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129回国会衆議院1994/06/22

厚生委員会 第12号

発言数
98
登壇者
9
会派数
5
開催日
1994/06/22

会議録

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、参議院送付、薬事法の一部を改正する法律案及び内閣提出、参議院送付、予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。住博司君。

住博司自由民主党

○住委員 八時二十分からという余り前例のないスタート時間でございまして、しかも審議時間が予定は非常に短いということで、参議院からの送付案件とはいいながら、まことに法案を成立させるのに協力的だな、こう思いながら質問をさせていただきたいと思います。  予防接種法については私なりの意見も持っておりまして、与えられた時間内ではとても足りないとは感じますけれども、後ほどの根本議員との関連もあわせまして、なるべく多くの事柄についてただしたいと考えておりますので、簡潔にお答えをいただきたいとまずお願いをしておきます。  今回の法改正は昭和五十一年以来の大改正です。その大きな柱の一つは、予防接種について「受けなければならない。」とした義務づけから、「受けるよう努めなければならない。」という努力規定に改めるということであります。いわば集団防衛、社会全体で伝染病の発生、流行を防ぐという考え方から、一人一人を守る、個人防衛の側面も強調していく、基本的な考え方の転換でもあろう、こう思っております。  まず最初に、なぜ義務づけを努力規定に変えたのか、その点を確認しておきたいと思います。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 今回の予防接種の改正についてでございますが、予防接種の実施を通じて伝染病の蔓延を予防するということは国の基本的な責務であり、予防接種制度の円滑な実施を図り、接種率の確保を図るということはゆるがせになってはならないというふうに考えております。  しかしながら、予防接種はいかに注意を払っても健康被害が生じるおそれがあるという特殊性を有することから、予防接種の接種率を確保するためにどのような手段を講じていくかということにつきましては、社会と個人の調和をどのように図っていくかという問題に通じるものだというふうに理解をしております。  このような観点に立ちました場合に、現在の社会において、国民の理解と協力を求め、また自覚を促すことによって接種率を確保することができるというふうに考えておりまして、またこのような手法が現代の要請に合ったものであると考えているわけでございまして、今回の改正、今お尋ねにございました義務づけの問題につきましては、このような考え方に基づきまして改正をさせていただきたいと考えている次第でございます。

住博司自由民主党

○住委員 局長の答弁だと、国民の意識が大分向上してきたということもあるのだろうと思います。  ただ、この義務づけの緩和については、平成四年十二月の予防接種行政における国の過失を認めた東京高裁判決がありました。国が敗訴しましたね。その結果から生まれたのではないか、つまり国の責任を軽減しようとしているとの見方があるのですけれども、この見方に対する反論をぜひ聞かせておいてほしいと思います。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 先ほども申しましたように、予防接種の実施を通じて伝染病の蔓延を予防するという国の基本的な責務、またそのための予防接種制度の円滑な実施を図って、接種率の確保をしていくという国の基本的な責務は全く変わっていないというふうに考えているわけでございます。  今回の義務づけの緩和というのは、接種率の確保を図っていく上での行政手法の変更でございますが、今回の改正によりましても、国として市町村に予防接種の実施義務を課し、また実施体制の整備を図る、また予防接種によって起きました健康被害に対しては国の責任において救済を図るという点には何ら変更はないわけでございまして、そういう意味で国の責任が後退したとは考えておりません。  また、今お触れになりました東京高裁の判決におきましては、その当時国民に対して義務を課さず行政指導として、いわゆる勧奨接種として行われておりました予防接種におきます事故におきましても国の賠償責任が認められておりまして、それは先ほど私が申し上げましたように、国として予防接種の実施体制を図っているというその中で行われた予防接種であるということから、国の責任が認められているわけでございまして、こういったような裁判の例から見ても、今回の改正によって国の責任が後退するものではないというふうに私どもは考えております。

住博司自由民主党

○住委員 国の責任が後退するということは全くないという御答弁でございました。だけれども、もう一方で、この義務づけをなくすということは、言ってみれば個人の選択、個人の意思で予防接種をしなくてもいいというとらえ方をする方も出てくるということになるわけですね。そのことで、予防接種率を高めていくんだ、さっきからこうおっしゃっているけれども、そのことによって逆に予防接種率が下がるということにならないのだろうか、そういう心配の声もあるのですけれども、その点についての御見解を伺っておきたいと思います。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 先ほど来申し上げておりますように、今回の改正によっても国の責任は変わらないし、また国の伝染病蔓延の予防の責任は変わらないわけでございますが、ただ、この接種率の確保をするということについては、国民の健康意識あるいは予防接種に対する関心が高まってきているということから、安全な予防接種の提供あるいは救済の充実、また予防接種に対する正しい知識の普及といったような、予防接種を受けやすい条件を整備していくということが重要になってきているというふうに思っております。  そういう意味で、制度的な条件の整備とあわせて、私どもは今回の改正が認めていただけた場合には改めて実施主体であります市町村並びに保護者の方に対する予防接種についての周知徹底というのを図ってまいりたいというふうに考えております。

住博司自由民主党

○住委員 ところで、社会を守るという観点からして、物によっても違うでしょうけれども、その接種率というのはどの程度必要なんでしょうか。疫学上そういう調査研究の結果というのはあるのでしょうか。もしあったら、その点数えていただきたいと思います。主な伝染病で結構ですから、どんな接種率だったらこれは守れるというラインになっているのでしょうか。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 予防接種につきましては、物によって違うようでございますけれども、予防接種の有効性ということに関連いたしまして大体八〇%から九〇%ぐらいというのが一般的に言われていると承知しております。

住博司自由民主党

○住委員 ということは、今回こういうふうにしても、その部分は完全に確保できるということをお約束できるということになるわけですね。そういうふうに受けとめておきたいと思います。  それから、今回の改正で、厚生省令に定める方法に従って健康状態を調べる、これは明文化されたわけですね。具体的予診の内容というのはどんなものになるのでしょうか。それから、禁忌の人を的確に見きわめるものにつながるということになるのでしょうか。そのことについてどう規定されようとしているのか。その点、お伺いをしておきたいと思います。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 現在の予防接種法におきましては、予防接種の実施規則によりまして、市町村長が、予防接種を行ってはならない者、いわゆる禁忌者を定めているわけでございますけれども、今回の禁忌者の改正におきましては、法律の条文に明記するとともに、いわゆる禁忌というものを、一律に接種をしていけない者、例えば、その当日発熱があるとか、あるいは他のワクチンの接種期間と非常に短い間に、接種当日の直前に他のワクチンをやっていたとかいうような者と、それから慢性的な免疫疾患にかかっているといったような者に分けまして、そういったような注意をすべき者というものを明らかにしていきたいというふうに考えております。

住博司自由民主党

○住委員 そうすると、今度は予防接種を実際にするお医者さんの立場についても伺っておきたいと思うのですけれども、接種をするお医者さんというのは、法的な実施者の市町村長のいわば補助者という立場になるわけですね。よしんば事故があった場合、個別接種になっているとすれば、健康状態を調べる予診、問診をしている医師の責任が問われるのではないのか。その責任転嫁があってはかなわぬという声が、やはり現場のお医者さんの中にはあるやに聞いております。私自身も実際に聞いておりますけれども、その点、従来と変わりないのか。先ほど、姿勢としては国の姿勢そのものに変化はないということをおっしゃったけれども、その点、確認をしておきたいと思います。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 今先生がおっしゃいましたように、予防接種法におきまして、予防接種制度に基づく予防接種を実施する医師は、市町村長の補助者の立場ということで考えておりまして、したがって、予防接種において事故が生じた場合には、予防接種の実施義務者であります市町村がその責任を負うということでございまして、この関係は今回の改正によっても何ら変わるものではないというふうに理解しております。

住博司自由民主党

○住委員 そうすると、お医者さんという立場は、やはり先ほど言ったように、補助者という形だけを考えればいいということになりますね。  それから、例えばお医者さんの数が極めて少ない市町村というのがありますよね。こういうときには、結果的に人を集めて接種するということにはなりませんでしょうか。その点、どうお考えになっているのでしょうか。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 今回の改正に合わせでできるだけ個別接種で実施をしていくという考え方でございまして、個別接種の実施に向けて市町村、それから医師会等の御理解と御協力を得て実施体制の整備をしていきたいと考えております。  ただ、一気にすべての地域で個別接種だけ、いわゆるかかりつけ医のところだけで済むかというのは、地域の実情もあろうかと思いますのでなかなか難しい面もあろうと思いますが、ただ、集団接種でやる場合においても、従来の予防接種の実施要領というものを変更いたしまして、十分な予診なり問診の時間がとれるというような形で考えていかなければいけないと考えております。

住博司自由民主党

○住委員 合法改正のもう一つの柱は、「法律の目的」の中に、「予防接種による健康被害の迅速な救済を図ること」を盛り込んでいるということですね。しかし、その中身が問題になってくるのではないか、こう思います。  今、国の認定があります。申請審査に時間がかかり過ぎるとの声も出ているのですけれども、その点について。それから認定基準、高裁判決では白木四原則ですか、こういうのが出ていましたけれども、認定基準というものについてどうお考えになっているのか。その点も同時にお聞かせをいただきたいと思います。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 救済制度につきましては、被害を受けられた方が申請をしていただくという形をとっておりますので、その被害者が申請をするまでにどのくらいの時間がかかるかということで、一概にどの程度の時間がかかるかというのはなかなか申し上げにくいわけでございますけれども、ただ申請が上がった後におきましては、私ども厚生省の認定審査会を毎月開催をいたしておりまして、そういう意味で、できるだけ……(住委員「毎月一回」と呼ぶ)毎月一回でございます。開催をいたしておりますので、できるだけ迅速な認定が図られるように努めているつもりでございます。  なお、今回の改正に合わせまして、医師会の御協力をいただいて予防接種被害についてのモニタリング制度というものを実施をすることにいたしております。それによりまして、予防接種によって健康被害が起きたというようなことがお医者さんの方でわかった場合には報告をしていただくという制度を新たに予算措置としてやりたいと思っておりますので、そういう措置を通じまして、従来よりは健康被害の情報収集が早くできるようになるのではないかというふうに考えております。  それからもう一つは、認定の問題でございますが、予防接種と健康被害の因果関係の認定というのは、一律にある一つの基準を適用して認定をするということは大変難しいわけでございます。といいますのは、予防接種の種類によっていろいろな、多様な健康被害が出てくるということでございます。  それで、各地の裁判所や何かでいわゆる白木四原則といったようなことが取り上げられたわけでございますけれども、これは一般論としておおむね妥当な考え方だと思いますけれども、個別具体的な事例について因果関係を判断するには、それだけを当てはめて具体的な基準とするようなものではないわけでございます。そういう意味では、認定に当たっては、私ども、今後とも個別ケースごとに科学的なデータに基づいた判断をしていかなきゃいけない、しかし、認定に当たっての基本的な考え方、これについては今後専門家の意見を聞いて整理をして明らかにしていきたいというふうに考えております。  それから、先ほどもちょっと触れましたけれども、予防接種の健康被害者のモニタリングを行うということで、健康被害に関する情報を積極的に収集して、これをまた認定の際に生かしていくという形をとっていきたいと思っております。

住博司自由民主党

○住委員 認定審査というのは、ほかにも公害病なんかでもありまして、いつもその審査の時間がかかるということと、それから、審査基準というのが非常にあいまいもことしている難しい部分があって、医学的にも大変判断が左右するという非常に難しい部分があるのですね。ですから、副作用とか、そういった健康被害が不可避的にあるこういう予防接種でございますから、その点をよくお考えをいただいて、何のためにこの被害者救済の目的というのをわざわざこの「法律の目的」に書き加えたかということを考えれば、その点、運用について相当配慮していただかなきゃいけないということを、当然お考えになっていると思いますけれども、あえてここで申し述べさせていただきたいと思います。  それから、今回の法改正では予防接種の対象疾病を変えているわけですね。この削除した理由と、破傷風を加えた理由というものについて簡単にお答えいただきたい。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 予防接種の対象疾病については、非常に症状が重篤なもの、あるいは重篤な後遺症を残すもの、また一方、予防接種が有効である、副反応が少ないといったようなことが具体的な一つの目安になると思いますが、破傷風につきましては、症状が非常に重い、また死亡率も高い、予防接種の効果は極めて高い、また副作用も少ないということから、これを対象疾病としたわけでございます。また、対象から除外をいたしました痘瘡、天然痘は、御承知のように既にその病気がなくなっている。それからコレラ、ワイル病については、予防接種によるよりもむしろ十分な薬品によって治療ができる。それからインフルエンザについては、やはりワクチンの開発という意味で、社会全体の流行を抑制するような形でのワクチンが現在のところでは開発し切れていないというようなことから外すことにしたものでございます。

住博司自由民主党

○住委員 そういうことのほかに、今度は政令というのが書いてあるわけですね。この法文の中に政令で定める疾病対象というのが入っているわけですが、これはどんどんふえていくことはないのでしょうか。これは、新しい疾病に対するものを加える場合は、法改正ということになるのですか、それとも省令でやっちゃえということになるのですか。その点についてちょっとお尋ねをしておきたいと思います。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 現在政令によって定めることにいたしておりますが、現在念頭に置いておりますものは、現時点ではございません。なお、これについて、もし仮にそういったような事態が起きました場合には、審議会に諮りまして、十分御意見をいただいた上でやっていきたいと考えております。

住博司自由民主党

○住委員 要するに、そう言って、例えばこうやって法で決めているのに政令で別に加えるということがあると、それは何のためにこの法改正しているのかわからなくなるじゃないかという御指摘もあるかと思うのですね。その点は今局長のお答えで理解はいたしましたけれども、その点についても、これからいろいろな疾病、新しい伝染病というのでしょうか、違ったものも出てくるかもしれませんので、その点もよく考えて、弾力的に考えていただきたい、こういうふうに思っております。  それから、ちょっとまた健康被害の方に戻るのですけれども、被害救済制度の充実というのが書いてあるわけですね。これについての具体的なものというのはどんなふうに考えておられるのか、それもちょっとお聞かせをいただきたいと思います。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 救済制度の充実ということにつきましては、今回の改正を契機といたしまして、障害児養育年金、それから障害年金につきまして在宅の障害者に対する介護加算の創設を行いました。また、それぞれ一級、二級につきましての額の引き上げも行ったところでございます。また、死亡一時金につきましても従来の額のおよそ倍に引き上げたといったような措置をいたすことにしております。

住博司自由民主党

○住委員 本当は健康被害があってはならないわけですけれども、そういったところをよく実態を見ていただいて、そういうものにも遺漏なきようにしていただきたい、こう思う次第です。  もう一つ、私の懸念というのでしょうか、それについてもこの際申し述べておきたいと思います。それは、この法律によっていわゆるミーイズムというのでしょうか、自己中心主義というのがどうしても生まれやすいんじゃないかなという気がしてならないということなんです。  先ほどの説明で、個別接種に移行するということで、それなりの自信とそれなりの裏づけがあっておやりになるのだろうと思いますけれども、しかし、我々のこの世の中、非常に意見が多様化してきていますから、自分だけは予防接種の痛いのは嫌だ、あるいは予防接種して副作用が出るのは嫌だ、しかし伝染病になるのはどうも困るから周りの人は打っておいてほしいな、こういうふうな感覚が出てくるんじゃないのか、こういうふうに、実を言うと懸念をするのですね。これは、国として自分たちの責任を別な意味で放棄することになりはしないかというふうに私は思うのです。その点について、大臣、申しわけないのですけれども、お考えをお聞かせいただければありがたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 今度の問題で一番重要な点で、伊吹先生ともこの間いろいろ議論をしたところでございます。  今度の予防接種の問題というのは、言うまでもなく個人の健康防衛という問題と、もう一つは社会的防衛という問題でございまして、なかんずくこの社会的な防衛という一つの目的を達成するためには相当強制的にやっていかなければ難しいのではないかという考え方と、今度の改正案に示されましたように、何とか国民の皆様の理解と自覚を高めることによって接種率を高められるようにしなければならぬ、この考え方があるわけで、いや、私だけ受けなくてもほかの人に受けていただければそういう社会的な防衛という問題も何とかなるのではないかというような、御指摘のミーイズムとかあるいはセルフィッシュネスといったようなことがもちろん懸念されるわけでございます。  したがって、こういう制度の改正をやる以上は、政府としても広報活動といいますか広報啓発といいますか、そういう面をよほど我々が事業としても積極的に展開しなければならない、それによって国民の皆さんの文字どおり理解と自覚を高めなければならない、こういうふうに考えておりますので、その辺については、私どもも最大限の注意を払いながら、事業という面で啓発活動を積極的にやることによりまして、そういうミーイズムというものを克服してまいりたいと思っている次第でございます。

住博司自由民主党

○住委員 大臣の御決意はお伺いをしたわけですけれども、しかし、これは法律ですから、法律でやるわけですから、社会をお互いに守っていくという意識よりも身勝手な論理が横行しても構わないんだという法律であるとすれば、これは大変なことになると私は思います。ですから、そんな意味のない改正では困るわけですから、その運用面できちんとしていただきたい。大臣の御決意三言葉どおりきちんと実行していただければありがたいと思います。  そのことを強く申し上げまして、この予防接種の関係について、同僚の根本さんにバトンタッチをします。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 根本匠君。

根本匠自由民主党

○根本委員 自由民主党の根本匠であります。私は、大変時間が少ないものですから、住先生の質問に関連しながら、健康教育の問題、実施体制の問題、事故責任、財源問題、この四点につきましてお伺いしたいと思います。  まず、健康教育でありますが、今回の改正、住先生のお話にもありましたように、社会防衛を担保する手段としての義務づけがなくなる。したがって、接種率の低下が懸念されるわけであります。ですから、親がどれだけ予防接種についての理解を持つか、これが大変重要で、教育、周知徹底方策、今大臣からのお話もありましたけれども、これが大変重要であろうと思っております。  特に、この法律の今までの改正の流れを見れば、五十一年までは義務づけをしていたわけですから、社会防衛の側面、これが強調された。それから、五十一年に罰則がなくなったわけでありますから、これは個人の意思を重視する側面も出てきている。それで、今回の改正によって義務づけを外して、個人の意思の尊重、それから選択の拡大、個人防衛の側面を強調しているわけであります。  ただ、今住先生のお話にもありましたように、社会防衛あるいは社会性、公共の利益、これは依然として重要であります。私は、住先生の話にもありましたように、日本の場合、住先生の話のような状況が起こるのではないか。例えば欧米では、要は他人に迷惑をかけてはいけないから予防接種をする、あるいは医療費が高いから予防接種をする、こんなことだろうと思うのですが、予防接種の必要性、社会防衛の重要性、これについての親の理解、教育が必要であります。  ですから、だれが周知徹底の責任を持つのか、この主体をはっきりさせることと、それから中身、これが大切でありますから、具体的にどのようなことを考えておられるのか、お伺いしたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 先ほどのミーイズムとも御関連のある御質問でございますが、予防接種を、国民の皆様の自覚に基づいて接種率を高めていこうとする場合に、その受ける主体は子供でございますので、やはり母親に対する教育というものがしっかりなされるということは、これは非常に重要な要素だと思いますし、また、それも単なる教育ということだけではなくて、日本の国民の社会的意識といいますか、社会的連帯というものについての自覚というものが高まらなければならないわけでございまして、そういう意味ではこれはとても難しい課題であることは御指摘のとおりでございます。  私どもといたしましては、今回の改正はいろいろな要因を分析いたしまして一つの転換をしつつあるわけでございますが、御指摘のような、予防接種が子供の健康保持にとって重要であるという社会的な自覚というものを促す、啓発するために、これまで以上に、さっき申し上げたようないろいろな事業を展開していかなければならぬ、こういうふうに考えておりますので、具体的には、これから、いろいろな事業のプランを今立てつつございますので、それらを着実に実行してまいりたいと思っている次第でございますの

根本匠自由民主党

○根本委員 この知識の普及については、十九条で国の責任、こうなっているわけでありますね。ですから、ぜひこれは責任を持ってきちんとやってもらいたいと思いますし、それから予防接種について最低これだけは知ってもらいたいというマニュアルも必要でしょうし、場合によっては学校教育の場での教育も必要だろう。それから、私は市町村でも予防接種のセンター的な機能、役割も必要ではないかと思っております。  それから、次に実施体制の問題に移りますが、今回の改正で予診規定が創設されました。具体的なあり方として、予防接種の方式としては、集団から個別へ、こういうことでありますが、問題は受け皿体制、実施体制、これが本当に可能なのか、ここだろうと私は思います。  問題点はいろいろあるわけでありますが、かかりつけ医にかけるといっても、いない児童、乳幼児もおられる、地域によってこれは状況が異なるわけですね。それから、病院とか診療所で物理的に可能なのか、あるいは学校の集団接種から個別にということになりますと、重篤の事故というのは十二時間以内に起こるわけでありますから、個別接種でも午前中あるいは午後の早い時間が望ましい、あるいは予防接種が専門でない医者もおられる、こうなりますと、個別接種にした場合に、本当に受け皿体制が大丈夫なのかどうか、この点についてのお考えをお伺いいたします。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 予防接種につきましては、できる限り安全な予防接種を実施するという観点から、従来からできるだけ個別接種化というのを推進をしてきたわけでございますけれども、改めてこの法律を改正するに当たりまして御審議をいただきました公衆衛生審議会の答申においても、個別接種を原則として推進するべきだという意見をいただいたわけでございます。  具体的には、予防接種の実施要領の改正を行いまして、それに基づいて、今お触れになりましたような各地方自治体における個別接種のための準備を進めていただいて、できるだけ早く市町村においてその実施がとれるように、私どもとしても、できるだけ督促なり指導をしてまいりたいと思います。  ただ、現実に、地域の事情によりましては一気に個別接種には進めない、あるいは集団接種という形でやらざるを得ない場合もあると思いますが、その際にもこの実施基準を改めまして、十分な予診なり問診の時間がとれるような形での接種体制ということを考えてまいりたいと思いますし、また個別接種化のためには、今お触れになりましたように、お医者さん、医療機関の協力が必要でございます。そういう意味で、医師会を初めとした関係団体にも、この予防接種法の改正についての御理解をいただくように努めてまいりたいと思っております。

根本匠自由民主党

○根本委員 私は、開業医の皆さんが現在の診療をしながら予防接種を実施する、これは私は地域的にも本当にばらつきがあるし、大変だと思うのですね。ですから、ぜひ実施体制についてはきちんと点検していただくようにお願いいたします。  それから、事故責任でありますが、先ほどの住先生のお話にもありましたように、予防接種を受けて不幸にして健康被害が生じたときに、過失のない接種について個人の責任が問われる可能性があります。ですから、責任の主体をはっきりとさせておくべきだし、その内容をきちんと確認しておきたいと思うのですが、接種する責任主体は市町村であって、担当医は市町村の職員扱いだ、そういう扱いでよろしいのですね。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 予防接種によって事故が起きた場合には、この予防接種の実施義務者である市町村がその責任を持つということでございますので、予防接種を実施した医師は、今お触れになりましたような市町村長から委託を受けるないしは補助者の立場でございます。その間の関係は、今回の法律改正によっても全く変わらないということでございます。

根本匠自由民主党

○根本委員 私は、ぜひ責任体制の明確化と個別接種の促進のためにこの辺の周知徹底、これをきちんとやっていただきたいと思います。  それから、最後に財源の問題。個別接種になりますと、これは問診料など、集団接種に比べて費用がかかることになるわけでありますが、市町村に対してのこの財源措置、それから接種を受ける側の負担はどうなるのか、この点についてお伺いいたします。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 予防接種を受ける側の費用負担については、現行法においても実費徴収を行うことができるようになっているわけでございまして、これは私どもの得ているデータでも、市町村あるいは実施主体によってかなりばらつきがあるわけでございますが、ただ、個別接種化に伴う費用の増大ということにつきましては、必要な地方財政措置が講じられるよう、自治省とも十分協議を行っているところでございます。

根本匠自由民主党

○根本委員 私は、市町村に対する地方財政措置の問題、これは非常に大きいと思うのですね。交付税で措置しますよ、これは大体そういう話になるわけでありますが、実際には個別接種をやるお医者さんと市町村の契約の中で、いわゆるどこまで費用負担するか、それが市町村によってばらつきが出てくると思うのですけれども、その辺で現場で混乱が生じないかということと、私はガイドライン的なものを示さないと、これは市町村によって、お医者さんと市町村の委託契約の中で費用の問題、ここが非常に出てくるのではないかと思うのですが、その点いかがでしょうか。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 予防接種につきましては、従来から地方交付税によって賄うという形に御承知のようになっているわけでございまして、今お触れになりましたような、今回個別接種を進めていくということについての交付税措置については、今後とも自治省に要望してまいりたいと思っております。  それから、それぞれの市町村と地元医師会との契約の問題でございますが、これはそれぞれの地方、地域地域の実情と申しますか、やり方等によって、先ほどもちょっと申しましたように、かなり違いがあるということでございますので、そこらは私どもとしては一律な指導はなかなか難しいと思いますが、今回の改正を契機にして、こういうやり方でこういうふうに変わっていくのだということも含めて、予防接種の実施を担当していただきます医師、それから役場の保健婦さん、担当者の方にも研修を行うことになっておりますので、そういう中で今のようなことも含めてお話をしてまいりたいと考えております。

根本匠自由民主党

○根本委員 今回の改正、私は、予防接種の今後のあり方としては、方向性は合理的なのだろうと思います。特に、子供が少なくなる中で、子供を大切に育てる必要がありますし、健康で体調が万全なときに上手に予防接種をやって健康な子供を育てること、これは大変大事だろうと私は思います。  問題は、私が今申し上げましたように、現場の実施体制、それから健康教育だろうと思います。実施段階でさまざまな問題が出てくると予想されますので、予防接種の実施体制の問題、それから接種率の状況などしっかり把握して、混乱が生じたら適時適切に対応していただくように、特にフォローアップ体制、これを十分にやっていただきたいと思います。  質問はこれで終わります。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 住君。

住博司自由民主党

○住委員 残余の時間、残りわずかですけれども、薬事法についてのお尋ねをしておきたいと思います。  今改正については、医療用具の品質や有効性、安全性を高めるための所要の措置だ、こう思っておりますので、その点については高く評価をしておきたいと思います。  ただ、ここの場所でちょっとお聞きしたいことは、やはりソリブジンについての話をお聞きしておきたいと思います。抗がん剤との併用投与において、一カ月に十五人の方がお亡くなりになるという非常に大きな薬害になったわけでございますね。そしてまた、最近になりますと、今度は厚生省の死亡例の公表前にインサイダー取引、製造販売会社によるインサイダー取引の疑いが出てくるということがあった。私は、この点を考えますと、まさに人の健康にかかわる薬という問題についての商取引、あるいは製造する人たちのモラルの問題というものをやはり考えなきゃいけない時期に来ているのではないかということをまず言っておかなきゃいけないと思うんですね。その点についての御見解をお聞かせいただきたいと思います。  もう時間がありませんから同時に御質問させていただきますが、このソリブジンの健康被害が出たときにいろいろな御指摘があった。その中で一番私が考えましたのは、今いわゆる薬、症状によってその数だけ機械的に渡されるというような、言ってみれば足し算処方というのでしょうか、こういうやり方があるわけですけれども、患者への投薬の説明であるとか薬歴管理とか、薬害被害の防止の観点からこれはぜひとも取り組んでいただかなければいけない問題だと思うのですね。その問題についての御見解。  そしてまた、薬の併用が避けられない現状で、薬の効用と危険性や相互作用、そういったものについての情報を医療現場にどうやって的確に伝えていくのか、お医者さんにどうそれを利用させていこうとするのか、そのシステムについてどんな改善をしようとしているのか、概略でいいですからお聞かせをいただきたいと思います。

田中健次厚生省薬務局長

○田中(健)政府委員 まず、インサイダー取引の問題でございますけれども、お話のように医薬品というのは生命に重大な関連を有する商品でございまして、それを扱っておるわけでございますので、私どもとしては他の産業に比べて高いモラルが求められているものと考えておりまして、今回インサイダー取引については、関係当局において調査中という新聞報道もございますけれども、私どもとしては疑惑を招くような行為が行われたこと自体が極めて遺憾でございまして、事実関係が明らかになり次第、厚生省といたしましても厳正に対処をいたしまして、また必要な指導を行っていきたいと考えております。  それから、薬の投薬の関係で足し算方式というふうなお話もございました。私どもは薬歴管理も非常に大切だと思いますし、薬の説明等も大切だと思います。そういうことで医薬分業ということをこれからますます進めていきたいと思います。  それから、医療現場への情報の伝達でございますけれども、確かに必要な情報を早く伝達して現場で活用していただくというのは非常に大切でございます。そういうことでこれまでも努力をしてまいりましたけれども、新たにファクスによりますネットワークを設けまして直ちに伝達できるように、この辺についても考えていきたいというふうに考えております。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 土肥隆一君。

土肥隆一日本社会党・護憲民主連合

○土肥委員 社会党の土肥隆一でございます。薬事法から先にやらさせていただきます。  今回の薬事法の改正におきまして、本法の十四条の三に「指定調査機関による調査の実施」というのが出てまいります。この指定調査機関がどんなものかということを考えてみましたときに、その参考になるのは、既に医薬品の部分に関してできております医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構、やたら長い名前ですけれども、この機構が設置されておりまして、既に運営が行われている。この機構と今回の指定調査機関の関係を見ますと、直接関係はないのでありますけれども、恐らく事業内容あるいは収入支出構成など、財政内容も同じようなものになるのじゃないかというふうに考えるんですが、その医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構の構成、法人格の構成、役員あるいは職員の数、あるいは収入支出の項目など挙げて、そして今度の医療器具に関する指定調査機関も同様な業務内容になるのかどうか、説明していただきたいと思います。

田中健次厚生省薬務局長

○田中(健)政府委員 御指摘の医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構でございますけれども、これは昨年の法改正によりまして名称変更が認められたものでございますが、厚生大臣の認可を受けて、法によって設立をされております認可法人でございます。  この法人の組織等でございますけれども、四月一日現在でございますが、四部十二課の組織でございまして、役員は、理事長が一名、理事四名、監事一名、合計六名でございます。それから、職員は六十三名でございます。  それで、事業内容といたしましては、大きく分けまして三つでございまして、まず一つは、医薬品の副作用による被害者を救済するための救済給付の関係の業務でございます。それから、二番目が医薬品あるいは医療機器等の研究開発の振興を目的とする出資・融資事業と研究支援事業でございます。それから、三番目が、厚生省が行っております医薬品等の承認審査のうちで既に承認をされ、有効性、安全性等の確認がされております医薬品との同一性に関する調査、これを行ってもらっているわけでございます。  それから、会計でございますけれども、こういう事業をやっておりますので、そうした事業別に、救済給付の勘定あるいは研究振興の勘定それから開発振興の勘定等の勘定を設けて運営をいたしているところでございます。  それから、この法律によります指定調査機関でございますけれども、これにつきましては、従来から医療用具の承認申請に関します相談事業を行うなどの医療用具の承認に関します経験を有しております財団法人の医療機器センターがございまして、これをその候補として検討いたしておるところでございます。

土肥隆一日本社会党・護憲民主連合

○土肥委員 その指定調査機関でございますけれども、その業務は「調査」となっておりますが、先ほどの医薬品などと違って、調査だけをやるんでしょうか。もう一度確認させていただきます。

田中健次厚生省薬務局長

○田中(健)政府委員 指定調査機関に行わせる業務でございますけれども、既に承認をされました医療用具と同様の医療用具、俗語でございますが、いわゆるソロ用具でございます。このソロ用具のうちペースメーカー等体内に植え込み、生命に直接関連するものを除きまして、ソロの医療用具につきまして、既に承認された医療用具との同一性に関する調査を委託するということでございまして、これは先ほど申しました医薬品について医薬品の調査機構にお願いをしておりますものと同じような考えでございます。

土肥隆一日本社会党・護憲民主連合

○土肥委員 その調査機関について随分厳しい指定基準が定めてありますけれども、読んでまいりますと、特に二十三条の三などで、調査を実施する場合「その数が厚生省令で定める数以上」というふうに数の指定が出てくるわけでありますが、「その数」あるいは「厚生省令で定める数」というのは一体何を根拠に出していらっしゃるんでしょうか。

田中健次厚生省薬務局長

○田中(健)政府委員 法案の二十三条の三第一項第一号の「その数」でございますけれども、それは調査業務を実施する調査員の数でございまして、この規定は、調査業務の量に応じまして必要な数の調査員がいることが指定調査機関として求められるという趣旨でございます。

土肥隆一日本社会党・護憲民主連合

○土肥委員 この指定法人の役員の資格とかあるいは全体の運営など、大変厳しい内容になっておりまして、こんなものかなとも思うのでありますけれども、例えば、今指定を予定していらっしゃる財団法人が、今回の調査業務のみならずほかにもいろいろやっていると思うのですね。そういう従来やっておりました今回の法規定以外の業務を実施している場合にも同様の規制を受けるのでしょうか。例えば役員の構成などについても規制を受けるのかどうか、お述べください。

田中健次厚生省薬務局長

○田中(健)政府委員 指定調査機関の行う調査業務以外の業務につきましては、調査の業務に不公正な影響を与えることのないようにしなければならないわけでございまして、例えばこの指定された指定法人自身が医療機器の製造を行うとか、あるいはまた個別企業の承認審査の申請の代行業を行うというふうなことになりますと公正さが担保されないわけでございまして、そういうことで、不公正な影響を与えることのないようにしなければならないわけでございますけれども、指定法人となることによって、当該業務が、その他の業務が薬事法により特に厳しく規定をされるということはないというふうに考えております。  それから、指定法人の役員についてでございますけれども、これも当然ながら薬事に関する法令に違反していないことが求められておりまして、それから適正な業務を確保するという観点から、その選任については厚生大臣の認可を必要としているところでございます。  それから、指定調査機関の業務の性格から見まして、指定調査機関の役員は公的な業務に従事するものとみなされまして、公正な業務の遂行が求められておるところでございます。それで、指定調査機関といたしましては、先ほど申し上げましたように、従来から医療用具の承認申請に関する相談業務などを行っております、そうした経験を有しておりますこの医療機器センターを候補として検討いたしておるところでございます。

土肥隆一日本社会党・護憲民主連合

○土肥委員 この調査機関に指定された財団法人がどういう財政運営をなさるかということについてはまだわからないわけでありますけれども、今までの薬事法関係の手数料の一覧表を見ますと、先ほど被害者救済機構のところで見ますと、余り大項目はなくて、例えば医療用医薬品の業務をやりますと二十二万三千三百円入りまして、国には七万七千百円、そのほかは大体一万円台、まあ四万二千円とか四万四千円とかございますけれども、こういういわば手数料だけでやっていけるのかなというふうな心配もしております。  一つお聞きしますけれども、これには国の補助金は入るのでしょうか。

田中健次厚生省薬務局長

○田中(健)政府委員 基本的には手数料で対応していただくということで、今現在では補助金というものは考えておりません。

土肥隆一日本社会党・護憲民主連合

○土肥委員 予防接種法に移らせていただきます。  大臣にお聞きしますけれども、今回の法改正の特徴をつくづく考えてみますと、国民への義務規定を努力規定にいたしましたし、罰則規定も削除されました。それから、個別の接種だとか、かかりつけ医の重要性など、ある意味で予防接種というものを、今まで国民が考えてまいりました、半ば強制的に、義務的にやってまいりましたものから大幅に考え方を変えたのだということを伺うわけでございます。  しかし、どうもしっくりしないのは、その一方で、国の努力として、なるべくみんなが接種を受けられるように啓蒙活動をしなさいというふうに言いながら、これを大幅に変えたということ。その背景あるいは予防接種の理念というようなものが大幅に変更されたのでしょうか。その辺のところをお述べいただきたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 まず、基本の考え方といたしまして、予防接種の実施を通じまして伝染病の蔓延を防止するあるいは予防するということは国の基本的な責務である、この考え方は毫も変わっていないわけでございまして、そのために国としては最善の努力を尽くさなければならない。特に、予防接種制度の円滑な実施を図ることによりまして、さっき申し上げました接種率、八〇%以上の接種率の確保を図るということは、これはゆるがせにすることはできないと考えております。  しかしながら、予防接種は、いかに注意を払いましても健康被害が生ずるおそれがあるという特殊性を有しているわけでございまして、予防接種の接種率を確保するためにいかなる政策手段を講ずるか、それは社会と個人の調和をどのように図っていくかという非常に基本的な問題であると思います。  これまでその政策手段といたしましては、国民に接種義務を強制するという方法をとってまいったわけでございますが、現在のような成熟した社会といいますか、こういう面におきまして国民の知識あるいは意識というものが非常に向上してきたこうした社会におきましては、国民の皆様の理解と協力を求めながら、国民の自発的な自覚というものを促すことによって、結果として国民に予防接種を受けてもらうという方法の方が時代的な要請にかなうのではないか、そしてこのことによって予防接種法の目的も達成されることになる、そのように実は考えまして今度のような改正をお願い申し上げている次第でございまして、そこには私どもなりの時代認識というものがあるということについて御理解を賜りたいと思う次第でございます。

土肥隆一日本社会党・護憲民主連合

○土肥委員 時代認識とおっしゃるのですから、これはやはり一時間ぐらいかけて問答しなければならないことだと思いますが、私は、医療法の改正のときなども感じましたように、やはりインフォームドコンセント、あるいは臓器移植法案を議論する場合も、要するに患者さんあるいは予防接種を受ける人の同意をきちっと得るというにはこういう方法しかないし、ある意味で、医療もそして予防接種も時代的な要請に応じたのだというふうに理解しております。  最後になりますか、今度保健福祉相談事業を強化するというのがまた大きくうたわれておりまして、それにもまた財団法人予防接種リサーチセンターがかかわるということでございます。医薬品に関しましても特殊法人、医療機器に対しましても財団法人、保健福祉相談事業にも財団法人が当たる。きょうは財団法人の中身を中心に聞いているわけですけれども、この予防接種リサーチセンターの組織構成、役員の数、それから事業費などについてお述べください。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 予防接種リサーチセンターの役員数は十名、職員数でございますが、非常勤も含めて五名、事業内容につきましては、予防接種に関する調査研究、あるいは健康被害者に対する保健福祉事業の実施を主な内容としております。具体的には、センターの保健婦が電話による相談あるいは被害者の家庭への訪問というようなことを実施をしております。  今回の改正に伴いまして保健福祉事業を拡充をするということで、都道府県単位での保健婦等を保健福祉相談員に委嘱して被害者の方の定期的な訪問を行うとか、あるいはその際必要に応じて専門医が同行する、また被害者の家族を対象にした講習会を実施するといったようなことを考えております。

土肥隆一日本社会党・護憲民主連合

○土肥委員 予算規模は出ますか、平成六年度の予算。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 平成六年度の予算として、保健福祉事業のために約四千九百万円を予定しております。

土肥隆一日本社会党・護憲民主連合

○土肥委員 役員が十名いらして職員が五名というのも妙なリサーチセンターだと思うのですが、このようにして財団法人あるいは特殊法人に業務を委託していくということは基本的な流れかなと思いますけれども、どうもしっくりしないわけであります。つまり、その業務内容を詳細に見なければ物は言えないわけでありますけれども、本当にこういう財団をどんどん指定していくことでいいのかどうかということもそうでありますが、そういう事業内容を見てまいりますと、四千九百万、このリサーチセンター、私の感覚からいうと随分多額だなと思うわけであります。先ほど質問させていただきましたあと二つの法人については、また中身については議論しなければならない部分もあるかと思います。  いずれにしても、私が申し上げたいのは、なるべく効率化を図って、そしてスリムに、本来の業務で十分収益も上がるようなシステムにしていただくために、今後ともこの三つの法人についても見守っていきたい、こういうことを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 岩佐さん。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 予防接種禍による九二年十二月の東京訴訟でも国側の敗訴を認めていますけれども、国の安全対策が重要であることが改めて示されたと思います。大臣の御所見をまず伺いたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 平成四年の十二月に集団訴訟として最大規模の東京訴訟につきまして、東京高裁で国側の敗訴の判決がございまして、国としては上告を断念したところでございますが、この東京高裁の判決に始まる一連の司法判断を通じまして、行政に課せられた最大の課題は、安全な予防接種の実施や、あるいは予防接種による健康被害の救済の充実等を図ることによりまして、国民に信頼される予防接種制度としていくべきであるということにあったと考えておりまして、今回の改正は、そのような判決の趣旨も十分踏まえまして私どもとしては対処した次第でございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 国家的必要によって義務接種、勧奨接種を行っているからこそ特殊性が指摘をされているのだと思います。安全で有効なワクチンを開発する責任が国にあります。安全で有効なワクチン開発がまた一方求められてもいます。  現実にインフルエンザを個人接種に変えている自治体がかなり広がり、しかも接種率が数%台に、落ちています。ワクチンメーカーも市場から撤退し始めていると聞いています。このままでは、インフルエンザワクチンの安全性の確保や有効性の担保など、問題となっている点が解決されず放置をされ、インフルエンザが蔓延するおそれも出てきます。やはり企業任せでは限界があると思います。国が体制をとって安全なワクチンの開発に責任を持つべきだと思います。インフルエンザワクチンの場合、国の研究費、開発体制はどうなっているのでしょうか。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 インフルエンザに関しましては、平成四年度の研究班におきまして、インフルエンザに関する保護者の意識調査あるいは経鼻ワクチン、経皮ではなくて経鼻ワクチンの研究などが行われております。また、インフルエンザの総合対策といたしまして、ワクチンというようなもので平成六年度に約八千三百万の予算が組まれております。ワクチン・予防接種対策総合研究費として、平成六年度八億三千五百万でございます。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 岩佐さん、そこの部分をいま一遍質問し直してください。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 私が伺っているのは、インフルエンザワクチン対策の安全性の予算はどうなっているのかということを伺っているのですけれども、どのくらいあるのかということ。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 失礼、ちょっと数字の位を間違えまして、ワクチン・予防接種対策総合研究費は八千三百五十万でございますが、そのうち、インフルエンザ関係は四百五十万というふうに理解しております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 現在四百八十万人がインフルエンザワクチンを接種しています。被害者がなぜ発生したのか、因果関係の究明と徹底した救済が必要だと思います。この点については今どういうふうに作業をされておられるのでしょうか。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 インフルエンザにつきましては、今回のこの改正に当たりましての公衆衛生審議会での御議論においても、専門家に十分議論をしていただいたわけでございます。今回接種対象から外しておりますが、これは、今おっしゃいましたいわゆる副反応の問題というよりは、インフルエンザの予防接種が、疾病の重症化の防止効果は認められるけれども、集団的な防衛効果という点において、まだワクチンが流行株との関係においてなかなか開発し切れていないということから対象疾病から外すことにしたわけでございます。  なお、インフルエンザワクチンによります被害の救済につきましては、従来から予防接種の健康被害救済制度の中で従来のものについては対応をしているところでございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 昨年十二月の公衆衛生審議会の答申では「個人の疾病予防に極めて有効な予防接種」「個人の健康の保持増進を図るという面を重視した制度」の必要性を強調しています。これは、一般的にそういう指摘がされているわけですけれども、インフルエンザワクチンについては、これは接種率は低くなったとはいえ、大変高いわけです。かなりの人が受けているわけです。対象疾病から削除されたということであっても、やはり接種を受けやすい条件、例えば費用の負担の問題とかあるいは情報、そういう問題等について受けられやすい対策を検討してほしい、関係者からそういう声が出ております。その点についてちょっと伺っておきたいと思います。  また、「インフルエンザの予防接種には、個人の発病防止効果や重症化防止効果が認められていることから、今後、各個人が、かかりつけ医と相談しながら、接種を受けることが望ましい。」こう答申では言っているわけですけれども、実際、現場では、子供の健康状態を見て病院に連れていっても、ワクチン一本が十人分あるいは二十人分となっているため、一人では病院で断られる、そういう事例が頻繁に起きているということです。これでは個人接種はできないと思います。この点について善処をすべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 インフルエンザの予防接種についての公衆衛生審議会の御意見、今お触れになったようなことでございますが、個人がかかりつけ医と相談をしながら接種を受けることが望ましいというふうに私どもも考えております。ただ、この場合には任意の予防接種ということになりますので、その費用については各人に負担をしていただくということはやむを得ないのではないかと考えております。  なお、個別接種の推進ということに関連をいたしまして、ワクチンの包装の問題にお触れになりました。これは、現在、ポリオワクチンなど一部ワクチンを除きまして、個別接種に対応できるような小包装のワクチンというのが流通をしております。ただ、ポリオワクチンにつきましては、これは経口のワクチン、口から飲むという特殊なワクチンでございますので、現在二十人用のワクチンしかないということでございまして、これにつきましては、技術的に小包装化が難しいというようなことを聞いておりますけれども、今後、ワクチンメーカーに対して、こういったような分野の開発ということはお願いをしてまいりたいと考えております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 次に、予診のあり方についてちょっと伺いたいのですが、答申では、予診は、問診、視診、検温、診察を行い、さらに、本人または保護者が、接種当日の健康状態に関する十分な情報をあらかじめ接種医に提供するよう努めるべきというふうに言っています。そして、「やむを得ない理由により、集団接種で行う場合でも、医師一人当たりの対象人員を調節し、医師が予診に十分時間を割けるようにすべきである。」としています。  都内などを見ますと、問診医と接種医に分け、一応のことはやっているということになっています。しかし、実態は、子供の顔色も満足に見ていない、肌にも触れていないと学校の保健担当教諭が言っています。開業医が昼休みに学校へ飛んできて、一時間半程度で五百人ぐらいに接種をして帰る。問診医は接種医の顔ばかり見て、そのペースに合わせている。都が一時間百人の基準で予算を組んでいるんですけれども、実態は、問診も含めて十秒に一人、こういう接種が行われているということであります。具体的に改善策をとるべきだというように思いますけれども、その点、いかがでしょうか。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 予防接種による健康被害をできる限り防止するということで、医師が十分な予診を行う、あるいは禁忌者を的確に識別するということが必要でございます。それで、今回の改正におきましては、従来省令に置かれておりました予診規定を法律に明確に位置づけることにしたわけでございます。  あわせて、かかりつけ医による個別接種を推進をするということで、予診の内容について具体的に示していくことにいたしておりますが、一方、短期間のうちにすべての市町村において個別接種ということに移行するのはなかなか困難な面もございます。集団接種を行う場合につきましても、医師一人当たりの対象人員を調整をしまして、医師が十分な予診を行えるように配慮をしていきたいと考えております。  なお、新しい予防接種制度につきましては、予防接種を行いますお医者さん、それから市町村の保健婦さん、あるいは担当の看護婦さんですとか、予防接種を担当いたします事務職員に対する研修というものを十分にやることといたしております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 最後に、大臣に伺いたいと思います。  先ほどから、情報の提供だとかあるいは啓蒙だとかということが言われていますけれども、私は二つだけお願いしておきたいと思います。  副反応について開業医に広く情報が提供されるようにしてほしい、こういう要望があります。それからもう一つは、やはりお母さんたちにその情報が的確に行くように手だてをとっていく必要があると思います。今伺うところによると、パンフレットを出すということですけれども、大変予算が少ないような感じがいたします。  パンフレットの場合、加えて、点字の母子手帳がようやく実現されるめどが立ちましたけれども、予防接種についても、点字のこういうパンフも必要なのではないかというふうに思います。これはぜひそういう方向で実現をしていただきたい、このことをお願いしたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 全く御指摘のとおりであると思っております。有効で安全な予防接種を実施していくためには、接種医が正しい情報を持つということがまず必要でございますし、また同時に、保護者も、予防接種の対象疾病の特殊性、あるいは予防接種の効果及び副反応、また接種に当たっての注意事項といったようなものを十分理解いたしまして、接種を受けることが重要であると考えておるわけでございます。  そういう意味で、開業医の皆さんやお母さん方に私どもとしてでき得る限りの啓蒙活動をしてまいりたいと思いますが、ただいま、パンフレットの費用については少な過ぎるのではないかと。これは三千六百万円でございますから、少ないといえば少ないわけでございますが、予算の範囲内におきまして最大限の努力をしたいと考えておる次第でございます。  母子手帳の活用等につきましても、最大の努力を払ってまいりたいと思っております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 薬事法の問題について、時間がなくなってしまったんですが、一、二伺っておきたいと思います。  九一年十二月、奈良県立医科大学附属病院において、未熟児の右足首に装着したアトム無呼吸回復装置の過熱による熱傷事故が起きました。この事故は、厚生省に当時報告がありませんでした。医療用具による事故が発生した場合の届け出はどうなっているのでしょうか、ちょっと時間の関係で簡潔にお答えいただきたいと思います。

田中健次厚生省薬務局長

○田中(健)政府委員 医療用具の事故でございますけれども、そのシステムといたしましては、モニター病院の制度がございまして、そこから報告をいただくということと、医療用具の企業から副作用の報告をいただく、こういうシステムになっております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 医療用具のモニター制度と企業からの報告の直近の数字はどうなっているんでしょうか。

田中健次厚生省薬務局長

○田中(健)政府委員 モニター病院、これは二百四十七ございますけれども、平成五年度のデータでございますが、医療用具の副作用につきましては十件、それから、企業から報告されたものは四十七件でございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 なぜアトムの無呼吸回復装置、この事故が報告されなかったのか。それから、今報告があった、それぞれモニター十件、企業からの四十七件、そういうものについてどのように対応してこられたのか、その点について伺いたいと思います。

田中健次厚生省薬務局長

○田中(健)政府委員 アトムのケースでございますけれども、これにつきましては、奈良県立医大病院での事故でございますけれども、メーカーの調査によりますと、病院の配線にやはり問題があったということで、残念ながら私どもの方には情報が来ておらないわけでございます。  それから、私どもが得られました情報につきましては、専門家の意見に基づきまして、添付文書等に使用上の注意欄を設けるということとともに、医薬品副作用情報によりまして、各医療機関に情報の提供をいたしております。  それから、昨年ございましたけれども、副作用のほかにも、心臓のペースメーカーの作動不良等の重大な事故につながるおそれのある不良品につきましては、必要に応じまして回収や交換等を行わせるほか、ドクターレターの配付等によりまして、医療関係者に安全性情報の徹底を図ってきておる、こういうことでございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 こういうアトムの事件が報告されないというような、そういう情報システムに問題があると思うのですね。そこのところをきっちりしていかないと、これからの安全性の確保ということができなくなってくるのじゃないでしょうか。  今回の改正案で、医療用具の市販後の有効性、安全性の確保対策が重要な項目となっています。そのためには、事故の発生と原因を正確に把握をする、医療関係者に正確に知らせていく、そのことが大事でありますし、そのことをどう徹底しようとしているのか、そこをきちんと答えていただきたいと思います。

田中健次厚生省薬務局長

○田中(健)政府委員 おっしゃるように大変重要なことでございまして、私どもといたしましては、ことし、省令を改正いたしまして、事故について報告するように義務づけるということをいたしました。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 最後に、大臣のこの問題についての御決意を伺って終わりたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 今大体お答えしたとおりでございますが、今回の薬事法改正におきまして、高度で複雑な医療用具が出現している現状にかんがみまして、再審査あるいは再評価制度の導入など、市販後の安全対策の拡充をその柱としていることは御案内のとおりであります。  また、従来からの医療用具の副作用報告に加えまして、本年四月より、医療用具に起因する事故につきましては、製造企業等からの報告というものを省令によりまして新たに義務づけたということは、ただいま御報告申し上げたとおりでございます。  これらの方法を通じまして、できるだけ早く情報の収集を図るとともに、先ほども御報告申し上げましたドクターレターの発行、使用上の注意の改定等、安全性の情報を迅速かつ的確に供給することによりまして、医療用具の有効性、安全性を適正に確保することができるようにこれからも鋭意努めてまいりたいと考えております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 終わります。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 以上で両案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに両案について採決に入ります。  まず、内閣提出、参議院送付、薬事法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、内閣提出、参議院送付、予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ―――――――――――――

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 この際、本案に対し、衛藤晟一君外五名から、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党、さきがけ・青雲・民主の風及び日本共産党の六派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。衛藤晟一君。

衛藤晟一自由民主党・自由国民会議

○衛藤(晟)委員 私は、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党、さきがけ・青雲・民主の風及び日本共産党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。     予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるべきである。  一 予防接種の重要性につき、国民の理解を高め、引き続き接種率を引き上げるため努力すること  二 個別接種の推進を図ることにより、安全な予防接種の実施体制の整備に努めること。  三 予防接種による健康被害の発生を予防するため、予診の充実を図るとともに、ワクチンの改良開発に努めること。  四 予防接種による健康被害者の実態等を十分把握し、相談事業の充実等被害者に対する保健福祉事業の推進に努めること。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  衛藤晟一君外五名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 起立総員。よって、本動機のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。  この際、大内厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大内厚生大臣。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力いたす所存でございます。     ―――――――――――――

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――      〔報告書は附録に掲載〕         ―――――――――――――

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前九時四十七分散会

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