P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
129回国会衆議院1994/06/20

厚生委員会 第11号

発言数
185
登壇者
14
会派数
5
開催日
1994/06/20

会議録

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及び内閣提出、地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律案の両案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。根本匠君。

根本匠自由民主党

○根本委員 自由民主党の根本匠であります。私は、地域保健法の改正につきまして御質問させていただきたいと思います。  この法案につきましては、平成六年度予算の成立が大幅におくれて、厚生委員会の審議も深夜に及ぶなど、非常に異常な形で進められておりました。私も、この法案について事前の説明が不十分であったとか、いろいろな思いはあるのでありますが、厚生省さんの熱意を疑ったりしたこともあるのですが、きょうは、これはあえて問いませんで、具体的な地域保健法の改正の趣旨なり目的なりについて、まずお伺いしたいと思います。  今回の地域保健法の改正、昭和二十三年の保健所法の施行以来、これは約半世紀ぶりの改正になるわけでありまして、この背景には、人口の高齢化、出生率の低下、あるいは疾病構造が感染症から慢性病へと変化する、さらに国民のニーズの多様化、こういうことが背景になって、現在の保健所の機能あるいは市町村の保健センターの機能、役割、この辺を見直されて、改正するということでありますが、今回の地域保健法の改正の趣旨、目的についてお伺いしたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 今度の法案の問題につきまして、委員に十分な御説明が事前に行き届かなくて、大変恐縮をいたしております。  御質問の、我が国における地域保健を取り巻く状況は、昭和二十三年の保健所法以来、大変急速な高齢化の進展等、あるいは慢性疾患の増加等による疾病構造の変化が起こるなど、保健サービズに対する地域住民のニーズの高度化や多様化などによりまして著しく変わってきていることは御案内のとおりでございます。  したがいまして、この法律案は、こうした状況を踏まえまして、サービスの受け手である生活者の立場を重視するということが第一、それから同時に、地方分権を推進するという基本的な考え方に立ちまして、終戦直後に構築されました現在の地域保健対策の枠組みを、来るべき二十一世紀を展望しながら、抜本的に見直したいというところから着手したわけでございます。  この法律案の主な内容といたしましては、国と地方公共団体の役割の分担を明らかにするなど、地域保健対策の基本的な枠組みを定めましたり、あるいは保健所の機能強化、市町村の保健センターの整備や人材確保などの実施体制の整備の促進を図ることといたしておりまして、これによりまして、地域保健対策の総合的な推進、強化を図ることが月内でございます。

根本匠自由民主党

○根本委員 保健所あるいは保健センター、都道府県と市町村の機能、役割の分担、これを図りながら、いわば地域保健に関する基本法的なものに改正したということだと思いますが、この法の施行時期に関連しまして関係法の整備、いろいろやっているわけでありますが、関係法の整備におきましては、地域保健の関係それから権限移譲の関係、どうもこの問題に大別されるわけであります。  施行時期を、あるものはすぐに施行し、そして、あるものは施行時期をおくらす、この辺の考え方についてお伺いいたします。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 今先生の御指摘の、施行の時期に違いがあるではないかというようなことを御質問いただきましたが、それにお答えをしたいと思います。  この改正の内容の中に、都道府県から市町村や保健所政令市に対します権限移譲があるわけでございますが、それにつきましては、各地方公共団体の準備が必要なことから平成九年度から実施することにしまして、三年程度の準備期間を置いたわけでございます。  それから、市町村保健センターの整備や小規模町村に対します人材確保の支援等におきましては、市町村における体制の整備に関する事項でございますので、できるだけ速やかに準備を進めることが必要ということから、法案成立後直ちに実施することにいたしておるわけでございます。

根本匠自由民主党

○根本委員 政令市への権限移譲ですね。当然移行をスムーズに行うためにはある一定の準備期間が必要なんで、この辺は公共団体、つまり都道府県と市町村の組織体制の整備の問題でしょうから、これは事務分担の問題なんで、公共団体の対応ということで、この辺の施行時期で可能だろうと思うんですね。  それに対して、これは私の誤解なのかもしれませんけれども、市町村が整備して保健センターでやる母子保健サービス、これは平成九年度で本当に十分そこまで対応できるのかな、この辺、私は非常に問題だと思うんですが、その辺の、この母子保健サービスについての市町村、これが平成九年度までに可能なのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 先生御指摘のように、今回の地域保健対策強化のための法律改正の一環といたしまして、母子保健事業につきましては、健康診査それから妊産婦、新生児の訪問指導等の基本的な事業を、平成九年度から身近な市町村に移譲するということにしているわけでございます。  市町村におきます現在の母子保健事業の実施体制でございますが、既にほとんどの市町村で一歳六カ月の健康診査等が行われておりまして、事業に対するノウハウがある程度蓄積をされているということ、それから、既に市町村保健センターが平成五年十二月の段階で一千二百十五カ所、また、母子健康センターも四百七十八カ所というふうに設置をされておりまして、また、市町村の保健婦の数も平成四年十二月末現在で大体一万一千五百人程度が配置されている、こういう現状で、私どもといたしましては、既に一定の基盤整備というものは終わっているというふうに考えているところでございます。  先生御指摘のように、大丈夫かという御意見もあるのでございますけれども、母子保健事業の移譲が実施されます平成九年度には御承知のようにまだ二年余りございまして、今後保健サービスの実施拠点となります市町村保健センターの施設の整備というのを積極的に推進してまいりたいというふうに考えていること、また、必要となる市町村の保健婦につきましては所要の地方財政措置を講ずることにしていること、それからまた、市町村の保健婦に対します研修会の開催とか母子保健業務に関するマニュアルを作成、配布するというふうに、市町村保健婦の資質の向上にも配慮した形で作業を進めさせていただいていること、また、都道府県の保健所が中心となった市町村間の連絡調整、それから技術援助の体制づくりをただいま促進させていただいていること、また、地域の医師会等の保健医療関係の団体等との連携を図るように動かしているといったことがございまして一住民に身近な市町村におきましてきめ細かで十分なサービスの提供が実際に図られますように、母子保健事業の実施体制の整備を今後二年間精力的に進めさせていただきたいというふうに考えております。

根本匠自由民主党

○根本委員 この問題につきましては、後ほどの質問で再度御質問したいと思います。  法律改正の母子保健法の改正で、第八条の二で「実施の委託」という規定がありまして、「市町村は、この法律に基づく母子保健に関する事業の一部について、病院若しくは診療所又は医師、助産婦その他適当と認められる者に対し、その実施を委託することができる。」こういう法改正が行われているわけでありますが、これは母子保健サービスの権限移譲と絡めて、不十分なところにはこの実施の委託の規定を法制上きちっと書くことによって対応しよう、そんな意味合いなんでしょうか。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 先生御指摘の点でございますけれども、現在におきましても、都道府県が行う母子保健事業のうち、妊婦の健康診査とか乳児の健康診査の一部につきましては、これは医療機関の委託によりまして、また、妊産婦や新生児の訪問指導の一部につきましては、助産婦への委託によりまして実施をさせていただいているところでございます。  今回の改正で基本的な母子保健事業を市町村に移譲することとしたわけでございますけれども、市町村におきましては、健康診査等に必要な医師や各種の検査機器等のすべてを備えることが直接的にはすぐには困難な場合も想定されることでございますので、地域の医師会とか助産婦会と連携をとりつつ実は事業を実施する必要があるわけでございます。  このため、今回の改正におきまして市町村事業の委託に関する規定を設けまして、母子保健事業を円滑に実施できるように配慮をさせていただいたということでございます。

根本匠自由民主党

○根本委員 それでは次に、今回新たに身近なサービスを市町村に移行するという中でのその拠点施設である市町村保健センター、これについて、整備の促進方策それから見通し、これについてお伺いしたいと思います。これは大臣からお願いいたします。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 このたびの地域保健法案におきましては、市町村における保健活動の拠点といたしまして、ただいま御指摘いただきました市町村保健センターを今度は法定化をいたしまして、平成六年度からは国庫補助単価の引き上げも図ろうとしておるわけでございます。これまでは一カ所八千万円の補助単価でございましたが、これを九千万円に引き上げる。また、保健所を設置する市も補助対象とすることによりまして、一層の整備を促進したいと考えております。  こうした措置を通じまして、整備を希望する市町村に対しましてはその要望にこたえられるよう最大限の努力を払っていく決意でございます。

根本匠自由民主党

○根本委員 今大臣のお話わかりましたけれども、今回の改正では、保健所機能の一部を再編成しましょう、それで身近な保健サービスは市町村に移譲しましょう。母子保健事業等がその中身になるわけでありますが、この法律の条文上の書き方でありますけれども、保健所の機能を保健センターに移しますよ、それで保健センターの整備を全国的に市町村に展開しましょう、こういうことで法律に規定しているわけでありますが、例えば保健所は、これは必置規定になっておりますが、この市町村の設置する保健センター、これは「できる」という任意の規定になっているのですね。  それから補助率につきましても、保健所については、創設費及びこれに伴う初度詭弁費については二分の一、その他の諸費については三分の一、これは法律できちっと補助率を規定しているわけであります。これに対しまして、保健所の機能を一部分担するというこの保健センター、これについては、任意規定であると同時に、補助の書き方も、「国は、予算の範囲内において、市町村に対し、市町村保健センターの設置に要する費用の一部を補助することができる。」と非常に緩やかな形で書き分けておられるわけであります。特に私は財源が一番問題だと思うのでありますが、この辺の法文上の書き分けている趣旨、内容、これについてお伺いしたいと思います。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 先生の御質問にお答えします。  御指摘のとおりになっておるわけでございますけれども、市町村保健センターに対します国庫補助は一施設当たり九千万円という定額補助ということになっておりますことから、したがいまして国庫補助率というものを規定いたしていないわけでございます。  その理由というか、考え方等につきまして少し御説明を申し上げたいと思います。  市町村保健センターの整備でございますが、昭和五十三年度から予算補助という形でスタートいたしておりまして、平成四年度までは、基準面積と基準単価を算出しました国庫補助対象額の三分の一を補助するという形でやってまいったわけであります。しかし、この方式によりますと、小規模な市町村、そこでつくられます保健センターなんかについてはなかなか整備がしにくいというようなことがございまして、できるだけ広く市町村保健センターを整備していただかなければならぬ、特に小さな市町村の場合に、相対的に補助額がふえるようになったらどうかというようなお話もございまして、私ども、それに対応する対応策としまして考えたわけでございます。  こういうふうな問題点を解消するために、平成五年度からは、平均的な施設整備の実績額の三分の一に相当します定額方式に補助方法を変更いたしまして、平成五年度では一カ所当たり八千万円を補助することにしたわけでございます。平成六年度予算案につきましては、平均的な施設整備の実績額が平成五年度に比較しまして増加しております。したがいまして、国庫補助額も八千万円から九千万円に引き上げることを予定しておるということになっておりまして、やはり実績額を重視しながら増額を図っていきたい、このように考えておるものでございますから、定額補助ということにいたしたわけでございます。

根本匠自由民主党

○根本委員 だから、今のお話大変わかりましたけれども、そうなると、当初は三分の一という規定を置いておいて、ただそれは、財政力の弱い市町村では三分の一でも大変だから、定額補助をすることによって多少財政力の弱い市町村には三分の一以上の補助が結果的には行くということなんでしょうか。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 今先生御指摘のとおりでございます。

根本匠自由民主党

○根本委員 それから次に、私は、やはりこれの問題は、財政力の弱い市町村が本当に整備できるのか、こういう問題だと思うのですね。今の局長さんのお話で、これは、実際には財政力の弱い市町村には多少国費が多目に出るという話で、これはこれで大変大事なことかと私は思います。  それから、その場合に市町村の裏負担、これについてはどういう手当てをされているのか、お伺いしたいと思います。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 先生の御指摘は市町村保健センターの整備に関しますことだと思いますが、国庫補助の対象となっていない部分については起債の対象ということになっておりまして、財政力にかかわりませず市町村保健センターの整備が図れる仕組みだと考えております。

根本匠自由民主党

○根本委員 起債の充当率というのは大体どのぐらいになるのでしょうか。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 起債充当率につきましてお話をしたいと思いますが、補助金の受入額を除きました額のおおむね七五%ぐらいではないかと思っております。

根本匠自由民主党

○根本委員 そうなりますと、市町村が実際に一般財源で負担しなければいけない額、これは、もしそういう話でありますと、一般的な例では国費が三分の一、残り裏負担の三分の二のうち四分の三は地方債で充当されるとなると、要は一般財源で手当てしなければいけないのは、裏負担の三分の二掛ける四分の一で六分の一、こういうことになるわけですね。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 今先生の御指摘のとおりだと存じます。

根本匠自由民主党

○根本委員 ですから私は、財政力の弱い市町村ですと、例えば一億、二億のものをつくろうと思うと、実は一般財源で負担しなければいけない額がやや負担になって、それで進みにくいような状況がこれから出てくるのではないか、こういうことを申し上げておきたいわけであります。  それから次に、市町村保健センターの機能、役割、これはどのようなことを考えられているのか、内容をお伺いしたいと思います。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 市町村保健センターにおきます業務というものにつきましては、今回市町村の方へ権限が移譲されます母子保健等の、非常に身近な、しかも頻度の高いそういうサービスをやる場だと考えております。それから、そのほか老人保健関係の事業につきましても、実際、現在もやっておると思いますが、そういう事業もございます。それからもう一つは、いろいろ福祉との連携におきまして、やはり福祉の方の場としても使われているという実態がございます。そのようなかなり範囲の広い事業をやっておると考えております。

根本匠自由民主党

○根本委員 市町村保健センターの機能、役割はわかりましたけれども、住民の身近なニーズにこたえるために全国三千三百市町村にセンターを設置したい、こうお考えですね。全国三千三百市町村に一カ所ずつ置きたい。その場合に、人口規模は都市規模によってさまざまでありまして、やはり住民の身近なニーズにこたえるということであれば、平均的な配置基準があってしかるべきではないか、例えば人口規模に応じて。その辺の配置基準の考え方、これについてお伺いします。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 今先生御指摘の、市町村保健センターの人口規模等設置基準というものを考えたか、こういうお話でございます。  この問題につきましては、私ども、公衆衛生審議会あるいは地域保健基本問題研究会、あるいは知事会、市長会、町村会でございますか、そういう方々の代表からいろいろ御意見をちょうだいいたしました。そのときにおっしゃいましたことを総合的に申し上げれば、地域の実情をでき得る限り尊重してほしいということで、そういう形で設置することを原則とすべきであるという強い要望が出されましたことから、国としましては一定の基準を示すことは考えていないわけでございます。

根本匠自由民主党

○根本委員 今回の市町村保健センターは、今までの保健所の機能を一部移しましょう、特に住民の身近なニーズにこたえましょう、こういう基本的な考え方で行われているわけですね。それから中身としても、今お話がありましたように、妊婦さんとか乳幼児の保健管理から高齢者の介護まで保健・福祉サービスを一体的に進めたい。要は住民のニーズにきめ細かにこたえる、これが理念で、生活者の視点、こうおっしゃっているわけですね。  私は、こういう生活者の視点に立ちますと、利用者本位ということで考えれば、確かに市町村の自主性を尊重する、これは、地方分権の時代ですから、それはそうだろうと思うのですよ。ただ、本来住民の身近なニーズそして利用者本位ということで考えれば、実はこれからの福祉は少し都市計画との連携を考える必要があるだろう。やはり都市計画的な他の施設との配置論、その辺が必要なのだと私は思うのですね。  よく福祉のまちづくりとかと言いますけれども、住みやすい快適なまちづくり、福祉のまちづくり、こういう話になりますと、私は、これは市町村が個別に考えればいいという話なのかもしれませんけれども、やはり都市計画との連携、都市計画上こういうものもどう位置づけるか、これが必要だと思います。ですから、例えば他の既存の施設も活用してそれにブランチ機能を持たせるとか、その辺の考え方が必要なのだと思っておりますが、この辺についてお考えはいかがでしょうか。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 御承知のとおり、市町村の数というのは今三千二百ほどございますけれども、五年末現在で市町村保健センター自身は千二百十五ばかり設置されているわけでございます。差し引きしますと二千ぐらいあるわけでございますが、そのうちで、今先生がちょっと御指摘いただきました母子健康センターとかあるいは福祉センターというふうなものがございまして、差し引き九百ぐらいを整備しなければならぬのじゃないかなと思っております。  それから、さらに保健所政令市の分がございますが、今まで市町村保健センターに対しましては、保健所政令市の場合には補助金を出しておりません。そこで、今回、六年度からひとつそれにも拡大して出そうとも考えておりまして、その数が大体五百ぐらいにはなるのじゃないかなと思っておるわけでございまして、そのような形で整備をしていく。  ただし、それは、先ほどから何度も繰り返し申し上げておりますが、市町村の御意向といいますか実情等を踏まえた御判断というものに沿って、私ども、できるだけ補助してまいりたいと考えておるわけでございます。

根本匠自由民主党

○根本委員 この問題については、また後ほど関連で質問をさせていただきます。  次に、保健センターの機能、役割の中で、福祉と一体的なサービスを提供するのだ、こういうお話でありますが、一体的なサービスを提供するとは、観念的には、言葉としてはよくわかるのですけれども、具体的にどのようなことを考えておられるのか、それから促進方策はどのような方策を考えておられるのか、それについてお伺いいたします。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 市町村保健センターを拠点といたしまして、特別養護老人ホームや在宅介護支援センターというふうな福祉関係施設がございますが、それらとのネットワークを強化して相互に協力し合うことを想定いたしておるわけであります。  それからまた、地域の実情に即しまして保健と医療と福祉の連携を図るために、国としましても、平成六年度の予算の中にお願いしてございますけれども、こうしたモデル事業の推進を内容とする予算額を、従来の二十二億円から大幅に増額いたしまして四十二億円といたしておるところでございます。  いずれにしましても、こういうふうな制度を活用していただきまして、保健と医療と福祉というものが連携をしていくことが、サービスを受ける住民にとっては非常に幸せなことだと考えておりまして、積極的にその取り組みを支援してまいりたい、このように思っております。

根本匠自由民主党

○根本委員 大体こういう御答弁は、言葉としてはよくわかるのですね、言葉としては。ただ、本当に実際の市町村に行ったときに、福祉は市町村にゆだねました、それから今回母子保健事業等も市町村にゆだねました、だから市町村レベルではこれは一元化しますよ、これは非常によくわかるのですが、福祉と保健の連携、こういったときに、本当にその具体的なノウハウですね、これが必要だと私は思うのですよ。ですから、そういう観点からお伺いしたわけでありますが、例えば、今特養の中に在宅介護支援センターなんというのが実際あって、そんなところとダブりが生じないか、非効率にならないか。今ネットワークというお話がありましたけれども、私は、その辺の考え方、ノウハウ、これが非常に重要だと思うのですよ。  そういう観点から今御質問したわけでありますが、その中では私は、その点について大丈夫かということをお聞きしたいのと、それからモデル事業というお話がありましたけれども、このモデル事業というのは具体的にどんな中身を想定されて、いや、これは非常にいいと思うのですよ、モデル事業というのは。どんな中身を想定されているのかということと、それからこれは何かメニュー補助的なモデル事業なのか、この点についてお伺いしたいと思います。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 今先生御指摘していただきましたが、具体的にはどういうものが実際に行われるかということにつきましては、先ほどから申しておりますように、その地域地域におきましていろいろ実情も違うし、いろいろな考え方もあるかもしれません。非常に先駆的な考え方でおやりになっているケースもございます。  私の方でいろいろ考えておりますのは、市町村レベルにおきましては、福祉の仕事も、それから保健の仕事も、今度同一にやられるようになるわけでございますので、その場で、例えば共通の窓口をつくるとかそういうふうな具体的な話、あるいはそういう関係の機関、福祉事務所もございましょうし、それから保健所もございます。そういうふうなところと市町村とのつなぎをいろいろ連絡する協議会みたいなのをつくるとか、いろいろな形でやっていくことがいいのではないかと思います。そういうふうな案が上がってくるのではないかと思っておるわけでございます。

根本匠自由民主党

○根本委員 私は、自治体のこの実施体制の問題が非常に重要だと思うのですね。ですから、モデル事業、確かにこういうモデル事業をやれば、各機関が連携していろいろ物を考えるようになりますから、これは大変いいことだと思いますし、基本的には地方分権という理念を出しているわけですから、地域に考えさせる、地域の創意と工夫を最大限に生かす、これが必要だと思うのですね。  ただ、そういうモデル事業をやった成果を、やはり各市町村にそのノウハウとして提供させることも必要だと私は思うのですね。むしろそういうソフトの施策がこれは重要でありますから、その辺で私は、厚生省の、国の責任という話も規定されているわけですけれども、その辺に厚生省の役割があるのだろうと考えているわけであります。  多少時間がタイトになってきましたので先を急ぎますが、次に、人材確保の問題についてお伺いしたいと思います。  保健センター等の施設をつくっても、やはり人材の確保が問題であります。保健婦の増員の方針、そして考え方、これにつきましてお伺いいたします。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 御指摘のように、特に保健婦等のマンパワーの確保というのが非常に重要でございます。現在、保健婦の数は約一万二千人でございますが、平成十一年度にかけまして、これを九千人増とし、約倍ぐらいにしたいというのが私どもの計画でございます。  この立場から、地域保健法案では、小規模の町村の人材確保について国や都道府県の支援体制を新たに創設したところでございます。例えば、都道府県が計画を立てまして、それに対して国が助成策を講ずるといったようなこと。また、関係各省庁とも十分協議をいたしまして、各市町村に保健婦を配置するための必要な財政措置、例えば交付税の算定根拠の充実を図るといったようなことをしたいと考えておりまして、これらの措置を通じまして、市町村に必要な保健婦が確保できるように最大の努力をしたいと考えております。

根本匠自由民主党

○根本委員 九千人増員したいという話、非常に目標としてわかるわけでありますが、この辺の話になると、なかなか聞いても、そうなるはずだとか、いや、やりますという話にはなるのでしょうけれども、保健婦の場合、看護婦さんの高校卒業後三年プラス保健婦として一年必要と、こういう条件になっていますね。一方で看護婦の需要も出てくる。それから、今回の健保法の改正で付添看護・介護の院内化も行う。そうなりますと、全体のマクロバランスで本当に大丈夫なのか。その辺の見通しをお伺いしたいと思います。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 市町村の保健センターを初めとしますところのマンパワーの確保の問題でございますけれども、平成四年度末の保健所・市町村保健婦数は、今大臣もちょっとお話が出ましたが、約二万人でございます。今後、高齢化等に対応しまして、住民のニーズに応じた保健サービスを適切に提供していくという上で、地域保健活動の中心的な担い手としては、保健婦の役割がますます重要性を帯びてくるわけでございます。このために、特に保健婦の問題につきまして申し上げれば、その保健婦の養成力を拡充するなど、保健婦の需要に対していろいろと対策を講じているところであります。  今後とも増大します保健婦の需要に応じられるように、関係省庁、文部省とか自治省とかでございますけれども、そういうところと連携をとりながら、必要な保健婦の養成、確保に努めてまいりたい、このように考えております。

根本匠自由民主党

○根本委員 この辺は特に重点的にやっていただきたいと思います。  それから、今大臣の方から、交付税等で見ていると、こういうお話がありましたけれども、この財政的裏づけにつきましてちょっと詳しく教えていただきたいのですが。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 地方財政措置の問題につきまして御説明を申し上げますが、人口十万の標準団体におきまして、地方交付税上の措置されている市町村保健婦数については、従来から各地方公共団体に示してきたところでございます。今後ともこうした標準的な配置数を示していきたい、このように思います。  それから、それ以外の市町村のいわゆる人口階級別の保健婦数の標準的な目安につきましては、現在専門家の方々に研究をお願いいたしておりまして、近々まとまるように聞いております。その結果を踏まえまして、関係省庁と協議の上、公表してまいりたいと思いますが、一応私どもが平成五年度で地方財政上措置されております数字を申し上げますと、都道府県の場合は保健婦が標準団体で八人、それから市町村分といたしましては、市町村保健婦が六人及び栄養士となっております。平成六年度におきましては、この保健婦の数が八人と、こういうふうになって増員が図られております。

根本匠自由民主党

○根本委員 一般的によく交付税で見られていますよという話が非常に多いのですね。ただ、交付税措置というのは、見られていると計算上言われているだけであって、実はそれぞれの担当部局なり財政当局になると実感がないわけですね。ですから、例えば保健担当部局から言わせると、交付税で見られていると言われてもどこで見られているのかと、こんな話が出てくるわけですよ。  ですから、交付税で見るのは一般財源という形で見ているということでしょうけれども、先ほど局長さんもちらっとおっしゃられた、例えばガイドライン的なものを示せば、交付税で見られていると言っても、実際の保健担当部局、多分内部では財政当局との交渉になるわけですから、やはりその辺の目安的なものを出してあげた方が、地方分権と言いながらも、やはり国がそのガイドライン的なものを示してあげた方が誘導的な施策ができるのではないか、私はこう思っておりますが、いかがでしょうか。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 やはり地方分権と申しますか、地方自治を尊重しなきゃならぬということで、そこのお考えを十分私どもも慎重に対応していかなきゃならぬと思いますけれども、今先生おっしゃいましたように、私どもでも、人口階級別に保健婦の数はどの程度必要なのか、目安というのでございましょうか、その程度のものでございますが、研究機関でいろいろ御検討いただいておりまして、その結果がまとまればお示ししたい、このように思っております。

根本匠自由民主党

○根本委員 ぜひ私はそういうものを示してもらいたいと思います。  それから、多少時間がなくなりましたのでちょっとまとめて御質問いたします。  問題は、先ほどから申し上げておりますけれども、財政力の弱い市町村、特に小規模市町村についてどう対応するのか。例えば保健婦ゼロの市町村は平成四年度で八十三市町村に上っております。この辺に対する対策をどうするのか。  それから、人材確保計画をつくるんだ、こう言ってもこの具体的な計画のイメージというのはどんなものなんだろうか。計画をつくっても、これは具体的に人を確保する計画ですから、私は、絵にかいたもちにならないように十分な財政措置の裏づけとともに計画をきちんと進めなければならない、こう思っております。  それから、平成九年権限委譲後、その時点で未充足の市町村への対応、これについてどう考えているのか御質問いたします。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 先ほども局長等から御答弁を申し上げましたが、特に規模の小さい町村、人口五千人未満のところにおいても保健所事業が円滑に実施できますように、都道府県が人材確保支援計画を作成するということは申し上げたわけでございますが、この計画に基づく事業に対しまして、国も技術的な面、つまり財政的支援はもちろんでございますが、技術的な支援についても行いたいと思っているわけでございます。  また、市町村の求めに応じまして、都道府県の保健所が必要な支援を行うことが法律上規定されておるわけでございまして、例えば、具体的事業の実施に当たっての協力あるいは市町村職員の研修等を行うことを考えている次第でございます。これらの措置によりまして、小規模な町村においても円滑に保健事業が推進できるよう努めてまいりたいと思っている次第でございます。

根本匠自由民主党

○根本委員 今の保健所の機能で、保健婦がゼロの市町村は保健所がその保健婦さんを多分派遣するなりなんなりして対応していると思うのですね。現行の保健所では、未充足市町村といいますか、保健婦さんが配置されていない市町村、これについてはどういう対応をされているのかということと、それから平成九年度の段階で充足されなかった場合に都道府県はどんな体制で行っていくのか、その点についてお伺いいたします。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 現状はどうしているかと申しますと、都道府県が駐在所を設けて駐在保健婦という形で派遣をいたしましたり、あるいはいろいろな市町村の行事につきまして、都道府県のということは保健所の保健婦さんということになりますが、保健所の保健婦さんが応援をしたりというような形でやっておるかと思います。  私どもは、平成六年度で予算上の措置を今お願いしておりますけれども、その中でやはり同様に保健婦さんが非常に少ない市町村あるいはゼロの市町村というようなところには、町村でございますけれども、そういうところにはいろいろな形で保健所の応援をするような予算的なことを、暫定的でございますが用意をいたしておるところでございます。

根本匠自由民主党

○根本委員 私は、特に小規模市町村、財政力の弱い市町村、これについての十分な配慮を今後ともきちんと講じていただきたいと思います。  それから、続きまして保健所の機能、役割についてお伺いしたいと思います。  今回、保健所の機能、役割、これは広域的なもの、技術的なもの、専門的なもの、そういうものに特化させましょう、こういうお話かと思います。今保健所は全国で八百五十ぐらいあるやに聞いていますが、これについては、どの程度の規模にして、全国的にどんな考え方で保健所を配置していくのか、この点についてお伺いしたいと思います。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 今先生の御質問でございますが、今回の制度改正によりまして、都道府県の保健所につきましては、広域的、専門的、技術的拠点としての機能を強化するために、その所管区域を設定するに当たっては、法律におきましては二次医療圏や老人保健福祉圏を参酌するということになっております。  それをもう少し具体的に申し上げれば、現在二次医療圏というのは三百四十二ございます。保健所は、先ほどおっしゃいましたように八百四十八ございます。その地域の特殊性を考慮しても、現行では都道府県の保健所は六百三十一でございますが、おおむね四百程度に集約されるのではないかと見込んではおります。  したがいまして、保健所一カ所当たりの規模につきましても、平均すればおおむね今よりも一・五ないし二倍の程度になるものと考えておりまして、管轄区域が大きくなる、そして新しい機能を保健所はさらに加えるということになるわけでございます。

根本匠自由民主党

○根本委員 保健所の数を縮小するということから、いろいろ反対する向きもあるわけでありますが、やはり私は保健所を再編成するにしても、その辺のサービスが十分に受け入れられるような配慮を講じていく必要があると思います。  それから次に、政令市は三十五万から三十万に下げたとしておりますが、これは中核市との関連なんでしょうか。それから、政令市は従来保健センターの設置を認めないとしていたものを、今後は整備を進める市町村において認めますと。言ってみれば二層構造になるわけです。その辺のモデル的な考え方、イメージについてお伺いしたいと思います。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 簡単に申し上げれば、都道府県と市町村というものの機能分担といいますか、仕事の分担をやりまして、それぞれにふさわしい仕事を担当するということになるのだと思います。したがいまして、都道府県の保健所と、市町村が持っております市町村保健センターあるいは市町村自身がその仕事を分担してやっていく、こういうことが都道府県の場合は言えます。  それから、保健所政令市の場合には、同じ保健所政令市が保健所とそれから市の保健センターとを持つことになるわけでございます。これもお互いに仕事を分かち合いながら、あるいは連携をとりながら一体的に対応していくということになるわけでございまして、非常に市長等の御意向あるいは地方公共団体のそれぞれの意向をよく反映してやっていけるのではないかと思っております。保健所政令市という制度自身は、今回の改正の中で大きなセールスポイントになっておるのではないかと思っております。

根本匠自由民主党

○根本委員 要はこういうイメージになるのですか。保健所の圏域設定は、例えば三十から三十五万ぐらいで管轄区域を設定するわけですね。そのうち政令市は三十万だから政令市については二層構造になって、政令市は一つの保健所があって、その下に複数の保健センター、これは人口密度が濃いから複数の保健センターになりますよ。それ以外のいわゆる郡部の町村を含めたような圏域は、一つの保健所で、町村に最低一つずつと言っているわけですから最低一つずつの保健センターができる、こんなイメージなんですか。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 大体今先生の御指摘のような感じではないかと存じます。都道府県におきましては行政主体が違います。しかしながら、それぞれにふさわしい仕事を分担しまして、市町村ではどちらかというと身近な保健サービス、都道府県の保健所では広域的な、技術的な、専門的なサービスが中心になってやる、そして相補いながら地域住民の要請に対応していく。  それから、今の保健所政令市の場合には、先ほど申し上げましたようにいわゆる設置主体が同じでございます。したがいまして、恐らく保健所政令市には幾つかの保健所も持っていらっしゃると思います。そういうケースもございます。それから、市町村保健センターも、補助は出しておりませんけれども市の保健センターをつくられているというケースもございます。その辺を一体的にお考えになりまして、保健所をどういうふうに集約されるか、それは地域の特殊性がいろいろあるかと思います。その辺は、そこの地方公共団体にお任せしておるということでございます。

根本匠自由民主党

○根本委員 大体わかりましたが、最後に私の意見を申し上げて、質問を終わりたいと思います。  今回の改正は、保健所法施行から約半世紀ぶりの再編で、大臣の御説明にもありましたように、慢性病への疾病構造の変化とかあるいは高齢社会への大きな流れ、一方では、権限移譲、地方分権の時代的要請、こういうものを踏まえての改革の方向ということで、私は、保健所と保健センターの機能、役割の再編、これは方向としては合理的な方向なんだろう、こう思っております。  ただ問題は、私は、今のお話で四つほど問題があるだろうと思います。  一つは、一番大切なのは、施設整備が本当に充足されるのか、特に小規模市町村、この辺が非常に問題だろう。ですから、これはやはり都道府県の補完的な役割というものをあわせ考えながらやっていく必要があるのではないだろうかと思います。  それから二点目は、人材が確保できるか、しかも、量的確保と同時に質の向上も出てくるだろう。保健所の保健婦さんは、難治医療等高次医療、そういうものに対しての研修も必要でしょうし、それから、市町村でも保健婦さんの養成というのは必要なので、やはり何といっても、人材の確保、マンパワーの確保、これにぜひ力を入れていただきたい。  それから、福祉と保健の一体化、こういう御説明がありましたけれども、やはり問題は中身なので、地域の創意工夫を大切にしながら、モデル的なものを示してやるということも必要だと私は思うのですね。ですから、その辺のソフトのノウハウの提供、こういうものも必要ではないか。  それから、小規模市町村対策については、財政支援、これも必要ですし、やや繰り返しになりますが、モデル事業などの具体的なノウハウの提供が大事だろう。  要は、制度改正、これは理念的には私もわかるわけでありますが、町村を中心に実態がついていけない可能性がある。これは、健保法の改正で、介護が本当に院内で完全に雇用されるのが大丈夫かというものと同じような問題を含んでいると思いますが、やはりソフトランディングが重要なんで、スムーズに移行できるように厚生省は毎年進行状況をチェックする必要があるのではないか。チェックという言葉はやや語弊がありますけれども、問題点、課題を常に明らかにしてフォローアップをしていく、これが必要だと私は思うのですね。  確かに、地方分権の流れの中で自主性を尊重する必要がありますけれども、やはり、この辺のこの制度改正の趣旨を踏まえて、本当に制度改正の趣旨がかなうように、制度改正に魂が入るように、私は、厚生省としての責任を果たしていくべきだと思います。これは要望であります。  終わります。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 木村義雄君。

木村義雄自由民主党・自由国民会議

○木村(義)委員 今我が党の新進気鋭の根本先生の方から大変要点をついた質問がありました。  私は、その補足というような形で進めさせていただきたい、こう思うのでございますけれども、よく言われる、これからは高齢化社会だ、また一方で合計特殊出生率が一・五〇。これはもう一・五〇を割っているのではないかと思うので、この辺の数字も後で聞かせてほしいのですけれども、要するに、大変少子・高齢化社会となっているわけであります。  また、そういう中で、やはり地域におきましては、病気の問題、特に慢性疾患ですとか、またその他もろもろの難病、精神障害等あるわけでございますけれども、今回問題になるこの法案は、言ってみれば、我々よく保健所、保健所と言って、何となく保健所というと親しみのある言葉なんですけれども、それが、やはり時代の流れとともに、我々から見ても、一体何をやっているのだろうか、その性格がこのごろ非常にあいまいになってきた。そういう中で恐らく今度の法律の見直しの機運が盛り上がってきたのではないか、そういうふうに私は思うのです。  せっかくこういう見直しの機会を得たというわけでありますから、やはり力を入れていただきたいのは、保健という言葉は健康を保つ、こういうことになるわけでありますから、もちろん伝染病も含めて、病気にならないように予防という観点にやはり力を入れていただきたい。病気の予防、病気にならないで済む対策、そういうことにしっかりと取り組んでいただきたい。その最前線にある施設が保健所、こう思うわけであります。  食品会社に入って検査をする、そういう権力的なところもあるわけでございますけれども、その全体から見れば、余り狭い分野に特化することなく広い範囲から、これからの地域住民の方々が健康で安心をして暮らしていただける、そういう観点から今回の法律の見直しというものを検討されたと思うのですが、大臣は、その点に関してはいかがお考えでございましょうか。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 ただいま委員から御指摘をいただいた諸点、私も大体同感でございますが、御案内のように、我が国の地域保健対策というのは、終戦直後に構築されました保健所を中心といたしました枠組みで実施をされてまいったわけでございます。しかし、特に近年に至りまして地域保健をめぐる状況がいろいろ変化してきた。例えば慢性的な疾病に対する対応とかあるいは介護者対策とか、あるいは、保健と福祉との連携といったような面とか、いろいろな問題が提起されまして、これまで結核、感染症対策を中心にして発展してまいりました従来の地域保健対策のあり方を抜本的に見直すべきであるという意見が強くなってまいりまして、この見地から、二十一世紀を展望しながら、サービスの受け手でございます生活者の視点というものと、もう一つは、地方分権を重視した新しい地域保健の体系を構築する必要が生じてきた、私どもはそう認識しております。  こういう状況を踏まえまして、昨年、公衆衛生審議会で今後の地域保健対策の基本的なあり方につきまして幅広く御審議を賜り、それを踏まえまして今回関係法律の改正案を提案した次第でございます。

木村義雄自由民主党・自由国民会議

○木村(義)委員 ちょっと余談になりますが、合計特殊出生率は今どうなっているのですか。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 厚生省の統計情報部の調査によりますと、平成五年度の合計特殊出生率は一・四六ということになると思います。

木村義雄自由民主党・自由国民会議

○木村(義)委員 一・四六という大変な数字が出てきたわけでございます。そういう中で大臣が今、見直しに対しまして一生懸命取り組んでいく、恐らくこういうようなお気持ちであろうと思うのです。大臣のそのお言葉の中で地方分権ということを言っておられるのですけれども、地方分権というのはなかなか難しい話でありまして、さっきも話したのですけれども、狭い範囲になりますとどうしてもまたいろいろな問題点が出てまいります。  というのは、今回の権限移譲の中に、都道府県から保健所政令市に対する権限移譲というのがあって、診療所とか助産所とか薬店の開設とかの許可や届け出の受理等、その事務を都道府県から保健所政令市に移す、こういうことがあるのですけれども、小さな町村だとこれは特にひどいので、今回はそこまでは踏み込んでおられないのですけれども、三十万前後の市でも市長派と反市長派とに分かれて、反市長派のものは許可しないとか認めないとか届け出を受理しないとか、これは意外とあるのですね。そういう場合にはまだ県の認可の方がよかったというようなこともあり得るので、そういうことも考慮されておられるのか、これが第一点。  それから、都道府県と市町村で役割を分けた。一体どっちが何をするのか。また、病院と保健所との関係、似たようなことをやるわけでしょう、その辺はどういうふうに思っておられるのか。  以上、三点に関してお聞かせをいただければと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 先ほど根本委員からも四点ぐらい御指摘がございまして、地方分権と言うけれどもそう簡単なものではない、また木村先生から、場合によっては政争の道具にもなりかねないというような御指摘もございました。  確かに、この地方分権というものは、言うはやすく、なかなか難しい。特に、小規模市町村に対する財政的、技術的な支援というものは、これから非常にきめ細かく対応していかなければならぬと思います。また、先ほど来御議論がございました人材確保についても相当きめの細かい対策が必要であろうというふうに考えておりまして、この地方分権というものを単なる言葉に終わらせないように、私どもとしてあらゆる面で少し具体的な詰めを図っていくようにしたいと考えております。  その他二点ございましたが、局長の方から答弁をさせていただきます。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 今の先生の御質問の二番目でございますが、少し具体的に申し上げたいと存じます。  今回の地域保健の見直しによりまして、現在保健所で実施しております三歳児健診等の母子保健サービスあるいは一般的な栄養相談など、非常に基本的な身近な保健サービスが、国民にとって最も身近で利用しやすい自治体である市町村、げた履きでも行けるしサンダルでも行けるというような感じでしょうか、そういうところで提供されるということは、非常に利用者の便を図ることになるのではないかと思います。  それからまた、既に平成五年度におきまして都道府県から市町村に移譲されております福祉サービス、これと一体となって保健サービスの提供が可能となる、したがいまして、赤ちゃんからお年寄りまでの生涯を通じました保健、福祉双方にわたりますような総合的なサービスを受けることができるようになる、こういうことでございます。  さらに、都道府県の保健所におきましての機能強化等、あるいは市町村との役割分担でございますけれども、都道府県の保健所におきましては、専門的、技術的、広域的な機能が強化されることになっておりまして、その結果、難病対策とかあるいはエイズ対策、そういうふうな専門的なサービスの充実が図られるとともに、食品保健等の環境衛生面におきましても、さらに安心感を持っていただけるような体制の整備に努力をしたい、このように思っております。このような形で、全国民がさまざまな状況に応じて一層充実した地域保健サービスを享受できるようにしていきたい、このように思います。  それからもう一つ、保健所政令市へ権限を移譲するという問題でございますけれども、いろいろと権限が移譲される、その中で医療法関係あるいはそのほかのいろいろな開設許可というようなものもございます。そういうようなことにつきまして、私ども一定の準備期間を、九年度でございますので三年間ばかりございますので、そのような形で設けて準備をすると同時に、移譲されました事務が円滑に実施できますように、支所をつくるとか市町村保健センターで受け付けるとか、これはその地域地域で創意と工夫をしていただきたい、このように考えておるものでございます。

木村義雄自由民主党・自由国民会議

○木村(義)委員 今言われた三歳児健診等が市町村へ移譲されると、例えば自分で住んでいるところと勤め光とがあってその距離がある、子供を勤め先の託児所に預けておく、三歳児健診を受けるときには、昼間でその回数もないわけでありますから、また自宅へ戻ってその保健所で受けなければいけないというような、余り権限移譲にこだわり過ぎると大変不便な面が出てくるわけであります。  ですから、権限を移譲してまた範囲が狭くなって、かえって不便になるようなことも出てくるわけでございますので、そういうことはできるだけ起こらないように、広域の便利さ、あるいはまた都道府県が変わっても日本全国であればどこでも受けられるようなシステムを、予防接種とか健診とか、これはぜひとつていただきたいと思うのでございますが、いかがでしょうか。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 母子保健サービスの提供は原則として住所地を所管する地方自治体が行う、こういうことでございますが、実は現在でも、例えば里帰り分娩というふうな場合では運用上広域的に処理をするということでスムーズに行われている、そういう実態もございますので、母子保健事業を市町村に移譲するに当たりましては、保健所におきまして広域的な観点から今後も必要な調整を行うということにもしておりますので、御指摘のような場合につきましても柔軟な対応ができるように、私たちとしても十分注意をしていきたいというふうに思います。

木村義雄自由民主党・自由国民会議

○木村(義)委員 それがなかなかうまくできていないのが現状でありまして、私も、何でこんなセクショナリズムなのかということを何回も御注文を受け、そのたびごとに関係当局を煩わしてきましたので、この辺は今後徹底を図っていっていただきたい、こう思うわけでございます。  ところで、先ほどのお話の中で、げた履きでも行けるような気楽な保健所、こういうような話もありまして、本当に親身に地域の母子保健サービスを行っていっていただきたいのです。そこで、保健婦さんの役割というのが非常に重要になってくる、またある意味では重荷になってくると思うのでございますけれども、やはり問題なのは、地方の小さい町、村では小児科の医者がいない。夜子供が泣いて熱が下がらない、ところが当番医は外科のお医者さんだ、連絡してもどうもちんぷんかんぷん、こういうようなことがあるわけでございます。  そういうときに、保健婦さんに夜でも相談に乗っていただけるような、あるいは学校の養護教諭、学校の養護教諭というのは小さなお子さんには大変人気の的だそうでございまして、そういうような性格あるいはまた夜間の緊急性等、保健婦さんに期待をしては重荷になって難しいかとは思うのですけれども、そういうことも含めまして、保健婦さんの役割、また市町村保健婦、保健所保健婦さんとの役割分担をどういうふうにお考えになっておるのか、お聞かせをいただきたいと思います。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 なかなかきつい御質問だと存じます。  救急体制の整備ということにつきましては、私ども、また別にいろいろ対応策をつくり、一次から三次までの救急体制というのを各地域におきまして進めておるわけでございます。  それはそれとして、今保健婦のお話が出ましたので申し上げるとすれば、保健婦さんの場合は、そういう意味では素人ではございませんで専門家でございますし、看護婦の業務もできるし保健婦の業務もできるわけでございます。したがいまして、普通の一般の国民の方々に比べればそういう専門家でございますし、それから平素からその地域の実情も十分、医療需要供給の関係あるいは救急体制の関係、その辺は御承知おきでございましょうから、それなりの御判断を適宜されるかと思いますけれども、いずれにいたしましても、いろいろな形で相協力してそういう急患のケースの取り扱いとかいうようなものを研究し、対応していかなければならぬ、このように思っております。

木村義雄自由民主党・自由国民会議

○木村(義)委員 実際にはなかなか難しいとは思いますけれども、やはり地域の方々が安心して住める、また子育てができる、そういう意味ではぜひそういう観点から保健婦さんが本当に地域の親身な指導者として活躍ができるよう、厚生省としても大いに頑張っていただきたい。これはお願いを申し上げておきます。  次に、保健所のサービスについて、先ほどの御答弁の中で、在宅の難病の方々や精神障害の方々、またエイズ等についても今度は保健所の方が担当していくというような話になったわけでございまして、これはなかなか随分思い切った踏み込みをしておられるな。専門性の高い分野に保健所が入り込んで積極的に担っていこう、こういうことなんでございましょうけれども、精神障害者の在宅療養や社会復帰に関して精神科のソーシャルワーカーというのが今話題になっているわけでございますが、何かPSWとMSWの間でいろいろなやりとりがあってなかなか一つの体系として認められていない、そういうことをお聞きするわけでございます。  こういうのを契機として、保健所の体制を強化する中で、PSW等しっかりとした位置づけをして、この新しい保健所のシステムの中に組み込んでいく。非常に必要なことではないか。  また、こういうことをしていかないと、実際に精神障害者の方々の在宅療養や社会復帰のお手伝いが本当にできていくのか、保健婦さんにそこまで期待をしていいのかどうか、こういうことも含めてお答えをいただきたいのが第一点。  それから、エイズの話が出ましたので、エイズに関して、これは追加質問なんでございますけれども、商工委員会でPL法で血液をどうするかということが大変話題になった、こういうことが聞かれたのでございます。  ちょっと今回の問題からずれるかもしれませんが、今献血でもって輸血の血液を補っております。献血の血液の保存期間は大体三週間と聞いております。献血を受けてから三週間で、これを過ぎると今廃棄処分等をしておるわけでございます。  もしエイズにかかった方が献血をされ、検査で抗体があらわれてくるのには六週間から八週間くらいかかってくる。そうすると、もう血液は三週間以内で使ってしまうわけでございますから、実際にはエイズの菌を持った血液を輸血された場合に防ぐ方法はあるのですか。これでもし患者が被害を受けた場合にはどのようになさるのか。この点、以前からちょっと気になっていたものでございますので、追加で御質問をさせていただきます。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 保健所において精神保健関係の業務を専門機関として力を入れてやっていかなければいけないわけでございますが、それに関連いたしまして、精神科ソーシャルワーカー、いわゆるPSWの資格化ということについてお尋ねがございました。  この問題につきましては先生も経過は御存じかと思いますが、従来はMSW、いわゆるメディカルソーシャルワーカーというものの資格化の中でPSWについても考えていくという方向で検討していたわけでございますが、昨年PSWの協会、日本精神医学ソーシャルワーカー協会から、PSWの資格化ということをMSWとは分けて検討していただきたいという意見が出されました。そういう線に沿って具体的にいろいろ議論をしていたわけでございますけれども、ことしに入りまして、日本医療社会事業協会から、精神科ソーシャルワーカー、いわゆるPSWだけの単独立法といいますか、MSWと分けることについてはやはり反対であるという意見が表明されて、現在ではこの関係者の間の意見が分かれているのが実態でございます。  一方、精神科の分野におきます専門資格の確立という意味からも、精神科ソーシャルワーカーについての資格化の要望というのは前々からあるわけでございまして、そういう観点から、具体的には精神科ソーシャルワーカーの方々がやっておられる業務と医師法における医行為との関係をどういうふうに整理するのか、また精神科ソーシャルワーカーと他の医療ソーシャルワーカー業務との関係をどういうふうに整理したらいいかということにつきまして、専門の研究班をこの六月に発足させました。具体的に今申し上げたようなことについて専門的な立場から研究をしていただいて、少し問題点を整理していただこうというふうに考えているところでございます。  私どもとしては、この専門家の意見の集約を待って改めてまた関係の団体とも話をしていきたいと思っておりますが、精神保健対策を進める上で、保健所のみならず精神病院におきましてもPSWの資格化の問題というのは前々から言われて強く要望されているところでございますので、私どもとしてはできるだけ早期にこういったことについての結論が得られるよう努力してまいりたいと思っております。

田中健次厚生省薬務局長

○田中(健)政府委員 現在エイズに対します血液製剤の安全性の確保のために、問診などによりましてエイズ感染のハイリスク者を事前に排除するということを行っておりますとともに、採取をいたしました血液につきましてHIVの抗体検査を実施いたしておるところでございます。  ただいま先生からお話がございましたが、現在の最高水準の技術をもって抗体検査を実施しておりますけれども、感染後六週間から八週間の間は抗体が検出できないとされております。これは現在の科学技術の限界によるものであると考えております。それで、輸血用の血液製剤の欠陥につきましては、さらに次に申し上げますような製品の特性等の事情を総合的に判断する必要があるわけでございます。  まず一つは、生命の危機に際しまして使用されるものでございまして、ほかに代替する治療法がなくて極めて有効性が高いものであること。それから、輸血によりましてHIVの感染が生ずるおそれがある旨の警告表示がなされております。したがいまして、現在の科学技術の水準のもとで排除できないHIVの感染については、ただいま御審議をいただいておりますPL法案で言います欠陥に該当しないものと私どもは考えております。  なお、我が国におきましてHIVの抗体検査は昭和六十一年に導入をいたしまして、六十一年以後ずっと検査を続けてきておりますけれども、それ以後輸血によりますHIV感染の報告は一例もございませんで、感染する可能性は極めて低いと考えております。  私ども国といたしましては、血液製剤の安全性確保対策につきまして引き続き努力をしてまいりたい、このように考えております。

木村義雄自由民主党・自由国民会議

○木村(義)委員 今のお二人のお話、もうちょっと突っ込んでみたいのですけれども、持永委員から時間をいただきまして少し続けさせていただきます。  まず、精神科のソーシャルワーカーの話ですけれども、保健婦さんでそういうことができるのですか、それがちょっと。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 保健婦さんの場合は、いろいろと研修とかやりまして、そういうような今お話しされたような業務につきましても対応することはできるだろうと思います。

木村義雄自由民主党・自由国民会議

○木村(義)委員 だけれども、相当一生懸命研修をしてもらわなければいけないわけでございまして、精神科ソーシャルワーカー、PSWの資格化もやはりこの際真剣に御検討をいただくということでございますから、保健婦さんだけではなくてそういうものの活用も将来的には考えていっていただきたいなと思います。  それからエイズの方なのですけれども、これは単なる病気のときの出血多量による輸血と、このごろはやりの純粋な血液製剤がありますね。今の献血の大部分は、病気の輸血の血液というか、ある意味では商売と言っては日赤に失礼なのですけれども、そういう方面の血液製剤の生産のために、血が本当は余っていても足りない足りないといって献血を求めている、そういう面がある。そこで、たくさんとり過ぎて、要するに問題のある人からの輸血も数量確保のために行われを可能性があるのではないか、その辺はいかがですか。

田中健次厚生省薬務局長

○田中(健)政府委員 お尋ねの血液製剤でございますけれども、血液製剤には輸血用の血液製剤として全血製剤と血液の成分製剤がございます。そのほかに血漿分画製剤と申します製剤があるわけでございまして、過去のいろんな事故等にかんがみまして、輸血用の血液製剤は現在すべて国民の善意によります献血制度の血液で賄う体制になっておりまして、これにつきましては、先ほど申し上げましたように、現在の最高の技術水準でその中身をチェックをしておるということでございまして、私どもとしては万全を尽くしておるというふうに考えておるわけでございます。  それから血漿分画製剤、これにつきましてはまさにいろいろと加熱処理をしたり加工をいたしまして、ウイルスが不活化になるように加工いたしておりますので、仮に血液に問題がございましても、血漿分画製剤につきましては不活化しておりますので問題はないということでございます。私どもとしては、安全対策に万全を尽くしているというふうに考えております。

木村義雄自由民主党・自由国民会議

○木村(義)委員 要するに、血漿分画製剤を大量に生産するためにだれかれ構わず献血を求める今の体制を、私は、どこかの時点でやはり反省をしていかなければいけない、この点だけちょっと問題提起だけさせていただきます。  次に、原爆被爆者の関係の方についてお伺いをするのですが、聞くところによりますと、広島、長崎で原爆の被害で大変地道な研究を続けている財団法人放射線影響研究所というのがあるのだそうでございます。アメリカとの共同運営をしている、しかし、アメリカの財政難で研究所の移転等がストップしているということなんでございますけれども、やはり唯一の被爆国日本として、こういうような研究を今後続けていくことは有意義なことじゃないか。またチェルノブイリ等の原子炉の事故等においても活躍をされたというような話も聞いております。  また、厚生省だけでなくて通産省とか科学技術庁とか連携をとりながら、積極的な取り組みが必要ではないかと私は思うのです。行革の観点からいうと、また財団法人に援助するというのはそういう問題点もあろうとは思うのですが、これはひとつ積極的な取り組みを図ってはいかがでしょうかとお尋ねをいたします。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 財団法人の放射線影響研究所は、御承知のように昭和五十年に日米交換公文に基づいて、日米が原則として折半でこの責任を果たしていくというようなことで今日に至っているわけでございますが、その間、今先生お触れになりましたような放射線の人に及ぼす医学的な影響等に関します調査研究を継続的に実施をしてまいりまして、この成果は我が国のみならず国際的にも高く評価をされているというふうに理解をしております。そういったような意味では、この放射線影響研究所の研究体制の整備ということにつきましては、私どもも引き続き努力をしてまいりたいというふうに考えております。  一方、この放射線影響研究所の移転の問題につきましては、平成四年度には関係者とも協議の上、基本計画を策定をする、あるいは五年度には設計費の予算を確保するというようなことで、この円滑な実施に向けて努力をしてきたところなんでございますが、昨年の夏に米国側の財政事情が悪化をしたということから、当面この移転経費の確保が非常に困難になったというような意思表明がございまして、その後、数度にわたりまして、相手側の米国の担当省でございますエネルギー省と協議をして、従来からの計画でございますこの移転の促進が図られるような働きかけをしてきているわけでございます。大変残念なところでございますが、現段階ではまだ米国側が財政困難ということを理由にして、移転費用の支出について、現在これを支出することは難しいということを言ってきているわけでございます。  私どもとしては、特に地元広島市からも強い要望が出されておりますので、この早期移転の実現ということについて引き続き米国側と交渉を続けていきたいというふうに考えております。

木村義雄自由民主党・自由国民会議

○木村(義)委員 広島、長崎に原爆が落とされましてから、もうはや五十年がたとうとしております。被爆者の皆様方の平均年齢も、何か六十五歳ということだそうでございまして、もうこのごろは戦争を知らない大人たちも出てきて、本当に年月の流れというのは早いものでございますが、被爆者の方々の高齢者対策、今厚生省でも何か真剣に考えておられるということでございます。被爆者対策の中で、特に高齢者対策等も今後引き続いて真剣に取り組んでいただきたい、このことを御要望させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。  持永委員の時間の御協力、ありがとうございました。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 持永和見君。

持永和見自由民主党・自由国民会議

○持永委員 先ほど来、我が党の根本先生、木村先生からそれぞれ要を得た質問が行われたところでございますけれども、多少ダブる面もあるかと思いますが、確認的な意味で私は質問を続けさしていただきたいと思います。  今回の地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律、これは、最近の少子・高齢化社会の進展とそして疾病構造の変化、そういったものの中で住民が保健の面でどういう行政サービスを求めているのかなというような点を中心に改正を行ったんだというふうに聞いております。  まず最初に、大臣にお伺いを申し上げたいと思います。  先ほどもお話がありましたとおり、保健所法ができてから五十年近くが経過しておりますけれども、その保健所制度をめぐる抜本的な地域保健対策が今回の提案の法律であろうと思いますが、この法律案のそもそもの趣旨なり目的なり、もう一遍確認的な意味で大臣にお答えをいただきたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 我が国における地域保健を取り巻く状況が、先ほどもるる申し上げましたように、急速に高齢化が発展するあるいは慢性疾患の増加等による疾病構造の変化に著しいものがある、保健サービスに対する地域住民のニーズも大変高度化しまた多様化してきている、各種の変化が見られるわけでございます。  したがいまして、この法律案はこうした状況を踏まえまして、サービスの受け手であります生活者の立場を重視するとともに、地方分権を推進することを基本的な考えといたしまして、終戦直後に構築されました現在の地域保健対策の枠組みを、来るべき二十一世紀を展望しつつ抜本的に見直さなければならぬ、こういう立場に立った改正でございます。

持永和見自由民主党・自由国民会議

○持永委員 今まさに大臣おっしゃいましたけれども、住民の立場といいますか、生活者の立場といいますか、受け手の立場といいますか、そういった面からの法律の見直しというのが大事なことだと思います。市町村保健センターが法律上に位置づけられるとかあるいは地域保健対策の理念や責務というものが法律上明示されるとか、それはそのこと自体で重要なことではありますけれども、やはり受け手の立場としての地域保健サービスがどういうふうに受けられるかということが極めて大事なことであろうと思います。  そこで、今度の改正によって住民の人たち、受け手の人たちに保健サービスの面での受け方がどういうふうに変わってくるのか、どんなメリットがあるのか、その点をお伺い申し上げたいと思います。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 今回の法律改正によりまして実際に住民がどういうメリットを得るんだろうかというふうな御質問でございますので、お答えをしたいと思います。  今回の法律改正は、先ほど大臣からお話を申し上げましたように、サービスの受け手であります生活者としての国民の立場というものを非常に重視するということと、地方分権を推進するということが基本的な考え方になっておるわけであります。こういう考え方に立ちまして、具体的に申し上げれば、母子保健サービスなどの身近な保健サービスの実施主体を市町村にする、こういうことになりまして、赤ちゃんからお年寄りまでの生涯を通じました健康増進あるいは健康の維持というふうな健康づくりが、住民に最も身近であります市町村という地方公共団体で行われる、こういうことになるわけであります。  また、既に市町村が実施主体となっております、これは法律の改正によりまして五年度よりなっておりますが、福祉サービスというものの連携を図ることによりまして、地域住民が保健や福祉にいろいろな問題を持っております、特に複合的にあるいは複数的にいろいろなニーズを持っていらっしゃる、こういうことに、窓口を総合窓口としまして対応することができるようになるのではないかというふうに考えておるわけであります。  一方、保健所でございますけれども、これは先ほどから申し上げておりますように、専門的、技術的、広域的機能を強化することによりまして、エイズ対策でございますとかあるいは難病対策、精神障害者の方々の対策など、そういうふうなことに充実が図られる、こういうことになると思います。  このようにいたしまして、保健所と市町村がそれぞれにふさわしい役割を担う、こういうことに上りまして、住民に対し利用しやすく内容の充実した保健サービスを提供することが可能になるのではないか、このように思っているわけでございます。

持永和見自由民主党・自由国民会議

○持永委員 今回の法律改正で一つの大きな変革というのは、保健所というのが抜本的に変わっていくことにあるのではないかと思います。今まで、政令市そして都道府県では大体人口が十万単位ぐらいごとに保健所を設置する、こういうふうな基準になっていたと思いますが、今度の法律ではこれを、二次医療圏を中心に保健所をつくっていくということになりますと、大体三十万から四十万単位ということで保健所ができることになります。そうすると、数が大体半分。聞くところ、今保健所が八百四十八ぐらいあるようでありますが、二次医療圏ということになりますと、これが三百四十二ぐらいになりますから、半分以下になります。  保健所が従来、地域の保健サービスに極めて効果的な機能なり役割を果たしてきたと思いますけれども、こういった改革について、本当にそういった意味での真のサービスの低下を招かないかどうか、その点が一つ危惧されるところでありますから、その点をお伺いしたい。  あわせて、保健所がそういうふうに数が少なくなりますと、保健所に今張りついております職員に大変な不安が出てまいっております。そういった点についてもどういうふうにされるのか、ひとつぜひお答えをいただきたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 御指摘のように、今保健所の数は八百四十八あるわけでございますし、そのうち都道府県が六百三十一ということなっているわけでございます。  今回の制度改正では、都道府県の保健所と市町村の役割分担を見直しまして、母子保健サービスなど住民に身近なサービスにつきましては、住民が最も利用しやすいしやすい市町村を実施主体としたところにございます。こうしたことを前提とした上で、都道府県の保健所につきましては、専門的、技術的、広域的機能を強化するためにその規模を拡大することになるわけでございますが、各保健所の実情に即しまして巡回サービスを実施するなどの創意工夫を行いまして、利用者の便を図るよう指導してまいりたい、こう思っているわけでございます。  いずれにいたしましても、今回の法改正によりまして都道府県の保健所の職員がその意に反して解雇されるといったような心配は絶対ないものと考えております。

持永和見自由民主党・自由国民会議

○持永委員 ぜひそのような配慮をお願い申し上げたいと思います。  今回の法律改正、もう一つは、市町村への権限移譲が大きな柱でございますが、この権限移譲の問題について二、三お伺いを申し上げたいと思います。  一つは、母子保健事業の権限移譲でございます。今までの母子保健事業というのは保健所を中心にその充実が図られてまいってきております。その成果が極めて上がっていると私は思っておりますが、乳児死亡率などについて見ますと四・五という世界のトップレベルにあります。そういった意味で、保健所が果たしてきた役割というのは極めて高く評価されるべきだと思いますけれども、今回の改正で母子保健事業が市町村に移譲される、その場合に都道府県と市町村との関係はどこがどのように変わってくるのか、御説明をお願いします。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 これまでの母子保健事業につきましては、都道府県において妊産婦や三歳児等の健康診査、それから妊産婦や新生児等に対する訪問指導、未熟児に対する医療の給付ということが行われてきました。また、市町村において母子健康手帳の交付とか一歳六カ月児の健康診査、また母親学級の開催というふうなことが行われてきたわけでございます。  今回の母子保健法の改正におきましては、このような従来の都道府県と市町村の役割を見直しまして、基本的な母子保健事業につきましてはその実施主体を御承知のように市町村に一元化するということにしたわけでございます。  改正後におきましては、都道府県においては、未熟児に対する訪問指導とか医療の給付など専門的な知識と技術を要するサービスを提供するということ、それから市町村間の連絡調整あるいは技術的な支援、そうったことを都道府県が行うことになります。また、市町村においては、妊産婦、乳幼児の健康診査、また妊産婦及び新生児に対する訪問指導などの基本的な母子保健サービスは一元的に市町村の役割というふうなことになるわけでございます。  この改正によりまして、住民に身近な市町村において、妊婦、出産から育児まで一貫したきめ細かな母子保健サービスを市町村が提供するということになるわけでございまして、都道府県においては専門的な業務をさらに一層推進していただくことになるというふうに考えております。

持永和見自由民主党・自由国民会議

○持永委員 母子保健サービスを市町村に一元化して住民の人にとっては受けやすい形にする、便利な形にする、そのこと自体は望ましいことではあると思いますけれども、先ほども議論が出ておりますが、全国の市町村三千三百ありますけれども、市町村の現状の体制から見て果たして本当にできるのかな、市町村で。実施体制の問題あるいは人材の問題、そういった面で本当にできる実情にあるのかなという危惧もまた否定し得ないことだと思います。  こういった点について、今後どういうふうに厚生省としては都道府県なり市町村を指導され、その体制整備、人材確保を図ろうとしておるのか、お伺いを申し上げたいと思います。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 市町村におきます母子保健事業の実施体制につきましては前にもお答えさせていただきましたけれども、既にほとんどの市町村で一歳六カ月児の健康診査が行われておりまして、こういった事業に対するノウハウなどは十分に蓄積されているというふうに考えております。また、市町村保健センターが平成五年十二月現在で千二百十五カ所、また母子健康センターも四百七十八カ所というふうに施設の整備をされておりまして、市町村保健婦も約一万二千人が配置されている、こういう現状でございまして、既に一定の基盤整備がなされているというふうに私たちは考えているわけでございます。  今後平成九年度に予定されております母子保健事業の移譲に当たりましては、保健サービスの実施拠点となります市町村の保健センター等の施設の整備をさらに推進していくこと、また、必要となる市町村保健婦につきましては所要の地方財政措置を講じていくこと、また都道府県の保健所が中心となりまして市町村間の連絡調整及び技術援助の体制づくりをしていくこと、また地域の医師会等の保健医療関係の団体等との連携を図っていくこと、こういったことによりまして、住民に身近な市町村において十分なサービスの提供が図られるように努めてまいりたいというふうに考えております。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 ちょっと速記をとめてください。     〔速記中止〕

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 それでは速記を始めてください。  持永君。

持永和見自由民主党・自由国民会議

○持永委員 数が少ないときに質問するのも何か気が抜けますけれども、ひとつよろしくお願いします。  次に、今と同じような問題なんですけれども、今後母子保健サービスも市町村の保健婦さんがするということになります。先ほど九千人の増員をというような大臣のお話がございましたが、具体的にこの九千人の増員をどういうような形でおやりになろうとしているのか。  それからもう一つは、費用の一般財源化なんです。これも先ほど議論に出ましたけれども、交付税で担保するというようなお話でございますが、算定根拠はどういうふうになっておるのか、どこまで自治省との間で調整、話し合いが進んでいるのか、そしてまた各自治体に対してどういうような指導をされているのか、この点をお伺いを申し上げたいと思います。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 先ほどの御答弁で申し上げましたが、平成十一年度までに九千人の増員を図るということで、関係省庁と申しますのは自治省でございますけれども一お話をしておりまして、地方財政措置でもって増員を図る、こういうことになっております。具体的には、平成六年度の問題につきましては、先ほどちょっと御答弁申し上げましたが、保健婦については八人ということで数字が入ってございまして、それぞれ都道府県等にもお示ししておることと承知しております。  私どもも、そのほか、保健婦がいないか、あるいは一人というような町村というようなところで過疎地域等保健婦等設置促進事業というものを行いまして、そこらに特別な補助金を出してその増員を図ってまいりたい、このように思っております。

持永和見自由民主党・自由国民会議

○持永委員 次は、今回の権限移譲の一つとしての栄養改善法の問題がありますので、それについてお伺いいたします。  今日人生八十年代というような長寿社会になってまいりました。いわゆる成人病というのが大変大きな問題になっております。高血圧とか心疾患とかいった成人病に対する対策というのが大きな問題になっております。成人病というのは慢性病でもあります。その慢性病というのは日ごろの生活態度というのが大変大事なものである、食生活の問題も大きな問題でございます。その食生活の面で、栄養面から的確に対応していくということが大事なことではないかと思います。したがっ一で、そういう意味で今回の地域保健の改正で住民の栄養相談、栄養指導、そういったものを行おうとする栄養改善法の改正がありますけれども、私はこういった点は大いに推進をされてしかるべきだと思っております七  ただ、問題は、これも同じような問題でございますが、やはり栄養指導あるいは栄養サービス、そういった点では専門職員の確保が大事なことであるかと思います。いずれもその人材の面で今回の法律にはいろいろな点で問題がありますけれども、この栄養指導業務職員の確保、これについてどういうような計画をお持ちなのか、お伺いを申し上げたいと思います。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 市町村の栄養職員につきましては、市町村におきます栄養行政が進むよう、既に配置されている部分につきましては平成五年度から地方交付税で措置をされているところでございますが、今回の法改正によります栄養指導業務の市町村移譲に伴いまして新たに必要となる栄養職員につきましても、地方交付税上措置がされ、その必要数が確保されますよう万全を期してまいりたいと考えております。

持永和見自由民主党・自由国民会議

○持永委員 以上、個別の問題は終わらせていただきたいと思いますが、何といいましてもこれからの地域保健対策というのは、これも議論が出ておりますけれども、保健、医療、福祉というものが一体となって総合的な形で進めなければならないということは、これは言えることだと思います。  地域保健対策が効果を発揮するためには、地域それぞれの特性あるいはほかの医療、社会福祉施策、そういったものとの有機的な連携が大事なことでございます。そういった意味で、これから保健、医療、福祉の有機的連携をどういうふうに進めていかれるのか、この点をまず基本的に大臣に御質問を申し上げたいのです。  あわせて、これは事務方でも結構ですけれども、今、各市町村に保健関係のセンター、福祉関係のセンター、医療関係のセンター、そしてまた施設、病院、いろいろな上物がございます。そういった上物の総合的な役割分担、総合的な有機的なその機能に応じた役割分担をきちんとしないと、一人一人の住民は、自分のニーズに対して一体どこへ行けばいいのだというようなことで大変迷っておられることもある。だから、そういう面で、先ほどモデルをつくるというお話がございましたけれども、具体的に何かモデルがありましたら、その中身をお示しいただきたい。  それから、そういった医療の面、保健の面、福祉の面、厚生省でも部局が違いますが、県に行くと県でまた部が違うわけですね。それがおのずから上から下に指令がおりてきて、市町村という地域ではなかなか現場でお互いの連絡調整がうまくいっていない、そういう問題がありますから、そういった点についてひとつ厚生省が、中央は厚生省で、あるいは地方の段階は都道府県が積極的に強力な指導を市町村にしてもらって、本当の意味で住民の人たち一人一人のニーズに対応して、そこで事が完結するような形での医療・福祉・保健サービスというのが一体的に行われることが私は大事なことではないかと思います。そういう点で、将来どういうふうに持っていかれるか、あわせてお伺いを申し上げたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 ごもっともな御指摘でございますが、人口の高齢化あるいは慢性疾患を中心といたしました疾病構造の変化に伴いまして、地域住民のニーズも保健、医療、福祉を通じました複合的なものとなってきております。地域における保健サービスの提供もこうした状況に適切に対応できるものであることが必要である、私どももそう認識をしているわけでございまして、今回の地域保健法案におきましては、一つは、国や地方公共団体の地域保健対策につきましては、社会福祉等の関連施策との有機的な提携に配慮することを基本理念としているわけでございます。厚生大臣が定める基本指針の内容の一つといたしまして、社会福祉等の関連施策との連携に関する基本的事項を位置づけておりまして、法案成立後、有識者の御意見を伺いながら、具体的な指針を策定することといたしておるわけでございます。  また、地域保健推進特別事業におきまして、市町村等における保健、医療、福祉の総合的な推進に関するモデル事業を実施することとしておりまして、これによって一層地域における保健、医療、福祉の連携が推進されるものと私どもは考えているわけでございますが、先生御指摘の、市町村保健センターのほかに市町村には母子保健センターもあったり各種センターがあったり福祉施設がある、これらを有機的に連携するように連絡協議会等も設けるべきではないかということは全く御指摘のとおりでございます。  今回、地域保健法に基づきまして、先ほど申し上げました厚生大臣が定める基本方針におきまして、まずそのモデルといったようなものを指針として出したい、こう考えておりまして、社会福祉等の関連施策との連携に関する基本的事項をその中で盛り込んでいくこととしているわけでございます。そういうことから、御指摘の点、つまり連絡協議会等についての設置について積極的な指導を行えということについては、私どもとしては十分意を体しまして適切に指導してまいりたいと考えておる次第でございます。

持永和見自由民主党・自由国民会議

○持永委員 大臣、厚生省も各局がございまして、福祉の関係、保健の関係、医療の関係、それぞれ各局ございますから、これはまずは大臣のリーダーシップを十分に発揮していただくことが大事なことだと思いますから、ぜひひとつよろしくお願いします。  次に、今回のこの地域保健の改正について、先ほど来、また我々同僚の議員からも問題がありましたとおり、やはり一つ大きな問題は人材確保の問題であろうと思います。保健婦あるいは管理栄養士、栄養関係の職員、そういったものの人材の確保をどういうふうに具体的に、かつ着実にしていくかという問題があると思います。  もう一つは、特に市町村には財政力が弱い、また実施体制、事務体制も弱いというようなところがありますから、こういったところについての財政上の支援の問題あるいは実施体制の整備についての国なり都道府県の指導の問題、こういった問題が大変大事な問題であろうかと思います。こういう点について、この法律改正後、これを実施されるに当たっての大臣の決意をお聞かせをいただきたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 今回の制度改正は、国、都道府県、市町村がそれぞれにふさわしい役割を果たしながら住民の皆さんの健康の保持と増進を図ろうとするものでございまして、平成九年度から本格施行に向け、円滑に実施できるよう、一つは施設の整備、もう一つはマンパワーの確保等につきまして厚生省としても最大の努力を図る決意でおります。  また、より具体的な対策につきましては、地方公共団体の代表などで構成されます公衆衛生審議会の意見もお聞きした上で地域保健対策の推進に関する基本指針を定めることになっておりますので、その具体的な提言に沿って施策の充実に努める所存でございます。

持永和見自由民主党・自由国民会議

○持永委員 それでは、原爆関係について一点だけお伺いを申し上げたいと思います。  先ほど木村先生からも御指摘ありましたとおり、来年がちょうど原爆投下五十年という節目に当たります。被爆者の方々は、いろいろな思いで、万感の思いでこの節目を迎えられるのではないかと思いますが、この被爆五十周年、こういった大きな節目に向けて厚生省として何か特別な、特段の取り組みをされておられるのかどうか、その点をお伺いを申し上げたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 これまでの歴史的な経過を振り返りますときに、四十年とか三十年とか、その節目節目には、例えば原爆被爆者の実態調査の実施など、いろいろなことを考えてまいったわけでございます。  来年は、特に五十周年という大きな節目でございますので、厚生省といたしましても、何らかの取り組みをしなければならないと思いまして、今それなりに検討をいたしておりますが、この問題につきましては、特に広島市あるいは長崎市等地元県、市と十分な協議を行うことが必要であると考えておりますので、それら関係の県、市と十分御相談を申し上げまして、来年どういうことをやることがふさわしいか、我々なりに努力して真剣に取り組みたいと考えておる次第でございます。

持永和見自由民主党・自由国民会議

○持永委員 ぜひひとつ、関係者の方々の御意向を踏まえて、厚生省としてもそれなりの対策を講じられますようにお願いを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 五島正規君。

五島正規日本社会党・護憲民主連合

○五島委員 社会党の五島でございます。  今回、地域保健法改正の基本理念として、生活者個人の視点の重視、多様な価値観に合わせたサービスの提供、地域の特性を発揮した保健と福祉の連携といったようなことが挙げられています。日本の公衆衛生活動というものを振り返ってみますと、これまで、やはり伝染病時代に色濃くございました、選別、管理、隔離を方法とする社会防衛的なそういう理念のもとにおいての活動というものが一本貫いてきたわけでございますが、今日、保健活動は福祉と結びついて進めなければならない、そういう時代になってまいりました。  そういう意味におきまして、今回の法改正は、こうした時代の方向に合致するものであるというふうに評価したいわけでございますが、しかしながら、もう一方において、福祉と結びついた対人サービス部門というものが市町村の保健センターに移管され、保健所そのものは、より社会防衛的な行政を行うパブリックヘルスセンターからヘルスオフィスとして整理されていくためのものではないかという疑念もあるところでございます。その点についてどのようにお考えなのか、まずお伺いしたいと思います。     〔委員長退席、網岡委員長代理着席〕

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 今先生の御質問、私が理解いたしますところによりますと、今地域保健法の改正によりまして、保健所と市町村保健センターとが、どうもヘルスの方へ偏るというのでございましょうか、そういうような方向にだんだんと整理されていくのではないか、福祉との連携が重要だと言われながらもそういうふうな懸念があるのではないかという御質問、こういうふうに理解いたしまして、お答えいたしたいと思います。  これは、保健所におきましても、関連の福祉のサイドは福祉事務所等でございますが、そういうところとの連携は強化しなければならぬというようなことで、圏域等についてもその辺を参酌するようにというようになっておりますし、また、市町村保健センターにおきましては、今、現状におきましても福祉のいろいろなサービスというものが行われておる実情も私ども耳にしておるわけでございます。しかし、今後も、さらに福祉との連携を考えながら、その市町村保健センターはこれから事業を進めていかなければならぬ、保健サービスを進めていかなければならぬと考えております。  ただ、保健センターを中心に、市町村レベルにおきまして、特別養護老人ホームでありますとかあるいは在宅介護支援センターとかいろいろなそういう福祉施設がございますが、そういう施設との連携をやりながら、それぞれの持ち場と申しますか機能を果たしながら連携を図っていくべきだ、このように考えております。

五島正規日本社会党・護憲民主連合

○五島委員 市町村におけるそうした活動が福祉と結びついて、この法案に書かれているような方向に進んでいくということについては歓迎するわけでございますが、その結果として、保健所が、ますます社会防衛的なそういうヘルスオフィスになるのではないかという疑念を持ちながら、質問を続けさせていただきたいと思います。  本法案では、まず、二次医療圏及び老人保健福祉圏をしんしゃくして保健所の所管区域を設定することとなっているわけでございます。しかし、昨年七月の公衆衛生審議会の意見具申では、現行の医療圏は保健サービスの提供を念頭に置いて設定されたものでない、また、医療圏の人口や面積については地域によってかなり差があることについて留意すべきである等々が指摘されているわけでございます。この指摘についてはどのように対応していかれるお考えなのか、医療法との関連もございますので、ぜひ大臣の御答弁をいただきたいと存じます。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 地域保健法案では、都道府県は、保健所の所管区域を定めるに当たりましては、保健医療に係る施策と社会福祉に係る施策との有機的な連携を図るために、二次医療圏や老人保健福祉圏を参酌することとされているわけでございます。これは、都道府県が保健所の所管区域を設定する際の基本的な方針を法律に明記したものであります。しかしながら、御指摘のように、第二次医療圏の人口や面積には地域によってかなり差がございまして、こうした実情にかかわらず、全国画一的に保健所の所管区域を医療圏に合致させることには無理がある場合もあると認識をいたしております。  したがいまして、保健所の所管区域を地域の実情に即して定めていくことは、厚生大臣の定める基本指針の中の保健所の整備及び運営に関する基本的事項の中に含まれている課題でございまして、したがいまして、御指摘の点もよく踏まえまして、公衆衛生審議会において十分御審議をしていただき、御指摘のようなことにならないように、私どもとして、鋭意努力をしていきたいと考えております。

五島正規日本社会党・護憲民主連合

○五島委員 従来の経過から見まして、保健医療圏といいますか保健所の所管区域というものは、おのずから、それぞれの市町村のそういうこれまでの行政の実績というものもあるわけでございまして、それを軸に考えられるというふうに考えます。しかし、二次医療圏につきましては、病院の病床というものを念頭に置いて極めて人工的につくった区割りであるということもございまして、保健と医療との圏域が一致しないという場合が起こってきた場合、その点は、やはり現地と十分相談した上で、この医療圏そのものも見直すという方向でぜひお考えをいただきたいというふうにお願いしておきたいと思います。  次に、地域保健法は、地方分権を基本理念として、各地域の実情に合わせた地域保健事業が展開されるとなっているわけでございます。これまでも地域保健事業は、保健所を拠点として、市町村の協力のもとで実に多様な活動を続けてきたわけでございます。今回の改正で、こうしたこれまでの保健所を中心とした地域保健活動というものがどのようになっていくのか、また、保健所はどのような役割を担っていくことになるのか。各種の対人サービスや事務の移譲ということによって保健所の機能というものが弱体化していくのではないかという不安があるわけでございます。その点についてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 私ども、従来から、保健所の果たしてきました役割につきましては、先生が今御指摘なさいましたように、結核でございますとかあるいは赤痢等の伝染病対策、あるいは、生活環境の整備という意味で大きな役割を果たしてきたものと高く評価しておるわけでございますが、地域保健を取り巻きます環境の変化というのは、これはまた、先ほども大臣からお話がございましたように、非常に大きく変わってきております。そこで、私どもは、それに対します対応策を考えていかなければならぬということで、今回改正をお願いしたわけでございます。  今回の法律改正は、サービスの利用者であります地域住民というものの視点を重視する観点から、市町村と都道府県の役割分担をまず見直しまして、身近で頻度の高い保健サービス、母子保健等の実施主体を市町村とする、そして都道府県の保健所は、エイズや食品衛生などの広域的、専門的、技術的な業務というものを担う機関としてその機能を強化する、こういうことにいたしておるわけでございます。  もう少し具体的に申し上げれば、まず保健所は、新たに地域保健に関します企画、調整を行うこととしたこと、またその事業の対象としまして、医事、薬事、難病対策、エイズ対策を位置づけたということでございます。それからさらに、保健所が情報の収集、整理、活用と調査研究を行うことができる旨を明らかにしたことでございます。特に都道府県の保健所におきましては、広域的な観点から、母子保健サービス等の実施について、市町村相互間の連絡調整、市町村職員の研修など、その専門性を生かした、市町村に対します支援を行うことができることにしたわけであります。  このようにいたしまして、保健所は、広域的、専門的、技術的機能を有する地域保健対策の中核的な拠点といたしまして、従来にも増して重要な役割を担うこととなるものであり、その機能が弱体化するという懸念と申しますか、御指摘は当たらないものと考えているわけでございます。     〔網岡委員長代理退席、委員長着席〕

五島正規日本社会党・護憲民主連合

○五島委員 保健所において難病の対策であるとかエイズ対策あるいは精神保健の対策というふうなものが残っていくということになっているわけでございますが、確かに、これらの部分における対人保健サービスについては、広域的に県のレベルでやるということについて全くの正当性がないわけではないというふうに考えます。しかしながら、これらの個別の問題を考えていった場合に、例えば精神障害者に対する社会復帰、あるいは難病の患者さんに対する在宅療養での支援、これらの問題については、必ずしも広域的にやるのがいいのか、その患者さんがお住まいになっておられる市町村の中においてきめ細かい対人サービスを受けられるのがいいのか、そういう問題とも絡んでくるかというふうに考えるわけでございます。  そういう意味で、保健所の機能というものが、これらの対人サービスについて、市町村に今回つくられようとしております保健センターと、それから都道府県のつくっているところの保健所の業務とがどのように絡み合っていくのか。その辺は、例えば具体的に保健婦さんの業務としてこれらの問題はどのように関連していくのか。その点についてお伺いしたいと思います。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 今先生の方で具体的な例を挙げられました精神障害者の社会復帰対策あるいは難病患者に対する在宅医療といったような問題につきましては、確かに従来から、市町村でこれをやるべきか、あるいは保健所でやるべきかというような議論はあったわけでございます。ただ、御承知のように、精神障害者問題、精神障害者の社会復帰対策というのは、率直に申し上げて、大変まだまだこれからやっていかなきゃいけない分野でありますし、そういう意味では、私どもとしては、特に精神障害者の社会復帰対策を中心といたしました幾つかの施策を昨年の精神保健法の改正でも認めていただきまして、この四月から実施をしているわけでございます。  いわゆる社会復帰ということに関係いたしますが、保健所におきまして従来から、精神障害者の相談事業あるいは訪問指導というようなことを、主として保健婦さんを中心にしてやっていただいてきているわけでございまして、また、本年度から新たに、精神障害者社会復帰相談指導事業というものを全保健所で実施をするというようなことを考えているわけでございますので、そういう意味で、この改正を機会に精神障害者の社会復帰あるいは相談事業というものが保健所の中での事業としてさらに定着をしていくということを期待をしているわけでございます。  また、一方、難病の在宅医療でございますが、確かに在宅医療という意味におきましては、市町村との関係というのは大変深いわけでございますけれども、やはり難病の患者さんというものがほかの一般の疾病に比べればそれほど多くないといったようなこともございますし、ある程度専門的な知識も必要とするということから、難病患者の対策につきましては、難病患者地域保健医療推進事業ということで、医療相談事業それから訪問診療事業、これを特に平成六年からは全都道府県に拡大をして実施をするといったような予算措置も講じることとしているわけでございますので、こういったような保健婦さんが中心になって事業を組み立てていただくものの一つだというふうに私どもは認識をしておりまして、今回の法改正を機にさらに保健所における難病対策というものは充実をしていかなきゃいけない、このように考えております。

五島正規日本社会党・護憲民主連合

○五島委員 今のお考えというのは極めてデスクワーク的な考えでございまして、現実の現場において、市町村の保健センターの保健婦さんと保健所の保健婦さんとのかかわり合いという点について後ほど改めてお伺いしたいと思います。  そこで、もう一つお伺いしたいわけですが、保健所の業務の中で公衆衛生活動というのが大きな課題として残っていくと思うわけでございます。今中小の町村が、成立いたしました水原法の関係において水道原水の検査というものについて、いずれかに委託してやらなければいけないという状況があるわけでございますが、地域の実情に応じてこうした中小の町村の設置しております水道原水の検査という問題についても保健所の業務とすることが明確に定められる必要があるんではないかと考えるわけでございますが、その点はいかがでございましょうか。

柳澤健一郎厚生省生活衛生局長

○柳澤政府委員 先生おっしゃるとおり、水道水の水質検査については、水道法の第二十条におきまして水道事業者がみずから検査施設を設けて行うことを原則としておりまして、地方公共団体の機関または厚生大臣の指定する機関に委託して行うこともできるというふうにされているわけでございます。  この水質検査を委託して行う場合、基礎的な検査項目につきましては保健所で、それから高度な検査項目につきましては都道府県等の衛生研究所や厚生大臣が指定いたします検査センターにおいて実施されていることが通例でございます。なお、検査体制の整備された一部の保健所におきましては、高度な検査項目も含めまして、検査を実施しているのが現状でございます。  厚生省といたしましては、水道水の水質検査体制につきましては、都道府県において水道水質管理計画を定め、計画的な体制整備に努めるよう指導してきておるところでございまして、今後ともこの計画に基づきまして、地域の実情に応じて保健所の活用がなされることが望ましいというふうに考えているところでございます。

五島正規日本社会党・護憲民主連合

○五島委員 従前も一般的には窒素の含有量であったり、そういうものについてはやってきているわけでございますが、今日、この水道水源の中で非常に問題になってきているのは、そうしたものよりももう少しさまざまな化学物質の検査、農村地域においては、例えば農薬やゴルフ場の除草剤といったような問題についての不安も高まってきております。しかも、これらは一度雨が降ってしまうと、なかなか散布の直後の状態の再現が難しいという問題もございますので、かなりそういう散布直後の水の採取と検査というものも必要になってまいります。  そうしますと、どうしてもそれらの町村が設置できないところにおいては、保健所において、せめて高速クロマトグラフぐらいの施設を持って、そうした町村のニーズに対応していけるようにぜひお考えをいただきたいというふうに思います。この点につきましては、この場においての御回答は難しいかとも存じますが、ぜひ前向きに御検討をお願いしたい、御要望を申し上げておきたいと思います。  次に、この新制度によりまして、市町村保健センター及び保健所の保健婦の配置はどのようになるのか、お伺いしたいと存じます。  先ほど、自民党の根本委員の質問に対して、大臣は、現在一万二千人の保健婦を平成九年度に九千名増員すると答弁されたと思います。その一方で、現状を倍にするとも答弁されたように聞きました。この辺はどのようにお考えなのか、まずお伺いしたいと思います、

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 今御指摘の、大臣からの御答弁の件でございますけれども、その中で、九千名を平成十一年度までに増員するということにつきましては、地方財政措置で行うということに決めておるわけでございます。これは関係の自治省とのお話でそういうことになっておるわけでございます。  今、倍増とおっしゃいましたが、それはその市町村の保健婦の方の倍増というふうに思います。と申しますのは、保健所の保健婦ももちろん増員をするということでいろいろとお話を進めておりますけれども、そのほとんどは市町村の保健婦の増員でございます。

五島正規日本社会党・護憲民主連合

○五島委員 ちょっとその話がわからないのです。現在一万二千人の保健婦さんがおられる。これの倍ということになりますと、二万四千人というのはだれもがわかるわけでございますが、その保健婦さんをトータル二万四千人にまで増加させるのかどうか、その場合、保健所の保健婦をとれだけにし、それから市町村の保健婦さんをどれぐらいにしようというふうに考えておられるのか、ちょっと数を入れて明確にお答えをいただきたいと思います。  現在合意されている九千名の増員というのは、現行のゴールドプランによる増員分であって、今回の法律による権限移譲によって起こってくるところの数ではないはずでございます。したがって、それを含めたトータルの数としてどういうふうにしようとしているのか、もう一度明確にお答えをいただきたいと思います。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 まず現状から申し上げますと、保健所の保健婦が八千八百ほどでございます。市町村の保健婦が一万一千程度でございます。  そこで、今大臣からのお話がありました九千名と申しますのは、市町村の保健婦をふやす、それを平成十一年度までに行うための地方財政措置を行っておる、こういうことを申し上げました。それでまたそのほかに、保健所のエイズ分等につきましても増員を、少々でございますが考えておるわけでございます。  さらに、今回の地域保健法の改正に伴います権限移譲に伴ってどの程度やるかにつきましては、現在関係省庁と議論をしておる最中でございまして、現段階では数字等につきましてはお話をすることができないものでございます。

五島正規日本社会党・護憲民主連合

○五島委員 これまで厚生省は保健婦さんの数を倍増するというふうに聞いてきたわけでございますが、今の寺松局長の話によりますと、ゴールドプランとしてふやすと決めている部分をふやすのであって、そしてこの地域保健センターの新たな設置によっての保健婦の増員というのはないのだというふうにお答えになったように聞こえるわけでございます。しかも、この地域保健センターの設置というのは平成七年から始まるわけでございますから、平成十一年ということでは大変その間の問題が生まれてくるわけです。  その辺について、どうもこれまで我々が聞いたことと違うのではないかというふうな疑いがあるわけでございますが、そのゴールドプランの九千名の増員を見込むことによってこうしたことが本当にできるのか、それができるということは、保健所の保健婦を大幅に減らしてそれを市町村保健婦に編入しようというふうなお考えなのか、その辺、もう一度お伺いします。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 私が申し上げておりますのは、九千名の話は、再度申し上げますれば、平成五年度からスタートしておるわけでございます。もちろん今先生御指摘のように、老人保健の事業等をやっていただくということで、もちろんその職務も分担するわけでございますけれども、事務移譲が行われましても、それについても恐らく役立つものだと考えますが、この事務移譲につきましては、先ほどちょっと私が申し上げましたように、関係省庁と、実際これが実施されますのは平成九年度からでございますから、それまでに十分協議をいたしまして、それなりの保健婦の増員等につきまして相談をいたしたい、このように考えておるわけでございます。

五島正規日本社会党・護憲民主連合

○五島委員 それでは、この保健センターをつくって、一体それに必要な保健婦が確保できるかどうか極めて不安になってまいるわけでございまして、少なくとも九千名のそのゴールドプランに加えてもう三千名、一万二千名というふうな数の確保をぜひお願いしたいというふうに思います。この点につきましては、どうも従来お伺いしてきたことと今回の御回答の内容が違いますので、承服できないということを申し上げておきたいと思います。  次に、保健所の保健婦及び市町村の保健婦に関する基本的な問題とも関係するわけですが、現在でもまだ保健婦さんが未設置の町村が幾つかあるわけでございまして、こうした未設置の町村に対する保健婦の配置というものについて具体的にどのようにお考えなのか。その市町村に対して配置せよと言っても、やはり現実に過疎地等々においてはなかなかマンパワー確保が難しいという町村があるのも事実でございます。これについて具体的に何らかの方策をお持ちなのかどうか、お伺いしたいと思います。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 五島先生の今の御質問に答えます前に、前のちょっと補足をさせていただきたいと思いますが、今平成十一年度までに九千名と申し上げましたが、さらにその地域保健も含めまして、市町村の保健婦を現在よりも倍増したい、こういうふうなことで厚生省は関係省庁と協議をしておるということ。それから、その数字を既におっしゃいましたけれども、それは厚生省の考え方であったわけでございます。そういう心意気で関係省庁と協議しておる、こういうことでございます。  それから、今先生の御質問の件でございます、未設置の町村につきましてどのような対策でやるのか、こういうことでございます。  もう御承知のとおりでございますが、保健サービスの提供やサービスの調整というふうなことにつきましては、保健活動の中で中心的な担い手であります保健婦の役割というものがますます今後大事になってくるものと思っております。保健婦につきましては、老人保健事業の進展等に合わせまして、先ほどもちょっと述べておりますように、計画的に増員が図られてきておるわけでございますが、今後も地方財政計画の中で計画的に増員を図ってまいりたい、こういうことを申し上げたいのであります。  また、保健婦の未設置の市町村につきましては、五十六年末に四百二十一カ所の町村がございました。これが平成五年末では七十三カ所になっておりまして、大幅な改善が見られたところであります。市町村におきます保健婦の複数設置及び未設置町村の解消にさらに努力をしてまいりたいと思っております。  このために、地域保健法では、小規模町村の人材確保につきまして国や都道府県の支援制度を創設することにいたしておるわけであります。平成六年度には、保健婦確保対策等の基盤整備事業といたしまして、過疎地域等保健婦等設置促進事業及び小規模町村等保健活動推進事業を実施することといたしておるわけであります。  なお、地域保健法に基づきまして厚生大臣が定めます基本指針におきましても、人材の確保に関します基本的事項を盛り込むこととなっていることから、私ども、公衆衛生審議会の御意見を伺いながらより具体的な考え方を示してまいりたい、このように思います。

五島正規日本社会党・護憲民主連合

○五島委員 未設置の町村の数が減ってきている、非常に喜ばしいわけでございますが、それにしても、法律の施行の時期において保健婦の確保がおくれている町村あるいは困難な町村というのは存在するかと思います。そうした地域において、従前保健所の保健婦によって受けられていたいわゆる訪問指導サービス等々が結果として受けられなくなったということがないように、そうした町村が存在するならば、町村独自の手としても保健婦確保に努力していただくのは当然のこととしても、保健所そのものの保健婦の手によってそうした住民に対するサービスの低下がないというふうにぜひお願いしておきたいと思います。  そうした問題とあわせまして、今局長の方から、保健婦の数については厚生省の考えであるということでございますが、たしか、自治省、大蔵省、厚生省三省合意のガイドラインが作成されたというふうに承知しているわけですが、このガイドラインでは保健婦の数はどういうふうになっているのかお伺いしたいと思います。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 今、先生御指摘のガイドラインのお話が出ましたが、地方財政措置の中におきまして、標準団体、人口十万でございますかの市町村におきまして、平成六年度におきましては保健婦が六人、栄養士が一人、こういうふうに増員が図られまして、そういうような措置が行われておる、こういうことでございます。

五島正規日本社会党・護憲民主連合

○五島委員 保健所の保健婦さんと新たにつくられます保健センターの業務とのかかわりでございますが、先ほど各局長の方から少し御答弁いただいたわけですが、もう少し具体的にお伺いしたいと思うわけです。  例えば精神障害者の社会復帰に必要なさまざまな指導というものは当然必要でございます。あるいは、老人性痴呆の患者をお持ちの家族に対する指導、アドバイスというようなことも保健婦さんの業務として非常に大きな役割がと思います。あるいは、身体障害者に対する家屋の構造改善の指導、そうしたことも、これまた極めて重要である。しかも、これらはいずれも、従前からいっても、保健婦さんがケースのお家に訪問して、訪問指導サービスという形で具体的に相手側に理解していただけるようにして指導してきたというところに、これまでの保健所保健婦さんの、あるいはこれまでの市町村保健婦さんの活動の非常に大きな成果があったというふうに考えています。  今回業務が分けられるということの中で、こうした業務はどなたがなされるのか。例えば老人性痴呆の患者さんに対する訪問指導というものは、保健センターがされるのか、それとも保健所の保健婦が訪問してされるのか、両者がした上でそれぞれについての情報交換をしていくのか、そのあたりについてはどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 精神保健対策あるいは精神障害者の社会復帰については保健所が中心になってやっていくということで、従来からもそういう形でやっているわけでございますが、今回の法改正を契機として、その点についての対策は強化をしていかなければいけない。  老人性痴呆の問題につきましては、恐らく老人福祉の関係で対策をやらなければいけない場合、それから、御承知のように精神病院に関連いたしまして老人性痴呆疾患センターというものを設けておりますので、そういったところにおられる方に対する指導というはそれぞれのケースによって違ってくるのではないかと考えておりまして、老人性痴呆というものを例にとって申し上げれば、必ずしもすべてが保健所でということではないし、また必ずしもすべてが市町村ということではなくて、それぞれのケースに応じた両者の連携の中でこの問題の解決を図っていかなければならないのではないかというふうに理解をしております。

五島正規日本社会党・護憲民主連合

○五島委員 精神障害の患者であれ結核であれ、結核は減ってきておりますが、あるいは老人性痴呆のケースであれ、これらの問題について、今局長がおっしゃったように医療機関あるいは他のそうしたセンター等々とのかかわりの中においてやっていかれるということで、現実にそこに訪問してケースあるいは御家族の方々と接触する中において指導していく、そういう役割はもはや保健所の保健婦は担わないのか。それとも、そういうふうな業務は保健婦活動の基本であり、保健所の保健婦もそうした部分については積極的に担っていった中において、それぞれの町村のセンターとの間において総合性を持った保健活動を進めていこうというふうに考えておられるのか。その辺が、業務の中において大変不安を生み出している理由だと思うわけです。  もし、精神の問題が、措置の問題等々と関連して、だから県なんだ、あるいは痴呆老人の問題についても、老人性痴呆障害のセンターとのかかわりにおいて県の保健婦がそこは対応するんだ、あとそうしたケースをめぐっての家族に対するアドバイスやケースに対する指導については町村の保健婦がやっていくんだということになりますと、これは私が危惧したように保健所がますますいわゆる管理的なオフィスになってしまうのではないかというふうに思うわけですが、そのあたり、今の各局長の御答弁でもよく理解できないわけでございます。具体的な業務の内容として、保健所の保健婦の業務としての対人サービス、とりわけ訪問指導といったような訪問サービスをこれからも従前どおりやっていくんだということなのかどうか、その辺お伺いしたいと思います。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 先生のお尋ねが精神保健対策という具体的なことでございますので、私の方からお答えをさせていただいているわけでございますが、御指摘のような精神保健関係の業務につきましては、今回の地域保健の総合的な見直しの中でも、基本的には従来に引き続いて保健所が行う業務というふうに位置づけているわけでございます。そういう意味で、保健所の保健婦が中心になってこれを受けとめていくということが基本であるというふうに思っておりますが、現場の状況に応じまして、市町村の保健婦との柔軟な協力体制ということは、当然のことながら必要だろうというふうに理解をしております。  ただ、繰り返しますけれども、精神保健対策全般については保健所が責任を持って行うということについては従来と変わらないわけでございますし、またその点は具体的な業務として私どもは十分強化をしていくという考え方でございます。

五島正規日本社会党・護憲民主連合

○五島委員 現在、先ほどの話でも約一万一千人おられる保健所の保健婦さん、この保健婦さんのマンパワーによっても、まだまだ保健サービスというものが不十分であるというふうに言われているわけでございます。今回こうした制度が入ることによって、保健所の保健婦さんのそういう具体的な対人サービスというものが一歩後ろに後退してしまうということになりますと、現実のそういう住民のレベルにおいては、大変な保健サービスの低下につながっていくというふうに心配いたします。そういうふうなことをお考えでこうした法案をつくるということであれば、これはこの法案の基本的理念とは相反するのではないかというふうに考えるところでございます。その点については、改めて後ほど大臣の御見解も賜りたいというふうに考えています。  次に、政令市保健所といいますか保健所政令市制度について、これの基本的なお考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 今先生の御質問の保健所政令市制度の件についてでございます。  保健所政令市制度というのは、保健所の設置、運営を円滑に遂行し得る人口規模、現在三十五万人以上とされているわけでありますが、地理的範囲、行財政能力等を備えた市が、みずから保健所を設置して地域保健行政の実施主体としてやる仕組みでございます。現在は、三十三市及び特別区が保健所を設置することとされているわけであります。  この制度は、意思と能力のある市が保健サービスを一元的に実施する制度として評価できるものでありまして、今後可能な限り拡大していくことが望ましいとの御意見を、地域保健基本問題研究会よりいただいておるところであります。したがいまして、保健所政令市制度の機能の強化と制度の普及を促進することといたしております。  また、具体的に申し上げれば、今回の地域保健関係の法律改正で医療法等を改正いたしまして、診療所の開設届け出の受理等の権限を都道府県から保健所政令市に移譲する、こういうことでございます。

五島正規日本社会党・護憲民主連合

○五島委員 この政令市保健所を保健所政令市制度に基づいて設置したところは、市町村保健センターはつくらないわけでございますね。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 保健所政令市の場合は保健所を持っておりますし、現在でも市の保健センターというのは事実上持っておるところがあります。今後は、今までは保健所政令市には市の保健センターをつくります場合に補助金を出しておりませんでしたが、今回から出すということにしまして、保健センターの整備促進を図りたい、このように考えております。そこで保健所と保健センターとが相協力しまして、設置主体が同一でございますから、一番円滑におやりいただけるのではないか、こういうふうに考えております。  それから、ちょっともう一つ補足させていただきたいと思っておりますのは、保健所政令市の指定基準というものを今回少し緩和をしたいと考えておりまして、先ほど申し上げましたように、現在は人口三十五万人以上、こうしておったわけでございますが、それを三十万人以上、こういうふうにしまして少し緩和したわけでございます。そのようにいたしまして保健所政令市制度の普及を図りまして、先ほど申しました保健所と保健センターとが相協力いたしまして、一元的、一体的に地域保健活動をやっていただきたい、このように考えておるわけであります。

五島正規日本社会党・護憲民主連合

○五島委員 保健所政令市制度というのは現在でも三十五万以上の都市については政令市保健所をつくることができるわけでございますが、実態が、今局長おっしゃったように大変数少のうございます。その理由を考えてみた場合に、やはり市が独自で医師を確保したりあるいはその他の保健婦さんを確保することの困難性及び設置運営に対する費用についての問題があるかというように考えるわけでございますが、今の御答弁では、この政令市保健所も、それから市町村保健センターも同一市の中において両方設置してもいいのだというお話でございます。そうなりますと、これらの市町村保健センターの設置及び運営に要する費用及び保健所政令市制度に基づく保健所設置及びその運営に関する費用について、財政上どのような措置を講じられるのかお伺いしたいと思います。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 市の保健センターの設置につきましては、先ほど申し上げましたように、保健所政令市におきましても同様に補助の対象といたしたい、こういうように考えております。それから一般的な問題で、市町村保健センターの設置及び運営に要します費用につきまして財政上の措置をちょっと御紹介したいと思いますが、地域保健法案の第十九条の規定に基づく補助といたしまして、平成六年度予算案におきましては、その施設の整備に要する費用についての定額九千万円の補助を行うことといたしております。  それから、市町村保健センターの場合にいろいろな機器の整備があるわけでございますが、必要な機器の整備に要する費用につきましても国の補助の対象といたしておるわけでございます。また、その運営に要します費用のうち、関係法令に基づきます事業費はもちろんでございますが、その事業の内容に着目して国の補助をするわけでございますけれども、それに加えまして、職員の配置のための経費などにつきましては、地方財政計画において市町村の基準財政需要額の算定基礎に、先ほども御紹介しましたように盛り込まれているところでございます。

五島正規日本社会党・護憲民主連合

○五島委員 今おっしゃった中身というのが、その保健センターは新しい機構でございますが、政令市保健所というのは前からあった制度でございます。それが余り進んでいなかった。従前もそういう扱いでもってこの政令市保健所については措置されていたにもかかわらず、それがそのように、ここ最近になって政令市保健所が少しふえてきているというふうに承知しておりますが、余りふえていない。それが、おっしゃるように例えば人口三十五万を三十万に人口要因を引き下げたということにおいて、飛躍的にふえていくのかどうか大変疑問があるところでございまして、そのあたりについての一層の努力が必要ではないかというふうに考えるところでございます。  また、市町村保健センターは保健と福祉の総合窓口的な機能を持ったものとして整備される必要があるのではないかというふうに考えるわけでございます。この意味において、保健と福祉の総合的な窓口の役割、同時に医療との連携、それをやっていく、そういうふうなことを考慮に入れた目に見える活動の展開というものが今必要ではないかというように考えるわけですが、そうしたことを進めていくために、地方公共団体の中からやはりモデル事業というものをまずは進めていくということが必要ではないかとも思うわけですが、その点についていかがでございましょう。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 御承知のように、地域住民のニーズの高度化や多様化があるわけでございますが、そこで、保健、医療、福祉の連携のとれた総合的な保健サービスを提供していくことが必要になってまいります。私ども、こういうふうに認識をいたしておるわけであります。このために、地域保健推進特別事業といたしまして、地方公共団体が保健、医療、福祉の総合的な推進に関しますモデル事業、こういうものを実施した場合には、その事業費の十割相当額を補助することといたしておりまして、平成六年度予算案におきましては四十二億円を計上いたしておるところでございます。

五島正規日本社会党・護憲民主連合

○五島委員 いろいろお伺いしてきたわけでございますが、最後にちょっと大臣にお伺いしたいと思います。  先ほどからお伺いしていましても、私自身がこの法案によって――今、公衆衛生活動というのは大変な一つの転換期に来ているというふうに考えています。私も、学生時代から医者になってずっと公衆衛生に関連して仕事をしてきたと自負しているわけでございますが、その中において、やはり伝染病の時代にあった選別、管理、隔離といった、こうした管理的な、社会防衛的な公衆衛生活動、ここからどのように離れて新しい公衆衛生活動の展開ができるかということが、もう従前からの大きな課題であったというふうに承知しています。  そうした中で、この地域保健法に書かれております基本理念というのは極めて当を得たものであると考えるわけでございますが、どうも基本理念とそれから出されてきている内容の中において、一方で、じゃそのときに保健所はどうなるんだろうか、あるいは保健所と市町村につくられる保健センターとの関係はどなるのだろうか、そのことによって保健婦さんの現場における保健サービスというものが低下することなく、住民の側から見た場合により豊かなものになっていくということが担保されているんだろうかというふうに考えますと、数々の疑問も生まれてくるわけでございます。  とりわけ、かつてございましたように、保健所の保健婦がある分野だけを完全に掌握することは極めて難しいだろう。接種の問題しかり、難病の問題しかり、あるいは老人の問題しかり。それぞれの問題をとってみましても、広域的に処理しなければいけないという要素と同時に、個別の患者に対する保健指導というサイドから見てみると、その部分が、この部分は県の保健婦の手で、この部分は町村の保健婦の手でやらなければならないということではなくて、いずれにしても、そうした必要な指導あるいは助言というものがどれほど的確に、ニーズに応じて住民に伝えられるかということが最も大切だろうというふうに考えます。  そういう意味では、保健、医療、福祉の連携の推進というのは、スローガン的にはどなたも否定できない非常にわかりのいい言葉でございますが、現場の業務の中においては、これらの問題、やはりきちっと詰めて、その中で現実のマンパワーが少しでもふえていく、そういうことが担保される過程の中でない限りは、ある部分においては保健サービスを強化するけれども、そのかわり、ある部署においては極めて管理的な業務だけをしていって、社会防衛的な機能とそれから対人サービス的な機能を分けていくということになるのではないかという危惧も、率直に言って持つわけでございます。こうした点について、大臣の御決意をお伺いしたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 今御質問を賜りました保健、医療、福祉の連携の問題の前に、先ほど保健婦の数等の問題についていろいろ御議論がございましたので、若干補足をさしていただきたいのでございます。  平成五年段階で保健婦の県の総数というのは九千二百六十九でございます。これはエイズ分等の増加が主でございますが、平成十一年に九千四百七十人にしたい、これが私どもの現在の計画でございまして、市町村の場合はこれが一万一千七百三十二名でございまして、これを先ほど私が、平成十一年にかけまして九千人増としたいと。しかしそれは、先生御指摘のとおり、これまでのゴールドプランの枠内のものでございまして、それでは倍増になりませんので、何とかここのところを倍増に持っていきたい。しかし、そのためには厚生省だけで決められませんので、今自治省と鋭意詰めているさなかでございまして、自治省との話し合いを何とか建設的に実らすことによりましてこの数字を倍増にしたい、こういうふうに申し上げた次第でございます。  また、権限移譲に伴いまして、例えばこれまでの県の保健婦さんが市へ出向させられるというような中で身分の変化が起こるというようなことのないように、私どもとしては万全の配慮を講じたい、こういう意味で申し上げましたので、ぜひ御理解をいただきたいと思うのでございます。  それから、ただいまの御質問でございますが、人口の高齢化あるいは慢性疾患を中心といたしました疾病構造の変化というような問題が、るる先生からも歴史的に御議論がございまして、地域住民のニーズも、保健、医療、福祉を通じた複合的なものになっておりますので、地域における保健サービスの提供もこうした状況に適切に対応しなければならぬということは先ほども申し上げたとおりでございます。  この見地から、今回の地域保健法案におきまして、一つは、国や地方公共団体の地域保健対策につきましては、社会福祉等の関連施策との有機的な連携に配慮することを基本理念としているわけでございます。そして、二つには、厚生大臣が定める基本指針の内容の一つといたしまして、社会福祉等の関連施策との連携に関する基本的事項を位置づけておりまして、法律案の成立後、有識者の御意見を伺いながら具体的な指針については策定してまいりたい。ここでは当然ガイドライン等にも触れるわけでございます。  こうした理念や基本指針を踏まえまして、市町村等における保健、医療、福祉の総合的な推進に関するモデル事業を実施するなどによりまして、地域におきます保健、医療、福祉の連携の促進に努めてまいりたいと思っているわけでございますが、先生御指摘のとおり、それは言うはやすく、なかなか実際には難しい問題であるということは私どももよく承知しておりますだけに、この辺は念を入れてこれから努力をさせていただきたいと思っている次第でございます。

五島正規日本社会党・護憲民主連合

○五島委員 今の大臣の御答弁、そのとおりぜひ厚生省として実行していただき、とりわけマンパワー問題については一層の御努力をお願いいたしまして、私の質問を終わります。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 岩佐恵美さん。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 まず最初に、原子爆弾被爆者に対する特別措置法の問題に関連して伺いたいと思います。  今、国際司法裁判所が各国政府に意見を求めています。それは、世界保健機構、WHOが、核兵器の使用は環境や衛生などに否定的結果をもたらし、国際法に違反ではないか検討してほしいという決議がされたので、この核兵器の使用についての見解を求めているわけです。厚生省はWHOに最も関係が深く、しかも唯一被爆国の日本の厚生大臣である大内厚生大臣として、この問題についてどうお考えでしょうか、伺いたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 私は別の機会でも既にお答えをしてまいったのでございますが、WHOから求められました核兵器使用の問題につきましては、これまでの国際法規の精神に照らしまして、そのような大量殺りくあるいは大量破壊の兵器は使用してはならないものである、このように考えている次第でございます。  御案内のとおり、細菌であるとかあるいは化学兵器といったようなものは既に法律において国際法上禁止されているものでございまして、核兵器はそれらに大きくまさるとも劣らないものでございまして、そのようなものが国際法上使用されてはならないということが国際法の精神である、このように理解をいたしております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 そうすると、火に焼かれた人は白骨に、放射線と熱線を浴びた人は真っ黒になって焼け野原に転がっていました、こんなにむごたらしく人間を殺すことがどうして違法ではないと言えるのか、違法ではないという政府の見解が出たときに、こういうような被爆者の声がありましたけれども、こういう被爆者の声について大臣は、これは違法である、被爆者の声を真っ正面から受けとめるというお考えと伺いましたけれども、それでよろしいのでしょうか。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 私は、戦争のさなか、たくさんの戦争の犠牲者を目の当たりに拝見いたしました。まさに黒焦げの状態で人間がうずたかく積まれているのを見ながら、このようなことは決してやらせてはならぬ、そのような決意を持ったものでございました。まして、原子爆弾のように、これまでの後遺症も加えますと広島、長崎で三十万近い人々が犠牲になられる、そのような大量殺りく、大量破壊の兵器が使用されてはならないわけでございまして、私は、被爆者の皆様の意向は、まさにこういうものを使用することは違法である、不法である、そのような主張は正しいものと考えております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 今お話がありました広島、長崎へのアメリカの原爆投下から四十九年、間もなく被爆五十年を迎えようとしています。被爆以来長年にわたりさまざまな苦しみと闘ってきた被爆者は、高齢化しています。健康や生活の不安が倍大しています。いまだに肉親の最期を確認できないなど、遺族の悲しみも消えることはありません。  被爆者に対するいわゆる原爆二法では、被爆者年金の支給、被爆者に対する弔意、遺族に対する援護の制度を欠くなど、被爆者に対する対策が極めて不十分であります。国家賠償に基づく被爆者援護法の制定、これは緊急の課題であるというふうに思います。被爆者団体によれば、既に二千四百五十一の地方自治体で援護法制定促進の決議、意見書が採択をされ、国会議員も参議院では三分の二、衆議院でも総選挙後、既に半数を超える議員が賛成の署名を行っています。援護法制定、これはまさに国民の大きな世論となっております。  私も昨年、大臣に対して、日本共産党としてこの問題について申し入れを行ったところでございます。私は、速やかにこのような被爆者の声にこたえるそういう対策を、対応をとるべきだと思いますけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 これは政府全体にかかわる問題でございまして、厚生省だけの問題にとどまらないわけでございますが、今御指摘の被爆者援護法案の問題につきましては、与党はもとよりでございますが、野党の皆さんとも今鋭意検討が進められている、このように伺っておりまして、政府といたしましても、また厚生省といたしましても、その結論を待ちまして、十分御期待にこたえられるような対処をしたいと考えております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 去年五月の長崎地裁での松谷訴訟についてですが、原爆被害を放射線障害だけに矮小化することを批判をして、その実相を直視して対策を講じるべきだ、そうした上で、原爆による健康上の障害がかつて例を見ないほど特異かつ深刻で、被害者の多くが今なお生活上一般の戦争被害より不安な状態に置かれており、特殊な戦争被害については、戦争遂行主体であった国がみずからの責任においてその救済を図るという一面もあり、実質的に国家補償的配慮が制度の根底にあると、一般戦災者との均衡論が否定をされました。  この裁判に指摘をされているようなそういう考え方について、大臣の御所見を伺いたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 ただいま御指摘の裁判所の一つの考え方も、私どもなりにそれなりに受けとめさせていただきますが、いわゆる原爆被爆者と一般戦災者に対する補償の問題につきましては、これは深くかかわる問題でございまして、全く別々に考えていいかどうか、それらの点につきましても今与野党の中で議論を進められているわけでございますので、先ほど申し上げたように、それらの結論を十分見きわめて対処をさせていただきたいと考えております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 積極的に被爆者の願いにこたえるそういう対応を強く求めておきたいというふうに思います。  ちょっと具体的問題について伺いたいのですけれども、健康管理手当について、「今後医療を必要とする期間」の欄を廃止して、疾病によって期間を定めたらどうか、こういう要望が被爆者の方からございます。この点についてお答えをいただきたいと思います。  また、循環器疾患、糖尿病などの慢性疾患や変形性脊椎症などの固定疾患、これは更新手続を廃止できないかどうか、そのことについて、二点お伺いをしたいと思います。

谷修一厚生省保健医療局長

○谷(修)政府委員 健康管理手当の受給に当たりましては、造血機能障害等の一定の障害を伴う疾病にかかっている、そういう状態にあるということが支給要件になっているわけでございます。そういったような状態が継続をしているということを確認するという意味から一定の認定期間というものを定めているわけでございまして、循環器機能障害あるいは運動器機能障害、視機能障害、造血機能障害、肝機能障害等いわゆる十一障害のいずれかに該当するかどうかということで期間を定めているわけでございます。  ただ、これらの手当支給にかかわる手続につきましては、平成三年度に原爆医療審議会の意見を伺いまして、消化器機能障害あるいは鉄欠乏性の貧血につきましては従来一年でありましたものを三年に、またその他の疾患につきましては継続期間が三年でありましたものを五年という形で大幅に簡素化はさせていただいております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 ぜひ今後とも被爆者の皆さんの実態に合わせたきちんとしだ対応をしていただきたいと思います。  次に、保健所の問題について伺いたいと思います。  まず、保健所の機能とは、すべての人が階層や収入にかかわらず人間として人間らしく生きていける条件、環境を整えていく仕事であると位置づけられ、全国に配置をされてきています。公衆衛生活動は住民の暮らしそのものと、第一線で活動する保健婦さんが言っておられます。また、精神科医の中沢正夫さんは、どこの国へ行っても、日本のように水道水を飲むことができたり安心して屋台のものを食べられる国はないでしょう。結核や赤痢にしても、少なくなったとはいえ水際での闘いがある。乳幼児死亡率が大きく下がってきた理由の一つに保健婦さんの活動がある。住民には日ごろ見えていないところでも、保健所が大きな仕事をしている、そう言っておられます。  私も本当にそうだと思います。保健所の果たしている役割は大変重要です。そこで、まず大臣の基本認識をお伺いしたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 今回の法律の改正につきましては、先ほど来るる申し上げておりますように、サービスの受け手である生活者の立場を重視するとともに、地方分権を推進するために、終戦直後に構築されました、保健所を中心といたしました現在の地域保健対策の枠組みを、来るべき二十一世紀を展望しつつ抜本的に見直そうとするものであることは再三申し上げているとおりでございます。  こうした基本的な考え方に立ちまして、母子保健事業などの身近な保健サービスは、市町村保健センターの整備や必要な人材の確保などの体制の整備を図りながら、住民に最も身近な市町村で実現することとしたいとしているところでございます。また、難病対策など高度で専門的な保健サービスは、広域的、専門的、技術的な拠点としての保健所の機能や規模を拡大して、保健所が提供することといたしておる次第でございます。こうした市町村と保健所がそれぞれふさわしい役割を担おうとする今回の改正は、地域住民の健康の保持及び増進をより一層図る上で必要であると考えておるわけでございます。  憲法第二十五条第二項には「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」と書いているわけでございます。私も大臣に就任早々、この二十五条を読み直しながら、今後の保健所のあり方についても、この憲法の精神を具体的に措置していく何らかの対策がとられなければならないと考えておったわけでございますが、今回の改正はその憲法二十五条の具体化の一環である、こう考えておる次第でございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 地域の保健所の活動をちょっと紹介をしたいと思います。  発がん性溶剤トリクロロエチレンやテトラクロロエチレンの地下水汚染が社会的に大きな問題となっています。規制も強められています。そういう中で、調布のクリーニング屋さんが、どうしたら地域の環境を汚すことなく仕事ができるかを保健所と一緒になって研究し、実践を始めました。  私は、希少野生動植物の保護に関する法律制定のときに、別の環境委員会ですけれども、議論をしたのですが、幾ら取り締まりを強化しても、人的配置あるいは監視を強化しても、こういういわゆる取り締まりというのは追いつかないのが実態だと思います。つまり、国民の考えが野生動植物を大切にしなければならないという方向にならなければ、なかなかこういう法律を決めてもうまくいかないものなのです。この場合も同じで、クリーニング屋さんの考え方が変わることによって環境が守られていく、その中心に保健所がある。私は、この事例は保健所本来のあるべき活動としてとても大事だと思っています。  さらに、この保健所では、床屋さんの組合がはい菌だとかエイズだとかそういう学習をしていて、そこから酸性雨の学習に踏み出して、また保健所と協力をして床屋さんが中心になって、酸性雨の採取器をつくり、はかろうという取り組みを始め、その輪が地域薬剤師会にも広がっています。  これは「保健所だより」ですけれども、この「保健所だより」でも「雨水採取器の作り方」というような図が示してありまして、そしてこの下の方に「床屋さんで教えてもらおう」という「保健所だより」になっています。そして、これを受けて、東京都の薬剤師会、ここが「地域で活躍する薬剤師シリーズ8-流域全体で水源を守ろう-」こという中でやはりこれに呼応したような活動が行われているわけです。  これらも、本当に保健所の活動が地域にいろいろ根差していく、こういう事例だと思いますし、これらの活動の中心に保健所があり、保健所の役割というのは地域の環境を守る住民活動のコーディネーターとしての役割だというふうに思います。このように、いわゆる監視、取り締まり業務だけではうまくいかない、そこに保健所の役割が改めて強調されるべきだと思います。  今回の法律というのは、逆に取り締まり業務を中心にするそういうものではないのか、こういう地域に根差した芽を摘んでいくものではないのか、その点が非常に不安であります。この点について大臣のお考えを伺いたいと思います。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 今先生の御質問、確かに保健所がいろいろな分野におきまして、特に住民等の知識の普及あるいは啓蒙というような点で、あるいは行動を起こしていただく場合、そういうような場合に大きな役割を果たしておることは私どもも承知いたしております。  今後につきましてもそうでございますが、地域の実情に即しましたいろいろな調査研究あるいは情報の収集、そういうようなことを保健所の仕事といたしておりまして、そのような形でいろいろと地域住民の方々のいわゆる対応と申しますか、行動を変容していただくというようなことに大きな役割を果たしていただこうと考えておりまして、いわゆる保健所の調査研究の実施とかあるいは情報収集、提供とかを法定化したわけでございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 この保健所の関係の皆さんが例えば都市の水循環の問題を取り上げて、そして地域の皆さんと一緒に雨水をためてそれで何とかリサイクルできないか、こういう活動を行い、これにはもう既に地域住民だけじゃなくて行政の皆さんも乗ってことし国際会議が開かれる、そういうところまで来ております。雨水利用東京国際会議というものが八月一日から六日まで東京の墨田区役所で開かれるということであります。都市のごみ循環についてもそうです。保健所の皆さんが住民の皆さんと一緒になってこういう活動をしているということであります。  私は、本当にこういう活動がもっともっとやられていかなければいけない、監視業務だけではなくて、本当に地域の住民の皆さんの啓蒙活動とかあるいはこうした具体的な行動をする中心となって活動していく、そういう必要があるのじゃないか、こういうふうに思って今の事例を出したわけであります。  どうも局長の答弁では、この点が本当にそうなるのか、情報の収集だけで具体的にそういうものが広がっていくのだろうか、もっと今までのこういうものを重視をして、広げていくというようなそういう方向に行かなければいけないんじゃないかというふうに思いますので、改めて大臣のお考えを伺いたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 それぞれの地域の保健所が公衆衛生等々に万全を期するという見地から、住民の皆様の意見を常時情報収集として承るということはもとより大事なことでございまして、それは今局長からもお話し申し上げたとおりでございますが、しかし、それだけではなくて、地域の住民の皆様がいろいろな面で創意工夫をされる、そういうことについても、保健所というものがそれを啓蒙したりあるいは協力したりする体制をとることも、これからの保健所の重要な任務であると私どもも考えておりますので、御指摘の点については、今後の保健所の業務のあり方としてあるいは仕事のあり方として、我々としても十分指導してまいりたいと思っております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 狛江の保健相談所のことについて、関連して伺いたいと思うんですが、狛江の保健相談所というのは、難病や障害者対策に力を入れています。設備や体制も充実をし、職員もさまざまな研さんを積んでいて、隣接する世田谷からも難病に苦しむ人たちが集まってきています。難病を抱えた人たちにとっては、生きる場所になっています。このような保健所、相談所が各地にあります。これらの保健所を半分程度に削減するという今度の法案ですけれども、一体、どう減らしていくんですか。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 今先生個別事例をおっしゃいましたけれども、ちょっと一般論でまずお答えをしたいと思います。  地域保健法におきましては、都道府県が保健所を設置する場合には、保健医療に係る施策と社会福祉に関する施策との有機的な連携を図るために、医療法に基づきます二次医療圏あるいは老人福祉法及び老人保健法に基づきます老人保健福祉圏というものを参酌して、保健所の所管区域を定めることとなっております。  こういたしますと、今保健所は八百四十八ございます。都道府県が持っております保健所は六百三十一でございます。それから、政令市、特別市というようなところで残りを持っておるわけでございますが、二次医療圏の数は現在三百四十二でございます。また、老人保健福祉圏の数もほぼ同数でございますから、一部の二次医療圏の特殊な事情を考慮したとしても、全国的に見れば、都道府県の設置する保健所の数は四百程度になるのではないか、このように考えております。  ところが、一方、保健所政令市、これらや特別区など大都市におきます保健所の数につきましては、法律上特段の設置基準が示されておりません。厚生大臣が定める基本指針において、関係者の意見も十分踏まえながら、より具体的な目安みたいなものを示せればと考えております。  それから、都道府県の保健所の場合の件につきまして再度ちょっと補足したいと思いますが、これにつきましても、先ほど大臣からも御答弁いたしましたように、それぞれその地域によって事情が違います。そういう事情を考えて保健所の設置を進めていくように、整備を進めていくように、こういうようなことでございますので、私ども、公衆衛生審議会の御意見をその辺は十分聞きながら対応してまいりたい、このように考えております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 精神障害者、難病、小児慢性疾患、障害児、未熟児、結核、感染症、エイズ患者にとっては、保健所がますます利用しにくい施設になるんじゃないでしょうか。障害児の場合、東京都では九割までが保健所を利用しているというふうに言われています。疾病や障害を持ちながら、遠距離の保健所まで申請手続に出かける、相談や治療に出かける、これがどれほど大変なことか、負担になるか、こういうことは、本当に大変なものであります。  こうした人々は身近なサービス、きめ細かなサービスを求めていますけれども、これに対してどう対応するのでしょうか。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 今個別の施策につきましてお話がございましたが、私の方から一般論的に申し上げたいと思います。  都道府県の保健所につきましては、何度も申し上げておりますように、専門的、技術的、広域的機能を強化するために、今先生がおっしゃいましたような事業というものは、普通、母子保健なんかに比べまして頻度も少ないというようなこともございますが、そういうようなことで保健所でもって対応していこう、こういうことにしておるわけですが、各保健所の実情に即しまして巡回サービスを実施するなどの創意工夫を行いまして、利用者の便を図るよう。に指導してまいりたい、このように今思っておるわけでございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 非常に現場では不安がありますので、きちっと要望にこたえられるようにすべきだというふうに思います。  保健所法の立法当初、公衆衛生局長は、保健所運営協議会の設置に当たり、憲法の精神に従って、住民の盛り上がる協力、総意むしろ住民自身の問題として取り上げられるように、民主的な委員会が保健所の運営にあたって大いに力あるように処置したいと答弁をしています。保健所運営に当たって唯一住民の声を聞くべき運営協議会を、今度は置いても置かなくてもよいというふうにしているわけですけれども、それはどういう理由からなんでしょうか。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 保健所運営協議会の設置につきましてでございますが、かねてより地方公共団体から、地域の自主性というものを尊重するという観点から必置規制というものは緩和するようにという要望があったところでございます。したがいまして、今回、公衆衛生審議会あるいは地域保健基本問題研究会におきましても、いろいろとその要望を踏まえまして御議論をされまして、今回の法案の改正に当たってはこうした要望を踏まえまして任意設置としたところでございまして、そのような形で重要性があると考えられれば、それぞれ保健所長が協議会等の意見を聞くようなことになるわけでございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 本来、民主的な委員会が保健所の運営にあたって大いに力あるように処置したいというふうに厚生省自身がこれを言っていたわけですから、置いても置かなくてもよいというふうなものにしなければならないなんということはないわけで、これこそ、私は、今度の法案の重大な問題、これを示しているんじゃないかということで、こういうことは本当にきちっとしていかなければならない、つまり、置くべきだというふうにしていかなければならないというふうに思います。  これまで保健所は十万人を対象に人件費が予算化をされています。保健所の従来の人員配置で三十万人以上今度見るということになるわけですから、大変な激務になります。  マンションなどの水質管理も今まで三回見ていたところを一回にせざるを得ないということになりますし、試験検査業務も三倍にふえます。輸入食品が増大している中で、食品の監視も同様です。しかも、業務の集中化によって結果が出るまでに時間がかかるようになる、これは当然であります。既に委託化が進み、委託した内容しか検査をしない。途中で疑わしい問題があっても、委託されていないことはやらない。お金が支払われないからだと現場の監視員は指摘をしています。従来どおりの検査、監視が行われる最低の保障のためには、少なくとも職員が三倍にならなければならないと思います。これまでの水準を落とさないそういう保障があるんでしょうか。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 現在も保健所の職員の職種につきましてはいろいろ示しておりますけれども、配置基準自身はございません。必要に応じて、それぞれ定員はふやしておることと思います。  今先生御指摘のように、今回の改正によりまして仮に都道府県の保健所が管轄区域が広がる、こういうことになりますと、それに伴います人員はそれなりの必要な相当数を配置することになるだろうと思います。そういうふうな形で、各地方公共団体におかれては対応されることと考えております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 各都道府県におかれてはと言うので、大変無責任な感じがいたします。ここは非常に重要なところですので、きちんと今までの水準を維持するというようなことが守られていかなければならないというふうに思います。  この法律案は、保健所の数を減らして市町村保健センターを設置するということですけれども、現在地域保健センターは、先ほどからお話があるように千二百十五カ所、全自治体の三分の一にしかすぎません。六年度予算では、百カ所分の建設費が盛られているだけです。建設費の三分の一補助を法的に位置づけたといっても、保健所つぶしを始めるとしている九七年度までに三百件しか増設できません。半分の自治体がセンターなしで保健所はなくなるということになるのではありませんか。この調子でいけば、センターがすべての自治体に設置されるまでに十五年はかかります。保健所が最初になくなって、しかもセンターができないということになるわけです。そういう計画自体が非常に問題だと思います。  今センターの設置は、沖縄、石川が三つ、宮崎、徳島、和歌山が五つ、鳥取七つ、島根九つ、最も多い埼玉で七十、次に長野の六十カ所。これできめ細かなサービスが受けられるというのはとんでもないことだと思います。センター設置費の負担だけでも大変な問題になります。また、自治体の規模や財政力によって大きな格差が生ずるのは必然です。設置できない町村も当然あり得ると思います。こうした自治体間格差に基本的にどう対応するのでしょうか。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 市町村保健センターというのは、今御指摘のように現在千二百十五ございます。市町村の数は約三千二百ございますが、その残りがそうしますと二千カ所ぐらいあるようでございますけれども、その中をいろいろ拝見いたしますと、代替可能なような施設もございます。  そういうようなことで、私どもは、九百から千程度市町村保健センターを整備すればそれなりに対応できるのではないかと考えておりまして、それを平成十一年度までに整備していこう、むしろ、できればその整備を市町村の要望等を踏まえまして十分対応するようにいたしたい、このように考えております。  保健所の統廃合というお話が出ましたけれども、それを実際に進めます場合には、市町村の保健センターの整備状況を勘案しながら考えていくべきものだと思います。と申しますのは、保健所と市町村保健センターが力を合わせて地域保健サービスをやっていくということでございますから、そのようなことを踏まえながら、保健所の問題につきましては考えていくべきだと思います。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 河内長野医師会の山本哲夫先生は、市町村保健センターは保健事業の推進と予防接種業務で手一杯だ。この上、人材の確保もなしに疾病予防業務まで肩がわりされても技術的にも能力的にも無理と言っています。  受け入れ態勢もなく、財政力のない自治体や、高齢化率が二〇%を超えている自治体も三百を大きく超えている状況で、専門的知識を持つ人材の極めて乏しい自治体に、事業のみを移譲して配置基準の保障をしないというのは、センター自体が実施機関ではなくなるということではありませんか。身近なサービスや生活者中心、こういうことにはならないではないですか。実態は、保健所の縮小と、そして業務は結局民間委託、産業化していく、こういうことにすぎないのではないかと思いますけれども、どうですか。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 先ほどから何度がお答えをいたしておりますけれども、市町村の保健婦あるいは保健所の保健婦、それぞれ地方財政措置におきまして増員を考えておるわけでございます。そういうことによりましてマンパワーの確保は行っていく、こういうことでございます。  それから、非常に小さな町村あるいは過疎地域等におきます保健婦さんが未設置あるいはせいぜい一人というようなところにつきましては、設置促進のための特段の予算的な措置を私どもしておりまして、それを御活用いただいてそういう保健婦さんの確保に御努力をいただきたい。  なおまた、資質の向上につきましても、国、都道府県、市町村とともどもマンパワーの確保並びに資質の向上のためにそれぞれの施策を考えておりまして、それぞれそれによってその必要なマンパワーを確保してまいりたい、このように考えております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 何度聞いても非常に不安をぬぐい去ることはできません。  既に保健所の廃止を具体化している都道府県が多数あります。少なくとも職員個人の同意のない配転や合理化はあってはならないことだと思います。すべての職員の同意のもとに、公衆衛生事業への国民の多様な要求にこたえられるよう、あくまで保健所職員として業務に専念できるようにすべきだと思いますけれども、基本的なお考えを伺っておきたいと思います。

寺松尚厚生省健康政策局長

○寺松政府委員 保健所のいろいろな整備という問題につきましては、地方公共団体、とりわけ都道府県並びに保健所政令市というもののお考えというものを私ども尊重いたしまして、住民にとって最も満足いけるようなそういうシステムというものを構築していただこう、こういうふうに考えておるわけでございます。そのためのいろいろな予算措置につきまして私どもはおこたえしたい、こういうように考えておるわけでございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 全国の八百四十二保健所長を対象に自治労連が行ったアンケート調査によりますと、回収途中で回答総数はまだ七十七人でありますが、本法案に反対の所長が三八%、賛成は一七%にすぎません。地方分権とは名ばかりで、行革の名による住民サービスの切り捨てだ、そういうふうに答えておられます。  寝たきりの病人をつくらないための公衆衛生が、寝たきりや自宅介護の手助けに保健婦を使うということであれば、本末転倒だと思います。開業医を一層地域保健業務や在宅医療に組み込む姿勢が露骨だとして、保険医団体の皆さんも反対をしておられます。  今回の法改正は、本来あるべき保健所を、取り締まり業務と住民の健康診断業務とに分けて、しかも人を減らして合理化しよう、そういうものであるように思います。国、県からのメニューをこなすだけの保健サービスでは、住民の思いを受けとめることは難しくなると、現場にいた保健婦さんが言っておられます。  そして、市町村には、大概のところが保健医療の専門家としては保健婦、看護婦しかいません、保健所には各分野の専門家がいます、保健所と一緒に進めてきた仕事も数多くありますと、専門官と保健婦との連係プレー、一緒の仕事、こういうものが行われている保健所の大切さを関係者は指摘をしています。  今度の法改正は、期待される住民の要求にこたえ、住民と一緒に生活、環境条件を見詰め、改善をしていく保健所活動とはほど遠いものになるのではないか、そういう危惧を持たざるを得ないのです。そういう点で、このような保健所の抜本的な性格変更、こういうことになったら大変であります。私たちは、大臣の基本的なこの点に関しての考え方を最後に伺っておきたいと思います。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 今回の改正につきましては、先ほど来るる御説明申し上げてまいりましたように、時代の大きな変化に伴いまして、地域住民の皆様のニーズも大変多様化してきている、また高度化してきている。そうした変化に対応するための保健所のあり方というものを私どもなりに考えて提起をし、また、国民の皆様の代表である公生審議会の意見も十分取り入れながら、改正案を出しているわけでございます。  しかし、委員御指摘のようないろいろな御懸念や心配も考えられる向きもございますので、少なくとも保健サービスが低下するというような事態がないように、私どもとしてそれらの御注意につきましては十分承りまして、そのような状況が起こらないように私どもなりに配慮して、本改正案の実施に努めてまいりたいと思っておる次第でございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 本来こういう重要な法案でありますから、もっと本当に時間をかけてこの委員会でも議論をしていかなければいけない法案だと思います。会期末を控えたということで、大変時間が限られている中で、このような法案が十分審議をされないまま本当に施行されてしまうことに私たちは大きな危惧を持ち、そして、こういうことがあってはならないというふうに思っていることを指摘をしまして、私の質問を終わりたいと思います。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 以上で両案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 これより討論に入ります。  地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律案について討論の申し出がありますので、これを許します。岩佐恵美さん。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 私は、日本共産党を代表し、地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律案に反対の立場から討論を行います。  本法案に反対する第一の理由は、人口十万人に一カ所と定めた保健所設置基準が廃止され、事実上保健所を半減させることを第一の目的としていることです。  保健所は、憲法二十五条の「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」の規定により、国の責任を明確にした公衆衛生の実施機関として保健所法に位置づけられています。国民の生存権、健康権、環境権を保障するための行政機関であることは言うまでもありません。  その業務も、母子保健から成人・老人保健を初め、結核や感染症対策、エイズやアトピー問題、難病対策、精神保健の推進、栄養改善指導やごみ、公害問題の処理、食品の安全や監視業務、国民生活のあらゆる分野の公衆衛生業務を遂行し、無料の原則により、国民の健康を守るために大きな役割を果たしてきました。  さらに、今日こうした問題に加えて、寝たきり老人の保健指導、育児、仕事、介護に追われる女性たちの健康問題、広がる環境汚染など、健康に生きる権利と密接不可分の問題がより一層深刻になっていると言わなければなりません。  実態から見ても、国の責任を明確にした市町村単位の保健所の増設こそが必要であり、保健所の半減が多くの国民の要求に反することは明らかです。  第二点は、本来国が行うべき保健業務を市町村に押しつけ、責任と財政負担まで自治体に転嫁していることです。  保健所を整理統合、半減させ、さらに、保健所運営費交付金を全額削除しています。これまで必要人員の三分の一を国庫負担していたものを、八四年度からは定額交付とし、母子保健事業の事務経費が一般財源化されたために、東京二十三区だけでも三億円余りの事業費がカットされています。九四年度からは保健所運営費交付金まで一般財源化するとしており、大幅な国庫負担削減になることは、これまでの経緯を見ても明らかです。  また、妊産婦や新生児保健指導などの母子保健業務を市町村に移譲しても、保健婦が一名もいない自治体が七十三市町村もあります。医師や保健婦などの配置基準もなく、きめ細かなサービスどころか人材の確保もできず、均等で良質な保健衛生水準が維持できないおそれも十分にあります。  しかも、センター建設費の予算は年間百件にすぎず、全市町村の設置が順調に終わったとしても十年から十五年もかかる上に、市町村保健センターの設置自体が努力義務規定にすぎず、財政力の乏しい市町村にとって、設置そのものが危ぶまれています。さらに、民間委託を中心にした業務遂行は、かかる費用負担を地域住民に転嫁される懸念や、保健婦の本来業務をも形骸化させるおそれがあります。  第三点は、保健所業務の大半が情報収集や監視、監督業務であり、わずかに残されたエイズや難病等の医療、精神保健業務は、広域化したことによって活用自体が困難となり、また、水質検査や食品の安全性検査などのサービスは著しく低下することも否定できません。保健所職員の合理化も懸念されます。いわば国民のための保健所は一層国民から遠ざかるものとなっていきます。住民の声を聞くための唯一の機関である保健所運営協議会を法定機関から任意設置機関に格下げしていることも大きな問題です。  こうしたやり方は、保健、医療、福祉の質的低下を招き、国民の健康権、環境権を侵害し、住民負担の増大をもたらしかねないものです。  以上の理由により本法案に反対し、法案の撤回を強く求めて反対討論を終わります。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 これより両案について採決に入ります。  まず、内閣提出、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、内閣提出、地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ―――――――――――――

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 この際、本案に対し、衛藤晟一君外四名から、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党及びさきがけ・青雲・民主の風の五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。網岡雄君。

網岡雄日本社会党・護憲民主連合

○網岡委員 私は、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党及びさきがけ・青雲・民主の風を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。     地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう努力すべきである。  一 国及び都道府県は、市町村保健センターの整備、保健婦等人材の確保など、地域保健の基盤整備について、市町村が計画的に推進するよう適切に指導すること。  二 市町村の要請に応じて都道府県が対応する支援体制を確立し、とりわけ保健・医療・福祉のシステムづくりに関する企画や関係機関との連絡調整を行い、各種の地域保健サービスを専門的立場から評価し、将来の施策に反映させていくことが必要であり、これらの業務を円滑に推進するために、都道府県は、保健所の機能強化を積極的に推進するよう努めること。  三 都道府県は、地域の実情に十分留意しつつ、医療計画及び老人保健福祉計画の圏域を参酌して、その保健所の管轄区域を設定すること。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  衛藤晟一君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、大内厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大内厚生大臣。

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力いたす所存でございます。     ―――――――――――――

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕      ――――◇―――――

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 次に、内閣提出、参議院送付、薬事法の一部を改正する法律案及び内閣提出、参議院送付、予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、順次趣旨の説明を聴取いたします。  なお、予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律案につきましては、参議院で修正議決の上送付されたものでありますので、まず政府から趣旨の説明を聴取し、引き続き参議院から修正の趣旨について説明を聴取いたします。大内厚生大臣。     ―――――――――――――  薬事法の一部を改正する法律案  予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法   律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

大内啓伍改新厚生大臣

○大内国務大臣 ただいま議題となりました二法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  まず、薬事法の一部を改正する法律案について申し上げます。  近年、心臓ペースメーカーを初めとして、以前には予想されなかった高度で複雑な医療用具が出現するとともに、その内容が著しく多様化してきております。こうした状況の中で、医療用具の特質に応じて品質、有効性及び安全性を確保していくことが求められております。  また、医療用具の重要性が高まる中、安全で良質な医療用具を迅速に医療の場に提供することが強く求められております。  このため、医療用具の特質に応じた品質、有効性及び安全性を確保するための措置を講ずるほか、あわせて承認審査の事務の改善等を図ることとし、この法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、製造業の許可等に当たり製造管理及び品質管理に関する事項を基準として追加するほか、再審査及び再評価制度の導入、賃貸形態による医療用具の流通に関する規定の整備を図ることとしております。また、医薬関係者に対する医療用具等の適正使用のための責務を明文化するとともに、人の体内に植え込まれ、生命維持に直接かかわる医療用具等に関する記録の作成及び保存等の措置を講ずることにより、医療用具の品質、有効性及び安全性を確保するための施策の充実を図ることとしております。  第二に、医療用具の承認審査の事務の一部を指定調査機関に行わせることにより、承認審査の迅速化を図ることとしております。  第三に、医療用具の製造工程が二以上の製造所にわたる場合や修理を行う場合には、製造業者に対する規制を緩和することとしております。  なお、この法律の施行期日は、交付の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日としておりますが、指定調査機関の指定等に係る事項は公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日からとしております。  以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。  次に、予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律案について申し上げます。  予防接種法及び結核予防法による予防接種につきましては、これまで伝染病の予防や蔓延の予防に所期の効果を上げてきたところであり、その役割の大きさは、今も変わるところはありません。  しかしながら、伝染病の発生の減少、医学医術の進歩、国民の健康意識の向上など予防接種を取り巻く環境は大きく変化してきております。こうした諸環境の中で、極めてまれにではありますが健康被害が発生する予防接種について、高い接種率を維持していくためには、国民の理解を得られる制度としていくことが重要であります。  こうした状況を踏まえ、今般、予防接種法及び結核予防法について、予防接種の対象疾病、実施方法等を改めるとともに、予防接種による健康被害についての救済措置の充実等を図ることとし、この法律案を提出した次第であります。  以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。  予防接種法の一部改正につきましては、第一に、予防接種による健康被害の迅速な救済を図ることを予防接種法の目的に追加することとしております。  第二に、予防接種の対象疾病について、その発生状況等にかんがみ、痘瘡、コレラ、インフルエンザ及びワイル病を削除するとともに、新たに破傷風を加えることとしております。  第三に、予防接種について、対象者はこれを受けなければならないとしていたものを、これを受けるよう努めなければならないとして改めることとしております。  第四に、予防接種を安全に実施するため、市町村長等は予防接種の対象者について、健康状態を調べ、接種が不適当と判断される場合には予防接種を行わないことを明文化することとしております。  第五に、国は、予防接種による健康被害を受けた者に対する保健福祉事業の推進を図るほか、予防接種に関する知識の普及、予防接種事業に従事する者への研修、予防接種による健康被害の発生状況の調査などの措置を講ずることを明確に定めることとしております。  次に、結核予防法の一部改正につきましては、予防接種の実施方法、予防接種による健康被害の救済措置等について、予防接種法と同様の改正を行うこととしております。  なお、この法律の施行期日は、平成六年十月一日としております。  以上、二法案の提案の理由及びその内容の概要について御説明申し上げましたが、予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律案につきましては、参議院において修正が行われたところであります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 次に、参議院厚生委員長会田長栄君。     ―――――――――――――  予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法   律案の参議院修正     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

会田長栄日本社会党・護憲民主連合

○会田参議院議員 参議院厚生委員長の会田であります。どうぞよろしくお願い申し上げます。  予防接種法及び結核予防法の一部を改正する法律案に対する参議院の修正部分について、その内容を御説明申し上げます。  修正の要旨は、政府は、この法律の施行後五年を目途として、疾病の流行の状況、予防接種の接種率の状況、予防接種による健康被害の発生の状況その他新法の規定の施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすること。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 以上で両案の趣旨の説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時五十九分散会      ――――◇―――――

国会会議録検索システムで原文を見る ↗