現在でさえ世界第二位に膨れ上がっている軍事費を大幅に削り、大手ゼネコン疑惑で問題になっている公共投資の不正、むだにメスを入れることこそ、国民の納得を得られる道ではありませんか。(拍手)総理の明確な答弁を求めます。 第二に、年金の支給開始年齢を現在の六十歳から六十五歳に引き上げる問題について伺います。 日本では六十歳定年制が大勢になったと言われますが、実際にはほとんどの労働者が定年前にやめさせられていっています。さらに、NTTでは三万人、新日鉄で七千人などの大企業の大量の人員削減が行われているように、人減らし、合理化によって六十歳定年制はますます形骸化していっています。 しかも、我が国の労働者は、世界に例を見ない長時間・過密労働を強いられています。経企庁の発表でも、男性労働者の六人に一人が年間驚くべきことに三千五百時間以上働かされ、まさに過労死寸前のがけっ縁に立たされ、体がぼろぼろになって六十歳までもたない状態に追い込まれています。女性の職場と言われる看護婦、保母さんなども激務で、このままでは定年まで働き続けるのは無理と悲鳴を上げています。 総理も御存じだと思いますが、欧米諸国には定年制はありません。ILOの報告は「強制的な退職制度の慣行はやめるべき」としており、アメリカなどでは年齢による雇用差別を禁止する法律を制定しています。退職と年金受給は一つの事柄の表と裏、これが世界の常識なのです。 六十歳で強制的に退職させながら、年金は六十五歳からしか支給しない。空白の五年間をどうやって生活せよというのですか。日本の労働者、高齢者の雇用、労働実態を無視した余りにも無責任なやり方ではありませんか。雇用と年金の継続についてどうお考えですか。また、年齢による雇用差別禁止法を日本でも早急に制定すべきです。総理、厚生大臣、労働大臣の明確な答弁を求めます。(拍手) 第三に、年金の六十五歳支給までの間の部分年金についてですが、部分年金の平均支給額は月額八万円程度です。受給者はこれでは生活していけません。 日経連は「雇用保険、年金などの現行の公的システムを、高年齢者の雇用促進に資し、早急に改めるべきである」という報告書を出していますが、まさにこのような財界の、将来の労働力不足に備えて安い高齢者の労働力を確保したいという要望にこたえるのが六十五歳への年金受給年齢引き上げであり、部分年金制度なのではありませんか。部分年金制度導入は、六十歳代前半はとにかく安い賃金で働け、そして働かない者、働けない者は半分の年金で六十五歳まで我慢せよということではありませんか。 労働者の権利、命、生活を脅かす六十五歳への受給年齢の引き上げと部分年金は、年金制度の根幹にかかわる大改悪と言わなければなりません。六十歳受給を堅持すべきです。総理の明確な答弁を求めます。 第四に、雇用保険の失業給付と年金の併給を二年後から停止する問題についてです。 併給は、高齢者の就業意欲をそぐのでやめるということですが、もともと雇用保険と年金は別々の目的を持ってつくられた制度です。労働者は、それぞれに長期間にわたって保険料をかけ続けています。失業保険を受け取っている期間、老齢年金が支払われないことによって、たちまち二百万円の給付がふいになる、これでは国家的詐欺行為だと労働者は憤っています。社会保障としての老齢年金は、受ける資格があれば無条件で受給者に支給されるのが当然ではありませんか。併給禁止は全く筋が通りません。厚生大臣の明確な答弁を求めます。 第五に、支給額を大幅にカットした上に、保険料を大幅に引き上げるという問題です。 まず保険料をことし十月に一六・五%へ引き上げ、最終的には月収の三〇%にもしようというものです。さらに、ボーナスから保険料は取るが給付の対象にはしないというのですから、本当にひどい話です。また、自営業者、学生などが加入する国民年金の保険料も、将来二万円程度にまで引き上げるとしています。 政府は、公共料金の引き上げを国民の負担になるからと年内凍結しました。しかし、年金の保険料は公共料金ではないとして外してしまいました。保険料引き上げこそ家計に著しい影響を与えることは明らかです。 厚生省は、基礎年金への国庫負担を現行の三分の一から三分の二にした場合、保険料を七%引き下げることができると試算しています。基礎年金への国庫負担をふやせば、保険料を引き上げなくても済むではありませんか。総理の明確な答弁を求めます。 今、国民皆年金と言われながら、無年金者は既に百万人とも二百万人とも言われています。さらに、国民年金加入者のおよそ五百万人、四人に一人以上が既に制度から脱落し、膨大な無年金者が生まれようとしています。このような事態を放置すれば重大なことになります。憲法の精神に沿った社会保障としての年金制度の確立こそ今求められています。そのために、国と企業が負担する最低保障年金の確立、だれもが無条件で年金を受けられる制度の確立が必要です。厚生大臣の答弁を求めます。 今、年金制度改革として緊急に求められているのは、月額三万円台の年金の改善、受給資格期間の短縮、また無年金障害者の解消です。特に女性の年金は、賃金が男性に比べて六割にも満たないため低額に抑えられ、女性の老後保障は貧しい限りです。ILOでたびたび指摘されているように、女性の差別的賃金の早急な解消が求められているのではありませんか。総理、厚生大臣、労働大臣、それぞれどう対応されるのか、明確な答弁を求めます。 政府が今進めようとしている消費税の税率引き上げや、年金、医療制度の改悪については、連立与党の各党は昨年の総選挙で公約に掲げていなかったばかりか、公明党、民社党は、はっきりと反対していたではありませんか。それをいとも簡単に破るなど、公党としてのモラルが問われる重大な国民への裏切り行為ではありませんか。(拍手) しかも、国民の信任を得たことのない少数与党内閣である羽田内閣に、国民の審判を受けずに、このような悪法、悪政を強行する資格がないことは明らかです。羽田内閣は、解散・総選挙で国民の信を問うべきです。年金法の撤回とあわせて強く要求し、質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣羽田孜君登壇〕
○内閣総理大臣(羽田孜君) 活力のある豊かな高齢化社会、これを実現するためには、社会を支える勤労者に過度な負担がかからないよう、個人所得課税の軽減と消費課税の充実、こういったものを進めていく必要があろうというふうに考えております。福祉政策などの積極的な展開にも適切に対応し得るバランスのとれた安定的な税体系、これはどうしてもやはり必要なことであるというふうに信じます。 いずれにいたしましても、消費税の問題を含みます税制改革を年内に実現することは、緊急に取り組まなければならない重要な課題であるというふうに考えまして、我々もこれからも努力をしていきたいというふうに思っております。 また、年金制度の改悪、医療の病院給食一日八百円の新たな負担増についての御指摘でありますけれども、公的年金制度につきましては、人口の高齢化や少子化が進行する中で、将来にわたり安定した制度を確立していくことが課題であります。 このため、今回の年金制度の改正につきましては、人生八十年時代にふさわしい制度とすること、そして将来の現役世代の負担を過重なものにしないよう給付と負担のバランスを図るという観点から、制度全般にわたる必要な見直しを行うものでございます。 また、医療保険制度の改正につきましては、負担能力の低い方々に十分配慮しまして、入院時の食費につきまして定額の自己負担を導入するとともに、付き添いの看護に伴います重い患者負担の解消など、これを図ることにいたしておりまして、将来にわたって国民に良質の医療を効率かつ安定的に提供するように努力をしていくものであります。 このように、年金制度や医療保険制度の改正は、いずれもやはり今日必要な改正であろうというふうに考えております。 なお、負担を七対三にすればというお話でありますけれども、今回の改正は、年金制度を二十一世紀の高齢化社会にふさわしいものに見直していくとともに、長期的に安定させるために給付と負担の均衡を図るものでございまして、ぜひとも必要であるというふうに考えます。厚生年金の保険料の負担割合につきましては、制度発足以来、労使折半とされておりまして、我が国では定着しておるものであろうというふうに思っておりまして、これを見直すことは難しいということであります。 不公平税制を是正するということで、歳出の削減、これによって生み出せという話でありますけれども、税負担の公平の確保は、税制に対する納税者の信頼を得るために最も重要な理念の一つであり、租税特別措置の整理合理化など従来から不断の努力を続けてきておるところであります。今後とも、税制のあり方の問題といたしまして、絶えずやはり吟味していかなければならない課題であるということは承知をいたしております。 なお、今後とも行財政改革を強力に推進し、財政の効率化に向けた努力を続けることは言うまでもございませんけれども、臨調・行革審答申などを受けまして改革努力というものをずっと続けてきたということでありまして、改革によって歳出の削減に多大なものを期待するということは、なかなか私は今日難しいだろうというふうに思います。いずれにいたしましても、あらゆる経費につきまして、制度の根本にまでさかのぼった見直しゃ、施策の優先順位の厳しい選択を行うなど、徹底した洗い直しに取り組み、行政改革及び財政改革を強力に推進して対応していきたいというふうに考えます。 雇用と年金の継続についてどう考えるのかということでありますけれども、今後、官民が一体となって高齢者雇用の推進に努めることによりまして、二十一世紀の初頭までには、六十五歳まで働くことができる社会、この実現を目指していきたいというふうに考えております。今回の年金制度の改正は、こうした高齢者の雇用の促進と連携をとって、六十歳代の前半の年金のあり方について見直しを行うものでございまして、二十一世紀の本格的な高齢社会にふさわしい年金制度にしていくためには、やはりぜひとも必要なものであるということを申し上げざるを得ません。年金の六十歳受給を堅持しなさいという御指摘でありました。 今後、高齢者が増大する一方で、長期的には若い労働力人口の減少というものが見込まれる中でありまして、雇用政策において、高齢者雇用の一層の促進を図り、六十五歳まで働ける社会の実現を図るとともに、これと連携のとれた年金制度としていくことが求められているというふうに思います。このために、今回の年金制度改正におきましては、六十歳代前半の年金のあり方を見直すこととしまして、この期間は年金と雇用を組み合わせて過ごせるように、六十五歳以降とは別個の給付を支給することとしております。また、この期間について、働いている場合の年金支給の仕組みを雇用促進的なものに改めていくこと、こういったところにも知恵を出していることを御理解いただきたいと思います。 基礎年金の国庫負担をふやせば保険料を引き上げなくても済むのではないかということでありますけれども、基礎年金の国庫負担割合の引き上げにつきましては、国庫負担割合の引き上げもまた結局は国民が負担しなければならないものであります。年金の財源として、税と保険料のバランスをどうしていくのか、また、今後の年金給付費の急激な増大に伴い、現行の国庫負担割合のままでも急増が見込まれる中で、その財源をどう確保していくのか、保険料拠出に見合った給付を行う社会保険方式のもとでの国庫負担のあり方をどう考えるのかといった問題がございまして、いわゆる保険料の引き上げを国庫負担で正すということは大変難しいことであるということを申し上げざるを得ません。 それから、女性の年金についてどう考えるかということでありますけれども、厚生年金の給付額は、基本的には、現役時代の報酬及び加入期間に応じて算定されることになっておることは、もう御案内のとおりです。女性の年金水準につきましては、今後、女性の勤務状況が改善されていけは、年金もそれに見合ったものとなって充実していくものであろうというふうに考えております。 以上であります。(拍手) 〔国務大臣大内啓伍君登壇〕
○国務大臣(大内啓伍君) まず、雇用と年金の継続についてお尋ねがございましたが、今総理からお答えを申し上げましたので、この点は割愛をさせていただきます。 二番目の、六十歳代前半の年金についてのお尋ねでございますが、今回の年金制度の改正では、六十歳代前半の年金のあり方につきまして、一つは、賃金と合わせて生活を支える年金といたしまして、六十五歳以降の年金とは別個の給付を支給するとともに、二つには、働いている場合につきましても、賃金の上昇に応じまして年金と賃金を合計した総手取り額の増加する仕組みに改める、こういうふうにしているわけでございます。 なお、個々人の多様なニーズにも対応できるよう、希望する方々には六十歳からでも老齢基礎年金の繰り上げ支給をあわせて行えるようにしていることは御案内のとおりでございます。 二つ目に、厚生年金と雇用保険の失業給付との調整についてのお尋ねがございましたが、両給付が併給されることにつきましては、一つは、就業せずに両給付を受給する場合の合計収入が就業した場合の賃金よりも高くなり、これは就業意欲を阻害するということが一つと、もう一つは、引退した者に対する所得保障である年金と働き続けようとする者に対する所得保障である失業給付との併給は不合理であると考えていることといった問題が指摘されておりまして、これを是正する観点から行うものとしたわけでございます。 最低保障年金の確立についてのお尋ねでございますが、すべての者に無条件で年金を支給することになりますと、我が国で長い間定着してまいりました社会保険方式を改めることになりますが、そうしたことで果たして国民の合意形成が得られるかどうか。二つには、さらにこれには巨額な財源が必要となってまいりますが、そのような財源を現実問題として具体的にどう手当てするのかといったような問題がございまして、現実は非常に困難な問題だと考えております。 最後に、国民年金の年金額の改善あるいは受給資格期間の短縮、障害無年金の解消等についてお尋ねがございましたが、まず国民年金の年金額については、現在、平均で三万七千円程度となっておりますが、これは六十五歳前からの繰り上げ支給によりまして減額された年金や加入期間の短い経過的な年金を含んでいること等によるものでございまして、今度の改正案におきましては、これを六万五千円の水準としているところでございます。 また、老齢年金の受給資格期間の、二十五年という期間の問題でございますが、一つは、老後生活の柱にふさわしい額の年金を支給するためにはある程度長い拠出期間を必要とすること、もう一つは、拠出期間を長くとりますと月々の保険料は比較的軽減されるということから設定されたものでございまして、二十歳から六十歳までの四十年間という被保険者期間の中では決して無理なもの、ではない、こう考えておる次第でございます。 さらに、無年金障害者につきましては、今回の改正案でも社会保険方式の中でできる限りの対応を図ることといたしておりますが、制度に加入していなかったり、あるいは加入しても保険料を滞納していたために年金を受給していない方々に対して、年金制度によってこれに対応するということは、これは非常に困難な問題だと考えておるのでございます。 最後に、私どもが六十歳代前半の年金支給を一切やめてしまうような六十五歳引き上げに選挙のときに反対していたではないかという御指摘がございましたが、だからこそ、六十歳から六十四歳までの別個年金というものを新たに設定したわけでございまして、その態度は一貫していたことを申し上げておきたいと存じます。(拍手) 〔国務大臣鳩山邦夫君登壇〕
○国務大臣(鳩山邦夫君) 年齢による雇用の差別禁止法というものはアメリカでとられている制度であると聞いておりますが、我が国の雇用慣行は、定年制ということをほとんどの企業で、多くの企業で採用いたしておりまして、それが雇用の安定等に貢献をしてまいりました。こうしたことから、六十五歳まで現役を続けていただく、そういう新しい時代は、定年の引き上げやあるいはさまざまな法律によって雇用の継続が図られる、そうした方法がベストであろうと考えておりますので、あえて年齢による雇用差別禁止法を採用する必要はないと考えます。 女性の年金がその賃金のために安く抑えられているということでございますが、賃金についての女子であることを理由とする差別的な取り扱いは労働基準法第四条で明確に禁止されておりますが、平均賃金が男性に比べて女性の方がはるかに低い状況にありますのは、就業している産業、規模、職種などが男女でいまだ異なっていること、それから女子の勤続年数が男子に比べて今までは短かったこと、そして労働者の学歴構成が男女で異なっていたことなどの要因によるものでございまして、これは時代の進展、変化によって、この三つの要因はすべて徐々に縮小していくものと私は考えております。 労働省としては、男女の就業分野の違いについては、男女雇用機会均等法に基づき、均等取り扱いが実現されるように努力をしてまいるわけでございまして、分野もそうでございますし、昇進等で差をつけることも機会均等法に反することになります。 また、男女の勤続年数の差につきましても、勤務の継続を希望する女子にとって、いわゆる職業生活と家庭生活の両立が可能にならない、そういう時代もあったわけですが、それが可能となるように育児休業法を定着させる、あるいは介護休業制度を普及させていく、あるいはこれから本会議採決をしていただくように、育児休業給付が出るように雇用保険法を改正する、そのような制度的な変更によって男女のさまざまな差は徐々に縮小をしてまいりますから、いずれ年金額にも差がなくなってくると私は考えております。 以上でございます。(拍手) ————◇—————
○議長(土井たか子君) これにて質疑は終了いたしました。 裁判官弾劾裁判所裁判員及び同予備員辞職の件 裁判官訴追委員及び同予備員辞職の件
○議長(土井たか子君) お諮りいたします。 裁判官弾劾裁判所裁判員倉田栄喜さんから裁判員を、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員星野行男さんから予備員を、また、裁判官訴追委員佐藤守良さん、平田米男さん及び枝野幸男さんから訴追委員を、裁判官訴追委員の予備員金子徳之介さんから予備員を、辞職いたしたいとの申し出があります。 右申し出をそれぞれ許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、許可することに決まりました。 ————◇————— 裁判官弾劾裁判所裁判員及び同予備員の選挙 裁判官訴追委員及び同予備員の選挙 国土開発幹線自動車道建設審議会委員の選挙 北海道開発審議会委員の選挙 国土審議会委員の選挙
○議長(土井たか子君) つきましては、裁判官弾劾裁判所裁判員及び同予備員並びに裁判官訴追委員及び同予備員の選挙を行うのでありますが、この際、あわせて、国土開発幹線自動車道建設審議会委員、北海道開発審議会委員及び国土審議会委員の選挙を行います。
○小坂憲次君 各種委員等の選挙は、いずれもその手続を省略して、議長において指名され、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員、裁判官訴追委員の予備員の職務を行う順序については、議長において定められることを望みます。
○議長(土井たか子君) 小坂憲次さんの動議に御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。 議長は、裁判官弾劾裁判所裁判員に冬柴鐵三さんを指名いたします。 また、裁判官弾劾裁判所裁判員の予備員に山田正彦さんを指名いたします。 なお、予備員の職務を行う順序は第四順位といたします。 次に、裁判官訴追委員に 小沢 辰男さん 江田 五月さん 及び 大口 善徳さん を指名いたします。 また、裁判官訴追委員の予備員に杉山憲夫さんを指名いたします。 なお、予備員の職務を行う順序は第四順位といたします。 次に、国土開発幹線自動車道建設審議会委員に石井啓一さんを指名いたします。 次に、北海道開発審議会委員に 増田 敏男さん 及び 小平 忠正さん を指名いたします。 次に、国土審議会委員に山口那津男さんを指名いたします。 ————◇————— 日程第一 石油公団法の一部を改正する法律案(内閣提出) 日程第二 ガス事業法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(土井たか子君) 日程第一、石油公団法の一部を改正する法律案、日程第二、ガス事業法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。 委員長の報告を求めます。商工委員長白川勝彦さん。 ————————————— 石油公団法の一部を改正する法律案及び同報告書 ガス事業法の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号(二)に掲載〕 ————————————— 〔白川勝彦君登壇〕
○白川勝彦君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、商工委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 まず、石油公団法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、最近の海外における可燃性天然ガス資源の開発をめぐる環境の変化にかんがみ、開発に必要な資金の融通を円滑にするための措置等を講じようとするものであります。 その主な内容は、 石油公団の業務として、海外における可燃性天然ガスの採取及び液化に必要な資金を供給するための出資並びに海外における可燃性天然ガスの液化に必要な資金に係る債務保証の業務を新たに追加することなどであります。 次に、ガス事業法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、近年における需要の増大等のガス事業をめぐる諸情勢の変化にかんがみ、ガスの使用者の利益の一層の増進とガス事業の活力ある発展を図るため、大口需要者向けのガス供給に係る規制を緩和するなどの措置を講じようとするものであります。 その主な内容は、 第一に、一般ガス事業者が、その供給区域内において、一定数量以上のガスの大口供給を行う場合、供給の相手方と合意したときは、通商産業大臣の認可を受けることなく、合意した供給条件でガスを供給できるものとすること、 第二に、一般ガス事業者は、その供給区域以外の地域においても、通商産業大臣の許可を受けて大口供給を実施することができるものとすること、 第三に、一般ガス事業者以外の者は、一般ガス事業者の供給区域以外の地域においては通商産業大臣に届け出をして、また、供給区域内においては通商産業大臣の許可を受けて、大口供給を実施することができるものとすることなどであります。 両案は、去る五月二十日当委員会に付託され、五月三十一日畑通商産業大臣から提案理由の説明を聴取し、以来、一括して審査を行い、六月一日質疑を終了いたしました。六月三日討論を行い、採決の結果、それぞれ多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決いたしました。 なお、ガス事業法の一部を改正する法律案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(土井たか子君) 両案を一括して採決いたします。 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の皆さんの起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(土井たか子君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第三 特定都市鉄道整備促進特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出) 日程第四 航空法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(土井たか子君) 日程第三、特定都市鉄道整備促進特別措置法の一部を改正する法律案、日程第四、航空法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。 委員長の報告を求めます。運輸委員長井上一成さん。 ————————————— 特定都市鉄道整備促進特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書 航空法の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号(二)に掲載〕 ————————————— 〔井上一成君登壇〕
○井上一成君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 まず、特定都市鉄道整備促進特別措置法の一部を改正する法律案についてでありますが、本案は、大都市圏の鉄道における快適な通勤通学の実現が緊要な課題となっていることにかんがみ、都市鉄道の輸送力の計画的な増強を一層促進するため、既設の鉄道路線の利用者の利便の向上に著しい効果を有する鉄道新線の建設工事を特定都市鉄道工事に追加する等の措置を講じようとするものであります。 次に、航空法の一部を改正する法律案についてでありますが、本案は、航空機の騒音の減少を図るため、一定の騒音基準に適合しない航空機について、航空の用に供してはならないこととするとともに、航空機の操縦者に係る航空従事者技能証明制度について、上級事業用操縦士資格を廃止する等の改正を行うほか、航空法に規定する許可、認可等の整理及び合理化を図る等の措置を講じようとするものであります。 両法律案は、去る五月二十日本委員会に付託され、三十一日二見運輸大臣から提案理由の説明を聴取した後、六月三日質疑を行い、同日質疑を終了いたしました。 採決の結果、両法律案はいずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(土井たか子君) 両案を一括して採決いたします。 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の皆さんの起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(土井たか子君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第五 警察法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(土井たか子君) 日程第五、警察法の一部を改正する法律案を議題といたします。 委員長の報告を求めます。地方行政委員長粟屋敏信さん。 ————————————— 警察法の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号(二)に掲載〕 ————————————— 〔粟屋敏信君登壇〕
○粟屋敏信君 ただいま議題となりました警察法の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 本案は、 第一に、内外の社会情勢の変化に対応した警察運営の展開を図るため、警察庁に生活安全局、長官官房国際部等を設置するとともに、これに関連して、警務局、刑事局保安部等を廃止するなど、その内部部局の組織を改めようとするものであります。 第二に、最近における犯罪の広域化等に効果的に対応するため、関係都道府県警察間の指揮の一元化、広域にわたる要人の警護体制等の確立を図るなど、所要の規定の整備を行おうとするものであります。 本案は、五月二十日本委員会に付託され、六月三日石井国務大臣から提案理由の説明を聴取した後、審査に入り、生活安全局新設の趣旨、暴力団対策法施行後の成果、密入国事案の現状と対策、駐在所の統廃合と地域安全対策等について質疑が行われました。 次いで、採決を行いましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(土井たか子君) 採決いたします。 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第六 放送番組素材利用促進事業の推進に関する臨時措置法案(内閣提出) 日程第七 電気通信事業法及び電波法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(土井たか子君) 日程第六、放送番組素材利用促進事業の推進に関する臨時措置法案、日程第七、電気通信事業法及び電波法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。 委員長の報告を求めます。逓信委員長高橋一郎さん。 ————————————— 放送番組素材利用促進事業の推進に関する臨時措置法案及び同報告書 電気通信事業法及び電波法の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号(二)に掲載〕 ————————————— 〔高橋一郎君登壇〕
○高橋一郎君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 まず、放送番組素材利用促進事業の推進に関する臨時措置法案について申し上げます。 本案は、放送及び有線放送に関する国民の需要の多様化に伴い、おのおのの放送及び有線放送においてその特色を生かした放送番組が放送されることの重要性が増大していることにかんがみ、放送番組素材の利用を促進して多様な放送番組の制作に資することとするため、放送番組素材利用促進事業の推進に関する基本的な指針の策定及び実施計画の認定等について定めるとともに、通信・放送機構の業務に放送番組素材利用促進事業の実施を推進するために必要な業務を追加する等所要の措置を講じようとするものであります。 次に、電気通信事業法及び電波法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、最近の電気通信事業における国際化の進展にかんがみ、人工衛星の無線局の無線設備等により国際電気通信事業を営む者については、外国人等であることを第一種電気通信事業の許可の欠格事由としないこととするとともに、その者が営む当該事業に係る無線局であって人工衛星の無線局の中継により無線通信を行うもの等については、外国人等であることを免許付与の欠格事由としないこととする等所要の改正を行おうとするものであります。 両法律案は、去る五月二十日本委員会に付託され、六月三日目笠郵政大臣から提案理由の説明を聴取し、同日質疑を行い、採決の結果、いずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。 なお、放送番組素材利用促進事業の推進に関する臨時措置法案に対し附帯決議が付されました。 以上、御報告申し上げます。(拍手)
○議長(土井たか子君) 両案を一括して採決いたします。 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第八 高年端者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出) 日程第九 雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(土井たか子君) 日程第八、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案、日程第九、雇用保険法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。 委員長の報告を求めます。労働委員長松岡滿壽男さん。 ————————————— 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書 雇用保険法等の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号(二)に掲載〕 ————————————— 〔松岡滿壽男君登壇〕
○松岡滿壽男君 ただいま議題となりました二法律案について、労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 まず、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、急速な高齢化が進展している状況のもとで、高年齢者の安定した雇用を確保し、その職業生活の充実を図ることの重要性にかんがみ、六十歳未満の定年を定めることができないこととするとともに、定年後の継続雇用制度の導入及び改善を図るために必要な措置を講ずるほか、高齢期における職業生活の設計の援助、高年齢者に係る労働者派遣事業の特例、その職業経験を通じて得られた知識及び技能を活用した短期的な雇用に上る就業の機会の確保等の措置を講ずる等の改正を行おうとするものであります。 本案は、去る五月二十日付託となり、六月一日鳩山労働大臣から提案理由の説明を聴取し、同月三日の委員会において質疑を終了、討論、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。 次に、雇用保険法等の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、急速な高齢化等の進展のもとで今後労働力の供給が中長期的に制約を受けることが予想される状況にかんがみ、雇用保険制度及び船員保険制度失業部門が、労働者の生活及び雇用の一層の安定を図りつつ、このような状況に的確に対応することができるようにするため、六十歳に達した後賃金が低下した労働者に対する高年齢雇用継続給付等及び一歳に満たない子を養育するための休業を行う労働者に対する育児休業給付を創設するとともに、所定給付日数の変更、再就職手当の支給要件の緩和を行うほか、雇用保険制度における日雇労働求職者給付金の日額の引き上げその他の求職者給付の改善等を行おうとするものであります。本案は、去る五月三十一日の本会議において趣旨説明が行われ、同日本委員会に付託され、六月三日鳩山労働大臣から提案理由の説明を聴取し、同月六日の委員会において質疑を終了いたしましたところ、大石正光君より施行期日についての修正案が提出され、原案及び修正案を一括して討論を行い、採決の結果、本案は修正案のとおり賛成多数をもって修正議決すべきものと議決した次第であります。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(土井たか子君) 両案を一括して採決いたします。 日程第八の委員長の報告は可決、日程第九の委員長の報告は修正であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の皆さんの起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(土井たか子君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり議決いたしました。 ————◇————— 日程第十 農住組合法の一部を改正する法律案(内閣提出) 日程第十一 都市緑地保全法の一部を改正する法律案(内閣提出) 日程第十二 不動産特定共同事業法案(内閣提出) 日程第十三 建設業法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(土井たか子君) 日程第十、農住組合法の一部を改正する法律案、日程第十一、都市緑地保全法の一部を改正する法律案、日程第十二、不動産特定共同事業法案、日程第十三、建設業法の一部を改正する法律案、右四案を一括して議題といたします。 委員長の報告を求めます。建設委員長鳥居一雄さん。 ————————————— 農住組合法の一部を改正する法律案及び同報告書 都市緑地保全法の一部を改正する法律案及び同報告書 不動産特定共同事業法案及び同報告書 建設業法の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号(二)に掲載〕 ————————————— 〔鳥居一雄君登壇〕
○鳥居一雄君 ただいま議題となりました四法案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 まず、農住組合法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、農住組合の事業活動を通じて、市街化区域内農地の住宅地等への円滑かつ速やかな転換を促進するため、農住組合の地区の要件の緩和等を行おうとするものであります。 本案は、去る五月二十日本委員会に付託され、同月二十七日左藤国土庁長官から提案理由の説明を聴取し、六月三日質疑に入り、同日質疑を終了、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。 次に、都市緑地保全法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、都市における緑地の適正な保全及び緑化をより一層推進するため、市町村が策定する緑地の保全及び緑化の推進に関する基本計画制度を創設するとともに、緑地保全地区の対象緑地の追加、緑地保全地区内の土地の買い入れ主体の拡大、緑化協定制度の拡充等所要の措置を講じようとするものであります。 本案は、去る五月二十日本委員会に付託され、同月二十七日森本建設大臣から提案理由の説明を聴取し、六月三日質疑に入り、同日質疑を終了、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。 なお、本案に対しましては附帯決議が付されました。 次に、不動産特定共同事業法案について申し上げます。 本案は、不動産特定共同事業を営む者に許可制度を実施するなど、事業参加者の利益の保護を図る等のために必要な措置を講じようとするものであります。 本案は、去る五月二十六日本委員会に付託され、六月三日森本建設大臣から提案理由の説明を聴取し、昨六月六日質疑に入り、同日質疑を終了、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。 最後に、建設業法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、建設業者の資質の向上及び建設工事の適正な施工の確保を図るとともに、建設業者に対する規制を合理化するため、建設業の許可要件及び建設業者に対する監督の強化、許可の有効期間及び変更届の期限の延長等の措置を講じようとするものであります。 本案は、去る五月二十日本委員会に付託され、六月三日森本建設大臣から提案理由の説明を聴取し、昨六月六日質疑に入り、同日質疑を終了、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。 なお、本案に対しましては附帯決議が付されました。以上、御報告を申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(土井たか子君) これより採決に入ります。 まず、日程第十、第十一及び第一三の三案を一括して採決いたします。 三案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、三案とも委員長報告のとおり可決いたしました。 次に、日程第十二につき採決いたします。 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の皆さんの起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(土井たか子君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第十四 特定放射光施設の共用の促進に関する法律案(内閣提出)
○議長(土井たか子君) 日程第十四、特定放射光施設の共用の促進に関する法律案を議題といたします。委員長の報告を求めます。科学技術委員長臼井日出男さん。 ————————————— 特定放射光施設の共用の促進に関する法律案及び同報告書 〔本号(二)に掲載〕 ————————————— 〔臼井日出男君登壇〕
○臼井日出男君 ただいま議題となりました特定放射光施設の共用の促進に関する法律案につきまして、科学技術委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 本案は、科学技術に関する試験研究を行う者による特定放射光施設の共用を促進するための措置を講ずることにより、科学技術に関する試験研究の基盤の強化を図り、あわせて科学技術に関する試験研究に係る国際交流の進展を図ろうとするもので、その主な内容は、 第一に、内閣総理大臣は、特定放射光施設の共用に関する基本的な方針を定めなければならないものとすることであります。 第二に、日本原子力研究所及び理化学研究所の業務の範囲に、共用施設を整備し共用に供する等の業務を追加することであります。 第三に、内閣総理大臣は、特定放射光施設の共用の促進を図ることを目的として設立された公益法人を、全国を通じて一に限り、放射光利用研究促進機構として指定することができるものとすることであります。 第四に、日本原子力研究所及び理化学研究所は、この法律により追加される業務の全部または一部を、指定された放射光利用研究促進機構に行わせるものとすることであります。 その他、所要の規定を整備することといたしております。 本案は、去る三月二十二日本院に提出され、五月二十日本委員会に付託されました。 本委員会におきましては、六月二日近江国務大臣から提案理由の説明を聴取し、六月三日質疑に入り、同日質疑を終了し、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(土井たか子君) 採決いたします。 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第十五 更生緊急保護法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(土井たか子君) 日程第十五、更生緊急保護法の一部を改正する法律案を議題といたします。 委員長の報告を求めます。法務委員長高橋辰夫さん。 ————————————— 更生緊急保護法の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号(二)に掲載〕 ————————————— 〔高橋辰夫君登壇〕
○高橋辰夫君 ただいま議題となりました法律案について、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 本案は、更生保護会の事業を充実強化するため、更生保護会に対する監督及び補助金交付に関する現行の規定を改め、国が、その施設の整備等について、積極的に助言、指導または勧告を行うとともに、法務大臣の施設改善命令を前提とすることなく、補助金を交付できるようにするものであります。 委員会においては、去る三日中井法務大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、これを終了し、直ちに採決を行ったところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(土井たか子君) 採決いたします。 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇————— 日程第十六 農林漁業金融公庫法等の一部を改正する法律案(内閣提出) 日程第十七 林業等振興資金融通暫定措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(土井たか子君) 日程第十六、農林漁業金融公庫法等の一部を改正する法律案、日程第十七、林業等振興資金融通暫定措置法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。 委員長の報告を求めます。農林水産委員長竹内猛さん。 ————————————— 農林漁業金融公庫法等の一部を改正する法律案及び同報告書 林業等振興資金融通暫定措置法等の一部を改正する法律案及び同報告書 〔本号(二)に掲載〕 ————————————— 〔竹内猛君登壇〕
○竹内猛君 ただいま議題となりました両法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 まず、両法律案の主な内容について申し上げます。 農林漁業金融公庫法等の一部を改正する法律案は、効率的かつ安定的な農業経営の育成を図るため、農業経営基盤強化促進法等に基づく農業経営改善計画等の認定を受けた農業者に対し、当該計画の達成に必要な資金を総合的に融通する制度を創設するための措置等を講じようとするものであります。 次に、林業等振興資金融通暫定措置法等の一部を改正する法律案は、林業経営の一層の改善を図るため、林業経営改善計画の認定を受けた者に対し、森林施業の合理化に寄与する一定の造林についての措置を実施するのに必要な長期かつ無利子の資金を融通する制度を創設しようとするものであります。 両法律案は、去る五月二十日本委員会に付託され、六月一日加藤農林水産大臣から提案理由の説明を聴取し、昨六日質疑を行い、質疑終局後、順次採決の結果、いずれも全会一致をもって可決すべきものと議決いたした次第であります。 なお、両法律案に対しそれぞれ附帯決議が付されました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(土井たか子君) 両案を一括して採決いたします。 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(土井たか子君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。 ————◇—————
○議長(土井たか子君) 本日は、これにて散会いたします。 午後二時五十八分散会 ————◇—————