本会議 第8号
- 発言数
- 33 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 1993/11/30
会議録
○議長(原文兵衛君) これより会議を開きます。 この際、国家公務員等の任命に関する件についてお諮りいたします。 内閣から、 原手力安全委員会委員に佐藤一男君、住田健二君及び内藤奎両君を、 科学技術会議善員に大澤弘之君及び熊谷信昭君を、 公正取引委員会委員に植松敏君を、 公害健康被害補償不服審査会委員に入山文郎君及び加藤陸美君を、 中央更正保護審査会委員に梅田晴亮君及び堀雄君を、 社会保険審査会委員に古賀章介君及び三橋昭男君を、 漁港審議会委員に齋藤禮次郎君を、 運輸審議会委員に石山陽君を、 航空事故調査委員会委員に小林哲一君を、 日本放送協会経営委員会委員に草柳大蔵君、中村紀伊君、中村桂子君及び松山公一君を、 また、労働保険審査会委員に加藤繁夫君及び川西利興君を任命することについて、それぞれ本院の同意を求めてまいりました。 まず、原子力安全委員会委員、科学技術会議議員のうち熊谷信昭君、公正取引委員会委員、公害健康被害補償不服審査会委員のうち入山文郎君、中央更生保護審査会委員、社会保険審査会委員、漁港審議会委員、日本放送協会経営委員会委員のうち草柳大蔵君、中村紀伊君及び中村桂子君並びに労働保険審査会委員の任命について採決をいたします。 内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(原文兵衛君) 総員起立と認めます。 よって、全会一致をもっていずれも同意することに決しました。 次に、科学技術会議議員のうち大澤弘之君、運輸審議会委員、航空事故調査委員会委員及び日本放送協会経営委員会委員のうち松山公一君の任命について採決をいたします。 内閣申し出のとおり、いずれも同意することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(原文兵衛君) 過半数と認めます。 よって、いずれも同意することに決しました。 次に、公害健康被害補償不服審査会委員のうち加藤陸美君の任命について採決をいたします。 内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(原文兵衛君) 過半数と認めます。 よって、これに同意することに決しました。 ─────・─────
○議長(原文兵衛君) 日程第一 国務大臣の演説に関する件 大蔵大臣から財政について発言を求められております。これより発言を許します。藤井大蔵大臣。 〔国務大臣藤井裕久君登壇、拍手〕
○国務大臣(藤井裕久君) 平成五年度補正予算(第2号)の御審議をお願いするに当たり、当面の財政金融政策の基本的な考え方について所信を申し述べますとともに、補正予算の大要を御説明申し上げます。 まず、最近の経済情勢と当面の政策運営について申し述べます。 我が国経済は、調整過程にある中、急激な円高の進行や冷夏、長雨の影響が加わったこともあっで、総じて低迷が続いております。 政府は、昨年三月以来、三次にわたる経済対策と景気に配慮した平成五年度予算を通じ、景気の状況に鋭意対応してまいりましたが、さらに去る九月十六日には、規制緩和、円高差益の還元に加え、円高の影響や災害による被害への対応等国民が直面する厳しい経済情勢に対し速効的に対応し得る幅広い諸施策から成る緊急経済対策を策定いたしました。同時に、本対策は、生活者・消費者が豊かさを実感できる経済社会の構築といった我が国の中長期的課題の解決にも資するものと考えております。 今回の対策においては、内需拡大や輸入促進に直接的な効果があり、また経済構造の変革の新たな第一歩につながる公的規制の緩和等を推進するとともに、国民が円高のメリットを速やかに、かつ十分に享受し得るよう円高差益の還元を促進することとしております。 また、国民が直面する厳しい経済情勢等への対応につきましては、生活者・消費者の視点に立った社会資本整備の推進、集中豪雨や台風等により被害を受けた地域における災害復旧事業等の推進、国民が真に豊かさを実感できるような住宅投資の促進、構造調整に資する設備投資の促進、円高、冷夏尊厳しい経営環境に直面している中小企業等への支援、雇用対策の推進等の施策を実施することとしております。さらに、調和ある対外経済関係の形成が重要との観点から、輸入の促進のための施策等を実施することとしております。 金融政策の面では、先般、公定歩合の第七次引き下げが実施され、その水準は史上最低となっております。こうした幅広い諸施策が一体となって、我が国経済の内需中心の持続的成長の実現に大きく寄与するものと確信しております。 一方、世界経済は、貿易や直接投資の拡大とともに相互依存関係をさらに深めつつありますが、その中にあって我が国は、調和ある対外経済関係の形成に努めるとともに、世界経済の発展のために積極的に貢献していく必要があると考えます。このような観点から、ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉につきましては、十二月十五日までの実質妥結を目指して努力していくことが極めて重要な課題となっております。同交渉の成功は、保護主義を回避し、多角的自由貿易体制を維持、強化するために何よりも重要であると考えております。 為替相場につきましては、経済の基礎的諸条件を反映して安定的に推移することが望ましいと考えており、我が国としては、各国の政策協調及び為替市場における協力により、為替相場の安定を図ってまいりたいと考えております。 次に、財政改革の推進について申し述べます。 我が国財政につきましては、平成五年度末の公債残高が約百八十八兆円程度にも達する見込みであり、国債費が政策的経費を圧迫するなど構造的にますます厳しさを増しております。これに加え、平成四年度決算において、税収が戦後初めて二年連続して減少し、約一兆五千億円の決算上の不足を生じるという事態となりました。また、平成五年度税収についても、第一次補正後予算と比べて大幅な減収が生ずるものと見込まれ、これが平成六年度税収にも影響を及ぼすものと考えられるなど、まことに深刻な状況に立ち至っております。 このような異例に厳しい状況のもとではありますが、今後二十一世紀をにらんで高齢化や国際化などに適切に対応していくためにも、再び特例公債を発行しないことを基本とし、公債残高が累増しないような財政体質をつくり上げていくことを目指して、財政改革を強力に推進していかなければなりません。将来の世代に大きな負担を残さず、健全な形で我が国経済社会を引き継いていくことこそ我々の責務であり、このため、現下の極めて厳しい状況を乗り越えるべく、今後、歳出歳入両面にわたって、あらゆる努力を傾注してまいりたいと考えております。 このため、平成六年度予算編成に当たっては、社会経済情勢の変化に応じて、国民生活の質の向上に資する分野に重点投資する等、限られた財政資金の重点的、効率的配分に努めることとし、制度の根本にまでさかのぼった見直しや優先順位の厳しい選択を行うなど、従来にも増して徹底した経費の洗い直しを行ってまいる所存であります。 次に、税制改革について申し述べます。 税制につきましては、十一月十九日に取りまとめられた税制調査会の「今後の税制のあり方についての答申」を踏まえ、「公正で活力ある高齢化社会」の実現を目指して、所得・消費・資産等のバランスのとれた税体系を構築するため、税制改革に取り組んでまいります。 我が国経済の先行き不透明感にこたえるためにも、答申に示された税制の総合的見直しの方向に沿って、国民の皆様の御意見に十分耳を傾けながら、税制改革の具体案の取りまとめとその実現に向けて最善の努力をしてまいる所存であります。 次に、金融の円滑化及び金融自由化の着実な推進について申し述べます。 金融は、経済のいわば血液としての重要な機能を担っており、現在の経済環境のもと、今後の景気回復に向けて、金融の一層の円滑化を図ることは極めて重要であります。このため先般の緊急経済対策においても、金融機関に対し、中小企業向けを含め、資金の円滑な供給が図られるよう融資態勢の強化を要請したところであります。 また、金融機関の不良資産の増大に対処し、金融システムの安定性を確保する観点から、今後とも金融機関の不良資産の着実な処理を進めるとともに、一層の経営合理化等の努力が必要であります。 一方、金融自由化の着実な推進につきましては、本年四月に金融制度改革が実施に移されたほか、六月に定期預金金利が完全自由化されました。また、来年には流動性預金金利の自由化を実施することとしております。今後とも、金融自由化のための一連の施策を着実に実施してまいる所存であります。 次に、今国会に提出いたしました平成五年度補正予算(第2号)の大要について御説明申し上げます。 平成五年度一般会計補正予算(第2号)においては、さきに御説明いたしました緊急経済対策や冷害等対策の実施に必要な公共事業関係費等の追加を行うほか、義務的経費の追加等を計上するとともに、税収の大幅な減収に対処するための措置を講ずることとしております。 今回の一般会計補正予算につきましては、歳出面において、緊急経済対策の一環として、生活者・消費者の視点に立った社会資本整備を推進するため、一般公共事業関係費三千億円及び各種の施設費等三千四億円を追加計上するとともに、災害復旧等事業費三千三百九十二億円を追加するほか、中小企業等特別対策費七百七十一億円等を計上しております。また、冷夏等により、水稲の作柄が戦後最低の水準になる等極めて大きな農作物被害が発生していることにかんがみ、被害を受けた農家の経営及び地域経済の安定を図るため、冷害等対策を講じることとし、これに必要な経費九百七十二億円を計上しております。このほか、義務的経費の追加など特に緊要となったやむを得ない事項等につき措置を講ずることとしております。 他方、歳入面においては、租税及び印紙収入が最近までの収入実績等を勘案すると、第一次補正後予算に対し、五兆四千七百七十億円の大幅な減収となることが避けられない見通しとなりました。このよう庭まことに深刻な事態に対処するため、従来にも増して徹底した既定経費の節減を行うとともに、税外収入の確保及び追加財政需要の圧縮に努めたところであります。また、所得税及び法人税の収入見込み額の減少に伴い、地方交付税交付金を一兆六千六百七十五億円減額するとともに、やむを得ざる措置として、公共事業関係費の追加に対応するもの等について建設公債を追加発行することとしております。しかしながら、これらをもってしてもなお財源が不足することから、特例的な措置として、当初予定していた国債整理基金特別会計に対する定率繰り入れ等三兆四百八十七億円を停止することとし、このため、平成五年度における国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例に関する法律案を提出し、御審議をお願いすることとしております。なお、これに伴い国債整理基金の運営に支障が生じることのないよう、NTT株式の売却収入に係る無利子貸し付けについて繰り上げ償還を行うこととし、このため必要となる措置を講ずることとしております。 これらの結果、平成五年度一般会計第二次補正後予算の総額は、歳入歳出とも第一次補正後予算に対し、七千八十七億円増加して、七十五兆二千五百二十二億円となっております。 地方財政につきましては、一般会計からの地方交付税交付金が減額されますが、地方団体の円滑な財政運営を確保するため、交付税及び譲与税配付金特別会計において所要の借り入れを行うことにより、当初予算額どおりの地方交付税総額を確保することとしております。 以上の一般会計予算補正等に関連して、特別会計予算及び政府関係機関予算につきましても、所要の補正を行うこととしております。なお、冷害等対策の一環として被害農家等に対する共済金の支払いに充てるため、農業共済再保険特別会計において農業再保険費三千九百四十八億円を追加することとしております。 財政投融資計画につきましては、緊急経済対策の実施等のため、この補正予算において、中小企業金融公庫、国民金融公庫等十七機関に対し、総額二千八百二十億円の追加を行うこととしております。 以上、平成五年度補正予算(第2号)の大要について御説明いたしました。 何とぞ、関係の法律案とともに御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(原文兵衛君) ただいまの演説に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。岩崎純三君。 〔岩崎純三君登壇、拍手〕
○岩崎純三君 私は、自由民主党を代表して、平成五年度補正予算に関する政府演説に対し、総理に質問を行います。 冒頭に指摘いたしたいことは、細川連立内閣は政治改革を優先する余り、今最も国民が望んでいる景気対策をなおざりにしていることであります。政治改革の緊要性は我々も重々承知をいたしておりますが、それと並んで、いやそれ以上に国民が今、内閣に最も期待していることは、この不況の速やかな克服であります。 政府が発表した九月十六日の緊急経済対策では、その前文におきまして、「本対策を早急に実行に移すことにより先行き不透明感を払拭しつつ、景気回復への動きを確固たるものにする」と強い決意を表明しながら、翌九月十七日、第百二十八回国会を召集し、その後、二カ月半後のきょう、ようやく緊急経済対策の裏打ちとも言うべき補正予算を提出いたしたのであります。 一体、国民生活にとって最も重要な補正予算をどう認識しているのか。経済は生き物であり、適時適切な手を打たなければ効果は期待できるものではございません。 政治改革関連法案を急ぐ余り、今国民が熱い願いを込めて要求している景気対策に係る補正子貨の国会提出をおくらせた政府の態度は、国民の声に耳をかさず、みずから公約した政治改革法案に心を奪われた国民不在の政治であると断せざるを得ないのであります。 国民生活優先を訴える総理に対し反省を促すとともに、補正予算案提出がなぜこれほどおくれたのか、この理由を国民の前に明らかにしていただきたいのであります。 次に、景気動向についてお伺いをいたします。 通常の景気循環にバブル経済の崩壊による資産価値の下落が加わった今回の複合不況は、一昨年五月から数えましてこの十一月で三十一カ月目に入りましたが、依然として暗いトンネルの出口が見えませんために、企業や消費者の景気心理の冷え込みは厳しく、設備投資の落ち込みに加えて、景気の先行き不安から一般消費者の財布のひももかたく結ばれ、消費は伸びず、景気はその悪循環の中で下落の一途をたどっております。 我が自由民主党政権のもとでとられました昨年の三月、八月及びことしの四月の史上最大規模の景気対策が打ち出されたことにより、今年の春には一時期明るい兆しが見られましたけれども、それもつかの間、突然の円高の進行により、長雨や戦後最悪の冷夏等相次ぐ異常気象による影響もございまして、景気は夏以降再び下降線をたどっておるところでございます。 企業の生産活動が落ち込む一方で、在庫は消費の不振で再び増加をし、過剰感が高まっております。不況からの脱出という出口が見えません。まさに八方ふさがり、先行き悲観的な今回の不況に対し、細川総理の現状認識と今後の見通しについてお伺いをいたすものであります。 特に、今年の為替レートを一ドル百十五円から百二十円に設定していた多くの輸出企業は、急激な円高に国内での対応に苦慮し、次々と東南アジア、オセアニア方面を中心に工場等の海外移転を進めていると報じられております。このままでは我が国産業の空洞化の懸念がますます高まるのは必至の状況でございます。 経済の縮小と企業の海外移転は、当然ながら雇用面にも重大な影響を及ぼし始めております。減収、減益が続き、企業は一〇%から二〇%とも言われる余剰設備とともに三百万人を超える過剰雇用を抱えているとも言われております。企業の努力と忍耐も限界に近づき、今や深刻な社会問題となっております。企業の有効求人倍率は昨年十月に一を切って一貫して低下をいたし、この九月にはついに○・六九と引き続き低下の様相を見せております。 今なすべきことは、国民生活安定の前提とも言うべき雇用の安定確保でございます。政府は、雇用調整助成金の支給政策とあわせまして、経済の構造改善を進め新たな雇用機会の創出に力を注いでいく道をとるべきと考えますが、今後の雇用政策の見通しと対策について総理の明確なお答えを伺いたいのでございます。 次に、景気対策についてお尋ねいたします。 九月十六日、細川内閣は公共事業費の追加を初め規制緩和、円高差益の還元を柱とする緊急経済対策を発表いたしました。しかし、対策発表から二カ月半たった今日におきまして、景気は一向に回復の兆しを見せておりません。きのうの東証株価は景気対策のおくれによる失望感から一万六千円を割り、後退の一途をたどっております。対策の効果はどこにも見出すことができません。 その原因は、先ほど申し上げましたとおり、第一に、緊急対策を発表してから財政支出を担保する補正予算の編成に余りにも時間がかかり過ぎたということであります。政府は、補正予算による財政支出を今や遅しと待ち望んでいる中小企業や国民の切なる思いを知るべきでございましょう。 第二には、鳴り物入りで打ち出しました円高差益の還元、どれも電力・ガス料金の引き下げが中心でございまして、しかも一世帯当たり月々わずか二百三十五円、この程度の負担軽減では差益の還元がされたという実感を味わうことができないのではないでしょうか。私は円高差益の還元の効果を期待するものでございます。したがって、より効果的な対策について一層の検討と努力をなすべきではございませんか。 第三は、今回の不況の切り札のように言われました規制緩和策でございます。 官から民への規制緩和は経済に活力を与える民活の重要な要素であることを私も承知いたしております。問題は、経済の上昇期に規制を緩和して効果の上がるものと、下降期の規制緩和は経済にむしろ悪影響を与える場合があるということを知らなければなりません。これまでの日本の数多い中小零細企業の特色とも言うべき現状からして、ただいま申し上げたことは明らかでございます。かつて第三次行革審の専門委員であった総理には御理解いただけるものと存じますので、あえて具、体的な事例は申し上げませんが、率直な答弁をお願いいたします。 次に、財政問題について伺います。 バブル経済の崩壊による景気の後退に伴い著しい税収の落ち込みが続いており、財政はまさに危機的状態に陥っております。責任ある変革を旗印に掲げた細川内閣は、厳しさを増す一方の財政のかじをこれからどのようにとっていくお考えなのか、総理の財政運営の基本方針をまずもって伺いたいのであります。 予算は内閣の顔とも言われ、予算こそその内閣の政策及び方針が最もよく反映されることは、今さら申すまでもございません。変革を掲げた細川内閣の今補正予算をそうした観点から点検してみますると、変革の対象の象徴のように言われました社会資本の整備も、その表現が生活者・消費者の視点に立った社会資本というのでは、宮澤前自民党政権の豊かさとゆとりが実感できる国民生活の実現という基本政策とほとんど同じではありませんか。表現の違いがあっても内容が同じであれば自民党の政策そのものであります。もし異なるものがあるとするならば、自民党の政策とどこがどのように違うのでしょうか、国民にその違いが理解できるようお示しいただきたいと思うのであります。 特に、財政改革は今や待ったなしのところに追い込まれております。細川内閣の公約でもある公共事業の配分比率の変更は、財政審の小委員会の報告のとおり、六年度予算で本当に実現できるのでしょうか確認をいたします。 また、私は、この報告書にある、一、集中的に投資する生活環境整備、二、長期的視点から着実に実施する国土保全、三、抑制ぎみに扱う産業基盤整備の三分類による配分の考え方で、果たして都市と農村あるいは国土の均衡ある発展が可能になるのかどうか十分検討が必要であることをこの際指摘するものでございます。 次に、税制改革及び減税について伺います。 昭和六十三年に抜本税制改革が行われて以来丸五年が経過しようといたしております。国民的な議論を経て導入されました消費税も誕生から五年目を迎え、国民の間に次第に定着し、財政の上でも今やなくてはならない重要な財源として確固たる地位を占めるに至っております。しかし、この間、所得税減税が全く実施されなかったために、いわゆる中堅所得者層を中心に国民の間には税に対する負担感が高まっており、減税を求める声が強くなっております。 翻って、連立与党各党はこの夏の総選挙で景気対策として大型所得税減税の実施を公約として掲げてまいりました。しかし、政権の座に着きますると政府税調にすべてを預けて、ひたすら政府税調の答申を待つというこの姿勢は全くの御都合主義で、責任ある与党の態度とは到底言えるものではございません。 政府税制調査会から先日十九日、中期答申が報告をされましたが、総理は、今回の答申をどのように受けとめ今後の税制の抜本文章に取り組むのか、決意のほどを国民の前に明らかにしていただきたいのであります。 その第一は、総理はさきの日米首脳会談で初めて所得税減税の実施を明らかにされましたが、今回の所得税減税は短期的な景気対策のためと重税感払拭のために行うのかどうか、それとも将来を見据えた直間比率の見直しに立った抜本改革のためであるのかどうか、お伺いをいたします。 その第二は、答申で示された所得税減税と増税は、細川内閣といたしましては増減税同時実施であるのか、それとも減税先行なのか、また減税先行の場合、先行の期間は一体どれくらいなのか、明示願いたいのであります。 その三は、減税の規模であります。 我が党も政府の緊急経済対策に先立ちまして、九月九日、五兆円以上の減税を打ち出しました。しかし、そのとき政府が間髪を入れずに我が党の提言に沿って減税を実施しておればともかくといたしまして、それから三カ月がたち景気が底割れ状態に陥ってしまった今日では、十兆円規模の思い切った減税てなければこの消費不況から抜け出すことは到底できないと考えざるを得ない。この件についてお考えを承ります。 その第四は、所得税の減税財源は何かでございます。 税調答申では増減税一体論となっておりますが、当面数兆円の所得税減税の財源としてつなぎ国債を考えているようでございますが、短期の国債はいずれ償還をしなければなりません。その財源を政府は明確にしておらないところでございます。減税財源は、いずれ消費税の税率アップによる増税によって埋めるのか、それとも現行消費税率の枠外で対応しようとするのか、各党を代表いたしまして細川総理から明確な答弁をお願いいたしたいのであります。 次に、ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉及び冷害対策についてお伺いいたします。 今次、長雨、冷害等による農作物への被害は総額一兆二千億円余にも達し、未含有の大災害となりました。総理は、十月初旬福島県に被災状況の視察に出かけられましたが、今次天災から何を教訓として学び、それらの問題にどのような施策を行おうとしておられるのか、見解を伺いたいと存じます。 一方、ウルグアイ・ラウンド交渉について、米についての猶予条件つき関税化に日米合意したかのような情報が毎日のようにマスコミをにぎわしております。総理も記者会見等で、米の取り扱いは米国とECの妥結いかんを見てからとか、あるいはいろいろ在形で交渉がなされていることは事実だなどの発言をされたと報道されております。従来の基本方針を堅持するとの確認答弁から見て、大幅に後退しているという印象を持ちますが、この間の経緯を御説明願います。 特に、六年間の猶予期間、最低輸入量の拡大、日米合意なる情報がまことしやかに伝えられております。仁の案に関し、先週末には武村官房長官及び市川公明党書記長はこれを容認する旨発言したと報道され、一方、与党第一党の社会党は断固反対する発言が日曜のテレビ討論で放映されております。こうした政権与党幹部の、ミニマムアクセスに対するばらばらな対応に、政府・与党として容認案を選択するのか、それとも反対論をとるのか、総理の率直な御所見をお伺いいたします。 このような情勢のもと、マスコミ等の情報を打ち消し、農家に希望を与え、国民に安心を与える意味からも、今こそ我が党が改めて提起している米の自由化反対の国会決議を直ちに実施をいたし、これからいよいよ大詰めを迎える交渉において、米だけではなく、乳製品を初めとする他の重要農産物につきましても、農業再建のためにも不退転の決意を持って粘り強く交渉されるよう、総理の決意のほどを確認いたすものでございます。 あわせて、農業の基盤整備は農業再建の生命線でありますが、これは抑制分野に分類されており、十分な対策が可能かどうか不安でございます。まさにこのことは農業切り捨てである、こう申し上げても言い過ぎではなかろうと存じます。この点強く申し添えておきます。 以上申し上げましたように、今回の景気後退は戦後最長最大の規模であり、今ここで時宜を得た実効性ある追加対策がないと我が国経済は取り返しのつかない回復不能の事態となりかねません。 この上は、これまでに私が申し述べたように、冷え切った消費需要を喚起するため、大型減税の実施、高齢化、情報化に対応した新社会資本の整備、地域経済に配慮した公共事業の追加、冷害対策、中小企業対策等、時期を逸せず強力な対策を直ちに講ずべきであります。現状は緊急経済対策を発表した九月十六日の時点に比べはるかに深刻で厳しいものとなっておりますることを十分踏まえまして、この不況克服という国民的命題に細川内閣が内閣の総力を結集してこたえられることを期待いたしまして、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣細川護煕君登壇、拍手〕
○国務大臣(細川護煕君) 補正予算案提出のおくれについてのお尋ねがまず冒頭にございましたが、五年度の第二次補正予算につきましては、現下の極めて厳しい税収状況のもとで、冷害対策など追加財政需要の正確な把握に努めますとともに、財源の捻出にできる限りの努力を払ってきたところでございますのできる限り早く国会に提出できるように作業を進めて、本日、国会にこうして提出をさせていただいたところでございます が、今日まで鋭意作業を進めて書だことをぜひ御理解いただきたいと存じます。 景気に対する認識と見通しについてのお尋ねでございましたが、景気の現状は円高などもあってまことに厳しい状況に立ち至っていると認識をいたしております。公共投資、住宅建設といった一部には明るい動きが見られますものの、個人消費は冷え込んでおりますし、また設備投資も落ち込んでおります。したがって、全体として見ますと、我が国の景気は先行き不透明感もあって深刻な状況にあると、私もそのように認識をいたしているところでございます。 政府は、これまで数回にわたって経済対策を行い、さらに九月には緊急経済対策を策定したところでございますが、この対策には規制緩和の推進や円高差益の還元、さらには生活者・消費者め視点に立った社会資本整備といった施策が含まれておりまして、その効果は経済の各分野に着実に浸透していくものと期待をしているところでございます。本対策をできる限り早く本格的に実施していくためにも、今国会に提出をいたしました補正予算の一日も早い成立をお願いする次第でございます。 雇用対策の見通しと対策についてのお尋ねでございますが、景気の長期にわたる低迷を反映して雇用失業情勢は厳しい状況が続いておりまして、一層注意すべき状態にあると思っております。このような厳しい状況に対応するために、補正予算案におきまして企業の雇用維持努力ヘの支援など積極的な雇用対策を盛り込んだところで、一刻も早い成立が望まれるところでございます。 また、現在、経済改革研究会におきまして我が国の経済の改革の方向性について幅広い観点からの御論議が行われているところで、政府としては研究会の御意見を踏まえて新たな経済社会を構築するための対策に取りかかってまいりたいと考えております。 補正予算による中小企業対策についてのお尋ねでございましたが、政府としては中小企業の厳しい景況を踏まえまして、本年九月の緊急経済対策の中で総額一兆円を超える中小企業対策を講じており、その実施のための経費七百七十一億円を今回の補正に計上いたしております。 それから、より効果的な円高差益還元策についてどう考えるかということでございましたが、九月に決定された円高差益還元策につきましては先般その実施状況を点検いたしまして、公共料金等の円高差益還元など、一般輸入消費財などの円高差益の還元、それからまた国民への円高差益還元機会の提供あるいはまた情報収集の強化充実、消費者への情報提供の強化などにつきまして着実にそれが実施に移されていることを確認したところでございます。今後とも、円高差益の還元対策につきまして着実な実施に努めてまいりたいと思っております。 規制の緩和についてのお尋ねでございましたが、九月の緊急経済対策におきましては九十四項目の規制緩和の施策を行うこととしているところでございますが、それぞれに新規事業の創出や事業の拡大、あるいはまた競争の促進や価格の弾力化などを通じた市場の効率化、さらには市場アクセスの改善を通じた輸入の促進でありますとか、あるいはまた申請負担の軽減による経済的なコストの削減でありますとか、そういった効果が見込まれるものと思っております。一般に規制緩和は、短期的には競争を促進することによって企業の超過利潤を減少させる効果がありますものの、新規事業の創出などによって事業の拡大や研究開発に伴う投資を誘発する効果を持っておりますことから、短期的にも需要の拡大に相当の効果を持ち得るものと考えているところでございます。 財政運営についてのお尋ねでございましたが、五年度末の公債残高が約百八十八兆円程度にも達する見込みでございますし、これらにかかる国債費が政策的な経費を圧迫するような状況で、大変厳しさを増していることは御承知のとおりでございます。 それに加えまして、平成四年度の決算におきまして、税収が戦後初めて二年連続して減少し、約一兆五千億円の決算上の不足を生じるというまことに深刻な状況に立ち至っております。また、五年度の税収につきましても、第一次補正後予算と比べまして大幅な減収が生ずるものと見込まれるところでございまして、これが六年度税収にも影響を及ぼすことを懸念しているところでございます。 今後将来にわたって、我が国財政に期待されるさまざまな役割というものに対応する力を回復してまいりますためにも、再び特例公債を発行しないということを基本としつつ、公債残高が累増しないような財政の体質をつくり上げていくという財政運営の基本的な方向は堅持していかなければなるまいと考えているところでございます。 今後の財政運営に当たりましては、このような考え方のもとで、現下の状況を乗り越えてまいりますために、まず歳出面において制度の根本にまでさかのぼった見直してありますとか、あるいは施策の優先順位の厳しい選択をいたしまして、従来にも増して徹底した洗い直しを行いますとともに、税外収入など歳入面におきましてもあらゆる努力を傾けてまいりたいと考えております。 社会資本の整備についてのお尋ねでございましたが、これまでもその着実な推進に努めてきたところでございますが、従来以上に重点的、効率的な投資を行う必要があると考えておりますし、六年度予算における公共事業の配分につき申しても、社会経済情勢の変化や国民のニーズを踏まえて、生活者の視点に立った事業に従来にも増してより重点を置いてまいりたいと考えているところでございます。 公共事業の配分比率の問題についてもお尋ねがございましたが、幾つかの事例を引いてのお尋ねでございましたが、具体的な事業の配分に当たりましては、財政審報告を十分尊重して、予算の締成に取り組んでまいりたいと思っております。 今回の税調答申をどう受けとめるか、今後の税制の抜本改革に取り組むかと、こういうお尋ねでございました。 答申に示されておりますように、公正で活力のある高齢化社会を目指して、所得・消費・資産などのバランスのとれた税体系を築いていくということは、我が国経済の先行き不透明感を払拭する上でも、今から取り組むべき緊要な課題であると思っております。 私としては、税調の答申に示されました税制の総合的な見直しの方向に沿って、国民の声によく耳を傾けながら、税制改革の具体案づくりに取り組んでまいりたいと思っております。いずれにしても、六年度の税制改正作業の中で今後検討していくべき課題と考えているところでございます。 それから、所得税減税は短期的な景気対策の定めか、あるいは将来を見据えた直間比率の見直しに立った抜本的な改革のためであるのかどうか、あるいは増減税同時実施なのか減税先行なのか、先行の期間はどれくらいか、あるいは十兆円規模の減税てなければ不況から抜け出せないのではないか、あるいは減税財源はどうするのかといったようなことについてのお尋ねでございました。 答申では、今も申し上げましたように、公正で活力のある高齢化社会を実現するために、個人所得課税の累進緩和を通じた負担の軽減と消費課税の充実などによって、所得・消費・資産などの問のバランスのとれた税体系を構築することが重要であるとされております。 また、減税の規模、税率の幅、実施の時期など、具体的な改正事項については触れられておりませんが、その全体が一体的に成案化されて実施されるべきであるとされております。 政府としては、先ほど申し上げましたように、税制調査会の答申を踏まえまして、六年度の税制改正の中で税制改革の具体案づくりに取り組んでまいりたいと考えているところでございます。 さきの天災から何を学んで今後の施策に生かすかということでございますが、今回の冷害につきましては、稲作の技術や生産体制の総点検を初めとして、今回の冷害の実態、要因の十分な調査、分析を目下行っているところでございまして、この結果を来年度以降の技術対策に適切に反映させてまいりたいと思っております。 米について猶予条件つき関税化に日米は合意したかというお尋ねでございましたが、ラウンドの農業交渉におきましては、二国間、複数国間でいろいろな議論、話し合いは行っておりますが、日米間でそのような合意が成立したということはございません。我が国としては従来からの基本方針に基づいて交渉をしてきているところでございます。 米の自由化についてもお尋ねがございましたが、ラウンドの最終交渉期限を間近に控えて米の取り扱いについてさまざまな意見が出されていることは承知をしておりますが、米につきましては従来の基本方針のもとで対処していくということを改めて申し上げておきたいと存じます。 それから、国会決議についてのお尋ねでございましたが、国会決議を行うかどうかにつきましては、あくまでもこれは衆参両院の御意思によって行われるものであって、政府としては意見を申し上げる立場ではございませんが、政府としては国会決議の趣旨を体してという従来の基本方針のもとであくまでも対処してまいりたいということでございます。 以上でございます。(拍手) —————————————
○議長(原文兵衛君) 風間昶君。 〔風間昶君登壇、拍手〕
○風間昶君 私は、日本社会党・護憲民主連合、日本・新生・改革連合、民社党・スポーツ・国民連合の御了承をいただきまして、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました財政演説につきまして、今後の経済政策並びに当面する政治課題とあわせ、細川総理並びに関係大臣に質問をいたします。 自民党一党支配の長期単独政権にかわり、細川連立政権が誕生して百日以上が経過いたしました。この間、各種世論調査で細川内閣の支持率は七〇%前後と極めて高く、この民意の動向は新しい政治への国民の願望がいかに大きいものであるかを示しているものであります。 今新しい政治へ向けて緊急に取り組まなければならないのは政治改革と景気対策でありますが、それだけでなく、自民党政権のもとで積み残されたままの米問題、行財政改革、税制改革と課題は山積しております。 もちろん、与党としては最大限の努力を傾注することが当然でありますが、一方で、政治改革法案の衆議院採決前における与野党トップ会談のように総理のリーダーシップが問われております。政治、行政、経済と連続改革に立ち向かっている総理の政治姿勢について、まずお伺いいたします。 政治改革法案は、去る十八日に衆議院を通過した後、いまだに参議院政治改革特別委員会で審議入りいたしておりません。どんな理由があるにせよ、国民の目にはわかりにくい形になっております。良識の府としての参議院のあり方を問われていることを私は極めて憂盧いたしております。一刻も早く実質的な審議に入ることが必要であり、一日も早い成立が望まれているのでございます。国民の熱い期待にこたえるためにも、五年越しの政治改革を実現することが現内閣の最大の使命であると思いますが、改めて成立への総理の御決意をお伺いいたします。 さて、今国会のもう一つの大きな課題であり、国民の待ち望んでいる景気対策についてお伺いいたします。 長引く不況の中で、金融機関も企業も個人もすっかり病んでおります。だれもが思い切ってリスクに挑戦できる気概を持てなくなっている今回の不況は、株や土地の値下がりによる資産デフレも加わった深刻な複合不況であります。特に、個人消費は自動車や家電装品などの耐久消費財の需要が落ち込み、低迷をしております。また設備投資も同様に停滞しており、抜群の国際競争力を誇った自動車業界でも一時帰休に追い込まれる現状であります。 十一月の月例報告では、回復の言葉が消えて雇用不安も広がっている状況下で、総理も極めて厳しい評価をされておられますが、何といっても現状の認識が大切なことであり、その意味で、まず総理の景気に対する認識をお伺いいたします。 これまでの自民党政権時代におけるあり方は、複合不況の現状認識を誤ったり景気対策の実施が後手後手に回ったり、国民の理解を得るものではありませんでした。私は、現状の認識を国民にはっきりと伝えるため、例えば経済非常事態宣言を出し、政府としても後手に図らず全力で取り組むとともに、国民及び経済界に協力を求めていくべきであると思います。このことを総理に努力していただきたいと思いますし、さらに心理的不況を克服、脱出することが必要であり、景気の中長期的な回復の姿を描く必要性があると思いますが、総理の御決意を伺います。 今回の補正予算は、政府・与党一体となって九月に打ち出された総額六兆一千五百億円の緊急経済対策を実施するために必要な緊急経済対策関連経費、また冷害対策関連経費等が盛り込まれ、五兆円の税収減少という困難な中で、生活者重視の観点から工夫し、今日的状況に速やかな対応が行われ、配慮がなされていると私は思います。 そこで、今回の補正予算提出に当たっての基本的認識と、どんな点にどういうふうに力点を置いておられるのか、その特徴についてお伺いいたします。 経済の状況は極めて厳しく、景気対策は緊急を要していることは言うまでもありません。私は、今後の景気回復を一層確かなものにするためにも、また、農業共済を年末前までに支給して冷害に苦しむ農業者の方々に安心して年を越してもらうためにも、このたびの第二次補正予算の一日も早い成立が必要であると考えます。大蔵大臣の御所見を伺います。 政府は、緊急経済対策、金融対策と景気回復に向けて御努力されてきておりますが、残された対策は所得税減税であると思います。総理は先日、APECに出席されたときの会見で、景気対策上、所得税減税をやらなければならないというふうに言われたと聞いております。景気対策として所得税減税をする際、その財源はどういうものをお考えなのか、総理にお伺いいたします。あわせて、今後の税制改正についてもお考えをお伺いいたします。 さらに、平成六年度の予算編成も間近に迫っておりますが、自民党政権時代とは一味も二味も違った、何よりも生活者重視の視点が貫かれ、補正予算と一体化した予算編成が期待されているところでありますが、どのような姿勢で臨まれるのか、細川総理に伺いたいと思います。 次に、雇用問題について伺います。 今回の平成不況でサラリーマンの間に雇用不安が一段と広がっています。また、新卒者の就職難が著しく、今春大学を卒業した学生の就職率は七六・二%と十二年ぶりに低水準となり、とりわけ女子では無業者が十人に一人の割合という厳しさでございます。有効求人倍率は現在○・六七倍まで落ち、今後も若干低下する可能性があるのではというふうに懸念されております。失業者も百五十万人と言われる状況であります。 さらに、倒産した企業の従業員数である倒産従業員数は、ことしも九月までに既に七万八千人に達しており、雇用の悪化はますます深刻であります。新しい広範な雇用の維持、拡大策が必要であり、細川政権としても重要課題として位置つげ、本格的な対策に取り組むべきであります。 本日、総理直轄の第一回雇用閣僚会議が行われたと伺っておりますが、当面の速効性ある緊急雇用対策と、日本経済の構造的変化を踏まえた中長期的な雇用対策のビジョンについてどのようにお考えか、労働大臣に伺いたいと思います。 次に、中小企業対策について伺います。 長引く不況に加え、冷夏や円高の影響によって特に厳しい経営環境に直面している中小企業は、資金面や経営基盤の弱さなどから業種転換や新分野進出、海外展開などのリストラがおくれがちであり、積極的な支援策が必要であります。九月の緊急経済対策では、その重点項目として経営安定策やリストラ支援策、小規模企業対策などが盛り込まれています。 しかし、中小企業信用保険公庫が十月十四日に公表した中小企業金融動向調査概要によると、中小企業では生産、売り上げの減少、採算の悪化などの度合いが再び強まっていることが明らかになっており、今後の見通しについても、当面底はいか一進一退の動きになるとの予想もあります。こうした状況を踏まえ、政府は中小企業のリストラ支援策をさらに強化し、総合的な対策を講じる必要があると思いますが、総理のお考えを伺いたいと思います。 次に、災害対策に関して伺います。 本年は、まさに災害多発の年であり、一月の釧路沖地震、七月の北海道南西沖地震と九州地方の大雨、そして八月の南九州集中豪雨により未曾有の大惨事となり、これだけ科学技術が発達していてなぜ災害を防げないのかと悔しい思いをしているのは私だけではないと思います。 今回の補正予算で、緊急経済対策関連で災害復旧事業に三千三百九十二億円と即座に手を打った政府の姿勢を評価するものであります。しかし、たび重なる災害に対して後追い行政を繰り返すような事態は改革しなければなりません。そうした視点から、今こそ国家事業として、がんやエイズ対策と同様の観点に立って防災戦略を根本から見直すべきときに来ていると言っても過言ではないと思います。総理の勇気と英断を期待したいと思いますが、御決意をお伺いしたい。 次に、冷害対策について伺います。 本年、低温等による水稲などの被害は戦後最悪と言われ、作況指数七五という事態となりました。私は、この秋、皆無作のような稲作に打つ手のない冷害稲作農家の実情を多く見てまいりました。冷害に加えて台風などによる農作物被害は、農家経済のみならず地域経済に深刻な影響をもたらしています。 政府は、十月二十八日に冷害対策の緊急実施を決めたところでありますが、共済金の年内支払いや天災資金の金利の引き下げなどの具体的な対策をどう急ぐか。一日も早い実効性ある対策をすべきであると思いますが、総理の見解を求めるものであります。 次に、外交問題についてであります。 大詰めを迎えたウルグアイ・ラウンドをめぐって、武村官房長官は二十八日のテレビ番組で、これまでは毎年壊れてきたがことしはまとまる公算が大きい、日本だけ一歩も譲らずウルグアイ・ラウンドをだめにする責任を負うわけにはいかない、関税化が猶予されるので連立与党が合意文書で反対を決めた例外なき関税化には当たらない、関税化反対を言う私たちの主張は貫いたことになると発言されましたが、このことについて総理はどう思われますか、御見解を伺います。 今月、シアトルで行われた日米首脳会談は、歴史に名を残すものになりましょう。総理は、会談を継続して行うことを表明され、次回は明年二月に行うことで合意しておりますが、包括経済協善での枠組み協議をどう仕上げていくおつもりなのか、伺いたいと思います。 また、今回のAPEC御出席での成果を踏まえ、世界経済の枠の中での自由貿易のあり方と、一方ではEC統合、NAFTA問題等、地域という枠での貿易のあり方をめぐって地域間経済の場をどう構築していこうとされているのか、総理にお伺いいたします。 最後に、生活者優先の観点から、製造物責任法と情報公開法の立法化についてお伺いします。 欠陥商品による損害から消費者を救済する切り札として、早期導入が待望されている製造物責任制度の法制化をめぐる動きが大きな山場を迎えております。一昨年、昨年と制度導入への期待が高まったにもかかわらず、産業界の圧力により及び腰だった前政権下では結論が何度も先送りされてきました。 昨年五月に、政党としては初めて公明党単独で法案を提出して以来、各党からも具体的提案がなされるなど、我々連立与党は立法化を推進してきたところでありますが、消費者重視を掲げる細川政権の誕生によって導入への環境はかつてないほど整ったと言えます。既に欧米先進諸国においては立法化され、世界の趨勢になっております。十一月十日の産業構造審議会答申で制度導入の必要性を明記したことは一歩前進と評価できます。一貫して消費者保護の姿勢にある細川首相は、立法化に向けどのように取り組まれるのかお伺いいたします。 また、行政情報を公開する動きは既にとうとうたる流れとなっており、消費者の権利を保障するために必要かつ十分な情報の公開が不可欠であります。そのための情報公開法の立法化について総務庁長官にお伺いいたします。 以上、総理を初め関係大臣の明確なかっ具体的な御答弁を要望して、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣細川護煕君登壇、拍手〕
○国務大臣(細川護煕君) 政治改革、経済、行政などの改革に取り組む姿勢についてのお尋ねでございました。 この内閣は申すまでもなく政治改革政権として成立をしたものでございますが、一党支配下で硬直化が進んだ政治、経済、社会の構造改革をあくまでも推し進めていくということが今何よりも国民的な要請として求められていることであるという認識をいたしております。今日の日本が直面する数々の課題に的確に対応していくためには、これらの相関連する構造改革というものをできるだけ早期に実現する必要があるという認識をしているところでございます。 次に、政治改革法案の成立に向けての決意ということでございましたが、国展に信頼される政治を取り戻していくためには、五年越しの政治改革をぜひとも早急に実現しなければならないと考えていることは再三申し上げているところでございます。衆議院を通過した政治改革関連法案の今国会中の一日も早い成立が図られますように、各党各会派の御理解と御協力を切にお願いを申し上げる次第でございます。 景気に対する認識についてのお尋ねでございましたが、先ほども申し上げましたとおり、景気の現状は先行き不透明感もあってまことに厳しいものがあると認識をしております。 政府はこれまで数回にわたって経済対策を行い、さらに九月には緊急経済対策を策定したところで、この対策の中には規制緩和の推進や円高差益の還元あるいはまた生活者・消費者の視点に立った社会資本の整備といった施策が含まれておりまして、その効果は経済の各分野に着実に浸透をさせていかなければならないと考えているところでございます。本対策をできる限り早く本格的に実施をしてまいりますためにも、補正予算の一日も早い成立をお願いを申し上げる次第でございます。 景気の中長期的な回復の姿を描く必要があるのではないかというお尋ねでございましたが、我が国経済は調整過程にあって、円高などの影響もあり、総じて低迷が続いております。また、経済の先行きに対する中期的な不透明感も広がるなど、今後の景気回復には予断を許さないものがあると今も申し上げたところでございますが、政府としては累次の対策を講じまして、また将来への不透明感を払拭してまいりますためにも、経済改革研究会というものをスタートさせ、中長期的な視野から御検討をいただいているところでございます。現在、最終的な取りまとめをお願いしているところでございまして、その御意見を踏まえまして早急に新たな経済社会を構築するための対策に取りかかってまいりたいと思っております。 補正予算提出に当たっての基本的な認識についてのお尋ねでございますが、今回の補正予算におきましては、去る九月十六日に決定されました緊急経済対策や、本年の低温などによる水稲などの被害に対する冷害対策を実施するために必要な公共事業関係費などの追加を行いますほか、義務的な経費の追加などを計上いたしております。 編成に当たりましては、税収の大幅な減収が見込まれる状況のもとで、再び特例公債を発行しないということを基本としつつ、従来にも増して徹底した既定経費の節減あるいは税外収入の確保、あるいはまた追加財政需要の圧縮に努めますとともに、やむを得ざる措置として建設公債を追加発行いたしますほか、特例的な措置として定率繰り入れ等を停止するなど、歳出歳入両面でさまざまな努力を払っているところでございます。 所得税減税をする際に、その財源はどうするのか、あるいは税制改正についての所見はどうかということでございましたが、私としては、税制調査会の答申に示されました税制の総合的な見直しの方向に沿って、国民の声によく耳を傾けながら税制改革の具体案を取りまとめて、その実現を図る中で所得税減税についても取り組んでまいりたいと考えているところでございます。いずれにしても、六年度の税制改正作業の中で今後考えていくべき課題であると認識しております。 平成六年度の予算編成についてのお尋ねでございましたが、再々申し上げますように、財政の状況を考えますと、公共事業などについて資金の重点的、効率的な配分の必要性というものは一層高まっておりますし、今後の予算編成におきましても、財政改革を推進しながら国民生活重視などの観点に立って施策の優先順位の選択を行うなど、従来にも増して財源の重点的、効率的な配分に努めていかなければならないというふうに考えております。 中小企業のリストラ支援についてのお尋ねでございますが、厳しい景況に加えまして円高の進行などを契機として大企業などの海外における生産の増強、あるいは国際競争条件の変化、部品内製化の動き、そういった構造的な問題が顕在化をしてきております。 そうした状況を踏まえまして、中小企業が活路を切り開くために必要な新分野に進出できるようにしなければなりませんし、また、海外展開を支援していかなければなりませんし、その円滑化を図ることが必要であるということで、今国会で中小企業新分野進出等円滑化法を制定していただいたところでございます。この法律に基づいて低利融資の創設など総合的な支援策を講じまして、中小企業者が行う新分野進出などの円滑化を図ってまいりたいと考えております。 災害対策についてのお尋ねでございましたが、申すまでもなく治山治水は政治の基本でございますし、今回の補正予算でも災害復旧事業の推進や冷害対策のために所要の予算措置を講じているところでございます。今後とも、災害予防施策の強化あるいは災害応急対策、災害復旧対策や再建復興の推進に政府も一体となって努めてまいりたいと考えております。 冷害対策についてのお尋ねでございますが、今回の冷害は戦後最悪の作柄となりましたことから、関係者の要請などを伺って早期に的確な対策を実施するように取り組んできたところでございまして、天災融資法あるいは激甚災害法の発動、あるいは天災資金などの金利の引き下げにつきましては既にこの五日に閣議決定をして公布をいたしますとともに、共済金の支払い財源の確保あるいはまた冷害関連対策事業などを含む補正予算案をきょうの閣議で決定をして国会に出させていただいているところでございます。武村官房長官の米問題をめぐる発言についてお尋ねがございましたが、官房長官は昨日の記者会見で、二十八日の発言について、ウルグアイ・ラウンドについては現在いろいろなレベルで交渉が進められており年内終結に向けて政府としても最終の判断をする必要がある、こうした中で米については国会決議の趣旨を体して従来の基本方針を貫いていきたい、こういう趣旨を述べたものと発言をされておりまして、これまでの政府の方針に沿った発言であると理解をしているところでございます。 日米首脳会談に向けて枠組みの協議をどのように詰めていくかと、こういう趣旨のお尋ねでございましたが、包括協議につきましては、現在、セクター別・構造面では政府調達、自動車・自動車部品、保険あるいは米国の対日輸出振興・競争力といった優先分野を中心に、また環境とか人口とかエイズとか、そういった分野における地球的な規模での協力について日米双方が努力を行っているところでございます。 二月の首脳会談におきましては、その成果を首脳レベルで確認することが重要なテーマになるものと認識をしておりまして、合意されたスケジュールと原則に沿って、優先分野における合意を含む協議の具体的な進捗に努めてまいりたいと思っております。 APECでの成果を踏まえて、今後世界経済の中での自由貿易あるいは地域という枠での貿易のあり方をめぐって地域間の経済の場をどのように構築をしていくのか、こういうことでございましたが、今回のAPEC会議を通じまして、世界経済の成長を維持するために、多角的な自由貿易体制の維持、強化が何よりも重要であるという共通認識が得られたところでございます。我が国は、まずラウンドの年内終結に向けて最大限の努力を継続いたしますとともに、アジア・太平洋地域においてはガット体制を補完、強化する形でのAPECの推進に努めてまいりたいと考えております。 また、NAFTA、ECなど地域統合の動きにつきましては、これらの地域統合が域内の活性化によって世界経済の発展にも資することが期待されますけれども、その反面で、どのような地域統合も保護主義的な経済ブロックとならないということが重要なことだと考えておりまして、ガットなどの多国間の場でよく監視をしていくことが重要であると考えているところでございます。 それから、製造物責任制度の法制化についてのお尋ねでございましたが、製品の欠陥から消費者の生命、身体または財産に対して生ずる損害の発生をいかに防止をし、救済するかということは消費者行政における最も重要な課題の一つであって、いわゆるPL制度もこのような課題にこたえるための一方策と考えております。製品にかかわる総合的な消費者被害防止、救済のあり方につきましては、緊急の課題として関係者の早急な合意形成が求められていることから、政府部内における検討を急ぎまして、年内に結論を得たいと考えているところでございます。 残余の御質問につきましては、関係閣僚から御答弁いたします。(拍手) 〔国務大臣藤井裕久君登壇、拍手〕
○国務大臣(藤井裕久君) 本日提出させていただきました第二次補正予算は、風間議員の御指摘のとおり、また総理の答えられたとおりでございまして、災害対策、そして何よりも緊急経済対策、九月十六日対策の裏づけでもございます。さらに、冷害・災害対策の中の共済金の支払いを年内に支払うというような内容も含まれておる大変重要な内容だと思っております。 ひとつ、どうか一日も早い国会での御審議と御成立をお願いする次第でございます。(拍手) 〔国務大臣坂口力君登壇、拍手〕
○国務大臣(坂口力君) 風間議員にお答え申し上げたいと思います。 本日、第一回の雇用問題の閣僚会議が開催されまして、当面の緊急雇用対策について意見を交換したところでございます。各閣僚が率先をして雇用問題に取り組むことをお互いに話し合いをいたしまして、また労働省が今取りまとめております雇用対策プロジェクトチームの結論が出ました段階で次の会談を持つことにしたわけでございます。 そのプロジジェクトチームでございますが、事務次官を責任者といたしました雇用対策プロジジェクトチームは、当面の雇用対策と中期的なビジョンと双方を決めることになっております。当面の雇用対策は十二月十日をめどに結論を出したいというふうに思っております。 その内容でございますが、一つは、企業の雇用維持努力を支援する対策であります。今までも雇用調整助成金制度の拡充をしてまいったところでございますが、さらに支援対策の拡大を図りたいと考えております。 二番目には、求職者、特に中高年齢者の再就職を促進することを検討いたしております。この中には、企業間の移動をスムーズにする、あるいはまたリストラにも対応できるようにすることも含めたいと思っております。 三番目には、地域における雇用開発のため努力をする企業を支援することも含めたいというふうに思っております。 これらのことを中心にいたしまして現在取りまとめておりますので、いましばらく御猶予をいただきたいと存じます。 以上でございます。(拍手) 〔国務大臣石田幸四郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(石田幸四郎君) 私についてのお尋ねは情報公開法の立法化の問題でございました。 行政情報の公開は、公正で民主的な行政運営を実現し、行政に対する国民の信頼を確保する観点から、積極的に取り組むべき課題であると承知をいたしておるところでございます。 今まで、そういった意味で政府は、この行政運営上の措置としまして、行政情報公開基準の策定やあるいは文書閲覧窓口制度の整備などを進めてまいったところでございます。 また、法制上の措置としましては、今国会で成立をさせていただきました行政手続法におきまして、国民の権利義務に直接関係する行政庁の活動に関して、審査基準の公表とかあるいは処分理由の提示、あるいはまた当事者による関係文書の閲覧など、多くの点において情報公開規定の整備を図ってきたところでございます。この問題は、一年以内に施行されるということになっておりますので、今後その的確な施行に向けて全力を挙げて努力をいたしてまいりたいと思います。 また、この行政手続法に加えた情報公開の法的措置につきましては、本格的かつ幅広く検討を進めていくことが重要な時期に入ったと、このように認識をいたしておるわけでございます。 なお、この検討に当たりましては、外交、防衛など国の利益にかかわる情報、あるいはプライバシーの問題、個人情報や企業情報、いろいろあると思いますが、その非公開とすべき情報の範囲や争訟手続など関連する諸制度との調整も十分に検討しなければならない。そういうような課題もあるわけでございまして、それらを踏まえて本格的に調査研究をしていかなければならない、このように考えているところでございます。(拍手) —————————————
○議長(原文兵衛君) 林紀子君。 〔林紀子君登壇、拍手〕
○林紀子君 私は、日本共産党を代表して、政府の財政演説及び当面する政治課題に対して、総理並びに関係大臣に質問をいたします。 今日、不況はますます長期化し、ことしの実質成長率はマイナスとなると見られる上、昨日、株価は一時一万六千円を割り込むという重大な事態を迎えています。政府の無策ぶりが鋭く問われる、かつてない危機的な状況です。ごの国民的な苦難に正面からこたえる対策こそ、今切実に求められています。 九月の緊急経済対策に基づいて提出された今回の補正予算案は、国民のための福祉・教育予算、中小企業対策には冷たく、自民党政治の基本政策を引き継ぐという細川内閣の性格をそのまま示すものです。そればかりか、自民党でさえできなかった消費税の税率引き上げ、米の輸入自由化に踏み出そうとするなど、国民の生活と営業を一層脅かすものになっています。 今こそ、大企業が潤えばおこぼれが回る式の従来型の発想を根本駒に改めるべきです。国民の圧倒的多数を占めている労働者、中小業者、そして農民の暮らしと営業を第一にした対策に切りかえることこそ不況対策の大道ではありませんか。総理の認識を伺います。 この立場から、具体的に伺います。 第一に、国民全体の購買力を引き上げる対策です。不況を深刻にしている最大の原因は、GNPの六割を占める家計消費の落ち込みにあります。総務庁の家計調査では、家計消費支出は連続四期にわたって実質マイナスを続けています。総理、あなたはこの現実を直視し、赤字国債や消費税を財源にするまやかしの減税ではなく、四人家族で確実に七万円の減税となる二兆円の所得減税を行うべきではありませんか。 総理が尊重すると言っている政府税調は、税体系における消費課税のウエートを高めると述べています。これでは消費税の大増税で国民の購買力を一層落ち込ませることになります。減税といっても、最高税率を一五%も引き下げ、最低税率は据え置くのですから、年収二千六百万円を超えるごくごく一部の高額所得者を中心とした減税です。 総理、これでは消費税の税率引き上げで庶民の懐から取り上げたものを大企業と大金持ちに注ぎ込むだけではありませんか。明確な答弁を求めます。 自民党政権のもと、本院では与野党が逆転し消費税廃止法案を可決したのも、国民の消費税反対の大きな声があったからにほかなりません。 当時、消費税に反対していた公明党、民社党の党首である石田総務庁長官、大内厚生大臣並びに国民生活に直接かかわる経済企画庁長官であり社会党の参議院議員でもある久保田長官に伺います。 一、与党となった今、当時の公約であった消費税廃止という国民の願いに背を向けるのか。二、消費税の税率アップに賛成するのか。三、当時、各党が一致していた最低でも食料品の非課税についてはどうするのか。それぞれ明確な答弁を求めます。 第二に、大企業の横暴を抑え、雇用と下請中小企業の営業を守る対策です。 今、大企業は、国内生産を減らし、大がかりな人減らしと下請切り捨てを強行しながら、海外では生産を大幅に拡大しています。しかし、大企業は社会的な責任があるはずです。これまで国と自治体からさまざまな支援を受けてきた大企業が、一片の通告だけで地域経済を崩壊に追い込むことは許されません。 総理、日産座間工場の閉鎖やマツダの一時帰休に見られるような、重大な社会的影響を及ぼす工場閉鎖、事業の縮小、大量人減らしに対して、政府としても中止や計画の変更を強力に指導すべきではありませんか。明確な答弁を求めます。 あわせて以下の具体策を求めるものです。 一、六十歳以下の定年制を禁止し、高齢者雇用率制度を復活すること。二、新規の学卒者の就職を保障するため、福祉、教育などの公的分野での雇用拡大を図ること。三、民間企業に対して女子学生への採用差別をなくすよう強力な指導を行うこと。さらに、男女雇用機会均等法の募集・採用、配置・昇進の努力規定を見直し、罰則規定に改正すること。四、年末を迎える中小企業が三年ぐらいの据え置きで、できれば無利子でと望んでいる運転資金、生活資金などの緊急融資制度を実施すること。それぞれ答弁を求めます。 次に、米の関税化受け入れについてです。 農民は今、大凶作に苦しんでいます。米不足に対処するため、今こそ減反政策をやめるべきです。消費者も農業づけの外米なんが食べたくない、混米は不安と、安全でおいしい米を願っています。まして、大凶作に追い打ちをかけ、国内の稲作を壊滅させるような米の輸入自由化は絶対に許せません。 総理は、基本方針は変わらないと言い続けていますが、裏ではスケジュール表までつくって秘密裏にアメリカなどとミニマムアクセス、最低輸入量の受け入れ、六年後には関税化という妥協案で交渉を進めています。こうした妥協案をいつ国民の前に持ち出そうかとタイミングを探っているのではありませんか。総理、これでは国民に対してやみ取引をしていることではありませんか。 武村官房長官は、関税化が猶予されるので例外なき関税化に当たらない、関税化反対を貫いたことになると述べていますが、大変なごまかしです。ミニマムアクセスの受け入れは国会決議にも反し、自由化への入り口でしかありません。まして六年後の再交渉は関税化受け入れそのものではないでしょうか。国民だましはやめてください。農民は不安と怒りでいっぱいです。はっきりとお答えください。 また総理は、シアトルでのクリントン・アメリカ大統領との会談後、基本方針で交渉し、その結果どうなるかはその場にならないとわからないと述べています。全く無責任で許されない発言です。 本院は一九八八年九月、三たび米の自由化反対に関する決議を全会一致で可決しました。また総理は、農水委員会での私の質問に答えて、米問題に限らず、政治改革に限らず、私は政治生命をかけて全力を尽くしてやっていると答えました。本当に政治生命をかけるなら、この決議を最後まで貫き通すとなぜ断言できないのですか。明確にお答えください。 さらに、公明党の市川書記長は、政府が交渉を進めている妥協案を評価する発言を行っていますが、公明党は連立与党で合意している米の例外なき関税化に反対という立場を捨てたのですか。石田長官の答弁を求めます。 次に、公共事業に関連して、総理がゼネコン疑惑の解明にどのような態度で臨むのか、その姿勢をただします。 ことし三月六日の金丸前自民党副総裁の逮捕を発端に、県知事や市長、大手ゼネコンの幹部が次々に逮捕され、ゼネコンのやみ献金により、本来国民のためにあるべき政治がいかにねじ曲げられているか、企業献金の害悪をまざまざと示しています。これほどにゼネコン疑惑が広がり、国民の怒りがかつてなく高まっているとき、我が党の強い要求にもかかわらず、国会で関係者の証人喚問が全く行われていないことは異常な事態であると言うほかありません。 とりわけ、細川連立政権の与党・新生党の代表幹事である小沢一郎氏にかかわる数々の疑惑の解明は、今や一連のゼネコン疑惑解明の一つの焦点となっています。総理は、我が党の上田耕一郎議員の質問に対して、小沢氏はそれぞれの事実について記者会見という公の場で説明していると答えていますが、その記者会見は一方的な否定の弁明だけで、かえって疑惑は深まっているのです。 今や小沢氏の証人喚問をやるかどうかは、総理自身と連立与党が本当に疑惑解明をやるのかどうかの重大な試金石だとは思いませんか。国会が決めることだなどという逃げの答弁はもはや許されません。 総理が、政・官・業の癒着にメスを入れると言った以上、その言葉に責任を持ちますか。持つというならば、与党の党首として小沢氏の証人喚問に応ずる意思があることを明確に示すべきではありませんか。 また、公共事業を発注する建設省や農水省などからゼネコンや建設関連会社に大量に天下りが行われていることが明らかになっています。建設省の高級官僚に至っては、個室や専用車、秘書までつけるようゼネコン側に約束させていたといいます。また、厚生省も年金基金への大量天下りが発覚しています。こうした官僚の天下りは、見返りに入札や許認可で有利な取り扱いを受けているのではないかという疑惑を生むのも当然です。 今、ゼネコン疑惑の解明が強く求められているとき、総理は、ゼネコンを初めとする公共事業に絡む企業や、また許認可の及ぶ法人等への高級官僚の天下りをこの際禁止すべきではありませんか。答弁を求めます。 次に、国連PKO活動と憲法問題についてです。 中西防衛庁長官は、国連の指揮のもとにそれぞれの国々と同じレベルで平和維持活動をすることは憲法違反にならないと、従来の政府見解に反する国会答弁を行っています。これは憲法第九条の骨抜きに等しい重大な発言であり、単なる個人的見解では済まされません。総理は中西発言を容認するつもりですか、それとも撤回させますか。 さらに見逃せない問題は、日本が現在凍結しているPKO本体業務への歩兵部隊の派遣を国連が要請してきたということです。来月十九日に国連のガリ事務総長が来日した際、正式に要請すると言われていますが、憲法で禁止されている武力の行使に当たるような本体業務の参加はきっぱりと拒否すべきです。総理の明確な答弁を求めます。 最後に、水俣病問題をめぐる二十六日の京都地裁の判決は、被告チッソはもとより、国及び熊本県の行政責任を断罪しました。総理、国は絶対に控訴すべきではありません。また、あなた自身がかねて熊本県知事時代に主張していたにもかかわらず、総理になると甚だしく態度を後退させたことは被害者の大きな失望と怒りを買っています。このような態度の豹変は、国民に対する信義を裏切ることにほかなりません。この際、判決を厳粛に受けとめ、和解による解決のための政治決断を強く求めます。明確にお答えください。 細川総理、私ども日本共産党は、あなたの政権が発足した当初から、自民党より反動的な政権であると指摘してきました。今、補正予算案を審議するに当たって、この指摘はますます明白になってまいりました。日本共産党は、小選挙区制反対、悪政阻止の闘いを広範な国民としっかり手を携えて全力を尽くすことを表明して、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣細川護煕君登壇、拍手〕
○国務大臣(細川護煕君) 不況対策についてのお尋ねでございますが、厳しい経済の現状を踏まえて、我が国経済を内需を中心としたインフレなき持続可能な成長へ移行させていくということは極めて重要な基本的な課題だと思っております。 特に九月の緊急経済対策では、生活者・消費者が豊かさを実感できる経済社会の構築といった我が国の中長期的な課題に資するように、規制緩和の推進あるいは円高差益の還元、生活者・消費者の視点に立った社会資本整備の推進、そういったような施策を実施するとともに、円高や冷夏の影響など厳しい経営環境に直面している中小企業や農業者に対しまして経営の安定化を図るための措置など、直面する厳しい経済情勢に対応する幅広い施策を講ずることとしているところでございます。 次に、所得税減税、消費税の問題についてのお尋ねでございましたが、税制調査会の答申では、減税の規模、税率の幅、実施時期などについては触れられておりませんで、具体案につきましては六年度の税制改正の中でその取りまとめに当たってまいりたいと思っております。 それから、大企業の工場閉鎖や事業の縮小などに対して政府は指導すべきじゃないか、こういう趣旨のお尋ねでございましたが、景気の低迷の長期化などに伴う雇用不安や産業の空洞化の懸念を解消してまいりますためには、活力のある、また国際的に調和のとれた経済社会構造への転換を進めてまいらなければなりません。そのような観点から、現在、経済改革研究会におきまして、我が国経済社会の自己改革を図る上での理念と施策のあり方について御論議が行われているところで、政府としては研究会の御意見を踏まえて新たな経済社会を構築するための対策に取りかかっていきたいというふうに思っております。 定年制、高齢者雇用率制度あるいは新規学卒者の問題等々についてのお話でございましたが、六十歳定年制につきましては着実に定着しつつありますし、今後さらにその定着を図るための施策を積極的に推維をしてまいりたいと思っております。 また、高齢者雇用率制度につきましては、企業における業種、業態あるいは年齢構成が多様であるにもかかわらず、一律に一定割合の高齢者の雇用を求める点で現実的ではないと認識をしております。いずれにしても、今後とも高齢者の雇用機会の確保にできるだけの努力をしてまいりたいと考えております。 それから、新規学卒者の就職問題につきましては、就職先が決まっていない学生と事業主を一堂に会した面接会の開催などによりまして新規学卒者の就職の促進に努力をしているところでございます。 それから、女子学生の採用問題につきましては、事業主団体への要請のほか、女子学生のための特別相談活動を実施してきたところでございますが、今後とも男女雇用機会均等法の趣旨が徹底されるように努めてまいらなければならないと思っております。 また、機会均等法の見直しにつきましては、現在、婦人少年問題審議会におきまして議論が行われており、その結果を待って対応してまいりたいと思っております。 次に、中小企業対策についてのお尋ねでございましたが、政府としては、中小企業者の資金繰りを一層緩和するために、去る九月の緊急経済対策におきまして運転資金支援特別貸付制度の拡充あるいは緊急経営支援貸付制度の拡充などの措置を決定いたしまして、今回の補正予算案に盛り込んでいるところでございます。補正予算案が早期に成立をして、こうした施策が活用されることを期待しております。 官房長官の米市場問題についての発言についてでございますが、先ほども申し上げたとおりでございまして、昨日の記者会見におきまして、二十八日の発言について、ウルグアイ・ラウンドについては現在いろいろなレベルで交渉が進められており、年内終結に向けて政府としても最終の判断をする必要がある。こうした中で、米については国会決議の趣旨を体して従来の基本方針を貫いていきたいという趣旨を述べたものと発言をされておりまして、これまでの政府の方針に沿った発言であると理解をしております。 クリントン大統領との会談についてのお尋ねでございますが、ウルグアイ・ラウンド交渉は十二月十五日を交渉の終期として行われておりまして、米については従来どおりの基本方針のもとで我が国としては交渉を行っていく考えであることを述べたものでございます。 それから、小沢氏の証人喚問に関してのお尋ねでございましたが、ゼネコン疑惑にとどまらず国民の関心を呼ぶ重大な疑惑がある場合には証人喚問があり得ることは当然のことと考えております。しかしながら、証人喚問につきましては、これを行うか否か、また行うとした場合にだれを招くかということは国会の裁量によるものでありますし、内閣を預かる私の立場からは発言を慎むのが正しい対処の仕方と認識をしているところでございます。 ゼネコンヘの高級官僚の天下りについてのお尋ねでございますが、国家公務員につきましては離職後二年間は人事院の承認を得た場合を除いて密接な関係の営利企業への就職はできないことになっております。この営利企業への就職制限は、公務の公正な執行の確保の要請と退職公務員の職業選択の自由などの基本的な人権の尊重とを調和させる制度であると承知をいたしております。公務員の営利企業への就職をすべて制限するということは、職業選択の自由などの兼ね合いもございまして慎重に対応することが必要であると考えているところでございます。 いわゆるゼネコンヘの退職公務員の就職の問題を含めて、この制度の運用は人事院における厳正な審査によって行われているものと承知をいたしております。いずれにしても、国民に信頼される行政の運用に心がけてまいりたいと思っております。 許認可法人などへの天下りについてのお尋ねでございましたが、営利企業以外の法人などへの就職制限につきましては、職業選択の自由などの基本的な人権の尊重あるいは公務の公正な執行の確保などから生ずる就職制限の必要性との兼ね合いを踏まえて慎重な対応が必要だと思っております。公務員は国民全体の奉仕者であって、公務の執行に当たりましていやしくも疑惑を招くことがあってはならないと思いますし、政府としては今後とも綱紀粛正の徹底を図ってまいりたいと考えております。 中西防衛庁長官の発言についてのお尋ねでございましたが、防衛庁長官の御答弁は、我が国としても国連平和維持活動に積極的に協力していくことが重要であるとした上で、憲法問題も含めて掘り下げて国会で御議論をいただきたいとの考え方を政治家個人として述べられたものであると承知をいたしております。政府として従来の憲法解釈を変更するということを述べたものではないというふうに承知をいたしております。 PKO本体業務への歩兵部隊の派遣要請についてのお尋ねでございました。お尋ねは二十八日付の新聞記事を踏まえてのものと思われますが、記事に述べられている事務総長の要請につきましては一切承知をしておりません。また、事務総長来日の際にそのような要請があることも聞いておりません。 水俣病についてのお尋ねでございますが、控訴するかどうかにつきましては、関係省庁におきまして判決内容を詳細に検討しておりまして、それを踏まえて対応することになるものと考えております。和解につきましては、訴訟の争点が法に基づく国の行政のあり方の根幹にかかわる問題でもございますことから、慎重に考えさせていただきたいと思っております。 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁をいたします。(拍手) 〔国務大臣石田幸四郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(石田幸四郎君) 私に対する御質問は、消費税のあり方並びに米問題に対する公明党市川書記長発言についてでございました。 まず、消費税のあり方についての御質問にお答えを申し上げるわけでございますが、この税制改革の問題につきましては、連立新政権発足に先立って七月二十九日、八党派の合意事項がございました。その中で「所得・資産・消費のバランスのとれた総合的税制改革を行う」ことを私どもも了承しているところでございます。 この基本姿勢のもとで現行消費税のあり方も含め検討するわけでありますが、総合的税制改革の前提として、行財政改革の徹底や、あるいはまた不公平税制の是正という課題もございますし、高齢化社会を展望した福祉ビジョンの策定も不可欠でございます。こうした前提のもとで、いわゆる所得・消費・資産等のバランスのとれた総合的な税制の仕組みを検討すべきでございまして、消費税の御指摘のあった諸点については、こういった総合的税制の検討の中でさらに議論を深めていくべき問題であろう、そのように思っているところでございます。 それから、米の問題でございますけれども、先ほど御指摘がございましたその発言は、いわゆるこれは政府の外交交渉の経過を踏まえたということではないわけでございまして、新聞報道によって得た情報、マスコミ関係者の報ずる内容の中で、あるいはあり得るかもしれないという、そういう前提の中での党内での議論であったものでございます。関税化を受け入れない代償措置の部分自由化は十分検討に値するという市川書記長の発言は、私はやはりウルグアイ・ラウンドを視野に入れた関税化反対の枠内の一つの議論である、このように受けとめておるわけでございます。 いずれにいたしましても、今後ウルグアイ・ラウンド交渉の中で米問題、どのような調整案が出てくるかわかりませんけれども、これを見きわめて、さらに国会決議等を踏まえて日本の対応策として集約すべき課題であろう、このように思っておるところでございます。(拍手) 〔国務大臣大内啓伍君登壇、拍手〕
○国務大臣(大内啓伍君) 林議員にお答えをいたします。 一つは、消費税につきまして私どもが過去にとった態度と現在の態度についてお尋ねをいただきました。 正確に御理解を賜りたいと思うのでございますが、昭和六十三年の七月二十九日に竹下内閣によりまして消費税法案が国会に提案された段階におきましては、一つは不公平税制の是正、もう一つはサラリーマンに対する減税の実施あるいは行革の断行等につきまして、国民の間に、私どももそうでございましたが、大きな不満が存在したのでございます。それから同時に、政府が提出いたしました消費税そのものの中にも、逆進性の問題を初めといたしまして益税や運用益の問題など、実は多くの問題点が内在しておりまして、そのままの状態でこれを認めることは到底できなかったのでございます。また、国民の合意を得ることも極めて難しい状況であったのでございます。(「今も同じじゃないか」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)どうか後のことをちゃんと聞いてください。 したがいまして、私どもといたしましては、政府の原案に対して厳しい態度をもちまして反対する立場をとったのでございますが、単に反対するだけではなくて、政府原案をそのまま通してしまうという愚を避けるためにも、その修正にも実は全力を尽くしたのでございます。 特に、昭和六十三年十一月の十五日から十六日の早朝にかけまして、延べ十二時間にわたりまして当時の自民党の安倍幹事長と、私は書記長でございましたが、その徹夜の交渉を行いまして、そして半年間の弾力的運用や、あるいは一兆円を超します退職金の減税や福祉対策等について修正の話し合いをいたしまして、実は修正の合意を成立させたのでございます。したがいまして、そういう努力を経まして我が党といたしましてはこの修正案には賛成の態度をとったのであります。 その後衆参の審議を通じまして、同年の十二月二十四日に消費税法案は税制改革法案とともに成立する運びになりましたけれども、なおその法律の中には多くの問題点が残されたところだったのでございます。 その後、平成元年の参議院選挙、これは消費税の問題を中心にしまして自民党が大敗するという事態が起こったのでございますが、また平成二年の衆議院選挙が行われまして、消費税に対する国民の批判はなお根強く表明されるところとなりました。 そこで、平成二年の衆議院選挙の後に、私どもの党を含めまして実は全野党の会派が衆議院に消費税廃止関連法案を提出いたしましたが、政府もまた、今のままの消費税法ではいけないというので実は消費税の見直し法案を提出いたしたのでございます。ところが、その審議の中で両案が相打ちになってしまいまして、そして、今までの欠陥消費税法が残ってしまう、こういう事態に直面いたしました。そして、この事態を打開するために、私自身も実は消費税の欠陥是正を行うための与野党の協議を行うよう提唱いたしまして、これはいろんな曲折がございましたけれども、結局、国会の中に税制問題等に関する両院合同協議会というものが設置されまして、与野党が議論を重ね、先ほど申し上げました逆進性、益税、運用益などの消費税の欠陥を是正するための消費税法の一部を改正する法律案が全会一致で成立するところとなったのでございます。つまり、そのような多くの経過をとったのでございます。 私どもは、自分たちの当初の意見が通らなければ他の次善のすべての努力を放棄するといった態度をとるものではありません。 そして、議員御指摘のような、それでは消費税の税率引き上げや食料品の非課税化の問題についてはどうするのかというお尋ねでございますが、それは今後の抜本税制改革の中で当然検討していくべき課題であると認識しておりまして、特に、十一月十九日に取りまとめられました政府税制調査会の今後の税制のあり方についての答申をも踏まえまして、これから公正で活力ある高齢化社会の実現を目指して、所得・消費・資産等のバランスのとれた税体系を構築するために税制改革に取り組んでいく中で検討されなければならない、こう考えているところでございます。(拍手) 〔国務大臣久保田真苗君登壇、拍手〕
○国務大臣(久保田真苗君) 私への御質問は消費税の問題でございました。 税制改革の問題につきましては、連立新政権発足に先立つ七月に八党派合意で、「所得・資産・消費のバランスのとれた総合的税制改革を行う」ことを了解しているところでございます。 政府といたしましては、税制調査会の答申に示された税制の総合的見直しあるいは税の公平公正、また高齢化の進展などを考慮しながら、国民のお声に十分耳を傾けつつ、連立与党の皆様と意見の調整をしながら税制改革の具体案を取りまとめるという努力をしていくことになると思います。 なお、消費税をめぐる逆進性あるいは食料品の問題、こうした諸問題につきましてはこのような論議の中で検討すべき課題と考えております。(拍手) —————————————
○議長(原文兵衛君) 斎藤文夫君。 〔斎藤文夫君登壇、拍手〕
○斎藤文夫君 私は、自由民主党を代表し、藤井大蔵大臣の財政演説に対し、現下の不況対策を中心に質問を行うものであります。 冒頭、細川総理、御答弁は明確にお願いをいたしたいと思います。 まず、細川内閣の政策立案システムのあり方と総理の政治姿勢についてお尋ねをいたします。 総理は就任の所信演説で、ドイツの評論家ベルネが言った「政府は帆、国民は風、国家は船、時代は海」を引用されました。帆船日本丸は、総理、あなたを船長として荒海の世界へ船出をいたしました。今なお七〇%の国民の風を集めておられますことは、パフォーマンス、ファジーで頼りない、最近ではファッショナブル、いろいろと言われておりますけれども、まことに見事でございます。 しかし、世界の荒海を堂々と乗り切るには、船長以下一糸乱れぬ乗組員の協力が必要であります。政策の異なる寄り合い世帯、不協和音、きしみがいろいろ聞こえできます。さらに、力のあるもう一人の船長がうわさをされておりますが、総理、本当に日本丸のかじ取りは大丈夫でありますか。 米問題、ガット・ウルグアイ・ラウンド、日米経済問題、かつて経験したことのない大不況、国の内外多事多難な問題が魔の三角波となって日本丸に襲いかかっております。船長のかじさばきいかんでは、帆破れ、マスト折れ、沈没しかねない危機にさらされておるのであります。 「船頭多くして船山に上がる」と言われます。また、エマーソンは「文明人は馬車をつくったが、足が役に立たなくなった」と風刺しております。八頭立ての馬車、多頭政治の綱渡りで、総理、あなたが目指す政治改革で国民の信頼に足る政治形態が生まれるでしょうか。また、あなたの経済政策で未曾有の不況に起死回生のホームランが打てますか。 不況を脱却し、内需拡大を進め、規制緩和や経済構造の変革、新雇用の創出、高齢化社会における豊かな国民生活と日本経済の活力維持、貿易収支の改善、国際貢献等々、二十一世紀目指して今解決をしなければならない問題が山積しております。 しかし、就任以来、政治改革案は出たものの、当面する不況対策、円高対策、雇用対策、何一つとっても打ては響くものがありません。政治改革内閣だからといって経済対策の後回しは許されない。その上、連立とはいえ、公約にないことを思いつく、公約に反することを認める、重要政策は諮問機関保の答申待ち、そうかと思えば突然決定がひっくり返ったり。 特に、先ほど来質問の出ております米問題、国会決議を尊重する、例外なき関税化は反対すると総理御自身明言しておるにもかかわらず、また与党間にも同意が形成されてないこの段階で、いつの間にかミニマムアクセスが水面下で進み、六年後は関税化と新聞報道されたり、今ごろになって国会決議や各党の公約に反しないという官房長官の発言を見るときに、白を黒と言うことは国民のために断じて許されることではありません。責任を明確にされるべきであります。 料亭政治を廃止するとか、パフォーマンスは一流であっても、与党の皆さんも御存じのない中で重要な米問題が密室で決定されたり、あるいは税金問題、税制問題も決められていくようなことがあるとするならば、極めて重大であります。 ひな壇には、自民党出身の羽田、藤井、畑、中西、熊谷、武村六大臣がおられますが、自民党では党内論議に議員全員が参加してかんかんがくがくの議論の中から政策が決定されてきたことは、皆さんが一番よく御承知のところであります。 口では、国民に開かれた政治、密室政治の廃止、いろいろおっしゃる。与党には六者協議がある、政策幹事会があるとおっしゃるけれども、全く形式的なものであり、政策立案システムがないから一部の実力者によって政策が決定される手法、これをもって密室政治と言わずして何と言いましょうか。国民にどう説明をされますか。 細川内閣の政策立案システムをきちっと国民に明確化することを要求するとともに、日本丸の船長たる総理、日本丸を沈没させないように決意のほどを明確に御披瀝願います。 次に、経済政策についてお尋ねいたします。 国民が一日も早く対策をと渇望していた第二次補正予算が、やっと提案されました。 深刻な複合不況は倒産を増加させ、いよいよ雇用調整はレイオフから人員整理へと進み、失業率二・七%の高水準を示し、工業先進県神奈川では有効求人倍率が〇・四八とかつてない非常事態を迎えました。企業収益軒並み減収、仕事が全くないと嘆く中小企業、不況型倒産の急増。雇用調整で職を失う、働くに職なし。長期不況にあえぐ国民生活はますます深刻の度を加えております。 かかる認識があれば、九月の緊急経済対策発表後、この程度の補正予算であればもっと早く提出されたはずであり、二カ月余りも対策を放置したことは、総理の景気に対する認識不足も甚だしいと憤りを感ずるものであります。 世上言われるように、最優先の政治改革法案審議の関係でおくらせたとあれば、執政者としてその責任は極めて重大であります。政治改革もさることながら、国民が今一番期待をしておることは景気対策であります。また、政治改革の審議状況によっては、新年度予算編成の先送りが言われておりますけれども、景気や地方自治体を考えれば、幾ら経験不足の内閣といえども論のほかであります。納得のいく説明を要求するものであります。 また、本年度のGNP三・三%は、設定時から達成不可能と指摘をしてきました。昨年のGNPは三・五%、その後一・六%に下方修正、実績は〇・八%。大きな見込み違いであり、その都度経企庁の見通しの甘さが問題となりました。ここに至ってなお本年度の三・三%を修正しないのはなぜでありましょうか。 また、来年度のGNP予測は十二月に公表されますが、どう御設定されますか。予算編成のテクニックで、税収見込みを高く確保したいため、現実と遊離したGNPを公表することは百害あって一利なし。経企庁のかなえの軽重が問われることであり、経済企画庁長官の責任ある答弁を求めるものであります。 一時二万一千円まで回復した株式市場も、昨日一万六千円を割る暴落をしたことは、いかに政府の経済対策が現状を反映しない国民の期待を裏切ったものであり、また回復に効果なしと判断をされたからであります。細川内閣には経済政策なしと批判されるのもゆえなしてはありません。 我が党は、昨年八月、十兆七千億円の緊急経済対策を決め、平成五年度七十二兆三千億の予算が成立するや、直ちに異例の十三兆三千億の第一次補正予算を追加し、公共投資の前倒しを中心に、内需拡大、物価の安定、雇用の拡大に全力を尽くしてきました。 本年六月、在庫調整が進み、景気の底入れ感が期待されましたが、その後の円高、冷夏の直撃は景気の足を大きく引っ張りました。また、選挙、政権交代の大波乱は日本経済に微妙な影響を与え、一部住宅関連に明るさが見えるものの、設備投資、個人消費その他の経済指数は下げどまるところを知りません。 我が党は、長年の経験のもと、予算の着実な執行、五兆円を超える所得税減税を含め、十兆円を超える景気対策を取りまとめ、さらに財投の追加、民間金融機関の融資の拡大及び不良債権の解消、円高差益の還元、住宅投資政策減税など、積極的対策を打ち出し、細川総理にその実施を強く要求したところであります。その回答が今回の補正予算では全く失望せざるを得ません。 鳴り物入りの規制緩和や経済構造改革では、中長期的にはともかく、当面する景気の速効的効果は期待できません。これで景気浮揚ができるとお考えなら、景気回復の時期を明示すべきであります。総理の御見解を伺います。 ましてや、企業のリストラによる雇用調整が社会問題化しつつあるとき、政府の対策では新規雇用の創出は夢物語、雇用不安は増大するばかりであります。にもかかわらず、政府補正予算案の中には雇用対策が欠如しており、これは現状認識が全くない証拠であります。今こそ財政、金融、税制がリンクされた強力かつ積極的対策を打ち出すべきであります。 特に、今日の日本経済を支えてきた中小零細企業にとっては、これ以上合理化を進め、不況を克服するだけの体力は跨っておりません。七百七十一億程度の既存支援対策を拡大するだけであっては中小企業の生きる道はありません。中小企業法人税、事業継承税等の減税、青色控除の引き上げ等、実効ある対策をさらに追加すべきであります。また、地方単独事業への予算づけはゼロ、地方切り捨て予算で不況対策の体をなしておるでしょうか。 総理は、これ以上景気が悪くならないように不透明感を一刻も早く払拭したいと抽象的な答弁を繰り返し、景気対策として最後に残された所得減税に対しても、明確な態度を国民にお示しにならないことはまことに遺憾であります。 十一月十九日、政府税調から、直間比率是正による消費税率アップ、高額所得者の減税など答申されましたが、細川総理、どう政治決断されますか。国民に姿かたちを明確にお示しください。日米首脳会議で、内需拡大のための減税公約をされた総理、減税の規模や実施時期について確たる御答弁を承りたいと存じます。 連立与党の夏の選挙公約を拝見小たしますと、社会党、公明党、民社党は、景気対策の一環として所得税減税を強く要求いたしました。年度で六兆、七兆とも言われる歳入欠陥が予想される現在、財源は特例公債しかありません。赤字公債を発行しても減税実施の公約を実現されますか。総理の日本新党は直間比率の見直しを主張され、新生党の藤井大蔵大臣は特例公債発行による減税には絶対反対、直間比率を含めた消費税アップと言っておられます。 このように、減税に慎重な閣僚、減税を公約した閣僚、消費税アップを模索する閣僚、廃止を公約した閣僚。いかに八頭立ての馬車とはいえ、一皮むけばてんでばらばら。三年前の消費税導入のときの皆さんのお顔が目に浮かぶようであります。大同小異と言うには余りにも重大であり、これではとても強力な景気対策を打ち出せる内閣ではないと断言せざるを得ません。 所得税減税や消費税をどうするのか、減税実施の場合にはその財源をどこに求めるのか、総理並びに大蔵大臣の明確な御答弁を要求するものであります。 次に、二十一世紀の日本経済の抱える問題点についてお伺いをいたします。 長い不況のトンネルをいつ抜け出すのやらと心配しているうちに、二十一世紀は目前に迫っております。二十一世紀では人口の四分の一が高齢者になります。出生率は低下、逆ピラミッド型人口構成は労働人口の大幅な減少となり、さらに高齢化社会のコスト増と負担が問題となります。当然増加する社会保障費を減少する労働人口がどこまで負担できるか。勤労者一人当たりの負担が現在の三倍との試算もありますが、これでは勤労意欲の喪失、生産性の低下、消費の減退を招き、経済全体の活力が喪失いたします。 また、産業の空洞化に伴う経済活力の低下と産業構造への対応を考えるとき、景気後退、円高を背景として、企業の海外進出による国内産業の空洞化は多くの関連下請中小企業の死活問題につながります。一九六〇年代の工業王国アメリカが、企業の海外流出により製造業が衰退し、経済停滞を招いたことは歴史の示すところであります。 一方、NIES諸国の急成長による追い上げは、かつて日本が進んできた道であり、国際競争力が漸減する日本経済をさらに圧迫することは明らかであります。 また、我が国の産業構造は重厚長大産業から軽薄短小産業へとスムーズに産業構造転換が行われましたが、不況の現在、二十一世紀へ向けての企業リストラは全く足踏み状態であります。しかし、新産業、新雇用の創出こそ二十一世紀の日本経済を支えるエネルギーであり、そのために我が国の産業構造をどう構築していくか、総理並びに通産大臣の御意見を承りたいと存じます。 最後に、APECと日米経済関係について質問いたします。 十一月十七日、アメリカ・シアトルにおいてAPECが開催され、環太平洋各国首脳が一堂に会したことは、APECが新しい段階を迎えたと言えます。ヨーロッパはアメリカの世界経済戦略の転換かと懸念の声を上げたほどであるのに対し、日本では総理が帰朝報告もなさらない、関心が薄いのはまことに解せないところであります。 しかし、今回のAPECでは、クリントン大統領が、二十一世紀の巨大なエコノミッククポテンシャルのあるアジアにおいて今後も軍事安保の協力を続けながら経済協力に積極的に取り組みたい旨の声明を発表されました。まことに注目に値する発言であります。 戦後の世界経済の牽引車たるアメリカと太平洋を挟んでアジアの経済先進国日本が、自由貿易体制堅持のもと、環太平洋諸国との協調、発展を図ることは二十一世紀のアジアの平和と繁栄のために極めて効果的であります。APECに対する総理の御認識とASEANとの関連を踏まえて、我が国の今後の方針について御所見を承りたいと思います。 その際に、総理はクリントン大統領と会談されましたが、日米間には米問題を先頭に、ウルグアイ・ラウンド、内需拡大、市場開放、規制緩和、貿易インバランスなど問題が山積しており、どれ一つとってもその対応を誤ると日米間の大きな摩擦になりかねない火種が残っております。
○議長(原文兵衛君) 斎藤君、時間です。
○斎藤文夫君(続) 戦後の日米両国間には安保条約の強いきずながあり、各種の紛争を解決してきましたが、新しい時代に二国間問題の解決策を模索する新しい手法が必要となりました。 このときに、ウルグアイ・ラウンドとは別に、日米二国間の枠組み交渉が来年二月をめどに進んでおりますが、この交渉経緯について羽田外務大臣から承りた二いと思います。 最後に、特にアメリカサイドは、新しい未知の細川内閣に期待を持って懸案問題に対する日本の対応を見守っておりますが、内需拡大、市場開放、貿易黒字削減など期待を裏切ると両国の摩擦は一段と燃えて危険をはらみます。
○議長(原文兵衛君) 斎藤君、簡単に。
○斎藤文夫君(続) このような日米関係を踏まえ、総理のアメリカに対する政策をお示しをいただきたいと存じます。 御清聴ありがとうございました。(拍手) 〔国務大臣細川護煕君登壇、拍手〕
○国務大臣(細川護煕君) 内閣の政策立案のシステムをわかりやすくしろというふうな趣旨のお尋ねでございましたが、連立政権が公約に反することを進めているかのような御指摘もございましたが、連立政権は最大公約数で結束をいたしましてその実現に努めているところでございます。 また、重要政策が諮問機関の答申待ちであるとの御指摘もございましたが、国民的な合意を得るために諮問機関の答申を求めることも一つの道であって、答申によらず、政策的に方向性が明らかなものにつきましては着実に取り組ませていただいているところでございます。 内閣の政策立案システムを国民の前に明らかにすべきとのお話でございましたが、連立与党におきましては、政務幹事会あるいは政策幹事会、与党の代表者会議、あるいはまた政府・与党の首脳会議など政策決定の体制を整えておりまして、この点について国民各位の御理解はいただいているものと考えているところでございます。 景気対策についてのお話でございましたが、政府は先般、規制緩和と円高差益の還元に加えまして、円高の影響や災害による被害への財政措置を伴う対応など、国民が直面する厳しい経済情勢につきまして速効的に対応するべく緊急経済対策を講ずることとしたところでございます。政府としては、経済の先行き不透明感を払拭し、景気が回復に向けて動き出すように、累次の経済対策とともに本対策を着実に実施することによって、その効果を経済の各分野に十分に発現させてまいりたいと思っております。 来年度予算の編成についてのお尋ねでございましたが、本日、第二次の補正予算を国会に提出をさせていただいたばかりでございますし、来年度の予算編成について今の時点で確たる日程をお示しすることはできませんが、いずれにしても年内編成に向けて鋭意準備を進めてまいりたいと考えております。 株式市場と景気対策についてのお尋ねでございますが、言うまでもなく株価は自由な市場の需給関係によって決まってくるもので、政府が株価そのものに関与することは不適当と考えておりますが、最近の株式市場の動向につきましては、もとより懸念をしておりますし、強い関心を持って見守っているところでございます。 証券市場の活性化につきましては、基本的には景気の回復を通じた企業業績の回復などが必要だと思いますし、また、市場が本来の機能を発揮する上で必要な環境を整備することが重要であることから、今後も引き続き市場活性化のための施策を講じてまいりたいと考えております。 また、政府としては、去る九月に決定をいたしました緊急経済対策の着実な実施を図るために、今回の補正予算におきまして種々の措置を講ずることとしておりまして、当面この補正予算を速やかに成立をさせていただくということが最大の景気対策だと考えております。 いずれにしても、経済の先行き不透明感を払拭することが重要であって、今後とも景気の回復に全力を傾注してまいりたいと考えております。 規制緩和や経済構造改革では景気の速効的な効果は期待できないのではないかという趣旨のお尋ねでございましたが、今回の緊急経済対策に含まれる規制緩和の推進、あるいは円高差益の還元、生活者・消費者の視点に立った社会資本整備の推進などの施策の実施は中長期的な課題の解決に資するとともに、その効果を経済の各分野に十分に発現させることによって、全体として相当の経済効果を発揮するものと考えているところでございます。 減税の規模、実施時期、あるいは所得減税、消費税についての方針、減税財源についての所見ということでございましたが、税制改革の具体案の取りまとめにつきましては、再々申し上げますように、税調の答申に示された税制の総合的な見直しの方向に沿って六年度の税制改正作業の中で取り組んでまいりたいと思っております。 APECに対する我が国の今後の方針でございますが、我が国はこの地域が活力ある成長を続けるように、APECをアジア・太平洋地域の中核として位置づけて、アジア・太平洋の多様性というものを尊重していくということ、それからまた交渉でなく協議を通じる相互理解というものを深めていくということ、それからまたガットとの整合性の確保をしていくということ、あるいはまた開かれた地域協力の理念を追求していく場であるということ、あるいはまた域外との意思疎通の努力をしていく、こういった五原則に従ってその一層の発展に貢献していくことを基本方針として先般の会議でも申し上げたところでございます。 日米首脳会談における米問題、ウルグアイ・ラウンド等々の内容いかんというお尋ねでございました。さきの日米首脳会談におきまして御指摘のような経済分野の問題については幾つかの点で話をいたしましたが、まずラウンドにつきましては、十二月十五日の期限に向けてお互いに努力を払うことが重要であることについて意見の一致を見たところでございます。また、私の方からクリントン大統領に対しまして米問題にかかわる国内の困難な事情を説明いたしました。 また、マクロ経済につきましては、自分の方から我が国の景気回復の世界経済に対する重要性を踏まえ引き続き適切な経済運営を行っていく決意を表明したところでございます。 さらに、日米包括経済協議に関しまして、協議の進展に向けて、合意されたスケジュールと原則に従って日米双方が一層の努力を払う必要があることにつきまして意見の一致を見たところでございます。 それから、日米関係全般についてのお話でございましたが、両国関係を発展させる上で経済面での課題は大きく、どちらか一方の国の努力で摩擦が解消できるという性格のものではもちろんございません。現在、日米間では、包括経済協議におきまして合意されたスケジュールと原則に沿って話し合いを進めているところでございまして、二月の首脳会談に向けて成果が上がるように双方の努力を通じて協議の進展を図っていこうということを話し合っております。同時に、我が国としては、日米関係を初めとする対外経済関係の発展をも念頭に、中期的な黒字の縮小という方向性を踏まえて、内需主導型の経済成長あるいはまた市場アクセスの改善、経済構造改革のための自主的な取り組みを進めてまいりたいと思っております。 また、我が国としては、日米間では単に摩擦を解消することだけでなく、中長期的な視点から世界の二大自由市場経済たる両国関係の安定を図りますとともに、将来にわたって地球的規模の問題の解決や世界経済の持続的な成長のために両国の建設的なパートナーシップの構築に努めていかなければならないと思っております。 二十一世紀の製造業あるいは産業構造をどのように考えるかというお尋ねでございますが、新規の産業を含めまして活力のある将来の産業構造というものを展望し、必要に応じてリストラ支援などの円滑な産業構造の調整を図りますとともに、こうした調整を円滑に進めていくためにも、良質な社会資本の前倒し整備などによって新たな需要を創造することが必要であると思いますし、また規制の緩和なりあるいは制度改革というものを通じた内外の価格差の是正などによる製造業を初めとする国内の産業基盤の効率化、あるいは新規産業の活力のある進展を図ることなどに積極的に今後とも取り組んでまいりたいと考えております。 残余の質問につきましては、関係大臣から御答弁をいたします。(拍手) 〔国務大臣藤井裕久君登壇、拍手〕
○国務大臣(藤井裕久君) それでは、私の公式の場、つまり国会あるいは記者クラブとの会見において申したことというか、それはすなわち私の考え方を簡単に明瞭に申し上げます。 まず、垂れ流し的赤字国債は出すべきでない。理由は、なぜならば、次の世代に福祉国家をちゃんと築くのを支えてくれる人がさらに今の世代のこの垂れ流しを支えるということはいかにも負担のあり方としておかしい、そしてまた、財政体質を悪くすることはその国の一国の経済体質を悪くすることでもある、この理由で反対をいたしております。 次に、消費税のアップについては一言も発言したことがありません。これは現在一言も発言しておりません。 次に、税制調査会の十一月十九日の物の考え方、すなわち将来のこの社会をだれがどういう形で負担するかということについて、税制調査会の考え方は所得課税を軽減すること、消費課税を充実すること、こういうことを提言いたしております。私は、この保物の考え方を評価すると、このように言っております。 そして、その上に立って、今総理がお答えになったように、平成六年度の税制改正のあり方、そしてさらに言えば、このような物の考え方をもとにした将来の税制のあり方というものについては国民の皆様の声、そして連立与党はもとよりでありますが、皆様方の声を聞きながら決めていく問題であると、このように申し上げたいと存じます。(拍手) 〔国務大臣久保田真苗君登壇、拍手〕
○国務大臣(久保田真苗君) 私への御質問は、昨年度の経済見通しの下方修正と本年度の経済見通しの修正及び予算編成上現実と遊離したGNP見通しを公表することは百害あって一利なしという、そういうお尋ねでございました。 まことに仰せのとおり、このような予算との絡みでの操作をするというようなことは、企画庁としてあってはならないことですし、またあるはずもないと思っております。しかし、経済企画庁は政府の一員でございますから、従来から内外経済諸情勢の変化に細心の注意を払いつつ、政府がとるべき経済運営の基本的態度と、そうした経済運営のもとで実現が見込まれる望ましい経済の姿をお示ししてきたところでございます。 我が国経済は民間活動がその主体をなすものであり、また特に国際経済情勢の変化など我が国経済を取り巻く諸情勢には予測が容易でない要素も多いことを御理解いただきたいと思います。 今後策定することになります政府経済見通しにおきましては、従来にも増して内外経済諸情勢の変化やその経済に与える影響を十分に踏まえ、適切かつ機動的な経済運営に努めることによりまして実現可能な望ましい経済の姿をお示しできるよう最大限の努力を払ってまいりたいと思います。 また、御存じのとおり、今年度の実績につきましては、四−六月期の国民所得統計速報によりますと、四−六月期のGNPの伸びはマイナスとなりました。これは非常に厳しい結果と受けとめておりますけれども、五年度の成長率が全体としてどのようなものになるか。その修正につきましては、四−六月期の数字のみが出ている現段階で判断することは適当とは思われません。七−九月期のQEの数字も見た上で、来年度の経済見通しとあわせ今年度実績見込みの形で改めてお示しすることとさせていただきたいと思います。(拍手) 〔国務大臣熊谷弘君登壇、拍手〕
○国務大臣(熊谷弘君) 二十一世紀を展望いたしまして産業構造はどのように変革すべきかという御趣旨のお尋ねでございますけれども、委員御指摘のとおり、我が国の産業をめぐる環境というのはまさに大きく変わっておりまして、産業構造はもう転換を迫られているわけでございます。 その方向につきましては、総理が極めて簡にして要を得た方向を御提示したところでございまして、私どももまさにその方向に向けて今後強力な産業構造政策を展開していきたいと考えているところであります。(拍手) 〔国務大臣羽田孜君登壇、拍手〕
○国務大臣(羽田孜君) まず、米について申し上げたいと思います。 ウルグアイ・ラウンド交渉もいよいよ最終段階を迎えておりますけれども、各国とも農業問題に関しましてはそれぞれ困難な問題を抱えております。そういう中で、参加する各国が協力しながら解決に向けてぎりぎりの努力をしていくべきであろうというふうに考えます。 そのときに、私どもといたしましては、今後の交渉に当たりまして、我が国の農業というものが将来に向けて安心して生産を続けられる、この環境というものを確保していくことが重要であろう、このような考え方で全力投球をしてまいりたい、かように存じます。 もう一つは、細川内閣に期待をしてということで、内需拡大あるいは市場開放、貿易黒字削減など、アメリカとの関係についてお話がございました。 日米関係というのは、これは日本外交の基軸であることはもう当然であります。そして、この関係を中長期的にも安定させる上で、将来にわたって幅広い分野で建設的な協力関係を促進していくことが重要であろうというふうに考えます。経済面での摩擦につきましても、日米双方の官民による率直な話し合いによる解決、これが必要であろうというふうに考えます。 現在、日米間では、包括経済協議におきまして、合意されたスケジュールと原則に沿って話し合いを進めており、二月に予定されております次回の首脳会談に向けて成果が上がるよう協議の進展を図ってまいりたいと存じます。 同時に、我が国としましては、国民生活の向上を図る、このことを基本としながら、日米関係を初めとする対外経済関係の改善をも念頭に、内需主導型の経済成長また黒字の縮小、市場アクセスの改善、経済構造改革のための主体性を持った取り組みというものが非常に大事であろうというふうに考えておることを申し上げたいと存じます。(拍手)
○議長(原文兵衛君) これにて質疑は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後六時十四分散会