予算委員会 第8号
- 発言数
- 386 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1993/12/14
会議録
○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 平成五年度一般会計補正予算、平成五年度特別会計補正予算、平成五年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題といたします。 去る十日に引き続き、総括質疑を行います。大木浩君。
○大木浩君 細川総理、おはようございます。 連日いろいろとお仕事で大変にお疲れとは思いますが、どうぞひとつ国会にはなるべく定刻においでいただくようにお願いを申し上げます。 ここ数日、米の問題をめぐりまして政府・与党間で相当いろいろと混乱があったように思います。そして、今朝、予定どおりと申しますか、細川総理がいわゆるガットの調停案を受け入れるという決心をされて、国民に対してもテレビを通じて御報告がありました。 今回の調停案、いろいろ問題がございます。ただ、調停案自身につきましては、後刻本会議も行われその問題の討議も行われると思いますので、調停案自体について私今ここでは質疑を差し控えさせていただきますけれども、一言だけ感想を述べさせていただきますと、私も長い間外交の方の仕事もさせていただいた人間の一人としてあえて申し上げれば、今回のこのガット交渉、特に米をめぐる交渉、これほど弱腰の交渉というのは見たことがないということを私の感想として申し上げておきます。しかも、たび重なる国会の決議にもかかわらずああいうような結果になりましたことについては、私も多国間取り決めあるいは交渉というのはどういうものであるかはよく存じていますけれども、にもかかわらず、やはり非常に遺憾であるということを申し上げたいと思います。 ところで、今申し上げましたように、この調停案自身については今細かく議論することを差し控えますが、どうしてもこの場でお聞きをしておきたいという点が一つございます。 昨晩から今朝にかけて社会党さんの方ではいろいろと議論をしておられました。そして、私もつまびらかにはいたしませんけれども、いろいろ議論があって、最後は、社会党としてはこの調停案には反対である、反対ではあるけれども政府の一部をなしておる社会党であるから総理の決断に従って調停案を受け入れると。要するに、一つの問題に対して同じ社会党がイエスと言いノーと言っておる。どういうお考えでこういう答えが出てきたのか、あるいは私が今申し上げましたようなその解釈というのは違うのか。 ひとつ、本来ならば社会党の委員長にお尋ねするところでしょうけれども、たまたま前委員長、そして今、内閣におられる山花国務大臣にその辺について一言御解説をいただきたいと思います。
○国務大臣(山花貞夫君) お話しのとおり、このところ緊張した議論を続けてまいりました。昨晩はまた、具体的な限られた日程の中で政治的決断をしなければならないということから、衆参の議員の皆さん、そして党の機関としての会議等を開きまして、今御指摘いただいた政治的な決断をしたところでございます。 調停案については、これまでの社会党の方針に照らせば反対であるけれども、ウルグアイ・ラウンドの成功と連立政権に参加する立場から総理の方針を了とせざるを得ないとしたものでありまして、日本の農業の再建、農村の振興のために改めて全党力を尽くそう、こうした決意を表明したものと私も受けとめているところでございます。 こうした厳しい選択をするに当たりましては、これまでの努力ということについて真摯に反省をしながら、そしてこれからの国内農業対策をこの政権の中で私たちも一生懸命主張して実現していかなければならない、こうした決意を明らかにしたものでございます。
○大木浩君 いろいろ今後の決意ということをおっしゃいましたけれども、いろいろと報道によりますと、今回こういう答えが出てきたのは、これは外交というのは政府の仕事だと、政府の言うなれば専管だからということでございますけれども、しかし今のこの議院内閣制の中で、しかも与党第一党の社会党が外交はだれかほかの人に任せておくと言わんばかりの議論というのは私どもはどうしてもいただけない。これは私の感想でございますからお答えはいただかなくて結構でございますが、あえて私の考え方を申し上げておきます。 ところで、細川内閣発足以来約四カ月が経過いたしました。今までのこの細川内閣に対する世論といいますか、これは残念ながら、残念ながらというのは私どもの自民党なり野党の立場から残念ながらと言うわけですが、今まで少なくとも数日前までは非常に高い支持率というのを誇っておられたわけでございますが、ただ、総理も前々からこの細川内閣の任務というのは責任ある改革、改革ということを非常に強調しておられると同時に、主要な政策も、特に外交とか防衛とかそういった問題については従来の政府つまり自民党の政策を継承するということも言っておられます。 そこで、総理にお伺いしたいんですが、これは別にあらゆることについて言っていただく気もございませんが、総理としてはここは継承するけれども特にここはまた今までとは違った政策をこれから展開していくんだということがございましたら、どうぞひとつ例示的で結構でございますからなるべく具体的に国民にわかりやすく御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(細川護煕君) 端的に申し上げれば、 外交とか安全保障とか最も基本的な国の方向に大きなかかわりを持つものにつきまして従来の方針が急に変わるということでは国際的な信頼にもかかわることでございましょうし、もちろんその中で改めていくべきところは、これは当然自民党政権が続いておりましても、時代の趨勢あるいは国際的な環境の変化、そうした中でおのずからそれは手を加えられていくであろうと思います。 そういう観点から、連立政権としても基本的な方向は、今たまたま外交政策についてあるいは防衛政策の例を挙げさせていただきましたが、基本的な大筋の方向というものは踏まえながら、しかし当然のことながらこれも時代の要請に応じて変えていくべきものは変えていかなければならないと、そのように思っております。
○大木浩君 総理が時代の要請にとおっしゃいましたけれども、なかなかその時代の要請に応じて変えるものと変えちゃいけないものもあるんじゃないかというふうに感じておるわけでございます。 実は私は、総理の政治哲学と申しますか基本的なお考え方をちょっと勉強させていただこうと思いまして、これは日本新党をおつくりになったときに書かれた本だと思いますが、「日本新党 責任ある変革 細川護煕編」と書いてありますけれども、「編」ですけれども、これは総理お一人のお名前が書いてございますからこれはやはり総理の政治哲学というか信念が反映していると思いますが、そこにこういうことが書いてございます。「いやしくも、一国の宰相は世界の大局を把握して、自分なりの言葉で、「歴史」について何を語るかが問われている。自国の進路を国民に指し示し、国民に対する啓蒙と自信に満ちた説得力を発揮すべき」である云々と、こういうふうに書いておられるわけでございます。 私は、これは総理がまだ日本新党をおつくりになったころの御発言でございますけれども、もうこのころから総理はやはりいずれ宰相の印綬を帯びるというお覚悟でいろいろと勉強してこられたというふうにも受け取られるわけでございますが、今、総理が歴史について語るとおっしゃいましたので、私も非常に感銘を受けておる。総理の曾祖父に当たられる近衛篤麿貴族院議長も大変にアジアにおける日本民族の使命ということについては深い関心をお持ちで、東亜同文会を設立された。そしてまた、総理のおじい様に当たる近衛文麿元総理も若いときに、あれはたしか一九一七、八年だったと思いますが、「英米本位の平和主義を排す」という論文を書かれて洛陽の紙価を高められたということでございます。そういった御先祖をお持ちの総理でございますから、私はここで、歴史について何を語るかということは、単なる思いつき、筆の走りで書かれたのではなくて、総理が非常に御信念をお持ちだということを考えたわけでございます。 しかしながら、総理として御就任になってからいささか歴史を語るということで言われた発言と申しますと、いわゆる侵略戦争発言でございます。個人としていろいろなお考えがあることはわかりますけれども、一国の総理が侵略発言、言葉は侵略戦争、侵略的行為、いろいろなことを言われましたけれども、少なくともそういった行為があって、外国に対して謝罪、おわびという意味の言葉を述べておられますが、総理は一体だれに向かって、日本のどの行為が侵略であったか、おわびする対象であると考えてああいう御発言になったのか、ひとつ御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(細川護煕君) 本会議、委員会等で再三御答弁申し上げてきたことでございますが、さきの大戦の評価につきましては人それぞれさまざまな歴史観あるいは世界観というものがおありであることは改めて申し上げるまでもないところでございます。 私が申しましたのは、我が国の過去における行為が多くの人々に耐えがたい悲しみと苦しみを与えた、そのことに対して深いおわびの気持ちというものを持ちながら、未来に向かって、平和の建設ということに向けて我々はしっかりとした決意を持ってそのことに貢献をしていかなければならない、そういう気持ちを申し述べたものでございまして、特定の時間帯を区切ってあるいはまた特定の地域を区切ってそういうことを申し上げたわけではございません。
○大木浩君 だれを相手にして何のことについて謝ったかよくわからないというのは非常にわかりにくいと思いますけれども、まあそのことはちょっとおいておきましょう。 しかし、私は、そのいわゆるおわび云々ということにつきまして、総理が発言されたその裏の、何といいますか、いろいろな戦後の日本の外交についての御理解というのは少し間違っておるんじゃないかという感じがするわけでございます。 これも、この本から私は読ませていただきましたけれども、総理は、一九八八年にアメリカにおいて抑留日系人に対する補償法が通って、そのことに触れられまして、「戦勝国から日系人が補償を受けているのに、日本はといえば近隣諸国に対し「すでに国家間で補償は済んでいる」と繰り返すのみである。速やかに援助ではなく補償をして戦後処理を行うべきなのだ。」ということを言っておられます。 御存じのように、戦後の日本外交、特にサンフランシスコ条約後の一九五〇年代から七〇年代にかけては日本の外交の中心は賠償の仕事だったわけでございます。日本としては懸命に、あのころは今のような豊かな日本でないにもかかわらず、必死になって賠償の交渉を行い現実に賠償を行ってきた。にもかかわらずこういうことをおっしゃるんですが、総理は果たして、今改めて日本の賠償交渉といったようなものは全般として非常に不十分であった、もう一遍やり直すべきだというふうにお考えですか。
○国務大臣(細川護煕君) これも再々申し上げてきておりますように、いわゆる戦後処理の問題につきましては、サンフランシスコ平和条約あるいはまた二国間の平和条約その他の条約において誠実に対処されてきているというふうに思っておりますし、今それについて見直すということは全く考えておりません。
○大木浩君 念のために申し上げておきますけれども、賠償交渉あるいは取り決めというのは、原則としては相手国政府だけではなくて相手国の国民の個人の請求権というようなものも対象にして行われているわけですから、少なくとも法律的には、非常に細かい点は別にしまして、全体としてはそういった相手国の国民も対象にして行われるということだけ御指摘申し上げておきたいと思います。 次に、これから細川内閣がいろいろ外交を展開していかれるわけですが、いろいろと立場を異にしておる政党がおられるわけですが、本当にうまくいくのかなということで心配をしておりますのが朝鮮半島との関係でございます。 そこで、特に社会党さんは今までほかの政党とは全く違う立場、少なくともそこに座っておられる各党とは違った立場を朝鮮半島の二つの政府に対して持っておられたと思いますが、先般、委員長のお立場で訪韓もされたということで、一体どういうお話をしてこられたか、まずそこからお知らせ願いたいと思います。
○国務大臣(山花貞夫君) 確かに委員御指摘のとおり、従来、私が所属している日本社会党は、朝鮮民主主義人民共和国とのパイプと申しましょうか政党間の交渉、交流というものを重ねて、重んじてまいりました。そうしたことだけでは朝鮮半島の平和のため統一のために十分ではなかろう、こういうことから、朝鮮半島政策の見直しというものを議論する中で、均衡ある交流というものをつくりあげていかなければならない、努力を重ねてきたところでございます。 これまでにも書記長クラスの皆さんが訪韓をするということで窓口をあけてまいりましたけれども、党の現職の委員長が訪韓したという経験はございませんでした。韓国におきましても三十二年ぶりに文民政権が誕生した、そして日本でも三十 八年ぶりに政権交代が行われた、こうした機会が訪れたことから韓国側からお招きをいただきましたものですから、私も訪韓したところであります。 一言で言って社会党としてまだまだ韓国のさまざまな状況について勉強不足の点があったんじゃないだろうか、そういう点について直接政界の皆さん、与党の皆さん、野党の皆さん、そして各団体の皆さんからお話を伺って、私たちの韓国に対する見方というものを正しくしていきたい、そしてそのことを未来を志向した日韓関係の幅広い交流の礎としていきたい、こういう気持ちで訪韓を実現したところでございまして、基本的な姿勢というものは、そうしたまず初めて党として正式に扉を開くということに目的があった、こういうように御報告することができると思っています。
○大木浩君 今のお話ですと、何か今までも北と南とそれぞれと仲よくしてきたというお話のようですが、必ずしも私はそういう感じじゃないと思うんです。ということは、これはこれから社会党さんと御一緒に外交を展開していかれる細川総理、朝鮮半島のこの二つの政府との関係をどういうふうに処理していかれますか。
○委員長(井上吉夫君) 大木君から、先ほどの発言中に不適切を言辞があれば委員長において適切に処置されたいとの申し出がありました。 委員長といたしましては、後刻速記録を調査の上、適当な処置をとることといたします。
○国務大臣(細川護煕君) ちょっと御質問の趣旨がよくわからないんですが、それは社会党さんの対応ということについてでございますか、そうでなくて朝鮮半島そのものについての基本的な我が国の考え方ということでございますか。
○大木浩君 ですから、自民党は南を中心にして、北とは接触はありましたけれども、南を中心にして今まで対朝鮮半島外交を展開したわけなんですけれども、そのことについては基本的に変わりはないのか。あるいは、社会党さんがだんだん変わってきておられますけれども、むしろそれは社会党さんが変わるということであって、足して二で割るというようなことではないということかということをお聞きしておるわけであります。
○国務大臣(細川護煕君) 基本的に朝鮮半島というものが安定をしているかどうかということは我が国の立場として最も強い関心を持たざるを得ない問題だと思いますし、そうした意味で、特に北の方がどのような状態でこれから推移をしていくかということについては大変強い関心を持っております。 南というか韓国の方とは、もう申し上げるまでもなく着々といい関係が構築をされてきているというふうに思っておりますが、問題は北の方が核開発にかかわる疑惑というものが存在する。こういう状況に対して国際社会の中でも強い懸念が持たれておりますし、国際の平和と安全のために一刻も早くそのような懸念が払拭をされることが期待をされていることは改めて申すまでもないことであろうと思います。一刻も早くNPT体制のもとでIAEAの査察を受け入れて南北の非核共同宣言というものを実施していくように、今までも我が国は求めてまいりましたが、これからも求めていく必要があろうと思います。 また、北朝鮮との国交の正常化ということについても、今まで努力をしてきたわけでございますが、昨年の十一月以降そうした交渉も、例の李恩恵の問題をめぐって途絶えて以来再開をされておりません。もちろんこの問題につきましては、核の問題の疑惑が解けるということが国交正常化の前提であるという認識のもとに、今後とも粘り強くその交渉を進めてまいらなければなるまいと考えているところでございます。
○大木浩君 今のお話にもございましたけれども、私は北鮮、朝鮮民主主義人民共和国ですか、核の問題を含めてまだやはり一つのアジアにおける不安定要素であると言わざるを得ないと思いますが、それについてはこれ以上の御質問は今差し控えさせていただきます。 経済の方に移らせていただきますが、今非常に議論になっております所得税減税、総理は近い将来所得税減税を考えておられるのかどうか、そしてその場合に財源についてどういうお考えがあるかお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(細川護煕君) 税制調査会の答申の中でも、総合的な観点から六年度の税制改正において考えていく、総合的な観点から判断をしてということが言われておりますが、六年度の税制改正の中で総合的に考えていきたいというふうに思っております。財源の問題等々を含めまして、六年度の税制改正でということを繰り返し申し上げているところでございます。
○大木浩君 六年度ということで、いずれというようなお話でございますけれども、非常に目の前に追っている問題でございます。 実は、何回もこの本を引用させていただいて恐縮ですが、総理がこの本の中で当時、というのは四月ごろにお書きになったと思いますが、緊急経済対策のポイントとして、中小企業の資金繰りとか住宅供給ということと並べて所得税減税の実施と赤字国債の発行ということを言っております。「減税のため緊急避難的に発行される国債は、景気が回復し、税収の増加が見込まれた段階で、直ちに償還することとし、併せて、直間比率の是正を行いつつ」云々と、こういうことが書いてございますが、一体こんなにうまいこといくのかどうか。特にこれ、総理としては財源については赤字国債だけに言及しておられますが、大蔵大臣は、総理の書かれたこの文章をどういうふうに考えられますか。
○国務大臣(藤井裕久君) 一時的にそういう措置をとっても、今お話しのように直ちに返すというような仕組みがしっかりしていればいいという御趣旨のように承っております。 私は、垂れ流し的赤字国債は悪であるということを繰り返しこの場で申し上げております。
○大木浩君 垂れ流し的赤字国債というのは大変文学的な表現ですが、もう少し財政学的というか経済学的というか、どうなったら垂れ流しになるのか。それは垂れ流しというだけではちょっとよくわからないんですが、わかるように御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) 赤字国債は発行してそれに対して担保にするものもない。建設国債であれば、限界がおのずからあるわけでありますが、公共事業費だとか施設費というものの裏づけがあります。垂れ流しという意味は、それ以外のものに一たん国債を発行いたしますと何でもよくなるわけですね。何を対象にして発行してもいいということになります。それを垂れ流し的赤字国債と、私はこう申しているわけでありまして、その弊害はもはや繰り返すまでもありません。 よく繰り返されることは、後年度の負担という問題が言われておりますが、これは最大の問題ですが、もう一つ大事なことは、国債政策というのは民間資金を公的部門に振りかえる政策なんですね。したがって、無制限に民間部門の資金を公的部門に振りかえるような仕組みをつくってしまったら、これはもう日本の経済そのもの、その国の経済そのものが破綻していくということもよく申し上げておきたいと思います。
○大木浩君 先ほどの細川総理のこの本で書かれたような楽観的な話というのは、どうも大蔵大臣の御説明だとそんなうまくいかないんだろうと思いますけれども、これ以上追及してもあれなので、そううまくいかないんだろうと私どもは感ずるということを申し上げて、次に移らせていただきます。 規制緩和ということを総理以下この新内閣で新しい経済政策のポイントとして挙げておられます。総理が皆これもまた本でお書きになったところで、非常に中央集権で、規制をもっと緩和しなければ、何かバスの停留所を十メートル動かすのにも一々中央政府の許可が要るというようなお話が書いてありましたが、これ、総理、御自分の本で随分あちこちでこのお話を披露されていますが、その後これはどうなっておるか御存じですか。規制緩和、このバスの停留所のあれというの は、総理がお書きになったように中央の規制がある、あるいはその後緩和したのかどうか、ちょっとお知らせいただきたいと思います。大変小さい問題で恐縮ですが。
○国務大臣(細川護煕君) その後大分改善されているというふうに承知をしております。
○大木浩君 規制緩和につきましては、最近、新聞でもいろいろと、特に運輸省関係が非常に多いということを書いてございますが、これまた何回も総理の本を引用して恐縮ですが、ここに一つこういうことが書いてございます。「社会的規制のひとつである交通事業は公益事業として政府の規制を受けている。」、「例えば、トラック事業については、道路運送事業を規定した「道路運送法」を通じて検討がなされ、免許制から許可制に、」云々と書いてありまして、「そんなトラック事業の規制の下で生じた顕著なケースの一つが、佐川事件である。政官界に金をバラまき、規制の法をくぐり抜けながら急成長した佐川急便に、政府規制とは何かを考えさせる本質が潜んでいるといえよう。」とおっしゃいましたが、この「政府規制とは何かを考えさせる本質」とはどういうことを言っておられるのでございましょうか。
○国務大臣(細川護煕君) 大変申しわけありませんが、私も編集者、「編」ということになっておりますのですが、余り実は中身をよく読んでおりませんで、大変申しわけございませんが、「編」でございますから私に責任があることはもちろんでございますが、その詳細な意味について私も定かには今御答弁をちょっとしかねるところでございます。
○大木浩君 「編」だから責任持てないというお話でございますけれども、日本新党をおつくりになってこれから大いに、これ選挙の前ですけれども今も依然として発行されている本ですから、私はやっぱり総理のお考えが反映しているんだろうと思います。 この文章によりますと、佐川急便が違法行為を繰り返しているということについては、これは総理がどこまで御存じだか知りませんが、少なくとも書いてありますから私は御存じだという前提で今お尋ねしておるんですけれども、総理はそういうことを御承知であった、長年にわたって佐川急便というのはそういうことをしてきた会社であるということを御承知であったというふうに受け取れます。 他方、先般からいろいろとお話がございまして、細川総理と佐川急便が決してきのうきょうお友達になったというような間柄ではないというふうに私ども理解しておるわけでございます。そうしますと、やっぱりそういう会社であるなら、総理はむしろ非常に親しい友人として、佐川急便にそういった行為についての是正を求めるというようなことがあってもよかったのではないか。しかし、先般来、いや余りよく知らぬというような話がずっとありますけれども、どうでしょう、いろいろと佐川急便との御関係についてはまだ別途私どもの方で要求していることもございますけれども、私はあえてやはり総理としては李下に冠を正さずということでそこのところはきちっとされないといけないんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(細川護煕君) かなり強引な商法をやっておられたということにつきましては私も承知をしております。ただ、おつき合いが始まりました五十六、七年ごろでございましたか、その辺ちょっと正確に記憶をしておりませんが、五十五、六年だったか六、七年だったかその辺よくわかりませんが、そのころはまだそれほどそのような認識を強く持ってはおりませんでした。
○大木浩君 この問題につきましては別途また同僚議員の方で質問をさせていただくと思いますので、今はこの辺にとめておきます。 先ほども私は冒頭で今回の米の交渉は非常に弱腰であったんじゃないかということを申し上げましたけれども、やはり今度の米の問題についても日米関係が非常に大きな問題になっておる。多角的交渉ではございますけれどもポイントは日米関係にあるということでしょうけれども、最近は日米関係というのも非常に変わっておるわけでございまして、例えば黒字解消というようなことを言っておりますけれども、正直申し上げて、私は黒字の解消あるいは大幅の縮減というようなことはなかなか難しい、そういう中で、だから黒字というものはある程度あるという前提で、しかしアメリカ側がただただそれを減らせ減らせと言ってそれに向かってやるということではなくて、黒字というものはある程度あるということを前提にしてやらないと話がうまくいかないんじゃないか。 それからもう一つ。日本側の輸入規制のことばかりいろいろと言われておりますけれども、日米貿易、通産大臣はよく御存じでございますが、半分ぐらいは一種の規制貿易になっていますよね。その辺を踏まえて、通産大臣、ひとつこれから対米交渉を力強くやっていかれるためにどういうことを主張していかれるのか、もっとアメリカに言うべきことは言うということをやっていただきたいわけでございますが、御決意のほどを伺いたいと思います。
○国務大臣(熊谷弘君) 先生の御質問、幾つか具体的なことも含めて御質問をいただいたと思いますが、まず最初に御指摘になりました黒字問題でございます。 この黒字問題につきましては、日本が世界の中で突出した経常収支黒字を持ち、アメリカがまた突出した経常収支赤字を持つ国であり、また日米間においても同じことが見られるということでございまして、この認識のもとに、実は前内閣のもとで四月、そして七月と日米首脳会談が持たれましてそして合意を得て、いわゆる日米フレームワーク協議というものが行われることになったわけでありますけれども、まずその大枠といたしまして、いわゆる日米間における貿易ギャップの問題については、やっぱり余りにもそのギャップが大きいという共通認識のもとで、これを十分意味のある削減という方向へ向けて進めていかなければならない。これは釈迦に説法といいますか、お釈迦様に門前の小僧がお話を申し上げるようで本当に申しわけないんですが、日米首脳会談の共同声明におきましては、大木委員御存じのとおり、ハイリー・シグニフィカント・ディクリースという表現を使いまして、その方向を両首脳が前内閣におきまして明示をいたしたところでございます。 したがいまして、委員の御指摘のように、ギャップをゼロにするなどとかいうようなことはできようはずもないわけでありますが、ただいまの現在の水準はこれはまずいんだと、こういう認識でそれに向けてさまざまな政策をお互いに努力をし合いましょうということであろうと思います。 したがいまして、お互いに努力をいたしましょうということでありますから、これは日本が一方的に何かやるというようなことであってはならないわけでございまして、委員御指摘のとおり、双方の努力によってなされるものなんだということで、それぞれの協議項目にわたりまして我々も今精力的に努力をいたしているところであります。 言われますように、我々は一方的に譲歩をするなどというようなことでやっているわけでもありませんけれども、しかしながら、日本も言うべきことは言うけれどもやるべきことはやるということが必要ではないかと、こう考えているところであります。
○大木浩君 時間が大分なくなってきましたけれども、実は今、国際協調はいいんですけれども、国際的ないろんな接触の中で、一つの陰の部分といいますか、外国人労働者問題というのが今非常に日本で問題になっておりますが、これについて、入国管理の主管は法務省だと思いますが、法務大臣、外国人労働者、そして特に不法労働者というのは今どれくらいおるというふうに考えておられますか。
○国務大臣(三ケ月章君) 具体的な数につきましては、政府委員の方から答弁させていただきます。
○大木浩君 数字は大体わかっておりますので結構でございます。もう時間がなくなりましたので、これは非常に重大な問題だと、緊急な問題だということだけ申し上げておきたい。 それからもう一つ、これもせっかく通告しておきましたので。 この間も衆議院でたしか田中眞紀子議員から出ておりました中国残留孤児の問題、これもまた非常に緊急な問題でございます。とにかく、日本人が日本へ帰りたいというのにいろいろと理屈があって帰れない、これは私は理屈以前の問題だと思います。どうぞひとつしっかりとこれは緊急な問題としてお取り上げを願いたいと思います。 総理は先ほどから、アジアの諸国民に対して、あるいはほかのどこだか知りませんけれども、おわびをするというようなことを言っておられましたけれども、やはり総理は日本の総理でございますから、日本人のことについてはもう少ししっかりと見届けていただきたいということをお願い申し上げまして、総理から何か御発言がありましたらつけ加えていただきたいと思います。
○政府委員(塚田千裕君) 在日外国人就労者の数でございますけれども、合法と目されるのがおよそ三十万人、不法滞在者と推定されるのが三十万弱で、合わせて六十万ぐらいでございます。
○国務大臣(細川護煕君) 受け入れ体制の整備に努力をしてまいりたいと、先般から委員会等におきましても御答弁申し上げてきているとおりでございます。
○委員長(井上吉夫君) 以上で大木君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(井上吉夫君) 次に、宮崎秀樹君の質疑を行います。宮崎君。
○宮崎秀樹君 総理、八月の九日でございますか、総理の座にお着きになりましてかれこれ四カ月でございます。 政治家たる者は国民のとうとい一票によってこの国政の場に出てきたわけでございます。私は、赤松文部大臣と法務大臣を除いては閣僚もみんなその立場でここにいらっしゃると思うわけでございます。 そこでお尋ねしたいんでございますが、総理は運が悪いか、これは御本人が決めることでございますけれども、(「運がいいんだよ」と呼ぶ者あり)まあ運がいいんでしょうね。総理の座に着かれましてこの四カ月間に国民に胸を張って私は国民のためにこういうことをやったというようなことがございましたら、ぜひここでお述べいただきたいと存じます。
○国務大臣(細川護煕君) 八月に就任いたしまして以来、緊急経済対策を初めとして当面する経済の諸問題に内閣として取り組んでまいりました。 また、外交の案件につきましても、カンボジアにおけるPKOの活動が前内閣以来続いてきておりましたし、カンボジアだけではございませんが、そうした活動というものも引き続き続いてきておりましたし、また米国の大統領を初めとして、各国首脳との間の重要な会談も幾つか持たれてまいりました。そうした中で日米、日ロ、日韓あるいは日中、そうした首脳との間でそれぞれに両国の抱えている懸案につきまして一定の成果があがっているというふうに認識をしております。 また、APECの首脳会議におきましても、アジア・太平洋地域全般にわたるそれぞれの国あるいは地域が抱えている問題について大変意味のある会合が持たれた、将来に向けての意味のある会議であったというふうに思っておりますし、また昨日は、長い間の懸案でございましたウルグアイ・ラウンドの問題につきまして一つの方向性というものを我が国としても示すことができた。これも大変大きな我が国としての苦渋に満ちた決断ではございましたが、世界の経済の発展というものを考えましたときに大変基本的に海洋国家として重要なテーマであるというふうに思っております。 しかし、何と申しましても、就任以来申し上げていることでございますが、積年の我が国の構造的な課題というものに思い切ってメスを入れていくということが何よりもこの内閣の歴史的な使命であるということを申し上げて、政治改革、行政改革、あるいは経済改革に取り組んでいかなければならないということを申し上げてきたわけでございますが、なかんずく政治改革はこの内閣の最優先の課題として取り組んできたわけで、また取り組んでおりますわけで、景気対策とともにぜひ本院におきましても一日も早く政治改革関連法案を上げていただきたい、このように強く期待をしているところでございます。
○宮崎秀樹君 今、総理からるるお述べいただきましたけれども、米の問題に関しましては、国民に向かってこれをきちっと拒否したということはやったということですけれども、これを受け入れられたということは向こうにやらされたという、私はそういう理解もあるんではないかというふうに思います。 と同時に、NHKが十二月の四日、五日と世論調査をやりましたが、その結果を見ますと、細川政権の支持率は高いんですが、徐々に右肩から下がってきている。しかし、支持者の中の六九%の方が今の政治に不満だと、こう言っているんですね。と同時に、さらに詳しくその結果を見ますと、「政治への全体的満足感」で、「どちらかといえば、不満だ」、「不満だ」が合わせて七一・八%でございますのでございますので、これは一体何だと、ここら辺に一つ大きな問題があるわけでございます。八つの党、会派が一緒になった八頭立ての馬車でございますから、これはなかなか足並みがそろうのは難しいわけでございます。ある評論家は、馬車は馬が先へ行くんだけれどもこの馬車は馬が後ろからついて押していくんだ、そんな表現もとっております。 そこで、実は米の問題は決着いたしました。社会党の代表に、山花大臣にお伺いしますけれども、はっきり申し上げまして、国会決議、それから八党・会派のいわゆる合意、それからもう一つ社会党としての公約、これに関しまして、国会議員としてあなたは一票もらってこの場にいるわけですから、今このような結果になったことについて、あなたは国会議員として、党員として、そして現在の立場として国民に向かって一体どういうふうにこれを弁明し釈明をされるのか、お伺いいたします。
○国務大臣(山花貞夫君) 先ほども昨日来大変厳しい議論をして村山委員長が取りまとめた内容についてお話しをさせていただきましたが、私の気持ちもそこに尽きている、こういうようにお話しさせていただいてよろしいと思います。 長年の課題であったことに対して、御指摘のとおり、公約としたものあるいは八党会派の合意、そして大前提としてある国会決議ということに照らして考えれば、それを期待にこたえて完全に実現することができなかったということについては、これまでの努力の不足ということについて心から反省をする次第でございます。 ただしかし、今、日本が孤立化を避けなければならないといった国際的な環境のもとにおける最終的な決断を政党としてもいたしたものを、個人としても、そしてまた党員としても、それを受けてこれからの農業の再建と農村の振興のために全力を尽くしたいと思いますし、閣僚としてもそのことについて細川政権の中にあり積極的に取り組んでいきたい、こういうように考えているところでございます。
○宮崎秀樹君 いろいろと今御答弁ございました。私はこれで社会党がなくなっちゃうんじゃないかと心配しているんです。私はあなた方の心配しているんじゃないですよ。こちらに私の尊敬している方も何人かいらっしゃいますから、その人がいなくなっては大変だな、こう思って今申し上げたんです。 時間がございませんので、次に移ります。 やはりこのNHKの世論調査の中で、内閣への期待ということで景気、物価の対策、これが四二%でございます。そして、政治改革は二二%、約半数でございます。やはり今喫緊の課題は私は 景気対策だと思います。国民のためにいろいろ問題がございます。例えば減税の問題、所得減税の問題、それからいわゆる土地の流動化を図れとか法人税を下げよとか、いろいろございます。 そこで、大蔵大臣にお聞きしたいんですが、例の六兆円か七兆円の減税をすれば確かに景気に影響するんだというようなお話もございました。しかし、ある民間の総研が出したデータでは、GDPは来年度はマイナス〇・四%というような数字も出ております。こういうことに関しまして、大蔵大臣としての御所感をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) 経済見通しは経済企画庁かもしれませんが、感想ということでございます。 いろんな機関からいろんなデータが出ているのはよく承知をいたしております。私どもは率直にこれを参考にさせていただかなきゃいかぬと思っております。 相当幅がございますので、いろんな御意見があるのを承知しておりますし、そういう中で景気対策は細川内閣として非常に今の経済の局面というものを見通して積極的にやってきているつもりでありますが、今は何よりも本院にかかっております第二次の補正予算を成立させていただきたい、これに尽きておりますが、景気の状況については十分ウォッチしていくということは当然のことだと考えております。
○宮崎秀樹君 通産大臣にちょっとお伺いします。 産業構造審議会の総合部会基本問題小委員会で実は中間報告が出ておりますけれども、新社会資本、これは従来、社会資本として鉄道だとか建設とかいうものがございましたけれども、情報だとか、特に医療、福祉、こういうことに資本投下をすることは極めて国民負担率の軽減にもつながるというのが出ております。この新社会資本ということにもっと投資をしてそして景気浮揚ということに関しまして、これをどういうふうに評価されているか、お尋ねいたします。
○国務大臣(熊谷弘君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、去る四月の前内閣における緊急経済対策時におきまして、新社会資本という新しい考え方のもとに、効果的で実需のある、将来にとって夢のある社会資本整備というものを考えるべきだという考え方が強く出されまして、そしてこの緊急対策に既に盛り込まれているわけでございます。その後、九月の細川内閣における緊急対策におきましてもその考え方は私どもほぼ踏襲をいたしていると思っております。 将来に向かって、社会資本の整備はさらに格段とあらゆる意味におきまして私は重要だと思っております。その中で、福祉の問題でありますとか教育、情報その他委員今御指摘のようなさまざまな概念を含んだ社会資本の拡大的な、拡張的なといいますか、そういう整備は私ども現下の日本にとって極めて重要であると考えているところでございます。
○宮崎秀樹君 経団連の方からも自民党に対してそういう要望がございましたので、ぜひこれは早急に実行していただきたいと存じます。 それから次は、佐川急便をちょっと取り上げたいと思います。 総理、きのうの朝日新聞の夕刊に、総理の奥さんが十二日の夜に熊本県の八代市のホテルで日本新党の県支部会のシンポジウムで一億円の返済問題についてお話をされまして、「二日前(十日)に秘書が佐川の本社まで行って、何か残っていないか探したところ、(首相が返済したという)領収書の何枚かが出てきた。(検察が押収した分もあり)全部残っていれば簡単に身の潔白が証明できる」、こう書いてあるんですが、これ非常にいろいろ問題があります。これは本当でございましょうか。
○国務大臣(細川護煕君) 佐川の方とそのような接触をいたしまして、どういう資料がわかりませんが、できる限りの資料をもらいたいということで話をいたしまして、その資料を衆議院の予算委員会の方からも理事会で御要望が出ておりますのでそちらの方にまず提出をさせていただきたいと思っておりますし、本院におきましても、衆議院の方の理事会と御協議をいただいてしかるべくごらんをいただきたいというふうに思っているところでございます。
○宮崎秀樹君 これ、東京佐川急便からたしか総理は借りたと、こうなっています。これは本社と書いてあるんですね。これが一つおかしい。 それからもう一つ、領収書というのは、お返しになったら領収書はこちらがもらうものですね。これもおかしいんで、これはあくまでも新聞記事ですから、どうか精査されましてきちっとこれは処理していただきたいと思います。
○国務大臣(細川護煕君) きのうの御答弁でも申し上げたところでございますが、何しろ古い話でございますから、記憶を頼りにつなぎ合わせて申し上げて、誤解があってはいけませんので、きちんと精査をしました上で理事会の方に提出をさせていただきたい、このように思っております。
○宮崎秀樹君 ぜひそれはきちっとやっていただきたいと思います。 その次、国民負担率の問題に移ります。 大内厚生大臣にお尋ねしたいんですが、実は国民負担率というのは、御案内のように、社会保障給付費が平成三年度五十兆九百二十二億、そのうちの十九兆三千億が医療費、二十五兆八千億がこれは年金、そしてその他が四兆九千億、こうなっております。このように五十兆を超えた、しかも国民所得比の一四%になったわけでございます。 そこで、国民負担率を今後それではどうやっていくかというときに、日本新党は中負担中福祉というような言葉でやっております。それから民社党は、国民負担率は抑制すべきである、こういう表現が一言書いてあるんですね。この抑制すべきという意味がわからないんですが、どういうことでございましょう。
○国務大臣(大内啓伍君) 今、国民負担率は三七・五%ぐらいでございますが、フランスの六一%、スウェーデンの七六%ぐらいに比べますと非常に低い。しかし、委員今御指摘のように、医療、年金、福祉といったような面を見ますと、社会保障費全体で三兆円、年金で一兆五千億円、あるいは医療では一兆円と非常に伸びてまいりまして、これに対する負担というものが必然的にふえてくるという情勢にあることは御指摘のとおりでございます。 しかし、諸外国の例を見ましても、その負担が余りに過大になりますと、一つは勤労意欲を失う、あるいは社会の活力を失うというような事態が出ておりまして、その国民負担率についてはかって第二臨調でできるだけ五〇%以内にというお話がございまして、とりあえずその近辺を念頭に置きながら、できるだけその負担を抑えていくということが必要になってきております。 しかし、問題は、国民が将来に向かってどのような福祉社会を望むか、あるいはどのような社会保障というものを望むかということに実はかかってくるわけでございまして、その辺の一つの構想を明らかにするためにも、来春早々に向けまして高齢化社会の福祉ビジョンというものをつくりまして、単に定性的な観点だけではなくて定量的な観点からもその構想を出したい。 今、抑制するというのは、それではどのぐらいの数字になるのかという問題はその結論を待ちたいと思っているのでございますが、大浜委員からも先般その種の御質問をいただいたときに適正負担適正福祉という言葉を使ったのでございますが、その近辺をどう考えるかということは、これはすぐれて国民がどのような社会保障を今後望んでいくかということにかかわるわけでございますので、その辺を今後そうした福祉ビジョンの検討会におきまして早急に結論を出したい、こう考えてはる次第でございます。
○宮崎秀樹君 この問題は医療、福祉の問題だけでとらえることなく、全般の財政的な意味、例えば租税負担と社会保障負担、この二つが国民負担率ですから、大蔵大臣、どうでしょう、これは各国を見ましても、非常に租税負担と社会保障負担 とのバランスがいろいろ違うんです。この辺のことについて大蔵大臣としてどんな御所感をお持ちでしょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 特にこれからの社会は福祉部門というのは非常に大きいと思います。福祉と言ってもいいし、宮崎委員今おっしゃったように全体としての問題ととらえてもいいと思います。 御承知のように、二十一世紀初頭には四〇%中ごろにとどめよう、そしてまた二〇二〇年という高齢化のピークのときでも五〇%、つまりヨーロッパ並みにしよう、こういうことが一応言われておりますし、私どももそういう方向へ持っていきたいというお答えをいたしております。 そこで、そういう御負担の中でどういうシェアというかバランスなのかということ。直接税と間接税の問題がありましょうし、また税制と社会保険料の問題がありましょう。こういうもののバランスというものは非常に大事だと思います。特にヨーロッパでは、今御指摘のように、どちらかというとドイツ、フランスは社会保険料に中心を置いているわけですね。それに対して米英はどちらかというと税金の方に重きを置いている。こういうふうにおのおの国の特徴があるように思います。 私どもどちらがいいというようなことを申し上げられないのは、これは歴史とか国民性、それから制度の沿革などがみんなまざり合った結果として出ている数字でありまして、その数字をこっちがいいからこっちという話ではないと思うんですね。 私は今の日本は年金、医療については保険料を中心としてやってきている体制だと考えておりますが、果たしてこの保険料のみでやっていけるのかどうかという問題。特に国民年金は事業主がいないということで今のような負担になっている、あるいはまた国保もそうなっている、さらにまた政管健保は中小企業の方が多いから税金を入れるウエートを高くしているとか、いろいろあるわけでありますが、それらのいろいろの見方を積み重ねていった結果ヨーロッパではどっちだあっちだというような結果になっているように思いますので、おのおのの制度について一つ一つ国民的合意を得ていく必要があると考えております。
○宮崎秀樹君 国民負担率の問題はそういう歴史的経過とかいろいろなファクターがあるから、これは一概にはそういうふうに私は決めつけはできないと思いますけれども、いずれにいたしましても二十一世紀超高齢化社会を迎えるわけでございますから、いろいろな面でこれは考えていただかなきゃならないと思います。 〔委員長退席、理事村上正邦君着席〕 まさに泥縄式ではこれはだめなわけでございますから、ひとつよろしくこの辺をお願いしたい。 それから次に医療費に入りますけれども、御存じのように医療費はどんどん増高しております。それは技術革新だとか疾病構造の変化だとか、いわゆる国民のニーズ、情報化社会、いろんなファクターがございます、そういうことで医療費が上がってきまして、御案内のように、二十一世紀には医療費四十三兆円、大変な額でございます。そのうちの十五兆六千億は老人医療費と、こう言っております。その原資につきまして、これは今からでもやらないととても四十二兆円の医療費なんか出てこないわけです。 そこで、かつて社会保険審議会がございましたけれども、これを改組しまして医療保険審議会というふうにして今やっておるわけでございます。一つは各保険組合の財政をやはり統合して財源を一本化する、また制度を一本化する。このようなことはぜひ早急にやらなきゃならないんですが、現状は一体どういうふうなことになっているか、現状をちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(大内啓伍君) 先生御指摘の一本化の問題につきましてはさまざまな今意見が出ておりまして、従来一本化すべきだという主張が強かったのでございますが、昨今は、いや必ずしも一本化する必要はないという意見もございまして、今その辺を、審議会等の意見も踏まえながら厚生省としては一つの方針を早急につくり上げたい、こう思っている次第でございます。 先生御指摘の医療費の伸び等につきましても、大蔵大臣から今お話し申し上げましたように、日本の場合は社会保険方式をとっておりますから当然保険料を中心にその財源を考えていかなきゃならぬということでございますけれども、それも実は画一的にはいかないわけでございまして、例えば低所得者あるいは事業主負担がない国民健康保険、あるいは中小企業を中心とする政管健保といったようなところについてはやっぱり相当の国庫補助を考えなければならないというような事態もございまして、一本化の問題は、冒頭に申し上げたように、これについては審議会等の意見も踏まえて目下検討を重ねているさなかでございます。
○宮崎秀樹君 この国民医療費の特に保険に関する部分の国庫負担の問題でございます。 これは昭和五十七年ごろまでは三〇%台を保っていたわけですね。ところが、昭和五十七年以降どんどん落ちてきて今は二四%台でございます。それで、この下がってきたことに関しまして、やはり私は一つの理念、哲学がなければこの国庫負担は出ません。そのかわり、多くなったのは保険料でございます。 大内厚生大臣は平成三年一月二十九日の衆議院の国務大臣の演説に対する質問で、老人保健の国庫負担を三割から五割にしろということを強く追っておるわけです。大臣の席に着かれまして、国庫負担がこうやって減ってきている、しかしかつて自分はもっと出せと、そのジレンマというのはあると思うんですけれども、こういう問題について、やはり国庫負担というのはずっときちっとした率を保っていかないと、国庫負担だけ安くしてほかをうんと出させる、こういうことでも困るし、これは全体の日本の国の財源の問題でございますからいろいろあると思いますけれども、今、大臣のお立場でどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(大内啓伍君) 今御指摘のように、平成三年の一月二十九日にそういう代表質問をやっておるわけでございます。 今、医療に対する国庫負担率は二四・五%と当時の三〇%から下がってきていることは事実であります。しかし、老人保健制度におきましては、今後の高齢者問題の中心的課題である介護の重要性にかんがみまして、あの当時におきましても実は老人保健施設の療養費あるいは介護体制の整った老人病院の入院医療費については五割になったのでございます。 そして、私のこの質問を契機にいたしまして、老人訪問看護療養費あるいは精神病院の老人性の痴呆疾患療養病棟の入院医療費等につきましては実は公費負担を五割に引き上げた、こういう経緯があるわけでございまして、現在、五割対象医療費というのは老人医療費全体の七%程度を占めているわけでございますので、今後ともそれらの老人保健施設などの公費五割対象施設の整備拡大については努めてまいりたい、こう考えている次第でございます。
○宮崎秀樹君 まあ七%、ごく一部でございますけれども、私は、やはり弱者救済という意味からもできるだけ国庫負担というものはきちっと弱者に行くような手当てをしていただきたいと思います。 それでは、時間がございませんので次に移ります。実は国公立病院の赤字補てんの問題でございます。 まず国立病院におきましては、平成三年度、赤字を一般会計から二千四百八十一億八千四百三十万八千円、約二千五百億円、これを補てんしております。また公的病院におきましては、これは四千三十四億、これは運営費だけでございますが補てんをしているわけでございます。このように、民間病院の調査をしましたところ、三八・六%が赤字病院、しかもこれには金利が入ってない、しかも拡大再生産費が入ってないわけですから、こ れはほとんどもう赤すれすれでやっているわけでございます。そして、国公立病院だけは赤字が出ると運営費を一般会計から埋めている。 こういう現状をどういうふうにお考えになっているか、まず大内厚生大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大内啓伍君) 御指摘のように、国立病院・療養所に対する一般会計からの繰り入れというのは、このところ平成三年、四年、五年と大体二千億円台を記録しておりまして、五年におきましては二千四百八十二億円という状況にございます。 そういう国立病院等に対する国庫負担というものが過大になる中で、民間病院というものが大変な窮地に立って、もうその三割以上は今赤字経営の中にある。これは実は来年度の診療報酬にも絡むわけでございますが、私どもといたしましては、一般会計から繰り入れについての基準というものをできるだけ明確にしてまいりたい。 したがいまして、一般医療については診療収入を原則とする、それから、政策医療につきましては一般会計からの繰り入れというものを考えでもよろしい、また、臨床研究あるいは養成研究費といったようなものについては一般会計からの繰り入れというものを考えていいというふうに考えているわけでございまして、民間に対する補助等の問題については徐々にいろんな形で拡大をしているわけでございますが、来年度の診療報酬との絡みの中でそういう問題は総合的に考えてまいりたいと考えております。
○宮崎秀樹君 今年度の予算要求の中で、約百億だったと思いますけれども、民間の病院等に対する補助というのが盛り込まれております。これは国立だけで二千億、国公立全体で六千億ですから、それに比べたら微々たるものでございますけれども、これはひとつぜひ政策としてやっていただきたいと思います。 それから、国立病院の賃金職員の問題が出ました。これはやはり半分が看護婦さん、こう言っております。私は、今統廃合とかいろいろなことでリストラをおやりになっていると思うんですけれども、サービスを落とさないで、そしてきちっと会計検査院に指摘されるようなことのないようないわゆる機能分化をするなり、かつてステータスシンボルであった各地域ごとに病院をつくろうという時代はもう終わりですから、やはり国公立病院の存在意義、僻地だとか高度な医療だとか不採算医療というものに補てんすることはやぶさかではございませんけれども、まさに一般のよろず屋をやって、しかも過剰人員を抱えている。これでは、民間の医療機関では看護婦さん足りなくて困っているんですよ。 民間の医療機関、いわゆる医師会等は自分たちの医療費で看護婦さんを養成する。養成した人が国立に抜かれていって、そして向こうは余っている。これはまことに常軌を逸していますから、サービスを落とさない、それを条件、そしてまた同時に、それはどうするかというと、これはやはり機能を変えなきゃいけませんね。私はそういう総合的に考えた中でこの問題をお考えいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(大内啓伍君) 今、先生まさに御指摘のような方向で考えてまいりたい、こう思っております。
○宮崎秀樹君 そこで、今度は公的病院でございます。 自治大臣、実は約四千四十三億ですか、これが一般会計から出ております。これは医療法の第三章に公的医療機関というのがあるんですよ。その三十三条に、予算が余っていればその設置に対しては補助してもいいよと。運営に対してはということは書いてありません。 それからもう一つ、地方公営企業法というのがありますね。これを当てはめると、これの違反に当たらないか。いわゆる病院というものは、やはり不採算の部門に対してはいいよと。しかし、一般の運営費について看護婦さんの給料だとか従業員の、お医者さんの給料だとか、こういうものに充てるということは、これはおかしいんじゃないかということがありますので、いわゆる自治省の管轄ですから、どういうふうにそれをお考えでございましょうか。
○国務大臣(佐藤観樹君) もう宮崎先生御専門ですから私からくどくど申し上げるまでもないわけでありますけれども、今、先生も言われましたように、公立病院は本来一般行政が行うべき保健衛生とか看護婦の養成の業務を行ったり、あるいはもともと不採算でありますけれどもどうしても地域に必要だというものを設置していることはもう御承知のとおりでございます。 したがいまして、不採算部門を扱う部分が多いものですから、したがって地方公営企業法の十七条の二というところによりまして、経営に伴う収入をもって充てることが困難なものにつきましては一般会計から繰り出すということを認められておるわけでございまして、その金額が今先生御指摘のように、例えば平成三年の決算額で言いますと五千五百八十三億円が一般会計から出ているということになっているわけであります。 ただ、不採算といいましても、不採算だから何でもいいということにならぬわけでございまして、既にこれは地方公営企業法の施行令で、僻地医療の確保に要する経費、あるいは不採算地区病院の運営に要する経費、結核病院、精神病院の運営に要する経費、高度医療に要する経費というふうに限定をされておるわけでございます。そういうふうになっておりますので、自治省といたしましてはその範囲内でちゃんと行われているかどうかということにつきまして絶えず指導をしておるところでございます。 それから建設関係につきましても、これも施行令の附則のところに、「病院及び診療所の建設又は改良に要する経費」というのは、台風あるいは災害等というふうになっておりますが、そのあたりも指導の中で民間との関係をも考えながら指導をしてきておるところでございますが、引き続きその方針でいかせていただきたいと思っております。
○宮崎秀樹君 これは大臣、投資的な収入を入れたら千五百四十八億円がそれに当たって、トータルですとこれは五千五百八十三億円になるんです。そうしますと、公的病院の一病床当たりこれは二百万円以上の補助金が出ているんですね。 大臣の今言ったようなことだけならこれは問題ないんですけれども、まさに一般のところにこれは出ているんですよ。そうしますと、片方は民間は税金を取られるんですよ。片っ方はまるっきり赤字だといただけるんですよ。それで社会保険の点数というのは一緒なんですよ。それで同じサービスをしろといっても同じ土俵で相撲をとれといったってこれはなかなかできない相談ですから、ここら辺はきちっと整理していただかないと、かつてはステータスシンボルで各市町村が病院を抱えるという時代だったですけれども、そういう特殊な場合は私は結構だと思いますが、だけれども、今まさにそういう競合しているところ、これはやはり同じ基準にしてもらわないと問題が大変私は起きると思います。 と同時に、やはり社会保険の点数、これは非常に安いんですよ。もう手術料は、アメリカへ行ってやってくればわかりますけれども、日本でやる十倍は取られます。ですから、そういうことを考えたときに、入院しても一緒ですけれども、いろいろなやはり施策というものを総合的に考えていただかないと困る、こういうことでございます。 時間がありませんので、次へ参ります。 次は保険の問題でございます。 先ほど大内大臣から、今いろいろやって、かつては制度の一本化というような話が出ておりましたと。しかし今は財源の問題と一元化というような話でございますが、ひとつきょうはその健康保険制度の問題の中身に入りたいと思います。 実は、私どもが病気をしますと、医療給付とそれから社会保障に関するような生活部分の保障と保険の中で一緒になっている。最もひどいのは、保養所だとか会館だとか宿泊所というのはこの保 険の中でつくっているんですね。保険組合の財政の収支状況の中で、これは大変な額でございます。現金給付それから保健施設等、これ約一兆円あるんですね。要するに、保養所へ行って酒を飲んで徹夜でマージャンをやって体を壊して帰ってくる、これも保険の中に入っているわけです。そういうばかなことをもうやる時代じゃない。私は、ここできちっと切り離して、病気をしたときにはもうそれを十分一〇〇%使うんだというようなことをやらないともう財源がなくなってきている、そういうふうに思うんですがどうでしょうか、お考えを聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(大内啓伍君) 今御指摘のような傾向があることはまさに事実でございまして、その辺についても少し抜本的にメスを入れたい、こういうふうに今検討中でございます。 〔理事村上正邦君退席、委員長着席〕
○宮崎秀樹君 ぜひこれは早く実行していただかないと、この医療費の財源がなかなか出てこないと思うわけでございます。 時間がございませんので、次に行きます。 実は、メーカーのいわゆる薬価の問題でございます。 これは薬価基準というのがございます。しかし、薬価基準の中で今度建て値制になった。そうしますと、メーカーの言いなりにこの仕切り値が実はできたわけでございます。この仕切り値というものは、従来、右左に動いた。ところが、建て値制においてはこれはコンクリートされました。ですから、ここに大変な利益が生まれてきた。 昨年の経常収支を見ますと、製薬会社一社で六百九十九億円の利益を上げております。大手十社、中小十社で約五千億円の利益を上げている。円高差益、それを加えたら一兆円近いものが製薬会社の方へ入るわけです。それは開発費やなんかあります。しかし、幾ら何でも利益もほどほどでございますから、やはりそこら辺をきちっと整理してもらいたいというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(田中健次君) 先生のお尋ねは薬の新仕切り価の問題だと思いますけれども、医薬品の医療機関への納入価格に関しましては、従来のメーカーによる値引き補償制が独占禁止法で禁止されております再販売価格の維持行為に当たるおそれがある、こういう公正取引委員会の御指摘を受けまして、平成三年から四年にかけましてメーカーは卸から医療機関への納入価格には一切関与しないこととする流通改善、いわゆる新仕切り価制でございますが、これが実施されたわけでございまして、これと並行いたしまして平成三年の中医協の建議によって新しい薬価改定方式が導入されたところでございます。 この中医協の建議の新しい薬価改定方式は、実勢価格のより適切な反映、それから価格の不自然なばらつきの一層の是正等を図るため、すべての取引を対象といたしまして加重平均値、一定価格幅方式によりまして薬価を算定しようとするものでございまして、この新しい薬価改定方式を前提として医薬品の取引が行われた結果、薬価差の縮小あるいは価格のばらつきの是正が進みまして、医療機関によりましてはその経営に影響が生じたところもあるのではないか、これは御指摘のとおりでございます。 この新仕切り価の導入を中心とする医薬品の流通改善につきましては、医薬品の価格形成が自由かつ公正な競争のもとで行われるようにするためには私どもとしては避けて通れない課題でございまして、厚生省といたしましては医薬品の流通の一層の合理化を進めるため、引き続きこの面につきまして着実に取り組んでいきたい、こういうふうに考えておりますので、ぜひ御理解を賜りたいと思います。
○宮崎秀樹君 その仕切り価はどこでだれがどうやって決めるんですか。
○政府委員(田中健次君) メーカーが卸と相談をいたしまして、メーカーが決めております。
○宮崎秀樹君 おかしいじゃないですか、メーカーと卸だけで決まるわけないじゃないですか。
○政府委員(田中健次君) メーカーが仕切り価を決めまして、卸が医療機関と交渉をいたしまして最終的な値段が決まるわけでございます。
○宮崎秀樹君 いや、私が聞いているのはそうじゃないんですよ。最終的な値段じゃないんですよ。仕切り価のいわゆる値段はどこでだれが決めるか、こう聞いているんですよ。
○政府委員(田中健次君) 今御説明申しましたように、メーカーと卸でまず仕切り価を決めまして、卸が各医療機関と交渉して最終的な値段が決まるわけでございます。
○宮崎秀樹君 これはどうもおかしいですね。そうすると、メーカーの言いなりですか。
○政府委員(田中健次君) そうではございませんで、最終的に卸と医療機関が価格を交渉して決める……
○宮崎秀樹君 そうじゃない。仕切り価はだれが決めるかと聞いているんです。
○政府委員(田中健次君) メーカーが仕切り価で卸におろしまして、それからその値段に卸が利潤を加えまして医療機関と交渉するわけでございます。
○宮崎秀樹君 その後はいいですよ。仕切り価は言いなりですか。
○政府委員(田中健次君) 仕切り価につきましては、メーカーと卸の間で決めておるわけでございます。
○宮崎秀樹君 全く行政が関知しないで薬価基準が決まるということですね。
○政府委員(田中健次君) 薬価基準は医療保険で点数が決まるわけでございますけれども、それを踏まえましてメーカーと卸で……
○宮崎秀樹君 いや、もとが決まらないのにけつが決まるわけがない。そうでしょう。
○政府委員(田中健次君) もとは医療保険で薬価を定めておるわけでございます。
○宮崎秀樹君 おかしい。
○政府委員(多田宏君) 若干補足的な御説明をさせていただきますが、薬価基準は、これは医療機関の方で診療を行いまして、そのときに使った薬につきまして保険に請求する価格でございます。仕切り個といいますのは、これは転々流通して最後に医療機関へ入ってきたそのもとの薬、最初の段階で卸とメーカーとの間で一体卸が幾らで仕入れるかということを決めるときのその価格を仕切り個と、これは余り公的な言い方では必ずしもありませんけれども一般的に仕切り価というふうに言っているわけでございます。
○宮崎秀樹君 そうすると、メーカーの言いなりですね。
○政府委員(多田宏君) 薬価基準の決め方というのは、先生もう御承知のとおり、市中で一体どんな価格で実際に取引が行われているかということをよく調べながら、それを反映した形で薬価基準というのを決めているわけでございます。
○宮崎秀樹君 釈然としないけれども、この議論は皆さん聞いていてわからないと思いますから、やめます。こんなばかな話はないんで、これはいずれはっきりさせたい。 それから、給食の問題に入ります。 給食費が今非常に問題になっております。自己負担の問題です。社会党はもう既に公約の中でこれは反対、こう言っております。再々健保の改正が行われたときに、この問題が今まで出てこなかったんですね。これは医療技術と一体になったものだということでございます。 これは従来、御案内のように、給食費というのは入院したときに治療の一環としてやっておったわけでございますから、さらに弱者になります。先ほど来、私は生活保障の話を出しました。それは何で出したかといいますと、生活保障は入院すると本人は保障が六割しか来ないんですよ。そして、六割しか来ない保障が、本人が入院したら、おまえは飯を食うからといってさらにそこから取る。そうしますと、入院で高額医療というのは六万三千円が足切りでございますから、仮に六万三千円払って、さらに八百円としますと二万四千円また上乗せでございます。こういう弱者をいじめ るようなことは私は問題があるんじゃないかと思うんですね。 やはりそこら辺を、これは強い者から取るんならいいんですけれども、メニューをいろいろ多様化するためにやるんだというけれども、じゃ病気したときは余計お金をくれるかといったら、くれないんですよ。さらに、従来実施している患者ニーズにこたえるためのいろいろな食品の特別注文というのがございますけれども、一方病院中十四病院しかやっておりません。また、そういう意味で入院患者が余計お金を出すということは実際ないんですよ。どうでしょう、この問題。
○国務大臣(大内啓伍君) 委員よく御存じのように、医療保険審議会におきまして本年の六月に中間報告が出まして、それをさらに掘り下げまして、この十二月八日に保険給付の範囲と内容についての一つの建議が行われたことは御存じのとおりでございます。 その建議案におきましては、一つは付添看護・介護に係る保険外負担の解消、二つには訪問看護事業の拡大などの在宅医療の推進、そして三つ目に御指摘の入院時の食事の給付の見直しといったようなものが建議されているわけでございまして、厚生省といたしましては、そういう一つの権威ある審議会から建議をいただいておりますので、それらを総合的に今検討に入っているさなかでございます。 その入院時における食事についての建議の内容等はもう先生よく御存じのとおりでございますからここではあえて申しませんが、私どもといたしましては、その建議書等を踏まえまして、特に低所得者に配慮をしつつ入院時の食事の質の向上が図れるよう給付方式の見直しを行うとともに、診療報酬や公的助成等により食事サービスの改善を図るための条件整備を考えたいと思っているんでございますが、先生の今御指摘のような強い御指摘があることはよく存じておりまして、それは実は各方面からあるわけでございます。そのことも十分踏まえまして検討させていただきたいと思っております。
○宮崎秀樹君 大臣、給食料って一日幾らだかわかりますか。これはわからないで言っていたんじゃしょうがないですよ。
○政府委員(多田宏君) 現行の診療報酬点数表では基礎的な部分と加算等ございますけれども、それらを加えて大体千八百九十円というところでございます。
○宮崎秀樹君 千八百九十円でうまいものを病院に三食食わせろ、こう言うんですね。それは税金も全部入っているんです。だから、そういうことをまず考えた中での議論でなければだめなわけです。今の話はそこから八百円持っていくというんですからね。よくこれは考えていただきたいと思うわけでございます。 それから、時間がなくなりましたのでこれでやめにいたしますが、最後に総理、来年のNHKの大河ドラマは日野富子というのが主人公でございます。これは応仁の乱が舞台でございます。応仁の乱は総理の祖先が実はかかわっております。あの中の応仁記の中に有名な歌があるんです。「なれや知る 都は野辺の夕雲雀 上がるを見ても落つる涙は」。こういうことをがらがらやっていましても、一般の国民は不況にあえいでおるわけでございますから、政治改革も大事でございますけれども、まずやることは景気対策でございます。二度と平成の乱というようなことを言われないように、総理も歴史の一ページを飾る、こういうことでございますから、頑張ってやってください。 終わります。
○委員長(井上吉夫君) 以上で宮崎君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(井上吉夫君) 次に、尾辻秀久君の質疑を行います。尾辻君。
○尾辻秀久君 先ほども質疑ありましたけれども、総理の侵略戦争発言についてお尋ねをします。 まず今、私は今に力点を置いているんですが、今なぜあの発言だったのか、真意をお聞かせください。
○国務大臣(細川護煕君) 記者会見でとっさに出てきたお話でございましたが、さきの大戦におきましてというか、過去における我が国の行為が多くの国の人々に耐えがたい苦しみと悲しみをもたらした、そのことに対してやはり胸に手を当てて考えてみるといろいろ思い当たる節があるのではないか。先ほどもちょっと申し上げましたように、特定の時期とか場所とかということを申し上げたわけではございませんが、そういうことが思い当たる節がある、その気持ちを率直に申し上げた次第でございます。
○尾辻秀久君 私は今なぜおっしゃったのかということでお聞きをしたつもりであります。 文章を読みますから聞いてください。「戦争に伴う昂奮と、激情と、勝てる者の行き過ぎた増長と、敗れた者の過度の卑屈と、故意の中傷と誤解に基づく流言蜚語と、是専一切の輿論なるものも、いつかは冷静を取り戻し、正常に復する時も来よう。其時初めて、神の法廷に於て正義の判決が下されよう。」。 総理、これはだれがお書きになったか当然御存じですね。
○国務大臣(細川護煕君) それはパールさんでございましたかね、違いましたかね、どなただったか。とにかくその文章は覚えております。
○尾辻秀久君 これは総理がお書きになった本の中に出てくるのであります。そして、実は総理のおじいさんがお書きになった遺書であります。近衛公が東京裁判で裁かれることを潔しとせずに自決をされた、そのときの遺書なんであります。 先人は、後世やがて冷静なときがくるだろう、そのときこそ公正な判断が下されるだろう、そう信じていたと思うのであります。今まさにその冷静なときが来たと総理はお考えになって、まさにあなたのおじいさんが言われる神の法廷の判事として日本国を侵略国家と断罪されたのでありましょうか。
○国務大臣(細川護煕君) そこまで考えて申し上げたものではございません。先ほども申し上げましたように、また繰り返し本委員会あるいは本会議等でも御答弁申し上げてまいりましたように、よく胸に手を当てて考えてみればと先ほども申し上げましたが、そのような私の率直な気持ちを申し上げたまでのことでございます。
○尾辻秀久君 私はその御答弁は大変残念に思います。御答弁を聞きながら多くの人の無念を思うわけであります。おじいさんも自決をされました。私の父も戦死をいたしました。先人の霊安かれと祈りつつ質問を続けます。 総理はさきの大戦と言っておられます。いつからいつまでですか。
○国務大臣(細川護煕君) これもいろいろな解釈があろうと思います。この点についても、特定の時期、地域等については私は言及は差し控えさせていただきたいと、こういうことを申し上げてきたところでございます。
○尾辻秀久君 御自身がお使いになった、しかも日本の歴史にとって大変重大な発言なんであります。そういういいかげんな答弁はないと思いますので、もう一回しっかりと答えてください。
○国務大臣(細川護煕君) その点につきましては、初めから特定の地域や特定の時期というものを区切って申し上げたわけではなくて、私の過去の歴史における率直な気持ちの表現として申し上げたということでございます。 なお、今、英霊のことについてちょっとお触れになりましたが、私も、今日の日本の繁栄があるというのは、多くのたっとい犠牲の上に今日の我々の繁栄があると。私の親族の中でもそのような形で異国の地で亡くなった者がおりますし、そうした過去のたっとい犠牲の上に今日の我が国の繁栄があるということにつきまして、そのことを私どもは常に肝に銘じておらなければならない、この気持ちは全く私も変わらないと、そのように思っております。
○尾辻秀久君 それでは、いつからいつまでかは 外務省答えてください。
○政府委員(丹波實君) ただいまの御質問につきましては、総理の御答弁に尽きていると思います。世界観あるいは歴史認識の問題についていろいろな認識の違いがあるものですから、時期とか場所につきまして一定の線引きをするというのはなかなか困難であろうかと思います。 例えば一例を挙げさせていただきますと、先生も御承知のとおり、極東軍事裁判におきましては日本の中国に対する侵略戦争が行われたという断定がありまして、その日付は一九三一年の九月の十八日からであるということになっておりますが、他方におきまして、国民政府が対日宣戦を布告いたしましたのは一九四一年の十二月九日でございまして、そういうぐあいに立場立場あるいは物の考え方によって始期も違うわけでございますので、先ほどのような御答弁になるということでございます。
○尾辻秀久君 それでは、先日の厚生委員会でなぜ私に答えるとお答えになったんですか。
○政府委員(池田維君) お答えを申し上げます。 戦争の時期等につきましては、ただいま総理それから条約局長から御答弁があったとおりでございまして、この開始等の時期につきましてその後検討いたしましたけれども、ただいまの御説明に尽きていると思います。 そういう意味では、検討状況につきまして迅速に回答を申し上げることがおくれましたことをおわび申し上げたいと思います。
○尾辻秀久君 明確に後日お答えをしますとおっしゃったのでありますから、本来であればお答えになるべきであろうと思います。 ところで、今もお話しありましたけれども、では東京裁判が審理の対象としたのはいつからいつまでですか。
○政府委員(丹波實君) 起訴状におきましては、当初九カ国の国が日本のそういう行動の対象として挙げられたわけでございます。中華民国、アメリカ、フィリピン、英国、オランダ、フランス、タイ、ソ連、蒙古人民共和国。しかし、裁判をいたしました結果として、判決ではこのうちフィリピンとタイは除かれておりまして、結果的に七カ国に対して日本が侵略行為を行ったという判定が下されております。 全部の数字をあれするのは何でございますから例示的に申し上げますと、先ほど申し上げましたとおり中華民国に対して日本が侵略戦争を開始したのは一九三一年の九月十八日より云々ということでございます。アメリカにつきましては、これはもう申し上げるまでもなく一九四一年十二月七日より云々ということでございます。それからイギリスにつきましても一九四一年十二月七日より云々というふうに、そういうぐあいに極東裁判所では始期が判定されておるということでございます。
○尾辻秀久君 私が理解しておりますところでは、一九二八年、昭和三年一月一日から一九四五年すなわち昭和二十年九月二日までが審理の対象じゃありませんか。
○政府委員(丹波實君) 審理の対象ということではあるいは先生のおっしゃるとおりかもしれませんけれども、私が申し上げておりますのは、起訴状の中で判決として日本の侵略戦争の始期として各国について今申し上げたような記述がされておるということでございます。
○尾辻秀久君 それじゃ、有罪判決が出たのはいつからいつまでか、それをおっしゃってください。
○政府委員(丹波實君) 先生の御質問の趣旨を必ずしも全部理解したかどうか自信がございませんけれども、まさに起訴状で言っておりますのは、中国について例を挙げさせていただきますと、一九三一年の九月十八日より一九四五年九月二日に至るまでの期間において中華民国に対し侵略戦争を行ったという判定になっておるわけでございます。
○尾辻秀久君 そうしますと、先日この場で合馬先生が、総理が言われた侵略戦争の責任者、犯罪者はだれか、こう聞かれて、東京裁判の判決を受けた人である、このように答弁をしておられます。そうなると、東京裁判で有罪になったその期間が当然総理の言われる侵略戦争の期間になりませんか。
○国務大臣(細川護煕君) それも当然含まれるであろうと思います。
○尾辻秀久君 それはおかしいと思うんですね。総理の言われた侵略戦争のその責任者はだれかと聞かれて、東京裁判で判決を受けた者と、こう言っているんですよ。そうすると、その東京裁判の判決の期間ははっきりしているわけだから、それは総理の侵略戦争の期間ははっきりしているわけじゃありませんか。その御答弁は納得できません。
○委員長(井上吉夫君) 尾辻君の残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後二時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ————◇————— 午後二時二分開会
○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成五年度一般会計補正予算、平成五年度特別会計補正予算、平成五年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、尾辻秀久君の質疑を行います。
○国務大臣(細川護煕君) 午前中の質問に対するお答えでございますが、極東軍事裁判において戦争犯罪者を侵略戦争の時期を認定して有罪と判決をしているけれども、これによってさきの大戦の時期は特定されているのじゃないか、こういうことでございますね。——この裁判における時期の特定というのは、あくまでも平和に対する罪など特定の罪に照らして、国際法上の個人の刑事責任を追及することとの関連で行われたものというふうに承知をいたしております。 他方、私がさきの大戦において多くの人々に耐えがたい苦しみと悲しみをもたらしたという認識に立って反省とおわびの気持ちを申し述べておりますのは、この判決に含まれた時期を含めまして、我が国が占領地や当時我が国の統治下にあった地域の方々に耐えがたい苦しみと悲しみをもたらしたことに対する反省を述べたものでございます。
○尾辻秀久君 ですから合馬先生は、総理が侵略戦争と言われたから、その総理の言われた侵略戦争の責任者はだれですかとお聞きになったら、その答えが東京裁判で判決を受けた者と、こうなっているんですよ。ですから非常に答えが明確じゃないですかと私は言っているんです。何も別個の話をしているわけじゃないんです。政府の御答弁がそうなっているんですよ。 それからもう一つ、外務省に確認しておきたいんですが、東京裁判の起訴状の訴因の第一を読んでください。
○政府委員(丹波實君) まず、先生にお許しをいただければ、前段の点は合馬先生に対する私の答弁と思いますので説明させていただきますと、まず、全体といたしましては、私は、侵略につきましての国際法的な定義は法的概念としては確立いたしておりませんということを申し上げ、したがいまして、その侵略または侵略行為といったよう宣言葉はいろいろな使われておる文脈によってお考えいただきたいということを申し上げました。 最近、そういう文脈の中で申し上げますと、過去の我が国の行為が多くの人々に耐えがたい苦しみと悲しみをもたらしたということを心に込めてそういう表現として使われているものと理解しておりますということを申し上げ、ただ、事実の問題として、極東軍事裁判におきまして一定の方々が戦争犯罪人としての判決を受け、日本は、サンフランシスコ平和条約十一条でこれを受諾しておりますということを申し上げた次第でございます。 それから、第二番目の御質問の点でございます けれども、極東軍事裁判所条例の起訴状の訴因第一という意味と思いますけれども、「全被告ハ他ノ諸多ノ人々ト共ニ一九二八年」、昭和三年ですが、「一月一日ヨリ一九四五年九月二日ニ至ル迄ノ期間ニ於テ一個ノ共通ノ計画又ハ共同謀議ノ立案文ハ実行ニ指導者、教唆者又ハ共犯者トシテ参画シタルモノニシテ」云々という主張がなされていることは先生御承知のとおりでございます。
○尾辻秀久君 その訴因で有罪判決になったんじゃないですか。
○政府委員(丹波實君) この点につきましては私は先生と異なる意見を持っておりませんで、同時に訴因の二十六、七でございましたか、中ごろの方で先ほど申し上げたような九つの国に対して、日本の侵略戦争ということがその始期と終期を挙げて、極東軍事裁判としてその起訴状の中にそういうふうに書いてあるということを申し上げたものでございます。
○尾辻秀久君 東京裁判が明確に定めた時期でありますから、余りごまかさずに答弁してください。そのことは極めて論理的でないと思いますけれども、こんなところにひっかかっていてもしょうがないから、次に行きます。 侵略戦争の定義、改めてしてください。私は総理大臣に聞いております。
○国務大臣(細川護煕君) これは、侵略という言葉につきましては、国際法上確立された定義があるわけではないと承知をいたしております。正確な意味につきましては条約局長から御答弁いたします。
○尾辻秀久君 総理が使われた意味を聞いているんです。私は国際法上の定義を聞いているわけじゃないんです。その定義がいっぱいあるのを知っているから、総理が使われたから、総理はどの定義で使われたかということを聞いているわけであります。
○国務大臣(細川護煕君) 私が侵略戦争という言葉を用いましたのは、繰り返し申し上げておりますように、我が国の過去における行為などが多くの人々に耐えがたい苦しみや悲しみをもたらした、そのことについてのそういう認識というものを率直に申し上げたということでございます。
○尾辻秀久君 それじゃ、過去の戦争で耐えがたい苦しみと悲しみを多くの人に与えなかった戦争を教えてください。
○国務大臣(細川護煕君) 戦争は、おおむねいい戦争か悪い戦争が、こういうふうななかなか線の引き方というものは一概にしにくいものであろうと思っております。
○尾辻秀久君 ですから、総理の定義によれば、すべての戦争は侵略戦争になるではないか、そう言いたいわけであります。それと、日本人も大変多くの人が悲しみと苦しみを与えられたわけであります。そうなると、逆に言うと日本も侵略されたのかと、こういう言い方にもなります。 総理がそういう定義をなさるからあえてこんなことを言っておるわけでありまして、もっときちっと総理に言っていただきたいんです。そうでないと我々の議論もできませんし、立場をどういうふうに理解していいのか、この後お聞きをいたしますけれども、それが我々自身理解できなくなってくるわけであります。どうですか。
○国務大臣(細川護煕君) 繰り返し申し上げておりますように、それはもう少し幅広く、私の気持ちを率直に申し上げているということでございますから、厳密に定義をして申し上げている、そういうことではございません。胸に手を当てて考えてみれば思い当たる節があるではないか、そういうことを申し上げているわけでございますから、ぜひその点は御理解をいただきたい、こう思うわけでございます。
○尾辻秀久君 総理が自分の国の歴史に対する大変重大な判断を示されたわけでありますから、それはもっときっちりなさるべきだと私は思っておるわけであります。 その後、総理は今度は、間違った戦争だとつけ加えておられるわけであります。この間違ったという意味、何を間違ったんでしょうか。
○国務大臣(細川護煕君) それも同じことを申し上げざるを得ないのかと思いますが、多くの方々にそのような思いをさせた、そのような行為を犯したということについて、それは、これも再々繰り返して恐縮でございますが、よく考えてみるとそういうふうに思い当たる節があるのではないか、こういう意味で申し上げております。
○尾辻秀久君 そうしますと、今度は聞きますが、国際法上間違ったということもありましょう、あるいは政治的な間違いであったということもありましょう、あるいは道義的な間違いだったということもありましょう、あるいはもう単純に勝つか負けるかを判断間違った、こういうこともありましょう。そういう言い方であればどれだと思っておられますか。
○国務大臣(細川護煕君) いろんなものが今おっしゃったような要素が含まれていると私は思っております。
○尾辻秀久君 そうした侵略戦争であり間違った戦争だということで、この前、合馬先生も、今までの質問の繰り返しになりますけれども、その責任者、犯罪者はだれだというふうにお聞きになった。これに対して、極東軍事裁判の判決を受けた者だ、こういうお答えがありますので、ちょっと気になる点をお尋ねをしておきたいと思います。 まず、ここでお答えになった戦争責任者、犯罪者のその罪というのは、日本及び日本人に対する罪も含んでお答えになっておられるでしょうか。これが一点です。 それから二点目は、極東軍事裁判という言葉を使っておられるので、これは東京法廷だけですかとお聞きしてみたいんです。意味するところは、A級戦犯だけを指してお答えになったのか、B、C級戦犯に対してはどういう判断をしておられるのか。これが二点目であります。 それから三点目は、東京裁判で判決を受けた人に限って戦争責任者、犯罪者だというふうに評価をしておられるのか。お聞きしている意味は、判決を受けなかった人もいます、途中で亡くなった人もいます、重度の精神病だと判断された人もおります。あるいは、大変言いにくいんですが、近衛公みたいに自決された方もおられます。あるいはA級戦犯として逮捕されながら釈放された、裁判をもうこれ以上やらないといって釈放された人もいます。こうした人たちに対するどういう評価をしておられるのかお尋ねをするわけであります。 それから、このお答えというのは非常に私は粗っぽいお答えだと思って気になるものですから、やや細かなことですがあえて粗っぽ過ぎる答えじゃありませんかという意味でお聞きするんですが、合馬先生は、戦争を起こしたその犯罪者はだれですか、こういうふうに聞いておられるんですが、そのお答えが今言っている答えなんですね。そうしますと、例えて言うと松井元大将、この人も戦争を起こした犯罪人として東京裁判は裁いているのかお聞きをいたします。
○政府委員(丹波實君) まず第一番目の日本に対するものが入っているかという御指摘でございますけれども、突然の御質問でございますのであるいは間違っているかもしれません、その場合には御訂正申し上げますけれども、日本に対するものは私は入っていないというふうに理解いたしております。 それから、いわゆる東京軍事裁判といった場合にA級戦犯のみを考えているのかという点につきましては、私は当院におきましてもこの問題が論じられるときにA級戦犯だけが議論されるような形になっていますけれども、それは典型的なケースとして挙げられているものでして、サンフランシスコ平和条約の十一条を先生も当然お読みになっておられて、そこで明らかだと思うんですが、「日本国は、極東国際軍事裁判所並びに日本国内及び国外の他の連合国戦争犯罪法廷の裁判を受諾し、」云々となっていますので、この十一条から見る限りはそこは明らかではないかというふうに考えます。 それから第三番目の、それではこういう裁判所 で裁判された者のみが問題になっているのかという点につきましては、あるいはそれ以外の方々をどう考えるかという点につきましては私たちはここで判断する立場にはないと思います。 私が合馬先生に申し上げ、ここでも申し上げますことは、事実の問題として一定の方々がこの十一条の裁判所で判決を受けておられるということ、かつ日本は十一条でそれを受諾しているということを申し上げただけでございます。
○尾辻秀久君 私が今申し上げたいことは、戦争が終わって日本は自分たちできっちりとした責任追及をしていない、これは今日のいろんな問題を残しておる点だろうと思うのであります。東京裁判に全部任せてしまって、何かというと全部東京裁判を引っ張り出してきて片づけてしまう、ここに問題があると思うわけであります。ですから、そのことも申し上げたいんですが、きょうはそのことを問題にしようとは思いません。 ただ、この東京裁判が、サンフランシスコ平和条約で受け入れて我々が受諾しなきゃならないものだと言っておられる割にはいつも不思議だと思うことがあるんでありますけれども、それは例えばA級戦犯を公務死にしておられるのはなぜですか。
○政府委員(丹波實君) 先生突然の御質問でございますけれども、私、外務省の人間として今の御質問にはちょっとお答えするだけの資格を持っておらないということ、ぜひよろしくお願いいたします。
○尾辻秀久君 それじゃ突然、それこそまさにまた突然になりますけれども、A級戦犯だった賀屋元法務大臣、途中で御本人が固辞されたんで勲章をもらっておられないけれども、政府として勲章を上げようとしましたね。そういう話を聞いて総理は率直にどういうふうにお感じになりますか。
○国務大臣(細川護煕君) ちょっと私もその辺の事実関係について漠として受けとめて、A級戦犯と言われればそれはやはりいかがなものであろうかという気はいたします。
○尾辻秀久君 ですから、A級戦犯は今までの答えによると戦争犯罪人なんですね。戦争責任者なんです。ところが、その後また日本の大臣までなさるんですね。これは矛盾だというふうに思われませんかということを聞いているんです。
○国務大臣(細川護煕君) まあしかし、そういう方はたくさんおられるんじゃないでしょうか。 ある程度の期間が経過して、今まさにお話しになっております岸さんにしましても、そのように名誉を回復されたと申しますか、公職に復帰をされた。その間のそれなりの償いをして復帰されたという方はたくさん例があると思いますし、それはそれなりに受けとめることができるのではないかというふうに私は思っております。
○尾辻秀久君 このことも議論してみたいことがあるんですが、先に行きます。 総理が侵略戦争と言われた。そして間違った戦争だと言われた。さっき言いましたように、私の文もその戦争に駆り出され戦死をいたしました。今、総理にそう言われると、父の死は何だったんだろう、こういうふうに思うわけであります。私の父は侵略戦争の手先で殺されたんでしょうか。間違った戦争で殺されてしまったんでしょうか。すなわち犬死になんでしょうか。
○国務大臣(細川護煕君) これも再々申し上げておりますように、さきの大戦などで亡くなられた方々、国家の使命を帯びてその犠牲になられた方々、一命を賭して国のために散っていかれた方々、そういう方々の大きな犠牲の上に、たっとい犠牲の上に今日の我が国があるわけであって、その英霊に対する思いというものは子々孫々にわたって決して忘れてはならないことである。私もその遺族の一人でございます。私の身内にも遺族がいるということを申しました。そういうことでございますから、そういう思いは私自身も常に持ち続けているところでございます。
○尾辻秀久君 総理、私たちもそう思いたいんです。だれよりもそう思いたいんです。だけれども、今の説明には無理がありませんか。全体が侵略戦争だ、こう言っておられるんですよ。そして、その犠牲になった者がとうとい犠牲だと言われて何でそうですかということになりますか。例えば大変に悪いかもしれないけれども、集団で泥棒に入った、一人一人はいい人でした、そんなむちゃな理屈はないと思うんであります。だから、私たちは正直言って怒っているんです。 もう一回答えてください。
○国務大臣(細川護煕君) 特定の時期とか特定の場所とかということを申し上げているわけではございませんで、過去の我が国の行為の中に、多くの方々に対してそのような痛みを伴うようなことを我が国が犯してきたということについて率直にこれはおわびをしなければならない。何遍も申し上げて恐縮ですが、胸に手を当てて考えてみれば思い当たる節がいろいろあるのではないかと。そのことに対して率直に私の気持ちを申し上げたということでございまして、どうぞそのようにひとつ御理解をいただきたい、こう思うわけでございます。
○尾辻秀久君 侵略行為があった、あるいはおわびをしなきゃならない面がある、そのことを否定しようと言っているわけじゃないんです。 ただ、総理は全体を侵略戦争だというふうに断定されたんです。全体を悪だと決めつけられたんです。そうしたら、それを構成した人間はみんな悪人じゃないですか。そうなりませんか。総理の理屈ではそうはなりませんか。
○国務大臣(細川護煕君) 押し問答してもしようがありませんが、繰り返し申し上げますように、私は、そういう過去の行為の中で思い当たる節があるじゃないかと、そのことについての気持ちを申し上げているということでございますから、そのように御理解をいただきたい、こう申し上げるしかございません。
○尾辻秀久君 思えと言われても、思いたい人間が思えないんでありますから、それは総理、もう少しちゃんと答えていただきたいと思うんです。 それじゃ総理、総理はどこかでドイツのワイツゼッカー演説を引用されたことがあると思うんですが、ドイツのワイツゼッカー演説の中でこのあたりについてはどういうふうに言っているでしょうか。
○国務大臣(細川護煕君) よく記憶しておりません。
○尾辻秀久君 それじゃ、私が知っている範囲で言わせていただきますが、ドイツのワイツゼッカー演説はその辺のところはこう言っているんですね。「大抵のドイツ人は祖国のために戦い、また耐え忍ぶのだと信じておりました。それが今になって、一切がむだであり無意味であったばかりか、犯罪的な指導者の非人道的な目的のためであったと知らされたのです。」、こう述べています。 こっちの方が、要するに一切がむだでありむだな死であったと言った方が、最初が侵略戦争であるというならば論理的じゃありませんか。
○国務大臣(細川護煕君) それは一つの御認識だと思います。
○尾辻秀久君 総理はどう思われますか。
○国務大臣(細川護煕君) 私はもう少し幅広く受けとめております。
○尾辻秀久君 外務省の認識を聞きたいと思うんですが、東京裁判の特徴として、指導者責任観と違法な国家命令に対する不服従の義務というのを挙げたと思うんですが、どういう認識をしておられますか。
○政府委員(丹波實君) 極東国際軍事裁判の問題につきましては、ただいま先生が挙げられた点、あるいは先生御承知のとおり罪刑法定主義といったような観点からの問題点、いうんな問題点がいろんな学者先生方、いろんな政治家の先生方によって指摘されておることは私たちも承知いたしておりますが、この点につきましては、歴代政府といたしまして、いろいろな思いはあるけれども、しかしサンフランシスコ平和条約十一条でこの判決を受諾しておる、裁判の結果を受諾しておるので、この裁判に日本政府としてあれこれ異議 を唱える立場にはないという点をぜひ御理解いただきたいということは、歴代政府として申し上げてきているとおりでございます。
○尾辻秀久君 いや、東京裁判にあれこれ言えないんだ、東京裁判は認めなきゃいけないんだとおっしゃるから、今の点がありませんかというふうにお尋ねをしておるわけであります。 私が今の時点でお尋ねしたいのは、東京裁判の考え方として、違法な国家命令に対する不服従の義務というのを挙げていませんかということなんです。ですから、国家の命令だからというので侵略戦争、大量虐殺などに協力したのでは免責されることはない、これが東京裁判の考え方ではありませんかというのを聞いているんです。
○政府委員(丹波實君) 今の先生の御指摘の点については、そういう考え方で判決が下されているというふうに私たちも理解いたしております。
○尾辻秀久君 私は余り好きではないんですが、東京裁判を盾にとられるから東京裁判で議論をしておるわけでありますけれども、東京裁判の考え方でも、侵略戦争であればそれに行った者、その戦争で戦った者は国家の命令だからといって免責されることはない、こう考えなきゃならないんじゃないですか。ということは、戦争に行った者は犯罪者だ、総理の言われるようにとうとい犠牲にはならないんだと、こういう結論になりませんかということを申し上げておるわけであります。
○委員長(井上吉夫君) 答弁はだれに求めますか。
○尾辻秀久君 総理に聞いています。
○国務大臣(細川護煕君) その辺の解釈については、私は正確に申し上げられるかどうかちょっと自信がございません。条約局長から答弁させます。
○政府委員(丹波實君) 先生がおっしゃっておられるのは、極東国際軍事裁判所条例でいうところの第六条の考え方だと思いますけれども、「被告人の責任」とありまして、「何時たるとを問はず被告人が保有せる公務上の地位、若は被告人が自己の政府又は上司の命令に従ひ行動せる事実は、何れも夫れ自体当該被告人をして其の間擬せられたる犯罪に対する責任を免れしむるに足らざるものとす。」というふうにあるわけですが、徴兵されて個々に出征していかれた軍人さんにつきましてこの第六条との関係でどう判断するかというのは、いろんな事実関係その他がございますので、直ちにはこの場で個々の軍人さんの行動について判断するのはなかなか私は難しいんじゃないか、とっさでございますけれどもそういうふうに考える次第でございます。
○尾辻秀久君 条約の解釈とかそんなことではなくて、どうしたって肉親を戦争で失った者からしてみると総理のあの発言というのは許せなくなるのであります。何で、国のために赤紙で引っ張っていかれて殺されて、そして今また名誉を傷つけられなければならないのか。 総理にもう一回、なぜとうとい犠牲なのか。総理は戦没者追悼式の追悼文の中でとうとい犠牲と言っておられますが、あれが非常に白々しく聞こえてしまうのであります。侵略戦争だと決めつけながら、なぜとうとい犠牲になるのか、どこでどうつながればとうとい犠牲になるのか、これだけはきっちり説明してください。
○国務大臣(細川護煕君) これもまた押し問答になりますけれども、全体をひっくるめて私の気持ちを率直に申し上げているわけでございまして、そのことと、過去における英霊の方々のたっとい犠牲というものの上に今日の我が国がある、このこととは私は違うことだと、そう思っております。
○尾辻秀久君 じゃ、そのとうとい犠牲になった人たちはいいことをしたんですか。そう考えでいいですか。
○国務大臣(細川護煕君) 全くそうだと思います。
○尾辻秀久君 それでは、その犠牲になった人たちの処遇と名誉の問題、これをお尋ねいたします。 まず、処遇。総理が言われるように、侵略戦争に行って、間違った戦争に行って殺されたとして、十分なる処遇をしてきたと思われますか。
○国務大臣(細川護煕君) いろいろ国としてもできる限りの対応を今日まで行ってきた、決して十分ではないとは思いますが、そのような対応がなされてきている、そのように私は受けとめております。
○尾辻秀久君 侵略戦争であったとしてもですか。
○国務大臣(細川護煕君) ちょっとそれは議論がかみ合わないお尋ねだと思いますが。
○尾辻秀久君 じゃ次に名誉の問題ですが、ちょっと角度を変えてまずお尋ねをいたします。 八月十一日だったと思うんですが、官房長官にお会いしました。そのときに、靖国神社は戦没者を追悼する中心的な施設である、これは自民党時代の靖国神社に対する官房長官談話で発表した公式見解でありますが、これは今度の内閣もそのまま引き継いでいただけますかというふうに申し上げたら、引き継ぎますとたしかお答えになったはずでありますけれども、これは公式にきょう認めていただけますか。
○国務大臣(武村正義君) 靖国神社への公式参拝につきましては、内閣総理大臣その他の国務大臣が国務大臣としての資格で、専ら戦没者の追悼を目的とし、これをあらかじめ公にするとともに、神道儀式によることなく追悼行為にふさわしい方式によって参拝を行うことは、憲法二十条第三項に反するものではないとの認識に立っているものであります。 なお、公式参拝は制度化されたものではありませんので、今後公式参拝を実施するかどうかは、その都度諸般の事情を総合的に考慮をしながら各閣僚が判断すべきものと考えております。
○尾辻秀久君 私が今お聞きしたのは、靖国神社をどうするかということなんです。公式参拝のことは聞いていません。
○国務大臣(武村正義君) 済みません。戦没者追悼の中心的施設であると認識をしております。
○尾辻秀久君 これは内閣の公式な見解である、こういうふうに確認をさせていただきます。いいですね。
○国務大臣(武村正義君) 昭和六十年八月の内閣官房長官談話の趣旨を踏襲して申し上げております。
○尾辻秀久君 そうすると、総理はその中心的な施設へのお参りはどうなさいますか。
○国務大臣(細川護煕君) 先ほど官房長官が先に先回りして御答弁なさったとおりでございます。
○尾辻秀久君 機会を見てお参りなさると理解していいですか。
○国務大臣(細川護煕君) 総理に就任いたしましてからはお参りしておりませんが、その前には折りに触れてお参りをいたしております。
○尾辻秀久君 神社であるとか憲法で言う宗教上の問題があるとかそんなことではなくて、死んでいった人たちは靖国神社に祭ってもらうんだと思って散っていったわけでありますから、そしてそれは国が約束したことでありますから、今生きている人の立場、考え方は別として、お参りだけはしてくださるようにお願いをしておきたいと思います。 余り時間がありませんから、きょうはえらい押し問答になりましたけれども、少し言いづらい話になるかもしれませんが、最後にやっぱり、私たちがなぜ怒りを覚えるかということを率直に申し上げておわかりをいただきたいと思うんです。 昭和四十一年五月二十九日のある新聞にこんな記事があるんです。「昭和十二年六月から、太平洋戦争のはじまる十六年十二月の四年半の間、近衛は三度内閣を組織し、通算二年九カ月、首相の座にあった。日本のもっとも大事なときに、彼ほど長く最高責任の地位にあったものはいない。そして彼ほど実質的に責任を負わなければならないものもいない。」、一部抜きますが、「致命的な悪いことは、みんな近衛内閣のときに起こっている。これを偶然といい、軍部の横暴というにはあ まりにひどすぎる。やはり政治家・近衛に何か欠陥があったからだろう。」。 総理、あなたは、戦争の評価は自分の勝手だと、こう言っておられますから、人によっていろんな歴史の評価があるということはお認めになるだろうと思います。そして、今読み上げたような評価があることも確かであります。そうしますと、私たち戦没者遺族の立場からすると、近衛内閣で赤紙で引っ張っていかれた、そして殺された、御丁寧にその孫たるあなたから今名誉を傷つけられることもあるまい、それは余りひどいんじゃないか、そう思っておるわけであります。このことだけを最後に率直に申し上げて、質問を終わります。
○委員長(井上吉夫君) 以上で尾辻君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(井上吉夫君) 次に、清水嘉与子君の質疑を行います。清水君。
○清水嘉与子君 総理、ついにといいましょうか、ドゥニー調整案の受け入れを決議されました御心労をお察し申し上げます。そして本当に御苦労さまでしたと申し上げたいというふうに思います。 この上は、ぜひ農民の方々が外国のお米に殺されることなく立ち直れるように実効のある政策を進めていただきたいとお願いをしておく次第でございます。 それにいたしましても、昨日お茶の間で多くの国民の皆様方は総理の苦渋に満ちたその御決断の経緯なるものをお話しいただけるのではないかと期待をして待っていたわけでございますけれども、それができなかったことは大変残念に思います。 働き過ぎの日本人の最たるものがここで演ぜられているわけでございますけれども、やはり休むときに休んだ方が、少し頭をクリアにしてお考えになった方がいい決断ができるのではないかとつくづく思うところでございます。優秀な官僚を過労死させることなく、そしてまた皆様方もこれから長いことお仕事をしていただくわけでございますので、健康の問題について十分御検討をしていただきたいというふうに思う次第でございます。 ということで、私はきょうは医療保険の問題につきまして、私の与えられた時間を使わせていただきたいと思っております。 保険証一枚で安心して医療が受けられるというこの日本の医療保険制度の仕組みというのは、世界にも誇れるすばらしい制度であると私は思っております。そして、それが今日我が国が世界のトップを行くような長寿国になった大きな役割を果たしたというふうに思う次第でございます。 しかし、今のままでいいのか、このサービスの水準でいいのかといえば、まだまだいろいろな問題がございます。多くの国民が長生きできるということを自分自身の問題として実感できるようになってまいりました。と同時に、医療サービスについてもより充実を、そしてより多様性を求めるようになってきたのも事実でございます。 そこで、まず総理に、我が国の医療保険制度に対する評価と、それから今後改善充実すべき制度改革の方向についてお伺いをしたいと存じます。お願いいたします。
○国務大臣(細川護煕君) 今御専門のお立場から医療保険制度についてのお尋ねでございますが、この制度がすべての国民に必要な医療を提供し、健やかで安心できる生活というものを送るための基盤として重要な役割を果たしてきているということは、これはもう今さら申すまでもないところでございます。 人口が高齢化をし、あるいはまた医学や医療の進歩によって、今後とも医療費の増加が避けられない状況というものが進んでいくわけでございましょうが、そういう中にありまして、良質なあるいは適切な医療というものを効率的に安定的に供給をしていくということが何よりも基本的に大事なことであろうと思っております。今後ともそのように国民が安心して医療を受けられるようにしていくということ、またいいサービスを受けられるようにしていくということが何よりも大事なことでございましょうし、そういう状況というものに的確にこたえていけるように、保険の給付と費用負担のあり方といったようなことにつきまして、制度全般にわたって見直すべきところは見直しを行い、将来に向けて揺るぎのない医療保険制度というものを構築していく必要があろう、このように思っております。
○清水嘉与子君 当面の医療保険制度の改革の方向につきましては、先般、医療保険審議会の建議が示されたところでございますけれども、拝見いたしますと、余り具体性がないのですけれども、なかなか示唆に富んだ内容だというふうに思います。しかし、やはり国民にとっては痛みを伴う内容も含まれておりますので、幾つかの点についてお伺いしたいというふうに思います。 まず、厚生大臣にお伺いしたいんですが、初めに、この建議はこれからどのように取り扱われ、そして具体的な中身がどのように実行に移されるのか、その手順についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大内啓伍君) 御指摘のように、十二月八日に医療保険審議会から建議をちょうだいいたしまして、その中身等についてはもう既に御案内のとおりだと思います。 特にその中で、例えば付添看護・介護にかかわる保険外負担の解消とか在宅医療の推進といったようなところは皆様大体歓迎するところでございますが、入院時の食事の給付の見直しといったようなところについては、賛成論もございますしまた異論もございます。特に収入の少ない方々あるいは栄養管理という面からいろんな問題を指摘されるところでございます。 したがいまして、厚生省といたしましては、これらの建議書を総合的にどう判断するかという問題が今問われておりまして、私ども、来年度予算編成にかけましてこの建議書の提起されている問題をできるだけ集約いたしまして私どもの考え方を確定したい、こう思っている次第でございます。
○清水嘉与子君 それでは、具体的に大臣が今おっしゃいました建議書の中身についてお伺いしたいわけでありますけれども、一番先に、同僚議員も指摘いたしたところではございますが、患者の食費の一部負担の問題についてお伺いをしたいと思います。 〔委員長退席、理事久世公堯君着席〕 自民党政権下におきましてもこの問題が何回か提起され検討されたことがあるわけでございますが、自民党の中でもそうでございましたし、また当時の野党の方々の方にも大変強い反対があって成功しなかったわけでございます。また、その後に老人医療費の問題も出てまいりまして、このときにも額をアップするにいたしましても大変な与野党の攻防があったということも記憶に新しいところでございます。 特にこのような景気の落ち込んでいるときに、ただでさえ負担の大きい患者さんにまた負担を課すこの方向につきまして、大内大臣に申しわけないんですが、連立与党の中で果たして合意が得られるのかどうかという点は非常に大きな問題かと思いますが、大臣、そのお見通しあるいはお覚悟などをちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(大内啓伍君) 今御指摘の入院時の食事の給付の見直しにつきましては、今、連立与党内でもいろんな議論をいたしておりますが、まさに御指摘のようないろんな議論が起こっておりまして、直ちに一定の合意を得られるかどうかについてはもう少し議論をしてみないとわからないという状況にございます。 しかし、建議書の中におきましては、御指摘のように、在宅であっても入院であっても給食費、食事代はかかってくる、したがって平均的な家計における食費を勘案した相応の費用の負担については検討をしていいのではないかという点がございまして、この点につきましては、厚生省としては相当いろいろなことを今検討しておりますが、 それが与党の議論といたしまして一つの結論を得られるかどうか、これはもう少し議論を深めさせていただきたいと思っている次第でございます。
○清水嘉与子君 病院の食事といいますと、冷たい、まずい、そして選択の余地がない、あるいは勤務者の都合によりまして早い時間に食事が出されてしまう、あるいは動ける患者さんでありましてもベッドの上でしが食べることができないというようなことで、非常に不満が大きいというふうに思っております。 ただ、そういう面で、今度の患者の負担をふやす理由といたしまして、ニーズに対応したサービスが提供できるようにする、こういうのが出ております。これは具体的にどのように改善ができるのであろうかと。栄養士さんたちからは、実際に期待感だけ与えていただいて、そしてそれへの期待にこたえられないときの問題というのを非常に心配している声が上がっておりますので、具体的にお教えいただけたらと思います。
○政府委員(多田宏君) 質の改善の問題でございますけれども、現在、具体案をいろいろと検討を始めているところでございまして、まだ確定的なお話はできないわけでございますが、例えば、現在残食率の非常に高いというようなことにつきまして、もう少し栄養士の目が具体的に臨床の場にまで及ぶようなことも積極的に考えたらどうかとか、そういうようなことを通じまして質の問題に非常に関心が高まっていく。そしてまた、費用の支払いということからする患者さんからの満足感に対するいろいろな意見というようなものも踏まえて全体として質が向上していくように考えていかなければならない。そういう意味におきまして、現在、先生御存じのように千八百九十円という額が一応給食の標準型になっておりますけれども、ここらの額がトータルとしてどのくらいになるのがいいかということも含めまして慎重に検討していきたいと考えているところでございます。
○清水嘉与子君 建議書ではまだ金額が出ていないわけですけれども、巷間八百円という数字が動いております。この八百円という考え方が一体どういう考え方であるのか、そしてまた具体的に決まっていないとしたら一体いつ決まるのか、そしてまたいつからこれが実行されるのか、教えていただきたいと思います。
○政府委員(多田宏君) 具体的な額につきましては建議書の中で金額が明示されているわけではございませんが、基本的に考えられる性格といいますか、そういうものにつきましては触れられているわけでございまして、その中では「平均的な家計における食費を勘案した相応の費用を患者が支払う提供方式とする」、こういう道筋が示されているわけでございますので、それに即して額を固めていきたいというふうに考えているところでございます。
○清水嘉与子君 いつからですか。
○政府委員(多田宏君) 額を決める時期でございますか、それとも実施する時期でございますか。
○清水嘉与子君 実施時期。
○政府委員(多田宏君) 実施する時期につきましては、これは法案の方でまた御相談をさせていただかなければならないということでございますから、国会の御審議等も踏まえて実施時期をこれから詰めていきたいと思いますけれども、できるだけ早期にこの付添看護・介護の問題等も含めまして全体的に改善もできるような方向で一体的に考えろ、こういうこの審議会の御意見でもございますので、その辺を踏まえて明年中には実施できるようにしたいというふうに考えているところでございます。
○清水嘉与子君 その八百円というのはそれじゃまだ決まっていない数字なんでしょうか。
○政府委員(多田宏君) 「平均的な家計における食費を勘案した相応の費用」ということで、これを具体的に家計調査等で精査をいたしましてそして額を確定していくということになると思いますので、現在のところではたしか家計調査、八百円前後だと思いますけれども、それはきちっと精査した上で最終的に固めたいと考えているところでございます。
○清水嘉与子君 実際には新聞が一斉に八百円ということを書き立てているわけですし、実施時期についても十月くらいをというふうなことを書き立てているわけでございます。やはり、こういう問題につきましては、みんなが関心を持って、また心配もしているわけでございますので、ぜひ率直にお出しいただけたらというふうに思っております。 それからまた、低所得者に対する配慮がされるというふうに思いますが、その辺についていかがでございましょうか、教えていただけますか。
○政府委員(多田宏君) 低所得者に対する負担の額の決め方につきましてももう少しデータ等を精査した上で最終的には固めたいと思っておりますけれども、八割前後の数字ということで考えられるのかなという感じでございます。
○清水嘉与子君 老人の問題でございます。先ほど宮崎議員の方からも御指摘がございましたけれども、老人により負担をかけるんじゃないだろうかという問題でございます。 今、一日七百円。何か随分安いような気もいたしますけれども、実際にはこれ以外におむつだとかお世話料だとかかなりな額を、特に東京あたりですと十万円以上かけているという実態がございます。これ以上負担に耐え切れない老人も多いんじゃないか。アメリカなどでよく病院を退院させられたホームレスの問題が話題になっておりますけれども、そういったことを日本では起こしてはならないというふうに思っておりますけれども、この辺はいかがでございましょうか。
○政府委員(横尾和子君) 老人保健制度における負担の問題でございますが、食事の負担の問題、また今御指摘がありました保険外負担の中で特に大きな問題になっております付き添いの解消問題につきましては、目下老人保健審議会において審議が行われているところでございます。早急な御意見の取りまとめをお願いしているところでございますので、その結果を踏まえまして、先ほど来御質疑のありました医療保険制度との整合性も勘案しながら対処してまいりたいと存じます。
○清水嘉与子君 病院給食の質の向上、在宅あるいは老人保健施設との均衡とかいうようなことで食費の一部負担の理由が挙げられていますけれども、来年の診療報酬の改定時期を控えてのこういう時期に出てくるということは、それはもう即財源対策ではないかというふうに言われても仕方がないのではないかというふうに思います。こういうニュースが出てからもうたくさんの方々が、医療関係者もですし、患者さんからも反対の声が大きく出てきておりますけれども、ぜひ政府ももっと時間をかけまして国民の間にも理解を深めるように努力をしていただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。 時間もなくなりますので、次の問題に移りたいと思いますが、次は基準看護の見直しの問題でございます。 九月二十四日に中医協の診療報酬基本問題小委員会の報告書が出されたわけでありますが、そこの中に具体的に検討する三項目として、その一つに基準看護の改正が挙げられております。基準看護というのは、これまで病院の看護婦の配置基準の目標といいましょうか、実はおかしいのですが、そういうことになっている実績がございますし、それによって一つ類を上げようというようなことで各病院が努力をして看護婦の確保を図ってきたというようなことがございます。 そこで、現場ではそういう意味では基準看護の存在を非常に評価しているわけでございますが、今回出された報告書によりますと、これを全く改正してしまう、大幅な改正をしてしまうというように読み取れるわけでございますが、なぜこの時期に基準看護制度そのものを改正しなきゃならないのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(多田宏君) 先生御承知のように、中医協で、長い間準拠してまいりました診療報酬の算定の方法全体を一回見直して新たな時代に適応 したものに考えていこうではないかということで基本問題小委員会というのがつくられまして、ここで鋭意議論が進められたわけでございます。 その結果といたしまして、この基準看護の問題につきましても体系が大変複雑になってしまっているではないかというようなことや、それから付添看護・介護といったような問題が患者に非常に重い負担として出てしまっているではないかとかいうようなことから、この報告書の中にも、実際に配置されている看護婦数、准看護婦数、看護補助者数を評価することが必要ではないかとか、看護・介護の質に対する評価が必要ではないか、あるいは付添看護の是正、あるいは一般、精神・結核との一本化、医療法との整合性とか、いろいろと八項目にわたって具体的な視点を提示されておりまして、こういう視点を踏まえてこれから検討をすべきであるといういわばかなり体系的な上に立っての御議論だというふうに受けとめておりまして、これに従って鋭意検討してまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。
○清水嘉与子君 今、局長が一番先に言われましたことで関心があるわけですが、実際に配置されている看護婦、准看護婦、看護補助者の数を評価するといういわゆる実人員方式という方式でございますけれども、今実際に基準看護をとっている病院はこの規定されている基準よりももっと高い職員を置いているわけなんですね。ですので、もし本当にいる人員を評価してそこに看護料を分配いたしますと今よりも相当の看護料を出さなければならないと思いますが、この辺についてどういう考え方でございましょうか。
○政府委員(多田宏君) 今回の見直しに当たっては、この中医協の物の考え方というのを基本的に踏まえて、できるだけこの考え方を忠実に生かした格好で進めたいというふうに考えておりまして、そういう意味でも、給食なんかとの関係も一体として進めるということを医療保険審議会の側でも言っているというようなことから、全体として見れば患者さんのためにもなり医療機関の安定な経営も図られる、そういう全体的な判断の中でしっかり手当てすべきものは手当てをしていくというふうに考えておるところでございます。
○清水嘉与子君 大臣、今聞いていただいたと思いますけれども、実はこの実人員方式というのは大変な問題のある方式でございまして、確かにいる人間がすべてきちんとした看護料で評価されればそれはいいのかもしれませんけれども、今は基準看護として看護婦、准看護婦、看護補助者の比率が決められているわけですが、今度は全くそうでなくて、病院に必要な人の配置については病院が決定する、その決定に従って人が配置される、こういうことになるわけでございます。 そうなりますとどういうことが起きるかといいますと、今はこの制度があるから看護婦を雇っていられる。しかし、もしそういう病院の勝手でいいということになりますともっと安い看護婦、つまり准看護婦のような方で医療を行うというようなことも出てくる。今の医療のシステムですとそういう心配も必ず出てくるわけでございまして、これは大変みんなが心配しているところでございます。 こういうことになることを大変心配もしておりますので、ぜひこの方式につきましては十分御検討いただきたいし、特に基準看護をとっているところにつきましてはそれなりの成果があるわけですので、むしろ私はこの基準看護の見直しの中で問題になってまいりますのは、基準看護制度ができてもう三十五年たつんですね。しかしまだ基準看護をとっていない病院が半分以上ある。ここの事実の方がずっと問題ではないかというふうに思っているわけでございます。 そこで、厚生省にまずお伺いしたいんですけれども、すべての病院に基準看護の承認をとらせることが望ましいと考えていらっしゃるでしょうか。
○政府委員(多田宏君) 先生御承知のように、現在の基準看護制度でも医療機関の側から申請をしていただいてそしてそういう医療機関について審査をして基準看護を認める、こういう形でございますから、この基準看護制度があるので、基準看護を強制しているためにそのスタッフがしっかりつくというような性格ではないのでございます。 今後も要するに充実した方向にスタッフをそろえられるようなインセンティブのあるそういう体系づくりを基本的には考えていきたいというふうに考えているわけでございますので、全体としては充実の方向に間違いなく行くようにしていきたい、こう思っておるところでございます。
○清水嘉与子君 大臣にはこのことにつきましてみんなが心配していることをぜひ十分御理解いただきたいというふうに思っております。 それから次に、引き続きまして、その問題と絡んで付き添いの問題が出てくるわけでございます。 基準看護制度をとっていないところの問題としては、つまり病院に人がいないわけですから、その看護をだれがやっているかというと外部の人間が付添看護婦という形で来てやっているわけでございます。付添看護につきましては、看護療養費と実勢価格の差が非常に大きいものですから、患者の保険外負担として非常に大きな問題になってきているわけでございます。 そこで、今回の中医協の報告あるいは医療保険審議会の建議におきましてもこの付き添いの是正ということが言われてきているわけでございますけれども、具体的に付添看護の実態をどうやって解消していくおつもりなのか、ぜひお伺いしたいと思います。
○政府委員(多田宏君) 具体的な手法につきましては今鋭意検討中で、また中医協の御意見も伺いながらさらに検討を進めていきたいと思っているわけでございますけれども、中医協でも注意深く言っておられますように、現在の量と質というものは少なくとも維持をしながら進めていかなければいけないだろうという基準看護の基本的な見直しの、最低限といいますか、そういうものがまず一つ示されておりますので、それをまずベースに踏まえながら、看護・介護スタッフの充実度に応じて、それについては十分に診療報酬上の評価をするという形でその基準看護の水準にできるだけ全体が移行するように進めていきたいという感じで考えているところでございます。
○清水嘉与子君 実は、基準看護をとっている病院でも日本の病院というのは大体欧米の半分しか職員がいないと言われているわけなんです。ちなみに、日本でトップクラスと思われます聖路加病院が五百二十床で、職員が千四十人いるというんです。大体、倍です。厚生省の病院はスタッフがどのくらいいると思われますか、大臣。
○国務大臣(大内啓伍君) 正確な数字は存じておりません。
○清水嘉与子君 職員全部合わせてもベッド数だけいないというところがほとんどでございます。ということで、局長も今言われましたけれども、付き添いの方々もだんだんに点数をつけて院内化を図っていくというようなことでございます。付き添いの方を職員にしていくということも一つですが、やっぱり看護力を高めていくということがどうしても必要なんだと思います。ですから、基準看護制度を経済的なインセンティブを持ったものとして機能させ、そして看護婦を確保しやすいように仕組んでいくことがどうしても大事だと思うんですが、この辺について、大臣、もし御所見があったらお願いしたいと思います。
○国務大臣(大内啓伍君) 委員の非常に専門的な知識と御経験からのいろんな御提言でございますので、今注意深く伺わさせていただいております。それらも踏まえまして十分検討させていただきたいと思っております。
○清水嘉与子君 それから、基準看護病院がふえていくに従いまして働く場を失った家政婦がふえてくるという大変皮肉な現象が出てきているわけでございますが、労働大臣、この実態を御存じでいらっしゃいますか。
○国務大臣(坂口力君) 家政婦の問題につきまして御心配をいただきまして、本当にありがとうご ざいます。 基準看護が名実ともに充実をしていきますことは大変好ましいことでございまして、私も大変歓迎をいたしております一人でございますが、しかし、一方におきまして今まで病院で家政婦が大変活躍をしてきたこともまた事実でございます。家政婦と言われる方の約八割が病院で今までお世話になってまいりました。しかし、基準看護を充実するという立場から付添看護というものをなくしていくというその方針の中で、家政婦さんたちが働く場所を失いつつありますことは私もお聞きをしているところでございまして、労働大臣になりましてからすぐその話を聞かせていただきました。 家政婦さんというのが労働省の管轄だということを私初め知りませんで、本当はこれは厚生省の管轄ではないかと思っておりましたが、労働省の管轄だということをお聞きしてびっくりしたわけでございますけれども、しかし家政婦さんたちの今までの業績もあるわけでございますので、この皆さんのこれからの働く場を何とかひとつ確保をしていかなければならないというふうに思っております。 できれば余り急激な変化というものはないようにしていただければそれにこしたことはないわけでございますが、しかし厚生省さんの方でどうしても急にこれをやるんだということでございますれば、こちらの方も急いでその対策を立てなければならない。 〔理事久世公堯君退席、委員長着席〕 御存じいただいておりますように、在宅介護が非常に多くなってまいりまして重要視されるようになってまいりましたので、今まで病院中心にやっていただいておりました家政婦さん方に在宅介護の方向に転換をしていただくためにはどうしたらいいかということを今考えているところでございます。 いずれにいたしましても、これを行うにいたしましても厚生省の方とよくお話し合いをさせていただいてスムーズに転換をさせていただかなければならない、かように考えているところでございますので、よろしくお願い申し上げたいと存じます。
○清水嘉与子君 付添看護といいますと基準看護をとれていない病院の問題となっておりますけれども、実は基準看護をとっている病院におきましても、先ほど申しましたように、非常にやはり看護力が足りないということで、家族ならよろしいですよといって家族と称して付き添いの方がついているという実態がございます。これは大臣、その実態というか、その事実を御存じでしょうか。
○国務大臣(大内啓伍君) 私も実はそういう方々といろんな接触がございましてその実情はよく聞いておりますし、つい先日もその代表の方々が来られましたので、その実態等については十分承知をいたしております。 今、労働大臣が申されましたように、確かにこれから在宅介護という需要が非常にふえてまいりますし、これから病院中心の付き添いというところからだんだんその重点を移していかなければならない。そのときに、それらの人々の生活、職場が脅かされるというようなことがあってはならない。その辺が我々が真剣に考えなければならぬところであると考えております。
○清水嘉与子君 今のお答えではございますけれども、ずっと今まで病院の中で働いてきた方々でございますし、この方々が本当にもう病院の中で働く場がないのかということももう一度御検討いただきたいと思うんです。 実際に、さっきから申しますように看護力が十分でない、二・八というふうに言っていますが、これも達成できていないような病院がたくさんある中で、夜の老人をどうやって面倒を見るのか、あるいは重症の人たちをどうやって面倒を見るのか、基準看護の中でどれだけできるのかというと、やっぱり限度がありまして、そこの部分をどうしていくのかという問題があると思います。 私、ぜひお願いしたいんですが、基準看護の中でも実際に付き添いがついているという実態を厚生省に聞けば、そんな実態はないんだがあればもうすぐ取り消しをするんだからと、こういうことでございますが、実際に付添婦の会の方々にも実態があるわけでございますので、なぜ付き添いがつかなきゃいけないのか、それが本当に必要なのかどうかというあたりをやはり研究していただきたいというふうにお願いをしておきたいと思います。 それから、先ほど来厚生大臣、労働大臣がおっしゃったように、これから地域の方にヘルパーの仕事があるじゃないかということでございます。労働省におきましても相当この問題を取り上げて、法律もつくり研修等をやっているわけでありますけれども、労働省がやっているヘルパーさんたち、家政婦さんたちへの研修と、それから厚生省がやっているヘルパーさんの研修とが全くかみ合わないですね。そして、幾ら労働省で研修いたしましても厚生省がやっていますサービスの仕組みの中に入っていかないという大きな問題がございます。ここを何とかしなければ、せっかく家政婦さんは十五万人いるんですね、この方々が本当に職を失ってしまうようになると思うんですが、この辺につきまして両大臣、ひとつ御見解をお願いします。
○国務大臣(坂口力君) その点は食い違いが起こらないように大内厚生大臣とよくお話をさせていただきまして、そしてスムーズにいくようにしたいと思います。 それからもう一つ、先ほど御指摘をいただきましたように、現実には病院におきましても付き添い看護の必要なところもあるわけでございますので、そうしたところを何らかの形で基準を設けていただいてそして働く場所を残していただくということができ得れば、それはそれとして大変ありがたいことだというふうに思っておりますが、それができ得ないということでありますれば、これは地域の方向に方向転換をせざるを得ない。 御指摘いただきましたように、労働省の場合と厚生省の場合と若干の違いもございますしいたしますので、労働省といたしましては、企業の職員の皆さんの御家族の介護というような形でいくか、あるいはまた厚生省とよくお話し合いをさせていただいて家政婦の皆さん方の新しいそういう介護の行き方を何かつくっていただくようにするか、その辺のところは厚生大臣とよくお話し合いをさせていただいて進めさせていただきたいというふうに思っております。
○国務大臣(大内啓伍君) 御指摘のようなことが本来あってはならないわけでございますので、労働大臣から今お話がございましたように、労働大臣とも先般来六十歳前半の雇用問題等について相当隔意ない意見の交換をやっておりまして、そしてその結果いろんな前進が見られておりますが、この問題につきましても労働大臣とよくお話しをいたしましてかみ合わせるようにいたします。
○清水嘉与子君 ありがとうございます。私も前政権の最後の労働政務次官をいたしまして、この問題を大変心配しておりました。ぜひ両大臣、本当にこの方々の力が生かせるような形で御検討いただきたいというふうに思っております。その場合に、家政婦さんの、家政婦会の今の姿を少しやっぱり近代化を図って、例えば派遣事業のような形で必要な人を病院に出すような形もひとつぜひお考えいただきたいというふうに思っております。 次に、中医協のお話なんですが、中医協は専ら診療報酬にかかわる問題を審議するということで、医師、歯科医師、薬剤師の方々が診療側代表に出ていらっしゃるわけでございます。今度のように基準看護のような全体的な改正を考えますと、やはりそこに診療、ケアの支え手として看護婦もいるわけでございますので、ぜひこういった人たちの意見も聞いてほしいというお願いでございます。厚生大臣、よろしくお願いいたします。
○政府委員(多田宏君) 中医協の組織は社会保険医療協議会法によって法定をされていることは御承知のとおりでございまして、支払い側、診療 側、それから公益を代表する委員、こういうことになっております。 診療側につきましては医師、歯科医師、薬剤師を代表する委員ということから構成をされる、そして各関係団体の推薦を受けて厚生大臣が任命する、こういう姿になっております。 この趣旨でございますけれども、保険医療の担当者という立場から保険医及び保険薬剤師が定められておりまして、その担当者の職能代表を診療側委員とする趣旨というふうに考えられておるところでございます。 したがって、この代表制につきましては一応御理解をいただかなければならないんではないかというふうに考えているわけでございますが、必要に応じて適宜中医協の方では意見聴取というようなことをやって関係の方々から話を聞いているという仕組みで、いろいろ実情についても伺うようなこともございますので、その辺のところについては、中医協の判断で必要な場合にはいろんな方面から御意見を伺ったりする場はつくっていくということは十分考えられることだと考えております。
○清水嘉与子君 前回、医療法が改正されまして、医療の担い手として看護婦を入れていただきました。そしてまた、昨年から始まりました訪問看護ステーションの開設者として看護婦が加わることができたというようなことで、やっぱり世の中どんどん変化しているわけでございます。 細川内閣が規制緩和を打ち出しておりますけれども、こういった面につきましてもぜひ実態に合わせた改正をしていただきたいと思いますし、じゃこの件に関しまして看護協会が自分たちの意見を中医協に言うチャンスがあったかといえば、まだ一度もないわけでございます。ぜひその辺につきましてよろしくお取り計らいをお願いしたいと思いますが、大内大臣、よろしくお願いします。
○国務大臣(大内啓伍君) 中医協の構成につきましては、局長から今答弁したような構成になっておりまして、運用面でというお話を今さしていただいたのでございますが、先生の御指摘はむしろその構成そのものにそういう代表を入れていくべきではないかという御提言のようでございまして、確かにほかの分野においては相当変わってきておりますが、中医協ももちろんこれは大変な権威のある機関でございまして、そう軽々にその構成等をいじるわけにはいかないわけではございますが、先生の御提言につきましても十分考えまして、一回そのあり方についても根本的に考えさせていただきたいと思っております。
○清水嘉与子君 次の問題は、先ほど宮崎委員も指摘をされました国立病院・療養所の賃金職員をめぐります業務改善の問題でございます。 この問題につきまして、私は、やはり会計検査院が入ってこういう問題が発覚したということにつきまして、なぜ厚生省内部でこういった問題がチェックできなかったんだろうかということを大変不思議に思っているわけでございます。この辺につきまして一体どんな背景があったのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(大内啓伍君) 確かに御指摘のように、そういう形で業務命令等が発動されていったという経緯はございますが、厚生省といたしましても、昨年御案内のとおり北海道の方をやりまして、ことしは十二月の一日に他の医療機関についてやっているわけでございますが、できるだけ厚生省として自主的な立場に立って、自主的な検討の上に立ってそういう改善措置が主体的にできるようにこれから指導してまいりたいと思っております。
○清水嘉与子君 国家公務員たる者が違法行為に当たるようなことを慣行として行っていたというのはやっぱりこれはおかしいことでございますので、ぜひきちんと処理していただきたいというふうに思っております。 ただ、そのときに問題になりますのは、患者サービスの低下あるいは看護婦の重労働、過労の問題、こんなことがないだろうかということが心配されますことと、それから当分の間新規採用がストップになっちゃうわけでございまして、もう学校の方が大変心配をしているわけでございますが、この辺についてはどんなふうに取り扱っていらっしゃるのか実態をお聞かせいただけたらと思います。
○国務大臣(大内啓伍君) 今御指摘のように、そういう改善命令の実行に伴いまして、例えば看護体制に支障が起こるとかあるいは患者に対する医療サービスが低下するということがあってはならないわけでございます。事務職員等々を中心にいたしまして、つまり過剰の分野を減らすというところに重点を置いているわけでございますが、看護婦さんの方にもしわ寄せが出てくるという場合には、例えばパートの看護婦さんの採用とか病棟の統合とかあるいは夜勤体制の改善とかいったような形の中で、そういう事態が起こらないように私どもとしては努力をさせていただきたいと思っております。
○清水嘉与子君 この事件の背景というのは、さっき過剰な人員と宮崎委員もおっしゃいましたし大臣も今おっしゃいましたので、やっぱりその辺気になるわけでありますけれども、全体的に定員の厳しい管理の中で定員そのものが少ないということがやはり大きな問題になっているわけなんですね。 もちろん総務庁にも厚生省にも伺いましたけれども、看護婦につきましては厳しい定員管理の中でもかなり例外的に取り扱っていただいているというふうに伺っております。大変ありがたいことでもございますけれども、ぜひ今後とも定員の確保に努力をしていただきたいと思います。 さらにまた、今少ない看護婦が何の仕事をしているのか、本当に看護婦の仕事をしているのかというあたりもぜひ見直しをしていただきたい。事務的な仕事も人がいないから全部やっているわけなんですね。御飯の盛りつけから何からやっているというような実態がございますので、その辺もぜひ御研究もいただきたいし、また看護婦自身も夜勤の体制等につきましては思い切って改正をしなきゃいけないんじゃないだろうかというふうに思っているところでございますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 最後になりますが、ちょっと問題が離れますが、ぜひ自治大臣にお願いをしたいわけでございます。 その問題は、障害者等が公共交通機関を利用するに当たりましての問題でございまして、高齢者とかあるいは障害者の方々ができるだけ地域に住み続けられるようにするために、交通機関を利用できるように今駅などでエレベーターとかエスカレーターなどを整備することが必要だというふうに思います。そこで、今回この国会で成立いたしました障害者基本法におきましても、交通施設等におきまして事業者が障害者の利用の便宜を図るよう努めるべきことということで、同時に国及び地方公共団体も必要な措置を講ずべきという規定が盛り込んであります。 近年、JRと地方自治体との合意の上にエレベーター等の整備を進めようという動きが見られておりますけれども、自治省におかれましてもぜひ鉄道事業者に対する自治体の補助等を後押しすべきじゃないかと思いますが、自治大臣の御見解をお伺いして最後にしたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) これから高齢化社会の中で、お年寄りの皆さんあるいは障害者の皆さん方のために優しい町づくりあるいは社会づくりという観点から、今交通機関等をなるべく利用しやすいようにしていくことというのは非常に重要なことだと思っております。 自治省といたしましても、高齢者や障害者の福祉の向上のために地方公共団体が歩道とかあるいは駅前の広場とか皆さんがお使いになるところに対しまして、段差をなくすとかスロープ化するとか、こういった優しい町づくりということにつきましても、地方の単独事業といたしまして地域福祉推進特別対策事業ということで後で交付税措置をするということをやっておるわけでございま す。 ただ、先生も今言われましたように、鉄道等の事業者がちゃんとおる場合につきましては基本的には事業者がみずからの責任と負担において行っていただくというのが基本であると考えておるわけでございます。その辺のところの仕切りをしていきませんと、例えばじゃデパートなんかどうするか。皆さんがお行きになる、そこまで地方自治体が面倒を見るということは現実に無理なのじゃないだろうか。 ちなみに例えば公営の地下鉄の場合を例にとりますと、三百五十七駅があるのでありますが、その事業者がエスカレーター三百十四、八八%、エレベーターにつきましては百十二基三一・四%ということで、地方の公営事業は公営事業として御指摘のように障害者の方やお年寄りの方に優しいということでやっておるわけでございまして、やはり基本的にはその事業者がいらっしゃるところは事業者にやっていただく、地方公共団体が公共の用に供しているところにつきましては優しい町づくりということでやっていくと。 縦割り行政というのを何も私は奨励するつもりは全くございませんけれども、鉄道事業のように完全な事業者がいる場合にはひとつ運輸大臣の方でぜひお願いをしていただきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○清水嘉与子君 最後になりましたが、運輸大臣は九日の本委員会におきまして大変積極的な御意見を出してくださったというふうに伺っておりますけれども、これからの優しい町づくりのために、高齢者のために、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。 どうもありがとうございました。
○委員長(井上吉夫君) 以上で清水君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(井上吉夫君) 次に、成瀬守重君の質疑を行います。成瀬君。
○成瀬守重君 最近、年配の人にお目にかかったときに、よく何か自分たちの生き方や信仰なんかについて非常に不安を感じるということを言われる人をよく聞くんですが、そういった意味において、確かに社会が大きく変わりつつある。そういった中において、改めて信仰の自由ということについて総理に伺いたいと思うんですが、信教の自由を規定した憲法二十条について総理はどのようにお考えになるか伺いたいと思います。
○国務大臣(細川護煕君) 信教の自由について規定している、まさにそのとおりの受けとめ方をいたしております。いろいろ書いてございますが、国あるいはその機関が宗教に介入しまたは関与することを排除する、いわゆる政教分離の原則を定めている、そのように認識しております。
○成瀬守重君 憲法二十条の第一項では、「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」と規定しておりますが、今の規定の中にあります宗教団体の政治上の権力の行使とはどのようなことだとお考えになられるか、総理にちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(細川護煕君) 法制局長官から御答弁いたします。
○政府委員(大出峻郎君) 憲法二十条の一項の後段の規定でございますが、宗教団体は政治上の権力を行使してはならない、こういう趣旨の規定が設けられておるわけであります。 これは、宗教団体というものに対して、例えば国家が持っているような統治権力といいますか、行政権だとか課税権だとか任命権だとか、そういう権力というものを宗教団体をして行使せしめるということを禁止した規定であるというふうに理解をいたしております。
○成瀬守重君 権力を行使するといいましても、別段特別な組織や権力が自分から動き出して権力を行使するわけじゃなくて、やはり権力を持った人間が権力を行使するんです。ですから、その人のあり方によってはいろんな危惧の念を抱く場合が出てくるわけですが、憲法二十条の三項は、国及びその機関が宗教的活動の禁止の規定を設け、国その他の公の機関が宗教に介入し関与することを排除する、いわゆる政教分離の規定でございますが、こういった規定を設けておりますけれども、しかしながら、国民や多くの宗教人が最近では創価学会が極めて他宗教を排斥したり強引な折伏をしてきた事実を知っておって、そういった面において深い危惧の念を抱いている人もたくさんいらっしゃるわけです。 細川内閣には創価学会の極めて熱心な信者さんが三人、各省庁を代表する大臣、長官の立場についていらっしゃるんですが、そういった意味からも国民や各種宗教団体の方々の中で危惧の念を持たれる方もいらっしゃる。こういった事実に対して総理はどのようにこの危惧に対してお答えするか、また御自身としても憲法二十条に関連した政教分離についてどのようにお考えになられているか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(細川護煕君) それは具体的にどなたのことでございましょうか。
○成瀬守重君 石田総務庁長官、神崎郵政大臣、あるいは坂口労働大臣はそのような方だと私は理解しております。
○国務大臣(細川護煕君) それぞれ信教の自由を持っておられるわけでございますから、それは私がとやかく申し上げることではないと思っております。
○成瀬守重君 では、総理は、そういった熱心な信仰を持たれることは信教の自由ではあるけれども、そういった方々が権力的なお立場に立って国政に参画されていることに対して、信教の自由に、いろいろ政教分離とかそういった問題に対して何ら危惧の念をお持ちにならない、こういうことでございますか。
○国務大臣(細川護煕君) それぞれ政教分離ということを明確におっしゃっておられるわけでございますから、そういう危惧の念は持っておりません。
○成瀬守重君 では、別の問題にひとつ入らさせていただきます。 三ケ月法務大臣にお伺いさせていただきたいと思います。 三ケ月法務大臣は我が国有数の民事訴訟法の権威でいらっしゃるわけですが、かって三ケ月大臣は創価学会に関連する訴訟で創価学会の要請を受けて鑑定意見書を提出されたことがあると聞いておりますが、事実でございましょうか。
○国務大臣(三ケ月章君) 大学時代並びに弁護士になりましてから、創価学会からと申しますよりも私の教え子を通じまして、裁判所法三条の規定の解釈につきまして鑑定書を書いたことは事実でございます。
○成瀬守重君 大変失礼なことをお伺いしますが、創価学会から報酬は受けられたでしょうか。
○国務大臣(三ケ月章君) 大学の教授が専門の領域で受けますようなささやかな報酬と、それから弁護士になりまして、駆け出しの弁護士として受けいただくのにふさわしい程度の報酬はいただきました。
○成瀬守重君 三ケ月大臣は憲法を遵守して厳正公平に我が国の法務行政を遂行され我が国の司法の権威を高からしめていらっしゃる方と信じておりますが、また一面においては李下に冠を正さずという言葉もございますので、今後とも公正な法務行政の遂行をお願いいたします。 話はちょっと変わりますが、法務大臣にお伺いしますが、刑事事件で実刑判決を受けた者は民事裁判において証人として証言する能力は全くなくなるものでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(三ケ月章君) ちょっと突然のお尋ねでございますが、私の専門の知識を思い出す限りにおきましては、国民はだれでも証人義務という義務を負っておるわけでございまして、特に排除されていなかった、そういうふうに考えております。
○成瀬守重君 ありがとうございました。 次に、石田幸四郎総務庁長官にお伺いいたしま す。 先ほど細川総理に私は憲法二十条についてお伺いいたしましたが、石田長官はこれについてはどのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(石田幸四郎君) お答えを申し上げます。 憲法第二十条につきましては、いわゆる政治と宗教の関係を規定したものでございまして、個人の問題を規定したことではないわけでございます。 また、ただ私どもとしましては、信仰をしている者として、その人間形成のために自分自身が信仰をしているわけでございまして、そういった人間形成を通して自分自身の人間性をより高めること、そういうことによって世に資することにいたしたい、こういう決意でやっているところでございます。
○成瀬守重君 石田長官は公明党委員長でいらっしゃいますが、政治改革関連法案の中で戸別訪問の禁止を解くというような改定が行われる、これについてどのようにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(石田幸四郎君) お答えを申し上げます。 選挙というのは私は本来自由に行われるべきであろうというふうに思うのでございます。それが候補であれあるいはそれを推す人々であれ、やはり私はそういう人たちの間で、あるいは国民の間で自由濶達に今後の政治をどうするか、どういう問題を政治に期待するか、そういう問題が語られることが大事ではなかろうかと存じます。 また、先進国におきましては多くそのような形で選挙が行われてきた、そういった経過がある、また歴史があるというふうに私は承知をいたしておるわけでございます。 特に選挙でございますけれども、どうも日本の選挙のあり方についてはやや制限が多過ぎるのではないか。もっとオープンな形で政治を語ることを楽しむような、むしろそういう雰囲気をつくっていくことが大事ではないでしょうか。 私、かつて選挙制度の問題で公職選挙法の特別委員会にいたことがございまして、もう引退されましたけれども自民党の久野先生、そういった方々とアメリカ、ヨーロッパへ選挙制度の問題で勉強に参りました。ドイツあたりもかなりオープンな形で選挙運動が行われているというふうに勉強をしてまいりました。そういうような明るさが私は選挙運動には必要ではなかろうかというふうに存じております。
○成瀬守重君 確かに石田長官の今おっしゃるように、選挙や政治活動に明るさが出るということはまことに結構なんですが、ところが、その明るさが活発になり過ぎて、戸別訪問の禁止が解除されると大挙して押しかけてこられたり、しかも熱意の余りに強引に説得されたり、夕飯どきの忙しいときに帰ってくれと言っても居座られたりというようなことがあるんではないか。 創価学会の信者の方々や公明党党員の方々は特に熱心ですから、そういった意味において、そういった方々が大勢押しかけてこられると家庭の平和が乱されるんではないか。また、時によってはそれが変じて強引な折伏活動が行われるようになるんではないかという危惧の声も聞くわけですが、そういったことについて石田長官はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(石田幸四郎君) お答えを申し上げます。 私ももう政治活動が長いわけなんでございますけれども、私たちが当選をいたしました昭和四十二年ころにおきましては、小さな市あるいは町や村の選挙の応援に参りますと、要するにもうその部落へ入っただけでも跡をつけてくるというようなことがよくございました。あるいはまた、夕方になりますと街角にかがり火をたきまして、そしてそこへ入ってこないように圧力をかける、こういうようなことがあったわけでございます。しかし、さすがに年月が経過をいたしまして、皆この現代の生活あるいはそういった考え方になじんでこられたんだと思うんですけれども、おのずから理性が働いてそういうようなことはもうほとんどなくなってきたと思うわけでございます。 確かに、今、先生御指摘のような御心配もありましょうけれども、これが過度に過ぎますと皆さんから御批判を受けるわけでございまして、かえってこれは票を減らすことにもなるだろうというふうに思うのでございます。そういった意味におきましては、むしろオープンにした方がそういう中でより秩序ある選挙運動をしようじゃないか、あるいはまた周辺の方もそういう過度に迷惑をかけるようなことは相ならぬよというような厳しさも増すのではないか、こんなふうに考えておるわけでございます。 ただ、法律上のことでございますので、私たちはそういう考え方で今推進はしているのでございますが、それが一遍に解禁になるというようなことはなお心配があるというふうにおっしゃるならば、将来の目標としつつ段階を追ってこの問題の解決を図るということも考えてよろしいのではなかろうかと存じます。
○成瀬守重君 大変失礼なことを伺うようですが、過去において、現在もあるかもしれませんが、よく公明党の方や創価学会の方が大量に票の移動をされて、時によっては一軒の家に十世帯の人が寄留をするというようなことがあったと。一軒の家に十世帯の人が住めるわけはないので、これは一体何のために寄留してきたかと。やっぱり票の配分とかそういう面があったと思うんです。 こういったようなことが現在行われているかどうかわかりませんが、このこと自体は違法行為ではないかもしれません。しかしながら、選挙に勝つためにたとえ合法的であろうと常軌を逸するようなそういった行動をやる、勝つためには手段を選ばないというようなことがあっては世の中のひんしゅくを買い、また秩序を乱すようなことになるんじゃないか、こういった点がありますが、石田委員長、この点についてはいかがでございましょうか。
○国務大臣(石田幸四郎君) お答えを申し上げます。 私も長い間選挙をやってきているわけでございまして、そういったことをよく私たち公明党にしましても学会にいたしましても非難をされるのでございますけれども、現実にはそういったことは全くないわけでございます。伝聞によってのいろいろな評価なり批判なりをちょうだいいたしておりますが、よくひとつ御検討をいただきたいと思うのでございます。 まあ、仮にある一定期間十人なり二十人なり寄留をさせるということになりますれば、これはもう住所変更をするわけでございますから、いろいろな郵便物にしても書類にしてもそこへ届くわけでございますから、そういったことを考えてみますと、そう簡単に、私なら私がどこかに寄留するというのも個人の生活にとってそんなに容易なことではないわけでございます。 ですから、今までも随分そういったことを言われて、例えば沖縄でございましたでしょうか、そういったことを、新聞だったと思いますけれども、ちょっと書かれたことがございました。我々公明党はそういったことはあってはならないということで事実関係を調べてみましたけれども、それは全くなかったということがそのときも実証されたわけでございます。そういうような事例を通しまして、私たちも一つ一つ確実に皆様方に正しいあり方ということをお示ししながら進んでまいりたいと思っております。 もし何が御指摘の点が具体的にございますれば、党内でも十分調べてみますので、おっしゃっていただければありがたいと存じます。
○成瀬守重君 今、石田委員長は大変常識円満、まことに温和な御意見をちょうだいしまして本当にありがたい、そのとおりいきましたらまことにありがたいと思っておりますけれども、現実にはなかなかいろんな面で末端に委員長のお気持ちが通りにくい点もあるんじゃないかということを感 じるわけですが、ぜひその御趣旨が通るようにお祈りするわけでございます。 次に、神崎郵政大臣についてお伺いしたいと思います。 昭和四十五年ごろに評論家の藤原弘達氏の「創価学会を斬る」という出版をめぐって、創価学会が藤原氏や出版社、取次店や書店にまで配付されないように圧力をかけた事件が起こり、創価学会は非常に世論の非難を受け、国会でも追及された事件があったということを伺っております。当然この点については神崎大臣も御承知と思いますが、このとき創価学会攻撃の急先鋒だったのが共産党。現在も急先鋒のようですけれども。 そこで、創価学会としては、この言論問題の収拾と学会を守るために共産党の出方を知ることが何よりも重要な課題になって、共産党対策のために、公明党にも聖教新聞編集部やあるいは創価学会の組織内にもプロジェクトチームが編成されたと伺っております。特別捜査班と言われておりますが、このことについて、神崎郵政大臣、御存じでいらっしゃると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(神崎武法君) 特別捜査班というのか何かわかりませんけれども、山崎氏が何かそういういろんなチームを編成したんだということを週刊誌等で言っているのを拝見しておりますけれども、実は昭和四十五年当時は私は福団地検小倉支部に検事として勤務をいたしておりました。当時、日本全国でも一番か二番ぐらいに忙しいという大変有名な検察庁で事件の処理に当たっていたということでございます。
○成瀬守重君 確かに、今、神崎大臣のおっしゃったようなそういった山崎氏からのいろんな意見もあるわけですが、この特別研究班というものが作戦会議をやって、創価学会の折伏を初め日常活動のあり方が刑法に触れるかどうかとか、政教一致の批判をかわすにはどうしたらよいかとか、共産党対策はどうしたらよいかとか、検察中枢に創価学会内部にメスを入れようとするような動きがないかだとか、こういった作戦が練られたと言われていますが、神崎大臣はこの特別捜査班のメンバーであられたことはございますか。
○国務大臣(神崎武法君) ただいま御答弁申し上げましたように、私は福団地検小倉支部の方に勤務していたわけで、山崎氏はしばしば何か会合に出ていて云々とおっしゃっておりますけれども、やはり検事として地元を離れる場合にはきちんと上司の許可を得ることが必要でございますし、およそ検事の職務というのは捜査を担当いたしますと十人以上の身柄事件というものをずっと持っているわけですから、毎日毎日のようにこれが満期が来る。そのきちんとした、人の生涯にかかわるそういう事件を扱っているわけでございまして、そういう時期に東京でそういうような班に入っていろいろ打ち合わせに出るということは考えられないことである、私はこのように申し上げたいわけでございます。
○成瀬守重君 昭和四十五年四月十九日の創価学会の箱根研修所における池田大作名誉会長の行動記録のコピーというものがあるようでございますが、これは創価学会の第一庶務が作成したもので、いわゆる月刊ペン事件の反証として創価学会が東京地方裁判所に提出したものだと言われております。このコピーはごらんになったことがございますでしょうか。
○国務大臣(神崎武法君) コピーの現物自体は見たことはございませんけれども、週刊誌を通して見ました。 それによると、私が何か欄外に名前が書かれているようでございますが、なぜそういうところに載っているのかその趣旨はわかりませんが、そのときの状況につきましては、私は今、四月十九日であるかどうか全く記憶をいたしておりませんけれども、私はその年の五月五日に東京で結婚をいたしまして、なかなか地元の検事として仕事が忙しくて結納もできないような状況でございまして、結婚式の直前、四月の中旬ぐらいになりまして時間がとれて、上京して結納を済ませて、その帰りに本部にごあいさつに伺ったところ、箱根の方にいらっしゃるということでしたので、私が帰途、箱根研修所でごあいさつをして帰った、そういうことはあったということを記憶いたしております。
○成瀬守重君 この池田名誉会長の行動記録の四月十九日十九時三十分に、二階二号室で特別研究班、北条、森田、秋谷、竹入、矢野と打ち合わせ、特別研究班メンバー、原島、桐村さんとおっしゃるんですか、上田、野崎、山崎、神崎と記録されておりますが、そうすると、これは全くそのような事実はなかったんでしょうか。
○国務大臣(神崎武法君) ただいま御答弁申し上げましたように、具体的な日時までは記憶いたしておりませんけれども、四月の中旬ごろ箱根研修所に行ったということは事実でございます。たしか五月三日が本部総会でございますので、大勢の方がその関係のいろいろな準備をされていた。ただ私の場合は、結婚のごあいさつをしてそして帰った、したがって欄外に何か私の名前はコピーでも書かれているように思うわけでございます。
○成瀬守重君 欄外に書いてありますのは神崎大臣のお名前やらそのほかまだ二、三人いらっしゃるようでございますが、それはともかくとして、この当時、創価学会と政教分離の問題で非常に激しい紛争の後に、五月三日に東京の日大講堂でもって池田名誉会長が政教分離の宣言的な講演をなさって、その原稿づくりに山崎氏その他朝日新聞の記者の方やら参画されて、それに対して神崎大臣にも御意見を伺ったというようなことが記録には残っているようですが、これはいかがでございましょうか。
○国務大臣(神崎武法君) 私、ただいま御答弁を申し上げましたように、その機会にその場所に行ったことは確かに記憶がございます。求められて意見を申し上げたかどうか、その点は定かに記憶をいたしておりません。
○成瀬守重君 そうすると、行かれたときは一応検事として任地を離れる届けは出されて行かれたわけですか。
○国務大臣(神崎武法君) 当然、結婚式の準備で上京するということで許可をいただいて任地を離れていると思います。
○成瀬守重君 神崎大臣は、こういった会合に時々欠席届を出されたかどうかして参画されたということはございませんか。
○国務大臣(神崎武法君) こういう会合というのはどういう意味がよくわかりませんけれども、四十五年当時、私が出たという記憶では、結婚式の準備のために上京したというそのときだけだったように思います。
○成瀬守重君 そうしますと、いろいろなそういった特別研究班で作戦を練るとかあるいは原稿の推敲をするとか、またそういったものを立証すると称する創価学会から東京地方裁判所に提出された書類というものは、これは全く偽りの文書というわけでございますか。
○国務大臣(神崎武法君) 創価学会が裁判所に提出したその文書がどういう趣旨で提出されたのか承知をいたしておりませんけれども、私がその場にいたことを立証する意味で提出したものでは恐らくないと思います。その週刊誌に載っているコピーを見る限りにおいては欄外に私の名前が書かれている。その機会にその場にいたことがございますので出席者として書かれたのか、その点は定かではございません。
○成瀬守重君 最近、山崎正友氏が当委員会においても証人喚問要求をされ、またいろんな面で神崎大臣また創価学会についていろいろ言っておられますが、先般当委員会で同僚下稲葉委員の質問に対して神崎大臣より、「山崎正友については、刑事事件で恐喝罪等で有罪判決を受けて実刑判決を受けて服役をいたしましたが、一審判決で、これは昭和六十年三月二十六日に東京地裁で言い渡された実刑判決の中で、あえて裁判長が山崎につきまして、「公判では幾多の虚構の弁解を作出し、虚偽の証拠を提出するなど、全く反省の態度が見られない。」、こういうことを書いている」ということを神崎大臣はおっしゃっておられる。「刑事 事件と民事事件とは全く性格が異なります。刑事事件は実体的真実の発見ということでございますけれども、民事事件は違います。」ということをおっしゃっておられます。 先ほど私が三ケ月法務大臣に伺いましたのは、刑事事件で有罪判決を受けた人間が民事裁判において重言したことが刑事事件で有罪判決を受けたるがゆえに民事裁判でその人の証言を取り上げないかどうか、そういう趣旨を踏まえて私は大臣にお伺いしたわけですが、刑事事件では実刑判決を受け、またそこでは、裁判調書によっていろいろと虚構の弁解をつくったとか虚偽の証拠を提出するとかいう面でのそういった事実が見られると言われていても、一面において民事裁判では、しかしながらその人は証人としての証言あるいは証拠能力というものがあるように私は受けとめたんですが、もう一度三ケ月大臣に伺いますが、よろしいでございましょうか。
○国務大臣(三ケ月章君) もちろん民事訴訟と刑事訴訟とは構造も違います。しかしながら、民事訴訟におきましては、自由心証主義ということでございまして、しかも証人の適格能力というふうなものが、例えば国務大臣等々につきましてはいろいろ制限がございますが、そうでない方の人間につきましてはこれは別にない。そうなりますと、例えばその人が刑事上いろいろな手続におきましてそれの信憑性というふうなものが問題とされた人を民事訴訟における証人として尋問するというときは、これはあくまでも自由心証の問題として民事訴訟では処理される、証拠能力というところまではいかないというふうに私は理解いたしております。
○成瀬守重君 ということになりますと、山崎正友氏の証言、あるいはいろんな週刊誌あるいは文書などで書いていらっしゃることも、刑事事件の実刑判決を受けた大なるがゆえにその証言とかあるいはその人の書いた文書が全面的に信憑性がないとか、あるいは刑事事件の実刑判決を受けたるがゆえにそれは信ずるに足らないということは、必ずしも言えないわけですね。それで大臣よろしゅうございますか。
○国務大臣(三ケ月章君) あくまでも裁判官の自由心証で判断すべきことだと思います。
○成瀬守重君 大臣、もう一度お伺いいたしますが、裁判官の自由心証といいますと、その証言が裁判官の判断によって形成されるということなんでしょうか。それでよろしいですか。
○国務大臣(三ケ月章君) 質問の御趣旨がよくわかりませんが、どういう趣旨でございましたか、この証人が言いましたことが真実かどうかということを裁判官が判断する、こういう意味で申し上げたわけでございますが、(「実刑判決の有無にかかわらずか」と呼ぶ者あり)実刑判決の有無にかかわらず、それは裁判官がこの人は実刑判決を受けるような人だと思ったならば信用しないまでの話でありましょうし、そういう意味で申し上げたわけでございます。
○成瀬守重君 委員長、先般当委員会において下稲葉委員から池田大作名誉会長及び山崎正友氏を証人として招致することを当委員会にお願いいたしましたが、その後それはどのような形になっておりましょうか。
○委員長(井上吉夫君) まだ結論が出ておりません。
○成瀬守重君 先ほどから神崎大臣にいろいろお伺いさせていただきまして、この問題につきまして、山崎正友氏の言動に対する不信から、御自分はあくまでも当時、もう二十年以上昔のことではございますが、現職検事としてそのような会合に参画していろんな特別研究班としての仕事をしたことがないというようなことをおっしゃっておられましたけれども、それはそのような事実に全く相反する、一緒にやったという人もおるわけで、しかもその人も刑事被告人であって、実刑判決を受けたといってもやはりその人自身の証言というものは先ほどの三ケ月大臣のお話では全面的に証拠能力がないわけでもないわけですから、一日も早くそういった意味においてのその方のいずれが真実なるやをはっきりとひとつしていただくようにお願いしたい。 また、再三公明党は政教分離を表明しておられますが、そういった意味においても、現在この問題を明確にすることによって、現職の検事が、最も服務規律が厳しいと言われる検事さんが、一方においてはきちっとした形で届けを出して結婚なるがゆえに休んでたまたまお参りに行っただけだ、あいさつに行っただけだというお話と、一方においては現実にそういった問題に参画してやっていると。そういった面を明確にさしていただくことが、これは一般の市民なら結構ですけれども、いやしくも国権の代表であり、また日本における内閣の大臣というお立場にある方だけに、この点は明瞭にしていただくことをお願いいたしたいと思います。
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。 ただいまの成瀬議員の御要望は、現在までのところ各党合意に達しておりませんけれども、引き続き理事会において協議をしてまいります。
○成瀬守重君 先ほど来私は、総理や三ケ月法務大臣、また公明党石田委員長、そういった皆さん方に政教分離についてそれぞれのお考えを伺ってまいりましたが、とにかくそういったものを明確にすることによって国民の抱く疑惑とかあるいは不信感というものを一日も早く除去して、そうして政治活動においても真なるものを明瞭に打ち出して細川内閣もお進みいただくよう心からお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(井上吉夫君) 以上で成瀬君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(井上吉夫君) 次に、佐藤静雄君の質疑を行います。佐藤君。
○佐藤静雄君 自民党の佐藤でございます。 総理の政治姿勢について御指導をいただきたい、こう考えております。 年の瀬を控えまして、寒さも非常に身にしみるきょうこのごろでございます。国民の皆様方の中には、年末、クリスマスもあるいはお正月も腹から喜べないという方々が非常に多いのでございます。それは政治の光から外されまして、今、暗いそして寂しい生活を送らざるを得ないという人が全国に二千万人以上いる、こう言われておるわけでございます。この人たちは、細川内閣が誕生して以来、内閣から疎外され、あるいは真剣に対策を考えていただけない、そういう人たちでございます。 まず第一に、農業者、農家農民がそうでございます。三百七十四万世帯、一千三百万人に上る農家の人たちがことしは未曾有の大冷害を受けまして、また国内各地において台風、津波あるいは噴火と立て続けに天災に襲われたのであります。 かてて加えて、年末も押し詰まったきょう、本当に農民が唯一のよりどころとしておりました米までも、たび重なる国会の決議を無視され、内閣組閣以来、国会答弁ごとに、米の自給方針は変えません、決議を体して交渉し例外なき関税化はもちろん部分自由化もいたしません、秘密交渉はしておりません、ましてや秘密提案なんかはしておりません、合意もいたしておりませんと繰り返し繰り返し総理、農林大臣は我々にお答えになったわけでございますが、十二月七日にドゥニー調停案が明らかになりますと、政府、総理の繰り返しの御答弁が真っ赤なうそである、農家農民に対する裏切り行為である。はっきり白日のもとにさらされたわけでございます。 十二月九日、全国から日比谷野外音楽堂に五千人以上の農民が集合したわけでございます。農民の目は怒りに打ち震え、頼りとしていた我が国政府の冷酷な裏切りに無念やる方ないふんまんを爆発させておったのであります。それに加えて、六年度の予算編成に当たり、農業農村整備事業を抑制すべきであるとさらに厳しい追い打ちを政府はかけられたのであります。 総理のこの問題についての所懐の一端をまずお聞きしたい、そう考えます。
○国務大臣(細川護煕君) かつてない深刻な冷害の中で、またこのたびのウルグアイ・ラウンドの問題にかかわります調整案の受け入れという大変大きな展開の中で、生産農家の方々が先行きに対して大変懸念を持っておられるであろうということは十二分に私も感じております。これをむしろ契機として、今後新しい農政の展開に向けて全力を尽くしてその手だてを講じてまいりたい、そのように思っているところでございます。 また、今日のこの先行き不透明な景気の状態の中で、中小企業者の方々も先行きに対して大変懸念を持っておられることと思います。こうした方々に対しましても累次にわたる景気対策を講じてまいりましたが、今後とも、まずこの補正予算を早く上げていただくことが先決でございますが、景気に十分配慮した来年度予算を組むことによりまして、少しでもそうした方々に明るさを取り戻していただけるように政府としてもしっかりそこの辺のところを踏まえて考えてまいりたいと思っているところでございます。
○佐藤静雄君 私たちは古いせいか、幼少のみぎりから、正直であらねばならぬ、ならぬものはならぬものであります、うそをついてはいけない、こういう教育を受けてまいりました。洋の東西を問わず、ワシントンの故事にあるようにうそをつくということは最低のことでございます。我が国の教育もそういうふうに教えているものと私は信じておりますけれども、日本で一番偉い人あるいは二番目の人あるいは三番目に偉い人がうそをついて、本当に生徒、学童がどういう考えでおるか、文部大臣、答えてください。
○国務大臣(赤松良子君) 先生御指摘のように、私ども子供のときから正直であらねばならないというふうに教わってまいりました。現在もその教育の方針に変わるところはございません。
○佐藤静雄君 米の問題でちょっとお聞きをしたいのでございますが、官房長官はいないですか。それじゃ、後からお聞きいたします。 まず、日米交渉でございますが、七年余りに及んだ米の交渉は実際にはもう日米二国間の交渉だったと、こう言われております。APECに総理がお出ましになった際に、日本側は米の問題は話になかった、しかしアメリカの方はあった、こう言うわけでございます。露は尾花と寝たと言う、尾花は露と寝ぬと言う、これはどっちが本当かはっきりと国民の前に教えていただきたい。
○国務大臣(細川護煕君) 何回も御答弁しておりますように、米の問題についての話はいたしておりません。
○佐藤静雄君 唐突でございますが、米を八十万トン輸入したとすれば一体どのくらいの価格になるか、総理、御存じでしょうか。
○国務大臣(細川護煕君) 四百億円少しぐらいでございましょうか、五百億円近くになるのか、いずれにしてもそんな程度のものだろうと思います。
○佐藤静雄君 たった四百億円で、農民がやめてくれ、国民も半分以上は自由化はしないでくれ、そういう願いをたった四百億円で売ってしまう、これはまことに私は奇怪な交渉だと思います。四百億円ですよ、ドルじゃないですよ。 十五品目千五百ぐらいの種類がございます、その中でだった四百億円。マイナーなものをやり玉に上げる、そういう政策はいかがなものか、腹に据えかねます。どうぞ。
○国務大臣(細川護煕君) どういうふうに申し上げたらいいんでしょうか。我が国の国益というものを第一に考えて、この七年余りにわたる交渉というものがようやく一つの方向に収れんをされてきたわけでありまして、もちろんこの点については私どもとしても決して満足のいくものではございません。いろいろ不満がございますが、しかし多国間の交渉の中で我が国としても譲るべきところは譲らなければならない、そういう状況の中で大変苦悩に満ちた判断をさせていただいたということでございまして、その点についてはどうぞひとつ御理解をいただきたい、こう思っているところでございます。
○佐藤静雄君 我が党の若い熱心な衆議院の先生方が、いても立ってもおられず実はジュネーブに行きました。 〔委員長退席、理事村上正邦君着席〕 そして、十二月八日にサザーランド事務局長、あるいはストーラー米国公使、それにトランEC大使、この方々にお会いをしましてお話をお伺いいたしました。 日本政府の説明によれば、日米間では何の合意もなく何ら具体的提案もないのにいきなり一方的に調停案を示して受諾を迫るのは不公平である、こう我が国の衆議院議員が言いました。 これに対しまして、アメリカ・EC間の協議以上に十分な時間とその結果日米の努力と知恵があってこの調停案ができたものである、もう既に日米の間でとっくにやっておりますよ、それを何の合意もないと言うのはまさに黒を白と言うものだ、こういうお答えをサザーランドはしておるんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(畑英次郎君) 御案内のとおり、このガット・ウルグアイ・ラウンドの問題は百十六カ国というような中におけるそれぞれ関心の高い、そしてまたそれぞれの項目についての大きなかかわり合いを持つ国々の話し合い、言葉のやりとり、そういうものが行われる中にございまして、我が方におきましては従来から申し上げておりますとおり例外なき関税化は受け入れないというような基本的な方針の中での取り組みをさせていただいたところでございます。 ただいまお話しがございましたように、いわゆる日米間におきましての合意があったとかそういうことは全くあり得ないことでございます。最後までそういうようなやりとりの中から調整案が出てきた、かように御理解を願いたいと思います。
○佐藤静雄君 それでは、ストーラー公使にお話をしたところ、このあっせん案はアメリカから望んだのではないよ、やむを得ず妥協のためにアメリカは受け入れた、それは秋のころだ、はっきりした記憶にはないが十月下旬ころだ、日本も了解したんだよ、こういうお答えでございましたが、それは本当でしょうか。
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま述べさせていただきましたように、いわゆる二国間等々で合意があったとか、そういう事実はございません。
○佐藤静雄君 トランEC大使も、日米合意はそんなに以前ではないがかなり早かった、どういうことを言っているのかわかりませんが韓国とアメリカよりもずっと前だったと、こうおっしゃっておりますが、これはどうですか。
○国務大臣(畑英次郎君) ただいま申し上げますとおり、いろいろやりとりもあった、これはもう事実でございますが、合意という事柄はない、かように重ねて申し上げさせていただきます。
○佐藤静雄君 これは交渉があったということじゃございません。合意がありましたと、こう言っているわけでございます。そうしますと、それはサザーランドなりこの方たちがうそをついている、こういうことでございましょうか。
○国務大臣(畑英次郎君) サザーランド氏からその場に私が居合わせて直接聞いた話でもございませんし、なおまた、そういうような合意を見ないやりとりの中から、いわゆる最終段階での調整案を出しての取りまとめのアクションが始まったと、かようないきさつを見ても御理解を願いたい、かように考えるわけでございます。
○佐藤静雄君 関税化の問題についてもお尋ねをしたい。 政府は例外なき関税化をから取った、こうおっしゃっておりますけれども、これもサザーランドに聞きましたら、関税化の例外と説明しているが、関税化の例外なんか一切ないんだ、すべて関税化することによってウルグアイ・ラウンドは成功して終結すると言えるんで、六年先送りはある程度柔軟に対応したものだと、こうサザーランドは言っております。 ストーラーも、例外なんというのはありませ ん、いずれ実施されるものを先送りにしただけです、やりやすくしてあげましたよと、こういうことでございます。 トランも言っております。関税化の例外は一切ない、日韓の米も当然のものとして今回決着した、ですから世界の常識は例外なき関税化を日本政府も承諾したんだ、特例措置なんかありませんよと、そういうことでございますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(畑英次郎君) 既に佐藤先生も御案内のとおり、いわゆる六カ年間につきましては、ミニマムアクセス部分につきましては、これは残念ながら御承知のように四から八という数字が出てまいったわけでございますが、それ以外の分野につきましては、六カ年間についての今回の協議でございましたから、その六カ年間にわたりましてはいわゆる関税化免除の特例措置を行うときちっと書かれておりますことも御案内のとおりでございまして、ただいま申し上げますような意味合いでの例外なき関税化という姿の中でいわゆる特例措置の導入を図られたと、かように御理解をいただきたいと思います。
○佐藤静雄君 次に、その議論はその議論としておきまして、部分自由化しても減反は維持しなきゃいかぬわけでございますが、これ平年ベースで、こういう凶作がないということになりますと外米を入れた分だけは完全に余剰になるわけです。それとも、米は日本で自給するという方針をお捨てになったのかどうか、まずそれからお聞きをしたい。
○国務大臣(畑英次郎君) いわゆる完全自給ということが、残念ながら今回の姿の中からは一〇〇%実現が難しくなった。そういう中にございましても、やはり自給方針を引き続き堅持をしていく、その基本的な姿勢の中におきましての対応を努力を重ねてまいりたいと、かような立場をとっておるわけでございます。
○国務大臣(細川護煕君) 今、農水大臣から申し上げたことに尽きております。
○佐藤静雄君 平年作であれば日本人が食べるお米は日本で全部とれます。減反をしておるんです。お米を外国から入れたとすればこのお米は余る勘定ですけれども、どういうふうに御処理をなさいますか。
○国務大臣(畑英次郎君) 残念ながら、御案内のとおり、ただいま持ち越しに見合いの米が大方ないというような実態の中にございまして、今備蓄そのものは当面百三十万トンということを既に関係者の方々に御理解を願いながらその取り組みが始まっておるわけでございます。 そういう中にございましての今回のミニマムアクセスの問題でございますが、これが始まりますのは再来年から始まるということでございますから、そういうような意味合いの中にございまして来年の作付面積あるいはまた作況等々そういうような流動的な要素もございますし、あるいはまた早場米等々の問題もございます。そしてまた、備蓄問題のいわゆる弾力的な運用ということもこれからの一つの研究課題ではないかなというようにも考えますし、私は、この新しいミニマムアクセスの問題が入りまして、例えば農政審議会等々におきましても備蓄のありよう、こういうことにつきましても御検討をいただくことが必要な時期であろうというようにも考えるわけでございます。 一年ちょっと時間的な余裕もございますが、そういうような意味合いでは、各案件につきましてやはり見直しを含めた、そういった問題の厳しい要素をどういうように御関係の皆様方の痛みを和らげるか、あるいはマイナス要素の影響を少なくするか、こういう視点から問題を専門的にまた掘り下げた論議をやらさせていただきたい、かように考えておるわけでございます。
○佐藤静雄君 農林大臣のお言葉を返すようで申しわけないんですけれども、自給方針を堅持するということならば、入れた外米はみんな余るわけですから、備蓄に回すかあるいはODAで外国にでも援助するしかない。それじゃもう国内自給方針は放棄します、再来年の四十万トンからずっと六年間たつと八十万トン、これはもう食糧需給計画に組み込みます、その分だけ余った減反を農家に頼みます、そういうことでございましょうか。
○国務大臣(畑英次郎君) 先ほど来申し上げますとおり、いわゆる自給体制というものを柱として物事を進めてまいりたい。今日のただいまの条件の中におきましては、これからいろいろ論議はされるわけでございますが、すべてということは実態としてはなかなか難しい要素もある。そういう中にございましても、やはり国産米が柱である、自給の中心は国産米であるという姿勢を堅持してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○政府委員(鶴岡俊彦君) これからミニマムアクセスに伴って輸入する四%から八%、約四十万トン前後あるいは八十万トン前後になるわけですが、これは食糧管理の面からとりましてもかなり相当我々としては工夫が要る数量であることは間違いございません。私どもは、これはガットの三条ですか、あれで輸入するものについても内国産と同じような待遇をしなきゃいけないというふうなことで、内国産の米と輸入米については一体的な管理をやっていく必要があろうかと思います。 その際にやっぱり真っ先に考えられますのが、加工用米についてどういうことになるのかということだと思います。 現在、残念ながら調製品の形、粉になった形で約十万トン、玄米換算で十万トンに近いものが輸入されておるわけでございますけれども、そういうものを今回輸入するものによって置きかえていくことができるのかどうか。それから加工用米については御案内のとおり、大体百四十万トンぐらいの需要があるわけでございますけれども、自流米が三分の一、それから他用途米が三分の一、それから米が、くず米といいますか規格外米が三分の一に充当されているわけでございます。 そういうことの中で処理がどういうことで円滑にできるのかどうか、そういう需要に充てていける米がどういうことになるのか、そういうことを前提にしましてできるだけそういう需要に充当していく。それとあわせまして、今御指摘のように、今後の生産、消費の構造がどうなっていくのか、あるいは備蓄に考えるのか、あるいは今御指摘のような援助ということがあるのかどうか、そういうことも含めまして、大臣からお話しがありましたように、再来年の四月から入ってくるわけでございますので、国内産で極力自給をしていくという体制と矛盾しないような管理の面での工夫というのを十分凝らしていきたいというように考えております。
○佐藤静雄君 ちょっと長官、いてください。 それは自給計画に繰り込んで、そしてちゃんと食管法を直してということになりますと、自給方針というものは、これは一部変更せざるを得ないわけでしょう。崩すわけでございますね。
○政府委員(鶴岡俊彦君) この委員会の御審議でも、アクセスを導入する場合に食管法の改正が必要である、それが基本計画にかかわる部分であるというようなことからしますと、外国産が一定量入ってくるということからしますと、完全自給という形は変わってくると思いますけれども、それにしましても、国内で合理的に生産できる稲作経営というのはやっぱり我々としてもそれを助長しはぐくんでいくという考えにおいては変わりないというふうに考えております。
○佐藤静雄君 ちょっとそこに……
○理事(村上正邦君) ちょっと発言者、気をつけてください。それは委員長が権限があるんだから、あなたがそこにいろとかいないとかそんなこと言っちゃだめだよ。
○佐藤静雄君 わかりました。 それでは、食糧庁長官にまたお伺いいたしますけれども、結局、他用途米とかそういうものを今まで国内産で自給しておったわけでございますが、外国産米をそれに回すということになりますると、これは国内産で自給をするという大原則を崩したというふうに思うわけでございます。国内消費にそれを押し込んでいく場合にどうしてもそ の分だけ減反が余計になるはずでございますが、それもそうでいいですね。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 水田活性化対策につきましては、来年産、再来年産につきましては過日全体的な構想を決定し、現在、県、市町村を通じて対応をしていただいているところでございます。それにつきましては、従来から大臣からも申し上げていますように、現在の構想は崩さない、そういう前提で受け入れというものを考えていくということで、率直に言いましていろいろな工夫というのは私管理の責任者として容易ならざることだと思いますけれども、決めました減反政策は変えないという前提で食糧管理の面でいろいろな工夫をしてみたいというふうに考えております。
○佐藤静雄君 外務大臣にお尋ねをいたします。 米の自給方針を崩し減反を強化してまで外米を入れるということは、これは私は非常に問題があると思う。それで、持ってきた外米を瞬間タッチ方式でこれはODAの予算で海外の援助に向けたらどうか。四百億ぐらいの金は幾らでも日本の一兆三千億のODA予算の中で消化できるわけでありますから、日本の農民をこれ以上いじめないためにもそのような考え方はいかがでございましょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 先ほど来実はずっとお話をお聞きしておったんですけれども、私どももこの米の貿易というものがそんなに世界の、あるいは稲作農業に対して大きな影響を与えるものでないということ、また黒字の国に対してもそんな大きな影響を与えるものではないこと、今お話があったことをずっと全く同じことを実は言い続けてまいったわけであります。 ただ、要するに各国とも日本のようなこういった国が一切あれしないということはあり得ないという中で、本当にぎりぎりの選択をせざるを得なかったということは御理解いただきたいと思うわけです。 そして、今お話があったことにつきまして、これは私どもも、もう大分前のときですけれども、いろんな話の中でそういうことの可能性がないものだろうかということを追求したことがあります。いわゆるこれは市場に出るもの、こういったものなのであって、私は水際作戦と言っておったんですけれども、この水際作戦では、これは残念ですけれども、自由貿易というものを守るということであるんならこれはだめだということであります。 ただ、今お話しのあったことは私たちも十分念頭に置きながら、これからこのガットの交渉が全部終わった中にあっていろんな形で考えていきたいということは申し上げておきたいと存じます。
○佐藤静雄君 官房長官がお出ましになられたので冒頭にお聞きしようかと思ったのでございますが、本会議の御答弁で官房長官は米の特例措置を受けたのは日本だけというふうに発言されたかのようにお聞きいたしましたし、同僚の先生方もそうお聞きしたんですが、それでよろしゅうございますか。
○国務大臣(武村正義君) 本会議では、先進国の中では日本の米のみと、こう申し上げました。
○佐藤静雄君 委員長の手元で議事録なりなんなりをとっていただきたい。
○理事(村上正邦君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○理事(村上正邦君) 速記を起こして。 発言者に申し上げます。 三十分以内に速記録を起こします。それで、その続きの質問については今二、三分残すということですから、それで続行してもらいたいと思います。
○佐藤静雄君 総理に御指導いただきたいのでございますが、先ほど尾辻委員の御質問にお答えいただいておりましたが、簡単なことでございます。 〔理事村上正邦君退席、委員長着席〕 この暗い気持ちでお正月あるいはクリスマスを送らせるわけにいきませんので、日本遺族会百四万世帯、それから傷痍軍人会が十四万世帯、軍恩連が八十六万人、総理のお言葉を待っておるわけでございますが、この方々は、先ほどお話がございましたように、この大戦で父を、夫を、そして息子を、兄弟を失った方々でございます。この人たちの生きがいは、身命を賭して愛する家族を守り、美しいふるさとの山河を守り、国の礎となって太平を開いたんだ、そういう誇りを頼りにしてこの五十年間生きていらっしゃった、苦しい生活にも耐え抜いてこられた、この方々のこの苦しみを総理が侵略戦争の一言で切り捨てられた。まことに残念でございます。 大戦にもいろいろな考え方あるいはいろいろな歴史観があることは存じております。しかし、これだけは聞いてこいと言われたのに、ソ連が中立条約を一方的に破って侵攻してまいって日本人を六十万人もシベリアに連れていった、この戦争部分は果たして侵略戦争だったかどうか。総理の認識を御指導いただきたい。
○国務大臣(細川護煕君) それは当然明らかに日本の侵略戦争ではなかったと思っております。
○佐藤静雄君 これも大変恐縮でございますがお教えいただきたいのでございますが、当時、東南アジアの現在の国々はタイを除いては欧米列強の植民地でございました。これらの国々はさきの大戦を契機に独立をしたわけでございますが、この部分についても総理の御認識をお教えいただきたい。
○国務大臣(細川護煕君) その部分につきましては、先ほどの話ばと明確ではないというふうに認識をいたしております。
○佐藤静雄君 侵略的部分であったとも言いかねるということでございましょうか。
○国務大臣(細川護煕君) 一部にそのようなこともあったかもしれない、その辺は定かではない、こういう認識でございます。
○佐藤静雄君 先ほど要求もいたしたわけでございますので、持ち時間を残して、後ほどまた質問をさせていただきます。
○委員長(井上吉夫君) 佐藤君の残余の質疑は後刻に譲ることにいたします。 —————————————
○委員長(井上吉夫君) 次に、服部三男雄君の質疑を行います。服部君。
○服部三男雄君 自由民主党の服部でございますが、総理に佐川問題についてお尋ねしたいと思います。 まず、総理は佐川清さんをだれの紹介でいつごろ、どういう機会にお知りになったんでしょうか。
○国務大臣(細川護煕君) 古い話でございますから多少記憶違いがあるかもしれませんが、大体のところを申し上げますと、私の父の所有しております京都の別邸を佐川さんから借りたいという話がございまして、賃借を始めたわけでございますが、それは父の名義で賃借を始めたということでございますが、当時私は参議院におりましたが、その父との賃貸契約の仲介を依頼したことが発端でございます。 その初めの紹介をしてもらったのは、当時参議院で同僚でありました河本嘉久蔵議員、今故人になられましたが、その河本さんが佐川さんの近くに住んでおられまして、その河本さんの御紹介であったというふうに記憶をいたしております。五十六年か五十七年か、その辺のところはちょっとよくわかりません。
○服部三男雄君 委員長、質問では……
○委員長(井上吉夫君) 続けてください。残った分をやってください。
○服部三男雄君 いやいや、質問に漏れている。どういういきさつで知ったのかと聞いているんです。
○国務大臣(細川護煕君) 今申し上げたとおりでございます。
○服部三男雄君 前回、佐川グループとの総括的ないろんな関係についておっしゃったわけですが、その佐川さんに貸した京都別邸の住所とか、湯河原町の場所とか面積とか、妙高の高原にある別邸の面積とか建物の面積とか、こういったこと を今記憶しておられますか。
○国務大臣(細川護煕君) 今手元に資料はございますが、正確を期するために改めてこれは出させていただいた方がよろしいかと思います。 実は、この機会にちょっと申し上げておきたいと思いますが、当委員会での審査に先立つ衆議院の予算委員会での審査におきましてもこの問題に関連していろいろとお尋ねがございました。古い話でもございますし、また資料も見当たりませんし、私自身と当時の担当職員の記憶だけを頼りに不十分なお答えしかできなくて大変申しわけなく思っておりますが、衆議院の予算委員会の理事会から、当方に資料がない場合には相手方である東京佐川急便から私が指定された資料の提供を受けて、それを衆議院予算委員会理事会に提出をするようにという御要請をいただいたところでございます。 そこで、先週、東京佐川急便に問い合わせをしましたところ、東京佐川急便事件に関して東京地検に任意提出する前にコピーを作成したものの中に本件に関する資料のコピーが含まれているという回答をいただきました。したがって、それらの資料の写しの提供をお願いいたしましたが、そのとき言われましたことは、何か一つ出すと次々とあれも出せこれも出せということになりはしないか、また一人について出すとあの人のものも出せこの人のものも出せということになりはしないかということが懸念をされるということで断るということであったわけでございますが、しかし、私としてはまことに心外な疑いを受けている事態である、そういう事情を説明いたしまして、非常な無理をお願いしてようやく今回限りということで資料の提出の御了解をいただいて昨日渡していただいたところでございます。 私としては、こうした資料によっていろいろ疑問に思っておられることは完全に氷解する、こういうふうに思っておりますが、しかしながら何分にも衆議院の予算委員会の理事会の御要請によって提供を受けたものでございますから、信義上、衆議院の予算委員会の理事会にお見せをする前に当委員会にお示しをすることができないということ、またその内容についても先立ってお話しできないことはぜひひとつ御理解をいただきたいと思います。 現在、それらの資料をもとに当時の担当職員にできるだけ正確に経過を整理するように求めておりまして、整理ができましたらあわせて衆議院の予算委員会理事会に提出をさせていただきたいと思っております。これらの資料を衆議院予算委員会理事会に提出をさせていただいた後は、御要請があればもちろん当予算委員会理事会にも提出をさせていただきたいと考えております。 そういう次第でございますから、まことに恐縮でございますが、衆議院予算委員会理事会への資料提出が済むまでこの件に関する答弁は、少しまた記憶が違ったりしてまたちぐはぐになってもぐあいが悪いもんですから、正確なことは改めて、多分明日には出せると思いますので、それまでひとつ御勘弁をいただきたいと、こう思います。
○服部三男雄君 私の質問はですね、(「立って言いなさい」と呼ぶ者あり)答えになっていないから言っているんですよ。(発言する者あり)
○委員長(井上吉夫君) 私語はやめてください。質問を続けて。
○服部三男雄君 筋違いの答弁ですから、今細かく住所とか建物の面積、土地の面積について覚えておられますかという質問をしたんですから、それにまず答えていただかなければならない。
○国務大臣(細川護煕君) いや、ですからそのお話もすべてそういうことに一連のかかわる問題でございますからすべて一括して出させていただきたいと、こう申し上げているわけです。
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。
○国務大臣(細川護煕君) 正確に記憶をしておりませんというか、正確な資料ではございませんので、明日までに資料を整理をしておりますので、それをもとにしてお話しをさせていただいた方がいいと思いますが、今大体のことでよろしいということであれば、後でその部分について訂正あり得べしということであれば、今お答えをさせていただきます。
○服部三男雄君 質問じゃありません。委員長に対してです。 あしたの午前中に資料を私どもにお届けいただけるならば、あしたの午後私やらせていただくのが正確で一番いい話ですから、そうさせていただきます。質問をきょうは保留させていただきます。
○委員長(井上吉夫君) 速記をとめて。 〔午後五時七分速記中止〕 〔午後五時十七分速記開始〕
○委員長(井上吉夫君) 速記を起こして。 理事会で協議するため、おおむね三十分休憩いたします。 午後五時十七分休憩 ————◇————— 午後六時六分開会
○委員長(井上吉夫君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 服部君の残余の質疑は後日に譲ることといたします。 —————————————
○委員長(井上吉夫君) 次に、佐藤君の残余の質疑を行います。佐藤君。
○佐藤静雄君 先ほど資料を求めました。官房長官のおっしゃるとおり、確かに先進国という文言がございました。 ところで、韓国はまだ先進国の中には入っておらないでしょうか。その辺をまたお聞きしたい。
○国務大臣(武村正義君) 先進国というのをどういう物差しで決めるのか、これも議論があるのかもしれませんが、一応私どもの認識ではOECD参加国というふうに思っておりまして、その意味では韓国はまだOECDに入っていないという状況でございます。
○佐藤静雄君 時間がございませんので、残りの質問を続けさせていただきます。 三番目に、暗い気持ちで越年しなきゃならぬ方々がおられます。 その一つは、十月の完全失業率二・七%、失業者で百七十六万人、それから各企業がリストラという名をかりまして、最近、配置転換、一時帰休、あるいは計画的人員整理、希望退職者の募集、定数削減、新卒者の採用中止など雇用調整を行っておりますが、これらの方々は、私が調査をいたしましたところでは二百五十五社、三十二万二千名ほどになっております。 さらに、もっと深刻なのは、この不況によりまして来年大学を出る子供たちの就職内定率が非常に悪うございます。特に文系の男子、女子、それから短大、特に女子の内定率が悪うございます。大体七十五万人が来年大学、短大を卒業されると思いますが、推定でそのうちの十六万人がまだ就職が決まっていない。 これらの方々が本当はもうそれぞれ就職を決め、あるいは雇用が決まり、楽しいお正月、クリスマスを迎える必要があると私は思うのでございますが、このような人々に働く場所を与えて、思いやりの心を持って呼びかける、勇気づける、これが総理の大きな仕事だというふうに思っておりますが、所見をお聞かせ願いたい。
○国務大臣(細川護煕君) それはもうおっしゃるとおり、雇用の機会を確保するということは基本的な政策の柱である、そういう方々が安心して年末年始を過ごせるように、そのような環境を整備していくということは極めて重要な当面の課題であるというふうに認識をいたしております。
○佐藤静雄君 次に、原子力発電の利用促進についてお尋ねを申し上げます。 二十一世紀を展望いたしまして、やはり二十一世紀に国家があるいは国民が残っていくためには、どうしてもエネルギーとして原子力を利用せざるを得ないと私は考えております。 そこで、いろんなことは省いてざっくばらんに申し上げますけれども、どうしても私は原子力に頼らざるを得ないと思われますので、その原子力の開発促進、利用促進をどのように科技庁長官は考えておられるか、お答え願います。
○国務大臣(江田五月君) 既にいろいろな場面でお答えが出ていると思いますが、細川連立政権樹立に当たりまして、エネルギーについてはこれまでの国の基本重要政策としてこれを継承するという合意を連立各党で行っております。 そのエネルギーの中に電力というものは当然これは重要な位置を占める。電力の中で原子力というものもまた重要な位置を占めておる。そこで、原子力発電についても継承すると同時に、安全性に最大限留意をし、同時にまた二十一世紀を展望するならば新エネルギーの開発にも取り組んでいく、こういう方針で進めていく決意でございます。
○佐藤静雄君 時間がございませんので、端的にお伺いいたします。 ここに原子力に対する八党合意と各党の考え方がございますが、大変重大な問題でございますので各党の党首にお伺いをいたします。 これから原子力発電所の新設、増設、これは絶対不可欠。これをどのようにお考えになるか、まず日本新党の党首であられる総理大臣にお聞きします。
○国務大臣(細川護煕君) 国の今までの政策を継承する、こういうことでございます。
○佐藤静雄君 山花大臣にお願いします。特に新設、増設について端的にお答え願います。
○国務大臣(山花貞夫君) 八党合意で確認していることを前提として考えていきたい、こう思っております。
○国務大臣(羽田孜君) 先ほど総理からお答えしたとおりであります。
○佐藤静雄君 私は、新設、増設というふうに特に限ってお願いをしておりますけれども、この八党合意では新設、増設についての考え方が明確でございません。したがって端的に、新設してもよろしいか、増設してもよろしいか、その辺をお答え願います。
○委員長(井上吉夫君) あなたの今の質問の答弁者は山花国務大臣ですか。
○佐藤静雄君 社会党の党首は今御出席でありませんので、山花国務大臣にお願いします。
○国務大臣(山花貞夫君) 先ほどお話ししたとおりでございます。八党合意の中で方向を定めているところでございます。具体的な新設、増設について、具体的なテーマについて、そのことがなければ具体的な方向というものはこの合意からは出てこないと思っております。
○佐藤静雄君 それでは、石田大臣。
○国務大臣(石田幸四郎君) お答えいたします。 我が党の立場は、組閣前でも現在でも一貫して新増設を認めるという態度でございます。
○国務大臣(大内啓伍君) これからのエネルギー需要の動向を考えますときに、新増設は不可欠である、こう考えております。
○佐藤静雄君 さきがけ。
○国務大臣(武村正義君) 御指名いただきましたので。 どうしても必要な新増設は必要であります。
○佐藤静雄君 江田大臣にお答えをいただく前に。 江田大臣の方の態度が一番新増設を認めないという態度をとっておられましたが、今は変わっておりますか。
○国務大臣(江田五月君) 先ほどからお答えをしているとおりでございます。 これまでの国の基本重要政策を継承していくということで、新増設についてはこれまでずっと既に計画が進んできているものがございまして、それを継承しております。
○委員長(井上吉夫君) 以上で佐藤君の質疑は終了いたしました。(拍手) 本日の審査はこの程度といたします。 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後六時十六分散会