外務委員会 第5号
- 発言数
- 95 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1994/06/17
会議録
○菅委員長 これより会議を開きます。 千九百六十九年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約の議定書の締結について承認を求めるの件、千九百七十一年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約の議定書の締結について承認を求めるの件、千九百六十九年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約を改正する千九百九十二年の議定書の締結について承認を求めるの件及び千九百七十一年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約を改正する千九百九十二年の議定書の締結について承認を求めるの件、以上四件を一括して議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。若松謙維君。
○若松委員 きょうは、油濁四条約ということで、この件について御質問させていただきますけれども、北朝鮮の状況が非常に逼迫しておりますので今後の外務省の対応について、ぜひ政務次官から一言決意のお言葉をいただきたいと思います。
○平田政府委員 北朝鮮問題につきましては、今、北朝鮮側の対応によりまして事態は重大な局面に至っている、このように認識をいたしております。 我が国といたしましては、あくまでも対話を通じて平和的解決を追求することを基本としていることには変わりがございません。その過程では、現下の事態に対応いたしまして、国連安保理を通じて国際社会が制裁を含む適切な措置をとること により北朝鮮の翻意を促すことを検討する必要もあると考えております。 なお現在、カーター元大統領が訪朝をしておるわけでございますが、その点につきまして注目をいたしております。 以上でございます。
○若松委員 今申された平和的解決、これはだれもが望むところでございますので、その実現のために最大限の努力をされることを切に望み、またその旨をぜひ外務大臣にもお伝えいただきたいと思います。 続きまして油濁条約に関してですけれども、今回のこの四議定書、これを積極的に締結することは我が国にとって当然重要なことであるのみならず、我が国はいわゆる海運大国でかつ世界有数の石油輸入国、こういう立場でもありますのでこの四議定書の締結、この後には油による汚染損害に関する賠償及び補償の分野における国際協力、こういった促進のために我が国は、いわゆるこれらの非締結国に対しても四議定書の締結のための働きかけ等に積極的にイニシアチブをとっていくことが大事ではないかと思いますけれども、政務次官の所見を聞きたいと思います。
○平田政府委員 先生御承知のとおり、油による汚染損害に関する現行の二条約が作成をされましてからもう既に二十年が経過をしております。その間、インフレの進行等によりタンカー事故の被害額は大幅に増加をいたしておりまして、現行の二条約の責任限度額及び補償限度額を引き上げまして、油による汚染損害に関する賠償や補償の制度を充実させていくことは急務になっていると考えております。 我が国がこの四議定書を締結することはこのような制度の充実に大きく寄与することになると思うわけでございます。特に未発効の七六年基金議定書及び九二年の二議定書については、世界有数のタンカー保有国であり、また石油輸入国である我が国がこれらの議定書を締結することは早期発効に寄与するものである、そういうふうに考えておりまして、特に諸外国からも大きく望まれております。 我が国といたしましては、まずみずからがこれらの議定書を締結した上で、非締約国に対してもその早期締結方を働きかけていくとともに、今後もIMO、国際海事機関等の枠組みを通じまして油による汚染損害についての賠償及び補償の制度の改善、発展に努めていきたい、このように考えております。
○若松委員 海洋汚染、かなり深刻な問題になっております。また私も、こちらに小杉理事もいらっしゃいますが、GLOBEにも入っておりますし、ぜひ地球の海洋環境保全、こういった点でも日本のイニシアチブを切に期待するところでございます。 続きまして、この機会をおかりして、余り議論がされていなかった国際年金通算協定について触れさせていただきたいと思います。 今、我が国はいわゆる二重課税防止のための租税条約は約四十カ国と締結しております。ところが年金は、日本のビジネスマンは海外で約四十万人ぐらい勤務しておりまして、日本でも年金を拠出し、そして勤務地でも拠出する、いわゆる年金の二重拠出という問題があるわけです。 私も海外に大体六年間そういった関係で仕事をしておりまして、見積もるに二、三千億円ぐらい日本企業がいわゆる二重拠出という形で支払われているのではないか。これは我が国は今まで一切締結されていない。アメリカは現在十四カ国と締結している。またドイツも十四カ国と締結している。ところが、これだけ先進国である日本が年金通算協定ゼロである。こういった点については、当然国益を守る外務省としてはやはり重大な反省という面がなされてしかるべきではないか。 この年金通算について現状をまず厚生省からお聞きしたいと思います。
○大塚説明員 御指摘の年金の通算協定でございますけれども、お尋ねございましたように、国際化の時代におきまして、一方では二重適用の排除という面、あるいは私どもの立場からいいますと年金受給権の保全、両面から大変重要な課題。特に最近においてその重要性が増大してきているということについては私どもも痛感をいたしておるところでございます。 このような背景から、特に私どもといたしましては、人的な交流の多いドイツ及びアメリカ合衆国との間で通算協定を結ぶべくこれまで数次にわたりまして非公式な事務レベル協議を継続してまいってきております。ただ、残念ながらこれらの国々と私どもの国とでは年金制度がかなり違っておるわけでございまして、この違いを克服して協定締結に至るというまでにはなおもう少し時間がかかる見込みでございます。 引き続き努力をいたしまして、締結に向けて前進をいたしたいと考えているところでございます。
○若松委員 引き続き厚生省にお伺いいたします。 これらの協定、例えば二十年間ドイツと継続して協議しているわけです。こういったものはやはりこちらからの積極的なアプローチが必要ではないかと思いますけれども、今後の決意を、具体的にいつごろめどがっくのか、そういった点もあわせて、簡単で結構ですけれども御答弁願います。
○大塚説明員 例えばドイツとの関係につきましては、ここ逐年ボンあるいは東京に相互に係官を派遣して、かなり詰めた議論を進めてきております。しかし、もう一方の課題がございまして、今日時点で具体的な締結までの目途をお示しするには至っておりませんけれども、両国とも引き続き精力的に事務レベル協議を進める、締結に向かって努力をするという点においては完全に認識が一致しておりますので、ぜひ一日も早い締結に向けて努力をいたしたい、こう考えております。
○若松委員 大変な経済構造変化の時期、企業も経費削減で努力しておりますので、こういった協定の早期締結をぜひよろしくお願いしたいと思います。 この件に関して外務省、先ほど言いました二、三千億円を企業が負担している、これは国益を守る外務省としてどういった態度で臨んでいるのか、もう時間も過ぎておりますので簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○平田政府委員 先生御指摘の問題につきましては、今厚生省からお話がございましたが、年金当局間の協議が行われているところでございます。 年金通算の問題は海外在留邦人の福利に関する重要な問題である、このように認識をいたしておりまして、外務省といたしましても関係省庁と密接な連絡をとりつつ適切に対応していきたい、このように考えております。
○若松委員 この通算協定の締結国は日本はゼロ、アメリカは十四カ国、ドイツ十四カ国、こういった事実関係も含めて、ちょっとしつこいですけれども、もう一度御決意を聞かせていただきたいと思います。
○平田政府委員 相手国の対応もございますのでいろいろ難しい点もあるかとは思いますが、先生御指摘の問題点はおっしゃるとおりだと思いますので努力をしていきたい、このように考えております。
○若松委員 この国際年金通算協定、一カ国との締結でもぜひ早期実現をお願いしたい。強く願って、質問を終わらせていただきます。
○菅委員長 前原誠司君。
○前原委員 今回の油濁に関する四条約について主に運輸省にお話を伺いたいと思います。 まず第一点は、今回の条約改正において賠償額が非常に大きく引き上げられております。九二年民事議定書におきましては、船主の責任の限度額を現行の二億一千万フラン、大体一千四百万SDRから四倍強に引き上げる、九二年基金議定書におきましては九億フラン、大体六千万SDRから三倍強に引き上げるというふうなことになっておりますけれども、なぜこれだけ大幅な引き上げをしなければいけないのか、その点についてお尋ねをしたいと思います。
○東澤説明員 タンカーによる油濁損害賠償保障 に関する責任条約及び国際基金条約、これは現行法のもとになっております条約、いわゆる略称このようにしておりますが、その条約が採択後、既に二十年以上経過しているわけであります。その間におきまして物価水準等も上昇しております。 したがって今回、SDRで申し上げれば今お話があったとおりでありますが、これは日々変動いたしますが、仮に一SDRを百五十五円とした場合に、船舶所有者の責任限度額を三十四億から九十三億、それから国際基金の補償限度額を現行の九十三億から二百九億、最終的には三百十億ということで引き上げまして国際的に話し合いが行われました。環境汚染対策の推進、物価水準の上昇等の観点からこのような必要があるということで国際的な合意ができたわけでございます。
○前原委員 今のお話、二十年たって物価水準も上がっているということでございますけれども、例えばこのような大幅な引き上げは海上保険料の増加という形で船主の経営を圧迫して、海運業界に影響を与えないかどうか。特に日本は島国でございますから、また貿易立国として海運への依存度が高いという現状に照らし合わせても非常に厳しいものがあるのではないかと予想されますが、その点について政府、運輸省の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○東澤説明員 タンカー事故の際の環境対策、海洋汚染防止対策というものは現在国際的にも非常に大きな課題となっておりまして、まさに先生御指摘のように、逆に世界の主要海運国である我が国も積極的にこれに取り組むということが国際的な責務になっていると考えております。 今先生御指摘のありましたような引き上げでございますが、ちなみにこの二十年間におきまして我が国の物価水準も三倍程度に上がっているということで、実質的に現在逆に目減りしているというような状況がありまして、そういう物価水準の上昇等にかんがみますと海運会社、船舶所有者に対しまして大きな負担を課す、そのようには考えておりません。
○前原委員 基金についてでありますけれども、基金の拠出額というものも増加をするということであります。これは拠出者である石油業界、いわゆる荷主さんに対して負担を与えることにつながるのではないかと思いますけれども、その石油業界に対してのヒアリングとかをされているのか、また影響度合いはどうなのか、また運輸省にお伺いしたいと思います。
○東澤説明員 先ほど船舶所有者について御答弁したわけでございますが、今度の話は国際基金関連の石油会社、荷主ということで、先生御案内のように、国際基金から出る財源というものは石油会社、油受取人が負担するということになってございます。 ただし、この点につきましても、先ほど申し上げましたように我が国におきましては物価水準が約三倍程度になっておる、国際基金についても今度は最終的には三倍に持ち上げるということでさほど大きな負担になると考えておりませんが、さらに本条約の採択会議あるいは今回の法案に当たりまして石油関係の方々とも十分話し合って、ぜひこの線でやっていきたいということでございましたので、よろしくお願いいたします。
○前原委員 最後に一分くらいで外務政務次官にお尋ねをしたいと思いますけれども、北朝鮮の関連の問題です。 いわゆる制裁というものの段階論が出てまいりまして、第一段階、第二段階というふうなことで今議論がされておりますけれども、私は、基本的に制裁というものは、一度やって効果がなければその次の段階、そしてまた効果がなければ次の段階ということでだんだんエスカレートしていって、最後には例えば海上封鎖とか空爆とかいうふうなところになりかねない部分も非常に多いと。ですから、第一段階がいかに影響の少ないものであったとしても、一たん踏み出せば非常に大きな問題を引き起こす引き金になりかねないと思いますし、日本の立場としては私は制裁に踏み切る前にいろいろな外交努力をすべきだと思います。 制裁の段階論という案が出てまいりましたけれども、その点について外務省のお考えをお聞かせ願えればと思います。
○平田政府委員 北朝鮮の問題につきましては、先生も重大な関心をお持ちかと思いますが、先生おっしゃるとおり制裁を目的とすることは適当ではないと私は思っております。我が国といたしましても同様の考え方でございまして、対話を基本として話し合いで平和的解決をしていきたい、このように考えておるわけでございます。 ただ、そのような対応をぜひ北朝鮮側にしていただきたい、そういう願いから制裁という問題を検討する必要があるのではないか、今このような状況になっているわけでございまして、先生御指摘の視点でやはり慎重に対応していきたい、このように考えておるところでございます。
○前原委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○菅委員長 安倍晋三君。
○安倍(晋)委員 まずはこの四議定書について何点かお伺いさせていただきたいと思います。 この四議定書は国際海事機関の会議で作成をされておりますが、この四議定書の批准の進捗状況、大変悪いようでありますけれども、この国際海事機関の加盟国は現在のところ何カ国なのでしょうか。また、我が国はこの四つの議定書にまだ署名をしていないということでございますが、その理由についてお伺いしたいと思います。
○梅津説明員 お答え申し上げます。 まず御質問の六九年の国際条約、すなわち六九油濁民事条約と言われるものでございますけれども、これは七五年六月に効力が発生しておりまして、今現在八十七カ国がこれの加盟国になっております。 それから、七一年の油濁基金条約と言われるものでございますけれども、この条約は七八年十月に効力を発生いたしておりまして、今現在締約国が六十カ国、署各国が十七カ国という状況でございます。 さらに、七六年の油濁民事議定書でございますけれども、この条約は今のところ締約国が四十八カ国ということになっております。 それから、七六年の油濁基金議定書、これはまだ未発効でございます。 さらに、九二年の二つの議定書もまだ未発効という状況でございます。 それから国際海事機関、IMOと称されますけれども、国際海事機関の現在の加盟国は百四十九カ国でございます。
○安倍(晋)委員 今の御答弁にありました、七六年の基金議定書が未発効、そしてまた、九二年の民事、基金の両議定書が未発効ということでありますが、これはどのような理由で発効がおくれているのですか。
○梅津説明員 九二年の油濁民事議定書でございますけれども、今現在ドイツ、イギリス、フランス、フィンランド、スウェーデン、スペイン、オーストラリア等の国が締結準備作業を行っていると私ども承知しております。したがいまして、これらの国及び我が国が一九九四年中にこの議定書を締結する場合には、この議定書は早ければ九五年中にも効力を生ずることとなると考えられます。 さらに、九二年の油濁基金議定書でございますけれども、この議定書につきましては、ドイツ、イギリス、フランス、フィンランド、スウェーデン、スペイン等の国が現在締結準備作業を行っていると承知しております。したがいまして、これらの国及び我が国が一九九四年中にこの議定書を締結する場合には、この議定書は早ければ九五年中にも効力を生ずることとなると考えられる次第でございます。
○安倍(晋)委員 それで、七六年民事議定書は効力を発揮しているわけでありますが、七六年の基金議定書は未発効ということであります。この両議定書の未批准国については実際に賠償や補償の必要が生じた場合はどのように対応しているのでしょうか。我が国がもしこの条約を批准しなかった場合はどうなのかということも含めてお答えを いただきたいと思います。
○梅津説明員 お答えいたします。 現在御審議をいただいている条約、議定書につきまして、締約国でない国につきましては現行の民事条約及び基金条約が適用されるということになるわけでございます。
○安倍(晋)委員 我が国は石油の輸入の大半は海外に依存をしているわけでありますが、その中でタンカーの事故防止または環境汚染防止に対して大変大きな責任を持っているのは当然であります。 こうした条約を批准していく中において保険等の関係でコストアップにはね返ってくるのではないかと私は思うわけでありますが、本件を批准することによって果たしてどれぐらい、例えば一バレル当たりどのくらいのコストアップになるか。そういうことについての政府側の大体の予測、もしわかれば教えていただきたいと思います。
○梅津説明員 これは本来運輸省よりお答えすべき問題かと思われますけれども、石油会社等の油受取人の拠出金負担額は事故の発生状況により異なるものであるため、補償の限度額の引き上げが直接石油の値段の上昇に結びつくわけではございませんで、当面見込まれる拠出金が九二年の国際基金事務局の運営にかかわる事務経費のみであるとするならば、九二年議定書の締結が原因となって石油の値段が上がるということは考えにくいと思います。
○安倍(晋)委員 今度の改正によって二百海里水域、現行については過失責任であったものが改正後は無過失責任になるということであります。それだけに基本的にはリスクが増大をしてくるというように考えざるを得ないのですけれども、そういう中において当然保険等々の掛金等も変わってくるのではないか、条件も変わってくるのではないかと私は思うわけであります。 では、その点についてもう一度改めて調べていただいて、文書で教えていただきたいと思います。 続きまして、我が国に石油を運んでくれるタンカーがほとんどマラッカ海峡を通過するわけでありますが、このマラッカ海峡の沿岸諸国が通行税を取ろうというような構想があるやに新聞等で、そういうことを承知しております。現在この通行税を取るというそもそもの理由というのは、こうした今までのタンカーの事故等にもかんがみそういう発想をしたというようなことでありますが、マラッカ海峡において我が国が関係した石油流出事故、近年においてどういうような事故があるか教えていただきたいと思います。
○小池政府委員 マラッカ海峡周辺で起きましたタンカーの事故につきましては、平成五年一月にシンガポール船籍のマースク・ナビゲーター号と同じくシンガポール船籍のサンコー・オナー号の衝突火災が発生しております。
○安倍(晋)委員 その事故について六九年の条約または七一年の条約によってどのような対応がなされていたのでしょうか。これは運輸省ですか。
○東澤説明員 ただいま御答弁になられましたように、平成五年一月にマースク・ナビゲーター号それからサンコー・オナー号による衝突が起きておりまして、先生御指摘のように油流出が生じております。これにつきましては現在調査中ということで、これから具体的な話に入るというふうに聞いております。
○安倍(晋)委員 それで、マラッカ海峡沿岸のインドネシア、マレーシア、シンガポールの三カ国はこの四議定書の署名国そして締約国にはなっていない。シンガポールは七六年の民事議定書のみ締約国になっているということであります。このまさに三国が我が国へ中東の原油を運ぶ要路になっているわけでありますが、大変重要な地域。 最も我が国にとってこの条約を締結する意味の深いこの三国がいずれも締約国になっていないということでありますが、この三国のこの四議定書に対する今後の対応というのはどういうことになっているのでしょうか。 またそれと同時に、なぜこの三カ国がこの四議定書に対して前向きに締結をしていこうという姿勢にないのかということをお尋ねしたいと思います。
○東澤説明員 一九九二年の今回の重要な改正の内容については先生御指摘のとおりであります。しかしながら、これは一九九二年ということでございますので、一昨年の秋にできたばかりの条約でございます。できたばかりの条約でございますので、先ほど御答弁ありましたように、主要各国について既に進んでいるところもありますが、いわゆる勉強中というようなところもございます。あるいは諸外国のいろいろな民事法制との関係もこれありまして、いろいろな事情がありまして先生お話しのような状況になっております。 しかしながら、この条約は海洋汚染対策上非常に有効なものと我々考えておりますので、先生お話のありましたように、ありとあらゆる機会を通じまして本条約の批准に向けて積極的に働きかけてまいるということを行ってまいりたいと思っております。
○安倍(晋)委員 そしてまた、最初に私が申し上げました沿岸諸国が通行税を取る、こうした構想については現況はどうなっているのか、これは外務省、お答えいただきたいと思います。
○梅津説明員 お答え申し上げます。 通行料の徴収問題につきましては、多くの我が国船舶が利用しているその海峡等につきましては、現状にかんがみまして我が国にとっては非常に大きな関心事でございます。 仮に沿岸国の一方的な措置によってこうした通行料が導入された場合には国際海運に重大な影響を与えることは必至であること、それからまた、当該海峡と同様に国際航行にとり重要な意味を有する他の海峡にも波及する問題でありますことから、海峡利用国側の立場にも十分配慮して、広く国際的な共通理解のもとに慎重に対応すべき問題であると認識しております。
○安倍(晋)委員 このことは我が国の国益にとっても大変重大な問題になってくると私は思いますので、適切に外務省は対応していただきたい、このように思います。 タンカー事故の防止あるいは環境の保護という観点からこうした条約を批准していくということは大変大切であると思うわけでありますが、それと同時に、船主がそれなりの努力をするということ、あるいはまた船体を、たとえ事故になっても油の流出が起こらないように、そういう構造に変えていくということは大変大事ではないか、このように私は思っております。 昨今は船体を二重構造にするという処置がなされているようであります。我が国の三菱重工が座礁によるタンカーの原油流出を防ぐために中間デッキ方式という方法を独自に開発をして、その効果が国際海事機関によって十分に有効であると承認をされておりますが、この中間デッキ方式というのはどのようなものであるか、また石油流出については有効であるかどうかということをお伺いをしたいと思います。
○篠原説明員 先生お尋ねの、ミッドデッキシップと呼ばれる、油流出を防止する一つの方策でございますけれども、我が国といたしましては、先ほど先生御指摘のダブルハルと同一の効力があるものという判断から、国際海事機関にその旨を提言いたしまして、有効性については広く認められているところだというふうに認識しております。
○安倍(晋)委員 しかしながら、米国がこの方式は有効ではないということを言っているようでありまして、その米国側の主張によって建造の受注が全くないということでありますが、その点についてはどのようなことをお考えでしょうか。
○篠原説明員 先生御指摘のとおり、現在のところアメリカの方がまだダブルハルとの技術的な同等性というのを認めていない状況にございます。したがいまして、我が方といたしましてもその有効性につきまして広くアメリカと協議をしていきたいというふうに考えております。
○安倍(晋)委員 船舶の安全航行にかかわる条約といたしましてトレモリノス漁船安全条約というのがございますが、これは一九七七年に漁船の安 全基準を国際的に統一するために採択をされたわけでございます。しかし、実際にはなかなかこれが成立、発効するには至らなかったわけであります。一九九三年に改めてトレモリノス漁船安全条約議定書が採択をされたわけでございますが、我が国のこの条約に対する姿勢についてお伺いをしたいと思います。
○梅津説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように一九七七年のトレモリノス条約は漁船の安全を確保するための安全基準についての条約でございます。先生御指摘のとおりまだ未発効でございます。一九九三年にこれの改定のための議定書が採択されたわけでございます。 漁船の安全に関する実効的な国際法の作成につきましては漁船の国際的な航行の安全の確保という観点から有意義なものでありまして、また、漁業国である我が国にとっては海上における漁民の安全の確保は重大な問題として認識しております。 我が国といたしましては、国内法令の整備の要否につきまして関係省庁とも協議しつつ、一九九三年議定書の締結について検討してまいりたい、かように考えております。
○安倍(晋)委員 海上の漁民の安全を図っていくことは当然であります。この条約によって現在我が国の国内で船舶の検定検査が行われているわけでありますが、しかしながら、これについて多大な費用がかかる、かつまた八十年前に成立した法律でございますのでその内容自体が装備等の進歩に合っていない、そういう批判が大変あるわけであります。それと同時に我が国の遠洋漁業は今大変厳しい時期にあります。 その中で例えば二十トン以上の船が二年に中間検査、そして四年に定期検査、各検査に大体二千万円、三千万円という大変なお金がかかるわけでありまして、これが今重大な負担になっているということもまた事実であります。 そのときに現実的なものに改正をするという努力を行わないで条約を先行させてしまうということは、逆に国内法をむしろ固定化させる危険性があるのではないかと私は思っています。 中身について申し上げますと、このトレモリノス条約の中で検査の期間を縛っております。定期検査は四年、これは船体、機関ですね、二年ごとに設備を行う、一年に無線の定期検査を行うということであります。 例えば無線においては運輸省と郵政省で全く同じ検査を二重にやっているということで大変船主に大きな負担をかけておりまして、このことについては全くまだ解決がなされておりません。そしてまた設備については、全く用のないいかりについても装備を義務づけたり、そういう不備がたくさんございます。 そして一番問題なのは、四年ごとに定期検査を行うということをこの条約の中に入れるということになりますと、例えば大日本水産会等から、現在はエンジンの性能については大体三年間はメーカー側は保証しているという状況の中で、三年間は有効であるにもかかわらず二年ごとにやらなければいけないということになってきてしまうというような大きな問題がございますので、その点をどのようにお考えか、これは運輸省にお伺いをしたいと思います。
○篠原説明員 委員御指摘のまず第一番目の船舶検査について、従来何ら検討していないのではないかという御指摘でございますけれども、私ども船舶検査におきましても検査の合理化ということには努めているところでございます。例えば認定事業場の制度でありますとか型式承認制度の創設あるいは拡大、そのほかに日本海事協会、日本小型船舶検査機構のような民間の検査機関の積極的活用、それから技術の進歩に応じた技術基準の見直し等につきましては不断の努力でこれを行っているところでございます。 さらに第二点目でございますが、船舶の無線設備について、郵政省との間で二重検査となっているのではないかということの御指摘でございますけれども、この点につきましては、運輸省は船舶安全法に基づいた船舶の航行の安全という観点から、郵政省は電波法に基づきます電波監理という観点から、それぞれ異なる法目的のために検査を実施しております。 しかしながら、御指摘のとおり二つの検査には共通する項目もございますので、ことしの一月一日から検査結果の記録様式の統一化ということを行いまして利用者の負担軽減を図っております。また、さらに受検者の負担を一層軽減する目的で検査データの相互活用という方策を両省間、運輸省と郵政省との間で検討しているところでございます。 それから、最後になりますが、トレモリノス漁船安全条約議定書における検査の間隔についてお答えを申し上げますと、これは現在の我が国の制度とほぼ同様の形となっております。船体構造及びエンジンについては四年ごとの定期検査という間隔になっておりまして、その間に各国主管庁が定めます期間ごとの中間検査が定められておりまして、現在の我が国の法制度を変更する必要はないというような認識をしております。
○安倍(晋)委員 ただいまの御答弁にありました郵政省と運輸省、それぞれ目的は違うということでありますが、やっている中身が同じであれば、これはもうやる方にとっては大変大きな負担になってくるわけでありますから、できるだけ早い機会にどちらかの省が統一をしてやるという方向で検討していただきたいと思っております。 そしてまた、再度要望しておきますが、中間検査におけるエンジン解放検査が大変大きな負担になっているということは十分に御認識をいただきたいと思いますし、また、自動車の車検と同じように認定の造船所を設けてそれによってもっと速やかな検査が行われるということを今後とも前向きに検討していただきたい、このように思います。 時間がないので最後に。先ほども質問がございましたが、十六日に平壌におきまして金日成主席とカーター元大統領が会談をされたということでございます。その中身について、もし米国側から連絡等がございましたら、わかる範囲で教えていただきたいと思います。
○竹内説明員 もちろん、きのうのことでございますので詳細というわけではございませんが、我々の承知いたしておるところでは、カーター元大統領に対しまして金日成主席は次のような趣旨の発言を行ったというふうに承知しております。 それは、IAEAの査察官及び監視カメラ等を維持するということとともに、前提条件をつけずに米国との協議を再開する用意があるという点、それから黒鉛炉から軽水炉への転換を希望するというようなこと等を伝えたということでございます。
○安倍(晋)委員 それに対する先方の答えというのはわかっていないのでしょうか。
○竹内説明員 先方と申しますか、この金日成主席の発言をカーター元大統領の方からワシントンの方に連絡をしたということでございます。それで、米国政府におきまして次のような趣旨の見解を表明しております。 それは、北朝鮮・金日成主席の発言というものが米朝協議が行われる際には核開発計画を凍結する用意があるということを意味するのであればこれは期待できる展開であろう、いずれにせよ北朝鮮側の意図を外交チャンネルによって確認を求めていく必要があろう、アメリカとしては、IAEAの保障措置の継続というものが維持されまして原子炉への燃料の再注入、この前抜きました、そこに対する燃料の再注入及びプルトニウムの抽出が行われる場合には米朝協議を再開する用意はあるという見解を日本時間でけさ明らかにいたしているところでございます。
○安倍(晋)委員 当然このカーター・金日成間でどういうことが話し合われたかということと、どういう方向になっていくかということは我が国の安全にとって大変大きな影響があるわけでありますから、我が国の立場、また我が国の意見等々十分に米国側に伝えるように、そういう緊密な連絡をしていっていただきたい、このように要望をい たします。 また、この問題が発生をいたしましてから、我が国に定住をしておられます在日朝鮮人・韓国人の皆様との関係でございますが、こういう問題が起こりますとやはり多少在日の皆様に対していろいろなトラブルが発生するということもあるのではないかと思うわけでありますが、今までそういうような事例は報告をされているのでしょうか。これは警察庁にお願いします。
○上原説明員 お答えをいたします。 北鮮の情勢に関連して在日朝鮮人の方々に対する暴行事案あるいは嫌がらせの事案はどのくらい把握しているのだという御質問でございます。 被害を受けた方々からの警察に寄せられました被害届、これによりまして警察が認知いたしております件数は、本年の四月十四日以降十件でございます。 その形態を簡単に御紹介いたしますと、十件中七件が登下校中の女子生徒が列車内等におきましてその衣服を切られた事案でございます。そのほかに、男子生徒が日本人中学生から暴行を受けた事案が一件、自転車で下校中の女子生徒が何者かに石を投げつけられた事案が一件、それから塾帰りの女子生徒が自転車から通学かばんを盗まれた事案が一件ございます。 警察庁としてはこの種事案については必要な捜査を行いまして、この申告のありました十件中既に二件につきましては被疑者を検挙いたしました。ただ、この二件はいずれも、犯行の動機からいたしまして北朝鮮の核疑惑を背景にしたものではなかったということでございました。 この二件について簡単にまた御紹介をさしあげますが、四月十四日の、東京都内におきまして通学途中の東京朝鮮中高級学校の女生徒が列車内で制服を切られたという事案でございますが、発生後十一日後、つまり四月二十五日に警視庁において被疑者を検挙いたしましたが、これは政治的背景というものはなくて、いわゆる性犯罪の一つでございます。 それから、五月十三日に千葉県内におきまして東京朝鮮第一初中級学校の男子生徒が暴行を受けた事案でございますが、申告に基づきまして捜査をいたしまして、五月二十九日に日本人中学生の暴行の事実を確認をいたしまして補導、検挙いたしまして、既に検察庁に送致済みでございます。本件は、十四歳の中学生同士が町中でガンをつけられた、にらまれたというようなことでけんかざたになりまして、犯行の動機を調べましたが、格別な民族的な背景とか差別意識というものは見られなかったということでございます。 そのほかの八件につきましては、現在までに被害届を受理いたしまして必要な捜査を推進中でございます。
○安倍(晋)委員 我が国は自由と民主主義、また人権という各国共通の普遍的な価値を大切にする国であるわけでありますが、そういう中においてこういう事件が発生することによって日朝間だけではなく日韓の関係に対しても大変悪い影響が起こってくるという危険性があると私は思うわけであります。 こうした事件が今後起きないように今後とも政府として、警察庁として、あるいは例えば学校教育の現場においてそういう努力をしていっていただきたいと思うわけでありますが、最後に政務次官に、こうしたことの起きないように今後どのような取り組みを政治家として考えているかということをお伺いをしたいと思います。
○平田政府委員 先生御指摘の問題につきましては、まさにおっしゃるとおりだろうというふうに私は思っております。外交上の問題と、そして日本に同じく暮らすそれぞれの民族の差別感を持つということ、これは私はあってはならないことだというふうに思っております。 そういう意味で、先生御指摘のとおりそれぞれの関係部局が適切な対応をすべきであるというふうに思っておりますし、私も一人の政治家としてそのような対応を見詰めていきたい、このように思っております。
○安倍(晋)委員 ありがとうございました。
○菅委員長 山崎泉君。
○山崎(泉)委員 日本社会党の山崎泉でございます。 本議定書について私は私なりに勉強をしたつもりでございますが、勉強したのがまだまだ至らない点がありまして、そういう意味合いで、私の疑問点と意見を述べるという意味で質問をさせていただきたい、こういうふうに思います。 まず本議定書の提出方法についてお伺いをいたします。 今回審議しておる四本の議定書は、まず名称、趣旨、目的等の点で大変紛らわしいというふうに私自身は思いました。七六年の二本の議定書、そしてまた九二年の議定書を、それぞれまとめて二件の議定書にするなどの方法がとれなかったものかどうなのか、そしてまた、こうした意見は現行条約の見直し会議で議論にならなかったのか、そしてまた、我が国は見直し会議でどのような対応をなさったのか、その辺についてお伺いをしたいと思います。
○梅津説明員 お答え申し上げます。 先生が御指摘の六九年の民事条約と呼ばれている条約は、タンカーからの油の流出等による汚染によって生ずる損害について船主に無過失責任に近い責任を課す一方で船主の責任限度額を定める等、被害者に対して適正な措置を、賠償を行うことについての統一的な国際規則及び手続を定めているものでございます。 他方、七一年の基金条約は、六九年の民事条約に基づいて被害者に対して行われる賠償が不十分な場合にその被害者に対して補足的に補償を行うことを目的とする国際基金を設立すること、そして、その財源は海上輸送の油を受け取る者の拠出金とすること等について定めております。 我が国は世界有数のタンカーの保有国でございますし、また石油輸入国でありまして、この今申し上げました両条約を締結しているわけでございますけれども、しかしこれは必ずしも世界一般の現象ではございませんで、例えばタンカーは保有しているけれども自国の領域内で油の輸送量が少なくて、その結果油汚染事故が生ずる可能性の低い国などは六九年の民事条約のみを締結するという政策をとる場合があるわけでございます。 したがいまして、六九年の民事条約及び七一年の基金条約を別個の文書として作成し、六九年の民事条約のみを締結するという選択肢を残すことが求められた次第でございます。 このように六九年の民事条約と七一年の基金条約は別個の文書として作成されたものでありますので、それぞれの条約を改正する議定書もまた別個に作成するのは通常の方式でございます。 なお、このような方式をとることにつきましては、四議定書の作成過程におきまして、我が国を含む交渉参加国の間では当初から基本的な前提とされていたところでございまして、特段の異論は出されなかったものと承知しております。
○山崎(泉)委員 それでは賠償、補償の実情についてお伺いをいたします。 六九年の民事条約が作成をされてもう約二十数年が経過をします。九二年の民事及び基金の両議定書が九二年には作成をされました。今日の大型タンカー時代を迎えて大型タンカーによる油汚染の事故も頻発をしております。今回の見直しはアモコ・カジス号事故がきっかけとなったみたいでありますが、それ以降も多くの大型タンカーによる事故、大規模事故が発生をしております。 この九二年民事、基金の両議定書の締結とあわせてタンカーの安全対策も講じていく必要があるというふうに思いますが、運輸省の見解をお聞きをしたいと思います。
○東澤説明員 先生御指摘のように、近年おっしゃるようなタンカーによります大きな事故が発生しております。このような事故が起こりますと人命、貨物はもとより御指摘のように大規模な海洋汚染を生じるというような危険性がございます。したがいまして、運輸省といたしましては、油濁損害についての、お願いしております条約の批准、こ れに伴います国内法の改正とあわせまして、タンカーの安全対策に取り組むことは極めて重要なことと考えております。 そこで、運輸省といたしましては、先ほど以来御議論のありましたタンカーの二重構造化、いわゆるダブルハル化でございますが、それの促進、それから国際海事機関、IMOと言われておりますが、ここにおけるタンカーの安全のための国際基準の検討等への積極的な参加、このようなことを行うとともに、海運業界、石油業界の関係者が協力して、ASEAN、東南アジア関係でございます、これは我が国の主要石油ルートでありますが、この海域におきます石油の安定輸送を確保するための体制整備、これを関係諸国と一緒に取り組んでおります。その他いろいろな所要の施策を推進しているところであります。 まことに先生の御指摘ごもっともでございまして、積極的に今後ともタンカーの安全対策に万全を期してまいる所存であります。
○山崎(泉)委員 どうぞよろしく対策のほどをお願いをしておきたいと思います。 同時に、本議定書は我が国において汚染損害が生じた場合は被害者の一層の保護に役立つ、こういうふうに言われておりますが、この九二年民事、基金の両議定書において賠償、補償の対象となる被害としてはどのようなケースが考えられるのか、お教え願いたいと思います。
○東澤説明員 今回お願いしております九二年民事議定書及び九二年の国際基金条約でございますが、これの損害賠償あるいは国際基金からの補償となりますものといたしましては、まず被害でございますが、例えばタンカーの衝突事故によりますタンカーからの流出油によりまして、例えば養殖魚の死滅あるいは汚染、ノリ網の汚染等の漁業被害、あるいは油が海域に流れますと、その付近の船舶自体の汚染、海水浴場、漁港の閉鎖に伴う被害、この辺はまさに損害、被害でございます。 それはもとより、例えば油の広がりを防ぐためのオイルフェンスの展張、油を中和するための中和剤等の散布の費用、あるいはよくテレビ等で出ておりますが、海岸に付着した油の除去のための費用、あるいは回収油の処理に要する費用等、防止措置に要した費用なども含まれております。すべて対象になっております。
○山崎(泉)委員 もう一点お伺いします。 今のように具体的に被害をこうむった、目に見えるような被害をこうむったものに対する賠償、補償というふうに受けとめたのですが、例えば年平均漁獲量がこれぐらいあった、多分この事故によって下がったのじゃなかろうかというふうに将来想定されるものについての補償というものは考えられていますか。
○東澤説明員 具体的に国際会議等において明定、明記されておりまして、現実に起こっておりますのはそのようなものでございますので、そのようなものも想定しておりますが、例えば先生がおっしゃるようなものについても、具体的に油の流出と損害との間におきまして因果関係が認められるということになりますれば含められるということも想定されます。ただし、これは因果関係の事実認定でございますので、個別個別でそういうふうな因果関係があったということが認められなければならないと考えております。
○山崎(泉)委員 それでは次に、地理的適用範囲の拡大についてお伺いします。 今回の両議定書によって条約の地理的適用範囲を領海から二百海里以内の水域まで拡大をしておりますが、その効果をどのように考えておるのかお伺いをしたいと思います。
○東澤説明員 現行の油濁損害の適用範囲は十二海里領海内ということになっております。先生御指摘のように、今回の条約改正によりまして領海内から二百海里内に拡大するということになっております。 したがいまして、どのような効果ということになりますと、まず、先ほど言いましたような損害賠償につきまして領海内十二海里から二百海里内におけるものがすべて対象になるということのほかに、一般的に先ほど申し上げましたような被害は沿岸近くで起こるということで現行は領海内ということにしていたわけでございますが、ただし、船舶の衝突等は領海外においても、二百海里においても生じるわけでございます。 それで、先ほど申し上げましたような防止するための措置というのも、損害額、被害額、多大なものではありますが、二百海里にももちろんそういうよく生じることがあり得ます損害を防止するための措置、二百海里内の措置も適用範囲にあるということでございまして、大変大きな効果がある、このように考えております。
○山崎(泉)委員 次に、本議定書に対する我が国の対応についての考え方をお伺いをいたします。 七六年の民事、基金両議定書を我が国はいまだに批准をしていません。七六年基金議定書は我が国が批准することで発効要件は満たされるということになりましょうが、世界の最大の主要海運国という我が国の立場からしまして、今日まで批准をしていないということは、私自身考えるところ余りにも無責任と思えてならないわけであります。今日までどうして七六年の両議定書を批准してこなかったのか、この理由をお聞かせ願いたいと思います。
○梅津説明員 お答え申し上げます。 七六年の基金議定書及び七六年の民事議定書は、それぞれ、七一年の基金条約及び六九年の民事条約において用いられております計算単位を金フランからSDRに変更する、そういう極めて技術的な内容を有するものでございます。 例えば七六年の基金議定書、これはまだ発効してございませんけれども、実際上はSDRで運用されてきております。しかしながら、一九九一年、ジェノバ沖で発生をいたしましたヘブン号事件にかかわる国際基金による補償につきまして、イタリアの第一審におきましては、七一年の基金条約に基づく補償限度額について、そうした基金総会の決議、今申し上げましたSDRを運用するという決議が行われたわけですけれども、その決議を踏まえたSDRによる換算は行われませんで、金の市場価格による換算を行うという判断を示したために条約の運用上非常に大きな問題が提起されることになったわけでございます。 このため七一年の基金条約の締約国の間においては、七六年の基金議定書を早期に発効させる必要性への認識が高まりまして、我が国による同議定書の早期締結が期待されるに至っているわけでございます。 ちなみに、我が国がこれを締結をいたしますとこの議定書は発効するという状況にございます。そのため、政府といたしましては今回、同議定書を締結することとした次第でございます。 一方、七六年の民事議定書につきましては、今申し上げましたヘブン号事件に関するイタリア裁判所の判決のような具体的な問題が生じているわけではございませんけれども、一つには七六年民事議定書を締結しなければ七六年の基金議定書を締結しても余り意味がないということ、及び七六年の民事議定書を未締結のままにいたしますと、将来仮に七六年民事議定書の締約国である第三国が、同議定書上の義務にもかかわらず、我が国の船主に対しまして、SDRではなくて金フランを計算単位として算定したより高額な賠償限度額を適用するような事態が生じても、我が国としてはその是正を求める法的な根拠がないということになりますので、七六年の民事議定書も同時に締結することとしたわけでございます。
○山崎(泉)委員 もう一つこの関係でお伺いをしておきたいと思います。 我が国と同様に世界最大の石油輸入国であるアメリカは、九二年の民事、基金の両議定書にも現行の二つの条約にも入っていない。我が国としてはこのような非条約締結国に対してこれらの締結を働きかけるべきだと思いますが、政府としてはどのような考え方で対応しておるのか、考え方をお聞かせを願いたいと思います。
○平田政府委員 米国に限らず一般的にできるだけ多くの国が現行の条約あるいは九二年の二議定 書を締結をするということは、汚染損害に関する統一された国際規則が適用される、こういうことになるわけでございますので、我が国といたしましては、まずみずからがこれらの議定書を締結をした上で非締約国に対しましてもその早期締結方を働きかけていきたい、このように考えております。 また、今後ともIMO等の枠組みを通じまして油による汚染損害についての賠償及び補償の制度の改善、発展について寄与をしていきたい、このように考えております。
○山崎(泉)委員 どうぞしっかり頑張ってください。 ところで、私はこういう議定書とか条約については全く素人でございますから、どうしても今私が主張したように、アメリカとか日本、特に経済大国の我が国、海運に頼っておるわけでございますからやはり積極的にそういうふうな議定書の批准あたりはやっていかなければならない。アメリカがなぜ批准しないのか私は不思議でならないのですよ。 一方、口を開けば世界の警察みたいな格好で、世界の平和は自分が守ろうなんというような言い方をします。私は、積極的にこういうのも批准をしまして、アメリカはいわゆる世界環境を守るのだという大きな視野に立っていくべきでなかろうかな、こういうふうに思いまして、先ほど我が国とアメリカの関係についてお伺いをしたところでございます。 最後になりますが、先ほどの方も申しておりました、今朝鮮半島が一番話題に上っておるものだと私は思います。私は、私の考え方ですが、当然アジアの平和は朝鮮半島の平和、これが基本になるというふうに今の時点では考えております。 ただ、今マスコミとか、そしてまた政府が対応しようとしていることについて若干疑義を持っております。私は、この北朝鮮問題及び朝鮮半島の問題は手段と目的が違っておるのではないか、目的が何なのか、手段が何なのかということを明確にした上で対応していくべきであって、余りにも手段が先走っておる、こういうふうに思うところでございます。 どうか、日本のアジアにおける地位を確固たるものにする意味でも、手段と目的を明確にし、対話によって粘り強く朝鮮半島に平和がもたらされるよう努力をしていただきたいということを申し上げまして、私の質問にかえさせていただきます。 ありがとうございました。
○菅委員長 古堅実吉君。
○古堅委員 油濁損害補償条約と二百海里水域適用問題についてお尋ねをします。 日本は一九八四年の国連の論議では二百海里適用拡大に反対しておりますけれども、本条約は二百海里が採用されております。世界の流れも御存じのとおりで、二百海里適用が大勢になってきております。本条約は排他的経済水域の二百海里を先取りする条約というふうに考えていいのでしょうか。
○小池政府委員 お答えいたします。 先生御案内のとおり、二百海里水域という一般的な用語で呼ばれているものに、排他的経済水域あるいは漁業水域あるいはこの条約の適用水域というものがございますが、それぞれその意味するところは異なっております。 この条約におきましては、油濁損害が起こったときの民事損害賠償についてこの条約を適用するか否かについて、排他的経済水域を既に設定する国はそういう水域を用いる、それから排他的経済水域を設定していない締約国については二百海里の水域でこの条約を適用すべしということを言っておりまして、この条約は排他的経済水域をいわゆる先取りするような内容のものではございません。
○古堅委員 海洋法条約は一九八二年に国連で採択されて、以来十二年が過ぎました。批准国は現時点で何カ国となっているか、その発効はいつごろと見られるか、また日本はどのような準備を進めてきているのか、その三点について御説明ください。
○小池政府委員 国連海洋法条約の締約国は、六月一日現在で六十一カ国に上っております。この国連海洋法条約は、昨年の十一月十六日に六十番目の国による批准が行われまして、それでその十二カ月後、すなわち本年十一月十六日に発効することとなっております。 既に批准した国は、アイスランドを除きましてすべてが開発途上国でございます。その理由というのは、先進諸国はこの条約の第十一部に規定されている深海底開発制度にいろいろ問題があるということで条約の締結を差し控えていたという経緯がございます。 しかし、一九九〇年以来、こういう状況を何とか解決しようということで、国連事務総長の主宰によりまして非公式協議が継続的に進められて、その条約十一部を改正するための方策について検討が進められてきております。 我が国としてはこういう国連事務総長の主宰の非公式協議の結論を踏まえて、また我が国としては基本的にはこの条約の目指すところには賛同しておりまして、一九八三年に署名も行ったところでございますので、こういう今後の進展をも踏まえまして本条約の締結について検討しているというところでございます。
○古堅委員 本条約の国内法でも二百海里を採用しております。日本は油だけではなしに漁業問題でも深刻な問題を抱えています。漁業にも油と同じように二百海里を採用する、こういう時期ではないか、それを促進すべきではないか、そう考えますが、御意見を伺いたいと思います。
○平田政府委員 一般論として申し上げますと、我が国周辺水域における中国や韓国漁船の操業に関連して先生御指摘のような御意見も出ておるわけでございますが、これまで申し上げておりますとおり、中国や韓国周辺水域へ出漁している我が国漁船への影響、あるいは現在の日中、日韓の漁業秩序、それらの関連、さらには日中、日韓関係全般に与える影響、そういうものを総合的に勘案をして慎重に検討していかなければならない問題である、このように考えております。
○古堅委員 去る三月二十九日の参議院における農水委員会で、日本共産党の高崎裕子議員がこの問題について質問しています。畑英次郎農水大臣は、日韓あるいはまた先ほどの日中関係等々この二百海里の方向に向けましてのただいま取り組みが展開されているという、そういう趣旨のことをおっしゃった。この問題は、これからいろいろあろうけれども、関係する国との話し合いを進めて二百海里水域採用、適用のそういう方向に進めようという方向に行くのか、あるいはそういうことについては外務省としては、いろいろ問題がありましてということで考えていないというふうな、単なるそういうことなのか。そこらあたり、今後の方向にもかかわる問題だと思うので、念を押してもう一度お聞かせいただきたいと思います。
○平田政府委員 漁業だけを考えたときには先生御指摘のようなお考えが出てくるのだろうというふうに思うわけでございますが、やはり、先ほども申し上げましたように全般的な日中、日韓関係ということを慎重に考えていかなければいけないのではないか、私はそのように思っております。
○古堅委員 農水省の進めようとしている今ありました大臣の参議院の農水委員会における答弁というのは、その限りにおいては外務省としては別に異議を挟むとかいうふうなことではないという意味合いを今持たれておるのですか。
○竹内説明員 日本近海の漁業の操業の問題につきまして韓国との間におっしゃいますようなトラブルというのがございます。それから中国との間にもございます。この漁業の問題としては、我々といたしましては、これは農水省も外務省も一丸となって対応しているわけでございます。 具体的に申し上げますと、韓国との間におきましては現在、実務者協議というのを行っております。その実務者協議の中におきまして、資源管理問題それから操業トラブルの防止等の問題について議論をすることを日本側からも提案しておりま す。 それからこの中で、韓国漁船の不法操業問題のほか、両国周辺水域の資源の適切な管理の問題等についても十分な話し合いを行い、安定的な漁業関係というものが構築されますよう、新たな枠組みの構築に向けた韓国側の積極的な対応というものを呼びかけていきたいというふうに考えておるところでございます。
○古堅委員 時間が来ましたから終わります。
○菅委員長 これにて各件に対する質疑は終了いたしました。 ─────────────
○菅委員長 これより各件に対する討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 千九百六十九年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約の議定書の締結について承認を求めるの件、千九百七十一年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約の議定書の締結について承認を求めるの件、千九百六十九年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約を改正する千九百九十二年の議定書の締結について承認を求めるの件及び千九百七十一年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約を改正する千九百九十二年の議定書の締結について承認を求めるの件、以上四件を一括して採決いたします。 各件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○菅委員長 起立総員。よって、各件は承認すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました各件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ────◇─────
○菅委員長 次に、オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正の受諾について承認を求めるの件、国際電気通信連合憲章及び国際電気通信連合条約の締結について承認を求めるの件、国際電気通信連合憲章、国際電気通信連合条約及び業務規則に係る紛争の義務的解決に関する選択議定書の締結について承認を求めるの件及び千九百九十三年の国際ココア協定の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。 これより順次政府から提案理由の説明を聴取いたします。外務政務次官平田米男君。 ───────────── オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正の受諾について承認を求めるの件 国際電気通信連合憲章及び国際電気通信連合条約の締結について承認を求めるの件 国際電気通信連合憲章、国際電気通信連合条約及び業務規則に係る紛争の義務的解決に関する選択議定書の締結について承認を求めるの件 千九百九十三年の国際ココア協定の締結について承認を求めるの件 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○平田政府委員 ただいま議題となりましたオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正の受諾について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 この改正は、平成四年十一月にコペンハーゲンで開催されたオゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の締約国の第四回会合において採択されたものであります。 この改正は、オゾン層を保護するための措置を強化するとの観点から、生産、消費等の規制の対象となる物質の範囲を拡大すること等を目的とするものであります。 我が国がこの改正を受諾し、オゾン層の保護に関する国際的な取り組みに一層積極的に参加することは、環境保全の分野における国際協力を推進するとの見地から有意義であると認められます。 よって、ここに、この改正の受諾について御承認を求める次第であります。 次に、国際電気通信連合憲章及び国際電気通信連合条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 この憲章及びその補足文書として同時に一括して締結することが求められているこの条約は、平成四年十二月にジュネーブで開催された国際電気通信連合の全権委員会議において作成されたものであり、我が国は、同会議において同年十二月二十二日にこの憲章及び条約に署名しております。 この憲章及び条約は、千九百八十二年の国際電気通信条約にかわる国際電気通信連合の新たな文書であって、同連合の組織等に関する規定に所要の改正を加えたものであります。 我が国がこの憲章及び条約を締結することは、我が国の国際電気通信業務を引き続き円滑に運営し、また、電気通信分野における国際協力を一層推進する見地から有意義であると認められます。 よって、ここに、この憲章及び条約の締結について御承認を求める次第であります。 次に、国際電気通信連合憲章、国際電気通信連合条約及び業務規則に係る紛争の義務的解決に関する選択議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 この選択議定書は、平成四年十二月にジュネーブで開催された国際電気通信連合の全権委員会議において作成されたものであり、我が国は、同会議において同年十二月二十二日にこの選択議定書に署名しております。 この選択議定書は、現行の紛争の義務的解決に関する選択追加議定書にかわるものであって、国際電気通信連合憲章等の解釈または適用に関する紛争をいずれか一方の紛争当事国の請求により義務的仲裁に付することができるようにするものであります。 我が国がこの選択議定書を締結することは、電気通信分野における国際協力を一層推進する見地から有意義であると認められます。 よって、ここに、この選択議定書の締結について御承認を求める次第であります。 最後に、千九百九十三年の国際ココア協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 この協定は、千九百八十六年の国際ココア協定にかわるものとして、平成五年七月十六日に、ジュネーブで開催された国際連合ココア会議において採択されたものであります。 この協定は、国際ココア機関の加盟輸出国による生産管理、すべての加盟国による消費振興、加盟国間の情報の交換等によって世界のココア市場の安定に寄与することを目的とするものであります。 我が国は、千九百七十二年の協定以来国際ココア協定の締約国となっており、我が国がこの協定を締結することは、世界のココア市場の安定に寄与するとともに、開発途上にあるココア生産国の経済発展に引き続き協力する等の見地から有意義であると認められます。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 以上四件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。
○菅委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 各件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 ────◇─────
○菅委員長 この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 本日の委員異動に伴い、理事が一名欠員になっ ております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅委員長 御異議なしと認めます。 それでは、理事に高市早苗君を指名いたします。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時四十二分散会 ────◇─────