農林水産委員会 第7号
- 発言数
- 134 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1994/06/06
会議録
○竹内委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、農林漁業金融公庫法等の一部を改正する法律案及び林業等振興資金融通暫定措置法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松下忠洋君。
○松下委員 一時間時間をいただきましたので、その時間を活用いたしまして、時間内に終わるように努めてまいりたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。 農林漁業金融公庫法等の一部を改正する法律案が提出されております。この金融公庫法を含む五つの法案でございますけれども、いろいろお尋ねを申し上げたいと思っております。 地域の農業に関するいろいろな要請をたくさん毎日受けております。大きくは、ガット・ウルグアイ・ラウンドのいろいろな交渉によるその結果、これはもう十分議論されたことでございますから、別の場で十分議論されておりますからここでは改めて申し上げませんけれども、そういう大きな問題から小さな問題まで、いろいろ出ております。 牛肉の問題、それからシラスウナギの問題までさまざまでございます。例えば、これは支離滅裂といいますか、少し合わないところもあるかもしれませんけれども、国内の牛の価格は、これは大変だ、どうにかならぬのかということでございまして、輸入牛肉の国内における割合というものがどこまで高くなっているかわかりませんけれども、もっと国内の牛肉がきちっと安定して供給できるような価格制度というものができないかということも含めて来ていますし、圃場整備の区画の規模に関連して、そこに入ってくる農業機械を考えると区画の仕方が非常に狭いんじゃないか、大規模な機械化農業の進め方と少し違ったやり方をしておられるのではないかというようなことを言われております。 それからまた、ハウス栽培に必要なハウス設置のための補助金が極めて低い。農家の負担率が高くなっている。特に台風の襲来が多いようなところになりますと、鹿児島もそうですけれども、火山灰が降ってくるというようなところになりますと、ハウスに対する骨組みのつくり方もほかの地域と比べて十分強いものにしていかなければいかぬというようなことがございまして、そういうきめ細かな配慮が十分なされていないようだというように言われております。畜産の補てん金の問題でありますとか、それから小規模農業の機械購入にかかわる負担が大きいということもいろいろ言われております。シラスウナギのことはこの前もお聞きしましたけれども、こういう人工ふ化に対する研究というものもやってもらいたい、もうさまざまの要請が来ております。 そのような地域のいろいろな要請に対して、今度こういう農林漁業金融公庫法等の一部を改正されます。その改正される中身が、こういう本当に弱者、そうして一つ一つ困っている方たち、経営が上手に進んでいるところもあるでしょうけれども、そうでない、苦労しながらもなかなか成果が上がってこないというような方たちに対する、きっちりとした行き届いたそういう制度になって、支援できるような仕組みになっているのかどうか。そういうところを、従来の今あるものと比較してだからこのような形にしたいんだというはうなところを、きっちりとその認識と方向を教えていただきたいと思うのでございます。経営体育成のために総合的な融資制度をやっていくんだ、こうおっしゃいますけれども、それがきっちりと行き届くようなものになっているんですかというところをひとつお聞かせいただきたい。どこを反省して、そして、だからこういうふうにしたいと思っているんだというところを、大臣、ひとつ御説明していただきたいと思いますけれども、よろしくお願いします。
○加藤国務大臣 今回の公庫法等の一部改正法律案につきましては、今松下委員がおっしゃいましたような趣旨等も踏まえておるのでありますが、端的に申し上げますと、自主性と創意工夫を生かした効率的で安定的な経営体の育成を図るため、総合的な融資制度を創立し、農業制度金融関係五法について改正を行おうとしておるところでございます。 改正の内容は、大きく分けまして、経営体育成のための総合的な融資制度の創設、そして、その他として、農業近代化資金の貸付金合計額の限度額引き上げ等々を含んだ幅広い中身を持っておるわけでございます。
○松下委員 大臣のお話はそれでよろしいんですが、局長、ひとつ、従来の制度と比べて具体的に、どこをどういうふうに改善されて、そのメリットは何なのかということを絞りながら御説明いただきたいと思います。
○東(久)政府委員 大臣からただいま、今度の基本的な考え方について申し上げましたところでございますが、従来のものと比べてどうかという点でございます。 一つは、今回の改正によりまして、公庫資金と、もう一つはいわゆる系統資金を使って、その系統資金の方に新しく運転資金を、極度方式という方式でございますが、数年間にわたって極度方式で貸し付けるという運転資金の新たなものを設けているということが一つ大きな特徴でございます。 また、公庫資金の方でございますが、これにつきましては、一つは長期資金を幅広く貸し付けるということで、負債整理その他の経営改善の前提としての経営安定のための資金も含めたものを対象にするというようなこと等、従来のものに比べますと、非常に幅広い資金の手当てができるということが一つでございます。 それからもう一つは、貸付限度額を従来に比べまして非常に大きく設定しております。 さらにもう一つの大きなポイントは、金利水準でございまして、公庫資金では一応制度資金の最低金利三・五%ということを基準にいたしますが、さらに別途の金利補給によりまして、当面は今の金利水準では二・〇%になるような金利ということで、非常に新しい制度はこの認定農家に対して使いやすく、かつ有利な制度に変更をするということになっております。
○松下委員 米の緊急輸入も含めまして、ガット・ウルグアイ・ラウンドによるミニマムアクセスで日本の国内に外国の米が入ってくる。それによりいろいろな農業政策が大きく見直されて、そして農業に従事する人たち、米をつくっている人たちも含めて、幅広いそういういろいろな流動化も起こってくるかもしれない。そしてまた、立ち直っていく、立ち上がっていこうとする人たちもおられるわけですけれども、そういう今回のガット・ウルグアイ・ラウンドに対する、打撃を受ける人たちに対する立ち上がりのために、いろいろな緊急対策を加えておられますけれども、そういうものとの絡みで、次の新しい農業を目指していくために、この公庫法の改正、これがどのようなふうに生かされていくのか、その絡みのところをひとつ教えていただきたいと思います。
○東(久)政府委員 この新しい金融制度というのは、本来、新政策による、新農政による経営体育成ということを中心に考えておりまして、昨年度成立いたしました法律に基づく認定農家を対象にいたしておりますが、こういうものを中心に、効率的な、足腰の強い農業を育てていくということは、ウルグアイ・ラウンドのことも考え合わせると非常に重要なポイントでございまして、そのための金融制度ということで今回お願いしておるわけでございます。 なお、さらなるウルグアイ・ラウンド対策全体といたしましては、ただいま御承知のとおり、農政審等で検討がなされておりまして、その結果によることでございますが、足腰の強い経営体を育成するということは何にも増して重要なポイントでございまして、この制度で相当の手当てができているというふうに考えております。
○松下委員 問題は、理想とする頭の中に描いたいろいろな農業の姿というものがあって、それに対していろいろな制度を改善していく、そして、その制度が生かされるように今度はそれを地域の方に浸透さしていく。そして、農業を実際にやられる人たちに理解してもらって、そうして本当に使われていくようなふうにしていかなきゃいかぬわけですけれども、問題は、どのようなふうに、どんなに制度がよくて立派なものをつくっても、それをきっちりと今度は伝えていくこと。そしてそれをみんなに、汗を流して強い農業にしていくために、手をとり足をとりながら一緒に汗をかいていくような仕組み、それから人というものをきちっと育成していかなければいけないだろう。制度ができたから、あとはもうこれでよしというわけにはいかないわけですね。それを今度は、先端の方まで、一人一人の農業者の方まできちっとこういう制度が行き渡る、その話を、苦しみも聞いて、そして、わかった、そうしていこう、じゃ、君のところはひとつこの制度を利用してこうやっていけばいいじゃないのか、そういうきめ細かな対応を、人の中の組織も含めて一人一人の農業者にまで行き届くようなふうにしていただきたい、こう思うわけですけれども、そういう仕組みというのは、先端の方までどのような形でこれを行き届かせようとしておられるのか、現状も含めて、その面も改善されるところはあるんですか。
○東(久)政府委員 従来、農業関係の金融につきましては、それぞれ新しい制度その他を説明会等を開きますとともに、相談窓口を通じてパンフレットというようなもので、宣伝といいますか、周知を図ってきておるわけでございます。 今回のこの制度というのは、非常に私は農業者のためにいい制度だというふうに思うものでございますから、もう既に準備をさせておりまして、「スーパー総合資金制度の誕生」というようなパンフレットの準備などをいたしておりまして、法律が成立し、この制度が発足するときには遅滞なくPR活動に努めたいと思っております。それは、相談窓口というのは農協であり市町村であるということでございます。また、普及員等においても徹底をして、農家への周知を図っていきたいというふうに考えております。
○松下委員 予算委員会の総括質問のときにもいろいろ総理に申し上げましたけれども、地域というのは、北から南まで事業の中身によって、例えば生活関連で公園をしなければいけない、下水道をしなければいけない、これは重点的に伸ばすんだ、そして、農業や漁港というのは、これはもう要するに社会基盤として一定の整備まできたから、これはもう徐々にやっていけばいいんだ、Cランクだというような形で、事業別の形でいろいろなものを、国内の地域に対する予算をランク分けしようとしておられますけれども、本当はそうではなくて、地域ごとにそれぞれ特徴のある地域発展計画を持ち、そして自分たちの地域の未来像を描いているわけですから、そういうところに一概に、これはAランクだから道路だとかこれだというようなやり方をしていくことについて、私は政府の姿勢は正しくないということを予算委員会でも申し上げて、そして地域の発展のためには総合的にやっていかなければいけないんですよというお願いを申し上げておるわけでございます。この農業の問題につきましても、これは北海道から沖縄までそれぞれの地域で、やはりそれぞれの地域が課題を抱えておりますから、もう少しきめ細かに一つ一つ中を、地域を見ていただいて、こういうものがきっちりと生かされていくように、せっかく改善されるわけですから、そういう進め方をぜひしていっていただきたいというふうに思っているわけでございます。 あと、これは、利子助成によりましてその基盤強化というものをしていくことになるわけですけれども、この強化資金の金利の引き下げというものが、これはどのような形のもので、いつまで続けられていくとしておられるのか、そういう将来の見通し、どのように考えておられるのか、そこをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○東(久)政府委員 先生御承知のとおり、こうして法律の中にきちっとこの制度を位置づけていただくとともに、今御指摘の金利の問題でございます。 金利は、この制度では三・五%という金利で、この公庫の資金の最低の利率の資金というものを手当てするわけでございますが、先ほど私が申し上げましたとおり、農山漁村振興基金というところへ五十億円で一応基金をつくりまして、そこからこの利子補給をいたしまして、当面は現行の財投金利の状況では二%の金利で貸し出されるように手当てしておるわけでございます。これにつきましては、六年度予算の財源措置ということになっておりますので、今後の問題でございますが、今後当分の間は、こういうことを継続していかなければならぬというふうに思っておりまして、七年度以降の財源措置については今後の検討ということになりますが、それらについて我々は努力していきたいというふうに考えております。
○松下委員 やはり地元の期待を担い、新しい農政の中できっちりと位置づけられた経営体の育成という形で、仕組みをつくりかえていこうということでございますから、ひとつ弱者に対する配慮をきっちりとしていく、そしてまた、それが立ち上がっていくことの本当の糧になるようなそういう努力をやり続けていただきたいということをきっちりとお願い申し上げたいと思いますので、もう一度よろしくお願いしたいと思います。 そして、それにあわせまして、農業関係で融資、それから無利子貸し付け、いろいろございます。後でまたお聞きしようと思っていますけれども、ハウス栽培についても、個人の補助などをやめて今度は無償の融資にしていこうというような切りかえもしておられるようでございます。そういう農業関係の金融制度、それからそれに係る無利子の貸付制度、そういう体系をどのような考え方で、これはそういう金融制度でやっていこう、これはひとつ無利子で貸し付けていこうというふうに分けておられるのか。それがきちっといろいろな制度の中で皆さん方一人一人わかるように、農業者にわかるように浸透していっているのですか。その辺をどんなふうに体系づけて考えておられるのか、ひとつ基本的なところをお聞かせいただきたい。
○東(久)政府委員 農業関係の主要な金融制度といたしましては、いわゆる農林漁業金融公庫資金、我々公庫資金主言っているものでございます。それから農業近代化資金、これが二つ目。これは系統の農協等の資金を使って利子補給を国、県がやっていくという形になっております。三番目が農業改良資金、先ほど先生のお話にございましたとおり、無利子の資金でございます。 公庫資金の方は、一般金融機関では融通することが非常に難しい、農業政策上ぜひ必要な長期の低利資金、非常に長期資金を中心に、したがいまして施設資金が中心になると思いますが、そういうものを融通しております。これは、財源としましては財政投融資資金を活用してやっておるわけでございます。 それから、近代化資金でございますが、先ほど申し上げましたとおり、系統資金、いわゆる農協、もちろん一般金融機関も活用できますが、それに対して国及び県が利子補給をやるということでございまして、これは経営一般の資本装備の高度化を図るということで、例えば機械でございますとか耐用年数の短いものというような形で、比較的期間の短いものを対象にいたしております。 それから、改良資金でございますが、これは財政資金を原資にいたしまして、非常に限られたものでございますが、先駆的、モデル的な農業技術を普及するということでやっている資金でございます。これは、ある意味では補助金と他の制度資金との中間的な性格を持つもので、原則として普及所が中心になって活用していくという資金でございます。 以上でございます。
○松下委員 せっかく将来の農業を見通しながら足腰の強い農業にしようというお話で始められる大切な資金の運用にかかわることでございますから、その中心が新しい農業の担い手、そして農業をやろうとする人たちの意欲をやはり高めていくような形の運用になるような、そういう形の使い方を実際の場面できっちりとやっていただくような努力をしていただきたい、これをよろしくお願いしたいと思います。 私も、月に一度、農業青年たちといろいろ話す機会を持っておりまして、いろいろお聞きしますと、こういういろいろな制度があるにもかかわらず、それがきっちりと先端の方の人たちにまで納得いくような形に使われているとは思えない。そしてまた、十分に説明も行っていないということも十分感じられるところもありますから、きっちりとした行き渡りができるような仕組みを徹底していただきたいということをお願いを申し上げておきます。 野菜の生産高度化資金等の拡大について、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。 この野菜生産高度化資金、これは農業改良資金ということでございますけれども、ここにいろいろ資料をいただきまして勉強させていただきました。いろいろな要望がございます。昔は、農業というのは自然、天然を相手に、そしておてんとうさまの次第によって生産高が決まってくる。そこで喜びと悲しみがある。そういう農業をやってきたわけです。お米なんか、まさにそうでございますけれども、そこから飛び出して、農業というものをそういう産業の中に入り込むような仕組みにしたい、そういうことで始まったわけでございます。いきなり日本の農業というものがそういうおてんとうさま次第のものから資本主義社会という、そういう市場経済の中にほうり込まれるという中で、その流通の中に入っていくということになりますと、それはそれなりに、他の生産調整ができる、何かしていくというようなほかの物品とは違う、保存ができるものとも違う、特別ないろいろな苦労があり、工夫が中にあるわけでありますから、そういう中で高度化資金というものがいろいろ生かされてくるわけです。 これについて、ハウス栽培等について、そういうような個人の補助というものが今度打ち切られて、そうして無利子資金ということに切りかえていかれるというような話を聞いておりますけれども、どのような状況が起こって変化が起こり、どのような認識を持ってこういうものを変えていこうとされておられるのか、そこについてのお話をお聞きしたいと思います。
○鈴木(久)政府委員 野菜生産におきまして、施設園芸という手法によるものが大変重要性を増してきておるということは事実でございますけれども、一方でこの施設園芸につきましても、中身によってかなり収益性の差があるという状況がございます。また、従来から補助対象になっておりましたものが、総合環境制御型温室といいまして、温度、湿度あるいは炭酸ガスの濃度、土壌水分、こういったもののうち、三種類以上のものを制御するものにつきまして補助対象にしておったわけでございますけれども、最近におけるモデルの温室としましては、ほぼ全国的に配置がなされつつあること、一方で、技術が進みましてリスク性が改善されつつあること、また、今後幅広い普及促進が必要であるということから、従来の補助対象事業から農業改良資金の方に移行したわけでございます。しかしながら、この重要性につきましてはいささかも変わっているわけではございませんので、農業改良資金の中におきましても、この総合環境制御型温室につきまして、従来、補助事業の場合には三種類以上の制御をするといったものを二種類以上に緩和をしまして、引き続き、この無利子資金で普及を図ってまいりたいという観点から、こういった形で補助から融資の方に切りかえたわけでございます。
○松下委員 農家にしましても、数々の非常に多様な経営を試みようとしておられます。そしてまた、その資金の中身が、これは補助、これは個人負担でいろいろ貸し付けてくる、これは返していかなければいかぬというようないろいろなことがありますから、ある一定の立ち上がるまでの助走期間があり、そして立ち上がって順調にうまく走り出したというような、そういういろいろな段階がそれぞれありますので、そういう農家のいろいろな試みに対して、それぞれの段階ごとにやはりきめ細かな援助があってしかるべきではないか。補助があってしかるべきだし、いろいろな資金の貸し付けがあってしかるべきではないかと思いますけれども、その辺をただ一律に、こういうものの要請が来たから、はい、これはこういうものがありました、こうやりました、できませんでした、それでもう終わりとかいうような形ではなくて、育成していくということを段階ごとによく見ながらやっていただきたい、こう思うのです。その辺の基本的な考え方を間違えないようにしてもらいたいと思いますが、お考えを伺いたいと思います。
○鈴木(久)政府委員 この施設園芸野菜、先ほど申し上げましたように、従来総合環境制御型温室につきまして補助対象にしておるわけでございますけれども、そのほかに代替エネルギー温室と申しまして、地熱とか太陽熱等を利用した共同利用温室、こういったものもあるわけでございます。私どもとしましてはその全国的な普及状況とか、あるいはリスクの観点、あるいは今後の普及促進のあり方、こういったものを総合的に勘案しながら、先ほど申し上げましたように、総合環境制御型の温室につきましては、従来の補助対象から要件を緩和して、農業改良資金の無利子資金に移行したわけでございますけれども、今後とも、さらに普及といいますか、モデル的にも普及促進を図る必要がある石油代替エネルギー利用型の共同利用施設につきましては、引き続き補助対象にして続けていくといったような形で、中身の普及状況その他を勘案しながら、弾力的に補助あるいは融資によって対応しているところであります。
○松下委員 予算委員会のときにも地域の発展計画をつくるその核になる地方拠点都市についてお尋ねしましたけれども、出発するときはみんな気勢を上げてよくなるんです、いいんですよ。そして、始めるときもよくやるんです。そして、いろいろお金を貸し付ける、それから話を聞いて始めるところはいいんですけれども、今度は動き出してからの一つ一つのレビュー、反省、そして一つ一つのものがきっちりとそれぞれの農家が考えているような方向に進んでいっているのかというところのチェックとかレビューがなされていないんですね。そこのところをきっちりと一つ一つやり続けていく努力をぜひしてもらいたいと思うのですよ。農林大臣、そこのところをぜひ皆さん方にもきっちりと話をしていただきたい。出すだけではない、後のレビューをして、改善をしていくことの努力をやり続けてもらいたい、そこだけお伺いしたいと思」います。
○東(久)政府委員 従来からいろいろな形での指導体制というのは、特に融資というものを受ける場合には、農家自身にもその意識がございますから、また融資を行っている機関というものも大変関心を持って指導するわけでございますが、今回の資金につきましては、いわゆる基盤強化法に基づく認定農家でございまして、これはもう地域で育てていくべき農家でございますので、市町村、県を挙げて指導をしていってくれるものと期待しておりますし、また我々もその点を強く要望していかなければならぬと思います。 なお、先ほどの立ち上がりのときの資金の問題でございますが、今度の新しい制度では、認定農家として新規就農を含めた形での、要するに将来性のある農家であればこの金を借りられることになりますので、従来よりも幅広く借りられますし、それから当初非常に苦しいときがございますので据置期間というのを置いておりまして、例えば今度の基盤強化資金の場合には二十五年の返済になりますから十年間据置期間を置くことができることになっておりまして、そういう面で立ち上がりのときにしっかりした経営をやっていけるような形をとっていってもらいたいというふうに思っておりますし、また我々もそれを心がけていきたいというふうに考えております、
○松下委員 モデルとなる農業経営体を育成していく、認定農業者というものをきちっと認定した上でモデルとなるようなものを仕上げていこうとするわけですから、ひとつ気合いを入れてきっちりとやっていただきたい、このようにお願いを申し上げておきます。 あと、農業の機械化に関することをちょっと教えていただきたいと思っておりますけれども、最近いろいろトラクターがひっくり返ったりして死者が出たり、けが人が出たりしております。でこぼこの激しい農地の中で作業していくということがございます。先ほども地域の声をお届けしましたけれども、例えば圃場整備の区画規模というのが少し小さいんじゃないか。そこに大規模な農業機械を入れてくるというようなことになると、なかなか小回りのきくようなそういう機械の操作ができない。あるいは、小規模農業の機械購入にかかる負担が非常に大きいというようなことも出ております。確かに、大規模につくる、たくさんつくるいろいろなほかの生産品と違って、やはり農家相手にそうたくさん一挙に売れるというわけでもありませんでしょうし、非常にきめ細かな工夫も要ると思うのですけれども、こういった農業の機械化の現状、そしてそこから来る反省を含めて、新農政の中でどのようなふうにこの機械を導入しながら対応していこうとしているのか。これは、人の育成に絡み、高齢化に絡み、非常に大切な分野でございますから、ぜひお聞かせいただきたいと思いますけれども、よろしくお願いします。
○日出政府委員 農業の機械化の問題につきまして、先生から幅広く御指摘があったわけでございます。 農業の機械化の問題につきましては、幾つかの問題があろうかと思います。一つは、先生お話しのような、機械化に伴います安全対策の問題でございます。死亡者が、大体農作業の事故では年間三百七、八十人ということで、人口比でいいますと、ほかの建設業とか運輸、交通業に比べますとはるかに少ないわけではございますが、気になりますのが、実は六十歳以上の高齢者の方々の事故が多いわけでございます。こういうことで、実は事故対策ということをしっかりやらなければいかぬということで、私ども、いろいろモデル地区をつくるなり、あるいは一番問題なのが乗用トラクターの転落とか転倒事故でございますので、倒れたときの安全キャブ・フレームの装着等について推進しているわけでございますが、これをもう少し進めていかなければいかぬ、こういう問題が一つございます。 それからもう一つは、先生御指摘のように、安い機械といいますか、機械化の費用が結構なウエートになっているわけでございますので、水稲作でいいますと約二〇%が機械代ということになりますので、この機械の費用をどうするかということでございます。これにつきましては、まさしく商業用に出しているわけではございますけれども、台数がやはり基本的にほかの建設業の機械等に比較しますと大変少のうございます。そういう意味で、部品の共通化でありますとかそういうことを進めていって、なるべく安い開発費用、あるいは製品化の費用も安くするということももう一つのねらいでございます。 そこで先般、私どもは新農機と言っておりますが、部品の共通化のための新しい会社をつくるといったようなことも実はやっておるわけでございますが、この点につきましても、さらに、水稲だけじゃなくて最近果樹とか野菜とか幅広い分野で農業の機械化ということが要請されております。そういう面についても、大いに施策を強化してまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
○松下委員 ありがとうございました。 機械化の問題は、先ほども申しましたけれども、これは本当に高齢化にかかわる、その中でそういう人たちが機械を操作をしていくということ、それから日本の農地に適したものを開発していかなければいかぬわけですから、その辺の努力をこれからも続けていっていただきたい、そのように思います。 森林についてお尋ねしたいと思います。 森林浴の香りのするこのポケットチーフを持っているので、ちょっと皆さんにお配りしてよろしいでしょうか。委員長が許可いただければ……。 森林の質問をしますので、ちょっと森林の香りのするさおやかなもので頭をすっきりしてもらって、ポケットに入れて、そしてお話を聞いていただきたい、すきっとしたお答えをいただきたいと思います。 予算委員会のときにも総理大臣にも農林大臣にもお尋ねいたしましたけれども、森林・林業のあり方について、私は、小手先の改善をすることではなくて、根本のところからぜひ今この機会に仕組みそのものを、国民に訴え、世論を喚起しながらつくり変えていくことが必要ではないかということをお話を申し上げました。ともすれば木材の生産の場、林産物等の生産の場を真ん中に据えて、そして森林の持っている公益的機能というものをどこか横に置きながらやっていくというような森林のあり方が、国有林においても、また民有林においてもそのようなあり方がずっと続けられてきたのではないかと思っているわけです。そして、一方のいろいろな世論では、森林は残すべきだ、きちっとしろということを声高に言いながら、やはり根本のところをきっちりと改善し、仕組みを切りかえていかない限り、そういう仕組みがある限り、木を切らなければいけないし、植林していかなければいけませんし、それを育てていかなければいけない、そういうことになりますと、どこかやはり矛盾するやり方でしていかなければならぬことがあるだろうと思う。そういう森林のあり方の根本のところをきちっと見直す、そういう努力をしておられるのかどうか。森林というものを、大臣、どのようなふうに見ておられるのか。そして、いい森林を子孫に残すために、仕組みそのものをきっちりと組みかえていくような形のものにしていかなければいかぬと思いますけれども、大臣、まず最初に、森林をどのように見ておられるか、将来どうしようとしておられるのかを、仕組みの問題も含めてお答えをいただきたいと思います。
○加藤国務大臣 今いろいろ松下委員からも森林の重要性についてお述べになりましたが、私も全く同感でございまして、単に木材、木材産業の立場からだけ考えていたら大騒動になる、こうも思っておるわけでございます。 私が改めて申し上げるまでもありませんが、森林というものは緑と水の源泉であり、そして地球環境の保全、豊かな国民生活の実現のためにも、これを大切に、立派に整備して次の世代に引き継いでいかなくてはならぬ、こう考えております。そして森林計画制度、保安林制度、林地開発許可制度等の適切な運用を図りながら、治山、造林、林道事業の計画的な推進により、先ほど申し上げましたが、木材供給のみならず、その公益的機能というものを適切に発揮する森林の整備を図っていくことが大切である、こう考えております。
○松下委員 大臣のお話はそれで話として非常に立派なのですけれども、森林に対する根本の仕組みを、経営する、そしてそこで木材やら林産物を売ってもうかって、その上がりで一つの会計をつくり、そしてそれでまた木を植えて残していくというようなことでいきますと、例えば今外材が七〇%も入ってきている、そう聞いております。国内の生産というものがもう三割ぐらいだと。こういう状況が今後どんなふうに世界の趨勢として進んでいくのか、そういう状況の中にありながら、森林というものを、そういうような生産の場としての位置づけからやはり転換していこうとするにしても、もっと大きな根本的なところにメスを入れていく、もっと国費を投入していく、そして森林というものの考え方を、国民の遺産として残していくというやり方をしていくような、仕組みそのものに対する取り組みも必要なんじゃないか、そう思っておりますが、ひとつお考えをお聞かせください、林野庁長官。
○塚本政府委員 近年森林に対する国民の期待、要請というものが、従来の木材生産とか国土保全といったものを中心としたものから、自然保護の問題でありますとか、あるいは森林レクリエーション、森林教育、こういったものに関連するものまで、大変幅広く、大きくなってきているところでございまして、私どもといたしましては、特にこの公益的な機能というものを充実させる形で森林の整備を進めていかなければならないと思っておるところでございます。その意味では、保安林制度等を活用いたしまして、そうした公益的な森林の整備を進めてまいりますとともに、特に国有林につきましては、全国有林を、国土保全林、自然維持林、森林空間利用材それから木材生産林、この四つの森林に区分をいたしまして、それぞれ同森林についてその機能が最も発揮されるような山の取り扱いをしていこうということにいたしているところでございます。 ただ、将来の日本の健康で質の高い国民生活というものを実現していくということを考えた場合に、やはりすぐれた素材であります木材生産については今後とも引き続き大きな需要があるというふうに考えておるところでございます。ただいまのお話にございましたように、国内木材需要の七五%が海外から輸入されているわけでございますが、海外の資源事情につきましては、産地国の環境問題、あるいは自国の木材産業の保護等々からいたしまして、非常に不透明な部分があるわけでございまして、今後とも、木材そして公益、両方にらみながらやはり我が国の森林というものを管理、経営していかなければならない、このように考えておるところでございます。 しかし、いずれにしましても、この公益的機能に対する要請というものが大変大きくなっておりますので、木材生産をするに当たりましても、その仕方等々につきましては、環境等々に十分配慮する形で実行してまいりたいと考えておるところでございます。
○松下委員 一つ視点が、国民の財産である森林というのは次の世代にきっちりと引き継いで、そして次の人たちがその森林の効果というものを十分に共有できるようなものに仕上げていくという姿勢をきっちりと忘れないでやっていただかなければいかぬな、こういうふうに思っています。国土というものを今の世代だけでいじくって、今の世代の人間だけでああする、こうするというようなことを決めていくのは非常に危険だし、僣越だというふうに私は思っておりまして、次の世代に残していくものをきちっととっておく、そしてまた、そういうものを今しなければいかぬと思ったら、今からそういうものを始めていく努力をしていただかなければいけない、こういうふうに思っておりますので、そこのところを加藤大臣以下、よろしくお願いしたいと思います。 そういう意味で、今回のこの林業等振興資金融通暫定措置法に関連するいろいろな制度の問題についてよろしくお願いしたいと思っているわけであります。 あと、民有林の経営のことについてでございますけれども、その活性化そのものについてどのように取り組んでいこうとしておられるのか。ともすれば農業だけが問題になっておりますけれども、担い手の不足の問題、その育成確保、それから低コスト化ということについての取り組みについてお聞かせいただきたいと思います。
○塚本政府委員 森林に対する国民のいろいろな期待、要請が大きくなっているにもかかわらず、そうした森林を守り育てていくべき山村あるいは林業というものが大変厳しい状況に置かれておるところでございます。我が国の森林の約七割は民有林が占めておるわけでございまして、そういった民有林の林業の経営の活性化を図っていくということは、我が国の森林を適正に維持管理していく上でも大変重要なことであるというふうに考えております。 このため、流域管理システム、こういったものを基本といたしまして、多様で質の高い森林を整備していこう、そしてまた、基盤整備の推進あるいは林業の担い手の養成確保、そしてまた、木材の低コスト安定供給体制の確立、こういったことを目指しまして、各般の施策を総合的に推進いたしておるところでございます。 特に、担い手の養成確保につきましては極めて重要な問題でございまして、森林組合等事業体の体質の強化を図る、あるいは林業機械化の促進を図る、こういったことによりまして林業従事者の就労条件の改善に努めておるところでございます。また、本年四月から労働基準法が全面的に適用された、こういったことも労働条件の向上の上で大変大きな力になっているということでございますので、こういったものについても今後定着を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
○松下委員 そのような国有林、それから民有林を含めまして森林を次の世代に残していきたい、そして経営体そのものもきっちりと足腰の強いものにしていきたいということであるわけですけれども、今度改善しようとするこの中身が、これまでの制度と比べて、どこがどんなふうに悪かったからこれをどんなふうに改善していくのだというその主要な点、メリット、どういうふうにこれを生かしていこうとしておるのか、そこをお聞かせいただきたいと思います。
○塚本政府委員 今回無利子資金の制度を創設するということになっておるわけでございますが、これは、近年我が国の林業を取り巻く情勢が大変厳しい中で、例えば林業の利回り、こういったものが一%を切る、こういう状況になっておるわけでございまして、林業経営が大変厳しい、こういうことになっておるわけでございます。こういったことに対処いたしまして、経営コストの大幅な低減を図り、林業経営を一層改善し、将来にわたって森林の整備を着実に進めることを目的といたしまして今回の無利子資金の制度というものをお願いいたしておるということでございます。 この無利子資金の貸し付けに当たりましては、複数の森林所有者と森林組合等とが、相当規模の森林について施業の受委託契約を締結するということが一つの条件になっておりますし、また、高性能機械化に対応し得るような作業路等の路網の整備を行うということも一つの条件になっておるところでございまして、このことによりまして、森林組合等を中心とした組織的かつ効率的な森林施業の実施が可能となるわけでございます。また、路網の整備、高性能林業機械の導入によりまして、育林、素材生産の双方において生産性の向上が図られるものというふうに考えております。 また、林業経営コストの大宗を占める造林資金に対しまして無利子資金を貸し付けるということでございまして、森林所有者の直接的な利子負担の軽減が図られる、こういうことも大きなプラスの面ではなかろうか、このように思っておるところでございます。
○松下委員 今いろいろお話をいただいております。この中を見ますと、いろいろ御質問したいこともたくさんございますけれども、先ほど農林漁業金融公庫の方でもお尋ねしましたけれども、この制度による金利引き下げ、これをいつまでこうして続けていかれるのか、これは非常に大事なところでございますから、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
○塚本政府委員 無利子の造林資金の貸し付けは、林業等振興資金融通暫定措置法を根拠といたしております。この法律によりまして、林業をめぐる厳しい情勢に対処して、当分の間の措置として、「当分の間」というのは法律の中に書いてある言葉でございますが、当分の間の措置として金融上の暫定措置を講ずる、こういうことになっておるわけでございます。そして、この「当分の間」と申しますのは、これまでの国会におけるいろいろな論議等からいたしまして、戦後植栽された森林が本格的な伐期に到達し、林業の収益性が安定的に確保されるまでの時期、こういうふうに私ども理解をいたしておるところでございます。 それで、本格的な伐期に到達する時期ということでございますが、現在は平均的な伐期が昔に比べて随分延びておりまして、五十五年から六十年程度となっておるわけであります。そして一方、現在の人工林の齢級状態、林齢の状態を見てみますと、八齢級、つまり四十年生以下のものが面積的に大部分を占めております。したがいまして、これらが五十五年あるいは六十年、こういったところで伐採される時期、ただこれについては今後さらに伐期が延びていくということ等もありますので、大体そんなところが「当分の間」ではなかろうかなというふうに思っておるところでございます。 なお、林業の収益性が安定的に確保できる時期ということにつきましては、今後の木材価格の動向等、いろいろ難しい要素がありまして、なかなかいつかということを申し上げるわけにまいらないわけでありますが、私どもとしましては、先ほど申し上げました本格的な伐期に到達する時期までに国内の生産、流通、加工体制等の整備を行う中で、林業の収益性につきましても安定的に確保できるようにしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○松下委員 これを読ませていただきますと、農林漁業信用基金が推薦した林業経営改善計画の認定を受けた者に対して長期かつ無利子の資金の貸し付けを行う、こういうふうになっておりますけれども、この推薦した林業経営改善計画の認定を受けた者、この推薦される資格あるいはその条件、そのようなものはどのような形になっておるのでございましょうか、ちょっと概略で結構でございますが。
○塚本政府委員 先ほどちょっと触れましたけれども、相当規模の森林をまとめて経営受託をしていく、こういうことでございまして、地域の森林所有者が森林組合等に自分の持っている森林を委託をする、そのトータルが五百ヘクタール規模になる、こういうことが一つの要件でございますし、また、高性能林業機械等に対応し得るような作業路網、こういったものを整備する、こういうことも一つの認定基準の要因となっておるとこでございます。 細部につきましては、現在いろいろと検討中でございます。
○松下委員 いずれにいたしましても、お話がありましたように、三十年、四十年と非常に息の長いローテーションの中での森林育成ですから、その間にいろいろな災害が発生する、病気になる、いろいろな森林の持つ機能が発揮されなくなる、そういう場面にも出くわすわけでございますから、そういうことにぴしっと途中の段階においても対応できるような、そういう育成の仕方に努めていただきたいというふうに思います。 時間もなくなりましたので、あと一つお尋ねして終わりにしたいと思いますけれども、森林の公益機能の増進ということと、それを含めた森林整備の今後の長期的ビジョンということでございます。 これは御承知のない人が多いと思いますけれども、いろいろ調べておりまして、勉強しておりましたら、北海道の襟裳岬というところで森林が魚を呼ぶ、そういう事実があったということを知って、なるほどなと思ったんですけれども、襟裳岬で数十年前に沿岸の人たちが森林を切ってしまった。そこはシャケの宝庫であり、ウニの宝庫であったわけですけれども、それが森林を伐採したために、森林が荒れ、川が荒れ、海が荒れて、一斉にその地域からそういう海産物がなくなってしまった。そこを、今度は沿岸の人たちがこれではいけないと思って、四、五十年かけて植林を始めて、山に復元していった。そうすると、そこでまた新たに森林を求めてシャケとウニがたくさん繁殖するようになってきた、上ってくるようになった。そして、今ではその前の状態よりもはるかに多い漁獲高を上げるようになっているということを知ったわけでございまして、非常に驚きとともに喜んだわけでございますけれども、そのような見えない大きな効果があるということです。それから、先ほども申しましたけれども、森林というのは、そういうものの積み重ねがあって、次の世代に必ず残していかなければならないということをみんなに知っていただきたいと思うわけでありまして、そういう意味で、将来の森林の整備のビジョンというものをどのようなふうに考えておられるか、もう一度お伺いしたい。 これで終わりたいと思います。
○塚本政府委員 これまで先生からお話がありましたように、森林というものはまさに国民共通の財産であるわけでありますし、また生産期間が大変長いということでありまして、長期的な展望に立った森林の整備というものを行っていく必要がある、このように考えておるところでございます。 森林の整備につきましては、昭和六十二年に森林資源に関する基本計画というものを定めております。これは大体四十年間の計画、見通し、こういったものを定めているわけでございますが、それに基づきまして、さらに全国森林計画、これは農林大臣が五年ごとに十五年間の期間の計画を定めております。さらに、都道府県知事が地域森林計画、これは期間十年、やはり五年ごとにつくるものでございますが、こういった非常に超長期の計画から比較的中期の計画、こういったものをきちんとつくりまして、それに基づきまして、木材の供給のみならず、先ほど来申し上げておりますように、国土保全でありますとか、水資源の涵養でありますとか、自然環境の保全、こういった公益的な機能につきましても十分に配慮いたしまして森林の整備を進めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○松下委員 息の長い努力をしなければいけない森林の問題でございますから、ひとつ気合いを入れて、途中またいろいろなアクシデントもある森林の経営ですから、そして森林管理ですから、十分に注意しながら次の世代にいいものを残していっていただきたいというお願いを申し上げておきます。また、大臣、ひとつこれからもよろしく森林のことを、先ほど冒頭に申し上げましたように、次の世代に国民の宝として残していくということをきっちりと頭に置いて努力をいただきたいと思っております。 そしてもう一つ、これは小さいことかもしれませんけれども、報道や新聞、いろいろな記事を見ておりますと、農林水産省を略称して農水省と言っております。けしからぬと思っているんですよ。そこに森林に対するいろいろな人たちの見方を落としてしまっていることがあるんです。これは、大臣、はっきりと農林水産省と言わせるようにしないといけないと思いますよ。農水省、農水省と言いますと、じゃ、農林水産省の森林の問題はいいんですか、こうなるのですよ。ここはきちっと申し入れて、はっきりと農林水産省と発言し、書くということをきっちりとそういうふうにしてください。ひとつ大臣、お願いします。
○加藤国務大臣 森を大切にし、森林が持つ多目的機能といいますか、公益的機能についてもじゅんじゅんと説かれました。全く同感でございます。私たちは、先ほどもお答えしましたが、森林というものを大切にして、そして立派に整備して二十一世紀に伝えていかなくちゃいけない。そのためには、民有林、国有林を問わず幅広い視野に立って、整備するものは整備していかなくてはいけない。 実は前々週、植樹祭がございました。私も参加させていただいて、いろいろ感慨深いものがあったのでございますが、そのとき、今松下委員が御質問になったのと、もう一つ新しい分野を実は発見しました。あなたが建設省におられたときは全国いろいろおやりになっておられましたのですが、今は鹿児島県御出身ということで、先ほどの答弁でお答えしなかったんですが、木を利用する場合に、切らなくても利用できる。それは、今言う環境保全とか国土保全とか公益的機能とはまた別の部分が一つ私はあるんじゃないか。 それは、農林の理事の皆さんにはちょっと申し上げたんですが、最近、シラカバから、一月間ぐらい芽が出る寸前に樹液が出る。この樹液をとりまして、飲むと大変美容と健康にいいそうでございまして、すごい今樹液のブームが起こってきておるようでございます。あるいはまた、そういうものも大切にしていかなくちゃならぬ。あなたが今お出しいただいたあの香りのよいというものも、前回私が農林水産大臣をやらせていただいたときに、大いにそれを奨励して、配れ、配れとあちこちに申し上げたことを思い出したのですが、今度は、新しい樹液というものが、さてこれからどれほど普及、なにしていくかな。 まあ何やかにやで我々の生活にとって、森林、木材、これを大切にしていかなくちゃならぬ。切ったら、一遍切って荒らしてしまったら百年かかるということを思いを新たにしていかなくちゃならぬし、世界的に見ても、もう大変な砂漠化が進行しておる。国内での我が国の林業だけでなしに、実は、きょう中国から林業大臣が来られまして、当委員会が済んだ後、私もいろいろ会談したり意見交換したり、我が日本としてできることは一生懸命しなければならぬという決意で会見をするようになっておりますが、世界的視野に立っても、私は、この林業問題というのは考えなくちゃならぬ、こう思っておるところでございます。 あなたの熱意、もうしっかり胸にいただいて頑張っていこう、こう思っております。御苦労さまでございます。
○松下委員 もう一つ農水省のことをお話しいただいておりませんが、農林水産省でございますので、そこをきちっと……。
○加藤国務大臣 私もときどき、農水大臣と言われると余り気持ちがよくないので、やはり農林水産大臣と言われたらいいと思いますし、農林省の看板には農林水産省とちゃんとこう看板が上がっておるところでございます。
○松下委員 終わります。よろしくお願いします。 ありがとうございました。
○竹内委員長 栗原裕康君。
○栗原(裕)委員 自民党の栗原でございます。 今、同僚の松下議員から質問がございました。そばで聞いておって、大変私も同じようなことを聞きたいということがございましたので、しばらく、もう少しその部分については突っ込んで質問させていただきたいと思います。 まず最初に、今提出されております二つの法律、農林漁業金融公庫法等の一部を改正する法律案、そして林業等振興資金融通暫定措置法等の一部を改正する法律案、この二つについて、PRの方法についてお尋ねをしたい、こう思うわけでございます。 先ほど、農林漁業金融公庫法等の一部を改正する法律案については、パンフレット等を出して、そして農協やあるいは市町村の窓口、そして普及員を通じて農家の方たちにPRするんだ、こういう御答弁だったんですね。それで、今度のこの法律では、農業者の自主的な創意工夫に基づく、つまり農業経営改善計画、これを認定した農家について出す、こういうことですね。 私ども地元を回っておりまして、要するに優秀な農家というか、非常にしっかりした農家というのは大体職人かたぎなんです。非常にきっちりやるんですね。職人かたぎという方は余り文書が書けないんですよ。だから、パンフレットを見せて、そして窓口へいらっしゃいというようなPRでは、とても私は現実に即していないと思うんです。むしろ、もっと普及員なら普及員、そういった方たちに巡回をしていただいて、そして書類をつくる手助けをするぐらいのことをやらぬとだめだと思いますけれども、いかがでございますか。
○東(久)政府委員 おっしゃるとおりだと思います。私の方も、先ほどパンフレットと申し上げましたけれども、農家の方に知っていただくということがまず第一でございますので、非常にわかりやすいパンフレットということでそれこそ実は満を持しておりまして、一枚で裏表ぐらいの形のパンフレットを用意いたしております。それをできるだけ早いうちに末端まで配布するとともに、今おっしゃいましたように、今度は会議等を通じてそれぞれの、普及員並びに農協の窓口、それから公庫の窓口等徹底して、それでその方々が本当に借り入れるとなったら、それこそきちっとした相談が必要でございますので、それに対応できるように、むしろ逆に積極的に対応していただけるように、これは認定農家の育成ということも心がけつつ、それが中心になりますので、その中でこれを大いに活用していっていただくような形をきっちりとっていきたいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。
○栗原(裕)委員 そういうふうにぜひお願いしたいと思います。農協も営農活動はだんだん、今の農協は総合農協でございますから、どちらかというと、農協の経営は今苦しいもので、こんなことを言うと農協に怒られますけれども、営農活動は余りやらないんですね。だから、やはり普及員の方たちにぜひ頑張っていただきたい、そのことを申し添えておきます。 林野庁の方にお尋ねしますけれども、この林業等振興資金融通暫定措置法、これは、要するに長い間無利子で貸す、こういうことですね。こういうことのPRはどういうふうになさいますか。
○塚本政府委員 林野庁に関連いたします林業関係の制度資金のPRにつきましては、これまで主として森林所有者の団体であります森林組合、こういったものを中心にしていろいろ行ってきたわけでありますし、また当然、受託金融機関等からのパンフレットの配布、こういったものも利用させていただいておるわけでございます。 今度の新しい無利子資金の制度につきましても、ただいま申し上げました森林組合、あるいは県の造林公社等の森林整備法人、こういった組織を通じてとりあえずPRいたしたいと思いますし、さらには、金融機関等からのパンフレットの配布やラジオの短波放送等をも利用いたしまして広く周知をいたしたい、このように考えているところでございます。
○栗原(裕)委員 ラジオの短波放送というのはよくわからぬですけれども、森林組合も、非常に職員で熱心な人もいるんですが、ただ名前だけあって組合長もほとんど出てこないという、そういうのも実際あるんですよね。ですから、これもよほど気をつけていただかないと、むしろこの場合は、私は、県の職員が積極的に回るぐらいのつもりでなければいけない、こういうふうに思っております、あるいは林野庁の職員の方たち、そういうふうに思っていますので、ぜひそのことも申し添えておきたいと思います。 次に、今松下議員からもございましたけれども、森林の持つ公益性というものが近年大変注目をされてきております。その中の一つとしまして、今松下議員が襟裳岬の例を挙げたのですね。そういうことについての御答弁はなかったのです、具体的に。これは何を松下さんおっしゃったかというと、要するに森林がしっかりしておれば魚も寄ってくるというのですね。沿岸漁業にも非常に役に立つというのです。例えば養殖のカキをやる。その背後の山が非常に広葉樹で滋味豊かで、落ち葉がいっぱいたまって、そこにバクテリアが入って、そしてそれが海に注ぎ込むと、その湾で養殖されているカキが非常においしい、要するに太っている、こういうことなんですね。今いそ焼け現象というのが起きまして、山が荒廃してしまっているので、沿岸が石ころだらけになってしまう。食物連鎖が崩れてしまっているわけですね。 そういうことで、まあ確かに魚つき保安林というのもありますけれども、林野庁はもっと、特に水産業、沿岸漁業に対して、森林の持っている公益性、こういうようなものをPRし、また具体的な対策というものをもしお考えであるならば、そのこともあわせて、どういうふうにしてPRするか、そして具体的なその対策というものを持っていらっしゃるか、そのことについて長官にお尋ねしたいと思います。
○塚本政府委員 森林整備とこの沿岸漁業の関係につきましては、ただいま先生からお話がございましたように、河川の上流域における健全な森林というものが栄養分に富んだ水を安定的に海に供給することによりまして、漁獲量の大幅な増につながる、こういったことがあるわけでございまして、その端的な例が襟裳岬でございまして、昭和二十年代にはそれこそ何もない襟裳岬に、その後関係者の大変な努力によりまして、草本類から始まって森林がよみがえることによって、昆布あるいは魚、こういったものが大幅にとれ出しているということがございまして、私ども、こういったものを参考にしながら海と森との関係というものを考えていかなければならない、このように考えておるところでございます。 また近年、そういったこともございまして、漁業者が積極的に山に木を植えるということも行われておるところでございまして、例えば北海道の漁協の婦人部に属する皆さんたちが、昭和六十二年から各地域で木を植えていただいておる、こういったことが各地で見られるところでございまして、私どももそうした漁業者の森林に対する期待にこたえるためにも、今後森林の整備に努力してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○栗原(裕)委員 わかりました。 次に、これは私の狭い経験で大変恐縮なんでございますが、例えば平成三年に私ども伊豆半島で大きな集中豪雨がございまして、伊豆半島の山が大分やられたのですね。去年、当委員会での調査に派遣をしていただきまして、九州、鹿児島、宮崎、見させていただいたのです。そうすると、大体がけ崩れとか山崩れが起きているところは、これは私の本当に狭い経験でございますけれども、どうも人工林が多いのですね。整備の進んでいないといいますか、間伐もろくにできない、あるいは下刈りもできないような、そういう整備の進んでいない人工林が非常に多いのです。一方、自然林、天然林と申しますか、そういうところは割と崩れていないように思えるのです。 これはいろいろな御議論があると私も承知しています。実際に針葉樹と広葉樹とでは保水効果は大して変わらぬのだというデータが出ているというのもわかりますけれども、確かに見ている限りにおいては、針葉樹の場合、つまり人工林でございますが、人工林の場合は、整備がきちっと進んでおるならば多分保水効果が広葉樹とは余り差はないのでしょうけれども、大体現状を見ていますと、整備が進まないのですよね。これが今一番大きな問題で、こういう法律も出ているのですから。ですから、その辺のところは林野庁はどういうふうにお考えになっていますか。
○塚本政府委員 災害に対して人工林と自然林がどちらが強いかということはよく論議されるところでございますが、これは林齢、林の年齢とかあるいはいろいろな土地条件によってまちまちであるわけですけれども、一般的には人工林の中でも細い径級のものについては自然林に比べて土壌崩壊防止機能というものが劣るというふうに言われております。それがだんだん太くなって同じになって、それからある一定の径級以上になれば、人工林の方がまた天然林よりもすぐれてくるというようなデータもあるわけでございます。したがいまして、この急傾斜地等につきましては、なるべく人工林化を避けて自然林というものを残していくということがこれまでも行われてきたはずですし、これからもやっていかなければならないことではないかなと思っております。 ただいまお話にございましたように、やはり整備がされていない森林というものは根の発達がよくないということで、災害に対しても弱いということでございます。したがいまして、災害に強い森林を造成、整備していくためには、人工林、天然林を問わず根径が深く広く発達した森林というものを育てていく、こういうことが必要でありますので、手入れの問題を含めまして、これから森林の整備に全力を上げてまいりたいと考えておるところでございます。
○栗原(裕)委員 要は、私は、もう自然林を、特に急傾斜とかそういうところについてはどんどん自然林を植えていく、そういう方法しかないと思うのですね。急傾斜のところも手入れよくやる、人工林を手入れよくやるというのはなかなか大変なんです。そういった面をぜひこれからも進めていただきたいというふうに思っております。 戦後の我が国の林業、森林行政というものをずっと考えてみますと、今言いましたように人工林一辺倒だったのですね。特に針葉樹、要するに杉、ヒノキを植えていくんだ。それは確かに、戦後荒廃した国土といいますか、いわゆる家を建てる、木材で家を建てる、そういう政策からするとこれは当然だと思います。しかし、現実問題は、日本人の家を建てようと思った人工林が育たないうちに、あるいは育ってきても山から切り出すためには費用がかかってどうしようもない、それよりも外材の方がよっぽど安いやというので外材がどんどん入ってくる。そして人工林は、例えば間伐をするにしても、間伐をしても引っ張ってくる費用がない。ましてや、前は間伐材というのは御案内のように建築現場の足場に利用できたのですけれども、今はもう全部パイプになってしまった。間伐材を持ってきても、それを運び出す費用もない。切り出す費用にもならない。こういう現状でございますから、どうしても針葉樹が荒れてしまっている、こういうことなんですね。 これについては今、複層林とかあるいは民有林と国有林とを流域ごとに整備するとかいろいろ市針があるし、それから、先ほどの御答弁でもわかりますように広葉樹、いわゆる天然林というものもどんどん植えていこう、こういうことでございますけれども、この方針というのはこれからもろずっと変わらない。つまり、戦後の林政というのは方針転換しているわけですね。針葉樹一辺倒で来ていたものを方向転換している。御案内のように、森林というのは二十年、三十年、五十年、百年の単位ですから、変わらない。これからは針葉樹一辺倒じゃなく、今やっているように天然林というものをふやしていくんだ、広葉樹をふやしていくんだ、こういう方針を堅持なさるつもりかどうか、これだけお尋ねしておきます。
○塚本政府委員 ただいま先生のお話にもございましたように、戦後、軍需用材で切られた山、あるいは復興資材を供給するために切られた山、こういったものをいち早く植林をして緑を回復する、そういう意味では成長度の早い針葉樹を植えるということが必要であったわけでございまして、我々の先輩を含む多くの方々の努力によって今一千万ヘクタールを超える人工造林地ができ上がっているところでございます。これにつきましては、確かに労賃の高騰あるいは外材の大量輸入、こういったことがございまして、整備が進んでいないということがございます。そこは非常に難しい問題ではありますが、やはり今後の日本の木材需要というものを考えた場合には、きちんとこれを整備いたしまして、経済的に利用する森林については経済的に利用をしていくし、また環境保全等々に活用していく、あるいはまた森林レクリエーション等に活用していく森林についてはその方向で整備を進めていくということが必要ではなかろうかというふうに思っております。 問題は今後の造林政策ということでございますが、昭和六十二年に森林資源に関する基本計画というものを定めまして今後の方向を一応出しているわけでございますが、この中では、従来の拡大造林を主体とした森林資源整備方針、先生の言葉で言えば針葉樹一辺倒と申しますか、こういう方針を転換いたしまして、針葉樹というものも適する土地にはもちろん植えていくわけでありますけれども、やはり広葉樹を造成する、あるいは天然林というものを育成していく、あるいは複層林というものを造成していく、こういったことをいたしているわけでございまして、こういう多様な森林をつくるという方針につきましては、今後とも引き継いでまいりたい、このように考えておるところでございます。
○栗原(裕)委員 わかりました。 今確かに人工林は一千万ヘクタール以上、こういうことでございます。ですから、数値目標というのはどこの国も嫌がるのですけれども、ある程度この数値は、一千万ヘクタールという今の数値を堅持していくのだということでいいのですか。数字でいえば、どういうふうになるのでしょうか。
○塚本政府委員 この人工林面積はこれから若干ふえるということではありますけれども、逆に現在人工林になっておるものを広葉樹林みたいなものに転換していくとか、あるいは針葉樹と広葉樹が両方入る山に転換していくとか、こういうこともやってまいるということでございます。
○栗原(裕)委員 わかりました。 次に、先ほどからいろいろ御議論があるように、森林の持つ公益性という観点から、私はたまたま県議会のときから非常に問題意識を持っておるのですが、学校林制度というのがあるのですね。これは明治二十八年に文部省が最初に提唱した、こう言っているのですけれども、要するに学校の生徒たちに科学知識とか愛郷心とか公共心、そういったものを育成すると同時に、昔は山が金になったわけでございますから、何がしかの収益を得て、それを学校のいわゆる財産にする。つまり学校の所有する森林というもの在設けて、そこに生徒たちが行って植林をしたり、下草刈りをやったり、間伐をしたり、枝打ちをやったり、そういうことをして、いわゆる森林の持つ公益性というものも教育で示した、こういうことなのですね。これは戦後もやっておるようでございますが、もう学校林制度を知っている人もほとんど少なくなってしまった。きょうは文部省の方も来ていらっしゃると思いますが、現状ではどうなっているのでしょうか。
○木曽説明員 お答えいたします。 学校林の現状ということでございますが、先生御指摘のように、学校林とは学校の基本財産として保有されている山林でございます。児童生徒の勤労体験学習の場とか、あるいは情操教育や体力づくり、あるいはレクリエーション活動の場として活用されておるわけでございますが、最近のデータで見ますと、小学校、中学校、高等学校において、全国四千五百十四校において学校林があるということ、そして二万三千ヘクタールほどの面積になっていると承知しております。
○栗原(裕)委員 現状はわかりました。 私はこれは非常にいい制度だと思うのですね。先ほどから繰り返すように、全然活用していないのじゃないでしょうか。その辺、現状はどういうふうに評価をなさっていますか。 続けて、現状の評価と、それから文部省の方針として、いや、もうこれはしょうがないんだ、時代の趨勢だ、こういうふうに思われるのか。それとも環境教育とかあるいは森林の持つ公益性という観点からどんどん進めていかなければいかぬと思っているのか、そういう答弁をお願いします。
○木曽説明員 お答えします。 この学校林については、文部省としましても教育上非常に意義のある制度だというふうに位置づけております。具体的には、樹木や植物の成長とか、あるいは昆虫や微生物の実態などの自然観察を行うような授業に活用できる、あるいは自然観察で得られた成果をもとにする理科、特に生物とか地学、そういう教科の学習、あるいは自然を利用した写生とか図画工作、特に美術の時間等への活用、あるいは植林、枝打ちなどをさせることによる勤労体験の習得等々、教育上非常に有意義ないろいろな活用の仕方があるというふうに思っておるわけでございます。文部省としても、この学校林が野外教育活動の場として、今後とも一層積極的に活用されるよう、林野庁とも連携しつつ、努力してまいる所存でございます。
○栗原(裕)委員 林野庁とも協力して、努力していくということでございますので、大変結構なことだと思います。 一つの例を挙げますと、静岡市で、校内暴力で物すごく荒れたあるマンモス中学校があったのです。校長先生が困り抜きまして、たまたま静岡の奥に井川という村があるのですけれども、これは大井川の上流でございますが、そこへ行って、一年生にまず最初に植林をさせたのです。それで、二年目に行って下草刈りをさせた。三年生になると修学旅行に行きます。京都や奈良の杉、ヒノキの美林を見せるのですね。君たちが三十年、五十年たつとこうなるんだぞ、こういうことを教育したというのですね。それによって、それだけじゃないかもしれぬけれども、校内暴力がぴたっとやんだ、こういうお話を私はじかに聞いておるのです。ですから、ぜひこの学校林制度ということについては、林野庁の方でも今緑の少年団とかをやっているのは、よく存じ上げておりますけれども、やはりシステマチックに学校教育の中に取り入れていくというのが私は大事だと思いますので、農林大臣も、今の私どもの議論を聞いておって、そのことをぜひ頭に入れていただきたい、こういうふうに思います。 もう一つ、学校林のことについてお話ししましたけれども、先ほどから何回も話すように、やはり日本の森林というのは国民全体で守っていかなければいけない。松下議員が、農林水産省と言うべきところを農水省と言うと。何か聞くところによると、林業というのは、都市住民の人はほとんど知らないのじゃないかしら。教科書にも載っていないという話もある。本当かどうか知らないけれども、あるのですね。日本には林業というものはないのだ、つまり都市住民は、子供たちを含めて山なんかに全然関心を持っていない、そういうような状況になってしまっていると私は思っているのです。多分、全部とは言いませんけれども、大分大勢の方がもう山に関心を持たなくなってしまった。そういった意味で、都市住民にいかに森林や林業に目を向けてもらうか。そういう施策についての現状、今林野庁はどうなさっているか、これからどうやってそういうことをしていくかということについて、お尋ねをしておきたいと思います。
○塚本政府委員 都市住民の森林に対する関心というものは大変高くなっていると思うのでありますが、林業に対する関心というものは大変低いというふうに認識しておるところでございまして、こうした林業というものに対する関心をいかに高めていくかということはこれからの我々の大きな課題ではなかろうかと思っております。現在、緑の羽根募金というものを春に行っておりますし、また緑と水の森林基金、こういったものの基金事業として都市住民に森林・林業のいろいろなPRも行っておるところでございます。また、国民。参加の森づくりを促進するための分以林事業というものも行っておりまして、都市住民の人がお金を出して山村で林をつくる、こういうこともやっておるわけでございます。また、都市と山村との交流あるいは森林・林業体験のための施設というものもいろいろな形で整備をいたしまして、そういうものを利用いたしまして、都市の人たちが山村というものに来て実際森林なり林業というものを理解してもらう、こういうことに努めておるところでございまして、今後とも森林というものを都市の住民あるいは特に青少年に知ってもらうためにいろいろな機会を利用して林野庁としても努力してまいりたいと考えておるところでございます。
○栗原(裕)委員 ぜひ、大変大事なことでございますので、あらゆる省庁と協力してこういうことをやっていただかなければいかぬ、こういうふうに思っております。 最後に、大臣にちょっとお尋ねをしたいと思うわけでございますが、平成五年十一月十五日号の「政府の窓 時の動き」というものですけれども、それに「特集 農業政策の新たな展開」、その中に前の農林大臣の畑英次郎さんがこういうことを書かれているんですね。「新時代の農林水産行政を求めて」こういうタイトルで、「より中長期的な政策の基本方針としては、私」「私」というのは畑農林大臣ですね。「「地方主権」を提唱しています。各地域の農林水産業は地形、気象条件等により大きく異なり、その振興を図るためには、その地域の特色に応じた施策が地域の自主的な取組によって講じられる必要があります。」こう書いてあります、そのほかにもいろいろありますけれども。これは今大変話題になっていますいわゆる地方分権ですね。このことについて畑農林大臣が積極的に進めていく、こういうふうにおっしゃっている、前の農林大臣が。私は、これはぜひ当委員会で質問させていただきたいと思っていたのですよ、非常にいいことですから。私も全く共感を覚えます。ところが、何か今度、予算を出しっぱなしでかわってしまいまして、通産相になってしまった。まあ、当然今の内閣というのは前内閣の政策を継承しているわけでございますので、今の大臣、ぜひこのことを継承していただくと思いますけれども、そのことをまず確認させていただきたい。そして、畑農林大臣のもとで今の予算をつくったわけですから、具体的にこの畑農林大臣が言っていることが今度の予算に生かされているかどうか、このことをお尋ねをしたいと思います。
○加藤国務大臣 私も畑前農林大臣と考え方は全く一にするものでございます。また、たしか先週でございましたが、行革本部に地方分権の新しく部会をつくりまして、積極的に、前向きにこの地方分権をやろうとお互いに申し合わせをしたところでございます。 もう私が改めて申し上げるまでもありませんが、一昨年農林関係の多くの皆さん方の英知を結集しまして、いわゆる新政策を議論し、決定していただいております。その新政策の中にも農村地域の置かれておる自然的、経済的、社会的条件に応じて各地域がみずからの選択によりその実施をやるということもはっきりうたっております。 それから、平成六年度におきましては、地域の自主性を極力尊重するという観点から四つ大きな柱を立てて実施しようといたしておるところです。そのうちの一つは、地域の励まし合いと合意に基づいて行う農業経営基盤強化基本構想の策定に必要な経費を計上しております。それから二つ目は、市町村が行う中山間地域活性化のための自主的な推進活動を地方財政措置との連携によって支援するための市町村資金の造成ということ。それから三つ目は、地方財政措置との組み合わせによる集落排水、農道、林道の整備を強く出しております。それから四つ目は、地域合意に基づく環境保全型農業の積極的推進ということでございまして、今後とも地域の自主性を尊重した施策を充実していきたいと考えておるところでございます。
○栗原(裕)委員 時間が来ましたので終わりますけれども、やはりこれから地方分権ということを言われています。私は、まさに農業こそ地方分権をしなければ、とてもじゃないけれども外国の農業に日本農業全体がまとまって太刀打ちしようと思っても無理だと思います。つまりそういう意味で、ぜひ今の予算に生かされている、四つお話がございましたけれども、さらにそういったものを積極的に進めていただきたい、こういうことを要望させていただいて、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○竹内委員長 石橋大吉君。
○石橋(大)委員 私は、林業等振興資金融通暫定措置法等の一部改正の法律案について質問をさせていただきたいと思うのです。農林漁業金融公庫の関係は、後で同僚の鉢呂議員から主として質問をさせていただきたいと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。 まず最初に、ガット・ウルグアイ・ラウンド林産物関税化交渉の決着が今後の我が国の林業あるいは林産物等に及ぼす影響についてどういうふうにお考えになっているか、このことをお尋ねをしたいと思うのです。まあ、御承知のようにウルグアイ・ラウンドにおける林産物交渉の結果、平均引き下げ率五〇%で合意をした。この関税の引き下げは、今回の協定が発効した場合に、一九九五年以降原則として毎年同じ幅ずつ引き下げを実施をして九九年までに完了をする、こういう予定になっているわけですが、木材輸入については既に一九六〇年代に自由化をされまして、数量制限なし、国境措置としては関税だけが残っているわけですが、この関税対象品目も非常に限られたものだ、こういうふうに言われているわけです。「農業と経済」六月号に木材流通課長の米山実氏の論文が載っていますが、これによりますと、平成五年のパルプを除く木材輸入総額一兆六千二百億円のうち有税品目の輸入額は約二七%にとどまっている、結果、関税負担率は二%程度になっている、こういうふうに言われているわけであります。 そこで、この際、お尋ねしておきたいことは、第一は、木材あるいは林産物輸入にかかる関税の現状がどうなっているのか。その関税の現状から、五〇%引き下げた場合どういう実態になるのか、ほとんどゼロに等しいものになるのかどうか。そして結論として、木材輸入の自由化によって外材輸入が増大し国産材のシェアはわずか二五%にまで低下をして、そして国内林業の長期的な低迷が続いているわけですが、今回のガットの交渉の結果による関税の大幅引き下げはさらに外材輸入に拍車をかけて国内林業に致命的な打撃を与えるのではないかというふうに心配されますが、そういうことはないのかどうか。まあ、もうほとんど関税化も数量制限も、譲るものは精いっぱい譲って、ここまで来れば今の現状からすればもう大したことはない、そういうふうに考えておられるのかどうか。これからの我が国の林業の将来にとって非常に重要な問題でありますから、また国際的な問題でありますから、この点、ひとつ大臣の方からまず最初に御答弁をいただきたいと存じます。
○加藤国務大臣 もう平素から林業、木材産業は、木材輸入の増大、木材価格の低迷などによって厳しい状況に置かれております。そして、それにかてて加えて今回のウルグアイ・ラウンド決着による関税引き下げにより輸入木材製品の競争力が高まり、さらに厳しい状況が予想されております。これらの状況を踏まえまして、林業、木材産業の体質強化を図らなくてはならぬ。そのためには、各般の施策を講じまして、引き続き適切に対処してまいる所存でございます。 具体的な数字につきましては、関係の長官、局長からお答えいたさせます。
○塚本政府委員 丸太につきましては既に無税になっておるところでございまして、今回の関税の引け下げは合板、製材、こういったものを対象といたしておりまして、対象品目は百品目ということになっております。 ただいま申し上げましたように、現在の平均関税負担率は二%でございますが、これが、関税が引き下げられたことによりまして一%に下がるということになっております。ただ、一%と申しますと一万円の材木に百円がかかるということでございますが、森林・林業、そして木材産業というものは大変厳しい状況に置かれておりますし、また、物によりまして、合板あるいはSPFと言われておるものについてはそれなりの、関税の引き下げ幅が大きくなってくるということで、地域の産業に与える、木材産業に与える影響というものも大変大きいというふうに考えておるところでございます。 こういった中で、林野庁といたしましては、庁内にいろいろグループを置きまして対応を検討いたしておるところでございます。今後具体的には、これまで進めてまいりました国産材の産地化の関係の事業を充実するということ、あるいは高性能林業機械、あるいは高品質の製材を製造するような機械、こういったものに対して助成をしていくといったこと、あるいは新規事業への転換、あるいはその設備廃棄、こういったものに対するいろいろな助成、こういったものも含めまして、国内の木材産業の体質強化、それから高品質化、こういったものを目指すように努力をしてまいりたいと考えております。
○石橋(大)委員 ぜひひとつ国内の林業を守るために頑張っていただきたいと思うのです。 続いて二つ目の質問ですが、世界の森林、特に熱帯林の急速な減少が続いている、こういうことに関連して、我が国の木材輸入についてお伺いをしたいと思うのです。 平成五年度の林業白書によりますと、FAOの報告によりますと、一九九〇年の世界の森林面積は四十億二千八百万ヘクタール。この世界の森林面積を一九八〇年と九〇年とを比較をすると、この十年間で我が国の国土面積の約二倍に相当する七千三百万ヘクタールの森林が減少した。さらに、一九六六年以降十年間の減少率は〇・一%、一九七五年以降十五年間は三・四%となっている。減少のピッチは早まっている、こういうふうに記述されているわけであります。 また、熱帯林の推移を一九九三年八月に発表された同じくFAOの報告で見ると、熱帯林の減少面積は年千五百四十万ヘクタールとなっている。これは我が国の北海道、四国、九州を合わせた程度の面積に相当する。そして、この熱帯林を中南米・カリブ海地域、アフリカ地域、アジア・太平洋地域の三つに分け、三地区それぞれの熱帯林面積と平均の熱帯林減少面積から、減少がこのままの速度で進んだ場合の熱帯林の消失までの年数を単純に計算すると、アジア・太平洋地域が最も早くて八十年、東南アジア大陸部では五十八年、次いで中南米・カリブ海地域が百二十四年、アフリカ地域が百二十九年になる、こういうふうに言われておるわけであります。 そして、このような森林の減少のもたらす地球環境の悪化から地球環境を保全していくために、ことしの一月の国際熱帯木材協定、ITTAの改定交渉では、新たに採択された協定の中に、国際熱帯木材機関、ITTOにおいて平成二年に採択されたいわゆる西暦二〇〇〇年目標、西暦二〇〇〇年までに、持続可能な経営が行われている森林から伐採された木材のみを貿易の対象とする、こういうことが明らかにされているわけであります。 熱帯林の消滅ということについては、特に我が国は大量の木材輸入国として、木食い虫だとか熱帯林の破壊者だとか、そういうような非難を受けている向きもあるわけでありますが、この西暦二〇〇〇年目標を本当に真剣に目指すことが国際的な義務として守られなければならないとすれば、今後は今までのように安易な外材依存を続けるわけにはいかなくなる、こういうふうに考えるわけであります。それは、一面いわゆる国産材時代の到来ともなるわけです。 いずれにしろ、ここで、西暦二〇〇〇年目標と我が国の木材輸入に対する態度、国内生産のあり方等について、やや中長期的な問題でありますが、非常に重要な問題ですから、林政当局の御見解を承っておきたいと思います。また、現状、持続可能な経営が行われている森林というものは一体世界でどのくらいあるのか。わかるかどうか知りませんが、わかっておれば参考までにお聞きをしたい。 以上です。
○塚本政府委員 ただいまお話のございましたように、熱帯林が最近かなりのスピードで減少しているということでございまして、今後この熱帯林の利用と保全をどうやって両立させていくかということが極めて重要な課題になってくると思っております。 熱帯木材貿易につきましては、先般採択されました国際熱帯木材協定、ITTAの新協定の目標の一つといたしまして、これもまたただいまお話がございましたが、二〇〇〇年目標、具体的に申しますと、西暦二〇〇〇年までに持続可能な経営が行われている森林から伐採された木材のみを貿易の対象とするという目標が明記されたところでございまして、こういったものを、関係国がその達成に向けて努力していくということが必要であると思っております。 そして、この目標と申しますのは、やはり環境資源である森林、それがまた同時に経済資源でもある、こういう認識でございまして、そういった観点から、熱帯林の保全と持続可能な利用、この両立を目指さなけばならないと考えておるところでございます。 現在、我が国の木材の国内需要の七五%が外材によって賄われているわけでありますけれども、木材輸出国の自然保護運動の高まり、あるいは木材加工産業の振興のための丸太輸出規制、こういったことで外材の供給には非常に不透明な状況も出てまいっておりますし、また、地球環境の保全という立場からいたしましても、外材だけにこれから大量の木材需要を頼っていくということは非常に問題があると考えておるところでございまして、こういった中で我が国の将来の木材供給というものを安定的に確保していくためには、やはりこれまで人工林を中心として国内で充実しております国内の森林資源、これを有効に活用していくということが極めて重要なことであると思っておるところでございます。 このため、流域管理システムというものの確立を基本といたしまして、林業生産基盤の整備でありますとか林業の機械化、林業の担い手の確保等々、国産材の生産から加工、流通に至る一貫した低コストの安定供給体制づくりに向けた諸般の施策を総合的に推進してまいりたい、このように考えておるところでございます。 なお、持続可能な森林が世界に幾らあるかということは、正確な数値は押さえておりませんが、日本は少なくともこれまで持続可能な経営の中で森林を維持してきたというふうに考えておりますし、多くの先進国においてもそのようなことで森林が取り扱われているのではないかと思っております。
○石橋(大)委員 わずかな時間しかありませんから次へ進みますが、次は、林業等振興資金融通暫定措置法の一部改正について少し質問したいと思うのです。 一つは、我が国の林業経営の実態からすれば、今回の法律改正案は非常に時宜にかなった改正案だ、こういうふうに受けとめておりまして、参考資料にあるような造林投資の利回りの試算で、平成四年の利回り相当率〇・九%、こういうような状態からすれば、長期かつ無利子の融資ということですから、そういう意味で非常に時宜にかなった法律案、こういうふうに私も受けとめておるところです。 そういうことを前提にして、一つは、暫定措置法ですから、これは時限立法ではないけれども、暫定という言葉にはやはり一定の限度があると思うのですね。この場合、この暫定という期間は一体どれぐらいを見ておられるのか。一方では、償還期限を見たって五十五年以内などというかなり長期な償還期限を持っているわけですから、あれこれと考えると、これは暫定とはいいながら永久法じゃないかと思ったりもするのですが、しかし、融資を受けて林業経営をやる方にとってはその辺は非常に大事な問題じゃなかろうかと思うので、率直なところをちょっとお聞きをしておきたい、これが一つであります。 それから、平成六年度関係予算において、農林漁業信用基金に対する出資が二十五億円、これを農林漁業信用基金から農林漁業金融公庫等に寄託をして今の融資が行われるわけですが、この二十五億円によってどれだけの造林面積というか、事業実績が上げられようとしておるのか、その辺の規模あるいは面積などについて、ちょっと念のためお聞きをしておきたいと思います。
○塚本政府委員 まず第一のこの無利子資金の措置の期間でございます。 これは、無利子資金の制度は林業等振興資金融通暫定措置法を根拠として措置されるわけでございますが、この法律によりますと、当分の間の措置として金融上の暫定措置を講ずることになっておるわけでございます。それで、この「当分の間」ということにつきましては、これまでの国会の御論議等からいたしまして、戦後植栽した森林が本格的な伐期に到達し、林業の収益性が安定的に確保できるまでの期間、こういうことになっておるわけでございます。現在、平均的な森林の伐採の時期、いわゆる伐期は、大体五十五年から六十年程度のものが多いわけでございます。また、現在の人工林の齢級状態、林齢の状態を見ますと、八齢級、つまり四十年以下のものの面積が大部分を占めている、こういうことでございまして、こういうことからいたしますれば、この四十年以下のものが伐期に達する時期、そういうものが「当分の間」ではないかというふうに考えております。 一方、林業の収益性が安定的に確保できる期間、それまでの期間、こういうことでございますが、林業の収益性が安定的に確保できる時期については、現在の木材価格の動向等、非常に不透明な要素があるわけでございますが、林野庁といたしましては、先ほど申し上げました本格的な伐期に到達する時期までには、国産材の生産、流通、加工体制等の整備を図る中で林業の収益性が安定的に確保できるような状態に持っていきたい、このように考えておるところでございます。 それから次に、無利子資金の対象となる造林事業の面積等でございますが、無利子資金は、おおむね五百ヘクタール程度の施業規模の集積が図られる地域におきまして森林整備を組織的、計画的に推進する森林総合整備事業、こういった補助事業を実施する場合の補助残について融資をするということにいたしておるものでございます。そして、こうした組織的、計画的に行われる造林事業というものは現在大体三十万ヘクタール程度でございまして、今回の無利子資金の対象になるものはその中の三分の一程度ではないか。したがいまして、十万ヘクタール程度がこの無利子資金の対象として見込まれる事業量ということになろうかと思っております。そして、その十万ヘクタール程度の事業を実行していく際の補助残融資というものが九十億円ということに相なっておりまして、この九十億円を、今回の合わせ貸しをするという中で、無利子資金二、有利子資金五という比率で配分いたしますと、無利子資金の総融資額は二十五億円、こういうことになっております。
○石橋(大)委員 次に、ことしの四月から林業労働にも労働基準法が全面適用される、こういうことになっているわけですが、この点について林野庁としてはどういうふうに指導、運用をされる考えか、こういうことをお聞きしたいわけです。 これも平成五年の林業白書によりますと、林業労働者の数がどんどん減っている。平成二年には、昭和六十年を三万人下回る十一万人となっている。年齢構成について見ますと、五十歳以上の就業者が六八%、約七割、六十歳以上は二四%、こういうふうに大変な高齢化が進行しているわけですね。 若い林業の担い手を何としても確保しなければいかぬ、そういうことを考えると、労働基準の面、資金の面、いろいろな面で一般の労働者と変わらないような処遇を実現する、そういうことが非常に重要になってくるわけです。そういう意味で、この労働基準法がことしの四月から全面適用になるわけですが、まだ実績はないわけですけれども、これから、今言ったような若い労働者を確保するためにも非常に大事なことですから、この点についての林野庁としての指導、運用についての考え方をこの際念のために承っておきたいと思います。
○塚本政府委員 この四月より林業に対しましても労働基準法が全面的に適用されることになりまして、これまで適用除外とされておりました労働時間あるいは休日、休暇、こういった規定が適用になるということでございまして、そういう意味では、これから特に若い人たちを林業に就職させていく場合、非常に大きな力になるのではないかというふうに考えておるところでございます。 林野庁といたしましては、こういった労働基準法の改正内容につきまして林業団体等に周知徹底を図る等、いろいろな努力を行っておるところでございますし、また、平成六年度の新しい事業といたしまして、林業労働環境整備事業というものを予定いたしておりまして、こういったものを通じましても、基準法の内容等あるいはまた労働時間の管理、こういったことを適正に行うように現場を指導してまいりたい、このように考えております。 ただ、労働条件の最たるものはやはり賃金等でございまして、これにつきましては、やはりそれぞれ労働者を雇用する林業事業体が体質を強化する中で、他産業並みの賃金等々を用意していかなければならないということでございまして、これはまた労働基準法の話とは別に、林業労働力の育成確保対策といたしまして、林業事業体の規模拡大による体質強化でありますとか、あるいは高性能林業機械の導入等々について引き続き努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○石橋(大)委員 あと五分しかありませんから、最後にもう一つお伺いします。 高性能機械が急速な勢いで導入されているわけですが、そういうことに関連して労働災害の発生が心配されるわけです。この防止策をどういうふうに考えておられるか、このことについてちょっとお伺いしたいと思うのです。 これも平成五年の林業白書によりますと、「最近の林業労働災害の発生件数は、減少傾向を示しており、平成四年は前年に比べ五%減少して四千六百四十件となった。また、労働災害の発生頻度を示す度数率も低下傾向にある。しかしながら、林業労働は足場が悪い傾斜地での作業が多く、また、伐出作業においては丸太といった重量物を取り扱うことなどから、常用労働者百人以上の事業所の度数率は他産業に比べ格段に高く、三十人以上百人未満の事業所では更に三倍の水準となっている。」こういうふうに労働災害の実態がごく簡単に記述をされているわけであります。 それに比べまして、さっき言いましたように、この法律案審議の参考資料として配られました資料によりますと、最初に申し上げましたように、高性能林業機械導入の推移というのがありますが、非常に急ピッチで高性能機械が導入されているわけですね。平成元年度以降、タワーヤーダ、フォワーダ、ハーベスタ、プロセッサ、スキッダ、フェラーバンチャなどの大型高性能林業機械の導入が、平成元年度は七十六台、二年度は百六十七台、三年度は三百十台、四年度は四百九十五台、こういうふうに急ピッチに伸びているわけです。まあ、伸びているといっても絶対数そのものはまだそう大きくありませんからそう問題にすることはないかなという感じもないことはないのですが、しかし、こういうテンポで今後も導入が続くとすれば、相当な台数が短期間のうちに導入される、こういうことになると思うのですね。欧米の場合は比較的平地林が多いわけですから、大型機械を導入しても労働災害が多発をするということはないと思いますし、担当者の話を聞けば、日本の機械もかなり高性能になって、傾斜地でも何ぼでも安全に仕事ができる、こういうような話も聞くわけですが、それにしても、急傾斜地の多い日本の山林の中での作業ですから、やはり大型機械で事故が起これは人命にかかわるような事故も大きいと思いますので、そういうことの防止策について、この際、林政当局の見解を承っておきたいと思います。 以上です。
○塚本政府委員 林業におきましては、他産業に比べて災害が多発する、あるいは死亡災害等も多いということが言われておるわけでございますが、これはどちらかといいますと、大型機械によるものよりは通常の作業による災害であるというふうに考えております。むしろ私どもは、大型機械を導入することによりまして、生産性の向上が図られるということもありますが、災害というものを少なくできるということ、それからまた、林業が極めて重労働であるというイメージを変えるということ、そういったことを目的といたしまして機械を導入しておるところでございます。 ただ、先生もお話しございましたように、大型機械が急速にふえておりますし、また事故が発生すれば大事故になるという可能性も十分ございますので、こういったことにつきましては、高性能林業機械のオペレーター養成、これに中央レベルあるいはまた地方レベルで力を入れておるところでございまして、運転技術等を含めた安全作業技術、こういうものについて十分今後研修を行う中で、高性能機械による災害の防止ということに努力してまいりたいと考えております。
○石橋(大)委員 あと一分半残っていますが、大体私の質問時間が来ましたので、たまには少し早目に終わりたいと思います。ありがとうございました。
○竹内委員長 鉢呂吉雄君。
○鉢呂委員 私は、農業経営基盤強化資金あるいは農業経営改善促進資金の問題について主として質問をさせていただきます。 まず最初に、二つの資金の貸付認定者については農業経営基盤強化法の認定農業者ということになっております。そこで、昨年法律に制定されましたこの認定作業について、市町村の基本構想、これらについての進捗動向、これについてまずお聞きをいたしたいと思っています。 伝えられるところによりますと、まだ八百市町村ぐらいまだ三千の市町村が残っておる、あるいはまた、望ましい経営展望を農水省は示したわけでありますけれども、そのような大規模経営の姿になっておらない、極めて複合経営が多いというようなことも伝えられております。同時に、中には集落による差別化が進むということでこの認定農業者制に極めて消極的な市町村もあるというふうに聞いておりますけれども、この関係でお聞きをいたしたいと思います。 時間がありませんので端的にお答え願いまして、もう一つの質問をさせていただきます。 この貸付対象者が、経営改善計画における認定作業を伴った農業者に貸し付けをされるわけでありますけれども、今言ったように、作業の進捗動向が極めておくれておるというようなことで、本資金の認定農業者について弾力的な運用を図るおつもりはないかどうか。昭和六十年度に総合施設資金、この貸付対象者について、自立経営水準の七割程度が見込まれる者について対象にした経緯がありますので、そのことも含めてお答えを願いたいと思います。
○入澤政府委員 平成五年八月に施行されました経営基盤強化促進法に基づく基本方針につきましては、ことし三月の時点で全都道府県におきまして策定が完了いたしまして、現在の時点では市町村において認定の基準となる基本構想が策定されつつあります。その数は、今先生御指摘のとおり八百市町村において策定されております。今後、残りの市町村において基本構想を策定すべく今指導を強化しているところでございます。 この農業経営改善計画認定が開始されまして、平成六年四月末現在で十一市町村におきまして百三十四人の農業者が認定されております。ただ、この認定農業者は、改正前の農用地利用増進法に基づく平成五年十二月現在における認定農業者そのものが新しい法律に基づく認定農業者となって引き継がれることになっています。その数が三万九千九百二十七人となっております。 今回の認定に当たりまして、あるいは基本構想の策定に当たりまして、ただいま新政策で大規模のみを目指したというふうな御指摘がございましたけれども、そうではございませんでして、あの法律のときに私が再三答弁いたしましたように、地域複合を前提として個別農家が複合経営で全体として所得を上げていこうということを目指すのでありまして、今回の各都道府県の基本方針あるいは市町村の基本構想もそのような中身になっております。
○東(久)政府委員 後半の部分についてお答えさせていただきます。 御承知のとおり、この新しい資金制度というのは経営基盤強化促進法の認定農家を対象といたしております。この認定につきましては、ただいま構造改善局長からお話があったとおりでございますが、従来の資金に今度の新しい資金を追加するわけでございます。したがいまして、これまでの総合施設資金で対応できる面もございますし、御存じのとおり、平成五年度からは経営体育成特別融資制度というものも持っております。それらの既存の融資というものを活用して認定農家以外の方、まあ認定農家は先ほどのように弾力的云々ということがございますが、以外の方についてはそれらを活用していただくということで対応できるのではないかと思います。 それから、今度の新しい資金というのは、御承知のとおり、従来の総合施設資金ではちょっと対象に難しかったような新規就農者等も貸付対象になるということでございまして、今回の資金によってそういう広い貸付対象にもなっていくということを御承知いただきたいと思います。
○鉢呂委員 本資金の貸し付けをする場合に、認定農業者について弾力的な運用を図るのかどうか、このことについて再度お答え願いたいと思います。ほかの方のさまざまな資金があることは承知しております。
○東(久)政府委員 この資金は認定農家に対する制度でございます。したがいまして、認定農家の認定をどういうふうにするかということで大勢は決まってまいります。他の資金については申し上げたとおりであります。したがいまして、認定農家でなければ対象にならないということでございます。
○鉢呂委員 次に、本資金、特に、農業経営基盤強化資金につきましては、農林漁業金融公庫から三・五%の固定金利で融資をされるということでございます。しかしながら、平成二年に創設されました農山漁村振興基金から一%の利子助成を行うということで、金利は二・五%になります。同時に、さらに都道府県や市町村の地方公共団体が〇・五%負担するということで、実行金利が二・〇%ということでございます。この末端金利についてでありますけれども、金利情勢に応じて変動するというようなことが示されておりますけれども、なぜ変動制にするのか、それが一つでございます。 それから、変動した理由についてお聞かせ願いたいと思いますし、とりわけ経営基盤強化資金については、長期の資金でありますから、現下のウルグアイ・ラウンド後の厳しい農業情勢からいきますと固定金利にすべきが妥当と思われますけれども、固定金利にする考えはないのかどうか。 それから、〇・五%の地方公共団体の負担については、大変地方財政が厳しい折、地財措置を考慮に入れなければ、これは地方公共団体には極めて重い負担になるところでございます。したがいまして、地財措置等の問題について政府はどのように考えておるのか。 またあわせて、さまざま言いますけれども、地方公共団体が〇・五%以上の金利の助成をするということは、これを受け入れることができるのか。現下の金利では二・〇をさらに下回るというようなことの措置については、国としてはこれは問題なしとするのか。 以上についてお聞きをいたします。
○東(久)政府委員 三点お答えさせていただきます。 まず、金利は、御承知のとおり、公庫資金そのものは三・五%に固定するわけでございますが、それに一定の金利補てんをするという形で、現在の金利水準では地方分合わせますと二・〇%という水準になるわけでございますが、これにつきまして先生の方から固定化すべきではないかというお話がございましたけれども、他の資金は、御承知のとおりいろいろな金利情勢に応じて、やはりこれは借入金を基本にした形での金利体系でございますので変動いたします。それとの間で余りにもバランスを失するような形は好ましくないということから、固定をしないでこのような形でやることにしたわけでございます。ただし、基盤強化資金の実質金利は、今の金利情勢では二・〇%でございますが、せいぜい、財投金利が最も上がったという状態でも三・〇%にするということで、三・五%以下の資金という形で制度を仕組んでおります。 それから、地方の持ち分の問題でございますが、まず、第二点でおっしゃいましたように、地方がさらなる金利負担をしたときにどうなのかということでございますが、地方の方でそういうふうな形でさらに金利を下げられることについて、私の方は制約をしたいというふうには思っておりません。ただ、やはり金利でございますから、ある程度の常識的なラインということはあろうかと思います。 さらに、地財措置云々ということでございます。地方の負担の問題でございますが、これにつきましては、担い手の確保等、これらは国、地方を通じての課題でございますし、農林水産業全体の振興ということは地方も国も図っていかなければならないことでございます。そこで、国の方は利子助成につきまして、農山漁村振興基金というところがその差額の三分の二を持つわけでございますが、地方公共団体からはその残りの部分を期待するという形で対応しておるわけでございます。したがいまして、地方に義務的な負担にしておりませんで、地財措置は無理であるということでございます。
○鉢呂委員 今回はもう法律に仕組んでおりますから早急な改定は難しいかもわかりませんけれども、やはり固定金利制が望ましい。同時に、地方公共団体の地財措置は、望ましいという形で地方公共団体に求めるのではなくて、やはりこのようなガット・ウルグアイ・ラウンドの極めて厳しい農業情勢に対応してまさに新たな低金利のものに踏み出したわけでありますから、このことは地方公共団体に負担を負わせるべきでないという視点でぜひ今後検討していただきたいというふうに思います。 それから次でありますけれども、農業経営基盤強化資金の使途でありますけれども、負債整理という形で今回貸し付けの用途に入っております。ただ、制度資金の借りかえについてはこれを除くというふうになっておりますけれども、これについても、現状の農業経営では高金利の制度資金も多々見られて経営を圧迫しておる状況が強いわけでありますから、この制度資金の借りかえについてもこの資金を認めるべきであろうというふうに思いますけれども、どのような理由でこれが対象外になったのか、あるいはまた用途に入れることはできないのか、お答えを願いたいと思います。
○東(久)政府委員 この経営基盤強化資金の中で一部負債があるということで問題になる場合でございますが、経営改善の前提としての経営安定に必要な資金というふうに判断されれば、それは融通されるわけでございます。ただし、今先生のお話のとおり、制度資金は対象としておりません。制度資金の貸し付けにつきましては、これは、それぞれの資金の政策目的というものを踏まえてその貸し付け条件等については設定してきているところでございまして、これを負債整理の対象とすることは当初の貸し付け条件の政策的意義というものを無視するということでございまして、非常に困難でございます。また、これらの制度的資金につきましては、農業以外の問題もございます。なぜ農業だけかという問題も生じてまいります。そういう意味で、非常に難しいということを御理解いただきたいと思います。 なお、現在自作農維持資金の中にいわゆるリリーフ資金というものがございまして、一部制度資金につきましても、過去において一定の要件を具備した農業者に対して五年間における各年ごとの支払いの制度資金、その部分を借りかえる、リリーフでございますが、借りかえるという制度を設けていることは御承知のとおりでございまして、これの活用が可能でございます。
○鉢呂委員 制度的に資金の目的から極めて難しいということでありますけれども、それでは、いわゆる貸付対象となっておる負債の範囲というものをどのように定めておるのかをお聞きをいたしたいと思います。
○東(久)政府委員 先ほども申し上げましたとおり、制度資金は対象としないということがまず大前提でございますが、経営改善の前提として、営農の借入金について、この経営改善のために必要な、また経営安定のために必要な資金ということで判断された場合には、これを対象といたします。
○鉢呂委員 運転資金であります農業経営改善促進資金、これは私ども極めて大きな意義があるというふうに思っております。この資金については変動制もやむを得ないのかな、短期プライムレートでいくということでありますから、これはやむを得ないだろうというふうに思います。そこで、例えば北海道ではこういう営農当座資金として、組勘資金というのがもう三十年近く利用されております。ほぼ全農家がこれを使っておるというふうに思いますけれども、この組勘制度により資金供給されている制度、この資金とスムーズな対応をしていく、そういう道があるのかどうか、この点についてお答え願いたいと思います。
○東(久)政府委員 御指摘の農業経営改善促進資金というものは、御承知のとおり、低利の運転資金を借りやすく返しやすいような方式で、極度貸し付け方式という形で、変動させながら貸し借りをやっていく形の資金でございます。それで、極度を設けておくという資金でございます。したがいまして、しょっちゅう出たり入ったりという形になるわけです。北海道の農協にあっては、今御指摘のとおり組勘方式という形で、これは私どもの方が今度新たに採用いたします極度貸し付け方式と似たような形になっておりますし、それから、当座貸し越し方式という形もあるようでございます。それをミックスしたような形で今やっておられるようでございます。その中は、営農資金以外のものも一緒になっている面があります。ただし、分類をしておられるようでございます。そういう実態もございますし、また、他の都道府県でもやっているところもあるようでございます。 この資金は、先ほど申し上げましたように、営農資金ということになりますので、その辺、区分け等いろいろきちっとしなきゃいけないところがあると思いますけれども、難しいことではないんじゃないかというふうに考えられます。 このような現実の、現在の仕組みを考えた上で、よく踏まえて本制度が円滑かつ適正に運営されるように措置していきたいというふうに考えております。
○鉢呂委員 営農資金じゃなくて生活資金だというふうに思いますけれども、それが混在をしておる、組勘は。その辺を分離して、的確にあわせてやっていただきたいと思っています。 そこで、この両資金の機関保証の対象になっておるわけでありますけれども、この新たな資金の円滑な活用について、農業情勢も極めて激変をしておる中で、都道府県の農業信用基金協会の代位弁済ですとかあるいはまた金額等が膨大になるということで、この都道府県の農業信用基金協会の強化が求められておると思いますけれども、国としてどのようなお考えに立つのか、お答えを願いたいと思います。
○東(久)政府委員 先生御指摘のとおり、農業信用基金協会、これは各県の協会でございますが、これが健全な形で保証業務を実施していくためには、基本財産の基金の造成が大変重要なポイントでございます。そこで政府は、御承知のとおり、毎年二分の一を国が持つような形で、都道府県が出資しますものに対して補助をしているわけでございます。また、国が再保険をやります信用基金につきましても、保険資金、融資資金という形で出資をしてきたわけでございます。今後とも、今先生御指摘のとおり、この財政基盤の強化ということは非常に重要なポイントだと思いますので、その点は十分考えて所要の措置をとっていきたいというふうに考えております。
○鉢呂委員 今回の経営基盤強化資金は、個人が一億五千万、特認が三億、法人で五億円と、極めて大きな貸付限度額になっておるわけでありますけれども、このことはよろしいと思います。ただ、新規参入者やあるいはまた大型経営ということで、担保の徴求について、現状でも極めて保証人ですとかあるいはこの資産の根抵当権を踏むということが困難になってきておりまして、この辺について弾力的な運用を行う考えがおありかどうか、お伺いをいたしたいと思います。
○東(久)政府委員 基盤強化資金の、今公庫資金の限度額にお触れになりましたので、そちらのポイントだと思いますが、債権の保全に留意するというのは金融機関としては当然やらなければならぬところでございます。ただ、先生御承知のとおり、私も余り詳しく勉強してないんですけれども、小中公庫とは違ってこの公庫は、資金の種類、それから貸付対象事業、貸し付けようとする金額の大小、それから借入申込者の信用状況等を勘案して、弾力的に担保、保証人の徴求ということはできるということになっております。これは、公庫の業務についてそういうふうな形でやっております。 したがいまして、経営基盤の酸化資金につきましても、経営改善計画の認定を受けている農家でございますから、これはみんなで育てていく農家という形で指導体制もしっかりしていると思いますし、その点を考えまして、保証人、担保の徴求について可能な限り弾力的な取り扱いをできるような方向で検討していきたいというふうに考えております。
○鉢呂委員 次に、農業経営改善資金についてでありますけれども、農業者の貸付金は預託額一に対して、農協の資金、プロパー資金を三、いわゆる四倍協調貸し付けという方式をとるということであります。現在のプライムレート三%でいけば、三・三%の末端貸し付け実行金利ということでありますけれども、農協によっては、農協のプロパー資金は六%内外で今現在運用しておる。極めて、この四倍協調貸し付けとなりますと、農協の財務に消極的にならざるを得ないところがあるということで、この点について、個々の農協によってはあるいは全国的には異なると思いますけれども、農協系統の理解をきちんと得ておるのかどうか、あるいはまたこの四倍協調貸し付けというような形にした理由についてお聞かせを願いたいと思います。
○東(久)政府委員 まず、四倍貸し付けの理由でございますが、過去においてこのような資金を設けたものがございまして、中小企業、それからもう一つ林業でございましたか、あったと思います。それらについても四倍という形で、四倍協調というのが一般的なやり方でございますし、先ほど先生が御指摘のとおり、四倍協調によって三・三%の金利という形になるということは、これは大体他の資金とのバランスから見て、金利の水準としては私は適切な水準でやれるんではないかというふうに思っております。 そこで、農協が一部今のように六%というような貸付金利を取っております場合には、確かに農協の負担という問題があるわけでございますが、これらについては、育成農家ということの中で、やはり農協としましても、それは資金コストということを考えでできるだけ安い金利で融資ができるような体制をとっていただきたいということで、この点につきましては、農協、中央団体を中心でございますが、お願いをいたしておりまして、御理解をいただいていると思います。 これからもその点について、やはりこういう新しい認定農家を育てるという立場に立っての農協のあり方ということも考えていただいて、御協力をいただきたいというふうに考えております。
○鉢呂委員 あと十分程度ありますので、今実務的なことをお聞かせを願いました。 そこで、確かにこの両資金とも、従来の金利の水準をさらに低金利にしたということでは大きな意義があるというふうに考えます。しかしながら、大臣にあとでお聞かせを願いたいんですけれども、ガット・ウルグアイ・ラウンド後の現状の農家の農業に対する意欲は大変危機的な状況にあるというふうに、私は地元に帰りまして考えております。それでなくとも、今申し上げますけれども、例えば、平成二年の三月に創設をされた土地利用型の農業経営体質強化資金、あの当時の法改正時の附帯決議でも、経営改善に努める農業者が幅広く活用できる運用を図ることという当委員会での附帯決議を付しております。しかし、五百億円という融資枠を設けておりながら、しかも三・五%で三年据え置きの二十五年資金でありますけれども、これも稲作とか土地利用型の作物経営に該当させるんでありますけれども、農地取得から農地改良、機械、施設、さまざまなもの、今のあれでいきますと、負債の借りかえ以外はほぼ似たような資金であります。もちろん土地利用型のものでありますけれども、この貸し付けの現状を見ますと、三年度で二十四億円、四年度で二十二億円、五年度が先ほど出てきまして三十五億円ということで、合わせても八十八億円、まさに五百億円の枠から比べますと、この貸し付けが極めて低調なところにあるわけでありまして、この貸し付け低調な原因について、まずお聞かせを願いたい。——大変時間がないんで、これは聞かなくてもいいです、意欲が低いことはもちろんでありますから。 あるいは公庫の資金全体を見てみましても大変な落ち込みを示しております。経営構造改善としての農地取得の資金ですとか、先ほど言った総合施設資金はもう平成五年には極めて低迷、減少しておる。あるいはこの農業基盤整備についても、これは補助事業の残を借りていると思いますけれども、これも御案内のような状況で激減をしております。伸びておるのは、いわゆる農産加工といいますか、加工業界に貸し付けを新たにした部分が伸びておる程度で、私は、そういった意味で、農家の借り入れの意欲は著しく低下をしておる。 そういうことで、これも答弁要りませんけれども、例えば昨年、特定農山村の活性化法というものを制定して、あれに基づく中山間の、山場の極めて条件の悪いところに新規作物を導入した場合は二割を補てんをする、単当五十万でしたか。しかしあれも、地域を設定するいわゆる計画をつくる市町村も極めて少ないということが報じられておりまして、私は、そういった意味で、このような貸付融資、金融政策というものが実態に合わない形であっては、これは農業者を危機的な状況から救う道にならぬというふうに強く思っているわけでありまして、農水大臣として率直に言って、羽田総理じゃないのですけれども、率直に言ってどのようにお考えになっておるのか。一部には、従来の補助事業、さまざまな規制があって、農業者が返済を行わない補助事業から融資事業に転換をするという方向で新政策も考えられた節がありますけれども、現状のこの状態で、単なる融資制度で農業者の自由な意欲を喚起して現状の危機を脱するには余りに私は遠くの資金になっておるのではないか、そのように憂えるわけでありますけれども、農水大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○加藤国務大臣 鉢呂委員のおっしゃったのとやや趣旨は同じでございますが、栗原委員もPRということを相当強くおっしゃいました。こういう制度をつくりましたよ、こういう制度を積極的にひとつ使ってと、こういうPRということを私は考えさせられたわけであります。新しい、いい制度ができた場合に、それを周知徹底させるPR努力というものを今まで以上にしなくてはならぬ。同じような経験は中小企業対策として中小企業金融公庫、あるいは商工中金等につきましても、特利やいろいろな制度をつくった場合でも、思ったほど使っていただけないというケース等も私は経験しております。ただ、今おっしゃいましたようないろいろな理由等もあると思います。今後は、いろいろな関係方面を通じて、我が国の農業、農村が立派になっていくためにこの制度を活用していくように頑張らなくてはならぬと思っておるところでございます。
○鉢呂委員 三十分の時間でありましたけれども、皆さんの答弁に対するもう少し深みのある論議もしたかったわけでありますけれども、時間がありませんでした。 ただ、大臣、今PRの問題をされましたけれども、私は、このことについても北海道では、両資金、新しい二つの資金については農家とお話をしております。ただ、やはりこういうガット後の状況で、このことだけではやはり農家の意欲を喚起するところにはならない。自主的に、自由な形、経営感覚で農業経営にこの資金を使ってということが本来の趣旨でありますけれども、そこに至るには、今の現状は極めて危機的な状況だというふうに私は思いますから、従来、新政策と言われておった、補助金から融資制度というところはもう一度見直す必要があるだろうし、また負債対策等については、先ほど御答弁があったように、農政審を経て農水省で今根本的に考えておるということでありますから、それに期待をし、私の質問を終わらせていただきます。
○竹内委員長 藤田スミ君。
○藤田委員 私の時間が大変限られておりますので、どうぞ御答弁は簡潔にお願いをしたいと思います。 今回の法改正によって創設される農業経営基盤強化資金と農業経営改善促進資金は、前者は公庫貸付金利三・五%、償還期限二十五年、据置期限十年。後者の方は、現行の金利水準のもとで三・三%と、これまでの農林公庫資金の貸付金利四%や運転資金となっていた農協プロパー資金の五・五%から六・五%というものに比べましても、融資される者にとっては極めて有利な資金となっております。 問題は、新政策の推進と称して、この資金が認定農家しか利用できないということです。できるだけ多く、この資金を希望する農家には極力利用させるべきであります。先ほどからの御答弁を聞いておりますと、要するに、新政策の推進に不可欠な認定農家に限って利用していただくものであるというふうに御答弁を聞きましたが、そうであるのかないのかだけお答えください。
○東(久)政府委員 認定農家に限定させていただいております。
○藤田委員 農家の認定制度については、農業経営基盤強化法の質疑でも大きな問題になりました。私ども日本共産党はもとよりですが、ほかの党からも、認定制度は農業者に対する露骨な選別制度である、こういう強い批判が出されました。これに対して農水省も認定制度の運用について、できるだけ幅広に認定することを明らかにしているわけであります。 ちなみに、ちょっとだけ抜き書きで読みますが、「経営改善計画の認定農業者の数につきまして」「規模拡大だけでなくて複合経営で所得を向上させる、経営改善をする、あるいは労働条件の改善を図る、給料日とか休日制とか要するに労働条件の改善を図って、産業として農業を自立させていくのだという意欲に燃えて経営をやるのだという人たちも認定の対象にしているわけでございましてこ「人数制限ということは全く念頭にないわけでございます。」。これが九三年五月十二日の局長の答弁であります。違いありませんか。
○東(久)政府委員 ちょっと手元にそのときの議事録を持ち合わせておりませんので、私ども、一字一句についてはちょっと御確認ができかねるわけなんですが、あのときの議論というものを十分踏まえた形で、地域の特性に応じた認定農家制度という形で運営されていっているというふうに考えております。そのような中で認定農家という形に位置づけられた方につきましては、この制度を新たに追加的に設けるわけでございます。もちろん、従来の制度というものはそのままございます。
○藤田委員 実際にこの認定を行うのは市町村であります。したがって、市町村の判断を極力尊重するのは当たり前のことであります。問題は都道府県が、市町村が認定した認定農家についてそれを取り消したり、あるいは農林漁業金融公庫が認定農家に対する融資を行わなかったり、そのようなことが絶対にないかということなんです。その点はいかがですか。
○東(久)政府委員 この資金につきましては、認定農家であれば基本的には融資を受けることができるということでございます。また、もちろん先生お話しのとおり、融資面での審査ということが必要であると思いますが、この審査は市町村を事務局にいたしまして、現在もう既にやられておりますが、特別融資制度推進会議というところで行われます。これは市町村を事務局にしております。 そういう意味で、市町村が認定した計画は尊重されるのは当然だと思いますし、また、審査事項につきましても、農業経営改善計画を確実に達成するために必要かつ適切な融資ということを基本にしておりますので、その改善計画というのは市町村のものを中心にして認定されるわけでございますから、当然、市町村の意向が強くここで反映されていくというふうに考えております。 また、御指摘のようなことはないというふうに考えますけれども、私ども、本資金制度の円滑な推進に関しましては、地方自治体、これは市町村、県を含めた地方自治体並びに農林公庫等関係機関に十分その点は指導してまいりたいというふうに考えております。
○藤田委員 市町村の判断を極力尊重するように特段の指導をお願いをしておきたいと思います。 今回の法改正によって、農業経営基盤強化資金が設定されるかわりに従来の総合施設資金は廃止されることになりましたが、これまで総合施設資金を借りている農業者がこの新たな資金に借りかえることができれば、経営的にもメリットが生ずることになるわけです。その点について、借りかえを積極的に認めさせていくお考えはありませんか。
○東(久)政府委員 先ほど鉢呂議員の御質問に答えさせていただきましたとおり、この先生御指摘の経営基盤強化資金の中で、一部営農負債の借りかえ等のことができるわけでございますが、この場合、制度資金は対象にしないという形になっております。したがいまして、総合施設資金を借りかえるということは困難でございます。これは先ほどもちょっと御答弁申し上げましたとおり、それぞれの資金は政策目的を持って設定されてきたところでございまして、これを借りかえるということは、政策的意義というものを確立した時点での問題等もございまして、これを無視することはできないということでございます。 それからまた、先ほど言いましたように、農業関係以外の制度資金というものの問題もございまして、これらの点は非常に困難であるということを御理解をいただきたいと思うわけでございます。 なお、先ほどちょっと御答弁いたしましたけれども、リリーフ資金というものがございますので、もし返還が難しくなっている場合には、それぞれの年度ごとにリリーフ資金で借りかえていただく、この資金の金利が三・五%ということにしておりますので、御承知おきいただきたいと思います。
○藤田委員 御答弁を聞いておりますと、民間のものは経営改善のためのものなら借りかえはできる、これはよくわかるわけです。やはり率直に言って、財政当局との関係でどうも難しいという点で、今回はだめだけれどもなおこれから農林水産省としては努力をしていきたいというようなお気持ちが含まれているように思えてしょうがないのですが、そういう立場で努力をしていくというふうにはなかな塗言えないと思いますが、まあそこのところはやはり意思表示できませんかね。
○東(久)政府委員 御承知のとおり、公庫資金等は財投資金でやっております。財投資金というのは、長期の資金手当てをしているものでございます。そういう面からも非常に難しい面がございます。また、財投資金全体の運営の問題、これが他の分野への波及があるということでございます。先ほどちょっと、簡単に他の制度資金と申し上げましたけれども、こういう非常に難しい、根幹に触れる問題が一つあるわけでございます。さらにもう一つ、それと絡んだ形で近代化資金等の金利を決めております。そういう制度ということから、非常に難しいという事情を御推察いただきたいと思います。
○藤田委員 最後に、これまでの農基法に基づく規模拡大政策が、必要な資金は融資で賄うという融資政策と一体不可分に推進されてきたわけであります。全国の農業者が多大の負債に苦しむという悲劇を生んだことを指摘しないわけにはいきません。特にその傾向は、政府の農産物価格引き下げ政策が進行するにつれて大きくなっていきました。北海道の酪農地帯や畑作地帯では、総合施設資金を目いっぱい借りて億単位の負債を抱え込んで、経営的に破綻状態になった農家が多数存在し、特に規模拡大に取り組んだ農家ほどその深刻さは大きいものがあるという実態であります。 今回の新たな資金創設は、これまでの融資政策をそのままにして、新政策としてこれまでよりもはるかに水準の高い規模拡大を進めることと一体化したものでありまして、これまでの資金より低利であるとしても、負債問題がより深刻化する可能性が強いことは大きな問題の一つであるわけであります。その点、政府としてはどう受けとめていらっしゃるのでしょうか。
○加藤国務大臣 ちょっと御質問の趣旨がはっきりしなかったのでございますが、負債対策のさらなる講じ方、必要があるのではないかというようにとったのですが、それでよろしいでしょうか。
○藤田委員 これまでの農基法に基づくその規模拡大政策が、必要な資金は融資で賄うという、そういう融資政策と一体不可分で進められてきた。そして、非常に過大な負債を抱えた農家がたくさん出てきた。規模の大きいところほどそうですね。それは大臣も御存じだと思いますが、北海道あたりでは本当に大変なんです。ところが、これまでの融資政策はそのままにして、新政策だということでこれまでよりももっと水準の高い規模拡大を進めるというものと今回の融資制度は一体化したものであるだけに、幾ら低利のいい資金だと言っても、負債問題がさらにまた深刻になるのじゃないかということを質問しているのです。
○加藤国務大臣 今までの固定化負債対策につきましては、先ほどから局長がいろいろ御答弁申し上げておりますが、今回、私たちは新しく農林漁業金融公庫の再建整備資金や償還円滑化資金、いわゆるリリーフ資金を創出しております。 また、これは御質問にそのまま合っておるかどうかと思うのですが、大家畜経営活性化資金等で融通をやってきておるわけでございます。したがいまして、これからはこういったところの問題等も十分踏まえながら、さらにこういった問題を充実強化するために今回こういう法律を出させていただいて御審議をお願いし、それらの一助になるだろう、こう思って出しておるという点を御理解いただきたいと思います。
○藤田委員 ちょっと私の質問にまともに答えていただいてないんですよ。負債が固定化負債になる大きな要因の一つは農産物価格の引き下げである、これはもうずっといろいろな過去の関係のある資料を見てもそのことは明確であります。また、昨年のような冷災害も、負債が固定化負債になるその原因に挙げられています。 ところが、新政策の価格政策では、今後の価格政策は農業構造の変革によるコスト削減に努めながら、需給制度を反映させた価格水準としていくということで、引き続いて農産物の価格引き下げ政策を推進することを明らかにしているのです。つまり、固定化負債になる原因の重要な要因になる、それをこれからもまた政策として一層推進するということを明らかにしているわけであります。それだけではなしに、五月の二十三日に農水省が生産者米価等を二〇〇〇年までの六年間に段階的に二〇%引き下げることを検討していることが報道されましたが、これに対して大蔵省の主計局の農水担当者は、ウルグアイ・ラウンドの合意では当面六年間で関税率が一五%削減される、それに対応して内外価格差を縮小していく必要があり、そのため生産者米価を引き下げていくべきだと、同じような考えを示しておられるわけであります。しかし、これでは農業者はたまらないのです。もちろん、それが大規模農家ほど打撃が大きいことはさっきも言ったとおりです。北海道の酪農家を見てください、畑作農家を見てください。どんなに大きな負債を抱えて、しかも価格がどんどんどんどん引き下げられて、ますます身動きのならない負債を抱えてきているかということはもうはっきりしています。したがって、私が言いたいのは、このような新政策に基づく価格引き下げ政策の転換が今真剣に求められているのじゃないか。そうでないと、せっかくの新しい融資のやり方も生きてこないということを申し上げているわけであります。局長でも結構ですよ。
○加藤国務大臣 わかりました、御質問の御趣旨が。 我が国の農産物というのは、我が国の国土条件の制約から、特にその中では土地利用型農産物を中心に、国際価格に比べて割高とならざるを得ないという点については、国民全体に私はコンセンサスはあると思うのでございます。しかし、そうはいっても、可能な限り生産性の向上に努め、国民の理解が得られる価格水準で食糧を安定的に供給しなくてはならないということはこれまた重要でございます。そこで、今おっしゃいましたが、農産物の行政価格についてはいろいろあるわけでございますが、今までも関係法律に基づきまして、毎年度適正に決定してきたところでございます。 そこで、今後とも効率的、安定的な経営体の育成に配慮しつつ、対象とする農産物の需給均衡の確保、生産性の向上等に資するという観点から、適正な価格決定に努めてまいる所存でございます。
○藤田委員 随分、問題をそらされるので、本当はこれ以上大臣にお尋ねする気はしませんけれども、負債問題が深刻化する可能性が強いことは大変な問題の一つなのだ。これまでの融資政策、それをそのままにして、そして、さらに規模拡大をするということで、この融資政策一体で進めていくとしても、一方ではその負債を固定化させていく価格引き下げ政策が新政策にある以上、大きな矛盾が出てきて、ますますその負債、固定化負債という問題はもうどうにもならない問題となってくるじゃないか。まして、ガット・ウルグアイ・ラウンドで、価格の引き下げ問題が、この関税率の引き下げが出てきて、内外価格差の縮小というのがもう何か目の前で言われているときに、そういうところに矛盾がないかということを私は大臣に率直に質問をしているわけで、率直に答えてほしかったです。いつもそういうふうに、何か全然畑違いのところへ答弁を持っていくというのはもうこれからは改めていただきたい。そして、新政策に基づく価格引き下げ政策というものについて、今本当に真剣に考えませんと、政府が新政策だ、新政策だと幾ら太鼓をたたいても、これではさっきの御報告のように、その基本構想が市町村からなかなか上がってこないのは当たり前のことだということを申し上げまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
○竹内委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○竹内委員長 これより両案について討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、農林漁業金融公庫法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○竹内委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手) —————————————
○竹内委員長 この際、本案に対し、久間章生君外四名から、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党及びさきがけ・青雲・民主の風の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。久間章生君。
○久間委員 私は、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党及びさきがけ・青雲・民主の風を代表して、農林漁業金融公庫法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 農林漁業金融公庫法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 最近の農業をめぐる厳しい状況に対処し、経営感覚に優れた効率的かつ安定的な経営体を幅広く育成し、活力ある農業を確立することは、農政推進上の喫緊の課題であり、今後、金融措置の果たす役割は一層重要なものとなっている。 よって、政府は、本法の運用に当たり、左記事項の実現に努め、新設される総合的融資制度が所期の目的を達成することができるよう遺憾なきを期するとともに、負債対策を含め農業の経営体質の強化に努めるべきである。 記 一 農業経営基盤強化促進法に基づき地域の実情等を十分反映した市町村基本構想の策定と農業経営改善計画の認定については、意欲と能力のある者が幅広く育成されるよう適切な指導に努めること。 二 農業経営基盤強化資金及び農業経営改善促進資金が有効かつ迅速に融通されるための万全の措置を講ずるとともに、貸付手続の簡素化を図ること。 三 両資金の融資枠については、今後の資金需要を踏まえて適切に確保すること。 また、農業経営基盤強化資金の利子助成については、当分の間、継続するよう努めること。 四 農業経営基盤強化資金等が計画に即して貸し付けられるよう、物的担保や保証人の徴求について弾力的な運用に努めること。 五 経営改善の実現に資金の貸付けが効率的に機能するよう、営農指導体制を強化すること。 右決議する。 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて、委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○竹内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 久間章生君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○竹内委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。加藤農林水産大臣。
○加藤国務大臣 ただいま御決議いただきました附帯決議の趣旨を尊重し、今後極力努力をいたしてまいります。 —————————————
○竹内委員長 次に、林業等振興資金融通暫定措置法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○竹内委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○竹内委員長 この際、本案に対し、久間章生君外五名から、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党、さきがけ・青雲・民主の風及び日本共産党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。久間章生君。
○久間委員 私は、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党、さきがけ・青雲・民主の風及び日本共産党を代表して、林業等振興資金融通暫定措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 林業等振興資金融通暫定措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 我が国の森林資源は、一千万ヘクタールを超える人工林を中心に二十一世紀に向けて成熟過程にあるが、一方で林業生産活動は停滞の度合いを深めており、このため、林業の活性化を図り、森林の整備を促進することが喫緊の課題となっている。 よって政府は、今回設けられることとなる造林に係る無利子資金制度が、森林所有者等の経営意欲を喚起し、林業生産活動を活発化させる金融措置として十分機能するよう、本法の施行に当たり、左記事項の実現に遺憾なきを期すべきである。 記 一 市町村、林業関係団体等による組織的な対応によって、森林所有者等に対し新たな無利子資金制度の周知を図るとともに、林業経営改善計画認定等の手続の円滑な処理を進めるなど、本制度が積極的に活用されていくよう指導に努めること。 また、本資金の融資枠については、今後の需要実態に即応して、適切に確保すること。 二 林業就業者の減少・高齢化等の状況の下で、森林施業の担い手として森林組合等の林業事業体の役割が益々重要となってきていることにかんがみ、これら事業体の経営基盤の強化を図る施策の充実に努めること。 三 今後の造林施策を進めていくに当たっては、国民のニーズを十分踏まえ、造林地の実態に応じ、気象災害、病虫害等にも強い多様な森林の整備に努めることとし、広葉樹を含めた造林、複層林施業等の一層の推進を図ること。 四 成熟過程にある我が国の森林資源を適切に整備し、将来にわたって有効に活用していくため、高性能林業機械の導入等林業の担い手の育成確保を図る諸施策を充実するとともに、山村地域の生活環境の整備を一層進めること。 併せて、林業労働災害の発生を防止するため、林業労働に係る安全衛生意識の高揚、林業労働安全衛生対策の強化を図ること。 右決議する。 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じ、委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○竹内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 久間章生君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○竹内委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。加藤農林水産大臣。
○加藤国務大臣 ただいま御決議いただきました附帯決議の御趣旨を尊重し、今後極力努力をいたしてまいります。 —————————————
○竹内委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○竹内委員長 次回は、明七日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十五分散会