逓信委員会 第1号
- 発言数
- 140 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 0
- 開催日
- 1993/10/28
会議録
○委員長(森暢子君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る九月二十一日、松前達郎君が委員を辞任され、その補欠として川橋幸子君が選任されました。 また、昨二十七日、川橋幸子君が委員を辞任され、その補欠として堀利和君が選任されました。 また、本日、鶴岡洋君が委員を辞任され、その補欠として荒木清寛君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(森暢子君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(森暢子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(森暢子君) 次に、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○岡野裕君 自民党の岡野裕であります。郵政省所管業務の中でまず一般会計の分野につきましてお尋ねを申し上げたい、こう思っております。 まずその一番目でありますが、今後の情報通信基盤整備、これはぜひ必要ではないかという観点からするものであります。情報通信基盤は、もとより我が国の国民生活と産業経済活動を支える社会資本ということで従来から大きな役割を果たしてまいったところであります。最近は情報通信基盤整備に伴う情報通信機器の需要、これが創出をされ、また、情報の流通促進による消費が拡大をするというようなことを通じまして景気の浮揚効果が非常に大きくなった、そういうようなことで基盤整備の新しい効用が世間から着目をされているところであります。二十一世紀の高度情報社会の到来に向かいまして我が国がこれら諸問題を克服し、真に豊かな社会を実現していくに当たっては、いわゆる新社会資本としての情報通信基盤の役割は一層重要なものになる、こう認識をしているところであります。 こんな状況の中で、情報通信基盤の整備の必要性、これにつきまして大臣はどのようなお考えをお持ちでありますか、お伺いができればという次第であります。
○国務大臣(神崎武法君) 我が国を取り巻いておりますさまざまな重要な課題がございます。経済活動の持続的発展、あるいは東京への一極集中を是正して多極分散型の国土の形成、高齢化社会への対応、環境問題への対応、あるいは国民一人一人が真に豊かさを実感できるような社会の形成等さまざまな政策課題がございますけれども、その中で最も新世代の高度な情報通信基盤の整備がその決め手になる、このように私も認識をいたしているところでございます。さらに、情報通信基盤は社会資本としてさまざまなニーズや目的に寄与いたします横断的な役割を持っておりまして、まさにインフラのインフラ、こういう位置づけを私はできるのではないかと思っております。 委員御指摘のとおり、この情報通信基盤の整備にはさまざまな幅広い効果が期待できるところでございますので、情報通信基盤への投資は今後の諸課題の解決手段として最も効率的なものである、このように認識をいたしております。こうした観点から、今後我が国が諸課題を克服して真に豊かな社会を実現していくためには、実際の生活者、利用者のニーズ、立場に沿った形で新世代の情報通信基盤の整備を推進していくことが極めて重要であると考えております。
○岡野裕君 大臣、そういうお考えでありましょうが、外国の情報通信基盤の整備、これをちょっと見てみたいと思うのであります。 アメリカの例のクリントン・ゴア路線、これは情報通信基盤をアメリカがこれからグローバル市場で生き残っていくためには絶対不可欠な社会資本だ、もう前からそういう考え方をはっきり打ち出しているわけでありますが、例のNIIと呼ばれる情報通信基盤整備のプロジェクトや、それから州レベルにおきましても、それぞれ州政府等が行う情報通信基盤整備への補助金でありますとか、税制支援でありますとかいうようなことで、連邦政府そのものが中心になって次々このような基盤整備のための施策を打ち出している。御承知のとおりであります。 米国におくれをとらないためにこの日本でも早急に情報通信基盤整備のための施策を打ち出していく必要が極めて強い、こう思うのでありますが、これら諸外国における基盤整備の動きにつきまして大臣はどのようにごらんになっておられるのか。あるいはまた諸外国の状況を踏まえて考えた場合、我が国の情報通信基盤整備におきますところの官民それぞれの役割分担というものもあろうかと思うのであります。したがいまして、そのようなあり方、これらは大臣いかがでありましょうか。
○国務大臣(神崎武法君) 委員からも今お話がございましたけれども、欧米諸国におきましては、情報通信基盤を産業、経済の発展という側面と国民生活の発展という側面と両面におきまして、この発展を図る上で必要不可欠の社会資本と位置づけまして、その整備に向けまして数々の積極的な取り組みをいたしているところでございます。 お話がございましたアメリカにおきましては、クリントン・ゴアの新政権が情報通信基盤をアメリカの競争力を高め、雇用を創出し、社会問題を解決していくために不可欠な社会資本と位置づけまして、NIIと呼ばれます情報通信基盤整備のためのプロジェクトを発表しているところでございます。このNIIの一環といたしまして、一九九四年度予算におきまして、光ファイバーを初めとする情報通信基盤整備に対する補助を目的といたしまして情報基盤補助金、これが新設されたところでございます。 また、欧州におきましても、ECが欧州統合広帯域通信網、IBCの構築を目的といたしまして、欧州高度通信技術開発、レースの計画を推進するなど情報通信基盤整備に向けた積極的な取り組みがなされているところでございます。 また、委員が御指摘になりました官民がいかなる役割分担のもとに情報通信基盤の整備を行っていくか、こういう点につきましては、現在電気通信審議会に審議をお願いいたしております重要なテーマでございます。情報通信基盤整備のあり方につきましては、郵政省といたしましても、諸外国の取り組みにおきます政府の役割について勉強してまいりたいと考えておりますけれども、電気通信審議会の審議を踏まえつつ、情報通信基盤がインフラのインフラであり、真に豊かな社会を実現していく上で積極的な整備が不可欠な社会資本であるとの観点から検討を進めてまいりたいと考えております。
○岡野裕君 三番目でありますが、これは情報通信基盤整備の方策の方で郵政省がこれまで主に、例の電気通信格差是正というようなスキームの中で、テレビやラジオの難視聴や自動車電話等の移動通信が使えない、そういった地域の解消、こういうような観点から情報通信基盤整備を行ってまいったわけで、我々自民党通信部会あるいは党政調の中で私どももそれなりに御支援申し上げたところでありますが、欧米におきますところの情報通信基盤整備の動きを考えていきますと、我が国全体の情報通信基盤の高度化など、より広い観点から具体的な取り組みを行っていかなければならない、こういうように痛感をいたします。 例えば、本年八月三十日に大臣も今お話しの電気通信審議会から提出をされた「情報通信基盤の整備に関する提言」の中で、早急に取り組むべき事項だということで「地域の生活情報通信基盤の整備」、これが指摘をされております用地方の情報通信基盤を整備してその情報発信力を高める。そうしますと、全国各地の多様な消費情報も流通されるというようなことで消費が刺激をされ、昨今の政策課題である景気回復、これにも大きく貢献するのではないかと期待をいたしております。 以上指摘をしましたような諸外国の情勢、景気回復への貢献などさまざまな観点を考慮した上で、情報通信基盤整備のため郵政大臣として今後いかなる政策を展開なさっていくのか、ひとつぜひ熱意のあるところをお示しいただきたい。
○国務大臣(神崎武法君) これまでも情報通信基盤は我が国の産業、経済、国民生活を支える社会基盤として大きな役割を果たしてきたところでございますけれども、今後の高度情報化の進展に伴いまして、経済活動及び国民生活の情報通信に対します割合が格段に高まることが予想されまして、情報通信基盤の抜本的な高度化が望まれているというふうに考えております。 こうした状況を踏まえまして、官民の役割分担のあり方や技術革新に対応いたしました制度の確立など、今後の情報通信基盤整備を進めていく上での諸課題を検討し整備するための総合的かつ具体的な指針を策定するため、本年三月に二十一世紀に向けた新たな情報通信基盤の整備のあり方につきまして電気通信審議会に諮問し、御審議をいただいているところでございます。 本年四月の総合経済対策の議論の中では、郵政省はいわゆる新社会資本として公共投資による情報通信基盤整備の必要性を訴えまして、その結果、平成五年度補正予算で新世代通信網パイロットモデル事業が認められたところでございます。これは、関西文化学術研究都市におきまして、実際に光ファイバーを利用した通信・放送の統合サービスを行うことの利用面とか制度面、コスト面等あらゆる面からの検討を行うこととして試行実験をいたすものでございまして、来年の七月から実験開始の予定でございます。 また、委員からも御指摘がございましたけれども、本年の八月三十日、電気通信審議会からいただきました「情報通信基盤の整備に関する提言」の中で、早急に取り組むべき事項として、地方における生活情報通信基盤の整備の促進等が新世代の情報通信基盤整備の全国展開のためのワンステップとして緊要と指摘されたことを受けまして、平成六年度予算におきまして地域・生活情報通信基盤高度化事業のための公共投資の予算等を要求いたしているところでございます。 これは、首都圏への一極集中の大きな原因でございます情報の一極集中の是正を図るためには、地方情報拠点のネットワーク化と地方情報通信インフラ整備が必要という考え方に立ったものでございまして、具体的には、首都圏から地方への情報還流のための核となる施設であります情報還流促進センターの設立、地域の公共施設等を結ぶ光ファイバー網を活用した公共情報通信システムである自治体ネットワークの構築、情報通信を活用して居住地を離れぬ勤務形態を可能にするテレワークセンターの構築、地域住民のニーズに即した映像情報等を提供いたします新世代地域ケーブルテレビ等の施設整備を行うものでございます。
○岡野裕君 それでは、次に特別会計の関係についてのお尋ねであります。 きのう御存じのとおり第三次行革審、この答申が発表されました。お尋ねを申し上げる前にちょっと私の感じを述べさせていただきたい、こう思うわけであります。 昨年の秋でありますが、前郵政大臣、いわば殿御乱心とも言うべき郵貯民営化発言以来、郵政三十万人、第一線の職員とひとしくこの答申の行方いかんを案じてひとときも心の休まる日のないこの一カ年でありました。 おかげさまで、今次答申におきますところの郵政事業経営形態の関係部分を拝見しますと民営化の記述は全くありません。とりわけ、一つには、前大臣のいわゆる官業は民業の補完に徹するべきだ、この補完に徹するじゃなくて、補完しつつ、加えて、適切な役割を果たしていくべきであるというような言葉に相なっております。 またもう一つは、郵貯保三事業、三位一体が取り上げられております。加えまして、経済効率一辺倒の観点ではなくて、国民の利便、福祉の向上等が総合的検討の観点に加えられておるところであります。これら、言いますならば、前回第二次行革審当時の担当者の悪戦苦闘の成果とも言えるでありましょうところの記述がそのまま答申をされている、こう拝見をいたしております。 これらは大臣初め関係分野の皆様の非常に大きな御努力、とりわけ第一線に働く郵便局職員諸君の利用者サービスに徹した平素の努力の積み重ねが、官営郵政事業を是とし、これを守れとする民意を醸成し、かかる世論が行革審諸先生のお心を動かしたものだと深く敬意を表している次第であります。 私ばかりではありませんで、けさ読売新聞を見ましたら、この郵便貯金の今私が述べましたようなくだりにつきまして、「一部に郵貯の民営化が論議されるのではないかという見方はあったが、郵便局の日ごろの地道な営業努力を評価する委員が大勢を占めた」と、全く前大臣を除いてはこんなような共通した感覚があったのだなと腹にしみた次第であります。大臣、まことに御同慶の至りでありまして、そしてまた第一線の皆様はまことに御苦労さまでございました。 さてそれでは、答申の記述の中で、郵政事業経営の進め方につきまして、郵政職員がさぞ大きな関心を寄せるでありましょうところの一、二の問題につきまして質問をしたい。 今回の答申が出されるまでの間には、皆さんも御存じかと存じますが、その内容についていろいろの予測記事がマスコミをにぎわせておりました。例えば郵便貯金について、新しい業務分野への進出を控えるでありますとか、あるいは現在のシェアを上限とするなどといった記述があったように私は読んでおります。結局、ただいま私が拝見をしました答申の中にはこの種の記述は全く削除され、抹消されているみたいであります。 しかし、貯金局長さんどうでしょうか、新規業務やシェアを抑制するというような点についてあなたはどんなお考えですか。
○政府委員(山口憲美君) ただいま委員からもお話がございましたようにいろいろ御議論がございまして、その御議論の中身は、私どもといたしましては、大変郵便貯金事業に大きな影響を与えるものがあるというふうなことから私どもの考え方につきましていろいろ御理解を求めてきたということでございますので、その内容を少しお話をさせていただきたいというふうに存じます。 まず一つは、今申されましたようなシェアを抑制するというふうな形で国民の利用を抑えるとか、あるいは新規業務を抑制するというふうな形で新しいサービスの提供を抑制するというふうなことにつきまして、これは利用者に背を向けるような結果になってしまうんじゃないかということで、まず第一に、ひとつこういう御議論の際にお願いしたいことは、利用者に背を向ける結果にならないような御配慮をお願いしたいということを訴えてまいりました。 特に、金融の分野では、これからはいわゆる提供者の側からのいろんな御議論ではなくて、生活者の御に立った議論ということが求められているのではないかというふうなことをお話をし、またそのために、銀行の横並びというふうなことでよく言われますけれども、それぞれの機関が切磋琢磨していくような、そういった環境をつくって国民利用者の方に前向きの結論にしていただきたいということをお願いしてまいりました。 それから第二点目は、今の委員の御指摘のような点につきまして危惧されますのは、それを徹底されますと郵便貯金事業の独立採算の基盤が失われてしまうんじゃないかという危惧でございます。ぜひその点の御配慮をということを申し上げてまいりました。 利用者のニーズに応じた業務の内容の改善を行っていかなければ、古臭い仕事だけをやっているというふうなことでは時代に取り残されてしまうということでございまして、それでは事業経営は成り立たなくなってしまう。まして、最近の金融制度改革法によりまして、民間の金融機関におきましても商品の多様化というふうな一途をたどっているわけでございまして、そういう中で、郵便貯金につきまして商品開発等が抑制されるというふうなことになりますと大変独立採算の基盤が危うくなるというふうなことで、この点も御配慮をいただきたいというふうにお願いしてまいりました。 それから第三点目は、郵便貯金も一つの経営体でございますので、そういう観点からいたしますと、職員の皆さん方の士気を失わせないようにしなきゃいけないというのは大変大事なことでございます。 これまで私どもは、職員の士気をどういうふうに高め、そしてどういうふうにして利用者本位の仕事ができるような職員をつくれるかということで一生懸命に努力をしてきているところでございますが、シェアを抑制したりサービスの改善を抑制するというふうなことになりますと、職員の努力を否定したりあるいは意欲を喪失させるというふうな結果にもなるわけでございまして、これでは事業の経営の基盤が成り立ちませんというふうなことをお訴えをしてまいったわけでございます。 その結果というふうに私どもも考えておりますけれども、今回の答申を見ますと、私どものお話をしてきたことも御理解いただけているのではないかなというふうに思っておりまして、先ほど来いろいろ御指摘ございましたが、これまで郵便貯金事業に携わる者の中にはいろんな形での動揺というふうなものがございましたけれども、これから私どもはやはり自信を持ってこの仕事を現場の皆さんともども進めていかなきゃいかぬというふうに覚悟を新たにしているところでございます。
○岡野裕君 それではもう一つ貯金局長さんへのお尋ねであります。 同じように、予測記事に見えていて、いただいたこの答申そのものにもある言葉、「簡易で確実な少額貯蓄手段の提供という本来の目的に沿ってこという文字が見えますが、この「簡易で確実な少額貯蓄手段の提供」というのは貯金法の中にずばっと書いてありますので、これはもう当たり前のことで特段の意味はない、こう思います。 あるいはまた、「郵便貯金の肥大化の懸念の解消を図る。」というような記述もありますが、この郵貯肥大化、私も貯金局にいたことがありますが、もう十数年前から三〇%で、ここ五、六年見ますと、郵便貯金のシェアは昭和六十年当時の三二・四%から平成三年は三〇・八%に、一方銀行の方は昭和六十年当時の三八・九%が平成三年は四〇・八%に上昇ということで、上昇機運にあるとしまするならば、「懸念の解消」というのは、懸念そのものが何だかおかしいのではないかななどと思ったりいたしますが、私どもは素人でありますので、この二つのくだりにつきましては、局長さんはどうお考えになるのか。
○政府委員(山口憲美君) お尋ねは二つございましたけれども、前の「簡易で確実な少額貯蓄手段」云々の部分は、これは郵便貯金法の精神をうたっている部分でございますので、私どもも郵便貯金法を踏まえて適切にその役割を果たしていくというふうに考えておりまして、そういう形でこれからやっていきたいと思います。 後段の方の肥大化の問題でございますが、今お話ございましたように一郵便貯金の個人預貯金に占める割合というのはここのところずっと三割前後という形で推移をしておりまして、特段の大きな変化があるということではございません。そこで、今回の答申につきまして行革審の中の御議論では、郵便貯金はこのままではさらに肥大化するのではないかという懸念が一部にあるというふうなことを受けとめた上で、今回は定額合意の意義を踏まえて、定額合意の内容の誠実な履行を通じて郵貯肥大化といった懸念がおのずから解消されるようになるというふうな御認識を示されているというふうに私どもは考えております。 そこで私どもは、この答申の御趣旨に従って、すなわち資金シフトが生じないように郵政、大蔵両省間で昨年末合意をいたしました定額貯金に関する合意を誠実に履行していくということが具体的に私どもに求められているものだろうというふうに考えております。 今回の答申の中では、民間の金融機関につきましてもいろいろ求められておりまして、多様な商品・サービスの開発でありますとか、経営の透明性だとか、あるいは競争の一層の促進とか、あるいは効率性の向上というふうなことが民間の金融機関にも求められておりまして、これからの時代、民間の金融機関の皆様方も我々も一生懸命に努力をして利用者・国民の皆さん方に奉仕をしていくということが一番今回の答申の中でも求められている精神ではないか、こういうふうに思う次第でございます。
○岡野裕君 どうも力強い貯金局長のお話で、ありがとうございました。 きっと第一線の職員諸君も貯金局長のお話に、さっきのお話では士気が下がるという言葉もありましたが、文字どおり士気がますます高まって大いに国民サービスに努めてくれるのではないかと私も喜んでいるところであります。大臣、ということであります。 大臣、郵政省は本当に大きな世帯であります。大都市はもとよりのことでありますが、本当に山間部、僻地という言葉はいかぬのでありましょうが、そういうところまでも郵便局があり、小さなところにも局長さんがおり、そこにも何人かの一生懸命働く職員の諸君がいて、それで郵政事業は成り立っている。政策官庁としてはためく郵政省にはそういった現業もあるということであるわけでありますが、ぜひ大臣に、これから行政、現業両分野にわたりましてどんなふうにさお差していらっしゃるのか、ひとつ御抱負なり決意なりをお聞かせいただいて、私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(神崎武法君) 私も、大臣になりまして、全国で一番大きな新東京郵便局から、離島を除きまして全国で一番小さな村の富山村の郵便局等を視察いたしまして、本当に委員御指摘のように、全国二万四千の郵便局が地域に密着した行政機関として大変国民利用者の皆様方に愛され、親しまれている実態というものを見てまいりました。その意味では、現行の郵政三事業一体、全国ネットワーク、非営利・国営という現行の経営形態が国民利用者の立場からしても最も望ましい経営形態と考えておりますし、この郵政事業の発展のために今後とも全力で頑張ってまいりたいと思っております。
○岡野裕君 ありがとうございました。
○岡利定君 自由民主党の岡でございます。 大臣も御承知と思いますが、私も郵政OBの一員でございます。神崎郵政大臣が御就任になって、大臣が郵政事業あるいは郵便局についてどのようなお考えを持って、またどのように臨まれるかということを、そんなことを言ったら失礼に当たるかもわかりませんが、お許しいただきまして、大変関心を持って見させていただきました。 新聞とかあるいは雑誌などで大臣のごあいさつ、訓示あるいは対談というのをいろいろ読ませていただき、こういうのも見せていただきましたが、郵政事業の本質というのは国民益であるというようなお話とか、大変郵政事業、郵便局に対する御理解をいただいておるということ、それから今、岡野先生の御質問に対するお答えにありましたけれども、郵便局の視察にもおいでになって職員を激励いただいておるとかいうようなことで、私も一安心いたしておるところでございます。 大臣御就任になってから大体三カ月近くにおなりになってございますけれども、きょうは逓信委員会の質疑としては初めての機会でございますので、大臣のこの郵政事業、あるいは特に郵便局についての基本的なお考えなり御抱負、先ほどの岡野先生からの御答弁にも重複するかもわかりませんが、さらにつけ加えることがありましたらお教えいただけたらと思います。
○国務大臣(神崎武法君) 先ほども御答弁させていただきましたけれども、郵政大臣になってから合計五つの郵便局を見てまいりました。普通局が三局、特定局二局でございますけれども、あるいはさらには特定局の局長さん方ともいろいろお話を伺う機会を持ってまいりました。そういう実情を見てまいりまして、本当に全国津々浦々に設けられました二万四千の郵便局を通じて国民生活に欠くことのできない郵便、貯金、保険というサービスを提供している、地域に密着して、地域の方々から親しまれ、愛され、今日まで育ってきたというその実情というものを率直に実感してきたところでございます。 今いろいろな時代の変化がございますけれども、郵便事業が情報化、機械化の進展等の社会経済環境の変化に対しても極めて適切に対応してきているという点につきましても、私は新東京郵便局を見まして、東京ドームの六倍の大きさの郵便局でございますけれども、大変な機械化が進んでいる、今までの私の郵便局観を一変させるようなそういう機械化が進んでいる現状というものを見てきたわけでございます。 そして、一番小さな富山村の村長さん初め村民の方々のいろいろ意見を伺いましても、郵便局はこの小さな村にとって唯一の金融機関でございます、なくてはならない存在だといういろいろなお話も伺ってまいりまして、本当に時代の変化、環境の変化に機敏に対応するとともに、地域に密着した事業というものを行っている、こういうふうに改めて認識をした次第でございます。 今後とも郵便事業は民間事業者とも切磋琢磨しながら、情報化、金融自由化、高齢化等の社会経済環境の変化に的確に対応し、国民の利便の向上、地域の振興等、国営事業としての適切な役割を果たしてまいりたいと決意をいたしております。
○岡利定君 大変ありがとうございました。 全国各地にありまして、郵政事業を通じて国家国民のため、地域のためということ一筋で頑張っているのが職員の実情であるわけでございますので、その点を今後とも大臣に正しく御理解いただいて、これらの人々が安心して、意欲を持って、かつ自信を持って働き続けられるような環境づくりのためにぜひとも御尽力いただきたいとお願いを申し上げる次第でございます。 私は、きょうの質問の主要な点を行政の関係でお聞きをさせていただきます。 テレビ朝日の椿前取締役報道局長の発言は、わかればわかるほど驚くべきものだなというように思っておりますが、事実関係についてテレビ朝日でも調査中である、また郵政省でもまだ御検討中であるということでございますので、別の機会に御質問をさせていただきたいなと思っております。 いずれにしましても、五年に一度のこれは日本じゅうの全放送局の一斉再免許ということで、それだけでも大変忙しいのに、こんな大きな問題に巻き込まれて郵政省の皆さんも大変御苦労だと思う次第でございます。しかし、この問題は放送の不偏不党、番組の公平という放送の基本にかかわる重大問題でございますので、国民の納得できる結論を出されるよう十分御検討いただきたいということを要望だけきょうはさせていただきます。 次は、情報通信関係について、先ほど岡野先生からの御質問もございましたので、これまた重複する部分もあるかもわかりませんが、電気通信の自由化というのが昭和五十八年ごろから企画されて、六十年ごろから実際に実施されるということで進んでまいったわけですが、郵政省それから関係業界の方々初め、多くの関係者の御努力によりまして日本のこの情報通信産業というのは大きく花開いて、新規サービスの展開とか料金の低廉化というものも大変進んでまいったわけでございます。 しかし、その間に、大臣も先ほどおっしゃいましたけれども、社会経済情勢あるいは技術面で大きな環境の変化というものが生じておりますし、それに情報通信がどう対応していくかというのが大きな課題になっておると思う次第です。新聞とか雑誌を読ませていただきましたら、通信と放送の統合、あるいはマルチメディアといったような言葉が今日のキーワードだというように言われておりますが、これらが従来の電気通信とか放送の領域を超えたものであって、全く新しい視点からの取り組みというのが必要になってくるんじゃないかと思っておるところでございます。 あわせまして、先ほどの情報通信の基盤整備の関係も、あれは十月の上旬でございましたか、帝国ホテルで各界の方をお招きになって懇談会を開かれたということで、記事を読ませていただきましたが、その意見交換の中でも、米国に比べてこの面でも我が国が一歩おくれているんじゃないかというような指摘があったと書いてございました。 いずれにしましても、我が国の将来に向けて大変重要な産業である情報通信産業、これを所管する郵政省の課題と責任というのは大変大きいものがあると思いますので、その点も含めまして大臣の基本的な御認識をお聞かせいただければと存じます。
○国務大臣(神崎武法君) 情報通信はあらゆる国民生活、産業、経済活動を支えるものでございまして、これに関する行政は極めて重要な責務であると認識をいたしております。その中で、特に二十一世紀に向けた情報通信基盤の整備は重点を置いて推進すべき課題の一つであると考えております。 我が国が当面しておりますさまざまな政策課題、経済活動の持続的発展とか高齢化社会への対応とかさまざまな政策課題がございますけれども、その中でも、将来の国民生活や産業経済を視野に入れ、かつ技術革新を生かした新世代の高度な情報通信基盤の整備はその決め手になるものと考えております。 本年の八月三十日に電気通信審議会から緊急提言をいただいておりまして、これは平成六年度の予算要求の中にぜひともいたしていきたいと考えておりますし、中長期的には、本年三月に電気通信審議会に二十一世紀に向けた新たな情報通信基盤の整備のあり方について諮問をいたしておりまして、ぜひとも一年ぐらいをめどに御審議をお願いしたいと考えておりますが、あわせて、関西文化学術研究都市におきまして、新世代通信網パイロットモデル事業、今委員の方から御指摘がございました通信と放送の統合というこれからの新しい形態の実験を始めることといたしております。 こういった予算要求あるいは審議会での御審議、パイロットモデル事業での実験等を通じまして、我が国における情報通信基盤の整備に積極的に取り組んでまいる決意でございます。
○岡利定君 二十一世紀を目指しての施策の展開、今大臣がおっしゃいましたようなことを積極的にお進めいただきたい次第でございます。 また、そのことは大変重要でありますけれども、当面、緊急かつ深刻な問題というのは不況対策ではないかなと思う次第でございます。我が国の経済は大変深刻な不況状況にあるということで、十月十五日に政府が発表されました月例経済報告を見ましても、 企業収益は、引き続き減少している。企業の業況判断には、下げ止まりの動きがみられたが、急激な円高等の影響もあり、このところ悪化がみられる。雇用面についても、生産の停滞傾向等を反映した動きが続き、有効求人倍率は更に低下している。このように、我が国経済は調整過程にあり、急激な円高や冷夏・長雨の影響もあって、回復に向けた動きに足踏みが続いており、総じて低迷している。 このように述べております。 郵政省が直接行っております郵便事業の方も大きな影響を受けて、財政事情が一段と悪化しているというようなことも聞いておりますが、またこの情報産業という面で見ましても、ソフトウエア部門では、ユーザーの情報化投資の抑制というようなことがあって、去年の五月から連続十五カ月商売り上げがマイナスということが言われておりまして、ソフト会社の倒産も続出しており、このような状況下で雇用調整助成金のソフトウエア業の利用はかなり高いということが指摘されております。 情報通信の中核をなす電気通信事業者、特に第二種の事業者の状況を心配するわけですが、第一種及び第二種電気通信事業者の現状はどのようになっておりますか。また、この不況を乗り越えるためにどのような措置が必要だとお考えか、お教えいただきたいと思います。
○政府委員(松野春樹君) 平成四年度決算の経常利益の数字が出そろいましたので、第一種の電気通信事業の方から申し上げますと、一番大きいNTTでありますが、対前年度比二九・五%減少の二千四百八十八億円の経常利益になっております。KDDは対前年度比二・三%増でありますが、二百六十六億円でございます。 それ以外の新規参入事業者の方がたくさんおられるわけですが、その状況を見てまいりますと、例えば長距離系、あるいは地域系、衛星系、国際系、それから移動通信系、いろいろ分かれておりますが、ひっくるめまして、五十七社のうち五十一社が経常利益を上げておる。ということは六社が経常利益が赤字であるということになります。 このように若干まだら模様の様相を呈しておりますけれども、全体として見ますと、他産業と比較してみますと、ほぼこれまでは順調に推移しているというふうに言えるかと思います。 次に第二種事業者であります。第二種事業者もいろいろなサービスをやっておりますが、通信サービス部門だけを見てまいりますと、これは売り上げの伸びしか私どもデータがとれておりませんが、例えば特別第二種事業者におきましては平成四年度千四百十一億円、対前年度比一八・七%増となっている。若干の増は見せておるようでありますが、ただしこれは機器販売等、他の事業を兼業しているものが多うございます。この分野では昨今の景気状況の影響が大変大きいという声を率直に聞いておるところであります。 しかし一方で、私どもの電気通信事業そのものの競争が進展する中で、先生もただいま御指摘になりましたように、他方で昨今の景気状況の影響というものが当然出てまいりまして、新規参入事業者の合併問題、それから業界の再編ともいうべき動きが生じてきております。また、基幹的事業者でありますNTTの経営が減益傾向となっているというふうな状況も見られておりまして、その経営には、特にこれからも含めて考えますと、これまでにない厳しい面も見られるというふうに考えております。 昨年までの私どもの認識では、他産業と比較して比較的成長産業分野であるだけにこの景気後退の影響がほとんど見られなかった、あるいは遅かったというふうに認識しておりますが、さすがにここにきてその影響は出てきておるというふうに分析しておるところであります。 そこで、郵政省としての姿勢でございますが、従来から金融とか税制上の支援、あるいは先般にも一部御発表しました規制の見直しその他いろいろな措置を講じてきておるところでありますが、こういう状況の変化も踏まえまして、従来以上に適切に行政運営に心がけてまいりたいということが一つでございます。 それからさらに、競争が進展してまいっておりますが、サービスの多様化等を通じまして、むしろ所期の目的でありますように、電気通信市場全体のパイを拡大させていくことが大変重要であると考えておりまして、このような方向に向けて事業者の方々の一層の経営努力にも期待したい。また我々もその点に十分留意してまいりたいというふうに考えております。
○岡利定君 大変重要な問題でありますし、また、郵政省の方でも今後の経営状況等も十分注視していただいて、適時適切な御施策をお願いいたしたい次第でございます。 次は、市外通話料金など、ちょっと料金関係についてお伺いしたいと思っております。 去る十月の十九日にNTTは三十キロを超える市外通話料金を引き下げました。これに対して十月十八日にDDI、日本テレコムが、さらに二十一日には日本高遠通信が来月初旬実施をめどに市外通話料金値下げを郵政省に認可申請したというように新聞で読ませていただきました。また、国際電話料金の面ですが、KDDが円高差益還元ということで十月十日に値下げをいたしましたが、これに対抗して国際デジタル通信が十八日に、日本国際通信が二十一日に十一月上旬実施予定の値下げ申請を行った。そして、これに対して二十一日、KDD社長が定例の記者会見で再値下げの方針を示したというように一連の動きが報ぜられております。 これらの値下げの理由というのを新聞で見る限りでは、国内、国際ともにシェアを確保、あるいはシェアダウンを食いとめるためという説明がされておるようでございますが、電気通信事業の自由化以降、関係者の努力によりまして、さらに競争原理の導入によりまして、特に市外通話料金というのはほぼ年に一回のペースで値下げが行われてきておるというように理解しておりますが、値下げ競争というのは利用者にとっては大変ありがたいことであって、歓迎すべきことでございますけれども、十月二十日の日経産業では、「今回の値下げ合戦でNTTは期間利益で配当原資を貯えない水準まで業績が悪化する」、「一方、新電電も快走を続けてきたDDI、日本テレコムが営業開始以来初めて経常減益に追い込まれる見通し。」というようなことも伝えておるわけでございます。 となりますと、これ以上の値下げ競争は双方の体力の限界に近づいてきたんじゃないかということが危惧されるわけであります。そしてまた、値下げをしてもそれほど通話量が伸びず、増収につながらないというような状況もあるということでありまして、さらに加えまして、先ほどのお話にもありましたが、今日の不況によりましてなおさらこの値下げによる増収は期待できないというような声も出ております。 アメリカでは、価格競争は一九八八年ごろにもうほぼ終止符が打たれて、その後はサービスの競争に入っておる。このことによってさらに需要を拡大しておるということでございます。その結果、地域電話会社の財務体質は非常によくて、自己資金、そして借入金でみずから次世代の光ファイバーネットワークを建設、構築する力を持っておるというように言われております。価格だけの競争がそろそろ限界にきておるということはNTT、新電電ともに今認めております。 このような事情から、料金競争から通信事業を拡大するための多様なサービスの展開というところへ政策の重点を移していくべきだという意見も出ておりますが、主管庁である郵政省の考え方を教えていただきたいと存じます。
○政府委員(松野春樹君) 今御指摘のような推移があるわけでございます。 そこで、電気通信料金の設定についての基本的な考え方ですが、これはもう先生御案内のように、複数の会社が競争的にサービスを提供していることでもありますから、もちろん会社からの申請を待ってという形ではありますが、それぞれの会社の財務状況に基づきまして具体的な料金水準というものが決定されているという仕組みになっているわけであります。 したがいまして、この会社の当然の責務でありますけれども、経営の合理化でありますとか、効率化等の経営努力の結果として財務的に余裕のできた事業者が、もちろん前提条件がありまして、安定的なサービスの供給を維持するために必要なコストの回収というものを前提にしなきゃいかぬと思いますが、他の事業者よりも競争的な料金でサービスを提供するということは、ある意味では競争を導入してきた本来の趣旨にそのこと自体は沿うものであろうというふうに思っております。 ただ、これも今御指摘いただきましたが、一言つけ加えますと、私の気持ちでありますが、値下げそのものは決してこれを忌み嫌う筋合いではないと思います。ただ、今後値下げ競争だけではなくて、先ほどもちょっと触れましたように、市場全体の需要を拡大するような、利用者のニーズにこたえるサービスの多様化競争という面にぼつぼつ中心が移ってもいい時期に来ているかなということを率直に感じている次第であります。 私どももやはりこの料金問題につきましては、認可料金になっておるわけでありますが、何か泥沼、言葉が適切であるかないかわかりませんが、泥沼競争的になって安定供給、安定的なサービスの提供という面が損なわれることのないようにという点につきましては、これはくれぐれも留意してまいりたいというふうに思います。
○岡利定君 今の話は値下げのお話ですが、今度は余り楽しくない話になるのですが市内電話料金の値上げの関係でございます。 NTTは市内電話料金の値上げを検討しているとかなんとかいろいろと報道されておりますけれども、その内容及び郵政省の現時点における考え方などをお教えいただきたいと思います。
○政府委員(松野春樹君) いろいろこの春以来報道がされてきておることは十分承知いたしておりますが、現在まだNTTの市内電話料金につきましてまないたに乗って検討しておるという状況ではございませんので、具体的な内容については云々申し上げることができません。 ただ、このNTTの市内料金等の改定問題等につきまして申し上げますと、公共料金としての電話料金のあり方という観点をもちろん念頭に置きながらでありますが、基本的にはNTTの経営財務状況いかんということがやはり一つございます。ただその場合に、現状分析がもちろん大事でありますが、現状分析だけでなくて、例えますと、NTTの今後の合理化あるいは効率化等によりましてそれが財務にどういうふうな影響があるのかという点が一つ。 それから、先般、これは幸いなことでありますが、NTTとNCCとの間で新しく合意されましたいわゆるアクセスチャージの導入、これがどういうふうにNTTの財務に影響するであろうかというふうな点がございます。こういう点も含めて、NTTの長期的な収支というものがどういうふうに変わっていくのかということを検討する必要があろうかと思います。 さらには、今現在のNTTの料全体系というのは公社時代の料全体系をほぼそのまま引き継いできておるわけでありますが、この料全体系の上から見てどうであろうかというふうな点も今日的な検討課題の一つになろうかと思います。 ことしの六月に、民営化されまして初めて事業部制の原価というものがディスクローズされまして、議論の前提となるコスト分析そのものにつきましては明らかになりましたので、そういう観点も含めて幅広く、かつ、公共料金としての料金でありますから、当然のことながら慎重に検討していく必要があるのではないかというのが現在の段階でございます。
○岡利定君 ありがとうございました。
○加藤紀文君 加藤紀文でございます。私は、今日のように景気の低迷している時期に余りありがたいと歓迎されるテーマではないんですが、郵便料金の値上げと簡易保険の保険料の値上げ、また時間に余裕があれば郵便貯金について御所見をお伺いしたいと思います。 まず、郵便料金についてでありますが、郵政御当局はことし七月三十日に、来年一月中旬にもはがきや封書の料金を値上げする方針を表明されました。 郵便事業の財政は、人件費の圧縮や経費節減、合理化を進めて収支改善に努力されていたにもかかわらず、大変厳しい状況にあることは私どもよく認識しております。 平成三年度に十一年ぶりに単年度赤字を出して以来、赤字幅が拡大し、今年度の欠損見込み額は一千六百七億円、累積赤字額は一千七百七十七億円になることが確実視されていると伝えられております。 累積赤字が単年度収入の五%を超えるのが確実になった場合には、法律改正なしにはがきや封書の料金を郵政審議会に諮問して、省令で上げられる特例引き上げ制度、一九八八年に創設された制度が初めて適用される状況は基本的にやむを得ないと思いますし、これ以上赤字をふやすことは好ましいことではないと思っております。 毎年人件費や物価等が上がる中、十二年間も郵便料金が据え置かれてきたわけでありますが、このことは郵政御当局のたゆまざる経営御努力のたまものであったと心から敬意を表するものでありますが、このたびの郵便料金の改定について大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(神崎武法君) ただいま委員から御指摘をいただきましたように、郵便事業につきましては、昭和五十六年の郵便料金の改定以後、効率的な事業経営に努めまして、十二年間実質的に手紙、はがきの料金を据え置いてきたところでございます。 しかしながら、郵便事業財政は、景気後退等の影響も受けまして、平成三年度決算で百七十三億円、平成四年度決算で六百八十一億円と二年連続の赤字を計上した次第でございます。 さらに、平成五年度の予算におきましても一千三十五億円の赤字を計上し、その結果、累積では一千二百五億円の欠損となりますけれども、最近の郵便業務収入の伸びが引き続き低迷しておりますので、これを上回る欠損金が生ずる見込みでございます。このままでは安定した郵便サービスの確保が憂慮される状況にありますところから、郵便事業財政の改善が急務であると私も認識をいたしております。 そのため、九月十日に郵政審議会に郵便料金の見直しも含めまして郵便事業財政を改善する方策につきまして諮問し、現在幅広い観点から御審議をいただいているところでございます。 特に私の方から諮問に当たりまして、国民利用者に大変大きな影響を与えますことですから、幅広く御意見を伺っていただきたいということで公聴会の開催をお願いいたしまして、十月の十三日、十五日に東京、大阪で開催をされたところでございます。郵便料金の見直し等につきましては、公聴会の意見も参考にいたしまして、郵政審議会においてさらに審議が深められるものと期待をいたしております。 郵政省といたしましては、今後郵政審議会の答申を踏まえ適切に対処してまいる考えでございますが、郵便料金の引き上げを早急に行わなければならないという厳しい財政状況にあるものと認識をいたしております。
○加藤紀文君 郵便料金の値上げは、封書六十二円を九十円に、はがき四十一円を五十五円にするという案が報道されました。これは前回の料金引き上げ以降の物価等の上昇率をかんがみた、また省令でできる上限であると聞いております。この上限の改定で郵便事業の収支がどこまで改善されるのでしょうか、その御説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(新井忠之君) 先生から今お話ございました手紙九十円、はがき五十五円という報道がなされておりますけれども、実はこの点につきましては、まだ省の方針としてもちろん決めたわけではございません。 では、なぜ九十円あるいは五十五円という数字が出てきたのかという点につきまして若干申し上げてみたいと思うんですけれども、先生今御指摘のように、手紙、はがきの料金は本来郵便法で定めることになっておりますけれども、二つの要件が同じく郵便法で決められております。 その要件に該当いたしますと郵政審議会に諮問した上で省令で料金を定めることができる、こういうふうになっているわけでございますが、その一つの要件は、郵政事業特別会計の一の会計年度の郵便事業の損益計算で欠損が生じたとき、またはその欠損が生ずることが確実であると認められるとき、これが一つの要件でございます。 それからもう一つの要件は、当該会計年度におきまして、政令で定める額、これは政令で郵便事業の収益の額の五%に相当する額というふうに決められておりますけれども、この五%を超える郵便事業に係る累積欠損金が生じたとき、または当該累積欠損金が生ずることが確実であると認められるとき、この二つの要件に該当いたしますと省令で料金を定めることができると、こういうふうになっているわけでございます。 ただ、今先生も御指摘いただきましたように、省令で料金を定めるときには、料金の改定率は物価等変動率を超えないように定めなければならないという規定もございまして、この物価等変動率は、実は現行の郵便料金が定められたときからの経過年数、卸売物価指数、消費者物価指数、それから賃金指数、こういったものに基づいて算定することとなっておるところでございます。 現行の郵便料金につきましてこの物価等変動率をそのまま適用いたしまして、端数を切り捨てた額が先生今御指摘のように新聞報道にある手紙は九十円、はがきは五十五円ということになるわけでございまして、したがいまして、これが省令で定める場合のいわば上限というふうに私どもは理解いたしております。 今大臣からも御答弁申し上げましたように、この郵便料金の見直しを含め郵便事業財政の改善方策について審議会で今御審議いただいているところでございますので、今後その審議の結果を踏まえて適切に対処してまいりたいということでございます。
○加藤紀文君 次に、国民文化の普及などに貢献しているとみなした事業者、団体に利用が認められている第三種及び第四種郵便物については、第一種、二種と比べて三分の一から三分の二の料金が政策的に設定されております。この三種の一通当たりの赤字額が封書やはがきの数倍にもなっているということを言われておりますが、事実でしょうか。また三種、四種の場合には、先ほどの一種、二種とは違って料金改定の場合上限が設けられていないと思いますが、その辺もあわせて教えていただきたいと思います。
○政府委員(新井忠之君) お答えいたします。 第三種郵便物の制度につきましては、先生御案内かと思いますが、国民文化の普及向上に貢献すると認められる刊行物の郵送料を安くいたしまして購読者の負担の軽減を図ることにより、その入手を容易にし、もって社会文化の発展に資すると、こういうような趣旨で設けられたものでございます。 第三種郵便物の料金につきましては、同一重量の第一種郵便物の料金よりも低いものでなければならないと郵便法で定められております。しかしながら、例えば一般に市販されております重量二百四十グラム程度の週刊誌、これは第一種郵便物として差し出しますと二百五十円の郵便料金となりますけれども、第三種郵便物では六十一円でございまして、約四分の一程度の料金となっております。それから日刊新聞紙のいわゆる全国紙でございますが、重量が百六十グラム程度でございますので、これを第一種郵便物として差し出しますと二百五十円の郵便料金となりますけれども、第三種郵便物では三十五円ということで、約七分の一程度の料金が設定されておりまして、相当低廉なものになっているということでございます。 ただ、第三種を含めまして郵便料金の見直しにつきましては、先ほどからも申し上げておりますとおり、九月十日に郵政審議会に郵便料金の見直しを含め郵便事業財政を改善する方策について諮問し御審議をいただいているところでございますので、郵政省といたしましては、この第三種郵便物料金につきましても郵政審議会の答申を踏まえて適切に対処してまいりたいと、このように考えております。
○加藤紀文君 先ほど大臣のお話にもありましたが、今月十三日に東京で、十五日に大阪で開催した郵政審議会の公聴会、これも郵政審議会としては初めての例だそうでございますが、その内容を簡単に御報告していただければありがたいと思うわけです。
○政府委員(新井忠之君) 公聴会は東京で十月十三日、大阪で十月十五日にそれぞれ開催いただきました。 公述された方は、東京会場、大阪会場それぞれ十六名ずつの方が公述をいただいたわけでございます。 公述の意見の概要でございますけれども、簡単に申しますと、値上げやむなしとする意見の主な理由といたしまして、諸物価が上昇している中で十二年間郵便料金を据え置いているということを評価すべきである。あるいは、郵便は人手に依存する部分が多い中で効率化あるいは合理化に取り組んできている。さらに、全国二万四千のネットワークあるいは郵便のサービス水準を維持していくためにも料金値上げはやむを得ないという御意見。それから、値上げの時期を失するといわば国鉄の二の舞になるというような御意見、こういったような御意見で値上げやむなしとする意見がございました。 それから、大幅値上げ反対という御意見もございました。料金の値上げ分のコストを企業努力によって吸収するのは極めて困難であるという御意見。それから、現在の深刻な不況下において国民生活に与える影響も大きいんではないか、あるいは視聴覚障害者への負担、こういった社会福祉的な配慮をすべきであると、こういうような御意見もございました。 また、値上げ反対という意見の主な理由といたしましては、赤字の根拠が必ずしも明確でないということ。市民運動や消費者運動をしている個人、団体への影響が大きいんではないか、あるいは大口利用者への割引優遇制度が赤字の原因ではないか、こういうような御意見もございました。 なお、こういった意見にあわせて、郵政省に対し、一層の経営努力を行うべきである。あるいは、現在の料金改定の仕組み、物価等変動率の範囲内で、しかも累積欠損金が当該年度の五%を超えるまで値上げできないということになりますと大幅な値上げをしなければならない、やはり短い期間でしかも小幅に上げる仕組みを考えるべきであるというような御意見。それから第三種、第四種料金のあり方につきましては、これを社会的な意義から配慮すべきである、抑制していくべきであるという意見と、この料金について一種、二種等の利用者が負担しているのは問題である、やはり負担の公平化を図るべきである、こういったような意見が出されました。 総じて、値上げやむなしというのは三十二名のうち二十四名ということで、大半の方が値上げやむなしという御意見だったというふうに承知いたしております。
○加藤紀文君 いずれにしても、来月の郵政審議会の答申を待ちたいと思いますが、今回の郵便料金の値上げが利用者激減となり、かえって収支を悪化させることのないように、また郵政御当局には収支悪化の原因の徹底究明と、コストの八〇%近くを占めるという人件費の圧縮、経営多角化の修正、サービスの見直し等ぜひ実行していただきたいと思います。 次に、簡易保険についてお尋ねします。 平成四年度の簡易保険の経理状況は、保有契約が着実に増加し、保険料収入は安定的に確保され、近年の相次ぐ公定歩合の引き下げで運用収入の伸びは鈍化しているものの、剰余金は前年度並みに発生していると聞いておりますが、最近の新聞報道によれば来年四月に保険料を四十六年ぶりに引き上げる方針とのことでありまして、予定利率を引き下げ、その分保険料を商品によっては最大一三%程度上げるということでありましたが、これは本当なのかどうか御説明ください。
○政府委員(高木繁俊君) 生命保険の保険料と申しますのは、今先生おっしゃいました運用利回りを含めました全体の資金の効率性という問題のほかに、死亡率の問題ですとかあるいは事業運営にかかる経費、事業費率と言っておりますが、こういういろんな比率を組み合わせまして、かなり難しい計算をすることによって決定いたしております。 今先生おっしゃいましたような現在のこの状況下で大変利回りが低下してきておりますし、これから先もちょっと見通しがつかないというような状況の中で、確かに運用面は苦しいのでありますけれども、ただ死亡率ですとかあるいは先ほど申し上げた事業費率でありますとか、こういう部分につきましては逐年改善が図られてきております。いわゆる長寿化の傾向というふうなものが死亡率改善に寄与しているわけでございます。 したがって、こういうプラスの部分マイナスの部分、プラスマイナスと言うとおかしいかもしれませんけれども、こういう部分をトータルに見て、やはり長期的に判断していかなければならないというふうに思っておりまして、現段階では私どもは保険料をどうするかということについては白紙の状況でございます。
○加藤紀文君 民間の生命保険会社の保険料と簡易保険の保険料の格差というのはどの程度になっておるんでしょうか。
○政府委員(高木繁俊君) これは商品によってさまざま違います。 ちょっとうろ覚えの数字を申し上げるのは大変申しわけないんですけれども、十年養老保険で三十歳の男子が加入したというふうに仮定した場合に満期金百万円についての保険料額を比べてみますと、現在のところたしか四百円だったか何か、毎月の保険料ですね、そのくらい違っていると記憶しております。
○加藤紀文君 次に、簡易保険福祉事業団の九二年度決算では簡保資金運用勘定の累積赤字が百五十億円に上ると見込まれ、九三年度にはさらにもっと膨らむだろうということが伝えられておりますが、事業団に株式投資のリスクを負わせ、財務体質を悪化させている点についてはどう認識されておりますか、お聞かせください。
○政府委員(高木繁俊君) 先生おっしゃいました事業団の収支、昨年度のものにつきましては現在まだ取りまとめ中でございまして、一部新聞には数字が出ておりますけれども、ぴたりとした数字ではないわけでございますが、おっしゃいますような現在の事業団経営の指定単運用によって、今の経済状況の中で事業団が大変苦しんでいるというのは間違いないということでございます。 したがいまして、こういう問題を解決するために実は来年の予算要求の中で、事業団を経由しないで、つまり郵政大臣の直轄と申しましょうか、郵政大臣が直接指定単で運用できるように制度を改善することによって事業団の問題を解決したいということで、現在事務折衝を進めている段階でございまして、実現をしたいというふうに思っているところでございます。
○加藤紀文君 また耳の痛い話でございますが、平成四年度末の簡易保険の資金運用で外国債券の割合が総資金額の五・九%、三兆八千五百八十四億円を占めておりますが、最近の急激な円高等の為替相場の変動でかなりの為替差損が出て含み損が拡大していると思いますが、どうでございますか。
○政府委員(高木繁俊君) 先生おっしゃいました数字、昨年度末で七千二百億円余の含み損と申しましょうか、計算上の赤が出ているというのは事実でございます。昨年度末段階ではたしか百十六円ちょっとくらいの為替レートで計算をいたしましてそんな数字になっておりますが、現段階では百七円とか百八円クラスになっておりまして、さらに計算上のいわゆる含み損と申しましょうか、為替差損というものは膨らんでいることになろうかと思っております。ただし、こういう状況でございますので、私ども外貨建て債、特にこれに対する運用は慎重にしなくちゃいかぬということで、今年度に入りましてからそう積極的に買いに入っているという状況ではございません。 現段階の数字をまとめておりませんけれども、これからも状況を見ながらそういう姿勢での対処をしたいというふうに思っております。
○加藤紀文君 大臣は常日ごろからぬくもりのあるサービスの必要性を強調されておられますが、簡易保険事業に関しまして、今後どういう運営をされるのかお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(神崎武法君) 簡易保険事業は、全国あまねく設置されております二万余の郵便局を通しまして保険・年金のサービスを提供して、国民の経済生活の安定、福祉の増進という重要な役割を果たしてきたところでございます。 近年、我が国では世界に例を見ないスピードで高齢化が進展しておりまして、国民の老後の生活設計を積極的に支援していく、自助努力を支援していく簡易保険に対する期待はますます増大するものと考えております。 簡易保険事業におきましても、お客様のニーズにこたえた商品・サービスの提供に努めますとともに、コンサルティングセールスなどを通してお客様の立場に立ったきめ細かいサービスを提供し、より質の高いぬくもりのあるサービスにこれまでも努めてきたところでございます。 このような見地に立ちまして、平成六年度の予算の重要施策といたしまして、一つは高齢の加入者を対象に、郵便により契約内容情報、健康管理に役立つ情報等を提供するサービス、一つは希望者に対しまして郵便局の端末機を通じてホームヘルパー、入浴サービス等の介護関連サービスの提供機関を紹介するサービスの実現に努力をいたしてまいりたいと思います。 さらに、簡易保険の資金運用におきましても、地方還元という観点から、簡保資金を地域社会の発展や住民の福祉増進に活用し、豊かで活力ある地域社会の形成に努めてきたところでございますが、今後とも事業を取り巻く環境の変化に的確に対応したサービスの提供を通じまして、豊かさを実感できる長寿社会の実現に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○加藤紀文君 最後に、郵便貯金についてお尋ねしたいと思います。 金融自由化の進展の中で、郵便貯金事業の健全な経営を確保していくために、郵便貯金の自主運用である金融自由化対策資金の有利で確実な運用が従来にも増して求められておりますが、そのためには運用範囲の拡大、リスクヘッジの充実など資金運用制度の改善に努めることが不可欠であると考えますが、今後どのように資金運用制度の改善を図っていくのか、郵政省の考えをお伺いしたいと思います。
○政府委員(山口憲美君) 今先生お話しのとおりでございまして、郵便貯金が今後進展していくであろう金融自由化に積極的かつ的確に対応して健全な事業経営を確保していくということのためには、いわゆる入り口の面での自由化に対応した積極的な商品開発ということが求められるのは当然でございますが、同時に、その出口でございます資金運用面におきましてもそれに見合った適切な対応が必要だということでございます。そういったことからこの金融自由化対策資金というふうな制度も設けていただいてきているわけでございますけれども、今お話のございましたように、その対策資金の運用対象等につきましてもできるだけ多様化していくということが必要だということでございます。 こういった観点から、これまでも先生方の御理解をいただきながら、例えば平成元年度には指定単の運用ができるようにさせていただきましたし、また平成二年度には債券の貸し付け、あるいは三年度、四年度には社債の運用範囲を拡大させていただいているとか、また本年度はコマーシャルペーパーが扱えるように追加していただいたり、外国社債の範囲を拡大するというふうな形で年々改善を図っていただいているということで、大変ありがたく思っている次第でございます。 そこで、明年度ということで現在私どもがお願いしておりますのは、一つは、郵便貯金資金の地域還元というふうな観点もございまして、地方公共団体でありますとか第三セクターへ郵便貯金資金を直接融資ができるようにということを要求しているところでございます。 そのほか、先ほど御指摘がございましたように、安全性、リスク管理というふうな観点から、保有しております債券の金利でありますとかあるいは為替変動、そういった問題についてのリスクをヘッジする、回避するというふうなことから、債券でありますとか通貨の先物あるいはオプション、そういったものの取引ができるようにさせていただきたいというふうなこと、あるいは、先ほど簡易保険局の方からも御説明がございましたけれども、指定単を直接郵便貯金本体の方で運用できるようにしたいこと等々、先ほど冒頭申しましたような、この自由化時代に対応した適切な運用が少しでもできるようにという方向での制度の改善を現在お願いしているというふうなことでございます。御支援賜りたいと存じます。
○加藤紀文君 それでは、いよいよ最後でございますが、民間金融機関の普通預金よりも郵貯の通常貯金の金利が高いため、民間の預金から郵貯への資金シフトが起こっているという意見があるようでございますが、事実のほどはどうでしょうか。
○政府委員(山口憲美君) 御指摘の点につきましては、よくそういうお話をお聞きいたしますけれども、郵便貯金という立場から御説明をさせていただきますと、この資金シフトの問題というのは、いわば個人の預貯金の分野でどうなっているかということを考えなければならない、私どもは法人を対象にした分野は担当しておりませんので、個人の分野でどうなっているかということを考えなければいけない、こういうことだろうと思います。 その個人の観点から考えてみますと、現在公表されている民間金融機関の要求払いの預金の状況は、四月から七月まででございますが、一兆五千億円の増加になっておりますが、これに対しまして私どもの通常貯金は五千億円の増加にとどまっているということでございます。 特に、この通常貯金の五千億円の増加の原因をどう見るかということでございますが、これにつきましても、金利が非常に今は低い水準にございますために、本来ならば定期性預金に預けられるであろうと思われる資金が一時的にまだ通常貯金にとどまって様子を見ておられるんじゃないかというふうに、私どもの通常貯金の五千億円の増加の原因をこういうふうに考えておりまして、いわば私どもの中で選択されている結果で通常貯金の方がふえている、こういうふうに私どもは見ているところでございます。したがいまして、民間の預金から郵便貯金への資金シフトは生じてはいないというふうに私は明確に申し上げられるというふうに思っております。 官民の資金シフトというのは流動性の預金だけで見るべきではございませんで、いわゆる定期性預金全体を含めてどうなっているかというふうに見るのが金融に与える影響とかというふうな観点からは正しいのかなというふうに思っております。こういった面から見ましても、ここ数年安定的にこのシェアの問題は推移しておりますし、また本年六月から、定額貯金につきまして合意をし、その上で大蔵、郵政両省間でモニターを行うというふうな形でいろんな措置をしてきておりますが、現在のところ特段問題になるような資金シフトは生じていないということでございます。
○加藤紀文君 ありがとうございました。終わります。
○三重野栄子君 三重野栄子でございます。郵政事業と情報通信政策についてお尋ねいたします。 なお、休憩時間を委員長の方でお取り計らいをいただきたいというふうに思います。 まず郵便関係でございますが、郵便事業財政につきましては先ほど料金の見直しという点から御答弁がありました。その中で、今年度についてもさらに赤字の拡大が懸念されるということでございましたが、平成三年度、四年度の両年度の年度末収支を見ました場合に、予算額との収支差が百七十九億円、また二百五十一億円もありまして、当初の見通しを著しく下回る状態が続いているようでございます。 この収益と費用の計算方式というのは、郵便物の需要予測等に問題点があるのではないかということを思うんですけれども、その点についての御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(新井忠之君) お答えいたします。 先生今御指摘のように、平成三年度、平成四年度の両年度の予算額における収支差、これにつきまして百七十九億円あるいは二百五十一億円という御指摘がございました。これは、平成三年度の予算額では利益が六億円出る予定でおりましたものが、決算では百七十三億円の赤字ということでございます。また平成四年度におきましては、四百三十億円の欠損の見込みが決算では六百八十一億円の欠損になったということで、二百五十一億円の見込み差がある、こういうことでございます。 実は、先生御案内のように、予算編成に当たりましては、その前年度までの郵便物数を基礎にいたしまして要求年度の郵便物数を推計する、例えば平成六年度で申しますと、平成四年度までの郵便物数をもとに平成六年度の郵便物数を推計して、それに合わせまして業務収入及び事業運営に必要な費用を見込んでおるということでございます。 〔委員長退席、理事山田健一君着席〕 しかしながら、郵便物数は景気の変動の影響を大変受けやすいためにその予測には困難な面があることも事実でございます。 一方、郵便事業は人件費、賃金、集配運送費など、ベースアップや郵便物の増加、大型化の影響を受けやすい経費が費用全体の約八割を占めておりまして、こういった費用の増加も避けられない面があるわけでございます。 今般の赤字の発生は、最近における景気の低迷の長期化によりまして予想外に業務収入の伸びが鈍化したために、私ども経費の節減に努めましたものの、費用の伸びを賄えなかったということで、結果として予算を上回ることになった次第でございます。
○三重野栄子君 景気の問題あるいは人件費の問題等々で影響が大きいという御説明をいただきましたが、さきの国会の郵政省側の答弁の中でも郵便事業の財政の赤字の原因については述べられたところでありまして、その場合も景気低迷による収入の減少、それから人件費の上昇による費用増加ということも御説明がございました。 この場合に、人件費の上昇というのはもう当然というとあれですけれども、避けられないものであるというふうに思うわけであります。 しかし、今日まで十二年間も郵便料金を値上げしないでいろいろ経営努力をされてきたと思いますが、この厳しい財政状況をどのように乗り切ってこられたのか、もう少し具体的に御説明いただければと存じます。
○政府委員(新井忠之君) 郵便事業財政につきましては、先生御案内のように、昭和五十五年度末に約二千五百億円の累積欠損金を抱えておった次第でございます。しかしながら、昭和五十六年の一月に料金改定を実施いたしまして、自来、平成二年度まで十年間連続利益を計上してまいったところでございます。 この間私どもといたしましては、郵便事業の機械化、効率化、あるいはいろいろな面での郵便サービスの改善、向上とあわせまして、職員の皆様の営業努力、これらにつきましても相当努力をしていただいたというようなことでいわばこの十年間連続利益を計上してきたということが言えようかと思います。もちろん、その背景には景気もいわば好調期にあったということでもございます。 サービスの改善の一つとしては、五十九年二月に郵便輸送のダイヤ、運送方法を大幅に改定いたしまして、これまで鉄道で輸送しておりましたものを自動車あるいは航空機を使った輸送方法に改める、こういったことを初め、ふるさと小包だとかあるいはふるさと切手、ふるさと絵はがき、こういった施策等々、さまざまなサービス改善も実施したその結果であろうというふうに思います。 今日、赤字が平成三年度あるいは平成四年度それぞれ出ておりますのは、やはり大きな原因は景気後退等の影響ではないかというふうに分析いたしているところでございます。
○三重野栄子君 ただいまの御説明によって一応の了解をいたしますが、私は安定した郵便サービスを提供するためには、やはり機械化とか効率化、営業努力と同時に、要員に関して、人件費を減らすとかいうことだけでは営業努力もなかなか頑張れないというふうに思うわけでございます。しかし、営業努力をされたということでございますから、必要な要員確保はどのようにされてきましたのか、それからこれからどのようにしようと思っておられるのか、その点の御説明をいただければと思います。
○政府委員(新井忠之君) 安定した郵便サービスを提供していくということは申すまでもなく郵便事業の使命でございます。一方、人力依存度の高い郵便事業といたしましては、必要な要員の確保、これも重要課題と認識いたしております。 定員をめぐる事情でございますけれども、これも先生御案内のように、シーリング枠の設定とかあるいは第八次定員削減計画の実施など大変厳しい状況下にもございますが、郵便物数に対応する要員確保につきましては従来から最大の努力を払ってきたところでございまして、しかもなお定員で不足する労働力につきましては、これまでも非常勤職員の確保とあわせて超過勤務手当の増額などで対処してまいった次第でございます。 今後とも私ども要員の確保に努める所存でございますけれども、もう一つは、労働力の安定的確保及び効率的な配置を図るために現在、新たな雇用形態としての時間制職員制度、これは仮称でございますけれども、こういったものの創設に向けて関係省庁と鋭意折衝いたしておるところでございます。
○三重野栄子君 そうしますと、要員の問題のほかに今度は業務内容と申しましょうか、サービス内容も見直す必要があるのではないかと思うわけです。 〔理事山田健一君退席、委員長着席〕 例えば、ふるさと小包、レタックス、そういうのもありますし、それからダイレクトメール等の大口割引もございますけれども、その割引のやり方とか率とかいうのもやはりこの問題について影響があるのではないかと思うんですけれども、そういう利用度、必要性、採算性、そういう面からの見直しということはお考えないでしょうか。
○政府委員(新井忠之君) 先ほども申し上げましたように、ここ十年ほど大変さまざまなサービス改善を実施いたしてまいっております。中には、実は先生御指摘のように、その施策が必ずしも十分効果を発揮していないというものもございます。そういった点につきましては当然新たな視点で見直していかなければならないと思いますし、また同時に、お客様からの新しいニーズに即したサービスの改善、開発につきましても今後積極的に取り組んでまいりたい、このように考えておるところでございます。
○三重野栄子君 今も申し上げましたけれども、要員の過度の削減というのはかえって郵便のサービスを低下させるということだと思いますし、さらにまた、三Kの職場と言われるようになりますと有能な職員の確保というのはますます困難になっていくだろうというふうに思うわけでございます。郵便事業財政の改善を図るためには、先ほども何度も郵便料金の改定についての議論もございましたけれども、私自身といたしましても現状を伺いましたところではやむを得ないのではないかという思いもするわけでございます。 しかし、新聞報道によりまして第一種は六十二円が九十円、それから第二種が四十一円から五十五円というようなことが報道されますと、ちまたの中にも大変賛否両論ございまして、この面につきましては先ほど郵政審議会に諮問をしてあるということでございましたけれども、諮問をするということに対しまして郵政省自身は一体どういうふうにお考えになるだろうか。やっぱり答申が出るまでは何事も郵政省としては言えないということになるんでしょうか。そこらあたりを伺います。
○政府委員(新井忠之君) 先ほど郵便九十円、はがき五十五円という数字が新聞報道になされまして、その九十円、五十五円の出てきた根拠と申しますか、出てきた背景といいますか、仕組みについては申し上げたとおりでございます。これはあくまでも物価等変動率を適用した場合の上限でございまして、当然その範囲内で郵便料金の御検討をいただくということになろうかと思います。 今回は郵便料金の見直しも含めて幅広く郵便事業財政の改善方策について審議会に諮問したところでございまして、今審議会で御議論をいただいているところでございます。実は本日も郵政審議会の総会が十時から開かれておりまして、私、冒頭、省からの説明資料で御説明したところでございますが、これからさらに公聴会の御議論も踏まえて審議が深まっていくんではないかというふうに期待をいたしておりまして、審議の状況を十分伺いながら、また答申をいただいて、その答申を十分に参考にしながら適切に対応してまいりたいということでございます。
○三重野栄子君 審議会に諮問をしているということで御答弁がありますとそれ以上話が進まないわけでございますけれども、郵政の皆さんが職員も含めましてさまざまな努力をして十二年間料金の値上げをしないで頑張ったと言われますけれども、値上げをされる側からしますと、十二年間だろうと五年間だろうとやっぱりなかなか皆様方の努力の中身というのは理解ができないわけであります。 そうしますと、十二年ずっと変わらなかったというその料金値上げのシステムというか、そのことについても少し郵政省自身として検討をなさるおつもりはないのだろうかというのが一つ。 それから、第三種、第四種の料金についても先ほど御説明ありましたけれども、例えば福祉の問題については無料であるとかいろいろ施策があるわけでございます。そういう福祉の問題については厚生省とかそういうところの予算から出していただく、あるいは一般財源から支出をするというような形でしていただく方が、例えば四十一円とか六十二円のはがきとか郵便を使っている人たちがその福祉の方々の問題を見ているというふうに見られる面もあるのではないかと思うんです。そういう意味からいたしますと、この第三種、第四種に対する料金の値上げという問題のほかに、もっとほかから支出をされる面は考えられないだろうかということについてお尋ねいたします。
○政府委員(新井忠之君) まず第一点でございますが、十二年間料金改定をせずに据え置いたまま今日まで参ったわけでございますが、先ほども御説明申し上げましたように、この十二年間料金改定をせずに今日に至って累積欠損金が生ずる、あるいは欠損金が生ずるということで、今の郵便法の仕組みでは、当該年度の収益の五%を超える累積欠損金が生ずるかあるいは生ずることが確実であると見込まれるときでないと料金が改定できないということになってございます。 これにつきましては、実は公聴会等におきましても、あるいは私どもに寄せられた要望の中にも、もっと仕組みを弾力的に運用できる方法を考えるべきではないかというような御提言がございました。もう少し短い期間で、しかも小さな幅で改定する仕組みをつくるべきではないかというような御意見がございまして、私ども今回いろいろ検討する中でも大変参考になる御意見かというふうに承っております。 これにつきましては、またいろいろな関係のところとも十分打ち合わせをしてまいりたいと思いますし、また郵政審議会でも御議論いただいているやに承知しておりますので、そういった御議論の中でも参考にさせていただきたいというふうに思っております。 それから、第三種、第四種につきましていわば一般会計の方から補てんすべきではないかという御質問がと思いますけれども、これにつきましては、御案内のように郵便事業は独立採算制で運営しておりまして、そういった意味でやはり郵便の料金全体の中で賄うべきではないかというふうに私どもは考えております。 ただ、実はアメリカにおきましては、例えば非営利団体が発行いたします第三種郵便物のようなものにつきましては政府からの補助金が出ておることも事実でございます。ただ一方では、その非営利団体をどういうふうに他の団体と区別するかという大変難しい問題も実はあるように伺っておりますし、そういったことも今後参考にさせていただきながら、できれば第三種郵便物の制度のあり方についてもう少し研究してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○三重野栄子君 ぜひそのような御検討をいただきたいと思います。 今、農業新聞の皆さんからたくさんこの値上げの問題について心配の向きで陳情などをいただいているんですけれども、やはりこの料金改定に関する郵便法の仕組みそのものについて、例えば、決まったらすぐ値上げになるというとちょっと困るんですね。自分で手紙を出すとかはがきを出す程度ですと、ああ我慢しなくちゃとかというふうに考えますけれども、大量にこの第三種あるいは第四種を活用している団体にいたしますと、ちょっとの値上げでもうんと財政に響くといいましょうか経営に響くわけでありますから、例えば、決めたらば、一年後にはこうなりますよとかということになりますと計画ができたりするんじゃないかというふうに思ったりもするわけでございます。そういう郵便法の仕組みの問題につきましてもぜひ御検討いただきたいというふうに思います。 それもやはりサービス改善についての一つの問題ではないかというふうに思うわけでございますけれども、これは別にいたしまして、平成六年度に向けて、利用者のニーズに即しての郵便関係のサービスの企画がございましたらお述べいただきたいと思います。
○政府委員(新井忠之君) 平成六年度におきましては、現在予算要求をしているところでございますけれども、その内容といたしまして、郵便切手・はがき発売機をもっとふやしていこうということが一つ。それから、郵便ポストの差し入れ口でございますが、もう少し広くした、大型のものも入れられるような新型郵便ポストの開発と設置をしていこうと。さらに今の電子郵便、レタックスでございますけれども、これをもっと高品質なレタックスに、高品質なファクシミリを導入いたしましてより使いやすいと申しますか、あるいはより鮮明な画像で送れるようなレタックスを志向していこうと、こういったようなお客様の利便の向上を図ったり、あるいは高速郵便サービスを拡充したいという点で幾つかの施策を要求しているところでございます。 今後ともお客様のニーズに即したサービス改善を推進していきたい、このように思っております。
○三重野栄子君 郵便関係につきましては以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 あと貯金事業に関して二、三点伺いたいのでございますが、時間は途中ですけれども、時間が来るまで御答弁いただきたいというふうに思います。 郵便貯金法第一条によりますと、「郵便貯金を簡易で確実な貯蓄の手段としてあまねく公平に利用させることによって、国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進することを目的とする。」というのは改めて読みましたわけですけれども、平成元年六月の小口MMCの実施を初めといたしまして、預貯金の金利自由化が積極的に推進されている現状でございます。 本年六月二十一日には定期預金及び定額郵便貯金の金利が完全自由化されましたけれども、完全自由化後の金利設定の状況はそれぞれどのようになっているでしょうか、御説明をお願いいたします。
○政府委員(山口憲美君) 御指摘のとおり、六月二十一日からいわゆる定期性預金につきましては金利が完全自由化したということで、官民それぞれ自由金利という形で設定をしているわけでございます。 その六月二十一日以降の状況について御説明を申し上げますと、まず民間の定期預金の金利設定でございますが、業態別に見てみますと、当初は都銀がボーナス期におきまして、ちょうどボーナス期にも差しかかったというようなことで、他に先駆けまして三年物の利率を引き上げまして比較的上昇していたわけでございますが、ボーナス期が終了いたしました八月以降につきましては全預入期間にわたって都市銀行の金利が下がったというふうな形でございまして、この金利というのは個々の金融機関の判断でなされるものでありますが、形の上から見ると、この都市銀行がリード役のような形であったというふうな見方もできるような状況でございます。 そこで、都市銀行と他の業態との金利水準につきましても、そんなリード役というふうな観点から見ますと、若干のタイムラグというふうなことがありますけれども、同じような状況で推移をしてきているということでございます。 なお、業態別の平均金利というふうなことで、これをずっと今までの間のものをならして観察してみますと、都市銀行と地方銀行については平均よりも概して低いという状況でありますし、信金でありますとか信組につきましてはやや高くなっているというふうな状況でございます。 それから、地域別に今度はどんなばらつきがあるかということで見てみますと、これは業態間の差に比べますと小さいというふうなことでございまして、また特に常に高い地域あるいは常に低い地域というふうなものはございませんで、そのときどきで高い低いというのは入れかわっている状況でございます。 個別の銀行ごとにどの程度の差があるかということでございますが、例えば都市銀行で各預入期間ごとの定期預金の金利というふうなものを見てみますと、大体〇・〇五%から〇・一〇%の金利の範囲内に都市銀行十一行が大体おさまっているというような状況でございます。 郵便貯金につきましては、郵便貯金法施行令に基づきまして、あるいは大蔵省との定額貯金の合意等に基づきまして具体的な金利を設定しているわけでございますが、自由化直後のボーナス期には民間の金融機関と同様に金利の引き上げを図ってきたところでございますが、八月以降は市場の金利、それから民間金融機関の定期性預金の金利が急速に低下してきたというふうなこと、それからまた加えて公定歩合も一・七五%というふうな過去最低の水準にまで引き下がるというふうな状況から、郵便貯金の預金金利につきましても現在過去最低の水準になっているというふうな状況でございます。
○三重野栄子君 今御説明いただきましたように、金融自由化というのは各金融機関がそれぞれの経営判断で金利を設定するものだろうというふうに思っていたわけでございますけれども、現在の金利設定の現状を見ますと、業態にしましても地域的に見ましても大体横並びでございます。そうしますと、自由化のメリットというのはどのように展望していけばいいのだろうかというのが一つと、それから預金者の立場に立った場合の自由化というのはどういうふうに理解すればいいのだろうか、その点について御説明いただきたいと思います。
○政府委員(山口憲美君) まず第一点のそれぞれの金融機関の金利に余り差がないという問題でございますが、これは預金金利だけでございませんで、一般の市中の金利が全体的に非常に低い状況になってきているという状況を受けてそれぞれの預金金利というものが低くなってきているということでございます。 その際差がないじゃないかというお話でございますが、これは私どもの考えますところでは、よく言われている横並び的だというふうに今すぐ言っていいものかどうかということはありますが、いずれにしましても商品にまだ差がないということでございまして、そうしますと、お客様に提供する際にそう大きく金利で差をつけるというのはなかなか難しいのかなというふうに考えている次第でございます。 それからもう一つは、自由化したにもかかわらずメリットが預金者にないじゃないかと、こういうお話でございます。自由化を私ども進めてきた立場でございますが、我が国では預金の金利というのは、人為的低金利政策とよく言われておりましたけれども、規制下ではどうしても実勢以下に抑えられてきているというのが事実だったというふうに思いますので、自由化した場合には、少なくとも市中の需給関係によって、公正な競争が行われていれば正当な報酬という形で金利が支払われるというふうに考えてきておりまして、そういう意味では定性的には私たちは自由化というのは預金者にメリットがあるというふうに思っております。 私どものように自由化を進めてきた立場からいたしますと大変状況が悪うございまして、もう少し魅力のある金利の時代のときに遭遇するとよかったんですが、今まで経験したことのないような大変金利の低い状況になっておりまして、そういった状況の中で金利の自由化のメリットというものを実感していただけないというのは非常に残念に思っておりますけれども、それでも私どもとしてはこういう金利であっても自由化のメリットというのはやはり潜在的にはあるんだというふうに判断せざるを得ない、こういうふうに思っている次第でございます。ただ、なかなかそういうものを実感していただきにくい環境だというのは、私ども大変不幸だなというふうに思っておる次第でございます。
○三重野栄子君 大変苦しい御答弁をいただきました。将来メリットがあるということを思いながら、今のところ了承したいと思います。 余りにも金利設定の問題につきましても横並びですから、今流行の談合ではないかというふうに思ったりしておるわけでございますけれども、あとの問題につきまして、貯金事業、幾つか残っておりますが、ここで休憩させていただきたいと思います。
○委員長(森暢子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 ――――◇――――― 午後一時一分開会
○委員長(森暢子君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、堀利和君が委員を辞任され、その補欠として中尾則幸君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(森暢子君) 休憩前に引き続き、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○三重野栄子君 それでは、郵便貯金の問題につきまして続けさせていただきます。 郵便貯金法第十二条第二項には、金利決定に当たり、「郵便貯金が簡易で確実な少額貯蓄の手段としてその経済生活の安定と福祉の増進のためにあまねく国民大衆の利用に供される制度であることに留意し、その利益を増進し、貯蓄の増強に資するよう十分な考慮を払う」ということがございます。 午前中にお伺いいたしましたときに、自由化のメリットについては現在余り期待できないところでありますけれども、日銀は平成二年以降六回の公定歩合の引き下げを行っているところであります。去る九月二十一日、さらに公定歩合を○・七五%引き下げて現在一・七五%でございます。こういうふうに公定歩合を下げてまいりましたけれども、依然として景気に明るさは見られませんし、経済企画庁の月例経済報告によりますと、我が国経済は調整過程にあり、急激な円高や長雨の影響もあって、回復に向けた動きに足踏みが続いており、総じて低迷しているというふうに説明されております。こうして見ますと、景気対策のための金利政策は効果を上げているとは言えないのではないかと思うわけであります。 そうした中に、一方で郵便貯金の金利も引き下げられていくわけでありますので、郵便貯金法第十二条第二項の趣旨、先ほど申し上げましたそういう趣旨、もとより、労働の機会をなくしまして、利子だけが頼りの高齢者に生活不安を与えている現状があるというのは御存じだろうと思います。この問題について郵政省はどのようにお考えでございましょうか。例えば小口預金者に対して特別の考慮を払うとか、何か政策的な配慮を加えて金利設定が必要ではないかと思うわけでございますけれども、来年二月二十八日までという障害者や高齢者向けの福祉定期預金というのもありますけれども、そういうもの等に関連をしてお答えいただければと思います。
○政府委員(山口憲美君) 御指摘のように、郵便貯金法の第十二条には金利設定の原則が書いてございまして、その中には単に民間金融機関の預金の利率に配意するだけではなくて、小口預金者の利益を考慮した金利設定を行うことが必要であるというふうに書いてございます。 私どももそういった観点から、六月二十一日から自由化した際の金利の設定の仕方の中で、現在例えば民間金融機関が多くのところでは三百万円のところで上と下で金利差をつけているというふうなことをやっているところが多いわけでございますが、郵便貯金としては小口だからといって金利差をつけるのはどうかということです。別に三百万円とか五百万円とかそういったところで差をつけずに、すべての皆さん方に同じ金利で提供しているというふうな形での配慮をしているというふうなことでございます。 ただ、今委員が御指摘の点でございますが、金利が自由化をされまして、いわば市場での金利というふうな形になってきているわけでございまして、そういう中でこの政策金利、いわば人為的に決める金利というものがどうあるべきなのかというのは一つの研究すべき自由金利下での課題だというふうに私ども思っております。 そういう際に、一般的な金利の情勢をどういうふうに見ていくのか、これからの見通しをどうするのかとか、あるいは特別に政策的に配慮するようなその対象をどう考えるのか、あるいはその重要度をどういうふうに評価するのかといった問題、あるいはまた、特別な配慮を加えるということになりますと、当然郵便貯金事業に対する経営上の問題というのも考慮しなきゃならないというふうな問題がございまして、いろいろの面から、金利が自由化されてきたという中でのいわゆる政策金利的なものをどういうふうにしていくかということを一つの私どもとしては新しく生じてきた問題だというふうに非常に意識しておりまして、もうちょっと勉強させていただきたいというふうに思っているところでございます。よろしくお願いいたします。
○三重野栄子君 金利の問題につきましてもう一点だけ質問いたします。 普通預金と通常貯金の金利差は昔からあるのでございますけれども、急に最近になりまして、資金シフトが起こるはずもないのにそのようなことがいろいろ議論されてまいりました。民間の一部には金利水準について通常貯金の金利を普通預金の金利に合わせるべきだという主張があるようでございますが、私としましては、この普通預金並びに貯金、これは利用実態も全然違うのでありますから、この問題について、本当の意味での金利自由化のメリットが生活者に及ぶように郵政省は気合いを入れて頑張ってもらいたいという希望を持っているわけでございます。 このたび第三次行革審の最終答申が昨日出されたわけでございますけれども、簡易で確実な少額貯蓄手段の提供という法の目的に沿いまして、この流動性、自由化に臨む基本的なスタンスといいましょうか、そういう点についてお述べいただきたいと思います。
○政府委員(山口憲美君) 今お話のございましたように、金利差に起因してシフトが起こっているとかという特段の問題は私ども生じていないというふうに考えております。この通常貯金と普通預金の間に金利差がございますのは、普通預金の方が法人の利用が多いためにいわゆる資金の滞留期間が非常に短い、それに対しまして私どもの通常貯金は個人利用でございますので、滞留期間が長くて資金の安定性が強いというふうなことから生じてきている金利差ということでございます。 そして、現実に生じていないことにつきましては、先ほど加藤委員の御質問の際にもお答えいたしましたように、民間の私どもと競合している個人に限定してその増加状況を見れば、全くそういう状況にはなっていないということでございます。 そもそも普通預金等の流動性預金というのは、例えば給与振り込みでございますとか、口座振替でありますとか、あるいは融資の受皿になるとか、いろんな形でのいろいろサービスメニューというものは盛られているわけでありまして、金利以外にそういったいろんな要素というものがありまして、それによって御利用がなされているということでありますので、金利差だけをとらえて、その結果特段資金の移動が起こるというふうな性質のものではないというふうに私たちは考えているところでございます。 そこで、先ほどのお話で、これから流動性の自由化を進めるに当たってどういうスタンスでいこうと考えているのかというお話でございますけれども、御案内のように平成六年中、来年中にはこの流動性預金につきまして官民それぞれ金利を自由化する予定になっているところでございます。私どもといたしましてはスムーズに自由化が進められるように配慮していかなきゃいけないと思っておりますけれども、その際に三点ほどやはり考えていきたいというふうに思っております。 その一つは、自由化によって銀行の経営が大きな影響を受けるんだというふうな形で、往々にしていわゆる提供者側の立場からの議論がなされがちだということに注意しなきゃいけないというふうに思っておりまして、やはりこういう問題を処理する際には利用者、特に個人、生活者の立場、そういった立場を尊重するような点からのアプローチが必要だというふうに一つ思っている点でございます。 それから二点目は、先ほどのお話にもちょっと関連いたしますけれども、法人の場合には企業取引に伴う日々の決済目的が中心でありますのに対しまして、個人の場合には家計の決済目的と、それから万一の場合に備える貯蓄目的というふうな形で利用されているいわば生活に密着した生活準備資金的な性格を持ったものでございます。そこで、こういった利用実態の違いというものを踏まえてそのありようということを考えていかなきゃいけないんじゃないかというのが第二点でございます。 それから第三点目は、流動性預金は定期性預金と異なりまして、先ほど申し上げましたようにいろんなサービスメニューを盛ることができる、いわば商品設計上それぞれの各金融機関の創意工夫というふうなことを非常に生かす余地の大きい分野でございます。 そういったことからしますと、ただ単に金利ということだけではなくて、やはり商品開発の自由化というふうなこともあわせて進めていくということが必要なんではないかというふうに考えておりまして、来年の六月の金利自由化に向けてこれから準備を進めていくわけでございますが、そういった点を踏まえまして大蔵省とも十分意見交換をして円滑に進めてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○三重野栄子君 ただいまの御説明の中で個人の生活の決済という問題が出てまいりました。これは全く一つの例でありますから、どこの郵便局でも行われているということではありませんが、今まで使っていた通帳を切りかえるわけです。もうナンバーも全部違うわけです。その通帳でもってガス代だとかNTTの料金とかいろいろなことを決済をしていたわけですね。そうしたら、本人は新しい通帳をつくったわけですけれども、NTTからこれは支払われておりません、ここも支払われておりませんとどかどかと各家庭に来たわけです。これは一体どうしたことだということになったんです。 そのことを今度はある銀行の人に聞いた場合、そういう通帳を切りかえるときには、何か決済を今までしておりませんか、このときはこういうふうにやった方がいいですよということを説明してくださるらしいんですね。郵便局の窓口ではそういうことはなくて、切りかえただけだったからどかどかと来たわけですけれども、こういうところもちょっと今後気をつけていただいたらいいなと、大変小さなことでございますけれども、私の経験を一つ申し上げました。 これで貯金に関しては終わらせていただきたいと思います。 簡易保険について一、二お伺いをいたします。 郵政省は社会経済環境の変化に適応した簡易保険事業のあり方について調査研究をするという目的で簡易保険に関する調査研究会を開催しておられるようでございますけれども、この調査研究会で報告が提出されたようでございますけれども、どういう点が報告されたか、概要で結構ですけれども、お知らせいただきたいと思います。
○政府委員(高木繁俊君) ことしの六月に簡易保険に関する調査研究会の結論が示されたわけでございます。内容は、簡単に言いますと、これからも保険商品を大いに多くのお客様に使っていただくように努力しろ、こういうことに集約されるかと思いますけれども、幾つかの例を申し上げるならば、例えば、加入者の利便の向上と保障内容の充実を図るために、従来の特約形式ではなくて、単独で加入できるような制度をもっと厚くしてくれたとか、あるいはがん等にかかった場合に保険金を前払い給付する商品等を考えたらどうだ、こういうような内容が入っているわけでございます。そのほか、運用部分等につきましても幅広い御提言を賜った内容になっております。
○三重野栄子君 保険の場合は何か障害が起こったとか事故が起こったとき保障することが多うございますが、最近は高齢者が年金が少ないから何とかしなくちゃというふうなことをいろいろ心配もしているわけでございますけれども、簡保の場合の年金の制度、それらの改善等につきまして、この前法律が変わったように思うんですけれども、もう一つ現在の普及状況も含めまして御説明いただければと思います。
○政府委員(高木繁俊君) 初めに普及状況をちょっとお答え申し上げたいと思います。 数字を申し上げて恐縮でございますが、ことしの九月末現在の数字で申し上げますと、契約件数で三百五十四万件でございます。これは昨年の同時期に比べまして約二二%伸びております。それから年金額でまいりますと約八千八百億円、これも同じように前年の同じ時期と比べますと約三〇%ふえております。 ということで保有契約の面では非常に伸びが大きいのですが、今年度になりましてからの数字をちょっと申し上げたいと思います。今年の四月から九月までの半年間、いわゆる上半期でございますが、この上半期における新しくとりました契約件数が約四十三万件でございます。この四十三万件というのは昨年の同じ時期の新規契約に比べますと七・二%の増、それから年金額で申しますと約千三百億円でございますが、率で申しますと昨年と比べて約一五%伸びております。したがって、今年度に入りましてからちょっと伸びが低下をしている、こういう状況ではございますけれども、年金商品に対するニーズが増大をしているということで堅調に伸びている、こういうふうに申し上げてよろしいかと思っております。 次の改善の問題でございますが、先生も十分お詳しい話でありますけれども、平成三年度に加入限度額を七十二万円から九十万円に引き上げた。その後幾つかの改善点がございますけれども、例えば終身年金保険の加入年齢を三十歳から二十五歳に引き下げまして、いわゆる加入できる範囲を広げだというような改善でございますとか、あるいは年金保険に付加することができます特約、これの制度を改善いたしまして特約種類を多様化し、あるいは特約の利用枠を拡大をする、こういうような改善を重ねてきております。
○三重野栄子君 年金の場合に、七十二万から九十万といった場合に、長いこと掛けて九十万、掛けるのは大変なんですけれども、もらうときの九十万というのはどれぐらいの足しになるかなというふうなこと、もちろん大変な額でございますけれども、老後を支えるについてどういうものかなということを思ったりいたします。 二十五歳から加入というと、年金というのはほど遠い話でございますから、そういう面で鈍化をしている面があるやに思います。しかしこれは、簡易保険料が上がるというような新聞発表と申しましょうか、そういうのとは関係ないでしょうか。
○政府委員(高木繁俊君) 先般新聞報道されました簡易保険料の値上げという記事につきましては、御承知と思いますけれども、ことしの四月に民間生保がいわゆる料金値上げを行いました。そのときに保険料が一〇%ないし一五%引き上げられたという経緯がございまして、そういう新聞記事が発表されたことがございます。したがって、今回の新聞報道もそういうものを基礎にして、観測記事というと大変失礼なんでありますけれども、記者の御判断でお書きになった記事だろうというふうに思っておりますが、私ども保険料をこれからどうするかということについては、現段階では全く白紙の状況になっております。 したがって、年金の保険料につきましてもどうするかというのは白紙でございますが、一般論で申し上げますと、運用の利回りが下がってくる、つまり予定利率というものが現在のものを達成しにくくなってくるということになりますと、これは予定利率を引き下げるという方法がございます。それ以外に、死亡率あるいは事業費率というものは、これは自然の中であるいは我々の努力の中で下がる傾向にございます。 この中の死亡率の問題でありますが、死亡率が下がりますと、これは年金の場合には保険料の値上げということにつながるわけでして、この辺が長寿化がどのくらい進むかということによって年金の保険料の値上げというものが大きくなるか小さくなるかというのが決まるわけであります。したがってその辺は、現実に我々が考える場合に、特に年金部分につきましては死亡率をどう扱うのかというようなのが非常に大きな問題になるかな、こんな考え方をいたしております。
○三重野栄子君 死亡率ということになりますとずんとくるわけですけれども、以上、郵便、貯金それから保険につきましてそれぞれお伺いをいたしました。 郵政三事業の当面する課題についてお尋ねしたわけでありますけれども、この事業は言うまでもなく国営事業でございまして、全国津々浦々に設置された郵便局を通じて、低いコストで各種公的なサービスも新たに提供しながら行われているところでございますことは、もう今さら申し上げるまでもないことであります。そういう意味で、郵便局というのは地域と密着をしたサービスということで国民生活に大いに役立ち、利用者から支持されているところでございます。 一方、昨日、行革審の答申がございましたけれども、ともすれば官業が民業を圧迫しているのではないか、あるいは補完ではないかというような議論あるいは印象を与える向きも、これからもやっぱり続くのではないかということを心配しているわけでございますが、そういう場合にやはり郵政三事業は、三事業一体の運営の結果、民間企業では採算のとれないような地域までもだれもが均一で良質なサービスを受けられているというそのことをもっと広く伝える方法はないのかなというようなことを思ったりするわけでございます。 特にこのことは、今までも国民生活を大変支えてきたわけでありますけれども、高齢化に向かいまして真の福祉社会の形成が叫ばれている今日では、二十一世紀に向けてはますますこの国民に対するサービスの提供が必要であろうというふうに思いますし、不採算地域をぜひ切り捨てないでほしいという願いがいっぱいであるわけでございます。 そういう意味で、単に民業の補完というのではなくて、国営事業として、そういうコストの問題を考えなくても、考えないと言うとちょっと誤解を招くわけでありますけれども、仮にそういうことがあっても隅々までやっていかなくてはならないということをもう少し強調をしていただきたいと私の思いにはあるのですけれども、その点につきまして大臣のこれからの所信をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(神崎武法君) 郵政三事業は、国民の生活に欠くことのできない郵便、貯金、保険のサービスを通しまして、全国に配置されました二万四千の郵便局を通して全国の国民にあまねく公平にサービスを提供して、国民の利便と福祉の向上に寄与してきたところでございます。 委員がただいま御指摘になったように、三事業一体によります効率的な事業運営あるいはお客様の御支持、三十万人の郵政職員の努力等によりまして、山間辺地等の不採算地域も含めまして郵便局の全国ネットワークを維持してきたことなどによるものというふうに考えておりますけれども、もっともっとこのことを国民の皆様方に知っていただくように郵政省としてもやっぱり努力をしなければいけないというふうに私は思っております。 郵政三事業につきましては、今後とも国営事業といたしまして、民間事業者とも切磋琢磨しつつ、三事業一体の特色を生かし、また郵便局の全国ネットワークを通じまして、情報化、金融自由化、高齢化等の社会経済環境の変化の中で、高度化、多様化いたします国民利用者のニーズに的確にこたえることによりまして国民生活の利便と福祉の向上に寄与してまいりたいというふうに考えております。
○三重野栄子君 ぜひそのようにお願いしたいところであります。 では、情報通信政策について二、三お伺いをいたします。 九〇年代終盤の今日におきまして、高齢化社会を目前にして、高学歴化、国際化があらゆる分野に及ぶ中で急速かつ確実に情報化、サービス化の方向に向かっていると思います。情報化を支える情報通信分野は、日本のみならず先進各国のいずれも二十一世紀への基幹戦略産業と位置づけて、市場で激しい競争になっていると思います。 私は、今日、市場競争によるメリットを最大限に利用しながら、経済政策の目指す効率と、それから一方ではそれに相対する公平性とか公共性を両立して達成させていかなければならないというふうに思うわけであります。その場合に情報通信の新たな政策を打ち出していただきたいと思うわけでありますけれども、先ほど既に情報通信基盤の整備に当たりましては重点施策の御説明を伺ったところであります。 その中でさらにもう少しつけ加えさせていただきますならば、社会的に必要であるにもかかわらず市場競争のメリットが期待できない面もあるだろう、その場合に、事業の参入とかあるいは継続が困難な分野をやはりこれは公的な面で積極的に育成していかなければならないというふうに思うわけであります。例えば身障者や老人性痴呆のサポート、あるいは医療診断、それから福祉の充実、地震、噴火、冷夏対策、公害防止、環境保全、流通の効率化などの分野についてもぜひ公共情報システム化の育成が必要と思います。さらにまた教育分野におきましても、人間形成という教育の根幹を無視してはならないというふうに思うんです。 さまざま申し上げましたけれども、公共的システムが不可欠である中で二点だけ御説明いただければと思います。環境保全上の効果の問題と、それから高齢者や身体障害者の利用環境の整備に当たりまして現在これがどのように活用されているのかということについてお尋ねいたします。
○政府委員(五十嵐三津雄君) ただいま先生からるるお話がありましたように、情報通信の果たす役割というのはいわゆる公共的なものにも広く及びまして、その効果というのはまさに大きいものがあるというふうに私ども考えております。 お尋ねの環境の面についてどのような効果があるかということについて申し上げさせていただきたいというふうに思っておりますが、例えば、交通機関を使って行くところを、情報通信という格好で移動しなくても済むという具体例がありますように、情報通信そのものはいわゆる環境問題ということに取り組む場合に大きなブレークスルーになるものというふうに私ども考えております。 日本ではまだアメリカと比べると必ずしも進んでいないという側面がありますが、ちょっとアメリカの例を申し上げさせていただきますと、アメリカの例えばカリフォルニア州というようなところを見ますと、大気汚染の防止を目的とするというような観点で、テレビ会議を導入して出張や通勤というものを削減する、それで炭酸ガスの発生を抑えていくというふうな施策を具体的にとっておりまして、この種の施策をアメリカではテレコミューティング、通信通勤とでも申しますか、そんなことで言われております。 私ども日本でもこういったことにつきまして取り組んでおりまして、今まで私どももこの具体的なことについて研究等を進めてまいりました。関係省庁とも力を合わせてやったところでありますが、一つのモデルを申し上げますと、例えば交通機関を使って出張等で移動するというのをテレコミューティングというような形でテレビ会議等を使ってやるというようなことになりますと、発生する炭酸ガス全体の一九%ぐらいが交通によって起こっていますが、その〇・四%程度の削減が通信によってできるというようなことがありまして、このような効果をもたらしております。私ども政策的にも税制等の措置をとりつつあるところでございます。 さらにまた、熱帯の降雨、熱帯林のあり方が地球全体の酸素の問題、逆に言いますと炭酸ガスの問題に発展していくというようなことで、衛星を使ってモニタリングするというような通信としての効果も発揮しております。 さらにまた、電子データ交換ということですが、普通はここにありますような紙を使ってやるものを通信を使って電子データ交換をやるというようなことで、紙の使用の大幅な削減が可能になってくるというような効果がございます。 さらに、これは私どもの研究会で具体的に出たことでありますが、いわゆる照明や空調、これをビルごとに任せておくのではなくて、通信を使いまして集中的にコントロールをしていくというようなことがございます。ことし三月の研究報告書を見てみますと、ある企業でそういうことをやりましたら、一年間で本社の電気の使用料をほぼ一三%程度削減できた、同じくその実験をしてみた企業のブランチで一八%弱の削減ができた、そういうような効果がございます。私ども、通信そのものが大変環境に優しい社会をつくっていくのに効果があるものというふうに考えて、今後とも取り組んでまいりたいというふうに思っております。 もう一つ、身体障害者の方々あるいは福祉というような観点で通信がどんな役割を果たしているか、その施策についてのお尋ねでございますので、幾つかを申し上げさせていただきたいというふうに思います。 さきの国会で先生方の御審議をいただき御了解を賜りまして、身体障害者向けの通信・放送サービスの充実を図るために、身体障害者の利便の増進に資する通信・放送身体障害者利用円滑化事業の推進に関する法律という大変長い名前の法律、これを通させていただきまして九月から施行をいたしております。これによりまして、年間五千万円程度の規模でございますが、耳の不自由な方に字幕番組を提供することへの支援をするとか、あるいは目の不自由な方に解説番組の作成についての助成をするというような支援措置を行うということにいたしておるところでございます。 さらにまた、身体障害者の方々の利用に配意した電気通信システムの整備を行う場合に、財政投融資からの支援措置というようなことを平成五年度から新たな項目を起こすことができまして、情報通信利用機会均等整備という項目が加えられまして、ほぼ三億円が見込まれる。財投からの低利融資でございます。そういった施策もいたしております。 さらに、私ども技術面の調査研究会をことしいたしておりまして、そういった中で高齢者や身体障害者のための情報通信技術に関する調査研究を行っております。その中で、情報通信に対して高齢者の方、身体障害者の方がそれぞれ健常者と同じようになるたけアクセスができるようにというようなことで、例えば行動を起こすときのそれを誘導してくれる電波のシステムを開発するとか、あるいは音声認識、文字認識というようなことの技術関係の調査研究もいたしております。 いずれにいたしましても、私ども便利で親しみやすい情報通信ネットワークというようなことを考えておりまして、高齢化社会に向かってより一層そういうことが必要になってくるというふうに考えておりまして、平成六年度の予算要求でもその要求をいたしておるというところでございます。今後とも障害者あるいは高齢者の方々が通信・放送のサービスを健常者と同じように享受できるような施策につきまして積極的な展開を図ってまいりたいというふうに考えております。
○三重野栄子君 大変希望が持てる報告をいただきました。 今の中にテレビと通信の問題がありました。本当にテレビと通信はどこでドッキングするのかわからないというような感じを受けるときもあるわけですけれども、そのように通信技術が目覚ましい進歩をしておりますので、ハイビジョン映像のような大量の情報を伝送できる広帯域通信サービスですとか、あるいは音声から映像までを統合するマルチメディアサービスとか、さまざまな新しい通信サービスが実現しているところで将来楽しいわけでありますが、その結果、現在の制度の中で見直す必要が幾つか見受けられるのではないかと思うわけであります。 例えば、通信と放送の統合の問題はいかがなものでしょうか。また、郵政省では、平成五年度の補正予算で認められた新世代通信網パイロットモデル事業において、実際に光ファイバーを各家庭や事務所に引いて通信放送サービスの実験を行い、あわせて必要な制度面の検討を行うというふうに聞いておりますので、放送と通信の統合の問題と、それから今のパイロット事業の進捗状況といいましょうか、簡単に御説明いただきたいと思います。
○政府委員(五十嵐三津雄君) ただいまお話がございましたように、いわゆるディジタル技術あるいは圧縮技術の進歩というようなことで通信と放送の統合サービスが出てくるということで、先進諸国いずれも強力に取り組みつつあるという状態になっているだろうというふうに思っております。私どももそういったことについて問題意識を持っておりまして、具体的な政策展開につきましては、この三月に電気通信審議会に諮問をしておりまして、来年の三月に答申をいただくということにいたしておりますが、二十一世紀に向かった新しい電気通信基盤の整備のあり方ということであります。 その中身は、広帯域ISDNを中心としますいわゆる高度な情報通信基盤づくりというような考え方でございまして、そのサービスとして出てくる中身は、ただいま御指摘のありましたとおり、通信と放送が一体化されたようなものということに相なるだろうと。したがいまして、それに向かっての今審議会での御議論をいただいておりますので、その審議の結果あるいは答申の結果を踏まえながら私どもは政策の変更そして制度の変更へと取り組んでいかなければならない、そういう時期に至っているというふうに考えております。 なお、私どもといたしましても、さきの国会で補正予算という格好で光ファイバーを中心といたします新世代通信網パイロットモデル事業というのを認めていただいております。これを具体的にパイロット事業として関西の学研都市で実験をいたしまして、その結果も踏まえながら政策、制度の見直しをやってまいりたいというふうに考えております。 今そのパイロットモデル事業がどういう状況になっているかということを若干申し上げさせていただきますと、具体的に関西文化学術研究都市内にセンター設備を置きまして、ほぼ三百世帯の加入、これは別に個人のお宅だけではございません、研究所とか事業所も若干入ってくるということでございますが、そういうところと結びまして実験を始めるということで、十月二十日の日にそのセンター設備を置く場所の起工式も終わったところでございます。めどとしましては、来年の七月ぐらいから実験に入りたいというふうに思っております。 どんなことが実験されるかということをちょっと申し上げさせていただきますと、例えば好きなときに好きな映画が見れる、こちらから双方向で働きかけてセンターから送ってもらうというような意味でのビデオ・オン・ディマンドというようなサービス、あるいは映像を見ながら買い物をするというようなテレショッピングとか、あるいはテレビ電話、そういったものをなるたけ多くの実験をやりたいというふうに思っておりまして、先般も関係企業の方百社ぐらいお集まりいただきまして私どもの進めるこの実験の内容を御説明し、通信事業者とか放送事業者に限らず、業際の方々というか、広く皆さんに、もちろん外国も含めまして参加をしていただきたいというふうに思って呼びかけをいたしておるところでございます。 センター設備の調達手続も終わりましてこれから具体的な実験に入っていこうというふうに思っておりますが、先ほど先生がおっしゃられましたように、通信と放送の融合というようなことで、この政策を具体的に展開していくそれの補強とか、いわゆる加速するものになればというふうに思っておりまして、広く世の中に呼びかけて進めてまいりたいというふうに考えております。
○三重野栄子君 今御説明がございましたショッピングとかテレビ会話とか、そういうものはそのままずばり通じてくるので余り問題は起こらないかと思うんでございますけれども、テレビ朝日の問題について、質問を通告しておりませんけれども一、二お伺いしたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。 テレビ朝日の再免許の問題でございますけれども、以前に大臣並びに政務次官の新聞記事を見たわけでございますけれども、この再免許の問題につきまして現状はどのような状況になっているか御説明いただきたいと思います。
○政府委員(江川晃正君) 二十六日の電波監理審議会にテレビ朝日の再免許について諮問をいたしました。その内容を御説明いたします。 テレビ朝日につきましては、平成五年十一月一日から平成十年十月三十一日までの再免許を次の条件を付して与えるというものでございます。 条件といいますのは、平成五年九月二十一日に開催された社団法人日本民間放送連盟の放送番組調査会における椿報道局長、当時でございますが、の発言に関連する事実関係及び関係法令の適用関係について確定できないところがあり、引き続き調査を要するので、その事実関係が明らかになった時点で改めて関係法令に基づき必要な措置をとるというのが条件でございます。 それで、ちょっと補足的に御説明させていただきますと、なぜこういう条件を付したかという理由でございますが、十月十三日に新聞報道を契機にこの問題が世の中に出たわけでございますが、民放連の第六回放送番組調査会に出席した椿報道局長、当時でございますが、以下当時でございます。の発言が放送法違反であるとの疑義が多方面から指摘され、郵政省としては直ちにこの問題について調査を開始した。調査は椿局長の発言の真偽、それから二つ目に、その発言内容に基づき実際に放送番組が編集、放送されたのかというこの二点について行われたわけでございます。 椿局長の発言の真偽につきましては、同調査会における議事録によりその内容が確認できたわけでございますが、実際にその発言内容のとおりに放送番組が編集、放送されたかにつきましては、一つはテレビ朝日自身が社内調査ということで事を全部調査しております。それからさらに、その調査に外部の識者も入れて見てもらって、調査結果の客観性を保つといいましょうか、そういうこともしようとしているという作業が今行われておりまして、その結果が出ておりません。 もう一つは、二十五日に衆議院政治改革に関する調査特別委員会で、証人喚問ということで椿元報道局長がいろいろ証言いたしましたが、この証言内容等も、権威ある国会で行われたことでございますから、我々の判断資料の重要な一つになると考えまして、それらの結果についても見る必要があるなどなどがございまして、いわば見きわめるべき外部の審議、調査がまだ終了していないということなどによりまして、最終的に事実の確認を行うことができなかった。 よって、最初に申し上げました条件を付しまして再免許を与えることとし、二十六日、電波監理審議会に諮問をいたしましたという次第でございます。
○三重野栄子君 細かく御説明いただきましたが、要するにまだ結論は出ていないようでございますけれども、いろいろ各方面から御検討のようですが、一応のめどはいつごろでしょうか。結論のめどです。
○政府委員(江川晃正君) 結論的に申し上げますと、そのめどを今ここで申し上げられる状況にはないというのが事実でございます。 国会の御審議の方あるいは御調査の方もまだこれからも何かあるかもしれませんし、その結論もいつ出るかわかりません。それから先ほど申しましたテレビ朝日自身の調査その他ももう少しはっきりとしてくるのは時間がかかるのではないかと思います。そういうことで今いつということをここで明確に申し上げることは困難でございます。
○三重野栄子君 これからもある一定の期間いろいろ審議されていくだろうと思います。 そこで、電波法の第七十六条によりますと、違反した場合は運用の停止、それから免許の取り消しというものが記載されていると思います。一方で、放送法の第三条によりますと放送番組の編集の自由が保障されております。そうしますと、今問題になっております椿発言ということと、再免許というのが取りざたされて、一応再免許は許可されたわけでありますけれども、その場合、七十六条と第三条とは矛盾するのではないか。しかもこれは、これからの言論の自由だとかあるいは報道の自由という問題について非常に大きな問題となっていくのではないかと思いますが、この点についてはいかがでございますか。
○政府委員(江川晃正君) 私たちは次のように考えまして、これは矛盾するものでないと考えております。 先生御指摘の放送法三条は番組の自主性ということをうたっているわけでございます。それから七十六条の方は、三条の二に違反があったときに何するこうするというふうになっているわけでございますが、それは、法の論理として三条及び三条の二が書かれていて、それの違反が行われたらばこうだというふうな手続でございますから、そのこと自身はもう法律論の世界ですから問題はないわけですが、具体的に我々が認定、判定をするときに、先生御指摘の方は、それじゃ番組制作の自主性とそれから郵政省が番組の偏向みたいなことを判断するということと、そこが矛盾するのじゃないかと先生おっしゃるではないかと思います。 我々は、三条の二の最終判断は郵政省が行うわけでございますが、その前提として、編集、放送が偏向されたかされなかったかということにつきましては、まず第一次的に当該会社に、放送局に自分の番組についてはこうだった、公正でしたとか偏向してたとか、そういうことをそちらに調べてもらう。その会社に調べてもらったものをうちの方はいただいて、それで判断するというふうにして、放送番組を会社抜きにしてすぱっと初めから手を突っ込むような、手を突っ込むというのは言葉がちょっと悪いですね、初めからそれを郵政省がぐっと見るというような形でなく、まず第一次的に会社に調査、判断をゆだねている、そういうことによって三条の自主権と三条の二の違反の判断とを調和させているということでございます。 繰り返します。まず会社に自分のところを判断してもらいまして、その結果をいただきます。その結果を我々は見せてもらいますという仕組みをとっているということによって矛盾なく事を進めさせていただく、そう考えているということでございます。
○三重野栄子君 いろいろ御説明いただきましたが、まだ釈然といたしません。 私の場合は、運用停止とかあるいは免許取り消しというような場合は、画像を通じてこういうことですよと呼びかけるというようなことがあれば、これはちょっと放送法にも違反するのではないか、これはやはり免許取り消しに値するものではないかと思ったりするわけでございますけれども、これからまだ議論されるようでございますので、七十六条と三条とは矛盾しないというふうな御趣旨でございますけれども、私どももこの件につきましていろいろ研究をし、このようなことが今後起こらないようにということで、一方ではやっぱり言論の自由とか報道の自由が保障されるような形で進めたいというふうに思いますので、研究をしていきたいというふうに思います。 以上で終わります。きようはどうもありがとうございました。
○中川嘉美君 私はまず郵便事業関連から若干の御質問をしてまいりたいと思いますが、郵政事業財政、これは近年赤字への転化でありますとか拡大の方向にあるということが報告をされておりますが、一方では郵便物そのものの数というものは増加の傾向にあるわけであります。 そこで、事業財政が悪化する理由、こういったものはどの辺にあるのか、またどのような改善施策を考えておられるのか、まず大臣の御所見を例えればと思います。
○国務大臣(神崎武法君) 郵便事業財政につきましては、昭和五十六年の料金改定以降、平成二年度までは十年間黒字を計上してきたわけでございますが、平成三年度は十一年ぶりに百七十三億円の赤字、平成四年度は最近の景気後退に伴う郵便業務収入の伸びの鈍化によりまして六百八十一億円の赤字という二年連続の赤字の決算を出したところでございます。その結果、累積でも平成四年度決算におきまして百七十億円の欠損となっておりまして、平成五年度におきましては予算上一千三十五億円の赤字を計上しておりますが、引き続く景気低迷によりまして、郵便業務収入の伸びは九月末累計で前年比二%増と停滞しており、当初の見込み額を上回る赤字となる見通してございます。 郵便事業は人件費、賃金、集配運送費など、ベースアップや郵便物の増加、大型化の影響を受けやすい費用が費用全体の約八割を占めている、人件費が八割を占めている、これが現状でございます。したがって、健全な事業財政を維持していくためには郵便物の増加に伴う費用の増や人件費の上昇分を収入の増加で賄う必要がありますけれども、収入の伸びの鈍化により、こうした費用の増加を貯えなくなってきた結果、財政が悪化してきたと考えております。 現在、省を挙げまして郵便業務収入の確保と経費の節減に努めているところでございますけれども、あわせて、郵便料金の見直しを含めました財政改善策について郵政審議会において御審議をいただいているところでございます。郵政省といたしましては、今後郵政審議会の答申を踏まえまして適切に対処してまいりたいと考えております。
○中川嘉美君 郵便事業の赤字拡大に歯どめをかけるために十二年間据え置かれてきた郵便料金の改定が検討をされているわけでありますが、封書とかはがきについては、初めてつい先日公聴会を実施するなどして国民の声に耳を傾けて、値上げ幅を圧縮する考えである、このように聞いておりますが、この点は大いに評価をしてまいりたいと思うわけであります。 ところで、今回の料金の改定によって、ファクシミリ等、他の電気通信メディアの利用に切りかえる企業など、いわゆる大口利用者の郵便離れといいますか、こういったものが予測されるわけですけれども、そのような事態を招いた場合、事業収支への影響はどんなものか、この点をまず伺ってまいりたいと思います。 また、あわせて伺っておきますが、三種とかあるいは四種などについては、一気に大幅値上げをするというのではなく、物価上昇率にスライドして数年ごとに料金改定をするなど、一定のルールづくりといいますか、こういったものは考えられないものか、この点に関してもあわせて御答弁をいただければと思います。
○政府委員(新井忠之君) お答えいたします。 郵便とファクシミリなどの他の電気通信手段、電気通信メディアとの特性をまず比較してみますと、郵便は大量伝達性あるいは儀礼性、現物性、こういった特質がございます。一万ファクシミリの方は迅速性あるいは記録性、こういった特性にすぐれておりまして、それぞれの特性を生かして一定のすみ分けができているのではないか、こういうふうに考えているところでございます。ただ、仮に郵便料金を引き上げるとした場合には、改定の幅にもよるわけでございますけれども、また、過去の改定の際に見られましたように郵便離れを一時的に招くことも予想されますので、私どもといたしましては、事業収支への影響を極力小さくするように、つまり大幅な利用減が生じないように利用者・国民に対し御理解をお願いするとともに、郵便の持つこういった特性を生かした積極的な営業活動の展開により、郵便事業の掘り起こし、拡大に努めてまいる所存でございます。 次に、御指摘のございました三種、四種につきまして、物価上昇率にスライドさせ、数年ごとに料金改定をするようなルールづくりは考えられないかという点でございますが、先生御案内のように、第三種郵便物は、国民文化の普及向上に貢献する、こういうふうに認められております刊行物の郵送料を安くいたしまして、講読者の負担の軽減を図ることにより、その入手を容易にいたしまして社会、文化の発展に資する、こういう趣旨で設けられたものでございます。また、第四種郵便物は教育の普及、盲人の方の福祉の増進、学術の振興等に貢献するためにこれが設けられておるものでございます。これらの安い料金につきましては、その分第一種郵便物などの利用者に御負担をいただいているわけでございます。 現在、郵政審議会におきまして、郵便料金の見直しを含め郵便事業財政を改善する方策について御審議いただいているところでございますが、第三種、第四種郵便物の料金につきましても、郵政審議会の答申を踏まえ適切に対処してまいりたいと思っております。 なお、御指摘のような第三種、第四種郵便物の料金改定方法につきましては、大変貴重な御提言といたしまして、今後料金改定方法等を検討する際にぜひひとつ参考とさせていただきたい、このように考えておるところでございます。
○中川嘉美君 国民は不況が深刻化する中で公共料金などに大変敏感になってきているわけでありまして、公共料金の値上げを理由に安易に商品の値上げに転嫁する企業、こういった企業等の出現も当然懸念されるというふうに思うわけです。今後も値上げ問題については国民の幅広い意見というものを聞いて納得のいく改定を講じていただくということは非常に重要ではないか。また広報活動、こういったものなどで国民に理解と安心感を与えるように御努力をいただきたい、このように思うわけですが、今後の具体策といいますか、御方針といったものについて伺うことができればと思います。
○政府委員(新井忠之君) 郵政省といたしましては、郵便事業財政の現状等を御理解いただくための小冊子を実は作成するなど広報活動に努めてまいったところでございます。 また、今回、郵便料金は国民生活、国民経済と密接な関係を有するものであるということから、このたびの郵政審議会におきまして郵便事業財政を改善する方策を諮問する際、初めて公聴会の開催を求めて、去る十月十三日と十五日に東京と大阪でそれぞれ開催されたところでございます。公聴会におきましては、国民利用者の皆様から幅広い御意見が承れたものと承知しておりまして、今後公聴会の意見も参考にして郵政審議会においてさらに審議が深められるものと私ども期待をしているところでございます。 なお、今後とも国民利用者の皆様に御理解をいただけるように、適時適切な周知広報にも一層努力してまいりたいと考えております。
○中川嘉美君 こういったこととも関連いたしまして、先ほど来の御答弁にもありましたが、約八割は人件費が占めるというふうに言われておりますが、人員の適正な確保と効率的な配置ということは合理化という面からも極めて重要なことではないかと思います。 そこで、現在、時間制職員制度の導入というものが検討されていると聞いておりますが、この制度のメリットあるいは検討状況、これらについてお答えをいただければと思います。
○説明員(加藤豊太郎君) 時間制職員制度についてでございますけれども、私どもこれを来年度ぜひ実現すべく関係省庁と折衝しているところでありますけれども、御指摘のように、一日四時間という短時間の勤務で、その他の任用を含む処遇については常勤職員に準じた扱いとして、効率的な要員の配置とそれから安定的な職員の確保ということを目的として今折衝しているところでございます。 私ども関係省庁と今折衝しているところでありますけれども、特に退職手当の支給等、関係省庁と今必ずしも十分に煮詰まっていないところがありますが、いずれにしましても、今御指摘のありましたような郵便財政が非常に悪化している中で、より一層効率的な運営ということについてはこの方法によってぜひ効率化していきたいということで、早急に実施する必要がありますので、関係省庁と来年度導入に向けまして鋭意取り組んでまいりたいというふうに思っている次第でございます。 なお、私どもこの時間制職員につきましては来年度九百六十人導入するということで、それも含めましてこの五年間で一万人採用したいというふうに考えておるんですが、この一万人採用することによって人件費としては約百十五億節減できるというふうに考えておる次第でございます。
○中川嘉美君 この時間制職員制度の導入ですけれども、準公務員という資格やそれから退職金制度、こういったものを含めて実施ということになりますと他の省庁への影響も大変大きいんじゃないかと思うわけです。したがって、職員制度全体にきめ細かい対応をお願いしたいというふうに考えますけれども、今後の対応についてどういうふうに考えておられるかお答えをいただきたいと思います。
○説明員(加藤豊太郎君) この時間制職員につきましては、関係省庁が非常に多いわけでありますけれども、一つば制度にかかわるところの官庁、人事院、総務庁、それから大蔵省も関係しておりますが、こういうふうな関係者と、それからまたお金ないしは定数にかかわるところの官庁、つまり行政管理局、それから大蔵省というところが関係するわけであります。今現在、今先生から御指摘ありましたところの退職手当も含めまして、職員の扱いを公務員の中でどういうふうに位置づけるかということで各方面と折衝しているところでありますが、それ等を含めましてぜひ実現を図るべく、予算それから定数の関係する省庁にもより一層強力に働きかけまして、実現に向けて努力していきたいというふうに思っております。
○中川嘉美君 いずれにしましても、こういったきめ細かい対応というものを重ねて要望しておきたいと思います。 次はニューメディアと郵便事業ですが、新しい通信メディアについては郵政省も積極的な取り組みをされていることと思います。 アメリカで、クリントン政権のもとで次世代高速情報通信網、すなわち情報スーパーハイウエー、この情報スーパーハイウエーの全米ネットの実現に動き出して、周辺の通信とか放送とかCATVなどの各分野で統合再編が活発化しているわけです。その結果、双方向のTV通信などニューサービスが実用化される段階にまできているわけで、先ほども御答弁がありましたけれども、いわゆるテレビで欲しい商品を注文して支払いまで行えるというような便利な話だと思います。欧米では積極的に新たな情報通信分野に企業も個人も乗り出している。郵便という今までの人から人へ情報を手渡しするという、ある意味では古典的であり、あるいは同時に文化的でもある事業のあり方、こういったものが今日問われているんじゃないかなというふうにも思います。 我が国でも新たな社会資本整備というように位置づけて情報通信基礎整備というものが検討されているところでありますけれども、いわゆるニューメディア時代を迎えて、郵便事業に期待されている社会的な役割をどのようにとらえるのか。関連した質疑がもう午前中も出ておりました。しかし、いま一度大臣の方からこれに関しての御所見をいただければと、このように思います。
○国務大臣(神崎武法君) 郵便事業は、全国二万四千の郵便局を通じまして、基本的な通信手段として国民生活に必要で欠くことのできないサービスをあまねく公平に提供しているところでございます。 午前中も私も御答弁の中で申し上げたんですけれども、離島を除く全国で一番小さな村、富山村の郵便局を私ども視察に行ってまいったときに痛感したわけでございますが、あの過疎地においても郵便局というものが重要な情報拠点としての役割を現在も果たしている、また将来も果たすであろうということを実感した次第でございます。 その意味におきまして、ニューメディア時代を迎える中におきましても、我が国の社会経済活動を支える基本的な通信インフラストラクチャーとしての郵便事業の重要な役割は将来とも変わらない、このように認識をいたしております。今後とも国民のニーズに対応いたしました良質なサービスの提供に努め、ゆとりある豊かな暮らしづくりへの貢献、地域社会の振興への貢献、国際社会への貢献などの役割を果たし、郵便事業に対する国民の負託に的確にこたえてまいる所存でございます。
○中川嘉美君 それでは、時間の関係もありますので次に移ってまいりますが、簡易保険事業です。 本格的な高齢化社会を迎える我が国では、安心した老後を求める声が非常に高いのは言うまでもありません。簡保特別会計の収支決算というものが、不況下において運用利回りが低下している点は心配でありますけれども、高齢化社会の中で、自助努力でやっていこうとする国民に対してはさらに真剣にサービスの充実を図っていただきたい、このように思うわけであります。 平成三十七年には四人に一人が高齢者となる、三人の生産年齢層でもって一人の高齢者を支えていかなければならない、こういった時代が到来すると言われております。そこで、特に個人年金の充実に向けて年金額の引き上げとかあるいは加入年齢の引き下げ等新たな施策に取り組んでおられることと思いますけれども、簡保保険料が来年度中にも引き上げの公算があるというふうな報道もございます。日本経済の低迷と金融自由化の流れの中で生命保険事業そのものも変化を迫られているというわけですが、簡易保険事業の現状について大臣がどのように認識をしておられるのか、この点についてもお答えいただければと思います。
○国務大臣(神崎武法君) 簡易保険事業につきましては、全国の郵便局を通じまして保険・年金サービスを提供し、国民の経済生活の安定、福祉の増進という重要な役割を果たしてきているところでございます。 委員御指摘のとおり、近年我が国では世界に例を見ないスピードで高齢化が進展しており、国民の老後の生活設計を積極的に支援していく簡易保険に対する期待はますます増大するものと認識をいたしております。他方、民間保険分野におきましては、昨年六月の保険審議会答申の趣旨に沿って近い将来金融自由化が行われる見通しでありまして、生命保険分野における競争はますます激化するものと予想をいたしております。また、景気低迷によります営業環境の悪化、低金利時代の長期化による厳しい運用環境等、簡易保険事業を取り巻く環境は大きく変化しつつあるというふうに思います。 簡易保険事業におきましては、このような環境の変化に的確に対応し、一層の経営の合理化、効率化を図るとともに、国民の自助努力を支援する商品・サービスの充実に積極的に取り組むことによりまして、豊かさを実感できる長寿社会の実現に寄与してまいる所存でございます。
○中川嘉美君 豊かさを実感できる長寿社会という最後のところの御答弁もございましたように、簡保のいわゆる保養型施設についてちょっと伺いますが、かんぽの宿として今日国民の間に広く知られ好評を得ているようでありますが、一方で、人生八十年時代というふうになって老後生活、これを考えると今後は老人福祉型の施設の充実というものが必要ではないか、このように思うわけです。 そこで伺いますけれども、介護機能つきの終身利用型の加入者福祉施設の現在までの状況について、簡単で結構ですが、御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(高木繁俊君) 先生おっしゃいました介護機能つきの終身利用型の老人福祉施設、これは現在一カ所だけ設置してございまして、浦安にカーサ・デ・かんぽ浦安という名称のものをつくっております。これは一昨年の七月にオープンいたしましたけれども、現在二百名の方が入居しておられまして、大変満室状態が続いておりまして、ウェーティングリストに載っている方も多数おられるということでございますし、また、現に入居しておられる方の評判が大変よろしい、こういうふうに聞いております。
○中川嘉美君 確かに第一号に関して、第二号があるわけじゃなくて第一号そのものなんですが、大変好評を博しているようであります。各地からこういったものをつくってほしいんだという要請があるのであれば、さらに力を入れて当然これは建設すべきではないかと思うわけでありますが、そのことは民間に対してもいい意味での刺激になるんではないか、このように考えます。 今後十年ぐらいをめどに全国的、すなわち全県に建設すべく計画を作成してはどうかなというふうにも思うわけでございますが、将来に対する御決意といいますか、そういう観点から一言大臣にお答えをいただければと思います。
○政府委員(高木繁俊君) これから高齢化社会がますます進んでいくと思います。そうなりますとやはり介護に対するニーズというものも高まってまいるわけでありまして、それに対応するために、官だとか民だとか言わずに、多様な主体が命おっしゃったような福祉施設をつくっていく必要があるだろうというふうに思っております。 ただ、その場合にどういう要件が要るかと申しますと、例えば一つは確実に需要があるということ、余り小さなものをつくるわけにもまいりませんので、そうしますと、やはりある程度まとまった需要というものも必要であろうと思います。あるいは、介護というサービスを提供するために、やはり医療機関が近くになければならないだろうというふうにも思いますし、それから、例えばまだ働きたいという方がおられる場合には就業チャンスもやはりそばになきゃいかぬだろう。こんなことを考えますと、さしむきはやはり首都圏なりあるいは近畿圏なりといういわゆる大都市圏に設置するのが適当ではないかというふうに私ども考えております。 第二号は、実は大阪市に設置をしようということで、設置の決定はいたしました。ただ、大分まだこれから時間がかかる見込みでございます。さらにこれから、特に介護サービスを提供できるか否か、その仕組みがいつでき上がるのかというような点を中心にして、こういう類似施設の状況等も見ながら慎重に考えていきたいというふうに思っております。
○中川嘉美君 いろいろな中身の御答弁がありましたけれども、積極的かつ前向きにひとつ対応をしていただきたいということをここで、時間も十分ありませんので要望をしておきたいと思います。 最後に、国際市場と規制緩和という点で一点だけ伺って終えておきたいと思います。 電気通信分野の規制緩和が先進国では非常に進んでいるわけです。米国市場では国際通信と国内通信の区分がない上、地域通信会社が長距離通信分野に進出する動きも非常に盛んであるというふうに聞いております。すなわち、先進国では内外の区分とかあるいは長距離と地域通信の区分がなくなる傾向にあるというふうにも聞いているわけであります。 航空業界の例ではありますが、日本航空が国際線、全日空が国内線という構想は、最終的にはグローバルな世界市場に対応できなくなったわけで、KDDとNTTの関係性は今日まさにこのような状況になってきているんではないかというふうにも思います。 明後年、一九九五年にはNTTの経営形態再見直しが予定されていると聞いておりますが、国際市場の動向からすれば、この点の見直しが今後必要になるのではないか、このように考えますけれども、最後にこの点についてはいかがなものかお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(松野春樹君) これも従来いきさつがございまして、昭和二十八年に当時の電電公社から国際電気通信部門を専門にする会社を切り出したという形でKDDが誕生したわけでございます。そのまま今日に至っておりまして、現在、日本電信電話株式会社法あるいは国際電信電話株式会社法で御指摘のように国内、国際の電気通信事業の切り分けがされておるわけでございます。 立法論といたしましてはいろいろな御議論があろうかと存じます。ただ、現状を見てまいりますと、我が国最大の電気通信事業者でありますNTTが現在の時点で国際通信事業に参入するということにつきましては、既存市場に与える影響あるいは公正競争の確保の観点等からいろいろな問題が生じてまいります。少しくさらに時間をかけましてこの点は慎重に検討を要する問題であるというふうに認識いたしております。
○中川嘉美君 終わります。
○粟森喬君 私は、電気通信事業法に基づく電話料金のあり方について、許認可権の行使などなどについて幾つかお尋ねをしたいと思います。 最近のことでございますが、十月十九日にNTTが市外電話料金をいわゆる料金値下げいたしました。その途端と言ったらなんでございますが、それより安い料金設定を他の同業種の社からされる、こういう事態になっていわゆる電話料金の値下げ競争というのが一段と激しくなっているといいますか、そういう状況が今生まれていることは御承知のとおりでございます。 そこで、一般論でまずお尋ねをしなければならないと思うんですが、国民生活といいますか利用者の立場から見れば、今郵便料金の話でもいろいろ出ておることと逆でございまして、安くなればいいという発想は当然あるかと思います。しかし、上げるというときはそれなりの慎重な対応も必要だ、こういう言葉にこれはなるんだろうと思うんですが、電話料金に関して言うならば、多少別のソフトやサービスがありますが、基本的には料金が高いか安いかに尽きるわけでございます。 そうすると、値下げをすればそちらにシェアが動くというのは、この間の電電民営化以降の市外料金を見てもこれは当然のことでございます。しかし、競争が激化をすればするほどそこに何が起きるかというと、コストが割れても値下げを続けていく、そして相手の企業の体力や基盤が崩れるまで頑張る、これは自由市場経済のある種の原則ではないかと思うんです。 特に今回の場合、まだ申請されているのかどうかということも定かではございませんが、これから値下げをしようとする社の中には、これは市外通話に限ってだけだと思うんですが、既に赤字になっているという会社もある。その会社も含めてこれは値下げで対抗するしか手段がないから、恐らく今日そういう格好で申請をしてくるんだろうと思いますが、このようなケースの場合、郵政大臣としては、いわゆる電気通信事業法に基づく許認可権としてどう運用されるのか、このことについてまずお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(神崎武法君) 電気通信料金の設定につきましては、複数の会社が競争的にサービスを提供していることもございまして、それぞれの会社が財務状況に基づいてそれぞれ申請するのを受けて具体的な料金水準が決定されることとなっているわけでございます。したがいまして、経営の合理化、効率化等の経営努力の結果、財務的に余裕のできた事業者が、安定的なサービスの供給を維持するために必要なコストの回収を前提としてのことでありますけれども、他の事業者と競い合える料金でサービスを提供することは競争を導入した本来の趣旨に沿うものであると、このように私どもは考えております。 しかしながら、委員御指摘のように、経営自体を損なうような行き過ぎた競争にならないよう留意をしていきたいというふうに考えております。
○粟森喬君 今具体的に申し上げたとおり、既に赤字というふうになっているにもかかわらず申請があった場合は、今も言われる健全な経営という概念からして、大臣が認可する場合、当然そのことは考慮されるのかどうか。 特にこれまでの許認可のケースを見ますと、十分に熟知をしていないところもあるんですが、ほとんどが申請どおりに認可されている、値下げの場合も値上げの場合もされている。届け出じゃないんだから、許認可というのはそういうある種の理由が付されて変更があってもしかるべきだ。まさに今の料金のあり方について、これから許認可の問題もあるんだろうかと思いますが、そういう今のような状態のままでも、それは認可として、一般的に言う電気通信の健全な発展の範疇というふうに理解されているのかどうか、もう一度ここはお尋ねをしておきたいと思います。
○政府委員(松野春樹君) 御指摘の中に、事実問題としての某会社ということでちょっと御指摘がありました。 長距離系三社の中に、御指摘のように、具体名は申し上げませんが、やはり経営状況に苦しんでおる会社がございます。この会社の現在の営業の方針でありますが、実は他の二社に比べてまだ設備投資が終わっていない。他の二社の場合は設備投資がほぼ全国的に行き渡っているわけでありますが、まだその設備途上にあるというところが実はもう一つの営業上の大きなネックになっております。今後それを鋭意進めるという前提になりますと、これからの収入状況について、これも口で言うほど簡単ではないんですけれども、何がしかの進展が見られるということで、もちろん会社が考えることでありますが、今回の申請案の中に盛り込んでございます。 それから、我々一応の料金の目安を決めます際に、総括原価主義という方式をとっておりまして、原価プラス報酬ということでありますが、その報酬の選択の範囲に幅がございまして、会社の方で相当程度の幅で競争を考えながら選択できます。その中で、実際に出されております申請につきまして、近々認可する予定でございますが、その当事者である会社も工夫されておるというふうなことで承知いたしております。
○粟森喬君 きのう行政改革の答申が出されて、きょうはお尋ねをする時間がないので改めて行いたいと思いますが、もう許認可は私どもの立場から見たら半分ぐらいに減らしていかなければならない、こういうのが私は行革審を読んだときに受ける印象でございます。数字まで挙げてあるかどうかということについては、経過もありますので、私の受けた印象は、とにかく許認可行政を減らさなかったら、規制緩和をしていかなかったら今の日本の経済構造は変わらない。 そのときに、郵政省のあり方の一つとして、私この料全体系の問題もあると思うんです。原価の計算方式のこれを見ましても自由市場原理と必ずしも一致していないわけです。私は料金についても、もう下げればいいということから、もう一つは高くても質のいいものということが当然これから、例えばディジタルであるとかいろんなことで求められているんですが、なかなかそこもまたもう一つの許認可があって新しいものをつくりにくい。こういういわゆる通信の市場に対する規制緩和について、これの進め方というのはこれから閣議で論議をされて、内閣のもとに強力な推進本部が置かれるということになるかと思いますが、電気通信事業法の中で、料金に集中する規制のあり方についてこの際見直すということについて、大臣そのもののお考え方をお尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(神崎武法君) この問題についていろいろな御意見のあることは私も承知をいたしております。ただ、電話を中心といたします電気通信料金につきましては、電気通信事業法三十一条に基づいて郵政大臣が認可を行っているわけですが、その理由として、電気通信が国民生活や社会経済活動に必要不可欠な極めて公共性の高いサービスである、これが一つございます。それから、第一種電気通信事業は大規模な設備を必要とするため事業者の数が限られ、市場価格の形成が必ずしも十分行われにくいこと、こういう事情がありますので、国民利用者の利益の確保を図る観点から考えますと、料金の適正さを担保するため認可制としたこの電気通信事業法の考え方も私は十分理解ができるわけでございます。このように、現行の料金認可制は電気通信のサービスの公共性と事業の特殊性から設けられていると、その点について十分な御理解をいただきたいと考えるものでございます。 なお、現在でも料金認可の対象となっているのは基本的なサービスでございまして、国民利用者に与える影響が小さいと考えられる料金につきましては既に認可を不要といたしておりますし、さらに今般、電気通信技術の進展と利用者ニーズの高度化、多様化に対応した新しいサービスの開発を促進することを目的といたしまして、電気通信の試験サービスに関する料金等の認可を廃止する方針を固めたところでございまして、両方の要請をにらみながらこの点は進めていきたいと思っております。
○粟森喬君 時間がございませんので、簡単に申し上げます。 私は、公共性、特殊性という言葉で問題を指摘する段階は、規制緩和という時代を迎えたときに超えていくんではないか、こういうような問題意識を持っております。引き続き議論をする必要があるかと思いますが、時間がございませんので、次回以降その問題を取り上げて論議をしたいと思います。 終わります。
○鈴木栄治君 鈴木です。よろしくお願いいたします。 最近、電波の報道において議論が沸騰しておりますが、私はそれとあわせて活字の報道においても考えていいんではないかなと思うのです。 大臣、私はこの間大臣と御一緒させていただきまして、それまではやっぱり検事出身のちょっと怖い人かなと思っていたんでございますが、大変に腰が低くて温厚な方で、私も大変好感を持ったんでございます。大変好感を持ったからこそ、実はある週刊誌に盗聴問題が何だかんだなんて書いてあるのを見て、私、もちろん大臣を信じていますから、非常に憤慨したんでございます。しかし、もちろん大臣も心を痛めていると思いますが、こういうことは、大臣の寛容さも結構なんでございますが、大臣は検事、弁護士、要するに法の番人であったのでございますから、やっぱりこういうことが二度と起こらないようにするためにも明確なる私は措置をとってもいいんではないかなとも思います。 それと同時に、最近は活字の報道において、美智子様がお倒れになったのもその一つの原因ではないかとか、宮内庁においては、間違った報道においては法的措置をとることもあり得るとか、そういうようなことが言われておりますが、どうでしょう、活字の報道のあり方について大臣のお考えがございましたら、ぜひともお伺いしたいんでございますが、お願いいたします。
○国務大臣(神崎武法君) 放送につきましては私も所管大臣でございますので申し上げることができるのですけれども、この活字の方は所管外でございまして、ちょっとお答えをする立場にはないところでございます。放送についてですと、放送は憲法二十一条の表現の自由の保障に含まれておりまして、放送法におきまして、憲法二十一条の規定を受けて放送事業者に放送番組編集の自由を保障しているところでございます。 一方、放送につきましては、利用する電波が有限希少で、かつ他のものの利用を排除して排他的に利用するものであること、それから映像や音声により多くの家庭で同時に直接受信されるものであり、社会的影響力が極めて強いこと、こういう他のメディアに見られない特性がございますので、これらの特性を踏まえまして、放送法では「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保する」などの観点から、放送の政治的公平、論点の多角的解明等、放送による表現について所要の規律を設けているところでございます。
○鈴木栄治君 そうですか。大臣の私見でもお話を聞きたかったんでございますが。 それでは、重複する質問が多いので恐縮なんですが、一つだけこれは重複していないと思うんでございますが、放送分野における国際化は時代の流れでございます。既に世界の一つの流れとなっておりますが、こうした中で我が国として国境を越えるテレビの受信、発信の実現についてどう対処していくか、お考えをお伺いしたいと思います。
○政府委員(江川晃正君) 国際交流を促進して、かつ諸外国との相互理解を深めるというためには、海外からの国境を越えるテレビ、今こういう言葉でそういう状態を表現しておりますが、これの受信を円滑化するということは大変重要だと考えております。しかし、同時に我が国からの映像による発信、これもまた積極的に行われなければいけないし、円滑に行われるような仕組みをつくらなければいけない。つまり、入りと出はともに積極的に行われるようにしていかなければいけない、そういうふうに考えております。 それを具体的に郵政省としては何をするのかと申しますと、従来からこれにつきましては短波を利用する国際放送でずっとやっております。そのことにつきましては毎年予算要求などをして、今は十八億ほどの予算をとりまして発信を出しているわけですが、今先生御指摘のように、短波という音ばかりでなく映像もということで、映像につきましても、入ってくるのとこちらから行くのとがともにできるようにするための制度上の整備を図っていかなくちゃいけないんじゃないかということで、ここではまだ法律ができ上がっておりませんので各論的な御説明はちょっと控えさせていただきますが、入ってくることについての、出ていくことについての電波法上、放送法上の位置づけをきちっとするような法律の改正を今検討しておりまして、できましたらば次期通常国会には提出させていただき、制度を整備していきたい、そう考えているところでございます。
○鈴木栄治君 あとの質問は重複しておりますので、簡単ではございますが、これで終わります。 ありがとうございました。
○河本英典君 新生党を代表いたしまして大臣に少し質問させていただきたいと思います。 第一点目は金利の自由化についてでございます。 我が国の金利自由化は、昭和五十四年の譲渡性預金の創設に始まりまして、昭和六十年には大口定期預金の金利自由化が開始されたわけであります。その後、金利自由化は大口から小口へということで順次進められまして、平成三年には三百万円以上の定期預貯金金利の完全自由化が行われまして、本年六月にはすべての定期預貯金金利の自由化が完了したということでございます。 残りますのは、銀行の普通預金や郵便局におきます通常貯金の流動性預貯金の金利の自由化が残るのみになったわけでございますけれども、金利自由化の総仕上げとも言うべきこの流動性預貯金の金利自由化につきまして、どのように対応していくおつもりか大臣の御見解を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(神崎武法君) 郵便局の通常貯金や民間金融機関の普通預金等の流動性預貯金につきましては平成六年中に金利自由化される予定になっておりまして、これをもって今委員の方から御指摘がありました預貯金金利の自由化は完了することになっております。 郵政省といたしましては、この流動性預貯金金利の自由化に当たりましては、基本的に自由化のメリットが預金者に具体的に及ぶものにしなければならない、このように考えているところでございます。そのため、金融機関におきましても、提供者側の論理ではなく、生活者重視の観点から、利用者に対してどういうメリットを還元することができるか、これを考えていくことが肝要であるというふうに考えます。また、各金融機関の公正かつ活発な競争を推進していくことが必要と考えております。 以上の点を踏まえまして、大蔵省とも十分意見交換をしながら適切に対処してまいる所存でございます。
○河本英典君 ありがとうございます。ぜひともよろしくお願いいたします。 第二点目は簡易保険についてでございます。 我が国は世界に例を見ないほどのスピードで高齢化社会に進んでおるわけでございますけれども、こうした状況の中で、豊かで活力ある長寿福祉社会の実現ということは、二十一世紀に向けて国を挙げて取り組むべき重要な政策課題になっておるところでございます。このため、保険・年金サービスや加入者福祉サービスを全国あまねく提供することによりまして、老後に備えた資金づくりを支援するという簡易保険事業に課せられた使命と役割といいますものは大変大きいものでございますし、今後ますます重要になっていくと思うわけでございます。 公的保障の限界が確認されつつある今日、老後に備える国民個人個人の自助努力手段として、簡易保険に対する国民の期待は大変大きいものがあるわけでございますが、今後の簡易保険事業のあり方について大臣のお考えを伺いまして、質問を終わりたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○国務大臣(神崎武法君) 簡易保険事業は、全国あまねく設置されております二万余の郵便局を通じて保険・年金サービスを提供いたしまして、国民の経済生活の安定、福祉の増進という重要な役割を果たしてきているところでございます。 近年、委員御指摘のとおり、我が国では世界に例を見ないスピードで高齢化が進展しておりますけれども、高齢化社会の到来に備えるためには、御指摘のとおり公的保障にはおのずから限界がありますので、社会保障の充実とともに、国民一人一人の自助努力を支援することが必要であるというふうに考えております。また、民間保険分野におきましても、昨年六月の保険審議会答申の趣旨に沿って近い将来金融自由化が行われる見通してございます。 簡易保険事業におきましても、このような環境の変化に的確に対応いたしまして、国民の自助努力を支援する商品・サービスの提供に積極的に取り組むとともに、簡保資金によります社会資本整備や地域振興にも貢献いたしまして、豊かさを実感できる長寿社会の実現に寄与してまいる所存でございます。
○河本英典君 終わります。
○青島幸男君 青島でございます。 昨今、放送の公正を守るというような議論がかまびすしく行われておりますけれども、その前に、まず放送の現実の状態を大臣がどうごらんになっていらっしゃるか、その辺からお尋ねしたいと思うんです。 民放キー局五局が開局しましてからもう四半世紀になりまして、余り問題も起こらずに推移してきたと私は思うんですけれども、一方ではNHKというものがありまして、これは公共放送として皆さん方から契約をいただいて、その契約金をお支払いいただくということを財源にして成り立っているわけでございます。これも放送法に規制はされておりますけれども、自主的な編集権に基づいて編集をして、国民の皆さんのニーズにこたえるように鋭意努力をして今までやってまいりまして、その料金の徴収も九〇%を超えるというような高率で推移しているというのは世界に例を見ないようなことだ、珍しいケースだと言われておりますね。 イギリスやフランスでも公共放送というのが一時重大に感じられて支持されていたんですけれども、視聴率競争だのあるいは効率の問題などでなかなかうまくいかないようでございまして、フランスなんかは、アンテヌ2は壊滅状態みたいなものでございますし、イギリスのBBCも余りうまくいっていないというふうに聞いておりますけれども、我が国では、NHKは、皆さん方の御努力もあるんでしょうけれども、皆さん方からの支持を受けて放送を続けております。 一方ではそういうNHKというものがあって、もう一方では、広告収入によって運営される民間放送というものは、キー五局を初めとしまして、地方局などを含めますともうかなりの数でございますし、その上また今度は衛星を使った民放ができるとも聞いておりますし、有線放送も開局を待っているものがたくさんある。こういうたくさんの局になりますと、どこで公正な放送が行われているか、どこで偏向した放送が行われているかというのを逐一管理して取り上げていくということは、放送法の縛りはございますけれども、そのとおり行われるかどうかというのをチェックしていくのもこれは並み大抵のことじゃないと思います。そういう意味から申し上げまして、これを所管する大臣のお立場も郵政省も大変難しい時期に来ているんじゃないかと思いますね。 それに、何が偏向しているかというのを決めていくのはまた実に難しいと思いますし、かつてのように一波しかなくて、ラジオ一波でしかなかったわけですけれども、しかもこれが、軍部だとか政府が介入をいたしまして事前に検閲をするというようなことで、新聞も雑誌もそうでございますけれども、一つの権力があらゆるそういうメディアを握って制約をして検閲をしていくということになると、私どももかつて経験したように重大な過ちを国家規模で行ってしまうということになります。 民主主義というものを手に入れましてまだ五十年しかたちませんけれども、各人一人一人がそれぞれの考え方を大事にする、それと同時にほかの人の考え方も大事にするということが人権尊重にもつながるし、それが民主主義の基本だと、こういうことでございます。そうなりますと、放送法で一応認められている各局が自主的に編集権を持って放送するということと、どこでどうその偏向が行われたかというのを見きわめるのが大変難しいことになりはしないか、こう思っているわけでございます。しかもその一波が権力によって牛耳られ、偏向されて流されるということでは民主主義は成り立たないわけですし、各局から流される雑多な放送の中でどこに真実があるかを見きわめるのがやっぱり民主主義の根幹にかかわる問題だと思うんですね。 ですから、余り厳しくチェックをして、明らかに偏向しているとかやらせがあったというようなことは別といたしまして、余り厳しい制約をつけると、その制約の論拠はどこにあるのかということになりますと大変に難しいわけで、真実は一つしかない、それでも地球は回っていると言ったガリレオの言をまつまでもなく、真実は一つしかないけれども、正邪善悪を決めるのは時の権力だ、こういうことでございまして、権力的にその善悪を決めていくような仕方をとりますと、これはもうそれこそ大きな間違いを犯すんではないか、こういうふうに思うんです。 現状ですね、民放というものが存在し、片方では公共放送NHKというものが存在する、こういう状態は世界的に余り例を見ない状態だと思うんですけれども、私はそれなりに雑多な意見が錯綜して公平に流されているという状態は民主主義にとってはふさわしい、いいことだと思っておりますし、今の状態は是とすべきだと私は考えているんですけれども、今の放送の現状、現実、今の時点でこういうふうに行われている放送自体を大臣はどういうふうにとらえておいでなんですか。
○国務大臣(神崎武法君) 委員御指摘のとおり、受信料によるNHK、広告料収入による民間放送という世界に例を見ない公共放送と民間放送の併存体制というものがあるわけでございますが、大変高く世界的にも評価をされておりますし、また、地上、衛星、あるいは有線、無線というさまざまなメディアが全国放送、地域放送、あるいは総合放送、専門放送、それぞれの特性を生かして調和ある発展を行っている、このように私自身は認識をいたしております。
○青島幸男君 各局が自主的に放送を行っているということを是とすると考えますと、ニュース報道、ましてや政治的な問題にかかわるのは私見を差し挟んではならぬというような一応原則があるように思うんですけれども、昔は、個人的な感情を一切交えないでトーキングマシンと申しますか、機械のように淡々と何でもニュースは読め、こういうことになっていたようですけれども、そのニュース自体が間違っていれば、どう感情移入を避けようと極めて間違った放送になることは確かです。 最近の風潮を見ていますと、やっぱり各局それぞれ特色を持った個性あるキャラクターなどという方が出てきて、その方がおもしろおかしくといいますか、人間的に聴視者の方に接しながら、まず、おはようございます、こんばんは、あるいは寒いですね、暑いですねというような気候のあいさつから始めて、なじみやすいというか親しみやすいという格好で起こりつつあるニュースについて解説をしていくなりしていくということが求められてきております。 さまざまそういう方々がおいでになって、その方々は偏向があってはならないという放送法上の考え方は基本にお持ちになって接しられていると私は信じているんですけれども、だからこそ偏向があってはならないということで、それ、やらせがあった、偏向があった、明らかな場合はやっぱり論じるべきでしょうけれども、そういう人々の個性のニュアンスで同じような内容のニュースもあるいは違った格好で受け取る人がいるかもしれませんし、まさに不偏不党、中立公正そのものであるということを各局流したんじゃおもしろくもおかしくもないというようなことになりはしないか。 興味を持って皆さんがごらんになって、少なくともみずからを高める、あるいはみずから社会を構成するメンバーの一人としてこのぐらいの認識を持っていなかったらだめだということで、進んでラジオなりテレビなりに親しんでおられる方々のそういう意欲もそいではならない。ですから、そういう方々の個性も尊重していかなきゃならないと思います。 最近では、ニュースも、新聞や雑誌よりも先に、ラジオなどの放送番組の中で発言なすった政治家の見解などが後追いする形で新聞に載るというようなケースがありますね。ですから、どうしてもリアルタイムで放送するということがニュースの場合なんか特に重大ですから、そうなると、新聞のように活字にして証拠が残るということと違って、ニュアンスというようなものになりますと、あれは肯定的に言ったのか否定的に言ったのかということだとか、そういうことをニュアンスを追及して是か非か論じるのは大変難しいことになると思いますね。 ですから、そういう意味で、生で行われる放送の中立性を確保するということが大変難しい状態にあるんだというふうに私は感じますが、大臣はいかがお考えになりますか。
○政府委員(江川晃正君) 先生のいわば放送現場からの生き生きとした御意見を拝聴いたしまして、大変ありがとうございます。 実際に先生おっしゃいますように何が公平であり公正であり中立てあるかということにつきましては、我々ももちろん今の放送法三条の二の解釈として十分持っているわけでございますが、しかしそれは一般的、抽象的な説明になりがちなわけでございます。そのことが何によって公正中立その他が担保されるか、何によって実現されるか、あるいはそれらが偏向したときにどう回復するのかなとなどの具体的な各論に入りますと、途端に大変難しくなってくるというのが現実ではないかと思います。 そういう意味で、今先生お話いただきましたこともそうだなと、いろいろとニュアンスその他のことも私たちわかるわけでございますが、不幸にして起こりました今回のテレビ朝日事案と申しましょうか、におきましてはそのような基本的な問題を考えるよい機会の提供になった、チャンスを提供してくれたことになるんじゃないかなと考えるところでございます。 そういう意味で、今後郵政省としましても、検討を要すると思われる新たな問題については十分鋭意検討、分析、研究してまいりたいと思いますが、同時に、いわばこういう委員会の世界、あるいは国会の外のジャーナリズムの中の世界、あるいはもっとほかの学者さんの世界など多くの世界、郵政省外のいろいろなところにおいても十分にいろいろな角度からこの公平、公正、中立というものの中身、あるいはその担保の仕方などなどいろいろと御議論が出てくると思います。そういうものを我々は十分に耳を傾けながら、いただけるものをいただいて、今後のこういう公正中立における具体的肉づけの作業に使わせていただこうかと考えているところでございます。
○青島幸男君 私も今度の事件は大変残念に思っておりますし、もう一つは、そういうことを引き起こした方を国会の場に証人として呼びつけて喚問しなきゃならなかったというそのこと自体も私は大変嘆かわしく思っておりまして、局長今言われましたように、この事件を契機として深く幅広く考えてみたいという御発言ですが、それは大臣ともどもにそうお考えだと思いますが、何でもいいから事件があったら連れてきて尋問すればいいというような、そういう短兵急なやり方でなしに、世の動向もよく踏まえて、慎重の上にも慎重を重ねて御配慮いただくように要望いたしまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(森暢子君) 他に御発言もなければ、本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日は、これにて散会いたします。 午後二時五十三分散会 ――――◇―――――