運輸委員会 第5号
- 発言数
- 155 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1994/06/03
会議録
○井上委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、特定都市鉄道整備促進特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀内光雄君。
○堀内委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、特定都市鉄道整備促進特別措置法の一部を改正する法律案に対して若干の質疑を行います。 この法律は、昭和六十一年の四月に、自由民主党が、大都市の私鉄の輸送力の増強あるいはラッシュアワーの混雑の解消というものに向けまして、複々線化だとかあるいは大規模の改良工事の促進というものを実現していくために、鉄道事業者だとかあるいは鉄道の利用者、双方のためになる工事、改善、快適な旅行というようなものを目的として計画をされて実現したものであります。今回はその法律をさらに拡大しようとするものでありますから、基本的には賛成でございますし、結構だと思いますが、二、三疑問の点がございますので、それについて質疑を申したいと思います。 今回の改正の中で、三点に絞って問題を取り上げてみたいと思います。 第一は、従来、対象は既存の鉄道の改良工事、複々線化だとかそういう既存の鉄道の内容を充実していく、輸送力の増強を図るというものであったわけでありますが、今度は新線もその中に含めるということになっております。それで「既設の鉄道の路線の利用者の利便の向上に著しい効果を有する」、そういう新線というのはどういうものを意味されるのか、伺いたいと思います。
○秦野政府委員 ただいま委員からお話ございはしたように、大都市圏における通勤通学の混雑問題、大変な問題になっておるわけでございまして、特に新しく通勤新線を引くべきであるという御要望、かなりあるわけでございます。 この制度の本来の趣旨は、将来複々線なりあるいは輸送力増強工事をすることによりまして利益を得るということを前提にいたしまして、現在の利用者の方々からあらかじめ一部をいただこうということでありますので、ある程度現在の利用者と将来の利用者との間に相関関係があることが必要だろうというふうに考えておるわけであります。 ただいまお話しのように、今回の改正で新しく線の延長というものもこの対象にさせていただくことに考えておりますけれども、現在の利用者の方々が将来も利用することが可能であろうと思われる線を対象にいたしておりまして、例えば、現在の既存線の都心への乗り入れですとか、あるいはバイパス的な効果を持って、現在の線が新しい線ができることによって混雑が減少するといったような相関関係があるというふうに認められる線に限りまして、この制度の対象にしたいというふうに考えておるところでございます。
○堀内委員 ただいまの御説明を承りまして、従来の線の延長上にあるような、今までの沿線の利用者がさらに利便が増進するようなものという御説明をいただきましたが、これは今までの法律の精神からいうと、ちょっとずれてくるんではないかなというふうな感じがするのであります。 本来の目的というのは、既存の鉄道の輸送力、これを充実をさせて、利用者に少しでも快適な通勤通学ができるような状態をつくるということでありますから、そのために増強する工事費、莫大な工事費に対して、運賃の上にそれを上乗せしまして今までの利用者に負担をしていただくと同時に、それがまた今の利用者に返ってくるというような考え方であったと思うので、これは資金の調達を利用者に負担を任じているということでありますから、新しい新線ができるということは、それはもちちろん関連はないことはありませんが、既存の利用者にそのまま負担を持っていくということは、ちょっとこれは無理があるんじゃないかなというふうな気がするのであります。 ですから、新線の建設によって、直接利用することのない既存路線の利用者というものが随分いるわけですね。こういう利用者が割り増し運賃を払わなきゃならぬということ、これは多少ちょっと無理に新線の工事費を負担させることになるんじゃないかということを考えますと、ちょっと問題があって、だから目的まで変えなきゃならぬようなことになったんじゃないかというふうに思うのでありますが、その点いかがですか。
○秦野政府委員 先ほども御説明いたしましたように、新しい線と申しましても、既存の利用者との間で関係が薄いと認められるものは当然この対象にならないわけでございまして、既存の線は、例えば都心の方へ乗り入れていく、今までは途中で乗りかえなきゃならなかったのが真っすぐそのまま行ける、あるいはバイパス線をつくることによって既存の線がすく、混雑が緩和されるというように、現在の利用者の方々にここで利益が享受できると思われる線に限ってこの制度の対象にするということでございますので、そういう意味では利用者の方々の御理解も得られるんじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
○堀内委員 内容的には全く無関係ということではないんで、その辺を拡大解釈すればということになると思うのでありますが、しかし、今まで、これだけの法律ができながら、利用していた会社というのは関東の五社だけですね。今度初めてこれによって関西の鉄道が入ってくることになっているようであります。 ということを考えますと、これは今までの枠組みの中ではほかの大都市圏というのは活用しにくい何かがあったということでありますか、それともこの延長線を取り入れることによって初めて関西やその他でも活用できるようになったというふうに考えるべきなんですか、その辺ちょっと。
○秦野政府委員 ただいま御指摘のとおり、現在のこの制度を活用しておりますのは関東の会社に限られておるわけでございますが、これは実態としまして、首都圏の混雑率が大阪あるいは名古屋圏に比べまして一段と激しい、二〇〇%を超えるというような状況で極めて厳しい状況になっておるということから、そのニーズが非常に高いということで、関東の方の会社が申請をしてきたものでございます。特段関西の方が対象になっていないということではないわけでございます。 ただいま委員お話しのとおり、今回阪神電鉄の方で新線の延長の必要性があるという考え方を表明されておられますので、私どもとしましても、そうしたニーズに対応し、利用者の方々の利便を増進するという意味で、この制度を拡大して関西の方にもこれを適用したいというふうに考えておる次第でございます。
○堀内委員 二番目の問題点は積立金ですね。この積立金の運賃に上乗せをする金額、これを今度一〇%まで引き上げるということになっております。従来積立金の問題については、投資倍率の数値によって割合が決まっていた。投資倍卒が二倍までなら三%、二倍以上三倍なら四%とか、四倍以上が六%というような歯どめがつけてあったわけですね。これを今度完全になくしてしまった。さらに、積立額を工事費の四分の一から今度は二分の一まで増加をする。そういう増額をするというのは、これは何か大変な大サービスになっておるわけでありますね。これはどういう点からこういう問題が出てきたのか、それをひとつ承りたいと思います。
○秦野政府委員 まず、積立限度額の方でございますが、四分の一から二分の一の方に、これはこの法律ということでなくて、租税特別措置法の方で非課税の範囲ということで、今回、今国会でお認めいただいたものでございます。 このよって来りますゆえんは、やはり工事費が当初想定しておりましたものよりもかなり増高してきたということ、あるいは輸送需要の伸びが最近の景気の低迷を受けましてかなり鈍化、むしろ減少傾向にあるという非常に厳しい経営状況になっておるわけでございまして、私鉄の各社は、もちろんこの制度に基づく投資もいたしますけれども、これ以外にも安全投資ですとかそれ以外のサービス改善投資、たくさんやっておるわけでございまして、非常に資金的に苦しい状況になっておるということを考えまして、この積立限度額の割合を四分の一から二分の一に拡大をしていただいたというのがまず一点でございます。 それに伴いまして、いわゆる積立割合と申しますか、先ほど委員御指摘の三%から六%という現行の制度を、一定の範囲内、一応一〇%ということで想定しておりますけれども、一〇%の範囲内で弾力的に対応するということにいたしたいと思っておるわけでございます。 その理由は、固定的に今なっておるわけでございますが、そうしますと、通常は運賃改定とあわせて割り増しの分をちょうだいするわけでありますが、非常に高額になってしまうということで、特に他社と競合しておるような場合には、その積立分を丸ごと固定した額でございますと、ちょうだいするのは非常に難しいということで、むしろそれが、特特にするならこの工事はちょっと見合わせようかというような、むしろマイナスの方に作用するということも懸念されておるわけでございます。 それから、あるいは段階的に積み立てていく、積立率を変えていくということも今の制度ではできないわけでございます。そうしたものを弾力的に行えるように一割、一応一〇%の範囲内で認めていきたいというふうに思っておるわけでありますが、当然のことでございますけれども、野方図ということではございませんで、パーセントの設定に当たりましては厳しくチェックをした上で決定したい、こういうように考えております。
○堀内委員 この法律は、この法律自体の第五条において、特定都市鉄道の認定事業者というのですか、認定された事業者の運賃の認可に際しては、工事費の支出を旅客運賃収入から確保できるように配慮するものとするということが載っておりますね。当然これはこの言葉のとおりで、工事費を利用者の負担で行うということでございます。今まで四分の一ですけれども、半分、今度は利用者の負担において工事の二分の一まで行うことができるようになっている。利用者の負担で最大では工事費の二分の一、利用者の運賃に一〇%を上乗せして負担させることができるということになりますと、この鉄道事業者の受ける便益というものと鉄道利用者の受ける負担というものと、これのバランスを非常によく考えませんと、これは一方的に鉄道事業者の方のウエートが大きなものになってきたんではないかというふうに思うんです。 ですから、この改正案というのは、大臣にちょっと承りたいのですが、しっかりと行政の中で考えていただきまして、指導していただいて、鉄道利用者の負担というものを今度の場合一挙に大きくできるような状態になっておりますから、これをしっかりとバランスのとれる形で抑えてもらいませんと、大変なことになってくるというふうに思います。それは非常に政治的な面も入ってくると思いますので、大臣の姿勢をひとつ承りたいと思います。
○二見国務大臣 先生の御意見、私ももっともだと思います。 鉄道事業者が公益性の高い事業としての使命を果たすために、効率的な事業運営を図る観点からできる限りの経営合理化がなされるよう、従来より省力化、合理化に努めているものと承知をしております。今後ともさらに可能な限りの合理化努力を図ることとしているところでもありますし、運輸省としましても着実な経営合理化が行われるように指導してまいりたいというふうに考えております。
○堀内委員 鉄道事業者に対してそういうしっかりとした指導をしていただくと同時に、運賃の値上げに際しましても、その幅についてしっかりと抑制を、できるだけの抑制ができるようなことをお考えをいただきたいというふうに思います。 三番目は、特定都市鉄道整備事業計画の期間の変更についてというのがございます。これの中を読んでみますと、「天災その他やむを得ない事由」で整備事業計画が期間内に完成できなかったときは延長することができるということになっております。「天災」とかいうのはわかりますが、「その他やむを得ない事由」というのはどういうものまで入るのか、これをちょっと承りたい。
○秦野政府委員 「天災その他やむを得ない事由」のその「やむを得ない事由」ということでございますけれども、簡単に申しますと、事業者の責めに帰すべからざる事由というふうに言いかえてもよろしいんじゃないかと思うわけでございますが、要するに利用者からお預かりしたお金で運用していくわけでございますので、それはルールにのっとって厳正に行わなければならないということは当然なわけでございます。したがって、事業者がそれを恣意的に遷延させていくということはもちろん望ましいことではないわけであります。 ただ、地元の調整のおくれですとか、事業者が一生懸命努力をしたにもかかわらず結果としてその期間内におさまらなかったという場面も当然想定されるわけでありますので、そうした場面については、個別に厳正に審査をした上でその期間の延長を認めていこうというのが今回の改正の趣旨でございます。
○堀内委員 天災遅延というのは当然いろいろな問題を含めてでしょうが、人為的な面、これはやはり、今のように環境問題だとかあるいは騒音の問題だとか住民運動のようなものでストップをさせてしまうということになりますと、これはさっきの局長のお話にもありましたが、利用者から運賃でいただいているものを、それが実施できないということになると、これはまことにもって問題なことであります。やはりはっきりと、住民問題あるいは環境問題のために時間をかけることはやむを得ないことだと思いますが、そのために十年が切れてしまって、それが使えなくなることのないように、その辺についてしっかりと御返事いただきたいと思います。
○秦野政府委員 ただいま委員のお話のとおり、環境問題あるいは地元との調整の問題、言うなれば、私どもの見ます限りは事業者、一生懸命やっておると思っております。ただ、今後とも一層努力いたしまして、十分理解を得た上で工事が実施できるように、かつ工事がなるべく早くできるように十分指導してまいりたいと思っております。
○堀内委員 大体今の三つの問題が今度の法律案の改正の中で疑問点というか質疑の対象になるものだというふうに思っておりまして、今の答弁によりまして大体輪郭が明らかになってきたような気がいたします。 ただ、特に御注意申し上げたいと思うのは、さっきもお話し申し上げましたけれども、この法律の一番の特質は、輸送力の増強、ラッシュアワーの混雑緩和、そういうような社会的な問題の解決のために鉄道事業者の設備投資の事業資金を利用者に負担させる、これは一般的に言って非常に特異なケースだというふうに考えられます。ですから、これは今まで非常に慎重な、従来において枠組みをつくって、歯どめをつくってやってまいったのは、そういう一般の事業というのは自己責任のもとに行わなければならないものを、工事の資金を利用者に求めるというようなことを実施しているだけに、これは大変な、画期的といえば画期的ですし、大変重大な法律であるというふうに思います。それだけに、さっきも大臣に特にお願いを申し上げたのは、利用者の立場に立った配慮というものを忘れてはいけないということでありまして、それは特にお取り組みに際しては慎重にお願いをいたしたいというふうに思います。 それから、これは最後に大臣に一つお伺いしたいんですけれども、この積立金の原資は、さっきも申し上げたように利用者からの運賃収入によって入ってくるものを原資にいたしております。ですから、これは所要の運賃改定をしませんと、全く先に進まないわけですね。そういう、この法律を直した、改正をしたその同じ時点に、運賃はストップするというのが出てきているわけですね。さらに今度は、その運賃の幅をいろいろと干渉するような、干渉というとおかしいけれども、制約するというか、小さくしろとかいろいろ話がありますが、それとの関連を考えますと、これはなかなか、法律は通ったけれども、何も役に立たないのではないかというふうになりかねない。 ですから、凍結の問題について、これは大臣でなければ御答弁いただけないと思いますが、どういう姿勢で凍結に対応をされるお考えか、それで、この法律案を通したときに、今度は有効に活用できるようにどのように取り組みをされるか、その辺をちょっとお伺いいたしたいと思います。
○二見国務大臣 大変厳しい、まさにポイントをつかれたような感じはいたします。先生の御意見のように、この法律は、あくまで利用者の立場に立った運賃でなきゃならぬというふうに我々思っておりますが、それはそのとおりやりたいと思います。 それと今度、いわゆる公共料金凍結の問題だと思うのですけれども、私は一般論、原則論として、公共料金の凍結というのは賛成でございます。賛成というか、やむを得ない措置だというふうに思っております。しかし、いわゆる公共料金は一律に全部凍結していいのかというと、必ずしもそうではないんじゃないか。閣議でもこの議論がありまして、特に運輸事業というのは中小企業が多うございますから、地方バスとか離島だとか、そういうところはまさに住民の足でありますので、そこまで料金を凍結していいのか。経営が苦しいわけですから。そういうことを考えますと、やはり中小企業、地方のバス、離島等は凍結の例外として扱ってしかるべきだというふうに思っております。 内閣としましても、その場合は物価問題に関する関係閣僚会議で議論することになっておりますけれども、中小の地方バスや離島航路等々については、これは必ずしも凍結しなきゃならぬというふうには考えてはおりません。ただ、先生のおっしゃりたいことはよくわかりますので、また法律もありますし、この法律が凍結令によってずっと、未来永劫でというと言葉は悪いけれども、何年も法律が事実上施行されないことになると、それなりにまた大きな問題になるだろうというふうに思います。 〔委員長退席、緒方委員長代理着席〕
○堀内委員 なかなかお立場で発言しにくいことだと思いますが、何か言外に、この法律を通す以上はしっかりしなきゃいかぬということではないかと思いますが、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。余りこれ以上申し上げではかえって失礼だと思いますから申し上げませんが、この法律を通す以上はひとつその姿勢を持っていただくようにお願いをいたしたいと思います。 次に、運輸省がナショナルプロジェクトとして取り組んでいただいておりますリニアモーターカーの実験線について、質問をいたしたいと思います。 山梨県内で今進行中の実験線、これは東京−大阪を結ぶ中央エクスプレスの実現を目指しての実験線でありますから、国家的問題であると考えております。この用地買収は、全線の四十二・八キロに対しては大体五四%、先行区間の十八・四キロを対象にいたしますと九八%、用地の交渉が大体完了して、先行区間では恐らく近々完了するんではないかというふうに思います。 これからのこの実験線に対する工事の見通し、どんどん用地の買収が終わればいつごろ実験線の工事を開始して、どのくらいの期間でこの実験線自体の工事が完了して実験に移るのか、あるいは実験完了から実用化への期間はどのぐらいかというような問題について、一括御答弁をいただきたい。
○秦野政府委員 ただいまのお話の、山梨のリニア実験線でございますけれども、委員も御案内のとおり、現在、先行工事区間に重点を絞りまして工事を進めておるところでございます。 用地買収の状況でございますけれども、先行工事区間につきましては、私どもの計算では現在九二%まで取得しておりまして、残り八%ということでございますが、残りの八%はかなり厳しい局面もございますけれども、できる限り早期に用地買収をしたいということで、今全力を挙げておるところでございます。 それから、トンネルは五つございますけれども、これにつきましては十六キロメートル、約九八%まで掘削済みでございまして、順調に進んでおるというふうに考えております。 したがいまして、今後の課題といたしましては、早期に先行工事区間の用地取得を行う、残りの八%の取得を行うということによりまして、平成八年の春に走行実験を開始いたしたい。それから、平成十年度中に実質的な実用化のめどをつけたいということで考えておりまして、その実用化のめどをつけた段階で、またその後どういうふうに展開していくかということを検討していきたいというふうに考えております。
○堀内委員 十年度に大体実験は完了するというふうな、今のお答え、そういう考えでいいのでございますか。
○秦野政府委員 さっき申し上げた十年度と申しますのは実質的な実用化のめどをつけるということでございまして、実際にその実用に当たりましては、そのほかに耐久性の試験をしなければなりません。これは、当初の四十二キロ余を使いまして、走り込みと申しますか、耐久性の試験を行っていくという段取りになると思います。
○堀内委員 大臣は余り関係ないようなお感じてお座りかもしれませんが、これはさっきも申し上げたようにナショナルプロジェクトの問題でありまして、超党派のリニア議員連盟というのがございます。百九十四名議員が参加をいたしておりまして、総理大臣の羽田総理も入っておりますし、公明党の石田委員長も入っております。そのほか、大蔵、厚生とか閣僚が十一名入っておりますので、今の閣僚のお一人として非常に関心をお持ちをいただきたいと思います。 それで、当初四十二・八キロ必要であったということでありますが、今お話しのように、耐久走行というか実験のためにあとは残してあるんだというのですが、十八・四キロの先行区間だけでいわゆる実験は全部完了するというふうに見ていいのでございますか。
○秦野政府委員 今お話しのとおり、山梨のリニア実験線では当初四十二・八キロメートルということで全体計画を立てまして、平成二年の十一月から実際の建設に着手をしたわけでございますが、ただ、その間に、若干その後いろいろな事情の変化がございます。 一つは用地取得の問題でございまして、先ほどお話しのとおり全体区間ではまだ五割程度という用地取得の状況でございますので、やはりある程度重点的に絞って用地買収を進めていくという必要が生じたことが一つ。 それからもう一つは、その後非常に技術の開発が進んでまいりまして、例えばコイルの高耐圧化でございますとか電力変換器の大容量化といったような技術が、このプロジェクトが始まりました後でかなり向上をしてまいりました。したがいまして、より短い区間でも十分その技術開発成果は確認できるという見通しが立ったというような事情もございますので、先行工事区間十八・四キロで重点的に進めていくということにしたわけでございます。 ただ、先ほど申しましたとおり、いわゆる長期の耐久性試験というものは当然必要でございますので、これは全体計画の四十二・八キロの中で行っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○堀内委員 今の局長の御答弁によりますと、何か用地買収も大変だから十八・四キロに絞って取り組んでいるんだというような印象を受けたのでありますが、どうもそれはちょっと逆のようでございまして、山梨県の方から私の方に話を聞いているのでは、非公式ではあるけれども、JR東海から山梨県に、先行区間以外の用地買収は進めないでくれという話が来ているというのであります。 これは、十八・四キロでもまあまあ何とかやれるからというのと、本当は全線四十二・八キロある方がいいんだ、けれども……というのと、ちょっと逆のようでありまして、これは、先行区間以外の用地買収も本来、今のようなお話でしたらどんどん進めなきゃおかしいと思うのですが、それをストップさせるというのはどういう理由があるのかと思って承っているところでございます。お願いします。
○秦野政府委員 ちょっと先ほど御説明が、順序がおっしゃったように逆でございまして、技術開発のめどが立ったということがまず第一でございまして、それを踏まえて、用地買収をなるべく重点的に行うという意味で十八・四キロにしたということで、ちょっと説明を訂正させていただきます。 それで、ただいまお話しのように、その余の区間についてはもう用地買収しないのかというお話でございますが、そういうつもりはございません。もちろん四十二・八キロについて用地買収を進めていく、これはJR東海を含めて関係者間で合意ができているものでございます。ただ現在のところ、特に平成八年に実験を開始するという目標がございますので、重点と申しますか、力点の置き方を先行工事区間に置いておるということでございまして、決してその他の区間について用地買収を行わないということではございません。
○堀内委員 用地買収しないというわけではないというのですが、積極的にするお考えはないのですか。どんどん県の担当者は交渉を進めて、もう契約寸前になったらストップというようなことでは、くるくる変わっておりますと、将来とも必要なら将来買えなくなるんではないかと私は思うのですが、まとまるものからどんどん片づけていかないと問題だと思います。その点についてはいかがですか。
○秦野政府委員 当然のことでございまして、今お話しのように、まとまるものはどんどんまとめていくという姿勢で指導をしてまいりたいと思っております。
○堀内委員 次に、このリニア中央エクスプレスの関係での調査を運輸大臣からJR東海、鉄建公団に指示をされているわけであります。これは平成二年二月に、東京−大阪間全線の地形、地質の調査、これを行うようにということが指示されまして、調査開始後七年をめどにしてということになっております。 これは大体、今見ますと、二年からですと四年経過したわけでありまして、半分以上たったわけでありますので、中間報告だとか、現状での地質調査、地形の調査などで問題点があるとかない上か報告をされているようなものがあったり、また中間報告ができるようなものがあるのか、その見通しはというようなことについて、ちょっと承りたいと思います。
○秦野政府委員 中央新幹線の地形、地質の調査でございますが、ただいま委員からもお話がございましたけれども、まず当面、旧国鉄、もとの国鉄におきまして、甲府市あるいは名古屋市付近の山岳トンネル、特に難しいと思われます区間につきまして地形、地質調査を開始したわけでございます。現在では、先ほどお話しのとおり、全線にわたりましてボーリングを行って、地形、地質の調査を行っておるという段階でございます。 したがいまして、まだ現時点で、何と申しますか、技術的な可能性というものを判断できるほどの材料がそろっておるという段階にまだ参っておりませんものですから、何らかの形で報告産出すというところまでは来ておりません。ただ、私どもとしましては、できる限り調査を精力的に進めまして、早い段階でまとまるように調査を進めていきたいというふうに考えております。
○堀内委員 この調査は、恐らく全国新幹線鉄道整備法の施行規則による調査であるというふうに認識をいたしております。 この施行規則によると、調査項目というのが法律上五つ載っております。一つは「輸送需要量に対応する供給輸送力等に関する事項」、二番目が、今調査を指示していただいた「地形、地質等に関する事項」、三番目が「施設及び車両の技術の開発に関する事項」、四番目は「建設に要する費用に関する事項」、五番目が「その他必要な事項」ということになっております。この二番目だけを運輸大臣から指示をしていただいたわけでありまして、同時に三番目の「車両の技術の開発に関する」というのは、もう既に着工されているようなことを承っておりますので、この三番も既に指示を出してもいいような事項ではないかと思います。 この調査項目を拡大して、全部にわたって調査を開始するお考えはないのかどうか。特に先ほどのお話ですと、平成十年には実験が一応完了する、そして実用線に向かっての検討を始めるというところまで来ているとしますと、もうあとわずかになっているわけでありますから、この調査項目を拡大して指示を出していただくお考えと同時に、もしするとすればいつごろになるのか。同時に、平成十年に間に合うためにはいつごろまでには出さなきゃいけないのか、逆算も含めて御答弁いただきたいと思います。
○秦野政府委員 御指摘のように、省令上五つの調査項目がございまして、現在そのうちの地形、地質の調査を指示しておるわけでございます。これは当然のことでございますけれども、この五項目のうちで地形、地質調査というのが一番ややこしいと申しますか、長期の時間を要するということで、これを先行させて調査を指示するというのが通例になっておるわけでございます。 その他につきましても逐次調査の指示を行うわけでありますが、今お話のございました中央新幹線につきまして、特にリニアというようなことも一つの構想として入っておるわけでありまして、これを現在、先ほど来御議論のございます実験線によって研究開発をしていこうということでございます。したがって、まだその調査という以前と申しますか、技術開発あるいは実用性のめどを立てるというところの研究開発を今行っておる段階でございますので、平成十年に実用化のめどがついて見通しが立った時点、さらにその後、調査の項目の中に盛り込んでいくことを考えていくというのが順序ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○堀内委員 十年に結論が出てからこういう調査項目を拡大するということですか。特に、普通の新幹線並びにリニアを含めての調査ということになっておりますね、今のところ既に。ということは、リニアはある程度、完全とは言いませんけれども、この実験線の実験結果というものは成功するというふうにお考えになって取り組んでいらっしゃる。とすると、十年になるまではそれをもとにしての調査を始めないというのは大分おくれた話で、一時は実用化の問題は二〇〇一年なんという話もあったのでございますよ。これはとんでもない話で、私なんか見てそれはちょっとおかしいと思ったのですよ。運輸大臣が当時そういう話をしたぐらいでございまして、そういうことを考えますと、これは調査を早目に始めていただかなきゃいけないんじゃないかと思いますが、改めてもう一回。 〔緒方委員長代理退席、委員長着席〕
○秦野政府委員 技術上は平成八年度から十年度にかけましての調査研究ということが進められるわけでございまして、形式論を申しますと、中央新幹線そのものの位置づけ、あるいはそれにリニアであるのか在来型であるのか、その点はまだ全く未確定の段階なわけでございます。 したがって、技術上の問題としてまずリニアの実用化のめどが立つか立たないか、私どもは今までの技術の開発の過程を見まして所期の目的を達成しつつあるなというふうに感じておりますけれども、そういうものを含めた技術上の調査、研究開発というものを行うことによりまして実現への道を探っていきたいというふうに考えているわけでございます。
○堀内委員 遅くも十年ということだというふうに思いますし、その前にも実用化の問題ができてくれば早目に調査をしていただけるということだろうと思いますが、こういう問題は、調査のような問題については後手後手にならないで早目に手を打たれている方が結果的にはプラスではないかと思いますので、積極的な、前向きなお取り組みをいただきたいと思います。 次に、この実験線の進行に並行して、その実験線の中に駅をつくるという問題がございます。 これは、今山梨県の努力で先行区間、用地買収の見込みが九八%、九七・何%ですか、完了して、ほどなく一〇〇%になるだろうということになっております。それで、あとの部分もさっきの局長のお話のように買っていいんだということになれば、四十二キロの方もそう難しくなく一〇〇%にいくだろうと思います。 この買収が成果を上げている理由の一つに、この区間の住民や地域の人たち、地主はみんな、将来、営業線になったときに、切りかえられたときには実験線で協力したこの地域に駅が設けられると信じ切っております。信じ切っているんです。将来、営業線に切りかえられたときにこの実験線の中に駅の設置の見通しがあるんだろうと思いますが、それについての御答弁をいただきたいと思います。
○秦野政府委員 中央新幹線につきましては、もう先生御案内のとおり、基本計画線ということで位置づけられておるわけでありまして、今後、社会経済の動向ですとかあるいは東海道新幹線の輸送状況というようなものを勘案して、長期的に慎重に検討していくべき課題だというふうに考えておるわけであります。 ただいまの駅のお話でございますが、一般的に申しますと、駅というのは、仮にリニアとした場合には、リニアという超高速性を有するものでありますから、それを阻害しないようにという配慮は当然あると思いますし、また需要とのバランスという問題もあろうかと思いますので、そういうものを総合的に考えた上で決定していく、JR、運営主体の方で決定していくべきものだというふうに考えております。現在の時点でどこに駅がどうというようなところの段階にはまだ来ていないというふうに私どもは考えております。
○堀内委員 今の局長の御答弁をまともに受けますと、この地域には駅はできないというふうにとれる御発言なんですね。そういう姿勢でまいりますと、駅ができるぞ、できるぞと言って土地の買収をしておりますから、これは大変なことになるんじゃないかと僕は心配をしてちょっと質問いたしているわけなんです。 平成四年の二月十九日に新聞発表がありまして「都留市内に駅を設置」、大きいんですよ、こういう大見出しですから。これは全紙なんですよ。産経、読売、毎日、山梨のローカル紙、山梨日日、朝日新聞、全部ありまして、これは「金丸氏が運輸相と内約、金丸副総裁は十八日「リニア実験線が将来、営業線になった場合、駅を都留市内につくることで奥田敬和・運輸相から内々に約束を取りつけたことを明らかにした。」というんですね。 ほかの方の新聞もあわせて読みますと、奥田運輸大臣も建設を約束したと金丸さんが言いまして、約束をしたと述べて「金丸氏は十三日、自民党本部で、都倉昭二部留市長と同市議会の陳情を受けた際、リニア中央新幹線の駅を同市内に建設するよう要請され、その場で自ら奥田運輸大臣に電話して駅の建設を要請。奥田運輸大臣は電話で金丸氏の要請に応じたという。さらに、金丸氏は、奥田運輸大臣の回答を天野知事にも伝え、知事自ら、運輸大臣に同市内へのリニア駅の建設を要請するよう求めた」、いろいろなものがいろいろありますけれども、これだけはっきり言って、新聞にこれだけ出ているんですね。だれもがこれだけ出ますと信用しちゃうんですよね。 ですから、そういうものを前提に用地の買収に協力をしている。それから、市長だって用地買収の説得をするときにこういうものを使っておりますね。それが全くの荒唐無稽ということになりますと、表現はまずいかどうか知りませんが、運輸大臣を巻き込んだ詐欺事件みたいなものですよ、これは。私はそう思います。期待につけ込んで用地の買収を進めて、それで後はだめだよということになりますと、これは実際問題として線路なんかは敷けなくなっちゃいますよ。営業なんかできなくなると思いますね。この点は運輸大臣、ひとついかがですか。
○秦野政府委員 大臣がお答えします前に、ちょっと私の方から補足して。 ただいまの当時の運輸大臣とのお話でございますけれども、おっしゃいましたように、確かに当時の奥田運輸大臣の方にそういう御要請があったということは事実のようでございます。ただ、もちろん、私どもと申しますか、大臣の方からそれを確約したとか応諾したとか、そういう関係ではございません。先ほど一般的に申しましたとおり、今後のまさに検討課題ということでございますので、そういう事実は全くございませんということだけとりあえず申し上げておきます。 それから、先生、一般論で申しました超高速性とかあるいは需要とか、それはもちろん一般論でございまして、あとその具体的な当てはめについてはまさに今後の検討課題ということでございまして、特に都留の方は今から絶対だめだということを申し上げているつもりもございません。それだけちょっと。
○堀内委員 大臣にこの後ちょっと、今、一度塩をまかれちゃいましたから、もう一回改めて申し上げたいと思うんですけれども、この金丸発言というのは新聞に出たわけですよね。運輸大臣の発言として新聞に発表して、それをみんな信用したということになりますと、これはまことに住民をだました責任は大きいと思うんですね。だれが言ったからということより運輸大臣の名前まで出ているんですから。奥田元大臣は現二見大臣と同じ連立与党の方でございます。ですから、全く無関係とは思えませんので、大臣、これはやはりひとつもう一回ちょっとお願いいたします。
○二見国務大臣 金丸さんが奥田さんにどういう話をしたか、私もこの新聞、今拝見しながらこういうことがあったのかなと思っているわけでございます。そのときに奥田運輸大臣がどういうことを言われたのかもまたわかりませんし、それは奥田さんに聞いてみたいと思っております。 しかし、いずれにいたしましても、この問題、私はここで、じゃ都留市内に駅を設けますとか設けませんとか、断定的なことはまさに言えるほどの材料そろっておりませんので、先生の御意見も十分念頭に入れながら改めて相談をさせていただきたいというふうに思います。
○堀内委員 恐らく大臣としてはそれ以上のお答えはないと思うんですが、ただ、これだけの新聞各紙に出た場合、金丸発言が全くうその話である、あるいは可能性のないものである、大臣もそうはっきり言わなかったということがあるならば、それを否定して誤りであるということをやはり同じように新聞に出しませんと、みんな一般の人は新聞だけ読んでいるんですから、奥田大臣が何と言ったかなんということはわからないですよ、これは。新聞でなぜこれを発表しないのか。これは間違いですということを、そんなこと言ったってだめですよ、まだ全く決まってもいないし、できるかどうかもわかりませんということをなぜそこで発表しないのか。それを利用して、どんどんさらに用地買収に利用していくということは、これは私はちょっと問題だと思うんですよ。 今だってそうですよ。今だってこれがまだ生きておりますから、あとの二%買うにしたって一生懸命言っていると思いますよ。今まで九八%までいく間には随分これを言っていると思いますよ。それを一つも打ち消さないでいるということは、皆さん方、少なくとも認めているようなものにならないんでしょうかね。どうですか、これは。これは大臣かもしれませんね。
○秦野政府委員 再三のお答えで申しわけございませんけれども、まだ駅については私ども全く白紙の状態でございますので、今の段階で都留についてどうこうという時期ではないということで御理解いただきたいと思うわけでございます。
○堀内委員 そうすると、少なくとも金丸発言はうそであったということははっきりされるんですか。やはりそこは重要なことになりますよ。
○秦野政府委員 もちろん当時私立ち会っておるわけではございませんし、後でこういう御質問があるということで急速調査した段階でございます。したがって、正確なことはもちろん申し上げられません。御要請があったということは事実だ、これは確かでございます。ちょっと細かいやりとりについて、どういうことであったかについてはつまびらかではございません。
○堀内委員 やはりその辺はもうちょっと踏み込んだ答弁をいただきたいと思います。そうしませんと、これはこれから後、きょうこの質問した後はなおさらまた重要になってまいりますので、ひとつぜひその辺をはっきりしていただきたい。
○秦野政府委員 今までちょっと短時間でございましたので必ずしも正確でございませんが、今まで私どもが調査しましたところでは、明確に認めるとかそういうようなことはおっしゃっていない、当時の大臣はおっしゃっていないというふうに思っておりますが、なお調査いたしまして御報告させていただきます。
○堀内委員 きょうはちょうどこうやって正式な質問をしているわけですから、正式にその辺を明確にしておいていただきませんと、これから先進まなくなると思うんです。そういう意味で、きょうは大臣もおいでになるんで、ひとつ御返事をいただきたい。
○二見国務大臣 二年前のことでございますね、こちらでもう一度具体旬にどういうことがあったのか調べたいと思います。余りよくわからないで、事実関係がわからないで議論しても始まりませんし、事実関係だけきちんと把握をして、しかるべきときに御説明しなきゃならぬというふうに思います。
○堀内委員 ということは、設置されることもあり得べしということなんですか。それでしたら、これでまたよく調査をしていただきまして結構でございますが、設置することあり得べしというんじゃなくて、ないということを改めて検討して、調査をして返事をするのじゃ、これはちょっと困りますね、今返事していただかなきゃ。
○秦野政府委員 調査ということを申しましたのは、要するにその事実関係、当時、平成四年の二月でございますか、そのときのお話の中身が今の段階ではっきりしていないということを申し上げたわけでございまして、都留市の駅につきましては、先ほど来再三申し上げておりますように、都留市の駅ができるかどうかについては今後のまさに課題であるということを申し上げているわけでございます。
○堀内委員 それでは、ひとつ別の角度から大臣に承りたいと思うんですが、この実験線というのは、トップの政治家あるいは県だとか、そういう人たちが熱心な誘致運動をしたことは確かだと思います。これは各地でありました。ですが、本当に実験線を設置されるところの住民は、だれもが歓迎するような状態のものであるというふうには思えないんですね。これは地元住民にとっては迷惑な人も随分いるわけです。 例えば、これから実験が始まるときになると、トンネルに突入するときの衝撃波の音、これはあるから、そういうものをなくすためにどうやって実験するかということなんでして、それは東海道新幹線のときにもあったわけです。そういうものがどんどん大きな音を立てて近所の人にまで迷惑を及ぼすことは必ずあるわけですね。新幹線の三倍近い速度で走るんですから、これの走行の金属音なんというものは本当に大変ですよ、実験線ですからどんどん走らせるんですから。その結果において、ほかのところにはこういう影響を及ぼさないようにどうしたらいいかということを研究するんですからね。これも大変だと思います。 あるいは電磁波の問題、これだって電磁波の問題はもうないみたいなことを言いますけれども、これは宮崎の実験線のことなのであって、実際問題として1私は百九十四名を代表してしゃべっているんですから、おたくの委員長までちゃんと入っている議連でございますから、山梨県の問題を言っているんじゃないのですよ、私は。ですから、そういう電磁波の問題もまだ、コイルをざっと並べて走らせるんですから、それが全く影響がないなんということはないわけなんで、それの影響をどうやって食いとめるかということですから、環境問題もありますね。宮崎で大丈夫だからといったって、これは大きな本当に本格的なものになってどんどん走らせてくるということになると、大変不安がいっぱいあるわけです。その不安に対してみんな心配をしたり、反対をする人がいたりするのを県や市やJRの方も一生懸命説得しながら進めてきて、そういう心配はさせないようにすると言いながら、またそれには駅をつくるとかいろいろなことを言いながら、こう進んできているわけなんですね。 それが要するに実験線というものなんですよ。本来だったら実験線というのは実用線になるというふれ込みですから、みんな、今駅の問題も含めて将来この地域がと思うから我慢して、まあやるかというような話になっているわけなんです。ところが、実験だけここでやろうなんといったら、みんな受けませんよ、本当に。そうでしょう。 ですから、そういう意味で住民はモルモットになるようなものなんです、本当のところ。そのモルモットになる犠牲に対してやはり何を考えるのかということですね。駅は白紙だという話です。ですけれども、こういうものに対して、ほかとは全く違った意味での協力に対する考え方はどういうものを考えるのか、私は少なくともほかとは別だと思うんですけれどもね。そういう点について、大臣のお立場でどういうふうにお考えになるか。
○二見国務大臣 リニアというのは、先生は二見さん余り関係ないだろうとおっしゃいましたけれども、私は関東ですから、初めてこのリニアの話を聞いたときに大変夢のある話だなというふうに思っておりまして、これが実現できることを、実を言いますと、私も期待しておる一人なんです。新幹線ができたときのあの期待と同じぐらい期待しているんです。 私、政治家といわゆる行政官との違いというのは、我々は夢をまず言っちゃう、途中の過程を省いてまず夢を追う、夢を投げかけてそれから追っかけていく。行政官というのは、その夢はありながらも夢は言えない、わからないから。だから、慎重に慎重にステップ・バイ・ステップでやっていく、この違いがあると思います。ですから、そういうリニアというのは大変夢があるということ、夢を追っかけていくのが政治家でございますから、私はリニアをぜひともやりたいと思っておりますし、推進したいと思っております。それがまず前提ですね。 それから、確かに先生がおっしゃるように実験のモルモットにされて何もないのかというのは、政治家の立場としてそれでいいとは言えませんな、これは。私も大臣じゃなくてそちらに座っていれば同じことを言います。正直言って同じことを言います。だけれども、行政官の立場からすれば、ここに駅をつくるとかつくらないとか、それは言える段階じゃないと思う。私もこちらへ座りますと、同じように、今ここで駅をつくります、だめですというようなことは、正直言って言えません。まさにいろいろなことを、先生の御意見も伺いながら、またリニアの問題がどこまで行きますか、それを見ながら駅は考える以外にないなということしか今の段階では言いようがない。 だから、聞き方によっては木で鼻をくくったような、血の気のない、色気のない答えだなと思われるかもしれないけれども、色気のない答えしか今この段階ではちょっと、それ以上踏み込んだことは正直言って言いようがないということなんです。お気持ちはわかる。同じようにはわかりますけれども、それ以上ちょっと言いようがないということです。何とか御理解をお願いいたします。
○堀内委員 もう時間もないようですから締めくくりの方に入りますが、今の大臣のお気持ちを吐露していただいて本当にありがたいと思っております。政治家として共通の感覚を持っているということはありがたいと思うのです。ただ、これからこの実験線がおくれれば、大臣の言われる夢を持ってお取り組みいただいているもの、東京から大阪一時間足らずというような、こういう問題がどんどんずれていってしまうわけですね。そういうことになったら、これは政治家としてまことに責任重大だと私は思うのです。ですから、こういう問題を、障害を少しでも取り除きながら前進して早くまとめていくということが我々政治家の責任だというふうに思って、私は発言をいたしております。 そこで、地元の協力、モルモット、これに対する、報いる方法というようなこと、これは内容を具体的には大臣も言えないとおっしゃいましたけれども、しかし、この地域について将来、ほかとは違った格別の配慮はすべきものであるというぐらいのことはお考えいただけるかどうか、これをひとつ承りたい。
○二見国務大臣 リニアを成功させるために協力された人に対して、リニアができ上がって、はいそれまでよというのは、それは政治のとるべき態度ではないというふうに思っております。
○堀内委員 わかりました。 大臣としても非常に難しいところを、少なくともこの実験線に協力した地元に対しての配慮は行わなければならないものだというふうにお答えいただいたということは、少なくとも前進をさせるのには有意義なことではないかというふうに思っております。 私は五十一年から、宮崎の実験線が始まったときからこのリニアに取り組んでやってきておるものでありまして、ちょうどこの実験線が始まるときに私は休んでおりまして、平成四年ですか、そのときにちょうど私は、いたら今ごろ言いませんよ、そのときに言いますよ。ですから、いなかっただけに、残念であると同時に悔いを残してはいけないというふうに思って、失礼を省みず私の気持ちをお願い申し上げた次第です。ぜひこれから失しっかりとお取り組みをいただきたいと思います。 これで質問を終わります。
○井上委員長 細川律夫君。
○細川(律)委員 それでは、私の方から簡単に御質問して、後から緒方委員の方から質問をさせていただきます。 この法律案は、これまで進めてまいりました都市鉄道の輸送力の計画的な増強をさらに一層促進するために提案されたものであると思いますけれども、いま一度簡単に改正の趣旨、目的などを説明してください。
○秦野政府委員 委員御案内のとおり、首都圏を初めといたします大都市圏におきまして、通勤通学の際の鉄道の混雑率が大変高い状況にあるわけでございます。鉄道事業者の方ではいろいろと輸送力の増強の努力を重ねておりますけれども、需要の方もやはり伸びるということで、なかなかラッシュの緩和がうまく進んでいないという状況でございます。 そこで、この法律案は、現在の特定都市鉄道整備促進特別措置法がそうした通勤通学時の混雑緩和の是正という目的のもとに制定されたものでございますけれども、今まで申し上げましたような状況に対応いたしまして、さらにこれを一層促進するために、本法律の対象となります工事に一定の鉄道新線の建設工事を追加する、あるいは積立金の積立割合を弾力化するというような制度の拡充を行うことによりまして、さらに一層鉄道整備を促進していきたいという趣旨で御提案を申し上げているものでございます。
○細川(律)委員 かねてから東京の一極集中というようなことが問題とされております。その一極集中の象徴的なものといたしまして、ラッシュ時の通勤通学の混雑があるわけでございます。この通勤通学時のラッシュ時の混雑を解消する、これはもうずっと前から懸案でございまして、しばしば当委員会でも取り上げているところなのですけれども、この通勤通学時のラッシュ時の混雑解消、特に首都圏に限ってお聞きをいたしますけれども、運輸省としてはこれまで一体どういうような対策をとってきたのか、そして、この実態というものはどういうふうに把握をされているのか、簡単に説明してください。
○秦野政府委員 大都市圏の混雑緩和ということはもう長年の課題でございます。 最近十五年間におきまして、首都圏の鉄道では約一・五倍、五割増しの輸送力の増強が行われております。しかしながら、通勤通学の方々も四割ほど増加しておるということでございますので、まあ一種のイタチごっこのようなことでございまして、混雑率は一応低下の傾向にはあるわけでございますけれども、まだ首都圏では二〇〇%を超えるという非常に厳しい状況が続いておるということでございます。 そこで、それの対策といたしまして、私どもはいわゆる車の両輪と言っておりますけれども、一つはハード面で、本法律案でもお願いしておりますような複々線化の工事あるいは新線の工事といったような、要するに増強工事を行って混雑緩和をするというのが一つでございます。 それからもう一つは、やはりオフピークと申しますか、ピーク時に輸送需要が集中することが最大の原因なわけでございますので、そのピークを減らす、山を崩すといっために少し時間をずらした御出勤なり通学をお願いできないかということで、いわばソフトの面でございます。この二つについて進めておるわけでございます。 ハードの方につきましては、東京圏でちょっと具体的に申しますと、現在、運輸政策審議会の方でいろいろな新線の建設なりあるいは複々線化等についての答申がございました。東京圏では五百三十二キロについて整備をせよという答申が出ております。そのうち、現在建設中あるいは開業中のものが約三分の二、三百五十六キロほど進んでおりまして、一応成果が上がるのではないかというふうに期待をしておるところでございます。 それから、オフピーク通勤につきましては、これは運輸省だけではなかなかうまくいかないということもございますので、関係省庁の方々にも入っていただき、あるいは労働界なり経済界の代表の方々にも入っていただいた協議会というものをつくりまして、大臣にも御出席をいただきまして、一体となって推進していこうということで、今一生懸命やっておるところでございます。
○細川(律)委員 今度のこの法律案というのは、まあ特待法の改正案でありますけれども、今お聞きをしましても、首都圏に限っていえばなかなか混雑の解消になっていない、そういうことで今度の改正案も出たものと思いますけれども、それでは、この改正案が成立をいたしますと一体どのようにこの輸送力が増強されていくのか、あるいはまた、どういうような輸送力増強のための工事などがなされるのか、その点についてお聞きをいたします。
○秦野政府委員 先ほど来申し上げておりますような工事費の増高あるいは輸送需要の伸び悩みということで各社非常に苦しんだわけでございますが、今回このような法律案をお認めいただきまして制度が拡充するということになりました場合には、各社いろいろな計画を考えているわけでございまして、例えば東急電鉄で申しますと、大井町線の改良とかあるいは田園都市線の複々線化というようなものを考えておりますし、それから、先ほども御質問がございましたけれども、阪神の西大阪線、西九条から難波の方へ、これは新線として延長をするというようなことが計画されております。また、そのほかの会社においてもいろいろな計画が進んでおるところでございます。
○細川(律)委員 私は埼玉に住んでおりますけれども、埼玉の越谷というところから東武線を利用いたしまして北千住乗りかえの千代田線でこの国会の方に通っております。それで、この東武線、そして営団の千代田線を利用いたしますときに思いますことは、ラッシュ時に当たりますと大変な込みようでございます。まさに殺人的といいますか、窓のところなんかに押しつけられますと、胸が物すごく圧迫されて身の危険も感じるような大変な混雑ぶりでございます。 で、私は前々からこの委員会でもこの問題を取り上げまして、何とかしなければいけないのじゃないかということを訴えてきたところでございます。幸い、今北千住の駅は大規模な改良工事をされておりますけれども、この東武線と例えば営団十一号線、半蔵門線ですね、これとの相互乗り入れのようなことをできないのか。あるいはまた、東武線でも都心の三十五キロ圏のところで、野田線というのですけれども、これがいまだに単線という状況なんです。この線もぜひ複線にしてもらえないかと。特に岩槻−春日部間など、こういうところでいまだに単線ということはまことにもっておくれているというようなことで、これも再々当委員会で取り上げてまいりました。 この改正案が成立をするこの機会に、ぜひこれらの問題を解決をしていただきたいと願っておるものなんですけれども、その点、運輸省はどういうふうに考えているか、答えていただきたいと思います。
○秦野政府委員 ただいまの御指摘二点あったと思いますが、まず東武伊勢崎線の方でございますが、これはただいま委員御指摘のとおり、大変な混雑状況でございます。特に、北千住はかなりの改良をいたしますので一定の改善が見られると思いますけれども、引き続き伊勢崎線の混雑というのは続くのではないかというふうに考えられるわけでございます。 そこで、現在、御案内のとおり、営団の十一号線につきまして、押上までの延長が計画されて工事が始まっております。したがいまして、この十一号線を現在の伊勢崎線と結ぶということが北千住の混雑解消にもなりますし、また北千住から浅草方面への混雑緩和にもなるということが考えられますので、東武鉄道の方では、もしこの法律案をお認めいただきまして制度が改善できた場合には、伊勢崎線の曳舟と営団の押上駅、約八百メートルほどございますけれども、これを結ぶ路線を建設するように検討中であるというふうに聞いておりまして、もしこれができますれば、平成十二年の十一号線の延長工事とあわせまして、大変な改善が進むのではないかというふうに私ども大いに期待しておるところでございます。 それから、二点目にお話ございました野田線の方でございますが、御指摘のとおり、ほとんどの区間が単線でございまして、輸送需要の増高に追いついていかないという状況でございますので、これにつきましても、東武鉄道株式会社の方で、必要な区間から順次複線化を行っていくことによりまして増発あるいは時間短縮というものを図っていきたいというふうに考えております。とりあえずのところでは、例えば岩槻と春日部の間、約六キロ強ございますが、そういった区間につきまして、準備の整った区間から複線化工事に着手をする意向を持っております。 そういう意味からもぜひ本法案をお認めいただきまして、改善が進むようにお力添えを賜りたいと思います。
○細川(律)委員 今政府は「生活大国五か年計画」というようなことも決めまして、ゆとり、豊かさの生活をということで推進されておるわけなんですけれども、この通勤通学のラッシュというのを経験いたしますと、本当にゆとりとか豊かさというのはもう吹っ飛ぶような感じを受ける大変ひどい状況でありますから、ぜひこの改正案成立をした暁に、運輸省の皆さん方にも頑張っていただいて、混雑の解消に取り組んでいただきたいと心からお願いをいたしまして、私の質問はきょうはこれで終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○井上委員長 この際、緒方克陽君から関連質疑の申し出がありますので、細川律夫君の持ち時間の範囲内でこれを許します。緒方克陽君。
○緒方委員 それでは関連質問をさしていただきます。 今回、特待法では民鉄なりあるいは第三セクターなどに対する対策が具体的に実行されるわけでありますが、実は大都市の地下鉄におきましても同じように建設費の高騰などで大変厳しい状況にあるわけでありまして、これらに対してもやはり具体的な助成措置などが必要ではないかということであります。きょうは時間がありませんので、端的に質問いたしたいと思いますので、よろしくお願いします。 まず、建設省、いらっしゃいますね。鉄道事業法第六十一条の問題でありますが、事業法では、道路下に地下鉄施設をつくり、これを活用することが−道路下はあくまでも道路として使う、管理するということになっておりますけれども、地下鉄のコンコースとかそういうところでは制約がなくて、道路だけが制約されているということになりますが、膨大なお金を投入しながら実際にはホームレスのねぐらになっているというようなところもありまして、利用者からはいろいろな苦情も出ているわけでございます。 したがって、このために建設省としては、鉄道事業法六十一条の地下施設内の占用許可条件を緩和をして、資産として有効活用できるような措置をぜひしていただきたいというのが一つ。二つ目に、変電所なりあるいは出入口などについても当然配慮すべきではないか。それから三つ目に、工事が大変おくれているわけでありますが、審査手続の簡素化といいますか、そういうものもぜひすべきではないかというふうに思いますが、以上、三点についてお答えをいただきたいと思います。
○吉井説明員 お答えいたします。 改めて申し上げるのも恐縮でございますが、先生ただいまも御指摘のとおり、道路は本来、自動車、歩行革等の一般交通の用に供するための施設でございまして、その占用につきましては、本来の機能を阻害しない範囲内で認めるというふうなのが法律の建前になっております。しかしながら、特に都市内におきましては、道路は収容空間としても非常に貴重でございまして、公益性の高い施設等につきましては積極的に占用を認めておるところでございます。 鉄道につきましては、先生御指摘のとおり、鉄道事業法六十一条におきまして、原則として「道路に敷設してはならない。」というふうになってございますが、現実には大都市の市街地などにおきましては道路への敷設を認めておりまして、現に建設中の地下鉄におきましては大部分の線路が道路の下に埋設されているところでございます。私どもも地下の有効な利用について検討していきたいと思っておるところでございます。 ただ、現在、都市部におきましては道路の地下というのは非常に高密度に利用されてございまして、電気、ガス、上水道のほか、地下駐車場でございますとか、立体交差等のためにもいろいろな利用計画がございます。現在、東京都内の例えば直轄国道百五十キロについて見ますと、延べ五千四百キロもの管路が埋まっております。一キロ当たりに三十六キロ埋まっているというようなことでございまして、私どもとしては、地下鉄も含めてでございますが、道路の地下の総合的な利用計画を立てまして、資産として有効に活用していく必要があると考えております。 特に御指摘のございました変電所、出入り口等でございますが、そういうふうにかなり高密度に利用しておりまして、かつ有限な貴重な資源でございますので、できる限り必要最小限に限りたいということで、変電所等のように道路の外に設置することが可能なものにつきましては基本的には外で手当てしていただく。あるいは出入り口の場合にはちょっと違った観点でございますが、歩道が実際問題としてかなり狭くなることになりますので、そのような機能を阻害しないようにというふうなことでやっていただいておるところでございます。ただ、現実には周囲に土地を求めることが著しく困難な場合が多うございまして、認めている場合も多数あるところでございます。 三点目の許可手続の簡素化でございますが、鉄道事業に関しましては、鉄道事業法六十一条のほか、鉄道事業本体の、運輸大臣の許可でございますとか都市計画の手続とか、さまざまな手続がございまして、鉄道事業者の方はそれを同時並行的に進めていらっしゃるのが多うございますが、私どもの審査手続におきましても、他の手続に比べましておくれることのないよう審査の迅速な実施に努めてこれまでもやってきたつもりでございますが、今後とも努めていきたいと思っておる次第でございます。
○緒方委員 きょうは取っかかりということで具体的な議論をする時間がありませんけれども、これからより具体的に問題も指摘をしながら議論をしていきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 それから二つ目に、さっき鉄道の施設には金がかかるということ、いろいろあったんですが、特に地下鉄の改良工事とかあるいは相互乗り入れというような場合に対する助成制度を、これは当然強化をすべきではないかというふうに思うわけです。 具体的には、三田線の輸送力増強改良工事なんかは六百億ぐらいかかるというふうに言われているのでありますが、相互乗り入れの関係で結局いろいろな、車両も両数を伸ばしたりあるいは駅の改良工事もするということで、物すごい金がかかるわけですけれども、これは新線ではないということで助成の対象になっていないということでありまして、非常に私としては問題があるのではないかというふうに考えておりまして、そのことについての検討をぜひしていただきたいということ。 いま一つは、いわゆる新規採用の路線にかかわる補助制度でありますけれども、平成四年からの分については一割カットと、実質的には、地方自治体から見れば非常にやり方としておかしいではないかという声も出ているわけでございまして、いろいろ話しましたら財源の問題だというふうには言われましたけれども、やはりだれが見てみてもおかしいなという声が出るような補助制度はおかしいのではないかということで、これは将来に向けてぜひ検討していただきたいというふうに思いますが、その点いかがでしょうか。
○秦野政府委員 ただいま委員御指摘のとおり、地下鉄の整備は大変お金がかかるわけでございまして、これをすべて利用者負担ということになりますと、非常に莫大な運賃をちょうだいしなければならないというようなことにもなりますので、昭和三十七年以来いわゆる補助金の交付を行っておるわけでございます。 大変厳しい財政状況の中でございますけれども、例えば、平成四年度において、今まで何年かに分割交付しておりましたものを一括交付にするとか、あるいは今年度の予算におきましては公共事業関係費へ組み替えを行うというようなことで、私どもなりにいろいろ改善の努力をしてきたつもりでございます。 ただ、今年度の予算でも、例えを申しますと、約六百億ほどございますが、その六百億のうち四百億は、いわば過去の建設分に充当されてしまいました。残りの二百億程度でもって現在八都市における十二路線の新線建設を行っておるということで、極めて厳しい状況にあるわけでございます。 今お話しの三田線の改良工事につきましても、確かに多額の資金を要するものでございますけれども、ただいま申し上げたような非常に厳しい事情がございますので、まずはその新線建設についてこれを推進していくということで、改良工事につきましては、営業収入によって措置をしていただきたいということでお願いをしている状況でございます。 また、二点目に御指摘のございました一割の圧縮分でございますが、これは従来は分割交付でありましたものを一括交付にいたしました。ということで、実質的には従来と同様の助成ではないかというふうにも考えられるわけでありますが、いずれにしましても、この御指摘のありました二点につきましては、全体の財政状況、あるいは工事の優先順位ですとか事業者の経営状況といったものを総合的に考えまして、最も適切な補助制度のあり方を探っていきたいということで、御指摘の点も含めて検討をしてまいりたいと思っております。
○緒方委員 これまた入り口でありまして、これからさらに議論したいと思います。 時間がなくなってきましたので、最後の質問ですが、実は、JR社員の不採用問題について、大臣にお尋ねしたいと思います。 当委員会におきましてもこの問題は何回も取り上げられまして、歴代の運輸大臣も、本問題の解決のためにはいろいろな意味で汗を流したいとか、いろいろな意味で努力をしたいということを言われてまいりましたし、前運輸大臣におきましては、この問題はこれだけ時間がたって中労委命令も出たという状況の中で、やはり社会的、人道的に問題という観点で何とか解決をしなきゃならぬということでありました。そういうふうに言われておりますし、さらにマスコミの論調なども、やはりこの際命令を一つの足がかりにして何とか解決をすべきじゃないかということがずっと言われているわけでございます。 したがいまして、そういう流れの中で、新大臣といたしましてもこの問題についての御努力をぜひお願いしたいというふうに思いますけれども、大臣のこの問題に対する認識とお考えをぜひ出していただきたいと存じます。
○二見国務大臣 JRの不採用の問題につきまして、私も、党の政審会長をやっていましたころ、関係者から何度も何度もお話を承っておりまして、この問題の重要性をよく認識しているつもりでございますが、私といたしましても、伊藤前大臣と同様に、この問題が労使の話し合いにより円満に解決されることが最善の道と考えておりますし、労使双方にそのための努力をしていただくことを期待しているところであります。 このことにつきましては、いろいろな複雑な経緯がありますけれども、その解決のためには難しい問題もまたあります。私は、伊藤前大臣のお考えの趣旨を体しまして、いろいろな方策を考えていきたい。 例えば、労使を含めた関係者の協議の場の設定等について、労使双方の意向を踏まえながら、身をもって積極的に取り組んでいきたい、話し合いで一日も早く解決できるように、いろいろな角度で御協力をしたいというふうに考えております。
○緒方委員 大臣からそういう前向きの御回答をいただきましたので、ぜひこれからもよろしくお願いいたしまして、あと採決がいろいろあるようでありますので、私の質問はこれで終わります。 ありがとうございました。
○井上委員長 寺前巖君。
○寺前委員 私は、まず最初に、八六年でしたか、八七年十二月にこの法律に基づく関東五社の特定都市鉄道整備事業計画というのが認定されておるのを見ておったわけですけれども、その進捗状況というのはどういうことになっているのか、御説明いただけますか。
○秦野政府委員 昭和六十二年の十二月に、現在の特定都市鉄道整備促進特別措置法に基づきまして、東武、西武、京王、小田急、東急という五社につきまして整備事業計画を認定いたしまして、この五社はそれぞれ平成九年十二月を完成期限といたします事業工事に現在取り組んでおるという段階でございます。 認定から六年余りが経過したわけでございますけれども、平成五年度末におきます五社の用地取得率が約八七%、それから、工事の実施額でいいますと進捗率が約四四%ということでございまして、全体としては相当の進捗が図られているというふうに考えております。 ただ、個々に見ますと、現在のところ、東武、京王、東急の各社につきましてはおおむね順調に進行しているというふうに考えられますが、西武の池袋線と新宿線、あるいは小田急の小田原線につきましては、地元調整等によりまして、当初の計画から見ますと相当のおくれが見られておるところでございますけれども、いずれにしましても、現在進めております特待工事が一日も早く完成しますよう、鉄道事業者を指導してまいりたいというふうに考えております。
○寺前委員 私はこの法律ができたときの記録を読んでましたら、議事録を読んでましたら、当時の地域交通局長さんなんでしょうか、服部さんというのが答弁しておられるのですか、「私は今後十年以内に○○線の○○区間の何キロにわたる複々線化をやりたいと思います、ついてはこの制度の適用対象にしてもらいたいという申請を受けて運輸大臣がこれを認定して初めてこの制度の入口に立つといいますか、この制度のルールに乗ることができるわけでございます。」という答弁をやって、この特別措置法の範囲内で計画を立ててやるというのは必ずやりますのや、やり上げますのやと。ところが、それを先取り運賃でもって面倒見るんですから、責任を持ちますから、こういうふうにやりますのやという種類の発言がこの中にあるんですけれども、それが今の話を聞いておりますと、必ずしも計画期間内に終わるという話ではないようですな。 そうすると、こういう法律に対する責任のあり方として、うまいこといかなんだら延ばしますのやということでええんじゃろか。気になるんですけれども、そこはどうですんや。初めからそれは計画出してもらいますけれども、実は違いましたんやと言うんですか。今度またこれは変更するんだから、そこのところが一つの、私、ポイントやと思っておるの。計画を山さすというのは、単なる計画であってもそれは責任を持ちますのや。人から先取りの金を取った以上は、それは私ははっきりしておかないかぬ問題やと思う。それはいかがですか。
○秦野政府委員 制定当時の服部局長がそのような答弁をされておりますが、これは当然のことでございますけれども、我々としては十年以内に工事が完成するということで計画を立てておるわけでありまして、それに向けて、事業者はもとよりでございますが、我々もそれに対して積極的にフォローしてきたというのが現在までの形でございます。 ただ、現実に事業を進めてまいります段階で、地元の方々の、当然のことですが、御理解を得ながら進めていくということが必要でございますし、またそのためには若干の時間が必要であるという場合もあるわけでございまして、私どもはその十年の範囲内でおさまるように最大限努力するように指導はいたしておりますが、その事業者がこれをサボッて何かやらなかったというような事態であればこれはまことにけしからぬことでございますけれども、誠心誠意話し合い等をして工事の進捗を図って、なおかつそれが間に合わないという場合も想定されないわけではない。ということで、実は今回の法律改正の中でこのような内容のものを入れさせていただいているというのが実態でございます。
○寺前委員 もう先にその実施状況を聞いたけれども、私、この間レクで話を聞いておったら、大体完了予定はこの関東五社の例で見ると五つで、恐らくできないだろうというふうに見られるのは四つあるという話やったね。これではね……。 それで、今度の法律を見ると、天災その他やむを得ない場合には特定都市鉄道整備事業計画期間の十年を延長することができるというふうになっておるわけやな。一たんその十年の間にやる、やると決めたときには、どういう事情になるかということを全部計算に入れて先取り運賃をやったと思うんですよ。そんなもの、世の中、そんなむちゃくちゃな変化が起こるなどとは思ってもいませんでしたでは、これは弁解がつかない。特別措置法の範囲内の話ですから、私は、その責任問題というのは監督官庁としても非常に大きな責任があると思うんですよ。一たんそういう法律ができてしまうと、今度はやむを得ない場合は構わぬのだ、こうなってくると、だんだん無責任な方向にこの話がいくんじゃないだろうか。これは心配なんだ。 そこで聞きますけれども、今度は特定都市鉄道整備準備金というのですか、対象を工事費の四分の一から二分の一にする、先取り運賃値上げ率の限度額を六%から一〇%に政令で引き上げる、利用者の一層の負担を求めることになるという。これは計画期間内にできないことを先延ばしするということと相関連して、内容面においても、工事費の何ぼまでを先取りで、率を上げて、わあっと。ふやしてくるということ、これは一体何を根拠にしてこういう数字が出てくるんだろう。この根拠は何ですんやろ。この程度やっておいたら責任持ってやられるんじゃないかということでもないようですね。やむを得ない場合にはといって、延長することができるというようなことを片っ方で入れておくんだから。これはどんな基準でこういうことになるんです。ちょっと説明してください。
○秦野政府委員 二つの点が御指摘があったと思いますが、それぞれ一応別個のことであろうというふうに考えておりまして、まず最初の延長の問題につきましては、先ほども御説明いたしましたけれども、天災を初めとして、いわゆる事業者が一生懸命やった、にもかかわらずどうしてもその時期に間に合わないという場合に、それは厳正な運輸大臣のチェックをした上で、その期限を延長することを必要な範囲で、最小限の範囲で認めようというのがこの改正の趣旨なわけでございます。 もし仮にそこで切ってしまいますと、結果といたしまして積立金の取り崩しか始まるわけでありまして、そういたしますと事業者は、当然のことですが、まだ減価償却費が立っておりませんから、この分についての必要な資金を借入金で賄わなければならないということで、工事が一層おくれてくるということが想定される。それは結果として利用者の方々の利便にはならないんではないかということでございますので、そうした事業者の真摯な努力ということを前提といたしまして期限の延長を認めようということが一つでございます。 それからもう一点の御指摘がございました、積立限度額の変更あるいは積立割合の変更につきましては、これは先ほどの御質問でも申し上げましたけれども、計画当初に比べましてやはり工事経費が相当な増高を見せておるということが一つ。それからもう一つは、輸送需要が当初の見込みよりかなり、最近では横ばいから減少になっているということ。それから、実はいろいろな投資をしておりまして、いわゆる特待工事以外にも安全工事ですとかあるいはその他のサービス改善工事、いろいろな工事をこれまた計画を上回って行っておるというような状況でございまして、非常に投資額が増大してきております。 したがって、そうした状況を踏まえつつ、なおかつ輸送力の増強工事を進めていくといっためには無利子の資金が相当額必要だろうということで、現在の四分の一を二分の一に改正し、あわせて積立比率を改正するものでございますが、もちろん一〇%というのは上限でございまして、その範囲内で、当然必要な範囲内で積立比率を決めていくということを考えているわけでございます。
○寺前委員 ようわからぬのや、これ。工事費を四分の一から二分の一にせんならぬのや。土地や値段が上がってきているからと言うが、このごろ下がってきておるわけや。どうすんのや。そんなもの、あんた、この法律を執行して国が事業やろうというわけじゃないんだから。やるのは事業者がちゃんと特定都市鉄道整備でおやりになるんだから。それをちょっと手伝うだろう、こういう話でしょう。手伝うたろうの範囲が四分の一から二分の一にどんと上がっていくというのは、大将、何でやろか。こんな、あんた、わかりますか、今の話。 あんた、わしに言ってわかると思ってはるのかしらぬけれども、わしみたいに頭の悪いやつは一層わからぬのや、これ。また私これを国民に言いに行ったら、もう一つわからへんわ。先生、何言ってはりますねんて、そんなこと言われるで、あんた、こんなもの。それで、六%から一〇%、一〇%にはせぬけどななんて言って、もう一つようわからぬね。 それで、きのう、九一年五月の運輸政策審議会の地域交通部会の答申「大都市の鉄道整備の基本的方向と具体的方策について」というのを読んでおったら、こういうことを書いてあったわ。「鉄道の整備を行っても、特に線増等輸送力増強工事である場合、鉄道事業者に新たな需要が大量に発生するわけではない」ことから、鉄道事業者のインセンティブが低下しているということが書いてある。要するに、鉄道の連中は、事業をやっている連中は、やりとうない、あんまりもうからへんで、こういう話が出てくる、これは。人をどんどん混雑の中にほうり込んどいたら、それならもうかるけれども、わざわざ線を引かぬかて、せっかくもうかっているものを要らぬことせんかてええ、そういう意味がいなと思って私は問いとったんや。この根性が悪いわ。 そこで、私聞きたいんやけれども、鉄道事業をやっておられる方というのは、直接、鉄道の関連事業があります。それから、鉄道をやっている人たちは、百貨店やスーパーや土地の開発やら、もう全部関連事業をやってはりますわ、グルーブで。だから、鉄道事業そのものの収支だけではなくして、この鉄道事業をやっておられる方が総合的にグループとしてやっておられる事業はもうかっているのか、もうかっていないのか。もうかっているんやったら、その分野から吐き出してもらったらええんやね。何も運賃全体にかける必要もなかろうと私は思うのです。 そこで、きのう有価証券報告書を、一体どんなんなっとるんやろかと思って関東の五社を慌てて調べてみたんやわ。京王、東急、西武、小田急、東武という大手をね。そうすると、関東五社内部留保、関連事業分も含む、これは鉄道事業の関連部門やね、ただし、特定都市鉄道促進準備金は除くと。そうすると、この法律ができて施行された八六年度の未、二千八百十五億円、それが九二年度末になると四千三百十八億円。千五百三億円、六年間で増加しておる。丁五三倍の増加や、この六年の間に。さっき言うた、認定した事業計画は別です。 それから、グループで調べてみたら、八六年度末で三兆五千九十二億円であった、六年たったら、九二年度の末で五兆四百二十二億円。一兆五千三百三十億円のあれが出てくるんやわ、総資産の増加ってやつが。 だから、損しているという話は一つもあらへんがな。資産はふえていく一方じゃないか。内部留保もふえている一方じゃないか。何でそこを削って、運賃値上げをせんかて新たに輸送力をもっと、夏やったら暑いのを暑くないようにするような対処をやれということを何で指導せんのじゃろうか。私は、これは不思議でかなわぬので、こういう分野についてはどういう対応をやってますねん。
○秦野政府委員 鉄道事業者が不動産業を初めとするいろいろな兼業をやっておるということは、確かに事実でございます。ただ、鉄道事業の場合には、多数の利用者の方々に対しまして長期にわたって安定して安全な、あるいは快適な輸送サービスを提供しなきゃならないという極めて公共性の高い事業であるわけでございまして、そういう意味では、兼業部門の収支に左右をされることなく、鉄道事業部門自体の独立採算を確保いたしまして健全経営を図ることが必要であるというふうに考えておるわけであります。 仮に、御指摘のように、兼業部門の収益を鉄道事業部門に回すということになりました場合には、鉄道事業部門の赤字が長期間放置されることになるわけでございまして、鉄道事業への投資意欲の減退、あるいはサービス改善投資といったものが損なわれることになりますし、またその議論でいきますと、逆に、ほかの事業が赤字の場合に、鉄道利用者の運賃でその他の兼業の赤字を負担するということにもなりかねないというような問題が考えられるわけであります。 そのために、従来から鉄道事業部門につきましてこれを明確に区分経理をいたしまして、能率的な経営を前提といたしましてその部門の収支を均衡させるということが必要であるというふうに考えて、そのように指導しておるところでございます。
○寺前委員 特定都市鉄道整備事業計画で認定した額というのが十年間で、要するに先取り運賃の。ずうっと入ってくるお金、これを五社調べてみた。東武八百四億円、西武は二千五百三十八億円、京王は六百三十二億円、小田急は二千五百六十三億円、東急は二千百八億円、合計八千六百四十五億円、こう出てくる。そうすると、これ先取り運賃の金というのは、関東五社で見ると八千六百億から入ってくるわけです。ごっついよ、これ。関東五社のグループの総資産で一兆五千三百三十億円、これ、ごっついものをみんな持っておるわけや。その半分近くに、半分以上やな、先取りで取っておいて、これで計画どおりいきませんのや、そんなことで独立採算制、これでやってきたんや、公共事業でございますさかいにと。私、正直言って何かもう一つすっきり落ちませんな、これ。 やはり私鉄事業もいろいろな形で努力して、もうけはったらもうけはった分の中からちゃんと注いでまでも、計画してお約束して法律までつくっていただいた、その期待にこたえるようにやりますのやといって責任を持つような、そういう気持ちにさせる指導をやらなあかんなあ。私はつくづくそう思いますのやけれども、大臣の御所感をひとつお願いします。
○二見国務大臣 恐らく鉄道事業者も、この法律を改正したことによって十年というものを軽く考えるということはないと思います。やはりだれでも十年でやりたいのです。万々が一できない場合もあるから、そのときはやむを得ず延長しようということであって、最初から十五年でやろうとか二十年でやろうとかというふうに考えてやるものじゃないのです。その点は寺前先生によく御理解をいただきたいというふうに、私はこんなわかりやすい話はないと思う。
○寺前委員 いや、冗談じゃないよ。私の言っている話の方がわかりやすいやろ。ようけもうけている分から回してでも責任を果たしなさい言っているのやさかいに。 これはもう討論させてくれぬようだから、私ここで態度を表明しておきますけれども、今回の改正で、この先取り運賃制度を解消するのではなく、かえって供用開始の延期によって先取り運賃ゆえの利用者間での負担者と受益者との乖離を一層拡大することになる。 さらに、鉄道事業は公共性が高いということで、一般民間企業と比較にならないほどに財政、税制上各種の優遇策も行われている。また、大都市鉄道整備には開発利益の還元が必要であるとしながらも、国民が納得できる還元策を政府は示さないどころか、民鉄事業者自体の開発利益にも手をつけずに、通勤通学等の利用者だけには先取り運賃の形で負担させることは容認できない。さらに先取り運賃制度ゆえの矛盾も一層拡大させる今回の改正案には反対だということを表明して、終わります。 ありがとうございました。
○井上委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○井上委員長 これより討論に入るのでありますが、理事会の協議により、討論は省略することにいたします。 これより採決に入ります。 内閣提出、特定都市鉄道整備促進特別措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○井上委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○井上委員長 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時四十九分休憩 ————◇————— 午後二時三十三分開議
○井上委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出、航空法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。関谷勝嗣君。
○関谷委員 私も予算委員会の委員でありますし、そういうようなことで運輸大臣とは毎日お目にかかっております。また、きょう質問ということでございまして、大臣も本当にお疲れだろうと思いますが、どうぞ頑張っていただきますようにお願いをいたしたいと思います。 この航空法の一部を改正する法律案、これは過去から今日まで六回改正をされております。 振り返ってみますと、昭和二十七年七月十五日ですが、それまでは、終戦後約七年半ばかりは、国内の航空事業というのは外国の航空事業者によって運航されておった。それが、二十七年、サンフランシスコ条約が発効をいたしまして、それから国内で日本人が航空事業を行うことができるようになった。それが最初の航空法の改正でございました。 それから二年後の昭和二十九年に二度目の改正がされまして、それから四年後に、昭和三十三年になりますが、このころになってまいりますと、大分航空交通の頻繁化であるとか航空機の高速化、あるいはまた現行の規定のみでは安全の確保に万全を期すことができないというようなことで、規定を整備するというようなこと。 それからまた二年後に、昭和三十五年でございますが、これはジェット機等の大型高速機の就航などが行われるようになり、質的にも量的にも航空界が画期的な発展段階に入ろうとしている、こういうようなときに対しての航空の安全確保を目的として、昭和三十五年に第四回目の改正がなされております。 それから五回目が、これがずっとずれまして、十年後でございます。それから六回目が昭和五十年なので、四十五年から数えて五年後というふうになっておるわけでございます。 そういう年次を見てまいりますと、前回の改正が五十年でございますから、昭和でいえば今年が六十九年ということでございますから、十九年ぶりの改正ということなのです。特段にその間の期間があいておる。もちろんその間には、騒音対策など各項目的な法律改正というのは航空関係の方でいろいろできました。あるいは昭和六十一年は日本航空があのように民営化をされた。航空憲法と言われましたように、日本航空がフラッグキャリアとしての国際線を中心にやる、国内は幹線をやる、全日空が国内の航空をやる、それから当時の東亜国内航空がいわゆるローカルをやる。そういうような、直接そのことに関する法律の改正というのは行われたわけでございます。 それにいたしましても、この基本法が十九年間ずっとその間には改正されなかった。ということは、航空界が、逆に言えばその間安定をしておったとか、あるいは激変がなかった、法改正をするまでの必要もなかったということなのでしょうか。その他、どういう理由でこの十九年間、約二十年の間、この基本法の改正がなかったか。
○土坂政府委員 五十年に改正が行われまして、十九年ぶりでございます。航空法は、先生仰せになりましたように、航空運送の安全の確保であるとか秩序の維持、こういうことに関する根幹の法律でございます。したがいまして、その点についての変更がある場合に改正をするというようになるわけでございますが、五十年以降、ICAOその他でそういう大きな変更というのがなかった。 しかしながら、先ほど仰せになりましたように、航空事業というのはその間に非常に変化をいたしました。具体的には、今おっしゃった四五、四七体制というのが崩れて、新しい六十一年からのいわゆる共存体制というのができましたし、それに合わせて日本航空が民営化いたしましたし、あるいはダブル、トリプルとか、新しい航空政策も導入してまいりました。航空政策そのものは、航空事業の発展につれて変わっておると思いますが、航空法そのものをいじるところまではいっておりませんでしたけれども、逐次そういう格好で是正をしながらやってきているというふうに思います。
○関谷委員 それでは、各論的なことに入っていきたいと思うのでございます。 三大プロジェクトが今空港整備で進んでおるわけでございますが、これは重大な国家の社会資本でもあり、もちろんのこと積極的に進めていかなければならないと思うわけでございますが、一方、これはあらゆる分野において問題になっておるわけでございますが、いわゆる環境問題、航空機で申しますれば航空機の騒音対策、そういうようなものが重要な課題となっておるわけでございます。そのための、この今回の法の一部の改正でもあるわけでございますが、現在どのようにこの騒音対策というものが進められておるのか。 私たちが国会へ参りました当初は、例の空港周辺整備機構、今もあると思うのでございますが、あれで大変運輸省の方が、その担当になった方は、本当に夜も、その地元の周辺の方々のところに行っていろいろお願いをしなければならない、対策を講じておったわけでございます。その空港周辺整備機構のその後の動きもぜひ改めて聞きたいし、それと、あのころ問題になりましたのが、空港の方が先にできておって、後からその周辺に住宅を構える人がいた、そういう方からも訴えられて、それに対して国が補償する、こんなばかな話はないじゃないかというようなことで、その後は、新しく飛行場をつくりますときには、その周辺もまた買うなんというようなことが、あれは委員会でも審議をされて、そういうような法律もといいましょうか、やり方をやったと思うのですが、そのあたりもぜひまた、その後どうなっておるか、この航空機の騒音対策に絡めて説明をいただきたいと思います。
○土坂政府委員 騒音対策は、空港が地域と両立していくときの大変重要な課題でございます。ジェット機の就航以来、非常に大きな課題で取り組んでまいりました。具体的には、昭和四十二年に騒防法という法律ができました。 二つ大きな柱があるわけでございますが、一つは、発生源対策でございます。飛行機そのものを低騒音機材にするとか、あるいは飛行機の飛び方を周辺に影響を与えないように飛んでもらうとか、そういう発生源そのものから直していくやり方。それから、実はそういうやり方をいたしましても、飛行場の周辺の騒音というのは、やはり残念ながらゼロにできません。そうしますと、周辺対策というのをそれと並行してやらなければならない。それが具体的には防音工事でございまして、防音工事をやるわけでございますが、それと同時に、そこから出たいとおっしゃる方もいらっしゃいますので、移転補償あるいは緑地をつくるというようなことを空港の周辺の騒音の程度に応じてやっておるわけでございます。大きくいいまして、騒音対策と周辺対策の二本柱、車の両輪のような格好でずっと進めてきているわけでございます。 昭和六十年ぐらいに防音工事がほぼ終了いたしました。その結果、屋内の環境というのはほぼ環境基準を達成したという状況でございますが、まだ未実施の部分が残っておりますし、防音工事をやりましてから随分長い間時間がたったものですから、空調などをもう一回つくり直すというような、そういう御要請もあります。そういったことを中心に、あるいは移転補償など、そういったことがこれから残された課題でございます。それによりまして、屋外の環境基準、これは随分改善はされておりますが、やはり環境基準が未達成でございますので、これを引き続きやっていかなければいけない、こういう状況でございます。 それから、あと周辺整備機構のことを仰せになりました。これは、騒防法を四十九年に改正して周辺整備機構というものをつくったわけでございまして、いわゆる再開発でありますとか、あるいは移転をなさる方のための代替地をつくったり、あるいはさらに、そのための共同住宅をつくったりというようなことをやっております。これも、騒音対策の進捗状況に応じてだんだんと充実してきておるのですが、やはりある意味では騒音対策はちょうど昭和六十年度、五十九年から六十年ぐらいにかけてが山でございました。 今申し上げましたように、騒音状況が改善されたのに応じて予算規模は少しずつなだらかに減ってきておる、こういう状況でございますが、まだ残された課題が、先ほど申し上げましたように、防音工事で未実施分の工事だとかあるいは防音工事で空調機器の更新、いわゆる機能回復工事であるとか、あるいは移転補償であるとか、いろいろございますので、引き続き充実をしていかなければいけないと思います。 それから、もう一つ、先生が仰せになりましたのは、空港周辺の立地規制の法律でございまして、空港ができると決まっているところに後で家が建って、それをまた補償するというのもおかしいわけでございまして、あらかじめ特別措置法をつくって立地規制をしようということでその法律をっくっていただいたわけでございます。これは、たしか昭和五十三年にできたと思いますが、現実にこれが当てはめられておりますのは、成田でございます。ただ、成田は残念ながらいろいろ問題がございまして、この法律は具体的に都市計画決定をしないと立地規制が動きません。その都市計画決定はまだできていないという状況でございます。ただ、都市計画決定はできておりませんけれども、いわゆる移転補償のようなことについては先取りをして事実上やっておる、こういう状況でございます。 いずれにしましても、いろいろなやり方でやってまいりましたけれども、やはりこれからも騒音対策というのはしっかりやっていかないと、空港というのが地域に受け入れてもらえないと思いますので、引き続き一生懸命やっていきたい、こう思っておるところでございます。
○関谷委員 御苦労さんでございますが、よろしくお願いしたいと思います。 今回の改正の中にございます騒音の非常に高い高騒音機、その運航禁止措置も騒音対策上大きな効果があると思うのですが、この結果、空港周辺の航空機の騒音がどの程度改善をされるのか、また今回の改正によって運航禁止の対象となる航空機はどういうものが含まれておるのか。 それと、余り時間がございませんから重ねてお尋ねをしておきますが、そういうようなことで機材の騒音が小さくなるわけでございますから、騒音対策上は非常に有効であるということではありますが、ちょうど今日本の各航空会社も赤字転落で経営も大変難しいときにある。そのときにそういう騒音の機材は使えなくなるといいますと、また過重な負担をかけるというようなことが日本の航空会社において実際に起こるのかどうか。 伺いますと、七年の四月に飛行禁止になる飛行機と、それから七年後、平成十四年になるのと分かれておるようでございますが、ちょうど今不況でもあるし、経営がこのような赤字に転落をしているときに、そういう機材をまた新しく購入しなければならないということになると、また経営上も大変難しい問題になってきますが、その三つの問題を重ねてお願いをいたしたいと思います。
○土坂政府委員 まず、効果の点を申し上げますと、これは仮にということで計算をしてみたわけでございますが、今旧基準機と新基準機がまぜ合わさって飛行場におりておるわけでございますが、旧基準機はこれからもう一切飛んではならない、つまり全部新基準機にかわるという想定をいたしました。 それから、空港というのはやはり飛行機の便数がふえるわけですけれども、そこを考えるとまた難しくなりますので、飛行機の便数はふえない、全部新基準機にかわる、こういう想定で騒音のコンターというのを比べてみると、Wで七十五の騒音コンターの面積が、全部旧基準機が新基準機にかわった場合に今よりも当然減ってくる。その減る割合が、羽田でいいますと約二八%、名古屋でいいますと一五%、福岡で二三%、仙台で五〇%ということでございますから、いわゆる騒音の影響区域が、便数がふえないという前提で新基準機にかわると、仙台の場合は半分ぐらいになるということでございまして、これはやはり効果があるということだと思います。 それから、どんな飛行機が対象になるかということですが、今申し上げましたように、端的に言うと、来年の四月一日から旧基準機は使ってもらっては困りますということでございます。ただ、これが三番目のお尋ねと重なるのですが、一遍に旧基準機は全部だめですよというと、航空会社に大変大きな負担がいくということでございまして、そこはやはり段階的にやらなきゃいけないだろうということでございます。 具体的に、平成七年から平成十四年までの七年間は旧基準機でも一部のものはいいことにしよう、一部のものというのは、例えば機齢が二十五年たっていないとか、つまりまだ新しい飛行機とか、あるいはバイパス比が高いとか、そういう一部の飛行機は旧基準機でもいいことにしますということでございます。しかし、十四年になったならば、もうそういう飛行機でも全部ため、旧基準機は全部だめにします、そういう段階的な措置をとって、これでエアラインのいわゆる経済的負担を緩和しょうということでございます。 二番目の話ですが、それじゃどういう飛行機が具体的にそれに抵触するのかといいますと、平成七年から十四年までの間でいいますと、ボーイング737とダグラスDC9がこれに該当する。ただし、今申し上げましたように、二十五年以上たっている、そういう飛行機が抵触いたしますので、二十五年末満だと抵触しない。それで、そういう飛行機が、実は737とDC9を合わせると二十五機ありますが、今はまだ二十五年というところにひっかかっていない。平成十四年までの間にその飛行機が全部二十五年に達する前にリタイアするような計画になっておりまして、結果としては、この法律によって、今経過期間中に問題が生じるという飛行機はないという状況でございます。 それから、平成十四年以降になりますと今度は全部だめなわけですが、全部だめということになりますと、経過期間中によかったものもだめになりまして、ボーイング747の初期の形のものがやはりこれに該当いたします。これが二十機ぐらいございますが、これも平成十四年までに会社ではリタイアをさせる、こう言っているわけでございまして、結果的に、これによって問題が生じるということにはならないことになっております。 いずれにしましても、段階的に禁止をしていこう、それに合わせて航空会社の方も機材計画をつくろうということで、先生が三番目に御指摘になった点について、弾力的運用を図っていくということでございます。 済みません。ちょっと言い間違いがございまして、私は、羽田が二八%減少とお答えしましたが、成田が二八%減少でございます。間違いでございました。申しわけございません。
○関谷委員 それで、日本にはいろいろの国から飛行機が来ておるわけでございますが、後発国といいましょうか、そういう騒音度の高い飛行機しか持っていない国だってあるわけですね。そういうところはどうするのですか。もう入れないわけですか。
○土坂政府委員 これは、国際的にICAOで決めてやるわけでございますので、日本の飛行機だけでなくて、外国から来る飛行機も当然この対象になる。そうすると、今先生が仰せになったような問題が出るわけでございます。 具体的にはレバノンであるとか、まだ乗り入れておりませんが、モンゴルであるとか、そういうところの飛行機がこれに抵触するおそれがあります。その場合に、その国のエアラインがなかなか経済的に負担が難しくて、すぐ新しい基準に合う飛行機に買いかえができないという場合があるわけでございますが、そうなると、航空協定を結んで乗り入れる権利はあっても実際に乗り入れられないということになってしまいます。これはやはり問題があるということだと思いますので、そういういわば発展途上国というか、そういう国に対しましては、平成七年から十四年という一定の経過措置の期間に限りまして、これは例外的に適用を猶予するという措置ができるように手当てをしているところでございます。
○関谷委員 それで、順序立てて質問をしておるわけでございますが、今回の航空法の一部改正の第一の課題であります、運航禁止をするその機材の問題でございます。これは騒音対策であるわけでございますが、この部分の最後の質問として大臣にお伺いいたしたいわけでございますが、その規制の強化というのは、趣旨は理解できるわけでございますが、その騒音対策等はもっと運輸行政の全般的な観点から取り組んでいかなければならない、そのように思うわけです。 もう戦後五十年たってまいりました。ちょうど大臣と私は、私は少し後輩ではございますが、同年配でずっと育ってきておるわけでございまして、いわゆる運輸行政というのもその間大きく変わってきた。輸送機関とすれば、飛行機にすればとにかく速くなった。それから、大量の方を運ぶことができる、大型化になってきた。しかし、このように騒音の方からいくと、今度はマイナスの方が出てきておる。しかし、運輸行政は、何といいましても安全というのが、これはもう至上命令でございます。ですから、そういうようなことから全般的に考えて、この騒音対策も考えていかなければならないと思うわけでございますが、そのあたりの認識をお伺いいたしたいと思います。
○二見国務大臣 確かに、空港は交流の拠点としての大変プラスの面がございます。私なんかも空港には大変夢を抱いて、これはもういいものやなと、本当に大変プラスの面がありますと同時に、騒音というマイナスの面があるのは、これは否めない事実であります。ですから、これからはそのマイナスの面をどうやって少なくしていくかということにお互いに知恵を出さなければならないと思いますし、そのためにも今回の航空法の改正だと思います。 私は、環境面の問題を考えますと、騒音対策という面は、一つは、先ほど局長が何度か答弁しておりましたけれども、やはり発生源対策、これは今回の航空法改正でもって万全といかなくともかなり改善されると思います。 もう一つは空港の周辺、移転補償等々、空港の周辺に対する対策もこれからますますやっていかなければならないだろう。今までやってまいりましたけれども、未着工部分も含めて、例えば防音工事や移転補償といった、そうした空港周辺対策というものをこれからも粘り強くやっていかなければならないというふうに思っております。 この両面でもって、この問題は何としてでも解決をしていきたいし、空港があることによってその地域も発展し、文化も栄えというふうにしていきたいというふうに考えているところでございます。
○関谷委員 それではこの次の、第二番目の航空従事者の資格等々に関連して質問をさせていただきたいと思うのでございます。 四月二十六日に、本当に不幸にして発生をいたしました中華航空機事故でございますが、これは航空機に原因があるとするものや、あるいはパイロットの技術に原因があるのだというようなさまざまな新聞報道がされておるわけでございますが、その後の事故の原因調査の進捗状況あるいは今後の見通しといいましょうか、それから、どうしてもこういうときには、ましてや国際的な問題として補償のことなども起こってくるわけでございますが、そのあたりがどういうふうになっておるのか、お伺いをいたしたいと思うわけでございます。 続けて御質問しておきたいと思うのでございますが、パイロットがそのハイテクの機材に十分になれていなかったのではないかという新聞報道もあるわけでございますが、航空機の安全運航にとってのパイロットの教育、そういうようなことは、実際、航空会社でどのように行われておるのか。また、国としては、運輸省としてはどういうような指導をしておるのか。 私も、かつて運輸委員長をいたしておりますときに、ずっと航空機の製造会社なども視察に行った記憶があるのでございますが、そのころ、ちょうどこのハイテクの、今回の事故を起こしました機材の、当初のつくっておった、そこへ私らも行きまして、そこの説明を聞きましたが、コンピューター化されたものがもう八〇%くらいだという話もあったりいたしまして、私、しかし、そういうのを聞きましたときに、そうまでコンピューター化をし過ぎて、どういうのでしょうか、本当に危ないのじゃないかなということをただ何となく感じた記憶があるのでございます。私は、これは正直言って余りにもその方が行き過ぎておるのじゃないかなという怖さを私たちの年代の者の感覚でいくと感ずるのでございますが、いずれにいたしましても、やはりこういうような訓練というのが一番重要なことだろうと思うのです。そういう教育に対する運輸省の指導はどういうふうにやっているのか、そのことをお伺いしたいと思います。
○木村説明員 まず最初に、御質問にありました航空事故調査委員会の事故調査の進捗状況について御説明をいたします。 航空事故調査委員会におきましては、事故の発生後、直ちに現場に調査官を派遣いたしまして、四月三十日には操縦室用の音声記録装置の内容を公表いたしますとともに、五月十日にはそれまでの経過について経過報告をいたしました。 経過報告におきましては、進入時に操縦及び自動操縦装置の動きが適正に行われなくなり、墜落に至ったのが一つの考え方として存在すると発表いたしましたわけでございます。同種の事故の再発を防止するためには、知り得た事実をなるべく早く公表する方がいいということから、確定したわけではございませんが、とりあえず発表したわけでございます。 これまで、新聞、テレビ等でさまざまな事故原因の報道がございますが、現在、まだ調査中でございまして、人為的な面、機材的な面、いずれの面にもまだ事故原因が特定されているわけではございません。 今後は、機体とかエンジン、あるいは積まれております搭載機器、一度粗読をいたしました音声記録装置とか飛行記録装置をさらに細かく詳細調査、解析を行うこととしております。従来の例で見ますと、これらの調査に相当時間を要しているのが実情でございますので、なるべく全力を挙げて、急いで解明したいと思っておりますが、究明にはこれから相当な日時を要するのではないかと思っております。
○北田政府委員 先生が御質問の操縦士の教育の件でございますけれども、まず、航空会社の教育というのはどのように行われているかということをちょっと先に御説明させていただきたいと思います。 航空大学校という、パイロットの卵を養成する学校がございますが、そこを出た学生というのは、航空会社のパイロットとなるための一番最低限の資格といいますか、事業用と計器飛行証明の資格を持っております。しかし、それは小型機に対応した資格でございまして、航空会社に入った後、いわゆる実用機ですね、ボーイング747とか、そういう飛行機の操縦ができるための、副操縦士になるための訓練が始まるわけでございます。それに合格した後に副操縦士となるわけでございますが、約八年間副操縦士として乗務する、その間に機種を二、三種類かえます。 その後に機長昇格ということになるわけでございますが、その場合には、新たに定期運送用操縦士という資格が必要になりまして、またそれに合格しなければならないわけでございます。さらには、機長にはその技能証明だけではなくて、路線ごとにまた機長路線資格というのを取得しなければなりません。それに合格して初めて機長として活躍できるということでございます。 そういう意味で、副操縦士または機長への昇格訓練、あるいは新しい型式機への移行するための訓練、そういうものがあるわけでございますが、それぞれの訓練におきまして、各飛行機の性能とかシステム、操作手順等についてもちろん習熟するわけでございますが、そのときには、システムの故障した場合の異常、緊急時の措置とか、そういうものも当然やるわけでございます。 先生が御指摘の、最近のハイテク機の問題でございますけれども、非常に自動化、コンピューター化が進んできたということでございまして、従来の、単に操縦できる操縦技術だけではなくて、そういうシステムをよく管理する、それから副操縦士との間でコーディネーションをよくするとか、そういうような能力が要求されてくるわけでございまして、私どもといたしましては、先ほど言いました訓練の課程におきましてそういうものを反映できるようなシラバスを組むように指導してきておりますが、今後もこのハイテク機に対応した評価方法とかそういうものも検討しまして、見直しをしていきたい、こう考えております。
○関谷委員 私も、昔小型の、セスナ機とかハイパー・チェロキーなんというのがありましたね、あれの試験を受けまして、学科は合格しまして、あとは実地試験だけやっておけば今免許を持っておったのですが、ちょうどそのとき、私は五十一年が最初の選挙だったのですが、その学科を受かって、その後すぐまた解散になったものですから、それで結局、実地を受けなかったから免許を取らなかったのです。非常に残念に思っておるのですが、あれはもう時効になっておるのでしょうね。今さら学科は受かりようがありませんから。 今回のパイロットの資格制度の改正案というのは、もちろん国際的な基準に合わせていくわけでございますが、この改正は規制を強化するのか、あるいはまた緩和をするのかということをお聞きをいたして、後でまた最後に、総括的に大臣にもいろいろなことをお聞きしたいと思いますので、これはそういうふうなことで強化になるのだろうか、あるいは緩和になるのだろうか。
○北田政府委員 今回のパイロットの資格制度の改正案というものは、国際民間航空条約附属書の改正に合わせて変更しようとするものでございます。 この附属書の改正の考え方といいますのは、操縦士の資格のうち、その存在意義が乏しくなってきております上級事業用操縦士の資格、これはいわゆる小型機を使って、不定期航空運送事業の航空機の機長になるための資格でございますけれども、そういうものが余り必要性がなくなってきておるということでございます。 それから、各操縦士の資格で行うことができる業務の範囲、これは、従来は業務の内容、いわゆる定期であるとか不定期であるとか、使用事業、自家用、そういうものと、航空機の操縦の複雑性といいますか、そういうものをあらわす指標として、一つ重量というものをもちまして分けておったわけでございますが、技術革新を受けまして、この業務内容と、操縦の複雑性を示す指標としては従来重量であったのですが、それを乗組員の数によって分けた方がより合理的だということになりまして、それに応じて、規制をより合理的なものに改めようということでやられたものでございまして、規制を強化するとか緩和するという観点で行う改正ではございません。 しかし、規制の合理化に伴い、結果として従来より上位のものとなるものも出てきますし、下位のものでもよいというものが出てきます。下位のものになる場合としては、定期運送事業用に使用する航空機のうち、いわゆる一人乗りの航空機でございますが、そういうものは従来は定期運送用操縦士の資格が必要だったわけでございますが、今回は事業用操縦士の資格でよいということになりますけれども、一人乗りの航空機というのは、いわゆる小型機の、具体的にはツインオッターでございまして、そういうものでございますので、この事業用操縦士の資格でも十分安全が確保できる、そのように考えております。
○関谷委員 大臣にお伺いいたしたいのでございますが、この規制緩和というのもなかなか難しいところがあると思いますね。運輸のことに関しましては、何といいましても安全が第一ですから、例えばアメリカなんかの自動車の免許なんというのは非常に簡単に取れますね。こういう状態の人で免許を与えていいかなというような状態であれ、免許をよく出している。それと、いわゆる自家用飛行機などの免許制度なども、アメリカなどに行けば非常に簡単に取れるものですから、日本人でもハワイとかああいうようなところに行って、取って帰ってくる人が大分いるわけですね。 しかし私は、やはり日本の航空の免許であるとか自動車の免許にいたしましても、そういう技術面のことは、これは規制緩和という範疇ではないと思うのですね。これはもう厳しくやっておくということはいい。例えば、免許証の書きかえの期間を長くするなんということは、これはいいことだろうと思います。ですから、そういうようなことで安全性を損なうことのないように、その中で緩和をしていくというのが大臣に持っていただきたい考え方だと私は思うのですが、いかがでしょうか。
○二見国務大臣 私も全く同じ考えでして、実は運輸大臣になりまして、運輸省というところは許認可も多いし規制も多いというふうに聞いていたものですから、規制の内容を、経済的な規制とか社会的、ありますね、ちょっと分けてくれないかと頼みました。 今手元に数字を持っておりませんから、あるいは間違っているかもしれませんけれども、安全とか環境とかという、いわばこれは守らなければならない、その規制が四四%ですね。半分近くが安全や環境にかかわる規制でして、この分野については慎重であって当たり前だというふうに思います。その中で、慎重に慎重を重ねて、技術の進歩や何かでもって大丈夫だというところは緩和をする、不安がある場合にはやはりそれはきちんと守る、この一線だけは必要だと私は思います。 飛行機にしても自動車にしても、それは人命に直接響くし、自分だけじゃありませんからね、大勢の人を巻き込むわけですから、私は、安全や環境の問題についてはこれは慎重であってしかるべきだというふうに思いますが、それを前提とした上で規制緩和はやるべきだというふうに思っています。 今回の改正は、私、先ほど答弁がありましたけれども、緩和とか強化とかという立場ではないのだろうというふうに考えております。
○関谷委員 次に、我が国航空会社の平成五年度の決算が明らかとなったわけでございますが、経営状況は依然思わしくないわけでございまして、航空会社の決算内容また今後の見通し、また運輸省もそういうようなことを一番チェックしなければならないと思うのでございますが、今回ずっと赤字が続いておるという原因はどこにあるのか。 そのことに対して対策をやっていかなければならないので、その原因が何かということ、どういうふうにそのあたりを見ておるのかということ。 それと、時間が余りありませんので質問を重ねておきますが、そういうようなことで、その一つとして規制緩和をやっていく。この三番目の問題でございますが、いわゆる認定事業場においての軽微な整備または改造についても確認を行うことができることにするとか、そういうような規制緩和、これはいいわけですね。そういうようなことで少しでも経営がやりやすいように持っていく、収支がよくなるように持っていく、そういう規制緩和でもありますが、もう一つは、国際空港の整備というものであろうと思うわけでございまして、国際空港の整備がどうなっておるか。 このことになりますと、関連でございますが、とにかく日本の着陸料が非常に高いということ。成田も百万円ぐらいですが、関西空港はまたもう一つ高くなる。百十万とか百二十万とかなるということで、日本航空なども貨物はあの関西空港ではやらない、成田一本にするということで、関西空港を使わないというようなことにもなっておるようでございますが、やはりあれを見てみますと、空港をつくりますときに、国の真水といいましょうか、予算が十分ついていないのですね。関西国際空港の建設を見てみましても、基本施設の整備費用の二割を国が持って、一割を地方自治体及び地元の財界が負担をして、残り七割は借入金で賄われておるというものですから、どうしてもそういうようなことで着陸料が世界一高いということになってしまっておる。 そうなりますと、今度は着陸料は高いということになりますと、今の日本のハブ空港としてのその地位が失われてしまうのではないかな、主要空港としての、拠点空港といいましょうか国際拠点空港、ハブ空港としての地位が危うくなってきておるのも事実だと私は思うのです。韓国ではソウル・メトロポリタンという新しい飛行場ができておりますし、新しい新香港空港などもできておるということ、着陸料も日本に比べてずっと安いというようなことですからね。これは予算の問題ですから、これはまた大臣に努力をしていただく、また私たちもお手伝いをしたいと思うのでございますが、やはりもっと国の予算を空港整備に対してはつけるということをやっていかなければならぬと思います。 質問が幾つも重なって恐縮なんでございますが、答弁をお願いします。
○土坂政府委員 航空会社の五年度の決算の状況でございますが、非常に厳しい状況でございまして、三社のうち二社は赤字、一社は、黒字を出しておりますが、大幅な減益という状況でございます。 その原因は何かということでございますけれども、原因は、基本的に需要が低迷をしておりまして、不況の影響などでお客さんの数がふえないということが一つでございます。 それからもう一つは、国際線については、それに加えて非常に外国企業との競争が激しい、その結果、運賃が値崩れをいたしまして、最初の話と重なって、結果的に収入が減っているということでございます。 五年度の決算を見ますと、いずれも対前年度で収入がマイナスになっております、四、五%のマイナス。したがいまして、収入が減る以上はコストの方を削らないと収支は合わない。コストを削る努力をエアラインでなさっておられるわけですが、それは実はまだ間に合わないというか、十分効き目が出ないものですから、赤字が出ている、こういう状況だと思います。 これからのことでございますけれども、景気というものがいつよくなるのか。それから国際空港の方は、実は国際空港が整備されたりいたしまして、もっと競争は激しくなる、構造上激しくなる状況にございますので、これからもさらに厳しくなるのではなかろうかと思っております。そうすると、リストラというのでしょうか、エアラインがやはりコストを削っていただくことが大事であろうというふうに思います。 それから、それを支援するような意味で、ここでお願いしております、例えば定例整備を外国に委託できるようにする、そういう規制の見直したとか、あるいはもう一つが空港の整備の面で、ハブ空港というか拠点になる空港をきちんとつくっていくとか、そういうことが国としてやるべき課題であろうというふうに思います。 それで、実は関西の着陸料が大変高いということでございまして、関西が海の上を埋め立ててつくりまして一兆五千億かかりました。成田の三倍のお金がかかって、どうしても着陸料が高いわけでございます。ただ、これは今までそういうことでみんなで相談してやってきたものでございますから、これはぜひこの線で御理解いただきたいと思っておりますが、これからの全体構想のようなものを考えますと、やはり今仰せになりましたように、財源の問題というのは真剣に考えていかなければいけないというふうに思っております。大変難しい問題ですけれども、いろいろ努力はしていきたいと思います。 それから、ハブ空港の御論議がありまして、ソウルであるとか香港であるとか、いろいろ立派なハブ空港ができております。その結果、日本のハブ空港がどうなるかということがいろいろ言われるわけですが、ハブ空港というのは、やはり背後に大きなマーケットがあるというのが非常に大事でございます。その点、関西というのは立派なマーケットでございますから、ただほかに大きな空港ができたからといって心配するということはないと私は思いますが、ハブ空港というのを航空会社がきちんと使って、ソウルを拠点とする外国の企業に負けないように、乗り継ぎの面、運賃の面でいいサービスをしていくということが非常に大事じゃないだろうか。国の方も、そういうことで規制の見直しなり空港づくりを一生懸命やりますけれども、エアラインの方も、リストラを通じて体質改善をしていいサービスをする。両々相まってやっていかないと、我が国のハブ空港の機能は維持できないのじゃないかというような気がいたします。 いずれにいたしましても、大変難しい問題でございますが、よくやってまいりたいと思います。
○関谷委員 大臣、お考えを伺いたいのですが、よく言われるのでございますが、とにかく日本は航空運賃が高い。近くの外国へ行くよりも高いということで、いろいろな企業が社員の慰安旅行で近隣の諸国へ行くというのは非常に多いんですね。どうしてこう高いんだろうか。 それと、日本で国際線のチケットを買ったのと向こうで買ったのとの差があり過ぎる。これは大分是正をされてきたようなんですが、そんなことで今回の改正案の中にも、一定の割引の範囲内の営業政策的な割引については届け出で足りることとした。この営業政策的な割引というのは、ちょっと私も理解できないのですが、そういうような割引制度もまた導入をして、そういうようなことをやらないと、競争力の強化にもつながってこない、そしてまた経営を立ち直らせてくることはできないと思うのでございます。そのためには、航空行政で今後どのような指導、努力をしていこうと運輸省は考えておるかということをお聞きをいたしたいと思います。
○二見国務大臣 航空企業と行政とそれぞれの立場でもってこの苦境を乗り切るといいますか、国際競争あるいは高い国内航空運賃、これを克服しなければならないと思います。企業にはリストラをお願いしている真っ最中でございまして、特にサービスの面でよりよくお願いをしたいというふうに思っております。 我々としては、今度の法律の中で、国内航空運賃については、例えば先付のチケットを買えば五割までは割り引いてもいいよというような制度を設けて、いわばサービスに努める、そこから新しい需要をつくり出していくということが必要なのではないかというふうに当面考えております。 しかし、抜本的にはそれだけでは無理なんだろう。先ほど関空の着陸料は高いというお話がありましたけれども、関空の場合はB滑走路あるいはC滑走路という全体構想がこの後控えていますね。中部では中部新国際空港をつくりたいという意見がある。九州には九州でもあるし、北海道は北海道でもある。そのときに例えば着陸料を高くできるかというと、私はもう限界だと思うのです。 そうなると、空港というものに対する考え方、国の立場というものは変えなきゃならぬ。これは第七次空整までにそういう動きを、高まりをつけたいと思っているのだけれども、空港整備特会がありますね。一般会計から入るものが七・八%で、八%弱ですね。私は、ここら辺のシステムから改めなければ、これからの空港に対する施策が何もできないんじゃないかというふうに考えております。これは大変国の財政が逼迫しているところでもあり、いろいろと厳しい条件があることはわかっているけれども、空港というものが、空港の整備が我々の暮らしそのものを豊かにするのだし、また、世界とのつながりの中で非常に大事なものなんだということも理解をしていただきながら、そうした運動をしていきたいというふうに思っております。 関空はバックグラウンドも経済的にキャパシティーがかなりありますので、私は、ハブ空港として立派にやっていける条件はそろっていると思っておりますが、それも支援できるような体制でいきたいというふうに考えております。
○関谷委員 別の質問をさせていただきたいと思うのでございますが、もう時間もございませんので、これが最後の質問になるわけでございます。 今女性の方でスチュワーデスになりたいというのは、これはもう想像以上のものでございます。あれは背丈も本来何センチ以上でないといけないんだけれども、それを明文化するとだめだそうでございまして、内規みたいなものでやっておるようでございますが、その背丈に一センチ足らない、しかしどうしてもスチュワーデスになりたい、そのときには、その女性はどういうようなことをやるか御存じですか。その試験の前日、頭をたたいてこぶをつくって、それででも背丈をクリアしたいというくらい、とにかくスチュワーデスになりたいというような女性の熱望というものはすごいものですね。 それで、私は何を言いたいかというのでございますが、航空会社もそういうようなことで、ことしはスチュワーデスを採用しないというような企業がもう大部分ですね。 それで、二つの側面からお話をさせていただきたいのですが、日本で結局スチュワーデスの採用がないというものでございますから、そのスチュワーデス、きのうの夕刊に載っておりましたが、不況の日本より東南アジアヘ出ていきまして、外国の航空会社に就職する。そこまでしてスチュワーデスになりたい。昨年十一月にタイ航空が東京で行った面接試験には、三千五百人が申し込んだというわけですね。それで二十三人の日本人がタイ航空で昨年採用されたそうでございます。これはタイの方のスチュワーデスと同じ給与で、七千バーツといいまして約三万円だそうでございますが、それでも行きたい。三万円でも行きたい。国際線の乗務ですから、そういう手当がついたりあるいは住宅手当などもついて、月収は大体八万バーツ、約三十四万円にはなるそうでございますが、いずれにいたしましても、それほどの大変な熱意があるわけでございますね。それをひとつ頭に入れておいていただきたい。 もう一つの記事が、今度は、日本航空は経営が悪化しておるものでございますから、子会社のJAZというところに、ウェットチャーターというのですか、いわゆる機材も乗員も借りて、それで運航する。それで、JAZのスチュワーデスはタイの方を雇っておるわけでございまして、今度は八百人以上をスチュワーデスとして採用するというようなことなのでございますが、それほど熱望をしておるわけでございます。 そうなりますと、こういうJAZといいましょうか子会社、また今はやりでございます人員派遣会社なんかがありますね。ああいうところで給与は安くでもいいから日本人のスチュワーデスを採用してあげて、そしてこういうような形で日本航空が、あるいはまた全日空がそれを丸抱えでやるということはできないのですかね。これは労働基準法に抵触でもするんですか、そういうやり方をすると。 というのは、私は何を言いたいかというのですが、それだけの本当にスチュワーデスになって働きたいという方がいるのですから、私は何か救いの手を出してやりたい、そう思うのでございまして、こういうようなJAZ方式を日本人を採用してできないのかどうか。
○二見国務大臣 大変微妙な質問でございますので、私の方からお答えしたいと思います。 確かにおっしゃるように、私のめいもスチュワーデスになりたいと騒いているのです。ところが、来年は採用ゼロでしょう、だからだめなんです。確かに、航空会社のコストの高いのは人件費だというのは、そのとおりだと私は思います。そのためにJALやANA、それぞれいろいろな工夫をしてコストを下げることを考えていることは事実ですし、パイロットも外国人のパイロットを使おうとか、そういうことをやっているのは、会社のリストラから考えるとこれはやむを得ざることだろうというふうに思います。 だからそこで日本人のスチュワーデス希望者を安い給料で雇ったらどうだということは、その会社の労働政策といいますか、それが微妙に絡んでまいりますので、運輸省として、例えばJALに、もっと安い給料で日本人を雇えばいいじゃないか、こう簡単に言えるものではない。これはあくまでもJALなり、ANAなり、JASなり、それぞれ日本の航空会社のまさに経営の根幹にかかわることでございますから、簡単に運輸省の方から、例えば日本人は採るな、タイ人でいいじゃないかとか、日本人もこんなになりたがっているんだからもう安い給料でいいじゃないかとか、そういうことは運輸省としては到底言える立場にもないし、それは大変困難なことだろうと私は考えております。それぞれの会社のコストをどうやって削減するかということについて、いろいろ苦しみながらお互い労使で話し合いをして、これはやっていただきたいというふうに考えております。
○関谷委員 そうすると、人材派遣会社みたいなところから丸々借り受けるというのも無理ですかね。
○土坂政府委員 人材派遣会社から借りょうと思いますと、人材派遣会社の派遣業務の対象が限定されておりまして、今はその中にスチュワーデスは入っていないということで、法律上の制約があってそれはできないということでございます。
○関谷委員 時間が来ましたので、これで終わりたいと思いますが、とにもかくにも航空行政というのは、他の運輸部門ももちろん安全が第一でございますが、特に航空行政、航空分野におきましては、大きな事故がございますと大変なことになりますので、特段にそういうようなところの指導はよろしくお願いいたしまして、質問を終わります。
○井上委員長 次に、細川律夫君。
○細川(律)委員 細川でございます。 今回の法律案は、航空法の一部を改正をするという法律案でございます。航空法は航空交通についての安全と秩序を維持するための基本的なルールを規定するものでございます。 具体的な事項に入る前に、先日起こりました中華航空機の墜落事故についてお尋ねをしておきたいと思います。 事故については、四月の二十六日、名古屋空港で発生をいたしまして、死者が二百六十四名という大惨事になったわけでございます。事故の犠牲になられました方々の御冥福を祈るとともに、御遺族の皆様方に心からお悔やみを申し上げる次第でございます。 そこで、最初に、航空交通についての安全をつかさどっております運輸省の責任者として、大臣に端的な御認識と航空の安全についての基本的な認識をまずお伺いをいたします。
○二見国務大臣 私が運輸大臣を拝命したのが四月二十八日でございますが、その二日前にこの大変な事故が起こったわけであります。私はこの中華航空機事故について、多大な犠牲者を出した大変な事故でありますし、亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げるとともに、御遺族の方々に衷心よりお悔やみを申し上げたいと思います。 航空交通にとって第一番目の使命は、何といっても安全の確保であると考えており、航空事業者はもとより、運輸行政を預かる者として心に深く銘じなければならない事柄であると認識をいたしております。私といたしましては、今後の事故原因の究明の進展を踏まえて、このような不幸な事故が二度と起こらないように、航空安全対策に万全を期すよう努力してまいりたいと考えております。 実は、このことで事故調の竹内委員長あるいは木村事務局長等々とお話をいたしました。私がお願いしたのは、事故の究明は厳正にかつ公平に、公正にやってもらいたいし、できるだけ早くお願いをしたい、だけれども拙速では困る、こう申し上げました。そして、経過報告でもいいから、発表できることがあれば発表していただきたいというふうに言いました。というのは、その中から今でも手を打った方がいいかなと思うものがあるかもしれない、それでそういうお願いをいたしました。 事故調の方でもボイスレコーダーあるいはフライトレコーダーの解析の結果を発表してもらったわけですけれども、フライトレコーダー等の解析を見ながら、航空局としても必要な手は打ってきたというふうに考えておりますが、今後ともこういう事故のないようにあらゆる面で万全を期していきたいというふうに考えております。
○細川(律)委員 この中華航空機の事故の原因につきましては、今大臣からお話がありましたように、事故調査委員会が調査しているところでありまして、既に中間報告もなされているところでございます。 その報告によりますと、原因が一体どこにあるのか、操縦士のミスによるものかあるいは航空機自体、その機器の故障によるものかということについては断定ができないわけでして、まだそこまで至っていないわけなんですけれども、操縦士の操作ミス、操縦ミスによるのではないかというような疑いも大変強くなっているわけでございます。そしてまた、今までの報告の中には、機長あるいは副操縦士の遺体からアルコール分も検出をされた、こういう報告もされているわけでございます。このアルコール分が検出をされたということについては、これが食べ物からなのかあるいは飲酒によるものか、これもまたまだわからないわけなんですけれども、いずれにしましても、この事故によって操縦士に対する信頼が損なわれてきたのではないかというように、私は大変心配をいたしております。 そこでお聞きをいたしますけれども、この操縦士の資格について国際的な基準があるのかないのか、あればどういう基準であるのかをお話しいただきたいと思います。
○北田政府委員 国際航空に従事いたしますパイロットの資格につきましては、国際的に統一を図る必要があるということから、国際民間航空条約の附属書に国際的な基準が定められており、その中で操縦士資格ごとに年齢とか飛行経歴並びに必要な知識等について具体的な事項が規定されております。 ただし、この附属書の中では具体的な試験の実施方法の細目については規定されておらず、試験の実施の細目につきましては各国がそれぞれの実情に応じて定めることになっておりますけれども、基本的な要件というのは同じでございますので、国によって操縦士の知識のレベルが大きく異なるということはないものと考えております。
○細川(律)委員 今、この操縦士の国際的基準というものは国際民間航空機関、ICAOの第一附属書にいろいろ書かれている、そこに基準が定められているということでございます。ただ、どういうふうにその基準に合うように実施をしていくか、これは各国々に任せられている、こういうことでございます。そうしますと、ではそれぞれの国でその国際的基準に合うようなのをきちんと実施をしてやっているのかどうか、ここが重要だろうというふうに思います。 例えば、今回中華航空機の事故で問題になりました着陸のやり直し、これについてはこの第一附属書には「計器飛行時の正常、緊急時の能力を実証しなければならない」、こういうふうになっているようなんですけれども、ではどのようにそれを実証するのか、こういうことは何も規定はされていない。したがって、こういうことは各国に任されているのだろうというふうに思います。 そこで、これも新聞などの報道によりますと、運輸省の方々でもいろいろと心配をされているというようなことも報道されております。例えばこういうふうに報道になっているのですね。「日本の試験では、受験者一人を試験官が丸一日かけて見るが、外国では効率を重んじるあまり一日で二、三人を見てしまう場合がある。ICAOの基準を実質的にクリアしないで免許を出している例も少なくない。加盟国への罰則規定がないため、この状況に拍車をかけている。」運輸省の航空局の関係者がこういう話をしたというような報道がされているわけなんですけれども、これが事実だといたしますと、国際的な基準があったとしても、各国の免許を与える、実施をしているところできちっとやっているところはいいが、いいかげんにやっているところでは操縦士の資格が非常にいいかげんなものになっておる、そこから航空機事故が発生する可能性もいろいろ心配をされるということになってこようかと思います。 そうしますと、こういう点について、先ほどはそれぞれの国できちんとやっているだろう、したがって操縦士の能力も大体ある程度に達しているだろう、こういうようなお話でありましたけれども、実際はいろいろ御心配をされているのではないですか。この問題について運輸省としてはどういうふうに対応していったらいいのか、そこのあたりはどういうふうにお考えか、伺いたいと思います。
○北田政府委員 先生が合言われました運輸省の関係者の報道というのは承知しておりませんけれども、先ほどのICAOの基準というのも、基本的なことといいましても、その必要な知識、技能についてはかなり具体的なことが書いてあるわけでございます。知識につきましては、もちろん航空の法規、航空機の一般的な知識、性能、気象、航法、通信とかそういうことがございまして、技能につきましても、飛行全般について正常な操縦、異常時の操縦、緊急時の操縦、そういうものをやるということになっております。 通常、パイロットが一番最初にこの訓練を受けますのは、やはりメーカーの訓練、これはいろいろ指導を受けてやるわけでございまして、そういう飛行機を操縦できるようになるには人間である以上それほど差があるわけではなくて、こういうことができるようになるためにはほぼ同じような試験がやられているのではないかな、そのように思っております。先ほどのゴーアラウンド、やり直し、そういうものも当然あの訓練の中に入っておりますし、そういう意味で私どもとしてはそんなに違わないのじゃないかな、そういうように思っております。
○細川(律)委員 それぞれの国がちゃんとやっているであろう、こういうことなんですが、例えば中華航空機がこの間事故を起こしましたけれども、台湾で台湾の航空機がいろいろ事故を起こしている、その事故の原因はどういうところから来ているのかということで、一般的な平均の統計と、それから中華航空、台湾での違いがちょっと出ておるのです。 それによりますと、全世界では人的な要因で発生した事故の率というのが四〇%、機械で発生したというのが四〇%、天候で事故が発生したというのが二〇%というふうになっております。ところが、台湾ではこの人的要因の事故の率というのは六八%もある、こういうふうに、世界の平均からすると台湾は特に人的な要因、例えば人的なミスで事故が起こったというのが大変多い。そうしますと、私は必ずしも今おっしゃったように、操縦士の能力がきちっと平均的に基準に合っているような形にはなかなかなっていないんじゃないかというふうに思っているわけなんです。 したがって、この問題についてはこれから運輸省の方でも十分考えていただいて、いろいろな国際機関などでもやはりこの日本の考え方を主張していただいて、国際的な基準にあるのですから、その基準に合うようにそれぞれの国できちんとやるような、そういうのをぜひ主張していただきたいというふうに思っておるところでございます。 そうしますと、それぞれの国がやっているということですので、日本ではどういうふうにやっているのか、今もちょっと出たかと思いますけれども、日本では副操縦士あるいは機長、こういうものを養成していくために、一体どういうような訓練なり、あるいはどういう期間やっているかというようなことについて教えていただきたいと思います。
○北田政府委員 定期航空会社のパイロット養成体系もいろいろな局面があるわけでございますが、航大を卒業しますれば、航大は小型機の飛行機の操縦能力ということでございますので、定期航空会社に入れば大型機のための資格を取得しなければいけないということで、まず実用機の副操縦士の昇格訓練が始まるわけでございます。それにつきましては、そこで性能とかシステムとか操作手順等を座学でやりまして、それからシミュレーター、実機を使いまして操縦訓練を約半年ほどかけてやります。それで訓練終了後実地試験を受けまして、その実用機の型式限定を取得するわけでございます。それから、その後に実際の路線において副操縦士としての乗務訓練が数カ月行われて、入社後二年程度で副操縦士となるということでございます。 それから機長でございますが、副操縦士としての乗務を六年から八年ほど経験した後、機長昇格対象者というものは、機長になるために定期運送用操縦士の技能証明が必要になりますので、まずその学科試験を受験し、それに合格しますと機長昇格の訓練に入ります。これは主として実技訓練となりますけれども、一、二カ月程度の間、シミュレーター及び実機を用いて操縦訓練を受けます。それで定期運送用操縦士の技能証明の実地試験を受ける、そういうことになります。この試験に合格いたしましても、定期航空会社の機長になるためには実際の路線における機長路線資格というのをさらに取得しなければなりません。そのための訓練を受け、認定を受けて機長として乗務することができる、そういうことになります。 それで、国はどのように監督、試験をしているかということでございますが、先ほど言いました機長や副操縦士になるために必要な資格の技能証明を取得するための教育訓練、そういうものは運輸大臣の認可をいたします運航規程等に規定されておりまして、そういうようなものを通じて指導いたしますし、機長になった後におきましても定期的に訓練、機長路線資格にかかわる定期審査等をやっておりまして、そこで指導できるということでございます。 技能証明を取得するためには、国といたしましては学科試験、実地試験をやっておりますが、学科試験といたしましては航空工学、航空気象、航法、航空通信、航空法規の科目について行っております。実地試験は実機及びシミュレーターを使って、航空従事者試験官が操縦能力、技能を判定しております。
○細川(律)委員 大分先の方まで御説明をいただいたのですけれども、そうしますと、大ざっぱにいいますと、例えば私どもが自動車の免許を取る場合に、教習所へ行って学科とかあるいは実際の実地訓練をいろいろやりますけれども、そういうのをこの定期航空会社にいわば任せて、それでいろいろなマニュアルをつくっているところをやらせる、こういうことになっているわけなんですか。実際に国が監督するところとかあるいは試験そのものというのはどんなになっているでしょうか。
○北田政府委員 先ほどの教育のシラバス、そういうものはどういうものであるべきかということを指導しておりますし、先ほどの技能証明の試験は国がやるのが原則でございますけれども、国の試験に肩がわりする制度として指定航空従事者養成施設というのがございます。それにつきましては、国の試験官にかわる技能審査員というのがおりまして、それが試験をすれば実技はいい、そういう場合一部免除とか全部免除とか、いろいろなケースがございますけれども、学科試験につきましてはすべて国の試験に合格しなければいけない、そのようになっております。
○細川(律)委員 それでは次へ行きますが、我が国の航空会社にも外国人のいわゆる操縦士というのも何人がおられると思うのですけれども、この外国人操縦士というものはどういうような免許になっているのか、それについてまずお聞きをしたい。何人ぐらいいて、それでどういうように免許を与えるかということについてまず聞かせてください。
○北田政府委員 平成六年一月一日現在におきます我が国の定期航空会社の操縦士の総数でございますが、四千五百八十名でございます。このうち、外国人操縦士は二百二十六名でございます。
○細川(律)委員 それで、日本で免許を与える場合に、つい最近までは実機それからシミュレーターそれぞれの試験が義務づけられていたというように聞いております。しかし、先月からこの実機による試験というものはされずにシミュレーターだけの試験、こういうふうに変わったというふうに聞いております。これは先ほどから申し上げておるように、それぞれの国で免許を与えるのが非常にいいかげんなところもあるようだし、そういう人たちに対して日本が免許を与える場合にシミュレーターだけで果たして大丈夫なのか、なぜこの時期にこういう実機試験というのはやめてシミュレーターだけにしたのか、説明していただきたいと思います。
○北田政府委員 外国人操縦士であっても、我が国の航空会社の航空機に乗務する場合には我が国の技能証明というものが必要となりますけれども、外国人操縦士は、通常外国当局の発行した技能証明というものを有しているわけでございます。そうしますと、航空法の規定に基づきまして我が国の技能証明を取得する場合に、試験の一部が免除されるということでございまして、航空法規に関する学科試験と実地試験の一部をやっております。この実地試験は、通常実機とシミュレーターを使用して行っているわけでございますが、我が国の航空会社が採用いたします外国人操縦士の場合には、外国のそういうしかるべき技能証明を既に持っておる、乗務する機種の限定も持っておるということであります。さらに、外国において乗務経験も十分あるということでございまして、実機における操縦感覚を十分持っておる。 そういうことでございますので、私どもが、つい最近でございますが、そういう方針を変更する前には、実際にその外国人操縦士につきまして、シミュレーターで十分訓練してシミュレーターで試験し、さらには実機でもすぐ試験をして全員合格した、そういうような評価を行った上で、実地試験でも、このような経験を持っている外国人操縦士については技能を評価して大丈夫だ、シミュレーターもほとんど実機に近いような形になっておりますので、シミュレーターでも能力の判定はできる、そういうように判断したわけでございます。
○細川(律)委員 じゃ、次に移りますけれども、この三月三十日、横田の米軍基地のいわゆる騒音訴訟の控訴審での判決が出まして、国の方では五億二千万円を住民の人たちに支払え、こういう判決が出ました。その前に、ことしの一月二十日には、福岡空港の近所の人たちが航空機の騒音の損害賠償を求めておりました。これの最高裁の判決が出まして、これも住民の人たちには損害賠償が認められたというような内容になっているわけなのでございます。 長い間、飛行場の周辺の人たちは大変な騒音に悩まされて、しかも裁判までやってこういう結果になったわけなのですけれども、今回この騒音の問題につきましては、いわゆる旧騒音基準適合機については段階的に飛行できないようにする、こういうような案なのですけれども、なぜもっと早くこういうことができなかったのか、新しい基準値ができましたのが昭和五十二年なわけですから、それからいっても大分長い間だっているわけですね。 もう時間が来ましたから申しませんけれども、したがって私が申し上げたいのは、こういう騒音がいまだ続いている、今回こういうものの改正によって、旧基準値の航空機についてはもうだんだん飛べないようにしていく、こういうことでありますけれども、しかし、例外もまた認めるというようなこともあるようでございます。外国からの乗り入れの航空機については、例外を認めてさらに延ばしていく。そうしますと、飛行場の周辺の人たちはこういう騒音に非常に悩まされているのですから、私としては、そういう例外はなるたけさせないように、早くこの騒音はきちんと解消をしていかなければいけないのじゃないかというふうに思っております。 そういう意味で、このことも申し上げまして、もう時間も来ましたから私の質問は終わりますけれども、空の航空機の事故というものは、一たん事故が起こりますと大変な大惨事になりますから、冒頭に大臣が言われましたように、ひとつ運輸省の方におかれましては、この航空行政、空の安全のために積極的な行政を推進していただきたいということをお願いいたしまして、私の質問は終わります。ありがとうございました。
○井上委員長 寺前巖君。
○寺前委員 先ほどから中華航空の事件をめぐってのお話がございましたので、ダブった質問はいたしませんが、私も現地へお邪魔をしました。二回寄せてもらいましたけれども、現地は空港長を初め、職員の皆さん方が必死の思いで徹夜をして御奮闘なさっておった、本当に御苦労この上なしという感じを受けました。せっかくの機会ですので、私、空港の消火体制というのは一体どうなっているのだろうか、この際、ちょっとそこに一つの焦点を置いて見せていただきました。 大概の空港へ行きますと、全部消防課というのですか、そういう看板が出ております。ところが、あそこへ行って私ちょっと回らせていただいたら、消防課というのはないなと思った。何でないのだろうか。たまたま大阪の、この前関空の調査に行ったときの、大阪の局長さんに会いました、所管の。あなた、何でこんなところに来ているのや、いや私のところの所管の空港です、ああ大阪の所管がといって話しておったのですが、ここには消防課というのはないのやねといったら、ええないですわ、こういう話です。 名は体をあらわすということを昔から言いますけれども、消防諜がないということは、ここの消防、救急は一体だれの責任において国際空港としておやりになっているのだろうか、思わず私はそう思いました。あれは、だれの責任でやるのですか。 〔委員長退席、緒方委員長代理着席〕
○土坂政府委員 飛行場の設置管理者は、空港内で事故が起きた場合の初期の消火活動、これにつきましては、飛行場の設置管理者の責任において対処するということになっておるわけでございます。 ただ、これは飛行場の設置管理者がそういうことについて責任を持つということを言っておるわけですけれども、直接自分でやる場合と、それからだれかほかの人に委託してやらせる場合と、それから、あるいは別の人との間で協定を結んで別の人にやってもらう場合と、具体的なやり方はいろいろなケースがあるわけでございまして、名古屋の場合にはこれが米軍から防衛庁に、防衛庁から運輸省にというふうに移ってきた空港でございまして、米軍から防衛庁に移った段階で防衛庁みずからが消火体制をつくった、それをその後自衛隊から運輸省が引き継ぎましたので、既に消火体制を防衛庁が持っておった。そういうこともありまして、空港の設置管理者としての初期の消火体制については、これは防衛庁と協定を結んで防衛庁にお願いするというやり方でやってまいりました。 なお、今申し上げているのは全部初期の消火体制でございまして、空港の設置管理者だけで消火活動というものはできるものじゃありません。初期は、とにかくみんなとりあえず立ち上がってやる、それと同時に、すぐに自治体消防に連絡をして自治体消防に駆けつけてもらう、最終的には全体でやる、こういうような仕組みでやっておるところでございます。
○寺前委員 それで、自衛隊と共用しているから、一体どんな協定を結んでいるのだろうか。防衛庁にもらいましたよ、これを。どんな協定を結んでおるのか。そうすると、ここにこう書いてある。 名古屋空港における民間航空機に対する救難活動並びに空港地域及び航空自衛隊小牧基地内における建物火災の消火活動について、大阪航空局名古屋空港事務所と小牧基地の間において相互援助を行うための業務責任について明らかにした。その次に、業務の範囲が書いてある。「小牧基地内に発生した建物火災の消火活動について、状況の許す限り小牧基地を支援するものとする。」「小牧基地は、名古屋空港及び空港を中心とする半径十キロメートルの地域内に発生し、又は発生を予想される民間航空機に対する救難活動については、空港事務所を支援し、空港内に発生した建物火災の消火活動については、状況の許す限り空港事務所を支援する」と書いてあるのです。 支援される方は何にもなしですけれども、あそこにお願いしているのだろうか。何にもなしでお願いしていますといっても、相手の方は、いや、状況の許す限りです、こう言うのです。これは無責任だと私は思うな。やはり自分で持たなければあかんのと違うのじゃないだろうか。協力は協力、だけれども主体は主体。ほかの国のあれはどうだとか心配するのも大事なこと、けれども自分のところが、どうぞ外国の飛行機に来てくださいと言う以上は、ちゃんと責任持たなければいかぬと思う。私の言うことは間違うているか。私はそんな感じがしたのです。 そこで、現地の自衛隊の方にも会ったから、どうですか、ああいう大型の飛行機が着陸してくるようになってきていると、あなたのところで飛行機の面倒見られるのか、初期活動とおっしゃるけれども。いや、うちはそんな体制はありません、うちの飛行機は違いますねんと言うわけです。しかも、古い施設です、そんな期待持たれたってできませんよ、こう言っているのです。 こうなってきたら、いよいよもって、こんなことで責任を果たしていると言えるのだろうか。私の言っているのは間違っていますか。速やかに改善しなければいかぬのと違うか。自前でやはり一定の体制を持たなければ無責任だと私は思う。いかがでしょう。
○土坂政府委員 責任を持つのは設置管理者でございますが、先ほど申し上げましたように、協定で支援をしていただくことになっております。そして、自衛隊の消防能力につきましては、これは自衛隊の持っておられる飛行機は民間の飛行機と違いますけれども、民間の飛行機を前提にしたときに必要な消防能力、これについてはきちんと持っておられると私ども思っております。ただ、消火液の点ではきちんとしているけれども、放射距離で一部基準に達していない、そういうようなところがございますけれども、全体としては能力を十分お持ちだ。 そしてまた、今回の事故に見られますように、事故が発生いたしますと直ちに私どもは自衛隊にお願いをいたしますが、自衛隊は本当に三分後にはもう出動いたしまして、そして全力を挙げて消火活動に当たっていただいた、あるいは危険を冒して金力を尽くしていただいたということでございまして、私どもはそういうことで連携を十分やっていけばきちんと対応はできるというふうに思っております。
○寺前委員 あなた、そうやって居直るのだったら心配ですよ、自衛隊の担当者がそう言ったのだから。そこまで言われたって、支援はもう最大限にやります、やってあった、この間も見に行ったら。だけれども、支援には限界がある。自衛隊は自衛隊用の、やはり自衛隊の消火体制なのです。それは、言うのは当たり前だと私は思った、そのときに。この協定で責任持つのだといって、やれるのかといったら、いや、それはそんなことを言われたって違いますよと言われた。 私は、やはりあそこにおけるところの自前の消火体制をつくる計画を直ちに持つべきだと思うわ。大臣、いかがでしょうか。持つべきだと私は思う。
○二見国務大臣 管理者は運輸省であり、消火体制は自衛隊が負っているわけですけれども、支援できる範囲とかなんとかということは、こういうことが起きたときにそんなことを言っているのは恐らくおらぬと思います。だから、今度は三分間で現場へ駆けつけて、これは大変なことをやった。これほどの大事故に、自衛隊はもう駆けつけてくる。そして、危険を冒してまで消火作業をやる。県警が来る。あらゆるものがやってきている。私は、今回の自衛隊のあの献身的な努力といいますか、これは十分に評価してもらわないと困るのですね。
○寺前委員 そんなことを言ってないよ。私は、健闘しておられることを言った上で言っているのじゃないか。大変な努力をしてもらっています、航空の担当者も、と私は言っているじゃないか。そんなことに対して、あなた、けちをつけるようなことを言わんといてよ。違うよ。私は、そんなことをちっとも言ってない。国際空港として、管理者とするならば、ちゃんと自前の体制を考えることをしなかったら、あちらにだけ、消防の方々にもあれはあるけれども、自前の体制問題というのは考えなければいかぬのじゃないかという話をしているのであって、あなた、話を違うところに、そんなこと言わんといて。そうだろう。自前でやはり持ちたいと思わへんの。僕は持つべきだと思うわ。経過があったから持っていないというだけだったらわかるよ。だから、私はそんなむちゃは言ってない。自前のそれなりの計画を立てるべきじゃないのですか。よろしいか。
○土坂政府委員 初期消火体制について、設置管理者が責任を持つのが原則でございまして、直営をしている場合もありますし、実はほかの空港では、自衛隊とは別の、保安協会という専門のところに委託している例もございます。 つまり、私が申し上げたいのは、必ず自前で持っていなければ初期消火能力が達成できないということではなくて、やはりきちんとお約束をいただいて助けていただける場合に、そしてそれが消火能力をきちんと持っておれば、そして現実に本当に一生懸命やっていただいているわけでございますので、これによって初期消火は対処できる。それ以後のことは自治体消防にお願いをして、みんなで力を合わせてやるということでやっていけるものと思います。
○寺前委員 僕の質問には一つも答えていないのだ。これからの問題として私は提起したのだ。私の方にだけ言われておったって、私のところは私のところの主体性があってそこまでできませんと言われたら、僕はそうだろうと思うわ。自治体は自治体の、自分のところの主体性の範疇でやっておるのだ。だから航空局の方も、運輸省の方も自分のところでこれから計画を立ててやるのかやらぬのかというだけの話なんだよ。それは計画立てないというのだったら、これは異常やなど思うわ。計画はやはりそれなりに考えられるべきじゃないか。ちょっと時間があるさかいに、それは後でちょっと大臣に。これからの話を言うただけの話で、やってへんとか、そんなことは言ってへんのや。一生懸命やっていらっしゃるわ。 次に、航空法の質問についてやります。 今度の航空法で、経年機対策の整備、今まで整備の外国への発注は経年機対策の整備だけで、定例整備は認めてこなかった。一体、現在の整備状況というのは、それぞれの会社はその定例整備というのは日本の国内でやっておられるのじゃないかと思うのだけれども、そうなっているわけでしょう。
○北田政府委員 航空機の整備もいろいろなものがございますが、先ほどの経年機のための改修、大規模な改修でございますが、これは確かに海外の修理会社に出しまして、定例整備につきましても、その会社とあわせてやる場合については一部やった例はございますが、基本的には定例整備というのは国内の航空会社、修理会社でやられております。
○寺前委員 それで、飛行機がずっとふえてきた。ふえてきたので、国内で整備ができないので外国へ定例整備も持っていこうか、こういう話なんですか。そこはどうなんですか、今度の法改正のねらいというのは。
○北田政府委員 航空会社の希望といたしましては、これから定例整備の一部、自社の整備能力を超える分については海外の整備会社に委託したいという希望を持っております。今回の法改正はそれを円滑にするための一つの方策であろうと思いますし、それ以外の国内におきます認定事業場も、定例整備というのは、近年の航空機の技術進歩によって、個人の整備士の確認ではなくて組織体制で確認した方がよいということもございますので、それにこたえるものでもございます。
○寺前委員 よくわからぬのだけれども、自分のところの飛行機は、定例検査については自分のところの関係のところでやる、それでもって、飛行機をふやしていくのだったら、そういう能力でやっていくのを基本にして、そして特別な修理をするときには外国にある工場にも一定の条件のもとにおいて頼むというのだったらわかるけれども、これがこれからずっとふえていった場合に、主体が何かよそへ移うていって、整備は整備でするのだ、これはこれでするのだということになると、僕はちょっと不安なんです。 それで、日航の御巣鷹山ですか、大事故がありましたね。あの経験はこの法律の中にはどういうふうに生きているのでしょうか。
○北田政府委員 日航一二三便の事故におきましては、過去にしりもち事故を起こして、それの復旧修理というものをボーイング社に委託して、その際に隔壁修理に不適切な修理が行われたということが事故原因に深く関係したということでございます。運輸省といたしましては、それ以降、航空会社に対しまして、整備作業の委託を行う場合には、相手先の能力審査を十分行った上で委託先を決定すること、委託作業については必要な指示、監視を十分に行うこと、また必要な領収検査を行うこと等委託作業の管理の徹底を強く指導してきたわけでございます。 今回の制度改正により、定例整備を一部海外に委託するということも予想されますが、この場合におきましても、日航二一三便の事故を教訓として、航空会社に対しましては委託作業の管理を一層徹底するよう指導していきたいと考えております。 〔緒方委員長代理退席、委員長着席〕
○寺前委員 僕は、ちょっと解せぬのは、日航のあの大事故の後をずっと見ておりますと、今おっしゃった後部隔壁の修理をボーイング社に委託する、運輸省の検査官もその修理を後で確認をしているわけでしょう。それで、検査官が後で自殺されるという御不幸もありましたわ、一生懸命やってもらったのに。 そこで、私、リベット打ち込みにミスが発見されたのは事故後になっているということを知ったときに、つまり、工程管理全体を見ながらやらなかったら、ああいう修理というのは表面上の対応だけで発見せいというのはなかなか難しいものがある。私は、そのことを日航の事故から強く感ずるんです。とすると、僕は、やはり基本的に修理は自前のところで修理するということを基本に据えないと、あの事故の教訓は生きてこないことになると思うのですよ。 時間が来たのでもうやめますけれども、九二年度、九三年度の例えば日航の整備違法を見ると、海外認定工場への整備の委託とか機体整備の先送り、エンジンおろし二五%の削減などをやって、六十三億円を前年度比で削減していますわ。当時もうかる整備なんということを会社として言っておられたけれども、こういう発想というのは、安全輸送をやっていくという立場から見ると逆行する方向に進んでいくのではないだろうか。海外へこれを移すという問題が主要な方向になっていくということにも今後なりかねないということを考えると、あの日航機の事故から考えて今度のやり方はいいのだろうか、正直言って疑問を感じましたということを私は申し上げたいと思うのです。 討論をやらせてくださらないので、ちょっと最後に一言だけ、もう一度言っておきますと、定例整備を行うための十分な能力もなしに、業務規模だけは拡大していくことを運輸省自身が認めたことが私は重大だ、安全の確保に欠かせない定例整備の確保を条件に自社整備の原則を確立して、安全を無視した業務規模の拡大に一定の歯どめがかけられる必要があるのではないだろうか。それを航空安全の確保に全責任を持つ運輸省自身が法的にこういうことをやるということになると、結局コスト第一主義になり利潤追求第一主義になって航空安全は第二になっていく。心配でなりませんので、反対をいたします。 終わります。
○井上委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○井上委員長 これより討論に入るのでありますが、理事会の協議により、討論は省略することにいたします。 これより採決に入ります。 内閣提出、航空法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○井上委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○井上委員長 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局神奈川陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件、内閣提出、道路運送車両法の一部を改正する法律案及び内閣提出、油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案を議題とし、順次趣旨の説明を聴取いたします。二見運輸大臣。 ————————————— 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、 関東運輸局神奈川陸運支局の自動車検査登録 事務所の設置に関し承認を求めるの件 道路運送車両法の一部を改正する法律案 油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○二見国務大臣 ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局神奈川陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件の提案理由につきまして御説明申し上げます。 この案件は、運輸省の地方支分部局として、関東運輸局神奈川陸運支局の自動車検査登録事務所を設置しようとするものであります。 すなわち、神奈川県の中西部地域における自動車の検査及び登録に関する事務の円滑化を図り、あわせて当該地域の住民の利便を増進するため、神奈川県平塚市に、関東運輸局神奈川陸運支局の下部組織として、湘南自動車検査登録事務所を設置する必要があります。 以上の理由によりまして、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局神奈川陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し国会の御承認を求める次第であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御承認くださいますようお願い申し上げます。 続きまして、道路運送車両法の一部を改正する法律案の提案理由の説明を申し上げます。 今日、自動車は国民各層に普及し、国民生活に欠くことのできないものとなっております。このように、モータリゼーションが成熟化する中で、自動車の安全の確保と公害の防止を図りつつ、時代の要請に対応した自動車社会を形成していくためには、自動車の検査及び点検整備制度について、自動車の使用者による自主的な保守管理を促すとともに、最近における自動車技術の進歩及び使用形態の多様化に適切に対応した点検整備の簡素化を図る等の見直しを行う必要が生じております。 このような状況にかんがみ、一昨年六月の臨時行政改革推進審議会答申を踏まえ、昨年六月に運輸技術審議会から時代の要請に対応した「今後の自動車の検査及び点検整備のあり方について」答申がなされるとともに、昨年九月の緊急経済対策及び本年二月の「今後における行政改革の推進方策について」におきましても、自動車検査等の緩和が盛り込まれているところであり、これらの答申等の趣旨を踏まえ、自動車の安全の確保及び公害の防止を前提としつつ、あわせて、国民負担の軽減にもつながるよう配慮し、自動車の検査及び点検整備制度の改善等を行う必要があります。 一方、社会経済情勢の変化に対応して、国民の負担を軽減するため、「今後における行政改革の推進方策について」に基づき、道路運送車両法に規定する許可、認可等の整理及び合理化を図る必要があるほか、その他所要の措置を講ずることが必要であります。 このような趣旨から、このたびこの法律案を提案することとした次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、自動車の使用者は、自動車の点検をし、及び必要に応じ整備をすることにより、当該自動車を保安基準に適合するように維持しなければならないこととするとともに、自家用乗用自動車等に係る六カ月点検の義務づけを廃止する等、自動車の点検及び整備に関する制度を見直すこととしております。 第二に、指定自動車整備事業制度を活用できる範囲を拡大し、抹消登録を受けた自動車の新規検査等の際及び継続検査等の再検査の際、運輸大臣への現車提示を省略できる制度を設けることとしております。 第三に、設計または製作の過程に起因する自動車の保安基準への不適合について、自動車製作者等が改善措置を講じようとする際、運輸大臣へ届け出なければならないこととするとともに、運輸大臣は、自動車製作者等に対し改善措置を講じることを勧告することができることとしております。 第四に、回送運行の許可等の有効期間の限度を延長すること、その他社会経済情勢の変化に対応して、国民の負担を軽減するため、許可、認可等の整理及び合理化を行うこととしております。 第五に、自動車は、前面に取りつけられた自動車登録番号標及びこれに記載された自動車登録番号についても、見やすいように表示しなければ運行の用に供してはならないこととするため、所要の規定を整備することとしております。 なお、この法律の施行期日は、一部の規定を除き、周知に必要な期間等を考慮し、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としております。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。 続きまして、油濁損害賠償保障法の一部を改正する法律案の提案理由を説明いたします。 我が国は、年間二億七千万トンに及ぶ石油を輸入している世界でも有数の石油輸入国であり、多数のタンカーが我が国の沿岸を航行しております。 これらのタンカーの安全確保につきましては、構造及び設備の改善、交通ルールの確立、航行環境の整備など各般にわたり努力しておりますが、万ータンカーの事故が発生した場合には、早期に適切な防除措置を講じて油濁損害の拡大を防止しなければならないとともに、油濁損害の賠償を充実させることが必要であります。 このため、油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約及び油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約に基づき、油濁損害賠償保障法を制定し、油濁損害について船舶所有者の無過失責任を原則とし、その責任を制限するための手続を設けるとともに、さらに国際基金からの補償がなされること等を内容とする制度を設けているところであります。 しかしながら、この制度の発足後約二十年が経過し、この間の物価上昇等を踏まえ、油濁損害の賠償を一層充実するため、油濁損害についての船舶所有者の責任限度額を引き上げること、国際基金からの補償限度額を引き上げること、責任限度額を算出するための単位を改定すること等を内容とする現行条約の改正のための四本の議定書が成立しております。 我が国といたしましては、このような状況を踏まえ、また、我が国が現行条約の締約国の中で最大の油受取国であること等にかんがみ、これらの議定書への加入を早期に行い、油濁損害の賠償を一層充実させる必要がありますので、条約改正の内容に沿って油濁損害賠償保障法の一部を改正しようとするものであります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、船舶所有者の責任限度額を算出するための単位を国際通貨基金協定に規定する特別引き出し権に改めることとしております。 第二に、船舶所有者が責任を負う油濁損害の範囲について、空船航行中のタンカー等による油濁損害及び本邦の領海の基線からその外側二百海里の線までの海域であります二百海里水域内における油濁損害等を追加することとしております。 第三に、船舶所有者の責任限度額を引き上げることとしております。 第四に、議定書による改正後の条約、すなわち、千九百九十二年の油による汚染損害についての民事責任に関する国際条約及び千九百九十二年の油による汚染損害の補償のための国際基金の設立に関する国際条約の発効後、現行条約が廃棄されるまでの間におきましては、議定書による改正後の条約とともに現行条約が引き続き我が国に効力を生じておりますので、これに伴い、船舶所有者がその責任を制限するための手続等につきまして、所要の規定を設けることとしております。 以上のほか、議定書への加入に伴い所要の改正をすることとしております。 なお、本法の施行につきましては、それぞれの規定の内容に応じて、議定書が我が国について効力を生ずる日または現行条約の廃棄が我が国について効力を生ずる日をその期日として、順次施行していくことを予定しております。 以上が、この法律案を提案する理由であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○井上委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十七分散会 ————◇—————