政治改革に関する調査特別委員会 第6号
- 発言数
- 40 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1994/06/23
会議録
○松永委員長 これより会議を開きます。 参議院提出、公職選挙法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 発議者から趣旨の説明を聴取いたします。参議院議員松浦功君。 ————————————— 公職選挙法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○松浦(功)参議院議員 ただいま議題となりました公職選挙法等の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。 参議院選挙区選出議員の定数の配分につきましては、昭和二十二年に参議院地方区選出議員選挙として制度が創設されて以来、昭和四十六年の沖縄県復帰に伴う定数二人増の改正を経て、今日に至っておりますが、その後の大幅な人口変動により、議員定数は各選挙区間において著しい不均衡を生じ、平成二年国勢調査人口によりますと、議員一人当たり人口の格差は、最大で一対六・四八に達しております。 昭和五十八年四月の最高裁判所の判決におきましては、旧地方区の選挙制度に関し、参議院の選挙制度の趣旨等に照らし国会の裁量権を広く認め、定数配分規定は合憲であるとされたものの、議員一人当たりの選挙人数の格差が拡大し、いわゆる逆転現象が生じていることが指摘されております。 また、先般、政治改革関連法案が成立し、衆議院議員選挙の名簿届け出政党等の得票率要件が有効投票総数の百分の二以上とされたこと等に関連し、参議院比例代表選出議員の選挙における名簿届け出政党の要件の見直し等を行う必要があります。 本案は、以上のような状況にかんがみ、次のとおり改正しようとするものでございます。 第一に、参議院選挙区選出議員の各選挙区の定数の配分につきましては、宮城県を二人区から四人区に、埼玉県を四人区から六人区に、神奈川県を四人区から六人区に、岐阜県を二人区から四人区に、それぞれ増員することといたしております。 また、北海道を八人区から四人区に、兵庫県を六人区から四人区に、福岡県を六人区から四人区に、それぞれ減員することといたしております。 これにより、選挙区選出議員の議員一人当たり人口の選挙区間格差は、平成二年国勢調査人口において、最大で一対四・八一に縮小し、また、逆転現象は解消されることとなります。 第二に、参議院比例代表選出議員の選挙における名簿届け出政党等の得票率要件につきましては、直近における衆議院議員の総選挙または参議院議員の通常選挙における当該政党等の得票総数が有効投票総数の百分の四以上であることから百分の二以上であることに緩和することといたしております。 第三に、参議院の名簿届け出政党等が行う新聞広告の公費負担につきましては、政党等の当該選挙における得票総数が有効投票総数の百分の一以上である場合に限ることといたしております。 なお、この法律は、公布の日から施行することといたしております。 以上が、この法律案の提案の趣旨及び内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○松永委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○松永委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細田博之君。
○細田委員 参議院におきましても、このたび定数是正の案がまとまりましたということでございます。大変、関係議員各位の御努力に対して敬意を表するものでございます。もちろん、両院制でございますし、衆議院の制度につきましても参議院で十分御審議いただいたわけでございますから、私どももいろいろ申し上げますが、差し出がましいということでなく、率直にお聞きをいただきたいと思います。 参議院というこの選挙区制度自体が、二名の定員からあるいは八名までというふうに、ごく限られた人数を割り振っておられるということで、どうしても格差は大きいものになり、それが衆議院と異なる最高裁判決などに対する反映にもなっていると思うわけでございますので、格差論その他について若干質問をしたいのですが、その前に、せっかくの機会でございますので、この案が決まりますに至るまでにさまざまな御議論があったものと思います。そして、一部の議論は先に残されたことがあるのじゃないか、例えば比例制の扱いですとか記号式の問題をどうするかとか、その他いろいろおありになったと思いますので、端的にどういう経緯があったかということを御説明いただければと思います。
○関根参議院議員 細田議員の御質問にお答えを申し上げます。 前々から、参議院の選挙制度の改正につきましては、各党各会派におきましていろいろな議論がなされてきたわけでございますけれども、集中的に行われましたのは、平成六年の四月十九日に、参議院の選挙制度に関する検討委員会を、各会派の代表十人だったと思いますが組織をいたしまして、そこで集中的な審議をいたしました。 これは、単に選挙制度だけではなくて、参議院の機能でありますとか審議、運営のやり方をやはり再検討をする必要があるじゃないか、そういった問題と選挙制度の問題というのは必ず絡み合う問題だから、両々相まって抜本的な改正をすべきだ、しかし、残念ながら、来年もう既に通常選挙を控えておりまして、とても時間的な余裕もないということで、とりあえずは抜本的な改革は今後に譲りまして、とりあえずの、当面の改革をやろうということになったわけです。 しかし、それにいたしましても、いろいろな問題点で、当面やりたいということで検討委員会として結論を得ましたのは、まず定数を、今二百五十二人でございますが、二人減らしまして二百五十人にしようではないか、それが一つございます。 それから、選挙区の定数是正でございますが、これは、いわば四増四減にするのか、実質的に四増五減にするのかという議論でございますけれども、結局、減員区に鹿児島を加えまして、一回の選挙につきましては四増五減でいったらどうか。それが先ほど申し上げました全体定数の二人減というものにつながるわけでございます。そういう結論を一応検討委員会としては得ております。 もう一つ大きな問題は、比例代表選挙のやり方の見直しでございまして、今はすべて拘束名簿式になっておりますけれども、これを、拘束名簿・非拘束名簿組み合わせ方式というようなものをやったらどうかということでございまして、投票そのものは政党名でも個人名でもどちらでもよいという投票の方式をとりまして、名簿を一応各党は提出をいたしますけれども、その中で、各党を通じまして二十五人まで、すなわち一回の比例選の半分までの順位に入った人たちについては名簿の順位いかんにかかわらず優先的に当選を与えようではないか、こういう考え方をとった、そういう制度にこの際思い切って比例選の方を変えていったらどうかという問題が提起をされているわけでございます。 その他、ややこれらに比べますと小さい問題でございますが、選挙の運動期間を十七日から十四日に短縮したらどうかという問題と、今回の法案にも盛り込まれておりますけれども、比例代表選挙におきまして名簿を提出できる政党要件を、現在の法律で四%になっておりますものを二%に引き下げる、新聞広告につきましての公費負担の行われる資格を有する政党につきまして一%要件を設ける、そういった問題につきまして一応案がまとまったのでございますけれども、結果的には、今回のような、御提案を申し上げているような内容に落ちついた、こういう経緯でございます。 以上です。
○細田委員 とりあえず定数是正を中心とした緊急是正ということはよくわかったわけでございます。 しかしながら、ただいまおっしゃいましたように、比例制の扱いにつきましても、どうやって順位を決めていくのかということ、それから、党の間のくらがえというようなことが起こったときに、本当に憲法上も問題のない制度としてどういうふうに考えたらいいのかということ。これは、衆議院でも最近の比例代表制の法改正に伴いまして同じ問題があるわけですが、あるいは最近ある党で起こりましたように、比例には載せておいたけれども途中で除名してしまった、その下の人が繰り上がるという問題もあると思うのですね。 こういったただいまおっしゃったようなさまざまな問題について、良識の府である参議院の皆様方が、さらによりよき案を詰めていただくようにお願いをしたいと思うわけでございますが、この各県別の定数を見ると、やや十二分とは言いがたい面もあるなと。 もうちょっと進める案もあったということでございますが、私が若干あるなと思う点を申しますと、例えば全国の平均よりも人口が多いような選挙区でも各県間のバランスをとるために定数を減らしているところもあるわけでございまして、例えば兵庫県などが典型的な例でございますけれども、どうしても千葉県よりも人数が少ない、したがって、千葉県の四名と比べると六名で多いんだから二名減らすというような、やはりこれはとりあえずの改正という色彩が強いようなことになっておるわけでございますが、その面についての議論をちょっとやや詳しく教えていただきたいと思います。
○松浦(功)参議院議員 ただいま御指摘をいただきましたとおり、今度の措置は本当に緊急やむを得ざる措置というような一面を持っております。抜本的な改正の問題については今後各党間で十分協議をして、ただいま御指摘をいただきましたような点を含めて十分な論議を通じて御納得いただける結論を導き出していきたい、こんなふうに考えております。 なお、後段の人口比に対する問題でございますが、今回は百五十二名という基本の定数をいじらずに、なおかつ影響する県の数をできるだけ少なくする、一番少なくしたい、そして逆転現象を解消したい、それだけの与件のもとで行いましたのでこういう格好になりましたが、ただいま御指摘をいただきましたとおり、いろいろ検討すべき問題を含んでおるものと十分理解をいたしております。
○細田委員 確かに百五十二名という少ない定数であって、しかも二回に分けて選挙をする、そして四十七の都道府県に割り振っていって、ある程度一人当たりの人口のバランスも最高裁判決を考えて考慮しなきゃならないという、もう何か曲芸のようなことをやらなければならないということは、大変お気の毒というか、大変な難しい情勢にあることはわかるわけです。 私はちょっと自分なりに考えてみた場合に、まあ私の試案、試みの案として考えたことをちょっと紹介しますと、参議院議員の今のような制約がありますから、例えば二百万人の人口よりも少ないところまでは定数を例えば二名にしましょう、四百万人までは四名にしましょう、八百万人までは六名にしましょう、それ以上は八名にしましょうというような定性的な代表制というものを決めますと、人口がふえても、まあ百五十二は決して多い数じゃないと思いますからじわじわとふえてもおかしくないし、一応その人口規模、ある程度皆さんが納得できるような人口規模別に自動的に変わっていく。だから逆転現象というものも起きないし、減らすときには自動的に減らさなきゃいけない、そういうような具体的な案を考えればいいんじゃないかなとも思っておったんです。 そうしますと、不思議なことに二百万人、四百万人、八百万人で例えば切りますとちょうどやはり百五十二におさまるのでございますが、そういうような、つまり、今後とも一々考え直しては足したり引いたりするような、昔の九増十減だ、八増七減だというようなアプローチでなくて、いわゆる地域性も考えた参議院のいわば公正性というか、両方を踏まえた制度をつくるということも長期的には考えていただきたいなと私は思っておるわけでございます。 いろいろ考えはありますけれども、とりあえず緊急やむを得ざる措置ということでございますから、私なりの参考意見も申し上げました上で、ただいま皆さん方がおっしゃったように抜本的改正に向けましてさらに検討を進めていただきたいという要望を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○松永委員長 次に、前田武志君。
○前田委員 松浦先生初め、御苦労さまでございます。 実は私、前臨時国会において政治改革関連法の改正案を議員立法という形で出しましたときに、参議院の方に説明要員みたいな形で行かしていただいて、つぶさに参議院における政治改革の議論等を聞かしていただきました。 私のまず最初の、中身よりもむしろ参議院のそういう審議の印象でございますが、ここにおられる松浦先生を初め、本当にそれぞれが各界におかれて、官界であったり法曹界であったりあるいはまた各種の業界、産業界等において長らく御活躍をされてトップリーダーとして実績を上げられた方々が多い。非常に我々から見ると権威のおありの、本当に賢人ぞろいだなというような感じがいたしました。まあ我々の方は、衆議院の方はどちらかというと発展途上国で、参議院の方は成熟した大国というか、老大国とは申しませんが、大国だな、こういうような感じを受けた次第でございます。 そこで、こういうような大きな時代の変化の中で、大状況が変わってまいりましたね。世界との関係、世界が一つの町内会になってきた。そして日本の社会も各般にわたって構造改革を迫られており、もう既に実態の方がどんどん動いていく。やがて日本は峠を迎え、それを越えて、その先は恐らく年代別の非常にアンバランス等も出てくるでありましょうし、そういう今までとは違った大きな変局を迎えて大きな内部矛盾をはらみながら日本の社会が移行していく。そういう中での両院の制度でございますね、衆議院と、それに対する参議院の役割と申しますか機能、当然変わってくると思うのですね。 それは、したがって、制度の中においてもまさしく抜本改革を迫られることでありましょうし、もちろん衆議院の制度改革、これが明確になってきたわけでございますから、それに対応して参議院いかにあるべきか、そしてまた、これはひとつ参議院の選挙の制度のみならず、国会において参議院の持つべき役割、そして民主主義の代議制度における参議院の持つ役割、そういった観点から、この分野における大先輩であります松浦先生から御見解をお伺いしたい、こう思います。
○松浦(功)参議院議員 いろいろ御指摘をいただきましてありがとうございました。 やはり一般に言われておりますように、参議院というものは衆議院に対する抑制、均衡、補完、いつも、どの説でも大体この三つが出てくるようでございますが、このような要素というものも十分実現できるような体質を持つべきだと思います。衆議院のカーボンコピーだと言われるような現在の状況は大いに改める必要があるのではなかろうか、こんなふうに思っております。 したがって、参議院における各党各会派も、それぞれこれから参議院をどう持っていくべきかということを非常に真剣に検討しておるようでございますので、それらの結論を得て、できるだけ早い機会に理想的な姿に一歩でも近づけるように努力をしていかなければならない時代が来ているのではないかな、こんなふうに思っております。
○前田委員 同趣旨のお尋ねでございますが、吉田之久先生は私の地元奈良県の大先輩でございまして、私、常日ごろ御指導をいただいておるわけです。 吉田先生は、御承知のように、衆議院において奈良全県一区という非常に厳しい選挙区で長年やってこられた上に、今参議院。そしてまた参議院におきましては、最近、新緑風会という、こういうまた新しい動きの中での指導的立場にあられると思いますが、そういう両院を御経験されて、また、特に参議院は最近独自の動きといいますか、随分あると思いますが、その辺、率直な感想も交えて、あるべき姿というものの御見解をお聞きしたいと思います。
○吉田(之)参議院議員 答弁の機会を与えていただいて、大変ありがたいと思います。 参議院の果たすべき機能と役割、これは問われて久しい問題であると思います。私は、まず最も重要な点は、国家でありますからいつどんな事態が起こらないとも限らない、そういう場合に、たまたま衆議院が解散されておった、そんなときでも参議院というハウスがある限りこれに対応することができるという点では、まさに極めて重要な役割を持っているハウスだというふうに考えております。 それから、今先生からお話ありましたが、私も長い間衆議院でお世話になり、今参議院に籍を置かせていただいておりますが、両院を経験いたしました人間といたしまして、確かに一つの違いを発見いたしました。 というのは、衆議院の方は、極めてダイナミックでありまして、しかも早急な、今緊急の問題に絶えず対応するという構えをとっていらっしゃる。参議院の方は、解散がございませんので、いわば静的な立場、非常に静かな見地で物を論ずることができる。現に委員会等の質疑を聞いておりましても、参議院の方々、お話しのとおり大変専門家が多うございまして、実に深く掘り下げた論議を展開しておられる点は見事であると思います。その点、衆議院の方は、大変ゼネラルな立場で時々刻々の問題をとらえていらっしゃる。確かに、そういう点では両院とも立派な役割を果たしていると思う次第でございます。 同時に、政界再編の問題等がこれからいよいよ展開されてまいると思うのでございますが、政党政治でございますから、各党がいろいろリードしていく。各党の中心的な指導者はほとんど衆議院議員でいらっしゃいます。もちろん、大政党の書記長が参議院議員でいらっしゃる場合も現にありますが、大体は衆議院の方がリードしていらっしゃる。そういう点で、むしろ参議院側は、静かにその情勢を見て、間違いがないか、あるいはチェックすべき点があるならば果たしていく。 特に参議院の方は、政策審議の面では各党の中でもかなりの役割を果たしておると思うのでございますね。そういう点で、十分その役割を果たしていく。できれば運営の面で、行政改革とか教育とか税制とか、長丁場の論議は、むしろ参議院で先に時間をかけてやる。そういう任務分担、分業も徐々に果たし得れば、両院の持つべき特性がいよいよ生かされていくのではないかというふうに考えております。
○前田委員 本議題となっております四増四減案については、今同僚の細田議員の御質疑の中でも大体その経緯、位置づけ等、私、聞こうと思っていたことについてもお答えがあったように思います。抜本改革案等を考えた上に、緊急避難的に四増四減をやられた。来年に迫っているということでございましょう。 しかし、これをもとに、ぜひその検討された延長線上で抜本改革に展望を持たれて、早くあるべき姿を実現していっていただきたいということを御要望申し上げて、私の質疑を終わります。 ありがとうございました。
○松永委員長 次に、堀込征雄君。
○堀込委員 提案議員の先生方、大変御苦労さまでございました。 この間に至るまで、私も同僚議員からもいろいろお聞きをいたしましたし、とりわけ自民党さんにつきましては、去年の十一月からいろいろな試案を出されたり、二百三十二の改革案を出されたり、いろいろ御努力をされた上できょうの法案になられてきたということを承知をしておるわけであります。しかし、多少お耳ざわりな点もあろうかと思いますが、どうぞお許しをいただいて御論議をいただければと思うわけであります。 この四増四減案が各党でまとまって出されたときに、ほとんど各紙で解説記事が出されたり、あるいは社説が出されたりしたわけでありますが、これがまことに、先生方の御努力にもかかわらず余り評判が芳しくない。各紙とも、もう少し突っ込んだ議論をやはりやるべきではなかったか、時間的制約があっても少し小手先の改革にとどまっているんではないか。ある紙は、党議拘束の緩和や閣僚を出すことの自粛や、そういう改革が求められているほどに何もなかったんじゃないかとか、あるいはひどいところでは、このまま参議院独自の改革を目指そうという発想が見られないならば、良識の府としての参議院の自殺行為につながりかねないなんという解説記事を書いたところもございました。 しかし、今も御答弁を聞いていますと、真剣な議論をされて、時間的な制約の中で今回はこれにとどまったということはよく理解できるわけでありますが、昨年来の経過からして、ややもう少し突っ込んでほしかったというのが国民的な、あるいはある意味では世論をリードするマスコミの論としては現にあるわけでございますが、申しわけございませんが、その辺の感想につきまして、各党からちょっと感想をお聞かせいただければと思います。
○松浦(功)参議院議員 自民党からは会長代理という形で検討会に坂野先生が出ておられて、終始いろいろの議論を重ねてまいられたようでございます。その結果、先ほど関根議員から御説明がございましたように大綱というものができたわけでございまして、我が党としては、大綱の線で何とか実現をしたいということで基本的な考え方を持っておったわけでございますが、各党の代表者の会議において、来年の選挙までに一年しかないのにこんな大きな改正はとても難しかろう、それは時間をかけてさらに議論を深めていこうじゃないか、さしあたり逆転現象だけは解消したい、これが基本的な合意としてでき上がったことで、決して好ましいことだとは思っておりませんし、もっと一歩突っ込んだ形での抜本的改正というものを考えていった方がいいのじゃないかというふうに思っております。
○堀込委員 ありがとうございました。 一井先生、ひとつ……。
○一井参議院議員 社会党といたしますれば、参議院社会党・護憲共同内にプロジェクトチームをつくりまして、いろいろ検討いたしました。それからまた、議員総会においても、この問題につきまして真剣な討論をしたところでございます。 ただ、結果につきましては、先ほど来先生方の御指摘のあるとおり、まことに残念な結果になったんでございますけれども、世論の御批判というのは、一つは、御指摘ありますように、余りにも緊急避難的ではなかろうかという御意見と、もう一つは、あるべき参議院の姿に迫っていないじゃないかという御批判でございます。 この御批判はいずれも正しいわけでございますから、私どもは、今後、御批判のないようなあるべき立派な参議院制度の確立に向かって前進してまいりたいと考えております。
○堀込委員 ありがとうございました。
○吉田(之)参議院議員 各党各派とも最初はかなり意気込んでこの改革に取りかかったわけでございます。特に参議院は、比例区の場合何となく顔が見えない、国民から少し遊離した存在に見られがちだ、参議院の活力を戻す意味でも、この際ある程度個人名を導入して、もっと国民から近しさを感じてもらうようにできないだろうかという点でかなり論議を深めたわけでございます。 ところが、個人名を導入する混合方式によりますと、やはりみんな自分の名前を書かせようとする。それは、そのままかつての全国区と同じような極めて残酷な選挙になる、だから、個人名は書かせるけれども、できるだけ個人の政治活動は制限しよう、そうすれば寝て走れということになるのかと、非常に難しい課題でありまして、一部からは、じゃ有名なタレントだけが得するんじゃないかとかという声も出てまいりました。既に一年後に迫っておりますので、今回は前回どおりということになったわけでございますが、この辺、何らかのこれからの工夫が必要ではないかと。 それから、半数改選でございますから、どこまでいっても半分ずつですから一挙に変えられない、だからエンドレスに続くという習性を持っておりますので、参議院の抜本的改革をやるためには、よほど事前に大決議をして、時期を限って必ずやるというぐらいで臨んでいかなければならないのではないかというふうに考えております。
○堀込委員 ありがとうございました。 今吉田先生から最後に、半数改選だからなかなか改革をやる場合にやりにくいというお話があった。私も、ずっとこの経過を見ますと、衆議院よりも先に改革を着手されたのは、もうあの河野議長時代以来、参議院が先に手をつけられて非常に御努力をされてまいったというふうに思いますし、さはさりながら、例えば藤田、土屋参議院議長時代に、参議院のあり方、改革に関する制度研究会などをおつくりになって改革をやられている。さらにまた、自民党さんの改革大綱にもほぼこの制度研究会と同じ、多少中身は違いますけれども、盛られてきている。そして、八次審の答申なんかでもほぼ似たような指摘がなされている。それから、参議院で今度いろいろ御努力をされました自民党の村上先生なんかも、私どもに何度も試案をいただいておりますけれども、これもほぼ、こういう改革をすべきだ、そういう抜本改革をしなければ日本の二院制の中で参議院の役割というのは果たしていけないんだという問題意識の中で、ほぼ共通した改革点と共通した流れがずっとこの間あるんではないかと。 もう問題意識やなんかは、私が過去の資料を見る限り、何か煮詰まっているような気がいたしまして、あとはやはりその一定の時間的めどをつけながら、各党が本当に腹を割って決断をしていくということが求められているんではないかという気が、失礼ながら私は感じるわけでございまして、最後にその辺、もうどなたでも結構ですので、その辺の決意を一言だけお聞かせいただければと、こんなふうに思います。
○松浦(功)参議院議員 非常に貴重な御指摘だと思います。ありがとうございました。心からお礼を申し上げます。 私どもも全く同感でございまして、これからの参議院の選挙制度というものをどういう方向に持っていくかという流れは、幾つかの流れに分類できる状況までは来ておると思います。それをどこか一つに定着をさせていく、そして、時間的な問題を乗り越えるという決意を持ってやらなければこの問題はできないだろうと思いますので、何とかそういう方向へ向けて前進をしてまいりたいという気持ちでおることを申し上げて、お許しをいただきたいと思います。
○堀込委員 ありがとうございました。では終わります。
○松永委員長 東中光雄君。
○東中委員 憲法上、参議院は、衆議院と一緒に国権の最高機関である国会を構成する、全国民を代表する選挙された議員で組織されると、これは前文もそうですし、四十三条も四十四条もそういう建前であります。 したがいまして、参議院の選挙においても衆議院と同様に、選挙権の平等、この原則は衆議院と同じように貫かれなきゃならぬというように私は思うのですが、その点いかがでしょうか。
○松浦(功)参議院議員 御指摘をいただきましたとおり、一票の価値の平等ということは当然に守られるべきことだと思います。 ただ、衆議院の場合と違いますことは、基本的な骨組み、それの組み方いかんによっては格差が非常に広がってくる可能性がどうしても出てくるということ、このことだけは御理解をいただきたいと思います。
○東中委員 憲法上の原則は、その原則に従ってどういう枠組みにするかというのは、憲法四十三条に規定してあるように法律で定めるわけですから、しかし、決めたことがその原則から外れておるということになったんではちょっとおかしいんじゃないかと、私はそう思っています。 それで、そういう原則を貫くということで今度の改正もやられておるんだろうと思うんですが、今回の改正は、逆転区の解消ということが優先にされた、緊急のものだということになっております。参議院選挙制度の枠組みというのは、選挙制度発足のときに、地方区の百五十議席を配分するのに、まず都道府県に二議席ずつ配分をして、残りを人口比例で配分をするという方式をとったわけですね。ですから格差は一対二未満にはならないで、二・六二三というふうになったと思います。 だから、そういう枠組み配分方式が参議院では出発した、その点は衆議院とは違うということはわかりますが、ところが、一九四六年に制定されてからずっと今までいわゆる定数是正がやられていないということで、一票の投票権の価値がぐんと格差が拡大して、先ほど言われましたように、六・四八倍までいったと。これは随分ひどい話ですわね。これは、当然一票の価値の平等の原則が貫かれなきゃいかぬという点からいえば、どうしても直さなきゃならぬ性質のものだったと思うんです。 ところが、とりあえずということで逆転現象だけ解消するということを言われたんですが、逆転現象が起こった原因、八人区の北海道の人口が、四人区の神奈川、埼玉あるいは三人区の大阪などの人口よりも少ないということでいわゆる逆転現象が起こっているわけですが、どういうことでこういう逆転現象が起こったと考えておられるんでしょうか。北海道の人口が減ったから逆転現象になったんじゃなくて、ほかのところがふえたから、北海道は減っていないんだから、むしろふえているんだから逆転現象が起こったんじゃないかと、そういうふうには見られませんか。
○松浦(功)参議院議員 ただいまの御質問、ごもっともだと思います。 ただ、北海道は、人口が減ったのではなくて、ほかがふえたから格差が広がったのだというふうに単純に決め込めるかどうか、いろいろ議論のあるところだと思います。 いずれにいたしましても、今度減るところは、余り人口の異動がなかった、ほかにふえるところがたくさん出てきたからそうなったのだというような一つの考え方、これをとれることは否定をいたしません。
○東中委員 現在、北海道は鳥取と比べて格差は二・二九倍ですわね。だから、発足時の二・六二三という最大格差に非常に近いぐらいに、鳥取より一票の価値が弱くなったんでしょう。それは、人口が減っていないからそういう状態が続いておるわけです。 ところが、埼玉や神奈川は人口のふえ方が非常に大きかったから、だから逆転になったわけでしょう、出発時はそうじやなかったのだから。だから、ふえた分を、定数をふやせばいいわけですね。そうしたら逆転解消はできるじゃありませんか。先ほど、四百万とか二百万とかという線を引いてやっていくという自民党の提案も、個人的提案だが、ありましたが、そういう発想をすべきなのじゃないか。 ところが、北海道は鳥取の二・二九倍になっておるのに、その北海道の定数を半分にすることによって今度は格差が四・五八倍までぐっと拡大する。これは定数是正じゃなくて格差拡大じゃないですか、北海道の人口が減っているわけじゃないのに議席数だけ減らすということになれば。これは非常な矛盾だと思うのですが、どう思われますか。
○松浦(功)参議院議員 今回御提案申し上げている別表の改正案は、先生御指摘のような結果に数字的にはなりますけれども、全国的に見た場合に、六・四八倍が最高であったのが四・八一倍まで下がってくるわけでございます。それは、逆転ということを解消するという措置をとって四増四減ということを提案したわけでございます。 私どもは、抜本的な改革として、本当に格差を少なくするためにどうするかということであるならば、今の人口で、国勢調査の人口で各県に二人ずつ配分をし、残りを全部何らかの方式で配当するという格好になれば一番少ない格差になってくると思いますけれども、そこいらのやり方については、一年後の選挙に非常に大きな影響が出るからということで、できるだけ影響の出る県を少なくするということで、七県にとどめて四増四減ということにしたわけでございます。 また、先生御指摘のように、北海道は逆に格差が開くじゃないか、これは計数的にはまさにそのとおりでございますけれども、全体的に定数をふやしていくということについては、参議院の各党各会派でそういう意思はないようでございます。それは賛成できないという考え方のようでございますので、それに基づいて四増四減という結果を出したというふうに御理解をいただきたいと思います。
○東中委員 憲法上の選挙権の平等の原則というものを尊重するという立場で物事は貫かれなきゃいかぬと思うのですね、一対二未満になるかならぬかは別として。だから、定数がどうのこうのと言ったって、定数はアプリオリにつくっているわけでそういうふうになっていますけれども、しかし、発足時と比べれば人口がうんとふえているのだから、そのことによってアンバランスが起こったのだから、ふえた分だけ定数をふやしたって極めて合理的な話ですわね。それを、とにかくふやさないということを前提にするというのは非常におかしいのじゃないかと私は思います。 もう一つは、今度の場合、先ほど言いましたように、北海道が格差が二倍にふえますわね。それで、福岡、兵庫は、減員されたところは、これも格差が、兵庫の場合ですと二・九三倍から四・三九倍にふえる。それから福岡は二・六倍から三・九倍にふえる。これ皆ふえているのですね。兵庫や福岡は、定数を減らすことによって現在の格差からうんとふえるわけでしょう。ところが、宮城、岐阜は、定数をふやすことによって格差が、例えば宮城の場合は今度一・八二五倍になるのですね。だから、福岡の改正前の状態よりもずっとよくなるのですよ。 だから、福岡を削ることによって、格差を拡大することによって、宮城の格差は今度は福岡や兵庫よりも少なくなっていく。これは是正とは言えないですよ。福岡や兵庫の人たち、北海道の人たちからいえば、この改正なるものによって、法律の力で選挙権の価値を半分に奪われるわけですから。 ところが、一方では、そのことによって今度価値がふえる、この法律によってふえるところが出てくる。これは是正という名に値しないと私は思うのです。そういう点で、是正という名による極めて不合理な措置だというふうに思います。 それで、我が党が参議院の改革検討委員会の中で提案いたしました、要するに、参議院の選挙制度ができたときの経緯を踏まえて配分の方法も考えて、そして、平等原則をできるだけ尊重するということで、とりあえず発足時の二票台の格差の範囲内で、最も少ない増員で人口比例配分して格差を是正するということを出しました。二十六増です。というと、現在の参議院の総定数の約一割ですね。そういう程度で出して、格差は二・七五になるというのを提示をいたしました。とりあえずのことだけれども、そういう原則を貫いて、発足時の状況から見てこの程度のことはいいのじゃないか。 私、八次審の委員と懇談をしたことがありました。共産党代表で懇談したのですが、そのときに参議院の定数是正の話が出ました。私たちは、若干の増員をしても定数是正をやるべきだということを言うたときに、八次審の委員の方から、どれくらいふやしてもいいという考えですかと言われて、若干というふうに思っておりますと言ったら、八次審の委員の側から、まあ一割か二割くらいがいいということですかというような話もありましたよ。その程度は、若干の拡大はいいのじゃないかと答えたことがあるのですが、これが全部、まるっきり各党によって拒否された。良識の府の参議院が非合理的なことをようやるものだというふうに思うたのですが、どうでしょう。
○松浦(功)参議院議員 御主張は私も承知をいたしておりますけれども、各党各会派の合意に達するまでに至る案でなかった、逆に言えば、その案には賛成できないという考え方であった、その結果、逆転是正だけを緊急避難的な措置として講ずるということで本案を御提案申し上げているわけでございます。
○東中委員 定数をふやさないということがまず前提であると。定数をふやさないならふやさないで、各県に一議席配分して、残りの二十九議席をドント式で配分すれば、現行の百五十二の定数で愛知と鳥取の最大格差が三・六二二になる。定数をふやさないといっても、合理的にやればできることなのですよ。あとは個々の選挙区の要求なんというようなことでやるというのは、妥協でごまかしたと思うのです。 ちゃんと是正すべきだということを主張して、質問を終わります。
○松永委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○松永委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 参議院提出、公職選挙法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○松永委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○松永委員長 御異議なしと認めます。そのとおり決しました。よって、 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○松永委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時五十一分散会 ————◇—————