商工委員会 第8号
- 発言数
- 32 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1994/06/15
会議録
○白川委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、製造物責任法案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案につきましては、去る十日質疑を終局いたしておりますが、尾身幸次君より質疑の申し出がありましたので、これを特に許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○白川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。 尾身幸次君。
○尾身委員 製造物責任法案につきましては、過失責任から欠陥責任という点におきまして、消費者被害の救済に大いに寄与すると思って評価しているわけでありますが、特に輸血用血液製剤につきましては、場合によっては、献血者や献血事業の事業者に不安を与え、血液の安定供給に支障を生じるおそれがあるとの懸念もあるわけでございます。 その点につきまして、私は、最後の段階で、委員各位の御同意をいただきまして、幾つかの点について確認という意味で質問をさしていただきたいと思います。 第一に、この製造物責任法案では、「「製造物」とは、製造又は加工された動産をいう」とされておりますが、輸血用血液製剤はこの法案で言う「製造物」に該当するかどうか、この点についてお伺いをいたします。
○田中(健)政府委員 血液製剤には、全血製剤、血液成分製剤、血漿分画製剤がございますけれども、いずれも「加工された動産」に当たることから、「製造物」に含まれ、この製造物責任法の対象となるものでございます。
○尾身委員 その場合、輸血用血液製剤の欠陥の判断について、政府の見解を承りたいと思います。
○田中(健)政府委員 輸血用の血液製剤、これは全血製剤と血液成分製剤をいうわけでございますが、輸血用の血液製剤の欠陥につきましては、次のような製品の特性等の事情を総合的に考慮して判断する必要があるわけでございます。 その第一点は、生命の危機に際しまして使用されるものでございまして、ほかに代替する治療法がなくて極めて有用性が高いということ。 それから第二点が、輸血によりますウイルス等の感染や免疫反応等によります副作用が生ずるおそれがある旨の警告表示がなされているということ。 それから三番目は、輸血用血液製剤は、世界最高水準の安全対策を講じた上で供給されておりますが、技術的にウイルス感染やあるいは免疫反応等によります副作用の危険性を完全には排除できないということでございます。 したがいまして、現在の科学技術の水準の下で技術的に排除できないウイルス等の混入や免疫反応等による副作用は欠陥に該当しないものと考えております。
○尾身委員 現在、日本赤十字社職員は、血液の国内自給を目指しまして、大変な苦労をしているわけでございます。その献血事業に地道に従事しておられる方々が、輸血用血液製剤の製造業者として製造物責任を問われることになるのではない か。仮にこの責任を問われるようなことになれば、安心して業務に従事することができなくなるわけでございまして、献血事業の士気にも大きな影響があるわけでございまして、この点についての政府の御見解を承ります。
○田中(健)政府委員 この法案での製造物責任の責任主体は、当該製造物の製造業者等でございまして、献血業務に携わる日本赤十字社の職員は血液製剤を製造または加工した者とは言えないわけでございますので、本法案によりまして製造物責任を問われることはないということでございます。
○尾身委員 輸血用血液製剤が製造物責任法の対象となったことによりまして、被害者の救済が図られる反面、血液事業に影響が生じるのではないかという不安もあるわけでございます。そうした影響について政府はどのように考えておられるか、お伺いをいたします。 例えば、政府広報を通じて輸血用血液製剤の欠陥についての政府見解を周知徹底するとか、あるいは日本赤十字社の第一線の声を十分聞いて作業手順を策定するなど不安を解消する努力をすべきだと考えておりますが、政府はいかがするおつもりか、お考えをお伺いをいたします。
○田中(健)政府委員 政府広報を通じまして、さきに申し上げました輸血用血液製剤の欠陥についての政府見解の周知徹底を図ってまいりたいと考えております。 また、日本赤十字社の第一線の職員の意見を聞きまして作業手順等を作成するとともに、献血者の問診等につきましては煩雑とならないよう配慮いたしまして、献血者の協力が得られるように努めてまいりたいと思っております。さらに、献血推進につきまして広報の充実を図ってまいりたいと考えております。 このような対策を講ずることによりまして、血液事業に支障が生じないよう政府として最大限努力をいたしたいと思っております。
○尾身委員 最後に、献血者がみずからの献血した血液がもとで被害が生じた場合に製造物責任を問われるようなことになりますと、国民に献血の協力をしていただけなくなるのではないかと思われます。献血者が製造物責任を問われることはないということを、この場でしっかりと確認をしていただきたいと思います。
○田中(健)政府委員 製造物責任の責任主体は、当該製造物の製造業者等でございまして、献血者は血液製剤を製造または加工した者とは言えないわけでございますので、本法によって製造物責任を問われることはございません。
○尾身委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○白川委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○白川委員長 この際、本案に対し、吉井英勝君から修正案が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。吉井英勝君。 ————————————— 製造物責任法案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○吉井委員 ただいま議題となりました、政府提出、製造物責任法案に対する日本共産党の修正案について、その趣旨と提案理由を御説明いたします。 お手元に配付してございます修正案要綱と法案にございますように、抜本的な消費者被害の救済を図る立場から、以下の五項目について政府案を修正しようとするものであります。 その第一は、目的条項である第一条から「国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする」という、いわば経済調和条項を削除し、本法案の目的を製造物の欠陥による被害から消費者の保護と救済を図ることを明確に定めようとするものであります。 第二は、第二条第二項の「欠陥」の定義を、「製造物が、その通常予期される使用に際し、消費者が正当に期待し得べき安全性を欠いていること」とし、いわゆる消費者期待基準を明記しようとするものであります。 第三は、「免責事由」を定めたいわゆる開発危険の抗弁に関する第四条第一号の規定を削除し、被害を受けた消費者の救済を広く、かつ迅速にしようとするものであります。 第四は、いわゆる推定規定を新たに設けようとするものであります。 すなわち、消費者が、製造物を通常予期される方法で使用したにもかかわらず損害が生じた場合で、その損害がそのような使用によっては通常生ずべき性質のものでないときは、当該製造物に欠陥があり、かつ、その欠陥により損害が生じたものと推定する規定を設けるとともに、損害発生時の欠陥は、その欠陥が流通に置いたときから存在していたと推定する規定を設けようとするものであります。 最後に、第五条の「期間の制限」につきましては、製造業者等の責任期間を政府案の十年から、これを二十年に延長するものであります。 以上提案いたしました五項目は、今日までの製造物責任法制定を求める国民的運動の中で広く学者や法曹界も含め到達した切実な内容であり、これまでに社会党、公明党の立法提案にも盛り込まれていた内容であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同いただきますよう委員各位に切にお願い申し上げ、提案理由の説明を終わらせていただきます。 以上です。
○白川委員長 これにて修正案についての趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○白川委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、吉井英勝君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○白川委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○白川委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決まりました。 —————————————
○白川委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、甘利明君外四名より、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党及びさきがけ・青雲・民主の風五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。甘利明君。
○甘利委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします 製造物責任法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、製造物の欠陥による被害の防止と円滑な救済等を図るため、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一 本法は、製造物の欠陥によって生じる責任のあり方を基本的に改めるものであり、その内容について、一般消費者、中小企業者等に的確に周知を図り、被害者救済を適切に実現するため、当委員会の審議を通じて明らかにされた立法の趣旨、条項の解釈等につき、関係者に十分周知徹底されるよう各般の方法による広報に努めること。 特に、輸血用血液製剤については、その特殊性にかんがみ、審議における政府見解の周知徹底を図ること。 二 日本赤十字社の血液事業について、現場の業務手順の作成等により、同社の職員が安心して業務ができるよう措置するとともに、献血者の問診等が献血者にとって煩雑なものとならないよう配慮し、必要な協力が得られるようにすること。 三 被害者の立証負担の軽減を図るため、国、地方自治体等の検査分析機関及び公平かつ中立的である民間の各種検査・調査・研究機関の体制の整備に努めるとともに、相互の連携の強化により多様な事故に対する原因究明機能を充実強化すること。 四 裁判によらない迅速公正な被害救済システムの有効性にかんがみ、裁判外の紛争処理体制を充実強化すること。 五 中小企業の負担軽減のため、製品安全対策、クレーム処理等についての相談・指導体制の充実を図るとともに、安全な製品を供給するための各種の活動につき積極的支援を図ること。 また、下請事業者に不当な負担を及ぼすこととならないよう十分な配慮を払うこと。 六 製造物に係る事故原因の調査結果については、事故の再発防止を図る観点から、企業秘密やプライバシーの保護及び円滑な情報収集の確保に配慮しつつ積極的に公開するよう努める等、事故情報の提供の一層の拡充・強化を図ること。 また、消費者安全に係る消費者教育の充実に努めること。 七 各種法令による安全規制については、対象品目、規制基準等について、最新の技術等の環境の変化に適切に対応させ、危害の予防に万全を期すること。 以上であります。 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○白川委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○白川委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決まりました。 この際、寺澤経済企画庁長官及び畑通商産業大臣からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。寺澤経済企画庁長官。
○寺澤国務大臣 ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重して、適切な措置の実施に努めてまいる所存でございます。
○白川委員長 畑通商産業大臣。
○畑国務大臣 ただいま御決議賜りました附帯決議につきましては、その趣旨を十二分に踏まえて、実施に移してまいりたいと考えております。 —————————————
○白川委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○白川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決まりました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○白川委員長 次に、参議院送付、内閣提出、特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより趣旨の説明を聴取いたします。畑通商産業大臣。 ————————————— 特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○畑国務大臣 特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 オゾン層保護の問題につきましては、オゾン層の保護のためのウィーン条約及びオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の採択を受け、我が国におきましても、昭和六十三年五月に特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律が制定され、平成元年七月から同法に基づく特定フロンの製造の規制等が開始されました。 また、平成二年六月に採択されたモントリオール議定書の改正を受け、平成三年三月に同法の一部改正法が制定され、平成四年八月から製造等の規制対象となる特定物質に、トリクロロエタン等が加えられたところであります。 さらに、その後の国際的なオゾン層保護の問題への対応のあり方についての検討を踏まえ、平成四年十一月に、新たな規制物質の追加等を内容とする二度目のモントリオール議定書の改正等が採択されました。この二度目の改正に対応するため、今般、本法律案を提案した次第であります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 まず、製造等の規制の対象となる特定物質の定義をモントリオール議定書の規定に即して政令で定めることとし、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロブロモフルオロカーボン及び臭化メチルを加えることとしております。 第二に、特定の用途に充当されることが確認された場合等に限り、特例として一定量の特定物質の製造等を認めることとしております。 第三に、唯一の指定物質であるハイドロクロロフルオロカーボンが特定物質となることに伴い、指定物質に係る規定を削除することとしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○白川委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十九分散会 ————◇—————