地方行政委員会 第2号
- 発言数
- 231 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1993/11/02
会議録
○委員長(小川仁一君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十月一日、須藤良太郎君が委員を辞任され、その補欠として星野朋市君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(小川仁一君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小川仁一君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に星野朋市君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(小川仁一君) 地方行政の改革に関する調査を議題とし、地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鎌田要人君 まず、自治大臣にお伺いしますが、地方分権の推進についてであります。 この第百二十八回臨時国会地方行政委員会における所信表明の中で、ちょうど二ページのところでございますが、「地方分権の推進につきましては、」、中略いたします、「これまでも国から地方への権限移譲、国の関与の整理合理化等に努めてきているところでありますが、」云々と述べておられます。具体的に努めてこられましたことの内容をお伺いしたいのであります。
○国務大臣(佐藤観樹君) 鎌田委員にはもう地方自治の御専門ですから私がくどくど申すまでもないわけでございますけれども、できるだけ住民に近い行政事務は地方公共団体でという基本的な考え方にのっとりまして今日まで国の権限移譲ということでそれなりに進めてきたところでございます。具体的には、地方制度調査会あるいは行革審の答申等に出てまいりました問題につきまして、町づくりあるいは土地利用という面におきまして機会あるごとに、国の一括整理法あるいは個別の法律が制定をされますとその都度努めてきたところでございます。 ただ、率直に申しまして、それで十分かといいますと、極めて速度はのろいと言っても私は言い過ぎではないと思っているわけでございます。鎌田委員御承知のように、昭和六十三年の二十一次の地方制度調査会の土地利用の問題あるいは御専門の農地転用の問題等々と比較し、あるいはその後の行革審の答申等によりましても、幾らかずつは国の権限が移譲されておりますけれども、まだまだと思っておるわけでございます。 したがいまして、地方分権が大きな国民世論になっております折、さらに私たちといたしましても今後とも努力をしていきたい、こう考えておるところでございます。
○鎌田要人君 今のお言葉、非常に重大な内容のお言葉と私は心に受けとめておりますが、現実は、地方に権限を移譲することにつきましては国は非常に神経質でございます。 それで、私もこの問題につきましては、自治省におりまして、それから県におりまして、両方から見ておりまして、国もいかぬのですが地方もいかぬ。といいますのは、地方で、地方分権ということは総論的には賛成なんですが、各論になりますと地方分権はどこへやらということで、国の権限を地方に持ってくるんじゃなくて地方にどううまく国の責任において持ってくるか、これにきゅうきゅうとしているというところがありまして、国もいかぬが地方もいかぬというのが私の率直な感じなんですが、そこらのところを、大臣とされましてお考えになっておられますところを率直にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 自治大臣に就任してから約三カ月がたとうとしておるわけでございますけれども、今、鎌田委員が御指摘になること、私も感ずるところがあるわけでございます。 二つの点を申し上げさせていただきたいのでありますけれども、一つは、国と地方というものがお互い、国民のゆとり、豊かさというものが実現できる目標に向かって国と地方が両方で権限を持ってやっていこうという共通の認識というものがなければならぬと思っているわけでございます。そういう中におきまして、委員の言葉の端にもございますけれども、必ずしもまだ十分ではないわけでございまして、いろいろと考えてみますと、一つは、受け皿という言葉がいいのかどうかわかりませんが、地方自治体自身の能力はかなり上がってまいりましたけれども、今の三千三百地方自治体という規模で果たして全部国の権限移譲ということを消化できるんだろうかという、俗に言う受け皿論というのは一つあると思うのであります。 もう一つは、これは日本の伝統かもしれませんが、各省庁が、はしの上げ下げまでとは申しませんけれども、全部国の統括と申しましょうかあるいは掌握と申しましょうか、そういったもとで行政というのはなされるべきだという考え方が非常に強いと思うのであります。昔に比べれば恐らくかなり変わってきたとは思いますけれども、共通の問題としてこれが一つあると思うのであります。 そこで、それだけではいかぬわけでございますので、第三次の行革審の最終答申も出たわけでございます。そこには、政府の中に強力なる地方分権の推進機関をつくるべし、あるいはこの一年以内にどういう目標に向かって地方分権を進めるべきか大綱をつくるべし、そして地方分権の基本法をつくるという方向性が最終答申に出ているわけでございますので、これはいわば自治省の問題、あるいは国会で言えば、この当地方行政委員会だけではなくて、御承知のように地方分権の決議を憲政史上初めて衆参ともなされておりますし地方分権の特別委員会もできておるわけでございますので、いわば政府と国会というものが一体になって、各省庁のいろいろなこともあろうかと思いますけれども、地方分権の大きな流れに沿って地方自治体が本当に力を発揮できるように、そしてあわせまして地方自治体の大きさ自体もいろいろとまた皆さんの御意見をいただいて強力に進める必要があるのではないかというふうに考えております。
○鎌田要人君 考え方は私どもと政府当局と全く一致しておる考え方だと思うんですが、この考え方は、この地方行政委員会ではそういうことで皆さんの考えと私どもの考え方は全く一体なんですが、ほかの委員会に行きますと必ずしもそうでもない。これは、やはりこの国会というものの性格もあるのかなと思ったり、あるいは我が国で長いこと、明治維新以来我が国は国優先の考え方というのが支配的であった、それがまた今日惰性としてこういうふうにして続いておるんだということを痛感するのですが、重ねてそこのところを、皆さんは皆さんで、私どもは私どもでこの上に努力をしなければいけないと思うんですが、そこのところをもう一遍率直な御意見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 率直なというお話もございましたが、事は国会のあり方にもかかわる、あるいは常任委員会制等々もございますので、その部分は若干答弁を控えさせていただきまして、今衆参におきまして地方分権の特別委員会というのができ、かつその中で各省庁にまたがるような問題について幅広く議論をしていただくこと、これは非常に重要だと思うのであります。 あわせまして、政府の側でも、これは地方分権というとすぐ一般の方はどちらかというと自治省の問題というふうに受け取る向きもないわけではないと思いますが、これはいわば行政のあり方そのもの、もっと言えば国と地方という、また地方という言葉自身が果たしていかがなものかという御意見もありますけれども、いわば日本の社会のあり方そのものが今問われているという認識に立っておりますので、先ほどちょっと触れましたけれども、政府の中にも、第三次行革審の最終答申を受けて国としても強力なそういう推進機関あるいは監視機構というんでしょうか、総務庁が中心にはなると思いますけれども、受け皿であるところの自治省もこの意味では非常に重要な要素であることは間違いございませんけれども、政府におきましても、国会におきますいろいろな議論を踏まえて、地方分権がそういった意味で具体的に着実に進むようにしていきたいと思っておるわけでございます。 ただ、委員御承知で、一つ落としましたけれども、二十二次の地制調で出ました答申、四月十九日だったと思いますけれども、広域連合の問題あるいは中核市制度の問題、これにつきましては答申が出ていることでございますので、今各省庁とも調整をしながら、できるだけ早い国会に我々としては出させていただきたい、このことを一つ申し述べさせていただきたいと存じます。
○鎌田要人君 まさにその点を次にお伺いしたいと思っておったわけでありますが、広域連合の問題あるいは中核市の問題、これについての答申の早期の制度化ということをうたっておられます。これの具体化の状況は、あるいは進捗状況はどういうことなのか、この点につきましても私としては非常に関心がありますので、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 四月十九日の答申でございますので、今既に各省庁といろいろ調整をとりつつあるわけでございますが、細部につきましては行政局長の方からさらに具体的内容について答弁させていただきたいと思います。
○政府委員(吉田弘正君) 広域連合制度と中核市制度につきましては、先般の地方制度調査会から四月十九日でございますか答申をいただきました。今後の地方分権に資する制度として答申を出されたわけでございますので、私どもこの具体化について今作業をしている最中でございます。 法案化のための内部的な作業を進めるとともに、中核市制度等につきましては特に関係各省との協議もございますので、その協議もあらかじめ進めるというような段取りでございまして、なるべく早くこの協議も済ませ、法制化も済ませて、法制局審査に持ち込んで法制化をいたしたいと考えているところでございます。
○鎌田要人君 具体的に、今国会で広域連合なり中核市の制度化の問題はできますか。
○国務大臣(佐藤観樹君) できるだけ早くと申しましたのは、私たちとしては、今行政局長からお答えさせていただきましたけれども、次の通常国会には調整済みの上法律にして出させていただきたい、それを頭に置きながら準備をさせていただいております。今国会、この臨時国会ということではなく、次の通常国会と考えております。
○鎌田要人君 次に、地方税財政の現状及び将来像についてお尋ねいたしたいと思います。 まず第一は、今年度において地方財政の運営上困難を来しておる地方団体が増加していると思われますが、都道府県、市町村別に概略地方財政の実態を、これは事務方で結構でございます、お伺いいたしたいのであります。
○政府委員(湯浅利夫君) 最近の地方財政の状況でございますけれども、御案内のように非常に長引く景気の低迷などによりまして大変厳しい状況にあるものと認識いたしております。 まず、税収について見ますと、都道府県分におきましては、法人関係税、特に法人事業税が八月の前年同月比で一五%の減収ということになっておりまして、また市町村におきましても市町村民税の法人税割が大きく落ち込んでいるというような状況でございまして、現在の状況がこのまま推移いたしますと、地方税収全体といたしまして地方財政計画の計上額を大幅に下回るのではないかという憂慮すべき状況になっているところでございます。 一方、歳出面におきましては、最近の景気の状況を踏まえまして景気対策という観点から、都道府県、市町村とも地方の単独事業の追加をかなり積極的にやっていただいております。九月補正までの追加計上額を見ますと、都道府県で九千七百億円、市町村で一兆四千五百億円、合計二兆四千億円近くの追加補正を地方単独事業でやっているわけでございます。この規模は四月に決められました経済対策の二兆円というものをかなり大きく上回って追加が行われているということでございまして、これに公共事業の追加もあわせて行っているわけでございまして、これらの地方負担の財源は、ほとんど地方債、それと団体によっては基金の取り崩しというようなところで対応しているわけでございます。 そんなことで、今年度末におきます地方財政全体の借入金の状況も八十四兆円を超える額、これも八十四兆円をかなりまた上回っていくんじゃないだろうかというような感じをしているところでございます。 また、さらに本年度は地震とか梅雨前線、豪雨、台風などの災害が多発しておりますし、また冷夏に伴います記録的な冷害もございまして、災害復旧事業、冷害対策の経費といたしまして多額の財政支出を要している地方団体が多いという状況でございまして、今年度の地方団体におきます財政状況は非常に厳しいものだというふうに認識しておるところでございます。
○鎌田要人君 そういう厳しい財政状況、私も全く鹿児島という一穴から見ましても非常に厳しい、これは事実だと思うんですね。特にこれまでに例のない厳しさです。 そういう状況の中で自治省として、これは個々の団体で国と違いまして通貨の発行権があるわけじゃないし、国の地方財政対策におんぶするところが非常に大きいわけですね。その面について財政当局としてどういうふうにお考えになっておられるのか。 単独事業で今二兆四千億というお話がありましたが、恐らく単独事業も、地方団体を区分けして見ますと富裕団体に単独事業がふえているんじゃないですか。貧乏な、私の田舎の鹿児島県なんというようなところは単独事業をふやそうと思ってもふやせない、そういう実情にあるんじゃないかと思うんですが、そこいらのところをもう少し全般的じゃなくて個別的にお話を伺いたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 御案内のとおり、このような地方財政の状況でございますので、それぞれの団体におきましてもかなり苦しみながら財政運営をやっているわけでございますけれども、特に今御指摘の地方単独事業につきまして見ますとやはり財政的に優位なところというものが基本でやっているようではございますけれども、最近におきましては地方単独事業を地方債でやる場合にその元利償還金の一部を交付税で措置をするという仕組みのものもかなり導入いたしておりまして、そういうものを積極的に活用することによりまして財政的に苦しいところにおきましても単独事業が行いやすいような、そういう配慮を実はしているところでございます。 そういう意味から申しまして、各県におきましても、いわゆるかつて富裕団体と言われた地域以外の地域におきましても、統計的に見ます限りでは相当積極的に単独事業に取り組んでいただいておるという統計が出ているところでございまして、今後の公債貸の増高というものも十分考えながら実施していくということが必要でございますけれども、そういう償還財源の面につきましても十分配慮しながら、財政的に苦しいところにおきましても対応できるような、そういう御支援をこれからも考えてまいりたいというふうに考えております。
○鎌田要人君 今大事なことをお伺いしたんですが、償還財源の交付税措置、その概要をもう少し詳しく説明していただけませんか。
○政府委員(湯浅利夫君) 最近におきましては、いろいろな福祉施策その他地方の実情に応じましたいろいろな社会資本の整備を実施する場合に、ふるさとづくりと称して一括的に申し上げている中で各種の事業が行われているわけでございます。そういうものにつきましては地方債で当面対応いたしますと同時に、その地方債の元利償還金について、その一定割合を普通交付税の基準財政需要額に算入をしていく、こういう措置をいろいろな事業で行っているところでございます。この事業をいろいろ活用することによりまして、それぞれの自治体の実情に合った仕事を国の補助事業に頼らずに単独で行っていくような、そういう仕組みというものをいろいろとつくってきたわけでございまして、そういうものをこの際いろいろと活用していただきたいということを申し上げているところでございます。 また、各省との関係もございますので、例えば道路などを考えますと、補助事業と単独事業を効果的に組み合わせることによりまして事業を重点的に実施できるというような、そういうような仕組みなども各省とも話し合いをいたしまして進めていくというようなこともやっておりまして、単独事業がそういうようなやり方で財政的に非常につらいところであっても何とか消化できるような、こういう御支援をこれからも考えていかなければならないというふうに考えております。
○鎌田要人君 交付税交付税とおっしゃいますが、交付税も来年は伸びないでしょう。そういう中で余り交付税に重きを置かれると、地方団体共通の財源である交付税というものが、これがへたってしまうということを非常に恐れるんです。 それでは次にお伺いしましょう。 国税も大幅な減収ですね。交付税は当然減少してきますね。国税も減収、交付税も減収という中で、交付税の中でそういう地方の単独事業の元利償還分まで見込まれるということになりますと、交付税の財政需要というのはいよいよ大きくなり、それに伴う財政収入は少なくなる。そういうことで、交付税の確保に非常に苦労しておられるんじゃないかと思うんです。そこのところを率直にお伺いしたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) これは先生に私から申し上げるのもまことにあれでございますけれども、交付税の確保ということの前提は、まず毎年度の地方財政計画におきまして、それぞれの自治体が財政運営に支障のないようなそういうことができるかどうかを地方財政計画の積算に当たりまして積み上げていくわけでございます。その中には、当然毎年度毎年度の公債費というものを的確に積算することは当然であるわけでございますけれども、そこででき上がりました地方財政計画に万一マイナスが出たという場合には、これはいろんな方策を講じてマイナスが出ないような財政対策を講じていく必要があるわけでございまして、そういう点におきまして今年度におきます国税の収入状況などを踏まえますと、ことし、来年、相当厳しい状況が交付税においても出てくるんじゃないかというふうに考えます。 そういうものを踏まえて、今年度もそうでございますが、来年度の地方財政対策におきまして地方財政計画が果たして的確に編成することができるかどうか、これがまず第一の問題ではないかと思うわけでございます。これで地方財政対策が財政計画上できたということになりますと、それを踏まえて交付税の基準財政需要額というものを積算していくわけでございます。 その場合に、一般的な投資的な経費で基準財政需要額を積み上げていくか、あるいは過去の公債費というものを一部算入していくか、投資的経費のうちの一部を公債費という形で算入していくかという問題はこれは確かに残るわけでございますけれども、現在私どもがやっておりますこの基準財政需要額の算定の中では、この投資的経費の分の一部を公債費の元利償還金に充てていくという形でやるわけでございますね。ですから、そういう意味で毎年毎年度の地方財政計画の策定、それからその中に占める投資的経費、公債費というものを具体的にこの基準財政需要額にどう入れていくかという問題、これを的確にやっていくということによりまして、今先生御心配のような基準財政需要額が硬直化してくるんじゃないかという点につきましても、そうならないような配慮というものをしながら積算をしていくということはやっぱり必要じゃないかと思うわけでございます。 投資的経費全部を公債費の方に入れるというようなことはこれはできないことでございますが、投資的経費の一部について過去の公債費の分で積算していくということは過去にも行われましたし、こういうものをある程度使いながら財政的に厳しい団体の単独事業の投資促進ということをやるということはある程度考えていかなければならないんじゃないか、こういうふうに考えるわけでございます。
○国務大臣(佐藤観樹君) 今、財政局長から答弁をいたしましたし、また鎌田委員がむしろ一番御承知でございますが、八十四兆の借金を抱え、かつ歳出面ではこれからどちらかといえばふえる方向ばかりだと言ってもいいし、歳入の状況は御承知のとおりでございますし、また短期的にも非常に苦しい時期だと思っております。 しかし、この際私たちは、景気の動向を考えた場合でも、国よりもむしろ地方の方が財政的な規模としては大変大きくなってきている今の状況の中で、この際苦しくとも、地域経済を支え、あるいは地域社会自身を支え、国の北から南まで全部ございます三千三百の地方公共団体が経済的に十分立ち行くようにしていくのが今当面最大の自治省としての、あるいは自治大臣としての責任だと思っております。 したがいまして、私たちも、今財政局長から御答弁させていただきましたが、この際はいろんな意味でやりくりをして、やはり日本経済の下支えをしていくのが今我々に課せられた役目ではないだろうか。その意味では地方交付税につきましても、地方税のあり方につきましても、いろいろ苦しい状況はもう委員御承知のとおりでございますが、そこはひとつやりくりして日本経済自体を下支えしていく責任というのを果たしていかなきゃならぬのじゃないだろうか。後ほど御質問があろうかと思いますが、なるがゆえに、税調においてもやはり地方自治体の自主財源の確保というのは非常に重要な時期に来ていると私も思っております。そういう認識で今後の平成五年度の後半の運賃平成六年度の予算につきましてもこのことを十分基本として考えさせていただきたい、こういう決意でございます。
○鎌田要人君 今、大臣の御決意のほどを伺いまして、非常に期待をいたしております。私は大臣の今のお話で思ったんですが、いつも私のこれはひとり言なんですが、地方自治ということ、地方分権ということはみんな総論はわかるんです。各論になりますと、地方行政委員会の皆さんはそうじゃないと確信をいたしておりますが、ほかの委員会になりますと、地方自治なんというのは各論になりますとぼろくそですよね。そういう現実の中で、地方分権あるいは地方自治の確立を訴え、これを実施に移していくということは大変な労苦を伴うこと、しかしこれはやらなきゃいかぬと思いますので、その点においては立場を異にいたしましても主張が全く同じであるということは私にとりましては非常に欣快なことでございます。 それで、次にお伺いしますが、地方分権の推進の機運がそういうことで盛り上がっておりますね。また、それにあわせて地方財源の充実強化も言われておりますが、これが抽象論議でとどまっている間は意味がない。抽象論議がまた特に多いように思うんです。そういう中で、一向に具体的な措置が見えてこないということで、いら立たしさを感じるのは私一人ではないだろうと思うんです。 折から、現在政府税制調査会におきまして我が国の税制の抜本的改革について鋭意審議が行われているところと伺っておるわけでございますが、地方税制につきましても、地方分権の実施に向けて具体的、抜本的な改正を行うべきだと思うのでありますが、自治大臣としてのこの点についての御決意のほどをお伺いいたしたいのであります。
○国務大臣(佐藤観樹君) 地方分権の大きな国民的な要望があり、かつ財政がこのように厳しい中でございますから、時あたかも税調がいろんな角度から国も地方も税制につきましていろいろな各般の議論がなされていることは非常に重要な時期だと私考えておるわけでございます。 そこで、私自身も九月に税制調査会の総会の方に出席をいたしまして、地方税制につきましても、地方公共団体の役割や、それを支える地方税財政の重要性に深い御理解を賜り、適切な御指針をお示しいただけるようということでお願いをしてきたところでございます。 ただ、率直に言って、漏れ伝わるところ、新聞等に出てくるところは、国の税制の方は論議が進んでいるように見えますが、地方税の問題につきまして、片や減税の問題が出ていながらどこまで議論されているのか率直に言って私もつまびらかではございませんが、住民税の減税と言われながら、一体じゃ地方の税源はどうするんだということについてどこまで審議が進んでいるのかなということを大変注目しておるところでございます。 税務局長の方もその点は十分いろいろ税調においても頑張ってはいただいておるわけでございますけれども、冒頭申し上げましたように非常に重要な時期でございますので、その意味では地方税の自主財源確保ということは非常に重要な時期だと思っております。 したがいまして、私としても今後とも、税調の残された時間はそんなにあると思っておりませんが、地方自治体のまさに先生が言われますように後ろ支えをするところの自主財源ということについてなお一層審議をしていただけるようにと考えておるところでございます。
○鎌田要人君 税務局長の方から何か関連して発言することはありませんか。
○政府委員(滝実君) ただいま大臣が申されましたとおりの状況というふうに私も認識をいたしております。 ただ、今の税制調査会におきましては、どうしても主力になりますのが国税の論議、なかんずく直間比率の是正、こういうような基本的な問題について論議をされるにいたしましても、まずそこで問題になってまいりますのは所得税対消費税、こういうような図式がどうしても議論の中心になっているように私ども認識をいたしております。 したがって、最終的には地方税の問題につきましても相当議論をしていただくようにお願いをいたしておりますし、またそういう期待を持って私どもも資料提供をさせていただいておりますけれども、いずれにしてもあと残りわずかな期間で最終的に地方税についても相当な議論あるいは御理解を委員の皆さん方にしていただくように私どもも努力をさせていただきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○鎌田要人君 政府税調のお立場等につきましてはここで論議するのはあるいは適当でないかと思いますが、政府税調は、私の自治省税務局長時代の経験からいたしましても、国の財政は非常に熱心でありますが、地方財政、地方税制についてはおまけみたいな気持ちでやっておられた時代があります。今日はそうでないことを確信いたしますが。 その中で、特に政府税調の今回の審議の中で直間比率の見直し、これが中心課題であるというふうに伺っておるのでありますが、地方税の場合の直間比率、これを見ますと、地方税の間接税比率は年々減ってきまして今や一〇%程度だと思いますが、今後の地方税制の安定的な発展を考えてまいります場合に大いに問題がある、もう少し地方税の間接税比率を高めるべきじゃないかという意見を持っておる者の一人でございますが、この点につきまして大臣の御意見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 委員御指摘のように、直接税が九割ということになっておりますから、景気の波に財政が左右されるという度合いが非常に強いということでございます。しかし、一方、地方公共団体がやる事業というのは福祉の問題にいたしましても生活の周りの問題でございますから、これはいわば安定的に財源がなければできない事業ばかりでございますので、そういった意味では、地方税制のあり方自体、直間比率の見直しということは大胆に考えていかなきゃならぬ。そうしないと、安定的に住民の皆さん方の生活、福祉、環境その他のもろもろの要求を実現していくことができないと言っても過言ではないと思うわけでございます。 したがいまして、今、税調の方で御審議はいただいておるわけでございますけれども、そういった視点に立って、地方の自主財源、特に間接税についてもバランスがあるものということを、それは必ずしも即地方消費税という意味じゃなくて考えてもらう必要がぜひあると思うわけでございます。 私は、今委員から御指摘ありましたように、また御質問の中にありましたように、どうも国が中心という、国税が中心というのは率直に言って抜け切れていないなと。今や日本国自体の経済を支えているのは国と地方がいわば車の両輪であり、かつ事業量からいえば七割五分地方自治体が担っているということからいいますと、このことをちゃんとしないと国自体が極めて健全性と申しましょうか大きく進んでいかないということでございまして、実は税務局長もいろんな機会を通じまして、今御指摘のように、地方税のあり方そのものにつきまして委員各位の御理解をいただくように懸命に頑張っておるところでございます。
○鎌田要人君 全く同感でございます。 そこでお伺いいたしたいのは、明年度の地方税制改正に関連いたしまして地方六団体から地方消費税創設の要請が出ております。これは御存じのとおりだろうと思います。私といたしましては、地方税源の充実確保を図る見地からもこれは必要だと思いますし、また地方自治の観点、さらには高齢化の進んでおる地方自治体が圧倒的に多いわけでございますので、そういった観点からもこの考え方は非常に正しい、いいアイデアだと思うわけでございますが、この点についてどう大臣として受けとめられ、これが実現を図っていこうと考えておられますのか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 今、税調で議論されていることにつきまして、答申が出れば細川総理同様答申を尊重するのは当然だと思っておるわけでございます 委員御指摘のように、住民税を含めた所得税減税あるいは消費税率のアップという問題も出ておるわけでございますけれども、その中で消費譲与税を地方消費税ということで単独財源にしたらどうだという意見も出ていることも私たちも承知をしております。また、御指摘のように、地方関係六団体の方からたくさん私も要請書、陳情書等もいただいておるわけでございます。 そのことも十分承知をしておるわけでございますけれども、消費税そのものに対します最終的な取り扱い方につきましてはいろいろ議論があるわけでございますので、それはさておきまして、やはり地方分権という大きな流れ、そして今の景気の状況、あるいは減税財源という観点から申しましても、地方消費税というのはどういうふうにあるべきかということにつきましていろいろな角度から十分議論されること、このことは非常に重要なのではないか。 消費税導入時にいろいろ議論されましたが、結果的には御承知のとおり消費税という形で入っておるわけでございますけれども、これから地方分権の大きな流れの中で、自主財源という立場から地方消費税ということにどういう問題があるのか、いろいろな角度から議論されることは、非常に重要な時期に来ているだけに大事なことではないかというように私は考えております。
○鎌田要人君 この地方六団体の要望の中にもありますが、地方消費税の問題については、地方六団体としてかねてから主張しておられたわけですね。それで、国税として消費税をつくりますときに、消費譲与税という形で譲与税化が図られたわけですね。このときにかなりの議論があったことは御案内のとおりです。ただ、私は譲与税というのはやはり経過的な措置であって、基本的には地方消費税として個々の団体が取れる、これがやはり基本。まさにその点においては、大臣のおっしゃる地方自主財源の強化ということにマッチする一番手っ取り早い方法だと思うんですが、その点重ねてお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 今申しましたように税調の答申自身が出たわけではないものですから、出るであろうものを想定して最終的な物を言うのはいかがかと思いますけれども、いずれにいたしましても、一つは減税するにしても、あるいは地方分権を支える自主財源という観点からも、いかにあるべきかを考えなきゃいかぬこと。それからちょっと踏み込み過ぎかもしれませんけれども、地方消費税の議論のときに納税者としての手間の問題、あるいは税源が地域的な偏在をしないかとか、いろいろ言われたわけでございます。その辺の問題についても広く皆さんの中でも議論されることというのは非常に重要なのではないかと思っておるわけでございます。 いずれにしましても、私たちとしましても税調の推移を見ながら、ただ重要なことは何をやるにいたしましても、私特に自治大臣の立場からいえば、地方の自主財源ということを支えにしなければ地方分権も委員御指摘のように進まないわけでございますから、そのことは十二分に頭に置きながらひとつ対応させていただきたいと考えております。
○鎌田要人君 今、大臣は地方自主財源の充実ということを大眼目として自治行政を進めていくという基本的なお立場だろうと思うんです。そういう中で、これは一道三都府四十三県三千の市町村を見ますと、必ず財源の偏在という問題はあるわけです。その財源の偏在を是正する、まず是正が終わってそれで財源を賦与するか、それを並行してやりながら地方自主税源をふやしてやるということをとるか、この大きな問題があると思うんです。 私は前者の問題、財源偏在が完全に終わってから地方自主財源をやるなんということは百年河清を待つがごときものだと思うわけです。でありますから、そういう意味でこの税源の偏在というものを解決する方法の一環としても地方消費税というものを起こしていただくということが大事じゃないか。そういう意味での、大臣の強い政治的なお立場がおありですから、その主張を特に要望いたしまして、私の与えられました時間があとわずかでございますので次の問題に移りたいと思います。 平成五年度に相次いで発生しました災害で、特に北は北海道、南は鹿児島県に至るまで災害が発生をいたしました。この災害復旧等の財政負担につきまして、これは国と地方と相まってやらなきゃいかぬわけですが、地方の財政負担の問題につきましてどのように支援をお願いできるのか。その問題と、特に異常気象によりまして農作物の被害、これを受けておるところが多いわけでございますが、地方団体でこれに対する冷害対策として種々の単独施策を行っておられます。 そういうことで、自治省としてどのような行財政措置を、国自身の補助事業あるいは単独事業、こういうことに分けて、私は今度の災害というのを見ておりますと、これまでの百年来の災害と違う非常に異質な災害だ、あるいは災害国日本においてはこれが本来でこれまでの間がうまく抜けておったのかもしれませんが、そういう意味でこれまでの災害復旧とはちょっと趣の違う超特急の災害復旧対策ということを考えられなければいかぬのじゃないかと思うんですが、この点について大臣の率直な御意見をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 委員言われましたように、未曾有の災害と言っても決して過言ではないと私たち思っております。今日まで一応一定の普通交付税の早期交付等々それなりのことはやってまいりましたし、また基本的には当然のことながらゼロがマイナスになったわけですから、マイナスをとにかくゼロにしないことにはその上がないわけでありますので、できる限りのことはしなければならぬと考えておるわけでございます。 具体的には財政局長の方から答弁をさせていただきたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 今年度におきましては、御指摘のように考えられる災害がほとんど一斉に発生しちゃったというようなことでございまして、各種の対策のために各自治体は大変な御苦労をしているところでございます。 それで、具体的には、集中豪雨、台風等による災害に対しましては、二県七十一市町村に対しまして二百九十億円の普通交付税の繰り上げ交付、これを行ったところでございます。 これからの問題といたしましては、災害復旧が大変大きな問題でございます。この災害復旧につきましては風の災害復旧がほとんど中心になろうかと思いますけれども、単独を含めまして、災害復旧事業につきましては当面災害復旧事業債、地方債を充てることにいたしまして実施するわけでございますが、そのほかの応急対策その他災害対策につきましては、罹災世帯数あるいは各種の被害額というようなものを指標にいたしまして特別交付税の算定を的確に行っていきたいというふうに考えているところでございます。 さらにまた、農作物の冷害被害につきましても今かなり被災地におきましては大きな問題になっております。各自治体におきましてはきめ細かい営農指導あるいは病害虫の防除その他のいろいろな施策というものが行われているわけでございまして、こういう措置に伴いまして発生いたしました財政需要に対しましては特別交付税で措置をしたいということで、各団体に今ヒアリングを行っているところでございます。ただ、御案内のとおり、この種の経費というものは、各地域によっていろいろな態様がございますので、それを一つ一つとらえるということもなかなか事務的に困難だというようなこともございます。例えば農作物の被害額というものを指標にいたしまして、これに一定の措置を講じていくというような包括的なものをやっているのが今までの実態でございますので、こういうことを踏まえまして各自治体がこの施策のために財政運営上支障の生じないように私ども的確に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○鎌田要人君 この災害復旧事業ですが、今日まで見ておりますと、まだ国の緊急査定の結果も明らかでない。これも見方によりますと緊急査定をあえて引き延ばしているんじゃないかという声すらも地元であるわけですが、そういうことで、この災害対策事業については十分な対応をしていただかないと、地方の場合に、特に今度は財政力のひ弱な団体が被害を受けましたので、これは委員長の岩手県のあの大変な凶作を見てもおわかりでしょうが、後進団体が非常に影響が大きいので、特に慎重な配慮を望む次第であります。 それで、私の時間が参りましたので、あと消防行政について二問ほどお伺いをいたしまして終わりたいと思います。 大臣の所信表明の中で、緊急経済対策のところで「また、主に消防関係の規制について、安全性等を十分検討の上、可能な限りその緩和を行うことといたしました。」と言っておられるのでありますが、具体的にどのようなものを指して言っておられるのか、具体性のあるお話をお伺いいたしたいのであります。 と申しますのは、私はこの点につきましては、消防関係の規制というのはむしろきつくしなければいかぬという気持ちを持っているものですから、この安全性等に配慮しながら緩めたというところが具体的にどういうことをおっしゃっているのか、そこのところをまず第一点お伺いいたしたいのであります。
○政府委員(紀内隆宏君) 九月の緊急経済対策閣僚会議におきましていわゆる規制緩和についての決定がなされたわけでございますけれども、その場合、九十四の項目について実施しようとしております。消防庁はこのうち七項目が関連してございます。 その考え方でございますけれども、まさしくおっしゃったとおりでございまして、私ども国民生活の安全の確保ということは消防庁にとっては至上命題だというふうに考えております。これはひとり消防庁のみならず、やはり最近快適だとか利便だとかという言葉がはやりますけれども、そういうものを支えているのは国民生活の安全であるということを考えますと、これは政府全体にとってもやはり至上命題であろうというふうに思っております。 ただ、科学技術の進歩に伴いまして新しい資材が出てくる、新しい構造が生まれる、その場合に、そういうものを知らぬ存ぜぬというわけにはまいりません。 そこで、今回の七項目のうちの一つの例について申し上げますと、一つは地下のタンクの構造にかかわるものでございまして、これは二重殻タンクと申しまして、周りに殻が二重に重なるわけでございますが、かつてそれは両方とも鋼鉄製でなきゃいけないというふうになっておりました。先ごろ、私どもそれを、外側はプラスチックでよろしい、中が視認できるようにやる手があるだろうということで、これは強度等の計算もしてやったわけでございますけれども、今度は中側も、つまり二重の両方ともプラスチックでどうか、このようなことが検討の対象になってまいりました。いろいろ調べてまいりますと、例えばさびなどによる侵され方などはむしろ鋼鉄よりいいんではなかろうかというようなことがございまして、現在二重殻タンクの内外ともにプラスチック製とすることによる規制緩和と申しましょうか、そういうものの検討がこの一つの項目になっているわけでございます。 もちろん、それを実施するに当たりましては、強化プラスチック自体の耐久性、例えば薬剤に対してどうであるか、温度や湿度に対してどうであるか、光に対してどうであるか、そのようなことを調べて、年を追うごとにその材質が劣化してまいりますので、それが鋼鉄と比べてどうであるかというようなことはもちろんチェックをし、さらにプラスチック自体の構造物としての強度、ねじれとかゆがみとかに対する強度がどうであるかとか、そういう点につきましては十分にチェックをし、かつ、ある程度の規模のものを実際に埋設して安全基準をつくりまして、その上でプラスチック製の二重殻タンクというものを認めていくということが可能かどうかを検討していく、こういう手順を考えております。 ほかの点についても同様でございまして、新しい素材であるとか新しい構造であるとか、そういうものが出てきた場合に、新しい安全基準を考え出して、その基準に適合するものは認めていくというふうな方向が一つございます。 それから、既存の規制につきましても、例えば新しい方法によって安全性が確認される場合にそれを緩和するという場合もあろうかと思います。 いずれにしても、基本は安全性の確認である、このように考えております。
○鎌田要人君 今の点で、非常に抽象的な説明ですが、例えば安全基準の問題で一つ簡単な問いを発しますが、安全基準に合っているかどうかという問題がありますね。その監視機能というのは依然としてお持ちになるわけですね。消防という仕事は安全が第一です。消防の面で安全性の基準を確立すれば、むしろ現在よりも基準をきつくするものの方が多いんじゃないか、そういうものがまたあってもいい、基準を弱めるものと基準を強めるものと両方見直しをされるべきじゃないかという気持ちで私はこの問いを発したわけでありますので、今の安全基準の問題だけもう一つ説明してください。
○政府委員(紀内隆宏君) 基準を満たしているかどうかを確認する仕事は私どもの手元に残るわけでございます。私どもといいますか、市町村の消防の仕事として残るわけでございます。 それからもう一つ、場合によって安全の観点からより規制を強くする場合があり得るだろうというお話でございます。これは当然あり得るというふうに思っております。
○鎌田要人君 最後の質問でございますが、同じく消防関係で、地方の消防団、特に過疎地域にあっては消防団の編成すらも容易でない、これは十分掌握しておられると思います。その地域が増加しておるのでございますが、これの実情はどうか、またこのような事態に対応して今後どう消防庁として対策を講じられていくのか、その点をお伺いいたして私の質問を締めくくらせていただきたいと思います。
○政府委員(紀内隆宏君) 御承知のように、昭和四十年代以降常備消防というのは着実に増強されてきております。しかしながら、一方、御指摘のように消防団につきましてはその絶対数もやや減少しておりますし、それから構成の年齢が高くなってきております。また、かつては自由業、農業というふうな就業形態が多かったわけでございますけれども、最近はサラリーマンが多くなってきている、このような実情でございます。 このような中で消防団全体を活性化していくためには、まず消防団自体の施設とか装備とかというものを増強していかなければいけない、さらに消防団にできるだけ若い人に入ってきてもらわななければいけない、また女性等にも積極的に参加してもらわなければいけない、そのようなことにつきまして私ども持っている補助事業等を通じてできるだけの手だては講じつつあるわけでございます。 それとともに、消防団そのものに対する認識というものをもう一遍徹底して、消防団の意義というものを考えてもらって、自覚の上に入ってきてもらいたいというふうにも思っているわけでございますが、それを例えば消防団の活性化のための諸事業として補助事業等でも仕組んでおりますし、今後ともそれを続けて消防団員の確保を図るというふうに考えております。 また、あわせまして過疎地域等における常備消防というのは小規模の問題がございまして、規模が小さいとどうしても底が浅くてお金の懐も狭いものですから、要員の問題でも装備の問題でもいろいろと課題を持っておりますので、その辺をひとつ総合的に検討して対処策を講じていきたい、このように考えております。
○星野朋市君 鎌田先生の方から地方行政全般についての御質問がございましたので、私はちょっと角度を変えて具体的な形のものにつきまして質問させていただきます。 まず、リゾート法の施行に伴いまして全国でどのくらいの数の大規模なリゾート開発が行われたか、これは国土庁が主管でありましょうけれども、当然自治省は御存じのはずなので、それについてお答え願いたいと思います。
○説明員(松本英昭君) 現在、リゾート法に基づきまして基本構想の国の承認を受けておりますのが四土地域でございます。
○星野朋市君 そのうち地方自治体が第三セクターみたいな形で参加したのが幾つございますか。
○説明員(松本英昭君) 地方公共団体が出資いたしております第三セクターがいわゆる特定民間施設等を設置、運営しておりますケースは現在百四十六法人ございます。ただ、その中でリゾート法が施行されました後に設立されましたものは百八法人でございます。
○星野朋市君 開発中のものを含めまして、そのうち非常にうまくいった件数、それから多少計画にそこを来しておる件数、それがおわかりですか。
○説明員(松本英昭君) 結論から申しまして、実は個々の第三セクターごとの実態というのは私ども把握をいたしておりませんと申し上げるのが正確かと思います。ただ、いろいろと経営の状況等で特に問題のあるようなものが耳に入ってくるようなことはございます。 現在、この第三セクターの経営状況というものを個別に把握しておりませんのは、第三セクターそのものが大変多種多様な目的と活動を行っているということが、一つ。それからいま一つは、地方団体が出資いたします第三セクターにつきましては、基本的にはこれはそれぞれの出資団体が監督をしていく、その監督の手段として地方自治法は例えば監査委員の監査であるとか、あるいは長の調査権であるとか、あるいは議会に対する経営状況の報告等の義務づけ、そういうことを行っておりまして、第一義的には地方団体が責任を持ってそれを見守っていっていただく、こういうことにいたしておりまして、私どもが個々の第三セクターの経営状況までつまびらかにしていないというのが今の状況でございます。
○星野朋市君 私がなぜこんなことをお聞きしているかといいますと、片方では先国会で成立した労働基準法の改正がございまして、総労働時間千八百時間というのに目標を置いているわけですわ。 この内容につきまして、私も労働委員会で労働省とかなりやり合ったわけですけれども、いわゆる週休二日制、年間百四日の休日、それだけでは千八百時間になかなかならないわけですね。それで、役所側の説明は、そのほかに要するに年間二十日の有給休暇というものを目標にしているわけですね。現在の日本の有給休暇の平均というのは、十四日弱要件としてはあるんですけれども、実際にそのうちとられているのは九日ぐらいなんですね。まずそれをやらなきゃだめなんであって、二十日なんという長い目標を当面の千八百時間の中に織り込むのはおかしいじゃないか、こういうことを言ったわけです。 問題は、二十日という有給休暇をとって、いわゆる長期滞在型のリゾート計画というのがそれに非常にマッチしたものだと思うんですけれども、残念ながら、私は余りバブルの崩壊という言葉を使いたくないんですけれども、要するにバブルの崩壊に遭っていろいろなそごを来していると思うんですね。これは、要するにこういう一つのリゾート法みたいなものが施行されると大体同じような形のものができてしまう、そこに問題があるわけです。もう少しバラエティーに富んだ、その地方地方の特色を生かしたそういうものができるべきなのに、大体どこも同じものができてしまう。千葉県の館山市がやはりそういうことを考えまして、幾つかのプランを提示させたわけです。ところが、出てくるのはみんな同じだ、これじゃ何のためにここに新しくそういうものをつくるのかということで、しばらくそれを延期している例もあると思うんです。 こういうように、地方の特色を生かすと言いながら出てくるものが同じだ、こういうところに私は大いに欠陥があると思うんですが、自治省はどう考えておられますか。
○説明員(松本英昭君) まず最初のいわゆる長期滞在型リゾートと国民の長期休暇の関係でございます。先生御指摘のように、なかなか長期休暇のとりにくさといいますか、経済環境の変化等も合わさりまして、そういう点がリゾートがうまく進まない一つの原因だということは、これはことし二月に国土庁が報告いたしました研究会報告でもそういうことを一部指摘いたしております。 ただ、国民のいわゆる潜在的需要ということもあわせて調査をいたしておりまして、その調査によりますと、国民の六割が滞在型の休暇、これをやはりまだ望んでいる。そういうことで、潜在的な需要はやはりあるのではないかというように分析をいたしているところでございます。 それから第二番目の、先生御指摘のごもっともなことでございますが、あらゆるそういうリゾート地域というものの計画がワンパターンといいますか、俗に言うゴルフ、スキー型といいますか、そういうものに陥っているのではないか、これもまたよく指摘されるところでございます。 この点は、一つはリゾート法の際立った特色といたしまして、御承知かと思いますが、民間施設というものを中心にしていわゆる民間事業者の能力を活用してリゾートを形成していくという、こういう手法をとっておるわけでございます。したがって、民間事業者というものがいわゆる需要というものに合ってこれを進めていくということが基本になってございます。その際に、どういうことかやはり一つの国民的な傾向といいますか、スキーならスキー、あるいはゴルフならゴルフといいますか、一時的には一つのパターンにどうも集約しやすいような、こういう背景が一つはあるのではないかということを考えております。 ただ、報告書でも言っておりますように、やはりリゾートというのはある程度長期的な視点でもってこれを形成していかなければならない。したがって、やはり先生御指摘のように多様な展開、こういうものが望ましいということは私どもも考えているところでございます。
○星野朋市君 少し問題を変えまして、さっき自治省とそれから鎌田先生のやりとりの中で私ちょっと感じたことなんで、予告質問にはございませんけれども簡単なことですからお答え願いたいと思います。 要するに、これから税制の改正の問題がございまして、所得税の減税に連動して当然住民税が引き下げられる、それから今の景気の状態では当然しばらくの間地方の事業税の伸びは期待できない、むしろマイナスに転ずる可能性がありますね。 東京都の副知事の方がおられるのでちょっと私は申し上げにくいんですけれども、今から二年前に鈴木都知事とお会いしたときに、東京都は、金融機関の主力、本店がほとんど東京にある、ここから非常に事業税のマイナスが大きくて、二年前で既に東京都が予定していた事業税の収入より見積もりが約四千億ぐらい少ない、そういう地方の財政状況の非常に厳しい面があらわれている。これは今の景気の状態ですと各地方に及んでおる。それから、しばらくの間景気が急激に浮揚することはあり得ない、これも事実だろうと思います。 それで、前回予算委員会で私は細川総理に、これからの日本経済の成長率をあなたはどのくらいと考えているのか、パーセンテージで言うのはこの時点で非常に難しいだろうけれども、既に宮澤内閣のときに想定しておった三・五%という成長はもうかなり無理だ、どのくらいのことを考えて、もう少し余裕のある形でもって低い成長率を望むのかどうか、そういう分かれ目に来ているという質問を私はいたしましたけれども、まさしく税収の面ではそれが大きなかぎになってくると思うんですね。 それで、地方財源が非常に厳しい厳しいという前提でいろんな議論がされておりますけれども、やはりこれは抜本的に考え方を変えて、地方財政のあり方、独立財源、ここら辺をしっかり確保していかないと、これから高齢化社会になってまいりますと、まだ論議が余りされてないんだけれども一番問題は貯蓄率の低下にあると思うんですね。貯蓄率の低下を伴いますと必然的にこれは公共事業の資金その他が不足してくる、こういう問題を生じますので、今からしっかりそめ計画を立てておいていただかなければならないと私は思っております。 それで、非常に瑣末なことなんですが、給与所得者の大部分が、現状では住民税は非常に高い、そういう声があるんですね。これは議員の皆さんの中にも、住民税は高いんだよと、こう言う。だけれども、あなた方は住民税は賞与のときには取られていないのを御存じですかと聞くと、意外にそのことを知っている人が少ないんです。賞与のときは手取りで見ちゃって、国税のところだけ見て、手取り金額なんです。それで毎月の給与というのは詳細に見るわけです。そうすると国税に対する住民税の割合が高いと。こんな当たり前のことが一般に知られてないんです。 これは、住民税高い高いという声に対して、そういうことをしっかり自治省というのは一般の人にPRしてというか、PRすることはないんですが、しっかり教えているのかどうか。自治省、どうお考えですか。
○国務大臣(佐藤観樹君) ある意味では大変難しい御質問とも言えるのでありますけれども、ボーナス時に賞与からは取っておりませんというのをまたわざわざPRするのも何かとも思いますが、いずれにしろこれからの議論、これはもちろん当委員会は当然でございますけれども、国民的に、一体住民税とは何ぞや、いわば地方自治体の会費という、これはまず、とにかくそこに住んでいらっしゃる方は何らかの行政サービスを受けていらっしゃるわけですから、最低限このくらいやはり納めていただきたいという認識というものを住民の皆さんに持っていただくことが一番大事なことなんじゃないだろうかと思うわけであります。 それで、課税最低限が国の税金、所得税はこうだから住民税は高いと、こう言われるんですが、意味が違うと思うわけでございます。ただ、その際に、当委員会でもいろいろと議論になったと思うのでありますけれども、今たまたま委員は、サラリーマンという例を挙げられましたが、それが農業者とサラリーマンあるいはその他の業種と一体把握率がどうなんだろうかということで、たくさん大きな庭と大変な農地とを持っていらっしゃる方よりもサラリーマンの方が例えば幼稚園の保育料なり入園料が高いというような問題がよく言われておりますように、その意味で、一体税の把握自体の問題はどうなんだろうかということもやはり議論の対象にしていかなければならないのではないかと思うのであります。 いずれにいたしましても、こういう大事な機会でございますし、高齢化社会の中で、豊かさ、ゆとりというものをお互いに感ずるためにどうしていかなきゃならぬかというのは当委員会の主課題ではございますけれども、国民的にもいろいろの議論を考えてもらわなきゃいかぬ。納税者の皆さんによくわかっていただくと同時に、お互いに議論を深めていくことが非常に重要なのではないのかと思っております。 その意味では、いろんな機会を通じまして今後とも私たちも、今委員の御指摘のことも含めましてできる限り、これから情報化の社会でございますから、自治省発信のそういうこともございますし地方自治体発信のそういった機会もだんだん多くなってまいりますので、そんな機会をとらまえまして我々としても、何といっても住民、納税者の御理解をいただかなければ政治はやっていかれない、地方自治も地方分権も進んでいかないと思っておりますので、よくそのあたりは注意をしながらやらせていただきたいと存じます。
○星野朋市君 これはもう当然自治省は御存じのことなんで、知り過ぎているから余り関心がないんですけれども、給与所得者というのは案外そういうところが多いんです。これはしっかりやっていただきたいと思います。 それから、この間いわゆる行革審の最終答申が出ましたけれども、この中に「国と地方の役割分担の本格的な見直し」という項目の最後にこういうのがございます。「一体的な経済社会圏域を形成する地方自治体の間で、広域的な事務処理とその負担の在り方等を通じて、行財政運営面においてもより一体性が確保される方策を推進する。」という一項目がございますけれども、これは自治大臣、どういうふうにお考えでございますか。
○政府委員(吉田弘正君) 先般の行革審答申の中で、御指摘の項は「地方自治体の財政基盤の強化」のところで、「一体的な経済社会圏域を形成する地方自治体の間で、広域的な事務処理とその負担の在り方等を通じて、行財政運営面においてもより一体性が確保される方策を推進する。」という答申がなされている、この点での御指摘かと思いますが、広域行政につきまして経済社会圏の拡大に伴いましてさまざまな広域行政需要がふえてきております。そういう中で、その事務処理につきましても行政面での広域行政を行うと同時に、やっぱり財政面でもそれが可能になるような措置を講じていくという御指摘かと思います。
○星野朋市君 これは確かに今おっしゃるとおりでございますけれども、経済問題というのはかなりもう県を超えて広範に広がっていると思うんですね。これは国際的にも経済はいわゆるボーダーレスの時代に入ったと。当然経済圏というのはもう各県を超えて、縦横に張りめぐらされた道路網その他を通じまして、ましてこれから情報化社会になりますど、もっとこれが進むと思うんです。 それで、今さら申し上げるまでもないんですが、日本にはブロックといいますか道州制の問題というのが出てきては消え出てきては消えなかなか実現に至らないわけですけれども、現実に今、例えば今度東京湾に横断道路ができたらもう神奈川県、千葉県、東京というのは一体ですね。道路行政なんかは、東京湾横断道路の周辺の問題を広く考えると非常に広域な経済圏という形で考えが進んでいる。まして、これはまだ構想の段階ですけれども、神奈川県の観音崎と恐らく館山を結ぶ東京湾湾口道路ですか、こういう構想もあります。 そういうことを含めて、さっきから私が一番先にリゾート法のことでも申し上げたんですけれども、今や各県単位で物事を考えるという時代ではなくなってきたんではないか。ある県で立派な庁舎が建ては隣の県はそれよりもっと立派なものをつくる、それから文化ホールをつくれば隣はもう少し立派なものをつくる、これの繰り返しなんですね。 それで、首都圏を見ても例えば千葉県の幕張にああいう施設ができまして、今景気の問題で一部後開発のところがちょっととんざしておりますけれども、あれができると、ここに埼玉県の方がおられるので言いにくいんですけれども、大宮のいわゆるJRの操車場跡地、これも同じものをつくる。それから、みなとみらいも同じものをつくる。まして東京都は有明十三号地に大変な問題を残してしまった。私、民間におりましたときにこういうことに関していろいろアンケートに答えさせていただきまして、同じものをつくったってだめだと、それから情報化社会情報化社会と言うけれども、同じものを使って公開された情報というのは実はみんなが知っている情報なんですね。そうすると、人はまた本当の情報を求めてこれは集まってきちゃうよと、だから特色のあるものをつくっていかなければこれはだめになるときは全部だめになるという意見を前から申し上げておったんですけれども、今ちょっとそういう傾向が出ているんじゃないか。こういうときに、広域経済圏を持った例えば道州制みたいなものができていれば恐らくそういう調整はできたと思うんですね。 それで、これは佐藤大臣の地元でも、渥美半島の突端、あそこへ行くには大変ですよね。知多半島の突端へ行くにも大変ですよ。隣の岐阜県、三重県へ行った方がはるかに近い。まして伊勢湾空港の問題というのは、今もう愛知県と三重県ですか、合同で構想が練られている、こういう時代になっているわけです。 それで、今すぐこれはなかなか難しい問題ですけれども、将来的にやはり道州制の問題というのを考えなければならないのではないか、そういう形で動かなければならないんじゃないか。恐らく東北がまとまっておれば新幹線は盛岡で終わりじゃなくて、最初から青森まで通じたと思うんです。三上さんいらっしゃるから、多分そうだと思います。これについて、少し長期的な問題ですけれども、大臣の御所見を伺いたい。
○国務大臣(佐藤観樹君) 委員御指摘のように、非常に交通網もよくなりましたし、通信網もよくなりましたし、そういった意味では広域経済圏がもう県を超えておるという認識は私も非常に強くしておるわけでございます。 選挙制度の問題等でも、この前社会党と公明党さんと出したときにも、ブロックというのを割るというのは非常に難しい。それは逆に、例えば福井県なんかはむしろ経済圏といえば関西に近いのかなということになりますし、新潟はどちらかというと経済圏というのは所によりましては関東圏に近いところもあるし、もちろん新潟でも西の方はまた北陸に近いというふうに、そういう意味で経済というものがそういった非常に広がりを持っていることは私も否定をしないわけでございます。ただ、それで直ちに道州制というところまで飛べるかなということについてはもうちょっと慎重な議論が要るのではないだろうかと思っているわけでございます。 というのは、やはり県というのはそれはそれなりに長い歴史を持ち、意識の面においてもあるいは実態的にも県は県なりに自分のところの市町村のいわば取りまとめ役という形でかなり実態的な効力、四十七という数も国から見ればそういうおつき合いの関係から申しまして、実態的に今のところ私は県は県という単位でそれは機能を十二分にしているのではないだろうか。 したがって、先ほど私も触れましたように、地方分権の中で受け皿論というところで大いにひとつ議論をしていただくのはいいと思いますが、ただ、今星野委員言われましたようなことは全部道州制にしなければ果たして解決しないんだろうかと。その前に、今言われましたような経済的な問題でいろいろとテーマごとにそういった県を超えた課題というのもやりようがあるし、例えば首都圏の場合には首都圏のそれなりの行政の連関性を持っている会議もございますし、そういった意味でテーマごとでも物は解決するのじゃないだろうか。権限移譲というときに、道州制ならできるけれども県ではできないということもないのではないだろうかということもあったり、また逆に、星野委員御指摘のように、経済的な一体性を持つとまた今度ブロックに切る切り方もなかなか難しい面もあったりして、いろいろと議論を深めていく必要があるのではないかと思っているわけでございます。 これは何も道州制に行く道筋の一里塚ではありませんが、今度御議論いただきます広域連合ということ、これは必ずしも終着点を道州制ということに求めているわけじゃございませんが、その意味では県と県とのいろいろな共通的な問題はひとつやっていこうではないかという議論を呼ぶわけで、それをとにかくやって、さらにどうするかにつきましては国民的な大きな議論を呼ぶ必要があるのではないかというふうに考えておりますのが私の今の考え方でございます。
○星野朋市君 これは時間を追って、さらに議論をしていきたいと思います。今の答弁は非常に常識的な答弁なんです。だから、それじゃ私の言っている質問と大分また違うんですけれども、時間がありませんからきょうはやめておきます。 今度の大臣の所信表明を見てみますと、警察の分野に関して相当な部分を占められているというところがちょっと私目につきますので、次は警察庁にお伺いをいたしたいと思います。 まず、今、日本に外国人というのはどのくらいおるのでしょうか。
○政府委員(菅沼清高君) お答えをいたします。 外国人登録をしている者が百二十八万人おります。これに外国人登録を要しない短期滞在者、それからいわゆる不法滞在者の推計等を加えますと約百六十万人が日本にいる外国人というように考えております。
○星野朋市君 大体百六十万から百七十万ぐらい。その中で、いわゆる在日韓国人、それからその他の外国人、こういう分け方をしますとどういう割合になりますか。
○政府委員(菅沼清高君) 在日韓国人という、ちょっと今手元に持っておりませんけれども、大部分は永住者のことだと思いますので、永住者が六十八万人ほどというように考えております。したがいまして、それを除きますと外国人登録をしている者は九十万人、それから短期滞在者が約八万余り、それから不法滞在者、これは法務省推計でございますけれども、ことしの五月の推計で二十九万余りと、こういう形になります。
○星野朋市君 九十万の中には不法滞在者は入っておらないわけですね。
○政府委員(菅沼清高君) そうでございます。
○星野朋市君 私の手元にありますこの資料では、今九十万ということですと日本の人口割合に対してほぼ〇・八%、そういうふうに認識していいと思うんですけれども、この中で、最近になって非常に凶悪犯を含めた刑法犯、これが著しく増加しているやに伺っておりますけれども、そのパーセンテージはおわかりになりますか。
○政府委員(菅沼清高君) 先ほどの件、ちょっと訂正をいたします。先ほど九十数万人といいますのは、不法滞在者も入っているわけでございます。それから、今おっしゃいましたように、〇・八%が大体現在永住者を除いた外国人の人口比でございます。永住者等も含めますと一・三%弱ということになります。 それから、外国人による犯罪の問題でございますけれども、平成五年の上半期の来日外国人、これは永住者を除いたものでございますけれども、刑法犯の検挙人員が三千三百十名でございまして、前年の同期と比較いたしますと二〇・四%の増加でございます。日本人も含めた全刑法犯の検挙人員が二%の増加でございますので、先ほど言いました二〇%の増加というのは大変顕著な増加であるということが言えると思います。
○星野朋市君 もう一回繰り返し言いますと、いわゆる九十万の中に二十九万人の不法滞在者がいるということですね。約三分の一です。この不法滞在者、恐らくつかんでおるのが二十九万二千人ですか、そういうことだと思うんですが、そのほかに、つかんでいない数がかなり私はいると思っているわけです。 この不法滞在者の国別の数がおわかりになりますか。
○政府委員(菅沼清高君) お答えいたします。 不法残留者、これは事柄の性質上正確そのものであるかどうかは問題でございますけれども、タイ人が一八%、韓国人が一二%、マレーシアが約一二%、フィリピンがそれよりも若干少なくて一一・七%、イラン人が一一・三%、中国人が九・九%というように考えております。
○星野朋市君 この不法残留者の中で、やはり国別で刑法犯として問題になった人たち、この数もおわかりになりますか。
○政府委員(菅沼清高君) 刑法犯のうちで凶悪犯についてだけ言いますと、これは平成五年の上半期、ことしの上半期でございますけれども、凶悪犯でございますのでごく限定された罪種でございますけれども、イラン人が二十五人で二〇%、中国人が二十四人で一九・二%、タイ人が十七人で十三・五%、以下バングラデシュ、ブラジル等でございます。
○星野朋市君 それは凶悪犯ですね。刑法犯では中国人が一番多いと思うんですけれども。
○政府委員(菅沼清高君) そうでございます。
○星野朋市君 これは非常に言葉の言い回し上難しいんですけれども、坂口労働大臣が労働大臣に就任された直後に、御本人は十万人と言った覚えはないと、こう言っているんですけれども、中国を大体頭に置いたんでしょう、単純労働者十万人ぐらいを入国させるべきだという御発言をされているんですね。そのときに、警察庁はどういうふうにそれに対してお考えになりましたか。
○政府委員(菅沼清高君) そのときの考え方というのはちょっと承知いたしておりませんけれども、基本的に警察は治安的な観点から考えますので、不法滞在者というのはいろんな意味で多くの問題を起こすわけでございます。先ほど言いました刑法犯、凶悪犯のほとんどは不法滞在者でございますので、そういうイリーガルなアウトローの存在の滞在者がふえるということは治安的には長期的にも大きな問題であるというように考えております。
○星野朋市君 不法滞在者は、もちろん一部女性で売春の問題とか風俗営業に従事している者もおると思うんですけれども、これは主として単純労働者として日本に入国して、それで実際問題として首都圏中心に、非常に言いにくいんですけれども、日本人をなかなか雇えないようなところが低い賃金で雇っている、これが本当は実態だろうと思うんですね。そうだと思うんですよ。いかがですか。
○政府委員(菅沼清高君) 労働行政にかかわる問題でございますので、ちょっと私の方からはいかがかと思いますけれども、私どもが不法滞在者を検挙している現場から見た限りでは、確かにそうした業種に多くの不法滞在者が雇用されているということは事実でございます。
○星野朋市君 一時問題になりましたイラン人の問題がございますね。これはよくテレビなんかでも報道されておりますのでわかるんですけれども、日曜日になると代々木公園に集まってくる。一時上野公園にたくさんいたんです。この人たちが大分このごろ減りました。それで、一般には例のビザ問題に絡んでイランへ帰ったという説もありますけれども、不法滞在者としてイラン人は一向に減っていないんです。実際はどうなったかというと、千葉県の相とかあの辺に分散しちゃっておる。今、柏周辺にワンルームマンションができると大体こういう人が入っちゃうというような実態から見ると、この人たちが日本に滞在し続ける間にまともな働き場所がないんだとすれば、どうなるかということは自明の理だと思うんです。それで、これらが要するにテレホンカードの変造みたいな、そういう問題があるものにかなり従事している。 それから、私が非常に恐れておりますのは、これは統計的にもはっきりしているんですが、つい最近になりまして麻薬犯罪にかかわる件数が非常に増加しておるということだろうと思うんですが、このデータはおありになりますか。
○政府委員(中田恒夫君) お答えいたします。 不法滞在というようなことで分けてはございませんけれども、在日外国人によります薬物事犯の検挙人員でございますけれども、平成三年中には三百三人でございましたが、昨年平成四年中には五百五十六人、八三・五%増してございまして、著しく増加をしておりまして、ことしに入りましてからもその傾向が続いておるということでございます。
○星野朋市君 そのデータと私が持っておるこのデータとではちょっと違いがありますね。私が持っておるデータですと、平成四年度は刑法犯十三万二千人のうち薬物犯罪で検挙された者が八千六百五十八人、それから平成五年の上半期では十三万五千人の刑法犯のうち薬物犯罪で検挙された者は九千二百人とありますけれども、どちらが本当ですか。
○政府委員(中田恒夫君) 先ほど申しましたのは在日外国人による薬物事犯の検挙人員のことでございます。先生御指摘の数字は、在日外国人だけじゃございませんで、日本人も含めた数字でございます。
○星野朋市君 その中で、最近になって非常に顕著にふえている薬物犯罪の内容でありますけれども、これは南米からのものと思われるいわゆるコカインの薬物犯罪というのが顕著だと思うんですが、いかがでございますか。
○政府委員(中田恒夫君) ただいま御指摘のありましたように、昨今の薬物事犯でございますけれども、コロンビア人等を中心といたしました中南米人によりますコカイン事犯あるいはイラン人等を中心といたしましたアヘン事犯、こういうものが急増しておるところでございます。
○星野朋市君 私はコロンビアのコカインの現状を多少知っておりますので非常にそのことに関して脅威を感じているわけですけれども、コロンビアの首都のボゴタへ参りますと、まずコカインの話をしちゃいかぬと注意されるんです。どういうことかというと、いわゆるアンデス山脈のジャングルの中でコカインの精製というのが行われているんですけれども、これを時々軍隊が襲撃して焼き払う、そういう通り一遍の防止策はやっているんです。だけれども、今精製自体はボゴタとかメデジンという、有名なメデジン・カルテルのあるところですけれども、マンションの一室でこのコカインの精製というのをやっている。ひょっとするとおまえの隣に住んでいる者がそれにかかわっているかもしれないというような、そういう状態なんです。 あの国は、南米の中でやみのドルが公定レートのドルよりも高いという不思議な国なんです。そのくらい現金取引のドルが通用している国であります。これがアメリカに次いで当然日本に目をつけるのは今の経済大国の実情からすると当たり前のことでありまして、警察庁は水際作戦だけじゃなくて、今正式に何という名前かちょっとど忘れしましたけれども、いわゆる泳がせ捜査というのを最近始めたと思うんですが、その実態、それはどのくらい成果があったか、お尋ねいたします。
○政府委員(中田恒夫君) ただいま委員御指摘の捜査手法でございますけれども、これは昨年の七月に施行されました麻薬特例法で創設されたいわゆるコントロールドデリバリーという捜査手法のことかと思います。昨年施行以来、警察ではこの規定を活用いたしまして、税関等との緊密な連携のもとに、既にこれまで十六件ほどコントロールドデリバリーを実施しておるところでございまして、例えば昨年の八月にはコロンビアから約三キログラムのコカインの密輸事件がございましたが、これを摘発、あるいは同じ月に台湾から百十五キロの覚せい剤の密輸事件、あるいはことし六月に入りましてから台湾からやはり三十一キログラムの覚せい剤の密輸入事件等を摘発しておりますが、これはすべて従来の捜査手法では困難でございました重要な密輸密売組織の壊滅に結びつくような結果を生んでおるところでございます。
○星野朋市君 摘発されるのは当然氷山の一角というよりも、それじゃちょっと言い過ぎで、かなり検挙率が上がっていると思うんですけれども、実際にこういうものが通常国に流れるのは検挙されたものよりもはるかに多いというのが実態だろうと思います。実はこれはじわじわ一般市民の間にも浸透していくおそれがありますので、麻薬の犯罪防止ということについてはやはり全力を挙げて阻止をしていただかなければならないと思うんですが、警察庁、これからどういう対策をとられてこの防止を考えられるのか、おっしゃっていただきたいと思います。
○政府委員(中田恒夫君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、昨今我が国で使用されます薬物でございますけれども、このほとんどは外国から、覚せい剤などは台湾、中国でございますし、コカインにつきましてはコロンビア等の中南米諸国でございますし、ヘロインはタイ等でございますし、あるいは乾燥大麻等はフィリピン、タイなどでございますが、いずれにいたしましてもほとんどは外国から密輸入されていると見られるところでございます。 そのような意味合いから、警察といたしましては関係機関と協力して水際対策を推進して相当の押収量を見てはおるところでございますけれども、御指摘のように、現に毎年国内におきまして薬物を何らかの方法によって入手して使用している者というものが多数検挙されておるわけでございまして、例えば覚せい剤だけについて見ますと、昨年一年間の検挙者は一万二千人強でございますのでございますから、水際でこれは押さえられていないということでございますので、薬物の国内への流入が完全には封圧できていないということは確かに御指摘のとおりでございます。 それを含めまして、我が国の薬物乱用の実態でございますけれども、確かに諸外国の一部に見られますような際立った事態には立ち至ってないとは申せ、最近では薬物事犯の検挙数が増勢に転じております。それからまた、乱用する薬物が多様化しております。あるいはまた少年の被疑者がふえております。さらに、御指摘の南米のカルテルが我が国をも新たなコカインの市場として進出を図る、そして我が国の暴力団組織と提携いたしまして国内における受け入れ組織が構築される兆しがうかがわれるというようなこと等々ございまして、今この時期に真剣に対策を講じておかなければ憂慮すべき事態に陥るおそれがあるというふうに認識しておりまして、私どもといたしましては引き続き十分な警戒をしてまいりたいと考えております。
○星野朋市君 角川春樹みたいな一罰懲戒的な問題じゃなくて、あれにつながっているいろいろの人間もあると思うんですけれども、ここら辺は本当はもっと明らかにしていただいて、こういうことをやったらもう全部捕まる、そういう形を私はとっていただきたいと思うんですよ。パーティーをやっているわけですから、そこに参加していたメンバーというのは本当はわかるわけですよ。角川だけを挙げるのではなくて、やっぱりこれを少しでもやったやつは全部捕まえる、そのぐらいのことでやらないと、この麻薬というのは実は家庭の主婦なんかに蔓延したときは非常に恐ろしいことが私は起こるんだと思っております。対策を一層強化していただきたい。 最後に、ちょっと交通安全の問題についてお聞きをいたしたいと思います。 これは言ってもしょうがないことなんですが、私はかねてから交通安全対策のためのと称していわゆる反則金その他の徴収に関する予算が組まれることを非常に不思議に思っておるんですが、現状はいかがでございますか。
○政府委員(田中節夫君) 委員御指摘の交通反則金、これは道路交通法違反のうち一定のものにつきまして所要の額を納める、それで起訴されない、こういう制度でございますけれども、これは国に対する歳入でございますので、歳入として予算措置を講ずるというのはごく当たり前のことではないかというふうに考えておるところでございます。
○星野朋市君 それは一般市民感情とは違うんですよ。これは私が今さら申すまでもなく、本当は違反はしちゃいかぬよと違反防止をやりながら、一定のこのぐらいをやらないと安全対策のための予算がとれないという非常に矛盾したことなんです。 それで実態はどうかといいますと、それによってやたらと東京は交通標識がふえてしまった。非常に見苦しいんですね。世界各国を見てもこんなに交通標識がめちゃめちゃに立っている国はないんです。それはどうお考えですか。
○政府委員(田中節夫君) 交通反則金の制度につきましては先ほど申し上げたとおりでございますけれども、これを予算に計上したということによりまして現場での取り締まりがそれによって変わる、あるいはその歳入によって動かされるということは決してございません。それは念のために申し上げておきたいと存じます。 それから、東京都内の標識が多過ぎるという御意見、これは多過ぎるあるいはわかりにくいといった御意見があることは十分承知しております。 そこで、標識が多過ぎて複雑ということは、ドライバーから見ますと視認性あるいは判読性、あるいは都市景観という面から見ても大変問題でございますので、警視庁におきましては、定期的に標識の点検、見直しを行う、あるいは皆さん方の意見をお伺いする標識BOX、これは箱でございますけれども、これを設けて意見を聞く、さらには、基本的に交通規制が前提となりますので、交通規制の見直しを通じて標識の合理化及び量的削減を行っておるところでございます。ちなみに東京都に例をとってみますと、ここ十年間で約二十数%標識の数を減少させているところでございます。
○星野朋市君 もう一つございまして、これは所管が建設省になるかもしれませんけれども、いわゆる主要な四つ角に方向を指示した大きな標識板が出ていますね。あの下にローマ字が書いてあるんですけれども、あのローマ字はだれに読ませるためにローマ字が書いてあるんですか。
○政府委員(田中節夫君) 恐らく今委員御指摘の標識は、例えば案内標識等で行き先地を明示するような標識であるかと思います。その下にローマ字で書いておる例もございます。これは先ほど来お話がございますように、日本に来られまして外国人の方が運転されるということも大変多くなってきておりますので、そういうことも考え合わせながらそういう工夫をしているものというふうに私どもは理解しております。
○星野朋市君 多分そうだろうと思うんですけれども、実際にあの文字が、要するに運転していてしかるべき方向へ向くときに判読できますか。
○政府委員(田中節夫君) 案内標識の所管につきましては、もう委員御承知のように、これは道路管理者、専ら建設省所管のものでございますけれども、そういう御意見がこの委員会で出たということを道路管理者、建設省の方にも伝えたい、かように考えております。
○星野朋市君 もともと日本の地名というのが外国に比べてやや長ったらしいんですよ。それで、日本語というのは子音がたくさん入りますから、CHIとかSHIとかややこしいんですね。それで、何とか橋なんてくるとBASHIまでちゃんと書いてある。ところが、外国人が運転していて、真下まで来なきゃ見えないような標識というのはかえって私は安全にとって危ないと思うんですよ。 それで、ここら辺はもう少し工夫していただかないと、専門家は何と言っているか知りませんけれども、実際に運転するドライバーの目から見て非常にややこしい、難しい。それから日本の地名というのはもう一つ、その地域の人でなければそのままは読めないという土地名というのはたくさんあるわけです。そうすると、それを何と読むかというのは、あのローマ字で実は読むわけですよ。そういうことからしますと、あれはもっと工夫が必要じゃないか。これは警察庁の方から厳に所管する建設省に申し入れて、あれは何とかもう一工夫していただきたいと思います。それを要望して、私の質問を終わります。
○委員長(小川仁一君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 ――――◇――――― 午後一時開会
○委員長(小川仁一君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方行政の改革に関する調査を議題とし、地方行財政、消防行政、警察行政等の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○岩崎昭弥君 それでは、若干質問したいと思います。 最初に、参議院選挙の制度改革についてでございます。 衆議院でやっておりますので大変気になるところでございます。細川総理大臣は、十月七日の参議院予算委員会において、衆議院の選挙制度改革が成立したら参議院の制度改革についても一定の方向に集約されることを期待すると発言をしておりました。そこで、参議院選挙について私見を述べながら大臣の見解を承りたいと思うのでございます。 二院制を採用している以上、衆議院と参議院とは異なった角度から国民の代表を選出する仕組みになっていなければならないと思います。したがって、衆議院の選挙制度を改正するときには常に参議院の制度を念頭に置いて検討すべきであり、でき得れば両院の制度改革を並行して行うのが筋だと思うのでございます。しかし、現在の連立政権のいきさつから衆議院の選挙制度改革が至上命題として先行してしまったことは理解できますが、衆議院に小選挙区比例代表並立制を導入しただけでは両院は極めて似通った選挙制度となり、我が方がカーボンコピーと言われる傾向は一層強まると懸念をするのでございます。 もともと選挙制度には矛盾した二つの要請があります。その一つは、国民の意見を議席配分に正確に反映させて公平な代表を実現することであり、他の一つは、安定した責任ある政府をつくり、しかも国民の批判には敏感に反応して政権交代が容易に行われることであります。前者は比例代表制によって、後者は小選挙区制によって、よりよく実現されることはもはや常識と言ってよいと思うのであります。この矛盾する二つの要請を代表制の上で同時に実現しようとすれば、二院制は格好の受け皿になります。憲法上政権形成に直接強く結びついている衆議院で小選挙区制を採用し、他方参議院に徹底して比例代表制を導入するというようなことになろうかと思うんです。 こういう理論で言うならば、一つの議院で定数を分割してその両原理を併用させようという並立制は感心できるものではありませんが、政府は双方の長所を補完し合うものだと説明をしております。政治は妥協の産物です。また、政治はベストでなくベターで成立という総理大臣の見解に立つと、一つの選択だと思うんです。衆議院が並立制になるという前提で、参議院を二院制の趣旨を踏まえた上で考えるとどう改革すべきかという現実論になると思うんです。 さきに述べたように、衆議院に比例代表制が導入されたら参議院の比例代表は不要だという考え方が出てくるだろうと思います。衆議院と同じような比例代表制を残すとなると、二院制を採用する意味は一層薄れるでしょうし、カーボンコピー論どころか参議院無用論に発展する可能性さえあると思うんです。 小選挙区制でもない、比例代表でもない制度とは難しいかもしれませんが、例えば都道府県単位の地域代表機能を強めるのも一つの考えでしょう。ただし、憲法四十二条では両議院の議員は国民代表機能を有するとうたっておりますので、都道府県の人口格差を無視した均等な地域代表、例えばアメリカ上院のような形は無理でしょうし、しかし何らかの形で地域性を配慮した選出方法を考えることは地方分権を推進しようとする現代の課題には適したものであるとも思うんです。すなわち、衆議院で姿を消した中選挙区制のメリットを参議院で拡大再生産するのも一案だと思うのでありますが、この点について大臣の見解はどうか、お聞きしたいのでございます。
○国務大臣(佐藤観樹君) 今日まで、参議院のあり方の問題につきましては政府は次のような見解を総理以下申し述べておるわけでございます。 衆議院に小選挙区比例代表並立制を導入した場合に、参議院との制度の比較におきまして衆議院の方は、小選挙区も比例代表も完全に党が中心になるという前提、それから選挙区選挙が参議院の場合には四名区まであるということで完全一名の衆議院と違う点、あるいは重複立候補を認める点、あるいは任期六年、解散がない等々、衆議院に小選挙区比例代表並立制を導入した場合、必ずしも私たちは参議院の制度と全く一緒だと孝之ておるわけではないわけであります。 しかし、何といっても国会は衆議院と参議院で成り立っておるわけでございますから、一体参議院の役割とはいかにあるべきか、あるいは機能それから機能、こういったところからどう考えるべきかということにつきましては、御承知のように第八次選挙制度審議会でもかなり濃密な議論がされました。推薦制等の提案もありましたし、また現行の比例代表の制度について個人名も書けるようにしたらどうだという御意見もありましたし、また選挙区の方の定数是正をすべきであるというような現行の改善案についても第八次選挙制度審議会で述べられておるところでございますけれども、政府という立場になりますと、いやしくも国権の最高機関の一院でございますから、政府がこうあるべきだと言う性格ではないのではないだろうか。 今、岩崎委員自身言われましたように、衆議院の場合には、リクルート事件が発生してから五年近く御承知のような経過で来たものですから、今度も連立政権ができたときに、衆議院の方の政治改革の法案については議員立法で行くべきかあるいは政府が提出すべきかという議論も与党内部であったわけでございますが、御承知のような連立の基盤にかかわる話でございますので議会に任せるということはいかがなものかということで、衆議院の方の選挙制度を含む政治改革についてはこれは政府提案というふうにさせていただきました。しかし、参議院の方はまた経過が違うと存じております。 したがいまして、参議院の役割あるいは機能はいかにあるべきかという問題につきましては、ひとつ参議院の各党会派で議論を深めていただきたいということを政府という立場からいいますとお願いをするという立場というふうに考えております。 なお、与党の方でも各党いろいろお話をしているようでございますし、自民党さんの方でもいろいろな御議論をなさっているというお話を私も聞いておりますけれども、基本的にはそういうことではないかというふうに考えております。
○岩崎昭弥君 それでは次に進みます。 地方の時代と言われます。地方の時代と言っても、長い歴史のある我が国の省庁、官庁の組織を一朝一夕にして改革をして地方に移すということは、言うべくして極めて困難な仕事であろうと思うんです。 そこで私は、私の住む町におきまして行政を執行する上で自治体が現に困っていることを紹介しながら、比較的簡単な事案から善処を求めたいという立場で質問をしていきたいと思います。 まず事業所税についてでございます。 事業所税は昭和五十年に創設されまして、その一部改正が行われて現在に至っております。事業所税は、東京特別区、政令指定都市、首都圏整備法、近畿圏整備法の該当市及び人口三十万以上の都市が事業を行う法人及び個人に対し、保有する事業所面積の一平方メートルにつき六百円、従業者給与総額の百分の〇・二五、それから新設する事業所面積の一平方メートルにつき六千円を賦課するというのが主な内容であります。免税点は、保有資産の場合は千平方メートル以下、従業者数の場合は百人以下、新設資産の場合は二千平方メートル以下となっております。 ここで問題となってまいりますのが人口三十万以上の都市の賦課義務であります。私の選挙区の岐阜県では岐阜市のみが該当しておるのであります。この税の賦課が始まって以来、従来岐阜市内にありました事業所を周辺市町村に移転させるケースが目立って見受けられるようになりました。岐阜市の場合は中小企業が多いということもありますが、自治大臣御出身の愛知県におきましても事業所税のかかる豊田市等にそういう現象が今起こりつつあるわけであります。首都圏や近畿圏の都市においては、衛星都市全体に対して事業所税がかかっておりますので他市町村への流出という心配はほとんどありませんが、地方に点在する三十万都市にとっては、企業、事業所の転出は深刻な問題でございます。 立法の趣旨は企業が立地し操業するために行政が行う基盤整備等の費用の一部を事業所が負担すべきだというすばらしいものですが、現実には優良企業が撤退することによって三十万都市の行財政の運営にマイナスの影響を与えている場合が多く見られるのであります。そして実際、これらの都市においては、事業所税の三年分を実質返還する企業誘致条例といったものを制定するなどいたしまして、企業の流出防衛に懸命の努力をしているというのが実情であります。ついては、事業所税の賦課権を当該市に選択できるようにさせるのも一つの方法ではないかと考えるんです。今は法律で決まっておりますね。大臣の所見を伺いたいのであります。
○政府委員(滝実君) 大臣の御答弁の前に、私から事務的なことを若干申し述べさせていただきたいと存じます。 事業所税につきましては、その趣旨あるいは現実の姿はただいま先生がお述べになったとおりということを私どもも承知をいたしているわけでございます。ただ、若干のことを申し上げますと、先生もお述べになりましたけれども、昭和五十年に創設されたときには基本的には人口五十万以上の都市、こういうことで出発いたしたのでございますけれども、その後各都市の方から、都市財源としてはすばらしいものだ、やはり都市財源の充実という観点から対象地域を広げるべきだと、こういうような熱心な御要請がございまして、創設直後に、その翌年でございましたか、今の三十万都市にまで対象市を拡大させていただいたという経緯がございます。 したがって、私どもはそういう経緯を踏まえて、少なくとももう少し広げるべきだという御意見の中であえて拡大をさせていただいたということもございますものですから、地方自治の建前からもいろんな議論があることは当然私どもも認識をいたしておるわけでございますけれども、三十万都市以上ということで、選択制じゃなくて、現在のようないわば一律に課税をさせていただく、こういうような制度をとらせていただいているわけでございます。 それから、事業所税を課税させていただいている都市におきましても、企業が流出することについて現実問題として防衛上の措置を講じておるということも都市によってはあるわけでございますけれども、結果的にはそういうところでもかなり歩どまりがいいと申しますか、都市財源そのものとしては当初のねらいとおり機能している面がある。今御指摘があったのは岐阜市の例ではないかと思いますけれども、現実問題としてそういうようなところでもいろんな防衛措置を講じた財源よりもはるかに税収の方が高い。そういう意味では、やはり各都市が当初御要望になりましたように都市税源としてはそれなりの当初の予定どおりの効果を上げているものではないだろうか、こういうようなのが実態でございますので、その点だけを事実問題として先に申し述べさせていただく次第でございます。
○国務大臣(佐藤観樹君) その趣旨及び実態、考え方につきましては今答弁したところでございますけれども、これから中核市制度というところは人口三十万を中心に物を考えていくというような問題もこれあり、また委員御指摘のように、事業所の転出というのが事業所税だけで起こっていることかどうか、いろいろな観点から勉強をしてみなければならぬのではないだろうかと思っております。 税の性格からいえば、それだけ都市に集積しているサービスのメリットを受けられるということでひとつ御負担を願いたいという制度でありますから、選択性というのは果たして基本的にいいのかなという気がいたしますが、いずれにしろ地方分権という観点から勉強は少ししてみたいというふうにお答えをさせていただきたいと存じます。
○岩崎昭弥君 事業所税につきましてはもう少しデータも出して議論をしたいところでございますが、ほかの質問もしたいので次に進みます。 次に、起債制度の運用面の緩和についてであります。 地方の財政にとって行政活動を機動的にあるいは弾力的に運営させることを可能にしております起債についてでございます。地方自治体は、その置かれた状況、環境を認識し、地方みずからが自主的に主体的に地域づくりに取り組んでいくことが肝要であり、実際に私の知っている地方自治体においてはいろいろアイデアを絞って努力をされております。また国においては、努力している自治体の活動を円滑にサポートするシステムを構築しておくことが必要であると考えるのであります。 地方債にかかわる制度は、地方財政法第五条に「地方債の制限」という条文があり、この中で地方債を起こすことのできる対象経費を具体的に列挙しています。「学校その他の文教施設、保育所その他の厚生施設、消防施設、道路、河川、港湾その他の土木施設」の建設事業などについて対象としておるわけであります。また自治法施行令の百七十四条において、地方自治体が起債を行う場合に「当分の間、自治大臣の許可を受けなければならない。」と規定しております。 公債費の増高は地方財政の弾力性を阻害するものでありますから、地方財政の健全性確保の見地から公債費の増高にガイドラインを設けることは私も必要と考えております。しかし、公債費の増高がガイドライン未満であれば地方財政法第五条に列挙してある事業について地方自治体に自由に起債をさせることにすれば、より一層の地方の自主的活動を促すことになり、地方の自主権を認めることにもなると思うんです。そのため、地方自治法施行令の百七十四条の許可制度をこの際見直し、廃止してはどうかと考えるんですが、いかがなものでしょうか。 また、地方財政法第五条に列挙してある事業であるにもかかわらず、地方自治体が起債をする際に自治大臣の許可が受けられない場合があるんです。臨時地方道路整備事業債という地方道路整備事業に対する起債制度があります。これは単年度供用開始事業を起債対象としているため、例えば地方自治体が三カ年計画である道路を整備しようとした場合に、初年度や二年度に支出される用地費や補償費が起債対象には認められず、最終年度に支出する工事のみが起債を認められるという実情にあります。御承知のとおりだと思うんです。昨今の市街地における道路整備事業においては事業費全体に占める用地費や補償費の割合は極めて大きくなっておりまして、この部分に起債が認められないことは地方自治体にとって一般財源の拠出を強いられて大変苦痛になっているのであります。 また、建設省の補助を受けて行う道路の整備事業においては、補助金の配分のみを待っていた場合に、事業が長期化し、住民も行政も困ることが多いのでございます。このため、補助金の配分の不足を起債制度で処置しようと地方自治体は考えるのでありますが、自治省は建設省との関係を配慮いたしまして起債を認めていないのがほとんどであると思うんです。 このように、基本法で制度的にはメニューが用意されているにもかかわらず、運用面において十分その制度が活用されていない例も見受けられます。特に地方特定道路事業の運用については、これらについても見直し、検討してほしいと考えるのでございますが、所見を伺いたいのでございます。
○政府委員(湯浅利夫君) 大臣の御答弁の前に、技術的な問題について私から申し上げたいと思います。 まず第一点は、地方債の許可制度の問題についてお触れになったわけでございますけれども、この許可制度につきましては、現段階で地方財政計画を通じまして地方債の償還財源を保障するというためにこの制度が非常に必要だということで重要な役割を果たしているわけでございまして、こういう見地からこの制度の見直しにつきましては極めて慎重な対応が必要ではないかというふうに考えるわけです。 仮にお金を借りる場合に、貸す方の人は貸したお金を返してもらわなきゃいけないということを当然考えるわけでございますが、お金を貸した側が返してもらえるかどうかというものをどういうふうに判断するかという問題、これが貸す側には常にあるわけでございます。地方債の発行を完全に自由化するということになりますと、果たしてそれじゃこの償還財源が保障できるかということ、これはそれぞれの貸付機関が審査をして、そして大丈夫かどうかというものを一々調査をしなきゃならぬというようなことになりまして、この融資機関というものが地方団体の財政状況とかあるいは融資対象事業の内容の審査、これは公益事業でございます、そういうものの適否まで金融機関である融資機関が審査をするというような、こういう考え方も成り立ち得るわけでございます。 また、弱小団体については、これは企業の場合もそうでございますけれども、一流企業には安い金利、そうでない企業には高い金利を要求する、こういう格付ということが行われるわけでございます。現段階ではこの許可制度というものを通じまして一種の保障、償還の保障というものも行われているというふうに考えられまして、各自治体に対する貸付金利というものが多少の差はございますが均一的になっている、こういうことがあるわけでございまして、地方債の発行を自由化するということが地方団体にとっていいのかどうかということにつきましては、これは相当慎重に考えていかなきゃならないんじゃないかということを私どもは考えております。 ただ、地方債の発行手続については、やはりこれはできるだけ簡素化する必要がございます。臨時行政改革推進審議会の答申でも、許可制度そのものについては存続するとしても、その事務の弾力化、簡素化という点については努力すべきだということを言われているわけでございまして、この方向に沿いまして私どもは懸命に努力をいたしております。各自治体におかれまして地方債の許可制度があるということが財政運営上非常に支障になっているということが本当にあるかどうか、これは私どももよく地方団体の御意見も聞いていかなければならないと思っているところでございます。 具体的な問題といたしまして道路の問題がお話にございました。道路につきましては、御案内のとおり、地方道につきましても地方の道路財源がございます。地方道路財源というものをまず地方の道路整備をする場合に充てるということは財源の性格上当然のことでございますから、基本的には道路については今まで地方債の対象にするということは避けてさたわけでございます。しかし、道路整備につきましては住民のニーズも非常に高いということもございまして、通常の事業量を上積みいたしまして道路整備をするというような団体につきましては臨時地方道整備事業債という地方債で措置をしたわけでございまして、都道府県道とか市町村道をこれによってやってきた。 御指摘のように、平成四年度までは単年度主義といいますか、当該年度に事業が完成するということを前提にして地方債の対象にしていたものでございますので先ほどのような御指摘の問題もあったようでございますが、平成五年度からは数カ年度にわたります事業につきましても初年度から起債対象にするということを決めたところでございまして、その趣旨にのっとって地方団体は実施をしていただいているというふうに考えております。 また、道路の補助事業につきましては、補助事業が少ないので事業の進捗が非常におくれるというようなことがございました。そういうこともございまして、平成四年度から、建設省と私どもと御相談をいたしまして地方特定道路整備事業という制度をつくりまして、建設省の補助事業と単独事業を効果的に組み合わせることによりまして重点的に道路整備ができるようにしていこうと寸こういうことで両省の話し合いでこの特定道路整備制度というものを創設したわけでございます。 お話しのように、いろいろとまだ不備な点がございます。地方の希望どおりになかなかいかないという点があるということも聞いております。四年度に創設したときも、恐らくそういう問題も出てくるだろうからとりあえずやってみようということで、四年度と五年度、二カ年の制度としてこの制度をやりました。明年度は地方団体から出てきているいろいろな要望というものを踏まえて従来よりも弾力的な運用ができるように、そういうことで今話し合いをしているところでございます。 一歩でも二歩でも前進させながら、六年度以降この制度を充実させてまいりたいというふうに考えておりますので、この点につきましても今後いろいろと地方団体の御意見を賜りながら実施をしてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
○岩崎昭弥君 かなり前向きのお答えをいただいてありがとうございます。これからも一層お願いしたいと思うんです。 次に、起債制度の充実について質問いたします。 最近、自治省において地域の自主的活動を促進させるために地方債と地方交付税を活用したまちづくり特別対策事業などを創設し、意欲のある自治体の財政運営をサポートしておられることについては高く評価をいたしております。このような制度については今後より一層の充実を望みたいのであります。 例えば公立大学を建設した場合に、建設後のランニングコストに当たる運営費については現在交付税措置がされておりますが、イニシアルコストに当たる建設費については交付税措置がされておりません。大学の建設や運営は本来地方に帰属する事務ではありません。事実、県立や市立の大学で、その地方の出身者の全学生に占める割合は極めて低いのであります。そういう意味において、広域的な事業を地方が担っていると言ってもいいと思うのであります。 そこで、建設に際して、交付税の中に公債費の元利償還に対し一定の交付税措置をするとか、あるいは地方債を充当した残余の一般財源について交付税措置をすべきものと考えますが、いかがなものでしょうか。
○政府委員(湯浅利夫君) ただいま御指摘のように、最近の地方団体の自主的、主体的な地域づくりというものが盛り上がっているということを受けまして、これをできるだけ支援をしていこうということで、地方債と交付税を組み合わせる方式によりまして財源措置をいろいろな方面で行っているところでございます。 御指摘の大学につきましても、地域の発展を支える人材を育成するとか、あるいはその地域の活性化を図るために大学というものが非常に効果的だというような地域もございまして、地方団体がみずから公立大学を設置しようという事例が最近になって多くなってきていることも御指摘のとおりでございます。 問題は、これからの大学の問題全体を考えた場合に、十八歳人口というものが平成四年度をピークにいたしましてこれからだんだん減っていくというようなことを考えてみますと、大学を取り巻く環境というものはこれから厳しくなっていくんじゃないか、さらにこういうものに対して新増設を促進していくような支援措置というものが果たしていいのかどうかという点はもう少し検討する余地があるのではないか。設置された大学についての運営経費については交付税措置をしているわけでございますけれども、新しくつくっていくものについてどこまでサポートしていくかという点につきましては今後の人口動態なども考えながら考えていく必要があるんじゃないだろうか、こういうような気が実はしております。 ただ、この中でも、特に問題になっておりますゴールドプランのいろいろな達成をするために保健医療、福祉の関係のマンパワーがこれから非常に不足してくるんじゃないか、こういう立場で各府県では看護大学というようなものを建設していこうというような動きが最近出ております。こういう特定の分野におきます大学設置というものについてはやはり地方団体もマンパワーの確保という点から必要であろうということで、看護大学等についての建設費につきましては地方債の対象にすると同時に、交付税措置を行うという支援措置をあわせて行うということにいたしております。特定の分野でございますけれども、こういうことをやっているということでございます。 また、そのほか地域におきます高等教育機関、これは公立以外にも私立もございますし国立もございますので、こういう高等教育機関と地域との連携というような問題につきましては、これについていろいろ地域の立場から推進していく方策がないかということで、明年度の重点施策として自治省としても関係省庁なりあるいは地方団体の皆さん方と検討していきたいというふうに考えているところでございます。
○岩崎昭弥君 似たようなことで、今度は建設省絡みでお願いをしたいと思うんです。 鉄道高架事業に伴う駅周辺整備事業及びその関連街路、道路、水路整備事業なども事業の性格上当該自治体のみが恩恵を受ける性格のものではないはずであります。広域的に地域振興に資する事業ととらえていいと思うのであります。私の選挙区であります岐阜市においても、また自治大臣の選挙区であります愛知県の一宮においても鉄道高架事業が終盤を迎えておりまして、同様の関連周辺整備事業が進行中であるんです。ここにおいても、当該自治体は国の補助制度を活用はするものの、現在の国の財政状況からは年度当たりの補助金拡大にも限度がありまして、関連事業の早期完成のためには単独事業として展開せざるを得ないというのが実情であります。 これらの事業も地方財政法第五条に列挙してあります事業でありますから、補助をされます建設省と協議をいただきまして、地方債を活用できるようにするとか交付税措置をするなどして広域的事業の一層の支援を自治省に配慮していただきたいと思うんです。この点、大臣からお聞きしたいんです。
○国務大臣(佐藤観樹君) 確かにそういう御苦情というんでしょうか、これは私たちもわかるわけでございますので、今岩崎委員言われましたような方向に向けてできる限り努力をさせていただきたいと思います。ただ、細部につきましては局長の方から答弁させます。
○政府委員(湯浅利夫君) ただいま大臣が御答弁のとおり、国庫補助金などの制約から事業が進捗できないというような点については、できるだけ地方の単独事業をそれに充てることによりまして事業を重点的に行うということが可能な方向で、関係省庁ともよくお話し合いをしながらこれからも進めてまいりたいというふうに考えております。
○岩崎昭弥君 次に移ります。 来年度の地方交付税の確保について、午前中も話がありましたが、これはちょっと声を大きくして言った方がいいのかもしれません。今申し上げましたように、その肝心の地方交付税の来年度必要額の確保についてでございます。 景気の低迷が続いている現状において地方税の低迷が来年度も続くことは必至でありまして、地方財政が非常に苦しい状況に陥ることは極めて高い確率で推測できます。資料を出すまでもないと思うんです。加えて、国の財政事情の苦しさのツケを地方財政に転嫁しようとする省庁もあらわれてまいりました。 こうした状況を踏まえて、また地方分権の推進という見地から、自治省は来年つまり平成六年度の概算要求で、地方交付税で六年度に加算することとされている法定加算の三千九百五億円と、大蔵、自治両省の過去の覚書で交付税総額に加算することになっている特例加算四千六百二十七億円の計八千五百三十二億円を法定率分に加算し、これで四年度の精算による減少分の一部を補う形にして、要求額を入り口ベースで今年度当初比〇・三%減の十五兆五千七百二十四億円、出口ベースで今年度当初比〇・一%減の十五兆二千七百六十一億円とし、今後特例増額も検討しておられるといいます。 私としては自治省の態度は当然で大変ありがたいと思っているわけです。しかし、大蔵省は税収不振から七兆七千五百億円もの財源不足が来年度の国の財政に生じるとの見通しを立てているようであります。また、赤字国債の発行を回避するため徹底した歳出削減が必要と指摘しています。そのため、大蔵、自治両省の協議で判断することになっている特例加算については、今できる財政環境にないと見送る方針を固めたと伺っておりますが、これでは自治省としての責任が果たせないだろうと思うんです。加えて、法定加算の見送りや地方交付税の一部を国が借りる特例減額の検討にも着手したとの話も聞かれます。 地方には高齢化に伴う福祉対策を初めやらなければならない仕事が山積をいたしておるのは御承知のとおりです。法定加算の見送りや特例減額の検討などは我々から言うと言語道断ということになるわけです。大臣の大蔵省に対する今後の方針を尋ねたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 今岩崎委員が言われました問題につきましては、まだ何ら大蔵省と接触をしたことはないわけであります。 御指摘のように、概算要求の中で当然のことながら我々としては要求をしておるわけでございます。したがいまして、私たちといたしましては過去の経過からいってこれは当然の要求であり、財政事情が全体的に厳しいことは午前中も私が申し上げたとおりでございますけれども、なるがゆえに逆に地方公共団体にいろいろと頑張ってもらう、景気の下支えをする地域社会、地域経済を支えるという観点からいっても、地方自治体が今後の財政上支障が起こるということがないようにすることが一番重要な課題だと思っております。 大蔵省は大蔵省の立場でそれは御事情もあろうかと思いますけれども、だからといって我々がそれを唯々諾々と理解をするというわけにはまいらぬわけでございまして、その点については十分強い態度で臨んでいきたい、この所存でございます。
○岩崎昭弥君 大変力強い答弁で敬意を表します。 次は都市づくりにおける地方分権についてお尋ねをしたいんです。これは本当は建設省に言った方がいいんですが、やっぱり地方の問題ですから自治省にも尋ねたいと思うんです。 私の職業は建築士です。俗に言うハード事業については職業柄極めて高い関心を持って見ております。市街地再開発、区画整理、駅前周辺開発、公園整備など全国各地で展開される事業を見ておりますと、どこも必ず似通った街角が出現することに少なからず驚かされるのであります。先日ある雑誌で再開発された金沢の商店街の写真を見ましたが、東京の渋谷と間違えるほど似ておりました。地方都市の商業地の再開発とは、地方都市に銀座や原宿や渋谷や青山のコピーをつくることではないわけであります。 先日、ある地方都市の都市計画担当者に、あなた方は都市づくりの夢を持っているのかと詰問しましたら、都市計画は国の権限で許可されるので、全国すべての都市が同じたたずまいの駅前広場を持ち、これといった特徴のない土地利用計画や交通計画を持ち、画一的な市街地整備を行っているのです。都市計画法を見直していただいて、都市づくりの権限を地方に移していただかないと先生の御意見には地方都市としてはおこたえできませんという返事が返ってきました。 こんな例もあります。私の地元、岐阜市の北部の農村、農耕地において三百二十ヘクタール、約百万坪ですが、土地区画整理がやがて完了しようとしておるんです。これは布施行の事業であります。この地域での農業は主に近郊都市及び関西の都市に高級商業野菜を売っておりまして、十分採算のとれる農業経営が行われております。そこで、この土地区画整理の計画の際には、一部を農用地として保全する提案が出たのでありますが、現行法の規定によりまして全域の宅地化を前提とする土地区画整理事業としてスタートしたのであります。ところが、現在この区画整理地の全域にわたっていわば半永久農地とも言える農地が点在しておるのが現状です。高額な相続税を回避するために相続の際に農業継承地を選択した土地がそれでございます。ここにおいては、用途地域の指定は余り意味を持ちませんし、用途地域の指定の効果は半減しておる状態であります。 この実例は土地利用計画における省庁の縄張りによる弊害だと私は思うんです。すなわち、国の現行法で見ますと、建設省所管の土地区画整理法は全域を宅地化することを前提とし、農林水産省所管の土地改良事業は大部分を農用地として保全することを前提とする事業になっております。これをその都市の実情に合わせて混合型にしないと、その地域にとって真に生かされる制度とはなり得ないと私は思うんです。 土地利用、土地規制の法律は、国土法、都市計画法、農地法など種々ありますが、地方を一単位として見る場合に必要な都市部と農村部を同時に考えられるような法体系の整備も必要だと私は考えるんです。イギリスには「都市と農村計画法」なるものがあるそうですが、我が国にも建設省とか農林水産省とかの枠を取り払った地方を全体としてとらえる制度が必要かと考えますが、自治省としてのこれに対する考え方を聞きたいんです。
○政府委員(吉田弘正君) お話しございましたように、地域の特性を生かした特色ある個性ある町づくりあるいは地域整備というのが大変重要な課題だと存じております。そういうことで、私どもは従来から、行政事務は住民の身近な行政主体で総合的に行うべきであるということを言ってまいりましたし、そのためにはやはり地方の自主性、自律性の拡大というのが必要でございます。地域の実情に応じた運用ができますように地方への権限移譲を積極的に進めるということが必要であるという認識をしております。 御指摘のありました土地利用等に関する権限を地方団体に移譲するということが大変重要でございますが、これにつきましてはこれまでも地方制度調査会の答申などで繰り返し指摘をされてきたところでございまして、また行革審の答申にもございました。これを受けまして、一括法等によりまして一定の努力がなされてきているわけでございますが、地方団体の要望から見ますとまだまだ十分でないというような状況にあることも事実でございます。 自治省といたしましては、地方分権の推進ということが大変重要な課題でもありますし、今後とも一層の権限移譲等につきまして努力をしてまいりたいと考えております。
○国務大臣(佐藤観樹君) 今岩崎委員言われましたように、まさに日本の政治の縦割り行政の最たるものと言ってもいいのじゃないかと思うわけでございます。 そういう具体的な御指摘を今後ともいただきまして、私たちとしても今吉田局長から答弁いたしましたように、日本ほどそういう意味で住民の皆さんを中心にしてという、例えば旧国鉄跡地の利用の問題等についても、確かにあれだけの大きな土地ですと地方自治体が全部買えるということにならないから、その近くの市、町がそうしますと余り発言権がないという実態になっていることでもございますし、本当にその意味では地域住民を中心にしてというのがまだまだ足りないと思っているわけでございます。 今吉田局長からも言いましたように、まさにそういった意味で、国会の審議を通じまして、地方自治体が中心になって地域の町づくりをやれるような地方分権というものを一層進めていかなきゃならぬという決意だけひとつ申し上げさせていただきたいと存じます。
○岩崎昭弥君 大変な決意を聞かせていただきましてありがとうございます。 次に、税制調査会における地方消費税の創設案というものがあるようですが、これについてお尋ねします。 消費税については、我が日本社会党は基本的には反対の立場でありますが、税制調査会が今月まとめる中間答申に盛り込まれると聞いておりますので、質問をしたいと思うんです。 税制の抜本改革を議論している政府税調においては、消費税の見直しに際して、最近、現行の消費譲与税を仮称地方消費税に振りかえて都道府県の財源に充てるべきとの意見が浮上したと聞いております。仮に消費税率を引き上げる場合に、アップ分の一定割合を地方消費税とし、消費譲与税をこれに吸収させるのがそのねらいだと言われております。直接税に大きく依存する現在の都道府県税の偏った構造を安定的に是正し、地方分権に弾みをつけるねらいがあると推測ができるのであります。しかし、この論議には異論もあり、最終的に政府税調の答申に盛り込まれるか否かはわかりませんが、この際ですから自治省の本音を聞きたいのであります。 これまでの議論では、本格的な高齢化社会に対応するには消費税の引き上げが必要であるとか、その場合、国だけでなく、実際に高齢者福祉を担う自治体の財政基盤もあわせて強化すべきであるというのが地方消費税を求める大きな理由の一つのようであります。地方税は、午前中にもお話がありましたが、間接税の割合が一割と極めて低く、地方税収が景気動向に大きく左右されやすいことは御承知のとおりであり、その意味で安定的な財源を確保するという大義もあろうと思うんです。 一方、消費税は、現在も税収の五分の一が消費譲与税、残る五分の四の二四%が地方交付税として地方自治体に配分されております。しかし、国からの譲与という形には地方自治体の基本に反するとの見方もあるわけであります。仮に消費税が強化されることになるとすれば、これを機会に地方独自の財源に充てることは地方分権の一つとして評価できる部分ではないかと思うんです。 ただし、消費税に係る根本問題は低所得者に対する税の逆進性の問題であります。この問題について政府税調は、低所得者層ほど負担割合が重くなる逆進性の緩和策として食料品の税率据え置きを検討する、消費税による税収の一定割合を社会福祉関係に充てる仕組みを検討するなどとしておるようであります。 地方の立場とすれば、都道府県税や市町村税の減収に対応すべき代替財源の確保には殊のほか苦心をしております。全国知事会など六団体が去る十月二十六日、抜本的税制改革に当たって消費譲与税の地方消費税への組みかえに関する緊急要望なるものを急速提出しましたが、これも減収に苦しんでいる自治体の姿のあらわれだと言えると思うんです。 こうした動きに対して、自治省も既に消費譲与税の地方消費税への組みかえについて検討を開始していると聞き及んでおりますので、以下の四点についてお尋ねをしたいと思うんです。 一、消費税率がアップした場合、消費譲与税はどうするのか。 二、消費譲与税を組みかえて地方消費税を創設する場合、その税収を主として地方行政のどの分野に充当しょうと考えているのか。 三、地方消費税は都道府県税として想定されているようでありますが、市町村税はどのような対応になるのか。 四番、地方消費税が創設される場合、課税権者はだれになるのか、また納税方法はどのように考えておられるのか、担当者の答弁を求めたいと思います。
○政府委員(滝実君) ただいま地方消費税について自治省が検討している中で、四項目についてどう考えているか、こういうお尋ねでございます。 この問題は、さかのぼりますと昭和五十三年の政府税調におきまして、実は一般消費税というものが答申された際にあわせて地方税として地方消費税というものもその中で答申をされているわけでございます。したがって、歴史的に見ますと、ただいま急に浮上したものでも必ずしもございませんで、実は十数年の歴史を持ったものでございますので、そのときに検討した事柄を中心にして現在の地方消費税という考え方がある程度固まってきているということもございますので、両方あわせて、そういう意味で過去にさかのぼった点も踏まえて申し上げたいと存じます。 まず、第一点にございました地方消費税を創設する際には現行の消費譲与税はどうなるのか、こういうお尋ねでございます。 現在の消費譲与税というのは、今も申しましたように、過去の経緯から申しまして当初は地方消費税という提案があったのでございますけれども、六十一年あるいは六十三年の答申におきまして現在の形の消費税を創設する際に地方消費税案を一たん舞台から消しまして譲与税でどうだと、こういうようなこともこれあり、現在のような消費譲与税という形を大臣の表現によりますと経過的にとっている、こういう事情もございますので、私どもとしては当然その際には譲与税は地方消費税の中に吸収するのが経緯からいってもあるいは建前からいっても筋だろう、こういうようなことを考えているわけでございます。 それから、地方消費税を仮に創設する際に、その税収というのはどういうような分野に充当しようとしているのかということでございます。 これにつきましては、実は現在の税調の議論そのものがまだコンクリートな面がございません。仮に所得課税を軽減いたしまして消費課税にシフトする際に、その財政需要と申しますか、使い道について福祉的な観点を入れるべきじゃないだろうかとか、そういういろんな議論の中でこの問題も当然それと一連のものとして考えていくことになるだろうというようなことでございます。 具体的にどこというようなことはなかなか言いにくい点があるだろうと思うのでございますけれども、ごくラフな言い方をさせていただければ、当然それは安定的な財政需要、要するに将来の高齢化社会を見通した場合に安定財源がどうしても必要なんだ、こういう立場からの直間比率是正というのが根っこにあるわけでございますから、この地方消費税を創設する際にはやはりそういうような財政需要というものを一番の念頭に置いて仕組んでいく、こういうことだろうと思うのでございますけれども、具体的に目的税とかそういうものはなかなか難しい点でございますし、これは今の一般財源としての税を考えるわけでございますから、そういうものではございませんけれども、やはりそういう安定財源としてふさわしい財政需要というものを常に念頭に置いている、こういうことだけは税調でも議論されておりますし、当然私どももそういうことを踏まえた考え方をとっている、こういうことになろうかと存じます。 それでは、都道府県税としてとりあえずは考えた場合に市町村税はどうなるのか、こういう問題がこの問題についてはあるわけでございます。 消費課税というのは、基本的には税の性格からいきますと市町村の段階までこれを課税していくというのはなかなか複雑でございますので、今申しましたように、考え方としては都道府県税として設定をしていくということにならざるを得ないわけです。その場合に、そうしますと現在の消費譲与税というのは都道府県と市町村と両方に実ね譲与税が行っておりますから、それを地方消費税という格好で吸収する場合には、当然譲与税に盛り込まれておりました市町村分、それから所得減税と申しますか、住民税の軽減をした振りかえの財源としての問題もございますから、そういう意味ではこれを設定する際には、これは最終的に結論が出ているわけではありませんけれども、仮定の議論といたしましては現在の住民税のうち都道府県税の方を市町村に移しかえる、そういうような税制上の改革は当然必要だろう、こういうふうに私どもは判断をいたしております。 それから最後に、四番目にございましたのは課税権者あるいは納税方法、こういうことでございます。 私どもは、今申しましたようにこれは都道府県が課税主体になる、こういうふうに考えているわけでございますけれども、その際に問題になります納税方法は、これは煩雑なことを考えますと例えば特別徴収義務者、実際に消費者から税をいただいてそれを税務官署に納めるという特別徴収義務者、これの事務負担が大変だ、負担増になる、こういうことがあってはならないというふうに考えておりまして、この点につきましては、現在の消費税のシステムに乗っかって特別徴収義務者がほとんど負担を感じないような形でもって納税手続ができる、こういうような方法を考えるべきだというふうに思っております。 以上でございます。
○岩崎昭弥君 最後に、固定資産の評価がえに伴う不動産取得税の負担調整についてお尋ねしたいと思うんです。 先ごろ、私の選挙区の繁華街において不動産取得税などの引き上げ反対を訴える司法書士会の人たちに出会いました。訴えの中身は、来年度に行われる固定資産税評価基準の評価がえに伴い、来年度の県内における固定資産評価額の平均値は今年度の約三・八二倍に達する見込みであること。このため、土地を取得したときに納める県税の不動産取得税と売買や相続の登記申請のときに納める国税の登録免許税が必然的に三倍に引き上げられるとして、この税率を引き下げるための是正措置を求める運動でございました。 自治省は、固定資産の平成六年度評価がえに伴う税負担緩和措置の一環として、土地や家屋の取得に係る不動産取得税の軽減について既に検討中だと聞いております。 情報によりますと、不動産取得税の課税標準となる不動産価格は、原則として固定資産税の課税台帳に登録された価格すなわち固定資産評価額を適用すると。一方、六年度の固定資産の評価がえでは、他の土地価格との均衡を図るため、公示価格の七割の額を目標に引き上げるということになっております。こうした評価がえに伴う負担緩和措置として、固定資産税については、小規模住宅用の課税標準は現行四分の一を六分の一に、一般住宅用地は現行二分の一を三分の一に軽減する。評価の上昇割合の高い土地については暫定的に課税標準を二分の一から四分の三に圧縮する。負担調整期間を十二年間延長するなどと決まっておるように思います。ところが、不動産取得税についてはこの種の負担調整措置がなく、このままでは評価額の上昇が直接税額に反映されるため軽減策を求める声が上がっているのであります。 これに対し、自治省の税務局では、毎年継続して課税する固定資産税と違い、一過性の不動産取得税についてはなだらかな負担調整を行うことはできないと言っているそうであります。加えて、既に不動産取得税においては、住宅、住宅用地の税率、標準税率は四%ですが、これを実質三%に軽減している。新築住宅は取得価格から一千万円を控除している。住宅用地は二百平方メートルまで非課税にしているなどの措置を講じており、これ以上の軽減措置は困難であるとの姿勢だと聞いておるんです。しかし他方、評価がえの推移や世論の動向もあり、負担緩和措置の必要性もここに来て検討しつつあるとの情報も聞きます。 そこで、以下の二点についてお尋ねいたします。 一、固定資産税評価額によって課税されるものに不動産取得税と登録免許税がありますが、このうち不動産取得税の負担調整を図る用意があるのかないのか、あればどの程度にするつもりか、お聞きしたい。国税の場合は大蔵省が見えないので省略します。 二、本年中は旧評価額、一転して来年一月から新評価額では、極端な話、一日の取得時期の違いによって余りにも負担に格差が生ずるのではないかと思いますが、一定の経過措置等を講ずる考え方はできないものかどうか、これをお聞きしたいと思います。 以上で質問を終わります。
○政府委員(滝実君) 多少技術的な点もございますので、私の方から問題点等を中心にしてまずお答えを申し上げさせていただきます。 第一点にございました評価額で課税する不動産取得税あるいは登録免許税、こういった点についてどうするのかということと、わずか一日の違いで年度を境にしてまるっきり負担が違っちゃう、こういうようなことでは不公平じゃないか、こういうようなこともあわせて申し上げたいと存じます。 基本的に、先生も今お述べになりましたように、固定資産税と違いまして、不動産取得税は一過性の取引で決まるものでございますから年次を追って順次負担調整をしていくという現在の固定資産税の評価がえに伴う負担調整措置のようなものがなかなかできにくい。一回の取引ごとにということになりますと、そういうような年次を追った調整措置というのは理論的にはあるいは考えられるのかもしれませんけれども、現実の一回限りの取引についてそういうようなものを講じるのは難しい、こういうような技術的な問題がございまして、土地の評価とそれに伴う負担調整措置は過去七回か八回そういう歴史があるのでございますけれども、そういうような技術的な理由をもってこれは難しいということで現在に至っているのが実情でございます。しかし、今先生のお述べになりましたように、ただし年度によって今度の場合には相当なアップがあるんだから何とかならぬのか、こういうような御要望も実は相当根強くございます。 そこで、私どもはこの点につきましては調整できるものであれば調整をいたしたい、こういうふうなのが基本でございますけれども、それでは過去何回か見送りになってきた技術的な調整というのは一体全体可能なのかどうか、そういうような角度からただいま検討している最中というのが実情でございます。これにつきましては税制調査会での基本的な同意ということもございますでしょうし、またこの国会の各会派におけるいろんな意見の集約の問題もございます。そういうようなことも踏まえて、私どもとしてはそれまでに間に合うように、技術的なことが可能なのかどうかということで鋭意検討しているというのが今の実情でございます。
○国務大臣(佐藤観樹君) 若干ダブりますけれども、非常に重要な点でございますので一言お答えをさせていただきたいと思うわけでございます。 固定資産税の評価につきましても、各位のいろいろな御指導もいただきながらかなり現状に近いと申しましょうか非常に納得がいただけるようなシステムに、新しく調査箇所もふやしたりして、大きく今は変わり目だと思っております。今回の評価がえに伴いまして今御指摘のようなことが言われるわけでございますけれども、何らかの負担軽減措置というものを講ずる必要があるかどうかにつきましては、住宅用土地にかかわります特例措置、委員御承知のとおりでございます。それから今局長から答弁されましたように、これまでの評価がえの際の不動産取得税の対応、それから今回の評価がえの状況等を勘案して今後税制改正の中でさらに検討してまいりたい重要な事項だというふうに思っております。
○岩崎昭弥君 了解。終わります。
○岩本久人君 昼食休憩後ちょうど一時間、こういうときが生理的にも一番だらけて眠気が来る、こういう時間帯ではありますが、私は今、日本列島全体を震撼させておるゼネコン汚職という問題について質問をしたいと思いますから、自治大臣を初め関係者皆さんのここにおるみんなが目が覚めるようなすばらしい答弁をお願いしたいと思います。 まず自治大臣にお伺いをいたしたいと思うんですが、新しい時代、地方分権ということが非常に重要なテーマになっているときに、いわゆるゼネコン汚職といったようないわゆる腐敗した構造、汚職の構造といいますか、それが全国へ分散拡大をしているというこの実態をいかが思われるか。特に先般の鹿島の清山副社長を逮捕したことから、この問題が物すごい勢いでいろんな意味で広く深く問題化してきておるということを大変憂えるものでありまして、この副社長の逮捕で数えて三十人になる、こういうことなんでございます。今後の展開次第では中央政界へ間違いなく影響を及ぼす、このように言われており、その時期は今国会の終了直後だろう、こう言われているんです。 ところで、こういったことについての現状認識、地方自治体が今主な舞台ですから、地方自治体を所管する自治大臣として現状認識はどうか、また基本的見解はどのようにお持ちか、まずお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 私が就任をさせていただいて以降も、知事それから市長、特別区の区長、町長ということで、収賄側が地方自治体の首長であるということにつきまして私といたしましても極めて遺憾なこと、むしろ正直言いまして危機感を持っているといっても過言ではないと思っているわけでございます。 今岩本委員言われましたように、国民の皆さん方が地方分権という地方に大きな期待を寄せておりますときに、そこに冷や水をかける、あるいは地方自治体自身に対して大変な不信を呼び、それがひいては地方自治自体に対します不信につながってくる、もちろん政治不信につながってくることは言うまでもないわけでございます。したがいまして、もちろんこれは首長にある方の政治倫理と申しましょうか、あるいはその立場にあるところの基本的な政治に対するあり方そのもので律するわけでございますけれども、それだけに頼ることなく、制度的に問題があればこれから直して。いって私たちとしては今の不信を解消していく、そのための最大限の努力をしなければならぬと思っているわけでございます。 ただ、首長すべてになっているわけではないわけでありまして、綱紀の粛清をし、またそういったことを起こさないための最大限の努力をなさっていらっしゃる首長の方も当然いらっしゃるわけでございますから、私たちはいやしくも制度の中にそういった汚職が発生するような温床というものを建設省とともに最大限取り除いていく努力を一層続けたいと思っております。 なお、今後の事件の展開につきましては、これは法務省を中心にと申しましょうか、司法当局が適切に対処されると思っておりますので、私が発言するべきテーマではないと思っております。
○岩本久人君 本日段階で各自治体が事件に関与している内容はどうなっているか、一般的に汚職事件といってもいろんなケースがありますから、具体的に土木の公共工事をめぐって汚職事件というのは平成三年度に幾ら、四年度に幾ら、五年度に幾ら、わかる範囲でひとつお願いしたいと思います。
○政府委員(吉田弘正君) お尋ねの公共工事に関連しての地方公共団体の汚職事件ということでございますが、私ども毎年度地方公務員実態調査を実施しておりまして、その中で汚職事件に関する調べもいたしております。 平成四年度につきましては現在取りまとめ作業中でございまして、十二月ぐらいにはまとまる予定でございますが、最近のものでは平成三年度のものがございます。それで件数、人数等を申し上げますと、平成三年度の汚職事件、土木建設工事の施行に関するものでございますが、これにつきましては二十件でございます。そして、その職員数で申しますと二十一人でございまして、うち首長は五人でございます。 四年度は今作業中でございますが、五年度の問題につきましては、最近幾つかの問題が出ておりまして、私ども新聞等で報道されましたものについて承知しておりますのは、仙台市の市長、茨城県の三和町長、茨城県の知事、宮城県の知事、そして香川県の庵治町の町長というふうに把握をいたしております。
○岩本久人君 三年度についてはあるけれども四年度は調査中ということのようですがね、私はそういった姿勢がやっぱり一つの大きな問題の要因をっくっておると思うんです。平成四年度というのは、ことしの三月末でもう区切りですね。半年以上たった今でもまだそのような大変な事件を自治省でまとめていない、こういったことがやはりそういったことを許す一つの土壌になっていると思うんです。だから、今後少なくともそういったことについては、遅くとも年度が過ぎたら三カ月以内には早速に集計、集約して発表する、こういう姿勢になってもらいたいと思いますが、その点についていかがですか。
○政府委員(吉田弘正君) この調査はまとまりぐあいが遅いという御指摘でございまして、もちろん私どもこれをなるべく早くしなければいけないという気持ちは持っています。 ただ、実情を申し上げますと、結局毎年度毎年度の調査でございますので前年度の三月に終了しますので、各県に照会をいたしまして、各県の報告をいただきましてヒアリングも夏ごろにやりまして、それから電算集計をするというようなことで、現在のところちょっと手間取っているということがありまして、なるべく早くはいたしたいというふうに思っています。 公務員実態調査の中身は非常に膨大なものでございまして、汚職事件につきましても例えば横領と背任の分類の明確化とかあるいは事実関係の明確化という問題もありまして、時間をかけているのはあれでございますので、なるべく急げるものは急いでまいりたいというふうに思います。
○岩本久人君 今まさにコンピューターの時代で、今言われたようないろんなへ理屈を言ってどうだこうだと、だからやれぬというのはやっぱり国民が納得しません。その気になってやればなるはずですから、ぜひ今後は早急にそういった問題についても的確に迅速に対応されることを強く要請をしておきたいと思います。 ところで、今回のこの一連のゼネコン汚職事件等につきまして、各界のありとあらゆる人がいろんな分析をし、防止のためのいろんな提言とかがたくさん毎日新聞に出ておる。その中で私が目についたのを一つ言いますと、これは私が知っておるからでもあるんですが、前獨協大学学長で元島根県の知事の恒松さんがこういうことを言っておられる。自治体首長の不祥事は構造的である、単にその人の倫理観だけでどうこう言うべきではなかろうと、こういうことで私は全く同感ですから、これをちょっと読んでみます。 自治体首長の不祥事については、構造的な問題もあります。四十七都道府県のうち二十三都府県は天下り官僚が占め、副知事は約三十県に自治省出身者がいます。地方の土本部長クラスは全部といっていいほど建設省からの出向者。中央の地方支配の構図は公共工事において顕著です。国の補助金でやる公共工事は、地域住民にも自らの税金を使ったとの認識が薄く、住民のチェックが効きにくいのです。 ここに象徴的に書いてあるので、私も全く同感です。 そこで実態はどうか、この恒松先生が言っておることが合っているかどうかということをちょっと検証してみたいと思うんですが、現段階で自治省を含めて中央省庁から知事になっている人が何人いるか、そして副知事は何人おられるか、お願いいたします。
○政府委員(遠藤安彦君) お答えを申し上げます。 知事につきましては、中央省庁にかつて身分を置いた者ということでお答えさせていただきたいと思いますけれども、十月現在で二十六名が中央省庁にかつて籍を置いたというように理解をいたしてございます。それから副知事につきましては、自治省出身のとおっしゃいましたので、これも自治省にかつて籍を置いた者ということでお答えさせていただきますと、十七名おるというように承知いたしております。
○岩本久人君 恒松先生が指摘されたよりかはさらに三人ふえておる、こういうことですね。 それから、自治省だけじゃなくて、中央省庁ということになると副知事は何人になるんですか。
○政府委員(遠藤安彦君) 私どもの承知いたしているところでは、中央省庁に籍を置いた者の副知事は全体では二十二人かと存じております。
○岩本久人君 次に建設省と農水省にお伺いいたしたいと思うんですが、全国の都道府県と政令市の土本部長、農林水産部長に本省から何人出ておられるのか、お願いしたいと思います。
○説明員(福田秀文君) この十一月一日現在で、建設省から各県の土本部長、土木建築部長として出向している者は二十八人でございます。
○説明員(紀内祥伯君) 農林水産省から都道府県の部長職に出向している人数でございます。本年十月一日現在で十二県、十五名でございます。
○岩本久人君 今の数字は後から取り上げます。一応おきます。 次に、建設省、農水省から、今度は官から官ではなくて官から民、いわゆるゼネコンを含め、土木協会とかいろいろな協会があるでしょう、そういったところにどの程度の人が現在行っておるかということについてお願いしたいと思います。
○説明員(福田秀文君) 建設省から民間会社全体というのは手元に資料がございませんが、建設会社に再就職をしておる職員でございますけれども、ここ五年間で人事院承認、大臣承認を得て行っている者が九百七十六名でございます。
○岩本久人君 それは何年。
○説明員(福田秀文君) 六十三年から四年までです。
○説明員(紀内祥伯君) 農林水産省の職員で、退職後日本建設業団体連合会、日建連に就職した者でございますが、同じく平成四年までの五年間の合計で百二十名でございます。
○岩本久人君 自治大臣にお伺いしたいと思うんですが、今から伺うことはそれぞれ建設省と農水省にもお伺いしたいと思いますからよろしくお願いしたいと思います。 今の数字は私も初めて聞いたんですが、トータルで言うとこういうことになりますね。本省から全国四十七都道府県の知事に、もちろんこれは公選ではありますけれども、知事になっておられる方が二十六人、それから副知事に本省から行っている人が二十三人。大まかに言えば、これはそれぞれ過半数。それから土本部長については四十七都道府県のうちの二十八県、それから農林部長に至っては四十七都道府県のうちの十五人と。そして官から民には、六十三年から建設省で九百七十六人、約千人、それから農水省は百二十人の人が本省から行っておられるということです。 これは本省でそれぞれ確認はできておるということですから、まあ言えばそれなりのクラスから上だと思うんです。しかし、一般的に言うと、上だ下だということは語弊がありますが、そうでない方を含めると恐らくこれの何倍という方が、かつて公務員としてそういう仕事についていた人がそれぞれの中小企業を含めていろんなところへ行っておられるというのが実態です。 それで、今までゼネコン汚職というものが出るたびに言われておるのは、いわゆる政官財あるいは政官業の癒着だと、これが一番大きな問題なのではなかろうかというふうに言われておるわけです。このことは一部の学者とか一部の関係者が言うのではなくて、今や国民の声、民の声になっているというふうに私は思うんです。 そういったことを考えた場合、まず最初に建設省に聞きたいんですが、現在の利権腐敗構造といいますか、こういった方々をあっせんすることによってそうした汚職する構造を支えているんだと、こういう意識、自覚が建設省にあるのかどうなのか、まずそれを聞いておきたい。
○説明員(福田秀文君) 建設省職員が退職後、本人の知識、経験、こういうものを生かして各関連分野で活躍するということは、これは本人の生活上の必要性はもとより、社会的にも有為な場合があるというふうに考えております。 ただ、建設省の業務に密接にかかわるような分野への再就職については職務の公正を疑われるというようなことがあってはなりませんので、人事院等の厳正な審査を経て就職できるという制度になっておりますので、その制度を慎重に運用しながら今までやってきておりますし、これからもやっていきたいというふうに考えております。
○岩本久人君 福田課長さん、私もあなたとは二十年来よく知っておるものだからなんですが、私はそういう事務的な答弁を聞きたくはないんです。その意味から言うと、やはり政府委員に来てもらわにゃいかんだったなと思っておりますが、今言っても仕方がない。 それで、自治大臣に聞きたいんですが、農水省も恐らく同じことになると思うんで、さっきから私が言うように、中央の省庁から各地方の自治体の重要なポストに配置をしているという現実、そして中央省庁あるいは各県から市町村あるいは各民間の団体にそれぞれをそういった形で人的配置をしている、そういったところに送っている、こういうことが今回の汚職の腐敗した構造の非常に重要な位置を占めているということについての基本的な見解を承りたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 先ほども答弁の中に言わせていただきましたけれども、当委員会にも知事御出身の方もいらっしゃって立派な方がいらっしゃるわけでございまして、四十七都道府県の知事全部がそうなっている、副知事がそれに関与しているということではない。やっぱりそこには基本的に職務の公正、あるいは政治家として首長としての倫理観の欠如、そこにまず一つはあるということをはっきりしていかないといかぬと思うのであります。 それから、他省庁のことはわかりませんが、自治省という立場からいいますと、確かに現在四十七都道府県に十八名の自治省御出身の方がいらっしゃるわけでございますが、御承知のように、これは選挙でございますので、求められていろんな環境が許せば、知事という場合には選挙の洗礼を経てということがございます。それから副知事の場合には、自分の出身県には私の知っている限り絶対に行かせていないと思いますし、あるいは副知事の中でも、かなり若いときに自治省から外へ出られてその県でずっと中におられる方もいらっしゃるということでございまして、他省庁が政官業の癒着関係の中でどういう働きをしているかというのを、それ以上自治大臣という立場で言うのはちょっと答弁が難しいと言わせていただきたいのでございます。
○岩本久人君 恒松先生はこの中の最後のところで、高級官僚がそういったところへ俗に言う天下りをするといったようなことは最低五年町は控えるように制度的にすべきだといったようなことも言っておられるわけです。そういったことも含めて、どのように、理屈を言おうとも、そういった恒常的な天下りの体制、人的な癒着、それが現在の腐敗構造をつくっているということからすれば、そういった問題を含めて各自治体で自律的にチェックできる機能、制度をつくっていく必要がある、こういうふうに思うわけですが、そういったことについての見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 自治大臣として自治省限りの話でございますけれども、一つは繰り返しになりますけれども、御承知のように、知事というのは県民に選ばれてそういう識見なりあるいは経験なりというものを経てやるわけでございますので、その意味で、あとは汚職事件などに巻き込まれるかどうかということは本人の自覚ということが一番私は大事なことだと思っておるわけでございます。 ただ、制度的に、先ほど触れましたように、そういう温床をつくるような入札・契約制度はまだまだ改善するところがあるのじゃないだろうか等々の問題はさらにやっていかなきゃならぬと思っておりますし、また議会は今のようでいいものだろうか。地方の議会の中で今度は昨年、皆さん御承知のように、監査委員が行政監察できるという権限も広げている。そこがうまく働くのか働かないのか、このあたりも含めていろいろな角度から、単に知事なり副知事なりそこのポストに着目するだけではなかなかこれも解決できないんじゃないか。私も三カ月ずっと考えに考えて、いろいろ今日まで自治省と一緒に対応してきた者からいいますと、そこだけですべて解決できる問題ではないという深刻な感じを持っております。
○岩本久人君 私も最後にそのことを言おうと思っておったんです。せっかく監査委員の機能強化をやったわけですが、しかし現実にはまだまだ昔の感覚で監査委員の皆さんはおられる。私もかつて二年ほど県会議員出身の監査委員をやったことがありますけれども、まだまだ私がやっておったときと同じような意識ですから、せっかくそういう権限を付与されたわけですから、そこのところをきっちりやってもらうようなことも強力に早急に指導してもらうということはとても大事なことだと思います。 それと、くどいようですが、さっき建設省の福田課長さんが言われたように、長年培ってきた技術とか知識をそういったところで発揮することもいいことだといったようなことではなくて、今こういうような社会正義に反する大変な事件が続発をして社会問題化しているときですから、今までのような無条件かつ無秩序に要望があったなんだということで次々送り込むということはお互いに控える、どこかの県では断るという姿勢だというところもあるようですが、そういったような指導もしていく必要があると思いますので、その点は要望しておきたいと思います。 次に制限つき競争入札制度の問題ですが、マスコミの報道等によりますと、自治省、建設省で全自治体を対象に入札・契約手続に関する実態調査を行ったとありますが、この結果どうなっているのか、内容をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 私の前の大臣でございますが、綱紀の粛正、それから制限つき一般競争入札の活用についても検討を行うことということで、事務次官通達をまず七月三十日に行いました。 しかし、残念ながらその後宮城県知事が九月の末に逮捕されるということがございまして、十月一日付で都道府県及び指定都市にできる限り早く制限つき一般競争入札を試行するようにということで事務次官通達を発したわけでございます。そして、それを行った場合には、入札年月日、対象工事の概要、定めた資格、当該資格を有する業者数、入札業者数等の入札の概要及び問題が生じた場合はその詳細について、行政課の方に文書で連絡されるようにということになっております。今どのくらいその試行がされておるかということにつきましては、局長の方から答弁させていただきたいと思います。 なお、申しわけございませんが、先ほど私の知る限り副知事につきましてはその県出身者はいないということを覚えていると申し上げましたけれども、原則として行かせないようにしているようでございますが、若干あるようでございますので、その部分だけ訂正をさせていただきたいと思います。
○政府委員(吉田弘正君) 制限つき一般競争入札の検討、試行についての通知につきましては先ほど大臣から御答弁申し上げたとおりでございますが、実は私ども建設省と自治省の協議会の中で地方団体に各種のアンケート調査、実態調査もいたしております。その中で、現在自治体における一般競争入札の導入の状況はどうかということも調査をいたしました。 これは平成五年八月現在の段階で調査をいたしましたのでちょっと前の時点でございますが、その数字を申し上げますと、現在採用している自治体の数は市町村で十一団体が制限つき一般競争入札を導入しているということでございます。それから、今後採用を考えている自治体ということで、都道府県では七府県、政令市では政令指定都市でございます。これは八月時点の調査の段階でございまして、先ほど申しましたように、十月一日には各都道府県にそれぞれ制限つき一般競争入札について試行するようにということで言っておりますので、今後さらにこれはふえてくるというふうに考えております。
○国務大臣(佐藤観樹君) ちょっと補足をさせていただきたいのでございますが、先ほど岩本委員の御質問の中に全市町村というようなお話もございましたけれども、今申しましたように、この試行につきましては県及び政令市でございます。 それから、ガットの関係での建設協議がございますけれども、この話も何か全市町村になどということが報道されましたが、そんなことはございません。これは物品納入と同じように県段階ということになっておりますので、具体的にはさらに先に、行動指針の中でございますけれども、全市町村ということは今のところ考えておりませんので、ガットにつきましては県段階のみ、こういうことでございます。
○岩本久人君 建設省にお伺いいたしますが、制限つき競争入札制度の導入によってどのような効果が期待できるのか、今までの指名競争入札に比べてこういう点がこうだからこういうことが期待できるということについて具体的にお願いしたいと思います。
○説明員(竹歳誠君) お答えいたします。 現在検討しております制限つき一般競争入札、条件つき一般競争入札とも呼んでおりますが、これにつきましては、指名を行わないということで入札に参加できる者の資格を客観的にこれを公示いたします。したがって、これが明確に公告され、資格要件を満たせばだれでも参加できる、こういうような極めて透明性の高い制度を考えております。 したがいまして、指名行為そのものが存在しないということで、今回の一連の事件で問題とされましたような指名にかかわります不正行為、こういうことが起こり得ない、こういう制度であると考えております。
○岩本久人君 この新聞の中にも二、三そのことについて書いてあるんです。あなたはいいことを言われたんですが、余りその結果よくない点もあるんではないか。つまり、この新聞で見ると、従来であったら大体十社ぐらいで指名入札していた。ところが、今言われた新しい制度にしたために百社以上来られて事務量が大変で困っているといったようなことがあるんですが、そういったことについてはどのように今後調整をしていかれるのか。
○説明員(竹歳誠君) お答えいたします。 制限つきと申しますとどういうような制限をつけるか、これが極めて大事な問題でございます。先生御指摘のように、制限が非常に緩いとたくさん来る。また一方でこういう批判がございまして、制限が狭過ぎる、これでは全然少なくなってしまうじゃないかというようなことで、ここら辺につきまして現在中央建設業審議会の中に特別委員会を設けておりまして、ここで対象工事の範囲でございますとか、どのような条件をつけると透明性の高い、競争性の高い入札制度になるかということを御検討いただいております。この結論につきましては十二月中に結論をいただく、こういうふうになっております。
○岩本久人君 それでは期待をしておくことにいたしまして、次、国税庁来ておられますか。 いわゆる裏金の実態とその規制の問題で、使途不明金の問題を取り上げたいと思うんです。 新聞の報道では、国税当局がゼネコン及び下請等に対して使途不明金の問題等で一斉税務調査に入ったというふうにあるわけですが、その状況はどうなっているのかということと、そして使途不明金とは何かという二点についてお伺いしたいと思います。
○説明員(高氏秀機君) お答え申し上げます。 まず、使途不明金とは何かという御質問でございますが、税法上、使途不明金の定義はございませんが、一般に企業がその支出先を明らかにしない支出をいわゆる使途不明金というふうに呼んでおります。 それからもう一点は、新聞報道でゼネコンの下請に対して一斉調査をしているようだがどういう状況だという御質問がと思いますが、一般的に申し上げまして、国税当局といたしましては、常に納税者の適正な課税を実現するという観点から、あらゆる機会を通じまして課税上有効な資料、情報の収集に努めまして、課税上問題があるというふうに認められる場合には、実地調査を行うことなどによりまして適正な課税の実現に努めているところでございます。 なお、新聞報道につきましてはそういう報道があったことは承知しておりますが、御指摘の点につきまして特にコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○岩本久人君 この使途不明金というものがいわゆるやみ献金につながっているというのは世間の常識であるということを思った場合、この使途不明金なるものはできるだけ早くなくするという方向でやっていかなきゃいかぬ。そのためには例えばフランスで行っているように、一〇〇%の重加算税をかけるといったようなことも検討するべきではないかという意見もあるんですが、そういったことについてどのようにお考えでしょうか。
○説明員(森信茂樹君) お答え申し上げます。 使途不明金につきましては、真実の所得者に課税する観点から、できるだけその使途を解明し、その支出先に対しまして適正な課税を行うことが原則であり、国税当局はその使途解明のため最大限の努力を行っているところでございます。 ただ、どうしても使途が解明できない場合に、その支出した法人に対し、経費としての損金算入を否認することにより結果的に全額を課税しておりまして、法人税制の枠内の措置としましてはできるだけの措置を講じているということでございます。 なお、調査により把握いたしました使途不明金につきまして、その支出の過程におきまして仮装とか隠ぺいなどの悪質な行為がある場合には重加算税が課せられるということは言うまでもございません。
○岩本久人君 私が質問をしたのは、一〇〇%にしたらどうか、もっと厳罰に処したらどうかということを言ったわけでありますから、そのことも一応意見として申し上げて、次に行きたいと思います。 次に公正取引委員会、来ておられますね。 談合の問題についてお願いしたいと思うんですが、過去五年間のいわゆる談合について、談合の関係といいますか、そういった問題についての調査状況、そして結果についてお伺いをしたいと思います。
○説明員(楢崎憲安君) 御説明申し上げます。 私どもいわゆる入札談合につきましては積極的に従来から排除に努めているところでございます。いろいろ入札談合のタイプがございますけれども、昭和五十二年以降、五十四件の法的措置をとっているところでございます。御指摘の建設業にかかわる入札談合事件、電気工事事業等を含むわけでございますけれども、平成元年以降現在まで十八件について審決等の法的措置をとっているところでございまして、また、これまで延べ三百二十八名の事業者に対しまして総計十五億六千二百七十一万円の課徴金の納付を命じているところでございます。
○岩本久人君 三百二十八名、十六億幾らの課徴金を取った、こういうことですが、現在の調査状況をお願いしたいと思います。
○説明員(楢崎憲安君) 先ほど課徴金総額十五億六千二百七十一万円と申しましたので、御訂正願いたいと思います。 先ほども御説明いたしましたように、入札談合事件につきましては昭和五十二年以降五十四件、特に昨年は三十四件の勧告を行っているわけでございますけれども、約二十件が入札談合事件であったわけでございますし、また今年度も現在まで十四件の勧告を行っておりまして、そのうち六件が入札の談合事件でございます。 このように審査をやってきているところでございますが、個別事件でございますので、現在どういった事件を行っているか、あるいはその内容はどういうものであるかということについては御答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○岩本久人君 最近における情勢から、いずれにしてもこのようなことを許してはいけないと、こういう全国民的な合意が成り立っているということから、恐らくあなたのところに対しても談合だといったような情報は最近格段にふえているのではないかと思うんですが、二、三年前と比べて現在はどの程度その情報量がふえているか、それをまず聞きたい。
○説明員(楢崎憲安君) 私ども公正取引委員会の方に入札談合にかかわる情報提供がなされているということは事実でございますけれども、情報の中身というものはそれぞれ濃淡異なるところでございまして、情報提供が何件なされているか、あるいは傾向がどうであるかというのを全体として数字で申し上げるのは適切じゃないんじゃないかというふうに思っておりますので、御答弁は差し控えさせていただきたいと思っております。 いずれにしても、重要なことは件数ということじゃございませんで、私ども公正取引委員会といたしましても事件の端緒となる情報をいかに収集するかということが重要なことでございまして、私どもとしても今後とも情報収集に努力をしていきたいというふうに思っているところでございます。
○岩本久人君 私は体制をもっと充実強化をしてしっかり頑張ってもらいたい、こういう意味で言っておるわけですから、ひとつ自信を持って答えてもらいたいと思うんです。 それで、現在の体制は何人でその調査をやっているか、そして来年度に向けて、あるいは何カ年計画がで、私は前の委員会のときに大幅に増員をしてやってもらいたい、こういうことを言っておるんですが、そういった点についてはどういう予定になっておりますか。
○説明員(本城昇君) 公正取引委員会の定員機構でございますけれども、行財政改革が推進されている厳しい状況の中で、関係各方面の御理解をいただきましてその着実な整備充実が図られてきております。 今、先生の御質問の審査にかかわる人間でございますが、審査部門の定員は平成元年度末で百二十九名、それから平成五年度末で百八十六名へと五十七名が増員されているわけでございます。公正取引委員会といたしましては、今後とも審査部門を含めまして、定員機構の整備充実に努めまして、競争政策の有効かつ的確な運用に努めてまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。
○岩本久人君 このゼネコン問題というのは、言うまでもなく今や我が国日本が抱えておる大変重大で、深刻な課題でございまして、当委員会としても、地方自治体がその主戦場になっているというようなことを考えた場合、放置できないということから、現地の調査を含めて今後積極的に審議していく方向をひとつ委員長に要請をしておきたいと思います。 それから、テーマは変わりますが、最後に自治大臣に要望しておきたいと思うんですが、先ほど来からあります地方消費税の問題です。 私が考えてみても、もちろん基本的に消費税がどうかということはありますが、減税論議が先行している中で住民税減税ということを考えていくと、地方の独立財源の税源をどこに求めるか、これも真剣に模索しなければならぬと思った場合、極めて有望な財源のうちの一つの選択肢に入るだろう、このように思っておりますから、その点を要望して、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(小川仁一君) 委員長といたしましては、ただいまの調査を含めての検討については、理事会にお諮りをいたしたいと思います。
○続訓弘君 せっかくの機会でございますので、自治大臣に重要課題について数点お尋ねいたします。 その第一は、地方財政財源の確保策についてでございます。 午前中に鎌田委員が、そしてまた午後には岩崎委員がそれぞれ御質問をされました。そして、大臣からは力強い御答弁もございました。 御案内のように、予想をはるかに超える景気の長期低迷、その結果国も地方も大変な状況になっております用地方の中小企業は人員整理を余儀なくされているし、またNTTや新日鉄すらも人員の整理を含む合理化を検討しているということが新聞に報道されております。 新聞報道によれば、今月末に予定されている政府の補正予算でも、五兆五千億前後の税収減が見込まれ、その対策として一兆五千億程度の地方交付税が減額されるであろう、こんな情報も流れております。加えまして、十月二十日に自治省が取りまとめられた地方税収の結果も、先ほどは湯浅財政局長は大幅にとおっしゃったけれども、新聞報道によれば一兆三千億前後の地方の税収減が見込まれる、こういう報道がなされております。さらに、先ほど湯浅局長も明らかにされましたように、都道府県、市町村あわせて単独事業で二兆四千億の補正がもう既になされている。加えて、これからの冷害あるいは災害対策等々でさらに補正が予想される。こんな状況の中で、平成五年度の地方の財源確保策というのは私は大変じゃないかなと。地方は既に予算を組み、住民に約束をしております。そして、その約束どおりの予算を一生懸命執行している、そんな中で税収不足に見舞われるということは大変なことだ。 そこでお伺いしたいことは、平成五年度の財源不足に対して自治省は適時適切な対応策を講じられるとは思いますけれども、その辺のことについて自治大臣の所見と、さらに平成六年度の税収不足あるいは地方財源対策に対しての先ほど力強い自治大臣のお答えがございましたが、ただいま現在大蔵から何の交渉もない、しかし交渉があった場合には私はとことん体を張ってというような意味のこともお話ございました。ところが、ぎりぎりの状況になりますと、大蔵省は公経済のバランス論から自治体の財源を借りるという手を必ずやってくるんじゃないか。御案内のように、既に四兆一千億を超えるお金を地方から国にお貸ししている。この財源対策こそは本来大蔵がやるべき仕事であります。 そんなこともございまして、自治大臣としては先ほど力強い答弁のごとく、大蔵が何と言おうと必ず体を張って地方の財源確保に努力をしますと、そういうことを三千三百余団体の皆さんにここで力強くもう一回所信のほどを述べていただければと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(佐藤観樹君) 財政状況につきましては続委員も御専門でございますので、もう短い時間でございますから、くどくどダブらないで考えを述べさせていただきたいと思います。 御承知のように、都道府県税の見込みが大きく下回っているわけでございますので、減収補てん債の発行によりまして当然これは補わなければなりません。ことしの場合には、減収補てん債の対象税目として従来から対象にしてまいりました住民税法人税割、それから法人事業税及び住民税利子割、市町村につきましては、利子割交付金に加えて、土地の譲渡所得の減少等に伴う税収減の状況を勘案し住民税所得割の分離譲渡分を追加することとするということで、万遺漏なきを期していきたいと思うわけでございます。 それから、何生言いましても交付税でございますが、もとが減っているわけでございます。ただ、新聞等に報じられております数字は恐らく新聞社がはじいたものであって、今の時点で正確なことはまだわからないと思いますが、いずれにいたしましても交付税におきまして減が出てくることはもう御承知のとおり、しかもやはり大きな金額であるということでございますので、従来からやってまいりました、きょう岩崎委員にもお答え申し上げましたけれども、貸し借りがあるわけでありまして、今貸しておるわけでございますから、これはこういうときにこそ返してもらわなきゃいかぬということでございますから、私といたしましては、経理でどうするかといいましょうか、貸し借りの問題は我々の主張として当然でございますけれども、いずれにしろ平成六年度の地方の財政運営が健全にいくようにするのが我々の仕事だと思っているわけでございます。 繰り返しになりますけれども、今や国の予算よりもかなり大きな規模で三千三百の自治体に頑張っていただいておりますし、単独事業も大変ふえてきたわけでございまして、きょう触れましたように、二兆円を約二割も上回るほど地方自治体も頑張っていただいて特色のあるものをそれなりにいろいろ考えてやっていただくという、その意味ではかなり前進をしていると思うわけでございます。この情勢というものを着実に進めることが、それは国全体から見れば、国というのは中央だけじゃありません、日本国全体の経済を支えていく、地域経済の末端まで支えていくことにつながっていくという信念を持ってこの問題については、体を張ってということを言われましたけれども、信念を持って実現をするように頑張っていく、これが私の仕事だと思っております。
○続訓弘君 次は地方分権の問題についてお伺いいたします。 ことしの五月十三日だったと存じますけれども、私は前自治大臣に御質問申し上げました。村田大臣は私の質問に答えてこんなことをおっしゃいました。それは、一万九百四十二件ある許認可事務を少なくとも三年をめどに五千件ぐらいに減らします、この減らすことこそが実はこれからの国民に信頼をから得るんだ、そのためにもぜひこのことはやり遂げたい、こんな強い決意を村田大臣は述べられました。恐らく今の佐藤大臣も同じような気持ちでこの問題に取り組まれると思います。 去る十月二十七日には第三次行革審の答申がございました。そして、一年をめどに大綱をつくり、そして法案化に云々という答申もございました。それらを踏まえて、佐藤大臣としての所見を伺いたいと存じます。
○国務大臣(佐藤観樹君) 規制緩和の問題につきましては、村田自治大臣が三年以内に一万九百四十二件あるのを五千件ほどに減らしたいというふうに言われたように私も承知をしております。 これはきょう鎌田委員からも御指摘いただきましたけれども、一万九百四十二件というものを規制という言い方で十把一からげでいいのか、特に我々のところでやっております消防庁の関係は人の生命にかかわるような話でございますから、一緒にこれを約一万一千件と言っていいのかどうかということは実はちょっと私もちゅうちょするところがあるわけでございますが、しかし、いずれにいたしましても、今度は第一次として九十四件、自治省としては消防関係で七件をいたしました。長いものは平成六年度以内に片づけるものも消防関係でございますが、着実にやると同時に、総務庁を中心にしてこの規制緩和というものはどんどんと意欲的に進めていかなきゃならぬということで、私のところの範囲は非常に少ないわけでございますけれども、全体的に細川内閣の非常に重要な課題として、この場合は限られた時間の中でやった九十四件という位置づけ、第一歩。これをさらに引き続きやっていかなきゃいかぬと思っております。 それから、地方分権の問題につきましては、今日まで自治省の先輩の皆さんあるいは国会のいろいろな御指導もいただきながらやってきたわけでございますし、パイロット事業等もつい先ごろ通加をしてまた認可するということになってきておりまして、少しずつ進んでいるとは思うのでありますが、速度が速いとは言えないと思っております。特に細川内閣は、御承知のように、総理も官房長官も知事出身、市長出身者が二人いらっしゃる。官房長官も市長をやったことがあるから、三人といえばそうでございますが、私も就任のときに、総理から政治改革だけではなくて地方分権についても大いに進めていただきたいということも言われておるわけでございます。まさに中央集権で東京一極集中その他の弊害が出、今や日本はある程度一定のところまでは大体均一にそろってきたと思うのであります。これからゆとり、豊かさを出していく、そして特色ある地域の魅力あるものということになっていく、今その時代の大きな私は変わり目だと思っております。 したがいまして、きょうも申し上げましたように、一つは何といっても二十三次地方制度調査会で出てまいりました広域連合あるいは中核市制度、これをひとつ皆さんに御審議をいただいて御通過をいただいて、これも始めますが、同時に、行革審の方から出てまいりました政府は強力に推進する機関をつくりなさい、大綱をつくりなさい、その後法律をつくりなさいということを政府としても進めます。しかし、これは国会の方も特別な分権の御決議をいただき特別委員会もつくっていただいているわけでございますので、もちろん自治大臣は受け皿としての三千三百のお世話をする担当省でございますが、権限その他は各省庁にまたがる話が大変多いわけでございますので、そういう意味では内閣からいえば内閣一体、あわせまして内閣を監視といいましょうかしていただく国会自身も地方分権につきましてより一層御指導やら論議を深めていただく、こういう性格のものであろうというふうに私は思っております、 そういった意味では、最終答申に盛られたことも政府は着実に、恐らく総理を中心にしながら、実務的には総務庁が事務方の中心になって進めていくことになろうと思いますけれども、政治改革、行政改革、経済改革、これが細川内閣の三大改革でございますので、そういった意味では受け皿としての自治省、自治大臣としてなお一層意欲的に取り組んでいきたいと思いますので、国会におきましてもなお一層御論議を深めていただきますようお願いをしたいと存じます。
○続訓弘君 三点目は、時間の関係もございまして要望にとどめさせていただきます。 それは、岩本委員も先ほど御指摘されましたゼネコン汚職との関連であります。せっかく盛り上がりつつあります地方分権にこの問題が尾を引いて水を差してはならない、こう私は考えております。恐らくここにおられる委員各位も同様の気持ちだと存じます。それらを踏まえまして、自治大臣として適時適切な指導をひとつぜひお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(佐藤観樹君) 実は続委員御指摘のように、あるいはきょうも岩本委員からもお話ございましたように、収賄側が各地方自治体の首長である、知事であるということにつきまして、大変私も遺憾に思うというよりも、今続委員自身も言われましたように、せっかく地方自治体に対する期待が大きいときにこういったことになっていることは大変私としても深刻に考えております。 先ほどから議論がございましたように、一つはその長に立った者が公務員としての自覚、このことを持っていただく、これは政治倫理という面におきましても当然のことだと思うのであります。二つ目は入札制度、契約制度そのものにいろいろ不備があれば、これは外国に指摘されるまでもなくそのことの改善をしていかなきゃならぬというのが二番目であります。それから三番目は、これは刑法問題、贈収賄の問題に直ちに発展する課題でございますから、したがいまして余り検察に期待をするということもいかがかとは思いますけれども、やっぱりそういう分野。それから公取も先ほど答弁がございましたけれども、公正取引委員会等にもやはり頑張っていただく。それから地方議会の監査もどこまでそれが本当に発見できるか。いろいろ細かく言えば難しいところもありますが、地方議会の行政監察もできる監査、あるいは民間の人も入れた方がいいのかもしれない。その辺の議論をもっていろいろな角度から総合的にこれはやっていかないと、率直に言ってゼネコン汚職というものを皆無にさせることは非常に私は難しいことだと思っております。 なるがゆえに、非常に深刻に思っておりますので、私のできる範囲のことは大いに頑張らせていただきたいと存じます。
○山崎順子君 先日の所信表明で大臣は次のような趣旨の御発言をなさいました。国民の一人一人が豊かさとゆとりを実感できる地域社会を築くこと、高齢化、国際化、情報化という社会の変化や人々の多様なニーズに的確に対応し、豊かな社会を形成するというような趣旨でございました。私も大賛成でございます。 そこでお伺いしたいんですけれども、大臣は公務員の採用に関して上限年齢、いわゆる年齢制限でございますけれども、これがあるのを御存じでございましょうか。今、人生は八十年と言われます。女性の平均寿命が八十二歳、男性は七十六歳で、日本は急激な高齢化が進んでいるわけですけれども、中高年の方々の雇用の確保ということが大事になっておりますし、また高齢になりましても生きがいを持って社会に参画するということが今の社会にとって重要なテーマになっていると思います。 それに関して、地方公務員の採用で年齢制限があって試験も受けられないといいますのは、今のような生涯教育、生涯学習、そして豊かな多様化した皆さんのニーズにこたえる成熟した社会というものにどうも逆行するものではないかと私は思うわけでございます。 〔資料配付〕 ここに資料を配付させていただいたんですけれども、一番右の下に十月の末に朝日新聞に投書されました三十九歳の女性の方の投書があるんです。この方は若いときに育児や病気のために教職をあきらめられまして、子育てが終了してから試験を受けて東京都の公立学校教員採用候補者に選ばれて、そのとてもうれしいという喜びをここにつづっていらっしゃるんです。これは東京都の採用上限年齢もかつてよりも高くなりまして、そのために年齢制限が緩やかになって試験を受けられたということなんですね。最近は富山県、静岡県のように年齢制限を撤廃した県もございまして、かなり教職の採用上限年齢は各都道府県で上がっているようでございますが、まだ三十五歳未満というところが三十一県もございます。 こうした中で、教職だけでなく保母職それから保健婦さん、こういった関係もやはり採用上限年齢がございまして、男性も女性も私は幾つになっても人生の選択が可能である社会であってほしいと思うんですが、特に女性の場合は結婚それから出産、育児によって人生を細切れにされて、自分自身の仕事を続けることができないという状況が多いように思われます。 そういったときに、もう一度人生に挑戦する、かつての資格や特技を生かすことができる、それをまた自分自身の子育てによってより豊かにして保母さんや保健婦さん、教職で生かせる、そういう社会づくりが必要ではないかと思うんですけれども、このことについてぜひ大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思っております。
○国務大臣(佐藤観樹君) 細部につきましては公務員部長の方から答えさせていただきますが、問題を二つに分けて、一般職の問題の場合、ここでは人事構成が今平均四十歳になっていると思っておりますが、そういう年齢構成を考えたり、また公務に精通した職員を継続的に確保するという人事計画等からいいまして今二十九歳ということになっておりますので、これは地方公務員法の第十九条第二項にあるように、一定の年齢制限を設けるということは一般職の行政職の場合には妥当ではないかと思っているわけでございます。 ただ、今山崎委員が言われましたように、その他の職種、御指摘がございましたような例えば東京都の特別区の保健婦さんは二十一歳以上三十九歳未満になっているとか、そういう意味で体力的に十分でき得るならばそれを広げることは、どこまで広げていいのかということはいろいろあるかと思いますけれども、地方自治体としてもいろいろと工夫をし、特に看護婦さんの職種などはむしろ一度やめられた方に戻ってきてもらいたい、このマンパワーを高齢化社会に向けてぜひお願いをしたい、こういうことでいろいろ自治省としても応援をしているわけでございますので、そういった意味のことについては私はその方向でいいのではないかと思っております。 細かくはさらに公務員部長から。
○説明員(鈴木正明君) ただいま山崎委員のお話は教職員のお話を挙げての御指摘であったわけでございますが、私ども一般的に所管しております一般の行政職について申し上げますと、大卒程度の採用試験におきまして、上限年齢が二十七歳から三十四歳までの範囲で地方団体によりましてさまざまでございます。二十九歳とするものが二十六団体と最も多い状況でございます。 なお、国家公務員についても申し上げますと、同じく大卒程度の採用試験のⅠ種につきましては三十三歳未満、Ⅱ種につきましては二十九歳未満という上限年齢が付されている、こういう状況でございます。
○山崎順子君 例えば保母さんなどにしても、自治省、厚生省にいろいろお聞きしましたけれども実態を把握していらっしゃらないようで、私どもの方でかなり全国の都市をアトランダムに選びまして電話調査もさせていただきましたが、やはり二十三歳未満とか二十五歳未満ということが多かったようで、佐藤大臣がおっしゃったように、保母さん、教職また保健婦さん、看護婦さんといった専門職ではぜひ年齢制限の撤廃を民間企業に率先して地方自治体がやっていただけるとありがたいと思っております。 そして、アメリカでは一九六七年にもう既に就職、採用の際に年齢で差別をしてはならないという法律もできておりまして、日本では女子差別撤廃条約のおかげでいわゆる性差別というものはだんだんなくなってきておりますけれども、先ほど言いましたように、出産、育児また家事などで仕事をやめざるを得ない女性が圧倒的に多いわけですから、これは間接的な性差別にもなると思いまして、ぜひこの辺の御検討をいただきたいと思っております。 次に、二番目の女性と政治参加について、ちょっと選挙制度にも関連してお伺いしたいんです。 もちろん皆さん御存じだと思いますけれども、総理府の男女平等に関する世論調査によりますと、教育ですとか職場では男女の平等はかなり進んでいるというふうに一般の人たちも考えているんですが、最も男女が不平等であると答えているのは政治の場なんですね。これは八二%の人が男性の方が主に優遇されていると答えております。 もう一つ、多分皆さん御存じだと思いますけれども、今六十五歳以上のひとり暮らしの老人といいますのは、女性は六・五人に一人、男性は二十人に一人なんですね。私は何も女性男性のどちらがすぐれているということは一切申しませんし、女性の方が政治にできるだけ多くということも、別に性によって違いはないと思うんです。例えばひとり暮らしでその人が倒れた場合に、だれが通報して病院に連れていってくれるんだろうか、そういう細かいことでも高齢化社会の問題は女性の側がやはり切実だと思うんですね。 そういった女性たちの視点を生かした政策づくり、政策の決定ということが大事だと思えますので、ぜひ女性をふやしたいと思うんですけれども、例えば国会議員中女性の占める割合というのは六・八%ですし、地方議会ではもっと少なくて三・三%です。きょう後ろの方にたくさん政府のお役人の方々が来てくださっていますが、本当に女性は少ないですし、行政職の九級以上の方は国会議員の比率より比べ物にならないほど少なくて〇・八%しか女性がいらっしゃらないんですね。こういう状況をぜひ改めていきたい。 そこで、もちろん女性の努力と自覚ということは必要だと思いますし、また幼いうちからの教育という問題もありますけれども、選挙制度ですとかそれから政党で例えばそれぞれクオータというものを採用してくだされば随分違ってくるんじゃないか、そういう配慮できる問題があると思っております。 御存じのように、クオータというのは割り当て制で、いずれかの性が二〇%ですとか四〇%を下回ってはならないというような制度でございますが、日本の政党では残念ながら日本新党だけしかこのクオータ制を採用しておりません。ところが、スウェーデン、ノルウェーなどではこれをそれぞれの政党が努力して採用しているものですから、例えばノルウェーですと十九人の閣僚中八人を女性大臣が占める、そういう状況になっておりまして、ぜひ今回の小選挙区比例代表並立制においても比例制の方にできるだけ女性をそれぞれの政党が出していただき、またクオータを採用していただくような、そういうことを御配慮いただければと思っております。 この資料でぜひごらんになっていただきたいのは、この資料の下の方に「世界の女性議員の割合」というのが書いてあるんですが、例えば小選挙区ですと、イギリスは九・一%、韓国は一・三%、フランス五・七、オーストラリア六・七、アメリカ一〇・八、カナダ一三・二と大変少ないわけです。ところが、比例代表制をとっている国では、フィンランド三八・五、スウェーデン三七・八、ノルウェー三五・八、デンマーク三二・九、オランダ二六・〇と随分違ってくるわけで、小選挙区が女性に不利だということに関してどのように女性の声を政治の場に吸い上げていくか、そのあたりの点についてお考えをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) この問題は自治大臣としてお答えすべき問題がどうかはわかりませんが、私の個人的見解ということで聞いていただきたいのでございますけれども、私は社会というのは男女で成り立っている、どちらがすぐれているとかどちらがすぐれていないではなくて、男は男としての感覚やら能力やらを持っているし、女性は女性として男にない感覚や能力を持っていらっしゃる、それで初めて社会は成り立っているというのが基本的な考え方であるわけでございます。 個人的なことでございますけれども、私が社会党の選対委員長を五年やらせていただいたときも、土井委員長時代でございましたこともございまして、やはりそういう考え方の基本に立って、できる限り女性に政治参加をしていただきたい、女性の議員をつくりたいということで助成金といって若干援助をする、社会党としてはかなり張り込んだことをいたしましていろいろとお願いをして、まだまだとても我々の考えている理想には至っておりませんと思います。しかし、基本的にはもっともっと女性に参加していただいた方がいいというのが私の個人的見解でございます。 ただ、小選挙区比例代表並立制の中でというときに、これはいわば党の候補者の出し方、基本的には党がどういうやり方をお決めになるかという問題だと思うのであります。比例代表といっても、参議院の完全拘束名簿比例制と違って重複立候補ということで小選挙区から図られる方も惜敗率によってあったりいたしますので、参議院の場合とは少し違うところがあるわけでございます。基本的には党の中で天の半分を支える女性がどれだけ政治参加できるような体制をつくっていくかということになるので、少なくも私の自治省にございます審議会にこれからそういう新しいメンバーが交代するようなときがあれば、これはできる限り私も女性の意見を入れるということで、クオータということにこだわらず、目標としてできる限りやはり女性の意見も吸収できるような体制にしていこうという意味におきましては、私はそう考えております。
○山崎順子君 大変女性に理解のある御発言で心強く思っております。ありがとうございました。 最後に一点、職場での通称使用についてお伺いしたいのでございますけれども、今法務大臣の諮問機関で夫婦別姓問題が検討されていることに関して、公務員の旧姓・通称使用について御質問したいと思います。 我が国では、夫婦同氏が強制されるようになりましたのはまだ歴史も短くて一八九八年ですけれども、一九四七年に現行民法が制定されまして、そのとき旧法の家制度というものは廃止されたわけですね。ところが、夫婦同氏の原則というものがとられて形式的な選択制が規定されたわけです。そのため、一九九〇年現在でも九七・七%の人が選択制にもかかわらず妻の方が夫の姓に改めているという現状でございます。もちろん女性によっては夫の方の姓に改めるのがいいという方もいらっしゃいますけれども、専業主婦の家庭よりも共働き家庭の方が多くなって働く女性がふえている現状では、場合によっては旧姓を使用することができないために職場で人格的苦痛や不便、不利益をこうむっていらっしゃる方も多くて、またこれは、憲法十四条、二十四条の一項、国際人権規約二十三条四項にも抵触する可能性が高いと思われます。 そこで、きょうは夫婦別姓選択の問題ではないんですけれども、職場で通称使用ができたらどんなにいいかと思っていらっしゃる女性は多いわけで、地方自治体で通称使用がどうなっているか、さまざまな省庁にお問い合わせをしてみたところ、ほとんど実態把握をしていらっしゃらないという状況で、これもまたさまざまな市町村に電話で調査をさせていただきました。 そうしましたら、今の社会情勢では通称使用を認めた方がそれはいいんでしょうねというような担当者もおられましたけれども、大体においては職場で通称使用について今まで検討されたことがないというところが多いため、コンセンサスが全然できてないんですね。それで、ほかの市町村ではどうなっているのかということを考えて、ほかに事例がないから通称使用は認めない、そういう市町村が多かったように思います。 ところで、今働く女性がふえてきて通称使用を認めてほしいというのが最近の傾向でございますから、当然前例はないわけですので、今までどおり先例がないということですべて切ってしまっていてはとても女性たちが仕事の場で働きにくい、そういうことが起きてきますので、ぜひこれも民間企業に率先して地方自治体が一度検討していただいて、そのことを自治省の方も指導していただいてコンセンサスをつくっていただきたい、旧姓としての通称使用が認められるような状況に努力していただきたいと思っておりますので、その点についてお考えをお聞かせください。
○国務大臣(佐藤観樹君) 実は今山崎委員の御指摘の問題は非常に難しい問題を私は含んでいると思っておりまして、質問をいただいてから公務員部長を中心にいたしましていろいろと検討しておるところでございます。 これから答弁します中に、通称と言っておりますのは一般に通用する名称ということで御理解をいただきたいと思います。それから旧姓と言っておりますのは、婚姻、離婚等により戸籍名が変更した場合の変更前の戸籍名ということでひとつ述べさせていただきたいのでございます。 現実を考えたときに、公務員でございますので公文書に決裁するときに、一体通称とかあるいは旧姓というものでそれが同一人であるということをどうやって確認するんだろうとか、それから公務員の場合、何らかの格好で外郭団体やなんかの関係で登記をしなきゃいかぬというようなときに一体通称とか旧姓というので通るんだろうかとか、それから人事記録、辞令を出すときに一体どういうふうに出すんだろうかと。給与関係の書類とか職員証とか、その他の公文書等、そういったときには戸籍以外のものは今日まで認めておらぬわけでございます。そういったものまで通称、旧姓ということになると、何分とも公務員がやっておりますのは公務でございますので、そういう具体例を考えますとこれはなかなか難しい問題だというふうに言わざるを得ないのでございます。 地方公共団体において職務の氏名として一般に戸籍名が使われているのは、職員が当該公務を担当すべき地位、権限を有していることの証明や、職員の身分関係、兼任関係の明確化に欠くことができない本人の同一性、つまり旧姓と戸籍名とをどうやって同じ人であるかという本人確認、本人の同一性の確認を適正確実に行うために戸籍名を使っているわけであります。 このように公の行政執行や人事管理の面において戸籍名は重要な働きを果たしているが、例えば結婚あるいは離婚等に伴い旧姓などの通称を用いることを希望する人もいると思われる。したがって、この問題は個々の法律関係に則して判断せざるを得ない面もあるが、本人の同一性の確認、行政執行に混乱を引き起こすおそれがないかという点を十分考慮の上、各任命権者において対処していただくものと考えているというのが自治省の見解になっております。 〔委員長退席、理事岩本久人君着席〕 ただ、山崎委員御承知のように、今その件で図書館情報大学旧姓使用訴訟というのがなされておりまして、十一月十九日に判決が予定されているようでございます。この場合には図書館情報大学というのは国立大学でございますので、そこの先生でございますので公務員でございますけれども、その論文とか著書等の研究成果の公表物という問題を取り扱っておりますので、はて公務員が国のお金、地方のお金を使って研究してその成果を発表するときに、通称名、旧姓というものでどうなんだろうかというのは私ちょっと疑問を持っておりまして、判決が間もなく出ることですから、それはそれとして一つの参考になろうかと思いますので、おわかりいただけると思いますが、大変これは難しい問題を執行上含んでいるんではないか。
○山崎順子君 おっしゃるとおり、確かに公の文書やそういったものには戸籍どおりの名前をということで大変難しい問題だと思いますが、例えば朝日新聞も一九八七年から通称使用を認めておりますし、電通などは名刺は旧姓、戸籍名どちらかを選び、社員名簿、職歴カード、社内の電話帳、データベースなどは旧姓と戸籍名の併記をしているというようなそういった折衷案をとっていらっしゃるということで、先ほどの図書館情報大学の先生も旧姓で長い間論文を発表していらっしゃいましたから、結婚してから後の名前で発表すると同一人物ということが全くわからないという不便がおありだったというように聞いておりますので、この件については引き続き自治省でも御検討いただければ幸いです。 どうもありがとうございました。これで終わります。
○国務大臣(佐藤観樹君) 誤解のないように申し上げておきますが、今山崎委員の言われた電通と朝日新聞は民間でございますので、これは人間社会の中で許されることではないかと思うのでございますけれども、今私は公務員に限って御答弁申し上げましたので、その点はおわかりかと思いますけれども、誤解のないようにお願いをしたいと存じます。
○長谷川清君 大臣も就任をされて非常に精力的に今日まで大変でございました。先ほど来の問答を聞いておりましても、ほとんどメモを見ないで自分の考えをずっとしゃべっていただくと、非常にさわやかな感じで私は好感を持っております。 さて、いろんなことが今大臣の肩にはかかっていると思いますが、一つには政治改革四法、これは大臣のお立場からもここから逃げることのできない、逃げ道のない、そういう立場で、衆議院の日程は非常に厳しい状況で十二日まではああいうふうになっておりますが、参議院も検討約一カ月、これを考えますと、スケジュールどおり行きましてもなかなか厳しい状況がございますが、これに対してどういうふうな感じで今の状況を見ているかという点が一つでございます。 先ほど来出ております地方分権、これは非常に大きなテーマでございまして、今やっておりますパイロット法であるとか拠点法であるとか、いろんな努力はされておりますが、その延長線上に地方分権があるとは思えない。やはりこれは基本的、抜本的に法制化していく道筋が当然出てくると思いますけれども、そういうものに対する法制化へのスケジュールといいましょうか、日程等について何かございましたら、まずお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 一つは、御心配いただいております政治改革の衆議院におきます審議は、日程的には私も非常に厳しい日程だと思っております。当然のことながら、もう一院であるところの参議院さんにおかれましても十分審議を賜りたいという性格のものでございますから非常に厳しいと思っておりますが、それ以上、国会のスケジュールのことでございますので、行政府におる者が余り言うべきではないと思っております。 それから、地方分権の問題につきましては、先ほど申しましたように、性格上受け皿としては自治省が中心になる、これは当然だと思うのであります。ただ、権限移譲の問題でございますから、各省庁とも十分御理解の上でやっていかなきゃ事が成就しない。したがいまして、総務庁が中心になりまして、恐らく総理を長にということになると思いますけれども、内閣におきまして推進するための機関、あるいは大綱を考える機関というものを最終答申に合わせてやっていかなければならぬと考えております。 あわせまして、たびたびになりますけれども、国会におきましても地方分権の決議をなさり、また特別委員会もあるわけでございますので、具体的にきょうも幾つかそういう問題も出ておりましたけれども、国民のための政治、そしていわば総合的な共同体であるところの地方自治体がやりやすいような行政ということの観点から、これは議会におかれましても活発な御議論をいただき、またそれを受けて私たちも具体的に進めていくということになろうかと思っております。 〔理事岩本久人君退席、委員長着席〕
○長谷川清君 私どももそういう視点に立って一生懸命バックアップしたい、こう思っておりますので、ぜひひとつ頑張っていただきたいと思います。 それから、先ほど大臣も言われておりましたが、今全体の金が非常に落ち込んでいるということ、歳入という問題でも落ち込んでいて、なおかつ百八十四兆の国債残高であると。これはちょうど全予算の二二・三%ぐらい。圧力としては中からと外からと両方でございますから、一般歳出というのはもう五五%という状況になっておる。こういう状況は数字で言えば大したことないように思いますけれども、これは相当なところに今来ている。 例えば百八十四兆のほかにもまだございますね。国鉄の二十六兆七千億の赤がありますが、これもやがては国民の負担になる可能性を秘めているし、交付金の問題がございます。特例措置の問題がございます。そういうものを約十項目合わせますと優に三十兆を超える。百八十四兆ですら、その利息が一時間に十二億でございます。そうなりますと、我々が夜床に入って朝ぱっと目を覚まして雨戸をあけるときには百四億、我々が眠っている間にそれだけ、一日で三百二十億の利息がふえていくという状況でございますのであるにもかかわらず、大変な財政状況の中で自治省としての一つの予算を執行しなきゃならぬ。 こういう状況でありながら、なおかつ今の景気というのがこれまた同様に大変なところへ来ておる。大型倒産が始まってまいりました。この間もテレビを見ておりましたら、第二次世界大戦で支払ったあの金にほぼ匹敵する、八〇%と言っておりましたが、そのくらいの損益が今この不況の中で出ておる。こういう状況で、一年間に約三十兆の金をつぎ込みましたけれども、なおかつ浮上してこないというこの状況がある。したがって減税をという一つの問題がございます。 これほど厳しくて大変で、もう本当に次世代とも世代間戦争が起こっても不思議じゃないほどの、しかもこの赤字は六十年償還ですからずっと引き継いでいくということになりますね。これに加えて、新しい赤字国債が減税との関係で議論がされ、それに引きずられて所得税がリンクされてくる、こういう図式になっておりますが、お金には印がないのでありまして、全体から見ますると、三十兆も費やしたあの時期にもし五兆なら五兆の減税をやっていたら、果たしてこの五兆の金に対して赤字国債を発行してそれが消費税につながったかといいますと、そうではないと思うんです。減税という問題は、直間比率を見直すときに初めてそこで消費税の問題が出てくる、これがいわゆる税の論理だと思うんです。 そういう点について自治省は直接の所管ではございませんけれども、こういう全体枠の中におけるこれからの自治省の支出という点において私が感心しましたのは、重点項目が出ておりますが、その中に地域情報発信事業をやっていこうとか光ファイバーの情報センターをつくっていこうとか、あるいは地域産業における拠点づくり、経済が停滞をしている地域に公設の研究機関をつくろう、あるいは一般的な社会資本、お金では赤字で借金をみんな次世代に送るんですから、せめていいものを社会に残していこうと。こっちまでがずたずたになったら大変だということだと思うんです。 国民の負担率は今三八・六ぐらいでしょうか、今の内閣は五〇%を何とかキープするために頑張っておりますけれども、今私が申し上げたような重点項目のイメージがまだわかないんです。地域情報発信事業というのはどういうイメージで何をどうしようとしているのか、光ファイバーについてはどういうイメージなのか、こういう点を大臣でなくて結構でございますからお聞かせいただきたい。 もう一つは、地方交付税の特例措置額に対する精算の問題。この問題は従来の方針を今言うような厳しい状況の中で変更されたか、従来どおりの方針で平成十三年ぐらいまでの間に年度別に交付金に加算をして精算する、こういうことは変更ないのか、その辺のところをお聞きしておきたいと思います。
○説明員(松本英昭君) 私の方からは、情報関係につきまして具体的内容ということでございますので御説明させていただきます。 今御指摘のありましたように、明年度の自治省の重点施策といたしまして地域情報発信事業を支援する、こういう項目を立てているわけでございます。これは全国的なメディアを活用いたしまして地方の活性化についてそれぞれの地域から情報を全国に伝えていただく、こういうことを目的といたしているものでございます。 その一つは、まず全国の都道府県が共同しまして新聞紙面を、全国紙でございますけれども、全国に展開されているような新聞紙面を買い上げまして、そこにそれぞれの都道府県、地域からのいろいろな地域情報を全国に知らせていただくようなことを今現在検討中でございます。主体は関係団体が組織いたします協議会でやっていただくことになろうかというようなことを考えておりまして、掲載紙とかその方法等については現在検討中ということでございます。 それからいま一つは、これはことしからやっているのでございますけれども、先生方の中にはもう既にごらんになった方もいらっしゃるかと思いますが、テレビの全国ネットを通じまして全国のふるさとづくり広報事業というものをやっております。一つは五分間番組一それからいま一つは十月から始めましたけれども三十分番組をやっております。これらはいずれにいたしましてもそれぞれの地方団体が組織する団体というものが中心になっていただくのではございますが、その実施に要する経費につきましては財政的な支援措置を行い、または行うことを検討しているというものでございます。 いま一つは光ファイバーのお話でございましたが、基本的には光ファイバー通信網の構築、これは従来NTT等の民間電気事業者がそれぞれの経営事業や需要動向等を考慮して整備してきていただいておりますし、現在もそういう計画を立てておられます。郵政省におきましては、電気通信審議会において次世代通信網のあり方というのをことしと来年で審議中と伺っているわけでございます、私どもといたしましては、そういうように整備されていきます光ファイバーによる情報通信網の構築に合わせて、それを地方団体が地域としてどう活用できるかということをこれから検討していこうではないか、こういうような考え方で来年度の重点施策に取り上げているわけでございます。
○政府委員(湯浅利夫君) 地方交付税の関係の御質問でございますが、先ほど先生は国の財政の関係で借入金の状況等をお話しになりましたが、地方の財政におきましても借入金の状況は今年度末には八十四兆を超えることはまず間違いないだろうというような状況にまで来ているわけでございまして、そういう点では地方の財政におきましても国の財政同様がなり厳しい状況に来ているということを私どもは認識しているところでございます。しかし、そういう中におきましても、我が国の内政のほとんどの部分を地方団体が担当しているわけでございまして、国民生活の質の向上を図っていくというためには何よりも地方団体の施策というものが充実されていかなければならないものだというように考えております。そういう意味で、明年度以降も地方財政の運営に支障の生じないように地方の財源の確保に努めていくべきだというふうに考えております。 具体的に地方交付税の後年度加算につきまして今法律で定めております。毎年度の地方交付税法の改正のときに、翌年度以降の交付税の加算額につきまして法律に定めまして御審議をいただいているところでございまして、一つの方向としてはそれをそのままやっていく、こういう選択肢、それから先ほどお話しのように、これを前倒しで返していただいて地方財政の円滑な運営に資する、こういう選択肢もあろうかと思います。相手がかなり厳しい状況の中にもございますので、ただいまは一つの方向でやっていくということもなかなか難しゅうございますので、いろいろな方策を検討しながら国の財政当局との間でこれから折衝してまいりたいというふうに考えております。
○長谷川清君 この光ファイバーの点については、この光ファイバーができることによって今の通信ケーブルのもう何十倍、何百倍の威力を発揮してくる。しかも、全国の動脈、静脈でそれが張りめぐらされていきますと、これからの新しい商品の開発という点において、各家庭の茶の間から、オフィスから、全部そういうものがずっと変わってくるほどの私はこれは大きなテーマだと思います。 そういう点において、先ほど地域で利用する検討ということなどが答えられましたけれども、この方向に沿ってこれは大体検討期間がどのくらいで、いつぐらいから実行していくという、具体的なそういう日時の問題は今どうなっているか、ちょっと聞いておきたいと思います。
○説明員(松本英昭君) ただいま御指摘のように、光ファイバーは大変な情報容量と高速処理能力、それからランニングコストが安いというような特徴を持っているわけでございます。 ただ、この光ファイバーの敷設につきましてはコストが非常にかかる、NTTが推測されているところによりますと、これは周辺コストも入れて四十五兆円だとか、こういうような数字も出ているわけでございまして、そういうコストの問題、それからそれを現に有効に利用していけるかどうかというソフトの面での検討、そういう面が必要であろうかと思うわけです。現に郵政省においても、先ほど申し上げましたような電気通信審議会がことしと来年でもって次世代通信網のあり方というようなことで検討して、何らかの方向をお出しになると聞いております。 そういうことで、私どももそれを地域にどう活用していくかということについての検討は進めなければいけないのでございますが、今それをいつまでにというようなところについては、これらの動向を見極めながら、どういう活用の仕方があるか慎重に検討してまいりたい、かように考えているところでございます。
○長谷川清君 この光ファイバーもそうであるし、それから地下共同溝ということについてもそうであるように、コストがかかるんですよね。しかし、コストはかかるけれども、次世代から見るとこれこそ価値ある社会資本ということになるんですね。今は電柱を出ているやつを地中にしますという、このレベルで大体方針が出ております。上水道や下水道や電話や電力やいろんなものが地下に埋設されているんです。いずれこれは地下共同溝で整理をして、整然と地下をパリの地下のようにして初めて先進国と言えると思う。 そこで、金がない、金がないからやれる範囲のことはやっておこうという現在、だからそこにおけるこれからの社会資本というのは中長期で見ていくべきであって、金がないならないなりに今から中長期でそれに備えていくと。電柱を今慌てて地中化するよりも、一回やりますと今度やるときに二度手間になるものですから、次世代の人がまたこれでお金を使わざるを得ない。金がなくて借金ばっかり次世代には送っていくんですから、今やれるところをきちっとやっていく、こういう基本に立って地方に対する訓令をしていただけないか。これは各省庁、建設から交通からみんなかかわってくるわけでございます。そういう点についてぜひひとつ大臣の立場からも、いろんなことにまつわる実行箇所はみんな各県市町村、地方自治体がやる、こういうことになっておりますから、そこら辺をひとつ集約点として眼をきちっとあけて見ておいていただきたいということを期待したいのでございます。
○国務大臣(佐藤観樹君) 議員各位も外国へ行きますと、まことに街の景観は美しい、どこが違うかと考えれば、長谷川委員に申しわけないんですが、NTTの方になりますけれども、あの電柱が街に立っていることが非常に景観を損なっている。都心へ行けばあれがないだけでいかにすっきりしたきれいな景観になるかおわかりになるし、またこれは景気対策の面からも非常に重要でございます。 その意味におきまして、各電力会社が独自にやっているものもございますし、また共同溝方式ですと建設省、運輸省、警察等々がかかわりまして、キロ三十億円ぐらいお金がかかるのと、なかなか日本の行政の場合には縦割りが厳しいものですから時間がかかるということがございます。もう少し小型化にならないかというので、キャブシステムという、もう少し小さな地下埋設のためのことができないかということで、これですとキロ五億ぐらいでできる。さらに細いやつですと管路方式といって、電線の地中化だけをやる、キロ三億ぐらいでできるということです。 長谷川委員が言われる全体を入れるということも一面ではもっともなんでございますが、今申し上げたように、これは関係省庁が多くて幅員が広い道路じゃないとできないということがございまして、そうじゃないものにつきまして、我々としましては地方自治体に交付税措置で応援をいたしまして、この管路方式というものでできるところは地方自治体にも少し早くやってもらうことは景気対策という面からも街の美観からいっても必要なのではないかということも考えておりまして、地方単独事業の中に電線の地中化というのも入っておるわけでございます。 したがって、ケース・バイ・ケースと申しましょうか、ある程度計画ができるところは共同溝というやり方ももちろんございますし、またそこまでいかないものにつきましては管路方式ということで早くやることも重要なのではないか、そんな状況に応じてやれるようにしておるというのが現状だと認識をしております。
○長谷川清君 終わります。 〔資料配付〕
○有働正治君 この間連続いたしました大型警備に従事いたしましたある警察官から、日本共産党に「直訴状」と題した切々と訴えた手紙が届きました。その全文が今配付した資料であります。訴えた人は大型警備に従事していた第一線の警察官と明記されています。原本はここに持ってきていますが、ワープロではなく手書きの縦書きのものでございます。四枚目の冒頭に書かれていますように、警察官は採用の際に指紋等がとられているので直接そのものを渡さないでいただきたいという要請までわざわざ添えられている内容で、したがいまして、私は誤記と思われる内容を含めまして原本をワープロでそのまま写しかえただけのものを資料としてお配りしたというものであります。 時間の関係で、お金にまつわる訴えを中心に私は質問をしたいと思います。 この「直訴状」と題する訴えの中に次のようなくだりがあります。資料の一ページの中ごろからであります。いわゆるサミットにかかわりまして、「本年は天皇・皇后両陛下訪沖縄、皇太子殿下御成婚式、第三回目の東京サミット警備と続きました。」。途中省略いたします。我々関係者にとっては地獄の苦しみでしたということも添えてあります。次のパラグラフで、「仕事は責務として仕方ありません。しかし前回サミットのごとく、一〇〇億サミット警備と言われましたが、我々第一線警察官に支給されているはずの特別警備費は、一線の手元には届いておりません。」、また「超金も微々たるものです。」ということが書かれています。 ここで訴えられている内容は、実際に特別警備費あるいは超過勤務手当が大型警備に動員された第一線の警察官に渡っていない、そういう訴えてあります。この人は少なくともそういう当事者だということであります。 警察庁長官、こういうことがあるのでありましょうか。事実関係の究明を求めます。
○政府委員(菅沼清高君) お答えいたします。 まず、今配付いただきました資料にざっと目を通したわけでございますけれども、やや事実関係等で現実に即さない面等がございます。今お話しございました特別警備費という予算費目もございませんし、またそういう支出もございません。それから、超過勤務等につきましては、もちろん予算の制約はございますけれども、実働に即した超勤を支払うようにいたしております。 なお、超勤につきましてはできるだけ超過勤務そのものが生じることが少なくなりますように交代制勤務等をやっておりまして、例えば二十四時間警戒配置につく必要のある箇所につきましては八時間ごとに部隊を交代させるとか、そういうことをしておりますので、超勤そのものが生じることが少なくなるように現在は運用いたしておるところでございます。
○有働正治君 やや事実にそぐわないということで、これを全面的に否定なされなかったのが一つの特徴であります。 少なくともこの方がこういうことを指摘しておられる以上、公正な捜査等を旨とする日本の警察行政であります、訴えがある以上やはりこれがどうなのかと調査することは当然だと思いますが、長官、いかがですか。
○政府委員(城内康光君) 警察の人員というのは平時を賄うに足りるだけの人員が張りつけてあるわけでございまして、大きな警備のようなときには、そういうピーク時におきましてはある程度の無理をしてそういった事態に対処するということは当然必要なことでございます。しかしながら、そういう時期が過ぎますと、かわりの休暇をとったり、あるいはまたそういう勤務に見合う超過勤務手当を支給するなどしたり、また健康管理のいろいろな措置をとったりしてやっておるわけでございます。 ただいま警備局長が答弁いたしましたように、私自身もここへ来る途中の車の中でさっとこれを見たんですが、この「コンクリートやピータイルの上にゴザやビニールシートを敷いて」云々というのを読んで私は大変首をかしげたわけでございます。最近の警備というのは、あらかじめ半年あるいは一年前から警備があるということが十分わかっておりまして、ちゃんと施設を確保したり動員計画を立てたり、いろいろな見積もりをして計画的にやるわけでございますので、戦後の大変っらかったときならいざ知らず、現在コンクリートやタイルの上で寝るということ、あるいは大層、私は大盾というものをつくったときの装備の担当者でございますが、あの上では寝られません。そういったことがいろいろ書いてあるものですから、首をかしげながらここへ参ったという次第でございます。
○有働正治君 長官として実情を知らないと、よく知っていただきたいという要望も出されているわけです。この人の訴えだけにとどまらない問題があるのではないかということで私はこれを取り上げたわけであります。手紙の信憑性があると私は思ったわけであります。 と申しますのは、元警察官が書かれました本が最近多数出版されておるわけでございます。共通の問題が一、二にとどまらず数多く指摘されています。私はきょうその一端をここに持ってまいりました。国会図書館にもあります。これは何分の一がの本です。元警察官の体験をもとにした出版物がここ数年だけでも多数出ています。このうちの何分の一がの該当箇所をコピーした部分だけでもこれぐらいあるんです。だから、極めてそういう答弁が納得できないと明確に指摘しておきます。 こういう本の中にどのように書いてあるかということを一、二指摘しておきます。出典まで申し上げませんけれども、例えば特別警備手当につきまして、この人も特別警備手当という言葉を使っています、第二機動隊員として特別の警備に出動したときの手当、この特別手当が一人一万円ついているところと千円しかつかないところが同じ北海道警の中にあったとこの人は指摘しています。また別の人は、警察ほど公費天国で予算のでたらめな使い方をしているところはないと。兵庫県警だけでなく、全国の警察が警察官に支給されるはずの超過勤務手当、出張旅費、装備費、機材費等あらゆるものからピンはねし、本部や署の会計が二重帳簿をつくり、金をプールして幹部だけがおいしいことをやっているとこの人は書いています。二重帳簿の問題は数え切れないほど出てまいります。また別の人の出版物の中には、超勤手当が極めてインチキであるということをこの方は明言しておられます。 また、こうも指摘している箇所がある。別の方です。警視庁の方の話として、皇族方がどこどこへ出発するというので警備に駆り出されますよね、すると国からちゃんと警備が来る。ところが、所属する署によって現場の警察官に特別にお金が出たり出なかったりする。我が署のだれかがどこかで吸い取っているわけですと、こういう指摘もあります。また別の人の出版物ですが、超勤手当は時間とは無関係で階級で決まると、こういう指摘もされています。また、別の人の出版物はこう指摘しています。警察官は物すごい超過勤務を強いられながら超過勤務手当は余り出ない。例えば一カ月に百時間残業したとして、よくて五十時間分の残業手当しか出ない等々、皆様がこれだけ公開されているものでありますから、調べればすぐわかることであります。 ほんの一端を申し述べましたが、公然と具体的に指摘されている点であります。北海道だけではありません。東京、兵庫、福岡等々各地にまたがっています。一つや二つではありません。したがって、私は手紙による指摘、こういう公然と元警察に従事された方々が世に訴えておられる点、要は国民の税金の使途、そして警察官の労働報酬にかかわることであります。これだけ公然と明確に指摘している問題は調査して結果を報告する義務があると、国民の疑惑その他について明確に調査結果を公表する義務があると私は思うわけでありますが、長官、いかがでしょうか。
○政府委員(城内康光君) ただいまのお話の中に経費の適正に関する問題もございましたけれども、警察庁といたしましては、日ごろから経費の適正については第一線の警察について指導しておりまして、また各都道府県警察におきましても計画的に監査を実施するなどして予算の適正な執行について遺憾なきを期しておる、こういうところでございます。 私もそういう出版物の幾つかをさっと読みましたけれども、いずれも共通しておりますのは、著者の独自の思い込みが非常に強いということで、ある一定の意図を持っていろいろなことが書かれているというようなことでありまして、そんな気持ちで実は読んだわけでございます。 超過勤務のこともただいま御質問にございましたが、本来超過勤務というのは予算の範囲内において命ずるということでございますが、一般の事務官庁の場合と違いまして警察はある程度受け身的に仕事をしなければなりません。突発的に発生する事件、事故に直ちに対処するということで、時間をもって切るというわけにはなかなかいかないということで現実にはかなり超過勤務をせざるを得ないということになるわけでございます。 そういたしますと、先ほども警備局長が申しましたけれども、一つにはできるだけ勤務を合理化して超過勤務になるような事態をなるたけ避けるという努力が必要でございます。最近の若い人たちは、超過勤務手当がもらえればいいというものではなくて自分の生活をエンジョイしたいということもございますので、超過勤務の多い職場を好まないということがございます。人材確保という観点からそういう努力を一生懸命しておるわけでございます。しかし、現実に超過勤務をやったらそれについての支給率を予算上高める、そういう努力をしております。 都道府県の場合、一般の事務の県庁の職員の方たちに対して地方財政計画上六%の超過勤務が計上されておりますが、警察官の場合はその倍の一二%が計上されていて、それによって賄っておるということでございます。さらに努力をしてまいりたいと思っております。
○有働正治君 努力するというのは、一つは私が指摘した点についてきちっと調査を要求したんですけれども、それについてはどうなのか、それから執行について厳正にやるということなのか、明確に答えてください。
○政府委員(城内康光君) 先ほども申しましたように、適正な執行について私どもは常日ごろ努力しておるわけでございます。それからまた、この本に書かれているような事柄につきましては私どももどうも信憑性とかいろいろわからない点がたくさんありまして、直ちにこの事柄についてそれを本当として受けとめて調査をする、そういうわけにはちょっとまいらないと思います。
○有働正治君 まことに遺憾であります。これだけ天下に公然と指摘されている、ただ遺憾なきを期しているということで済まされない。上層部と現場との乖離が見られるということも指摘しておきます。警察官の不祥事の問題もこういう問題と私は無関係とは言えないのではないかというふうに思うわけであります。 それから、この訴えの中に予算の関係でそのほかの問題点も指摘されています。ページ一の最後のパラグラフから二ページの最初にかけてであります。「本部各課・各係、各所属各係には毎月「捜査費」がきますが、我々捜査員は住所・氏名もデタラメな「偽造領収書」を毎月三、〇〇〇円~二〇、〇〇〇円」等と作成しています。又、飲みに行くと店の印の入った「空領収書」を数枚もらって来て「偽造領収書」を作成しています。」ということも指摘されています。その点での調査も求められているわけであります。 ゼネコンが大きな問題になって、裏金づくりと言われていますけれども、いわばこれはゼネコンの裏金づくりの警察版とも言えるような指摘であります。つまり、ゼネコンは実際よりも多い代金で工事を発注したことにしておいて一部バックさせて、工事の経費を経理操作して空領収証等を発行して操作している、そういう状況であります。鹿島の場合には三年間で七十億前後とか五十億前後とか言われているわけであります。この人は、その金も膨大な額に上る、数十億あるいは数百億にも上りかねないということまで指摘しているわけであります。 私が重視するのは、長官はこの手紙にとどまらないとして私が問題にしていることを正面から受けとめられようとしない。同じような本の中にこういう空領収証集めについても数々指摘されているわけであります。例えば金額が記入されていなかったり、五千円とか一万円といった手軽な金額の入った商店やデパート等の領収証があったら提出してほしいという呼びかけまでも警察官に対してされていますということを明言されておるわけです。また、九月二十七日の横浜地裁の口頭弁論で元警視監の松橋忠光さんは、二重帳簿の存在を明確に指摘して、空出張等を含めましてせんべつ等が裏金から工面されている問題、これが会計検査の際は新たに帳簿が作成されてごまかされているという問題を証言としても公判廷で述べておられます。等々、例を挙げれば数限りない状況があるわけであります。 こういう問題について、こういうことが行われているということがこれだけ指摘されている以上、明確な調査、その結果の報告を求めます。
○政府委員(廣瀬權君) 予算の要求あるいは予算の適正執行につきましては私が所管しておりますので。 これは、もう毎回の警察の会議におきまして予算の適正執行につきましては厳格に申し渡しておりますし、内部監査を毎年しっかりやっておりますし、かつ県におきましては県の監査委員の監査、また国におきましては会計検査院の監査がありまして、いずれも問題点なしという結果を受け取っているわけでございます。 いろいろな書物でいろいろなことが書かれておるというのは承知いたしておりますが、先ほど長官から話がありましたように、思い込みあるいはためにするという要素も多大にあるわけでございまして、私どもそういう書物の記載にまつまでもなく従来どおり適正な予算執行について厳然とやってまいりたいと思います。
○有働正治君 国家公安委員長に要請します。 これだけ私は、「直訴状」、これは文面から察するに、「直訴状」と書いておられる、だから単なる思い込みで云々ということに付されない問題、それから、ほんのわずかでもこれだけ出版されているわけであります。国家公安委員長として厳正な調査と報告を私は求めます。
○国務大臣(佐藤観樹君) 今これを見せていただきましたけれども、一体こんな職場で勤める気になる人があるでしょうか、私はまずそういう疑問を持ちました。 それは、公務でありますから、金の執行につきましても何事も厳正にやらなきゃいかぬ。ただ、警察というのは突発的に事件が起こればそれに対応しなきゃいかぬという問題がありますから、それなりの超勤等についても限界があることは長官からもお話があったとおりでございますけれども、今私の知っている限り、各県警によって受ける方の人数は違うかと思いますが、二・何倍から八倍ぐらいの受験の難しさというのがあるわけでありまして、このとおりの職場のことがこのまま全県そのようなことで、そんなに警察官になるという人が試験を受けにくるでしょうか、この時代に。 調査しろというなら具体的にどこのどういうことということを言ってくれないと、皆さんが今日までずっと間違いがないようにということで厳正な執行のためにやってきておるわけでありますから、具体的なことを言われるならばそれはやりようがございますけれども、このような「直訴状」という普通の人が見たら常識では考えられないようなこと、二十六万職員がこんなようなところで勤めている、今こんなことが日本の中で通っていると思う方が私はどうかなと思います。具体的に言ってくだされば調査をさせますけれども、このような「直訴状」というもので、しかも内容から見ても、今の日本の労働条件から見て、これで二十六万人の方がそのままいらっしゃるというのは私は考えられない。しかも、これから続々と厳しい試験を通って入ってこられる方がおられるわけでありますから、私は調べろということについて具体的に言っていただければ指示をいたしますけれども、これをもって調べると言っても具体的にやりようがないとしか答えようがないんじゃないでしょうか。
○委員長(小川仁一君) 簡単に。
○有働正治君 具体的に本の中では県警名を含めて指摘されています。それについて調査を求めます。 それから、この「直訴状」には具体的に一から十二まで要望が出されています。これについて警察庁としての見解を後日文書で私に提出していただきたい。 それから委員長に、これだけの問題を私は指摘したわけでありますので、指摘について一括単に問題なしとする立場でなくて、厳正に調べることは調べるという対応で臨まれるよう、善処されることを委員長に要望しておきます。
○委員長(小川仁一君) 要望ですね、はい。
○釘宮磐君 お疲れのことと思いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。 去る十月二十八日の新聞の世論調査によりますと、細川内閣の支持率は七三・四%となっております。この結果、政権樹立以後三カ月間にわたりこの高支持率を維持したことになり、高く評価されるべきでありましょう。しかしながら、こうした高い支持率の裏には、政治改革を初めとする多くの政治課題に対する取り組みについて細川総理なら何かやってくれそうだという国民の期待度を示す数字もかなり含まれていると受けとめるべきであります。 そこで、細川内閣の重要閣僚であります佐藤自治大臣に以下数点についてお伺いをいたしたいと思います。 その第一は政治改革についてであります。 細川総理が就任時に進退にも言及してその成立に向けての決意を示された政治改革法案は、衆議院においていまだ出口さえ見えない状況で混迷をいたしております。会期末まで残すところあと一カ月半、参議院の審議日数を考えるとその成立は微妙な状況にある生言えましょう。 私は先週末、地元に帰って有権者のこんな声を耳にしました。また今回もやれはしないよ、しょせん自分たちに都合のいいようにやろうとしているだけじゃないか、また党利党略が浮き彫りになってきた、これじゃ全く以前とかわりばえしない等々、厳しいものばかりでありました。 私はあの六月十八日、このままでは国民の政治に対する絶望感ははかり知れないものとなるとの思いから、宮澤内閣不信任案に白票を投じた同志三十五名の衆議院議員とともに、長い間お世話になった自民党を離党いたしました。まさに断腸の思いでありました。国民の皆さんは私たちのこうしたやむにやまれぬ思いを受けとめていただき、自民党を過半数割れにし、政権交代が実現したのでありますしかるに、我々はこうした国民の期待にこたえてまいらねばなりません。先ほど申し上げましたような有権者のあきらめにも似た声が国民世論の大勢となったとき、それは取り返しのつかない状態となり、細川内閣はもちろん、与野党を問わず国会議員に対する不信感はさらに増幅されていくでありましょう。 そこで、山花担当大臣とともに本法案については極めて関係の深い自治大臣に対して、こうした国民の気持ちをどのように受けとめておられるか、さらに法案成立に向けての決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 今釘宮委員からも言われましたように、私も衆議院議員という立場でも長いことこの問題を担当してまいりました。 近々からとってみても、リクルート事件が発覚したのは五年前でございます。それから海部内閣があの並立制を出したのがおととしの九月でございます。審議に入ったのがおととしの九月、三年前ということになるわけであります。そして、ことしの四月半ばから自民党案、社公案ということで衆議院におきまして単純小選挙区制と併用制ということを中心にして議論をしてまいりまして、法案が出てから足かけ三年。リクルート事件が発覚してから共和事件あるいは佐川事件とスキャンダルが相次ぐ中で、今言われましたように国民の皆さん方は、いわば内閣からいいましても海部内閣、宮澤内閣の二つの内閣がこれによって倒壊をしたわけでございまして、いわば三度目の正直と申しましょうか、何としてでもこれはなし遂げなけりゃならぬ重大な課題だと。 日程的には私たちも大変厳しいところへ来ていると思っておりますけれども、四日、五日は細川総理を中心にして総括質問、それから中央公聴会、地方公聴会という日程も決まっておりますので、そういった審議を通じまして、また与党におきましては窓口をつくって野党の皆さんと問題点があれば修正をしていくことに応ずるという体制もできておりますので、私は必ずや解決の糸口ができる、こういうふうに確信をし、また法案の提出者といたしましては側面的にいろいろな形で成立を目指して全力を挙げさせていただきたい。これは単なる細川内閣の命運だけではなくて、御指摘のように、日本の政治への信頼の命運にかかわっている話だと、こういう深刻な気持ちで今頑張っているところでございます。
○釘宮磐君 自治大臣の心強い決意を承りまして、私も本当に安心をいたしております。いずれにしましても、やはり政治というのは常に国民がかがみだというふうに思うわけでありますので、ぜひ国民のこうした気持ちを体して我々はこの年内成立に向けて何としてでも努力をしていかなければならない、このように思うわけであります。 次に、細川内閣の高支持率の背景には、その政治スタンスとして生活者重視の立場をとった点が評価されているものと思います。そこで私は、この際この生活者重視という言葉を若干検証したいと思うわけであります。なぜならば、この言葉が最近マスコミなどで取り上げられる際に、国民の皆さんに誤ってとらえられているのではないかという心配があるからであります。 生活者重視といいますと、何となく都市住民に対する施策を優先するということをイメージさせるために、道路とか農林道とかといった地方のインフラ整備を軽んずるような雰囲気で受けとめられているのではないでしょうか。過疎地域などの農山村では道路などのインフラ整備がまさに生活者重視の行政需要なのでありまして、この点を十分認識しないとならないと思います。私どもの大分県は過疎率全国一位であります。最近、地元の町村長さんがこんなことを言っていました。新政権には大いに期待もあるが、一方では私どものような田舎を切り捨ててしまうのではないかという不安があるというのであります。 そこでこの際、大臣に地方を預かる自治大臣として、地域によって生活者重視の行政内容は異なるものであるということを明確にしていただきたいのであります。そして、こうした不安を払拭していただきたいと思うのであります。 もとより、中央省庁の国庫補助予算のうち建設、農林水産などの補助金を確保しなければならないという意味で言っているわけではありません。国庫補助事業と地方単独事業の割合が一対二と地方単独事業の取り組みが大幅に拡大している今日、国民に対する国庫補助事業、地方単独事業をあわせたトータルな意味での合理的な行政サービスの展開を図るべきであります。そして、その際地域によって生活者重視の行政内容が異なることに留意し、地方団体において最も住民が望む行政サービスの展開を確保することが現政権で言う生活者重視ということではないかと考えるのであります。 間近に迫っております平成六年度の予算編成での考え方も踏まえ、大臣の御意見をお聞かせください。
○国務大臣(佐藤観樹君) 大変幅広い御質問をいただいたわけでございますけれども、今公的支出のうち地方財政が占める割合が七六%、これはもちろん国で予算を組んだものの、補助金という格好で地方のやる問題も含めて四分の三は地方公共団体が事業を執行するという状況になっておりまして、大変大きなウエートを占めておるわけでございます。そういう中で、三千三百自治体のうち過疎債を発行する対象が千百台で、数字からいうとざっと三分の一ぐらいが過疎債を発行しますけれども、昔は過疎債といいますと道路をつくったりというインフラが主でございました。もちろんそれも大事でございますが、今はむしろ観光事業とかそういうところに、つまり、かなりインフラの部分はできてきたけれども、その上に地域の発展を考えようというものも大分出てきております。 それから、中山間地の発展ということで林道の整備とかいったものにまで地方単独事業で自治省が応援をするというようなことになってきまして、やっぱり狭い日本でいかにみんながゆとり、豊かさを持って、地域が活力を持って生き生きと過ごせるようにしていくかということが我々にとりまして一番大事なことではないか。もちろん、そこでは生活者という視点とそれから農業、林業をやっていらっしゃる生産者という、そういう立場もございますけれども、要するに過密によるところの弊害をなるべく除去し、平均的な国土分散型の発展ということになっていくことが非常に重要なのではないかと思っております。 その際に、今釘宮委員が言われましたように、縦割り行政の弊害というものがいろいろと指摘されるわけでありますから、そのあたりのことは地方分権という中で、あるいは毎年順次予算の中で一般財源化をしていくようにしていますが、自治省でいきますと年間三件か四件やれればいいというのが現状でございまして、生活そのものであるところの一番身近な地方自治体が今御指摘にございましたようにその地域で一番必要なものを重点的にやれると、昔に比べればかなりやれるようになりましたけれども、まだまだ私たちは足りないと思っておりますので、そういった意味で大きく言えば地方分権をもっと進める、あるいは我々のところからいえば、地方交付税で後で見ます単独事業等がございますので、それはかなり幅広い分野になってきておりますから、そういったきめ細かさということも必要でございますので、両々相まって釘宮委員の言われますような方向に沿ってなお一層力強く進めていきたい、こういう決意で今後とも執行させていただきたいと思っております。
○釘宮磐君 そのことについては私もよく理解ができるわけでありますけれども、私がきょうあえてこの問題を取り上げましたのは、どうも生活者重視という言葉がひとり歩きをするために下水道であるとかそういう生活に密着した予算は伸びるけれども、道路予算とかは地方にとって極めて生活に密着したものなんですね。ですから、まさにその地方なりその住んでいる人が生活者重視というのはどういうものなんだということで私は選択されるべきであると思うんです。残念ながらそうでないようを言い回しで、これはある意味では政争の具にも使われかねないような状況にありますので、ぜひその辺のところを、閣内でそういう誤解に対しては明確に私はしていくべきではないかということを申し上げたかったわけであります。 次の質問に移ります。 現下の不況や高齢化の進展により、今後は厳しい財政事情がずっと続くと考えねばなりません。であるならば、なおさら同じお金で効果の上がる運用をすることが極めて重要となってまいります。こういった点について新政権は積極的な取り組みをしていくべきであると私は考えるわけであります。なぜこのような問題を取り上げたかと申しますと、例えば中央行政から発せられる補助金の補助要件や規則によって地方が縛られるために、末端行政においてむだや不合理がしばしば生じてきているからであります。 ここで具体的に例を一、二挙げて質問をしてみたいと思います。 まず、その一つは公営住宅の事例であります。 御存じのとおり、現行の公営住宅は一種、二種に分かれておりまして、入居者の所得水準が入居要件になっております。一種の方が二種より高い所得層まで入れることになっていますが、一種、二種はそれぞれ入居要件である所得要件が異なるものですから、例えば一種の人は二種用の住宅が空き室であっても入居ができません。また、その逆も家賃水準によっては入居ができないようになっています。このために、入りたい人はたくさんいる、しかし空き部屋があるのに入居要件に引っかかって入れないという現実が生じてきているわけであります。もちろん低所得層の人に対しての行政サービスですから原則としては理解できるのですが、いかにも非効率的であります。もっと現場の実情を踏まえた独自の判断で運営できるようにすべきではないかと思うのであります。 二つ目は福祉現場での事例であります。 来るべき高齢化社会に向けてゴールドプランが策定されております。施設中心の福祉から在宅福祉へと施策も大きく方向転換をしてまいっております。その在宅福祉サービスの数々のメニュー、例えばヘルパーの派遣や給食サービス、さらにはデイサービス、ショートステイなど、こういったメニューをコーディネートしていく役割を担って整備が進められているものに在宅介護支援センターというものがございます。 このセンターは平成五年現在で全国に千八百カ所が整備をされております。そして、平成十一年までに一万カ所の整備を目標としているものであります。このセンターは多くの場合、地域の病院や特別養護老人ホーム、老人保健施設に併設をされているのが実情であります。このことは施設サービスと在宅サービス、さらには医療と福祉をより緊密に連携させることによって利用者のサービスを図ろうというねらいがあるからであります。 しかしながら、そうしたねらいとは裏腹に、現場においては数々の問題が生じてきております。この介護センターでは、ベテラン職員でなければ勤まらない、いわゆる保健婦やケースワーカーを経験した人、また資格を持った人を配置しなければ勤まらないわけでありますけれども、この支援センターの年間の補助金は約一千万円で、こうした運営費では例えば将来の人件費だけでも不安が残ってくるわけであります。さりとて、併設されている病院や特別養護老人ホームとは措置費、医療費さらには補助金という形の中で経理を分別しなければならないために、人事の交流はおろか相談業務のため出張する際の車両すら使えないといった現実なのであります。 くどくど申し上げましたが、私がここで申し上げたいのは、同じ福祉サービスをやっていく際に、そのお金が縦の系列で相互乗り入れができないために現場において非常な矛盾が生じてきているということでありまして、今後残り八千カ所が整備をされてしまってからでは私は非常に大きな問題を残してくる、このように思うわけであります。 特別養護老人ホームや在宅介護は福祉のメニューの一つであります。手法の選択は地域で知恵を出してやるべきであります。国庫補助金の仕組みにとらわれて非効率的な運営を余儀なくされるなどの事態は本末転倒であると考えるのであります。もっと現場の裁量にゆだねられるように財政措置の仕組みも改善していく必要があると思うのであります。 ここで挙げたのはほんの一例であり、まだまだ地方が伸び伸び行政を展開していくためには、もろもろの国庫補助金や各種規制などの弊害があると思いますが、大臣にはぜひこのような問題の解決について御尽力を期待したいのでありますが、御所見をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(湯浅利夫君) 技術的な問題もございますので、私からまず御答弁させていただきたいと思います。 今御指摘のように、国が一定の基準で施策をやるということは、これは一つのことを全国くまなくやっていく、そういう意味からいきますと非常に有効なのでございますけれども、地域の実情に応じていろいろな行政サービスをしていかなきゃならない問題、特に福祉の問題についてはそういうものが多いわけでございますが、そういうものにつきましては国の補助制度というものが必ずしも有効に機能しない、こういうふうに私どもは考えております。 しかも、この補助金というものは地方の自主性、自律性というものを阻害するという問題もございましょうし、今お話しのように、全国一律の基準ということのために財政資金の効率性というものが非常に損なわれるという問題もございますから、私どもといたしましては国の補助金というものは極力整理合理化をして、そして地域の実情に応じた施策を自分たちの財源で、自分たちの知恵でやっていくということが必要ではないかと思っているわけでございます。 そういう意味で、ハード面では地方単独事業を積極的に推進し、またソフト面におきましても地方の単独施策が十分行えるようなそういう一般財源を地方交付税等によって支援していく、こういうことをこれからぜひやっていかなければならないんではないかと思っております。 今お話しの具体的な公営住宅の問題あるいは在宅介護支援センターの問題につきましても、おっしゃることは私どもよくわかります。そういう点を踏まえまして、こういう補助制度というものを極力整理合理化をいたしまして、むしろそういうものを地方の単独施策で実施できるような地方の一般財源の充実についてこれからも努力してまいりたいと思っております。
○国務大臣(佐藤観樹君) 今の局長の答弁に尽きておるわけでございますけれども、私に全部権限があればあしたにでもやれると思うのでありますけれども、例えばここで言えば建設省あるいは厚生省ということになるものですから、今も局長から答弁がありましたように、我々としても逐一各省庁とこういった問題、特に生活回りにかかわる問題につきまして、補助金等の整理合理化という方向性の中で解決していくように一層努力をさせていただきたいと存じます。
○西川潔君 いよいよ私で最後でございます。重複するところがあるかもしれませんが、よろしくお願いいたします。 私も大臣の所信、特に地方分権の推進についてお述べになった部分から質問をしてまいりたいと思います。 福祉分野におきましては、老人福祉法等の改正によりまして市町村へことし権限が移譲されました。このことによりまして地域福祉の主要な担い手は市町村になったわけですけれども、住民のニーズの把握、老人福祉事業の計画と実施におきましては積極的な責任と役割を担うと言えると思うんです。このような福祉分野に大きな変革がなされたということについて自治大臣の御意見をお伺いしたいのと、また今後各市町村が地域福祉を進めてまいるわけですけれども、これから自治省といたしましてはどういう役割で行政を行っていくか、そういう部分からちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 前半の問題につきましては、都道府県から市町村に移譲されたということで、最も身近な問題でありますから、それが最も身近な行政を行います市町村に移されたということにつきましては私たちとしても前向きに評価をしていきたいと思っております。 今、各計画をつくっておるところかと思いますけれども、釘宮さんからもお話ございましたように、市町村によっていろいろ形態が変わってまいりますので、そういった多様化あるいは高度化していくものにつきまして、私たちとしましてもそれ相応に応援をしていくというのが基本的なスタンスということでございます。
○西川潔君 今、大臣が答えられたとおりだと思うんですけれども、これからは格差が出まして、同じように納税している人間がAという町からBに、Bという町からまたAにということで、本当に地域によって幸せ不幸せ、天国と地獄みたいな福祉になってはいけないと思うので、そういう意味でどうぞよろしくお願いしたいと思います。 老人福祉法等の改正によりまして、すべての地方自治体が老人保健福祉計画の作成を義務づけられて、現在自治体の多くが作成をしている最中でございますけれども、市町村に権限が移譲されたことにつきましては望ましいことですけれども、しかし実際に計画の実施に当たりましては財政問題はかなり深刻で、基本的な財政難という現実と、この時期に単独事業を大幅に拡大することは地方の借金をふやし財源の硬直化を招きかねないという不安などで財源問題が最大の焦点となっているわけですし、各種調査でも指摘されておりますが、こういう部分ではどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(佐藤観樹君) 今御指摘のように、老人保健福祉計画、これは大体各市町村ででき上がりつつあると思っております。そうしますと、その内容、事業量というのが大体我々の目に見える、計測できるような格好になってくるわけでございます。 そして、今西川委員言われましたように、その次の財源でございます。これは主に厚生省でございますが、仕事だけはこちらで金は出しませんということでは成り立たないわけでございますので、そういった意味では関係省庁とも協議をいたしまして、まさに計画倒れにならないように私たちとしても十分適切な対策というものを立てていきたい、関係省庁と十二分に図って財源確保も努めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○西川潔君 そこで、各自治体が地域の特性を生かし、より充実した福祉行政を行うためには使途について制限を受けない一般財源の十分な確保が必要であると思います。しかし、最近の税収不足に加えまして、所得税減税とあわせて住民税の減税の実施が緊急課題として浮上してきたわけですが、そのことによる地方独立財源の減少が心配をされております。 先日、午前中も大臣がおっしゃっておられますが、地方六団体が地方分権の観点からも地方税の充実が必要であるといたしまして、国税である消費税の二〇パーを地方に譲与する消費譲与税を廃止いたしまして独立の地方消費税の創設を政府税制調査会に求められました。自治大臣としては、この要望に対してどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(佐藤観樹君) きょう何度か御答弁をさせていただいたわけでございますけれども、まだ税調の完全な答申が出ているわけではないわけでございますけれども、税調答申が出たとき、細川総理も言われておりますように、私たちもそれを重く受けとめるというのが自治大臣という立場で当然だと思っておるわけでございます。しかも、減税財源にとか、それからこれから起こってまいります高齢化、国際化あるいは社会資本整備という需要がどんどんふえていく中で、各位からお話ございましたように、各自治体が独自性、特色を持ったものにということになりますとやはり地方単独事業なり独自財源ということが非常に重要になっていくわけでございますので、そういった意味で私たちといたしましても、税調に対しましてぜひ地方の独自財源というものを十二分に考えてもらいたいということをいろんな立場で申し上げておるわけでございます。 さて、地方消費税の問題につきましては、六団体の方から、あるいはもう各地方団体の方から大変たくさんの要望書をいただいております。消費税そのもののあり方についてもいろいろと議論があることは御承知のとおりでございまして、逆進性の問題を初めいろいろ問題があることは御存じのとおりでございます。その問題はさておきましても、とにかく地方分権の後ろ盾となります地方財源と独自財源というものを確保するという観点から、我々としてもこの税調の答申というものに非常に注目をしていくというのが現時点で言えることかと思いますけれども、いずれにしろ、財政需要が非常に地方といたしまして多くなる中で、地方の独自性発揮あるいは自主財源という観点からぜひ我々としても注目をしてまいりたいというのが現時点で言えることだと思っております。
○西川潔君 ありがとうございます。今後、国と地方の役割分担を考えるに当たりまして、仕事の分担に応じた税の区分が行われているのかを見直していく必要があるのではないかと思います。 次に、所信では大臣は触れられておりませんでしたが、公的年金制度について地方公務員共済制度を所管している自治省にお伺いしてみたいと思います。 現在、来年の年金制度改革に向けて検討が行われているわけですが、改革の焦点の一つに厚生年金の六十五歳への支給開始引き上げの問題がございますが、この点について大臣はどのようにお考えになっているのか、また地方公務員共済についてはこの点をどのような方向でお考えであるかをお伺いしたいと思います。
○説明員(鈴木正明君) 技術的な面もございますので、まず私からお答えさせていただきます。 今御指摘のございました被用者年金の支給開始年齢の取り扱いの問題でございます。長寿社会といったことを考えまして、老後の所得保障のあり方あるいは高齢者の就業制度とのかかわりというものが大変大きい問題だと認識をいたしております。先月、年金審議会におきまして意見書が取りまとめられたわけでございますが、いずれにせよ、二十一世紀の高齢社会にふさわしい年金制度のあり方について年金と雇用の連結を前提として十分検討を深めてまいる必要がある、このように考えております。 また、地方公務員共済年金の対応はどうかということでございますが、平成六年に財政再計算が予定されております。それに向けまして厚生年金における取り扱いとの整合性あるいは公務員制度との関係調整など、公務員のいわゆる六十歳定年制などに配慮しながら所要の検討を進めてまいりたいと考えております。
○西川潔君 それでは次に、公的年金の一元化についてお伺いをしておきたいと思います。 公的年金の一元化につきましては、昭和五十九年の閣議決定を受けまして、その後基礎年金の導入、被用者年金制度間の費用負担調整事業の実施というような作業が進められてきましたが、政府は平成七年を目標といたしまして、公的年金の一元化の姿はまだまだ明らかではないわけですけれども、一元化に向けて自治省といたしましてはどのような姿勢で臨んでいかれるのか、お伺いしておきたいと思います。
○説明員(鈴木正明君) 私からお答えさせていただきます。 公的年金制度の一元化の問題でございますが、これまでも地方公務員の共済におきましては当方の所管します審議会等の場を通じまして幅広い検討を行ってきております。今後、政府全体として各制度共通の検討の場というものを設けることが予定されておりますので、その場におきましても関係省庁と十分協議を進めていきたいと思っております。 自治省としてのスタンスでございますが、これまでも今委員御指摘のような経過をたどってきたわけでございまして、地方公務員共済制度そのものの財政基盤の確立にはこれまでも努力をしてきたわけでございますし、いわゆる制度間調整事業といったことで他制度に対します財政支援などにつきましても積極的に取り組んできたところでございます。 今後とも、共済制度を維持しながら、各制度で協力し合って公的年金制度全体の安定した運営に向けて努力していかなければならない、このように考えております。
○西川潔君 この点について大臣に一言お伺いしておきたいんですけれども、御意見ございませんか。
○国務大臣(佐藤観樹君) この問題については長い経過があることはもう御承知のとおりでございまして、我が方といたしましても毎年百八十億から二百二十億の負担の調整事業ということで出しておるわけでございまして、その先につきましては今申しましたように政府全体で審議をするという場になっておりますので、これは年金だけの問題じゃなくて公務員制度そのものにもかかわってくる非常に深い問題でもございますので、そういう角度から私たちとしては政府全体で審議をする場の中でひとつ論議を深めていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○西川潔君 立場としても大変お答えにくい答弁をいただいて、ありがとうございます。 それぞれ歴史や沿革が違いますし、財政状態にも随分差があるわけですし、各制度を一つにするには本当に困難な作業であると思うわけですけれども、自治省ではこれまでに地方公務員共済組合審議会等において検討が進められているというふうに伺っておりますが、地共済の立場でこの一元化についての問題点をお伺いしておきたいと思います。
○説明員(鈴木正明君) 公的年金の一元化を進める場合の我が方からの問題点ということでございます。 今までお答文してきましたとおり、これまでいろいろな施策が講じられてきておりまして、いわば年金の一元化というのは相当程度目的が達成されてきている、このように孝之ております。同時に、公務員の共済制度はそれ自体が公務員制度の一環としての役割も果たしております。また、各被用者年金制度の沿革とか運営努力といった状況も相違しておりますので、そういったことを踏まえまして、今後とも共済制度の特性を生かしながら総合的、自律的な運営が確保されるように考えまして対応していきたいと思っております。 以上でございます。
○西川潔君 最後の質問にさせていただきます。 この公的年金の一元化に際しましては、現業業務の一元化等の整備の推進についても昭和五十九年に閣議決定されております。現在の年金制度の仕組みは、受給者そして加入者の立場から見ますと、給付を受けるための請求手続あるいは届け出手続など大変複雑な制度となっておりますが、今後受給者、加入者に対してより質の高いサービスを提供していく必要があると思います。 ことしの六月の予算委員会におきまして、制度間の併給調整がうまくいかずに返納債権が生じて大変苦しんでいるお年寄りからお便りをいただきまして、それを私は参考にいたしまして、こういったトラブルを防止するためにはどういった措置が必要なのかということで当時の厚生大臣にお伺いをいたしました。 答弁では、年金番号の一元化を図る必要がある、平成七年において公的年金の一元化を目指しているが、一元化が実現すればこういうトラブルは生じないということでございました。社会保険庁もこの七月に年金番号の一元化等を内容とする社会保険事業将来構想を策定しておるわけですけれども、国民により質の高いサービスを提供していくという点では、この共通の年金番号の導入、そしてまた現業業務の一元化についてどのようにお考えであるか、自治大臣のお考えをお伺いいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) かなり実務的な問題にかかわる話でございますけれども、税金の方のことでも納税者番号を入れたらどうだというお話があり、あるいは自治省が所管をしております住民基本台帳を使ったらどうだという話があり、あるいは年金の番号制を入れたらどうだという話があり、かなり実務的にいろいろ議論があると思います。 後につきましては、公務員部長の方から答弁をさせていただきたいと思います。
○説明員(鈴木正明君) お答えいたします。 いわゆる年金番号の考え方はいろいろな目的を持っていまして、今委員御指摘の点の併給調整の徹底とか、あるいは国民年金の適用漏れをなくすとか、あるいは年金相談あるいは年金裁定というものを早く行えるようにするとかということをねらいまして厚生省において検討されているものでございます。 こういった年金業務面での解決すべき課題というものにつきましては、各制度間での情報交換体制の整備といったことが重要なポイントであろう、このように考えておりますが、同時に、例えば適用漏れの問題につきましては住民情報を管理している市町村の窓口との連携といった問題を考えなくちゃいけませんし、また迅速化のためには、それぞれの制度自体が過去の年金加入記録の整備を的確に進めるといった基礎的な面での改善といったことも必要でございます。 いずれにいたしましても、住民サービスの向上といった観点から、こういった制度間での情報交換の充実あるいは業務面の改善方策ということにつきまして、各制度と十分相談をしながらやっていきたいと思っております。
○西川潔君 ぜひよろしくお願いします。ありがとうございました。
○委員長(小川仁一君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時二分散会 ――――◇―――――