農林水産委員会 第4号
- 発言数
- 8 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1994/05/25
会議録
○竹内委員長 これより会議を開きます。 この際、去る四月二十七日の議院運営委員会における理事の各会派割当基準の変更に伴い、理事の辞任及び補欠選任を行います。 まず、理事辞任の件についてお諮りいたします。 理事錦織淳君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長 御異議なしと認めます。 それでは、理事に小平忠正君を指名いたします。 ————◇—————
○竹内委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 この際、加藤農林水産大臣から農林水産業の基本施策について発言を求められておりますので、これを許します。加藤農林水産大臣。
○加藤国務大臣 農林水産大臣を拝命いたしました加藤六月でございます。 農林水産行政がまことに重要な時期を迎えておる折から、農林水産大臣の責務の重大さを痛感している次第でございます。 私は、皆様方の御支援、御教示を得て、農林水産行政の責任者として、二十一世紀に向けて、我が国の農林水産業に新たな展望を切り開いていくよう最大限の努力をする決意でございますので、よろしくお願い申し上げます。(拍手) 本日、農林水産委員会の開催に当たりまして、私の所信の一端を申し上げます。 農林水産業は、国民生活に不可欠な食糧の安定供給という基本的な使命に加えて、地域経済・社会の維持発展、国土や自然環境の保全など極めて多様で重要な役割を果たしております。また、国土の大宗を占める農山漁村は、伝統に裏づけられた個性に富む地域文化をはぐくみ、緑と潤いに満ちた生活・余暇空間を国民全体に提供するという機能を有しております。 こうした役割や機能を持つ我が国の農林水産業と農山漁村をめぐる状況は、経済の高度化、人口や産業の都市への集中といった諸情勢の変化の中で、従事者の減少、高齢化の進行、山村等における過疎化の進行など近年大きく変貌しております。加えて、昨年十二月十五日にガット・ウルグアイ・ラウンド交渉が実質合意を見たところであり、我が国農業、農村は新たな国境措置のもとで厳しい環境のもとに置かれることになると認識しております。 この際、ガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉に関しまして御説明申し上げます。 我が国は、ウルグアイ・ラウンドの農業交渉において、世界最大の農産物輸入国としての立場から、食糧の安全保障や環境保全等のために農業が果たしている役割を重視すべきこと等を強く訴え、包括的関税化に対しては、世界の大勢がこれを受け入れる方向にある中で、国会決議の趣旨を踏まえ、これを回避すべく最大限の努力を傾注してきたところであります。 このような状況のもとで、昨年十二月、市場アクセス交渉グループのドゥニ議長から調整案が提示されました。この調整案につきましては、米について関税化の特例措置が認められているものの、米のミニマムアクセスの加重や米以外の農産物の関税化という点で我が国農業にとってまことに厳しい内容を含むものであります。しかしながら、この調整案は、各国の対立する意見を踏まえたぎりぎりのものであるとともに、我が国の主張にも相当程度の配慮がなされたものであり、自由貿易体制の維持強化によってもたらされる幅広い国民的利益という観点も含め、前内閣のもとにおいてぎりぎりの検討を行った結果、政府としては、この調整案受け入れの決断を下したところであります。 この農業合意におきましては、米については平成七年から六年間関税化が免除され、ミニマムアクセスとして消費量の四%から八%に相当する量の輸入をすることとし、七年目以降の取り扱いは六年目に協議されることになっております。また、乳製品、でん粉等米以外の輸入制限品目等についてはすべて関税化することとなり、一般関税品目とあわせて六年間で平均三六%の関税引き下げを行うこととなっております。また、林産物及び水産物についても一定の関税引き下げを行うこととなっております。 なお、今回、合意された内容を収録した最終文書につきましては、本年四月にモロッコで開催された閣僚会合において正式に署名が行われ、農業協定を含む世界貿易機関を設立する協定の文言が最終的に確定いたしております。政府としては、今後、国会の御承認をいただき、農業合意については、来年四月一日から実施することとしたいと考えております。 このような中で、今後の農林水産行政を推進するに当たっては、長期的展望のもとに魅力あふれる農林水産業と活力ある農山漁村を着実に実現していくとともに、国民にとって真に豊かな国土を形成していくことこそが重要であると確信しております。このため、農林水産省といたしましては、今後、「新しい食料・農業・農村政策の方向」いわゆる新政策に即しまして、二十一世紀に向けた農業構造の早期実現を図りつつ、農山漁村が多様で活力のある地域社会として発展することができるよう努めてまいります。また、今回のウルグアイ・ラウンドの農業協定の実施に伴う国内対策につきましては、昨年十二月に閣議了解された「ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意の実施に伴う農業施策に関する基本方針」に沿って設置した緊急農業農村対策本部において検討の上、農政審議会における御論議を踏まえつつ、逐次所要の施策の具体化に向けて万全を期してまいります。 なお、国民の主食である米につきましては、昨年の未曾有の不作に対応して緊急特例的に輸入した外国産米と国内産米とを一体としたきめ細かな需給操作等により、その安定的な供給に努めてまいります。 以下、平成六年度における主要な農林水産施策について申し上げます。 まず、農業の振興についてであります。 新政策の本格的な展開を図る観点から、活力ある農業、農村づくりを進めるための施策の充実強化に努めてまいります。特に、ウルグアイ・ラウンド農業合意成立に伴う今後の国際化の進展を踏まえ、緊急に国内農業の体質を強化するための対策を積極的に推進してまいります。 第一は、国民生活に欠かせない食糧を安定供給する担い手の育成であります。効率的、安定的な農業経営体を育成し、これらの農業経営体が生産の大宗を担う農業構造を早期に実現することが急務であります。このような担い生育成のための総合的な融資制度の創設を初め、農業経営の改善、農地の利用集積、低コスト生産の実現に資する生産基盤整備の推進など、各般の施策を積極的に展開してまいります。 第二は、中山間地域を初めとする農山漁村の活性化であります。特に、国土の保全、自然環境の維持に寄与している中山間地域の活性化は、国土の健全な発展を図る上で極めて重要であります。本年は、高付加価値型・高収益型農業の展開、農業経営の複合化等の推進、定住条件の総合的な整備の促進など各種の施策の一層の充実に努めます。 第三は、立ちおくれている農村地域の生産環境の整備であります。 都市と比較して著しく立ちおくれている農村地域の生活環境の整備を図るため、集落排水施設や農道等の整備を推進し、地域住民が誇りを持って快適に居住できるよう、景観形成等に配慮した「美しいむらづくり」を進めてまいります。 第四は、活力ある農業生産の展開であります。 昨年の未曾有の冷害の経験にかんがみ、気象条件に左右されにくい生産体制を早急に構築していくこととしております。 米につきましては、昨年から取り組んでいる水田営農活性化対策について、需給事情に対応して転作面積を緩和して実施することとしております。 また、畜産物、野菜、畑作物等につきましても、価格安定対策の適切な実施に努め、経営体の育成強化を初めとした生産の活性化等を推進してまいります。 第五は、環境問題への積極的な対応と国際協力の推進であります。 農業が有する環境保全機能と物質循環型産業としての特質を生かして、地域合意に基づく環境保全型農業を総合的に推進してまいります。また、食品産業における廃棄物の減量化、再資源化等に対する取り組みを積極的に推進してまいります。 さらに、熱帯林の減少等に対する地球環境保全対策を強化し、開発途上国等への農林水産業協力により国際協力を推進してまいります。 第六は、技術の開発とその普及であります。 今後、我が国農業の体質を強化していくためには、技術の開発、普及による農業生産の効率化と労働時間の短縮が肝要であります。このため、革新的な農業機械等の開発、実用化等を推進してまいります。また、生産性の飛躍的向上、高付加価値化等を図るため、基礎的、先導的研究を推進し、冷害等異常気象、環境問題等の重要政策課題に対応した研究開発を強化してまいります。 さらに、農業に関する普及事業についても総合的な普及指導体制を確立するほか、一九九五年農業センサスを実施いたします。 第七は、食品産業、消費者対策の推進であります。 食品産業につきましては、近年の消費者ニーズの多様化、国際化の進展等の状況も踏まえつつ、食品流通の構造改善、食品産業の振興を図ってまいります。また、消費者が安心して食生活を送ることができるよう、輸入食品の品質表示の適正化等に努め、消費者被害の未然、再発防止及び救済のための総合的な対策を実施してまいります。 このほか、農業災害補償制度の円滑な運営等にも努めてまいります。 次に、林業の振興についてであります。 森林は、緑と水の源泉であり、地球環境の保全、豊かな国民生活の実現のためにもかけがえのない役割を果たしておりますが、林業は、現在、山村地域における過疎化、高齢化の進行、木材価格の低迷等依然として厳しい状況にあります。 このような状況に対処するため、民有林、国有林を通じた森林の流域管理システムの確立を基本として、森林整備事業及び治山事業の計画的な推進、保安林の緊急かつ計画的な整備、林業の担い手の育成強化、生活環境の整備、国産材の供給体制の整備、木材産業の体質強化、林業金融制度の拡充強化といった各般の施策を推進し、森林の整備と山村地域の活性化に努めてまいります。 また、国有林野事業につきましては、改善計画に基づき、経営の健全性の確保に努めてまいります。 次に、水産業の振興についてであります。 水産業につきましては、公海漁業に対する規制の強化、我が国周辺水域の資源状況の悪化、漁村活力の低下等厳しい状況にあります。 このような中で、平成六年度を初年度とする第九次漁港整備長期計画及び第四次沿岸漁場整備開発計画を策定し、二十一世紀への橋渡しとなるこれらの計画を通して水産業の振興、活力ある漁村の形成、美しい海辺環境の保全等を図り、来るべき沿岸の新時代に向けてその基盤を確立してまいります。 また、資源管理型漁業、つくり育てる漁業の推進等により、我が国周辺水域の漁業振興を図り、漁業経営基盤の強化、漁業就業者の育成確保、水産物の需給、価格の安定等各般の施策を講じてまいります。 以上のような農林水産施策を展開するため、平成六年度の農林水産予算の編成に際しましては、今後の農林水産政策の着実な推進の第一歩として、十分に意を尽くしたところであります。 また、施策の展開に伴って必要となる法制の整備につきましては、今後、当委員会の場におきましてよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。 以上、所信の一端を申し上げましたが、私は、魅力あふれ、活力に満ちた農林水産業、農山漁村の実現に向けて全力を尽くしてまいります。 委員各位におかれましては、農林水産行政推進のため、今後とも一層の御支援、御協力を賜りますよう切にお願い申し上げる次第でございます。(拍手)
○竹内委員長 次に、平成六年度農林水産関係予算について説明を聴取いたします。木幡農林水産政務次官。
○木幡政府委員 このたび農林水産政務次官を拝命いたしました木幡弘道でございます。 もとより非力でありますが、加藤大臣を補佐し、委員長を初め委員の皆様方の御指導を賜りながら、我が国の農林水産行政進展のために努力を重ねてまいる所存でございますので、よろしく御指導を賜りますようお願いを申し上げます。(拍手) 私の方から、平成六年度農林水産予算の概要について御説明申し上げます。 平成六年度一般会計予算における農林水産予算の総額は、関係省庁分を含めまして、三兆四千百八十八億円となっております。その内訳は、公共事業費が一兆八千五百五十九億円、非公共事業費のうちの一般事業費が一兆二千八百八十六億円、食糧管理費が二千七百四十三億円でございます。 なお、このほかにNTT事業償還時補助分として五千九十億円が計上されておりまして、これを含めました農林水産予算の総額は三兆九千二百七十八億円となります。 以下、予算の重点事項について御説明を申し上げます。 第一は、国民生活に欠かせない食糧を安定供給するための担い手の育成でございます。 経営感覚にすぐれた効率的、安定的な経営体が生産の大宗を担う農業構造を実現するため、地域農業の展開の指針となる市町村基本構想の早期策定を進めますとともに、経営改善を図ろうとする農業者に対する支援、相談活動の強化を図ってまいります。また、力強い農業担い手を育成するための長期資金及び運転資金から成る総合的な融資制度を創設をいたし、特に長期資金につきましては、二%という低利の金利の実現を図ってまいります。 さらに、農業経営育成のための新しい農業構造改善事業の創設、担い生育成のための生産基盤の積極的整備など、低コスト生産や規模拡大に必要な条件整備のための対策を強化します。 このほか、意欲と経営能力にすぐれた青年農業者等の育成確保対策を充実強化するとともに、農山漁村における女性の活動促進のための対策を実施をいたします。 第二は、国土を保全し、自然環境を維持している中山間地域等の活性化でございます。 中山間地域において、地域の創意工夫を生かして市町村が実施する地域活性化への取り組みを支援するとともに、中山間地域における営農改善のための資金の金利の引き下げを行います。また、地域の特産物や地域の特性を生かした地域活性化対策を創設をいたします。 第三は、立ちおくれている農村地域の生活環境の整備でございます。 都市と比較して著しく立ちおくれている農村地域の生活環境の整備を図るため、集落排水施設や農道等の整備を積極的に推進するとともに、地域住民が誇りを持って快適に居住できるよう、景観形成、環境保全に配慮した「美しいむらづくり」を進めてまいります。 第四は、活力ある農業生産の展開でございます。 昨年の未曾有の冷害等の経験を踏まえ、気象条件に左右されにくい安定的な国内農業生産体制を構築するため、冷害に強い生産技術の実証、生産安定化のための条件整備を推進しますとともに、耐冷性品種の育成等異常気象に対応した試験研究の充実を図ってまいります。また、水田営農活性化対策につきましては、米の需給事情に対応して転作面積の緩和を行うとともに、地域や農業者の意向に即した生産性の高い水田営農を推進してまいります。さらに、畜産、畑作農業、野菜生産等の振興のための各種施策を展開をいたします。 第五は、環境問題への積極的な対応でございます。 農業が本来持っている物質循環機能を生かして、生産性との調和などに留意しつつ、環境への負荷の軽減に配慮した環境保全型農業の地域合意に基づく導入、展開を支援をしてまいります。また、公共用水域に流入する農業用用排水の水質改善や動植物の生育に必要な環境整備等、農村地域における環境保全対策を推進してまいります。 第六は、技術の開発、普及による農業生産の効率化と労働時間の短縮であります。 革新的な農業機械の開発、実用化を進めるとともに、今後実用化が見込まれる革新的な技術の生産現場での導入、実証を推進をいたします。 また、バイオテクノロジー等の基礎的、先導的研究を推進するとともに、重要政策課題に対応した研究開発を支援します。さらに、農業に関する総合的な普及指導体制を確立するとともに、一九九五年農業センサスを実施をいたします。 第七は、食生活の安全性確保、品質向上のための消費者行政サービスの充実でございます。 消費者が安心できる食生活を送れるよう、輸入食品の増大に対応して輸入食品の品質表示の適正化を推進しますとともに、食品についての消費者被害の未然、再発防止及び被害救済のための総合的な対策を実施してまいります。 第八は、緑豊かな森林の整備と山村地域の活性化でございます。 多様で質の高い森林を育成するため、造林・林道事業及び治山事業を計画的に推進するとともに、保安林の緊急整備を進めます。また、森林整備を促進するため、無利子の造林資金を創設するとともに、林業労働環境の改善、国産材の供給体制の整備、山村の生活環境の整備等の対策を推進してまいります。さらに、国有林野事業につきましては、改善計画に即して経営改善を着実に推進してまいります。 第九は、国民に開かれた漁港、漁村の形成と豊かな海の保全でございます。 漁港事業及び沿岸漁場整備開発事業につきましては、新たな長期計画を策定するとともに、漁村地域の活性化を図るため、新たな沿岸漁業構造改善事業を発足をいたします。また、我が国周辺水域の漁業振興を図るため、資源管理型漁業の推進、定着化を進めますとともに、回遊性の魚種に重点を置いた栽培漁業などつくり育てる漁業を推進してまいります。 次に、特別会計予算について御説明申し上げます。 食糧管理特別会計におきましては、管理経費の節減等に努めつつ、一般会計から調整勘定へ所要額の繰り入れを行うとともに、その他の各特別会計についてもそれぞれ所要の予算を計上しております。 最後に、財政投融資計画につきましては、農林漁業金融公庫による資金運用部資金等の借り入れ等総額八千六百九億円を予定しております。 これをもちまして、平成六年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
○竹内委員長 以上で説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時四十分散会