決算委員会第一分科会 第1号
- 発言数
- 404 件
- 登壇者
- 47 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1994/05/26
会議録
○森主査 これより決算委員会第一分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査を務めることになりました森英介でございます。よろしくお願いいたします。 本分科会は、裁判所、会計検査院、内閣、総理府(本府、総務庁、環境庁)、法務省、大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行並びに他の分科会所管以外の国の会計についての審査を行うことになっております。 なお、各省庁の審査に当たっては、その冒頭に、決算概要説明、会計検査院の検査概要説明及び会計検査院の指摘に基づき講じた措置についての説明を聴取することといたします。 平成二年度決算外二件及び平成三年度決算外二件中、本日は、法務省、総理府(環境庁)、大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行、日本輸出入銀行、総理府(本府)及び内閣所管について審査を行います。 これより法務省所管について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。牧野法務政務次官。
○牧野(聖)政府委員 平成二年度法務省所管一般会計及び登記特別会計歳入歳出決算の大要を御説明申し上げます。 まず、一般会計の決算についてであります。 法務省主管の歳入につきましては、歳入予算額は八百八十三億二千百八十三万円余であります。 これに対しまして、収納済み歳入額は、八百七十六億千四百四十二万円余であり、歳入予算額に比べると七億七百四十万円余の減少となっております。 次に、法務省所管の歳出につきましては、当初予算額は四千五百五十億八千二百四十二万円であります。これに、予算補正追加額百三十五億七千九百七十三万円、予算補正修正減少額二十三億六千二十万円余、前年度からの繰越額二億三千百八十二万円余があり、差し引き百十四億五千百三十五万円余の増加がありましたので、歳出予算現額は四千六百六十五億三千三百七十七万円余となっております。 これに対しまして、支出済み歳出額は四千六百三十五億八千三十六万円余であり、その差額は二十九億五千三百四十万円余となっております。 この差額のうち翌年度へ繰り越した額は十三億九千五百八十七万円余であり、不用額は十五億五千七百五十三万円余であります。 次に、法務省所管登記特別会計の決算についてであります。 収納済み歳入額は千二百八十一億二千百二十六万円余であり、支出済み歳出額は千二百二十七億四千百二十八万円余で、差し引き五十三億七千九百九十八万円余の剰余を生じました。 この剰余金は、登記特別会計法第七条の規定により翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。 次に、歳入につきましては、当初予算額は千二百五十一億九千七百二十一万円余であります。これに、予算補正追加額十九億九千二百九十九万円余、予算補正修正減少額一億二百三十二万円があり、差し引き十八億九千六十七万円余の増加がありましたので、歳入予算額は千二百七十億八千七百八十八万円余となっております。 これに対しまして、収納済み歳入額は千二百八十一億二千百二十六万円余であり、歳入予算額に比べると十億三千三百三十八万円余の増加となっております。 次に、歳出につきましては、当初予算額は千二百二十四億五千四百六十九万円であります。これに、予算補正追加額二十七億五千二百三十一万円余、予算補正修正減少額五億二千八百七十六万円余、前年度からの繰越額一億五千百五十四万円余があり、差し引き二十三億七千五百九万円余の増加がありましたので、歳出予算現額は千二百四十八億二千九百七十八万円余となっております。 これに対しまして、支出済み歳出額は千二百二十七億四千百二十八万円余であり、その差額は二十億八千八百四十九万円余となっております。 この差額のうち翌年度へ繰り越した額は九億四千六百七十六万円余であり、不用額は十一億四千百七十二万円余であります。 以上、平成二年度法務省所管一般会計及び登記特別会計歳入歳出決算について御説明申し上げました。 なお、時間の関係もございまして、お手元に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明にかえさせていただきたいと存じますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。 よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。 引き続きまして、平成三年度法務省所管一般会計及び登記特別会計歳入歳出決算の大要を御説明申し上げます。 まず、一般会計の決算についてであります。 法務省主管の歳入につきましては、歳入予算額は九百七十三億七千二百七十六万円余であります。 これに対しまして、収納済み歳入額は九百四十五億三千六十七万円余であり、歳入予算額に比べると二十八億四千二百八万円余の減少となっております。 次に、法務省所管の歳出につきましては、当初予算額は四千八百六億六百四十三万円であります。これに、予算補正追加額八十六億二千九百九十四万円余、予算補正修正減少額二十六億百七十九万円余、予算移しかえ増加額三十万円余、前年度からの繰越額十三億九千五百八十七万円余、予備費使用額一億六千四百二十二万円余があり、差し引き七十五億八千八百五十五万円余の増加がありましたので、歳出予算現額は四千八百八十一億九千四百九十八万円余となっております。 これに対しまして、支出済み歳出額は四千八百五十三億千百八十八万円余であり、その差額は二十八億八千三百九万円余となっております。 この差額のうち翌年度へ繰り越した額は六億千五百九十三万円余であり、不用額が二十二億六千七百十六万円余であります。 次に、法務省所管登記特別会計の決算についてであります。 収納済み歳入額は千三百四十四億千百九十二万円余であり、支出済み歳出額は千二百九十三億九千六百六十三万円余で、差し引き五十億千五百二十九万円余の剰余を生じました。 この剰余金は、登記特別会計法第七条の規定により翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。 次に、歳入につきましては、当初予算額は千四百二十七億五千五百七十六万円であります。これに、予算補正追加額八億千七百万円余、予算補正修正減少額九十一億三千三百九十五万円余があり、差し引き八十三億千六百九十四万円余の減少がありましたので、歳入予算額は千三百四十四億三千八百八十一万円余となっております。 これに対しまして、収納済み歳入額は千三百四十四億千百九十二万円余であり、歳入予算額に比べると二千六百八十八万円余の減少となっております。 次に、歳出につきましては、当初予算額は千三百六十一億二千八百三万円であります。これに、予算補正追加額十二億二千八百九十一万円余、予算補正修正減少額七十七億九千八百五十一万円余、前年度からの繰越額九億四千六百七十六万円余があり、差し引き五十六億二千二百八十三万円余の減少がありましたので、歳出予算現額は千三百五億五百十九万円余となっております。 これに対しまして、支出済み歳出額は千二百九十三億九千六百六十三万円余であり、その差額は十一億八百五十五万円余となっております。 この差額のうち翌年度へ繰り越した額は五億五千八百六十二万円であり、不用額は五億四千九百九十三万円余であります。 以上、平成三年度法務省所管一般会計及び登記特別会計歳入歳出決算について御説明申し上げました。 なお、時間の関係もございまして、お手元に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明にかえさせていただきたいと存じますので、記録にとどめてくださいますようお願いいたします。 よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。
○森主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院阿部第一局長。
○阿部会計検査院説明員 平成二年度法務省の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 次に、平成三年度法務省の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○森主査 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 平成二年度法務省所管一般会計及び登記特 別会計歳入歳出決算説明書 法務省 平成二年度法務省所管一般会計及び登記特別会計歳入歳出決算の大要を御説明申し上げます。 一 まず、一般会計の決算についてであります。 (一) 法務省主管の歳入につきましては、歳入予算額は、八百八十三意二千百八十三万円余であります。 これに対しまして、収納済歳入額は、八百七十六億千四百四十二万円余であり、歳入予算額に比べると、七億七百四十万円余の減少となっております。 この減少しました主な要因は、罰金及科料八億五千三百九十六万円余、過料五億三千五百六十八万円余、刑務所作業収入一億五千七百六十八万円余が減少したことによるものであります。 (二) 次に、法務省所管の歳出につきましては、当初予算額は、四千五百五十億八千二百四十二万円であります。これに、予算補正追加額百三十五億七千九百七十三万円、予算補正修正減少額二十三億六千二十万円余、前年度からの繰越額二億三千百八十二万円余があり、差引き百十四億五千百三十五万円余の増加がありましたので、歳出予算現額は、四千六百六十五億三千三百七十七万円余となっております。 これに対しまして、支出済歳出額は、四千六百三十五億八千三十六万円余であり、その差額は、二十九意五千三百四十万円余となっております。 この差額のうち翌年度へ繰り越した額は、十三億九千五百八十七万円余であり、不用額は、十五億五千七百五十三万円余で、不用額の主なものは人件費であります。 支出済歳出額のうち主なものは、人件費三千二百五十八億四千三十九万円余、外国人登録事務処理経費三十億八千六百三万円余、検察事務処理経費三十七億九千八百五十九万円余、矯正施設における被収容者の収容、作業等に要する経費二百六十一億千百九十九万円余、補導援護経費四十九億四十八万円余、出入国審査・難民認定及び被退去強制者の収容、送還等に要する経費三十一億六千九十九万円余、暴力主義的破壊活動団体等の調査に要する経費二十二億四百九十二万円余、施設費百二十四億八百五十万円余となっております。 二 次に、法務省所管登記特別会計の決算についてであります。 (一) 収納済歳入額は、千二百八十一億二千百二十六万円余であり、支出済歳出額は、千二百二十七億四千百二十八万円余で、差引き五十三億七千九百九十八万円余の剰余を生じました。 この剰余金は、登記特別会計法第七条の規定により翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。 (二) 次に、歳入につきましては、当初予算額は、千二百五十一億九千七百二十一万円余であります。これに、予算補正追加額十九億九千二百九十九万円余、予算補正修正減少額一億二百三十二万円があり、差引き十八億九千六十七万円余の増加がありましたので、歳入予算額は、千二百七十億八千七百八十八万円余となっております。 これに対しまして、収納済歳入額は、千二百八十一億二千百二十六万円余であり、歳入予算額に比べると、十億三千三百三十八万円余の増加となっております。 この増加しました主な要因は、前年度剰余金受入二十三億九千百五十七万円余が増加したことによるものであります。 (三) 次に、歳出につきましては、当初予算額は、千二百二十四億五千四百六十九万円であります。これに、予算補正追加額二十七億五千二百三十一万円余、予算補正修正減少額五億二千八百七十六万円余、前年度からの繰越額一億五千百五十四万円余があり、差引き二十三億七千五百九万円余の増加がありましたので、歳出予算現額は、千二百四十八億二千九百七十八万円余となっております。 これに対しまして、支出済歳出額は、千二百二十七億四千百二十八万円余であり、その差額は、二十億八千八百四十九万円余となっております。 この差額のうち翌年度へ繰り越した額は、九億四千六百七十六万円余であり、不用額は、十一億四千百七十二万円余で、不用額の主なものは、予備費であります。 支出済歳出額のうち主なものは、人件費七百八十三億九千三百九十四万円余、登記情報管理事務処理等経費三百五十六億七千六百七十八万円余、施設費八十五億七千八百八十四万円余となっております。 以上、平成二年度法務省所管一般会計及び登記特別会計歳入歳出決算について、御説明申し上げました。 よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。 ――――――――――――― 平成三年度法務省所管一般会計及び登記特 別会計歳入歳出決算説明書 法務 省 平成三年度法務省所管一般会計及び登記特別会計歳入歳出決算の大要を御説明申し上げます。 一 まず、一般会計の決算についてであります。 (一) 法務省主管の歳入につきましては、歳入予算額は、九百七十三億七千二百七十六万円余であります。 これに対しまして、収納済歳入額は、九百四十五億三千六十七万円余であり、歳入予算額に比べると、二十八億四千二百八万円余の減少となっております。 この減少しました主な要因は、罰金及科料三十四億二千六百九十二万円余、過料三億八千三百五十一万円余、没収金二億四百十二万円余が減少したことによるものであります。 (二) 次に、法務省所管の歳出につきましては、当初予算額は、四千八百六億六百四十三万円であります。これに、予算補正追加額八十六億二千九百九十四万円余、予算補正修正減少額二十六億百七十九万円余、予算移替増加額三十万円余、前年度からの繰越額十三億九千五百八十七万円余、予備費使用額一億六千四百二十二万円余があり、差引き七十五億八千八百五十五万円余の増加がありましたので、歳出予算現額は、四千八百八十一億九千四百九十八万円余となっております。 これに対しまして、支出済歳出額は、四千八百五十三億千百八十八万円余であり、その差額は、二十八億八千三百九万円余となっております。 この差額のうち翌年度へ繰り越した額は、六億千五百九十三万円余であり、不用額は、二十二億六千七百十六万円余で、不用額の主なものは人件費であります。 支出済歳出額のうち主なものは、人件費三千三百九十九億七千百九十七万円余、外国人登録事務処理経費三十一億八百二十万円余、検察事務処理経費三十九億八千九百五十六万円余、矯正施設における被収容者の収容、作業等に要する経費二百六十六億二千七百四十五万円余、補導援護経費五十一億三千九百六十二万円余、出入国審査・難民認定及び被退去強制者の収容、送還等に要する経費二十三億百四万円余、暴力主義的破壊活動団体等の調査に要する経費二十三億四千五百二十二万円余、施設費百五十九億四千六百一万円余となっております。二 次に、法務省所管登記特別会計の決算についてであります。 (一) 収納済歳入額は、千三百四十四億千百九十二万円余であり、支出済歳出額は、千二百九十三億九千六百六十三万円余で、差引き五十億千五百二十九万円余の剰余を生じました。 この剰余金は、登記特別会計法第七条の規定により翌年度の歳入に繰り入れることとして、決算を結了いたしました。 (二) 次に、歳入につきましては、当初予算額は、千四百二十七億五千五百七十六万円であります。これに、予算補正追加額八億千七百万円余、予算補正修正減少額九十一億三千三百九十五万円余があり、差引き八十三億千六百九十四万円余の減少がありましたので、歳入予算額は、千三百四十四億三千八百八十一万円余となっております。 これに対しまして、収納済歳入額は、千三百四十四億千百九十二万円余であり、歳入予算額に比べると、二千六百八十八万円余の減少となっております。 この減少しました主な要因は、郵政事業特別会計より受入七億六千二百十三万円余が減少したことによるものであります。 (三) 次に、歳出につきましては、当初予算額は、千三百六十一億二千八百三万円であります。これに、予算補正追加額十二億二千八百九十一万円余、予算補正修正減少額七十七億九千八百五十一万円余、前年度からの繰越額九億四千六百七十六万円余があり、差引き五十六億二千二百八十三万円余の減少がありましたので、歳出予算現額は、千三百五億五百十九万円余となっております。 これに対しまして、支出済歳出額は、千二百九十三億九千六百六十三万円余であり、その差額は、十一億八百五十五万円余となっております。 この差額のうち翌年度へ繰り越した額は、五億五千八百六十二万円であり、不用額は、五億四千九百九十三万円余で、不用額の主なものは、予備費であります。 支出済歳出額のうち主なものは、人件費八百十二億三千六百三十二万円余、登記情報管理事務処理等経費三百八十八億九千七百五十八万円余、施設費九十一億六千九百十万円余となっております。 以上、平成三年度法務省所管一般会計及び登記特別会計歳入歳出決算について、御説明申し上げました。 よろしく御審議を賜りますようお願い申し上げます。 ―――――――――――――
○森主査 以上をもちまして法務省所管の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○森主査 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。谷津義男君。
○谷津分科員 ただいま平成二年度そして平成三年度の歳入歳出決算についての説明を政務次官からお受けしたわけでありますが、実は今初めて説明を受けたのでありますが、その説明の中でちょっと質問したいことがあるので、政務次官にお答えをいただきたいと思います。 それは、平成二年度の不用額が十五億五千七百五十三万円余、そして平成三年度は二十二億六千七百十六万円余という、かなり巨額の不用額が出たのですが、これはどういうことでしょうか。
○牧野(聖)政府委員 退職者の人数が予定より少なかったものですから、そういうふうになりました。
○谷津分科員 退職者の人数が少ないので二十二億もの不用額が出たというのは、退職者というのはある程度年次をもってちゃんとしているのではないでしょうか。その辺のところは、政務次官、どうなっていますか。退職者の計算としては、金額がでか過ぎる。
○牧野(聖)政府委員 あらかじめ予想できないこともありますので、それから、予算編成のときには若干余裕を見ながら編成をさせていただいたということもございまして、こういう誤差は毎年出ているような感じもいたしますが、そういうことで御理解を賜りたいと思います。
○谷津分科員 二十二億というと、退職者の計算違い、まあ全部が退職者とは思えないけれども、どのくらいの計算違いがあったのですか、政務次官。
○牧野(聖)政府委員 詳細な資料はただいま持ち合わせておりませんので、改めて御持参をさせて御説明させていただきたいと思いますが、よろしくお願いいたします。
○谷津分科員 会計検査院いらっしゃるから聞くのですが、これだけの不用額が出た件について、会計検査院は適切だというふうに今お話がありましたけれども、適切だというふうに考えているのですか。
○阿部会計検査院説明員 詳細なことは具体的な資料を見ないと申し上げられませんが、本院が検査した限りにおいては特に不当だとは認めなかった、そういうことでございます。
○谷津分科員 会計検査院は確かに使われた金の中身ということについてはきちっと調査する、これはよくわかります。しかし、こういうふうにかなりの不用額が出たということも会計検査院はしっかりと見る必要があるであろう。次年度の予算要求においてもこういうのは大きな影響を及ぼすであろうということでありますし、特に、少ない、非常に厳しい状況の中で予算というのは組んでいるわけでありますから、こういうふうに多くの不用額が出るということは、私は問題があるであろうというふうに考えるわけでありますけれども、こういうふうな点について、毎年毎年このくらい出ているのですか、法務省では。
○牧野(聖)政府委員 いろいろな項目すべて合わせてまいりますと、毎年このような不用額が出るということであります。
○谷津分科員 政務次官にお聞きするのは失礼ですからこれ以上は聞きませんけれども、私ども、四千億何がしぐらいで二十二億もの不用額が出るというのはやはり多少問題があるであろうというふうに考えますから、この辺のところはひとつしっかりと、今後、予算の運営については、執行についてはきちっとやっていただきたいということをお願いするわけであります。 もしこんなに不用額が出ると、次の年の予算要求のときに当然指摘をされるんじゃないですか。指摘されたことないですか。政務次官じゃなくていいんですけれども、答えてください。
○牧野(聖)政府委員 今までに特に御指摘を受けたことはないと思いますが、委員の御指摘、もっともだと思いますので、さらに注意しながら予算編成に取り組んでまいりたい、こういうふうに思います。
○谷津分科員 私も今説明を受けたものですから、急にちょっとこれは多いんじゃないかなと思って質問してしまいましたけれども、これから、私、通告に従いまして、入管業務についてまずお伺いをいたしたいと思います。 この入管業務について、私、特に不法就労についてお伺いしたいと思うのですが、きのうの予算委員会でも議論が出ておったのですが、約三十万人ぐらいの外国人が現在日本におる。これは当然、外国人登録をしておる適正な方もおります。また、入国しながら、観光ビザで入ってきながらそのまま就労しておるという、いわゆる不正な状況にある方もおると思いますし、一方、やはりきのう予算委員会で質問が出ましたけれども、密入国が最近非常に多くなっておるというふうなことで、この問題等についてお聞きをしたいと思うのです。 まず、私が聞きたいのは、いわゆる不正就労ですね。この問題について一、二お聞きしたいと思うのです。 現実に今不正就労をしていると思われる人数は、三十万人いる外国人の中でどのくらいいると思われますか。
○加澤説明員 当省の電算統計に基づく推計によりますと、昨年、つまり平成五年十一月一日現在における不法残留者数は約二十九万六千人と推定されております。しかし、そのうちの何人が不法就労をしているかということは、これは実は正確に把握することは極めて困難でございますが、実際には私どもとしては、この不法残留者のほとんどが不法就労活動を行っている、このように推測しております。
○谷津分科員 観光ビザで入ってきて、そして就労するというパターンだろうと思うのですけれども、観光ビザで入ってくる場合においては、旅行の目的あるいは宿泊がはっきりしておる、あるいはそれに相当する金も持っておるということになると、これを阻止することは、これは困難であるということはよくわかります。しかし、今度、出国していく様子、あるいはまた不法滞在あるいは不法就労等によって強制退去をされる者、こういうものを差し引けば、不正就労しているというのでしょうか、これが大体確認できるのじゃないですか。その辺はどうなんでしょうか。
○加澤説明員 実際に摘発した者につきましては、これは不法就労しているか否かについてもちろん調べておりまして、昨年、入管法違反で摘発された外国人は七万四百四人に上っております。そのうちの不法就労事実が認められた外国人は六万四千三百四十一人、このようになっております。 しかしながら、全員について我々で捕捉しているわけではございませんので、現在日本にいる不法残留の外国人のうちの何人が不法就労しているか、これは先ほど申し上げたように推計するしかないわけでございますが、繰り返しになりますが、そのほとんどが不法就労していると考えております。
○谷津分科員 不正に在留しているということになると、当然その人間にも弱みがあるということで、企業によってはその弱みにつけ込んで安く就労させるということもあるでしょう。また一方では、安くても就労しないと生活ができない、それがためにお願いに来るということもあるでしょう。いずれにしましても、こういう問題、入国してきた外国人、特に自分の国と言ってはなんですけれども、自国と日本との間ではこういう問題についてのトラブルというのは今までなかったでしょうか。
○加澤説明員 不法就労者が多数いる国として、イランあるいはマレーシアあるいはタイといった国々が挙げられるわけでございますが、こうした国々に対しましてま、例えぎこれまイランですが、査証免除協定の一時停止措置をとる、あるいはマレーシア人に対しましては査証取得勧奨措置をとっていただいた、あるいはタイ国政府に対しましては、不法就労を目的とする同国の国民の我が国への渡航の自粛広報活動を要請をするなど、各国に対しては、私どもとしましてもこういった形での働きかけをしております。 その結果、この三国につきましては、最近、不法就労目的で来日する者が減少していることが統計的に判明しております。またさらに、日本側でも上陸審査を厳格にしておりまして、それなりの抑止効果が最近出ているというふうに考えております。
○谷津分科員 就労の問題なんですが、ちょうど平成二年、三年という時分はかなりまだ景気もよくて、人手不足ということで、かなり賃金的なトラブルも少なかっただろうというふうに私は想像しているわけでありますけれども、最近になりまして、こういった景気になってまいりますと、非常にそういった面では、賃金の不払いとか、あるいは暴力団絡みというようなことがあって途中で何%か巻き上げられているとか、いろいろそういうふうな問題もあろうと思いますし、また、あっせんをしている、これは正式には労働省の許可をもらわないで、やはり不正あっせん業者ということになるのでしょうけれども、こういう人たちとのトラブルというのもかなり出ているのではなかろうかと思うのですが、この辺のところは知っている範囲で結構なんですけれども、ひとつ御回答いただければありがたいと思います。
○上原説明員 お答えをいたします。 先生御指摘の、外国人労働者の不法就労活動をさせたり、あるいは外国人労働者を不法就労活動させるために支配下に置いたり、あるいはあっせんしたりするところの、我々いわゆる雇用関係事犯というふうに呼んでおりますが、これらの法令違反件数を御紹介いたしますと、平成五年、昨年の一年間に、八百六件、九百七人を検挙させていただいております。このうち、いわゆる雇用主とかあるいはあっせんブローカーということで検挙されました暴力団員でございますが、六十七人でございます。九百七人の検挙人員全体の七・三%ということになっておりますが、一年前の平成四年と比べますと、人数で二十八人、率で七丁八%の増加となっているということで、増加傾向にあるのではないかというふうに考えておるところであります。 なお、昨年からことしにかけまして警察が検挙いたしました集団密航事件の関係でありますが、合計で十二件でございました。その十二件のうちで、暴力団員が関与したという集団密航事件が三件ございました。その関与の内容でありますが、密航に使われた船あるいは密航者を運ぶ車両等々の調達、あるいは上陸の手引き、案内といったことを暴力団員が行っておったということであります。 以上です。
○谷津分科員 平成二年、三年におきましても、こういう不法就労、あるいは不法密入国というのでしょうか、そういうふうな方たちを収容所に収容したり、あるいは強制退去させるための費用というのも相当かかっているのではなかろうかなと思うのです。わかっておりましたならば、平成二年度はどのくらい、平成三年度はどのくらいの費用がこういう方たちへ使われているか。いわゆる強制退去あるいは収容するためにかかる食事代とかなんか、あるいは強制退去によって飛行機代あるいは船代、いろいろあろうと思うのですが、平成二年、三年はまだ国で持っておったのじゃないですか。その後、本人に負担させるということも聞きましたけれども、わかっている範囲内で結構なんです。そして平成五年、これは決算の枠外になっちゃって申しわけないのですが、平成五年度は大体どのくらいかかっているか、ちょっと教えていただきたい。概算で結構です。 わからなければ、後で教えてくだされば結構ですよ。だんだんふえてきているのじゃないかなというのでちょっと知りたかっただけです。いいですよ、後で。結構です。わかりましたら後で数字を教えてください。 次に、これは主に警察庁、しかもあるいは海上保安庁も絡みがあるのですが、私は海上保安庁にはきょうは出席を求めてなかったのですけれども、最近とみに多くなっているのが中国からの密入国といいましょうか、そういった密入国者を運んでおる船がテレビ等で放映されたり、あるいはまたもう既に密入国したであろうという形跡のある和歌山県の事例、いろいろこういうものがありますけれども、非常に件数がふえてきているわけであります。この密入国はもう歴史の古いことではあろうかと思いますが、戦後からずっと密入国、いろいろ私ども話を聞いておるのですけれども、その密入国の問題というのは本当にいろいろな問題を醸し出しております。 この辺の歴史的な背景といいましょうか、あるいはまた日本における状況と申しましょうか、そういった面で密入国者がごく最近このように大量になってきた理由、こういうものについてひとつお聞かせいただければありがたいと思います。特に、過去の密入国の場合においては、国によっていろいろ政策的にやったように話を聞くことがあるのですけれども、国名等を挙げますとこれは問題がありますから、数字でひとつ聞かせていただければありがたいと思います。
○加澤説明員 平成二年以降の密入国者でございますが、これは中国からの集団不法入国事案、これは数字がございます。まず平成二年は、一件、十八名でございました。それから平成三年は、不法入国者と不法上陸者を合わせて百十二名でございます。それから平成四年には、不法入国者と不法上陸者を合わせて三百七十七人、それから平成五年は、両方合わせて三百二十六人ということでございまして、平成四年、平成五年と急激にふえております。 その背景等につきましてですが、やはりこれは日本とこうした近隣諸国との経済格差が一番大きな要因になっているものと思われます。
○谷津分科員 この密入国につきましては、出す方、今中国という言葉が出ましたからあえて使わせていただくのですが、中国側にもそういう手引きをする人がいる。当然、我が国の中にもこれと連携をとって受け入れ側の手引きをしている方もいる。そういう連携があって初めてこういうものはできるのであろうというふうに考えるわけでありますけれども、例えば中国からこんなに大勢の人たちが日本に向かってくる。しかも密入国ということを承知の上で来る。 聞くところによりますと、一人当たり二百万円ぐらいの手数料すら払っておるというふうな話を聞きます。二百万円といいますれば、これは中国から見ますと大変な金額になるはずでありますけれども、そういう金額を払ってまで日本に密入国するということであるならば、これは当然成功するであろう、必ず入れるであろう、しかも入ったからには何年か後には当然その金は稼ぎ出せるであろう、そういうふうな確証がなければ私は密入国はしないだろうというふうに思うのです。かなりの危険があるわけでありますし、時々テレビ等で船等を見ると、非常に海難のおそれもあるような、そういう船で来るわけであります。 それにもかかわらずこの日本に向かってくるということについては、そういった面の手引き、あるいはまたごく最近では暴力団等のつながりというのですか、そういうものも出てきたようでありますが、この辺のところは法務省はどういうふうに考えておるか、お聞かせ願いたいと思います。
○上原説明員 先ほども不法就労者の不法就労行為への暴力団の関与というのをお話を申し上げましたが、この密入国事案でございますけれども、先ほど法務省の方から御説明がございましたように、特に中国からの密入国がふえておるという状況にございます。ということでございまして、警察といたしましては、沿岸地域の住民の方々の協力やあるいは海上保安庁等との連携によりまして警戒を強化し、何とか水際検挙を図るということで努力を続けておりますが、あわせまして、先生御指摘の国内外こ暗躍いたします密航組織でございますね、この解明、検挙にも全力を挙げておるところであります。 先生御紹介の最近の中国人による集団密航事案につきましては、いわゆる蛇頭と呼ばれる香港、台湾あるいは中国本土を中心とします密航専門の請負人グループがございまして、これらが日本の暴力団員と組織的、計画的に連携をとりまして、 それを大きなビジネス、彼らなりのビジネス活動にしておるという実態がうかがわれるわけであります。 以上です。
○谷津分科員 これは場合によると暴力団の資金源にもつながる可能性が十分に考えられます。そこで、この見つかっている範囲内はこういう数字が確かに出てきているのですけれども、日本みたいに海岸線の非常に長い国では、こういう見つけられるというのは、これは私はむしろまれであるのではなかろうかなという感じを持っているわけであります。推定される面からいくと、これに対して五倍も十倍も入っているのではなかろうかという予測をする方もあるのですけれども、警察庁はどのくらいの予測を持っているのですか。
○上原説明員 正確なところの推定と申しますか計算は、確かに暗数というものが存在すると思われますので御回答が非常に困難でございますけれども、少なくとも数倍ぐらいの暗数があるのではないかなというふうに推定をしているところであます。
○谷津分科員 密入国した方は当然パスポートは持っていないわけですよね。手続もとってないわけです。当然、きちっとしたところに就職はできないわけです。となると、隠れた存在の就労者ということになるのかなというふうに思うわけでありますけれども、こういう方たちが病気をしたり、あるいはまた犯罪を犯したり、生活に困っていろいろなことがあるいは起こりかねない面もあるわけでありますけれども、こういう問題については、事件というのは発生をしておるのでしょうか。警察庁にお聞かせ願いたいと思います。
○上原説明員 密入国者の日本国内に潜入してからの事件の発生状況ということでございます。 これはいわゆる不法滞在者といいますか、旅券不携帯あるいは入国証印が押していないとか、いろいろな入管法上の法令を活用いたしまして今検挙いたしているところでございます。年間、入管法違反で警察が検挙しております外国人被疑者は、概数で申しますと約四千人くらいだろうと思っております。
○谷津分科員 この人たちが自分の国へ帰りたいというようなことになりますと、当然正規な手続では帰れないわけですね。偽造旅券ということもあるかもしれませんし、あるいはまたどうしても帰れないというならば、自分から名乗り出て強制退去していくという方法しかないと思うのですけれども、自分から名乗り出て強制退去を希望したというのは何人ぐらいありますか。
○加澤説明員 ただいま正確なデータを持ってきておりませんので正確な数字をお答えすることができませんが、入管法違反で摘発した外国人は昨年七万四百四人ですが、その七、八割が自主申告して退去して戻ったということであります。
○谷津分科員 結局、自主申告してくると、これは帰る費用は本人負担ですか。
○加澤説明員 原則本人負担です。通常、自分で費用を準備して出てまいります。
○谷津分科員 その費用以外に所持金というのも当然持っているか、あるいはもう既に送っているということも考えられますが、そういうときのお金は、没収というのはできないのですか。
○加澤説明員 それは法令に根拠がございませんので、没収はいたしておりません。
○谷津分科員 少し考えないと、まさに日本はそういった面では天国になりますね。自由に入ってきて、金ができたならば自主申告をして帰れるということになれば、それ日本に行け、それ日本に行けということになるわけですね。この辺のところは何か法的に、これは国際法上の問題も絡むのでしょうけれども、その辺のところは何か考える余地というのはないのですか。
○加澤説明員 今先生から御指摘の点は、まだ具体的な発想はございませんが、参考にさせていただいて、今後検討していきたいと思っております。
○谷津分科員 それと、私が一つ疑問に思うのは、こんなに後から後から中国、大体福建省というのが私どもの耳に入ってくるわけなのですけれども、こんなに大量に日本に向かっているというのは、言うならば出国する国だって当然知っているはずだと思うのですよ。そういう出国に対しまして、この場合は一つの例を挙げて、お国に対して申しわけないかもしれませんが、中国ということに限定して話しますと、中国政府だってわかっていると思うのですよ。 それからもう一つは、日本に行っても得にならないよ、密航なんてすると得にならないよという、言葉がちょっとあれですけれども、そういう宣伝というのですか、そういった面を我が国においてもやっておるか、あるいはまた中国政府にそういうのを依頼して、中国自身もやっておるのか、この辺のところはどうなっておるのでしょうか。
○加澤説明員 ただいまの御質問に対してお答えいたします。 中国側は、たしか本年ですか、この密出国につきまして、刑罰を改正しまして重くしておると聞いておりますし、それなりの努力をしているというふうに伺っております。また、私どももこういった密入国事案がございましたら、その都度、中国側には取り締まりの強化を申し入れております。
○谷津分科員 もう時間がないので最後に聞くのですけれども、こういう手引きというのは、単なる業者と言ってはなんですが、あるいは暴力団というだけじゃなくて、中国に住んでいる人に何らかのサジェスチョンがなければこんなに出てこないと思うのですよ。それはお金を取るためにいろいろとロコミ宣伝をしたりなんかしてやっている面もかなりあるかもしれないですけれども、もう一つ考えられるのは、日本の国内で生活している者が手紙を出すとか何かして、日本はいいぞ、いいぞというふうなやり方をしているともあるいは考えられるのじゃないのかなと思うのですが、その辺は、法務省、警察庁、どちらでも結構なのですが、何かそういうことは聞いておりますか。
○上原説明員 検挙された集団密航者の取り調べの中からいろいろな事例が散見されるわけでありますが、やはりこれだけ国際電話回線網が発達しておりますので、常時、日本国内から国際電話を利用されて、御家族なり知人の方に絶えず連絡はとっておったというふうなお話はよく聞くものでございます。
○谷津分科員 時間が参りましたのでこれでやめますけれども、法務省というと非常にかたい役所でもあります。また、日本の法秩序をしっかりと守るための役所でもあります。しかし、一方では住民サービスという面もかなりあるわけでありまして、登記所関係とかなんかありますが、最近統廃合も盛んにやっておるようでありますけれども、行政改革もいいけれども、このサービス面というのが落ちないように、しっかりとその辺のところを踏まえて登記所等の統廃合を進めていただきたいことを希望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○森主査 これにて谷津義男君の質疑は終了いたしました。 栗原裕康君。
○栗原(裕)分科員 自民党の栗原裕康でございます。 通告をさせていただきました質問についてお伺いをしたいと思います。 まず第一に、ちょっとしゃべりにくいのですが、嫡出子と非嫡出子の差別の問題についてお尋ねをしたいと思います。この問題については国会でもかなりいろいろ議論があったというふうに伺っておりますし、公報等を拝見いたしますと、他党の先生方がかなり熱心に陳情、請願等をなさっておるということでございますので、大分議論が重複すると思いますけれども、お許しを賜りたいと思います。 御案内のように、民法の第九百条に、法定相続分で、「嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一」とする、こういう差別、区別があるわけでございますね。憲法の十四条には、御案内のように「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」こうなっております。今度の児童の権利に関する条約の第二条「児童又はその父母若しくは法定保護者の人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治的意見その他の意見、国民的、種族的若しくは社会的出身、財産、心身障害、出生又は他の地位にかかわらず、いかなる差別もなしに」、こうなっていますね。 ここで、お伺いしたいのですけれども、この民法第九百条、子の相続の場合、差別をするというのは、これはどういう根拠、どういうお考えでこれがそもそも成立しているかということについてお尋ねをしたいと思います。これは、多分、議員立法ではなくて、やはり法務省の方で準備された法律だと思いますので、お伺いしたいと思います。
○牧野(聖)政府委員 栗原委員の質問にお答えをさせていただきます。 嫡出子と嫡出でない子との間で法定相続分に差異を設けた民法九百条四号ただし書きの規定は、正当な婚姻関係及びそれによって生じた家族を保護するという合理的な理由に基づくものでありまして、不合理な差別を禁止する憲法十四条の規定に反するものではない、そして児童の権利条約二条の趣旨に反するものでもないと考えておるところであります。
○栗原(裕)分科員 その正当な婚姻関係を保護するというのはよくわかります。 ただ、子供の立場に立ってみると、正当な婚姻関係で生まれようと、正当な婚姻関係外で生まれようと、これは全く関係ないのですね、子供の意思で決められないのですから。ですから、その憲法の十四条の規定について、私は、正当な婚姻関係を保護する、それが国のためになるのだ、要するに不倫をしたりしたらあかん、あるいは性行為をするんだったらちゃんと結婚せい、そういう教育的な見地といいますか、そういうものが日本人全体の幸せに通じるんだ、そういうことならわかるんですよ。 そういうことならわかるんですが、この場合、子供の問題なんですね。だったら、例えばむしろ、これは法律でどうか知らぬけれども、姦通罪が適用する、だからそれはもう正当な婚姻以外は認めぬのだという方がよっぽどすっきりする。子供になぜこういう負担をふやすか、子供にどうしてこういう宿命を背負わせるかということがいま一つわからない。もう一度御答弁をお願いしたい。
○濱崎政府委員 現在の相続分に関する規定は、御案内のとおり、我が国では戦前からずっとそういう相続分の定め方になっているわけでございまして、いわば長い我が国の伝統に由来するというものでございますが、ただいま政務次官御説明申し上げましたように、我が国の法制度は、一夫一婦制のもとで、その夫婦とその間に生まれた未成熟の子、それを中心とする家族関係というものを保護するということ、これが極めて重要な要請であるということにつきましては御異論がないところであると思うわけでございますが、そういう基本的な考え方に基づいて、そういった正当な婚姻関係、それからそこから生じた、今申しましたような家族関係の安定ということを保護するという考え方で、今のような相続分の配分になっているわけでございます。 御指摘のとおり、確かに生まれた子供という観点から見ればそれは関係のないことだということでございますけれども、そういった両方の観点を考え合わせて今の相続分の配分ということになつているものというふうに理解しております。 したがいまして、憲法上の問題という範囲内におきましては、あるいは児童の権利条約の規定の関係におきましては、これは一つの合理的な区別ということであって、その憲法あるいは条約の規定に違反するものではないというふうに考えておりますが、ただ、立法政策の問題としてどういう制度にするかということは、これは政策の問題としては別個の問題であろうというふうに考えているわけでございまして、そういう観点からは、今申しました正当な婚姻関係という問題と子供の利益という問題と、どちらを優先的に考えるかという問題であろうかというふうに考えているわけでございます。
○栗原(裕)分科員 今の御説明でございますと、結局、正当な婚姻関係を保護する目的がある。一方、生まれてきた子供には何も関係ないんだから、その子供も保護しなければいかぬ。したがって、足して二で割って二分の一というような、そういう説明のように伺ったわけでございますが、それでよろしいんですか。
○濱崎政府委員 足して二で割るという趣旨ではございません。そういったいろいろな状況を考えて現在の法制度になっているものと考えているということでございまして、単純に足して二で割ったということではないと考えております。
○栗原(裕)分科員 いま一つ理解ができないのですが、次に進みます。 昨年の六月二十三日の朝日新聞に東京高裁の判決が出ております。「非嫡出子「区別」は違憲」、こういう見出しだったのですけれども、実際にはこの事例では、要するに非嫡出子の方が、自分は嫡出子の二分の一の相続しかないというのは不満であるということで訴えた。勝訴された。相手方もそれに対して控訴しなくて、この裁判は確定したわけですね。一方、まだもう一つ別の事案があって、これは最高裁まで行っている、こういうことでございます。 ここでお伺いをしたいのですが、これは仮定の問題で大変恐縮でございますが、もし最高裁で、非嫡出子の区別というのはおかしい、民法第九百条については違憲であるというような判決が出た場合には、これは当然変えなければいかぬですね。そのことを確認しておきたいと思いますが。
○牧野(聖)政府委員 先ほどから答弁させていただいているとおりでございますが、それに今委員の御指摘についてさらにお答えをさせていただきますと、立法政策の問題としては、将来にわたりましてこの制度を維持するかどうかということにつきましては慎重な検討を要するものと考えております。具体的には、法務大臣の諮問機関である法制審議会民法部会身分法小委員会が現在婚姻及び離婚法制の見直し審議を行っているところでありますが、嫡出でない子の相続分の問題につきましても、この問題をめぐる近時の諸般の状況にかんがみ、あわせて審議を行っているところであります。
○栗原(裕)分科員 法制審議会とかあるいは世論調査等では、今のままでいいんだというのが、それはしばらく前の調査ではなっておりますね。それはわかります。 次に進みたいと思うのですが、戸籍法の第四十九条に出生の届け出というのがございます。ここでやはり、正式な婚姻から生まれた子供には長男、長女、そしていわゆるそうでないというものにはただ女とか男とか、こういうふうに区別をされています。これはどういう理由なんでしょう。これもやはり正式な婚姻関係を保護するためなんですか。それとも正式な婚姻関係を奨励するためなんですか。いかがでしょう。
○牧野(聖)政府委員 戸籍法は、出生の届け出書において嫡出子、嫡出でない子の区別を明らかにさせて、嫡出子の場合は長男、長女、嫡出でない場合は男、女という表現により戸籍に記載しております。 この表記の違いを今問題とされていると思われますが、この表記の違いは、婚姻関係にある男女間に生まれた子であるかそうでないかによって、現在の段階では民法上の身分関係、とりわけ相続分に区別がありますことから、私法上の身分関係を明確に登録、公証することを目的とする戸籍においてもこの事実こ基づく区別をそのまま正確に記載しているにすぎず、このような事実を戸籍に記載することが児童の権利に関する条約二条一項の規定による不合理な差別には当たらないと私どもは考えているわけです。
○栗原(裕)分科員 そうすると、今の民法ではやはり相続等、嫡出子と非嫡出子とで区別をつける必要があるんだ、だから戸籍法でも区別をつけているんだ、こういうことで今御答弁いただいたと思うのでございますが、戸籍を見ますと、ちゃんと認知をした場合には、認知するという記載事項あるじゃないですか。ありますね。ここで明確な区別ができると思うのですが、なぜ長男、長女と男、女という区別をつけるんでしょうか。それがわかりませんね。
○濱崎政府委員 相続というのは大変重要なものでございますし、だれが相続人であり、どういう割合で相続分を持っているかということは、関係する方々に一見明瞭にわかるようにした方がいい。戸籍の制度の目的は、ただいま政務次官申し上げましたように、私法上の身分関係を明確に登録して公証するということを目的とする趣旨からいいますと、そういう重要な問題についてはできるだけ明確に表示するということが適当であるということから、御指摘のような表記をしているということでございます。
○栗原(裕)分科員 今、一見明瞭な、要するにだれが見てもぱっとわかった方がいいという言い方ですか、それは。ちょっとその辺はどうなんですか。もう一度答弁をお願いします。
○濱崎政府委員 嫡出子であるかそうでないかによって民法上の身分関係にいろいろな面で違いが生じます。相続分が最も大事なものでございますけれども、そのほかに、親子関係が生ずるについては認知をしなければ親子関係は生じないのかどうかとか、あるいは親権がどうなるかとか、そういうことにも関係するわけでございます。そういうことについて、この子供についてはどういう法律関係になるのかということを明確に表示するということが戸籍法の趣旨からすると適当であるということで、そういう取り扱いになっているわけでございます。
○栗原(裕)分科員 そこもまだよく理解できないのですね。結局、その生まれてきた子供については、正式婚か正式婚外かということは、全くその子供の意思ではないわけですね。それを、相続という問題については、正式な婚姻を保護するという目的があるから、それと子供の権利もあるので二分の一みたいな、そういう答弁でございます。それはそれで私もある程度理解できるのです。ところが、この戸籍でわざわざちゃんと記載事項のところにかなり詳しく書いてあるのにもかかわらず、何も、どうしてそんなに明瞭にする必要があるのか。この相続とか親権とか認知とかというのは、これは当然かなり個別の特殊なマターですね。ところが、戸籍はだれでも見ますね。例えば就職とかなんかのときに出すんじゃないですか。 あるいは、ではもうちょっと進めて言いますと住民票、この住民基本台帳法の第七条に、やはり長男、長女と書いてあるところを、私生児という言葉は今使わないのだそうですが、非嫡出子の場合には子と書くのでしょう。これは、住民票なんというのはかなりあちこちにばらまかれるものですな。例えば、よく私は知りませんけれども、住民票を持ってこいとよく言われますね。たしか免許証を取って車庫証明かなんかするときにも住民票は要るんじゃないですか。相続とか認知とか親権とかそういう特殊なことでどうしても必要なんだということならわかるのですが、住民票までわざわざ区別しているというのは、これはどういうことなんでしょう。 むしろ、もしこういう答弁であればある程度わかるのですよ。例えば、正式婚しか日本は認めてはいけないんだ、だから、正式婚以外に生まれた子供は、あるいはそういう家族は、そういう親子は、要するに差別をして世間のために見せしめにするんだ、こういう答弁ならわかる。それは一つの考え方だから。それはどうなんでしょうか。なぜこういうことをするんですか。
○松浦説明員 住民基本台帳制度につきましてのお尋ねでございますけれども、御案内のとおり市町村におきましてこれは処理をしているわけでございますけれども、住民票と申しますのは、単に住所、居住条件といいますか、居住の公証をするというだけじゃなくて、それにいろいろとかかわります行政上の事務の処理の基礎になるというふうにされているものでございます。したがいまして、この住民票の記載につきましては、これを正確にかつ全国的にも統一的に記載していく必要があるというふうに私ども考えているわけでございます。 今御指摘ございましたように、世帯主との続き柄という問題でございますが、これも住民票の記載事項の一つになっているわけでございます。したがいまして、これも続き柄を正確にかつまた統一的に行っていく必要があるということになるわけでございまして、そうなりますと、私ども現在、この続き柄、いわゆる身分関係ということになるわけでございますので、身分関係を公証する公簿ということになりますと戸籍ということになりますので、戸籍の記載方法、これを正確に対応させていくということがこの住民票の趣旨にかなうことだろうというふうに思っておるところでございます。
○栗原(裕)分科員 正確に記すことが差別につながっているんじゃないですかと聞いているのですよ。どうなんですか。児童の権利条約では出生によって差別されないと書いてあるのでしょう。これと今の住民基本台帳法の第七条とどういう関係があるのですか。どう整合性をとるのですか。自治省の御見解を聞いておきます。
○松浦説明員 ただいま御答弁申し上げましたように、住民票の目的というのはそういうことでございまして、正確にこれを記載していく必要があるということで、何をもとにしてこれを記載していくかということになりますと、やはり現時点におきましては戸籍の記載法に対応させていくという必要があるというふうに私ども考えておりますけれども、先生が御指摘になりましたような御意見、これは多方面から私ども承っております。したがいまして、この点につきましても、関係方面の意見もいろいろまた参考にしながら、引き続きこれは研究をしていきたいとは思っております。
○栗原(裕)分科員 やはり基本的には戸籍法との関係なんですね。 それで、私は今までの御答弁等を伺っておりまして、確かに日本という国は正式婚を、一夫一婦制のそういう美しい伝統を持っておったし、そして昔はいわゆるおめかけさんというのがあって、その子供たちにもある程度の権利を認めておった。もっと言うと、キリスト教的な思想よりもよっぽど寛容だったというふうに思うのですね。ところが、西洋の方はどんどん新しいライフスタイルといいますか、少子化も進んでまいりまして、いわゆる婚外婚、婚外で出産するという女性もふえてきた、ライフスタイルも変わってきたということで、非嫡出子というものの権利をかなり西洋の方では、今までは全く財産も何も分けなかったのを随分あげてしまう、差別をしなくなったということでこの児童の権利に関する条約というのも出てきたと私は思うのですよ。 こういったところで、やはり早く不必要なものは、差別を撤廃していくべきだと私は思います。相続税については、これはいろいろな意見があるので、私も二分の一がけしからぬと言っているわけじゃないのですよ。言われてみれば、そういうこともあるのかなという気もします。ただ、必要ない、特に住民票の表記には、まさに生まれた子供に何も罪がないんだから。その子供が例えば幼稚園に入る、あるいは小学校に入る。そのときに、心ない親が、あなたのうちは私生児だと言うんだ。私生児という言葉はわからないだろうな。ててなし子だと言うんだろうな、きっと。これは差別用語でしょうけれども、そういうことを平気で言われるような、そういうことになって何が児童の権利だ、こういうことを私は申し上げたいのですよ。 ですから、ぜひ、関係方面ということをおっしゃいましたけれども、政務次官、せっかくさっきから私どもの議論を聞いていただいていると思いますので、政務次官のお考えをひとつ聞かせていただきたいと思います。
○牧野(聖)政府委員 先ほどの案件とも同じでございますけれども、ただいま社会の動向に照らし合わせまして法制審等でいろいろなことを検討をしている中でございますし、その中の話題にもなっておると伺っておりますので、そういった動向を見ながら私どもとしても対応を考えてまいりたいと思っております。
○栗原(裕)分科員 わかりました。 それでは、残りの時間が少なくなりましたけれども、法務省内の手続の問題でいろいろとお尋ねをしたいと思うのですが、一つは帰化申請。帰化申請の手続をしますね。そうすると、例えば地方の法務局から本省に上がる、そして本省で協議をして帰化を認めるか認めないか、今その標準処理期間というのは何年ぐらいなんですか。
○濱崎政府委員 帰化事件の処理に要する時間、期間というのは、これは事件によって調査しなければならない事項はさまざまでございますので、一概に一定の標準時間ということを設定することが難しい問題でございますが、私どもの方針といたしましては、帰化事件については、御案内かと思いますが、相当な慎重なかつ難しい調査が必要でございますので、どうしても相当程度の期間は必要であるという状況の中で、申請から一年前後の間には結論が出せるようにということで指導しておるところでございます。
○栗原(裕)分科員 小錦は割と早かったですね。私はたまたま、申請の方が依頼されたのは、これは韓国の方で日本人と結婚なさって、もうずっと日本で生活をし仕事をしていらっしゃる方、一年半、二年近くかかりました。確かに、非常に問題が難しい、慎重にやらなければいかぬというのはわかるのです。わかるのですが、ちょっとかかり過ぎじゃないか。 例えば、そのかかり過ぎる原因は人数なんですか。それとも処理する案件が多過ぎるので、今かかっている人数じゃ足りない、こういう意味なんですか。どういうことなんですか。それとも、事実関係を判明するためにある程度の日数が要るということなんですか。
○濱崎政府委員 長くかかるのはどちらに原因があるかということでございますが、端的に申し上げれば、両方の問題がございます。 今申しましたように、帰化事件の処理に当たりましては、申請者が法律に定めている帰化許可の条件、特に素行が善良であるかどうか、あるいはみずから一定の家族関係のもとに生計を維持することができるかどうか、そういったことの調査、それからとりわけ本人の身分関係を確定してそれを戸籍に記載するわけでございますので、その身分関係の確定ということに大変時間と手続が必要なわけでございます。何しろ国籍が外国でございますので、その当該外国の身分関係法律を承知した上で、そういう国の官憲あるいは公証制度等の証明書といったようなものを取り寄せなければならない。調べてもなかなかわからないとか、あるいは身分関係が妙なぐあいになっているというようなものもかなりあるわけでございます。そういったことを調査するためにどうしても相当期間必要であるという要素がございます。 一方、帰化申請事件は最近とみに年々増加しておりまして、例えば数字で申し上げますと、平成元年の許可者の数は約六千人でございましたが、昨年、平成五年の許可者の数は一万人を超えておりまして、倍増に近い形で年々増加してきております。これは、昨今のいろいろな社会情勢を反映してのものでございます。 そういう増加してきているという状況の中で、限られた人数で事件を処理しなければならないということで、だんだん処理期間が長くなってきた。御指摘のように、まれには二年もかかるというような事案もあるというような状況になってまいっておったわけでございますが、私ども、そういうことではいけないということでいろいろ工夫を凝らしまして、調査方法の合理化でございますとか、あるいは事務処理体制の充実、あるいは申請者が円滑に申請手続をすることができるようないろいろな相談サービスの充実、さらには担当職員の研修による能力の向上、そういった施策を講じまして、事件の増加にもかかわらずある程度の期間で、それでも長いという御指摘をいただいておりますが、一年前後で処理できるようにということで頑張ってきているわけでございます。 ただ、東京、大阪といった大都市になりますと、申請事件が特に多いものでございますから、そういうところでは、中には一年前後の期間で処理できないものがまだ残っている状況でございますが、一層努力をして、できるだけ早くということで頑張っているところでございます。
○栗原(裕)分科員 わかります。ちょっと事案が違うのですけれども、例えばいっとき非常に多かった外国人研修制度、外国人が日本に来ていただいて研修する、その入管手続なども、私のところはたまたま名古屋入管なのですけれども、どうなっていますかと問い合わせても、電話に出ないのです。たまに出ると、あっちこっちで電話が鳴りまくっている音が聞こえるのですね。大変だと思います。. 先ほど谷津先生からもお話がございましたけれども、法務省というのはサービスという部分もあるのですから、今御答弁いただきましたように、職員の研修あるいは人員の配置等でぜひ頑張っていただきたい、こういうふうに思います。 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○森主査 これにて栗原裕康君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして法務省所管の質疑は終了いたしました。 正午から本分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時十六分休憩 ――――◇――――― 午後零時五分開議
○森主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 これより環境庁所管について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。浜四津環境庁長官。
○浜四津国務大臣 環境庁の平成二年度歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、平成二年度の当初予算額は四百九十六億八千四百二十二万円余でありましたが、これに、予算補正追加額四億一千八百十四万円余、予算補正修正減少額五億二千三百四万円余、予算移しかえ増加額三億一千百七十一万円余、予算移しかえ減少額二十四億六千三百二十四万円余、前年度からの繰越額一億七千二百十五万円余を増減いたしますと、平成二年度歳出予算現額は四百七十五億九千九百九十五万円余となります。この予算現額に対し、支出済み歳出額四百七十一億二千九百五十二万円余、翌年度への繰越額三億三千七百二十九万円余、不用額一億三千三百十二万円余となっております。 以上、簡単ではありますが、平成二年度の決算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどお願いいたします。 続きまして、平成三年度の歳出決算に関する概要説明を申し上げます。 まず、平成三年度の当初予算額は五百三十八億二千三百七十四万円余でありましたが、これに、予算補正追加額一億六千四百六十五万円余、予算補正修正減少額七億七千二百九十三万円余、予算移しかえ増加額二億九千八百六十万円余、予算移しかえ減少額二十五億八千百四十二万円余、前年度からの繰越額三億三千七百二十九万円余を増減いたしますと、平成三年度歳出予算現額は五百十二億六千九百九十三万円余となります。この予算現額に対し、支出済み歳出額五百七億八千三百三万円余、翌年度への繰越額三億八千五百九十五万円余、不用額一億九十四万円余となっております。 以上、簡単でまありますが、平成三年度の決算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどお願いいたします。
○森主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院森下第二局長。
○森下会計検査院説明員 平成二年度環境庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 また、平成三年度環境庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○森主査 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森主査 御異議なしと認めます。よって、その ように決しました。 ――――――――――――― 平成二年度歳出決算に関する概要説明 環 境 庁 環境庁の平成二年度歳出決算につきましてその概要を御説明申し上げます。 まず、平成二年度の当初予算額は、四百九十六億八千四百二十二万円余でありましたが、これに予算補正追加額四億一千八百十四万円余、予算補正修正減少額五億二千三百四万円余、予算移替増加額三億一千百七十一万円余、予算移替減少額二十四億六千三百二十四万円余、前年度からの繰越額一億七千二百十五万円余を増減いたしますと、平成二年度歳出予算現額は、四百七十五億九千九百九十五万円余となります。この予算現額に対し、支出済歳出額四百七十一億二千九百五十二万円余、翌年度への繰越額三億三千七百二十九万円余、不用額一億三千三百十二万円余となっております。 次に、支出済歳出額の主なる費途につきまして、その大略を御説明申し上げます。 第一に、公害防止等調査研究関係経費といたしまして、六十九億五千百六十五万円余を支出いたしました。これは、化学物質実態調査等を実施するための経費、地球環境研究計画に基づいた地球環境保全のための総合的研究を推進するための経費、国立環境研究所、国立水俣病研究センターの運営等の経費として支出したものであります。 第二に、自然公園関係経費といたしまして、四十億五千九百八十八万円余を支出いたしました。これは、自然公園等における管理及び自然公園の利用施設や長距離自然歩道等の整備並びに渡り鳥の調査、絶滅のおそれのある鳥獣等の保護対策等の経費として支出したものであります。 第三に、環境庁の一般事務経費といたしまして、三百六十一億一千七百九十八万円余を支出いたしました。これは、公害防止を図るための施策の推進に必要な調査費、地方公共団体等に対する各種補助金、公害防止事業団及び公害健康被害補償予防協会に対する交付金並びに環境庁一般行政事務等の経費として支出したものであります。 最後に、翌年度繰越額と不用額について主なるものを御説明いたしますと、翌年度繰越額は、自然公園等施設整備費において、設計の変更及び資材の入手困難などによって事業の実施に不測の日時を要したこと等により年度内に完了しなかったものであります。 また、不用額は、公害防止事業団において、支払利息が予定より少なかったこと等により、公害防止事業団交付金を要することが少なかったこと等のためであります。 以上、簡単ではありますが、平成二年度の決算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどお願いいたします。 ――――――――――――― 平成三年度歳出決算に関する概要説明 環 境 庁 環境庁の平成三年度歳出決算につきましてその概要を御説明申し上げます。 まず、平成三年度の当初予算額は、五百二十八億二千三百七十四万円余でありましたが、これに予算補正追加額一億六千四百六十五万円余、予算補正修正減少額七億七千二百九十三万円余、予算移替増加額二億九千八百六十万円余、予算移替減少額二十五億八千百四十二万円余、前年度からの繰越額三億三千七百二十九万円余を増減いたしますと、平成三年度歳出予算現額は、五百十二億六千九百九十三万円余となります。この予算現額に対し、支出済歳出額五百七億八千三百三万円余、翌年度への繰越額三億八千五百九十五万円余、不用額一億九十四万円余となっております。 次に、支出済歳出額の主なる費途につきまして、その大略を御説明申し上げます。 第一に、公害防止等調査研究関係経費といたしまして、八十一億四百万円余を支出いたしました。これは、化学物質実態調査等を実施するための経費、地球環境研究計画に基づいた地球環境保全のための総合的研究を推進するための経費、国立環境研究所、国立水俣病研究センターの運営等の経費として支出したものであります。 第二に、自然公園関係経費といたしまして、五十四億三千八万円余を支出いたしました。これは、自然公園等における管理及び自然公園の利用施設や長距離自然歩道等の整備並びに渡り鳥の調査、絶滅のおそれのある鳥獣等の保護対策等の経費として支出したものであります。 第三に、環境庁の一般事務経費といたしまして、三百七十二億四千八百九十四万円余を支出いたしました。これは、公害防止を図るための施策の推進に必要な調査費、地方公共団体等に対する各種補助金、公害防止事業団及び公害健康被害補償予防協会に対する交付金並びに環境庁一般行政事務等の経費として支出したものであります。 最後に、翌年度繰越額と不用額について主なるものを御説明いたしますと、翌年度繰越額は、自然公園等施設整備費において、設計の変更及び用地の確保困難などによって事業の実施に不測の日時を要したこと等により年度内に完了しなかったものであります。 また、不用額は、特別医療研究費が少なかったこと等により、公害医療研究費補助金を要することが少なかったこと等のためであります。 以上、簡単ではありますが、平成三年度の決算の概要を御説明申し上げました。 よろしく御審議のほどお願いいたします。 ―――――――――――――
○森主査 以上をもちまして環境庁所管の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○森主査 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小野晋也君。
○小野分科員 浜四津長官には、四月二十八日羽田内閣発足とともに環境庁長官に御就任になられまして以来、地域環境問題、また地球環境というような大きな環境問題に至りますまで毎日御精励をいただいて御尽力いただいておりますことに、心から深く感謝申し上げたいと存じます。 なお、この永田町も随分騒々しいようでございますけれども、どうか長官の卓抜した政治力で早く落ちついた環境を取り戻していただきますように、心からお願いを申し上げたいと思う次第でございます。 また、きょうは、予算委員会が大変お忙しい中をこの席に臨んでいただきまして、心から御礼を申し上げます。余り時間がないようでございますが、早速本論に移らせていただきたいと存じますけれども、浜四津長官の環境問題に対する基本認識をまず御質問をさせていただきたいと存じます。 私は、今環境庁というこの庁が非常に大切な省庁の一つになってきていると思っている一人でございます。と申しますのも、一昨年ブラジルで地球環境サミットが開催されましたけれども、そこにおいて、これからの人類の存続のために地球環境問題というものは避けて通れない、持続可能な発展の道を人類は困難だけれども模索していかなくちゃならないということが語られたわけでございます。この原点を探ってまいりますと、私は人類のこの人間活動と申しましょうか、限られた地球の規模にもかかわりませず人間というものが大きく肥大をしてまいりまして、その人間活動というものがこの地球容量を超えつつあるところに立ち至っているというふうな認識を持っているものでございます。 振り返ってみますと、原始時代、人類が必要としたエネルギーというのは、一人当たり一日二千キロカロリーだと言われていたようでございます。これは、とりもなおさずそのほとんどのエネルギー量というのが食事のエネルギーでございます。食べ物さえあれば人類はこの地球上で、豊かとは言えないでしょうけれども、生存することができた。それがだんだんと自然エネルギーを利用するようになり、また家畜のエネルギーを利用するようになって、人類はそれとともに物質的に豊かさを追求していったわけでございますが、それでも産業革命の前まではその歩みというのは非常にゆったりとしたものでございまして、人類発生以来数十万年をかけまして、産業革命前の人間が一人当たり使ったエネルギーというのはせいぜいが二万六千キロカロリーでございますから、数十万年の年月の間にようやく十倍に達したというのが、十八世紀後半、イギリスで産業革命が起こって以降わずか二百年しかたっていないにもかかわらず、我々人類が特に先進地域で一日当たりに使うエネルギーというのが何ともう二十数万キロカロリーに達しているというようなことが報告されているわけでございまして、もう何十万年かけてようやく十倍のエネルギー使用量だった人類が、たった二百年でまたエネルギーを十倍使用する。そのエネルギーの裏づけとしてはいろいろな資源もあるわけでございますから、大変な勢いでエネルギーや資源を浪費をしながら私たちの物質文明を築いてきているわけでございます。 しかも、それに加えて、地球上の人口はまた飛躍的な伸びを示しているところでございまして、この両方の積によりまして、この地球上のエネルギーまたは資源というものが枯渇を目の前にすると同時に、二酸化炭素によります温暖化現象に代表されますような、地球環境全体ももうこの人間の活動に耐えられなくなってきているというような非常に深刻なところに立ち至っているわけでございます。 先ほど申しましたとおり、二年前の六月にブラジルのリオで地球環境サミットが開かれまして、人類としてこれから新しい歩みを始めていかなくちゃならないだろう、全世界的なパートナーシップを構築するど同時に、持続可能な開発を重んじながら人類の生存の道を探っていかなくちゃならない、こういうことを語ってきているわけでございますが、私は、率直に申しまして、この状況は今まで当たり前として我々が感じてきた一つの文明形態を否定せざるを得ないところに立ち至る話ではなかろうかというふうな気持ちがしているわけでございます。 ここで日本の役割を考えてみましたときに、経済大国だと言われます。また、技術大国だと言われます。そしてまた、底流には東洋の思想というものをしっかりと持ちながら西洋の文明を自由自在に活用できる国でもございます。しかも、世界人類が争うことなく平和に生きていこうという憲法を持つ国でもございます。そういうことを考えてまいりますと、このような日本の特質が、今閉塞状況に陥りつつあるこの世界全体に新しい時代を切り開く、そのかぎを握る国がこの我が国ではないのか、こんな思いを持つことがあるわけでございまして、大臣に質問をさせていただきたいと思いますのは、このような文明転換そして新文明というものを私たちが今迎えつつあるのではなかろうかというような思いに対して、どのような御認識をお持ちになって環境庁長官の責に当たっておられるのか、この点をひとつお伺いしたいと存じます。 そしてまた、環境庁の中において、人の生きがいや思想、文化、社会システム、非常に幅広い問題を内包しながら文明というのは動いていくわけでございますから、この新文明がいかなる形のものになっていくかということについての論議をそろそろ始めていかなくちゃならないところに立ち至っているんじゃなかろうかと私は感じているわけでございますが、環境庁内において、また、庁外の組織等をつくられるようなこともあるかもしれませんが、今後どのような形でこの文明問題に取り組んでいかれようとしておられるのか、まずこの点についてお伺いをさせていただきたいと存じます。
○浜四津国務大臣 お答え申し上げます。 ただいま大変激励のお言葉をいただきまして、ありがとうございます。また、大変高い見識に基づかれるお話、全く同感でございます。 今日、世界の経済社会活動は多くの分野で互いに依存関係を強めておりまして、我が国を含めました先進国においては、御指摘ありましたように、資源の大量消費また不要物の大量排出の問題、また途上国におきましては、人口増大に伴う食糧需要の増大、また貧困等を背景とします資源利用の圧力の高まり等々の問題があるところであります。 ただいま、これまでの文明の反省またこれからの文明のあり方というお話がございましたけれども、今のお話を伺っておりまして、私たち人間が本当に自由に駆使し得る情報を最大限持っている、また科学技術も非常に発達している、その意味では力の絶頂期にありながらこうした今日地球的な人類生存の危機にさらされていると、非常に皮肉な結果になっているということを痛感しております。 また、これまでの文明のあり方ということを考えてみますと、ちょっと余談になりますけれども、実はかつてあるアイヌの漁師の方のお話を聞いたことがあります。サケをとることを仕事としているその漁師の方が川に行ってサケをとる。この一匹目は神様のもの、次に流れてくる一匹はクマさんのもの、また次に流れてくる一匹がこれは私たちのもの、また次に同じようにしてとっていく。これと同じ話が実は戦前のポーランドにもあったということを聞いたことがあります。もちろん当時は捕獲の技術が未熟ということもあったかもしれませんけれども、先ほど先生おっしゃいましたように、特に東洋ではこうした自然との共生あるいは他の動物との共生、こういう当たり前の感覚そしてまた知恵を持っていたのではないかというふうに思います。 しかし、現代は持っている技術を駆使いたしまして根こそぎとってしまう、こういうこともなきにしもあらず。動物も植物もそれぞれ本来は他の動植物の生存を助けるための余剰分というのが恐らく自然のルールとしてはあるんだろうと思います。その余剰分をとることについてはその種を絶やす結果にはならないというふうに思いますけれども、これまで人間は、既に多くの他の動植物に対しまして種を衰減させるほどの殺りくを加えてきたことも事実でございます。私たちは、このあらゆる生き物あるいは資源につきまして、それらが現状を維持できるだけの限界を見きわめる、それ以上侵すことがない、こういうことをみずからいさめる必要がある、そういうことを認識する時期に来ているのではないかというふうに思っております。 こうした科学技術文明あるいは消費文明、何がこういう結果にさせてきたのかということを考えますと、その根本原因は、やはり科学技術の発達というのはある面では豊かな物質を生んできた、あるいは長寿の結果を生じさせたプラスの面はあるのかもしれませんけれども、やはりその反面で人間の欲望を無限に引き出してきた、このエゴイズムをどう抑えるかということがこれからの一番の重要な点であるかというふうに考えております。恐らくこれから、あるべき文明の姿という大変大きな御質問でございましたけれども、その文明の基軸となる考え方としましては、いろいろ言われておりますけれども、共生の思想とかあるいは人類意識、地球上の人類の一員である、こういう意識が不可欠である、そしてまた、人間だけではなくてまかの動物との共生あるいま未来の世代への責任、こういうことを基軸とする新たな文明を一緒につくっていかなくてはいけないというふうに感じております。
○小野分科員 前段の文明に対するお考えを御答弁いただいたのですが、長官、環境庁として今後この文明に対してどういうお取り組みをしていかれようとしておられるかという点についての御答弁をいただいておらないものですから、ちょっとお願い申し上げます。
○浜四津国務大臣 環境庁といたしましては、そうした文明の基軸をつくるような意識、本当にみんなで参加してこの環境をよくしていかなくてはいけない、こういう意識を持っていただくための環境教育、あるいはどうしたら本当にそういう環境をよくしていくことができるのかという研究、こうした環境教育、ある…は環境倫理の確立、あるいは環境研究、そうした面でこれまでも取り組んでまいりましたけれども、こうした面でまたさまざまな具体的な施策に取り組ませていただきたいと思っております。
○小野分科員 それでは、このあたりの問題はこれからの大きな課題になると思いますから、どうか、長官初め環境庁の皆さん、この切り口を含めまして、大きな地球環境問題に対する日本の貢献という問題についての御検討をいただいてまいりたいと考えております。 それでは、次の質問に移らせていただきたいと思いますけれども、今後の環境行政を進める上での体制の問題でございます。 これまでの環境庁につきましては、率直に申しまして、通産省を初めとする経済官庁においては産業の発展という問題に取り組んで、社会を前に推し進めるという役割を果たしてまいりました。そしてまた、建設省等の社会資本整備に当たる省庁は、いろいろな建物や橋梁をつくるような活動に従事してまいりました。それに対して環境庁が果たしてきた役割は何かというと、どちらかというと、これまで述べた省庁がエンジン役だとすれば、環境庁はブレーキ役としての役割を果たしてこられたような気がいたします。すなわち、発展的な歩みが余りに行き過ぎないように適度にブレーキを踏みながら、調和を地域に、またこの国土の中に守っていこうということに専心されてきたような気持ちがいたしますけれども、これから先の問題を考えてまいりますと、単にブレーキ役というだけでは、恐らく環境庁の仕事が全うできない時代になってきたという気がしてならないのでございます。 理由の部分はもう省かせていただきますけれども、その考え方に立ちましたときに、これまで日本の官庁は、よく言われますように縦割り行政という考え方がありまして、なかなか総合的な行政のあり方だとか、技術開発にいたしましても、いろんな分野の皆さんが一体になりながらその開発に取り組むだとか、こういうことが比較的行われなかった部分があったわけでございます。米国等を見ておりましても、環境保護庁、EPA、これを発展拡充しながら一つの環境省として環境問題を総合的に取り上げようというような動きが今起こっているやに聞いておるわけでございます。この日本の国においても、先ほど述べましたように、世界の中で環境行政を推し進める代表的な立場に立ち得る立場にあるわけでございますから、世界の模範となるべき環境省を創立されてみてはいかがかと考えているわけでございますが、この点に関しましてのお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
○浜四津国務大臣 お答え申し上げます。 環境基本法に定められました新たな環境政策の枠組みのもとに多様な施策を展開していくためには、政府一体となった環境行政の取り組みの体制を充実強化していくことが必要であると考えております。今おっしゃられましたように、環境庁といたしましては、政府全体の環境行政の中枢としてリーダーシップを発揮してまいりたいと考えております。 環境庁の省への昇格という問題につきましては、国全体の行政組織のあり方にかかわる問題でございますので、環境庁だけで判断することはなかなか難しい問題だというふうに考えております。幸い羽田総理も、所信表明でもまた委員会での答弁におきましても、環境問題に真剣に取り組むと何度も発言していただいておりますが、いずれにしましても、環境庁としましては、企画調整機能の強化を初めといたしまして、その組織体制の充実強化に今後とも積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。 さらに、皆様のお力をいただきまして、人員の面、また予算の面を充実させていただければというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○小野分科員 ありがとうございました。 先ほどの話に関連いたしまして、これからの日本の環境行政という問題を考えてまいりましたときに、世界に対する貢献という問題が一つの非常に大きなファクターになってくるだろうというふうに私どもは考えております。その視点に立ちましたときに、世界に対して日本が環境問題にこれだけ力を尽くし、貢献をしているということを明確にする上に、環境問題に関連するような国際機関の誘致をこの日本の国としても考えてみられてはいかがかと存じますが、この点はいかがでございましょうか。 そして、あわせまして、一つの考え方といたしまして、この日本の国の安全保障を達成する上に、地球環境問題と言われるこの問題は人類の生存のかかった重大な問題であるだけに、日本の国でこの問題に解決を示すような技術を次々と創造することができるような状況になれば、世界の国々から、自分たち人類の生存のために日本という国は非常に大事な国なんだというような認識をいただけるものと考えるわけでございます。例えば環境技術安全保障、環境技術をつくり出す、そういう機能を通してこの国の世界における安全保障を実現しようというような考え方を環境庁としてひとつおとりになられてはいかがだろうかというような思いを持っているわけでございますが、ちょっとあわせて御質問させていただきたいと存じます。
○森政府委員 お尋ねの第一点は、日本がこれから行くべき方向として、世界に向けていろんな形でいろんなものを発信していく、そういう足がかりとしても国際機関のようなものを日本に置いてはどうかという、大変示唆に富む御提言でございます。 実は、世界的に見てまいりますと、御承知のUNEP、国連環境計画でございますが、これはいわゆる文明の地から離れてナイロビに所在をいたしておるわけでございます。そういうような形で、いろんな形の環境に関するものが世界の各地にでき上がっていくというのは、私は、環境問題を考え、さらに進めていく上では大変いいことではないかと思っております。 日本では、そういう考え方でいろんなことを考えてまいっておりますが、現実こま、UNEPすなわち国連環境計画の国際環境技術センター、これを滋賀県と大阪府に誘致をいたしまして、既に設置を終わり、活動に入っております。これは、目的とするところは、UNEPの持っておりますいろんな形での技術の移転を助けるということでございまして、日本が持っている環境に関する技術を世界各国に移転をしていく、そういう大きな足がかりを持つものでございます。これが一つの例でございます。そのほかにもいろいろな考え方はあろうかと思います。努力をしてまいりたいと思っております。 それから、第二点のお尋ねにつきましては、我々常日ごろ、世界に向けて日本が発信をしていける、それだけの我々の力量がある、また我々も技術あるいは経験といった点で大変大きなものを持っているわけでありますから、それを世界の環境問題の解決のために役立ててほしいという気持ちを常々持って、外部に向けて発信を心がけているところでございます。
○小野分科員 それでは続きまして、環境技術問題についての御質問をさせていただきたいと存じます。 環境庁の場合、庁に所属する研究機関というのは、筑波学園都市にございます国立環境研究所、それから水俣病の研究を行うための、水俣に設置された研究所、この二機関だと私は聞いております。 さきに文明転換の問題について御質問させていただいたわけでございますけれども、私はやはり、文明が動いていくというときに、その一番の原点で原動力になる力というのは新技術ではなかろうかという考え方を持っている一人なんですね。 例えば、産業革命の問題を指摘いたしましたけれども、あの産業革命によって社会の仕組みも、都市を中心にするような生活形態が生まれたり、それから勤労というものを美徳とするような倫理観が生まれたり、いろいろな影響をこの社会に及ぼしましたけれども、その一番最初の突破口はジェームズ・ワットが開発した内燃機関であったとよく言われているところでございます。 そういうことを考えてまいりましたときに、今私たちが環境問題として目前に深刻な課題を抱えているわけでございますが、この多種多様な問題、しかも非常にいろいろな問題が絡み合いながら複雑になっているというこの課題に対して、果たして今環境庁さんが持っておられます国立環境研究所というところで対応ができるのだろうかという疑念を持っているわけでございます。 この国立環境研究所におきましては、研究部門の人員が約百八十名、そして地球環境研究センターが九名、そして環境情報センターが十九名、あとは間接部門、研修部門の皆さん方でございますけれども、この程度の陣容で果たしてこれだけ深刻な人類の未来を占うというような課題に立ち向かっていくことが可能なのかどうか、率直なところでの御意見をお聞かせいただきたいと思う次第でございます。 なお、この国立環境研究所の中で扱っております問題というのは、地域における局所的な環境問題とそれから地球規模における大きな環境問題と、あわせてこの中で扱っているというわけでございますけれども、この両者というのは決して同一の環境問題ではない。随分異質な環境問題でありまして、解決法も違えば、その解決に必要な技術だとかその研究を行うための手法も違ってくる。また、その展開をしていく上での外交上の必要性だとか、こういうふうなものも関連してくるわけでございまして、それだけ違う二つの研究機能をこの程度の研究機関の中に押し込めている現状というのが果たして妥当な形かどうかということでございます。 私の提案といたしましては、地域の環境問題とそれから地球規模の環境問題と、これはやはり分離をした上での拡充発展を図るべきではなかろうかという思いを持っているわけでございますけれども、この点についての御見解をお聞かせいただきたいと存じます。
○森政府委員 国立環境研究所、実はきょう、誕生いたしましてから二十年の式典をちょうど今やっている最中でございます。まさに生まれてから二十年たちました。先生の御著書の中でも触れられておりますが、国立公害研究所からスタートをいたしましたこの環境研究所、この分野での研究では我が国の第一人者を自負し、また私どももそうだと思っております。 その研究所に対する先生の大変厚い御支援、また御鞭撻の意味と受けとめさせていただきますが、実はこの地球規模的な環境研究の必要性というのが、研究所内あるいは行政の中でも大変強くなってまいりました。先生が今お述べになりましたような観点でいろいろ議論をいたしましたが、平成二年に、これまで国立公害研究所が持っております技術、あるいは研究陣のつながり、こういうようなものをいろいろ総合いたしまして、この研究所の中に地球環境研究センター、こういうものを設けて、国際的な協力のもとで、いわゆる学際的あるいは省際的な地球環境研究の総合化を図る、こういう目的でスタートをいたしております。 ただいま先生から、研究の状況から見れば二つの機関とすることが適当ではないかな、こういう貴重な御提言でございますけれども、私どもといたしましては、平成二年に発足をいたしました地球環境研究センター、この設置をいたしました趣旨を体しながら、長期的な視点に立った体制づくりというところにしばし力を置いていきたいなと思っているところでございます。
○小野分科員 その問題につきましては、まだ今すぐの答えという問題ではございませんで、今後十分に御検討いただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 いよいよ最後の質問になりましたけれども、環境ビジネスの育成、振興に関する質問でございます。 私は、地球環境の問題は必ずしも研究機関の白亜の殿堂の中だけでは解決できない問題ではなかろうかと感じている一人でございまして、やはり地球に住む人類の一人一人がこの問題に何らかの形で関与しながら問題解決に当たっていかなくてはならない課題だと考えております。 そういう点を考えてまいりましたときに、何が大事かといえば、やはり一人一人の人に対して、仕事の面や生活の面で密着した問題としてこの地球環境問題をおろしていくことであろうというのが私の認識でございまして、その一つの方向というのが、ビジネスとして成立する状況をつくり上げることではなかろうかという気持ちがいたしております。 その地球環境問題を解決する技術をつくり出すことがビジネスになるのであれば、恐らくその開発に向けて皆さんが力を注いでいくでしょう。また、そういうような製品をつくることがビジネスになるのであれば、ほうっておいても環境を汚さないような製品がつくられてくるわけでございましょうから、環境ビジネスというものをきちんとこの日本の国においても確立を図りながら、技術の振興並びにその製造現場の改革、また社会意識の変革、こういう問題に取り組んでいかなくてはならないと考えている次第でございます。 そこで、この問題に関しましては、通産省等とも深く関連し合ってくる問題ではございますが、他省庁との協力関係も含めまして、今後環境庁として環境ビジネス育成のためにどのような施策展開を考えておられるのか、この点についての御見解をお伺いしたいと思います。
○森政府委員 今、環境ビジネス、私ども環境関連産業、こういうとらえ方をいたしておりますが、先ほど冒頭、大臣が申し述べましたように、これから先の我が国の状況は、環境への負荷の少ない、持続的発展が可能な社会を構築していく、そのためにはそれぞれ社会の主体、すなわち国民、企業、そして国、地方公共団体、それらがそれぞれの立場で参加をしていくこと、これが極めて大事なことであるというのは、環境基本法の理念のとおりでございます。これが新たな文明を導き出すということになろうかという気はいたします。 そういう中で、企業の行動という点で考えてまいりますと、先ほどお尋ねにございましたように、産業界におきます環境関連産業の育成、これを促していくというのは大変重要な手法であろうと思っております。まさにお話にございましたように、環境庁ひとりでできることではございません。私どもは環境保全に関します企画調整官庁という役割でございますので、関係省庁と十分協力をとりながら、環境関連産業をできるだけ支援をしていく、その育成を支援していくという方向でやっております。 現に、例えば税制の問題でございますとかいう点では、いろいろなとり得る手法をとってやってきているわけでございますが、これからいろいろな分野で、例えば環境負荷を低減させる装置をビジネスとするとか、あるいは負荷の少ない製品をつくり出すとか、あるいはサービスを提供するとか、あるいは社会基盤を整備する、こういうような手法が多々ございまして、これから国会に御提出をさせていただこうと思っております今年度の環境白書でも、そこのところをかなり詳しく論じているところでございます。
○小野分科員 ありがとうございました。以上で終了します。
○森主査 これにて小野晋也君の質疑は終了いたしました。 穀田恵二君。
○穀田分科員 私は、京都御苑に迎賓館施設という問題と関連して、環境庁に若干お聞きしたいと思います。 先ほど環境庁長官からもお話しありましたけれども、世界的にも、自然保護だとか自然の保全というのは大事な問題となっていることは御承知のとおりです。それで、国民公園たる京都御苑の位置づけについて、まずお聞きしたいと思います。
○奥村政府委員 国民公園は、先生御案内のとおり、皇室財産を引き継いだものとして、広く国民に開放するという観点から、旧厚生省が所管をしておりまして、環境庁が設置をされた時点で環境庁に引き継ぎ、現在に至っているものでございます。それぞれのところでそれぞれの形態に従い、利用が適切に行われている、私どもとしてもその保存に努力をしているというのが現状でございます。
○穀田分科員 御承知のとおり、国民公園は三つありますよね。三つしかない。そこで、今お話しありましたように、広く国民にということと保全という二つのことが言われました。現代的に言うならば、自然を守るということと広く国民が利用して親しむことだ、こういう二つのことだと理解していいですね。
○奥村政府委員 基本的に、先生おっしゃるとおりでございます。
○穀田分科員 先ほどお話しあったように、これは、もともと昭和二十二年の閣議決定で国民福祉のために確保するということが言われています。しかも、これは「保存を図り汎く一般国民の亨用に供すること。」ということになっていまして、今お話しあったように、保全して自然を守るということと広く国民に親しんでもらうということなわけですよね。中心問題は二つなんです。 ところが、その京都御苑の中の一部のところに迎賓の施設をつくろうということになりますと、これは既に御承知かと思うのですが、京都御苑に公賓、国賓、これらが来られた場合に、重要な支障が来して、広く市民が使えないという事態だとかいろんなことが生じています。だから私は、まず豊かな自然を守る上で環境庁がその役割を発揮していただく、それから広く市民が利用して親しんでいただくために頑張っていただく、その二つの観点からすれば、そういうものを阻害するような施設をつくるのに対して物を申すべきじゃないかと思うのですが、どういうふうにお考えですか。
○奥村政府委員 先生御指摘の関西の和風迎賓館の構想につきましては、地元京都府、京都市及び地元の商工会議所の三者が、こうしたものをつくるべきであるということで強く要請をされているということでございます。そして、この迎賓館の立地場所、そしてあり方等につきましては、現在、政府の内部では総理府が担当いたしまして、多方面の学識経験者を含む調査研究委員会というものを設けて、そこで検討されているわけでございます。 そして、いろいろな問題の解決を図りながらこれを設置していくということで検討されておるわけでございますが、地元その他いろいろなところで、京都御苑、そしてその中の饗宴場跡地と呼ばれるところが候補地として挙げられているところでございます。現在、先ほど申しました委員会の報告の取りまとめが進められているところでございまして、その取りまとめが行われた後、政府全体としての構想がまとめられることになるというふうに承知しております。 環境庁としては、京都御苑内に立地されるという場合には、京都御苑の国民公園としての機能の維持が図られることが前提と考えておりまして、現在饗宴場跡地にある運動施設の機能の維持、そして周辺の自然環境の保全などについて適切な措置が講ぜられる必要があると考えておりまして、こうした観点から適切に対処してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○穀田分科員 今お話しありましたけれども、総理府を中心に取りまとめを行っておる、調査検討委員会をやっておる。それでは、そこの中に、多方面とありますけれども、その委員会の中に、どうしたらつくることができるか、どんなものをつくるかという人たちは入っていますが、自然環境の分野から、例えば、今お話しあったように、そういう自然を守るために必要な意見を言う自然環境の学者だとかが入っていませんよ。それは事実だと思うのですね。まずそれについてお答えいただきたい。 それともう一つは、そういう支障が来さないように、そういう機能の維持が前提だ、それは大事なことなわけだけれども、そういうものが来た場合にその機能の維持がならないということについてどうお考えですか。
○奥村政府委員 委員会の構成につきましては、総理府に設けられておる検討委員会でございますので、私どもがあれこれ申し上げる立場ではないわけでございますが、地元京都府及び京都市のメンバーもいろいろな形で意見を聞くというようなことが行われているようでございまして、そういう形で現地の状況についての把握がされているものというふうに考えております。 また、なかなか保全が図られないのではないかという御指摘でございますが、現在候補地としていろいろなところで指摘をされている饗宴場跡地は、先生御案内のとおり、現在野球場とかゲートボールなどのグラウンドになっておりまして、そこに立地される場合に、基本的には立木や緑地が大規模に改変につながるということではないというふうに考えておりますが、その建設計画が今後具体化していく段階で、必要な自然環境保全上の検討が加えられ、適切な配慮がなされるよう、私どもとしても対応していきたいというふうに考えておるところでございます。
○穀田分科員 では、環境庁長官、せっかくおいでですからお聞きしたいのですが、長官の職務との関係で、こういったものに対して物申すということができると私は思うのですね。例えば、京都御苑というのは管理規則がいろいろありまして、その中に、環境庁長官の許可が必要だというのがたくさんあります。それからまた、国民公園というのは、御承知かと思うのですが、自然公園法と大体体系としては本来通用するものだと思うのですね。その自然公園法においてもやはりいろいろなことを、建物を建てる場合については環境庁長官の許可が必要だ、こう書かれています。 つまり、考え方としては、環境庁長官の重大な権限を持って自然問題について当たることができるということだと思うのですね。そうしますと、私は、少なくとも京都御苑という都市のオアシスに重大な変更が加えられる問題について物を申すべきだと思うのですが、いかがですか。
○浜四津国務大臣 自然環境保護に関しまして、環境庁長官にさまざまな形で権限が与えられているということは承知しております。また、今お話がありました京都御苑におきましては、オオタカの飛来を初めといたしまして多種にわたる鳥類が確認されているということも承知しております。私といたしましては、このような京都御苑の恵まれた自然環境、都市の中の貴重な緑と言われているこの自然環境を極力保存していく必要があるというふうに考えております。 また、御指摘の迎賓館立地に伴う問題につきましては、その建設計画が具体化した段階で、自然環境の保全等についても必要な調査検討が加えられることになるというふうに考えておりまして、今後その段階で総理府等関係者との間で適切に対応していきたいと考えております。
○穀田分科員 今お話しありましたけれども、オオタカの飛来は御存じのようです。そうすると、オオタカが飛来しているというのは、幼鳥が飛来しているのも御存じですか。
○奥村政府委員 具体的な問題でございますので、私からお答えさせていただきます。 オオタカの飛来についてはいろいろな方がそれを観察しておられるわけでございますが、先生御案内のように、京都御苑はいろいろな観察会が行われております。先般の五月九日にも、専門家の先生方を初め百名に上る方々が観察をされたということで報道などもされておるところでございます。 オオタカの問題については、それらの方々のお考え等いろいろ私どもがお聞きしている限りでは採餌地ということで使われているということで、今のところは生息をしているという状況ではないというふうに承知をしておるところでございます。
○穀田分科員 幼鳥が飛んできているということは、当然明らかにこれは営巣の可能性があるという問題なんですね。それは結果としてどうなるかというのは調べていただくということで、四月七日付の読売新聞で、環境庁の生物課の方が、「専門家の意見を聞きながら、早速、調査したい」とおっしゃっていますが、環境庁長官、こういう問題について、御承知のとおり種の保存に関する法律がございますよね。それで調査しはりましたか。
○奥村政府委員 恐縮でございます。具体的な問題でございますので、私から御答弁させていただきたいと思います。 京都御苑は私どもの管理事務所がありまして、日常的に鳥類でありますとか植物でありますとか調査をいたしておるところでございます。それで、オオタカについても、先ほど申し上げましたように、定期的に観察会がありまして、そこで専門家の先生にお願いをしていろいろ御指導をいただいておるわけでございますが、そうした中でいろいろな観察、調査もいたしておるというのが現状でございます。
○穀田分科員 どうもはっきりしないんですがね。オオタカの親子二羽が確認されたという、この新聞の記事もそうなんですが、実は環境庁の職員の方がこれは撮影しておられるのです。それは御承知のとおりだと思うのです。だから、それは調査ではなくて確認をしているというだけであって、具体的に法律に基づく調査を行っているのかということを私は言いたいのです。 かつても、京都の場合、南部の地域でそういうことがありました。しかし、これは調査を行うといって結局一週間程度でやってしまうなんということでは、これはだめなんですね。だからしっかり調査を行うべきだということを私は言っているのです。それが一つ。 二つ目に、せっかく長官おいでですから、必要な調査は具体化した後で行うと言っていますけれども、それでは私は、今の考え方、つまり自然環境を保護するという考え方と逆行することだと思うのです。そういうものが行われるという以前に、それがどういうふうに環境に影響を及ぼすのかを事前に調査するということがかなめなんであって、それはまさにそのことが問われていると思うのですが、いかがですか。
○奥村政府委員 先ほど御答弁申しましたように、日常的な把握は私ども常に行っておるわけでございますし、また鳥類の観察については、専門家の先生にお願いして観察会等の形でいろいろ調査、把握をしているというのが現状でございます。 また、具体的な迎賓館の問題、あるいはその建設によってどういう影響が出てくるかというような問題につきましては、まだ迎賓館そのものが研究委員会で正式な報告ということでまとめられていないということでございますし、具体的な内容も固まっていないという段階でございますので、そうした具体化された段階でそれに即した対応というものが行われるべきだというふうに考えておるところでございます。
○穀田分科員 私はそういう言葉はちょっと不可思議だと思うのですね。つまり、どういうふうな自然が京都の御苑にあるのかということは御承知のとおりなんです。貴重な鳥類だとか、それから今言った野鳥だとかいうのがあり、しかもお話しのように自然教室も行ってきた。 この自然教室を行ってきたのはほかならぬあなた方であり、そして御苑の保存会であり、そして市井の方々です。そういう方々が現実には行ってきて、先ほどお話しした鳥類だとかオオタカだとか含めて発見されて、そういう貴重な自然がこんなふうにあるのかということで発見されてきてつくってきたわけです。私は、そういう方々からもし御苑の中にそういうものがつくられればどうなるかということについても意見をお聞きする必要があると思うのです。 というのは、かつて御承知のとおり、この御苑ができたときに、御苑を国民公園にする経過の中で、米軍の接収の経過だとかそれから民間に対する払い下げだとか、そういうのを守ってきた経過があるわけですね。だから私は、そういうものを守り抜く上でやはり環境庁が、そういう新しい環境全体に一つの大きなインパクトを与えるような、打撃を与えるようなやり方に対してはノーだということをまず言って、こういうものがつくられれば、少なくとも二ヘクタールでつくられることは予定としてはっきりしているわけだから、そういうものがつくられればどういうふうな影響を及ぼすかということをまずやるのが先決ではありませんか。それは根本問題ですから、長官にお聞きしたいです。
○浜四津国務大臣 この建設計画につきましては、その内容がまだ明らかになっておりませんので、その内容が明らかになった段階で、その内容に即して自然環境保全の見地から検討を加えて、そしてまた必要な調査が行われることになります。御指摘の、オオタカに影響を及ぼすかどうかにつきましても検討事項に含まれるというふうに考えております。
○穀田分科員 私残念だと思うのは、環境問題で長官はこう言ってますよね。日経新聞で、「地球環境問題の解決に向けて国際的リーダーシップを発揮していきたい。」こういうふうに言ってます。 そこで、例えば環境庁で、管理事務所でお勤めだった羽賀さんという方はこう言ってます。御指摘のとおり観察会が行われています。「観察会を地球環境を考える緒とし、身近な自然の観察と理解こそ地球環境問題を解決する切り札と位置付けていたが、そのつど期待にたがわぬ反応を実感することができた。」こう言っているのです。 環境庁長官のお言葉からすれば、まさにこういったものが自然を守る上で極めて大切だ。まだそういう人たちがっくり、守り育ててきた問題について、やはり本当に援助することが必要だ。そういう立場に立つことが今求められているわけですね。ところが既に計画は、計画されたらじゃなくて、二ヘクタールですか、はっくるということだけは既にはっきりしているのですよ。あそこに饗宴場にもつくるということまで案ができているわけですよ。そういう立場からすればどうなるかということが一つなんです。 もう一つは、饗宴場につくるからいいみたいな話をしはりますけれども、饗宴場のところだって、身近な貴重なカンサイタンポポが生息している現場なんですね。問題は、今の環境学的な立場からすれば、一部を破壊すれば大きく破壊されるという現状なんです。そういうものだからこそ、逆に言えば環境庁はそういう立場から物を言ってもらっては困るわけなんです。そういう点、どうですか。
○奥村政府委員 迎賓館の具体的な内容については繰り返しの答弁になりますが、調査研究委員会で今検討され、それが取りまとめられるということになっておるわけでございまして、それを受けて、政府全体としての対応が基本構想ということで取りまとめる過程にあると思いますが、そうした具体的な形に即して私どもとしては調査が行われ、また私どもとしてはしかるべく保全のための対応をしていきたいというふうに思っておるところでございます。
○穀田分科員 では具体的にお聞きしますが、環境保全のための必要な自然の調査を行うということは、どういった内容で行う予定ですか。
○奥村政府委員 具体的な構想がまだ正確な形で出ておりませんので、それに即して対応すべきだと思いますが、いずれこしても、京都御苑の鳥類、それから植物その他、それから樹木とか豊かな自然があるわけでございますから、それに対する影響といったものが調査として行われるべものだというふうには思っております。
○穀田分科員 では、そういう調査をまず行うということだけは確認しておきたいと思います。 それでは、あわせて、かつて環境庁長官、上田さんの時代ですけれども、京都御苑にちびっ子広場をつくるということで、大切なことだ、土に親しむことが大事だといったことを言っていると思うのですが、それは御存じですね。
○奥村政府委員 承知いたしております。
○穀田分科員 そうしますと、当時、山崎自然保護局長だと思いますが、昭和五十九年でしたか、子供たちがはだしで土に親しむことは極めて大事だ、こうおっしゃっていました。これも私はもっともなことだと思うのです。それを受けてちびっ子広場の話が出たわけです。それは、皆さんも京都御苑の話を今せっかくされているわけだから御承知かと思うのですが、あそこはそういう意味でいいますと、ちょうど土のところなんですね。とっても大切なところでして、子供たちにとっても土と親しむ場としても大事なところだ。だから、保育所などでも卒園の文集にも散歩マップなんと書かれているような現状であるわけです。そういう点からしてどうなのかということを、ひとつお聞きしたい。 もう一つは、自然の関係で私はどうしても局長にお聞きしたいのは、一部分、これは二キロ平方メートルということははっきりしているんですよ、どういうことであれ。計画が具体化された段階とあなたは言わばりますけれども、そこだけははっきりしているわけです。饗宴場というところもはっきりしているんですよ、ゲート場とはっきりしているんですよ。そうなりますと、そこの部分が破壊されることによってどういう影響を及ぼすかということは、繰り返しますけれども、やはり私は事前に調査できる問題だ、しなくちゃならない問題だと言っている。というのは、今までの経過がある。 例えば、御承知かと思うのですけれども、ついせんだって、テレビでやりましたが、イグアスの滝ということが出ましたね。あれでも、鳥類やその他自然の動物たちは二十五キロメートル先から瀑布の音を聞くことができるんですね。瀑布の音を聞くことができるのです。しかし、ヘリコプターの音はまた違うんですね。同じなんです。こういうことなんです。つまり、今ある自然の中にある人間の営みと違った形でそれが行われた場合については、重大な影響を与えるというのは当たり前のことなんです。それは現在の環境や自然の考え方に対して、当たり前の今の理論となっているわけです。そういう点からすれば、やはり極めて重大な問題だということで、少なくとも計画段階から意見を差し挟むのが当然じゃないかと私は言っているのです。そのことについてお答えください。二つ。
○奥村政府委員 前段の点でございますが、饗宴場広場のちょっと北側になりますが、母と子の森ということで整備をしておりまして、そこは先生御指摘のようないろいろな形で利用をされているということでございます。当該母と子の森の場所は、具体的な候補地ということには恐らくならないだろうというふうに考えております。 また、現在の主たる利用が行われております饗宴場跡広場はゲートボール場あるいは野球場ということでありますので、繰り返しになりますが、そこで建物が建てられるということになった場合にも、大規模な地形の変更ということにはならないのではないかと考えておりますが、いずれにしても具体的な形、それから敷地の利用形態というものが決まってまいりませんと、影響調査というのは非常に難しいわけでございます。その段階で私ども、対応してまいりたいと思っております。
○穀田分科員 大規模な変更にならないというのが違うんですね。今の考え方でいいますと、それでは新宿御苑にぼこんと建ててもいいのかということになるわけですね。しかも、どのぐらい迎賓館というものを使うとお思いになりますか。御存じですか。
○奥村政府委員 迎賓館はまだ建てられておりませんので、これからどういう利用形態になるのか、そこは承知しておりません。
○穀田分科員 では言っておきますけれども、資料によれば、これは総理府の統計ですけれども、一九七四年から十九年間、百五十九回国賓は見えています、この十九年間で。ところが、京都にお見えになった方は二十五回なんですよ。たった年二回なんですよ。年二回のそういう人たちのために、国民の利用を広くすべしという概念、そして自然を保全すべしという概念、その二つの理念を突きますようなことがあっていいのかということなんですよ。
○奥村政府委員 迎賓館の必要性につきましては、これは総理府の方でいろいろ考え、また地元の御要請もあろうことでございますので、そこで検討をされるべき問題だと思います。 私どもとしては、現在京都御苑がゲートボール場やあるいは野球場として広く利用されているという現状につきましては、そうした状況が維持されるという形が前提であろうというふうに考えているところでございます。
○穀田分科員 前提とされる、まあ話がどうもかみ合わへんのやけれども、どうしてそうなるんですかね。 では、二つ聞きます。それでは、前提とされるのだったら、逆に言えば当然、少年野球や社会人も野球頑張ってはります、そしてゲートボール場にも使ってはります、それは確保されるのですね。そのために努力されるということですな、環境庁は。 それが一つと、もう一つ、先ほどオオタカの話、私思い出したのですが、一九九八年に予定されている長野の冬季オリンピックでは、オオタカの生息が確認された白馬村で、クロスカントリー会場予定地の変更をするなど、自然環境への影響や国内希少野生動物の保護がされていることから見ても、これは今そういったことについて、生息は確認されているわけだから、主張すべきことだと思うのですね。その二つの点、最後にお聞きしたいのですが。
○奥村政府委員 ゲートボール場や野球場など地域で利用されている機能については、私ども、維持されるように努力してまいりたいと思います。 それから、オオタカについて、長野県の白馬村で条例がつくられ保全が図られる、そしてオリンピックの施設が、場所が変更になったということは承知しておりまして、大変地域における適切な対応だと考えております。
○穀田分科員 ですから、そういう角度で、やはり環境庁はそういう先例に倣いまして、こういうところでいえば、自然を守るために当然御苑については、そういう施設は必要でない。迎賓館をつくるのは総理府の話だといいますけれども、もともと別に御苑につくらなければならないというのはないわけなんです。私どもは、迎賓館そのもの自身について反対しているわけではないんです。例えば二条城という手もあるわけなんです。なぜ国民公園たる、しかも京都、御承知かと思うのですが、都市公園の広さでいいますと、十三大都市中下から二番目なんです。およそ少ないんです。 そういうことからしますと、逆に言えば、あなた方は自然を守る、公園を具体的にふやすのは建設省だとしても、実際に守っていく、そういう立場からすれば、少なくともこの計画については物申して、なおかつ、意見を言える特別の人を配置するとか、それからオオタカの問題からしても、それは困るということだとかいうことが必要だと思うのです。だから、私は、あそこで環境庁の所管である管理事務所所長は歴代の方々が、少なくともこういう京都御苑については迎賓館の建設は反対である、異議申すという話をしているわけで、それぐらいやはり物を大切にして保全したいという方々の熱意があればこそ、こうなっているわけです。私は、そういう点での努力を、その決意を最後にお聞きしたいと思っています。
○奥村政府委員 私ども、国民公園を維持管理してきた立場でございますので、今後とも国民公園が広く利用され、また自然環境が保全されるよう努力してまいりたいと思っております。
○穀田分科員 終わります。
○森主査 これにて穀田恵二君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして環境庁所管の質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○森主査 これより大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。石田大蔵政務次官。
○石田(祝)政府委員 平成二年度大蔵省主管一般会計歳入決算並びに大蔵省所管の一般会計歳出決算、各特別会計歳入歳出決算及び各政府関係機関決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入決算について申し上げます。 収納済み歳入額は六十九兆三千二百十九億八千九百四十五万円余となっております。 このうち主な事項について申し上げますと、租税及び印紙収入は五十八兆五千八十四億八千四百十九万円余、公債金は七兆三千百二十億四千三百四十九万円余、雑収入は一兆九千四百五十億二百五十四万円余、前年度剰余金受け入れば一兆三千八百八十八億八千三百八十二万円余となっております。 次に、一般会計歳出決算について申し上げます。 歳出予算現額は十六兆八千九百三十六億一千七百十一万円余でありまして、支出済み歳出額は十六兆七千三百七億四千七百六十九万円余、翌年度繰越額は三十八億六千四百九万円余でありまして、差し引き、不用額は一千五百九十億五百三十二万円余となっております。 このうち主な事項について申し上げますと、国債費は十四兆三千百四十二億一千四百五十二万円余、産業投資特別会計へ繰り入れば一兆二千八百二十七億七千八百三十八万円余、政府出資は三千二百二十億円、経済協力費は三百八十七億一千七百五十九万円余を支出いたしました。 なお、公務員宿舎施設費につきましては、三十八億六千四百九万円余が翌年度へ繰り越しとなっております。 次に、各特別会計の歳入歳出決算の概要を申し上げます。 まず、造幣局特別会計におきまして、収納済み歳入額は一千六百九十五億四千六十八万円余、支出済み歳出額は一千六百九十七億六千七百六十二万円余でありまして、損益計算上の利益は一千二十五万円余であります。 このほか、印刷局等の各特別会計の歳入歳出決算につきましては、決算書等によって御了承願いたいと存じます。 最後に、各政府関係機関の収入支出決算の概要を申し上げます。 まず、国民金融公庫におきまして、収入済み額は四千四百九億五千三百四十九万円余、支出済み額は三千八百十三億七千八百四十八万円余でありまして、損益計算上の損益はありません。 このほか、住宅金融公庫等の各政府関係機関の収入支出決算につきましては、決算書によって御了承願いたいと存じます。 以上が、平成二年度における大蔵省関係の決算の概要であります。 なお、時間の関係もございまして、お手元に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明にかえさせていただきたいと存じますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。 次に、平成三年度大蔵省主管一般会計歳入決算並びに大蔵省所管の一般会計歳出決算、各特別会計歳入歳出決算及び各政府関係機関決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入決算について申し上げます。 収納済み歳入額は、七十兆七千三百五十七億一千二十三万円余となっております。 このうち主な事項について申し上げますと、租税及び印紙収入は五十八兆三千六百九十四億五千百七十三万円余、公債金は六兆七千二百九十九億九千九百十二万円余、雑収入は三兆五百九十五億九千百五十五万円余、前年度剰余金受け入れば二兆四千三百四十七億九千百八十八万円余となっております。 次に、一般会計歳出決算について申し上げます。 歳出予算現額は十八兆百七十二億五千二百七十四万円余でありまして、支出済み歳出額は十七兆九千七百二十九億九百二十七万円余、翌年度繰越額は二十五億六千百七十二万円余でありまして、差し引き、不用額は四百十七億八千百七十四万円余となっております。 このうち主な事項について申し上げますと、国債費は十五兆五千三百六十五億七千二百六十二万円、産業投資特別会計へ繰り入れば一兆二千七百二億五千八百九十六万円余、政府出資は三千五百七十四億円、経済協力費は三百十七億九千六百八十九万円余を支出いたしました。 なお、公務員宿舎施設費につきましては、二十五億六千百七十二万円余が翌年度へ繰り越しとなっております。 次に、各特別会計の歳入歳出決算の概要を申し上げます。 まず、造幣局特別会計におきまして、収納済み歳入額は二百五十一億四千七百十二万円余、支出済み歳出額は二百六十二億一千七十六万円余でありまして、損益計算上の利益は九百三十万円余であります。 このほか、印刷局等の各特別会計の歳入歳出決算につきましては、決算書等によって御了承願いたいと存じます。 最後に、各政府関係機関の収入支出決算の概要を申し上げます。 まず、国民金融公庫におきまして、収入済み額は五千六億八千四百九十八万円余、支出済み額は四千六百三十四億八千九百八万円余でありまして、損益計算上の損益はありません。 このほか、住宅金融公庫等の各政府関係機関の収入支出決算につきましては、決算書によって御了承願いたいと存じます。 以上が、平成三年度における大蔵省関係の決算の概要であります。 なお、時間の関係もございまして、お手元に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明にかえさせていただきたいと存じますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○森主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院阿部第一局長。
○阿部会計検査院説明員 平成二年度大蔵省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項二件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。 まず、法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項について御説明いたします。 検査報告番号八号は、租税の徴収に当たり、課税資料の収集・活用が的確でなかったなどのため、徴収額に過不足があったものであります。 また、検査報告番号九号は、職員の不正行為による損害が生じたもので、広島西税務署におきまして、分任国税収納官吏が、現金で納付を受けた国税を領得したものであります。 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。 これは、国税の還付に当たって支払われる還付加算金の課税に関するものであります。 国税を還付する際にあわせて支払われる還付加算金は、雑所得として課税の対象となるのに、納税者に対する広報が十分でなく、また、税務署において課税資料を十分に活用していなかったため、還付加算金について申告がなく、これに対する課税がされていない事態が多数見受けられました。これについて指摘したところ改善の処置がとられたものであります。 以上をもって概要の説明を終わります。 続きまして、平成三年度大蔵省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項四件であります。 検査報告番号三号は、租税の徴収に当たり、課税資料の収集・活用が的確でなかったなどのため、徴収額に過不足があったものであります。 検査報告番号四号及び五号の二件は、税務署職員の不正行為による損害が生じたもので、茂原税務署及び沼田税務署におきまして、分任国税収納官吏が、現金で納付を受けた国税を領得したものであります。 検査報告番号六号は、造幣局職員の不正行為による損害が生じたもので、造幣局本局におきまして、貨幣の製造業務に従事していた職員が、外見は流通しているものと変わらない検査未済の五百円白銅貨幣を領得したものであります。 以上、簡単でございますが、説明を終わります。
○森主査 次に、深田審議官。
○深田会計検査院説明員 平成二年度国民金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 次に、平成三年度国民金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 平成二年度日本開発銀行の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 次に、平成三年度日本開発銀行の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 平成二年度日本輸出入銀行の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 平成三年度日本輸出入銀行の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○森主査 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。石田大蔵政務次官。
○石田(祝)政府委員 平成二年度に関し、ただいま会計検査院から御指摘のありました事項につきまして、大蔵省のとった措置等について御説明申し上げます。 会計検査院の検査の結果、不当事項として、税務署における租税の徴収に当たり、徴収額に過不足があったこと等の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。これらにつきましては、すべて徴収決定等適切な措置を講じましたが、今後一層事務の合理化と改善に努めてまいりたいと存じます。 次に、平成三年度に関し、会計検査院から御指摘のありました事項につきまして、大蔵省のとった措置等について御説明申し上げます。 会計検査院の検査の結果、不当事項として、税務署における租税の徴収に当たり、徴収額に過不足があったこと等の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。これらにつきましては、すべて徴収決定等適切な措置を講じましたが、今後一層事務の合理化と改善に努めたいと存じます。 以上でございます。
○森主査 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○森主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 平成二年度大蔵省主管一般会計歳入決算並 びに大蔵省所管の一般会計歳出決算、各特 別会計歳入歳出決算及び各政府関係機関決 算書に関する説明 平成二年度大蔵省主管一般会計歳入決算並びに大蔵省所管の一般会計歳出決算、各特別会計歳入歳出決算及び各政府関係機関決算書につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入決算について申し上げます。 平成二年度の収納済歳入額は六十九兆三千二百十九億八千九百四十五万円余でありまして、これを歳入予算額と比較いたしますと二兆百九十九億二千三百三十五万円余の増加となっております。 以下、歳入決算のうち、主な事項についてその概要を申し上げます。 第一に、租税及印紙収入でありますが、その決算額は五十八兆五千八十四億八千四百十九万円余で、これを予算額と比較いたしますと一兆九百五十四億八千四百十九万円余の増加となっております。これは、所得税等において課税額の伸びが見込みを上回ったこと等によるものであります。 第二に、公債金でありますが、予算予定額を全額発行することといたしました結果、その決算額は七兆三千百二十億四千三百四十九万円余となっております。 以上のほか、官業益金及官業収入百十二億三千三百九十五万円余、政府資産整理収入一千五百六十三億四千百四十四万円余、雑収入一兆九千四百五十億二百五十四万円余、前年度剰余金受入一兆三千八百八十八億八千三百八十二万円余となっております。 次に、一般会計歳出決算について申し上げます。 平成二年度の歳出予算現額は十六兆八千九百三十六億一千七百十一万円余でありまして、支出済歳出額は十六兆七千三百七億四千七百六十九万円余、翌年度繰越額は三十八億六千四百九万円余でありまして、差引き、不用額は一千五百九十億五百三十二万円余となっております。 以下、歳出決算のうち、主な事項についてその概要を申し上げます。 第一に、国債費につきましては、国債整理基金特別会計へ繰り入れるため十四兆三千百四十二億一千四百五十二万円余を支出いたしましたが、これは、一般会計の負担に属する国債、借入金の償還及び利子等の支払並びにこれらの事務取扱費の財源に充てるためのものであります。 第二に、産業投資特別会計へ繰入につきましては、同会計の社会資本整備勘定へ繰り入れるため一兆二千八百二十七億七千八百三十八万円余を支出いたしましたが、これは、貸付け等の財源に充てるためのものであります。 第三に、政府出資につきましては三千二百二十億円を支出いたしましたが、これは、海外経済協力基金等への出資であります。 第四に、経済協力費につきましては三百八十七億一千七百五十九万円余を支出いたしましたが、これは、国際開発金融機関を通じて供与する開発途上国に対する経済協力等のためのものであります。 以上申し述べました経費のほか、国家公務員等共済組合連合会等助成費、国庫受入預託金利子、公務員宿舎施設費、国際金融公社出資、一次産品共通基金出資、国民金融公庫補給金及び特定国有財産整備費として七百四十八億五千百三万円余、並びに一般行政を処理するための経費として六千九百八十一億八千六百十六万円余を支出いたしました。 なお、以上の支出のほか、公務員宿舎施設費につきましては三十八億六千四百九万円余が翌年度へ繰越しとなっております。 次に、各特別会計歳入歳出決算についてその概要を申し上げます。 まず、造幣局特別会計におきまして収納済歳入額は一千六百九十五億四千六十八万円余、支出済歳出額は一千六百九十七億六千七百六十二万円余でありまして、損益計算上の利益は一千二十五万円余であります。 この会計の主な事業である貨幣の製造につきましては、四十六億七千二百万枚、額面金額にして四千二百二十二意三千万円を製造し、その全額を発行いたしました。 次に、印刷局特別会計におきまして収納済歳入額は九百五億四千六十三万円余、支出済歳出額は八百十七億九千七百十六万円余でありまして、損益計算上の利益は百七十二億一千九百四十六万円余であります。 この会計の主な事業である日本銀行券の製造につきましては、三十二億四千万枚、額面金額にして十二兆六千五百億円を製造し、その全量を日本銀行に引き渡しました。 以上申し述べました各特別会計のほか、資金運用部、国債整理基金、外国為替資金、産業投資、地震再保険及び特定国有財産整備の各特別会計の歳入歳出の決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。 最後に、各政府関係機関決算書についてその概要を申し上げます。 まず、国民金融公庫におきまして収入済額は四千四百九億五千三百四十九万円余、支出済額は三千八百十三億七千八百四十八万円余でありまして、損益計算上の損益はありません。 この公庫の貸付けにつきましては、七十四万件余、金額にして三兆一千七百五十四億五千二十四万円余を貸し付けました。 このほか、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、北海道東北開発公庫、公営企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、環境衛生金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。 以上が平成二年度における大蔵省関係の決算の概要であります。これらの詳細につきましては、さきに提出しております平成二年度歳入決算明細書及び各省各庁歳出決算報告書等によって御了承願いたいと存じます。 何とぞよろしく御審議の程お願い申し上げます。 ………………………………… 平成二年度決算大蔵省についての検査の概 要に関する主管局長の説明 会計検査院 平成二年度大蔵省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項二件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。 まず、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項について御説明いたします。 検査報告番号八号は、租税の徴収に当たり徴収額に過不足があったものであります。 これらの徴収過不足の事態は、納税者が申告書等において所得金額や税額等を誤っているのに、課税資料の収集・活用が的確でなかったり、法令等の適用の検討が十分でなかったり、これを見過ごしたりして、誤ったままにしていたことなどにより、徴収額に過不足を生じていたものであります。 また、検査報告番号九号は、職員の不正行為による損害が生じたものであります。 これは、広島西税務署で国税の収納事務に従事している職員が、滞納者から国税の納付のため受領した現金の一部を正規の収納手続を執らずに領得したものであります。 なお、本件損害額については、平成二年十二月までに全額が同人の家族から返納されております。 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。 これは、国税の還付に当たって支払われる還付加算金の課税に関するものであります。 国税庁では、国税の賦課徴収の業務を税務署等で行っておりますが、その際、国税を還付する場合があります。還付加算金は、この国税の還付の際に、所定の日から還付の日までの日数に応じて支払われるものでありまして、これが個人に支払われた場合には、雑所得に該当するとされております。 今回、この還付加算金の課税状況を調査いたしましたところ、受領した還付加算金について、申告がなく、課税されないままとなっていたものが多数見受けられました。 このような事態が生じていたのは、還付加算金が課税の対象となることについての周知や還付加算金の申告状況の把握が十分でなかったことによると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、国税庁では、説明会等を通じて還付加算金が課税の対象となることを周知すること及び課税資料を充実させて課税状況を的確に把握することを指示する通達を発するなどして、還付加算金の課税を適切なものとする処置を講じたものであります。 以上をもって概要の説明を終わります。 ――――――――――――― 平成二年度業務概況 国民金融公庫 国民金融公庫の平成二年度の業務の概況についてご説明申し上げます。 平成二年度のわが国経済は、金利引き上げなど金融引き締めの効果が次第に浸透していくなか、懸念していた内需は比較的堅調に推移し、元年度に引き続き拡大局面にありました。これを反映して、中小企業の景況も総じて堅調に推移しました。しかし、需要の多様化・高度化の進展や人手不足の深刻化など、中小企業をとりまく経営環境には厳しいものがありました。 このような状況のもとで、当公庫は、貸付限度の引き上げ、貸付期間の延長等により中小企業金融の円滑化のために積極的に対処いたしました。 平成二年度の貸付につきましては、計画三兆五千二百七十億円に対しまして、三兆一千七百五十四億五千二十四万円余の実行をいたしました。 貸付種類別に貸付の実績を申し上げますと、普通貸付は、五十四万七千件余三兆百三十九億三千三百十五万円余、恩給担保貸付は、九万三千件余六百二十九億二千八百四十六万円余、記各国債担保貸付は、四十三件八百六十六万円余、進学資金貸付は、十万七千件余九百七十一億五千六百十一万円となりました。 なお、普通貸付の貸付実績のなかには、生鮮食料品等小売業近代化資金貸付、商業近代化等資金貸付等の特別貸付が、六万六千件余三千六百二十二億八千九百十九万円余、小企業等経営改善資金貸付が、十万二千件余二千九百四億六千七百十七万円含まれております。 一方、二年度において貸付金の回収が、二兆四千七百三十四億七千八百八十八万円余、貸付金償却が、百二十億三百九十五万円余ありましたので、二年度末現在の総貸付残高は、二百三十二万五千件余六兆九千九百六十五億五千八百八十一万円余となり、前年度末残高に比べますと、六千八百九十九億六千七百四十一万円余十・九パーセントの増加となりました。 貸付金の延滞状況につきましては、二年度末において延滞後六カ月以上経過したものが、一千三百二十六億四千五十九万円余でありまして、総貸付金残高に対する割合は、一・九パーセントとなっております。 平成二年度の貸付に要した資金は、三兆一千七百八十四億九千八十九万円余でありまして、その原資は、資金運用部からの借入金二兆一千九百億円、簡易生命保険及び郵便年金特別会計からの借入金三千九十五億円、一般会計からの借入金八十億円のほか、貸付回収金等六千七百九億九千八十九万円余をもってこれに充てました。 受託業務につきましては、環境衛生金融公庫からの受託貸付は、二年度における貸付の実績が、三万四千件余一千七百二十一億六千六百三十三万円余、回収額が、一千二百六十四億三千八百三十万円余となり、二年度末貸付残高は、二十三万件余五千六百三十五億一千九百二十九万円余となっております。また、労働福祉事業団からの受託貸付の二年度における貸付の実績は、百二十六件一億九千六百万円となっており、年金福祉事業団からの受託貸付の二年度における貸付の実績は、千五百九十件十七億五千七十八万円となっております。 最後に、二年度の収入支出決算及び損益の計算について申し上げます。 まず、収入支出決算について申し上げますと、収入済額は、四千四百九億五千三百四十九万円余、支出済額は、三千八百十三億七千八百四十八万円余となりました。 次に、損益の計算について申し上げますと、貸付金利息等の総益金は、四千五百七十六億五百五十六万円余、借入金利息、事務費、貸倒引当金繰入等の総損金は、四千五百七十六億五百五十六万円余となりました。この結果、利益金は生じなかったので、国庫納付はいたしませんでした。 以上をもちまして、平成二年度の業務概況のご説明を終らせていただきます。 ――――――――――――― 日本開発銀行平成二年度の業務概要 平成二年度における日本開発銀行の業務の概要についてご説明申しあげます。 一、先ず、二年度の資金運用計画は、当初計画として一兆四千五百八十億円を予定しておりました。 これに対し、二年度中の運用額は、出融資実行額が一兆四千九百二十六億二千八百五十万円となっております。 これの項目別内訳は、資源エネルギー四千百七十六億四千二百万円、技術振興二千二百七十四億九千六百五十万円、海運・航空機九百六十九億九千三百万円、都市開発二千六百五十九億七千五百万円、地方開発一千五百三十九億三千二百万円、国民生活改善六百十四億八千万円、基幹鉄道整備一千百四億円、国際化・産業構造調整七百五十八億九千万円、その他三百二十二億四千万円、社会資本整備促進五百五億八千万円であります。 以上の二年度の運用額の原資といたしましては、資金運用部資金からの借入金一兆三百二十二億円、簡易生命保険及郵便年金の積立金からの借入金五百八十八億円と貸付回収金等四千十六億二千八百五十万円をもってこれに充てました。 二、次に二年度の出融資運用の特色を申しあげますと、 (1) 資源エネルギーについては、原子力発電推進のための融資、水力発電・液化ガス発電等電源多様化をはかるための融資、石油産業集約化、石油及びLPG備蓄タンク等に対する融資、都市ガス原料の液化ガスヘの転換に係る設備に対する融資、石油代替エネルギーの利用の促進のための融資の他、産業の省資源・省エネルギー等を促進するための融資を引き続き行ったこと (2) 技術振興については、わが国における技術開発力の強化及び技術水準の向上ならびに経済社会の情報化の健全な発展をはかるため、産業技術振興融資、情報化促進出融資等を引き続き行ったこと (3) 海運・航空機については、貿易物資の安定的輸送確保の観点から計画造船による外航船舶の拡充整備の推進のため引き続き融資を行うとともに、航空事業の健全な発展に資するため航空機の導入等に対し引き続き融資を行ったこと (4) 都市開発については、都市交通の整備改善、市街地の開発整備、流通機構の近代化に寄与する事業等に対し引き続き出融資を行ったこと (5) 地方開発については、九州、四国、中国、北陸の四地方の開発のため引き続き出融資を行うとともに、地方都市圏の機能整備、地方適地産業の育成、工業の適正配置の促進について特に留意したこと (6) 国民生活改善については、公害防止推進のための融資、重度障害者の雇用施設等福祉対策に関する融資及び食品供給体制の近代化のための融資を引き続き行ったこと (7) 基幹鉄道整備については、基幹鉄道の整備を図るために必要な安全防災対策、輸送力増強工事等に対し融資を引き続き行ったこと (8) 国際化・産業構造調整については、製品輸入体制の整備及び外資系企業による対日投資の促進を図るための融資、特定事業者の事業転換及び特定地域の活性化を図るための融資を引き続き行ったこと (9) その他については、「航空輸送施設」、「都市ガス」等の融資を引き続き行ったこと (10) 社会資本整備促進については、日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用により、社会資本の整備促進を図るための融資を引き続き行ったことなどがあげられます。 三、次に二年度における既往貸付の回収は、八千四百三億五千五百九十四万円余となっております。 この他、二年度は、貸付金の債権償却一億四千七十八万円余を行っております。 この結果、二年度末における出融資残高は、九兆六千四百八十六億二千二百十六万円余となりました。 貸付金の延滞状況につきましては、二年度末におきまして弁済期限を六カ月以上経過した元金延滞額は二百五十二億五千二百五十万円余で、前年度末に比して二十六億四千二百四万円余の減少となっております。 貸付残高に対する割合は、〇・三パーセントとなっております。 四、また、二年度において、新規の外貨債務の保証はなく、年度末保証残高は百二十一億八千四百九十二万円余となっております。 五、最後に、二年度決算の概要について説明いたしますと、三百六十四億七千二百三十三万円余の純利益を計上し、このうち二百八十八億四千五百六十七万円余を法定準備金として積立て、残額七十六億二千六百六十六万円余を国庫へ納入しました。 以上、二年度における日本開発銀行の業務の内容につきましてご説明申しあげた次第でございます。 ――――――――――――― 日本輸出入銀行の平成二年度業務概況 日本輸出入銀行 一、平成二年度における日本輸出入銀行の業務状況につき概要をご説明申し上げます。 まず、平成二年度は年度当初の事業計画において一兆千九百億円の貸付、出資および外国公債の取得を予定いたしました。 これに対し平成二年度においては出資および外、国公債の取得はなく、貸付額の実績は一兆五千百八十八億九百九十二万円余で、年度当初の事業計画における貸付等の予定額を二十八パーセント程上回りました。 なお、この平成二年度の貸付額を平成元年度の貸付額および外国公債の取得額一兆二千百三十八億八千二百三十六万円余に比較いたしますと二十五。パーセント程度の増加となっております。 以下、平成二年度の貸付額の内訳につきまして、金融種類別に前年度との比較において申し述べます。 まず、輸出資金の貸付は、五百七十一億千二百八十万円余で、平成元年度の七百三十八億八千三万円余に対し、百六十七億六千七百二十二万円余の減少となりました。これは、プラントの輸出に対する貸付が低調に推移したことによるものであります。 次に、輸入に必要な資金の貸付は、千五百八十二億三千三百八十万円で、平成元年度の千四百三億七千八百万円に対し、百七十八億五千五百八十万円の増加となりました。これは、製品輸入に対する貸付が増加したことによるものであります。 また、海外投資資金の貸付は、四千四百二十二億三千四百四十三万円余となり、平成元年度の三千二百八十三億四千百三十二万円余に対し、千百三十八億九千三百十万円余の増加となりました。これは、製造業投資等に対する貸付が増加したことによるものであります。 このほか、外国政府・外国法人等に対する直接借款に係る貸付は、八千六百十二億二千八百八十七万円余で、平成元年度の外国政府・外国法人等に対する直接借款に係る貸付および外国公債の取得六千七百十二億八千二百九十九万円余に対し、千八百九十九億四千五百八十八万円余の増加となりました。これは、アンタイドローン等の貸付額が増加したことによるものであります。 以上の結果、平成二年度末の貸付残高および外国公債の取得残高は、六兆六千百九十億三千六十六万円余となっております。 なお、この貸付残高のうち、弁済期限を六箇月以上経過した元金延滞額は、九百十八億五千三百四十六万円余となっております。 平成二年度の貸付資金の原資といたしましては、資金運用部資金からの借入金一兆三千七十五億円、簡易生命保険及郵便年金の積立金からの借入金五百四十五億円のほか、自己資金等千五百六十八億九百九十二万円余をもってこれにあてました。 以上申し述べました業務の運営により平成二年度の一般勘定の損益計算上における利益は、三千八百五十七億七千百九十五万円余、これに対し損失は、三千五百五十一億七千百九十万円余となりました。 この結果、平成二年度の一般勘定利益金は三百六億五万円余となりました。 一般勘定利益金は、法令の定めるところに従いうち百九十七億六千七百二十五万円余を法定準備金として積立て、残額百八億三千二百七十九万円余を国庫に納付いたしました。 なお、既往のインドネシア債務救済措置の実施に関する業務につきましては、日本輸出入銀行法による貸付金の利息の特例等に関する法律により一般の業務と区分して特別の勘定を設けて経理することといたしておりますが、平成二年度の特別勘定の損益計算上、四億二千二百三十一万円余の利益金を生じ、法令の定めるところに従い、これを全額同勘定の積立金として積立てました。 二、以上、平成二年度における日本輸出入銀行の業務の概況につき、ご説明申し上げました。 ――――――――――――― 平成三年度大蔵省主管一般会計歳入決算並 びに大蔵省所管の一般会計歳出決算、各特 別会計歳入歳出決算及び各政府関係機関決 算書に関する説明 平成三年度大蔵省主管一般会計歳入決算並びに大蔵省所管の一般会計歳出決算、各特別会計歳入歳出決算及び各政府関係機関決算書につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入決算について申し上げます。 平成三年度の収納済歳入額は七十兆七千三百五十七億一千二十三万円余でありまして、これを歳入予算額と比較いたしますと二兆二千百一億七千八百六十一万円余の増加となっております。 以下、歳入決算のうち、主な事項についてその概要を申し上げます。 第一に、租税及印紙収入でありますが、その決算額は五十八兆三千六百九十四億五千百七十三万円余でありまして、これを予算額と比較いたしますと八千四十四億五千百七十三万円余の増加となっております。これは、申告所得税等において課税額の伸びが見込みを上回ったこと等によるものであります。 第二に、公債金でありますが、予算予定額を全額発行することといたしました結果、その決算額は六兆七千二百九十九億九千九百十二万円余となっております。 以上のほか、官業益金及官業収入百二十三億一千三百十三万円余、政府資産整理収入一千二百九十五億六千二百八十一万円余、雑収入三兆五百九十五億九千百五十五万円余、前年度剰余金受入二兆四千三百四十七億九千百八十八万円余となっております。 次に、一般会計歳出決算について申し上げます。 平成三年度の歳出予算現額は十八兆百七十二億五千二百七十四万円余でありまして、支出済歳出額は十七兆九千七百二十九億九百二十七万円余、翌年度繰越額は二十五億六千百七十二万円余でありまして、差引き、不用額は四百十七億八千百七十四万円余となっております。 以下、歳出決算のうち、主な事項についてその概要を申し上げます。 第一に、国債費につきましては、国債整理基金特別会計へ繰り入れるため十五兆五千三百六十五億七千二百六十二万円を支出いたしましたが、これは、一般会計の負担に属する国債、借入金の償還及び利子等の支払並びにこれらの事務取扱費の財源に充てるためのものであります。 第二に、産業投資特別会計へ繰入につきましては、同会計の社会資本整備勘定へ繰り入れるため一兆二千七百二億五千八百九十六万円余を支出いたしましたが、これは、貸付け等の財源に充てるためのものであります。 第三に、政府出資につきましては三千五百七十四億円を支出いたしましたが、これは、海外経済協力基金等への出資であります。 第四に、経済協力費につきましては三百十七億九千六百八十九万円余を支出いたしましたが、これは、国際開発金融機関を通じて供与する開発途上国に対する経済協力等のためのものであります。 以上申し述べました経費のほか、国家公務員等共済組合連合会等助成費、国庫受入預託金利子、公務員宿舎施設費、アジア開発銀行出資、欧州復興開発銀行出資、国民金融公庫補給金、特定国有財産整備費及び特定国有財産整備諸費として六百四十四億四千四百九十六万円余並びに一般行政を処理するための経費として七千百二十四億三千五百八十四万円余を支出いたしました。 なお、以上の支出のほか、公務員宿舎施設費につきましては二十五億六千百七十二万円余が翌年度へ繰越しとなっております。 次に、各特別会計歳入歳出決算についてその概要を申し上げます。 まず、造幣局特別会計におきまして収納済歳入額は二百五十一億四千七百十二万円余、支出済歳出額は二百六十二億一千七十六万円余でありまして、損益計算上の利益は九百三十万円余であります。 この会計の主な事業である貨幣の製造につきましては、三十八億三千万枚、額面金額にして一千四百二十三億九千万円を製造し、その全額を発行いたしました。 次に、印刷局特別会計におきまして収納済歳入額は九百五十八億二千六百一万円余、支出済歳出額は八百七十一億六千七百三十八万円余でありまして、損益計算上の利益は二千九百八十五億八千四百六十一万円余であります。 なお、この利益には、固定資産の価額の改定による資産評価益二千八百三億三百三十万円余が含まれております。 この会計の主な事業である日本銀行券の製造につきましては、三十二億四千万枚、額面金額にして十四兆九千億円を製造し、その全量を日本銀行に引き渡しました。 以上申し述べました各特別会計のほか、資金運用部、国債整理基金、外国為替資金、産業投資、地震再保険及び特定国有財産整備の各特別会計の歳入歳出の決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。 最後に、各政府関係機関決算書についてその概要を申し上げます。 まず、国民金融公庫におきまして収入済額は五千六億八千四百九十八万円余、支出済額は四千六百三十四億八千九百八万円余でありまして、損益計算上の損益はありません。 この公庫の貸付けにつきましては、七十九万件余、金額にして三兆五千三百六十四億六千四十万円余を貸し付けました。 このほか、住宅金融公庫、農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫、北海道東北開発公庫、公営企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、環境衛生金融公庫、沖縄振興開発金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。 以上が平成三年度における大蔵省関係の決算の概要であります。これらの詳細につきましては、さきに提出しております平成三年度歳入決算明細書及び各省各庁歳出決算報告書等によって御了承願いたいと存じます。 何とぞよろしく御審議の程お願い申し上げます。 ………………………………… 平成三年度決算大蔵省についての検査の概要に関する主管局長の説明 会計検査院 平成三年度大蔵省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。 検査報告に掲記いたしましたものは、法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項四件であります。 検査報告番号三号は、租税の徴収に当たり徴収額に過不足があったものであります。 これらの徴収過不足の事態は、納税者が申告書等において所得金額や税額等を誤っているのに、課税資料の収集・活用が的確でなかったり、法令等の適用の検討が十分でなかったり、これを見過ごしたりして、誤ったままにしていたことなどにより、徴収額に過不足を生じていたものであります。 また、検査報告番号四号及び五号の二件は、税務署職員の不正行為による損害が生じたものであります。 茂原税務署及び沼田税務署において、国税の収納事務に従事している職員が、納税者から国税の納付のため受領した現金の一部を正規の収納手続を執らずに領得したものであります。 なお、本件損害額については、いずれもこれらの職員から全額返納されております。 検査報告番号六号は、造幣局職員の不正行為による損害が生じたものであります。 造幣局本局において、貨幣の製造業務に従事している職員が、外見は流通しているものと変わらない検査未済の五百円白銅貨幣を領得したものであります。 なお、本件損害額については、同職員から全額返納されております。 以上、簡単でございますが説明を終わります。 ――――――――――――― 平成三年度業務概況 国民金融公庫 国民金融公庫の平成三年度の業務の概況についてご説明申しあげます。 平成三年度の中小企業の景況は、堅調な個人消費等を背景に三年半ば頃まで堅調に推移したものの、それ以降、わが国経済が調整過程に移行するなかで、生産・出荷の弱含みや設備投資の鈍化などの傾向がみられるに至りました。また、需要の多様化・高度化の進展や依然として続く人手不足など、中小企業を取り巻く経営環境にも厳しいものがありました。 このような状況のもとで、当公庫は、貸付限度の引き上げ等により中小企業金融の円滑化のために積極的に対処いたしました。 そのほか、進学資金貸付を教育資金貸付に改め、貸付対象者の拡大や貸付限度の引き上げ等制度の充実を図りました。 平成三年度の貸付につきましては、計画三兆五千六百十億円に対しまして、三兆五千三百六十四億六千四十万円余の実行をいたしました。 貸付種類別に貸付の実績を申しあげますと、普通貸付は、五十二万二千件余三兆二千九百七十億六千四百五十八万円余、恩給担保貸付は、八万九千件余六百四億一千五百三十七万円余、記各国債担保貸付は、二十七件五百五十七万円余、教育資金貸付は、十七万九千件余一千七百七十六億四千八百四十二万円となりました。 なお、普通貸付の貸付実績のなかには、生鮮食料品等小売業近代化資金貸付、商業近代化等資金貸付等の特別貸付が、三万件余二千四百四十一億六千三十万円、小企業等経営改善資金貸付が、十二万一千件余三千七百五十八億七千六百五十六万円含まれております。 一方、三年度において貸付金の回収が、二兆九千九百八十四億百八十二万円余、貸付金償却が、百二十億三百七十三万円余ありましたので、三年度末現在の総貸付残高は、二百四十六万五千件余七兆五千二百二十六億一千三百六十六万円余となり、前年度末残高に比べますと、五千二百六十億五千四百八十四万円余七・五パーセントの増加となりました。 貸付金の延滞状況につきましては、三年度末において延滞後六カ月以上経過したものが、一千二百四十一億三百三十五万円余でありまして、総貸付金残高に対する割合は、一・六パーセントとなっております。 平成三年度の貸付に要した資金は、三兆五千四百八十六億四千八十五万円余でありまして、その原資は、資金運用部からの借入金二兆二千五百九十億円、簡易生命保険からの借入金三千二百十億円、一般会計からの借入金六十五億円のほか、貸付回収金等九千六百二十一億四千八十五万円余をもってこれに充てました。 受託業務につきましては、環境衛生金融公庫からの受託貸付は、三年度における貸付の実績が、三万四千件余一千八百十一億一千七百五十一万円、回収額が、一千三百億六千三百四十九万円余となり、三年度末貸付残高は、二十二万件余六千百四十二億八千百五十七万円余となっております。また、労働福祉事業団からの受託貸付の三年度における貸付の実績は、百六十四件二億六千五百三万円となっており、年金福祉事業団からの受託貸付の三年度における貸付の実績は、一千六百九十四件十九億六千九百三十四万円となっております。 最後に、三年度の収入支出決算及び損益の計算について申しあげます。 まず、収入支出決算について申しあげますと、収入済額は、五千六億八千四百九十八万円余、支出済額は、四千六百三十四億八千九百八万円余となりました。 次に、損益の計算について申しあげますと、貸付金利息等の総益金は、五千二百四十二億七千二百七十四万円余、借入金利息、事務費、貸倒引当金繰入等の総損金は、五千二百四十二億七千二百七十四万円余となりました。この結果、利益金は生じなかったので、国庫納付はいたしませんでした。 以上をもちまして、平成三年度の業務概況のご説明を終わらせていただきます。 ――――――――――――― 日本開発銀行平成三年度の業務概要 平成三年度における日本開発銀行の業務の概要についてご説明申しあげます。 一、先ず、三年度の資金運用計画は、当初計画として一兆六千二百七十億円を予定しておりました。 これに対し、三年度中の運用額は、出融資実行額が一兆九千二百七十一億一千八百五十万円となっております。 これの項目別内訳は、資源エネルギー五千三百六億二千万円、生活・都市基盤整備四千二百三十三億五千七百万円、基幹交通整備一千七百九十億円、海運・航空機一千四百三十七億四千三百万円、情報・通信基盤整備一千八百四十億四千万円、地方開発一千八百三十億四千万円、国際化・産業構造調整九百三十八億二千五百万円、産業技術振興一千三十九億二千六百五十万円、その他五十四億六千三百万円、社会資本整備促進八百一億四百万円であります。 以上の三年度の運用額の原資といたしましては、資金運用部資金からの借入金一兆四千九百八十一億円、簡易生命保険及郵便年金の積立金からの借入金六百四十四億円と貸付回収金等三千六百四十六億一千八百五十万円をもってこれに充てました。 二、次に三年度の出融資運用の特色を申しあげますと、(1) 資源エネルギーについては、原子力発電推進のための融資、水力発電・液化ガス発電等電源多様化をはかるための融資、石油産業集約化、石油及びLPG備蓄タンク等に対する融資、都市ガス原料の液化ガスヘの転換に係る設備に対する融資、石油代替エネルギーの利用の促進のための融資の他、産業の省資源・省エネルギー等を促進するための融資を引き続き行ったこと(2) 生活・都市基盤整備については、①市街地の開発整備、②都市交通の整備改善、③流通機構の効率化、④公害防止推進、⑤重度障害者の雇用施設整備等及び⑥食品供給体制の近代化、のために引き続き出融資を行ったこと(3) 基幹交通整備については、基幹鉄道の整備を図るために必要な安全防災対策、輸送力増強工事等に対する融資及び全国の空港でのターミナル、格納庫、整備工場に対する融資を引き続き行ったこと(4) 海運・航空機については、貿易物資の安定的輸送確保の観点から外航船舶の拡充整備の推進のため引き続き融資を行うとともに、航空事業の健全な発展に資するため航空機の導入等に対し引き続き融資を行ったこと(5) 情報通信基盤整備については、わが国における高度情報化社会の構築にむけての情報・通信基盤の整備を進め、産業構造の知的集約化を図るため、情報処理・通信振興融資、情報機器等信頼性向上融資等を引き続き行ったこと(6) 地方開発については、九州、四国、中国、北陸の四地方の開発のため引き続き融資を行うとともに、地方都市圏の機能整備、地方適地産業の育成、工業の適正配置の促進について特に留意したこと(7) 国際化・産業構造調整については、製品輸入体制の整備及び外資系企業による対日投資の促進を図るための融資、特定事業者の事業転換及び特定地域の活性化を図るための融資等を引き続き行ったこと(8) 産業技術振興については、わが国における技術開発力の強化及び技術水準の向上を図るための融資を引き続き行ったこと(9) その他については、航空輸送施設、生涯学習関連施設整備等の融資を引き続き行ったこと(10) 社会資本整備促進については、日本電信電話株式会社の株式の売り払い収入の活用により、社会資本の整備促進を図るための融資を引き続き行ったことなどがあげられます。 三、次に三年度における既往貸付の回収は、九千二百五十一億二千八百六十七万円余となっております。 この他、三年度は、貸付金の債権償却一億八千五百二万円余を行っております。 この結果、三年度末における出融資残高は、十兆六千五百三億九千六百九十六万円余となりました。 貸付金の延滞状況につきましては、三年度末におきまして弁済期限を六カ月以上経過した元金延滞額は二百三十九億七千四百五十九万円余で、前年度末に比して十二億七千七百九十万円余の減少となっております。 貸付残高に対する割合は、〇・2パーセントとなっております。 四、また、三年度において、新規の外貨債務の保証はなく、年度末保証残高は六十六億一千十七万円余となっております。 五、最後に、三年度決算の概要について説明いたしますと、四百二十六億八千九百十二万円余の純利益を計上し、このうち三百十八億三千七百七十五万円余を法定準備金として積立て、残額百八億五千百三十六万円余を国庫へ納入しました。 以上、三年度における日本開発銀行の業務の内容につきましてご説明申し上げた次第でございます。 ――――――――――――― 日本輸出入銀行の平成三年度業務概況 日本輸出入銀行 一、平成三年度における日本輸出入銀行の業務状況につき概要をご説明申し上げます。 まず、平成三年度は年度当初の事業計画において一兆三千五百十億円の貸付、出資および外国公債の取得を予定いたしました。 これに対し平成三年度においては出資および外国公債の取得はなく、貸付額の実績は一兆六千九百八十四億五百四十五万円余で、年度当初の事業計画における貸付等の予定額を二十六パーセント程上回りました。 なお、この平成三年度の貸付額を平成二年度の貸付額一兆五千百八十八億九百九十二万円余に比較いたしますと十二パーセント程度の増加となっております。 以下、平成三年度の貸付額の内訳につきまして、金融種類別に前年度との比較において申し述べます。 まず、輸出資金の貸付は、九百二十四億五千六百八十万円余で、平成二年度の五百七十一億千二百八十万円余に対し、三百五十三億四千三百九十九万円余の増加となりました。これは、プラントの輸出に対する貸付が堅調に推移したことによるものであります。 次に、輸入に必要な資金の貸付は、二千四百七十三億二千六百二十七万円で、平成二年度の千五百八十二億三千三百八十万円に対し、八百九十億九千二百四十七万円の増加となりました。これは、主として製品輸入に対する貸付が増加したことによるものであります。 また、海外投資資金の貸付は、六千二百十億二千九百四十万円余となり、平成二年度の四千四百二十二億三千四百四十三万円余に対し、千七百八十七億九千四百九十七万円余の増加となりました。これは、主として製造業投資に対する貸付が増加したことによるものであります。 このほか、外国政府・外国法人等に対する直接借款に係る貸付は、七千三百七十五億九千二百九十六万円余で、平成二年度の外国政府・外国法人等に対する直接借款に係る貸付八千六百十二億二千八百八十七万円余に対し、千二百三十六億三千五百九十一万円余の減少となりました。これは、主としてアンタイドローンの貸付額が減少したことによるものであります。 以上の結果、平成三年度末の貸付残高および外国公債の取得残高は、七兆六千六百六十一億四千九百五十四万円余となっております。 なお、この貸付残高のうち、弁済期限を六箇月以上経過した元金延滞額は、八百九十六億五千九百五十八万円余となっております。 平成三年度の貸付資金の原資といたしましては、資金運用部資金からの借入金一兆四千六百十二億円、簡易生命保険及郵便年金の積立金からの借入金五百九十八億円のほか、自己資金等千七百七十四億五百四十五万円余をもってこれにあてました。 以上申し述べました業務の運営により平成三年度の一般勘定の損益計算上における利益は、四千四百七十八億三千七百三十九万円余、これに対し損失は、四千百三十五億二千二百八十七万円余となりました。 この結果、平成三年度の一般勘定利益金は三百四十三億千四百五十二万円余となりました。 一般勘定利益金は、法令の定めるところに従いうち二百二十九億千二百二十六万円余を法定準備金として積立て、残額百十四億二百二十五万円余を国庫に納付いたしました。 なお、既往のインドネシア債務救済措置の実施に関する業務につきましては、日本輸出入銀行法による貸付金の利息の特例等に関する法律により一般の業務と区分して特別の勘定を設けて経理することといたしておりますが、平成三年度の特別勘定の損益計算上、三億八千七百八十四万円余の利益金を生じ、法令の定めるところに従い、これを全額同勘定の積立金として積立てました。 二、以上、平成三年度における日本輸出入銀行の業務の概況につき、ご説明申し上げました。 ―――――――――――――
○森主査 以上をもちまして大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○森主査 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小宮山重四郎君。
○小宮山分科員 きのう、それからおとといの夕刊各紙に米国の政府で禁煙提訴が出ております。これは、アメリカのミシシッピ州の政府が喫煙に関する患者の急増で健康保険の支出がふえたのはたばこ製造販売会社の責任だということで、フィリップ・モリス、RJRナビスコ等、十三社を相手に損害賠償と販売停止を求める訴訟を同州ジャクソン郡裁判所に起こしました。大変大きなケースでございまして、この訴状の中では、たばこ産業は、たばこの中毒性があり、死を招く有毒なものであることを知りながら、悪意を持って大衆をだましたと非難しております。これはほかの新聞にも出ておりますけれども、日本でもぽつぽつこのたばこの問題が俎上にのり始めてまいりました。日本ではどこでもたばこを吸わせる。例えば、今ここへ来るときに、大変無礼だと思うのですけれども、新聞記者の人たちが廊下でたばこを吸っている。喫煙場所でないところでたばこを吸っているというのは、これは衆議院の、ハウスが何もコントロールがないと思う。これは、記者の方へも、ここに委員長がいらっしゃるので、委員長の方からも十分きつく申し入れをしていただきたい。 この問題は、我々の問題としては、アメリカではほとんどの職場はスモーキングを禁止いたしております。そして、日本ではそういうデータがないということでございますけれども、それならばそれで、大蔵省、アメリカのたばこを日本で許可して宣伝広告をさせておきながら、日本では自由に吸わせていくというのはどう違うのです、アメリカと日本とは。アメリカのたばこと日本で売っているたばこが、日本製のたばことアメリカ製のたばこと内容が違うのでしょうか。この辺については、やはり一言コメントをいただきたいと思います。
○石田(祝)政府委員 お答えを申し上げます。 私もたばこは吸いませんので、外国のたばこと日本のたばこの味等についてはわかりませんが、たばこが人体に与える影響につきましては、平成元年の五月にたばこ事業等審議会というのがございまして、「喫煙と健康の問題に関連するたばこ事業のあり方について」という答申が出されております。その中では、喫煙は、精神的には喫煙習慣のある者にとっては肯定的な効果が認められるけれども、身体的健康に対してはリスクとなる可能性がある、こういう答申が出ております。しかし、体全体の健康に対してどの程度の影響があるのか、このことについては現在すべてがまだ明らかにされていない、こういうふうな状況である……
○小宮山分科員 私はそういうものを読んでくれと言ったんじゃないのです。私は、アメリカはちゃんとデータがありながら日本はないというのはおかしいじゃないですか。それをどうして、日本はなくて、日本では禁煙をしないで、自由に吸わせて、例えば外国へ行きますと、外国の国会の中では、ハウスの中で一切吸えないのです。大体外へ行かなきゃ吸えないのです。庭へ出ないと吸えないようになっているのです。アメリカの航空会社も、アメリカ大陸横断は吸うことができないのです。しかし、日本の飛行機会社はスモーキングシートとノンスモーキングを別に分けているだけのことであって、じゃ、どうなんだというと、そこから出てくる煙は二次喫煙といいまして、大変有害なのであります。二次喫煙の害毒性というのは大変大きなもので、その辺について御承知ですか。
○寺本政府委員 大蔵省のたばこ事業審議官でございます。 まず、政務次官からも答弁いたしましたけれども、私ども大蔵省として、たばこ事業を所管する立場からいたしまして、たばこと健康の関係につきましては、非常に重大なる関心を持っております。その重大な関心の一つのあらわれとして、平成元年にたばこ事業審議会に諮問しまして、喫煙と健康の問題に関連するたばこ事業のあり方について、十分審議をしていただきました。 例えば、その審議会は、前の東大の総長の森先生、これはお医者さんでございます、それを委員長として、詳細な受動喫煙の問題についても十分御議論いただきました。その結論が、さっき政務次官から申し上げたような話でございます。
○小宮山分科員 私は、そんなこと聞いているんじゃないんです。それは、あなたたちがつくった作文を承認させただけのことじゃないですか。アメリカ製のたばこと日本のたばことどこが違うんです。アメリカの会社が売っているたばこと同じじゃないですか。違うんですか。違うか、イエスかノーか言ってください。それだけでいいです。
○寺本政府委員 アメリカのたばこは、もちろんアメリカでつくって日本に輸入しております。しかし、私どもとしては、そのタール、ニコチンの量については、日本の独自の規制でちゃんと量を表示させております。それにつきましては、たばこ協会というメーカーの団体で自主的に検査をして、店頭から抜き取り検査をしております。それによって、その表示が正しいかどうかをちゃんと検査しております。
○小宮山分科員 そのようなことはよく知っております。抜き取り検査をやっておるのも知っております。アメリカもやっております。しかし、アメリカは、FDAの局長のニコチンを加えたというニュースがCNNで流された。大変な重要な問題です。私は、これは大変重要なニュースだと思っておりますので、この辺については厚生省。大蔵省は健康に関する問題じゃない、税の関係だから、厚生省から話を聞かせてください。
○角田説明員 健康増進栄養課長でございます。 御指摘のアメリカの食品医薬品局、FDAと称しておりますけれども、本年三月下旬に、この局長のケスラーという方がアメリカの議会で、たばこに含まれるニコチンについて、医薬品として規制すべきではないかとか、そういったことをおっしゃっているということを承知しておりますが、その後、この発言につきましては、さまざまな論議が展開されているというふうに認識しております。
○小宮山分科員 確かに、反対論者は、ケスラー局長の発言に対して反対をいたしております。しかし、大方の人がこれに賛成いたしております。また、分析を正しいものだと思う。分析をしたのはFDAが認定したことですから、やはりそれなりの権威のある数字だと思います。それを議会がどうのこうのと言っても、有害物質であることは間違いない。じゃ、ニコチンを加えたか加えないか。この調査は、人間の体の中に入ったらアメリカ人と日本人との差があるのかどうか、それをどうやって説明するんですか。
○寺本政府委員 お答えいたします。 したがいまして、アメリカで問題になっておりますのは、製造過程でニコチンを抜き取ったのをまた途中で加えておるんじゃないかということがアメリカで問題になっております。 日本の場合は、最終的に、製造されたたばこ一本当たりのニコチン量、タール量、これを表示させておりまして、それが正確かどうかは検査をしております。したがって、日本で売られているたばこにつきまして、表示に偽りあることはございません。
○小宮山分科員 あなたはそうおっしゃるけれども、アメリカはこれ、特許をとっているじゃないですか、ニコチンを加える特許を。加えていないという証明ができるんですか。
○寺本政府委員 アメリカの、特許が問題になっていることは知っております。それから裁判にもなっております。 しかし、私が申し上げておりますのは、製造過程で加えても加えなくても、最終的なタール量、ニコチン量につきましては、我が方はちゃんと表示させておりまして、それをちゃんと検査もいたしております。したがって、日本国内で売られているたばこは、表示に偽りあるという事実はございません。
○小宮山分科員 私の言わんとするのは、ニコチンが入っているか入っていないかではないんです。二次感染がどういう有害なものであるかということを言わんとしているんです。ですから、きれいな空気を吸う権利を認めますか、認めませんか。
○寺本政府委員 間接喫煙の害につきましては、先ほど申し上げましたように、平成元年の審議会答申でも詳細こ研究しております。しかし、これについては、明確な学説、結論はまだ出ておりません。それで、その後数年経過いたしましたけれども、受動喫煙に関する研究で、非常に重要な決定的な研究はまだ出ておりません。 私どもは、アメリカの研究も全部取り寄せて、各方面で勉強させております。したがいまして、最初に申し上げましたように、私どもはたばこ事業を所管する立場から、この問題に非常に関心を持って研究をしております。したがって、認識においてアメリカと私どもと違いがあるとは思っておりません。
○小宮山分科員 いや、私の質問に答えてください。きれいな空気を吸ってはいけないかいいのか、イエスかノーかで答えてください。
○寺本政府委員 日本におきましても、例えば航空会社……(小宮山分科員「イエスかノーかで答えてください」と呼ぶ)イエスかノーかでは申し上げられません。それにつきましては、施設の管理者がまず第一でございます。 例えばJRで禁煙タイムを設けているとか、それから飛行機でも、国内線で全線禁煙の処置をとっているエアラインもございます。それは、お客様の声にこたえてそういうことをおやりになるのは大変結構なことだと私どもは思っております。それで、分煙の問題についても、私ども推進されるべきだと思っておりますが、これは何せ、その施設の管理者が決定するべき問題でございます。私どもはそれを強制するということはできないと思っております。
○小宮山分科員 施設についてはどうぞ勝手に、私は知りませんよと。じゃ、国民の健康も知りませんぜと言わんばかりの返事でした。大変残念な返事です。前向きにそれを受けとめる気がない。私は、大変そういう意味では、今のあなたのお答えに対して不十分であります。不満足であります。 人間は、だれでもきれいな空気を吸う権利があるんです。ですからアメリカは、どこの集会所でも、どこの工場でも、どこの事務所でも、どこの機内でも全部禁煙を命じておるんです。アメリカが命じていて、東南アジアの中でたばこが広告できるのは日本とフィリピンだけですよ。中国も最近は禁煙の運動が出始めた。広告はさせないという動きが出てまいりました。人間の本来の欲望として、やはりきれいな空気を吸うということ、大蔵省はそれを否定するんですか、否定しないんですか、どっちなんですか。
○寺本政府委員 大蔵省は、きれいな空気を吸う権利は当然あると思っております。ただし、先ほど申し上げましたのは、施設の管理者に対して強制はできないということを申し上げたわけでございます。 それと、もう一つここで加えさせてください。私どもは、たばこ業界に対して、例えば日本たばこではスモーキング・クリーン・キャンペーン、それとか喫煙マナー、ほかの人に迷惑をかけないようにしようとか、それから、例えばポケットに入る吸い殻入れを配るとか、それから各方面に灰皿を備えつけるとか、最大限努力するように業界を指導しております。 それから、広告につきましても、先ほどの審議会の答申を受けまして、平成元年に広告に関する大蔵大臣の告示を出しております。それで、それ以前に比べまして、広告の量それから広告時間帯、例えばテレビのコマーシャルにつきましては夜十時五十三分以前は禁止しております。(小宮山分科員「五十五分でしょう」と呼ぶ)五十四分ですね、以前は禁止しております。それ以前は未成年者が見る可能性が相当あるということで、未成年者が統計的に見る確率の少ない深夜に限っております。 ただし、先生のおっしゃるように広告を全面的に禁止するということにつきましては、日本では営業の自由、それから表現の自由に対する配慮がございます。それから、確かに諸外国ではたばこのテレビ広告を禁止している国が多いことは事実でございますが、そういう国では、例えば酒とか生理用品等、ほかの商品についても広告規制が行われております。しかし、我が国ではそれらの商品の広告について特段の規制は行われておりません。これだけ厳しい規制をしておりますのは、たばこだけでございます。したがって、そういう広告に対する国民の受け取り方も、諸外国と日本では違うのではないかというふうに私は思っております。
○小宮山分科員 私は、広告のことなど一切聞いておりません。あなたがしゃべったからあえて言いましょう。 広告のことを聞いたら、未成年者はたばこを吸っちゃいけないというのに、警察庁は、そんな問題は小さな問題ですときたよ。日本政府はそういうことを言うのですか。たばこを吸うことが小さな問題で、健康を害することは小さな問題だ、そういう認識でいいのですか。少女売春とかそういう方がもっと大きいのだと言っておりました。ひどい話です。政府自体の中でそういう認識でいいのでしょうか。答えてください。
○寺本政府委員 私どもは警察がどうおっしゃったかについては存じませんが、私ども大蔵省は、未成年の喫煙を防止するためにさまざまな努力をしております。例えば、たばこ小売店の許認可においても、自動販売機が店の管理下に置けるような近くに限る、そういう十分管理ができるのを、新規の許可についてはそういうことをやっております。それには最大限の努力をいたしております。
○小宮山分科員 あなたは、施設に金をかけるのは云々と言っていますけれども、じゃ、政府部内では一切たばこを売る機械を排除したらどうですか。機械ですよ、これは。政府部内が許可しているのじゃないでしょうか。そういうものを排除できますか。
○寺本政府委員 日本において、現在たばこの販売量の約半分が機械で売られております。したがって、それだけ日本のたばこの販売は機械に依存していますので、それを禁止するということは難しいと思っております。
○小宮山分科員 何と言った、最後は。難しい。
○寺本政府委員 はい、さようでございます。
○小宮山分科員 今たばこの広告料だけで、たばこ会社の経費として落とすのは千八百億ぐらいあるはずです。また、そういう施設を加えると、相当量の金が投資されているはずです。私は、これ、公共料金だけを上げるのではなくて、こういうものを上げて、たばこなどを上げて、必然的に吸えない状況に持っていくのが本当じゃないのでしょうか。あなたのコメントをいただきたい。
○寺本政府委員 私どもの考え方は、非常に日本というのは教育の普及した、皆さんやはり知能程度の高い国でございます。したがって、たばこについて、たばこは健康に害を及ぼす可能性があるということについては十分ディスクローズしますし、広告規制もいたしておりますが、最終的に政府がそれを禁じるとか、そういうことは難しいだろうと私ども思っております。
○小宮山分科員 教育の高さは違います。アメリカでは、教育の高い人ほど、たばこを吸っておりません。あなたはそういうことをおっしゃいますと、たばこがどこでも買える、未成年者もたばこを買える、そんなの小さな問題だ、ビールもどこでも買える、四六時中ビールも飲める、酒も飲める、それがインテリに関係するのですか。その辺は、あなたたちそういう業法を取り締まっている役所としてはちょっと恥ずかしい答弁じゃないかな。 それで、約千八百億円の経費に対する税収入があるはずです。それならば、今たばこだけで何本ぐらい販売量があるのですか。
○寺本政府委員 今ここに持っておりますのは、平成四年度のたばこの販売本数でございますが、年度で三千二百八十七億本でございます。
○小宮山分科員 金額にしてどのぐらいですか。
○寺本政府委員 失礼しました。販売金額は、三兆七千百九十八億円でございます。平成四年度でございます。
○小宮山分科員 これは、国と地方、半分半分ですな。
○寺本政府委員 今申し上げたのま税収入でございませんで、たばこの売上金額でございます。失礼しました。
○小宮山分科員 そうすると、大変大きな金額が煙になっていく。それならば、公共料金の値上げをたばこの増税で賄うことができるのじゃないですか。一兆円足すの、わけないじゃないですか。たばこを吸えないような環境に持っていくことが必要な、国民の健康を守る大きな仕事、それは大蔵省の政策の中に入っているんですよ。かつ、その上、税金で、諸物価を上げないという意味で公共料金を上げないということをやはり考えなければいけない。政務次官、どう思いますか。
○石田(祝)政府委員 いろいろと今お説をお伺いいたしましたけれども、たばこの値段、確かに私もいろいろな人と話をしますと、たばこを一箱千円ぐらいに上げて吸わせないようにした方がいいのじゃないか、こういう意見の方もたくさんいらっしゃいます。また、私の周りにもたばこを吸っていらっしゃる方がいらっしゃいますが、ある一定の値段で、現在ぐらいの値段でこれはもう吸いたい、これ以上上げられては困るという意見ももちろんございますので、一律に高くして吸わせないようにするということがいいのかどうか、これは一概に私は断定できないのじゃないか、このように思います。
○小宮山分科員 ただ単に上げることがよくないとおっしゃるけれども、アメリカのEPA、環境保護局が言っておりますのは、「間接喫煙は受動的喫煙などとも呼ばれ、家庭や職場などで非喫煙者が喫煙者とともに生活することによって、たばこの煙を吸い込むことを指す。EPAは、この分析を基に「空気中に漂うたばこの煙」を「第一級の発ガン物質」と結論づけている。」そう声明しているのです。ですから、あなた、上げてのませないということは、あなたの、政務次官としては国に尽くす大きな仕事なんですよ。上げるというのはどうですか。
○石田(祝)政府委員 これは、最初の質問いただいたときの御答弁で申し上げましたけれども、日本におきましては、平成元年に、たばこ事業審議会で、身体的なリスクは伴うということが出ておりますけれども、体全体については、まだそこまで断定的に、絶対これはもう間違いなくがんになるとか、これはもう絶対のむ人がすべて危険だ、そこまでの研究結果は出ていない、そういう答申が出ているということでございましたので、確かに、先生がおっしゃることも私は全然理由がないことではないとは思いますけれども、たばこを値段を上げて吸わせる本数を減らすということ、先ほど申し上げましたように、一概にそういう方向でいけるかどうか、これは私は非常に難しいのではないかと思います。
○小宮山分科員 国民の健康を考えれば、そのようなことにしなければ、たばこはそう簡単にやめられるものではございません。しかし、これが健康に害があるかないか非常に不透明だというようなことですけれども、少なくともいい結果を与えてないことも事実です。疑わしきは罰せずという言葉がございますけれども、あなた、やはりそういうものはやめた方がいいのじゃないかな。どうでしょうか、政務次官。
○石田(祝)政府委員 これは、たばこのパッケージの横に、吸い過ぎは健康を損なうおそれがあるとたしか書かれていると思いますが、その注意書きをやはり吸う方が見ていただいて、御自分で、ある意味では自分に悪いなと思えばやめる。そこまで法で規制することができるかどうか、もう一切やめてしまえというところまでいけるかどうか、ちょっと私は非常に難しいのじゃないかと思います。
○小宮山分科員 法で規制するのではなくて、あなたそれは簡単に、あなたはたばこを吸わないからいいけれども、私も吸いませんけれども、大勢の人が大変たばこをやめるのに苦労しているのです。事務局もそうですよ。やめようとしませんから。やはり大変な何かの願をかけなければやめられないのです、このたばこは。何らかの動機がなければいけないのです。特に、妊婦については有害なものがございます。ですから、疑わしきは罰するという原則論はやはり考えておかなければいけない。森東大教授がそういうことを言っていたというけれども、これは役所がつくった書類です。私も役所にいたから知っていますけれども、そういうものは大体役所がつくったものを一番上の人がオーケー言うだけの話です。政務次官もそういうことをやった経験がないと思うけれども、こっそり後で審議官に聞いてみなさい。あんなものは役所でつくったものですと言うと思います。ですから、危ないものはやめさせた方がいいということ。 じゃ、話を変えて、先ほど広告収入とあるいは金を、税を少し、いわゆるたばこ税というものを高くして税収入をふやすということを考える余地はないのかどうか、公共料金にひっくり返すことはできないだろうか。二番目は、学校を中心として何キロ以内は絶対たばこの自動販売機は置かない。三番目は、施設の中にたばこを売ることを許容できない。それは国会内だってたばこを自由に吸っているのですから、これはいけませんよ。こういうところの中だけでも、公共施設だけは政府の指導で、地方、政府の指導で、公共施設の中ではたばこを禁じたらどうですか。これは公務員にとっては大変な英断です。それが政治というものではないでしょうか。そういうことをやる気があるかないか、ちょっとお答えください。
○石田(祝)政府委員 三点お尋ねがあったと思いますが、この公共料金、たばこ値上げの税収で転嫁できないかというお話がございました。これは先ほど私が申し上げましたように、いろいろな値段につきましては、本当に吸わない人はもう一箱千円にしろという人ももちろんいらっしゃいますけれども、これは一律に値上げのみによってやるのは私は難しいと思いますし、それを公共料金を値上げしないという財源にするということも私は非常に難しいことではないかというふうに思います。 それからあと二点目に、学校を中心として自販機を置かないようにしたらどうか。これは一つの考え方ではあろうと思いますが、現にそこでたばこ店を営んでいらっしゃる方もいらっしゃると思いますので、これは直ちにそういう形はちょっととれないのではないかというふうに私は思います。 それから、公共施設についてはもう禁煙にしたらどうか、こういう御意見がございましたが、先ほど審議官が答弁させていただいたように、施設管理の問題ということもございますので、これは一律に政府が全公共施設について一切吸ってはまかりならぬ、こういうことを直ちに言うのも難しいのではないか。非常に否定的なお答えばかりで申しわけないのですが、全体的に小宮山先生の意に添わないお答えになりますけれども、直ちには難しいというふうに思います。
○小宮山分科員 最後の質問、もう時間がないのであと質問はできませんけれども、政務次官、これはひとつサジェスチョンですけれども、アメリカでは全職場から禁煙にしております。たばこを追放しております。米国の労働者は、全国六百万に及ぶ工場や事務所などあらゆるところから喫煙を禁止いたしました。職場を全面禁煙にするということは大変な、これは職場もしかり、レストランもしかり、バーもしかり、そういうようなことで全部禁止いたしております。そういうものが政治だと思います。国民の健康を考えるなら、このぐらいのことを英断を持ってやっていただきたい。大蔵省もそのぐらいのことは考えていただければありがたいと思います。 たった三十分ですからこれで私終わりますけれども、またあしたみっちりやらせていただきますからよろしくどうぞ。ありがとうございました。
○森主査 これにて小宮山重四郎君の質疑は終了いたしました。 〔主査退席、若松主査代理着席〕
○若松主査代理 坂井隆憲君。
○坂井分科員 最初に、大蔵政務次官に総論的なことをいろいろ質問いたしたいと思います。 石田大蔵政務次官は、ついせんだってまでは逓信委員会で一緒に仕事をしていた仲であり、こういう財政の厳しい中に本当に大変な御就任、心から御健闘をお祈りしたいと思います。 私も以前大蔵省にいたのですが、一般会計が最初に税収欠陥になったのが石油ショック後の昭和五十年でした。昭和五十年予算のときは、年度末にいろいろな会計年度のやりくりとか何かして、赤字国債の発行をしなくて済んだわけでありますが、昭和五十一年予算では特例公債を三兆七千五百億円という発行をいたしました。そして今回、平成四年度の決算が出たわけでありますが、平成四年度の一般会計税収の欠損は五兆三千億、一般会計税収が対前年度に比べて減ってきているわけでありまして、極めて厳しい財政状態が続いたということであります。 話は戻りますが、昭和五十一年に最初に特例公債を発行して三兆七千五百億ですが、それから実に十四年間、我が国の財政というものは赤字国債に依存した財政構造でありました。昭和五十一年当時に公債残高が二十二兆円、それが昭和五十八年ごろに百兆円を突破するということで、日本国じゅう騒いだことがありました。それが百兆円を超えたのが昭和五十八年、そして昭和六十二年に百五十兆を超した。もう今や公債残高も二百兆円を超しているわけでありまして、このように一たん特例公債を発行しますと、前回が十四年間続いたように、これから日本の国も、平成六年度の特例公債が三兆一千億の発行ですから、また長い長い暗いトンネルをこれから入るのではないかと非常に心配しているわけでございます。 当時、国債の発行高が非常にふえたときに、国債の発行の議論がいろいろと行われました。国債を発行するとやはり民間の金融、これをクラウディングアウトする、民間金融を圧迫していくんだという話だとか、赤字国債は後世代に負担を、ツケを残すものであるとか、あるいは所得再分配機能自身が損なわれていくんだとか、そういういろいろな議論は予算委員会でも行われてきていたわけであります。今回の平成六年度予算案、特例公債の発行額が三兆一千億になるわけでありますが、こういうような財政の厳しい状況の中で就任された石田政務次官として、今後の財政運営をどうしていくつもりか、その決意と見解をお聞かせいただければと思います。
○石田(祝)政府委員 坂井先生は大蔵省御出身でございますから、またいろいろと今後とも御協力もひとつよろしくお願いいたします。 今先生がおっしゃいましたとおり、平成六年度末で公債の発行残高が二百兆円を超えるという非常に厳しい状況でございます。また、国債費も歳出予算の約二割になっていく、こういうどこから見ても非常に厳しい中で、またこれから本格的に高齢社会に突入していく。ある意味でいえば、今、厳しい状況だらけの日本の財政状況だというふうに私は思っております。 その意味で、これからの高齢社会、やはり活力のある高齢社会ということで、財政の対応力というものをどうしても確保していかなければならない。そのためには健全な財政というものを目指していく。そのためにはやはり公債の残高が累増していかないような体質をつくり上げていく以外にないと私は思います。基本的には、歳出面の見直し、また施策の優先順位を厳しくつけていく、また税外収入等、歳入面においても歳入確保に全力を挙げていく、こういういろいろな施策を講じまして、ともかく健全な財政体質にしていく以外にない、公債残高を累増させない、こういうことが一番大事ではないか、このように私は思っております。
○坂井分科員 総論はいいのですが、各論になるとなかなか大変なのです。ですから、それはやはり政務次官の決意、そういう気持ちで今後の難局に本当に当たっていただきたいと思うわけでございます。 ちょうど、昨日の日経新聞の朝刊に「二〇〇〇年度歳入不足八・九-十二・七兆円 大蔵省財政試算 消費税上げを示唆 行財政改革不十分の声も」という記事が出ておりました。これと同じような記事が読売新聞にも「財源不足、最大十二・七兆に 二〇〇〇年度大蔵財政展望 「ネット増税が必要」」だとか、あるいは朝日新聞にも「「福祉ビジョン」実施なら巨額の歳入不足 大蔵が二〇〇〇年度財政展望」というものが出ております。きょうの朝の読売新聞にも「福祉ビジョン完全実施なら「消費税一〇%必要」 税制改革の大蔵試算案」というものが大きな見出しで出ているわけでございます。 これらの試算、一つは、先般大蔵省から公表されたものは、二〇二五年度までの長期にわたる国民負担率に関する仮定計算、それから一般会計に係る、ただいま申し上げました二〇〇〇年度における財政の試算というものでございますが、これらの試算について、新聞にはいろいろ書かれておりますが、どういう感想を持っておられるのか伺いたいと思います。
○中島政府委員 このたび税調に提出させていただきました「我が国財政の展望」という資料におきましては、今先生御指摘のように、一つは、二〇二五年度までの長期にわたる国民負担率に関する仮定計算、もう一つは、国の一般会計に係る二〇〇〇年度、つまり平成十二年度における財政の試算という二つの新たな試算をお示ししているところでございます。これらはいずれも、さきに示されました二十一世紀福祉ビジョンの「社会保障に係る給付と負担の将来見通し等」、これにおけるケースⅡ、これは一口に申しますと、医療や年金は合理化を図りつつ福祉分野は充実していくというものでございますが、このケースⅡを織り込むとともに、一定の前提のもとに我が国財政の将来像を展望したものでございます。 もとより、これらの試算の数値は、前提条件の変化によって大きく変動するものでございまして、これを確定的なものというふうに受け取っていただくことは必ずしも適当でないと思います。 いずれにいたしましても、これらの試算によりまして、我が国財政をめぐる深刻な状況は、中長期的に見て、悪化こそすれ、自然に好転するということは期待できないということは明らかではないかと考えておりまして、本格的高齢化社会の到来を控え、これから福祉の充実あるいは着実な社会資本の整備、国際社会への貢献等、新たな時代のニーズに的確に対応していく、それから豊かで活力ある経済社会の建設を進めていくということのためには、財政の対応力の回復に最大限努力することが求められていると考えております。 今後、こういった試算も含めまして、提出されました資料も参考にしていただきながら、税制改革をめぐる議論が一層深められることを期待しているところでございます。
○坂井分科員 先ほど申し上げましたように、その二つの試算のうち、二〇〇〇年度における財政の試算というものには約九兆円から十三兆円もの要調整額という財源不足額というものが示されているわけであります。きのう予算委員会で、柳沢先生が大蔵省の試算も必ずしも当たらないみたいな話もされましたけれども、私も推計やって、推計というものは当たるも八卦みたいなところがあって、必ずしも簡単には当たるものではないけれども、やはり一つの傾向を示していることは事実だなというような感じがいたします。 こういう財源不足額、要調整額、日経新聞にも「行財政改革不十分の声も」という言葉が書かれておりますように、できる限り財政の合理化とか行政の改革によって努力しないと、これは国民の理解を得ることにはならない。先般の我が国が特例公債依存体質のころも、いわゆる土光臨調のもとでいろいろな歳出カットをして、一般歳出もずっとゼロの状態を続けていったわけでありまして、やはりそういう努力をしてもらわないといけないと思いますが、その点についてお答えをいただきたいと思います。
○中島政府委員 御指摘の行財政改革につきましては、税制改革のいかんにかかわらず、不断に進めていくべき重要な課題であると私どもは認識いたしております。 平成六年度予算におきましても、補助金等の整理合理化等、各種経費の節減合理化や国家公務員の定員削減等に鋭意取り組んでいるところでございます。これからも行財政改革を引き続き強力に推進いたしまして、財政の効率化に向けた努力を続けることはもちろん言うまでもないところでございますけれども、行財政改革によって具体的に幾ら削減できるといった計数的なものをお示しすることはなかなか困難でございますし、また臨調、行革審答申を受けまして、連年にわたって改革努力を行ってきたところでもございますので、行財政改革は引き続き強力に進めますけれども、それによってその歳出削減が、かなり大きなものが期待できるといったことはなかなか難しいと思っております。 しかし、いずれにしましても、引き続き健全な財政運営を確保して、公債残高が累増しないような体質をつくり上げていくというこの財政運営の基本方針については、これを堅持していくことが重要でございますので、今後とも、あらゆる経費につきまして、制度の根本にまでさかのぼった見直し、あるいは施策の優先順位の厳しい選択を行うなど徹底した洗い直しに取り組み、財政改革を強力に推進してまいりたいと考えているところでございます。
○坂井分科員 ことしの、平成六年度予算案を見ておりますと、一般会計歳出の伸びが一%、それから一般歳出の伸びが二・三%ということであります。 ちょうど昔、先ほど申し上げましたように、昭和五十一年ごろの最初に特例公債を発行したころは一般歳出の伸びが一八・八%ということですから、当時の二けたの一般歳出の伸びからすると、非常に日本の財政が厳しい中で歳出を大体一けた台に抑え込んできたという財政の歳出削減努力は私も非常に評価するところでありますが、昭和五十八年から昭和六十二年まででは、先ほども申し上げましたように、一般歳出がマイナス、ゼロという形で進んできたわけですね。そういうことを考えますと、今回の平成六年度予算は、平成五年度の三・一に比べて二・三ということで抑え込んでありますけれども、まだまだ従来のことから考えれば高いような気がいたします。 ただ、財政というものもやはり景気調整機能を考えないといけませんし、バブル経済が崩壊してこれからどういう景気対策をするんだとか、そういう声がちまたに満ちあふれているときでございますから、財政エゴで絞り込んでしまうのもこれは経済にマイナスであって、今の経済では、今回の平成六年度の二・三というのは前回より絞り込んだものの、投資的部門なんか見ますと五%近い四・八%ふやしているわけでございますし、それなりの評価はしているわけでありますが、今後、経済の状況を見ながら、再び特例公債にずっと依存しないで済むように徹底した歳出削減にやはり大蔵省としても十分努めていただきたい。総論だけではなくて、各論でもそういう血のにじむような努力をしてもらわないと、いろいろなことで国民の理解を得ることができないのじゃないかと思います。 仮にそのような歳出削減を行っても、ただいま御答弁にありましたように、財源不足といいますか要調整は残ってくるわけでございますけれども、それを解消するためにはどれだけ増税が必要だというふうな試算に今のところなっているんでしょうか。
○中島政府委員 今回お示ししました計算の数値は、先ほど申し上げましたように、前提条件の変化によって大きく変動するものでございますので、これを確定的なものとしてお受け取りいただくことは適当でないと思いますけれども、いずれにいたしましても、現状のままで推移いたしますと二〇〇〇年度に巨額の要調整額が発生することは、先生御指摘のとおりでございます。 そこで、この要調整額について、その解消に向けて歳出歳入両面にわたりましてあらゆる努力を積み重ねていかなければならないわけでございますが、この試算におきましては、社会保障以外の一般歳出につきまして、平成二年度から六年度までの平均伸び率、これは三・四%という実績でございますが、それをもとにいたしまして、年率二%、三%、四%の三通りの伸びを仮定いたしておりまして、この連年にわたる歳出削減努力の後でございますだけに、また、あるいは経済と調和のとれた予算の編成も念頭に置かなければいけないという事情もございますので、歳出削減のみによって多大なものを期待することは難しいと考えているわけでございます。 そこで、どれだけこの要調整額の解消等のために納税者の負担によらなければいけないか。ここはこれから国民的な議論を待つべき問題であると思いますけれども、今まで申し上げました事情を勘案いたしますと、少なくとも社会保障の増大に伴う税負担の増につきましては、それが今後の高齢化の進展に伴って不可避的に生ずるものであること、あるいは二十一世紀福祉ビジョンにおいても、適正な給付を適正な負担によって実現するという基本的考え方に立って努力していくことが重要であるとされていること等を踏まえまして、負担増を御検討いただくことは考えられるのではないかと思っているところでございます。 そこで、この場合どれくらいを負担増の検討の対象とすべきかという点でございますけれども、これも前提の置き方でいろいろ変わる性質のものでございますが、仮に社会保障の分に係る国庫負担が、名目成長率、これは計算前提で五%と置いてございますが、それを上回って伸びる分は納税者の負担増を検討すべき額というふうに今前提いたしまして試算いたしますと、一九九四年度の社会保障国庫負担、これは十四・六兆円でございますが、これが名目成長率で伸びたとき、二〇〇〇年度には十九・六兆円ということになります。十四・六兆円が毎年五%ずつ伸びていった場合の二〇〇〇年度の数字でございます。これと試算で示されております二〇〇〇年度における社会保障の国庫負担の推計二十四兆円、これとの差額は、二十四兆引く十九・六でございますから四・四兆という数字になるわけでございます。 大体この程度の額が、増税によって埋めていただく、まあその検討の対象の額というふうに言えるのではないかと私どもは考えているところでございます。
○坂井分科員 四・四兆という話がありましたけれども、いずれにしても、これも、減税を今回やりましたね。その減税をずっと引き続きやるという前提にはなっていないわけですね。そうすると、そういうことを考えますと、いろいろな意味でまだそういう財源不足というのが非常に大きいものと思われるわけですね。今、試算でも一般歳出の伸びを年平均二%と見積もるという案もありますけれども、さっき申し上げましたように、もうちょっと絞り込むことも可能かもしれませんし、やはりできるだけ全体の租税負担率、日本の全体の租税負担率をどういうふうにするかということを考え合わせながらぜひやっていただきたいと思うのです。 ただ、それに関連しまして、租税負担率だけでなくて、もう一つは、財源不足は公債で埋めるということがあります。公債も、赤字国債で埋めるというのは、なかなかこれは特例公債に依存するというのは認めがたいことでありますけれども、公債の発行自身をやはりふやしていく、建設国債も含めてふやしていくということになれば、増税の必要がないんじゃないかな。建設公債の発行対象経費を見直していくとか、あるいは、建設公債じゃないけれどもそれに近いようなものにもうちょっと概念を変えていくとか、いろいろなことが検討できるのではないかなと思うのですが、そういう細かい技術的なことはあえて答弁はいただきませんけれども、そういう財源不足について、公債発行をふやしていく、そういうことによって増税することの必要性を生じさせないようにするということはできないのでしょうか。
○中島政府委員 平成六年度末の公債残高がついに二百兆円を超えるものと見込まれているということは、先まど坂井先生もおっしゃったとおりの状況でございます。こういった状況の中で財政が社会経済情勢の変化に適切かつ迅速に対応していくためには、公債残高の累増に伴う国債費の重圧が政策的経費の圧迫要因となっております現在の財政構造の改善を図っていくということがますます急務であるということでございます。 こういった認識のもとに、財政制度審議会の会長談話にもあるのでございますが、今後、公債依存度の引き下げ等によりまして公債残高が累増しないような体質をつくり上げるとの努力目標に改めて取り組むべきである。この努力目標を目指すに当たっての公債依存度の具体的水準として、現在の公債依存度の水準等を勘案し、引き続き五%を下回る水準が中期的な一つのめどになるという指摘があるわけでございます。このたびの試算におきましては、この指摘を踏まえまして、公債依存度が二〇〇〇年度に五%となる水準を仮定して計算を行ったものでございます。 そこで、お尋ねのように、五%まで二〇〇〇年度には下げなくて、もう少し緩やかでよろしいのではないか、そういう計算も成り立つのではないかということでございますけれども、私どもとしましては、公債発行額を減額する努力を放棄することは許されないというふうに考えておりますけれども、あえて二〇〇〇年度における四条公債、いわゆる建設公債ですね、その発行を仮に六年度並み、これはことしの六年度予算はNTTの繰り上げ償還相当分という特別なものが入っておりますけれども、それを除きました八兆円強を仮に横ばいでずっと行うというふうにいたしましても、それによる公債収入の増は二〇〇〇年度で約四兆円でございますので、計算上なお六兆円ないし九兆円の要調整額が残るという姿になると考えております。
○坂井分科員 いろいろお話を伺っていると頭が痛くなるような財政構造でありますけれども、それでは、次に税のことについてもこの機会にちょっとお聞きいたしたいと思います。 税制改正は、現在連立与党に設置されている税制改革協議会と政府税調において、六月末を取りまとめの期限に置いて審議を進めていると聞いておりますが、この税制改革の議論における中心テーマが、活力ある豊かな高齢化社会を目指すということだと伺っております。 これからの高齢化社会を活力あるものにするためには、子供の数が非常に減ってきている、減ってきているから、我が国ではだんだん働く人が少なくなってきていますから、その分雇用政策ということを考えた場合に女性の人にもっと働いてもらうような仕組みを考えていくべきじゃないかとか、あるいは今回年金改正をしまして、年金のカット率、働いて収入を得た場合に年金のカット率を軽減したり、そういういろいろなことが政府全体としても考えられているようで非常に結構なことだと存じますが、本来は、活力ある豊かな高齢化社会というのは、そういうような全体の女性労働だとか高齢者に関連する税制だとか、そういうことも踏まえて本当に議論していくのじゃないのかなというのが私の個人的な見解なのです。 一体、政府自身は、活力ある豊かな高齢化社会の実現を目指してどのような税制を構築しようとしているのか、ひとつ政務次官にお聞きいたしたいと思います。
○石田(祝)政府委員 この活力ある豊かな高齢化社会というのは、先ほど坂井委員が御指摘のとおり、これは税制だけの問題では私はないと思います。おっしゃるように、少子・高齢社会、高齢社会というのは裏返せばこれは子供が非常に少ない社会ということでもございますし、いろいろな形で女性の社会進出、またお年がいっても働いていただけるような環境づくり等を進めていく必要があると思いますが、今お尋ねの税制につきましては、これも一つの大事な要素である。この中で、やはりこれからを考えていきますと、個人所得課税の軽減ということと、また消費課税の充実を柱にしていく、こういうバランスのとれた税体系を構築していく必要が私はあるのではないかというふうに思います。 委員も御指摘のように、連立与党の中で税制改革協議会が今一生懸命議論を重ねているというふうにも聞いておりますが、その中で、当初、六月中には結論を得て、こういうことで進んでいると私も承知をいたしておりますので、その結論を得て、また各般の、各界の御意見もちょうだいをしながら、年内にはこの税制改革の実現を図っていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○坂井分科員 ですから、私は、本来なら、活力ある豊かな高齢化社会を目指すという場合に、女性の共働き労働に関する税制とかあるいは年金課税だとか貯蓄課税だとか、そういうところも踏まえていろいろ、今後やっていただくのでしょうけれども、議論してもらうのが本当は筋道じゃないかなと思っているのです。 ちょうど三月末に、厚生省が高齢社会福祉ビジョン懇談会というところから二十一世紀福祉ビジョンという報告書を出しました。この報告書を読んでいますと、この中では、「高齢化等に伴う社会保障需要拡大に伴い給付費は名目経済成長率を上回る伸びを示しており、」ですから、「税、保険料負担者と受益者との間で分かち合いつつカバーしていくという基本ルールの確立が必要である。」ということをうたっております。 それと同時に、現行税体系では直接税のウエートが高いことから、現役勤労世代の負担が過重になるとともに税収が不安定なものになるということで、間接税の増収措置を図っていく必要があるというようなことを書いてあるわけですね。その中には、間接税の税収について、「間接税の増収措置が講じられる場合には、その一定程度を社会保障の経費に充当するといった考え方についても検討に値するものと考えられる。」「その際、間接税収を社会保障のどの部分に充てるかということについては、財源の規模や性格、国民的合意が得られやすいかどうか等の点に留意して考える必要があるが、当面の方向としては、緊急の課題である介護対策の充実等に充てていくことが適切であろう。」ということをうたっているわけであります。 私は、この報告書について厚生省の人にも申し上げたのですが、例えば間接税の増収をやるにしても、それが介護対策だというような議論はちょっと行き過ぎているのじゃないか。もともと介護というのは、子供が両親を介護していたわけで、そのために相続財産をもらっていたわけですね。そのためというわけではないかもしれませんが、戦前は特にそういう義務があった。戦後はお金だけ相続財産でもらうようになって、介護は国がやるようになった。公的にやるようになった。 そうすると、本当は税制としては、何年か前に相続税の議論のときにも私は申し上げたのですが、相続税を余り緩くするのは私は基本的に賛成じゃないんですね。東京みたいに住宅地に住んでいる人は別です。その住宅地部分の基本的な部分、例えば百坪は免税にするとかそういうのはわかるのですが、余り緩やかにしますと田舎では相続税を払う人はいませんから。 ですから、本当はそういうものが介護対策の、相続税の総額はそんなに大きいものではありませんが、そういうものを考えていくというのはわかるのですが、目的財源というのはよくないのですよ、目的税にするというのはよくないのですが、そういう発想ならわかるのですが、間接税収自身が、増収部分は介護対策というのは行き過ぎているのじゃないかなというような思いを持ってこれを読んだりしていたわけであります。 そこで、そういう細かいことは別にしましても、一般論としてこの二十一世紀福祉ビジョンに述べられたような考え方、この点について大蔵省の方としてはどのように評価しているのか、御意見を聞かせていただきたいと思います。
○石田(祝)政府委員 この二十一世紀福祉ビジョン、先ほど先生が言われたとおりの文言がもちろんございますけれども、活力ある豊かな高齢化社会を実現するということで、バランスのとれた安定的な税体系、これはどうしても必要だろうと思います。その前段階と申しましょうか、その税体系を論議する前にどういう福祉の姿を考えているのか、こういう議論がございまして、まずその福祉の考え方を示すべきではないのか、こういう議論がございまして、今回の二十一世紀福祉ビジョンというのが出されたように私は記憶をしております。 その中で 年金と保険と福祉ですか、どういうふうな力点を置くかと考えた場合に、やはりこれからは福祉、特に介護の方をどうしても皆さん心配されているのじゃないか。昔のように長子相続で、そしてそのかわり長子が、一番上の方が財産を相続してお父さん、お母さんの面倒を見ていく、こういうことがなかなか核家族化等の進展で難しくなっている。ですから、社会としてお互いに世代を支え合っていかなくてはならない。こういうことがこれからの高齢社会の前提になっていくのではないかと思います。 そういう中で、安定した税収を、どういう形で税体系をつくり上げていくのか、こういう観点から、私は、社会保障に要する費用のある一定程度というものに対応した税負担の増加、これは妥当なものではないか、このように考えております。
○坂井分科員 質問時間が終了いたしましたのでこれでもう質問を終わりたいと思いますが、いずれにしても非常に財政が厳しい状態だと思うのですね。今回所得税の減税も行われたわけでありますが、所得税の減税自身も本当は私は余り賛成じゃなかったのです、物価調整減税なら別にしまして。ただ、所得税減税を対米的な絡みで仮にやるとしても、そういう場合には国際的な問題ですからやむを得ないにしても、安易に所得減税をしたりあるいは歳出を膨らませたりということではなくて、歳出の合理化、それから税の方も公平なバランスある税制改革というものを目指してやっていただきたいと思います。 総論ではみんな賛成しますけれども各論になるとなかなか大変でございますから、それはやはり政治の勇断ですから、もと一緒に仕事をしていた石田政務次官としてもぜひ頑張っていただくことを心から祈念いたしまして、質問を終わらせていただきたいと思います。 どうも御苦労さまでした。
○若松主査代理 これにて坂井隆憲君の質疑は終了いたしました。 小沢鋭仁君。
○小沢(鋭)分科員 さきがけ・青雲の小沢鋭仁でございます。 お時間をちょうだいして質問させていただきます。 まず第一点といたしまして、決算のいわゆる合理化の観点から御質問させていただきたいと思います。 御承知の方も多いと思いますが、私は一年生議員でございまして、そういった意味では、多くの関係諸先輩の皆さん方が当委員会におきましても御努力をいただいた上で運営されてまいってきておりますことは十分承知をしているわけでございますけれども、ただ同時に、一年生議員ということで一般社会の常識といいますか、そういう観点、まだまだ新鮮な感覚で国会を見させていただきますと、まずこの決算委員会でお話を承ったときに、平成二年度、三年度の決算を行っているということで、正直言って驚いたわけでございます。 これは政府の方に質問というよりも、ある意味では委員会全体で考えたい問題として若干意見を申し上げるわけでございますが、恐らく一般国民の皆さん方は、こういった事情を余り知らないのだろうと思うわけであります。これが知られるどころになると、何をやっているんだろうという意見がこれはもう本当に予想されるわけでございまして、そういった意味におきましても、この決算委員会、今回は稲垣委員長のもとで四分科会方式ですか、それをおとりいただき、審議の促進という形で御尽力をいただいているわけでございますが、こういった工夫を大いにしていただいて、少なくとも前年度の審議が行われるというところまで早く戻さなければいけないんじゃないかなということを感じたわけでございます。 ですから、冒頭そういった私の感想を申し上げまして、これは私も含めて、これからぜひとも委員長初め理事会の皆さん方にも御検討をいただいて、そして実質的な審議が国会でなされますように、私も努力をしてまいりますから、要望として冒頭に申し上げさせていただきたいと思うわけであります。 なぜそうおくれてきたのかという原因をいろいろとお尋ね申し上げますと、御承知のとおり、三月、年度末の後七月末に決算の締め切りを行って、十月初旬に会計検査院に大蔵省の方から決算書が送付され、十二月中旬に決算書を大蔵省に回付、そして一月に通常であれば決算の審議が始まるということのようでございますけれども、要はほかの委員会とのいわゆる競合といいますか、説明をいただく皆さん方のいわゆるバッティングの問題等があるようでございまして、そういった意味でいえば、ある意味で国会が形式的、権威主義的なものから実質的なものへ、そういった観点で、別に並行で委員会をしていただいても結構なわけでございまして、そういった意味での御検討をぜひともお願いを申し上げたい。国会改革の観点からも、恐らく国民の皆さんからの信頼という観点からも極めて重要だということを私の要望として申し上げたいと思います。 それともう一点は、やはり決算というのは私は大変大事なものだというふうにも承知しておるわけであります。私は企業に勤めた経験から申し上げますと、企業においては、企業経営の観点でいわゆる企業会計、これがやはり企業戦略の一環を担っているわけでございます。そういった意味におきましても、国家経営という観点で決算を行い、そしてそれがもとになって予算の審議が始まるという話でないと実質的な役割が果たせないのではないかと思うのです。 まさに予算の審議が始まるその前、一月に例えば決算書が国会に提出されたら、その時点で即座に決算を行って、そして予算が始まるときにはその前年度の決算のいろいろな諸問題をベースにして国会審議を行う、そういう仕組みが恐らく戦略的にも正しいのだろうと思うものですから、そういった観点からも、やはりぜひともそういう運営になるべく早く戻していただきたいと申し上げるわけであります。そういった意見は、また、私もいろいろな場面で委員長初めお願いを申し上げたいと思います。 次に、質問に入らせていただきたいと思います。 今申し上げたような観点の中で、決算というものはできるだけ合理化できないかということ、そしてもう一段広げて考えますと、予算の策定そのものも含めまして、でき得る限り効率的なあるいは合理的なことができないかという観点で御質問させていただきたいと思います。 私は、大分以前に、予算策定に当たる電算化の必要性ということをあるところで申し上げたことがあるのですが、そういった意味におきまして、大胆な電算化、これが私は必要だと思っているわけであります。これは、ファッションとかそういう話ではなくて、御承知のとおり、今やまさにコンピューター時代でございまして、そのコンピューターの持つ機能というのは極めて大きいわけでありますから、単なるファッション、流行でやれと言っている話ではなくて、予算書をつくるあるいは決算書をつくる、あるいはその過程でいろいろな調査を行うというときに、私は、いわゆる電算化の意味というのは極めて大きいと思うわけであります。 その観点から、まず、現在の電算化がどのような状態であるか。私は、いわゆる霞が関周辺の本省庁、少なくともここらあたりは統一フォーマットの仕組みが行われていて当然だというのがきっと国民意識だろうと思うものでございますから、そういった観点で、今どういった状況にあるかということをお伺い申し上げたいと思います。 これは同時にまた、行革といった観点から考えてみましても、いわゆる行革というのは、省庁の統廃合といった問題も大変重要で大がかりな話でありますけれども、同時に、日常業務の中でいかに効率的な行政が行われるかということの方が、地味ではありますけれども、ある意味では大事だと思うものですから、そういった観点も踏まえて御質問をさせていただきたいと思います。
○中島政府委員 まず、電算の話に入ります前に、決算の審議の促進につきまして委員の御意見を承ったわけでございますが、私ども政府サイドといたしましては、決算の国会への提出をなるべく早くすることがまず必要であるというふうに考えておりまして、従来からできるだけ早く決算書を国会に提出するよう努力をしているところでございます。国会提出前に必要な手続でございます内閣から会計検査院への送付、これは法律では翌年度十一月三十日までとされておりますけれども、四年度決算まではこれを一月半繰り上げまして、十月上旬に送付していたところでございます。このようなことで、できるだけ早く国会に提出する努力をいたしているということを一言申し上げさせていただきたいと思います。 それから、お尋ねの電算化の件でございます。 これは、大きく分けまして、予算編成事務と決算会計事務と両面あるわけでございますが、いずれも大変膨大な事務量を要します。これを合理化していくために電算化を進めるということが非常に重要であることはまことに御指摘のとおりでございまして、ただいまの御質問は私どもに対するある意味での激励のお言葉として受け取らせていただきたいと思います。 まず、予算編成事務等への電算機の活用でございますが、昭和四十八年度にコンピューターを導入いたしました。そして計数管理システム等の各種システムを開発いたしまして、まず大蔵省における予算編成事務等の合理化、効率化に大きく寄与いたしているところでございます。しかし、最近における予算編成作業の複雑化、それから厳しい定員事情、それから公務員の週休二日制の実施といった新たな状況もございまして、今までの開発したシステムでは間に合わなくなってまいりました。そこで、平成四年度から現行システムの機能をさらに拡充いたしまして、合理化、効率化を一層促進するため新しいシステムの開発に取りかかったところでございます。 次に、予算執行関係の事務でございますが、現在、歳入歳出事務を取り扱う、これは各官署にまたがるわけでございますけれども、各官署の合理化、効率化を目的に大蔵省が中心となりまして、各省庁と共同で機械化を推進しているところでございます。この機械化は、昭和五十二年度からまず大蔵省の所管官署を対象に導入を始めたわけでございますが、その後逐次拡大いたしまして、昭和六十二年度からは各省庁各官署へ順次拡大を図っておる、こういうことでございます。
○小沢(鋭)分科員 ぜひともさらなる積極的な御対応を要望申し上げたいど思います。 それでは、若干観点を変えさせていただきまして、大規模公共事業の件につきまして御質問をさせていただきたいと思います。 まず具体例として、これは別にここでなくても構わないのですが、長良川の問題を具体例として使わせていただきながら、大規模公共事業の件を質問させていただきたいわけでございます。 私は、実はかつて日本新党に属しておりまして、先輩は依然としておりますが、諸般の事情で離党したわけでございます。その際に、政策担当ということの中で、私に日本新党の当時の環境部会の方から出されてきている資料がございます。離党はいたしましたが、そのときの政策案件は依然として大事だと思っておるものですから、それを使わせていただきながら御質問をさせていただきたいと思います。 まず第一点は、これは国土庁さんの方になるのだろうと思いますが、いわゆる長良川の事業。この事業の大きなポイントは二点あると思っております。治水と利水でございます。治水の方は本日はさておきまして、利水の方を御質問させていただくわけでありますが、私の手元にあるレポートによりますと、いわゆる利水に関しての周辺地域の水需要の増加予測、この算出に関しましてこういう資料があるわけでございます。現在、水需要増加予測量は四十六立法メーター・パー・秒の算出根拠が建設省の河川局の方から示されておるわけでありますが、それに対して、その辺のところを御質問したいわけでありますが、ややそれが時代の環境に合ってないのではないかという観点でございます。 ちょっとそこの部分を読ましていただきますと、産業構造の変化と水需要予測ということに関しまして、例えば木曽川水系では、昭和六十年から平成二年までの七年間に工業出荷額が八・一兆円増加しましたが、水需要は逆に一・三万立法メートル・パー・日減少している。これはエコノミストという雑誌の中に岐阜大学の富樫先生という方が出しておる数字であります。この主な理由は、いわゆる用水の多消費型工業から用水の少消費型工業への産業構造の転換だというふうに指摘をしているわけでありますが、とりあえずこの数字に関しての御見解をお聞かせいただきたいど思います。
○白井説明員 先生御指摘のように、工業出荷額が確かに増加しております。それにもかかわらず水需要量が減っているというお話でございます。 確かに産業構造は変化しておりますけれども、木曽川水系に用水を依存する地域におきます淡水補給量というのがございます。これにつきましては、昭和六十年から平成二年までの五年間でございますけれども、日量約六・五万トンふえているというふうに国土庁は把握しております。
○小沢(鋭)分科員 数字の根拠に関しましてはいろいろな見解があるところだと思います。私もこの手元のものが絶対に正しいといった確信はないわけでありますが、しかし、いずれにしましても私が今申し上げたい点は、大規模公共事業、例えば長良川の場合は計画から約二十五年の歳月をかけての事業になっているわけであります。当然、時代の環境は大きく変化するわけでありまして、それに伴ってのいわゆる水需要といったものも恐らく変わるはずだ、私は大規模公共事業を継続してやっていく場合にそういった観点を、計画の中に見直しの観点を組み込んでいくという話が必要ではないかということを今申し上げたいわけであります。 そういった意味におきまして、国土庁さんの方でもフルプランの改定等をおやりになっておりますが、そういった意識をお持ちいただいているかと思うのですが、そこのところに関しまして御見解をお願いしたいと思います。
○白井説明員 水資源開発基本計画、いわゆるフルプランでございますけれども、これは計画決定後に、水需要の動向それからその他社会的、経済的ないろいろな変化が起きます。その際には、水需要の見直しを行う必要があるとき、それから新たな施設を追加する必要がある場合におきましては、計画を全部もしくは一部変更するということを行っております。 ちなみに木曽川水系におきますフルプランの改定でございますけれども、平成五年三月に改定しております。これは目標年度を平成十二年度としておりますけれども、この際、以前の計画、昭和四十八年に行われたものでございますけれども、このときから比べましてオイルショックなり産業構造が大きく変化したということで、都市用水の木曽川に依存する分を随分減らしたという経緯がございます。 以上でございます。
○小沢(鋭)分科員 同様の観点から建設省にも御質問を申し上げたいんですが、今は水需要の観点で御質問を申し上げました。いわゆる公共事業全体ということで考えますと、やはり水需要だけではなくていろいろな要因の変化ということがあるわけであります。 そういう中におきまして、例えば五十嵐前建設大臣が長良川の視察をし、そして今後の展開に関連しまして、これは一般論として、それをベースにして大規模公共事業についての見直し機構といったものが必要ではないかといった御発言が先般あったわけであります。私は、こういった長期化する大型プロジェクトに関しては本当にこういった見直し機構みたいなものも必要だなと思ってその報道に接したわけでございますけれども、その五十嵐前大臣の御発言に対しての見解と、その後どんな御対応がなされているか、お聞かせをいただきたいと思うわけであります。
○五十嵐説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、前の建設大臣五十嵐建設大臣は、三十年、四十年かかるような、非常に長期間に事業がわたるような場合には、価値観も変わる、いろいろな状況が変わるというようなことがあるから必要に応じて見直さなきゃいけない、こういうことがあるので、そういう機構をつくったらどうかということを提案されたのは事実でございます。御指摘のとおりでございます。 もちろん、大規模事業全部がそういうことに該当するわけではありませんけれども、確かに長期間にわたりまして、いろいろな情勢の変化があるというような場合には当然見直しをしなければいけないということでありまして、基本的には、もちろん担当いたします省庁がこの事業をどうやって見直していくのかというのをやらなければ行政責任を果たしたことにはならないということになろうかと思います。そこは各省庁の責任というのが基本にあるわけでございますけれども、各省庁それぞれが見直すということだけでは不十分だというようなケースもあるわけでありまして、こういった場合には、当該省庁ではない第三者的な機関、そこで見直しをするというのが、確かにそういう必要があると思います。 現在でも、例えば行政監察でありますとか、会計検査でありますとか、そういうような当該省庁とは別の機関が、全体の事業一般の見直しあるいは個別の問題、こういったことに取り組んでおられるわけでありまして、さきの大臣の発言がございましたので、現在、関係省庁の方でどういう取り組み方をするのかというのを検討しておられると承知しているところでございます。 それから、ちなみにでございますけれども、前建設大臣は、長良川については、これは事業をどんどんやるのであって、長良川について見直しをしようというようなことではないというのは繰り返し明言しておられたところでございます。 以上でございます。
○小沢(鋭)分科員 大変金額もかさみ、また人手も必要になり、長期化する事業でありますから、そういった意味におきましては、どうしても行政といいますか、マーケットで処理されない問題というのは、一度決めるとそれがずっと走りがちになってしまう。やはりそこのところは我々が肝に銘じて注意をしていかなければいけない話であろうと思うものですから、先ほど御答弁いただきましたような方向で、ぜひとも今後御努力をいただきますことを要望申し上げておきたいと思います。 それでは、時間もなくなりましたので、最後の質問に入らせていただきます。 決算の不当事項関係の質問に移らせていただきたいと思います。 まず、会計検査院は毎年不当事項関係の発表というのをなさるわけでありまして、私どもも今まで新聞報道等で接する機会があったわけであります。平たい言葉で言いますと、たしか新聞用語なんかで言いますと、行政のむだ遣いというような見出しか何かで出ているというふうに私も記憶しているわけでありますけれども、そういった不当事項関係、直近の状況に関しまして少し御説明をお願いしたいと思います。 〔若松主査代理退席、主査着席〕
○天野会計検査院説明員 それでは、先生の御質問についてお答えいたします。平成四年度決算検査報告に掲記いたしました事項等別の件数、金額は、二百七十五件、百二十六億三千七百九十四万円であります。 その内訳は、法律、政令もしくは予算に違反しまたは不当と認めた事項二百五十二件、七十八億六百五十八万円、意見を表示しまたは処置を要求した事項六件、三十億二千五百七十八万円、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項十四件、十八億五百五十八万円、特定検査対象に関する検査状況三件、このような状況になってございます。
○小沢(鋭)分科員 ありがとうございました。 その対応、今、処置といったような御説明もあったわけでありますが、具体的に、例えば百二十六億円という数字をお知らせいただいたわけでありますが、使ってしまったもの、いろいろなケースがあろうと思うのですけれども、使ってしまったものを、例えばこれはいわゆる違法な使い方だったからということで戻すとか、そういう話というのはあるわけでありますか。その対応は、区別するとどんな対応になっているわけでございましょうか。
○天野会計検査院説明員 検査報告に掲記しました指摘事項の実効性を確保するために、会計検査院としましては、すべての指摘事項につきまして詳細なフォローアップを行ってございます。 不適切な金額につきまして、返還されたものであるとか、今後のその事態の是正あるいは再発防止、それからまた関係者の処分の状況、そういうものがどのような状況になっているかというものにつきまして、調書をとりましてその状況を把握しているところでございます。 それから、意見を表示しまたは処置を要求した事項につきましては、その後の処置状況の調査とその処置状況の検査報告の掲記を行っているところでございます。
○小沢(鋭)分科員 今御説明をちょうだいしたわけでありますが、私がこの質問をさせていただいた趣旨は、いわゆるむだ遣いというのが約百二十億円前後ある。そしてまた、それは全体の予算規模から見ますとパーセンテージとしては大変小さな数字になるわけでありますが、国民感情から考えますと、百二十億円というのは大変な金額だという話になるわけであります。それが毎年毎年、ことしもむだ遣い、ことしもむだ遣いという形で出てきている。それは、本当にある意味ではお役所仕事だなという印象を国民の中に残してしまう。そこのところはぜひとも避けなければいけない話でございまして、そういった観点で質問をさせていただいたわけであります。 いろいろな個々の問題に関しましては今後私も一生懸命勉強させていただきますが、こういったいわゆる行政のむだ遣いといったような話が、ことし起こったことは来年は起こらないという話をすることが重要であります。そういった観点から、関係の皆さん方にはぜひとも御尽力をいただき、政治あるいは行政への信頼感の回復にぜひとも御尽力をいただきたいと要望をするわけであります。 時間も参りましたので終わらせていただきますが、もう一点、冒頭に申し上げました、決算をいわゆる戦略的発想で考え直していただいて、決算を有効に活用して、そして翌年の予算審議並びに今後の行政の運営に活用していく、そういった観点でぜひとも関係の皆さん方には今後とも御尽力をいただきたいと要望を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○森主査 これにて小沢鋭仁君の質疑は終了いたしました。 日野市朗君。
○日野分科員 今、税制改革が非常に大きな政治的なテーマになっております。政権が自民党政権から昨年交代が行われて、実は私も財政の説明を、あれは政策幹事会ですか、政策幹事会で受けたわけでありますが、そのときの日本の財政的な窮乏、それから将来の予算の見通し、こういうのをつぶさに見せていただいて、今さらながら非常にその窮乏ぶりには驚いたということでございます。自民党さんの悪口を言っちゃあれだが、よくも自民党さんここまでやったものだという思いがそのとき実はいたしたわけでございますがね。 それはそれとして、これから我が国が高速に高齢化社会に入るという時期に当たって、税制のかなり大幅な制度の変革ということが必要になってくるでありましょう。その必要生というものは、政治家であればだれしも認めざるを得ないということは、これはもうはっきり申し上げてよろしかろうかと思います。ただ問題は、この税の問題は、税をいじるとなればそっちこっちに大変な影響が及ぶものでありまして、すべての新税は悪税であるという言葉すらございまして、税金をいじるということは非常に大変なことであります。 それで、我が国はこれから高福祉高負担、中福祉中負担、低福祉低負担、こんな考え方がありますが、我が国の場合は福祉のレベルとしては相当のところに行っておりますが、じゃ、その負担の方はどうなっているのかというと、必ずしもそれに見合った負担をしているかどうかということについては疑問があろうかというふうに思っております。 そこで、税制をいじるに当たって何よりも必要なのは、税が公平に、税制が公平に運営されているという思いを国民の皆さんに持っていただくこと、これが私は必要だと思うんですね。大蔵省の考えとして、非常にこれは概括的なことで恐縮でございますが、どんなふうにお考えになっておいででしょう。次官からでもどうぞ。
○石田(祝)政府委員 日野委員おっしゃるとおり、これから高齢社会を考えましたときに、やはり国民の皆様が納得していただける税体系というものをつくらなければ、先ほどおっしゃったように、新税は悪税だ、こういう意識のままではどうしても納税者としての意識は私は高くならないと思います。その意味で、どういう形の税制がいいのか、これからまた御議論をいただいて、それを踏まえて税体系の構築をしていかなくてはなりませんけれども、おっしゃるとおり、公平、公正ということも大事な要素である、このように思っております。
○日野分科員 税制についてはかなり議論が進んでおりまして、一般の人々の考え方も非常にこのごろ深まってきているというふうに思います。国民福祉税構想そのもののよしあしは別として、ああいうものが投げかけられたことによって国民にも非常に税についていい勉強になったと思うのでございますね。ですから、今までのように税のことについては、よらしむべし、知らしむべからずというような態度はもはや通用しないというふうに私は考えております。あくまでも国民の皆さんが納得できるような税についての議論が必要であろうかというふうに思いますし、国民の皆さんの中に今までわだかまってきた税に対する不公平感というようなもの、これを払拭しなければならないのではないか、こういうふうに私は考えております。 それで、きょうは、国民の皆さんがどうもすとんと胸に落ちませんよと言っている問題点が幾つかあるわけですが、その中で特に法人の税制について何点か大蔵省の見解をただしておきたいというふうに思います。 まず、法人の税制ということになりますと、これは非常に経済が国際化しておりまして、日米間の経済協議がうまくいかないのなんのと言ったって、もうその日米間の経済的な交流は非常に進んでいて、しっかりお互いかみ合った経済活動をしているということでありまして、じゃ、これですぐ日米間の経済関係が悪くなるかどうかというような問題になると、そう問題は簡単ではないと思います。また、税制の面でも非常にいろいろかみ合った国際間の制度の絡まり合い、これがあろうかというふうに思うわけでありますね。 それで、そういう中で、本来ならば日本の国内で税収を上げられるべき日本の法人企業の活動、それが十分な国内の税収源になっていないのではないかというような主張がかなり学者の方なんかからも出されているわけであります。私もなるほどと思わざるを得ないような点もございますね。 そこで、外国の税額控除の問題、これについてまず伺いたいと思いますが、こんなことも言われているわけです。特に、外国での経済活動を活発にやっておられる大手商社ですね。こういうところの法人税の納付はどのようになっているのか。人によっては、これはもうさっぱり日本には納めてないよ、これは外国で払ったからと言って日本には納めてないんだというふうに言う方もおられるわけですね。それで、大手と言われる商社の日本での納税状況はどうなっているのかについてお知らせいただきたいというふうに思います。 まず、幾つかの大手商社については日本ではさっぱり払ってない、ゼロだ、納税額ゼロよというようなことを堂々と主張される方がおられます。これは外国税額控除をうまくやれば、そういうこともあり得るのかなというような感じも私はするわけでございますね。それで、まずいわゆる大手の商社の納税額というものはどういうふうになっているか、これについてお知らせをいただきたいと思います。
○三浦政府委員 国税庁からお答え申し上げます。 これまでもお答えした例があるようでございますので、大手商社は九社がいわゆる総合商社でございますので、この九社にくくっての数字はこれまでも申し上げておるわけでございます。 最近の実績ということで、平成五年三月期の納税状況を申し上げますと、申告所得金額は二千三百九十三億円でございました。これから算出されますいわゆる算出法人税額は九百十一億円でございますが、ただいま議員からも御指摘のございました外国税額控除制度により控除された外国税額、これが四百四十三億円でございますので、結局、差し引き我が国で納付された税額は四百六十八億円ということになります。 ちなみに、この税額四百六十八億円の内訳でございますが、我が国における受取利子、これは国内源泉の国内の金融機関からの利子でございます。あるいは受取配当等に課された源泉所得税額が二百八十三億円。したがいまして、四百六十八億円との差額が残り申告された分、申告納付法人税額百八十五億円でございます。
○日野分科員 この額を聞きますと、確かにちょっと低いのではあるまいかなというような感想を私実は持つのでございますが、個々の商社、例えば三菱商事だとか三井物産であるとか、そういう個々の商社についてどのくらいということは、これはおっしゃれませんか、いかがですか。
○三浦政府委員 法人税につきましては、法人税法の百五十二条で所得の公示制度がございます。したがいまして、二千万円を超えます所得の分については公示がございます。したがって、公示されたものについては公表可能かと思いますが、ちょっと今手元に個別の数字を持ち合わせておりませんので、御無礼いたします。
○日野分科員 この点についても、私、率直な感想を申し上げますが、日本国内での税収というのはもっと上がってもいいのではないかと。この大手九商社ですか、これはもっと上がってもいいような感想を持ちます。 これは、現実に国税庁としてはきちんとした手続を踏まれた上でのこういう課税になっているのだろうと思いますが、感想はいかがですか。もう少しこれは努力をして、もっと日本国内での税収にこれらの商社の収益を結びつけていく、そういうお考えはございますか。いかがですか。
○三浦政府委員 大変難しい問題で、ちょっとにわかには即答できないのでございますけれども、私どもといたしましては、商社も含めまして、納税者、大法人であれ中小の法人であれ、はたまた所得税の世界もそうでございますけれども、それぞれの納税者が適正な申告をしていただくように指導をし、そして、申告していただきましたものについては、それまでの課税資料あるいは資料情報から見まして、私どもの税務行政上、課税上特に問題があると認められるものから重点的に調査をしておるわけでございます。 今おっしゃっておられます大手商社につきましては、その規模の大きさ、あるいは取り扱いの業種とかあるいは経済取引の複雑化といったようなことで、私どもここはしっかり税務調査をしなければならないというぐあいに考えておりまして、大部分は東京局あるいは大阪局といった地方局の調査部の所管法人として、私どもも重点的にしっかり調査をしておる所存でございます。その結果の数字が、先まど九社でしかくくって申し上げられませんでしたが、ああいうことになっておりますが、それは、私どもとしては、税務調査はしっかりしておる。問題は、そういう結果がどうして出てきたということについては、議員御指摘の税制の問題もございましょうし、あるいはまた、これは私の方から申し上げるのもなんでございますけれども商社の活動というものが、収益志向型なのか、あるいは取引高志向型、いろいろな経営方針がございましょうからそういう結果になっているのかとも存じますけれども、その辺はちょっと私の方からにわかには申し上げられません。
○日野分科員 今、商社に限って伺ったわけですが、この外国税額控除制度、これの控除額は把握できるんでしょうかね。これが把握できたら、どれだけあるものか、そしてこの外国税額控除制度、これを適正に運用していった場合、どの程度の税収の増加が見込めるものか、そんなところをわかりましたらひとつお聞かせをいただければと思いますが。
○三浦政府委員 前段の御質問の外国税額控除の額、総額でございますが、税務統計から見た法人企業の実態ということで私ども調べておりますが、これによりまして、直近の平成四年分の外国税額控除額を申し上げますと、五千百九億円になっております。 なお、私どもといたしましては、外税控除そのものについては、それに対する調査結果の増差も出てくることはございますけれども、それが原則的にはといいましょうか、一般的には企業としても外税控除を適正に適用しており、また、我々それに非違がございますれば指摘し、是正しておるわけでございます。
○日野分科員 一応、控除額として五千百九億という数字が出ました。この数字から見て、適正にこれがきちんと行われていけば、大体どのぐらいいの税金が上がるかということを、大体の数字をお持ちですか。今すぐお答えになれなければ、後でまたお聞かせいただいても……。
○三浦政府委員 御質問の趣旨を私取り違えておればなんでございますけれども、私どもといたしましては、企業からの申告されました法人税の申告書の別表についております外税控除分についても審理をいたしまして、また、非違があると認められる場合には調査をし、その結果、間違いがございますれば是正しておりますので、そういう意味で、調査結果を加えますと、私ども税務当局の是正も込めれば、そこは適正に適用されている、私どもの立場としてはそう申し上げざるを得ないわけでございます。 税務調査の外税控除分の調査結果については、後ほど申し上げます。
○日野分科員 この外国税額控除、これは大体は条約等によって定められているわけで、これはなかなか、我が国が勝手にいじるわけにはいかぬのだということになるわけでございましょうね。でありますから、私もその点は理解をするわけです。 ところが、みなし納付外国税額控除というものもございますね。これについては二重課税という問題は、みなしの場合は起きないのではないかというふうにも考えられるわけでありまして、このみなし納付外国税額控除というようなものについては、これは見直してもいいんじゃなかろうかというような感じがしますが、この点いかがでしょう。
○竹内説明員 まさに先生御指摘のように、二重課税の問題はないということでございますが、やや制度的な、技術的な御説明をして恐縮でございますが、みなし納付外国税額控除制度、いわゆるタックス・スペアリング・クレジット制度は、租税条約の規定に基づきまして、いわゆる開発途上国が減免した税額を納付したものとみなして外国税額控除を適用することを認める制度でございます。 一般に、このようなみなし外国税額控除制度というものは、開発途上国が、自国の経済開発を促進するため、海外からの一定の投資に対して租税上の優遇措置を講じているわけでございまして、投資企業の本国が、その海外で得た所得を一たん課税対象に取り込み、しかる後に海外で払った税金を控除する仕組み、いわゆる外国税額控除制度を採用しておりますと、開発途上国がせっかく減免した所得でございますが、その分を本国で全額課税対象に取り込んでしまいますと、その開発途上国が講じた税の減免効果というものがなくなってしまうという問題がございます。 したがいまして、みなし外国税額控除と申しますのは、そうした開発途上国の税制上のインセンティブを減殺しないようにするため、開発途上国側の強い要請によりまして各国が租税条約で認めているものでございまして、本制度は、開発途上国に対する経済協力という政策的配慮から認められたものでございまして、不公平税制だという一部の御指摘は当たらないものだと考えております。 ただし、みなし外国税額控除制度を認める場合でも、それは合理的な範囲にとどめるべきであるということは当然でございまして、相手国の経済の状況に応じ、必要に応じて条約交渉を通じて見直しを行っているところでございます。 ちなみに、最近ではシンガポールとの間で、みなし外国税額控除を二〇〇〇年で廃止するという改正条約を本年署名済みでございまして、現在、国会の審議をお願いしているところでございます。
○日野分科員 結局は、そういう外国開発途上国に対する先進国側からの贈り物だ、こういうことになりましょうかね。これも租税条約上そう簡単ではないということになりましょうね。それでよろしゅうございますか。
○竹内説明員 まさに今先生御指摘のとおり、開発途上国に対する経済協力という政策的配慮から条約上認められたものでございますので、また、先ほど申し上げましたシンガポールの例でございますと、条約締結時はシンガポールは発展途上国であったわけでございますが、現在はかなりの先進国になっているというようなことで、先般条約交渉の際、相手国と交渉の上で、そういう経済発展の状況等も踏まえて、みなし外国税額控除を二〇〇〇年で廃止するというようなことを行ったわけでございまして、このような観点から、合理的な範囲にみなし外国税額控除制度をとどめるべく、我々も条約交渉等で今後とも努力してまいりたいと考えているところでございます。
○日野分科員 外国税額控除と並んでいろいろやり玉に上げられているのが、いわゆるタックスヘーブンでございますね。いろいろな企業、これは節税上のといいますか、税金を安くしたいというところから、税金がかからないとか非常に安いというような国に子会社をつくったり、そういうことをやってそこに利益をためて、そして日本では払わなくて済むようにというような企業活動をやります。これはやはり、企業が利潤を上げていこうということになれば、企業活動が国際化すればするほどそういうことが多くなってくると思うのですね。 これに対する対策というものを、たしかあれは利益の二五%だったですか、それ以下のところだとこれは日本の税金もかかりますよという形になりますな。そういういろいろな対策を講じておられるのですが、日本だと法人税で四九・九八%かな、実効税率、そうなりますね。それが二五%というのは余りに低いのじゃないかとか、こういういろいろな批判があるところですね。これについてどのように大蔵省としてはお答えになりますか。そういう批判というのは私もかなり合理的な批判だと思っているのですが、いかがでしょうか。
○竹内説明員 今まさに御指摘のように、いわゆるタックスヘーブン、これは租税天国ではございませんで、租税避難国と申しますか、カリブ海の島々などが税制上の優遇措置のみを一つの政策として企業誘致を行っているのがございまして、これにつきましては、昭和五十三年にタックスヘーブン税制ということで、今先生御指摘のように、子会社の所得を日本の親会社の所得に合算して課税するという方策を導入したわけでございます。 その後、適宜見直しを行ってきたわけでございますが、今まさに先生の御指摘がございましたように、従来はその相手国、軽課国、税制が低い国を指定するという制度をとっておったわけでございますが、その判定を、海外の子会社等がタックスヘーブンに所在するかどうかということを、子会社ごとに、まさに御指摘のありました法人税負担が二五%以下かということで対処するという改正を行ったわけでございます。 この改正の趣旨は、最近の諸外国における優遇税制がどんどん目まぐるしく変わるということでございますので、これに適時適切に対応することは非常に困難だということで、国を指定するというよりも、むしろこの二五%という基準を子会社ごとに行う方が穴をふさげる、抜け穴をふさげるということで、このような措置を講じたわけでございます。 またさらに、同年の改正において、子会社の範囲を拡大するとか、現時点で必要とされる措置をいろいろ講じてきているわけでございまして、私どもとしては、現在の二五%基準というのは実効ある措置だろうと考えております。 ちなみに、どうして実効あるということの自信があるのかということでございますが、これは非公式なのでございますが、むしろその二五%が高過ぎる、本来ならもうちょっと、タックスヘーブンの日本の基準が厳し過ぎるというような苦情も非公式に諸外国から私どものところには入っておりまして、逆に申しますと、外国から苦情があるぐらいの制度であるのならば、タックスヘーブン税制として現時点では有効な制度ではないかと考えているところでございます。
○日野分科員 それは、確かめさせていただきますが、タックスヘーブンでちょっとこれはきつ過ぎるというのは、日本の企業から言ってきているのではなくて、その相手国といいますか、その企業が子会社等を置いているタックスヘーブン国、そっちから言われている、こういうことですか。
○竹内説明員 現在、国際的な世界の法人税の状況を見ますと、企業の競争力とか法人の活力とかそういうようなことから、各国とも法人税率を下げるようなのが世界的な状況でございます。そういう中で、私どもの二五%というのは、租税軽課国、法人税率の低い国から見れば、二五%以下なら日本のタックスヘーブン税制で所得を合算されてしまうという意味では、いわゆる自分たちの国が租税軽課国とは思っていない、少しは法人税率は日本より低いかもしれないけれどもタックスヘーブンではないと思っているような国からすれば、かなりきつい税制で、むしろ日本からの直接投資を阻害するというような、そういう趣旨の苦情が私どもに入っているのが現状でございます。
○日野分科員 では、ちょっとまた別の問題に移りますが、いわゆる移転価格税制でございます。これは今アメリカなんかで日本の企業が、日本の企業活動が随分これはおかしいということでアメリカの税務当局からかなり痛めつけられているという現状があるわけですね。日本でもお返しという意味かどうかわかりませんが、コカ・コーラがやり玉に上がったり、こうしてかなり日米関係でもこれはぎすぎすしているわけでありますが、そういった子会社とか関係会社との取引で、これはちょっと正常でない価格設定だというふうに思われるような事例というもの、これはかなり見受けられるものでしょうか、どうでしょう。
○三浦政府委員 国税庁の方から。 いつもおしかりを受けるわけでございますが、国税庁の執行当局として個別事案のことは申し上げておりませんので、概括的なことで申し上げたいと思うわけでございますけれども、議員もおっしゃいましたように、私どもが、内資系、外資系を問わずに日本国内にございます法人に対して日本の国税庁が移転価格税制を執行するケース、それから、当然でございますが、何も日系企業だけに限らず、諸外国がそれぞれの国においてその国にとっての外資系あるいは内資系の企業、いろいろな移転価格税制の執行をしておるわけでございます。 そこで、今おっしゃいました、どんな形があるかということにつきましては、結局、そのアームズ・レングス・プライスという本来独立企業間価格で取引されるべきものが、そうでない関連社間価格ということの結果、そこに差額が生じ、それが所得の移転につながる、こういう税制でございますけれども、その態様はさまざまでございまして、一概には何とも申し上げ切れませんが、我が国税庁の方で執行いたしました私どもの件数を概括的に申し上げれば、件数的には、昭和六十二事務年度から平成四事務年度までの六年間の累積で課税件数が約五十件、移転価格関係での更正所得金額は約五百億円でございます。 なお、よく御質問を受けますが、例えば日系の企業が例えばアメリカあるいは他の国でどのくらいどういう形でという点につきましては、私ども全貌を把握しておりませんので、お答えできておりません。
○日野分科員 この問題は要は、企業はもうけようとすればいろいろな努力、まあ努力といいますか、違法すれすれのところまでこれはやるわけでございまして、問題は、我が国の税務当局がいかにこれを逃さないようにうまく追及をしていくかということだろうと思います。今、国税庁の方の実績は聞かせていただいてなるほどと思ったわけですが、この追及というのはどんな体制でやっているか、ちょっとおわかりになればお聞かせいただきたいと思います。
○三浦政府委員 日本にとりまして移転価格税制、非常に歴史が浅うございまして、私どもとしてはこれより先、海外関係取引についての調査実績、あるいは調査技法の開発を進めてまいりまして、その一環と申しましょうか、移転価格税制についても努力をしておるわけでございます。 調査体制でございますけれども、東京、大阪等都市局を中心にいたしまして、あるいは国税庁本庁にもこの関係のものも含めまして、トータルで申せば、海外関係に特化しておる部分がおおむね二百名ぐらいまではきておるかな、機構的にも移転価格に的を絞ったポストを最近の機構要求で、予算要求の一環でございますがちょうだいいたしまして、徐々にではありますが充実してまいっておりますけれども、なかなか例えばIRSの陣容には追いつかない状況でございます。 なお、そういった中で、私どもとしては、先ほど先生がおっしゃいました、どういう方法でそのアームズ・レングス・プライスでない取引形態になるのかという点について、こちら課税当局側も勉強しなければならないわけでございますので、調査技法の開発の重点といたしまして、どういった取引形態があるか、あるいはそれに対応する調査手法は何か、特に最近問題になっております無体財産についてのノウハウの蓄積といったようなことで、そういった蓄積の上で今後深度ある調査ができるように努力し、また人材の養成にも努力しておるところでございます。 失礼しました。ちょっと一点、先ほどお答えいたしませんで御無礼いたしましたが、外国税額控除についての調査結果、どのくらいの非違があったかということでございますけれども、まず、外税控除につきましての私どもの調査も徹底してやるように最近は注意いたしております、なかなか難しいのでございますけれども。 それで、これまでのところ、実は控除外国法人税の否認額というのは余り大きくはないのでございまして、例えば平成元事務年度は十八億円、平成二事務年度は四億円、三事務年度は十二億円、四事務年度は一億円となっておりますけれども、私どもとしてはしっかり調査をしておるつもりでございますので、申告の水準が向上と申しましょうか、申告はきちんとしていただいた結果、この否認額が少ないものだというぐあいに一応理解しております。
○日野分科員 まあいろいろ御努力をなすっていることは御説明でよくわかりますが、これはこれからますます商取引、経済活動というものが国際化をしていきますと、一国の努力だけでは足りないということが出てまいりまして、国際的に協力をし合うというような体制がないと十分に各国とも税の捕捉ができないという問題が出てこようかと思いますが、そういう国際間の努力というのはなさっておらないわけですか。
○三浦政府委員 議員、大変造詣が深くていらっしゃって、今さら申し上げることもないのかもしれませんが、担当の方から御説明ということで。 国際間の協力は多国間と二国間とでございます。順序が逆になりますが、二国間の場合は、二国間のそれぞれ締結されております租税条約の情報交換規定等によりまして情報交換を行う。これはいろいろ個別のケースでございましたり、要求があったものに応対したり、あるいは自発的にこちらから相手国にこれは重要であろうというぐあいに送ったりするような、そういう制度にのっとったいわゆる情報交換でございます。 端的に言えば、二国間の間ではこの租税条約にのる情報交換制度が、経常的にと申しましょうか確立しておる協力関係でございますが、国と国によりましては、それぞれ二国間の間で国際課税問題の調整を行うべくいろいろな協議をしておるということもございます。 それからマルチ、多国間の場合は、一番大きな代表的なケースはOECDの、例えば本件につきましては租税委員会でございますけれども、OECDの租税委員会で情報交換あるいは制度の調整とか、あるいは租税回避にどう課税当局として対応するのか、いろいろ新しい問題について議論をしておるわけでございます。 また、多国間の中に、OECDほど大きなフォーラムではございませんが、数カ国が集まりまして国際課税についていろいろ協議する場もございます。日本が参加しておりますものは環太平洋四カ国、日、米、加、豪でございますが、この協議の場、これは長官会議でございますけれども、そのほかアジア・太平洋税務長官会議といったようなものもございまして、最近では開発途上国等でもやはりこういう国際課税問題が大変難しくなってまいりまして、どんな協議の場でも非常に議論が活発になってきておるところでございます。
○日野分科員 今までは外国、国際間の問題についてお話を伺いましたが、今度はちょっと国内的な課税関係について移っていこうと思います。 まず、一般の人たちから見ますと企業はお金持ちなんですよね、企業は金持ちだ。バブルの崩壊で資産デフレだの何だのと言っているけれども、何といったって企業はいっぱいだめ込んだじゃないの、それが生産的な方面に投資されていればいいけれども、それがバブルの方に投資をされてとんでもないことにしてしまった、あの企業もばかなやつだ、こんな見方もしているわけでございますね。 それで、企業の内部留保というのはどのくらいあるのか。これについてはやはり国民がみんなかなりの関心を持っているだろうと思います。ひとつ税務当局で、内部留保は全法人企業で大体どのぐらいあるのか、あると考えておられるのか。それから、資本金十億以上のいわゆる大企業ですね、それの内部留保残高ということについて少し御説明をいただきましょうか。
○三浦政府委員 国税庁の会社標本調査結果というものがございます。これは六万二千数社に対するものでございますけれども、平成四年二月一日から平成五年一月三十一日の間に事業年度を終了した内国普通法人のうち、利益を計上いたしました法人百七万六千社のこの事業年度中の社内留保額は、これは標本調査の結果からの全数推計でございますが、十五兆五千四百四十八億円となっております。これは期中増加分という意味でございます。 なお、資本金十億円以上の御質問がございましたが、こちらの大企業の内部留保残高、これは国税庁では把握しておりません。
○日野分科員 やはり法人というとこれは随分いろいろな法人が入りまして、この間ちょっと笑い話で出ましたが、焼き鳥屋に行って「よう、社長」と言ったら、五、六人がばっと立ち上がったというんですね。日本の法人というのは非常に細かい法人も多いので、全法人ということになりますとこれはいろいろ問題がありましょうが、やはりみんなが法人といった場合ずっとイメージとして描いてくる大企業、これがどのくらいもうかって、今どのくらいお金を持っているのかなんということは非常に興味があるところでございますので、ひとつこれは、今お答えになれないようですが、やはり把握しなければいかぬのじゃないでしょうか。どうでしょう。
○新保説明員 大蔵省で法人企業統計というものを集めておりますが、その年次別調査で、これは金融とか保険を除いておりますけれども、この調査結果によりますと、資本金十億円以上の大企業は四千二百社あります。これの内部留保残高は、平成四年度で百七十三兆二千二百七十億円というふうになっております。 この内部留保残高というものはいろいろなものから構成されておりまして、金額の大きいものを三つばかり申し上げますと、利益留保分、これが大体六十九兆円ぐらいあります。それから引当金、これは各種引当金でありまして、賞与引当金であるとか退職給与引当金とか、こういうものが十九兆あります。それから、その他の負債ということで、未払い金とか未払い費用、前受け収益、それから未払い法人税等々の未払い分ですが、これが八十三兆ぐらいあります。これらを合わせて、平成四年度で百七十三兆円ということになっております。
○日野分科員 この留保されている利益、これはやはり一応はっきりさせておいて、それに対してどのようにそれをさらに所得再分配を行っていく、それからいろいろな方面に合理的な投資をさせる、そういったことが必要になってくる部分なのでございましょうね。こういう数字を聞くと、日本の経済大国論というのは、やはり何となく納得されるような感じもするわけであります。 ところで、この内部留保の中の引当金と準備金、こういったお話が今ございました。まず、準備金の方から伺ってまいりましょう。 この準備金は、大体、租税特別措置法による準備金になっていくわけでありますが、これに対する取り扱いというものをどのように考えていったらいいのか。場合によっては全廃してもいいのか。租税特別措置法による特別措置を全廃すれば二十兆の財源が浮くなんという、私はそう思っておりませんが、そんなことをおっしゃる有名な学者の方もおいでになるわけで、ここらにはかなりの疑問符がつくところでございます。 それで、まずこの準備金、これはどういうもので、どういう基準でその改廃をなすべきかということは非常に悩みの多いところだと思いますが、これは非常に漠たる質問で恐縮ですが、大蔵省としては、これの処置をどのように考えておられますか。
○大武説明員 ただいま御質問にございました準備金の性格でございますが、準備金というのは、将来発生する可能性のある偶発的な損失等に備えるために租税特別措置法において政策的に認めているものでございまして、ある意味で、あらかじめ一定の金額を積み立てた場合に、法人税の課税所得の計算上、損金の額に算入することを認めるというようなものでございます。 例えば、ことしの措置で認めたものとしては、特定都市鉄道整備準備金、これは、複々線化を図るために事前に旅客からお金を集めまして、それをためて、そして複々線化を図っていく、そのための準備金、こういうようなものがあるわけでございます。こういうような準備金というのは、特定の政策目的を実現するための有効な政策手段の一つとして位置づけられるというものでございまして、これは税調の答申でもその意味では一つの有効な政策手段だという認識もございます。 ただ一方で、こうした租税特別措置、準備金にかかわりませず、特別償却ですとか等々、やはり税負担の公平、先ほど先生が一番重要と言われた、まさに税制の基本理念の、ある意味では例外措置として講じられているということでございますから、個々の準備金につきましては、やはり今後とも政策目的、効果等を絶えず今味いたしまして、一層の整理合理化を進めていく必要があるということで、例えばことしの場合におきましても、既に何本かの租税特別措置、特に準備金についても二本ほど廃止をさせていただくというようなことをやってきたわけでございます。
○日野分科員 例として鉄道の複々線化の準備金なんと言われると、これは私も困ってしまうのですね。これは実は私が非常に強く推進をして、特別措置の中に入れていただくについて幾らか影響力があったかなというふうに思うのでありまして、要はこれは政策実現の手段でございますから、これを全部なくせなんということを言う人はよもやいまいと思います。これは、要するにそのときの政府がどのような政策実現をこれによって図っていくかという問題でありましょう。これは額はそう大きくないのですが、引当金の方になりますと額はかなり張ってくるわけでございます。 それで、この引当金について、これの損金算入できるものがちょっと多過ぎるのではないですかという話はかなり聞かれるわけですね。これはどの程度さらに圧縮できるのかというような問題について、これは八本くらいあるわけですか、引当金、今何本ですか。六本ありますか。これを一応全部なくしてみたとして、どのくらいの増収を見込めるものでしょう。
○大武説明員 ただいま御指摘のございました引当金でございますが、現在、平成四年分の税務統計等によりますと、引当金の残高は約二十七兆円ございます。ただ、この引当金につきましては、もう先生十分御存じのとおり、ある意味でいいますと、費用収益対応の考え方に基づきまして、将来の特定の費用または損失のうち、当期の負担に属すると認められる金額につきまして、当期の費用等として計上されるという法人税の課税所得の計算上、いわば損金の額に算入することが認められているものでございます。 したがいまして、法人税法上、企業会計で定着しているそういう一般的な引当金、今御質問のございました六種類の引当金については、まさに企業会計原則等に沿いまして引き当てを認めているというものでございます。 そういう意味では、先ほど御質問のございました租税特別措置とはかなり性格が違うものでございまして、ある意味でいえば、合理的計算をするために設けられたという意味で個々の引当金にはそれぞれ相応の合理性があり、制度自体、政策税制ということではないのだろうと思います。ただしかしながら、その引き当て率が適当かどうかということについては、やはり利用実態等を踏まえた点検が当然必要でございまして、その見直しというようなことを適時適切にやっていくということは当然必要なのだろうと思います。 今廃止した場合、どれだけの増収になるかという点でございますが、そういう性格だということを踏まえますと、廃止した増収効果というのは、今申し上げたように引き当て性のものでございますので、例えば賞与引当金というような例をとってみますと、その賞与のために積み立てるわけでございますから、その制度をやめたとしても、いわば未払い賞与という形では計上せざるを得ないという性格のものでございますから、その意味では、廃止したからといってそれがすぐ増収になるという性格のものではどうもない。しかも、この増収というのも、廃止いたしましたとしてもそれは一回限りでございますから、恒久財源になるという性格のものではない、そういうものかと存じます。
○日野分科員 私もこれは廃止しろなんと言うつもりは全くございません。退職何とか引当金なんというのを廃止しろなんと言ったら、連合の方からえらいおしかりをいただくことになるでしょうしね。それから、貸倒引当金なんかは、こんなものは損金計上を認めないなんと言ったら、経済取引は大変なことになるでしょう。ただ、圧縮できるものはできるだけ圧縮をするということ以上はこれはできないのだということ、そんなふうに答えざるを得ないものだろう、そんなふうに私も思っております。 ただ、法人税の世界の中で、法人税をもっと引き下げろ、確かに高いですからね、日本の法人税というのは実効税率が高いですから。高いですからこれを引き下げろというような意見もありますが、ただ、さっきも申し上げたように、国民の中には法人はもうかり過ぎているんじゃないのというような話がございますから、そうするとやはりいろいろなところで努力せざるを得ない、そうすると準備金とか引当金の損金に計上する率ももっと下げなければいけないのかなというようなことは出てこようかと思います。 そこで、今度はまたもう一つそのやり玉に上がっているのは、受取配当益金の不算入、これがみんななかなかわかりにくい、こう言うわけですね。確かに配当益金だったらそれはもうけじゃないか、これに税金がかからないとするとこれはおかしいよという意見というのは、これは出てくる可能性があるわけですな。何で現在のような制度をとっておられるのか、ひとつ御説明をいただきましょうか。
○大武説明員 今先生から御質問のございましたところは、法人と所得の、いわば所得税の極めて重要な根幹をなす問題点なんだろうと存じます。従来、法人の性格を、法人は株主とは独立した存在であってそれぞれ別個の納税主体になるべきとする立場、よく言われる法人実在説という観点からは、法人税は法人独自の負担であり、配当に対する法人税と所得税との間の調整を行うことは不要だという主張になってくるわけでございます。他方、法人はやはり株主の事業活動の手段ないしは利益獲得の手段にすぎないので、法人の所得はすなわち株主の所得と見るという、これはよく言われる法人擬制説という観点からは、法人税は所得税の前取りであるので、配当に対する法人税と所得税との間の税負担の調整は完全に行うべきだという御主張と、二つに分かれるわけだろうと存じます。 ただ、このような法人の性格論だけに基づきまして法人税制を組み立てるということは、やはり法人の実態、現実の企業活動から判断いたしますと極めて困難なことでございまして、昭和五十五年の税制調査会における企業課税小委員会というところの報告でも、「法人の性格論のみに基づいて配当に対する法人税と所得税の課税のあり方を検討しようとしても、この問題についての具体的な方向を見出すことは困難であり、いたずらに不毛の議論を重ねることになりかねない。」というような御指摘をいただいてきたわけでございます。 そこで現行制度では、法人税と所得税との間の負担調整に関する仕組みとしては、個人段階における配当税額控除制度という形をとらせていただいている。これは、従来法人段階でも御存じのとおり配当軽課という税率にいたしまして、個人段階での調整とあわせ、両者で調整していたわけでございますけれども、さきの抜本改正のときに、制度の簡素化という観点から、法人税率の引き下げに当たりまして、配当軽課を廃止し個人段階での調整に一本化させていただいた、こういう経緯があるということでございます。
○日野分科員 もっと時間が欲しいところですが、どうも時間があと三分程度になってしまいました。 それで、私の方からきょうは法人税の問題について伺った。これは、私なんかしょっちゅう税金の問題に手を染めておりますとそれはわかるけれども、一般の国民の皆さんにはなかなかわかりにくいという点はございますね。こういうことになってきますと、こういうわかりにくいということだけで、国民の皆さんが税という字が出てきたらその後の文章は読まないということでは、これはぐあいが悪うございますね。できるだけわかりやすく説得をしていただくというしかないと私は思うのですよ。 税務署にパンフレットが置いてあったりなんかしますけれども、もっと積極的に国民の皆さんに税の問題に理解を持っていただくということが必要なんじゃないでしょうか。皆さんまこれでわかりやすいだろうと思ってお書きになるけれども、それは頭のいい皆さんが書くから皆さんから見ればわかりやすいのであって、一般の国民の皆さんからいえばなかなかわかりにくい、これが税に対する国民の皆さんの考え方の一端であろうというふうに思います。 やはり、税金が必要であれば、これは必要なんです、払ってくださいという説得をしなくちゃいかぬわけですな。そこで逃げてしまわないで、説得をしなくちゃいかぬ。これは政治家にとっても同じであろうと思いますよ。ややもすれば票との関係で政治家なんか逃げたくなることはありますよ。何もあの決算委員会でこんなこと言わなくたってよかったじゃないかなんて、弾がどこからか私にも飛んでくるかもしれない。しかし、やはりそれは逃げないで説得をするということが大事だと思いますので、これから皆さんにもひとつ御研さんをお願いしたいと思います。 では終わります。
○森主査 これにて日野市朗君の質疑は終了いたしました。 川崎二郎君。
○川崎分科員 まず最初に石田政務次官に、おめでとうございます。お祝い申し上げたいと思います。 昨年の六月までは、私の方から協力をお願いする立場で同じ委員会に属させていただいてまいりました。今度は私の方から質問をしなければならぬ、ある意味では攻守所を変えた形になりました。 政治改革論議の中で、政権交代の必要性、長い間やってきた自民党でありますけれども、私ども、政権交代は必要であろうと思っておりました。このような形での交代は想像いたしておりませんけれども、やはり政権交代というものがより政治をよくしていく、結果として国民生活はよくなっていく、こういうものに私は役立つのだろうと思うのです。 自民党の時代、明らかに我々が間違ったなと思うことでもなかなか直せない、我々政治家が気づいてもなかなか官僚の壁もある、また我々自身も、まあ過去こうやって我々決めてきているのだから仕方ないじゃないかということで実は踏み込めなかったことも事実だろうと思うのです。 そういう意味では、政権が交代をして、やはりこの内閣の一つの目的としては、自民党時代の誤ったことをきちっと直していくということも大事だろうと思うのです。ただ、見ているとどうも、自民党出身の方ばかりが多過ぎるものだから、何となくそんな気迫に欠けておるのかな。もちろん国の運営の中心的な課題は変わったらいかぬけれども、やはり見直すべきであろう。そういった意味で、こういう決算委員会の中でも、自民党の時代、これは全部自民党の時代にやったことでしょうから、それを見詰めながら次へ向けて考えていくということは、私は大事なんだろうというように思います。 きょう一日、またあしたもお座りいただくのですか、それに対して石田さんの御見解をまずお伺いしたいと思います。
○石田(祝)政府委員 川崎先生には逓信委員会で大変お世話になりまして、いろいろと教えていただきましたが、今回は、稲垣委員長ですか、御英断によりましてこういう分科会という形で決算委員会を行う。私がたまたま今回大蔵政務次官を拝命いたしましたので、この場で先生の御質問に、十分にお答えできるかどうかわかりませんけれども、質問にはお答えをさせていただきたいと思います。 先生おっしゃいましたように、政権交代は私たちも非常に大事だ、政権交代こそが政治改革ではないか、こういうことをお訴えをして、昨年の総選挙、国民の皆様の意思というものが政権交代、こういう形になったと私は思います。 それで、私も政務次官ということでまだ日は浅うございまして、政府の全体のこと、また大蔵省のこともまだまだわからないことがたくさんございますけれども、やはり改めるところは改めていく、それはもう当然のことだと思いますし、またそれとともに前後に百八十度ひっくり返るということは私はないと思いますので、自民党政権時代のいいところはもちろん継承していく、悪いところは改めていく、こういう姿勢で臨んでいきたいというふうに考えております。
○川崎分科員 そこで、石田政務次官と一緒にやってきたことをちょっと思い浮かべながら、実はきょう何を質問しようかな、我々が間違ったことは何かな、考えた末、きょうはNTTの株について御質問させていただきたいと思います。 私は自民党の代議士でありますけれども、明らかに間違ったと思っております。そして、どこかでこの問題の転換を図るべきであったのに、どうも抜本的な転換を図ることができなかった。規制緩和すれば何とかなるよとか、外資で買えるようにすれば、外国から株を買えるようにすればいいよとか、小手先のことをやってきましたけれども、実は何もいい成果が出なかったということは事実だろうと思うのです。 そこで、ちょっとまず数字的なことを整理してお聞きしたいのですけれども、三回にわたって株が売り出されて、大体どれだけの株を売って、どのくらいの収入があったのか、結果としてそれは一株あたりどのくらいの収入になったのか、ちょっと担当の方から。
○石坂政府委員 数字のお尋ねでございますけれども、株は六十一年から売却を開始しておりまして、今まで三回売却を行っております。六十一年に百九十五万株、六十二年に百九十五万株、六十三年に百五十万株という売却をしております。六十一年の売却価格は、これは入札価格によりまして百十九万七千円でございました。それから六十二年、六十三年は市場に出ておりますので、市場の価格で売却をしておりまして、六十二年が二百五十五万円の単価、六十三年が百九十万円の単価で売却をしてございます。それによります売却収入は約十兆円、十兆四千億円でございますけれども、そういう数字になっておるところでございます。
○川崎分科員 平均は幾らになりますか。
○石坂政府委員 平均は、ちょっとこれは詳しく計算してみなければならないわけでございますけれども、ざっと言いまして百五十万ぐらい……(川崎分科員「二百万弱、百九十五万ぐらい」と呼ぶ)そうですね、失礼しました。
○川崎分科員 実は、今数字を述べていただきましたように、当初売り出し価格で五百四十万株、予定では三分の二ですから、約一千万株売ったとして約十一兆円か十二兆円の想定なんですね。そうすると、大蔵省としては、当初の見通しの収益というのは大体上げたのだろうと私はまず理解をしているのです。それが思わぬ高値でどんどん売れて、随分収入が入ってしまった。実はそういうことなんだろうと私は思っているのです。ところが、その後どうも株市場がどんどん冷え込んできた。株価が下がってきた。実はその前にNTTの株は下がってきているのですね、全体が下がるより前にざあっと。逆に言えば、NTT株が先行指標になってしまって、どんどんNTTを追いかけて下がるような形になっているわけです。 そこで、実はこのことについてまず石田政務次官にお聞きしたいのですけれども、政権交代、自民党から連立政権にかわった、明らかに交代だろうと思うのですね。細川政権から羽田政権というのはどうなるんでしょう。やはり基本的には継承なんでしょうか。それとも違うのだということなんでしょうか。ちょっとそこをお聞かせください。
○石田(祝)政府委員 これは基本的には継承だろうと思います。
○川崎分科員 そうしますと、これをちょっとお渡しください。 これは、細川さんが去年の三月ですか、提案しているのですね。まさか自分が総理大臣になると思わないで提言してしまったのでしょうね。「「バブル崩壊」の象徴ともいうべきNTT株価の対策を首相の直接指示に基づいて断行する。すなわち、政府にも推奨責任のあるNTT株について、五万円の額面増資を行う。ただし、政府は引き受けを辞退して、一般株主のみへの割り当てとする。」要するに一株ずつやれという話なんでしょう。「さらに、NTTに対する郵政省の規制を緩め、収益性を高める。」こういう提言を、まさか総理大臣になると思わないからやってしまったのですね。 実は、これは何の材料に使おうかと思ったら、細川さんのときに使うはずだったのです。これは、政務次官御存じだと思うのですけれども、細川さん御本人が百一株持っているのですね。まあ、今は奥さんの名義、その前はお父さんの名義だったけれども、当時はお父さんの名義か遺産の相続がなされるときだったかわからないけれども、何しろごく近親者が百一株持っていて、これを堂々と述べられているから、そっちの方で使うつもりでいたのだけれども、ちょっと総理大臣でなくなってしまったもので、あえて話をしている。 御本人が持っている、持っていないは別として、細川さんは熊本県知事の時代、やはりこういう認識でいたのですね。どうも、株については政府に推奨の責任があったのじゃなかろうか。これについて、まず理財局長から、それから政務次官から、前の総理大臣が推奨責任と言われているのですけれども、これは継承と言われましたから、どういうふうにお考えになるか、ちょっとお聞かせ願いたい。
○石坂政府委員 今お出しになりました資料は、前にも拝見したことがございます。 推奨ということでございますけれども、推奨の責任といいましょうか、推奨したというふうなことはないと思うのでございます。これは、国有財産としてのこのNTTの株を民営化する過程で売却をしていくというのは政府の方針でございまして、その方針に沿って売却をしていったということでございまして、推奨の責任とおっしゃられますと、ちょっとどうかなというふうな気がするわけでございます。
○石田(祝)政府委員 私は、細川政権から羽田政権、これは基本的に政策も含めて継承だろう、このように申し上げましたが、このNTTの株に関して推奨責任、これは細川前総理が日本新党代表のときにおっしゃった。確かに細川前総理は日本新党代表のときにおっしゃっておりますけれども、そのことがそのまま推奨責任、こういうことになるのだろうか。これは私は、直ちに推奨責任ということではないだろうというふうに思います。ですから、理財局長の言われたとおりではないだろうか、このように思います。
○川崎分科員 いずれにせよ、総理大臣になった細川さんが、先ほど言いましたね、お互い政権交代がある、今度は私が正直どこかで石田さんにとっちめられる番になるかもしれない。だから、やはり政治家というのは責任を持たなければいかぬのですよ。まさか総理大臣になるわけがないと思ったから、こんな発言をしてしまったのだというのでは済まぬと私は思うのですね。まさに日本新党の、公党のメッセージとしてこういうものが送り出されて、前の総理はこれは明らかに政府の推奨だと言っているのですよ。まあ、今は総理でなくなってしまったから残念なのですが、本当は総理大臣だったらもっと大変な話ですよ、この話は。実は、これにつられて、細川政権が誕生しそうになったら、その瞬間株価が上がったという話まであるのですよ。そういうこともありまして、やはりちょっとそこのところはしっかり理財局長、置いておいていただきたいと私は思うのです。 さてそこで、ことし五十万株の予算計上されていますね。売りますか、どうされますか。
○石坂政府委員 ただいままだ、これは国会の御審議をいただいて予算が通ってからのことでございますけれども、いずれにいたしましても、五十万株といいましてもかなり大量の株でございます。したがいまして、この市場の状況というふうなものを十分見ていかなければならないと思いますし、もう一つは、NTTの経営環境というものも見きわめていかなければならないと思いますけれども、予算に御計上いただいた権限の中で情勢を見ながら対処してまいりたいと考えております。
○川崎分科員 今理財局長さんから経営環境という話がありました。公共料金の凍結をしましたね、政務次官。所管外ですけれども、まさか年内凍結と言って、一月一日で許可する、政府全体の流れとしてはそんなこと無理ですよね。私は無理だと思う。 そうなると、やはりNTTは、例えば今期、来年の三月ぐらいから値上げという話になるのかもしれぬ。いやそれ以降も抑えろという話になるかもしれぬ。大体そんな線でしょう。そうすると、NTTの経営に与える影響は、理財局長、今推移を見てと言われたけれども、この公共料金凍結でどのぐらいマイナス勘定になるかおわかりですか。
○石坂政府委員 その凍結によってどの程度変わるかという数字を今私は持ち合わせておりません。NTTの経営当局にはあるかと思いますけれども、私はちょっと今その数字を持ち合わせておりません。
○川崎分科員 大体半年やりますと九百五十億なんです。ことしNTTの年間の収益見通し千八百八十億、半分なくなっちゃうのですね。二千億弱の利益で一千億ぐらいこの公共料金凍結でなくなる。経営環境がかなり悪くなっちゃったですね。半分になっちゃうのです。それをどういうふうに受けとめられてますでしょうか。
○石坂政府委員 委員はもう十分御承知のことと存じますけれども、値上げを見込まない収益の状況は、一千四十億円という数字を会社は言っておるところでございます。 この料金値上げの問題につきましては、政府の方針として、いずれにいたしましても、年内の値上げの実施は行わないというふうなことになったということでございまして、こうした方針のもとに、郵政省が法令に従ってこの値上げをどうするかということを検討していくことになるかと思いますけれども、そうしたことも見ながら対応してまいりたいというふうに考えております。
○川崎分科員 NTTが今求められておること、御承知のように情報通信社会、ファイバー・ツー・ザ・ホームといいますか光ファイバー網にやはり積極的に投資していかなきゃならぬ、前向きにやってくれよということになっていますね。そうすると、やはり資金調達の環境というものもかなり整えてやらなきゃならぬ。しかしながら現実としましては、民営化、民営化と言いながら三分の二の株は日本の国が持つちゃっているのですね。ですから、羽田総理大臣が公共料金凍結だと言ったら、例えばタクシーとかほかの民鉄とかそういうものはいろいろあるだろうけれども、三分の二日本の国が株を持っている会社ですから、それを言っちゃったらこれは凍結せざるを得ないのですよ、どうしたって。社長が言っているのと一緒なのですよ。私はそんな状況にあると思うのです。 こういうNTTの今置かれておる立場、しかしながら、我々が将来夢見る情報通信社会、情報基盤の整備、こんなものを全体的に考えていきますと、何としてもやはり本当の民営化にしてやらなきゃならぬ。国がいつまでも三分の二を持って手足をぎゅっと縛ってやっていてはいかぬ。郵政省、規制緩和しなさい、これは大事ですよ。大事だけれどももっと肝心なのは、三分の二の資本を握っちゃったまま、これは何年間凍結しているのですか。そして、ことし五十万株売る予定になっているけれども、公共料金凍結で収益がまた半分に下がっちゃうというのですよ。これはまた売りにくくなる環境になったなということに私はなろうと思うのです。 実は細川さんの提言、これは正直言って増資の話は、一千五百万株が二千万株になっちゃうのだからNTTとしては実は大変な重荷をしょっちゃうことになるから私は余りいい話ではなかろうと思います。しかし、これも一つの提言です。 我々は逆に減資の提言をしてきました。五百万株、五万円で二千五百億で引き受けさせたらどうだ。NTTに引き受けさせて減資させてしまったらどうだ。いろいろ法的にあるかもしれぬけれども、できないのか。百万株ずつ引き取らせることによって、今度NTT自体が一千万株という会社に変わる。多少身軽になる。配当というもの自体を減らすことによって何とかできるのじゃなかろうか。もう株が市場には出てこないよ。実は出てくるのですね、多少うそがあるのです。三分の一しか持たなくていいのだから、一千万株になれば五百二十万株の保有義務じゃなくなっちゃって三百五十万株の保有義務になるから、あと百何十万株実は出せるのですね。国としては出せる。そのときに二百万ぐらいに上がっていれば大体似たような数字になってくるのじゃないか。損して得とれじゃないけれども、そうやってそろそろ助けてやらなきゃならぬ。そして国民にもそろそろ夢を持たせてやらなきゃならぬときになっているんじゃなかろうか。ただ、今凍結して一株ずつ配りますよというと、これはもうまさに今の株主だけ温存することになりますからね。それは百万株ずつこれから出て1出てきませんよ。NTTの株上がるかもしれません。じっと持っている人もいるでしょう、新しく買う人もいるでしようということで、というような提言もしたのです。 こんな話幾らしてもしようがないのです。いろいろな案を自民党からもさんざん出しながら、最後は大蔵省、理財局だろうと思うけれども、だめだと。国有財産をそんな形に使えない、我々はもうこれは命綱のように持ってなきゃならぬぞということで、かたい姿勢で結局何にもお考えにならないで今日まで来ちゃったろうと思うのです。それでことし五十万株売りますよ、また経営環境が悪い。 私は、やはり、冒頭申し上げました自民党時代にやっておくべきことだったろう、しかしながら、いろいろなしがらみでできなかった、まことに申しわけないと思う。しかしながら、新しい政権になって新しい角度から考えてもらわなきゃならぬと思うのですけれども、政務次官、逓信も御一緒しましたし、今度は大蔵政務次官という大変大きな立場で、これは何にもしないでほうっておくというのはよくないと思うのです。ちょっとお考えがあれば賜りたいと思います。 〔主査退席、若松主査代理着席〕
○石田(祝)政府委員 川崎先生、逓信関係も御造詣が非常に深うございますし、またNTTの将来に関しましても非常に御心配なされての御発言であると私も思います。私も逓信委員会に所属をいたしまして、アメリカのゴア副大統領のああいうNII構想、そういうものも考えて、やはりNTTは国民共有の財産として大事な将来のポジションだろう、このように思っております。 そのことと、株式をどういう形で国民に夢を与える方法にしていくかというのはもう少し考えさせていただかないと、財政法等の関係もございますので、先生いろいろとアイデアも、お考えもあろうかと思いますけれども、御参考にさせていただいて、また私なりに勉強もさせていただければと思っております。
○川崎分科員 理財局長にもお願いしたいんですけれども、いろいろ論議があって、我々ある意味では素人ですからね、また郵政省もいろいろなことを言ったようですけれども、この話はなかなか詰め切れなかった。しかしながら、何にもしないということだけは悪いと思います。 僕は、場合によっては、国民に申しわけない、五十万株何でもいいから売つちまう、どうあろうともことし売っちゃいますよ、こういう決断をされるのも一つだと思うのです。いや、何らかの対策を考えて、今の株主に対してきちっとやりますよというのも一つだろうと思う。NTTにも何にもやらぬ、株主にも何にもやらぬ、ただ見ていればいい。これをやったのは昭和六十二年なんです。もうそのときの責任ある人はどんどんいなくなっちゃいますよ。我々も宮澤さんの門下生でありますから、その責任を感じながらこうやって申し上げているのです。考えてくださいよ、何らかの対応策を。今だと売るか売らぬかわからないけれども、予算には計上してある、まだ予算も通ってないから売るとは言いませんよとかなんとか、こんな話だけれども、その前に、やはり新しい環境も出てきているんですから、ひとつ理財局長もう一度、まあそのとき自民党政権にかわっているかもしれぬけれども、そのときはそのときで我々頑張りますので、何か考えていただくということだけお約束いただけませんか。
○石坂政府委員 私が非常に不透明な答弁を申し上げたとすればおわびを申し上げますけれども、そういうつもりは全くございませんで、御案内のように平成四年の八月に株価が暴落をいたしましたときに、四年度と五年度は売却を凍結するという決定をさせていただいたわけでございます。したがいまして、四年、五年というのは売却も計上いたしておりませんでした。六年度はそうではなくて、売却したいという方針のもとに予算に計上させていただいているわけでございます。 ただ、現実に売却する場合にはいろいろな条件を考えて対処をしてまいりたいということを申し上げたところでございます。
○川崎分科員 四年、五年はと言うけれども、元年から売ってないのですよ。五年売ってないんですよ。四年、五年は売るつもりだったけれども売れない。元年、二年、三年は下がっちゃったから売るつもりもなかったというだけで、結局これは実は同じことですよ。ことしの環境からいって、料金凍結という話ですから、また難しいなという話になっちゃっているんだろう。だから、そういうことも出てきていますから、ああことしも、六年もだめだなということにもしなるなら、その前にただ見送りですよという話じゃなくて、ひとつ考えてください。いや、多少悪くても売っちゃいますというなら、それも方針ですよと言っているんですよ、私は。それはやはり民営化しようという一つの目的があったんだから、やった以上は民営化でフリーハンドを持たせてやってほしい、私はそう思います。これは大蔵と郵政で十分お詰めになっていることだろうと思いますけれども、最終はやはりプロである大蔵省考えなきゃできないですよ、いろいろなことがあって。ぜひお願いをしておきたいと思います。 もう一つちょっとわからないのは、余り時間がないんですけれども、NTT無利子貸付金タイプというものですね。これも売り上げがないのにどんどんどんどん出てくる。確かに十兆四千億ですか、収入があったんですから、国債整理基金で、いや、実は借金返しには使っていないのです、じっと持っていますから、これはどんどんどんどん出せるんですよという理屈も立つのかもしれぬけれども、きょう党の方針も決めたところですけれども、国債整理基金自体がどうも不透明過ぎて、この法案については大蔵委員会では実は三角にしてあったんですよ。ちょっとおかしいよ、わけわからぬ。私はそのことについてはきょうは触れません。これは、NTTのことについてもちょっとわけわからぬ、正直言って。そして、いつの間にか建設国債が出てくる。確かにできるんです。建設国債でやるべきところを逆に振りかえたような形で、確かにできるんですね。ただ、国債整理基金の中に国が思わぬ収益が上がったときに置いておく、それによってうまく転換してくる。 このスキームは、当時それこそ主計局の次長さん、中島さんなんかも宮澤さんと一生懸命お考えになってつくったんだろうから、いい一つのアイデア、その当時はいいアイデアだった。だけれども、ちょっと実態が変わってきて、NTTの売り上げがなくなって、それはいつか返ってくるのでしょう、返ってくるものはあるだろうけれども、ちょっと実態がなくなってきている中、そろそろこれは名前自体も変えて、NTTということで一つの枠組みをしないで、ある程度国が、これからいろいろな民営化の問題出てくるでしょう、行革の問題出てくる、そのとき、それでも整理できて思わぬ収入が上がったときはそこにこういう活用ができるんだというスキームに、もう電電公社の株の売却を使ってどうのこうのというスキームから、もうちょっとわかりやすい全体のスキームに変えられた方がわかりやすいんだろう。地元に行くと、正直言ってNTTの株評判悪いんですよね、損した人たちがようけいるから。これでNTT型ですよ。先生、まだNTT株売っているんですか、ないはずじゃないですかという話になってしまうので、ちょっと整理されたらどうかなと思うのです。どうでしょう、お考えを。
○石坂政府委員 前段のところは私の所管でございますので、後段は中島次長に答弁をしてもらいますが、先ほど申し上げましたように、売り上げの収入がございました。その収入を、昭和六十二年からでございますけれども、法律を改正いたしまして、NTT無利子貸し付けに充当をしてきたということでございます。 ただ、確かに売れておりませんから、このお金というものは枯渇をしてまいりました。したがいまして、今先生がおっしゃいましたように、現時点におきましては、これは一般会計に繰り入れるというよりは、むしろ一般会計で建設国債を発行して対処をしておるというのが実態でございます。 後段は中島次長から。
○中島政府委員 いわゆるNTTの無利子貸し付け事業でございますが、これは正式の名称といいますよりは、いわば通称としてそういうふうに用いているものでございまして、正式に言いますと、日本電信電話株式会社の株式の売り払い収入の活用による社会資本の整備事業、こういうものでございます。しかし、俗称といいますか、通称NTT無利子貸付事業ということでやっております事業は、先生も御承知のように三つございまして、一つは収益回収型の公共事業、それから第二は補助金型の公共事業、そして第三のものはいわゆる民活事業ということで、第三セクターなどが行う特定の民活事業を促進するために日本開発銀行などを通じて無利子貸し付けを行う事業というようなものでございます。 この三つのうちの真ん中の補助金型の公共事業は、いわば建設国債でも代替できるものでございまして、現に財政事情が非常に困難でございますためにそれを建設公債の方に切りかえさせていただいたということは、御承知のとおりでございます。 ところで、残りの収益回収型公共事業と民活活用型といいますのは、制度創設以来、割合定着した事業として行われておりまして、収益回収型の公共事業は五年度までの予算額累計が七千百億円になっております。それから、民活型の分は五年度までの予算額累計が五千億円になっておりまして、これは、引き続きこういった事業を行う社会的要請もあり、また制度としても続けていくべきではないかと考えているところでございます。 問題は、現にそのNTTの株を売っていないのにこういったことを続けるのかということなんでございますが、確かに国債整理基金の資金繰りは大変苦しい状況に立ち至っておりまして、そちらの方に余裕がないことも事実でございますけれども、計算上はNTTの株式を売却した額というのはまだ残っておるわけで、余裕があるということでございます。いつまでもNTTの株式を売らないという状況のもとでありますと、これの見直しも必要になってくるかと思いますが、先ほど来理財局長から御答弁申し上げておりますように、本年度につきましては、状況が許せば売却を行いたいということで予算に計上していることでもございますので、今後の取り扱いにつきましては、こういった株式の売却状況やそのときの財政事情、それからその他のNTT事業をめぐる財政需要、そういった諸情勢を踏まえながら検討してまいりたいと考えているところでございます。
○川崎分科員 先ほど、前の方も税というのはわかりやすいようにせい、PRせいという話がありましたように、わかりにくいというのはやはりどこかで改めるべきだと思う。理屈はわかりますよ。理屈はよく聞いたらよくわかるんだけれども、しかしながら、もうNTTなんとかと言っているのは、名称も含めてそろそろ何か前向きにお考えいただいた方がいいだろうと思います。 それから、もう時間がなくなりましたので、要望だけ。このCタイプの事業で、各省がやっておるからということになっておると思うのです。それで、銀行を必ずかませて担保があるから大丈夫だと言うけれども、かなりバブルの影響というものが出てきておるように思うのです。そこはきちっとやはりチェックをしておいていただきたい、きょうは時間がないから聞きませんけれども。どうもありがとうございました。
○若松主査代理 これにて川崎二郎君の質疑は終了いたしました。 〔若松主査代理退席、主査着席〕
○森主査 中島武敏君。
○中島(武)分科員 私は、きょうは最初に団体定期保険のあり方について伺いたいと思います。 今団体定期保険のあり方が重大な社会問題となっております。東京の文化シャッターでは、過労死した従業員に、会社がないしょで八つの生命保険会社に弔慰金として五千万円もの団体定期保険をかけ、遺族にはたったの十万円を渡しただけで、残りを全部懐に入れるという事件が起きております。名古屋では、住友電設という会社で、四十二日間も点滴を打って仕事に出かけて、ぜんそくを悪化させてやはり過労死した従業員に、三つの生命保険会社に九千七百万円の団体定期保険をかけて、遺族には十万円の香料を渡しただけ、こういう事件が起きております。 この団体定期保険の契約を行っている企業は、一九九三年三月末現在で、二十二万三千社、契約額は四百四十兆円、被保険者は六千七百万人に達している、これは間違いないと思いますが、この団体保険のあり方の問題というのは非常に重大な社会問題なんですね。それで、実は私はいろいろとリーフレットを取り寄せてみたんです。 そうしますと、「スミセイが提案する、確かな生活保障。」ということが書いてありまして、これは住友グループ保険の場合ですけれども、「従業員に万一のことがあった場合、国からの保障として、国民年金・厚生年金による遺族年金等がありますが、遺族が安心して暮らせる生活資金を確保するには必ずしも充分とは言えず、企業福祉制度による遺族保障の充実を図ることが求められています。「住友のグループ保険」は、このような企業福祉の一環としての遺族保障を、割安な保険料負担で実現するものです。」と、こういうふうに非常に明瞭に書いてあるんです。それで、「自助努力」と、こう小さく書いてあって、その上に「国が保障」と、これはちょっと大きいですかな、それから「企業が保障」というのが大きく書かれているんですね。これは住生だけじゃないんです。これはこれで、日本生命なんですけれども、「いま従業員の万一の保障のために」というので、やはり似たことが書かれております。 私はこれを見まして、やはりここに書かれてあるとおりに、従業員の方に万一のことがあった場合には、残された遺族の方々の生活保障が趣旨であり目的である、こういうふうに思うんですけれども、いかがでございますか。
○山口(公)政府委員 団体定期保険というものは、今先生御指摘のございましたように、同一の会社あるいは官庁あるいは労働組合などの集団に所属する者を一括しまして、それを被保険者といたします。それで、団体の代表者を保険契約者としまして、それで契約する団体専用の保険であるということでございます。 企業は、この保険に加入することによりまして、従業員の弔慰金とか死亡退職金の原資を確保するなど企業の福利制度を充実するとともに、それから、従業員の死亡によりまして当該企業に生じますさまざまな損害もございますので、そういったものの補てん等に充当しているものでございます。そういったものに活用されております。
○中島(武)分科員 福利厚生というのは、念のため申し上げますけれども、私もいろいろ調べたんですけれども、それは従業員全体の福利厚生というのじゃなくて、その保険を掛ける個人に対する福利厚生で、その中身が弔慰金とか退職金とかとこういうふうにいろいろと書かれているということでありますので、それは申し上げるまでもないかもしれませんけれども、ちょっとよく議論になりますので申し上げておきたいと思うんですね。 それで、これは他人の生命の保険なんですね。そういう点では、会社が従業員の生命を担保に保険を掛ける場合には、当然商法六百七十四条の規定に従って本人の同意を要するはずですけれども、この辺について、また見解を伺いたいと思うのです。
○山口(公)政府委員 この第三者を受取人とします生命保険契約につきましては、商法六百七十四条の規定によりまして被保険者の同意をとることが必要でございます。
○中島(武)分科員 本人が同意し、そして団体定期保険が掛けられた場合に、先ほどの目的、趣旨からいいまして、当然その本人に万一のことがあった場合にはその遺族に支払われるというふうに考えるのが当然なんですね。ところが、実際にはその団体定期保険の場合に、その保険金が遺族に全く支払われないというケースが多数を占めているという驚くべき状態にあるんです。 労務行政研究所の調査によりますと、Aグル一プ保険金の使途、行き先について、「会社を経由して遺族に全額支給」していると、こういうふうに答えた会社が二三・四%なんです。それから、「一定額・一定割合を遺族に支給」しているというのが一九・〇%です。「遺族にはまったく支給しない」と、こう答えたのが五六・五%なんですね。実に驚くべきことで、過半数の企業が遺族には全く支給してないんだ、こういうふうに答えているんです。大蔵省はこの調査、こんな実態になっているということを御承知でしょうか。
○山口(公)政府委員 そういったことになっているというふうに私どもも聞いております。
○中島(武)分科員 これは重大な問題なんですよね。実は文化シャッターはこの保険金を受領するための死亡診断書を手に入れるために、遺族の了解を得ているとうそまでついて手に入れているんです。それで亡くなった村松さんという方の奥さんは、「病院で八社の生命保険会社の死亡診断書を見た時、私はショックで吐き気を催した。」と言っています。「会社は人の命を何だと思っているのか。過労死の上に、五千万円もの利益を会社が得ているなど言語道断です。」と、こう訴えているわけですね。私も実はそう思うのです。そして、人間の死を企業は一体本当に何と思っているのか、人間の死を利用して会社はもうける、こんなことは許されるのか、ここが私はこの問題の根本問題であり、そしてこの根本問題が今問われているんだと思うのです。 私は団体定期保険の運用について、大蔵省保険第一課で今までも見解を述べてこられているのを見ております。どういうふうに言っていらっしゃるかというと、制度の趣旨から、できるだけ多額の保険金が遺族の手に渡るのは好ましいというものでありますが、この見解に変わりはないでしょうか。
○山口(公)政府委員 先生御指摘の個別の問題についてはちょっとお答えを差し控えさせていただきたいと思いますし、また、特に保険金をもらった企業と従業員との関係について云々する立場にもちょっとないと思います。 ただ、保険を所管している私どもの立場として、一般論として申し上げますと、企業が弔慰金とか死亡退職金の原資を確保することなどによりまして、従業員のそうした福利に資するためにこの制度が活用されるということは、社会的に見て大変望ましいことだというふうに考えております。
○中島(武)分科員 その場合に、ここで数字的にどうというわけではないんですけれども、やはり福利厚生と申しますか、遺族の方の生活保障ということがうたわれているわけですから、そのことに、主として遺族の方に使われる、渡るということが私はあるべき姿だと思うんですけれども、重ねて、何も個別事案を聞いているわけではありません、大蔵省の御見解をもう一度。
○山口(公)政府委員 最初に申し上げましたようなこの制度の趣旨といいますか、目的というものが十分に活用されるということが大変望ましいことだと思っております。
○中島(武)分科員 私、この問題についてはこれでもう質問を終わってもいいんですけれども、大蔵省もいろいろ努力していらっしゃることを、私知らないわけではありません。先ほど申し上げました文化シャッターの問題であるとかあるいは住友電設の事件であるとかいうようなことが起きてから、いろいろ努力をされていらっしゃると思うので、その辺についてもどんな努力をされてきているのかということを伺いたいと思いますので、おっしゃってください。
○山口(公)政府委員 最近におきましては、生保会社におきまして団体定期保険の募集をする際に当たりましては、弔慰金等の規定の存在、あるいはその規定に基づいて支払いがなされているかなどを十分に確認することとしております。
○中島(武)分科員 政務次官、何か言うことがありますか。あったらおっしゃってください。
○石田(祝)政府委員 今保険部長が御答弁なさいましたように、団体保険、一般論で申しまして、非常に大事な保険であろう。その本来の趣旨にのっとって運用されていくことが望ましいとは思います。
○中島(武)分科員 次に私がお尋ねしたいのは、和歌山県の紀陽銀行の過剰融資にかかわる問題についてお尋ねしたいと思っています。 バブルの時期に、金融機関が不動産に対して過剰融資を行って、それが投機的土地取引につながり、地価が狂乱をする。それで国民が非常に大きな犠牲を強いられた上に、今日の深刻でかつ長期にわたる構造的な不況をもたらした一因となったことは、周知の事実であります。このバブル経済をもたらした金融機関の責任の重大さは当然でありますけれども、本来、国民生活向上の立場に立って金融機関を指導すべき大蔵省の責任もまた、私は重大だと言わなければならないと思っています。 そこで、具体的にお尋ねしたいのですけれども、昨年来、和歌山県に本店のある紀陽銀行が、和歌山市北部の山林開発、これはフォレストシティー計画と呼ばれておりますが、面積は三百十五ヘクタール。ゴルフ場、それから千四百戸の住宅開発などを計画している計画でありますが、これの事業主体である和興開発に五百四十億円という多額に上る融資を行っております。これが過剰融資であるかどうかはいろいろ議論はあるようでありますけれども、過剰融資ではないか、こう報道機関等では指摘されているわけであります。この問題について、大蔵省として検査されましたか。
○寺村政府委員 当該金融機関からヒアリングを行う等、実態の解明を行っております。
○中島(武)分科員 具体的に私、伺いたいのですけれども、実は、私ここに持っておりますのは、大阪地方裁判所に地検が提出した起訴状なんです。それで、これを見てみますと、先ほど言いましたフォレストシティー計画の開発主体である和興開発、これの前田喬社長、それから東山紀夫、同じくこの会社の専務、それに、大阪国税局OBでこの会社の顧問税理士である則岡信吾が、単独あるいは共謀して、国土利用計画法あるいは所得税の脱税違反で起訴されたものであります。 この地権者の中には、元県の企画部長でこの開発にかかわる国土利用計画法の県の直接の担当者でもある川端秀和氏も含まれておりますが、川端氏の場合には、山林六千平方メートルを売って約一億一千七百万円を受け取ったにもかかわらず、県に対する国土利用計画法による届け出価格は約六千万円と届けたわけです。その差額は五千七百万円、これは実は裏金であったと推測されるわけです。それでこの人は、大阪簡裁で罰金五十万円の略式命令を受けており、刑は確定しております。 この地検による犯罪一覧表について計算してみたんです。そうしますと、私の計算では、真実の土地売買価格は、総額五十億七千八百九万円、国土法による届け出価格は二十八億五千六十四万円、その差額約二十二億二千万円が裏金ということになるわけであります。 この土地の所在地の登記簿をとってみますと、紀陽銀行、それに紀陽ビジネスファイナンス、これは紀陽銀行の関連のノンバンクですけれども、これがすべて非常こ巨額の根抵当をつけております。 私は、伺いたいのは、このような融資は九一年十二月二十日付の銀行局長通達「土地関連融資の取扱いについて」に明確に違反するのではないかと思うんですけれども、大蔵省の見解を伺いたいと思います。
○寺村政府委員 金融機関とそれから個別の取引先との取引にかかわることでございますので、その内容につきましては、具体的に私の方からコメントすることは差し控えさせていただきたいと存じますが、ただいま御質問にございましたように、金融機関に対しまして、当局と…たしましても、融資に当たっては社会的な批判を受けることのないよう、特に土地関連融資につきましては、ただいまお話がございました通達によりまして、国土利用計画法に基づく監視区域内の届け出の対象となっております土地取引につきましては、その取引に係ります不勧告通知の確認をした上で融資を行うということで、適正な融資を行うよう指導をしているところでございます。
○中島(武)分科員 実は、個別事案についてなかなか答えにくい、こうおっしゃるんですけれども、これはいわばもう事実なんですね。 それで、今、通達の問題について局長がお読みになりましたけれども、私が申しましたのは九一年十二月二十日付の銀行局長通達でありまして、この第二のところには、「不動産担保融資を行うに当たっては、担保となる不動産の価格を把握するに際し、時価に偏重することなく価格の妥当性を十分チェックするとともに、適正な掛目に基づいて担保権を設定する等不動産担保評価の厳正化に努めること。」、こういうことが言われているのでありまして、私は、これに違反しているのではないかということをお尋ねしたんです。
○寺村政府委員 銀行の担保の掛け目につきましては、個々の銀行の自主的な経営判断により決めているものでございます。銀行におきましてはいろいろ差が、実際問題としてございますが、私どもの趣旨は、十分そのそれぞれの金融機関の目で資産の健全性を確保するためにも、適正な評価をするようにという指導をしているわけでございます。
○中島(武)分科員 この場合にどうですか、これは適切だというふうに言えましょうか。真実の価格はかくかくしかじか、ところが実際には、国土利用計画法で届けたものとの間に非常に大きな差がある、こういう場合に、これは適切だとは言えないと思うんですけれども、そこはどうなんですか。
○寺村政府委員 個別の事柄についてはコメントを差し控えさせていただきたいと思いますが、バブル経済の崩壊の過程で金融機関に不良資産が累増したということの背景には、この担保の評価につきまして、いろいろ問題があったということではないかと考えております。
○中島(武)分科員 もっと、もう一つ突っ込んで言えば、結果としてはやはり過剰融資だということを、こういう場合にはお認めになっていらっしゃるということに、私には聞こえます。 それじゃ、もう一つ続けて伺いますけれども、しかも、和興開発関係者には暴力団関係者がいると言われているんです。しかも、私の調査によりますと、紀陽銀行は和歌山市内の広域暴力団山口組系の吉村組事務所の土地を担保に、八六年七月に極度額三千万円の根抵当を設定した。八七年九月には同行関連のノンバンク、紀陽ビジネスファイナンスが一億二千万円の抵当権をつけ、それぞれ暴力団組長の家族に融資をしているわけです。これは調べてみますと、現在は抹消されておりますので返済したんじゃないかと思われますけれども、これは非常に重大な問題だと思うのです。 この点ではやはりまた通達を出されていらっしゃいますが、「金融取引における暴力団の介入排除について」という通達を出されておりますけれども、これに明瞭に違反するのではありませんか。
○寺村政府委員 個別の問題につきましてはコメントを差し控えさせていただきますが、金融機関はその業務の公共性にかんがみまして、社会的責任を自覚した業務運営が求められております。そのためには、基本的には金融機関みずからが業務の健全かつ適正な運営のために努力をすべきものでありますが、当局といたしましても、融資に当たって社会的な批判を受けることのないよう指導してきているものでございます。 特に、金融取引におきます暴力団の介入の排除につきましては、平成三年の八月の通達によりまして、この暴力団の資金活動を助長するような態様の取引の自粛を金融機関に対して求めているところでございます。
○中島(武)分科員 なかなか個別事案ということで、まあそういうふうに言われるのはわからぬわけでもないのですけれども、しかし、私が言っていることは事実なんでありまして、よく調査をした上での話なんですが、この問題のちょっと最後でもないのですけれども、政務次官の見解、今まで聞いておられてどういうことを感じられるか、見解を述べてください。
○石田(祝)政府委員 やはり個々の問題について私もあれこれ申し上げることはできないと思いますが、中島先生おっしゃいましたいろいろな通達というのは、やはりこれは守っていただくために私は出しているのだろう、このように思っております。
○中島(武)分科員 守られていないという場合には、やはり大蔵省としては、あるいは銀行局としてはきちっとした態度をとらなきゃならないのじゃないですか。
○寺村政府委員 一般論でございますが、仮に問題となるような事態が生じた場合には、当局といたしましてもその事件の解明、それからまた、そうした事態が将来生じないような体制づくりといいますか、再発防止のための措置等、そのための組織あるいは人事面の体制づくり、あるいは内部の検査システムの改善等につきまして指導をしているところでございます。
○中島(武)分科員 せっかく通達を出したのですからね。それに違反している場合にはやはりきちっと、だれかどこかほかのものが、検察がやるとかという話じゃなくて、大蔵省として、政府としてこの指導に当たるということを今明快に言われたと思いますが、ぜひそのようにしていただきたい。 これに関連して、建設省の方いらっしゃるでしょうか。建設省の方に伺いたいのですけれども、ところで、このフォレスト計画の事業主体である和興開発は、この計画を実現するために和歌山県に対して昨年九月、都市計画法に基づく開発許可申請を提出しています。 しかし、さきに指摘しましたように、この開発主体である和興開発の代表取締役自身が、当該開発行為に関連して、国土利用計画法、所得税法違反という重大な犯罪を犯しているわけです。しかも検察当局によって起訴されております。これは明らかに開発許可基準の信用を失墜し、資力もないということが明らかになったわけですから、許可することには大変問題があると思うのですね。 既に県当局も、率直なところこういうふうに言っています。非常に悩みながら、と申しますのは、信用力の失墜業者であり許可するなという指摘に対して、そういうことも含んで審査しているんだ、悩んでいるんだということを率直に言っているわけです。 しかも、この計画地内の進入道路部分に、境内をそこに持っている円明寺というお寺がありますが、この円明寺は計画への一切の協力を拒否している。昨年十一月二十八日に、この円明寺は檀家総会を開いて、「円明寺は、本日檀家総会を開催し、フォレストシティー計画に反対すること、並びに、開発許可申請に関する同意を撤回することを決定しました。」と、県や市、また和興開発に通知をしております。 さらに、計画には隣接自治会十三のうち、反対決議を上げている三自治会を含め、六自治会が計画に同意しておりません。また、防災上の問題点も指摘され、環境破壊も危惧されております。 この開発許可は県知事許可であるのは私も重々承知しておりますが、一般的に言って資力、信用を失った業者の開発は慎重にしなければならないと思いますが、この点についてどうか。また、もう一点は、こういう業者に対しても、これも実はこの業者が大臣免許業者でないことは私よく承知しておりますが、一般的にいって厳しい措置が必要なのではないかというように思いますけれども、建設省の見解を聞きたいと思います。
○竹村説明員 今先生がお話しになりました都市開発法に基づきます開発許可制度と申しますのは、都市における無秩序な市街地を防止してその良好な都市環境を確保するという目的で行っておるものでございまして、平たく言えば、よき町づくりのために規制を行っているということでございます。そして、その権限は、御指摘のように都道府県知事にございます。 今、おっしゃられたその資力、信用と申しますのは、都市計画法の三十三条に、一つの要件としまして、申請者に開発行為を行うために必要な資力、信用があることというのがございます。この趣旨は、そういう開発事業を行いますときに申請者が事業計画どおりにその事業を完遂することが可能な資金的能力があるかどうか、それから過去の事業実績等から判断して、誠実に許可条件等を遂行していくことができるかどうか、その当該事業をなし遂げられるかどうかという観点からそれを確認して、その事業自体が途中で中断して放置されることがないように適正になし遂げられるということを確保しているということでございまして、今おっしゃられたようないろいろな事件があったことは承知しておりますが、直ちにそれをもって、この私どもの都市計画法の資力、信用を失しているということにはならないと考えますが、現在和歌山県におきましては、昨年の九月三日の申請を受けまして、ただいま厳正、適正に審査を行っているところだというふうに聞いております。
○中島(武)分科員 時間ですから終わりますが、もうちょっと歯切れよくいい答弁が来るかと思ったな。どうもちょっと、はっきりしないようなところがありますが、しかし、厳正に審査をやっているというところはよく承知しておられるようなので、そのようにぜひひとつやってもらいたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
○森主査 これにて中島武敏君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行の質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○森主査 これより総理本府所管について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。北村内閣官房副長官。
○北村政府委員 まず、決算委員会の分科会の皆さんに、日ごろから大変お世話になっておりますことを厚く感謝とお礼を申し上げます。副長官の北村でございます。 早速ではございますが、平成二年度における総理府所管の一般会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 総理府主管の歳入につきまして、歳入予算額は三百二億六十万円余でありまして、これを収納済み歳入額三百四十九億九千百九十三万円余に比較いたしますと、四十七億九千百三十三万円余の増加となっております。 次に、総理府所管の歳出につきまして、歳出予算現額は七兆六千四百八十七億三千五百十万円余でありまして、支出済み歳出額は七兆五千五十八億四千二百一万円余であります。 この支出済み歳出額を歳出予算現額に比較いたしますと、一千四百二十八億九千三百八万円余の差額を生じます。 この差額のうち翌年度繰越額は一千三百三十六億一千百七十七万円余であり、不用額は九十二億八千百三十万円余であります。 総理府所管の歳出決算のうち、警察庁、総務庁、北海道開発庁、防衛庁、経済企画庁、科学技術庁、環境庁、沖縄開発庁及び国土庁につきましては、各担当大臣から御説明申し上げることになっておりますので、これを除く部局、すなわち、総理府本府、公正取引委員会、公害等調整委員会及び宮内庁関係について申し上げますと、歳出予算現額は六百十二億六千四百四万円余でありまして、これを支出済み歳出額六百十二億二千六百九十九万円余に比較いたしますと、三千七百四万円余の差額を生じますが、これは人件費等を要することが少なかったため、不用となったものであります。 引き続き、平成三年度における総理府所管の一般会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 総理府主管の歳入につきまして、歳入予算額は四百五十四億八千七百九十六万円余でありまして、これを収納済み歳入額四百九十億一千八百十万円余に比較いたしますと、三十五億三千十三万円余の増加となっております。 次に、総理府所管の歳出につきまして、歳出予算現額は七兆八千四百七十三億八千百八十四万円余でありまして、支出済み歳出額は七兆七千百五十三億六千三百八万円余であります。 この支出済み歳出額を歳出予算現額に比較いたしますと、一千三百二十億一千八百七十五万円余の差額を生じます。 この差額のうち翌年度繰越額は一千二百二十一億二千二百八十六万円余であり、不用額は九十八億九千五百八十八万円余であります。 総理府所管の歳出決算のうち、先ほど申し上げましたとおり、警察庁等につきましては、各担当大臣から御説明申し上げることになっておりますので、総理府本府、公正取引委員会、公害等調整委員会及び宮内庁関係について申し上げますと、歳出予算現額は六百四十一億二千五百三十三万円余でありまして、これを支出済み歳出額六百三十三億六千七百八十四万円余に比較いたしますと、七億五千七百四十九万円余の差額を生じますが、これは航空機運航費等を要することが少なかったため、不用となったものであります。 以上をもちまして決算の概要説明を終わらせていただきます。 何とぞよろしく御審議のほどお願いいたします。
○森主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院阿部第一局長。
○阿部会計検査院説明員 平成二年度総理府の決算のうち、歳入並びに総理本府、公正取引委員会、公害等調整委員会及び宮内庁関係の歳出につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 続きまして、平成三年度総理府の決算のうち、歳入並びに総理本府、公正取引委員会、公害等調整委員会及び宮内庁関係の歳出につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 以上でございます。
○森主査 以上をもちまして総理本府所管の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○森主査 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。金田英行君。
○金田(英)分科員 まず最初に、北村副長官が同じ北海道の仲間として引き続いて官邸にお座りなこと、本当におめでとうございます。これからもよろしく御指導いただきます。 まず最初に、総理府本府関係についてお尋ねしたいのですが、平成四年にいわゆるPKO法案が可決しまして、カンボジアそしてモザンビーク等々、海外平和協力隊ということで派遣しております。これについて現段階でどのような評価をお持ちなのでしょうか。
○北村政府委員 金田議員から大変温かな励ましのお言葉、ありがとうございます。これからも誠心誠意努力をしながらこたえていきたいと思っております。 金田議員からPKOをどう評価しているかというお尋ねがございましたが、冷戦の終えん後の世界においては、各地で地域紛争が頻発しております。より平和で安全な世界の構築に向けて、国際社会が持てる力を出し合って協力していくことが重要であると考えております。 我が国は飛躍的な経済発展がなされました。そして今日、国際社会の中で重要な位置を占め得る国となりました。これに伴って国際社会に対する責任も増大してきていると考えております。このような地位と責任に見合った貢献を行うことは、国際社会の一員として当然の責務であると考えております。 我が国が国際平和協力法により参加する国連平和維持活動は、紛争終了後、中立て非強制の立場で、国連の権威と説得により平和維持の任務を遂行するものであります。これに対してき得る限りの人的協力を行うことは、まさしく国際協調のもと恒久の平和を希求する我が国の憲法の理念にも合致するものである、このように考えております。 我が国の要員部隊は、これまでアンゴラあるいはカンボジア、モザンビーク及びエルサルバドルにおいて国連平和維持活動に従事してまいりましたが、その活動については国際的にも高く評価されており、また、我が国においても国民の理解と支持が深まっているものと考えております。
○金田(英)分科員 カンボジアについては、大分テレビも取り上げましたし、我々も部隊の隊員を見送りに行ったり、あるいは帰ってきたときに迎えに上がったりという形で、大分大きな歓迎やら歓送を受けたわけでありますけれども、地理的な問題もあるのでしょうか、モザンビークの場合は、今大体どうなっているのか。五十人ほどの部隊が派遣されておるわけでありますけれども、一体どうなっているのだろうか。元気でやっているのかどうか、そういったことも余り伝わってきておりませんので、ちょっとだけ簡単にお答えいただきたい。
○北村政府委員 金田議員にお答えを申し上げます。 モザンビーク、大変日本から遠いところで活動をしていただいておりますが、モザンビークにおける我が国の派遣要員、部隊につきましては、五名の司令部要員及び四十八名の輸送調整部隊がONUMOZ軍事部門に派遣されております。司令部要員につきましては、首都のマプトの本部司令部に二名、ベイラの中部地区司令部に二名、マトラの南部地区司令部に一名が配置されており、中長期的な業務計画の立案並びに輸送の業務に関する企画及び調整を行っております。輸送調整部隊につきましては、マトラに三十八名、ベイラに十名が宿営しており、輸送手段の割り当てあるいは通関の補助その他輸送に関する技術的調整を行っているところでございます。
○金田(英)分科員 遠く離れたモザンビークで大変な活躍をしておられるということですけれども、なるべく彼らを励ましてやっていただきたい。いろいろな慰問なんかもやられているとは思いますけれども、そういったことにも心細かい配慮をしながら、彼らの激励をよろしくお願いしたいというふうに思っております。 それで、この法律の附則で三年後には見直すよということになっているわけですけれども、もう四回の経験も経ておりますので、大体実行上どんなことが問題になってきたのか。こういう点に問題があるな、法律の見直しが必要だな、この点はこうだなというようなことがもしありましたら、お答えいただきたい。
○北村政府委員 金田議員から、PKOのあり方、あるいは見直しがあるのかというお尋ねでございますけれども、国連平和維持活動につきましては、国連を中心とした国際社会の平和と安全を求める努力に対して、資金面だけではなく、人的な面でも貢献を行うことが、我が国の国際的地位と責任にふさわしい協力のあり方であると考えておりまして、今後とも積極的に貢献を行っていく所存でございます。 また、法律の見直しの問題につきましては、現段階ではまず国際平和協力法による協力の実績を重ねていくことが重要であると認識しておりますが、見直しを行うに当たっては、これまでのカンボジアあるいはモザンビーク等への派遣の貴重な経験を踏まえて討論する必要があると考えております。
○金田(英)分科員 PKO関係については、これで終わらせていただきます。 せっかくの機会ですので、総理府本府で公益法人を所管されておられるわけですけれども、この公益法人というのは、今、天下り先になっておるんじゃないかとか、脱税や節税の道具として使われているんじゃないかとか、実際は休眠法人があるとか、いろいろなかしましい議論があるわけであります。 ところで、公益法人の認可状況、公益法人の数、ここ数年増減傾向はどうなっているかということについて、簡単にお触れいただきたいと思います。
○石和田政府委員 今御質問の、民法の規定によって設立許可を受けております公益法人の数、最近の推移でございますが、昨年、平成五年十月一日現在で私どもが調査した結果によりますと、二通りに分けて御報告させていただきますと、国が設立許可をした法人と、地方公共団体、都道府県が設立許可した法人に分けられますが、国につきましては合計七千二百七十九、このうち本省庁が設立許可いたしましたものが五千七百五十七、地方支分部局において設立許可いたしましたものが千五百二十二でございます。また、都道府県において許可いたしましたものが合計で一万八千六百二十七、このうち知事部局において許可いたしましたものが一万四千百八十九、教育委員会において設立許可いたしましたものが四千四百三十八。 最近の設立動向を見てみますと、例年数百の単位で増加しておりますが、昨年につきましては、その前年、平成四年におよそ三%ほどの増加率を示しておりましたが、平成五年においては一・九%の増加率ということで、率においてはやや少なくなるという傾向が見られました。 また、今先生御指摘の休眠法人の関係につきましては、私どもが事務局をいたしまして公益法人指導監督連絡会議というものを持っておりまして、この会議を通じてそのような休眠状態にある法人に対する指導監督のあり方等を議論して、対応してまいっておるところでございます。
○金田(英)分科員 以上で総理府本府関係についての質問は一通り終わらせていただいて、次の議題に入りたいと思います。 北村副長官には、同郷のよしみと言ってはなんですが、公務多忙の折ですので、委員長のお許しを得て御退席いただきたいと思います。 次に、「ふるさと自然のみち」整備事業というのを環境庁が今年度の新しい施策として打ち出しておられますけれども、時間がありませんので、こんなものだよということをほんの簡単に、そして全国で何カ所つくるのか、総額は何ぼなのか、簡単にお答えください。
○近藤説明員 概略御説明申し上げます。 私ども環境庁におきましては、国民の自然との触れ合いを求めるニーズにこたえるべく、国立公園、国定公園を初めとしまして各種の公共事業の整備を行っておるわけでございますが、その一環といたしまして、歩くことに主眼を置きました、いわゆる歩道でございますけれども、長距離自然歩道としまして、東海自然歩道等を初めとしまして、現在、東北自然歩道を整備しております。 そういう中で、さらに、身近な自然との触れ合いを求める人々の声に対応すべく、市町村の単位といたしまして、今御質問のように平成六年度の予算案におきまして、歩くことを通じまして身近な自然との触れ合いを高めるというようなことから、「ふるさと自然のみち」の整備事業を進めているところでございまして、その一部を都道府県に補助いたしまして、市町村が事業主体として事業を進めていただくという内容でございます。
○金田(英)分科員 これがNHKのテレビで大々的に放送されたときに、私の第一印象というのは、ああ、環境庁もやっておるなという印象だったわけであります。役所というのま自分の所管事業について多大の権益を確保し、あるいはその分野について大きな事業あるいは大きな仕事ができるような体制をつくっていくように日々努力するということは、それ自体としてはわかるわけであります。どこの省庁もやっていることだといえばそういうことでありますが、役所というのは自己膨張的に権益の拡大を図る習性があります。これは環境庁に限ったことではありません。たまたま環境庁においでいただいて申しわけないのですが。 一体、三千三百もの全国にある市町村の中でたった三カ所だけ、それも市町村道にもならないような、道路でないようなそういう「自然のみち」、そういったものに三千万ほどの予算の補助を出すことによって環境行政にどれだけの影響があるのか。むしろこういったのは国の事業でなくて地方の仕事であるべきでないのかという気がしてならないのでありますが、その点について御所見だけ、お答えだけ簡単に。
○近藤説明員 今年度の計画といたしまして三カ所、一カ所の事業費としまして二億でございます。それをニカ年計画で進めるということでありまして、全体三千三百市町村というお話がありましたが、私ども環境庁におきまして、歩道を全部の市町村にという考えはもちろんございません。 ちなみに、国立公園、国定公園が市町村に配置されている数につきまして見ますと、約三五%の千百二十カ所ほどございます。それからさらに、先ほど申しました長距離自然歩道が七百カ所の市町村、それから都道府県立自然公園という仕組みがありまして、これも箇所数で三百カ所ありまして、相当の市町村にまたがる。そういう一連の自然環境を利用した施策の中の一環としてこの「ふるさと自然のみち」というものを位置づけたわけでございまして、当面、私どもといたしましては、西暦二〇〇〇年までにモデル的な位置づけの整備といたしまして全国に約三十カ所ほど整備を進めてまいりたいという考え方でございます。
○金田(英)分科員 国と地方との業務分担ということについて一定の考え方、こういった補助金がどんどん拡大していって市町村のやることがむしろだんだん中央依存になってしまう、地方の甘えの構造を助長する。しっかりとした国と地方との業務分担、そういったものを考えていかなければならぬと思うのです。むしろ、こういった補助金事業を設定することによって、今まで市町村がこの種のものは単独事業でやっていた、そういったことが、全国で三カ所程度やって、補助金上げるよということによって各市町村は補助金をもらいたがりますし、またもらわないと格好が悪いという環境が出てきます。 そういったことについて、もうきょうは余り触れませんけれども、総務庁の方で、国と地方の分担、いいことであれば褒めてあげたいのですが、そういう地方公共団体の仕事と国の仕事がこういうふうに混在してきて、何もかにも国でやってしまう、国が補助金を上げてやってしまうということについては、決していい傾向だとは私思っておりませんので、この点について、行政改革、国と地方との業務分担について各種の審議会等々でいろいろ御検討されている総務庁のお考え方を承りたいと思います。
○陶山政府委員 ただいま先生御指摘がございましたように、国と地方との役割分担をめぐりまして、従来いろいろな審議会の場を含めましていろいろな議論が行われてまいりました。私ども総務庁といたしましては、行政改革の推進という観点であるいはその立場で、この問題について、例えば臨時行政調査会や行革審の場での議論を踏まえて、これまでいろいろな、権限移譲とか国の関与とか必置規制の合理化等々の措置に努めてまいりました。 一般論になろうかと存じますけれども、この国・地方の役割分担について、臨調や行革審答申の基本的な考え方、文字どおり、これは住民に身近な行政は住民に身近な地方公共団体において処理をすることが基本であるという考え方で一貫しております。そういう考え方をもとにこれまでいろいろな改革の措置をとってきたわけでございます。 なお、既に先生御案内と存じますけれども、政府といたしましては、今後、国と地方との関係について改めて見直しをしようという考え方で、去る二月に閣議決定いたしました行政改革に関する中期行革大綱、その中でも地方分権の基本理念あるいは取り組むべき課題とか手順等々について政府としての大綱方針の策定をするという決定をいたしました。 先日、このための政府部内の検討体制といたしまして、行政改革推進本部のもとに地方分権部会、つまり作業部会でございますが、この設置を決定したところでございます。月末にも初会合を予定しておりますが、今後この行革推進本部の部会の場を中心に、ただいま先生の御指摘のような考え方も含めまして、国と地方の役割分担のあり方について真剣な検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
○金田(英)分科員 各省に多々あることですが、たまたま「自然のみち」がテレビで映ったものですから環境庁を例示に出して本当に申しわけなかったのですが、その「ふるさと自然のみち」というのは、確かに地域市町村の住民の方々が利用するいい事業でありますし、褒めてあげたいのでありますけれども、分担というようなことになるといろいろと疑念がわくものですから、例示に出しましてまことに申しわけありません。決して予算には反対いたしませんので、御理解いただきたいと思います。 話題は変わりますけれども、こういったように、国の予算、各省の要求、大蔵省のシーリングの中でどんどん何%増というような財政を続けてまいりますと、国の予算は増大する一方であります。行政需要というのは確かにふえてはおるわけですけれども、その行政需要がふえているかふえていないかというふうに判断するのもこれまた各省庁であります。 そういったことで、このような仕組みではどうしようもないということで、平成六年度の予算編成時におきまして大蔵省は公共事業の各省シェアの見直しに取り組まれました。財政審まで動員してABCランクをつけて、生活者優先の事業に大盤振る舞いをするんだ、その他はだめなんだ、そのような形で各省シェアの変更に取り組まれましたが、そのことについての感想を、大蔵省さん、若干お答えいただきたいと思います。
○牧野説明員 今先生からお尋ねございました公共事業の配分の見直しでございますが、私どもがこれに取り組みました、財政制度審議会で御審議いただきました最大の理由は、これから高齢化社会が本格化してまいります。その二十一世紀までの期間に、やはり社会資本を重点的、効率的に整備いたしまして、そして国民の生活の質に直結するようなもの、そういった分野の整備を図っていくことが必要ではないかというように考えました、それで財政制度審議会にいろいろ御審議をいただきまして、報告をいただきまして、その線に沿って予算を編成したところでございます。 我々といたしましては、今後とも、その財政制度審議会の報告に基づいて、やはり重点的な配分に努めていく必要があるだろうというように考えております。
○金田(英)分科員 結果は、いわゆる公共事業費のシェア見直しというその成果は、コンマ以下の修正がなされたということだけであったわけであります。ところが、よくその細部を検討してみますと、各省庁の省益シェアというのは過去ずっとほとんど同じであるけれども、各省内部の、例えば道路、河川、下水道、公園、住宅というような建設省内部でのシェアというのはずっと大きく振れていて、時代の要請に沿って変化しているということであります。そのことから見て、省益についてはなかなかシェアの見直しは難しいけれども、同じ省内での局益と申しますか、そういったことは同じ屋根の下で生活している役人同士であればという形で、時代のニーズに対応できる変化があるなというふうに思いました。 それで、省益あって国益なしとか言われる官僚の習いではありますけれども、こういった形で今回の第三次行革審の最終答申に盛られております「イメージ」という表現なんですけれども、対外関係省とか国民生活省とか六つの省庁に大くくりにしたいというようなイメージが最終答申ということでされておるわけです。 現状の二十以上の各省庁がある、そういった省益が一つ屋根の下にまとまることによって、そのシェアが自由に時代のニーズに合ったものに変更できるというようなメリットがあるかと思うのですが、もしそういうことが事実だとすれば、この六つの大くくり省庁というのは大変縦割り行政の弊害を是正する大きな糸口になっていくなというふうに私考えて、この六省庁にくくる案は大いに傾聴に値するものだというふうに考えるわけですけれども、この点について、担当の総務庁の所見を若干承れればと思います。
○陶山政府委員 ただいま金田先生御指摘のいわゆる六省庁のイメージと申しますのは行革審最終答申の中で述べられているものでございますが、その行革審の審議会の答申そのものが述べておりますように、若干その数行ほどの内容を改めて申し上げますと、 今回の限られた検討期間の中で、当審議会と しては、中央省庁の全体的な改編策について具 体的結論を得るには至らなかった。そこで、こ れまでの審議の成果を踏まえ、現段階で考え得 る一つの方向として、以下に、大くくり省庁体 制のイメージを概略的に例示したい。という前提で、ただいま御指摘のような六省庁にくくる考え方が例示として示されているものでございます。 これは行革審の審議の過程でもいろいろな議論のあったところと承知をいたしておりますが、私どもの立場として申し上げるとすれば、この答申の内容は、二十一世紀を展望した現段階で考え得るイメージの例示という前提で示されたものでございまして、例えば法務とか防衛とか治安等の行政機能のあり方等はこの六省庁のくくりの中からは除かれておりますし、例えば、そうしたそこに示されていない行政機能のあり方等についてもさらに検討すべき課題として残されていると思いますし、この問題についてはさらに議論を詰めて検討すべき分野が多々あるのではないかというふうに考えております。 ただし、この中央省庁の再編の問題について決して聖域であるとかいうことを申し上げるつもりはございませんが、いずれにしろ、社会経済状況の変化を踏まえながら、規制緩和とか、ただいま先生の御指摘にもございました地方分権の推進、そういうこととも関連をして、基本的に中長期的な観点から検討していくべき課題ではないか、そういうふうに考えておるところでございます。
○金田(英)分科員 第三次行革審の最終答申という形でイメージとして書かれておりますけれども、巷間、霞が関かいわいあるいは永田町では、あああれは絵にかいたもちだよというのが一般の受けとめ方じゃないかと思います。しかし、我々、行革のどうしてもやらなきゃならないこと、今までのキャッチアップ時代あるいは冷戦構造が終わった新しい時代に、今のような官僚機構を引きずっては新しい時代に即応できないというふうに考えております。決して絵にかいたもちであってはならないと思いますし、真剣に取り組んでいただきたいというふうに思っております。 特に、自民党では、今、中央の官僚とか役人の採用については一元的な採用をすることによって、省益に目を奪われないで国全体のことを考えられるようなそういう官僚を育てる必要があるという形で、一括採用等々を自民党の中でも検討しておるわけでありまして、こんな大きな省益の省庁をつくることによって、役人の視野あるいは考え方、そういったのはもっとより大きな巨視的な視野で仕事ができていくんじゃないか、今のいろいろ言われております弊害が打破できるなというふうにも考えておりますので、よろしく前向きな御検討をお願いしたいと思います。 関税局の西田企画課長さんには申しわけないのですが、時間がこのとおりなくなってきておりますので、輸出税についてお尋ねしたがったわけでありますけれども、輸出税については触れることができませんので、お帰りいただいて結構でございます。後でいろいろ勉強させてください。 昭和五十七年七月三十日の臨時行政改革調査会の基本答申の中に「「増税なき財政再建」という基本方針は断固堅持すべきである。」というふうにうたわれております。大蔵省としても、当時はそのような考え方であったように思います。五十七年の答申の中でそう書かれた「増税なき財政再建」、もう十年ちょっとたっていますが、この旗はいつおろしたんだろうか、そして、いつどのような理由でおろしたんだろうかということについて若干御教示いただきたいと思います。
○牧野説明員 今先生からお尋ねのございました土光臨調の「増税なき財政再建」でございますが、これは、行財政全般につきまして改革を進めていく上で、そのてことして非常に大きな役割を果たしたというように我々は考えております。 ただ、その後、平成二年四月の新行革審の最終答申におきまして、改めて、我が国が本格的な高齢化社会になっても活力ある社会であり続けるため、財政の健全性を確保しつつ、高齢化のピーク時においても国民負担率が五〇%を下回ることを目標とし、そのため「行財政全般にわたり思い切った改革を進めていく」という旨の御指摘をいただいておりますし、それから、昨年の十月でございますが、第三次行革審の最終答申におきましても、同様の御指摘に加えまして、公正で活力ある高齢化社会を実現するための税制改革について検討を行う必要があるという御提言もいただいております。 現在、こういう御提言も踏まえまして、社会を支える勤労者に過度の負担がかからないよう、個人所得課税の軽減とそれから消費課税の充実を柱として、社会の構成員が広く負担を分かち合うバランスのとれた安定的な税体系を構築することが緊要に取り組むべき重要な課題であるというように考えているところでございます。
○金田(英)分科員 具体的にはいつおろしたというふうに考えたらよろしいのでしょうか。
○牧野説明員 先ほど申し上げましたように、「増税なき財政再建」は非常に大きなてことして役割を果たしてまいりまして、その基本的な理念はやはり尊重すべき点があるだろうというように考えております。
○金田(英)分科員 なかなか答えづらいようですが、何か細川政権ができてからなのかなと。少なくとも、平成元年に消費税を導入したときには、さらなる増税というようなことは言っていなかったように思います。これはもう増税なしてはどうしようもないというような方向に急に傾斜したというのは、自民党が野におりてからじゃないかという気がしてならないのですが、いろいろ御意見があれば、後で教えていただきたいと思います。 確かに大蔵省で、今年度末では二百一兆に上る公債残高があるよとか、そのほかに隠れ借金が何十兆あるよとか、国民一人当たりに換算すれば一人百六十六万円があるんだよ、こうやって一時間ずうっとしているだけで利払い費が十三億円、一時間ごとに国債費の利払い費がかかって積まれていくんだよというような説明を大蔵省から聞くたびに、いや、もう増税はやむを得ないのかなというような気持ちに私もなってくるわけであります。 ついてはですが、隠れ借金がこれだけあるよというふうに言い出したのは、言い出したときに私はびっくりいたしました。今まで大蔵省というのはそういう隠れ借金を堂々と公表するような姿勢を持っていなかったわけですけれども、いや、大蔵省はこれで腹を据えたなと、増税シフトを万全にしこうというそういった態勢だなというふうな感じがしたのです。今までこの隠れ借金については公表したことがなかったような気がするのですが、その点についてもし知っていれば。突然で申しわけないのですが。
○牧野説明員 先生お尋ねの件でございますが、どういう措置をいわゆる隠れ借金というかということにつきましては、必ずしも明確な定義があるわけではございません。ただ、従来から、これに関連いたしまして、「今後処理を要する措置」ということでまとめまして、予算委員会には提出をさせていただいてきております。
○金田(英)分科員 それは今までは出していなかったような気がするのですが、それでいいですか。
○牧野説明員 過去、提出させていただいております。
○金田(英)分科員 私は、役人をやめてこの世界に飛び込まさしていただきました。この世界にはなかなか、浪人の時代もありましたので、政治にかかるいろいろな諸経費を、多くの仲間たちあるいは会社の方に資金パーティーという形でパーティー券を買っていただくという作業があります。そのパーティーは二万円なんですけれども、なかなか思うように集まらないわけであります。やはり資金協力を仰ぐには仰ぐだけの政治的な活動を認めてもらえないと、その。パーティー券は買ってくれません。事務所経費なども節約、倹約していることをわかっていただかなければなりませんし、そんなことでないとなかなか資金は集まりません。政治資金を拠出するに足るだけの政治家であることがみずからに求められるのだろうというふうに私自身自戒しております。 翻って、今、政府は国民に増税をお願いするに値する政府であるかどうかということなんですが、残念ながら増税環境はほとんど整っていないのではないかというふうに言わざるを得ません。 平成元年に消費税を導入する際には、自由民主党は参議院で過半数を失いましたし、大勢の仲間の同志が政治生命を失っております。私も、この選挙で初出馬でありましたけれども、消費税の逆風のために苦戦を強いられて、とうとう落選してしまいました。 次の選挙も、増税を問いかける、国民に御判断いただくという選挙になるでありましょう。政府は、広報活動はもちろん、国民の増税やむなしの環境づくりのために早急に取り組む必要があるのではないかというふうに私は思うのですけれども、そのことについての御所見がもしありましたら。
○牧野説明員 先生御指摘いただきましたように、財政の効率化を進めていくということは、これは非常に重要な課題でございまして、我々といたしましても、その税制改革のいかんにかかわらず不断に進めていかなければならないというように考えております。 今後とも引き続き健全な財政運営を確保して、公債残高が累増しないようなそういう財政体質をつくり上げていくというこの財政運営の基本を堅持いたしまして、あらゆる経費につきまして制度の根本にまでさかのぼって十分な見直しを行い、施策の優先順位を厳しく選択するというようなことを行いまして、財政改革を強力に進めていくつもりでございます。
○金田(英)分科員 どうしても増税ができるような環境、増税をやるために行革をやると私は言っているわけではありませんし、増税がなくても行政改革をやらなければなりませんし、これからの新しい国家の価値観、国家のあり方、それを実行するための行政機構はどうあるべきかということは常に取り組んでいかなければならないわけでありますが、何といってもこういう環境の中にあって、国民の目に見える行政改革というのを、実際に行動してそれを目で見せてやらなければならない、そういう事態に陥っているのじゃないかというふうに思います。 ところで、国家公務員、自衛隊を除きますけれども、国家公務員の総数と本省庁の国家公務員の数、本省庁というのは霞が関の本省庁という意味ですが、どうなっておりますか。簡単に数字だけ。
○陶山政府委員 ただいま先生の御指摘の中央省庁ということでございますが、これも私どもの整理では各省庁の内部部局の定員と、そういう押さえ方で進めさせていただきます。そういう押さえ方でございますと、平成六年度末の定員、ただしこれは、現在予算案は国会で御審議中でございますが、御提案したその予算案の数字で申し上げますと、計三万八千三百六十二人ということでございます。 なお、国家公務員の数、トータルという御指摘でございますが、総務庁が定員管理の対象としております国家公務員の数で、自衛官を除く数字を申し上げますと、平成六年度末の定員で八十五万九千二百十二人となっております。
○金田(英)分科員 今御説明のありましたように、国家公務員の数というのは、この霞が関、中央省庁の内部部局、いわゆる各省庁の本省、本庁と言われている部分、それは約八十六万の国家公務員の中のわずか三万八千人だけであります。要するに霞が関には四・五%の国家公務員しかいないわけでありまして、あとの九五・五%というのは地方支分部局におるわけであります。これらの地方支分部局、国家公務員がほとんどいる、大半を占める地方支分部局の整理合理化こそ行革の主戦場だというふうに考えております。 昭和三十八年の十月の臨調の中でも、臨時行政調査会の第二専門部会の報告以来、国の出先機関の整理合理化に関する調査研究は、行革臨調などで数多く取り上げられてきております。民間においても、府県連合や道州制の議論が盛んであります。しかし、残念ながら目立った成果のないまま今日に至っております。どうしても地方支分部局、ほとんどの公務員が従事しているこの地方支分部局の整理合理化なくして、国の行革はあり得ないのだろうと私は思っておるわけであります。 そこで、各省庁の地方支分部局の整理合理化を行うべきであるということで、例えば仙台の地方建設局、地方農政局、港湾建設局、財務局、通産局、運輸局、営林局、そして郵政局等々、各省庁の地方支分部局を統合することを早急に検討してみていただけないかということであります。 集中のメリットによりまして、局長、地方庁とするとその長ですが、そういったものは一人で済むわけでありますし、総務課長だとか経理部長だとか、そういった各役職は集中のメリットで相当合理化できるはずであります。それから、定員面、通信などの事務機器の面、あるいは連絡車の面、数多くの集中のメリットによる合理化が可能であります。 それよりも何よりも、地方支分部局の統合により、中央の縦割り行政がこの地方支分部局段階で政策が統合されるという、市町村あるいは都道府県に直接各省庁の縦割り政策が結びつかないで、一たん総合政策化されるというようなメリットがあります。 それから、今最大の懸案であります地方に分権するというような課題があるわけでありますけれども、これは各都道府県に中央省庁の権限を移譲しなさいと言っても、なかなかできるわけではありません。中央には地方に対する不信感が現実にあります。 ところで、そういった地方支分部局の統合されたもの、いわば仮に地方庁と呼ばさせていただきますと、地方庁に権限を移譲するということは、かつての自分たちの仲間でありますし、将来にわたってみんな仲間でありますので、そういったところに自分の権限を移譲するということは、役人の習性としてそんなに異存なく、問題なくと言うと語弊がありますけれども、抵抗なく実行可能でないだろうかというふうに思います。 確かに今私が言いました各地方支分部局を統廃合するということについては、多くの問題があることも私、承知しております。例えば同じ地方支分部局といっても、郵政局と農政局、政治をやっているところと、実行官庁と申しますか、そういった性格の違いもあるでしょう。それからブロック別にどう分けるんだねという問題もあるでしょう。そして、各省庁によって、うちは地方支分部局を八つ持っているけれどもあっちは十持っているとか、そういったものもあるでしょう。 それから道州制をにらんだ事前の行動だとすれば、例えばその長、トップは公選制こすべきだとか、あるいは県のレベル、県をどう統合するか、あるいは県は議会が要らないから地方庁に議会をつくるべきだとか、いろいろな問題はありますけれども、少なくとも日本の新しい時代、新しい国家価値観、そういったものでこれから行政組織を再編していかなきゃならないときに、その地方支分部局をそのままにして行政改革は絶対できないというふうに思っております。 この改革について、私が勝手な思い込みということでもないのですが、この種のことは今までの各報告の中にもあったでありましょうし、民間でもいろいろと言われていることであります。申しわけないのですけれども、感想なり所見なりを若干お尋ねしたいと思います。
○陶山政府委員 ただいま金田先生から御指摘のありましたような、いわゆる出先機関の統合と申しますか統合化と申しますか、そういう方向の議論というのは、例えば政府の審議会レベルで申し上げれば、先生の先ほどの三十八年と御指摘のありましたのは第一次臨調のことかと存じますが、その場でもいろいろ議論のあったことは私ども承知をいたしております。また、経済界からもそういう方向の御議論があることも承知をいたしております。 ただ、経済界にしろあるいは審議会での御議論にしろ、必ずしもすべて同じ方向の御議論というわけではない面もございまして、いろいろな観点の御議論があろうと思います。 一般論としてまた申し上げて恐縮でございますけれども、地方支分部局の改革、合理化と申しますか、そういう方向について社会経済状況の変化等を踏まえて、いわば絶えざる見直しと改革、合理化が必要であるということは当然のことであろうと思っておりますが、ただいまの先生の御指摘のような、いわゆる全体をブロックごとにまとめる、統合するというような方向の議論につきましては、慎重な検討を要する問題点が多々あろうというふうに考えております。 例えば、これはこれまでも、第一次の臨調の段階でも議論があったと承知しておりますが、本省の指揮監督系統、それとの関係をどういうふうに考えるべきかというようなことも、いわば行政組織論としては大変難しい問題の一つでございます。あるいは、これは第一次臨調の際の議論だったかと承知しておりますが、国の出先機関がいわばかなり強い力を持つ存在としてできるとしたときに、地方自治へのマイナスの影響ということを考える必要があるのではないかといったような議論も相当あったようでございます。 いずれにしろ、いろいろな観点から種々慎重な検討を要する問題が多いのではないかというのが、私どもの感じとして申し上げるとすれば、そういうことだろうと思います。
○金田(英)分科員 確かに、道州制についてもいろいろな考え方もあるでしょうし、公選制にするかとか、国の仕組みを大きく変更するという意味で慎重な態度にならざるを得ないことはよく私もわかります。わかりますけれども、やはり地方分権とか言いながら、あるいは規制緩和と言いながら、現実、今の行政機構の中では規制緩和なんかほとんどできないという機構になっておりますし、ならざるを得ないわけであります。規制緩和をやるにもやれない。地方分権しょうにもできない。そして、権限移譲あるいは縦割り行政の弊害を除去しなさいと言っていてもできないわけであります。とにかく組織の立て直しからやらないと、この行革は一歩も進まないというふうに思えてなりませんし、私はその点だけは当たっていると思っております。 とにかくすぐにやらなければならない。まさに行政にお任せしていたのではこの種のことはなかなかできないでしょうから、やはり我々政治家が大きなフレームをかき、そしてそれについて案をつくり上げながら、新しい時代にふさわしい新しい中央省庁あるいは地方省庁、あるいは地方自治体が活発な個性豊かな地域をつくるための、中央に縛られない、地方は地方で独自に個性ある地域開発ができるようなそういった仕組みをつくり上げていかなければならぬなというふうに思って、お尋ねすると言うとなんですが、私の意見を披瀝させていただいたまでであります。よろしくお願いしたいと思います。 それで、近ごろ、税制改正に絡んで何らかの行政改革をしないと国民に申しわけがないんだということで、とにかくやれるところをやっちゃおう、あるいは、弱いところ、文句も言えないようなところはその改革をやってしまおうというような若干の動きがあります。 私のところにも、北海道の各市町村挙げて北海道開発庁存置の行動がありました。北海道開発庁の存置については大変大きな重要な問題でもありますし、私は、結論から申しますと、あの役所こそ二十一世紀の地方分権あるいは地方自治のモデルになる国の役所だなというふうに思います。 確かに公共事業官庁しか地方支分部局は統合されておりません。統合されておりませんけれども、臨調の皆さん方には実に効率的な役所だと。現地地方支分部局段階では、建設、農林、運輸の各大臣の指揮監督を受ける、まさにヤマタノオロチみたいな指揮監督を受ける役所ですけれども、各省庁の行政が統合化されて、建設省の仕事もあり農林省の仕事もあり運輸省の仕事もあるというような形で、各省庁の仕事が一つの幹部会議、一つの局長のもとで合理的に統合化されて政策が運営されております。そういった意味で、まさに地方自治のモデルになる役所だ。まだまだ不満があります。例えば財務局も入ってくれたらな、あるいは郵政局も入ってくれたらな、運輸局も入ってくれたらなというような問題もありますけれども、ああいう役所が地方自治のために、これからの地方分権の時代にふさわしい役所だというふうに私は考えております。 ついては、そういった地域地域が個性ある役所を持つということが絶対必要であります。現段階では、確かに沖縄と北海道だけが地域省庁があるわけでありますけれども、各ブロックごとにそういった役所をつくることはむしろ望ましいのだというふうに思っております。北海道開発庁は、定員は八十八名しかいない、小学校のニクラスしかない役所であります。統合したところでその八十八人が減るわけでもありませんし、統合したからといって何らのメリットもない。だから、私は、もしそういうことを税制改正を釣り上げる毛針のような形で考えているならば、そういう行政改革には断固として反対させていただいております。 たまたま今回の組閣で佐藤守良北海道開発庁長官が就任されましたけれども、就任以来数度にわたりまして、北海道開発庁は地方分権のモデル官庁であるというふうに発言しております。長官は、近畿圏における府県連合だとか道州制について、実際に自分で、政治家として広域行政をどう展開したらいいか、府県を連合しょうあるいは道州制を実行しようというような形でいろいろな活動もしてきたし、造詣の深い政治家であられます。そのような方がこのような発言をしておるわけでありますし、これからの行政改革は、長期的あるいはまた大きな視野を欠いた、毛針で消費税を釣り上げるような行革は断固としてやるべきでないというふうに思っております。この点についてもし所見がありましたら総務庁さんのお考えをお聞きしたいと思います。
○陶山政府委員 ただいま先生のお話はいわゆる三庁統合構想という問題を中心としてお述べになられたものと思いますが、この三庁統合構想につきましては、これは申し上げるまでもございませんが、臨調の五十七年のいわゆる第三次答申という時点での御提言でございます。これについて、政府の対応としては、「国土庁等三庁の統合については、当該機関の担当する行政及び地域の特殊性に十分配意し、中期的な課題として、引き続き検討を行う。」これは平成元年十二月の閣議決定の内容でございますが、文字どおりこれに尽きているわけでございまして、政府としては、中期的課題として引き続き検討を行っていくべき課題であるということでございます。
○金田(英)分科員 これから新しい時代を目指して、確かに時代は変わりましたし、政治改革も済んだわけであります。政治改革が済んだ後やらなければならないのは税制改正であるというわけでありますが、税制改正をやる前には行政改革にぜひとも取り組んでいただかなければならない。それも、国民がなるほどなと納得できるような長期的な視野あるいは広い視野でもって検討された行政改革でないといかぬというふうに思うわけでありまして、三庁統合等のような何ら行政的な効果がない、そういった哲学のないような行政改革には取り組んでいただく必要は全くないというふうにも考えておりますので、そこら辺よろしく御検討をお願いします。 以上で終わらせていただきます。
○森主査 これにて金田英行君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして総理本府所管の質疑は終了いたしました。 〔主査退席、若松主査代理着席〕 ―――――――――――――
○若松主査代理 これより内閣所管について審査を行います。 まず、概要説明を聴取いたします。北村内閣官房副長官。
○北村政府委員 決算委員会分科会の皆さんには、大変日ごろからお世話になっております。改めて感謝と、そして、今後のまた御指導を心からお願いを申し上げる次第でございます。 それでは、平成二年度における内閣所管の一般会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 内閣主管の歳入につきまして、歳入予算額は三千八百三十二万円余でありまして、これを収納済み歳入額四千七百八十四万円余に比較いたしますと、九百五十二万円余の増加となっております。 次に、内閣所管の歳出につきまして、歳出予算現額は百三十三億一千三百六十九万円でありまして、これを支出済み歳出額百三十二億二千八百二十七万円余に比較いたしますと、八千五百四十一万円余の差額を生じますが、これは人件費等を要することが少なかったため、不用となったものであります。 引き続き、平成三年度における内閣所管の一般会計歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 内閣主管の歳入につきまして、歳入予算額は四千九百六十六万円余でありまして、これを収納済み歳入額九千六百九十一万円余に比較いたしますと、四千七百二十五万円余の増加となっております。 次に、内閣所管の歳出につきまして、歳出予算現額は百四十二億一千四百七十万円余でありまして、これを支出済み歳出額百四十一億二千百四十万円余に比較いたしますと、九千三百三十万円余の差額を生じますが、これは人件費等を要することが少なかったため、不用となったものであります。 以上をもちまして決算の概要説明を終わります。 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。 〔若松主査代理退席、主査着席〕
○森主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院阿部第一局長。
○阿部会計検査院説明員 平成二年度内閣の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。 次に、平成三年度内閣の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○森主査 以上をもちまして内閣所管の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○森主査 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。佐藤剛男君。
○佐藤(剛)分科員 ありがとうございます。 私は、シベリア抑留問題について、現政権の立場、これを中心に聞かせていただきたいと思います。 それで、円滑な進行のために、委員長、ちょっと資料を配らせていただきたいのですが、よろしゅうございますか。
○森主査 了解いたします。 では、事務局、配ってください。
○佐藤(剛)分科員 まず、この資料に入る前でございますが、シベリア抑留問題についてはこれまで国会においてもいろいろ質問はされておるわけであります。私、問題の流れとしまして、こういういろいろな切り方があるのですが、今お配りしました一九九三年九月二日のロシア連邦国家公文書局長ピホヤさん、外務省、どういう立場の方でございますか。この方が日本の厚生大臣の大内啓伍大臣に出した文書がこれです。まずこの文書の性格について伺いたいのですが、まず外務省、この文書はちゃんときちんと外務省として受け取った、向こう側からの礼を尽くした文書だと思うのですが、その点について第一の確認を求めます。
○津守説明員 御指摘のこのピホヤ・ロシア連邦国家公文書局長からの大内厚生大臣あての、これは外務省として受け取りました。そして、厚生省に伝達いたしました。
○佐藤(剛)分科員 それでは、次に厚生省に聞きます。 この文書は外務省から受け取りましたか。
○北場説明員 お答えいたします。 正式な文書としては私どもとしては受け取っておりません。
○佐藤(剛)分科員 どういうことですか。今の外務省の答弁と、それから厚生省の答弁というのは食い違うのじゃないですか。 外交文書でしょう、これ。大臣あてにきているのでしょう。この公文書局長というのは日本でいえば条約局長みたいなものじゃないですか、外務省。
○津守説明員 日本の条約局長とはちょっと立場が違っておりまして、これは、今外務省に外交史料館がございますが、外交史料館長に相当する役職でございますが、公のポジションであることは間違いございません。 ただ、これは正式の外交文書というふうには我々は考えておりません。
○佐藤(剛)分科員 ちょっともう一回確認します。 あなたは先ほど、外務省で受け取った、厚生省に渡した。それは間違いないですね。もう一回確認。
○津守説明員 間違いございません。
○佐藤(剛)分科員 厚生省はそれを受け取ってないと言うが、厚生省はどうしちゃったのですか。返したのですか。
○北場説明員 お答えいたします。 昨年の秋に外務省がお受け取りになりましたときには、厚生省は直接ピホヤさんにもお会いをしておりませんので承知をしておりませんでした。ただ、コピーの写しが私どもの方に参りましたけれども、これは厚生省の所管ではないということで、外務省にその旨お話をしたわけでございます。(佐藤(剛)分科員「だれに」と呼ぶ)外務省の担当者でございます。
○佐藤(剛)分科員 そうすると、これは一国の、新しいロシアの局長さんですよ。局長さんから大内大臣に渡っているのは、これはまだ返事も行ってないの。どうなっているの、これ。倉庫に行っているの。だれのところに入っているの。所在は。外務省。
○津守説明員 これは先ほど申し上げましたように外交上の正式の外交文書、厳密な意味での外交文書ではございません。したがいまして、これに対して今までのところ返事は出しておりません。参考までにこれを受け取った、こういう立場でございます。
○佐藤(剛)分科員 今の答弁というのは、一外交官でしょう、外務省というのは。国がきちんと持ってきて、ロシアが出した文書が外交文書であるかどうか、せめてあいさつ状が出てきたらあいさつ状に返事するのが国と国との間の仕事でしょう、仮に一歩下がって外交文書でないといっても。どうしちゃったのですか。返事出したのですか。
○津守説明員 出しておりません。
○佐藤(剛)分科員 この問題、議事録にテークノートしておいてください。これから追及します。 こんなばかな話はないでしょう。あなた、一外務省の官僚としてもおかしいと思いませんか。感想。
○津守説明員 外務省に届きます文書はいろいろな種類のものがございます。当然のことながら、一番正式な文書は、口上書をつけて在京の大使館から送ってくるもの、あるいは我が方のモスクワ大使館から送ってくるもの、こういうものについてはもちろん返事の必要なものは返事はいたします。 しかし、この文書に関する限り、我々は正式に外交文書としてロシア側が伝達したものではないというふうに考えております。
○佐藤(剛)分科員 じゃこの文書は何なんですか。あなたが言っている外交文書というのは何なんですか。向こうは渡してきてちゃんと流れているだろうと思っているのを、大内大臣のところにも行っていないのでしょう、厚生省。だれがだれの判断でその文書を外務省に返したの。責任持ってはっきりしてもらいたい。――答えなさい。答えられなかったら二人で相談しろ。.
○北場説明員 その後半年ぐらいたちまして外務省の方から事務連絡でその文書が私どもの方に送付されてまいりましたけれども、私どもは所管でないので外務省の方でしかるべき取り計らいをお願いしたいということで、また事務連絡でお返ししたということでございます。
○佐藤(剛)分科員 これはちょっと重大なんです。この問題は労働証明書の問題に関連してくるのです。そんな答弁じゃ全然私はがえんじない。五分間休み。じっくりともう一回きちんとした答弁を出してください。委員長、要求します。
○森主査 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○森主査 速記を始めてください。 外務省津守審議官、再答弁をお願いします。
○津守説明員 どうも失礼しました。 この文書の性格は何かという御質問に対しましては、私がお答えしましたように、正式の公文書としては我々考えておりません。しかしながら、こういう政府の関係者からの書簡でございますので、これに対して返事をするかどうか、そもそもが返事を求められているものではないというふうに我々は理解しておりますが、しかしながら、この内容にかんがみまして、返事を出すかどうかはちょっと検討させていただきたいと思います。 ただ、この際申し上げておきたいことは、この内容についての答えは極めて明らかなのです。これは何回も日本政府が、最近では当時の渡辺大臣から先方のコズイレフ大臣に対しまして、労働証明書をもとにして日本政府として補償する国際的な…(佐藤(剛)分科員「ちょっと、余計なことはいいから」と呼ぶ)というふうに答えております。
○佐藤(剛)分科員 余計なことを、聞いてないときには答えないでください。 今私が問題にしようとしているのは、ゴルバチョフが日本にやってきて、いいですか、そこから始まるのですから、そしてちゃんと働いた人間のリスト、これは何万人持ってきたのか、そこから聞きましょう。そういうものを持ってきて、そしてそういう人たちがいます、お墓はこういうのが五百何カ所ありますとやったんでしょう。 今、日本とロシアの関係をどうするのかというのは審議官の所管でしょう。外務省が主管でしょう。これが公文書じゃないからどうだこうだと言ったって、手紙を一つもらえば、私文書であっても返事をするのが常識でしょう。国と国との関係で、しかもこれが尾を引いているんだ。ここに全部労働証明書の様式まで来ているんだ。書いてあるでしょう、附属文書。まじめなところ、あなたは見たことあるの、これ、津守さん。初めて見るんじゃないの。そこをまずはっきりしてください。あなたは知ったことがないようなことで言っているけれども、初めて見たのか見ないのか、まずそこから聞こう。
○津守説明員 私は初めて見ました。
○佐藤(剛)分科員 そうだ、それが正直なんだ。あなたがしつかりして見ていれば、局長なり審議官がきちんと見ていれば、こんなことでほっぽり投げていないのです。そうだろう。ふざけているのか、一体。向こうは渡したと思ってそれきりでナシのつぶてじゃないか。一九九三年の九月二日でしょう、何カ月たっている、今。何もしていないのか。これは今どこにあるのか。厚生省は受け取って返しましたなんて言っている。これはどこにあるの、欧亜局の。それをまず審議官に聞いておく。まじめかどうか聞くの。公文書がどうのこうの聞いているんじゃないんだから。
○津守説明員 この文書は、現在ロシア課にございます。
○佐藤(剛)分科員 ロシア課のファイルに入っている。審議官は今日初めて見たと言う。早速帰って本件の問題について善後措置をきちんとやりなさい。誠心誠意、いいね。一国の問題で、六十万人の人間が連れていかれて、そのうち約六万人の人間が暁の日を見て、寒さ四十度、五十度のところで死んでいっているんですよ。その問題がシベリア抑留問題なんです。しかも今シベリアのところにお墓が三千とも三千を超えるとも言われている。あの当時に埋めたお墓の中の骨が、雨が降ると流れちゃっている。しかもその当時に目印につけた木というものは、戦後五十年たっているから大木になってわからなくなってしまっている。そういうところがたくさんあるんだ、ロシアには。 ロシア以外の問題の戦後処理というのは一応解決したんです。ところがロシアの問題については、人間のお墓すら、国の言うのは逃げまくっているんだ。そして訴訟を起こしている部分があるからといって、ゴルバチョフが出てくる前の訴訟なんだ。高等裁判所の判決を受けたからといって、その訴訟の問題とは別だからね、本件の問題は。新たに出てきていて、労働証明書を出して、持ってきた者はちゃんと賃金をしますよという話なんだから。 副長官、最終的には内閣副長官でしょう、副長官の御意見をちょっと伺いたい。私が今申し上げているのがおかしいのかどうなのかということ。
○北村政府委員 佐藤先生の戦後処理問題についての、本当に心からなる怒りを込めたというのでしょうか、そういう御意見に私も今大変胸を打たれたところでございます。 ただ、戦後強制抑留者問題につきましては、戦争が終了したにもかかわらず、シベリアに強制抑留されて、本当に寒い、厳しい地域において過酷な強制労働に従事させられたことはまことにもうこれは同情すべきことでございますし、先生のおっしゃる考えはわかるわけでございますが、政府といたしましては従来、平和祈念事業特別基金等に関する法律を制定をして、抑留者に対して各種の事業を実施してきたところでございます。今後ともこうした方々の御苦労について、国民により理解をいただけるよう努めるとともに、この御苦労が風化しないよう後世に伝えることによってこのようなことが二度と起きないよう努力をしていきたい、このように考えております。
○佐藤(剛)分科員 北村副長官の説明というのは役人の書いたような説明なんですよ。心が入っていないんだ。あなたは党の中の有力なる将来性を持った副長官なんだから、ひとつこの機会にしっかりと各省庁を全部見て、内閣副長官なんだから、それをやっていただきたい。 一つの例を出します。外務省に関係することですが、連合国というのは御承知のように中国もあればイギリスもあればアメリカもあれば豪州もあるわけだ。そのところのイギリスは、日本の捕虜について働かせたんだけれども、金はイギリスは払ってないのですよ。審議官知っていますか。副長官知っていますか。外務省。
○津守説明員 詳しくは存じませんです。ただ、第二次大戦後の英軍の管理下地域から帰国しました日本人の捕虜に対しまして、GHQの指令によりまして国内通貨の維持という必要性から、一定の限度額を……(佐藤(剛)分科員「そんなことを聞いているんじゃない。わからなければわからないでいい。」と呼ぶ)どうも失礼しました。
○佐藤(剛)分科員 僕が教えてあげます。連合国の中でイギリスは払ってないの。それで、日本よ、あなたがやりなさいと。日本は払ったんだよ。文書があるんだから、ちゃんと大蔵省の理財の文書が。そのぐらいちゃんと勉強しておきなさいよ、ロシア問題やるのに。ということは何のことかというと、連合国の中においてもアンバランスがあるのです。これは確かに働いたものだからロシアが払うべきものですよ。訴訟の問題というのはロシアが払うか日本が払うかという話なのだから、今やっている訴訟というものは。しかも、不幸にも日本の中には組織が二つに分かれてしまっている、相沢さんがやっているのと斎藤さんが分かれている。分かれているところでまた不幸なのだけれども、まとまってないから、役人はあっちの方を向いたりこっちの方を向いたりして腰が据わってないのだけれども。 違いは、ロシアのこの文書局長、条約局長に当たる者が九三年にこういう新しいのを出してきたのだよ、ゴルバチョフになってから。重要なことなのだ。それを、しかもどこか紙くず同然に入れておきましたなんてやっていたらとんでもない話なんだ。官房副長官も知らないなんて言っている、外務省の欧亜局の審議官も知らないなんて言っている。僕は何もこれを外交文書かどうかを言っているのじゃないが、この文書を受け取っているのだから、私が持っているのだから、あるのだから、天から降ってきたのじゃないのだから、そうでしょう。だから、それに対してきちんとした回答を書くとすればこう書きますよと向こうから申し入れが出てきているのだから。これで労働許可証明書というものが出れば――もう抑留者の人というのはみんな年とっているんですよ。戦後五十年、あした死んでしまうという人がたくさんいるのだから。零下四十度、五十度のところで働き、たき火で体を温めて大やけどをした人がたくさんいるんだ。政治というのは愛の集結なのですよ。行政というのは逃げまくっているのじゃない、きちんとやらないと。今逃げまくってばかりいるのだ。外務省は逃げるわ、厚生省は逃げるわ、総務庁は逃げるわ、だから解決しないのですよ。 いいですか、官房副長官、外務省、厚生省、きちんと本件の問題について、これに対してゴルバチョフ以来の労働許可証明書について裁判がどうのこうのと言っているのじゃないのだから、そんなことよくわかっているわけだから、イギリスの例もあることだから。きちんとやってもらいたい。いいですね、これはゴルバチョフが来てからの話だよ。それから官房副長官、祈念の立法、あれはいつですか、制定されたのは。
○北村政府委員 昭和六十三年でございます。
○佐藤(剛)分科員 これの前ですか、後ですか。
○北村政府委員 これの前です。
○佐藤(剛)分科員 ですから私は申し上げている。新しい事情変更が出ているのだから。予算をやるときには常に念書をとるのですよ、大蔵官僚は。何々部会長と何と集めてこれで終わりだとやったものだ。ところが、新しい事情が出てくれば新しく変えるというのが行政の責任であります。それを官房副長官、あなたの責任において外務省からきちんと取り寄せてこの委員会に報告をしてもらいたい。それから政府統一見解を出してもらいたい。それを留保つきに、私はこれ以上の掘り下げをやめます。
○北村政府委員 今佐藤議員からお話がございましたあのロシアの政府から出されております労働証明書について、政府としてどう考えるのかということだと思います。いわゆる労働証明書というのがロシアの政府かち出されていることは、これは承知をしております。これはお言葉を大変返すようでございますが、民間団体が独自に活動された結果出されたものであって、これについて今は政府として判断する立場にないことをぜひ御理解をいただきたいと思います。 なお、この労働証明書により何らかの措置をとってほしいということであれば、現在行っております慰藉事業の基金となった戦後処理問題懇談会において、抑留者の強制労働に対してほとんど対価も支払われていないことを考慮した上で、これ以上措置すべきものでないという結論のもとに慰藉事業の定義が行われたもので、政府としてはこれを踏まえて平和祈念事業特別基金等に関する法律により、慰労金の支給ですとか慰労品の贈呈等の慰労事業を行ってきたところでございまして、これ以上の措置をとることは今のところ考えていないということでございます。
○佐藤(剛)分科員 まだそういうことを言うと、問題をぶり返しますよ。副長官、あなたは全然今私が言っていることをわかっていないじゃないか。言葉が悪いからそう申し上げるけれども、はっきり言うから、いいですか。先ほどの法律はこの一九九三年の前にできたのだ。ここで一つの財団に基金を積んで、それがソ連の墓参に参拝するとか銀杯を贈るとかということをやったんですよ。いろいろ問題はあるけれども、そこの過去のしがらみは私は言いません、過去のあれがあるのだから。しかし、副長官は今までで一つ気になることは、民間がやっていると、こう始まるわけです。民間のところの団体で気に食わない団体がいるのだというような気持ちなのだから、あなたの言っていることは。そんな話じゃないのですよ、日ロ問題というのは。いいですか、この認識を今役人が書いた作文で読んでいるから、いちゃもんつけるわけじゃないけれども、もしそういうことだったらもう何回も繰り返すから。 それからもう一つは、この文書は公の文書なんでしょう、外交文書でなくたって。だから私は文書の性格を聞いたのだから。局長さんが大臣あてに一国の者が出したら、ラブレター出しているのじゃないのだから。そういうことを中途半端に今までして、抑留者の人たちが泣いているのだ、それを知っていますか。雨が降ったならば遺骨のところが流れている。三千なら三千の遺骨があるところ、少なくとも僕は五百幾つ持ってきているのだから。せめて日本政府は管理人ぐらいはロシア政府に言って、選べと、管理人ぐらいは金を日本は払ってもいいと、そのくらいのことをしてやるのが行政であり、政治でしょう。すぐあれすると、平成元年の何々の覚書で終わりました。覚書なんというのは、そんなのは予算のときにしょっちゅうやっているのだ。そんなのはつぶしてしまったって構わない話なんです。よくそこのところを官房副長官、あなたの責任において、外務省審議官、ロシア課の中の懐に入れておかないで問題をやって、しかるべくきちんと報告をしていただきたい。 それから厚生省、人ごとだと思ったら間違いだからね。大内さんあてなのだから、大臣、私は受け取りませんで、返しましたで話は済まないからね。よくきちんと問題の事の重要性を御理解していただきまして、私の質問はこれで終わります。 ありがとうございました。
○森主査 これにて佐藤剛男君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして内閣所管の質疑は終了いたしました。 次回は、明二十七日午前十時三十分から本分科会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後六時三十八分散会