厚生委員会 第10号
- 発言数
- 65 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1994/06/17
会議録
○加藤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木村義雄君。
○木村(義)委員 おはようございます。朝早くから大変御苦労さまでございます。 大変重要法案であります健康保険法等の一部を改正する法律案に関する質疑もいよいよ大詰めを迎えてまいりました。 本日は、質疑時間も限られておりますので、これまでの審議を踏まえまして、まず最初に、自由民主党を代表して、国民の立場から幾つかの点について確認の意味で質問をいたしたいと思います。 まず、入院時の食事にかかわる患者負担額については、一般の場合、法律上は平均的な家計における食費を勘案し定めるということになっており、政府案は八百円となっております。平均的な家計における食費を勘案するという考え方は一つの理屈ではありますが、本年十月から一挙に八百円に引き上げるのは、入院患者に大変大きな負担を与え、問題であると思われます。患者の立場を考えますと、平成八年九月までは、平均的な家計における食費を勘案するという法律上の考え方に基づかず、経過的に六百円とすることとしてはいかがでしょうか。
○大内国務大臣 御指摘の点につきましては、国会の御判断がそのようであり、法文上の手当てを行うということであれば、これを尊重する考えであります。
○木村(義)委員 それでは次に、一般の標準負担額を経過的に六百円とするとした場合、低所得者についても、その期間中は一般の負担額との均衡を図り、同様の経過措置を講ずることが必要と考えます。低所得者の負担額については四百五十円、市町村民税非課税世帯に属する老齢福祉年金受給者については二百円としてはいかがでしょうか。
○大内国務大臣 一般の負担額を経過的に六百円とする国会の御判断があった場合には、御提案のように対応してまいりたいと考えております。 なお、この件については、医療保険審議会等に付議した上で、厚生大臣が告示で定めることとしたいと考えております。
○木村(義)委員 次に、入院時の食費は家にいてもかかる経費であるとの厚生省の説明でございますが、精神障害のような著しく長期にわたる入院の場合には、入院に伴う家計全体の負担という観点から見れば相当程度の負担となり、これは問題であります。また、入退院を繰り返しているような患者の場合にも同様の家計負担が生ずることとなるわけでございます。 こうした長期入院や断続的に入退院を繰り返している患者のうち、特に低所得者であって過去十二カ月の間に入院期間が三カ月を超える場合には、経過期間中は四百五十円を三百円に、平成八年十月以降は六百六十円を五百円に、それぞれ引き下げるべきではないかと考えますが、大臣の見解をお聞かせください。
○大内国務大臣 御指摘の点につきましては、国会の御判断がなされた場合には、本人の申請を前提に御提案のように対処してまいりたいと存じます。 なお、この件については、医療保険審議会等に付議した上で、厚生大臣が告示で定めることとしたいと考えております。
○木村(義)委員 精神障害者については、今回の食事負担の導入に伴い何らかの配慮を行うべきものと考えます。そうした経済的な負担の軽減以上に、今日の長期入院の実態を改善し、精神障害者の社会復帰の促進を図ることが極めて重要であると考えます。診療報酬における対応を含めた精神障害者の社会復帰対策についての大臣の決意をお伺いしたいと思います。
○大内国務大臣 精神障害者の社会復帰の促進は、精神保健対策の最重要課題の一つであり、今後とも、適所授産施設を初めとする社会復帰施設の整備やグループホームの普及の促進、小規模作業所に対する支援の充実等に一層努めていくとともに、今後、中医協の審議を踏まえながら、本年十月の診療報酬改定においても、精神障害者のための在宅医療などを積極的に推進し、社会復帰促進を図ってまいりたいと存じております。
○木村(義)委員 以上、私ども自由民主党を代表して確認質問をさせていただいたわけでございますが、大臣が、自由民主党の提案に対しまして大変真摯に御検討され、それを実現をしていただけるということになりました。国民の皆さんにとっても、当初から八百円そのままの負担というのは、これはやはり相当大きなものになるわけでございます。そういう激変緩和という意味でも、この自由民主党の案を受け入れていただいたということは、国民の皆さんにとっても、また患者の皆さんにとっても、十分とは言わないまでも、安心をしていただけるのではないか。 そしてまた、この今回の値上げ、食費を取るということでございますけれども、どうかこの財源を、本当にあくまでも国民の皆さん、患者の皆さんの立場に立って、今後も有効に使っていただきたい。これから高齢化社会に向かいまして、国民の皆さんが本当に安心して医療を受けられる、また介護を受けられる、そういう方向で本当に喜んでいただけるような法改正にしていっていただきたい、かように思うわけでございます。 以上で確認の意味での質問は終わらせていただきまして、ちょっと中身に移るわけでございますが、給食料は、現在病院においては千九百円の点数分を与えているわけでありますけれども、診療所においては、格差がありまして、千四百円であります。同じ食費にして、病院では千九百円がもらえ、診療所では千四百円しかもらえない。これはいかにも不平等であると思われてならないわけでございますので、今後においてこの格差を是正していくということを考えておられるのでしょうか、この辺をお伺いしたいと思います。
○多田政府委員 有床診療所の給食につきましては、基準給食加算が認められていないということから、御指摘のように病院の給食の額と差があることになっております。これにつきましては、十月の診療報酬改定において、給食の質の改善に努めていただけるような有床診療所については中医協の御議論を踏まえて加算を検討し、格差を解消していきたいと考えております。
○木村(義)委員 この点に関しては、ぜひ積極的なお取り組みをお願いいたします。 それからもう一点でございますが、今回介護の要員、看護の要員というのを非常に御配慮いただくわけでありますけれども、看護要員と患者との比率は病院単位ではなくて病棟単位で固定をされているわけですね。それで、もしある病棟で重症患者が出た場合に、ちょっと手のあいている病棟から看護婦さんをそちらの方に回すというわけにいかないわけでございます。病棟単位で固定されているものですから、忙しい方の手助けに行けない。ですから、もしそういう重症の患者が出た場合には、結局人員増でもって賄っていかなければいけないわけでございます。これを病棟だけではなくて、病院全体の枠から見でぜひ弾力的な運用を行っていただいて、そういう緊急的な場合には融通のきいた配慮を行うような方法はないのだろうか、これをひとつ御検討いただきたいわけでございますが、いかがでございましょうか。
○多田政府委員 これまでも病院全体で看護のシフトを認める措置をとっておりまして、御指摘のようなケースにも対応できるような形にはなっておりますが、さらに重篤、術後の患者に対する看護につきましては、中医協の議論を踏まえまして、十月の診療報酬改定でその評価について検討していきたいと考えております。
○木村(義)委員 以上で私の質問は終わらせていただきますが、先ほど申しましたように、今度のこの法改正によりまして患者さんから新たに八百円の負担をいただくというわけでございます。どうか、この八百円の負担が患者さんにとりましてはまた何倍もの給付となって返ってくるようないい仕組み、前向きの仕組みで、この改正が本当に喜んでいただけるような改正となるように今後ぜひ努力をしていただきたい。 私ども自由民主党としても、先ほど申しましたように、できるだけ患者さんに負担がかからないように今後も努力をしていくわけでございますけれども、厚生省におかれましても、大変貴重な御負担をいただくということをぜひ踏まえていただいて、今後の厚生行政に大いに御活躍をいただきたいと御期待を申し上げまして、自由民主党としての質問を終わらせていただきます。
○加藤委員長 網岡雄君。
○網岡委員 ただいま自民党から食費の負担について確認の質問がございましたが、私ども社会党といたしましても、共同して修正案を提出いたしているところでございますから、改めて確認の質問をいたしたいと思います。 まず、経過についてでありますが、入院時の食費に係る患者負担額については、一般の場合、法律上は平均的な家計における食費を勘案し定めることとなっており、政府案は八百円となっております。平均的な家計における食費を勘案するという考え方は一つの理屈ではございますが、本年十月から一挙に八百円に引き上げるのは入院患者に大きな影響を与える問題であります。平成八年九月までは、平均的な家計における食費を勘案するという法律の考え方に基づかず、経過的に六百円とすることとしてはどうかということをお尋ねをいたします。
○大内国務大臣 御指摘の点につきましては、国会の御判断がそのようであり、法文上の手当ても行うということであれば、これを尊重する考えであります。
○網岡委員 次に、一般の標準負担額を経過的に六百円とするとした場合、低所得者についても、この期間中は一般の負担額との均衡を図り、同様の経過措置を講ずることが必要であると思います。低所得者の負担額については四百五十円、市町村民税非課税世帯に属する老齢福祉年金受給者については二百円としてはどうかと思うのでありますが、この点について大臣のお考えをお聞きいたします。
○大内国務大臣 一般の負担額を経過的に六百円とする国会の御判断があった場合には、御提案のように対応してまいりたいと考えております。 なお、この件につきましては、医療保険審議会等に付議した上で、厚生大臣が告示で定めることとしたいと考えております。
○網岡委員 入院時の食費は家にいてもかかる経費であるとの厚生省の説明でございますが、精神障害のような著しく長期にわたる入院の場合には、入院に伴う家計全体の負担という観点から見ましても相当程度の負担となり得る問題であります。また、入退院を繰り返しているような患者の場合にも同様の家計負担が生ずることが予想されます。 こうした長期入院や断続的に入退院を繰り返している患者のうち、特に低所得者であって過去十二カ月の間に入院期間が三カ月を超える場合には、経過期間中は四百五十円を三百円に、平成八年十月以降は六百六十円を五百円にそれぞれ引き下げるようにすべきでないかと考えますが、大臣の御見解をお尋ねいたします。
○大内国務大臣 御指摘の点について国会の御判断がなされた場合には、本人の申請を前提に御提案のように対処してまいりたいと考えております。 なお、この件につきましては、医療保険審議会等に付議した上で、厚生大臣が告示で定めることとしたいと考えております。
○網岡委員 第四に、付添看護の解消の実現につきましては、この改革のかぎである平成七年度末までに本当に実現することができるのか、これは私ども、最も関心を持っているところでございますし、今後その実施の経過については十分な監視をしていくつもりでございますが、厚生省として平成七年度までに本当に実現するということであるのか、大臣の決意をお尋ねをいたします。
○大内国務大臣 付添看護はサービスの質や重い患者負担という点が問題であり、医療保険審議会の建議でも指摘されているとおり、付き添いを必要としない看護・介護体制を早急に確立する必要があると考えます。このため、診療報酬上の措置や労働省との連携による家政婦対策等を積極的に講ずることにより、平成七年度末までに付添看護・介護の解消が実現されるよう、全力を挙げて取り組んでまいります。
○網岡委員 全力を挙げて取り組んでまいりますという大臣の決意がございましたが、その決意のとおりに着実に実行していただきますことを改めて要望いたします。 最後でございますが、先般ソリブジン事件が発生をいたしましたが、この人命に与えました深刻な状況を踏まえまして、厚生省が中心となって、治験の一層の適正化を図るとともに、医薬品情報の周知徹底など、医薬品の適正な使用に必要な施策を推進していくことが必要であると考えますが、大臣の決意をお尋ねをいたします。
○大内国務大臣 今回のソリブジン事件を教訓として、医薬品の安全かつ有効な使用が図られるためには、内容の充実した医薬品情報が医療関係者に周知徹底され、処方、服薬指導、薬歴管理等に生かされることが必要であると認識しております。 そのため、医薬品の臨床試験の実施に関する基準の厳格な実施、医薬品情報の収集及び提供体制と情報内容の充実、医薬情報担当者の資質向上、チーム医療の推進、医療機関における医薬品情報管理室の整備など、医薬品情報の有効活用、患者への十分な説明、医薬分業の推進等必要な施策の推進に努力してまいる所存であります。
○網岡委員 最後でございますが、きょう朝日新聞の朝刊に、やはりソリブジンの薬害に対する記事が報道されております。この記事の内容によりますと、厚生省が新薬承認をするに当たりましてこれは重大な問題をはらんでいるということを、私きょうの記事を読んで痛感をいたすところでございます。 記事によりますと、ソリブジンの第三相試験、これは一般の患者に数も相当ふやしまして治験をする新薬承認の最終段階の実験の段階でございますが、そのときに、問題の日本商事が、ソリブジンとFU抗がん剤の投与中の患者については最終治験の対象から除外するように各医療機関に通知を出していたということが判明をしたということを、きょう朝日新聞が報じているところでございます。 したがって、副作用が出る対象となるべき患者を外して第三相試験を行ったわけですから、これは重大な死亡事故というようなものが出てこないのは当たり前でございまして、そういうものを外した結果の内容をもって新薬承認を行ったということは、私は虚偽の申請に基づく新薬承認になったということになると思いますが、この点についての厚生省としての責任、それから、今後この問題について、日本商事に対してどのような処置をするか、この際、厚生大臣としての確たる御回答をいただきたい。
○大内国務大臣 御指摘の報道にかかわるソリブジン事件については、私どもとしてはこれを厳しく受けとめております。いやしくもとうとい人命が損なわれるようなそういう事態が発生したということは極めて遺憾な事実であり、私どもとしては、その真相究明に徹底的なメスを入れたいと考えております。 したがいまして、今明日にかけまして、直ちに日本商事に対しまして立入検査を行うとともに、週明け早々にはその治験に当たられた医師等からも事情の聴取を行い、この事件がどのような事実関係にあったのか徹底的に究明し、その責任の所在を明らかにしたいと考えておる次第でございます。
○網岡委員 最後ですから。 ここに私は「正しい治療と薬の情報」という昨年の十二月二十八日発行のデータを持っておりますが、これは専門誌です。その専門誌によりますと、先発とも言われるべきドイツのBVDUという、これは同じ薬品です。ベンゾール核が二つくっついていて、ソリブジンと違っているのはOHが一つ余分についているだけ、これだけの違いです。まさにこれは、俗に言うソロ薬品でございます。したがって、BVDUという薬品の副作用については既に日本商事はドイツから情報をちゃんと握っていたはずでございまして、こういうような経過から見ましても、今回の日本商事が出した新薬承認申請の問題は極めて重大な内容を持っているというふうに思いますので、ぜひひとつ、厚生省においては厳重な監視と検討をされて、適切な、そして厳しい処置をされることを要望いたしまして、質問を終わります。
○加藤委員長 岩佐恵美さん。
○岩佐委員 今度の法律につきましては、理事会でもたびたび話がありましたけれども、通常であれば二国会にわたる重要な法案であります。例えば過去において、一九八四年の健保本人一割負担、このときの国会の審議は、参考人質疑、公聴会、連合審査、全体で十回五十八時間半でした。八六年の老健法、このときには八回三十一時間でした。九一年の老健法に基づく自己負担の再引き上げ、このときは七回十六時間でありました。今回は全体として七時間二十分しかありません。私は、こういう事態というのは、国会の審議の形骸化、そういう点で非常に重大であるというふうに思っています。 今度の法律について言うと、本来保険で見るべき費用である入院給食費を保険から外して、入院時食事療養費という、特定療養費のように患者が選択できない強制費用負担制度をつくろうとしている法律です。このことによって、お金のない人や長期の療養者は入院しにくくなる事態がつくり出されます。ここに、今回の法改悪の大きな問題があると思います。 そして、もう一つの大きな問題は、給食費有料化による収入の一定部分を充てて付添看護を解消するということなのですが、しかし、付添看護の解消については、病院にとっても患者にとっても新たな負担や困難をしょい込むものであるということが、これまでのわずかな質疑の中でも明らかになったと思います。医療制度の抜本的な問題にかかわるこういう別々の事柄を無理に一つに結びつけようとする、こういうやり方では真の医療制度の改正にはならない、私はそういうふうに思っております。 そういう立場から幾つか質問をしたいと思います。 まず、食堂が一般的でない日本の病院で給食の松竹梅のランクが一般的になりますと、医療、病院の食事に大幅な差別を持ち込むことになります。俗に食べ物の恨みは恐ろしいと言われますけれども、治る病気も治らないばかりか、患者同士や病院とのトラブルのもとになるのではないか、そういうことが病院関係者の間で非常に心配の種になっています。その点について改めて伺いたいと思います。
○多田政府委員 今回の入院時の食事療養費の創設は、国民の生活水準の向上に伴って、食事の質の向上やあるいは患者の選択の幅の拡大といったニーズにこたえていくべきであるという医療保険審議会の御見解を踏まえたものでございまして、差別化を招くものとは考えておりません。
○岩佐委員 選択の幅について言うならば、今でも特別なこういう食事の体制はあるわけです。ところが、それをとっている病院が少ないことにあらわれているように、別に病院の側もあるいは患者の側も選択の幅など求めていない、それが今までの実態ではなかったのですか。そういうことを無視してこういうものを取り入れる、本当に大問題であると私は思います。 それから、病院給食は三百床の病院でも患者の症状に合わせて個別に対応するため八十種類、多いところで百種類の給食をつくることになります。センター化ではこの個別対応ができなくなるばかりか、適時適温給食を大きく後退させることになると思います。昨年、当委員会で私はこの問題について取り上げましたけれども、もう一度センター化の問題について考え方を確認をしておきたいと思います。
○寺松政府委員 今先生の御質問でございますが、病院給食の業務の委託につきましては、現在のところでは院内調理施設において調理を行う形態の委託のみを認めておるわけでございます。 病院給食は、これは先生も御指摘のように、安全面や栄養面で適切であるばかりでなく、適時適温で摂取しやすいことや患者の病態や嗜好に応じた個別対応が重要であり、質の高い給食として重要であると考えておるわけでございます。 こうした質の高い給食を目指すに当たりまして、衛生管理技術の発達や給食関連サービス業者の水準の向上など、患者給食の供給をめぐります状況は著しく変化いたしております。このような変化も踏まえまして、院外調理が適切であるか否か、それから先生の御指摘の個別の対応が困難にならないような、そういうふうなことについて検討する必要がありまして、平成四年十月の医療審議会答申を受けて、医療関連サービス基本問題検討会におきまして今後さらに調査検討していくことにいたしておるわけでございます。
○岩佐委員 この問題については、業者に委託をするということは利益を生み出すということ、これが大前提になるわけですから、本当にこういう形態は患者のためにならない、それは明らかだと思うのです。そういう点について、私は、センター化についてはやるべきでない、そういう立場を一応きちんと言っておきたいと思います。 次に、基準看護の病院でも、手術直後や末期患者については、看護婦が足りないため、家族による付き添いややみで付添婦をつけざるを得ない状態にあります。これは看護婦数の不足によるものです。付添看護は、前回の委員会でも指摘をしたところですけれども、日本の低い看護水準を下支えしてきた制度と言えます。厚生省の案程度では現在よりさらに看護体制が低下をすることになります。今介護職員を雇うには年間四百万円程度必要だと言われています。診療報酬では百六十四万円から三百二十二万円にしかなりません。病院経営のためには、お世話料等患者負担が必要になる、さもなければ、寝かせきり患者をつくるか病院がつぶれるかのいずれかになる、こういう声があります。この点について、看護に対する小手先ではなくて、抜本的な診療報酬の改定が必要だと思います。この点はいかがでしょうか。
○大内国務大臣 基準看護病院においては付き添いをつけている例があるではないかという御指摘でございますが、基準看護病院におきましては、本来付き添いはつけてはならないことになっておりまして、御指摘のような事例があれば今後適切に対処してまいりたいと思っております。 むしろ今回の改革ではそのような事態がないように、基準看護病院を含めまして看護体制の拡充を推進していくこととしておりまして、これにより病院によって必要な看護サービスが提供される体制づくりを推進してまいりたいと考えておりまして、御指摘の診療報酬についてもこの面を確実にカバーする体制を今とろうとしているところでございます。
○岩佐委員 前回の委員会でも取り上げましたけれども、今は基準看護をとっている病院で本当に基準看護どおりやろうとすれば、それこそ臭い病棟になってしまう、それで基準看護を外して付添看護の病院にしたら病院がきれいになった、こういう貧しい実態であります。これにさらに拍車をかけるようなことになったら、本当に大変だと思います。 この点については、本来であれば、付添看護制度が一体現状がどうで、これからどうしていけばいいのか、そのことについて本当に徹底的に審議をして、そして解決をしていく。そういうことはこの委員会でも十分考えていかなければいけない問題であると思いますけれども、今の厚生省の答弁は考えるということでありますけれども、これは本当にどうなのかということで、国民はあるいは医療機関は不安が解消できないのではないかと思います。こうした医療機関や患者の意見をきちっと聞いて、厳正に対処をしていっていただきたいと思います。 細かい問題ですけれども、特定療養費制度による患者負担は患者に選択の余地がありますけれども、新たに導入された入院時食事療養費制度では一律に患者から強制的に取るもので、今までの一割から三割の自己負担、老人の定額負担に加えて、新たな患者負担をふやすものです。入院時食事療養費は保険医療機関が代理請求できることになっていますけれども、将来療養費払い、いわゆる償還払いにすることはないのかどうか、その点について伺っておきたいと思います。 それから、入院給食と同じ考え方で薬、寝具、治療材料等に新たな患者負担を導入することにならないか、再度確認をしておきたいと思います。
○多田政府委員 最初の入院時食事療養費につきましては、現物給付化を前提として制度化しておりまして、この方針でまいりたいと考えております。 それから、薬剤などに患者負担が導入されるのではないかという御質問でございますが、今回の食事についての給付の見直しにつきましては、再三申し上げておりますように、家庭でも要している程度の額は入院したときの特別の追加的な費用ではないという考え方から、その程度の額は自己負担していただくという考え方で整理をされているものでございまして、御指摘の薬剤あるいは寝具といったようなものにつきましては、これは追加的に必要となる費用と考えられるものでございますので、今回のこの食事の考え方の延長線として、新たな自己負担を求めるという論理必然というような考え方にはならないであろうと考えております。 また、薬剤につきましては、昨年十二月の医療保険審議会の建議におきましても、どうも使い過ぎがあるのではないかとか、あるいは一般用医薬品に類似する医薬品について、負担の公平性や保険給付としての優先度といった点からはいかがなものであろうかといったような御指摘があることは御承知のとおりでございます。 こうした問題に対して、具体的な方策を検討するに当たりまして、医学や薬学上の専門的な検討が必要であるという考え方に立ちまして、昨年の建議におきましては、「専門的な検討の場を設けるなどして、更に検討を進めていく必要がある。」とされておりまして、昨日の医療保険審議会におきましても、この専門部会の設置というものが決定されたところでございます。こういった審議会の検討を踏まえて、今後適切に対処してまいりたいと考えております。
○岩佐委員 そうすると、薬剤については広げていく可能性があるということなんですか。
○多田政府委員 自己負担がどうなるかということも全く検討対象外になるというふうに限定をして御議論をいただくわけではございませんので、とにかく薬剤につきまして全般的にどういうあり方がいいかということを御検討いただく、こういうことでございます。
○岩佐委員 要するに、入院時の食事療養費制度というのは、今までの保険負担と、そして特定療養費という自分が選択することができるもの、それとは全く別の概念で新しいものをつくったわけですね。それで、それを食事ということでやったけれども、これに、今話があるように、次は薬剤をつける、次はベッド回りをつけるということで、どんどん拡大していくことができる。つまり自己負担を拡大していくことができる、そういう制度を創設をしたということになるんじゃありませんか。そういう点で本当にこれは重大な制度改悪だというふうに言わざるを得ないのですね。 それで、次に、四月の診療報酬の改定で差額ベッドの対象が四人部屋にまで拡大された。全病床に対する割合の上限が二割から五割まで引き上げられました。なぜ差額ベッドが拡大されたのでしょうか。
○多田政府委員 近年、生活水準が向上します中で慢性疾患を有する患者さんが非常に増大しているというような流れの中で、生活の質の維持を図るための療養環境等に対するニーズが非常に高まってきているというのは先生御承知のとおりでございます。 今回の見直しは、医療サービスの基本的な部分については保険給付で対応すべきでありますが、患者の選択による部分については、患者の意思を尊重しながら特定療養費制度の拡充を図ることが必要であり、療養環境等については特定療養費制度を活用して多様化していく患者ニーズにこたえていくことが期待されるという中医協基本問題小委員会報告を踏まえて行ったものでございます。 具体的には、患者に負担を求めることができる一定の要件を満たす良好な療養環境を提供する病床の割合を五〇%まで引き上げることができることとしたものでございまして、要件を定めて厳格に運用することによりまして、患者ニーズに対応した適切なサービスの提供がなされるものと考えております。
○岩佐委員 療養環境の向上と言いますけれども、カーテンで仕切るという最低限のプライバシーの尊重さえ自己負担の対象とするところに日本の厚生行政の貧困があらわれている、こういう批判がありますけれども、まさにそのとおりだと思うのですね。カーテンで仕切るなんというのは当たり前のことなんですね。 カーテンで仕切って、そして差額ベッドを全体のベッドの五割にする、付添看護による患者負担の解消、そう言って病院給食は有料化する、差額ベッドは拡大する、そういうことで、例えば高額医療費の自己負担分六万三千円、それから病院給食二万円ちょっと、そして差額ベッド、これは一日恐らく二千円から三千円になると思うのですけれども、六万円から九万円、これを全部足すと患者は十四万円から十七万円ないと入院できない事態になるのですね。まさに家計が破産する、そういう状態になるんじゃありませんか。 先ほども、差額ベッドの徴収、治療上の必要から入院した場合でも取られている実態について、これを調査してきちんと対応するというふうに言っておられましたけれども、ある例では、意識不明になって病院に入れられた。個室に入れられた。そして、二、三日たってはっと我に返って、差額ベッド一万五千円でございます、びっくり仰天して、もうとにかくこの個室にはいられないから大部屋に移してくれ、そういうふうに病院側にお願いしたけれども、なかなかうまくいかなくて、それで相談に来た、相談の電話があった。こんな実例はもう枚挙にいとまがない実態であります。 こういう本当に患者の負担を拡大するような医療制度の改悪、これは絶対にやってはならないというふうに思います。 ここで大臣に伺います。制度審の社会保障将来像委員会が公的介護保険の導入の報告をする、そういう報道がありますけれども、介護体制の拡充が必要だということを理由に、安易に新たな保険料、税金を徴収するための制度を考えるのだったら消費税の増税や福祉税と同じだと思います。国民に新たな負担を押しつける以外の何物でもないと思います。安易に国民負担をふやすべきでないと思いますけれども、その点の大臣のお考えを最後に伺いたいと思います。
○大内国務大臣 今御指摘の介護保険の問題でございますが、これは社会保障制度審議会の社会保障将来像委員会におきまして、その導入を盛り込んだ報告書について検討中であるということは私どもも承知をいたしておりますが、審議会全体としての取りまとめ、あるいはそれをどのように確定するか、また公表するかといったような事柄はまだ未定であると承知をいたしております。 厚生省としても、本格的な高齢化社会を迎えまして、高齢者の介護問題は大変重要な問題であると認識しておりまして、先般の二十一世紀福祉ビジョンでも、介護対策の充実が安心できる福祉社会づくりの大きなポイントとされているところでございます。 四月にドイツでこの介護保険が二十年ぶりの論議の末に導入されたということは承知をしておりますが、今委員御指摘のように、これは新たな負担を国民に求めるという重大な問題でございますだけに、私どもとしてはこの問題については慎重に対応してまいりたいと思っております。
○岩佐委員 先ほども申し上げましたけれども、今度の制度改正をめぐりまして、医療機関も患者の皆さんも、本当にこの日本の将来の医療がどうなるのか不安を持っているわけであります。医療機関の犠牲で、あるいは患者負担の犠牲で安易にその場その場を切り抜けていく、こういう中では私は国民のための医療体制をつくることができないというふうに思います。その点、厚生省も国会も本当に真剣に考えるべきだ、そのことを指摘して、私は質問を終わりたいと思います。
○加藤委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○加藤委員長 この際、本案に対し、持永和見君外四名から修正案が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。持永和見君。 ————————————— 健康保険法等の一部を改正する法律案に対する 修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○持永委員 ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党及びさきがけ・青雲・民主の風を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 修正の要旨は、第一に、入院時食事療養費に係る標準負担額は、平成八年九月三十日までの間、六百円(厚生省令で定める者については、厚生大臣が別に定める額)とすること。第二に、医療保険制度及び老人保健制度については、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行後におけるこれらの制度の実施状況、国民医療費の動向、社会経済情勢の推移等を勘案し、入院時食事療養費に係る患者負担の在り方を含め、給付及び費用負担の在り方等に関して検討が加えられるべきものとすること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○加藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 この際、持永和見君外四名提出の修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。大内厚生大臣。
○大内国務大臣 健康保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案については、政府としてはやむを得ないものと考えます。 —————————————
○加藤委員長 これより本案及び修正案を一括して討論に付します。 討論の申し出がありますので、これを許します。岩佐恵美さん。
○岩佐委員 私は、日本共産党を代表して、健康保険法等の一部を改正する法律案に反対する立場から討論を行います。 厚生省は、本法案が国会に提出される前から、病院給食の有料化を財源にして十月に診療報酬の改定を行うと決めていました。法案が通ることを前提にして改定を予定するなどは国会審議を無視したものであり、官僚独走などの批判がありますが、当然です。また、隅谷制度審会長も、厚生省の食費はいただきます、そのかわり付添看護はなくしますという考え方には賛成できない、付き添いと給食は問題の性質が違うとも批判されているように、本法案は、提出の過程から多くの問題点を持っています。 次に反対の理由を申し述べます。 成人病、慢性病がふえている中で食事療法が一層重視されてきており、病院給食は疾病治療の一環として重要な役割を担っています。病院給食を療養の給付から除外することは保険給付範囲の縮小であるばかりでなく、医学的常識、治療の常識を無視したものです。 病院給食の有料化は、国民に大幅な負担増を押しつけるものであり、特に老人や低所得者層にとっては入院もままならないという事態をつくることは明らかです。 また、入院時食事療養・標準負担額は「食費の状況その他の事情が著しく変動したときは、速やかにその額を改定するものとする」ことになっており、法改正なしに負担額を引き上げることができます。しかも、高額療養費の対象に含まれないため、全額患者、家族の負担となるという点でも重大な改悪です。 さらに、食事の持ち込みや、おかゆ食の場合高過ぎる等病院内でのトラブルが発生する可能性が大きく、治療効果にも影響を及ぼしかねません。入院時食事療養費の制度と標準負担額による新たな患者負担の導入は、薬、寝具、治療材料等の新たな患者負担に道を開くものになります。 厚生省は、病院給食の患者負担の財源で看護体制を強化して付き添いの負担なく安心して入院できる病院とするとして、法案成立のてこにしてきました。 しかし、付添婦がつくことが禁止されている基準看護の病院でも、手術直後や末期患者については、看護婦が足りないため家族による付き添いをやみでつけざるを得ない状態にあります。看護補助者を若干ふやす程度では、現在、付添婦をつけている病院の介護・看護は大幅に低下することになります。また、現在の看護に関する診療報酬は看護婦等を雇えば雇うほど赤字になる仕組みになっており、赤字の構造をそのままにして付添看護を廃止すると、付添婦に対する患者負担はなくなりますが、お世話料、差額ベッド等の他の名目による患者負担の増大を招くことは明らかです。 これらに対する抜本的対策をとらないまま付添看護を廃止すれば、現在でも不十分な老人等の介護・看護体制を一層深刻なものにするばかりか、患者、家族の負担を増大させることになります。 本法案は、入院時食事療養費という新しい概念を持ち込み、なお一層の患者負担を国民に押しつける一方で、明確な見通し、具体的手だてもないまま、付添看護を廃止しようとするものです。本日提出された修正案は、この本質を何ら変えるものではありません。このような重大な制度の抜本改悪を、短時間の審議でしかも関係団体の意見も十分聞かないまま採決を強行しようとすることは過去になかったことであり、到底許せません。 本法案の撤回を強く要求して討論を終わります。
○加藤委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○加藤委員長 これより健康保険法等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、持永和見君外四名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○加藤委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて原案について採決をいたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○加藤委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○加藤委員長 この際、本案に対し、衛藤晟一君外四名から、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党及びさきがけ・青雲・民主の風の五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。網岡雄君。
○網岡委員 私は、自由民主党、改新、日本社会党・護憲民主連合、公明党及びさきがけ・青雲・民主の風を代表いたしまして、本動議について御説明を申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 健康保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について適切な措置を講ずるよう努力すべきである。 一 付添看護の解消に伴う基準看護制度の見直しに当たっては、看護・介護職員について診療報酬上遭切な評価を行うとともに、重篤・術後の患者について評価を検討するなど、看護の質の低下を招くことのないよう適切に配慮すること。 二 付添看護に係る保険外負担の解消については、看護・介護職員の院内化の円滑な促進が図られるよう適切な配慮を行いつつ、また、付添婦及びその紹介に携わる事業者が院内化の動向に適切に対応できるよう、弾力的な雇用形態に対する診療報酬上の評価など着実な実施のための所要の措置を講ずること。 また、必要に応じ付添看護の解消の状況等の実態を調査し、その結果を踏まえ、所要の措置を講ずること。 三 入院時食事療養費の定額自己負担を定めるに当たっては、市町村民税非課税世帯に属する者の負担が過重にならないよう、これらの者の入院が長期にわたる場合に配慮しつつ、適切な措置を講ずること。 また、一般の食費負担額が、平均的な家計における食費の状況を勘案した額から経過的に六百円に軽減された趣旨を十分に踏まえ、市町村民税非課税世帯に属する者の負担についても、その入院が長期にわたる場合に配慮しつつ、経過措置を講ずること。 四 入院医療における栄養指導の重要性に鑑み、栄養士によるベッドサイドでの栄養指導及び栄養管理に対する診療報酬上の評価など所要の措置を講じ、入院時の食事の改善を図ること。在宅医療充実のために訪問栄養指導についても診療報酬上の評価など所要の措置を講ずること。 五 訪問看護、在宅歯科医療、在宅薬剤管理など、在宅医療の推進を図るため、診療報酬上の評価など所要の措置を講ずること。 六 精神障害者の社会復帰のための各般の施策の拡充及び施設整備の計画的推進を図ること。その一環として診療報酬上の評価について検討を加えること。また、精神医療におけるマンパワーの確保について早急な検討を加えること。 七 精神薄弱者の自立と社会参加を促進するため、各般の施策の推進を図るとともに、その障害の発生予防及び療育の推進を図ること。 八 難病対策については、患者の実態を十分に踏まえ、施策全般にわたる見直しを行い充実を図ること。 九 医薬品の適正な使用の推進を図るため、製薬企業における医薬品情報の収集・提供体制の充実及び医薬情報担当者の資質向上、医療機関における医薬品情報管理室の整備など医薬品情報の有効活用、医薬分業の推進等必要な施策の推進に努力すること。 十 今後の高齢者の介護ニーズの増大・多様化等に応えていくため、総合プランとして新しいゴールドプランを策定し、その積極的推進に努めること。 また、医療・福祉・年金等社会保障全般にわたる課題として、新たな介護システムの早急な確立に努めること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○加藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 衛藤晟一君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○加藤委員長 起立多数。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、大内厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。大内厚生大臣。
○大内国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力いたす所存でございます。 —————————————
○加藤委員長 この際、お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○加藤委員長 次に、内閣提出、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案、内閣提出、地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律案及び内閣提出、国民年金法等の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。 順次趣旨の説明を聴取いたします。大内厚生大臣。 ————————————— 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律 の一部を改正する法律案 地域保健対策強化のための関係法律の整備に関 する法律案 国民年金法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○大内国務大臣 ただいま議題となりました三法案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 まず、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。 広島市及び長崎市に投下された原子爆弾の被爆者の方々に対しましては、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律により、健康診断及び医療の給付を行うとともに、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律により、医療特別手当等の支給を行い、被爆者の健康の保持増進と生活の安定を図ってまいったところであります。 本法律案は、被爆者の福祉の一層の向上を図るため、医療特別手当等の額を引き上げることを内容とするものであります。 以下、その具体的内容について御説明申し上げます。 まず、医療特別手当について、その支給月額を本年十月以降十三万五千四百円に引き上げることであります。 第二は、特別手当について、その支給月額を本年十月以降五万円に引き上げることであります。 第三は、原子爆弾小頭症手当について、その支給月額を本年十月以降四万六千六百円に引き上げることであります。 第四は、健康管理手当について、その支給月額を本年十月以降三万三千三百円に引き上げることであります。 第五は、保健手当について、本年十月以降、一定の範囲の身体の障害のある者等に対し支給される手当の支給月額を三万三千三百円に、それ以外の者に対して支給される手当め支給月額を一万六千七百円に引き上げることであります。 なお、この法律の施行期日は、平成六年十月一日といたしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 次に、地域保健対策強化のための関係法律の整備に関する法律案について申し上げます。 我が国における地域保健を取り巻く状況は、急速な高齢化の進展、慢性疾患の増加等による疾病構造の変化、保健サービスに対する地域住民のニーズの高度化や多様化などにより、著しく変化しております。 こうした状況を踏まえ、終戦直後に構築された現在の地域保健対策の枠組みを抜本的に見直し、来るべき二十一世紀を展望しつつ、国、都道府県、市町村がそれぞれにふさわしい役割を分担し、地域保健対策の総合的な推進、強化を図ることを目的として、この法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、地域保健対策の推進体制の強化を図るための基本的な枠組みや方向を定めることであります。このため、現行の保健所法を抜本的に見直し、名称を地域保健法に改めるとともに、地域保健対策推進に当たっての理念や地方公共団体及び国の責務を定め、あわせて、地域保健対策のあり方を明らかにする基本指針を定めることといたしております。 第二は、保健所の機能強化であります。その広域的・専門的・技術的な役割が期待されている保健所において、エイズ対策、難病対策、市町村に対する支援などを行うことを法律上明確にすることといたしております。また、都道府県の保健所の所管区域設定に当たっては、二次医療圏や老人保健福祉圏を参酌すべきことといたしております。 第三は、市町村における保健サービスの充実及び実施体制の整備の促進であります。三歳児健診などの母子保健事業や一般的な栄養指導等に関する事務の市町村への移譲、一歳半健診の法定化などを通じて、住民に身近で頻度の高い保健サービスが、最も基礎的な自治体である市町村において提供されるようにすることといたしております。また、これとあわせて、市町村における保健サービスの総合的な実施拠点として、市町村保健センターを法定化するとともに、その設置に要する費用について国の補助規定を創設し、その整備の一層の促進を図ることにいたしております。また、人材の確保が困難な小規模な町村に対しては、都道府県が人材確保支援計画を定め、その計画に基づき都道府県が支援事業を行う場合に国が財政的、技術的支援を行うことといたしております。 第四は、保健所設置市への事務の移譲であります。診療所、医薬品の一般販売業等についての許可や届け出の受理等の事務について、保健所設置市に移譲することといたしております。 なお、この法律の施行期日は、公布の日としておりますが、事務の移譲に関する事項や保健所の機能強化、所管区域の設定に関する事項については、平成九年四月一日から施行することとしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 次に、国民年金法等の一部を改正する法律案について申し上げます。 我が国は、本格的な高齢・少子社会の到来を目前に控えておりますが、国民の老後の生活設計の柱である公的年金制度が今後ともその役割を十分果たしていけるよう、制度を将来にわたり揺るぎないものとしていくことが要請されております。このため、今回の財政再計算に当たり、二十一世紀を展望して、制度全般にわたり必要な見直しを行うこととした次第であります。 その基本的視点としては、第一に、二十一世紀を活力ある長寿社会とするため、高齢者の雇用の場の確保を初め、社会経済全体のあり方が問われている中で、年金制度もこれに対応し、人生八十年時代にふさわしいものに見直していくことであります。 第二に、高齢化の進展に対応して、年金制度を長期的に安定させるため、給付と負担の均衡を図るとともに、将来の現役世代に過重な負担が生じないようにすることであります。 以下、今回提出いたしました改正案の内容につきまして、御説明申し上げます。 第一に、六十歳代前半の老齢厚生年金につきましては、その年金の額を報酬比例部分相当額とし、一般男子については平成十三年度から二十五年度にかけて、女子については平成十八年度から三十年度にかけて、現行の仕組みから段階的に切りかえることとしております。さらに、在職老齢年金について、雇用促進的な仕組みとなるよう改善を図るとともに、雇用保険法による給付との適切な調整を行うこととしております。 第二に、年金額につきましては、本年十月から、国民年金の基礎年金の額を月額六万五千円に引き上げるとともに、厚生年金保険については、現役世代との均衡に配慮し、再評価の方式を実質的賃金の上昇率に応じたものに改め、年金額を引き上げることとしております。 第三に、遺族年金、障害年金等の改善であります。 遺族年金につきましては、遺族基礎年金の支給要件等となる子の年齢要件の改善、老齢厚生年金と遺族厚生年金との併給調整の改善を行うこととしております。障害年金につきましては、障害基礎年金の所得制限の改善、障害等級に三年以上該当しなかった場合の取り扱いの改善等を行うこととしております。また、育児休業期間中の厚生年金保険料の本人負担分を免除するほか、年金受給権の確保を図るため、国民年金における高齢者の任意加入の特例や第三号被保険者の届け出の特例措置を講ずることとしております。 第四に、保険料につきましては、国民年金については平成七年四月から月額一万一千七百円に改定し、以後段階的に引き上げることとしております。厚生年金保険については、五年ごとの財政再計算期に保険料率を千分の二十五ずつ引き上げることが必要となりますが、今回の改正に際しては、これと同様の効果を保ちつつ、二段階に分けて引き上げることとし、本年十月から千分の百六十五に、平成八年十月から千分の百七十三・五に改定することとしております。また、平成七年四月から、賞与等を対象として、千分の十の料率の特別保険料を徴収することとしております。 第五に、厚生年金基金につきまして、その普及育成を図る観点から、免除保険料率の設定方法を改善するとともに、基金の資産運用に係る規制を緩和することとしております。 以上のほか、短期間我が国に滞在した外国人に対する脱退一時金の支給、国民年金の死亡一時金の改善を行うこととしております。また、沖縄の厚生年金につきまして、将来に向けて特例的に加入できる措置を講じ、年金額の改善を図ることとしております。さらに、年金福祉事業団における教育資金貸付制度の創設及び資金の運用方法の拡大等を行うこととしております。 また、児童扶養手当等につきましては、年金額の引き上げに準じて額の改定を行うとともに、その支給対象となる児童の年齢要件の改善等を行うこととしております。 以上、三法案の提案理由及びその内容の概要について御説明申し上げました。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○加藤委員長 以上で各案の趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前九時四十五分散会 ————◇—————