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128回国会参議院1994/01/14

政治改革に関する特別委員会 第13号

発言数
250
登壇者
24
会派数
9
開催日
1994/01/14

会議録

上野雄文日本社会党・護憲民主連合

○委員長(上野雄文君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を開会いたします。  公職選挙法の一部を改正する法律案(閣法第一号)、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案(閣法第二号)、政治資金規正法の一部を改正する法律案(閣法第三号)及び政党助成法案(閣法第四号)(いずれも内閣提出、衆議院送付)並びに公職選挙法の一部を改正する法律案(参第三号)及び政治資金規正法の一部を改正する法律案一参第四号)一いずれも橋本敦君発議)、以上六案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

岡利定自由民主党

○岡利定君 おはようございます。  自由民主党の岡でございます。  冒頭に山花大臣にちょっとお伺いしたいんですが、私もこの委員会に初めからずっと参加させていただいておりまして、いろいろとこの法案をめぐっての意見あるいは問題点の指摘というのが与野党の委員から出されておって、それがいろんな議論になっておるというように理解しております。  そういう中で、新聞等では修正問題というようなことがいろいろと報ぜられておりますけれども、この議論の中で明らかになってきた修正点があれば、素直にそれを取り入れてよりよい制度にするというのがやはりこの委員会の一番大きな目的だろうと思うわけでございますが、修正点あるいは修正に対する考え方について山花大臣の率直な御意見をお教えいただきたいと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 同委員御質問のテーマにつきましては、今こうあるべきではなかろうかと御主張になった点に私も異論はございません。この法案を出す当初からの長い議論の経過というものを踏まえ、かつあえて政権の性格づけから政府が提出という形式をとりましたけれども、議会制民主主義における国民代表の選出にかかわる土俵づくりの問題でありますから、何よりも両院の御議論というものを大切にすべきであるということは当然の前提でございます。  内閣としてはベスト、最善の法案であるということで提出させていただいておりますけれども、十分御議論いただいて議会の御了解と申しますか、与野党の同意があったテーマにつきましてはこれを尊重するにやぶさかでございませんと、こう幾度がお答えをしてまいりました。衆議院段階におきましても、その意味では、御承知のとおり与野党のトップ会談の合意ということにはなりませんでしたけれども、その段階で、実務段階では整理されたテーマについて絞られましたけれども、修正を行ってきた経過もございます。幾つがその段階で合意までは至らずに議論が持ち越しという問題もありますけれども、衆議院における経過を振り返っていただければ政府の基本的な姿勢については御理解いただけるのではなかろうかと思っているところでございます。

岡利定自由民主党

○岡利定君 政府としては与野党の議論が煮詰まったところでそれに沿って考えていくということで今お答えにもなりましたし、また細川総理もそういう趣旨の御答弁をされておりました。しかし、政府は政府の立場でしょうけれども、細川総理あるいは山花大臣のお立場というのは連立与党の有力者という立場もあわせてお持ちでありますので、与野党が一致したいい結論が得られるように、今度はそういうお立場でも御努力されてもいいんじゃないかというような考えを持つわけでございますが、いかがでしょうか。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 確かにおっしゃったような状況はあると思っています。  同時に、あくまでも法案を提出した立場からいたしますと、やっぱり一番いいと思ったものを出した、こういう立場は大前提としてございますということもありますので、こうした立場につきましては連立与党の代表者の皆さんにも幾度がお話をさせていただきましたし、同時に、与野党の合意ができた問題については政府の立場にかたくなに閉じこもるつもりはありませんということにつきましても、連立与党の皆様には当初からかなり正確にお伝えをしてきたつもりでございます。

岡利定自由民主党

○岡利定君 日本の民主主義、民主政治の根幹にかかわる問題でございますので、大臣を初め担当の佐藤大臣にもぜひ御努力をお願いいたしたい次第でございます。  ところで、私は比例区選出でございます。今回のこの衆議院の選挙制度の改正の中で比例区の単位というのが、衆議院段階でもそうでございましたけれども、参議院に参ってからは非常に大きな問題として出されて議論されておることはもう両大臣とも御存じのとおりだと思う次第でございます。この政治改革特別委員会の与野党委員のうちの十七名が比例代表から来ているということでありますので、先日からのいろんな御議論を聞いておりますと、衆議院のあり方によっては我々十七名が本当に今度はどういう立場になるんだろうかと身につまされるような議論になるわけでございます。そういう意味で私自身も、衆議院に比例区を導入して、しかもそれが全国規模であるということについて大変疑問に思っておるところでございます。  もともとの考え方というのは、二院制のもとで参議院の存在意義といいましょうか、あるいは存在の独自性というものを発揮させるために衆議院とは違った選出基盤というもので議員を選ぶということでやってまいりまして、もう両大臣御存じのとおりですけれども、一つは都道府県を単位とする地方区、それから全国を単位とする全国区ということで始まっております。  そして、その全国区の意味はやはり全国を通じての全国民を代表する立場、これは当然でありますけれども、その中で職域なり職能なりあるいは大変すぐれた経験なり能力をお持ちの方を全国的なレベルで選ぶということで候補者の選定がなされ、そしてそういう立場で今までもやってこられたのはこれは自由民主党だけではなくて各党の今までの考え方だったと思います。比例区の場合にはやや性格が異なった面もありますけれども、しかし、その全国区の伝統というのはずっと引き継がれてやってきておるというふうに私は理解しております。  ところで、そういう意味で、よく比例区の場合に選挙運動ってあるんだろうかというようなことを言われますけれども、私ども自分の経験からいきまして、きょうここにお見えの与野党の先生方皆そうだと思うんですが、全国的にある職域なり職能なり、ある分野に関連する人たちが選出基盤ということになっておるということで、それらの皆さん方にごあいさつをし御支援をいただいて回るというのは大変な努力といいましょうか、時間もかかるようなことでございます。いわば全国民から見れば顔は見えないけれども、ある一つのところをとってみますと全国的に顔が見える努力をし、また見えないとここには来られないというのが今の比例代表制度の参議院における与野党を通じての共通の選挙基盤というか、そういう形で来ているんだろうと思います。  ところが、衆議院の場合には果たしてそうなんだろうかなと。何を全国で選んでいただく基盤、だれに顔を見せてそして選挙をされるんだろうか。よく考えてみると、ある地方だけで顔を見せて、あとは名簿の上で顔を見せているだけというような形になってきたときに、全国民の代表という言葉をしょっちゅうお使いになるわけですけれども、個々の分野を代表する者が全部集まって全国民の代表という機能を果たすという面から見たときに、衆議院の今回の全国区で比例区をやるという意味というのは何だろうかなというように私自身大変疑問を感じております。山花大臣の御意見を伺いたいと思います。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 言うまでもなく、この比例代表の方を全国単位にしたのは、多様な民意を議席に反映させたいということであることは先生御承知のとおりでございます。  どういうふうに比例代表の候補者なり運動をするかについては、もちろん各政党自由であることはもう御承知のとおりでございますが、今委員御指摘の部分だけについて申し上げますと、恐らく私たちのイメージ、それから海部内閣のときに出されました法案、あるいは私ども社会党の公明党さんと一緒になって出した法案等のイメージからいいますと、比例代表の多くは小選挙区を持っていらっしゃる方ではないか。全部拘束名簿にしてもいいんですよ、それはいいのでありますが、ここでのイメージというのは、やはり小選挙区を持っていらっしゃる方がこの比例代表で戦われる。  そうしますと、今先生御指摘のように、それは果たして全国民を代表することになるんだろうかということでございますが、これは法律論と実態論の話で、今委員御指摘のように職能で頑張っていらっしゃる方もいらっしゃるけれども、しかしそれはちゃんと名簿に載れば法律上は国民の皆さん方に名前があらかじめ提示されているということで、これは国民を代表する議員だということに憲法上なるわけでございますね。  それと同じように、小選挙区で戦っても名簿にちゃんと出ればそれは全国民を代表される議員であるというふうに法律上、憲法上もなるわけでございますので、イメージといたしましては、参議院の比例の場合には強いて言えば五十名職能別で戦われる。衆議院の場合には、いろんなやり方をやっても結構でございますけれども、イメージからいうと地域代表的に戦い、全体の合計数は国民の多様な民意を反映するようになる。こういうふうに、かなりその意味で参議院の比例代表と衆議院の比例代表とは実態面において私は違ってくるだろうというふうに考えておるところでございます。

岡利定自由民主党

○岡利定君 今の佐藤大臣のお答えというのは今までもずっとお答えになってきたことであるわけですが、私が言っておりますのは、だれに顔が見えるのだろうか、全国的に顔が見える選挙制度をとっている、あるいはそういう実態というのを踏まえてやっているから全国区あるいは全国比例というのが意味があるのじゃないだろうかと。  ある地方だけにしか顔が見えなくて、それを全国で名前が書いてあるから知っているということでは、余りにもその人を知らないで選挙するということになるのじゃないかというように思っておるものですから、やはり単位は、自民党案では都道府県ですから、それこそ百歩譲ってもせいぜい例えば近畿地方でならあの人は知っておるとか、佐藤先生の場合だったら東海地方というのは大体みんな知っていると思いますけれども、でも和歌山の人間から見ると佐藤先生のことは御存じありません、だからそういうような本当の意味の選挙の基盤と顔が見えるということが代表ということですから大変大事じゃないかなと思っておりますので、意見だけ申し上げておきます。  この関係で、いろんな一般の方とのお話をしておる中で、一番今回の改正点の中でわかりにくくて、しかも支持されておらないのは小選挙区と比例区の重複立候補の制度だと私は思います。  もう何回もこれも出ておりますのでそんなに繰り返しませんけれども、地域代表として選ばれなかった人が、先日の政府の御答弁ですと、党が必要だということで当選するというのは本当にどういうことなんだろうかなと。うまくその辺がわかるように御説明いただきたいなと。しかも、その重複立候補をして惜敗率とかあるいは善戦率というようなことも言われまして、だから敗者復活制なんて言われて、それだからこそ現職議員の救済策じゃないかというようなことさえ言われておるのもゆえなしとは思えません。  先日の参考人の意見聴取の中で、筑波大学の蒲島教授は、こういう重複立候補制なんか取り入れますと新しい立場の政治家あるいは女性の進出というのが大変難しくなるということで反対だ、これは連立与党側の御推薦の参考人の御意見なんですが、というのが出てまいりました。  それでも、参議院の全国区の比例代表の選出基盤とは異なる選出基盤があって、またそうすることが必要であるなら、むしろ別々の目的を持つ選挙でありますから、重複を認めないで別個の候補者を立ててやるようにしたらいいんじゃないかというように私自身思うわけです。  例えば、山花大臣あるいは佐藤大臣は、これはもう地元でも選挙はお強うございますから、小選挙区で大丈夫だと思いますが、やっぱり両方お出になるということになるわけでしょうか。両大臣からお聞かせいただきたいと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 重複立候補の制度は、かねてから御説明させていただきましたとおり、政党の裁量権を認める、今回の選挙制度が政党が政策を争う、個人本位の選挙からの転換ということを基本的な性格づけとしておる関係から、申し上げた意味を持ちましてつくったものですが、海部内閣のときにはたしか得票率ということで重複立候補を認めておったと思います。  今回はこれを惜敗率、善戦率ということがいいんじゃなかろうか、こういう御意見もございましたけれども、要するに、その選挙区における戦いぶりを評価するということになれば、単に得票をとったということだけではなく、その接近率といいますか、その評価の方が当たるのではなかろうかというような考え方から惜敗率という考え方をとったわけです。  今なぜということについて振り返って考えてみると、私は、海部内閣のときもそうだったと思いますし、今回もそういう考え方がございましたが、確かに二つの異なった当選人を決める制度ではあるものの、全くそこでの橋が渡りませんと、一方で、比例の名簿を十人、二十人、三十人ということならば、政党の中でこれまでの経験から考えられる順位のつけ方と思いますけれども、ただ全く截然と分けまして全国二百二十六番までつけるということは、これは政党としてもなかなか難しいのではないだろうか。それぞれ順番の問題というものは党内の民主主義に基づいてということにはなると思いますけれども、そういう困難性は参議院の比例代表ぐらいまでがもうかなり限度でありまして、これが百人、二百人単位になりますと難しいということも一方ではあるのではなかろうかとも思っているところでございます。  重複立候補の問題は、今、同委員は敗者復活とおっしゃいましたけれども、確かにそれは従来日本の選挙制度の中にはなかった制度でありますので、確かに国民の皆様には初め違和感というものがあるかもしらぬということについては私も承知しているところでございます。  ただ、こうした新しい制度によって政党の裁量行為を認め、そしてその後は政党の知恵比べということになると思います。どういうランクづけにするのか、重複立候補をどういうレベルで認めるのかということにもなってくると思うわけでして、選挙を行いますと私は御理解いただけることも可能ではなかろうか、こういうように思っているところでございます。順位をつけるに当たりまして、従来でも各政党ともそこが党の顔になってまいりますから、女性をどういうように順番、ランクづけするか等々のこともあるんじゃなかろうか、こういうようにも思っているところでございます。  よく例に出しましたドイツの、これは併用ですからちょっと違いますけれども、三百三十四人の当選者のうち三百二人がまさに惜敗率といいますか、善戦率によって議員の資格を得ている。ドイツでも純粋に比例だけで出た方もいらっしゃいますけれども、ほとんどの場合にはそうではなくて、選挙区で戦って、そこで第一位にならなくともいわば善戦率に従って当選するということは、併用の場合にはまた仕組みがちょっと違いますけれども、落ちた人が当選してけしからぬ、決してこういう国民感情はないというように伺っているところでございまして、これは選挙を行うことの中で国民の皆さんの違和感についても解消されるのではなかろうか、こういうように考えてきているところでございます。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 岡委員の方から、おまえも重複立候補で比例代表に出るかというふうに聞かれましたですが、私も政治活動を続けたいという意味におきましては当然手を挙げるわけでございますが、ただ、党が必要とするかどうかということで、比例代表の方を党が認めるかどうかということでございますので、結果的に重複立候補になるかどうか、それはある意味では原則的にはわからないということじゃないでしょうか。

岡利定自由民主党

○岡利定君 制度を提案した側としてはいろいろそういう御説明をしなければならないというお立場だろうと思いますが、どうもドイツ人と違って日本人の場合には、片一方でいかれて、基盤のない、何かわからぬけれども自分が通ったというのは、日本人としてはどうもぴんとこないのかなということもありますので、その辺だけちょっと申し上げておきます。  次に移らせていただきますけれども、自治省に事務的にお伺いしたいんですが、投票用紙の問題でございます。  公選法改正案の四十六条で、今度は「投票の記載事項及び投函」というところがあって、そして「(小選挙区選出)議員の選挙の投票については、選挙人は、自ら、投票所において、投票用紙に氏名が印刷された候補者のうちその投票しようとするもの一人に対して、投票用紙の記号を記載する欄に○の記号を記載して、これを投票箱に入れなければならない。」、そして比例区については、衆議院の届け出政党等の名称のうち、ずらっと書いてある中で一つに対して印をつける、そしてその氏名なり政党の名称の順番は選挙区ごとにくじで決める、こういうようになっております。  そこで、小選挙区の場合の投票用紙というのは、具体的なイメージなんですが、名前をずらずらとくじを引いて書いてある、こういうように理解していいのか。また、今度は比例区の場合には投票用紙に全政党名をずらっとこういうふうに並べて表にしてあるというようにイメージしていいのかという点、ちょっとお答えをいただきたいと思います。

佐野徹治自治省行政局選挙部長

○政府委員(佐野徹治君) 投票用紙の様式は自治省令で定めるということといたしておりますけれども、比例代表選挙におきましては、名簿届け国政党の名称等を縦書きで記載いたしますとともに、マルの記号を記載する欄を設けることといたしたいと思っております。  それからまた、小選挙区選挙におきましては、候補者の氏名のほか候補者届け国政党の名称を縦書きで記載をいたしますとともに、マルの記号を記載する欄を設けることを予定いたしております。  投票用紙の大きさなどにつきましては、届け出政党や候補者の数に対応いたしまして、投票用紙を調製する各都道府県の選挙管理委員会におきまして判断されることになるのではないかと考えております。

岡利定自由民主党

○岡利定君 小選挙区の場合ですけれども、縦に名前を書くというのを一応基本に考えているというのですが、その上だとか下に政党名を書くんですか。

佐野徹治自治省行政局選挙部長

○政府委員(佐野徹治君) 最終的には自治省令等で考えることになるわけでございますけれども、できますれば名前の欄のほかに政党名も書くのが適当なのではないかというように考えておるところでございます。

岡利定自由民主党

○岡利定君 この法文で政党名を書いていいというように読めるんでしょうか、それが一つ。  そこで、まず比例区の場合ですけれども、どれだけ政党が出てくるかということにもよるんですが、前回の参議院選挙のときには全国比例区で政党が三十六、七あったんじゃないかと思いますね。それがくじで順番に引くわけですね。どのくらいの紙に書くのかはわかりませんが、こういうところにずらずらと三十幾つあって、投票所へ行ってマルをつけろというわけです。マルをつけるというときに、順番にでも並んでいればまだ自由民主党は一番こっちだというのは大体わかるんでしょうが、行ってみたらどこかわからない。目が悪い人、何というか、眼鏡がなかったら、どこだなんて言ったって、結構大きなものにしなけりゃいかぬのじゃないかなというようなことを思います。  また、今度は小選挙区ですけれども、多分比例区で出すような政党は、先ほどからの重複制度を認めるわけですから、両方に重複して出すということになるんじゃないんだろうか。だから、地域によっては小選挙区といえども結構な候補者がすらすらと並んで、その中で自分がマルしたいのを探すというのはこれは大変なことになるのかなというような気がしております。  もう一つは、そういうようになったときに、何といいましょうか本当に、きちんと書く人の方が多いと思いますけれども、往々にして縦書きでやっていった場合には右側が非常に有利だというように言われておりますし、現に最高裁判所の裁判官の国民審査においても右側にバツが一番多く集まるというようにもお聞きしております。一そうなりますと、単に有権者の意向以外の要素が入って当選が決まる決まらないということになってきますと、これはちょっと選挙の公正さということからいってもおかしいんじゃないんだろうか。  そういうことから私は、この記号式をなぜ取り入れるんだろうかということをお聞かせいただくと同時に、しかしそうはいってもそういう実態を考えたときに、やはり自書式というのをやるということの方が、そういう余計な要素も取り込まない、あるいは用紙をそんなでかい紙にしなくていいということなんかも出てまいりますので、ぜひこの際は、何といいましょうか、よっぽどしなければならぬという皆さんを納得させる理由があればお教えいただきたいんですけれども、そうでなければ自書式に切りかえたらいかがかなというように提案したいと思いますが、いかがでしょうか。

佐野徹治自治省行政局選挙部長

○政府委員(佐野徹治君) まず、前段のお尋ねにつきましては、投票用紙の様式は自治省令で定めるということになっておりますので、御理解いただきたいと思います。  それから、後段についてでございますけれども、記号式に関連する問題でございますが、記号式投票、自書式投票の問題につきましては、この前の通常国会等を通じましても、これは衆議院の方でございますけれども、衆議院の政治改革特別委員会等におきましてもいろんな御議論がございました。そういった御議論等も踏まえまして、それから記号式投票自体につきましては、例えば投票の効力判定が容易になりまして無効投票が減少するとか、それから選挙争訟が減少するとか、選挙人の投票時間が短縮できるのではないかなとか、投票の秘密が確保しやすくなるのではないかなとか、いろんなメリットがあるのではないかなと、こういうように考えられるわけでございます。  今回の公職選挙法の改正におきまして小選挙区比例代表並立制を採用することに伴いまして、記号式投票の導入につきましていろいろ検討いたしました結果、政党本位の選挙制度のもとにおきましては、立候補の届け出または名簿の届け出を行う候補者または政党の数はある程度のところにとどまり選挙の管理執行上対応できるものと考えられましたので、選挙人の利便を図ります観点などから記号式投票の導入を図ることというように考えた次第でございます。  なお、公平等云々の問題でございますけれども、小選挙区選挙におきましては、投票用紙に印刷する候補者の氏名の順序は選挙区ごとに都道府県の選挙管理委員会がくじで定めるということにいたしております。また、比例代表選挙におきましては、投票用紙に印刷する名簿届け国政党等の名称等の順序は中央選挙管理会がくじで定めるということにいたしておりまして、候補者だとか名簿届け国政党等の間での扱いは公平なものとなるようにいたしておるところでございます。

岡利定自由民主党

○岡利定君 説明していただきましたけれども、現実のことを考えますと、本当にそんなことでいいんだろうかなというように、せめてあいうえお順で書いてあるとしたらまだ探しやすいかもわかりませんけれども、順番に名前が三十人、四十人書いてあって、その中で探してマルをつけろ、あれはちょっと大変だなと。実験するならもう少し規模の小さいところで一回実験をやって、その効果をはかってからこのような最大の選挙である衆議院選挙に導入すべきじゃないかなということを私自身思いますので、ひとつもう一回考えていただきたいなということだけ言っておきたいと思います。  そこで、政見放送の関係で幾つかお尋ねをさせていただきますが、選挙運動期間は公選法の制定以降何回も改正されておりますが、基本的には短縮の傾向一途にあるわけです。  公選法が制定されました昭和二十五年には衆参各三十日だったというようなことでございますが、昭和五十八年に大改正がされております。その昭和五十八年に、改正前は衆議院が二十日、参議院が二十三日あったのが、衆議院は二十日から十五日、参議院は二十三日から十八日になっております。そして、平成四年に最後の改正がありまして、衆議院は十五日から十四日、参議院は十八日から十七日というように短縮されてきております。この理由は、選挙費用の縮減の必要性、それからテレビを代表とするメディアの発達によりまして選挙関係情報の伝達が非常に効率的に行われるようになったというようなこと等々というように当時の議事録なんかでも載っております。  昭和五十八年には、先ほど言いましたように衆参ともに大幅な期間短縮がありましたが、それとあわせまして、当時、形骸化しておるということとテレビ利用がもっとできるんじゃないかということを理由に立会演説会が廃止されております。候補者の人物、政見等を有権者に知らせる方法はほかにもいろいろと認められており、いずれも大切でありますけれども、特にテレビはほかの選挙運動方法に比べても有権者の判断に大きな影響を与えるということでの調査結果も出されておるわけでありまして、家庭に飛び込んで直接有権者に訴える力を持つ放送、特にテレビの威力というのが非常に大きいわけであります。したがいまして、この有効活用というのが選挙では一番大きな課題になってくるということが言えると思います。  そこで、その果たす役割が大きくなればなるほど、NHKを中心とする放送関係者に大変な努力をいただいておりますけれども、運動期間が短くなるということでその御苦労は大変だというように聞いております。今回の改正案は衆議院選挙を抜本的に改めるということと、それにこの際ということで政見放送の全面的な見直し、そして選挙運動期間のさらなる短縮というのが含まれておるわけでありますが、この際、放送の適切な利用を図る観点から、従来の反省の上に立って特に有権者の判断により役立つようにするということが大切であると考えますので、こういう観点から幾つか御質問をしたいと思います。  今言いましたように、テレビ放送、特にテレビは非常に大きな役割を果たしておりますが、しかし関東地方とか近畿地方、それから佐藤自治大臣の東海地方におきましては、テレビ放送がNHKも民間放送も放送エリアが県単位じゃなくて広域のエリアとなっているために非常に短い期間に多くの選挙区で多数の放送ということになりますので、特にNHKではその期間になりますと選挙放送一色、衆参同時選挙ともなりますと、もうどうしようもない。前回の衆参同時選挙では関東地方ではNHKの選挙放送の一日最高時間が十時間五十分あったそうでございまして、そうなりますとニュースと連続番組以外はできないというような事態になっておると聞いております。  ちょっとこれ、その当時の同時選挙どこの間の衆議院選挙のときの新聞を持ってきたんです。何しろもうNHK、関東地方だけでこの色がついておるのは全部そうですから。同時選挙と衆議院選挙。これは愛知県。(資料を手渡す)  いずれにしましても、今ごらんいただきましたようにNHKは何しろ入れるところがないぐらいになっている。そういう意味でNHKの御苦労というのは本当に大変なんですが、見る方でも、今度は自分の選挙区を探すというのが本当に非常に難しいんです。私も東京第一区というのを探してみたんですが、見つけるのが大変だった。そういう結果、大変労多くして功少なしというようなことになっているんだったら、お互いの努力が大変もったいないというような気がいたしております。  そこで自治省にお伺いしたいんですが、ラジオ、テレビによる政見放送、経歴放送について、視聴率を初めとしまして有権者の声など調査されたことがあったらお聞かせいただきたいと思います。

佐野徹治自治省行政局選挙部長

○政府委員(佐野徹治君) 自治省の関係団体でございます財団法人の明るい選挙推進協会、ここで今お話しのようなことにつきまして調査をしたことがございまして、これの実態調査によりますと、近年の国政選挙におきまして選挙の情報を提供する各種の選挙媒体のうち有権者が最も多く接触したのはテレビの政見放送、経歴放送であり、投票を決めるのに最も役に立った選挙媒体につきましても同じく政見放送、経歴放送、こういうようになっておると私ども承知をいたしております。

岡利定自由民主党

○岡利定君 いずれにしましても、テレビの活用というのが大事になってくるわけです。  そこで、今回の改正法案によりますと、小選挙区につきましては従来の候補者の政見放送は認めなくて、候補者届け出政党だけに政見放送を認めるということになっておりますが、その理由をお伺いいたします。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 岡委員御指摘のように、参議院は日程が大体決まっておるわけでございますが、衆議院の場合には解散、特にこの前の選挙のときは非常に期間が短かったものですから、本当に放送関係者の御協力なくしてはできない。民放の方も広告料をいただいておるわけですので、その間に入れるというのは大変な苦労をしていただいておるわけで、委員は御専門ですから、その意味ではほぼ限界に近づいているんじゃないか。  ある人はNHKの第二放送を使ったらいいじゃないかと言った人もいるんですが、ばかと怒られまして、つまりあれはあれで非常に楽しみにして、子供の番組とか家庭番組とかちゃんと時間にやるのを楽しみにして待っていらっしゃる方がいるのでとてもそんなことはできないわけでありまして、そういう意味では事実上かなり限界に来ているという認識を私も持っております。  今回の選挙制度で小選挙区の名簿登載政党のみに認めましたのは、これは制度全体が政党本位、政策本位にしたこととともに、今、委員御指摘のように、どれだけの候補者が出られるかわかりませんけれども、大放送圏の中では候補者一人一人小選挙区の方がやっている場合にはこれはもう本当にとりようがあるかどうか。しかも、これはNHKが政見放送をやっているときは民放は外すという時間どりをして有権者に便宜を図っているわけであります。  そういうことを考えますと、小選挙区の候補者一人一人の政見放送というのは、政党本位になったことですから政党がやっていただく、届け国政党がやっていただく。ただ、その際に小選挙区の方が出てもそれは一向に構わない、あるいは持ち込んで独自の工夫をしたものをやっても結構ですということにさせていただいたわけでございます。

岡利定自由民主党

○岡利定君 いずれにしましても、候補者個人じゃなくて政党が政見放送を行うということになるわけですが、この放送につきましては、百五十条の第四項ですかこれで都道府県における届け出候補者の数に応じて時間数を与える、そして具体的には政令以下で定めるということになっております。  今までの政見放送と全く違ったものになると思うんですけれども、具体的にどんなふうにやるのかイメージがちょっとわかないんです。例えば、都道府県単位でやるのか、それとも選挙区単位でやるのかなと、自治省ではどのようなイメージを持ってこういうものを考えておられますか。

佐野徹治自治省行政局選挙部長

○政府委員(佐野徹治君) 今度の公職選挙法改正法案の百五十条の第四項でございますけれども、小選挙区関係につきましての政見放送に関しましては、その都道府県におきます届け出候補者を有するすべての候補者届け国政党に対して、同一放送設備を使用し、その都道府県におきます政党の届け出候補者の数に応じて政令で定める時間数を与える等同等の利便を提供しなければならない、こういう規定がございます。  御案内のことと思いますが、現在の参議院の比例選挙、これは政党が政見放送を行うことができる、こういうようになっておりまして、これにつきましては全国を単位といたしまして、それぞれの政党の名簿登載者数、その数に対応いたしまして回数等も定めておるところでございます。したがいまして、今回の小選挙区の候補者届け国政党の政見放送につきましても、基本的な考え方といたしましては、そういった候補者数と申しますか、それを都道府県単位で考えながら回数等も決めてまいるのではないかと考えております。  ただし、この政見放送に関しましては、これは御案内のとおりでございますけれども、同じ百五十条の第六項に、この放送の回数だとかいろんな放送に関し必要な事項は自治大臣がNHKだとか一般放送事業者と協議の上定めるということになっておりますので、この法律がもし成立いたしますれば、私どもNHKなり放送事業者と具体的なお話をさせていただくということになるのではないかと考えております。

岡利定自由民主党

○岡利定君 放送が非常に大きな影響を与えるということでありますので、この法律が通ってから都道府県単位の放送になるのか選挙区単位の放送でやった方がいいのかこれから相談するというのは何かどうもぴんとこないわけです。  私、先ほど投票用紙の関係でお伺いしたんですけれども、小選挙区におきましてはいずれにしても政党名ではなくて氏名に印をつける。私の主張を入れていただいたら名前を書くということでありますから、候補者個人の氏名を知ってもらうということが大変大事になってくるわけであります。そうしますと、小選挙区の政見放送は政党本位、政策本位と言うけれども、個人の名前を有権者に知ってもらうために、今までと同様に個人本位の番組の中身になるんじゃないかなというようなことを思います。  しかも、従来は選挙区ごとに候補者を平等に扱っていたわけですけれども、今度の改正案では今おっしゃいましたように都道府県単位で多くの候補者を出した方が長い時間放送でき有利になる。そこでまた政党要件というのがかかってきまして、いわゆるミニ政党と言われる政党は政見放送を行う機会が事実上なくなる。  さらに、無所属候補それからミニ政党の候補者は、経歴放送をラジオでおおよそ十回、テレビで一回やってもらうというだけで政見放送の機会を与えられないということになってしまうわけであります。非常に有権者の選択に大きな影響を与えるものが、使える者と使えない者、しかも有利に使えるというような立場にもなるとかいうようなことでありまして、これは立候補者の機会均等という観点から見ましたら余りにも差があり過ぎるんじゃないか、問題があるんじゃないかというように考えますが、佐藤大臣いかがでございましょうか。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) この点につきましては、選挙制度そのものを政党本位、政策本位にしていこうということの趣旨のために、ある程度差が設けられるのはやむを得ないという観点に立っておるのでございます。

岡利定自由民主党

○岡利定君 そういう考え方だろうと思うんですが、実態は名前に印をつける。小選挙区の投票用紙に政党名が書いてあってやるならいいんでしょうけれども、やっぱり名前のところに印をつけてもらわなきゃいかぬとなると、名前を売り込むということが中心になってくるんじゃないんだろうかなと思います。  そこで、小選挙区につきましては政見放送で、先ほどもお話がありましたけれども、政党が録音、録画したものを放送局に持ち込んでよいというようになっております。従来のワンパターンの放送から比べますといろいろと工夫が加えられまして、よりわかりやすく興味のあるものになるんじゃないかなと期待される面もありますけれども、これを認めようとする理由をお伺いいたしたいと思います。  また、番組作成のための費用は一定の範囲で無料だというふうにされておりますけれども、具体的にどの程度の金額を考えておられるのかお教えいただきたい。  というのは、こういう意見があるからです。持ち込みが可能になると金をふんだんに使った演出になる危険がある。資金が豊富な政党が有利にならないよう平等性を確保する必要があるんじゃないか。これは社会党の某氏の意見でございますが、という意見も出されておる。このことも含めまして、持ち込みの関係についてどのようにお考えなのか。自治省なりあるいは大臣でも結構ですが。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 今までの政見放送で評判が悪いのは、画面が極めて画一的ではないか、確かに画一的に一面ではやらなきゃいかぬのでありますけれども、三分半たったら顔をアップにするとかまた引くとかということで、極めて画一的でおもしろみがないということでございました。そのあたりのことを、この際選挙制度が変わり政党が政見放送をするということになったのを機会に、やはり有権者にできるだけ創意工夫を凝らした上で見てもらいたいということで、こういうふうに持ち込みを許すことにしたわけであります。  ただ、委員御指摘のように、それじゃ何千万もかかるようなものをつくっていいかとなりますと、公的な助成は一定の額いたしますけれども、しかしそれは、今もいろんなことでお金がかかるわけですから、NHKさんや放送事業者の方にお払いしていますが、そんなにたくさん払うわけではなくて、一定の額の公費は認めますけれども、金をかけたらよりいいものができるという、そういう金のかかる選挙を導くようなまでお金は出さないということです。  なお、細部につきましては選挙部長の方から答弁いたさせます。

佐野徹治自治省行政局選挙部長

○政府委員(佐野徹治君) 政見放送の製作費用だとか電波料等の放送費用につきましては、従来と同様に公営の対象とされているところでございますけれども、今回新たに創設されます持ち込み関係の費用につきましては、これは百五十条の第二項の改正条文で一定の額の範囲内において公営することができることとされておるところでございます。  これにつきましては、従来の方式によります公営の対象だとか額、こういったものとの均衡にも十分に配慮をしながら今後検討してまいりたいと考えております。

岡利定自由民主党

○岡利定君 それでは、何といいましょうか、具体的にこのくらいの金額の範囲でというのはまだ決まっていないということですか。  その辺、せっかく持ち込みがいいようにするというんであれば、それこそ佐藤大臣のお話じゃないんですけれども、そんなにたくさん金をかける必要はないわけですけれども、あんまりけちってまたワンパターンじゃ何のためにやったかわからないというようなこともありますので、その辺、自治省の方でやはり工夫して知恵を出せるお金というのを用意して、国民にわかりやすい政見放送をしていただくようにしていただきたいなというようにも思います。  しかし、その持ち込みをめぐっての問題があるわけですが、従来からも政見放送につきましては、公選法の百五十条第一項後段の規定によって、放送事業者は録音、録画した政見をそのまま放送しなければならないというようになっております。  この点に関しまして、いわゆる政見放送削除事件というのが昭和五十八年の参議院選挙のときに起こっておりまして、平成二年四月十七日に最高裁判決が出されております。公職選挙法第百五十条の二の政見放送における品位の保持の規定との関連におきまして、この規定に違反する言動がそのまま放送される利益は法的に保護される利益とは言えないということで、NHKが政見放送の音声部分を削除した行為は不法行為に当たらないという判決が出ました。なお、その判決には園部裁判官の補足意見というのが付されておりますが、これによりますと、判決は一応是認しますけれども、一般論としてはいかなる内容のものであれ政見である限り削除することは百五十条第一項後段の規定に違反する、こういうように書かれております。  そこで、そのまま放送すべきということは今回の改正案でも同じであるわけでありますが、これもまた持ち込み番組にも適用されるわけであります。あのワンパターンの政見放送ですらこういう事件が起こったわけでありますから、これはいろいろややこしい複雑な問題を持ち込んだなというような感じもいたすわけでございますけれども、この点についての基本的な見解を自治大臣にお伺いしたいと思うんです。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) もう今の同委員の御質問の中にほとんど答えは入っていると思うのでございますけれども、一つ技術面の問題は、言うまでもなく事前にチェックを放送者とするのは当然だと思うし、また政党側もやっぱりきれいに映してもらいたいというのは当然でございますから、これはそう問題なくチェックが行われると思います。  それから、内容的な問題につきましては、委員御指摘のように、放送事業者は作為的に加工するようなことは許されず、「そのまま放送しなければならない。」と法の第百五十条の第一項に書いてあるのが最も基本だと思います。  ただ、今言われましたように、候補者届け国政党には政見放送をする場合に、「その責任を自覚し、他人若しくは他の政党その他の政治団体の名誉を傷つけ若しくは善良な風俗を害し又は特定の商品の広告その他営業に関する宣伝をする尊いやしくも政見放送としての品位を損なう言動をしてはならない。」と百五十条の二に書いてあるわけでございまして、この精神及び今委員が言われました裁判の判決の中身、こういったものを総合してやるべきであるというふうに考えております。

岡利定自由民主党

○岡利定君 法制局長官もおいでですので、ちょっと聞いていただきたいんですが、今、大臣からお答えになりましたような品位ある番組であるということに努めなきゃならぬということであるのは当然なんです。  「民間放送」という機関誌がありますが、それにこの持ち込みに関しましてこういうことが触れられております。  基本的に持ち込まれたものをそのまま放送することになるんだと。そうなりますと、これまでは局での処理しか認められていなかったため、公選法、あるいは放送法、放送基準上の問題について候補者に直接説明し理解を求めることもできたが、持ち込みではこうした機会がなくなるおそれがある。  さらに、問題点としまして、先ほど佐藤大臣がおっしゃいました技術的な問題ということにもなるんでしょうが、画質とか音質の点とか技術基準上の問題、それから著作権の権利処理、それから三番目には持ち込みの締め切り期日の徹底というような問題があるということをこの「民間放送」で指摘がされております。  一定の期間内に集中してやらなきゃいかぬ、しかも先ほどありましたように、選挙期間もまた短縮になって十二日ですか、ということになるというわけでありますから、放送局側とそれから持ち込む政党側の両者の間に問題が生じないように、しかもスムーズな対応というのが緊急に必要になってくるという場面がしょっちゅうあるんじゃないかなと思います。  そういう意味で、場合によっては放送する側の緊急避難的な措置を認めるということも必要じゃないかなと思うわけですが、これは単に技術的あるいは現場の運用だけで解決できるものではない。単にこの品位の保持の規定だけで十分だろうか、また第六項の自治大臣の定めということだけで片づくんだろうかということが私ちょっと疑問に感ずるわけです。そういう放送関係者の危惧する点を十分に聞いて対応するのに法律的な手当てもこの規定だけでは十分じゃないんじゃないかなと思いますので、自治大臣あるいは法制局長官、御意見をお聞かせいただけたらと思います。  今のこの規定だけで、こういう、持ち込まれた番組に瑕疵があったり問題があって放送するしないでもめたときに、放送する側が、ここを訂正しろとかいや非がないとかというようなことでやっているときに放送側に責任がかぶってくるようなことがないような場面をつくっていかなきゃいかぬのじゃないかなということを心配するわけです。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 今日までも政見放送をいろいろやってきまして、放送局との間にいろいろな経験も積まれております。今度は政党が前面に出てやるということでございますので、その意味ではいろんな問題が起これば逆に時間がないとか言って放送してもらえないというようなことに今度はなってくるわけでございますので、かなりそういう問題は回避されるんじゃないだろうか。  いずれにしろ、法案成立後、放送事業者の方々とこのあたりについてはいろいろと検討、研究をしてみる必要はあると思いますが、法律的手だてまでは今までの経験の延長線上として必要ないんではないだろうかというふうに思っております。

大出峻郎内閣法制局長官

○政府委員(大出峻郎君) 政見放送等は、これは選挙に関するものでございますので、選挙の公正ということが非常に重視されなければいけない、こういうことであろうかと思います。  ただ、そういう場合にも全く問題がないわけではないというようなケースが過去の経験としてあったわけですが、これはケースとしては本当に予想しがたいようなそういうケースであったのではないだろうかということで、あらかじめそういうことを予定して格別の規定を設けるという必要があるかどうかというのは、これは自治省の方と立法政策上の議論としていろいろ相談してみなきゃならないことだと思っております。

岡利定自由民主党

○岡利定君 具体的に法的な手当てが必要かどうかよく詰めなければいかぬ点があるというのは私も理解できますが、その点、本当にいろんな場面で持ち込みということでありますので、問題が生ずることが考えられますので、自治省の方でも十分にその辺を範囲に入れていただいて、放送事業者の立場、それから政党の立場というのを両方勘案して、何しろスムーズにいけるように、技術的な問題あるいは内容の問題でトラブることのないように、そのまま放送できるような体制を制度的に、もし必要であれば法改正も含めてお願いしたいと思います。  時間もなくなってきましたので、放送関係の点、最後に一つだけ要望みたいなものですけれども、先ほど申しましたように、今度は政見放送のあり方ががらっと変わってくる。例えば選挙区単位なのか都道府県単位であるのかもこれから決める問題だということですが、仮に都道府県単位でやるとしますと、小選挙区単位での候補者の比較というのはできないわけです、ばらばらにやるわけです。だから、そういうようなことをどういうぐあいに解決するのかという点も一つ問題点としてあると思います。  先ほどから両大臣がおっしゃっておりますように、今回の選挙制度の改正というのは政党本位、政策本位であるということであるとすれば、国民にその政策の違いというものがわかるように従来ですと立会演説会というのが認められておったわけですけれども、今回の改正案では入っていませんので、比較する場面がない。マスコミはやはりそれなりの立場でこの政治の問題、選挙の問題をニュースなどで扱って報道されると思います。しかし、その扱い方というのは、これはそれぞれの社の方針なり考え方というのがあって、その上で取り上げてくるということでございます。  その中で、放送の公正さをめぐってテレビ朝日問題というのが出たわけでございますけれども、そういうようなことがあるということであれば、やはりもっと客観的に、公的な立場で、これ数が幾つあるかわからないのでその辺ちょっと私も自信がありませんけれども、知恵を出していただいて、政党のテレビ立会討論会とか演説会的なものを何か政見放送の一環の中に新しいものとして取り入れて、国民が比較しやすいようにお願いしたいなということでもまた知恵を出していただきたいんですが、山花大臣、いかがでしょうか。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 貴重な御意見をたくさんいただきました。  これから具体的に法律に基づいて自治省が政令をつくる場合には、単にデスクワークだけではなく、放送関係者の皆さんといろいろ協議をしてつくっていくということになると思います。これは同時にでき上がるものではなく、一定の期間、時間が必要だし、またかかるものですので、その間にまた今度は公選特その他の機会もございますし、そういう機会にできる限り皆様の御意見を伺う努力もしなければいけないと思いますし、合いただいた御意見についてはできるだけこれを生かすべく努力をするように努めていきたい、こういうように思っております。  自治省の選挙部の皆さんもその旨はよく、まあ一緒に聞いておりますからおわかりになったと思いますので、努力することをお約束したいと思います。

岡利定自由民主党

○岡利定君 政見放送をなぜこんなにくどくど言ったかといいますと、全面的に今回政見放送のあり方を直そうということでございますので、しかも先ほど自治省の調査でもありましたように、選挙に与える影響が一番大きい手段だということでありますから、より効果的な形になりますように、これこそ何といいますか、党利党略じゃなく、あるべきものを求めて、必要であれば応分の改正も含めて考えて手を打っていただきたいという要望をいたしておきます。  ところで、先日からこの委員会でも猪熊委員あるいは直嶋委員から問題として出されておりますが、一票の重みといいますか、一票の等価の問題で御質問がありましたが、私も選挙制度を抜本的に改めようとする今回の改正に当たって最も基礎的、骨格的部分の一つであるというように考えますので、その点についてお教えいただきたいと思います。  自治省にお伺いしますけれども、答えはまだこれからだからわからないと多分おっしゃるのかもわかりませんが、定数二百七十四を法案に基づいてやりますと、都道府県での最大格差は徳島対東京で一・八六倍になるということでありますが、小選挙区単位では最大格差が何倍になるのか、あるいは二倍を超えるというのが幾つぐらいになると予想しておるのかまあ予想でしょうけれども、あったら教えていただきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 今度の選挙制度の改革の中で、委員今御指摘のように、一票の投票価値をできるだけ平等にするということは非常に重要な要素だと思っております。衆議院でも定数是正を何度がやってきたわけでありますが、なかなかこれは時間がかかるということでございますので、やはり国民の基本的権利であるところの投票価値の平等ということについては、これは十二分に配慮しなきゃいかぬことであることは言をまたないわけでございます。  その際に今度の法律では、御承知のように、区割り案をつくるときには、人口格差が二倍以上にならないことを基本として行政区画なり地勢なり交通等を総合的に勘案をして合理的なものをつくるようにというふうに法律に書いてあるわけでございます。  したがいまして、今、先生の最後の御質問の二倍以上を超えるものは幾つあるかというのは、これはいわばやってみなければわからない。二倍以上にならないようにすることを基本とするというのと、行政区画、地勢、交通等を総合的に勘案して合理的なものにするということとの兼ね合いをどうするかを審議会の委員に決めていただくということでございますので、二倍以上が幾つになるかというのは、ある市を切って倍率を下げる方がいいのか、倍率は維持してもやはり行政区画としての一体性を保持した方がいいのかこのぎりぎりの選択を審議会の七名の委員の方にやっていただくという、その結果二倍以上が幾つできるんだろうかということになるものですから、ちょっと予想はこの際すべきではないし、またやったこともございませんので、お答えすべきではないというふうに考えております。

岡利定自由民主党

○岡利定君 自治省の方にお伺いしますけれども、この設置法案の第三条の第一項の解釈ですが、これはどう読むんでしょうか。  何しろ格差が二以上とならないことを基本として行政区画、地勢、交通等の事情を総合的に考慮して合理的に行わなければならないというのは、二倍を超えない中で合理的にやれというのか、二倍は基本だけれどもこういうことがあったら超えたっていいよ、何倍までいってもいいよ、こういうように読むんでしょうか。どっちなんでしょうか。

佐野徹治自治省行政局選挙部長

○政府委員(佐野徹治君) この法案の三条の一項に「二以上とならないようにすることを基本としこと、こういう規定がございます。ここで「基本とし」といたしておりますのは、区割り案の作成の際に格差二倍という基準を重視いたしましてできる限りその基準に沿った案を作成することを求める趣旨である、こういうように理解をいたしておるところでございます。

岡利定自由民主党

○岡利定君 でき得る限り二倍を守るが、場合によっては超えてもいいと読んでいいわけですね。  というのは、先ほど自治大臣は、これはやっていないということで御答弁されると思ったんですが、新聞社などがいろんな形でこの法案に基づいてのシミュレーションをやっておりますと、二倍を超えるところが四十以上になるだとか、かなりの数になっておるわけです。そういう意味から、最高裁の判決というのが、この前のほかの委員の御質問にも出ましたけれども、昭和五十一年には衆議院議員に関して、昭和五十八年には参議院議員に関して、選挙権の内容すなわち各選挙人の投票の価値の平等もまた憲法の要求するところであるというように判示されております。  アメリカにおきましては、連邦最高裁は、一九六四年以前は日本の最高裁と同じように議会の定数は政治的な問題であるということでしておりましたけれども、一九六四年に下院の選挙区について実行可能な限度において等価値という抽象的な基準を示した。そして一九六九年には、住む場所が違うことで一票の重みが異なるのは人種などに基づく不愉快な差別と同様に憲法上の諸権利を侵害するものということで、絶対的平等を達成しようとする善意の努力にかかわらず回避しがたく、またその正当化が証明されるような限定的な人口偏差のみを許容するにすぎないというように判示して、格差一・〇六倍でも違憲だというようにしておるとのことでございます。そしてアメリカでは、第一に各州に対する定数配分の人口比例制の徹底、第二に各州に配分された議席に応じた選挙区の区域の限りない人口の均等性を厳しく求めておるということでございます。  国民のこの一票の重みの平等が最高に尊重されるべきものであるのはこれはもう我が国でも同じでありまして、区割りについてアメリカと同様やはり当然厳格に考えるべきではないかと思うわけでありますが、この点についての政府のお考え方はいかがでございましょうか。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 投票の一票の価値というものをできる限り尊重するというのは、ある意味では人権に等しい非常に重要なことだと思っております。  ただ、現実にそれを当てはめるときに、委員も例に挙げられましたけれども、昭和六十年の上告に対します最高裁の大法廷の判決が出ているわけでございますけれども、そこの二項目目を見ていただきますと、大変長くなるので簡単に、部分だけにさせていただきますと、投票価値の平等は、憲法上、右選挙制度の決定のための唯一、絶対の基準となるものではなく、原則として、国会が正当に考慮することのできる他の政策的目的ないし理由との関連において調和的に実現されるべきものと解さなければならないということで、前のところに、議会制民主主義のもとにおける選挙制度は、国民の利害や意見を公正かつ効果的に国政に反映させることを目的としつつ、他方、政治における安定の要請をも考慮しながら各国の実情に即して決定されるべきものであるというようなことも判決文の中にございます。  私たちがその基本としましたのは、恐らく委員御指摘のように、二倍以下にすることは、今の人口の配置が例えば県でも県都に集中しているというような実態を考えますと非常に難しいだろうということを思っておるわけでございます。  したがいまして、私たちは、最高裁の判決にもございますように、三倍以下ならいいとは書いてはございませんが、実行例からいいますと実際にはいわば三倍以下というのが基準になっているような格好になっておりますので、そのことを頭に置きながらできる限り一票の平等価値というのは当然のことながら重んじなきゃいかぬ。そういうもとにおいて、先ほど申しましたような行政区画なり地勢なり交通等を総合的に勘案をしてひとつ第三者機関である審議会の方にその判断をお願いして合理的なものをつくっていただける、そういうふうに私たちは考えでこのような法律にしたわけでございます。

岡利定自由民主党

○岡利定君 最高裁判決の趣旨なんかはそういうことだと思いますが、今回の改正は我が国の選挙制度を抜本的に変えるものでありますし、したがって選挙区も従来の選挙区と全く関係なく、すなわち現行の区画の部分的な修正じゃなくて新たに設定するということであるわけです。  そういう意味で一票の格差を全面的になくする絶好のチャンスであるわけてありますが、そういう意味からも、当初限りなく格差のないものをつくったけれども、その後人口移動などによって状況が変わって選挙区間に大きな格差が出てきた場合の部分的な是正の基準ということで、さっきの最高裁判所判決のような考え方とか、あるいは今回の政府案の基準は十分でないにしても一応認めるということにしましても、一番最初に、しかも全国を白紙にして選挙区を設けるときに二倍以上の格差があっていいということにするのは、私は憲法の要求に反すると言わざるを得ないというような気がするわけです。  初めてこの区割りをする基準として、猪熊委員も言われましたが、二とならないんじゃなくて、格差一を基本としてとすべきじゃないかというようなこともおっしゃいましたが、戦前の帝国議会でも人口比例というのが貫かれてきたというように聞いておりますけれども、最初からこの一対二を是認する基準、これが附則の第二条の第三項に書いてあるわけです。できたものを修正するという三条一項のときにはまだ私はそれなりに考えられるんですけれども、白紙でやるときにこの形で一対二、あるいは先ほどありましたように場合によっては超えてもいいというようなものの、格差を認めるというのは憲法違反の附則の条文ではないかと思うんですが、法制局長官、いかがでしょうか。

大出峻郎内閣法制局長官

○政府委員(大出峻郎君) ただいまの先生のお話は、途中で小選挙区の区割りを変えるというのではなくて、附則の規定に基づいて一番最初に小選挙区の区割りをつくるという場合について特に強調されてお話しなさったんだろうと思います。  選挙権の平等につきましては、選挙権の内容すなわち各選挙民の投票価値の平等ということも憲法の要請するところであるというのは、御承知のとおりでございます。しかしながら、投票価値の平等というのは、数字的に同一であることまでも要求するものではなくて、投票価値は選挙制度の仕組みと密接に関連をして、その仕組みいかんにより結果的に投票の影響力に何事かの差を生ずることを免れない。これは最高裁の判決でも述べられておるところであります。  今回の法案におきましては、附則の第二条第三項の規定によって、選挙制度の改正に伴う選挙区の区割りは衆議院議員選挙区画定審議会の勧告を踏まえて行われることが予定されているところでありますけれども、その審議会は、区割り案の作成に当たりまして、行政区画だとか地勢とか交通等の事情を合理的に考慮するという別の要請もあるわけであります。そういうことを考慮しつつ、なお各選挙区間の人口の格差が一対二以上とならないようにすることを基本としており、これは投票価値の平等の要請というものを重視する、そういう考え方からこの規定は設けられておるというふうに御理解をいただきたいと思うわけであります。  御質問の後段のところにありました問題でありますが、一方において投票価値の平等ということは非常に強く要請されなければならない、これは当然のことであるわけでございますけれども、さらに別な要素といたしまして、衆議院議員選挙区の選挙における定数の配分を基本的な行政区画である都道府県を単位として行うと同時に、過疎対策等の見地から各都道府県にまず一ずつを配分をし、残余の定数を各都道府県の人口に比例して配分をする、こういう考え方を前提としている。そういう政策目的といいますか政策上の理由といいますか、そういうものが一つはあるわけであります。  それからさらに、先ほどちょっと申し上げましたが、具体的な選挙区案の作成に当たりましては、行政区画だとか地勢だとか交通等の事情、これも合理的な形で決めていく必要性があるということで、これらのことを考慮して、そういう政策上の裁量、それからもう一つは投票価値の平等、こういう要請等を調和的に実現する、最高裁の判決に述べられておるように調和的に実現することを鮮明にした規定であるというふうに御理解をいただきたいというふうに思うわけであります。

岡利定自由民主党

○岡利定君 今の答弁、何しろこういうことで出しているからそんな説明をせざるを得ないんでしょうけれども、私は憲法というのは、もう皆さんおっしゃっているように大変重要なものであって、これの精神に沿ってやるべきであって、地勢とかなんとかがまず先にあってそして憲法を後で考えるというようなことは逆じゃないのかなと思います。  初めてつくるんですから、やっぱり国民の権利というのをまず考えて、そのためには幾つの数があったらいいのかということから考えて、そしてその中で各都道府県には最低一つはやらにゃいかぬとかいうような事情なんかが入ってきて、そこで定数が決まり、区割りが決まって、一に限りなく近い格差の中でやる。一に絶対しろということをこれはアメリカも言っておるわけじゃないです。限りなく努力しるというのがアメリカの最高裁の判決であったとしたら、その精神を今こそやる。これは今やっておかないとまたチャンスがしばらくなくなっちゃうんじゃないかというように思いますので、大変私は今のお答えに満足できないわけです。  いずれにしましても、二百七十四まずありきなんということでやるから余計そんなことになるんでありまして、これは分母が大きくなればなるほど二を超えるところも少なくなってくる。今のまず一つ各県に配分するというところがもうそもそもおかしいんですけれども、だけれども、仮にそれを認めても、さらにその格差を少なくするためには小選挙区分を大きくすればそれだけやりやすくなるという部分があります。  私は政略的なことを言っているんじゃないんです。むしろ政略的に五百ありき、二百五十、半分にしよう、いや、そうは言っても二百七十四、そういうわけのわからないやり方で数字が先に出てきておりますからこんなことになるんであって、むしろ憲法の趣旨に沿って、人口比を考えて、そして、先ほどから佐藤大臣あるいは法制局長官がおっしゃったような要素も入れて、選挙定数、区画をつくるべきだった、またつくるべきではないかということで、基本的に疑問を持っておりますことを申し上げておきます。  時間がなくなりまして、法務大臣、大変申しわけございませんですが、腐敗防止の関係で御質問させていただきたかったわけです。  制度的には十分腐敗防止の制度ができた、特に連座制ができたということを山花大臣初めいろいろと御説明いただきましたけれども、裁判の実態を見てみますと、実際には裁判が大変長くかかりましてほとんど意味のない実態になってしまっておる。制度ばかりつくっても、連座制というのは果たして本当に効力を発揮するんだろうか。参考人の話にありましたけれども、ピストルを突きつけたということの観点からいきますと、そのピストルは初めからおもちゃだったというような実態に今の裁判制度があるんじゃないかということを感じておりますので、また別の機会があれば御質問させていただきます。  法務大臣、どうも申しわけございませんでした。  委員長、どうもありがとうございました。(拍手)

渡辺四郎日本社会党・護憲民主連合

○渡辺四郎君 まず冒頭、自治大臣にお尋ねをいたします。  私も党の自治体局の方の責任者をやっておるわけであります。御承知だと思うんですが、全国の自治体が大変今苦悩しておる。地方自治体は、御承知のとおり九四年度の予算編成の真っただ中でありますが、そういう中で非常に残念なことにいまだに地方財政計画が組めない。国の基本方針が明確にならないものですから、大変な苦労を重ねて、多くの自治体あるいは六団体の方からもいろいろと政府に急いでもらいたいという要請が上がってきておると思います。  そこで、具体的にお尋ねいたします。  各委員からもたくさんありましたが、月末ごろまでに基本方針が確定できるかどうかということについて、ひとつ具体的に佐藤自治大臣からお聞きをしておきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 委員もう十二分に御承知のとおり、各都道府県は二月の上旬が知事査定、大体そういう日程になっております。したがいまして、私たちといたしましては、それまでに地方財政対策、それからそれの前提となります地方税を含めた税制改正大綱、これをお示しすることによって。地方自治体が来年度予算を組むのに困らないようにしていきたいというふうに考えておるところでございます。  したがいまして、大蔵省の関係、他省庁との関係もありますから私一人だけでというわけにはまいりませんけれども、しかし、知事査定に困らないように、でき得る限り月末までには税制改正大綱それから地方財政対策ができますように内閣として挙げて御協力をお願いするように、私としては声を大にして申し上げているところでございます。

渡辺四郎日本社会党・護憲民主連合

○渡辺四郎君 それじゃ私、わずかな時間でありますから本題に入っていきたいと思うんですが、まず、政治改革四法案の問題について特に山花大臣を中心に質問をしてみたいと思います。  ここで私がいろいろ、これほど政治に対する国民の不信が頂点に達しておるその原因についていろいろともう述べる必要はないと思うんですが、大臣の所見があればお聞かせを願いたいと思うんですけれども、時間の関係がありますから……。  私は、この四法案が衆議院を通過した後から、特に本院に移ってからマスコミを中心に非常に多くの国民の意見が出てき出したというふうに実は特徴的に感じております。  そういう中で、特に選挙制度問題については、政府の修正案で小選挙区の最大の短所であるいわゆる死に票が非常に多いということを危惧された国民の意見、この短所を最小限に食いとどめるために努力してもらいたいというのが私らのところに寄せられておる多くの意見でもあるわけです。そのためにはやっぱり比例区に重点を置くべきではないかというような意見等も実はあります。が、しかし、国民の皆さんというのは、国会の議論をずっとお聞きして、ここ数年政治改革問題については議論が闘わされてきておるが、しかしもう今この時点に来た段階では、直接的な効果のある例えば腐敗防止を優先せよと昨晩も私の宿舎に実は電話がかかってまいりました。  そういう状況等もありますが、大臣はこういう国民の今の政府なりあるいは立法府の我々に対する意見に対してどういう所見をお持ちか、お伺いをしたいと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 今、渡辺委員から冒頭に御指摘ありましたとおり、国民の政治不信が極限にまで達した中で過日の総選挙が行われ、そして今回の細川政権誕生、政治改革政権を自負したわけでありますから、全体の政治改革の原点をこの国民の政治不信解消に求めながらも、同時にその要点は腐敗をなくす政治改革の実現にある、これが今回四法案一括して提出させていただいた私たちの気持ちでございます。  実は、選挙制度の問題を含めて、全体の政治改革につきましてはかなり長い議論の経過がございました。当初、定数是正から始まり、そしてロッキード事件の後の政治倫理綱領の制定、政治倫理審査会の設置、それを受けてのリクルート事件。この時点におきまして、何よりも政治倫理を最優先すべきである、そして政治資金規正法、腐敗防止法、政治改革は選挙制度だけではなく一体として行われるべきである、こうした議論が当時の国会におきまして与野党の議論のテーマとなり、以来約五年間そうした議論が続けられた中でさきの総選挙を迎えたところでございます。  私は、実務的にこの問題を長年担当してきた者の一人といたしましても、これまでの議論を振り返りますと、いずれかの時期におきましては、どちらかが優先である、すなわち何よりも選挙制度である、ところがいずれかの時期におきましては腐敗防止が優先である、いわば一方が進もうといたしますと他方の意見が強調されるということが繰り返されて今日に至ったということを実感しているところでございます。  そうした中におきまして、今回の政治改革は、全体のということならば、参議院の問題あるいは地方選挙の問題等なお政治改革の第一歩、第二歩、国会改革の問題もございますということになると思いますけれども、四法一体ということの中で国民の求める腐敗をなくす政治改革を実現する、そのことを現実の成果としなければならないと考えているところでございます。  今回、もちろん当委員会におきましても、さきの衆議院におきましても、選挙制度の問題だけではなく腐敗防止策、そして政治資金規正法の改正等を含めかなり闊達な御意見をいただきましたが、私は、法案を出した立場から申し上げても、今回の連座制の拡大強化、そして政治資金規正法違反に対して罰則が強化され、公民権停止が厳しく適用されること。特に、幾度か強調させていただいたわけですが、従来の政治資金規正法違反とは異なり、政治家本人が一つになる政治資金管理団体の代表者となってその監督責任が問われること。言葉をかえますと、従来は政治資金規正法違反については秘書その他が処罰される、出納責任者等が処罰されれば政治家本人は全く処罰される見込みがなかったということなどについて一変させたわけでありまして、その意味におきましては、今回の新しい腐敗防止の体系というものが現実に適正に適用されることになればかなりの効果を上げるものと、こう確信をしているところでございます。  そうした腐敗防止と一体となった選挙制度としての小選挙区のテーマでございまして、御指摘のとおり、確かにその小選挙区の部分だけを見れば、死に票の問題等については、これはどなたが議論しても結論は違わないと思いますけれども、かつての全部定数を五百単純小選挙区制ということではなく、そうした欠陥を補うために比例代表部分について二百五十、二百五十、今回修正されまして二百七十四、二百二十六ですけれども、そうした修正をすることによって、広く民意を反映し、死に票が小選挙区で起こることを補っていこうという、そうした全体のものとしてぜひ四法一体成立ということで御理解のほどをお願い申し上げる次第でございます。

渡辺四郎日本社会党・護憲民主連合

○渡辺四郎君 確かに、提案者としての政府のお考えはそうだと思うんですが、私が申し上げたいのは、これほど長年政治不信が続いてきておる、そういう中で、やっぱり国民にこたえるためにも直接的な効果のある部分で一本でも二本でも成立を図っていくというのが政府なりあるいは我々国会に与えられた任務ではないかというふうに私自身実は感じておることを申し上げておきたいと思うんです。  各国の選挙制度そのものはその国々の一つの民主主義のバロメーターだというふうに実は言われ ておりますが、この点から見て、特に我が国の憲法前文を初め、その原則はもちろん主権在民であって、国民の意見をいかに政治に反映するか、こういう立場で今度の制度も検討されたというふうに思っておりますが、そういう立場から見て、憲法学者でもあります大臣は提案に際して憲法に照らしてどういう評価をされておるのか、私三十分しかないものですから簡単にひとつお聞かせください。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 若干短く理念的なことで申し上げれば、私は、今日の憲法の体制、議会制民主主義を想定しているわけですけれども、それが全く危殆に瀕したというのが昨年暮れまでの現状であって、そのことに対して国民の怒りというものが盛り上がったと思っています。  やはり、そこでは議会制民主主義の復権、国民主権の復権、これが政治改革に取り組む基本的な心構えでなければならなかったと思っておりますし、そうした理念というものをしっかりと踏まえて今回法案づくりに当たったつもりでございます。

渡辺四郎日本社会党・護憲民主連合

○渡辺四郎君 幾つかの問題について具体的にお尋ねをいたします。  一つは、現行の参議院の比例代表選挙では政党等の推薦する者を名簿登載者というふうにしておりますが、今回の法案では名簿登載者は政党等に所属する者に限るというふうに変更したわけですが、この変える理由は一体どういうところにあるのか、お聞かせ願いたいと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 今御指摘の部分は、参議院と違った衆議院の立候補要件、立候補の手続についての大きな差でございます。  衆議院におきましては従来の中選挙区、個人本位の選挙制度から今回は政党本位の政策で争う選挙制度にする、こうした観点から政党の所属党員を届け出る、これが今回の衆議院選挙における特徴でございまして、参議院におきましては、党員じゃない方についても推薦した方、党外の方でもよろしいというところにやっぱり衆参の違いというものが出ているところでございます。

渡辺四郎日本社会党・護憲民主連合

○渡辺四郎君 それはわかりましたが、それじゃまず新しい政党要件の問題の一つとして、衆議院の比例代表選挙の候補者届け出要件で、国会に議席を持たない新党の場合、候補者数が三十人以上の名簿提出が一つの要件となっておる。この三十人以上の根拠というのは一体何なのかというのが今までもいろいろ議論されてまいりました。  時間の関係がありますから、私は一つの根拠として提起を申し上げたいわけですが、国会法の第五十六条の議案の発議権あるいは五十七条の予算を除く修正動議権、これから見れば衆議院は二十名、参議院は十名という数でこの二つの条文を満たしたいわゆる国会活動、政党活動ができるわけですが、こういう点から見れば国民も納得するんじゃないか。特に、新しい政党の三十人ということになれば、彼ほど申し上げますが、供託金との関係もあって大変困難だと。だからここを思い切って、最初憲法の原則を申し上げましたが、民主主義のバロメーターともなるわけですから、私は十人にしてもいいんじゃないかという気がいたしますが、いかがでしょうか。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) この名簿届け出要件につきましては、一言で言えば政策判断として出させていただいたところでして、いろいろ御意見については尊重しなければならないと思っています。  政策判断として出した理由につきましては、今御指摘の国会法五十六条、予算を伴う法律案でも二十人という一つの基準がある、法律案なら十人であるというのも一つの材料だと思いますが、現在の届け出要件につきまして確認団体選挙という形をとっておりますから、衆議院では二十五人、参議院では十人というのが確認団体選挙の要件でございます。現状十人というのは定数比例代表五十に対して十人ということでございますので、五十に十人だと、二百二十六だと十人より多い必要があるのではなかろうか、一方において衆議院で従来二十五人であったということなどもしんしゃくをした中で三十人と、こうした政策判断をした次第でございます。  昨日も三%要件はきついではないかという御意見をいただいて、政府としてはそうした政策判断をお示しさせていただきましたけれども、御議論いただいていろいろ与野党で合意いただく、また御意見いただいたそうしたものについては尊重いたします、こういう答弁をさせていただきましたけれども、この三十人ということにつきましても、今申し上げたこれまでの制度との比較からしますと、このくらいの要件が必要なのではなかろうかと、こうした提案をさせていただいたわけです。  今御指摘の問題につきましては、なおこれからの与野党の御議論ということについて関心を持ってその御意見というものを尊重していきたいと、こういう気持ちを持っているところでございます。

渡辺四郎日本社会党・護憲民主連合

○渡辺四郎君 政治改革の中で、特に選挙に対して金がかかり過ぎる、そういう問題から政治改革をやっていこうではないかという一つのスタートの原因にもなったわけですが、今申し上げましたように、新党を結成して比例区に立候補すれば三十人以上の届け出が必要だとしますと、比例区でありますから供託金が一人六百万円、いろいろお話がありましたように、一億八千万円が必要になってくる。  この政府案でいきますと、例えば単独で政権を目指すということになりますと、小選挙区で百三十八名以上の立候補者を立てなきゃいけない。これに対しては四億一千四百万円の供託金が要る。比例区で百十四名以上の名簿登載をしなきゃいけない。そうすればこの時点で六億八千四百万円。合計十億九千八百万円の供託金が要るわけです。供託金だけでも十億九千八百万円、単独で政権をとろうとすれば供託金が要るんです。それ以外に選挙費用も要るわけです。  このような巨額の供託金を必要としておる国は世界に余り例がないんではないか。ですから、私は小選挙区にしても比例区にしても二分の一ぐらいの額に落としてもいいんではないかという気がいたしますが、いかがでしょうか。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 供託金をいただくのは、どうしても選挙法をつくるときに候補者の数によって放送時間とか新聞の広告の大きさとかを決めざるを得ない、そのときに、全く当選を度外視して出るということを防止するために供託金をいただいているわけでございます。  これは昭和二十五年のときに、衆議院と参議院の全国区と地方区、皆供託金が三万円、それから分担金というのが当時ございましてこれが二万円、合計五万円ということになったわけであります。その後物価上昇率とかあるいは公営化が進んでいるというようなことを入れまして、ずっと計算してきて今三百万円ということになり、重複立候補すれば六百万円ということになっているわけですが、委員御承知のように三百万円というのは今と変わっているわけではないわけで、それ自体の金額はいじっているわけではないわけです。  ただ我々政府といたしまして、候補者一人当たり選挙の公営費が一体幾らかかっているかといいますと、これは落ちた人も含めて千四百十五万円かかっているわけですね。これを議員当たりにして見ますと二千七百十三万円が公営費でございます。そのほかに投票所を設けるとかその他の執行経費が必要でございますので、執行経費を入れますと候補者一人当たり四千三百七十八万円ということで、四百二十九億円が平成五年の衆議院選挙ではかかっているわけでございます。  こういうことを勘案をいたしますと、三百万円というのは委員今御指摘のように合計してみますと確かにそうでございますが、これは法定得票数をとれなかったら没収になるわけでございまして、これ自体全部直ちに没収するわけではないので、これだけ税金を多額に使っていることからいいますと御理解をいただきたいというのが私たちの考え方でございます。

渡辺四郎日本社会党・護憲民主連合

○渡辺四郎君 いや、大臣の言葉じりをとらえるわけではありませんが、確かに法定費用は一定の得票数をとれば没収されないということはわかっておりますが、しかし、選挙のスタートに当たって、登録段階で政権を目指せば十億以上の金を準備しなきゃいけない。選挙に金がかかり過ぎるという議論から発展をしてきたわけですから、そういう点から見れば供託金も、少なくとも比例区の場合、重複立候補の関係がありますが、私は三百万でもいいんじゃないかということを申し上げておきたいと思うんです。  時間がありませんから、次に三%要件について。  私も幾つかの問題点を持っておりますが、まず政党要件で、候補者届け出要件と政党助成の要件とがありますが、いま一つが比例議席の配分要件です。  当該選挙での得票率が三%以上ある場合に比例議席の配分要件を満たすというふうになっておりまして、本委員会でもかなり多くの委員からもお話がありました。先ほど山花大臣からも昨日の委員会での質問に対しての一定の御見解をいただいたわけですが、先ほども申し上げましたように、国民の少数意見をどう政治に反映するかという立場から見れば、例えば一%でもいいんじゃないか。しかし、政府が今提案をしております政党本位、政策本位の政治を求めていくんだ、進めていくんだ、そういう点から見れば幾らか問題があるかもしれないという御見解もあるかもしれませんけれども、憲法の理念からいった場合には、私は一%でもいいんではないか。  こういうことについてはひとつ思い切って閣議でも議論していただいて、与野党に相談していただいて、政府にとっても修正できることではないかというふうに思うわけですが、大臣の御見解をお聞きしたいと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 少し言葉を縮めて御説明させていただきたいと思いますが、五人・三%要件につきましては、五人要件については既にこれまで法律に幾つか、政治資金規正法等、確定したものとして運用されてまいりました。  今回三%といたしましたのは、四%要件という参議院の現行の要件ということをにらんだ中でのものですけれども、ドイツ、ロシアなどは五%、イタリア、ブルガリア、ハンガリー、スウェーデン四%、韓国三%と、比例区を全国でやっている国におきます選挙制度のもとにおきましてはこうした阻止条項ということを設けて、余りにもたくさんの小党が乱立することを防ぐという措置を講じているところでございます。  これは、いろいろ政党助成その他も全部横並びで関連してくる問題でございますので、そうした中から三%を出したわけでございますけれども、この問題につきましては昨日も江本議員にお答えさせていただいたところでございまして、昨日も正確に申し上げましたが、政府としてはベストと思って政策判断で出しているわけですけれども、十分御議論いただいて、野党あるいはそれぞれの会派の皆さんの連立与党との御相談ということがあれば、今後この法案の修正なり改正なりという問題につきましては私も担当大臣の立場として努力をさせていただきたいということについてお話をさせていただきました。ただ、きのうも江本委員に対して、二%から下げることはいわゆる横並びの関係を入れますと難しいんじゃないでしょうかと、こういうようにお答えをしておった経過もございます。  同時に、実はこうした大事な問題でございますので、この問題については担当相としてというお約束についてはきちんと守っているつもりでございまして、きょうも、昨日のそうした経過につきましては、閣議の後の懇談会におきまして各閣僚の皆さんにはそうした答弁をいたしましたということについて御報告をしてきているところでございます。また、連立与党の皆さんにもそうした答弁をいたしましたということについては御報告をしてきているところでございまして、今後の進行ということについて注目していきたいと、こう思っているところでございます。

渡辺四郎日本社会党・護憲民主連合

○渡辺四郎君 私は今の大臣の御答弁をお聞きしまして心強くしたわけですが、やはり今日的な非常に複雑多様な社会状況の中でもありますし、そういう中ではますます国民の意見は幅広くなってくると思うんです。そういう意見をどう政治に反映をするかという立場からは、各委員が政府に対してお願いしておりますように、この三%条項についてはぜひひとつ引き下げをお願いしたいということを申し上げておきたいというふうに思っておるところです。  それから、これも数人の委員からお話がありましたが、現行の地方選挙の公営の概要について、また今後どういうふうに充実強化をすべきというふうな考えがあるか、まずお聞きをしたいと思います。

佐野徹治自治省行政局選挙部長

○政府委員(佐野徹治君) まず、地方選挙公営の概要でございますけれども、この選挙公営につきましては、従来個人演説会の公営施設の使用等がございましたけれども、御案内のとおり、一昨年、平成四年十二月のいわゆる緊急改革によりまして、例えば選挙運動用通常はがきの郵送の無料化だとか選挙運動用ポスターの作成費等、こういったものを公営の対象とできるようにその拡大を図ったところでございます。  今後の公営の拡大の問題につきましては、緊急改革によります法律改正後の実施状況だとか今後の選挙の実態等も踏まえまして検討を続けてまいりたいと考えております。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 選挙部長から今お答えがありましたけれども、当委員会における議論などを踏まえ、私と自治大臣と選挙部長など関係者が集まりまして、どこまでできるかについては検討を進めているということについて誠意を持って対応しておりますことについても、一言ちょっとつけ加えさせていただきたいと思います。

渡辺四郎日本社会党・護憲民主連合

○渡辺四郎君 ついでと言ってはあれですが、これもたくさんの意見がありましたが、政府側の提案の政治改革が先ほど申し上げましたように政党、政策本位だというふうに言われておりますけれども、特に町村段階ではまだまだほど遠い状況だと思うんです。特に地方段階では首長、議員の皆さんの多くが無所属だということが多くの議員から言われておりました。  私がここで求めたいのは、地方の無所属議員を含めて、政治家個人に対する政治活動に対して何らかの公的助成を考えるべきではないかそれは条例でやったらいいじゃないか、自治体でやったらいいじゃないかというふうに言われますけれども、なかなか自治体でも財政のアンバラがありまして、出したいけれども出せないという自治体もあるわけですから、そこらについて何か考えがあればひとつお聞かせ願いたいと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 幾度か大変問題点という御指摘をいただいたわけですが、今回の政治改革法案の一つの眼目は腐敗をなくす政治改革、そしてその中の一番大事な部分は企業・団体献金の問題についてどう取り扱うかということであると承知をしてまいりました。  今回、全面禁止ということではありませんけれども、政治家個人後援団体に対する企業・団体献金禁止については即時完全にやめる、半歩大きく踏み出したい、これが一つの大変大事な新しい選挙資金についての制度とシステムの変更でございます。その意味におきましては、政治家個人という立場では、国会でもあるいは地方議員の皆さんの場合でも、これは政党所属、無所属を問わず、個人献金については全部禁止しようという新しい精神に基づいた第一歩を踏み出そうということでございますので、ここのところはお互い苦しくてもぜひ御協力をお願いしたいというのが今度の提案の趣旨、意味でございます。  今、個人に対し、特に無所属の方ということになりますと、なかなか理屈としては難しいところもありまして、一方において、じゃ無所属の方だけに対してできるのかというと、これはなかなかできにくいと思いますし、というような問題などについてはなお検討すべきところは残っていると思いますし、また選挙の公営という格好で今は随分公営は進んでおります。そういうことでは、ほとんどお金がなくても選挙に出られるぐらい公営が進んでいるというところもございますので、先ほど申し上げた趣旨でぜひ御理解のほどお願いしたいと、これまで答弁してきたところを若干重複になりますけれども繰り返させていただきたいと思います。

渡辺四郎日本社会党・護憲民主連合

○渡辺四郎君 最後にちょっと要望を申し上げておきます。  下村委員からもたくさん障害者の政治参加の問題あるいは権利行使の問題について御意見出されましたが、今の郵便による不在者投票の関係の公職選挙法の四十九条の二項、政令の五十九条の二で、いわゆる身体障害者手帳を交付された方についてはこの法律の適用によって郵便投票ができるわけですが、公務災害等によって同じ二級なら二級という障害を受けながら、障害者手帳を持たなければ受けられない、郵便投票ができないという仕組みになっておるわけなんです。これは福祉事務所に行って手帳をもらわなきゃいけない。  ですから、ぜひひとつ自治省の方で、そういう部分に、たくさん寝たきりの人もおりますし重度の人もおりますから、指導していただきたい、これは要望しておきたいと思います。  終わります。(拍手)

上野雄文日本社会党・護憲民主連合

○委員長(上野雄文君) 午後零時五十分に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十六分休憩      —————・—————    午後零時五十一分開会

上野雄文日本社会党・護憲民主連合

○委員長(上野雄文君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、六案について質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 私は、昨年の十一月二十六日に本会議におきまして政治改革四法案につきまして代表質問を行いました。ほぼ網羅的に質疑をいたしましたが、各大臣の答弁は極めて不十分でございます。その後、総括質疑や一般質疑におきまして同僚議員から私の指摘をいたしました事項につきましても質疑が行われましたが、どうも明法な回答は得られず、改めて質問をいたしたいと思う次第でございます。  時間の関係から、参議院の選挙制度に関連する問題を中心に質疑を申し上げたいと思います。  参議院の審議はまだまだ不十分でございまして、きのう現在で四十三時間でございますので、衆議院の百二十一時間に比べますとまだ三五%、前国会における衆議院の分も足しますとわずかに一九%の時間しか審議をしてないわけでございます。  どうもこの政治改革法案の審議につきましては衆参を通じて納得のいかない点がいろいろあるわけでございますが、例えばアメリカの都合によって左右されているような気もいたすわけでございます。  といいますのは、衆議院における採決の日は、十一月十九日にAPECの際に行われる日米首脳会談に出席をするためにどうしても十一月十八日に採決をしなければいけないと。そして河野・細川会談もそのために時間的な制約を受けております。参議院の審議におきましても、この委員会の本格的審議に入ります前から、二月十一日に日米首脳会談がある、そのときから逆算をいたしまして、例えば当初予算の大蔵原案の閣議であるとかあるいは税制大綱の決定であるとか、そういうものを逆算するとどうしてもここに行かなければいけないんだと。そういう米国の事情というものがかなり左右していると思うわけでございますが、非常に遺憾なことでございます。  さらに、当委員会におきましては、審議の過程においていろいろと納得のいかないことが多いわけでございます。ここ一週間の事情を考えましても、公聴会の日程は無効な議決に基づいて決定をされております。また、その後は委員長の不信任動議が可決されるというこの委員会始まってなきことが行われておりますし、その不信任議決の後に選任された委員長がまずやりました仕事は動議の採決であったわけでございます。そういうふうに、どうも納得のいかないことが続いております。  さて、衆議院におきまして前の国会では、これはもちろん自民党案、社公案というものが出ておりました関係ではございますが、委員同士の間で活発な議論が行われた。これが国会だと国民はそのときに非常に国会の生き生きとした活動に拍手をしたわけでございます。今は政府提案だけ。私は、自民党案のあった衆議院のように参議院におきましても委員同士の議論ぐらいはやりたかった、こういう思いがするわけでございます。  そこで、これからの議事運営でございますが、今ようやく審議が入り口から中盤に入ってきておりまして、いろいろな問題がこの参議院において浮き彫りになってきております。衆議院におきましては気がつかなかったような問題や、参議院独自の問題というものが次々にあらわれているわけでございます。  したがいまして、どうかひとつ委員長におかれましても、またこれは与野党共通の問題でございますが、修正をすべき点などは地方公聴会が終わったならばよくお互いに詰め合ってそういうことを議論するのも一つでございましょうし、また公聴会の日程は決まっておりますけれども、我々は良識の府でございますから、四十五日もの会期を設定いたしましたのはほかならぬ政治改革法案というものを十分審議するための会期でございますので、残された会期というものを十分に審議をしていくべきであると、このように考えるわけでございます。ひとつ各位におかれましては、この点を十分に配慮をしていただきたいことをまず冒頭にお願いをいたしたいと思います。  そこで、早速、参議院制度の問題に入ってまいりたいと思います。私は代表質問でも申し上げたわけでございますが、衆議院制度の抜本的な改革を行う以上、本来ならば衆参両制度というものをワンパッケージで行うのが筋でございます。同時提案ができないまでも、参議院選挙制度の改革については当然に具体的な構想というものを持つべきでございます。我々自民党におきましては、もう詰めて詰めて自民党の私どもの案というものを確定しております。ここにおります委員はもちろんのこと、全議員が隅々までその議論というものをしているわけでございます。  そこで、責任ある政権党として持っております参議院の改革案についての具体的な構想をお尋ねいたしたいと思います。  しかし、時間もございませんので、同僚議員もこの点は指摘したわけでございますが、私どもの参議院と申しますのは、これは地域代表としての都道府県選挙区と、それから職域職能、あるいは全国組合、あるいは全国規模の政党代表としての全国比例制度、この二本立ての制度になっております。これを一体、今後衆議院制度の改正が行われたならばどうお考えになるのか。ひとつこれは、連立与党でございますので各党によってそれぞれ構想が当然おありだろうと思いますので、その点だけに絞って簡潔にお答えをいただきたいと思います。  特に山花大臣に申し上げたいんでございますが、今までの質疑を通じて、山花大臣の答弁は沿革だとかあるいはいろんな点で長過ぎる、それからどうも御質問に答えていないというのが一般的な声でございますので、その点はひとつ御配慮をいただきたいと思います。  それでは、山花大臣、石田国務大臣、それから官房長官、それに大蔵大臣、それぞれの党のお立場からこの参議院の構想というものをお答えいただければありがたいと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 委員の御質問に対して誠意を持ってお答えをしてきたつもりですけれども、御発言の趣旨を踏まえてお答えさせていただきたいと思います。  前段は略します。  党の態度ということで御質問をいただきましたが、党内におきましてもかねてから参議院の皆さんを中心として制度改革についての議論が進められてきたこと、そしてそうした党内の議論をもとにして連立与党内におきまして参議院選挙制度の検討委員会というものを設け検討を続けてきたこと、そしてその結果につきましては連絡会議においても報告をしていることを承知しているところでございます。  現在、自民党の参議院制度改革大綱なども検討をしながら党としても独自の検討を進めている、こういう段階だと承知をしているところでございます。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 今の具体的な案についてお答えいただきたいんです。  この選挙区の制度と比例代表区と、その二本をどうするお気持ちなのか、それだけをお聞かせいただきたい。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) もちろんこれまでの制度というものを十分踏まえた中でのあるべき二院制の姿を検討しているわけですから、御指摘の二つの論点については当然そのことをも踏まえて研究しているところだと伺っておりますけれども、結論はまだ出ていない、こういう段階だと承知をしております。

石田幸四郎公明党・国民会議総務庁長官

○国務大臣(石田幸四郎君) お答えを申し上げます。  結論的に申し上げまして、我が党もまだ十分成案を得ているわけではございません。ただ、先生今御指摘のとおり、参議院の選挙の制度は地域代表あるいは職域職能代表が選ばれてきた。この流れというのは私どもとしては極めて尊重すべき問題であろうというふうに思います。ただ、衆議院の小選挙区比例並立制というのは小さな地域の代表でもございますので、そこと余り似通ってくるということはもちろん検討すべき課題であろうというふうに思うわけでございます。  さらにまた、パッケージで行うべきだという御議論でございますけれども、しかし政治改革論議は、選挙制度だけではなくて、まさに四法案一括して今論議をしているわけでございます。海部政権、宮澤政権、細川政権、もう三代にわたって議論をしているわけでございますので、やはり私は政治改革に一定の結論を得べき時期に来ているのではなかろうかというふうに思います。  また、パッケージで改革をすべきだという御議論はありますけれども、衆議院の選挙制度の問題に参議院の選挙制度の問題を絡ませてまいりますと、今申し上げましたように、三代の政権にわたって議論していることがさらにまたこれは膨れてくるわけでございますので、やはりステップ・バイ・ステップというのは適当なやり方ではなかろうかと。あるいは参議院で比例代表制が採用されたときには、これは参議院のみの選挙制度の改革の問題として討議をされた経過もございますので、そういった意味で、やはり今回は衆議院の選挙制度の改革を行い、そしてさらに参議院の選挙制度の改革に進むべきものではないかというふうに思っているところでございます。

武村正義さきがけ・日本新党内閣官房長官

○国務大臣(武村正義君) 党としましては、衆議院の選挙制度改革を基本にしたこの法案を成立させることに全力投球であります。その後、参議院の選挙制度改革に真剣に取り組んでいこうと。段階的な姿勢で対応をしていきたいと思っております。  思い返しますと、もともと久世委員と一緒に自民党の中でリクルート事件のさなかに政治改革の論議が始まりましたとき、あの大綱がつくられましたが、あのときからなぜか衆議院先行、衆議院についてはかなり明確に書いていますが、参議院については定数削減と抜本改革ということだけで終えておりました。  その後も、自民党は海部政権のときも宮澤政権のときもほぼ同じような基本姿勢、衆議院を先行させてその後参議院という姿勢は一貫しておりまして、このたび党として御苦労いただいて一つの考え方をおまとめになったことは認識をいたしております。  どちらがいいのかというと、これはいろいろ議論があろうかと思いますが、やはり背景として、リクルート事件がそうでありましたが、スキャンダルが起こりますと残念ながら衆議院の側に圧倒的に多い、だから参議院は問題がないという言い方はきれいごと過ぎるかもしれませんが、少なくとも事件になる場合は衆議院議員が非常に多いという実態がございまして、それはなぜか、衆議院の選挙制度だと、こういう問題意識からスタートしたんではないか。それで大綱そのものもああいう書き方をしましたし、また第八次選挙制度審議会も衆議院先行のような形で答申をされ、後から追加的に参議院のことを出していただいたという沿革がございまして、いい悪いは別として、その流れに沿って今日に至っているというふうに認識をいたしております。

藤井裕久新生党・改革連合大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 私は新生党の党首でも何でもございませんが、御指名でございますので。  今、各党申されましたように、連立与党の物の考え方としては、とりあえず衆議院制度の改革をやり、その上に立って参議院制度の改革に取り組む、こういう姿勢であり、新生党としても同じに考えております。私も全国区議員と比例代表議員、おのおのやらせていただいておりまして、二院制のもとにおける参議院の重要性というのは非常に承知をいたしておりますので、今後、連立与党の中で参議院が二院制としてふさわしい立場を、また機能を持っていただく方向で努力をしてまいりたいと思っております。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 どうも四人の方々、それぞれの党の代表ないしは代表に次ぐ方にお話を承ったわけでございますが、全く案がない。それぞれの党には参議院の一番基本的な事項、地域代表と比例代表のこの二本立てをどうするのかという一番基本的なことも案がないというふうに私は受け取った次第でございます。  そこで次に、久保田国務大臣と広中国務大臣、このお二方は連立与党の中でたった二人の参議院議員でいらっしゃいます。前の政権のときは参議院から三人ないし四人の大臣が出ておりました。しかもお二方とも女性でいらっしゃいます。私は、社会党にも公明党にもすばらしい男性の方がたくさんおられると思っているわけでございますが、細川内閣では女性お二人を参議院議員の中から選任されたわけでございます。組閣の翌日の新聞によりますと女性三人と、そればかり強調して、参議院からということはほとんど書かれていなかったわけでございますが、このお二方、それぞれ参議院議員として参議院制度の改革について当然お考えがあると思います。  今の二点について、地域代表と全国の比例代表、この制度についてどういう考えを持っておられるか、簡単にお聞かせをいただきたいと思います。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合経済企画庁長官

○国務大臣(久保田真苗君) 私、もちろん党を代表する立場でございませんが、ただ参議院の社会党の中でも参議院改革にこれまで長く取り組んできたという経緯がございますので、そんな中から自分の感想ということで述べさせていただきたいと思います。  私は、地域を代表する参議院議員といえども、国全体を代表するのが第一義的なものだと思います。しかし、その中で、それぞれの地域を背負ってその背景の中から出ているということは大変大事なことでございまして、その意味から都道府県単位のものがあるということは当然だと思います。また、かつての全国区が職域あるいは学識、そういったものを代表するような制度になっておりましたが、余りにも選挙区が広く、残酷区と呼ばれる状態の中から現在の比例代表制ができたと思います。したがいまして、いろんな結果を考えた末の結論だと思っておりまして、私自身は今の参議院の選挙制度のあり方が甚だしく支障があるものとは感じておらないのでございます。  そしてなお、二院という性格からいたしますと、参議院は被選挙権の年齢が衆議院よりも五歳高い。それは一定の経験なり学識なりというものを余分に要求されていることだと思います。ま た、解散がなく六年の任期があるということは、じっくりと立法作業あるいは国政調査に取り組むという使命があると思います。そして、その意味から参議院は常在戦場の衆議院のお仕事をチェックさせていただくという任務を濃厚に持っておると思います。したがいまして、私が感じておることを申し上げますならば、むしろ選挙制度というよりは参議院の運営について改めるという意見を私自身も持っておりますし、社会党の中でもそのような意見が多かったと思います。  その一つは、参議院については衆議院のコピーであるという批判がありますところから、ある程度党議拘束を緩和するということだと思います。それがなければ衆議院をチェックするなどということはおよそできないことだと思います。  ただ、その中で一党のみがこれを実施するということは事実上不可能でございますので、その面から私は改革を望むものでございます。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) ちょっと私の立場を説明させていただきます。  私は、公明党・国民会議のメンバーでございまして、公明党の党員ではございません。しかし、公明党の会派に属し、そして公明党と御一緒に仕事をしている者でございます。参議院議員として七年間の経験を経た後、このたびの新内閣におきまして閣僚に選ばれましたことを大変に光栄だと思っておりますし、また私の同僚、すばらしい男性議員の方々を差しおいて、また女性議員もいらっしゃいますが、私が選ばれましたことに対してひどく恐縮した思いをしているところでございます。  参議院の制度でございますけれども、私はこの比例代表制度によりまして公明党はいわゆる党外の候補も含めて広く人材を求めるというそういう国民会議方式の中で選ばれた者でございまして、私は公明党がそのような方式をいまだに続けていられることに大変ありがたい気持ち、敬意を表しているところでございます。他の政党もこうしたことを始められたわけでございますけれども、公明党が一番幅広く人材登用ということでは党員外の方を求めているということは広く知られていることではなかろうかと思います。  参議院のメンバーといたしまして、私は参議院の改革、そしてまた広く政治改革にも関心を持ってまいったところでございます。当然、選挙制度の改革は両院、衆議院も参議院もそれぞれ整合性のあるものとして、補完的な役割を果たすものとしてされなければならないと思います。そして、それぞれの政党はそうした形で選挙制度を考えてこられたのではないかと思います。  例えば、自民党におかれましても参議院選挙制度改革大綱をおつくりになっているわけでございまして、しかしそういう中で、今提出されております政治改革法案というのはそれぞれの政党のオリジナルな形とは多少違っているわけでございまして、そういう中ではこれからまず衆議院の選挙改革ができた後で改めて新たな法案が提出されるということが、今まで御答弁がありましたように、そういう形がとられるのではないかと思います。  今、久保田国務大臣が参議院議員としての御経験の中からすばらしい御意見を述べられましたけれども、私は参議院には参議院独自の考え方で、そして衆議院を補完するようなすばらしい制度が生まれることを心から願っているところでございます。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 重ねて久保田国務大臣、広中国務大臣にお尋ねをしたいと思いますが、お二方は、今まで細川内閣の中で、閣議あるいはその他重要な会談の中で、この今回の選挙制度改革のときに参議院の改革について積極的に発言されたことがありますか、ありませんか、お答えいただきたいと思います。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合経済企画庁長官

○国務大臣(久保田真苗君) 細川内閣の中で積極的に参議院の改革構想について発言したことはございません。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 私も同様でございます。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 私は、お二方、ちょっとがっかりいたしました。お二方はそれぞれ経済企画庁長官、環境庁長官ではいらっしゃいますけれども、その前に国務大臣でいらっしゃるわけでございます。内閣を構成するのは国務大臣でございますから、したがって、参議院議員から出ておられるお二方は、当然のことながら、閣議におきまして積極的な参議院についての改革、あるいは衆議院とのバランスというものを発言していただきたかった。今後においてもぜひ発言をしていただくことを期待いたしたいと思うわけでございます。  今、いろいろお聞きをいたしましたけれども、明確なる改革案をお持ちでございません。そこで、今回の衆議院制度の改革と参議院選挙制度について考えてみますと、衆議院選挙制度が抜本的に改革されたから参議院の制度というものを改革をするのか、それとも参議院選挙制度自体の改革が必要だから改革をするのか、これは大変私どもにとって大事な問題でございます。  例えば、衆議院の独自の改革で参議院に影響することがない改革、例えば前国会で自由民主党が出しておりました単純小選挙区、あれでありましたら全く参議院制度の改革の必要性はない。それから二番目に、衆議院の独自の改革、これを契機として参議院もひとつ考え直してみよう、例えば先ほどの単純小選挙区であっても、衆議院がそれほど抜本的な改革をするならば参議院もこの際に考えてみよう、これならわかります。  と申しますのは、私は本会議でも申し上げましたように、今回の改正のような抜本的な制度改革というものは、大正十四年以来今までの歴史を振り返ってみますと、二十年に一回か三十年に一回しか起こらない大きな改革でございます。したがいまして、今の二つのケースならまだわかる。ところが、今回の改革は衆議院の独自の改革、それが全く結果としては参議院と同じ制度になってしまった。したがって、衆議院のあおりで参議院を改革しろと、今、皆さんそう言っておられるわけでございます。私は、本会議におきまして、この参議院という神聖なやかたに土足で入り込んできたのが衆議院である、このように申し上げたわけでございますが、この点をよく御承知おきをいただきたいと思うわけでございます。  私は、本来、衆参ワンパッケージで、それができなくても、少なくとも連立与党は独自の改革構想をお持ちの上でこの衆議院の改革というものを行うべきであると、重ねてこの点を申し上げておきたいと思うわけでございます。  両院制を憲法が認めている以上、現に存在しておりますところの参議院選挙制度と競合、矛盾するような改正を行うこと自体、憲法違反とまでは私は申しませんが、少なくとも両院制の趣旨というものに甚だ背くことになることは疑いを得ないわけでございます。従来の答弁のように、衆議院の比例代表制と参議院の比例代表制というものは専門的な見地からは違うかもしれませんが、重複立候補制はあるとか、あるいは政党の登載者、政党所属者のみならず政党推薦の者もあるとか、そんな技術的な問題というのは国民にはわかるものではございません。国民から見れば、この二つの制度は全く同一であると見ても過言ではないと思います。私は本会議におきましても、同時選挙になったら国民はどう戸惑うかということを申し上げたわけでございます。  きのう実は同僚議員から質問がございました。比例代表選挙におきまして、参議院は従来全国区あるいは比例代表という全国規模の名簿の選挙を行っておりますが、そのときの候補者は少なくて百人、多くて約三百人、あるいは少し多くなったこともございます。それに対してきのうも御質問がございましたが、自治大臣にお聞きいたしたいと思いますが、今回の選挙の場合、大体何名が衆議院の比例代表の名簿に登載されるのか、お答えいただきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) それは連立与党がどういう選挙協力をしたりするかによっていろいろ違うわけでございますので、私が確たる数字を申し上げることはできません。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 私は、大まかなところ、小さな政党は別といたしまして、大きな政党がそれぞれ候補者を出すとすると千名から千五百名の間、大体これは間違いのない数字だろうと思います。千名から千五百名でございます。  山花大臣は今東京十一区でございますが、東京十一区には投票所は何カ所ございますか。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 私は、何カ所かということについては今正確なところを承知しておりません。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 東京十一区は広うございますから三百九十三カ所あるわけでございまして、今度の小選挙区になりますともっと数が減るわけでございますが、それにしても大変な数の投票所があるわけでございます。そこに千名ないし千五百名の名前を投票所ごとに必ず一カ所は掲示をしなければいけません。  そうなりますと、そのときの風景はどういうことを連想されますか。私はこれを連想した場合、千名ないし一千五百名、順番もついている。うちの先生は百七十一番目だとか、こういうことになるわけです。どう見ても入学試験の合格発表としか思えないわけでございます。だから、目のお悪い方などはオペラグラスでも持っていかなければ見れない、こんな選挙管理体制になると思います。  自治大臣、選挙の管理執行、そこまで今お考えでございますか。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 選挙法を出すときには、当然あらゆるケースに万全な体制がとれるようにして法案を提出させていただいております。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 これからは佐藤自治大臣を中心にしてお伺いをいたしたいと思います。  比例代表の単位でございますが、これはきのうも御答弁がございましたが、私が今お尋ねをいたしましたのは全国単位、国民から見れば全く参議院と同じでございますが、この選挙管理、執行体制というものは非常に私は心配です。今、万全だとおっしゃいましたけれども、決してそんなものではないと思います。  そこで、二番目にブロックの問題でございます。これもきのうの御答弁によりますと、いろいろと考えている、こういうお話でございますが、ひとつブロックについてお尋ねをしたいと思います。  ブロックと言えば今までいろんな調査会の答申や何かがございますが、一般にブロックと言われる場合は、一つの基準になりますのが国のブロックの出先機関でございます。各省それぞれ、法務局とか財務局とか地方農政局とか通商産業局とか管区警察局とか、いろいろございます。静岡県、長野県、新潟県、どこのブロックにこういうものは属しておりますか、自治大臣。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 突然の御質問なので正確なことはお答えできませんけれども、各省庁それなりの歴史を持っておりますので、違っているところがあれば同じところもあるというふうに認識をしております。  静岡県がどうなっているか、直接には今お答えしかねます。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 佐藤自治大臣が選挙制度にお詳しいことは私もかつて一緒の場でテレビに出たこともございますのでよくわかっておりますが、今は自治大臣でいらっしゃいますから今お尋ねしたことぐらいはおわかりかと思って通告なしにお尋ねをしたわけでございます。  例えば静岡県の場合におきましては、東京なり関東なりに所属しているのが半分、それから東海ブロック、中部ブロック、みんな違うわけでございます。長野県の場合におきましても、関東なり東京のブロックから、あるいは関東の、信越というブロックから、信越だけのブロックから。新潟県の場合におきましても、東京、関東のブロックから、北陸のブロックからいろいろそれぞれの出先機関によって違うわけでございます。ブロックというと、島の場合は問題がないだろうとよく言われます。四国四県。  自治大臣、高知市と松山市というのは電車で行くとどのくらいかかると思われますか。感想だけで結構です。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) これは、このごろ高速道路ができつつございますが、電車でという御質問でございますので、松山と高松でもたしか二時間ぐらいかかると思います。高知ともなりますとずっと回って行かなきゃいかぬので、違っているかもしれませんが、六、七時間かかるのではないかと思いますが、自信ございません。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 自治大臣、慎重に六、七時間と。たった松山と高知で六、七時間もかかったら大変でございます。特急を多度津で乗りかえて行けば五時間で行きます。ただ、五時間というのは「のぞみ」で東京から博多までの時間と同じでございまして、一番まとまりのいいブロックと思われる四国ブロックも、実は行政的にも政治的にも経済的にも四国山脈を挟んで全部背を向けているというのが実態だと私は思います。したがって、四国のある県の知事などは、どこかで会議があるときはまず大阪まで飛行機で飛んでまた大阪から飛行機でその県に行くと、こういうことをやっておられるところもございますし、決して一体性を持っているものではないと私は思います。  それでは、自治大臣にお尋ねをいたしますが、前国会におきまして社公案ということでお出しになりましたその選挙区の関東のブロックは、どういう仕分けになっておりますか。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 東京を除きまして、東の方からいきまして千葉、茨城、栃木、群馬、埼玉まで持ってきたと思っております。それから、西の方が神奈川と山梨と静岡、これを一つにいたしました。静岡は普通は関東とは申しませんが、まとまりからいって、あるいは人口大体一千万ということを頭に入れまして、そういう仕分けにいたしました。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 石田国務大臣、社公案のうち近畿はどのように分けられておりますか。

石田幸四郎公明党・国民会議総務庁長官

○国務大臣(石田幸四郎君) 突然の御質問で今資料がございませんので、正確な御返事はいたしかねます。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 前国会におきまして、自民党案に対して社公案、私も随分勉強させていただきましたが、党首でいらっしゃいます石田国務大臣がどう分けたか覚えていない、これでは私は、党の案として今さらながらこっちが一生懸命勉強したのにということを悔やんでいる次第でございます。  北近畿として滋賀、京都、兵庫、南近畿として大阪、奈良、和歌山。私は、実はこの社公案のブロック制を見たときに、およそ世の中で言われておりますところのブロックと全く違うブロック、先ほどから申しましたように国の出先機関、あるいは国土総合開発法に基づく各ブロック区分、そういうものと比べますと全く違う。いわゆる縦割り。縦切りにしているわけでございます。こんなものがブロックとして成立するわけはない。  きのう佐藤大臣は、自信を持ってブロック制もいろいろ検討したと言われるけれども、これでは全くなっていない。こういう社公案のようなのは国民の経済とか社会とかそういうものとかけ離れている。私はブロックというのは絶対に国民に定着しているとは思いませんけれども、またこれをとるべきではないと思うわけでございますが、社公案が余りにも現実と離れているのにあえて驚いたわけでございます。  山花大臣、八次審をよく山花大臣引用されるわけでございますが、第八次選挙制度審議会のこの南関東ブロックというのはどこになっておりますか。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 資料を見てお答えさせていただきますが、南関東は千葉、神奈川、山梨でございます。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 この山梨、千葉、神奈川、これが一体性があるかどうか全く疑問でございます。  こう考えてまいりますと、私は、我が国の国民生活にとって都道府県というものに対する愛着心 は非常に強いわけでございます。政治、行政、経済、社会のあらゆる単位というものが都道府県でございます。また、歴史、伝統、文化もそのようでございます。県民意識あるいは県人意識というのも強いわけでございます。自民党のかつて出しました、否決はされましたけれども、案は都道府県単位のブロック制でございます。私はどう見てもこの国民というサイドから見たら、全国単位はおろか、ブロック単位はおろか、この都道府県単位こそすばらしい選挙制度だと思いますが、佐藤大臣、お答えをいただきたいと思います。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 自民党案によりますと、衆議院で廃案になりました自民党案では二名区が二十一できるわけですね。二名区の比例代表というのは比例代表という多様な民意を反映するということになるんだろうか、それは阻止率が三%だということで今いろいろな議論がありますけれども、三分の一以上でありますから三三・何%の阻止条項だと。これが比例代表という範疇に入るだろうかということから考えますと、私としては、これはやはり多様な民意の反映という基本から申しまして、やはり国単位、なるべく母数を大きくすべきであるというふうに考えます。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 今、佐藤大臣が自民党案とおっしゃいましたが、社会党案と申しますか、連立与党案のもとの案によりますと七つだったと思います。いかがですか。二百五十の場合は七つであったと思います、二人区は、比例代表の単位が。今言われたのが。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 私が申し上げましたのは、衆議院で廃案になりました自民党案は百七十一が比例区でございますが、二名区が二十一できる、こういうことでございます。四十七都道府県のうち二十一が二名区だということで、その意味では非常に阻止条項も高いし、二名区という単位では比例代表ということにならないというふうに私たちは考えておるわけでございます。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 そのことは私もよくわかっております。百七十一だから二十一になるわけでございますが、私が申し上げましたのは、皆さん方の二百五十の案によりますと二名区は七つなんです。二百五十の場合は七つ。今の二百二十六の場合は九つでございます。したがって、百七十一という自民党の削減案からいえばそうなるというだけでございます。  しかし、先ほどから申しておりますように、この我が国におきまして、都道府県というものは国民に近い、しかも今度の小選挙区比例代表並立制というものがやはり顔の見える選挙を重んずる制度であるとすれば、これは当然に単位は都道府県である。それ以上に、全国は我が参議院というものと全く同じになるから絶対にこれは許されない。また、ブロックも、先ほど申し上げましたように、皆さん方もよくわかっておられない。そんな程度で日本にブロック制なんかをとるべきではない。二十一世紀になってやがて道州制の問題が起こったり首都の移転問題が起こったり、地方制度の抜本的な改革が行われるようになれば、また話は別だろうと思います。  それでは、今、並立制の問題にかかりましたもので、ちょっとこの関連をお尋ねをいたしたいと思っております。  私は、本会議における代表質問におきまして、我が国において望ましい衆議院制度の究極的な形についてお尋ねをしたわけでございます。そしてそれぞれお答えをいただきました。読売新聞でございましたか、次の日にこれを大きく取り上げて分類をされておりましたが、その考え方によりますと、まず一つは、小選挙区のウエートが高く、二大政党というものをねらいとする制度であると。これは羽田国務大臣が大体そういう考え方を具体的に示されましたし、石田国務大臣もほぼ同様な考えをお示しになりました。それからもう一つ、比例代表制に近づけることが望ましいという考え方が、これは私は間違った考え方だろうと思いますが、あり得るのかなと思いましたが、総理は、どちらかと申しますとその中間とも言い得るところの穏健な多党制が目標である、こう答えておるわけでございます。  それぞれそういう考え方でございますが、総理はおられませんもので、武村官房長官に大体同じようなお考えかどうかを承りたいと思いますが、藤井大蔵大臣、石田国務大臣、それから武村官房長官、この三つの類型というもののどれを一体それぞれの党はねらっておられるのか、お答えをいただきたいと思います。

武村正義さきがけ・日本新党内閣官房長官

○国務大臣(武村正義君) 今の御質問は、この選挙制度改革をやったときにどうなるのかということを含めてお尋ねをいただいているのだと思います。  本来、今回の政権ができるときもそうでございましたように、政府を構成する場合には過半数で政権が誕生いたします。そして、与党、野党という、これは党ではありませんが、議会が二つの大きなグループに分かれざるを得ない。もちろん、法律や条約やその他の案件も絶えず賛成、反対をめぐって賛成の過半数を超える勢力と反対の勢力に分かれざるを得ないという多数決原理が基本になる議会制民主主義の原理を考えますと、賛成・反対、与党・野党という二つのグループを頭に置かざるを得ない。そこに二大政党論の根拠があるというふうに認識はいたしております。  イギリスやアメリカがその典型でございますが、しかし、もうこれだけ世の中が変わってまいりまして、国民の暮らし方も生き方もまさに個性的になってまいり、考え方も本当に多様になってまいりますと、しかも、東西冷戦が終わりますと、政策をめぐって総合的に二つのシンプルなグループに色分けをするということ自身が大変難しい状況であります。政党はそれぞれ旗を立てながら選挙ごとに戦うにしましても、鮮明に白か黒か、甲か乙かというふうな選択を明示することはしにくい状況にきております。  そんなことも含めて、私は二大政党を即期待するのは難しいと。この選挙制度はましてや比例代表制を入れておりますから、かなりのウエートになっております以上、そういう意味でもイギリス、アメリカ的な二大政党ではなしに、幾つかの政党に分かれざるを得ない。しかし、選挙が終わった後の国会運営については、今回もそうでありますように、二つのグループ、与党・野党、賛成・反対というグループに分かれざるを得ない、こんなふうに認識をいたしております。

藤井裕久新生党・改革連合大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 十一月二十六日の参議院本会議で私どもの党首が的確にお答えしたのでございまして、そのとおりと言えば一番簡単なのでございますが、なお敷衍いたしますれば、現在の制度は、もういつも議論で出ておりますように、民意の集約という面と民意の素直な反映という面のミックスだと。そして、そういう中で最終的に政党のあり方あるいは政治の民意の反映の仕方というのは、私は世論というか国民の皆様がお決めいただくことであるとは存じますが、そういう選挙の中で幾つかのグループができることは事実だと思います。  しかし、今度は政策中心のグループでありますから、それらがいろいろ論議し合う中で一つの方向に収れんしていくというふうに考えております。直ちにそういう収れんが行われるかどうかは別として、将来においては私どもとしては政権可能な二つのグループに収れんしていくのではないか、またそれが望ましい、これが羽田党首の考えであり、また私ども新生党の合意であるというふうに御理解をいただきたいと思います。

石田幸四郎公明党・国民会議総務庁長官

○国務大臣(石田幸四郎君) お答えを申し上げます。  私は、この並立制の選挙制度につきましては、基本的にやはり政権交代を制度そのものが期待しているというふうに受けとめておるわけでございます。したがいまして、この選挙制度の志向するところはやはり二大勢力的な政治勢力にならざるを得ないのではなかろうか、このように思っているところでございます。  ただ、それが直ちに二大政党になるかどうかということになりますれば、これはやはり今までの経緯、あるいは国民のニーズの多様性等ということを考えてみますと、直ちにそこにいくかどうかはにわかに判断はしかねる状態でございます。ただ、同時にまた、民主政治の中におきまして最終的に国の政治の方向を決めていかなければならないわけでございますので、そういった点を考えますと、やはり集約していくことが望ましい。  それからもう一つ、選挙ということを考えてみましたときに、例えば現在の政権与党のあり方、これはいわゆる中選挙区制下におきまして選挙が行われ、そして連立政権が今組まれているわけでございますけれども、それがまた選挙のときにばらばらの政党で公約を発表して、そして選挙をやって、またその公約がさらに集約されるという形では、これは国民の皆さんは納得しないのではなかろうか、このように存じます。  そうしますと、選挙ということを考えてみた場合に、連立政権というものが一つの勢力としての公約を掲げ、そして選挙をお願いする、そういうような形になることが望ましいはずだと、このように受けとめております。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 そこで、山花大臣にお尋ねをいたしたいと思います。  並立制の本質というものをどう考えるかということは、今度の改革におきまして非常に大事な問題でございます。社会党は、海部内閣の提案の並立制につきまして、当時の田辺委員長は委員長時代の代表質問の中で、民主主義と相入れないとはっきりと言っておられます。ところが、今回の政府提案の並立制につきましては、当時の田辺委員長は朝日新聞のインタビューに答えて、比例代表が中心に居座り、最小限我々の立場が確保できたと。要するに二百五十、二百五十の場合は、最小限我々の立場が確保できたと。この論法でいきますと、自民党案の提案のときには小選挙区が中心であったけれども今回の細川内閣の並立制は比例代表が中心になった、こうお考えになっておられるのかと思います。  およそ並立制におきまして、逆の並立制、結局二百五十よりも比例代表の方が多い並立制というのは世の中にあり得ません。また、同等の並立制というのも私はないと思うんです。しかし、二百七十四になった並立制というのは、この最小限ということからするとどうなるのか。そして、社会党としてはあるべき並立制というものをどうお考えなのか、簡単にお答えいただきたいと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) かつての三百、百七十一の並立制の時代とは違って、政府案は二百五十、二百五十、また今日最終的に御指摘のとおり二百七十四、二百二十六となりました。  修正案を前提としまして、これまでお答えいたしましたとおり、並立制の特徴というものが失われるものではない、こういうようにお答えをしてまいりました。一方が余りにも多いということになりますとどちらが主か従かという関係が出てまいりますけれども、今回の二百五十からの修正の限度におきましては、私は両方の性格というものが相補う形として残っているもの、こういうように考えているところでございます。  したがって、過日、私の所属している社会党におきましても大会を行いましたが、これまでの経過について大会でも御承認をいただいているところでございます。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 どうもはっきりしないお答えだと思うわけでございますが、これは非常に大事な問題でございます。  我が国の将来の衆議院制度として望ましい形態というのは、今もお答えがありましたように、経過的な過程はありましても、小選挙区のウエートが高くて、二大政党をやがてはねらっているというのが私は新生党と公明党のお考えだろうと思います。また、総理はおられませんが、武村官房長官がおっしゃいました穏健な多党制というものがそのあたりの考え方。しかし、山花大臣のお答えだけはどうも理解しがたい。この二百五十、二百五十も比例代表が中心、二百七十四の場合においてもその趣旨が損なわれていないと。大変にわかりにくいことでございますけれども、これはいつまで続けていても恐らくそれ以上のことはおっしゃらないと思いますので、このあたりにいたしたいと思います。  それでは、衆議院議員選挙区画定審議会のことについて一言だけお尋ねしたいと思います。  この審議会による勧告が得られて、政府提案でこの区割りを出す自信が自治大臣としておありかどうか承りたいと思います。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 必ずしも御質問の趣旨がよくわからないのでありますが、衆議院選挙区画定審議会の方から内閣総理大臣に対しまして案が出された場合には、内閣総理大臣はそれを尊重して国会に提出をするということでございますから、当然、審議会が設置されて六カ月以内に出された場合にはできるだけ速やかに国会に出させていただく、こういうふうに考えております。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 この審議会を総理府に設置するのは三権分立の見地から問題はないでしょうか、自治大臣。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 総理府に設置することにしたことは久世委員も十分御承知だと思いますのでそのことは申し上げませんけれども、そこから政府案として衆議院、参議院、国会で審議をしていただくわけでございますから、その意味では憲法に触れるものではないと考えております。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 過去の選挙制度の歴史というものを考えましても、この区画というものをいよいよ出すということになると問題が大変大きいわけでございます。前の小選挙区の法案を出しました鳩山内閣のときに、当時は選挙制度審議会がまだできる前であったと思いますが、この選挙制度調査会にたしかつくって、その関係でそれが国会に出されたわけでございますが、一人区の案に対して二人区に修正になったというようなことが原因でこの法案が流れたこともございます。  したがって、この点はまだまだ先の問題かと思いますけれども、よくこの問題を念頭に置いて、むしろそれは行政府であるところの総理府に置くよりは、自民党案の衆議院みずから区画を定めるという方向にぜひともこれは修正すべきであると思います。  総理がおいでになりましたので、質問を変えたいと思います。  総理、私は十一月二十六日の代表質問で申し上げたことを少し深めてきょうは御質疑を申し上げております。  その代表質問のときに、私は一昨年末の宮澤内閣の緊急改革としての改正を申し上げました、仏つくって魂入れずでは困る、どうしてもその成果を上げなければいけないということを申しまして、その例として政治倫理審査会というものを引き合いに出しました。  私は、質問におきまして、「これが全く活用されておりません。政治家みずからが襟を正し、政治倫理を確立する制度として政治倫理審査会の活用が必要だと思われますが、総理のお考えを承りたいと思います。」、こうお尋ねをいたしました。それに対して、総理は、「政治倫理審査会についてのお尋ねでございましたが、政治浄化を確立するために審査会の活用が必要であるとの御指摘は全く同感でございます。本院におきましても、ぜひその活用に努めていただきたいどいうふうに考えているところでございます。」、このように答弁をされたわけでございます。  実はこの政治倫理審査会、これはいわくがいろいろあることは御承知のことと思います。昭和五十八年十月に田中元総理にロッキード事件で一審の判決が下りました。辞職勧告が行われ、これを求めて国会審議が中断をいたしました。その収拾案としてこの政治倫理審査会ができたわけでございまして、たしか発足をいたしましたのは昭和六十年十二月だと思います。議運でつくられまして、そのあたりの事情は平野委員がよく御承知のはずでございます。ところが、それから全くこれは使われないままに推移いたしておりました。  実は武村官房長官そこにおられますが、平成元年、自民党に政治改革委員会ができましたときに、武村官房長官も森山委員も私も政治改革大綱の起草に当たったわけでございますが、そのときに、その前からこの議論が出ました。私は政治倫理審査会の趣旨というものをよく知らなかったわけです。武村官房長官は私に親切に教えてくださいました。政治家がいわれなき疑いを持たれているとき、ぬれぎぬを着せられたとき、みずから進んでこの政治倫理審査会に出ていって、そしてその疑いを晴らすということは大事なことである、こういうふうに私に言われたわけでございます。  ところが、この昭和六十年十二月にできた政治倫理審査会は規程が余りにも厳しくて動かない。要件が厳しくて動かないようにできているわけでございます。そこで、まずこれを改革したのが一点。それから、官房長官がそのときに提案された、政治家みずからが進んでみずからの疑いを晴らすという項目を二条の二として結果的にはできたわけでございます。この政倫審は、その後、特に平成四年におきまして、それこそ与野党におきまして政治改革協議会と実務者会議で大変論議を行った末、ようやく平成四年の末、参議院におきましては平成五年の三月にでき上がった制度でございます。  ところで、この前からこの当委員会や予算委員会でしばしば問題になっておりますのは、総理の佐川問題でございます。衆参両院におきまして、総理はたびたびこういうふうに答弁をいたされております。私に対するこの一億円のいわれなき疑念、私はそう申し上げておりますが、そのいわれなき疑念というものは完全に私は氷解されると思っております、あるいは、私もこういういわれなき疑惑を持たれることはまことに心外である、このように言われております。  私は総理を昔からよく存じ上げ、また敬愛をいたしておりましたので、総理の御答弁を聞いて、初めは痛々しいと思いました。また、たどたどしい御答弁を聞いてお気の毒だと率直に思いました。  ところが、だんだんお聞きしているうちに、また予算委員会の関係もあっていろんな資料を見せていただくうちに、このよくお使いになる言葉が、さてどうであったか覚えておりません、全体の中でやりくりをいたしました、古い話なので記憶が定かでございません、事務所で行っているので定かでありません、このような答弁が多かったわけでございまして、特に一番問題になりました契約の点につきましては、契約書については捜しても見当たりません、あったに違いないけれどもその後書類は紛失をいたしました、一生懸命に捜しましたが今日までに見当たらない、このようにお答えになっておられます。  さらには、麻布のマンションのことにつきましては、そこに住んでおられたかどうかということを予算委員会におきましてお尋ねしたところが、「そのように思っております。」と。この速記録にはやじまでが入っておりまして、「住んだかどうかと聞いているんだよ、それはおかしいよ」、住んでいるかどうかも覚えておられないというのはおかしいよというやじまでちゃんと速記に入っておりました。私は率直に、痛々しいあるいはたどたどしい、こう思っておりましたのが、多くの聞いておられる方々からは、どうもそらぞらしい、白々しい、最後にはふてぶてしい、こんな声も出てきているわけでございます。  さらに、佐川急便に対する資料がようやく出た段階におきましては、佐川に大変強くお願いをしてやっとこれだけということで出してきたものです、私の方からはこれ以上申し上げても恐らく同じ返事しか返ってこないと思います、このように答えておられるわけでございます。  私は、今でも細川総理がおっしゃいましたいわれなき疑惑、自分は大変心外だというお気持ちはわかるような気がするのでございます。しかし、この経過を見て、やはり一国の総理である以上はそれは許されないことだろうと思います。そして、特に政治改革というものを、その一番大事な政治倫理という問題、これを通そうとする総理でいらっしゃいますから、これはやはり絶対に許されないことだろうと思います。しかも、当参議院の政治改革特別委員会は今まだ衆議院の三五%しか審議をやっていないのでございます。その時間を縮めてこんな審議をしているということは、いささか私は腑に落ちない面がございます。  そこで総理にお尋ねをいたしたいのでございますが、現在衆議院でできておりますところの政治倫理審査会、この中には新しく議員の申し出に基づくところの審査制度を創設いたしました。それは既に御承知と思いますけれども、まさにいわれなき疑いをかけられた場合みずから進んでその疑いを晴らす、こういうのに政治倫理審査会を御本人から要請をして開いてもらう、そしてそこにおきましては参考人の出頭を求めることもできるし、国民に対して弁明をすることもできるわけでございます。その政倫審の規程の二条二項による議員の申し出による審査というものを活用されるお気持ちがあるかどうか、お尋ねしたいと思います。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) 今お話しがございましたように、この政治倫理審査会というものができましたのが六十年でございましたか六十一年でございましたか、それ以来ほとんど開かれていないというか全く開かれていない、おっしゃるとおりでございまして、この審査会がもっとやはり活用されることがあるべき姿ではないかとおっしゃることは、私もそのとおりだと思います。今後、この問題はまさに国会の運営の問題であろうと思いますし、どのようにこの審査会というものを運営していくかということにつきましては、ぜひ国会で真摯な御論議がなされることを願っております。  私自身の問題につきましては、この委員会におきましてもまた衆議院の委員会等におきましても再三申し上げてきているとおりでございまして、確かにおっしゃるように不備な点があることは大変申しわけなく思っておりますが、しかし私としては、できる限りの資料などをそろえて誠意を持ってお答えをしているつもりでございますので、ぜひその点は御理解をいただきたいと思っております。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 今の御答弁の前半分は一般論でございまして、そういうことはこの間の私は代表質問でもうお答えをいただいております。総理みずからこれを活用することが絶対必要だということを答弁しておられるわけでございますが、今、総理御自身の活用という面につきまして私は、やはり眠っていた審査会、それを手続的にできるようにした、さらには本人が進んで疑いを晴らすことができる場をつくった、つくった以上は総理が率先垂範してお出になることをぜひともお願いをしたいと思いますが、いかがでございましょうか。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) ただいま申し上げたことと同じことを申し上げなければなりませんが、私としては本委員会におきましてできる限り誠意を持ってお答えを申し上げているつもりでございますので、ぜひその点は御了解をいただきたい、こう思っております。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 この前の本会議の総理の御答弁には、政治浄化を確立するために審査会の活用が必要であるという御指摘は全く同感である、ぜひその活用に努めていただきたいと、ここまで言っておられるわけでございますから、私が率先垂範、みずからこれを活用してもらいたいと言うのに対して、今のお答えでは本会議の答弁というものがうそになるのではないでしょうか。重ねて答弁をお願いいたします。(発言する者あり)

上野雄文日本社会党・護憲民主連合

○委員長(上野雄文君) お静かに願います。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) 運営のあり方について、この審査会というものがそれなりの意味を持つということは極めて重要なことである、これはもう当然のこととして私はそのように考えておりますが、私自身の問題につきましては、再三申し上げますように本委員会におきましてできる限り御答弁を申し上げていると、こういうことでございます。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 納得できません。

上野雄文日本社会党・護憲民主連合

○委員長(上野雄文君) 久世君、質問を。答弁しているわけですから、さらに質問を続けてください。  速記をとめてください。    〔速記中止〕

上野雄文日本社会党・護憲民主連合

○委員長(上野雄文君) 速記を起こしてください。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 武村官房長官にお尋ねをしたいと思います。  官房長官は、先ほど申しましたように、今からちょうど五年前、それこそ森山議員や私と御一緒に、七名だったと思いますが、あの政治改革大綱を起草いたしました。この政治倫理審査会が初めて議題になったのは一月だったと思いますが、そのときに、先ほど申しましたように、いわれなき疑いを持たれた議員がみずから名のり出るのが今度の改正のポイントだと私が教えていただいたのはあなたでございます。  全く今の総理の御心境と同じ状態なのでございますが、それについて官房長官は総理にやはりこれはお出になるべきだというふうにお勧めになるかどうか、お考えを聞かせていただきたいと思います。

武村正義さきがけ・日本新党内閣官房長官

○国務大臣(武村正義君) 久世委員のおっしゃるとおり、当時そんないきさつがございました。  当時を思い起こしますと、私も地方の時代に、ミニコミの全くいわれなきデマ、中傷のでっち上げの記事を滋賀県下に三十何万部まかれたことがありました。そういう経験もありましたが、しかし、見ておりますと報道の中でもそういうことがちょいちょいあるわけで、もちろんそれなりの事実があって書かれる場合が多いわけでありますが、時たま全く事実無根、怒り心頭というケースがお互いにこれは起こることがあり得るわけでございます。  そういうことを想定して、委員会が決めて呼ぶだけでなしに、みずから国会議員が名のり出て身の潔白を明かす、そういう場所が必要だ、この政治倫理審査会はそういう場所にも十分なり得る、そういう改正をしようということを申し上げました。それが一昨年の改正につながったのかもしれません。  それで、細川総理は、今お答えしましたように、このいわれなき疑惑に対してまさに怒り心頭に発しながらも冷静に、これで衆参合わせるとどのぐらいになりましょうか、随分の時間をかけ丁寧にお答えをされているというふうに私はそばで見ておりました。  ただ、十年前後前の話でございますから、それはそもそも謄本にきちっと借りた証拠が残っていて、また謄本抹消という形できちっと返したことももう明らかであります。およそ、本来言えば、後ろめたい金を借りたり何かしていれば担保なんか出す必要もないし、出すはずもないわけですね。少なくとも謄本できちっとそこは処理をされていることは明らかであります。  ただその間、何回にわたって、いつ、だれが、どこで、キャッシュなのかどうか、そういうことをどんどん聞かれていますから、私でもその辺を聞かれると、過去のことになるとなかなか記憶が定かでないところ、あるいは資料が出ないことも起こり得るわけで、私はそういう意味では、総理はみずからこの場で、衆参含めて、精いっぱい身の潔白を明かす努力をされているというふうに認識をいたしております。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 総理、クリントン大統領のホワイトウォーター事件というのを御存じでございますか。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) 詳しくは存じませんが、新聞の見出してはちらっと読んでおります。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 これはきのうの新聞の大きな記事でございますが、クリントン大統領が現在ホワイトウォーター事件というアーカンソー州知事の時代の金銭疑惑につきまして疑いを受けているわけでございます。これに対しては、米国の上院におきまして非常な論議がありました結果、共和党のみならずむしろ民主党から声が上がりまして、大統領みずからが疑いを晴らしたい、こういうことでクリントン大統領は、みずから特別検察官という自分の疑惑を晴らすための機関というものを設置したわけでございます。それはどっちかといいますと、民主党、与党の議員の方で大統領に対してぜひそうやって身の潔白を示してもらいたいと。これがきのうの新聞記事でございます。  私はクリントン大統領にかってアーカンソー州知事時代に五回お目にかかったことがございます。かなり長くお話ししたこともございます。さわやかな方でいらっしゃいます。その後、大統領がこのようにみずから決断をされた、またそれに対して与党の議員がむしろ推進をした、これについてどのような御感想がございましょうか。総理の御答弁をお願いしたいと思います。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) まあそれはいろいろ事情も違いましょう。また、制度も違いましょう。それなりのお考えが御本人にもございましょうし、またあちらの議会にもそれなりのお考えがあろうと思っております。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 私は、政治倫理審査会の問題を中心といたしまして、むしろ総理が本当にいわれなき疑いを持たれて心外だとおっしゃっておられるわけでございますから、こういう制度というものが新たにつくられた、しかも実は武村官房長官と一緒につくったときには、積極的に倫理問題については政治倫理審査会というものを活用することによってむしろ他の国会審議に影響を与えないように、こういう趣旨までそこに含まれていたわけでございます。  そういうことを御認識をいただきまして、ぜひとも私は、この政治倫理審査会にみずから出て率先垂範をしていただくこと、そしてこの政治改革特別委員会におきましてまた総括質疑等がございますればそのときに重ねてこれはお尋ねをいたしたいと思いますので、これは総理がお出ましいただけるということで急に用意したものでございますけれども、ぜひともよくお考えいただいて御答弁をお願いいたしたいと思う次第でございます。  時間がなくなりましたので、最後に申し上げたいと思います。  冒頭に申し上げましたように、まだまだ問題は多うございます。私もあと三、四時間ぐらいいただいてやりたいくらいでございます。しかし、まだ衆議院に比べれば三五%でございます。私どもの自民党では、まだまだ質問したいという議員も山ほどいるわけでございます。どうかひとつ、十分な時間をかけて審議を行うこと、これをぜひともお願いをいたしたいわけでございます。  先ほど議会運営のことを申し上げましたけれども、どうも次々と強行手段を打ってこられて参議院の審議というものが制限をされているわけでございまして、参議院の本質にかかわる問題をきょうは中心に申し上げたわけでございますけれども、こういう問題もひとつぜひ明らかにしていただきたい。しかも、公聴会の日程は決まりましたけれども、会期末までまだまだございますので、その間を十分に使ってひとつ審議を尽くしていく、そして修正すべきことは修正する、それについての総理のお考えを承りまして、質問を終えたいと思います。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) 何回も本委員会でも御答弁で申し上げておりますように、実りのある御論議が本委員会でなされることを期待いたしております。

久世公堯自由民主党

○久世公堯君 終わります。(拍手)

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 先ほどの久世先生の御質問で、やはり私は、一国の総理というのはあくまでもどこに出ても正々堂々と、清潔な、一点も人から後ろ指を指される人ではない、そういったような人間でないといかぬ、このように思っております。  総理、連日御苦労さまでございます。  きょう新聞等で拝見したんですが、総理、何か内閣改造をお考えになっておられる、いやそうではない、こういったようなお話をお聞きしましたが、どうでございますか。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) 全く考えておりません。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 そのとおりだと思います。この国家の一大緊急時、特にこの政治改革が今剣が峰に差しかかっておりまして、最後までこれを全うするために頑張ってほしい、このように思っておる次第でございます。  私、最初に、ガットのウルグアイ・ラウンドの交渉についてお聞きしたいわけでございますが、これというのも、やはりこの交渉というのはともかく強力な政治が実行できる内閣でないといかぬ、そのためには、これを支える政党というものが全国民のしかるべき意思を代弁して、そしてその政党が成立してないといかぬ、そのように思うわけでございまして、今考えられております選挙制度を考えてみますと、どうも何か国民にわかりにくいような、主義主張が違ったそういったような政党が連立内閣というようなもとにこれを構成して奇態な行動をとる、こういったような恐れがある、私はこのように思っておるわけでございます。  そこで私は、ガットのウルグアイ・ラウンド、米の交渉につきまして、何といっても私どもはこれは日本の農業、農村を守るために米の部分自由化は阻止すべきであったと、そのように思っておるわけでございますが、どうも一説によりますと、米の部分自由化をとるか、あるいはそうでなければガットの一員から外れなければならない、ガットから脱退をさせられる、そういったような言い方のもとにこの米の自由化を国民に説得した、このように私は思うわけでございます。  私は、外交交渉でございますから、細川内閣が強力な国際交渉力を発揮すれば米の部分自由化は阻止することができた、そのように思っておるわけでございます。しかも、この責任をとって外交交渉の終わりにおきましては、ミニマムアクセスを認めるどころか六年後の、一九九五年から始まりますから二〇〇一年、これにつきましては、ミニマムアクセスの存続に加えて包括関税化をやらなければ、さらに相手国がアクセプタブル、受容するような条件を出さなければならない、そういったような条件まで突きつけられたわけでございます。  これにつきましては、これまでの交渉経過、今月号の文芸春秋にもはっきりと書いてあるわけでございますが、総理はこのことについて御認識がなかったんじゃないか、そういったようなことまで言われておるわけでございます。農業、農村に対しまして大変な大問題を惹起したわけでございます。そして、これに先行しまして韓国では、国民、農家を欺いて申しわけなかった、だまし続けて申しわけなかったということで、韓国の首相は辞職をしたわけでございます。  こういったような責任、総理は一言で、農業、農村に対して断腸の思いである、このように言ったわけでございますが、現実にそれをどのように断腸の思いを実行されるのがその総理のお考えをお伺いいたしたいと思う次第でございます。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) これも、この問題が大詰めに差しかかっておりました段階から決着を見るに至りました段階におきまして再々申し上げてきたことでございますが、国会決議の趣旨を体してできるだけの最善の努力をしてきたということを申し上げてまいりました。最終的には調整案を受け入れることになったわけでございますが、その内容は我が国として、我が国の主張が相当程度反映をされたものであったというふうに受けとめているところでございます。  このドゥーニー調整案の受け入れというものは、我が国がこれから国際社会の中で生きていくためにやはりぎりぎりのやむを得ない判断であった。海洋国家として何と申しましても最大の国益は自由な通商の体制を守っていくということでございましょうし、そうした観点からは、これは長い目で見て必ず国民の御理解を得られるものであろう、そのように確信をいたしているところでございます。  ただ、今お話がございましたように、特に生産農家の方々を初めとして大変な御心配をおかけしていることも事実でございますし、この点につきましては、私自身本部長となりまして緊急農業農村対策本部というものを既に設置いたしました。  今後、農政審などの御論議も参考にしながら、国会の中でも与野党ともにいろいろなまた御意見がございましょうし、できる限り早急に対策を取りまとめまして、生産農家の方々に御心配をかけることがないように、また消費者の方々にも不安な思いを持っていただかないように、できる限りの対策を講じてまいりたいと考えているところでございます。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 農業対策というのはそんなに短期間でできるものじゃないですね、御承知のとおり。例えば米の自由化に対処するためには長期間、今回の問題に対処するためには私は十年かかるぐらいの期間と、それだけのエネルギー、労力が要る、このように思っておる次第でございます。  もし今回包括関税化に踏み切る、部分自由化に踏み切ると、二〇〇一年には八十万トン近い——今六十七万六千ヘクタールの減反をやっておりますが、八十万トン近くとなりますとさらに十六万ヘクタールの減反プラス、そういったようなことになるわけでございまして、大変な負担を与えるわけでございます。しかも二〇〇一年になればさらにこれが上積みされるということになるわけでございまして、私は、そこまで踏み切るという覚悟があるのならば、国民をだまし続けずにもっと事前にこれだけの対策をやるんだということを当然開示してやるべきである、そのように思う次第でございます。  そこで、私それに関連いたしまして官房長官にお伺いをいたすわけでございますが、私はどうもこの問題そこまで踏み切るんじゃないかな、危ないなという気がいたしまして、実は昨年十一月二日に参議院の内閣委員会におきましてはっきりと、今回のガット・ウルグアイ・ラウンドの交渉においては自由化に加えてミニマムアクセスの許容があるのではないか、もしそういうことに踏み切れば、これはことしの凶作による米の緊急輸入は食管法に基づく輸入とは違って自由化の一部である、自由化に該当するものであると。そういうことならば、これまでの参議院の米の完全自給の議決を含めて国会決議にも違反するのではないか。しかも、これまでのような方針を取り続けるわけでございますから、来年からはまた米の完全自給ができる国内生産体制が、天候条件もございますが、できるはずであるし、またやらなければならない。そういう意味で、ミニマムアクセスの許容に踏み切ることはありませんねということを確認いたしたわけでございますが、これについて、この議事録でもございますが、官房長官は最終的に、私の意見のとおりでございますと、そのようにお答えになっておるわけでございます。  私は、善意に解釈いたしますので、今回のガットの交渉につきまして、この十一月二日の時点におきまして官房長官は、ミニマムアクセスも含めて包括関税化をやらない、本当にそのように決意をしておられたんだと思います。そういうことで、踏み切るんだといった情報を知らなかった、そういう伝達はなかったんだ、だからこのようなお答えをしたんだ、このように思っておりますが、よろしゅうございますか。

武村正義さきがけ・日本新党内閣官房長官

○国務大臣(武村正義君) この十一月二日の合馬委員と私のやりとりの記録を改めて読んでみているわけでありますが、今回の米の緊急輸入措置と輸入自由化の問題は全く別である、そういう認識を繰り返しお尋ねいただいていると私はとって、それは全く別であります、御趣旨のとおりです、こうお答えをしているように私は読みます。  ただここに、おっしゃるように完全自給体制等という言葉もございまして、とりようによっては完全自給体制そのものをもう一〇〇%おっしゃるとおりですとお認めしたような、いささか誤解を招く答弁になったのかなと反省をいたしております。  ただ、振り返りますと、もう自民党政権の時代に御承知のようにドンケル・ペーパーが出まして、世界の原則は例外なき関税化でいこう、こう決まったのは御承知のとおりです。当時の政権でも、そうなるとどう例外をつくり出すかということが公式、非公式いろいろ協議がされていたわけでありまして、私は、ことしの十二月十五日の最終目標を目前にしながら、全く無傷で何にも譲歩なしでこの大きな問題が済むとは思っていませんでした。それは交渉中でございますから、あくまでも日本の原則、基本だけは堅持して貫き通さなければならない。  そんな意味で、私どもの答弁も、国会決議の趣旨を体しとか、自給の原則を目指してとか、これは別にずる賢く考えたわけではありません。基本は貫こう、しかし全く無傷でいくことはこれは難しいだろうなという認識は持ちながら、後から問われることのないように、うそをつくことのないように必死で答弁をしてきたつもりでございます。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 大変苦しい答弁でございますね。  先ほどからちょっと私の後ろでいろいろ言っておられる方がおりますが、今回の米のミニマムアクセスの許容につきましても、私どもは社会党にも四度目の国会決議をやるということを慫慂し、そしてある時点では同意も得たわけでございます。それを、政治改革優先でございますか、細川連立内閣を維持するという名目のもとにだけで日本の農家、農村を裏切って、そして自分たちの態度、社会党としては反対だけれども細川内閣としては賛成すると。これからまだどんどん同じようなケースが出てまいりますからね。そういった名目のもとに米についても包括関税化のミニマムアクセスの許容に踏み切ったわけでございます。  こういったような政党、もっとはっきり言えば、選挙のときの公約を欺くようなそういった政党のもとでできてきた今回の政治改革の制度については、私は非常に疑問を持つということを申し上げておるわけでございます。  それから次は、防衛、国防関係の話でございます。  先般、細川総理は自衛隊の観閲式で、日本の国防、防衛のあり方について、防衛力整備の大綱を見直し、そして軍縮のイニシアチブをとる、このようにおっしゃられたわけでございます。  これを早速受けまして、今、防衛力整備の大綱と中期防の修正問題が起こっておるわけでございます。中期防につきましては、これは平成三年から七年までの期間となっておりますが、このような方針のもとに防衛計画を見直すということになりますと、これを一刻も早く防衛計画に反映をさせたい、こういったようなことで平成七年にも新しい次期防をつくるか、あるいは今の中期防を単年度計画に切りかえて実行するか、そういったような話まで起こっておるわけでございます。  そこで、私はお伺いいたしたい。  これまでの我が日本の繁栄は、何といっても日米安全保障条約と、そして専守防衛に徹して日本の国土を一歩も侵させないという自衛隊が存在をいたしたからである、そのように私は思っておるわけでございます。私どもは核武装もいたしておりませんし、専守防衛でございますので攻撃的兵器は一切持っておらないわけでございます。爆撃機もございません。外洋艦隊もございません。航空母艦だとか戦艦だとかそういったようなものはないわけでございます。すべて専守防衛の武器だけでございます。  今世界は、なるほど米ソの冷戦構造は崩壊した、しかしユーゴスラビアでもソマリアでも旧ソ連でも大変な紛争状況が起きておる。ロシアのジリノフスキーなんかは、日本が北方領土の返還なんか要求したら広島、長崎にまた原爆をぶち込んでやる、このようにまで言っておるわけでございます。中国ではどんどん今兵器の新鋭化が進んでおるわけでございます。北朝鮮は労働一号。何か日本の会社が今度はハイテク技術まで輸出したと、こう言っておりますが、いつ日本を脅かしてもおかしくない、こういったような武器を整えておるわけでございます。  そういったようなことで、軍縮のイニシアチブをとるというのは、総理はどういう考え方で言われたのか。私は、日本が既に率先して軍縮をやっておるんだから世界はこれに見習え、こういったように言っておると思います。ただ自衛隊の定員を減らします、あるいは機関銃、大砲をピストルにかえます、何か国民は、軍縮といいますとそういったような受けとり方をしておるわけでございますが、私はそれにつきまして、もう少し軍縮についてどういうもとで今の自衛隊の装備を変えていくのか、定員を変えていくのか、もっとはっきりとしたお考え方を持って言ってほしい、このように思うわけでございます。  これにつきまして総理のお考え方をお伺いしたいと思います。

上野雄文日本社会党・護憲民主連合

○委員長(上野雄文君) 総理、短くお願いいたします。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) 冷戦構造が崩壊した中で、防衛大綱というものももう既に二十年近く経過をしておるわけでございますし、意味のある防衛力というものがどういう姿であったらいいのかというようなことについて、この世界の大きな構造の変化の中で、国際情勢の変化の中で、我が国としてもあるべき防衛の姿というものについて基本的に見直していくべきではないかということを申し上げたわけでございまして、その見直しの時期、中身等につきましては、今後早急に詰めてまいりたい、このように思っております。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 防衛庁長官、……

上野雄文日本社会党・護憲民主連合

○委員長(上野雄文君) 時間ですから。割り当て時間が決めてありますので。総理の時間に拘束されますから。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 選挙制度の問題は、日本国憲法に沿って真に全国民を代表する議員を選出する上で極めて重要な意味を持っております。我が国の選挙制度について考える場合に、私は主権者、国民の間で長年にわたって続けられてきた一票の格差の是正を求める運動、訴訟も含まれて行われたこの運動の中にあらわれている国民の要請にこたえ、日本国憲法の精神に沿った選挙制度をつくること、このことが重要だと思います。  その点で、総理、まずお考えをお聞かせください。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) ちょっと御質問の趣旨がよくのみ込めなかったんですが、憲法の要請する趣旨に沿って基本的な政治のフレームワークをつくる、選挙制度を含めてそういうフレームワークをつくる、そういう点については今度の四法案につきましても政府としては十分その点に配慮をさせていただいているつもりでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私は、その憲法の精神に沿ってという場合に、当然その一部分になるわけですが、一票の格差を是正する運動が長い間行われ、それをめぐる幾つかの選挙判決も出ております。この一票の格差是正ということを前提に置いた選挙制度を当然考えなければならないということとあわせての総理のお考えをお伺いします。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) 今度の選挙制度の改正案におきましても、格差是正の問題につきましては、御承知のように、政府案の中には盛り込んでいるわけでございまして、御指摘のような点も踏まえた上で改正案を出させていただいている、こういうことでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私は中身についてはこれから論議していきますが、その選挙制度を考える場合に、参考人からいろいろ述べられた意見も政府としては耳を傾けるかどうか。その点で、十一日に行われた参考人の意見の中で、田中善一郎東京工業大学教授は、望ましい選挙制度として厳密に定数の是正を行った中選挙区制を挙げられました。こういう意見については耳を傾けますか。もうそれは無視して政府案を強行しようということですか。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) 参考人の方々からちょうだいいたしました御意見というものにはもちろんよく耳を傾けさせていただかなければならないと思っておりますし、それはもう当然のことだと思いますが、しかし、本委員会でも繰り返し申し上げておりますように、長い間の御論議の収れんをしてきたところが結局並立制という形で知恵が出てきたということでございますから、そのような経緯というものを踏まえて今日このような政府案というものを出させていただいているということでぜひ御理解をいただきたいと、こう思います。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私は、そういう国民の願い、また日本国憲法の精神に沿った選挙制度の案として、日本共産党が提案している現行中選挙区制のもとでの抜本的な定数是正、これこそそれにふさわしいものだと思います。  私どもの提案している案の内容は、一票の格差是正という点では一対二未満としており、実際に具体的に提案している案によれば最高が一対一・五に是正される、こういう内容であります。また、得票率と得票議席率も大きく接近するという点で、国民の意思を反映するという点でも最も望ましいものである、こう考えているところであります。  これに対して政府提出の法案、これは国民が求めている一票の格差の是正という点でもその要望にこたえるものになっていない。  第一に、一票の格差是正ということを総理も考えた案だと今おっしゃいましたけれども、政府案によると、一対二未満と言いながら、多くの試算では一票の格差が逆に広がる、スタートの時点から二倍以上の現在二十九というものが新聞の試算では六十五に広がる、あるいは四十に広がる、こういう内容です。佐藤自治大臣は三倍未満ならいいと、こういう答弁でした。これは参考人の意見で述べられたところとも反するものである。  また、大量の死票が出て、民意の反映ではなく民意切り捨てという点でも、現在以上に得票率と得票議席率との差が広がる、こういうものだということが明らかにされております。これは佐藤大臣が言われるように将来の選挙の予想じゃなくて過去行われた選挙に当てはめてみればこうなるというものですから、制度として比較してこういうことになっているということです。  私は、衆議院に続く参議院の審議でこういう弱点というものが余すところ明らかになった、これが政府案だというように思います。総理は、政府案というのは何ら欠陥のない弱点のないものだと、こういうふうに言われますか。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) 制度に百点満点というものはないんだろうと思います。なかなかそれは期待すべくもないんだろうと思いますが、しかし、いろいろな知恵を絞って今日までやってきた結果が、繰り返し申し上げるように、ここまでやってきた道筋であって、それは重く受けとめなければならないと思いますし、その中で格差の是正ということにつきましても可能な限りそれを取り入れて扱っているということで、ぜひその点もひとつ評価をしていただきたいと、こう思うわけでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 その政府案をめぐって参考人からもさまざまの意見が出、私どももこれに対する対案を出しているわけです。一票の格差という点でも民意の反映という点でも中選挙区制のもとでの抜本定数是正こそ必要だ、しかもこれは直接候補者を選ぶ選挙だという点で、選挙民が長い間なじんできた顔の見える選挙だという点でもすぐれたものだと思います。私は、これが本当に日本に適したものだということを強調したいと思います。  中選挙区制について言えば、十一日の参考人の意見陳述で田中参考人は、中選挙区制は格差是正を行えばすぐれた制度で今後も十分通用すると確信していると、こう述べております。また、志田なや子参考人は、イギリスが小選挙区制にかわる選挙制度として模索している最有力な対案は中選挙区制に似た選挙制度であると、こういうことをここで述べられました。イギリスでは小選挙区制にかえて新しく中選挙区制と共通性を持った選挙制度が考えられている、そういうイギリスの動きに注目する意思はありませんか。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) それぞれ制度には一長一短があろうと思いますが、中選挙区制度というものにつきましては、とにかく同士打ちという大きな問題がある、そのことによって政治と金にまつわるさまざまな問題というものが惹起をされてきたというのが多くの町民の方々が受けとめておられる認識であろうと思いますし、長年にわたって政党間の勢力状況というものが固定化をしてしまってきた、そのことがまた腐敗を招きやすくしてきたというようなことを考えますと、やはり政党中心の、政策中心の選挙というものに改めていくということがどうしても必要なのではないかというのが今回の政府案を出させていただいたこれまでの経緯であったというふうに考えているわけでございます。  制度疲労云々ということをいつか申し上げたこともございますが、制度疲労という言葉が適当かどうかわかりませんが、一般的に多くの方は、この制度というものが長い間にわたって今申し上げてきたような弊害を生み出してきた、ここでこの政治の基本的なフレームワークというものを何とか変えていくということが必要なのではないかという、そういう強い意識を持っておられるというふうに私は認識をいたしております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 今の中選挙区制制度疲労論ですけれども、これはこれまでの論議でも選挙制度の弱点に由来するものではないということがもう明らかになり尽くしていると私は思います。同士打ちの問題、あるいは政治と金の問題、政党状況が固定しているというようなことを挙げられましたけれども、これは選挙制度ではなく、政党の体質あるいは政党の選挙活動のあり方、そこにかかわるものだということをこれまでもう既に政府の答弁でも認められている問題であります。  いろいろなことがこれまでも論議されてきましたけれども、私はその論議の結論として言えることは、中選挙区制というのは先ほども言いました民意を反映するという点でもすぐれており、国民の中でなじんできた顔の見える選挙制度だ。その中選挙区制を生かしていくという方向でなく、政府提案が述べられているような内容のものとして出されたその結論は、多様な民意を公正に反映する制度でなく民意を切り捨てることによって第一党の独裁体制をつくろう、こういうところにある。そのことを、小選挙区制を基本とする選挙制度を強力な政治のために提案している、ここに根本があると思います。  私は、そういう選挙制度の内容を明らかにする上で単純小選挙区制を総理はどのようにお考えになるかということを、政府案を一応おいて、単純小選挙区制についてのお考えを述べていただきたいと思います。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) メリット・デメリット、双方がもちろんあると思いますが、長所としては民意の集約ということがはっきりした形で示される、政権の選択の意思というものが明確に示されるということでございましょうし、また一方ではいわゆる死に票というものが多く出る。  そうした観点から、両方相補うような制度が望ましいという今までの御論議の経過を踏まえまして、並立制という形で比例代表制というものを加味させていただいている次第でございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 メリット・デメリット問題は後からいろいろまた論議するといたしまして、確認しておきたいんですけれども、この単純小選挙区制というのは死に票など欠陥も持った選挙制度だということはお認めになるわけですね。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) そういうデメリットというものがあることも、それは一面として事実だと思っております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 私は、そういうデメリット、欠陥もあるということをお認めになったことを踏まえて論議しますが、小選挙区制と比例代表制という二つの選挙制度というのは相補う関係にある、そういう選挙制度だというふうには考えません。  議会制が生まれ、初期に選挙制度としては一般的に小選挙区制が採用されていたということは事実ですが、しかし、その選挙制度を本当に民意を反映する選挙制度にしようというところで世界的に比例代表制へと進んでいった、これは歴史的経過である。世界の選挙制度というのは小選挙区制から比例代表制へ発展していった過程だと。このことはもう今国会でもさんざん論議されましたけれども、六十数年前のこの国会でも論議されております。  昭和四年に小選挙区制が出たときに、斎藤隆夫議員は、「最近数年間ニ於テ、世界立憲国ノ選挙制度ニハ大変化ガ起ッテ居ル、選挙区制ノ如キモ確ニ其一ツデアル、今日世界立憲国ヲ見マスルト、英米二国ヲ除クノ外、国ラシキ国ハ悉ク大選挙区制ヲ採ッテ居ル、」、こう言って小選挙制に反対しております。  その除かれていたイギリスでも、小選挙区制を変えようという議論が世論調査では多数を占めるようになったということが十一日の志田参考人の意見の中で具体的にかつ詳しく述べられたところであります。  ですから、小選挙区制の弱点を比例代表で補うということでなく、総理自身も認めざるを得なかった欠陥を持った選挙制度である小選挙区制から比例代表制へというのならわかるわけですが、ところがそうではなく、準比例代表制とも言われ、民意の反映という点ではすぐれた面を持っていることを学者の多くが認めている選挙制度をやめて、民意を切り捨てる、民意の集約という点を小選挙区制の長所と、こういうふうに言って提案されてくる。私は、これは時代逆行も甚だしいものだと思います。  総理は、選挙制度の歴史というのがそういう小選挙区制から比例代表制へと大きく変わっている、その点はお認めになりませんか。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) 本委員会におきまして何回かそういうお話を聞かせていただきました。世界の国々それぞれに政治情勢、社会情勢というものに応じて選挙制度のあり方もまたまちまちであろうと思いますし、その国の事情によってやはり適切だと思われる制度を選んでいくというのが、これはもう当たり前の話でございますが、当然の一つの流れだろうと思っております。  我が国では、今までも申し上げてまいりましたように、長い間の御論議の中から今日のように並立制というものが出てきたわけでございますから、その点につきましては若干委員とは認識が違うのではないかというふうに私は感じているところでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 選挙制度のあり方として民意の集約がすぐれた点だという先ほどおっしゃった点でありますけれども、この問題については、私は日本国憲法の体系のどこからも日本の選挙制度のあり方として民意の集約ということを要請されている、そういうことはないと思います。  私は改めていろいろな人の憲法の本も読んでみましたが、それによると、全国民を代表するというのは、これは全国民の意向を忠実に反映することを意味するということが述べられている点であります。ところが、その全国民の意向を忠実に反映するという点で欠陥がある、死票が出るという小選挙区制を今度の政府案ではふやしている。  かつて説明の中で山花大臣は、比例代表部分を多くする必要がある、こうおっしゃっていたわけですが、ところが出ている法案は二百五十対二百五十だったのをさらに二百七十四にふやした。これはこの欠陥のある部分をふやしたという点で一層欠陥の大きくなった選挙制度だと思いますが、総理はその点はそうお考えになりませんか。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) おっしゃることもわかりますが、これもやはり衆議院における御論議の中で、そのような経緯というものを踏まえまして修正をさせていただいたということでございますから、ぜひその点につきまして御理解をいただきたいと考えるわけでございます。

上野雄文日本社会党・護憲民主連合

○委員長(上野雄文君) 総理に退席していただきますから。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 どうぞ。  今の総理の答弁でも、おっしゃることはわかるが、ということを言わざるを得ない。そして、経過があるから理解してくれということであって、この政府の提案についての私の批判に対して論理的な反論はできない、そういう弱点を持った選挙制度。この間の参考人の意見に照らして見れば一層そういう点が明らかになってくると私は思います。    〔委員長退席、理事一井淳治君着席〕  さて、そういう選挙制度を考える場合に、私は、その政府提案を何とかして立派なものだ、あるいは問題がないように見せようというところで物すごく無理な答弁が繰り返し行われてきているということについて、次に山花担当大臣にお伺いしたいと思います。  それは、衆議院の選挙制度としての民意切り捨ての小選挙区制の是非をめぐる議論に対して、国政段階での選挙、地方の首長、参議院におきましても一人区、二人区という、非常に議席の少ないところが死票とされておりましたけれども、直ちにそれが、この制度として欠陥があって、民主主義を否定するものであるということではなかった、こういう議論を持ち出されました。  衆議院の選挙区制度をめぐる議論に全然別の選挙、とりわけ首長選挙を持ち出して、一人区でも問題がないという論理を展開するというのは筋違いも甚だしいと私は言わざるを得ません。行政府の長を選ぶ選挙、それと立法府の構成議員を選ぶ選挙の制度、この全く次元、性格の異なる問題を持ち出して議論を展開するというこの問題の立て方というのは、私は問題を混乱させ、わかりにくくするだけで適切な論議のあり方だと思いませんが、大臣どうですか。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 今、前回の私の質疑を引用して御主張があったわけですけれども、そのお話の前提は、小選挙区という制度はすべからく民主主義の否定であり、つくられた多数である、こうした御主張があったことに対する私の方の反論を含めての答弁の中での発言だったと思っています。  その前後に、小選挙区ということならばイギリスを初めとした小選挙区の国はすべからく民主主義を否定しているのか、こういうことになるんじゃないでしょうかということをお話しさせていただきながら、一人を選ぶ選挙というものはもちろんこの立法府だけではなく首長選挙を初めたくさんあるわけですけれども、そこでは一人を選ぶということについて民意の集約ということと民意の反映ということ、それぞれが機能しているということではないかという趣旨のことについてもお話をしたつもりでございます。今御指摘は、一人区でも問題ない、こう私は言ったと言っておりますけれども、小選挙区と並立制という全体の制度の説明の中での小選挙区の部分についての御質問のやりとりでございますから、一人区で問題ない、こういう言い方、趣旨ではございません。  また今、立法府を選ぶということでしたけれども、立法府ということならば現在の参議院の一人区の問題につきましては御質問の趣旨からはちょっと沿っていないのではなかろうかと思います。要するに、どういう形で選挙を通じて代表を選ぶかということについては民意の反映を当然大前提としながら、民意の集約というものもそれぞれの選挙制度は含んでいるのではないか、こう思っています。一人を選ぶ選挙というのはそうなんじゃないでしょうか。  したがって、余り裁然と区別するわけではないのであって、一人区だから絶対だめだということを前提としての立論には私は賛成しかねるということを申し上げた次第でございまして、今回の制度につきましてはそうした一人区もあり、そして比例区もあるということですから、総合的にごらんになっていただきたいということを申し上げたつもりでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 あなた、まず前提が違います。すべからく一人区の選挙制度はというのがすりかえです。論議になっているのは衆議院の選挙制度の論議ですよ。質問者が問題にしているのは衆議院の選挙制度であって、一般的に首長が一人でいいか悪いかなんということはおよそ論議にもなりませんよ、行政府の長が二人選ばれるとか三人選ばれるなどということは全くないわけですから。  そういう選挙制度の問題の論議の中に、首長選挙も一人だと言って、しかもあなたは答弁の中で、首長選挙を含めて死票が問題になっているが、行政府の長をめぐる選挙で、当選者の票は生きる、落選者の票はいわば死に票ですと、こうはっきり言っております。  しかし、これは当たり前のことであって、だから欠陥のある選挙制度で変えなきゃいかぬというふうな論議、首長選挙における、死に票は改めなきゃならないというふうな論議がどこの世界にありますか。もしそういう論議があったらだれがどういうふうに言っているか、ここで紹介してください。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 私はそういう趣旨で言ったものでないので、紹介することはできません。  私が申し上げましたのは、一人を選ぶということについては、もちろん死に票の問題はありますけれども、民意の反映という部分と集約という部分、二つ両方ともその制度の中には含まれているんじゃなかろうか。だから、イギリスなどの場合の小選挙区制、同じような一人を選ぶ制度ですけれども、これは決して民主主義を否定するというような制度ではないと思いますと、こういう例えとして挙げたわけですから、私は他国の例、そういう小選挙区という制度をとっているものを挙げることは決してこじつけではないし、一つの考え方ということでは当然あり得る比較論といいますか意見だ、こう思っているところでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 そういうつもりで言ったんじゃないというのなら、このときに挙げた論拠は適切でなかったとはっきり言いなさいよ。はっきりとあなたは国政段階での選挙、地方の首長選挙で死に票が問題になっておりますがと、そう言っているんですよ。そしてその上で、だから問題だというわけではないんだと言っているわけですから、そういう衆議院の選挙制度の論議の中に全然別の次元の問題を持ち出すことは適切でなかったと、そう言えば話は次の同じ土俵での論議に進めるじゃありませんか。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 私は取り消すつもりはございません。前回の議論を全体として読んだ中でのその部分、そのときの意見というのを判断していただきたいと思います。  私は全体をもう一遍自分で読み直して、もし私のそういった言い方について間違いがあったということならば取り消すにやぶさかでございませんけれども、今のやりとり、委員のお話を伺った中では、私は全体の議論の中での一こまですから、その意味では私は趣旨として誤っていなかったと。全体をもう一遍読み返しているわけではありませんので、もしかしたら読み違えはあるかもしれませんけれども、前回の答弁を取り消せということについては、そういう気持ちは現在の時点ではございません。なお、十分もう一遍読み直して勉強してみたいとは思っております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 首長選、行政府の長を選ぶ選挙で死に票が問題だというのは紹介できないと、あなたはここでおっしゃった。紹介もできない議論を持ち出しているんです。間違いか間違いでないかじゃなくて、全然別の次元の問題を持ち出して議論を混乱させるようなことはしないでくれと私は言っているわけです。  しかし、あなたにいつまでもつき合っているわけにいきません。私は次に進みます。  進む際に私は一言述べておきたいのは、民意の反映と集約ということを盛んにあなた方はおっしゃいます。私は、選挙で立法府を構成する議員を選ぶ、その選挙制度の中では多様な民意の公正な反映ということのみが条件であると。そうして、選出された国会議員がその国会の機能の中でいろいろ論議を尽くして民意を集約するということはあるにしても、その立法府の構成議員を選ぶ選挙の中に集約ということを持ち込むのは憲法論としても間違っているというふうに思っているということを述べて、次の問題に入りたいと思います。  次の問題は、これは少数党差別、排除の問題であります。  これまでの論議全体を通じて政府案と私どもの間の意見の一番大きい違いは、選挙制度、これは多様な民意を公正に反映する選挙制度である必要があるということと、民意の集約と称して民意の切り捨て、死に票を出すことを当然とする選挙制度論との違いであります。そして、その民意の切り捨ての制度化されたものの一つに少数党差別、排除という問題があります。これはこの委員会でも繰り返し論議になってきたところであります。  政府法案は、小選挙区制度導入に加えて少数政党排除規定を設け、民意切り捨てを一層その面からも拡大しようとしております。立候補の政党要件、比例代表選挙の三%足切り条項、そしてさらに世界に例のない高額の供託金、こういう問題であります。とりわけ三%条項は当選を無効にする、これは少数政党を排除するとともに選挙人の投票権も奪うものであり、まことに重大であり、これまでの選挙では制度としては差別がなかったのに、政府案は新たにこういう差別、排除条項を設けた憲法に反するものとして批判せざるを得ません。  なぜ少数政党をこういう条項を設けて排除しなくちゃならないんですか。山花担当大臣。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 御質問が、なぜ少数政党を排除しなければならないのかという御質問でしたけれども、毛頭そういうつもりはないということを冒頭に明確にしておきたいと思います。  御質問の前提として、選挙制度については二つの考え方がある、一つは民意をいかに反映させるかであり一つは民意をどう切り捨てるかである、こういう前提で御質問されましたけれども、そういう前提ですと私はちょっとお答えしにくいと思っています。民意を切り捨てるということではなく、どういう形で民意を反映させるのかという観点から選挙制度全体について考えるべきだと思っているところです。  また御質問の中では、その民意反映という部分について民意をいかに正確に反映させるかということのみ考えるのが憲法論だ、こうおっしゃいましたけれども、私は確かに憲法論として選挙制度がいかに民意を反映させるかということについては大事だと思っています。しかし、のみということでそれ以外はだめなんだということになれば、恐らく全国一本の比例代表以外は先生の言っているような概念は当てはまらないのではないでしょうか。それぞれの国がそれぞれの国情と政治風土、新しい展開をも含めてそれぞれ苦労して選挙制度をつくっているということからは、それぞれの国が違っていると思います。  さっき世界じゅうの選挙制度の流れをお話しになりましたけれども、最近でもイタリアの場合には比例代表から並立制に変わったんじゃないでしょうか。それはイタリアが間違っているということではなく、イタリアにおけるそれまでの選挙制度から生まれたさまざまな障害をどう直していこうかということからの国民の選択であった、こういうことだと思っているわけでして、一方的に民意反映と切り捨てということで分けて議論を整理することはできないと思っています。  今回の提案につきましても、決して切り捨ての立場に立ったものではありません。全体として、これまでの長い議論の経過を踏まえながら、現実的な日本における選挙制度のあり方ということを考え、単純小選挙区では御指摘されたような幾つかの問題が強調されるということからするならば比例代表をどれだけ反映させるか、こういう観点からそれぞれの制度というものを生かした並立制を提案した次第でございまして、私たちは少数意見を切り捨てるというような視点については毛頭持っておらないということでございます。  全体として、今回の選挙制度が政党本位、政策本位というこういう格好でつくられたことからのいろいろ条件については書いておりますけれども、しかし、その切り捨て論に立ったものでは絶対にないということについては、大事な問題ですから正確に申し上げておきたいと思います。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 あなたは意見を切り捨てるつもりはない、少数政党排除のつもりはないとおっしゃったけれども、この間の論議でははっきり阻止条項があるという言葉でそれを述べておられるわけです。阻止条項というのは、法律上その条項がなければ有効であり当選になる者を当選させないという条項です。これがどうして少数政党の差別、排除ということにならないんですか。  そこで、この問題に関してさらにお伺いしたいんですが、あなたは七日、橋本議員の質問に答える中では、中選挙区制にも阻止条項があり、それは三%条項よりももっと高く、もっと多くの死票が出る、こういう答弁をされました。中選挙区制に阻止条項があるなどという議論はこれもまた私は初めて聞きました。    〔理事一井淳治君退席、委員長着席〕  阻止条項というのは、さっきも言いましたように、そういう条項がなければ当然有効な当選になる者を制度によって当選と認めない。それを支持する三%ならおよそ二百万票の票、六ないし七議席、これを制度的に無効にするものです。中選挙区制は当選者と当選者でない者とが出ますけれども、それは制度的に当選の資格を持つ者が無効にされるというものと全然違うわけです。それを、中選挙区制にも阻止条項があるなどと言う。これはさっきの小選挙区制の議論に地方行政府の長の選挙の問題を持ち出すと同じように議論をややこしくする、そういうものです。そういうふうに私は言わざるを得ない。  時間が来ましたから、私はこの問題はそういうことを言って、もう一点あなたにお伺いしますけれども、この小政党の差別、排除ということは国際的にも行われているから当たり前だという答弁がこれまで繰り返されてきました。そして、よくドイツの例が持ち出されます。そこで、山花大臣にお伺いしますが、九〇年の連邦憲法裁判所判決、よく使われる判決ですが、この中にこういうことが述べられているということはあなたは御存じであったかどうか。次の箇所です。  「連邦憲法裁判所はすでに早くから、阻止条項と、選挙権上の平等の原則との合致は将来にわたって抽象的に判断してはならないということを強調し、選挙法の規定は、ある一つの国のある特定の時点において正当化されるのであり、他の国や他の時点では正当化され得ない」とのべてきた、 こう言っている点であります。  ドイツが阻止条項を憲法で有効と認めているから問題はないということでよく使われていますが、その判決の中にはこういう他国のものでこれが正当化に利用されてはならないということを述べております。このドイツの連邦憲法裁判所判決は御存じですか。その上で展開しておられますか。

上野雄文日本社会党・護憲民主連合

○委員長(上野雄文君) 時間ですから、短くひとつお願いいたします。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 連邦裁判所の判決は、憲法論としてドイツの判例でそうした五%条項についてあったということについては記憶しておりますけれども、そのものかどうか読んだかどうかについては、私、今記憶をしておりません。  それから、私、外国を例に挙げて当たり前だという言葉は、これは絶対に使っていないと思っています。例えばロシアの場合、ドイツの場合、イタリーの場合、その他、こういう全国一本です、そういうものがございますということは言いましたけれども、当たり前とは、絶対にそういう言い方はしておりませんので、その辺はちょっともう一遍御正確にお読みいただきたいと思います。  もう一つ、阻止条項、中選挙区もそうじゃないかと言ったとするならば、もしそうならば、前後の事情の中から私が言葉足らずのところがあったかもしれないので、もしそうであったとするならば、実質的な阻止条項があると同じことではないか、こういう趣旨であったと思いますので、この点はもしそうならば訂正をさせていただきたい、こう思います。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 最後に一言。

上野雄文日本社会党・護憲民主連合

○委員長(上野雄文君) いやいや、もうオーバーしていますから、あとがないんですからね。それはだめですから。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 今おっしゃったように、そうなら訂正するというようなことを言わなきゃいかぬ議論、無責任な議論をこれまで余りにも多く展開されたという点について強く批判して、質問を終わります。(拍手)

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 防衛庁長官、先ほどは失礼いたしました。日夜国防の任務に当たられて本当に感謝いたしております。  先ほどの私の質問に対しまして総理から御回答がございましたが、それに加えまして、ちょっと防衛庁長官から、今回の防衛計画の大綱及び中期防の見直し等の問題についてのお考え方を御説明お願いします。

愛知和男新生党・改革連合防衛庁長官

○国務大臣(愛知和男君) 防衛計画の大綱の見直しの問題につきましては、先ほど総理からお話がございましたとおり、これを決められましたのは一九七六年、もう二十年近く前の話であり、そのときの国際情勢は東西対決でございましたが、その後すっかり変わった、そういうことで見直す必要が出てきたということで見直し作業をしようということでございます。  しかし、東西対決はなくなりましたけれども、特にアジアの状況からいいますと、必ずしも当時に比べて安定度が増したということではございませんし、事実、軍備を拡張している国々もあったり、あるいは極東ロシアの状況を見ますとかえって防衛力の近代化が進んでおったりいたしておりますから、見直し即日本の防衛力を縮小と、縮小を前提として見直すということではございませんで、新しい状況の中で日本の持つべき防衛力がどういうものかということで見直していく、そういう基本的な方針で取り組んでいきたいと思っております。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 御決意のほどを聞いて非常にうれしく思っております。  そこで、経済企画庁長官にお伺いいたします。  あなたは国防の重大な任務を担われる安全保障会議の重要な一員でございます。御承知のように、安全保障会議、国の国防基本方針を初めとして最高の国防の方針を決め、さらに具体的に防衛産業の育成から防衛出動の可否まで決める大事な仕事でございます。久保田大臣、それぞれお立場があるでしょうが、この内閣に入られて、当然のことながら国の国防方針について積極的に協力をされ、そして防衛計画の全面的な実施に最大の努力をされておられる、このように思っておる次第でございます。先般は、AWACS、これの整備も含めましてこの安全保障会議で議論が行われ、当然賛意を表された、こう思っております。  私がお伺いいたしたいのは、社会党の方針といたしまして、細川内閣におる間は国の自衛隊は合憲、適法である、そして防衛関係のものについてはすべてこれまでの基本方針に従う、こう言っておられます。それで、経済企画庁長官をやっておられる間そういった意味でこれからの長期にわたる防衛計画から防衛産業の育成に至るまで重大な関与をされたわけでございますので、当然のことながら閣僚をやめられてまた党に戻られてもこれについては責任を持たれる、こういうことでよろしゅうございますね。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合経済企画庁長官

○国務大臣(久保田真苗君) 閣僚である間という連立政権の合意の立場、この立場というものは大変大事でございまして、私はこの立場に沿って協力してまいりたいと思っております。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 将来は。

久保田真苗日本社会党・護憲民主連合経済企画庁長官

○国務大臣(久保田真苗君) 私、国際問題の将来につきましては、現在非常に流動的でございまして、そうしたものをしっかりと見きわめながら、私は幾つまで生きるのかわかりませんけれども、自分の考えを決めていきたいと思っております。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 将来については責任を持たないと言われても、もう私としてもこれ以上の追及は困るわけでございますが。  防衛庁長官、もう一言だけ。  そういう意味で、安全保障会議、平成六年度予算の編成の前にもう一度開かれて正式にAWACSの配置も含めて議論をされる、このようにお伺いしておりますが、これまで述べたような方針でその配備についても積極的に努める、こういうことでよろしゅうございますね。

愛知和男新生党・改革連合防衛庁長官

○国務大臣(愛知和男君) 基本的に委員御指摘のとおりでございまして、日本の防衛力の整備というのは、やはり今の国際状況をよく踏まえて、また過去の経緯も踏まえまして、長期的な視野、視点に立って取り組んでいかなきゃなりませんので、基本的に前の内閣の方針を継承していきたい、そういう視点に立って来年度の予算の編成にも当たりたい、このように考えております。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 ありがとうございました。  次に、日米包括経済協議についてお伺いいたしますが、これにつきましても、これまではガットのウルグアイ・ラウンド交渉で米の問題を真剣にやってきたと。まあ米につきましては、社会党さんの最後の土壇場の——によって部分自由化が認められたわけでございます。(「問題だよ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)

上野雄文日本社会党・護憲民主連合

○委員長(上野雄文君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

上野雄文日本社会党・護憲民主連合

○委員長(上野雄文君) 速記を起こして。  ただいまの発言は、速記録を調べて、また理事会で協議をいたします。  普通の状態でお話しを願います。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 委員長の指示に従います。  そこで、今度の日米包括経済協議、アメリカは、もうこれからはガットの時代ではない、これからは管理貿易の時代だとまで言っておりまして、せっかく我が日本が米まで犠牲にしてガットの自由貿易の精神を守ろう、こういったようなところまでいったわけでございますが、せっかくのその犠牲までが今度の日米包括経済協議の成果いかんによっては無に帰する、こういう深刻な憂いを私は抱いておるわけでございます。  その中でも、例えば自動車及び自動車部品、あるいは政府調達、あるいは保険の問題、すべてにおきましてアメリカは、これからはいわゆる定量的な自由化の基準といったものを設けて、本当に日本がそれだけの輸入なら輸入を実行するかどうか、ここまできっちりと決めないと日米包括経済協議については最終的な決着を見ないぞと、そこまでおどしをかけ、さらにガットのウルグアイ・ラウンドでは、スーパー三〇一条の発動についてはもう自粛する、やめるということになっておったわけでございますが、今のアメリカの伝えられるところによりますと、絶対にこの権限は手放さない、こういうところまでいっておるわけでございます。  そういった点を含めまして、本当に今度の日米包括経済協議がうまくいくのかせっかく我々がガットのウルグアイ・ラウンドで米を犠牲にしてまで守った国際自由貿易が守られるのかどうか、そこら辺につきまして最近の事情を御説明願いたいと思うわけでございます。

小倉和夫外務省経済局長

○政府委員(小倉和夫君) ただいま先生おっしゃいました包括協議につきましては、先生御案内のとおり三つ側面がございます。  一つは、景気と申しますか広い意味での経済政策と申しますかマクロ経済政策と申しますか、そういった面での話し合い。第二は、先生も今御指摘になりました自動車とかその他、セクターと申しますか分野と申しますかいろんなそういう意味での各個別分野についての話し合い。もう一つは、地球的規模に立った日米双方の協力と申しますか環境問題とか人口問題、エイズの問題、そういった三つ大きな分野がございます。  このうち特に問題があるということで先生が今御指摘になりました点は、恐らく、今セクターと申しますか分野別の交渉について御指摘があったのだと思いますが、その点につきましては、特にいろいろな分野のうち、とりあえず急いでやろうじゃないかということで合意されている分野がございます。それは政府調達、今御指摘になりました保険それから自動車等のほかに、主として日本側が提起した問題といたしましてアメリカ側の輸出努力あるいは競争力の強化、そういった問題がございます。  こういった問題を議論しているわけでございますが、その際に、まさに先生がおっしゃいましたように、アメリカ側と日本側との考え方、原則、その中できちっとした原則、きちっとした考え方のもとで交渉しなくちゃいけないということは全くそのとおりでございまして、そのために私どもも、例えば今御指摘のありました三〇一条の問題、そういった問題につきまして制裁というようなことを振りかざすことであってはこのような話はできないんだということをはっきり当初のこの交渉が始まるときには確認しておりまして、現在もそういった立場でございます。  また、アメリカ側の問題、これも一緒に取り上げ、双方通行という言葉がいいかどうかは別といたしまして、そういった問題も取り上げていくんだといった一種の幾つかの原則、その原則に立ってやることによりまして、今おっしゃいましたようなウルグアイ・ラウンドなりガットの全体の貿易規則の中でやはりアメリカとの交渉が進まなくちゃいけないと、こういうことでやっているわけであります。  見通しということについてでございますが、とりあえずの予定といたしましては、来週に実務者レベルの会合をさらに続けまして、次官級の会合もその直後に開かれる予定になっておりまして、二月十一日にも予定されております首脳会談までに何とか全体の取りまとめをしていきたいというふうに考えております。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 今こそ強力な政治力が要るときでございますが、なかなかこういう連立内閣、弱体内閣では強力な外交交渉能力はない、私はそれを非常に憂えておるわけでございます。  そこで、次はこれもまた大問題だと思いますが、景気対策と所得税減税、消費税のアップの問題も含めまして、今私どもは、この深刻な景気で、何が何でも景気対策を先にやらないかぬと、平成六年度の予算を早急に編成しなければならないと主張してきたわけでございますが、何か、この政治改革法案が通過してから、参議院で我が自民党がサボりにサボって一切この審議に応じなかったと。冗談じゃない、景気対策につきましては我々は何が何でも最優先でやらなければならないということで、三次補正につきましては最優先で扱ってきたわけでございまして、今こそまだ平成六年度の予算、それに先行いたします三次補正の対策につきましても早急に講じなければならない、こう思っておるわけでございます。  そこで、大蔵大臣にお伺いいたしますが、平成六年度の予算、何か二月十一日から日米首脳会談、これが行われる前に何としてでも政府予算案を決定いたしたい、こういうことで今スケジュールを練っておられる、こうお聞きいたしたわけでございますが、このときの中にどのような対策を盛り込むか。当然のことながら所得税減税の話も出てくるでしょうし、さらに財源の問題が出てくると思いますが、財源について今どのようなお考え、決着をつけようとしておられるのか。  聞くところによれば、消費税については触れるのもまかりならないといったようなことで、そこで政府予算案の決定が非常におくれておるといったお話も聞きましたが、これにつきましては大体どのような考え方といいますか、例えば消費税はタイムラグを置いてでも必ずアップをする、あるいは直間比率の見直し、こういったような言葉でもう少し抽象化する、さらには総合税制改革で対処します、こういったような言い方で対処するのか。  消費税アップの話でも、どのくらいタイムラグを置くか。あるいは景気が回復した後アップを考えますよとか、回復するまではさらに延ばしてもいい、こういったような考え方も出ておるように聞いておりますが、私はやはりここははっきりと態度を鮮明にして、そして平成六年度の予算は編成をしなければならない、このように思うわけでございます。  大変な不景気でございまして、財源については非常な問題があろうかと思っております。この中で、例えば厚生年金の支給年齢の引き上げをやるとか、あるいは病院の給食費の自己負担を進めるとか、あるいはたばこや酒の税金を上げるとか、今度は私学助成金も打ち切るとか、一部カットをするとか、そういったような目に見えないところでこういう国民負担の増大といいますか、いわゆる生活、福祉に対する圧迫が行われつつある、私どもはこれを非常に憂慮をしておるわけでございますが、ここら辺につきまして大蔵大臣の御見解、そして平成六年度予算編成、そういったことに関連します税制改正に臨む態度、これについてお聞かせ願いたいと思います。

藤井裕久新生党・改革連合大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) 大変盛りだくさんな御質問で、簡単に項目別に申します。私、書き落としていたらごめんなさい。  まず一つは、これからの見通しについてお話がありました。  経済の現状は、私はやはり同じように非常に重要な側面にあると考えておりまして、総理から昨年御指示が久保田長官に直接ありまして、私どもも一緒に協力して景気対策を今月の中旬までにまとめるようにと御指示をいただいております。それに基づいて三次補正など一つ一つ処理をしてまいるわけでありますが、そういう日程の中で、まず現在、三次補正の編成、これはもう挙げて景気対策であるわけでございます。  ただ、同時に申し上げなければならないのは、通常予算というものは景気対策に当然足を踏み込みますが、私の言い方では片足踏み込むという言い方をしております。なぜならば、通常予算というものは本来の細川内閣の基本的姿勢が問題になるわけでありまして、例えて言えば、今おっしゃった福祉のあり方、そして文教政策のあり方、防衛のあり方等々を全部やる中で景気にも十分配慮をする、こういうことだろうと思うのでございますね、通常予算の方は。同時にまた、三次補正についてはもう挙げて景気対策に重点を置いたもので編成をしていく、こういうことだと思います。  そして、いつこれを段取りかかるかというのは、今諸般の情勢を見ながら進めておるわけでありますが、おっしゃるように一日も早いことが望ましいと考えております。  また次に、減税の話がございました。  私はこれも何度も申し上げておりますように、総需要政策として減税というものが、きのうは星野委員からお話しありまして、学問的には効果は薄いのではないか、私もそのとおりだと思いますが、あらゆることをやることによって、政府が姿勢を示しているという心理的効果も考え、かつ効果がゼロというようなことはあり得ないわけでございます。ぜひやるべきこととは存じますが、同時にこれも私がいつも申しておりますように、これを垂れ流し的な赤字国債に頼るということは、将来の経済体質の根本を誤りますからどうしてもいけないと考えております。したがいまして、現在、経済問題協議会で、これは政府・与党の首脳の会でございますが、これらを含めて御議論をいただいておるところであり、これも時間の限定は当然あるわけでありまして、間もなくそういう姿もお示しができると存ずる次第でございます。  以上でございます。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 大蔵大臣、一言だけ。  その経済問題協議会ですが、最終的な方針になると思いますが、いつ開かれるんですか。

藤井裕久新生党・改革連合大蔵大臣

○国務大臣(藤井裕久君) これは、一月になってもう既に一月六日に開会をいたしておりますが、今後また、これは座長が羽田副総理でいらっしゃるわけでありますが、羽田副総理のいろいろな御判断のもとに開かれると存じますが、おのずから限界があるということはもう御指摘のとおりだと思います。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 大蔵大臣の苦衷を察するに余りありまして、八党からですか、もうどこにもいい顔しないといかぬですから、もうだれの言っていることも全部イエスイエスで聞かなければいかぬから、私これはもう予算を編成するのは大変だと思うんですね。右を向いては消費税をアップすると言い、左を向いてはいやしないと言い、はっきり言えば、都市に来ては米は自由化すると言い、農村に行ってはしませんと言い、何か本当に私は不思議な気がするのでございますが、非常に御苦労されておると思います。  関連しまして、今度は春闘でございます。  これも、ことしは大変な不景気ですね。いわゆる企業リストラでございまして、大変な不況でございまして、早くも日経連の永野会長は、「今年は企業防衛とそれを基礎にした雇用防衛が何よりも重要と考える。日本企業が内部に抱える潜在的失業は百万人以上。賃上げ一%は全体で約三兆円になり、そんなコスト増には耐えられない」、そういったことで、今回は賃上げよりは、まあ物価引き下げとかという話も出ましたけれども、何といっても雇用確保をワークシェアリングで対応したいというのが経済界の基本的な意向である。  一方、労働界といいますか、連合ですか、これにつきましては、「不況の深刻化は消費不振が大きく影響している。その主な原因は残業とボーナスの削減による勤労所得の低迷だ。このうえ、ベアゼロなら国内市場はますます縮小する」といったようなことで、連合のシンクタンク総研においても、「「賃上げ五%、所得税減税五兆円」ならば一九九四年度の実質経済成長率は二・一%」、「賃上げが定昇のみの二%程度、所得税減税なし」だと、成長率は〇・一%にとどまる」。  まあいろいろありますが、いずれにしましても、どこの見方でもことしは戦後最低の賃上げに落ちつくのではないか、そういったような見方が大勢なようでございますが、さらに大企業といいますか、安定した企業の下にまた多数の中小企業、零細企業の方もおられるわけでございまして、これまた深刻な雇用難あるいは生活難にあえぐ、こういったような事態も予測されるわけでございます。  これにつきまして、労働大臣、かねて中立の立場でもちろんお考えになっていただくのでございましょうが、それにしてもやはり細川内閣の中には、今回はいわゆる経営者代表の方もおられればあるいは労働界の代表の方もおられる、そういった中でのかじ取りというのは非常に私は難しいと思うんですが、ちょっとお考え方をお聞かせ願いたいと思います。

坂口力公明党・国民会議労働大臣

○国務大臣(坂口力君) 今春闘につきましては、それぞれの立場から基本的な考え方が示されたところでございます。これから労使の間でさらに考え方が詰められることであろうというふうに思っております。  賃金その他の問題につきましては、先生も今御指摘いただきましたとおり、労使が自主的に交渉して決定されるのが原則であるというふうに思っておりますし、十分なお話し合いをされることを期待をいたしているところでございます。  いずれにいたしましても、働く人々の実質的な生活水準の維持向上というのが大事なことだけは申し上げるまでもございません。もちろん賃金の引き上げというもの、この影響も非常に大きいわけでございますが、議論されております物価水準あるいは減税、そうした問題も非常に大事かというふうに思っておりまして、総合的に生活の維持向上というものが図られるように我々一丸となって政府の方も努力をしなければならないと考えているところでございます。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 労働大臣、ありがとうございました。  そこで、今度は山花大臣に御高見をお伺いいたしたいわけでございます。  私は、あくまでもこの政治改革というのは手段であって、最終目的は日本の政治を強力に推進し効果的なものにするというようなことでございまして、その手段をどういうぐあいにうまくつくっていくかというところに最大の眼目があろうかと思っております。  私は、余りマスコミの社説とかなんとか読まないのでございますが、きょうたまたま朝日新聞の社説を読んでおりましたら、本当に政治改革をやるとき最終的に国民にこの際明らかにしてもらいたいのは、政党政治が誕生する、どういう政党が今度の選挙改革によって誕生するのか、それがどういうような主義主張、政策を持って存立するのか、これをやはり明確にすべきではないか、これがやはり政治改革の最大の眼目の一つであると。  これ私非常に感心いたしまして、そこでお伺いするわけでございますが、いろいろこれまでの議論をお伺いしてきましたら、今回の小選挙区比例並立制、これをやったら保守二大政党になるんではないか。と申しますのは、こういう選挙制度のやり方では、いわゆる今までの私の記憶では革新政党、こういったような政党というのはよほど連立、ちょっと刺激し過ぎて悪いですけれども、主義主張の全く異なるところと手でも組まない限りとれないんじゃないか。だから必然的にごく少数派になるんじゃないか。とても政党として育たないんじゃないか。こういったあれがありまして、そこで、私は大体日本の政治情勢から考えて、はっきり申しますと三ないし四つぐらいの政党がこの制度によって育てばいいなと、こういうように思っておるわけでございます。  一つは、いわゆる自由主義、民主主義、それから市場経済主義と申しますか、その中でも特に自由競争そして規制緩和ですね、したがって、いわゆる社会福祉、そういった面は何というか必要最小限の意味ということで、小さな政府、こういったような政党が一つ。  それから自由主義、民主主義、市場経済主義、これは当然なことだけれども、しかしそうはいっても、やはりその中で大変ないろいろ矛盾が出てくる。そこで、ある程度国家権力をもって、社会的な富の公正な分配を権力をもって図っていかないかぬという部分もある程度導入せないかぬ、そういう意味でのやはり保守政党、これが一つ。  それからもう一つは、私、今言っているデモクラッツとかというのはよくわからぬのでございますが、またお聞かせ願いたいんですが、いわゆる前の社会主義政党ではなくて社会民主政党、社会民主党というのですか、民社党とまたちょっと違うような気がしますが、そういったような自由主義、民主主義、もちろんそれには従うけれども、やはり市場主義というよりは社会的な弱者、経済的な弱者、これに対しての同じように国家権力による富の再配分、それをもうちょっと強力にやる、こういったような政党というんですか、それがリベラルと結びついたような形というんですかそういったような党が一つできるのかなと。  これにかつてのいわゆる社会主義政党、私が大学のころ学んだ知識によりますれば、いわゆる社会主義政党の最大のメルクマールは生産手段、これの公有化、生産手段の公有化。国有化とは申しませんよ、公有化、社会化、これが主体になる計画経済に必然的になるんでしょう、そういったような政党。  それにあとは、環境だとかあるいは税金問題だとか、シングルイシュー、それだけででき上がる政党、これが周囲に点在する、こういったようなことにでもなれば非常に好ましい政党政治が行われるのかなと、こういうように思うわけでございます。  特に私が山花大臣にお伺いしたいのは、いわゆる小さな政府、中くらいの政府の次のいわゆる社会民主党とリベラルあわせて、ちょっとリベラルは違いますが、私はこれは必然的に大きな政府にならざるを得ないと思うんですね。そういった意味での政党、そういうぐあいにうまく今回の制度でそういった政党が育っていくのかどうか、これをちょっとお伺いいたしたいと思うんでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 党の代表という立場でございませんので、その点を踏まえた上でお答えさせていただきたいと思います。  まずこれからの政界再編などを念頭に置いての政党の状況がどうなるかということにつきましては、ちょっと紋切り型で言わせていただければ、やっぱりこれからの各政党のあり方等については有権者、国民の皆さんが決定するものであるということを前提としておかなければならないと思っています。  そうした中で、今、どうなるかということについて、従来整理されておりました二大政党と穏健な多党制ということをこれまた念頭に置きながらいろいろ御意見あったと思われますけれども、私は、やっぱり連合連立の時代に入って幾度かの選挙を経てそうした国民の選択というものが次第に明確になり、形が整われるものと思っています。  穏健な多党制は、たしか学者が念頭に置きましたのは、五つ前後の政党ということ、そして同時に、その政党が反体制的なイデオロギーということではなくその体制というものを前提として政策で競い合う、こうしたことを念頭に置いて言葉遣いされておったと思うのですけれども、私はそういうことで考えるならば、今の政治の現状からするならば、これは自分が所属している政党の立場ということもありますけれども、やっぱり穏健な多党制、こういう表現というものがこれからのあるべき方向として望ましいのでなかろうか、そういう選択になるかどうかは別にしてそう思っているところでございます。  なお、過日の日本社会党の大会におきましても、これからの政界再編に臨んで積極的に社会党としても対応しなければならないとした中で、運動方針の中におきましては、その穏健な多党制、こういう方向というものを目標とするということについてきちんと位置づけているということについても承知をしているところでございます。  お話しありましたとおり、今度の選挙制度がそのことについてどう影響を与えるかということについては、またこれは正確に申し上げることができないと思いますが、単純小選挙区ではなく比例代表の部分が二百二十六あるということになりますと、やっぱりすぐストレートに二大政党体制に進んでいくということではなく、さまざまな形というものがその中ではあり得るし、穏健な多党制という形に進んでいくことも私はあり得るのではなかろうかと思っているところでございます。  最後に、冒頭お話しになりました政治改革というのはこんなものだということについては、私は委員の御意見と同感でございます。同時に、今、政党のあり方が問われているということにつきましては、まさに政党不信から政治改革のテーマが起こり、政治改革のテーマにこたえて国民から信頼される将来のあるべき政治を目指して政党が今激烈な議論を行っているということは、まさにこれからの時代、政党の資質が問われると。そして、どの政党が国民の皆さんから存在価値を認めていただけるか、そのことがかかった時代の中で政党がこれから進んでいかなければならないということにつきましては、まさにそうした要請にこたえる政党の対応、自己の改革を含めてこれからの政治の中におけるみずからの政党の姿勢というものが問われる時代が迫っているし、それにこたえることができなければ私は日本の政治で認められないのではなかろうか、こういう気持ちで考えているところでございます。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 私、この政治改革についてお互いにそれぞれの立場から非常に真剣な論議をしておると思います。  そういう中で、私本当にこれ困ったことだなと思いましたのは、きょうの新聞にも出ておりますが、この政治改革法案を何とか成立させたいということで与党の方が参議院自民党の——作戦をやっておるとか、もう私、こういうような話が出るとは本当に困ったものだと思うわけでございます。(発言する者多し)そういったようなお話が出るというのは私は本当に困ったことだなと。そういうお話が出るということについて私どもも本当に反省もせないかぬし、(「懲罰対象だ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)そういったうわさが立てられるということ自体は私は非常にやはり問題があると、こう思うわけでございます。  こういったようなマスコミの記事が出るということについて、山花大臣、政治改革を担当しておられる大臣といたしまして、まさにこういうことをなくすために我々は政治改革をやっておるわけでございますので、何かお考え方を、御感想なりあればちょっとお話しをお願いしたいと思いますが。(発言する者多し)御感想で結構でございます。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) たまたま今御指摘いただいたマスコミ報道について私は承知しておりません。しかし、この国会全体としては与野党ともに一日も早い政治改革実現と大目標については一致していたところでございますので、法案を提出した立場としてはそうした気持ちでこれからも全力を尽くしたい、こう思っているところでございます。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 そのとおりでございまして、絶対にあってはならないことでございまして、私どもとしましてはそういった方針でこれからも政治改革に臨んでまいりたい、このように思っておるわけでございます。  そこでまず、原点からお伺いをいたしたいわけで……

上野雄文日本社会党・護憲民主連合

○委員長(上野雄文君) 速記をとめてください。    〔速記中止〕

上野雄文日本社会党・護憲民主連合

○委員長(上野雄文君) 速記を起こしてください。  ただいまの合馬君の発言中に穏当を欠く言辞があったとの御指摘がございましたので、委員長といたしましては、速記録を調査の上、適当な措置をとることといたします。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 そこで、山花大臣、それから佐藤大臣、御両方にお伺いいたします。  そういったようなことで政治改革法案の審議が今行われておるわけでございますが、特に選挙制度の改革につきまして一番基本的な問題として、なぜ今の中選挙区制度では政治改革の目的が達成できないのか、これについてちょっと御説明をお願いしたい。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) できるだけ短く話したいと思いますが、私は八六年の定数是正の問題から担当してまいりまして、まずは何よりも定数の是正、一票の格差を是正するということを主張して仕事をずっとしてまいりました。  ただ、振り返りますと、そういう立場から例えばかつて社会党は一・五六の中選挙区制の抜本的定数是正を提出したりいたしましたが、一歩も進まなかったというのが実は振り返っての問題点でございました。その後、九増十減もございましたけれども。  一つには、やっぱり憲法の要請である一票の格差をどう是正するかというところを基調に置きながら今全体としての政治改革が議論されている、こうした経過だったと思っています。  そうした中で、中選挙区のもとにおいて一票の格差是正というのは私はなかなか困難だったという結論を実は持っております。ということを含めて、中選挙区における地盤培養行為ということで一言言われている金のかかる選挙の体制ということについても一部意見が大変強まったということもございました。  そうなってまいりますと、過日の選挙の結果を受ければ、やっぱり国民の政治不信解消のための政治改革というものは腐敗を根絶するシステムというのをどうつくっていくかということではないだろうか。そういうことを考えた場合には、今回四法一体ということですけれども、選挙制度も新しくしていく、政治資金制度についても抜本的に政治家に責任を含めて強く厳しくしていく、そして腐敗防止策についても連座制を含めてかつてなかったような厳しい内容を設ける、全体一本で包括的に思い切ってやっていかなければなかなか進まないのではなかろうか私自身としてはそんな気持ちを持ってこれまで担当した仕事をやってきたつもりでございます。  中選挙区については長短議論があると思います。しかし、そのことについては、制度疲労ということはよく言われますけれども、その意味ではかなり定数是正問題を含めて限界に達しておったことについては間違いないと思っています。  新しい選挙制度を考えるに当たりましては、従来の長い議論の経過を踏まえた中で現実的な合意できる案として今回の小選挙区比例並立を提出させていただいた次第でございます。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 こういう問題につきましては議論をし出したらもう切りがございませんのでどんどん進めさせていただきますが、私は、衆議院というのは、参議院と違ってより一層直接選挙といいますか、本当に顔が見える投票によるべきであるという基本的な考え方を持っております。  それから、今回の制度のようになりますと、特に地方の県圏では直接その地方、県を代表する議員が減るわけですよね。例えば、鹿児島で九名出ておったが四名になるとか、その分だけ比例に回ればいいじゃないかといったって、後ほど述べますように、比例はだれが出るか、こういうことになりますと、必ずしもその地方の本当の声を代表できるような人ではないわけでございまして、そういう意味で私は、今回の選挙によって本当に地方の声を代表する割合といいますか比率が少なくなるのではないか、このように思うわけでございます。ここら辺につきまして。  もう一つは、それじゃ今度この比例で当選した人は小選挙区で当選した人とどこが違うのか。やはり同じようにこの代表はそれぞれの地域、小選挙区の場合であれば当然その小選挙区でございましょうが、比例であればそれじゃ全国を代表するのか、こういうようなことになりますと、これまた私は非常に説明がおかしいと思うんですよね。それはおかしいと思うんです。  例えば惜敗率で上がってきた人は、これは何かぬえみたいな存在ですよね。小選挙区の人でもあり、あるいは日本全国のものを代表する人でもある。何かよく説明ができないような気がしますが、そこはどういうようなお考えでしょうか。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 一番初めに、地方の議員の減という問題についてどう考えるかと御指摘いただきましたが、これはさっきちょっと触れました中選挙区制度による定数是正を行った場合にも地方の議員減というのは非常に大きいわけでありまして、この問題点は選挙制度の問題だけではなく、憲法の要請にこたえてできるだけ一対二以上にはならないようにする、こうした原則を考えて格差是正を行いますと、いずれの選挙制度においても出てくるのではなかろうか、こう思っているところでございます。  しかし、今回法案におきましては、二つ指摘したいと思うのです。  一つには、まず法案の冒頭から、この配分につきまして、都道府県四十七に一人ずつ配分するということを行いました。これはかつての国会決議にありました過疎過密に配慮してということなどを念頭に置きながら、地方の急激な減、激変緩和とまでは言っていませんけれども、まず一つずつということを行いまして、残りを比例で配分するということについては配慮の一つだと思っています。  第二番目に、公聴会が終わりまして、衆議院の修正において二百五十、二百五十から、二百二十六、二百七十四といたしました。この選挙区部分というのをふやしたことはその意味におきましては配慮の一つではなかったか、こういうようにも考えているところでございます。  後段の問題、とりわけ重複立候補で惜敗率で出た方につきましては、委員はぬえのようだとおっしゃいましたけれども、ちょっと従来の選挙の制度における当選者と違うんじゃなかろうか、説明しにくいという点につきましては、やっぱり全体として衆参とも共通のテーマは、憲法に基づいた全国民に選挙された議員ということがまずあり、そして同時に各地域における意見というものをどう反映させるのか、この二つをどうかみ合わせるかということになってくるんじゃなかろうか、こう思っているところでございます。それぞれがそうした性格を持っているということではないかと思っているところです。  そうした意味で、今回はこの両方の制度を並立させることの中から、重複立候補についても政党の裁量権ということで出したわけですが、ぬえだとおっしゃったのは、恐らく有権者の皆さんはこれまでそういう制度がありませんでしたから落っこったのが当選とは何だと、確かにこういうところがあるんじゃなかろうかと思うのですが、これはやっぱりそうした並立制をとった制度、そこで生まれたシステムでございまして、外国においても、よく例に出すドイツの場合に、比例区三百三十四人の当選者のうち三百二人はその選挙区で落選した人が当選すると。これはこれで一つの政治の風土として、だから惜敗率よりも善戦率の方がいいんだと言われますけれども、その地域において一番はもちろん当選、二番についてはその善戦率で当選する、こうした風土といいますか、国民の皆さんの御理解をいただいてのそうしたものが一回、二回と追っていく中で出てくるとするならば私は御理解いただけるところがあるのではなかろうかと、こういうように考えているところでございます。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 そこで、国民はこの比例についてどういう順位で決まるのかというのがわからないんですよね、何回説明しても。私もきのう初めて正確にわかったんですが、自治省、まずこういうことでよろしいんですか。  比例については、党員、その政党に所属する者であればだれでも、順番をつけて、一番は山田太郎さん。党員であればだれでもいい、だれでも。一番は山田太郎さん。ドント方式で最終的には何人当選するか決まるんでしょうから、あとは順位で決まるわけですね。一番は山田太郎さん、そして二番目には、今度は、何というんですか既に小選挙区で立候補しておられるAさんという方。Aさんだけ、一人ですよ、一人だけ。Aさんが二番。それからまた三番目に、何というか、田中二郎さん。これは全くのただの党員。そういった人がいる。四番目にまたある小選挙区のBさん、一人ですよ、一人。そして五番目にまた勝手に伊藤三郎さんとかという人をやる。そういうぐあいに任意に、重複立候補しておられる人も含めてその党が自由に決められる。そういうことになっておると。  それで、惜敗率で決めるのは、この方式をとらない場合には、今度は同順位というのもつくっていいので、小選挙区の場合の重複立候補、その場合は、例えば重複立候補の方で当選された方が十人おったら惜敗率で決める、こういったようなことになる、こうお伺いしたんですけれども、よろしいですか。

佐野徹治自治省行政局選挙部長

○政府委員(佐野徹治君) 今のお話のような決め方をそれぞれの政党が独自に行われるのは、これは結構でございます。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 こういう結果になりますと、どうも今度は順位決定、これが例えば、別にお世辞を言うわけじゃないですが、山花元委員長のような人格者で公平無私な決定ができる方だったらいいんですが、しかしそうはいっても、私は共産主義政権をロシアで三年ほどつぶさに見てまいりましたが、あそこにちゃんと政党はありましたし、それでちゃんと選挙も行われておりましたが、ただ、いろんな権力を使ってどうしてもいわゆる党員になる、国会議員になる、そういったような人は、党首のあるいは幹部の気に入らないとなれない。そういったようなことは、これはどんな制度になったってそうなるんですよ。  そういったようなことでございまして、こういったようなアトランダムなやり方を特に衆議院の比例区で認めるということは、私は、まあ党独裁とまた言うとまた怒られるかもわかりませんが、何かしかしどうもちょっとしっくりしないような感じがするわけでございます。  そこで、例えば私どもの参議院でも、私ども自民党では非常に苦労して、比例区なんかはいろいろ問題はありますけれども、やっぱり少しでも本当に国民の声を代弁しているべきだということで、例えば党員だとか党友の数も集めさせたりいろいろ苦労をしておるわけでございますが、私は衆議院でこういったような比例の決定方法をとるというのを非常に心配するものでございます。  そもそもこういうことで永久にやることになりますと、全く選挙をしない、全く個人とだれとも一切接触しなくても、名簿に載りさえすれば衆議院議員になれるんですね。衆議院議員は、これは議院内閣制、衆議院の優位性がございますから、総理大臣になれるんですね。内閣を率いられるそういった方をこういうやり方で選ぶというのは私は非常に問題があるんじゃないかと思うわけでございますが、どうですか山花大臣。それから佐藤大臣。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 委員今お話しの中に、どのような制度を使っても党の一番トップにいろいろ力が働くんじゃないかと言われたので、どの制度でもと言えばそれで答えは尽きてしまうのでありますが、委員今言われましたように、そのために例えば党員な力党友なりをどれだけという義務を課するか課さないかということは、これはもうその党の中で自主的にお決めになる話でございまして、制度の中に組み込まれている話ではないわけであります。  また、委員が今御心配のように、非常に恣意的に順番がなるんじゃないかということもございますし、やっぱり各党が票をふやそうと思ったら、地域で票を出してくるわけでありますから、そのためには地域で一生懸命やってもらうということで、善戦率か惜敗率がということでやっていただくということをやってもいいよということになっておるわけでございまして、そういうことでいわば今の委員の御質問をそのまま受けるとすれば、そういう意味での党内の競争、戦いぶりというものによってそれを決めていこうということであります。  また、やはり政党本位なのでございますから、委員御心配のように独裁的な人がおってもしそういうようなことになっていけば、それは党に集まる票というのも少なくなっていくんじゃないでしょうか。これだけのマスコミの社会でございますから、あの人が一人で順番を決めているというようなそういう党内民主主義というものがなくなった場合というようなことになれば、それ自身が今度は党の人気というものはなくなるんじゃないだろうか。私たちはそういうことを頭に置いてしているわけでございまして、委員が言われましたように、党友を集めるとか党員を集めるとか、その他支持者を集めるとか、そういうことは御自由にその党がやっていただいて、それを基準にして名簿の順位にするということはまたこれは可能でございます。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 それから今度は、今のやり方でいけば、それぞれの政党が小選挙区と比例で一人でも国会議員を多く出したいということで立候補させるわけですが、先ほどから話がありましたように、現状では小選挙区ではなかなかどの政党も単独では通りにくい、こういうことになるわけでございまして、そうすると当然協定といいますか取引が行われまして、小選挙区ではそれぞれのいろんな政党が話し合って、談合じゃなくて話し合って、統一候補といいますか候補を決めるわけですね。  ただ、政党助成だとかいろんな方法がありますから、その複数の統一候補の中で、この地区ではA党の方が出られる、B、C党の方は推薦という形ですか、応援をされる、次の地区ではB党が出るからA、C党が推薦をして応援する、私は勝つために当然そういったようなやり方も行われると思うんですね。  これに対して比例の方は、当然のことながらそれぞれの政党の主義主張、政策というものを掲げて戦う。そこでいよいよ選挙結果が出る。統一した政党が、政治はやっぱり何といっても権力闘争ですから、政権をとるというのが最大の目的でありますから、当然話し合いが行われて主義主張をそれぞれ変えて、克服して、PKOの問題もあるでしょう、米の問題もあるでしょう、自衛隊の問題もあるでしょう、日米安保の問題もあります、細かい話で言えば長良川の河口ぜきの話だってあります、そういったような話を全部その統一候補の場合には選挙公約ではどう言うかといいますと、これは政党が受け取りますから、選挙公約では、私は当選したら、そして政権ができれば、こういうことで統一何というんですか、政党といいますかね、連立与党を組んで政権をとります、そういったように選挙公約をしないと私はおかしいと思うんですよね。  しかし、今度は、そういったようなことで出ると、本当に政党を代表したことになるのかどうか、そして私はそういったような人に、この政党助成金というんですか、国の助成金を出していいのかどうか非常に疑問に思うんですよ。  政党助成金というのは、あくまでもある政党がこういうような主義主張を掲げて、それを実行するために、そして政権をとるために政党をつくって運動をやるわけですが、それは憲法で認められた、そして大事な権利だから政党助成をやるというのはよろしいわけでございますが、こういったような形で、小選挙区で立候補された方が、推薦を受けたにしろ、将来もし連立与党といいますかそういったものをつくってやられるのなら、既に小選挙区で選挙をする時点でそれだけのことをちゃんと選挙民に約束していないといかぬと思うんですよ。その点についてどうお考えでしょうか。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) これからの選挙の場合の各政党の選挙協力のパターンということになると思います。  私より佐藤自治大臣は選対の責任者としてさまざまな選挙協力をやってきた経験をお持ちですからむしろ正確かもしれませんけれども、私はこれまで、今、委員御質問の問題については多彩な選挙協力、こういうことを言ってまいりましたが、新党を結成する場合は別にいたしまして、そうでない場合には、例えば与党が一つにまとまって一人の候補を出す場合、あるいはそうではなくて幾つかの政党が与党内部でも選挙協力を行って出す場合、あるいは単独で出す場合もあり得るのではなかろうかと思っておりますけれども、それぞれの選挙協力の形というものは有権者の皆さんの審判を仰がなきゃいけないわけですから、そこでは当然その選挙区における選挙協力あるいは政党本部における選挙協力の協定などをつくり、それを内外に明らかにするということから選挙が始まるのではなかろうか、こういうように思っているところでございます。  こうした形につきましては、これまで国政段階の選挙でも幾つか例があったと思います。あるいは自治体の選挙などでは、そうした格好で選挙協力を行って、政党寄り合ってということについてはかなり一般的に行われているのではなかろうかと思っております。  そうした中で、選挙協力協定というものを内外に明らかにする、そうしてそのことで国民の審判を仰ぐということになって、そうしたそれぞれの政党が選挙を終わった後、政権を目指す場合にはどういう形で連合を、できるかできないかを含めて改めて政権を目指しての合意をつくるということになってくると思うところでございます。そうした方向については、事前に有権者の皆さんに明らかにするということがなければ選挙においても信任を得ることはできないのではなかろうか、このように考えているところでございます。  最後に、その結果出た政党助成の問題につきましては、これは政党助成につきましては従来御説明したことになりますけれども、やっぱり客観的な基準で決めなければならないということですと、得票の率、国民の支持を受けた率と議員の数ということ以外には客観的な基準というものはなかなか難しいのではなかろうか、こう思っております。

合馬敬自由民主党

○合馬敬君 私、山花大臣の言うことはわかるんですよ。それは主義主張が似通っている政党なら当然そういったことで実行できると思いますが、はっきり申しまして、やっぱり今のように余りにもコペルニクス的な違いがあるような政党が一緒になるときを問題にしているわけでございます。  最後にちょっと私お聞きしたいんですが、今度の政治改革、何か衆議院の選挙制度を先にやる先にやると言いますけれども、今度の観点は、選挙制度は衆議院だけですけれども、政治資金の問題は参議院にも地方の首長さんにも議員さんにも全部がかってくる問題ですから、だから私は本当はこういうところで衆議院の選挙制度だけ先行してやるというのはおかしいと思うんですよ。そこは私はこれはきょうはもう時間がありませんから申しませんが、ただ、参議院の地方区の選挙、今のようなやり方で今度は政治資金規正法だけ先行いたしましたら、非常に大きな都道府県、東京都なら東京都は本当にこれで選挙が政治資金も含めてやっていけるのかどうか、そこら辺については私はさらに時間があれば追及していきたいと思いますが、きょうはこれで終わります。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 言うまでもなく、この問題の発足は金と政治、金と選挙の問題から発しているわけでございますから、できるのかではなくてやっていただく、そして国民の信頼を取り戻す、このことだと思っております。

中村鋭一日本・新生・改革連合

○中村鋭一君 この委員会の審議、きょうで実質十日目でございます。今聞きましたら、審議時間はちょうど本日の審議を終えましておよそ五十時間ということでございます。ですから、今の私の心境から言いますと、これは異論は大いにあるだろうと思いますが、ようやく大団円に近づいて、映画に例えれば春の銀幕を飾る待望の大作が封切り間近となりまして請う御期待といった感じではないか、こう私は認識しておりますが、その私の認識を共有してくださいますか。一言ずつ、両大臣、いよいよ大詰め大団円であるかどうか。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 大団円というか、提出した側としては緊迫した雰囲気の中でいよいよ正念場を迎えだというのが実感でございますが、与野党ともに政治改革をやり遂げよう、こういうところからスタートしておりますので、何としても実現していただきたい、こういう気持ちで私も最後まで努力していきたいと思っております。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 議会の運営、委員会の運営にかかわることでございますので、中村委員のお気持ちはまことにありがたく私たちは受け取らせていただきますが、私たちはひとつ皆さん方のいろいろな角度からの御審議に十二分にお答えをして一日も早くわかっていただきたい、賛成していただきたい、こういう気持ちでいっぱいでございます。

中村鋭一日本・新生・改革連合

○中村鋭一君 せっかくの機会でございますから、私も与えられました時間を真摯に議論をさせていただきたい、こう思います。  先日の総括質疑で私はこう申し上げました。一八八三年の八月二十五日にイギリスで腐敗防止法ができて、それから選挙違反の摘発はイギリスでは一件もない、こう申し上げました。しかしながら、これで終わりじゃないんですね。  少し調べてみたんですが、実は一九一二年の六月にマルコー二電信会社スキャンダルというものが発覚をいたしました。このために当時のアスキス首相はアスキス・ルールというものをつくりました。選挙の違反というものは一八八三年の防止法によってこれはもう地を払ったかもわかりませんが、閣僚は決してそれで身を持するに厳で一切不正を働かなくなったかといいますと、そうではなくて、だからマルコー二電信会社事件が起こったのであります。当時のロイド・ジョージ、またチャーチル等も喚問をされましたけれども、疑惑はあいまいなままに終始して、そして今申し上げたアスキス・ルールができたのであります。  ちょっと申し上げますと、大臣はみずからの関係する利権が公務と結びつくときはその利権を放棄すべきである。大臣は公私にわたりスキャンダルを起こすことのないよう自己管理しなければならない。大臣は贈答品や接待、便宜供与などを何人からも受けてはならない。さらに、ほとんどあらゆる種類の株券の保持は大臣はこれを持ってはいけない。さらにまた、大臣は就任時にいかなる役職からも退くものとする。大臣は公費で賄われている施設において選挙区のための活動を行ってはならない。これがいわゆるアスキス・ルールでございまして、それ以後、ということは一九一二年以降は、新しく内閣が組織をされますと、時の総理大臣は、任命をいたしました閣僚にこのアスキス・ルールを手渡しまして、あなたはこのルールを遵守いたしますかということを誓約せしめているのであります。  これで選挙は腐敗がなくなった、閣僚も悪いことをできなくなった、さあいいかといいますと、今度はずっと下りまして、実は一九七二年にボウルソン事件というのが起こりまして、これは贈収賄の典型的な例でございます。この結果、反省といたしまして議員利害関係登録制度というものができたのであります。  これもごく簡単に御紹介申し上げますと、議員活動、演説、選挙に影響を与える金銭上の利益、物質的な恩恵に関する情報を登録しなければならない。あらゆる役職、報酬を得る取引、職業、財政的援助、土地、財産、株、これはもう鉛筆一本に至るまで自分の財産は登録しなければならない。それを本にいたしまして全英国の下院議員はすべての国民が自由に閲覧できるようにしてあるわけです。ですから、A議員ならA議員の今の財産の状況がどうかということは、国民は閲覧所へ行ってこれを見れば完全にわかる。  これが私はイギリスの三位一体で民主主義というものは守らなきゃいけないということの長い長い年月の間にから得た大きな成果だと思うんです。ですから、腐敗防止法、そしてアスキス・ルール、さらに財産登録制度、これからも我々は不断にそういう努力を怠ってはいけないと思います。  幸いに今回この関連四法が成立をいたしましたら、すぐに我々は、例えば衆参両院の改革でございますとか参議院の選挙制度でありますとか、真摯な討論を行われました本委員会の委員の皆さんとともに、いや、全議員がそのための努力を展開していかなければいけないと思うが、そのときの参考に今申し上げた例えば閣僚の遵守すべきアスキス・ルールでありますとか登録制度でありますとかこういうものは大いに参考になるのではないか、こう思いますが、両大臣、一言ずつ感想をお願いいたします。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 根本のお話につきましては私も大賛成でございまして、引き続きいろんな角度から腐敗を防止するためにお互いに議論を深めていく必要があると思います。  ただ、中村委員が言われた中でも、平成四年十二月のいわゆる緊急改革二十一項目という中には、資産公開とか、あるいは内閣の取り決めとして、例えば株式会社の役職になっている者はやめなきゃいかぬとか、一定の間株をさわってはいけないとか、こういうルールが入っていることはありますが、例えば資産公開でも、まだまだ国民の皆さんから、御承知のようにあれでは甘いのではないかという議論もあることもございますので、いずれにいたしましても、なお引き続きいろんな角度から腐敗防止のためにやっていかなきゃならぬということは私はそのとおりだと思っております。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 私もこれまで、政治改革の第一歩、第二歩をつくるものであってこれからさらに大切だと申し上げたのは、中村委員と全く同じ気持ちからそう申し上げてきたつもりでございます。

中村鋭一日本・新生・改革連合

○中村鋭一君 大変心強うございます。これまでも、今、佐藤大臣がおっしゃいましたように、一生懸命努力してきているわけですから、さらに我々もそれを積み重ねていかなきゃいけないと思います。  この四法が成立をいたしまして、この四法に基づいて次の選挙が行われるといたしますね。そうしますと、従来同様に選挙違反の取り締まり本部が設けられる、こういうことになりまして、今度はこれまでと違った厳しい連座規定等々を設けた法律がそのまま援用されるわけでございますから、その法の運用というんですか、これについてはいろいろ御苦心もあろうかと思いますが、まず法務大臣に、この四法が成立をいたしまして選挙が施行された場合に、どのような決意を持って選挙違反等々の取り締まりに当たらねばならないか、法の運用はいかにあるべきかということについて、御感想を一言お願い申し上げます。

三ケ月章法務大臣

○国務大臣(三ケ月章君) 感想と申しますか私の信念と申しますか、申し上げさせていただきますと、これまでたびたびこの国会で申し上げてまいりましたように、検察当局はどのような事件であれ、犯罪の嫌疑が認められる場合には法と証拠に基づいてというか、その枠内でと申しますか、適正に捜査処理を行ってきたものと私は承知いたしておるわけでございまして、このたび法律が改正されましていろいろと罰則の変化はございましても、それを摘発するというふうなことにつきましてはいささかも従来の方針は揺るがないものと法務大臣としては確信している次第でございます。

中村鋭一日本・新生・改革連合

○中村鋭一君 刑事局長お見えでございますね。  法律ができまして、そして選挙が行われます。それを適用しながら実際に検挙に当たるのは警察の仕事でございますが、この四法ができたといたしまして、その場合に警察当局はどのようにしてこれを遵守し、実行し、公平な実施をしていくことができるのか、そのような点について一言お願いを申し上げます。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。  捜査取り締まりを責務とする警察といたしましては、違法行為につきましては、いかなる場合でありましても法の趣旨にのっとり必要な体制をもって厳正な捜査、取り締まりを実施してまいる所存でございます。  特に選挙違反の取り締まりにつきましては、今後とも、厳正公平、不偏不党を旨とし、組織の総合力を挙げた適正な取り締まりの徹底により、選挙の公正確保に努めてまいる所存でございます。

中村鋭一日本・新生・改革連合

○中村鋭一君 大変結構なお言葉でございます。そのように心から私もお願いを申し上げたいと思います。  しかし、過去に警察が全く誤りがなかったかといいますと、私は必ずしもそうではないと思います。  自分の経験で恐縮でございますけれども、先般の私の選挙でも、実は桃太郎というのをやります。これは委員の皆さん御存じだと思いますが、商店街等々を支持者と一緒に行進をいたしましてやってまいりました。よろしくお願い申し上げます、こう言いますが、たまたま私の選挙を応援してくださった市会議員の方が、もうじき中村鋭ちゃんが来るからひとつうちわでも振って出迎えてやってくれ、こう言って何軒かの人にたまたまうちわを渡したんですね。私が桃太郎で行きまして、お願いしますと言ったら、皆さんうちわを振ってくださったんです。  行進が終わりまして、その市会議員さんはうちわを回収いたしました。ところが、回収のし忘れが三本だけございました。このために、この市会議員さんは公選法違反ということで警察に検挙をされました。朝から晩まで三本のうちわのために取り調べを受けまして、結果は不起訴、書類送検もなしということに終わったのでございますが、それは結果は不起訴で書類送検もなしでも、一週間にわたって市会議員が身柄を拘束されたという事実はあるわけですね。これはやっぱり重大な問題だと私は思いますよ。  私ここに新聞のコピーを持ってきているが、これは平成三年の三月四日付の朝日新聞でございますが、「八六年参院選挙 京極氏派事件 百二十二人全員に無罪 自白の信用性疑問 相互の矛盾指摘」と。これは一九八六年の夏に行われました参議院選挙、実は私も立候補をしておりまして、私の対立てあった自民党公認の京極さんが、まあ京極さんは残念ながらお敗れになったんですけれども、その節に百数十人の方が買収、被買収、供応等で逮捕をされたのであります。そうして、一 審の地裁の判決はこう言っているわけです。「裁判長は「各被告の自白は不自然に変遷しているうえ、相互に見過ごせない矛盾点があるなど、信用性に疑問がある」と述べ、出廷した百二十二人全員に無罪」、こういう判決を下したのであります。  五年間裁判をやったんですよ。公判は七十一回開かれたんです。それで、かわいそうに京極さんはこれだけの違反者を抱えて五年間、私も候補の経験が何回もありますけれども、それは恐らく地獄の苦しみだったと思う。結果は無罪じゃないですか。  こちらの新聞を見ましたら、「老人に連日の調べ」、お前に飲ます水はない、嫁さんとブタ箱で暮らしたらどうだ、壁に向かって立つとれ、壁に突き飛ばされたり、丸めた本で胸を突かれたり、殺されてしまうと思い、とうとう話を警官に合わせたと。それからまたこういうことを言った警官があると新聞は報道しておりますね。警察官が愚痴をこぼすのを聞いている、上から言われたら仕方がない、わしらにも家族があるんや、警察官同士がこの事件はつくり話やろと話をしていた、こういうことなんですね。  まあ、選挙を経験された議員諸氏はこういう思い出が何回もあると思います。善意で一生懸命やっている人たちが、いわば警察の点数主義や検挙主義や縄張り意識のために、結果は、家族を含めて候補者を含めて死ぬ苦しみに遭っているという事実、これはそのとおり報道された事実でありますからね。  刑事局長、この事実をあなたはどのように反省しておりますか。

垣見隆警察庁刑事局長

○政府委員(垣見隆君) お答えいたします。  無罪事件が出ました選挙違反事件につきましては、その判決の中で指摘された点を真摯に受けとめまして今後の選挙違反捜査に生かしてまいりますとともに、警察庁といたしましては、今後とも適正な違反取り締まりが実施されますように都道府県警察を指導してまいる所存でございます。

中村鋭一日本・新生・改革連合

○中村鋭一君 もしこの四法が成立をいたしましたら、今度の選挙は選挙区だけでも二百数十あるわけでしょう。これは大変ですよ、警察もね。  もう一遍言わせていただきますが、巷間うわさとして伝えられるように、選挙は勝ったら大丈夫だ、負けたら大変だぞ、その晩にガサが入るぞ、こういうことを警察が言われることのないように、どんなに警察が遣おうが選挙区が遣おうが、もう一遍私からもお願いいたします、厳正にして公平中立な捜査をお願い申し上げます。  しかし、これは法務大臣にも私お願いしたいんですけれども、私、実は銭形平次が好きなんですよ。銭形平次はよく言うじゃないですか。お上の御法にも涙があらあと、こう言うでしょう。ですから、峻厳氷のごとき法の執行も一面において大事でありますけれども、疑わしきは罰せずですよ。だから、そういう点で温かい涙のある法の執行を特に選挙事犯等々については常に心がけていただきたい。その辺の要請といいますか、バランスといいますか、それをひとつ法務大臣、一言お願いします。

三ケ月章法務大臣

○国務大臣(三ケ月章君) 私も銭形平次のファンの一人でございます。法務大臣の部屋には正義の女神の像が置いてございます。その正義の女神は目隠しをしておるのでございますが、私はいつも、その目隠しの後ろには涙があるのではないかというふうな感じを持っておるわけでございます。  先ほど来警察の方の取り調べの御批判は伺いましたが、あわせましてそれはまた検察の方にも当てはまる面がいろいろあるかと思って気持ちを引き締めてお伺いをいたしておったところでございます。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 警察庁を管理いたします国家公安委員長として答弁させていただきたいと思いますけれども、いかなる事件に対しましても厳正公平、そして不偏不党でやはりやらなければいけません。  ただし、中村委員も言われましたように、新聞の報道したことが事実かどうかわかりませんけれども、私が公安委員長になってからも、愛媛の件で無罪になったことがございました。そのときにも、公安委員会の中でも、どこにその捜査の間違い、やり方のまずさがあったのかということについていろいろな角度から討議等しておりますので、そういった意味では厳正公平、不偏不党でやっていかなければなりません。  ただ、委員会言われましたように、捜査は当選したら入らない、落選したら入ると言われましたけれども、それはそういうことはないのでありまして、あれは投票日の夜入るわけでございますから、当選、落選がわからないときに入るわけでございますから、その誤解をぜひ世間的にもお解きいただきたいと、こう思っております。

中村鋭一日本・新生・改革連合

○中村鋭一君 失礼いたしました。そういうような話を聞いたことがあるものですから申し上げたんです。これはもう私は申しわけないと思います。  しかし、私やっぱり本当にそう思いますよ。法の厳正公平、中立な執行は大事だけれども、取り調べる側の人も、やっぱり温かい血の流れる人間なんだ、そういう気持ちだけは共有してもらいたい。それはいいでしょう。それを申し上げているわけでございます。  これまた両大臣、実は私はエスピオナージといいますか、イギリスの冒険小説が好きでございまして、フレデリック・フォーサイスとかジャック・ヒギンズとかデズモンド・バグリーとかケン・フォレットとか、こういう人たちの小説を年来愛読しております。こういう小説に出てきますのにダブルエージェントというのがありますね。それからスリーパーというのがありまして、これはあらかじめスパイ行為を働こうとする国に潜り込ませておきまして、十五年もその国の国民として善良な市民として生活をさせておきまして、時至れば祖国のためにおまえはスパイ行為を働けと。いわば眠らせておくスパイでございます。  これは今回の二百五十一条の二第四項第一号でございますか、「連座制の対象となる者の買収罪等に該当する行為がおとり又は寝返りによるものであるときは、連座制を適用しないものとする」と、こうございますね。そして、このおとり、もしくは寝返りは、このようにも書いてございますね、「公職の候補者等の選挙運動に従事する者と意思を通じてされたものである」と。すなわち、A陣営がB陣営にエージェントを潜り込ませて、そうして違反行為を働かせて——連座制でございますから、五つありますね、選挙の総括主宰者、地域主宰者、出納責任者、奥さん、秘書ですね、こういう人たちを潜り込ませておいて違反行為をさせれば物の見事に連座規定でこれを落とすことができるわけでございます。  それはその意思を通じるということを確認するのが、物品の供与、例えばお金を渡したとか証拠の手紙があるとか電話の録音があったとかあれば別ですけれども、例えば今申し上げたスリーパーのようにもう二年ぐらい前にすっと潜り込ませておいた場合はなかなか意思を通じたと言うことが難しいだろうと思うんですが、その辺は、佐藤大臣、どのようにお考えでございますか。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 委員御指摘のように、現実に金品の授受があったときのような場合には確かに意思を通じということが非常に端的にあらわれる例であると思いますが、この意思を通じの場合というのは、明示たると黙示たるとを問わず全体の状況の中である程度判断もできるわけでございます。  しかし、率直に言って、意思を通じというのを確認し、本当に訴訟に持っていくのは並み大抵のことではないというふうに私たちも考えております。

中村鋭一日本・新生・改革連合

○中村鋭一君 ですから、やはり法の厳正公平、中立な運用というのは当然なすべきことでありますけれども、こういった例えば寝返りとかおとりとかいう場合も、もし寝返りでもない、おとりでもない人にそういう認定を与えた場合はこれはえらいことになりますから、我々与党が何としてもこの四法案は成立をさせたいと、そのために一生懸命努力をしているわけです。  せっかくできた法律が現実に運用されたときにこういうことがあっては困るということでございますから、私は転ばぬ先のつえで困難な点もあろうかという点を指摘させていただきまして、これからもまたひとつ当局におかれては大いにこういう点も研究、勉強を怠らないようにお願いを申し上げておきたい。  これもイギリスでございますが、法務大臣、先般十二歳の少年が終身刑を宣告されまして、この実名が英国においては報道され、かつ写真等々もテレビで報道されたわけでございます。我が国は少年法の適用がございますから実名の報道はございません。テレビもございません。  さてそこで、私は現在のこの二十歳という選挙年齢、これを今の若者たちに見ておりますと、まあ十八歳になれば十分に知能も徳育も体も発達をしている、一口でいえば責任能力が十分にある、こう思うんですね。ですから、私、選挙年齢を十八歳に二歳ぐらい下げる、同時に少年法そのものもやっぱりバランスをとりまして同じ十八歳ぐらいにしたらどうかなと考えているんですけれども、これは全くの私見でございますが、まず先に三ケ月法務大臣からその点について御意見をお伺いいたします。

三ケ月章法務大臣

○国務大臣(三ケ月章君) イギリスの例のお話がございましたが、直接その点ではなくて年齢の点に限ってお答えさせていただいてよろしゅうございましょうか。

中村鋭一日本・新生・改革連合

○中村鋭一君 はい。

三ケ月章法務大臣

○国務大臣(三ケ月章君) 確かに子供、青年の成熟度というものはどんどん動いてはおりますけれども、それをどういうふうに、例えば権利能力はどうするか、婚姻はどうするか、それから犯罪の能力はどうするか、少年法と刑法の限界はどうするか、いろんな点で考えなければならない、これはおっしゃるとおりだと思うのでございます。  今、直接御質問になっております選挙権を十八歳に下げるべきかどうか、そういう選挙権年齢につきましては、これは法務大臣といたしましては直接申し上げる立場にはございませんで、選挙主管の大臣あるいは当局の方でいろいろ御検討になったことと存じますが、少年法というのは私の方の所管でございますのでそれについて申し上げます。  少年法は、確かに一定の年齢に達しない者につきまして心身の成熟度、さらには矯正の可能性、こういうものにつきまして考慮しながらその健全な育成を期すということを目的とする法律でございます。そういうふうな法律と、それから一国の政治に参与する資格を与えていいかどうかということとの間には若干目的の相違がございますので、私の感じでは、必ずしも制度、目的が異なる以上は同一にどの線でと統一するということは難しいのではないか、あるいはまた適当でない面も出てくるのではないかということを考えておるわけでございます。  選挙法と少年法を統一的な年齢に共通にできるかどうかということにつきましては、やはり心身の成熟度というものについて慎重な検討をもう少し重ねたいように存じますし、社会の認識の度合いというふうなもの、あるいは一般社会の受け取り方、さらには一番大事なことは、それぞれの制度の趣旨、目的等を踏まえて慎重に検討すべきであるという程度のことで御勘弁をいただきたい。今この段階で十八歳に統一するのが適当か適当でないかということにつきましては、いささかちょっと即答を差し控えさせていただきたい。

中村鋭一日本・新生・改革連合

○中村鋭一君 大臣、どちらでも。ごく短く。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 法務大臣のお話の後に私が出てまいりますと、なかなかちょっとお話ししにくい気もいたします。  今回、政治改革四法を提出するに際しまして、この十八歳まで引き下げることができないかということについては実はかなり真剣に議論をいたしました。ただ、法務大臣御説明のような状況もありまして、いま少し検討をというのが実は結論だったわけでして、世界の状況は大勢十八歳という、とりわけG7の国ではほとんどそうですし、そういう意味ではピッチを上げて検討する必要があるのじゃなかろうかと私としては考えているところでございます。

上野雄文日本社会党・護憲民主連合

○委員長(上野雄文君) あと一分ですから。

中村鋭一日本・新生・改革連合

○中村鋭一君 はい。  ありがとうございました。そういうふうに積極的に前向きの御答弁をいただきまして、何とかなるたけ早い機会に少年法もあわせて十八歳になれはいいなと私は思っております。  最後に、今回のこの法案は閣法でございますが、衆議院においては自民党の議員立法もございました。こっちの委員会で審議しておりまして、私、松浦理事とも関根理事とも下稲葉理事とも、十分議員相互間でディベートしたりディスカスしたりしたかったんですね。これが議員立法であればできたんですが、これは政府提案なものですから、委員長の方を向いて、大臣席の方を向いてやって、我々のお互いの意見についてはせいぜい不規則発言で、いい質問だとかそんなのやめろとか、合馬さんしっかりしろとか、そういうことしか言えないのが私残念でございます。  これは、来るべき機会には参議院改革もやらなきゃいけませんし、参議院の選挙制度をやらなきゃいけませんから、本委員会の委員の皆さんにも、次回はぜひ議員立法で、議員相互間が活発な討論を行って国民の期待にこたえるように心から念じまして、私の質問を終わります。(拍手)

西川潔二院クラブ

○西川潔君 よろしくお願いいたします。私、二十分間でございまして、時間が短いものですから、どうぞ簡潔にひとつよろしくお願いいたします。  国会に参りましてもう八年になります。日々初心を忘れることなく、こちらでは福祉のことを主にやらせていただいておりますが、今回の政治改革関連法案につきましてもそういった観点から、もともとは無所属ということで一人でこちらでは勉強させていただいているわけですが、今回の政治改革も自分自身の判断をしっかりしなければいけない、こういうふうに思っております。  我が国は世界に例のないスピードで高齢化社会が進んでおります。超高齢化社会が参りましたときにお年寄りが、またその家族が安心して暮らすことができる社会にするためにはどのような仕組みづくりが必要なのか、社会全体で真剣に考え、取り組んでいるというのが現状ではないかと思います。何しろ諸外国にこれほど急速に高齢化が進んでいる国がございません。外国にモデルとなるような制度もそれほど多くあるとはまた思えません。そういたしますと、私たちは私たちなりの福祉社会を今後試行錯誤を繰り返しながら築いていかなければならないと思います。そのためには、仕組みを築いていく段階におきましてできる限り広く国民の意見を取り入れていくことが必要ではないかなと私は思います。  その意味におきまして、小選挙区制度を導入するということは、これから本格的な高齢化社会を迎えようとしている我が国の実情には、そしてまた、大阪選挙区でたった一人でございますが二度大阪選挙区で戦わせていただきまして、これからのことも考えまして、少し適していないのではないかなというような率直な自分の気持ちもあるんですが、山花大臣と大内厚生大臣にお伺いしたいと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 今の前段、御意見として伺いましたけれども、全く同感でございます。  同時に、これは高齢化社会という問題をも含めて国民の価値観というものが大変多様化しているということでのその選択の幅といいますかそういう観点から疑問がある、こういう御指摘であったと思いますが、その国民の価値観が多様化したということの一つのあらわれが、いろんな意味でありましたけれども、過日の選挙における選挙の結果、そして連立政権の誕生ということにも象徴されていると私は思っています。  そして、ということならばということで選挙制度の問題、私ども長年議論してまいりましたけれども、意見の対立の中からついにこれができないで幾度か失敗の繰り返してございました。解散総選挙までいったということですと、あれだけの厳しい端的な国民の審判を受けて、腐敗を根絶するための政治改革に向かってどうしても一歩前進しなければならない、こういう気持ちから選挙制度だけでなく腐敗防止と政治資金の問題、全部一体として出した中で、選挙制度の問題については比例代表の部分を含めているところでございまして、この部分につきましては単純小選挙区を全部というところとは違って、各層の御意見、多様な民意というものが反映される、そうした機能というものが一番生かされる制度と考えているところでございまして、これを組み合わせなければ法案はなかなかできなかっただろう、そして現実的な解決もならなかっただろう、こういうことについてもぜひ御理解をいただきたいと考える次第でございます。

大内啓伍民社党・新党クラブ厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 委員の御指摘は、恐らく超高齢化社会の到来を背景としながら国民の中に非常に多様なニーズが起こってくる、また現に起こっている。政治の場でこれを吸収していく体制として、果たして小選挙区制という二つの大きな勢力が対立する選挙制度がいいであろうかという恐らく御疑問があっての御質問だと思うのでございます。  今、山花大臣もお答えしたのでございますが、多様なニーズの政治への反映という面では、一つは比例代表制というものが最もよく反映するわけでございまして、その辺を約半分近く取り入れたという面は、やはり国民の多様なニーズを反映する体制を今度の新しい選挙制度でもとったと思うのでございます。  問題は、小選挙区制でございます。小選挙区制は一つの方が勝って他方が負けるという制度でございますために、多様なニーズの切り捨てが起こるのではないかという御懸念だと思うのでございますが、やはり他方に勝つためには小選挙区制においても国民の皆様の多様なニーズというものを政策面で明確に反映して出さなければ勝てないわけでございます。これは、欧米の小選挙区の制度をごらんいただきましても、小選挙区ではあっても国民の多様なニーズを政策的に反映する、それが勝利する非常に大事な問題であると意識して選挙制度がつくられ、それが実践されているということから見ますと、先ほど申し上げました比例代表制の一つの特徴と兼ね合わせまして、必ずしも御懸念のようなことにはならないであろうし、またならないようにしなければならぬ、こう考えておる次第でございます。

西川潔二院クラブ

○西川潔君 続いて、厚生大臣にお伺いしたいと思います。  日本の家制度、そしてまた世代間同居、核家族化等々ございますが、地域という役割がこれからは大変重要になってまいります。核家族化に対応するためには、もはやその一つの地域という単位が家族の役割を担っていかなくてはならない、そんな時代に入っているのではないかなと私自身思います。  社会が高齢化をする中で地域が担わなければならない役割について、その重要性について今度は厚生大臣にお願いします。

大内啓伍民社党・新党クラブ厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) これまでの大家族という状況でございますと、例えば病気になりまして介護を必要とする状況になりましても家族全体でこれをカバーしていく、また子供の教育についても家族全体でカバーするという状態があったのでございますが、御指摘のように、都市化とかあるいは核家族とか単身高齢化世帯の増大とかといったような状態になりますと、本来日本の家族が果たしてきた機能というものが発揮できない、つまり損なわれてきているという問題が出まして、それをどこで補うかといえば、御指摘のような社会的な一つの救済、つまり地域による救済というものも必要でございますし、あるいはそのほかはボランティア活動とかあるいは企業等の民間活力の活用といったようなものも必要でございますが、基本的には地域、特に地方自治体がこの公的な支援について家族にかわって介護や病気に対する手当てをしていく、こういう体制がこれから非常に強く望まれるわけであります。  そのために、例えば私ども厚生省の場合は、ゴールドプランとか、これをさらに強化するとか、あるいは地域医療というものを強化いたしまして、例えばこれまでの母子保健、これは今までの保健所がやっていたものを市町村に移していくといった地域保健制度の強化といったような問題に取り組んでいるわけでございまして、全く御指摘のとおりだと思うのでございます。

西川潔二院クラブ

○西川潔君 そこで、先ほど一人で組織もなく二回選挙を戦わせていただきましたというお話をさせていただいたんですが、昨年行われました大阪府下のある市長選挙の新聞報道を持ってまいりました。  ある私立の保育園の園長さんが一歳八カ月の園児を預かっている。その母親に対しまして、現職候補の事務所で勤めているという理由でこの園児の保育を打ち切ると通告していたことがわかったわけです。保育業務を選挙選に利用するとはやり方がひどいということで、そのお母さんから批判の声が上がりました。  関係者のお話によりますと、現職候補の事務所にいた母親を呼び出し、面談、「うちの園は新人候補を応援しているのは分かっているはずだ。今すぐ現職候補の事務所勤めを辞めてほしい。さもなければ園児は預かれない」と話した。母親が「立場上、事務所は辞められない」と答えますと、園長さんが十一月分の月謝約五万円を返したという。母親は同保育園に約五年間勤めた関係で、市外ではあるが自由契約で子供の保育を頼んでいた。保育園側は「園長は辞任し、子供の保育は従来通り続けさせてほしい」とわびているが、母親は「園に戻る気はない」と、こういう報道でございます。  そして「市長選は」「市を二分する激しい戦いとなっている。」ということでございますが、この報道を今お聞きいただいて、厚生大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

大内啓伍民社党・新党クラブ厚生大臣

○国務大臣(大内啓伍君) 今、委員御指摘の問題は、恐らく昨年の十一月の岸和田市の市長選に絡みまして、そこに所在する保育園で起きた問題であろうと思うのでございます。  結論的に申し上げますと、そういうことは絶対あってはならぬことでございます。一つの島で町長選挙等が行われますと、島の世論が二分いたしまして感情的に相手に対して意地悪をするというようなことはよくありがちなことでございますが、それも実はあってはならぬことであるわけでございます。しかし、にもかかわらず、例えば小選挙区制でA、Bという勢力が争っていくという場合に、その勝敗のいかんによりましてはそういう人間の感情的な一番悪い面が出てくるということも決してないわけではございませんが、保育業務、保育事業といったような問題はまさに公的な大事な問題でございまして、そういう問題を選挙に絡めて左右するなどということは、これは絶対あってはならぬわけでございます。  したがって、今御指摘の点につきましても、当該市が全力を尽くしましてこの園長に対して反省を求め、その園長は辞任をされ、そしてその後その保育園におきましては今正常な運営が行われているということでございまして、その責任の問題についてはある程度決着はつけられました。  しかし、こういうことが選挙制度に絡んで二度と起こってはならないわけでございますから、私ども一同心してそういう問題にこれから対応していかなければならぬ、こう思っている次第でございます。

西川潔二院クラブ

○西川潔君 これは大阪の出来事でございますので全国的には報道はされていなかったと思うんです。しかし、地元の方々はこの件で大変ショックと不安の気持ちを抱いていたという声を聞きます。選挙の厳しさ、恐ろしさ、汚さというようなものは、自分も身をもって本当に危険な目に遭うときも何度かあったんですけれども、本当に私が非常に残念に思いますのは、福祉サービスを提供する福祉施設とサービスを必要とする利用者という最も公平でなくてはならない関係の中で選挙を背景にこういう出来事があった、しかも一番の迷惑は選挙と何ら関係のない幼児であった、そしてまたこのケースが自由契約による利用者であったということでございます。  今後、福祉の分野におきまして、自由契約といった形の入所がふえていくかもしれません。この是非はともかくといたしましても、そういう背景の中で小選挙区制が導入された場合、こういう問題がさらに起こるのではないかなという懸念を強く持ちます。仮にそんなことになれば、これから迎えようとしております本格的な高齢化社会におきましても大変重要な役割を担っていかなくてはならない地域のあり方が成り立っていかないのではないだろうか、そんな心配を強く感じているわけですけれども、山花大臣、いかがでしょう。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 選挙が白熱した場合さまざまな問題が出るということについては、これは衆議院の国政選挙だけでなく、市長選挙その他にもあり得ると思いますけれども、今回小選挙区部分があることが直ちにということには私はならないのではなかろうか、こう思っております。  今回、並立ですから二つの制度を組み合わせるということの中で、一方における選挙区の選挙、実はこれは激化ということで考えれば、今も定数一のところ、二のところ、三、四、五、六までありますけれども、起ころうとすればどこでも起こる心配のある出来事ではないか、こういうようにも思う次第でございます。したがって、今、厚生大臣からこのことに対するその後の状況についてお話しありましたが、まさにこうしたことについてはそうした福祉の観点からもあり得べからざることとして改善しなければならないし、選挙の有権者の立場としてもそういった問題については政治的に成熟していかなければならない問題点だと思います。  いわんや後者の側からするならば、もう一番そういうことについてはあり得べからざることとして気をつけなければならないテーマでございまして、これは小選挙区、一人の選挙区ということだけではなくて、選挙のすべての場面において起こり得ることではなかろうかと思っています。したがって、小選挙区だからこういう事件がふえるということには私は必ずしもならないのではなかろうかと思っておりますが。

西川潔二院クラブ

○西川潔君 これまでの政治改革の議論は、議員の人数をどうするか、選挙区をどうするか、政党への助成をどうするか、選ばれる側の話に重点が置かれているわけですけれども、昨年の十一月に福岡で行われました衆議院の地方公聴会で九州大学の薮野教授、さきがけ日本新党推薦の先生でございますが、   例えば、これから高齢化に向かいますが、これほど高齢化がささやかれておりながら、施設あるいは介護老人その他の人々に投票権をどう与えるかというソフトの話なんて一度もない。まさに議員が議員の話だけをしている。今回の問題は、本当に議員が議員の話をするのではなくて、これだけ社会が変革している中で、社会改革の一環としての政治改革であるという話はどこにもないということは、極めて私として大きな怒りを感じています。というふうにおっしゃっておられます。  本委員会におきましても、下村議員より、そしてまた社会党の渡辺議員より、障害者の方々の投票権についての再三にわたる指摘があったわけですけれども、これらの点について政府におかれましては早急に対応していただきたいと私の方からもお願いをしたいわけでございます。  この先生方の質問に対する自治大臣の御答弁の中に、頭が痛いのは在宅の寝たきりのお年寄りの投票をどうするかとせんだっておっしゃっておられたと思います。この点については、都道府県選挙管理委員会が自治省に対して提出されている公職選挙法等改正に関する要望事項の中で次のような指摘がされております。   寝たきり老人については、臥床の状態などに関して全国一律の基準を定め、市区町村長の認定により一定基準以上の該当者は、郵便投票の対象となるように改正すること。  (理由)   常時臥床の状態にある者にも選挙権の行使を保障すべきであり、またかかる該当者からの要望も強い。一方、老人福祉手当の支給に関して、各都道府県で条例なり要綱などが定められ、該当者の把握がかなり進んでいるところから、技術的には困難性が少なくしかも該当者の数が現行規により保障されている身障者の五〜六倍にも及ぶと推定されること。  この要望書を出しているのは一般有権者ではなくて都道府県選挙管理委員会連合会であるという点で、現場では法律改正をしていただければ対応ができるという自信があってのことではないかと思うんですが、自治大臣、いかがでしょう。

佐藤観樹日本社会党・護憲民主連合自治大臣・国家公安委員長

○国務大臣(佐藤観樹君) 投票権というのは国民の基本的な権利でございますから、今、委員御指摘のように、介護を受けていらっしゃる方等高齢化されている方、あるいは身体に障害を持っていらっしゃる方、こういった方々の投票権というのを拡大していくということは、これは非常に重要なことだと思っております。  寝たきり老人の場合には、もう委員御承知のように昭和二十六年までは許されておったわけでございますが、本人が知らないうちに投票してしまうとか、あるいは実際寝たきりじゃないのに証明書をもらって郵便投票をするとかいうような不正が残念ながら行われて、今日まで非常に限られた範囲内だけでの郵便投票ということが認められるようになってきたわけでございます。  しかし、今御指摘のように、選挙の公正公平ということを害さないために、つまり不正にそれが使われたりなんかするので特に———特にと言っちゃいけないのかもしれませんが、自治体選挙なんかの場合には、何票差で当落というようなことがあるときにそういう不正が行われるということになりますと、選挙全体の公正ということが疑われるようになってしまう等がありますので、なお一層拡大をするためにその不正等が起こらないようにどうしたらいいのか、具体的になお検討を深めていきたいと思っております。  過日の下村委員の御質問にも伊藤運輸大臣あるいは大内厚生大臣等からもいろいろ御意見もございましたので、その辺も含めて高齢化社会に対応できるようにどこまで具体的に詰められるか。しかも我々の立場からいいますと、あの人だけはリフトつきのバスで連れていったけれどもこの人は連れていかれなかったとか、どうやって公平に本当に伝えることができるかどうかまでちゃんと自信を持ちませんと、そこに不公平があってはいけないし、ということまで十二分に考えながらひとつ我々としても検討を深めていきたい、またそういう重要なテーマである、こういうふうに認識をしております。

西川潔二院クラブ

○西川潔君 よろしくお願いいたします。  最後に戸別訪問について一つお伺いしたいんですけれども、これは実行していただいたからといって僕は賛成できるという立場ではないんですけれども、私は戸別訪問していただいて結構という方は、例えば選挙管理委員会の方で玄関先に張りづけられるようなシールを交付するとか、そのシールのある家庭のみに戸別訪問を認めるというようなアイデアも一つ考えてはみたんですけれども、山花大臣いかがでしょうか。これを最後に終わらせていただきます。

上野雄文日本社会党・護憲民主連合

○委員長(上野雄文君) 簡単に願います。

山花貞夫日本社会党・護憲民主連合国務大臣

○国務大臣(山花貞夫君) 一つのアイデアとして、今質問通告伺っておったところですが、現実的にはどうなんでしょうかね。前にそういう形のものはあったんです、例えば後援会事務所の看板を張れば来ないからということで。これが禁止されたものですから有権者側からの拒否権というのが今なかなか難しくなっていますけれども、そうした問題点もあるということを十分考慮してこれから運用されなければならないテーマだ、こう思っているところでございます。

西川潔二院クラブ

○西川潔君 忙しくて済みません。ありがとうございました。(拍手)

上野雄文日本社会党・護憲民主連合

○委員長(上野雄文君) 本日はこれにて散会いたします。    午後五時十二分散会

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