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129回国会衆議院1994/05/26

決算委員会第三分科会 第1号

発言数
182
登壇者
21
会派数
5
開催日
1994/05/26

会議録

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 これより決算委員会第三分科会を開会いたします。  私が本分科会の主査を務めることになりました。よろしくお願いいたします。  本分科会は、総理府(警察庁、経済企画庁、科学技術庁)、農林水産省所管、農林漁業金融公庫、通商産業省所管、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、自治省所管及び公営企業金融公庫についての審査を行うことになっております。  なお、各省庁の審査に当たっては、その冒頭に、決算概要説明、会計検査院の検査概要説明及び会計検査院の指摘に基づき講じた措置についての説明を聴取することといたします。  平成二年度決算外二件及び平成三年度決算外二件中、本日は、農林水産省所管、農林漁業金融公庫及び総理府(科学技術庁)所管について審査を行います。  これより農林水産省所管、農林漁業金融公庫について審査を行います。  まず、概要説明を聴取いたします。木幡農林水産政務次官。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 おはようございます。  私の方から、平成二年度農林水産省の決算概要並びに平成三年度の決算概要を御説明申し上げます。  一般会計の歳入につきましては、歳入予算額三千九百六十六億円余となっております。これに対し、収納済み歳入額は四千九百三十九億円余であり、歳入予算額と比較いたしますと、九百七十三億円余の増加となっております。  次に、一般会計の歳出につきましては、歳出予算現額は三兆百六十九億円余となっており、これに対しまして、支出済み歳出額は二兆九千三百六十四億円余となっております。  このほか、一般会計とは別に、大蔵省所管産業投資特別会計に係る支出済み歳出額は二千四百五十一億円余となっております。  なお、その詳細及びこれら施策の内容は、お手元の「平成二年度農林水産省決算概要説明」に掲載いたしましたとおりでございます。  また、特別会計といたしましては、食糧管理特別会計、農業共済再保険特別会計、森林保険特別会計、漁船再保険及漁業共済保険特別会計、農業経営基盤強化措置特別会計、国有林野事業特別会計及び国営土地改良事業特別会計がございますが、これら特別会計の概要につきましても、お手元の資料に掲載いたしましたとおりでございます。  引き続きまして、平成三年度農林水産省の決算概要を御説明申し上げます。  一般会計の歳入につきましては、歳入予算額三千七百五十三億円余となっております。これに対し、収納済み歳入額は四千九百八十九億円余であり、歳入予算額と比較いたしますと、一千二百三十五億円余の増加となっております。  次に、一般会計の歳出につきましては、歳出予算現額は三兆一千二百九十五億円余となっており、これに対しまして、支出済み歳出額は三兆五百十八億円余となっております。  このほか、一般会計とは別に、大蔵省所管産業投資特別会計に係る支出済み歳出額は二千五百十九億円余となっております。  なお、その詳細及びこれら施策の内容は、お手元の「平成三年度農林水産省決算概要説明」に掲載いたしましたとおりでございます。  また、特別会計の概要につきましても、お手元の資料に掲載いたしましたとおりであり、委員各位のお許しを得まして、御説明を省略させていただきたいと存じます。  以上、よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院平岡第四局長。

平岡哲也会計検査院第四局長

○平岡会計検査院説明員 平成二年度農林水産省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項八件、意見を表示しまたは処置を要求した事項一件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。  まず、法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項について御説明いたします。  検査報告番号一六一号は、新農業構造改善事業で設置した多目的研修集会施設を補助の目的外に使用させているものであります。  一六二号は、広域営農団地農道整備事業におきまして施工が設計と相違していたため、橋梁上部工が不安定な状態になっているものであります。  一六三号は、畜産総合対策事業におきまして、実績報告が適正になされていなかったため、国庫補助対象事業費の精算が過大となっているものであります。  一六四号は、青果物等生産流通対策事業で設置した花卉集出荷用建物を補助の目的外に使用しているものであります。  一六五号は、水田農業確立対策推進事業で設置したコンクリート擁壁工事は既に自費で施行していて補助の対象とはならないものであります。  一六六号及び一六七号は、ナマコの増殖場造成事業におきまして諸経費の積算が過大となっていたため、工事費が割高となっているものであります。  一六八号は、職員の不正行為による損害が生じたものであります。  次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について御説明いたします。  農林水産省におきまして、市街化区域内で国有農地等として管理しているものの中に農耕地等として貸し付けていながら家庭菜園程度にしか利用されていない事態や、宅地等として長期間転用貸し付けを継続している事態が見受けられました。これについて改善の意見を表示したものであります。  次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。  国産材産業振興資金の貸し付けにおいて、府県の審査が十分でなかったことなどのため、借入者が国産材を取り扱っていなかったり、過大に貸し付けを受けていたりなどしていて、適切とは認められない事態が多数見受けられました。これについて指摘したところ改善の処置がとられたものであります。  続きまして、平成三年度農林水産省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項七件、意見を表示しまたは処置を要求した事項二件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。  まず、法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項について御説明いたします。  検査報告番号一五〇号は、畜産団地整備育成事業により設置した共同利用畜舎を補助の目的外に使用しているものであります。  一五一号は、畜産総合対策事業におきまして、設計が適切でなかったため、半地下式サイロが不安定な状態になっているものであります。  一五二号は、ため池等整備事業におきまして、施工が設計と相違していたりなどしていたため、水路トンネルが不安定な状態になっているものであります。  一五三号は、農村活性化総合整備事業におきまして、また、一五四号は、広域営農団地農道整備事業におきまして、それぞれ設計が適切でなかったため、橋台等やアーチカルバートが不安定な状態になっているものであります。  一五五号は、水田農業確立対策推進事業で設置した農産物集出荷施設は補助の要件を満たしておらず補助の対象とはならないものであります。  一五六号は、地域農業生産総合振興事業で設置した転作促進研修施設を補助の目的外に使用しているものであります。  次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について御説明いたします。  その一は、新農業構造改善事業等による施設の設置及び運営に関するものであります。  国庫補助事業として実施した収益型施設の中に、多額の欠損を生じて施設の運営を休止したり、収支決算が赤字となって施設の運営を継続することが困難となっていたりしているものなど、補助の効果が十分発現していない事態が相当数見受けられました。これについて是正改善の処置を要求したものであります。  その二は、水田農業確立特別交付金の交付に関するものであります。  水田農業確立後期対策を円滑に実施する目的で市町村に交付した水田農業確立特別交付金について、多額の交付金が未使用になっていたり、交付金が配付先で滞留したりなどしている事態が見受けられました。これについて改善の意見を表示したものであります。  次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。  林野庁におきまして、研究開発事業に係る補助事業において、補助対象経費の範囲及び算定方法を明確に定めていなかったため、研究開発事業に直接に要したとは認められない経費が補助対象経費に加算されておりました。これについて指摘したところ改善の処置がとられたものであります。  続きまして、平成二年度農林漁業金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項七件であります。  検査報告番号二二四号から二三〇号までの七件は、総合施設資金等の貸し付けにおきまして、貸付金額を過大に算定していたものなどであります。  続きまして、平成三年度農林漁業金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項五件であります。  検査報告番号二〇八号から二一二号までの五件は、総合施設資金等の貸し付けにおきまして、貸付金額を過大に算定していたものなどであります。  以上、御説明を終わります。

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について、説明を聴取いたします。木幡農林水産政務次官。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 会計検査院から御報告のありました平成二年度決算検査報告に対しまして、農林水産省が講じた措置を御説明申し上げます。  地方公共団体等が施行する国庫補助事業につきましては、その適正な執行を図るよう努めてまいりましたが、これらの一部について、決算検査報告におきまして不当事項等として指摘を受けるような事態が生じましたことは、まことに遺憾に存じております。  不当と認められるものにつきましては、既に補助金を返還させるとともに、手直し工事の施工をさせるなど所要の是正措置を講じたところでございます。  次に、市街化区域内に所在する国有農地等の有効な利活用を図るための処分を促進するよう意見を表示されたものにつきましては、御指摘の趣旨を踏まえ、市街化区域内の国有農地等は早期に売り払いを要する財産であるということを都道府県等に対し周知徹底するなど、国有農地等の処分の促進を図るための所要の措置を講じたところでございます。  引き続きまして、平成三年度決算検査報告に対しまして、農林水産省が講じた措置を御説明申し上げます。  不当と認められるものにつきましては、既に補助金を返還させるとともに、手直し工事の施工をさせるなど所要の是正措置を講じたところでございます。  次に、新農業構造改善事業等による施設の設置及び運営が適切に行われるよう是正改善の処置を要求されたものにつきましては、御指摘の趣旨を踏まえ、都道府県に対し、事業計画の策定について指導を強化するなど施設の適切な設置及び運営が図られるよう所要の措置を講じたところでございます。  また、水田農業確立特別交付金の交付の効果を確保するよう改善の意見を表示されたものにつきましては、御指摘の趣旨を踏まえ、当該交付金の使用について適切な指導を行うなど所要の措置を講じたところでございます。  なお、その詳細につきましては、お手元の「会計検査院の指摘に対して講じた措置の説明」に掲載いたしましたとおりであり、委員各位のお許しを得まして、御説明を省略させていただきたいと存じます。  以上、会計検査院の指摘に対して農林水産省が講じた措置の説明を終わらせていただきますが、今後、この種の事態の発生を未然に防止するため、より一層の指導監督等を徹底いたしまして、予算の適切な執行に努めてまいる所存でございます。

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 次に、後藤農林漁業金融公庫総裁。

後藤康夫農林漁業金融公庫総裁

○後藤説明員 ただいま会計検査院から御報告のありましたことにつきまして、御説明を申し上げます。  当公庫の業務の遂行に当たりましては、常に適正な運用について鋭意努力してまいりましたが、平成二年度及び三年度決算検査報告におきまして、総合施設資金等の貸し付けにつきまして不当事項として指摘を受けたものがありますことは、まことに遺憾に存じております。  指摘を受けました事項につきましては、直ちに適切な措置を講じましたが、今後はこのようなことの再び起こることのないよう業務運営の適正化に一層努める所存でございます。

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 この際、お諮りいたします。  お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————    平成二年度農林水産省決算概要説明                農林水産省  平成二年度における農林水産省の歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  一般会計の歳入につきましては、当初予算額は三千四百四十五億九千五百九十三万円余でありますが、予算補正追加額等五百二十億八百十七万円余の増加がありましたので、歳入予算額は三千九百六十六億四百十一万円余となっております。  これに対し、収納済歳入額は四千九百三十九億八千四百二万円余であり、これを歳入予算額と比較いたしますと九百七十三億七千九百九十一万円余の増加となっております。これは、日本中央競馬会納付金が予定より多かったこと等の理由によるものであります。  次に、一般会計の歳出につきましては、当初予算額は二兆五千九十四億三千五百二十八万円余でありますが、平成元年以前及び平成二年に発生した台風、豪雨等により災害を受けた農地、農業用施設等について、地方公共団体等が施行する災害復旧事業の事業費に必要な経費等として予算補正追加額一千九百七十六億六百七十六万円余、既定予算の節約等による予算補正修正減少額百九十二億九百四十七万円余、北海道における農業基盤整備事業を実施するために必要な経費等について総理府所管から移し替えを受けた額二千五百二十九億八千四百七十五万円余、前年度からの繰越額三百六十九億七千九百五十三万円余、国際漁業再編対策に必要な経費等として予備費三百九十一億七千八百二十五万円余の増減がありましたので、歳出予算現額は三兆百六十九億七千五百十万円余となっております。  これに対し、支出済歳出額は二兆九千三百六十四億四千七百二十万円余であり、これと歳出予算現額との差額は八百五億二千七百九十万円余となっております。  この差額のうち、翌年度への繰越額は七百四十五億六千四百九十六万円余であり、不用額は五十九億六千二百九十四万円余となっております。  このほか、これら一般会計とは別に、大蔵省所管産業投資特別会計に係る支出済歳出額は二千四百五十一億一千四百二万円余となっております。  次に、施策別にその主なものについて、御説明申し上げます。  第一に、構造政策の推進に要した経費であります。  その支出済歳出額は、九千八百四十五億四千六百十六万円余であります。  まず、経営規模の拡大と生産性の向上を図り、その体質を強化するため、関係機関の密接な連携の下に、農地流動化の促進活動を強力に展開するとともに、地域の立地条件に即した方向で農業・農村の活性化を図るため、農業農村活性化農業構造改善事業を創設いたしました。  また、新規就農者を含めた担い手対策を引き続き進めることとし、都市と農村の青年の相互理解を深めるための交流などを実施いたしました。  さらに、土地利用型農業の体質強化及び農業と農村の健全な発展を実現するため、第三次土地改良長期計画に基づき、その基礎的条件である農業生産基盤の整備を推進することとし、NTT資金の活用も併せ、生産性の向上、農業生産の再編成、農村地域、特に中山間地域の活性化に資する事業等に主眼を置いて、その着実かつ効率的な実施に努めました。  また、土地改良事業等に係る償還の平準化等を図るため、土地改良負担金総合償還対策事業を創設する等所要の措置を講じました。  第二に、需要の動向に応じた生産性の高い農業の展開に要した経費であります。  その支出済歳出額は、六千七百三十四億三千八百七十六万円余であります。  まず、多様な水田農業と水田利用の展開、効率的な生産単位の形成を通じた生産性の向上、地域輪作農法の面的拡大と質的向上を推進するため、水田農業確立後期対策を実施いたしました。  また、稲・麦・大豆について地域の実情に即した生産性向上指針の策定とその実現に向けた対策、生産性の向上が図り難い中山間等地域においてその地域の特色ある立地条件を活用した農業生産の展開を図るための生産流通対策の追加等農業生産体質強化総合推進対策を強化充実し、地域の自主性と活力を基盤に各般の生産対策を総合的かつ計画的に実施いたしました。  さらに、国際化にも対応し得る生産性の高い畜産経営の早急な実現を図るため、放牧を主体とした子牛生産集団と肥育経営とのネットワークシステムの形成及び農場副産物等未利用資源の有効活用による低コスト肉用牛生産システム育成対策を実施する等畜産総合対策の充実を図りました。  また、生産コストの節減を図るため、広域的な農作業受委託を推進する農業機械銀行の育成、肥料費節減の優良事例の普及・啓蒙等農業生産資材対策を実施いたしました。  第三に、中山間地域等農山漁村地域の活性化対策の推進に要した経費であります。  その支出済歳出額は、二千三百三十五億九千二百三十九万円余であります。  まず、中山間地域が有する多面的な機能を生かした農林業の確立と農山村の活性化を図るため、農林業生産基盤と生活環境基盤を総合的に整備する事業の創設や農林水産業の振興と併せ、安定した就業機会の確保、総合保養地域の整備、都市と農山漁村との交流等を推進いたしました。  また、都市部に比べて立ち遅れている農村の生活環境の改善を図るため、農村総合整備モデル事業、農村基盤総合整備事業、農業集落排水事業等を実施いたしました。  さらに、山村・過疎地域等における定住条件の整備を図るため、第三期山村振興農林漁業対策事業、新農村地域定住促進対策事業等を実施いたしました。  第四に、基礎的・先導的技術の開発・普及等に要した経費であります。  その支出済歳出額は、一千二百二十八億五千九百六十六万円余であります。  まず、近年における先端技術の著しい発展を踏まえ、農林水産業・食品産業等の生産性の飛躍的向上、農産物・食品の高付加価値化等を図るため、バイオテクノロジー等の基礎的・先導的研究及びその基盤となるジーンバンク事業を推進するとともに、地球環境変化に対応した研究、熱帯農業に関する研究、消費者及び食品産業のニーズに対応した研究等を実施いたしました。  また一国と民間企業等との研究交流を促進するため、官民交流共同研究及び国際研究交流を推進するほか、民間の研究開発に対する支援措置を強化いたしました。  これらの技術開発の成果等について農家への普及等を図るため、協同農業普及事業等の効果的な推進を図りました。  さらに、農村地域等における情報交流を進めるため、各種情報システムの開発整備等を図りました。  このほか、農林水産業の構造等の実態を的確に把握し、農林水産行政の効率的かつ適正な推進に資するため、各種統計調査等を実施いたしました。  第五に、健康的で豊かな食生活の保障と農産物の価格・需給の安定に要した経費であります。  その支出済歳出額は、三千二百二十五億四千七百三十三万円余であります。  まず、健康的で豊かな食生活の保障の観点から、日本型食生活の定着促進を図ること等を基本として、消費者ニーズの多様化・高度化等に対応した食生活・消費者対策や牛乳・果実等の農水産物の消費拡大対策の推進を図りました。  また、農産物の価格については、需要の動向と生産性向上の成果をより的確に、かつ可能な限り反映し、農産物が国民の納得の得られる価格で安定的に供給されるよう努めました。  このほか、世界の農業・食料情勢の調査・分析等を行うとともに、飼料穀物等の備蓄対策を推進いたしました。  第六に、食品産業対策、食品流通対策、輸出促進対策の推進に要した経費であります。  その支出済歳出額は、二百九十五億五千七百八十二万円余であります。  まず、農業サイドと食品産業サイドとの連携の下に、食品産業のニーズに合致した原料農産物の安定供給と利用の高度化等を図るため、食品産業原料対策を講じるとともに、地域食品の高付加価値化を進め、地域食品産業の高度化を図るため、加工施設の整備、市場の開拓等を総合的に推進いたしました。  また、食品産業の体質と経営基盤の強化を図るため、微生物利用水処理技術、食品機能の変換等先端技術の開発を進めるとともに、食品産業の大半を占める中小企業の技術水準の向上を図るため、汎用性の高い技術の開発等を推進いたしました。  さらに、生鮮食料品等の流通の合理化を図るため、卸売市場の計画的整備・食料品商業の構造改善等を実施いたしました。  第七に、地球環境保全対策と国際協力の推進に要した経費であります。  その支出済歳出額は、四十一億一千百五十二万円余であります。  まず、地球環境保全対策としましては、地球的規模における環境保全の推進を図るため、熱帯林の資源情報の調査・解析、開発途上国に対する情報提供システムの整備等を実施するとともに、開発途上国における林業協力の推進に資するための調査等を実施いたしました。  また、砂漠化防止等地球環境保全に資する農業・農村開発のための基礎データの収集、技術開発のための各種調査を実施いたしました。  さらに、森林に対する酸性雨等の影響の実態を把握するため、酸性雨等森林被害モニタリング事業を実施いたしました。  このほか、開発途上地域における農林水産業の生産力の向上等を通じ、これら諸国の経済社会の発展に寄与するため、国際連合食糧農業機関のフィールドプロジェクト及び国際熱帯木材機関への拠出等国際機関を通じた協力を推進するとともに、食糧増産等に係る経済・技術協力の技術的指針策定等のための調査、開発途上国における統計整備に関する円滑な技術協力に向けてのマニュアル作成、開発途上国への漁業技術の適正かつ効率的な移転を図るための現地研修等を実施いたしました。  第八に、農林漁業の金融の充実に要した経費であります。  その支出済歳出額は、一千三百三十億六千四百四十五万円余であり、農林漁業生産の経営構造の改善、基盤整備等の促進に資するため、農林漁業金融公庫資金、農業近代化資金等の各種制度資金について、所要の融資枠の確保、融資内容の充実を図るとともに、農業信用保証保険機能の充実を図りました。  第九に、林業・山村の活性化と森林の保全整備の推進に要した経費であります。  その支出済歳出額は、四千六百七十七億六千百八十九万円余であります。  まず、国土保全と林業生産基盤の整備を図るため、NTT資金の活用も併せ、第七次治山事業五箇年計画に基づき、治山事業を計画的に推進するとともに、水源林造成、林道及び造林事業の一層の推進を図りました。  また、林業・山村の活性化等を図るため、林業山村活性化林業構造改善事業、新林業構造改善事業、特用林産産地化形成総合対策事業等を推進するとともに、就労の安定化、就労条件の改善等による林業担い手の育成確保及び省力化と生産性の向上、安全性の確保を図るための高性能林業機械の開発・改良と技術開発を推進いたしました。  さらに、国産材の流通体制の整備と木材産業の体質強化を図るため、国産材の低コスト安定供給体制を総合的に整備する国産材流通体制整備総合対策事業を推進するとともに、木材産業の体質強化及び木材需要の拡大対策等を充実強化いたしました。  また、森林の保全整備と総合利用の推進を図るため、立地条件に応じた効果的な間伐等による森林の整備、被害態様に応じた総合的な松くい虫被害対策を引き続き実施するとともに、森林の多面的機能の発揮を図るための多様な森林整備と都市と山村の交流を基調とした森林の総合利用を推進いたしました。  このほか、国有林野事業について、昭和六十二年に改訂・強化された改善計画に基づく経営改善を推進いたしました。  第十に、二百海里時代の定着等に即応した水産業の振興に要した経費であります。  その支出済歳出額は、三千百九十三億八千二百七十七万円余であります。  まず、第八次漁港整備長期計画及び第三次沿岸漁場整備開発計画に基づき、NTT資金の活用も併せ、漁港及び沿岸漁場の整備を推進いたしました。  また、つくり育てる漁業の推進を図るための地域増養殖総合推進計画を策定するとともに、栽培漁業、養殖業、さけ・ますふ化放流事業、沖合養殖システムの開発等新技術開発の推進、漁村地域の活性化、沿岸漁業構造改善事業、資源管理型漁業の施策を実施し、我が国周辺水域の漁業振興を図りました。  さらに、新資源・新漁場の開発、海外漁業協力を行うとともに、対外交渉に必要な水産資源調査等を実施いたしました。  また、水産業経営対策として、金融自由化の進展等に対処して漁協信用事業の基盤強化、漁業生産構造再編整備、漁業経営の強化のための特別指導を行うとともに、水産業関係資金の円滑な融通等の推進をいたしました。  さらに、水産物の需給の安定を図るとともに、基幹的な水産流通加工施設の総合的整備等水産物の流通加工の合理化を図るほか、地域、年代、性別による消費の特徴に応じた水産物の消費拡大対策を講じました。  このほか、漁場環境保全対策、魚病対策、漁船対策等の施策を推進いたしました。  第十一に、その他の重要施策に要した経費であります。  その支出済歳出額は、三千六百七十九億二千八万円余であります。  まず、海岸事業については、第四次海岸事業五箇年計画に基づき、NTT資金の活用も併せ、海岸保全区域における事業の実施を図りました。  また、災害対策については、農作物共済等の各共済に係る所要の共済掛金国庫負担金等を農業共済再保険特別会計に繰り入れたほか、農業共済団体の事務費等を助成し、農業災害補償制度の円滑な実施を図るとともに、災害営農資金等の利子補給に対する助成を図りました。  さらに、台風・豪雨等により被災した農地、農業用施設、山林施設、漁港施設等の災害復旧事業を実施いたしました。  このほか、農業団体の整備についても、農業委員会等に対して、引き続き助成等を行いました。  以上をもちまして、一般会計歳入歳出決算に関する御説明を終わります。  次に、各特別会計の決算について御説明申し上げます。  第一に、食糧管理特別会計であります。国内米管理勘定等の七勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は三兆三千七百八十八億八千九百三十六万円余、支出済歳出額は三兆三千四百七十六億四千八百二十七万円余でありまして、歳入歳出差引き三百十二億四千百八万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。また、このうち食糧管理勘定の損益計算上の損失は二千四百九十三億二千三百六十七万円余でありまして、調整資金を取りまして整理いたしました。これにより、食糧管理法、農産物価格安定法及び飼料需給安定法に基づき、米、麦、でん粉、輸入飼料の買入れ、売渡し等を管理することにより価格の安定と国民食糧の確保を図り、国民経済の安定に資するための事業を実施いたしました。  第二に、農業共済再保険特別会計であります。農業勘定等の六勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は一千百九十五億五千四万円余、支出済歳出額は六百二億三千四百八十九万円余であります。歳入歳出差引き五百九十三億一千五百十四万円余のうち、翌年度へ繰り越す額百六十億六千二百七十三万円余を控除し、四百三十二億五千二百四十万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、それぞれ翌年度の歳入及び一般会計に繰り入れ、又は積立金として積み立てること等といたしました。これにより、農業災害補償法に基づき、国が農作物共済等の各共済についての再保険事業を行うことによって、農業経営の安定等を図るための農業共済事業の円滑な実施を図りました。  第三に、森林保険特別会計であります。収納済歳入額は百三十四億二百七十六万円余、支出済歳出額は十八億三千九百六十万円余であります。歳入歳出差引き百十五億六千三百十五万円余のうち、翌年度へ繰り越す額九十七億七千百五十七万円余を控除し、十七億九千百五十八万円余の剰余を生じました この剰余金は 法律の定めるところに従い、積立金として積み立てることといたしました。これにより、森林国営保険法に基づき、国が森林の火災、気象災及び噴火災を保険事故とする森林保険事業を行うことによって林業経営の安定を図るための事業を実施いたしました。  第四に、漁船再保険及漁業共済保険特別会計であります。漁船普通保険勘定等の五勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は四百六十四億八千三百四十二万円余、支出済歳出額は二百七十九億四百五十万円余であります。歳入歳出差引き百八十五億七千八百九十二万円余のうち、翌年度へ繰り越す額百七十九億七千二十九万円余を控除し、六億八百六十三万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、それぞれ積立金として積み立て、又は翌年度の歳入に繰り入れること等といたしました。これにより、漁船損害等補償法、漁船乗組員給与保険法及び漁業災害補償法に基づき、国が再保険及び保険事業を行うことによって漁業経営の安定に資するための事業を実施いたしました。  第五に、農業経営基盤強化措置特別会計であります。収納済歳入額は五百六十六億七千二百四十六万円余、支出済歳出額は百八十三億九千五百六十三万円余でありまして、歳入歳出差引き三百八十二億七千六百八十三万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。これにより、農地法等の規定に基づき、国が自作農創設のために行う農地等の買収、売渡し等に関する事業、農地保有の合理化を促進するための事業に対する助成及び農業改良資金助成法の規定に基づく農業改良資金の貸付事業を実施いたしました。  第六に、国有林野事業特別会計であります。国有林野事業勘定につきましては、収納済歳入額は五千七百五十二億二百三十二万円余、支出済歳出額は五千七百六十三億五千七百五十万円余であります。この勘定の損益計算上の損失は七百十九億四千三百七十八万円余でありまして、法律の定めるところに従い、損失の繰越しといたしました。治山勘定につきましては、収納済歳入額は一千七百四十一億三千五百九十四万円余、支出済歳出額は一千七百四十億一千五百五十二万円余でありまして歳入歳出差引き一億二千四十二万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。これにより、国有林野法に規定される国有林野の管理経営の事業及びその附帯業務に係る事業並びに治山事業の計画的推進を図る事業を実施いたしました。  第七に、国営土地改良事業特別会計であります。収納済歳入額は四千七百九十九億四千六百七十五万円余、支出済歳出額は四千六百三十九億九百三十九万円余でありまして歳入歳出差引き百六十億三千七百三十六万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。これにより、土地改良法に基づき、全ての国営土地改良事業、受託工事及び直轄調査に関する事業を実施いたしました。  以上をもちまして、平成二年度の農林水産省決算の説明を終わります。  なにとぞよろしく御審議のほどお願いいたします。     …………………………………    平成二年度決算農林水産省についての検査の概要に関する主管局長の説明                会計検査院  平成二年度農林水産省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項八件、意見を表示し又は処置を要求した事項一件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。  まず、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項について御説明いたします。  検査報告番号一六一号は、北海道勇払郡早来町が新農業構造改善事業で設置した多目的研修集会施設を補助の目的外に使用させているものであります。  検査報告番号一六二号は、秋田県が実施した広域営農団地農道整備事業におきまして施工が設計と相違していたため、橋りょう上部工が不安定な状態になっているものであります。  検査報告番号一六三号は、茨城県行方郡北浦村の北浦中部堆肥生産組合が実施した畜産総合対策事業におきまして、家畜ふん尿を処理して利用する施設等の整備に当たり、実績報告が適正になされていなかったため、国庫補助対象事業費の精算が過大となっているものであります。  検査報告番号一六四号は、長野県南佐久郡佐久町の佐久町農業協同組合(平成二年四月二日合併により「南佐久農業協同組合」に改称。)が青果物等生産流通対策事業で設置した花き集出荷用建物を補助の目的外に使用しているものであります。  検査報告番号一六五号は、兵庫県津名郡東浦町が実施した水田農業確立対策推進事業で設置したコンクリート擁壁工事は既に自費で施行していて補助の対象とはならないものであります。  検査報告番号一六六号及び一六七号は、山口県が沿岸漁場整備開発事業で実施したFRP魚礁(ガラス繊維強化プラスチック製の部材に石材を詰めた人工の魚礁)の設置工事において諸経費の積算が過大となっていたため、工事費が割高となっているものであります。  検査報告番号一六八号は、職員の不正行為による損害が生じたもので、北見営林支局丸瀬布営林署において、資金前渡官吏の補助者として小切手の作成等の事務に従事していた総務課会計係長が、債権者への支払に当たり、資金前途官吏を受取人とする小切手を作成し現金化して前渡資金を領得したものであります。  なお、本件については、三年三月に同人が全額を債権者に支払ったことから、国の損害は補てんされております。  次に、意見を表示し又は処置を要求した事項について御説明いたします。  これは、市街化区域内に所在する国有農地等の有効な利活用を図るための処分の促進に関するものであります。  国有農地及び開拓財産は、昭和二十一年度以降、自作農創設等のため国が小作人に売り渡すことなどを目的として不在地主等から買収した土地等であり、これらの国有農地等につきましては、本来、買収後直ちに農業者等に売り渡すこととなっておりますが、売渡し又は売払い等の処分が行われていないものが、平成二年度末現在で国有農地千百七十五万余平方メートル、開拓財産五千八百六十六万余平方メートル、計七千四十二万余平方メートルあり、その管理は、処分が行われるまでの間、農地法等の規定に基づいて、農耕以外の目的で貸し付ける開拓財産は農林水産省が、その他については都道府県が、それぞれ関係市区町村の農業委員会の協力を得て行うこととなっております。  これらの国有農地等のうち、特に市街化区域内に所在する国有農地等につきましては、農林水産省が農地法等の規定により、自作農の創設又は土地の農業上の利用増進の目的に供しないこととして、不要地認定を行い売り払うこととしているものであります。そして、これらの国有農地等が処分された場合、これらの土地は、社会的、経済的にみて宅地や公共用地等として利活用されることが見込まれるものであり、農林水産省におきましても、その売払いの促進に努めてきているところであります。しかし、長年月の経過により権利・利害関係が複雑化したことなどにより売払いが進んでおらず、土地の有効利活用の観点から早急に検討を要するものとなっております。そこで、本院としまして、都市及び都市周辺に所在する国有農地等のうち、市街化区域内に所在する国有農地等の利活用の状況等について検査を実施いたしました。  その結果、北海道ほか十八都府県におきまして、宅地等としての有効利活用を図るなどの観点からみて適切とは認められない事態が、千百二十三件、面積八十七万六千余平方メートル見受けられました。そして、その評価額を、三年一月一日現在の固定資産課税台帳登録価格(当該地にこの登録価格が設定されていない場合は、近傍類似地の登録価格)等により計算しますと三百五十億四百四万余円となります。  これらを大別しますと、市街化区域内に所在する国有農地等が、家庭菜園程度にしか利用されていなかったり、全く利用されていなかったりしている状態が継続しているのに、なお農耕を目的として貸し付けられているなどの事態が、七百七十三件、面積四十五万三千余平方メートル、評価額で百二十七億六千五百五十八万余円あり、また、市街化区域内に所在する転用貸付地については、一時的に貸し付けられたものであることなどから早期に処分の促進を図る要があるのに、依然として長期間にわたり転用貸付けを継続している事態が、三百五十件、面積四十二万三千余平方メートル、評価額で二百二十二億三千八百四十五万余円ありました。  このような事態となっているのは、その背景として、農地法において国有農地等の売払いの相手方を原則として旧所有者及びその一般承継人としているため、関係者が多数に上り権利関係の調整も困難となっていることなどの事情もありますが、農耕貸付地及び未貸付地につきましては、売払いの相手方となる旧所有者等についての調査を積極的に行っていないことや、農林水産省において、農耕貸付契約の解約を行う農耕貸付地売払促進円滑化事業の対象範囲を旧所有者等以外の者に売り払うものに限定していたり、都道府県において、市街化区域内の国有農地等は早期に売り払うべき財産であるという基本的認識が十分でないことなどによるものであり、また、転用貸付地につきましては、農林水産省及び都道府県において、転用借受者に対して、当該土地の買受けの計画を作成させるなど計画的かつ継続的な取組みにより、長期の転用貸付けを解消するための方策を十分に講じていないことなどによると認められました。  したがいまして、近年における土地の有効利活用に関する社会的要請等の中で、国有財産の有効な利活用が特に求められていることにかんがみ、農林水産省において、国有農地等の現況等を調査のうえ、現行制度上の課題を総合的に検討して、農耕貸付地及び未貸付地については、市街化区域内の国有農地等は、早期に売払いを要する財産であるということを都道府県及び農耕借受者に対し周知徹底させるとともに、農耕貸付地売払促進円滑化事業の対象範囲に売払いの相手方の大部分を占める旧所有者等に係るものを含めることとして農耕借受者の離作を促進させるための方策を積極的に講ずることなど、また、転用貸付地については、都道府県に対し売払計画を作成させるとともに、転用借受者に対して、買受け及び資金調達の計画を作成させ、その買受け計画に基づき買受けを積極的かつ継続的に勧奨させることなどにより、市街化区域内の国有農地等の有効利活用を図るなどのため、その処分を促進するよう改善の意見を表示したものであります。  次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。  これは、国産材産業振興資金の貸付けに関するものであります。  林野庁では、林業等振興資金融通暫定措置法に基づき国産材の生産及び流通の合理化を推進し、国産材供給の円滑化を図るために必要な資金の融通に関する措置として、農林漁業信用基金を通じて、都道府県に、国産材の生産又は流通を担う事業者にその事業に必要な素材、製品の購入資金等を、金融機関と協調して低利で貸し付ける事業を実施させております。  この貸付けを受けられる者は、木材取扱量に対する国産材の取扱量の割合が原則として二分の一以上であることなどの一定の要件を満たし、かつ、五年間の事業計画について都道府県知事の認定を受けた者となっています。そして、金融機関において、平成元年度に千百七十億円、二年度に千二百七十八億円の貸付けが行われております。  今回、この貸付けについて調査しましたところ、借入者が国産材を取り扱っていなかったり、必要な資金の額を過大に算定して貸付けを受けているなど不適切な事態が、一府七県で十五件、貸付金額四億八百十五万余円、農林漁業信用基金からの貸付金相当額で五千百一万余円見受けられました。  このような事態を生じていたのは、林野庁の指導が十分でなかったため、府県において、貸付けの前提となる事業計画の審査が十分でなかったこと、資金の使用状況等を具体的に把握していなかったことなどによると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、林野庁では、平成三年十一月に都道府県に通達を発し、事業計画の審査方法を改善し、資金の使用状況等を把握できるよう実績報告書の様式を改めるなどの処置を講じたものであります。  なお、以上のほか、平成元年度決算検査報告に掲記いたしましたように、国営木曽岬干拓事業により造成された干拓地について意見を表示いたしましたが、これに対する農林水産省の処置状況についても掲記いたしました。  以上をもって概要の説明を終わります。     …………………………………    平成二年度会計検査院の指摘に対して講じた措置の説明                 農林水産省  地方公共団体等が施行する国庫補助事業につきましては、その適正な執行を図るため、常に努力しているところでありますが、これらの一部について、平成二年度決算検査報告において指摘を受けるような事態が生じましたことは、誠に遺憾であります。  不当事項として指摘を受けたものは、補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの七件、職員の不正行為による損害が生じたもの一件であります。  意見を表示され又は処置を要求された事項は、市街化区域内に所在する国有農地等の有効な利活用を図るための処分の促進についてであります。  不当事項として指摘を受けたもののうち、補助事業の実施及び経理が不当と認められるものについてでありますが、新農業構造改善事業において補助の目的外に使用しているもの、畜産総合対策事業において過大に精算しているもの、青果物等生産流通対策事業において補助の目的外に使用しているもの、水田農業確立対策推進事業において補助の対象とは認められないもの及びナマコの増殖場造成事業において積算を過大にしているものにつきましては、既に補助金を返還させたところであり、また、広域営農団地農道整備事業において施工が設計と相違しているものにつきましては、手直し工事を施工させる措置を講じたところであります。  さらに、指摘の内容を踏まえ 地方公共団体等に対し会議、文書等を通じ指導の一層の徹底を図ったところであります。  職員の不正行為により損害が生じたとして指摘を受けたものにつきましては、既に損害額を全額補てんさせるとともに、行為者等の処分を行ったところであります。今後この種の不正行為の根絶を期するため、指導・監督の強化及び内部けん制等の徹底について指示したところであります。  市街化区域内に所在する国有農地等の有効な利活用を図るための処分を促進するよう意見を表示されたものにつきましては、指摘の趣旨を踏まえ、市街化区域内の国有農地等は早期に売払いを要する財産であるということを都道府県等に対し周知徹底するなど、国有農地等の処分の促進を図るための所要の措置を講じたところであります。    平成二年度農林漁業金融公庫業務概況              農林漁業金融公庫  平成二年度における農林漁業金融公庫の業務の概況についてご説明申し上げます。  国においては 生産性の高い農林水産業を実現し、国民の需要に応じた農林水産物の安定供給を図ることを基本として諸施策が展開されました。  こうした国の施策に即応して、当公庫は、業務の運営にあたりまして、関係機関との密接な連けいのもとに、農林水産業の生産基盤の整備及び経営構造の改善のための融資を推進するとともに、多様化する資金需要に対応して、融資条件の改善を含め、融資の円滑化に配慮してまいりました。  平成二年度における貸付計画について申し上げますと、貸付計画額は六千億円を予定いたしました。  これに対する貸付決定額は四千七百八十四億四千四百七十四万円余となり、前年度実績と比較して四百三十七億四千五百九十九万円余の減少となりました。  この貸付決定額を農業・林業・水産業に大別して申し上げますと一、農業部門  三千三百九十五億七千二百六十         七万円余二、林業部門  四百六十二億六千二百六十九万         円余三、水産業部門 八百七十六億九百二万円余四、その他部門 五十億三十四万円余となりまして、農業部門が全体の七十一・〇%を占めております。  次に平成二年度の貸付資金の交付額は四千七百五十六億六千七百十七万円余となりまして、これに要した資金は、一般会計からの出資金百三十億円、資金運用部からの借入金三千五百三十五億円、簡易生命保険及び郵便年金の積立金からの借入金五百十五億円並びに貸付回収金等五百七十六億六千七百十七万円余をもって充当いたしました。  この結果、平成二年度末における貸付金残高は五兆二千九百十三億二千八百二十七万円余となりまして、前年度末残高に比べて三百九十九億八千百九十三万円余、〇・八%の増加となりました。  貸付金の延滞状況につきましては、平成二年度末におきまして、弁済期限を六か月以上経過した元金延滞額は三百六十九億九十七万円余となりまして、このうち一年以上延滞のものは三百六十三億一千三百八十六万円余となっております。  次に平成二年度における収入支出決算の状況についてご説明申し上げますと、収入済額は、収入予算額三千六百七億七千六百十八万円余に対し三千七百七十九億七千百三十八万円余となりました。また、支出済額は、支出予算額三千七百七十億一千七百八十八万円余に対し三千五百五十七億六百十一万円余となり、支出に対し収入が二百二十二億六千五百二十六万円余多くなっております。  最後に、平成二年度における当公庫の損益計算の結果について申し上げますと、貸付金利息等の総利益は四千五十五億四千七十六万円余、借入金利息等の総損失は四千五十五億四千七十六万円余となり、利益と損失が同額となりましたため、利益金はなく国庫納付はありませんでした。  これらの業務の遂行にあたりましては、常に適正な運用について、鋭意努力してまいりましたが、平成二年度決算検査報告におきまして、総合施設資金等の貸付けにつきまして不当事項として指摘を受けたものがありますことは、まことに遺憾に存じております。指摘を受けました事項につきましては、直ちに適切な措置を講じましたが、今後はこのようなことの再び起こることのないよう業務運営の適正化に一層努める所存であります。  以上が、平成二年度における農林漁業金融公庫の業務の概況であります。なにとぞよろしくご審議のほどお願いいたします。     …………………………………    平成二年度決算農林漁業金融公庫についての検査の概要に関する主管局長の説明                 会計検査院  平成二年度農林漁業金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項七件であります。  検査報告番号二二四号から二三〇号までの七件は、総合施設資金等の貸付けが不当と認められるものであります。  これらの資金の貸付事業は、農林漁業者に対し、農林漁業の生産力の維持増進に必要な長期かつ低利の資金で、一般の金融機関から融通を受けることが困難な資金を直接又は金融機関に委託して貸し付けるものでありますが、総合施設資金等の貸付けに当たり、借入者から事実と相違した内容の借入申込みや事業完成報告がなされているにもかかわらず、これに対する審査及び確認が適切でなかったなどのため、貸付金額を過大に算定するなどしているものであります。  以上、簡単でございますが説明を終わります。     —————————————    平成三年度農林水産省決算概要説明                 農林水産省  平成三年度における農林水産省の歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  一般会計の歳入につきましては、当初予算額は三千七百五十三億九千百八十一万円余でありますが、予算補正追加額等百七十七万円余の増加がありましたので、歳入予算額は三千七百五十三億九千三百五十九万円となっております。  これに対し、収納済歳入額は四千九百八十九億六千四百七十一万円余であり、これを歳入予算額と比較いたしますと一千二百三十五億七千百十二万円余の増加となっております。これは、日本中央競馬会納付金が予定より多かったこと等の理由によるものであります。  次に、一般会計の歳出につきましては、当初予算額は二兆六千三百十六億二百二十五万円余でありますが、平成二年以前及び平成三年に発生した台風、豪雨等により災害を受けた農地、農業用施設等について、地方公共団体等が施行する災害復旧事業の事業費に必要な経費等として予算補正追加額一千八百十六億七千二百九十万円余、既定予算の節約等による予算補正修正減少額二百七十七億五千五百十一万円余、北海道における農業農村整備事業を実施するために必要な経費等について総理府所管から移し替えを受けた額二千六百五十五億四千六百四十七万円余、前年度からの繰越額七百四十五億六千四百九十六万円余、山林施設災害関連事業に必要な経費等として予備費三十九億一千八百二十六万円余の増減がありましたので、歳出予算現額は三兆一千二百九十五億四千九百七十四万円余となっております。  これに対し、支出済歳出額は三兆五百十八億三千五百六十六万円余であり、これと歳出予算現額との差額は七百七十七億一千四百八万円余となっております。  この差額のうち、翌年度への繰越額は六百三十五億四千百十三万円余であり、不用額は百四十一億七千二百九十五万円余となっております。  このほか、これら一般会計とは別に、大蔵省所管産業投資特別会計に係る支出済歳出額は二千五百十九億二千二百三十九万円余となっております。  次に、施策別にその主なものについて、御説明申し上げます。  第一に、構造政策の推進に要した経費であります。  その支出済歳出額は、一兆六百十億六千八百九十五万円余であります。  まず、経営規模の拡大と生産性の向上を図り、その体質を強化するため、関係機関の密接な連携の下に、農地流動化の促進活動を強力に展開するとともに、地域の立地条件に即した方向で農業・農村の活性化を図るため、農業農村活性化農業構造改善事業を実施いたしました。  また、新規就農者を含めた担い手対策を引き続き進めることとし、都市と農村の青年の相互理解を深めるための交流等を実施いたしました。  さらに、農業生産基盤の整備と併せて農村の整備を進めることを明確化するため、農業基盤整備費を農業農村整備事業費と名称を変更するとともに、土地利用型農業の体質強化及び農業と農村の健全な発展を実現するため、第三次土地改良長期計画に基づき、その基礎的条件である農業生産基盤の整備について、NTT資金の活用も併せ、ほ場整備事業等の実施による農地の面的集積を促進する二十一世紀型水田農業モデルほ場整備促進事業の創設等により、着実かつ効率的に実施いたしました。  第二に、需要の動向に応じた高生産性・高品質農業の育成に要した経費であります。  その支出済歳出額は、三千六百三十八億五千三十一万円余であります。  まず、多様な水田農業と水田利用の展開、効率的な生産単位の形成を通じた生産性の向上、地域輪作農法の面的拡大と質的向上を推進するため、水田農業確立後期対策を実施いたしました。  また、稲・麦・大豆について地域の実情に即した生産性向上指針の実現に向けた対策の推進、企業者マインドを発揮した農業経営の展開による高品質農業の確立を図るための先進的な取組を推進する生産流通加工対策の追加等農業生産体質強化総合推進対策を強化充実し、地域の自主性と活力を基盤に各般の生産対策を総合的かつ計画的に実施いたしました。  さらに、平成三年四月からの牛肉の輸入自由化等に対処するため、肉用子牛生産安定等特別措置法に基づき、牛肉等の関税収入を特定財源とした肉用子牛等対策を新たに実施するとともに、肉用牛等大家畜生産の振興合理化を図ること等に重点を置いて、畜産総合対策の充実を図りました。  また、生産コストの節減を図るため、広域的な農作業受委託を推進する農業機械銀行の育成、肥料費節減の優良事例の普及・啓発等農業生産資材対策を実施いたしました。  第三に、農山漁村の生活の質的向上と活性化に要した経費であります。  その支出済歳出額は、四千九百八十六億九千八百四十七万円余であります。  まず、都市部に比べて立ち遅れている農村の生活環境の改善を図るため、農村総合整備モデル事業、農村基盤総合整備事業、農業集落排水事業等を実施するとともに、農村景観や親水等にも配慮した整備を進め、豊かな農村空間の創出による活性化を図るため、農村総合環境整備事業を実施いたしました。  また、中山間地域が有する多面的な機能を生かした農林業の確立と農山村の活性化を図るため、中山間地域農村活性化総合整備事業の実施や農林水産業の振興と併せ、安定した就業機会の確保、総合保養地域の整備、都市と農山漁村との交流等を推進いたしました。  さらに、山村・過疎地域等における定住条件の整備を図るため、第三期山村振興農林漁業対策事業、新農村地域定住促進対策事業等を実施いたしました。  第四に、技術の開発・普及と情報化の推進に要した経費であります。  その支出済歳出額は、一千二百三十三億七千百二万円余であります。  まず、近年における先端技術の著しい発展を踏まえ、農林水産業・食品産業等の生産性の飛躍的向上、農産物・食品の高付加価値化等を図るため、イネ・ゲノム解析研究をはじめとする基礎的・先導的研究及びその基盤となるジーンバンク事業を推進するとともに、消費ニーズに対応した研究、地球環境変化に対応した研究、熱帯農業に関する研究等を実施いたしました。  また、国と民間企業等との研究交流を促進するため、官民交流共同研究及び国際研究交流を推進するほか、民間の研究開発に対する支援措置を強化いたしました。  これらの技術開発の成果等について農家への普及等を図るため、協同農業普及事業等の効果的な推進を図りました。  さらに、農村地域等における情報交流を進めるため、各種情報システムの開発整備等を図りました。  このほか、農林水産業の構造等の実態を的確に把握し、農林水産行政の効率的かつ適正な推進に資するため、各種統計調査等を実施いたしました。  第五に、健康的で豊かな食生活の保障と農産物の価格・需給の安定に要した経費であります。  その支出済歳出額は、二千八百六十一億八千九百八十六万円余であります。  まず、国民に健康的で豊かな食生活を保障する観点から、新たな食文化の創造、規格・表示の適正化等各般の消費者対策を推進するとともに、牛乳・果実等の農水産物の消費拡大対策の推進を図りました。  また、農産物の価格については、需要の動向と生産性向上の成果をより的確に、かつ可能な限り反映し、農産物が国民の納得の得られる価格で安定的に供給されるよう努めました。  このほか、世界の農業・食料情勢の調査・分析等を行うとともに、飼料穀物等の備蓄対策を推進いたしました。  第六に、食品関連産業の振興と輸出促進対策に要した経費であります。  その支出済歳出額は、百六十七億四千二百七十九万円余であります。  まず、農業サイドと食品産業サイドとの連携の下に、食品産業のニーズに合致した原料農産物の安定供給と利用の高度化等を図るため、食品産業原料対策を講じるとともに、地域食品の高付加価値化を進め、地域食品産業の高度化を図るため、加工施設の整備、市場の開拓等を総合的に推進いたしました。  また、食品産業の体質と経営基盤の強化を図るため、環境にやさしい食品包装技術、食品加工の熟練判断処理技術等先端技術の開発を進めるとともに、食品産業の大半を占める中小企業の技術水準の向上を図るため、汎用性の高い技術の開発等を推進いたしました。  さらに、生鮮食料品等の流通の合理化を図るため、卸売市場の計画的整備を図るとともに、食品の消費と生産事情の変化、大店法の規制緩和等に対処するため、食品流通の総合的な構造改善対策を推進いたしました。  このほか、我が国農林水産物の販路を拡大し、農山漁村の活性化等に資するため、輸出促進対策を推進いたしました。  第七に、地球環境保全対策と国際協力の推進に要した経費であります。  その支出済歳出額は、四十七億八千九百三十六万円余であります。  まず、地球環境保全対策としましては、地球的規模における環境保全の推進を図るため、熱帯林における生態系保全及び持続的な森林施業に関する調査、国際緑化推進センターの設置等を実施するとともに、開発途上国における林業協力の推進一に資するための調査等を実施いたしました。  また、砂漠化防止等地球環境保全に資する農業・農村開発の基礎データの収集・技術開発のための調査等を実施したしました  さらに、地球温暖化対策として、農業の環境保全機能向上のための生産方式の確立、温暖化と農林水産業との係わりの解明とその影響予測技術の開発等各種調査研究を実施いたしました。  このほか、開発途上地域における農林水産業の生産力の向上等を通じ、これら諸国の経済社会の発展に寄与するため、国際連合食糧農業機関のフィールドプロジェクト及び国際熱帯木材機関への拠出等国際機関を通じた協力を推進するとともに、東欧諸国の農業開発に資する民間投資促進のための調査、生活改善実践集団との交流を通じた開発途上国の農村婦人の能力発揮のための活動支援、農業・農村開発のための技術支援体制に係る基本構想の策定等を実施いたしました。  第八に、農林漁業金融の充実に要した経費であります。  その支出済歳出額は、一千三百三十七億八千八百二十四万円余であり、農林漁業生産の経営構造の改善、基盤整備等の促進に資するため、農林漁業金融公庫資金、農業近代化資金等の各種制度資金について、所要の融資枠の確保、融資内容の充実を図るとともに、農業信用保証保険機能の充実を図りました。  第九に、多様な森林整備の推進と国産材時代への条件整備に要した経費であります。  その支出済歳出額は、四千四百四十六億八千二百十六万円余であります  まず、国民のニーズにこたえる多様な森林の整備と山村の活性化を図るため、森林整備事業計画を策定するための調査を実施したほか、NTT資金の活用も併せ、造林、水源林造成、林道事業の推進、第七次治山事業五箇年計画に基づく治山事業の計画的推進を図りました。  また、林業山村活性化林業構造改善事業、間伐促進強化対策事業、特用林産産地化形成総合対策事業等を推進するとともに、松くい虫被害対策等の森林の保全管理、森林を総合的に活用した都市との交流施設等の整備、緑化対策等を推進いたしました。  さらに、森林計画制度の改善を図りつつ、流域を単位として民有林・国有林が一体となった森林・林業の活性化を図るため、流域ごとに林業関係者等からなる流域林業活性化協議会を組織し、林業活性化のための目標を策定するとともに、森林整備、林業事業体の再編・体質強化、機械化の促進等を推進したほか、就労条件の向上、新規参入の促進等林業担い手の育成・確保対策を推進いたしました。  また、国産材流通体制の整備と木材産業の体質強化を図るため、国産材の加工・流通拠点等の整備と地域材を中心とした木材の需要拡大を促進するとともに、木材生産団地の再編整備等を推進いたしました。  このほか、国有林野事業については、国有林野事業経営改善大綱に即して、新たな「国有林野事業の改善に関する計画」を策定し、経営改善を推進いたしました。  第十に、二百海里時代の定着等に即応した水産業の振興に要した経費であります。  その支出済歳出額は、三千五十一億三千四百八十三万円余であります。  まず、第八次漁港整備長期計画及び第三次沿岸漁場整備開発計画に基づき、NTT資金の活用も併せ、漁港及び沿岸漁場の整備を推進いたしました。  また、新たに資源管理型漁業推進総合対策を創設するとともに、栽培漁業、養殖業、さけ・ますふ化放流事業、新技術の開発・普及の推進、漁村地域の活性化、沿岸漁業構造改善事業等の施策を実施し、資源管理型漁業の推進と我が国周辺水域の漁業振興を図りました。  さらに、新資源・新漁場の開発、海外漁業協力を行うとともに、対外交渉に必要な水産資源調査等を実施いたしました。  また、水産物の需給の安定を図るとともに、基幹的な水産流通加工施設の総合的整備等水産物の流通加工の合理化を図るほか、消費者ニーズに応じた水産物の消費拡大対策を講じました。  さらに、漁協・水産業の経営対策として、金融自由化の進展等に対処して漁協信用事業の基盤強化、漁業生産構造再編整備、漁業経営の強化のための特別指導を行うとともに、水産業関係資金の円滑な融通等の推進をいたしました。  このほか、漁場環境保全対策、漁船対策等の施策を推進いたしました。  第十一に、その他の重要施策に要した経費であります。  その支出済歳出額は、四千五十三億七千九百五万円余であります。  まず、海岸事業については、第五次海岸事業五箇年計画を策定しこれに基づき、NTT資金の活用も併せ、海岸保全区域における事業の実施を図りました。  また、災害対策については、農作物共済等の各共済に係る所要の共済掛金国庫負担金等を農業共済再保険特別会計に繰り入れたほか、農業共済団体の事務費等を助成し、農業災害補償制度の円滑な実施を図るとともに、災害営農資金等の利子補給に対する助成を図りました。  さらに、台風・豪雨等により被災した農地、農業用施設、山林施設、漁港施設等の災害復旧事業を実施いたしました。  このほか、農業団体の整備についても、農業委員会等に対して、引き続き助成等を行いました。  以上をもちまして、一般会計歳入歳出決算に関する御説明を終わります。  次に、各特別会計の決算について御説明申し上げます。  第一に、食糧管理特別会計であります。国内米管理勘定等の七勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は二兆七千八百十億七千三百六十二万円余、支出済歳出額は二兆七千六百四十八億九千百十九万円余でありまして、歳入歳出差引き百六十一億八千二百四十三万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。また、このうち食糧管理勘定の損益計算上の損失は二千二十八億一千六百六十六万円余でありまして、調整資金を取りまして整理いたしました。これにより、食糧管理法、農産物価格安定法及び飼料需給安定法に基づき、米、麦、でん粉、輸入飼料の買入れ、売渡し等を管理することにより価格の安定と国民食糧の確保を図り、国民経済の安定に資するための事業を実施いたしました。  第二に、農業共済再保険特別会計であります。農業勘定等の六勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は一千五百五十八億四千七百八十四万円余、支出済歳出額は一千二百六十億一千百三十四万円余であります。歳入歳出差引き二百九十八億三千六百五十万円余のうち、翌年度へ繰り越す額百九十一億五千八百五十一万円余を控除し、百六億七千七百九十八万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、それぞれ翌年度の歳入に繰り入れ、又は積立金として積み立てること等といたしました。これにより、農業災害補償法に基づき、国が農作物共済等の各共済についての再保険事業を行うことによって、農業経営の安定等を図るための農業共済事業の円滑な実施を図りました。  第三に、森林保険特別会計であります。収納済歳入額は百三十二億四千七百十三万円余、支出済歳出額は二十七億一千八百五十七万円余であります。歳入歳出差引き百五億二千八百五十五万円余のうち、翌年度へ繰り越す額九十六億三千二百八十万円余を控除し、八億九千五百七十四万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、積立金として積み立てることといたしました これにより 森林国営保険法に基づき、国が森林の火災、気象災及び噴火災を保険事故とする森林保険事業を行うことによって林業経営の安定を図るための事業を実施いたしました。  第四に、漁船再保険及漁業共済保険特別会計であります。漁船普通保険勘定等の五勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は四百八十六億三千二百五十八万円余、支出済歳出額は三百二十四億三千四百九十万円余であります。歳入歳出差引き百六十一億九千七百六十八万円余のうち、翌年度へ繰り越す額百九十五億三千七百七十一万円余を控除し、三十三億四千二万円余の不足を生じました。この不足金は、法律の定めるところに従い、それぞれ積立金から補足すること等といたしました。これにより、漁船損害等補償法、漁船乗組員給与保険法及び漁業災害補償法に基づき、国が再保険及び保険事業を行うことによって漁業経営の安定に資するための事業を実施いたしました。  第五に、農業経営基盤強化措置特別会計であります。収納済歳入額は五百六十二億八千百三十四万円余、支出済歳出額は二百六億四千四百三十三万円余でありまして、歳入歳出差引き三百五十六億三千七百万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。これにより、農地法等の規定に基づき、国が自作農創設のために行う農地等の買収、売渡し等に関する事業、農地保有の合理化を促進するための事業に対する助成及び農業改良資金助成法の規定に基づく農業改良資金の貸付事業を実施いたしました。  第六に、国有林野事業特別会計であります。国有林野事業勘定につきましては、収納済歳入額は五千七百六十五億一千八百八十万円余、支出済歳出額は五千八百七十八億一千百八十一万円余であります。この勘定の損益計算上の損失は一千百七十七億四千六百四十七万円余でありまして、法律の定めるところに従い、損失の繰越しといたしました。治山勘定につきましては、収納済歳入額は一千七百八十三億六千四百三十六万円余、支出済歳出額は一千七百八十三億三千百三十一万円余でありまして、歳入歳出差引き三千三百四万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。これにより、国有林野法に規定される国有林野の管理経営の事業及びその附帯業務に係る事業並びに治山事業の計画的推進を図る事業を実施いたしました。  第七に、国営土地改良事業特別会計であります。収納済歳入額は四千八百六十三億四千八百六十四万円余、支出済歳出額は四千六百九十八億八千九百四十八万円余でありまして、歳入歳出差引き百六十四億五千九百十六万円余の剰余を生じました。この剰余金は、法律の定めるところに従い、翌年度の歳入に繰り入れることといたしました。これにより、土地改良法に基づき、すべての国営土地改良事業、受託工事及び直轄調査に関する事業を実施いたしました。  以上をもちまして、平成三年度の農林水産省決算の説明を終わります。  なにとぞよろしく御審議のほどお願いいたします。     …………………………………    平成三年度決算農林水産省についての検査の概要に関する主管局長の説明                会計検査院  平成三年度農林水産省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項七件、意見を表示し又は処置を要求した事項二件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。  まず、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項について御説明いたします。  検査報告番号一五〇号は、青森県五所川原市の松島第一肉用牛生産組合が畜産団地整備育成事業により設置した共同利用畜舎を補助の目的外に使用しているものであります。  検査報告番号一五一号は、宮城県が実施した畜産総合対策事業におきまして、設計が適切でなかったため、築造した半地下式サイロが不安定な状態になっているものであります。  検査報告番号一五二号は、福島県が実施したため池等整備事業におきまして、施工が設計と相違していたり、設計が適切でなかったりしていたため、水路トンネルが不安定な状態になっているものであります。  検査報告番号一五三号は、群馬県利根郡川場村が実施した農村活性化総合整備事業におきまして、設計が適切でなかったため、橋台等が不安定な状態になっているものであります。  検査報告番号一五四号は、石川県が実施した広域営農団地農道整備事業におきまして、設計が適切でなかったため、アーチカルバートが不安定な状態になっているものであります。  検査報告番号一五五号は、山梨県大月市が実施した水田農業確立対策推進事業で設置した農産物集出荷施設は補助の要件を満たしておらず補助の対象とはならないものであります。  検査報告番号一五六号は、長野県駒ケ根市が地域農業生産総合振興事業で設置した転作促進研修施設を補助の目的外に使用しているものであります。  次に、意見を表示し又は処置を要求した事項について御説明いたします。  その一は、新農業構造改善事業等による施設の設置及び運営に関するものであります。  農林水産省では、経営規模が大きく生産性の高い農業経営を育成することなどを目的に農業構造改善促進対策を、また、山村における農林漁業の振興を図ることなどを目的に山村振興対策を、さらに、農村地域の特性を生かした農林漁業の振興を図ることなどを目的に農村地域定住促進対策をそれぞれ国庫補助事業として実施してきております。  そして、これら各対策に係る事業によって設置される施設のなかには、主として収益を上げることにより、農林漁家の所得の向上に直接寄与する収益型施設があります。そこで、このような収益型施設であります、農産物の栽培施設等の生産販売施設、農畜産物処理加工施設等の加工販売施設、農産物直売所等の施設について、その設置及び運営の状況を、経営状態に着目して調査いたしました。  その結果、多額の欠損を生じて施設の運営を休止するなどしていて、農林漁家の所得の向上等に寄与しておらず、補助事業の効果が十分発現していないと認められるものが、百二十九施設見受けられました。  このような事態を生じているのは、事業主体において、消費者や農家の需要動向を十分調査しないまま事業に着手していたり、市町村においても、事業計画の策定に当たって事業主体に適切な指導を行っていなかったり、施設の経営・管理の実態についての把握が十分でなく、経営改善の指導を行っていなかったり、また、農林水産省においても、設置した施設の計画達成状況の報告は求めているものの、収支状況等経営に関する報告を徴することとしていなかったりしていたことなどによると認められました。  したがいまして、新農業構造改善事業等を効果的に実施するため、農林水産省において、市町村における事業計画の策定に当たり、施設の経営が長期的かつ安定的に採算がとれるものとなっているかなどについて調査検討を十分に行ったうえ事業計画を策定するよう、都道府県の指導、審査を十分に行わせ、また、事業実施後、事業主体から収支状況を継続的に提出させ、施設の経営・管理の実態を把握し、収支状況等が悪く改善を要する施設については、都道府県及び市町村がきめ細かな経営改善の指導を行えるよう、その体制を強化させるなどして、補助事業の効果が十分発現するよう是正改善の処置を要求したものであります。  その二は、水田農業確立特別交付金の交付に関するものであります。  農林水産省では、稲作、転作を通ずる生産性の向上、地域輪作農法の確立といった水田農業の体質強化を図ることを主眼として、昭和六十二年度から平成元年度までの水田農業確立前期対策に引き続き、二年度から四年度までの三年間を期間として、水田農業確立後期対策を実施しております。そして、後期対策の各施策が前期対策から円滑に移行して実施されることを目的とし、元年度の措置として 二年三月に、全国の三千六十四市町村に対し水田農業確立特別交付金を交付しており、その交付額は二百九十八億四十一万余円となっております。  この交付金の交付を受けた市町村は、当該市町村と農業協同組合等から成る推進協議会に諮り、交付金を、後期対策を実施するうえで適切と認められる共同事業に要する経費に効率的かつ計画的に充てることとなっておりまして、本件交付金は、後期対策の期間内に事業の効果を確保することが要請されていると認められた次第であります。そこで、本院としましては、このような交付金の趣旨を踏まえ、交付金を使用して行う事業が、後期対策の円滑な推進に寄与するものとなっているかについて検査を実施いたしました。  その結果、後期対策が最終年度を迎えた時期において、市町村に交付された多額の交付金が未使用となっていたり、その使途が交付金の交付の目的に沿わなかったりしていて、後期対策の円滑な推進に寄与することとされている本件交付金の趣旨からみて適切とは認められない事態が見受けられました。  このような事態となっているのは、農林水産省において、交付金の趣旨について市町村等を十分指導していなかったこと、後期対策の円滑な推進に資するための事業の緊急性、必要性を十分把握しないまま交付金を交付したこと、交付金の交付に当たり、交付要綱等において、交付金の使用時期、使途等を明確にするなど交付金の効果を確保するための措置を十分とっていなかったことなどによると認められました。  したがいまして、未使用となっていた交付金については、その後の状況を把握し、適切な措置を講ずるとともに、今後、この種の交付金を交付する場合には、その必要性等を十分検討の上、交付目的、使途等を明確にするなど、交付金の趣旨の徹底等について適切な指導を行い、その効果を十分確保する必要があると認められましたので、その旨改善の意見を表示したものであります。  次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。  これは、補助対象経費の範囲及び算定方法に関するものであります。  林野庁では、林業、木材産業の発展に資するなどのため、研究開発事業を行う団体に対して国庫補助金を交付しており、団体では、木材産業関連企業等の事業者に補助金を交付したり、委託したりして研究開発事業を実施させております。  これらの国庫補助金の補助対象経費は、交付要綱等により、(1)技術者の人件費、(2)機械・装置等の設計、製作等に係る物件費及び外注費、(3)光熱水費、通信運搬費、消耗品費等の管理費的な経費とされております。  今回、社団法人日本木材加工技術協会ほか二団体が実施した補助事業について調査したところ、交付要綱等で技術者の人件費及び管理費的な経費の範囲及び算定方法が明確に定められていなかったため、各事業者が個々の判断で算定していて、これらの中には研究開発事業に直接に要したとは認められない経費が含まれているなど適切でない事態が見受けられました。  このような事態が生じていたのは、林野庁において、補助対象経費の範囲及び算定方法を明確に定めていなかったことなどによると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、林野庁では、平成四年十一月に団体に対して通達を発し、研究開発事業に係る補助対象経費について、当該事業の実施に直接に要する経費とすることとし、その範囲及び算定方法を明確にするなどの処置を講じたものであります。  なお、以上のほか、平成元年度決算検査報告に掲記いたしましたように、国営木曽岬干拓事業により造成された干拓地について、及び平成二年度決算検査報告に掲記いたしましたように、市街化区域内に所在する国有農地等の有効な利活用を図るための処分の促進について、それぞれ意見を表示いたしましたが、これらに対する農林水産省の処置状況についても掲記いたしました。  以上をもって概要の説明を終わります。     …………………………………    平成三年度会計検査院の指摘に対して講じた措置の説明                 農林水産省  地方公共団体等が施行する国庫補助事業につきましては、その適正な執行を図るため、常に努力しているところでありますが、これらの一部について、平成三年度決算検査報告において指摘を受けるような事態が生じましたことは、誠に遺憾であります。  不当事項として指摘を受けたものは、補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの七件であります。  意見を表示され又は処置を要求された事項は、新農業構造改善事業等による施設の設置及び運営並びに水田農業確立特別交付金の交付についてであります。  不当事項として指摘を受けた補助事業の実施及び経理が不当と認められるものについてでありますが、畜産団地整備育成事業において補助の目的外に使用しているもの、水田農業確立対策推進事業において補助の対象とは認められないもの及び地域農業生産総合振興事業において補助の目的外に使用しているものにつきましては、既に補助金を返還させたところであり、また、畜産総合対策事業、農村活性化総合整備事業及び広域営農団地農道整備事業において設計が適切でないもの並びにため池等整備事業において設計及び施工が適切でないものにつきましては、手直し工事を施工させる措置を講じたところであります。  さらに、指摘の内容を踏まえ、地方公共団体等に対し会議、文書等を通じ指導の一層の徹底を図ったところであります。  新農業構造改善事業等による施設の設置及び運営が適切に行われるよう是正改善の処置を要求されたものにつきましては、指摘の趣旨を踏まえ、都道府県に対し、事業計画の策定について指導を強化するなど施設の適切な設置及び運営が図られるよう所要の措置を講じたところであります。  水田農業確立特別交付金の交付の効果を確保するよう改善の意見を表示されたものにつきましては、指摘の趣旨を踏まえ、当該交付金の使用について適切な指導を行うなど所要の措置を講じたところであります。  今後、この種の事態発生を未然に防止するため、より一層の指導・監督等を徹底いたしまして、予算の適切な執行に努めてまいる所存であります。     —————————————    平成三年度農林漁業金融公庫業務概況              農林漁業金融公庫  平成三年度における農林漁業金融公庫の業務の概況についてご説明申し上げます。  国においては、二十一世紀に向けて、足腰の強い農林水産業を確立し、農林漁業者が誇りと希望を持って農林水産業を営むことができる環境の整備と活力ある農山漁村社会の構築を基本として諸施策が展開されました。  こうした国の施策に即応して、当公庫は、業務の運営にあたりまして、関係機関との密接な連けいのもとに、農林水産業の生産基盤の整備及び経営構造の改善のための融資を推進するとともに、多様化する資金需要に対応して、融資条件の改善を含め、融資の円滑化に配慮してまいりました。  平成三年度における貸付計画について申し上げますと、貸付計画額は六千億円を予定いたしました。  これに対する貸付決定額は五千二百二億八千七十三万円余となり、前年度実績と比較して四百十八億三千五百九十九万円余の増加となりました。  この貸付決定額を農業・林業・水産業に大別して申し上げますと 一、農業部門  三千七百八十四億三千六百六十三万円余 二、林業部門  四百八十一億四千五百四十七万円余 三、水産業部門 七百四十七億五千八百六十五万円余 四、その他部門 百八十九億三千九百九十五万円余 となりまして、農業部門が全体の七十二・七%を占めております。  次に平成三年度の貸付資金の交付額は五千億八千八百四万円余となりまして、これに要した資金は、資金運用部からの借入金三千八百八十五億円、簡易生命保険からの借入金五百六十五億円並びに貸付回収金等五百五十億八千八百四万円余をもって充当いたしました。  この結果、平成三年度末における貸付金残高は五兆三千二百十五億四千百四万円余となりまして、前年度末残高に比べて三百二億一千二百七十六万円余、〇・六%の増加となりました。  貸付金の延滞状況につきましては、平成三年度末におきまして、弁済期限を六か月以上経過した元金延滞額は三百七十二億三千三百五十八万円余となりまして、このうち一年以上延滞のものは三百五十三億九千六十一万円余となっております。  次に平成三年度における収入支出決算の状況についてご説明申し上げますと、収入済額は、収入予算額三千七百九億三千三百十六万円余に対し三千七百八十二億九千五百十二万円余となりました。また、支出済額は、支出予算額三千八百七十六億五千三十一万円余に対し三千四百五億二千七十九万円余となり、支出に対し収入が三百七十七億七千四百三十二万円余多くなっております。  最後に、平成三年度における当公庫の損益計算の結果について申し上げますと、貸付金利息等の総利益は四千五十八億九千八百八十一万円余、借入金利息等の総損失は四千五十八億九千八百八十一万円余となり、利益と損失が同額となりましたため、利益金はなく国庫納付はありませんでした。  これらの業務の遂行にあたりましては、常に適正な運用について、鋭意努力してまいりましたが、平成三年度決算検査報告におきまして、総合施設資金等の貸付けにつきまして不当事項として指摘を受けたものがありますことは、まことに遺憾に存じております。指摘を受けました事項につきましては、直ちに適切な措置を講じましたが、今後はこのようなことの再び起こることのないよう業務運営の適正化に一層努める所存であります。  以上が、平成三年度における農林漁業金融公庫の業務の概況であります。なにとぞよろしくご審議のほどお願いいたします。     …………………………………    平成三年度決算農林漁業金融公庫についての検査の概要に関する主管局長の説明                会計検査院  平成三年度農林漁業金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項五件であります。  検査報告番号二〇八号から二一二号までの五件は、総合施設資金等の貸付けが不当と認められるものであります。  これらの資金の貸付事業は、農林漁業者等に対し、農林漁業の生産力の維持増進等に必要な長期かつ低利の資金で、一般の金融機関から融通を受けることが困難な資金を直接又は金融機関に委託して貸し付けるものでありますが、総合施設資金等の貸付けに当たり、借入者から事実と相違した内容の借入申込みや事業完成報告がされているにもかかわらず、これに対する審査及び確認が適切でなかったなどのため、貸付金額を過大に算定するなどしているものであります。  以上、簡単でございますが説明を終わります。

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 以上をもちまして農林水産省所管、農林漁業金融公庫の説明は終わりました。

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤剛男君。

佐藤剛男自由民主党

○佐藤(剛)分科員 まず最初に、私の敬愛いたしております木幡政務次官、福島で、選挙区は別でございますけれども、このたび御就任されまして、心よりお祝い申し上げます。しかも農政通であって、非常に心強い限りでございます。  私は、小沢一郎先生の言われている、政府委員というのは余りしゃべるな、国会議員が答弁をするんだという思想というのはそれなりに納得いたしますので、政務次官は農業関係非常に詳しいですから、できるだけ政務次官にお答えしていただきたいわけです。余り御迷惑をおかけしませんから、もしあれでしたら、政府委員の方、お帰りになって結構でございます。  今、会計検査院のお話、何もことしの話じゃないのですけれども、実は私はここで、こういう決算の問題でとことんまでやってみたい問題があるのですが、その問題はきょうは時間の関係もありますのでやりませんが、農林省のところでひとつ検討してもらいたい。  これは政務次官も御存じだと思いますけれども、吾妻のパイロット、それから水原のパイロット、田沢(岩代川)等のパイロット、いわゆるパイロット事業だといって、農林省が一種の公共事業みたいなものですばらしいものをつくっているわけでありますが、あの一つの吾妻パイロット事業なんというのは、何十億の金をかけて、道路はきちんとできていて、電話まで入っていて、上には亀岡高夫先生の碑があって、「吾妻が燃ゆ」なんて書いてあるけれども、今は何も燃えていない。全く何年間も放置され、あるべき木をみんな切っちゃって、風の抜け穴みたいになっちゃって、それで野菜のパイロット事業を始めようとしていたわけですが、失敗した。その問題が市と県、それから農林省、もう役人がしょっちゅうかわるから、責任がはっきりしないから、元来、会計検査院に、使用方法、目的を変えましようと言えば話が済むはずなんだけれども、やってない。  園芸局長おったって、話が違うから、政務次官にこの問題については、幾つもありますよ、全国のパイロット事業を全部総点検したいと僕は思っていますけれども、ひとつその問題をよく検討しておいてください。農林委員会でもやるし、予算委員会でもやるかもしれません。そのあらゆる実態がどうなっておるか、成功した例があるのかないのか。私は成功した例というのはほとんど聞かない。ほとんど聞かないですよ。キャベツの何ぐらいだろうと思います。どのぐらいの金を使って、どういう状況にあるのかを調べてください。福島県だけだって、私の選挙区だけだってこのぐらいのものがあるんだから。会計検査院もおられることですから、会計検査院もそういうところによく目をつけて、きちんとやって、月給もらっているんだから、ちゃんとそれをやってもらいた一い。  それはそれとして、きょうお話し申し上げるのは、一つはリンゴの問題、それから時間があれば農振法の問題をやります。この農振法の問題というのもパイロットにも関係いたします。  それで、一つはリンゴですが、リンゴの世界的な最適生産地というのは、これは気候が影響するのです。米とか野菜とか酪農とかというんじゃなくて、あらゆるところでできるわけじゃない。これは決まっている。政務次官、御存じだと思いますが、どういう場所かといいますと、空気がある時期乾燥していなければいけない。それから、その周辺に川がなければいけない。山がなければいけない。  例えば、一つの例がアメリカのワシントン州。ワシントン州といっても、ワシントンがあるところじゃなしですよ 太平洋側 ワシントン、オレゴン、カリフォルニア、そこのところにあるワシントン州の首府に、政務次官は行かれたかどうかあれですけれども、タコマというところがある。山に、セントヘレンズ山といって富士山みたいな、ばあっと大きいものがある。  かつてNHKの番組で、三田佳子が扮する青森出身の女医さんがいましたね。その人がワシントン州に留学するのですよ。留学しまして、徹夜でリンゴの農家の息子を助けるのです。そうしますと、よく先生やってくれたなと言って、その農家のリンゴをつくっているおやじさんがあの美人の三田佳子さんにお礼を言うわけです。先生、リンゴを食わんしょ、福島弁で言うとそういう話だ。  そういうことをやりまして、そうしてそのときのNHKのテレビでだあっとやると、青森、福島に似ているリンゴ園がわあっと出てきます。ここがワシントン州という、まあワシントン、オレゴンというのですが、ワシントン州というのが世界のリンゴの首府と言われる。御存じですか。これはキャピタル・オブ・ザ・アップル・オブ・ザ・ワールド、世界のリンゴの首府と言われる。これはどういうことかというと、カスケード山脈というのがある。そして、そこにコロンビア、コロラド川が流れている。この川が流れていて、カスケード山脈があって、太平洋からの湿度をカスケード山脈がびょうぶのように抑えるのです、四月とか六月の間。そうすると乾燥するのです。乾燥している地域、そうしますと一種の砂漠みたいな現象になる かえってそれがリンゴにはいいのですよ。それを井戸をつくってポンピングする。  ですから今、福島でいいますと野田だとか、福島のところはリンゴがあれですけれども、ポンピングの形を農林省が補助金を出してやっているというのはそういう思想なんです。ヨーロッパのリンゴなんて大したことないんです。ドイツなんかちょっと出してはいるけれども、こんな小さなあれで、競争力というのは私はそんなにないと思うし、ヨーロッパのものが日本に入ってくるなんという話はないのです。世界の中で最適地で、日本のリンゴの技術者、リンゴの品種改良をする人がどこに行ったかというと、ワシントン州にみんな行くんですよ。本日御出席の技術者、おられると思いますが、その人たちはみんなそうだと思うのです。行かれていると思う。  そのように、世界のリンゴの首府というところ、ニュージーランドのリンゴなんて大したことないんです。それが今度輸入解禁になります、こういう話です。農林省は、既にリンゴは自由化しています、外に向かってこう言うわけです。自由化ということはどういう意味かと僕は聞きたいんだけれども、自由化じゃないんですよ。検疫の関係で、国際的に堂々と検疫ができない限りは入れなくていいということになっているわけだから。  日本のリンゴをつくっている産地は、これもまたアメリカと同じように決まっているのです。鹿児島でリンゴなんてつくらない、四国でリンゴなんてつくらない、沖縄でリンゴなんてつくらない。リンゴができるところというのは、例えば青森、それから福島で言えば、阿武隈川があって、阿武隈山脈があって、あの阿武隈山脈があと三十メートル高かったらもっとよかった、こう言われるのです。そうすると、政務次官のところの浜通り、私は中通り、あそこの阿武隈山脈が三十メートル、もう少し高いと太平洋から来る湿度を抑え込むわけですよ。そうするとちょうどいい湿度になる、そのかわり浜通りの先生のところは雨が降るかもしれないけれども。気候現象というのはそういうものなんです。だから適地があるのです。長野にはちゃんと信濃川があり、あるいは桃でいいますと、岡山にあり、それから秋田にあり、山一がみんなあってでき上がっているわけです。  ですから、農業委員全部が農業問題に関心があるといったって、リンゴの問題についておれのところは知らないという人たちがたくさんいるわけですよ。関心を持っているというのは恐らく青森と、福島と言ったって穂積先生のところはリンゴのは余りないからね、農業のあれだといったって。これは場所が決まっているんだから。だからそのことで、私の家なんていうのはリンゴ園だったのですから、今は家が建ってしまったが。昔は養蚕、今や果樹に変わってしまった。それで大半がふじだの何だのということで、品種では「ふじ」が大体五割近くなっていますよ。しかし、昔はデリシャスだった。しかし、これは簡単にできるのですよ、接ぎ木をすると。  ですから私が言いたいことは、農林省は少し甘い。リンゴが甘ければいいというものじゃない、政策が甘いのだ。少し酸っぱいくらいの感じでやらないと、特定産地に集中豪雨的な被害を浴びるということを私は申し上げたい。  ニュージーランドがやりましたとか、リンゴは自由化していますよなんて、そんなことを言ってはだめですよ。自由化というのは、いつでも自由に入ってくることを言うんだから。四十六年に自由化しましたなんと言ったって、入ってこない。一時は入ってきたかもしれないけれども、一つどこか、韓国かなんかから入ってきたかもしれないけれども、もう検疫の問題で入れてないわけだ。  しかし、今度検疫のシステムができ上がった、本当にできたのかどうかわからないけれども、日米間でできた、じゃ入れましょう、ここから自由化が始まるわけですよ。自由化初年。それに対して対策がない、宣伝もしてない、説明にも行ってない、福島にも行ってない。そうでしょう、局長。局長みずから出かけていって話をしなければだめだ。政務次官みずから行って、政務次官のところなんだから、浜通りに行く前に福島に寄ってみんな集めて、リンゴの果樹園の人たちを集めて、みんな心配するわけだから。  それに、リンゴだけじゃなくて、今度の話というのは虫の話だから、エイズみたいな話なんだから、簡単に言えば。私はああいう虫の話とかというのは余り、世界に貿易を流通させるのがいいこととは思わないのですよ。私は国際派ですよ、ガットの議長までやっていた男だから。そうなんだけれども、日本という島国の中において、変な虫が入ってきたり、必ずどこかで漏れるんだから、それが繁殖するんだ。  そういう一つの自由化による、価格競争力、価格の問題もさることながら、何せ面積もすごいんだから。ワシントン、オレゴンで日本の大体五倍あるんだから。一つの地域ですよ、州だけで。日本は青森、長野、秋田、岩手、福島を合わせたって、ちょこちょこやっている特定産地しか先ほど言った気候条件みたいなのはないのだけれども、すばらしい最適地にあるわけでして、品種の勉強をやってきた、なにしてきたことを考えると、一つは競争力、自由化初年なんだから、自由化元年なんだから、それに対しては米と同じような考え方を導入してきちんとやらなければいけない。それは、局長、きのうの自民党の部会で甘いことを言っていたでしょう。そういう部分を私はおかしいと言っているわけです。局長がみずから出かけていって、ちゃんと外国の状況を眺めればわかります。  それからもう一つは検疫の問題なんだけれども、この問題はリンゴだけじゃないのです。御承知のようにナシに影響する。コドリンガにしたって火傷病にしたって、ほかの果物があるわけですよ。福島の例でいいますと、リンゴの横にナシがなっているのです。モモがあるわけです。リンゴ、ナシ、モモというのは大体一緒にしているのです。ナシというのは、御承知のように水はけがよくないとできないのです。だから昔は、石みたいなものがあって、肥沃ではないところにできるのです。しかし、今や福島自身はナシの産地ですよ。世界のどこか知らないけれども、少しへんちょこりんな虫がリンゴと一緒にくっついてきて、これは羽が生えていて飛んでいくのだから。そうでしょう。果物のエイズみたいなものだ。  そういう点についてまず政務次官にお聞きするけれども、御認識、それから対策をどうするか、各論に入る前にお聞きしたい。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 先ほどは佐藤先生から激励を賜りまして、心から厚く御礼を申し上げる次第でございます。  御承知のとおり、我が国の果樹につきましては、全国にわたって産地があるというよりは、特定地域に集まっているということでありまして、かつてのオレンジのときと同じように、特に果樹農家、とりわけリンゴ農家につきましても、このたびの解禁の措置に伴って大変不安を抱いているということは今先生御指摘のとおりでございます。  しかしながら、農水省といたしましては、今先生御指摘のとおり、特に、火傷病、コドリンが等々の植物検疫上、従来までは米国からのリンゴの輸入を禁止しておったわけでありますが、しかるべき措置がとれた時点におきましては、これを解禁せざるを得ないという大変厳しい状況になっておることは御承知のとおりでございます。  そういう意味では、これから先、我が国の果樹生産における産地の強化策をどうするか。もう既に先生は御承知のとおりでございますが、例えば、矮化栽培による省力化をどう図るか、あるいはその他の、流通における組織、団体の経営の脆弱化ということも指摘を受けているところでございますから、こういったもろもろの問題につきまして、御指摘を受けたようなことを考えながら、産地強化対策をなお一層進めるということで努力をしてまいりたい、基本的にはそのように認識をしているところでございます。

佐藤剛男自由民主党

○佐藤(剛)分科員 ありがとうございます。  それから、私も役人をやっていたからよくわかるのですが、産地強化対策に何をするかという話は役人がよく言うのです。ですから、強化といっても、ではこれから何をやるんだ。ちゃんとその産地の人に補助金でも出して、ミッションでも派遣して、ワシントン州に出かけていって、ニュージーランドまで行く必要ないから、行かせるぐらいのことを、農林省、きちんとやっているのですか、園芸局長。

日出英輔農林水産省農蚕園芸局長

○日出政府委員 佐藤先生のリンゴに関します該博なお知識あるいは御意見につきましては、私どもも行政を進める上で大いに参考にさせていただきたいと思っている次第でございます。  今先生いろいろなお話をされましたが、実は、四十六年に自由化された後、これは先生御案内のとおり、通商のルールとしては自由化されたわけでありますが、植物でいえば植物防疫法、動物でいえば検疫法、ともに国際的な条約に基づいて、一定の病害虫が入ってくること、その理由をもって貿易をとめるということは認められているわけでありますけれども、病害虫の防除技術が確立しますとその理由が実はなくなるわけでございます。  お話しのように、アメリカは昭和六十一年ごろからかなり強烈な自由化要求を言い出しまして、私どもが要求しておりました病害虫の防除技術につきましては、データを六十一年ごろから我が方に送ってきております。同時に日本でも、特に先生がお話しになりましたような、日本の生産の半分を占めます青森県あるいは団体の方々が、今のお話のようにワシントン州等に行きまして、現地の状況を調べておるわけでございます。以降、ワシントン州、オレゴン州あるいはニュージーランド等々、県なり団体の方々がかなりの頻度で現地に行っております。  私どももそれなりの情報を実は集めておるわけでございますが、先生のお話のように、日本としますと、「ふじ」「つがる」といったような大変世界に誇る品種をつくり出したことも事実ではございますけれども、何といってもアメリカのリンゴ産業は底力がございます。特に、現在はデリシャス系のもので輸出をしてくるのでありましょうけれども、これは日本人の嗜好からしますといまいちということになりましょうが、いずれは「ふじ」「つがる」の侵食というようなことで対日戦略を固めてくる、こういうことも十分予想されるわけでございます。  私どもも厳しくこれを受けとめまして、具体的に言いますれば園地整備、生産力が落ちてくるということになりますから園地整備、あるいは今政務次官のお話しになりました矮化の栽培の話、それから流通におきますいろいろな貯蔵技術、施設の整備、こういったことを総合的に進めてまいりたいと思っております。その一部は既に昨年、ニュージーランド産のリンゴが入ってくるということで、私ども補正予算でそういったものに一部手をつけ始めております。

佐藤剛男自由民主党

○佐藤(剛)分科員 局長、来年度の予算など、具体的にこういうふうにしますという対策を提示してください。やります、やりますという話じゃなくて、具体的でないとだめです。  それから、ミッションを組んで少し派遣しなさい、せめて青森、福島、長野に。そういうことは重要なことですから、政務次官の善政ですから、ひとつやっていただきたいと思います。それで、団をつくって、そして専門家も入れて見させてください、農協だの何だのが個人で行ったり何したりということじゃなくて。それで、現実に行ってくると必ずああこういうことをやっているのだなということの勉強になりますから。  それで次に、もし虫が、コドリンガにしましても、アメリカリンゴコシンクイ、これはモモやナシにくっつくものですが、そういうものの検疫制が完全にできた、あるいは臭化メチルをくっつけてやりますとかという話が出るのですが、これが出ないで入ってきたときの問題。万が一の場合、日本のリンゴ自身が、産地がだめになってしまうから、本当にきちんとした体制をとってもらいたい。  そもそも果物の貿易、リンゴなんというのは日本は輸出なんて余りすることはないんですよ。国際的に輸入もしなくてもいいんです。ヨーロッパみたいな地続きなら、これはどうしようもないから、口蹄疫と同じようにやらざるを得ないわけだ。みんな抹消してしまっていいのだけれども、日本というのは幸いにも海があるわけなんだから、自動車だの機械の輸出だの何だのとちょっと違うのです。  それで、何か臭化メチルだ何だでやってきたリンゴを食べたりなにして、日本の今のリンゴというのはすごい消毒をするわけでしょう。そういうことででき上がっているものですから、その点についてはもう最大の注意を払って農家の人にやってもらいたい。  万が一出てきたときどうするのですか。これは国家補償でしょう。国が検疫して入れるのだから、国が補償しなければいかぬでしょう。どういうことをきちんとやれるのかということの腹構えがちゃんとできているかどうか。まず国に対して、万が一入れたときに、検疫官が調べるわけだけれども、検疫官が全部調べるわけじゃないのだから、リンゴの数一つ一つ調べるわけじゃないわけだから、サンプル調査に決まっているわけだから、向こうにおいて検疫させて、出かけていったものを薫蒸したかどうかということでやるしかないわけだから、その点について、万が一の場合の産地に対する安心感についての御方針をお伺いしたい。

日出英輔農林水産省農蚕園芸局長

○日出政府委員 先生お話しのように、そこが最大のポイントだろうと思っておるわけでございます。  いずれにしましても、まず、万一にでも入らないように、園地の指定から始まりまして、日本向けに来るまでの間に、指定された園地できちんとした植物防疫上の監視体制のもとに置かれたものがほかのものとまじりなく日本に入ってくる、そういうような流通のルートをきちっと確保するというのが第一でございます。  不幸にして、そういうことは今までございませんけれども、万が一入ってきた場合の措置といたしますと、植物防疫上にそういった損失補償の規定が実はございます。ですから、そういったことで、私どもとすれば、先般、各県の担当者あるいは団体の方々をお呼びしまして御説明した際にも、万が一のときにはそれなりのきちっとした体制をとるということまで実は申し上げております。  なお、現地への説明会も来週から、福島ももちろん含めまして、青森、長野等主産県にこれから続々参りまして、そういった病害虫防除技術につきましての不安感を少しでもなくしたいという努力をいたしております。

佐藤剛男自由民主党

○佐藤(剛)分科員 ありがとうございます。ぜひその点は一番重要なポイントですから実行していただきたい。  それから、地元に対しての説明をきちんと、福島なら福島へ行ってみんな集めて、リンゴだけでは足らないと思うんですよ。やはりナシだの桃だの、そういうみんな影響してくるものは、伝染してしまうわけだから、リンゴだけにくっついている虫と違うわけだから、そういうところをよくやっていただきたい。  それから、一年ぐらいの間は競争力がどうのこうのという、今、「ふじ」を初めしっかりしたいろいろな品種をやっているからいいけれども、日本には出かけできますよ、やってくる。みんな日本へやってきて、接ぎ木してくると言っているわけです。あれ、簡単にやるんだから。今なんてナシなんかは台湾だの中国に挿し木して持っていくわけだから、それが入りてくるわけだけれども、ナシをつくっている人が、ナシの木があるでしょう、それをやると金になるので渡すわけですよ。そうすると、それを今度持っていって、向こうで接ぎ木をやるわけです。これは私は必ずやると思う、御存じのように品種改良のときに。接ぎ木をやると、これは数年たつとでき上がってしまうのですよ、接ぎ木技術というのがあるから。  だから、今は日本人の嗜好というのは「ふじ」だの何だのしが食べていませんから大丈夫ですよ、向こうが送ってくるのは小さくて生かじりで皮ごと食べるあれだとかと言っていると、そういうリンゴの気持ちはわからない、リンゴをつくっている人の気持ちがわからない。リンゴは甘ければいいというものじゃないのだから。  そういうことをひとつきちんと考えながら、それは相手の国のことだから難しいと思うのだけれども、それが入ってくると、生産能力を持っているわけだから、五百万トン近いものを持っているわけだから。日本は百万トン近くでしょう。そんなものが集中的に入ってくると一つの産地がなくなってしまう。産地がなくなってしまうというと、農協というのはそういうものをみんな扱っているわけだから、農協自身もすごい関心を持っているはずだし、ひとつ十分あれしてもらいたい。  それからもう一つの問題は、そういうものが入ってきたときの統計だの何だのを常にきちんとしておいて、いざというときに、セーフガードというんですけれども、ガット上のそういうものの発動ぐらいができるような形まで考えて、やって、安心感を与えていくということを各地元のあれにやってください。  何か時間が来てしまって、私は農振法だの何だのの問題をやろうと思っていたのですけれども、きょうはあれします。  それから、元に戻りまして、パイロットの問題について、農林省には優秀な人たちがたくさんおるんだから少しみんな勉強して、それで、私が問題提起したのをちゃんと聞きますから。僕は全国の中においてパイロット事業で成功した例なんてないと思っているから、パイロット事業をやった各地域の国営、国が関与しているものについて一覧表、それから成功している例、それを私のところに提示してください。委員長、ひとつお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 これにて佐藤剛男君の質疑は終了いたしました。  次に、松下忠洋君。

松下忠洋自由民主党・自由国民会議

○松下分科員 御指名賜りましてありがとうございます。  私は、鹿児島県の第二区という、本当に山の方から出ております新人の一年生でございます。質問したいことがたくさんございまして、お聞きしたいこともたくさんございますが、きょうは主として森林、山のことに絞ってお聞きしたい、こういうふうに思います。  政務次官、今後ろに塚本長官お見えでございますが、三月に夜も寝られぬぐらいに気をもみ、心配されたんですよ。何だか御存じですか。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 先生御指摘の三月末といいますと、山の件でございましょうか。

松下忠洋自由民主党・自由国民会議

○松下分科員 そうです。森林のことです。どういうことだか御存じですか。何で夜も眠れぬぐらい心配されたか御存じですか。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 ことしの三月でしょうか。ちょっと……。

松下忠洋自由民主党・自由国民会議

○松下分科員 では、私がお話ししましょう。それを聞きたかったのですよ。  森林を将来にわたってきっちりと管理するために保安林というのがあるのですが、その保安林の整備の期限が切れて、もうあしたから森林の管理ができなくなる、保安管理ができなくなるというぎりぎりのところまで追い込まれていたのです。それを、連立政権が政治ゲームに熱を入れて、ふだんきちっとやっておかなければならないような大事な仕事をほったらかしてそういうことをしているのですよ それを心配の余り私たち自由民主党の国対で、これは大変だ、どうなっているんですかと議論してみますと、いや、そういう話は何も政府の方からありませんと。本当に困られたんですよ。  政治の枠組みをいろいろ考えて議論するのも大事ですけれども、日常のそういう大事なことをきっちりしていくことが政治の役割なんですよ。そのことを忘れないで、これからも大事な仕事、毎日の仕事をきっちりやっていってもらいたい、そう思うのです。そのことを聞いたのです。もう一度感想を。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 大変失礼いたしました。  てっきり先生御指摘の災害のことかと思って、三月、思い浮かばなかったわけでありますが、国会の中で、御指摘のとおり保安林整備の日切れの問題につきましては、私も当時農水委員会の委員でありましたので、最終的には委員長からの議員立法という形で通過をさせていただいたわけでありますが、先生御指摘のとおり大変重要な措置法でありまして、この問題等につきましては、これから先もこの種の問題は多々あろうかと思いますが、国会の先生方の御指導、御協力を得ながら、今後このようなことがないような形に私どもの方からもお願い申し上げたい、こう思う次第でございます。

松下忠洋自由民主党・自由国民会議

○松下分科員 保安林の整備の日切れを審議するために、そのためだけに本会議が開かれる、これはこれで立派なことですが、本当はこういうことはきっちりと委員会で審議して、そしてわかったというふうにやっていくのが、これからの仕事のみんなの職員の士気を高める、そしてまた一緒にやろうという団結が出てくるのですよ。そういうことをこれから決して忘れないで仕事をしてもらいたい、そういうふうに思います。  塚本長官もお見えでございますからいろいろお聞きしたいと思いますが、森林の役割です。  非常に御苦労をなされながら、国有林も含めて、一般の民有林の治山等も含めて、全国の森林の管理をしておられる。戦後いろいろな洪水がたくさん起こり、そしてその原因を探っていくと、やはり治山治水、山が荒れて、そして山河が荒れて国が荒れたということになるわけですね。そういう森林の役割というのをもっときっちりと国民に知ってもらわなければいけない、それが一つ。  そしてまた、林野庁、農林水産省の役割も大きいと思うのですよ。国民の財産でありますし、その中には、森林を育成して、伐採して、そしてそれを売って生活の糧にしたり、いわゆる木材の生産の場でもありますけれども、もっと大事なことは、これからは国民の財産である森林、そこで持っている公益的な機能、御存じですね、そういうものがやはりしっかりと発揮されるような森林にしていかなきゃならない。  それは天然林そのものがいいという意見もございましょうけれども、やはり森林ですから生産もしなければいけない。となりますといろいろな手法があると思います。北海道ではトドマツを植えたりカラマツを植えたりするでしょうし、また、中部山岳地帯から南ヘかけては杉、ヒノキということもあるでしょうけれども、そういう森林をきっちりとその地域に合った形で育成していくということが大事だと思うんですね。そういう森林の機能をしっかりと高めるための役割、これをきっちりとこれから林野庁にやっていただかなければいかぬ、こう思うんですよ。  そういうことで、後でまた御質問しますけれども、杉やある、は一つの 森林を育成するための単層林、一つだけ植えてしまっている。そういうことで本当に森林がいいのかどうかということもあるんですよ。今の森林の現状をどのように考えておられるのか、将来公益的機能を十分発揮させるためにどのようなふうに国民の財産の森林を育成しようとしておられるか、そういうことをお聞きしたい。経営が不振で、非常に経営がつらいということもあるでしょうけれども、乗り越えて、どういうふうにすればいいのかという知恵を出さなければいかぬ。その辺のところを本当に国民と一緒になって考えていかなければいかぬのじゃないでしょうか。そこをひとつ腹を割ってお考えを聞かせていただきたい、そう思います。よろしくお願いします。

塚本隆久林野庁長官

○塚本政府委員 森林につきましては、ただいまの先生のお話にございましたように、木材の生産を初めといたしまして、国土の保全や水資源の涵養、さらには環境保全や憩いの場の提供等、国民生活にとって極めて重要な役割を果たしているというふうに考えております。  このため 私どもとしたしましては、こうした国民の期待にこたえ得るような多様な森林、しかも質の高い森林というものを今後整備していくということでございまして、お話にございましたような広葉樹の育成でありますとかあるいは複層林の造成、こういったものも含めて森林の整備に努力をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。

松下忠洋自由民主党・自由国民会議

○松下分科員 そのお話はお話としてわかるのですが、ただ、九州で三年前、十九号台風ということで、風台風でございましたけれども、一斉に山がやられた。大量の風倒木が出たんですね。今でもそのまま置いてきぼりですよ。どのような地域にどのような樹種を植えて、それを全体としてどういう森林にするかということをもっとしっかり考えていかなければいかぬのじゃないかなと思うんですね。  同じような森林の育成でも、私は、長野県の木曽川の上流、上松、あそこの地域で三年ほど過ごして、私も砂防の専門家でしたから治山治水の仕事をしておったんですが、あそこのヒノキの美林、これは見事ですよね。気合いを入れて、そうして地域ぐるみで一つの森林を育てていこうということが、地域も含めて、そして国も県もそれぞれの役割をやっていくといい森林ができていくんですよ。  ところが、一方では、本当にもうどうしようもないような形で、ある地域では森林が、放置されているとは言わないけれども、最初はやる気でおったんでしょうけれども、だんだんそういう細かな手続やいろいろな手間暇をかける時間がなくなったんでしょうけれども、置いてきぼりを食っている。そういうことを見るにつけても、適地、そしてそこに適木、そして地域の公益的機能を発揮するような森林、そういうものを育てていかなければいかぬ、こう思うんですよ。  そこを長官、もう一回、現実的にいろいろな地域の森林を見ておられますから、どのような形の森林にしていけばいいのか、よくもう一度お聞かせいただきたい。

塚本隆久林野庁長官

○塚本政府委員 森林につきましては、先ほど申し上げましたように、国民生活の上で極めて重要な役割を果たしているということでございまして、それぞれの目的に応じて森林の整備を図っていかなければならないというふうに考えております。  したがいまして、いわゆる木材生産をする森林、あるいは公益的な機能に向ける森林、こういったものにつきましては、森林計画等々によりまして、地域の区分等もある程度行う中でそれに合った施業をしていくということでございますが、実際の山の取り扱いにつきましては、ただいまお話にございましたように、土地に合った木を植えていく、あるいは土地に合った木を育てていくということ、いわゆる適地適木の原則に沿いまして、人工林に適するところは人工林にいたさなければなりませんし、また、公益的な機能を発揮すべき森林につきましては広葉樹の造成等を含めまして多彩な森林をつくっていく、こういうことで対応してまいりたいと考えておるところでございます。

松下忠洋自由民主党・自由国民会議

○松下分科員 ひとつよろしくお願いしたいと思います。  私も自分で家の周りに杉を植えて、それがもう四十年くらいになっているのを見ながら育っているわけですけれども、山だけではなくて、里にある森林、里山というのも十分に把握しながら、そしてきっちりと役割を果たすような経営管理をしてもらいたい、これを要望しておきます。  それから、今度、細川政権になり、そして羽田政権になって、我々も非常に戸惑ったわけですけれども、特に地方に生まれ育った者にとってはいろいろな残念なことがある。公共事業、それから国が地方に対して活性化するためにいろいろ予算を使う、そういうものにABCというランクをつけられた。これは、政務次官、御存じですね。私は斎藤次官にもそのお話をして、これは地方にとって非常につらいことをあなたたちはやっていますよということを申し上げたのです。  森林に関連するいろいろな整備に関する事業、治山治水、林道も含めて、これがB。あるいは農業関係を含めてはCとか、漁港なんかはCと言われているわけですよ。鹿児島にもたくさんの離島がありまして、そこはこの漁港の整備それから漁業の振興が一つの大きな柱になっているくらいなんですけれども、それとあわせて、森林に関連するいろいろな予算のランクづけをそういうふうにしてしまっている。  これは、さっきも申しましたように、国民の財産であるし、大きな社会の資本であるし、また、後世に伝えていかなければいけない大きな宝ですよね。そういうものにもつときちっと力を尽くしていくような国の姿勢でなければいけないと思うのですよ。  予算の編成のときに、ことしは二月になりましたけれども、あるテレビが、地方のそういう山の状態とか漁港の状態を映して、もうこういうところはしなくてもいいのではないかというふうなあからさまな写真を見せる。それで、一転して今度は都市のいろいろな渋滞の状況やらを見せる。そして、さあどうでしょうかと言って財政当局の方にカメラを向けて批判をする。そういうような、いかにもここにはもう要らないのだという地域、そしてまた一方では、それをしなければいかぬというようなものを見せながらやっていくようなことをテレビでさえしているわけですよ。これはおかしいといって抗議を申し込んだことがありますけれどもね。  政務次官、あなたはそういう立場におられるわけですよ。あなたも山の育ちでしょう。地方がどんなに地域を活性化するために努力をしているかということもあるわけでしょう。こういう予算の張りつけ、そのことについてどのように感じておられますか。現実に箇所が前年度よりも半分に減ったりして悲鳴を上げているところがあるのですよ。どういうふうにお考えでしょうか。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 先生御指摘のとおり、財政審からの答申のランクづけにつきましては、国民各界からいろいろな意見が出ておるのは御指摘のとおりでありまして、とりわけ地方に住まいを持っている方々にとりまして、私どももそうでありますが、大変深刻な問題でございます。  とりわけ、ガット・ウルグァイ・ラウンドの合意を受けまして、第一次産業が大変厳しい状況にこれから置かれていくというふうに想定されますので、そういう意味では、私どもといたしましては、ラウンド後の我が国の公共事業につきましては、例えば農業におきましては、農村の中山間地域の振興策としての生活の利便性を図るための集落排水事業を、先生御指導をいただきましたとおり、対前年比で大変大きな額を獲得し得た、こう思っておりますし、それから中山間地域の振興、とりわけ、ただ単に私ども農林水産省というだけではなく、オール霞が関でもって社会資本の整備というものを行っていかなければならない、こういうふうに認識を、たしておりますので、御指摘のとおりラウンド後の我が国の農政の基本として、とりわけ農林水産漁業のための公共事業等につきましては、さらに積極的に財政当局と話し合いをしながら、地方の活性化のために、あるいは産業の振興のために努力をしていきたい、かように考えておるところでございますので、御指導を賜りますようお願い申し上げたいと存じます。

松下忠洋自由民主党・自由国民会議

○松下分科員 具体的によく地域の状況を見て、そして作文ではなくて、さっきの佐藤議員も言いましたけれども、やはり現地を自分の目で確かめながら、地域の悲鳴をしっかり受けとめながらやっていかなければいかぬと思うのですよ。確かに、いたずらに金をどんどんつけるだけが行政ではありませんから、小さいなら小さいなりに、そこに少しのお金で一〇〇%機能するところもあるわけですから、そういうところをしっかりと自分の目で確かめながら予算をつけていただきたい。  特に、森林なんかは放置しておくとどうにもならないのです。やはり必要な時間に必要な手当てが必要なのですよ。そういうものをBだCだとか言われて、それでなくても苦労して どういうふうにして財産を残していこうかということを考えながらやっているわけですから、ここのところをしっかり胸の中にばしっと入れていただきたい、こう思うのですね。  塚本長官、Bランクに格付されて、どのようなお気持ちでこれからの森林整備をしていこうと思っておりますか。これから何か考えることがあったら、ひとつ聞かせてください。

塚本隆久林野庁長官

○塚本政府委員 この森林というものは極めて重要であるということを、私ども常に主張をいたしておるところでございまして、平成四年度には、第八次の治山事業五カ年計画に加えまして新たに林道と造林につきましてこの五カ年計画をつくる、森林整備事業計画という形でつくっていただきまして、これに沿って必要な事業等を推進しているところでございます。おおむねこれまで、計画に従った形で事業が進捗をいたしておるところでございます。  またさらには、この国の助成に加えまして、林野庁、国土庁、自治省、この三省庁で検討会を設置をいたしまして、今森林山村対策について幅広い検討を行う中で、平成五年度地方財政措置を講じていただいたわけでございますが、平成六年度につきましても、千九百億に達する地方財政措置が講ぜられることになっておるわけでございます。  Bランクということについては、私どももちろんこれは不満でございまして、森林というものはまさに国土管理の原点である、基礎的な生活関連予算であるということでこれまでもお話を申し上げているところでありまして、今後とも、ただいま先生のお話にございましたように、森林というものは国民生活に不可欠な社会資本である、こういう認識のもとに、その整備の推進に積極的に取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。

松下忠洋自由民主党・自由国民会議

○松下分科員 政務次官、今長官が言われたことをしっかりと受けとめて、あのこわもての大蔵省の斎藤事務次官にびしつと、これからも気合いを入れて予算を取ってきていい山にしてもらいたい、そのようにお願いしておきます。よろしくお願いします。  それから、今度は地方のことにいきますけれども、さっきも触れましたが、九州の三年前の十九号台風による風倒木災害、依然として深刻な状態にあるのですよ。私、あのときはいわば現役でありましたので、熊本を今の弘中指導部長さんと一緒に回りながら、この山をどうしたらいいか、治山と砂防、森林管理、ずっとバスの中で議論しながら一緒に歩いて回ったのです。私も発奮してこういう世界に入った、一つの自分のきっかけでもあるわけであります。そういうものをやはりきっちりと将来に宝として残していきたい。  それにしては余りにもひどい風倒木の災害であるし、それが風台風で非常に大変な災害であったにしても、そういう森林のあり方そのものも含めて、やはりどこかに反省も必要かもしれないし、また災害に強い森林をつくっていかなければいかぬだろう。渓流の本当に下の方にまで杉を一斉に植えていってしまう。そこに大雨が降って崩れていって、それがずっと流れていって橋にひっかかって、そして災害を大きくして取り返しのつかないような死者を出し、そして地域を壊滅的な状態にしてしまうということになるのですね。  そういうような森林のあり方、これはやはり改めて災害に強い、雨に強い森林にしていく。そしてまた、渓流沿いの、川沿いにまで植えていくというようなことをしないで、そこはまた何かブッシュに残しておく、あるいは原生林を残しておくというようなやり方もあるだろうし、いろいろな多彩なそういうやり方を知恵を絞ってやっていただきたい、こう思うのです。そのことを含めて、その後の風倒木災害、これはどうなっておるのか、これをちょっとお聞かせいただきたい。

塚本隆久林野庁長官

○塚本政府委員 平成三年の台風十七号、十九号は、九州地方を中心に大変な立木の折損、倒木等の被害をもたらしたわけでございまして、その被害は、面積にして約六万ヘクタール、被害額約千二百四十億ということになっておるわけでございます。  これに対しまして、森林災害復旧に鋭意取り組みまして、特に二次災害防止という観点等からも極めて必要なことでございますので、これまで鋭意実施してまいったわけでございますが、その結果については、被害の特に大きい地域については激甚災害法を適用いたしまして、これに基づきまして森林災害復旧事業を実施してきておりますし、またその他の地域につきましても、造林事業等の一般の公共事業で鋭意復旧に努めてまいったところでございます。大体平成六年三月末現在で六割を超えた被害木の処理ができたものと、これは処理面積でございますけれども、被害木の処理ができたものというふうに考えております。  それから、災害に強い森林の造成を図るべきだというお話については全くそのとおりでございまして、今後の森林整備に当たりましても、立地条件等に即しまして、先ほど申し上げましたように、その土地に合った木を植えていくという適地適木、これを旨とした樹種の選定を行いますとか、峰沿いあるいは沢沿いに保護樹帯等を設置いたしますとか、広葉樹を育成するとか複層林を造成する、こういったきめ細かな対応を行うことによりまして、災害に強い健全な森林の整備に努めてまいりたいと考えておるところでございます。

松下忠洋自由民主党・自由国民会議

○松下分科員 この風倒木の件については、次の別の分科会でもまた建設省関係にもお聞きしたいと思っておりますので、ひとつ調整しながら、また連携しながら、どうぞしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。  あと、鹿児島の災害、これをお聞きしたいと思っておりますが、これはお礼と感謝でございます。  去年八月のあれだけの大災害、本当に長官みずから現地まで来ていただいて陣頭指揮していただいたということで、現地の士気も非常に上がっておりますし、激特事業の採用を含めて大変でございますが、これからもよろしくお願いしたいというふうに思います。ともすれば、土木、道路、河川の方の復旧が先に進み、またそっちの方に目が奪われておりますけれども、山の方もきっちりとやっていただいておるということをここで皆さんに御紹介しておきたい、こう思っております。これからもよろしくここの手当てをお願いしたい。特に、余りたくさん数がございましたので、放置されたままそこにある場所がありますから、そういうところがないように、道路関係、砂防関係、河川関係含めていろいろお願いしておりますから、取りこぼしのないような復旧をお願いしたい。これはぜひ要望をしておきますので、よろしくお願いいたします。  次に、森林関係を終わりまして別の質問に移りたいと思いますが、一つはシラスウナギのことをお聞きしたいと思います。  政務次官、レプトケファルスという名前を御存じでしょうか

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 大変不勉強で、申しわけありません。存じておりません。

松下忠洋自由民主党・自由国民会議

○松下分科員 ちょっとどなたか教えてください。

鎭西迪雄水産庁長官

○鎭西政府委員 ウナギの仔魚の段階をレプトケファルス、こう言っているところでございます。

松下忠洋自由民主党・自由国民会議

○松下分科員 政務次官、そういうことでございますので、ひとつ頭の中に入れておいてください。  私は、鹿児島の川内川という川のところで生まれ育った者でございますけれども、そこがこのウナギの、シラスウナギといいますか稚魚が上がってくる。もう血眼になってやっておるわけですね、採捕権をとろうと。そしてまた、上流と下流の漁業組合が非常に仲が悪い。仲立ちをしてくれと言われて三分間足を突っ込みましたが、慌てて引き返して逃げて帰ってきました。そのぐらい大変なんですね。それも、原因はやはり一〇〇%天然に頼っているという採捕の状況、そしてそれをとっておいしいかば焼きにして食べたい、肝吸いを食べて力をつけたしという庶民の願、があるわけでございまして、それがことし非常に少ないということから、異常に高騰してしまっているというつらい現実があります。  ここを何とか研究して、マツタケもそうなんでしょうけれども、そういうものを何とか人工でふ化し、生育させてやる方法はなしものかどうか。どのような研究の状況になっているかを、ひとつ教えていただきたい。簡明にお願いします。

鎭西迪雄水産庁長官

○鎭西政府委員 まず、委員御指摘のウナギでございますけれども、日本産ウナギの産卵場につきましてはフィリピンの東方海域ということになっているのでございますけれども、そのライフサイクルの全貌がまだほとんど未解明であるというのが現状でございます。  それから、ただいまおっしゃったように、シラスウナギの採捕量につきましても、年による変動が大きゅうございまして、本年の漁期は非常に全国的に低い水準に推移いたしました結果、シラスウナギの価格自体も、例年に比較いたしまして極めて高値になったという状況でございます。  水産庁といたしましては、こういう状況に対応いたしまして、まずウナギの養殖種苗の安定的な確保を図りますために、昭和六十二年度から平成三年度にわたりまして産卵用親魚、親でございますが、その育成と人工産卵技術の開発を行うとともに、平成四年度からは、重要種苗生産技術開発事業ということで、ウナギの人工種苗の生産技術の開発に取り組んでいるところでございます。  現在までに、人工的に飼育いたしました親ウナギからの産卵及びふ化には成功しておりますけれども、自然界におきますウナギの産卵生態あるいは仔魚の生態等がほとんど解明されていないということでございまして、卵の安定的な確保あるいはふ化直後の仔魚に適した餌料、えさでございますが、この解明に重点を置きまして鋭意研究を進めているところでございます。  なお、若干明るい材料といたしましては、本年二月に水産庁の養殖研究所で人工ふ化いたしました仔魚が、わずかではございますがえさを食べたという事実が確認されまして、マスコミ等々でも報道されておりますけれども、若干そういう明るい面も見え始めてきているという現状でございます。

松下忠洋自由民主党・自由国民会議

○松下分科員 ひとつこれからも大いに予算を、政務次官にお願いしておきますけれども、こういう分野でございますので、ひとつ力を尽くして開発と研究に取り組んでいただきたい、そういうふうにお願いを申し上げておきます。政務次官、これからも本当によろしくお願いしたいと思います。  あと一つ、食糧庁さんにお願いでございますが、特別栽培米というのがあります。食糧庁さんにはまたいろいろ食管法も含めてお聞きしたいことがありますが、これは大きな問題でございますので別途また取り組みますけれども、最近食糧庁を見る目は厳しい。そういう中でこの特別栽培米、本当に生産者と消費者が直結して有機米を食べたい、あるいはまた特別な何かをしたいというのがある。そういう要望が強いにもかかわらず、かなり今制約をしているようだ。これは、要望があればそれをひとつもっとどんどん広げてやっていくということも考えていただかなければいかぬ、こう思いますけれども、この点についての現状とこれからのことを、答弁していただきたいと思います。

永田秀治食糧庁次長

○永田政府委員 ただいまお話のございました特別栽培米でございますけれども、一定の条件をつけてということでございますが、始まりましたのが六十二年産米からでございます。制度の発足間がないということで、この年は全国で三十四トンというわずかな数字でございましたけれども、その後制度の趣旨が徹底し、また活用が進みまして、平成四年産米では一万五千トン、これは生産者の数にいたしますと六千人、消費者の数で二十万人という数字になっております。五年産米は、御承知のように作柄が大変な不作であったということで、流通数量は一万トン程度ということでございます。  今後のお話といたしましては、特別栽培米の流通数量が増加するということの中で、生産者それから消費者、双方の信頼関係が大変向上してきた、それから消費者ニーズヘの的確な対応という面からも大変望ましいことだろう、こういうふうに考えています。こうした消費者の評価でありますとか信頼等を今後とも確保していくということが、先生御指摘になったとおりで、重要だと私ども考えております。  この要件につきましても、適正な要件に基づいて適正な流通の確保という点について今後とも努めてまいりたい、かように考えております。

松下忠洋自由民主党・自由国民会議

○松下分科員 終わります。ありがとうございました。

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 これにて松下忠洋君の質疑は終了いたしました。  次に、岸本光造君。

岸本光造自由民主党・自由国民会議

○岸本分科員 米の問題と選挙の問題についてお伺いをしたいと思います。  この間から米が足らぬということで、昨年の歴史上まれに見る不作のために作況指数七四というようなことでありまして、都会のスーパーなどには米を求める行列ができました。私は消費者問題特別委員会などでも、作況指数七四で大体生産量が七百五、六十万トンになる、そして政府米や自主流通米やいろいろなものを引いても、二百万トン前後ほどこかに猫ばばされているのではないかということを御指摘を申し上げて食糧庁長官に質問をしたことがありますが、あの騒動は一体何であったのか、その後検証されたかどうか。食糧庁の長官はきょうお見えじゃないですか。

永田秀治食糧庁次長

○永田政府委員 ただいまの先生からの御指摘でございますが、持ち越しの備蓄米が非常に少なかったというようなこともございますが、百年に一度とかそういう大変な不作であったということが最大の原因であろうと思います。その中で、生産者の皆さん方や関係者の大変な御努力で、少ない生産量の中からも集荷は四百五万トンという、私どもとしては最大限の努力をしていただいたのではないかな、こういうふうに考えております。  それから、大変混乱を招いたのは、確かに当初輸入の手当てにおくれがあったとかいうようなことでございますが、これもまれに見るというか、初めての経験でございまして、大変御迷惑をおかけいたしましたけれども、その後三月の連休でありますとか、四月から五月にかけての連休もどうやら乗り切ることができまして、今日米の方の流通関係での混乱というのはおさまってきたのではないか、かように考えます。

岸本光造自由民主党・自由国民会議

○岸本分科員 そのとき、消特委なんかでも指摘を申し上げましたが、百五十から二百万トンというのは米転がしでどこかへ隠されておったと思うのですよ。それについて追及されて、追跡されて、どうであったかというような検証ができたかどうか。いつまたこんなことが起こるかわかりませんからね。それをちょっと、どうであったか。

永田秀治食糧庁次長

○永田政府委員 ただしまのお話でございますけれども、不正規流通米がどれだけあったかというお話かと思いますが、今申し上げましたように、生産量に対して四百五万トンの集荷というのは大変な集荷でございます。それから、通常農家消費等と言われておる数字でございますけれども、これも通常の年よりは少ないのではないかなというふうに思います。残りで差し引きしまして、生産量から差し引けば、そういうことでございます。  やはり、昨年の収穫時期から米が足りないということで、国産米が供給されて、輸入米が入るまでの間というのは逼迫感がございましたので、農家消費等の分もやはり出ていたと思いますので、私どもの感じといたしましては、不正規流通米というのは正式にどの程度というのはわかりませんけれども、そんなに先生御指摘のように、隠されていたとかそういうようなことはなかったのではないかなというふうに考えております。

岸本光造自由民主党・自由国民会議

○岸本分科員 いや、隠していなかったらあんな騒動は起こらないわけですよ。すぐさっと出たわけです。あのときに米が物すごく高値になったわけです。どこかでだれかが買い占めてあって、出さなかったから起こったわけで、そういう問題も追跡調査してきっちり整理ができないと食糧庁の存在価値がない、私はそう思うわけです。だから申し上げておるわけであります。  それで、不幸なことに緊急輸入をしなければいけなかったわけですが 輸入をした結果その差益が出ておるわけですけれども、この差益について、今日まで大体どれぐらい差益が出てきたのか、教えていただきたい。

永田秀治食糧庁次長

○永田政府委員 昨年の暮れから輸入をしておりまして、現在までというと、現時点でほぼわかっておりますのは五年度分ということでございますが、この五年度分までの数字でございますけれども、輸入米の売却数量が四十一万トンでございます。これから出ました差益というのは、約五百三十億円でございます。  以上でございます。

岸本光造自由民主党・自由国民会議

○岸本分科員 それで、ちょっとその辺が、内訳がわかったら教えてください。

永田秀治食糧庁次長

○永田政府委員 売却数量四十一万トンのうち、タイ米が二十二万六千トンでございます。それから、アメリカ米が八万二千トン、中国米が七万九千トン、それから豪州、オーストラリア米が二万三千トンでございます。  これにそれぞれ買い入れ単価が、トン当たり平均いたしますと、これは国別で申し上げれば、タイ米の平均政府買い入れ単価というのは六万七千円、アメリカ米で八万二千円、中国米で五万四千円、オーストラリア米が七万四千円、かような数字になっております。

岸本光造自由民主党・自由国民会議

○岸本分科員 米差益十キロ当たり千三百円、これは日経新聞。輸入米差益十キロ当たり千五百円、これは朝日新聞。差益が全部違うのですよね。十キロというキロ数は変わっていないのですがね。日経新聞では千三百円、朝日では千五百円、そのほかの新聞も全部まちまちなのです。これは、どうしてこんなことが起こるのですか。

永田秀治食糧庁次長

○永田政府委員 新聞の方の数字、どういうふうに出したかというのはちょっとわかりません。

岸本光造自由民主党・自由国民会議

○岸本分科員 これは、新聞報道はでたらめだと言えば、それはでたらめなのかもわかりませんけれども、食糧庁としては、これだけ入ってこれだけ出たよときっちり数字を公表すれば、こんな千三百円と千五百円というような大きな差が出るはずがないのですよ。  これは大阪の夕刊紙なのですが、「価格、経費ともヤブの中 輸入米差益に疑問あり 実態解明に妨害も」、こういう記事が載っているのです。その中で見ますと、倉庫の保管料、国内運搬費、保存手入れ費、これははっきりわかっているというのですね。ところが、商社への手数料、陸揚げ一費用、検査費、これはわからぬ、公表されていない。なぜこれを公表しないのですか。

永田秀治食糧庁次長

○永田政府委員 今申し上げなかったのでありますが、当然そのほかに管理経費というのは入ってまいります。これは、トン当たり二万円相当に該当いたします。

岸本光造自由民主党・自由国民会議

○岸本分科員 これに関する資料を、ある研究所の調査なんかによりますと、差益が三千億ぐらい出るだろう。あなた今、これは全体じゃないですけれども五百三十億、こう言われたわけですね。あと残りの分も引いても、しかし三千億にはならぬのと違うかな。

永田秀治食糧庁次長

○永田政府委員 御承知のように、緊急輸入ということで年末の加工用の米、タイ米を中心にして、モチ米も含め二十万トンをまず手当てし、それから十一月十一日に輸入公表が九十万トンでございます。それから、十二月二十七日に八十万トンの輸入公表をしてございます。それからまた、四月一日に七十五万トンの追加をしておるわけでありまして、現在のところ、既に百七十万トン契約が済んでおります。  こういったような状況でございますので、今後入ってくるものについては、まだ全部が実際に入ってきているわけでもございませんし、ただいま冒頭に申し上げたとおり前年度、ですから年度末で考えて、そのうちの四十一万トンの分だけ、数字がわかった分だけでございます。あとどの程度どういうふうになるかというのは、条件がそれぞれ違いますので、今後きちんとできた段階で精.算される、かようなことでございます。

岸本光造自由民主党・自由国民会議

○岸本分科員 倉庫保管料、国内運搬費、保存手入れ費、商社への手数料、陸揚げ費用、検査費、そのほかの人件費、こういうものを入れて、今の食糧庁が言っている発表の数字ですと、十キロ当たり三百六十円から三百七十円ぐらいの不明金が出てくると私は思います。だから新聞も、各紙皆まちまちに数字が出ていますから、食糧の問題で、しかもこれは食糧庁の生命にかかわる問題でこういうちぐはぐな数字がひとり歩きをしているということは、国民も大変不信を持ちますし、政治に対する信頼も失います。食糧ですから、八二ックを起こすわけですからね。もう一度精査されて、しかるべき場所でそのトータル、明細、これを公表されるように望みます。  次に、この差益がかなり、五百三十億あるいは三千億とも言われるこの差益なんですが、この差益の使い道は共済の方へ入れるということはもう存じておりますけれども、何らかの形で消費者に還元する方法も研究する余地があると思いますが、それについていかがですか。

永田秀治食糧庁次長

○永田政府委員 差益を消費者に還元すべきではないかというお話でございますけれども、一つは、今回の外国産米の価格でございますが、国内産米の価格体系を基準にいたしまして、品質格差等を十分勘案して算定したところでございます、その際に、相対的に安い政府米の価格水準を基準としたということで、消費者サイドに対しましても配慮した比較的低水準な価格ではないかな、かように考えております。  特にタイ国産米、これは長粒種でございますけれども、これは我が国の消費者の嗜好の面では大変なじみにくい点があるということを考慮いたしまして、できるだけ安くということで、国内産の陸稲価格を基準として政府売り渡し平均価格の約六割に設定した、かようなことでございます。  以上でございます。

岸本光造自由民主党・自由国民会議

○岸本分科員 今回の緊急輸入で輸出国の米価がつり上げられた、特にタイにおいてはそれがひどいという話を聞いておりますが、タイの中でこれはどのくらい上がって、そしてタイの国民の生活に非常に圧迫感を与えたという話も聞きますが、その実態はどんなものか。  特に、タイだけならいいのですが、年間世界で流通する米の量というのはごく限られておるわけですね。だから、それを我が日本国が大量に買いあさることによって、飢餓線上にさまよう国民たちの食糧を巻き上げて、つまり彼らの餓死の上に我々が命をつないでおるという構図が見えるわけですね。これは非常にざんきにたえない、ヒューマニズムの立場からいっても許せないことであろうと思うのです。むしろ、向こうで食べてもらって、我々はもううどんやパンで我慢するというぐらいの献身的な心があってもしかるべきではないかという考えを日常から持っておる者として、このタイの米をつり上げたということは、これは全く申しわけないなという感情を国民として持つわけです。いかがですか。

永田秀治食糧庁次長

○永田政府委員 ただいまお話のございました点でございますけれども、最大の米の輸出国というのはタイでございまして、タイも各国に輸出しておるわけでありますが、タイ国の貿易取引委員会が公表しております輸出の指標価格で見てみますと、日本がタイから輸入しておる米は、ホワイトライス一〇〇%のセカンドクラス、こう言っておりますけれども、これは最高の米でございます、タイの米の中では。日本が緊急輸入を発表いたしました昨年十月六日ごろの価格というのは、トン当たりで見ますと二百九十ドル、こういうことでございましたが、一月二十六日では五百ドルということで、高騰したことは事実でございます。その後、日本の緊急輸入の動きも落ちついてきたということで下がっておりまして、現在では四百四十ドルという数字になってございます。  それから、ではほかの国、輸出しているところの影響はどうカということでございますが、タィからセネガルでありますとかモーリタニアなど、開発途上国と言われている国に輸出しているわけでありますが、これはちょっと米の種類が違いまして、破砕精米、A1スーパーと言われているものでございますけれども、これが五月十八日現在でトン当たり百七十ドルということでございまして、昨年の十月六日も大体百七十七ドルということでございますので、そういう意味では、幸か不幸か日本が買っている米の種類がちょっと違っていたということで、余り影響がなかったのではないか。  それから、もう一つ御質問の、タイの国内での消費者価格、米の小売価格、これに何か緊急輸入で影響があったかということでございますが、公表直前のころの数字、これは、毎月のがございませんので調査した数字から見てみますと、現在の五月時点と比べましても大体同水準ということになっておりますので、大変よかったことだというふうに思っております。

岸本光造自由民主党・自由国民会議

○岸本分科員 五月二十四日付の朝日新聞で食管制度の見直しが一面トップに大きく載っておりまして、きょうの産経新聞にも載っているようですが、いずれミニマムアクセスで米の自由化、開放という問題、あるいは百年に一回の凶作というような問題で、この食管制度のあり方があらゆる角度から論議をされましたが、これについて見直しをやはりすべきだと思いますが、どのようにお考えか。  それともう一つ、これと絡んで、もう時間がありませんから簡潔に聞いていきますが、水田転作を一律に押しつけるわけですね。私ども和歌山なんか中山間の山々、山の中の山の方ですね。猫の額ほどの田んぼでも、これは水田転作で切ってしまえと。そんなところまで切らなくてもよろしい、あそこに米を植えたらよろしい。あそこは自分のところで食べる米だから、こう言っても、それはやれ、やらなかったら国からの補助金がなくなるから、こんなことでむちゃくちゃなことをやってきたと私は思います。だから、私は一貫して水田転作に反対しておりましたけれども、この問題と絡めて、食管制度の問題と水田転作の問題について、所感があれば簡潔にお願いします。

永田秀治食糧庁次長

○永田政府委員 食管制度の見直しについての報道でございますけれども、食管制度につきましては、生産者に対する再生産の確保と消費者への安定的な供給を図るという制度の基本的考え方を堅持して、新政策の方向や、ことしの夏をめどにまとめられるという農政審議会の報告も踏まえまして、引き続き米の安定的かつ円滑な供給を図るという観点で適切に検討してまいりたい、こういうことに尽きると思います。

岸本光造自由民主党・自由国民会議

○岸本分科員 ちょっと話を変えますが、昭和六十三年にオレンジあるいはオレンジの果汁の自由化が決定されまして、その措置としてミカン園に対する減反政策がとられました。そして何年かたっわけでございますが、この事業について今日の成果はどうであったのか、所管の方お答えください。

日出英輔農林水産省農蚕園芸局長

○日出政府委員 お尋ねの温州ミカンの減反政策でございますが、特に先生お尋ねの六十三年から平成二年までの自由化関連対策ということで園地再編対策をやったわけでございますが、これによりまして一応平成二年産なり三年産の価格はおおむね生産費を償う水準まできましたので、需給均衡がうまく図られたと思っておったわけでございます。  ただ、お尋ねの点は、平成四年産、五年産の価格の低迷の話だろうと思います。それぞれ平成四年産、五年産につきましての価格の低迷の理由はちょっと違っておりますので詳しくは申し上げませんけれども、そういった中で私ども見ておりますと、間違いなく果実消費の多様化の問題あるいは果汁の問題、特に温州ミカンの果汁からオレンジ果汁へ嗜好が移ってきている、あるいはオレンジ果汁が大変安い価格で国際的に入ってくる、この辺がかなり大きく影響しているのだろうと思っております。現在、この辺につきましていろいろ勉強しておりますし、温州ミカンの需給状況につきまして慎重な検討あるいはウォッチをしておるということでございます。

岸本光造自由民主党・自由国民会議

○岸本分科員 全国に、パイロットであるかモデルであるかちょっと忘れましたが、十年ほど前ですか、ミカン生産地の七カ所くらいに、生果対策の一環としてジュース工場をつくってあるのですね。これをつくりましたが、これはもう今開店休業でやっておりません。農家の人は出荷をしたいわけですがとってもらえない、ジュース等で補てんをしてもらえない。したがって、それを生果で出しますから、ミカン全体の品質が非常に下がってしまう。これは、ここ三、四年ミカンが低迷しているのは、自由化の波がじわじわとしみ込んできて、ミカン園、ミカン地帯がもろにその被害を受け出した、こういうことだと思うのです。  このときは一千六十億ほど園地の再編のために特別に予算を組んでいただいて、多分三年計画でありましたか、やっていただいたわけですが、そのときはまだ猶予期間でありましたから、それで何とか息をつないできたのですが、いよいよそれが出てくるともうだめになってきた。だから、あのときに一千億余りいただいて再編対策をやりましたけれども、これはやはり大変不足しておった。考えてみたら、自由化対策というのは一千億そこらで対策できるようなものじゃありませんよ。  だから、きょうはもう時間がありませんから答弁は要りませんが、そのジュース工場を稼働させる方法。全国にありますから、九州から静岡あたりまでにまとまってつくってあると思うのですが、そのジュース工場が稼働できる方法、そのための施策。自由化対策、この前はその第一次の対策だったと私は思うのです。あれですべてだと言っていましたけれども、そんなのすべてじゃないですよ。生産府県、静岡以西の二十五府県ありますけれども、ミカン農園の人みんな首をつれということと同じですからね、このままでいきますと。だから、これはやはり何とか対策をお願いしたい。これは、もう時間がありませんから、お願いにしておきます。それで、きょうはもう答弁は結構でございますから、これに対する何かいい案があればまた別途教えていただきたし  次に自治省の方にお伺いいたします。  この間、内閣の方は公共料金の凍結だ、今までビール代とか切手代とかいろいろなものを、主なところをみんな値上げして、そして、あともうちょっと残ったものを格好よく公共料金の凍結だというふうに決めたのです。それだけならいいのですが、地方の自治体にもこれをお願いすると言ったのですね。地方自治体では、自治体としていろいろ計画はあるでしょう。これは、今地方分権だ、地方分権だと言っているのですが、この地方分権時代に流れとして逆らうものと違うのか。財政計画は地方にやらせたらいいのです。これについて、自治省の考え方をお願いしたいと思います。

嶋津昭自治省大臣官房審議官

○嶋津説明員 自治省で物価を担当しております審議官の嶋津でございます。  今の公共料金問題につきましては、先生御専門でございますが、地方団体は上下水道料金とか公営住宅の料金とか、その大部分の公共料金と言われるようなものにつきましては、議会の御議決をいただいて、十分御審議をして料金を決定するということになっているわけでございますので、私ども今まで、例えば四月の議会で御決定をしていただいたようなことについて、これをどうこうということはいささかも考えておりません。  今後方針を決定するようなものにつきまして、政府でこういうような状況にかんがみ公共料金の年内引き上げの凍結ということをしたわけでございますので、そういう趣旨を御説明申し上げまして、あくまでも議会等とよく御相談をしていただいて、最終的に自主的な判断で公共料金を決定していただきたいというふうに指導したいと考えておりますので、今御指摘を受けましたような点にもよく注意をして、地方団体の自主性なりを阻害しないような形で指導してまいりたいと考えております。

岸本光造自由民主党・自由国民会議

○岸本分科員 本当かね。新聞報道ではまるつきりそんなことを言ってないよ。地方にもそれは通達した、お願いをした、そうせいと行政指導をした、そんな感じですよ。今の答弁とはかなりニュアンス、温度差があります。  だけれども、私が聞きたいのは、そういうことを一々、財政にかかわる大きな問題でお願いをする国が地方に対して行政指導をするということは、これはやはり地方分権の時代に逆らう思想ではないかと思うわけです。だから、その所感を求めたのですけれども、それは時間がないですから、もういいですよ。  次に聞きますが、この間、私は大阪の環状線の電車に乗ったのですよ。先週の金曜日、五月二十日五時ごろ、大阪駅から天王寺に行く五時二、三分発の電車です。何両目であるか忘れましたけれども、何げなしに電車の中の中づり広告を見ておったのです。そうしたら、次から選挙が変わります、次から小選挙区になりますと書いてあるのです。それはどこが出したのかなと思って、余り人がたくさんおるから、そこに行ってきょろきょろ見にいくのは不謹慎だから遠くからしか見れなかったのですけれども、「自治省・明るい選挙」何とかかんとかと書いてありました。これはもう小選挙区になったのですか。ああいう広告をしていいのかどうか、それをちょっと聞かせてください。

山本信一郎自治省行政局選挙部管理課長

○山本説明員 選挙の管理執行を担当しております管理課長でございます。  政治改革関連四法の周知啓発につきましては、平成五年度の第三次補正予算で措置を認めていただきまして、そうしまして、繰越明許の手続を踏まえまして、今先生ごらんいただいたような車内広告等のものをやっております。それで、先生おっしゃるように、新しい制度は、いわゆる小選挙区の選挙区に関する法律、いわゆる区割り法が成立してから初めて動き出すということでございます。したがいまして、その点も十分明記をしまして、施行につきましても明記をしてやっておるところでございます。

岸本光造自由民主党・自由国民会議

○岸本分科員 週刊誌に載っているものは、「政治改革関連四法案が成立しました。」これだったらわかるのですよ。なるほど、今度は変わるんだなと。あのポスターは違うでしょう。あのポスターを見たら、今度は小選挙区でやります、こういうスローガン、見出しですよ。今は国会でまだ区割りも決まっていないでしょう。区割りも決まっていないのにあれをするということは、国会軽視も甚だしい。しかも、あなたが今言われた予算については問題があって、クレームがついて、暫定に入れるときに外せという意見もあったのです。ただし、この執行に当たっては最大限の注意をしてやろうということが皆さんの話の中にあったわけでしょう。だから、あなたのところは越権行為だと私は思います。  それともう一つ、もう時間がないですが、山陽新聞に郵政大臣日笠さんの激励と大臣就任のごあいさつが載ったのです。この間、予算委員会でも問題になったらしいのですが、これは御存じですね。これは公職選挙法百五十二条の違反になりませんか。ならないのだったら、私もやりたいのです。私は逓信委員になりました、おめでとうございます、農林委員になりました、おめでとうございますといって。これはやってもいいのですか。その二点。

山本信一郎自治省行政局選挙部管理課長

○山本説明員 今、先生御指摘の問題につきましては、私は担当ではございませんので、ちょっと答弁しかねる問題でございますので、御了解いただきたいと思います。

岸本光造自由民主党・自由国民会議

○岸本分科員 もう時間が過ぎておりますけれども、これはあなたの管轄じゃないわけですね。わかりました。  そうしたら、あの中づりのポスターについてはどうですか。あれは越権行為ですよ。まだ区割りができてないのに、もう小選挙区になりましたなんて。あれを持ってきてみんなで見たらわかるよ。週刊誌だったら、これは近くでこうやって広げて見るのですよ、なるほどなるほどと。これは説明です。これはよくわかりますよ。わかりますけれども、あのポスター、電車の中につり下げてある中づりは越権行為ですよ。そう思います。  終わります。

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 これにて岸本光造君の質疑は終了いたしました。  午後一時から本分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時四十七分休憩      ————◇—————     午後一時開議

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  農林水産省所管、農林漁業金融公庫について質疑を続行いたします。七条明君。

七条明自由民主党・自由国民会議

○七条分科員 午前中の審議を聞いておりまして、ウルグアイ・ラウンドの批准が近づく中で、特に国際化が農業にもこれからは必要だということで、皆さんがそういう観点でいろいろとお聞きになっております。きょうは三十分という時間配分でございますから、私も重複をしないようにできるだけまとめて聞いてみたいと思いますけれども、政府の皆さん方にお願いしたのは、できるだけ簡潔明瞭に、時間を有効に使いたいと思いますから、簡潔明瞭な御答弁を賜ることを、まずお願いを申し上げておきたいと思います。  それでは、きょうは決算委員会でございますけれども、予算と絡めて考える必要があろうと思います。この間の五月二十五日に、農林水産大臣が所管の委員会で所信表明をされました。あのときにも、いろいろな形で今後の農政の問題について、特に新しい国際化に対する政府の基本姿勢について聞いておられたのですけれども、私は、農林大臣の所信はわかりました。これからの新農政、特に農業の振興に関する点にだけ注意をして、新しく政務次官になられた木幡政務次官にも、その基本的なものをお聞かせいただけますか。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 お答え申し上げます。  ラウンドを受けた後の農政の展開といいますのは、二つの見方があろうと思います。  一つは、御承知のとおり、国内の農業生産の基盤をいかにして強化するか。いわゆる純経済ベースで見た場合に国際競争力をどうつけるかということには、一つには省力化をどう進めていくかということがございましょう。しかしながら、先生御指摘のとおり、私どもの国は国土の制約条件等々がございますから、純経済ベースだけで見ていったのでは、当然、おのずと最終的には行き詰まるということがございます。そういう意味では、世界の人口と食糧の関係、あるいは環境保全といった観点からも考えていかなければならない。  大変難しい状況にはなっておるわけでございますが、これらの点を考えながら、しかし新農政でうたわれているとおり、まず経営、採算面で少しでも経済的な競争力がつくような農政の展開に心を砕いていきたい、こう思っておるところでございます。

七条明自由民主党・自由国民会議

○七条分科員 簡潔に御答弁を賜りました。  確かに、基盤整備をする中で、農業を取り巻く環境が厳しい、特に国際化をしていくという意味では、大規模化をやらなければならないとか、強化をするためのいろいろ方策を主張しておられる。  実は私は、日本の農業がこれから自立をし、いわゆる経営が安定化し、あるいは長期的に国際化をしていく非常な基本になるのは、日本の消費者、いわゆる消費者ニーズにどれだけこたえられるか、そして、積極的にそれを受け入れて、農畜産・水産物が提供できるかどうか。日本の農業が生きていくためには、消費者のその気持ちに忠実に、消費者ニーズに対して忠実にやっていくことでなければ農業というのは生きていけない。特に、やる気が出てくるような元気な農業というのは、そこに若人も育つ、担い手もできてくると思いますから、基本は私はここだと認識しているのですが、どうでしょう

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 先生御指摘のとおり、実は、ことしの平成米騒動と言われる中で、アンケートが各社から出されました。大変興味深いものがございまして、消費者の中には、食糧に対する考え方が、第一番目には安全で安定した供給をお願いしたいということが大変強い要望でございまして、価格の面についてはその下にアンケートが上がってきた。こういうことを考えますると、消費者そのものが、価格だけ安ければいいのだという安直な国際分業論というものを取り入れてもらっては困りますよということが裏に読み取れるのかな、こう思って、心強くしておるところでございます。  そういう意味では、冒頭申し上げましたとおり、食糧の安定供給、しかも安全な食糧を、自給率、御承知のとおりカロリーベースで四六%という、先進国中最も低いということを考えますれば、これから国内生産を、消費者の方々の御意見等々を賜りながら、足腰の強い農政の確立をしていきたい、こう思っておるところでございます。

七条明自由民主党・自由国民会議

○七条分科員 では、これからが大切なんですけれども、この間、ここにある所信表明、この文書をもう一度、二度三度と私読んでみました。  特に、前段の部分は、これはガット・ウルグアイ・ラウンドが、どうもこのままいけば締結に結びついていく、走り出した。特に、ミニマムアクセスで来年度から四十万トンから八十万トンの米、その対策云々のことが書いてあります。これは、基本的にはここを意識していかなければなりませんし、これから食管法の改正だとかあるいは食糧の備蓄問題だとか、それからもう一つ考えておかなければいけないのは水田利用再編対策、いわゆる転作そのものをこれからどうしていくかという問題、一番基本になって考えておかなければいけない問題がたくさんあります。  それらのことは、これから、農水委員会に私も所属しておりますし、この間まで政務次官も所属しておられましたから、基本的に一緒になって考えていかなければいけない問題ですけれども、きょうは決算ですから、もう少し違う観点に立って考えます。  実は、この大臣の所信表明の中で、農業の振興に関してのところの、いわゆる新農政、新しい政策のことについては、「第一は、」「第二は、」「第三は、」と七項目にわたって書いてあるんですね。基本的には、緊急に国内農業の体質を強化するために積極的に推進していきます一体質強化という感覚をここまで具体的に言われたんですから、体質強化の中の基本というのは何だろう、こう考えてみますと、実は、この表現の中で忘れられている大変な問題があるような気がしてならないんですね。  「第一は、」と書いてあるのは、実は、食料安定の担い生育成の観点に立って書いてありました。そこには、農地利用の集積を高めていく。あるいはこれは、高度利用で大規模化というようなこともあるんでしょうし、小規模ではいけないから大規模化をしていこうという意味での農地利用をという表現であったと思います。しかしながら、農業の基本というのは、私は、土をつくることだと思うんですね。迷ったときに基本に戻って考えてみれば、一番大切な土というものを忘れているのではないだろうか。農地の体質強化というものが、ここの第一項目の中でもうたっておられるような雰囲気がないし、その意味での書き方ではなかったんですね。  それから第二点にあるのは、「第二は、」と書いてありますけれども、今度は中山間地域の活性化の観点について書いてあります。国土の保全だとか自然環境の維持だとか、それから、そのためのいろいろな感覚の中から、高付加価値型とかあるいは高収益型農業という観点、定住条件の整備というようなものも書かれておりました。しかしながら、じゃ高付加価値だとか高収益農業はどういうふうにやりましょう、どういうふうにやっていくんですよという基本的な姿勢にまで踏み込んでいないんですね。これは何をやるのか一つもわからなかった。これだけの話であります。だから、これからはそれもやっていかなければなりません。  第三点の項目のところまで読んでみますと、今度は、日本の農業が立ちおくれている、その中で農村の生活環境の整備の観点に立って、いわゆる集落排水とか農道整備だとか、景観形成にまで配慮をした「美しいむらづくり」、こう書いてあるんですね。これは恐らく構造改善局なんかがやっておられる構造改善の事業の中ですけれども、しかしながら、これもまた、構造改善をやってしまって平たくなり水田がよくなる、あるいは水はけがよくなって農耕機が入りやすくなることはいいでしょうが、のけておく間に地力が下がってくるという現象で、土づくりという話とはちょっと違う観点のところで、また間違った雰囲気があるのではないだろうか。よくそういった人たちから聞きますけれども、土をつくる、地力を上げていくという物の考え方がここの中に入っているかどうかというと、ちょっと疑問になってまいりました。  今度は四つ目の第四項目に書いてあることを読みましたら、日本が未曾有の冷害に非常に影響を受けたから、ことし、冷害の経験にかんがみて、だからこれから生産体制の構築をしましょう、こう書いてあるんですけれども、じゃ何をやるんだと書いていないんですね。実はここも疑問に思っていろいろ調べていますけれども、転作をするということは、水田を変えていく。水田を変えていけば水を張っている時間が短くなりますから、これは実は地方が低下しているんです。はっきり言えば、殺菌をしてないという意味では、日本の農業が、水田が減っていけば減るほど、裏作でつくる野菜やあるいはそれらの蔬菜のようなものがいわゆる二年、三年周期に必ず病気に侵されてしまって、水田をやめるということは地方を低下させているという現象が起こってきます。  特に、東北や北海道の方は冷害がことしは厳しかったですね。このときだって、ちゃんと自然農法でやっておられた方は、案外と収益があったよ、あるいは地方を増進させることに心血を注いでいる方は、案外と冷害にやられなかったよという結果がはっきりと出てきて、ますよね。これは皆さん御存じのとおりですから。ここでも、冷害の経験にかんがみて何をやるかといったら、余り意識をした書き方はしてなかったですね。  では今度は五項目目、「第五は、」と書いてある大臣の所信表明の中、国際協力の中での環境問題。この環境問題は、食品産業の廃棄物のいわゆる減量化だとか再資源化と書いてあります。農業の場合、ここで問題になるのは、いわゆる施設園芸の廃ビニールをどうしていくんだとかこうしていくんだとか、私が独自で調べてみますと、これを再資源化してやろうという企業が全国に五つほどあります。農林省からもいろいろとお手伝いしているところもありますけれども、全部経営難で、実際には企業任せであったり第三セクター任せであって、本当に積極的にやろうという雰囲気が出てこないし、そこにはまだまだ土というものの考え方や農業の将来という考え方から、国際協力をしてまで環境を整えていくという問題になってないような気がするんですね。これが五項目に入っていました。  では六項目と七項目目は、これは農業の技術の開発に関して書いてあります。農業生産の効率化と労働時間の短縮とか、それから生産性の飛躍的向上と高付加価値化とか、あるいはさっき言いました冷害対策だとか環境問題。七項目目に入っているのが、実はさっき言いました消費者ニーズに対するやり方、あるいは国際化のために力強い体質改善をやらなきゃならな、最終的にこうくくってあるんです。  しかしながら、この七項目にわたって、皆さん見ていただいたらわかるように、農業の基本が土づくりである、迷ったときに基本に戻るという、いわゆる土をつくるという観点に全くなってないですね。迷ったときに基本に戻って考えてみたら、いわゆる付加価値の高い、いわゆる消費者ニーズになって考えてみたら、安全だとか健康だとかいうものに左右されるわけですし、これからいろいろと国際化して外国から物が入ってくる。外国のものは大ざっぱにつくりますけれども日本のものは手づくりだ、そういう感覚があるのならば、やはり安全とか健康とか、こういうものの基本は土づくりだということになってきますよね。これを忘れて、七項目全部、大臣がこうして所信表明を出されたとしても、これは意味がないんじゃないだろうかと私には思えてならないのですね。  ですから、基本的なことを忘れていませんかという意味でお聞かせいただきたいのは、じゃ、この土づくりというのはどうなっているんでしょうか、新農政の中にどういう形で位置づけてやっていかなければならないと大臣や政務次官は思っておられるのかというのは、聞いておかなければならなくなりますね。どうですか。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 実は土づくりの問題につきましては、系統農協がかつて十数年前に一大キャンペーンを張りまして、土づくり運動を推進したことがございます。それと同時に、農業の基本はまさに土づくりでありますから、有機栽培型農業をどうするかということは、食品の安全、あるいは今御指摘のありましたとおり冷害に強い生産ができるということは、御指摘のとおりでございます。しかしながら、年々畜産業の大変厳しい状況の中で、個々の農家における大・中家畜の飼育との複合経営というのが少なくなってきたことは御承知のとおりでございます。  しかしながら、私どもといたしましては、農業の基本が土づくりだということの基本を忘れているわけではございませんので、先生から御指摘を受けたところを肝に銘じまして、さらに一層農業振興のための土づくりの具体的な施策を盛り込んでいくように努力をしていきたい、かように考えておるところでございます。

七条明自由民主党・自由国民会議

○七条分科員 これから新農政の中でどういう形でいわゆる土づくりを盛り込んでいくのか、かなり踏み込んだ御答弁をいただいたと思うのですよ。特に政務次官は農業団体におられた経験があるし、県議会でも非常に活躍された経験がある方ですから、よくわかっておられると思うのですけれども、ではこの土づくりという表現、土をつくるという表現で、はっきりとした形で、新農政の中で生かしていただけるようなやり方をちゃんとできる、こう明言していただけますか。

日出英輔農林水産省農蚕園芸局長

○日出政府委員 私の方から、事実関係だけ先生にお話し申し上げます。  新農政の中で、この新農政のペーパーなり考え方をつくりますときに、環境保全型農業というのをどういうふうに位置づけるかという議論が実は大問題でございました。これをのせるのせないから議論があったわけでございますが、結果的にはやはり日本農業の生きる道の一つの選択肢として環境保全型農業というものを推進しなければいけない、こういう議論になりまして、この環境保全型農業を盛り込むことにしたわけでございます。その中に、先生今お話しのような地方の維持増進、こういったことも私どもとすれば大変大事な問題だということで、これも一応挙げておるわけでございます。

七条明自由民主党・自由国民会議

○七条分科員 実は、環境保全型農業というふうに恐らく言われると思いましたから、こういうパンフレットも取り寄せておきました。「環境保全型農業Q&A」ということで、いろいろ読ませていただいたら、いいこと書いてありますし、まさにこれを基本にやっていかなければならないということはよくわかりました。  ところが、その環境保全型農業の推進本部というのはことしの四月やっとできたんですね。実は先月、四月に農水省内で環境保全型農業推進本部、ここで一回目の会合をしただけで、まだそのままとまっていますし、五月が来て六月が来て、まだ今後やる計画はない。年に一度ぐらいやろうかな、こういう感覚で、その設置本部をいろいろと調べてみましたら、私の大学の教授なんかも、熊沢教授が入っておられまして会長になっておられます。じゃ実際に、基本的に、この中で土をつくる話とかこういう話を提言していく中で、熊沢教授は土に詳しい人ですけれども、こういうのをやっていくんでしょうか、どうなんですか。

日出英輔農林水産省農蚕園芸局長

○日出政府委員 この環境保全型農業推進本部で具体的にどういう議論をこれからしていくのか、今大いに議論をしている最中でございますが、いずれにしても、環境保全型農業というものをとらまえましたときに、土づくりというのは基本になっているんだろうというふうに私は思っています。単なる、化学肥料なり農薬を節減するとかリサイクルをするとか有機農業とかいう言葉ではなくて、それぞれの中には基本的に、今先生が御指摘になりましたような土づくりというのは基本に据えられていると思っております。  ただいま環境保全型農業推進本部、お話しのようにことしの四月に発足したばかりでございますが、実は、私どもの方とすれば、今までの環境保全型農業の推進につきましては、各地で現地の事例を広げていくところに主なあれがございましたけれども、この平成六年度からは市町村段階で本格的に取り組んでもらおうということもございましたので、実は官製のといいますか国がつくった本部だけじゃございませんで、全中あるいは日本生協連、こういった民間の団体が事務局になりました全国の協議会の方でむしろ大いに、いろいろな幅広い環境保全型農業を推進すべく、今議論をしていただいておるところでございます。

七条明自由民主党・自由国民会議

○七条分科員 日出局長さん、随分と御丁寧にお聞かせをいただきましてありがたいのですけれども、実は、私は何回も言いますように、こういうパンフレットいろいろありますけれども、新農政の中には、今本当に土づくりという表現はほとんど入っていませんし、基本に戻った考え方でやってみようという形がさっき一つもなかった。ましてや、さっきの大臣の所信表明の中には、意識をして土づくりという表現が一つも入っていないのですよ。  ですから、いかに環境保全型農業の推進本部をもってやりたいと言われても、打って響いてこない。ああこれから、言われたからやりましようという雰囲気は今わかりましたよ。でも、今までの感覚の中や今やっている新農政の中ではやっていなかったということは、もう間違いがないような気がしてならないのですね。いや、そうでなかったと言えるのだったら、ひとつ言ってみてください。

日出英輔農林水産省農蚕園芸局長

○日出政府委員 先生御指摘のお話はいろいろ考えさせられる問題がございます。私の所管からちょっと外れるかもしれませんが、新農政の問題のときに、農業の問題として人の問題と土の問題と技術の問題がございます。どちらかといいますと、世の中に私どもがアピールしましたのは人の問題、人の問題ということでアピールをしたかもしれませんが、先生お話しのように、人だけでも農業は成り立ちません。当然、ベースとして土づくりがあるわけでございまして、そういうつもりで今後とも施策の充実に努めてまいりたいというふうに思っております。

七条明自由民主党・自由国民会議

○七条分科員 この間、自由民主党で、いろいろこういう次の新農政の話の小委員会がありまして、JA、全中ですね、それから全国農業会議所の代表の方も来ていただいて話をしました。基本的には、構造だとか地域の政策だとかあるいは生産とか価格政策をこれからやっていきましようと、皆さんいろいろなことで書いておられる。それで要望も来るんですよ。ところが、一番長い目で見て、これからの農業で土をつくっていく、これは五年や十年でできないかもわかりませんけれども、やはりやっておかなければならないことをやってなかったツケが今回ってきているということにお気づきでない感じの人が、やはり多かったような気がするんですね。  さっき言いましたように、構造改善事業の中で、土が置いておかれることで地方が低下しているという問題がありますよね。構造改善局の方にお聞かせいただきたいのは、構造改善をして真四角になったり便利になっていますけれども、実際に土が置かれてまた戻されたときには地方が低下して、二、三年から四、五年は減収するという傾向がどこでもほとんど見られるんですね。じゃ、これなんかはどういうふうにして、やっていただくのはうれしいけれども、地方を下げるということは財産を減らしているようなものですから、そういう感覚になって、いやそうじゃないですよと言えますか。

日出英輔農林水産省農蚕園芸局長

○日出政府委員 構造改善局の担当者がおりませんのですが、先生御指摘のように、圃場整備をやりますと、表土をはいで一部移して、また整備をした後に表土をもう一度戻すということがありますので、先生の御指摘のような地力の低下というのは間々あるわけでございます。そのために、私どもの方の局の事業でございますが、土壌改良といいますか、そういうことで、炭カル等なんかを入れまして地力を上げるといったことをあわせてやりまして、こういった圃場整備のときの地力の低下を防ぐということも実は間々ございます。大変大事な御指摘だと思っております。  こういうことにつきまして現場では、特に圃場整備事業の場合には関係者が多く参加されてやりますので、この点については最近非常に私ども神経質にといいますか、いい表現かどうかわかりませんが、そういうことでやっているつもりでございます。

七条明自由民主党・自由国民会議

○七条分科員 これは、実は先ほどちらっと局長さん言われていました地力増進法というのが五十九年にできましたよね。この五十九年までの間には耕土培養法というんですか、これがあって、これを変えてきたということはわかりますよ。地方を増進させましようという法律がありながら、この法律を農業団体だとかはほとんど知らない、あるいは余り利用をしない。あるいは、このことを知っていわゆる構造改善事業と並行させてやっていこうという姿にはなってない。  ですから、予算も実はいろいろことしはつけられておることはよくわかりますよ。よくわかりますけれども、土壌の保全の関係で、去年が土づくりの予算が十六億円ぐらいですかね、そして今年度が二十三億円予算がついています。ところが、もっと詳しくいろいろ調べてみましたら、お聞かせいただいたら、ほとんど去年の分でなくて、十六億から二十三億にふえているのは新規の十億円が入っている。これはどういうことかといったら、生産安定化の緊急促進対策事業。はっきり言って、東北や北海道の冷害が起こったから冷害に使えるような予算にしましょうよ、これをうまく土づくりと関連させてやっておいたらいいじゃないかと。  おしかり受けないだろうかなという気持ちもあったのかもしれませんが、あとのものすべて、今までやっていたものは全部減ってきていますよ。九億が七億になり、一億強が九千万になり、そして一億のものが八千万になった。減っていますよね。これははっきり言って、今までやってきたやつが間違いだった、要するに利用率が低いと。こういうふうな形と同じケースが出てきているんですよね、これ。  ですから、決算委員会ですからその辺のことをちゃんと認識していただかなければなりませんし、認識していただいて次の話に踏み込んでいくならば、新規の事業だけの問題じゃなくて、土ということ、土をつくるということですよ。構造改善事業の方では土づくりと言いませんね、土地づくりと言うのですね。ところが、やはり土づくりと表現していただかなければ困りますよ。ですから、土づくりという表現の中で、新しいこういう地力増進法ですか、これをもっと運用しなければならないのですけれども、どうしましょうか。あと五分ということですから、簡単明瞭に。

日出英輔農林水産省農蚕園芸局長

○日出政府委員 大変貴重な御指摘をいただいておるわけでございます。  この地力増進法、昭和五十五年から四年連続の不作という明治以来初めての不作の中で、実は土づくりの重要性が再認識されましてできた法律でございますが、お話しのように、この中で地力増進地域を指定しましたときに、この指定したものが必ずしも農家段階にしみていない。普及所とかいろいろな事業をやりますところには、データあるいはもちろん事実関係として知れ渡っているのでございますけれども、個々の農家の方々は、自分がお持ちの農地というのは所与でございます、ある意味で、高い、低い、地力は所与でございますので、比較的そこについての認識が薄いということがございます。  今先生お話しのように、個別の事業についてもそうでございますが、これから、この地力増進法の趣旨を大いに生かした事業実施が行われるように、私ども一生懸命やっていきたいと思っております。

七条明自由民主党・自由国民会議

○七条分科員 入澤構造改善局長にもその辺の話をしていただいて、あるいは高橋官房長もおられますけれども、もう時間がないからいろいろと提言をしておきたいのですね。  ただ言うだけではいけませんから提言しておきたいのですけれども、じゃこれからの一つの案として、今まで、生産性の高い農業を実現していく上で、農地改良とか圃場整備というような農業生産基盤の強化をやっていました。いわゆる構造改善事業ですけれども、これはさっき言いましたように一時的に地方が低下しますから、今後、このような事業のときに、さっきの地力増進の土壌改良事業を組み合わせてしまって一緒にやったらどうだ。これを並行してやるぐらいの一つのおもしろい事業にしていったら地力は回復する、あるいはそういうおしかりを受けなくていいのですけれども、これできませんか。

日出英輔農林水産省農蚕園芸局長

○日出政府委員 先ほど申し上げましたように、お話のようなことは現実に、当然のことながらあわせてそういった地力増進のための炭カル等を入れるというようなことをやっておるわけでございます。  こういった先生の御指摘を事業の方に生かすように、私の方も担当局の方に話をしておきたいと思っております。

七条明自由民主党・自由国民会議

○七条分科員 では政務次官にもう一遍まとめて聞きたいのですけれども、新農政をやる中で、特に今後、ウルグアイ・ラウンドの合意の成立していくその方向性が見えてきたときに、緊急に国内農業の体質強化をする、これを積極的にやりたいというのが、実はこの農林大臣の所信表明ですよ。体質強化というのは、基本中の基本は土づくりでありますよという認識を、もう一遍農林省内で持っていただける、そして新農政に反映させていただける、その決意、聞かせていただけますか。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 先生御指摘のとおり、農業は物質循環型産業でございます。ということからしますと、当然、基本は土、土壌にあるということは御指摘のとおりでございますし、世界的に見まして年々地力が落ちておるという現状をかんがみたときに、我が国の農政を考えたときに、真に足腰の強い農業の基本は原点に返った土づくりなんだという先生の御指摘はごもっともだと思っておりますので、先ほど農蚕園芸局長から話がありましたとおり、これから行います種々の施策に、その辺をきちっと踏まえた上で、地力増進法がきちっと本来の趣旨が生かせるような形で施策を盛り込んでいくように努力をいたしたい、かように考えております。

七条明自由民主党・自由国民会議

○七条分科員 もう一つお願いしたいのですけれども、環境保全型農業推進本部に、これから何回か開くでしょうけれども、そこにも今のような感覚でお願いをしたい。あるいは、衆議院の中でこういう委員会で、土づくりということをもう一遍考えてほしいと言う者がおったよと、だからこれも一遍考えてみてくれないかと言って提言していただけますか。これはどうですか。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 土づくりにつきましては今申し上げたとおりでございまして、環境保全型農業といいますと、ただ単に土づくりというばかりではございませんですね。しかしながら、目指すところは同じだという認識をいたしておりますから、その点も十二分に反映できるような形で考えていきたい、かように考えております。

七条明自由民主党・自由国民会議

○七条分科員 では、時間が来たようですから、最後に一言だけ申し上げておきたいのは、施設園芸等で使用した廃ビニールの処理対策が、実は先ほどの中にもちらっと言いましたように、これは国内に五カ所あります。ところが、もうほとんど採算が合わなくて困っておるということでございます。これらは長期的に考えて、国際化や地球環境を守るために非常に必要なことですね。  これは、後で文書答弁で結構でございますから、こういうふうにやりますよ、こういう形で今後進めていこうというふうにしておりますということを報告いただけますか。いいですか。うなずいていただいているのですが、もし今言えるなら言ってください。

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 それでは、後ほど文書で。

七条明自由民主党・自由国民会議

○七条分科員 では、そういうことでお願いします。

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 これにて七条明君の質疑は終了いたしました。  次に、赤羽一嘉君。

赤羽一嘉公明党

○赤羽分科員 公明党の赤羽一嘉でございます。  私は兵庫県の神戸市選出議員でございまして、神戸といいますと、日本でも有数な貿易港を抱えていることもありまして、非常に市民の間で貿易交渉に関する関心が高いところでございます。また、御存じでない方も多いかと思いますが、神戸というところは、実は日本のベーカリー、パン屋さんとか洋菓子屋さんの発祥の地と言われておりまして、一人当たりのパンの消費量も極めて高い消費量を誇っている土地柄でございます。  そんなわけでございまして、昨年十二月に大変な御苦労の末合意されましたガット・ウルグアイ・ラウンドの農業交渉の中で、小麦もそのアイテムの一つで、これまでの小麦の輸入は輸入割り当て制度で行っていたわけでございますが、その輸入割り当て制度が関税化に変わる、関税化で実施される。この報道に対しまして、多くの市民の皆さんから、いよいよ小麦も国境措置がなくなり自由貿易の端緒につくことはすばらしいことだとか、いつごろからおいしい神戸のパンが安く手に入るようになるのですかといったような問い合わせが、実は殺到した次第でございます。  そこで、これまで国会におきまして、ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業交渉の質疑というのは、私が認識しておりますところでは非常に米問題に集中しておりまして、恐らく小麦についてほとんど取り上げられてこなかったといったような経緯もあったかと思いますので、本日与えていただきました貴重な三十分間の時間を使いまして、小麦のラウンド合意を受けまして、今後食管法がどのように見直されていって、その結果、輸入差益のメリットをどれだけ消費者の皆さんに還元していくことができるのかということについて質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  まず、国内産の小麦と外国産の輸入小麦の位置づけを明確にするために、一つ目に、国内小麦の今の自給率ですね。食糧用で結構ですが、国内小麦の自給率と、麦作農家数のここ三年ぐらいの動向を教えていただきたいと思います。  そして続きまして、国内小麦と外国産の小麦、それぞれ用途及び品質の現状ですね。品質というのは、例えば製粉メーカーによる評価みたいなことを通していただければわかりやすいかと思いますが、本当にその外国産小麦に対して国内産の小麦は競合関係にあるのかどうかという点を教えていただきたく、よろしくお願いいたします。

山本徹農林水産省大臣官房総務審議官

○山本(徹)政府委員 小麦の自給率について私から御説明申し上げますが、平成四年で一二%でございます。

日出英輔農林水産省農蚕園芸局長

○日出政府委員 農家数のお尋ねがございましたが、平成五年で申し上げますれば、全国で十五万三千戸。その中で、実は北海道が二万一千戸、大規模な二万一千戸がございます。

永田秀治食糧庁次長

○永田政府委員 先生のお尋ねの品質とか用途でございますけれども、先生は輸入麦については大変な専門家であられますからよく御存じだと思うのですが、今、小麦で申し上げれば五百五十万トンほど輸入しておるわけでございます。世界各国、小麦の産地がございますけれども、我が国が買っておりますのは、アメリカ、それからカナダ、豪州、こういうところでございます。  用途別の考えでいきますと、カナダの小麦が、これは世界的に強力小麦ということでパン用に使っておりますので、日本も最高級のものを輸入している。それから豪州の小麦は、主として日本のうどん、めん類用に使っておるわけであります。それからアメリカの小麦、これはもうハード系からソフト系までさまざまな種類がございまして、これにつきましてはその他いろいろな用途に使うというようなのが、ざっとした用途でございます。

赤羽一嘉公明党

○赤羽分科員 それに対する国内小麦の用途と、競合性があるかどうかということ。それと、先ほど自給率と農家数も伺いましたが、できればこの三年間ぐらいの動向、減少しているのか増加しているのかということを教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

永田秀治食糧庁次長

○永田政府委員 ただいま御質問の内麦でございますけれども、確かに内麦は、日本が麦の適地ではないということもありまして、大変品種改良等に努力をしておるところです。これは後ほどまた技術会議の方からも回答があると思いますが、なかなか難しいということでございますけれども、主としてめん類用に使っております。また、業者によりましては、地粉と称して地域のそういうものを特産品として売るということで、これはめん類用に使っておるわけであります。  競合という点になりますと、むしろ競合ではなくて、内麦の方が現在は数量も少ないし、補完的な地位にある、かようなことでございます。

山本徹農林水産省大臣官房総務審議官

○山本(徹)政府委員 自給率の推移でございますけれども、これは小麦につきましても国内のさまざまな生産振興対策を実施しておりますが、傾向的には、平成二年、三年前で一五%でございましたけれども、平成三年、四年が一二%でございまして、残念ながら自給率としては最近低下傾向にございます。

日出英輔農林水産省農蚕園芸局長

○日出政府委員 麦作農家数の推移でございますが、この三年でいいますと、若干ずつ落ちてきておりまして、平成三年度で二十二万九千戸、平成四年で十九万一尺それから平成五年産で先ほど申し上げました十五万三千戸ということでございます。

赤羽一嘉公明党

○赤羽分科員 ありがとうございます。  今のお答えを伺っておりますと、いわゆる国内消費の大半を現状では外国産の小麦で賄っておる。そして、国内産の小麦についての自給率も年々下がってくる。麦作農家数も減少の傾向がある。  その中で、お話を聞いておりますと、今後国内産の小麦というのは外国産に対して競争していけるようなポジションにあるのかなという懸念を非常に、私も余り玄人ではございませんけれども、持つわけでございますが、農林水産省としてこれから、国内の小麦の位置づけと今後の取り組み、あれば教えていただきたいと思うのです。

日出英輔農林水産省農蚕園芸局長

○日出政府委員 確かに国内産の小麦につきましては、外国産の小麦の適地に比べますと、そもそも気候条件としまして大変難しい条件の中で生産されるわけでございますが、一方で、小麦につきましては、水田でつくるもの、それから畑でつくるものがございますが、その圧倒的部分は実は北海道でございます。北海道の畑作でつくります小麦でございますが、これは、ほかの豆でありますとか、要するに輪作体系の中の一つの品目になっておりまして、実はこの部分につきましては生産量が近年ほぼ横ばいということでございます。  ただ、内地の方のといいますか、都府県の方の転作でやりました田麦、それが実は収量として落ちているわけでございます。私どもとしますれば、品質面でも、いいものをつくるのは非常に難しい土地柄でございますけれども、新しい品種等も少しずつ出てまいっております。それから、栽培技術の方につきましても、徐々にかなり高度な技術も進んできておりますので、何とか、国内で消費されますものの一部につきましては国内産の小麦を充ててもらうということで、生産対策、生産面でも頑張っていきたいというふうに思っておる次第であります。

赤羽一嘉公明党

○赤羽分科員 わかりました。今のでそれなりの国内産の小麦の現状がわかったわけでございますが、続きまして、一方、今回のウルグアイ・ラウンドで合意されました小麦交渉の中身を見てみますと、外国産小麦の関税相当量、これはたしか一キログラム当たり六十五円、四一三%に相当するという高い水準になっていたかと思います。このウルグァイ・ラウンドの合意期間であります六年後の二〇〇〇年に、一五%削減したとしても三四四%相当の五十五円という状況であります。これは、私が認識しております、現在の食糧庁が輸入している外国産小麦の買い入れ価格と政府売り渡し価格のバランス、この三十四円をはるかに超える高い水準であるというふうに思っておるわけでございます。  こういった状況下、高い水準の関税率を設定したとしたら、今回ガット・ウルグアイ・ラウンドで関税化実施となったといっても、実際に関税化による輸入というのは行われないのではないかというふうに私は想像するのですが、この点はどうなんでしょうか。

永田秀治食糧庁次長

○永田政府委員 ただいまの御指摘のありました点でございますけれども、今回の農業合意によりまして、小麦の方は関税化することといたしたわけであります。したがいまして、従来からの食糧庁による一元輸入に加えまして、関税相当量を支払えば、先生がおっしゃるようにどなたでも輸入はできる、こういう道が開かれたわけでございます。この関税相当量を支払って行う輸入の規模といいますか、どのくらいになるかというのをただいま予測するというのは、大変難しい問題でございます。  私どもの今やっております国家貿易でございますけれども、冒頭御説明申し上げましたように、日本の実需者、消費者も含めまして、小麦に対する要望、要求というのは大変厳しいものがあるわけでありまして、多様な銘柄や多様な品質の小麦については、今後とも国家貿易で輸入していくということでございます。こういうような観点から、関税相当量を支払った輸入というのは、ただいま先生の御指摘のあったとおり、余り大きな量で入ってくるというようなことではないのではないかなというふうに考えております。

赤羽一嘉公明党

○赤羽分科員 今、余り大きな量が入ってくるとは考えにくいという御答弁がありましたけれども、私は別に、食糧庁がある程度管理下で輸入することが悪いというふうな認識を持っているわけではないのですが、現在の関税の水準を見ますと、先ほど言いましたが、一キロ当たり六十五円ですね。これは、政府の売り渡し価格というのが一キロ六十三円を割っている現状下、輸入量がそんなに多くないというのではなくて、恐らく物理的に入れるのは無理なのではないか。関税部分の六十五円がもう既に本体も含めた政府売り渡し価格より高いということについて、これは、そんなに変わった商売人というのはいないのではないかというふうに私は思うわけでございます。  繰り返しになりますけれども、小麦というのは、お米が一千万トン、それに対して五百五十万トン、六百万トンという準主食でもありますし、それが安定的に供給されなければいけないということは私もよくよく理解はしておるわけでございますけれども、ただし、ガット・ウルグアイ・ラウンドというか、ガットの精神から見ますと、物理的に民間が参入できないような制度の決め方というのはいかがなものかなというふうに思うわけでございます。  確かに、制度、字面的には関税化になった。この関税を払えば参入できますよということはよく理解できるのですが、その設定の中で、もちろん激変というのは避けなければいけないと思いますが、全く入る余地のない、ちょっと私の理解が間違っていれば御指摘をいただきたいのですが、この関税化部分で、本体も含めた政府売り渡し価格より高いというような設定の仕方というのは、余り妥当ではないのではないだろうかと思うのですが、いかがですか。

永田秀治食糧庁次長

○永田政府委員 ただいま御説明したとおりでございまして、実需者の要望にも十分こたえられるような仕組みにはなっておるわけであります。そしてまた、差益も徴収できるようにしておりまして、この差益の使い方等についてもまたあるわけでございますけれども、内・外麦コストプール方式というようなこともございまして、先生冒頭御説明ありました内麦の振興というようなこともございまして、こういう関税措置をとったわけでございます。

赤羽一嘉公明党

○赤羽分科員 この点は将来の課題として、また先のラウンドもありますでしょうから、御検討いただきたいな。御検討というか、ある程度先まで見えていないと、国内の業界なり農家なりの対応というのも、なかなか緊急の対応はできないと思いますので、将来的な展望というのを出していただけたらと思います。これは要望ということです。  今お話がありました、内麦に対する逆ざやの穴埋め云々という話になるかと思うのですが、私、資料をいただいたのを見ておりますと、内麦が、今政府買い入れ価格がトン当たり約十五万二千円ですね。政府の売り渡し価格が五万円を切っている、四万九千四百五十円。需要量は六十数万トンで、その損益というか差損、これは約マイナス八百億円。  それに対して、外麦の政府買い入れ価格は三万以下の二万九千二百九十四円、政府売り渡し価格は倍以上の約六万三千円。需要量は四百三十万トン。これは食糧用だと思いますが、そこに輸入差益というものが一千六十三億円。正しいかどうかは知りませんが、調べたところそんな数字が出てきたのです。年間約一千億円というふうに言われているこの輸入差益の使われ方というのは、実態はどのようになっているのか、お知らせいただきたいと思います。

永田秀治食糧庁次長

○永田政府委員 麦の管理につきましては、内麦と外麦のコストを総合的に勘案してやりますコストプール方式というのを採用しているところでございまして、外麦の輸入差益は内麦の管理に要する費用を賄うということでやっているわけであります。  今の先生がお調べになった数字、そのとおりでございまして、もう一度繰り返して申し上げれば、これは平成四年度の実績でございますけれども、国内産小麦につきましては、買い入れ価格がトン当たり約十五万二千円、これに対して売り渡し価格が四万九千円。これに管理経費がございますので、これが約二万三千円ということになりますと、トン当たりの差額が、私どもから見ますとマイナスで約十二万五千円、こういうふうになるわけであります。  一方の外国産、今度は輸入してくる小麦でございますが、買い入れ価格がトン当たり約二万九千円、売り渡し価格が約六万三千円。これに管理経費がございまして、これが八千円程度になります。こういたしますと、トン当たりの差額が約二万五千円、これはプラスになるわけでございます。  これに内・外麦のそれぞれの、内麦ですと約六十三万トン、外麦でありますと四百十四万トンということでありますから、これも先生が御指摘のあったとおりでありまして、内麦については八百十八億円の赤字になっているわけで、これを埋める意味で、外麦で入っております一千六十三億円を充てる、こういうコストプール方式でやっているわけでございます。

赤羽一嘉公明党

○赤羽分科員 その差額約二百億円というのは、どのように使われているのですか。

永田秀治食糧庁次長

○永田政府委員 ただいま申し上げましたのは小麦だけの話でございまして、これに大・裸麦なんかを入れますと、さらにマイナスの方が百億ぐらい加わるわけでございます。それから、小麦、大・裸麦を入れて、麦を内麦と外麦で収支計算いたしますと、年によって黒字のときと赤字のときとございまして 当然黒字になれば入るわけであります。最近では若干黒字になっておりますけれども、赤字の年も随分あるというようなことで、長い目で見るとちょうどとんとんになっているような感じでございます。

赤羽一嘉公明党

○赤羽分科員 これは私の個人的な見解であるのですが、米の場合と小麦の場合というのはかなり状況が違うのではないか。米の場合のように、大まかに言いますと、外国米の輸入に対してある意味で国内の生産農家を保護するというのは非常に意味があることだと思います。ただ、小麦の場合は、先ほど御紹介いただきましたように、外国産の小麦と国内産の小麦が余り競合関係にない。その競合関係にないものに対してこれほど、国内産でいえばトン当たり十二万五千円の逆ざやを出すものを買い上げて、外国産でいうと倍以上の価格で持つことにどれほど意義があるのかなというふうに、ちょっと首をかしげざるを得ないなと思う。私も別に農村出身ではないので、正直なところそういう気持ちがいたします。  また、この前のウルグアイ・ラウンドの合意の中で、国境措置の部分での関税化という話がありましたけれども、おそらくその三つのうちの一つで国内支持、つまり価格支持、補助金の保護水準を引き下げるという点も今回の合意には含まれていたと私は認識しておりますので、そういった意味で、年間約一千億と言われる大きな輸入差益を、これは表現が非常に悪いかもしれませんが、ただ後ろ向きというふうに感じられる逆ざやの穴埋めだけに使うのではなくて、まず国内麦、小麦の競争力強化のために大胆に品種改良の費用に回すということに御留意いただきたいなというふうに思うわけでございます。  また、もう余り時間がございませんけれども、小麦粉製品というのは、政務次官もよく御存じだと思いますが、食パンですとか菓子パン、中華そば、日本そば、うどん、クッキー、ケーキ、ビスケット、和菓子、マカロニ・スパゲッティと、非常に家庭の食卓を飾る食品に数多く占められていると思うわけであります。その中で、食卓にのせる食品の価格動向というのは、国民の皆様の非常に敏感に感じるところであるというふうに私は認識しておるわけでございます。  また同時に、第二次連立政権というか羽田政権は、生活者の政治をモットーに掲げ、そして今回、首相みずから規制緩和を大胆に行って、内外価格差の解消を最重点項目に挙げているわけでございます。聞いているところによりますと、今回七月に予定されている食管法の改正につきましては、先ほど言った外国産小麦の輸入差益一千億円の使い道の中で、国内小麦の体力強化という部分は当然のことながら、もう少し何というか、消費者の皆さんにメリットを還元できるようなお立場に立たれて改正に御尽力いただきたいなというふうに、私は神戸の市民の代表といたしまして切にお願いするものでございます。  その結果、いわゆる小麦の需要量が伸びて、また外麦の輸入量がふえていくということこそ、ある意味ではガットの本来の精神に合致するものではないかと思いますので、最後になって恐縮でございますが、政務次官に一言、前向きな力強い御意見を賜りたいと思います。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 御承知のとおり、我が国の自給率といいますのは、カロリーベースで四六%、穀物自給率で二九%と、OECDの先進国中最も低い国であるということから、国内的に見ましては自給率を向上させるということが大変大きな課題であるということを考えますと、今先生御指摘のように、外国からの麦をたくさん入れるのがガットの精神だという見方の御意見もあろうかとは思います。しかしながら、生産者の立場、あるいは食糧安全保障という見地、あるいは国内の農業産業従事者の活力ある経済状況を行うための施策をどうするか等々を考えますと、やはりかなり難しい問題がございます。  これらの問題等につきましては、御承知のとおり、ことしの七月下旬を目途として出されてまいります農政審議会等々の御意見を踏まえながら、我が国における穀物の新しい形の生産体制をどうするのかということもあわせて検討しながら、意を酌みまして努力を重ねてまいりたい、かように考えております。

赤羽一嘉公明党

○赤羽分科員 ありがとうございます。  別に言い返すわけではございません。よく御事情もわかっておるのですが、自給率を高めるということに私は全く賛成でございます。しかし、先ほど食糧庁、農水省の方々から御説明いただきましたように、ある意味では日本は小麦の土壌というのですか、気候が余り適していない。  品種改良もかなりこれまでも努力されてきたんだと思います。何か、私の聞いたところですと、オーストラリアのASW級の品種改良を平成十五年をめどにやられている。それは事実じゃないかもしれませんので後で結構ですけれども、というようなお話も聞いていて、一朝一夕に八七、八%を占めている外国産に取ってかわるような状況にあるのかどうかというと非常に——努力はしてほしい。私も先ほど言いましたように、品種改良等々で自給率を上げている努力に対して別に反対しているわけではないのですが、余りにも、農水委員会自体、うちの党もそうですが、どうしても都市型の議員がいないというようなこともあって消費者の声が届かないように、私は外野から見て思っていたものですから、きょうあえてここで時間をいただいたわけでございます。  何とか、これだけの逆ざやで本当にずっといっていいのか。もうちょっと前向きに使っていただけないか。一千億あるうち、があっとは言いませんし、すぐにとも言いませんが、準主食とも言えるパン食やうどん、めん類の価格をもう少し下げていただくことによって、国民の皆さんに、ああ規制緩和で内外価格差解消というのはすばらしいことだと、本当に生活者の政治というのを実感していただけるような施策の余地が、この食管法改正にあるんではないかというふうに思います。ぜひよろしくお願いいたします。  最後にもう一度、恐縮ですが、よろしくお願いいたします。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 実は、我が国の小麦の消費を考えますときに、昭和四十八年の小麦ショックという、ついきのうのことのように思し出されることがございます。ことほどさように、食糧というものの持っている性格が、国民生活における安全保障とも言えるような極めて重要な位置づけになっているということも考えますと、当然、安直な国際分業論に基づく輸入枠の増大というのは国民の大半の方々が望んでいないであろうと私どもも考えておるわけです  しかしながら、今先生御指摘のとおり、我が国における小麦の消費、とりわけパン食になりましてからわずか百数十年ということを考えますと、当然私どもの日本における小麦の適地というものも御指摘のとおりでございますので、そういったもろもろの点を考えながら、先ほど申し上げましたとおり、ことしの夏の農政審議会の御意見等を踏まえながら、食管の問題あるいは穀物自給率の向上等について検討を重ねていきたい、かように考えております。

赤羽一嘉公明党

○赤羽分科員 ぜひ七月下旬の食管法改正におきましては、大多数の消費者、国民の皆さんの声を酌んでいただいて、できるだけ前向きに取り組んでいただけますことを期待しまして、本日の質疑とさせていただきます。  ありがとうございました。

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 これにて赤羽一嘉君の質疑は終了いたしました。  次に、栗原博久君。

栗原博久自由民主党

○栗原(博)分科員 まず、せっかく政務次官の木幡次官がおられますので御所見を賜りたいのでありますが、実は私は今回、衆議院選挙、六度目で当選しまして、きょうの朝も私はうちの田んぼの水回りをして、一番の六時二十一分の汽車で出てまいりました。  当時、新聞を見ましたら、農業という肩書は私一人かと思ったら、あなたも農業とお書きになっておったのですが、政務次官になられて、特に日本新党であられる 今の農業政策をどのように思いますか。まずもってちょっと御所見を承ります。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 私も先生同様一・三ヘクタールの稲作を経営している農家の息子でありますので、現場からの農政を考えましたときに、今までの日本の農政の中で大変反省すべき点もありましょうが、逆に言うと、この狭い国土の中でしっかりとした政策を行ってきて助かった面、いろいろあるわけであります。しかしながら、ラウンドを受けたという、言って見れば戦後の農政の大転換期というふうに意識をしておりますので、これからがいよいよ正念場かな、こう思っております。  最後になりますが、日本新党としての立場はどうだ、こうお尋ねでございます。よく我が党が、日本新党が、都市型の考え方であろう、こういうふうに言われておりますが、実は食糧問題について一番関心の高いのは都市居住者であるというのがことしの平成米騒動で一大クローズアップされたということを考えますると、ただ単に都市、農村という問題ではなく、我が国の農業の問題は一億二千万、総じて全員がいい知恵を絞って我が国の安定した食糧の供給体制をどうとるか、こういうふうに認識をいたしておるところでございます。

栗原博久自由民主党

○栗原(博)分科員 次官、私が今お聞きしたのは、もう少し理念の高いことをお聞きしたかったわけであります。  私は武田邦太郎先生から、先生がまだ日本新党に入られる前に私のところによく応援に来てくれまして、世界観にあふれる農業問題についていろいろ御説を承り、本当に私も同感の至りなんです。しかし、今政務次官おっしゃったように、米騒動で都市の人から理解していただいた、私はそんな関係で農業問題を論じてはならぬと思うのですね。  あなたに期待することは、日本新党であられ、みずから農業を行っていられるのであれば、やはり農民が生きるということ、それから日本の自然をどのように守っていくかということ、この二点に立って、ぜひひとつ日本新党の枠を超えて、あなたがみずから選挙区で訴えてきたことを実現するように、私も農業者の一人として切望するわけであります。  そういうことで、私は、きょうはウルグアイ・ラウンドの問題で、刻々とやはり私ども農家に迫ってまいります。ミニマムアクセスで四%から八%、六年間猶予していただくと言っておるのですが、私は、実はこの問題はどうにもならぬということで、国会の前に座り込みをしたり、あるいはまたガットのサザーランドに会いに行ったり、やってまいりました。それに対していろいろ御批判もありましたけれども、そこでサザーランドさんが言うには、あるいはまたECの大使の言うには、たとえ六年間猶予をされても、七年目からは従来どおりの関税率をかけるということになりますと、大変な状況になると思うのです。国会の中でまだこの論戦が余り深くなっておりませんが、追って予算委員会で私はこの問題についてお聞きしたいと思っておるのですが、それは省略させていただきます。  米が大変これから安くなる。私もコシヒカリをつくっておりますので、間違って一俵六万で買っていくような方もおりますが、それはもう常識を逸しておるわけであります。そこで、私ども農家が一番痛切に感じることは、米の値段が下がるのであれば、土地改良の事業費を何とかひとつ猶予していただきたいというのがあまたの農民の切望であります。そういうことにつきましてひとつ御質問させていただきたいのであります。  土地改良事業は、社会政策上、国土の保全、あるいはまた水源涵養とか、あるいはまたこの前もブラジルでの環境会議がございましたけれども、地球的規模での環境の問題、空気、緑の問題、そういうすべてを、金に換算できない価値観を農業は抱えておると言われる。その中で、やはり土地改良事業等につきまして、私は従来の考え方でこの土地改良事業を進めていいかどうかということを考えるのですが、それについて御所見を、次官かあるいはまた入澤局長さんからひとつお聞きしたいと思います。

入澤肇農林水産省構造改善局長

○入澤政府委員 全く今先生御指摘のとおり、農業自身に我が国では環境保全的な機能があります。その公益的な機能につきましてはいろいろな努力をして測定して、その測定結果を農業政策に反映しようじゃないかという努力を続けております。  いろいろな方法がありまして、どの数字が正しいかどうかというので今もう一つ国民的なコンセンサスになってないのですけれども、例えばヘドニック法というような方法を用いますと十二兆円の公益的な機能がある。あるいは代替法を用いますと四兆円の公益的な機能がある。余り差があり過ぎますので、その方法論につきまして一層研究を深めて、外部経済効果、これをきちんと農政に反映させようじゃないかということで努力をしているところでございます。

栗原博久自由民主党

○栗原(博)分科員 私は、これから農業問題を論じる場合、食糧の生産だけで農業問題は論じられないと思うのですね。やはり他の、今局長さん仰せのとおり、農業をやることによって自然的な価値観というものを今後——農林省の皆さんの最近の事業費を見ますと、今私の手元にあるのですが、我が党の方に皆さんもよく御説明に回られたり要望されておりますが、公共投資額に占める農業農村整備事業の比率が、昭和六十二年次では六・三%、それから平成三年は四・八%で、まさしく農業が軽んじられている事態であります。こういうことについては、やはり農林省の皆さんみずからが襟を正して、国民に対して今のこのような価値観というものを理解されるように、農林省の組織を挙げてこの問題にひとつ取り組んでいただきたいと思っております。  また、農業問題は過疎の問題とも大きく絡んでおります。全国で約三千四百ぐらいの市町村がございます。そこの約一千八百八十ぐらいですかが過疎である。この過疎は、やはり農業をやっておりますから過疎が守れるわけでありまして、過疎振興策はいろいろございますが、根本はそこで中山間地の農業がいかにして生き残れるのか、そしてまたその中山間地の農業を生き残らずためにはやはり農業基盤整備というものが第一であるわけであります。  こういうことで、将来に対する中山間地の農業整備についての御所見がありましたらぜひお聞きしたいと思うのです。

入澤肇農林水産省構造改善局長

○入澤政府委員 中山間地の農業につきましては、昨年、大多数の賛成を得まして、特定農山村における農林業の活性化法というのを成立させていただいたところでございます。今これに基づきまして中山間地の活性化をやっているのですけれども、なぜ我々が中山間地に着目するかといいますと、これはもう先生も御承知のとおりでございまして、農家世帯、農業就業者、あるいは水田につきましても、作付面積 収穫高、いずれも日本農業の四割近いレベル、水準を維持している。  中山間地域を活性化するためには、どうしても農林業、なかんずく農業の活性化が必要であるということでございまして、私どもは農林業中心に、さらにそれに他省庁の協力を得まして、例えば工業導入ができれば工業導入をするし、都市、農村交流で観光事業、こういうもので兼業所得が得られるのであればそういう施設も整備するしということで、他省庁の協力を得ながら、定住、所得の確保の機会を中山間地域において確保すべく努力しているわけでございます。  しかし、一番大事なことは、今御指摘のとおり、農業、農林業の活性化でございまして、私どもは今、市町村を中心に、最適土地利用計画、さらにその最適土地利用計画に基づく最適農業経営計画というものをつくって、そこに重点的に投資をし、またそこで農業を営むために必要があれば、所得確保のための各般の政策を準備していこうというふうに考えているわけでございます。

栗原博久自由民主党

○栗原(博)分科員 御高説、大変同感でございます。この中山間地の問題は 今農振法力ありますが、農振法の弾力的な運用をいただいて、やはり中山間地における農地以外の利用、要するに都市居住者の方々が、セカンドハウスとまではいきませんが、遊休農園のようなそういう農園をつくっていただくとか、そういうことでやはり農村に都市の血を注ぐということもひとつ御一考していただければと思うのでありますが、これは要望でございます。  次に、私も、昨年の十月二十日に農林水産委員会で農業共済金の問題について質問させていただきました。今までの一般会計分を、今回は財投に組みかえるということで、これについて異議があるということで質問をさせていただきましたが、残念ながらその趣旨にかなわず、財投でこうして三千三百六十億円ですか、財政投融資で賄っているわけであります。  一昨日の新聞で見ましたら、米の差益が十キロ千三百円。外米、外国から四十一万トンの米をこの三月まで入れているということで、それで米の差益が十キロ千三百円である。その中で、合計約二百八十億で入れて国内の業者に八百九十億ですから、その差益が六百十億円であるということで、運送費とか管理費等々引いても五百三十億円の差益が出ておる。これは今後、単純に計算して、今年度約二百六十五万トンの、私ども農家にとっては耐えがたい緊急輸入ということでありますが、それによって約三千億円という差益が出るというふうに言われております。農業共済再保険特別会計の財投よりの借入分の充足としてこの五百三十億ですか、このうち当面四百八十億を繰り入れるということであります。  私は、土地改良事業というものは、やはりひとり農民の、農家のためでなくて、最近広域農道とか各種の施設が農業者以外に供されているという点が大変多いわけですし、また、やはりこの農業問題を今後の米の値段が低迷する中で論ずる場合は、特定財源というものもなければならないと思うのです。  そういうことで、今後ミニマムアクセスで残念ながら四十から八十万トンを輸入せねばならないということになりますと、単純計算で八十万トンでも約一千億近い金が差益として残るわけです。こういうお金をやはり土地改良事業の、今いろいろ国の方でも償還金の平準化事業等で対応しているようでございますが、土地改良と限定してこの差益を利用するということを私はひとつ御要望申し上げるのでありますが、政務次官、こういうことをいかがお考えになりますか。あなたも私と同じ農業で、いつも一緒に農業をやっているからわかると思うのですが、お気持ちを政務次官からちょっと言ってください。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 農業の振興を考えたときに、社会政策の面と産業政策の面がございますが、とりわけ産業政策としての生産基盤の整備というのが農業の近代化のためにも、あるいは足腰の強い農業確立のためにも大変重要だということからすると、基盤整備事業が、平成六年度の御審議いただいております当初予算案の中でも、あるいは平成五年の補正予算の中でも、二十一世紀型の汎用水田を初めとする構造改善局の事業を重視しておるということは御指摘のとおりでございます。  農家サイドから見ましても、しからばこの負担金の問題を、今年度の汎用水田の基盤整備事業については従来の三十アールの区画の負担金から比べましたらば大分軽減されたわけですが、これをこれから先より負担を軽減するような方向に持っていっていただきたいという農家の強い要望というのは肌で感じておるわけでございますので、それらの財源手当てを、今先生御指摘のように輸入の差益の金をつぎ込むのか、あるいはその他の財源手当てをするのかということは、これから先いろいろ検討を重ねながら、しかしながら、基本は農家の基盤整備にかかわる負担金をいかに軽くしていくかということに力を入れていきたい、かように考えておるところでございます。

栗原博久自由民主党

○栗原(博)分科員 政務次官、ひとつよろしくお願いします。  その中に、土地改良事業の償還の場合、年間、年増加所得額の四割以内にとどめるという償還の基本的なお考えがあるようでございます。その中で、例を一つとらせていただくと、平成二年度の圃場整備で新規着工のある地区ですが、これは内地分であるそうですが、それが八十五地区ほどあったそうですが、十アール当たりの事業費が年平均で八十八万二千円である。その中で農家の負担というものが十八万六千円平均であるということであります。農林漁業金融公庫の金利が六・五%の二十五年償還、十五年据え置きですか、そうすると平均一万九千八百円程度、二万円弱という年償還に当たるわけでありますね。これを償還するに当たって、ではこの事業によってどのような所得増があるかというと、十アール当たり約五万二千円の増加である。五万二千円の四〇%ですから、約二万円の範囲で、土地改良の基準の年増加所得額の四割以内におさめられるというような、そういう計算だと思うのでございます。  ただ、このとき、ではその浮いた金はどこから、例えば農業生産の拡大によって所得がふえるのじゃなくて、その農業を規模拡大あるいは土地改良をやることによって労働時間が余る、その労働時間を農業以外の所得から、要するに農業、その事業を遂行したことによって、農業の中の増加分じゃなくて、手間があいだがらその分よそに行って、例えばそれによって働けるだろう、その中でそれを計算してその償還を考えているように実は思えるわけでありますが、これは実は兼業収入を当てにしていることだと思う。これは私は果たして正しいかどうかということを思うのですが、こういうことについて、局長、どのようにお考えでございますか。

入澤肇農林水産省構造改善局長

○入澤政府委員 一般的に私ども圃場整備をやる場合に、あるいはほかの土地改良もそうなんですけれども、反一俵程度の負担金になるようにいろいろな工夫を凝らそうじゃないかとやっているわけでございます。  今四割と言いましたのは、一つのケースとして四割という話がございますけれども、私ども今いろいろ努力していまして、もう先生に御説明したとおり、計画償還制度であるとか円滑平準化制度であるとか、いろんなことをやって、大体二万二千円ぐらいの平均的な負担を一万六千円くらいに軽減するように今努力しているわけでございます。こういう努力をして農家負担を軽減するのですが、それは全体の農家所得の中から負担してもらう以外にない。  兼業奨励ということでなくて、これは新政策でも、自民党 社会党におきましても十分に説明したところなんですけれども、これからの農政は地域複合ですね。地域全体で計画的な土地利用をやって複合経営をやる。同時に、個別経営が、地域複合経営の中で、作物の選択をして複合経営をやって、可能な限り農業の生産現場で労働力を燃焼するという方向が健全な農業のためにいいのではないかということで、必ずしも兼業を奨励しているわけではござ、ません

栗原博久自由民主党

○栗原(博)分科員 確かに、今後とも農業部門で余剰の分を燃焼するようにしなければならぬと思いますので、ぜひひとつそういうこともお願いします。  それから、この土地改良事業の償還が大変苦しいということで、皆さんも大変御努力されて、平成元年までの過去の土地改良事業費については、負担軽減の措置を図られ、ガイドラインができるということで今日を迎えておるわけでありますが、その中で、各国営事業等、例えば国営のかんがい排水をやった場合、一般的に、国が六〇%、県、農家負担がおのおの二〇%ということで、かつては市町村負担はなかったわけですけれども、新潟県のようにいろいろ機敏に対応したところもございます。そういうことで、余りにも事業費が高まったということで、かんがい排水の国営事業を初めとする各種事業は、土地改良の負担金総合償還事業ですか、これによってこうして救済されているわけでありますが、それでもまだ農家は大変困っていると私は思っておるのです。  お話を承ると、山のピーク、三割以上のところは削って、それをもう繰り延べして償還するということで、例えば私どもの新津郷という土地改良区があるのです。これは、事業時点においては、十七年償還で毎年反当たり三万二千百四十二円の償還であった。それが計画償還の助成によって八年繰り延べになって、二十五年で返済する。それが二万一千三百六十円になった。それでも足りないということで、平準化の八年を含めまして、これはまあ軽減を含めると思うのですが、県営負担等の償還を含めて二万三千五百円になったということで、地元の小川久新津郷土地改良区理事長を初め役員は大変な御努力をされておるのであります。  こういう中、もっとこれを引っ張り上げてくれるようないい方策がないかと実は私は思っているわけです。要するに、今後の負担の軽減についてどのようなお考えがあるかということをちょっと局長にお聞きしたいと思うのです。

入澤肇農林水産省構造改善局長

○入澤政府委員 御指摘のとおり、新津郷はほかの地区の平均に比べますとかなり負担率は大きい。ほかの地区だと、昭和六十三年度から平成四年までに完了した二十八地区の平均で見ますと、十アール当たりの農家年償還が三千六百五円、これが新津郷の場合に、今先生が御指摘になったように二万一千四百円近くなっております。しかし、軽減対策、工種別の完了制度とか計画償還制度の措置を講ずるとかいろいろな軽減対策を講じますと、我々の計算では、新津郷でも一万六千五百円になります。  これをさらに軽減していくかどうかということにつきましては、これはむしろ、これから土地改良全般の負担金の増高を食いとめて軽減していくということでいろいろな検討を行っているのですが、その一環としてさらに検討を進めなければいけないと考えております。

栗原博久自由民主党

○栗原(博)分科員 今あなた一万幾らとおっしゃいましたね。それは新津郷ですか。新津郷のどの事業ですか。

入澤肇農林水産省構造改善局長

○入澤政府委員 これは、新津郷の全体を平均しますと、軽減対策後一万六千五百円くらいになるのです。先生がおっしゃった二万一千三百六十円、これはピーク時の返還額です。これを平均すると一万六千五百円ぐらいになるということでございます。

栗原博久自由民主党

○栗原(博)分科員 ピークと平均はわかりますが、私ども農家は、実際出すのは、土地改良区の維持費も含めて一反三万近く出しているのですよ。その数字のポイントをどこにつかむかによって違うかわからぬけれども、大変多額になるわけであります。しかし農家は、みずからが負担してみずからが払うその額に頭があるわけでありまして、これについて今後ともぜひひとつ再検討していただきたいと思います。  次に、土地改良事業費が、完成しますと、当初の事業に比べてどうも高くなっているということを私は思うのであります。  例えば新津郷土地改良区でございますが、私ども当初、四十七年度八十六億でやる事業が、完成した平成元年には三百十八億、約三・七倍の事業費を来している。これは一つのサンプルであります。あるいはまた、川の反対方、南部郷土地改良区、これはちなみに土地改良の総合整備事業ということで、須走地区で五十八年に事業をやりました。十一億二千三百万の事業費が平成五年になりますと十八億三千九百万ということで、これは決して新津郷とか南部郷土地改良区のみならず、国全体でこういう数字が出ていると思うのです。  作目、関係の担当の方からお聞きしましたら、昭和四十年ころやった事業費が、六十三年から平成四年度の完成した事業の平均が、例えば十アール当たり償還の三千百九十一円が、完成後にはおおむね一万五千百八十三円に相当する。当初に比べて約四・八倍ですね。そうしますと、私ども農家は、同意書をもらいにくるときは喜んで同意するわけです。さて償還の段階になりましたら、幾ら何でも二倍ぐらいだったら我慢できると思うのですが、四倍、五倍、ひどいときは、皆さんの統計によりますと六十三年の完工は七・五倍になっている。私は、この土地改良の進め方にどこか問題があるのじゃなかろうかと実は思うのですよ。  それは、皆さんは労務費とか資材費が値上がりしたとか、あるいはまた圃場の中における工事の問題で、勾配をもっと緩くするために金がかかったとか、あるいは地元の要望で事業費が上がったとか、あるいはまた、話を聞きますと、現地の地質で予期せぬことが起きたというふうなことを承っております。  我々農家は、頭はいいのですが、学問をしていなかったために実は理解できないわけでありまして、これはやはり設計の段階にわかることだし、皆さんは優秀な官僚でありますから、今後、事業を遂行する場合はこういう点を十二分に理解していただきたいと思うのですが、これについてどのように今後進められるか、ひとつ御所見をお伺いしたいと思います。

入澤肇農林水産省構造改善局長

○入澤政府委員 ただいま先生の御指摘のとおりでございまして、実態は、昭和六十三年度から平成四年度にかけまして完了した国営かんがい排水事業地区二十八地区の平均は、当初計画時に比べて総事業費で三・一倍。それから、十アール当たりの農家年償還額は、計算上はおおむね四・八倍になっております。また、こういうふうに償還額がふえた理由につきましても、先生今御指摘されたとおりでございます。我々もこういうふうなことを憂慮いたしまして、逐年いろいろな改善をやっているわけでございます。  例えば、農家負担の軽減のために、工種別の完了制度を設けるとか、あるいは計画償還制度の措置を講ずるとか、あるいは先ほどの新津郷の場合には、市町村負担というものがなくて地元負担に、全部二〇%かけていたものですから高くなってしまったのですけれども、その後の自治省等の協力を得まして、地方財政措置の融通によって地方公共団体の負担を仰ぎ、そしてそれによって農家負担を軽減しようじゃないかというふうなこともやっておりまして、それらの結果、完了した二十八地区の十アール当たりの農家年償還額というのは、最終的には当初並みの額の一・一倍というふうに軽減措置を講じているところでございます。これからもこういう措置は継続して充実していかなければいけないというふうに考えております。

栗原博久自由民主党

○栗原(博)分科員 ぜひひとつ関連の事業の救済をお願いしたいと思います。  最後に一つ、御質問よりも要望でありますが、土地改良区の生き残りです。土地改良区によっては人件費が払えない土地改良区もあるわけでありまして、ぜひひとつ事業促進、あるいは新規事業を採択していただきたいということが土地改良区の要望でありますし、特に人件費等の組織管理の経費これを何とか救済する道があるやに伺っておる。地方自治体の特交ですか、市町村がその救済の道もあるように伺っております。ぜひひとつ自治省と、あるいはまた地方公共団体と緊密な連絡をとっていただきまして、人件費の救済もひとつ御便宜いただきたいと思います。  最後に、今の土地改良費の償還の問題ですが、農林漁業金融公庫で借りたものを借りかえできないか。金利が大体六・五%で借りておるわけですが、そのころの公定歩合が、恐らく前までは四か五%でした。きょうの公定歩合は一・七五%ですよ。むしろ農林漁業金融公庫からお金を借りるよりも地元のプロパーの農協から借りた方が、今は固定でも四%で貸す農協もあるわけですよ。多額な土地改良費を借りておりますと、六・五引く四ですから二・五%。だから、大きな土地改良区になるとやはり一億ぐらい違うところもある。  こういうことで 制度はわかりますが、こういう変動相場、変動金利の中において、土地改良の事業費の償還金の返済の利子についても適切なる御指導をひとつ賜りたいということを最後に御要望申し上げまして、質問を終わらせていただきます。  また、ぜひひとつ木幡政務次官に申しますが、農業はあなたと私だけが、実は国会議員の中で現実にやっているのは二人だそうです。ひとつ党派を超えて、また日本新党の中における米の自由化、まさしく一〇〇%容認論者はあなたのお力でひとつつぶしてくれるように御期待して、私の質問を終わります。ありがとうございました。

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 これにて栗原博久君の質疑は終了いたしました。  次に、荒井広幸君。

荒井広幸自由民主党

○荒井(広)分科員 委員長初め農林省の皆さん、そして政務次官、まことに御苦労さまでございます。  ただいまの栗原委員の質問に続きまして、その土地改良事業のいわゆる負担という意味からお話を進めさせていただきます。また、もう一点は、これは通告いたしませんでしたが、政務次官、これは後で時間があれば、日本新党の政策と新農政のすり合わせの問題、それからこの分科会がどうして大臣抜きで行わなければならないか、こういった二点については極めて政治的な問題でありますので、時間の許す限りでこの三点について御意見をお聞かせいただき、また申し上げたいと思います。  土地改良事業の中で、一つは農業用水にかかわる、つまりダムでございます、このダムについての負担軽減というようなこともまた同時に大きな問題であります。  私は一点、自由民主党の農政の中にあって、ある部分大変反省をしなければならないところがあった、昨年の十二月十五日の合意、ウルグアイ・ラウンドの合意で非常に反省をすべき点があった、このように思うわけです。これは決して農林省に責任があるわけでなくて、政治の一つの判断において反省すべき点があった、こう思っている次第です。私は、その反省がなくては一向に農家農民の皆様方の御理解を得られない、こういう視点に当然に立つからであります。農家なくて、農民の方々がいなくては国は成り立ちません。また、当たり前ですが、国民不在の役所も政治もないわけであります。そういう点におきまして、この決算委員会、非常に予算委員会と同じ重みを持つわけでございますので、私はこの委員会において議事録に残して、反省すべき内容があった、政治的にあったということを率直に反省申し上げたいと考えている次第でございます。  その中で、農業用水でございますけれども、大変御苦労いただいているわけです。今も栗原委員からお話がありましたが、負担軽減措置についても今局長からるる御説明もありました。いろいろ御苦労いただいています。ただ、人情としては、なかなか受益者負担といっても割り切れないものもある。〇・○○一高くなっても不満であります。そういったところをお酌み取りいただきながら、できるだけ軽減をしていくということに御尽力をいただいているわけですけれども、例えば私の福島県に、千五沢母畑ダムと通称言っておりますが、これがございます。ここでは、五十一年に計画変更をして、受益面積が約四千から二千ヘクタールに縮小されるというようなこと、それから、先ほどお話があったように、いろいろな計画変更を余儀なくされたということがあるわけで旧す。  こういう中で、ますますウルグアイ・ラウンドで、私は批准という問題は大変難しい問題で、きょう午前中に佐藤委員、また同僚である松下委員からもお話があったと思いますが、批准というのは私はもっと検討しなければいけないというふうに思っているのです。しかし、ウルグアイ・ラウンドの合意という前提に仮に立てば、また見直しというものが出てくるのではないか。そうすると、今後また受益者負担というものがかかわってくる。重い方に変わってくるのではないかというふうに、予想を悪い方にしておくべきだと思うのですね。  そういう意味において、局長さん、いかがでしょうか。例えば、この石川の母畑ダムのように何とか受益者負担を減らしてもらいたい、こういう要請が関係市町村、県からも出ているのだろうと思うのです。全国で今計画を進め、建設中のダムでそのような御要望が県から出ているとすれば何件か。あるいはもし、かいつまんで、中身は軽減ということですが、特に際立ってこんなことをしてもらいたいというような要望があればお示しをいただきたいと思います。

入澤肇農林水産省構造改善局長

○入澤政府委員 現在実施中の国営土地改良事業のうち、ダム建設を含む地区は全国で六十九カ所ございます。このうち、計画変更してダムの貯水容量等を少なくする、変更するというふうなことを検討しているところは六地区程度ございます。

荒井広幸自由民主党

○荒井(広)分科員 そのようにやはり切実な問題、そしてまたウルグァイ・ラウンドの経過によって、特にスペシャルトリートメントの中にあるように、アー・アプライド・ツー、効果的な生産調整をしていること、しているという、これは我々非常に重く、サザーランド事務局長と対談、交渉したときにも出ておる。まだそのときは文書として上がっていませんけれども、そのようなことが万が一、減反をするというようなことを、条件をのむのではないかということで話も出たわけでございますけれども、非常にそういうところを危惧している。そうなると、またまた今度は輸入は入ってくるわ、そして生産調整は当然備蓄米を持ちながらしていかなくちゃならないということになると、これから大変な負担という問題が出てくると思うのです。  こういうものを含めまして、先ほども出ておりましたけれども、特に農業用水等にかかわって、ダムにかかわって負担というものを極力少なくするという意味におきましてどのような対策を講じられようとしているのか。その点、局長さんにお尋ねをいたします。

入澤肇農林水産省構造改善局長

○入澤政府委員 ダムに関しては、農業用水に利用する目的で我々かん排事業をやっておるわけでございますけれども、水を上水なり工水に売り渡すというふうなことで、それによって実際上農家負担を軽減するというふうなことも考えていかなくちゃいけないと思っております。  その他の土地改良一般につきましては、ようやく一千億円のお金を積むことができまして、この一千億円のお金を取りましながら、例えば土地改良区等が返還金を、償還金を金融機関から借りる場合に、その金利を無利子にする、無利子にするために利子補給するというふうな措置を講じておりますが、この一千億円のお金を十分に使いながら負担軽減を図っていきたいと思っております。この一千億で足りないような場合が生じましたら、これはさらに基金を積み増すというふうな努力をやっていきたいというふうに考えております。

荒井広幸自由民主党

○荒井(広)分科員 基金というようなことももちろんあると思いますが、共同事業というようなこともあると思うのです。いろいろなこともありますから、とにかく農業があって初めて農家の方々の生活があるのみならず、我々の食生活、国の基本が成るのだという視点に立てば、非常に積極的な対応をぜひお願いしたいと思うのです。  例えば共同事業等々のやり方というのもあると思うのですが、ちょっと御説明をいただければ幸いです。

入澤肇農林水産省構造改善局長

○入澤政府委員 今先生御指摘のとおり、農業用ダムであっても、実際上農業用水が減反等のせいで余るというふうな場合には、その水を上水道あるいは治水、工業用水等に向ける事業をやっているわけでございます。現在までのところ、国営土地改良事業側で施行した共同ダム、これは建設省等とやっているわけですけれども、これは全国で二十五カ所に上っております。  我々としては、ダム工事費における土地改良の持ち分率の高いものは農業側でやる、それ以外のものは他の事業側でやるというふうな原則を立てまして、それに従って事業を実施しているわけでございます。

荒井広幸自由民主党

○荒井(広)分科員 局長さん、こういう点をもっと全国に、一般の生活者の方にも御説明しませんと、単に農林省だけに国のお金をつぎ込んでいる、農家過保護じゃないか、こういう論議なのです。しかし、今お話があったように、例えば二十五カ所程度は建設省と御一緒にやっているわけでしょう。それは生活する側の立場に立って、それは農家だけの軽減じゃないのです。農家の受益という意味での受益者だけじゃなくて、広く提供できる受益を考えての共同事業だと思うのです。農林省は宣伝が下手ですよ。そういうことだから米が入ってしまうのです。  こういう点をしっかりと、私は、宣伝を含めて今後も柔軟に、前向きに、農家のための負担軽減じゃなくて、そこにまつわる、生活する、上水もあれば工業用水もある、いろいろな形でみんなが潤うのだ、こういう形で前向きに、例えば今のような共同事業化も考えていただきたいと思いますが、いかがでございましょう。

入澤肇農林水産省構造改善局長

○入澤政府委員 全く御指摘のとおりでございまして、PRにつきましては、私ども農林省は反省すべきところが多々あります。  農林省が行っている事業が農業側だけに役立っているのではなくて、都市住民、あるいは混住社会でございますから、農村における農業以外の産業、職業に従事している住民にとってもいかにメリットが付与されているかということにつきましては、例えば圃場整備事業を実施して、その圃場整備事業の創設換地をやったり、異種目換地をやったりして住宅用地を捻出している、そういうふうなこともございますし、今のダムのように上工水を生み出している場合もございますし、農地開発をやっても、農地開発の一部には今再編整備事業として用地をつくって公園なども提供しております。そういうふうなことはこれからもっとPRしていかなくちゃいかぬというふうに考えております。

荒井広幸自由民主党

○荒井(広)分科員 そのような対応で柔軟にしていただきたいと思うのですが、そのように、規制緩和と言うと非常に国民の皆さんの理解を求めやすいものですから、我々つい規制緩和と言うのです。しかし、今お話があったような点をしっかりかみしめれば、実はスクラップ・アンド・ビルドなんです。何でも規制を緩和すればそれでいいということではないと思うのです。新しければそれでいいということではないと思うのです。しっかり守っていくべきものもある。  こういう点をきちんと考えますと、実際今のようにやっておられるわけでしょう。農家のためだけじゃなくて、具体的にもやっておられるわけです。省益があって国益がないと我々常に言うのです。そういうものもいっぱいあります。あるからそこはいわゆるスクラップをしなさい、したらどうでしょうか、こう御相談しているわけです。そういう意味でいえば、今みたいないいところはどんどん障壁を取っ払っているわけです、建設省と農林省という意味では。そういうものもぜひどんどんやっていただき、またそれを、こういうものもあるのだということもぜひ国民の皆様方に正しく広めていただきますように、この点をお願いを申し上げたいと思います。  さて、私もいただいている時間でございますけれども、ある程度分担をして自民党の我々若手が質問させていただいているわけです。  まず、塩谷委員長、御苦労さまでございます。  私は、非常に不満を持っているわけなんです。というのは、今二年度、三年度ですね。四年度の決算ができないから、今こうして分科会という形式を初めてとっているわけです。しかし、こういう分科会——決算というのは予算と同じように重要ですよ、これは。もう極めて重要である。九十条には、会計検査院がきちんとやる、ここまで明記されているぐらい重要でありますから、そういう意味で、大臣が出ないこのような分科会ということ、過去には社会党、公明党、民社党さんが反対をして開けなかったということがあったのです。しかし、今回は稲垣委員長が、自民党でありますが、もう国民にとってマイナスになることはやるわけにいかないということで、自民党の委員長が、つまり委員長が自民党という立場でこれを開いているわけです。  しかし、大臣は来ないわけですよ、予算委員会をやっておりますから。この責任の所在を明確にしなければ——私は、木幡政務次官で不服だということを申し上げているのではないのです。大臣が出なくて、予算のその成果がどれだけ上がり、次の年度の予算に組み込まれるかという、こういう重要な問題を大臣抜きでやるということを理事会はどういうように考えていらっしゃるのですか。  私はそこを、委員長に大変失礼でございますが、説明を求めるのは自民党側でありますから、寛容にしてこうやって国民の立場に立ってやっている、国会の審議を進めているということで、これは国民の皆様にもきちんとわかっていただかなければならないので、理事会に持って帰っていただきまして、ぜひ理事会で、このように大臣が欠席をする中でこうした分科会ということで決算の審議をするということは、極めてこれは国会あるいは国のためにならないということで、強く異議を申し立てていただきたいのです。その先は、これは連立政権であります。  細川総理に我が自由民主党が、十二月下旬に予算を決めなければ、これは何ともなりませんよと。そしてずるずると来て、羽田内閣になり、またこんなことのありさまなんです。こういうことを、細川そして羽田内閣と責任を明確にしていただきたいという、強い異議を申し立てていただきたいと思いますが、その点だけお答えいただきたいと思います。

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 この決算委員会の重要性は我々も十分承知の上で今進めているわけですが、今の荒井広幸先生の趣旨、十分理事会に伝えますので、その点はしかと了解しておきます。

荒井広幸自由民主党

○荒井(広)分科員 極めてこのような異例な、国会を軽視する、委員会を軽視するというようなことのないように、くれぐれもお願い申し上げます。責任の所在を明確に口頭でいただきたいというふうに思います。  そして、木幡政務次官、就任御苦労さまでございます。就任早々でございますが、こういう状況、連立の日本新党の一員として、また政策等々の重要な立場にもいらっしゃるということですから、どのようにこの審議経緯、そして今日というものをお考えになりますか。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 国会のことを、国会運営のことにつきまして多くを申し上げる立場にはございませんが、ただ、先生御指摘のとおり、国民生活にとって大変重要な当初予算の速やかなる審議と議決といいますのは大変重要なことでございますので、それに向けて、私どもももちろんでありますが、国会の中でもそれぞれの立場で御努力をいただいておるものと、かように理解をしておるところでございます。

荒井広幸自由民主党

○荒井(広)分科員 言っている意味がちょっとわからないわけでありますけれども、当初予算は、これはもう極めて大事です。しかし、それが延びてきたからこのようにしわ寄せがきている、こういうことなんです。その点についていかがお考えでございますか。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 国会の日程等につきまして私の方で申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。

荒井広幸自由民主党

○荒井(広)分科員 今後の問題についてはそのようなお話になろうかと思いますが、現実的にこの分科会を開いた。では、この結果について、国会の結果について、自由民主党の委員長が英断を振るって、寛容にしてこの会を開きました。予算を妨げないためであります。四年度の決算の審議をするためでもあります。この点についての御評価をいただきたいと思います。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 繰り返し申し上げておりますが、国会運営等あるいは日程等につきましては私の方から申し上げる立場にはございません。  ただ、今先生御指摘のとおり、大臣欠席の状態、予算委員会と並立して行うという、決算委員会の委員長並びに議運並びに国会関係の方々の御努力によりまして、このような形で開かれたものと認識をいたしております。

荒井広幸自由民主党

○荒井(広)分科員 まあ余りはっきり言いたくないでありましょうけれども、我が自由民主党も是々非々でやるという姿勢のあらわれでございます。日本新党もそうだったと思うのですね。是々非々でやろう、こういうことなんです。政務次官もそうであります。同じ福島であります。伊東正義代議士、お亡くなりになりましたが、あの先生のようにやはり信義に厚く、国家国民を考えた行動をしようというので我々出てきたのではありませんか。そういう意味においてはもっと率直に、日本新党、細川さんも言っておられたのですよ、こういうような審議の仕方をしたらどうだ。これは小沢さんも言っておられた。非常に残念な形でありますが、このような審議の形になった。私は評価したい面もある。ところが、大臣が欠席してやるようであっては、どうなのかな、そういうところは私は非常に疑問を持つのであります。  ですから、今我々がここで論じている中身はもとより、この形式が、これからの連立内閣の時代の政権交代という日本の政治の局面にあって、このあり方、運営の仕方、そこでの我々の討論というのが試金石として極めて問われているということを共通認識としたいと思いますが、いかがでございましょうか。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 国会運営等につきましては、各党それぞれに国会改革というものに対する小委員会並びに検討会等をお持ちのはずでございますし、その中で、今までの行政と国会のあり方、あるいは国会と各政党のそれぞれの日程等々の国会運営にかかわる意思の決定の仕方、それぞれ御意見があるというのは承知をいたしておるところでございますし、これを契機にさらに一層それぞれの立場で国会運営あるいは国会改革にかかわる意見が出て、集約されるものであろうと認識をいたしております。

荒井広幸自由民主党

○荒井(広)分科員 国会改革あるいは審議の仕方ということで、そのようにやっていこうというお話をいただきました。百歩譲って、私も同感でございます。熱意の入れ方ということは違いがあるかもしれません。  さて、次は中身の問題であります。日本新党は少なくとも米自由化を容認をされておられます。政務次官、いや、政務次官になる前の木幡弘道衆議院議員候補者としては、それについては日本新党の党員としてどのような御意見で、選挙で国民の皆さんの審判を仰いだのか、御意見を賜ります。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 私個人のことでございますが、私は、先ほど申し上げましたとおり、一・三ヘクタールの稲作を経営している農家でございます。もとより、農立たずんば国立たずというのが私の座右の銘でありますから、農業振興にかける意欲というものは人後に落ちないと自負をいたしておる者の一人でございます、非力ではありますが。  しかしながら、今日的な状況を考えまするときに、中曽根総理時代の倉成外務大臣がウルグアイに参りまして、第一回目のウルグアイ・ラウンド交渉を行った、これは八六年だったと記憶しておりますが。それから七年の間に、前政権、前々政権、それぞれの立場でラウンド交渉に御腐心をいただいた。その結果、大変な御努力の結果、最終的には、総合的な国家的利益を考えたときに、万やむを得ざる状態としてドゥニー調整案を受け入れた、そういう歴史的な経緯があるわけでございますので、確かに農業の問題、国境措置の問題をこのままかたくなに続けていくという考え方も一方にあるでしょうし、あるいは国民的、総合的な利益をどう保持していくのか、その中で国内生産における足腰の強い農業の確立をして、何とか我が国の食糧の自給率の向上を図っていこうという意見もございますし、あるいは消費者サイドからいいますならば、やはり消費者サイドとしてのニーズもございますでしょう。そういった今日的な状況を考えたときには、万やむを得ざる状況での苦渋の決断であったというふうに認識をいたしておるところでございます。  最後に、私自身の問題と私の所属をしております党の問題でございます。  私の党の基本的な姿勢といいますのは、農業に対して、ややもすると、従来、価格政策、出口の面における社会保障政策の傾向が色強く出ていたというような反省に基づき、より足腰の強い産業としての構築、すなわち総合的な生産基盤を強める、あるいは流通面における検討課題、あるいは系統組織の組織強化等々、国内面におけるいろいろな反省に基づいた形で国内の農業生産基盤を強くしていこう、こういう基本的な考え方に基づいておりまして、そういう意味では、巷間うわさされておりますように、日本新党は農業を軽視しているのだとは私自身思っておりません。  農業を考えます場合に、四十八年の小麦ショックの問題あるいは国民的な国家食糧安全保障の見地あるいは環境の保全等々、こういう問題を考えまするときに、やはりきちっとした形で、一億二千万総国民が我が国の食糧と農業の問題については意見を出し合いながらコンセンサスを得ていくべきだ、かような考え方に基づいて政治活動を行っておりますので、どうぞ御理解を賜りたい、かように思います。

荒井広幸自由民主党

○荒井(広)分科員 といいますのは、新農政なんですね。これは、農林省、そして本当に働いている、生活をしている農家の皆さん、また自民党が一体となってつくったわけです。この精神、方向というものをきちんと踏まえて御活動いただけると私は解釈をいたしておりますが、うなずいていただければ結構です。そのとおりでございますね。ありがとうございます。  続けてお願いいたします。  お話にありましたが、加藤大臣がまさにウルグアイ・ラウンドのときの大臣でございました。さきの大臣は通産大臣になられました。どのように御見解をお持ちになりますか。政務次官にお尋ねいたします。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 御趣旨をもう一度。

荒井広幸自由民主党

○荒井(広)分科員 農林大臣が横滑りという形で通産大臣に就任されました。いろいろな御意見があると思います。私は、国益という意味では同じだろうと思いますね、両省庁とも。しかし、その国益を受ける側という意味で、農業者という表現がよろしいでしょうか、かなりスタンスが違うと思うのです。横滑りで通産大臣になられるということは、果たしてそういうことが大臣として道義的にも可能だったのかなと私は思うわけですが、その点についての御感想、御所見があればお願い申し上げます。

木幡弘道改新農林水産政務次官

○木幡政府委員 組閣についてのコメントを申し述べる立場ではございませんが、ただ、先生御指摘の、あるいは推測をいたしますと、第二次産業と第一次産業のそれぞれの所管するところで大臣が交代をしたということはどうか、こういうことではなかろうか、こう思うのであります。  私の考え方といたしましては、今申し上げましたとおり、第一次産業がどうだ、第二次産業がどうだ、第三次産業がどうだという、それぞれの産業別に物を考える時代というのはこれまでございました。しかしながら、先生御指摘のとおり、第一次産業の就業人口といいますのは年々減っております。しかしながら、一方で第三次産業の就業人口というのは極端な伸びを示し、第二次産業もそこそこの伸びを示している。我が国の産業構造の比率において、しからば一次産業から三次産業までのそれぞれ適正な就業人口比率あるいはそれぞれの産業における国民総生産がどうあるべきかという問題は、単に農水省の問題でもなければ、単に通商産業省の問題でもなかろう、こう考えておるところでございますので、そういう意味では、我が国の産業振興という見地からすれば、通産省も農水省も、あるいは他の省庁もひとしく知恵を絞りながら、連携するものは連携する、あるいはお互いに議論をするものは議論をしながら、我が国の産業を構築していくのが筋であろうと私自身は考えております。

荒井広幸自由民主党

○荒井(広)分科員 私の次の質問まで拾っていただきまして大変ありがたかったわけでございますけれども、一番の問題は、これだけ、日本の歴史上初めてですよ、米というものを受け入れる。米というものがいかに重要であり、歴史に根差し、日本人そのものであるかということは論をまちません。それをわずか一週間で合意をする。我々が向こうに行ったときにも、農林大臣も総理大臣も行ってない状況であります。それだけ重い責任をしょっている農林大臣が批准を前にしてかわるということの、私はその考え方を言っているのであります。  羽田総理がそんなに簡単に農業を扱っているのですか。だれも行ってないところで、曲がりなりにも三カ月前ぐらいにざっと歩いた農林大臣ではありましたけれども、しっかり最後まで見届けて農業者対策、農業対策までやるというのが連立内閣の理念でないのですか。このような、大臣までかえて、そしてこの重要な問題に取り組もう、批准に臨もう、私はこういうところの大変大きな政治的欠落を申し上げたいのであります。理念の欠落を申し上げたいのであります。そこを強く申し上げておきたいと思います。  そして、しまいになりますが、六年、七年目にさあ再交渉だ、こうおっしゃいますが、これは違います。私たちはそういう認識をしてない。これは繰り返しません。だとするならば、十カ年計画、構造改善局長さんにお尋ねしますが、十カ年計画、合意の前ですよ、そのスピードで間に合いますか。もっと積極的に予算をつけなければ間に合わないのではないですか。計画の見直しなり前倒しなり、どのようなことをお考えですか。

入澤肇農林水産省構造改善局長

○入澤政府委員 現在、土地改良長期計画は十カ年計画で閣議決定を見ておりますけれども、状況の変化に十分に対応するように前倒しをするとかいろんな工夫をしまして、万全の措置を講じてまいりたいと考えております。

荒井広幸自由民主党

○荒井(広)分科員 あとわずかになりましたので、最後にもう一度お尋ねしますが、今年度の予算でそのような工夫は盛り込まれておられますか。

入澤肇農林水産省構造改善局長

○入澤政府委員 ことしの予算におきまして、御承知のとおり、まず財政制度審議会でA、B、Cのランクがつけられまして、私ども農業基盤はCに位置づけられまして大変苦労したところでございます。そのCをAにするために一生懸命努力をする。その努力の過程の中で、大幅に補正予算で予算を充実させていただきましたし、その他予算措置の方もいろんな工夫を凝らしまして、可能な限り公共全体に占めるシェア、これを確保することに努めたということでございます。

荒井広幸自由民主党

○荒井(広)分科員 さらにスピードアップ、予算の増額をしなければこれは本当に問題になる、そういう中で農林大臣がかわっているということですから、私はそういうところにも大変な不満、憤りを申し上げまして、質問とさせていただきたいと思います。  関係の皆様、ありがとうございました。

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 これにて荒井広幸君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、農林水産省所管、農林漁業金融公庫の質疑は終了いたしました。

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 これより科学技術庁所管について審査を行います。  まず、概要説明を聴取いたします。萩野科学技術政務次官。

萩野浩基新緑風会科学技術政務次官

○萩野政府委員 科学技術庁の平成二年度決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計の歳出決算について申し上げます。  平成二年度の当初歳出予算額は三千六百九十八億三千八百三十四万円余でありましたが、これに予算補正追加額三十四億七千九百三万円余、予算補正修正減少額五十億一千五百八万円余、予算移しかえ増加額五千四百七万円余、予算移しかえ減少額七十二億四千三百四十五万円余、前年度からの繰越額三億三千四百六十万円、流用等減少額二千九百六十八万円余を増減いたしますと、平成二年度歳出予算現額は三千六百十四億一千七百八十二万円余となります。この予算現額に対し、支出済み歳出額三千六百八億九百四万円余、翌年度への繰越額三億六百八十五万円余、不用額三億百九十二万円余となっております。  次に、電源開発促進対策特別会計のうち、科学技術庁所掌分の歳出決算について申し上げます。  まず、電源立地勘定につきましては、平成二年度歳出予算現額は二百八十二億三千二百八十三万円余であります。この予算現額に対し、支出済み歳出額二百十一億一千三百七十六万円余、翌年度への繰越額三十二億三千九百万円余、不用額三十八億八千六万円余となっております。  次に、電源多様化勘定につきましては、平成二年度歳出予算現額は一千二億九千三百五十六万円余であります。この予算現額に対し、支出済み歳出額九百六十三億一千六十五万円余、翌年度への繰越額三十六億二千八百四十五万円余、不用額三億五千四百四十五万円余となっております。  以上、簡単でありますが、平成二年度の決算の概要を御説明申し上げました。  よろしく御審議のほどお願いいたします。  続きまして、科学技術庁の平成三年度決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、一般会計の歳出決算について申し上げます。  平成三年度の当初歳出予算額は三千八百九十五億一千六百三十二万円余でありましたが、これに予算補正追加額二十一億四千百九十三万円余、予算補正修正減少額八十一億八百八万円余、予算移しかえ増加額四千八百六十四万円余、予算移しかえ減少額七十四億五千三百三十一万円余、前年度からの繰越額三億六百八十五万円余を増減いたしますと、平成三年度歳出予算現額は三千七百六十四億五千二百三十六万円余となります。この予算現額に対し、支出済み歳出額三千七百五十七億三百十五万円余、翌年度への繰越額三億三千五百八十七万円余、不用額四億一千三百三十二万円余となっております。  次に、電源開発促進対策特別会計のうち、科学技術庁所掌分の歳出決算について申し上げます。  まず、電源立地勘定につきましては、平成三年度歳出予算現額は三百十三億五千四百十八万円余であります。この予算現額に対し、支出済み歳出額二百十九億三千五百七万円余、翌年度への繰越額四十三億一千三百四十九万円余、不用額五十一億五百六十二万円余となっております。  次に、電源多様化勘定につきましては、平成三年度歳出予算現額は一千四十六億九百二十万円余であります。この予算現額に対し、支出済み歳出額九百八十一億九千七百九十二万円余、翌年度への繰越額五十億六千九百七十万円、不用額十三億四千百五十八万円余となっております。  以上、簡単でありますが、平成三年度の決算の概要を御説明申し上げました。  どうぞよろしく御審議のほどお願いいたします。

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院中島第五局長。

中島孝夫会計検査院第五局長

○中島会計検査院説明員 平成二年度科学技術庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。  次に、平成三年度科学技術庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 この際、お諮りいたします。  お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————    平成二年度科学技術庁決算に関する概要説    明                 科学技術庁  科学技術庁の平成二年度決算につきまして、その概要をご説明申し上げます。  まず、一般会計の歳出決算について申し上げます。  平成二年度の当初歳出予算額は、三千六百九十八億三千八百三十四万円余でありましたが、これに予算補正追加額三十四億七千九百三万円余、予算補正修正減少額五十億一千五百八万円余、予算移替増加額五千四百七万円余、予算移替減少額七十二億四千三百四十五万円余、前年度からの繰越額三億三千四百六十万円、流用等減少額二千九百六十八万円余を増減いたしますと、平成二年度歳出予算現額は、三千六百十四億一千七百八十二万円余となります。この予算現額に対し支出済歳出額三千六百八億九百四万円余、翌年度への繰越額三億六百八十五万円余、不用額三億百九十二万円余となっております。  次に、支出済歳出額の主なる費途につきまして、その大略をご説明申し上げます。  第一に、原子力関係経費といたしまして一千七百二十四億一千十七万円余を支出いたしました。これは、日本原子力研究所における原子力施設の工学的安全研究、核融合の研究、高温工学試験研究、原子力船の研究開発等の原子力関連試験研究及び各種原子炉の運転、動力炉・核燃料開発事業団における高速増殖炉の開発、使用済核燃料の再処理技術の開発、ウラン資源の探鉱、ウラン濃縮技術の開発等のほか、放射線医学総合研究所における放射線による障害防止及び放射線の医学的利用に関する調査研究、原子力安全行政の強化等原子力平和利用の促進を図るために支出したものであります。  第二に、宇宙開発関係経費といたしまして一千百八十一億三千百九十四万円余を支出いたしました。これは、宇宙開発事業団における人工衛星及びロケットの開発、打上げ及び追跡、宇宙環境利用の総合推進並びにこれらに必要な施設等の整備、航空宇宙技術研究所におけるロケットエンジン等に関する基礎的、先行的試験研究、種子島周辺漁業対策事業の助成等のために支出したものであります。  第三に、海洋開発関係経費といたしまして九十六億三千二百五十一万円余を支出いたしました。 これは、海洋科学技術センターにおける深海潜水調査船の研究開発、海洋観測技術の研究開発等のほか、関係省庁の協力により実施した海洋遠隔探査技術の開発研究等のために支出したものであります。  第四に、試験研究機関経費といたしまして、当庁の試験研究機関のうち、航空宇宙技術研究所、金属材料技術研究所、防災科学技術研究所及び無機材質研究所における各種試験研究及びこれに関連する研究施設の整備、科学技術政策研究所における各種調査研究等を行うための経費として百九十六億八千三百十三万円余を支出いたしました。  第五に、科学技術会議の方針に沿って我が国の科学技術振興に必要な重要研究業務の総合推進調整を実施するための科学技術振興調整費、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムの推進のための経費、理化学研究所における基礎研究推進のためのフロンティア研究等を行うための経費,新技術事業団における創造科学技術推進事業、国際研究交流促進事業等を行うための経費、日本科学技術情報センターの事業を行うための経費等として四百九億五千百二十八万円余を支出いたしました。  次に、電源開発促進対策特別会計のうち、科学技術庁所掌分の歳出決算について申し上げます。  まず、電源立地勘定につきましては、平成二年度歳出予算現額は、二百八十二億三千二百八十三万円余であります。この予算現額に対し支出済歳出額二百十一億一千三百七十六万円余、翌年度への繰越額三十二億三千九百万円余、不用額三十八億八千六万円余となっております。  支出済歳出額の主なる費途について申し上げますと、これは、電源立地促進を図るため、地方公共団体に対する電源立地促進対策交付金及び電源立地特別交付金の交付並びに原子力発電所等の施設、設備の安全性を実証するための試験等を行うために支出したものであります。  次に、電源多様化勘定につきましては、平成二年度歳出予算現額は、一千二億九千三百五十六万円余であります。この予算現額に対し支出済歳出額九百六十三億一千六十五万円余、翌年度への繰越額三十六億二千八百四十五万円余、不用額三億五千四百四十五万円余となっております。  支出済歳出額の主なる費途について申し上げますと、これは、基軸エネルギーたる原子力に係る技術開発の推進を図るため、動力炉・核燃料開発事業団における高速増殖炉原型炉の建設、新型転換炉の開発、使用済核燃料の再処理技術開発、ウラン濃縮原型プラントの運転等のための経費及び原子炉の解体技術開発の委託等を行うための経費として支出したものであります。  以上簡単でありますが、平成二年度の決算の概要をご説明申し上げました。  よろしくご審議のほど、お願い申し上げます。     —————————————    平成三年度科学技術庁決算に関する概要説    明                科学技術庁  科学技術庁の平成三年度決算につきまして、その概要をご説明申し上げます。  まず、一般会計の歳出決算について申し上げます。  平成三年度の当初歳出予算額は、三千八百九十五億一千六百三十二万円余でありましたが、これに予算補正追加額二十一億四千百九十三万円余、予算補正修正減少額八十一億八百八万円余、予算移替増加額四千八百六十四万円余、予算移替減少額七十四億五千三百三十一万円余、前年度からの繰越額三億六百八十五万円余を増減いたしますと、平成三年度歳出予算現額は、三千七百六十四億五千二百三十六万円余となります。この予算現額に対し支出済歳出額三千七百五十七億三百十五万円余、翌年度への繰越額三億三千五百八十七万円余、不用額四億一千三百三十二万円余となっております。  次に、支出済歳出額の主なる費途につきまして、その大略をご説明申し上げます。  第一に、原子力関係経費といたしまして一千七百十八億七千百三十八万円余を支出いたしました。これは、日本原子力研究所における原子力施設の工学的安全研究、核融合の研究、高温工学試験研究、原子力船の研究開発等の原子力関連試験研究及び各種原子炉の運転、動力炉・核燃料開発事業団における高速増殖炉の開発、使用済核燃料の再処理技術の開発、ウラン資源の探鉱、ウラン濃縮技術の開発等のほか、放射線医学総合研究所における放射線による障害防止及び放射線の医学的利用に関する調査研究、原子力安全行政の強化等原子力平和利用の促進を図るために支出したものであります。  第二に、宇宙開発関係経費といたしまして一千二百九十四億六千三十万円余を支出いたしました。これは、宇宙開発事業団における人工衛星及びロケットの開発、打上げ及び追跡、宇宙環境利用の総合推進並びにこれらに必要な施設等の整備、航空宇宙技術研究所におけるロケットエンジン等に関する基礎的、先行的試験研究、種子島周辺漁業対策事業の助成等のために支出したものであります。  第三に、海洋開発関係経費といたしまして百一億九千三百十一万円余を支出いたしました。これは、海洋科学技術センターにおける深海潜水調査船の研究開発、海洋観測技術の研究開発等のために支出したものであります。  第四に、試験研究機関経費といたしまして、当庁の試験研究機関のうち、航空宇宙技術研究所、金属材料技術研究所、防災科学技術研究所及び無機材質研究所における各種試験研究及びこれに関連する研究施設の整備、科学技術政策研究所における各種調査研究等を行うための経費として二百十三億一千百二十八万円余を支出いたしました。  第五に、科学技術会議の方針に沿って我が国の科学技術振興に必要な重要研究業務の総合推進調整を実施するための科学技術振興調整費、ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムの推進のための経費、理化学研究所における基礎研究推進のためのフロンティア研究等を行うための経費、新技術事業団における創造科学技術推進事業、国際研究交流促進事業等を行うための経費、日本科学技術情報センターの事業を行うための経費等として四百二十八億六千七百七万円余を支出いたしました。  次に、電源開発促進対策特別会計のうち、科学技術庁所掌分の歳出決算について申し上げます。  まず、電源立地勘定につきましては、平成三年度歳出予算現額は、三百十三億五千四百十八万円余であります。この予算現額に対し支出済歳出額二百十九億三千五百七万円余、翌年度への繰越額四十三億一千三百四十九万円余、不用額五十一億五百六十二万円余となっております。  支出済歳出額の主なる費途について申し上げますと、これは、電源立地促進を図るため、地方公共団体に対する電源立地促進対策交付金及び電源立地特別交付金の交付並びに原子力発電所等の施設、設備の安全性を実証するための試験等を行うために支出したものであります。  次に、電源多様化勘定につきましては、平成三年度歳出予算現額は、一千四十六億九百二十万円余であります。この予算現額に対し支出済歳出額九百八十一億九千七百九十二万円余、翌年度への繰越額五十億六千九百七十万円、不用額十三億四千百五十八万円余となっております。  支出済歳出額の主なる費途について申し上げますと、これは、基軸エネルギーたる原子力に係る技術開発の推進を図るため、動力炉・核燃料開発事業団における高速増殖炉原型炉の建設、新型転換炉の開発、使用済核燃料の再処理技術開発、ウラン濃縮原型プラントの運転等のための経費及び原子炉の解体技術開発の委託等を行うための経費として支出したものであります。  以上簡単でありますが、平成三年度の決算の概要をご説明申し上げました。     —————————————  よろしくご審議のほど、お願い申し上げます。

塩谷立自由民主党

○塩谷主査 以上をもちまして科学技術庁所管の説明は終わりました。  これより質疑に入るのでありますが、その申し出がありませんので、科学技術庁所管については終了いたしました。  次回は、明二十七日午前十時から本分科会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時十四分散会

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