商工委員会 第3号
- 発言数
- 133 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1994/05/31
会議録
○白川委員長 これより会議を開きます。 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。甘利明君。
○甘利委員 先般、畑通産大臣と寺澤経企庁長官の所信を伺いました。これに関しまして四十分間質問をさせていただきます。 まず、寺澤長官から御質問をさせていただきます。 長官は、異色の登用といいますか、以前に国際機関にいらっしゃったわけであります。世界的なゲームソフトの会社、あれはセガか、MIGAにいらっしゃった。これは多数国間投資保証機構というんですか、これは要するに貿易保険の親戚みたいなやつですかね、投資版というんでしょうか、ここの初代長官として御活躍をされていたわけでありまして、政界に転身をされるときに随分注目をされました。私も割と注目をした方でございまして、こういう方が政界にあるいは政府に入ってくるとどういう変化が起きるんだろうかと、きっと相当ないい意味での変化が起きるんではないかというふうに期待をしたわけでありまして、その政界デビューに際しての意欲的な御発言等を週刊誌その他で拝読をさせていただきました。 そこで、どういう所信を申し述べられるかということを期待をしたわけでありますけれども、所信を伺う限り、何か今までと余り変わらないんじゃないかな、御自身のお考えが本当に入っているのかな、これは役所がつくったのをそのままよしとして読まれたのではないかなというような感がするわけでございまして、政界デビューをされてから突然何となくお姿が見えなくなってしまわれたような、御発言を慎まれているのか、余り伺うことができないわけでして、それだけに余計大臣所信に期待をしたのですが、どうも従来の役所の構成の枠から全然はみ出ていない。そういう意味ではちょっとがっかりしたのですけれども、MIGAの初代長官としてあるいは国際的なエコノミストとして、当然、地球的な視野で経済運営というのを見ていられるそういう目をお持ちだと思うんですね。そういう御自身のお言葉で語っていただきたい。 伺いたいのですが、今までの日本の経済運営に関してどういう点が欠けていたか。地球規模、世界的な視野で物を見られ、あるいは国際的なエコノミストとして名をはせたその長官の御自身の言葉で語っていただきたいと思います。
○寺澤国務大臣 私が政界に入りましたのは二年前でありまして、それまで大半を民間の金融機関、そして最後の四年は、委員が今御指摘になっ たように、ワシントンにありますMIGA、多数国間投資保証機構というところにおりました。 経済企画庁長官になって日本の経済運営ということを今一生懸命に考えているところなんですが、一つには、やはり日本は資本主義市場経済なんだということをもう一度私としては強く肝に銘じたい。すなわち、あくまでも民間が経済の主体を握っているのであって、我々政府のやることというのは、民間のダイナミックな活動をなるべくしやすくするような環境の整備であるというこの一点は、非常に大事な点ではなかろうかと私は思っております。 二番目は、委員も御指摘のように、日本がアメリカと一緒になると全世界のGNPの四〇%というような経済大国になっているにもかかわらず、なかなか海外から見ると日本の顔は見えない。やはり思い切った市場アクセスの改善、規制緩和もあります。そして、やはりちょっと膨大過ぎる経常収支の黒字を何とかして縮小していくというような方向に持っていくような経済運営というのはできないものだろうか。 最後に、経済企画庁といたしましては、国民一人一人の生活者・消費者の立場から、豊かな住みよい、日本に住んでいてよかったなというような国に何とかしていきたい。そのためには、具体的には、物価を安定するのではなくて、むしろ積極的に下げる方向に持っていきたい。幸いに内外価格差の是正という、物価を下げる余地がまだあるように私には思えます。 そんな点を基本に微力ながら経済運営に当たっていきたい、こう思っています。
○甘利委員 かなり慎重な言い回しをされていました。私は余り意地悪をするつもりはありませんけれども、今のお話ですと、市場の機能をもっと活性化する、市場原理の活動を抑えていくような規制については取っ払っていって、もっと民間のダイナミズムを引き出していくようなことをやっていくんだと。それは私もある部分では賛成であります。 同時に、今長官もおっしゃったのは、あわせて貿易黒字を減らしていく。これもそれぞれ各論としてはいいのですけれども、貿易の品目を洗ってみると、結局、自主規制とか何らの規制で、自由貿易でない制限貿易品目というのが統計を調べてみると随分あるのだそうですね。相当な数に上ってくる。 片方で、規制を緩和する姿勢を強力に打ち出されました。もう一方で、限定自由貿易の部分に少し言及をされたように思われます。しかし、これは今の日本の悩みそのものだと思いますので、私はあえてそれについてどう答えろというお話はいたしません。日本経済というのは、そういう相反する矛盾を抱えながら前へ進んでいかなければいけない部分があるということは、私自身がこの通商産業政策に十年携わって、自分自身で抱えている悩みでもありますので、その点は言及をいたしません。 長官、どうも窮屈な御答弁のようなので、これから少し、次の質問はお得意な分野で御持論を、御自説を展開していただきたいと思うのです。 MIGAの長官になられる前に、民間の機関でアメリカで御活躍をされていた、そういった関係を通じて、アメリカとの人脈の構築というのは大変なものがあって、アメリカ通のお一人でいらっしゃる、日米関係について一家言を持っていらっしゃるということを私は伺っておるわけであります。 日米関係について、今の日米関係というのをどういうふうにとらえられるか、あるいは今後日米関係はどうあるべきだと思われますか。これはもう長官の御自身のお考えで結構ですから、役所の立場を離れて聞かせていただきたいと思います。
○寺澤国務大臣 確かにアメリカの生活は長くて、二十一年間もいたのですが、もうずっと民間でございまして、人脈と申しましても、ワシントンの政府の高官とかいわゆるキャピトルヒル、議会の議員との交流は余りなかったわけであります。本当に商売人として、ビジネスマンとしてただアメリカにいたという、それだけのことなのですが、結局、アメリカにいればいるほどアメリカがわからなくなってきて、逆に太平洋の向こうから見る日本がわかってくるような気がする。 禅問答のようなことで申しわけないのですが、私、今感じております日米関係というのは、私のそのような非常に限られた知識と経験の中で申し上げますので大変間違いをしてかすかもしれないのですが、あえて大胆に申し上げますと、やはりアメリカの方はどうしても、戦後我が国が、すなわちアメリカが経済的にも日本の復興を手助けしてやったんだ、あるいはアメリカの軍備で、アメリカの傘のもとで日本の経済成長はあったんだ、そういう、まあ年齢にもよるのですが、特に五十以上ぐらいのアメリカ人の深層心理の中にはそういう気持ちが、口には出さないのですが、かなりあるような気がまずいたします。 これは非常に大事なことでありまして、日本が正々堂々と今の日本の議論を展開する場合に、どうしても聞く方が、そういう日本に対する一つの先入主といいましょうか、そういった深層心理のようなものがある。片や日本の場合は、一生懸命に働いて、そして現在の経済繁栄を遂げたんだという自負がある。そういうアメリカ側の深層心理と、それから日本の自負というもののぶつかり合いがところどころにどうも見受けられて、うまくいかないことが多い。 ただ、はっきりしていることは、やはり大勢のアメリカ人は日本人が好きですし、大勢の日本人は外国人の中ではかなりアメリカ人が好きですし、基本的にアメリカが日本を必要とし、日本がアメリカを必要としている。そういう国と国との関係、国民と国民との関係は非常にいいというふうに私は楽観しております。
○甘利委員 私は、それは非常に貴重な経験だと思うのです。大臣という役がありますとなかなか制約があるでしょうから、離れられたとき、まあ一生やっていらっしゃるなら別ですけれども、離れられたときに、自分の経験からこう思うというようなことはどんどん発言して、提言していただきたい。今までの立場と政治家としての立場は違いますから、それが具体的に政策に反映してくる可能性も高くなりますから、どんどんおっしゃっていただきたいと思うわけでございます。 さて、先ほど貿易黒字、経常黒字の話が出ました。これは確かにもう懸案事項で、ずっと悩んできている問題ですね。経常黒字、この諸悪の根源というのは、貯蓄・投資バランス、ISバランスのインバランスにあるということがSIIの当時からずっと言われてきたわけであります。 そこで、このISバランスの問題につきましては、この後、額賀委員の方から詳しく質問がありますので、私はそのさわりだけをちょっとお聞きをしますけれども、この大臣の所信の中に、「さらに、後世代に負担を残さないような財源の確保を前提に、公共投資基本計画について、配分と積み増しを含めた見直しを進めこ云々という項目がありますね。これは消費税の引き上げてその公共投資部分をさらに積み増すというイメージですか。
○寺澤国務大臣 まず、委員が一番最初におっしゃったことにちょっと触れさせていただきたいのですが、経常収支は貯蓄と投資、すなわち貯蓄から投資を引いた部分が中期的には経常収支の黒ということに、もし黒であれば黒になるわけですが、我が国の場合それが高い、十五兆とかの黒になっているわけであります。その貯蓄の中身はもちろん国民の貯蓄で、それを投資に持っていく場合に、住宅投資、あるいは個々の会社の設備投資、あるいは政府が行います公共投資、この投資の部分をなるべく国内で投資機会を与えることによってふやしていけば、当然経常収支の方は減るわけでございます。 ちょっと私が所信表明の中で触れました、後世代に負担をかけないような財源を前提にして、そして公共投資をふやしていくということは、税制上のいろいろな問題も、私、これは管轄が違いますが、とにもかくにも、それも入っております が、基本的に考えておりましたのは、経常収支を減らすためには国内の投資をうんとふやさなければいけない。その投資の中には当然のことながら国の投資も入っている。 特に日本の場合には社会資本の整備というのが非常に大事だし、これから二十一世紀に向かってだんだん日本が高齢化していく。今まだ活力のあるうちに社会資本の整備ということはやはりやっていった方がいいんじゃないか。そして、これが投資をふやし、ひいては経常収支を減らすということになるのではないかという思いを込めてそこのくだりを考えたわけであります。
○甘利委員 貯蓄過多、投資過少という部分の是正に関しては、それを間接的に行うか直接的に行うかという両面から、正面から取り組まなければならないときがいずれ来ると思うのですね。そのときには、我々も野党であっても必要なものは必要と取り組んでいきますので、議論はぜひ、今は難しい段階ですけれども、逃げないで、正面からチャレンジをしていただきたいというふうに思います。 もう一点ちょっと伺いたいのですけれども、しかし、時間がなくなってしまったので、中小企業庁まで呼んでおいて質問しないのは怒られますけれども、時間の都合で、通告してある内外価格差とそれに関する問題はまた次の機会に送らせていただきます。申しわけありません。 続いて、後半は通産大臣に伺いたいと思います。 通産大臣とは税調で、大臣は社会部会長そして私は商工部会長代理としてある面では一緒に協力してやらせていただきました。大変に人柄のすばらしい方で、論客だということもよく承知をしているわけでございます。通産大臣としての職務、通商産業行政を担当されるのは恐らく初めてだと思われますけれども、一生懸命勉強されていることと思います。 二月十一日にストップしたままになっていたフレームワーク協議、先般再開のめどがついたようでありますけれども、その辺のところをちょっとお話をいただけませんか。
○畑国務大臣 ある意味では大変大きな懸案でございました日米経済摩擦の協議再開といった問題でございますが、御案内のとおり、ただいま甘利先生御指摘のような意味合いでの再開が、レールが敷かれたということでございます。 私は、率直に申し上げまして、この問題はいわばテーブルにつくことができた、まだまだこれから本当の意味の難しさ、詰めの段階でのこれからの懸念材料は極めて大きい、こういうように私は受けとめております。 なおまた、御案内のとおり、客観的基準とか数値目標とかということがずっと今まで論議されてまいりましたけれども、最終段階で本当の意味のお互いの合意を徹底しておかないと、後々またこういった摩擦が再燃するようなことがあってはならない。さような意味合いでは、これからさらに慎重な、そしてまた真剣な取り組みが大切である、こういう認識に立たさせていただいております。
○甘利委員 再開に当たっての三項目とか何項目という話が新聞にちょっと出ております。その辺もちょっと触れていただけますか。
○畑国務大臣 ただいま具体的な日米合意のポイントといいますか、この点につきましては、一つは、客観的基準という分野におきまして、数値目標を構成しないことの確認というのが一点であります。それと、いずれの一つの基準も評価の確定的要因とはなり得ないことの確認。三点目は、客観的基準は目的達成に向けた進展を評価。具体的な客観的基準の内容は、各分野ごとに今後議論。これが事務段階の直接予備交渉をしました方の私に対する報告のメモでございます。 なおまた、いわゆるゴール、目的ということでございますが、この関係では、競争力ある外国製品、サービスのアクセス、販売を増大させるために構造的分野別問題を取り扱うこと等が包括経済協議の目的であり、本目的達成のために各分野の措置を講ずることの確認ができた、これが直接予備交渉した当事者からの私に対する報告の内容でございます。 ただいま申し上げましたような意味合いでは、先ほど申し上げたような立場ではまだまだこれからが本格的な詰めの段階だ、ようやく入り口に入った、こういう位置づけの方が、事の厳しさは、ある意味では大変難しいものもまだまだ持った姿のままでの協議再開である、こういう受けとめ方をさせていただいております。
○甘利委員 大臣がそれくらい厳しい姿勢といいますか認識で取り組んでいかれる、これはそれでいいと思います。数値目標はだめ、客観基準がいい、これがまた確認をされていますけれども、客観基準ならいい、数値目標はだめというのは、これはたしか宮澤内閣時代からこのトーンでずっと来ているのですね。 ところが、私、三月にアメリカに行ってカンターと話したときも、数値目標は言った覚えはないというのはそのときからしょっちゅう出るのですね。それで、話している間にまた数値目標的な話がぽんぽんでるのですよ。一体、数値目標というのはどういうふうにこの人たちは理解しているのか。どんどん使い分けますから、これが確認をされてもいつ変わるかわかりませんから、その辺はよく踏まえてやっていただきたいと思います。 そもそも、客観基準ならいいというその客観基準もかなり漠としたものですから、成果を拘束する相当な拘束力になり得ると思いますから、結果として数値目標を設定したのと同じだということになりかねないですから、その辺はこれから再開されたら交渉をリードされていくわけですけれども、十分心してやっていただきたいと思います。 残り時間が余りないので、この問題はこれくらいにいたしまして、私、アメリカにこの間行きましたときに、もう日米の歴然たる格差を感じたのは、やはり情報の格差でした。在アメリカ大使館が、大統領を初めとするアメリカの政府高官が各地で演説した内容を文章に起こして日本に送るわけですね。一生懸命テープをとったりなんかして、それを英語に起こして、あるいはそれを翻訳して、汗を流してやっている。そうすると、インターネットで、どこかで政府高官が発言した言葉も一時間以内に文章として出てくる。そんな当たり前のことが日本でまだできないのですかみたいな話だったですね。 日本は貿易立国であり、技術立国でありますけれども、どんな優秀な技術者がいても、情報ネットワークがしっかりとれていないと一人の研究者の情報でしかない。しかし、完全に情報ネットワークがとれていれば、一人の研究者の開発成果が瞬時にすべての研究者のものになるわけですね。この差というのは物すごく大きいなというふうに感じました。 これとまさにマルチメディアというものが関連をしてくるわけなのですね。アメリカではゴア構想、スーパーハイウエー構想以降一挙にその機運が政府も民間も含めて盛り上がってきて、投資がどんどん進んでいく、あるいは規制緩和がどんどん進んできている。日本は大丈夫かなと随分前から心配をしておるのですけれども、これは担当官の方で結構でございますが、日本のマルチメディア政策の現状についてちょっとお話をいただけますか。
○渡辺(修)政府委員 お答えを申し上げます。 今先生御指摘ございましたように、従来の数値、文字情報に加えまして画像とか音声等がコンピューターで処理できるように新たな技術革新がどんどん進んでおりまして、これらを総体的にマルチメディアという形でそれぞれ情報伝達をしよう、こういう手段が今急速に発達しておるわけでございます。 そういう状況でございますが、我が国の情報化の過去三十年やってまいりました大きなポイントというのは、定型的な業務を行うところのコンピュータライゼーションあるいは工場で生産をするラインのコンピュータライゼーション、いわば点と線の情報化に特化してきた嫌いがあったわけ でございまして、そういうことで、八五年くらいまでの間に大体そういう意味での情報化というのは達成されてきたわけですが、実は八〇年代の後半から急速なネットワーク、今おっしゃったようなネットワークとマルチメディアの情報が行き渡りまして、それに対して今社会全体で思い切ったさらなる情報化を進めなければならない、こういう状況になっておるわけでございます。 しかしながら、現在の状況を見てみますと、まずそのネットワークの整備のところが相当おくれております。これがまず一点でございます。もう一つは、社会全体に情報化が進展していくためには、まず社会各層において需要が起こらなければいけませんけれども、残念ながら我が国においては、先ほど申し上げました点と線のところにおいては情報化の需要が非常に強いのでございますけれども、社会全体にそういったマルチメディアの供給を求めるような情報化の度合いがまだ成熟してないという要素がございます。 そんなこともございまして、我々、例えばそれの起爆剤として教育だとかあるいは医療だとか研究だとか各分野におきます情報化を、これは主として公共分野でございますから政府が行えるところでございますので、そこに今全力投球しておるというのが現状でございます。
○甘利委員 マンハッタンのタイム・ワーナーの現場視察に行きました、百五十チャンネルを誇るということで。番組表をもらいましたが、百五十チャンネルでだあっと出ているのですね。何をやっているか見ているだけで一日終わってしまう。マルチメディアというと、どうしても多チャンネル。十チャンネル、十五チャンネルが、百チャンネル、五百チャンネルになりますよなんて。冗談じゃないよ、番組見ているだけで一日終わってしまうからね。 多チャンネル化というのは、マルチメディアを進めるのに阻害する要因になると思いますよ。多チャンネルというのは、こっちの要求が出たときに何でもこたえるだけのソフトがそろっているという意味での多チャンネルですから、マルチメディアを進めるに当たっては双方向性というのをうんと前へ押し出して、多チャンネルというのは少し引っ込めた方がいいと思うのですよ、そんなに見るものはないよと。今までの民放とNHKで十分だから、冗談じゃないよ、そんなのというような声になってしまいますから。百五十チャンネルで私見るの疲れてしまったが、五百チャンネル見たら死んでしまいますから、双方向性ということを基本に置いていただきたいと思います。 マルチメディアというのは、端末のハードのイメージというのは、何度も言っていますけれども、テレビと電話とパソコン、テレビ、プラス・電話、プラス・パソコンというハードイメージですね。テレビも電話も非常に国民にはなじんでいる、違和感がありませんけれども、パソコンだけはどうでしょうか。この中でパソコンのキーボードをいつもたたいているという人は何人いますかね。電子政策課長でもやっと覚えたという話を聞きますから、なかなか大変だと思いますよ。 そこで、情報化というのは産業技術の発展、つまるところすべての産業の発展のために欠くべからざるものであって、これは絶対必要。マルチメディアについて離れないのがパソコンですから、パソコンヘの違和感がなくならない限り、これはどうしようもないですよ。かく言う私もワープロを打つのは大変ですからね。自分で書いた方がはるかに早い、そんな状態ですからね。 調べてみると、今や世界じゅうのパソコンの出荷台数というのはテレビをもう抜いているのですね。テレビが一年間に八千万台くらい出荷されるそうですよ。パソコンは今や年間一億台。テレビよりも多いですよ、出ているのは。だけれども、恐らく日本の家庭ではテレビほどパソコンに圧倒的になじんでいませんよね。 私、アメリカに行って衝撃を受けたのは、パソコンのキーボードをたたくことにほとんどの人が何の違和感も持っていないということです。大体、アメリカ映画を見て、コンピューター、パソコンが出てこない映画なんてないぐらいだから。日本の映画なんかまずないでしょう。普通の人が、サラリーマンが何の違和感もなくパソコンをたたくなんということはないですね。 ですから、情報化の進展、マルチメディアの進展を図っていく上で、パソコンになじむということが絶対欠くべからざる要件なわけなんです。 そこで、あと五分だという話が来ましたので、要は、ある関係者の話を聞きましたら、先生、日本は文盲率ゼロ、識字率一〇〇%、今度はパソコン文盲率をゼロにする運動をしてくださいというお話があった。これはまさに我が意を得たりという思いでありました。パソコン文盲率ゼロ。今、多分九五%ぐらいじゃないですか、これをゼロにする。今、学校でも結構一生懸命普及させているのですよ、小中学校で。 きょう文部省は来ていますか。義務教育のパソコン普及度合いといいますか、パソコン教育の現状についてごく簡単に説明してもらえますか。
○河上説明員 今御指摘のように、学校でもパソコンを含めた情報化対応を進めているわけでございまして、その目標は、小学校では、コンピューターに触れ、なれ親しませる、こういう目標を立てております。 それから、中学校では、技術・家庭科という教科がございますけれども、その中に情報基礎という領域を設けまして、そこでコンピューターの操作を教えておる。 それから、高等学校につきましては、従来から商業とか工業という学科では非常に程度の高いコンピューター教育をやっておりますが、平成六年度からは普通科あるいは農業でございますとか家庭科でございますとか、すべての学科でコンピューターの教育を取り入れているわけでございます。 そのために私どもいろいろ条件整備に努めておりまして、ハードの整備が国庫補助金などによりましてかなり進んでおりまして、現在、といいましても昨年の三月現在でございますが、コンピューターの設置率が、小学校では約六割でございます。それから、中学校では九五%でございまして、現在は一〇〇に近いと思います。それから、高等学校でも約一〇〇%ということで、かなり整備が進んでおりまして、これからは教員の指導力の問題、それから、まだいいソフトが十分出回っておりませんので、ソフトの供給の問題、そういったことが課題になろうかと思っております。 以上でございます。
○甘利委員 中学校だと技術・家庭で教えておるということですが、私の在学時代は技術・家庭の時間というのは休憩をとる時間になっておりまして、大体まじめに勉強しないはずなんですよ、その時間帯は。 要は、日本の教育の仕組みからいくと、試験に出ない問題というのは余り身につかないのですよ。パソコン教育というのは、これから日本の将来をかけるくらい重要なことになってきますよ。学ばせるのに一番簡単なのは試験に出すことだという話があるのですね。つまり、高校入試あるいは大学の共通一次試験で、基本的な問題でもいいから、パソコンに関する問題を二、三問必ず入れる。入れれば一生懸命勉強するのですよ。学校も教えるのですよ、中学校も高校も。高校入試あるいは大学の共通一次にパソコンに関する問題を入れていく。そうたくさんじゃなくていいですよ。基本的な問題を一問、二問、三問入れていく。そうすれば一挙にパソコン文盲率はゼロに向かっていくということを識者がおっしゃるのです。 このお考えに対してはどうですか。
○河上説明員 高等学校の場合と大学入試の場合とを分けて少し申し上げたいと思います。 高等学校の入試は各県で行っているわけでございますが、学力検査と調査書の二つで大体行っておりますけれども、学力検査に関しましては、今各県とも大体五教科でやっております。学校によってはその教科数がさらに減っているところもございます。 学力検査の問題をつくる場合には、中学校の教育内容に配慮しながら、基礎的な、基本的なものを取り上げるということでやっているわけでございます。したがいまして、学力検査の教科の中に情報に関する教科を設けるとか、そういうことはなかなか難しいのではないかと思っております。 しかし、先ほど言いましたように、学力検査とともに調査書についても見ているわけでございまして、その調査書は学習成績の記録も用いて行われております。その学習成績の記録におきましては、各県とも九教科についてやっております。したがいまして、その中には技術・家庭科も入っているわけでございまして、特に試験に出ない音楽、美術、保健体育、技術・家庭科については、五教科よりも比重を重くして評価をしておる、そういう……
○甘利委員 今、現状を聞いているのじゃなくて、パソコンに関する基本的な設問でいいのですよ。技術系の人間だけがパソコンをさわる時代じゃないのですから、全員がパソコンについて違和感なくキーボードをたたけるという、片やたたける、片や全然たたけない、この差があるのですから、これは国民全部が、昔そろばんを習ったように、習う必要があるだろう。それにはこれから試験に入れていったらどうですかと、今までのことを聞いているのじゃないのですよ。これからそういう姿勢を出されたらどうですかと言っているのですよ。
○河上説明員 高等学校につきましては、先ほど申し上げましたとおり、教科数あるいは中学校で学んだ基礎、基本を踏まえた出題が行われておりまして、現状ではパソコンに関する問題を直接取り入れるということは難しいというふうに考えております。 しかし、大学入試につきましては、平成九年度からの試験科目でこれを導入することの検討が行われております。昨年六月に公表されました大学入試センター試験における入試のあり方についての中間まとめがございまして、その中で、平成九年度からの大学入試センター試験の中で情報関係基礎を新たに数学の選択科目として出題する、こういう予定が立てられております。その結論が間もなく出る予定でございます。 以上でございます。
○甘利委員 最後にしますが、全然わかっていないですね。エンジニア向けの設問じゃないのですよ。そうじゃなくて、全国民がテレビのスイッチをひねるようにパソコンのキーボードをたたけないと完全におくれをとりますよと。だから、基本的な問題でいいのですよ。文科系も技術系も関係なしに、全部通しで受ける問題の中に入れたらどうですかと言っているのです。それを数学の選択科目の何とかでなんということでは、全然私の言っていることがわかっていないですよ。 とにかく、もう時間がありませんから、文部省がだめだから日本が沈没したなんて言われないようにしっかり検討していただきたいと思います。 終わります。
○白川委員長 額賀福志郎君。
○額賀委員 四十分時間を与えていただきましたので、若干の一般質疑をさせていただきたいと思います。 畑大臣、寺澤長官、連日予算委員会で御苦労さまでございます。畑大臣とは長い間いろいろとおつき合いをしていただき、一時は畑門下生で大変かわいがっていただきまして、恐縮に思っております。 畑さんは人格円満、識見もあるし、私は相当の信頼を持っておったのでありますが、ウルグアイ・ラウンドで、きのうまで絶対反対だと言っていながら、あしたになったら方針が変更されたということで、これは畑さんの本当の考えではないなということを直観いたしたわけであります。じくじたることがあると思いますが、私は国家のために一歩前進したのであろうと思っておりますから、別にああだこうだ言うつもりはありません。 通商問題について御質問させていただきたいと思っております。 さっきからずっと考えておったのですが、日本は来年で戦後五十年でありますが、終戦直後から今日まで、戦勝国も戦争に負けた国も、みんなが経済発展、国民を幸せにするために全力を挙げてきた。日本もマイナス地点から出発してきて、いろいろな試行錯誤をしながら今日まで歩んであるいは走ってまいって、今トップグループにいる。EC、日本、アメリカ、ECよりもちょっと先んじて、アメリカとは走りながらしゃべることもできるような距離にいるというふうに感じておるわけであります。 日米関係も通商問題、経済摩擦、貿易収支の問題等でいろいろああだこうだありましたが、日米摩擦はもう終えんしたという考え方があります。私も、これは見方によっては的を射ている考え方であると思っているのであります。終えんをしたというのは、経済的ないろいろなごたごたとか、そういうことが政治的に解決できるという意味で日米摩擦は終えんをしたという形なんだろうと思っております。それが正しい姿であるか、間違った姿であるかは五年後、十年後の歴史が証明するということでありましょう。 しかし、今、戦後の第二ラウンド、世界の中に日本が飛び立っていくときに考えた場合に、終戦直後の日本が、あるいは明治維新直後の日本がスタートするときと、今日の日本の置かれた状況が基本的に変わっていないことがあると私は思います。それは、アメリカと比べても日本は石灰石以外は何も自給できない。アメリカは石油も食糧も全部自国で供給できる。日本はシーレーンをとめられたら終わりだ。しかし、明治維新後も戦後も独立国家、植民地にはならないという選択をして、そういう究極の中から本当に苦労をし、粘り強く、しかもしたたかに今日まで来たというのが日本であろうというふうに思っておるのであります。 そこでこれから、私は日米摩擦が終えんしたという判断でありますが、先ほど畑大臣は、包括協議再開をして、そして数値目標とかあるいはまた客観的基準だとか、予断を許さないし、慎重に対応するということであります。これは、日米間で数値目標を置かないとか、それから非常に自由主義を抑制するような形の話し合いはしないとか、そういうことで、日米会談が、協議が決裂をしてもいいと思っているのですか。僕はそうではないんだと思いますね。日米関係がきっちりといくように全力を挙げて対話をしていくということではありませんか。これを聞かせてください。
○畑国務大臣 先ほどいわゆる協議再開に当たりましての、ただいま御指摘がございましたとおり、いわば協議再開ですべてが一件落着だというような意味合いでの受けとめ方はあってはならない、そういう意味合いでの慎重な取り組みと。でございますから、この日米関係といいますものは、経済分野に限らずあらゆる分野で、今日の地球規模での問題の位置づけの中におきましても、お互いが十分腹蔵のない意見の交換の中、あるいは話し合いの中から協調体制を堅持していく、これはもう基本的なあるべきスタンスでなくてはならない。 これを踏まえて、物事を明確に、後々問題をさらにまた引き戻すようなことのないような積極果敢な取り組みをやっていかなくてはならない。掘り下げるという意味合いでの慎重という言葉でございますので、御理解願いたいと思います。
○額賀委員 基本的な考え方はわかりましたが、そうしますと、この前の決裂の背景には、どうも私は行き違いだったような気がいたしますけれども、アメリカ側は、日本がいろいろな輸出をする場合にも、採算を度外視して自分の企業の操業度を維持するためにじゃんじゃん輸出する、あるいはその生産する過程も系列化だとかで非常に不透明で、日本こそまさに不公平な中で競争をして勝利を得ているということで攻めてきておったわけですね。日本もそれはある程度はわかっておるから、できるだけ透明化しようということでございました。 ところがこの場合は、アメリカがある程度話し 合いで数値目標をつくれだとか客観基準をつくれと要求してきて、日本は、いや、自由貿易を堅持するんだということになって、逆転をしたような格好なんですね。これは逆転をしたような格好になっているけれども、基本的には、では逆転をしている格好だから日本が格好よく自由主義を守るんだということで、日米関係を再び不調に終わらせるようなことがあったのではだめなんだ、それが日米摩擦の終えんにはならないんだと。 それはどういうことかというと、自由主義ということを唱えておりながら、本当は戦後、日本なんというのはまるっきり、これは世界じゅうどこでもそうでありますが、純粋な自由主義なんというのはどこの国にもなかったわけでございます。しかもなおかつ、どこの国でも先進国は、国内は管理政策をやった。アメリカでも日本でもそうでした。しかし、非常に強いアメリカとかそういう国々は、海外では自由主義を唱える。それは海外は、世界の市場では強い者が勝つ、弱肉強食である。だから、アメリカみたいな天動説でしか地球は動かないと思っている国々にとっては都合のいい論理であったわけでありますね。 今でもそういう論理を振り回していこうという潜在的な意識はあるんだというふうに思っておりますけれども、私はそこのところを、日本が自由主義を振りかざすだけではなくて、本当の自由主義というのはやはりともにより多くの自由を享受する、より多くの人々が、より多くの国々が豊かになるという意味で、一定の調節というか調和というものが必要なのではないだろうか。それは世界的な、地球環境だとか人口構成だとか人口構造だとか、そういった観点からいっても、これは我々が二十一世紀を迎えていくに当たって、新しい自由主義として考えていかなければならない問題であるというふうに考えるわけであります。 だから、自由主義といっても、ヨーロッパの社会なんかでは、これはやはりどこの国もあるいはどの企業も、一定の同じようなレベルの競争力を持った国々が同じ土俵で競い合ったときに初めて経済的な成長だとか効果が出るということを経験的に知っているわけです。だから、どこの国に対しても自由主義の論理を振りかざすなんという時代は終わったんだ。だからそこのところは我々はよく考え方をまとめて、今や日本とアメリカが世界経済の牽引車になろうとするときに、日本とアメリカがお互いに先頭をどっちが走るかなんということで足をけっ飛ばしながら走っておったら、世界経済はおかしくなってしまうんじゃないでしょうか。だからここに政治的な配慮があって当然であるし、またそういうことを考えていくのが我々のリーダーシップじゃないのかということを感じるわけでありますが、大臣の所見を聞かせてください。
○畑国務大臣 ただいま額賀先生のお話を伺いながら、やはり戦後五十年、この辺で経済界における物の考え方、同じ言葉であっても内容の質的な問題が変化を、当然そこを踏まえて対応を進めていかなくてはならない、かような意味合いで今額賀先生のお話を、御意見を貴重なものとして拝聴させていただいたわけでございますが、たまたま私の頭の中をよぎりましたのは、自他共生といいますか、そういうような意味合いの中での自由競争というものではないかなと、こういうように考えるわけでございまして、ただいまの貴重な御意見を踏まえてこれからも努力を重ねてまいりたい、こう思っております。
○額賀委員 ただ、この場合、協調という言葉はいい言葉なんですが、協調というのは経済原則からいうと、これは管理政策的な要素が入るわけであります。そういたしますと、やはり人間の習性というか、管理貿易、管理政策には魔性的なものがあると思います。我々は、一生懸命汗を流したり余計なコストを使って経済効果を上げるよりは、規制でもって楽にして同じ効果を上げた方が短期的にはいいわけでありますから、ここが、アメリカと日本が話し合いをして協調してやっていくときに、より前向きに、より競争を生かしながら、より自由な形の中で協調をしていくのか、それとも先頭を走っているアメリカと日本と一部の先進国がいい思いをすればいいのかということのけじめをどうやってつけるかが基本的なポイントになるわけですね。 そこで、この前ウルグアイ・ラウンド協議のときに、並行してWTOなどの来年からの発足が行われていくということでございます。こういうものを我が国としてはよく活用して、そして将来の経済の仕組みあるいは世界経済のあり方について積極的に対応していかなければならないと思います。これを大臣に一言。
○畑国務大臣 実はせんだってドイツの経済担当大臣とたまたまお目にかかる機会があったわけでございますが、その方々の御意見の中に、何となく今、日米間で、今御指摘のあったように、いわゆる協調をし過ぎて、そこでもって何か、言葉が適切ではないかと思いますけれども、なれ合いの中で他の国々を別扱いするというような意味合いの懸念を表明されておりました。 私どもは、もちろんそういうことはない、そしてまたいわゆる数値目標等々の問題は、これは当然のことながら我が方としては受け入れにくいというようなこともお話を申し上げたわけでございますが、さような意味合いでは、私は、自他協調でなくて、ともに生きるというような意味合いの中での、御指摘のございましたような、そこに競争といいますものを、自由潤達な競争といいますものを絶えず念頭に置いた取り組みが展開をされなくてはならない。 そしてまた、最近ではよく地球村とかあるいはまた地球規模という言葉がちょいちょい使われるわけでございますから、さような意味合いでの日本とアメリカの与えられておる責任といいますものを踏まえた解決を図っていかなければならない、こういうような認識を持たさせていただいておるわけでございます。
○額賀委員 その世界貿易機構の話とその考え方なんですが、そういう枠組みが新しく発足しようとするのだけれども、アメリカはそれでもやはり三〇一条とか制裁措置の権限は保留するというわけですね。だから、これは二十世紀来の言ってみればヘゲモニーを担ってきたアメリカのわがままがあるわけです。 大臣、どうして日本はここを乗り切っていったらいいでしょうか。
○畑国務大臣 今回のガット・ウルグアイ・ラウンドの一つの決着の姿の中で、私どもがある意味では一番期待をし、そしてまたそれを軸としてこれからの世界経済の発展というものを考えていかなければならない、そのあるべき姿をWTOの中に求めていかなければならない、あるいはつくり上げていかなければならない、こういうように考えるわけでございます。 そういう中にございまして、今よく報道されますように、三〇一条の問題が、いわゆるWTOは云々と、それとの間でどちらが優先するかとか、いろいろな問題が行われておるわけでございますが、私は、これはやはり国際社会における良識、そしてまたマルチの姿の中で同意を見た、そしてまたこれからの平和の問題では国連であり、経済分野の軸となるものはWTOでなくてはならない。こういうような意味合いで、この問題を世界の常識として定着せしめる日本としての努力の中でアメリカの理解も得ていかなければならない、こう考えております。
○額賀委員 基本的な考え方としてはそのとおりだと思います。しかし、現実は、逆の方向に国際社会というのは行っているのではないでしょうか。それは外交でもあるいは経済でも政治の分野でも、東西戦争はなくなったけれども、両大国が抑えている間は結構秩序があったけれども、それぞれが今度はてんでんばらばらに、それぞれの文化や経済力や、いろいろな自分たちのよって来るところを踏まえて物事を主張するようになっていく。だから、本来ならば国連みたいな機関がどんどん強化されていって、世界が平和になるはずだったものが、あるいは主権を制限してまで国際機関がきちっとやっていくはずだったのが、逆に それぞれの民族や地域の国家がその主権を主張し、そして民族の文化、文明というものを大事にするようになってきた。 だから、そういうふうに我々は、ちょっと言葉が、WTOだとかそれから協調だとか言うけれども、それはいつも常々言っていなければならないが、日本が生きていくためにはここはたくましく、ある意味ではずる賢く、うまくきっちりと戦略を持ってやっていかなければならないということをぜひひとつ、畑さんならばできますから、やっていただきたいというふうに思います。 先ほど寺澤企画庁長官から経常収支の話が出ておりましたが、まさにそのとおりなんでしょう。私も、去年の八月の細川政権発足直後、円高が最も盛んなりしときに、この経常収支問題について代表質問をさせてもらったことがありますが、視点を変えまして、視点を変えるというかもうちょっと詳しく、寺澤長官は、せっかく集まってきた貯蓄をどうやって使うかが大事なことであるという話でございます。まさにそのとおりであると思っております。 まず両面、一つは、そのマクロ的なこと、社会資本的なこと、もう一つは、そういう今のような産業構造あるいは貿易構造であれば、どうもしばらくの間は、五年になるか十年の間になるかわからないけれども、基調的には貿易黒字というのは続いていく。そうすると、トレンドとしては円高が続いていく。そういう中で、経常収支黒字というのが、ちょっとばかり輸入拡大政策をとっても、世間がよくやったねと言うような形にあらわれるのはなかなか容易じゃない。 だから、我々としては、これまでのような輸出主導型の産業構造をどうやって転換していくかということも迫られているのではないのと。例えば、トヨタの自動車みたいに、内需五、六百万台のところを一千万台も生産能力があるというような、そういう経済政策などというのはこれからはとてももうできないわけですね。 では、そういうことからどういうふうに内需主導型の産業構造に転換をしていくのかということについて、きっちりと通産省、役所がある程度一生懸命知恵を、これまでの経験を踏まえて、逆のことをやればいいのかもしれませんが、考えようとしているのか。それとも、もう役所はそんなことをやらないでも、ほっておけばいいというふうに思っているのか。むしろ、規制緩和の時代ですから、通産省の役割は終わったというようなことで、民間に自由にやらせるのがいいかもしれませんが、大臣の考え方について聞かせてください。
○畑国務大臣 経常収支の黒字の問題をめぐりましていろいろ御指摘を賜ったわけでございますが、御指摘のとおり、現在の経済界、産業界の置かれております姿といいますものが、このままの姿では立ち行かなくなったというような前提の中にございまして、通産省そのものがこの問題に全く無関心で云々ということはあり得ないことでございます。 そういう中にございまして、過般来、御案内のとおり、産業構造審議会等々、たしか十八分野か何か専門的にずっと分かれまして、今いろいろ中間報告等々もいただいておるわけでございますが、問題は、これからの輸出産業一辺倒という姿の中から、内需に対応できる、そういうものをつくり出す。これは、マクロ分野、ミクロ分野、そしてまた産業構造の調整等々の問題、いわば今役所の方では三位一体という言葉がよく事務方の方で言われておるわけでございますが、こういうような意味合いのものを近々取りまとめをし、そしてまた国会のお立場での御審議、御論議を賜って、これはやはり産業界もいわば生き残りをかけた一つの大きな転機でありますから、さような意味合いで、産業政策と相まって、産業界、当事者そのものの真剣なこの分野に対する選択あるいはまた取り組み、こういうものをお願いする、少なくとも青写真等々は積極果敢に提示をしていく必要がある、かように考えているところでございます。
○額賀委員 大臣が、今産構審で何か十二分野か十八分野か研究さしておるということでありますが、これは大臣でなくてもいいから、どういうことを研究しているのか、産政局長いるから、ちょっと簡単に要点を得て説明してくれますか。
○堤政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、内需型の産業構造にしていくということでございますが、今後幸い日本で出てきます需要というのが、社会ニーズ、例えば住宅あるいは福祉あるいはこれを支える情報化というものほかなり内需型のものがあるわけでございますが、そういう新しい分野に産業を興していく必要があるのではないか。その中で十二分野をとりあえず選びまして、ことしの二月に発表さしていただいております。六月までの産業構造審議会の中で十八分野というのを選んでおりますが、さらにそういう新しい産業を興す分野にどういう分野があるだろうかというのを今研究しているところでございます。 いずれにしましても、こういう分野、新しい需要を起こしていくということは、技術開発あるいは新しい金融制度、そういうものが必要になってくるのではないかと思っている次第であります。
○額賀委員 そういう今までの、例えば終身雇用的な雇用体制だとか、あるいは終身雇用的だからなかなか設備も廃棄できないし、操業度を維持していかなければならない、だから採算度外視の輸出もしなければならない、そういった構造はやはり変えていって、もうちょっとソフト的な感じのベンチャービジネス的な産業を、自動車とか電機とか、そういう分野一つでその辺の国家のGNPよりも大きい働きをしているなんということはもう時代おくれだと思いますので、ひとつぜひ、小さくともキラリと光るというのは別だけれども、小さくても活力ある産業を構築していっていただきたいなというふうに思うわけであります。 もう一つ、これは寺澤長官もお触れになっておりましたが、やはりこれからの日本の人口構造を考えていくと、やはり働く労働力というのは、今はピークのようでありますが、二十一世紀の初頭には減少していくということが目に見えているわけでありますから、これはもうはっきりと日本の経済のあり方がどういうふうに変化していくかということがわかるわけでございますから、そういう中でやっておかなければならないことは、高齢化社会に対応していろいろ基盤整備をしておくということ。 それからもう一つは、日本みたいな無資源国が生きていくためには、知的な働きで経済を維持し、これは何を買うにも一定の外貨は獲得しなければならないわけでありますから、そこのところの競争力を維持するための産業基盤、研究開発、こういうことにやはり相当な蛮勇を振るってやる必要がある。これは役所マターの仕事ではないと思います。それは寺澤長官がおっしゃったとおりであります。 もう一度その辺の考え方の決意を聞かしていただいて、その上に乗っかって産業政策官庁の大臣は、じゃ具体的にこういうことを目玉として畑通産大臣としては、いつまで大臣が続くかわからないけれども、政治家として全力を注ぐということがあれば、一言言ってください。
○寺澤国務大臣 先ほど触れましたように、やはり高齢化社会に向かっていく日本、そして我々の子供たち、孫たちにいろんな意味でのしっかりしたインフラストラクチャー、社会資本を残してやりたい。そのためにはいまだ、なおかつ活力が残っている間に、特に経常収支がこれだけの黒字なわけですから、これから例の貯蓄と投資という観点から、政府もそして民間も大いに投資をしていくという形態で、一挙両得と言うと言葉は悪いのですが、適切じゃないかもしれませんが、黒字を減らし、なおかつ国内の社会資本の整備を進めていきたい。 しかも、基本的には、何回も申し上げますように、市場経済という基本的な考え方で、民活を利用しながら、政府の役割はあくまでもスモールガバメントに徹して、その民活の環境整備をしていくことに徹したい、こういうふうに私は思います。
○畑国務大臣 額賀先生御指摘のとおり、何といいましてもこれからの高齢化社会の中における産業構造のありよう、あるいはまた雇用対策のありよう、こういうことを一つの大きな柱に据えていかなければならない、かようにも考えるわけでございます。 ただいま寺澤長官からもお話がございましたとおり、いわば先ほどお話の出ておりました情報ネットワーク等々の問題、さような意味合いでは、新社会資本的なものの分野に力を入れることによって新しい産業構造のこれからの成長を期待する、あるいはまた雇用の将来性について、雇用ビジョンといいますか、そういうものと相まって、これからの新しい分野を切り開いていかなくちゃならないというふうに考えるわけでございます。 最近は年金問題がいろいろ論議をされております。でございますから、逆に申し上げますと、従来のいわゆる働くという意味合いでの六十歳、それから先のまた新しい意味合いでの高齢者の方々の一つの雇用という問題、こういうものにも対応できる産業構造であり、そしてまた、労働省等々ともお打ち合わせをしながら雇用ビジョンを描いていかなくちゃならない、これがこれからの通産の一つの役目ではないか、かようなことも考えさしていただいているわけでございます。
○額賀委員 私は、この社会基盤整備だとか社会資本の整備というのは、口では簡単に言うけれども、今のような公共予算の配分それからシーリングの状況ではなかなかできませんね。だからこれは、総花的にやれば余りアピール度もないので、そこのところは、我々は野党だけれども、大臣、やはり政治家のリーダーシップが要りますよね。 それで、二年ぐらい前でしたか、我々が与党の時代でありましたが、公共投資四百三十兆円の問題についても、あれは本予算と補正だとかでいろんな追加をしていきますと、私、通産省の若い人たちに一度計算してもらって、数字の上では毎年一%の伸び以下で四百三十兆円が達成できると。だから、あと百兆円か二百兆円上積みして、それを新社会資本という形でそういう研究開発だとか情報基盤だとかあるいは福祉関係だとかに重点配分しろという話が当時あったのでありますが、その後いろいろと通産省も、新社会資本だとか、財政法四条について何とか風穴をあけようと思ってやったけれども、なかなかできなかった。 連立与党は自民党よりももっと馬力があると聞いていますから、この分野においては我々も応援するから、ひとつ通産大臣、経企庁長官、経済閣僚として日本の将来についてみずからが責任を持つ、政治生命をかけるというぐらいきちっとやってもらいたいものだというふうに思っております。具体的にありますか。
○畑国務大臣 ただいま額賀先生のお話を伺いながら、大変失礼な言い分でございますが、一緒にこの話をしたこともある仲でございますから、先生のお力も大いにおかりをしながら、これは与野党を超えた次の世代に対する責任、そういうような視点から取り組みをやっていかなければならぬ、こう考えております。
○寺澤国務大臣 全く委員のおっしゃるとおりでありまして、やはり社会資本の整備ということはしっかりやらなければならないし、その積み増しをも含めまして、経済企画庁の中に社会資本整備研究会というのがこのほど発足いたしまして、私も積極的に参加していきたいと思いますが、そこで今研究中であります。
○額賀委員 今社会党が連立側へ顔が向いているのか我が方に顔が向いているのかわからないけれども、政策で一致すれば保守・保守でもいいわけでありますから、畑さん、ひとつ頑張っていきたいと思います。 あと五分ということでございますので、最後に、この問題とはちょっと離れるのでありますが、国際的ないろいろな紛争、安全保障の問題がありますが、どうもヨーロッパは長年の歴史を踏まえて、軍事力を整備するだけが能ではない、お互いに協力し合って安全保障を確保しようということになりつつあるように受け取ります。 一方、アジアは新しい装備をどんどん、今までの古いのを入れかえているというようなこともあるのでしょうけれども、中国等でもいつも一五%だとか二〇%以上の軍事費が使われている、伸びがある。あるいは北朝鮮では、いろいろな情報がありますが、核の開発が進みつつある、労働一号というミサイルが開発されたというようなことでございます。 我々はこれは重大な関心を持っていかなければならないんだけれども、我が国がこの安全保障にもし貢献できるとすれば、それは一つはPKOの問題等もありますが、もう一つは輸出管理で、武器だとか武器製造にかかわるそういういろいろな技術についてコントロールをしていく。そういう仕組みが東西冷戦時代にはココムという形でありましたが、それが三月いっぱいでなくなったと。その後、形はなくなって、一応その趣旨は踏まえて各国ともそういう方向で動いているというふうには聞いているのだけれども、そこは我が国にとっては重要なポイントでありますから、現状はどういうふうになっておって、今後どういうふうな形で対応していこうとするのか。大臣でもどっちでもいいですから、言ってください。
○畑国務大臣 今先生御指摘のとおり、とりわけ日本の立場におきましては、ハイテク分野の要素といいますものが、やはり相手国の使い方いかんによっては大きな武器等に直結をし得る要素の多い、また、そういったような意味合いでの能力を持っております今日の日本の産業界の姿でもあるわけでございますから、ココムそのものが廃止になりましたけれども、さような意味合いで、これはひとり日本のみならず関係の国々等とも協議を進めながら、さらに具体的なありようといいますものを早急に詰めていかなければならない、さような取り組みを始めさせていただいている、こう御理解をいただきたいと思っております。
○額賀委員 どういう形で、どういう考え方で今準備なされているのか。ココム時代みたいに、一国がノーと言えばまとまらないように厳しい形に、ココム方式になっているのか、それとも緩やかな方式でみんながまとまろうとしているのか。そして、いつごろまでにそういう形をつくろうとしているのか。
○中川政府委員 ココムにつきましては、共産圏に対するハイテク機器等を中心にいたしまして、輸出規制を行ってまいりました。委員御指摘のように東西冷戦が終わりましたので、その取り扱いに関しまして、昨年の九月ぐらいから非公式にココムについての議論をしてきたところでございます。 ことしの三月末に、非公式レベルでございますが、ハイレベル会合が行われまして、この会合で、三月末をもってココムは終了をする。これにかわりまして、東西対立ということではなくて、地域紛争を防止するという観点で、通常兵器あるいはその関連の機器に関しまして新たな輸出規制を行うべきだということが国際的にも合意をされまして、ことしの十月までにこの新たな機構を設立すべく、現在、協議を行っているところでございます。ココムのような体制で規制をしていくのか、新たな規制の方式を含めまして、規制の運用のルールあるいは規制の品目の対象をどうするか等々の検討を、現在、国際的に行っております。 四月から新機構設立までの間は間があくわけでございますけれども、暫定的な規制として、現行のココム規制品目につきまして、これは共産圏だけではなくて、全地域を対象にした規制をする能力を維持しろということでございました。 また、特に北朝鮮を初めイラン、イラク、リビア等の懸念のある国に関しましては、軍事転用の問題あるいは脅威となる軍事能力の開発強化に寄与しない等々の観点から、厳しい規制を現在も行っているところでございます。
○額賀委員 終わります。ありがとうございました。
○白川委員長 金田英行君。
○金田(英)委員 一年生の、自由民主党の金田英 行でございます。 このたびの異動によりまして、商工委員会に籍を置かせていただくことになりました。前は労働委員会におったわけですけれども、商工委員会の皆さん方によろしく御指導を賜りたいと思います。 大変な難しい時代に入ったなというふうに思います。高齢化社会の到来、あるいは膨大な貿易収支の黒字、あるいは今までの信奉した価値が全く狂ってしまったという時代だろうと思います。我々、近代工業化を通産省を中心として進めてまいりました。その近代工業化が世界一の貿易工業国というような形で何とか達成された、これもひとえに商工委員会の皆さん方、そして通産省、経済企画庁、そういった皆さん方のたくましい御指導があったればこそ日本がここに来たのだろうなと思います。さすが官僚国家、官僚が引っ張ってきた日本の工業化だなというふうに思うわけであります。 しかし、キャッチアップが済んだ今、日本がこれからどのような産業育成をしていくのか、どのような通商産業政策をとっていくのか、多様な価値感の中で一体どう考えたらいいのか、まさに迷っている時代ではないかとさえ思うわけであります。 簡単で結構ですけれども、きょう一日予算委員会お疲れさまでした、畑通産大臣にこの辺について若干コメントいただきたいと思います。 〔委員長退席、甘利委員長代理着席〕
○畑国務大臣 ただいま金田先生から御指摘を賜りましたとおり、ちょうど戦後半世紀たちました今日におきまして、とりわけ御指摘がございましたような最近の経常収支問題等々、あるいはまた不況の現在の姿等、こういうことを考えますと、これからの産業政策の展開といいますものも、当然のことながら従来とは違った意味合いでの展開をやっていかなければならない、かように考えておるわけでございます。 前回の商工委員会でも申し上げましたような意味合いにおきまして、所信表明で述べさせていただいたわけでございますが、いわゆる国際社会における調和のとれた適切な経済運営、そしてまたこれからの時代に対応しました意味合いにおける世界各国との協力をベースにしました中におけるエネルギー環境問題の克服等々、こういうものを踏まえた中の新しい経済活動、産業活動といいますものを展開をしていかなければならない、かようにも考えているわけでございます。 私は、そういう中にございまして、通産行政の中にございましては、日本の場合、とりわけ中小企業に対する対応といいますもの、特にかような意味合いでの規制緩和等々の問題もございますし、あるいは時代の流れの中における中小企業の位置づけは極めて厳しいものがあるわけでございますので、さらに力を入れていかなければならない。こういうことを基本にしまして、これからの通産行政の新たな展開を図っていかなければならない。 先ほど来語が出ておりましたような産構審の答申等々もいただきまして、あるいはまた国会筋の皆様方の御意見を拝聴しながら、万遺憾なきを期してまいりたい、かように考えている次第でございます。
○金田(英)委員 さきの予算委員会でもお話ししましたけれども、大分難しい事態にやってきたなというふうに思います。日本を一体どういうふうに持っていくのか、国家価値観というのを何に求めたらいいのか、そういったことあたりから検討を進めないと、我々日本民族を引っ張っていくことはできなくなってしまったというふうにさえ思っておるわけであります。 それで、貿易収支の黒字の改善につきましては、私の持論であります輸出税について、予算委員会で相当時間かけてお話をさしていただきました。 とにかく、資源小国の日本の産業が列強に伍して生き抜いていく、豊かな生活を享受するためには、通産省さんあるいは経済企画庁さん、それらの努力というのが、達見ぶりがまさに問われるわけであります。キャッチアップは済みました。まさに先進国になったわけであります。そういった中で、今の通産省さんが進めてきたような通産政策で果たしていいのだろうか、今の通産省がこのような通産省でいいのだろうか、そういうふうに思わざるを得ません。 確かに、通産省は政務次官を二人も抱える大省庁でありますし、一番成績のいいのは大蔵省に入るか通産省に入るというような、まさに日本の頭脳がえりすぐられておられる通商産業省であります。 ところが、キャッチアップ時代が過ぎた今、通産省をじっと考えてみますと、日本のあらゆる産業の中で、まず一次産業を見てみましょう。一次産業について、農林水の各産業については、これは農林省が所管されておられます。 二次産業について見ますと、建設業関係については建設省が所管されておられるはずであります。そして、製造業といっても木材だとか建設機材だとかということになるとまた農林省あるいは建設省が所管されておりますし、薬品の製造というようなことになりますと厚生省が所管されておるわけであります。 三次産業について見ますと、流通、多くの部分は運輸省さんが所管されておられます。そして、サービス関係、通信関係、いろんなことで郵政省さんとの競合と申しますか、そういったことがあるわけであります。この部門は通産省の所管でない。そして、これから最も必要な科学技術行政、そういったものについては、科学技術庁との共管と申しますか競合というのがあるわけであります。 そういった形で一次産業から三次産業までいろんな産業をずっと見てきた場合に、通産省が働いていただけるのはどういうところなのかな、果たして今までのような通商産業省の所管行政の中で、我々の日本を引っ張っていっていただけるような通商産業省であるのかなということについて若干の疑念を抱くわけでありますけれども、そのことについて、担当でもあるいは通産大臣でも結構ですが、所感がありましたらお答えいただきたいと思います。
○畑国務大臣 実は私もきょう、金田先生の予算委員会における縦割り行政あるいはまた行政改革、そういった視点に立ちました主張をされておりますのをずっと拝聴をさせていただいたわけでございます。 やはり産業構造の大きな変革も求めていかなければならない。そういう中にございまして、今までの縦割り行政といいますものは、一般論としましていささかまずい点があったことも事実でございますから、逆に言いますと、横断的な連携といいますか、そういうものをより積極果敢に展開するというのが当座の、当面の与えられた各役所の一般論としての課題ではないかなというように私は考えます。 例えば、産業構造の問題につきましても、これはやはり当然のことながら雇用問題、雇用の将来あるべき姿等々、高齢化社会のあるべき姿等々を踏まえた、あるいは厚生省の年金福祉等々の分野をいわゆる横にらみしながら物事の展開を考えていかなければならない。 さような意味合いにおきましては、これは実は新内閣におきましても、閣議の後の閣僚懇談会で、いわゆる横断的な横の連携で、従来は所管の事柄だけしか閣僚懇談会あたりでは言わない。他省庁のことを、例えば私が建設省のことを言えばいささか越権であるというようなことも、そういう雰囲気のあった過去の例もあるわけでございますが、最近は、逆に申し上げれば、さような意味合いでは、積極的に横断的な話し合いを閣僚懇談会の場等を通してやらさせていただいている。そしてまた、これは各役所の事務段階におきましても横の連携を密にしていく、これが今日与えられた喫緊の課題ではないかな、私はかようにも考えているわけでございます。
○金田(英)委員 もはやこのままの中央省庁の縦 割り行政の中では通商産業政策がうまくいかないのじゃないかという気がしてならないのであります。 具体的にお尋ねします。 これからの日本の産業の中で大きな需要が見込まれるものに情報産業があります。それについて通産省はいろんな案なり構想、あるいは民間をどう活用していくのかというような検討を具体的に進めております。私も説明を受けておりますが、通商産業省においては、これらの情報産業を育てていくためのそのツールと申しますか、具体的にどのような検討を行っていこうとしておられるのか。 そして、郵政省と具体的に折り合いがつくのかつかないのか。まあ役人の習性というのは私若干わかるわけでありまして、決して通産省と郵政省はうまくいかないな、このような状況にしておいたら情報産業の発展というのはあり得ないなというふうにさえ思っておるわけでありますが、その点についてお答えいただけたらと思います。
○畑国務大臣 ある意味では最も期待されるこれからの新分野、その中に情報・通信のネットワークを踏まえたこの分野の産業展開といいますものが、産構審の中におきましても大きな柱として取り上げられての取り組みが、ただいま具体的な提案等々がなされつつあるという段階であるわけでございます。 ただいま先生御指摘のとおり、やはりこの問題は、実は私どもも十数年前まではある意味ではこの分野も日本が先進国、トップランナーというようなことを考えておったわけでございますが、先ほど甘利先生等々からも御指摘がございましたが、残念ながらかなりアメリカ等々におくれをとっておる。そういうことを考えますと、私は、この関係につきましては、先ほどパソコンの問題も出ておりましたけれども、幸いに文部省でもそういったような意味合いの予算の獲得ができつつある。 こういうことを考える中で、一つは規制緩和の問題等々が絡むわけでございまして、今いみじくも先生御指摘のとおり、郵政、通産、まあかつてはいささか問題ありと言われたおったわけでございます。私も郵政政務次官の経験者でもあるわけでございますが、さような意味合いでは、せんだって行政改革推進本部の中の情報・通信分野の会合におきましても、これは従来のそういった問題点をお互いが謙虚に取り外しをして、解消をして、一つの内閣挙げて、政府挙げて、そしてまた今日の国家的な産業展開という意味合いでの取り組みをやっていこうではないか、そういうことを確認をし合ったという段階でございまして、さらなる努力を重ねてまいりたい、かように考えております。
○金田(英)委員 いや、大臣のお答えとしてはよくわかりますけれども、実際に役人というのは、その省庁の省益のことにしがみついてと申しますか、そういった形で人生をずっと終えるわけであります。第二の人生というのもありますけれども、やはり自分の省のことを考え、そして他省庁の省益とぶつかり合いながら、そこで耐え忍び、あるいはそれを拡大していくということにまた無上の喜びを感ずる、そういった習俗というか習性があるわけであります。そういった中で、どうしても私は長年の人生経験で、通産省さんと郵政省さんがうまくいけるということは余り考えられない。大きな枠組みの変更が必要じゃないかなというふうに思えてならないのであります。 昨年、第三次行革審の最終答申がなされました。その中で、縦割り行政のひずみというのが大変大きくなっているんだというようなことで、中央省庁を大きく六つにくくろうじゃないか、対外関係省あるいは産業省、国土劣等々、いろいろな構想がなされて、六つの省庁の構想がイメージとしてなされております。 私は、その中の産業省というような構想、こういったことに、なるほどなというふうにいたく関心を持っておるわけでして、これをやらなければ、省益のために日本の行政はつぶれてしまうなというふうにさえ思っておるわけでございますけれども、この際、通産大臣に、大くくり省庁、そうしないと、人事権もてんでんばらばらで、賞罰もめちゃくちゃというのですか、それぞれ向いていくところが全然違うわけです。 そういった中で、この際、新しい時代になったんだ、キャッチアップの時代はもう済んだんだ、これから多様な価値観の中で通商産業政策を展開していくためには、こういう小さな、二十幾つにも分けた中央省庁のありようでは日本の政治はやっていけないというふうに思っておるのですが、その点についての所見を、申しわけないのですが、お尋ねしたいと思います。
○畑国務大臣 金田先生が役所御出身でありますだけに、問題を十二分に踏まえた貴重な御意見というように受けとめるわけでございます。今、行革審等々の問題の御提案があるわけでございまして、これはそれぞれのお立場で論議がようやく始まったというような受けとめ方を私はいたしております。 現在、私は、先ほど申し上げましたように、とりわけ情報・通信分野等々が期待されるだけに、御懸念のような問題を、まずはそれぞれの役所自体に意識改革をお願いをして、そこに協調態勢をつくって、力を合わせて国民的な期待にこたえる、こういうことにとりあえずは私の立場では力を入れさせていただきたい、かように考えているわけでございます。よろしく御賢察のほどをお願い申し上げたいと思います。
○金田(英)委員 立場の中での発言ですので、わかりますので、もうこれ以上追及はいたしません。 自由民主党の中では、やはりこういった省益にとらわれる国の指導者であってはならない、もう少し国全体の利害について広い視野から行政を展開できる官僚を育てる必要がある。そういう意味で、中央省庁のキャリア組は一括採用だというようなことも具体的に検討させていただいております。そういったこともあるわけですけれども、ただ採用だけを一括でやってあちこちとやるのもなんですので、一たん入ったところの習性というのはずっと伝わって、引き継がれていくようなものですから、やはり思い切った太くくりな中央省庁体制というのを考えないともうだめなときに来ているなど思っています。 具体的に、通商産業省のお役人の皆さん方は能力をもてあましておられます。これは霞が関の中でも評判中の評判であります。とにかく、各種の法案が出てくると、一番何だかんだと省益でいろいろなことを言い出してくるのは、農林省と通商産業省のお役人だそうであります。 それと、もてあましているというようなことで、いろいろなアイデアが飛び出すのも、これは通商産業省なんであります。国民の祝日に夫婦の日というのを設けたらどうだというようなことを言い出すのも、これまた通産省ならではであります。とにかくいろいろなこと、アイデアがぽんぽん飛び出して、成功率は余りよくないのですけれども、アイデアだけはやたらに出てくるのが通商産業省だというようなことであります。 こういった多彩な能力を目的の通商産業政策の中で、もう少し広範な、小さなエリアの産業政策でなくて、もっと大きな巨視的な産業政策の中で、通商産業省の役人の方々にお働きいただけるような舞台を用意してやることが大臣としてのお務めだと私は思っています。お答えは要りません。それについて私の考えている感想だけを申し述べさせていただきます。 若干具体論に入ります。 このたび、大規模小売店舗法にかかわる規制緩和というようなことで、五百平米から千平米の売り場面積のものについては一定の規制を外したり、あるいは閉店時間を七時から八時まで延長することを認めたりというような規制緩和をやられておりますけれども、そのことについて、現地の中小の商店主は大変影響を受けているという実態があります。現実に私のところにも、各商工会がこぞって、これ以上の規制緩和はやめてほしいと いうふうな陳情に参っております。 規制緩和、規制緩和、それが細川政権あるいは羽田政権の大方針でありました。規制を緩和する、それが内需拡大を生むものであり、そして新しい自由経済、経済の活性化を招くものだというふうな考え方で行政を展開されているのだと思うわけでありますけれども、そのとおりだと考えてよろしいのでしょうか。
○畑国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、我が国におきましての中小企業、とりわけまた零細企業、こういったお立場の方々が今日までの日本を支えてきた、大きな力があった、かように申し上げても決して過言ではないというふうに私は考えるわけでございます。 そういう中にございまして、ただいま大店舗法の問題、五月一日から御指摘のような時間の問題、休日ロ数の問題、あるいはまた面積の問題等々、これが緩和をされたわけでございますが、せんだって商工会の全国の役員の方々等々もお見えになりまして、今先生の御指摘のような意味合いの御指摘も伺ったわけでございます。 問題は、やはりそれぞれが競争という要素は残しながらも、激変緩和といいますか、そういうことを心がけながらこれからの対応を進めていかなければならない。そしてまた、やる気のある方々、そういった方々が、これからの店舗改修問題あるいはまた売り場の充実の問題等々、これに対するきめの細かい行政対応をしながら、共存のできるような意味合いのものを絶えず念頭に置いてやっていかなければならない、かような考え方を持っておるわけでございます。
○金田(英)委員 段階的にと申しましたかな、今何かそんなお話があったのですけれども、私はそういうことを申し上げているのではなくて、規制緩和をどんどん進めていくおつもりか、そのことをお尋ねしておるのであります。 というのは、古典的な自由主義経済を望んでおる経済人、そういった者はたくさんおります。特に若手の新興企業、中小企業、あるいはニュービジネスを求めるそういった起業家の皆さん方には、確かに古典的な自由主義経済というのはまさに活躍のできる格好の場だろうというふうに思います。そういった古典的な自由主義体制、とにかくあらゆる規制を緩和していこう、夜警国家でいいんだ、小さな政府でいいんだ、そういうような経済体制を追求していかれるおつもりなのかどうか。段階的ということではなくて、そこいら辺を目指しているのかどうか、そこいら辺をお尋ねしたいと思います。
○畑国務大臣 私は、ちょっと言葉が足りませんでしたけれども、一つの方向、流れとしましては、御指摘のような規制緩和の問題が一つの大きな時代の流れである。そういう中にございまして、いわゆる規制緩和の問題も次から次に矢継ぎ早にというようなことであったのでは、なかなかそれに対する対応が既存の商店街等々においてもできない。 でございますから、それに対する手当てを十分にし、そこにまた新たな魅力、商店街の近代化あるいはまたお買い物広場等々の問題、駐車場の問題等々、そういうものも、やはりお互いがともに発展がし得るような、少なくともそういう時間的な余裕、あるいはまたやる気のある方々には手を差し伸べる、そういうものに力を一層入れていかなければならない。かような意味合いの物事の考え方に立っておるわけでございまして、いわゆる踏みつぶして、すべてが規制緩和をやればいいというような簡単なものではない、かように受けとめさせていただいているわけでございます。
○金田(英)委員 まさに中小企業庁まで所管されておられる通商産業省ですからあれですけれども、確かに日本の経済的な活力というのは、中小企業あるいは小さな商店業主の社長さん、そういった社長さん方がたくさんおられる、そのことが日本経済の活力になっていることはまた事実であります。古典主義的な、とにかく自由競争だからどんなことでもやればいい、やれるのだというようなことでは、弱肉強食の経済原理の世界になってしまうはずであります。そういった弱肉強食の中では、日本の経済的な活力、中小企業主あるいは大勢の商店業主の皆さん方が、安寧なというのですか、商売を楽しんで、そして生きがいを持って生活できるというような環境が全く破壊されてしまうと思うのであります。 経済の規制緩和については、あらゆるものを原則としてゼロにするのだというような方針が細川政権そして羽田政権の中にあったというふうに思うわけでありますけれども、これについて反省はありませんでしょうか。
○畑国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、いわゆる流れ、方向としましての規制緩和、それに対するいわゆる零細企業のお立場あるいは商店街のお立場等々、十二分に手を差し伸べ、きめの細かい行政を従来以上に展開をしていかなければならない、現在の私どもの内閣はこういう基本的な考え方に立っておるわけでございます。 私ごとを申し上げてちょっと失礼でございますけれども、私は過疎地域の出身の代議士でございますが、過疎地域のとりわけ商店街のあるべき姿といいますものが、やはりその地域の振興施策の一つの大きな柱にもなるわけでございますから、今国民的な課題の過密過疎の問題等々も慎重に配慮をしながら問題展開をやっていかなければならない、かように考えております。
○金田(英)委員 確かに難しい問題だと思います。難しい問題だと思うのですけれども、何とか適当な哲学、ここまではいいんだ、ここまでは何としてでも規制しなければならないんだ、そこいら辺の兼ね合い、メルクマールと申しますか、何かそこいら辺の考え方というのをしっかり持っていないと行政を間違えてしまうなと。もうけるやつだけが偉いんだ、とにかく金もうけが産業のすべてなんだというような哲学では、日本の通商産業政策は失敗してしまうと思いますし、諸外国の敵対心をあおるだけで、日本は、日本民族というのは決してうまく成り立たないというふうに思うのであります。 問題を進めさせていただきます。 同じようなことは、公正取引委員会が現在進めておられます公共入札にかかわるいわゆるガイドラインの問題についても言えると思うのであります。確かに五十万あるいは六十万と言われている建設業の皆さん、今回のガイドラインについては建設業だけでないと伺っておりますし、あるいは文房具等々の調達についてもそうだということで伺っておりますけれども、こういった建設業者というのはまさに中小企業が九五%から占めるのだろうというふうに思っております。 この点について、ガイドラインを具体的に進めておられます公正取引委員会がどんな哲学をお持ちで、公共事業の入札を一体どういうルールで仕切っていこうとしておられるのか、その辺の考え方をお知らせいただきたいと思います。
○小粥政府委員 お答え申し上げます。 ただいまのお尋ねは、私どもが公共入札一般につきましての独占禁止法上の指針、いわゆる入札ガイドラインを、ちょうど三月に原案を発表いたしまして、ただいま内外の関係方面から意見を伺っているところでございますが、対象は公共入札一般、大変広い範囲でございます。 しかし、今のお尋ねは、その中で例えば建設業者、大変大きな世界でございます。業者の数も五十万を超えると言われているわけでございますが、当然中小企業の方々が多い世界でありますけれども、これについて独占禁止法上どんな基本的な考え方を持っているか、まずこういうお尋ねでございます。 基本的な考え方についてまず申し上げたいと思いますけれども、これは申し上げるまでもなく、独占禁止法は公正かつ自由な競争を維持促進することが目的でありますから、これに違反する事業者あるいは事業者団体の行為を禁止をしているわけでございまして、その点につきましては、これは大企業はもとより、中小企業の行為でありましても、まさに公正、自由な競争を制限するあるいは妨げる、そういう行為は法律上認められるべき ものではないわけでありまして、この点は改めて申し上げるまでもないわけでございます。 しかし、お尋ねの趣旨にもございますように、大企業がその力を乱用して市場を支配する、それによって市場を公正、自由な競争状態から遠ざけていく、こういうことをはっきりとこれまた禁止をしているわけでございまして、独占禁止法の考え方そのものは、単に競争が自由であれば何でもよろしい、そういうことを言っているわけではないのであります。今申し上げましたような、例えば大企業が市場における力を乱用する行為そのもの、あるいは市場をそのように変えていくという行為について、法律はこれに厳しく対応する、こういう構造になっていることは御案内のとおりでございます。 それから、独占禁止法の考え方といたしまして、中小企業につきましては、規模の小さい企業が共同することによって市場においていわば大企業に対抗する有力な競争単位になる、これで初めて公正、自由な競争が確保されるんだ、こういう考え方が明確にあるわけでございまして、具体的な例といたしますと、小規模事業者の相互扶助を目的とするというような一定の要件を備えた組合の共同事業につきましては、これもよく御存じのように、独占禁止法の適用を除外しているわけでございます。 さらに、私ども、この法律の運用におきまして、例えば今回策定をしつつありますお尋ねの入札ガイドライン、これより前に事業者団体の一般的なガイドラインというのを出しておりますけれども、これにおきましても、具体的に中小企業の実態等も踏まえまして、公正、自由な競争を制限したり妨げたりするおそれのない場合を具体的に例示をして、中小企業の適切な活動に資する、このような配慮を行っているわけでございます。 したがいまして、独占禁止法の基本的な考え方自体に、そしてまた、その運用の責めを負っております私どもの法運用の態度といたしましても、お尋ねにございますような中小企業の立場に十分配慮をした法律の構造であり、また、私どもの運用の態度もそれに沿っているということをまず基本論として申し上げたいと思います。
○金田(英)委員 確かに国際社会に通用し得る商環境、そういったものを日本のこの種の業界の中でつくり上げることがぜひとも必要だということは、私も何とかわかるような気がします。しかし、やはり日本には日本らしさというものがあるんじゃないのか。 今のようなお考えでいきますと、営業ということが建設業においては全く成り立たなくなります。とにかく、入札において適正な、一番少ない札を入れたものが落札するわけであります。営業というのは一体何をするのかというようなことにもなるわけであります。日本の土木業界あるいは建築業界、そういった中で長年培った日本のよさといったものがあるというふうに思うのであります。 とにかく、すべて国際ナイスすればいい、アメリカナイズすればいいというようなことについて、私は若干の疑問を覚えます。先ほどの大規模小売店法にも見られるように、全部アメリカ並み、アメリカがこうやっているんだから日本も同じような商慣習にするんだとか、そういった考え方というのは、うん、なるほどなという形で、一概にうんと言えないような点が若干あるということだけお伝えさせていただきます。 公取さんに最後にお尋ねしたいのですが、今のガイドラインには、これはクロ、これはシロ、これは灰色という形で分けられております。まさに公取のこのガイドラインというのは、刑法で言えば構成要件。このようなものは有罪だよ、このようなものは無罪だよ。そういった状況の中で、各業者あるいは各業界、協同組合の皆さん方、灰色って一体何だねというような御意見があると思いますけれども、この灰色は極力少なくする。 確かに状況によって違うとは思います。状況によって違うとは思いますけれども、それは量定なりいろいろな別の範囲で考えられるべきものであって、これはだめですよというような、そういった構成要件に当たるようなものははっきりとシロかクロかで示していただかなきゃならない、そんな思いがしてなりませんけれども、この点についてどのようにお考えでしょうか。
○小粥政府委員 ただいまのお尋ねは、先ほど申しました現在策定をしております入札ガイドラインの原案の書き方が、お尋ねのように、クロ、すなわち原則として違反となるもの、シロ、原則として違反とならないもの、そしていわばその中間的な位置づけでございますけれども、違反のおそれのあるもの、俗に灰色条項と言っておりますけれども、こういう構成をとっていることは事実でございます。 そして、この構成は、先ほども触れました昭和五十四年に私どもが出しました事業者団体ガイドラインと同じ構成をとっているわけでございまして、この考え方は、ただいまのお尋ねにもございましたけれども、独禁法違反行為になるかならないか、これがクロかシロかということでございますが、私ども、これまで入札に係る違反事件を取り扱いまして、その取り扱いの経験上、あるいはこれを審決という形で処分をいたしまして、その処分はもちろん公表しているわけでございますが、その類型をいろいろと分析をいたしまして、クロ、シロと明確には分けにくいけれども、違反行為に伴って行われるおそれがあるそのような行為、あるいは違反行為につながるおそれのある行為、これが私どもの事件処理の具体的な経験としていろいろあるわけでございます。このようなものはまさにクロそのものとは言えない、これが直ちにクロと言えないわけでございますが、今申し上げましたように、具体的な例としてそれがクロにつなかったり、あるいはクロ、違反行為に伴って行われた例がいろいろとある。 そうしますと、それを例示として示すことによりまして、事業者あるいは事業者団体側に、そのような行為がクロ行為、違反行為につながるおそれ、可能性、そういうものがあるということをいわば注意喚起をする、それによって違反行為を未然に防止したい、そういう私どものいわば願いのあらわれでもありますし、また、そのようないわゆる灰色の行為をなるべく具体的に示すことが、ただいまのお尋ねでございますと、そういう灰色部分はなるべく少ない方がよろしいという御指摘でございますけれども、私ども十分注意をしたいと考えておりますが、しかし、そのような部分をなるべく具体的に例示することが、やはり申し上げましたように違反行為の未然防止につながるということを期待をし、あるいは願って書き込んでいるわけでございますので、その点はひとつ御理解をいただきたいと存じます。
○金田(英)委員 じゃ、時間がありませんので、最後に過積載の問題について。 今、中小企業は大変悩んでおります。今までトラック一台で積んでいたものが、トラック二台分の運賃を払わなければならない。まさに中小企業の荷主さん方が、これじゃ商売をやっていけないよ、それでなくとも利幅が少ないのにというような状況があります。確かに過積載の問題は一年間かけて検討してきた、そして周知してきた問題ではあるとしても、五月から、あれはだめ、これはだめというような厳密な過積載規制をやられたのでは、角を矯めて牛を殺すような結果になると思います。 運送のトラックなんかについては、九月くらいにまた新しい車種が市場に出回る。だから、そのトラックを購入すれば過積載にならないで済むなというような準備が進められているというふうに聞いておりますけれども、それとて九月にならないとそういう運送機関は買えないというような状況であります。 とにかく、皆さんの合意で成立して、この過積載は何とかしようということで国会を通った法律でありますから、それを実現し、それを徹底していくのは構わないんですけれども、そこはソフトランディングと申しますか、新しい体制ができ上がるまで、それが世の中に落ちつくまで、その取 り扱いといいますかその取り締まりについては、適正な取り締まりが必要だろうというふうに思うわけでありますが、警察庁さん、来ておられると思いますが、適正な取り締まりをしていただきたいというふうに思っております。
○関説明員 過積載につきましては、過積載運転車両の事故発生時の被害が大きなものとなりやすいため、以前からその危険性が指摘されております。また、近年、過積載の大型車両による重大な事故が多発しておりますことや、過積載の違反の程度が高くなってきたというようなことなどから、昨年、道路交通法の改正を国会で御審議いただきまして、全会一致で可決いただいたところでございます。 したがいまして、警察といたしましては、昨年五月の法律公布以来、一年間にわたりまして過積載に係る法改正の内容につきまして広報に努めてまいりました。それから、幅広く関係業界に対しまして過積載の自粛につきましての指導を行ってきたところでございます。 また、違法な過積載運転を防止するため、悪質、危険な過積載運転に重点を置いた取り締まりの強化を図ってきたところでございまして、今後とも超過重量の多いもの、差し枠を装着した車両等、悪質、危険な過積載に重点を置きまして、効果的な取り締まりを実施してまいりたいと考えております。
○金田(英)委員 悪質、危険なものについて取り締まられるということでお伺いしました。ありがとうございました。 公取さんのガイドラインにつきましては、ほとんど質問が佳境に入らないで申しわけなかったと思いますが、またいろいろと勉強さしていただきたいと思います。よろしく御指導を賜ります。 質問を終わります。
○甘利委員長代理 続いて、和田貞夫君。
○和田委員 限られた時間でございますので、私も質問を簡単にいたしますので、答弁の方もひとつできるだけ簡潔に、わかりやすいように御答弁いただきたいことを前もってお願いをしておきたいと思います。 まず、日米通商交渉の問題でございますが、この二月以降中断されておりました日米包括経済協議が再開されるようになったということで安堵をしておる次第であります。現在まで非公式折衝で確認された合意内容によると、客観基準は数値目標にしない形で設定するなどなどになったというように仄聞しておるわけでございますが、交渉の再開の見通しと通商産業省としての今後の対応について、この際、お聞かせいただきたいと思います。 〔甘利委員長代理退席、委員長着席〕
○畑国務大臣 ただいま和田先生御指摘のとおり、ある意味におきましては、各方面の方々に御心配をかけておりました日米経済摩擦の包括協議再開へのいわばテーブルに着くことができたという段階であるわけでございまして、客観的基準、これは数値目標を構成しないことの確認、あるいはまたいずれの一つの基準も評価の確定的要因とはなり得ないことの確認等々、あるいはまた、目的におきましても、競争力ある外国製品、サービスのアクセス、販売を増大させるために、構造的分野別問題を取り扱うこと寺お互いが確認ができた、そういう中で再開へのスタートを切らさしていただいたわけでございますが、これからいわゆる優先的な分野等々の問題で具体的に詰めが始まる。 さような意味合いにおきましては、ようやくテーブルに着いて、これからがいわば真剣勝負という言葉はどうかと思いますけれども、決して物事を楽観的な意味合いでの取り組みができる状況にはない。しかしながら、やはり何としても成功せしめなければならない、そういう熱意を持って真剣な取り組みをやっていかなければならぬというように考えているわけでございまして、もう具体的には近々各分野別の協議が始まりつつあると、事は急ぐべしと。私自身の考え方は、せっかく合意を見ましたから、やはりテンポを上げて問題解決をやるべし、こういう基本的な構えにあるわけでございます。
○和田委員 せっかくの機会でございますので、ぜひとも成功に向けて頑張っていただきたいと思います。努力をしていただきたいと思います。 そこで、自由貿易体制に係る問題については、明確な国際的ルールのもとで、二国間でなくて、多国間のテーブルで行うのが理想だと思います。その意味で、関税貿易一般協定を引き継いで来年の一月に発足する世界貿易機構、WTOでございますが、これは極めて重要なものであろうと思います。 このWTOに、通産省、日本政府は積極的に人材を派遣する等を含めて関与すべきであろう、こういうように思うわけでございますが、これについてのお考えをひとつお示しいただきたいと思います。
○畑国務大臣 先般のガット・ウルグアイ・ラウンドの決着におきまして、いわば国際間における一つの大きな努力の成果としてのWTOといいますものが誕生を見つつあるという段階であるわけでございますが、和田先生御指摘のとおり、これからやはりいろいろ二国間等々でトラブルが起きる。そういう中にございまして、世界的な経済分野のビジネスにおきましては、このWTOにおけるルールが一つの大きな原則となって、これからの経済の活性化が図られていかなければならない。 さような意味合いでは、WTOそのものの位置づけが世界各国の中で大きく力強く歩みを始めていただけるような取り組みを、先生御指摘のような意味合いにおきまして、我が国も人材あるいはまたその位置づけの国際的な理解の度合いを高める、そういう意味合いでの取り組みを絶えずやっていかなければならない、かように考えておるところでございます。
○和田委員 産業構造審議会に、従来からのウルグアイ・ラウンド部会を廃止して、WTO部会を設置したというようにお聞きしておるわけでございますが、この部会にいたしましても、産構審にいたしましても、これは産構審だけに限らず、大臣の諮問機関の審議会ですね。我々この国会の場で任命をした委員の構成によるところの審議会と異なって、大臣の諮問機関でございますので、議会が関与せずに、大臣が任命される委員でこれを構成する、こういうことでございますので、まあ悪く言えば御都合のいい人員の配置ということになりかねないわけですね。 したがいまして、この部会なら部会の結論を得た段階でその報告をしてもらうとか、あるいは産構審の結論を報告してもらうというのじゃなくて、せめて中間的に、こういう議論を今やっていますよ、こういうような議論の段階になっておりますよというようなことを商工委員会なら商工委員会に報告していただいて、我々自体もこのことについて議論をさせていただきたい。そして、この議会の意見というものも部会なり審議会に反映ができるような配慮、考慮というものをぜひとも私はしてもらいたいと思うわけでございます。 特にWTOの問題については、今大臣も御確認いただきましたように、今後非常に重要な問題でございますので、ぜひともそのように運営に当たって御配慮をいただきたい、こういうように思うわけでございますが、その点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○畑国務大臣 よく言われるわけでございますが、私どもも実はかつて申し上げたこともあるわけでございますが、審議会等々をいわば隠れみのにして、都合よく使って物事を解決するというような意味合いの取り組みがあってはならぬというように考えるわけでございまして、さような意味合いでただいま和田先生からも御指摘を賜ったと。 とりわけ、これだけ大きな産業構造の改革を進めていかなければならない、そしてまた国際的なWTO等々の問題が横たわっておる。ただいま先生から御指摘ございましたような意味合いでは、中間取りまとめ等々の要素等々を生かして、先生 方の御意見も拝聴しながら、やはりこれは、これだけ大きな一つの節目でございますから、さような意味合いでの重要性を認識をして今後の取り組みの展開を図ってまいりたい、かように考えておるところでございます。
○和田委員 中間報告や資料の公開等を含めて、ひとつよろしくお願い申し上げたいと思います。 WTOとあわせまして、アジア・太平洋地域に位置する日本にとりまして、APECの役割も非常に重要であろうと思います。APECにおいても、日本は積極的な役割を果たすべきであろう、こういうように思うわけでございますが、たまさか昨年の暮れに、オーストラリアで開催されておりました中小企業の国際会議に私自身が出席をいたしまして、アジアの国々が非常に日本の中小企業の実態、中小企業の果たす役割、あるいは通産省の中小企業政策についての大きな関心と期待を寄せられておるということがわかったわけであります。 したがいまして、APECの中小企業担当閣僚会議の開催に当たって、ひとつ日本が積極的にそのイニシアを発揮するようにしてもらいたい、こういうように思うわけでございますが、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
○畑国務大臣 ただいま和田先生お話しのとおり、和田先生を初め諸先生方、この問題には従来から大変な御熱意をお寄せ賜っておるということも承知をいたしておるわけでございますが、幸いにこの問題は具体的に話し合いが進んでおりまして、本年の十月でございましたか、大阪でもって開催をしようというような意味合いでの取り組みが、そしてまた作業がただいま始められておるということでございます。 先ほど来お話が出ましたとおり、中小企業の置かれております立場、そしてまた今日までの貢献の度合い、そういうものを考えますと、さらに中小企業につきまして、このAPECにおきましても、十分力を入れることによって、地域経済の発展に大きく貢献ができる、かような考え方に立っておるわけでございます。
○和田委員 今の大臣の御答弁で、来年開催予定のAPECの閣僚会議を大阪で開催をしてもらえる、こういうように受け取っておいていいわけですね。
○畑国務大臣 今のお話、私の申し上げたのは本年十月ということです。来年のことではございませんので、本年ですから、どうぞひとつ御期待を……。
○和田委員 ひとつぜひとも積極的に努力し、頑張っていただきたいと思いますが、これも来年に予定されております、今、私当て込んだわけでございますけれども、開催が予定されておりますAPECの閣僚会議。大阪としては、経済団体、府、市こぞって、ぜひとも大阪に誘致をという働きかけを、皆さん方にもしていただいていると思うわけでございますが、ここでどうこうということをお答えすることができないとするとしても、ぜひともこの場をおかりいたしまして大阪で開催をしていただくよう最大限の御努力をお願いしたい、こういうように思いますので、ひとつしかと受けとめておいていただきたいと思います。
○畑国務大臣 大変申しわけなかったわけでございますが、言葉が足りませんでしたので、誤解があってはなりませんから、重ねて申し上げさせていただきます。 APECの中小企業大臣会合を本年の十月の、ただいま事務方の方では二十二、二十三日ぐらいにというような意味合いで、鋭意その準備を進めておるということでございます。 ただいま先生の来年というお話は、さらに上乗せをされまして、閣僚会議等の開催場所を大阪にということであるわけでございますが、これにつきましては、今後関係省庁間で御相談をしながら、そしてまた関係者の方々の御意向等々を踏まえて引き続き検討をさせていただきたい、かように考えております。
○和田委員 よろしくお願いをしておきたいと思います。 次に、企業の環境保護への取り組みを定期的にチェックする環境監査の国際ルールづくりがされておるわけでございますが、極めて難航しておるというようにお聞きしておるわけでございます。 国際標準化機構でございますが、来年の春をめどに国際規格の制定を目指しているところでございますが、去る五月の中旬にオーストラリアで開かれた技術委員会で規格案をまとめる予定であったのが、九月に開催予定の作業部会に持ち越された。それは、イギリスやオランダ等を中心とする欧州の各国とアメリカとの間に意見の相違、対立があったということが原因らしいのでございますが、もしもその点についての中間報告ができるのであれば、この際、お聞かせいただきたいと思います。
○柏木政府委員 先生御指摘のとおり、英国とアメリカの間の意見が対立しておりまして、大変難航しているのは事実でございますが、今お話しの環境管理監査システムの規格化につきまして国際標準化機構で検討してまいっているところでございまして、昨年の専門委員会のカナダ会議に次いで、第二回の会議が本年五月にオーストラリアのゴールドコーストで開催されたところでございます。 今回のオーストラリアの会議におきましては、環境管理監査システム規格の具体的検討がなされまして、おおむね来年六月ごろまでに成案を取りまとめられるものとされております。 我が国といたしましては、ISOでの本件の検討に今後とも積極的に参加し、貢献してまいりたいと考えております。
○和田委員 国内におきましても、環境監査の請負会社がぼちぼちとできてきておるわけですね。国際的なそういうルールづくりにこれからもひとつ積極的に努力してもらいたいと思いますが、大臣、今のところでは、この国際標準化機構についての取り組みは、今院長から御答弁があったわけでございますが、工業技術院の材料規格課が本来の仕事をやりながら必死で対応しておる、これが実情だと思うわけであります。 したがいまして、通産省として、この問題を積極的に取り上げるために、予算についても人についても、その体制の充実のためにひとつ積極的な努力をしてもらいたい、こういうように希望するわけでございますが、事が大事な問題でございますから、ひとつ大臣の決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。
○畑国務大臣 ただいま先生御指摘のとおり、事柄の重要性にかんがみまして、片手間というような姿の中では問題は解決をしない、体制の充実に向けて、与えられた立場におきましての努力を重ねてまいりたい、かように考えております。
○和田委員 お金の面もぜひともひとつ積極的に努力してもらいたいと思います。 次に、内外価格差の問題についてお尋ねしたいわけでございますが、新聞記事によりますと、「政府は現在の物価水準を引き下げるために、内外価格差の是正策について本格的な検討に入る方針を決めた。羽田首相が二十五日、田中経済企画事務次官らに指示した」、こういう記事が出ておるわけでございますが、その指示を受けて経済企画庁としてどのように取り組もうとしておるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○寺澤国務大臣 経済企画庁といたしましては、物価安定政策会議というのを近々発足させまして、そして内外物価の差をいかに是正するかを初めとして、いろいろな物価についての積極的な意見を民間の方あるいは学識経験者の方からもらう、これが具体的な方法の一つであります。
○和田委員 通産大臣、これは後でまた話をいたしますが、日本の人件費が高いからということで、人件費の安い中国や東南アジアの方に日本の企業がどんどんと進出していく、そのような繰り返しをしていけば一体日本はどうなるかという心配をすることに尽きるわけであります。 この内外価格差というのは、私から言わせるならば、一つはやはり農産物が非常に高額になっておる、一つは多段階的な流通の機構というのに問 題があるのじゃないか、一つは古いしきたりの商慣行というのがいまだに近代化されないという、大体この三つくらいがその要因を占めておるのじゃないかというように思うわけであります。 本来、日本の農業政策としていろいろと補助金を出したり助成をしたりしておるわけでございますが、これは究極は、末端の国民の消費者に安価な農産物を提供することができる、これがやはり基本でなければいかぬわけですね。ところが、現実的にはそうはなっておらぬわけです。率直に申し上げて、海外からの輸入米についても、これは農協が口銭を取るというか手数料を取るというか、そして放出していっているわけでしょう。そのために消費者にそれだけ高い価格で米が届く、こういうことになっているわけであります。これは一例でございます。 特に、日本の産業全体に及ぼす問題として繊維の関係がある。特に絹の問題でございます。そのような中間財の内外価格差を是正するということは、日本の繊維産業初め産業の振興のためにも非常に重要な問題じゃないかと私は思うわけでございます。 ところが、この生糸一元化制度、これは昭和四十六年に議員立法で法制化された繭糸価格安定法によって、蚕糸砂糖類価格安定事業団に窓口を一本化されて生糸を買いつけておるということですね。 農水省の資料に基づきますと、昭和四十五年には養蚕農家が三十九万九千戸あった。そして、繭の生産量が十一万二千トンあった。ところが、これが去年の段階になりますと、養蚕農家が二万七千戸、そして繭の生産が一万一千トン、こういうことになっているわけなのです。 随分古い話でございますので、この議員立法でつくった当時の養蚕農家の実態、繭の生産の実態を今と比較したら、今挙げましたような数字で、問題にならないわけなのです。しかもこの法律は、直接養蚕農家に対して補助をするというのではなくて、価格支援でしょう。そのために極めて高い絹を、糸を、あるいは白の布を輸入しなければならぬ。それをもって、例えば京都の丹後ちりめんであるとか西陣であるとかというのが加工なさっているわけなのですね。価格にいたしましては、国際的な価格の実に四倍の価格になっておる。 こういう実態を考えたときに、この一元化制度というものをいまだになお続けていく必要があるのかどうか。養蚕農家が二万七千戸になっているのですから、二万七千戸の皆さんにその差を補助してあげたら事は済む問題なんですよ。日本の繊維産業全体にいまだに悪影響を来すようなこの一元化制度というものになお固執していこうとなさっておるのか。 あなたは農水大臣のときは、いや、これは守っていくというように言われるかもわからぬけれども、通商産業大臣になられた以上は逆の立場に立ってやはり考えてもらわなければいかぬと思うのでございますが、いかがでしょうか。
○畑国務大臣 ただいま和田先生の御指摘の中に、私自身に与えられております事のいささか難しさというものは御理解いただいておるわけでございまして、ありがたく思うわけでございますが、これは御案内のとおり、いわゆる養蚕農家、そしてまた蚕糸のお立場、あるいは繭業のお立場等々、従来からこの三者のお立場が、ある意味におきましては、事の難しさを踏まえて、相協力しながら問題解決をしてきておるというのが実態でございまして、昨年でございましたか、繭糸価格の暴落等々の要素もございまして、三者がそれぞれ力を出し合って、国内産業としての養蚕等の問題も、やはり農業分野の維持という意味合いでの御理解を賜ってお取り組みがなされておった、これももう先生御案内のとおりでございます。 私は、さような意味合いにおきましては、農業分野の位置づけ等々の難しさ、これを踏まえた万般にわたります対応が今日におきましても大切であるというふうに考えるわけでございますが、今先生の御指摘のような意味合いにおきましては、輸入の数量をそういった関係者の御理解の中でふやすべく、御理解を得る努力はしていかなければならない、かように考えるわけでございますが、これは先ほどの金田先生のいわゆる激変緩和といいますか、さような意味合いでの手当てをさせていただきながら事柄を進めてまいりたい、かように考えているところでございます。
○和田委員 しかし、大臣、いつまでも価格の支持政策というような一元化制度よりも、先ほど申しましたように、約四十万戸近くの養蚕農家が今日は二万幾らかしかおらぬわけですから、補助金をあげた方が事は済むのじゃないですか。そのことによって日本の繊維産業に、日本の絹産業にどれだけ好影響をもたらすかということを考えれば、この際、英断を振るうべきだというように私は思うのですが、もう一度ひとつお答えをいただきたい。
○畑国務大臣 先生のお立場、お気持ちは十分に相わかるわけでございますが、ただいま申し上げましたように、とりわけ御理解を賜りたいと思いますものは、やはり日本の伝統産業としましての養蚕の位置づけ等々、こういうものにつきましては違った意味合いでの価値といいますか、こういうものの重要性といいますものも踏まえる中にございまして、今お話のございました三者が幸いに話し合いをする場を持たさしていただいている。そういう協調ムードもあるわけでございますので、この辺を十分に生かしながら、しかも先生御指摘のような意味合いのものを順次解決をすべく努力は展開をしていかなければならない、かような考え方に立っておるわけでございます。
○和田委員 この間、西陣へ行きましたら、泣いておるのです。例えばネクタイ、中国からネクタイが割安で製品として入ってきて、もうどないもこないもならぬ。もう一元化制度をなくしてもらう、撤廃してもらう以外に生き残る道がないというように、血のにじむ思いを強くきつく訴えられてきたのです。これはひとつそういうことを、今すぐに結論が出ないとしても、ひとつ近い将来に英断を振るってもらうように私は強く要望しておきたいと思うわけでございます。 あわせて、MFAの問題ですが、このルールづくりをこの間やられたわけですね。これはせっかくその基準をつくられたのですが、大なたを振るって、この際、日本の繊維産業をここで助けるために、MFAの断行ということに踏み切る意思はないのですか。
○畑国務大臣 関係業界の方々、そしてまた御関係の先生方からも、ただいま和田先生お話しのような厳しい実態を拝聴をいたしておるわけでございます。 当たりさわりがあるかもしれませんけれども、とりわけ中国等々からの輸入量の急テンポな展開ということを受けまして、大変な危機感をお持ちになっていらっしゃる。そういう中にございまして、ただいま原則的なルールをつくりながら、今関係の方々の御意向等々を拝聴をしておるさなかでございますが、これはやはり一つの特定の現象をとらえて云々ということではなくして、一般的な一つのルールをこの際に決めておくべきかどうか、そのありようはいかがあるべきかというような視点をとらえながらも、問題の厳しさを十分踏まえて今後の対応を進めてまいりたい、かように考えております。
○和田委員 これもひとつ英断をお願いしたいと思います。 私は、時間の関係もあるので、またゆっくりと流通問題について議論したいと思う。日本の流通業者は、アメリカの流通業者と比べると、あるいはヨーロッパの小売商人と比べると、極めて零細な業者が多いとか、あるいは極めて多段階的な流通機構、日本特有の流通機構であるというようなことも言われるわけでございますが、これは今すぐに産地直売というようなことになれば、その間の長い間のしきたりの中で培ってきたそれぞれの機構、それにはやはり働いておられる方々もおるわけでございますから、雇用の問題というのが起こってこようかと思うわけでございます。 しかし、これも時間をかけて、やはり日本特有の多段階的な流通機構というものを何とか是正する方向で英知を絞っていく必要がありはしないか、私はこういうように思いますので、きょうは具体な質問はいたしませんが、ぜひとも大臣の方で頭に入れていただいて、関係部局に指示をしてもらいたい、こういうように思います。 また、商慣行の問題でございますが、私はこの間、西陣でびっくりしたのですが、織り屋から女性の西陣織の帯、これを二十万円で出しておるのです。これはこうこうこうで、産地問屋なんかも来て、消費者の皆さんに行くときには一本百二十万、こうなるのですね。 しかも、それだけだったらいいんだけれども、座元の産地の問屋さんが織り屋さんに支払うのはわずか三〇%ですよ。しかも二百日の手形。そういう古い商慣行というのがあるわけです。今どき三〇%、二百日の手形という支払いをやっているところがありますか。これがまかり通っておるのですよ。 したがって、公的な規制の緩和も必要でございますが、民民における古いしきたりの商慣行、これもやはり内外格差是正のために行政指導をしていく必要があるのじゃないか、こういうように思うわけでございますので、これもひとつぜひとも大臣の方で頭に置いていただきながら関係部局に対して検討方を指示してもらいたい、こういうように思うわけでございますが、二つの点についてひとつお答え願いたいと思います。
○畑国務大臣 ただいま一つの大きな課題としまして、内外価格差ということが大変大きな問題になっておりますことは御案内のとおりでございますが、ただいま和田先生御指摘のような意味合いにおきましては、ちょっとこの表現がいいかどうかわかりませんけれども、いわゆる生産現場と実際の末端との間でただいま御指摘がありましたような意味合いで非常に差が大きい。いわば内内価格差といいますか、この辺の解消ということが今御指摘のような意味合いでは大切であるということを認識をいたしておるわけでございますが、せんだって実は閣議の後の閣僚懇談会の中でもそういった話が出まして、寺澤長官の方におかれましてもこの問題を取り上げて、いわゆる問題の所在を明確にしながら改善を図っていこうというような取り組みを申し合わさせていただいているところでございますので、さらに力を入れてまいりたい、かように考えております。
○和田委員 またこれらの点については改めてひとつ議論をさせていただくことになるかと思いますので、それはひとつ通産省としてもぜひともよく検討してもらいたいと思います。 大臣には、日曜日、二十九日でございましたけれども、わざわざ奈良の方に赴いていただきまして、政府の機関の中での通商産業大臣としては初めて被差別部落に足を運んでいただいたということになるわけでございます。そしつぶさに実態を見ていただきましたし、部落産業の実態もよく把握していただいたことであろうと思います。心から感謝を申し上げたいと思いますし、また、現地の人たちも大臣の来県を非常に喜んでおりました。 そこで、この際、大臣にお尋ねしたいわけでございますけれども、率直にそのように足を運んでいただきました結果、部落問題という問題を初めとして今後すべての差別の撤廃、人権の確立等々に向けた政治家としての大臣の決意のほどを、この際、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○畑国務大臣 私も和田先生の御案内を賜りまして、そしてまた関係者の方々の御熱意の中で現地を視察をさせていただきまして、大変心を打たれるものがあったわけでございますが、厳しい環境下にございましても、それにめげず、そしてまた明るく、関係者の方々が心を合わせまして、いわば部落産業の存在価値を高からしめるというような意味合いの真摯なお取り組みに深く感銘を受けた次第でございまして、さような意味合いでは行政サイドにおける力の入れがいがあるというようなことも感じさせていただいたわけでございましたし、ただいま先生御指摘のとおり、地域改善計画等々の問題につきましても、これまた力を入れていかなければならないという思いを新たにさせていただいたわけでございます。 いずれにしましても、人権問題がこれからおくればせながら地球規模での大きな問題ということになりつつあるわけでございますから、我が国におきましても、この経済大国という日本の姿の中にございましては、従来以上にこの人権問題を重視して、中心に据えて、物事の解決に当たっていかなければならない、かような気持ちを新たにさせていただいている次第でございます。
○和田委員 大臣、昭和四十年、今から三十年前に政府の諮問機関でございます同和対策審議会が答申を政府に行っているわけですね。その答申に基づきまして同和対策事業特別措置法という法律ができて、これが実施されてから二十五年になる。しかし、二十五年でございますが、政府の同和対策室というのはそれから五年か六年たってからできているわけです。少なくともこの法律ができて五、六年の間というものは、直ちに事業に取り組んだということでなくて、徹底、そして機構づくりだとか、準備段階に大体追われているわけですね。 したがいまして、法律ができてその事業に取り組んだのは大体二十年前です。法律ができて二十五年たつわけでございますけれども、事業はやって二十年。二十年たってようやく四畳半産業と言われた、大臣の行かれたあの地域はもともとは鼻緒、草履の産地であった。これがサンダルの産地に変わっていくわけでございますが、ようやく大臣に行っていただいたのは上の上、まだ四畳半で作業をやっているところもたくさんあるわけですよ。二十年たってあの実態だということを十分にひとつ頭に入れていただきたいわけであります。また、二十年たちましても地域の改善事業というのはまだ中途半端、まだこれから数年かかるというような実態も大臣みずから見ていただいたわけでございます。 この際、そういうことでございますので、今の地域改善対策特別措置法はこの法律の最後となるということでございますが、この法律はあともう二年たったら終わりであります。恐らく二年たって、大臣の行かれた地域も、この事業が終わるということにはならないわけであります。そうなってまいりますと、これから以降どうなっていくかということでございますが、私はやはり時限立法じゃなくて、お答えをいただかなくても結構でございますが、私は、単にハード面だけでなくて、ソフト面からも一切の差別をなくしていくというために、部落解放基本法を制定してほしいということを訴えておるわけでございます。 閣内におきましても、みずから実態を調査していただいたその経験を生かしていただきまして、ひとつぜひとも大臣の考え方を閣内に浸透していただくようこの機会をおかりいたしましてお願いをしておきたい、こういうように思います。 なお、時間も間もなく終わろうとしておるわけでございますが、一点お答え願いたいのは、先ほど少し申し上げましたように、日本の製造業の空洞化ということを非常に心配するわけであります。 去年の国会で中小企業のリストラ支援法が成立したわけでございますが、これは大企業が海外に展開をしていく、円高によってあるいは不況によって業種を変えなくてはならぬ、下請中小企業がそれについていかざるを得ないというところから、それらの中小企業に対して、税金面だとかあるいは金融面で支援をしていこうという法律であるわけです。しかし、その法律は法律としていいわけでございますが、部品の製造に当たっておる中小企業も含めてどんどんと海外に出ていってしまうということになりますと、非常にその後の日本の製造業ということについて心配をするわけであります。 私は、そういうような後に、せっかくの日本の英知というものが、日本の頭脳というものが、日本の開発力というものが、そのことによって立ち 消えてしまう。いや、工場だけは海外に持っていっても研究機関は日本にちゃんと置いておくんだ、頭脳はちゃんと企業が保持をするんだ、維持をしていくんだ、こういうことを言われましても、この間の日経新聞にちょっと載っておりましたけれども、「キャノンが今後も生き残るには、海外への製造流出を上回るスピードで国内工場に残せる新技術、商品を生み出すしかない」ということを、酒巻さんといわれる生産担当の取締役さんが言っているわけなんですね。生産をする工場がなくなれば、これは製造の開発技術も、あるいは将来的にわたった開発技術もなくなってしまうということになるわけなんです。 そういうことで、ただ人件費が安いからということだけで海外にどんどんと出ていくということは非常に問題だというように思うわけでございますが、一つは、中小企業のリストラ支援法は今日までどういうように活用をしておるかということと、あわせて、そのような空洞化を防ぐために、基盤技術と申しますか技術基盤と申しますか、そういうものを今後の日本の産業の発展のために残すために、新たな施策というものをどういうようにお考えになっておるかということについて、ひとつお答えいただきたいと思います。
○長田政府委員 前段の中小企業新分野進出法の運用状況について御説明申し上げます。 この法律は昨年の十一月二十五日に公布されまして、ちょうど半年前ということになります。最近に至りまして非常に承認申請が急増してきておりまして、現在時点では三百四十三件の件数に上っております。 この法律は、構造的に非常に困っている中小企業者が何とか活路を見つけようということで、新しい商品、新しい分野、あるいは海外、そういうところで新しい事業活動をしようということを支援する法律でございます。私どもとしては、ぜひこの法律を使って少しでも多くの中小企業者の方々が新しい活路を開拓してもらいたいと思っておりまして、その運用の指導をいろいろしているわけでございます。 ちなみに、今先生から海外のお話がございましたので、この三百四十三件の承認実績、これは県の承認を受けると助成を受けることになっておりまして、その中で三十九件が海外に展開をしているというような実績になっております。
○堤政府委員 空洞化の問題について一言お答えさせていただきます。 先生御指摘のように、空洞化を防止するためにはやはり国内に技術基盤を保持するということが非常に重要だと思っておりまして、既存企業というのが現在非常に日本に住みにくい、ゆがみのある、内外価格差等に見られるコストが非常に高いというようなことを早く是正していくことも必要でございますし、あわせて、新しい分野における技術、そういうものを生み出していくということも非常に重要だと思っております。そのために、技術開発の研究基盤につきまして、従来も一生懸命やらせていただいておりますし、今後ともこれをさらに拡充してまいりたいと思っております。
○和田委員 時間が参りますのではしょって、ひとつ押しつけのようなことで意見として申し上げておきたいと思います。 二月二十一日、二十二日に霞が関ビルで、社団法人研究産業協会というのがことし初めて「産業技術の継承活動」全国交流大会というのを持たれました。私は非常にいい交流の場であったと思いますが、これもやはり技術を継承させていこうという場でございますので、大臣、これもひとつ育ててやってもらいたいというように思うわけでございます。 さらには、中小企業の具体な政策というのは、その地域の実情に沿った中小企業政策を立てるために、自治体に任せた方がいい。ところが、全国視野に立って見てみますと、町村の役場で、市役所で産業課という機構がないところもあるし、商工課がないというようなところもあるわけです。そこで、ベテランさんと言われる中小企業専門の中小企業庁のノンキャリの職員の皆さんと自治体の職員の人事の交流をやって、そして自治体にそういう力を持たす、そういうことも考えてもらえないかなという気持ちでございます。 あるいは、中小企業庁自身がもうここらあたりで、従来のように金貸し巣あるいは税金の対策をやるということだけが中小企業庁の仕事だというようなことでは、中小企業庁の発展の可能性というのは非常に薄いと私は思うわけであります。 したがって、この際、中小企業庁が所管する法律も一回、通産六法というのはだんだんふえていくばかりで、全然使うてない法律もあるのです。一回整理して、要らない法律はもう要らぬ、いつまでも後生大事に残しておくのでなくて、要らぬと。そしてこれとこれとを一緒にして活用できるような法律に直していく。例えば下請中小企業振興法という法律、あるいは下請代金遅延等防止法という法律、そういうような法律を一つにして、中小企業の下請外注取引の適正化法というような法律を新たにつくっていって、活用できるような法律に仕立てていくというようなことも考えていくべきであろうと思うし、あるいは中小企業に働いておられる従業員の皆さんと大企業に働いておられる従業員の皆さんと公務員の皆さんと、賃金にいたしましても福祉にいたしましても年金にいたしましても、その他すべての問題に大きな差異があるわけです。 日本の経済を今日まで大きくしてまいったその原動力というのは中小企業にあるわけですから、若い労働者が魅力を感ずるような中小企業に仕立てていくためには、そのようなことをやはり中小企業の新しい事業の分野としていくというようなこともぜひともひとつ御検討いただきたいなと、こういうように思うわけでございます。 いろいろと注文を最後につけましたけれども、時間が参りましたので、その注文をつけて、ひとつ大臣の方から最後に決意のほどを述べていただいて、質問を終わりたいと思います。
○畑国務大臣 事業所の中で九九%が中小企業というような実態の中にございましては、とりわけ厳しい景況の中にございまして、御指摘のような中小企業振興策、対応といいますものに従来以上の力を入れていかなければならない。 そしてまた、私自身も考えておりますことは、さらに現場の中小企業関係者の声を伺いながら、目線を、同じ立場に身を置きまして、役所側が場合によっては地方にも出向いてお話も伺う。そういう中で、ただいま先生御指摘のような意味合いの洗い直し、こういうものを進めていかなければならない、かように考えるわけでございます。
○和田委員 終わります。
○白川委員長 次に、吉井英勝君。
○吉井委員 かなり深夜になってまいりましたので、皆さんお疲れのところと思いますが、最後の質問者でございますので、御協力をお願いいたします。 私は、原子力発電所とか再処理施設など、原子力施設の安全確保というのは、政府にとって極めて重い責任のある課題だと思うわけです。そのために、美浜原発の事故の調査はもとより、TMIであるとかチェルノブイリであるとかトムスク7であるとか、これらについての事故の調査と深い検討とその教訓を生かした政府の取り組みというものが極めて大事であるというふうに思うわけです。 この原子力の安全性をどう確保するかという点についての羽田政権の取り組みというものを、通産大臣の方から、最初に基本的なところを伺っておきたいと思います。
○畑国務大臣 御案内のとおり、原子力発電に対する依存の度合いといいますものが三割方というような現在の姿の中にございまして、今後のエネルギー問題等々を考えました場合には、原子力の位置づけ、あるいはまた、とりわけ、ただいま先生御指摘のとおり、安全性といいますものが最大のこれからの重要視すべき分野ではないかなというように考えるわけでございます。 そしてまた、この原子力行政の展開に当たりましては、関係地元の方々の御理解を得、御支援を いただく、こういうことも極めて大切な要素であることは言うまでもございませんが、その前提もこれまた安全性、その言葉に尽きる、かように考えるわけでございまして、私どもの立場にございましては、従来以上に安全性のチェックあるいはまた管理体制等々に最善を尽くしていかなければならない、かような認識を持たせていただいているわけでございます。
○吉井委員 そういう安全に対する取り組み、その姿勢を前提として、少し具体的に伺っておきたいと思うのです。 昨年の四月六日にロシアのトムスク7の事故がありましたが、エネルギー庁などは昨年の四月二十日から二十七日、約一週間にわたって調査に行かれたと伺っております。これは現地まで行って調査をされたものなのか、また、どんな調査をされたのか、この辺のところをまず最初にエネ庁の方から聞いておきたいと思います。
○川田政府委員 御指摘のロシアのトムスクで発生いたしました再処理施設の事故につきましては、我が国への事故の影響あるいは我が国の核燃料サイクル施設について国民の皆様の間に不安が生じることが懸念されましたほか、当該施設が軍事施設であったこともありまして、当初は情報が極めて不足をいたしておりました。そういうことから、事故発生当初から重大な関心を持って政府は関係省庁の密接な連携のもとに情報収集等に努めたところでございます。 特に、事故に関する一次情報の入手のため、当省の職員あるいは核燃料サイクル施設の安全規制を担当しておられる科学技術庁の職員、原子力関係機関職員等をロシアに派遣し、ロシアの関係機関を通じて情報収集に当たらしたところでございます。ロシアでは、モスクワにおいて関係機関、関係者からいろいろ事故原因、被害の状況などについて情報を得てきたところでございます。
○吉井委員 調査に行かれたわけですが、現地には全然行けていなくて、モスクワにおいてお話を聞かれたということでありますが、その時点で、事故原因等、現在わかっているほどのことが当時の調査で明らかになっていたのかどうか、この点も次に伺っておきたい。
○道正説明員 御説明申し上げます。 今エネ庁長官の方から御答弁ございましたように、昨年の四月二十日から二十七日までの間、ロシアの原子力大臣、次官その他関係者に会いまして、必要な情報の収集に私ども科技庁の職員も参りました。 事故の直後であったこともあり、詳細な情報につきましては、ロシア当局も調査を開始した時点ということで、その時点で必ずしも十分詳細な情報は入手できなかったわけでございますが、一次情報ということで、具体的にはミハイロフ大臣の記者会見の結果を聴取し、さらに技術的な事項について関係省庁の次官等から調査をいたしたところ、その時点でわかったことといたしましては、トムスク再処理工場の事故の規模、それから原因の一部ということの説明がございました。
○吉井委員 ですから、二十日から一週間行かれても、事故の直後で、詳細な情報は得られなかったということですよね。 ところが、実はその調査に行かれる一週間前、四月十四日に科学技術庁の方では、「ロシアの軍事用再処理施設における事故と我が国の再処理施設の安全性について」というのを出されましたね。その中で、「我が国の再処理施設では、ロシアの軍事用再処理施設において発生したような事故が発生することは考えられません。」と断定をしているわけです。事故が起こらないと言って、一週間後に調査に行って、まだその時点では詳細な情報は得られなかったというのに、なぜ原因もわかっていないのに日本では考えられないと結論づけたのか、その根拠を、長い答弁は要りませんから、簡潔に要点だけおっしゃってください。
○道正説明員 御説明申し上げます。 吉井先生ただいま御指摘のように、昨年の四月十四日、科学技術庁では、「ロシアの軍事用再処理施設における事故と我が国の再処理施設の安全性について」と題する資料を作成し、公表し、配付いたしました。 この資料の性格でございますが、我が国でも六ケ所村で今現在建設中の再処理工場がございますし、また、茨城県の東海村には運転中の再処理工場がございます。そこでは、今回のトムスクで起きたような火災爆発事故に対してどういう対策が講じられているか、具体的に私ども規制当局としてどのような審査を行ってそういう防止対策を講じているかという点について明確にしたということでございます。
○吉井委員 その一週間後に調査に行ったってまだ詳細な情報がわからなかったのに、明確にできるわけないですね。 科学技術庁に続いて伺っておきますが、今も実はこのトムスクの事故については専門家の検討会を持っていて、近く報告書をまとめるという段階に来ているのじゃないですか。大体何回検討会を開いてこられたのか、この点を次に伺っておきたい。
○道正説明員 先生御指摘のように、昨年五月七日に、私ども、ロシア再処理施設事故調査ワーキンググループというものを庁内に設置しまして、関係の専門家の協力を得て、これまで八回の会合を設けて、必要な情報の収集、分析作業を行ってきたわけでございます。現在、これまで入手した情報の総合的な分析を報告書の形でまとめるべく、鋭意作業を進めているところでございます。
○吉井委員 アメリカは実際に現地まで入っていますね。これは昨年の六月十九日から二十九日まで調査に入って、九月にその調査報告をまず最初のを出したりしておりますし、「トリップ・リポート・モスコー・アンド・トムスク」ですか、それから九月二十四日、二十五日には、合衆国とロシア政府の放射化学処理の安全性に関する合同検討会を開いて、これはDOEの文書で出ておりますし、それから昨年の十二月九日にも、DOEの「放射性廃棄物工場における爆発の危険性について」という、これは政府の事故調査委員会の専門家の報告文書ですか、出しておりますね。 そういうふうに、アメリカの方は、この間何度か現地にも入れば、ロシア側の専門家と現地での共同検討会その他を持っておりますが、この中で、レッドオイルの爆発、火災事故のことを考えて、温度、圧力、濃度などについてかなり突っ込んだ検討を加えているんじゃないですか。
○道正説明員 御説明申し上げます。 今、吉井先生御指摘の点、アメリカがエネルギー省を中心としましてこの事故の調査チームをつくり、具体的にトムスクのあるロシア現地を調査し、その結果を出張報告書として取りまとめたこと、さらには、その後もフォローアップの会合を米ロの専門家会合の形で行われたこと、私どもはすべて承知しております。 私どもといたしましても、トムスクの再処理施設の事故発生以降、ロシア政府に対しまして現地における調査を何度か申し入れでございますが、先ほど通産省の方からの答弁もございましたように、本件再処理施設は軍事用の再処理施設ということもありまして、なかなかロシア側が、そういう形で私どもが立ち入ることについて難しい面があるということで、申し入れは現在までのところ受け入れられておりません。 そのため、私どもは、今先生御指摘のアメリカのエネルギー省の関係の情報を収集し、そういう米国がロシアから情報を入手した成果をさらに分析し、そして米国エネルギー省の担当官とも協議しながらこれまで調査を進めてまいりました。その中には、先生おっしゃいましたような、いわゆるレッドオイルというものの関係での温度とか圧力だとか、そういうような技術的な詳細な分析及び意見交換が行われたということを承知しております。
○吉井委員 それで、そのトムスクの事故ですが、レッドオイルの温度が七十度C近傍で管理されていて、それでも事故が発生したと見ているんじゃありませんか。 なお、DOEの検討では、トリップ・リポート その他にも出てまいりますが、摂氏七十度C以下、そして有機層の温度上昇を七度C以下に行うことの必要性なども指摘し、実際かなりの部分が、トムスクではその範囲での管理が行われてきた、全部じゃありませんよ、そういう指摘もあるんじゃありませんか。
○道正説明員 トムスク再処理施設のその爆発事故の原因との関係の御質問ということで承りましたので、若干御説明を加えたいと思います。 トムスク再処理施設自身は、基本的な原理としましては、我が国、あるいはアメリカ、あるいは西欧などで採用されているピューレックス法といいますか、有機溶媒を用いてプルトニウムとかウランを抽出する、そういう原理で行われている点については共通点がございます。しかしながら、これまで私どもが調査した範囲内で申しますと、同じピューレックス法を用いている場合においても、かなりその細部、特に今回事故の起きたタンクといいますか貯槽の扱い及びその位置づけ等、違っている部分も散見されます。 今回の事故の最大の原因として、私どもが現在までの調査で理解しているところでは、事故が発生し、爆発したタンクは、まず、溶液からウラン及びプルトニウムを回収する工程に供給する溶液の酸濃度、硝酸の濃度を調整するためのタンクであったことが判明されてございます。このタンク自身の中には、実は大量の有機物が混入した溶液が六カ月以上放置されていた、存在していた、六カ月以上そういうところにたまっていた……
○吉井委員 それは私も全部資料を読んできているから、長々と御説明いただかなくてもよくわかっているんです。私の指摘した点についてお答えいただいたら結構なんです。
○道正説明員 まず、先生御指摘の点について、私どもは少し前提を正しく……(吉井委員「いや、前提は私、わかっていますから。だって、全部これ読んできているんだからね」と呼ぶ)確かにその一連の作業の過程でどういう形で温度上昇が起こったかということについては、まず温かい有機溶媒の溶液をそのタンクにつき込み、そこに冷たい酸を入れて、なおかつ攪拌が行われなかったなど、いろいろな形で事故に至った……
○吉井委員 これは、原子力のシンポジウムをやっているわけでもないし、技術的なシンポジウムなら、それはそれでまた別途時間をとっていただいて私も参加させていただきますが、そうじゃなくて、トムスクのアメリカ自身の報告書を私も全部読みましたよ。あなたの方からいただいたものもいただいてないものも含めて読みました。 それで、トムスクでは、レッドオイルの温度は七十度C近傍で管理されていて、それでも事故が発生したと大体みなしておることとか、それからDOEの検討の中で、トリップ・リポートだけじゃなくてその他にもありますが、これはこう書いていますね。これはあなたのところの訳文の方でいきますと、事故当時に実施されていた多くの防護策の問題の中で、「有機層の温度上昇を七度C以下に維持する。」こととか、「タンクの貯蔵物の温度を七十度C以下に維持する。」こととか、その他こうずっと挙げていますよね。そういうことを指示もすれば、今後こうやらなきゃいけないということも決めながら、同時に、かなり多くのものは実際はやってきたものがあるんだということを指摘しているんじゃないですかということの、私はそのことの質問なんですよ。だからそこをすぱっとお答えいただいたらいいんです。
○道正説明員 タンクの温度自身の測定の場所、それから均一の温度になっていなかったこと等もございまして、実際の温度測定が正しい場所で、均一の温度が測定されていなかったという理解をしております。 そういう観点から、その液体自身が、溶液自身が温度差のある溶液で、一番その低い温度のところが七十度Cとかそういうところであったにもかかわらず事故が発生したというのは、むしろ一番高いところの温度がどのくらいであったかというような点が非常に重要だというふうに思っております。
○吉井委員 そんなことぐらいわかって聞いているんですよ。だから、その上の方にちゃんと測定するものがついていなかったということでしょう。温度勾配もあれば濃度勾配もあるわけだ。そんなことはわかっているんですよ。だから、私の表現として七十度C近傍と言っているのは、七十度Cとか七十八度とか決めつけていないんですよ。それはこの論文を読めばわかるじゃないですか。 問題は、今後の検討課題として、七十度C以下に抑えることとか、そういうことをこの問題から教訓として生み出しているんじゃないですかということも含めて指摘しているので、間違ったら間違っているでいいんですよ。
○道正説明員 御説明申し上げます。 今回のロシア事故の教訓としまして、先生御指摘のとおり、今後同種の事故を防止するためには、タンクの貯蔵物の温度を七十度C以下に維持するという点については、分析され、勧告がございます。
○吉井委員 それで、実はそのことが日本の六ケ所の施設についてやはり問題になったわけですね。そのときに、これは公開ヒアリングでそういう質問が出ていたわけです。そのときにどういうことを答えていたかというと、レッドオイルに関する温度管理の百三十五度Cについてはどれだけの信頼性があるのかという質問に対して、「六ケ所再処理施設の加熱蒸気の最高温度の熱的制限値百三十五度Cは、国内外の先行再処理施設の実績及び文献等を踏まえて設定された妥当な値である」と。 大臣、余り専門的な話になったら、退屈されてはいけないと思うのでちょっと解説を加えておきますと、六ケ所のときに、百三十五度Cが妥当だということにしているんです。これは別に日本で実験をやったわけじゃないんです。それは科学技術庁の方が、原研を初めとする専門家の方たちに文献調査をやってくれと。それで、当時の時点で、八五年ぐらいだったと思いますが、当時の時点で、アメリカその他のこのレッドオイルに関する事故などの文献を翻訳して、翻訳しなくても専門家は皆わかるわけですが、それでまとめた報告書が出ているんですよ。その中では確かに、「開放系においては、急激な分解反応が生じる最低温度は百三十五度Cである」とか、そういう百三十五度Cという指摘はしているわけですよ。それは当時の時点のいわば最新の知見といいますか、八五年ぐらいであれば。 しかし、トムスクでは七十度C近傍で事故が起こって、DOE、アメリカやロシアの専門家たちは、大体これから七十度C以下に維持しなきゃいけないなと。これが今日の到達しているところだということを、そのことをひとつ理解をしておいていただきたいんです。 それで、私は、こういうふうになってきますと、そういう新しい経験とか知見などに基づいて、やはりこれからのレッドオイルの管理温度などについては、そういうこれまでの情報に、さらにこの事故の教訓を生かしたそういうものを考えていかなきゃいけないのじゃないかということを、これは一つ提起をしておきたいと思うんですが、この点はエネ庁なり科学技術庁はどうなんですか。
○道正説明員 現在ワーキンググループで検討途上でございますが、先生御指摘のように、実際にあった事故の教訓をできるだけ引き出して、きちっと今後の安全確保対策に反映させるということは極めて重要だと思っております。 そういうことで、今回の分析、いろいろな条件もございますので、その辺きちっと分析し、今後必要に応じて、もしこの教訓が我が国の再処理施設の安全性の向上のために反映できる点があれば、そういうものについても今後取りまとめるべき報告書の中で明示して、対応していきたいと考えております。
○吉井委員 私は、本当に、ある意味ではアメリカのエネルギー省は非常に謙虚な立場というか、そういう事故に対する取り組む姿勢を持っている と思うのですよ。 この文書によりますと、これは昨年十二月九日のエネルギー省の関係した文書です。それは、エネルギー省の「放射性廃棄物施設における爆発の危険性」というふうにこれは科学技術庁の方は訳しておられて、私もそういう訳でいいと思うんだけれども、結局一緒ですからそれでいいのですが、その報告書によると、レッドオイルなどについては、「激しい発熱反応の潜在的危険性は、放射性廃棄物を処理もしくは貯蔵しているDOEの多くの施設において、広く現実のものとなっている。」 それで、この有機硝酸塩の安全性に関して次の勧告を行うということで、勧告を出しているんですね。「レッド・オイルを含む有機硝酸塩の発熱反応、ならびにウラン処理」等々があって、これらについては「包括的な未検討安全性問題委員会の設置を検討すべきである。DOEは、レッド・オイル」などの「有機硝酸塩の発熱反応を防止し、もしくはその影響を抑制することに関して、安分限界、限界運転条件、適切な行動要項および監視要件を組み込んだ技術安全基準の確立を考慮すべきである。」こういう勧告も出して、この問題を契機に再処理施設の安全管理の問題について今まで以上に厳しい見方を非常にしているわけですね。 なるほど、今の時点でもまだまだ解明しなければいけないものは私もあると思うのですよ。それを一概に決めつけて言うわけじゃありませんが、少なくとも六ケ所の安全審査のときの百三十五度Cが、今や七十度C以下にという、これはすべての条件が一緒ということを言っているわけじゃありませんよ、それはもちろん考慮に入れた上ですが、そういう指摘が行われているということを踏まえて、これは再処理施設の問題ですが、我が国の原子力施設について、本当にそういう諸外国の事例も生かした取り組みに、これは政府としても真剣に取り組んでいただきたいし、またそういうところへ来ていると思うのです。 この点についての大臣のお考えを、一度中間的に伺っておきたいと思います。
○畑国務大臣 先ほど述べさせていただきましたとおり、原子力問題につきましては、何といっても安全性ということをあくまでも追求をしながら、確保しながら物事の展開を図っていかなければならない。そういう中にございまして、大変失敬な言い分でございますが、そういったたまたま残念ながら他の地域でトラブルが起きた、そういうものを貴重な、かけがえのない一つの教訓材料としまして、我が方としましてもそれを生かす、そしてまたそういうことの、事故の再発のないように努力をしていかなければならない、かような気持ちを持たせていただいております。
○吉井委員 私は、特に通産省の方に、あるいはエネ庁に対してなぜきょうこのことを、本来ならば再処理施設ですから何でエネ庁でやられるのかいという感じになるかもしれませんが、これを取り上げましたのは、実は三年前、一九九一年二月に美浜原発事故が起こりました。あの後私は予算委員会で取り上げて、そのときは向審議官の方から大臣とともに答弁をもらっているのですが、何を私が指摘したかといいますと、実は美浜原発に先立って一九八七年にノースアンナ一号機のギロチン破断という事故があったのです。そのときにアメリカの方は、原子力規制委員会の方は直ちに調査をして、問題点は三つあると。それを指摘して、一つはデンティングで、二つ目が水力学的解析上の問題であり、三つ目が振れどめ金具の欠如にあったと三つ指摘したのですね。直ちに同様の施設については調査せい、四十五日以内に報告を出せとNRCブレティンでは指示したのですよ。ところが、通産省は当時無視した。 そして、八七年の事故の直後にそういう指示が出ておったのを無視して、一九九一年二月に美浜原発二号機の事故を起こしているのですよ。私がそれを指摘したときも長いことかなりぐだぐだと答弁では抵抗しましたけれども、しかし、実際そのとおりだったということをその後の経過は証明したわけですよ。 だから私は、外国で事故が起こったら、日本の事故ももちろんそうですが、どこかに遠慮をしてとかそうじゃなくて、やはり徹底的に調査をして、深い検討を加えて、どう教訓を生かしていくのか、そういうことが非常に今私は日本の原子力行政の中で求められていると思うのです。ですから、これは原発でもそうですし、再処理施設についても、核施設については普通のコンビナートの災害などとは違った、本当に原子力の安全性の問題については真剣な取り組みが求められると思うのです。 最後に、こういう点を踏まえて、私は、安全審査として六ケ所の問題では百三十五度Cで大丈夫ということをやってきたけれども、現在、この新しい事故による知見といいますかそういう教訓も踏まえて、やはりこの問題についても改めて検討を加えて、そしてそれは再処理施設の問題だけじゃなしに、今後本当にどういうふうにすべての原子力施設について安全確保という点で生かしていくかということをしっかりそこから、もうあれは済んだことだから今さら蒸し返してということじゃなくて、その調査も踏まえてこれからどう前進させていくか、この点について、政府には政府としての政策的対応といいますか政治的な姿勢というのは求められると私は思うのです。 もう事務方の答弁はいいですから、最後に大臣の方から再度この点についての政治家としての答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。
○畑国務大臣 御指摘のとおり、言葉は悪いかもしれませんけれども、災いの中からそれを福とするというような意味合いでのプラスの要素をくみ上げていく、念には念を入れる、さような意味合いでの取り組みをやっていかなければならないという気持ちを新たにさせていただいております。
○吉井委員 終わります。
○白川委員長 以上で両大臣の所信表明に対する質疑は終了いたしました。 ————◇—————
○白川委員長 次に、内閣提出、石油公団法の一部を改正する法律案及びガス事業法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 これより両案につきまして順次趣旨の説明を聴取いたします。畑通商産業大臣。 ————————————— 石油公団法の一部を改正する法律案 ガス事業法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○畑国務大臣 石油公団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 可燃性天然ガスは、地球環境問題への関心の高まりの中、クリーンなエネルギーとしてその需要が増大しており、石油、石炭に次いで原子力ゼ並ぶ重要なエネルギーの一つとして、今後も、こうした傾向が続くものと見込まれるところであります。 一方、今後可燃性天然ガスの開発の対象となる地域については、地理的にも、自然条件の面からも、開発環境が厳しいものとなってきており、また、開発に要する資金の調達についても、その厳しさが増大しつつあります。 このような状況下、今後の我が国への可燃性天然ガスの安定供給を確保していくためには、開発に必要な資金の融通を円滑にすること等により、可燃性天然ガスの開発を適切に支援することが喫緊の課題とされているところであります。 こうしたことから、政府といたしましては、このたび、石油公団の業務の拡充等を図るため、本法律案を提出した次第であります。 次に、法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一点は、石油公団の業務に、海外における可燃性天然ガスの液化に必要な資金に係る債務の保証業務を追加することであります。 第二点は、石油公団の業務に、海外における可燃性天然ガスの採取及び液化に必要な資金を供給するための出資業務を追加することであります。 これらの措置を通じて、可燃性天然ガスの採取及び液化の各段階の事業資金に係る債務保証と出資の適切な組み合わせを可能とし、もって天然ガス開発に係る資金調達の円滑化を図るものであります。 第三点は、石油公団の業務に、石油等の探鉱及び採取に係る技術の海外における実証業務を追加することであります。 これは、石油及び可燃性天然ガスをめぐる厳しい開発環境に対処するための技術に関し、海外において実証適用することにより、当該技術の確立及び産油国等との関係強化を図ることを目的とするものであります。 なお、このほか、石油公団の役員の任期の改正及び財務諸表の事務所への備えつけの義務づけ等所要の改正を行うこととしております。 以上が、この法律案の提案理由及び要旨であります。 よろしくお願いを申し上げる次第でございます。引き続きまして、ガス事業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 近年の環境制約への対応の要請、技術革新の進展等を背景に、大口需要を中心とする産業用及び業務用の都市ガス需要が増大してまいっております。 かかる大口需要は、概して、重油やLPGなどの他燃料への転換が容易であり、ガス事業者との間で価格交渉力を有していることから、大口需要者は、都市ガスについても他燃料と同様に、交渉に基づく価格で供給され、供給区域外でも供給が受けられることを強く要望いたしております。 一方、自己責任原則の重視、技術革新の進展、ガスの利用形態の拡大等を背景として、保安規制の見直し及び一層の安全高度化が求められております。 こうしたことから、政府といたしましては、ガスの使用者の利益の一層の増進とガス事業の活力ある進展を図るため、大口需要者向けのガス供給に係る規制を緩和する等所要の改正を行うため、本法律案を提出した次第であります。 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、大口供給に係る規制の緩和であります。 その改正の第一点は、一般ガス事業者が、その供給区域内において、ガスの使用者の一定数量以上の需要に応じてガスを供給する大口供給を行う場合、料金その他の供給条件についてその供給の相手方と合意したときには、通商産業大臣の認可を受けずに、当該合意した供給条件で供給を行うことができるものとすることであります。 第二点は、一般ガス事業者は、その供給区域以外の地域においても、通商産業大臣の許可を受けて大口供給を実施することができるものとすることであります。また、一般ガス事業者以外の者は、一般ガス事業者の供給区域においては通商産業大臣の許可を受けて、供給区域以外の地域においては通商産業大臣に届け出をして、大口供給を実施することができるものとすることであります。 第二に、保安に係る規制の見直しであります。 その改正の第一点は、一般ガス事業者以外の者であって大口供給を行う大口ガス事業者についても、一般ガス事業者の保安に係る規定のうち、工事計画、ガス工作物の技術基準適合義務、保安規程等の規定を準用することにより、適切な保安規制を行うものとすることであります。 第二点は、国がこれまで行っていたガス主任技術者試験の実施に関する事務を通商産業大臣の指定する者に行わせることができるものとすることであります。 第三点は、電気事業法による保安規制の適用を受ける事業者については、ガス事業法による保安規制の適用対象から除くものとすることであります。 第三に、通商産業大臣は、一般ガス事業の適確な遂行を図るため、特に必要があると認めるときは、一般ガス事業者による積立金または引当金の積み立てについて措置することができるものとすることであります。 以上が、本法律案の提案理由及び要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようよろしくお願いを申し上げます。 ありがとうございました。
○白川委員長 これにて両案についての趣旨の説明は終わりました。 次回は、明六月一日水曜日午後六時三十分理事会、午後六時四十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後十時三十四分散会 ————◇—————