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129回国会衆議院1994/03/25

厚生委員会 第4号

発言数
141
登壇者
10
会派数
4
開催日
1994/03/25

会議録

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、児童手当法の一部を改正する法律案及び戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  順次趣旨の説明を聴取いたします。大内厚生大臣。     ————————————— 児童手当法の一部を改正する法律案 戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する   法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

大内啓伍民社党・新党クラブ厚生大臣

○大内国務大臣 ただいま議題となりました二法案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  まず、児童手当法の一部を改正する法律案について申し上げます。  近年、出生率の低下傾向が続くとともに、夫婦共働き世帯の増加、核家族化や都市化の進展など、児童や家庭を取り巻く環境の変化は著しいものがあります。児童手当制度は、児童を養育している家庭における生活の安定に寄与するとともに、次代の社会を担う児童の健全な育成及び資質の向上に資することを目的としており、このような児童や家庭を取り巻く環境の変化に対応して、よくその役割を果たしていくことが求められております。  こうした状況を踏まえ、今般、児童手当制度の福祉施設事業を拡充することにより、夫婦共働き世帯の増加などに対応したきめ細かな育児支援サービスや児童の健全育成のための事業の充実を図るために、事業主からその事業に要する費用に充てるための拠出金を徴収すること等を内容とする本改正案を提出した次第であります。  以下、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一に、児童手当制度の福祉施設事業につきましては、これを児童育成事業と改称し、育児に関し必要な援助を行う者または児童の健康を増進し、情操を豊かにする事業を行う者に対する助成等の充実を図ることとしております。  第二に、事業主から徴収している拠出金につきまして、被用者に対する児童手当の支給に要する費用に加え、新たに児童育成事業に要する費用をその対象とすることといたしております。  なお、この法律の施行期日は、原則として平成六年四月一日としております。  以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。  次に、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案について申し上げます。  戦傷病者、戦没者遺族等に対しましては、その置かれた状況にかんがみ、各種の援護措置を講じ、福祉の増進に努めてきたところでありますが、平成六年度においても、年金の支給額を引き上げる等の措置を行うことにより戦傷病者、戦没者遺族等に対する援護の一層の充実を図ろうとするものであります。  以下、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一に、障害年金、遺族年金等の額を恩給の額の引き上げに準じて引き上げることといたしております。  第二に、子または孫に対する遺族年金の支給等について、十八歳に達する日の属する月まで行っていたのを、その日が属する年度の末までこれを延長することとしております。  以上、二法案の提案の理由及びその内容の概要について御説明申し上げました。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 以上で両案の趣旨の説明は終わりました。     —————————————

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山口俊一君。

山口俊一自由民主党・自由国民会議

○山口(俊)委員 それでは、野党自民党の先陣を切らせていただきたいと思いますが、まず最初に申し上げておきたいのが、実は今回予算委員会があのような状態である、しかも予算が提案理由の説明さえされておらないというふうな状況の中でこの日切れ法案を慌ただしく審議をするということは、少しおかしいのじゃないかなと残念な気がするわけであります。  今回あのようになっておる経緯というのは、皆さん方も御案内のとおりであります。大臣も御承知かと思いますけれども、私も余り偏った言動はしておらないつもりであります。御案内のとおり、例えば自民党の党議に反したこともやっておったりするわけであります。そのような、私から見ても、今の状態というのはちょっとおかしいのじゃないか、やはり政府の方でもっと考えるべきことがあるのじゃないか、そんな気がいたします。大臣は何事につけてもはっきり物をおっしゃるし、はっきりなさっておられる方でありますので、あえて意見として申し上げさせていただきたいと思うわけであります。  今回提案をされております二つの法案でありますが、主として児童手当法の一部改正についてということで御質問申し上げたいと思うわけであります。  考えてみますと、前回の平成三年の改正のときにも実は質問をさせていただきました。あの当時、たしか下条大臣だったと思うのですが、大臣に、実は私も四人の子持ちであります、それだけに、児童手当というのは非常に身近な感じがする課題でありますというふうなことで申し上げた経緯があるわけであります。あの当時は、いわゆる支給年齢の問題とか、あるいは第一子から云々とか、あるいは倍額にする、いわゆる支給についてのお話でありましたが、実は当時の改正の中でも、やはり保育サービスの充実云々といった面もあったわけでありまして、その後、あの改正以来、果たしてどれぐらいの実績が上がったのだろうかな、そんな感じがいたしておりました。  今回、多少趣が違う側面での改正でありますが、今回の改正案の趣旨とか概要について、まずお伺いさせていただきたいと思います。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 まず今回改正の趣旨でございますけれども、先生御承知のように、近年の出生率の低下傾向に対応いたしまして、子供が健やかに生まれ育つための環境づくりを進めていくということが非常に重要な政策課題となっているわけでございます。とりわけ働く女性の出生率が、家庭におります女性の方に比べまして非常に低くなっており、このことは、子育てに伴うさまざまな負担感を解消するためのきめ細かな育児支援サービスの充実によりまして、仕事と子育ての両立を支援していくということが特に必要な時代になってきたのではないかということを示しているのではないかというふうに私たち考えているわけでございます。  児童手当制度というのは、家庭の生活の安定と次の世代の社会を担う児童の健全育成、資質の向上を目的としているわけでございますが、この制度というものが最近の状況変化に対応いたしましてよくその役割を果たしていくためには、一律の現金給付というものだけではなくて、今後は育児を支援するためのサービスというものを充実させていくことが必要ではないかというふうに思っております。  このため、今回の改正におきましては、児童手当制度の福祉施設事業を拡充いたしまして、特に共働きの家庭を主な対象とした育児支援や児童の健全育成のための各種のサービス、例えば保育時間の延長等仕事の実態に即した保育サービスへの助成でございますとか、児童の健全育成のボランティアの振興など、こういったことを充実をいたすことといたしまして、そのための財源というものを事業主の方々に御負担いただくという形で改正をお願いしたわけでございます。

山口俊一自由民主党・自由国民会議

○山口(俊)委員 内容はよくわかるわけでありますが、もちろんトータルな意味で考えていかざるを得ないというふうな面もありますし、またあの当時からいろいろな議論がされておりました。  特にいわゆる出生率一・五七ショック以来いろいろな議論がなされ、いろいろな施策が施されたにもかかわらず少子化の傾向というのはさらに拍車がかかりつつあるのではないかというふうな心配もいたしております。児童手当法の趣旨というのは、もちろん児童の養育家庭の生活の安定だとか、あるいは児童の健全な育成だとか等々、そうした趣旨があるのは十分承知をいたしておりますけれども、やはりここまで来た以上、人口動態の急激な変化ということも出てきますので、少子化傾向への歯どめというのも喫緊の課題ではないか、そういうふうに考えております。たしか前に私が質問申し上げたときの大臣の御答弁もそうした中で、ただ出産等に関しては行政が直接かかわるべきものではないというふうな御答弁もありました。確かにそのとおりであろうと思うわけでありますが、果たしてそういうふうな悠長なことを言っていていいのだろうかというふうな心配も出てきておるわけであります。  そこで次にお伺いしたいのは、前回も目的は同じですけれども、多少今回の改正とは趣が、意味合いが違うのじゃないか、ニュアンスが違うのじゃないかということもありますので、前回の改正との差というのですか、目的は同じでも重心、重点が違うであろうと思いますので、そこら辺について御答弁をお願いいたします。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 前回の改正も、それから今回の改正も、先生が今お話しくださいましたように、児童と家庭を取り巻く環境の変化というものに対応して、児童手当制度というものがその目的とする児童養育家庭の生活の安定と、それから児童の健全育成、資質の向上というものに一層資するための改正である、こういう点につきましては、先生今お話しいただきましたように、基本的な趣旨は共通なものというふうに認識をいたしております。  それで、前回の改正と今回の改正のねらいの差でございますけれども、前回の改正というものは、児童を養育する家庭に対しまして現金給付の改善という形で一律に経済的支援の強化を図った ものでございます。今回の改正というのは、先生も御指摘いただきましたように最近の少子化の傾向、とりわけ働く女性の低い出生率ということにかんがみまして、仕事と子育ての両立を支援するためのきめ細かな各種のサービスの充実を図ろうということでございます。今回の改正によって児童育成事業を実施いたすということによりまして、共働きの家庭におきまして現実に生じております育児に対するさまざまな負担感というものができるだけ軽減されるように、今後とも努めてまいりたいというふうに考えております。

山口俊一自由民主党・自由国民会議

○山口(俊)委員 お話よくわかりましたけれども、ただ私が申し上げたかったのは、この児童手当法というのはもともと社会保障的な発想からできた法律であるというふうに聞いております。ですから、育児家庭の生活の安定等々というふうなこともあるんであろうと思いますけれども、現状を考えてみますと、もう既にそのような社会保障的というか救貧対策的というか、そういった色彩というのは相当薄れてきておるんではないか。むしろ今の児童手当法が果たして実情に合っておるんだろうかというふうな感じがいたしておりましたのでお伺いをいたしたわけでありますけれども、お話のとおり、今回の改正によって保育サービス等々あるいは育児に関するサービスをかなり拡充をしていくというふうなことであります。そうなれば児童手当法という名称とか目的、これについても検討していく、あるいは改めていく必要があるんじゃないか、そんなように思うわけでありますが、その点につきましていかがですか。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 現行の児童手当法におきましては、児童手当制度の目的を達成するための主たる手段というものが現金給付であったということは先生御指摘のとおりでございまして、サービスというか福祉施設事業というものは、この制度の目的達成のためのいわば補足的な従たる位置づけということで若干行われてきたということは先生御承知のとおりでございます。  今回、改正法におきましては、先生御指摘のように福祉施設事業というものを拡充いたしまして、サービスの比重というものを非常に高めるということを内容といたしておるわけではございますけれども、現金給付とサービスというもののいわば主従関係と申しますか、どちらがというふうな関係におきましては、従来どおりという考え方のもとに児童手当法の基本的な体系というか法の目的、名称というものを変更することなく改正案を御提出させていただいた次第でございまして、先生の御指摘いただきましたようなことも検討はさせていただいたわけでございますけれども、現時点におきましては、児童手当法の基本的な体系というものを変更することなく改正をさせていただきたいというふうに考えている次第でございます。

山口俊一自由民主党・自由国民会議

○山口(俊)委員 現状ではそのような御答弁であろうかと思いますが、ただ、お話にもありましたようにいわゆる現金給付というのはもう主じゃなくて従なんですね。しかも流れとしては福祉サービスというか、いわゆる育児の支援サービスとか児童の健全育成というところにどんどん重点が移っておるというふうなことでもありますので、現状はともかくとして、内部でもそろそろそうした点も、もう少し広い意味での育児あるいは保育の施策という意味で御検討いただいたらどうかと考えておりますので、意見として申し上げておきたいと思います。  続きまして、今回法改正に先立って出されました中央児童福祉審議会の答申、この中に事業主から拠出をいただく拠出金率の設定とか、あるいは新たに計画をしようとなさっておられます財団のあり方について附帯意見が付されたというふうにお伺いいたしておりますけれども、これをどのように受けとめておられるのかをお伺いいたしたいと思うわけですが、聞きますと、この事業者というのは全国で百七十万余りというふうに聞いております。もう全国に散らばっておるわけでありますが、ところが、いろいろなそうした保育サービス等々を考えた場合に地域的な偏りも相当あるんじゃないか。例えば山間部あるいは過疎地におけるサービスと、そうじゃない都市化をしつつある地区のサービスというのはやはり格差があるんじゃないか。ですから、事業主の拠出金に対ずみ還元ということから考えても相当いろいろな偏りがあるんじゃないかというふうな心配もされますので、そこら辺も含めて御答弁をいただきたいと思います。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 先生今御指摘をいただきましたように、中央児童福祉審議会から諮問の内容につきまして了承する旨の御答申をいただいたところでございますが、その際、今回の改正、すなわち児童手当制度を改正し育児支援のための各種のサービスを充実させるということにつきまして、附帯意見をいただいたところでございます。  附帯意見につきましては、先生御指摘いただきましたけれども、拠出金率の設定と、それから今後児童育成事業を推進するに当たりまして財団を設立するということを考えているわけでございますが、この財団のあり方というものの二つの点につきまして附帯意見をいただいたところでございまして、これにつきましては最大限尊重してまいりたいというふうに考えているところでございます。  まず拠出金率の設定ということでございますけれども、中央児童福祉審議会の附帯意見の趣旨に沿いまして、毎年度この拠出金率を定めるに当たりましては、拠出サイドと申しますか事業主の方々の理解も得ながら、そのときどきの経済情勢をも踏まえた適切な拠出金率となるように配慮をしていきたいというふうに考えております。  それからもう一つ、財団のあり方について附帯意見をいただいたわけでございますけれども、機動的、弾力的な事業を実施をしていくためには、特に民間主導による事業運営を行うとともに、財団、基金の名称につきましても附帯意見をいただいたわけでございます。  また、その新たな財団の設立を認めるに当たっては行政改革の趣旨に徹して行ってほしいということでございまして、私たちが財団を設立するに当たりましては、同時に既存の財団の解散ということも予定してございます。

山口俊一自由民主党・自由国民会議

○山口(俊)委員 今回のいろいろな施策につきましては、御案内のとおり、国レベルとか、あるいは家庭内だけじゃなくて地域全体ですね、特に住民に身近な市町村レベルでの児童の健全育成対策を進めていく必要があるんじゃないか。御案内のとおり、かつてはいわゆる地域社会、地域が子供を守り育て、はぐくむというふうな機能を果たしておったわけでありますが、近年、いわゆる地域社会の崩壊というのですか、過疎化の進行とかあるいは都市化の進行等々によって、かつてのような地域の役割というのが薄れてしまったというふうな現状もあるわけでありますので、そうした点を踏まえて、児童育成事業によりこのような取り組みをやっていく必要があるんじゃないか、そう思いますので、そこら辺についてのお考えをお伺いいたしたいと思います。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 先生も今御指摘いただきましたけれども、近年の出生率の低下、都市化、核家族化の進行などによりまして、児童の遊び場の不足とか、児童が遊び仲間を通じて多様な人間関係を経験する機会というものも非常に減少してきているという実態もございまして、地域の実情に応じた市町村レベルでの健全育成対策の推進というものが特に必要になってきているというふうに考えております。  こうした問題意識に立ちまして、市町村を主体といたしまして、地域における児童の健全育成の拠点施設でもございます児童館の整備の促進とか健全育成活動の充実というものに、今後この児童育成事業を通じまして一生懸命努めていきたいというふうに考えているところでございます。  さらに、平成六年度からは、児童育成事業により地域における健全育成というものを推進するために、新たに予算におきまして「子どもにやさしい街づくり事業」というものを創設いたしまして、市町村による長期的な町づくりプランの策定 と地域活動のネットワーク化というものを図っていきたいと考えておりまして、これを通じまして、子供の遊び場の確保とか地域の実情に応じた事業を選択実施をしていただきまして、児童の健全育成の向上というものを図っていきたいというふうに考えております。

山口俊一自由民主党・自由国民会議

○山口(俊)委員 市町村レベルでということは、流れとしたらもうそのとおりであろうと思いますが、その場合に、補助事業ということになりますと地元負担というふうなこともありますし、しかも補助事業というのはどうしても規格品的なものが多いというふうなのが今までの例でありました。今回、今のお話にもございましたけれども、いろいろな選択肢があるというふうなことでありますので、やはりその地域地域あるいは市町村の自発性というのですか、あるいはそうしたニーズにこたえるオプションを数多く構えるというふうな形でぜひともお願いを申し上げたいのと、今申し上げた財政力の弱い町村、相当格差がありますので、そこら辺、地元負担についてもいろいろと、画一的じゃなくてもっと柔軟に対応していただきたい、そのように思う次第であります。  それと、御案内のとおり、ことしは国連の定めた国際家族年というふうなことでもあります。御承知のとおり、当委員会にも関係があります国連障害者の十年、これが相当大きな成果を上げたというふうに実は私ども評価をしておるわけであります。今回の国際家族年ということでありますが、児童の育成事業の中にはその記念事業の実施も含まれておるようにお伺いをしておるわけでありますが、厚生省の国際家族年に対する考え方といいますか、あるいは取り組み方といいますか、それをお伺いいたしたいと思います。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 一九九四年の国際家族年というものは、各国連構成国におきまして家族や家庭の問題についての政府や民間の関心を高め、取り組みを強化するということを目的とするものでございまして、一九八九年の国連総会におきまして採択をされたものでございます。  家庭というものが子供が生まれ育つ生活の基本となる場であることは、全くそのとおりでございますけれども、近年、我が国においては、さきにもいろいろ先生から御指摘をいただきましたように、女性の社会進出または出生率の低下というふうな形で子供や家庭を取り巻く環境というものが急速に変化をしてきているということも事実でございまして、これに対応いたしまして厚生省といたしましては、子供を生み育てていくことに、より喜びや楽しみを感じることのできるような社会づくりということを総合的に推進していくことを目的といたしまして、国際家族年というものの諸施策の推進をしたいというふうに実は考えているところでございます。  厚生省としては、国際家族年におきましては、家庭における女性の地位の向上とか子供の虐待問題の解決とか、いろいろ重要問題はございますけれども、特に少子化社会対策というものに焦点を当てた諸施策の推進を図るということを考えておりまして、例えば子育て家庭を支援するための各種事業を振興する基金の創設、または児童健全育成のボランティア活動の振興また助成事業の創設、そういった官民挙げての子育て環境づくりの推進ということを一つ大きく取り上げていきたいということに考えております。  それから、具体的には、駅型保育モデル事業とか企業委託型保育サービス事業の創設というふうな、子育てと就労の両立支援策の推進といったことを図っていきたいというふうに考えております。  さらに、国際家族年の記念事業といたしまして、国際シンポジウムの開催とか音楽祭等の実施、都道府県で行う記念事業に対する助成等も考えておりまして、こうした機会を通じまして、子供や家庭の問題について国民各層の議論また関心というものを高めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

山口俊一自由民主党・自由国民会議

○山口(俊)委員 記念事業につきましても、シンポジウムとかあるいは音楽祭、都道府県でやる事業への助成等々というお話でありましたが、もう少し何か中身のあるというか、もっとユニークなものをお考えいただきたいなと思うのです。というのも、やはり旧来の日本国有の家族制度というのはもう完全に崩壊寸前であろうと実は私ども考えておるわけでありまして、やはり家族のあり方というのが出生率あるいはこの育児等々にも重大なかかわりを持ってくるわけでありますので、せっかくの国際家族年でもありますので、十分そうした趣旨を生かしていろいろな施策を講じていただきたいなと考えておるわけであります。  いろいろと申し上げましたけれども、確かに施策としては厚生省として非常に頑張っておられるなというふうな感じはするわけであります。相当きめ細かないろいろなものを打ち出し始めたなという感じはするわけでありますけれども、ただ、今の傾向を考えた場合に、果たしてそういう施策だけで十分カバーできるのだろうか、例えば出生率ですね、そんな思いがいたします。  というのも、いろいろ若い皆さん方に聞いてみますと、今子供を産んでも、今の子供たちが置かれておる環境、あるいはそれこそ塾に追われ、おけいこごとに追われ等々あるいは地球環境の問題等々、そうしたことを考えた場合に、生まれ行く子供が果たして幸せになるんだろうかというふうな感じがするという方も多いわけであります。やはりそうした、それこそマクロ的といいますか、総合的な施策の中で展開せざるを得ない。ただ、やはりあくまで中心になってくるのは私は厚生省であろうと思いますので、是が非でも力を入れて取り組んでいただきたい、他省庁を圧倒するぐらいの勢いでやっていただきたいと思うわけでありますが、時間もありませんので、最後に今回の児童手当法改正の一つの動機にもなったと思われますが、近年の、先ほど来申し上げております少子化傾向ですね、これに対して、厚生省としてどのように取り組んでいかれる決意なのかお伺いをいたして、質問を終わりたいと思います。

大内啓伍民社党・新党クラブ厚生大臣

○大内国務大臣 るる御指摘いただきましたような状況が今日本の社会の中で進行しているわけでございまして、我々は、その時代の大きな流れを的確に把握しながら、それに対応するきめ細かな施策を樹立したいと考えまして、平成六年度予算におきましても、この児童家庭対策というものを最重点政策として大変な予算も要求さしていただき、皆様の御協力を得ながら今その御審議をちょうだいしているわけでございます。  少子社会の到来という問題は、もちろんいろいろな理由があるわけでございますが、結論としては、一・五〇を今切る状況にある。しかし、二〇〇〇年あるいは二〇一〇年というものを展望してみますと、これは国際的にもそういう傾向が見られるのでございますが、この出生率の改善というものは少し前進する、そういう条件は持っていると思うのです。しかし、少なくとも現状の一・五〇程度のものが少しく改善されましても、これは日本民族の将来にとりましても、またもう少し小さい視野で社会保障負担という視野におきましても、経済社会全般にわたりまして非常に大きな影響を生み出していく、御指摘のとおりでございます。  したがいまして、何としてもこの少子社会の進行に歯どめをかけなければならないというのが私ども厚生当局のかたい決意でございまして、そのために新たな言葉まで生み出しまして、平成六年度予算の要求に際しましては、エンゼルプランプレリュードといったような政策を掲げ、そして子育て家庭を社会的に支援していくためのきめの細かい対策を各面で要求を申し上げている次第でございます。  それが保育サービスにおけるいろいろな、多種多様なニーズにこたえる保育事業の推進でございましたり、あるいは子育て支援のための基金の創設、これは三百億でございますが、創設であったり、あるいは出産と育児に関する施策の充実といたしまして、健康保険における出産育児一時金の創設あるいは育児休業期間中の厚生年金や健康保険の保険料の免除等の措置等々を総合的に講じま して、今委員御指摘のようなマクロ的な問題もございますし、人の心はその社会がっくると言われますように、社会全般の持っている一つの傾向というものが一人一人の心の形成に大きく影響いたします。そのことが、例えば少子社会といったようなものにも結びついていくわけでございますから、マクロ政策とともに、私ども厚生行政を担う者といたしまして御指摘の諸点に留意をいたしまして、きめの細かい対策を推進してまいりたいと考えておる次第でございます。

山口俊一自由民主党・自由国民会議

○山口(俊)委員 相当詳しくお話をいただきました。その方向で頑張っていただきたいと思うわけですが、一つだけ最後に申し上げておきたいのが、実は私ども若手の同僚議員の間でよく話をしております、馬を水飲み場まで連れていくことはできるけれども、その水を飲むのはその馬の意思であるということですね。ですから、いろいろな施策を講じておられる、確かにこの方向でいいとは思うのですけれども、いざ子供を産むというのは本人の問題になってくるわけです。ですから、我々立場上いろいろと結婚式に御招待にあずかるわけですが、結婚式に行くたびに、ともかく子供をたくさんつくってくださいと祝辞の中で陳情申し上げようというふうな話をしておりまして、私も実行いたしております。大臣にもそのようなことをお願いをいたしておきたいと思います。  以上で質問を終わらせていただきます。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 住博司君。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 山口俊一先生に引き続きまして、議題となっております両法案について若干の質問をさせていただきます。  私は、まず最初に戦傷病者戦没者遺族等援護法について質問をさせていただきます。私は山口さんと違って四人も子供を持っていないからという意味ではありませんので、まず最初にそのことをお断りをしてから質問させていただきます。  さきの大戦が終わりまして間もなく五十年を迎える。祖国の安泰を願って、妻や子供、両親を思いながら遠い異国の地で倒れられた方々のことを考えますと、私は昭和二十九年の生まれですから、私のような戦争を知らない世代にとっても悲痛の感を強くしているところです。つえとも思い柱とも考えていた最愛の人を失った遺家族の思いも、その後の苦難の道のりをあわせて大変なものであった、私はいろいろとお話を聞くたびにそう感じます。また、戦争で障害を負われた方々の御苦労も決して忘れることはできないと考えます。  今回の法改正は、遺族年金、障害年金の引き上げが図られるわけでありますけれども、これは国家補償の視点に基づくものでなければならないと私は考えております。その上で、今後とも年金額の改善は当然行っていくべきだ、こう思っておりますけれども、この点についての基本的な考え方をまずお聞かせをいただきたいと思います。

大内啓伍民社党・新党クラブ厚生大臣

○大内国務大臣 今、住先生御指摘のような考えを実は厚生省当局も持っておりまして、御案内のように、援護年金というのは、軍人あるいは軍属等であった方々に対しまして国が使用者の立場から補償する、こういう国家補償の精神に基づきまして支給をさせていただいているものでございます。援護年金は、恩給を停止された軍人などに対する援護を行うために、恩給に準拠いたしまして創設されたものであることから、恩給の改善に準じましてその額を引き上げていくことは当然でございまして、この方針は今後とも続けてまいりたい、こう考えておる次第でございます。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 今の御決意をこれからも、これは政権がかわってもずっと同じ気持ちでやらなければならない、私どもはいずれ政権をもらおうと思っておりますけれども、そう考えております。特に、大内厚生大臣は、この問題については去年の遺族会の大会のときにも非常にはっきりとした口調でおっしゃられまして、私どもとしても大変心強く思っている次第でございます。  戦没者の御遺族、戦傷病者の方々の状況を見ますと、高齢化が猛烈に進んでいるという状況でございますので、これからも、国のために戦った、国を守った、その視点に立ってしっかりと問題に取り組んでいただきたいと思うんですが、よく、私どもも地元に帰ったりしますと、どうも援護年金の受給権がありながら、いまだに未請求の人もいるんではないかというような話を聞くこともあるんですけれども、それを避けるためにはどんな対策をとられているのか。ちょっとそこだけ局長からお聞かせいただきたいと思います。

土井豊厚生省社会・援護局長

○土井政府委員 毎年度、ただいまお話がありましたようなことが起こらないように、いろいろとPRに努力しておりまして、関係行政機関を通じまして、さらに今後とも努力してまいりたいと思います。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 具体的にはどんなことをやられているんですか。

土井豊厚生省社会・援護局長

○土井政府委員 毎年度通知を出しておりますけれども、その中にしおりをつけておりまして、それをいろいろ役場とかそういうところで持っていっていただくとかいうような形のお願いをしているところでございます。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 これについては言いたいこともたくさんあるんですけれども、先に進めさせていただきます。とにかく、そういう受給権というのは当然必要なことでございますので、知らせを出したからそれでいいんだみたいな感じで取り扱わないように、ぜひ御要望させていただきます。  次に、中国残留孤児の問題についてお伺いをしたいと思います。  残留孤児の訪日調査は、昭和五十五年度から始まりましてそれが続いているわけでございますけれども、これまでの成果について、まず御説明をいただきたいと思います。

土井豊厚生省社会・援護局長

○土井政府委員 お答え申し上げます。  昭和五十五年度から平成五年度まで二十四次にわたりまして実施をいたしております。これまでの孤児の訪日参加の人数でございますけれども、千八百七十八人でございまして、そのうち身元が確認をいたされましたのが六百四十三人という状況に相なっております。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 最近よく聞きますと、身元の判明率というんでしょうか、それが年ごとに低下をしている。年齢が次第に高くなっているということ、それから親族の方々とのきずなも次第に薄れつつあるということ、事態はさらに深刻になっていくと私は思うんですね。そしてまた、訪日調査を希望している方々もまだたくさんいると私は思いますし、同時に、身元が判明しないままで終わった孤児の方々についての再訪日調査も含めて、やっていかなければいけない問題はたくさんあると思います。これからの対応についてお聞かせをいただきたいと思います。

土井豊厚生省社会・援護局長

○土井政府委員 お話のとおり、だんだんと判明率も回を重ねるにつれまして低下をしておりまして、最近では十数%というような状況に立ち至っております。私どもとしましては、毎年三十名前後の方々が新たに孤児として確認されているといったような状況も踏まえながら、最後の一人まで調査を続けるという基本方針のもとに、これまで行っているような集団による訪日調査を実施していきたいと考えておりまして、平成六年度におきましても二十六名分の予算を計上しているところでございます。  ただ、お話がありましたように、関係者の高齢化、あるいはお亡くなりになったり等々で、なかなか手がかりがつかみにくい状況というものに立ち至っておりまして、そういう意味ではなるべく早急に調査を行うということが大切であるというふうに認識しておりまして、今後とも日中双方で協力しながら、そのような努力を続けてまいりたいと考えております。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 この問題、私どもにとって重要な戦後処理の大きな課題である、こう思っております。先般、中国残留婦人の問題につきましては、いろいろな御努力の結果、大きな前進を見たわけでございますけれども、この問題についても、今局長がおっしゃられたように、最後の一人までという気持ちでしっかりと対応していただきたい、こう 思うんです。  ただ、これは口幅ったいことを言って失礼かもしれませんが、命を賭して戦った方や、あるいは取り残されてしまって悲惨な思いをされている方、こういう方々がいらっしゃる一方で、我が国の総理大臣がさきの大戦について簡単に侵略戦争だと片づけてしまうような状況ということは、私自身は非常に心配ですし、本当を言うと残念なことなんですけれども、しかし、実を言うと、その言葉をきちんとした政策によって、例えば残留孤児の問題をきちんと片づけることによって、その言葉とは違って、政府としてはきちんとこの問題に対応しているんだということをぜひお示しをしていただきたいということを御要望しておきたいと思います。  同時に、中国からお帰りになった残留孤児の方々の定住促進の問題もあると思うんです。五十年近く日本と異なる文化、社会環境の中で暮らしてきたわけですから、言葉の問題や生活習慣の違いなど、さまざまな困難があると思います。今のいわゆる定住促進センターの運営状況、これについて伺っておきたいと思います。

土井豊厚生省社会・援護局長

○土井政府委員 中国からの帰国孤児のための定着促進センターについてでございますけれども、お話がありましたように、できるだけ早期に日本の社会に適応し、安定した社会生活を営めるようにするということを目的としてスタートしているわけでございますが、現在、帰国後四カ月間ここで入所をしていただきまして、日常生活に必要な日本語の研修でありますとか生活習慣等の指導を行っているところでございます。三カ所ございまして、埼玉県の所沢、大阪府そして福岡県ということに相なっております。  なお、平成五年度からは、残留婦人の方々がお帰りになりました場合でも日本語の研修が必要な方もございますので、二カ月間の研修ということを実施をしておるところでございます。  平成六年二月末までに入所をいたしましたのが千五百七十世帯、五千八百六十八人、そのうち研修を終えて出られた方が千五百二十七世帯、五千七百五十六名という状況に相なっております。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 そういう方々の望郷の思いというものがぜひともきちんと果たされて、そして日本の中で生活できるようにこれからも御努力をいただきたいと思いますけれども、帰国された後、孤児の方々、その家族の人たちが実際日本の社会に溶け込む、どんな生活をされているのかということは、私どもとしてはきちんと把握をしておかなければならない、こう思います。  平成元年に、たしか生活実態調査をおやりになりましたけれども、その後、調査についてはどうなんでしょうか。そのときと今、どう変わっているのかということについて、まずお聞かせをいただきたいと思います。

土井豊厚生省社会・援護局長

○土井政府委員 平成元年十一月に調査を行いまして、その後、平成五年の一月一日現在の状況の調査を行っておりますが、この新しいものにつきましては現在集計中でございまして、まだデータが出そろっておりませんので、古い資料に基づきまして生活実態を御説明させていただきたいと思います。  まず、住居の状況についてでございますけれども、公営住宅に入居している者が八四・一%でございます。  それから、就労の状況でございますが、五四・四%の孤児が就労をしているという状況でございます。また、世帯で見ますと六九・一%の世帯に就労者がいるという状況でございます。  それから、日本語の習得状況でございますけれども、家族を含めまして、全体の五五・九%の者が帰国後一年で買い物等の日常生活の用を済ませるというような状況になっております。  それから、生活保護の適用状況についてでございますが、四九・四%の世帯が生活保護を受給しております。帰国後の年数ごとに分けてみますと、一年未満の世帯では八二・六%、それが、三年以上四年未満になりますと三五・五%に減少しております。  なお、全体としての帰国後の感想として、よかった、まあよかったという意見が四人のうちの三人というような状況でございます。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 ちょっと古いデータで、今取りまとめ中だということですけれども、定着率の問題からすれば、やはりこの水準をさらに高める努力をしていかなければならない、そういうふうに考えているところでございます。  続いて、シベリア抑留の問題についてお尋ねをしたいと思います。  私の考えをまず述べさせていただきますけれども、昭和二十年八月にソ連は日ソ中立条約を無視して戦闘行為を始めた。旧満州や旧樺太に侵入し、我が国有の領土であります北方四島はいまだに占拠された状態でございます。条約違反のこの行為、それから、そういうことによりながら、シベリアに強制的に連行、抑留されて、酷寒の地で劣悪な住居、人為的とも言える極端な食糧不足、筆舌に尽くしがたい強制労働、それによって失われたとうとい今、傷ついた方々のことを思いますと、私は、心のわだかまりを禁じ得ないというふうに思っているのです。  私は、旧ソ連の対応を厳しく問うべきだと思いますし、当然謝罪と補償というのを求めるべきだと思っているのですけれども、外務省に対して、この点、ソ連を引き継いだロシアとどのように話しておられるのか、昭和二十年のソ連の行為についての見解も含めてお伺いをしておきたいと思います。

西田恒夫外務省欧亜局ロシア課長

○西田説明員 お答えをいたします。  まず法的につきましては、先生御指摘のとおり、当時のソ連軍の行為というものは、当時の国際法に照らしましてもこれは国際法違反の行為であったというふうに日本政府としては考えております。  それから御下問の、では、それによって生じました補償等の問題をどう考えるかという点であろうかと思いますが、これにつきましては累次御答弁差し上げておりますけれども、日ロ間でも現在有効と考えております日ソ間の例の五六年の共同宣言におきまして、日ソ両政府は、それぞれ国としての請求権、戦争にかかわる請求権についてはこれを放棄するということで合意を見ておりますので、その意味におきましては、お互い賠償の責任というものはもうないということであろうかというふうに思っております。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 エリツィンさんが日本においでになったときに、テレビの前では頭を下げて謝罪をされていましたけれども、これは外交的にはどんな効果があるのですか。

西田恒夫外務省欧亜局ロシア課長

○西田説明員 先生御指摘のとおり、エリツィン大統領は新生ロシアの初めての大統領としまして日本へ参りまして、そのときに公式の会談あるいはその他の機会を通じまして、これについて直截な謝罪の念を表明したところであります。これにつきましては、一国の最高責任者が謝罪をしたということでございますから、外交上、政治的に非常に重みのあるものというふうに受けとめておりまして、日本政府としては、このような直截な謝罪をしたこと自身については、日本とロシアの両国民の間の和解の出発点になり得るものというふうに考えております。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 外務省の考え方はわかりましたけれども、しかし、具体的には何も前に進んでないというふうに思わざるを得ないのですね。例えば、北方四島の問題なんというのは、依然として何を考えているのかわからない。我々が要求をしてもきちんとこたえない、そういう状況ですから、これからも腰を据えて、どうぞ我々の立場をきちんと御主張して、そして私どもの願いをかなえていただきますように心から要望しておきます。  それから、シベリア抑留中の死亡者の問題ですけれども、平成三年の四月、当時の旧ソ連、ゴルバチョフ大統領時代のこの問題の日ソ協定四項目というのがありますけれども、その後もこれは完全に引き継がれているというふうに考えてよろしいのですね。

西田恒夫外務省欧亜局ロシア課長

○西田説明員 御指摘のとおりでございます。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 当時渡された抑留者の名簿には、たしか三万八千人余りのお名前があったと私は記憶しておるのですけれども、その後、照合作業は終わったのでしょうか。それから、本人の特定というのはどのくらいできているんでしょうか。  それから、ロシア政府には、個人資料としてほかにも名簿があるやに聞いたことがありますけれども、その入手はどうなっているのでしょうか、その点をお聞かせいただきたいと思います。

土井豊厚生省社会・援護局長

○土井政府委員 ただいまお話がありました名簿でございますが、三万八千六百四十七名分の氏名が記載されておりました。そのうち、約二千名が重複記載ということで、それを差し引きまして約三万六千七百名という人数でございます。このうち二万二千八百名、約六割に当たりますけれども、名簿登載者の特定をすることが実務的にできました。そして、その特定された名簿登載者のうち約一万九千六百人、この方々につきましては遺族がわかっておりましたので、遺族に名簿の内容をお知らせしたという状況でございます。  それから、もう一つのお尋ねであります、それ以外にロシアに個人資料が保管されているという点でございますけれども、私どももそのような情報に接しまして、その提供をロシア連邦政府に申し入れまして、先般、平成五年十二月でございますけれども、約三万七千六百人分の個人資料を提供していただいたという状況でございます。この個人資料はかなり詳細な事項が記載されておりまして、現在その資料につきまして翻訳作業等の特定作業の準備に入っているという状況でございます。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 これは重複分はないというふうに考えていいのですか。

土井豊厚生省社会・援護局長

○土井政府委員 ただいま翻訳の作業中でございまして、その結果によりまして判断をさせていただくということになろうかと思います。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 大体どれくらいかかるのですか。

土井豊厚生省社会・援護局長

○土井政府委員 ことしの夏か秋ぐらいまでには作業のめどがつくだろうというふうに報告を受けております。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 とにかくこれは時間との勝負だと思いますので、速やかに行っていただきたいというふうに思います。  それから、亡くなられた方々の埋葬地、たしか五百三十カ所余りあったというふうに記憶しておりますけれども、その埋葬地の調査と確認はどの程度進んでいるのでしょうか。

土井豊厚生省社会・援護局長

○土井政府委員 埋葬地の現状把握ということでございますが、外交ルートを通じまして、機会あるごとに旧ソ連邦政府、あるいは現在ではロシア連邦政府に現状調査を要請してきております。チタ州あるいはハバロフスク地方におきましては埋葬地の調査が行われているということも聞いておりますけれど池、残念ながらいまだその回答が得られていないという状況でございます。  厚生省といたしましては、平成三年四月に旧ソ連邦政府から提供のありました埋葬地資料、それから当局の保管資料、それから民間の墓参団等から提供されている情報等を活用し、さらに遺骨収集団や墓参団を派遣した際に埋葬地の情報収集にも努力をしてまいってきております。なお平成六年度からは、埋葬地の現状把握をさらに広げるために、抑留経験者の団体にも委託することを予定をいたしておりますが、率直なところまだ十分な把握ができていないという状況でございます。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 この問題につきましても、例えばテレビ等々見ますと、私どもが想像している埋葬地とは違った大変厳しい状況の中で遺体がさらされている可能性もなきにしもあらず、こういうふうに思わざるを得ない点がありますので、ぜひそのところも、これも時間との勝負でございますからきちんと処理をしていただきたい、こういうふうに思うわけです。  そして、それと関連するのですけれども、そうしますと遺骨の収集というのは一体どうされているのか、今ちょっと触れられましたけれども、そのことと、それから墓参の問題ですね、これまでどの程度行われているのか、それから今後の計画についてもちょっとお示しをしていただきたいと思います。

土井豊厚生省社会・援護局長

○土井政府委員 まず遺骨の収集でございますけれども、平成四年度から遺骨収集及び墓参に取り組みを始めておりますが、これまでのところ遺骨収集の数は千八百五十九柱という状況でございます。それから平成六年度におきましては、遺骨収集及び墓参をさらに早めるために対象地域の増を図っております。ロシア連邦内のハバロフスク地方、イルクーツク地方等七つの地域で実施をすることにいたしているところでございます。  なお、遺骨収集等につきましては、非常に埋葬地域が広大であるということ、あるいは御案内のとおりの厳しい気象条件というようなことで困難な面も多いわけでございますけれども、関係御遺族の方々の心情、高齢化が進んでいるといったような状況等も考えながら、我々としてはできるだけ早期にその実施が行われるように今後とも努力を続けてまいりたいと考えております。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 こういう方々の御家族の中には慰霊碑をつくろうじゃないかという声があって進んでいるやに聞いておりますけれども、その問題は今どうなっているのでしょうか。

土井豊厚生省社会・援護局長

○土井政府委員 慰霊碑の建立の件でございますけれども、平成五年度、六年度の二年計画で完成をしたいということで始めておりまして、ロシア連邦のハバロフスク地方に建立する予定でございます。平成五年度は調査、設計のために千二百万円、それから新年度平成六年度予算案におきましては、建設、竣工の経費として八千九百万円という予算をお願いをしているところでございます。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 シベリアに強制的に抑留をされ、そしていろいろな思いを抱いて亡くなられた方々の慰霊がきちんとできるように、速やかに本当はこれは予算も成立させなければいけないのでしょうけれども、今こういう状況ですからね。それについては、まあ計画があるということだけは承っておきたいと思います。  一方、南方の遺骨収集についてですけれども、これについてのこれまでの実績どこれからの計画について伺っておきたいと思うのです。  要するに、戦後五十年というのは一つの節目だと思うのですけれども、しかし決してそれで終わりではない。先ほど残留孤児の方のときに一人でも残っていたら、こういうことがあるのですが、本来ならば一人でも残っていたら我々の心情としては遺骨収集をしてさしあげたい、こう思うのが私は当たり前のことだと思うのですけれども、そのことも含めて、ちょっとこれからの対応についてお聞かせをいただきたいと思います。

土井豊厚生省社会・援護局長

○土井政府委員 南方地域の戦没者の方の遺骨収集でございますけれども、御案内のとおり、昭和二十七年度から開始をいたしまして、昭和五十年度まで三次にわたりまして計画的に実施をしております。五十一年度以降は、遺骨の所在につきまして確度の高い情報のある地域につきまして遺骨収集を実施するという形で取り組んでおります。現在まで残存している遺骨について確たる情報を把握しているのは九地域、約三千柱ということになっておりまして、平成七年度、終戦五十年という節目の年でありますけれども、この年までに概了いたしたいということで努力をしているところでございます。  なお、平成八年度以降におきましても、新たにそういった情報がもたらされる場合には可能な限り速やかな対応をしてまいりたい、そのような考えで取り組んでまいりたいと考えております。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 今後ともしっかりと情報を集めて、そしてできる限り速やかに遺骨収集を行っていただきたいと思います。  もう一つ、海没遺骨というのがあるのですけれども、その問題についても伺っておきたいと思うのです。  我が国は海外に出ていって戦ったわけですから、沈没船舶数というのは非常に多い。徴用船も含めれば多分三千二百隻余り沈んだというふうに記録に残っておるわけです。基本的には海の人と いうのは航行中に死亡すれば水葬にするという考え方がありますので、海自体が戦没者にとっても永眠の地であると考えるかもしれませんけれども、しかし、最近ではマリンレジャーというのが非常にはやって普及してきまして、海に眠っているはずの遺骨が人目にさらされてしまう、遺骨の尊厳自体が損なわれるおそれがあるということもないとは言えない、こういう状況だと私は思うのですね。よくそれを水中写真に撮って載せるということも前はありましたし、そういったことを考えますと、これは海の中ですから大変技術的には難しいところもありましょうけれども、海没遺骨の問題についてはどのように取り組まれてきたのか、あるいはこれからどうしようとされているのか、それもちょっとお伺いしておきたいと思います。

土井豊厚生省社会・援護局長

○土井政府委員 ただいまお話の中にもございましたが、海没遺骨の収集につきましては、古くから航海中の死亡者について水葬に付するということが広く行われてきております。一般的には海自体が戦没者の永眠の場所である、そういった認識もございまして、原則的には行わないということで今日まで至っております。  ただ、お話の中に御指摘がありましたように、御遺骨が人目にさらされてその尊厳が損なわれるような特別の状況にある、なおかつ、沈没した艦船内の遺骨収集などが技術的にも可能であるといったような場合には、例外的に遺骨収集を行うという形で取り組んできているところでございます。  今後ともこのような方針で臨みたいと考えておりますが、平成六年度におきましては、トラック諸島の沈没艦船の遺骨収集を行うことを予定をいたしております。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 その点についても、ぜひきちんとした取り扱いをしていただきたいと思います。  それから、一方で慰霊巡拝というのはずっとやってこられたわけです。平成三年度だったと思いますけれども慰霊友好親善事業というのが行われまして、遺族の方々の参加希望者というのは非常に多いというふうに聞いておりますけれども、この点についての今後の計画を伺っておきたいと思います。

土井豊厚生省社会・援護局長

○土井政府委員 慰霊友好親善事業についてでありますが、御案内のとおり、平成三年度から日本遺族会に委託をして実施をしてきております。平成五年度までの三年間に、フィリピン、マリアナ等十三の地域で実施をし、延べ六百五十名の遺児の方々に参加をいただいて、非常に希望者が多いということでございますので、平成六年度の予算におきましては、よりきめの細かい事業実施ができるようにということで、一地域ごとの班編成をこれまでの二班から三班というふうに一班をふやしまして、五地域において実施をするという計画で取り組んでいるところでございます。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 次に、いわゆる戦没者の追悼平和祈念館について若干伺っておきたいと思います。  私のような戦争を知らない世代が大半を占めるようになってきました。しかし、我が国の戦後の歩みと、今のこれだけの世界一級の経済成長を遂げた成果の背景というのには、やはりとうとい犠牲があったことだけは決して忘れてはならない、こういうふうに思います。  平和祈念館を今度つくられるわけですけれども、戦没者を追悼する気持ちを新たにするということ、それから遺族の方々の強い願いでもあります恒久平和の実現を祈る気持ち、これを具現化をするという思いでつくられるというふうに思いますけれども、改めて、この施設をつくる目的をお聞かせいただきたいと思います。

大内啓伍民社党・新党クラブ厚生大臣

○大内国務大臣 今着々とこの戦没者追悼平和祈念館の建設に向けまして準備を進めているわけでございますが、戦争が終わりまして約五十年、この戦争に対する認識もだんだん風化してまいるという事態が生まれております。したがいまして、私どもといたしましては、まず第一には、御指摘のように、戦没者の追悼の意を国としても明らかにする、これが第一であります。それから第二には、戦争に関する歴史的な事実を後世に客観的に伝える、主観をもってではなくて客観的にこれをお伝えすることが私どもの大事な任務である。三つ目には、それを通じまして、国民の平和を希求する心を内外にお伝えする。  したがいまして、上記の趣旨を踏まえまして、戦没者追悼平和祈念館の事業につきましては、戦争に関する歴史的事実をできるだけ客観的に提示をいたしまして、これの評価につきましては、それは人々によって違いがございましょう。その評価につきましては、御来館の個々人の御判断にお任せをしたい、これが国としての公正中立な立場であろうと考えておる次第でございます。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 大臣のおっしゃられたとおりの展示の内容になり、そして、それを見た一人一人の我が仲間がもう二度と戦争を起こさないという平和の気持ちをしっかりと植えつけられるような施設にしていただきたい、こう思うのです。  この運営についてなのですが、入場料というのは取る予定なのでしょうか、その額は一体幾らくらいになるのか。それから、運営のやり方というのはどんな形で進めていくのか、ちょっと概括的で結構ですから、お尋ねをしておきたいと思います。

土井豊厚生省社会・援護局長

○土井政府委員 お話がありました入場料等の問題でございますが、現時点では未定ということでございますが、考え方として御説明を……(住委員「取るのですね」と呼ぶ)一部取りたいというふうに考えております。内容によって、取るのがいいかどうかという問題があろうかと思いますけれども、展示事業については入場料を徴収したい。その他の事業については原則料金を取らないというような考え方で検討がなされておりますけれども、またこれは最終的な結論ではございませんで、現時点では未定というふうにお考えをいただきたいと存じます。  なお、運営の基本につきましては、先ほど大臣が申しましたような基本に立ちまして、厚生省の中に委員会をつくりまして、適切な、中立公正な運営が図られるようにすると同時に、委託を予定しております日本遺族会の中にも委員会をつくっていただきまして、そのような運営が図られるように考えてまいりたい、そのような方針で取り組んでいるところでございます。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 平和祈念館を建設する予定地には幾つかの慰霊碑というのがあるのですね。それぞれの思いを込められた碑なのですけれども、移転についてはきちんと取り組んでおられるともちろん思いますけれど、言ってみれば、決して後で指摘をされないようなやり方をお願いしたいと思うのですが、その点、どうされておられるのか伺っておきたいと思います。

土井豊厚生省社会・援護局長

○土井政府委員 建設の場所には、御案内のとおり、碑が五基、銅像が一体ございます。それで、これを撤去することが必要でございますが、官報等によりましてその所有者を探しましたけれども、現在のところ、所有者は特定できないという状況でございます。ただ、それぞれの碑、銅像が、今お話がありましたようにきちっとしたものでございますので、これをしかるべき場所に丁重に移転するということで用地をきちっとしたいという考え方で取り組んでいるところでございます。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 どうぞそのことについては、繰り返しになりますけれども、後でいろいろな問題が起きないようにぜひ対応していただきたいと思います。  続いて、児童手当の方の改正についても若干伺っておきたいと思います。  先ほど山口議員が非常に詳しく御質問されておりましたけれども、今改正案は財源確保が目的でありますから、要するに事業主から拠出をさらに求めるということになるのですけれども、説明を聞くと拠出金の料率が千分の○・九から千分の一・一になる。〇・二を上増しするということになるわけですね。この根拠というのは、言ってみれば根拠規定を法律に定めるということになるのでしょうけれども、この〇・二という料率アップ のそもそもの根拠というのはどこにあるのでしょうか。事業主の理解が得られるのはこれくらいだとお考えになったのか。あるいは新しい事業の内容を考えていくとこれくらい必要だから料率アップはこれくらいになるのだというふうになっているのか。鶏か卵がみたいな議論になってしまうのですけれども、どうなのでしょうか。その点、ちょっとお聞かせいただければありがたいのですけれども。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 非常に難しい御質問なのですけれども、児童育成事業に要する費用というのは、自動的に算定ができます現金給付に要する費用とは異なりまして、児童福祉の関係者の御要望とか、それから働くお母さん方の御要望、または先生が今御指摘いただきましたように、事業主の側の考え方といったふうなものを総合的に考慮しながら次の年度の児童育成事業に要する費用というものを算定をするわけでございます。  それで、児童育成事業に充てる拠出金率というのは、そうやって毎年度の児童育成事業の実施に必要な費用額を考え、そしてその中で事業主の拠出金で賄う額というものをその年度の標準報酬の予想総額で割ることによって算定する。そうすると〇・二というのが出てくるわけでございまして、平成六年度の予算案におきましては、児童育成事業のうち事業主拠出金で賄う額というものを、先生も御指摘のように約二百五十三億円、標準報酬の予想総額というのが約百三十三兆円でございますので、これを拠出金率に計算をいたしますと千分の〇・二となるということでございまして、この千分の〇・二という拠出金率につきましては事業主の側にも大きな御理解をいただいて、今回、不況という中ではございますけれども、御賛成をいただいた、こういう次第でございます。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 大変難しいことなんですけれども、今回のさまざまな、幅を広げ、厚さを増したということについては、これは当然評価すべきであるし、当然これからも充実をさせていただかなければいけない、こう思うのです。  もうちょっと具体的な内容についても伺いたかったのですけれども、ちょっと時間がございませんので、それは根本さん等々にお任せをいたしますけれども、実を言いますと、時間延長だとか乳児の特別対策だとかそういったことについては、これまでも要望がたくさんあった。それで、今計画されていることについてもそれだけで十分とはとても言えないんじゃないかな、こう思うのですね。  まず最初に、一方で手当自体についても、これは平成三年度に改定されたばかりですからそうそういじることもできないでしょうけれども、この問題についてもいずれ考えなければいけないことも出てくるでしょうし、当然その保育の内容についても、少子化とかあるいは出生率の低下だとか核家族化だとか、あるいは女性の就労人口の増加であるとか、さまざまな社会的な条件によって要望事項、ニーズというのは非常に幅広く、大きくなっていくと思うのです。  そうしますと、今の話とも関連するのですけれども、どうしてもきめ細かい対応をするとすれば、今のように補助で、補助を要するに幾つもテーマによって割り振っていくということになれば、ニーズがふえればふえるほど、本当を言うとそのための費用というのは膨らんでくるはずですね。ところが、今のお話ですと、その費用は今は事業主の御負担でおやりになるということですね。  各審議会、私も社会保障制度審議会の中に加えていただいておりますけれども、その中でもいろいろな議論になりましたが、つまりそうなると、事業をふやしていこうとすればそれは事業量が大きくなる、事業量が大きくなると料率アップというのはどうしても避けられなくなってしまうのかなという単純な発想になってしまうのですが、今のところ、それはどうお考えになっているのでしょうか。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 児童関係の福祉というものも、事業主の拠出だけをいただいてやる部分だけではございません。一般会計で実施する部分の方が非常に大きいということは先生御承知のとおりでございますけれども、この児童育成事業の中で、先生御指摘いただきましたような延長保育とか、実施をしていかなければならない部分というものも今後非常に大きくなっていくだろうということは、先生御指摘のとおりでございます。  今後の料率アップはどうするのだという御指摘でございますけれども、児童育成事業の内容、規模というものは、それまでの事業実績とか子供や家庭を取り巻く状況といったものを総合的に勘案して、毎年度定めていくということを考えているわけでございます。こういった考え方で毎年度の児童育成事業に充てる拠出金率というものを、そのときどきの経済情勢といったものも踏まえながら、そして事業主の側の御理解も得ながら、事業の実施に必要な額をお願いするということになるわけでございます。  先生御指摘いただきましたように、種々問題もあるというふうに思いますけれども、できるだけ適切な事業が実施できるようにということで努力をしていきたいというふうに考えておりますので、御了解をいただきたいというふうに思います。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 それから、さきほど山口さんの御質問に局長答弁なさっておられましたけれども、今度新しく設立される民間財団について、たしか中央児童福祉審議会はわざわざ付言をして、この財団の名前とそれから基金の名称についても、こうされたらどうでしょうかと、「こども未来財団」と「こども未来基金」ですか。この考え方については、要するに内容はおっしゃっているとおりなんです。その名称についてはどんなふうに思っておられますか。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 審議会の御指摘どおり、名称は「こども未来財団」、それから基金につきましては「こども未来基金」にするということで、関係者の御理解を得ながら準備を進めさせていただいているというのが実態でございます。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 本当に保育の、子供育成事業の充実を図るということは、もうとにかく喫緊の課題だと私は思っていますし、我が国の将来のことを考えれば、それをきちんと運営をしていくことが大事だと思うのですね。  ただ、今回の例えは法改正で保育事業、保育所に対する補助がさまざま出るということについては、非常にこれは一つの大きな芽が育っているなという感じはするのですけれども、しかし本体の部分というのをもうやはり考えなければいけないのかな、こう思うことがあるのです。例えば措置費の問題ですね。措置費の問題と、それにかかわっできます徴収基準額がありますね。こういうことを考えますと、本当に今のままでいいのかな、こういうふうに思うのです。例えば保育の単価だとか、保母さんや職員の配置基準であるとか、こういったことについてきちんと整理し直すという考え方がないのかどうか。時間がありませんので、そこだけ聞かせていただきたいと思うのです。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 実は利用しやすい保育所というものを目指しまして、特に共働き家庭における子育ての負担感を軽減していくということを重点的に考えまして、先生、保育所本体の改革ということをおっしゃいましたけれども、保育所制度の改革というものを実は考えたわけでございます。そして、この国会におきまして、できれば児童福祉法の改正法案というものも御審議願いたいということを考えまして、いろいろと関係者と御相談をしたわけでございますけれども、やはりいろいろと考え方がございまして、まだ実は検討中ということでございます。今後、この考え方を深めながら、また考え方がある程度成熟した段階で児童福祉法の改正ということも御相談させていただきたいというふうに考えております。

住博司自由民主党・自由国民会議

○住委員 ぜひこの問題は本当に厚生省の御努力、特に大臣の御決意を聞いておりますと、本当にこれ、やっていただかなければいけないと思い ますし、さまざまこれから議論をしなければいけない分野がありますので、どうぞ積極的に御提案をなさって、これからもどうぞ子供たちの未来のために御努力をいただきたい、そのことを御要望いたしまして、私の質問を終えさせていただきます。  ありがとうございました。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 根本匠君。

根本匠自由民主党・自由国民会議

○根本委員 自由民主党の根本匠であります。  私は、まず児童手当法の一部を改正する法律案につきまして、法改正の趣旨、必要性、そして新しい制度の内容につきまして御質問いたします。  まず最初に、今回、児童手当制度のもとにおいて、児童手当に加えて新たに子育て支援のために拠出をするわけでありますが、その理由をお伺いしたいと思います。  子育てを支援する事業につきましては、従来から児童手当制度の福祉施設事業として、例えば平成五年度は九十一億円、子育て支援のサービス事業、これを実施してきたわけであります。今までは財源は児童手当給付金のいわば剰余金で賄う、そういう形で対応していたわけですが、今回新たに拠出を求めることとした理由を大臣にお伺いいたします。

大内啓伍民社党・新党クラブ厚生大臣

○大内国務大臣 近年の出生率がどんどん低下してきていることはよく御存じのとおりでございますが、これはやはり日本の将来にとってはゆゆしき事態でございまして、何とか子供が健やかに生まれ育つ環境づくりを進めることが重要な施策になってきているわけであります。とりわけ働く女性の出生率というものは、そうでない女性に比べて大変低くなっておりまして、この分野で政策の充実を図ってまいりませんと、この少子社会の歯どめをかけることができないわけであります。  したがいまして、そのためのきめ細かな育児支援サービスの充実によりまして、仕事と子育てを両立していくことができるような支援対策が必要である、こういう考え方に立ちまして、児童手当制度の福祉施設事業をこの際拡充をいたしまして、共働きの家庭を主な対象といたしまして、育児支援や児童の健全育成のための各種のサービス、例えば保育時間の延長等仕事の実態に即した保育サービスへの助成、あるいは、児童健全ボランティアの振興といったようなものを充実することといたしました。  そのためにはどうしても財源は必要でございますので、特に事業主の方々に御理解を賜り、御負担をしていただきたいということでお願いを申し上げましたところ、事業主の皆さんも、それは社会的に極めて重要な仕事であるし、事業主としてもこれは果たさなければならない責任の一端であろうという御理解を賜りまして、この拠出金を求めることにさせていただいた次第でございます。

根本匠自由民主党・自由国民会議

○根本委員 今回の法改正によりまして、要は子育て支援事業の充実のために充てる財源として、特定財源として具体的に拠出を書くことによって明確化したのだろう、そういうところに意義があると思いますが、私もこれからの少産化、あるいは女性の社会進出の中で、子育てと就労の両立支援のための政策が重要だと考えておりました。きめ細かな保育サービスの充実が必要だと思います。  ただ、今回の措置は、事業主の負担が平成五年度と同様に千分の一・一ということで変わらないとはいいながら、実は児童手当給付の減った分を児童育成事業に充てるということで、見方を変えれば新たな事業主への負担だということが言えるわけであります。その意味ではこの財源をもとにしてどういう内容にこの支出を行うのか、この中身が大切だと思いますので、その中身を少し詳しくお伺いしたいと思います。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 実は、内容的には子育てと仕事の両立を支援するということが主たる内容になるわけでございますが、この子育てと仕事の両立を支援するためには、きめ細かな保育サービスの提供というものが今後は不可欠であるということでございまして、平成六年度の予算案におきましては、このための事業を児童育成事業として、先生今御指摘いただきましたように大幅に拡充することとした次第でございます。  具体的に申し上げますと、保育時間の延長に係る既存の施策というものを見直しまして飛躍的な拡充を図る時間延長型の保育サービス事業の実施を初めといたしまして、乳児保育の大幅な拡充、お母さんが一時的に病気になった場合とか、そういった場合の一時的保育事業の充実、子育て相談等に応ずるための保育所等の地域子育てモデル事業の実施箇所数の大幅な増加というふうな各種の施策につきまして、大幅な改善を図ることとしてお願いをしているわけでございます。それからまた事業所内の保育施設に対する整備費や運営費の補助、それからベビーシッター等によります在宅の保育サービス事業とか駅型の保育モデル事業等への助成というふうに、いわゆる認可保育所以外の保育サービスにつきましても推進を図っていくということにしております。  今後とも多様な保育ニーズにこたえましてきめ細かな保育サービスを充実させていくために、この児童育成事業というものを活用させていただければというふうに考えております。

根本匠自由民主党・自由国民会議

○根本委員 保育につきましては非常に多様なニーズがあるわけですが、ぜひこの児童育成事業で多様な保育ニーズにこたえる事業を推進していただきたいと思います。  それから、今回の新たな特定財源化の話に関連しまして、保育サービスにかかわる一般財源とそれから特定財源、その考え方につきましてお伺いしたいと思います。  今回の改正は、保育サービス充実のための拠出金の特定財源化、これが目玉であろうかと思います。そうなりますと、一般財源で賄う保育サービスとそれから特定財源で賄う保育サービス、その考え方をどう整理するのか、これが私は重要になってくるだろうと思います。私なりの理解では、通常の保育サービス、要は必需的な保育ミニマムともいうべき現行の認可保育所のやっている措置費で賄われている部分、これを一般財源で賄う、それから、特別保育事業、いわゆる現行の認可保育所の保育サービスの上乗せ分、あるいは民間の行うサービスの部分、これは恐らく選択的サービスとしてこの補助金で促進して特定財源で充てよう、こんな考え方のように考えられるのですが、この辺の一般財源で充てるべきサービスとそれから特定財源で賄うべき中身、これの考え方につきまして、先ほどの住先生とのお話とも関連いたしますが、お伺いしたいと思います。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 その考え方というのは、大体今先生御指摘をいただきましたとおりでございます。  児童育成事業というのは、特に共働き家庭などの多様な保育ニーズに対応した各種の育児支援とか児童健全育成サービスというものを行うものでございまして、その費用は、次代を担う子供の育成に対します社会的な責任を果たしていくという観点から事業主の方々に御負担をいただくことにしたわけでございまして、児童育成事業とそれから一般財源で賄われるべき事業との役割分担というものも、このような事業主からの拠出の性格によって分けられるものではないかなというふうに私たち考えているわけでございます。  例えば保育サービスというものを例にとって御説明をいたしますと、多様な就労形態というものに対応した時間延長型の保育サービスを提供する保育所や、事業主がみずから雇用する従業員の子供を対象として設ける事業所内の保育施設に対する助成というふうなものは、児童育成事業という形で事業主の拠出金を中心として実施をさせていただきたいというふうに考えているわけでございまして、先生も御指摘いただきましたが、保育園におきます基本的な保育サービスでございますとか障害児保育といった面につきましては、これは措置費を中心といたします一般財源で実施をしたいというふうに考えているわけでございます。

根本匠自由民主党・自由国民会議

○根本委員 これに関連しましては後ほどまた質 問いたします。  次に、今回新たに創設する財団の役割についてお伺いしたいと思います。  今回の法改正によって三百億円の基金を造成して財団法人を設けて事業を行わせる、こういうことで、新たな財団法人が創設されることになっておりますが、どのような事業を財団法人に行わせるのか、その財団法人の役割、事業内容、これにつきましてお伺いしたいと思います。  特に、聞くところによりますと、民間が行う保育支援サービス、これは財団が国から恐らく交付金的な形で受けて、それを民間に助成する、こういう形をとると聞いておりますが、今のこの保育関係のお金の流れは、市町村を通じて流れていく部分とこの財団法人を通じて流れていく部分という二つの流れが出てくるわけです。  例えば、民間の事業体に補助金を交付するということで考えれば、これは補助金交付要綱的なものをきちんとつくって流すわけで、これは市町村も財団法人も同じような形になると思いますが、財団法人に行わせる理由、要は機動的、弾力的な運用をやらせるのだという一般論はよくわかるのですけれども、その具体的な中身につきましてお伺いしたいと思います。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 今まで先生も御指摘いただきましたけれども、共働き家庭などを対象といたしました育児支援や児童健全育成サービスの実施に当たりましては、そのニーズが非常に多様であるということから、実はきめ細かなサービスの提供というものが必要でございます。その中でも、育児支援事業を行う民間事業者に対する助成事業というふうなものは、民意を反映しながら多様なニーズにこたえて、機動的、弾力的に事業を行う必要性が特に強い事業というふうに考えておるわけでございまして、そこで新たな財団というものを設立をいたしまして、児童育成事業の一部の実施をそこにゆだねたいというふうに考えているわけでございます。  新財団で行う事業といたしましては、現在のところ駅型保育モデル事業、すなわち出勤時に駅でお母さんから子供を受け取りまして、また勤務が終わりまして駅におりてきたときにお母さんに責任を持って子供をお返しするというふうな事業、この駅型保育モデル事業でございますとか、それからベビーシッターなどの育成も兼ねました在宅保育サービスの事業の助成、それから児童関連情報の二十四時間ネットワーク事業と申しまして、コンビニエンスストアなどを使いまして、二十四時間いつでも児童関連情報を働くお母さんのところに届けられるようなネットワークといったもの、それからもう一つは、海外在留邦人に対する母子保健情報の提供事業、そういったものを平成六年度におきましては財団で特に行わせてみたいというふうに考えておりまして、そのほかの時間延長型の保育サービスの事業でございますとか放課後の児童対策事業とか、そういったものにつきましては、従来どおり市町村を通じまして事業を実施したいというふうに考えております。     〔委員長退席、網岡委員長代理着席〕

根本匠自由民主党・自由国民会議

○根本委員 財団が行う事業は、要は大きく分けますと、例えば民間の駅型保育事業に対する補助金の交付、それからもう一つの分野としては情報提供のようなもの、そういうことになるわけですか。それから、民意を反映する仕掛けのようなものは考えていないのでしょうか。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 民意の反映につきましては、特に財団を通じまして実施をしたいというふうに考えておりまして、いわゆる機関紙の発行とか、特にテレビ、ラジオ等を通じました広報とかということも考えております。また、財団の理事等の中には新聞関係の方とかテレビ関係の方とかといった方にも御参加をいただきまして、できるだけいろいろなニーズを吸い上げる形できめ細かなサービスができるような方法というものを考えたいというふうに思っております。

根本匠自由民主党・自由国民会議

○根本委員 私は、そういう意味では、民意を反映させるための財団の役割というのは非常にあると思うのですね。特に、保育サービスのようなものは、利用者本位の制度に仕組む必要があるわけですから、利用者ニーズの的確な把握が必要だし、そういう意味で、財団がその辺のアンテナショップ的な役割も果たすように期待したいと思います。  それから次に、事業所内保育施設等に対する助成についてお伺いしたいと思います。  多様なニーズにこたえるためには、当然民間の行う保育サービスの供給の促進、これが必要であります。ただ、必要でありますが、今回、無認可の施設としての事業所内保育施設、あるいは企業の従業員向け在宅保育サービス、これに助成金を拡大しようということでありますが、この辺の考え方、ねらい、どんなねらいで補助することとしたのか、その辺をお伺いしたいと思います。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 先生御指摘いただきましたように、働く女性の増加とか就労形態の多様化に伴いまして、共働きの家庭におきます子育ての負担感というものを軽減していく必要が非常に大きくなっているわけでございます。  こういった保育ニーズに対応するためには、一般財源等で賄います公的な保育サービスというものを充実していくことはもちろん非常に必要でございますけれども、これを補完して、民間部門でできるだけきめ細かな保育サービスの充実を図っていくということも非常に重要であるというふうに考えておりまして、職場内、事業所内の保育施設への助成は、事業主が福利厚生の一環として職場内で保育施設を設置する場合にその費用を助成する事業というふうに考えておりまして、平成六年度から、整備費に加えまして、運営費につきましても新たに助成をするということを考えております。  それからもう一つ、在宅保育サービス事業、これは職場の中の保育施設と同じく、事業主が福利厚生の一環としてベビーシッター等の在宅保育サービスを職員にあっせんする場合に、その利用料の一部を助成したいというふうに考えておりまして、事業所内の保育施設の運営費の助成につきましては、一般分として五百カ所、特に看護婦確保対策等を含めまして、そういったところで約千カ所ぐらいということを実は平成六年度には考えているわけでございます。

根本匠自由民主党・自由国民会議

○根本委員 私は、今回の法改正の意味合いの一つは、要は民間サービスの供給の促進の道を開いた、それで、ある意味では、広義の受益者負担を事業主に賦課して、特定財源化でいわゆる民間サービスの供給を促進しよう、こういうところにこの改正の意味、ねらいがあると思うのですね。今回のように、事業所内保育、つまり事業所関連の無認可の保育サービス、これに対しては助成しましょう、その部分は促進される。これはこれで大変意義のあるものとして私は評価しております。  そうなりますと、今回の改正で要は民間のサービスに対する新たな助成制度が拡充されたということから考えれば、最後に残されているのは今の無認可の保育所で、乳児の保育から夜間の保育まで多様なニーズにこたえている無認可の保育所に対して、最後に残された課題としてどう考えるか。要は今回の改正で新たな拠出を求めて特定財源化して、それは民間サービスの供給の促進、これが一つの柱だということで考えますと、残された無認可の保育施設に対して、言ってみれば今は白地地域なわけでありますけれども、これに対してどう考えるのかな。  無認可の保育施設についてもいろいろなレベルはあると思うのです。非常に質の高いものからその辺はばらばらだと思うのですが、一定の認可保育所の基準を満たしているようなものであって無認可の保育所、例えばこういうものに対して誘導方策をモデル的に行ってみるというようなことも考えられてしかるべきではないか、こう思っておりますが、その辺のお考え方をお伺いしたいと思います。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 先生御指摘のように、事業所内の保育所につきましては、平成六年度から設備、運営費ともに助成をするという形で始めたいとい うふうに考えているわけでございます。  それから、多様な保育サービスを展開する上におきまして、良質な無認可の保育施設につきましても何らかの助成措置を講ずる必要があるのではないだろうかというのが先生のお考えのように承ったわけでございますけれども、これにつきましても、私たちあながち否定すべきものではないというふうに考えまして、今後利用しやすい保育所というものはどういうものかというものを総合的に検討していく中で取り上げさせていただきたいというふうに考えております。

根本匠自由民主党・自由国民会議

○根本委員 私もなかなかこの問題は難しいと思っておりまして、やはり認可保育所という一つの体系があって一定の水準を最低満たすものということで位置づけておりますから、それに対して無認可をどう考えるか、これはなかなか難しいと思うのですけれども、多様なニーズにこたえるという観点から、今後一つのモデル的な支援誘導方策、こういうものを講じていく必要もあるのではないかと思っております。  それから拠出率の考え方、先ほども住先生からお話がありましたけれども、今回多様な保育ニーズにこたえるために新たに特定財源として子育て支援という観点から拠出を求める、これは一つの工夫として大変いい考え方だし、これを財源に保育サービスを充実する、これを私は評価しているわけであります。ただ今回の法改正によりますと、法律の目的は変わっておりませんね。児童手当を支給することにより家庭の生活の安定の寄与と、それから児童の健全な育成、資質の向上に資する、この目的は変わっておりませんで、拠出の対象たる児童育成事業については、その法的な位置づけは、児童手当の支給に支障がない限りにおいて行うことができる、こういう法律の立て方になっておりますね。こうなりますと、当然のことながら、児童手当法でありますからあくまで児童手当がメーンの事業で、サブの事業として根拠を明確にして児童育成事業を位置づける、多分こんな整理の仕方かな、こう思うのです。そうなりますと、今回拠出率、先ほど御説明ありましたけれども、これからの拠出率の考え方はどう考えていくのか、その辺、お伺いしたいと思います。     〔網岡委員長代理退席、委員長着席〕

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 拠出金率の考え方というのは、さっきもお答えをしたとおりでございますけれども、児童育成事業の内容、規模というものは、それまでの事業実績でございますとか、子供や家庭を取り巻く状況などを総合的に勘案をいたしまして、毎年度定めていきたいというふうに考えております。毎年度の児童育成事業に充てる拠出金率というものは、こうして関係者の方々、事業主の方々から御了解をいただいた範囲で必要な額を賄うことができるような値に設定したいというふうに考えているわけでございます。  平成六年度におきましては、児童育成事業のうち、事業主拠出金で賄う額が約二百五十三億円、標準報酬の予想総額というものが百三十三兆円でございますので、これを拠出金率に計算いたしますと、約千分の○・一となる、こういうことでございます。

根本匠自由民主党・自由国民会議

○根本委員 児童育成事業に充てる拠出金は今回特定財源化したわけでありますから、言い方を変えれば、いわば目的税のようなものだろう。そうなりますと、負担の程度と育児支援サービスのバランス、これはこれからも留意しなければいけないだろう。それから、少なくともそのサービスについては、量的な充実も必要だと思いますが、やはり新たに拠出を求めてやる事業ですから、サービスの中身については、不断の効果の点検、効率性というものを把握しながら効率的な育児サービスに努めていく必要があると私は思います。  それから最後に、これは大臣に確認的にお伺いしたいんですが、今回の法律、日切れ法案という扱いになっております。私も、法改正の理由は新しい制度の内容、これは理解いたしましたが、今回これが日切れ法案になる理由、これをお伺いしたいと思います。  日切れ法案というのは、例えば税関係のように毎年必ず必要になるもの、それから奄美のような地域開発促進立法で、五年とか十年目に失効するから日切れ法案でやらなければいけない、こういうパターンが多いわけであります。その意味では、今回の法案は政策的な新たな内容を盛り込んだ法案ということで、最後に、この法案が日切れ法案となる理由をお尋ねしたいと思います。

大内啓伍民社党・新党クラブ厚生大臣

○大内国務大臣 今回の改正は、委員よく御案内のように児童手当制度の福祉施設事業の充実を図りたい、そのためのきめ細かい育児支援サービス等の充実を図ることといたしまして、その費用を新たに事業主の方々から御負担をいただくために必要な改正を行うという中身のものでございます。したがいまして、事業主の方々に負担いただく拠出金の率というのは、年度ごとに必要な費用をもとに算定をいたしまして、この率で年度当初の四月から毎月徴収させていただくわけでございます。  今度の場合は千分の〇・二でございますから二百五十四億ということになりますと、大体一カ月で二十億円強の財源が必要になる。もしこれが日を経過してしまいますと、成立が一カ月おくれることに二十億町強の歳入欠陥が生じてくる。そういう意味で日切れ、こう申し上げているわけでございますのと、それからもう一つは、拠出金の徴収実務というのは大変な作業が要るわけでございまして、年度内に成立しない場合には、四月からの拠出金率というのはこれまで千分の一・一、これを今度は千分の○・九に直さなければならない、そして今度は法律が成立しますとまた千分の一・一に直すということになりますと、これは関係徴収実務をやっているところが大混乱に陥るという問題もございまして、そういう意味で何とか年度内にしていただきたい。  またもう一つは、この法律改正によりまして、児童育成事業によりまして保育時間の延長とか乳児保育とかいったような保育の多様な事業を展開するわけでございますが、この法律案が年度内に通りませんと新年度からどういう保育事業をやっていいのか、現場の中に大きな混乱が起こる、こういうようなことから日切れ法案として御審議を賜りたいとお願いしている次第でございます。

根本匠自由民主党・自由国民会議

○根本委員 ありがとうございました。終わります。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 土肥隆一君。

土肥隆一日本社会党・護憲民主連合

○土肥委員 きょうは少し時間を早めようということで、短くしなきゃなりませんので、御協力のほどをお願いしたいと思います。  今回の児童手当法の改正を私なりにまとめますと、こういうことかなというふうに思います。今までは、現金給付を児童手当として出しまして、その余ったものを福祉施設事業に充てようということでございました。今回、それを手当と事業というふうに分けて、しかも、当初から余ったものではなくて、予算を立てて、事業目的を立ててやろうということでありますから、その意味では大変前進した展開ができるのではないかというふうに思っております。今まで福祉施設事業という言葉を聞きますと、いつも何かおかしい名前だなというふうに思っておりまして、従来の福祉施設とか福祉事業というものと随分違うという違和感を覚えておりましたけれども、今度は児童育成事業というふうに名前を変えられましたから、これは大変結構なことで、それならばということでこれからもいろいろな明確な事業展開ができるのではないかというふうに思っております。  ただ、この制度は事業主から拠出していただくということになっておりまして、そのボリュームを決めるときに一々事業主の皆さんと相談をして、その相談の中からしか事業ができないというふうな、いわば非常にある意味で制限が加えられた事業ということになります。したがいまして、今後日本の子供たち、特に赤ちゃんの出生率を上げようというふうなときに、思い切った事業を展開しようとすると事業主体、事業体の皆さんと相談をしなきゃいけないということになりますと、 子育でも事業と相談しなきゃいけない、子供を産むのも事業主と相談をしなきゃいけないというようなことになるんじゃないかな、こういうふうにも思ったりしております。あるいは、これから多様な育児事業をやるというときに、どうしても事業所が喜ぶような、事業所が歓迎するような事業のメニューが出てきがちではないだろうかということも心配しながらこの法案を読んできたわけでございます。  この法案の提案の趣旨にも出生率を上げるということになっておりますけれども、しかし私は、この児童手当にしても、あるいは今度始まります児童育成事業にいたしましても、出生率を上げることにはなかなかつながらない、児童手当が出生率を上げることにどうしたらつながるかということがやはり今後児童手当法を持っている私どもの課題ではないかというふうに思っておりますので、これから行政当局もいろいろ知恵を出していただきたい。今の五千円、五千円、一万円で出生率が上がるかというと、なかなかそうはいかないと思うのでございます。  さて、質疑に入らせていただきますけれども、やはり何といっても拠出率のことでございます。もう前の先生方がいろいろ質問なさいましたので少し屋上屋を重ねるようになりますけれども、今回の経過措置で第三条において「千分の○・二を標準として」と、こうあります。そして二百五十四億円を弾き出された。そうすると、あと残りの千分の○・九を現金給付にするというわけですが、平成三年度の改正から今日までだんだんと三歳未満におさまってきたのでありましょうが、児童手当の給付の方が余ったからこちらへ回したのか、あるいは今平成六年度の児童手当の給付は一体どういうふうになるのか、その辺を御説明いただきたい。  続きまして、今後の拠出率の見通しを述べられたいと思います。平成六年度、この児童育成事業が三百二億円ということになっておりますから、これは当然千分の○・二を超えているわけでありまして、今後の児童育成事業に充てる拠出率などの見通しを述べてほしいと思います。  それからもう一点、私ども、どうしてもやはり高齢化社会に対応する現役世代をふやさなきゃいけませんから、育成事業に十分な額を持っていきたいというふうに思うわけでありますけれども、景気動向や賃上げも今うまくいっていないというような状況の中で、一体事業者の皆さんはどの程度まで負担していただけるのかということでございまして、そういう事業者の皆さんの反応はどんなものがあるか、お知らせいただきたいというふうに思います。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 幾つかの御質問につきまして順次御説明をさせていただきたいと思います。  最初に、新たに児童育成事業費に加えた拠出金率についての算定方法ということでございますが、今回の改正によりまして、これまでの現金給付に要する費用に加えまして、新たに児童育成事業の実施に必要な費用を拠出金として事業主の方々から御負担をいただくことにつきまして事業主の方々の反応はどうかという先生の御質問があったわけでございますけれども、私たちが日経連、経団連その他の事業主側の関係者の皆様とお話し合いをした限りにおきましては、今後の女性の社会進出、就労形態の多様化といったものを考えますと、こういった形で事業主が拠出をしていくということについては極めて好意的な反応をいただいているということでございまして、今後児童育成事業というものを非常に大きく伸ばしていくという際にも、経済環境その他いろいろ問題はあるとは思いますけれども、概して御理解をいただけるのではないかなというふうに考えておる次第でございます。  それから、平成五年度には拠出金率というのは一・一という形になっていたと思うけれども平成六年度の拠出金率は一千分の○・九ということで、児童手当の本体の方の現金給付は賄えるのだろうかというふうな実は御質問をいただいたわけでございますけれども、現金給付に要する拠出金率というものが平成五年度から平成六年度にかけて一千分の一・一から一千分の○・九に減少しているのは、実は主として出生数の減少というものがございます。御承知のように、合計特殊出生率が一・五という形で非常に出生率が下がっておりまして、それに応じまして児童手当の給付を受けるべき児童の数というのも減少しているというのが実態でございます。  それからもう一つ、さきにもちょっと御説明を申し上げましたが、平成三年改正の経過期間が終了いたしまして、それに伴いまして三歳未満の児童に児童手当を支給するというふうな形になっておりますので、その面で支給対象児等が若干減少しているという面でも減少要因がございます。このため、平成六年度の現金給付に必要とする費用は一千分の○・九という形になるわけでございます。  それから、平成七年度以降の拠出金率の見通しについてどういうふうに考えているのかという御質問がございました。特に、現在の景気動向の中におきまして事業主の負担というものを大幅にふやしていくことは難しいのではないだろうかというお考えではないかというふうに御推測をさせていただいたわけでございますけれども、拠出金率のうち現金給付に要する部分については、毎年の支給対象になる児童の数に応じまして自動的に算定できるわけでございますけれども、児童育成事業につきましては、児童育成事業の内容、規模というものが、それまでの事業実績とか、それから子供や家庭を取り巻く状況など総合的に勘案をいたしまして、関係者の皆様とも御協議をして毎年度定めていくというふうに考えておりまして、このような考え方のもとで、毎年度の児童育成事業に充てる拠出金率というものは、そのときどきの経済情勢を踏まえながら、そしてまた事業主側の御理解をも得ながら、事業の実施に必要な額ということを賄うことができるようにできるだけの努力を重ねていきたいというふうに考えているわけでございます。

土肥隆一日本社会党・護憲民主連合

○土肥委員 局長の御説明を聞きながら、ああ、この児童手当法というのはそこまでも気を配らなければならない事業なんだなということをつくづく思うわけでございまして、私は、拠出率というのが、ずっと四十六年から見ておりますと、一・二から○・九まで下がって、また一・二、一・一とこう来ておりまして、まあこれが一・四とか一・五になるなんというのはないのかなというふうな感じもするわけでありまして、やはりこれは、子育てというのは、あるいは出生率を上げようというようなことからいえば、もう少し本格的な児童手当そしてまた育児支援事業というものを本格的にやらなければいけないということからいうと、この財源をこういう形で事業者からいただくというのも限界があるというふうに思っております。私の意見を申し上げておきたいというふうに思います。  さて、従来福祉施設事業と言っておりましたのを児童育成事業に切りかえた、そういう経過の中で、私は、本体と言ったらちょっと語弊がありますけれども、措置費、つまり一般財源で運営されております要するに児童関係の福祉事業ですね、一つは、児童養護施設など、あるいは保育所あるいは障害児の施設などなどございますが、児童育成事業、こう言うときには、例えば就労と育児を両立させるために家庭を支援するんですとか、出産と育児のために家庭を支援するんですとか、育児支援ボランティアの養成などなど、この育成事業の中にうたわれておりますが、実は保育所というのは、トータルとしてまさに就労や育児の支援をしているわけですし、あるいは出産と育児の支援もしているわけでありますし、そこにボランタリーな要素が加われば育児支援施設になるというふうに思うのであります。  それで、この法律の出してまいりますさまざまなメニュー、これを見てまいりますと、一体こういうさまざまなサービスというものは周辺的にはいっぱい出てくるけれども、本体である保育所とか児童養護施設などをどう考えているのかという ことを当然思わざるを得ないのであります。そうしませんと、メニューばかりがにぎやかに出てまいりましても何か途方に暮れてしまうというような気持ちになるわけです。  例えを挙げますと、時間延長型保育サービスをやるんだ、こうおっしゃいます。A型、B型、C型として、二時間から六時間までの延長保育をやる。それに五十二億円組んであるわけですけれども、一体その法内の施設である保育所がこの時間延長型保育サービスにどの程度取り組んでいただいているのか、そして、これを運営していらっしゃる、これは民間の施設長あるいは法人あるいは公的な保育所についても、どの程度この児童手当法に基づく児童育成事業のメニューと二つが重なり合うような、あるいは相呼応するようなそういう事業になっているのか、ちょっとまとめてお答えいただきたいと思います。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 先生から非常に難しい御質問をいただいたわけでございますけれども、女性の就労の増大または就労形態の多様化等の変化というものが現在非常に進んでおりまして、これに伴いまして、一般に行われております保育園の保育に加えまして、乳児保育とか夜遅くまでの保育でございますとか、母親が病気の際の保育というふうなこと、また、平成四年の四月から実は育児休業法が施行されたことに伴いまして、年度途中から保育園に入りたいという保育の需要というふうな、いろいろなニーズが大きくなっているということでございます。  このため、平成六年度の予算案におきましては、こういった保育の需要の多様化に対応いたしまして、就労と育児の両立支援を積極的に推進をするために、乳児保育、一時的保育事業また保育時間の延長に係る現行の施策といったものを見直しまして、残業でございますとか通勤時間等に対応いたしました時間延長型の保育サービス事業について大幅な改善を図ることにしているわけでございまして、市町村やまた保育所がこれらの事業に積極的に取り組む条件というものをできるだけ整備をしていきたい、そしてこれによりまして、今までの定型的な保育にこういった延長型の保育とか乳児保育とか一時的な保育とかを加えまして、総合的な形で保育園または保育施設というものの活性化を図っていければというふうに考えている次第でございます。

土肥隆一日本社会党・護憲民主連合

○土肥委員 時間延長型保育サービスはどれくらい展開されているんでしょう。その数字とか何かはお持ちでしょうか。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 時間延長型の保育サービスの充実につきましては、平成六年度の予算案におきましては、時間延長の際に配置いたします保母の充実といった保母の充実体制の強化といったことを中心にいたしまして予算措置を行っているところでございまして、保育園の二時間延長ということをやっていただく保育園につきましては二千カ所、また四時間の延長をやっていただく保育園につきましては二百カ所というふうなことで、その他必要に応じて六時間延長ということで、夜の十二時までお預かりをするという形の保育園につきましても、必要があれば設置をしていきたいというふうに考えているわけでございまして、現在との程度延長型の保育を実施しているかということになりますと、なかなか保育ニーズに対応できない、せいぜい数百カ所程度ということでございますので、今度の予算措置によりまして非常に大幅な拡充というものができればということを考えております。

土肥隆一日本社会党・護憲民主連合

○土肥委員 局長のお気持ちはわかるのですが、現場の保育所を見てますと、これは民間も公立も問わず、なかなか応じない。今でも人が足りないのにどういうことかとか、もっと措置費なんかをふやせとか必ず言われて我々退散してくることが多いんでありますけれども、今局長は定型型の保育所じゃなくて、ダイナミックな保育所になってほしいと。私もそう思うのですね。だけれども、これはやはり相当話し込んで、措置費でずっとやってきた施設というのはどうしても定型型あるいは固定型になりがちでございますから、これをどう解きほぐすかというのは、これは重大問題でありまして、単に予算を削ったりあるいは地方交付税化するということぐらいでは済まない、つまり本当の意味で保育所が生きてこないというふうに思いますので、これからいろいろ知恵を働かさなければいけないんじゃないかな、このように思っております。  じゃ、先へ参ります。  積立金ができたわけです。この拠出金率の計算の方法だとかあるいは児童手当法の成り立ちからいうと、必要なボリュームを決めて、そしてそこから拠出率を出していくというこの方式で相当のお金が余ったわけですね。余ったと言ったらちょっと語弊があるかもしれませんけれども、残った。これはどういう原因によるのでしょうか。  続けて申し上げますけれども、これからこれを使って基金をつくる、四百八十六億円余りましたので、そのうちの三百億を基金にするということです。そうすると、今後も積立金が残ってくる可能性があるのでしょうか。  あるいは、基金によって財団法人をおつくりになるわけですけれども、今日の行革の折、新規財団ではなくて既成のものに委託するとか、あるいはスクラップ・アンド・ビルドを考えるとか、その辺のところをごく手短に御説明いただきたいと思います。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 先生御指摘をいただきましたように、平成四年度末に四百八十六億円という積立金が生じまして、この中から三百億円の基金を設立するということをさせていただいたということでございます。児童手当の積立金というのは、現在まで、現金給付に要する費用に充てるために事業主の方々から御負担をいただいた拠出金のうち、実際に給付に充当いたしまして、さらにそのうちの若干につきまして福祉施設費に用いさせていただき、その剰余金ができた場合には、毎年度積み立てをさせていただいてきた、これが実態でございまして、この積み立ててきた積立金の中から、今度三百億円をちょうだいをいたしまして、「こども未来基金」というものを設立をさせていただくということでございます。  今後積立金がどういうふうになっていくのかという御質問を実はいただいたわけでございますが、その算定というものがきちんと行われていけば、各年度の剰余金というものは非常に実際の値と近似的なものになるわけでございまして、計算がきちんと行われていれば積立金の額というのは非常に少額なものになるというのが実態でございまして、今後積立金がどうなるかということを算定していくというのは、我々非常に難しいことでもございますけれども、かつてのような形で積立金が積み上がっていくというふうなことはないだろうというふうに考えております。  それから、今回の改正によりまして、児童育成事業に要する費用につきましては毎年度の拠出金を財源とすることが基本になってきますので、積立金につきましては、これまでほどの額を積み立てておくという必要もなくなってくるというふうに考えておりますので、できるだけ少額なものに変わっていくだろうというふうに私たち考えております。

土肥隆一日本社会党・護憲民主連合

○土肥委員 最後に大臣に質問いたします。  児童手当法というのは企業に依存した手当でありますけれども、なるべく企業の皆さんに、一・一を超えて一・二、一・三と無理がきくような何か方法はないだろうか、あるいはもう一般財源で考えていくかしかないだろうと思います。特に、大臣がエンゼルプランプレリュードということを強くおっしゃって、やはり、もう一度子育てあるいは出生というものを行政的な面から真剣に考えようという大変結構なことでございまして、この児童育成事業も、これからこれに大いに貢献するんではないかというふうに思うわけです。  福祉が多様な展開とメニューを持っているということは大変結構なことでございますけれども、先ほど私が保育所との関係などを申し上げましたように、子育てということを言いながら、多様な メニューとそれから本体である福祉施設、ここでは保育所などとどうも理論的につながっていない。どうもその辺は、保育所はそのまま置いたまま、とにかく駅前にもつくりましょう、企業内にもつくりましょうというようなことでメニューが走っている。どうも私は、それじゃ整合性がっかないし、親たちもいろいろなプログラムを見て、果たしてこれで子育てに間に合うんだろうかと目がくらんでしまうような感じもいたしますので、これから大臣、ひとつ整理をしていただきまして、きっちりとした理論立てをしていただきたいと思うんですが、いかがでしょう。

大内啓伍民社党・新党クラブ厚生大臣

○大内国務大臣 いわゆるポリシーといいますか、それが必ずしもまだ明確に確立されていないのではないかという御指摘は、私もそんな感じがいたします。したがいまして、今日本の社会の中に、一方では超高齢化社会、他方では少子社会、そしてそれに対応してゴールドプランというものがあり、したがって、エンゼルプランまでいかなくても、せめてプレリュードは平成六年ぐらいからはスタートさせなければならぬという思いで実はこの問題をスタートをさせているのでございますが、確かに先生御指摘のような問題は、なお一層総合的に立体的に、一つのポリシーとして整理をしていかなければならぬと思っているわけであります。  ただ一番大事なのは、少子社会に一つの歯どめをかけるという面からいたしますと、今の女性進出、つまり、恐らくこの三十年で労働力不足は二百八十五万人ぐらいに達します。そうすると、この労働力不足というものを、一つは女性の社会的進出、もう一つは高齢者の一層の雇用機会の確保、この二つで埋めていかなければならないわけでございます。  そうしますと、この女性の社会進出に対しましては、その雇用の態様によりまして、あるいは家庭の状況によりまして、大変いろんな選択が起こってまいります。そういう多角的なオプションに対応するために今、時間延長である、それも二時間、四時間、六時間とか、駅型とか、あるいは乳児保育とか、あるいは企業の内部とか、いろいろなものを、メニューをたくさん出しておるわけでございますが、これは一にかかりまして、その保育所を選択される方々のニーズが極めて多様化している、それに何とか厚生省としておこたえしたいという気持ちからでございまして、これをもう少し立体的にどのようなポリシーで整理するかという問題は、御指摘のとおり残っていると思いますので、これからもいろんな意味で御助言を賜りながら、その辺を整理してまいりたいと考えておる次第でございます。

土肥隆一日本社会党・護憲民主連合

○土肥委員 ありがとうございました。終わります。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 岩佐恵美さん。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 まず、児童手当法について伺いたいと思います。  児童手当法の目的は、第一条に「児童手当を支給することにより、家庭における生活の安定に寄与」し、このことをもって「児童の健全な育成及び資質の向上に資する」と言っているように、児童手当を支給することが法の趣旨だと理解をしておりますけれども、その点についてまずお伺いしたいと思います。

大内啓伍民社党・新党クラブ厚生大臣

○大内国務大臣 御指摘のとおりであると考えておりますが、ただ、そういう家計の安定という問題が、ヨーロッパ諸国でもやられておりましたし、日本でも採用したわけでございますが、現金支給というものを中心とする児童手当だけで救済されないという側面が最近とみに出てまいりました。それは先ほど来もいろいろお話を申し上げている次第でございまして、そういう面についても児童手当制度の中で、幅を広げて考えていかなければならないという事態が発生しているという認識に立ってはおりますが、そのメーンは先生御指摘のとおりでございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 九二年に児童手当法が改悪をされました。三歳未満児からと支給年齢が下げられた、この点については改悪をされたというふうに理解をしています。それで、手当の支給額と国庫負担が大幅に減少しました。  改悪初年度の九二年度、これは一人当たりの支給額が、第一子も対象に拡大をし、第二子まで五千円に、三子以降一万円に、それぞれ倍額したために、支給総額は二千百四十七億円になりました。しかし、制度が完全に定着をした九四年度は千五百二十三億円に激減をしています。国庫負担も、九三年度の三百二十四億円が、九四年度は百六億円と三分の一に減っています。国庫負担ピーク時が八〇年で八百十三億円でありましたから、この時点からしますと、およそ八分の一以下になっています。どの子にもひとしくすぐれた環境を提供する、そのためには児童手当制度そのものの拡充が基本であると考えます。国の予算できちんと保障すべきだと思います。  予算が九一年度で百七十四億円余り余っているわけですけれども、その一方で九〇年度から五年間も所得制限の上限を据え置いているわけです。これはどういうことなのか。また、この所得制限によって何人の乳幼児が支給対象から外されているのでしょうか。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 実は、平成二年度から所得制限額が先生おっしゃいますように据え置きになっているわけでございますけれども、何人の子供が所得制限によりまして支給対象から外れているのかという点でございますけれども、所得制限により支給対象から外れている児童は、予算の数値から計算をいたしますと、平成二年度におきましては大体百四万人ほど、平成三年度は八十二万人、平成四年度は八十八万八千人、平成五年度は八十三万人ほどというふうな形になっているのではないかというふうに考えております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 このように国庫負担を伴う児童手当制度を後退させて、その一方で特別会計事業の拡大をする、こういう点についてどうも納得がいかない。児童手当制度を尊重する思いが薄いとしか言いようがないのです。  総務庁の九三年度の貯蓄動向調査では、サラリーマンの貯蓄の伸びが落ち込んで、八三年以来の低い伸びにとどまっている。また、労働省の賃金構造基本統計調査でも、九二年の実質賃金が十年前よりも三十五歳以上で四・九%、四十歳で六・五%と減少しております。働き盛りで、住宅、教育にお金のかかる世代の負担は大変です。  制度創設当時は義務教育終了前、そういう制度だったわけですけれども、こういう制度に戻すべきではないか、また、所得制限についても直ちに見直すべきではないか、その点について大臣のお考えを伺いたいと思います。

大内啓伍民社党・新党クラブ厚生大臣

○大内国務大臣 先ほど、平成三年、つまり一九九二年の改正は改悪であったという御指摘でございましたが、先生よく御存じのとおり、あの改正におきましては、支給対象の第一子への拡大が行われましたし、また第二子が二千五百円から五千円、あるいは第三子以降は五千円から一万円というふうに支給額の改善も行われたわけでございます。御指摘のように、支給期間の三歳未満への重点化というものは行われたのでございますが、いろいろな意味で改善に資する決意に立ちまして、このような改正がなされたわけでございます。  そして、この制度の改正の実施が行われましたが、平成五年十二月にその経過期間が終了いたしまして、これの本格的施行というのは本年一月から始まったばかりでございまして、この施行の状況を私どもとしては見きわめたいという考えがございます。  御指摘のように、ヨーロッパ等を見ます場合に、児童手当については例えば義務教育を受けている子供等に対しても支給されているという事態もございまして、その児童手当を本当にどの子供まで適用すべきかという問題は、これはなお議論として残っていると思うのでございますが、少なくとも二年前のこの改正におきましては、一定の改善を意図し、また多くの皆様方の賛成を得てこれを成立させ、そしてそれが本年一月から施行状況にあるということでございますので、まずそれ を見きわめていきたい。  しかし、その児童手当だけで問題が解決しないという事態が、今時に共働きの御婦人の家庭の中に起こっている、これも事実でございますので、先ほど申し上げたような多様な保育事業というものをこれから実施に移さなければならない。そうすると、児童育成事業といったようなものも現金給付とは違った一つの事業として我々は取り組んでいかなければ、それらのニーズにこたえることはできない。そういう観点に立ちまして、現金支給について一定の改善を行いながら、児童育成事業の推進という問題についても力を入れていかなければならない、このような考えに立ちまして、今回の法改正もお願いしている次第でございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 児童手当という法律ですけれども、今の年齢制限を三歳未満ということになると、乳幼児手当じゃないか、こんなような話もあるわけで、ぜひ年齢の問題だとかあるいは所得の問題だとか、これから見直す、そういう方向で検討をしていただきたい、再度そのことを申し上げたいと思います。  次に、児童育成事業で行われる保育の施策、これは児童福祉法で行われている保育とどう違うのか。職員の配置基準や施設基準、保育料金などの基本的な要件、これは子供たちの環境にとっても、また預ける側の親の立場からも非常に大切です。その点がどうなのか、お伺いしたいと思います。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 児童福祉法におきましては、都道府県知事によって認可をされました保育所というものが、いわゆる措置制度に基づき保育サービスを供給することとされているわけで、先生のおっしゃるとおりでございますけれども、基本的な保育につきましては、したがいまして措置費で運営をされているわけでございます。また、そのほかの乳児保育や延長保育等多様なニーズに対応する部分につきましては、これは補助金で運営されている部分が一部あるということも先生おっしゃったとおりでございます。  今般、これらの補助金の中におきまして、就労形態の多様化等によりまして雇用者中心に増大、多様化するニーズに対応する、こういった部分につきましては児童育成事業における補助金ということにいたしまして、その飛躍的な充実を図っていきたいということを実は考えたわけでございます。  また、児童育成事業におきましては、事業所内の保育施設への運営費の補助事業とか、先ほど御説明申し上げました駅型保育モデル事業、また、認可保育所以外のベビーシッター等によります多様なサービスの供給についても支援をする、こういうふうに区分けをしているということでございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 もう少し詳しく、先ほどお伺いしたように職員配置の基準とかあるいは保育料金など、そういう基本的な問題について——そうすると今度の児童育成事業保育サービスというのは、料金はまさに自由契約という形になるのでしょうか。あるいは、保育料金の上限の定めというのはあるのかないのか、あるいは保母さんの配置はどうなるのか、基準だとか、保母さんはどういうふうな扱いになるのか、その点についてもう少し詳しく伺いたいと思います。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 先生が今おっしゃいましたような保育の一般的な基準につきましては、措置費の制度の中に定められているわけでございまして、その点については、この児童育成事業を実施することによって変わるものではございません。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 そうすると、預ける場合に、これは措置制度によるわけではないのですね。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 保育園に子供さんをお預けになる場合には、それはもちろん措置制度に基づきまして、市町村を通じましてお預けをするという形になると思いますが、るる御説明申し上げましたように、駅型の保育モデル事業でつくられました保育園にお預けをする場合とか、また事業所内の保育施設に子供さんをお預けするというふうな場合には、これは主として事業所の福利厚生の一環として設けられる施設ということになりますので、措置制度とは関系ございません。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 その場合には、費用は例えば事業所内では事業者が負担をする、あるいは本人がどの程度負担するか、それはいろいろあるのでしょうけれども、それについては、今までのいわゆる措置費で賄われているそういう子供たちとは違う契約体系になるわけですよね。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 事業所内保育施設に子供さんをお預けするというふうな場合には、もちろんこれは事業主の福利厚生の一環としてお預けをするというふうなことになりますので、今までの措置の体系とは別になることは先生のおっしゃるとおりでございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 それから保母さんについても、聞くところによると保母資格がなくてもいいというふうに聞いているわけですけれども、その辺はどうなんですか。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 児童育成事業の保育の基準というものは基本的な保育サービスに準じて行うということにされておりますので、一般的には先生がおっしゃったように、保母さんでない人が実施するとかいうふうなことはございません。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 しかし、保母さんの資格が絶対なければだめだということではなくて、それに準ずる、そういう資格の人でも十分やれるんだというふうに理解をしたのですけれども、その点はもう保母さんの資格がなければ絶対にだめだという基本線がはっきりしているのでしょうか。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 それは事業の内容によって若干異なってくるというふうに思いますけれども、例えばベビーシッターによって行います一時的保育というふうなものにつきましては、これは必ずしも保母さんの資格が必要ということではございませんで、ベビーシッター協会によりますまた別の特別の認定基準によりまして、ベビーシッターの資格を持っている方がそれに対応するというふうなこともございます。  ただ、一般的には保母の資格を持った方がほとんどそれに従事するだろうということは言えると思います。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 それで、もう一つちょっと伺っておきたいのですけれども、こういう児童育成事業保育サービス、こういう例えば事業者が責任を負うというような形で、割と緩やかな、多様なニーズに応じたという形でいろいろな方向が模索をされていくということであるようですけれども、今こういう考え方を現在の公的な保育に拡大をする、そういうことはまさかないのだろうというふうに思うのですけれども、この点再度確認をさせておいていただきたいと思います。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 実は、いわゆる公的な保育につきましては、先生御承知のように保育問題検討会におきまして必要な検討を行っていただきまして、利用しやすい保育所を目指すというふうな方向につきましては各先生方の御了解をいただいたわけでございますけれども、制度の見直しというふうな方向につきましては、さらに幾つかの問題点があるので検討を深める方向でやった方がよろしいだろうという報告をいただいたわけでございます。  今後の方向につきましては、また市長会、町村会その他と、同じテーブルでいろいろな議論を今後深めていきたいというふうに考えております。したがいまして、すぐ例えば児童育成事業の方向を公立の保育園でもとっていくというふうなことは考えておりません。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 児童福祉法に基づく保育制度の拡充を求める意見書が十五府県、二百四十市区それから四百八十九町、百三十七村、私たちがつかんでいる数字でこれだけ今挙げられています。保育所措置費制度を堅持し一層拡充してほしいというのが保育関係者はもちろん、国民の願いであります。すべての子供が分け隔てなく措置されることを望んでいます。厚生省はこの国民の強い要望にしっかりとこたえていただきたい、そういうふうに思います。大臣の御所見をお伺いしたいと思い ます。

大内啓伍民社党・新党クラブ厚生大臣

○大内国務大臣 本年の一月に出されました保育問題検討会の報告書を拝見いたしますと、できるだけ利用しやすい保育所を目指すという目標については大方の委員の意見の一致を見たところでございますが、具体的な保育制度の見直しの方向、方法につきましては、措置制度を維持し、堅持、拡充していくべきである、それともう一つは直接入所制度の導入という問題が両論併記されたことは御案内のとおりでございます。  したがいまして、私ども厚生省といたしましては、保育制度の改革につきましては、来年度実施はこれを見送ることといたしまして、直接入所制度を導入する場合の留意点、これがたしか七項目ぐらいつけられていたと思うのでございますが、それらの点を十分配慮しながらさらに検討を続けてまいりたい。保育制度の見直しにつきましては、取り組みが急がれている課題でございますので、今後とも精力的に検討を進めてまいりたいと考えております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 その際に措置制度をしっかり堅持して、厚生省として公的保育の責任を果たしていただきたいと思います。  厚生省の報告によっても、二万二千六百三十七カ所の保育所のうち延長保育を実施しているのは千百四十六カ所、夜間はわずかに三十七カ所にすぎません。また百六十二万人の措置児童のうち、乳児保育も四万四千人程度にすぎません。国庫負担の大幅な削減によって父母負担は重くなって二番目の子供を預けられないと、お母さんたちが高い保育料に悲鳴を上げていますし、また、公的保育制度の対応が立ちおくれているために、働く女性や父母の願いにこたえられなくなっている。これは先ほどの論議の中でもいろいろと認識が一致をしている点だと思います。利用しやすい保育所制度にするためには、まず予算をふやして人的、物的に保育所整備が拡充される必要があるというふうに思います。そういう意味では厚生省の公的責任が問われているというふうに思います。  今、非常に時短というのが政府の重大な課題になっております。ところがその一方で、六人に一人が年間三千百時間以上働くということで、男性労働者が過労死予備軍になっていると経企庁の報告があります。このような中で、女性の時間外労働の歯どめが今外されようとしています。私たちはこういう事態については絶対に認められないというふうに考えておりますけれども、労働省はこの四月から非工業的業種に働く女性の時間外労働の規制を緩和すると告知をしています。航空業務だとか消防関係の深夜勤務も解除をされます。したがって、大半の働く女性に時間外労働の影響が出ると思います。特別事業で三倍にふやしたというぐらいでは対応できないと思います。少なくとも都市部における保育所では、時間外に対応した措置制度による延長保育を本格的に実施しないと大混乱に陥る危険があるのではないかというふうに考えます。この点の検討をどうされようとしているのか、お伺いをしておきたいと思います。

瀬田公和厚生省児童家庭局長

○瀬田政府委員 先生がお話しになりました女子労働の基準、規則の改正の可否とかそういったものは一応さておきまして、確かに先生おっしゃるように非工業的事業の時間外労働基準というものが今後緩和されていくだろうということは事実でございます。したがいまして、この受け皿となるべき保育時間の延長についても、十分な取り組みというものが今後必要になってくるだろうというふうに私たちも考えております。  したがいまして、平成六年度の予算案におきましては、保育時間の延長に係る現行の施策を見直し、残業や通勤時間の延長等に対応いたしました時間延長型の保育サービス事業を実施をすることによって、保育対策の一層の充実を図ることとしたわけでございます。これにつきましても、今後その実態を勘案いたしながら、その充実につきましても今後一層考えていきたいというふうに考えております。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 お米の問題について伺います。  文部省が食糧庁に要求して、学校給食については国産米を供給することになりました。残留農薬や異臭、カビなど、輸入米について心配や不安がつきまとっています。子供たちに安全なおいしいお米を食べさせたいというのは、すべての父母の切実な願いです。アトピーやアレルギーで苦しむ子供たちが著しく増加をしており、保育所や病院、学校では除去食に大変苦労しています。子供たちの健康の面から、保育所や児童福祉施設あるいは障害者施設で国産米が確保できるよう、関係者の皆さんも切望しています。また、保育園の園長さんや父母会、自治体関係者らも、乳幼児に国産米を食べさせたいということで大変な努力をしています。厚生省としても、食糧庁にぜひ要請をしていただきたいと思います。  きょうは、ちょっと障害者の施設の調理師さんの声を紹介したいのですが、障害を持っている仲間で特に重度の仲間にとっては、安全面でも消化の面でも国産米にまさるものはありません、ぱさぱさのお米では、どうして調理をして食べさせようかと考えあぐねてしまいます、こういうふうな切実な声もあります。ぜひ厚生省として積極的に食糧庁に働きかけてほしい、そういうことでございますが、この点、いかがでしょうか。

大内啓伍民社党・新党クラブ厚生大臣

○大内国務大臣 学校給食用の米穀につきましては、原則として国内産米を使用するという原則がとられておりまして、現在もこの原則はとられているところでございます。私どもも、なぜ国産米をそういう学童に食べていただくかという面は、やはり国産米の消費を拡大するということが一つと、もう一つは、日本型の食生活の普及あるいは定着を図るという意味から、小さな学童の方々にできるだけ国産米を食べていただくという趣旨でそのようなものが原則になっていると思っております。したがいまして、この原則は私どもとしてもできるだけ守っていただくように食糧庁に対しても申し上げてまいりたい。  ただ、その学校の設置者等々が自主的な立場から、子供にもいろいろな意味での教育という面も考えまして、輸入米をまぜてたまには試食をさせるというようなことを考えるということがあるのであれば、それまで妨げるものではない、こういうふうに考えている次第でございます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 今申し上げたように、アトピーだとかいろいろな障害者施設の料理の仕方での困難だとかそういう問題がありますので、全部を自動的に国産米を確保する、そういうことが難しい場合でも、望むところについては食糧庁に便宜を図ってほしいということで、ぜひ大臣から閣議等の場で農水大臣あるいは食糧庁長官にちょっと一声かけていただければ大変ありがたいということでございます。その点、ぜひ要望しておきたいというふうに思います。  それから最後に、時間もあるのですが、ちょっと私のところに手紙が来ておりますので、この点について伺いたいと思います。戦没者の遺骨収集についてです。  いまだにニューギニア地域で十万人余りの遺骨が残されているということです。ニューギニアで戦死をした方の遺族の方からの手紙では、ニューギニア戦線へ二十万の大軍が上陸して以来、四年間に飢餓と悪疫によりほとんどが倒れ、日本に帰りついた将兵はわずか一万という地獄を現出した戦場でした、ここに放置されたままの英霊の一日も早い戦後処理を心より願っています、こういう内容でした。この地域の遺骨収集をぜひ早期に行っていただきたい、年間四カ所ということではなくて、ぜひ積極的にやってほしい、そういうことですけれども、この点についてお伺いしたいと思います。

土井豊厚生省社会・援護局長

○土井政府委員 ニューギニア地域を含む南方地域の遺骨収集全体でございますけれども、昭和二十七年度から昭和五十年度までに、三次にわたり計画的に実施をしてきております。五十一年度以降も、確度の高い情報のある地域につきましてはこれを行ってきているという状況でございます。  それで、東部ニューギニア、パプアニューギニアのことでございますが、につきましてはこれまで十一回遺骨収集を行ってきておりまして、今後とも残存遺骨に関する情報収集に努めております。確たる情報が得られた場合には、可能な限り早期に実施をしたいという考え方で取り組んでおります。  また、西部の方の西イリアンでございますけれども、ここの地域につきましては四回の遺骨収集を実施してきておりますけれども、現在は相手国の事情で実施できないというような事情にございますので、御了解を賜りたいと存じます。

岩佐恵美日本共産党

○岩佐委員 終わります。

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 以上で両案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに両案について採決に入ります。  まず、内閣提出、児童手当法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  次に、内閣提出、戦傷病者戦没者遺族等援護法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————    〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

加藤万吉日本社会党・護憲民主連合

○加藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時二十八分散会      ————◇—————

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