科学技術委員会 第2号
- 発言数
- 226 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1994/06/03
会議録
○臼井委員長 これより会議を開きます。 会議を始める前に、私から一言御理解をいただきたいと思いますが、本日使用するこの委員室におきましては、質疑、答弁等につきましては、マイクの構造上、できれば自席で着席したまま発言をしていただくようにお願いをいたしたいと思います。 なお、都合上お立ちいただく場合には、ちょっと声を大き目にお願いいたしたい、このようにお願いをいたしておきます。 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。野田佳彦君。
○野田(佳)委員 どうも皆さん、おはようございます。日本新党の野田佳彦でございます。お許しをいただきまして、座って質問をさせていただきたいと思います。 科学技術庁ができたのが一九五六年の五月十九日ということだそうでございますが、実はその一年と一日後に私が生まれました。一九五七年でございますが、その年にスプートニク一号が人類初の人工衛星として発射をされ、成功いたしました。そして私自身がちょうど小学校の六年生のときに、アポロ十一号の月面着陸がございました。いまだに鮮明に三人の飛行士のお名前を覚えているような大変強烈な印象でございました。その翌年に、国産初の人工衛星「おおすみ」の打ち上げが成功したわけであります。 こうした宇宙開発の歴史をたどってきた中で、本年もHⅡロケットの打ち上げ成功、あるいは今度の向井千秋さん、日本人女性初の宇宙飛行士の今回のスペースシャトルの登場と、まさにことしも画期的な年になりそうでありますけれども、次なる大きな夢であります国際宇宙ステーション計画、この計画に若干今暗雲が垂れ込めてきているのではないかと思いまして、きょうはこの質問をさせていただきたいと思います。 一九九七年にアメリカ、日本、欧州そしてカナダ、最近ではロシアも入ったということでございますが、建設をし、そして二〇〇二年に完成させ、飛行士六名が常駐をし、さまざまな研究を行うという宇宙ステーション計画でございます。日本もこれには実験棟について三千百億円のお金を拠出をしている。既に半分以上予算を投入したということでございますが、今アメリカの議会においては、この計画の見直しあるいは中止といった動きが出てきているように聞いております。 この国際宇宙ステーション計画の現状、そして存続する可能性があるかどうかについて、まずはお尋ねしたいと思います。
○近江国務大臣 こういう席でございますので、座ったまま答弁させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 お答え申し上げたいと思います。 国際宇宙ステーション計画につきましては、昨年、米国クリントン政権下におきまして、日、欧、カナダの参画のもと、投資効果を増すよう計画を見直すとともに、日、米、欧、カナダ、四極共同で、ロシアの本計画への参加の招請、ロシアによる受諾を経まして、本年三月には、ロシアを含む新しい宇宙ステーションの全体構成、スケジュール等が合意されたわけでございます。 国際宇宙ステーション計画については、米国議会の予算審議において、例年さまざまな意見が出ております。本年の予算審議におきましても種々の御意見が出ておりますが、クリントン大統領やゴア副大統領初め、米国政府は宇宙ステーション予算通過のために精力的に議会へ働きかけていると承知をいたしております。 今後とも、米国議会における審議を十分注視していきたいと考えております。 以上です。
○野田(佳)委員 宇宙開発を強力に推進していく上で、さまざまな行政機構がちゃんと調整をした上で施策を展開するということが望ましいと思う のでありますけれども、宇宙開発については科学技術庁、通産省、運輸省、文部省等さまざまな省庁がかかわっておりますが、ほとんど同一目的、同種と思えるような実験設備をつくったような経緯があったのではないかというふうに受けとめさせていただいております。 例えば、科学技術庁が進めた株式会社日本無重力総合研究所、それと通産省が進めた地下無重力実験センター、それぞれ同じ時期、同じ第三セクター方式で発足をいたしました。国内で二カ所も同じような実験設備が必要なのかどうか、明確な違いがあれば御教示をいただきたいと思います。
○石井(敏)政府委員 お答えいたします。 先生御指摘の二つの無重量地下実験に関するものでございますが、いわゆる無重量実験といいますのは、新材料の創成とかあるいはライフサイエンスの分野におきます新しい知識の発見といったようなことで、非常に大きく貢献するものがございます。 落下塔は、地上でもその無重力実験が可能になるというようなものでございまして、また将来の、さきほどもお話ございました宇宙ステーション等の本格的な宇宙環境利用に向けました予備的な実験が行えるといったようなことで、無重量実験に資する重要な実験施設であると私ども考えておるわけでございます。 御指摘のような地下無重量実験に関しましては、北海道の土砂川に地下無重力実験センターが平成三年七月から開業いたしております。また、岐阜県土岐におきましては日本無重力総合研究所の実験施設の建設が進められておる、こういうような状況ではございますが、無重力総合研究所及び地下無重力実験センターの落下塔につきましては、どちらも無重量環境を模擬した状態をつくり出すという基本的な機能は同じではございますが、無重力の質が違う、あるいは実験可能な時間が違う、あるいは搭載するものの重量、寸法、こういったものに差異がございます。 具体的には、岐阜の無重力総合研究所の落下塔は、実験時間が比較的短く、搭載できるものの重量、寸法は小さいというものではございますが、無重量の質が高いとかあるいは一日当たりの落下回数が多くとれるといったようなことから、比較的小規模の実験を反復して行う、こういった研究に適しております。 また一方、北海道土砂川の地下無重力実験センターの落下塔は、実験時間が長く、また搭載できるものの重量、寸法が大きいといったようなことから、比較的規模の大きい実験に適しておる、かように考えておるところでございます。 したがいまして、無重量実験に関します実験目的あるいは内容に応じまして、これら二つの落下塔の特色を踏まえた使い分けといったようなことが行われるのではないかということで、研究者の便宜のためにもそれなりの意味を有している、かように私ども認識しておるところでございます。
○野田(佳)委員 宇宙開発については、この後の小野晋也代議士が宇宙博士でございますから、特に詳しくやられると思いますので、私自身は、この後、原子力政策について若干質問したいと思います。 先般、報道にもございましたとおり、茨城県東海村の動力炉・核燃料開発事業団の設備内で大量の残留プルトニウムが発生したという報道がございました。操業開始から約五年半で約七十キロもの残留が生じていた、その背景、原因について御説明をいただきたいと思います。
○笹谷政府委員 着席のままお答えさせていただきます。 先生から今お話のありましたプルトニウムの残留でございます。我々工程内滞留と言っておりますが、それはどういうものかと申しますと、プルトニウムの燃料製造工程には粉末のプルトニウムを扱う工程がございます。この粉末のプルトニウムを扱う関係上、密閉された中でそのプルトニウムを扱うという形になっておりまして、これは通常、その密閉されたもの、箱状になっているわけですが、グローブボックスと呼んでおります。このグローブボックスの中に燃料製造に関する施設があるわけでございますが、その装置の配管あるいは装置の内部にプルトニウムが入り込みまして、これは容易に回収できないというような状況になっております。 このプルトニウムの滞留につきましては、粉末を扱うという関係上、ある程度は必然的に発生するものと考えております。この滞留が発生することは、したがいまして、当初より予想しておりました。この工程内の滞留量は、動燃から、私ども国それからIAEAの方に当初から報告されておりまして、不明になっているものではございません。その存在が確認されているものでございます。 ただ、この施設で燃料を製造したわけですが、運転につれまして、当初予想していた以上に工程内滞留が増加いたしました。現在、お話にありましたとおり、約七十キロ程度のものが工程内にとどまっております。この滞留量が多いということ は、構造上も好ましいことではございませんので、このグローブボックスヘの更新を行うなど、その低減化に努めるための対応策、これを検討しているところでございます。
○野田(佳)委員 余剰プルトニウムの問題、特に日本はプルトニウムをため込み過ぎているのではないかというような指摘を、一部核保有を懸念するような国であるとかあるいは国民から指摘をされるような状況でございますので、なぜこれが発生をしたのか、正当な理由をやはりちゃんと御説明をいただけるようにお願いをしたいというふうに思います。 IAEAがこの問題について正式なコメントを出されていると思いますけれども、これについて御教示いただきたいと思います。
○笹谷政府委員 先生御指摘のように、IAEAは、本件に関しまして、先月二十五日にプレスリリースを行っております。 その概要を簡単に申し上げますと、この施設に出入りする核物質は、すべての他の施設と同じように測定され検認されているという点がまず第一点であります。それから、この物質については、IAEAは当初より存在をよく承知していたというのが第二点でございます。三点目といたしまして、東海核燃料加工施設のこの滞留量は、所在不明の核物質ではなく、申告され、完全な保障措置下にある物質である、こういうことをプレスリリースで発表したということでございます。 この内容を要約しますと、残留プルトニウムが全量申告済みで、IAEAの保障措置下にあるということをIAEAが言明したものと私どもは受けとめております。 以上でございます。
○野田(佳)委員 東北電力の女川原発の核燃料輸送計画について、さきに宮城県が情報公開を行いました。 これまで科学技術庁の姿勢としては、平成四年の四月に都道府県知事に向けて原則非開示の通達を出していたと思いますが、その中で、初めてこういう形で宮城県が新燃料の搬入計画、そして使用済み核燃料の搬出計画、この情報開示を行ったという経過がございました。 これについて科学技術庁はどのように受けとめられていらっしゃいますでしょうか。
○近江国務大臣 御承知のように、国はこれまで核物質防護に係る国際基準に従いまして、また、各国の慣行を勘案しつつ、日時、経路等の核物質の輸送に係る詳細な情報を慎重に取り扱うよう、関係自治体に要請してきたところでございます。 御承知のように、我が国は、核物質防護に係る国際基準である国際原子力機関IAEAのガイドラインに核物質の輸送情報の管理の必要性が規定されていること、及び欧米各国におきましては、実際に核物質の輸送に係る詳細な情報が非公開とされていること等を踏まえまして、輸送情報の慎重な管理を行ってきたところでございます。 先般、宮城県情報公開審査会におきまして、こうした国の方針と一部内容の異なる答申が出されたわけでございますが、その後、関係省庁で協議 した結果、従来どおりの方針を確認したことを受けまして、宮城県に対しても、国の方針に沿っていただくよう要請してきたところでございます。 それにもかかわらず、宮城県が核物質の輸送に係る詳細な情報の一部を公開するに至ったということは、これは非常に遺憾でありますが、引き続き、次回以降の核物質の輸送情報の管理につきまして、これを慎重に行うよう要請してきておるところでございます。 いずれにいたしましても、国といたしましては、今後とも核物質防護上必要最小限の範囲で、詳細な輸送情報の慎重な管理が確保されるよう努めていきたいと考えておるような次第でございます。
○野田(佳)委員 国は従来どおりの方針を堅持していくということでございますけれども、情報公開の請求というのはほかの自治体にもかなり出ているように思いますが、今回の宮城県のこの原則公開という方針は、ほかの自治体にどのような影響が出てくるというふうに思っていますか。
○笹谷政府委員 私ども、二年ほど前に原子力施設の立地県に対しまして、輸送情報の詳細な情報についての取り扱いについては慎重に行うよう協力を要請してございます。 その後、各県はその要請に基づいてきちんと管理を実施しているわけでございますが、今回宮城県のとった措置、このことにつきましては、各県とも核物質の輸送情報管理の重要性というものについては十分認識していただいておりまして、これまでのところ、この宮城県のとった措置に同調するような動きはないと承知しております。
○野田(佳)委員 自治体への影響はないということでございますけれども、と同時に、国際的な関係でも私たちは配慮をしなければいけないのではないかなと思います。例えば、核燃料の搬入先国との信頼関係の問題等も出てくる。この点についての影響はどんなふうに考えていらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。
○笹谷政府委員 先生御指摘のとおり、核物質の輸送は、国内のみならず国外との関係も密接に出てくるわけでございます。我が国からの使用済み燃料の搬出先も含めました欧米各国におきましては、核物質の輸送に関する詳細な情報については、非公開を原則に慎重な管理を行ってきております。 私ども、二年前に関係自治体の協力を要請するに当たりまして、核物質防護関係省庁連絡協議会を開催しておるわけでございますが、この場で、私どもが各国の輸送情報の取り扱いについて調査した結果等を報告し、いろいろ御審議いただいたわけでございますが、その調査によりますと、先ほど申しましたように、非公開を各国とも原則といたしまして慎重に管理しているということが把握できました。 それからもう一点、国際的な輸送に関する情報の取り扱いについてのIAEAのガイドラインというものがございます。こういうガイドラインによって、それぞれの国は輸送を行っている、輸送上の取り扱いを行っているわけでございまして、この国際的な取り組み、それから国際的な慣行、この両者によって、私どもは関係立地県に情報の慎重な管理をお願いしてきたわけでございます。 先生御指摘のように、関係国に影響を及ぼさないかということでございますが、私どもといたしましても、今回の宮城県の措置が関係国との信頼関係にひびが入らないように、信頼関係を維持していくためにも、このような一部情報公開というようなことが続くことのないように、宮城県に対しても引き続き粘り強く要請してまいりたい、こう考えております。
○野田(佳)委員 核燃料輸送計画の情報公開の問題についてはちょっとおくとさせていただきまして、次に、先般の環太平洋原子力会議において中国の原子力開発当局者が、二〇五〇年までに今の日本の原発、発電施設の約九倍、アメリカの三倍に当たるような大変な原発増設計画というものを明かしたというお話でございましたが、まさに極めて近い国でございますし、その安全確保という意味においては、私たちもかなり注目をしていかなければいけないというふうに思っています。 我が国は、この中国の原発増設計画にどのようにかかわっていくのか、お教えいただきたいと思います。
○近江国務大臣 近年の経済発展等に伴いまして、中国が将来に向けて原子力発電所の増設計画を有しておることは承知しております。各マスコミ報道等を見ましても、五十年後には日本の九倍に達するだろう、三億キロワットに達するのではないかという報道もされております。 我が国といたしましては、中国における原子力発電の拡大を初めといたしました原子力平和利用の進展に対応いたしまして、原子力安全等の分野につきまして、我が国がこれまで培ってまいりました知識と経験を踏まえた協力を実施していくことが重要と考えております。 我が国と中国との原子力安全分野における協力につきましては、日中原子力協力協定の締結後、軽水炉の安全研究、放射線防護等の分野につきまして、情報交換、人材交流を中心とした協力を行うとともに、原子力安全の向上を図ることを目的といたしまして、一昨年から開始いたしました原子力安全研修事業に中国の参加を得てきております。 さらに、本年四月には、当庁原子力安全局と中国国家核安全局との間で、原子力安全に関する協力取り決めを締結をいたしました。この取り決めには、原子力発電所及び研究炉における安全規制に関連する分野について情報交換を行うこと等が規定されております。今後、本取り決めのもとに、本分野におきましても協力を促進してまいりたいと思っております。 原子力利用を進める上では、安全確保を旨とすることが最も重要でございまして、隣国である我が国といたしましては、今後とも原子力安全分野における中国との協力を積極的に進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○野田(佳)委員 それじゃ、最後になりますけれども、政府の委託研究のあり方についてお尋ねをしたいというふうに思います。 この委託研究については、経団連からも規制緩和の一環で要望が出ていると思いますけれども、政府の委託研究、共同研究等は似たような書類を重ねて要求したり、あるいは統一されたわかりやすいマニュアルがないなど、極めて煩雑になっているというような指摘があり、これらを事務手続上あるいは提出書類の簡略化などで改善すべきであるというふうに思いますけれども、どのように御見解を持っていらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。
○井田政府委員 委託研究契約の事務でございますが、これは検査、報告等の研究以外の業務量が大変多いとか、あるいは契約書類とか添付書類が多過ぎる、研究者が研究に専念する時間がない、このような御指摘がございまして、この簡素化は従来から各方面からも指摘されておりますし、私どもも大変重要なことだと考えておるところでございます。 このため、私ども科学技術庁といたしましても、事務手続の簡素化を図る、こういう観点から、昨年四月でございますが、委託契約事務処理要領を改定したところでございまして、それによりまして提出書類の様式、これはたくさん様式があるということでございますが、この数を減らす、あるいは研究の遂行状況の報告の提出回数を見直す、こういったことを実施したわけでございますが、なお、やはり研究は何といたしましても、これはきちっと研究者が研究できるということが非常に大事でございますので、こういう観点から委託研究の効率的実施を図るということで、さらに改善の努力をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○野田(佳)委員 時間が参りましたので、これで終了します。本当にありがとうございました。
○臼井委員長 小野晋也君。
○小野委員 よろしくお願いいたします。 本年、一九九四年という年でございますが、二 十一世紀までもうあと残すところが七年、この年は、恐らく私の見るところ、日本の科学技術行政にとりまして非常に大きなメルクマールとなる年になるだろうというような認識を持っております。 それは、一つの意味では、今まで積み上げてこられたものの実りを得る時期でありますと同時に、その実りをもとにしながら、次の時代をいかにしていくかという構想を打ち立てていくべき年になってくるというような意味でございます。 その第一の実りという面では、もうこれは申し上げるまでもありませんけれども、二月四日にいよいよ待望でありました純国産の大型ロケットでございますHⅡの打ち上げに完全に成功をおさめられるというような画期的なことがございました。それから、四月の五日には高速増殖炉の原型炉になります「もんじゅ」の臨界点に見事到達されるというような業績もおさめられております。また、深海探査の面でいいますと、「かいこう」の世界で一番深いマリアナ海溝まで調査できるというような技術も今開発途上にあって、恐らく近々この目標も達成されるんでございましょう。また、物質・材料、ライフサイエンス、さまざまな分野の技術開発も着実に進めておられるところでございまして、話題性のあるところで申しますと、七月九日に日本人女性として初めて宇宙に向井千秋さんを送られるというようなことも今年行われる予定になっております。 そういう中におきまして、大きな方向づけという点から考えてまいりますと、まさにそのHⅡの成功をもってこれから日本の宇宙技術というものをどう方向づけるかという点で、この夏にも宇宙開発政策大綱の制定が見込まれているわけでございまして、二十一世紀を見通して宇宙開発をどのように行っていくのかという非常に壮大な計画が、今まさに決定されようとしているわけでございます。 また、原子力問題におきましては、今野田委員の方からも随分プルトニウム管理等の問題について指摘があったわけでございますけれども、このプルトニウムの問題というものが国際的な舞台で大変大きな問題になる中で、この国におきましても原子力開発利用長期計画の策定が進められているということで、これもまた科学技術行政の大きな柱の将来を決定していかなくちゃならない年になってくるというわけでございます。 また、今回は大型放射光施設でありますSPring8、これの利用をめぐります法律案も出されるということでございまして、基礎科学の側面においても日本が世界の先頭に立ちながら、これから進めていくという非常に象徴的な問題も起こってきているわけであります。 こういうことをいろいろと見てまいりましたときに、この日本の科学技術は、ことし、そしてまたこの数年間という間に大きく方向づけをされまして、人類の文明に新しい地平線を切り開いていくというような時代を迎えてくるんではなかろうかという予感を持つわけでございます。 こういう時期に当たりまして、近江長官におかれましては、このたび重要な科学技術庁長官というお仕事におつきをいただいたわけでございますが、長官のいろいろなお考え方ですとか、これまでの実績ですとか、大事な職責でありますだけに、どういう軌跡を歩んでこられたんだろうということで、実はこの五年間の議事録をすべて拝読 させていただきました。 その中を通しまして、非常に近江長官はこの日本の科学技術の推進のために力を注がれ、また情熱を注いでやってこられた方であることを知りまして、また一面、非常に深い見識をお持ちになられまして、誤りのない科学技術行政の推進のために御尽力いただいた方であることを知って大変うれしく思った次第でございます。どうか、非常に大事な時期でありますだけに、長官を初め科学技術庁の皆さん方の御健闘を心からまずお祈りを申し上げたいと存じます。 そこで、きょうは自民党の立場からでございますが、取り上げたい問題、随分たくさんあったわけでございますが、長官は、四月二十八日に羽田内閣の科学技術庁長官に御就任をされて、これで一カ月余りの月日を経たところでございますが、長官のさまざまな科学技術行政に関する考え方について、私の立場から問わせていただきたいと存じます。 まず第一に御質問させていただきたいと思いますのは、そこに科学技術庁長官として今お座りになっておられるわけでございますが、考えてみますと、この科学技術行政に対して、長官は三つのお立場を持っておられると思うのですね。 一つは、近江さんという個人の信念として、科学技術に対してどういうお考え方を持たれるかという点でございます。二つ目には、出身政党でございます公明党のお立場から、どのような科学技術政策を考えておられるかという点でございます。そして三つ目は、言うまでもなく、科学技術庁長官というその公職の立場においてどう考えるかということでございまして、この間に相違点はないのかどうか。 第一次といいますか、あの連立内閣が、細川首班を中心にしまして初めて結成されたときには、上原国土庁長官が国会の議場において、私個人の信念とは異なるが、連立政権の方針に従うというような言い方をされましたが、これは国民から見ると非常にわかりにくい答弁であったと思うんですね。 ですから、違うところは違うで、これは仕事柄仕方ないところがあるわけでございますが、もし相違点があるとすれば、やはり国民の前に、どういう相違点であって、そしてその相違点を自分はこういう論理において埋め合わせるんだという説明があって、初めて国民の目から、また世界のほかの国から長官を見る目がきちんと定まってくるんだろう、こういうふうに思いますので、まず長官には、この巨大技術というようなものが世界的に重要性を高め、国内問題解決のためにも大事な段階を迎えている中で、自分自身の立場としてどういう信念を持ちながら取り組まれるのか、それは科学技術庁長官という立場と相違するところはないのかどうか、この点についてお伺いをさせて いただきたいと存じます。
○近江国務大臣 私自身、かねてより我が国の科学技術振興の必要性につきましては十分理解してきたつもりでございます。 昭和四十二年の一月に、私国会へ初めて送っていただいたわけでございますが、その後数年して、当時特別委員会でございましたが、所属をいたしました。その後幾つかの委員会を担当させて いただいたわけでございますが、御承知のように、今常任委員会になっておりますが、特別委員会がずっと続いたわけです。そういうことで常任委員会との裏表ということで、おかげさまで十五、六年、この科学技術特別委員会で所属させていただいたわけでございます。 その間、昭和四十七年に、当時中曽根先生が科学技術庁長官をされておったときに、私この特別委員長を拝命したわけでございます。そういうことで、一貫いたしまして我が国の科学技術振興をいかにするべきかということで、私自身は積極的に取り組んできた、そのように思っておる次第でございます。 資源小国の我が国が、この現況の厳しい経済情勢を克服いたしまして、二十一世紀の豊かな社会を実現するために、また、地球環境問題、エネルギー問題等の地球規模で考えなければならないそういう課題を解決するためには、人類の英知、すなわち科学技術を振興して発展させることが最も重要であると考えております。 特に、我が国は御承知のように資源小国でございますし、今日の我が国の発展というものは科学技術の振興にあった、これはどなたもお考えになることでございますが、私もそのように考えてきたことでございまして、こういうことにつきましては、公明党を含めた、また現政権の基本的な考え方ではなかろうか、このように私思っておるわけでございます。
○小野委員 それでは、ちょっと微に入った部分 の話になってまいりますけれども、昨日、当委員会におかれまして、長官は所信表明を行われましたですね。その中に、「昨年発足した連立政権がそれまでの科学技術政策を継承したのも、このような認識によるものと思います。」という一文が出てまいります。この部分を私何度か読ませていただきながら、文脈的に考えまして、「このような認識」というのがどのような認識なのか、よくわからないということでございまして、ぜひそのあたりについて、もう少しかみ砕いてお教えいただきたいと思うわけでございます。 と申しますのも、その前段に書いてあります文章といいますのが、今長官が少し触れられましたように、国内における問題それから国外、世界的なさまざまな問題を解決するために科学技術の重要性というものはどんどん高まってきているんだ、それは一つの認識でございますけれども、これが必ずしも今までの政策を継承するということにはすぐにつながらないという気がするんですね。ですから、今までの政策を継承されるということを言明されるのでありましたら、自民党政権下で組み上げられてきた科学技術政策そのものが誤りないものであるから、また、今からの時代を考える中で、その時代に極めて有効なものであるからそれを継承すると、この文脈になって初めて、この言葉が生きてくると思うわけでございますが、その点に関して御認識はいかがでございましょうか。
○近江国務大臣 現在のこの我が国の科学技術政策につきましては、これは自民党政権下の、先生御承知のように、平成四年の四月に閣議決定されました科学技術政策大綱におきまして、その基本的な方針が示されておるわけでございます。 この大綱におきましては三つの柱がございまして、一つは地球と調和した人類の共存、二つ目には知的ストックの拡大、三番目には安心して暮らせる潤いのある社会の構築、こういうことが柱になっておりまして、この三つの目標に従いまして、一つは人材の養成確保、二つには研究開発投資の拡充、三番目には研究開発基盤の強化、四番目には研究活動の活性化と創造性の発揮、五番目に基礎的、先導的科学技術の推進など、このように積極的かつ総合的な科学技術政策を展開するべきことを定めておるわけでございます。 こういうような方針は、科学技術を取り巻く現状を踏まえまして、かつ、将来を見据えたものであると評価をしておりますし、今後とも堅持されるべきものであると考えておる次第でございます。
○小野委員 ぜひとも長官におかれまして、この大事な科学技術行政でございますから、この方針のもとにさらなる推進をお願い申し上げたいと存じます。 そこで、また小さなところを取り上げるようで申しわけないんですけれども、所信表明の中でその次に続く言葉が、そこに「連立政権が継承し発展させた我が国の科学技術政策」云々というようなくだりが出てくるわけでございますが、ここで、「発展させた」という言葉を取り上げて表現されておられるのですが、私ども拝見する中で、かつての昨年の夏までの政策の上にのって執行されてきた科学技術行政のように受けとめていたわけでございますが、さらに発展させたと言われるのでありますから、それは一体どの部分をもって発展させたという表現をおとりになられたのか、この点について具体的な点をお話しいただきたいと存じます。
○近江国務大臣 今申し上げましたように、この科学技術政策大綱ですね、これを基本として私どもも進めてきたわけでございますが、昨年八月の連立政権発足後も、こうした考え方に立ちまして、この科学技術の振興を図ってまいったわけでございます。 平成六年度の予算案におきまして、今御審議いただいておるわけでございますが、一般歳出の伸び率が二・三%であるのこ対しまして、政府全体の科学技術振興費につきましては、対前年度比七・一%増を確保させていただくことになっておるわけでございまして、科学技術に関係する他の経費及び特別会計を合わせました科学技術関係経費につきましては二兆三千五百八十五億円、対前年度比四・一%増の確保を考えておるわけでございます。 このうち科学技術庁予算といたしまして六千五十二億円を計上しておりまして、四・一%の増額となっております。財政事情が厳しい中でございますが、ぜひとも先生方の御協力をいただきまして、この予算をぜひ獲得させていただきたいと考えております。 そしてまた、本年二月の、全段自主技術によりまして開発いたしましたHⅡロケットの初号機打ち上げが成功した、これは一つ大きく報告できるのではないかと思います。それから、本年四月の発電しながら消費した以上の核燃料を生成する画期的な原子炉である高速増殖原型炉「もんじゅ」の初臨界を達成できたということです。 それからまたこの三つ目として、研究領域、省庁、国の枠を超えまして、国の研究機関、大学等を接続いたします研究情報ネットワークの推進、これは予算に盛り込んでいる中で、私ども欧米に比べまして情報ネットワークがおくれているわけでございますので、これはもう大きな一歩ではないかと考えておるわけでございます。まあ幾つもございますけれども、一応八月以降の中で、特に強調して御報告できる問題ではないかと思います。 政府といたしましては、今後とも、我が国の現在の社会の生活をより豊かなものとしていくために、積極的に国際貢献を果たしていくために、我が国の科学技術政策をより一層充実してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○小野委員 科学技術行政と申しますのは、こういうふうな皮肉なことをちょっと申し上げながらも、一朝一夕に進むものではございませんで、一年たってごくわずかの進歩、二年たってまたさらにその上に一歩の進歩というようなことの積み上げになってこようかと思います。ぜひとも長官におかれましては、その一歩ずつの進歩ということを大事に取り組んでいただきながら、科学技術の振興のために御尽力いただきたいと存じます。 そして、引き続きまして、同種の質問がずっと続いて申しわけないのですけれども、前の科学技術庁長官でございました江田五月氏でございますが、江田長官時代の科学技術行政を振り返ってみましたときに、本人のそれまでの信念ということは別にいたしまして、政権合意の中で自民党政権時代の政策継承というものを打ち出していることを大義としまして、科学技術行政全般がその流れの中で進められてきたように考えております。 この国のために現実政策を選択されたことにつきましては、江田長官のその姿勢を評価したいと考えるわけでございますが、近江長官の代になりますと、この連立政権も二代目ということになってくるわけでございますが、江田長官がやってこられたその方針をそのまま引き継いでやられるのか、それとも自分流のものを何か打ち出されながらこれから取り組まれようとしておられるのか、もし変更点というものがございましたら、ぜひともこの委員会で明確にしていただきたいと存じます。
○近江国務大臣 御承知のように、科学技術の振興というものは、我が国の発展はもとより地球環境問題、エネルギー問題等、人類共通の諸問題を解決するためにも、これはもう不可欠な政策課題である、このように思っております。こういう考え方は、政権のいかんにかかわらず、重要なものであると思っております。 したがいまして、私も江田前大臣の政策を受け継ぎまして、我が国の科学技術政策をよりよいものとしていきたい、このように考えておる次第でございます。
○小野委員 ぜひ、まあ江田長官のことにつきましては、いろいろと私ども批判すべきところもあるわけでございますが、ただ、発行されているもの等を見ておりまして、これはいいなと思ったのは、やはり現場の声を聞こうという姿勢があった ような気持ちがいたします。役所が役所の目の高さで見ていると、見えないことがいっぱいありますということを語られまして、できるだけ現場の切実な声を聞きながら対応を進めていこうという姿勢をとっておられたようでございますが、この点、ちょっと連立政権をお褒めするような点、まあ私どもの立場で後でおしかりを受けるかもしれませんが、ぜひとも近江長官にも引き継いでいただきたい点でございます。よろしくお願いを申し上げたいと存じます。 引き続きまして、公明党の立場としての科学技術行政という問題でございますけれども、この点で多少、今までやってきました日本の科学技術行政とニュアンスの違いを感ずる部分が私にはあるわけでございます。と申しますのも、昨年の九月、連立政権が発足して一カ月後になると思いますけれども、日経産業消費研究所というところが各政党に科学技術行政をめぐってのアンケート調査を行っております。その中で、個々の政策については非常に科学技術を推進するという方向で来ているわけでございますが、科学技術全般のとらえ方という質問に対して、公明党からは次のような返事が返ってきているわけなんですね。 どういうものかと申しますと、「これまで「産業・生産」重視の技術開発を図ってきたため、経済全体の豊かさと個人の豊かさの間に大きなかい離が生じてきた。今後は「暮らし・生活」に主眼をおいた国民生活及び福祉の向上、地域の振興などのために寄与する科学技術へと転換すべきである。」ですから、方向性として産業界の方から、あの当時はやった言葉を言えば生活者重視ということでございましょうか、この方向への科学技術転換を行わねばならない、こういうことでございまして、このあたりに対して、長官、今長官というお立場にお立ちになられたわけでございますけれども、どのようにお考えになられるかということでございます。 まあ、この方針が打ち出されてからもうかれこれ一年弱になりますけれども、その間連立政権に参加されている中で、何かこの方針を具体化された部分があるのでしょうか。そしてまた、平成六年の予算の中に、新規にこの方針に基づいて取り入れられた予算項目があるのでしょうか。そして、さらに今後の課題として、まあ今は就任されたばかりでございますけれども、この方針に従って、長官としてこの問題だけは解決しておきたい、この方向づけだけはしておきたい、こういうものがございましたら、ぜひお教えをいただきたいと存じます。
○近江国務大臣 私も長年当委員会に所属をさせていただいておりまして、その間先端科学技術の推進とともに、生活に役立つ科学の推進といいますか、そういうことを絶えず私主張してきたわけでございます。人間が快適で充実した生活を送るためには、健康の維持増進、生活環境の向上、防災安全対策、こういう充実等を図ることが重要でございます。 そういうことで、科学技術庁におきましても、地震予知の研究だとか、がん関連研究等の国民生活の質の向上に資する科学技術を推進してきているわけでございますけれども、この平成六年度予算におきましても、このために必要な経費として約百八十三億円を計上しておるわけです。 その中で、御承知のように重粒子線がん治療装置は近くいよいよ臨床試行が始まりますし、食品成分データは昭和五十七年以来の改定に着手することにいたしております。 また、地域におきまして研究開発を展開することは、地域住民の生活の質の向上に役立つとともに、地域の活性化に資するのみならず、国全体の科学技術水準の向上にも寄与するものである、こういう観点から、科学技術庁といたしましても、地域における科学技術振興に取り組んできておるわけでございまして、平成六年度予算におきまして、約二十億円が計上されておるわけでございます。 科学技術庁といたしましては、今後とも、がん研究等健康の維持増進、地震予知研究等の国民生活の質の向上に資する科学技術の振興や、地域住民の生活の質の向上に資する研究等、地域における科学技術の振興をさらに強化していきたい、このように思っておる次第でございます。 そういうことで、私が従来からそのように主張もしてまいりましたし、また当庁のそうした方針も合致しておりますので、さらにまたおこたえできるように頑張ってまいりたいと思っております。
○小野委員 確かに今御指摘されましたとおり、長官、この科学技術委員当時に、がんの撲滅のための研究に対して幾度か御質問されておられたと思います。それから地震災害等に伴います被害がいろいろと起こりましたときには、そういう災害が起こらないような対応についても、またその技術研究について、いろいろと研究を進めるように指摘しておられたと思います。 そこで、今いろいろとお伺いをしたわけでございますけれども、科学技術庁長官をなさっておられる期間、これは私どもわかりません。しかし、これまでの慣例的なところから見ますと、長くて一年という期間というような気持ちがするわけでございますけれども、その短い期間と申し上げますか、限られた期間の間に、長官としてこれだけはぜひともやり上げておきたいというようなものがございましたら、ぜひ決意をお伺いしたいと思います。
○近江国務大臣 今申し上げましたこの先端科学技術の推進とともに、さらにまた生活に役立つ科学、科学技術というと、ともすれば難しいという感じに国民の皆さんにはとられておるように思うわけでございますが、密着したものをさらに一層推進をさせていただきたいと思っておりますし、今御報告申し上げましたように、このがん撲滅の重粒子線、これは近々臨床試行いたしますけれども、これは世界で最初の、最大の施設でございますし、非常に大きな期待もかかっておるわけでございます。 今また播磨の方でSPring8の、まあこれは法案を御審議いただくことになっておりますけれども、これなども世界最大でございますし、そういう点で、これからの国際化の中で国際共同研究等もどんどんやって、また人類のために役立てる、そういうものを本当に日本として国際化の中でしっかりとまた位置づけができるように私としては頑張っていきたい、このように思っておる次第でございます。
○小野委員 ぜひ力を注いでいただいて、生活者のためにも科学技術が生きる日本の国づくりという方向で頑張っていただきたいと思います。きょうは初回のこういう委員会での質問でございますから、余り深くは立ち入らないことにさせていただきたいと存じます。 それで、引き続いてまた近江長官にお伺いをさせていただきたいと思うのですけれども、この委員会の中で、先ほど申しましたとおり随分近江長官、委員の立場から御質問をされておられるわけですね。その中で、幾つか今後の科学技術行政を考えていこうとする中で、この点は明確にしておいていただきたいというところが数点散見されましたので、その点についての御質問をこれからさせていただきたいと存じます。 一つは、先ほどもお話にございました「もんじゅ」をめぐる問題でございますが、平成四年の十二月八日の当委員会におきまして、プルトニウム輸送船あかつき丸が、ちょうどあのときフランスから日本へ航送中の時期でございます。その時期にこの委員会で、近江長官、委員の立場からの質問をされておるわけでございますが、こんなことを言っておられるのですね。 先ほどから皆さんの論議は、プルトニウム問題、エネルギー問題の質問が非常に多かったように思います。世界的な情勢ということを視野に入れない政策というものは、私は問題がある、このように思うわけでございます。 我が国の今とっておりますエネルギー政策、特にプルトニウム問題、連日マスコミでもあかつき丸のああした輸送状況というものが報道も されておる。これは国民の皆さんも非常に不安を覚える。どうなっているのですか。また世界各国も、御承知のようにフランスのスーパーフェニックスを初めといたしまして、停止の状況にある。そういう中で、我が国だけがやはり突出をしておる。そこに核拡散の心配、当然輸送中の防護の不安の問題、環境への問題等々山積しておると思うのです。 それから、世界じゅうでプルトニウムがちょっと余ってきている状況が出てきているということを述べられた後で、 そういう中で、我が国の政策というもの、一度決めたことは一直線に進んでおるというそういう姿でいいのかどうか、 こういう疑問を投げかけておられるわけであります。 それで幾つか討論が行われました後で、 やはり世界の中の日本として生きる我が国ですから、こういうような大きな情勢変化があったときに対して、ただもう今まで決めたことをそのまま行くんです、レールだけ走っておればいいんです、そんな視野の狭いようなことでは、かえって大変なことに私はなると思うんですよ。世界各国の皆さんの理解、安心、そういう協力を得て、そしてその透明性の中でいろんな疑惑を払拭しながらしていくという、そういう慎重さがなければだめでしょう。そういう慎重さを私はぜひ求めたい。 そしてさらに、もう全部言っておきますけれども、その後の討論がまたありました後、 今のような姿勢でいったらだめですよ。つまずきます。それはもう世界じゅうの不信感、反発、経済大国として日本は何だ。我々がそういういろいろな心配な声をかけることに対しても、素知らぬ顔だ。政府の人が行って説明しておるかしらぬけれども、そんなものは上の役人が聞くだけの話ですよ。徹底して私はそれをやるべきだと思う。 これは、国際共同管理の問題に取り組むと同時に、理解してもらうための努力をしろという話であります。その後のところで、「もんじゅ」の名称を出しまして、こういう言葉を言われているんですね。 「もんじゅ」にいたしましても、当初計画から大分これはおくれてきておるわけでございますけれども、フランスの例を見ましても、さっきのスーパーフェニックスのことでございますね。 現実にはもう既に停止状況ということでございますし、そういう点で私が申し上げたいのは、いわゆる焦る必要はないということです。ということでございまして、必ずしもこれは「もんじゅ」の開発を否定されている言葉だとは私は受け取っておらないわけでございますが、ただ、計画どおりに強引に物事を進める必要はないじゃないか、もっと周辺のことに気を配りながら、計画なんて幾らおくれたっていいじゃないか、そっちの方が大事なんだという趣旨の御意見に基づいての質問をされているように思うわけでございます。 今、先ほどの話にもございましたとおり、「もんじゅ」が臨界に達して実用化に向かっての具体的な作業にこれからかかっていかなきゃいけない段階になってくるかと思いますけれども、この問題に対して、いかに長官はお考えになっておられるでございましょうか。 それから加えまして、プルトニウム政策をめぐりまして、今、科学技術庁と通産省との間でかなり考え方の違いが露呈してきているのではないかというような気がしてならないのです。先日も科学技術庁のいろいろな計画に対して、通産省側がプルトニウムの利用に対してブレーキをかけるというような形で一つ決着を見たようでございますけれども、非常に原子力政策がぶれることに対して、産業界、電力業界、こういうところが不安な目で今見ているところがございますが、どのようにこれから考えていこうとしておられるのか、この点につきましても、また御答弁をお願い申し上げたいと存じます。
○近江国務大臣 今非常に私のいろいろな発言等をいろいろ検討していただきまして、本当に大変ありがたく思っております。 それで、御指摘の質問事項のところは、原子力政策の特に推進に当たって、私論議させていただいたところが中心になっておると思いますが、そのときは私は、海外の動向等も踏まえて、また国内の状況も当然でございますが、そういう声によく耳を傾けながら、必要な見直しを行いながら推進していくべきではないか、こういう趣旨で私は発言したわけでございます。 現在、原子力委員会におきまして原子力開発利用長期計画の改定作業が最終段階にあるわけでございますが、その過程におきましても、国際情勢等、また国民の声も踏まえた上で審議が行われるように、十分その点配慮させていただいておる次第でございます。 いずれにいたしましても、資源小国でございます我が国でございまして、ウラン資源も輸入に頼っておる我が国といたしましては、御承知のように一千年以上のオーダーにわたって利用可能な資源量とすることができる、このいわゆるプルトニウムの利用を、今後とも安全確保に万全を期して、平和利用の堅持を旨として、国内外の理解を得つつ着実に推進していきたい、私このように考えておる次第でございます。 それで、この高速増殖炉についての先生の今のお話でございますが、我が国が高速増殖炉を開発するに当たりまして、御承知のように、従来から安全を第一として、透明性の確保に努めて開発を進める、こういうことが重要であるというその認識のもとに、今日まで進んできておるわけでございます。 私は、大臣に就任させていただきました直後、ちょうど五月の三日から七日まで日仏科学技術協定に基づく会議がございまして、どうしてもということで私行かせていただいたわけでございますが、その際、フランスのスーパーフェニックスを視察をさせていただきました。我が国と同様エネルギー資源に乏しいフランスが、将来における高速増殖炉の必要性を非常に認識しまして、そして一時これはずっと停止になっておったわけでございますが、火災を起こしましたああした箇所につきまして万全のそういう設備の更新もいたしておりましたし、徹底した国民世論、いろいろお声も聞き、そして今回再開にこぎつけるということで、早ければ六月末ぐらいから開始したいということを言っておりましたが、当然いわゆる発電機能が百二十四万キロワットあるわけでございますから、その発電機能、また増殖機能、これをしっかり見ていきたい。そして、初めのスーパーフェニックスの稼働に当たっては、初臨界を三日間でやったらしいのですね。そういうような拙速は絶対とりません、臨界に至るまでも慎重にやりながら、フランスとしては万全な、いわゆる安全確保に努めながらいきたいと。それが終了しまして、数年後、三年後になるのか、新しい燃料ということになってきますと、その段階ではアクチニド等のいわゆる研究にも活用していきたい、そういうことを申しておりました。 そういう点で、エネルギー資源に乏しい我が国におきましては、高速増殖炉を中核とする核燃料リサイクル体系の確立が重要であると私も思っておりますし、今後とも、この安全確保に万全を期しまして、透明性の確保に努めながら、フランス等とも協力をして着実に開発を進めてまいりたい、このように思っておる次第でございます。 それから、通産省との間で不一致があるじゃないかというお話でございますが、ウラン資源を全量海外から輸入している我が国といたしましては、ウラン資源の有効利用を図って、原子力によるエネルギー供給の一層の安定化を図るという観点から、使用済み燃料を再処理して、回収されるプルトニウムを核燃料として利用していくこと、また、このために必要な高速増殖炉の開発を行うという、こういう核燃料リサイクルを原子力政策の基本としてきたことは先生も御承知のとおりで ございます。 現在、原子力委員会におきまして、原子力開発利用長期計画の改定作業が最終段階にありますけれども、このプルトニウムの利用につきましての基本的な考え方に変更はなく、我が国におきまして余剰プルトニウムを保有しないとの原則のもとに、今後とも安全確保に万全を期しまして、平和利用の堅持を旨として、国内外の理解を得つつ、一歩一歩着実に進めていきたい、このように思っておるわけでございます。 そういうことで、その辺の認識につきましてはきちっとよく話し合いをしておりますので、御安心いただいていいのじゃないかと思います。
○小野委員 御安心くださいということでございますが、この点はもう一歩だけちょっと質問させていただきたいと思うのです。 また議事録に戻らせていただきますけれども、「あなた方」というのは科学技術庁の役人のあなた方はということですね。 あなた方はすぐ、事故でも事象という言葉で 言っておるけれども、要するに一つのことだっ て全体のこととしてとらえていく。そこの原発 の一つの炉の問題じゃないんです。そういう精 神が、考え方がないんです。もっと安全性に徹 して、燃料にしても徹底した、いわゆる石橋を たたいて渡るという、それが非常に大事なんで す。その点が非常に欠けておりますし、なれが 出ておる。こういうような指摘をされまして、事故などに対しての対応についても、その認識が、局部的なその一部分の部品が悪かったから事故が起こったのであって、ほかの原子炉の問題ではないのだとか、こういう言い方もされておられます。先ほど御指摘しましたように、国際的な関係の中でも、説明が科学技術庁足りないからだめなんじゃないかということも指摘されているわけです。 長官がこういう御意見を披瀝されたのは平成四年、今が平成六年の六月で、一年半前なんですね。その一年半の間に、科学技術庁自身の体制がそれでは変わったから安心してくださいと言われるのか、それとも、長官がこれから科学技術庁内において新しい対応を進め、自分のかかわってきたこういう信念を実現するから安心してくれと言われておられるのか、これはどちらなのか、ちょっと明確にしていただきたいと思います。
○近江国務大臣 今私、安心していただいていいと言ったのは、科学技術庁と通産省の間で見解の不一致があるじゃないかという御意見があったものですから、それにつきましては十分きちっと話し合いをしながら進めておるということを申し上げたわけでございます。 それからまた、御承知のように、特に原子力関係につきまして、この事象また事故というものですね。私は常々、安全性の確保ということがもう一番大事である、また透明性が大事である、自主、民主、公開のもとに、いささかの疑念も国民の皆さんに持っていただいてはいけない、絶えず私は一貫してそのことを主張いたしてまいりました。そういうことで、科学技術庁におきましても、私はもう就任以来皆さんにそのことをお話し申し上げ、そして安全に万全を期していきましょう、そのことを申し上げておるわけでございまして、そういう点で、今後もいささかもそういう油断のないように、本当に徹底した安全確保に今後進んでいきたい、このように思うわけでございます。
○小野委員 その点はぜひよろしくお願い申し上げたいと同時に、もう一方においては日本のエネルギー事情という問題も出てくるわけでございまして、余りそのあたりで逡巡を行い過ぎることに伴ってエネルギーの需要に供給が追いつかないという事態をつくってしまえば、これは国益に反する問題になってくるわけでございますから、この点は十分長官の立場でお考えになっておられることだと思いますが、今まで持ってこられました、科学技術庁サイドでいろいろな原子力開発スケジュールというものがあると思いますけれども、これについては十分尊重しながら進めていくお考えかどうか。これは質問の通告の中には入っておりませんが、関連としてお尋ねをさせていただきたいと存じます。
○近江国務大臣 今、御承知のように長期計画の見直しをしておるわけでございます。当然その中に、今後の原発のそういう進展状況等も十分踏まえながら、計画の中に十分それは考慮いたしておりますので、ですから、安全性を第一としながら、しかし我が国のエネルギー情勢、よく考えて、推進すべきはきちっとしたそういう基本計画のもとに進めていきたい、このように考えておる次第でございます。
○小野委員 その点はこれからの議論でございましょうから、その計画が出されました段階で引き続いていろいろと御質問させていただきたいと存じます。 それから、続きまして、長官の質問の中で第二点目に取り上げてみたいと思いますのが、平成五年の二月二十三日に行われました質問でございます。 これは先ほどの話の中にもありました予算の増額の問題でございますが、科学技術振興というものをこれからどんどん進めていく上に、予算を倍増させていく考え方が必要だということで、これは、政府側が出しておりました長期計画の中にそれを織り込んでいた問題でございますが、当時委員の立場から指摘をされておりますのが、これをどんどん進めていかなければならないにもかかわらずなかなかそれが進まないじゃないか、答弁をすれば、政府は、努力をしておる、前年対比で何%伸びていると言うけれども、これでは遅々として全然進まないじゃないかということを実は指摘をされているわけでございます。 それに対して、ここまで言っておられるのですね。こういう対応をしていたのではいつまでも進まないということで、皆さん方、役所の皆さんが中小企業の経営者だったらもうとっくにみんなつぶれていますよ、もっとしっかりしてもらいたいですねということで、かなり厳しいお言葉で科学技術庁に対する叱咤激励をされながら、予算の増額についての努力を求めているのですけれども、もう今、長官がまさに責任者の立場に立たれたわけですね。この点に関しての決意は当時と変わりがないか、みずからが、じゃその中小企業と言われた経営者の立場になられたわけですから、この科学技術庁をつぶさないために努力をされるという、その決意をぜひここでお聞かせいただきたいと存じます。
○近江国務大臣 今、予算委員会で今年度予算を討議していただいておるわけでございますが、私も何回か答弁に立たせていただく機会がございました。質問しておられた各委員の先生方は、やはり日本の科学技術振興について、基礎研究等を、非常にまだ力が足らない、もっとやりなさい、そういう御質問でございまして、私は、その場をおかりしまして、その旨を強く申し上げた次第でございます。 御承知のように、十八号答申を受けまして平成四年四月二十四日の科学技術政策大綱を閣議決定していただいておるわけでございますが、この決定、当時自民党政権下にあったわけでございますけれども、そのときには、ときどきの財政事情を勘案しながらいわゆる研究費を早急に倍増すべきである、これは明確にここでうたわれているわけですね。 御承知のように、研究開発というのを今の状況で考えますと、日本も今非常に不況ということがございますし、やはり一つの活力といいますか、行き詰まりがあるように思うのですね。世界各国もそうでございます。そういう中で、二十一世紀を展望したときに、今こそ本当にやはり先行投資といいますか、科学技術、基礎研究を中心としたそこに力を入れなければならぬ、こういうことを痛感するわけでございます。 今、我が国の研究投資というのを考えてみますと、十二兆八千億ですね。その中で、民間が十兆五千億、八一・九%、政府は二兆三千億、一八%です。こういう状況でございまして、二割という ようなこの政府の投資というものは、欧米先進国に比べましても非常に低いわけでございます。これは、GNPでいきますと二兆三千億というのは〇・四九%、約〇・五%です。ところが、アメリカ、フランス、ドイツ等々は、若干一%切れるところがございますが、一%を超えているところもある。ほぼ一%なのですね。超えているところもあるわけです。そういう点から比べますと、対GNP比〇・四九%というのは非常に低いと私は思いますね。 民間を含めた十二兆八千億というこの額は、ほぼ先進国に肩を並べておると思うのです。しかし、これからの基礎研究を中心とした研究開発投資ということからいきますと、これはやはり、特に民間の場合は応用研究というものに非常にどうしても肩が入るのですね。そういう点で、やはり基礎研究ということを考えますと、やはり政府は、今こそこれは先行投資で力を入れる、今こそその大事な状況ではないか、私はこのように思うわけでございます。 この点は本当に、羽田総理も、先般の本会議等におきましても、所信表明のときに、二十一世紀を展望いたしまして教育や科学技術の先行投資ということを強くお訴えになられましたし、また、予算委員会等におきましても、そのことは何回も答弁されているわけです。 そういう点で、私自身、今この政府の立場に立っておるわけでございますが、各省庁の閣僚にも、とにかく科学技術庁というのは科学技術政策の取りまとめをさせていただく官庁でございますので、とにかくあらゆる機会をとらえて、その重要性につきまして訴えもし、御協力をいただきたい、こういうことで今お話ししているような次第でございます。 そういうことで、一層その責任を痛感いたしまして、この科学技術振興、特に基礎研究を中心としたここに力を入れて頑張っていきたい、このように思っておる次第でございます。
○小野委員 こういう混迷した時代になりましたときには、私自身も感じますことに、目の前のことに大きなエネルギーを投入するよりも、たとえ今は幾ら苦しくても、将来の種になるもの、将来のための芽になるものにあえて苦労してでもエネルギーを投入すべきであるというのが私の信念でございまして、その点、長官と非常に強く共感するものを感じます。 そこで、そういう長官の熱き思いがありながら、具体的に推進しようとすればなかなか問題が多いのだろうと思うのですね。その問題というのは一体どこにあるのか、これも質問通告からちょっとはみ出すかもしれませんけれども、長官自身が一カ月余り、さらにこの科学技術委員会という意味では十数年間この問題にずっと取り組み続けてくる中で、この点だけはぜひ改善をしていかなければ、予算の増額とともに科学技術というものの研究の発展というものができないなと率直に感じられるところがございましたら、この点御披瀝を賜りたいと存じます。
○近江国務大臣 御承知のように、科学技術庁は科学技術振興の取りまとめ、推進をさせていただく省庁でございます。そこで、御承知のように、国の研究機関にいたしましても、運輸省、建設省、文部省を初めといたしまして各省庁にあるわけでございます。したがいまして、これは本当に、先ほども御答弁申し上げましたように、これは閣議決定されておる重要な項目でございますので、総理を初め各省庁責任者が本当にやはりその気になっていただいて、総力を挙げて足並みをそろえて前進していただくということがやはり重要ではないか、このように思っておるわけでございます。 科学技術庁だけの予算を少し増額させていただくという、皆さんの御協力もあり、今年度予算審議していただいておりますが、これも平均からしますと伸ばしていただいておりますけれども、国全体として見ればこれは本当に少ないわけでございますから、やはり各省庁足並みをそろえて、科学技術立国として立つ強い認識が必要ではないか、このように思うわけでございます。 そういう点で、私も、今置かれた立場の上におきまして、一層各省庁責任者に深く認識していただけるように、一層また今後努力していきたいと思います。
○小野委員 具体的なことになりますと、まだ一カ月でございますから、これからということでございましょうけれども、単年度予算の見直しの問題ということもよく指摘されますし、それから科学技術研究機関における人員の問題、また、自由に使える研究費の問題、それから設備の償却関係の問題、また旅費関係の問題、さまざまな問題が今研究現場の方で上がってきている状況でございますから、そういう声を丹念に聞いていただきながら、先ほどお話ございましたとおり、日本の国にとって非常に大事な政策、科学技術立国ということまでも看板として上げてやっておるわけでございますから、そのあたりをぜひとも広く長官の力で啓蒙していただいて、雄々しくこの行政が進んでいきますようにお願い申し上げたいと存じます。 それから、長官の質問の中で、あと二問あるんでこのあたりちょっと簡単にいきたいと思うんですけれども、平成五年二月二十三日の質問の中で、科学技術のビッグプロジェクトに関して、野田委員の方からも宇宙ステーションの問題、指摘ありましたけれども、日米ですとかそれから多国間での共同研究を行ったり、また共同のプロジェクトを行ったりということが、ここしばらくだんだんとふえてきているわけでございますけれども、その中で、長官、当時指摘されましたとおり、アメリカが一方的に日本に研究協力を要請してきて、それで無理やり予算をつけたところが、アメリカが自国の都合で勝手にその計画を縮小ないし廃止してしまう、こういうような中途半端な共同研究の話を進めていくということで本当にいいのかどうかということを指摘されているんですね。もっと真剣に、アメリカとつぶさに、真剣な説明もさせ、こちらも意見を言う、そういうコミュニケーションがなかったらどうするんですか、一方通行をぱっとされて慌てふためいておるようなことでは情けないじゃないですかということを指摘されまして、そういう対外的な多国間での共同研究という問題に対して、もっときちんとした体制を持って、きちんとした協議を積み上げた中で進めていくべきじゃないかということを指摘されているわけでありますが、今後、恐らくこの種の研究というのは次から次へと生まれてくると思うわけでございますが、他国と共同研究を行うということについてどういう姿勢で取り組んでいかれるのか。 そしてまた、アメリカで進めておられましたSSCの問題に関しましては、これが中止という結果に最終なってしまったんですが、日本の国内においてそのSSCの中止ということに伴って特に問題は起こらなかったのかどうか、この点について御答弁をお願いします。
○島政府委員 SSCについてでございますけれども、御案内のとおり日米間では共同作業部会を設置して検討を進めておりましたし、日本の国内では、総理の御指示もあって科学技術会議で検討を進めておりました。 しかし、何らそこで結論を得ない前に、アメリカの方でSSC計画が中止されたということでございまして、我が国にとっては経費面等々のそういう意味での影響というのはなかった、こういうことでございます。
○小野委員 今後の取り組みについてはいかがでございましょうか。
○近江国務大臣 私は、そのときにも委員会でも指摘しておりましたように、これだけの大きな国際協力をしなきゃならない問題を、どこかの国が先に先行しておって、後、いわゆる入ってくれませんか、そういうようなことでは国際協力というのは私は成り立たないと思うんですね。当初から、やはりいろいろなテーマがあるわけでございますから、本当に真剣な討議の中で、これは人類のためにどうしてもやらなきゃならないテーマで ある、それならば国際共同しましょうと、最初の段階から、そういうやはりスタートの段階から話を進めることが大事だ、このことを私は指摘してきたわけでございまして、その気持ちは今も全く一貫しております。 したがいまして、各政府の皆さん方にも、国際協力、今どんどんいろいろなテーマで話し合いも進んでおりますが、いろいろな点におきまして、国際協力する場合においては同じスタートラインに立って、そういう中で話を進めていくことが大事であるということは常々申し上げておる次第でございます。
○小野委員 恐らくこれからは、他国の研究プロジェクトに日本が参画するというだけではなくて、日本が主導してそれに他国が参加をしてくるようなプロジェクトも生まれてくるだろうと思うんですね。ですから、そういうことも含めまして、対外的な対応がきちんととられる体制を科学技術庁の皆さんにはお願いを申し上げておきたいと存じます。 それから、技術評価の問題でございますけれども、これも長官、委員のときの質問の中に取り上げられた問題でございますが、平成五年三月二十五日の当委員会での質問の中で、日本版OTA、ですからオフィス・オブ・テクノロジー・アセスメントかと思います。技術評価委員会というものをきちんと設置をして、各省庁で別々に、これは野田委員が先ほど少し触れておられましたけれども、取り組んでおられるさまざまな研究をきちんと評価を加えていきながら、必要なプロジェクトには思い切って大きなお金を投入もするし、重複研究については、これの必要性のあるところもあるんでしょうけれども、どのような形でその経費を削減しながら共同利用形態をつくりながら進めていくのか、言ってみれば、国家的なプロジェクトとしての科学技術開発というものを総合的に進めていくためにも、やはりOTAと言われるものの必要性が今出てきているんではなかろうかという気がするんです。 現場の方にいろいろと聞いてみますと、当然その研究所内での技術評価というのは行われているようでございます。これは行われてなきやおかしいわけですけれども、少し大きなプロジェクトになりますと、今度は省の方で研究開発の評価をするための客観的な委員会みたいなものを設置されてやっている。しかし、大きく、通産省だ、建設省だ、文部省だといろいろ言われましたけれども、そういう各省庁と連携をとりながら横断的に全体を評価する機関というのは今のところないということでありますが、アメリカのOTAはどういう形かというと、議会直属になっているんですね。ですから、議会が予算を出すという観点から、きちんとその予算が効果的に使われているかをチェックするためにOTAがつくられているということでございますけれども、長官はこの質問の中で、OTAもやりなさいということを言われるのですが、どういう形のOTAを想定しておられたんだろう、総務庁の下につくられるようなものなのか、また、大蔵省の下につくられるようなものなのか、また、科学技術庁が総括して全体の科学技術を見るんだということで科学技術庁のもとに置かれようとされたのか、それとも議会がやはり予算権を持つ以上、ここで審査すべきものだということだったのか、この点について、ちょっとお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
○近江国務大臣 そのときに、私は日本版OTAをつくればどうかと主張いたしましたのは、そこまで、どういう組織がいいのかとか、そこまでの実はまだ具体的な、私自身も考えはなかったわけでございます。ただ、日本の評価という点におきまして、今先生御指摘ございましたように、どうもその辺が納得が一〇〇%いかないという感じを持っておりましたので、私申し上げたような次第でございます。 今、そういう点で、私政府の皆さんにもいろいろ聞いておりますが、今の状況というのは、この調査研究、評価は、行政レベルにおきましては研究開発を推進する機関等が審議会の活用等によりまして実施しておるというのが現状でございます。 科学技術会議におきましても、基本計画の立案等に際して、科学技術の動向や今後の方向性等に関する調査研究、評価を行っておることも事実でございます。また、科学技術振興調整費を活用いたしましての研究開発に関する総合的な調査分析、科学技術政策研究所における政策研究を実施してきておるわけでございます。 このような調査研究、評価は、科学技術の振興、研究開発の推進にとって重要なものと政府は認識しておるわけでございますが、そういう中で行われておるわけでございますので、さらにその充実を図っていくことが必要だと私自身は思います。 しかし、私がそのように強く政府に迫っておりましたその意識は、今もなお強いものがございます。したがいまして、日本版OTAにつきましては、今後の検討課題の一つと考えておりまして、従来の体制、それを充実強化していくことが重要でございますが、同時に、これは検討課題といたしまして、政府におきまして今後勉強していただくということを申し上げておる次第でございます。
○小野委員 ぜひ、その点は御検討をお願い申し上げたいと存じます。 引き続きまして、今度科学技術庁の大きなテーマに取り上げておられます若者の科学技術離れ問題について、若干質疑をさせていただきたいと存じます。 平成五年版の科学技術白書、私も読ましていただいたわけでございますが、一番大きなテーマは、今申し上げましたとおり、科学技術の問題に対して若い世代が、ここしばらくの間顕著に関心を薄めているということでございまして、その分析を見ておりますと、科学技術というものが高度化、複雑化をしたことに伴って、一般の皆さん方から、理解しながら使うものという観点よりも、何が中にあるかわからないけれども、とにかくボタンを押したらこんな働きをするものというようなことで、非常に縁遠いものになった、ブラックボックス化したというような言い方をされているわけでございますけれども、まさに私自身もその問題意識を持つ一人でございます。 もっと身近なところに技術が感じられる、そして技術というものが自分たち人類の未来を豊かにするものであり、それがひいては一人一人の人間にとっても有意義で、この開発を進めていくということが非常に効果的なものであるということを認識させるということが大事だ、この点も、私も同感でございます。 そこで、一つ私この場で提言させていただきたいと存じますのは、諸施策を今科学技術庁さんを初め、文部省もそうでございますし、通産省もそうでございますが、さまざまな施策を取り入れながら、科学技術で関心を持たせていこうという取り組みをやっておられるわけでございますが、ひとつパンチ力が弱いという気がしてならないのです。何か大きな意識転換を図ろうとすれば一つの大きなシンボルを設定するということが、これはプロジェクトの常套手段だろうと思うわけでございますけれども、その観点から、私は西暦二〇〇〇年に、この日本の国においてロボットを使ったオリンピックを開けないだろうかということを御提唱申し上げたいと存じます。 と申しますのも、一九〇〇年、ギリシャにおいてオリンピックは始まりました。クーベルタン男爵が、当時世界じゅうにいろいろな争いが起こっている姿を見て、こんな争いのない世界をつくるためには全人類がともに集い合い、そこで汗を流し合うような場をつくらねばならない、ついては、かつてギリシャにおいては、ポリス間でいつも争いがあってもオリンピアの神殿のもとに皆さんがともに集まって競技会をやったじゃないか、それを復活させることを通して世界に平和を呼び戻したい、こんな思いを持ってオリンピックを始めたのが今から約百年前、そして西暦二〇〇〇年を迎えれば、私どもはオリンピック百周年という 年を迎えるわけでございます。 今、この世界をずっと見ていただきましたときに、世界じゅうにいろいろな争いがあります。経済をめぐる争いというものも随分起こってきております。そしてまた、技術力をもって人類は新しい世代を築いていかなければ、人類の未来はあり得ないというようなことも語られていることを思いますときに、技術力を向上させ、世界人類が和合するイベントというのは、非常に効果的な意味深いイベントになると思うのですね。 振り返ってみますと、この日本の国は、ロボット技術においては世界に冠たる国でございまして、世界のロボット生産台数でいくと、六割か七割くらいのロボットがこの国の中でつくられているんでしょう。ですから、そのロボット王国たる日本において、世界の未来を切り開くために、世界じゅうの人類、世界じゅうの技術者、世界じゅうの市民が集まっていただいて、みんなで技術をたたえながら、ともに世界の未来を夢見ようじゃないかという祭典を開くとすれば、大変にこれは世界人類に対しても大きな投げかけを行えるんではなかろうかというような気持ちがいたします。 また、そういう大きな話題があれば、科学技術に対して国民の皆さんの目も変わってくるに違いない、そんな気持ちを持ちまして、このような提言をさしていただくわけでございますが、これをやるとなりますと、科学技術庁さん一つの仕事ではないと思いますけれども、科学技術庁さんがせっかく「若者と科学技術」ということで問題提起されたわけですから、このような取り組みを今から進めてみられたらどうかと考えるのですが、いかがでございましょうか。
○近江国務大臣 先生御指摘のように、若者の科学技術離れというのは、これは将来を科学技術の発展に託するところの大きい我が国にとりましては非常に重大な問題でございます。さまざまな場におきまして、科学技術についての理解が得られるように取り組むべきである、このように認識をいたしております。 御指摘のとおり、若者の科学技術離れ対策の一つといたしまして、我が国が世界のトップレベルにあるロボット技術などの科学技術の成果を若者に印象深く示すということは、非常に有意義であると考えております。そのような観点から、若者に科学技術の楽しさや魅力を体感させるようなさまざまな取り組みの実施について検討してまいりたいと思います。 ちなみに、全国ロボット相撲大会、これは全国工業高等学校校長会が主催しておるわけでございますが、これにつきましては、科学技術庁といたしましてもいろいろな点で後援をさせていただきたいと思っておりますし、全国大会はことしの十二月二十二日、二十三日に予定されておるわけでございます。国技館でございます。そういうこともございます。それから、全日本マイクロマウス大会、これはニューテクノロジー振興財団、これは科学技術庁が所管の振興財団でございますが、これは昨年の十一月二十七日、二十八日、会場は科学技術館でやっております。 そういうように、先生のお申し出等、これは非常にユニークな御提案であろうかと思います。また、よく勉強させていただきたいと思っております。
○新政府委員 ただいまの科学技術庁の後援によりますロボット競技、大臣から御紹介ありましたけれども、全国ロボット相撲大会というのは既に今まで五回、ことしが六回目ということでございますし、また、全日本マイクロマウス大会につきましては、これまで十四回ということで、また、ことしが十五回目ということでございます。
○小野委員 その点、これは急の提案でございますから、これからの検討課題にしていただきたいと存じます。 それにあわせまして、科学技術の啓蒙普及ということを考えましたときに、長官のお考えの中にありましたとおり、地域こおける科学技術の振興という問題も考えますときに、いろいろな地域で今科学技術館のようなものが建設が進められておりまして、私もそれをひとつ評価させていただいているものでございます。 ただ、いろいろな科学技術館を私も見てまいりましたけれども、大きな問題点と申しますのは、つくるときには多額の予算を投入いたしまして、立派な建物もつくれば立派な展示施設もその中につくり込んでいくわけでございますけれども、時間がたつと、陳腐化が非常に早いということなんですね。それはもう技術というものの持つ特質かもしれませんけれども、どんどん技術進歩するのに対して、それに追いつくだけの展示施設がなかなか設けられてこない。そしてまた、そういう科学技術関係の展示というのは結構設備をつくるのにお金がかかってしまうものですから、日常の経常経費から展示施設を直すということがなかなか難しいというようなことで、しばらく時間がたつと、だんだん観客の足が遠のいてしまうというような事態が起こってきております。 これにつきまして、私ども考えますのに、巡回展示の施設というようなものを、いろいろな機器と言った方がいいでしょうか、巡回展示を次々とやっていくための展示機器を科学技術庁さんが音頭をとられておつくりになられまして、きょうは四国に行けば、何カ月か先には今度はそれが九州へ回っていく、その何カ月先にはまたこれは北海道へ行くというような形で、特設展示室に常に新しい科学技術を啓蒙するための設備が入っていくというような形をつくられてはいかがだろうかということを考えるわけでございますが、それにはいろいろなノウハウもあると思いますけれども、基本的にその方向性についてはどのようにお考えになられますでしょうか。
○新政府委員 御指摘のように、科学館が若者に対する科学技術の普及啓発拠点として重要な役割を持つものというこの認識は、先生御指摘のとおりだろうと思います。御指摘は大変胸に響くものがあるわけでございますけれども、私ども科学技術庁といたしましては、これら科学館の連携の強化というようなことで、科学館活動の活性化に努めております。 平成五年には、当庁の呼びかけに応じまして、全国六十四カ所の科学館が参加をいたしまして、全国科学館連携協議会というものを組織いたしました。そういうことで、各科学館の持っている展示物の情報交換というようなことも円滑に進めたいと思っております。 また、今年度は、若者の科学技術に関する関心を高揚させることのできるすぐれた活動のアイデアを各方面から集めまして、全国の科学館に対して周知をさせるという、まあいわゆる科学技術体験活動というものを開始させる予定でございます。 今後とも科学館活動の一層の活性化に努めてまいりたいと思っております。
○近江国務大臣 非常に先生の御提言は、私自身いいと思います。 先般、先ほど御報告申し上げましたように、五月の三日から七日までフランスに参りました。そのときには、フィヨンさん、ロンゲさんという二人の科学技術関係の大臣と、また、各研究所の所長さんを交えての話し合いが行われまして、この九月に日仏科学技術協定に基づく会議を東京開催を決めて帰ってきたわけですが、その間わずかな時間でございましたが、私自身今の日本の科学博物館等の陳腐化ということはもう前々から意識しておりまして、世界最大と言われるラ・ビレット、いわゆるフランスの本当に郊外といいますか、市の外れにあるわけですね。聞かれておると思いますが、これは世界最大と言われておりますね。科学産業都市という名前、これは博物館のことでございますけれども、そこへ参りました。 参りましたときは、ちょうど子供の日であったわけですね。ところが、フランスの政府、また科学博物館の御好意によりまして、毎年日本人の学校の子供たちを招待してくれているのです。ちょうど参りましたときに、百二十人ほど三年生、四年生のかわいい子供たちが招待を受けておりまして、ちょうど玄関の非常に大きなホールでござい ますが、こいのぼりが掲げてあるのですね。こいのぼりは日本の地元企業が子供たち激励のために、また日本の文化紹介のために掲げているわけですけれども、両側に。パリの空にいわゆるこいのぼりが泳いでいる、非常にほほ笑ましい状況でございました。 子供たちを激励いたしまして、そして館内視察を、本当に短時間ですがさせていただいたのですが、非常によく考えてございまして、幼児の段階、そして小学校一、二年生、そしてまた三、四年生、段階を経まして、あらゆるそういう科学技術に関しまして非常に私たちの日常生活の中から興味がそこにわいてくる、非常に一つ一つがもうよく考えてある、本当に感心した次第でございます。 そういう状況を見ますと、まだまだやはり日本の場合、これはもっと力を入れなきゃいけないなと痛感したような次第でございまして、特にそういうラ・ビレットのノウハウといいますか、それについては日本の科学博物館の担当者も非常に興味を寄せておられまして、大阪の方にぜひその辺のソフトを取り入れたいということで、何回もお会いして、近々大阪へ行くんだというお話もされておりました。 そういうことで、今学生の理工系離れということも非常に深刻な問題として言われておるわけでございますが、私はもっとすそ野の広い、小さいときからの科学技術に関するそういう興味というもの、また理解といいますか、そういうものを深めていく必要があると思うのです。そういう点で、先生御提案のそういうものを触れ合っていく科学技術館というもの、この展示内容の重要性というものは本当に非常に大きなものがあると思うのです。したがいまして、これは政府といたしましても、先生の御提案、十分受け入れさせていただきまして勉強させていただきたい、このように思います。
○小野委員 時間が参りましたので、質問につきましてはこれで終わらせていただこうと思いますが、七月九日、本当にもうあと一カ月先に向井千秋さんがスペースシャトルで宇宙へ向かいます。非常に大きな、国民皆さん方に科学技術の重要性、すばらしさを訴える機会であろうと思いますから、ぜひとも周辺のさまざまなイベントをあわせまして広報啓発活動を推進していただきますようにお願いを申し上げます。 それと同時に、やはり今非常に世の中が大きく動いてきております。あるいは、これは文明転換の嵐の中に私たちの社会が置かれているんじゃなかろうかとすら思えるわけでございますが、その文明を新たに切り開いていく原動力は科学技術である、この突破口をもって次に新しい文明が初めて築かれるんだという自負心を、ぜひとも科学技術庁長官を初め皆さんにはお持ちをいただいて、この国の発展のために、また世界人類の今後の隆盛のために、皆さんの御尽力を心からお願いを申し上げまして、質問を終えさせていただきたいと思います。
○臼井委員長 笹木竜三君。
○笹木委員 笹木竜三でございます。 長官と一緒に、こうして皆さんと一緒に今後の科学技術の振興、そして科学技術政策充実のために一生懸命頑張ってまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いします。 きょうは四つほど質問をさせていただきたいのですけれども、主に本日はエネルギーとその関連の問題について、関心のある事柄について質問させていただきます。 最初からちょっと重たい質問で恐縮なんですけれども、プルトニウムの国内そして国際的な管理について質問させていただきます。 座ってさせていただきます。 ロシアでの核兵器の解体、それによって生ずる超濃縮ウランですとかプルトニウム、特にプルトニウム、それで発生するプルトニウムの管理をどうするかという問題が非常こ深刻こなっております。さらに、クリントン大統領も国連の演説で、昨年、民生用も含めたすべての核物質の余剰をなるべく減らそう、そういう訴えをしております。さらに日本に対しても、アメリカは、特に日本の核武装に対する懸念から、余剰のプルトニウムをなるべく持たないよう、そういった希望を強く持っている、そう聞いております。今後は国内での余剰プルトニウムをなるべく減らしていく、こういうことが必要になってくる。 それで、原子炉で燃料としてプルトニウムを消費していく、減らしていく、燃やしていく、それをいかにうまくやるかということが問われてくると考えます。現状においてプルサーマルですとかいろいろやられていることは知っておりますけれども、現状において、さらに今後どういった方法でその余剰のプルトニウムを、その数量調整、燃焼して減らしていくことをどういった形でやっていく可能性があるのか、まずお聞きしたいと思います。
○石田(寛)政府委員 座ってお答えさせていただきます。 今先生御指摘のとおりに、我が国におきますプルトニウムの利用は極めて大事な問題でございまして、基本的にはプルトニウムはつくったものをきちっと使うという、そういう方針であろうかと思うわけでございます。 それで、具体的に一体どういうことでプルトニウムを使っていくかということであるわけでございますけれども、一つ大きな流れといたしましては、御承知のように高速増殖炉というのがあるわけでございます。これにつきましては、御承知のように原型炉「もんじゅ」、これは四月五日に臨界させていただきました。今後進んでいきます高速増殖炉の技術開発、これによりましてプルトニウムをきちんと扱っていく。もちろん最終的には、この炉はプルトニウムを増殖するということを目的としておるわけでございますけれども、この炉はまた、使いようによってはプルトニウムをうまく燃やせるという、そういう機能も持ち得る可能性もあるわけでございます。その意味では、さらにはいわゆるアクチナイドバーニングと申しますか、関係の核物質を燃やす、そういう機能もあわせ持つという、そういう努力も展開していく方向であろうかと思うわけであります。 それ以外にも、御承知のように、これまた福井県で長らく運転させていただいております新型転換炉、これは原型炉「ふげん」でございますけれども、これにつきましても昭和五十三年の臨界から長く運転させていただいておりまして、ここでもプルトニウム燃料をずっと使わせていただいてきたということがあるわけでございます。 それから、今お触れになりましたように、軽水炉でのプルトニウム利用ということも当然あるわけでございまして、この具体化につきましてはこれまでも考え方は持っておりましたし、今現在、先ほどから話に出ております原子力開発利用長期計画の検討におきまして、具体的な進め方が詰められておる最中でございますけれども、一九九〇年代後半に加圧水型炉、沸騰水型炉、それぞれ少数基において利用を開始する、二〇〇〇年ごろに十基程度、二〇〇〇年から二〇一〇年までの間に十数基程度まで計画的かつ段階的に拡大をしていく、そういうような考え方も煮詰まってきておるということがあるわけでございます。 こういうようなことをあわせ努力をいたしまして、プルトニウムをきちんと使っていきたい、かように考えておるところでございます。
○笹木委員 確認なんですけれども、そうしますと、高速増殖炉の炉において、逆に、プルトニウムの余剰の量によっては、ふやすのじゃなくて逆に減らすような高速増殖炉の使い方も、今後は可能性としてあると考えていいわけですね。
○石田(寛)政府委員 お答え申し上げます。 御承知のように、高速増殖炉はもともと高速増殖炉、すなわち核分裂性物質を増殖していくということを目的とした炉でございますが、同時に、この名前のとおりに高速、すなわち高速中性子によりまして核分裂連鎖反応を起こしてエネルギーを出すという、そういうものであるわけでございます。 それで、この高速中性子を使うということ等によりまして、そこから発生します特性によりまして、さっき申しましたようなプルトニウム以外のアクチナイド、すなわちネプツニウムとかアメリシウムとかキュリウム等、そういうものは非常に燃えやすいというそういう性質があるわけでございます。したがいまして、高速増殖炉そのものはすぐにこういうアクチナイドバーニング、アクチナイド燃焼にすぐ用いられるわけではないとは存じますけれども、ブランケットを調整するとかいろいろ工夫を凝らすことによりまして、そういうこともでき得る、そういう努力も今後展開していきたい、こういう議論も行われているところでございます。
○笹木委員 次に、国際的なプルトニウムの管理についてお聞きしたいわけですけれども、ロシアでの核兵器の解体、これについては日本も一億ドルですか、平成五年度補正予算を計上しまして、解体後の液体放射性廃棄物の貯蔵処理、こういったことについては強力に取り組んでいるわけですけれども、例えば日本自身が国際プルトニウム管理構想、こういったことを提案をしているわけです。他国から、日本はたくさんためてないか、政府に対して大丈夫か、大丈夫かと言うだけじゃなくて、国際的に、例えばこのロシアでの余剰プルトニウム、核兵器解体後のプルトニウム、それについて、今お話があったようなプルトニウムを炉で燃やす、そして減らす、この技術を日本一国だけというのが難しいのならほかの国と協力してでも、そういった面でロシアに対する協力をしていく、そういった可能性があるかどうか。これはぜひ大臣に一言コメントをいただければと思います。
○近江国務大臣 ロシアの核兵器解体等に伴い発生するプルトニウム、こういう有効利用による処理ですね、これは協力すべきではないか。この件に関しまして、核兵器解体から生ずるプルトニウム等の核物質に関しましては、発生国がみずからの問題として適切に対処していくことが基本であると考えておるわけでございますが、米ロの核兵器解体に伴い発生いたしますプルトニウムにつきましては、本年一月の両国による共同宣言に沿って、現在その処理方策等について米ロ間で検討が行われている、このように承知しておるわけでございます。 我が国といたしましても、核兵器の削減にかかわる国際的な協力が重要となっておる今日の情勢に的確に対応するために、このような動向を踏まえまして、諸外国との協調の上に立ちまして、平和目的に限って原子力利用を進める、そういう基本方針にのっとりまして、これまでの経験、技術を生かして貢献していく、こういうことが重要である、このように考えておるわけでございます。 それで、特にプルトニウムの国際的枠組みに関する我が国の取り組みでございますけれども、核兵器解体により生ずるプルトニウム及び高濃縮ウラン、並びに、もともと平和利用されているプルトニウムについての世界的な関心が高まっておるわけでございますが、我が国といたしましても、プルトニウムの平和利用を推進していく立場から大きな関心を寄せているところでございます。 これまで、本件に関しまして国際原子力機関IAEAば、我が国を含む関係国の参加を求め、非公式会合を二回開きましたが、我が国として具体的な提案をしていくことが非常に重要である、こういう認識のもとに、一つは対象核物質にかかわる平和利用の透明性を高めるとともに、二番として、核兵器解体に伴う対象核物質が適切に管理されることを国際的に確認する、こういう二点に主眼を置いた国際的枠組みについて提案を行ってきたような次第でございます。そして、参加国間で透明性の確保に重点を置いた国際的枠組みが必要であるということにつきまして、意見の一致を見たわけでございます。 その後、関係国間での検討が開始されまして、本年二月こ第一回目の関係国会合が開催されたのに引き続きまして、あす六月四日、第二回目の関係国会合がオーストリアのウィーンで開催されます。きょう科学技術庁から、成田から出発したところでございますが、参加国は日本、米国、そして英国、フランス、ロシア、中国、ドイツ、ベルギー、スイスの九カ国で、さらにオブザーバーといたしましてIAEAが参加することになっております。 先ほど御報告申し上げましたように、我が国からは当庁の原子力局核燃料課長のほか、外務省、通産省からも担当課長クラスが参加をいたしまして、関係各国と連携をとりつつ、具体的な枠組みづくりの検討に積極的に取り組んでいくことといたしております。 関係国間での自主的な検討は今回が初めてでございまして、国際的な枠組みの対象とすべき核物質の範囲や各国の原子力開発政策及びプルトニウム利用計画の定期公表のあり方などにつきまして、検討を進めることといたしております。そして、来年四月から五月に予定されておりますNPTの再検討、延長会議までに一応の取りまとめを行うべく、精力的に検討を進めることといたしております。 このように、国際管理につきましても日本が本当に先導的な立場で今努力しておるということを御報告申し上げたいと思います。
○笹木委員 確認なんですけれども、先ほどの技術をそういったプルトニウムの数量調整、そういうことにも我が国の技術を生かしていく可能性はある、検討の余地はあると考えてよろしいわけですね。
○石田(寛)政府委員 お答え申し上げます。 これまで我が国が培ってまいりました技術は、そういうことに用いられるべきものだと思います。ただそれは、先ほど先生御指摘のとおりに、まずは、例えばロシアの場合はロシアの自助努力、それから米ロ間の協力、関係国との協調ということもございます。我が国としましては平和利用に徹して協力していく、そういうことがあるわけでございますし、国際情勢をよく見ながら、日本国内では関係省庁が協力しながら進んでまいりたい、かように考えておるところでございます。
○笹木委員 二つ目の質問なんですけれども、高温ガス炉、特に国際協力との関連でお聞きしたいわけです。 先ほど、野田委員の質問にもありましたけれども、中国とか我が国の周辺のアジアでの原子力の増設、これは別に我が国として云々することはできないわけですけれども、例えば技術者とか研究者の方々の間でも、我が国が今行っているような、非常に神経をすり減らすような、非常に大変な安全管理、これをほかの国にも要求できるのだろうか、要求すべきなのだろうか、こういった声をよく聞きます。 聞くところでは、高温ガス炉、これは熱効率が非常にいい、さらに、温度が高くて材料試験等にも使えるということがありますけれども、何よりも小型で量産可能、つまり我が国のほとんどの原子力発電所のように手づくり的な感じでなくて量産が可能だ。ということは、安全管理は非常に、現状の炉に比べれば楽だ、そういうふうに聞いております。 ぜひ、この国際協力、例えば広大な土地を持つ、立地も比較的容易で、数をふやすこと、数量そのものをふやすことも可能な、例えば中国、ここに対する原子力の技術協力については、この高温ガス炉、これをぜひ採用していただくといいんじゃないか、そう思います。これについてのコメントをいただきたい。
○石田(寛)政府委員 お答え申し上げます。 御指摘のとおりに、高温ガス炉は炉心の熱容量が大きいとか、あるいは事故後にも温度上昇しにくい、すなわち、高い安全性を有する原子炉ということで、小型化できる可能性を持っておる、非常にいい一面を持っております。中国も高い関心を持っておるところでございます。 そういうことでございますので、日本原子力研究所、原研では鋭意この技術の開発を行っておりまして、高温工学試験研究炉の建設も進めておるところでございます。今後とも国際協力を積極的 に図りながら、この研究を進めてまいりたいと思います。 ただ、実際この炉はまだそういう段階でございますので、実は本当に使うということになりますと、これは核燃料サイクルの問題とかいろいろなことが出てまいります。もちろんそういう問題は先にあるわけでございますけれども、今研究開発段階のものとして協力等々を進めてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○笹木委員 国際協力に対しても検討は十分に可能である、そう考えてよろしいわけですね。
○石田(寛)政府委員 お答え申し上げます。 これは、御承知のとおり、アメリカでかなり開発が行われたことがあるわけでございますけれども、アメリカは今必ずしもこの炉の開発はそれほど熱心ではございません。ただ、むしろこれからは中国等々とも情報交換しながらやっていく、そういう方向になっていくんじゃないか、こう思っておるところでございます。
○笹木委員 三つ目に太陽光発電についてお聞きしたがったわけですけれども、残念ながら余り時間がないものですから、四つ目の質問に飛ばさせていただきます。 電源立地地域への施策について、現状として非常に立地が困難。アンケートなんかをしますと、原子力発電所そのものは現状としてなくすことはできないだろう、必要なんだろう、六割、七割、アンケートの種類によって違いますけれども、そのぐらいの国民が認めている。しかし、例えば既存立地地域にもう一つどうだとか、あるいは新規立地の場所に対して新規にどうだということになると、非常に困難である。日本全国として、全体としては必要だけれども、立地は御免という意見が圧倒的に相変わらず多いわけです。 立地地域に対する振興策、非常にたくさんのお金も使ってこられたと思います。しかし、これが例えば資源エネルギー庁、あるいは科学技術庁だけの縦割りの施策になっていないか、そういうことを常々実感しております。 一つの例でいいますと、例えば私の福井県で恐縮なんですけれども、若狭地方は非常に、原発が日本一密集している場所です。ここで、もし緊急に何かあったときのための非常用の連絡ということで、CATV、これはいろいろな補助をいただいて、幾つかの市町村でCATVを普及させております。非常にお金をかけているわけですけれども、ではそこでの道路事情はどうなのか。建設省は関係ないということで、これは毎年でございます、毎年夏になると、一キロ移動するのにも四時間かかるような日がしょっちゅう。緊急避難とか非常用のCATVをそこで普及させておいて、緊急道路がない、こういったらぐはぐ。これは一つの例で、立地に対する施策が余りにも、総合的な全省庁挙げてのものになっていない、非常に残念なことですけれども、そういう実感を持っております。 立地部会ということで、総合的に各省庁が知恵を出し合って対策をこれから講じていかれるというふうに聞いております。まだ検討が始まったばかりだとは思いますけれども、ぜひこういった省庁の垣根を越えて、もし原子力発電所を今後も引き続き推進するのであれば、そういった総合的な施策、もう一度見直しを、ぜひ検討いただきたいと思います。 コメントを大臣にお願いしたいのですが。
○近江国務大臣 原子力の開発目標につきまして、現在の状況から見まして、二〇〇〇年度五千五十万キロワットという総合エネルギー調査会による目標達成が非常に困難であると見込まれておるわけです。これも先生も御承知のように、現在時点で三千八百万キロワットぐらいでございますから、それを五千五十万キロワットにするわけでございまして、そういう点からいきますと、この目標達成というのは非常に厳しいと認識しております。 そういう中で、この原子力発電施設の立地が厳しい状況をどうしていくかということでございますが、科学技術庁といたしましても、原子力開発利用に関しまして広報活動を積極的に推進していく、放射線利用試験研究推進交付金制度を平成五年度に創設する等の立地促進策に取り組んでおるところでございます。 さらに、原子力開発利用長期計画の改定作業に当たりましても、原子力発電施設の立地促進は重要な課題といたしまして議論が行われたところでございます。一層きめ細かな地域振興方策で、地元と原子力施設の共生を目指すとともに、原子力施設立地支援を政府一体となって実施する、こういう内容が長期計画に盛り込まれる方向で、検討が今進められておるところでございます。 いずれにいたしましても、原子力発電施設の立地円滑化は極めて重要な課題でございまして、各般の検討も踏まえまして、各省庁の協力のもとに積極的に取り組んでまいりたいと思います。御承知のように、通産省、エネルギー庁があるわけでございます。その他各省庁、本当に連携を密にいたしまして今後一層力を入れていきたい、このように思うわけでございます。
○笹木委員 ありがとうございました。時間がもうないものですから、質問は終わらせていただきます。 きょう質問させていただいた三点、それと、きょうはできなかった太陽光発電、あるいはさらにエネルギー以外のことについても、将来に向けて実体のある政治を目指して、長官、皆さんと一緒に頑張ってまいりたいと思っております。どうかよろしくお願いします。 ありがとうございました。
○臼井委員長 本会議散会後直ちに委員会を再開することとし、この際、暫時休憩いたします。 午後零時八分休憩 ――――◇――――― 午後二時三十六分開議
○臼井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。今村修君。
○今村委員 社会党の今村修であります。 時間の関係もありますので、単刀直入にそれぞれ御質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いを申し上げたいと思います。 座ってさせていただきます。 第一点は、青森県六ケ所村にあります核燃料サイクル施設が立地をしている場所、あの周辺の土地を所有しているむつ小川原開発株式会社の資本金増額問題について、お伺いいたします。 現在の資本金は三十億円、国が十億、県が五億四千万、企業が十五億、こういう形で負担をしているわけであります。経団連を中心にして、このままでいくとこの会社は大変な状況になる、というのは、債務額が二千億円、累積赤字が十九億円、こういう状況になっています。こんな状況を解消するために、経団連むつ部会でいろいろな話し合いが行われたようであります。その結果、資本金を増額しよう、こういう話になって、その話し合いが進められている、こう聞いているわけでありますが、国は十億円の資本金を増額するという考えに立っているのですか。この点について御回答いただきたいと思います。
○高津説明員 東北開発室長の高津でございます。
○臼井委員長 座ったままどうぞ。
○高津説明員 それでは説明させていただきます。 むつ小川原株式会社は、御承知のとおり、商法に基づきます株式会社でございまして、国が法律に基づきまして直接の監督権限を有するものではございません。 同社の株主であります北海道東北開発公庫でございますが、ここから聞いたところでは、現在同社から正式な増資要請がなされたというふうには私ども聞いておりませんが、同社から公庫に正式な要請があった場合には、公庫以外の既存株主の対応などを勘案いたしまして判断する考えであるというふうに聞いておるところでございます。 以上でございます。
○今村委員 次に、このむつ小川原開発株式会社の所有している土地が売れない、こんな状況が続いて、今苦肉の策としてこんな話が出されております。一平米当たり県が二千五百円、国が二千五百円、土地を買う方に補助を出す、こういう話が出ているわけでありますけれども、国としてこの取り扱いをする、こういう考え方に立っておられるのかどうか、確認をしたいと思います。
○相澤説明員 産業施設課長の相澤でございます。座ってお答えさせていただきます。 ただいま御指摘ございました補助金制度でございますが、これは原子力施設の周辺地域への企業立地の促進によりまして、地域の振興と原子力施設の立地円滑化を図ろうという目的でございまして、平成六年度予算におきまして、原子力施設周辺地域におきます大規模な工業団地を立地する企業に対しまして、用地取得面積に応じて補助金を交付しようというものでございます。補助金の交付に関します詳細につきましては、現在検討を行っておるところでございます。 また、御指摘ありましたように、青森県におきましても、地域振興の観点から、むつ小川原工業基地に同様の助成措置を講じ、一層の企業立地の促進を図るということで、私ども聞いております。 私どもといたしましては、従来から電源地域への企業立地の促進のために、立地企業への補助制度でございますとか低利融資制度などの助成を行ってきておるところでございます。今回の措置も、このような従来の考え方に沿いまして、原子力施設の周辺地域への企業立地の促進により地域の振興を図るということを目的としておりまして、むつ小川原開発株式会社のために助成を行う、こういう趣旨ではございません。 以上でございます。
○今村委員 今の国の考え方でいきますと、今の制度をつくって全国で該当するところはどこですか。 それから、国がこんな形で補助金を出すという法的な根拠を示していただきたいと思います。
○相澤説明員 現在のところ、私どもといたしましては、具体的な対象といたしましては、むつ小川原工業基地が対象になるというふうに想定をしております。 この根拠といたしましては、先ほど御説明いたしましたように、電源地域としての地域振興という観点で、それから、もちろん原子力施設の立地円滑化、こういう目的のために助成措置を講ずるわけでございます。 以上でございます。
○今村委員 民間の所有している土地という内容になっていますよね。民間の所有している土地に、民間の株式会社が所有する土地を売却するのに国が補助をするという、こんな経過はあるんですか。
○相澤説明員 土地の売却ではございませんが、従前の例といたしましては、こういった電源地域へ企業が新規に立地をいたしまして、その建設いたします建物の面積に応じて、企業に対して補助金を交付する、こういう例はございます。
○今村委員 私が聞いたのは、株式会社が所有している土地を売却するものの、土地の話を聞いているのですよ。そういう例はあるかという話を聞いたのです。
○相澤説明員 これは政府全体の補助金制度を勉強したわけではございませんが、電源関係におきましては、ほかには例はないと思います。 以上でございます。
○今村委員 今の質問については、この機会に整理をしながら、納得いきませんので質問していきたいと思いますが、時間の関係もありますので、原子力長計の方に入りたいと思います。原子力長計の関係で、幾つかお伺いをしたいと思います。 一つは、新しく原子力長計を変更する、こういう内容になっているのであります。計画を見ていきますと、何か日本のプルトニウムの利用が世界各国のプルトニウム利用の合計額に匹敵をする、そんなプルトニウム大国になってしまうのではないか、こんな危惧も抱くわけでありますが、この点について御回答いただきたいと思います。
○近江国務大臣 まず初めに、プルトニウム利用につきましての基本的な考え方を申し上げたいと思います。 現在、原子力は、先生御承知のように、我が国の総発電電力の約三割を担っております。その燃料といたしましては、ウラン資源を用いております。資源小国である我が国は、ウラン資源も輸入に頼っておりますが、このまま利用すれば、七十年程度でウラン資源はなくなってしまうと言われております。しかし、ウランから生じるプルトニウムを増殖しながら資源として再利用することによりまして、一千年以上のオーダーにわたって利用可能な資源量にすることができると言われております。 プルトニウムの利用に関しましてはさまざまな論議があることを承知いたしておりますが、我が国といたしましては、さきに述べたような理由から、使用済み燃料を再処理し、プルトニウムを燃料として使うこと、さらにはウラン資源を効率的にプルトニウムに増殖させるための高速増殖炉の開発を進めるという核燃料リサイクルの推進を原子力政策の基本としてきたところでございます。 その際一プルトニウムの平和利用計画の透明性の一層の向上と、我が国において必要な量以上のプルトニウムを持たない、すなわち、余剰のプルトニウムを持たないとの原則の堅持が重要な点であると考えております。 現在、原子力委員会におきまして、原子力開発利用長期計画の改定作業が最終段階にありますが、プルトニウム利用についての基本的な方針は不変であり、今後とも、安全確保に万全を期すとともに、平和利用の堅持を旨といたしまして、国内外の理解を得つつ、プルトニウム利用を一歩一歩着実に進めることに努めてまいりたいと考えております。
○石田(寛)政府委員 今の大臣の御答弁に引き続きまして、諸外国におきますプルトニウム利用の状況ということにつきまして、いささか補足させていただきたいと存じます。 御承知のとおりに……
○今村委員 時間の関係もあってはしょっていますので、私の質問した内容だけについてお答えをいただきたいと思います。
○石田(寛)政府委員 はい。 したがいまして、ポイントだけ申し上げさせていただきますと、御承知のように、プルトニウムは軽水炉とそれから高速増殖炉というのが諸外国におきます主な使い方でございますが、軽水炉におきましては、御承知のように、古くはアメリカ等々もやっております。現在は、フランス、ドイツ、スイス等におきまして商業ベースで利用されておるところでございます。 特に、フランスにつきましては、一九八三年に軽水炉でプルトニウムをリサイクルすることが決定されました。一九九二年段階で十六基が許可されておりまして、五基の原子力発電所で実際使用されておる、累積で二百七十八体の燃料集合体が装荷されておるということでございます。ドイツでも同様の実績がございます。 このように、軽水炉ではかなりのプルトニウム装荷の実績がある。高速増殖炉の状況は、これまた先生御承知のとおりでございます。こういうことでございますので、我が国もプルトニウムを使っていくということでございますけれども、ヨーロッパの国々におきましても、プルトニウムを使う、そういう計画を持っており、なおかつその使用を進めておるということを御認識賜りたいと存ずる次第でございます。
○今村委員 今私が聞いたのは、これは時間の関係がありますので、間をはしょっていますから。長計でいくと、日本の国というのは、世界のそれぞれの国を全部合わせただけのプルトニウムの量を日本一国だけで使ってしまうのではないか、こんなことで聞いたんですから、それについての、多少はしょっていますので、お答えをお願いしたいと思います。 それからもう一つは、二〇〇〇年からMOX燃料を一挙に拡大をする、こういう形になっています。しかし、MOX燃料の加工工場の建設、運転開始、これは具体的にまだなっていません。この具体的な計画は進んでいるんですか。この点についてお願いします。
○石田(寛)政府委員 お答え申し上げます。 最初に、MOX燃料加工につきまして、まずお答え申し上げます。 御承知のとおりに、現在の長計の検討におきましては、二〇〇〇年過ぎに予定されております六ケ所村再処理工場の操業開始を踏まえますと、二〇〇〇年過ぎには年間百トン弱程度の、これはMOX量でございますが、百トン弱程度の規模の国内MOX燃料加工の事業化を図る必要があるわけでございまして、電気事業者を中心といたしました民間関係者が、早急にMOX加工事業の実施主体を確定することが重要となってきておるということにしておるわけでございます。 この事業化を推進するためには、国内におきます軽水炉用のMOX燃料加工の実証を図るとともに、動燃事業団の現在持っております技術を民間の実施主体へ円滑に移転するということが必要でございます。そのため、動燃事業団の施設の活用につきまして、両者で早急に結論を得ることが重要だと思っております。 現在、この考え方に沿いまして、国内の民間MOX加工事業化の具体化に向けまして、動燃事業団それから民間関係者で検討が進められておりまして、国においても、この事業化が円滑に進むように支援を行ってまいりたいと考えておるところでございます。 それから、我が国のプルトニウム利用量が世界の過半を占めるようになるんじゃないか、そういう御質問でございますが、これはなかなか、ほかの国のこれからの計画がどうなっておるか、非常に難しいところでございますので、なかなかお答え困難でございますが、例えばOECD原子力機関がまとめております原子力エネルギーデータ等によりますと、これはデータが古いかもしれませんけれども、決して我が国が半分を占めるという、そういう状況ではないというふうに認識しておるところでございます。
○今村委員 MOX燃料を、今おっしゃったように二〇〇〇年から百トン使うという形になっていくと、もう既に計画ができて、その事業主体がどこで、どこに建設をするのか、工場をつくるのかということを含めて明らかになっていないと利用できぬということになるわけでしょう。これは具体的にどこの場所に、だれが事業主体になってやるということになっているのか、明らかにしていただきたいと思います。
○石田(寛)政府委員 お答え申し上げます。 今ほど申し上げましたように、現在、動燃事業団と民間関係者間で、国内MOX加工事業化の具体化に向けまして検討中でございまして、まだ事業主体がどこでどうであるかというのが決まっているわけではございません。したがって、工場の建設場所も含めまして検討中でございます。 ただ、御承知のとおりに、MOX燃料加工工場は再処理工場よりもかなり工期が短いというふうに認識しておりますので、今鋭意検討を進めれば、必ずしかるべきタイミングには体制ができ上がる、そういうふうに考えておるところでございます。
○今村委員 長計で二〇〇〇年という話をしながら、しかしそれでは間に合わぬという形のスタイルというのが出てくるわけでしょう、逆に言うと、これは話によったら。そんな理屈に合わない話というのはないんじゃないですか。既にもう決まっているんでしょう、多分内容が。それじゃないと二〇〇〇年に間に合わないでしょう、いずれにしたって。その点はっきりさせてください。
○石田(寛)政府委員 お答え申し上げます。 したがいまして、今、原子力開発利用長期計画の検討こおきましてま、全体プルトニウムをMOX燃料といたしまして軽水炉に使うわけでございますが、そのタイミング、テンポ等々からいきまして、今ほど申し上げましたように、二〇〇〇年過ぎに年間百トン弱程度の規模の国内MOX加工工場が必要だということを言っておるわけでございます。 今そういうことが遅過ぎるかということになりますと、全体先ほど申しましたように、MOX加工工場の建設期間等々勘案しても、今から進めていけば、大体二〇〇〇年過ぎにはしかるべき格好で仕上がるというふうに申し上げた次第でございます。
○今村委員 ずばり聞きますけれども、建設の場所は六ケ所は入っているんですか。
○石田(寛)政府委員 お答え申し上げます。 先ほどお答え申し上げましたように、現在、工場の建設場所も含めまして検討中であると承っております。
○今村委員 次に、動燃事業団のプルトニウム燃料製造工程で、原爆九個分に当たる大量の未回収プルトニウムが残留し、IAEAから改善を求められていたということについてお伺いをしたいと思います。 この数量は、今朝鮮で実験用原子炉が問題になっていますが、あの朝鮮で問題になっている実験用原子炉のプルトニウムの量は十キログラム程度じゃないか、こういう話も聞いているわけです。それに比較すると、七十キロというのは大変な量だな、こう思うわけであります。 そこでお伺いをしたいと思いますが、操業開始から今日まで、三トンのプルトニウムを投入して七十キロのいわば残留量を生じた。こういう点でいくと、何かこの施設は欠陥を持っているのではないか、こんな気がするわけであります。この点についてお伺いをいたします。
○笹谷政府委員 先生御承知のとおり、燃料の製造に当たりましては、プルトニウムを粉末で扱うことになります。この工程内に容易に回収できない形でのプルトニウムの滞留というのは、これはある程度、粉末を扱うということで必然的に発生するものと私ども認識しております。したがいまして、これが発生することは当初より想定されておりますので、この工程内の滞留量につきましては、動燃事業団から私ども国、それからIAEAに対しまして、この施設稼働の当初から報告されているものでございます。 また、IAEAは、動燃のこのプルトニウム燃料施設工程内の滞留問題につきまして、先月の二十五日にプレスリリースを発表いたしまして、この物質は所在不明の核物質ではなくて、既に申告され、完全な保障措置下にある物質である、こう言明しております。 このように、工程内の滞留量が存在するからといって直ちに保障措置上の問題を生ずることはない、こう考えております。しかしながら、先生おっしゃるように、量が多くなるということについては決して望ましいことではございませんので、私ども国、それからIAEAと協議しつつ動燃を指導し、滞留量が発生しにくい工夫を施した新しいグローブボックスを導入するなどしてその低減対策を検討中でございまして、これについては既に一部実施に移されているものもございます。
○今村委員 内部にこれだけのいわば残留量を生じながら、そのまま運転をしてきたというのには何か理由があったんじゃないですか。その理由を明らかにしていただきたいと思います。
○石田(寛)政府委員 お答え申し上げます。 理由を明らかにしろという御質問でございます。なかなかこれ、理由ということを申し上げるのは難しいわけでございますけれども、御承知のように、この施設は、大幅な自動化技術を取り入れました研究開発用の施設であったわけでございまして、かなり工程内の構造が、御承知のように複雑になっておるということがございます。これまでも定期的にプルトニウム粉末の回収作業をやっておるということがあるわけでございますけれども、複雑な構造の内部まで入り込みましたプルトニウムの粉末を完全に回収するというのは結構難しいということがございます。 製造する燃料の量、これがどんどんこなれていく過程におきまして、取り扱うプルトニウムの量がふえてきた、そういうことで、当初の予想以上にプルトニウムの滞留量が増加したということは事実であると思いますけれども、このような滞留が発生することは当初から認識されておったことでございまして、これまでも、燃料製造の途上におきまして定期的なプルトニウム粉末の回収作業、あるいは滞留量低減化対策を施したグローブボックスに更新するというようなことをやってきたところでございます。 これまでも十分、作業者の被曝管理とか設備の臨界管理等々、いろいろな状況を踏まえながらやってきたつもりでございますし、IAEAの定期的な検認も受けておるということでございます。保障措置上はもとより安全確保上も、決してプルトニウムの製造を強行したというようなことはないということでございます。
○今村委員 事実上は約七十キロと、量を言っていますよね。IAEAでこの量については計測機器ではかっている、その数量は少なくともあなた方が言う数量とは違う、こういう話を聞いているわけです。IAEAの数量を明らかにしていただきたいと思います。
○笹谷政府委員 私どもが保障措置上把握している数字、それは、IAEAも査察立ち入り、同時に行っておりますので、数値上は異なるものとはなっていないと思っております。
○近江国務大臣 今局長から御報告がありましたとおり、完全ないわゆる査察下にございまして、先般IAEAからそうした声明も出されたような次第でございまして、いずれにしても、これ滞留しておるということは非常にまずいことでございますから、私といたしましても、動燃等に対しましてよく指導をいたしまして、早急に改善策をとりなさいということで指導いたしております。 そこで、改善策といたしましては、一つは、工程内の滞留量が発生しにくい工夫を施した新たなグローブボックスの導入、二つ目には、交換後の古いグローブボックスを分解掃除をいたしましてプルトニウムを回収する。三つ目には、使用中のグローブボックスの回収作業の強化、こういうことをしっかりやりなさいということで、今やっておる次第でございます。 以上のことにつきまして、IAEAにつきましては詳細、逐一報告もいたしまして、協議中でございますので、御心配かけないように全力を尽くしたいと思っております。
○今村委員 私のお聞きしたのは、IAEAが測定をして出てきた数量というのは幾らですかということをお聞きしたのですよ。そのことだけにお答えください。
○笹谷政府委員 先ほど御説明いたしましたように、それ専用の測定器がありまして、私どももそれではかっておりますし、IAEAも同じ装置ではかっておりますので、その数字に食い違いはなく、約七十キロでございます。
○今村委員 食い違いがないということですか。
○笹谷政府委員 はい。同じ数字でございます。
○今村委員 同じだという、では確認しますが、約七十キロの量に食い違いはないということで回答いただいていいわけですね。
○笹谷政府委員 同じ数字でございます。
○今村委員 なぜ今回、残留量の問題がこれだけ大きくなったかということは、これは途中途中で、大臣は透明性を図るという話をしますけれども、一体その工程内に在庫がどのぐらいあって、損耗する部分がどのぐらいで、それからそういう数値というか、一つ一つ、それが毎年全然発表されていないわけですね。全部プルトニウムの在庫量として発表されてきた、こういう経過になってくるわけですね。 ですから、具体的な形でその内容を明らかにしていくという経過になっていけば、この辺はそんな誤解は出てこない、こういうことになるわけですけれども、今後プルトニウム在庫の管理結果を毎年発表する、そして透明度を高めるという取り扱いをすることができるかどうか、その点を確認をしておきたいと思います。
○近江国務大臣 先生おっしゃいますように、この原子力の開発利用を進めていく上におきまして、国民の皆さんの理解と協力というのは何よりも大切なものである、このように考えておるわけでございます。そのためには、やはり国民の皆様方の意見をさまざまな形でくみ上げていくとともに、核不拡散上あるいは核物質防護上機微な情報及びノウハウ等の財産保護等にかかわる情報は除くといたしましても、可能な限り積極的に情報を公開していくことが重要な課題であると認識しております。 先般も、この問題が起きましたときに、内外のマスコミに対しましても、もう日本は一切の秘密はありません、公開しなさい、と。御承知のように、IAEAにおきましても、年間一万人・デーというそれだけの人員で査察を受けておりますが、我が国はそのうちの実に四分の一、二千五百人・デーになっておるわけでございます。 そういうように、日本にはもう一切、私たちはオープンにしてやっていく、そういうことで、先生のお申し出の件につきましては、この在庫状況等につきまして昨年秋に公表したところでございますけれども、現在、最新のデータに更新するための作業中でございまして、まとまり次第、できるだけ早く発表したいと考えております。また、その後も定期的に、先生の仰せどおり発表していく、このように今決定しておりますので、御報告申し上げます。
○今村委員 時間が来たようですので、ぜひとも今後はそれを発表していただきたい。 ただ大臣、二月にその六ケ所のウランの工場で事故を起こしていますよね。我々も国会調査団として入りました。当時、私の質問に答えられない部分を含めて回答を求めたのですよ、文書でね。いまだ我々には回答が来ていない、こんな状況になっているわけです。大臣が幾ら透明度を高める、いわば希望にお答えしますと言っても、現場は実際そういう状況になっていないですよ。そういう状況だけはぜひとも指摘をしておきますので、今後そういうことがないように強く要請して、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○近江国務大臣 承知いたしました。よくわかりました。
○臼井委員長 斉藤鉄夫君。
○斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫でございます。本日は、我が国の科学技術政策の大きな柱の一つでございます宇宙開発、その基本理念、目標、そしてこれからの宇宙開発のあり方などについて、質問また確認をさせていただきたいと思います。 大臣、所信の中にも、科学技術発展の原動力は夢の実現である、このようにおっしゃっております。宇宙開発もまさしくその夢の実現、そのための宇宙開発だ、このように思うのですが、日本の場合、日本国民が宇宙開発に対して夢を持つというところまでまだ行ってないような気がします。アメリカ、ヨーロッパの場合は、よしあしは別にして、国民に非常にわかりやすい基本理念がある。その基本理念を国民が非常に理解しているからこそ宇宙開発予算を国民が支持している、このように考えるわけです。アメリカの宇宙開発予算、GNP比率で見ますと、一九九〇年のデータですが〇・二三%、ヨーロッパでおおむね〇・一%、それに対して日本は〇・〇四%、非常に低い水準になっていると思います。 アメリカは、当初はソ連との宇宙開発競争という一つの大きなモチベーションがあったわけですが、冷戦が終わって競争相手がなくなったとしても、日本の六倍以上の予算を持っている。これは人間としてニューフロンティアに進んでいかなくてはいけないんだ、マジェスティック・デスティニーという言葉がアメリカにございます。これは西部開拓に使われてきた言葉ですけれども、人間として生まれてきた以上、ニューフロンティアに進んでいくのが運命なんだ、こういう国民精神、基本理念があるからこそ、非常に苦しい財政事情 の中でもあれだけの国家予算を宇宙に振り向けていると思います。ヨーロッパについても同様のことが言えるんじゃないかと思います。 ところが日本には、なぜ宇宙開発をやるのか、そういう基本理念がない、国民が理解をしていない。したがって、宇宙開発予算を大幅にアメリカ並みにふやすことに対して国民に非常に抵抗がある、こういうふうに私は理解しております。ですから、なぜ宇宙開発をやるのか、そういう議論をこれから進めていかなくてはいけない。そのためにはまず国が基本理念、それから目標というものを国民にわかりやすい形で提示して議論を起こしていくということが必要になってくるかと思います。 その基本理念をどこが、だれがつくるのかということなんですが、宇宙開発委員会ということになるのかもしれませんが、今宇宙開発委員会は近江委員長、それから野村委員長代理を含めわずか五人、もちろん五人の方、そうそうたる方ばかりでございますが、技術面に偏り過ぎているという感が否めないわけでございます。やはり幅広い国民の関心を呼び集めて、宇宙に対するロマン、夢、また、日本の将来の基幹産業は宇宙産業である、こういうふうな夢を呼び起こすためにも、もう少し幅の広い、例えば文学とか社会科学とか、宇宙と関係がなさそうに見える産業界の人とか、そういう人たちを集めてもっと幅広く議論をし、その基本理念を定めるべきなのではないか、このように考えますが、長官のお考えはいかがでございましょうか。
○近江国務大臣 先生は本当に専門家でございまして、深いお考えをお持ちだと思います。 宇宙は、先生御承知のように無限の広がりを有した空間でございまして、それを全人類の共通財産として探査、開発、有効に利用することが極めて重要であると考えております。 我が国としましては、このような宇宙開発を平和目的に徹して、また、国際社会に貢献していくという基本的考えのもとに、生活の質の向上や社会経済活動の発展に役立てていくべきものと考えております。 具体的には通信、放送、気象観測、地球観測などを通じまして、より質の高い豊かな生活の実現、活力のある社会経済の発展及び地球環境の保全に寄与する。また、先端的、先導的技術を総合的に集約した宇宙開発によって、新技術の創成、新産業の創出に寄与していく。あるいは、国際共同プロジェクトによります各国の相互協力が国際社会の安定と発展等に貢献するだろう。さらにまた、宇宙開発は新たな知見と知識のフロンティアの拡大に寄与し、それによって新しい思想や文化の創造等に貢献するだろう。さらにまた、宇宙は夢とチャレンジの対象でありまして、宇宙開発の着実な推進は、次代を担う有為の人材の養成や確保にとっても非常に重要ではないかなど、宇宙開発の意義には極めて大きなものがある、このように考えておる次第でございます。 今後とも、冷戦後の大きな世界情勢の変化、及び多様化、高度化する社会や国民のニーズを踏まえまして、宇宙開発の目的が一層効果的に達成されるように、我が国の宇宙開発活動というものを積極的に展開していきたいと思っております。
○石井(敏)政府委員 ただいま大臣が申されました基本理念あるいは目的というようなものに沿いまして、宇宙開発委員会が定めます宇宙開発政策大綱、これに基づきまして、政策大綱はこのような理念のもとに具体的な推進方策あるいは長期的なプロジェクト課題、こういったようなものも指し示しておるわけでございます。先ほど先生御指摘の、こういったものについて幅広い議論、宇宙の関係者だけでない幅広い議論を行うべきではないかという御指摘をいただいておるわけでございますが、実は現在、私どもの宇宙開発政策大綱というのは、平成元年の六月に定めました政策大綱に基づいて推進をいたしておるわけでございますが、その後の、先まど大臣のおっしゃいました世界情勢の変化、あるいは国内のいろいろなニーズの高まりといったような情勢変化がございます。 具体的には、従来の冷戦構造の終結に伴いましく国威発揚とかあるいは軍事的な側面といったようなものが低下いたしまして、世界全体の各国が協調路線というような方向に向かっておるというようなこと、あるいは地球環境問題を初めといたしまして、グローバルな問題解決といったような非常に大きな情勢変化を来しておる。加えて、宇宙ステーション計画のように非常に大規模プロジェクト等が出現し、一国ではとても推進することが困難になってきておるとか、あるいは宇宙ビジネスというような世界で見ますと、国際的な競争激化というような方向とか、あるいは軍事面の停滞によるいわゆる民生転換への傾向といったような大きい世界の宇宙開発をめぐります情勢変化。あるいは我が国でいいますと、ことしの二月にHⅡロケットが成功したことに見られますように、それなりのレベルに達してきているといったようなこと。あるいは、アジア・太平洋諸国等の関係諸国からの期待が非常に高まっておる。 こういった内外の情勢変化に対応いたしまして、政策大綱の改定を行うべきではないかというようなことで、現在、宇宙開発委員会のもとに長期ビジョン懇談会というものを設けまして、この長期ビジョン懇談会は約三十名の学識経験者に参加していただいておるわけでございまして、先生おっしゃいましたように、単にビジョンづくりに当たっても宇宙開発委員長以下五人のメンバーですべてをやっているわけではございませんで、このようなビジョン懇談会というものを設置いたしまして、そこで幅広い意見の集約というようなことをやっております。 このビジョン懇談会は、産官学の宇宙関係者はもとより当然入っておりますが、そのほかに人文、社会科学系の方々、あるいは国民生活分野といったような分野の方々とかあるいは報道関係者、さらには女性の目といったような幅広い有識者から構成いたしておるところでございまして、その半数はこういった宇宙以外の学識経験者で構成しておるというようなことでございまして、私ども、先生の御指摘もごもっともだというようなことで、従来からそういうような方向で幅広い議論に基づいて、宇宙の開発の基本理念あるいは目標といったようなものを定めるべく、今現在もそのようなことで宇宙委員会で活動いたしておるということで御理解いただきたいと思います。
○斉藤(鉄)委員 非常によくわかりました。これから宇宙の開発が成功するかどうかは、その費用を国民がどれだけ負担するかどうか、それをどこまで理解してもらえるかどうかにかかっているわけで、わかりやすい基本理念を示せるように、これからも御努力をいただきたいと思います。 それからもう一つ、私が考えて今の宇宙開発行政に問題があるのではないかと思うのは、いわゆる非常に強力なリーダーシップが発揮できるような状況になっていないということでございます。NASAの場合は、例えばNASAの長官といいますともう大臣クラス。それで、そのNASAが一元的に宇宙開発を見ております。日本の場合は科学技術庁、文部省、それから郵政省等に分かれて非常に縦割りになっている。そういう意味で、非常に統合的な宇宙開発行政ができないという問題点があるように思います。 そこで、今は宇宙開発委員会があるわけですが、もっと強い上部の機関として、例えば宇宙開発会議のようなものを設置をして、すべての宇宙に関する機関を管理する、また、リーダーシップを発揮していくというふうなことは考えられないか。また、そういう体制にするために、かねてから公明党は宇宙開発基本法、国全体として効率よく、またシステマチックに宇宙開発をやるために、宇宙開発基本法というのを提案してきたわけでございますが、その点については、今の科学技術庁のお考えはいかがでしょうか。
○臼井委員長 御答弁はひとつ簡潔に。
○石井(敏)政府委員 はい。 ただいまの御意見でございますが、現在、先ほど申しましたように、我が国の宇宙開発につきましては、科学技術庁長官が委員長をいたしており ます宇宙開発委員会がそういうふうに置かれまして、先ほど申しましたように、宇宙開発政策大綱を決定する等によりまして宇宙開発政策の基本を示すとともに、宇宙開発に関する重要な政策あるいは予算といったようなことについて、各省庁の総合調整を行っております。この宇宙開発委員会の意見というものは、内閣総理大臣が尊重する義務を法律上課されておりまして、そのような意味におきまして、非常に強力な権限を与えられておるというように理解いたしておりますが、そのような宇宙開発委員会の指導あるいは調整のもとに、これまで我が国宇宙開発が進められてきたわけでございます。 特に、例えば宇宙科学の分野につきましても、非常に国際的に高い評価を受ける成果を上げてきたとか、あるいは実用分野につきましても、HⅡロケットの初号機の打ち上げ成功、あるいはことしの夏にはETSⅣ衛星の技術も二トンクラスのものが確立されるというような方向で、非常に国際的なレベルにも近づきつつあるというような段階に至ったというようなことで、宇宙開発委員会の全体総合調整のもとに着実な発展が遂げられてきたというように認識しておるところでございまして、私ども、今後ともこの宇宙開発委員会の機能をより強化しながらも、関係省庁の連携協力のもとに我が国の宇宙開発をより一層進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○斉藤(鉄)委員 わかりますけれども、今の統合的に宇宙開発を見る体制になってないということとも関連するのですが、よく日本の宇宙開発に対する批判として、日本はそれぞれハード、部品はすばらしいものをつくる、しかし、その一つ一つの優秀な部品を空間的にも、また時系列的にもうまく組み合わせて一つの大きなシステムをつくるという技術に非常におくれている。 例えばよく引き合いに出されるのが、ジャンボの部品は非常に日本はたくさんつくっているけれども、ジャンボそのものは日本はつくれない、それと同じようなことが宇宙開発にも言える、こういうふうに言われております。NASAの場合は、研究開発予算の非常に多くが、そういう一つ一つの要素技術を組み合わせる統合ソフトの開発、何百万という要素をうまく、最も効率的にコストを低く組み合わせるソフトの開発に向けられているけれども、日本はその方にほとんど努力がされていないわけです。 だから、要素技術は優秀なんだけれども、トータルとして非常にレベルの低いものになっている、こういう批判がございますが、そういう意味で、今後、縦割り行政ということとも関連するのですけれども、日本の持っているいろいろな技術をうまくまとめ上げて、一つの目標に向かってうまく、それを効率よく使っていくというソフトの研究に今後は力を注いでいくべきだと思いますが、この辺のお考えはいかがでしょうか。
○石井(敏)政府委員 確かに、御指摘のようなハード中心ではないかというような御批判でございますが、私ども日本の宇宙開発というのは非常に世界におくれて出発したというようなことで、それなりの、米国等からの協力を得ながら、勉強しながら着実に進めてきたというようなことで、これまで、いわばハード的な面でそれなりの成功を上げてきたということはそれなりの評価があるということだろうと思います。 もちろんソフトの面につきましても、宇宙開発事業団等におきましても、コンピューターソフトでございますとか、あるいは宇宙関係の総合的な情報システムの構築といったようなことに格段の努力を払ってきたところではございます。 また、宇宙開発事業団の組織につきましても、一昨年までは、宇宙ステーション開発本部とかロケット開発本部、あるいは人工衛星開発本部といった、いわばハード物を対象にしたような組織体制になっておりましたが、昨年、そういったものではいけないだろうというようなことで、宇宙環境利用システム本部とかあるいま宇宙輸送システム本部、軌道上技術開発システム本部、地球観測システム本部といったような、目的意識的な、システム指向的な方向の組織体制をとるというような努力をいたしております。 今後、おっしゃるように、このような、日本がそれなりのレベルに達してきた今日、おっしゃるように、よりソフト面での政策展開ということが重要であるということは御指摘のとおりだと私どもも認識しておりまして、そういった線で、私どもも関係方面の事業団を初めとするところの指導あるいは総合調整といったような面を強化させていきたい、かように考えております。
○斉藤(鉄)委員 二十一世紀は宇宙産業が基幹産業になるべき時代だと言われております。なお一層宇宙開発に力を入れていっていただきたい、このように希望しまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○臼井委員長 五十嵐ふみひこ君。
○五十嵐(ふ)委員 さきがけ・青雲・民主の風の五十嵐ふみひこでございます。 本日は、各党各会派の御協力を賜りまして、時間の配分をお譲りいただきまして、まことにありがとうございます。 私は、科学技術立国がこれから日本の進むべき道だという立場から、その中でも高度情報化社会への対応という観点から質問をさせていただきたいと思います。 座らせていただきます。 我が国の情報化社会への対応ということでは、一口に言っておくれているというのが現実でございます。コンピューターの普及率、データベースの数、これはいずれもアメリカの四分の一でございます。それから、今銀行等ではネットワーク化が進んでおりますけれども、その利用は、直接接続されたコンピューターというのはアメリカ百十八万対日本が四万、三十分の一だと言われております。それからその利用料も、アメリカの五倍日本がかかる。あるいは、マルチメディア化、ケーブルテレビといった方面では、何とアメリカの六十分の一だというぐあいに言われておりまして、二十年以上はおくれているという現状でございます。 もっとひどいのは、先ほども斉藤委員の御質問の中にもありましたけれども、ソフト面のおくれだと思います。ネットワークソフト、データベース管理ソフト、アプリケーションソフトあるいはプログラム言語といったソフト面では、ほとんどこれが全部輸入でございまして、日本独自の開発というのは微々たるものというのが現状でございます。どうしてもこれを早急に克服していかないと、どんどんソフト料が高くなって、やがてソフトの面で日本は輸入大国といいますか、今までの黒字大国から逆に貿易赤字ということにもなりかねないということになるのだろうと思います。 そこで、科学技術庁の立場から、こうした高度情報化社会への対応、準備というものをどのようにお考えかということを、まず一般論としてお伺いをしたいと思います。
○近江国務大臣 先生おっしゃるとおりでございまして、アメリカの場合は、特にゴア副大統領などが本当に先頭を切りまして、大変な日米間格差がある、これは事実でございます。 そこで、最近コンピューターの普及あるいは情報のマルチメディア化など、情報処理、電気通信技術の発達が非常に目覚ましいものがあるわけでございますが、研究の現場でも、情報流通の手段といたしまして、研究情報ネットワークに対する期待がますます高まっておるわけでございます。こういうような状況を踏まえまして、昨年の七月、科学技術会議政策委員会に研究情報ネットワーク懇談会が発足をいたしまして、各省庁の協力を得まして、我が国におきます研究情報ネットワークのあり方について検討が進められておるわけでございます。 我が国では、現在省庁の枠を超えました研究情報ネットワークはなく、また、基幹となる回線の速度も米国の百分の一程度であるなど、整備状況は米国に比べ、五年から十年おくれておるわけでございます。先生御指摘のとおりでございます。 以上の点を踏まえまして、当庁といたしましては、本年度から科学技術振興調整費を活用いたしまして、各省庁と協力して、研究領域、省庁、国の枠を超えて国の研究機関、大学などを接続する省際研究情報ネットワークの整備運用とその利用を進めていくことといたしておるわけでございます。 今後とも、各省庁と密接に連携をとりながら、研究の現場における情報流通の推進に努めていきたい、このように考えております。
○五十嵐(ふ)委員 大臣おっしゃるとおり、省際研究情報ネットワークという形でその端緒につかれたということはよくわかります。追いつくには、情報インフラの整備はもちろんのこと、私は、規制緩和を含む法令、予算制度の整備、あるいはソフト開発力の増強、人材の育成といったものが不可欠だ、そのように思っているわけです。 特に、先ほども斉藤委員の質問に縦割り行政の弊害ということがありましたけれども、まさにそのとおりで、例えば省際研究情報ネットワークについても、私は、その壁というのは、目的外利用を禁じている予算制度、例えば農水省にあるコンピューターでしたらそのコンピューターはその目的のためにしか使えないというような形で、いろいろなところに壁がございます。省ごとの壁がある。これを打ち破っていくためには、やはりそういう予算制度を含む、あるいは規制緩和を含む法令上の整備というものは必要だと思います。 そうすると、どこがこれを担当するかという問題が当然出てまいりまして、これは今でも郵政省あるいは通産省が所管争いをしているのかもしれませんが、私は、科学技術会議という役割はここで大いに注目をされなければならないと思うのですが、国全体としての統一した法整備をするという面で、科学技術会議並びに科学技術庁はイニシアチブをとる御用意があるかどうかということをお伺いをしたいと思います。
○近江国務大臣 先生御指摘のとおり、確かにそういういろいろな壁があろうかと思います。これは、長年の非常に微妙な問題もあるわけでございますが、しかし、そういうようなことを容認した姿勢でいきますと、なかなかこれは二十一世紀に対応することはできないと思います。先生の御指摘されましたことを十分参考とさせていただきまして、これはよく勉強させていただきたいと思います。 なお、先生、今非常に人材の確保が大事だというお話がございましたが、その件に関しまして、情報産業を含めて我が国の産業が発展をするためには、科学者や技術者の育成が非常に大きな課題でございます。そのために、やはり子供たちが科学技術に親しむ環境を整備することは非常に大事だと思うのです。 文部省では、小中学校に対しましてコンピューターを導入する等環境整備に努めてきておるわけでございますが、これはもう科学技術庁からも十分お願いしておるわけでございます。科学技術庁におきましても、子供たちの科学技術に対する好奇心を培うために、特に科学技術週間等の機会を利用いたしまして、地方公共団体及び各地の科学館の協力を得まして、小中学生等を対象にコンピューターに親しむ機会を与えるなど、科学技術に対する実体験ができる機会の充実に努めておるところでございます。 そういう点で、今後とも、次代を担う子供たちの科学技術に対する関心や興味を高揚させるように努めていきたい、そういうすそ野からやっていきたいと思っております。
○五十嵐(ふ)委員 大臣おっしゃるとおり、まさにソフトの開発というのには、人材育成以外にないと思うのですね。そして、子供たちにそういう環境をつくってあげるということがまず第一だろうと思います。 ことしの科学技術白書を読ませていただきました。若者の科学技術離れが進んでいるということでございますので、今大臣おっしゃられたとおり、この情報ネットワークを図書館とか科学館だとか博物館だとかいうところをきめ細かく結ばれて、その中で子供たちに十分に考えていただく。ただ見せるのではなくて、展示するだけではなくて、コンピューターを使って遊んでもらう、遊びの中から創造性、クリエイティブな面を養う、そういう能力を培っていただかなければならないと思いますので、ぜひそういった面でのイニシアチブを、ネットワーク化ということを、一層科学技術庁を中心にお考えをいただきますように、もう一度その面での御決意をお伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
○近江国務大臣 全く先生おっしゃるとおりでございまして、現在若い世代を中心といたしまして、科学技術に対する関心の低下が見られるわけでございまして、いわゆる若者の科学技術離れが進んでいる。こういう状況は、国民の知的創造力が最大の資源であり、将来の科学技術の発展に託するところが大きい我が国にとりましては重大な問題であると思っております。 若者の科学技術離れは、科学技術の成果が日常生活に普及して、科学技術が特別の存在ではなくなった反面、科学技術自体が高度化したことによりまして、科学技術が見えにくいものになってきていることが原因の一つである、このように考えられるわけでございます。 そこで、若者の科学技術に対する関心を高揚するためには、いろいろな方法が考えられるわけでございますが、一つは、若者が科学技術に興味を覚え、また疑問を持ち、その答えをみずから見出す場として科学館の整備を進める。また、研究の場をその重要性と業務の魅力に合った環境に整備することによりまして、若者が夢と希望を持って研究活動に従事してくるようにする。あるいは学校における教育におきまして、科学館、研究所などの活用を図るとともに、科学者、技術者が直接話をする機会を設ける。あるいは、若者が科学技術をおもしろく感じることに加えてその意義を理解できるよう、科学技術の歴史的、社会的意義についての研究を進めるなどが非常に重要であると考えております。 先般、私、五月の三日から七日まで、日仏科学技術協定に基づきましてフランスへ参りまして、そこで、わずかな時間でございましたが、パリの郊外ラ・ビレットの科学産業都市というところへ行ってまいりました。そこは科学技術に親しむための施設を十分よく考えてつくっておる、この問題に熱心に取り組んでおる。非常に感銘を受けたような次第でございます。 我が国でも、教育の場を初めといたしましてさまざまな場におきまして、科学技術についての理解を得られるような努力を、地方自治体や民間企業などの協力を得ながら、政府が一丸となって取り組むものであると認識いたしておる次第でございます。 なお、現在、科学技術系人材の確保の問題につきまして、科学技術会議において審議が行われているところでございまして、この審議の内容を見きわめつつ、関係各省連携をとりながら適切な対応をとってまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○五十嵐(ふ)委員 ありがとうございました。 ――――◇―――――O臼井委員長 内閣提出、特定放射光施設の共用の促進に関する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上田清司君。
○上田(清)委員 改新、新生党の上田清司です。お時間のお許しをいただきましたので、質問させていただきます。 座らせていただきます。 科学技術の振興は、無資源国日本にとって生命線とも言える重要な課題だと考えております。科学技術を基礎にした日本のすぐれた才能も、NIES、ASEANあるいは中国といった国々の台頭によって脅かされてもいます。より高度なテクノロジーによる新たな産業基盤の整備こそが急務であると考えます。一方、高度のテクノロジーを 利用した生命工学、宇宙工学などのさまざまな新しい分野は、人類の未来にとっても夢と希望の持てる可能性を持っています。このような意味において、科学技術活動を支える研究基盤を強化充実させることを、極めて重要であると考えるわけであります。 言うまでもなく、研究の成果はひとり研究者のものであってもならないし、一国のものであってもならない。だから、人類全体の成果としてひとしく利用され生かされるべきだと考えております。同じように、これから科学技術活動を支える研究基盤である設備や施設についても同じことが言えると思います。一研究機関や一国のものであってはならない、あくまで人類全体の財産として活用されるべきだと考えるわけであります。 以上の認識から、私は、特定放射光施設の共用の促進に関する法律案、これは極めて意義のある、なおかつ画期的な法案として正しく評価したい、このように考える者の一人であります。 この法律案の趣旨は、内外を問わずすべての研究者に利用機会を提供することにあるわけですから、関係施設は、可能な限り利用者本位の運用が図られなければならない、このように考えます。 こうした視点から、まず、本法案において、利用者に対する配慮、つまり研究施設の運営や利用についての要綱というのでしょうか、そういうものが基本的に準備されているのかどうか、この点から御質問したいと思います。
○近江国務大臣 先生仰せのように、世界の人々に利用していただくということが非常に大事であろうかと思います。このSPring8は、御承知のように、極めて広範な科学技術分野に世界最高性能の先端的な研究手段等を提供する研究基盤施設でございます。国内外の優秀な研究者を引きつけ、創造的、先端的成果を生み出すことが期待されることから、国内の産学官の研究者はもとより、海外の研究者にも広く開かれた施設として最大限活用することが重要であると考えております。 このような観点から、本法案におきましては、利用課題の募集、選定や技術的支援等の利用者との関係を一元的に扱う指定法人制度を導入するなど、利用者本位の考え方を原則とした体制整備を図ることとしたものでございます。 本法案の整備を通じまして、利用者に対して責任を持った体制を構築するとともに、利用者の意見等に十分配慮しつつ、あらゆる分野の多くの研究者に利用しやすいものとなるように努めてまいる、そういう気持ちでございます。
○新政府委員 少し補足をして御説明申し上げます。 まず、利用者との関係でございますが、この法案の作成過程におきましては、科学技術庁長官の諮問機関でございます航空・電子等技術審議会電子技術部会におきまして、産学官の利用者の代表にも委員となっていただきまして、大型放射光施設分科会というものを設置いたしました。そこで大型放射光施設の効果的な利用、運営のあり方の調査審議をいただいておるところでございまして、本年三月、その中間取りまとめをいただきました。その趣旨をこの法案に盛り込んでおるつもりでございます。 そういう意味で、具体的には次のような点に配慮をいたしておるところでございます。第一に、国の基本方針の策定とその公示によりまして、利用者本位の考え方というものを明確化する、オープンにするということでございます。 第二は、利用課題の応募、選定などの利用者に対する窓口を一つの組織体に一元化をすることによりまして、利用者に対する責任を持った体制を構築するということでございます。 また、第三点といたしまして、幅広い分野の研究者が、放射光利用技術に習熟していなくても利用ができますように、放射光利用の情報提供とか技術支援の実施を行うということを規定してございます。 また、第四点といたしまして、その課題選定などにおきまして公平な選定というものが行い得ますように、学識経験者が参画をしました諮問委員会というものを設置しておるということでございます。
○上田(清)委員 その利用の仕方については、もうきっちり文章としてでき上がっているのですね。
○新政府委員 利用の仕方そのものは、これから一部供用開始が平成九年度ということでございますが、しかし、その前にいろいろな利用の公募、課題の公募というものを行っていかなければなりません。したがいまして、私ども、この法案を通していただいて施行ということになりましたら、すぐにその辺についての具体的なあり方を検討するということにいたしておるところでございます。
○上田(清)委員 わかりました。 ちょっと関連して、研究施設の大々的な利用の仕組みを丁寧につくられているということはよくわかったのですが、これはちょうどヨーロッパ連合で一つ、アメリカで一つ、日本で一つというような形で今進められておるという現況がありますので、とりわけアジアの人たちにとって、距離的にも非常に近いということもあって、相当利用していただくことが大事じゃないかなというふうに思いますので、この点についてうまくアピールするような、例えば各国の研究機関あるいは各国の科学技術庁等にアピールするような仕組みというのはでき上がっているのでしょうか。
○新政府委員 御指摘のように、この施設はでき上がりますと、八GeV、八十億電子ボルトという世界最高の性能を持つに至るわけでございます。先生御指摘のように、ヨーロッパとアメリカで似たようないわゆる第三世代という大型放射光施設、現在建設中でございますけれども、特にアジアの地域ということを意識したところで、私どもいろいろな形でもう既に要望を承ってございます。 ただ、おっしゃいますようにシステマチックにでき上がっているかというところにつきましては、これからの広報、PR活動あるいは研究協力といったようなことを通じまして、今後もまた努力をしてまいる所存でございます。
○上田(清)委員 ぜひ国際交流の一環としても、丁寧にやっていただければありがたいと思います。 続いて、大臣の所信表明にもありますように、特定放射光施設、いわゆるSPring8ですが、世界最高の研究施設として幅広い分野の研究利用が期待されています。それゆえ、先ほどもお話に出ましたけれども、利用者の選定に当たって、公開性あるいは公平性、そうしたものについて、きっちりとしたオープンなものを出す必要があると思いますので、その場合も、せっかくさきの臨時国会で行政手続法ができましたので、こうした理念を生かして、例えば、いっ申し込みをすれば何カ月後には必ず答えが出る、いつから利用していいですよとか、そういうきっちりした仕組みというものを考えていただければ大変すばらしいものになるのではないかなということを私は考えておるのですが、大臣の御所見はいかがでございますか。
○新政府委員 まことにおっしゃるとおりでございます。 まず、立ち上がりのときは、これは利用課題の選定には多少時間がかかろうかと思います。したがいまして、平成九年度立ち上がりということでございますと、恐らくその一年ぐらい前までに利用課題というものを決めておく必要があろうかと思いますが、これが、順調に運転が続けられる、定常運転が続けられるというような事態におきましては、もっとスムーズにもっと短時間で、例えば今筑波にございます高エネルギー物理学研究所のフォトンファクトリーなどの例によりますと、大体年に二回公募をしてやっておるということでございますので、そういう例なども見まして、きっちりとしたマニュアルといいますか、公募の手続をつくり、それに従って円滑に利用の推進を図ってまいりたいというふうに考えております。
○近江国務大臣 今局長から答弁いたしましたように、私たちはその点が一番気になるところでございますし、そういう点で放射光利用研究促進機構に学識経験者により構成されます諮問委員会を設置いたしまして、広範な科学技術分野からの提案課題を専門的かつ総合的に評価するということで、課題の選定基準、選定されました課題について広く公表する、そういうことで機会均等を十分考えていきたいと思います。 そういうことで、利用課題の募集、選定の透明性、公平性を確保いたしまして、利用者本位の考え方によりまして、このSPring8の運営が図られるように努めてまいりたい、このように思っております。
○上田(清)委員 今、くしくも大臣がお話しされました諮問委員会ですが、大変重要な役割を果たすということが予想されるのですが、この法律の中身では詳しく出ておりませんので、例えばその諮問委員はどんな形で選定するのかとか、あるいは審議の結果についてどうした形でオープンにしていくのか、そういう結果についての公表、そういう部分について、もし今の段階ではっきりとお考えになっていることがあれば、教えていただければありがたいなと思います。
○新政府委員 この諮問委員会、SPring8の供用業務というものが非常に高い公益性を有するものでございますので、この指定法人である機構が業務を的確に行うことを客観的な立場から支援をしていくものでございます。 機構の代表者に対する諮問委員会の意見を踏まえて、機構が供用業務の実施に関する重要事項を決定するということから、供用業務の実施にかかわる透明性を確保するということが極めて重要であるということは御指摘のとおりでございまして、基本的にはその結果は公表するということで考えていきたいと思っております。 ただ、諮問委員会の意見の取りまとめのための審議過程というのは、やはりいろいろな意味で自由な意見を交換するということもございますので、諮問委員会そのものを公開するということは差し控えたいというふうに考えておるところでございます。
○上田(清)委員 諮問委員会についてもう少しお聞きしたいのですが、これは人数だとか、どういう方々が委員として委嘱されるというのでしょうか、なるのでしょうか。
○新政府委員 この諮問委員会につきましては、まず法律によって決められておる部分がございます。 これは十五条でございまして、ここに役割というものがありまして、しかもこの三項にございますように、「内閣総理大臣の認可を受けて、機構の代表者が任命する。」ということでございますので、通常の財団法人といたしましては、非常に何といいますか格の高い方々になっていただくつもりでございます。 そういう意味で、私どもとしては、放射光利用研究分野ですぐれた実績のある研究者の方々、それから産官学の利用者組織の代表者の方々、それから理研、原研という施設を持っておる方々、それに主務官庁として私どもも入りたいと思っておりますが、その他関係の、例えば兵庫県の代表の方、その他の学識経験者というようなことを考えておるところでございます。
○上田(清)委員 大体十人前後のイメージですか。
○新政府委員 はっきりと決まってはございませんが、今後の相談にもよりますが、大体二十人程度というものが頭の中にございます。
○上田(清)委員 SPring8の利用に関心を持つ研究者、技術者によって、既に昨年の五月にSPring8利用者懇談会が組織されて、メンバーが既に八百五十名を超えておられるという大変熱意のある動きというものがあるようにも承っております。これも大変な期待のあらわれだというふうに思っているわけです。 もちろん、先ほど私が申し上げましたヨーロッパの中に一つ、それからアメリカに一つと、それぞれもう既に完成に向かって、あるいは着工されたりしているわけですが、建設期間を見ると、それぞれ六カ年というようなことになっておりまして、たまたまこれを見ていますと、日本だけが七カ年というような形で、もちろん規模も条件もそれぞれ違うわけですが、これだけ期待があるわけだし、大臣の所信表明も大変熱意のある文面で言っておられますので、これはひとつ少しでも早ければ、この放射光によってノーベル賞が幾つも出てくるのじゃないかというようなことが言われたり、あるいは応用技術も大変な展開も図れるのじゃないか、こんなことをいろいろ考えると、何か日本だけ七カ年で、ヨーロッパとアメリカは六カ年と、条件は違うけれども、もう少し急いだらどうだ、そんな思いがあるのですが、大臣、いかがでしょうか。
○近江国務大臣 先生おっしゃるとおり、ヨーロッパ連合では御承知のようにグルノーブル、これは六十億電子ボルトですね。それからアメリカがアルゴンヌで七十億、日本が八十億と、世界最大でございます。先般フランスに参りましたときにも、現地の科学者の人たちは非常に強い関心を持っておられまして、日本へ行けば必ずSPring8を視察したい、非常に期待しておりますと。これは十億ボルト違うだけでも大変輝度が違うわけですね。そういう点では世界的な関心を集めておるわけでございますから、私たちも一日も早い建設を願っておるわけです。 それで、ヨーロッパ連合、グルノーブルは一九九四年、ことしに開始、アルゴンヌが九六年、我が国が九八年、九七年に一部供用開始ということにしております。それで、御承知のように、当初の建設から私たちも、科学技術委員会としては本当にこれを傾斜しなさいということで、今日まで論議が高まってまいりました。私自身もこの問題を強くやってきたわけでありまして、非常にそういう期待が大きいわけでございます。政府といたしましても、補正予算を含めまして、予算確保にこれまで積極的に努めてきたわけです。 具体的には、平成四年度から五年度にかけまして、四度にわたる補正予算を確保いたしております。平成四年度では五十億、平成五年度は百五十五億、これは三回もありましたものですから。累計四百六十億円、現金ベースで四三%、契約ベースで六九%を確保いたしました。また、平成六年度予算案におきましては百十億円を計上しておりまして、これによりまして、建設費の総額一千百億円のうち五百七十億、現金ベースで五二%、契約ベースで七三%を手当てすることになります。 この結果、従来は、これは平成十年度より供用が開始予定でありましたが、現在、一年前倒しをいたしまして平成九年度より一部供用を開始する、そういう段階になってまいりました。 そういうことで、先生も強くそのように推進をしていただいておるわけでございますし、その意を体しまして、政府といたしましても、今後、本予算ではそういうふうに計上しておりますが、いずれにいたしましても、いろいろなことが考えられるわけでございますので、一層また努力をして、一日も早いこの建設ができますように努力したい、このように思っております。
○上田(清)委員 この法案は、私が見る限り、大変ユニークで、なおかつ意義のあるものだと思っているのですが、このSPring8と同じように、他の研究施設もこうした方式で、可能な限り共用できるような仕組みというものを、これは科技庁だけじゃなくて、科技庁は優先的にやって、他の省庁も含めて日本じゅうの研究機関の中でもっともっと共用できるような仕組みをつくれば、科学技術の振興ということに関して多大な貢献をするのじゃないかなと私は思っているのですが、大臣、このことについていかがでしょうか。
○新政府委員 このSPring8に関しまして申し上げますと、非常に世界最高性能を有するということ、あるいは極めて革新的なものであるということ、また、他に代替性がないというようなことがございます。また、その建設主体が日本原子力研究所と理化学研究所ということで、二つの 法人の共同によってなされておりますが、事利用という段階になりますと、やはり一元化した利用体制が必要であるということでございまして、そういう観点から、こういう形の法案というものをお願いしておるところでございます。 したがいまして、現在のところでは、こういった特徴を有する施設がほかにあるかということで考えますと、今のところは想定はされないわけでありますが、現在ありますほかの国の研究機関ないしは特殊法人、この研究施設につきましても、例えば国の研究機関については研究交流促進法というようなものによりまして、また、特殊法人についてはそれぞれの法人の根拠となる法律に基づきまして、必要に応じて共用を促進しておるところでございます。 こういう施設といたしましては、例えば航空宇宙技術研究所の遷音速風洞といったようなもの、あるいは宇宙開発事業団、NASDAでございますが、これのスペースチャンバーといったようなものがございます。
○上田(清)委員 わかりました。 それでは、大変恐縮ですが、そうした共用ができている部分、それからまた、これから可能性のある部分について、後で結構ですので、リストアップしていただいて資料としていただけるように、御手配のほどをお願いいたします。
○新政府委員 可能な限り調べまして御提出申し上げます。
○上田(清)委員 最後に、SPring8の先進性というものもさることながら、やはり共用の促進ということにポイントを置いて利用者本位のこうした新しい仕組みをつくるということについて、これは大変評価できるというふうに私は思っておりますので、ぜひ、この法についての運用こそが、本当に魂というか、これはもう大変立派で、目的も立派ですばらしいものだということですので、この運用次第によって本当にすばらしいものができるのではないかなと期待しておりますので、ぜひ丁寧に運用要綱等をつくっていただいて、ぜひしっかりしたものにしてもらいたいと思います。 そこで、最後ですが、大臣、つまらない質問で恐縮なんですが、放射光利用研究促進機構という指定法人をおつくりになる、実際にある財団法人の高輝度光科学研究センター、この二つの看板を掲げるような形でこのことが進められていくような形になるのですが、どうも私、法理論からはそうかもしれないけれども、何か二つの看板を掲げてやっていて何が何だかわからないよというような感じもするのですが、この点について、感想で結構ですので、お答えいただければありがたいと思います。
○近江国務大臣 先生御指摘のように、本法案におきましては、SPring8の共用の円滑かつ適切な促進を図るために、また、十分な業務遂行能力を有する既存の民法法人を活用して、共用の促進にかかわる業務を行わせることとするものでございます。その業務の内容に即しまして、放射光利用研究促進機構と呼ぶこととしたものでございます。 一方、放射光利用研究促進機構として指定される民法法人の本来の名称は、その法人の設立者が設立の際に定めたものでございまして、必ずしもその名称が放射光利用研究促進機構である必要性はないと考えておるわけでございます。 したがいまして、御指摘の点はよくわかるわけでございますが、その点ひとつ御理解いただきたいと思うわけでございます。現在、有力な候補と考えている法人は、財団法人の高輝度光科学研究センターというところに今焦点を合わせておるような次第でございます。
○上田(清)委員 わかりました。ありがとうございました。 質問を終わります。
○臼井委員長 田中直紀君。
○田中(直)委員 自由民主党の田中でございます。特定放射光施設の共用の促進に関する法律につきまして御質問させていただきます。 本法律案につきましては、自由民主党といたしまして賛成の態度で臨んでおりますが、時間の許す限り、法案につきまして、また、施設につきまして御質問をいたしたいと思います。 理化学研究所の上坪理事にお出かけをいただいております。早速お伺いをいたしますが、日本でつくりますSPring8のほかに、アメリカ、そしてまたヨーロッパで建設されておりますけれども、この施設につきましては、諸外国では共用をしていくという方針で臨んでおるのかどうか、ちょっとお伺いをいたしたいと思います。
○上坪参考人 今御質問にございましたように、世界で第三世代の大型放射光施設といたしましては、フランスのグルノーブルにヨーロッパ連合の十二カ国が出資してつくっておりますESRF、それからアメリカのシカゴ郊外にございますアルゴンヌ国立研究所内のAPS、それから今私どもが播磨に建設しておりますSPring8もございますが、ESRF、APSとも、ESRFにつきましてはヨーロッパ各国の共同利用施設、それからAPSにつきましてはアメリカそれからカナダ、そういった国々の共同利用施設として建設されております。
○田中(直)委員 使用につきましては、共用、いわゆる国内のみならず世界の研究者が研究できるという体制で臨むかどうかということです。
○上坪参考人 今お話がございましたように、ESRFにつきましては、ヨーロッパ各国が主体でございますが、それ以外に、日本、ロシア、そういった国々の方たちにも共用していただくように運営されることになっております。 それから、アメリカにつきましても、あそこは一つ一つのビームラインにCAT、一つの特定のグループが中心になって運営をする体制をとっておりますが、そこにも、アメリカ国内だけではなくて、例えば日本の研究者が参加することも、プロポーザルを出してそういったものをつくることも可能なような仕組みにはなっております。
○田中(直)委員 科学技術庁のサイドでは、どういうふうな理解をいたしておりますか、今の点。各施設について共用されるというふうに受け取っていいですか。
○新政府委員 アメリカにつきましては、上坪参考人の言ったとおりだろうと思います。 ヨーロッパにつきましては、確かに日本、ロシア等、共用の可能性というのはありますけれども、やはり基本的には十二カ国が共同してつくった施設であるということですので、十二カ国の利用というものがまず優先されるという形での利用の形態になるのではないかというふうに把握しております。
○田中(直)委員 今回のこの法案につきましては、播磨科学公園都市内のSPring8の共用の促進の法律案であるわけでございますけれども、いわゆる、これは画期的な研究体制ということに踏み込むことだと思います。 諸外国と比べて、日本の研究者がこういう施設を使う場合の産学官のいわゆる体制といいますか、大学の先生が施設に研究に行くというとき、細かい話でありますが、旅費をどうするかとかいうことがございますし、対象によっての費用というものがございます。 そういう意味で、諸外国と比べて、我が国の研究者の、企業における研究者の対応、あるいは産学の対応というもの、その辺の比較というものはどういう感じになっておりますか。理事にちょっとお伺いいたしたいと思います。
○上坪参考人 我が国につきましては、高エネルギー物理学研究所の方にも産業界の研究者が参加しておりまして、産業界のビームラインにつきましては、高エネルギー物理学研究所のフォトンファクトリーの方に一定の料金を払って使っているというふうに承っております。 それから、諸外国につきましては、例えばヨーロッパの施設でございますと、一般に成果が公表される場合につきましては使用料は払わないというのが原則というふうに聞いております。アメリカにつきましては、アメリカはそれぞれの実験 ビームラインを、大学それから産業界の研究者たちが一つのチームをつくりまして、それぞれいろいろなところから予算をとりまして研究しておりまして、それにつきましては、成果が公表される限りにおいては、それからビームラインの建設にそれなりの貢献をしておりますので、利用料については成果が公表される場合には取らないというシステムというふうにお聞きしております。
○田中(直)委員 SPring8は、諸外国の施設に比べましても世界最高性能の施設である、こういうことでありますから、そういう意味では大変広範囲な研究の対象になるということだと思うのですけれども、今お話がございましたように、共用を促進していく場合に、海外の研究者も含めて国内の研究者、科学者の皆さん方に御利用いただく、こういうことでありますから、施設がいいというだけのみならず、研究する環境が整っていかなければ、やはり共用を基本的に促進していくことができるかどうかという問題があると思います。 それで、今回の施設は一千百億の大変な施設でございますし、これをフル稼働しましたらどのぐらいの費用がかかるかということをちょっとお伺いしたいのですが。
○上坪参考人 まだ運営経費については事務当局の方でいろいろな積算をしておりまして、額が完全に固まったわけではございませんが、私どもの今までの経験から申し上げますと、一般に総予算額の一五%あるいは二〇%ぐらいの運営経費がかかるのではないかというふうに思っております。事実、私どもの事務局の方で試算いたして、非常に概算でございますと年間百五十億くらいの運転経費がかかるのではないかというふうに試算されております。 それから、このSPring8に関しましては、実験を行うビームラインが全部で六十一本できることになっておりまして、一応、共用のビームラインといたしましてはその半数程度は確保したいというふうに建設グループとしては考えておりますので、当初、完成時にできますビームラインは、それの中で、まだ全部をつくらずに十本程度がつくられるわけでございますので、その後は年次計画的につくってまいりますために、そのビームライン建設経費も必要になるのではないかというふうに考えております。
○田中(直)委員 長官、そういう状況の中で、この施設を地元も大変期待をいたしておるわけでございますし、大変利用率が高い、こういう評価を得ておるわけでございますけれども、実際にこの施設を管理運営するということになりますと、今お話がございましたように、フル稼働すると大変な費用がかかる、そしてまた、研究者がそれぞれ研究をするというようなことになりますと、当然その数が多ければ、まず研究者の数が多ければ当然費用もかかってきますし、運営費もかかってくるわけでありますが、この法律の中で、新機構というもので運営をしていくということでありますけれども、その辺の費用、それは政府の方で、国の方で予算を提供していく、こういうふうにうたわれておるのですけれども、それは全部ないしあるいは一部、こういうふうに表現されておりますが、その辺のめどはいかがなものでございましょう。
○新政府委員 今御質問になった全部または一部というのは、恐らく交付金の規定をごらんになって言われておるものと思います。 この交付金の規定というのは、いわゆる供用業務というものに関する費用でございまして、御指摘の、例えば百五十億というような試算のある総運転経費これにつきましては、供用業務とはまた別の概念として、いわゆる原研、理研の運転管理業務ということになるわけでございまして、これは機構が原研、理研から業務委託を受けるということが予定されているところでございます。 その場合に、結局業務委託でございますから、原研、理研が機構に対しましてその委託費という形で予算の手当てをする、その予算の手当ては国が原研、理研に対しまして出資という形で毎年毎年の予算を確保していく、こういうことになろうかと思うわけでございまして、私ども、利用者に迷惑がかからないように、この利用の円滑化が図れますように、予算確保には最大限の努力をしていくという決意でございます。
○田中(直)委員 平成九年から一部供用開始、こういう状況でございますし、大変そういう面では期待の大きい施設でありますが、その分コストもかかっていく、こういうことでありますから、原研、理研の予算としてもしっかりと計上をしていただきたいと思います。 一方、先ほどちょっとお話を申し上げましたように、国内のみならず諸外国の皆さん方にも研究をしていただくということになるわけでありますから、その辺の環境を、諸外国ともその研究体制といいますか、大学の先生方あるいは学生の方々も含めて、あるいは企業の研究体制というものも、とかく日本のその辺の研究体制の中でおくれがちである、こういうような指摘をされておりますし、時間的にもなかなか研究と授業というものが大変である、あるいは研究していくための研究費がどうも乏しい、こういうような比較論を言われるわけでありますが、諸外国と比べて、特に欧米と比べて、日本のその体制をこの際負けないように整備していただきたい。長官にお願いをしたいと思うのですけれども、その決意のほどをお願いします。
○近江国務大臣 今先生からお話ありましたように、これは世界最大の施設でございまして、注目が集まっておるわけでございます。そういう中で、この特定放射光施設ができますと、研究テーマといたしましては、これはもう先生御承知のように、もう本当に材料そして物質あるいは生体の観測、もう本当に広範な分野にこれは広がってくると思うのです。そういう点で、基礎研究の面におきましては、これはもう大変な大きなチャンスができるんじゃないか、このように私は思うわけです。 そういう点で、特に我が国としましては、基礎研究、今までどっちかというと応用面、基礎研究ただ乗り論といいますか、非常に強い批判もあったわけです。そういう点、この大型放射光ができますと、海外にもどんどんまた提供していくというような点で、国際協力も広がってくるわけです。 そういう点からいきますると、これはもう我が国が世界に誇る施設といたしましてあるわけでございますから、研究費、今政府としては御承知のように平成四年四月二十四日に科学技術政策大綱を決めておりますが、時の経済財政状況も考えながらということになっておりますが、研究費の倍増をそのときに閣議決定しておるわけでございます。そういう点で、二十一世紀に向かいまして、私たちとしてはもう全力を挙げまして各省庁の御協力をいただき、政府一体となって予算の手当てを考えていきたいと思います。 したがいまして、この研究施設の運営につきまして一切支障のないように、政府としてはしっかりと心を据えて取り組んでいきたい、このように考えておる次第でございます。
○田中(直)委員 上坪理事にちょっとお尋ねいたしますが、今のところ、この施設を利用するその対象者といいますか、それは大体官民と分けて、どの程度の比率になるような状況ですか。
○上坪参考人 昨年五月にSPring8利用者懇談会というのが発足いたしまして、この四月現在で約八百六十名のメンバーが参加しておりますが、これの出資機関別の統計をとりますと、大学の国公立、私立大学の先生が六〇%、それから国公立研究機関の研究者が一八%、そして民間の研究者が二二%という統計になっております。 それから、ちょっと補足いたしますと、分野別でいきますと、素材、材料関係の研究者が約四〇%、生命科学、それから薬学、医薬品関係の研究者が約二五%というような関係で、そのほか原子物理、原子分子物理、それから医学、それから工学、それから地球環境といった研究者が研究しております。
○田中(直)委員 先ほど長官もお話がございましたけれども、大変広範囲な成果が得られるのではなかろうか。特に医学あるいは生物科学、地球科学、物質科学、その他材料の解析、いろいろ出されておるわけでございますけれども、この法案の中で、これは共用の促進についての基本方針というものを打ち出すのだ、こういうお話で、条項が載っておりますけれども、この施設を対象としてこの法律ができておるわけでございますし、科学技術庁長官から、この施設に対して、共用のみならず、この施設に対しては我が国の国民としても、例えばがん対策あるいはその他の、これでいいますと医学の問題等、大変期待が大きいということでありますし、学識経験者の皆さん方もおられるわけでありますから、この法律を成立させるに当たって、やはり一つの、共用で皆さんに大いに使っていただくということのみならず、やはり国としてこの施設を使うに当たって、こういう強い、医学の面あるいは材料の分析の面、こういう方針を持って望むんだ、こういうことを披瀝をされてもよろしいのではなかろうかな、こんな思いであるのですけれども、長官の御理解を伺いたいと思います。
○近江国務大臣 大型放射光施設、SPring8というのは、先生御承知のように、指向性の強い、極めて輝度の高い光を発生する施設であるわけです。この光を物質に当てますと、従来見えないものまで観察することが可能となるわけでございます。先端的な試験研究における汎用的な分析、解析手段として、ライフサイエンス、物質・材料、医療等の幅広い分野の研究に活用が可能な施設であります。 また、本施設は、完成しますと世界最高性能を有するものとなるために、およそ世界の科学技術の研究者すべてに開放すべきものである、このように考えております。このように高い汎用性、革新性、希少性を兼ね備えた試験研究用基盤施設は、ほかに類例を見ないものでございます。 SPring8のこのような特質にかんがみまして、国として、その共用について特段の措置を講ずることが必要である、こういう判断に立ちまして、今回この立法措置を置いたものでございます。 また、このSPring8は二つの特殊法人が共同して整備してきたものでございますが、建設段階はともかく、利用段階となりますと、利用者にとって窓口の一元化を図る必要があるわけでございます。このため、指定法人にこれを行わせる特殊事情があると思います。 なお、上記と同様の性格の他の研究施設は、ここ当面想定されておらないわけでございますけれども、国がこのように一点を定めてこういう対処をとったということ、いかに期待が大きいかということをひとつ御理解いただきたいと思うわけでございます。
○田中(直)委員 ありがとうございました。 地元の産業界におきましても、あるいは県も、この施設を中核といたしまして、播磨科学公園都市の整備につきましては全力を挙げて取り組んできておると伺っておるところでございます。利用者が大変多く見込まれるということもございますし、その施設あるいは都市整備、そしてまた学校等も整備をしてきておるところでございますし、建設につきましては、先ほど長官からもお話がございましたけれども、地元の要請に対応して、しっかりと建設を促進していただきたい。 そしてまた、特にお願い申し上げたいのは、地元の企業としての、いわゆる利用者に対する技術的な支援を大変熱望しておるのではなかろうか、こういうふうに思っておるところでございますので、最後になりますけれども、利用者に対する技術的支援、こういうものについてお話を伺いたいと思います。
○新政府委員 利用者が必ずしもこの大型放射光施設の取り扱い方というものに熟知しておるということま限りませんものですから、御指摘の利用者に対する技術的支援というのは非常に重要なことだろうというふうに考えております。 このため、この法案におきましても、いわゆる機構の業務といたしまして「施設利用研究の実施に関し、情報の提供、相談その他の援助を行うこと」ということを規定をいたしまして、この機構そのものが適切な技術支援が行えるというような体制をとることといたした次第でございます。 具体的な支援といたしましては、本施設の利用に熟知しない研究者などに対しまして、その研究内容に応じた施設の使用方法を指導をいたしましたり、あるいは実験研究手法の改良につながる情報を提供するといったようなことを行えるようにしたいと考えております。 いずれにいたしましても、あらゆる分野の研究者が広く利用できますように、適切に対処してまいる所存でございます。
○近江国務大臣 ここでちょっと御報告しておきたいと思いますが、先般二十八日、短時間でございましたが、私、現地へ行ってまいりました。 ここで、播磨の科学公園都市、これにつきまして非常に一つ感銘を受けましたのは、地元兵庫県、また地元三町村を初めといたしました地元の協力というものが非常に熱意が感じられたわけでございます。 このSPring8のそばには姫路工業大学の理学部が来ておりますし、またことしからは姫路工業大学附属高等学校、これは高等学校から工大へ推薦制度で優秀な子がそのまま入るというような、そういう学校が来ておりますし、あるいは西播磨コンピューターカレッジというものも来ております。さらにまた先端科学技術支援センター、これも完成しておりまして、宿泊施設もあるわけでございます。もう既にたくさんの内外の方が、研究者がお見えになっている。しかも、その支援センターなんかも本当にすばらしいものでございまして、これは本当に外国研究者が来ても、本当に設計一つを見ましても、日本のそういう非常に、何といいますか、すばらしいデザインでやっておる。いろいろな点で充実したものを感じたわけでございます。また、県独自で粒子線の治療施設などもつくろうというような動きもございます。 そういう点で、地元も熱意がございますし、国も、先生方のおかげで非常に着々とこのように進んでおるということを目の当たりにいたしまして、本当に皆さんのお力の結集の結果すばらしいものができるだろう、こういう感想を持った次第でございます。 そういう点で、いろいろな点でやはり研究者にとって支援のそういう空気、土壌というものがそこに大きく生まれておるということを御報告しておきたいと思います。
○田中(直)委員 長官の大変熱心なお話を伺いまして、大変心強く思った次第でございます。ひとつよろしくお願い申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○臼井委員長 川島實君。
○川島委員 私は、ただいま議題となっております特定放射光施設の共用の促進に関する法律案についてお尋ねをいたしたいと思います。 今まで、さきのおのおのの質疑で大体法律の中身についても理解はできたわけでございますが、限られた時間でございますので、ダブらない点でお尋ねをいたしておきたいと思います。 まず一つは、エックス線対策を中心としたSPring8の安全対策、このことについて、学者の皆さんの中には問題が出てくるのではなかろうかという危惧の念を持つ学者もおるわけでございますが、この点についてどのような対策が立てられているか、お伺いをしたいと思います。
○加藤説明員 御指摘のエックス線対策でございますけれども、まず、SPring8において得られます放射光は、赤外線領域からエックス線領域、光の波長ではかなり幅広いところのものでございますが、非常に強い光が出ておりまして、当然SPring8におきましては安全対策に万全を期しているわけでございます。 具体的にはリングの外側に実験をする場所がご ざいまして、そこにビームラインというのが出てくるわけでございますが、その測定位置に関連いたしまして、放射光が出てくるときには、ビームラインの中のビーム照射区域と申しますか、そこには人が入れないようにインターロックがされます。それから、あるいはビーム照射区域内に人がいるような場合、そういう場合には今度は放射光は逆に出てこない、そういうような仕組みがされています等、安全対策にいろいろなされておりまして、人体に放射光が照射されるということは、基本的に考えられません。 また、蓄積リングの構造上の特徴と申しますか、電子が回りますリング、これはチューブでございますが、その中は非常に高度の真空でございます。宇宙空間に近いような真空チューブでございますので、仮に何らかの理由でこの施設の一部が損壊した、そういうような場合には真空が破れるわけでございまして、そうしますと瞬時に電子ビームが消えてしまう、したがいまして放射光も出てこないという、非常に危険な状態が想定されることはないわけでございます。 また、先ほど申しました蓄積リングの周囲は、厚さ一メートルぐらいのコンクリートで遮へいされているわけでございますので、実験室等におきます放射線防護上の問題はないと考えております。 いずれにせよ、放射線というのは、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律、そういう法律の規定がございまして、そういう法律を遵守しまして、施設の安全対策に万全を期すように指導してまいりたいと考えております。
○川島委員 次に、今リニア新幹線の関係で、山梨周辺の市民グループの人たちが、磁気浮上型の列車の電磁波公害を実は問題にしているわけでございますけれども、このSPring8にもそうした問題点があるのではなかろうかという、これも学者の説でございますけれども、これらに対してどのような対応をしておみえになるのかをお伺いしたい。
○加藤説明員 御指摘の電磁波公害でございますが、大別しますと二つございまして、一つは磁場が人体に与える影響でございます。もう一つは非電離放射線と申しますマイクロ波、そういうものが人体に与える影響というものが考えられます。 まず最初の磁場による影響でございますが、SPring8で使用されております電磁石は、電子が通過する中心部分に磁力線が集中いたします。磁石の外側にはほとんど磁力線が漏れない閉磁場設計になっておりますので、原理的には磁場の強さは少し距離が離れますとどんどん減衰してしまうという状況でございます。 ちなみに、例えばそこから四十センチぐらい普通離れるのでしょうか、そうしますと、ピップエレキバンよりもはるかに低いような磁場でございますので、人体には何ら影響はないということでございます。 また、SPring8では運転中は、先ほど申しましたが、インターロック機構によりまして電磁石とか加速器、蓄積リングの収納部の中には入れないことになっております。また、加速器、蓄積リングは、先ほど申しましたけれども、厚さ一メートルのコンクリート製の内側に収納されておりまして、そういう壁を通して磁力線が出てくるということは無視できると考えられます。 それから二番目の影響の非電離放射線でございますが、これはマイクロウェーブのものでございますので、SPring8の中では、例えば四カ所、電子にエネルギーを補給するための高周波加速システムというものがございますけれども、そういうものも電波が外に漏れることのないような金属の導波管の中を高周波が通るという構造になっておりますので、外に漏れてくるということはないと考えております。 さらに、電磁波については放射光自身が問題になりますので、これは先ほど申しましたように指向性の高いものでございますし、周りは遮へいで取り囲まれておりますのでそういう問題もないということで、SPring8におきましては適切な処置がなされていることから、御指摘のような電磁波公害は生じないものと考えておる次第でございます。
○川島委員 今回の大型放射光施設の建設地である兵庫県は、自治体独自の実は小型の放射光をつくる、こういう報道がなされたわけでございますけれども、大型と小型の関係というのはどのような受けとめ方をしたらいいのか。 普通素人でございますと、せっかく大きなものがあって六十一本もビームがあるのに、なぜそこで一緒にやれないのか、余分な費用をかけてまで、と、こう考えるわけでございますけれども、どうも聞きますと、今の原子力研究所のシンクロトロンの施設からそっちへとって独自のものをつなぐと非常にコストが安くなるという話も聞いているわけなのですが、その辺はどのような形になるわけでございますか。
○新政府委員 この放射光施設でございますけれども、その性能の違いによりまして、得られる光の波長というものが異なってくるわけでございます。したがって、その波長の違いに応じた研究が分担される、いわゆる役割分担が図られるということがございます。 それで、SPring8は、御案内のように八十億電子ボルトという非常に高いエネルギーを持った高輝度のものでございますから、波長の短いエックス線、特に硬エックス線といった領域にまで光が得られるものでございます。このために、この硬エックス線領域というものの性能、これを最大限に引き出せるような世界のトップクラスの放射光利用研究が行われることが期待されておるというところでございます。 ただいま御指摘がありました、兵庫県におきまして県立姫路工業大学の附属施設として検討が進められております小型の放射光施設、これはまだ構想段階というふうに伺っておるわけでございますが、大体一・五GeVですから十五億電子ボルト程度、したがいまして比較的波長の長い部分、エックス線でありますと軟エックス線の領域、この光を得ようとするものでございまして、これは地元産業界との連携によりまして、例えば半導体の微細加工技術の開発とか新しい光源の開発など、地元の中小企業を含めた産業界における放射光の活用に向けた研究を実施するものと聞いておるところでございます。
○川島委員 これができ上がりますと、現在何か我が国には、民間施設で建設中も含めて十四カ所の放射光小型施設がある、こう言われているわけでございますが、そうした周辺研究機関との連携協力のあり方、それから地方公共団体のこうした研究に対する環境整備のあり方というのが問われるわけでございますけれども、そのようなことについてはどのように受けとめておるか、お伺いします。
○新政府委員 当然の御指摘だろうと思います。 私ども、特に筑波の高エネルギー物理学研究所のフォトンファクトリーなどとは十分な協力関係というものを打ち立てるべく、文部省とも協力をして、本放射光施設の運営にも当たっていきたいというふうに考えておるところでございます。 それから、環境整備ということでございますが、これは先ほど大臣から申し上げましたように、兵庫県におきまして非常に熱心な生活環境整備のプロジェクトが進められてございます。例えば住宅施設ということをとってみましても、先ほどの兵庫県立先端科学技術支援センター、これは宿泊施設としても四十人程度を収容できる施設でございますし、それから、法人向けの分譲住宅が四十戸、既に今整備済みでございます。さらに、平成九年度までに毎年住宅を増設、整備をいたしまして、計五百五十四戸を整備しようというようなことを考えておるわけでございます。 私ども、こういった地元自治体と協力をしながら、研究者の生活関連施設の整備充実が図られるように努力をしてまいるつもりでございます。
○川島委員 次に、先ほどちょっとお話が出ましたが、運営費で年間百五十億、交付金の法律にうたわれているわけでございますけれども、民間と 共同したいろいろ企業からの研究の委託や何かの費用の問題でございますね。非常に利用料が高くなる、こう言われているわけでございますけれども、利用促進を図る上から、何らかの減免措置というのは最初は考えるのかどうか、その辺の運用の、利用料のあり方ですね、この辺についてお伺いしておきたいと思います。
○新政府委員 この経費負担のあり方ということにつきましては、先ほど申し上げました航空・電子等技術審議会におきまして継続して審議をいただいておるところでございまして、早急に方向を出していただきたいというふうに考えておるわけでございますけれども、私ども、その審議に当たりまして基本的にやはり考えますのは、このSPring8というのは極めて汎用性の高い先端的施設であるわけで、また、あらゆる分野の研究者に広く開放をしてその共用を促進することが重要であるということでございますので、できるだけ多くの研究者にとって利用が可能になるように、経費負担という面でも配慮をする必要があるのではないかというふうに考えております。 したがって、国内外の同様の例なども参考にいたしながら検討をしてまいりたいと思いますけれども、具体的には、放射光利用にかかわります新分野開拓のために多くの利用成果が公表されるということが重要でありますから、まず、専ら企業が製品開発上の研究目的によって成果を絶対に公表できないといったような場合を除きましては、やはり成果を公表してもらうということだろうと思いますし、そうした成果が公表される場合には負担を軽減するというようなことも考えていいのではないかというふうに考えております。 また、大学の研究者などによる知的公共財の形成に資する創造的、基礎的研究のための利用に関しましては、これもまたその成果が科学技術に関する試験研究の基盤強化に資するものでございますので、利用にかかわります特許権等の取り扱いの条件、例えば原研、理研、機構などとの共有とか、あるいは無償の譲渡といったような場合には、特段の配慮を行っていくということも必要なんじゃないかということで考えております。 いずれにしましても、先ほどの審議会での早急な審議をお願いしたいと思っておるところでございます。
○川島委員 時間もございませんので、最後に、研究分野でいろいろ難しい分野で研究班の問題だとか利用技術の研究の項目が物すごくありますので、その辺のところを、研究体制の検討を十分やっていただきたい、これは要望でございます。 大臣に、先ほどから出ております欧州のESRFの施設だとかアメリカのAPSのそういう国際協力の先発研究施設との関係ですね、それから、先ほども出ておりましたアジア、オセアニア諸国との利用促進、これらの問題についてどういうふうなお考えをお持ちか、御所見をお伺いをして質問を終わりたいと思います。
○近江国務大臣 科学技術の国際交流を積極的に推進していくということ、これは本当に先生方からも常に御指導いただいているところでございます。 そこで、このSPring8は極めて汎用性の高い先端的な世界最高性能の放射光施設でございまして、国内外の優秀な研究者を引きつける、そして総合的、先端的成果を生み出すことが期待されるわけでございます。したがいまして、研究交流の一層の促進に大きく寄与するものと確信をいたしております。 そのために、SPring8の利用に当たりましては、国内の研究者と同様に海外の研究者にも広く開放するとともに、国際的なシンポジウム等を活用することによりまして、その成果というものを世界に向けて発信をしていきたい、このように考えておる次第でございます。 今後とも、このSPring8の積極的な活用などによりまして、海外との研究交流を一層推進してまいりたい、このようこ考えておる次第でございます。
○川島委員 ありがとうございました。 時間ですので終わります。
○臼井委員長 大野由利子君。
○大野(由)委員 大野由利子でございます。 SPring8が我が国の基礎的、創造的研究を推進していく上での大変重要な施設として、今まで日本は基礎研究ただ乗り論等々が言われていたわけでございますので、日本の基礎研究を推進するだけでなくて世界に貢献していくという意味で、大変重要な役割を果たすのではないか、そのように思っております。 先ほども少し話が出ていたかと思いますが、この研究成果は、もちろん原則的には研究者本人なり研究当事者の機関に帰属するものだと思いますけれども、やはりSPring8から得られた研究成果というものは、公共財として積極的に世界に情報発信をしていくということが大事ではないかと思っておりますが、この点どのように考えていらっしゃるか、お伺いしたいと思っております。
○近江国務大臣 大野先生おっしゃるとおりでございまして、先ほども他の委員の方にもお答えしたわけでございますが、私は、内外の学者の皆様方の話も総合いたしまして、私たちが思っている以上に、このSPring8の期待は大きいわけです。したがいまして、この基礎研究の中でSPrin98の果たす役割というものは非常に大きなものがあり、成果も大きいものが期待されるわけでございます。そういう点で、こうした、そこでいろいろ研究されました成果というものを人類のために還元していくということは、本当に大事なことでございます。 そういう点で、私たちといたしましても、このSPring8でのそうした成果というものを本当に世界に向けて発信のできる、そういう体制で、また、今後研究される皆さんの御協力も得まして、大きく二十一世紀に向けてその成果の活用ができるように努力をいたしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○大野(由)委員 施設の使用に世界の優秀な学者を積極的に迎え入れていかなければいけない。先進諸国は当然ですけれども、開発途上国の人とか、またアジア、ASEANの地域の人たちを積極的に受け入れるためには、やはり何らかの配慮が必要なのではないか。やはり生活水準も違いますし、物資、物価が全く違うわけですから、それこそ毎月のお給料が立派な学者であっても一万円というような人々もいらっしゃるわけでございますので、同じように使用料とかいろいろなことはとても無理ではないか、そういう点、どういう御配慮を考えていらっしゃるのか。 また、フェローシップ事業のような、そういうものをここにも活用を考えられるのかどうか、そういう点についてお伺いいたします。
○近江国務大臣 大野先生おっしゃいますように、特にアジアの方々、今大型放射光施設というのは、アジア、ASEAN地域ではこれは唯一の施設になるわけでございます。しかもこれは世界最高の施設でございますし、そういうことから、利用に当たりましては、特にこのアジア、ASEAN地域の国々の研究者の受け入れに積極的に対処していくことが重要である、このように思っておる次第でございます。 科学技術の一層の高度化、複合領域化等が進みまして、基礎的、創造的な研究を初めとする科学技術の振興が強く求められておるわけでございまして、科学技術分野におきます我が国の国際貢献の必要性の高まりということを考えていきますと、先端的かつ高度な研究を行うための施設設備を整備して、国内外の研究者に幅広く開放して、その共用を促進する等の研究開発基盤の強化を図るということが非常に大事でございます。当該施設設備を通じた産学官及び外国との研究交流を一層促進していくことが必要であると私たちも認識しております。 具体的な研究者の受け入れに当たりましては、先生おっしゃいましたフェローシップ等、国際的な研究交流制度の積極的な活用を図っていきたいと考えております。さらに、原研、理研、機構と の共同研究等の実施等によりまして、国際的にも共用の促進が図られるよう積極的に対応してまいりたいと思っております。 特に、先ほど私が申し上げましたように、地元も大変熱意を持っていろいろな点で協力してくれております。例えば、公共住宅等も一定割合をそこでまた充てていただくとか、さまざまなそういう協力体制もとっていただいておりますので、そのように地方、さらにまた国、一体となりまして、外国の研究者にも十分また研究がしていただける、そういう設備の充実につきまして努力をしていきたい、このように思っておる次第でございます。
○大野(由)委員 SPring8の先端施設を提供するというだけではなくて施設利用の研究者をサポートするためのいろいろなマンパワーといいますか、そうしたものも必要ではないかと思うのですが、こういった研究要員とかその他のマンパワーの確保をどのように考えていらっしゃるか。また、国際化を推進するという意味で、どんどんやはり外国人をそこに採用するというふうなことも必要ではないかと思いますが、この点についていかがでしょうか。
○新政府委員 まず、研究者をサポートすることが重要だということは全く御指摘のとおりでございまして、先ほど田中委員にお答え申し上げたとおりでございまして、この法案の十二条に、放射光利用研究促進機構の業務といたしまして、「施設利用研究の実施に関し、情報の提供、相談その他の援助を行うこと。」ということを規定をいたしまして、実験計画の企画立案に必要な情報提供や適切な技術支援をこの機構に行わせるというようなことを通じて、技術支援を行うつもりでございます。また、こういった技術支援を行い得る人材の育成ということも大変重要なことだというふうに考えておるところでございます。 また、外国の方に来ていただいて、そこで研究をしていただくということは、これはまた大事な御指摘でございまして、先はどのように、アジア、ASEANからの方々はもちろんでございますが、中国の方とか、そういった近隣の方もそうでございますし、なお、アメリカとヨーロッパに放射光施設がありますけれども、こことの研究交流ということもまた大事なことだろうと思っております。 そういったことで、御指摘を受けまして、また努力をしてまいりたいと思っております。
○大野(由)委員 平成二年に財団法人の高輝度光科学研究センターが設立されておりまして、今回の法律によって放射光利用研究促進機構をつくるとなっておりますが、これは新しくつくるのか、この高輝度光科学研究センターとの関連性というものが何かちょっともう一つよくわからないので、この辺を明快にお願いしたいと思います。
○新政府委員 放射光利用研究促進機構というのは、このSPring8の施設が利用者にとって利用しやすいものとなるように、業務遂行能力を十分に備えた既存の民法法人を活用いたしまして、SPring8の利用及び運営が一つの組織体によりまして一体的かつ効率的に実施できるように措置したものでございます。 そういう意味で、既存の民法法人を活用する、この既存の民法法人といたしましては、従来から放射光に関する多くの研究者と連携を図りながら研究事業を実施しております財団法人高輝度光科学研究センターがございます。この財団におきましては、これまでの事業成果として、放射光に関する高度な専門知識とノウハウの蓄積がなされておりますところから、この法案に基づく放射光利用研究促進機構として指定する有力な候補であろうというふうに考えておるわけでございます。
○大野(由)委員 となると、衣がえをする、そのように理解をすればよろしいのでしょうか、それとも吸収合併されるというような仕組みでしょうか。
○新政府委員 先まど大臣が上田先生にお答え申し上げましたように、財団法人の名前といたしましては従来の財団法人の名前を持ちつつ、この法律によって与えられた役割、業務というものを行う機構というものの役割を果たすという意味におきまして、機構としてこの財団法人高輝度光科学研究センターを指定する、こういう形になるわけでございます。したがいまして、名前を変えるということは必ずしも必要ないというふうに考えてございます。
○臼井委員長 鳩山由紀夫君。
○鳩山(由)委員 せっかく十分間時間をいただきましたので、時間を使わせていただきます。さきがけ・青雲・民主の風を代表してお話をさせていただきたいと思います。 科学は遊び心も必要だと思いますので、若干の遊び心から質問をさせていただくことをお許しをいただきたいと思っています。 きのう近江大臣が、放射光のことを夢の光というふうにおっしゃったわけであります。その夢の光を少し解析してみたいと思っておるのですが、私どももいただいたこのSPring8の図によりますと、シンクロトロンで加速をされた電子がこちら側に来て、蓄積リングから磁場によって偏向されたときに接線方向に放射光が出る、これが夢の光であるというふうなお話をいただいたわけなんですが、考えてみれば、放射光というのは要するに光速に近い電子が曲げられたときに出る光であるということであるならば、当然のことなんですが、シンクロトロンの中でも放射光は出ているのですね。
○上坪参考人 おっしゃるとおり、シンクロトロンの中でも出ております。
○鳩山(由)委員 さらに極言をさせていただくと、どうなんでしょうか、これを物質を構成する例えば原子のレベルから見させていただいて、原子核の周りを光速に近い電子が回っている、その電子を、微量であるけれども、何らかの電磁波を出しているというふうに思われているのですか。
○上坪参考人 そこはちょっと違っておりまして、原子の周りになりますと、実は原子核の周りの電子はエネルギーの準位というのが決まっておりまして、座席が決まっておるようなものでございます。そこで、準位が決まっておりますところで、下の方のエネルギーのところに電子が詰まっておりますと、その上を回っております電子は光を出して下に行くことができませんので、永久に回り続けて光を出しません。
○鳩山(由)委員 わかりました。 この放射光を用いた実験、いろいろ大変最新な実験ができるというふうに伺っておりますが、特に、原子あるいは分子の構造を解明するというようなことにも使えるというふうに伺っておりますが、そのような原子あるいは分子レベルの構造を解析するような場合の理論としてちょっと伺いたいのですが、放射光、光というものを、波長を持った波ととらえて研究をされるのか、あるいはフォトン、質量のない粒子というふうにとらえて研究、解析をされるのか、あるいは場の理論のようなものを使って解明されていかれるのか、その辺ちょっと教えていただければと思います。
○上坪参考人 今の、物質の研究をいたしますときに一番重要なことは、放射光はほとんど波としての性格を使っている場合が多いわけでございます。 一例を申し上げますと、波と波が、山と山とが重なりますと強め合い、それから山と谷が重なりますと、二つの波が走っていまして、片側が山でこちら側が谷に来ますと、波が消えてしまいます。こういった現象を使って材料の研究をするということが放射光の利用のかなり大きなものになっております。そういうわけでございまして、私どもは、通常の研究を考えるには、放射光は波であるというふうに考えております。
○鳩山(由)委員 その場合の放射光というものは、波あるいは電磁波でしょうか、それによって測定する相手が影響を受けるということはあるんですか。
○上坪参考人 いろいろな意味で影響することはございます。 特に、放射光が入りまして原子核の周りを回っ ております電子にぶつかりますと、その電子はエネルギーを受け取りまして、励起いたします。大抵の場合、それが外に飛び出すようなことがございまして、放射光の場合はそういった飛び出しました電子をつかまえるというのも一つの重要な研究手段だろうと思います。 それからもう一つは、放射光が周りの電子に一たんつかまりまして、それからまたもとに戻ってきてというようなことで、周りにあります電子の影響を受けて出てくることもございます。こういったものも一つの研究手段として重要な可能性を持っております。 それから、電子をはね飛ばして放射光、光が、エネルギー、波長を変えて出てくるようなこともございまして、これも非常に重要な研究手段になっております。
○鳩山(由)委員 少しずつ何となくわかるような気がしてきたのですが、となると、放射光を波長を持ったいわゆる波として解析をすることが多いというふうにおっしゃったわけですが、その考えから行きますと、今回のSPring8の波長というのは十のマイナス四乗から十のマイナス十二乗程度までの光の波長だというふうに伺っているわけですが、その大変に幅の広いというか波長の短い波を出すことができるという能力を持っておるSPring8が、これはアメリカのAPSですか、七ギガエレクトロンボルト、それから欧州のものは六ギガエレクトロンボルトというふうに伺っておるのですが、それより一割二割、エレクトロンボルト、エネルギーにおいて増強されているということによって初めてできる、欧州やアメリカではできないような研究というものはどういうものなんでしょうか。
○上坪参考人 まず、その御質問にお答えする前に、SPring8がアメリカのAPS、ESRFに比べてどういう点がすぐれているかということを申し上げますと、一つは、今御指摘いただきましたようにエネルギーが高いということでございまして、これはどういうことかと申しますと、より波長の短い光を取り出すことができるということでございます。 それからもう一つは、SPring8の大きな特徴は、光の強さがAPSやESRFに比べまして非常に強い、大体光の強さは十倍ぐらいの強さになっております。 それからもう一つは、光を発生する挿入光源というのがございますが、外国、ヨーロッパのESRFもAPSも長さが約四メートルの挿入光源を装着できるようになっておりますが、SPring8につきましては三十メートルのものが四本装着できるようになっておりまして、これは、取り出す光は非常に干渉性の高い光が得られることになっております。 こういったことから考えますと、SPring8がすぐれている点は、エネルギーが高いだけではなくて、非常に性質のいい光を取り出すことができる、それから強い光を取り出すことができるということがございまして、そのためにできますことと申し上げますと、例えばたんぱく質を調べようどいたしますと、外国が例えば三十ミクロンぐらいの大きさの試料をきちっとつくらないとできないようなものを、私どもは十ミクロンぐらいの試料まではかれるといたしますと、医薬品の研究、それからビールスだとか体に悪いものが起こりましたときに、そういったもののたんぱく質の構造をきちっと調べて、どういう仕組みの酵素を使ったらこのビールスを殺せるかというようなものを調べるときには、より小さな試料、簡単につくれる試料ではかれるという点では非常にすぐれたものであるというふうに私どもは思っております。 それからもう一つ、先ほど申し上げました非常に干渉性の高い光やエックス線が取り出せるということで、これは実際に波長の均一性が非常によくて干渉性の非常に高いエックス線が出てきたときの、それを使った研究というのまSPring8が独壇場になるわけであります。
○鳩山(由)委員 時間がなくなりましたので、最後の質問を大臣にお尋ねしたいと思います。 このような、まだ短時間で、十分な理解は私自身得ることができておらないのでありますが、世界に最たるSPring8が完成した場合、開かれた施設として、海外の研究者を招くというのは当然だと思っておりますが、それ以上に私が大変に期待をしているのは、理工系離れしてしまっている最近の若い子供たち、先ほども同僚の五十嵐議員の質問にもあったわけですが、そういう若い子供たち、生徒に、このSPring8に、じかに研究をしているさまを触れさせていただきたい。そうすることによって、世界で一流の研究というものを目の当たりに見て、すばらしさを体得できるのではないかと思っておりまして、できればこのビームライン、将来は六十を超すビームラインができるという話を伺っておりますので、その一つぐらいをむしろ子供たちに開放していくぐらいの思い切った施策をしていただければありがたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○近江国務大臣 先生のお考え、全く同感でございまして、若者の科学技術離れというものは、将来を科学技術の発展に託するところの大きい我が国にとりまして、非常にこれは重大な問題であると思っております。教育の場を初めといたしまして、さまざまな場において科学技術についての理解が得られるように取り組むことが大事であると思っております。 御承知のように、世界最高性能のSPring8につきましても、青少年に理解してもらう工夫をすることは非常に大事なことだと思っております。 SPring8は、既に建設段階より公開しているところでございまして、昨年度だけでも二万人の見学者が訪れておる状況でございます。また、見学者から実験ホールの状況が見えるといった施設面での配慮を行っております。 さらに、例えば青少年に対しては、科学技術週間中に特別に施設を公開して、実験の状況を見てもらい、施設利用に関して興味を持ったこと等について研究者と話し合う場を設ける等、科学技術について触れ合う機会を持てる工夫も積極的に考えてまいりたいと思っております。 今後とも、SPring8を含めて、広く科学技術関連施設等に接する機会の提供に努めるなど、科学技術をより身近なものといたしまして、将来を担う青少年が科学技術に夢と感動を持っていけるよう努めてまいりたい、このように思っておる次第でございます。
○鳩山(由)委員 ありがとうございました。
○臼井委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○臼井委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、特定放射光施設の共用の促進に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○臼井委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○臼井委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○臼井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十二分散会