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129回国会衆議院1994/06/08

外務委員会 第4号

発言数
231
登壇者
26
会派数
8
開催日
1994/06/08

会議録

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 これより会議を開きます。  航空業務に関する日本国とブルネイ・ダルサラーム国との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国政府とモンゴル国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国政府とハンガリー共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国と南アフリカ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とジョルダン・ハシェミット国王との間の協定の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国政府とヴィエトナム社会主義共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。原田昇左右君。

原田昇左右自由民主党・自由国民会議

○原田(昇)委員 私は、六月三日でしたか金曜日に、外務大臣に対し北朝鮮の核開発問題に対して質問をさせていただきました。その後、四日には日米韓三者協議が行われ、プレスリリースもありましたし、また、国連あるいはIAEA等においていろいろ協議が行われておると聞いております。  日本政府もまたこれに対して、何かきのうの新聞によりますと総理が四項目指示したとかいうようなことでございますが、ぜひこの間の外務大臣の所信、並びにこれからの対応について明確にひとつ、国民に知らせるという意味でお答えいただきたいと思います。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 先日、当委員会におきまして原田議員から御質問がございましたときは、ちょうどIAEAのブリックス事務局長が国連事務総長に対して書簡を発出したという事実が判明をいたした段階で、まだ中身まで正確に把握をしておりませんでした。  しかしその後、ブリックス事務局長の書簡の中には、五メガワット実験炉の炉心の燃料棒の引き出しが急速に行われて、今後、軍事転用の有無をその点から検証することが不可能になったということが明確に述べられておりまして、その意味で、今後の処理については国連安全保障理事会に任せるといいますか、そういう事態を報告するという内容になっているわけでございます。  その後、きのうもIAEAの理事会は開かれておりますが、北朝鮮のその他の、特別査察を拒否しております二施設について査察を認めるべきであるという意見をIAEAの方は出しております。そこのところに北朝鮮がどう反応するかというのが現在IAEAとの関係では残された問題でございます。  その拒否している二施設についてもしも北朝鮮が査察を認めるならば、五メガワット実験炉の観点から軍事不転用の検証は難しくなったけれども、過去において転用があったかなかったかについては、その二施設の特別査察を行えばある程度の情報は得られるのではないかということでその査察を要望しているのだと思っております。そこに若干の検証の余地というのが残っているという点をにじませているのではないかと思います。  それから国連の方は、IAEAの書簡を受けまして、これについて国連としてどう対応するかということが今週の大きなテーマでございます。  日本と韓国は北朝鮮の近隣国であり、この問題に重大な関心を持っている国でございますけれども、残念ながら安全保障理事会のメンバーではございません。その意味で、安保理のメンバーであるアメリカとしては事前に日本と韓国とはいろいろな安保理における対応を相談をしておきたいということで呼びかけがありまして、週末にかけて日本からも柳井総政局長を派遣したわけでございます。  そこにおきましては、今後の国連における対応のあり方等、議論をされました。それからまた、過去のイラクその他の制裁措置等の例も話し合いの対象になりました。しかしその内容については、三者の申し合わせによりまして当面公にすることは差し控えたいということもございますので、細かい内容についてはひとつお許しをいただきたいと思っております。  ただ、この際、原田先生の御指摘でございますので、日本政府の態度はどうかということについてだけ申し上げますと、日本政府としては、あくまでも話し合いによってこの問題を解決し、そして北朝鮮がIAEAの査察を受け入れることにより国際社会から受けている核開発疑惑を晴らすことが大事である、そういう意味ではそうした方向に北朝鮮を翻意させるための措置を検討すべきである、しかも段階的にやるべきであるということを日本の考え方としては表明をいたしております。

原田昇左右自由民主党・自由国民会議

○原田(昇)委員 今の外務大臣のお話についてさらにお伺いしたい点は、査察の問題については、この前もちょっと不明確だったのですが、要は今の燃料棒の取り出しは、これはもう査察してもなかなかわからなくなっちゃったということはわかりますけれども、結局プルトニウムを生産するところは、化学処理で一回溶かして何か抽出するような装置があるわけですからね。これはどこでも同じだと思うのです、硝酸か何か使ってやるのでしょう。そういうところの施設の査察をやるとか、これはやはりきちっとしないといかぬ問題だと思うのです。  一つだけの方法じゃなくていろいろな方法があるのでしょうから、一つがだめだったからもうすべてだめといったのじゃ国民は納得しませんよ。我々も、ちょっとおかしいな、こういう感じになりますからね。  その辺はひとつ、ぜひ日本政府は、原爆を製造したことはないけれども、少なくとも原子炉についての専門家はいるし、プルトニウムの抽出も、再処理施設をつくっておるわけですから、十分な知見がある。その辺は十分駆使してIAEAにも進言をし、ひとつ積極的な外交を展開していただきたい。私たちが納得し得る、これ以上越えられたらもうだめだとか、その辺がはっきりしないというのじゃ困りますから、その辺ぜひお願いしておきたいと思います。  それから次に、三カ国協議の問題です。柳井局長おいでですから、中身は話せないという話ですが、新聞によりますと、アメリカは、二つ重要な点がある、一つは送金の停止だ、日本だ、もう一つは中国から油の供給だ、これを停止するということが経済封鎖にとってバイタルな二つである、こういうことを指摘したということが出ておりますが、果たしてそうですが。

柳井俊二外務省総合外交政策局長

○柳井政府委員 三者協議につきまして御報告申し上げたいと存じます。  今回の協議におきましては、これは事務的でかつ非公式な協議ということでございましたので、そこで何らかの制裁措置について合意をするということではございませんでした。ただ、先ほど大臣からもお話がございましたように、三カ国とも過去いろいろな制裁を行った経験がございますので、そういうような経験に基づきまして、いろいろな具体的な、考え得る制裁措置の利害得失、問題点等について意見交換をしたわけでございます。  その一環といたしまして、またアメリカの国内のいろいろな意見として、ただいま先生がお挙げになりましたような措置、すなわち中国には貿易をとめてもらう。特に石油の供給は中国に北朝鮮が仰いでいるところが多うございますので、この石油の輸出をとめてもらう。それから我が国からの送金、これは余り根拠のない数字でございますが、いわばある種の数字がひとり歩きしておりまして、これが相当の額に上がるということで、これをとめてもらいたいというようなことが、アメリカのマスコミあるいは議会等でそういう意見が強いというような紹介がございました。  そういう意味で、この二つの方法についても意見交換は行われましたけれども、具体的に何らか決めたということではございません。

原田昇左右自由民主党・自由国民会議

○原田(昇)委員 大臣にお伺いしますが、今三者協議でもいろいろお話しになっておられるようでございますが、結局、先ほど大臣がおっしゃったようにやはり話し合い路線というのが一番大事だと思うのですね。  それで、特に、大臣が中国外務次官とお会いになったとき、二つのことを中国は言ったと。一つは朝鮮半島に核はないことを望むということと、朝鮮半島の平和と安定を望むのだ、これは日本の路線と全く一致しておると思うのですね。それなら、まさに中国と話し合うことこそ北朝鮮との話し合いの糸口をつかむ一番の道ではないか。日本がそれをやる立場にあるのではないか。だから、大臣も韓国へ行かれるそうですが、中国へ行かれたらどうですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 御指摘のように本問題につきましては中国の関与というものが非常に重要な役割を担うことになると思います。その意味で、中国との話し合いを私どもも重視をしてまいりまして、この間もトウカセン外交副部長、日本の外務次官に当たるわけですが、日本に来たときにも私はあえてその話し合いをしたわけでございます。  今回、週末、これは国会のお許しをいただいての話でございますが、日韓定期協議もございましたので韓国へ行くことにいたしました。その予定の中で、何とか中国にも行って話ができないかということで中国側とも相談をいたしておりましたが、大変短い時間でなかなか苦しいのですけれども、先方の方も話し合いに応ずるという方針のようでございますので、何とかこの週末には中国へも行きまして、中国首脳部とも話し合いをしてまいりたい。先ほど申しましたような線で中国とも話をしてきたいというふうに考えております。

原田昇左右自由民主党・自由国民会議

○原田(昇)委員 ぜひその線を進めていただきたいと思います。  なお大臣、私ちょっと調べてみたのですが、中江さんという前の外務省のアジア局長をやった方、「朝鮮半島と日本」というので書いておられる。これは大変立派な考え方だと思うのですね。  日本という立場、やはりアメリカの言いなりじゃなくて、アジアにいて、しかもすぐ目先に朝鮮半島はあるのですから、その立場というのは、やはり若干アメリカとは考え方は違っていいはずですよ。むしろアメリカに我々の立場をよく伝えて、そして中国ともよく話をするということが非常に大事だと私は思うのです、この話は。  どうも安保理事会に対してもう制裁、制裁、こう来ておるのですが、私はそれより前に、そして圧力を余りかけ過ぎてもよくないわけですから、少しその辺はぜひ日本らしい外交を、独自の外交をひとつ展開していただきたい。この北朝鮮問題こそ日本の外交にとっての一番の試練であり、試金石だと思う。ぜひお願いしたい。今のお答えをちょっといただきたい。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 原田先生御指摘のとおり、北朝鮮の核開発疑惑は北東アジアの安全にとって重大な問題でございます。そういう意味では直接安全保障上の脅威を感ずるのは韓国であり、我が国でございます。その意味でも、我が国が独自の立場からこの問題に取り組んでいくことは大事なことだと思っております。  ただ、アメリカ側も、米朝交渉重視という北朝鮮側の姿勢に対応して粘り強く一年半にわたって話をしてまいりましたが、なかなかその路線に乗ってこないといういら立ちがあることも事実でございます。その点で、やはりアメリカ側の姿勢にも我々は理解を示し、そして国際社会として北朝鮮側を翻意させるべく、これも共同の姿勢をとっていかなきゃいけないという点もございますので、その点もぜひ御理解をいただきたいと思っております。

原田昇左右自由民主党・自由国民会議

○原田(昇)委員 しっかり頑張っていただきたいと思います。  次に、国際司法裁判所から核兵器使用の違法性について我が国の陳述書を提出せよという話があるそうですが、これについて外務省はどういう対応をしようとしておられますか。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 これは、WHOから国際司法裁判所に対しまして、核兵器使用が国際法上違法であるかどうかについて各国の意見を聴取してほしいという要望といいますか、要請書がありまして、それに基づいて、国際司法裁判所が加盟各国に対しての意見の提出を求めているわけでございます。  その提出期限が六月十日ということになっておりますので、政府部内におきましてその取りまとめを急いでまいったところでございまして、その過程で、政府・与党その他の皆様にも御相談をして取りまとめをしているところでございます。

原田昇左右自由民主党・自由国民会議

○原田(昇)委員 そこで、核兵器の使用は、これはその絶大な破壊力、あるいは環境の破壊とか人畜の大量殺りくとか、そういうことからいえば、国際法の思想的基盤にある人道主義の精神にまさしく合致しないということが言えるのではないか。したがって、たとえ実体法の規定があるとかないとかいう議論があっても、私はこれは国際法の精神に合致しないし、国際法上この核兵器の使用というのは適法でないというように考えていいのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 この点につきましては、陳述書の内容の全部につきまして表現を現在の段階で固めたということではございませんので、基本的な考え方を御説明させていただきたいと思います。  まず第一に、核兵器の使用というものは、今先生のお言葉の中でもそういう意味で使われたと思いますけれども、その絶大な破壊力あるいは殺傷力というものを考えれば、国際法の思想的な基盤であるところの人道主義というものに合致しないのじゃないかという点につきましては、まことにおっしゃるとおりでございまして、私たちはこの日本政府の陳述書の中にその点は明確に述べたいというふうに考えております。  それから、第二番目に、何といっても日本は唯一の被爆国でございまして、核兵器が二度と使用されてはならぬということは非常に強く考えておるわけでございます。  そういう意味で、現在の国際社会は確かに核の抑止力というものによって支えられている面があることは否定はできないわけですけれども、その核の抑止力に依存しなくてもいいような意味での核の廃絶に向けて日本としてはやはり努力していくべきだということも、あるいは国際社会全体として努力すべきだということもあわせて述べたいと思っております。  ただ、あくまでも純粋に法律的あるいは条約的な観点からすれば、いずれ将来は、先ほど申し上げたような目標に向かって人類は進むべきであると思いますけれども、現実に今日の時点で見ますと、核の抑止力といったようなこともございまして、実定法上、核兵器の使用がストレートに国際法に違反するというところまでは言い切れないのじゃないか。  以上、私は三点を申し上げましたけれども、その三点をどういう形でどこに力点を置いてということは、まさに国会の御意見、いろいろ世論の御意見を念頭に置きまして、どういう形でその三点を表現するかを現在検討中であるということで御理解をいただきたいというふうに考えます。

原田昇左右自由民主党・自由国民会議

○原田(昇)委員 今の御答弁でよくわかりました。  大体そういう線で結構だと思いますけれども、しかし、この実定法上のところについては、私がちょっと調べたところでは、広島・長崎原爆判決というので、これは国際法違反だというのが出ているのですね。  それから、核兵器使用禁止決議というのが国連で行われておりまして、その中で、核兵器の使用は、戦争の範囲を超え、人類と文明に対し無差別の苦しみと破壊を引き起こし、国際法規と人道法に違反するものであるとちゃんと書いてある。宣言している。  それからなお、陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約というのがあって、これはヘーグの陸戦規則というのですか、それによれば、無防備都市を攻撃することは国際法違反であるし、軍事目標以外のものを大量に破壊するということは国際法違反ということになっておるわけですね。したがって、今のお答えの中で、実定法上の問題においてもこれは国際法に反するのではないかという議論ができるのではないかと思います。  諸説いろいろあろうと思いますから、ここで法律論をやる意思はありませんけれども、政治的判断として、今非常に大事な朝鮮半島のまさに核の問題を議論しているときに、核兵器の使用が国際法に合致するなんということを言ってしまったら、これは何だという話になるじゃないですか。その点もぜひ御考慮いただきたい。外務大臣、答弁してください。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 今原田先生から御指摘のような点も念頭に置いて取りまとめを指示しているところでございます。  実定法上の解釈だけが外務省の意見であるかのごとく指摘をされまして、御批判をいただいておりますが、そういうことではない。日本政府としてバランスのある判断をしながら答弁をしていきたいと考えております。

原田昇左右自由民主党・自由国民会議

○原田(昇)委員 では、時間です。終わります。

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 秋葉忠利君。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 引き続き国際司法裁判所に対する我が国の態度について質問をいたします。  今最後に外務大臣、その実定法上の解釈だけが我が国の態度ではないというふうにおっしゃいましたが、もう少し正確に問題を把握するところから始めたいと思います。  「裁判所の勧告的意見が求められている問題は次の通りである。」これは外務省からいただいた文書です。そこに引用されている文章ですが、「健康と環境に与える影響の観点から、国家による戦時又は他の武力紛争における核兵器の使用は、WHO憲章を含む国際法上の義務に違反するか」というのが勧告を求められている命題です。  ですから、日本政府が答えるべき内容というのは、実は一番短い場合にはイエスかノーかで答えられる内容です。それ以外の点については、それは意見を述べても当然でしょうけれども、しかしながら意見を述べる必要はない。意見を述べなくても問題にされることは全くないはずです。  というところでお答えいただきたいのですが、このWHO憲章を含む国際法上の義務に違反するかどうか。イエスかノーかでお答えいただきたい。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 秋葉委員はイエスかノーかというふうにおっしゃいましたけれども、イエス、完全にイエス、完全にノーという答えが必ずしも現実政治の上で言えないというのが実態ではないかと思っております。  その点は、今条約局長からお話がありましたように、国際法違反かどうかという点については、我が国の国内でも、また国際社会においてもさまざまな学説、判例等がございます。また、将来にわたって核のない世界をつくらなければならない、これは国際政治の大きな課題であろうかと思いますが、現実政治において核の抑止力によって平和が維持されているという現実も、これは一〇〇%否定することはできません。  そうした点を勘案しながら、先ほど申しましたように、国民の感情、そして国際社会の実態、両方を勘案しながら答弁書をつくっていきたいというふうに考えております。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 それでは答えにならないので、ここに出されている命題は国際法違反になるかどうかということです。今おっしゃったことは、要するに国際法上の義務に違反する、つまり国際法違反とまでは言えないということですね。ですから、違反と言えるかどうかということに関してはノーという答えだというふうに論理的には結論されなくてはならないお答えだと思いますが、再び確認いたします。そういうことで、ノーということでよろしいわけですね。

高野幸二郎外務省総合外交政策局国際社会協力部長

○高野政府委員 先ほど来大臣がお答え申し上げているとおりでございまして、この種の問題の場合についても、黒か白かということだけでは我が国の立場を明らかにすることはできませんで、私どもが今現在考えております基本的には実定法上違法とは言い切れないという言い方をした場合に、我が国の立場が誤解されることもありませんし、わからぬということもないのではないかというふうに、つまり理解されるものと考えております。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 全然答えになっていないのです。つまり、イエスと答えた後、しかしながらそれは、これこれこういう理由ですとか、ノーと答えた後、それについて説明するということじゃなくちゃいけないわけでしょう。  結局ここで求められていることは、イエスかノーなんですよ。それに対してはっきりと答えた後で、しかしながら、この背景はこうこうですということを説明するのが説得力ある回答の仕方だと思います。  事実そのとおりのことをやっているわけですから、甘い答えをするのではなくて、きちんと論理的に厳密に態度を決めた後でそれをきちっと説明するということでないとこういった問題についての整理はつかないと思います。  ですから、その点についてあえて苦言を申し上げて先に進みますけれども、外務省のあるいはこれまでの政府の態度というのは、国際法違反とは言えない、しかしながら、国際法の精神に反するという解釈、手短に言うとそういう解釈だというふうに思いますけれども、それでよろしいでしょうか。一言でお願いします。

高野幸二郎外務省総合外交政策局国際社会協力部長

○高野政府委員 さようでございます。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 そうしますと、実定法上の問題と精神の問題があるのですけれども、国際法上、実定法というところとそれから精神のところの線引きというところをお聞きしたいのですけれども、実定法の中に入るものはどういうものですか。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 国際法は、兵器でございますね、通常、害敵手段と呼ばれておりますけれども、害敵手段につきまして、軍事的効果と人道主義等の要請とを勘案いたしまして一定の制限を設けてきておることは御承知のとおりでございますが、このような意味におきまして、人道主義の精神が国際法の思想的な基盤に立っている。  しかしながら、人道主義の考え方が要求するところがすべて法規範化しているかというと、必ずしも人道主義が全部国際法の実定法上のものになっているということにはなっていないということでございます。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 済みません。私が伺ったのは、私は国際法の素人ですから、専門家である外務省のお役人に伺っているのは、実定法とは何を指し、精神という範疇に属するのはどういうものを指すのかということを言っているわけです。  実定法の中には、恐らく条約が入るでしょう。それから国連決議も入るのだと思います。あるいは裁判所の判決というのも入るのだと思います。精神というのは、そうすると一体どこで線を引くのか、そこのところを伺っているわけです。  明確なその境界線がなければ、実定法では違反ではないけれども、精神の上では国際法違反と同じようなことだというようなことは言えないわけですから、その線引きをはっきり伺っているわけでございます。  ですから、内容について聞いているわけじゃありません。時間が少ないものですから、たくさん聞きたいことがありますから、私が伺っていることをぜひ答えてください。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 どうも失礼いたしました。  その精神のところにつきましては、私は、先ほどの原田先生に対する説明、それからたった今申し上げた中に既に含まれていると思います。  先生のおっしゃっておられる実定法とは何か。これも全部を挙げますと大変時間がかかりますので、その有名なものだけを拾って挙げさせていただきますと、例えば一八六八年のセントピータースブルグ宣言、これは四百グラム以下の炸裂弾及び焼夷弾の禁止に関する宣言となっておりますが、基本的には法的な効果を持つ、いわゆる条約に該当するものです。それから、一八九九年の窒息性または有毒性のガスを散布することを禁止する宣言、これは毒ガス禁止宣言と言われておりますけれども、これもその実定法に当たります。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 お答えの途中で大変申しわけないのですが、私が伺っているのは個々の条約のことではなくて、実定法とそれから精神との境界の、抽象的といいますか、理論的な線引きの基準といいますか、そこを伺っているのです。  ですから、条約とか明文化されたものは実定法という範囲に入るけれども、しかしながら、人道上の精神なんというのはこっちですよとか、それから、精神というのは要するに人道上の問題ということだけれども、それ以外は全部実定法の中に入るのだとか、そういう簡単な基準を伺っているので、一つ一つ例示して全部言えということを伺っているわけではありません。  わからないから聞いているので、私の定義に従って進めてよろしいのだったらそれでやりましょう。ちょっと時間がもったいないですから、そういうことでお願いします。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 私も余り国際法の専門家ではありませんが、例えばWHO憲章に基づいてとここに書いてございますけれども、このWHO憲章というのはどちらかというと精神だろうと思います。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 そうすると、国連憲章も精神ですか。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 申しわけありません。その実定法を、先生お時間の制限があることはわかりますので、全部読むことはいたしませんけれども、先ほどのような毒ガスの問題、あるいは特別に敷設される海底水雷の規制の問題、あるいは細菌兵器を禁止するといったような条約、あるいはその他このたぐいのものを明確に個々の条約で定めておるもの、それを私たちは実定法と申し上げておるわけでございます。  したがいまして、もちろん人を殺傷するということ自身は、それ自身もう人道上問題があるわけです。しかも、これまで戦争といいますか武力行使の中で現実にそういうことが行われてきたわけですが、先ほど申し上げた大量の破壊兵器というものが特に人道上問題じゃないか。  しかし、今核について考えてみますと、人道上問題ではあるけれども、先ほど申し上げたような個々の条約に照らして、核兵器の使用というものがまだ国際社会の中で、明確な個々の条約で禁止される段階までには至っていないということを申し上げている次第でございます。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 別の観点から伺いますけれども、実定法というものの定義をこの場ではきちんとおできにならないようですから、線引きをどこにするのか明確にしていただきたい。これは、我が国の核兵器使用に対する態度を決める上で非常に重要な問題ですから、そこをあいまいにしておいては、これは話になりません。  実定法上は国際法違反じゃないということを言うのだったら、それはきちんとした定義を与えた上でやっていただきたい。そこのところをお願いしておきます。  それで、また別の問題ですが、外務省が大変熱心に推進をしておられるPKOですけれども、このPKOという活動について、これは実定法上の規定がどこにあるのか、これを伺いたい。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 実定法とは何かという点についてだけ……

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 それはもう結構です。PKOについて答えてください。

柳井俊二外務省総合外交政策局長

○柳井政府委員 お答えを申し上げます。  PKOにつきましては、先生も御案内のとおり、長年にわたりまして、約四十数年になると思いますが、国連の慣行を通じてできてきた制度であるというふうに考えております。明文の規定は憲章にはございません。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 一方において、実定法上の規定がないPKOについては非常に熱心にこれに協力するあるいは推進をするという態度をとっておきながら、我が国にとって非常に関心のある、そして我が国の国民にとっても非常に重大な問題である核兵器の使用という問題については、実定法というあえて非常に抽象的な、意味のない概念を持ち出してきて、これは国際法違反ではないというような言辞を弄する。私は、こういった矛盾は、我が国の唯一被爆国という立場、それから、これからの世界における役割を果たす上で非常に重要な矛盾だと思います。  実定法上の規定ということがそれほど重要であれば、PKOに関しても同じように、実定法上の規定がないから、根拠がないから、国連憲章に規定がないものだから我が国は協力しないという態度をとるのだったらまだわかります。そのあたりの論理的な整理、法律的な整理をぜひやっていただきたい。それがなければ到底こういった法理は私は通らないと思います。  時間がありませんので、この点についてもまだ議論をしたいところですけれども、第二の点に移りたいと思います。  実定法上の規定がある例として、核兵器に関する点ですけれども、非核保有国が核を保有するということに対してはこれを禁止する実定法上の規定がありますが、その実定法上の規定、これを一つだけ挙げてください。済みません、クイズ形式になって申しわけありませんが。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○林(暘)政府委員 核不拡散条約というのがございまして、それによりますと……

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 ありがとうございます。それで結構です。  そうしますと、今のお答えですと核兵器を持つことは実定法によって禁止をされている。外務省の解釈によりますと、ところが、この実定法という基準を当てはめると、持つことは悪いけれども、しかしながらそれを使って大量に、例えば広島や長崎のような多くの被爆者をつくり出すことは、これは悪くないというようなことを結論としておっしゃっている、それが意図しているところかどうかわかりませんが。  ところがこれは、こういった問題について、人を殺傷するということに関してあるいはそれに至るプロセスについての社会的な常識と非常に大きく食い違います。これは恐らく世界共通の法概念だと思います。  そこで伺いますけれども、我々の国内の例で、だれにも非常にわかりやすい例を挙げたいと思いますが、例えばけん銃を持っていることと、そのけん銃を使って人を殺すことの意味、これもどちらがより重要であって、どちらが法律によって厳しく規定をされなくてはいけないかということを考えると、これは明白だと思います。  法制局に伺いますけれども、殺人の場合には、つまりこれは最終的に核兵器を使用することに相当するわけですが、この場合刑法の百九十九条で、その罰則というのは、死刑または無期懲役または三年以上の懲役というふうになっていると思いますし、それから、法律に違反してけん銃を所持していた場合の処罰というのは、十年以下の懲役または百万円以下の罰金ということで、その刑の重みがはっきりと違っている。  これは法律としてどちらの方がより厳しく禁止されなくてはいけないかという一般的な法概念を示していると思いますけれども、一般的な議論としてそういった解釈で正しいのかどうか。法制局、答えていただけたらありがたいと思います。

津野修内閣法制局第一部長

○津野政府委員 国内法の、刑法のお話をおっしゃっておられる、あるいは銃砲取締法等とかの関係もございますが、その関係のお話をされておると思います。  基本的に、社会的な法益侵害というところから刑法なりそういった法律の規制というのは評価されるべきものでございまして、侵害の大きさというところからそれぞれの刑罰の重さ、そういうものが決まってきているというふうに私どもは考えているところでございます。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 ありがとうございました。  私の申し上げたことをそのまま、より法律的な観点からパラフレーズしていただきましたけれども、となると本当に非常におかしなことになるのです。  現在国際的に問題になっている北朝鮮の場合を考えてみていただきたい。今北朝鮮が核を持つかどうかということに対しては非常に大きな議論がなされている。制裁をするかどうかというようなことさえ考えている。これは実定法上の規定があるから当然だと言われれば当然だと思います。  しかしながら、その北朝鮮が仮に、こういうことがあってほしくはありませんけれども、仮にその核を使った場合には、日本としては国際法上違反だということが言えなくなる。  持つことについては大騒ぎするけれども、使った場合には一言も国際法上違反だというようなことは言えない。これはだれにとっても納得のいく議論ではないのじゃないかと思います。特に核兵器というものによって人類初めて惨禍を味わった日本にとっては、私は歴史上大きな禍根を残す態度だと思います。  この矛盾をどういうふうに解消されるのか、その点について一言伺いたいと思います。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 核不拡散条約の目的は、これ以上に核保有国をふやすことなく核削減に向かって努力をするという法律的な効果を、条約上の効果をねらったものであろうかと思います。この意味ではこの体制を守っていくことは究極的な核廃絶につながるものというふうに思いますので、それはそれで私どもは推進すべき政策だと思っております。  使用した場合には、それでは実定法上の違反にならない、国際法違反にならないじゃないかという点については、確かに御指摘の面はございます。しかしこの点は、先ほど来申し上げておりますように、東西冷戦構造の中で大量の核を持つ米ソ両国による核抑止力で世界の平和が維持されていたという事態を一応現実のものとして、これは望ましいことではありませんが、認めながら、その両国の核削減も同時に図っていくというのが核不拡散条約の中にも規定されているわけでございまして、そういう意味では両者は必ずしも矛盾するものとは考えておりません。  ただ、できることなら将来、核の不使用という方向へ向かっていくことを我々は望んでおりますし、そういう方向で努力しなければならないというふうに考えております。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 そのお考えは何度も伺っておりますけれども、ここで私が申し上げているのは、その理由づけとは別に、今申し上げたように核を持つことについては、これは実定法上の規定があって、だからそれはだめだ、国際法上だめだ。しかしながら、使うことについては国際法違反ではないよということを足すと、その論理的な帰結としては本当に我々の社会常識に反するようなおかしな態度をとっていることになるのですよ。それはやはり非常に重いこととして受けとめてもらわなくちゃ困るということを申し上げているのです。  こういうことを言うと、ちょっと例えが悪いのですが、これは怒らないでください。ほかの例えを思いつかないものですから。決してだれだれが泥棒と言っているんじゃないのですけれども、泥棒にも三分の理、つまりどのような立場にある人にとっても理屈というのはっくのです。  しかしながら、大事なのは、社会一般で正義とか、こういうことはやっていいのだ、いけないのだという非常に大きな理屈というのがあると思うのです。それはやはり人を殺すことの方が鉄砲を持っていることよりも悪いことなのだという判断だと私は思います。  そういった常識をやはりきちんと国際的な場でも私たちが述べていくことが非常に大事なことなんじゃないでしょうか。そのことを改めて申し上げて、変な例えを使ったことは不穏当であったらおわびをいたしますけれども、次の点に移りたいと思います。  国際法上の問題国際司法裁判所から回答をしてほしいと言ってきている問題について、実定法上の問題であるかどうかということ、実定法上の観点に絞って日本が答えをするということは、実は非常に日本の立場からして好ましいものではないのじゃないか。つまり、実定法上云々ということは、法律的な知識、国際法の知識がある程度ある人だったらだれでも答えられる、そういうたぐいの答えです。  それに対して、少なくとも核兵器の問題については、日本は世界の各国と比べて、絶対にこれはほかの国にはまねのできない、これは悲惨な体験ですけれども、ほかの国は持っていない非常にユニークな立場にあると思います。  こういった問題について、ほかの国では当然発言できないようなその日本のユニークさを生かす。その日本の立場というものを十分に生かして、それを将来の世界の方向に役立てるような、そういった立場からの発言こそが私は日本の国際貢献の中心になるべきだというふうに思いますけれども、その一般原則について大臣はどうお考えになりますか。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 秋葉先生のお考え、大変妥当なものであろうと思いますので、その方向でできるだけ努力をいたします。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 それで、今回のこの国際司法裁判所への陳述を準備するに当たって、外務省は、例えば広島や長崎の被爆者の声を改めて聞くということをおやりになっていますか。

高野幸二郎外務省総合外交政策局国際社会協力部長

○高野政府委員 お尋ねの件につきましては、今日に至るまで、広島、長崎の方々のみならずいろいろな方面の方々から接触がございました。私どもお話しさせていただいておりますし、それからごく最近に至りましても、先方様の方からいろいろ話をしたいという申し入れがございまして、私どもできる限りお話しする機会を持つように対応しているところでございます。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 私自身も要望を承ったことがございます。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 要望があったというのは事実です。私も参りました。ですから、要望があったということは事実ですが、問題は、それを本当に謙虚に聞いて、どういうふうに反映したかということです。答えの中には反映されていないじゃないですか。  実定法上の問題で国際法違反ではないというところが、実はさっき私が一番最初に申し上げたイエスかノーかで答えられる国際司法裁判所から日本に対して投げかけられている疑問です。それを答えるに当たって、実定法上の問題というところに狭く問題を絞って答えているのが政府の態度ではないですか。  ですから、そこのところには被爆者の声というのは全く生かされておりませんし、それから、個人的なことを申し上げてなんですけれども、私が申し入れに被爆者の代表それから弁護士と一緒に参りましたときは、その時点ではまだ回答するかどうかも決めていないというのが外務省の態度でした。実際に答えをつくる段階になったら、いろいろ考えていることもあるしこれまでの蓄積もあるから、ぜひ話を聞いてくださいということを申し上げてきた。それから具体的に回答の作成に入っても、我々の方には何らの連絡もなかった。  ですから、少なくとも、私の知っている、私が一緒に行った被爆者の声は聞いていないというのが現状です。それをあたかも聞いたことがあるかのように言ってもらっては困ります。まあ恐らくそれとは別のところで聞いているのでしょう。  ただ、ここで一言お願いを申し上げておきたいのです。時間がありませんのでまとめたいと思いますが、恐らくこういった国際法上の問題について被爆者は、はっきり申し上げてほとんどの被爆者は素人です。ですから、私と同じように国際法上の専門家ではないという立場からお願いをしているわけですが、その被爆者あるいは日本国民が外務省に対してどういう期待を持っているかというと、自分たちの熱い思いがそのまま国際法上の非常に影響力のあるステートメントになるとはだれも思っていないのです。  そこのところは、人間としての叫びはそれは重いのですから、専門家である外務省が彼らのいわば弁護人となって、自分たちの思いを国際法の場であるいは国際司法裁判所の場で通じるようなきちんとした法律的な裏づけのある声に変えていってもらいたいということを彼らは期待しているわけです。その期待にぜひこたえてやっていただきたい。そのことを私はお願いしたいのです。  ですから、特に改めて私は外務大臣それから外務省の皆さんにお願いしたいのです。八月六日という日がいいかどうかわかりませんけれども、一番遅くとも八月六日、それ以前にもう一度広島、長崎の被爆者に会って、彼らのその声というものをもう一度聞いていただきたい、謙虚に聞いていただきたい。そのことが六月十日までに間に合うかどうかわかりませんけれども、仮に間に合わないとしても、その被爆者の声を最終的な日本政府の態度を決めるに当たってぜひ反映していただきたい。そしてその熱い思いを、それから悲惨な体験を国際法的に説得力のある、そして日本政府としても二十一世紀の世界に対して本当に誇り得る態度決定に結びつけていただきたい。そのことをお願いいたしますけれども、一般的な意味でお約束いただけるかどうか、外務大臣、お願いいたします。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 国際司法裁判所に対する陳述書の送付については、期限もございますので、それまでにできるかどうかお約束はできませんが、今後とも被爆者の皆さんの意見はお伺いをして今後の日本の非核政策に対して反映をさせていくよう努力をいたしたいと思います。

秋葉忠利日本社会党・護憲民主連合

○秋葉委員 ありがとうございました。これで終わります。

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 古堅実吉君。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 核兵器の使用は国際法に違反するかどうかについての問題で、羽田総理は、六日の予算委員会で国際法違反ではないという見解を述べています。また、近く提出されようとしております国際司法裁判所への日本政府の陳述書、それが報道されておりますが、それにもそのような立場がとられようとしています。  違反でない理由として諸国の国家慣行、国際法学者の学説を挙げています。というのはどういうことですか。簡単に手短に説明してください。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 この問題との関連でよく議論されますのは、国際法上、無差別攻撃、例えば戦時における砲爆撃というものは軍事目標のみに限らなければならないという考え方が一つの論拠になっておるわけです。  この点につきましては、戦闘方法の選択に当たって、軍事的な必要性、それから文民及び民有物の保護という人道的要請の二つのことをバランスして考えるということから出てきた考え方でございますけれども、文民と軍事目標が混在しておるような場合には必ずしもその区別ができませんので、一般国際法上、この軍事目標主義というのが必ずしも確立した原則ではないというような考え方。  あるいはもう一つの論拠といたしまして、過度の傷害または無用の苦痛を与える兵器の使用は禁止されているのではないかということでございますが、この点につきましては先ほど申し上げたような幾つかあるいは幾つか以上の条約があるわけですが、核兵器の使用につきましては必ずしもそういう具体的な条約における禁止というものに該当するようなものにはまだなっていないということを総合して申し上げておる次第でございます。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 事は全く反対だと思うのですね。今や国際的な意味合いにおいても、核兵器の使用は国際法に違反して許されないというのがむしろ当たり前の理解として受けとめられているということが本当じゃないですか。  一九六一年十一月二十四日、国連において、核及び熱核兵器の使用の禁止に関する宣言というものがなされまして、そこで初めて国連が核兵器の使用は国際法違反で許せぬというふうな立場を明確にいたしました。それには日本政府も賛成しておるのであります。  それによりますと、その第一項の(a)で、「核及び熱核兵器の使用は、国際連合の精神、字義及び目的に反するものであり、したがって、国際連合憲章の直接の違反である。」明確に言っています。  (b)「核及び熱核兵器の使用は、戦争の範囲を逸脱し、人類及び文明に無差別の苦痛及び破壊をもたらすものであり、したがって、国際法の諸規則及び人道法に反するものである。」というふうに明確に言い切っています。  (d)ですが、「核及び熱核兵器を使用するいかなる国も、国際連合憲章に違反し、人道法に反する行為を行い並びに人類及び文明に対する犯罪を犯しているものとみなされる。」というふうに言っています。  その後、同様趣旨の立場に立って国連は何回にもわたって決議を行う、そういうことを繰り返してまいりました。  それだけではありません。今引用いたしました決議にも、「一八六八年のセント・ピータースブルグ宣言、一八七四年のブラッセル会議の宣言、一八九九年及び一九〇七年のヘーグ平和会議の諸条約、一九二五年のジュネーヴ議定書等の国際的な宣言及び拘束力を有する取極により、」というふうな引用がされておりますが、一九六三年十二月七日のいわゆる原爆訴訟、それに対する判決も、「このような残虐な爆弾を投下した行為は、不必要な苦痛を与えてはならないという戦争法の基本原則に違反しているということができよう」と断じて、違反としたのであります。  日本政府は、国際の慣行あるいは学説、そういうものを引用するのであれば、こういうものに照らしてこそ政府の法律上の見解もまとめるべきではありませんか。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 今先生がお挙げになられた一九六一年の国連総会決議以降の諸決議、それからその他の条約の存在は全部承知いたしております。  そういう、例えば国連決議がそうでございますけれども、核兵器の使用を含めまして武力の行使が国連憲章のもとで原則として禁止されており、また核兵器の使用は、先ほど申し上げたその絶大な破壊力、殺傷力のゆえに、国際法の基礎的基盤である人道主義の精神に合致しないというのが根幹をなす決議だと思いますけれども、そういう国連総会決議というのはもちろん拘束力はないわけでございまして、そういうことを念頭に置きながらも、しかしながら実定国際法上はまだ禁止というところまで至っていないということを申し上げておる次第でございます。  一言つけ加えさせていただきますと、私たち、国際司法裁判所に意見書を出すに当たりまして決してその点だけを特記して出すつもりはございませんで、先ほども申し上げましたが、日本は世界の唯一の被爆国で、甚大な、たくさんの方々が大変気の毒な形で亡くなられ、そういうことが二度と繰り返されちゃいかぬ。したがって、現実に現在の世界は核の抑止力によって平和が保たれておる、そういう現実面も考えれば、そういうものに依存しなくてもいいような世界に向かって人類とともに日本政府としても努力をしていきたいということも含めて、そこは日本政府の考え方を明確に述べたいと考えておりますので、決してその実定法上違反でないというところだけを特記して出すつもりではございませんので、ぜひそういうぐあいに御理解いただきたいというふうに思います。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 違いますよ。核兵器というのは、政治的な意味合いにおいて使用しちゃいかぬという判断をすることは当然のこととして、国際法に照らしても違反だということは諸宣言あるいは拘束力を持つ関連の諸規定に基づいて明確です。それをあえて、そのような方向に解釈するのではなしに国際慣行という学説などを持ち出して、とんでもない理論構成をしようとしているところに許せない今の政府のとろうとしている態度があるのです。  なぜそういうことをしなければならないか。これまでも、今も言っておるように核抑止力、抑止力というのは究極的な意味合いにおいては核兵器を使ってもいいという立場をとっておるのではないですか。それはどこの態度ですか。日本が核兵器を持っているからじゃない。アメリカの核の傘のもとにあるから、日本は核兵器使用が国際法に違反するというふうに言えないという立場をとらざるを得ないという関連において、そういうねじ曲がった解釈ということに出てくるのじゃないですか、もう一度。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 昨年十二月に、先生の党の御同僚の先生から政府に対して、この問題について政府の答弁書を求められておりまして、政府として答弁を書類で出しておりますが、その中でも申し上げておりますとおり、それに賛成するしないは別といたしまして、国際社会の現実は、安全保障を考えた場合に核の抑止力というものが平和の維持のために一定の役割を果たしておるということは現実だろうと思うのです。したがいまして、その現実というものを考えた場合に、まさにその前提にあるのは、実定法上核の使用は必ずしもストレートにその実定法に違反していないという考え方があるからそういう抑止力の考え方ということが出てきておるのも、これも現実だろうというふうに考える次第でございます。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 唯一の被爆国日本です。日本が核兵器の使用は政治的な意味合いにおいてやらせてはいかぬということを明確にするだけではなしに、国際慣行という意味合いにおいてもイニシアチブをとって、そのような方向に、国際法上も違反だという方向に努力することこそが政府に求められている立場ではありませんか。そのことを厳しく指摘して、終わります。

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 福田康夫君。

福田康夫自由民主党

○福田委員 航空協定のことにつきまして質問をいたします。  今般、ブルネイ、モンゴル、ハンガリー、南ア、ジョルダン、ベトナム、六カ国との航空協定が締結されまして、その承認をする、こういうふうな段階になりました。  たまたま昨日ですか、観光白書が出まして、それによりますと、昨年の海外旅行者数、これは日本人で外国に行った者が千百九十三万人、これは史上最高の人数であった、こういうふうに報告がなされたようでございます。また外国からの訪問者は三百四十一万人、合計しますと千五百万人を超える多くの人たちが国際旅行をしておる、こういうふうなことでございます。また、本年の九月四日に関西国際空港がオープンするということになります。そういうふうな旅行者の増加というものに対応して関西空港が開港するということは本当に時宜を得たことであるというふうに私は思っておるところでございます。  そこで、今般この六カ国との協定をするわけでありますけれども、まずお尋ねをしたいことは、この六カ国を入れまして四十数カ国の日本乗り入れ希望があると申しますか、日本と航空協定を結びたい、こういうふうな希望がございまして、そのうちの六カ国が今回選ばれたと申しますと語弊があるかもしれませんけれども、協定締結ということになったのであります。  さて、この中ではもう二十数年前から希望を出しているというふうなところもございますけれども、最近希望を出したというような国もまたあるわけでございます。四十数カ国の中から六カ国を選ぶ、こういうことについてその選考基準と申しますか、どういうふうな基準でもってこの六カ国を選んだのかという問題があります。  このことにつきましては、平成元年の五月二十四日の外務委員会でこの基準らしきものの報告がございました。まず第一に我が国との政治、経済、文化等の交流関係、第二に両国間の航空需要の見通し、第三に我が国の航空企業の乗り入れ計画、第四に相手国のハイジャック防止対策への配慮、こういう四つの項目が挙げられております。  そういうふうなことから見てこの六カ国のおのおのの協定についてはそういう条件を満たしているものかどうか、まずこの点についてお伺いします。

平田米男公明党外務政務次官

○平田政府委員 お答えをいたします。  航空協定を結ぶに当たっての基本方針といたしましては、もう先生既に十分御承知かと思いますが、相手国との間の経済的交流及び人的交流の促進に資するという観点から、二国間定期航空路線の開設を目的といたします航空協定の締結を積極的に推進していきたい、このように考えておるわけでございます。  ただ、その際どういう諸点を重視して対処していくかと申し上げますと、まず一つは、協定締結の相手国を選定する際に両国間の航空需要、これが第一でございます。それから両国間の政治、経済、文化等の交流関係、また我が国の空港事情、そして相手国のハイジャック防止対策への配慮、相手国航空企業各社の責任限度額の現状等、こういう諸点を重視いたしまして対処いたしているわけでございまして、今回の六カ国につきましてはこの諸点につきましてそれぞれ条件を満たしたといいますか、合意に至った、こういうことでございます。

福田康夫自由民主党

○福田委員 そうしますと、今次官がおっしゃられたのは航空需要がまず第一だ、こういうふうな話でございました。また二、三、四というふうにおっしゃいましたけれども、例えば航空企業の乗り入れ、これは前回そういうふうな話があったのですけれども、きょうは除くのですか。我が国の航空企業の乗り入れということです。

平田米男公明党外務政務次官

○平田政府委員 それは抜けているわけではございません。それも諸点の中に入っております。等と申し上げました中に入っているというふうに御理解いただければと思います。

福田康夫自由民主党

○福田委員 平成元年から何年かたちましてその選考の基準も少し変わってきている、こういうふうに考えていいですか。それでは例えば航空企業の乗り入れ計画、これについてはそれほどの重視、まあ重視はされているかもしれぬけれども順位は下がったというふうなことでありますと、今回六カ国ございますけれども、これはどうなんでしょうか、航空会社の乗り入れ計画というものはございますでしょうか。

土井勝二運輸省大臣官房審議官

○土井説明員 運輸省の方からお答えさせていただきたいと思います。  先生今お尋ねの航空企業の乗り入れ計画の問題でございますが、今回提出させていただいている六つの航空協定のうち、六つの国のうち我が国の航空企業が現時点で乗り入れを計画しておるのはベトナムでございます。それから、その他の五カ国につきましては先方の企業が乗り入れを計画しております。ベトナムももちろん先方の企業が乗り入れを計画しております。ただ、この五カ国については日本の企業は今のところその計画はないと聞いております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 そうしますと、五カ国は乗り入れ計画なしということで、ベトナム一カ国だけあるようでございます。そうしますと、これは相手の希望ということで今回の航空協定が締結された、こういうことでございますね。  そうしますと、私が最初申しました、これは外務省の見解だけれども、この航空企業の乗り入れ計画、これはもう事実上余り重視していない、こういうふうに考えていいわけですか。

土井勝二運輸省大臣官房審議官

○土井説明員 結局のところ、この航空協定ができました後に実際にその航空路線が開設されるかどうかというのは、企業が現実にその意欲と能力を持っているかというところが大変大事でございますので、具体的に航空企業の乗り入れ計画があるかどうかというのは依然として大事な点でございます。  ただ、日本の企業がどうか、あるいは相手の企業だけの乗り入れ計画のときはどうかという点については、そこは総合的に判断されますでしょうし、やはり相手国の希望もよく聞いていかなければいけないと考えております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 この航空協定を結ぶことによりまして我が国とその相手国との友好関係を増進する、こういうふうな意味合いがあるのじゃないかというふうに思うのでありますけれども、そういうふうな形で片方だけ、特に相手国だけからのということになりますと、何か片務的な感じがしますので、果たしてそれでいいものかどうかなというふうな感じがいたします。  それはともかくといたしまして、一番最初に挙げました航空需要についてお尋ねいたしますけれども、これは航空会社によりますと、大体一年間に往復二万人いないと採算ベースにはならない、こういうふうなことが言われているようでございます。  そうなりますと、今回締結しますブルネイ、モンゴル、ハンガリー、南ア、ベトナム、これはすべてその人数に満たないですね。例えばブルネイでございますと、これは統計上そういうことでありますけれども、往来が千七百人しかいない。そしてまたモンゴルが二千九百人、ハンガリーが八千八百人、南アが七千七百人、ベトナムで一万四千人ということであります。ベトナムはこのところ急増いたしておりますので、近々二万人ラインは突破する可能性はあるかもしれませんけれども、ほかの国については当分その可能性はないのじゃないかなと。  こうなりますと、この航空需要を重視するという先ほどのお話と一体どういうふうなつながりというか結びつきをしていると考えたらよろしいのかお尋ねします。

土井勝二運輸省大臣官房審議官

○土井説明員 今先生が御指摘になられました出入国、これは外国人と日本人の出入国の人数でございますが、それと先ほどのエアラインの方がおっしゃっていることとの関係ですが、出国日本人というのが一人おりますと、当然のことながら帰っていらっしゃるので、いわゆる旅客需要の数字的には倍になるという点が一つございます。  それからもう一つ。さはさりながらというか、それであっても、先生今御指摘のように、ベトナム以外は比較的、既存の日本の国際路線に比べれば今のところの旅客需要は大変少ないというのは確かでございます。それで成り立つのかというか、それが適当であるのかという点につきましては、企業が成り立っていくためには需要が非常に大事だというのは間違いはございません。  ただ、そこのところは、先ほど外務政務次官もおっしゃいましたような、いろいろな人的、物的な交流の観点その他の観点もございますし、それから、それぞれの国の企業の乗り入れの意思とか能力がどうあるのかというところが、多分これが総合的に判断されて、現在のところは需要が少ない国につきましても、協定を締結する希望があり、締結すべきだということになろうかと思います。  それからもう一つ、最後につけ加えさせていただきたいのは、これらの国につきましては現在、直行のルートがないわけでございます。サービスがないわけでございますので、この前提での現在のところの数字は、直行航空路が開設された場合にいわば需要が創出されるということもございますので、この数字はこれからふえていくのであろうと期待しております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 あとハイジャック、これは今、第四項目目に挙げられましたけれども、これにつきましては、協定書の十三条で義務規定をしているわけであります。ですから、当然のことながら、そのハイジャック防止対策というものが各国において十分なされているというふうな確認をされていらっしゃる、こういうふうに思っておりますけれども、そのとおりでよろしゅうございますか。

竹内行夫外務大臣官房審議官

○竹内説明員 ハイジャック防止等に関する国際的な法的枠組みといたしましては、御承知のとおり三つの条約がございます。省略いたしますけれども、東京条約、ヘーグ条約、モントリオール条約でございます。現在お願いいたしております六カ国につきましては、我が国と同様これらの三つの条約の締約国となっていることを、協定締結交渉に先立ちまして、当然確認をいたしているところでございます。  なお、今般の各国との航空協定におきましても航空保安に関する規定を設けておりますし、ハイジャック防止に関する国内的措置、両国間の協力について法的整備が一層図られているという次第でございます。

福田康夫自由民主党

○福田委員 今後締結を予定している国はございますか。また、その国々についてただいまお話がありましたようなことを中心に考えて締結しよう、こういうふうな話し合いをしておられるというふうに考えておいてよろしゅうございますか。

小池寛治外務大臣官房審議官

○小池政府委員 日本は現在四十カ国との間で航空協定を締結しておりまして、今国会に六カ国との航空協定の承認を求めているわけでございますが、過去長きにわたりまして日本に対して航空協定を締結したいという希望を寄せてきた国は、それに加えまして約四十カ国弱ございます。  当面の航空協定の締結が見込まれる相手の国といたしましては、イスラエル、エチオピア、ポーランドなどがございます。

福田康夫自由民主党

○福田委員 古くから、もう二十年以上前から希望していながらまだ締結に至らない、例えばブルガリア、旧チェコスロバキア、ルーマニアとかサウジアラビア、こういうような国々は何か事情があって締結しないのですか。簡単にひとつお答えください。

土井勝二運輸省大臣官房審議官

○土井説明員 今先生から御指摘のあった国につきましては、私どもも外務省と一緒にいろいろ、どういう方針で臨むのかあるいは交渉を開始するのかということについて御相談しておるわけでございますが、これらの国につきましては、私どもの承知している限りでは、関西国際空港への乗り入れを希望しないというところが一番大きな要素でございます。あくまでも現在のところ発着枠が凍結されている成田に行きたいと。いわば成田が発着枠に余裕ができてから来たいというように希望があると聞いておりまして、そこのところが協定締結までに少し時間がかかろうかという理由だと思います。

福田康夫自由民主党

○福田委員 この基準につきましてはいろいろ議論があるところだろうと思います。  時間の関係でその程度でとめにしておきまして、次に関西国際空港、これは二十四時間操業ができるということとか、それから地方拠点空港、ハブ空港という機能も発揮できるというふうな意味において、我が国にとっては非常に画期的なものであるというふうに私は率直に評価をしたいと思います。  しかしながら、これを建設するについては一兆五千億くらいのお金を投じておるということ、大変莫大な金額を要したということ、その七割が借入金である、こういうふうなことがございます。この投資金額を回収するのはなかなか容易なことではない。特にこの会社は、普通の民間会社とは違いますけれども株式会社であるということは同じなのでありまして、この回収のために結果として空港使用料、また施設の利用料等、そういうふうな経費が非常にかかるのだという話を聞いております。  大体、成田空港も非常に高いというふうなことで、外国からかなりクレームが来ておるということも我々は聞いております。しかし、この新しい関西空港についてはそれよりもさらに高くしないとペイしないのだ、こういうふうなことがございまして、その面においては私は非常に残念に思っているのです。  日本も国際社会において非常に重要な地位を占めるというふうな立場にありながら、事人が入ってくる、また付加価値の高いものが移動するというときにそういう高い経費を要求する。特に外国エアラインに対してそういう高い使用料を要求するというのは、これはまことに残念なことであり、まあ言ってみれば非関税障壁の一つじゃないかなというふうに考えております。  そのことについてちょっと具体的に申し上げますと、着陸料、これはトン当たり幾らというふうなことでありますけれども、それを国際線使用の747に換算いたしまして、今言われております関西空港の着陸料は一回当たり百四万三千円。これはほかの空港と比較しますと、成田が九十四万八千円、成田以外の日本の空港は七十一万八千円。これはもうすべて国際的に非常に高い料金になっております。  例えば一番安い方で比較しますと、ロンドンのヒースロー、これは四万円から六万円、こういうことでありますし、著名な空港だけ挙、げましても、パリのシャルル・ドゴール、これは三十四万円、ドイツのフランクフルト・アム・マイン空港が四十七万二千円、これなんかは高い方なのですけれども、ニューヨークのJFK、二十六万三千円。東南アジアの国々、例えばソウルとか香港、シンガポール、その辺をとりましても大体二十六万から二十七、八万くらいの着陸料で済んでおる。  こういうことから比べますと、百万円を超える関西空港のこの着陸料というのはいかにも高いというふうな感じがいたします。  着陸料の交渉というのは、交渉と申しますか決定というのは、原則的には、この関西国際空港会社と各航空会社との間で交渉して合意ができ、そして運輸大臣への認可申請、こういうふうな手続になるわけであります。  今現在その交渉をしているようでございます。その交渉が、当然のことながら、高いというふうなことでなかなか決まらないということもあるかもしれぬし、値下げを要求されているのが実態じゃなかろうかと思いますけれども、この交渉の経緯、今現在どういうふうな交渉をされているか、それを簡単に報告してください。

金澤悟運輸省航空局飛行場部関西国際空港課長

○金澤説明員 お答え申し上げます。  関西国際空港の着陸料につきましては、昨年の十月に、関西空港株式会社の方から、利用者の代表であるIATA、これは国際航空運送協会という国際線を運航する航空会社の団体でございますが、こちらの方に対しまして、今先生御指摘のトン当たり二千六百四十円、これは成田のおおむね一割増してございますが、この着陸料を提示いたしまして、現在六回にわたりましてIATAとの間で、関西空港株式会社がそのようなコストになったこと等につきまして詳細な協議を行っている、こういう段階でございます。

福田康夫自由民主党

○福田委員 この経費の高いのは着陸料だけでないのです。実は、例えば事務室を航空会社が借りよう、こういうふうにしますと、これも大体二倍から三倍、三倍に近いぐらいの料金が必要である。  またカウンター、エアラインがチケットなんかの予約とか受付とかそういうふうなために使うカウンター、これも成田の場合で月十二万。これも恐らく高いのだろうと思いますけれども、関西の場合には二十二万、ですから二倍近くになっておる。  それから、到着時に荷物をターンテーブルというところで旅行客は受け取る、そういう施設がございます。これの使用料は一回当たり七万円、これは成田空港ですね。それが関西では十五ないし二十万円というふうなことで、二倍ないし三倍の料金を今考えておられるということでございまして、あそこを使う場合には相当な出費を覚悟しなければできない、こういうことなのですね。  私がここで特に申し上げたいのは、今回締結をする国々、ブルネイは相当なお金持ち国ですからこれは別にいたしましても、モンゴル、ハンガリー、ベトナムとか、こういう必ずしも豊かでない国のエアラインが乗り入れてくるというときに法外な料金を当然のようにちょうだいするというふうなことを、これは日本の個々の民間会社の話でございますから運輸省がどこまで関与するのかわかりませんけれども、認可をするというふうな立場である運輸省はどのように考えていらっしゃいますか。

金澤悟運輸省航空局飛行場部関西国際空港課長

○金澤説明員 関西国際空港は既に四半世紀前からスタートされたプロジェクトでございます。伊丹における騒音の問題あるいは成田における土地収用問題等を勘案いたしまして、海上を埋め立てましてここに建設をしたものですから、非常に環境には優しい空港になったというふうに私どもは考えております。  その反面でございますが、やはり建設費が先生御指摘のとおり一兆五千億に達せんとするような、非常に高いものに残念ながらなってしまいまして、しかもその七〇%を借入金で賄っておるということでございまして、結果的に、先ほど御説明したように、着陸料が非常に高いということで国際的な御批判も受けておるところであります。  私どもといたしましては、関西国際空港は九月にオープンいたしますが、非常にユニークかつ立派な空港として仕上がっているというふうに思っておりますし、また航空運賃に着陸料の占める割合そのものは、エアラインによって多少の差はございますが、そう大きなものではございません。  また、この空港をつくりました財源のスキームと申しますかそういったものは、相当長期間にわたって政府部内でも検討し、慎重に考えた結果設定してきたものでございますので、今先生御指摘の着陸料をめぐる議論はいろいろとあるわけでございますが、建設に必要となった費用の回収の必要性についてもぜひ関係航空会社に御理解をいただいた上で、円満な解決が図られるように指導していきたいというふうに考えております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 この着陸料等の経費は非常に高いのです。今現在高いわけですね。しかも、これが将来安くなるという見通しというのはないんじゃないかな、むしろ逆に上がっていくんじゃないかな、私は、余計なことかもしれないけれども、こんなふうな心配をしておる。  こういうことでございまして、例えば成田空港、これは開港時には着陸料はトン当たり千六百円、こういうふうなことでありましたけれども、それが最近では二千四百円まで上がっておる。八百円上がっているわけですね。毎年ではないけれども、二、三年置きごとに上がっている、こういうふうなことであります。  関西空港の場合には当然のことながら長期の収支見通しというふうなことはお持ちであろうと思います。何か関西空港は五・九・二三だということで名前が売れているようでありますけれども、五年後に単年度黒字、九年後に経常黒字、二十三年後には借入金返済、こんなことのようであります。  そんなことでいけばいいのだけれども、しかし、成田の例というわけではありませんが、いろいろな内在的な問題を考えると大変なんじゃないかなと私自身は予想しております。  民間会社でございますから、赤字になれば当然のことながら着陸料を上げるしかない、こういうふうなことになってしまうわけで、そうしますと、着陸料に上乗せしていけばこれは際限なく上がってしまう可能性もあるかもしれぬ。  これは杞憂かもしれませんけれども、将来的な心配の一つを申し上げますと、あれは人工島でありまして地盤沈下する。今現在しているということで、何か地盤沈下のために一年開港をおくらせたという経緯もある。それから毎月三センチメートル沈下している。その沈下している部分を、ビルのような重いものの下に入れるジャッキを入れて、そして持ち上げている。このジャッキの数というのは一体幾つあるのですか。

金澤悟運輸省航空局飛行場部関西国際空港課長

○金澤説明員 現在手元に細かな資料を持ち合わせておりませんが、おおむね二千本を超えるくらいの規模だと思います。

福田康夫自由民主党

○福田委員 空港ビルだけですね、それは。ビルだけでもそのくらいの数のジャッキでジャッキアップをしている。一年間に三十六センチ下がるということになればそのような処置をしなければいかぬだろうと思います。しかし、これは空港ビルのあるところだけの話でございまして、その他の地域、例えば滑走路とかそういうところで沈下が起こらないのかどうか。  それから、私の懸念は、例えばタンクがございますね、ジェット燃料なんかを入れているタンクが。図面を見ますと全部で今現在八基ございますけれども、このタンクだって満タンにすれば相当重量がかかる。そうしますとこの沈下も考えていかなければいけない。これもジャッキアップするのでしょうか。そうしないとやはり安全上の問題が起こりますからこれも必要になるかもしれぬというふうなことがございます。  そういうことまで収支見通しに入っているのかどうか知りませんけれども、どうも私は、そういうことは除外して計算されているということではないか、そうしないと五・九・二三なんというのは出てこない、こういうことではないかと思っております。  ですから私は、こういう特殊な事業をやることは一民間会社ではなかなか難しいんじゃないかな、特にこういう微妙なことについては民間会社というふうな企業形態でやることについて非常に大きな問題意識を持っておるわけであります。これは別に運輸省だけということでなくて、やはり我々も国際関係とかそういうことを心配する立場であるということであるならば我々の問題としても対処し、また考えていかなきゃいかぬ問題であるというふうに思っております。  そういうことでありますので、関西国際空港が無事にうまくいくように祈っておりますけれども、そういう問題点を指摘しておきたいと思います。  次に日米航空協定について御質問します。  日本航空が本年三月十七日から運航予定をしておりました仙台-ホノルル間の定期路線、これは米国政府が路線開設を当面認めないと通告して、定期便の就航ができなくなりました。仙台-ホノルル線の開設は、一九八九年の日米航空交渉の合意で得ました日本側の権利を使って、日本航空が今年一月に開設を申請いたしまして、運輸省もこの路線免許を与えており、国内の手続は完了しておったものであります。  我が国の政府は直ちに米国政府に抗議をしたようでありますけれども、米国側はこの問題を日米航空交渉の場で結論を出すというふうに主張しておりまして、今のところ解決の糸口が見えておらぬというふうに伺っております。  この仙台-ホノルル間の路線開設に対するこのたびの米国側の対応、これは明らかに国際約束違反であると考えられます。米国政府の方は、日米包括経済協議などの場において、日本が常に米国との国際約束に違反しているというふうなことを言いまして、挑戦的な態度をとってくるわけでありますけれども、この問題については我が国としてはそのように国際約束違反というふうな見方をしてよろしいのかどうかお尋ねします。

高野紀元外務大臣官房審議官

○高野説明員 今御指摘の仙台-ホノルル路線の問題でございますけれども、これは日米航空協定及び同協定に関しまして一九八九年に日米で合意ができました暫定取り決めのもとで我が国に正当に認められた権益であると考えておりますが、これに関して米政府が回路線申請に対する処分を保留いたしまして、日航の仙台-ホノルル間の定期路線開設がいまだ行い得ない状況となっていることは極めて遺憾なことと受けとめております。  政府といたしましては、米側より処分の保留の通告があった三月十五日以降、再三にわたり外交ルートで、先方国務、運輸両省に対しまして早急に本件定期路線の認可を行うよう強く申し入れてきております。  なお、米側は、かかる処分保留の理由といたしまして、米側企業の関西国際空港への乗り入れに対する日本側の措置、具体的には関空をめぐる自由な輸送力の行使を日本側が認めていないという主張でございますが、などを挙げまして、我が方にこの一九八九年の暫定合意で認められた権益を直接関係のない問題に関連づけております。この点については引き続き米側の善処を求めてきているところでございます。

福田康夫自由民主党

○福田委員 一九八九年に合意された交換公文の了解覚書のⅠのCには、「双方は、合衆国内の地点と東京及び大阪以外の日本国内の地点との間の三の都市間路線において直行貨客便業務を運営する一又は二以上の航空企業を指定することができる。」といううふうに規定されております。この規定に基づいて運航している米国側の航空会社があるかどうか。  また、このたびの米国側の認可保留に対しまして我が国は抗議の口上書というのですか、これを出して、そして報復的な措置はとっていないようでありますけれども、このような米国側の認可保留が続くようであれば報復措置をとるような事態になるのかどうか。いかがですか。

高野紀元外務大臣官房審議官

○高野説明員 今の点でございますが、まず、一九八九年の合意に関しての米側の路線でございますが、この点に関しましては、ホノルル-名古屋、ホノルル-福岡、ポートランド-名古屋という三路線がそれぞれ週七便ずつ運航されていると承知しております。  それから、この問題に関して米側は明らかに協定違反であって、政府として対抗措置を講ずるべきではないかという御質問でございますけれども、この点に関して、先ほど申し上げましたような事情にございますので、例えば五月十八日には栗山駐米大使から先方ペーニャ運輸省長官それから国務省のスペロー次官に対しまして、本件路線の定期便による開設を早急に認めるべく申し入れを行いました。  米側に対して日本側は、本件問題の解決に向けて日米間の政府間の航空協議を開催したいということを伝達してございます。現在、米側におきましてはこの申し入れを受けまして対応を検討中と承知しておりますので、我が方としては米側の反応を見ながら今後対応してまいりたい、こういうふうに考えております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 昨年の十二月に米国政府は、日本の航空会社が米国に乗り入れている路線、これは六路線でありますけれども、これの認可期間を従来の一年から半分以下の百七十九日に短縮いたしました。それで九日に認可期限が来るということでありまして、日本の運輸省は六日に、一昨日この十三路線の延長の見通しを明らかにした、こういうことになっているようであります。日本も三月末に、米側の七路線の認可期限を六月九日までに同じように短縮して対抗しておったわけでありまして、米国が設定する新しい認可期限は六月九日から百七十九日間となる可能性が強い。その場合、日本側は十月下旬までの運航を認めて様子を見ることになりそう、これは新聞情報でありますけれども、そういうことになっているのでしょうね、これは。  そういうことに対しまして運輸省は、米国航空会社の日本路線の認可期間を短縮する制裁措置をとることを表明しているようでありまして、どの程度の制裁措置をとるということになっているのか、それをお答えください。

土井勝二運輸省大臣官房審議官

○土井説明員 ただいま先生が御指摘になりましたこの一九八九年暫定合意に基づく路線、これは、具体的な本件問題の対象になっているのはアメリカ側が七路線、日本側が六路線でございますが、これらの路線につきまして当初、昨年十二月にアメリカ政府がそれまでのいわば一年という形から百七十九日に短縮した。それで、私どもの方はそれに対応いたしまして  ことしの三月に先方のこの七路線が期限が来た。この期限が来たという意味は、国際航空のサービスにつきましては、いわゆる四月から十月の夏季とそれから十一月から三月までの冬季ということで、二つにシーズンが分かれていまして、私ども運輸省も、従来そのサービスの慣行に基づきまして、認可も大体そういう半年ごとに更新をしていました。ただこの更新は、何かその更新時に検討をして、引き続き認可を上げるかどうかということを検討する意味ではなくて、実質、自動更新でございました。それで、その三月にそういうわけでこの七路線もいわば自動更新の時期に来たわけでございますが、先ほどの米国政府の百七十九日の制限という期限つきというのに対応いたしまして、私どももこのアメリカの七路線につきまして、同じ六月九日までの認可期限にしたということでございます。  これから六月九日、明日ですか、すぐ来るわけですが、基本的には双方とも何かを切り合うということではなくて、六月十日以降の期限を延長するということになる見通しでございます。  それで、この具体的な期限といたしまして、私どもまだ正式に決定しておりませんが、現在検討しておるのは、六月十日から、先ほどの夏季、これが十月ほぼいっぱい続きますが、夏季いっぱいまでの、ですから六、七、八、九と約四カ月の期限をつけて認可をしたいという方向で検討をしております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 日米間におきましては、航空協定上の権益をめぐって毎年同じような問題が起きているわけであります。そして当外務委員会でもたびたびこの問題を取り上げている、こういうことであります。  今回の、先ほど申しました日本航空の仙台-ホノルル線の処分保留問題、これも米側政府からの通知は運航開始の前々日に行われまして、搭乗予定の二百七十五人、この乗客に対する配慮、そういうものは一切ないというふうなことで、これはちょっと異常ではないかというふうな感じがいたします。  このような行為というのは日米相互間の信頼関係を極めて大きく損ねる行為というように言わなきゃいかぬような状況じゃないかと私は思っております。そこで、航空問題について日米間でその信頼関係というものは、基本的にこれはあるのですか。信頼関係があるのだというのであればなぜこんなふうな格好になるのかなということ、これは歴史的な問題もあるかと思います。簡単に言ってください。あらましで結構です。

土井勝二運輸省大臣官房審議官

○土井説明員 日米の航空関係につきましては、先生御承知のように、一九五三年に日米の航空協定が締結されまして四十数年ぐらい既にたっているのだろうと思います。  私が知るところから考えますに、というか、これまでの日米航空の歴史を振り返ってみますと、やはりかなりそのときどきで摩擦というのは航空についてはある。それぞれ国の権益がかかっている、それから航空企業の利益あるいはお客さんの利益というのがかかっている関係で、やはりなかなか厳しい競争とかつばぜり合いがあるわけでございまして、それが摩擦というような形で、紛争というよりも摩擦というような形で時々出てきたというのが事実でございます。  それで、それに対しまして日本の政府は、外務省、運輸省ともども常に交渉を通じて物事を解決する、その摩擦を解決していくということを四十数年やってきておりまして、基本的には、これは私の個人的見解かもわかりませんけれども、日米航空関係におきまして今までのところは基本的な信頼関係はあったというふうに思っておりますし、これからもその交渉で解決するという姿勢を守りたいと思いますし、アメリカ政府にもそれを期待したいと思います。

福田康夫自由民主党

○福田委員 外務省は、この協定改定交渉が始まってもう既に十八年経過しているということ、もう随分長い時間がたっているわけでありますけれども、将来の交渉のめどというものは何か立てていらっしゃいますか。  それからもう一つ、もし日米航空協定を破棄した場合ですね。これはほかの国で例はあるのです。米国に対してフランスが破棄していますね。それからタイも、以遠権問題がこじれたというふうな事情でもって協定は破棄されているというふうに聞いております。こういうことは、日本とのことは別にして、米国側に多少無理な要求が過ぎるというふうなことが原因になっているのじゃないかなというふうな感じがするのですけれども、  いかがでしょうか。     〔委員長退席、柴野委員長代理着席〕

高野紀元外務大臣官房審議官

○高野説明員 今の御質問でございますけれども、先ほど来御議論ございましたとおり、現在の日米航空協定はサンフランシスコ平和条約発効直後の一九五三年に締結されたものでございます。その協定に基づいて現在の権益の不均衡が存在しているということもまた事実でございます。  我が国としては、一九七六年以来、この不均衡を是正するということを目的といたしまして協定の改正交渉を開始したわけでございますけれども、残念ながら日米間の基本的な立場の相違もございまして、立場の隔たりが大きく、現在のところ協定の全般的な改正は当面困難な状況にあるということが言えるかと思います。  いずれにいたしましても、政府としまして、関西国際空港への乗り入れ問題を初めとする日米間の国際航空諸問題を協議を通じて解決し、秩序ある日米航空関係の発展を図るべきであると考えておりまして、この方針のもとで引き続き問題の解決に向けて努力していきたいと考えております。  なお、協定の廃棄の問題でございますけれども、協定の第十八条には、確かに、一方の締約国が相手国に対して協定の廃棄を通告することができると定められております。他方、航空関係は旅客、貨物の運送という公共の利益にかかわる問題でございますし、そのような航空関係の包括的な枠組みである日米航空協定を一方的に終了させるということについては十分慎重に考える必要があるというふうにも考えております。  そういう中で、先ほど来申し上げました日米の航空協議の中で、現在の権益の不均衡ということを改善し、また、そのために秩序ある日米航空関係の発展を図るということで対応していきたいと考えております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 南アとの航空協定に付随しまして、実はこういうことがあったのです。五月二十五日付の朝日新聞朝刊でございますけれども、見出しは「南ア選挙で日本監視団 国連統率外れ独自活動 安全地域への配置求め」、こういうふうなことで、これは国連の外交筋が明らかにした情報であるのでありますけれども、「南アフリカ共和国に初の黒人大統領を誕生させた先月末の選挙に参加した日本政府派遣の選挙監視団について、政府が、「危険な場所に配置しないで欲しい」などと要求したため、国連の統率下から外され、独自に安全とされる二地域で活動したことが二十三日、わかった。」こういうふうに書いてあるのでありますけれども、これは事実関係は若干違うようなのですね。  そもそもこの南アの国連監視団、UNOMSAというのですか、これが選挙監視に当たっておる。我が国の監視要員はこのUNOMSAの構成員ではなくて、南ア政府からの要請によって派遣され、独自の選挙監視に当たったものである。こういうふうなことでありますから、この朝日の新聞記事はちょっと事実誤認と申しますか、そういうふうなことではないかと思います。  こんなふうな記事が出ますと、せっかくいろいろこういうふうな国際貢献をしているということであるにもかかわらず、何かまた日本は安全なところでうまいことやった、楽をした、こういったような国際世論をつくり出すもとになるわけでありますので、まずこういう朝日新聞の記事がこれでよろしいのか、正しかったのかどうか、それをまずお尋ねします。

須藤隆也外務省中近東アフリカ局長

○須藤政府委員 朝日新聞の御指摘いただきました記事につきましては、福田先生御指摘のとおり事実に反する部分がたくさんございまして、極めて誤解を招きやすい記事だと思います。  先ほど先生おっしゃいましたとおり、南アからこの選挙監視要員派遣の要請があったときにもともと二つの方法が提示されて、どちらでも派遣する側の都合のよい方で送っていただければありがたいということで、一つは国連のUNOMSAと言われる選挙監視団に参加するという方法と、国連とは別に南ア政府と独自の取り決めあるいは合意に基づいて、二国間ベースあるいは欧州共同体とかイギリス連邦のような地域機関と南ア政府との間で直接の取り決めに基づいて南アの独自選挙委員会の直轄の統率下で活動する、二つの方法が提示された次第でございます。  我が国といたしましては、いろいろ検討の結果、国際平和協力法に基づく派遣という形をとらずに外務省設置法に基づく派遣ということにしましたこともありまして、この第二の二国間ベースの協力ということで送って、南ア政府と直接話し合いのもとに活動地域も協議の上決定したものでございますので、もともと国連の統率下で活動すべきものではなかったという点で非常な事実の誤認があると思います。  したがいまして、朝日新聞に対しましてはそのように指摘いたしまして、事実をわかりやすく説明する内容の原稿を提出してありますので、近々掲載されることを期待しております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 朝日新聞にもそういうふうな趣旨を伝えられたというふうなことでありますので、それはそれでよろしいかと思います。  しかし、私もこの記事を見まして、せっかく国際貢献ということについて国民の関心が高まり、またその重要性を認識して随分その認識が行き渡りつつある、そういうふうなときに何かそれに水を差すような話でございまして、事実でないのであればまことに残念な話であるというふうに考えます。  こういうふうな小さな新聞記事でありますけれども、ひとつこういうところにはよく目を光らせてその都度適切なる対応をしていただきたい、このように御要望を申し上げます。  さて、時間がなくなってしまいましたので、シンガポールとの租税協定について、若干これに付随することでお尋ねいたします。  シンガポールとの租税協定第二十条に学生に関する規定がございます。現在の改定前の租税条約十九条は学生に関する規定といたしまして、学生及び事業修習者は六十万円を超えないものについては税金を免除する、また事業習得者については百八十万円を超えないものは租税免除、こういうふうになっております。今回の協定にはその規定がありません。OECDモデル条約に沿ったものということのようでありますが、なぜこの規定がなくなったのか。また国内法において十分措置されているということでありますけれども、具体的にどのように措置をされているのでしょうか。  ちょっと時間がありませんので、あわせて質問いたしますので、まとめてお答えください。  現在日本に来ております留学生は累積で、二〇〇〇年までに十万人受け入れるというふうなことを目標にしておったわけでありますけれども、現実には昨年の五月現在五万二千人強ということで、この人数でありますと二〇〇〇年には十万人にはいかないだろう、こういうことの見通しであるようであります。  これは非常に残念なことでありますので、ひとつこれは何とか達成するための努力をしてもらわなければいかぬ、そういうふうなことについて政府当局でどのようにお考えになっているかということです。  この来ている人も、大学、短大が二万三千三百人、大学院が一万六千六百人、大学院が割合多いので私も実は意外に思った、非常によい傾向だなというふうに思っております。ただし、私費留学生はそのうち八五%ということでありますので、この私費留学に関してどのような配慮がなされるべきかということであります。奨学金の団体等もたくさんございますけれども、最近は金利が安くて基金の運用が非常に大変だというふうなことであります。  そういうこともあわせ考えまして、政府としてどのような対処をなされようとしているか、もしくはなされていらっしゃるかお尋ねします。

小池寛治外務大臣官房審議官

○小池政府委員 現行の条約とそれから今回国会に提出いたしました条約における学生の待遇の違いについてでございますけれども、現行条約では学生、事業修習者、事業習得者に対して、海外からの送金、滞在地国で受ける給付などのうち一定のものについては滞在地国で免税としておりますけれども、先生御指摘のとおり、本協定におきましては滞在地国で受ける給付等については規定しないこととしております。  その理由は、我が国におきましては、国内法で学資に充てられる一定の給付については非課税措置とされております。所得税法でそのようになっております。さらに、学生がアルバイトをしても年間の給与収入が百二十七万円までは課税されないということで、滞在地国における給付等の免税を規定しなくとも基本的には足りるということで、このような新しい規定になったものでございます。

平田米男公明党外務政務次官

○平田政府委員 先生、大変留学生の問題について強い御関心を持っていただいておりまして、私もこの留学生の問題は力を入れなければいけないことではないかというふうに思っております。  まだまだ目標に達し得るだけの数になっていないという御指摘、十分私どもしっかり受けとめて対応していきたいと思っております。今後も御指導いただきますようよろしくお願いいたします。

福田康夫自由民主党

○福田委員 それでは質問を終わります。ありがとうございました。

柴野たいぞう改新

○柴野委員長代理 濱田健一君。

濱田健一日本社会党・護憲民主連合

○濱田(健)委員 濱田健一でございます。  わずか三十分という短い時間ですので、航空協定と、それに関する質問に限ってお願いをしたいと思います。  まず、航空協定の一般的なことについてお尋ねしたいと思うのです。我が国との航空協定を希望している四十カ国以上の国々があるわけですが、これらの国のうちの六カ国と今回航空協定を締結をされたわけです。このことに関して外交、運輸の政策上のメリットというものをどのようにお考えなのか、まずは伺いたいと思います。

平田米男公明党外務政務次官

○平田政府委員 基本的には、我が国といたしましては、相手国との間の経済的交流または人的交流の促進に資する、そういうメリットを考えまして、二国間の定期航空路線の開設を目的といたします航空協定の締結をしておるわけでございます。  基本方針といたしましては、このような航空協定を積極的に推進をしていきたい、このように考えておる次第でございます。

濱田健一日本社会党・護憲民主連合

○濱田(健)委員 運輸省、ありませんか。

土井勝二運輸省大臣官房審議官

○土井説明員 運輸省といたしましても、今外務政務次官がおっしゃったことを基本といたしまして、その航空路線を開設していくべきだというふうに、同じように基本的に思っております。  ただ、さらに運輸省サイドでつけ加えることがあるといたしますれば、このような航空協定を締結して路線が開設されることによってさらに日本にかかわる国際航空路線網が発展をする。いわば国際交通ネットワークがさらによく形成されていくということであるとか、あるいは観光、ビジネスを含んだ日本の側あるいは相手国側の地域の振興というのが促進されるだろうということもあわせて考えております。

濱田健一日本社会党・護憲民主連合

○濱田(健)委員 この航空協定を結んでほしいという状況の中ですべての国が、日本からではなくて諸外国の方から結んでいただきたいという要請になっていると思うのですが、これからこういうメリットを考えて、我が国の方から航空協定を結びたいなとお考えの国はないのですか。  そして今後航空協定を結ぼうと思っていらっしゃる相手国、そしてそれらの国と航空協定を結んだ場合に、先ほどと同じような質問になるのですが、外交や運輸政策上のメリットというもの、先ほどと違った形でのメリットがまた考えられるのであればお聞かせを願いたいと思います。

平田米男公明党外務政務次官

○平田政府委員 基本的に航空協定を結ぶメリットは先ほど申し上げたとおりでございまして、両国の経済的交流あるいは人的交流の促進をする、これが主たる目的でございます。  それで、現在航空協定を結んでおる国は四十カ国ございまして、今回御承認いただきますと六カ国ふえるということでございます。  我が国と航空協定を結びたいという意思表明を何らかの形でしております国はまだ三十八カ国ございます。そのうちイスラエル・エチオピア、ポーランド、アイルランド、ポルトガル及びガルフ諸国、オマーン、カタール、バハレーン及びアラブ首長国連邦でございますが、これらの国との間では航空協定締結に向けた当局間の予備協議を実施いたしております。  そういう状況にあることを御報告申し上、げます。

濱田健一日本社会党・護憲民主連合

○濱田(健)委員 運輸省の方は、今のことについて何か見解ありませんか。

土井勝二運輸省大臣官房審議官

○土井説明員 運輸省の方も、今外務政務次官がおっしゃったことと同じように考えております。

濱田健一日本社会党・護憲民主連合

○濱田(健)委員 国際交流といいますか、日本が世界各国に出ていく、また諸外国から日本に入ってきていただくということはますます大事なことだと思いますので、我が国のメリットだけじゃなくて、諸外国のメリットも一緒に考えながら必要な部分については今後とも国会審議を通じてぜひ進めていただきたいということをまずお願いをしておきたいと思います。  関空に関する、関西国際空港に関する部分に少し触れたいと思うのです。  ことしの九月四日、開港予定とお聞きしておりますけれども、成田にしろ羽田にしろまだまだ拡張工事を行っていくということで、日本のハブ空港の戦略というものを基本的にどのように考えていらっしゃるのか。  例えば関西国際空港を成田が満杯だという状況の中で日本の新しい受け入れ口にしていくわけですが、その場合に成田や羽田は今後どのように活用していくのか。また、関西でいいますと伊丹空港がどのような形で残されていくのか。そのような部分も含めてお聞かせ願いたいと思います。

金澤悟運輸省航空局飛行場部関西国際空港課長

○金澤説明員 お答え申し上げます。  先生今御指摘のとおり、国際的な相互依存関係が非常に深まります中で、私ども運輸省といたしましても、日本の持ちます国際的な地位なりあるいはその経済力に応じた程度に国際交流を活発化させることが極めて重要だというふうに考えておりまして、その観点から多くの国と航空路線を持つ国際ハブ空港の整備に重点的に取り組んでまいりました。  平成三年十一月に閣議決定されました第六次空港整備五カ年計画におきましても、成田空港と関西空港を二つの我が国の国際ハブ空港として位置づけまして、その整備を最優先課題として進めてきたわけであります。  先生御指摘の今後の戦略でございますが、国際ハブ空港と申しますのは、自国における経済活動のようなものがある程度反映された形で発展をしていくと考えております。したがって、関西国際空港、成田空港、これらにつきましては、今後の国際航空需要の伸びを見定めながら早期にさらに整備をしていきたいというふうに考えているわけであります。  先生最後に御質問の羽田空港及び伊丹空港の今後の整備につきましては、羽田空港は御承知のとおり現在国内便でいっぱいの状態でございますが、環境対策と国内需要増加対策を兼ねた形での沖合展開事業というものを現在鋭意進めておりますし、伊丹空港につきましては、先般関西空港の振り分けも発表いたしましたが、関西地域における国内の基幹空港として今後も存続し、整備を進めていくということにしております。

濱田健一日本社会党・護憲民主連合

○濱田(健)委員 時間がありませんので、もう少しその辺を突っ込んで聞きたいのですが、きょうはやめておきます。  海外との交流の起点として、また国内を直結する部分として今のような回答をいただいているわけですが、現実的に見たときに、地方のローカル空港の国際化というものが進んでいく。例えば鹿児島から羽田に飛んできて羽田から海外に、成田から海外に行くよりは、鹿児島-ソウル線に乗ってソウルまで行って、そこから行った方が随分便利だというような声が私の地元でも聞こえてきます。やはりこのローカル空港の国際化とハブ空港の将来をどのように設計していくかということは日本の航空業界にとっては大きな問題になるというふうに思うわけですね。  関西国際空港が九月四日に開港するということですが、その辺の将来的な展望を持っておかなくてはせっかく巨額な金を使って整備していっても何ら国の利益とはならない状況が出てくるのではないかという心配もちまたではあるのですが、その辺の将来に向けての設計というものをお聞かせ願いたいと思います。

金澤悟運輸省航空局飛行場部関西国際空港課長

○金澤説明員 先生御指摘のとおり、近隣の国際空港の動向というものは当然我が国の国際空港の今後の整備のあり方に重大な影響を与えるものでございますので、私どもとしても、そういった今御指摘のソウル空港等の近隣の空港の動向も見定めながら国際ハブ空港、先ほど申しましたように現在成田及び関空を二つの大きな核として整備を進めているわけでございますが、そういうものの動きを十分に見定めた上で整備もあわせて進めていきたいというふうに考えているわけでございます。

濱田健一日本社会党・護憲民主連合

○濱田(健)委員 一般的な答弁に終始するわけですが、本当にこれは緊急な課題として将来的な設計図というものを示していかなければ、各航空会社の赤字の問題を含めて、大きな国の課題としてますますそれが肥大化していくと思うのですね。ぜひ明らかな方向性というものを示していただきたいと思います。  それともう一点ですが、関西国際空港スタートの時点でも、いわゆる着陸料の問題等で、どれくらいの国が本当に乗り入れてくるのかまだまだはっきりしない状況があると思います。  とにかく日本の国の航空券を含めて着陸料等が世界のどの国を見ても余りにも高過ぎる。やはり空港建設に巨額な金がかかるということ、それの負担が乗客が利用する部分からなされているという問題点等々明らかになっているわけなのです。  我が党の伊藤茂前大臣も、現在の二見運輸大臣も、利用者からお金を取るのではなくて国のプロジェクトとしてこういう問題についてはきちんとした対応を示していかなくてはならないというふうに見解を述べられているようですが、二人の大臣がおっしゃったことは運輸省としての基本的な方向性がそれで示されているというふうに考えてよろしいのかどうか、その辺を明確に御回答いただきたいなと思います。

金澤悟運輸省航空局飛行場部関西国際空港課長

○金澤説明員 関西国際空港を今後国際ハブ空港として育成していくためには、空港のプロジェクトが非常に長期間かかることを考えますと、やはり早期に二本目、三本目の滑走路、つまり私ども全体構想と呼んでいる計画でございますが、これに取り組んでいく必要があるというふうに考えております。  その実施のためには、伊藤前大臣も国会で何度かその決意を明らかにしておられましたけれども、どのような事業主体がこれを推進するのか、国が主体でやるのかあるいは株式会社という形でやるのか、さまざまな考え方があるわけでございます。一期については株式会社という方式でやりましたが、二期を、今申し上げた全体構想をどういうやり方でやるのかというのは大きな課題かと思っております。  さらに、建設費を圧縮していかないと先ほど申しました着陸料の問題がやはりございますから、これも検討していく必要がございます。  また、地元に大変御協力をいただいているわけでございますが、着陸料を安くするための方策というものは国だけが取り組んでも限界がございますので、やはり全体構想についても地元の協力というものが非常に重要なファクターになってくるだろうと考えておりまして、こういう点について現在運輸省、鋭意検討しておるわけでございます。  伊藤前大臣の決意表明に基づきまして私ども部内でも鋭意検討しておるところでございまして、今先生御指摘の国のプロジェクトとして取り組むという姿勢で私ども今後検討を速めていきたい、このように考えております。

濱田健一日本社会党・護憲民主連合

○濱田(健)委員 中曽根元首相時代のいわゆる民活路線というものがいまだに生きているのだろうと思うのですが、今お話しになりましたとおりの国家的なプロジェクトという意味で推進をしていかれますように、早急な段取りをつけていただくようにお願いをしておきたいというふうに思います。  関西国際空港に関連して、いろいろな国が来たいというふうに言っているわけなのですが、我が国と一番交流関係が深いといいますか、密接なつながりにありますアメリカと中国との調整がまだついていないように聞いておるのですが、どのような見通しになっているのかお聞かせください。

土井勝二運輸省大臣官房審議官

○土井説明員 ただいま先生御指摘のとおり、関西空港乗り入れの交渉の中で、主な国で現在のところまだ米国それから中国との合意がなされておりません。  米国については一昨年の十月以来交渉が継続、それから中国も昨年の三月以来交渉が継続しているという状況でございます。それぞれ当然事情は違うあるいは理由が違うことでございますけれども、双方の主張がまだ合致していない。特に具体的にどういう路線、どういう便数で張るのかという点について合意がなされていないわけでございます。  今後の見通しということでございますが、相手があることでございまして、私どもの方から一方的にいつごろどういう形で合意ができそうだというのは、現時点では、申しわけございませんけれども、予測ができないということでございます。  私どもといたしましては、先ほど来のアメリカの問題も含めて、双方の違いを十分時間をかけて鋭意相談をして、協議をして、できるだけ早い時期に、特に関西空港九月四日の開港が迫っておりますので、何とかそれに間に合うような形で合意をしたい、そのための努力をしたいと考えております。

濱田健一日本社会党・護憲民主連合

○濱田(健)委員 その一番の調整のつかないポイントというのはどこなのですか。

土井勝二運輸省大臣官房審議官

○土井説明員 先生の御質問に対しましては、現在交渉が現に進行中でございますし、相手との関係もありますので、余り具体的なことを申し上げるのを差し控えさせていただきたいと思います。  ただ、ごく要点を申し上げると、アメリカとの交渉におきましては、少なくとも過去の協議、過去というのはこの一年半の中の過去の協議におきましては、今の日米路線の非常に供給過剰の状態あるいは運賃が安い状態の中でアメリカ側が大変たくさんの路線、便数を獲得したいということを言ってきておりまして、私どもとしては、それだと日米のマーケット全体がさらに破壊的に悪くなるのじゃないかということを懸念して反論をしているというようなところが要点かと思います。  それから、中国との関係につきましては、どちらかというとこれは日本の企業が比較的積極的に路線とか便数を特に関西空港から出したいということでございますが、中国は、いろいろ御事情があるのだと思いますが、その日本側の積極的な提案に対してちょっとそれは多いなという感じで反論をしている、こんな状況だと思います。

濱田健一日本社会党・護憲民主連合

○濱田(健)委員 なかなか大変な交渉になっていると思うのですが、あと三カ月しかございませんので一生懸命頑張っていただきたいというふうに思います。  ベトナムとの航空協定に関してというか若干それるのですが、ボートピープルの件についてちょっとお尋ねをしたいと思います。  国連難民高等弁務官事務所がベトナムからのボートピープルに対する特別扱いを廃止したことを受けて、我が国政府はことしの三月五日から、昭和五十四年から始めたベトナム難民に対して与えられておりました一時的な上陸許可、この特別措置を廃止し、それに伴って長崎県にあります大村難民センターもことし限りで閉鎖することになったと思うのです。  今後は不法入国者として身柄を拘束して強制送還などの措置をとることになるということなのですが、対米関係が改善されてベトナムの政情も安定したことからこれらの措置がとられたのだろうというふうに私は思うのです。  しかしながら、中国から我が国への密航者が多いということから予想されると思うのですけれども、こういう航空協定等ができて今後ベトナムと日本の交流関係が緊密化して、日本の豊かな経済力を目指して難民の皆さんが来ないということは保証できないというふうに思うわけです。現実に、特別措置が廃止された三月七日に長崎県五島沖で二十数名のベトナムの皆さんが逮捕されている事実もあります。  外務省が政治的な難民はもう出ないという判断をしても密入国の問題は歴然としてまだ残ってくるのではないかというふうに思いますので、我が国政府としての今後のボートピープルに対する方針を伺いたいと思いますし、我が国と同じようにこれらの難民を抱えている東南アジア諸国の取り扱いの現状、そしてベトナム政府によるボートピープルの送還受け入れ方針等々、外務省が持っていらっしゃる、キャッチしていらっしゃる情報といいますか、今どのような基本的なことをつかんでいらっしゃるのか教えていただきたいというふうに思います。

平田米男公明党外務政務次官

○平田政府委員 現在東南アジアには約六万人のベトナム人ボートピープルが滞留していると言われております。これらの滞留ボートピープル問題の早期解決を図るために、我が国といたしましては、これまでアジアの一員として定住受け入れとかあるいは本国帰還者への再定着支援のための積極的な資金協力など応分の協力をやってきたところでございますが、今後も引き続きそのような協力はやっていきたい、こんなふうに思っているわけでございます。  それで、最近ベトナム人ボートピープルについては難民性はほとんどない、こういう見方をいたしておりまして、我が国に到着いたしますボートピープルにつきましても、国際的合意を踏まえまして、先生御指摘のとおり本年三月五日以降、他の一般外国人と同様に取り扱う、こういうことになっております。  また東南アジア諸国におきましても、ベトナム人ボートピープルが到着したときは他の一般外国人と同様に取り扱っており、ほとんどのベトナム人ボートピープルについては不法入国者として退去強制手続がとられておる、このように承知をいたしております。  ボートピープルの帰還につきましては、ベトナム政府は、自主帰還など強制力を伴わない帰還には応じる方針をとっていると承知をいたしております。  以上でございます。

濱田健一日本社会党・護憲民主連合

○濱田(健)委員 もう少し聞きたいところがありますが、時間がもう迫っていますので次の機会に触れさせていただきたいと思います。  四月二十六日の小牧空港中華航空機事故、非常に悲しい出来事でした。現時点での事故原因とその責任の所在について、つかんでいらっしゃることを運輸省、警察庁、お聞かせ願いたいと思います。

南雲明久警察庁刑事局捜査第一課長

○南雲説明員 事故原因につきましては、現在墜落現場及び事故機体等の検証を行い、機体等を押収するなどいたしまして、鋭意捜査を進めておるところでございます。今後とも航空事故調査委員会とも緊密な連携のもとにその原因を究明してまいるつもりでございます。  なお、事故の責任につきましては、事故原因が明確になった時点でその責任の所在を判断することになろうかと思います。

木村泰彦運輸省航空事故調査委員会事務局長

○木村説明員 航空事故調査委員会におきましては、事故発生後直ちに調査官を現地に派遣いたしまして調査を開始いたしました。四月三十日には操縦室用の音声記録装置の記録内容を公表いたしますとともに、五月十日にはそれまでの調査結果につきまして経過報告をいたしたところでございます。  経過報告におきましては、進入時に操縦及び自動操縦装置の動きが適正に行われなくなり墜落に至ったというのが一つの考え方として存在すると発表いたしました。  同種の事故の再発を防止いたしますためにそれまでの調査結果につきましてとりあえず発表いたしましたものでございまして、現在人為的な面、機材的な面、両方から事故原因につきまして解析しているところでございまして、どちらとも現在特定できる状況ではございません。  今後、機体とかエンジンとか搭載機器とか、あるいは操縦室用の音声記録装置、飛行記録装置、目撃者の証言等を詳細調査、解析をいたしまして事故原因を解明していきたいと思っております。

濱田健一日本社会党・護憲民主連合

○濱田(健)委員 遺族の皆さんを含め、けがをされた方々の御家族、どんなお慰めの言葉を申し上げてもその傷はいえないというふうに思うわけで、最終的には賠償金の問題等で処理をしなくてはならないのが通説であります。  政府として円満な賠償問題の解決の努力をどのようになさっているのか、なさろうとしているのか、その辺の御見解を簡単にお知らせください。

土井勝二運輸省大臣官房審議官

○土井説明員 ただいまお尋ねの件につきましては、まず中華航空と遺族との間で直接お話しいただいて解決に向けるということが望ましいと基本的には考えております。  それで、これはまだ直接の正式の話し合いは始まっていないと聞いておりますが、運輸省といたしましても、中華航空が遺族の皆様方に誠意ある対応をとっていただくということをまず期待しております。  それで、今後当事者間で交渉が行われていく過程で、運輸省としてその状況を判断して、遺族の方々への支援が必要だと思われることを適宜行っていきたいというふうに思っております。

濱田健一日本社会党・護憲民主連合

○濱田(健)委員 時間が来ましたのでこれで終わりたいと思うのですが、航空機事故が起こりますと、各国そして各航空会社の間の補償の関係というものが全くアンバランス、ずさんといいますか、そういうようになっておりまして、事故が起こったたびに賠償問題のトラブルが起きていくわけですね。  最後に一つだけ。まあ事故はあってはならないことなのですけれども、政府としては、このような状況をなくしていくために、何か国際的な協議機関等を通じて、またそれをつくることによって早急な、円満な解決ができる方法というものを今までも検討してこられたと思うのですが、これからも検討する余地があるのかどうか、それを最後にお聞きして、終わりたいと思います。

土井勝二運輸省大臣官房審議官

○土井説明員 ただいま先生から御指摘がありましたように、確かに世界各国の航空企業ごとに損害賠償限度額が大変異なっております。  ただ、これを一斉に、限度額を日本のエアラインのように撤廃したり、あるいはさらに一律に引き上げていくということは、それぞれの航空企業がそれぞれ考えるところ、能力もありましょうし、それぞれの、それが属する国の政府のお考えもあるわけでございますので、これを一律に決定して、一律に実施するというのはなかなか実際問題としては難しいのではないかというのが実情でございます。  しかしながら、先生も今御指摘いただいたわけでございますが、損害賠償限度額が余りたくさん異なるということについては確かに問題があるわけでございますので、私ども運輸省といたしましても、今後ICAO、国際民間航空機関等の国際機関の場を通じて各国に働きかけていくといったようなことも十分に検討してまいりたいと思います。

濱田健一日本社会党・護憲民主連合

○濱田(健)委員 どうもありがとうございました。     〔柴野委員長代理退席、委員長着席〕

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 古堅実吉君。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 最初は、シンガポールとの租税条約についてです。  租税論議では大企業に対する優遇税制の改善が常に問題になってまいりました。ぼろもうけをすればそれだけ税を納めるというのは当然だと思いますが、この二重課税防止条約は、国内の大企業優遇税制を海外でも貫くという基本部分で問題だと考えています。  海外で安い労働力を使い、労使紛争の規制や経済活動の基盤整備も進出先政府が実施するなど、国内においてよりも高利潤追求を保証される大企業にはそれに見合った課税が必要だと思いますし、それが公平ではないかというふうに考えますが、どうですか。

小池寛治外務大臣官房審議官

○小池政府委員 みなし外国税額控除の制度は、必ずしも大企業のみではなく、日本からこのところ多数進出しております中小企業に対しても適用されるものでございます。  この制度の目的というのは、先生御承知のとおり、主として開発途上にある相手国から、自国の租税減免措置というか、投資を優遇しよう、促進しようという措置がとられておりますが、その効果が減殺されないことを確保したいという強い要望がなされて、我が国としても、そういう国の経済発展を目的として採用しているそのような租税減免措置の効果が全く無視されることは必ずしも妥当ではないという点を考慮して採用しているものでございます。  先ほど申し上げましたように、中小企業等の開発途上地域への進出もこのところ顕著になっておりますけれども、これらの中小企業も要件を満たせば適用されることになりますので、この制度が大企業優遇措置であるという御指摘は当たらないものと考えております。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 今ありましたように、みなし外国税額控除が引き続き採用されております。シンガポールといえば、御存じのように、一人当たりのGNPが一万三千ドルという経済発展国です。他の租税協定との比較で見ても、そういうみなし外国税額控除が引き続き採用されるというのは不自然な感じもいたします。それはいつまでも続けられるつもりですか。いつやめられる、そういうようなおつもりがありますか。

平田米男公明党外務政務次官

○平田政府委員 先生も御承知かと思いますが、二〇〇〇年までにみなし外国税額控除はシンガポールについてはやめるということになっております。  御承知かと思いますが、シンガポールとの間には一九七一年に、みなし外国税額控除を規定した租税協定を結んでいるわけでございます。当時シンガポールはまさに開発途上国でございまして、このような国に対して経済協力をどのようにやっていくかいろいろな形があるわけでございます。無償資金協力、技術協力あるいは円借款等ございますが、その一つのツールとしてこのような税額控除というものがある、このように認識をいたしております。  先生御指摘のとおり、その我が国の支援によりましてシンガポールも経済的発展をしてきたわけでございまして、そのような状況にかんがみて、今申し上げたような二〇〇〇年に廃止をする、こういう合意になっているわけでございます。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 十分しかございませんから次に進みますが、次はモンゴルとの航空協定について一、二点お尋ねします。  説明書には、モンゴルが民主化と市場経済への移行を開始して以降、両国関係が急速に緊密さを増しているというふうに述べておりますし、また一九九三年版のODA白書では、「九一年八月には海部総理大臣(当時)が西側先進諸国の首脳としては初めてモンゴルを訪問し、我が国から、モンゴルの民主化及び市場経済化を中核とする経済改革に対する緊急支援を含む経済協力の実施、文化交流の一層の強化等の方針が示され、」というふうに書いています。  これは、モンゴルに対して民主化及び市場経済を中核とする経済改革を日本が求めたということを示すものですか。

平田米男公明党外務政務次官

○平田政府委員 モンゴルは一九八九年末に民主化運動が起きておりまして、九〇年以降、モンゴル国民のまさに自由な意思で民主化と市場経済化を積極的に推進しよう、このように決められたわけでございます。  我が国といたしましても、モンゴルの国民がお決めになった民主化、市場経済化というものを支援していくことがモンゴルの発展にもなるし、また世界の平和と安定にも寄与する、このような視点からその推進に協力をしていこう、こういう考えを持っているわけでございます。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 求めたわけではないという御説明に聞こえます。  国連憲章第一条の二項は、「人民の同権及び自決の原則の尊重に基礎をおく諸国間の友好関係を発展させること」と明記しております。言うまでもなく、民族自決権とは、それぞれの民族が自己の経済制度、社会体制、国の進路を外部からの制約を受けずに自主的に決定する権利であります。  日本にODAを初め経済関係の発展を求めてきている国に見返りとして民主化や市場経済を求めるようなことがあってはならないことは言うまでもないと思いますが、政府方針としてはそういうことは確立された態度であるかどうか、お聞きしたい。

平田米男公明党外務政務次官

○平田政府委員 先生から御指摘のとおり、民族の自決というもの、これを守っていくということは当然だというふうに思っております。  しかしながら、我が国といたしまして、諸外国に対して経済協力、ODAを行うに当たりましては、先生も既に御承知のとおりODA大綱というものをつくっておりまして、その理念と原則に従って行っていくという考え方を持っておる次第でございます。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 経済協力をするから日本の好むような体制をつくれとか、そういうことを要求するのではないということは明確ですか。

平田米男公明党外務政務次官

○平田政府委員 軍事力を削減していく方向、あるいは民主化を推進していく、あるいは基本的人権を守っていく方向、こういう方向性にあることを期待しているということはODA大綱の基本的な考え方でございます。  先生おっしゃるように一つの体制を相手に求めていくというのがどういう御趣旨なのかよく私自身わかりませんが、先ほど先生がおっしゃったような民族自決という原則を踏まえた上での考え方であるということを御理解いただきたいと思います。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 終わります。

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 高市早苗君。

高市早苗改新

○高市委員 北朝鮮問題についてお伺いいたします。  この問題が悪化した場合の我が国の対応ですけれども、基本的に政府は、国連安保理の対応を支持すること、それから憲法の枠内で最大限の措置をとること、この二つを原則にするつもりだと私は理解しておりますけれども、間違いございませんでしょうか。

平田米男公明党外務政務次官

○平田政府委員 まさに先生御指摘のとおりでございます。

高市早苗改新

○高市委員 しかし、六月十一日に柿澤外務大臣がまず訪韓を行うというのでは、国連中心外交というよりは、むしろ日米韓の独走というイメージが国際社会に定着してしまうのではないかと危惧をいたしております。  もちろん、あらゆるケースを想定した危機管理というものは必要でございますけれども、北朝鮮制裁を前提とした外交姿勢を最初から示すよりは、まずアジアの一国家としてあらゆるカードを使っての外交努力をするという姿勢を内外に示すことが大切だと考えております。  その点では、日程上の問題もあろうかと思いますけれども、順序としては中国、ロシアなどを訪問後に、また国連事務総長との協議も十分に行った上で韓国訪問をすべきではないかと考えるのですが、いかがでしょうか。

平田米男公明党外務政務次官

○平田政府委員 そういうお考えが一つのお考えとは思いますが、やはり近隣諸国と緊密な連携をとって対応していくということは極めて重要だと思います。  今回も柿澤外務大臣は韓国及び中国を連続して訪問することになっておりますので、先生のお考えのような御懸念はないものと理解をいたしております。

高市早苗改新

○高市委員 中国の訪問に関してはもう日程的にも確定したものでございましょうか。

平田米男公明党外務政務次官

○平田政府委員 そういう方向性を持って今準備をしているところでございます。最終的には国会の了解をいただかないといけないということも手続上ございますので、そういう方向性で今準備をしているところでございます。

高市早苗改新

○高市委員 それでは、二日間にわたって韓国及び中国の両国を訪問するということに関して国会の同意が得られなかった場合は、やむを得ず韓国一国訪問ということもあり得るのでしょうか。

平田米男公明党外務政務次官

○平田政府委員 韓国も中国も、いずれにいたしましても国会の御了解をいただく必要がございまして、ぜひとも国会の御了解を、両国に対して柿澤外務大臣が訪問することを御了解いただきたいと切に願っているところでございます。

高市早苗改新

○高市委員 以前アメリカのペリー国防長官が発言したと聞いておる内容なのですが、北朝鮮の核武装は台湾、韓国、日本の核武装につながると。また韓国側の方にも、日本が北朝鮮の核脅威を軍事大国化の口実にするのではないかといった懸念があるやに聞いておりますけれども、これら国際社会の認識と我々日本人の意識のずれに対して、この誤解を解くための具体的な努力というのはされておるのでしょうか。

平田米男公明党外務政務次官

○平田政府委員 私自身、外務政務次官をやらせていただいたわずかな期間でございますが、その中でも、先日、広島で国連軍縮会議というのがございまして、これは連続六回日本がホストになって開催をしてきた会合でございます。  その中で私、政府を代表いたしましてごあいさつをさせていただいたわけでございますが、軍事大国化をしない、また非核三原則を守っていくということを明確に申し上げました上で、我が国は軍縮貢献国としてこれから国際社会の中で貢献をしていきたい、このような意思を明確に表明しておるところでございます。  このように、機会があれば折に触れて我が国の基本的姿勢というものを明確にしておりまして、諸外国に対する我が国の非核三原則等を初めとする軍縮の姿勢というものを明確に示しているところでございます。

高市早苗改新

○高市委員 アメリカ、韓国が北朝鮮に対しまして経済制裁を含めてかなり強い対応をとる用意があると報道されておりますけれども、もしも日本がこの問題においてアメリカや韓国と一線を引いた対応をしてしまった場合、日米関係、日韓関係にはそれぞれどのような影響が出るとお考えでしょうか。

平田米男公明党外務政務次官

○平田政府委員 先生既に御承知かと思いますが、先般ワシントンで日米韓の三者協議を行ったわけでございまして、三国の共通の認識をそこで示しております。国際社会が国連安保理を通じて緊急に制裁を含む適切な対応を検討することを必要としている、こういうことでございまして、まだ制裁云々については議論をするとかあるいは認識を共通にしたということではございません。  緊急に制裁を含む適切な対応を検討するということでございますので、その辺、御理解をいただきたいと思います。

高市早苗改新

○高市委員 先ほど来伺っております海外から出た日本の核武装のおそれといった脅威論、それから韓国を訪問することによって与え得るであろうイメージ、こういったものを考慮いたしますと、やはり内外の世論に謙虚に耳を傾け、これに誤りなく対応していく必要はあると思うわけです。  私自身自由党ですから、党首であります柿澤外務大臣を抱えまして非常に申し上げにくいことなのですけれども、しかし、国民の命とか国家の主権にかかわる重要問題に直面しているわけですから、この内外世論というものにも十分配慮して、また最大限の外交努力をぎりぎりまで求めるという国民の声にも耳を傾けていただいて、そしてその上で、最悪のケースに対応する危機管理体制への合意づくりというものをしていっていただきたい。  この点を心よりお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 前原誠司君。

前原誠司民主の風

○前原委員 核兵器使用の違法性に関するICJへの意見書に関して御質問したいと思います。  実定の法律上に規定がないから違法とまでは言い切れないという解釈でございますが、私はこれについては非常におかしいのではないかと思っております。  これは、国際法と日本の国内法とで、法というものの概念が随分違っている。  平田先生は専門家でいらっしゃいますからあえてお伺いしたいわけであります。例えば白いキャンバスを想定していただいて、法治国家においては、ある程度色を塗っていく、そしてすき間をなくして、規定がされていないからそれについてはどうだというふうなことは判断ができるわけでありますけれども、国際法というものは、いわゆる慣習とか条約とかあるいは国連憲章とか、そういうある程度漠然としたものを含めて国際法と言っているわけで、白いキャンバスに例えますとまだ非常に白い部分が多い。そしてまた、条約については参加しない国に対しては罰則も及ばないというふうなことで、普通の法概念とは違うと私は思っております。  だから、その法概念に規定されていないから違反とは言えないということは正確ではなくて、そういう白い部分が多いというふうなことから、違反かどうかというふうな判断を求められた場合においては、実定法上で規定がないから違法ではないということではなくて、そういった規定がなされていないというふうなことを言うのが一番正確、妥当ではないかと私は思いますが、その辺を御答弁いただきたいと思います。

平田米男公明党外務政務次官

○平田政府委員 私は弁護士でありますが、ほとんど民事、刑事ばかりやってまいりましたので、国際公法については正直言いまして専門ではございません。したがいまして、詳しいことはまた政府委員の方から御答弁させていただきたいというふうに思っております。  国際法といった場合に、実定国際法という表現をこれまで政府答弁でやってきたわけでございますが、そのときの実定国際法というものは、実定ですからやはり実際に定められたということでございまして、基本的には条約等成文化されたものが前提になるのではないかというふうに理解をいたしております。

高野幸二郎外務省総合外交政策局国際社会協力部長

○高野政府委員 内容的には今委員がお示しになった考え方、私ども基本的には同様の考え方かと思います。  ただ、その考え方を私どもの表現で申し上げますと、一つの表現は、実定国際法上まだ国際法違反と言い切れないということでございまして、さらに、もう一つの私どもの言い方をさせていただきますれば、その違法だということについてまだ国際社会全体としての認識が形成されていないというふうに表現するわけでございますが、趣旨は委員先ほどお示しになった考え方と同様かと思います。

前原誠司民主の風

○前原委員 まだ核兵器の違法性については国際社会の認識は調っていないということでありますが、ただ、大量破壊兵器であること、あるいは環境、人体の健康に及ぼす重要性にかんがみますならば、毒ガスとか化学兵器というものが禁止されているというふうなことも考えますとやはり類推解釈というのは十分可能で、そういう方向性に向けてやるべきじゃないか。  しかしながら、第二次世界大戦後の米ソの冷戦というふうなもので一つ核というものがパワーを持っていたという現実から、そういうものが合意されるに至らなかった、あるいはそれ以前に議論されるに至らなかった。これはパワーポリティックスの中でまだ白い部分に残っていると私は思いますので、唯一の被爆国であり、また北朝鮮の問題なんかも非常にナーバスなこの時期に、違法とまでは言い切れない、実定法の中では定めがないから言えないということじゃなくて、まだそういうのは規定されていないという言い方にぜひ変えていただけないものかどうか。これは御答弁は結構です。それは御要望としてお願いをしておきます。  それからもう一つ。これは細川前総理も答弁されていることでありますし、先ほども柿澤大臣がおられたときに答弁されておりましたけれども、現実問題、今の世界の平和というものが核抑止によって保たれている部分が非常に大きいというようなことを言われました。ここら辺をちょっと議論をさせていただきたいと思うのです。  保有と使用というものを分けて考えなければいけない。つまり保有というものに関しては、NPTとかあるいは部分的に核実験を禁止しようとか、そういう条約がございます。  しかし使用に関しては何ら決められていない。実際、核を保有しているということが核抑止論であって、それは使用をもちろん前提としているわけでありますけれども、実際、核兵器なんというのは使用してしまったらもうすべてが終わり、そのおどしによって核抑止がなされているということになりますならば、使用というものについて違法性を言及していっても核抑止論は成り立つのじゃないかと私は思うのです。  つまり、保有ということを前提にして核抑止論は議論すべきであって、使用の違法性というものを問う場合に現実の核抑止論をもって話をするということについては私はいささか疑義があるのですけれども、その点について御答弁をお願いします。

高野幸二郎外務省総合外交政策局国際社会協力部長

○高野政府委員 委員御承知のとおり、今日の国際社会におきまして安全保障を考える場合、核を含む軍事力の抑止力によって保たれているというのが一般的考え方でございます。  その場合の抑止力というのを核を含む軍事力の保持及び使用ということで分けて考えることが果たして、私今お聞きしておりまして、理屈といいますか理論といいますかそこはわかるのですが、実際問題としてどの程度現実的意味があるのか、若干疑問ではないかなというふうに感想を持ちました。

前原誠司民主の風

○前原委員 もう時間が終わりますので、これで終わりにしたいと思います。  ともかく先ほど申し上げましたように、まだ議論されていない部分あるいは白いキャンバスの部分が多いのに違反であると言い切れないと強い口調で言うということ、それから今の核抑止論の問題にいたしましても使用を前提とした保有というものをもっと突っ込んで議論をしていないということ、それから今の北朝鮮の問題で日本がこれだけ世界とともに騒いでいるという前提を踏まえて、この十日が締め切りでありますけれども、非常に熟慮していただいて、的確な御判断をいただきたいということを最後に御要望して、質問を終わりたいと思います。

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 福田康夫君。

福田康夫自由民主党

○福田委員 早速お尋ねいたします。  北朝鮮の核疑惑問題でございますけれども、この問題に関しまして、外務大臣は今週末訪韓をされて、そしていろいろ協議をされる、こういうふうなお話でございます。また先ほどの御答弁では、その足で中国にも行かれるかもしれぬ、こういうふうなことでございますね。  そこで、これは大臣からお話ししにくいことかもしれませんけれども、一体何のために行かれるのですか。その目的を教えてください。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 北朝鮮の核開発疑惑の問題が国連の安保理に議論が移されまして非常に大事な局面になっております。  その中で日本と韓国は国連の安保理のメンバーではございません。しかしながら、両国は隣接国として非常にこの問題には重大な関心を持っているわけでございます。その点、双方がそれぞれの考え方をすり合わせることが非常に大事であろうかと思っております。  また中国は安保理のメンバーであり、また北朝鮮とは友好関係を持っている国として、北朝鮮がこれからIAEA体制に復帰して核疑惑を払拭するように努力をしていただく一つの説得の努力をお願いをしたい、そういうようなことも含めて話し合いをしてきたいと思っております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 大臣がこの時期に行かれるというのは、これも必要なことだろうと私は思います。その前に韓国との間、中国との間では当然事務レベルでは話は進行しているだろう、その話をもとにして今度外務大臣が訪韓中をされるというふうに私は理解しておりますけれども、そのようなことでよろしゅうございますね。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 韓国との間では、御承知のとおり、先週末からワシントンで日米韓の事務レベルのお話し合いをいたしました。  それから中国に関しましては、先週、唐家セン外交部の副部長、外務次官がおいでになっておられましたので、これは事務レベルでの話し合いということでございましたが、私も国会の合間を縫って、会っていろいろ話をいたしました。  そうしたものを前提にして話し合いをしたいと考えております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 ただいまの御説明だけのことではないと私は思いますけれども、さまざまな形で交渉はされていらっしゃる、そういうことでよろしゅうございますね。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 交渉というよりも意見の交換といいますか、現状認識についての相互理解を深めるということでの話し合いは続けております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 そうしますと、さまざまな形で行われている相談とか協議、情報交換ですか、そういうふうなことの中から何か浮かび上がってきているものはございますか。それをもとにして大臣はこれから訪韓される、このように私は理解をしたいと思ったのですけれども。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 韓国との間ではこの問題についての憂慮を分かち合っておりまして、韓国としては、北朝鮮が誠意ある態度を示さないのであれば国連において何らかの措置を決めざるを得ないというような考え方だと承知をしております。  中国は、さらに話し合いを続けるべし、制裁を含むような措置はとるべきではないというような考え方だと思います。  それぞれが、国際社会が一致して協力をしなければならない、そして北朝鮮に翻意を促すという点については一致をしておりますが、それに対してどのような手段でアプローチをしていくかという点についてはそれぞれ若干のニュアンスの違いがあると思いますので、その点を調整をしてきたいと思っております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 要するに北朝鮮が一体、今現在何を考えているのかな、こういうことじゃないかと思うのですけれども、その点について、そういうふうな今までの話し合いの中で具体的にこんなふうな形じゃないかなというふうなものはおぼろげながらでも出てきておりませんでしょうか。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 三月三十一日の国連の安保理議長声明その他、再三にわたる国連からの警告にもかかわらず北朝鮮がIAEAの監視のもとでなく燃料棒を抽出した、作業を終了したということについては深い懸念を有しております。そういう意味で、それが何を意味するものか、北朝鮮が最後に何をねらっているのかという点については必ずしも十分な理解を私どももできているとは思いません。  ただ、それぞれの国々でそれぞれの判断があると思いますので、そうした点についても北朝鮮の真意は何なのか、これも両国との会談のテーマであろうかと思っております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 今明確に言えるような段階でない、こういうふうなお話ですけれども、北朝鮮の考えていることは、一つは核疑惑そのものを材料として西側から最大限の譲歩を引き出そうという核疑惑カードということでしょうか。  もう一つは、究極的に核戦力を保有する、それを外交的なまた経済的な武器としていろいろな交渉に使うのだ、こういう核武装論ですか、そんなふうなことに集約されるのじゃないかな、こう思いますけれども、大臣どっちでしょうか。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 最初に福田先生御指摘の核カードを外交交渉で有利に使っていきたいという思いがある、この点については私もそう思います。  最終的に核保有国になろうとしているのかどうかについては、これはここで予断を持って申し上げることはできない、避けたいと思います。

福田康夫自由民主党

○福田委員 この日朝間、我が国がこの問題についてみずから乗り出して解決をするというふうな国際環境にはどうもないような感じがいたしますので、やはりアメリカとか中国とか、もちろん韓国もそうですけれども、そういうふうなところとよく相談をして、協力して北朝鮮にぶつかる、こういうふうな形になるのではないかと思うのです。  我が国も実際問題、北との間では余り交渉はしていないわけですね。しばらく交渉が中断しているというふうなことになっていると思いますけれども、この中断の理由も、向こうに言わせれば日本が悪いと言い、日本は向こうに責任がある、こういうふうなことでお互いにその責任をなすり合う。客観的に見てどうかということはありますけれども、そういうふうな言葉のやりとりで終わっているというふうなことになるのではないかな、こんなふうに思うのです。  私は、日本の外交全体というわけではありませんけれども、個別的に申しますと、北朝鮮だけのことじゃないのですが、交渉をしないところとは徹底して交渉をしない、また無視するとかというふうなことを往々やっていることもあるのじゃないかな、こんなふうに思っているのですよ。  ですから、北朝鮮との間で表向きは中断というふうなことはあっても、いろいろなチャンネルもしくは多国間でも結構ですけれども、そういうふうな形で話し合いが継続できるような環境というものは、これはどうしてもどこの国とも持っていなければいけないというふうに私は思っておるのであります。  これは全く北朝鮮とは違う話ですけれども、例えば一つの例として台湾。普通、台湾の方が日本に来るときに旅行査証、いわゆるビザ、ほかの国に与えられるビザが台湾の人には与えられない。渡航証明というのが必要なのですね。これだって何かやり方として非常にかたくなというか、そんなふうな感じがいたしまして、もう少しうまいやり方がないのかなというふうなことを私は今思っておるわけです。  いずれにしましても、大臣が向こうに行かれて、韓国に行かれて、そして十分な相談をしていただきたい、そのように希望いたしております。  また、これと前後しまして、自民党の議員とかそれから社会党の議員が訪朝をするというふうな話を、これは新聞で私は見たのであります。そのことについて、自民党の議員に対して、直接でないかもしれませんけれども、二元外交を懸念して、派遣するのはやめてほしいというふうな申し入れを事務次官がされた、こういうふうに新聞に載っているのです。そういうことはあったのですか。

川島裕外務省アジア局長

○川島政府委員 お答え申し上げます。やめてほしいというようなやりとりはございません。

福田康夫自由民主党

○福田委員 これは、それじゃ認めている、まあ認めるというか、行くのは、これは何というのですか、認めるというわけでもない、認めるのですか。

川島裕外務省アジア局長

○川島政府委員 むしろこの機会に日本としてこの問題をどう見ているかということを正確に伝えていただくという積極的意味は大いにあり得る訪朝であろうと思っております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 適当だというふうに考えていらっしゃるわけですね。前に金丸、あの当時副総裁ですか副総理ですか、ピョンヤンに行かれまして、あのときにも二元外交だというふうな批判がございましたけれども、今度はそういうことは言わないわけですか。

川島裕外務省アジア局長

○川島政府委員 いろいろな形で北朝鮮に働きかけを行うということはそれ自体重要であろうかと思っております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 それも、これからもう少し深刻な状態になるということであればいろいろ国際的なことも含めて問題があるかもしれぬけれども、今の段階であればそういう議員が訪問する、いろいろな形で交渉してくる、話し合いをしてくる、これはいいというわけですね。

川島裕外務省アジア局長

○川島政府委員 もちろん、これから事態がさらにどう展開するかによって、もうちょっと先にした方がいいのではないかというような判断が生じ得る事態もあるかもしれませんけれども、今の時点で考えますと、むしろいろいろな方が訪朝されて、それぞれ働きかけを行うということは積極的な意味合いがあろうかと思っております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 それで、そういうふうな政治家が訪問して、向こうで話をする中身ですね、これが問題になるのですか。それとも、友好的な議員連盟みたいなのがたくさんございますけれども、ああいうふうな形の友好親善のピョンヤン訪問、こういうふうなことで考えていらっしゃるのですか。もしくは、具体的な何か役割とかそういうものを期待していらっしゃるのですか。

川島裕外務省アジア局長

○川島政府委員 お答えを申し上げます。  これは、どういうふうなやりとりをされるかは、それはいらっしゃったそれぞれの先生方の御判断であろうかと思いますけれども、ただ、こういうことになっている時期に、核問題があたかもないかのような形で、親善だけで帰ってこられるということでは皆さんないのだと思うわけでございます。  したがいまして、政府自身の立場もそうでございますけれども、やはり日朝関係自体は、これは前に動かしたいということで前から正常化交渉をやって、中断しておりますが、ただ、そのためにもやはり核開発、核兵器開発のこの問題がきちんとクリアされると申しますか、北朝鮮側がこの疑念を晴らすということをしてもらわないと前には動けないというやりとりが基本になるべきであろうと思っております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 さまざまな形で話し合いを持つということは必ずしも悪いことではない、むしろ話し合いのきっかけが生まれるかもしれぬ、そのぐらいの期待はあるというふうに理解してよろしいですね。──はい、わかりました。  この北朝鮮問題はそれまでにして、シンガポールにおける人権問題と申しますか、人権問題というのはアメリカの方で言っているかもしれぬけれども、米国の少年がむち打ち刑を受けたのです。それに対してこれは刑が重過ぎると言ってタリントン大統領がみずから非難をした。それで両国間で非難の応酬をしたけれども、最終的にはアメリカの世論も鎮静化をして、そしてむち打ち刑も実施された。こういうふうに理解しておりますけれども、もし日本人がそのような立場、その少年のような立場になった場合にはどうなんですか、何か言うのですか。外務省は言うかどうか知りませんけれども、日本の方は政治家として言うのでしょうか。  実はこの人権問題について非常に象徴的な日本の考え方といいますか、出来事があるのです。それは、細川総理が中国を訪問しました、あのときに二つのことを言っているのですね、この同じ人権のことについて。  一つは、李鵬首相との公式会談では、米国流の人権配慮というふうな要請をしたというふうに聞いております。ところが、多分その日の夕食、晩さん会か、李鵬首相に対して、西側の価値観とヨーロッパ式の民主主義を押しつけるのは適当でないというふうなことも言っているのですね。  日本は結局そういうことなのですね。どっちなのか。それは、そのときどきで、相手次第でもって言い方を変える、こういうふうなあいまいなところがあるのじゃないかと思うのだけれども、まず、細川首相はこういうふうに言ったのですか、本当に。

川島裕外務省アジア局長

○川島政府委員 まず人権問題につきましては、これはまさに李鵬首相との会談というか、食事の場がまさに会談そのものになったわけでございますけれども、そこで人権というものは普遍的な価値であって、これを尊重すべきものと考えるということを明確に伝えられた次第でございます。  ただ、一方、細川総理御自身その前に、昨年のクリントン大統領との出会いなんかのときにも、西側の体制とか価値を押しつけるという姿勢が余り強いということは問題になり得るのではないかということを表明されたことがございまして、同様の趣旨のやりとりも中国側と行った。  ただ、それは必ずしも矛盾するものではないというふうに思っております。

福田康夫自由民主党

○福田委員 時間ですから終わります。

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 伊藤茂君。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合

○伊藤(茂)委員 久しぶりに質問に立たせていただきました。やはり答弁席に立ったり質問に立ったり繰り返されるということは本当にいいことだと思います。  外務大臣の本会議の演説もひな壇で大変印象深く聞かせていただきましたし、また、それらについての最近の答弁も大変印象深く伺っております。お互いにそういうことをしながらよりよい時代ができればという思いがいたします。いろいろ悩んだり苦しいことがございますが、そういうものではないだろうかというふうに思っております。  限られた時間で大臣に伺います。私は細川内閣当時に閣僚の一人として、朝鮮問題あるいは安保常任理事国問題などなど、いろいろなことの議論あるいは相談もいたしました。これもいろいろと振り返っております。  そういうことを振り返りながら、羽田内閣成立以降の閣僚の皆さん、発言を聞いておりますと、当初はこれは変質したということを思ったわけでございます。更迭された前法務大臣の発言などございました。それからその後は羽田総理も、あのお人柄ですからいろいろと気を配って発言をされているというふうに思いますが、何かやはりトーンが違うのかなということをどうしても抜きがたい気持ちがするわけでございます。  また、きょう衆議院で予算が通過をいたしますと、参議院でも間もなく成立をすることになると思います。会期末を迎えまして、それでは安定した次の政府をどう考えたらいいのか。柿澤さんの前で次のなんというのは大変失礼ですが、そういうことも政治の大きな課題になっている。  その場合どういう政策をやるのかということも国民の皆さんが注目をしているという中でございまして、そういう意味で私としては、細川内閣の当時と羽田さんの内閣と同じなのか、トーンが違うのかということで幾つかお伺いをしたいというふうに思うわけでございます。  まず一つ伺いたいのですが、憲法観ですね。細川内閣のときには、昨年八月九日の組閣の前の七月末でございましたか、連立与党の合意がございまして、その中には憲法の理念、精神を尊重しながら云々という言葉があったことも御承知のことだろうと思います。  先月、新聞を読んでおりましたら幾つかの新聞に、外務大臣の発言で、憲法九条につきましても自由な議論をすべきである、先入観のない活発な議論をすべきではないかという見出しのあれが載っておりました。ちょっとこれは違うな、違うと感じたのですが、今どう思っておられますか。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 羽田内閣の一員として、内閣の方針に従って、現在、憲法解釈等その線に沿って政策を進めていきたいと考えておりますが、ただ、憲法が成立した時期と、また最近のように国連によるいろいろな形の平和維持の活動が展開されている時期と、いろいろな意味で日本を取り巻く安全保障の環境も異なってきておりますので、そういう点についてはできるだけ、予断を持ってじゃなくて、先入観を持たずに国民に議論していただく。我々は、いずれにしましても、国民の合意に基づいて政治をやっていかなければならないわけでございますので、そういう趣旨のことは申し上げたところでございます。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合

○伊藤(茂)委員 きょうは論争する時間がございません。ただ、私は、お亡くなりになった大来佐武郎さんから、いっかこう言われたことがあります。いろんな国際会議に出ます、いろんなところでエコノミック・スーパー・パワー・ウイズアウト・パーパスという言葉を言われました。伊藤さん、やはりニューパーパスを考えなきゃなりません、その時代ですということを言われまして、大来さん、ニューパーパスのポイントを教えてくださいと言いましたら、それは自分で勉強しろということを言われましたけれども、印象深くそんな会話が私の記憶に残っております。  それらを考えますと、やはり世界も大きく変わります。新しく世界の中での日本の生き方が問われている。それを冷戦時代の例えば護憲、改憲とかというスローガンの投げ合いではなくて、共通の認識のもとに新しい時代の生き方を議論すべき時代だというふうに私は思います。  それらを考えますと、新聞に出た外務大臣のお話あるいはまた今の御答弁からもう一歩ニューパーパス、そういう意識を全体像ではなくても、鮮明に持ちながら議論したいというふうな姿勢を持つことが政治あるいは政府の責任ではないだろうかと思いますが、いかがですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 その点についてはもう伊藤先生の御指摘、私も同感でございます。我が国としては、戦後、経済復興に専念をしてこれだけの経済力を充実することができました。この経済力を世界の平和とそして繁栄のために、特に南北格差の是正等に活用をしていく、そうしたユニークな活動が今後ともできると思っております。  また環境問題では、我が国自身が六〇年代末から七〇年代にかけて大変苦しい思いをして克服をしてきたこの経験を生かして世界の地球環境問題にも貢献できるものと考えております。  また、第二次大戦の苦い経験を生かして軍縮・軍備管理等についても積極的な努力ができると思っております。  そうした分野が先生おっしゃるようにこれからの我が国の外交の中心になり、そして受け身の外交から能動的、創造的な外交に転換をしていくということが大事であろうかと思っております。  あくまで安全保障の問題はそうした中の一環ということでございまして、その点だけが余りにも突出をして議論をされることはこれからも好ましいことでは必ずしもないということは私も感じております。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合

○伊藤(茂)委員 今のお話に関連して申しますと、国際社会、国連との関係で、細川首相の昨年の国連総会での演説あるいはその前後の閣内のさまざまな議論というものを考えますと、今のは、羽田さんも外務大臣・副総理だったわけですからつながりはないことはないのですが、私はやはり何かトーンが違うなと感じます。  例えば日本と国連安保常任理事国という問題につきましても、国連改革それから新時代の国連のあり方、それと日本のかかわりというふうな問題意識を持って実はさまざまな相談をいたしました。最近見ますと、とにかく安保常任理事国に早くなるのだというふうな形の議論が、トーンが非常に強いと感じまして、何かやはりトーンが違うのだなと。これから後、連立与党側と御相談をすることがあるのかないのか知らぬけれども、ちょっとこれはどうかなという思いを持っているわけでございます。  先ほどの大来さんの言葉ではございませんが、例えば大統領をおやめになったドイツのワイツゼッカーさんも、新しい世界における我がドイツの生き方は、あるいは安保常任理事国に対する考え方はということを述べられておられました。また、私もボンに参りまして、社民党の友人の諸君といろいろそんな議論をしたこともございます。  それらを考えますと、日本にとってこれからの時代を考えますと、日本が国際社会にさらに大きな役割と責任を果たす、私は賛成です。問題は、そのあり方の問題、日本のビヘービアに最もふさわしい形をとらなければなりません。  そうなりますと、現在のP5と同じことをする仲間入りをしようというわけじゃもちろんございませんから、私の地元の長洲県知事でいえば、世界の厚生省、世界の環境庁などと表現されておりますが、日本がこれからの世界で特にやるべきことは何か。ワイツゼッカーさんも、ブルーヘルメットに対応するぐらいの新しい役割を担うべきグリーンヘルメットの創設を担おうではないかというふうなことを言われておりました。  やるべきこと、やらなければならないこと、そういうことを、項目が幾つになるか知りませんが、例えば五つなら五つぐらいのプリンシプルにして、日本はこういうことで国際社会にもっと貢献してまいります。日本の姿勢に、日本のビヘービアに最もふさわしいことでこれからの世界に最も貢献する。そういうことを内外に宣明するというようなことがまず先に必要なのではないだろうかというふうに思いますが、そういうお考えはございますか。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 これは、羽田総理も折に触れてそうした趣旨のことはおっしゃっておられますし、私も今伊藤先生が挙げられた点については賛成でございますので、機会がありましたらまとめて、そういう形で日本外交の指針を示せるよう努力をしたいと思っております。  また、安保理事会の問題でございますが、私は決して、なりたいなりたい、こう選挙運動のようにがむしゃらにやろうという姿勢ではない。羽田内閣もそうではないというふうに考えております。  ただ、細川内閣のスタートの段階から比べますと、国連における国連改革の議論も、また安全保障理事会の改組の議論も大分深まってまいりまして、各国の間では、日本はやはり常任理事国として活動すべきではないかという期待と、またそうした声がふえていることも事実でございますので、そういうことであるならば我々としてはその責任を果たす用意があるということを申し上げているわけでございます。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合

○伊藤(茂)委員 国連改革それから安保理の改革の問題も恐らくことしの国連総会のレベルではまだいろいろな議論がたくさん出る。来年の国連総会に向けてどういう収れんができるのかなということではないだろうかと私は思っております。  それらを考えますと、戦後五十年という日取りもいろいろな意味で国際的にも大きな意味を持つわけでございまして、議会の方では、戦後五十年に当たって何らかの日本の姿勢を内外に明らかにする国会決議、宣言、それはあるべきだと思います。  政府としても同等にか同じように、やはり日本らしいそういうことをすることが国連におけるさまざまな議論の進展のテンポから見ましても大事なときではないかと思います。特にそういうことにつきましては、外務省、外務大臣がイニシアチブをとられるべきテーマであろうと思いますが、いかがですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 国会での御決議の問題につきましては、これは国会の御決定によるところでございますが、羽田総理もおっしゃっておられますけれども、私も国会議員として、開戦五十年のときには何らかの国会決議が必要ではないかということで、羽田現総理とも一緒になって社会党の皆さんとも御相談をした一人でございます。そういう意味では一つのお考えであろうかと思います。  また、政府におきましては、これも終戦五十周年、どのような形でこれを、過去を反省しながら前向きに生かしていくかということでいろいろな行事を政府として考えるべきであるというふうに思っておりまして、外務省としても、これは関係省庁多いものですから、いろいろな形で今後御相談をし、来年度の予算要求とかそういうものに生かせるように努力をしていきたいと思っております。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合

○伊藤(茂)委員 そういう国際社会等の場合を考えますとアジアの一員としての構想力というものも問われると思います。  もう三年半くらい前でしたか、CSCEパリ憲章などなどの後、オーストラリアのバンスさんといいましたか、外交・貿易担当大臣でしたか、へラルド・トリビューンに論文を書かれまして、その中で、アジアでもそういうヨーロッパ型のシステムというものをどう構想するのかという非常にユニークな論文を発表されておりました。もう三年、四年くらい前であります。  日本の場合にはなかなかそう進んでおりませんし、それからアジアというのはヨーロッパと違って、経済的にも安全保障面でも極めて複雑でございますからさまざまな新しい試みと努力を必要とする、また構想力の原点もさまざまな新しい試みが必要であるということは私も十分承知をいたしております。さっき五つくらいのプリンシプルと申しましたが、そういう一つの大きなものを持ってやるということが非常に大事ではないだろうか。  私も、日本という国は、片足はアメリカ、日米関係、片足はアジア、それがうまく動いているということが必要な国であるというふうに思っておりますが、アジアのそういう次の時代には  私どもの国際的な意味での友人、先輩でも、例えば南北のブラント委員会がございました、それから、何年か前にはシュミット委員会などの努力というものがあるわけでありますが、そういうことに威張らないで汗をかく幹事役の一人として活動することが非常に大事ではないかと思いますが、何かそういうことをどう具体的にやっていくのかというものはお持ちでございましょうか。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 先生御承知と思いますが、安全保障を取り巻く環境はヨーロッパとアジアではいろいろな違いがございます。  アジアの方が多様性が非常に大きいということでなかなか難しい問題を含んでおりますが、しかし、最近になりまして、アジア諸国の中でも安全保障に関する対話を深めていこうという動きが出てまいりまして、ことしの七月のASEANの会議、ASEAN拡大外相会議の近辺でアジア地域フォーラムというものを開いて、そして対話を深めていこうという動きが出てきていることは建設的、前向きなことであろうかと思っております。  その中で各国はそれぞれ軍事支出、防衛支出の透明性をより増していくというようなことで相互信頼醸成を図っていくということも大事なことであろうかと思います。  我が国の場合には、やはり第二次大戦の後遺症というものがありますので、どこまでそういう問題でイニシアチブをとるか、むしろアジア全体、ASEANの国々等がそういう形でみんなで協力してやろうということになってもらうことが大事ではないかということで、アジアの一員として、アジア・太平洋の一員として汗をかいていくという今のお話のような形で今後も努力をしていきたいと思っています。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合

○伊藤(茂)委員 私どもの党も、もう目の前の時期にこれからの政府、これからの政策はどうあるべきかということの議論をいろいろ内々始めているわけでありまして、そういう中からきょうはメニューだけ幾つか申し上げているわけでございますけれども、また内容はちょっと激しくきちんと詰めたいというふうに私ども仲間でも話しているわけでございます。  今までの中で、では一つだけ申し上げますが、幾つかの日本としてのプリンシプルを立てる。そして積極的な国際貢献というものを考える。私は一般論としては、大臣もおっしゃったとおりだし、私も言ったとおりだと思います。  その中では、当然ですが、世界の武器輸出のほとんど大部分を占めるP5と同じことをやるということではないということは、これは政府も与野党を通じても明らかです。もっと軍縮、特に核軍縮について大きな責任を持つということは世界の歴史が望むところだろうと思います。  先ほど来、同僚の秋葉委員を初め、国際司法裁判所への意見か報告についての話がございました。私の聞くところでは、あれは出さなければならない義務ではない、出すか出さないかはそれぞれの国で御判断くださいという性格のものだというふうに聞いているのですが、ああいうものをなぜ出さなければならないのか。  やっぱり違うな、トーンが違うなというのが私の率直な印象でございますが、別の道をなぜ選択しなかったのでしょうか。あるいは選択する可能性がないのでしょうか。これは一つの重要な、どう考えるかという一般論ではない、具体的なテストの問題だと思います。

高野幸二郎外務省総合外交政策局国際社会協力部長

○高野政府委員 今先生御指摘のとおり、手続論といたしましては、出さねばならぬという話ではございません。現にICJの勧告的意見、過去において二十一件出ておりますが、それ絡みで日本が陳述書を出しましたのは、過去において一件だけでございます。ただ、他の二十件、日本が陳述書を出しませんでしたのは、余りにも技術的な問題についての法律問題でございました。ただ、出しました一件は、例のPKOの分担金が国連憲章上加盟国の義務的分担金であるかどうかという極めて日本にとって大事な問題でございましたので、それについては出したということでございます。  今回につきましても、やはり核兵器の使用の国際法上の評価という極めて重要な問題でございますので、これについては、義務ではございませんが、陳述書を出すということで対応すべきかと考えた次第でございます。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合

○伊藤(茂)委員 いずれにしても、これは論議の分かれるところでございまして、いろんなことをやはり腹蔵なくどこかで、国会は当然です、いろんな議論を交わし合うことが我々の国の将来にとって大事なことだ、政治家の一人としてそう思っております。  もう一つ、トーンが違うなと最近感じているのは朝鮮半島、北朝鮮の核疑惑に関する対応でございまして、私は、やはり国際社会にいい仲間入りをしていただくようにさまざまの努力と貢献を日本もしなければならぬ、これは共通の気持ちだろうと思います。  核というカードしかないと言っては悪いかもしれませんが、非常にデリケートな危険なカードがすれすれの危険の状態で振り回されていると申しましょうか、あるいはそのカードの切り合いがあると申しましょうか非常に心配しているわけでございます。  私どもの党も三名代表が参りますので、先ほどもちょっとお三方と簡単な意見交換をしてまいったところでございます。自民党もいらっしゃるそうでございます。またこの間、米日韓の御相談もなさったということも報道で伺っております。  アメリカの立場というのはやはりNPT体制の来年の包括的延長ということが一つの戦略目標でございましょうし、北朝鮮にすればやはり停戦協定を平和協定に変える。アメリカが相手ということもそのとおりだし、米日韓それぞれ、やはり同じ気持ちと同時に違ったさまざまなものを持っているということも御案内のとおりで、さまざまな努力をそういう中でしたたかに、また知恵のある努力をしなければならぬというふうに思います。  ただ心配なのは、柳井さんにこれは言うわけじゃないのですが、やはり米韓日三国協議にどう対応するのかということが安保理の御相談に先行するのじゃないかという印象を報道を見ておりますと非常に強く感ずる。これも細川内閣のときにしてきたことと、内容は繰り返しません、御承知のとおりだと思いますが、トーンが違うなという感じを持ちますが、いかがですか。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 私どもが国連における決定に基づいて行動したいということは基本でございます。  米韓日が先行しているという、違うなという印象をお持ちだということですが、実はアメリカ側からこの問題で日韓と相談、事務的に話をしたいというお話がありましたのは、いずれにいたしましてもこの問題は安保理で議論することになるわけでございますが、北朝鮮の隣接国である日本と韓国は残念ながら安全保障理事会のメンバーではございません、そういう意味で、P5で議論をする前に日本と韓国の意見も聞いておいてアメリカとしては対応したいということがこの話し合いの趣旨でございました。  三国が共同で事前にデモンストレーションをするとかそういう趣旨ではなかったというふうに理解をいたしておりますので、今後、そこで述べました日本の慎重な意見というものもアメリカ側は念頭に置いて安保理での議論をしていただけるものと期待をいたしております。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合

○伊藤(茂)委員 そういうことでしたら、安保理の御相談も、一週間、二週間、三週間かわかりませんが、一定の時間を置いていろいろな御相談があるのだろうと思います。調整も大変だろうと思います。  これは細川内閣のときにも、国連の決定については責任ある対応をする、憲法の範囲内でということを申しておりましたし、羽田総理もそう言われておりますが、安保理で何らかの方向づけが決まっていくその前に、日本やアメリカなどが行動があるということはありませんか。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 北朝鮮が今後どのような対応に出るか、これは非常に予測不可能な部分がございますのでここで断定的に申し上げることはできませんが、そういうこと、今先生がおっしゃったようなことをすることはまずないというふうに思っております。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合

○伊藤(茂)委員 憲法の範囲内でということは、細川内閣のときにも今の内閣でも共通におっしゃっていることでございます。ちょっとすれすれの問題があります。憲法の範囲内ではあるが例えば経済制裁とかいうことが出ることもあり得るかもしれません。ない方がいいのですが、現在の憲法の枠内ではあるが、現在の法律あるいは政令などを変える必要があるというふうなこともさまざま検討されている。  私も運輸大臣で海上保安庁担当でございましたからそんなことを、随分内部ではいろいろな議論を自由にやったことがございます。もちろん表に出ていい話ではございませんけれども、やったことがございましたが、そういうこともあり得るのか得ないのか、どうでしょう。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 これももう伊藤先生、運輸大臣をお務めで、海上保安庁を監督しておられましたのでおわかりのとおりでございますが、国連の措置の内容が決まってまいりませんと日本として法律改正が必要なのか必要でないのか、政令改正が必要なのか、この辺も明確になりません。  そういう意味では、それぞれの部署で研究はしていただいていると思いますけれども、そうした点について公の場で議論するのは外交上もいろいろ問題があろうということで控えさせていただいているところでございます。その点はぜひ御理解をいただきたいと思います。

伊藤茂日本社会党・護憲民主連合

○伊藤(茂)委員 いずれにいたしましても、細川さんの昨年八月スタート以来議論したり申し上げてきたことと、前法務大臣のことは申しませんが、ちょっとトーンが違うなという印象をどうしても吹っ切れない、心配があるわけでありまし一て、心配させないようにしていただきたいと申し上げまして、質問を終わります。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 最後に申し上げますが、私も、今回連立側でつくられました九項目合意、これはしっかりしたものだと思っておりますのでその線の中で対応させていただくつもりでございます。どうぞよろしくお願いいたします。

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 古堅実吉君。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 北朝鮮に対する核疑惑問題についてです。  大臣、政府はいろいろ言われるのですけれども、結局は国連安保理に対して北朝鮮に対する制裁決議を求めるという立場なのかなと思うのですが、そこをはっきりさせてください。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 制裁決議を求めるという姿勢ではございません。警告も含めて議論をしていただきたいというふうに申しております。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 国連安保理の決定ということを前提にしての政府のいろいろな考えがございます。制裁を決議するためには、国連憲章第三十九条に基づいて、核疑惑が平和に対する脅威あるいは平和の破壊に当たるかを決定しなければなりません。果たして核疑惑ということが平和に対する脅威あるいは平和の破壊と認定できることなのかどうか。国連の過去の事例に照らして道理のあることなのか。この間もいろいろやりとりいたしましたから、丹波条約局長から。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 先生御承知のとおり、安全保障理事会は、国際の平和と安全の維持という問題につきまして広い権限を持っておりまして、その権限の中で、具体的には第七章のいろいろな規定に従って決議その他のことを行うわけです。  過去の例はまさに、今先生過去の例ということをおっしゃいましたけれども、最近の例で調べてみますと、イラクの例あるいはユーゴの例、ハイチの例でございますが、いずれも、例えば貿易の禁止あるいは制限といったような決議が行われたわけでございます。  その決議を行うに当たりまして、この三十九条で言いますところの平和に対する脅威または平和の破壊ということの存在があったという決定、あるいは前にあるそういう決議を再確認しながら今のような制裁決議というものを導入したということでございますので、そういう過去の例から推測いたしますと、やはりそういう事態は私たちは望みませんけれども、どうしてもそういう事態にならざるを得ないという場合には、やはり三十九条によりましてそういう認識というものを安保理として表明する手続が踏まれるのではないかと、過去の例をあくまでも参考にして想像いたすところということでございます。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 これは大変な見解です。核兵器の疑惑があるからというだけで三十九条に結びついての今のようなことになるというのは、これはひどいことです。  例えば核兵器の全面禁止条約がつくられ、現在の核兵器保有国が核兵器を全廃したとする。そういう国際社会の中である一国が核兵器開発をするというような場合には、まさしく平和に対する脅威と認定できることだと思いますが、安保常任理事国五カ国は、御存じのとおり、膨大な核兵器の保有をし、それが許された形になっている。  核開発の疑惑があるというだけで制裁をするというのは、まさしく不公正を国連みずから認めるということにはなりませんか。

丹波實外務省条約局長

○丹波政府委員 先生からの御指名がございましたので、あくまでも私は国連の第七章と安保理の関係の仕組みを一般論として申し上げたわけでございます。北朝鮮との関係で今後安保理が何らかの決定をする場合にその理論構成をどのようにするかという点については、仮定の問題でございますので、あくまでも先ほどの一般論にとどまる範囲内でのお答えしか現在ではできない状態でございます。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 そういうふうにしてきちっとした答えができませんけれども、大臣、単に疑惑があるというだけで、今のような常任理事五カ国が膨大な核兵器を持ちながら、それに対して、一方では制裁だ、三十九条だというようなことになるというのは国連自身が不公正なことを勝手にやるというふうなことなのですよ。  国際社会に新たな不法を持ち込み、不公正を持ち込むということにほかならないと思うのですが、国際正義の名においてもそういうことを許しちゃいかぬじゃないかと思うのですが、大臣いかがです。

柿澤弘治改新外務大臣

○柿澤国務大臣 一方で多くの核兵器を保有している国がありながら核疑惑で脅威と認定することは問題があるではないかという御指摘でございますが、確かに多数の核兵器を保有している国が現実にあることは事実でございます。しかし同時に、その核兵器がさらに拡散をすることになりますとそれ以上のやはり国際的な不安定が醸成されてくるわけでございまして、その点では核不拡散条約にはいろいろな問題点はあると思いますけれども、今後の国際平和のために大事な仕組みであるというふうに考えております。  その意味でも、北朝鮮がIAEAのメンバーでありながらその査察を受けない、そして核疑惑の解消、国際社会の懸念を払拭しないという状況は私たちにとってはやはり大きな安全保障上の懸念材料であるということは事実でございますので、何としてもこの機会に核不拡散の体制、NPTの体制を守っていくということが大事ではないかと思っております。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 もう終わります。国際正義の名においても短絡的に制裁に結びつけるなどというふうなことは絶対許されないということを表明して、終わります。

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 これにて各件に対する質疑は終了いたしました。     ─────────────

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 これより所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件について討論に入ります。  討論の申し出がありますので、これを許します。古堅実吉君。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 日本共産党を代表して、シンガポールとの租税条約に反対する討論を行います。  第一の理由は、国内以上に海外で高利潤を上げる大企業に国内と同じような優遇税制を保証する必要はないということであります。  第二は、大企業の進出が、資本輸出国にとって国内産業空洞化を招来させ、あるいは資本受け入れ国で産業破壊を招来させた場合に、税制面からの規制強化を図ろうにも、条約に縛られ、それもできなくなるからであります。  第三は、親子企業間の配当に対する課税限度税率を一〇%から五%、また利子では一五%から一〇%に引き下げた結果、税収が減ることになる点です。  第四は、進出先で納付もしていないのに納付したとみなして税の減免措置を行い、大企業に道理のない優遇税制であるみなし外国税額控除を引き続き採用しているからであります。  以上が、本条約に反対する基本点です。  終わります。

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 これにて討論は終局いたしました。     ─────────────

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 これより採決に入ります。  まず、航空業務に関する日本国とブルネイ・ダルサラーム国との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  次に、航空業務に関する日本国政府とモンゴル国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  次に、航空業務に関する日本国政府とハンガリー共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  次に、航空業務に関する日本国と南アフリカ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  次に、航空業務に関する日本国とジョルダン・ハシェミット王国との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  次に、航空業務に関する日本国政府とヴィエトナム社会主義共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました各件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ─────────────     〔報告書は附録に掲載〕      ────◇─────

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 次に、千九百六十九年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約の議定書の締結について承認を求めるの件、千九百七十一年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約の議定書の締結について承認を求めるの件、千九百六十九年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約を改正する千九百九十二年の議定書の締結について承認を求めるの件及び千九百七十一年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約を改正する千九百九十二年の議定書の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。  これより順次政府から提案理由の説明を聴取いたします。外務政務次官平田米男君。     ─────────────  千九百六十九年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約の議定書の締結について承認を求めるの件  千九百七十一年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約の議定書の締結について承認を求めるの件  千九百六十九年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約を改正する千九百九十二年の議定書の締結について承認を求めるの件  千九百七十一年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約を改正する千九百九十二年の議定書の締結について承認を求めるの件     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────

平田米男公明党外務政務次官

○平田政府委員 ただいま議題となりました千九百六十九年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約の議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この議定書は、昭和五十一年十一月にロンドンで開催された政府間海事協議機関の会議において作成されたものであります。  この議定書は、油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約における船舶の所有者の責任の限度額をあらわす単位を金フランから国際通貨基金の定める特別引き出し権に改めることを内容とするものであります。  我が国がこの議定書を締結することは、船舶の所有者の責任の限度額をあらわす単位を国際的に統一する見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。  次に、千九百七十一年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約の議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この議定書は、昭和五十一年十一月にロンドンで開催された政府間海事協議機関の会議において作成されたものであります。  この議定書は、油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約における国際基金による補償の額等をあらわす単位を金フランから国際通貨基金の定める特別引き出し権に改めることを内容とするものであります。  我が国がこの議定書を締結することは、国際基金による補償の額等をあらわす単位を国際的に統一する見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。  次に、千九百六十九年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約を改正する千九百九十二年の議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この議定書は、平成四年十一月にロンドンで開催された国際海事機関の会議において作成されたものであります。  この議定書は、油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約の適用範囲を拡大し、及び同条約における船舶の所有者の責任の限度額を引き上げること等を内容とするものであります。  我が国がこの議定書を締結することは、我が国における汚染損害の被害者の保護を一層充実させるとともに、我が国が世界有数のタンカー保有国である事実にかんがみ汚染損害に係る国際協力を一層推進する見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。  最後に、千九百七十一年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約を改正する千九百九十二年の議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  この議定書は、平成四年十一月にロンドンで開催された国際海事機関の会議において作成されたものであります。  この議定書は、油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約の適用範囲を拡大し、及び同条約における国際基金による補償の最高額を引き上げること等を内容とするものであります。  我が国がこの議定書を締結することは、我が国における汚染損害の被害者の保護を一層充実させるとともに、我が国が世界有数のタンカー保有国及び石油輸入国である事実にかんがみ汚染損害に係る国際協力を一層推進する見地から有意義であると認められます。  よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。  以上四件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いいたします。

菅直人さきがけ・青雲・民主の風

○菅委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。  各件に対する質疑は後日に譲ることといたします。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時三分散会      ────◇─────

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