地方行政委員会 第6号
- 発言数
- 65 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1994/06/10
会議録
○粟屋委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、参議院送付、消防法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより趣旨の説明を聴取いたします。石井自治大臣。 ───────────── 消防法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○石井国務大臣 ただいま議題となりました消防法の一部を改正する法律案について、その提案理由と内容の概要を御説明申し上げます。 火災が発生した場合、消防隊が到着するまでの間、火災の現場付近にいる者が、消防作業に協力して、死亡し、負傷し、もしくは疾病にかかりまたは障害の状態となった場合には、消防業務協力者として損害補償が受けられることとされておりますが、当該建築物等の所有者、居住者、勤務者等については、応急消火義務者とされており、損害補償の対象とはされておりません。しかしながら、応急消火義務者とされる出火した建築物等の関係者であっても、マンションや雑居ビル等の場合においては、火災が発生した部分の関係者以外の者については、新たに消防業務協力者と同様に補償の対象とする改正を行おうとするものであります。 また、あわせて、去る二月十五日の閣議決定「今後における行政改革の推進方策について」において推進することとされた規制緩和等の措置として、危険物取扱者試験及び消防設備士試験の受験資格の認定を廃止する等の改正を行おうとするものであります。 以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。 第一に、消防作業に従事した者に係る損害補償に関する事項についてであります。 構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所等の用途に供することができるものがある建築物等において火災が発生した場合に、火災が発生した部分に係る所有者、管理者、占有者等以外の者が、消防作業に従事して、死亡し、負傷し、もしくは疾病にかかりまたは障害の状態となったときは、新たにその者を補償の対象とすることといたしております。 第二に、危険物取扱者試験及び消防設備士試験の受験資格に関する事項についてであります。 甲種危険物取扱者試験及び甲種消防設備士試験の受験資格について、都道府県知事の認定制度を廃止することとしております。 そのほか、罰金額等の引き上げその他規定の整備を図ることとしております。 なお、これらの消防法の改正は、原則として公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することといたしておりますが、罰則に関する事項については公布の日から起算して二十日を経過した日から、危険物取扱者試験及び消防設備士試験の受験資格に関する事項については平成七年四月一日から施行することといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○粟屋委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ─────────────
○粟屋委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平林鴻三君。
○平林委員 今回の消防法の改正は、災害補償の関係の従来の制度の欠陥と考えられた部分の改正、それにいわゆる規制緩和に関することなどであると承知をいたしております。規制緩和に関しては当然のことでありますし、私もさらに研究を進めて緩和を図っていくべきだと考えておりますが、本日御質問をいたしたいのは損害補償の関係であります。時間が限られておりますので、できるだけ簡単に申し上げますから、お答えの方も簡明にお願いを申し上げたいと思います。 消防庁にお伺いをいたしたいと思います。 消防作業に際しまして、消防業務協力者に従来死傷等の災害が生じた例というのは、毎年幾つも例があろうと思いますけれども、近年どのような傾向になっておりますか、数字を挙げて御説明をいただきたい。
○紀内政府委員 現行法は、お話にもございましたように、消防協力者に対する補償という位置づけになっておるわけでございますが、最近の例を申し上げますと、共済の基金によって補償された者が平成二年度におきまして百五十三人、死者が三人で、負傷者が百五十人でございます。それから、平成三年度におきましては百三十七人、うち死者三人でございます。平成四年度につきましては百六人、うち死者一人ということでございます。近年三カ年でいえばこういうことでございまして、過去十年間では千六百九十人、うち死者が二十六人、こうなっております。
○平林委員 今長官のお話を伺いますと、相当の人数に上っております。やはりこの災害に対して、いわば危険を顧みずこの対策に挺身をしてくださる、不幸にして死傷等の災害に遭われた方には、それに応じて十分な補償を行うべきであると私は思います。 そこで、今回の法改正に至りました経過を伺いたいのでありますけれども、いわゆる応急消火義務者で、所有者とか管理者とか占有者とされまして、けがをされたりした方の補償が行われなかったという例が従来あるかどうかですね。そういう人たちがもっと早く法改正が行われておったとすれば何人ぐらい対象になって補償を受けられたか、そういうことを伺っておきたいと思います。
○紀内政府委員 現在現行法が機能している中では、その当時において今日の改正を予見していたわけじゃございませんので、厳密な数字の仕分けはございませんが、さかのぼって考えてみまして、今回のような要件を構えて補償範囲を広げた場合にどんな数字に相なるかということを平成四年度、単年度の例でございますけれども調べてみますと、応急消火義務者であったがために補償を受けられなかった、しかし改正法によれば補償を受けられるであろうと考えられる者の数が死者一人、負傷者で三十二人程度と考えております。
○平林委員 私は思うのですけれども、こういう事情というのは相当前から、建物の構造変化といいますか、大きな建物ができてくる、あるいは同じ建物でも部屋によって所有者、管理者、占有者が違うというような例がどんどん出てくる、そういうようなことはもう既に十年、二十年前からわかっておった事実であろうと思うのです。今までどうしてこういう制度がとられていなかったのか、怠慢とは申しませんけれども、いささか遅きに失した改正ではないかという気もするわけです。もっと早く気がついて早く直しておかなければいかぬものを今ごろになってという感じすら抱いております。その点に関して、どういうわけで今日に至ったのか、そのわけを聞かしておいていただきたい。
○紀内政府委員 確かに、建物構造が変わってきた、あるいは住民の意識が変化してきたというのはきょう突然始まったわけではございません。従前から進行していたわけでございますけれども、徐々に変わってきたというふうに受けとめております。 この議論自体は数年前から行われていたわけでございますけれども、その間、まず最初に現行法の解釈でカバーすることが可能であるかという議論がございました。その後におきましても、応急消火義務と消火の業務に従事いたしまして損害を受けた場合の補償の範囲とをリンクさせる必要があるかないかという議論をやりまして、具体的に建物構造上独立したものとみなせるのはどういう範囲であるかとか、そういう技術的な検討をいたした結果、今日になったわけでございます。
○平林委員 今そういうことを申し上げてもせんないことではあるけれども、そういうことは政府として、消防庁は責任を持ってもっと早く検討をして措置をしておくべきでなかったかということを私はこの際指摘しておきたいと思うのです。今後のこともあります。世の中はどんどん変わっていくし、消防の業務についても、災害の態様もどんどん変わっていくわけですから、時期を失することなしにそういう処理をしていってもらいたい、そういうことを要望しておきます。 次は、この法律改正には直接関係はございませんが、消防職団員で救命救急といいますか、そういう仕事を受け持っておる人が、特に消防職員の人には救急業務がありますから、前々から相当多数に上っておると思うのでありますけれども、消防職団員で救急救命士という制度がたしか二年前ですか、できましたね。 それで、救急救命士の資格を取って、そしてその業務に従事しておるという人は現在どれくらいな人数に上っておるか、その点をお聞かせをいただいておきたい。
○紀内政府委員 お話にございましたように、救急救命士は、制度自体はそろそろ三年を迎えるわけでございますけれども、運用を開始して二年というところでございまして、現在まで国家試験が五回行われました。その結果、消防職員で救急救命士の資格を有する者は現在千八百十二名でございます。
○平林委員 現在資格を有する者が千八百十二人というお話をただいま伺いましたけれども、全国の消防組織、全市町村にまたがっておるわけであります。救急業務を担当しておる職員もたくさんいらっしゃると思いますが、元来そういう救急業務を救急救命士の資格を持って実施しなければいけない人数といいますか、必要な人員数というのはどれくらいに見込んでおられますか。
○紀内政府委員 これは法的な基準等があるわけではございませんけれども、救急隊というのは一隊三名編成でございまして、私ども、せっかく救急救命士をつくりました以上は、各救急隊に一人救急救命士が車に乗っているという状況が望ましいと思っております。現在全国に救急隊四千三百隊、約五万人おります。したがって、その三分の一程度を救急救命士に仕立て上げようと考えますと、一万五千人から一万六千人程度が必要か、このように考えております。
○平林委員 今が千八百人余りで、将来必要であろうと思われるのが今のお話では一万五千人程度、こういうことですね。これも一つ問題があろうと思うのです。 この制度は、当時の様子を振り返ってみますと、各省間でいろいろな、簡単に言えば縄張り争いみたいなものがあったような気がいたします。この制度をつくることの是非についてもあったような気がする。その辺について若干の調整の時間が要ったような気もしております。そのようなことは余り、各省のいわば競争というものが世の中の役に立ったかどうかわからないなどという気がするのであります。 それはともかくとして、制度ができた場合に、実際にこの仕事に従事する人の大半といいますか、大部分は消防職員であろうと思われます。そこで、消防側に立って言えば、この救急救命士というものを計画的にできるだけ早く養成をして、救急業務がさらに改善されるように努力をされてしかるべきではないかと思うわけであります。 したがって、一万五千人とすれば、消防庁としては、各消防機関を指導し、消防職員にこういう資格を取ってもらいたいということで、いわば奨励、慫慂をされると思うわけでありますけれども、消防庁としてどのような方針で今後に臨んでおられるか、その点を伺っておきたいと思う。
○紀内政府委員 救急救命士の場合には高度の救命処置として新たに三つの処置が講じることができるようになったわけでございまして、そのための研修の時間といたしまして八百三十五時間くらいかかるということでございます。 現在その養成の課程がどうなっているかと申しますと、全国の団体が協賛してつくっております救急振興財団というのがございまして、そこが東京に研修所を持っておりまして、これで年間四百名、それから東京消防庁及び大都市の消防局で研修所を持っておりまして、これが年間四百五十名程度の救急救命士を養成しております。それからまた、先ほど申し上げました財団による九州研修所を明年の四月に開議を予定しております。そうなりますと、おおむね毎年千二百名から千三百名の新規資格取得者が確保されるというふうに見込んでおりまして、そういうマクロの計算からしますと、先ほど申し上げました数字は十年程度で達成が可能ではないか、このように考えております。
○平林委員 この問題は新しい制度でありますし、消防庁で計画を立てられてもなかなかすぐにはどんどんと進んでいくようには私も思いませんけれども、できるだけ早くそういういい姿にする努力を願いたいと思うのです。いろいろな方法があろうと思いますが、今伺いますと、そういう養成機関というものも、たくさんの人が資格を受けられるような環境ができるという体制がだんだんと整ってきておるように思いますから、どうかこれからも怠りなく体制整備をしていただきたい、そういうことを要望をいたしておきます。 さて、その次は、消防職員の団結権の問題につきまして若干お伺いをしておきたいと思います。まだこの結論が出ていない問題であろうとは思いますけれども、現状をお伺いしたいわけであります。 歴史的に見ますと、もう既に何年になりましょうか、もう二十年にもなりましょうか、もっとなりますかね、消防職員の団結権に関して自治労その他の労働団体からILOに問題提起がなされて、何か提訴があったのでしょうか、そのようなことで長年にわたってILOでも取り上げられ、日本の国内でも検討がされておるということだと承知をいたしております。 この問題は、国内の問題としてはなかなか難しい問題をはらんでおるように私は思っております。だから、決して事を急いで慌てて変な結論を出すというようなことはむしろ慎むべきじゃないかという気持ちを持っておりますけれども、従来の経過なりあるいは現在の状況、そのことについて、担当はこれは公務員部長さんですか、ひとつ御説明をいただきたい。
○鈴木(正)政府委員 ILOの関係で、消防職員の団結権の問題でございます。 経緯はちょっと長くなりますが、昭和四十年に条約を批准したわけです。その際に、ILOの結社の自由委員会が、日本の消防は警察に含まれて、消防職員の団結禁止が条約に抵触するものではないということを確認したことを前提として批准したわけでございますが、今お話ございました四十六年に総評等がこの問題をILOに提訴して、問題提起されたわけでございます。 昭和四十八年になりまして、ILOの専門家委員会におきまして、政府に対し、消防職員に団結権が認められるよう適当な措置をとることを希望する旨表明があり、以後、消防活動を団結権から除外することは正当化できない、こういう基本的態度をとってきておるわけでございます。政府としては、条約上の問題はないという考え方のもとに、国内問題として解決すべく慎重に検討を続けてきた、こういう経過でございます。現在は、平成二年十一月から、公務員問題連絡会議の了承を経まして、自治省と自治労との間でこの協議を続けるということで参ってきております。 それで、平成三年六月のILO総会におきまして、日本の政府代表は、同年の六月に自治大臣と連合会長、自治労委員長が会見いたしまして、今後二年間を目標に解決策を見出すよう自治省と自治労との間でよく協議していこうということで意見が一致した旨を表明いたしまして、その後、自治省と自治労との間で実質的な協議を重ねてきていましたが、平成五年六月、昨年六月までに協議を調えるに至らなかったということでございまして、同年の六月のILO総会におきまして、日本の政府代表は、政府として解決策を見出すことができるよう努力を続けていくという点が第一点、第二点目としては、ILO関係者を日本に招聘して、消防の実情の視察、関係者からの意見の聴取や意見交換などを実施する用意があるということを表明いたしました。 そういった経過で、ことしの一月に、ILOのマイヤー事務局次長が、この問題の担当次長でございますが、来日をいたしたわけでございます。マイヤー事務局次長は、総理大臣、労働大臣、自治大臣、総務庁長官への表敬を行ったほか、連合会長あるいは自治労委員長等労働組合関係者との会見も行い、また、消防の実情の視察、それから消防の関係者との意見交換を行ったところでございます。 そういった経過をとりながら現在まで自治省と自治労との間の協議を続けてきておりまして、特に、この四月からは公務員部だけでなくて、消防行政を預かっている消防庁も含める形で協議体制の充実を図るということで、四月、五月と協議を行ってまいったところでございます。誠意を持って協議を行ってきたわけですが、今お話ありましたように、消防職員のこの問題は、大変多くの関係者を背景に持ちまして、また長い経緯を有するものでもありますから、現時点で解決策を見出すということには至っておりません。 私どもとしては、今後とも積極的に協議を重ねて、適切な解決策を見出すように努力をしてまいりたい。 こういう状況でございます。
○平林委員 ILOと政府との間の折衝、あるいは政府と自治労との間の協議というような状況は今お伺いをいたしたわけでありますが、やはりこの問題についてはいろんな観点からの検討が必要であろうと思います。 例えばILOの結社の自由の条約におきましても、たしか軍と警察は対象外だということになっておる由であります。我が国の消防の歴史というものを考えてみますと、消防の法制的な立場といいますか観点から見た場合には、警察と同様に取り扱ってきたという経過があって、それが日本の社会には、もちろん社会は変化していきますけれども、従来定着をしてきたように私は感じております。そういう観点のもとに、警察と同様の見地から消防というものを考える、そういう見方が社会的には、歴史としては定着してきたように私は思うのであります。そのことは忘れてはならない。 さらに、端的に言えば、消防というものは国民の生命財産を守る、火災その他の災害に際して、いわば生命を賭して活動をする、そういうことでありますから、私が今申し上げましたような観点というものは今後もよく考えながら、この消防職員の処遇なり、あるいは団結権問題については検討をすべきものだと思っておるわけであります。 私は、消防職員の今日の勤務の姿を地元で見ておりまして、昔と違って実に多様な業務に従事するようになった、しかも、その活動の危険性というものは、従来に比べてはるかにまた厳しい状態になっておるような気がいたします。これは、火災の態様が非常に変わってきたということからしてもわかることであります。危険な業務に、それこそ一身の危険を顧みずに活動するわけでありますから、それにふさわしい待遇というものは考えて、しっかりとしてあげなければいかぬ、私はそのように思っております。 同時に、その消防の職務に伴う労働権の制約その他の問題については、やはりILOともよく相談をなさる必要がありましょうし、ILOに日本の実情を知ってもらうということも必要でありましょうし、さらには自治労その他の労働団体とよく協議を続けられて、いい結論が出るようにひとつ努力を願いたいと思うわけであります。 自治大臣に申し上げたいと思いますけれども、今私が申し上げましたようなことに対して所見があれば、ひとつおっしゃっていただきたい。
○石井国務大臣 ただいまの御議論はまことに重要な問題の提起でございまして、国内的ないわゆる団結権、そして国際的なILOの要請ということ、しかし、その一方、また消防の伝統、そして国民に対する使命感とその責任というふうなことを考えましたときに、大変長い経緯があり、また多くの関係者を煩わせまして大変難しい問題でございますが、今後さらに慎重に検討を加え、誠意を持って協議を進めていくべき事項ではなかろうかと思っております。 特に、先ほど平林委員が御指摘になりました一点でございますけれども、いわゆる消防士四万人の職員の皆さんが、まあその後には百万人の消防団というのもございますけれども、当面、消防職員の皆さんが職務を遂行する上において規律と統制というものを十分確保して、緊急事態へも備えて災害に対処しなければいけないというふうなこと、また、階級制というものを警察と同様にとっておって、そういう組織原理のもとで活動をしておるというふうなこと、さらに、全国の消防組織、消防団、市長会、町村会等がやはりこれに対して反対の意思表示をしておられるというふうなこと、さらに、国民を代表する国会におきまして各党の意見がまだ十分なコンセンサスを得られておらない、一番大きい政党である自民党の中にも甲論乙駁があるということを私もこれまで感じてきたわけでございますけれども、そういうふうなことを考えましたら、労働サイドの主張も耳を傾けるべきところがございますし、二十年前にILOに対しましてそれなりの手続をとった、そうして今日まで放置されておるということに責任を感じつつも、なおかつ日本の社会と消防の持っております社会的使命ということを考えました場合に、まだ未解決の問題が国内に残っておるということもこれまた理解されるところではなかろうかと思います。 私といたしましては、今後、誠意を持って自治労を初めこれらの関係の皆様方と協議をさらに進めて、円満な中に、正しいそしてお互いが納得のできるコンセンサスを求めるために努力を続けたい、そのように考えております。
○平林委員 引き続き政府におきまして検討されて、しかるべき結論が出ることを期待しております。 さて、先ほどのILOの問題でちょっと申し上げましたように、消防と類似の関係にあります警察でありますけれども、きょうは消防法の審議でありますけれども、特に事件の性質にかんがみまして、警察当局に御出席を求めました。 と申しますのは、先般、京都府警が京都朝鮮学校事務局等を強制捜査をした。容疑事実は、国土利用計画法に基づいて届け出をしなければならない土地取引を京都市に届け出てなかったということのようであります。ところが、捜査後に、その当該取引が京都市当局に届け出済みであったということが確認された、こういうことのようでありまして、そこで捜査が打ち切られた、そのような事件であります。私は、これを新聞で見ましてまことに奇異な感じを抱きましたし、これは警察のミスだな、こう思いましたが、その後聞いてみますと、市役所の方がもたもたしておって、届け出があったのをなかったということを警察に回答しておった、こういう話も聞いております。 この際、警察庁当局から事件の簡単な経過を説明をいただきたい。時間の関係がありますから、簡単に。
○中田(恒)政府委員 お答え申し上げます。 ただいま委員御指摘のようなことで、本件では、京都府警におきまして、事前に京都市に対しまして刑事訴訟法によります捜査関係事項照会書によりまして照会をいたしました。公文書で京都市から無届けであるという旨の回答を得るなど所要の捜査を遂げた上で捜索を実施した。ところが、捜索直後の関係者の事情聴取の際に、関係者の中から、届け出をしているはずだというようなお話がございまして、再度直ちに京都市に照会いたしました結果、京都市の市役所の係官の書類の検索ミスで警察に対して誤った回答をしたというような事情がわかったということで、捜査を打ち切ったものでございます。
○平林委員 どうも軽率であった、そこつであったという感じがしてならないのですね。今回の強制捜査に入った間違いの原因というのは、今保安部長がおっしゃったように、京都の市役所の職員のいわば不注意といいますか、過失ということに原因があるように推察をされます。市役所がいいかげんなことをしたという感じがいたします。これも厳重に責められなければいかぬ。少なくとも、正式に捜査当局から問い合わせがあったことに対してそんないいかげんな回答ができるはずはないんだと私は思っております。とんだことをしたものだという感じであります。 同時に、強制捜査に着手した直後に、適法な手続が行われていたということが判明したということを考えますと、府警側にももう少し慎重な配慮というものが必要でなかったかという感じもするわけであります。これは府警側にも失態だな、エラーをやったな、こういうことであります。やはり軽率、そこつな捜査というものは、警察当局においてはどんな事件であっても戒められなければならぬ、そういうことを痛感をいたしました。 警察官といえども神様じゃない、人間のすることでありますから、エラーが起こるということは、これはもう私も絶対エラーしてはならぬということは言いにくいとは思いますけれども、仕方のないことではあると思いますけれども、同時に、我々人間というものは、一つの職務に対する責任感というのはもちろん必要であり、それを重く考えるのは当然のことでありますけれども、職務に従事する場合に、ともすれば功名心に駆られるということも気をつけておかなければいかぬことではないかという気がいたします。いわば血気にはやってエラーをした、こういうようなこともあり得るなという気がいたしております。 だからといって、エラーをしましたと言うだけでは事は済まないのですね。特に、容疑を受けた側からでは、それはもうたまったものではない。これは、日本国に居住する人間、国民であろうが外国人であろうが同じことだと私は思いますし、今回の事件に限らず、平穏、善良に生活をしておる市民にとっては、エラーで警察に引っ張られたなんというようなことがあったら、それこそたまったものではないという気がするわけであります。 また、感想を次々と申し上げますけれども、どんな組織にも仲間内をかばうという意識があるのですね。間違えた場合に、組織の中で口裏を合わせて言い逃れをしようという意識が働きやすいものだと私は思っております。これはどんな組織でも、会社でもそうだと思うのです。たまたま今回の事件は、直ちに捜査を中止して、善後処置を講じたようです。これはよかったと私は思っております。警察は、間違ったときに間違いを認めて、訂正するということをためらってはいかぬと思っておるわけであります。いたずらにその表面を糊塗して、かえって重大な事態に至るということもあるわけでありますから、その意味では、今回のこの処置というものは、エラーであったけれども、後のカバーはまあまあよかったな、そういう感じがしておるところであります。 警察というところは、強制力を持って法律を執行するわけでありますから、その権限に伴う責任というものは非常に重いのだということを、どうかひとつ警察の当局は全国の警察官にさらに徹底をしていただきたいと思うわけであります。間違った場合には素直に謝れということであります。きょうは保安部長だけの出席でありますけれども、委員会におきましても、警察庁当局として、事態を率直に認めて、素直に悪かったことは謝るべきだ、これが私の意見であります。また、今申し上げましたように、こういう失態をたびたび起こされてはたまったものではないのですから、どうかひとつ警察官の教養訓練にはさらに徹底を期していただきたい、これが私の意見であります。素直に謝りなさいということと、教養訓練に努力しなさいということであります。 次に、国家公安委員長に申し上げたいと思います。 たしか三十年以上も前になるかと思いますけれども、外国の大使が精神異常の者に傷害を受けた、重傷を負ったという事件がありました。覚えておられるでしょうか。私も、もう古いことですから、調査もせずにこの質問に立ちましたので、うろ覚えで申し上げますけれども、この事件で国家公安委員長は責任をとって辞任されたと私の記憶では承知をいたしております。今回の事件で国家公安委員長が辞職をしなさいな布ということを申し上げる気持ちは私はありませんけれども、警察を管理する最高の責任を持っておられるのは大臣ですから、その責務、職務にある大臣として、今回の事件の反省と今後の警察を管理する大臣自身のお考えを聞かせていただきたい。警察当局と大臣と、お二方の答弁を求めます。
○中田(恒)政府委員 御答弁申し上げます。 いずれにいたしましても、捜査手続については、私ども必ずしも違法な点があったとは言えないというようなことも考えておりますけれども、ただ、結果といたしまして、関係者に大変御迷惑をかけたことは事実でございます。大変残念に思っておるところでございます。 私ども、このようなことから、事情が判明し捜査を打ち切った段階で、直ちに関係者に対して連絡をいたしまして、押収したものの還付の手続を進めておりますし、また関係の方々に対しても誠意を持って事のてんまつを御説明申し上げ、理解を得るという努力をしておるところであります。 また、通常考えられないような、このような事態が起こったわけでございますので、なぜこのようなことが起こったのか、今後このような照会に当たっての検索、照合のシステムのあり方を含めまして、同種の事案が再発をすることのないような有効な方策があるかないかというようなことについて早急に検討いたしまして、今後の捜査に生かしていくものがありましたら生かしてまいりた いと考えておるところでございます。
○石井国務大臣 事件をトレースしてみますと、三十七筆の届け出のうち、その期間内に二十七筆について届け出がないということから、その経過はもう省略いたしますけれども、しかし、そのうち大部分が時効にかかって、問題として残ったのはたった三筆、そのうちの二筆という問題が時効が二カ月先に来ておる、こういうようなせっぱ詰まった中に、警察といたしましては、恐らく、正式に京都市役所にいろいろと調査を依頼し、理財局長の名前で京都府警にそういう回答も来たということから踏み切ったと思うのでございますが、私は、警察を監督する立場といたしましては、それにしても、その責任は京都市役所だとは言えない。やはりその実行を、行使をしたのは警察であったということであれば、それはやはりおわびをしなければいかぬことだというふうに認識をいたします。また、私はそういう感じを持っております。 そして、今後こういうことがないように特に注意をしなければいかぬ、これを転じて今後の指針にしなければいかぬ、そういう認識を私は持っております。
○平林委員 終わります。
○粟屋委員長 小林守君。
○小林委員 社会党の小林守でございます。 案件としてかかっております消防法の一部改正につきましては、我々も速やかな成立を望んでいるところでございますが、今日緊急の大きな問題が生じておりまして、警察行政上の重大問題ととらえて、今平林委員の方からも質問がございましたけれども、六日六日に京都府警が行った朝鮮総連京都府本部等への強制捜査、この問題について伺っていきたいと思います。 これについては、既にお話がありましたように、事実無根ということが判明いたしまして、その捜査のあり方が大きな問題になっているわけであります。 そこで、まず、この事件についての事実の経過を明らかにしていただきたいと思います。
○中田(恒)政府委員 お答え申し上げます。 事実の経過についてでございますけれども、概要を日を追って御説明を申し上げたいと思います。 三月二十八日あたりから始めさせていただきたいと思います。ことしの三月二十八日に、それ以前には国土利用計画法違反の容疑があったという前提でございますが、京都府警は京都市の、理財局長ではございますけれども、理財局長あてに、刑事訴訟法に基づきます捜査関係事項照会書、文書でございますが、これによりまして届け出の有無を照会をしたわけでございます。先ほどの大臣の御答弁の中にもございましたような、三十七筆の土地についてどうかという照会をした。 そして、四月の一日になりまして、この京都市の理財局長名の公文書をもちまして、この照会に対する回答がございました。三十七筆中十筆については国土利用計画法上の届け出があります。それ以外、つまり二十七筆でございますが、それ以外はありませんということでございます。そしてまた、これは回答の結果ではございませんけれども、届け出のないこの二十七筆のうち、先ほど大臣もちょっとお触れになりましたけれども、二十五筆は、刑事罰を考えた場合はでございますけれども、時効にかかっているものであった。これは回答の中身ではございません、その部分だけは。三十七筆中、十筆が届け出ありというところまで、そして二十七筆が届け出がないというところまでが回答の内容でございます。 それから、六月の三日に、京都市に対して京都府警の方から告発を促しております。そして京都市においては、告発を検討する、十日ぐらい過ぎたころに回答しますということのお話でありました。 そして翌日に、京都地裁から、京都府警はこの関係場所の捜索差し押さえ許可状を請求し、発付を受けておるところであります。 それから明けて月曜、六月の六日の朝九時から、この許可状によりまして関係箇所に捜索を開始しております。それで、世上報道されたりなんかしておりますのは二十七カ所ということでございますが、二十七の捜索差し押さえ許可状を持っておりましたのは事実でございますが、捜索をいたしましたのは現実に二十一カ所、二十一でございます。また、それに従事しました警察官、捜査員でございますけれども、二十一カ所に対して約百七十名でございます。ただ、この捜索箇所につきましては、いろいろな抗議等で人が蝟集されたというような事情がございまして、その整理のために制服の警察官が、捜索のために出たわけではございませんけれども、整理要員として最大時百人ぐらいの警察官が出たというふうに聞いております。 そして、その同じ日でございますけれども、昼前から関係者の事情聴取を開始しております。それから午後になりまして、そのうちの一部の方、売り主の方でありますけれども、届け出をしているような申し立てがなされ、そしてまた書類を見せるというようなお話があったというのが午後からの話であります。 そして午後四時ぐらいになりまして、京都府警から京都市に対して届け出があったのかということの再確認の電話照会をしております。五時半ぐらいになりまして、返答がなかったものですから再度照会をしておるわけでありますが、それに対して届け出が実はあったんだということがこのときに電話回答でわかったということであります。 その後、回答書と違っておりますから、どういうことなんですかということで、市の担当部局の幹部の方から事情を聞いたりしておりまして、どうも理由は、係員がその照合の際に見落とした単純ミスが原因らしいということをお聞きした。そしてその際に問題となりました二筆の届け出書について提出を受け、内容も確認して事実がわかったということであります。 そういうことで、対処方針を決めまして、午後の十時過ぎから京都府警においては関係者に対して連絡をとりまして事情を説明し、押収したものをお返ししたいということを連絡をした。 そして深夜の十一時四十五分かと思いますが、京都府警の本部の防犯部の生活経済課長がこの間の経緯について、本部と記者クラブにおいててんまつを記者発表したというような一連の流れでございます。 〔委員長退席、吉田(公)委員長代理着席〕
○小林委員 今の事実経過報告の中で一つお聞きしたいのは、三十七筆のうち二十七筆については届け出がないというような文書回答があったということ、そして、これは警察の方で調べて結論を出したのでしょうが、二十七筆中二筆については時効になっていない、二カ月後に迫っているというような確認があったようなんですけれども、この二筆について捜査令状を請求して強制捜査に入ったということなんでしょうが、少なくとも、時効を確認するというようなことはやっているわけですから、そのときにこれが届け出がある、ないなどというものを全く確認せずに、だめ押しというか、慎重を期してそれを確認せずに、時効だけで捜査令状を求めて執行するということについては、極めて慎重さに欠けているのではないか。少なくとも、時効の確認の際に、出ているのか出ていないのかぐらいは最低確認していなかったらば話にならないのではないか、そんなふうに思いまして、その時点でこれは届け出がされていたということが確認できたのではないかというふうに思えてならないのですが、いかがでしょうか。
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。 捜査がもう少し慎重になされるべきではなかったかというようなお尋ねかと存じます。 繰り返しになりますけれども、この件につきましては京都市役所に対しまして公文書の照会をした。ある意味では、この国土利用計画法の無届けの違反というような犯罪を立証する場合に、唯一とは申しませんけれども、一番権威のある、一番確かな信用性のある捜査結果というものは、市の公文書による回答なわけでございます。 でありますので、その他の直接の取引の関係者につきましては控えておりましたが、周辺の関係者等の捜査もやっておりますし、時間的な経過をごらんいただければおわかりかと思いますが、必要な捜査を、機微にわたりますので中身は申し上げませんが、いろいろ尽くして捜索に踏み切ったというふうに私どもは承知いたしております。
○小林委員 少なくともこの時点で二筆が時効になっていないということを警察の方でこれは調べていたわけでありますから、その時点で届け出がされているということが発見できたのではないかということが悔やまれてなりません。 それから、それではもう一つお聞きしたいのは、六月三日に府警の捜査員が京都市の理財局の方に行きまして届け出義務違反の告発を促したということですね。しかしそのときに、十日ぐらい調査がかかるということもございますけれども、六月十三日までに調査をして告発するかどうか対応を決めるというような返答をされているわけでありますが、これにもかかわらず強制捜査に踏み切ったということ。六月三日というのは金曜日でございます。そして六日というのは月曜日ですから、間に四日、五日、土日が入っているということでありますから、そういうことを考えますると、京都市のこの理財局の西財務部長の話に対して全く聞く耳を持っていなかったというふうに言わざるを得ないわけであります。 しかし、このような土地取引に絡まる問題については、基本的には行政指導することによって直させるということがまず第一の前提だと思うのですね。京都市そのものもそういう態度で、これから実際に確認して指導をして、そしてどうしても言うことを聞かないとか悪質だとかいうことであるならば告発するという経過になるのが当たり前のことだと思うのですけれども、この市の当局の告発を待たずに強制捜査に踏み切った理由の背景には、やはり予断的なもの、それから差別的な考え方、そういうものがなかったのかどうか。 本来、捜査についてはまず容疑事実を慎重に確認するということが求められるでしょうし、また、いささかなりとも政治的な意図とか偏見、そういうものが疑われるようなことがあってはならないのが鉄則だと思うのですけれども、その点について、市の当局の告発を待たずになぜ強制捜査に踏み切ったのか、お答え願いたいと思います。
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。 一般的に、国土利用計画法違反事件というものでございますけれども、これは告発は、親告罪でもございませんで捜査の要件とはされていないことは御案内のとおりであります。通常の事件では私ども告発を待たずに、通常の事件といいますのはこの国土利用計画法違反の事件でございますけれども、告発を待たずに捜索を行っている例が大半でございます。 本件につきましては、さらに、先ほどお触れになりました時効等が完成するというような問題もございまして、そういうことで六月六日に告発を待たずに捜索に着手しておることは事実でございます。 ただ、京都市の行政当局が告発をもって処罰を求める意思等を明確にしていただくことは意義のあることでございます。これは一般的にもそうでございます。そういうような意味で、他の場合でも、できたら告発をし、あるいは県の方から出していただけませんかというように促すようなことはやっておりますし、今回もそのようなことでございまして、私どもとしては市の方の回答を待ってというわけじゃなくて、捜索に着手するということについては、既に方針は京都市に告発を促しに参る前に決めておりましたが、まず三日にそのような話をし、それからまた、このようなことになりましたけれども、六日以降においてもまたお願いをしようというふうに考えておったところでございます。 そのようなことで特段、時効等の問題はございましたけれども、差別とか政治的な意図とかそういうような他意は全然なくて、そのようなことからあの時期に捜索に着手をしたというものでございます。 なお、もう一点お触れになりました、行政指導等を先行させるべきではなかったのだろうかというお尋ねでございます。これも大変恐縮でございますけれども、御案内のとおり、国土利用計画法が許可制、届け出制をとっておりますが、その届け出制でございますが、土地売買等の契約の締結前に届け出をさせて、取引価格なり利用目的の適正を図ろうということにあろうかと思うわけであります。届け出があった後一定期間凍結いたしまして、その間に勧告等の行政的ないろいろな指導をする、そして最後は公表もあるというような制度であります。 ということでございますので、今回のように、実はあの土地については、既にその後届け出がないままに土地売買が締結されてしまっており、そして登記も完了してしまっておるというものについて国土利用計画法上の行政措置というものは何があり得たであろうかというようなことを考えるわけでございまして、そう考えた場合、行政的には、一つは行政監督がありましょうし、もう一つは行政罰の適用というものがあるのだと思いますが、そういう意味での行政刑罰の適用面で社会的なペナルティーをとるといいますか、そういうことが妥当なのではないかということで私ども捜査をしておったわけでございます。 〔吉田(公)委員長代理退席、委員長着席〕
○小林委員 今回の捜査の目的が、善意に解釈して京都朝鮮学園への土地取引にかかわる捜査ということになるわけでありますけれども、しかしその際に、先ほどの事実経過の中では二十一カ所、実際は二十七カ所の捜査対象を許可を得ていたというようなことだそうでありますが、二十一カ所捜査に入ったわけであります。人数の点でも百七十人ということでございますが、我々の得ている情報では、延べ四百人近い動員がされているというような情報もあります。 実は我が党も、きのう中央本部と府本部合同で京都府警や京都市や、それから朝鮮総連の府本部等への調査をさせていただいているところでございますけれども、学園の土地取引にかかわる捜査にもかかわらず、府本部とか商工会、こういうところまでなぜ捜査をする必要があったのか、極めて意図的なものを疑わざるを得ないという客観的な状況だと思いますが、いかがでしょうか。
○中田(恒)政府委員 お答え申し上げます。 これも御案内のことだと思いますが、土地問題でございますけれども、国民の大変大きな関心事でございます。私ども警察といたしましては、国土利用計画法の違反事件というものについては大変重点を置いて、重要な犯罪として厳正に対処してまいっておるところであります。 この国土利用計画法違反でございますけれども、この捜査につきましては、取引価格についての問題とか土地の利用目的が何であるかとか、その背景は何であったかということで立証していかなくちゃならない事項が多々あります。そういうようなことから国土利用計画法違反事件のほとんどのケースにつきましては捜索も行っておりますし、さらに捜索箇所も相当数に上るのが実態であります。ちなみに最近、他の府県で行いました国土利用計画法違反事件の捜査におきまして、四十二カ所について捜索を行っているところであります。 今回の京都の事件の関係でございますけれども、捜索の体制、先ほどもちょっと触れましたけれども、捜索場所は、実際に実施したのは二十一カ所でございますけれども、合わせて二十七カ所が予定されておりましたので、百七十人の体制でございまして、捜索としては、一カ所について多い少ないはございますけれども、トータルでは百七十人、私服員でございます。通常の体制であろうかと思います。 ただ、京都の場合は、捜索に当たりまして関係者が多数蝟集されまして抗議行動等がございました。そういうことで、現場の混乱を防止するということで、捜索そのものに当たったわけじゃございませんけれども、整理員を、当初は四十名ぐらいでございましたけれども、最大時は百名ぐらいになったというような報告を受けておりますが、そういう人たちが出ました。ですから、そのような捜索の要員と整理員と合わせれば最大時二百七十人ぐらいが動員されたことになるのかなというふうに思います。
○小林委員 まだ釈然としないものが残るわけでございますけれども、一番大きな問題は、虚偽とか錯誤による強制捜査、これがもたらす社会的な、それから当事者に対する精神的な大きな被害、こういうものがぬぐい去りがたく残るわけでありますから、事後の対応というものは本当に大事だというふうに私は思うわけです。 先ほど平林委員の方からもその辺については十分な御指摘もあったわけでございますけれども、マスコミ等の報道によって聞いているところですが、警察当局、府警当局が適法だったというような形で、謝ることについては非を認めることになるからこれはまずいというような一種の居直り、そういう態度があるのではないか、そういうふうに思うんです。市民社会の中で生活をしている我々の一般的な常識からいうならば、どういう立場、権力、行政とかそういう立場にあろうと、間違ってしまったことについてはやはり誠意を持つて謝るということが大前提だろうというふうに思うんですけれども、謝ることは適法な捜査について非を認めることになるという立場に居直るということについては許されない、そういうふうに私は思うんですが、いかがでしょうか。 そういうことで警察庁としての責任、そして総連への謝罪、これを含めた今後の対応について明確に述べていただきたいというふうに思います。
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。 今回の問題でございますけれども、この捜査におきまして、判断の根拠といたしました京都市の公文書でございます。同種の事件でこのような文書をいただくことは大変多数ございます。いつもこれを最大のよりどころとして捜査を進めておるわけでございますけれども、これに私ども全く前例を知らないような希有な事態が起こりまして、このようなことになったわけであります。 ただ、私ども捜査の手続面で必ずしも違法なところはない、必ずしも違法はないというようなことは考えておりますけれども、それにいたしましても、結果として関係者の方々に大変御迷惑をかけたということは痛感しておるところでございまして、その点まことに残念に思っております。 警察といたしまして、このような事情が判明した後に、捜査を打ち切って直ちにその関係者に連絡をして、押収したものの還付の手続を進めますとともに、関係の方々に誠意を持っててんまつの説明をし、理解を得るように努めておるというところであります。 また、なぜこのようなことが起こったのか、同種事犯の再発を防止するための方策はあるかというようなことを検討いたしまして、今後の捜査に生かしていくものがあれば生かしてまいりたいと考えておるところであります。
○小林委員 私の質問に対して正面から答えていないということで残念ではございますが、やはり警察庁として市民からの信頼を得るというためには、しっかりとした誠意ある態度で対応することが必要ではないか、そのようなことをつけ加えたいと思います。 それから、この問題については、京都市の理財局にも大きな責任があるというふうに私は考えます。府警の照会に対して、検索上のミスだということでございますが、慎重さを欠いたというのは事実だと思いますが、そのもたらす重大な社会的影響ということを考えるならば、この責任は免れない、そのように言わざるを得ません。 警察行政ですか、司法行政というか、それと市の行政、そういうものが一種のなれ合い的な、緊張感を欠いた関係ができ上がっているのではないか、そのように憂えるわけでございまして、要は、お互いに公共の利益を、住民の安全を守っていくという立場にありながら、こういう捜査というか、そういう問題になりますると、緊張関係に立ってやはりそれだけの立場でしっかりとしたルールに基づいてやらなければいけないという認識というか、慎重さが欠けていたんだろうと言わざるを得ないわけでありますけれども、京都市の方のお話によると、まさかこの照会が強制捜査に入る一つの根拠になるんだというふうには思っていなかったというようなお話もあるんですけれども、極めていいかげんなというか、極めて甘い現状認識なんだろうというふうに言わざるを得ません。 これについて自治大臣の見解を伺っておきたいと思います。
○石井国務大臣 社会党の調査団が直ちに京都市へ出向かれまして、子細にわたって調査をされております、その京都市からの報告書に、「いずれにいたしましても、今回の本市の事務処理ミスは、届け出内容について台帳を点検する際に対象土地を見落とし、その結果、誤って京都府警に届け出なしとの回答をしたのでございます。以上が事実の経過でございますが、私どもといたしましては、今回の事務処理について十分に反省をし、今後は十分に注意を払い、適正な事務処理に万全を期す考えでございます。」こういうふうな深い反省の言葉がございます。 大変大きな問題が起こったわけでございまして、地方自治体が行う事務というのは法令に基づいて処理するということが多いのですけれども、それにしても、この国民の権利義務、基本的な問題にもかかわるようなこの事務に当たって慎重に事態が処理されなかったということは、私の立場としてもまことに遺憾でございます。 実際、後で聞かされまして、率直な感情としては非常に唖然たるものを感じておりますが、今後これをどうするか、十分な慎重なる配慮が要請されるものであると考えております。
○小林委員 それでは、この問題についての最後の質問になりますけれども、政治的な背景とかそういう観点から、社会意識の動向とかそういう点で大臣の御見解をお伺いしたいと思います。 一般に、朝鮮半島をめぐる問題、日韓とか日朝の間での政治的な国家間の緊張が高まるたびに、在日韓国人や在日朝鮮人の住民やその児童生徒に対する暴行とかあるいは言葉による嫌がらせ、こういうものが続発しているという悲しい現実があるわけでありますけれども、このような朝鮮学校生徒に対する暴言とか暴行事件がまた起こりつつある、そういう方向に動きつつあるのかなということで大変危機意識を持って見詰めなければならないというふうに思うのですが、このような社会意識の動向について大臣はどのように受けとめられているか。特に、在日外国人の人権の問題とか、そして朝鮮半島をめぐる今日的な外交上の問題、大変緊迫した状況の中にあるわけでありますから、これがいわゆる国際的な関係の中で相手をさらに孤立化させ、そして日本における排外主義的な意識を高めてしまうということになるのではないか、そういうおそれを抱くわけですけれども、大臣の御見解を伺っておきます。
○石井国務大臣 御指摘のございましたその嫌がらせの問題等々があちこち散見されますことはまことに残念でございますが、このことにつきましては、警察当局としましてはきっちりと検挙をし事件を解明をしておりまして、いささかも他の事項との関連はございません。それからまた、今後もそれは注意をしていかなければいかぬ事項だというふうに認識しております。 それから、国際的な問題等々まことに厳しい状況が今たまたま起こっておるわけでございまして、私もその政治問題に深く関与をしてまいりましただけに大変憂慮し、問題を見詰めておるわけでございますが、そういうことから私は警察の責任者等にもしばしば意見を、報告を受け、そして問題が的確に処理されておるかということを点検してまいったわけでございますけれども、過去の経過を聞いております範囲におきましては、そういう国際的な問題との関連であるとか、あるいはまた基本的な人権の問題、あるいは外国人の差別というふうな問題とは全く無関係で、いわゆる国内の法律に照らして、違反事項があれば、これをやはり治安の維持という観点から公正、中立、厳正に取り締まるということに尽きる。それで今日の事態が起こっておるわけでございます。 それにいたしましても、どうしても今委員が御指摘になりましたようなそういうふうな背景がありますだけに、慎重な上にもさらに慎重を期さなければ、せっかくの警察の正しい行為が非常な誤解を受け、国民からの不信を受けるというふうなことにもなろうかと思います。この問題を深く受けとめ、今後の重要な教訓にしたい、私もさらに心を戒め監督に当たりたい、そのように思っております。
○小林委員 それでは、時間も残り少なくなりましたので、一つだけ消防行政についてお聞きしたいと思います。 女子消防吏員の採用と職場環境の整備という観点から御質問いたします。 去る二月二十五日、中央労働基準審議会の答申がございまして、女子労働基準規則の一部が改正されました。そして、四月一日から施行になるわけですけれども、女子の健康及び福祉に有害でない業務といたしまして消防の業務が追加されたところであります。そういうことで女子消防吏員にかかわる深夜業の規制が解除されて、女子消防吏員が交代制勤務につけるようになったということであります。 そういうことになりますると、当然ながら職員の募集とか採用上の対応、そして職場環境の改善という問題が必要になってくるわけでございますけれども、その点について、一、二伺います。 まず、職員募集の際に、従前は女子に対するそういう制限があったものですから、消防吏員の募集の場合には男子に限るという制限を設けて、明示して、募集要項を発表したというふうになっているわけでございますけれども、今後は例えば、少なくとも今年度の募集要綱については男子に限るということを入れてしまうような事例が出るかもしれませんけれども、これは許されないというふうに言えると思うのですが、それについてはいかがでしょうか。
○紀内政府委員 お話にございましたように、深夜業務に従事することができるようになりました。しかしながら、なお、例えば重量物を取り扱う業務とか有害ガスを吸うおそれがある業務とか、そういうものはだめだということになっております。 ということは、例えば、重量物の関係でいえば救助の仕事は難しい、あるいは有害ガスを吸う可能性がある職場としては消火等の仕事などがあるわけでございまして、そういう意味から、こういう交代制勤務が可能となっても、その募集しようとする職員のカテゴリーいかんによっては、やはり男子しか就業できないという場合がございます。その辺は、実際の募集に当たっての、それぞれの消防本部の実態により判断されるもの、このように考えております。
○小林委員 それぞれの消防の自治体の方での判断というようなお話なんですけれども、そうなると、やはり改正の趣旨が生かされてこないのではないか、そういうふうに思えてならないのですけれども、要は、女子消防吏員が消防の職場で働けるような環境を、条件を整備していくというのが行政上の使命なのではないかと思うのです。 そこで、職場環境の改善も当然必要になってくるわけであります。大体、男の職場だったわけでありますから、トイレの問題とか、仮眠室というんですか睡眠室の問題もあるでしょうし、さらには更衣室の問題、そういうものもあろうかと思うのですけれども、それらについて当然、それを募集するということになるならば、改善しなければならぬというふうに思います。もちろん、そのためには、当然財政上の措置がないと、このせっかく改正された規則も生きてこないわけでありますから、財政的な措置と、そして、どういうところを改善すべきなのかということについて御説明をいただきたいと思います。
○紀内政府委員 女子の消防吏員を深夜業務に従事させる場合には、当然、執務環境についても整備を必要とする部分がございます。御指摘にもございましたけれども、適当な睡眠または仮眠の場所を男子用と女子用に区分するとか、あるいは男子用と女子用に区分して所要の数の便所を設けるとか、そういう安全及び衛生上の配慮が必要になってまいります。 私ども、かねてから、二十四時間常時即応体制ということで、消防職員そのものの勤務の特殊性がございますので、それに見合った執務環境の改善に努めているわけでございますが、特に女子消防吏員の採用に伴って必要とされるものにつきましても、各消防本部において適正な措置がとられるよう所要の財源措置を講じてまいりたい、このように考えております。 なお、この問題だけに限られるわけではございませんけれども、平成六年度の予算におきまして、私ども、消防職員の執務環境の改善方策の検討のための予算をお願いしているところでございます。
○小林委員 終わります。
○粟屋委員長 穀田恵二君。
○穀田委員 きょう提出されている消防法の改正の問題については、社会状況の変化の中で当然の措置として私ども賛成するものです。 そこで同時に、今もお話がありましたけれども、消防職員に対する待遇改善については今後とも大いに図っていただきたいと思っています。 私は、京都府警の学校法人京都朝鮮学園に対する強制捜索の問題について質問をしようじゃないかという要求をした一人でもございますので、少しさせていただきたいと思います。 マスコミだとか識者も指摘するように、やはりこれは重大な人権じゅうりんということで厳しく糾弾されなければならないと私も思っています。そこで、中心ポイントは、先ほどありましたように、なぜ強制捜索をしなくてはならないのかということがポイントだと思うのですね。 そこで、先ほども少しお話がありましたけれども、京都市は六月三日からの京都府警からの問い合わせに対して、調べてから回答したいということと、それから、告発の意思はあるのかという問いに対しても、六月十三日までに国土利用計画法違反で市が告発するかどうかを含めて対応すると回答しているのに、市の対応を待たずに強制捜索とは何事か、ここの問題がまず第一の問題だ。同じポイントでも、そこの点をまずもう一度お聞きしたい。
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。 まず、事実の関係でございますけれども、京都市が待ってくれとおっしゃったといいますか、いつまでに回答するとおっしゃったのは告発の件でございまして、事実調査については四月一日に文書によって回答がなされておるということでございます。 お尋ねの件でございますけれども、京都府警でございますが、国土利用計画法違反の疑いがあるということで、関係者からの事情聴取なり、国土利用計画法に基づく届け出の有無、こういうものについての照会などを含めまして各種の捜査を進めていたところでありました。 そこで、さらに土地取引の状況等を解明するためには、当然のことながら、単なる関係者ではなくて、一種の被疑者ともなろう売買当事者などから事情聴取を行わなければならないわけであります。そして、仮にそれを行った場合、諸般の事情からこの件におきまして証拠が隠滅されるおそれがあるというふうに京都府警は考えて、事情聴取と並行して捜索を実施するという必要性があると現地では判断したというふうに承知しております。
○穀田委員 ちょっとあれですけれども、私は、この強制捜索が極めて異例中の異例だということを見ていただきたいと思うのです。 というのは、国土庁に聞きますと、やはりこの関係の告発というのは、非常に重大な問題、悪質な問題ということで国土利用計画法に基づいて告発をする。それは年間でいいますと去年は一件だそうです、国土庁が掌握している行政からの告発は。そして、バブルの時代の一番多かった時代でも十件くらいがそこそこだというふうなことで、いわば国全体の中でそういう動きがあるということがまず第一。だから、よほど慎重にしなくてはならない問題が背景にあるということがこれでおわかりいただけると思うのです。 また、京都市に対するこのような問い合わせば、年間平均すると、京都市にお聞きすると大体十件だそうです、京都府警からのこういうたぐいの問い合わせば。それで動いた例はほとんどないというのも大体の課員の方々の報告でした。また実際は、無届けだとか、いろいろなわからないとかということもありまして行われるケースも多くて、それらに対しては始末書その他で行政指導するのが大体通例だというのが実態です。 しかも、京都市の場合でいいますと、ここ数年間、十数年と言ってもよいでしょうが、告発するほどの重大事件というのは二件あったわけですね。だから、告発することについて対応したいと、それほど重視している問題について言うならば、逆にいえば京都市の対応を待ってからでも遅くないということがこれで一この問題についてはそれほど京都市としても府警の問い合わせを受けて重視して、いわば全国的にも京都市的にも、それから京都の中での案件の中でも、こういう異例中の異例の問題についての対応を図らなくてはならないということでやっている、それをわざわざ強制捜索するなんというのはまさに異例中の異例じゃないかということは思うのですね、その辺はいかがですか。
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。 告発を待たずに捜索をしたことが異例かどうかということであります。告発がどれくらいなされているかということについてちょっと申し上げておきますが、過去三年、平成三年、四年、五年ですが、全国で、平成三年二十二件事件を検挙しておりますが、これは皆無届けの違反でございます、うち告発があったものは五件、四年においては二十六件、うち十件、平成五年においては十九件のうち八件ということでございます。告発が必ずしも捜査の要件にされていないということについては先ほどお答えしたとおりでございます。 それから、行政指導等によって是正されるのじゃないか、そちらの措置を選んだらどうかという御質問でございましたけれども、これは先ほども申し上げましたように、本件の場合は既に無届けのまま土地売買等がなされておりまして、登記も完了しておる。今さらこの件について行政指導、是正措置というものは何があったのであろうかと いうことであります。
○穀田委員 私は、今ありましたように、こういう強制捜査をする根拠というのは極めて異例だと思うのですが、逆に届け出をしないでやったことが違反だ、罪になるわけだから、そうすると、京都市に対してもし届け出があったのかと聞いた瞬間に、届け出はあります、そうしたら捜査はなかったのでしょう。いいですか。京都市に問い合わせしたときに、届け出がありますか、しています、届け出がありますと言った場合には、捜査はしなかったのでしょう。
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。 その場合は捜査の対象にならないと思います。
○穀田委員 そうすると、市に対して届け出をしていないということに対して見れば、普通で考えれば、先ほどありましたように、届け出をしたのかどうか、当事者に聞けば済む話ですよ。だから、強制捜査をする場合、任意でそういうことについて先ほどいろいろ関係者から話を聞いたということをお話しになりましたけれども、私はここの点が、少なくとも届け出がないということで言えば、本人に聞いたらいい。 それから、先ほど証拠の隠滅ということの話がありましたけれども、届け出が行われていないとしても、どういう形で取引が行われたということを調べるわけだから、逆にいえば、契約している人たちは今後使うわけだから、利用目的やその他についてもこれをありませんなんというふうに逃げるわけないし、贈収賄と違うのだから、そういう問題でいえば、取引の経過や目的についてそれを正しく報告を聞けば済むことでしょう。つまり、任意で話をすれば済むことだろうというのが私は中心だと思うのです。そこはどうですか。
○中田(恒)政府委員 お答えいたします。 供述があればそれで立証は尽くせるのじゃないかというようなお話かと存じますけれども、単にその届け出の有無がありますというような供述だけでは、届け出書を見なければわからないということがございます。物がなければわからない。あるいは契約をしましたよということについても、物を見なければ、契約書を見なければわからないということもあります。さらに、このような国土利用計画法の立証上、売買代金の支払いなどの土地取引の具体的な状況について、一連の経緯を具体的に物に当たって客観的資料から、供述だけじゃなくてそのような事実があったことについて裏づけをとらなくちゃなりません。あるいは利用目的等々についても客観的な物が欲しい。それでなければ公判にたえないということがございます。 そのようなことから捜査をするのが国土利用計画法については常態でございまして、これも数字を申し上げますと、過去三年でございますが……(穀田委員「もういいです」と呼ぶ)ほとんどの場合、八割、九割は捜索を実施しております。
○穀田委員 届け出をしましたよということで言われれば、どうやこうやという話がありましたが、逆にいえば、この捜査の経過の中で仲介不動産の方が届け出をしたということを改めて言ったものだから、もう一度そこで調べ直したわけでしょう。そういう経過でした、最初の報告は。だから逆にいえば、当事者に聞いて届け出があるというふうに言うんだったら、それはまたそういう時間的余裕もあったわけですから、私はそういう点でも理由は成り立たぬと思うのですね。 しかも、今お話がありましたように、客観的ないろいろな証拠も集めなくてはならない。それを、どう考えたって四年間ほど使ったことがない四階の、四階でしたか、最上階の映写室は調べるわ、一番下のボイラー室は調べるわで、およそそういうものがどう考えても意図的だ、職権乱用だというふうに多くの方々が言っているということについても真摯に受けとめていただきたいと思うのです。 最後に私、時間がないですから、大臣はおわびをしなければいかぬ、こういうことを二度としてはいかぬ、こういうふうに一番最初お話がありました。しかし、現地でどう言っているかというと、謝罪はしない、こう言っているんですね。だからそういう点ではおよそ何というのですか、国家公安委員長がこれについてはおわびをしなければいかぬ問題だととらえているのと比べると、それこそ重大な開きがあるのです。しかも、多くの方々が指摘しているように、単なるミスに基づいて人権じゅうりんが行われるというのは、これはけしからぬことなんですね。そういうことが起きないためにもやはり謝罪を正しくする、済まなかったと言うのがこれは筋なんですよ。 そういう点から見て大臣、どう思われます。もう最後ですから、大臣。
○中田(恒)政府委員 一言私の方からお答え申し上げますが、現地の京都の本部長、昨日でございますか、会見した際にも、結果的に関係者が迷惑をかけたことは遺憾であり、こうしたことがないよう努めるというような答弁をしたというふうに聞いております。
○石井国務大臣 私が国家公安委員長としてどうのこうのと言ってそれで揚げ足を取られるのもつらいのですが、まあ兄弟なり親子で問題が起これば監督の責任なりなんなりがある。 今回の場合は、れっきとした京都市役所という堂々たる地方自治体の権威といいますか、見識あるものが公文書で出してきた。そういうことから考えますと、警察当局は業務上責任はなかったということは言えると思いますが、社会通常的にはそのことによってそれだけ御迷惑をかけた、大変お騒がせをした、申しわけない、こういうようなことでお許しをいただくというのが社会通常的な認識ではないか。 しかし、警察というところは非常に堅い、権威のあるところでもございますし、まあ、間違ったことを認める。実際間違ってはおらぬわけですね。しかしながら、全体的な中から遺憾の意を表し、今後十分注意する、こういうようなことでひとつお許しをいただけたらどうか、こういうふうに思います。
○穀田委員 その件に関して新聞でも報道されているのですが、府警は捜査は適切で、適法で謝罪はしないと改めて回答しているということが何度も新聞に載っているんですよね。私は、捜査は適法だとは言いますが、先ほど言いましたように強制捜査までいかなくても済む問題だったということが一つあり、しかも、そのことによって基本的人権が侵されているということに対して、やはり申しわけなかったというふうに謝るのが筋だと私は改めて主張しておきたいと思います。 一点だけ、申しわけないのですけれども、消防庁に対して質問させていただきたいと思います。 私は、地域防災計画における災害危険箇所や避難場所の徹底問題についてだけ消防庁にお聞きしたいと思います。 災害対策基本法に基づく地域防災計画についてはその充実の必要性が議論されてきているけれども、特に住民自身が、みずからが地域の災害の危険性をよく知って、実際に災害が発生した場合には安全なところに避難ができるようにすることは極めて重要です。これは論をまたないと思うのです。ところが、この大事な点が十分に徹底されていない。要するに、災害危険箇所、避難場所、この住民への徹底が極めて不十分です。きのうぐらいでしたか、梅雨に入ったこともありますので、このことを言っておきたいと思います。 実は、京都大学防災研究所が一九八二年から九二年にかけて八回調査をして「全国市町村の防災活動と住民の防災意識について」というものが今度出るそうです。その文書が私の手元にあるのですが、それによりますと、浸水やがけ崩れのおそれがあるということで危険地域に指定していながら、その指定地を地域住民に知らせている市町村は平均で五二・一%なんです。関東地方では三二・二%という実態がこれで明らかにされています。また避難場所についても、全国平均でいいますと五四・〇%、北陸では四五・七%という状況です。まして警鐘だとかサイレンなどによる避難合図の方法についても、住民に周知している市町村の割合は全国平均で二四・六%にすぎない。つまり、危ないところはここだよということと、避難のときはこうだよ、それから避難のやり方のときに危険を知らせるのはこれだよというやり方が極めて少ないわけですね。 だから、全国的実態を消防庁は把握しているのかどうか。地域防災計画へ災害危険箇所を記載して、避難計画に従った避難場所を計画に記載するだけでなくて、日常的に災害の発生に備えて、災害が発生したときに住民がより安全にかつ円滑に避難できるようなそういう体制をやるべきじゃないか。だから、危険地域それから避難場所、こういうものを徹底させるための手だてを強く指導すべきじゃないか、このことだけ聞きたいと思います。
○紀内政府委員 御指摘の点はまことに重要なことでございます。私ども、数量的には把握しておりませんけれども、このことはかねてからその都度、会議の都度あるいはあらゆる文書を通じて指導しているところでございます。 いかに立派な地域防災計画ができましても、それが実際に機能しなければ意味がないわけでございまして、私、昨日も全国消防長会議というのに出席してまいりまして、その席でもこの点についてはくどいほど主張してきたところでございます。 今後とも徹底を期してまいりたいと考えております。
○粟屋委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ─────────────
○粟屋委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 消防法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○粟屋委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○粟屋委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ─────────────
○粟屋委員長 本日は、これにて散会いたします。 午前十一時四十二分散会 ────◇─────