決算委員会第三分科会 第2号
- 発言数
- 216 件
- 登壇者
- 39 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1994/05/27
会議録
○塩谷主査 これより決算委員会第三分科会を開会いたします。 平成二年度決算外二件及び平成三年度決算外二件中、本日は、通商産業省所管、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、総理府(経済企画庁、警察庁)、自治省所管及び公営企業金融公庫について審査を行います。 これより通商産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。金子通商産業政務次官。
○金子政府委員 平成二年度及び平成三年度歳入歳出決算概要の説明を申し上げます。 この平成二年度及び平成三年度通商産業省所管の歳入歳出決算につきましては、それぞれ過年度分でございます。 初めに、平成二年度決算の概要でありますが、まず、一般会計について申し上げます。 通商産業省主管の歳入でありますが、歳入予算額百一億七千万円余に対し、収納済み歳入額は百六十八億七千八百万円余であり、差し引き六十七億七百万円余の増加となっております。 次に、通商産業省所管の歳出でありますが、歳出予算現額八千百二十八億八千九百万円余に対し、支出済み歳出額は八千六十九億六千四百万円余でありまして、その差額五十九億二千五百万円余のうち、翌年度へ繰り越しました額は二十七億九千七百万円余であり、不用となりました額は三十一億二千七百万円余であります。 次に、特別会計について申し上げます。 第一に、電源開発促進対策特別会計でありますが、収納済み歳入額は五千五百八億二千七百万円余であり、支出済み歳出額は二千九百五億一千八百万円余でありまして、その差額二千六百三億八百万円余のうち、翌年度へ繰り越しました額は七百三十六億六千四百万円余であり、剰余金は一千八百六十六億四千四百万円余であります。 第二に、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計でありますが、収納済み歳入額は七千六百九十五億八百万円余であり、支出済み歳出額は五千二百五十九億四千万円余でありまして、その差額二千四百三十五億六千八百万円余のうち、翌年度へ繰り越しました額は一千百九十五億八千八百万円余であり、剰余金は一千二百三十九億七千九百万円余であります。 第三に、アルコール専売事業特別会計でありますが、収納済み歳入額は三百九十二億八千八百万円余であり、支出済み歳出額は二百八十五億二千八百万円余であります。 第四に、貿易保険特別会計でありますが、収納済み歳入額は五千二百九億五千百万円余であり、支出済み歳出額は五千二百七億五千四百万円余であります。 第五に、特許特別会計でありますが、収納済み歳入額は六百億三千五百万円余であり、支出済み歳出額は五百三十七億五千四百万円余でありまして、その差額六十二億八千万円余は、全額剰余金であります。 次に、平成三年度決算の概要でありますが、まず、一般会計について申し上げます。 通商産業省主管の歳入でありますが、歳入予算額百四億三千万円余に対し、収納済み歳入額は百六十九億九千七百万円余であり、差し引き六十五億六千七百万円余の増加となっております。 次に、通商産業省所管の歳出でありますが、歳出予算現額八千二百二十九億九百万円余に対し、支出済み歳出額は八千百二億六千二百万円余でありまして、その差額百二十六億四千六百万円余のうち、翌年度へ繰り越しました額は三十三億七千二百万円余であり、不用となりました額は九十二億七千四百万円余であります。 次に、特別会計について申し上げます。 第一に、電源開発促進対策特別会計でありますが、収納済み歳入額は五千七百三十億三千九百万円余であり、支出済み歳出額は二千九百七十五億八千二百万円余でありまして、その差額二千七百五十四億五千七百万円余のうち、翌年度へ繰り越しました額は七百九十三億二千万円余であり、剰余金は一千九百六十一億三千七百万円余であります。 第二に、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計でありますが、収納済み歳入額は七千七百八十一億六百万円余であり、支出済み歳出額は五千四百四十一億七千九百万円余でありまして、その差額二千三百三十九億二千七百万円余のうち、翌年度へ繰り越しました額は一千四十七億三千二百万円余であり、剰余金は一千二百九十一億九千五百万円余であります。 第三に、アルコール専売事業特別会計でありますが、収納済み歳入額は四百十一億五千万円余であり、支出済み歳出額は二百九十四億六千六百万円余であります。 第四に、貿易保険特別会計でありますが、収納済み歳入額は七千四百七十二億三千三百万円余であり、支出済み歳出額は七千四百七十億四千二百万円余であります。 第五に 特許特別会計でありますが、収納済み歳入額は六百五十六億五千万円余であり、支出済み歳出額は六百七億二千七百万円余でありまして、その差額四十九億二千二百万円余は、全額剰余金であります。 以上をもちまして、平成二年度及び平成三年度における通商産業省所管の一般会計及び特別会計の決算の概要に関する御説明を終わらさせていただきます。 ありがとうございました。
○塩谷主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院中島第五局長。
○中島会計検査院説明員 平成二年度通商産業省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項四件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。 まず、法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項について御説明いたします。 検査報告番号一六九号から一七二号までの四件は、補助金を原資とする中小企業設備近代化資金の貸し付けにおいて、設備を貸付対象事業費より低額で設置していて補助の目的に沿わない結果になっていたものであります。 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。 これは、中小企業設備近代化資金貸付事業における余裕金の運用に関するものであります。 都道府県が特別会計で行っている設備近代化資金貸付事業の経理において、発生した余裕金は他会計の余裕金とともに高い利回りで運用されておりますが、その運用益は、適正な額を特別会計に計上して本件事業の貸付財源等に充てるべきなのに一部しか計上せず、都道府県の一般会計に計上しておりました。これについて指摘したところ改善の処置がとられたものであります。 以上をもって概要の説明を終わります。 続きまして、平成三年度通商産業省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項五件であります。 検査報告番号一五七号から一六〇号までの四件は、補助金を原資とする中小企業設備近代化資金の貸し付けにおいて、設備を貸付対象事業費より低額で設置したり、設備の設置に必要な長期資金を金融機関から借り入れた後に重複して貸し付けを受けたりしていて、補助の目的に沿わない結果になっていたものであります。 また、検査報告番号一六一号は、三重県四日市市の三重県製網協同組合が実施した地域中小企業振興対策事業におきまして、編網ロボットシステムの試作が、実績報告の額より低額で実施されていたため、国庫補助対象事業費の精算が過大となっていたものであります。 以上、簡単でございますが説明を終わります。 中小企業金融公庫について御説明を申し上げます。 平成二年度中小企業金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 次に、平成三年度中小企業金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 中小企業信用保険公庫について御説明申し上げます。 平成二年度中小企業信用保険公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 次に、平成三年度中小企業信用保険公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○塩谷主査 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。金子通商産業政務次官。
○金子政府委員 平成二年度及び平成三年度の決算検査報告において掲記されております事項につきましては、会計検査院の御指摘のとおりでありまして、まことに遺憾に存じております。 これらの指摘事項につきましては、直ちにその是正の措置を講じたところであり、今後このような御指摘を受けることのないよう一層努力をいたしたいと存じます。 何とぞよろしく御審議のほどお願いを申し上げます。
○塩谷主査 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩谷主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 平成二年度歳入歳出決算概要説明書 通商産業省 平成二年度通商産業省所管の歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入歳出決算につきまして、御説明いたします。 通商産業省主管の歳入につきましては、歳入予算額は百一億七千六十九万円余であります。 これに対しまして、収納済歳入額は百六十八億七千八百五十二万円余でありまして、これを歳入予算額と比較いたしますと六十七億七百八十三万円余の増加となっております。 これは、補助事業に係る収益納付金が予定より多かったこと等の理由によるものであります。 次に、通商産業省所管の歳出につきましては、当初予算額は七千二百六十三億四千百九十万円余でありますが、予算補正追加額七百五十九億四千三十五万円余、予算補正修正減少額八十六億二千四百七十八万円余、総理府及び文部省所管から移し替えを受けた額九十六億八千六百十八万円余、前年度からの繰越額九十五億四千六百十四万円余の増減がありましたので、歳出予算現額は八千百二十八億八千九百八十万円余となっております。 これに対しまして、支出済歳出額は八千六十九億六千四百十一万円余でありまして、これと歳出予算現額との差額は五十九億二千五百六十九万円余となっております。 この差額のうち、翌年度へ繰り越しました額は、二十七億九千七百八十四万円余でありまして、不用となりました額は三十一億二千七百八十四万円余となっております。 二年度における経費の執行につきまして、その主な事項の大要を御説明いたします。 第一に、エネルギー対策費であります。その支出済歳出額は三千九百一億八千百六十四万円余でありまして、その主なものにつきまして御説明いたします。 まず、石油税財源石油及石油代替エネルギー対策費であります。 この経費は、エネルギー対策の緊要性にかんがみ、石油の安定供給確保の観点から、石油資源の開発及び石油備蓄増強等の事業並びに石油代替エネルギーの開発及び利用を促進するための施策の財源に充てるため、一般会計から石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計石油及び石油代替エネルギー勘定へ繰り入れるためのものでありまして、三千八百八十億円を支出いたしました。 次に、エネルギー技術研究開発費であります。この経費は、太陽エネルギー等の新エネルギー技術及び新型電池電力貯蔵システム等の省エネルギー技術の研究開発を行うためのものでありまして、十二億六千七百四十一万円余を支出いたしました。 第二に、中小企業対策費であります。その支出済歳出額は一千五百八十六億七千百十四万円余でありまして、その主なものにつきまして御説明いたします。 まず、中小企業事業団運営費であります。この経費は、中小企業構造の高度化を促進するために必要な指導、資金の貸付け及び共済等の事業を行うための出資金及び補助金でありまして、百四十七億五千五十二万円余を支出いたしました。 なお、同事業団が行った貸付事業の実績は、一般高度化事業資金二百六十六件、特定高度化事業資金二百十二件、繊維工業構造改善事業資金十九件等であります。 次に、小規模事業対策費であります。その支出済額は四百七十一億七百九十九万円余でありまして、この経費により商工会、商工会議所等が小規模事業者に対して、五百八十五万件余の経営指導、相談を行いました。 次に、小企業等経営改善資金融資制度であります。この経費は、小企業者等に対する経営指導を金融面から補完し、実効性を確保するため、商工会、商工会議所及び都道府県商工会連合会の長の推薦に基づき、国民金融公庫が、無担保、無保証人、低利による融資を行うためのものでありまして、貸付金として八十億円を支出いたしました。 なお、同公庫が行った融資実績は十万件余、二千九百四億円余に達しております。 次に、中小企業近代化促進費であります。その支出済額は九十六億一千三十一万円余でありまして、設備近代化補助金六億五百万円、中小企業機械類貸与補助金十六億九千七百万円等を支出いたしました。 次に、中小企業指導事業費であります。その支出済額は百三億六千八百四十六万円余でありまして、診断指導、技術指導及び研究促進等の事業の一層の強化を図っております。 このほか、組織化対策費五十五億八千百八万円余、信用保証協会基金補助金二十七億円、中小企業金融公庫補給金二百七十八億七千百万円等を支出いたしました。 第三に、科学技術振興費であります。その支出済歳出額は六百二億八千九百三十二万円余でありまして、その主なものにつきまして御説明いたします。 まず、大型工業技術研究開発費であります。この経費は、将来の技術開発の核心となり、技術的波及効果の大きい大規模な産業技術の研究開発を行うためのものでありまして、七億六千六百六十三万円余を支出いたしました。 次に、電子計算機産業振興対策費であります。この経費は、我が国電子計算機産業の技術力の向上並びに振興を図るため、新しい理論・技術に基づいた第五世代コンピュータの研究開発を行うためのものでありまして、三十三億九千三百三十七万円余を支出いたしました。 次に、次世代産業基盤技術研究開発費であります。この経費は、我が国が今後、技術立国を実現していくため、基礎的段階の産業技術の研究開発を行うためのものでありまして、九億二千四百三十五万円余を支出いたしました。 このほか、通商産業省の試験研究機関の特別研究費二十七億六千七百三十七万円余、試験研究設備及び施設の整備費十四億六千六百八十万日余等を支出いたしました。 第四に、公共事業関係費であります。その支出済歳出額は百六十億一千六百十六万円余でありまして、その主なものは、工業用水道事業費補助であります。その支出済額は百五十八億四千四百九十六万円余でありまして、この経費により、地方公共団体において継続事業七十三箇所、新規事業二箇所の工事を、水資源開発公団において継続事業七箇所の工事を実施いたしました。 第五に、経済協力費であります。その支出済歳出額は二百二十九億七千五百五十万円余でありまして、その主なものにつきまして御説明いたします。 まず、海外経済協力費補助金であります。この経費は、発展途上国に対する経済協力を推進するため、経済協力関係団体が行う海外技術者受入等研修事業等に対する補助金でありまして、七十六億三千九百七十万円余を支出いたしました。 次に、海外開発計画調査委託費であります。この経費は、発展途上国における鉱工業、資源等の分野における開発計画を策定するための調査等を技術協力関係団体に委託して行うためのものでありまして、八十七億八百二万円余を支出いたしました。 次に、繰り越し及び不用について御説明いたします。 翌年度へ繰り越しました経費のうち主なものは、通商産業本省七億五千二百二十九万円でありまして、民間能力活用特定施設緊急整備費補助金につきまして、計画に関する諸条件等により、年度内に支出を完了することができなかったため、経費を翌年度に繰り越したものであります。 また、不用額を生じました経費のうち主なものは、通商産業本省十八億三百八十六万円余でありまして、特定施設整備事業が予定を下回ったこと等のため、民間能力活用特定施設緊急整備費補助金を要することが少なかったこと等により不用となったものであります。 以上をもちまして、通商産業省所管の一般会計歳入歳出決算に関する御説明を終わります。 次に、通商産業省所管の各特別会計の平成二年度の決算につきまして御説明いたします。 第一に、電源開発促進対策特別会計であります。 電源立地勘定につきましては、収納済歳入額は三千六十億五千七百九十八万円余、支出済歳出額は一千二十四億七百三十六万円余であります。収納済歳入額と支出済歳出額との差額は二千三十六億五千六十一万円余でありまして、翌年度へ繰り越しました額は五百六十九億百十二万円余、剰余金は一千四百六十七億四千九百四十八万円余となっております。 二年度における経費の執行につきまして、その主な事項の大要を御説明いたします。 電源立地対策費でありますが、この経費は、電源立地地域における公共用施設の整備、電源立地促進のための特別対策事業、電源立地地域における安全対策等の推進等に必要な事業費に充てるため、地方公共団体等に対して交付するためのものでありまして、一千十五億五千二百四十五万円余を支出いたしました。 電源多様化勘定につきましては、収納済歳入額は二千四百四十七億六千九百五十三万円余、支出済歳出額は一千八百八十一億一千百十七万円余であります。収納済歳入額と支出済歳出額との差額は五百六十六億五千八百三十五万円余でありまして、翌年度へ繰り越しました額は百六十七億六千三百四十六万円余、剰余金は三百九十八億九千四百八十九万円余となっております。 二年度における経費の執行につきまして、その主な事項の大要を御説明いたします。 電源多様化対策費でありますが、この経費は、水力・地熱資源の開発、石炭火力発電所の公害防止技術の実証、太陽光発電などの新エネルギー技術開発、原子力発電推進のための技術開発等の施策を行うためのものでありまして、一千八百五十五億八千三百三十六万円余を支出いたしました。 第二に、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計であります。 石炭勘定につきましては、収納済歳入額は一千二百七十九億九千二百四万円余、支出済歳出額は九百七十三億四千九百二十一万円余であります。収納済歳入額と支出済歳出額との差額は三百六億四千二百八十三万円余でありまして、翌年度へ繰り越しました額は百十六億四千四百十万円余、剰余金は百八十九億九千八百七十二万円余となっております。 二年度における経費の執行につきまして、その主な事項の大要を御説明いたします。 まず、石炭鉱業合理化安定対策費であります。この経費は、新エネルギー・産業技術総合開発機構が行う炭鉱の整理事業に対する補助及び同機構が行う経営改善資金の貸付け、貯炭管理制度のための補給並びに石炭鉱業の生産体制の改善、経理の改善、保安の確保等の施策を実施するためのものでありまして、二百十八億八千三百七十七万円余を支出いたしました。 次に、鉱害対策費であります この経費は、石炭鉱害事業団に対する鉱害復旧事業資金の補助及び同事業団が行う鉱害復旧事業のための事務費等交付金の交付等を行うためのものでありまして、三百九十億八千万円余を支出いたしました。 次に、産炭地域振興対策費であります。この経費は、産炭地域において鉱工業等の振興に必要な業務を行う地域振興整備公団に対する出資、石炭鉱業の終閉山により財政状況が悪化している産炭地域市町村に対する交付金の交付及び産炭地域小水系用水の開発事業等の施策を行うためのものでありまして、七十九億六千九百万円余を支出いたしました。 石油及び石油代替エネルギー勘定につきましては、収納済歳入額は六千四百十五億一千六百七十七万円余、支出済歳出額は四千二百八十五億九千九十五万円余であります。収納済歳入額と支出済歳出額との差額は二千百二十九億二千五百八十一万円余でありまして、翌年度へ繰り越しました額は一千七十九億四千四百五十五万円余、剰余金は一千四十九億八千百二十六万円余となっております。 二年度における経費の執行につきまして、その主な事項の大要を御説明いたします。 まず、石油安定供給対策費であります。この経費は、石油公団が行う石油及び可燃性天然ガスの探鉱等に対する投融資及び公団備蓄事業等に充てるための同公団への出資、同公団に対する交付金の交付、石油備蓄の増強等の施策を行うためのものでありまして、三千七百二十五億四千百十七万円余を支出いたしました。 次に、石油生産流適合理化対策費であります。この経費は、石油の生産の合理化を図るための石油精製合理化対策事業及び石油の流適合理化を図るための石油製品需給適正化調査等の施策を行うためのものでありまして、二百三十一億六千六百六十万円余を支出いたしました。 次に、石油代替エネルギー対策費であります。この経費は、新エネルギー・産業技術総合開発機構が行う海外炭の開発可能性調査、ソーラーシステム普及促進、天然ガス導入促進、石炭液化等の石油代替エネルギー技術開発等の施策を行うためのものでありまして、三百二十億四千八百七十一万円余を支出いたしました。 第三に、アルコール専売事業特別会計であります。収納済歳入額は三百九十二億八千八百五十六万円余、支出済歳出額は二百八十五億二千八百八十八万円余であります。 この会計の損益計算上の利益は百十億五千九百八十七万円余でありまして、期末資産の増加相当額四億七千六百二十七万円余を控除した残額百五億八千三百五十九万円余を一般会計に納付いたしました。 第四に、貿易保険特別会計であります。収納済歳入額は五千二百九億五千百六十二万円余、支出済歳出額は五千二百七億五千四百五十七万円余であります。 二年度における保険引受件数は六十四万件余、その保険金額は二十二兆七千六百十九億円余でありまして、前年度に対し四兆四千六百六十八億円余の増加となっております。 第五に、特許特別会計であります。収納済歳入額は六百億三千五百四十万円余、支出済歳出額は五百二十七億五千四百六十九万円余であります。収納済歳入額と支出済歳出額との差額は六十二億八千七十一万円余でありまして、全額剰余金となっております。 以上をもちまして、平成二年度における通商産業省所管の一般会計及び特別会計の決算に関する御説明を終わります。 ………………………………… 平成二年度決算通商産業省についての検査の概要に関する主管局長の説明 会計検査院 平成二年度通商産業省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項四件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。 まず、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項について御説明いたします。 検査報告番号一六九号から一七二号までの四件は、中小企業設備近代化資金の貸付けが不当と認められるものであります。 この資金の貸付事業は、都道府県が、国の補助金と自己資金等によって資金を造成し、設備の近代化に必要な資金の調達が困難な中小企業者に対して、設備の設置に必要な資金の額の二分の一以内の額を、原則として五年以内の償還期間で、無利子で貸し付けるものであります。 平成三年次の検査におきまして、その貸付けの適否について調査いたしましたところ、中小企業者が貸付けの対象となった事業費より低額で設備を設置しているのに、貸付対象事業費どおりの価格で設置したとして貸し付けていたものが四件ありました。 これらはいずれも本資金の貸付けとして適切を欠いており、ひいては補助の目的に沿わない結果になっていると認められたものであります。 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。 これは、中小企業設備近代化資金貸付事業における余裕金の運用に関するものであります。 中小企業庁では、毎年度、中小企業設備近代化資金の貸付事業を行う都道府県に対し、中小企業設備近代化補助金を交付しております。都道府県は、この補助金に自己資金等を合わせて資金を造成し、中小企業者又は中小企業設備貸与事業を行う貸与機関に対して、設備近代化資金又は設備貸与資金として無利子の貸付けを行っております。 都道府県がこの貸付事業を行う場合には、特別会計を設けなければならないこととなっており、この特別会計においては、一般会計からの繰入金、国からの補助金、償還金、違約金及び附属雑収入をもって歳入とすることとし、貸付金その他の諸費をもって歳出とすることとしております。 そして、附属雑収入は、特別会計に属する資金の預託に係る運用益等でありますが、その収入は違約金収入とともに貸付事業に関する事務費の支払に充てることができることになっており、剰余金が生じた場合には、これを貸付財源に充てることになっております。 今回、北海道ほか二十三都府県におきまして、元年度及び二年度の中小企業設備近代化資金の貸付事業の経理について調査いたしました結果、十五府県において、特別会計の収支に伴い発生する余裕金を普通預金等で運用したものとしてその運用益を特別会計に計上しておりました。 しかし、実際には、特別会計で保有する余裕金は、府県の一般会計等の余裕金と合わせて利回りの高い大口定期預金等により総合的に運用されており、特別会計に計上された運用益は両年度で三億四千百七万余円、国庫補助金相当額で一億七千五十三万円過小になっていて適切でないと認められました このような事態を生じていたのは、中小企業庁及び各通商産業局において、府県における運用益の計上の実態を十分把握していなかったり、また、府県に対しその計上方法について十分な指導を行っていなかったことなどによるものと認められましたので、当局の見解をただしましたところ、中小企業庁では、平成三年十一月に、都道府県に対して、実際の運用利回りにより計算した運用益を特別会計に計上し、貸付財源に充てるよう、また、各通商産業局に対して、管内各都道府県に制度の趣旨を十分周知徹底し、適切な指導を行うよう、それぞれ通達を発するなどして国庫補助事業の適切な運営を図る処置を講じたものであります。 以上をもって概要の説明を終わります。 ………………………………… 平成二年度歳入歳出決算会計検査院の指摘に対して講じた措置について 通商産業省 平成二年度の決算検査報告において掲記されております事項につきましては、当省において、中小企業設備近代化補助金を財源の一部とする都道府県の貸付金の貸付けに当たっては、その適正化を図るため、都道府県に対し、借受申請者に対する説明会の充実、事前調査及び完了検査を適正に行うよう会議等の場を通じ十分指導してきたところでありますが、なお御指摘のような不当事項が生じたことは、誠に遺憾に存じております。 御指摘を受けた事項については、指摘金額全額を県の特別会計に収納済みであり、また、今回御指摘を受けた県に対しては、今後かかる事例が再び生じることのないよう厳に注意をいたしました。 今後、中小企業設備近代化資金の貸付けに当たっては、借受申請者に対する本制度の趣旨の周知徹底、事前審査の充実、完了検査マニュアルの周知及び活用による完了検査の徹底等不当貸付防止体制のより一層の適正化を図るよう指導・監督を強化するとともに、貸付担当者に対する研修の充実を図り、このような御指摘を受けることのないよう、さらに努力をいたしたいと存じます。 ――――――――――――― 平成二年度の業務の概況について中小企業金融公庫 平成二年度における中小企業金融公庫の業務について御説明申し上げます。 一、当公庫の平成二年度当初貸付計画は、二兆四千九十七億円と定められましたが、その後、二年十二月に百七十億円の追加が認められましたので、これにより貸付計画総額は、二兆四千二百六十七億円となりました。 これに対し、中小企業者に対しては、二兆二千九十二億五千五百七万円の貸付を行ったほか、設備貸与機関に対しては、二百八十億九千五百四十万円余、また、中小企業投資育成株式会社に対しては、二億円の貸付を行い、総額では、二兆二千三百七十五億五千四十七万円余の貸付実績となりました。 中小企業者に対する貸付契約額のうち、設備資金は五十・八パーセントに相当する一兆五百六十六億六千七百五十五万円余、運転資金は四十九・二パーセントに相当する一兆二百四十七億五千三百二十万円余となっており、また、直接貸付は六十八・二パーセントに相当する一兆四千百九十六億五千七十万円(二万八千二百五十七件)、代理貸付は三十一・八パーセントに相当する六千六百十七億七千六万円(二万七千八百六十五件)となっております。 なお、平成二年度末における総貸付残高は、七兆三千五百四十一億八千八百七十三万円余となっております。 貸付金の延滞状況につきましては、平成二年度末におきまして弁済期限を六カ月以上経過した元金延滞額は、八百四億千六百万円余でありまして、このうち一年以上のものは、七百九十億五千八百十五万円余、総貸付残高の一・一パーセントとなっております。 二、平成二年度の融資に当たりましては、経営環境の変化に対応しようとする中小企業者はもとより、積極果敢に新たな事業展開を図ろうとしている中小企業者の支援・育成に必要な資金に積極的に対応してまいりました。特に、中小企業者の労働環境の改善を目的とした貸付制度及び大店法規制緩和の影響を受ける中小企業者の体質強化等を支援するための貸付制度を新設するなど、中小企業者の新たな資金ニーズに対してきめ細かい配慮を払ってまいりました。 また、中小企業近代化促進法に基づく構造改善事業に必要な資金、流通機構の近代化、合理化のために必要な資金及び産業公害の防止、産業安全の確保等のために必要な資金についても引き続き配慮してまいりました。 なお、平成二年度におきましては、中小企業者の一層の利便に資するため、釧路出張所を支店に昇格させました。 三、次に、当公庫の平成二年度の収入、支出の決算及び損益計算について申し上げます。 収入、支出の決算について申し上げますと、貸付金利息等収入済額は、四千二百十四億五千九十五万円余、支払利息等支出済額は、三千七百八十六億三千二百六万円余となりました。 損益計算について申し上げますと、貸付金利息等の総益金は、四千四百十六億四千二十一万円余、借入金利息、事務費、業務委託費等の総損金は、四千四百十六億四千二十一万円余となりました。この結果、利益金は生じなかったので、国庫納付はいたしませんでした。 以上をもちまして、平成二年度における中小企業金融公庫の業務の概況について、御説明を終わります。 以上 ――――――――――――― 平成二年度業務概況 中小企業信用保険公庫 中小企業信用保険公庫の平成二年度の業務の概況につきまして、御説明申し上げます。 平成二年度におきましては、国の一般会計及び産業投資特別会計から中小企業信用保険事業の円滑な運営を図るための原資として、中小企業信用保険準備基金百億円、信用保証協会の保証活動の円滑化を図るための原資として、融資基金二百三十五億円、合計三百三十五億円の出資が行われました。 まず、中小企業信用保険事業についてみますと、公庫が全国五十二の信用保証協会との間に締結いたしました保険契約に基づく保険引受は、件数で百一万九千件余、金額で十兆四百四十九億六千八百七万円余になっており、これを前年度に比較いたしますと、金額で十一パーセントの増加となっております。 この結果、平成二年度末の保険引受残高は、件数で二百四十六万九千件余、金額で二十一兆九千六百九十億三百八万円余となっております。 なお、中小企業信用保険保険金の支払いは五百四十六億一千九百八十二万円余になりまして、これを前年度に比較いたしますと、二十八パーセントの減少となっております。 信用保証協会に対する融資事業につきましては、平成二年度に国の一般会計及び産業投資特別会計から新たに出資されました二百三十五億円及び既往の貸付に係る回収金等三千三百十一億一千九百万円、合計三千五百四十六億一千九百万円をもちまして、三千七十二億七千七百万円の貸付けを行いました。 この結果、平成二年度末における貸付残高は四千百十億五千八百万円となっております。 機械類信用保険事業につきましては、公庫が機械類のリース業者等との間に締結いたしました保険契約に基づく保険引受は、件数で二十六万件余、金額で一兆六千二百五十億四千五百四十四万円余となっております。 この結果、平成二年度末の保険引受残高は、件数で百三十六万件余、金額で七兆四千六百六十九億百八十六万円余となっております。 なお、機械類信用保険保険金の支払いは二十三億五千二百五万円余となっております。 次に収入支出及び損益の概況について申し上げます。 まず、収入、支出について申し上げますと、収入済額は二千二百二十億三千百四十九万円余、支出済額は六百十六億九千六百九十八万円余でありまして、差し引き一千六百三億三千四百五十一万円余の収入超過となっております。 損益計算につきましては、さらに支払備金等の整理を行いました結果、総利益は四千七百三億四千五百四十三万円余、総損失は四千百四十二億八千二百十七万円余となり、差し引き五百六十億六千三百二十五万円余の利益金を生じましたが、これは中小企業信用保険・融資事業に係る利益金五百二十五億九千三百五十万円余、機械類信用保険特別勘定の利益金三十四億六千九百七十五万円余によるものであります。 このうち中小企業信用保険・融資事業に係る利益金は、中小企業信用保険公庫法及び同法施行令の規定に基づき五百四億九千七百四十七万円余を中小企業信用保険準備基金に組み入れ 十億四千八百一万円余を積立金として積み立て、残額十億四千八百一万円余を同法の規定に基づき国庫に納付いたしました。また、機械類信用保険特別勘定の利益金は、機械類信用保険法の規定に基づき十九億九千五百九十六万円余を繰越損失金の補てんに充て、残額十四億七千三百七十八万円余を同勘定の積立金として積み立てることとしました。 以上、簡単ではございますが、平成二年度の業務の概況につきまして、御説明申し上げた次第でございます。 ――――――――――――― 平成三年度歳入歳出決算概要説明書 通商産業省 平成三年度通商産業省所管の歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入歳出決算につきまして、御説明いたします。 通商産業省主管の歳入につきましては、歳入予算額は百四億三千八万円余であります。 これに対しまして、収納済歳入額は百六十九億九千七百七十四万円余でありまして、これを歳入予算額と比較いたしますと六十五億六千七百六十六万円余の増加となっております。 これは、アルコール専売事業特別会計の決算上の利益が予定より多かったこと等の理由によるものであります。 次に、通商産業省所管の歳出につきましては、当初予算額は七千八百六十一億三千五百三十二万円余でありますが、予算補正追加額三百六十二億二千八百四十三万円余、予算補正修正減少額百十二億二千百九万円余、総理府所管から移し替えを受けた額八十九億五千十一万円余、前年度からの繰越額二十七億九千七百八十四万円余の増減がありましたので、歳出予算現額は八千二百二十九億九百六十三万円余となっております。 これに対しまして、支出済歳出額は八千百二億六千二百八十七万円余でありまして、これと歳出予算現額との差額は百二十六億四千六百七十五万円余となっております。 この差額のうち、翌年度へ繰り越しました額は、三十三億七千二百十二万円余でありまして、不用となりました額は九十二億七千四百六十三万円余となっております。 三年度における経費の執行につきまして、その主な事項の大要を御説明いたします。 第一に、エネルギー対策費であります。その支出済歳出額は四千三百四十億五千三百五十四万円余でありまして、その主なものにつきまして御説明いたします。 まず、石油税財源石油及石油伐替エネルギー対策費であります。 この経費は、エネルギー対策の緊要性にかんがみ、石油の安定供給確保の観点から、石油資源の開発及び石油備蓄増強等の事業並びに石油代替エネルギーの開発及び利用を促進するための施策の財源に充てるため、一般会計から石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計石油及び石油代替エネルギー勘定へ繰り入れるためのものでありまして、四千三百二十億円を支出いたしました。 次に、エネルギー技術研究開発費であります。この経費は、太陽エネルギー等の新エネルギー技術及び新型電池電力貯蔵システム等の省エネルギー技術の研究開発を行うためのものでありまして、十億八千七百六十六万円余を支出いたしました。 第二に、中小企業対策費であります。その支出済歳出額は一千三百二十億二千十六万円余でありまして、その主なものにつきまして御説明いたします。 まず、中小企業事業団運営費であります。この経費は、中小企業構造の高度化を促進するために必要な指導、資金の貸付け及び共済等の事業を行うための出資金及び補助金でありまして、百三十億四千八百四十一万円余を支出いたしました。 なお、同事業団が行った貸付事業の実績は、一般高度化事業資金二百六十七件、特定高度化事業資金二百二十六件、繊維工業構造改善事業資金二十六件等であります。 次に、小規模事業対策費であります。その支出済額は四百八十九億五千二百三万円余でありまして、この経費により商工会、商工会議所等が小規模事業者に対して、五百八十七万件余の経営指導、相談を行いました。 次に、小企業等経営改善資金融資制度であります。この経費は、小企業者等に対する経営指導を金融面から補完し、実効性を確保するため、商工会、商工会議所及び都道府県商工会連合会の長の推薦に基づき、国民金融公庫が、無担保、無保証人、低利による融資を行うためのものでありまして、貸付金として六十五億円を支出いたしました。 なお、同公庫が行った融資実績は十二万件余、三千七百五十八億円余に達しております。 次に、中小企業近代化促進費であります。その支出済額は百四十五億八千二百八万円余でありまして、設備近代化補助金十七億四千四百五十一万円余、中小企業機械類貸与補助金十五億七千五百万円等を支出いたしました。 次に、中小企業指導事業費であります。その支出済額は百十億三千七百八十万円余でありまして、診断指導、技術指導及び研究促進等の事業の一層の強化を図っております。 このほか、組織化対策費五十八億三千九百十三万円余、信用保証協会基金補助金二十八億五千百万円、中小企業金融公庫補給金百二十七億円等を支出いたしました。 第三に、科学技術振興費であります。その支出済歳出額は五百九十六億五千二百二十五万円余でありまして、その主なものにつきまして御説明いたします。 まず、大型工業技術研究開発費であります。この経費は、将来の技術開発の核心となり、技術的波及効果の大きい大規模な産業技術の研究開発を行うためのものでありまして、六億五千四百八十二万円余を支出いたしました。 次に、電子計算機産業振興対策費であります。この経費は、我が国電子計算機産業の技術力の向上並びに振興を図るため、新しい理論・技術に基づいた第五世代コンピュータの研究開発を行うためのものでありまして、三十億五百四十八万円余を支出いたしました。 次に、次世代産業基盤技術研究開発費であります。この経費は、我が国が今後、技術立国を実現していくため、基礎的段階の産業技術の研究開発を行うためのものでありまして、八億二千九百六十四万円余を支出いたしました。 このほか、通商産業省の試験研究機関の特別研究費二十七億二千四百六十九万円余、試験研究設備及び施設の整備費十三億四千三百七十四万円余等を支出いたしました。 第四に公共事業関係費であります。その支出済歳出額は百六十四億五千五百五十四万円余でありまして、その主なものは、工業用水道事業費補助であります その支出済額は百六十二億五千六百三十六万円余でありまして、この経費により、地方公共団体において継続事業六十六箇所、新規事業五箇所の工事を、水資源開発公団において継続事業七箇所の工事を実施いたしました。 第五に、経済協力費であります。その支出済歳出額は二百三十八億七千八百八十三万円余でありまして、その主なものにつきまして御説明いたします。 まず、海外経済協力費補助金であります。この経費は、発展途上国に対する経済協力を推進するため、経済協力関係団体が行う海外技術者受入等研修事業等に対する補助金でありまして、八十億一千二百万円余を支出いたしました。 次に、海外開発計画調査委託費であります。この経費は、発展途上国における鉱工業、資源等の分野における開発計画を策定するための調査等を技術協力関係団体に委託して行うためのものでありまして、八十八億九千三十六万円余を支出いたしました。 次に、繰り越し及び不用について御説明いたします。 翌年度へ繰り越しました経費のうち主なものは、通商産業本省十三億八千四百八万円余でありまして、民間能力活用特定施設緊急整備費補助金につきまして、計画に関する諸条件等により、年度内に支出を完了することができなかったため、経費を翌年度に繰り越したものであります。 また、不用額を生じました経費のうち主なものは、中小企業対策費七十二億二千二百四十九万円余でありまして、用地取得の難航等により、商業基盤施設整備費補助金を要することが少なかったこと等により不用となったものであります。 以上をもちまして、通商産業省所管の一般会計歳入歳出決算に関する御説明を終わります。 次に、通商産業省所管の各特別会計の平成三年度の決算につきまして御説明いたします。 第一に、電源開発促進対策特別会計であります。 電源立地勘定につきましては、収納済歳入額は三千二百億五千八百二十八万円余、支出済歳出額は一千六十八億七千七百七十四万円余であります。収納済歳入額と支出済歳出額との差額は二千百三十一億八千五十四万円余でありまして、翌年度へ繰り越しました額は五百九十二億九千四百四十九万円余、剰余金は一千五百三十八億八千六百四万円余となっております。 三年度における経費の執行につきまして、その主な事項の大要を御説明いたします。 電源立地対策費でありますが、この経費は、電源立地地域における公共用施設の整備、電源立地促進のための特別対策事業、電源立地地域における安全対策等の推進等に必要な事業費に充てるため、地方公共団体等に対して交付するためのものでありまして、一千五十九億三千九百九十一万円余を支出いたしました。 電源多様化勘定につきましては、収納済歳入額は二千五百二十九億八千百七十一万円余、支出済歳出額は一千九百七億四百六十一万円余であります。収納済歳入額と支出済歳出額との差額は六百二十二億七千七百十万円余でありまして、翌年度へ繰り越しました額は二百億二千六百十一万円余、剰余金は四百二十二億五千九十九万円余となっております。 三年度における経費の執行につきまして、その主な事項の大要を御説明いたします。 電源多様化対策費でありますが、この経費は、水力・地熱資源の開発、石炭火力発電所の公害防止技術の実証、太陽光発電などの新エネルギー技術開発、原子力発電推進のための技術開発等の施策を行うためのものでありまして、一千八百七十七億九千四百六十二万円余を支出いたしました。 第二に、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計であります。 石炭勘定につきましては、収納済歳入額は一千二百八十二億七千三百九十三万円余、支出済歳出額は一千四十六億七千百三十八万円余であります。収納済歳入額と支出済歳出額との差額は二百三十六億二百五十五万円余でありまして、翌年度へ繰り越しました額は百七億八千八百五十八万円余、剰余金は百二十八億一千三百九十六万円余となっております。 三年度における経費の執行につきまして、その主な事項の大要を御説明いたします。 まず、石炭鉱業合理化安定対策費であります。この経費は、新エネルギー・産業技術総合開発機構が行う炭鉱の整理事業に対する補助及び同機構が行う経営改善資金の貸付け、貯炭管理制度のための補給並びに石炭鉱業の生産体制の改善、経理の改善、保安の確保等の施策を実施するためのものでありまして、百七十三億二千七万円余を支出いたしました。 次に、鉱害対策費であります。この経費は、石炭鉱害事業団に対する鉱害復旧事業資金の補助及び同事業団が行う鉱害復旧事業のための事務費等交付金の交付等を行うためのものでありまして、三百十四億一千三百七十五万円余を支出いたしました。 次に、産炭地域振興対策費であります。この経費は、産炭地域において鉱工業等の振興に必要な業務を行う地域振興整備公団に対する出資、石炭鉱業の終閉山により財政状況が悪化している産炭地域市町村に対する交付金の交付及び産炭地域小水系用水の開発事業等の施策を行うためのものでありまして、七十九億七千八百七十二万円余を支出いたしました。 石油及び石油代替エネルギー勘定につきましては、収納済歳入額は六千四百九十八億三千三百四万円余、支出済歳出額は四千三百九十五億八百四十六万円余であります。収納済歳入額と支出済歳出額との差額は二千百三億二千四百五十八万円余でありまして、翌年度へ繰り越しました額は九百三十九億四千三百五十万円余、剰余金は一千百六十三億八千百八万円余となっております。 三年度における経費の執行につきまして、その主な事項の大要を御説明いたします。 まず、石油安定供給対策費であります。この経費は、石油公団が行う石油及び可燃性天然ガスの探鉱等に対する投融資及び公団備蓄事業等に充てるための同公団への出資、同公団に対する交付金の交付、石油備蓄の増強等の施策を行うためのものでありまして、三千七百八十四億九千二百八万円余を支出いたしました。 次に、石油生産流適合理化対策費であります。この経費は、石油の生産の合理化を図るための石油精製合理化対策事業及び石油の流適合理化を図るための石油製品需給適正化調査等の施策を行うためのものでありまして、二百七十八億一千九百三十九万円余を支出いたしました。 次に、石油代替エネルギー対策費であります。この経費は、新エネルギー・産業技術総合開発機構が行う海外炭の開発可能性調査、ソーラーシステム普及促進、天然ガス導入促進、石炭液化等の石油代替エネルギー技術開発等の施策を行うためのものでありまして、三百二十一億八千二百二十万円余を支出いたしました。 第三に、アルコール専売事業特別会計であります。収納済歳入額は四百十一億五千二十八万円余、支出済歳出額は二百九十四億六千六百万円余であります。 この会計の損益計算上の利益は百三十二億九千七百九十二万円余でありまして、期末資産の増加相当額十三億百二十六万円余を控除した残額百十九億九千六百六十五万円余を一般会計に納付いたしました。 第四に、貿易保険特別会計であります。収納済歳入額は七千四百七十二億三千三百五十三万円余、支出済歳出額は七千四百七十億四千二百十六万円余であります。 三年度における保険引受件数は六十二万件余、その保険金額は二十一兆九千五百二十二億円余でありまして、前年度に対し八千九十七億円余の減少となっております。 第五に、特許特別会計であります。収納済歳入額は六百五十六億五千四十六万円余、支出済歳出額は六百七億二千七百九十六万円余であります。収納済歳入額と支出済歳出額との差額は四十九億二千二百五十万円余でありまして、全額剰余金となっております。 以上をもちまして、平成三年度における通商産業省所管の一般会計及び特別会計の決算に関する御説明を終わります。 平成三年度決算通商産業省についての検査の概要に関する主管局長の説明 会計検査院 平成三年度通商産業省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項五件であります。 検査報告番号一五七号から一六〇号までの四件は、中小企業設備近代化資金の貸付けが不当と認められるものであります。 この資金の貸付事業は、都道府県が、国の補助金と自己資金等によって資金を造成し、設備の近代化に必要な資金の調達が困難な中小企業者に対して、設備の設置に必要な資金の額の二分の一以内の額を、原則として五年以内の償還期間で、無利子で貸し付けるものであります。 本院がその貸付けの適否について調査いたしましたところ、中小企業者が貸付けの対象となった事業費より低額で設備を設置しているのに、貸付対象事業費どおりの価格で設置したとして貸し付けていたものが二件、同一設備を対象に中小企業金融公庫から貸付けを受けていた中小企業者に重複して貸し付けていたものが二件ありました。 これらはいずれも本資金の貸付けとして適切を欠いており、ひいては補助の目的に沿わない結果になっていると認められたものであります。 また、検査報告番号一六一号は、三重県四日市市の三重県製網協同組合が実施した地域中小企業振興対策事業におきまして、自動的に網の結び目を固定する編網ロボットシステムの試作を国庫補助対象事業費とされた額より低額で実施していたのに、事業実績額を適正に報告していなかったため、国庫補助対象事業費が過大に精算されており、これに係る国庫補助金が不当と認められたものであります。 以上、簡単でございますが説明を終わります。 ………………………………… 平成三年度歳入歳出決算 会計検査院の指摘に対して講じた措置について 通商産業省 平成三年度の決算検査報告において掲記されております事項のうち、まず中小企業設備近代化資金の貸付けに係る事項につきましては、当省において、中小企業設備近代化補助金を財源の一部とする都道府県の貸付金の貸付けに当たっては、その適正化を図るため、都道府県に対し、借受申請者に対する説明会の充実、事前調査及び完了検査を適正に行うよう会議等の場を通じ十分指導してきたところでありますが、なお御指摘のような不当事項が生じたことは、誠に遺憾に存じております。 御指摘を受けた事項については、指摘金額全額を都府県の特別会計に収納済みであり、また、今回御指摘を受けた都府県に対しては、今後かかる事例が再び生じることのないよう厳に注意をいたしました。 今後、中小企業設備近代化資金の貸付けに当たっては、借受申請者に対する本制度の趣旨の周知徹底、事前審査の充実、完了検査マニュアルの周知及び活用による完了検査の徹底等不当貸付防止体制のより一層の適正化を図るよう指導・監督を強化するとともに、貸付担当者に対する研修の充実を図り、このような御指摘を受けることのないよう、さらに努力をいたしたいと存じます。 次に、地域中小企業振興対策事業に係る事項につきましては、本事業の実施に当たっては、その適正を期するよう鋭意努力してきたところでありますが、今回、御指摘を受けたことは、誠に遺憾であります。 御指摘を受けた事項については、超過交付相当額を全額返還させました。 今後は、このような御指摘を受けることのないよう都道府県に対する指導・監督を強化し、事業の適正な執行を図ってまいる所存であります。 平成三年度の業務の概況について 中小企業金融公庫 平成三年度における中小企業金融公庫の業務について御説明申し上げます。 一、当公庫の平成三年度当初貸付計画は、二兆四千三百四十億円と定められましたが、その後、三年十二月に七十億円の追加が認められましたので、これにより貸付計画総額は、二兆四千四百十億円となりました。 これに対し、中小企業者に対しては、二兆三千六百二十億四千四百八十六万円余の貸付を行ったほか、設備貸与機関に対しては、二百九十二億四千六百二十九万円余、また、中小企業投資育成株式会社に対しては、十二億円の貸付を行い、総額では、二兆三千九百三十四億九千百十六万円余の貸付実績となりました。 中小企業者に対する貸付契約額のうち、設備資金は四十五・四パーセントに相当する一兆百三十六億七千七百七十一万円余、運転資金は五十四・六パーセントに相当する一兆二千二百九億四千百八十六万円となっており、また、直接貸付は五十七・五パーセントに相当する一兆二千八百五十三億八千三百万円(二万三千七十一件)、代理貸付は四十二・五パーセントに相当する九千四百九十二億三千六百五十七万円余(三万六千三百四十件)となっております。 なお、平成三年度末における総貸付残高は、七兆八千四百九十四億七千七百三十二万円余となっております。 貸付金の延滞状況につきましては、平成三年度末におきまして弁済期限を六カ月以上経過した元金延滞額は、七百八十八億二百二十一万円余でありまして、このうち一年以上のものは、七百三十九億九千七百五十九万円余、総貸付残高の一パーセントとなっております。 二、平成三年度の融資に当たりましては、経営環境の変化に対応しようとする中小企業はもとより、積極果敢に新たな事業展開を図ろうとしている中小企業の支援・育成に必要な資金に積極的に対応してまいりました。特に、設備登録制度の全廃に伴う経済環境の変化に積極的に対応しようとする中小繊維工業者を支援するための貸付制度及びゆとりと豊かさのある国民生活の実現に資するサービス業の高度化を図るための貸付制度を新設するなど、中小企業の新たな資金ニーズに対してきめ細かい配慮を払ってまいりました。 また、中小企業近代化促進法に基づく構造改善事業に必要な資金、流通機構の近代化、合理化のために必要な資金及び産業公害の防止、産業安全の確保等のために必要な資金についても引き続き配慮してまいりました。 なお、平成三年度におきましては、わが国経済構造の変化、経済の国際化に伴い増加している中小企業の海外進出に係るさまざまなニーズに対処するため、クアラルンプールに海外駐在員事務所を開設いたしました。 三、次に、当公庫の平成三年度の収入、支出の決算及び損益計算について申し上げます。 収入、支出の決算について申し上げますと、貸付金利息等収入済額は、四千八百三十五億八千九百六十二万円余、支払利息等支出済額は、四千七百二億三千九百二十三万円余となりました。 損益計算について申し上げますと、貸付金利息等の総益金は、五千百四十三億三千七百十六万円余、借入金利息、事務費、業務委託費等の総損金は、五千百四十三億三千七百十六万円余となりました。この結果、利益金は生じなかったので、国庫納付はいたしませんでした。 以上をもちまして、平成三年度における中小企業金融公庫の業務の概況について、御説明を終わります。 以上 ――――――――――――― 平成三年度業務概況 中小企業信用保険公庫 中小企業信用保険公庫の平成三年度の業務の概況につきまして、御説明申し上げます。 平成三年度におきましては、国の一般会計から中小企業信用保険事業の円滑な運営を図るための原資として、中小企業信用保険準備基金百三十六億円、信用保証協会の保証活動の円滑化を図るための原資として、融資基金二百三億円、合計三百三十九億円の出資が行われました。 まず、中小企業信用保険事業についてみますと、公庫が全国五十二の信用保証協会との間に締結いたしました保険契約に基づく保険引受は、件数で百一万七千件余、金額で九兆二千四百二十四億六千百三十七万円余になっており、これを前年度に比較いたしますと、金額で七パーセントの減少となっております。 この結果、平成三年度末の保険引受残高は、件数で二百六十三万七千件余、金額で二十四兆四千九百三十二億三千四百九十三万円余となっております。 なお、中小企業信用保険保険金の支払いは九百六十一億七千百二十二万円余になりまして、これを前年度に比較いたしますと、七十六パーセントの増加となっております。 信用保証協会に対する融資事業につきましては、平成三年度に国の一般会計から新たに出資されました二百三億円及び既往の貸付に係る回収金等三千八百八十五億一千三百万円、合計四千八十八億一千三百万円をもちまして、三千五百八十一億六千五百万円の貸付けを行いました。 この結果、平成三年度末における貸付残高は四千二百八十億五千二百万円となっております。 機械類信用保険事業につきましては、公庫が機械類のリース業者等との間に締結いたしました保険契約に基づく保険引受は、件数で二十四万件余、金額で一兆五千九百六十四億七百五十万円余となっており、これを前年度に比較いたしますと、金額で一パーセントの減少となっております。 この結果、平成三年度末の保険引受残高は、件数で百三十三万件余、金額で七兆七千七百七十七億五千七百二十二万円余となっております。 なお、機械類信用保険保険金の支払いは二十六億二百七十二万円余になりまして、これを前年度に比較いたしますと、十パーセントの増加となっております。 次に、収入支出及び損益の概況について申し上げます。 まず、収入、支出について申し上げますと、収入済額は二千三百三十一億四千四百五十五万円余、支出済額は一千三十七億一千四百九十七万円余でありまして、差し引き一千二百九十四億二千九百五十七万円余の収入超過となっております。 損益計算につきましては、さらに支払備金等の整理を行いました結果、総利益は五千八百五十五億六千六百七万円余、総損失は五千二十二億五千七百五十五万円余となり、差し引き八百三十三億八百五十二万円余の利益金を生じましたが、これは中小企業信用保険・融資事業に係る利益金七百七十七億三千百六十八万円余、機械類信用保険特別勘定の利益金五十五億七千六百八十三万円余によるものであります。 このうち中小企業信用保険・融資事業に係る利益金は、中小企業信用保険公庫法及び同法施行令の規定に基づき七百四十八億七千八百七万円余を中小企業信用保険準備基金に組み入れ、十四億二千六百八十万円余を積立金として積み立て、残額十四億二千六百八十万円余を同法の規定に基づき国庫に納付いたしました。また、機械類信用保険特別勘定の利益金は、機械類信用保険法の規定に基づき同勘定の積立金として積み立てることとしました。 以上、簡単ではございますが、平成三年度の業務の概況につきまして、御説明申し上げた次第でございます。
○塩谷主査 以上をもちまして、通商産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の説明は終わりました。
○塩谷主査 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小野晋也君。
○小野分科員 羽田内閣がこの四月二十八日に発足を見ましてからきょうまで、約一カ月を経てまいりました。新政権の行方が必ずしも明確になっていない現状でございますので、本会は決算委員会ではございますけれども、主にこれからの通産行政のあり方ということを中心に御質問をさせていただきたいと存じますが、よろしくお願い申し上げたいと存じます。 なお、先ほどお伺いをいたしますと、金子政務次官におかれましては、本日のこの席が初答弁の席になられるそうでございますが、どうか適切なる御答弁を賜りますと同時に、通商産業政策と申しますと、日本の産業を引っ張っていかれる機関車の役目を果たされる役所でございます。どうか清新なる気風を持たれまして通商産業政策をお導きを賜りますように、まずここでお願いを申し上げたいと存じます。 早速質問に入らせていただきたいと思うわけでございますが、最初は少し通産省の皆さんの耳に痛い話になるかと存じますが、私は昨年の七月、この永田町に初当選させていただいて、来させていただいたわけでございますけれども、その中で、通産省という省庁が随分今迷っておられるような気持ちを持ってならなかったわけでございます。 以前の通産省と申しますと、敗戦の中でこの国が焼け野原になった中を新しい国づくりのために経済を復興し、そこから日本の未来を切り開いていく中央省庁として、中心的な役割を果たす省庁として、非常に意欲にあふれ、また力強いお仕事をしておられる省庁だと感じていたわけでございますが、このしばらくの政策的な迷走ぶりを見ておりましても、また役所の職員の皆さん方の顔色と申しましょうか御姿勢を見ておりましても、何かしらはっきりとされない、もやもやとしたものをお持ちになっているような気がしてならないのでございます。 私どももいろいろな企業家の方とお話をさせていただきますけれども、もっともだなと思いましたのは、以前は、例えば海外に輸出するような企業がありました場合に、たくさんの品物を輸出して外貨を獲得すれば、通産省のサイドから表彰状をいただいた。ところが、このごろは輸出を一生懸命やると、逆に通産省はブレーキをかけに来るんだというようなお話でございまして、今まで自分たちがとっていたその政策の逆のことをやらなくてはならないような社会情勢に置かれているということも、一つあるだろうなというような気持ちがいたします。 また、世間一般の風潮といたしまして、かつては、官尊民卑という言葉はいい言葉ではないかもしれませんが、この日本の国のさまざまな問題は官の皆さん方が中心になって政策を立案し、そして民、皆さんが豊かになるように引っ張っていくということを評価するような気風が強かったかと思いますが、このごろは何かにつけて規制緩和というようなことが言われ、官庁の指導に対して、むしろそんなものは要らないということが言われるわけでございますから、どういう形で産業政策を行っていけばいいのか、この点にも迷いがございますでしょう。 またさらに、先日の話でございますけれども、ある局長が通産省内を暗くするからというような理不尽な理由で大臣から辞任を迫られて、そして辞職をされましたけれども、こういうことも、今まで私ども通産省を外から見てきた者といたしましては、通産省というのは、筋の通らないことがあれば大臣に直言をしてでも何をしてでも、そんな理不尽なことを通さない省庁だということを私どもは感じながらやってまいったわけでございますが、この一事を見てみましても、何かしら今までと通産省は変わってきたなと言わざるを得ないところがあるわけでございます。 先日ある雑誌、「ボイス」という雑誌でございますけれども、この雑誌を見ておりましたところが、このようなタイトルの対談記事が出ているのです。「通産省はもういらない 冴えない「一流官庁」の口出しはもはや余計なお世話」というようなものでございまして、これを対談しておりますのは、国際日本文化研究センター教授の飯田経夫先生、そして三菱総合研究所相談役をしておられます牧野昇先生、両名とも日本の経済政策に関して一家言を持っておられる、論壇でも有名な方でございますが、この方が通産省の有効性ということについて大きな疑問を投げかけているのですね。 もちろんこういう雑誌ですから、タイトルはショッキングなタイトルをつけているわけでございますが、その一部内容を御紹介させていただきますと、その牧野さんが言われますのに、 バブル時代では、エチレンプラントの増設を通産省が優先的に許可したのが、三菱油化。巷では「社長が通産省から来たからだ」とうるさく噂された。しかしその後なしまし的に今度は次々に許可したために、国内プラントはオーバーになって、中国に売ろうとしている。 国内のことについては、もう余計なお世話だよと。対外問題においては、ある程度しようがないけれども、国内問題にまで役人が口出ししてくるのは、干渉しすぎるということはあるだろうね。しかし、日本人自身がお上のいうことだと、「はいはい」と聞くということもある。 こういうふうに問題提起されますと、今度は飯田さんの方が受けてこう答えるんですね。 通産省の役人のほうも一生懸命やっておられるのでしょうが、私はだんだん通産省のやることが冴えなくなってきたなという感じがするんです。たとえば、通産省は十年ごとに通産政策ビジョンを出している。たしか六〇年代が重化学工業化で、七〇年代が知識集約化、八〇年代が創造的知識集約化だった。しかし、九〇年代は人間的価値をつくると書いてあった。もうこれは万国不易の真理で、中身がほとんどないようなものだと思うのです。 私はそれを見たとき、ああ通産省はこんなことしかいえなくなってしまったのかと思った。六〇年代、七〇年代、八〇年代は、それなりにビジョンを提示する役割を果したのですが、とうとう通産省もやることがなくなったかという感じがします。 それでまた、これは牧野さんが、ちょっと長くなって申しわけないのですが、答えて言うんですね、そういうことはありますねと。 発展途上国が先進国並みに成長してくると、だんだん通産省的役割を果す官庁の必要性が少なくなってくる。規制緩和、行政改革の対象になる。ただ、役所にとっては、仕事の削減は自分の首がかかっているから必死だ。いまの通産省は半分でいい。あとは民間が自分たちで考える。自分たちで血を流せといった方がいい。通産省におんぶにだっこする必要はまったくない。指導能力も民間レベル程度。昔の通産省の出したレポートにはいいものがあったけれど。 というようなことを、こうとうとうと議論されまして、結論的にこの議論で言っておりますのは、 通産省はいまでも一流官庁ということになつていて、優秀な人間が集まっていますが、あれはもういらないのではないかと思うんです。もっとほかのところへ行ったほうがいい。 非常に痛切な言葉でございまして、もちろんこれは評論家が語ることでありますから、責任ある立場の方がしゃべっているというわけではないわけでございまして、このあたり引き算をしてとらえなきゃならないところがあるだろうと私は思いますが、それにいたしましても、恐らく長い間通産省に御奉職されてこられた皆さん方にとってみれば、こういう指摘を受けながら内心じくじたる思いを持っておられる方も多かろうかと思うんですね。 そこで、もう率直にこれはお尋ねを申し上げたいのですけれども、このしばらくの間、通産省は一体どうなってしまったんでありましょう。そして、このような事態を迎えてきているということに対して、一体どこに問題があると内部の皆さん方は御認識をされておられるのか。問題認識から次の展開が開けるというようなことを考えましたときに、この点についてぜひ率直な御答弁をお願いを申し上げたいと存じます。
○江崎政府委員 私どもの通産省の行政にはいろいろな分野がございまして、例えば、諸外国との関係の通商問題ですとか国内の産業問題、あるいは中小企業問題ですとかあるいはエネルギー問題、あるいは地域経済の問題、あるいは技術開発の問題、非常に広範多岐にわたっております。私どもの現在の認識としましては、いずれも我が国の将来にとりましてゆるがせにできない分野であるというふうに思っているわけでございます。ただ、それぞれの分野におきまして通産行政が直面する政策課題というものは、時代の要請を反映いたしまして変化をしてきていると思います。 例えば、今御議論のありました狭義の産業政策といいますか、あるいは産業構造の問題を取り上げましても、確かにかつてのような欧米へのキャッチアップ、こうしたことが国民的課題の時代でありました産業政策、例えば産業の保護ですとか育成といったようなことに重点を置いた産業政策と、現在の産業構造上の政策課題というものは確かに違ってきていると思います。 例えば現在では、国際経済社会との調和の問題ですとか、あるいは高齢化社会を迎えていかに産業構造の活力を維持していくかというようなことが政策課題になっているわけでございまして、今申し上げましたように、例えば産業構造問題を取り上げましても、時代の要請を反映して中身は変わってきていると思います。 ですから、先ほど引用になりました雑誌の記事におきましても、「通産省はもういらない」という意味が、かつてのような産業構造政策は意味が変わってきているあるいは意義が薄れたという意味であれば、私どもも理解ができますけれども、通産省全体の機能は要らないという意味だとすれば、先ほど申し上げましたように、いろいろな分野を私ども時代の要請にこたえてやっているつもりでございまして、そうした方々の御意見というのは、多少何か誤解をしておられるというふうに私ども考えております。 当面の私どもの政策課題を取り上げましても、本格的な景気の回復に向けた適切な経済運営ですとか、あるいは規制緩和といったような経済改革の問題が目前の問題でございますし、それから、日米のフレームアップ協議等を通じまして日米間の経済的な課題を円滑に処理しなければならないということもございますし、あるいは中小企業の活性化ですとか技術開発の推進といった、将来の発展基盤を確実なものにするというようなことが当面の課題でございます。 このように、私ども、今後とも国民各層の御意見を十分に承り、また時代の要請を踏まえまして、これからも任務の遂行に万全を期していきたい、このように考えております。
○小野分科員 江崎総務審議官の方から今、総花的な御答弁をちょうだいしたのでありますが、私は、この点もう一言付言させていただきたいと思うのですけれども、産業界の皆さん方、とりわけ中小企業の皆さん方が今大変な苦しみの中に置かれているということに対して、どの程度の御認識を持たれながら通産省の皆さん方がその対応に当たっておられるかというところに、疑義があるわけでございます。 今、中小企業の皆さん方は、先ほどもお話があった円高の問題もございましょう。また、労働条件の向上とともに中小企業の存立基盤がだんだん失われてきているという問題もありましょう。激しい競争の中で、これまででありましたら、とにかく一生懸命汗を流し努力をしながら、みんなで力を合わせながらやっていけば、一時は苦しくてもいずれはいいときが来るんだと、歯を食いしばりながら戦っていたその経営者の皆さん方が、今万策尽き果てて一体何をすればいいのかと、こういう悲痛な声を上げておられるのが、どうも通産省の政策当局の皆さん方の耳に的確に届いていないのではなかろうかというような気持ちがするところがあるのです。 先ほどの「ボイス」の記事の御紹介の中では、もうそういうような誘導的な政策だとか指導的な政策は要らないんだから、自由にさしたらいいじゃないかということが書かれておるわけでありますけれども、一方では、今までうまく導いていただいた通産省さんが、こういう苦しい中にあっても、もう一歩何か私たちに新しい未来への光を投げかけてくれるような指導をしてくれないかな、この待望感が強まっているのは事実でございまして、それに対してぜひとも必死で皆さんの声を聞いていただきたい。 この点ちょっとお尋ね申し上げたいのですが、どういう形で中小企業の現場の皆さんの苦しみの声を通産省として聞き取っておられるのか、この点ちょっとお教えいただきたいと存じます。
○長田政府委員 私が中小企業を担当しておりますのでお答え申し上げますと、中小企業の今直面している現状につきまして私どもはいろいろな形で調査をいたしておりますし、先ほどこちらにいらっしゃいました金融機関の方々もいろいろ調査をしているわけでございます。 それで、私たちとしましては、そういうふうに毎日毎日における中小企業の実情を把握しておりまして、それの実感として申し上げますと、先生がおっしゃいましたように、やはり中小企業は、現在この不況、この不況も、循環的な問題の不況とともに、御指摘のとおり、いろいろ国際的な問題、経済の国際化、あるいは大企業との関係というようないろいろな構造的な問題も抱えて、非常に大変な状況にあるというふうに現状を認識しております。 こういう認識の上に立ちまして、対策の方を申し上げますと、私どもも決して手をこまねいているわけではございませんで、平成五年度におきまして三度の補正予算を計上いたしております。この三回の補正予算による計上額は、正確に申しますと、その三回の補正額を足すだけで二千百九十二億円の金額になっております。ちなみに、中小企業全体の年間の予算額が約二千億でございますので、平成五年度の予算額が相当大きな補正額になるということなんでございます。しかも、この平成五年度に投入しました補正予算によりまして、いろいろな対策が現在回転して動いているわけなんでございます。 その対策としましては、先生いろいろ御心配の中小企業が大変で倒産しちゃうんじゃないかというような、そういう倒産を防ぐような金融対策をやっております。 それから、先生のお話でございますが、実はこの不況の中にありましても何とか活路を開拓していこうということで、新商品や新分野、そういうところに進出していこうと努力する企業がたくさん見受けられます。 この点につきましては、さきの臨時国会におきまして新分野進出円滑化法という法案を全党一致で通していただきまして、この法案がおかげさまで現在フル回転しておりまして、この法律に基づきまして金融、保険、税、そういう面の助成が行われて、新しい活路を開拓する中小企業というものに対する後押しが行われております。この上、さらに平成六年度の予算におきまして、補助金、そのほか小規模企業対策、いろいろな対策がまた講ぜられるわけでございます。 そこで、この平成六年度の予算が一日も早く通れば、今私が申し上げましたことと相まって、中小企業に対する、特に意欲のある中小企業に対する対策が適切に講ぜられていくというような現状でございます、 ちょっと長くなって恐縮でございますが、そのようなことを中小企業庁としては力を入れてやっております。
○小野分科員 それでは、長田長官の方からさまざまな施策の展開についての御説明をちょうだいしたわけでございますけれども、もう一方、現在の日本経済というものをどういうふうに見ておられるのかということについて、先ほどちょっとだけ触れておられましたが、私自身の所見も申し上げさせていただきますと、もう今お話がございましたとおり、単なる循環論的な意味で説明のつく好況、不況の波の中に置かれているというのみではなくて、かなり構造的な中に置かれてきているという気持ちがいたしております。 しかも、その構造的な問題というのが、これから時間を経れば回復できるというものではなくて、もう一方通行の、悪化の一途をたどるような道に入り込んでしまったのではないかという気がしてならないのです。それはどういうことかと申しますと、この日本の国の中における産業立地の優位性というものが、諸条件によって大きく揺らいでしまったのではなかろうかという気がしてならないのですね。 今、労働問題もちょっと触れましたけれども、労働者の権利をたっとび、そして労働条件を改善するというようなことを進めたがゆえに、労働コストは高くなり、しかも休日数が増加をすることに伴って工場の回転も低下させざるを得なくなるというような状況もございますし、また、土地やその他産業を展開する上に必要とされるさまざまな基本的な要素が他国に比べて随分高くもなってくる。そして、日本経済全体の問題としての円高の問題というものも進行してくる。さらに税負担がどんどん重く企業にのしかかってくる。 こういうような状況をいろいろと考えてまいりました場合に、果たして日本の企業が、この日本の国に立地する企業が、今後国際的に優位性を回復することが果たして可能なのかどうか。このあたりに対する疑問を持たざるを得ないわけでございまして、この点、長田長官は、どういうように御認識をされながらこの中小企業の対策をやっていかれようとしておるのか、その認識部分についてお尋ねを申し上げたいと存じます。
○稲川政府委員 産業政策局を担当しております審議官でございますが、今お尋ねの件にお答えをさせていただきたいと思います。 先生御指摘のとおり、現在の不況の背景は、景気循環的要因のみならず、市場が非常に成熟化しましたことでありますとか、あるいは経済システムそのものがいろいろ行き詰まっているという構造要因があるものと認識いたしてございます。 また、産業構造面におきましても、先生いろいろ立地の優位性の御指摘がございましたが、既存産業が極めて成熟化してまいりましたこととか、あるいは大きな問題は、次の世代を担う新規産業群というものの展開が非常におくれております。さらには、海外展開の進展に伴いまして空洞化というような問題も指摘されておりまして、全般的に我が国経済そのものの先行きに対する不透明感というのが非常に大きくなっているという懸念がございます。 したがいまして、こういう中で新しい産業構造をどういうふうにねらって考えていくかという課題があろうかと思いますが、昨年の十一月に産業構造審議会が中間報告を取りまとめまして、それを踏まえ、現在、六月の中、下旬をめどに、新しいあるべき産業構造、いかに成り立ち得るかということを検討中でございます。 その中では、一つは、新規産業を含めまして、活力ある将来の産業構造を展望するという作業を行っておりますし、また他方で、国際的にいろいろな競争条件が悪化してございますので、産業全体のリストラをどういうふうに円滑に進めていくかというような観点の検討が一つでございます。 それからさらには、こういう構造調整を進めていくために、日本の将来はあるかという御指摘がございましたが、一つはマクロの側面で、良質な社会資本の前倒し整備をいたしまして、需要そのものも新しく起こしていくというマクロ経済運営が必要ではないかという点が一点でございます。 それからさらには、諸般の規制によって産業の競争力がいろいろな意味で栓梏を受けていることは確かでございまして、そういう意味で、規制緩和あるいは制度改革を通じまして内外価格差の是正を図るとか、あるいは国内の産業基盤の効率化、新規産業の活力ある進展を図る、こういったような施策が重要であろうというふうに認識をいたしてございます。
○小野分科員 それでは、六月中旬にその新しい方向が示されるということでありますから、それを楽しみにしながら待たせていただきたいと存じます。 加えまして、今日本の経済にとって大きな課題になっておりますのが日米包括経済協議の問題でございます。通産省の関連する分野では、とりわけ自動車産業分野に関連いたしましてアメリカからかなり強硬な日本への要請が来ているということでございますけれども、この点に関しまして通産省としていかなる対応をしていかれようとしておられるのか。 そして、アメリカはしきりに客観基準を設定するようにということを言うわけでありますが、どのような形で客観基準の設定を行い、そのアメリカからの攻勢に対応していこうとしておられるのか、この点についても御説明を賜りたいと存じます。
○渡辺(修)政府委員 先生御指摘のように、自動車及び同部品の我が国への輸入の促進、それから現地の日系企業の購入、調達の促進、この二つが大きな問題になりまして、日米間で既に半年以上にわたって協議が行われてきておるわけでございます。 それで、一番の問題は、アメリカ側が終始二月の十一日までに要求しておりましたことは、例えば部品であれば、日本側で調達する部品の購入金額が、例えば九〇から九四年度までの伸び率、これが年率二〇%の伸び率だったわけですけれども、それをそのまま将来にわたって継続すべきであるとか、あるいは現地の調達率をビッグスリー並みにすべきであるとかいったような明確な数量の将来にわたる目標をつくりまして、それに合うかどうかというのを測定して目標にしていこう、こういう要求でございまして、これは明らかに我々としては将来における数値目標を求めるものであって、管理貿易につながっていくことだということで、不幸にして二月十一日には話し合いがまとまらなかったわけでございます。 それで、現在、つい先日でございますけれども、日米間で再開することに決まりました。そのときに明快に、数値目標に使用することはないという前提で、プログレスを評価するための複数の基準を設けてやっていきましょう、こういうのが客観基準についての日米の合意でございまして、それに基づいて、具体的には恐らく来週ぐらいから話し合いが進むことになると思うのです。 我々の基本的な考え方は、自動車及び同部品というのは、民間のビジネスそのものの問題でございますから、したがって、値段あるいは品質によって購入額あるいは輸入量というのは決まってくるわけでございますから、あらかじめそれをどれだけに伸ばそうという将来についての目標というのは到底あり得ないことでございます。 したがって、我々が今考えておりますのは、そういう原則に立ち返りまして、政府としてやり得ることは、当然そういうことが、購入その他輸入量をふやしていくためには、日米それぞれの業界が努力をしていかなければいけません。 例えば、自動車でいえば、完成車を日本にたくさん輸入しようと思えば、小さい二千cc以下の車で右ハンドルのものを、市場に合うのをアメリカ側でたくさんつくってもらわなきゃいけません。さらに、それを日本に輸入した場合にアフターサービスをするショップの数がどんどんふえていかなければいけません。 そういったような項目をアメリカの努力する基準として客観基準を設けなきゃいかぬと思いますし、日本側としましては、例えば部品調達をふやそうと思えば、将来、日米でデザイン・インを進めまして、一定の品質まで上げていかなきゃいけません。そのデザイン・インの協力を日本側でしていかなきゃいけない。 そういったような幾つかの基準というのを明確に決めまして、それを半年ごとにレビューすることになっていますから、そういう物差しがどれだけ双方で努力されていったか、それが不十分であればさらに次の半期を目指してお互いに努力しよう、そういったようなことを政府として十分レビューし合えるような、そういうメカニズムをつくっていくのが政府の手の届く範囲でやれることで、あとは双方で努力し合うことじゃないか。 こんなふうな考え方で、今私が申し上げたものを客観基準の原則にして、あと日米間でさらにこれを発展させて協議していきたい、こんなふうに考えておるわけでございます。
○小野分科員 先日は細川さんがアメリカに行かれまして、ノーと言える日本、いよいよ成熟した大人の関係になったというようなことで、非常に安易な政治決着を図るような交渉姿勢を示されましたけれども、日米の経済問題というのはそんなに安易なことで決着がつくような段階を過ぎていると思いますから、交渉当局はなかなか御苦労だとは思いますけれども、決して日米関係を損なうことのないように、しかし日本の国益を失うことのないように、ぎりぎりの交渉に当たっていただきますように心からお願いを申し上げたいと存じます。 もう時間が余りありませんので、あと技術の問題を一つだけ質問させていただきたいと存じます。 ここしばらく、今アメリカの国の技術開発というものに随分アクセルというか力が入ってき始めております。そしてまた、東南アジアの日本の後を追いかけると言われた発展途上国も、製造技術を中心にいたしましてかなりの技術力向上が図られてくる中で、日本の国が技術立国を主張される以上、かなりの取り組みを進めていかなければ、技術立国としての基盤もこれから損なわれてくるのではなかろうかというようなことを危惧している一人でございます。 その中にあって、技術の進歩に国立研究所というようなもの、または国がお金を出しながら、民間も巻き込みながら研究開発プロジェクトを動かしていかれるというようなことについて非常に大きな貢献がなし得るものだと私は考えているわけでございますけれども、この中にあって私が疑問に思っておりますのは、どういう形で技術研究開発というものの評価をなされているのかという点でございます。 例えば、アメリカの場合ですと、NASAの行いますような宇宙開発計画のような膨大なプロジェクトにおいても、議会に直属の技術監査院、オフィス・オブ・テクノロジー・アセスメントと言われるんだそうでありますが、この技術監査院が独立した立場で、国家の研究開発が妥当であるのか、その的確性はいかなるものであるのか、そして有効性はどのようなものであったのかというようなことを厳しく審査に当たりながら、国家の技術開発方向を決して誤らないようにやっているんだそうでございます。これは議会の問題だと言われてしまうとちょっと困るわけではございますが、このような問題について日本の場合はどのような形でチェックを行っているのでありましょうか。 そしてさらに、提案でございますけれども、今後さまざまな研究開発がまた進められていくわけでございますけれども、アメリカの技術監査院のような形で、客観的な評価のできる技術監査機構がこの国にも必要ではないかということを感じているわけでございますが、その点についての御所見をお伺いをさせていただきたいと存じます。
○金子政府委員 ただいま委員御指摘のとおり、我が国は技術立国、これはもう大変重要な経済あるいは主権国家として、国際社会の中での存立ということを基盤にしていかなければいけないというふうに思っているわけであります。 そうした中で、このチェック機能の誤りない研究方向というものをどういうふうにするかという御指摘でございますが、我が国の工業技術院の研究、これは国立研究所において進められているわけでありますが、その研究活動についての客観的評価が、御指摘のとおり、極めて重要というふうに認識をいたしております。 そうした中で、これまで研究者同士によるピアレビューの実施もいたしております。また、工業技術院による傘下十五研究所の研究活動の総合調整及び内外の一流学識経験者による研究運営についての第三者評価等を研究分野、領域の特性に応じて行ってきているところでございまして、これらアセスメントにつきましては、今後とも適切かつ客観的な評価の実施に努力をしなければならないというふうに思っております。 また、最後に御指摘ございました第三者機関の設置でございますが、これにつきましては、工業技術院の国立研究所においては、既に一部研究所において内外の一流研究者を交えた第三者による評議員会を設置しているところでございまして、今後ともこうした各研究所の特性に応じた客観的な評価機能の強化に努めていくことが適切と考えておりますので、今後も引き続いてのそれぞれの御指導を賜りたいと存じます。 ありがとうござ、ます
○小野分科員 ぜひ頑張って取り組んでいただきたいと思います。 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○塩谷主査 これにて小野晋也君の質疑は終了いたしました。 次に、横内正明君。
○横内分科員 三十分という限られた時間でございますので、私はかねてから非常に関心を持っております太陽光発電につきまして、これはぜひ通産省だけではなくて政府を挙げて取り組んでいただきたいというふうに思っているものですから、その点につきまして二、三の御質問をさせていただきます。 太陽電池を使った太陽光発電でございますが、太陽電池というのは一種の半導体で、太陽エネルギーを、光のエネルギーを電気にかえる機能を持った板ということでございます。これはオイルショック後に通産省がサンシャイン計画、技術開発計画をおつくりになって、その中で技術開発の主要テーマの一つとして検討を重ねられてきた。その結果、今日では価格が高いという問題はあるのですけれども、その点を除いては実用化においてほとんど問題がない。それだけ技術的に完成したものになってきつつあるというふうに聞いておりまして、ここまで技術を持ってきたのは通産省、工業技術院の非常に大きな功績の一つではないかというふうに私は思っているわけでございます。 それで、いろいろな新エネルギーと言われるものがあるわけですけれども、風力とか潮力とか地熱発電とかいろいろあるわけですけれども、聞いてみますと、そういった新エネルギーというのはそれぞれいろいろな問題があって、なかなか大幅に普及をする、実用化をするということについては問題があるというふうに聞いております。そういう中で、この太陽電池については、普及について大きな問題はないという状況になっているわけであります。 この太陽光発電を促進をしていく必要性とか意義といった点は三つあるというふうに言われているわけであります。 一つは、言うまでもなくエネルギー対策、エネルギー不足への対応ということでありまして、これから世界的にエネルギーの需要が増大をしていくという中で、石炭とか石油とかいったいわゆる化石燃料では十年、二十年後には到底対応できないという状況が来ると言われております。そういう中で、太陽エネルギーというのは無尽蔵だ、しかも地球上にあまねく存在するということもあります。 よく言われることですけれども、地球上の砂漠の全部の面積の四%に太陽電池を張りつければ、地球上のエネルギー問題というのはたちどころに解消するというふうに言われておりますし、また、日本でいえば、五千万戸からの住宅があるわけですけれども、この住宅の屋根の南側に、屋根の半分に太陽電池を張りつければ、家庭で使用するエネルギーについてはすべて解消をするというふうに言われております。そういうことで、この太陽光発電というのがエネルギー対策として将来重要なものであるということは言うまでもないわけであります。 それから二点目は、言うまでもなく地球環境対策であるわけですけれども、太陽光エネルギーは完璧なクリーンエネルギーであるということがあります。火力発電がいろいろな大気汚染物質を吐き出すということと同時に、CO2を排出し、地球温暖化の非常に重要な問題になっているということもありますし、原子力もまた安全性の問題とかあるいは核廃棄物の問題があるという中で、理想的なクリーンエネルギーと言えるわけでして、特にこれから地球環境という目で見れば、低開発国が人口の増加とか生活水準の向上に伴って火力発電とか原子力発電をどんどんつくっていくということになると、これは大変な問題になるわけであります。 そういう意味で、地球環境対策という観点からも、日本のような先進国がこの太陽光発電を十分普及にたえるものにしていくというのは先進国の課題ではないか、責務ではないかというふうに思うわけでございます。 それから三点目が、これは私は特に強調したいわけなのですけれども、経済の再活性化のてこになるのではないかということでございます。日本経済をこれから再活性化していく重要な起爆剤の一つになるのではないかというふうに私は思っております。現在の不況は単に循環的なものではない、構造的な要素のある不況だというふうに言われておりますけれども、その一つには、経済、消費を引っ張っていくリーディング商品がないということがよく言われるわけでございます。 かつて昭和三十年代にいわゆる三種の神器というものがあり、それから四十年代、五十年代にかけて三Cと言われるカー、クーラー、カラーテレビというような非常に普遍的な潜在需要の高い商品があって、それが消費を誘発し、経済を成長に導いたということがあるわけですけれども、現在時点でそういうものが見当たらない。 マルチメディアというようなことも言われておりますが、これは二〇一〇年とかその時点での非常に大きな需要を生み出す、現在時点ではまだまだ普及するという段階に至ってないというふうに思います。 そういう中で、この太陽電池というのは一たん普及すれば非常に大きな潜在需要を持っているのではないか。我が国の経済社会のあらゆる分野にこの太陽電池というのは普及し利用されていく可能性のある、それだけに極めて潜在需要の高い商品ではないかというふうに思うわけでございます。ちょうどそういう可能性のある商品が普及の直前にあるという段階でして、技術的には全く問題がない、価格の問題があるだけで問題がないし、政府が何か施策を講ずることによってボタンを押せば一種の爆発的な普及状態が起こっていく、そういう段階にこの太陽電池というのはあるのではないか。そういう意味で、経済を再活性化していく一つのてことしても大変重要ではないかというふうに思っているわけでございます。 しかし、言うまでもなく、最大の課題は価格の問題ということでございます。現在時点では電力料金の七、八倍というコストですから、これでも工業技術院の努力で随分下がってきたわけですけれども、それでも市場の電力に比べれば七、八倍という状況ですから、これを何とか通常の電力料金の水準にまで持っていく必要があるわけです。そのために、もちろん技術開発は引き続きいわゆる変換効率を上げるというようなことがあるのですが、研究開発を進める必要があるわけですが、特に価格を下げる上で重要なのは初期需要を創造するということが重要でございます。 なぜ価格が高いかというと、結局、いわゆるネガティブフィードバックといいますけれども、そういう状態が起こっている。要するに需要が少ない、需要が少ないから生産量か少ない、生産量が少ないから生産一単位当たりのコストが高くなって価格が高くなる、価格が高いから需要が起こらない、こういう悪循環の状態にある。 これを何とか打破して、いわゆるポジティブフィードバックといいますけれども、そういう状況に持っていく必要があるのではないか。そのためにはやはり政府が初期需要をどんとつける、そうすることによってメーカーの生産が拡大をし、拡大することによっていわゆる量産効果で一単位当たりの価格が下がる、価格が下がればそれによって需要が誘発されていく。 そういうポジティブフィードバックの状態に持っていくというのが政府にとっての当面の最大の課題だというふうに思うわけでございます。それはもう政府にしかできないわけでして、ぜひともそれを経済活性化の手段の一環としても進めるべきではないかというふうに私は思っているわけでございます。 そこで、まず質問の第一ですけれども、これは次官でも長官でもお二方分担でも結構でございますが、この太陽光発電の推進についての取り組みの基本的な方針、それから具体的な目標でございますね、何年ごろにどうするという目標と、それを達成するために現在講じている施策ということについて、かいつまんでで結構でございますので、御答弁をいただきたいと思います。
○金子政府委員 お答えを申し上げます。 ただいま横内委員から適切な御指摘がございました。太陽光発電システムの普及についてのこれからの通産省としての対応、姿勢というものは、何といってもクリーンな石油代替エネルギーとして、地球環境問題等への対応、あるいはまたエネルギーセキュリティーといった観点から極めてこれは有益なものでございます。 そうしたことを基調にしながら,太陽光発電の導入を促進するため、従来から、技術開発、モデル事業の推進、公共施設等における試験的導入事業の推進、また税制上の特例措置を講じてきたところでございます。御指摘のとおり、これは十分とは言えないわけでありますけれども、何といっても、将来、経済活性化の決め手になるのではないかという期待を込めてこれらを進めてまいりました。 またさらに、平成五年度第三次補正予算において、中央省庁の施設等における導入に着手をするとともに、平成六年度予算案において、太陽光発電システムの設置等のための予算、これは国家予算としては少のうございますが、とりあえず二十億円を計上いたしておるところでございます。 しかも、アメリカの副大統領の提案しているあの情報ハイウエー構想に匹敵する情報基盤整備事業等の最先端技術を具現化、実現化するためにも、マルチメディア時代に対応したエネルギー源としても、これらの太陽光発電システムというものは、新たに需要喚起とともに、必要になってくるであろうというふうに考えておるところであります。 このように、太陽光発電の導入に向けた施策の実施が、将来の普及への大きな原動力となり、とりわけ石油代替エネルギー供給目標の達成をし、そしてまた地球環境問題への対応等に資することを期待をいたしておるところでございます。 需要と供給、これらのポジティブフィードバックをやるという御指摘であります。まことにもっともな御意見でございます。これは国家プロジェクトとしての一つの方向として取り上げていくべきであるというふうに考えております。
○川田政府委員 補足して御説明をさせていただきたいと思います。 まず、横内委員の太陽光発電について先ほど御指摘のあった点、私どもも全く同じ考えでおることをまず申し上げたいと存じます。 それから、太陽光発電の普及目標につきまして、具体的に御説明申し上げます。 現在、我が国のエネルギー需給につきましては、石油代替エネルギーの供給目標というのを定めておりまして、その中で各エネルギーの位置づけをいたしておるところでございますが、この中では、太陽光発電を含めました新エネルギーについて、官民挙げての最大限の努力を前提にしてもなかなか難しい問題がございますので、現在一・三%程度のものでも、二〇一〇年度において五・三%まで、新エネルギー全体の目標は五・三%まで拡大したいということでございます。 その前提といたしております長期エネルギー需給見通しを積算するに当たりまして、太陽光発電につきましては、二〇〇〇年度二十五万キロワット、二〇一〇年度四百六十万キロワットという目標を持っております。現在、導入実績三千六百キロワットでございますので、大変な拡大目標を持っておるわけであります。 なお、現在、この需給見通しにつきましては、二〇〇〇年度、二〇一〇年度、ともにエネルギー需給見通しの検証作業を行っておるところでございまして、その中で、太陽光発電を含む新エネルギーにつきましても、二〇〇〇年度、二〇一〇年度の導入目標について検証を進めておりますので、先ほど申し上げた数字は変わる可能性があることを申し添えさせていただきたいと思います。 それから、この目標に向かって現在講じておる施策につきましては、主要なところは政務次官からただいま申し上げたとおりでございますが、まず大きく分けると三つございます。 一つは、何と申しましても、低コスト化のための技術開発を今後とも一層力を入れて進めていく、これが一つのポイントでございます。 それからもう一つは、太陽光発電と通常の電力供給とを円滑に結びつけていくというようなこと、あるいは太陽光発電の発電で余ったときに電力会社が購入するというような、いわば制度的な環境整備ということが二つ目のポイントでございます。 それから三つ目には、まさに委員強調されました導入推進のための直接的な施策、初期の段階における普及促進のための施策をやっていく。これにつきましては、政務次官から先ほど御答弁させていただきましたように、公共施設などへの試験的な設置事業を進めていくとか、あるいは税制上の措置を講ずるとかいったようなこと、さらには平成五年度第三次補正予算における中央省庁等の施設への太陽光発電システムの導入、あるいは、六年度の今御審議をいただいております予算案の中で、新規予算として二十億円というのはかなり規模の大きいものであろうかと存じますが、個人住宅向け太陽光発電システムの普及促進対策を講じようといたしておるところでございまして、これらの施策で、御指摘のように最初の需要ということで何かいい循環系ができてこないものかということで考えておるところでございます。
○横内分科員 ちょっと今聞き漏らしましたが、今の目標というのは何年ころつくられた目標ですか。
○川田政府委員 先ほどの公的な意味での石油代替エネルギー供給目標は、平成二年十月に閣議で決めて通産大臣がこれを策定をしておるという形のものでございます。その前提となっております長期エネルギー需給見通しは、その年の六月に総合エネルギー調査会で御検討いただいております。したがって、四年くらい前ということに相なりましょうか。
○横内分科員 ただいま政務次官それから長官から御答弁いただいた方向については、私もまことに適切な方向だろうと思います。特に、政務次官から国家プロジェクトとして取り上げるにふさわしいものであるという御答弁がありましたし、また、長官から現在の施策の方向について三点の説明がありました。大変適切な方向だろうと思っているわけでございます。 ただ、私考えますのは、目標として、これは平成二年に閣議決定されたものでございますけれども、その後四年を経過しているという中で、現在時点で見ればやや手ぬるといいますか、もう少し前倒しができる状況になってきているのではないかと思うわけでございます。 特に発電量、発電の目標量につきまして、二〇〇〇年時点で二十五万キロワット、二〇一〇年時点で四百六十万キロワット、こういうふうに設定をしておられるわけでございますが、これを拝見いたしますと、二〇〇〇年時点までは緩やかに普及をして、二〇〇〇年代、二〇〇〇年から二〇一〇年までの間に爆発的に普及をするというようなシナリオであるように思うわけでございますけれども、二〇〇〇年前の段階でもうちょっと普及の促進が図り得るのではないか、また図る必要があるのではないかと思うわけでございます。 二〇〇〇年時点での二十五万キロワットというこの目標は、例えば大規模な火力発電所は現在一基で百万キロワットであるわけですから、大規模な火力発電所一基の四分の一ぐらいの発電量ということで、現在時点で見るとこれはかなり、もうちょっと促進が図れるものではなかろうかと私は思うわけでございます。 ただ一つ心配なのは、余り爆発的に需要をふやしてメーカーの太陽電池の生産の方が追いつくだろうか。例えば倍々でふやしていって追いつくだろうかという心配もありまして、私もあるメーカーの人に聞いてみましたら、いや、今は非常に小さいし、またそんなに難しい技術ではないのだ、したがって、これは倍々ゲームで伸びていったって、メーカーの生産は十分追いつきますよというようなことも言っております。そんなことで、次回もしこういった目標を検討される時期がありましたら、さらに意欲的な、前倒し的な計画をお願いしたいと思うわけでございます。 その際に、先ほど申しましたように、何といっても初期需要を政府がつけていくということが大事だと思うわけですが、ただ、これはなかなか、今おっしゃったように現在通産省が非常に一生懸命御努力をしておられるということなんですけれども、どうもほかの省庁はみんな、あれは通産省の施策でおれらに関係ないのだというスタンスであるわけですね。これでは限界があるのではないか。幾ら通産省が一生懸命やっても、よその省庁が本気になってこれに協力をして取り組むという態勢になっていないとなかなかうまくいかぬという状況だろうと思うのです。 例えば通産省が、今の施策の一つとして、長官がおっしゃった平成六年度に始められる施策として、個々の住宅に対する太陽電池の設置についての助成制度、大変結構な施策だと思います。初年度七百戸ということでございます。三キロワットですか、それを限度にして助成するということにしているようでございますが、七百戸に対して三キロワットですから、二千百キロワットの太陽電池の新規需要が創出されるわけですね。現在時点の発電量は三千六百キロワットですから、それだけ生産されると言っているとすれば、約五割増しといいましょうか、五割以上の需要創出になるわけですね。 そういう意味では、今年度のその施策というのは需要創国策としては効果があると思いますが、それじゃ来年度はどうするのか。来年度も同じ七百戸なら需要はふえないわけですね。したがって、来年度もまたふやしていかなければならぬ。例えば倍にふやすとすれば、さらに七百戸追加して千四百戸にしなければならぬ。再来年度はそれにさらに追加して二千戸にしなければいかぬというふうに、ふやしていかないと需要の創出ができないということになるわけです。 しかし、通産省の予算としてどんどんこの施策をふやしていくということは、予算の限界があってできないのだろうと思うのですね。それに、個々の住宅というのは個人の資産ですから、個人の資産に対して助成をするということについては、もちろんモニター的な事業だとか実験的な措置だというようなことはあるのですけれども、大蔵省的な目でいえば非常に限界があるだろうと思うわけです。 そんなことで、初期需要を創出するためには、単に通産省だけではなくて、政府を挙げて、特に政府、自治体が直接設置をし管理をしている公共施設について、積極的にこの太陽電池を導入していくということをやっていかなければならないと思うわけでございます。そういう意味で各省庁の協力が必要なわけですけれども、単に各省庁の協力というのではなくて、協力というより、各省庁が、あれは通産省の仕事だというようなことじゃなくて、自分の仕事として、この太陽光発電というものを自分の管理する施設に積極的に取り入れていくという姿勢がなければならないと思うわけでございます。 例えば一番いいのは学校ですね。市町村が設置し管理する小中高等学校、これは調べてみたら、学校建築物の新築というのは年間七千棟あるのですね。校舎だけではありません。例えば給食棟だとか体育館だとか、いろいろな小さいものもあると思いますが、年間七千棟あります。この七千棟の学校建築物に多少とも太陽電池を取り入れれば、需要は膨大なものになるわけでございます。それを通産省がやれといってもなかなか無理なんで、やはり自治省なり文部省なり、そういう担当の省庁がそれを推進していくということでなければなかなか現実化はしないというふうに思います。 さらに、高速道路の防音壁がありますけれども、スイスなんかでは防音壁に太陽電池を取りつけております。防音壁というのは騒音を防止する効果はあるのですが、それ以外には何の効果もない、無用の長物といいますか、景観は悪いし、そういうものなんですけれども、あれは太陽電池を取りつける格好の場所なわけですね。ああいうものに取りつけていくというようなこと、これはまた道路公団がみずからの負担でやるべきことだろうというふうに思うわけでございます。 そんなことで、御質問ですけれども、今申しましたように、国や地方公共団体が設置し管理をする公共施設、学校とか官庁建物とかそういう箱物もありますし、それから道路その他の基盤施設もありますけれども、そういったものについて政府各省挙げて、太陽電池、太陽光発電導入のアクションプログラム、例えば五年なら五年でどれだけやるんだ、そういうものを政府挙げて一つの計画としてつくるということができないか。通産省が音頭をとってもらいたいのですが、通産省が音頭をとるといろいろ抵抗があれば、裏に入ってシナリオを書いて、例えば内政審議室あたりが表に出て、政府を挙げてそういう導入のためのプログラムをつくるということが必要ではないかというふうに思うわけですが、それについて御意見を承ります。
○川田政府委員 大変的確な御指摘をいただいていると思っております。 私ども、初期需要創出によりますコスト低減を図るという観点から、実は平成四年度から学校とか公民館といったような公共施設を対象といたしまして、先導的な導入事業、私どもフィールドテスト事業と呼んでおりますが、これを進めてまいっております。現在までの実績でも、太陽光発電を公共施設用のものについて、対象十一件、二百三十五キロワット、これが平成四年度でございます。平成五年度は十九件、四百八十一キロワットのフィールドテスト事業を進めさせていただいておるところでございます。平成六年度も予算案の中に十億円ほど計上させていただいておりまして、さらに進めていくというプランを持っております。 先ほど政務次官からお答え申し上げましたように、平成五年度の第三次補正予算の、中央省庁等の施設に国が太陽光発電システムを率先して導入するという予算につきましては、私ども通産省のみならず、厚生省、科学技術庁など、他省庁の協力も得つつ進めているところでございます。全省庁の予算は合計十三億円という規模でございます。このように、私ども従来から関係省庁、地方公共団体に協力を呼びかけながら、公共施設への太陽光発電システムの導入を推進してきているところでございます。 さらに現在、太陽光発電を含めました新エネルギーの今後の導入促進施策のあり方につきまして、総合エネルギー調査会石油代替エネルギー部会において審議をしていただいておるところでございまして、国、地方公共団体など関係者の役割分担、導入支援策のあり方といった太陽光発電の導入に向けた計画を具体化していきたいというような願望を持って、今その論議を進めていただいておるところでございます。関係省庁にもぜひ強く呼びかけて、一体となって進めてまいりたいと思っております。
○横内分科員 今、ちょっと微妙な答弁をされました。そういうプログラム、計画をつくっていきたいという願望を持って準備をしているというようなことをおっしゃいましたが、気持ちがよくあらわれていると思うのですね。通産省としてぜひやりたいけれども、なかなか各省協力しないというような状況の中で、今おっしゃったフィールドテスト事業についても中身を見させていただきましたが、やはり、もっと各省庁がそれぞれ自分の仕事としてやるように取り組んでいけば、もっと効果があるんだろうというふうに思っているわけでございます。 私は、その際にやはり大事なのは自治省だろうと思うんですね、通産省に次いでは。 やはり市町村 例えば私の場合 地元は山梨県の八ケ岳のふもとにあるわけですが、この辺は日本でも一番日照時間が長いところでして、市町村長も地球環境対策というものの認識が相当出てきておるものですから、やはり何か地球環境対策ということで我が町我が村もやりたいという気持ちは持っているわけであります。通産省のそういう施策があることももちろん承知はしているわけですけれども、市町村がそういう意欲を持っている中で、それを実際やっていこうというふうにするには、やはり自治省がやっていかなければだめだ。自治省が右と言えば右、左と言えば左というふうになるように我が国の市町村というのは、まあ都道府県はそれほどでもないのですが、そういうふうに習慣づけられているのですね。だから、自治省が方向づけを与えぬとなかなかこれは動かぬだろうと思います。 その意味で、自治省として通産省と協力してそういう方向づけをされて、例えば地方財政措置として起債を認める、起債の元利償還について一定の割合については交付税措置をとるというようなことをやれば、これは普及していくだろうと思います。それも長くやらなくてもよろしいのですね。三年とか五年でいいわけです。これは初期需要を創出するわけですから、五年なら五年の間やって、それでやめてしまえということでも構わぬわけで、初期需要ができて安くなればこれはほっといても普及するわけですから、そういう暫定緊急の措置で結構なわけでございます。それをぜひやっていただきたいというふうに思います。 それからもう一つはやはり建設省でして、いろいろな、例えば官庁建築物とか高速道路その他の公共施設を持っている。それから公営住宅、公団住宅、これなんか格好の普及の手段になるだろうと思いますし、住宅金融公庫の融資もあるだろうと思います。 そんなことで、自治省にちょっと伺いたいのですけれども、今申したような措置をとられることについて何か制約があるかどうか、お考えを伺いたいと思います。
○坂本説明員 横内議員の御指摘のとおり、地方団体におきましても、地球環境の保全や省エネルギーといった観点から、公共施設の新設にあわせて太陽光発電システムを導入している事例が見受けられます。 自治省といたしましては、これまでも、地方団体が地域の実情に応じて取り組む環境保全のための施策に対する財政措置の拡充をしてきているところでありますが、地方公共団体が公共施設に太陽光発電システムを導入する場合につきましては、建物自体を新増設する場合、それから既存の建物にこれらの省エネルギーシステムを付設する場合、いずれにつきましてもその事業に応じた地方債で措置しておるところでございます。 また、地球環境問題に対応するため、自治省といたしましては、地域エネルギー事業というものの展開を検討いたしておりまして、今まで水力発電などをやっておった地方団体につきましても、例えばごみの発電でありますとか、あるいはスーパーごみ発電でありますとか、そういったものを推進しているところでございます。 今後、太陽光発電システムにつきましても、地方公共団体の取り組みやその事業化につきまして検討してまいりたいというふうに考えております。
○横内分科員 時間があれしましたので、環境庁を呼んでいるものですから、環境庁もひとつ、これは地球環境対策から非常に強い関心を持っておられると思いますが、環境庁の方針をちょっと伺いたい。
○一方井説明員 太陽光でございますけれども、これは二酸化炭素などを発生しない極めてクリーンなエネルギーでございます。平成二年に地球環境保全に関する関係閣僚会議が決定いたしました地球温暖化防止行動計画、ここにおきましても、太陽電池等の利用を積極的に促進することが位置づけられてございます。環境庁におきましても、太陽光発電の普及方策に関する調査、これを平成五年度から実施をしているところでございます。 現在、環境基本法に基づく環境基本計画というものを中央環境審議会にお願いをして審議をしていただいております。この審議会では、先ほど先生もお触れになりました地球環境問題への対処を含めまして、環境政策を政府一体として総合的、計画的に推進していくことができるような全体像、これをお示しいただくことを期待しておるところでございます。 環境庁といたしましても、この環境基本計画が充実したものとなりますよう、さらに努力してまいりたいと思います。
○横内分科員 どうも自治省と環境庁の答弁がもうひとつ抽象的であるのですが、時間が来ましたので終わりますけれども、前向きに対応していただきたいというふうに思います。 これは、行政全体から見ると、余り大きなというか、限られた課題ではあるわけです。しかしながら、今申し上げたように非常に重要なもので、こういうものにもまた政治のリーダーシップというのが必要なんですね。通産省が一生懸命やっているんです。やっているけれども、よその省庁はどっちかというとそっぽを向いているわけです。政府全体として取り組んでいくというためには、やはり内閣としてきちっと統一した方針を立て、そしてそのプログラムをつくって、各省庁がそれぞれ自分の仕事として取り組んでいくというふうに持っていかなければいけない。 そういう意味で、政治のリーダーシップが必要だろうというふうに思いますので、ぜひひとつ連立内閣頑張っていただきたい、このように思います。 終わります。
○塩谷主査 これにて横内正明君の質疑は終了いたしました。 次に、小宮山重四郎君。
○小宮山分科員 五月二十四日、私、テレビ朝日の「ニュースステーション」を見ておりまして、大変驚きました。この番組の特集は、「細川前首相はなぜアメリカに”NO”と言ったか…日米交渉決裂の裏側②官僚たちのもくろみ」というテーマになっていたわけです。 これは大変重要なことで、前に、三月二日、六カ月ぶりで決算委員会が開かれました。私は、どうしても質問してくれというので質問しました。そのときに、国家予算を使った日米首脳会議がそれなりにその成果を国民と日本のためにもたらした、どのようなものをもたらしたのか、会談の内容を教えろと言いましたら、ノーでありました。片一方では全部暴露して、また久米宏にばか呼ばわりされて、ばかじゃないかと言っていましたよ。そう言われても、国会には情報を漏らさないで、コマーシャリズムには漏らすことができるのですか。 どこからその情報は流したのですか、答えてください。
○池田政府委員 日米首脳会談の内容につきましては、これまでも御説明申し上げることができる範囲内で御説明申し上げてきているところでございますが、会談の記録自体につきましては、この前、ただいま先生が御指摘になられました三月二日のこの決算委員会の場でも、外交上の秘密文書であるために公表自体は差し控えさせていただきたいということを申し上げたわけでございます。 そして、ただいま御指摘のテレビ番組については、私ども定かにはいたしておりませんけれども、いずれにしましても、基本的には同じように対応してきておりまして、私どもが国会に対する場合と、それからそういう商業的なものに対する場合とは、何ら変わっておりません。むしろ、国会に対しましては、国政調査権があるということもございます。そういうこともあって、政府としてはできる限りの御協力を申し上げたいということでやってきていたわけでございます。
○小宮山分科員 想定問答集がテレビ朝日側に渡っておった。そこで、外務省はばかじゃないだろうかという発言が出てくるのです。それで、ちゃんとしたペーパーで出ているのです。そういうものを、あなた、ごらんになったことないのですか。
○池田政府委員 ただいま御指摘のテレビ番組におきます書類なるものでございますけれども、私ども直接見ておりませんので、どういう資料をそのとき使ったのかについては定かではございませんので、この場では論評を差し控えさせていただきたいと思います。
○小宮山分科員 私は、あなたがうそをつくとは思わない。しかし、もっとうそをつかないのはテレビ局だと思う。そういう紙っぺらをちゃんと見せて、こういうふうなペーパーが来ているのです、想定問答集が出ているのですと、これに従って彼らは話をしたんだ。その裏側を全部しゃべった。ですから、私がしゃべった人の名前も全部出てきます。当時の羽田外務大臣も出てくるし、細川前総理も出てくる。なぜノーと言ったのだという内容、裏面をえぐっています。 ないということはない。テレビ局がそういう資料を持った場合には、相当根拠があってしゃべっているはずです。また、それを追及しない官房もおかしい。だれが持っていたのだかわかりませんか。
○池田政府委員 現在までのところ、特に今の御指摘の点について調べたわけでもございませんので、定かではございません。それがどういう種類の資料であるかについては、この場ではちょっと申し上げることは控えさせていただきたいと思います。
○小宮山分科員 国会法百四条調査権、国会法百四条で私はあなたに請求をしたはずです。そのときのお答えはノーでした。しかし、過日のテレビでは全部出てきた。そういうことが、国会が聞いたことを全部裏でペーパーが出ているということは大変不可思議であります。調査をしないでノーというのは困る。至急調査して返事してください。
○池田政府委員 私どもができる範囲内において調べてみたいと思います。
○小宮山分科員 大変重要なことで、これは外務省で言う機密費、交渉費です。交渉費から出ているわけですから、そういうものを認めるわけにいかない。 委員長、この辺は理事会にかけてください。簡単に、国会法第百四条の請求に従って提出を求めて、答弁を求めても、国会の調査権を無視して、コマーシャリズムにのる、テレビにはのっかってくる。不届き千万ではないでしょうか。もしそれが本当なら、私はそういう意味でも過般のテレビを見ていて大変不愉快きわまりなかった。そういうようなことで、ぜひ至急調べていただきたい、御返事いただきたい。委員長、理事会にもかけてください。
○塩谷主査 理事会で協議いたします。
○小宮山分科員 至急返事くださいね。 外務省の話はこれで終わります。 業務局にぜひお答えいただきたいのですけれども、何年か前に腎臓透析のアメリカでの検証、アメリカでのFDAの、あるいは腎臓学会の、厚生省のアドバイス、そういうものを、製造会社の名前は言いませんけれども、返事を出してくれと言っても二年かかった。二年かかってやっと返事をよこした。大変無礼な話であります。 そこで、一つお聞きしたいのは、ソリブジンという薬がございます。FU糸の抗がん剤であります。これは、白血球の減少が見えて、治療中一人が死亡されて、発売後約一カ月で十五人が副作用で死んだという事例がございます。これはどういう薬ですか。これは日本商事という会社が売っていると思います。
○土井説明員 お答えさせていただきます。 ソリブジンは、抗ウィルス剤の一つでございまして、主に帯状疱疹の治療薬としてヤマサが開発いたしまして、日本商事がそれを受けまして医薬品として開発したものでございます。 そして、帯状疱疹はがんの患者さんあるいはお年寄りあるいはエイズの患者さん等でかなり頻繁に起きる病気でございまして、そういったことで発売後割と短期間に広い範囲の患者さんに使われた。そして、私どもとしては非常に残念な副作用が起きたというふうに考えております。
○小宮山分科員 これはまだ生産を続けておりますか。
○土井説明員 ソリブジンにつきましては、十月十二日付で、日本商事に対しましてドクターレターを発行すると同時に、販売等を自粛するようにという指導をしておりまして、現在、製造、販売は中止しております。
○小宮山分科員 これだけじゃございませんが、ほかにそういう薬がございますけれども、今のソリブジンというのは輸出している薬ですか。通産省は御存じですか。安全課長、知らないかな。
○土井説明員 私ども外国でどのように使われているかについて詳細には存じ上げておりませんが、このソリブジンは我が国で開発された薬でございまして、現在アメリカにおきましてやはり帯状疱疹の薬として開発が進められている、まだ開発の段階でございます。そういうふうに伺っております。
○小宮山分科員 もし輸出していれば大変なことです。多分輸出の実績があるのだろうと思う。これは非常に高い薬価だと思う。インターフェロンと同じだろうと思う。インターフェロンは死亡者が出ながら輸出はしております。ぜひそのようなことがないように気をつけてやっていただきたいと思っております。 その次に、ほかの分科会でもお話をいたしましたけれども、禁煙の件でございます。 通産政務次官、アメリカで製造しているたばこを日本で売っております。アメリカは害があると言っておりますけれども、日本では害がないのでしょうか。
○金子政府委員 この外国たばこ輸入販売の問題につきまして、職務的には通産省所管事項ではございませんけれども、政務次官の御指名がございましたので、御指導いただいた先輩の小宮山先生にお答え申し上げますが、私も喫煙家の一人として、のみ過ぎはやはり健康を害するおそれがあるというふうに認識をしながら実は喫煙をしているというところでございます。
○小宮山分科員 今お答えを願ったのは、アメリカでつくったたばこは日本で害があるのかないのかということなんです。これについてお答え願いたい。わからないならわからないで結構です。
○金子政府委員 専ら私は日本たばこ愛用者でございますので、これについては勉強不足で甚だ申しわけなく思っております。
○小宮山分科員 たばこというのは、直接ではなくて、間接喫煙というのが一番怖いのです、特に妊婦が。発がん性を持っている。さきに、二、三年前に安全課長に質問した人工透析のときにも、これは発がん性の問題があったから質問して、お答えできなかった。そういう事実はございませんと言ったけれども、結論的には発がん性があったのです。人工透析は、あの食塩水が入っているプラスチックの袋の周りに塗って、る液に大変問題があるのですけれども、今この発がん性物質で問題になっておりますのは煙でございます。二次公害、間接喫煙というのが一番大きな問題で、アメリカは公共の場所ではどこでもたばこを吸わないことになっております。また、労働省がそれを命じております。レストランに行ってもしかり。ですから、通産省は輸入するところではないと言っておられますけれども、輸入は大蔵省ですか。
○金子政府委員 この輸入行為の部分については通産省も関連が物としてあるわけでありますが、地方税、間接税等の関係もございまして、これは大蔵省の所管になるというふうに承知しております。
○小宮山分科員 税のことではなくて、輸入するのは通産省も関与をしているはずです。ですから、その辺の分類がしっかりしていない。何でもたばこは大蔵省ですと。大蔵省だけじゃないのです。実を言うと通産省もかかわっている。 私は、そこが一番重要なポイントで、害がなければそれでいいのですけれども、アメリカでは害があると 公共の場所では一切吸ってはいけないのです。例えばアメリカの議会、つい最近私は豪州の国会へ行きました。あるいはユネスコ本部、ノルウェーの国会等では一切たばこが吸えません。吸う場合には外へ行って吸うという慣例になっております。二次公害というのは大変怖いというのは彼らは承知しております。間接喫煙というのですか、そういうようなことをぜひやめさせるような方向に行かなければいけない。 この五月三十一日は禁煙デーであります。そういう意味で、やはり政務次官、この機会に公共施設の中で吸わないようなPRもしていただきたいと思っております。
○金子政府委員 健康な社会づくりの中での貴重な御指摘でございます。私自身が喫煙者ということで、今御助言いただいたことを十分意に体しながら、たばこは、産業という面もありますけれども、これはいろいろな面で、健康を害さない、あるいは二次公害、環境汚染にかかわるような、そういう人間生活の職域の浄化、これらについても十分留意しながら、そうした先進国と肩を並べて恥ずかしくないような対応に大いに努力する必要があるものと認識をいたしておるところでございまして、慎重に努力させていただきます。
○小宮山分科員 以上です。ありがとうございました。
○塩谷主査 これにて小宮山重四郎君の質疑は終了いたしました。 午後一時から本分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時四十二分休憩 ――――◇――――― 午後一時開議
○塩谷主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 通商産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫について質疑を続行いたします。佐藤剛男君。
○佐藤(剛)分科員 ありがとうございます。 まず最初に、このたび政務次官に御就任されました我が畏友金子徳之介先生に心よりお祝いを申し上げます。 本日は、先生の地元の地元でもあります保原のニットであるとか川俣の絹の織物とか、そういう繊維製品等につきましての質問に重点的に絞り込みまして、どうか気楽にお答えいただきたいと思います。私は、何も本件問題で知ったかぶりをするつもりもございませんし、同じ選挙区でライバルでやっている仲でございますので、仲よくやらせていただきたいと思っております。 それでは、MFAの問題、いわゆる多国間繊維取極の運用等につきまして、お話をお聞きいたしたい。 このたび通産省の方において、私は英断だと思うのですが、多国間繊維取極の発動について勉強されて、そして民間の意見も聞いて、また省内でいろいろ反対があったやに承っておりますけれども、発動する準備態勢といいますか、そういうところに踏み切られたことについては、私はかねてより一つのルールであるからMFAというのは発動したらいいのではないかという持論を持っておりましたので、改めて皆さん方のこれまでの努力に対しては敬意を表させていただきます。しかし、嫌みを言えば、遅過ぎたということであります。 私は、多国間繊維取極、第三次取極交渉の日本政府の代表をやり、そしてMFAの骨組みをつくった本人でございます。また、国際繊維監視員、MFAの協定の中にありますテキスタイル・サーベイランス・ボディーというのですが、その監視員というのを三年間私はやっておりました。四条協定から三条協定、こういうようなものについてのレビューというのですけれども、このTSBという国際繊維監視委員会の中において全部上がってくるわけです。 こういうことの経験を踏まえまして申し上げると、第一は、これは一つのルールだから、協定という国際的な取り決めを行って、そしてそこに参加した。必要だから参加したのだから、そのルールに従って運用を行えばいいのだというのがアメリカの態度でありますし、またECの態度であります。その結果、もう既にアメリカ、ECはほとんどの発展途上諸国を相手に四条協定を結び、そして、国内においての繊維の急激なる輸入増大というものに対応してきたわけであります。 ところが、日本の場合といいますのは、協定の要件を見れば十分該当しているのにもかかわらず、日本というのは貿易立国である、自動車あるいは機械で金を稼いでおるということで、それが先行しているわけであります。経常収支の黒字千五百億ドル近く、こういうような状況だと言うと、いやそういう中で、繊維という、しかも日本の近くの東南アジアの地域が主要なる生産地、日本を含めて世界の大体六割くらいの生産地でしょう。そういうところに対して発動するのを全く遠慮してきた。ですから、ある意味では法律の運用というのをまじめにやっていなかった。 これは、日本というのは貿易立国であるという一つの旗印で、通産省内部においても通商政策局と原局と意見が違うし、恐らく政府内においては、外務省もおることだし、原局の意向あるいは苦しんでいる業界の意向というのがなかなか反映できないで今日に来たのではないか。その意味で、後でお聞きしたいのですが、非常に浸透率も上がってしまった。それから、輸入の面での影響で、金子先生の地元の地元、保原でニットというのは非常に今苦しい状況にあります。そういうようなことになっておりまして、全国的なことになっておるわけです。 それで、私の第二の問題で一番大きいのは、次官、単に発展途上諸国、東南アジアから入ってくるという一般論というのはあり得るのですが、入ってくる最大の集中はどこかと言えば中国なんですよ。ほとんどすべての品目で中国が大半を占めておるという事実であります。保原でも、中国に工場を持ってそれを逆輸入しているという工場もあるくらいですから、ここら辺は次官は御存じだろうと思いますけれども、そういう日本の繊維、ニット関係にしましても繊維関係の構造がそうなっているのですが、一番忘れてならないことは、中国という国は自由主義の経済とは違う、共産主義の経済だ。市場メカニズムが働かないのです。市場メカニズムが働くというところにおいて、国際的な競争力というのは相互に自由貿易を言い、輸入制限を外していこうという形が出るわけであります。 次官、中国はまだガットにも入っていませんでしょう。しかし、多国間繊維取極のMFAには入っておるのです。これは、第二次までは入っていなかった。いなかったけれども、MFAに入らないといろいろな面で不都合が起きる、損をする。むしろ、MFAという協定の中の枠に入った方が、アメリカとの交渉にしてもECとの交渉にしても、世界的なマルチラテラルの場で議論をやって検討してくれる。二国間のバイラテラルでやるよりも、多国間でやってしる方がいいということで、途中入学したわけであります。しかし、まだいわゆるガットなるところには入っていない状況にある。その点はよく外務省も通商担当関係の局も理解をしておかないと、日本は貿易立国だ、貿易立国だと言ってその旗ばかり掲げていると、とんでもない形になるわけであります。 一例を示します。ヨーロッパは、かつて共産圏の東欧諸国、ハンガリーとかブルガリアとかルーマニアとかチェコスロバキア、これは地続きです。地続きであって賃金が安かった。ベルリンの壁の崩壊がなかったときには、きちんとそういうところとは取り決めをやって、彼らをMFAに入れて、そして特別扱いをした。MFAの中でも厳しい運用をやってきております。アメリカもしかりです。共産圏については特別なんです。ですから、特別なんだということをまず一つ重点に、関係者は頭に置いて運用しておくことができる。 その特別というのはどういうことかというと、MFAの一番有利なところは、特定国に対してセーフガードを発動できるということなんですね。政務次官、ガットとMFAの一番大きな違いはどこにありますか。
○金子政府委員 その差は何かという委員の御指摘でございますが、特定国に発動できるものと区分されているわけであります。
○佐藤(剛)分科員 そうなんですね。MFAというのは特定国をねらえるのです。ガットの十九条というのはセーフガード条項があるのですが、これは中国だけというわけにはいかぬのです。中国からのものが入ってきても、すべての輸入国との間で交渉をして、代表交渉をしてやらなければいけないというのがガット十九条、これがセーフガードの条項です。それではなくて、MFAというのは、特定の国からたくさんの、シャープ、鋭い、あるいはサブスタンシャルとも使ったりするのですが、そういうことによって国内の繊維産業が非常にスレットを受ける、驚異的なる脅威を受ける。そういうふうになると、ある場合には一方的にとめることもできるのでしょう。これがMFAにちゃんと書いてあるのです。 MFAの三条がありますね、それから四条というのがある。三条と四条の違いはどこにあるのですか、政務次官。
○土居政府委員 四条の方が合意に基づきます協定で実施するものでございまして、三条の方は輸入国における一方的な輸入措置でございます。
○佐藤(剛)分科員 そうなんですね。ですから、三条というのは、一方的にあるときに輸入が急激にふえてしまったら、MFAの議長さんに報告したりしなければいけないという手続は要りますけれども、一定の期間はとめることができる、一方的に。例えば、中国から入ってきているときに三条を発動できるのです。それから四条の方は話し合いで、四条協議ということでできるのです。三条を発動してから四条に移るというこのやり方というのは、それほどおかしな話じゃないのです。通産省、それはよく検討しておいてください。 今後の運用の中において、最初から四条の話し合いにいくのも結構だけれども、そういう形で、話し合いも、申し込みに行ったけれども受け付けてくれないという話のときには、三条をかけちゃうのだ。期間は一年一年限られているけれども、ぽんととめてしまう。それからおもむろに出かけていって、四条交渉にいく。 ただし、三条の規制を発動しますと、私がやっていましたジュネーブの国際繊維監視委員会、テキスタイル・サーベイランス・ボディーでヒアリングします。発動した方の国、日本が中国に発動したならば、日本と中国を呼びます。そして、一種の裁判官の役割をこの八人の代表と議長とで行うわけであります。そういうメカニズムになっているのです。一種の裁判所みたいな役割です。そして、このときに市場撹乱があるかどうか、英語でマーケット・ディスラプションと言うのですけれども、それについての点検を行っていくわけです。そのマーケット・ディスラプションというルールの中には、輸入浸透率もあれば、一定期間の間に急激に輸入がふえてくる、倒産する、こういうようなものが一つの条件としてあります。 日本の繊維の関係の輸入が輸出よりふえ出したのはいつからですか、まずそこから伺いましょう。
○土居政府委員 繊維の貿易バランスが入超に逆転いたしましたのは、統計上、ドルベース、円ベースありますけれども、一九八七年というふうに見ております。
○佐藤(剛)分科員 そうなんですね。一九八七年を境にして、日本は完全に繊維の輸入国になってしまった。ことしは一九九四年でしょう。八七年のペースからどれだけ輸入がふえていますか。余りにも多く放置しておいたから、業界あるいは金子先生の地元の保原、ふうふう言って苦しんでおるじゃないですか。ここのところが非常に重要な課題であって、遅かりし点ではなかったかという感想を私は申し述べているわけであります。 国際的にルールがある。しかも、マーケット・ディスラプションという要素の中に入っている。しかし、日本は貿易立国だ、貿易立国だと言っていたので出せない。あるいは中国に対する気遣いがある。とかく隣の国だから何か気遣いばかりするわけですけれども、ルールはルールなんです。そのルールのために中国は入ったのですから、遠慮することなく、MFA発動の条件について四条協議をやりたいという申し入れをきちんとやるべきだ。 私が申し上げているのは、すべての国にやれなんて言っていないのです。インドに対してやれなんて言っていないのです。韓国に対してやれなんて言っていないのです。中国という国はプライスメカニズムが働かないのだから、資本主義の原理のコストのあれが働かないのだから、そのくらいのことをやってしかるべきだろうと思うのですが、次官、どのようにお考えですか。
○土居政府委員 遅かりしというお話でございますが、いずれにしても産業構造はどんどん変わっておりまして、日本はいろいろと繊維以外の非常に生産性の高い産業が伸びていって、日本の国内でも産業構造は変わっております。一方、中国を初めとした経済圏は、繊維産業のような労働集約的な部分を多く占める産業を中心にしながら大きく発展を遂げているわけでございます。したがいまして、日本としては、その置かれた国の立場からアジアの発展に協力する、それは具体的には中国の繊維産業の発展に協力するということでもございます。 そういうことで、貿易バランスについては、入超になったからけしからぬというスタンスは通産省としてもとってこなかったわけでございまして、ほかの産業で輸出もしております。繊維については、分業関係の中で、日本としては中国の発展に協力しながら、日本は日本としてのものを守っていくということでございますから、これまでの通商政策についてはそういう判断をしてきたわけでございます。ただ、今非常に厳しい状況にあるということで、今回の答申をいただいたというふうに受け取っております。
○金子政府委員 佐藤委員、この問題につきましてはもう熟知された上でのそれぞれの御指摘であります。ただいまいろいろと御指摘いただいた内容、まず基調として、我が国は主権国家としての貿易立国であるけれども、特定業界がそれによってスケープゴートにされるようなことのないように、これから十分バランスをとりながら配慮をしていかなければならない、そのように考えております。 特に、プライスメカニズムの全く違う共産圏等の国との貿易に当たっては、そうした面を、例えば援助という面もあれば、またお互いの国の友好関係を損なわないような形のものも、また安全保障上必要だということもあるかと思いますが、繊維問題等については極めて厳しい状況にある。私も産地出身の佐藤委員と全く同じ立場でございますから、そうした意味で、今回通産省が、おくればせという御指摘がありましたけれども、私としては、繊維のセーフガード措置、これはもともと国際的に認められている権利でありますけれども、その国内での取り扱い方法が必ずしも明確でなかったというようなことで、先般繊維産業審議会の通商問題小委員会で提言が取りまとめられた、そしてそのルールの作成に向けて方向性が示されたということについては、高く評価をいたしているわけであります。 その中で、我が国が置かれている国際的立場、規制緩和の流れにかんがみまして、繊維セーフガード措置の発動に当たって国際協定上必要とされるそれぞれの要素、先ほど御指摘ありました。例えば市場の撹乱の大きさに関する技術的判断、あるいは発動に伴う効果と問題点の比較衡量に基づいて政策的判断を行った上で、発動の是非を総合的に判断することが求められているということ、これも御承知のとおりであります。 通産省といたしましては、この提言を参考としながら、今後関係審議会の意見も聞きつつ各方面の動きを見、時期を見て手続の整備等、省としてのルールの作成を早急に行いまして、その上で、具体的案件の発動の可否についてはルールにのっとって総合的観点から判断をして、きたいというふうに思っております。
○佐藤(剛)分科員 今般の土居生活産業局長の努力は、私は非常に多としているのです。よく踏み切った。また、関係課長の努力、大変だったと思います。そういうことを前提にしてこれからの運用について、私、応援演説しているようなものですから。ちょうど次官も保原ですから、一緒にやりましょう、そんなことであります。 それで、今通産省の方でこの繊維関係の中で、言いにくい点があったら言いにくいと言ってもいいのですけれども、どんな品目を描いているか。繊維といったって幅が広いわけだから、考えているMFAの対象品目、どんなものを頭に描いて、どういうふうな浸透のあれが来たときにやるかということがないと、単に発動条件の抽象的なことを言っていても、英語で言えばマーケット・ディスラプションの話なのだから、要素はどういうファクターが来たり、いろいろ雇用が減りましたとかなんだとかとやってくると、そんなに減らないような状況が出てくるかもしれないから、私は、一番大きいのは、ある一定期間をとって、輸入浸透なりするという品目、これは恐らくもう既に全体で百億ドル近く輸入が超過しているわけでしょう。 そこら辺のところで、今後の進め方というのをちょっと事務的に、土居局長、お聞かせ願えますか。
○土居政府委員 委員御承知のとおり、今回の提言は一般ルールの作成に関するものでございますので、特定製品とか特定国のものを対象にして議論をしたということでは必ずしもないわけでございますが、ただ、小委員会の審議の過程でいろいろ業界からもヒアリングをさせていただきました。それで、繊維といっても範囲が広うございまして、綿から合繊から絹、麻と、いろいろ素材別にも違いますし、工程別にも糸から製品までありますが、いろいろと業界のヒアリングの中で、業界の声として、今輸入について非常に厳しい実態があるとして議論をされたものとしましては、綿関連の製品、糸とか織物とかあるいはタオル、ニット、こういったところでございますが、それと合繊ということでございます。
○佐藤(剛)分科員 綿の話が出たからちょっと余計なことを言いますが、綿糸というのは御承知のようにパキスタン、それでパキスタンとの間にアンチダンピングみたいな話があったくらいですから。そうすると、中国に向けたというとパキスタンの方がシェアが大きいはずです。そういう面で、私は余り発動の範囲というのは広げない方がいいと思う。発動の範囲は国ですよ、そのためのMFAなんだから。それから、綿糸の問題については、かつてパキスタンとの間でアンチダンピングをやろうというようなことで日本が準備したこともあって、取り下げたり向こうもしたわけですけれども。 中国という問題について、私はここではっきりと言います。中国についてMFAを発動できなかったら、日本はMFAから脱退したらいいのです。MFAから脱退する。それができないようだったら1日本はMFAから脱退したからといってガットから脱退するわけじゃないから、そのくらいの腹構えを持ってやられたらいい。 それから台湾。台湾というのは、必ずどこかをやりますとディストーションを起こすのです。迂回生産というのを必ず起こす。例えば中国をねらって中国からのものをとめるわけじゃないのだから、このMFAというのは。誤解しないでくださいよ。必ず伸ばすわけだから。対前年度の、協定自身は六%と書いてあるけれども、もう今や大体ゼロだとか一%の伸びだとか、あるいはひどいところになるとアメリカと東ヨーロッパなんてもうマイナスですよ。マイナスだけれども、全体として協定に合致してますという、四条協定に合致してますということ、英語で言うとオン・オーバーオール・タームズと言うのだけれども、そういうことでTSBを通しているケースがたくさんある。 だから、そういうことがきちんとできなければ、何のためにやっているのか。あるいは過剰なる期待を繊維業界に与えることになるし、その点だけは私は、示しをつけた方がいいと思う。だから、共産主義でコストプライスが働かないところ、そういう面を重点的にやっていただきたい。余りパキスタンにとばっちりが行ったり、ほかのところに行ったりしないように。 それから、台湾の場合にはMFAに入っていないでしょう。だからそのときにどうするのかということも、親心だけれども私の経験で、ひとつどういう形でするのか。アメリカは台湾との間に中国と似た類似の協定を、二国間協定とというのをやっています。ヨーロッパもやっているはずです、私は最近のことは知らないけれども。そういうものの勉強をきちんとやっておいてください。そして、一つ一つ進めていくこと。 それからもう一つつけ加えますと、韓国の場合にあったのですけれども、日本が韓国からの輸入が随分ふえたときにあったのですが、業界から出かけていって向こうに自主規制をやらせたケースがある。そうすると、中国の場合に、例えば日本が三条を発動しますよなんて言うと、向こうは、じゃ自主規制やりますよ、日本向けの輸出をちゃんと限ってやりますから、一遍に押さえ込みするのはメンツが断たれますから、というような話が出てくるかもしらぬ。これはよくあるのです、交渉の過程の中に。しかし、これはいろいろな点を考えなければいけないですけれども、あくまでも国と国との関係はルールですから、ルールについては遠慮なくて構わないのだから、貿易立国はMFAを発動するななんて書いてないのだから。それもかんがみてというのが表の第一章なんかには出てはいるけれども、あれは何ら拘束要因じゃないですから。 その点を自信を持ってひとつ繊維行政をやっていただきたいということを申し上げまして、そして最後に土居局長の抱負を聞いて、私はこれで応援演説を終わらせていただきます。
○土居政府委員 今お話しの国際ルールであるということはそのとおりでございますが、実はこの提言では、国際ルールではあるけれどもこの運用については慎重にも慎重をと、消費者の問題あるいは発展途上国との関係、そういったことから、国際ルールに上乗せした非常に厳しい慎重な運用基準になっております。その辺を総合的に判断して、今の先生のお話も含めて、しかし答申の趣旨を十分踏まえながら、しっかりと運用をしてまいりたいというふうに考えております。
○佐藤(剛)分科員 終わろうと思ったのだけれども、慎重過ぎると物は動かないから。いいですか。要件をつくっておいて、発動要件をつくったって、抽象的なあれが来ると、局長さんがあなたのように決断力のある人ならいいけれども、また局長さんが別の人が出てきたり、そうすると今度は発動するのにちゅうちょする人もいるかもしれない。ですから、その意味においては、いろいろ大変だろうと思うのですが 腹を決めて取りかかっていただきたいということをお願いし、金子政務次官のさらなる御活躍をお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。 本日はどうもありがとうございました。
○塩谷主査 これにて佐藤剛男君の質疑は終了いたしました。 次に、日野市朗君。
○日野分科員 どうも御苦労さまでございます。 何か厳しい口調で応援演説をしていただいていたようでございますが、私も応援演説のつもりでやらしていただきます。 地球の温暖化などということが非常に問題になりまして、CO2の排出についていろいろ問題とされておりますが、CO2の排出なんというと、でかい工場やなんか、それから交通機関なんかもありますが、家庭から排出されるものが実はばかにならないのでございまして、また、厄介なことにこれがどんどんふえているという現状でございますね。我々は、自分たちの周辺におけるCO2の排出であるとかまたはごみの処理であるとか生活雑排水、そういったものについて関心を持たなければならない時代に今暮らしているわけでございます。そういう点で、いろいろなところで、特に家庭から出るCO2についての関心の高まりというものを背景にしながら、よりよい住宅というようなものに対する検討が今進んでおります。 通産省では、八九年から七カ年計画で二十一世紀型住宅開発プロジェクト、これはWISH21というふうに呼ばれているものでありますが、これに今取り組んでおられる。私は、この取り組みというのは非常に時宜を得たいい取り組みだなと思って、実は注目をしておりました。その内容について少し御説明をいただきたいというふうに思います。
○土居政府委員 通産省におきましては、今委員御指摘のように、平成元年度から七年計画で二十一世紀型住宅開発プロジェクトという技術開発事業をやっております。 その中身は、大きく言って三つございます。第一点は、住まい手参加型の住空間設計シミュレーションシステムの開発。第二点が、高機能の建材や住宅設備、さらには革新的な工場生産、これらのための諸技術の開発ということでございます。三番目は、先導的な住宅用エネルギー有効利用システム、これを行っているわけでございまして、平成四年度までに要素技術の開発を終了いたしまして、平成五年度は総合システムの開発に移行したところでございます。今後は、六年度に総合システムの開発を終了して、平成七年度に総合評価を行う、こういう段取りになっております。 なお、平成六年度から次の生活価値創造住宅開発プロジェクトという技術開発プロジェクトを開始すべく、平成六年度にフィージビリティースタディーを開始するということを考えております。
○日野分科員 特に、エネルギーの関係に関連して伺いたいと思います。 エネルギー評価最適構成技術システムの開発というのが一つございますね。それから、エネルギー総合利用コントロールシステム、この二つのシステムの開発を行っているというふうに伺っておりますが、これはどんなもので、どの程度まで現在は進んでおられるのでしょう。
○土居政府委員 事前の通告がなくてちょっとあれだったものですから、今御指摘の点、これでお答えになっているかどうかでございますが、エネルギーの有効利用システムの開発の関係につきましては、効率的な熱利用回収の実現ということ、それから二番目に自然エネルギーの最大の利用、三番目に電力負荷の平準化の実現、さらに最後に機器システムの総合的なコントロールといったことで、テーマを分けて研究をしているところでございます。
○日野分科員 それで、この研究の過程で新工業化住宅生産技術システム開発技術研究組合という組合ができているということでございますね。これの構成、それから組合がどのような仕事を具体的にやっているのか。これはいかがでしょうか。
○土居政府委員 このプロジェクトに参加しておりますのは約四十社弱の民間企業でございまして、ハウスメーカー、ゼネコン、家具、電力・ガス会社、あるいは建材、設備機器メーカー等々異業種の関連の各企業が入っておりまして、それで組合を形成しているわけでございまして、この全体の技術開発をこの組合を通じて統括的に実施していくという体制になっております。
○日野分科員 では、今度は建設省の方に伺いましょう。 建設省では環境共生住宅のプロジェクトをつくっておいでになりますね。そのプロジェクトの概要をちょっと説明してください。
○社本説明員 私ども建設省では、御指摘のような地球の温暖化防止であるとか、こういう観点から、エネルギーを、太陽熱を利用するなど省エネルギー化を図ったり資源を有効利用したり、また、水の循環など自然との調和を図ったようなそういう住宅団地づくり、こういうものを環境共生住宅と呼びまして、その推進を図っているわけでございます。 もう少し具体的に申し上げますと、具体的なモデル住宅団地におきまして、地方公共団体と連携をとりながら、住宅の屋外について、透水性舗装と言いまして、水が下にしみるような舗装であるとか、緑化した人工地盤をつくるというような、公共施設の整備に対して補助を行います環境共生住宅市街地モデル事業というものを平成五年度から創設しております。昨年度は八地区で実施いたしております。 今申し上げましたのは、団地の主に公共施設に対する補助でございますが、それとあわせまして、住宅に対しましては、パッシブソーラーであるとか住宅の断熱化であるとか太陽電池であるとか太陽熱温水器だとか、そういったようなものを設置した住宅に対しては、住宅金融公庫におきまして通常よりたくさんお金をお貸しするという、割り増し融資と呼んでおりますが、そういう仕組みで融資などを実施しまして、その普及を図っているところでございます。
○日野分科員 これは、ガイドラインをつくるという計画でございますね。そのガイドラインはつくったのでしょうか。そして、それは公表されたのでしょうか。公表されたとすれば、その主なところをちょっと述べてください。
○社本説明員 そのガイドラインは既に公表いたしておりまして、先ほどちょっと申しました省エネルギーについての基準、それから自然エネルギーの活用についての基準、それから資源の有効利用及び廃棄物の削減についての基準、あと自然環境など周辺環境との調和に関する基準、それから最後に居住環境の健康性であるとか快適性などに対する基準、全部で五つの基準をつくっております。
○日野分科員 これは、理想的な住宅といいますか、住宅の概念図みたいなものをおつくりになったことがございますね。その概念図に基づいた第一号住宅なんかは、早ければ九二年中に建設をしたいという非常に意欲のあるプロジェクトの仕事をやっておられたのですが、第一号住宅はもうできたのですか。
○社本説明員 住宅団地というのは昨年から補助をするような形でやってまいりましたので、一戸の住宅といたしましては、既に北九州市で昨年、いろいろな概念を導入した、太陽熱を利用したり屋根の上に植物を載せたり、こういうものを既に建設済みでございます。モデル棟としては北九州市で建設されているということでございます。
○日野分科員 それから、ガイドラインでつくった住宅、そのガイドラインに合うような計画であるとか設計であるとか、そういうものに対する補助という活動もやっておられますね。補助金を出しておられる。その補助金はどんなふうに出しておられますか。
○社本説明員 先ほど申しましたガイドラインに沿った住宅は、先ほど補助制度を申し上げましたけれども、その補助制度、簡単に申しますと地方公共団体と国が一緒になって、屋外施設についてですけれども 屋外施設に対しまして補助をするという形で実施をいたしておるわけでございます。
○日野分科員 先ほど通産省のときにもちょっと伺ったのですが、やはりいろいろな民間の企業、それから東京都とか住宅・都市整備公団だとか住宅金融公庫なんかも入って研究会をつくっておられますね。どんな研究会をつくっておられて、どんな仕事をしておられてということをちょっと説明してもらえますか。
○社本説明員 この研究会は建設省がお金を出して何かやっているという性質のものでございませんで、関係団体、財団法人が民間の企業等と一緒に話し合いをいたしまして、お互いの技術であるとかいろいろなものを持ち寄って、全体、先ほど言いましたような環境共生住宅というものをどのように実現するために評価していったらいいだろうかというようなことを、民間企業及び公団などが集まって勉強をなさったということでございます。
○日野分科員 これと建設省とはどういうかかわり合いになるのですか。
○社本説明員 建設省も、私どもの関連の財団法人でございますので、建設省で施策として生かすべきところは建設省の施策に生かせるようにということで、一緒になって勉強はさせていただいております。
○日野分科員 通産と建設、二つのプロジェクトについて、それぞれ持ってやっておられることについて今ずっと伺ってきました。私は決してこういうことをやることに水をかけるつもりは全くないのですよ。通産省でもやっていただいておられる、建設省でもおやりになっている。その着眼も非常に私は適切だろうと思いますし、それぞれ、建設省は環境共生住宅研究会をお持ちになる、それから通産省の方は、ちょっと長い名前だが、新工業化住宅生産技術システム開発技術研究組合というものをお持ちになっておられる。役所の持っておられるいいところ、それから民間の持っているいいところをそれぞれ生かされているのだろうと私は考えております。 しかし、この二つのプロジェクトを見て、私は非常に似ているなと思うのです、両方とも同じようなことをやっているなと。それぞれ、建設省から見た場合はこういう見方でございます、通産省から見た場合はこういう見方でございますという形になるのでしょうが、非常に同じようなことをやっている。両方ともいろいろモデルの住宅を、概念を考え、そしてその後建設などももう既に手がけておられるわけですが、予算まで大体似ているのですね。予算というか金目ですね。環境共生住宅研究会の方は九〇年十一月に設立て、そしてこれは三カ年ということでしょう。二億八千万の事業費だ。それから通産省の方でやっている組合というのは、これは七年間ですね。七年間で、予算は大体百億ということですから、金の規模も大体似たようなものです。 こういうのを見ておりまして、私、それは一つのことでもいろいろなところでやるということにも意味はあるでしょう。しかし、国の機関が同じようなことをやっておられるということは果たしてどのようなものだろうというふうに思うのですが、それぞれの役所の方でどうお考えになっているか。
○金子政府委員 日ごろ大変御指導いただいております日野委員からの適切な御質問も今ございました。住宅に関してそれぞれの取り組みがあって、同じ目的ではないか、あるいは並行しながらそれぞれやることに意味を認めるが、もっと効率的にという、こういう行政のあり方についての御指摘でございます。 通産省の一連の住宅関連技術開発の推移を見ますと、昭和五十一年からそれぞれ始まって現在に至っているわけでございまして、低廉かつ良質な二戸建ての住宅の供給を五十一年から四年間ほどハウス55プロジェクトでやってきた。 また、五十四年から調査が始まって、一戸建て住宅の内容、質的な向上というか、よくこの時代からクオリティー・オブ・ライフというような言葉が出たわけでありますが、これが昭和六十年まで続いておりましたが、そのうちやはり住宅難というようなことで、五十九年からは良質な都市集合住宅の供給というテーマでそれぞれ検討を進めて、平成二年までこれが行われておりました。 また、平成元年からは、一部オーバーラップしながら工業化住宅の生産技術システムの抜本的な改善ということを目的にしながらの技術開発を進めてきておったわけであります。 当然、その経過の中で、ハウス55プロジェクト、五十一年から五十四年まで建設省と共同でこれは実施をいたしておるところでございます。また、平成五年度からの高気密、高断熱住宅用の空調換気システムの開発をこれまた建設省と協力しながら進めておるところでありまして、本年度より着手予定の生活価値創造住宅開発プロジェクト、これについても可能な限り建設省と連携をしながら行政効果を上げていきたいという考え方でいるわけでございます。 今後とも、住宅に関する技術開発については、やはり一番は建設省との連携を深めていきたい。特に省エネ住宅と言われるエネルギー関連もございますし、また快適な人間工学的なこれからの住宅のあり方についても、新しい分野としてそれぞれ検討を進めなければならないわけであります。 また、それぞれ住宅を建設するのに、これは国民にとってどういうふうな融資政策がいいかというような多角的な面からのそれぞれの対応、対策も必要でございますので、関係各省とも通産省としては十二分の連携をとりながら進めさせていただきたい、そのように考えております。 〔主査退席、小森主査代理着席〕
○社本説明員 建設省でございますが、このような研究開発が今ダブっているのではないかという御指摘かと思います。 私どもというのはちょっと適切な言葉ではないのですが、先ほど先生が御指摘のあれは、民間の企業がお金を持ち寄って、自分たちの持っている各企業の技術などを具体的に住宅建設に生かすにはどうやっていったらいいかというのを、知恵を出し合うというふうな場でございまして、予算的にも二億強ということで、御指摘のように通産省の基礎的な部分からずっと発展しております百億ぐらいのお金をかけている開発とは、私どもの方はちょっと色彩の違うものだ、こう思っております。 しかしながら、やはりこれまでも、次官から御説明ございましたように、必要なものは一緒にやってまいっておりますし、これからもそのような態度で臨みたいと思っております。
○日野分科員 それぞれいろいろ趣が違うところがございますね。しかし私は、一緒に、民間の活力なども十分に入れながらやっているという点では非常に敬意を表するわけですが、同じような目的を持ったものというのは統一してやっていくという観点が必要だろうというふうに思うわけですね。 特に、建設省の住宅の概念図なんかを私も時々眺めさせていただいているのですが、ちょっとごてごてし過ぎているのですね。ごてごてしていると言うと表現が悪いかな、少し欲張り過ぎていると言うべきかなというふうに私なんか見ております。 特に、エネルギーの仕様なんということになりますと、樹木から、それから屋根の上に草を植えるとか、ソーラーを入れるとか、それはみんなやりたいという目的はわかるのでございますよ。しかし、これだと余りいろいろなものを取り込み過ぎて、一つの設計ができ上がってみたら、とても一般の住宅には向かないというようなものが出てきてしまうのではないかしらというような心配を私非常に強く持ちます。 もっと簡単に、もう既に省エネ住宅みたいなのを売り出しているところがあるわけですね。住宅メーカーなんかでございます。そういうところとの交流というのはうまくいっているのでしょうか。通産、建設両省にちょっと伺っておきたいと思います。
○土居政府委員 国の研究と民間のいろいろな新しい試みとの関係でございますけれども、先生御指摘のように、国の方は基礎研究とかあるいはそれに近い実証研究とか、こういった段階を担当しておるわけでございますが、民間の場合は、その上に立って、これを実際に具体的に商品として売っていくという段階でいろいろと研究開発をしておられるわけでございまして、省エネ住宅関係についてもそういった、一応もう技術的に商品化のめどがついたものについて、それぞれの企業の戦略、特殊性に応じて、さらに応用面での技術開発をやりながら、いろいろな省エネ関係の住宅設備あるいはその住宅自体を展開しているわけでございます。 国の場合は、そこに至らない、いわゆる先導的な分野について研究をするということでございまして、基礎研究のところはかなり国が大きくかんで委託をしてやっていくということでございますし、さらにその次の段階にまいりますと、民間の活力を使いながら、民間の負担を入れながら、補助という形で、国が少し関与する形でやっていくということで、研究開発の段階に応じて民間とテーマを分けて進めているところでございます。
○社本説明員 建設省といたしましては、住宅に関しては、建設したり供給したり、それから維持したり管理したりというような全般にわたりましていろいろな施策を組む、こういう観点から、例えば省エネルギーという問題に関して言いますと、御指摘のような、例えば太陽熱を利用した、民間企業がやっているようなもの、これが普遍的な技術である場合は、例えば住宅金融公庫で、現在でいいますとパッシブソーラー割り増しという制度を持っておりますれども、通常より百五十万円ぐらいたくさんお貸しする、こういうことで、普通よりたくさんお貸しするという形で普及なり国民への理解を求めていく、こういう形で、主に民間企業と最終需要者の間をつなぐという形で助成をしているという形でございます。
○日野分科員 民間の方はもう既にかなり進めているわけですね。例えばある住宅メーカーだと、これは九〇年の十一月に既に発売しているわけですが、省エネルギー住宅システムなんというのをつくりまして、昼間は太陽電池で発電をしてバッテリーに充電をしておくというような形をとったり、これだとエネルギーの自給率は大体八五%だというような実証的な数字がありますね。 そのほかに、例えば太陽電池なんかも、ことしの予算だと大体千戸ですか、太陽電池を備えつけた住宅に対する補助をするというようなことになっていますが、屋根がわらの中にもう太陽電池を入れたりしているかわらメーカーなんかもあるわけですね。 こういうものを建設省や通産省でそれぞれのプロジェクトの中で、これはそのプロジェクトの中から出てきた技術じゃなくて、もうそれと別のところからどんどん進めているという実態じゃないのでしょうか。いかがでしょう。
○土居政府委員 基本的にはそういうことではなくて、やはりこれまでのいろいろな太陽熱関係の国の研究、これは住宅の研究の前のいろいろなエネルギー関係の研究もございました。そういったエネルギー問題については日本は非常に厳しい状況にございます。それからCO2の問題も、将来の状況、非常に厳しいものがございます。 したがって、民間のエネルギー需要の見通しというのは非常にこれから伸びてまいりますので、国を挙げて省エネルギーの技術開発をしていかなければいけないわけでございますけれども、これまでのいろいろな今のような太陽熱の研究、こういったものがようやく民間の手で応用できる段階になってきたというふうに考えておりまして、確かに今先生がおっしゃったように、屋根なんかに太陽熱を集光する太陽電池を置くということは、これはもうコマーシャルベースに乗るようになってまいりました。 しかし、それにしてもコストが高い。これはやはり普及しませんとコストが安くなりません。したがってこれは、普及することはエネルギー政策上も非常に重要なことでございますので、この普及の初期段階についてはやはり国が普及促進についててこ入れしてやっていくということが必要でございまして、技術開発は進んでおるのでございますが、普及のための対策も講じておる。 一方、屋根の上は、それは載っけるだけでいいんですけれども、壁とか窓ガラスという話になりますと、構造的な強度の問題というのは、これは技術開発要素がまだ解決しておりません。こういった問題はなかなか、民間にゆだねておくということになりますと、エネルギー対策上も省エネルギーが進まないということになりますので、そのあたりをまさに今、あるいはこれから研究をしようということでございます。
○社本説明員 今通産省の方から太陽電池などの技術として可能になったものの普及のお話がございましたが、建設省といたしましては、このようなものの普及について、やはり技術があるからということだけではなかなか難しい面がございまして、やはり最終的にそれを取りつけたものが長いこと維持管理ができて、個人の方の負担もかからないといいますか、普遍的な技術になったものにつきまして住宅金融公庫融資というもので優遇するというような形で普及の推進を図るということで、これまでもやらせていただいております。
○日野分科員 両省の立場を了とするところなんですが、さっきも言ったように余り欲張り過ぎて、例えば建設省の環境共生住宅の概念図なんかに見られるように余り欲張り過ぎてしまうよりは、こういう民間でどんどん進められているようなものをむしろ取り入れて、さらにそれをコマーシャルベースに乗っけていくというような研究の方にむしろ力が注がれるべきではなかろうかなと、私は感想として持っているのです。いかがでしょうか。
○社本説明員 委員にお示しいたしました環境共生住宅の絵といいますか具体的なモデルというのは、本当にモデルでございまして、今できる技術をすべて入れてつくってみたということでございます。これは北九州市でつくったものですが、昨年十月から住宅月間という日本全体の催しがございまして、その場でそういうものを展示しまして、今でもまだ残っております。今でも皆さんごらんになっているわけですが、こういうことができるんだということを見せ、その啓蒙普及を図ろうということで、それは現に住んでいるわけじゃなくて、住宅展示場のハウスということでお示ししたものでございます。 その中のいろいろな技術、例えばパッシブソーラーであるとか具体的な断熱構造化というような技術とか、そういうものは、ばらばらにいたしまして住宅金融公庫の方で、断熱構造にしたら優遇しますとか、全部やらなくても一つ一つの要素で、委員ごてごてというお話がございましたが、ごてごてしないで一つ一つのことをやった場合でも優遇していくという形で実際の運用は図られております。あくまでも委員がごらんになったものはモデルということでやってみた、かつ皆様にお示ししているものである、こういうことでございますので、御理解いただければと思います。
○日野分科員 実は、パッシブソーラー割り増し融資が住宅金融公庫でなされているという話は、きょう初めて私伺ったのですが、建設省にしても通産省にしても、やはりアクティブソーラーの方に傾いた研究が従来なされがちではなかったろうかというふうに思うんです。もうパッシブソーラーの住宅も、神戸市の住宅供給公社なんかが分譲住宅としてかなりやっておりますし、それから各地の業界がかなりこれに取り組んでいて、大体一千戸ぐらいのものができているんじゃないかと私考えておりますが、もっとパッシブソーラ一型に特に建設省の環境共生住宅のプロジェクトの中では重きを置くべきではないかと実は私は考えてきたのですが、いかがでしょうか。
○社本説明員 パッシブソーラーハウスにつきましては、私ども余り御説明してなかったのが悪かったのかなと思っておりますが、昭和五十五年から、住宅金融公庫融資で普通よりたくさんお貸しするという仕組みでやってきております。したがいまして、神戸市の公社などが取り組んだものも、公社でございますので、公庫融資等で優遇されて建設されたという形のものでございまして、私どもも、アクティブソーラーと一緒にパッシブソーラーというのは、もっと歴史的に前から割り増し融資をして、断熱構造化とあわせて省エネルギー化を進めようということでやってきた施策でございます。
○日野分科員 アクティブソーラーだのパッシブソーラーというのは、ちょっと勉強している人はわかるけれども、なかなかわかりにくいということもありましょうし、やれ省エネだ、太陽熱の利用だというとやはりアクティブに使っていくことばかり考えていて、それをうまく利用して省エネ住宅のようなものをつくっていくというような考え方、例えばパッシブソーラー型であれば、住宅をつくるとすると、人間が生活をするについては気温は大体二十度ぐらいが基準だ、それを基準にして、それを保てるような形でエネルギーの供給または削減を考える 何も二十度くらいの気温を得るために二千度も出る化石燃料を燃やすことはないですよという非常に魅力的な考え方なんですが、こういう物の考え方が、住宅のみならず、あらゆるところに進んでいくということが私は必要だと思うのです。 ちょっとこれは質問通告に入っていないので恐縮なんですが、特に通産省のエネルギー問題の考え方として、こういう考え方は取り入れてやっているでしょうか、いかがでしょう。
○土居政府委員 通産省の方は、従来、主として集熱板とか蓄熱槽などの設備を使って太陽熱を利用するというアクティブ方式ということがメーンだったわけでございますが、このほかにも、資材自体の断熱性だとか、いろいろな研究開発をやっておるわけでございます。 今御指摘の住宅の構造を利用して太陽熱を活用していくシステムということ、これは建設省が主としてやっておられたわけですが、これについても非常に重要だと思っております。ただこれは、パッシブ方式の場合は設計段階から採用しなければいけませんので、新築の住宅しか適用できないとか、あるいは装置を設置する場合の費用の問題とか、あるいは技術開発による省エネ効果の程度の問題とか、いろいろな要素がありまして、この辺が、必ずしもパッシブ方式が中心でなければならないということではないと思うのです。 ただ、今のようなことでございますし、我々としてもぜひ建設省とも共同しながら、通産省としても、このパッシブ方式の成果というものはぜひ取り入れて検討をしていきたいというふうに考えております。
○日野分科員 こういう住宅における省エネということを考えてみてもいろいろな問題があるわけでありますが、あれもやりたいこれもやりたいという気持ち、よくわかりますし、そこから得られた果実というものは非常に貴重なものとして後代に引き継がれていくわけでありますから、これからもよく御検討を賜りたいと思います。 ただ、どうもやはり私ちょっと気になりますのは、似たようなことを通産省と建設省がやっていると、何しろ行財政改革の御時世でございますから問題なしとしないのではないかというふうにも思われますので、統一してやれるところは、建設省と通産省といえば、非常に仲よしのお役所というとあれですが、今までもいろいろ共同作業もやってこられた役所ですから、そこはぜひ十分検討していただきたいというふうに思いますけれども、次官の方ではいかがでしょうか。
○金子政府委員 ただいま委員御指摘のとおりであるというふうに思っております。当然、行政改革という問題が出ますと、同じ目標あるいは同じ技術の研究開発等について、公共的な立場からどういうようにそれぞれ国が取り進めるかということについてはその整合性を求められる、あるいは、民間の活力をくみ取っていく、生かしていくというためにもいろいろな規制問題まで踏み込んでいかなければいけない。そうした場合、やはり共同のそれぞれ研究プロジェクトの必要性もあろうかというふうに考えております。 御指摘の点に沿いまして、これからそれぞれやれるものからやっていく必要があるであろうと思っております。
○日野分科員 今、日本は非常に不景気でございまして、自動車もぱっとせぬ。将来性も、非常に輝く光が見えるわけでもありませんね。電気器具なんといったって、これもやはりずっと落ち目でございます。これがまた急速に持ち直して日本の経済を支えるというようなことにはちょっとなっていかないんだろうと私は思っています。 そうすると、さて、日本の経済をこれから引っ張っていく、活力を持ってくる産業はどんなところかということなんか考えてみますと、日本の持っている環境技術、特に省エネ技術なんというのは非常に大きな可能性を実は持っていると私は思うんですね。これがどんどん進んでいかなくちゃいかぬ。そして、単なる研究ばかりじゃなくて、これがコマーシャルベースに乗っかるようなものになっていかなくちゃいかぬというふうに私は思っているんです。 実は、この間ずっと洗い直してみたら、通産省の工業技術院なんかにある技術の眠りっ放しというのは随分ありますわね。私が感心したのは、何ですか、放物面を持った円盤に筒を立てて銅箔を埋め込んだ技術なんていうのがあるんですな。そうすると、太陽に向けると物すごい熱がそこに集まって、その銅箔が熱を逃がさない。これなんていうのはすばらしい技術だと思うんですが、どうもこれがコマーシャルベースには乗っかっていかないという問題もありまして、日本の科学技術、特にエネルギー関係の技術なんていうのは私は実は注目をしているんであります。これは答えは要りません。私の演説だけにさせてもらいますがね。 特に、これからの省エネ住宅、いろいろな観点からの省エネ住宅なんというのは、今住宅建設が税制面でも、それから住宅ローンの利子の面でも非常に優遇をされて、ある意味では日本の景気の下支えをやっているわけなんですが、そういうところに省エネ技術なんかがなかなか乗り込んでいかないという状態がありまして、私、これを非常に心配しているんですよ。 今、建設省、通産省でやっておられるこのプロジェクトなんかは私も非常に期待をしている部分でございますから、協調するところは協調して、そして早くその技術が市井に出回るような、そういう努力を一段とお願いをしたいというふうに思っております。そういうときに、住宅メーカーなんかの技術もありますが、意外と田舎の大工さんなんかがいい腕を持っているんですよね。そういう技術なんかも十分に取り入れられることを特段に私は期待を申し上げておきたいと思います。 実は私、この分科会では四時間やることになりまして、今三時間四十五分目なんですが、もうかなりくたびれましたので、この辺で私の質問を終わりたいと思います。ひとつ頑張ってください。
○小森主査代理 これにて日野市朗君の質疑は終了いたしました。 次に、正森成二君。
○正森分科員 日本共産党の正森でございます。 まず第一に、通商産業省の決算に関連しまして、「平成二年度決算通商産業省についての検査の概要に関する主管局長の説明」という会計検査院の報告を拝見いたしますと、そこでは、中小企業設備近代化資金の貸し付けが不当と認められるという指摘がございます。さらに、平成三年度の会計検査院の説明を見ますと、そこでも中小企業設備近代化資金の貸し付けが不当と認められるという指摘があります。 それで、通商産業省の「会計検査院の指摘に対して講じた措置について」というのを見ますと、「これらの指摘事項につきましては、直ちにその是正の措置を講じたところであり、今後このような御指摘を受けることのないよう一層努力をいたしたいと存じます。」というように書かれております。これは、平成二年度も三年度も全く同じ文句であります。 そこで、私が会計検査院に、これはいつごろからこういう指摘が行われているのですかということを聞きましたところ、約十年間こういう指摘が続いているということであります。仏の顔も二度三度という言葉がありますが、十年も同じことを指摘されて、同じ応答をして、それで済ませておるというのでは、通産省としてもあるいは中小企業庁としても、これは国の資金の使い方についてやはり襟を正さなければならないのじゃないか、あるいは心構えに弛緩しているところがあるのではないかというように思われますが、その点について、次官からかあるいはしかるべき方から一言御答弁を願います。
○金子政府委員 お答え申し上げます。 ただいま、まことにこの会計検査院指摘事項についての流れをそれぞれ御検討いただいた上での御指摘がございました。そのとおりでございます。 時系列的に、どのような発生件数になっているかということを大ざっぱに見てみますと、昭和五十六年には不当貸し付け件数として二十二件発生しておりまして、また、昭和六十年に十一件、六十三年に八件、平成二年に四件、平成三年にまた四件、平成四年、まだ決算は出ておりませんが、これは少なくなりまして三件という現況でございます。 この御指摘の中小企業設備近代化資金の貸し付けに当たっては、無利子の貸付金でもあり、そうしたことで厳正な審査を行った上で、当該貸付対象設備の設置等の、完了検査といっておりますけれども、確認を行ってきておるところでございます。貸し付け後の実態把握等についてのきめ細かな指導とチェック体制のもとに、制度の厳正な運用に努力はしてきたところであります。しかしながら、こうした決算結果になってしまったということで、一部不当事項がまた発生したということで、遺憾に思っておるところであります。 それでは今後どうしたらいいかということで当省として考えておりますことは、いつも十分ではないのじゃないかという御指摘もあるわけでありますが、各都道府県の知事に対し通達を発しまして、完了検査の徹底等の不当貸し付け防止体制、これを整備するようにということで、一層の運用適正化を図るよう指導監督を強化してまいってきたわけであります。会計検査院の御協力を得ながら、貸付担当者に対する研修を充実強化しているところでもございます。 その結果、指摘件数も年々減少してくるであろうというふうに思っておりまして、できるならばもうこういったことは絶対起きないように、根絶を期したいというのが私どもの気持ちでございます。今後ともさらに、各都道府県における不当貸し付け防止体制が確保され、不当貸し付けの再発防止が図られるように、でき得る限りあらゆる努力をしてまいりたいと決意いたしておるところでございます。
○正森分科員 中小企業にとって一定の役割を果たしていることですから、私もそう目くじらを立てて申し上げようとは思いません。しかも、中央で一元的に行われるのではなしに、各都道府県でそれぞれ査定もしていることで、目の届かないところもあるでしょうから。 ただしかし、次官は昭和五十六年ごろからのことを言われましたが、減少もしているようですが、その減少の仕方は、言ってみれば極めて緩やかなカーブを描いた、算術級数的ですね。願わくは幾何級数的に減少するようにやっていただきたいということを申し上げて、次の質問に移らせていただきます。 郵政省、来ておりますか。通商産業省にいろいろ伺う前に、郵政省の所管だと思いますが、モトローラとIDO、日本移動通信が、この三月に交渉が妥結しました。この問題については後で通商産業省にも伺いますが、我が国の貿易摩擦解消、特にアメリカとの間で非常にゆるがせにできない問題を包含しているように私は思います。 それで、後で聞きますが、ごく簡単にこの問題の経緯と内容について説明してください。
○大橋説明員 それでは手短に御説明させていただきます。 我が国の自動車電話事業につきましては、一九七九年以来全国一本ということでNTTによるサービスが行われておったわけでありますが、一九八八年以降、新たな事業者が参入いたしまして、首都圏、名古屋圏におきましてはNTT方式により、その他の地域におきましては北米方式によりサービスが行われておったところでございます。 一九八九年になりまして、米国より、首都圏、名古屋圏に対して北米方式の参入要求がございまして、日米の政府間協議の結果、同年六月に日本移動通信に対し、北米方式に五メガヘルツを割り当てるということで合意をしたわけであります。 その後、昨年夏以降アメリカ政府が、IDOが北米方式事業につきまして十分な設備投資を行わず、NTT方式との間で同等性が確保されていないということで、八九年合意違反であるという主張をしてまいったわけであります。 これに対しまして、我が国は、八九年合意は周波数の割り当てを内容とするものでありまして、政府は合意内容を既に誠実に実施済みでありまして、NTT方式と同等か否かにつきましては、民間事業者間の企業活動にかかわる問題でありまして、民間事業者間の話し合いで解決すべき問題であるとの認識のもとで、民間事業者間の話し合いを進めてまいったところでございます。 その間、本年二月十五日、アメリカ政府は、包括通商競争力法千三百七十七条によりまして、八九年合意違反という決定をいたしまして、手続を開始したわけでございます。 そういった中で、本年の二月から三月にかけまして、日本移動通信とモトローラ社との間で民間事業者同士の話し合いが精力的に持たれまして、IDOの北米方式自動車電話事業に関する設備投資計画等について、両者が合意に至ったというわけでございます。 この間、日米両国政府におきましては、民間事業者同士の話し合いを見守ってきたわけでございますが、民間事業者同士の合意を受けまして、三月十二日、両国政府間で、民間の合意が確実に実施できるよう、実施状況のレビュー等、最終的な合意に至ったものでございます。 以上でございます。
○正森分科員 経緯に重点を置いて言われましたが、その妥結の内容は、新たに百五十九の基地を設定するとか、九千九百でしたか……
○大橋説明員 それでは、合意内容について簡単に御説明いたしますと、先ほど申し上げました経緯を踏まえまして、三月十二日に神崎前郵政大臣とモンデール駐日米国大使との間で最終的に合意に至ったわけでありますが、その合意の概要といたしましては、まず一点目といたしまして、IDOは、NTT方式自動車電話用周波数八メガヘルツのうち、一・五メガヘルツを北米方式用に使用する。二点目といたしまして、平成七年九月末までに、基地局百五十九局、チャネル数九千九百の建設を行う等の計画を定め、実施するというのが民間レベルの合意でございます。 我が国政府は、これらのIDOの計画を把握し、最後まで見届けるとともに、その実施状況について米国政府との間でレビューを行い、問題が生じた場合には、計画の遵守を確保するために、法令の範囲内ですべての可能な措置を講ずるというのが、日米の政府間の合意でございます。 以上でございます。
○正森分科員 大体そうですが、そのほかに端末電話ですね、約半数、二十二万五千台を買い取るというようなことも入っておるようであります。 そこでこれから伺うのですが、この問題については、私は一般紙の論調を注意深く読ませていただきましたが、批判するものこそあれ、これを評価したり褒めている報道はほとんどありませんね。それで、そのうちの幾つかを言いますと、まず、この交渉が妥結した三月十五日の毎日新聞の「経済観測」と、う囲み記事があります。そこでは モトローラ社は、米国政府が包括協議で日本に数値目標を強要していた時に、取引先のIDOに対し、来年三月までに基地局百五十九局を作ることと、同社の携帯・移動電話二十二万五千台を買うことを要求した。しかも期限を切って回答を求めた。 取引先に対するこのような仕打ちは、常識では考えられない。暴挙ではないか。植民地時代でも、宗主国の企業が植民地の企業に、こんな要求をつきつけることは、なかったであろう。 こう言って、さらに 本件は郵政省の対応のまずさによるところが大きく、米国側が郵政省を責めるのは自由だ。無いと言った割り当て電波が、あとから出てくるなんて、郵政省は何という役所だろう。しかし経営の苦しい私企業に対し、政府を後ろ盾にして投資と購買を強要するのは許せない。 というように指摘をしております。 あるいは、日本経済新聞の三月十五日、同じく囲みの「大機小機」では、「モトローラ問題の原点」として、こう言っております。 その原点とは、一国内に、二つの相異なる互換性のない方式をもったセルラー電話の採用を許したのは、日本だけだという点である。米国も形式上は二万式を許しているが事実上はモトローラ方式のみであり、独、仏、その他の欧州大陸の国はモトローラ方式の併用を断った。それでもモトローラは文句をいえなかった。 ところが日本では、関東―名古屋地域の以外ならば、NTT方式とモトローラ方式の併用を認めようということになった(八七年)。この協定をモトローラも認めておきながら、二年後の八九年には、関東―名古屋地域にも参入させよ、と突如言い出した。そこでIDOがセル(基地)を建設する約束をし(八九年)、これもモトローラが認めたのみならず、九二年にはセルの建設の進ちょく状況について感謝状さえIDOに送っているのである。それが突如また今回、約束を破っていると言いがかりをつけた。「数値目標」を関東―名古屋地域におけるモトローラ電話に適用しようとしたからだ。数値目標がいかに企業のエゴに利用されやすいかを示している。 こう言っております。 私は、これらの指摘は全部当たっていると思います。ここに同じく日本経済新聞の記事がありますが、カンターUSTR代表は、「民間企業間の合意とはいえ、時期と数値を明示した「百点満点の客観基準」の設定に成功し、それを日本政府に”裏書き”させた」という意味のことを言っております。これはまた、「日本の市場開放に向けた他の挑戦にも使える」、こういうように言っているんです。 ですから、この問題はただに郵政省所管の問題であるにとどまらず、今、日米経済協議が再開されておりますが、アメリカも多少円高に弱りまして態度が変化してきたということが新聞には書かれておりますが、それにせよ、やはりカンター氏がこういう評価をしているということは、非常に通商政策上もよろしくない前例を残したのではないかというように思いますが、いかがですか。 〔小森主査代理退席、主査着席〕
○大橋説明員 お答えを申し上げます。 ただいまの御紹介の新聞記事、一つ一つ正確か正確でないかという吟味は、今ではちょっと時間の関係がございますので差し控えさせていただきたいと思いますが、例えば……
○正森分科員 それはどういう意味だ。私が読んだのはちゃんと正確に読んでいる。僕の読んだのが正確か正確じゃないか吟味するというのか。そんな失礼なことあるか。
○大橋説明員 いえ、例えば、二十二万五千台というのはモトローラがもう取り下げておりまして、要求では……
○正森分科員 だから、その当時の記事の内容が正確かどうかというならわかるけれども、私が引用したのが正確かどうかというような、そんな失礼な言い方があるか。
○大橋説明員 失礼いたしました。記事の内容についてでございます。
○正森分科員 それならいい。
○大橋説明員 それについては差し控えさせていただきたいと思いますけれども、先ほど先生がおっしゃいました政府保証か政府保証ではないかということにつきましては、この書簡は、先ほども御説明いたしましたように、民間企業間の合意と政府間の合意という二段構えになっておりまして、民間企業の合意に基づいて政府間で合意に達したというものでございまして、御指摘の百五十九局、九千九百チャネルと申しますのは民間企業間の合意でございます。民間企業間のその合意に基づきまして、日米両国政府が実施状況のレビュー等の措置を行うという形になっておりまして、結果について政府が保証したものではないということを御理解いただきたいと思います。
○正森分科員 郵政省はそんな気楽なことを言っているけれども、アメリカ側の理解と全然違うよ。アメリカ側は、数値目標を直に政府にのませるのはなかなか大変だから、まず民間で数値目標を持たせて、それを政府が保証するという形で押し込んでいくんだということをカンター自身が言っているじゃないですか。 私はここに、アメリカで発行されている邦字新聞のOCAニュースというのを持ってきました。これは、ニューヨークやワシントンを中心にして、そこで展開する日本企業や邦人の間で広く読まれている、月に二回ほど出されている新聞といいますか、論評であります。そこでは、これはニューヨーク市立大学の教授の書いたものですが、こう言っているんです。 「「ホソカワもオザワも、大蔵省のサイトウも」、恐らく斎藤次郎のことだと思いますが、「無条件降伏した。スーパー三〇一条を一寸チラツカセただけでこれだ。もう、日本は俺達の思うとおりだ」。三月十二日、細川政権がクリントン政権に差し出した「モトローラ移動電話合意」を手にして、対日制裁派の旗頭を自認する、ミツキー・カンター米通商代表は大声でうそぶいた。」こうなっておりまして、「カンター氏は米議会で証拠文書を公開しながら、「日本の完全譲歩、つまり数値目標付で日本政府の実施保証付」だと証言」したというように言われております。 私は、新聞でもいろいろ言われておりますから、念のためにあなた方のところに行ってここへ英語の原文を取り寄せました。英語の原文を取り寄せて読んだ上で申し上げるのですが、この英語の原文を露見教授がアメリカで友人やらあるいは外国の知人、外交関係ですが、見せたらこう言ったというのですね。 「この文書を」というのはあなた方が合意したこの英文ですね。「米国の友人の憲法学者に見せて、「もし反対にクリントン政府が、日本政府に対して米国電話電信会社の日本品購入について同じ約束をしたらどうなるか」」こう聞いたら、「議会は大統領を弾劾し、即刻辞任させる。これでは与党議員でも大統領弁護に回るバカはいないだろう」こう言っておるのです。それからまた「形体上は日本と同じ責任内閣制の国のカナダの友人は「内閣不信任可決で、総辞職だ」と言い切った。中国から来た政治学者は「鄧小平でもこんなのが暴露されたら直ちに失脚するか、反対派に殺される」と断言した。」これは言い方がちょっとオーバーですけれども、それぐらいのものだというように現地で書かれているのですよ。また、事実それはそうじゃないんですか。 あなた、民間の約束だけで、それで政府はこれをレビューしただけだと。レビューなんてえらい便利な言葉を言っているけれども、ここに英文を持ってきたけれども、とてもそんなように見えないんじゃないですか、新聞でもいろいろ言っていますけれども。その約束を「the Government ofJapan will monitor and oversee」と書いてありますよ。モニターだけならいいけれどもオーバーシー。オーバーシーというのは字引を引けば、それはウォッチと、う意味もあると、うように書いてあるのもありますが、普通は監督するとか取り締まるという意味ですよ。 それからまた、さらに「in consultation with the Government of the United States,will take all available measures to ensure complience withthe letter by the next quarterly review.」こうなっています。 トゥ・エンシュアとなっている。エンシュアというのは保証するということですよ。あなた方は「確認する」とかなんとか訳しているけれども、英語の辞書を引いても、「確認する」なんていうのは例外的な場合にしか使わないのですよ。我々は中学校でも高等学校でも、エンシュアというと「保証する」と習っている。だから、これを見て、外国だったら直ちに総辞職だ、主権を売り渡したと言われているのです。 こんなでたらめなことをやって、それでこれは民間で約束しただけだと。カンターは、民間でまず約束させて、それを政府に保証させる。しかも、これはクオーターごとに、三カ月ごとにアメリカと協議して アメリカに不満があればすべての手段をとってそれが実現するようにすると言っているではないですか。そんなものが、単に民間が約束しただけでレビューするなんて、そんな言い抜けで通ると思っているのですか。 私は政府当局ではありませんよ。私は日本共産党です。ですけれども 日本の国益ということを考えたら、余りにも主権を侵害された、あるいは売り渡したと思われるようなことはやってはならないのではないですか。
○大橋説明員 ただいま先生の御指摘のとおり、今般の自動車問題の決着に当たりまして、三月十二日付で、栗山駐米大使からカンター米国通商代表あてに書簡を発出しております。本書簡におきまして、我が国政府は、先ほど先生が御紹介されましたとおり、IDOがとる行動を十分認識し、IDOが事業者間の合意に従って計画を進め、達成することを政府としてモニターし、オーバーシーというところは、最後まで見届けるというふうに訳しております。 また、四半期ごとの米政府との会合におきまして、問題が生じた場合には、計画達成を確保するために、すべての可能な措置を講ずるということで、米国政府との間で合意しております。 これらの措置は、本件が民間事業者のビジネスの問題であるという性格にかんがみまして、政府としては、電気通信事業法等に基づく政府の権限の範囲内の許認可や政策金融による事業者支援などの手だてを講じるということでありまして、政府として、民間事業者の活動の結果を保証したものではないと考えております。 以上でございます。
○正森分科員 あなたが幾ら保証したものでないと言ったって、日本文と同時に英文があるのですよ。その英文の解釈を、通常の我々が日本文に解釈しても無理だと思うような解釈をしたって、当の相手のカンター氏は、それを得々と議会で、こうやってこういうぐあいに日本政府を、まあ言ったら屈服させたのだ、こう言っているのです。 さらに、これは三月十五日の毎日新聞ですが、「今回の交渉は、「米自動車メーカーのビッグスリーと同様、日本に投資をせず、ワシントン(政府)に投資する会社」と言われるモ社が、米通商代表部(USTR)とタッグを組んだ政治ショー。」だ、こう書いています。「この手法は、首都圏、中京圏にモ社方式の参入を認めた一九八九年の日米交渉でも実施済み。「交渉場所のホテルにモ社が陣取った。米側の文書にはモ社の社内用紙が使われ、日本側にはモ社の文字を削除した同じ文書が配られた」と、同時の交渉担当者は打ち明ける。」こう言っています。 これが本当かどうかわからないけれども、ともかく広く言われていることは、モトローラ社は、私はアメリカへ行ったときにその会社の本社へも別の用事で行ったことがあります。つまり、通商のためにいろいろ努力して、日本のNTT方式がもう既に通用しているのなら、今答えがなかったけれども、一国で二つの方式を採用しているなんという国はないと言っているんだから。だから、日本で通用するように自分が技術開発して売り込む努力をするよりも、アメリカ政府に献金をした方がよほど安い投資だ、こう言われていることが有名な会社だと言っているのです。それが日米経済摩擦に得たりゃおうと割り込んできて、無理難題を言う。 しかも、ディジタル方式というのは将来、盗聴もされにくいし、データ通信もできるから、これが本命になるのは必至だというように言われているんじゃないですか。そうでしょう。その点だけ答えてごらん。
○大橋説明員 ディジタル方式に関しましては、アナログの日米間の紛争を踏まえまして、アメリカ企業も参加した形で方式を決めております。これは、ディジタル方式の自動車電話につきましては、先生おっしゃるように周波数の利用効率が高くて、いわゆるマルチメディア対応も可能ということで、将来的には発展するものと期待しておるわけであります。しかしながら、アナログ方式の自動車電話は、電話として使用する限りにおきましてはディジタル方式に比べて遜色がなく、むしろサービスエリアの広さとか端末機が安価なことなどから、ディジタル方式よりも競争力が強いという側面もございます。 したがいまして、自動車電話が近い将来すべてディジタル方式になるわけではなくて、当分の間、ここ十年以上はアナログ、ディジタルの併存時代が続くものと予想をされておりまして、今般IDOが北米方式に投資することは必ずしも時代逆行とは考えておりません。IDOも、みずからの経営判断として、九二年から北米方式を重点的に展開すると決定しておりまして、今回のモトローラ社との合意内容は、その計画を前倒しさせたものでございます。 なお、IDOは本年六月からディジタル方式のサービスを開始する予定でございまして、ディジタル化の時代に乗りおくれないよう手だてを講じていくものと承知しております。
○正森分科員 時間が参りましたのでやめますが、ここに、ガットも、我が国の学者もマスコミも、あるいは名前を言ってもよろしいが、元通産官僚もいっぱい批判しております。これを、要点だけ言うだけでもあともう三十分ぐらいかかりますが、時間が来たから申しません。 今、日米新協議再開で、客観基準をどう設定するかというようなことで、保険や自動車分野その他でいろいろ報道されております。そこで、外務省でも通産省でもよろしいが、最後に一言、皆さん方はこのIDOの問題は先例にはならないんだというような立場をとっておられるようですが、私がいろいろ拝見しまして、きょうは引用しませんでしたが、「自動車電話問題について」という郵政省が出している、あなた方が三月十五日以前に出したものもあります。ここでは随分立派なことを言っているんですよ。アメリカの要求はけしからぬなんてたくさん書いてある。 だから、そういう妥結があったにもかかわらず、やはり客観基準なり数値目標については、我が国の国益を損じないように、それから、いやしくも日本の経済主権が侵害されているというようなことをアメリカで言われないように、国益を守って対応していただきたいと思いますが、担当局長の意見を聞いて、終わります。
○渡辺(修)政府委員 先ほど来の先生の質問の御議論を伺っておりまして、私の率直な感じを申し上げますと、先ほど来御答弁がありましたように、移動電話の分野というのは、電気通信事業法等の許認可にかかっておるある種の規制産業の分野でございまして、そういう点において、私どもが今所管しておる自動車とは若干ニュアンスが異なるのかなという、実はこれは感想でございますが、そんな感想を持ちながら議論を聞かせていただいたわけでございます。 自動車は全く国の規制はございません。民間同士の純粋ビジネスでございます。したがいまして、それらが行うビジネスの結果が結果として出てくるのであるという点においては 私、先生の御議論、全く同意でございますので、御趣旨を体して十分頑張っていきたいと思っております。
○塩谷主査 これにて正森成二君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして通商産業省所管、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○塩谷主査 これより経済企画庁所管について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。古賀経済企画政務次官。
○古賀政府委員 平成二年度における経済企画庁の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、平成二年度の当初歳出予算額は四百三億六千百三十九万円余でありましたが、予算補正修正増加額一億三千六百八十五万円余、予算移しかえ減少額六億八千七十八万円余を増減いたしますと、平成二年度歳出予算現額は三百九十八億一千七百四十六万円余となります これに対しまして、支出済み歳出額は三百九十六億三千二百三十万円余であり、歳出予算現額との差額一億八千五百十六万円余は不用となった額であります。 以上、平成二年度経済企画庁の歳出決算の概要を御説明申し上げました。 引き続きまして、平成三年度におきます当庁の歳出決算につきまして御説明申し上げます。 まず、平成三年度の当初歳出予算額は四百六十四億七千九十万円余でありましたが、予算補正修正増加額一千九十万円余、予算移しかえ減少額六億七千四百七十六万円余を増減いたしますと、平成三年度歳出予算現額は四百五十八億七百四万円余となります。 これに対しまして、支出済み歳出額は四百五十五億五千三百十万円余であり、歳出予算現額との差額二億五千三百九十四万円余は不用となった額でございます。 以上、平成二年度及び三年度の経済企画庁の歳出決算の概要を御説明申し上げました。 何とぞよろしく御審議のほどお願いを申し上げます。
○塩谷主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院阿部第一局長。
○阿部会計検査院説明員 平成二年度経済企画庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 次に、平成三年度経済企画庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○塩谷主査 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩谷主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 平成二年度経済企画庁歳出決算説明 経済企画庁 平成二年度における経済企画庁の歳出決算につきまして、その概要を御説明申しあげます。 まず、平成二年度の当初歳出予算額は、四百三億六千百三十九万円余でありましたが、予算補正修正増加額一億三千六百八十五万円余、予算移替減少額六億八千七十八万円余を増減いたしますと、平成二年度歳出予算現額は、三百九十八億一千七百四十六万円余となります。 これに対しまして支出済歳出額は、三百九十六億三千二百三十万円余であり、歳出予算現額との差額一億八千五百十六万円余は不用となった額であります。 次に、支出済歳出額のおもな内訳は、経済企画庁八十三億七千八百三十七万円余、海外経済協力基金交付金二百九十九億二千四百八十万円余、国民生活安定対策等経済政策推進費五億一千四百五十五万円余、経済研究所八億一千四百五十七万円余等であります。 また、不用額のおもなものは、経済企画庁において、人件費を要することが少なかったこと等によるものであります。 以上、平成二年度経済企画庁の歳出決算の概要を御説明いたしました。 何とぞよろしく、御審議のほどお願いいたします。 ――――――――――――― 平成三年度経済企画庁歳出決算説明 経済企画庁 平成三年度における経済企画庁の歳出決算につきまして、その概要を御説明申しあげます。 まず、平成三年度の当初歳出予算額は、四百六十四億七千九十万円余でありましたが、予算補正修正増加額一千九十万円余、予算移替減少額六億七千四百七十六万円余を増減いたしますと、平成三年度歳出予算現額は、四百五十八億七百四万円余となります。 これに対しまして支出済歳出額は、四百五十五億五千三百十万円余であり、歳出予算現額との差額二億五千三百九十四万円余は不用となった額であります。 次に、支出済歳出額のおもな内訳は、経済企画庁八十六億八千八百三十九万円余、海外経済協力基金交付金三百五十五億九十万円余、国民生活安定対策等経済政策推進費五億二千二十二万円余、経済研究所八億三千四百五十八万円余等であります。 また、不用額のおもなものは、経済企画庁について、人件費を要することが少なかったこと等によるものであります。 以上、平成三年度経済企画庁の歳出決算の概要を御説明いたしました。 何とぞよろしく、御審議のほどお願いいたします。
○塩谷主査 以上をもちまして経済企画庁所管の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○塩谷主査 これより質疑に入ります。 ――――――――――――― 質疑の申し出がありますので、これを許します。小森龍邦君。
○小森分科員 我が国の経済の構造にかかわる問題でありますので、主として経済企画庁の方から答弁をいただこうと思い、さらにそれと深く関係がございますので、通商産業省の方からもおいでをいただいたわけであります。 そこで、私は今の日本の経済の状況、アメリカとのいわゆる経済摩擦と言われるものにつきましても、もともとの原因を探れば、我が国の経済構造の特異な体質といいますか、そういうものに関係をしておると思いますし、また、中国大陸とか東南アジア各地に日本の企業がどんどん進出しておりますのも、日本の経済の構造というものの特異な体質から出てきておる、少なくともその矛盾はそこに原因を求めねばなるまい、こういうふうに考えておるわけであります。 そこで、私は毎年その時点、時点における議論をさせていただいておるわけでありますが、今日、経済企画庁としては我が国の経済の二重構造、これは一九五七年に既に経済白書で指摘がされておるところでございますし、一九六五年の同和対策審議会の答申の中でも、我が国の社会構造は大変差別的な体質を持っておる、そのように来る原因としてそこに指摘をしておるわけであります。 この点について、現在、指摘をされたときからいいますと既に三十年もたっておるわけでありますから、全く三十年前と同じ形態というものではないと思いますが、あえてこの経済の二重構造という言葉で表現をすれば、現在の我が国にはそれがどういう形で存在しておるか、そういうことについてどういう認識をお持ちでありましょうか。お尋ねをいたしまして、企画庁の方から答弁をいただくと同時に、また、通商産業省の方からもこの点について、同じ質問に対する御回答をしていただきたい、かように思います。
○古賀政府委員 ただいま小森委員の方から御指摘がございましたとおり、一九五七年の経済白書におきまして、一方には近代的な大企業、それに対極します他方に前近代的な労使関係に立ちます小企業及び家族経営による零細企業、そして農業というものが両極に対立をしておるという指摘が白書においてなされたところでございます。また、御指摘のとおり、同和対策審議会の答申におきましてもそういう御指摘があったのも承知をいたしております。 そういういわば我が国の経済の二重構造というものがかつて指摘されたわけでございまして、その具体的なあらわれと申しますか、重要な部分として、低所得の不完全就業の存在としての家族従業者というものがあって、その比重というものが大きい、あるいは企業規模別の賃金格差がある、こういう御指摘があったわけであります。 そのうち、今の二点について、この三十年と申しますか、過去から現在に至ります経緯を見てみますと、まず家族従業者でございますが、全就業者に占める比重、これは五七年の経済白書によりますと、当時は三割、三〇%を占めておったわけでありますけれども、以降の経済成長等々諸般の施策がございまして、これまで長期にわたって低下が続いてまいりまして、昨年、一九九三年には六・五%というように大幅に低下してきたところでございます。 また、一方の賃金格差につきましては、同じく一九五七年の経済白書では、大企業を一〇〇とした場合、小企業は五〇、要するに半分でございましたけれども、今日に至りまして、千人以上の大企業を一〇〇とした場合、十人以上百人未満のいわば小企業では、五〇%から七五・九という水準まで今上がってきておるところでございます。 かつては御指摘がありましたように二重構造と言われてもいたし方ない現状があったわけでありますけれども、高度経済成長あるいは各省庁の各種の施策等々相まって、今日までその構造というものは年々改善を見てきておるその途上にあるのではないか、かようなことが言えるのではないか、かように存ずる次第であります。
○小川説明員 ただいま経済企画庁の政務次官の方からお答え申し上げた認識と私どもは基本的に同じでございます。 御案内のように、昭和三十二年度、一九五七年度の経済白書でいわゆる二重構造論ということが指摘されたわけでございます。その後につきましても、その後の経済成長の過程で中小企業と大企業とのいろいろな格差につきましては縮小に向かったという傾向は見られますが、現在においても、幾つかの指標を見ますと、例えば賃金格差の問題、生産性格差の問題、あるいは資本装備率の格差の問題、こういった格差というものはなお依然残っておる、こういう状況でございまして、私どもとしては各般の施策を通じてこういった格差をなくすべく努力しているところでございます。
○小森分科員 三十年もたつわけですから、それくらいの数字的な状況というものは当然なければなりません。 しかしながら、私がお尋ねをしたいと思ったのは、そういう数字的な変化と、その数字的な変化によってあたかも近代的な、合理的な経済社会の構造に近づきつつあると一面では見えるが、それを補うといいますか、従前どおりの二重構造的社会の機能を目で見たところ、現象的には何かの違う方策をもって社会に根を張ってはいないか、ここを分析してもらわないと、いや、よくなった、こういうことになるわけですね。 三十年前より今日の方がよくなったのならば、一番極端なことを言いますと、社会荒廃というものが余り激しく進行していなくて、例えばそれが教育によい影響をもたらして、不登校が少なくなるとか、教育の効果が上がるとか、あるいは凶悪犯罪が少なくなるとか、あるいは極端に言うと同和対策でいうところの同和地区の高校進学率が高くなり大学進学率がうんと高くなった、それはもうずっと一本調子で高くなっておるというようなそういう諸現象が出てこなければならない。 つまり今のような方向は、国民の民主主義に対する、人権に対する感覚というものがある程度運動もあって前進をするわけなのですけれども、そこのところを社会の機能として経済の二重構造で利益を受けるような、簡単に言うとこれは大企業の連中ですね、それらが他に何か手を施してそこを補ってはいないか。それがつまり私が言うところの現在の段階における経済の二重構造で、どういう機能を果たしておるように把握をされておられるでしょうか。
○古賀政府委員 先生の御指摘、確かに私が先ほど申し上げましたように幾つかの手法で改善をしてきておるけれども、もっと根源的にといいますか形を変えてこの構造が社会的に別の機能を果たしておるのではないかという、大変難しいといいますか、また根源的な御質問でございますが、先ほど申し上げましたように、確かに構造的に本当に根の深いところでそういう問題は依然あると思いますけれども、我々としては起こってきた現象一つ一つを見ながら、基本的には大企業と、極端に言いますとその中にあって零細中小企業、政府挙げて各省庁の施策を講じて、失業の問題、就業の問題、教育の問題といろいろ分野はございますけれども、それぞれの分野で各省庁、その弱いところ、あるいは経済関係で申し上げますと、中小企業に特段の配慮をしてこれまでの経済対策あるいは経済関係諸施策を打ってまいりましたし、今現在も打っておるということで御理解をいただければと存ずる次第であります。
○小森分科員 今我が国の産業の空洞化という言葉が大分言われておりますが、アメリカあるいはヨーロッパ等先進国の場合はまた別の角度がありますが、東南アジアとか中国にどんどん我が国の企業が進出をして、日本の国の産業の空洞化というようなことが言われておりますが、こういう現象というものはどういうわけで起きると通産省は思われていますか。
○小川説明員 私どもの認識では、いろいろと産業の空洞化というような議論が各方面でなされていることを十分承知しておりますし、ただ、現在、例えば加工組み立て産業を中心にアジア、特に中国、東南アジアヘの海外展開が非常に進んでおる。そういったことによって、直ちに現状において産業の空洞化が物すごく進展してしまっておるという状況にはまだ至ってはいないのではないかと思っております。 ただ、私ども、しかし将来においてそういった問題が起こることは大変懸念をしておりまして、これは産業政策全般の問題でございますが、我が国において、製造業のみならずそのほかサービス業あるいは商業も含めて、十分その雇用吸収力をもって産業自体が活性化をするという政策を各方面からとらしていただいているわけでございます。
○小森分科員 たちまちは技術が外国に流れてそれで空洞化するといいますか、そんな差し迫った問題ではないと私も思っています。それはなぜかというと、今話されましたように、組み立て加工のような比較的単純なものが先行して出ていきますから、それはすぐに技術が空洞化するものではないと思いますね。 しかし、あえて言うならば、どういう現象が生まれてくるかというと、つまりこれはもう日本の国内の経済の景気の問題にも深い関係がありますけれども、一番極端な例を申しますと、ある一つの大企業と言われる、東京の株式市場の一部に上場しておるような会社がありまして、それの関連産業が三つも四つもあって、その関連産業の社長というのはこの親会社の社長が兼務しておるというような会社でも、自分方からここへ下請に出さずに、台湾とかあるいはフィリピンとかマレーシアへ行っていますよ。 これは要するに簡単に言うと、利潤を追求する、低コストのものをつくろうということなんでしょうが、それもやはり一種の産業の空洞化ですな。だからそういうところは、仕事が回らないから、労働省所管の雇用手当ですか、あれをもらって半年とか一年とかつなぐ。非常に活力のないものになるのですよ。もう週三日休んでくれ、その後来てもろうてもいいけれども、それは賃金を少しカットしてやるから我慢してくれと、生けるしかばねみたいな格好になるのですね。 そういう形で、私はそういうことも、我が国産業の活力がなくなるという意味で、空洞化の概念の中に入れてよいと思うのですが、コストの安いところへ行くというのはどうですか。現代版の二重構造じゃないでしょうか。経済企画庁、どうですか。
○古賀政府委員 産業の空洞化ということで、利益追求で、いわば国内にあった下請企業あるいは関連企業が外に行く、確かに利益追求という要請も非常に強いと思います。そして日本の企業、無論大企業も中小企業も熾烈な国内関連企業のシェア争いをやって、またそれが活力になってきた。 そういうこともあって、その企業のシェアを維持し、またもちろん企業の利潤、あるいはあえて言えば存続をかけてやっておるという面もございますが、それはそれで、地域雇用ある、は地域の経済から見たら大変な心配というのがあるというのも、私も九州でございまして、そういう先生がおっしゃった事例を幾つか知っておりますけれども、二重構造という側面はあるかもしれませんけれども、それをもって一概に否定するというのも、また生きていかなければならない日本の経済あるいは企業ということでございまして、それだけで割り切ることはできないのではないか、かように思います。
○小森分科員 政府の役所の官僚と違って、政務次官、多少政策的な観点というか政治的な議論の方へ踏み込まれたようでありますが、私からすればそれが非常に危険な考え方なんですね。 つまり、この経済の二重構造というものをいかにして解決して、簡単に言うと率直な市場原理の経済活動が進んでいくようなことにしなければいかぬと思う。日本の場合は要するに素直でないのですね。簡単に言うと経済二重構造というのは何かというと、いろいろ技巧を凝らして低賃金、無権利労働者、そういうものを温存しながら、素直な市場原理から見るとそこから超過利潤を取ってどんどん伸びてきた、そういう経済構造なんですね。 だから、それは完全に大企業の目の先の利益だけを考えたら、今政務次官の話されたような理屈は成り立つかもわかりませんね、たちまちの競争に負けてはいけぬという。私は、たちまちの競争に負けてはいけぬということも、一〇〇%そんなことではいかぬとは否定しませんよ。一遍に崩れたらだめだすから、徐々に行かなければいかぬと思います。しかし、どちらが優先しなければならぬかと言うたら、それを改革するということを優先しなければいかぬですね。 したがって、先ほど私は、海外に出ておる、特に東南アジアなんかに行っておる企業は、日本の十分の一とか二十分の一の低賃金を目当てに行っておるわけです。 私の友達で、中国の深センの経済特区のところへある企業の責任者として、二千人ぐらい労働者がおるそうですが、この間私、それに同窓会で会ったから、君、そこの会社の資料を送ってくれと言ったら、この間送ってくれておりました。賃金が二十分の一ですよ。 そうすると、たちまちは都合がよいかもわからぬけれども、そのことが結局日本の産業というものを充実したものにせず、御都合によってばっと向こうへ行くという感じになるのですよ。そして客観的に見たら、やはり東南アジアの国の労働者の直接の生活を高めるというよりは搾取である。ここに力を置いておるのですから、そこで働いておる人が果たして日本という国を信頼するか。 だから、こういうことらしいですよ。日本の二十分の一ぐらいの賃金ですから、我々の感覚からいえば、一日の賃金が五十銭とか一円違うてもすぐよそへ移るそうです。すぐほかの職場へ移るそうです。ということは、生きていくために、そこの工場の中における人間関係というよりも経済的な利益に走る。そこには、その現象、そこを我々がそれはおかしいじゃないかという形で非難することはできないのであって、要するにそういうふうな人情のところへ、かの地の働き手を日本の企業が次第次第に追い込んでおる、私はそう見るのですね。 それで、きょうびのように、ロンドンで今起きておることが五分後にはテレビに出るとか、マレーシアのクアランプールで起きておることが三十分後には日本のテレビに映るとか、また日本のことも向こうへ映るとかという時代ですから、外国のことだといったって、この同対審答申で言っておるところの日本の国民の精神文化にもぴんぴんはね返りがありますよ。そうすると、人間のあり方の中の人間尊重というような精神が、そういう我が国のこれまでの産業構造の、今また広い地域における、アジア全域を視野に入れたぐらいの面積的広がりの中で、二重構造が新たなる形で進行しよるわけですから、日本社会が近代化するということには、それはブレーキになりますよ。 そういう意味で、今、古賀政務次官が言われたことに私は賛成できないというのは、それはあなたが思われる、すぐに我が国が経済的に、競争というものが一つの活力ですから、それを失ってぺしゃんこになるというようなことは避けなければならぬから、それを考慮されるということは結構ですけれども、どちらかというと重点を置いていただかなければならぬのは、どうやってそういう矛盾点を解決して、それが我が国の精神文化、精神風土に影響して、人権尊重の感覚に結びつくかというところへ力を入れてもらわなければいかぬと私は思うのですね。 もう一つ申し上げますと、これは私は日本政府のまことにルーズなところだと思っているのです。 私は、御存じいただいておるかどうか知りませんけれども、法務委員会に所属をしております。だから、入国管理行政の問題についても多少議論をしておりますからわかるのですけれども、要するに不法滞在、不法就労ということを盛んに法務省は言うのですが、その不法就労、不法滞在の問題も、何か言うたら、日本へ来ればもうかる、こういう印象を、海外へ出ていった日本の企業の賃金と日本の賃金との差でこの人たちは認識をしておると思いますね。 しかし、その認識も、水際で、入国管理行政で整理するということもできるのですけれども、実際は入国管理行政で、どうも不法にどんどん入ってきてから不法滞在する者が多いんだからといって、入管行政の整合性のあるやり方をしないわな。それをやらないから不法滞在者がふえるわな。不法滞在者がふえれば、懐手をしておってその人たちが食うていけるわけはないのですから、日本の社会のどこかで働きよるわね。その働いておる人がまた、不法滞在であるということがばれてはいけないから、雇用者との関係において従属的関係になって、低賃金、無権利となるのです。これが今日のいわゆる二重構造の最も一番極端なところですね。 そして、そういう構造の中で、先ほど数字的にお話しになりまして、ある程度前にずっと進んできた、前進してきたという中のその最後尾の部分にいわゆる差別部落の者がいるわけです。その最後尾のところはまだ余り解決ついていないのです。数字全体としてはそれは減っていきよるんです。しかし、最後尾のところは質的には余り変わっていないのです。 そういうことが考えられますので、本当はこれは総務庁とやるべきことでしょう。けさも総務庁とやったんですわ。これはうだっが上がらぬのですよ。それから、そのことに関する教育問題を文部省とやった。これも全然さまにならぬのです。幼稚園の生徒と話しておるような感じなんです。 本当にこれは私は困ったことだと思うのですが、そういう経済の二重構造というものについて、これを解決するために政府はどういう施策を頭に描いておられますか。経企庁も、通産省は直接そういう企業との関係ですが 経企庁は経済全体の動きに対する一つの認識の問題だと思いますが、どういう方策をお持ちでしょうか。双方からひとつ答えてください。
○古賀政府委員 ただいま先生の方から関係省庁の名前も出ましたけれども、当経済企画庁は本問題の直接の窓口ではないわけでございますが、もちろん政府の一翼を担う役所として責任ある立場でございまして、そういうことで、先生の御期待に沿う答弁ができるかどうかはわかりませんが、経済企画庁といたしまして本問題、つまり経済の二重構造是正というものにどう取り組むかという御指摘と承りまして、お答えを申し上げます。 まず、やはり根本的にはこの経済の二重構造の問題というのは、大きい企業はさておいて、一方の中小企業、これと大きくかかわる問題だと思います。したがいまして、その中小企業のあり方がいかにあるべきか、それに行政あるいは政治としてどう取り組むかという問題が問題の本質ではなかろうかと理解するわけでありますけれども、そういう面で、企業数あるいは従業員数でも圧倒的に大きいシェアを占めるこの中小企業でございまして、そういう意味におきましても、我が国の重要な産業の担い手、経済の担い手、かように我々も理解しております。 したがいまして、その中小企業の自立的発展というものを図るということが、中小企業だけではなくて、我が国の産業そのものの均衡ある発展のために欠かせないと思いますし、さらに今経済は過渡期にあるとも言われておりますけれども、新しい産業分野というものを開発していかなければならぬ、挑戦していかなければならぬという動きがございます。そういったニュービジネスあるいは新分野の開拓をするというのも中小企業に期待されるところ大でございまして、そういういろいろな意味合いから、政府としても、中小企業の自立的発展、そして自立のみならず、政府としてできる援助を限りなく行うということは非常に重要な政策と思っております。 そういうことで、先般の総合経済対策あるいは緊急経済対策等々、不況を乗り切るための当面の施策も政府は打ってまいりましたけれども、その一環としても、この中小企業対策というものに相当大きいウエートを置いて施策を行ってきたところでございます。 また、もっともとに戻りますならば、現行の経済計画、生活大国五か年計画と呼んでおりますけれども、ここにおきましても、中小企業の人材確保、労働時間短縮等々の、いわゆるこれからの要請、時代の変化に対応して、中小企業の積極的な事業展開を図るよう政府として取り組んでおります。 また、各省庁も、それぞれの分野で、そのような視点で、先ほど言いました、中小企業は日本経済の大きな担い手である、一つの大きい前向きの役割を担っておるという認識のもとに施策を講じておるところでございますし、今後ともその必要はさらに高かろうと考えておるのが政府の一般的認識ではないかと私は考えております。 以上でございます。
○安達説明員 私の方から、同和地区の中小企業対策、産業振興について御説明申し上げます。 先生御指摘のとおり、昭和四十年の同対審答申におきまして経済の二重構造について指摘されておりまして、同和地区の中小企業を初め、中小企業は我が国の経済の重要な担い手、これは今古賀政務次官がお答えになったのと同じ認識でございますが、我が国経済の重要な担い手であるにもかかわらず、ある程度の改善は見られますけれども、大企業との間には、生産性、賃金の面で格差が依然として存在しているというのが基本認識でございます。 とりわけ同和地区の中小企業につきましては、平成三年十二月に取りまとめられました地域改善対策協議会の意見具申に述べられていますとおり、一般地域に比べて小規模零細企業が多く、人手不足や貿易の自由化の進展によって厳しい状況に置かれているというふうに認識しております。 以上のような基本認識に立って、通産省といたしましては、同和地区の中小企業振興のため、経営の合理化、設備の近代化等を目途に、指導・研修事業、それから高度化融資、また需要開拓を目指した展示会の開催等の種々の施策を講じてきたところでございます。 当省といたしましては、今後とも、平成四年三月に改正されました地対財特法のもと、残された期間あと三年弱でございますが、期間内において地域改善対策事業を積極的に実施いたしまして、一日も早く一般地域産業と対象地域産業の格差が是正されまして、差別が解消するよう努めてまいる所存でございます。
○小森分科員 政務次官のお話しになりましたことも、それからまた通産省の方からの答弁も、私からいえば、それは当たっていないとは申しませんけれども、対症療法的なんですよね。 問題は、この我が国の経済の二重構造というのは大企業の体質に端を発しているのですからね。大企業の体質が悪いから、力の弱い中小企業や零細企業はくわえて振られよるわけですから。そのくわえて振られよる振りを秒速一メートルから秒速九十センチにしたところで、それはもう五十歩百歩なんだ。もとの大企業というのがけしからぬのですよ。 例えば一番簡単な例を言いましたら、ゼネコンのことを考えてください。きょうもまた船舶振興会の関係でどこかの大きな組がわいろの問題で逮捕されておりますが、ゼネコンは随分悪いことをして、汚職をしている。大企業は汚職をするからいかぬ、それはまた現象的な問題で、何か大企業が下請、孫請、ひ孫請に、自分は腕を組んでおいて、もう確実な利潤が得られるような仕掛けに力任せにしておるというところが問題なんです。そこのところを触れずに、いや、中小企業にちょっと手だてをしますとか、弱いところにちょっと手だてをしますとかいうようなことは、それはやるなとは言いませんよ。けれども、根本のところを問題にしなければだめですよ。 私はもう何年間もこのことの議論はずっとやり続けておるのですが、去年の決算委員会でしたかでやったときに、トヨタという自動車会社を例に出して、一体親会社で何ぼのものをつくっているか。一つの自動車をつくるのに格好よく協力会社という言葉を使っていますが、それは下請なんですよね。下請とか孫請とかひ孫請のところでどれぐらいの率で一つの製品に到達しておるかといったら、親会社でしているのは半分以下ですよ。あとは皆ずっと出ておるのですね。 そして、今度はそれが下請、孫請、ひ孫請にいくと、親会社で働いておる人の賃金を仮に一〇〇とすれば、第一次下請のところへいったら九〇とか八五なんですね。第二次へいったら八〇とか八五に下がって、第三次になるともう六〇%台の賃金なんですね。こうなると、それは牛ぐその段々みたいなものです。要するに、これが同和問題でいうところの人権感覚の、上見て暮らすな下見て暮らせという、人々の意識を触発する経済的基盤なんです。それをやりたいほうだいにやっておって、そこから出てくる矛盾を、ちょっと融資で手だてをするのだとか、ちょっと経営相談員を出して帳簿のつけ方を指導するのだとか、そんなことじゃ解決しない。 同和対策の専門省庁でないところで私がこういう議論をするというのは、こういう問題はやはり全省庁が同じ認識に立ってもらわなきゃいかぬのですよ。そのことは、私は私の見解を持っておるけれども、時間の関係があるから余りそのことに深入りできません。 言いたいことは何かといったら、そういう日本の経済の構造があれじゃこれじゃと理屈をつけてアメリカが日本に文句を言っているでしょう。日米経済協議の問題はそれなんですよ。アメリカがもう少し賢かったら、日本の同和問題に視点を、ポイントを当ててばしっときますよ。しかし、大分気がついておるから、東南アジアなんかの賃金の非常に安いところでできた製品について、それは自由競争と言ってもらっては困るとアメリカがこのごろ言っているでしょう それも一理ありますな。しかし、開発途上国だから一概にその論理だけでいってはまた困る問題があると私は思いますけれども、アメリカはそういうことを言い出したな。 アメリカは日本の社会構造をよく知らないのですよ。私らが大宣伝隊をつくってアメリカの各地に行って、具体的に日本の人権状況との問題で説明すればいいのですが、そういう時間も金もないから国会でこういう議論をするのですけれども、アメリカがもう少し賢かったらぐっとやられるし、やられる方が日本の近代化が早く進むからいいと思うのですけれどもね。 そういうことで、この経済の二重構造という問題は、ひとりその底辺にいると思われる経済の矛盾のしわ寄せを食っておるところの問題であるばかりでなく、日本の経済全体が、EC諸国に対してもアメリカに対しても大手を振って、どこからなりと突いてこい、完全にうちは市場競争原理に基づく自由競争でやっておるのですよということが言えるようにするためには、ここを考えてもらわなければいけない。そこを考えることは必然的に同和問題の解決になる。 また、同和問題に焦点を当てたら、その経済の二重構造というのはおのずから、経済学的というか、社会科学的にばあっと明らかにわかってくる。これがもう日本の政府は何遍言ってもだめなんですよ。 これは政務次官に言うのはちょっと皮肉じみておるかもわからぬけれども、盛んにうちの社会党でも、自分らがたったこの間まで連立与党におったから自民党はいかぬと言うけれども、これが自民党時代と何が違いますか。自民党時代と違いませんよ。むしろ、同和問題を焦点づけて見るということについては、今の連立政権の方が劣っていますよ。この間までいいことを言っていた野党が、入ったら、あれは野党時代に言っていたことで、与党になったらそうはいかぬのじゃと言って、ええかげんごとを言っていますよ。それは政府の閣僚にもまた言いますけれども、政務次官の一員たる古賀先生もそういうところに焦点を置いて、政府全体がそういう視点に目を向けなかったら、少数与党であるし、長続きはしないんだ、こう私は思いますね。そういう点を十分に考えてもらいたいと思うのです。 先ほどのゼネコンのことを例に出してみると、宮澤内閣のときに私はこういうことを言ったのです。宮澤内閣のときに十三兆円ぐらい緊急経済対策をやったのです。あの内閣が倒れる直前に予算を組んだ。私はそのときに、あなたは十三兆円組んだと言うけれども、肩張っておるが、その中の十兆円はいわゆる公共工事じゃないか。そこから用地買収費を仮に二、三兆円引いて、七兆円が工事費だとするか。その七兆円の工事費のうち、一次下請、二次下請、三次下請までいって、本当にその金が動くのは三次下請のところで金が動いて、あとの金は全部ペーパーで金が、利潤が確保されて、会社の利潤としてぽんとどこかの銀行へ行くのでしょう。そんなぽんと行くあぶく銭みたいな金だから、金丸さんにだれに何ぼ出そうか言って、いわゆるゼネコン汚職が生まれてくるわけでしょう。 だから、宮澤さん、あなたは十三兆円組んだと言うけれども、そのうちの十兆円の公共事業、用地買収費というのは金がそこでとまるから、本当の経済的活力というのは七兆円だよ、その七兆円のうちの第一次、第二次、第三次で本当に使う金というのは五兆円ぐらいじゃないか。あなたは十三兆円組んだと言うけれども、五兆円の経済対策をやるんじゃないか、こういう意味のことを言いました。 一般経済論としても、そういう下請、孫請、ひ孫請の関係というものをきちっと整理しなかったら、日本は見せかけの繁栄はあると思いますよ。それから、アメリカとあるいはECとの競争においては、大企業同士では日本もまだしばらくは勝てるかもわかりませんよ。しかし、信用は落とすし、だめですね。そんなことは長続きしませんね。 そういうことで、同和問題の解決というのは、同和問題に焦点を絞ってもらえばそのことがよく見えるようになりますから、同和問題の解決というのは、言われておるところの六千部落三百万の被差別部落民の人権を確保するということで、直接自分のことではない、人ごとだと思う向きもありますけれども、本当は自分のことなんです。本当は日本の国のことなのです。 どうですか、政務次官、それから通産省、同意をしていただけますか。まあ同意すると言っても、全権大使じゃないんだから、それであしたからよくなるとは思わぬけれども、気持ちというか物の考え方はおわかりいただいたでしょうか。
○古賀政府委員 同和問題から切り込まれましての、これが日本全体の、あるいはひいては日本が世界の中で問われている体質の問題に共通するという先生の御指摘でございました。 私も、先生のそういう御指摘、特に日本が国際化の中でいろいろな厳しい指弾も受けておる。そして、これは私の個人の見解ではありますけれども、日本の経済が明治以来ここまで来て、お金持ちにはなったけれども、先ほどの地域経済の空洞化とか、あるいは豊かさが実感できないとか、いろいろ御指摘がございますけれども、そこに、今あると考えたときに、やはり先ほど先生がおっしゃったような、理念的なといいますか、もう一つ原点に立って、日本の社会の根本といいますか、あるいは国際社会の中で日本が海外諸国からどう見られているかというものも、確かに先生がおっしゃるように、原点から見直してみる必要があるのかなと、実は私ながら考えて今聞いておったところでございます。それで、その御指摘をちゃんと受けとめまして、私自身、考えさしていただきたいと思います。 ただ、確かにそういう御指摘があると思うのでありますが、そういう基本的な、日本人の、あるいは日本の企業の、あるいは日本の社会の物の哲学的な考え方というものは、ゼネコンの問題が出ましたけれども、下請構造であるとか、そういうもののあしき部分を、やはり次の時代に向けて一つ一つの施策を考えていくということも同時にやらないとそういう根源的な部分というものもなかなか見えてこないのではないか、かように思いますので、先ほど申し上げましたけれども、経済の二重構造という言葉であらわされます諸問題について、経済企画庁のできる分野はごく限られておりますけれども、先生の御意見を肝に銘じまして対処してまいりたいと存じます。
○安達説明員 通産省といたしましては、産業振興を担う官庁といたしまして、地域改善対策事業を積極的に実施いたしますが、その実施に当たっては、今先生の御指摘の点を十分踏まえまして、地域改善対策事業を積極的に実施いたしまして、一日も早く一般地域の産業と対象地域産業の格差が是正されまして、速やかに差別が解消するよう精いっぱい頑張ってまいりたいと思っているところでございます。
○小森分科員 今言われるようなことは、全体のことの中へ、鳴門海峡へ、渦がまよおるところへ持っていって赤インターつぼ落としたみたいな程度のことなんです。やってくれなんとは言いません。ですから私はそういうことは余り期待してないのです。根本のところを直して、それから部分的な対症療法を考えるということでないと問題は解決がつかないのです。何でそんなに低く評価しておるのかということを思われるかもしれぬけれども、余り落胆をしないで。 それで、これはわかっておることだと思いますけれども、同和対策審議会の答申というのは非常によく論理的に整理をされておりまして、我が国の産業構造というものを分析して、「このような経済構造の特質は、そっくりそのまま社会構造に反映している。すなわち、わが国の社会は、一面では近代的な市民社会の性格をもっているが、他面では、前近代的な身分社会の性格をもっている。」つまり、部落差別を温存する条件というのはここにあるという意味のことを言っておるわけですね。したがって 人々の意識と、うものもそれがあるいはくくりつけられておるわけですね。 それで、きのうですか、私は外務省を相手取ってやったところで外務省に言うたんですけれども、あなたらは何で人権差別撤廃条約を批准せぬのかと。足を引っ張るのは法務省なんですけれども、外務省はどっちかというと外国のつき合いになるから早くやりたいという気持ちもあるのでしょうけれども、まだよう踏み切らない。世界百三十九カ国が批准しているのですね。日本は先進国だと言いながらまだやらぬのですね。口の先では、自衛隊を出したいときには国連中心外交ですね、人権のときには国連中心外交でない。そういうでたらめを言うなときのうも言うたんですが、こういう人間の意識をくくりつけておって、それはやはり国会、国会のみならず行政、政府にも人権の問題は軽んじられるという関係になるのですよ。 したがって、通産省とか経企庁とかが根本にさかのぼって物を考えていただく。これは党派的なことではないのです。もうこれは大変な国益の問題ですからね 同和対策の事業を組むと言うたら、国益でなくて、日本の国の徳川封建幕府以来ひこじっておる差別の問題を解決してやるんだという気持ちが起きるかもわからぬけれども、これは国益の問題なんですからね。そういう観点で考えていただきたい。 そして、もう余り時間がないから、さらに私の言いたいことを申し上げておきます。 残念でならないのは、今回の政治改革の問題をめぐって、宮澤内閣のときも海部内閣のときもそうだし、それから連立政権になっても、社会党までひこじり込まれて賛成しましたがね。私は処分されましたよ。党に反対して。なぜ私がそういうことについてやるかといったら、イデオロギー的に社会党の左派だからというような問題ではないのですよ。要するに、そういうことになって、政治勢力が二つの大きな塊になった場合には小さなものは捨てられていくという、今の日本のいわゆる経済の二重構造みたいなものがまだ整理されずにずっと行き渡っておる。ゼネコン汚職が起きる、自動車産業だって下請、孫請、電機産業だってそうだし、そういう状況だったら、どうしてもそれは、大きな二大ブロックになったときには、そんな細かいところは政治的には捨てられていくのです。これはもっと世の中が変わっていけばまた別の考えが生まれてくるかもわかりませんけれども、そんなことは全く議論されていないのです。 それで最近は、やることを私は非難するわけではないけれども、なるべくそういう声は届いた方がよいと思うからこの場でも言いますけれども、いや、小選挙区で今度は選挙をやるんだといって調子張りよる者がおりますが、わかっておるのかと私は言いたい。 アメリカの二大政党、共和党と民主党のあの国においてなぜ凶悪犯罪、人を殺したというような事件が日本の九倍なのですか、十倍なのですか。社会荒廃のするままに任しておりますよ。皆さんもアメリカに行かれると思いますけれども、ニューヨークの空港なんか足元へかばんを置いておってもとられますよ。社会荒廃、もうなるに任せておりますよ。 ホームレスがいっぱいおりますよ。零下七度、八度というところで露天で寝てますよ。インドとかバングラデシュなんかは露天で寝てる人は多いですけれども、まだあそこは気候が暖かいからよいけれども、ニューヨークの冬の零下七度、寒いときには零下十度ぐらいに下がるところは、朝起きたときは凍え死んでいるというようなことです。手が届かないのですよ、大きなものの利益だけを考える政治になったら。 レイプの数が、私は法務委員会におるから、そんなことも統計的によく目を配って見るけれども、アメリカのレイプは年間百万件ですよ、政務次官。これあなたは、小選挙区になって私らのような変わり者が出なくなったら、そういうことを言う者がいなくなってなるに任す、それはみんな多少正義感あるから多少のあれはあるだろうと思うけれども。 だから、皮肉なことを言うようですけれども、これまで自民党が後援会をつくって個人本位の選挙をやった、それは金を使うもとだといってへ理屈をつけて、何か政治改革の理屈を竹下さんのときに言い出したのだけれども、それぞれの者が後援会をつくってやるということは、まことに皮肉なことではあるが、いろいろな人の意見を自民党の議員は吸収しよったわけ。そこらのことも、それは必然的にそうなったのだろうと思うけれども、私は困ったことだと思ってます。 よほどこれは、それならばわかった、小選挙区で選挙をさせい、しかし経済の二重構造は一生懸命やる、解決やると。そこらが解決つけば、世の中のシステムがうまくなれば、それはよその国でもやっておることだから、一概に一〇〇%これは大ぼろくその選挙制度だとは言えぬかもしらぬけれども、日本的土壌の中でやり合うてみなさい。むごいものですよ、力のない者は。 そういうことを申し上げまして、若干のこの数年間の経過をついでながらちょっと申し上げておきたいと思います。 きょうのような議論をかなり数字的なことも挙げてやりましたが、今新生党に行っておられます船田さんが経済企画庁長官のときに、船田さん、あなたどう思われますかと言ったら、いろいろ議論のあげく、こう言われておるのですね。 その構造ということが人々の意識あるいは精神あるいは物の考え方、差別意識ということにつながっていくということ、これも私としてもそういう実態があるのだなということをつくづく感じておりまして、その根本である構造をやはり直していかなければいけない、その格差を一日も早く縮小、解消していかなければいけない、こういう観点に立って、経済運営は、もちろん国全体の経済運営ということも大事であります後が続くからこの辺で切りますが、船田さんはそう言っておるのです。どうも努力の跡が見られませんけれどもね。 それから自民党内閣、もちろん船田さんも自民党内閣時代ですが、私は、依然として経済の二重構造を支える労働力の供給源というものが続くわけですから、これは解決してもらわなければ困る。上見て暮らすな下見て暮らせということになるということを予算委員会の分科会でやりましたが、今新生党で活躍なさっておる渡部国務大臣は、 私は、この地球上に生をうける人間はすべて平等でありますし、まして、この国において新しい憲法ができて、今日この国に生きる人間の中に差別があるなどということがあってはならないことである、こう思っておりますけれども、先生今御指摘のように、残念ながらそういう現実があるとすれば、速やかにそういう問題がなくなるように全力を尽くして努力しなければならない こう言っておるのですね。 それで、議事録を読めばわかりますが、簡単に言ったら、渡部大臣は、わあ、そういうことは初めて聞いた、部落問題と経済の二重構造の関係というのは初めて聞かしてもらったという意味のことを言われたのを私は記憶してますね。だから、これは日本のためですよ。何か社会党の方のちょっと口やかましい小森というやつが来てぎゃあぎゃあ言いよるというものじゃないですよ。これがわからぬ限りは日本はだめですよ。これが渡部大臣。 それで、これは予算委員会でやったとき、通産省の政府委員で、これは局長だと思うけれども、こう言っているね。 ただいま小森先生がおっしゃいました系列関係つまり一次、二次、三次の関係ですが、系列関係等について、前近代的な流通構造、生産構造があるのではないかという御指摘の点につきまして、日本の産業構造、流通構造がすべて世界に模範となる立派な近代的なものだとも言えません確かにおっしゃ、ますように、親企業と子あるいは孫の下請企業との関係において賃金格差あるいは労働時間の問題その他、下請にいろいろしわが寄っておることも御指摘の点が多々あるかと思いますが、これらにつきましては、中小企業政策を中心に極力そういう格差を是正する方向での対策を講じてきておりますし、さらに今後いろいろ講じてまいりたいと思っております。 これが官僚的答弁で、講じてきてはおらぬのだけれども、講じてきておりますし、今後もやります、こういう言い方になっておるわけですけれども、私も辛抱して辛抱して、国会の中にも我が国の政府の各省庁にも徹底さそうと思って一生懸命やりよるんです。予算委員会の分科会、八分科会回ってやっておるのは恐らく私一人だと思いますよ。今回も、この決算委員会は事情があって八こま回れなかった。七こましか回ってないですけれども、一生懸命やっておるのです。 だから、これはイデオロギーの問題などと思わずに、人権の問題であり、そのことは、日本の経済にとっては 日本の経済が世界から余り恨まれたりいろいろ中傷されたりすることのないようにするための問題でありますから、どうぞひとつ十分にそれを銘記してやっていただきたいと思います。 最後に、政務次官、一言、今までもかなり共鳴した発言をいただいておりますが、一言だけコメントしてください。
○古賀政府委員 これはもう役所としてとかあるいは政府としてという答弁ではございませんけれども、私もよく地域の方々と対話をすることがございます。例えば高齢化社会の問題を論ずるときにも、これは高齢者のためあるいは身障者の方だけのために言うのではない。つまり我々健常者も、ある日病気になったり、あるいは人間でありますから泥酔をして弱くなるときがある。結局、社会全体がそういう優しいシステムをつくるというのは、例えば身障者の皆様方のためじゃなしに、やはり我々国民全体の問題だとよく申すこともございます。そういったことをよく申すわけでありますけれども、先生の御指摘、それと近いような御指摘だったと思います。 もう一点、これは特定の国を言うとまた問題になるかもしれませんが、私大変若いときにある国に行きましたけれども、社会全般に古い身分制度が今でも現に残っておる。その国はその後一向に経済発展、社会発展を見ない国でありますけれども、あのとき、私は人間として、こういう一つの構造的な、身分制度というものがあるから、自由な、能力ある人も伸びやかに仕事もできない、そういう国に行ったことがございます。やはりそういう、日本はそんなに悪いとはもちろん思いません、日本は日本なりにすばらしいポテンシャルと自由さを持った国とはもちろん思いますけれども、しかし、根源的にそういう問題がやはり何かの足を引っ張るという事実はあるということは今後肝に銘じてまいりたいと思います。 以上でございます。
○小森分科員 ありがとうございました。終わります。
○塩谷主査 これにて小森龍邦君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして経済企画庁所管の質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○塩谷主査 これより警察庁所管について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。城内警察庁長官。
○城内政府委員 平成二年度の警察庁関係の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 平成二年度の歳出予算現額は二千四十九億八千五百十一万円余でありまして、支出済み歳出額は二千四十三億九千四百六万円余であります。 この差額五億九千百四万円余のうち、翌年度へ繰り越した額は一億七千四百八十九万円余であります。 また、不用となった額は四億一千六百十五万円余であります。 以上、警察庁関係の歳出決算について御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。 次に、平成三年度の警察庁関係の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 平成三年度の歳出予算現額は二千五十二億五千九百三十七万円余でありまして、支出済み歳出額は二千二十四億九百七十四万円余であります。 この差額二十八億四千九百六十三万円余のうち、翌年度へ繰り越した額は五億八千三十八万円余であります。 また、不用となった額は二十二億六千九百二十四万円余であります。 以上、警察庁関係の歳出決算について御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
○塩谷主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院阿部第一局長。
○阿部会計検査院説明員 平成二年度警察庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 次に、平成三年度警察庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○塩谷主査 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩谷主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 平成二年度決算の説明 警 察 庁 平成二年度の警察庁関係の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 平成二年度の歳出予算現額は、二、〇四九億八、五一一万円余でありまして、支出済歳出額は、二、〇四三億九、四〇六万円余であります。 この差額五億九、一〇四万円余のうち、翌年度へ繰り越した額は、一億七、四八九万円余であります。これは、設計に関する諸条件により工事等が遅延したため、年度内支出を完了することができなかったものであります。 また、不用となった額は、四億一、六一五万円余であります。これは、退職者が少なかったので、退職手当を要することが少なかったこと等のためであります。 次に、支出済歳出額の主な費途について、その大略を御説明申し上げます。 第一に、警察庁の経費として一、四二二億七、六八七万円余を支出いたしました。これは、警察庁自体の経費及び都道府県警察に要する経費のうち警察法の規定に基づき国庫が支弁する経費として支出したものであります。 第二に、千葉県警察新東京国際空港警備隊の経費として八五億二、〇一八万円余を支出いたしました。これは、千葉県警察新東京国際空港警備隊が新東京国際空港に係る警備活動を実施するために要する経費として支出したものであります。 第三に、船舶建造費として三億五九八万円余を支出いたしました。これは、警察活動に必要な警察用船舶の建造に要する経費として支出したものであります。 第四に、科学警察研究所の経費として一〇億九、四〇六万円余を支出いたしました。これは、科学捜査、防犯及び交通についての研究、調査等のための経費として支出したものであります。 第五に、皇宮警察本部の経費として六五億一〇一万円余を支出いたしました。これは、皇宮警察の職員の給与、皇居の警備、行幸啓の護衛等のための経費として支出したものであります。 第六に、警察庁施設費として一八億一、〇八二万円余を支出いたしました。これは、警察庁関係の施設を整備するための経費として支出したものであります。 第七に、都道府県警察費補助の経費として四三八億四、二六〇万円余を支出いたしました。これは、警察法に定めるところにより、都道府県警察に要する経費の一部を補助する経費として支出したものであります。 第八に、他省庁からの予算の移替えを受けた経費は、科学技術庁からの科学技術振興調整費として一、二九四万円余、同じく、国立機関原子力試験研究費として七八七万円余、環境庁からの国立機関公害防止等試験研究費として一、三七五万円余、国土庁からの災害対策総合推進調整費として七九二万円余をそれぞれ支出したものであります。 以上、警察庁関係の歳出決算について御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。 ――――――――――――― 平成三年度決算の説明 警 察 庁 平成三年度の警察庁関係の歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 平成三年度の歳出予算現額は、二、〇五二億五、九三七万円余でありまして、支出済歳出額は、二、〇二四億九七四万円余であります。 この差額二八億四、九六三万円余のうち、翌年度へ繰り越した額は、五億八、〇三八万円余であります。これは、設計に関する諸条件により工事等が遅延したため、年度内支出を完了することができなかったものであります。 また、不用となった額は、二二億六、九二四万円余であります。これは、退職者が少なかったので、退職手当を要することが少なかったこと等のためであります。次に、支出済歳出額の主な費途について、その大略を御説明申し上げます。 第一に、警察庁の経費として一、三六六億四、五七三万円余を支出いたしました。これは、警察庁自体の経費及び都道府県警察に要する経費のうち警察法の規定に基づき国庫が支弁する経費として支出したものであります。 第二に、千葉県警察新東京国際空港警備隊の経費として八八億六、八三九万円余を支出いたしました。これは、千葉県警察新東京国際空港警備隊が新東京国際空港に係る警備活動を実施するために要する経費として支出したものであります。 第三に、船舶建造費として三億九一七万円余を支出いたしました。これは、警察活動に必要な警察用船舶の建造に要する経費として支出したものであります。 第四に、科学警察研究所の経費として一一億三、三九四万円余を支出いたしました。これは、科学捜査、防犯及び交通についての研究、調査等のための経費として支出したものであります。 第五に、皇宮警察本部の経費として六七億四、六二七万円余を支出いたしました。これは、皇宮警察の職員の給与、皇居の警備、行幸啓の護衛等のための経費として支出したものであります。 第六に、警察庁施設費として二四億五、一九五万円余を支出いたしました。これは、警察庁関係の施設を整備するための経費として支出したものであります。 第七に、都道府県警察費補助の経費として四六一億八、三八一万円余を支出いたしました。これは、警察法に定めるところにより、都道府県警察に要する経費の一部を補助する経費として支出したものであります。 第八に、他省庁からの予算の移替えを受けた経費は、科学技術庁からの科学技術振興調整費として二、五六五万円余、同じく、国立機関原子力試験研究費として九九八万円余、環境庁からの国立機関公害防止等試験研究費として一、五三一万円余、国土庁からの災害対策総合推進調整費として七七〇万円余をそれぞれ支出したものであります。 第九に、警察庁施設災害復旧費として一、一七八万円余を支出いたしました。これは、平成三年に発生した九月十二日から二八日までの間の暴風雨及び豪雨等によって災害を受けた警察庁施設の復旧に要する経費を支出したものであります。 以上、警察庁関係の歳出決算について御説明申し上げました。何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
○塩谷主査 以上をもちまして警察庁所管の説明は終わりました。 これより質疑に入るのでありますが、その申し出がありませんので、警察庁所管については終了いたしました。
○塩谷主査 これより自治省所管、公営企業金融公庫について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。倉田自治政務次官。
○倉田政府委員 平成二年度における自治省所管の決算につきまして、概要を御説明申し上げます。 一般会計の歳出決算につきましては、歳出予算現額は、当初予算額十五兆三千四百三十二億九千七百八十八万円余、予算補正追加額六千五百六十三億七千百七十六万円余、予算補正修正減少額八億六千九百四十八万円余、総理府所管から移しかえを受けた額二千四百二十五万円余、予備費使用額三十億八千七百五十八万円余、合計十六兆十九億千二百一万円余でありまして、これに対し、支出済み歳出額は十六兆十五億七千八百二十七万円余で、差額三億三千三百七十三万円余を生じましたが、この差額は全額不用額であります。 次に、特別会計決算につきまして御説明を申し上げます。 自治省関係の特別会計といたしましては、交付税及び譲与税配付金特別会計がありますが、この特別会計には、交付税及び譲与税配付金勘定と交通安全対策特別交付金勘定を設けております。 まず、交付税及び譲与税配付金勘定につきましては、歳入予算額は十九兆三千二百五十六億七千二百九十九万円余でありまして、これに対し、収納済み歳入額は十九兆三千五十七億千十六万円余となっております。 また、歳出予算現額は十九兆千二百七十九億三千三百九十五万円余でありまして、これに対し、支出済み歳出額は十九兆千百七十六億五千八百十五万円余、不用額は百二億七千五百八十万円余であります。 次に、交通安全対策特別交付金勘定につきましては、歳入予算額は七百五十六億六千三百八十八万円余でありまして、これに対し、収納済み歳入額は八百六十六億千六百三十四万円余となっております。 また、歳出予算現額は七百九十六億九千十九万円余でありまして、これに対し、支出済み歳出額は七百九十三億六千九百五十二万円余、不用額は三億二千六十七万円余であります。 次に、一般会計及び特別会計における主な事項につきましては、お手元に配付してある資料のとおりでありますが、委員各位のお許しを得まして、御説明を省略させていただきたいと存じます。 何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。 次に、平成三年度における自治省所管の決算につきまして、概要を御説明申し上げます。 一般会計の歳出決算につきましては、歳出予算現額は、当初予算額十六兆四百二十四億四千九百四十八万円余、予算補正追加額四千四十三億五千三百九十二万円余、予算補正修正減少額五千八百一億四千八百五十三万円余、総理府所管から移替を受けた額二千四百十七万円、予備費使用額三十四億四百九十一万円余、合計十五兆八千七百億八千三百九十五万円余でありまして、これに対し、支出済み歳出額は十五兆八千六百九十七億二千五十五万円余で、差額三億六千三百三十九万円余を生じましたが、この差額は全額不用額であります。 次に、特別会計決算につきまして、御説明を申し上げます。 自治省関係の特別会計としたしましては、交付税及び譲与税配付金特別会計がありますが、この特別会計には、交付税及び譲与税配付金勘定と交通安全対策特別交付金勘定を設けております。 まず、交付税及び譲与税配付金勘定につきましては、歳入予算額は十八兆五千四百三十八億七千八百六十八万円余でありまして、これに対し、収納済み歳入額は十八兆五千三百四十九億八千六百八十三万円余となっております。 また、歳出予算現額は十八兆二千五百八十億六千三百一万円余でありまして、これに対し、支出済み歳出額は十八兆千八百六十億三千八百万円余、不用額は七百二十億二千五百万円余であります。 次に、交通安全対策特別交付金勘定につきましては、歳入予算額は八百十六億千九百三十八万円余でありまして、これに対し、収納済み歳入額は千二十八億三千六百八十九万円余となっております。 また、歳出予算現額は九百五十二億四千六百三十九万円余でありまして、これに対し、支出済み歳出額は九百四十九億三千四十三万円余、不用額は三億千五百九十六万円余であります。 次に、一般会計及び特別会計における主な事項につきましては、お手元に配付してある資料のとおりでありますが、委員各位のお許しを得まして御説明を省略させていただきたいと存じます。 何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○塩谷主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院阿部第一局長。
○阿部会計検査院説明員 平成二年度自治省の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 平成三年度自治省の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 続きまして、平成二年度公営企業金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 また、平成三年度公営企業金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○塩谷主査 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩谷主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 平成二年度自治省所管決算概要説明 自 治 省 平成二年度における自治省所管の決算につきまして、概要を御説明申し上げます。 一般会計の歳出決算につきましては、歳出予算現額は、当初予算額十五兆三千四百三十二億九千七百八十八万円余、予算補正追加額六千五百六十三億七千百七十六万円余、予算補正修正減少額八億六千九百四十八万円余、総理府所管から移替を受けた額二千四百二十五万円余、予備費使用額三十億八千七百五十八万円余、合計十六兆十九億千二百一万円余でありまして、これに対し、支出済歳出額は十六兆十五億七千八百二十七万円余で、差額三億三千三百七十三万円余を生じましたが、この差額は全額不用額であります。 以下、支出済歳出額の主なものにつきまして、御説明を申し上げます。 まず、地方交付税交付金でありますが、歳出予算現額は十五兆九千三百八億三千四百二十万円余、支出済歳出額は十五兆九千三百八億三千四百二十万円余でありまして、全額支出済であります。この経費は、「交付税及び譲与税配付金特別会計法」に基づき、平成二年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込額のそれぞれ百分の三十二に相当する額、消費税の収入見込額のうち交付税及び譲与税配付金特別会計の歳入となる消費譲与税分を除いた額の百分の二十四に相当する額並びにたばこ税の収入見込額の百分の二十五に相当する額の合算額から昭和六十年度の地方交付税に相当する金額を超えて繰り入れられた額を控除した額に平成二年度の地方交付税交付金の特例措置による額を加算した額を、交付税及び譲与税配付金特別会計の交付税及び譲与税配付金勘定へ繰り入れたものであります。 次に、地方債元利助成費でありますが、歳出予算現額は五十億千七百八十四万円余、支出済歳出額は四十九億七千九百三十三万円余、不用額は三千八百五十万円余となっておりまして、この経費は、新産業都市の建設及び工業整備特別地域等の整備に係る地方債の特別調整分に対する利子補給金として、道府県に対し、交付したもの等であります。 次に、地方公営企業助成費でありますが、歳出予算現額は百四十一億三千八百二十二万円余、支出済歳出額は百四十一億三千八百二十万円余、不用額は二万円となっておりまして、この経費は、公営企業金融公庫の上水道事業等に係る貸付利率の引下げのための補給金として、同公庫に対し、交付したもの等であります。 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金でありますが、歳出予算現額は二百七億五千万円、支出済歳出額は二百七億五千万円でありまして、全額支出済であります。 次に、施設等所在市町村調整交付金でありますが、歳出予算現額は五十四億円、支出済歳出額は五十四億円でありまして、全額支出済であります。前述の経費及びこの経費は、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し、交付したものであります。 次に、消防施設等整備費補助でありますが、歳出予算現額は百六億九千百六万円、支出済歳出額は百六億八千七百三万円余、不用額は四百二万円余となっておりまして、この経費は、消防施設等の整備に要する経費の一部を関係地方公共団体に対し、補助するために要したものであります。 以上が一般会計歳出決算の概要であります。 次に、特別会計決算につきまして、御説明を申し上げます。 自治省関係の特別会計といたしましては、交付税及び譲与税配付金特別会計がありますが、この特別会計には、交付税及び譲与税配付金勘定と交通安全対策特別交付金勘定を設けております。 まず、交付税及び譲与税配付金勘定につきましては、歳入予算額は十九兆三千二百五十六億七千二百九十九万円余でありまして、これに対し、収納済歳入額は十九兆三千五十七億千十六万円余となっております。 また、歳出予算現額は十九兆千二百七十九億三千三百九十五万円余でありまして、これに対し、支出済歳出額は十九兆千百七十六億五千八百十五万円余、不用額は百二億七千五百八十万円余であります。 不用額を生じましたのは、一時借入金の利子の支払いが少なかったこと等によるものであります。 支出済歳入額の主なものは、 第一に、地方交付税交付金十四兆三千二百七十九億八千八百三十七万円余でありまして、これは、地方団体の基準財政需要額が基準財政収入額を超える場合にその財源不足額に応じて必要な財源を、また災害その他特別な財政需要等に対し必要な財源を、それぞれ地方団体に交付したものであります。 第二に、地方譲与税譲与金一兆六千六百二十六億九千二百七十六万円余でありますが、これは、消費譲与税譲与金、地方道路譲与税譲与金、石油ガス譲与税譲与金、航空機燃料譲与税譲与金、自動車重量譲与税譲与金及び特別とん譲与税譲与金として、関係地方公共団体に譲与したものであります。 次に、交通安全対策特別交付金勘定につきましては、歳入予算額は七百五十六億六千三百八十八万円余でありまして、これに対し、収納済歳入額は八百六十六億千六百三十四万円余となっております。 また、歳出予算現額は七百九十六億九千十九万円余でありまして、これに対し、支出済歳出額は七百九十三億六千九百五十二万円余、不用額は三億二千六十七万円余であります。 支出済歳出額の主なものは、交通安全対策特別交付金七百五十七億六千二十四万円余でありまして、これは道路交通安全施設の設置等の財源として、都道府県及び市町村に対し交付したものであります。 以上、平成二年度自治省所管決算の概要を御説明申し上げました。 なにとぞ、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。 ――――――――――――― 平成二年度業務概況説明 公営企業金融公庫 公営企業金融公庫の平成二年度の業務概況について御説明申し上げます。 平成二年度における貸付計画額は当初一兆四百八十六億円でありました これに対し貸付実行額は九千二百十八億千七百六十二万円であり、前年度と比較して十六パーセントの減になっております。 一方、この原資としては、公営企業債券の発行による収入等九千二百十八億千七百六十二万円を充てたのでございます。 なお、当年度における元利金の回収額は一兆三千百七十八億五千八百四十四万円余でありまして延滞となっているものはございません。 貸付実行額の内訳は、地方公共団体の営む上水道事業、下水道事業等に対するもの六千二百六十八億三千三百三十万円、公営住宅事業及び臨時地方道整備事業等に対するもの二千七百六十八億二千三百九十万円、地方道路公社及び土地開発公社に対するもの百八十一億六千四十二万円となっております。 以上により、当年度末における貸付残高は十二兆八千四百六十三億六千十七万円余になり、前年度末残高と比較して四パーセントの増になったのでございます。 また、農林漁業金融公庫から委託を受けて公有林整備事業及び草地開発事業に対し百六十三億二千五百七十万円の貸付けを実行しました。 このため、受託貸付の当年度末における貸付残高は三千七百七十一億三千二百二十七万円余になっております。 次に、当年度における公営企業債券の発行額は一兆五千七百六十四億六千百四十二万円余でありまして、このうち公募債が一兆二千百五十六億六千百四十二万円余、縁故債が三千六百八億円であります。 次に、公営企業健全化基金について申し上げますと、当年度における公営競技納付金の収入額五百九十一億九千二百四十一万円余を基金に充てました。一方、基金の運用益二百七十一億七百十八万円余を当年度における地方債の利子の軽減に要する費用に充てました。 この結果、当年度末における基金総額は四千百四十三億三千六百七十四万円余になりました。 次に、収入・支出の状況について申し上げますと、収入済額は収入予算額八千五百七十五億五千三百九万円余に対し八千六百二十五億六千五百五十二万円余、支出済額は支出予算額八千五十四億三千二十七万円余に対し八千二十九億千三百七十三万円余でありました。 また、損益の状況でございますが、貸付金利息等の利益金総額八千六百三十二億千七百十九万円余に対し、債券利息及び債券借換損失引当金繰入並びに事務費等の損失金総額八千三十億千三百八十六万円余でありまして、差し引き六百二億三百三十二万円余を債券発行差金等の償却に充当いたしましたので、利益金は生じておりません。 以上、平成二年度公営企業金融公庫の業務の概況について御説明申し上げました。 何とぞよろしく御審議の程をお願いいたします。 ――――――――――――― 平成三年度自治省所管決算概要説明 自 治 省 平成三年度における自治省所管の決算につきまして、概要を御説明申し上げます。 一般会計の歳出決算につきましては、歳出予算現額は、当初予算額十六兆四百二十四億四千九百四十八万円余、予算補正追加額四千四十三億五千三百九十二万円余、予算補正修正減少額五千八百一億四千八百五十三万円余、総理府所管から移替を受けた額二千四百十七万円、予備費使用額三十四億四百九十一万円余、合計十五兆八千七百億八千三百九十五万円余でありまして、これに対し、支出済歳出額は十五兆八千六百九十七億二千五十五万円余で、差額三億六千三百三十九万円余を生じましたが、この差額は全額不用額であります。 以下、支出済歳出額の主なものにつきまして、御説明を申し上げます。 まず、地方交付税交付金でありますが、歳出予算現額は十五兆八千一億八千五百十三万円余、支出済歳出額は十五兆八千一億八千五百十三万円余でありまして、全額支出済であります。この経費は、「交付税及び譲与税配付金特別会計法」に基 づき、平成三年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込額のそれぞれ百分の三十二に相当する額、消費税の収入見込額のうち交付税及び譲与税配付金特別会計の歳入となる消費譲与税分を除いた額の百分の二十四に相当する額並びにたばこ税の収入見込額の百分の二十五に相当する額の合算額から昭和六十年度の地方交付税に相当する金額を超えて繰り入れられた額及び平成三年度の地方交付税交付金の特例措置による額を控除した額を、交付税及び譲与税配付金特別会計の交付税及び譲与税配付金勘定へ繰り入れたものであります。 次に、地方債元利助成費でありますが、歳出予算現額は三十億七千五百六十万円余、支出済歳出額は三十億五千四百二十三万円余、不用額は二千百三十六万円余となっておりまして、この経費は、新産業都市の建設及び工業整備特別地域等の整備に係る地方債の特別調整分に対する利子補給金として、道府県に対し、交付したもの等であります。 次に、地方公営企業助成費でありますが、歳出予算現額は百三十五億三千百二十二万円余、支出済歳出額は百三十五億三千百二十二万円余となっておりまして、この経費は、公営企業金融公庫の上水道事業等に係る貸付利率の引下げのための補給金として、同公庫に対し、交付したもの等であります。 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金でありますが、歳出予算現額は二百七億五千万円、支出済歳出額は二百七億五千万円でありまして、全額支出済であります。 次に、施設等所在市町村調整交付金でありますが、歳出予算現額は五十四億円、支出済歳出額は五十四億円でありまして、全額支出済であります。前述の経費及びこの経費は、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し、交付したものであります。 次に、消防防災施設等整備費でありますが、歳出予算現額は百三十九億四千二百四十一万円余、支出済歳出額は百三十九億三千八百九十三万円余、不用額は三百四十八万円余となっておりまして、この経費は、消防防災施設等の整備に要する経費の一部を関係地方公共団体に対し、補助するために要したものであります。 以上が一般会計歳出決算の概要であります。 次に、特別会計決算につきまして、御説明を申し上げます。 自治省関係の特別会計といたしましては、交付税及び譲与税配付金特別会計がありますが、この特別会計には、交付税及び譲与税配付金勘定と交通安全対策特別交付金勘定を設けております。 まず、交付税及び譲与税配付金勘定につきましては、歳入予算額は十八兆五千四百三十八億七千八百六十八万円余でありまして、これに対し、収納済歳入額は十八兆五千三百四十九億八千六百八十三万円余となっております。 また、歳出予算現額は十八兆二千五百八十億六千三百一万円余でありまして、これに対し、支出済歳出額は十八兆千八百六十億三千八百万円余、不用額は七百二十億二千五百万円余であります。 不用額を生じましたのは、消費譲与税譲与金の前年度の決算による未譲与額が少なかったこと等によるものであります。 支出済歳出額の主なものは、第一に、地方交付税交付金十四兆八千八百八十六億七千四百九十五万円余でありまして、これは、地方団体の基準財政需要額が基準財政収入額を超える場合にその財源不足額に応じて必要な財源を、また災害その他特別な財政需要等に対し必要な財源を、それぞれ地方団体に交付したものであります。 第二に、地方譲与税譲与金一兆七千百九十三億四千三百九十三万円余でありますが、これは、消費譲与税譲与金、地方道路譲与税譲与金、石油ガス譲与税譲与金、航空機燃料譲与税譲与金、自動車重量譲与税譲与金及び特別とん譲与税譲与金として、関係地方公共団体に譲与したものであります。 次に、交通安全対策特別交付金勘定につきましては、歳入予算額は八百十六億千九百三十八万円余でありまして、これに対し、収納済歳入額は千二十八億三千六百八十九万円余となっております。 また、歳出予算現額は九百五十二億四千六百三十九万円余でありまして、これに対し、支出済歳出額は九百四十九億三千四十三万円余、不用額は三億千五百九十六万円余であります。 支出済歳出額の主なものは、交通安全対策特別交付金九百九億九百八十四万円余でありまして、これは道路交通安全施設の設置等の財源として、都道府県及び市町村に対し交付したものであります。 以上、平成三年度自治省所管決算の概要を御説明申し上げました。 なにとぞ、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。 ――――――――――――― 平成三年度業務概況説明 公営企業金融公庫 公営企業金融公庫の平成三年度の業務概況について御説明申し上げます。 平成三年度における貸付計画額は当初一兆千八十七億円でありました。 これに対し貸付実行額は一兆二百七十三億三千五百六十五万円であり、前年度と比較して十一パーセントの増になっております。 一方、この原資としては、公営企業債券の発行による収入等一兆二百七十三億三千五百六十五万円を充てたのでございます。 なお、当年度における元利金の回収額は一兆三千六百六十八億五千七百二十八万円余でありまして延滞となっているものはございません。 貸付実行額の内訳は、地方公共団体の営む上水道事業、下水道事業等に対するもの七千二百七十六億五千八百五十万円、公営住宅事業及び臨時地方道整備事業等に対するもの二千七百九十六億七千六百二十万円、地方道路公社及び土地開発公社に対するもの二百億九十五万円となっております。 以上により、当年度末における貸付残高は十三兆三千七百十六億五千百六十万円余になり、前年度末残高と比較して四パーセントの増になったのでございます。 また、農林漁業金融公庫から委託を受けて公有林整備事業及び草地開発事業に対し百五十五億千八百十万円の貸付けを実行しました。 このため、受託貸付の当年度末における貸付残高は三千八百九十億五千三百六十八万円余になっております。 次に、当年度における公営企業債券の発行額は一兆六千七百三十二億六千三百三万円余でありまして、このうち公募債が一兆二千二十億六千三百三万円余、縁故債が四千七百十二億円であります。 次に、公営企業健全化基金について申し上げますと、当年度における公営競技納付金の収入額六百十二億九千二十八万円余を基金に充てました。一方、基金の運用益三百十二億五千四百五十七万円余を当年度における地方債の利子の軽減に要する費用に充てました。 この結果、当年度末における基金総額は四千七百五十六億二千七百二万円余になりました。 次に、収入・支出の状況について申し上げますと、収入済額は収入予算額九千九億五千二百八万円に対し八千九百九十五億六千三百九十八万円余、支出済額は支出予算額八千三百九十五億八千四百八十三万円余に対し八千二百四十五億六千四百二十六万円余でありました。 また、損益の状況でございますが、貸付金利息等の利益金総額九千六億千六十五万円余に対し、債券利息及び債券借換損失引当金繰入並びに事務費等の損失金総額八千八百十億九千八百八十九万円余でありまして、差し引き百九十五億千百七十五万円余を債券発行差金等の償却に充当いたしましたので、利益金は生じておりません。 以上、平成三年度公営企業金融公庫の業務の概況について御説明申し上げました。 何とぞよろしく御審議の程をお願いいたします。
○塩谷主査 以上をもちまして自治省所管、公営企業金融公庫の説明は終わりました。
○塩谷主査 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉田公一君。
○吉田(公)分科員 まず最初に地方債について、その許可制度の理由でありますとかその他について伺いたいと思います。 地方債については、もう昭和二十一年以来、地方自治法ができて交付税制度というものができて、財源保障なり、あるいはまた財政の担保、地方債の資金の保障でありますとか金融機関の関与の排除でありますとか新規計画の整合性だとか、今日まで一定の成果を上げてきたわけでありますが、これから地方分権ということが言われる中で、特に地方分権の一番大事なことは何かといえば、もう既に御案内のとおり地方自治団体の自主財源の確保でございまして、これはもう地方分権の不可欠な要素であります。議会の議決を得てなおかつ国の許可を必要とするということは、理論的にはまことに根拠が薄いわけでございまして、住民の要望と負担の選択の中で議会の審議を経て議決を得るわけでありますから、自主的に財政運営をすることが本来好ましいと思うのですが、その点自治省としてのお考えを伺いたいと思います。
○湯浅政府委員 地方債につきまして御答弁させていただきたいと思いますけれども、御案内のとおり地方債は、現行の地方財政制度におきまして、地方税、地方交付税あるいは国からの支出金などと一緒に地方の重要な財源の一つとして、全体の地方財政対策の一環として位置づけられているわけでございます。そういう関係で、毎年毎年地方財政計画におきましてその発行規模を決めまして、しかもその元利償還金につきましては、毎年度の地方財政計画の歳出面におきまして公債費として計上いたしまして、各自治体の元利償還に滞りのないような、そういう財源措置をしている仕組みになっているわけでございます。 ただいま御指摘のように、地方分権を推進していくというためには地方の自主財源というものが充実されなければならないという点は、私どもも同感でございまして、地方税、地方交付税というような自主的に地方団体が使える財源というものを今後とも充実していかなければならないというふうに考えているところでございます。 その場合に、地方債の取り扱いという点につきましては、御指摘のように、地方の議会で地方債を幾ら発行するかということを毎年度決めまして運営していくわけでございますから、地方団体の内部におきましての事務処理というものは一定の処理ができるわけでございますけれども、一つ私どもが今許可制度をやっている理由として考えられますものは、この地方財政計画に計上された地方債の総額と、うものを 許可と、う仕組みを通じまして全地方公共団体に公平に資金配分をするという機能を持たせているところでございまして、財政力の大きい団体それから弱い団体、千差万別でございますけれども、この許可制度というものを通じましてすべての地方団体の資金調達が公平に行われるというふうな機能はあるわけでございます。また、この許可制度というものを通じまして元利償還財源を保障するという機能があるわけでございまして、個々の地方公共団体に対しまして、今は金融機関等からの審査はほとんどございません。許可があるということを通じまして、金融機関等におきましては資金を提供されるというようなことでございまして、地方債の許可というものがいわば保障の機能を持っているというようなことも言えるわけでございます。 そういうこともございまして、我が国の地方債は、国債、政府保証債とあわせまして、信用力が非常に高いものでございまして、そういう信用力の高く、しかも償還の遅滞がないというような点は、やはりこの許可制度というものを前提にして行われてしると、うのが実は実態なわけでございます。 借入金をするという場合には、資金を提供する者はその資金が返還されるかどうかというのを厳しく審査するのが当然でございますけれども、この許可制度というものを通じまして、その審査を行わないで済むような、そういう機能も持っているということを御理解いただきたいわけでございます。 そういう意味で、現在許可制度が行われているわけでございますけれども、私どもが行革審などでも言われておりますとおり、この許可制度の手続面につきましては、できるだけ簡素化いたしまして、その運用に当たりましては、個々の地方団体の国の関与というものを必要最小限にしていくという努力は、当然のことながら今後もやっていかなきゃならない。そういうことを通じまして、地方債市場の整備育成というものも考えていかなければならないというふうに考えているところでございます。
○吉田(公)分科員 今御答弁にありましたように、公平に配分をしなきゃならぬということもございましょうし、また、地方財政計画という中にも取り込んでいかなければ、財政計画全体が成り立たないということもございます。 そこで、今実は不交付団体がただ一つしかありませんね。昭和二十一年に地方自治法ができてから「当分の間、」ということを明記してあります。その「当分の間、」をめぐって実は論議があるわけですけれども、「当分の間、」というのは大体どのぐらいのことを指すのか。 そして、今お話がありましたように、公平に配分する、あるいは地方財政計画という立案をしなきゃならない自治省にとりましては、不交付団体というのは今一つしかないわけです。それはもう御承知のとおり東京都であります。東京都は、交付税制度ができてから一回も交付団体になったことがありませんで、そういう財政力のあります、しかも償還能力のある都道府県等については、「当分の間、」というのを外してもらえないか、そういう要望があるわけでありますが、このことについて御答弁をいただきたいと思います。
○湯浅政府委員 三千三百の地方公共団体の中には、財政力の非常に大きい団体それから小さい団体種々ございます。 今御指摘のように、東京都は交付税の交付を受けないで財政運営ができる地方団体でございまして、都道府県の中では現在東京都だけでございますけれども、市町村の中には約百五十前後でございますか、毎年大体地方団体の五%前後が不交付団体ということになっているわけでございます。そういう団体は、御指摘のように、交付税の交付を受けないで財政運営ができるということでございますから、財政力の非常に強い団体ではございます。 そういう団体もなぜ許可が必要なのかという点でございますけれども、まあ「当分の間、」という「当分の間、」の期間というものは、法律的には特にどのくらいということを限定するというものではないようでございますけれども、先ほど来申し上げました地方債の許可制度の機能というもの、これとの兼ね合いでやはりいろいろ考えていく性格のものじゃないかなという感じがするわけでございます。その場合に、不交付団体だけをこの許可制度から除外するというようなことは、財政計画全体が交付団体、不交付団体全体を総合して財政計画の運営をしているという観点から見まして、なかなかうまくいかないわけでございます。 そういう意味で、現在では交付団体、不交付団体問わず許可制度というものの対象に一応はしているわけでございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、できるだけ発行手続、許可制度の許可の手続というものを簡素化いたしまして、自治体の手続のためのいろいろな煩雑なことがないように注意をしながらこの点は運営をしていきたいというふうに考えておりますので、この点をぜひ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○吉田(公)分科員 御承知のとおり、東京は我が国の首都でありまして、そして御案内のとおり、かつての内務省の、地方自治をつくった鈴木俊一さん、都知事をやっておられるわけでありますが、「当分の間、」と恐らく鈴木さんが決めたのかどうかわかりませんけれども、ぜひそういう意味で、五年なら五年続いた、十年続いた不交付団体についてはもう起債の許可は上げないで、自主的に責任を持ってあなた方の地方団体でやりなさい、そういう指導だけ残して、東京都に対する起債の許可についてはぜひひとつ今後廃止をするように御検討いただきたい、そう思っているわけでございます。 「当分の間、」ということについては、それぞれ何年という指定がありませんけれども、まあしかし昭和二十一年から「当分」とは言い切れないので、「当分の間、」ということについてもう既に外してもいい時期ではないか、しかも明記をしてあるわけですから、ぜひその点を今後御勘案をいただきたい、そう思っております。 なお、そのことにつきまして、今後私もさらに自治省御当局に要望してまいりたい、そう思っておりますので、今後ともその点につきましては御検討のほどをよろしくお願いを申し上げます。
○湯浅政府委員 御趣旨は私どももよく理解をいたしております。ただ、この地方債の運用という問題は、資金の単なる補助と違いまして、貸し借りということになりますと、資金を提供するものがその償還というものを十分頭に入れて資金というものは貸し付けられるわけでございますから、その資金の貸し借りというものが地方債全体として円滑にいかなければならないと思うのが私どもの立場でございます。 そういうことで、従来から地方債を発行して今まで一度もどの団体もこの延納がないということは、やはりこの許可制度というものに裏づけられた償還財源の確保ということが裏にあるからではないかというふうに考えているわけでございます。そういう金融の考え方、そういうものとこの許可制度というものが今の段階では非常にうまくかみ合って機能しているというように私どもも考えておりますけれども、今御指摘のような問題もございますので、よく検討はしてまいりたいと思います。 この点については行革審におきましてもそういう議論がいろいろ出ましたけれども、やはり許可制度そのものについて、なくすかどうかということよりも、むしろこの許可制度を弾力化、簡素化し、この地方団体の起債に係る国の関与を最小限度にしていくべきだという御指摘もあるわけでございますので、こういうところもよく勘案いたしまして今後とも対応してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
○吉田(公)分科員 次に、行政改革についてお伺いをしたい、こう思います。 御案内のとおり、連立与党になりましてから行財政改革、特に規制緩和、許認可事項ということについて今勉強したしておりますし また、会を設けて規制緩和の方向に向かって努力いたしておりますが、我が国は規制国家だ、こう言われてきております。したがって、規制国家は御承知のとおり繁栄しないというような歴史的な過程もございまして、特に、政治の体制が変わり、経済体制が変わり、産業体制が変わってくる中で、逆に許認可事項が、減らすと言っていながらふえている。特に、中曽根内閣では盛んに行財政改革を言っておりましたけれども、減るどころじゃない、逆にふえている。 こういうこともございまして、それがひいては物価高やあるいはまた人件費増につながっているのではないか、または産業活動について非常にブレーキがかかっているのではないか。これはアメリカ等で指摘をされているところでございまして、ぜひひとつ、今後、この行財政改革について事務方としての取り組みの基本姿勢をまず伺っておきたい、そう思いますので、よろしくお願いします。
○坂野説明員 ただいま御指摘ございましたように、行政改革を進めてしく上で規制緩和は重要な課題だというふうに考えておりますが、この規制緩和を含みます行政改革の全般的な進め方につきましては、この二月に閣議決定をいたしましたいわゆる中期行革大綱というものにおきまして、その主要な課題あるいはその手順などを定めておるわけでございます。 規制緩和につきましては、この行革大綱におきまして第一の柱に位置づけておりまして、当面の具体的な措置を決定すると同時に、さらに中期的には推進計画を策定して継続的に進めることといたしております。なお、この三月に対外経済改革要綱を閣議決定いたしまして、それに基づきまして、現在、六月末を目途に具体的な規制緩和方策の取りまとめも急いでおるということでございます。 その規制緩和のほか、行政改革の課題といたしましては、地方分権の推進でありますとかあるいは行政情報公開の推進などの課題とともに、さらに総合調整機能の充実あるいは公務員の人事管理等の改善、さらには行政組織、特殊法人等の改革合理化などにも努めることといたしておるわけでございます。 なお、先生御指摘ございましたように、現在、与党各党の皆様方において、行政改革の抜本的な推進に関しても熱心な御論議をいただいておるところと承知をいたしておりまして、私どもといたしましても、その御論議の推移なども踏まえながら、さらに積極的な行政改革の推進に当たっていきたいと考えております。
○吉田(公)分科員 いろいろ規制緩和については、各省それぞれレクチャーをしてもらいまして、この規制緩和についてはどうなっているんだと。それぞれ各役所ともいろいろな理由をつけて、これはなぜ存続をしなければならぬかというそういう説明はあるわけでありますが、その説明というのは、今後、御意見ごもっともですなんて言っていたら規制緩和なんて一つもできないわけだ。 だから、そういう各省の意見等については最終的には無視をせざるを得ないというようなことになるわけですけれども、坂野課長さんもそれぞれそういう場に立ち会っておられて、各省のなぜこの規制が必要なのかという説明も理由も聞いておられる、こう思うんですけれども、そういうことも乗り越えてやらなくては結果的には回答が出ないわけですね。だから、ぜひひとつ事務方として、つまり、このことについてはもうやむを得ない、幾ら理由があっても、説明しても、存在理由があってもやむを得ない、そういう点についてはどうお考えですかね。各省ともみんな必要性を説かれるわけだ。
○坂野説明員 非常に厳しい御指摘をいただいたというふうに考えますが、現在ございますさまざまの公的規制につきましては、その規制を設けた当時、やはりそれなりの理由があったと考えるわけでございます。ただ、その後の時代の変化あるいは技術の進歩などによりまして、規制の内容を見直していく、あるいは規制のやり方を変えていくということが求められるわけでございます。 私どもといたしましては、そういう変化に対応した規制のあり方というものを十分各省とも議論をさせていただいて、そして先生御指摘のように、公的規制というものが本来果たすべき役割を果たす、あるいはその役割を終えたものはもうその規制をやめる、そういう考え方で、積極的にこれからも規制緩和を進めさせていただきたいというふうに考えております。
○吉田(公)分科員 本来は、我々から規制緩和チームなどつくらないで、総務庁が中心となって自浄能力でやっていかなければならない問題だ、こう思っているわけですよ。ところが、チェック機能が実際にはなかったから、許認可事項がふえて、規制がふえてきたわけです。だから、そういう意味では、各議会からこれも廃止しろ、あれも廃止しろ、これはどうなんだなんて言われないうちに、総務庁が中心となって、つまり同じ役所同士なんだから、事務的に自浄能力で処理をしていくということが本来の姿ではないか、私はそう思っているわけでございます。 次に、警察庁に御質問をさせていただきたい、こう思いますが、組織暴力及び広域犯罪に対する機動捜査力強化についてということで、私はかねてから、東京都議会で警務消防委員長を昨年までやっておりましたので、非常に関心を持っているわけでありますけれども、広域暴力団対策や、そしてまた犯罪が広域化している。つまり、各県警本部の県境で犯人を取り逃がしてしまったり、あるいは連絡調整がうまくいかないで捜査が後手に回ったりというようなことがときどき報道の中にもあるわけですけれども、そういうものに対する警察庁直轄の機動力を持った部隊といいますか隊をつくって、対応できないものかということを常々考えているわけであります。 特に、アメリカなんかはFBIというのがあって、御承知のとおり、アメリカなんかは特に自治体警察が強いのですけれども、ただ、州境を越えて、あるいは市境を越えて犯罪者を追っかけなければならないときに、現場の警察署を指揮して、そして捜査能力を高めるということがあるわけですけれども、警察庁にとってそういう構想というのがおありなのかどうか、あるいはまた前向きに取り組んでいただけるのか、その点についてお伺いをしたい、そう思います。
○緒方説明員 御指摘のとおり、現在の警察制度は自治体警察を基本として行っているわけでございますけれども、広域暴力団や広域犯罪に対しまして、御指摘の問題につきまして、これまで、都道府県警察における連携の強化を図るために、各都道府県警察に広域捜査の中核としての広域機動捜査班を設置したほか、関係都道府県警察による共同捜査や合同捜査を積極的に推進する体制も進めているわけでございます。特に、社会的、経済的に一体となっている県境付近におきましては、関係都道府県警察により編成しております管区広域捜査隊を、今二カ所でございますけれども設置してやるほか、隣接都道府県警察相互間に協定を結ぶなど、県境にとらわれない一体的な広域捜査活動を行うような体制整備を進めてきたところでございます。 こういうことをやってきましたけれども、しかしながら、県境周辺における対応や事犯の共同処理などにおいて、指揮系統などに問題があったのは事実でございます。これらの問題に対処するため、このたび警察法改正案を国会に提出し、御審議をお願いしたところでございます。 なお、先生が言われました案につきましても、今までも警察庁としても直轄部隊を置くかどうかについていろいろ検討はしたわけでございますけれども、現在の警察の自治体警察を基本とする現行の制度を前提としてこれまで以上にやるためには、まず、各都道府県警察の連携をもっときちっとやり、迅速的確に処理するように進めていくことが、現在における問題じゃないかと思っております。
○吉田(公)分科員 これは 法律をある程度改正しなきゃできないことだと思いますので、ぜひその面も含めまして御検討いただければありがたいと思っています。 日本の治安というのは、交番制度にあるのだ、こういうことで、東南アジアの警察からも我が国の交番制度について見学に来られて、たしかシンガポールなんかそれを見習ってやっておるという話を聞くのですけれども、最近、都市におきまして、空き交番が大変多くなっちゃった。非常に住民にとって不安だ。御承知のとおり、二十四時間体制だと、八人の警察官を配置しないと二十四時間体制が全部とれない。こんなこともあって、人員増ということがなかなか今できないということから、警察当局も非常に苦慮しているだろう、こう思いますが、ぜひ交番制度を充実して、なおかつ治安の維持、向上を図っていただきたい。 それには、定年をされた警察官がたくさんおられるわけですから、そういう方々は非常に経験も豊かだ、そしてまだまだ働けるということでございまして、準警察官制度というのを設けて、交番の防犯活動等については、昼間そう、う方々に勤務していただく。人員が認められればいいですよ。だけれども、なかなか認めてくれないのだから、認められないのなら、そういう準警察官制度というのを新たに設けて、そしてやっていただきたい、そう思いますが、私はもう一つ農林省に聞かなければならないので、答弁ひとつ簡単にお願いいたしますよ。
○小野説明員 今御指摘ございましたけれども、交番制度は最も身近な警察施設で、住民の安心感のよりどころになっているわけでございます。 現在、警察といたしましては、現場第一主義の観点で、空き交番をなくすという方針でいろいろと創意工夫をしております。その中の一つといたしまして、今御指摘ございましたように、警察OBなどの方々を交番相談員という形で配置する施策を採用しております。この施策は、非常に専門的な経験を有している方を交番に配置をお願いをいたしまして、そこで各種相談への対応、遺失物などの届け出の受理、地理案内等々に従事することをお願いをしておるわけでございまして、住民の方々からも大変好評を得ておると考えております。 私どもといたしましては、今後ともこの制度を充実してまいりますとともに、この交番相談員につきましては、やはり御年配のこともございまして、このような形で運営をし、その増強を踏まえまして、地域警察官はなるべく夜間に余力を振り向けるという形の対応をしてまいりたいと考えております。
○吉田(公)分科員 ありがとうございました。 次に、農林省です。 牛国自由化に伴って畜産振興事業団の役割が変わったんじゃないかと思うのですけれども、その点について伺います。前に、自由化に伴って畜産振興事業団を廃止したらいいじゃないか、そういう議論もあったようでありますが、その点についていかがでしょうか。 それと、大変恐縮ですが、農用地整備公団の役割もあわせて伺いたいと思いますが、年間三百億以上のお金を使って、三年間で一千億だ。それだけの膨大なお金を使って水田や畑作を整備して、畑作や酪農振興や水田振興にそんな膨大なお金を投入して、一体生産性のことについてはどうなのか、あわせて御説明いただきたい、こう思います。
○西尾説明員 まず、畜産振興事業団のことについてお答えさせていただきます。 先生御案内のとおり、昭和六十三年に牛肉の貿易交渉、アメリカと豪州との間であったわけでございますが、その際、平成三年度から自由化をするということが決定されました。したがいまして、それまで畜産振興事業団が行ってまいりました輸入牛肉の売買業務というのは、平成三年度から中止をいたしております。それで現在に至っております。 ただ、自由化をするという決定をした段階で、いわゆる牛肉の自由化が子牛価格の大幅な下落を引き起こしまして、生産者に多大な被害を与えると同時に、消費者に対しましても、肉質の面で評価を受けております国産牛肉が将来出回らなくなるということが想定されまして、このため昭和六十三年の秋の国会におきまして、自由化対策の一環といたしまして、いわゆる肉用子牛の不足払い法が制定されました。それで、平成三年度から畜産振興事業団は、この肉用子牛の不足払い業務を実施して、現在に至っているところでございます。 また一方、これまで畜産振興事業団が行ってきた業務のうちには、加工原料乳の不足払い業務、これは北海道を中心とした加工原料乳製品の原料乳の不足払いでございますが、それと畜産の合理化のための助成業務、それから畜産物の価格安定業務を実施しておりまして、これらは引き続きやっておるわけでございます。これらの業務は、畜産物の安定供給と、我が国のこれから畜産の国際化を図るという体質強化の観点から、この事業団の業務は引き続き重要な役割を果たしているのではないかと考えております。 ちょっと長くなりますが、さらに先般のガットのウルグアイ・ラウンドにおきまして、畜産振興事業団は関税化される乳製品について国家貿易を行う機関として認められております。平成七年度からウルグアイ・ラウンドの協定期間が開始されるわけでございますが、ガット上の約束であります乳製品等のカレントアクセス、生乳換算で約十四万トンの乳製品は毎年輸入しなければいけないという約束でございますが、その輸入を果たしていくという役割も担っていく必要があると考えているわけでございます。 以上のような役割を考えたとき、今後の我が国の畜産の国際化を図るという見地から、今後とも必要なものと考えておるところでございます。
○内藤説明員 農用地整備公団の役割についてお答えいたします。 農業につきましては、内外価格差を縮小し、良質な食糧を安定的に供給するということが至上課題でございます。そういう効率的な農業を実現するためには、その基礎的条件である農業生産基盤の整備を行いまして、経営規模の拡大と生産コストの削減を行うことが不可欠の課題となっております。 生産基盤につきましては、私ども、昨年の四月に閣議決定していただきました第四次土地改良長期計画の中で整備目標を決めておりますが、その長期計画が達成された場合には、稲作の労働時間につきましては約五割、生産コストについては約三割低減することが可能になると試算しております。私ども、これを目標にしまして、今基盤整備については努力しておるわけでございます。 農用地整備公団事業につきましては、この基盤の整備を急速に図ることが必要、効果的と認められる農業地域を対象に、農用地、土地改良施設の整備を総合的に行っておりますが、ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業合意を受けまして、「新しい食糧・農業・農村政策の方向」に即して今後、日本の農業の体質強化を加速的に推進いたしていく上で、その重要性はむしろ高まってきているのではないかと認識しております。 個々の公団事業の実施に当たりましては、あらかじめ都道府県、市町村、事業参加希望農家の意向を十分聞いた上で、事業の必要性、技術的可能性、経済的妥当性を十分検討しております。特に、経済的妥当性につきましては、土地改良事業に準じまして、事業計画を策定する段階に、地域農業の現状と将来展望を踏まえた営農計画を作成し、作物の増収、他作物の導入、機械の効率的な利用に伴う労働費の節減、農道の新設、改良による走行経費の節減等農業効果が事業費を上回っていることを確認の上、事業を実施しているところでございます。 もとより、このような事業実施による生産性向上の効果が着実、確実に上がるためには、事業完了後における営農指導が重要になってまいります。これにつきましては、県、市町村、農協と十分連絡をとって、連携をとってやっておるところでございます。 以上でございます。
○吉田(公)分科員 終わります。
○塩谷主査 これにて吉田公一君の質疑は終了いたしました。 次に、正森成二君。
○正森分科員 私は、大阪市における同和保育所をめぐる問題について聞かせていただきたいと思います。 これはごく最近、ことしの四月に起こったことでありまして、事件が起きましたのは大阪市立浪速第二保育所と第四保育所など、浪速地区の保育所でございます。それで、この保育所が親子遠足を実施したわけですが、全国部落解放運動連合会の会員である狭間義和さんの子供たち六人は、まず最初に入所そのものが大阪市同和事業促進協議会を窓口にして申請書類を出さなかった、つまり窓口一本化方式で入所申請をしなかったとして、三月末ぎりぎりまで入所決定がなされなかった事態が続いたわけです。 これにっしては各方面の追及がございまして、大阪市はぎりぎりになって措置決定をいたしましたが、大阪市は入所後、同和対策事業として行われている服装品の支給を拒否いたしまして、他の子供たちはそろいのスモックや体操シャツなどが支給されましたが、狭間さんの子供たち六人には支給されませんでした。したがって、違う服装で保育所に通う事態が続いております。十一日には親子遠足が実施されまして、そろって阪神パークに行きましたが、狭間さんの二歳児や一歳児の子供たちは別の服装で参加するまでになりました。ここに写真があります。ほかの子供は青いスモックを着ておりますが、この子供だけは私服ですから一人だけ目立つ赤い服装を着ております。委員長、済みません、ごらんになってください。よろしいですか。 五歳児の子供は、五歳児もおるのですが、ほかの子供と同じ服装でないと嫌ということで、昨年支給された古いスモックを着て参加しました。このころの子供は非常に成長しますから、昨年のスモックというともう小さくなっているわけであります。 こういう扱いを受けました保護者の狭間義和さんが言っておりますが、「すったもんだの結果、なんとか保育所へは入れたが、今度は標準服が支給されない。」この人自身、今二十七歳ぐらいですが、二十年余り前に自分自身が同じような扱いを受けたことがあるのです。「自分自身、保育所、小学校と一人だけみんなと違う服しか着れずつらい思いをした。その同じ思いをわが子が、と思うと怒りがこみあげてきていても立ってもいられません。こんな差別を繰り返して本当に部落差別を解消出来ると思っているのでしょうか。一日も早く解決してほしい。」こう言っています。 大阪市議会でも非常に問題になりまして、いろいろ質疑応答が繰り返されているそうですが、本日地域で出ました新聞を見ますと、昨日市議会で大阪市長などを相手にやりとりがありまして、大阪市長は「(地区協は)新幹線に乗っていかねばならない(ほど遠い)ところではなく、ちょっと足を運んでほしい」というような答弁をしております。これは、地区協なんというのがそもそもどういうものであるかということを全く理解しないものだと言わなければならないと思うのですね。 それで、おいおいと聞いてまいりますが、まず厚生省に、児童福祉法に基づいて保育に欠ける子供たちは措置をしなきゃならぬということになっているはずであります。それをぎりぎりまで、同促協に申請を出さなかったということで入所をさせないなどということは、全く法律の趣旨から見て反するのではないのですか。私は後で、昭和五十四年にありました大阪高等裁判所の判決や、あるいはその後平成元年に行われました同じく大阪高裁の判決なども引用して質問するつもりですが、まずその点について答えてください。
○柴田説明員 保育所の入所につきましては、法律上、保育に欠ける要件に該当する場合には市町村は措置しなければならないというふうになっております。
○正森分科員 いかなる差別も許してはならないということを、法の条件に合致する限りは措置しなければならないということでお答えになったと思います。 そこで、大阪市はなぜこういう無法なことをやっているのでしょう。しかるべき官庁、自治省でもよろしいし、その他の官庁でもよろしいが、一言答えてください。
○吉田(弘)政府委員 今、先生御指摘の大阪市の事例でございます。被服の問題等についても御指摘ございました。これにつきまして大阪市に照会をいたしましたところ、大阪市の方では、スモックや体操シャツの給付につきましては同和対策事業として位置づけをして、社団法人の大阪市同和事業促進協議会等の協力を得て実施をしている事業であり、大阪市の支給要綱において所定の手続が定められている、この手続をとられない方々について当該給付が支給できないという状況が生じているということでございました。 また、大阪市といたしましては、このような取り扱いについては、昭和五十五年の和解以降、和解条件であるところの運用面の整備に努めてきたところであり、一日も早く申請をしていただきたいということでございました。 いずれにいたしましても、このような地方団体が行う事業につきましては、基本的にはまず地域の実情をよく承知をしております当該地方公共団体において、適切に実情に即して実施されるべきであるというふうに考えております。
○正森分科員 適切にやられていないからこうやって質問しているので、今、行政局長というの、あなた言われたことは大阪市の言っていることをオウム返しに言っただけで、それに対して国としての判断力やあるいはその是非について一言の言及もない。 そこで、やむを得ないから順次言いますが、あなたは大阪市の手続に従って行われているんだと言いましたが、大阪市が、約して市同促方式といいますが、同和事業促進協議会というのを設けた。それが下部組合としての教育向上会とか要求組合をつくって、そこへ加入しなければ、副申といいますが推薦書を出さない、そして副申がなければこれは手続が進行しないということで、多くの方が差別を受けてきた。それに対して裁判が起こされまして、幾ら入所その他の申請をしても、あるいは同和関係の個人に対する施策、そういうものをやっても、施策が実施されない、ほったらかしで応答しない、そこで不作為の違法確認の訴訟が行われたことは御存じのとおりです。それで、長い間争って、昭和五十四年に大阪高裁の判決が出されました。 政務次官は、私の承知しているところでは弁護士だそうですから、ごらんになればおわかりになると思いますが、それを引用しますと、今あなたが言われた手続に従ってということが真っ向から争われて、こう言っているのです。 「そしてそのことは、被控訴人」大阪市で「の判断権の行使の面からも言えることである。すなわち、被控訴人が右実質的受給資格の存否を審査するうえにおいて、副申の有無」、今言うたものですね。「が被控訴人の判断を法律的に拘束すべきいわれは存せず(若し拘束するとすれば、実質的には本件給付行政を民間機関に委ねるだけでなく、被控訴人固有の判断権を放棄するに等しく、ひいては住民が行政主体そのものによる行政判断を受け得る権利を侵害するもので、違法、無効と断ぜざるを得ない。地方自治法第十条二項、百三十八条の二参照)、被控訴人にとっても、右副申のないことは、それのみを以てしては、該申請を却下すべき明白な事由とはなり得ないからである。」こういうふうに言っているのですね。 それで、釈迦に説法ですが、地方自治法の十条二項はどう書いているのか。「住民は、法律の定めるところにより、その属する普通地方公共団体の役務の提供をひとしく受ける権利を有し、その負担を分任する義務を負う。」こうなっています。地方自治法の百三十八条の二はどうなっているか。「普通地方公共団体の執行機関は、」途中略「公共団体の事務を、自らの判断と責任において、誠実に管理し及び執行する義務を負う。」こう言っています。 これを大阪高等裁判所は真っ正面から援用して、大阪市のそのような手続、そしてその手続上の副申がないというようなことで、ひとしく地区住民が受けるべき施策が受けられないというのは違法であるというように断定したんです。そこで和解交渉が行われて、最高裁の強力な勧告によって和解が結ばれて、以来、平成元年に一部例外が起こりましてまた裁判になりましたが、それでもやはり差別を受けた方が勝訴しまして、そして、ことしの三月までは異議なく全部保育所に入ることができ、そしてスモック等も支給されてきたわけです。 あなたは今、何かそういう何やらの整備ですか、進んでいるとかなんとか言いましたが、一体どういうぐあいに進んでいるんですか。
○吉田(弘)政府委員 五十五年の和解で、現行の申請制度について運用面の整備に努めるというようなことで和解があったというふうに聞いておりますが、それに基づいて、この運用方式について市行政当局が関与するような格好で努力をしているというふうに聞いております。
○正森分科員 行政局長、あなたの顔を見ていたら、何も知らぬけれども答えないわけにいかないから答えておるということが、顔にはっきりあらわれているよ。そんなもの、整備面が進行したからと言うんでしょう。どういうぐあいに進行したんだということを知らないでしょうが。私から言ってあげようか。 教育会の役員の人事が部落解放同盟と同じだったら余りに露骨だから、部落解放同盟の支配下にあるけれども、部落解放同盟の同一の人間が教育会の幹部に座るというようなことはやめようという程度のことなんですよ。実質は何も変わっていないんです。それなのに、ことしの二月、三月までは実行してきたこと、それを破って、そして子供に大きな苦痛を与えるというようなことは、大人の世界でもあってはならないけれども、子供の世界では一層あってはならないんじゃないですか。 それで、この判決はさらにこう言っているんですよ。委員長、少し長いけれども、大事だから読ませていただきます。 「しかし、今ここで問題となっているのは、副申の無い申請について、」つまり解同の気に入らないものについて、「そのことだけで直ちに受給資格の欠缺が明白であるとすることに合理性が認められるかどうかなのであって、右同促協・地区協が部落解放同盟そのものではないにも拘らず、前記のように、控訴人らが推せんを受け得る見込のない理由が、部落解放同盟や、その事実上下部組織である各要求組合(要求組織)に属していないためとしか考えられない現実を踏まえて事を判ずれば、左様な特定の団体・組織への加入の有無が、いかに同促協・地区協の立場においては、推せんをすると否との判別上便利な標識であっても、これが、最終の支給権者たる被控訴人」大阪市「との間においても、その申請をして受給資格の存否の判断を受ける機会を与えられるか否かの標識としても働く結果を是認することは、どう考えても不合理なこととして、許されないものとしなければならない。」こう言っているんです。「たしかに、折角同促協・地区協の緊密な協力の下に、本件給付制度が、右副申手続を介して一百円滑に実施されている現状の下に、今、副申を経ずしてする申請についても、その審査を受け得る途を開くことは、それこそ「寝た子を起こし」(前記被控訴人の主張)、かえって行政の現場に無用の困難を強いる結果ともなりかねないことを虞れないわけではない。」こう認めた上で、「しかし、「寝たくないのに無理に寝かされている子」の救済も放置することはできないのであって、左様な政治的な問題の解決は結局のところ行政の良識と決断を信頼するほかはなく、司法判断の場において、右政治的困難性の故に、上記法的不合理性に目をつぶるわけにはいかないのである。」こう言っているんです。 つまり、あなたが言っていた、大阪市の手続をとっていないからそれでできないんだというようなことを裁判所は真っ向から批判して、それは、今さら寝た子を起こすということになるというけれども、しかし、寝たくないのに無理に寝かされている子も放置できないんだというような、裁判所の判決としては非常に珍しいような表現まで用いて、それでこういうことは間違っている、こういつて言っているんですよ。 それを、昭和五十五年に一たん和解して、以来十数年たってまた振り出しに戻す、もってのほかじゃないですか。それを、整備面の改善というようなことを大阪市が言ってきたら、その中身がどんなものかも知らないで、それでもたもたとここで答弁をする。国会を何と心得ておる。いいですか、言語道断じゃないか。それで、これはまた国の方針にも反するでしょうが。 総務庁、来ていますか。ここに「地域改善対策啓発推進指針」というのがある。これは八七年三月十七日に出されたものであります。これは随分長いものですが、それのさわりを引用しますと、六十一年に意見具申があったんですね。それで指摘されているということを前提にしまして、こう言っています。「差別意識の解消が必ずしも十分進んできていない背景としては、昔ながらの非合理な因習的な差別意識が現在でも一部に根強く残されているとともに、今日、差別意識の解消を阻害し、また、新たな差別意識を生む様々な新しい要因が存在していることが挙げられる。」。その新しい要因として行政の主体性の欠如、」いいですか、これが真っ先に挙がっているのです。「同和関係者の自立、向上の精神のかん養の視点の軽視、えせ同和行為の横行、同和問題についての自由な意見の潜在化傾向が挙げられている。この新たな差別意識の解消も、今日の啓発の重要な目的の一つである。」 こう言って、「行政の主体性の確立」という項目を設けて、そこではこう言っているのです。「部会報告では、地域改善行政においては、特に行政の主体性を確立することが重要であり、その姿勢が貫かれなければ、新たな差別感を行政機関自らが創り出すこととなり、同和問題の解決に逆行する結果となると厳しく指摘している。また、六一年意見具申でも「行政機関は、その基本姿勢として、常に主体性を保持し、き然として地域改善対策等の適正な執行を行わなければならない。そのためには、行政機関は、今日、改めて民間運動団体との関係について見直すことが必要である。」」こう言っているのですよ。 つまり、部落解放同盟と余りべたべたするな、行政は行政の主体性を持て、こう言っているのですよ。「この問題は極めて重要であるので、国は都道府県及び市町村に対して、都道府県は市町村に対して、この点に関する啓発を部会報告及び六一年意見具申並びに本指針を参考としつつ積極的に行う必要がある。」こう言っているじゃないか。総務庁、そうでしょう。
○炭谷説明員 ただいま先生が引用されました啓発指針については、そのとおりでございます。 この問題につきまして、先ほど自治省行政局長から御答弁がありましたけれども、少し私の方から御説明させていただきますと、地域改善対策につきましては、円滑に実施するため、各地方公共団体におきまして、地域の実情に合わせましてその独自の判断で種々の実施方法が行われておるところでございます。市同促方式もその一つであると私どもは考えております。 大阪府から聞きましたところ、現在行われている市同促につきましては、地域住民のため、その地域の実情に即した地域改善対策を促進するために地域で合意された一つの方式であるということで、大阪府の同対審議会、また大阪市の同和対策推進協議会の答申を受けまして、また先ほど先生が引用されました五十四年の大阪高裁の判決の趣旨も踏まえまして、従来の方式の反省を踏まえて、市同促や地区協の公益性を確保すること、また特定団体の考え方に偏らない……
○正森分科員 あなた、何を言っておるのか。あなた、それであれか、総務庁の地域改善対策室長か。僕は前に一度会ったことがあると思うけれども、間違いないか。
○炭谷説明員 はい、そのとおりでございます。
○正森分科員 私が聞いたことに全然答えていないじゃないか。私が聞いたのは、この地域改善対策啓発推進指針が私が読んだそのとおりかと、あるいは意見具申がそのとおりかということを聞いているんだ。ところが、それに対しては何も答えなくて、それで、市同促は適当なものだと思っておる。言語道断じゃないか。自分の決めたことを答えもせずに、それと違う、まさにそれが批判したことをぬけぬけと言っておる。私は、父兄を伴ってあなたのところに行ったときに、あなたをどなりつけたことを覚えておるけれども、性根は一向に直つとらぬな。そんなことでよく室長が勤まっておるな。国が決めた指針などに完全に反することを言っているじゃないか。何のために昭和五十四年に裁判所の判決があった、それに基づく和解があった。そしたらあなたは、以来ことしの二月まで和解に基づいて行われていたことは全部間違っていたと言うのか、それともそれは正しかったと言うのか。 あなたの今の言い方によれば、それぞれ地域には地域に適した実情がある、大阪市は市同促方式でやるのが当たり前みたいなことを言っておるじゃないか。それがよろしくなくて、地方自治法の十条の二項、百三十八条の二に違反するから裁判所が判決を下し、最高裁が間に入って和解をして、以来十数年間、解放会館の市の職員を窓口にして手続が行われてきたんじゃないか、スモック等の給与も実施されてきたんじゃないか。 あなたの前任者の、名前は言わないが、かつてこういう問題が起こったときに、あってはならないことであるとはっきり言って、できるだけのことはしたいと言うた室長もおります。何だ、あなたのその態度は。自分自身の決めた方針も、そういう方針を出したことは事実でございますとか、そういうことも言わないで、全然反することを言う。最高裁の和解やその前の高裁の判決を何と心得ておる。この子供たちや親の身になってみたことがあるのか。 厚生省、どう思いますか。こんなことで子供の保育ができますか。
○柴田説明員 子供たちに影響を与えているということであれば、早急に解決することが必要だというふうに考えております。
○正森分科員 ここで、一体同和の対策は、大阪市の今の西尾市長はポケットマネーでやっているのか、それとも何らかの形で国や地方の税金が使われているのかということを聞かざるを得ない。 そこで、自治省、同和対策というのはどういう格好になっていますか。全部答えるのが嫌なら、あるいは難しいなら、保育所について伺いましょうか。私の知っているのでは、同和保育所等については、人件費だとか管理費の二分の一は国が出す、その残り二分の一は地方自治体がさまざまなお金を出すというようになっていますが、その税金関係はどうなっていますか、説明してください。
○柴田説明員 国の予算で用意してございますものは、地域改善対策特別保育事業費補助金と申しまして、同和地区の場合には、定員の規模に応じまして保母の加配をしているものでございます。その費用につきましては、実施主体は市町村でございますが、負担割合は国が二分の一、県四分の一、市町村四分の一、こういうことになっております。
○正森分科員 会計検査院に伺いたいと思います。 会計検査院は、国の税金やあるいは地方交付税が独自財源として一般財源に入りますが、そういう使い方について、法に基づいて適正に支出されたかどうかということを調べなきゃならない。だから、本決算の場でも、たとえ最高裁の行ったことであっても違法な旅費の支出なんかが行われたときには、私もその場におって聞きましたけれども、違法不当な支出であるというように指摘していますね。 本件のように、地方自治法の十条の二項や百三十八条の二に違反して、同じ未解放部落の住民であるにもかかわらず、公費を使ったさまざまな施策が、ある考えを持った人には支給されるが、それを批判するような団体に入っている人には、同じ地区住民でも支給されないというようなことが継続的に続くとしたら、そんな支出は違法じゃないですか。違法であり不当であるという指摘を当然すべきであり、そういう支出については予算の議決上考えていかなきゃならないんじゃないですか。
○森下会計検査院説明員 お答え申し上げます。 会計検査院といたしましては、国庫補助事業の執行について、それが適正に実施されているかどうか、これはもう従来から十分関心を持って厳正に検査をしてきております。 ただいま大阪市の事例につきまして、先生いろいろ御議論をされているわけでございますが、その点、これからも十分念頭に置きまして検査に当たっていきたいというふうに考えます。
○正森分科員 何か最後の方はよく語尾が聞き取れなかったけれども、適法にやるように見守っていきたいということで、一般論としてはきちんと答えたと思います。 私は、これを聞いていて、こんなことを言うたら失礼だけれども、厚生省、自治省の方がまだましで、最も部落解放について正しい立場でやらなければならない総務庁の地域改善対策室長の姿勢が最も悪いと言わなきゃならないと思うんですね。こんな対策室長を持っていたんじゃ、部落解放なんか絶対にできっこないというように、この間、別途関係者を連れて要請に行ったときにも思ったけれども、きょう公の場で答弁するのを見て、言語道断だと思いますね。 いいですか。大阪市が今やっていることは、まず第一に、憲法の法のもとの平等に反し、地方自治法の十条や百三十八条の二に反します。第二に、国の行政の指針である地域改善の推進の指針や、もろもろの部落解放の関係での国の基本的な施策に反します。第三に、三権分立の原則に基づいて行政の違法を正す裁判所の判決に違反しております。第四に、その判決に基づいてみずからも認めた和解の約束に反する。つまり、信義則に違反するということになっています。何よりも、子供と親の心を傷つけ、人間として許されない人権侵害を行っているというように言わなきゃなりません。 明治維新のときに、福沢諭吉は、天は人の上に人をつくらず、人の下に人をつくらずというように言いましたが、部落差別などということは絶対にあってはならないことであります。日本共産党は、綱領の中にそれを書いております。同様にまた、部落の中に部落差別を、逆に内部で差別を拡大再生産するというようなことは、絶対にあってはならないことであります。 ところが、大阪市のやっていることは、行政の自主的な判断でこれをなくすことじゃなしに、行政が、さまざまな意見が相違がある、ある一つの団体の意向に従って部落内に差別を持ち込む、こういうことをやっており、それを助長することをやっているじゃないですか。そして、それに対して、自治省もはかばかしい答弁をしない。ましてや、それを改めていかなきゃならぬ総務庁の地域改善対策室長は、全く大阪市の走狗と化しておるようなことを言っておる。そんなことで部落解放の実を上げることができますか。私は、早急にそれぞれの関係省庁が、こういう無法なことを大阪市に許さないためにそれぞれの努力をして、速やかな解決をされるように心から要求をしたい、こういうように思います。 ここにおられる方で、だれでもいいから、それに対して答える人があったら答えてください。室長はもう答えぬでいいぞ。
○倉田政府委員 先生のお話をただいますっと聞かせていただいておりまして 私も、個々にしっかり勉強させていただきたい、このように思っております。 先生の御質問の背景にある部分につきましては、昭和五十五年十二月十日の和解成立の内容、その運用面の整備、その辺のところから問題が発足をしている、こういうふうに、お話を聞きながら考えたところでございますが、特に行政の主体性やあるいは中立性、公平性の観点については、先生もう既に御案内のとおりかと思いますが、平成三年十二月十一日付の地域改善対策協議会による「今後の地域改善対策について」ということで意見具申がなされ、その中に示されているとおりであります。 自治省といたしましても、同和行政の窓口であります総務庁や保育行政を所管している厚生省と必要に応じて連携をとりまして、きちっと対応してまいりたい、このように考えております。
○正森分科員 抽象的な答弁でしたが、具体的に幼い子供たちが差別を受けながら保育所や、小学校のことは時間の関係で言いませんでしたが、小学校でも似たようなことが起こっております。そういうことが一日も早く解消されるように希望して、時間ですから質問を終わらせていただきます。
○塩谷主査 これにて正森成二君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして自治省所管、公営企業金融公庫の質疑は終了いたしました。 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 分科員各位の御協力を賜りまして、本分科会の議事を無事終了することができました。ここに厚く御礼申し上げます。 これにて散会いたします。 午後五時二十五分散会