政治改革に関する特別委員会 第9号
- 発言数
- 266 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1994/01/10
会議録
○委員長(本岡昭次君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を開会いたします。 公職選挙法の一部を改正する法律案(閣法第一号)、衆議院議員選挙区画定審議会設置法案(閣法第二号)、政治資金規正法の一部を改正する法律案(閣法第三号)及び政党助成法案(閣法第四号)(いずれも内閣提出、衆議院送付)並びに公職選挙法の一部を改正する法律案(参第三号)及び政治資金規正法の一部を改正する法律案(参第四号)(いずれも橋本敦君発議)、以上六案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○鈴木貞敏君 山形地方区選出の鈴木でございます。 私は、きょうは、年末年初にかけまして県でそれぞれの方とお会いし、地元の要望といいますか、そういったものを中心にしましてお伺いしたいと思います。 政治改革特別委員会でございますが、何といいましても、私も最初に大蔵大臣に御質疑したいわけでございます。 地方の人とそれぞれ会いますと、実はきのうおとといと会ったわけでございますが、政治改革よりも何といっても景気を何とかしてくれという声が非常に強いわけでございます。 昨年末の補正予算の審議、そしてまた予算を編成しないままついに年を越した。何かこの正月は、一年の計は元旦にありということでございますが、新しい日記を開いても、それぞれ国民にも、ことしはこうやるんだぞというそういった何か意気込みといいますか、希望というか、夢というか、そういったものが浮かんでこない、そんな中途半端な心境じゃないでしょうか。 六日のアヤメ十日の菊というふうなことを昔から私も聞いてまいりましたが、何といっても景気あるいは国民生活の確保というふうな面が政治の要請であるという面からすれば、やはり昨年中に予算を編成して、新しい年に臨んで国民にやる気、夢というものを与えるべきじゃなかったかということを、いろいろ話しながらそういうことをつくづく感じている者の一人でございます。 そういう面で、新聞にも予算編成のスケジュールの問題、あるいは経済見通し、財政、税制改革、あるいは地方財政計画云々というようなことで連日いろいろの記事が出ているわけでございますけれども、この期に至って、ひとつそういった今の段階での平成六年度の予算編成のスケジュール、あるいはそこにおきまする政府としての重点、大蔵大臣としての腹構え、そういったものをまずお伺いしたいと思うわけでございます。よろしくお願いします。
○国務大臣(藤井裕久君) ただいま鈴木委員御指摘のとおり、私は、経済というのは国民生活そのものであり、政治における極めて重要な分野と申しますか、観点だと思っております。 したがいまして、今の経済の情勢というものは予断を許さない状況にある、これはもう事実でございまして、実は昨年の十二月十七日に総理から、こういう非常に難しい経済の中で経済対策をさらに策定すべきであるという御指示がございました。そういう中で、今月中旬をめどといたしまして、これは私のところと申しますより経済企画庁が中心になって経済対策をまとめつつあるわけでございますが、この中に第三次補正予算は当然含めるという形で今まとめられつつあるというふうに承知をいたしておるわけであります。とにかくやはりこの平成五年度予算の執行、そして二回にわたる補正を通じて、いわゆる財政を通じての総需要政策というのを下支えしてきたわけでありますが、さらに三次補正によってこの財政を通ずる下支え政策をやっていこう、こういうことだろうと思います。 同時に、平成六年度予算というのはそういう三次補正予算の編成に続いて当然取りかかってまいるわけでありますが、御承知のように、本予算というものは国民生活全部のバランスをとりながらやるわけでありますから、景気だけではないこともこれ事実だと思います。福祉のあり方だとか教育のあり方だとか防衛だとか、そういうものを全部を通じてバランスをとって資金配分をしていくのが私は本予算の財政だろうと思っておりますので、そこいらについては、まず今の当面の景気というものに最重点を置いた第三次補正を編成して、その後に編成に取りかかっていく、総合的な状況を見ながら取りかかっていく、こういうことであり、決しておくらせていいというような認識を持っていないことだけは、申し上げて、御理解いただきたいと思います。
○鈴木貞敏君 私の国元の状況でも、昨年は冷害、凶作、そういったことで、雪国でございますので冬はまたひとしお暗いといいますか、そういう雰囲気が漂うわけでございますが、都市のいろいろの景気の状況と比べて、私も昨年の印象としては若干ずれがあるなと。やはり都会よりも我が国元の方が若干景気の危機感というかそういったものは少し薄いんじゃないか、昨年の前半あたりはそんな印象でございましたが、後半の冷害、凶作等を含めまして大変そういう意味の深刻さというものが増してきたというふうな状況でございまして、税収なんかも十数年ぶりで山形はどんどん落ち込んできた、そしてまた工場製品の出荷、これもダウンしておるというふうないろいろのこと、あるいはまた下請関係が大変切られて苦境にあえいでいるというふうな話を人ごとに聞くわけでございます。 そういう意味で、この予算というのは、政府自体は大臣の言われたように、やれば痛くはないようなお言葉でもございますけれども、地方にとっては、何といっても国の予算ができなければにっちもさっちもいかない、これからどう進むのか、どうやるのか、そういうめども立たないわけでございまして、そういう意味で、一刻も早くひとつ総予算をつくっていただいてその概要を明らかにして、地方にやる気を起こさせる、地方分権時代にふさわしい気概を持たせるようにお願いいたしたいわけでございます。 そういう意味で、再度そういう面でのお覚悟をひとつお伺いしたいわけでございます。
○国務大臣(藤井裕久君) 今の繰り返しになりますけれども、やはり経済の問題、全国的に非常に大きな問題だと思います。今そういう認識に立って経済対策等々取り組んでいるわけでありますが、第三次補正はとにかくその経済対策の中で取り上げやってまいります。同時に、本予算につきましても、今、自治大臣も見えておりますが、地方財政の問題等もなるたけ早くこの全貌を示していくべきであるというふうに佐藤自治大臣からもよくお話を承っておりますので、今後いろいろ相談しながら平成六年度予算編成の中で地方財政問題についても取り組んでまいりたいと考えております。
○鈴木貞敏君 また、その中でいろいろ話題になっておりますのは増税、減税、いわゆる所得税減税等の問題でございますけれども、大臣はこの委員会でも、いわゆる財源の問題では垂れ流れ国債といいますか、それはもう避けるべきだということを強く訴えられているのを聞いているわけでございますけれども、所得税減税並びにそれの財源問題、二体論その他を含めていろいろの論議があるようでございますけれども、その辺は大蔵大臣として所得税減税とそれに対する財源問題をどうお考えか、これをひとつお伺いさせていただきたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) 今の総需要政策の中でいろいろな公共投資あるいは政策減税等々既にやってきているわけでありますが、その一つとして国民消費という面に目を向けた減税政策というものが当然論議になるのは私どもよく理解できるところであり、現在御承知のように政府・与党を通じましての経済問題協議会でそれについて御議論をいただいているところでございます。 私どもといたしましては、この減税問題は、税制調査会はやや中期的な話ではありますけれども、やはり一体として所得課税の軽減と消費課税の充実というものを考えていく、そして平成六年度予算編成においてもそういうことを頭に置きながら物を考えるようにという御指摘をいただいておりまして、私はそのことは正しいことだと考えております。 いわゆる垂れ流しということを私がいつも申すのでございますが、私は未来に対して経済体質の根幹を崩すようなことがあってはならないということだけはどうしても申し上げなければならないと思います。そういう意味におきまして、今、経済問題協議会において、これらの減税問題と資産課税の問題等々を含めて総合的に御議論をいただいているところであります。
○鈴木貞敏君 自治大臣にお伺いしたいわけでございますが、藤井大蔵大臣が触れられた地方財政問題でございます。これも人に会うごとに地方財源の充実という点について、市町村長はもとよりでございますが、議員の方その他を含めて話に出るわけでございます。 地方都市でもいろいろの問題を抱えておる。高齢化社会を控え、あるいは地方単独事業の問題を控え、何とかひとつ明るい地方を築き上げるということで努力しているんだが、その際、何といっても財源、地方財政の充実、こういった点をひとつぜひお願いしたい。そういう中では、一部、地方消費税へ現行の消費譲与税をひとつ組み入れてもらいたいというふうなそんな具体的な項目も聞くわけでございますけれども、この委員会でもこれからの地方財政への取り組みのスケジュールのお話がございましたが、地方を代表する自治大臣としまして、改めてひとつこういった地方財政計画についてのこれからのスケジュール及びその重点、そういった面をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 先生御指摘のように、地方財政というのは車の両輪と言ってきておりますが、平成五年度の当初で見ますと、国が七十二兆、地方自治体三千三百で七十六兆の地方財政計画ということで、どちらかというと地方自治体の方が多くなってきております。 公共事業でも実際には国からの補助金等もあって四分の三が地方でやっているということから申しますと、景気問題、あるいは地域経済、地域社会を支えるという意味におきましては、地方財政、地方公共団体の果たす役割というのは大変大きくなってきていると私どもは十二分に認識をし、したがって先生合冒頭御質問がございましたように、大蔵大臣から今言ったようなこともございまして予算自体は越年になっておりますけれども、しかし、地方自治体は一月末から二月初めにかけては大抵知事査定なり、二月、三月の議会もあるわけでありますから、そこに迷惑をかけないように、税制改正大綱、それから地方財政計画の方針、これがあれば、大体ベテランの方でございますから大方わかるわけでございますので、これは遅くも一月末がぎりぎりですよというのをいつも私は声を大にして閣僚会議の中でも申し上げ、また、大蔵大臣の御理解もいただいていると私は思っているわけでございます。 そういった中で、何といいましても地方税の仕組みの中で最大の問題は、国は消費税がございまして間接税三割、直接税七割、こういう割合になっていますが、地方自治体は一割が間接税、九割が直接税ということでございますから国以上に景気の波をかぶるところが大変大きいわけでございます。したがいまして、そういった意味で、税額という総量ももちろん大事でございますが、税構造自体を安定的なものにしていく。今、委員御指摘のように、これからは福祉という問題はもっと地域できめ細かくということにもなってまいりますし、高齢化に向かってそのための福祉施設や公共施設というのが非常に重要になってまいりますから、なるがゆえに安定的な財源を確保するということが非常に重要だと思っておるわけでございます。 税制調査会の中でもあるいは地方公共団体の首長さんの方からも、地方消費税をという声が随分出てきております。そういった中で、これは税調の答申にもございますが、消費税そのものについていろいろな議論がございます。つまり、使い道をどうするかとか、逆進性をどうするかとか、不公平税制はどうなっているか、益税の問題をどうするか、そういった問題をいろいろと議論する中であわせてこの地方消費税というものも検討していこうということになっておりますので、そのこと自体が時間的にどういう時間差というものができてくるのかまだ定かではございませんが、いずれにしろ大事なことは、私どもの気持ちからいえば地方にとりまして国以上に安定的な独自財源ということがこれから地方分権の中でもますます必要になってくるんじゃないか、こういう視点を持って今日までも取り組んでまいりましたが、これからも非常に重要な時期に来ているというふうに私は認識をしておるところでございます。
○鈴木貞敏君 予算、そういった財源の問題等をお伺いしたわけでございますが、当初申しましたように、六日のアヤメ十日の菊なんということを申しましたが、何といってもやはり景気の浮揚のタイミング、やはりタイミングを失したら同じことをやってもその効果といいますかスティミュレーションというか、そういったものは極めて効果の薄いものになる。一日過ぎただけでアヤメなり菊の価値というものはもうゼロに等しくなるというふうな例えだと思うわけでございますが、そういう意味で、そういった景気浮揚につきましてこれからも御尽力、その辺の予算編成、一日も早くやっていただきたいということを大蔵大臣に重ねてひとつお願いして、この点は終わらせていただきます。 さらに、実は私、きのうも会合でいろいろ話しますと、この選挙制度改革に対する熱意が、やっぱり山形県等でも七名から三名に減る、小選挙区になりますと半数以下に減る、比例区が二名というふうなそういうことでございますので、せっかく改正されるのに我が県の代表者が半分以下に減っちゃう、全国単位の比例ということでこれは我々とどうも顔がなじみのないような選挙になるんじゃないかということを含めまして、専ら景気の問題で予算、政治改革については大変さめた目で見ておるということを実は痛感いたしたわけでございます。 そういう中で、過疎的な要素を抱える山形県等でも、かねて定数の配分についてはひとつできるだけ減らないようにしてくれということは長い期間いろいろ聞いてまいりました。そのために面積を考慮してくれとか、投票率が非常に山形では高いわけでございますが、そういう投票率、こういったものを勘案してできるだけひとつ定数の減らぬような工夫をしてくれと。しかし、一面において、憲法の原理である投票価値、一票の価値というものは厳然としてこれはあるわけでございますが、それにもかかわらず、やはり何としてでも議員の数を減らしたくないという、政治に対する信頼といいますか、がそれだけ非常に厚いと思うわけでございますが、そういう要望を受けてきたわけでございます。 そして今回も、政府案によりましてそれぞれ定数等があるわけでございますが、何としても小選挙区制を三百にしてくれというふうなこと、そしてまた比例区を県単位にしてもらいたい、こういうふうな要望、意見、こういったものを強く受けてきたわけでございますが、その点につきまして山花大臣にお伺いしたいわけでございますが、小選挙区の定数を私が非常に真摯な要求として受けとる、とにかく三百にしてくれというふうな、そういう点につきましてのお考えはいかがでございますか。
○国務大臣(山花貞夫君) 今御指摘のとおり、定数の問題、とりわけ地方の定数の問題につきましては、選挙制度全般について議論をする以前から定数の格差是正においても大きなテーマとなっておったところと承知をしております。 一極集中と過疎過密の問題は、定数是正についての当初から、過疎過密について配慮をしなければいけない、こういうテーマが一方に強い中で、しかし御指摘のとおりの一票の格差をどう解消するかということが政治改革のいわばスタートにあったテーマでもございました。という経過を踏まえながら、今回、定数だけを取り上げておったのでは決して国民の皆さんの納得いく政治改革にはならない、政治腐敗の問題もまさに政治改革の原点にあるというところから、四法一体で法案を提出させていただいたところでございますけれども、その際、全体としての小選挙区、比例部分の割合につきましては、政府としては二百五十、二百五十というものを原案として、これをベストとしてお願いしたところでございます。 しかし、その後、長い議論の経過を経まして、とりわけ衆議院における与野党の話し合いの経過等も踏まえ、今二百二十六と二百七十四、こういう数字に決まったわけでございますけれども、これはこれとして政府としては議会における御議論ということで尊重して、その上で今回は四法案を参議院にお願いしているところでございます。 御指摘のとおり、地方のということでは、まず一人を各県に配分するということによって配慮を行ったということから、これはこれからの定数一対二ということについていろいろな厳しい条件にもなると思いますけれども、そこまでの配慮も行っているところでございまして、そうした意味におきましてはぜひ提案について御理解をいただきたい、このように考えているところでございます。
○鈴木貞敏君 今の小選挙区制の数を三百にとにかく近づけていただきたいという点につきましては後でまた触れたいと思いますけれども、二院制の原理といいますか、そういう面からもこれはやはり小選挙区制を多くすべきであるというのが私の考えでございます。そういう点でできるだけ今の二百七十四よりさらにふやしてもらいたいということを強く要望したいわけでございます。 もう一つ、それぞれ意見として、比例区は県単位にしてもらいたいという強い意見でございますけれども、地方から見ればこの県単位の方が、我々の地域代表である、我々の代表である、いわゆる顔の見える選挙といいますか、そういったものに非常に鮮明になるわけでございます。やはり全国単位のものですと、どうしても選挙民としては距離が遠い、顔の見えない選挙になるということでございますけれども、その点について、比例区を県単位にする点についてのお考えはいかがでございますか。
○国務大臣(山花貞夫君) 県単位の問題につきましても、全国一本か県単位か、あるいはその他の形があるかということについては、これまでかなり八次審を含めて議論をされてきた経過がございました。 ただ、メリット、デメリットということで考えてみると、県単位ということにして例えば定数二つという県が二十を超えるということですと、よく二%、三%ということで問題となっている部分についても、そこでは足切りが三三%、現実にはもうちょっと低くなると思いますけれども、ということにもなってくることも含め、少数意見尊重、民意の反映ということから考えると、やっぱり比例全国一本の方がよろしいのではなかろうか。こういう観点から今回小選挙区部分のほか比例二百二十六につきましては全国の比例代表ということにしたところでございまして、双方を比較した上でどちらがということの中から、民意反映という部分についてはやっぱり全国単位でという結論を出して衆議院段階でも決めていただいたところでございます。 県単位ということにつきましては、御主張があることについてはこれまでも十分伺ってまいりましたけれども、結論的には今回のような政治判断についてぜひ御理解をいただきたい、こういうように考えているところでございます。
○鈴木貞敏君 それに関連しまして、比例区の単位を県にしてもらいたいというふうな地元の強い意見に関連しまして、一月四日の毎日新聞でございますか、政党得票の集計は全国単位でやって、そして当選者は県単位にする、こういう記事が載っております。いろいろこれは工夫して、急激にこういう考えが浮上したというふうな記事が載っているわけでございますが、私もこれも一つの、やはりそれぞれの県の要望を入れるためには大変一考に値するあれかなということで読ませていただいたわけでございます。 この集票は全国単位、しかし当選者は県単位というこの毎日新聞の記事についての山花大臣及び佐藤大臣のお考え、そしてこれをいかに評価するか、そういう点をひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山花貞夫君) 私もその新聞を見まして、何か「急浮上」と書いてあったものですから、大変、どうなっているかと思ったわけですが、この提案自体については私自身もかつて勉強したことがありました。 と申しますのは、まだこの前の段階、というのは前回の政府案提出前後、一体どのような選挙制度かということで、対立点は当時の与党、野党におきまして単純小選挙区と併用制ということだったわけですが、その際歩み寄りできないかということでさまざま検討された中の一つの案であったというように私は承知をしているところでございます。 野党側、特に当時の社会党におきましては、こうした中身の提案についても十分検討した中でなお幾つかの問題点があるということで連用制に踏み切ったというのが経過でございまして、連用制をとる以前においても、この提案につきまして、有力な学者の提案でもありまた各方面で議論されたことについては承知をしているところでございます。 ただ、当時の議論におきましては、今回のように比例と小選挙区の並立にしてこの案でということではなかったわけでありまして、全体、例えば五百なら五百という単位で、こうして集計は全国で、また当選については都道府県でということにしたところでございますけれども、幾つかの難点と申しましょうか、まあ大変わかりにくいということもありますけれども、今回その提案で具体的にやってみますと、全く与党、野党を含めてゼロという県が三つほどできると私は記憶しておるわけですけれども、せっかく県別にしたんだけれども、与党、野党も含めて全く一人も出すことができない、こういう県も実は出てくるわけでございます。 そういうところなどを考えますと、やっぱり今回直ちにそれが名案だということにはなりにくいのではなかろうか。一つの提案としてはありますけれども、やはり今回四法に出している仕組みの方がはるかに国民の皆さんにわかりやすいし、またその意味におきましてはその案よりはすぐれているのではなかろうか、こういうように考えているところでございます。
○国務大臣(佐藤観樹君) 比例の単位を全国でやるべきという意見と県でやるべきという意見の折衷案という考え方で考えられたと思うのでありますが、私たち、今、山花さんが言われましたように直接タッチしていないので、いわばこういうものを研究してきた者の一人ということでお答えをさせていただきたいのでありますけれども、御承知のように、ドイツの併用案というのが各ラントごとの名簿ということであって、集計は全国でやり、そしてその州のとった得票数によって得票議席が決まり、そしてそのラントの名簿で当選者が出てくるというやり方ですから、その意味では、ある意味では考え方としてわかると思うわけであります。 ただ、今、先と言われますように、少数県配慮という面からいいますと、山花大臣からもお話しございましたように、人口六十万人台、七十万人台、八十万人台のところといいますと、しょせん大きな中ではとてもなかなか議席が回ってこないという現実問題がございます。それから、じゃ都道府県で名簿を出していない政党をどう取り扱うべきかということもございますし、それから、その県にとりましてそうやって分けられた議席数というのは結果として出てくるので、比例代表の議席の定数というのは県別に決まっているわけじゃないものですから、そういう意味で、議席の定数が決まらないという意味で有権者にはわかりにくい、これをやろうと思うとせめて最低四十七人の候補者は各県ごとに立てなきゃいかぬという問題も出てまいります。 いずれにしろ、いろいろこう考えてまいりますと、その名簿というのを拘束名簿にするのかとか、あるいは候補者数の要件をどうするかとか、一体阻止条項をどうするかとか、選挙運動の方法をどうするかとか、いろいろな基本的なことをかなり議論しませんとこれはなかなか成り立たない。そうしますと、かなり時間のない中で各党間の合意を得るのは難しい問題をたくさん含んでいるというのが選挙制度を扱う者の研究の成果、評価ではなくて成果と言っていいのではないかと思うわけでございます。
○鈴木貞敏君 お伺いしましたが、地方の声として、私もその一人として、何とか県の代表である国会議員が減らないようにということを本当にあれやこれやと思っているわけでございまして、そういう意味で、この記事もやはり県単位での当選者ということについては非常に興味のある、関心が持てるということでの御質疑をしたわけでございます。 今、全国比例という政府案に対して、ブロック制とか県単位とかいうものを含めて、いわゆる骨格部分の一つの問題としていろいろテーマに上っているわけでございますけれども、そういう全国それぞれの過疎的な県を含めた熾烈なる、減らないようにと非常に熱望しておる、そういう線にとにかく近づけるべく、私もこの県単位、県を減らさないような線で関係大臣の格段のこれからのひとつ御配慮をお願いしたいわけでございます。 話題を変えますけれども、両院制度という制度のもとにおきまして、私も何回か衆議院の国会議員と一緒にある会合に出ますと、私は参議院であるにかかわらず、鈴木貞敏代議士を御紹介いたしますと、いわゆる代議士ということで紹介されたことが幾たびあるでしょうか。それほど選挙民は、それは相当政治が好きな人あるいは政治に関心を持っている人でも、青年部、そういった若い人はやはり地方区選出の私を代議士という呼び名で紹介する。私はそれを一つ一つ否定いたしませんで、後で実はこうこうなんだよというようなことで話したこともあるわけでございますが、その代議士として御紹介のままにあいさつをしたりなんかしたケースが何回かあるわけでございます。 国民の意識として、やはり今の両院制度でこの代議士という呼称、これはやっぱり我々国民が選んだのはみんな代議士なんだと、率直に言えばそういう感覚じゃないでしょうか。したがって、それは私は代議士と紹介されても決して間違いじゃない、こういうふうな感じなんでございますけれども、旧憲法時代、貴族院があった時代の代議士であろうと思いますが、その名前が今もって代議士会とかいうものを含めて、とにかく国会の中で優位性を持っている衆議院議員であるというのが代議士なんだというふうな名称がずっと踏襲されて使われておるということ、これは非常につまらぬ抹消的な問題だと言えば言えるんですが、やはりこの二院制の位置づけ、そういった面から考えて、しかも今大改革をしようということで、私は今度の衆議院が参議院的衆議院になるんじゃないか、むしろ参議院の方が代議士にふさわしくなるんじゃないかというふうなそんな感じもちょっと持つわけでございますが、この代議士という呼称についてどういうお感じを持っているか、両大臣ひとつお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 定まった説があるわけではございませんが、今の先生の質問の中にも答えは入っているような気がするのでありますが、明治憲法下で、貴族院の場合には皇族、華族、勅選議員ということで、直接国民に選ばれた方でない方が議員になっておった。それに対しまして衆議院の方は直接選挙によったというところで分けられた名称が明治当初以来代議士という言葉だったと私は理解しているわけであります。 ただ、御承知のように、今の憲法におきましては衆参議院とも全国民を代表する選挙された議員でということになっているわけでございますので、そういう意味では代議士あるいは国会議員という区別は余り一般論として意味がないのではないでしょうか。両方とも全国民を代表する議員に位置づけられておるわけでありますから、その意味では、ただ衆議院と参議院の機能的な憲法上の優位性の問題についてはありますけれども、呼称上代議士イコール衆議院議員が上でというような、その背後にある予算とか条約とかの機能性の問題からくるのかもしれませんが、意味はそういうことで、貴族院からの前身を持っているのは参議院だから、そこでは直接国民に選挙された議員でないということからそういう呼称になっているんだというふうに理解をしております。
○鈴木貞敏君 まさに俗称であり法律には代議士という言葉がないわけでございますので慣習として使っているということでございましょうが、その中に、何か旧憲法の殻を引きずっているというふうなそういう感じも受けるわけでございます。 その面に関連してでございますが、五十九条の問題等もいろいろ出たわけでございますけれども、衆議院に各種の優越性といいますか、が認められておる。この点につきまして、一体衆議院に優越性が認められた根拠というのは何であろうか。その理由は何であろうか。別に私は憲法論を言うあれは全然ございませんで、いわば非常に素人的な常識的なことで何だろうということも考えるわけでございますが、その点、山花大臣、佐藤大臣、いかがでございましょうか。御見解を伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(山花貞夫君) 御指摘のとおり、法律案の議決から始まりまして予算の承認、そして条約、内閣総理大臣の指名等々、あるいは権限事項としても予算あるいは内閣不信任決議案審議の優位性というものが憲法上認められているわけでありますけれども、今御指摘のその理由はということになりますと、やっぱり解散権の問題ではなかろうかと思っています。 先ほど来議論されておりますとおり、全国民を代表する選挙された議員、参議院の場合には任期が六年、解散がない。衆議院の場合には、その時折の政治課題などにも関連いたしまして解散があり得る、いわば流動的な民意というものをストレートに反映するきっかけというものを持っているという意味におきましては、そのときどきの政治判断というものを優先させるというそうした立場にあるわけでありまして、この解散権の有無というものが一番大きな理由ではなかろうか、こういうように思っています。解散権は流動的な民意を反映させる、そうした機能を持っているというところに着眼しての憲法上の体制ではなかろうか、こういうように理解をしているところでございます。
○国務大臣(佐藤観樹君) 今、山花大臣が言われましたことに尽きるとは思いますけれども、議員の任期が参議院の方が長いということもございますし、そういう意味で二院制のもとにおいてどちらかを優位に置くということはある意味では自己矛盾ではありますが、一方では、決まらないときには国家の意思を決めなきゃならぬというのでどちらかに優位性を持たせているということであるわけであります。 イギリス議会を大分見習った点が日本の議会の場合におるものですから、そういう意味で、衆議院を優位にした方が民主政治の徹底に望ましいこと、あるいは国会の意思形成が容易になること、議院内閣制のもとにおける内閣のあり方が単純になり、行動に迷いのおそれが生ずるときには解散という手があり、内閣の立場が強化されるというようなことで、衆議院の方を憲法体制の中で優位に置いたというふうに今日まで理解をされているものと承知をしております。
○鈴木貞敏君 おっしゃるとおり、私も、解散、これが一番大きな要素がな、そしてまたそれを受けた衆議院の現在の制度が一つの大きなあれかなと私なりに実は考えるわけでございますけれども、そうであれば、やはり解散をして直接民意を問う、こういう一つの手段、それはまさに候補者と有権者との間の密接なる関連というものにおいて、その投票結果に基づいて選ばれた候補者が衆議院を構成する、そういう意味で一つの根拠を与えられているのかなと私なりに理解するわけでございます。 それだけに、今回の政府案の改正におきまして、先ほど小選挙区三百と申しましたけれども、二百五十、二百五十、それが若干変更したということじゃなくて、やはり小選挙区、有権者が直接選ぶという顔の見える選挙、そこにやっぱりおのずから重点を置かなければこの憲法原理に外れるんじゃないかということを私は感ずるわけでございます。これはやれば比例と両方、こっちは少数をあれするという、そういうバランスのあれじゃなくて、やはり小選挙区を主体にしてやることが、衆議院というものの優位性が認められている、その原理を貫く一つの大きな筋じゃないか、こういうふうな考えを持ちますので、その点を含めて御配慮願いたい。 時間があれでございますのではしょりますけれども、私は今回の政府案を見て、非常に浅い勉強でございますが、何といいましてもやはり大きな二つの欠陥があると。それは衆議院の自己完結型の考えであるということ、したがって二院制である参議院の選挙制度というものを極めて軽視しており、あるいは考えが非常に浅いということ。そしてまたもう一つは、やはり地方政治というものについて軽視をしておるというか、あるいはそれを温かく見守って考えていない。この二つが私は今回の政府案の大きな問題点じゃなかろうかというふうな一つの問題意識を持つわけでございます。 そういう面についていろいろお伺いしたいわけでございますが、私も戸別訪問とかポスターの問題とかいろいろ触れたいと思いますので、もう質問をはしょりますけれども、もう日程も非常に限られておるというふうな中で、公聴会の日付をどうこうするというふうなことも一つ論議されているわけでございます。 この公聴会は国会法に基づきまして予算を初め重要法案については公聴会をやるんだということでございますが、何か公聴会の位置づけというものが法案を通すための単なるスケジュールの一環としてみなされておるということは大変残念なことでございます。衆議院の公聴会の際も、委員会で採決をするということが何か新聞に出た後に公聴会を開くというふうなことで、ある公述人が、一体公聴会をどう思っておるんだ、我々を軽視しておるんじゃないかというような発言があったようにも聞いているわけでございますが、本参議院のこの法案の審議に当たりましても、公聴会の位置づけ、これは私は極めて重要である、こういうふうに認識するわけでございます。 先ごろ四日間にわたり中央、地方の公聴会が行われたわけでございますが、これの概要といいますか、もうポイントだけで結構でございますが、何がその公聴会において最も問題になり、その中でやはり政府としてなるほどこれは取り上げるべきだという点でのポイントをひとつお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 公聴会の主なる概況につきましては、衆議院の方で十カ所で行われました地方公聴会、それから中央公聴会の報告書が出ているわけでございますけれども、地方公聴会で共通して述べられました主な意見というのは、とにかく今国会で一括成立をすべきである、合意点を見出すべきであるということが一つであります。 それから、選挙制度につきましては、並立制の導入というものを是とするという意見であり、それから総定数と定数配分、比例代表選挙の区域及び投票の方法につきましては、賛否相半ばしたということが出ておりまして、いずれにしましてもぜひとも与野党で合意点を見出すべきであるというのが意見でありました。 それから、政治資金制度につきましては、企業・団体献金を全面的に禁止すべきだという意見と、五年間の期限つきで企業・団体献金を是認するという意見がありました。特に、無所属の地方議員について、企業・団体献金が禁止をされることに伴いまして、政党助成の対象とならないため個人献金のみに依拠せざるを得ないこともあって現実の政治活動に支障が生ずるという意見がかなり多くの者から強く述べられたところであります。 政党助成につきましては、政党助成そのものに慎重な対応が必要だという意見もありましたけれども、企業・団体献金の規則とも相まって政党助成制度の導入を是認する意見でございました。 あとは、戸別訪問につきましては、これも意見賛否相半ばということであります。 連座制の強化につきましては、おおむね適切であるというふうに集約がされております。 したがいまして、御承知のように、きょうは衆議院の修正提案者はお見えではございませんけれども、政府の原案よりも小選挙区の定数をふやして小選挙区を二百七十四、比例代表を二百二十六というふうに修正をいたしましたことやら、政党交付金の総額を自民党案と同じように三百九億円、一人当たり二百五十円でお願いをするというふうに衆議院において修正をされたところでございます。
○鈴木貞敏君 公聴会の公述人あるいは陳述人というんですか、それぞれのグループからの推薦でございますから、そこで意見がまとまってこれとこれというのはなかなかなりづらい、おのがじし、それぞれの立場での御意見ということで大変いろいろの意見であろうと思いますが、私もさっと議事録等を読ませていただくと、地方のいわゆる無所属の議員等を含めたそういう者に対する手当て、これを一体どうするんだというそういう地方からの一つの声、あるいはまた定数の配分、そういったものが二院制の原理から見てもっと小選挙区に多くすべきじゃないかというふうなこと、そんなのが大きな核になっておるのかな、松浦理事からも質疑がそういう点であったわけでございますけれども、私もそんなで、さらっと見たところでは受けたわけでございます。 今回、参議院の方で、中央・地方公聴会の日程が決まってやれば、そこでそれぞれの立場から十分ひとつ意見を吐いていただいて、やはり単にスケジュールの中での一環としてじゃなくて、それを本当に真剣に受けとめてこれからに生かしていくようなそういう運営で公聴会をやっていただきたいなと、こんなことをひとつまた一委員としてもぜひお願いしたいわけでございまして、そういう点で、それぞれ御相談を願いたいということを要望したいわけでございます。 次は、先ほどお話があった連座制の問題でございます。 現行法では連座の対象として総括主宰者、あるいは地域主宰者、出納責任者、あるいは親族というようなことになっておるわけでございますが、今回新たに秘書という言葉で連座制の対象に加えられたわけでございます。 秘書といいましても、これは実際いろいろの秘書がおろうと思うわけでございます。秘書の名前を使っておらなくても、秘書よりさらにその政治家、候補者にとっては大切な人がたくさんまたおろうと思いますし、秘書というものが加わったわけですが、何か定義が、親族といえばもうはっきり、法案でもそうでございますが、父母、配偶者、子供、兄弟、姉妹というようなことでこの親族の範囲等ははっきりするわけでございますが、どうも秘書というだけでは、その実態、この連座制の対象になっても果たしてそれを問擬できるような格好でいけるのかどうかなと。 連座制にする以上、この秘書というものの位置づけ、そういったものをもっと明確にしないといかぬのじゃないかなという考えでございますが、この点お伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) これは一昨年の緊急改革のときにも先生今御指摘のような問題も随分出まして、したがいまして、今の政治活動、選挙活動、この中におきますいわゆる秘書というものについての役割というものを実態に合わせてひとつ考えるべきであるということで、今度の法案につきましてもかなり幅広くとらえておるわけでございます。 改正法の二百五十一条の二第一項第五号におきまして「公職の候補者等に使用される者で当該公職の候補者等の政治活動を補佐するものをいう。」というふうに定めておるわけでございます。ここで言うところの「公職の候補者等に使用される者」というのは、実態として公職の候補者等の指揮命令に従い労務に服する者を言いまして、必ずしも当該の公職の候補者等と雇用関係というものを持っていなくてもいい。実態として実際に指揮命令に従って労務に服することであり、したがって必ずしも賃金を支払われている者ということに限っていない、要しないというふうに解しております。 なお、同条の第二項におきましては「候補者等の秘書という名称を使用する者」、つまりそれは「秘書という名称を使用する者又はこれに類似する名称を使用する者について、」、これは例えば後援会等の実質工事務局長ということになっていて秘書という名称を使っていないかもしれませんが、委員今御指摘のように、秘書以上に実態的には候補者等の政治活動を補佐しているというような者をイメージしておるわけでございますけれども、「当該公職の候補者等がこれらの名称の使用を承諾し又は容認している場合にはこということは、私なら私が実態的に秘書という、その相手の人が使っていなくても事実上そういう仕事をやっている、政治活動を補佐し指揮命令に従って服務しているというようなことをだれも文句は言わない、それから候補者等も本人も言わないというように承諾しまたは容認している場合には当該名称を使用する者はいわば秘書と推定するということになっておりますから、実際の事件の場合には、こういう概念で行動し、買収、供応等をした場合には連座制が働くということで、現状の政治活動や選挙活動の実態をよく見て我々としては法案に十分盛り込んで、これによって連座制の実効というのは極めて期せるというふうに考えたわけでございます。
○鈴木貞敏君 今、大臣のおっしゃった二百五十一の二第一項第五号ですか、あるいは今の二百五十一条の二第二項の推定規定、いろいろあるようでございますけれども、しかしこれで果たしてどうなんだろうなという私は疑念がございます。 選挙になれば恐らくこれはもう臨時の秘書的な活動をする人がそれぞれの地域にたくさん出る、選挙にならなくても通常何十名いるとかなんとかいうことで、候補者によってその数はそれぞれ違う。そしてまた、こういう規定ができますと、連座制ということなれば、その承諾とかあるいは容認といいますか、重要なるそういう政治家の補佐として政治活動に従事する者は候補者とはセパレートしているような格好で、そういう者は全然知りませんよというような格好で、そういう人がそれぞれの肩書で、何も秘書に限りませんが、実態的に秘書的なあれでそういう人が動くということもあり得るんじゃないか。 いろいろのケースが出て、これは行政実例などを積み上げて、かくかくであれば秘書とみなすとか、こういうふうな積み上げが必要であろうと思うわけでございますけれども、まあ私は参議院でございますので、衆議院の先生方の本当の熾烈なる戦争の中で、秘書の実態というのはいろいろのものがあって、この容認とかあれでする、あるいは意思を通じてというようなことで、かえって意思を通じなかったり容認しない格好でそういう重要な活動をするケースがもう出るんじゃないかなということを実は心配するわけでございますが、その点いかがでございましょうか。
○国務大臣(山花貞夫君) 今、委員御指摘の点につきましては、先ほど自治大臣が答弁で触れておりましたけれども、一昨年の緊急改革の際あるいはそれ以前の段階からかなり議論されてきたところでございます。 実は、個人的な経験になりますけれども、例えばリクルート事件のときに、〇〇事務所〇〇という、世の中の皆さんが秘書と知っている方について、秘書じゃありませんかということを私は予算委員会で随分質問したことを記憶しておりますけれども、その実態というものについては大変とらえにくいというのがこれまでのだれもが承知していることではなかったかと思っています。 今回は、推定規定を含めてその点をかなり詰めた形になっているということもありまして、従来いろんな場面で使われておりました秘書が秘書がということで政治家が責任を負わないというそうした批判に対しては、こたえるぎりぎりのところはでき上がっているのではなかろうか、こういうように考えているところでございます。 同時に、今回の規定につきましては、とりわけ買収事犯等一番国民の批判が強いところでございますけれども、従来は選挙が始まる前に買収を行って、それで前回の選挙では今なお金国指名手配の人がかなりいるんじゃなかろうかと思っていますけれども、そういう方につきましては、候補者等については入らなかったものですから、選挙が始まる前に買収をやった場合には連座制の適用がなかったという場合も、今回は候補者等ということで、候補者になろうとする人についても含めている、こういう厳しい内容にもなっているわけであります。こうしたいわば新しい連座制の規定と厳しい制裁ということにつきまして現実に法案が動き始めるということになりますとかなり効果が期待できるのではなかろうか、こういうように考えているところでございます。 御指摘のようなあいまいさということについては、確かに秘書の実態についてはありますけれども、そうした問題に対してどこまで迫るのかということでできる限りの内容を盛り込んだのが今回の規定であるということについてぜひ御理解をいただきたい、こういうように思うところでございます。
○鈴木貞敏君 佐藤大臣の秘書の定義として、雇用関係は必ずしもその要件にあらずということでございましたが、いわゆる政策秘書を含めた三人の公設秘書というのは雇用関係を含めてあるわけでございますが、これはもう有無を言わさずやっぱりここにいう、どんなことをしている秘書、これは争いのないことでございますが、ほかに先ほど来の事務局長とか幹事長とかあるいは顧問とか、もういろいろの名称がございますが、そういう格好でいろいろ動かざるを得ないというふうな中で、実態的にこの連座制にかかわる秘書であるか否かということについては大変いろいろ判断が難しいケースがたくさん起きてくるんじゃないかなというふうなことでございます。 山花大臣は、いや、それはもうこれで、いろいろ推定規定等でと言うんですが、それでもまだ私は何だか実態と何か遊離した格好で、いろいろ法律と遊離した格好で、秘書、こういったあれが動く可能性というのは非常に多いんじゃなかろうかなということを心配するわけでございまして、この点ひとつ法の運用あるいは実態面をよく見ての取り締まり当局の一つの判断、こういったものに期待したいと思うわけでございます。 そしてまた、次にあいさつ状の禁止の強化という問題、これは我が下稲葉議員からも全国比例区の立場からも御意見があったわけでございますけれども、今あいさつ状は自筆にかかるものを除いて禁止という現行法であるわけでございますが、今回はさらにこれに慶弔、激励、感謝その他これらに類するあいさつ状、電報類を含むということで、これは全部だめになるわけでございます。こういう格好であいさつ状の禁止について強化をしたということは、一体那辺に理由があるのでございましょうか。これを追加した理由をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) さきの問題、警察庁長官をやられました鈴木委員でございますから、大変いろいろな角度から、御経験の中でいろんなケースがあろうと思うことも私もわかるわけでございますが、かなりこれは、今、山花政治改革担当相から申しましたように、いろいろな議論を積み重ねた上、法律上できるのはここまでだと。新たなる全くこの枠外のケースがもしあるような場合にはこれはまた新たに考えるということでありまして、ここだけやりますと、御承知のように連座制というのは他人の犯罪をもって失格をさせる、あるいは「意思を通じ」というのは、やはりどうしても外せないわけでございますので、ここまでが現状の実態から考え得る限りではないかというふうに思っております。 それからあいさつ状の禁止につきましては、先生御承知のように平成元年の十二月に議員立法をもちまして、いわば季節ごとに行います年賀状とか寒中の見舞い状とか暑中見舞い状とか、そういったいわゆるあいさつ状というのは禁止をされたわけでございますが、これは言うまでもなく金がかからないようにひとつしていこうじゃないかということで、その趣旨で、あのときには、入りの話ばかりするけれども出の話も、入りの話だけ締めても政治家にお金がかかるという出の話もしなければ実態に合わないのではないかという議論がございまして、金のかからない選挙ということでしたわけでございます。 その際、結婚式のお祝い状をどうするかとか、あるいは入学式をどうするかとか、あるいは何か賞状をもらったときに感謝の言葉を述べるものをどうするか、こういうことが省かれておったわけでございますが、これまた一人がやり始めますと、また相競って同じ選挙区内、もう大体季節がわかっているもの、あるいは新聞に載ったものは全部また出さなきゃいかぬということになってきて大変お金がかかるということで、この際ひとつこういったものについても禁止をしていこう、そして金のかからない公正な選挙にしていこうということで、公正な政治活動、選挙活動にしていこうということにいたしましたのが本趣旨でございます。
○鈴木貞敏君 このあいさつ状禁止の強化という面については罰則がないわけでございますね。罰則のないこういう規定を置くということ、人は人にあらず人間である、社会的存在であるということを考えますと、どうも慶弔、激励、感謝の電報までもいかぬのだということは、何かもういかにも人間性というか、つき合いというか、そこまで法律で禁止するというのはどうなんだろう、そういう点はむしろ政治家の良識、あるいは日常の交際の範囲で良識に任せていいんじゃないか、こんな感じを私は持つわけでございます。 平成元年の改正でございますか、あれも議員立法で全員一致であれしたと。しかし、その後払もいろいろこれは困るぞと。おれはあるお寺の檀徒なんだけれども、お寺に今までやっていた金はもう一銭も出せなくなる。そういうものを含めて、我々の人間性を無視するのかということを非常に強く町村会議員の方から実はいろいろ迫られたようなこともあるわけでございます。 大臣のおっしゃるとおり、入りの方を厳格にそれぞれ足並みをそろえてと、こういう気持ちであるわけでございましょうが、このあいさつ状の禁止の強化という面は良識に任せて罰則もないあれでやっていただいた方がいいんじゃないかと。これは私の感想なんで、ひとつ御参考にしていただきたいと思います。 そしてまた、戸別訪問でございますが、これももう新聞に、現行法据え置きというふうな線で何か専ら戸別訪問の解禁はもう取りやめだと、こういうふうなことで載っているような感じでございます。 私は、全般的にこういった、形式犯と言われますが、実質犯、形式犯ということで過日も警察庁から違反の報告がございましたけれども、やはり買収、利害誘導、そして選挙の自由妨害、こういった非常に悪質なのを実質犯、そして文書図画とかこの戸別訪問なんというのは形式犯と、したがって、昔から私たちも、この形式犯はできるだけフリーにして重点はやはり実質犯に向けるべきじゃないかという議論は古くからあるわけでございます。 しかし、その反面、形式犯、実質犯と一言で言いましても、形式犯といえどもやはり組織的、計画的なそういう形式犯は決して無視できないんじゃないかというふうな議論もございまして、戸別訪問につきましてもそういう論議の中で、大正十四年でございますか、それ以来もうずっと禁止されておる。私の理解では、戸別訪問と表現の自由の憲法二十一条の関連、こういった点でも十数回最高裁の判決がおるわけでございますが、すべて戸別訪問禁止は合憲である、何ら疑いを入れず一貫して戸別訪問禁止はいわゆる合憲であるということが定着しておるというふうな実態もあるわけでございます。 そしてまた、この戸別訪問をやると買収とか利害誘導、そういった場を提供するんじゃないか、一部そういう御質疑もあったわけで、統計上どうなっているということはそれは統計をとっていませんというふうな警察庁の返答でもあったわけでございますが、そういった買収なりの温床になるということよりも、選挙というのはやはり戦争である、選挙戦と言われるまさに戦争である、したがって、票読みその他によって最後はこれが危ないとなれば、許されるあらゆる手だてを使ってやはり勝つために有権者、支援者は火の玉となって燃えて戦うというのがやっぱり選挙戦の実態ではなかろうかと思うわけでございます。 そういう実態面から見ますと、最後の場になってこれはもうということであれば人海戦術あるいは戸別訪問部隊、こういったものを結成して、もうとにかく最後の手だてとして大変なる人海戦術的な大量動員ということが行われるんじゃなかろうかということが十分予想されるんじゃないか。それによって、個人の一つの生活の平穏というようなものはもとよりでございますが、候補者自身もそれにかかわって大変な苦慮をする。そしてまた、ただでやってくれる人だけならいいんですが、恐らく電話戦術その他と同じようにそこに日当を与えるということでなければ大量動員できないというふうなこともできるでしょう。 あれやこれや思いますと、組織的、計画的な人海戦術を含めたそういう戦術が当然現出するということを予想しますと、形式犯として、一部言われるように、これはもうどんどんひとつ解禁してフリーにしろということにはにわかに私は賛成しがたい。 やはり公選法の趣旨もあくまでも選挙の自由と選挙の公正、この二つをいかに調和させていくか、やはり自由を保障すると同時に、一方において公正なるひとつ土俵づくりの上で公正に選挙をできるようにしようということで、私は公選法は、この戸別訪問を禁止したり、あるいはポスター、葉書、ビラとか、それぞれ枚数を制限したり、事前ポスターのいろいろの掲示を制限したりしているんじゃなかろうか、こう理解しておるわけでございますが、そういう面での戸別訪問の自由化という面についてのお考えをひとつお願いいたします。
○国務大臣(佐藤観樹君) 鈴木委員が御指摘になること、そのことも私たちは随分衆議院の質疑のときにもいろいろとお伺いをいたしました。 ただ、一方では、今の選挙運動というのは、候補者あるいは運動員が有権者と接する機会というのは極めて少ない。強いて言えば、候補者で言えば個人演説会あるいは街頭演説しかないのじゃないでしょうか。あるいは、運動員ということになりますとビラを持っていくときに接するかというぐらいしかないということで、非常に有権者との間が隔離されているという表現が当たっているかどうかわかりませんが、距離が遠いのではないか。政党本位にするということで、ヨーロッパ諸国でも戸別訪問というのは政策を訴える有効な手段としておりますので、この際時間の制限のみを設けて全面的に解禁したらどうかというのが政府案でございます。 ただ、衆議院の段階でもこの問題についてはまさに賛否いろいろございましたので、ひとつ参議院の審議の中で十分議論を煮詰めていただきたいというのが我々政府の立場でございます。
○鈴木貞敏君 大臣は、今、候補者が有権者と接する機会が少ないということですが、これはもう何万人という大量の有権者に個々面接はできるわけでございますし、その他いろいろ電話戦術、それからポスター、ビラ、街頭、個人演説会、あるいはテレビ、ラジオ、そういった公設を含めていろいろあるわけでございます。むしろ戸別訪問は候補者自身じゃなくて周辺の支援者、これの戸別訪問が私は問題だと。候補者自身のことは私は全然考えていないわけでございまして、公職の候補者あるいはなろうとする者に対して支持する、そういう支援者のことを私は心配しておるわけでございますので、その点ひとつ誤解のないようにお願いしたいわけでございます。 諸外国も自由だと、こういうことでございますが、何といいましても、今の段階では抜本的な制度というものを定着させるということが前提であって、こういったポスター、ビラの頒布、事前運動のポスターなんかも大変手間暇かかるわけでございます。今回、衆議院で修正になって、いわゆる公示期間の前一定期間は事前ポスターを使えないとかいろいろの面が規制になって、私は大変それはやはり公正を担保するためにフリーにするよりは結構なことだということでございますが、あわせてこの戸別訪問もそういう意味でまず抜本的な制度を定着させると。それまでは、もろもろのそういう運動形態についての抜本的改革というのはやっぱり時期尚早ではなかろうかという考えを持っておるわけでございますが、その点よくひとつこれからの実態をあれして、おかしな選挙にならぬような格好での御配慮をぜひぜひお願いしたい、こう思います。 それから重複立候補の問題、私もこれをいろいろ聞かれるわけでございます。有権者として納得できない、とにかく小選挙区においていわゆる否決された一人を選ぶということで、否決された者がまたどんでん返しで比例区の方で当選するというのはどういうことですか、並立制でしょう、併用制じゃないでしょうと。並立制である以上はそれをセパレートして、やっぱり有権者の気持ちをはっきりあらわすようにしてもらわなくちゃ困ると。 日本人の感覚からしても、一票負けても、私の不徳のいたすところでした、御支援ありがとうございましたと涙を流しながらごあいさつするのが今の選挙の実態じゃないか。それにもかかわらず、何か我々が否決した者がまたこっちへ行くというのは衆議院にA、Bクラスみたいな何かランクづけをして、何かそういうような格好でどうしても納得いかないというあれを、私はもう数人となくそういう御意見を聞きました。 なるほど日本人の感情、感覚、政治風土その他から見てあれはもっともだと思うわけでございまして、コールの例とかいろいろのお話がございました。まさに山花大臣のあれでも、政党の一つの裁量としてそれはその中で候補者を決めるんだと、これがまさに政党本位の選挙だというふうなお説も聞いたわけでございますが、それにしろ、この重複立候補というのはそういうもろもろの日本人的感覚、政治感覚からしてどうしても納得いかないと思うわけでございますが、この点いかがでございますか。
○国務大臣(山花貞夫君) 今の御質問の中に大体の問題点は全部お触れいただいたんじゃなかろうか、こういう気もして伺っていたところでございます。 今回は、御指摘のとおり、個人本位の選挙を政策本位の選挙、そして政党本位の選挙に抜本的に選挙制度の中身を改めるということから、政党の裁量権というものを広く認め、政党としてどうしても出したいという人につきましては重複立候補という制度を設けることによって議員として生み出そう、こうした仕組みにしたわけでございます。 実は、今回は並立制でありますけれども、併用制の場合などの制度を組み合わせた場合にはこの問題につきましては常に議論されてきたところでございます。併用制をとったってそうじゃないかという議論はこれまでもあったわけでありますけれども、前回も例に出しましたけれども、ドイツの場合には比例代表の当選者三百三十四人のうち三百二人が小選挙区で落ちた人が出ている。もっとも、ドイツの場合にも比例だけに出る方もいらっしゃるわけでありまして、これは政党のいろんな裁量、判断によっているところでございます。 御指摘のとおり、確かに違和感ということにつきましては当初あるかもしれませんけれども、選挙の仕組みとして政党本位にするんだということの中から、これを新しい選挙の形として国民の皆さんにぜひ御理解をいただきたい、こういうように考えているところでございます。 小選挙区だけの制度による死に票の問題含めてのいろいろな弱点を補うために比例部分を組み合わせたというところがもう一つの大きな理由になっていることについても、つけ加えさせていただきたいと思います。
○鈴木貞敏君 政党の裁量ということでございますが、そういう意味で政党助成の問題等を含めていろいろ政党の位置づけというものが大変問題であろうと思います。そういった候補者を選ぶ手続なり公認の問題なりいろいろな問題がございます。 そういう面で、我が同僚の片山議員からも政党法の制定というふうな意見があったわけでございますが、私も、この段階に至ればやはり政党本位の選挙ということを踏まえまして、政策立案、選挙の主体の問題あるいは政党の役割等について大きな政党法という一般法、これは政治資金規正法なり公選法にそれぞれ個々にはその政党の要件その他が書いてあるわけでございますが、一般法としての政党法をやはり真剣に考えるべきじゃないか、こう思うわけでございますが、その点ひとつ御見解をお願いします。
○国務大臣(佐藤観樹君) 中身につきましては鈴木委員先刻御承知のとおりでございますからもうくどくど申し上げませんが、それじゃ一体その政党法に合っているかどうかというのはどなたが判定してどういうふうにするんでしょうか。 今までの延長線からいきますと自治大臣のところに届けられるということで、何々党さん、これは政党法からいって外れていますよ、政府が政党に対してそういうことを言うことが果たして政治活動の自由、結社の自由等からいっていいことかどうかということについては我々は極めて疑問を持っておりまして、したがって必要な要件だけ、政党助成金なら政党助成金で客観的なデータでだれにでもわかるということにしていくことが憲法に言うところの政治活動の自由ということを保障することになるのではないか、いわば外形基準に基づいてやっていくというのが民主主義の発展のためにいいということで、本法案にも政党法という考えをとっておらないところでございます。
○鈴木貞敏君 時間が参りましたので、いろいろまた御質疑したい点があるわけでございますが次に譲ります。 要は、我々を含めて、事あるごとに我が国は法治国家であるということを口癖に言うわけでございますけれども、その反面、何といいましても政治資金規正法を初めとして売春法とか食管法が三大ざる法であるとかいうようなことも言われたりしまして、残念ながら法治国家と言われながら法に対する信頼性といいますか、そういう点が必ずしも万全じゃないということを感じている者の一人でございます。 そういう意味で、国民の代表を選ぶ公選法を初めとする一連の法律、これはやはり我々政治家一人一人がしっかりそれを守るということは当然でございますけれども、また一面、いろいろ選挙運動その他についても守られる選挙立法作業であってほしいということを熱望する次第でございまして、最後の段階に至ったこの段階で国民の幅広いひとつ意見を十分取り上げて、日本の政治風土にふさわしい、そしてまた改革の目を含めながらも守っていけるような、そういうひとつ法制であるように心からお願いしまして質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○角田義一君 社会党の角田でございます。 私は、細川連立政権の最大の任務は政治改革を断行することだというふうに思っております。この政治改革の断行は、言うまでもありませんけれども、国民の政治に対する信頼を取り戻して我が国において政権交代をスムーズにやる、そういうシステムを確立するために絶対に必要なことだというふうに思っておるのであります。 そういう観点から申し上げますならば、昨年の総選挙で三十八年にわたります自民党の一党支配というものが崩壊いたしまして七党一会派による細川連立政権ができたということは、私は政治的に見て大変画期的なことだというふうに思います。 しかし、我が党にいたしますれば、山花国務大臣は当時我が党の委員長であられたわけですが、歴史的な敗北を喫する、こういう状況の中で、しかも今日連立政権の一翼を担わせていただいておる。ある意味では歴史の皮肉とも言えますが、私はむしろこれは天の配剤である。動乱の時代であるからこそこういうことになったわけでありまして、私はやはりこの細川連立政権というものを積極的に支えていかなきゃならぬ任務が私どもにあるというふうに思っておるわけであります。 そういう意味で、当時大変御苦労された山花国務大臣、細川政権の成立というものについて、この歴史的な意味合い、意義、これをどういうふうに考えておられるか、この政治改革法案が大詰めにきたときに改めて私はその辺の御所見を承っておきたいというふうに思う次第です。
○国務大臣(山花貞夫君) 今、角田委員が冒頭にお触れになりましたとおり、健全な議会制民主主義の一つのバロメーターは政権交代であり、そしてそのことを三十八年ぶりにつくり出したこと、そして選挙における有権者の審判を真正面から受けとめたという意味におきまして、細川連立政権の誕生は我が国の憲政史上歴史的な意味を持つものと認識をしております。 同時に、当時私が社会党の委員長として、党に対する選挙の敗北の責任、と同時に選挙における国民に対する公約を履行しなければならない責任、このはざまの中で大変苦しい思いをいたしました。結論的には、全国の皆さんの御意見そして党の大会等から流れができ上がりましたけれども、やっぱりこの際は政権交代を実現しよう、非自民の連立政権ということを訴えてきた党の責任を果たさなければならないと、政治の決断をしたところでございます。 これまでかなり長い間、連立政権、連合政権の構想は打ち上げておりました。既に六九年の段階で連合政権の政策についてもつくり上げました。以来、最近の社会党の大会では、政権を担える党へ脱皮しなければならない、党の自己改革を全力を尽くして行ってまいりましたし、現実には苦しい思いをしながらシャドーキャビネットをつくり、いつでも政権交代を資格として認めていただけるようなそうしたアピールも行ってまいりました。 しかし、選挙の敗北という結果を受けたわけでありますから、果たしてそうした構想が、社会党の当時の政策としては国民の選挙での敗北という形で批判を受けたわけでありまして、そこでその一方における非自民連立政権ということの選択が大いに苦しい選択となったところでございます。 同時に、もう一つの問題は、実は最大与党となった社会党の動向が政治を決定する、こういう局面でもございました。当時、社会党が新党、さきがけの提案であった二百五十、二百五十の政治改革政権の提唱を受諾すれば非自民の連立政権ができる、受諾しなければ自民党を中心とした連立ということになる政治状況の中で、我々は非自民の連立政権を選択したところでございます。そうした意味におきましては、当時、社会党としても大変大きな代償を払って政治決断をしたところでもございます。 国民の期待にこたえ、政治改革政権としての名に恥じぬ成果をこの国会において上げること、ここが大前提であると思いますし、国民の信頼の回復の第一歩、二歩をそこで記録した中でこれからの課題に対して取り組んでいく、これが細川政権の任務ではなかろうか、こう承知をしているところでございます。
○角田義一君 今、大臣からお話がございましたが、率直に申し上げまして、この小選挙区比例並立制というものは私どもにとっては大変苦渋な選択だったというふうに私は今でも思っております。 しかし、私は当時、これからお話し申し上げます問題について、もちろん党内にも多くの賛同者もおりましたけれども、この連立政権を樹立するときに小選挙区と比例の並立制をのんだ。しかし、その小選挙区制の選挙のあり方については、やり方については当時その成立に際しては特段具体的な細かな協議はなくて、いわば並立制をのむというだけの問題だった。小選挙区のあり方については別途協議をすればいい、こういうふうに私は理解しておったんでございますけれども、それは経過としてそういうふうに理解しておいてよろしいでしょうか。
○国務大臣(山花貞夫君) 経過としてはそのとおりでございます。
○角田義一君 そこで、我が党が小選挙区二百五十をのまざるを得ないという状況の中で、小選挙区は御案内のとおり民意の集約ということに力点がある制度であるとはいえ、大変死に票が多いと御批判のあるところです。現に私も今でも小選挙区というのはそういう欠点を持っておるというふうに思っておるわけでありますが、そこで、じゃどうするかということを私どもは大変真剣に悩んだ経過がございます。 フランスの小選挙区制は御案内のとおり単純小選挙区でありますが、五百人の定数でやっておりますけれども、これは二回投票をやっております。もう先生方はみんな御案内と思いますけれども、一回の投票で過半数をとるという人はフランスでも何回選挙をやっても五百人の定数のうち五十人前後しかおらないんです。過半数をとれば、それはいろいろ死に票の問題もあるが、しかし選挙民も納得する、過半数をとったんだからしょうがないじゃないかと。したがって、過半数をとらない人がいた場合には決戦投票をやる、そしてできるだけ民意を集約する、こういう形でフランスの小選挙区制は今日まで運用されておる、こういうふうに私は理解をしておるわけであります。 したがって、この二百五十の小選挙区も、例えばそういう形で行われるのであればいろいろ欠点も少しは是正されるんじゃないかということで私も党内でも主張いたしましたし、あるいは連立政権でその辺のこともお話し合いになったというふうに聞いておるのでございますが、これはやはり今後のいろいろな課題もありますので歴史的な経過として私は明らかにしておいていただいた方がよろしいというふうに思いますので、大臣の方から御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(山花貞夫君) 今御指摘のフランス型二回投票の方式というものにつきましては、大変長い議論がこれまであったと思っています。 実は、海部内閣の前の時代、当時の与党自民党の中からも有力な主張としてなされてまいりましたし、今回の新党、さきがけの提案をのんだ後におきましても、選挙の仕組みとしては二回投票制がよいのではないかということを、当時、衆議院の段階では与党の理事の実務者の皆さんが中心となってあり方を協議しておりましたけれども、その当時、社会党の委員の方から強く主張をしたという経過も実はございました。 最終的には、フランスの場合にも第一回の投票で決まるのは大体一四%くらいでしょうか、そしてその後第二回、これは全部がその仕組みですと、またそういうやり方もあるかもしれませんけれども、並立をとった場合、一方が決まらなければ他方も決まらない、こうした問題点も絡んでくることのほか、いろいろ手続面等におきまして最終的に合意を得るに至らずということになりまして、この二回投票問題につきましては、最後までテーマとしてありましたけれども、実は合意することなく今回の提案になったところでございます。大変有力な提案であったし、私は一つのあり方と思っておりますけれども、今回はそうした全体の合意ということの中で政府案を提出させていただいたところでございます。
○角田義一君 そんなわけで、私どもの要望といいましょうか意向というものがなかなか反映されないでこういう結果になりましたけれども、しかし、それはそれで、この制度のもとでどうやって私ども頑張るか、各党もそういう悩みはあると思いますが、しかし、最終的には御案内のとおり衆議院段階で二百七十四、二百二十六というふうな定数配分になりました。 今後またこの定数問題についていろいろ話し合いがあるんじゃないかというような御議論もございまするが、総理の当委員会での答弁ですと、この委員会等の議論も踏まえてというお話もございましたので、私どもは率直に申し上げますとこれ以上定数配分をいじっていただきたくないなと。先ほど鈴木先生の方から、どうか三百にしてほしい、何とか三百にならぬか、こういうお話もありましたが、私どもの立場ではちょっとこれはもう御勘弁願いたいな、こういう気持ちも率直にあるのでございます。 その辺、大臣、かなり定数をいじることについて難色があるというそういう雰囲気については御認識を持っておられると思いますが、認識の有無だけでいいですからお答え願いたいと思います。
○国務大臣(山花貞夫君) 政府側といたしましても、今回二百五十、二百五十の並立制を、新党、さきがけの提唱もあったことを含め、ベストとして出した経過がございます。これはあくまでも政府の提案ですから、一般的な立法の流れということならば院が採決をするということですので、いろいろな問題について十分意見を尊重しなければならないということは当然のことでございまして、総理の過日の答弁もそうした一般的な前提ということを置いたものではなかろうかと考えているところでございます。 衆議院段階における修正項目としてひとまず決着がついた形になっておりますけれども、それはあくまでも衆議院の問題でしたので、今回引き続き検討されている二、三の項目も含め、これは今の段階では参議院の御議論を十分お伺いしなければならない、こういう立場でございます。 冒頭申し上げましたとおり、本来二百五十、二百五十をベストと思って出したのが政府の立場であったということについて述べさせていただきたいと思います。
○角田義一君 時間が制約されていますけれども、せっかく法制局長官がお見えでございますのでちょっとお尋ねしたいんです。 今回初めて政党助成法が提案されておるわけでありますが、この政党助成法というものが果たして日本の憲法の原理原則から見て一体どうなんだろうかという合憲性なりあるいは適憲性なり、これについて、やはり法制局の立場でひとつまとめて私はその点についての御主張を承っておきたいというふうに思うんです。よろしくお願いしたいと思います。
○政府委員(大出峻郎君) 日本国憲法におきましては政党について特段の規定は置かれておらないわけてありますが、憲法の第二十一条の定める結社の自由の一環としてその活動が保障されているというふうに理解をいたしておるわけであります。しかし、他方、憲法は、その前文にもありますように、議会制民主主義をとっておりまして、政党は議会制民主主義を支える不可欠の要素であることは最高裁の判決においても示されているところでございます。 今般の政党に対する公的助成は、政党助成法案の第一条に示されておりますように、議会制民主政治における政党の機能の重要性にかんがみて行われるものであり、政党の政治活動の健全な発達の促進及びその公明と公正の確保を図り、もって民主政治の健全な発展に寄与することを目的とする、こういうものであると理解をしております。今回の政党助成というのは、以上のような趣旨、目的を持って行われるものでありまして、憲法上も問題はないというふうに考えております。 なお、先ほど触れました憲法第二十一条の結社の自由の一環として保障されている政党の政治活動の自由との関係について申し上げますというと、一定の外形的、客観的な基準を満たす政党に対して助成を行うこととしておりまして、そのこと自体は対象とならない政治団体の設立だとか活動を何ら制限するものではないということから、結社の自由を侵害するという問題はない。また、会計報告のチェック等を通ずる公権力の政党活動に対する介入の懸念の問題につきましては、今回の法案においては政治活動の自由というものを最大限尊重する、こういう観点から国は政党交付金の交付に当たりまして条件をつけたりあるいはその使途について制限してはならないこととするなどの配慮を行っているところであるというふうに考えております。
○角田義一君 私は、今の法制局長官の答弁、こう言っちゃ失礼ですけれども、必ずしもすばらしい答弁だとは思わないんです。もうちょっと元気のいい積極的な、本来ならばもっと前向きの憲法論を展開してもらった答弁が欲しいんですけれども、ちょっと時間がありませんからこれ以上議論しませんが、これはもう少しやはり原理原則にのっとって、しかもそれによって何で政党に金を出すことが憲法上許容されるのかということについてはもっと積極的な意義づけなり意味づけというものが必要だろう、私はそういうことだけ提起しておきたいと思います。 そこで、二つの問題をこの助成法についてお尋ねをしたいんです。 私は政党助成法に水を差すわけじゃありませんが、イタリアは御案内のとおり去年の春この政党助成法を国民投票によって廃止しちゃったんですよ。これは政党助成の失敗した例ですが、これはやはり成功の例よりも失敗した例から私どもはいろいろ学ばなければならないというふうに思うんです。 過般、自民党の関根先生やあるいは片山先生からいろいろ提起があった。これは非常に有意義な私は提起だというふうに思っておるんです。その中で、例えばこのお金は自由に使っていい、こういうことになっておるんですが、果たして私はそれでいいのかという疑問もあるんですね。これはイタリアの失敗例なんかを見ますと、それはある程度お金の使途について大ざっぱではあるけれども項目的なものが挙がっていいんじゃないか、そういうものに使ってもらっていいんだということでないと、ただ政党の自主性だけに住していいかというと、私は問題がありはしないかというふうに思っておるんです。この辺は大臣いかがですか。
○国務大臣(佐藤観樹君) 貴重なる国民の皆さん方の税金で運営をしますこの公的助成、政党助成金でございますから、国民の皆さん方にその政党の活動、何に使ったかというのがいろいろな角度からわかるようにできるだけしなきゃならぬというのは私は当然だと思うのであります。 ただ、じゃ何に使いました、この是非というのを調査権まで、恐らくこれは、先ほど触れましたけれども、ずっとさかのぼれば、自治省が例えば調査をしたということになりますと、何々県本部のこの支出は一体政党活動として妥当か妥当じゃないかということまで立ち入るということは、政党活動、政治活動の自由ということに私は深くかかわってくる問題だと思っております。 したがって、角田委員御指摘のように、これはその政党の良識において、国民の貴重な税金で賄われていることと国民の監視のもとにあるということを十二分に御理解の上使っていただく。したがって、党費とか事業収入とか一般的な寄附とかいうものとは別にこれは帳簿をつくっていただくことになっているわけでありますから、政党は国民に疑問や疑念を与えないようにしていくことが重要であるということで考えております。
○角田義一君 どうも与党の質問というのは初めてなんで、余り突っ込んでもいけないようなことを人が言うんですが、それはともかくとして、私は思うんですけれども、今回、公開基準が例えば五万円に引き上げられた。それはそれでいいんですが、しかし問題は、政治資金規正法の報告書に準ずるような形で、例えば調査費であるとか委託費であるとかいうようなことでわけがわからぬような形で何十万という金が計上されるということでは、これはやっぱり国民は納得しませんわ。 そこで、その項目についてある程度ガイドラインと言っちゃちょっと語弊があると思いますけれども、こういうふうにしてもらいたいんだというようなものはやはり私は政府としても考えてもいいのではないかというふうに思いますし、それからもう一つ大事なことは、その調査費だとか委託費だとかというようなことはその内容がようわからぬのですが、やはり市民が情報公開を求めてこれにアクセスできるようなそういう権利、機能、それをきちっとしておく必要もあると私思うんです。いかがですか。
○国務大臣(佐藤観樹君) その点では政治資金規正法の現状よりはさらに国民の皆さん方にわかりやすいものにしていこうということで、法案が成立しましたならば、その政省令におきましてそのあたりは研究をしていく必要があるというふうに私も考えております。
○角田義一君 その辺は大事な問題なんで、ぜひ今後御検討いただきたいというふうに思います。 あと四分になりましたから二つのことを聞いておきます。 過般の議論を聞いておりまして、例の企業・団体献金の受け入れの政党の支部の問題でいろいろ議論がございました。佐藤自治大臣は政党性善説で、そんなに何千も何百もつくれば国民から御批判をいただくからそんなことはないだろう、こういうふうに言っておられました。私もそう思うんですよ。何千何百はつくらぬと思いますよ。何千何百はつくらぬと思いますが、しかし、五つや六つつくっても構わぬじゃないかということになれば、これはやはりせっかくつくった企業献金を禁止した趣旨というものが半減されはしないかという疑問は私は今日でも持っております。率直に申し上げて、もしもこれがざるであるならば、少しは粘土でざるが漏らぬようにせにゃいかぬし、もっとセメントで固めにゃいかぬという問題が私はあると思うんですよ。 そこで、確認の意味で聞いておきますけれども、企業献金を受けられる政党支部をいわゆる地域支部に限定した趣旨は一体どこにあるのかということが一つ。それからもう一つは、職域支部というのは企業等の団体献金を受けられる支部に該当しないと私は思うのでありますが、これはどう思うか。この二点だけについてやっぱり聞いておきたいと思います。
○国務大臣(山花貞夫君) 過日やりとりでも行いましたけれども、若干正確にまた答弁させていただきたいと思います。 まず、前段の地域支部に限定した理由についてでありますけれども、もう制度の趣旨については繰り返しません。今度の企業・団体献金に一歩踏み出したこうした制度により、企業等の団体献金を受けることができる政党の組織は通常本部のほか支部ということになろうと思います。このうち支部については、例えば企業を単位とする支部に企業等の団体献金を受けることを認めることとした場合、実質的には企業が政党支部として自己資金による寄附を広く行うことを認めることになってしまいます。したがって、今回の企業等の団体献金を政党、政治資金団体に対するものに限ることとした改正の趣旨からして適当ではない。こうした立場から、これらの支部は排除することとして、一つ以上の市区町村の区域または選挙区の区域を単位とする地域支部についてのみ認めることとしたものでございます。 後段の御質問につきましては、職場支部あるいは地域支部ということにつきましては、前回も各政党の規約をちょっと拝見しながら説明させていただきましたが、従来の組織論、政党論からいたしますと、地域支部とは截然と区別をした形で職場支部等が政党の規約上も位置づけられているところでございます。そうした従来の政党の実態から考えますと、従来のいわゆる職場支部等につきましては、今回の法案における地域支部には当たらないもの、こういうように考えているところでございます。
○角田義一君 政党がどういう組織を持つかということは、これはあくまでも政党の自主的な判断でございまして、独立女性部というとちょっと語弊がありますけれども、独立女性部、いろいろな議論を踏まえると独立女性部とか独立青年部とか独立壮年部ということになってくるんだと思いますけれども、そういうものをおつくりになるということはもう政党の御自由だと私は思うんです。 問題は、そういうものをつくるということと、それに対する受け皿として一つにしたいんだ、してしまうんだということは決して矛盾をするものじゃないということだけ申し上げておいて、これは大変大きな課題であるということだけ指摘をして、時間が来ましたから私の質問を終わりますけれども、今後その問題については自治省においてもまた大臣においても深く研究されることを求めて、私の質問を終わります。(拍手)
○風間昶君 公明党・国民会議の風間でございます。 まず最初に、先週七日、自民党の森幹事長が沖縄で記者会見いたしました。今国会で自民党案に近づける形で決着を得たいという御発言がありました。非常に自民党さんの英断だというふうに私は思うものでありますと同時に、まやかしであってほしくないというふうに思っているわけでございますけれども、これについて山花大臣、どんなお気持ちでいらっしゃいますか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(山花貞夫君) 全く委員と同感でございます。河野総裁も同趣旨の発言をされたことについても承知しております。 実は、この法案の審議が始まりました衆議院段階における与野党の議論を通じて、この国会中に政治改革をなし遂げ国民の信頼を回復しようといった雰囲気につきましては与野党共通のものであった、こういうように承知をしておりますし、最近の一連の自民党首脳の発言につきましても、そうした全体の流れといいますか、政治改革実現についてのお気持ちについては一貫しているものじゃないかと、そう考え、また期待もしているところでございます。
○風間昶君 そこで、今回のこの法案、選挙や政治資金制度、要するに個人から政党中心へというシステムに改めるために政党に大きな権限といいましょうか、を持たせているというふうに理解しているわけですけれども、だから従来に比べて政党が有権者に対して重い責任を負うのはもう間違いないことだと思います。 しかし、政党のイメージといいましょうか、国民の皆様方の間にそれぞれの議員の方々がそれぞれのイメージで話されているような印象も多少あるわけで、政党の将来像というのは一体どうあるべきなのかということはやっぱりこの委員会でもう大いに議論しなければならないことではないかというふうに思います。 人間の体は六十兆もの細胞があるというふうに言われています。その一つ一つの細胞がエネルギーを持って、そして一つの臓器がまた一つの絶妙なリズムを奏でて人間の生活あるいは生命活動を担っているわけですが、同じようにとらえてもいいのではないかというふうに私は思うわけです。 そういう政党の具体的なイメージ、そのことを本来なら各政党の党首の方々にお聞きしなければならないわけですけれども、本日は前社会党委員長でもありました山花大臣がいらっしゃっていますので、山花大臣に政党の将来像も含めて、どういうふうなイメージをお持ちでありましょうかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山花貞夫君) 冷戦後の時代と一言で言われておりますけれども、世界の政治の構造も変わってきていると思います。日本もその例外ではないということだと思っております。 そうした中で、これまで、御質問の趣旨にストレートに沿ったものではないかもしれませんけれども、あるべき政界のあり方、政党のあり方について、一つには穏健な多党制ということがこれまで二大政党制との比較において言われてまいりました。同時に、学者は穏健な多党制と極端な多党制、こういう分類も行っておりますけれども、やっぱり政権交代が実現したこれからの政治のあり方は、一党が過半数をとる政治ではなく、さまざまな政党が連立、連合の時代を迎え、その中でのみずからの役割というものを国民の皆さんに明らかにする、こういうときになっているのではなかろうかと思っております。 同時にまた、学者が分類する極端な多党制ということにつきましては、やっぱり穏健な多党制とはかなり違ったイメージでとらえていると思いまして、穏健な多党制という場合には、四つ、五つの政党が、それぞれが冷戦下の二元的な対立関係ということではなく、政策を競って政権を目指す、こういうところにも特徴があると整理されているわけですけれども、私もそうではなかろうかと思っております。 連立、連合の時代におけるそれぞれの政党のあり方というものを、国民の皆さんの政治意思の結集の媒体である政党としての役割を十分踏まえながら果たし抜くことができるかどうかということにかかっていると思います。これからまたしかるべき時期には総選挙を迎えるということになると思いますけれども、その際にそれぞれの政党がそうした日本の政治におけるアイデンティティーをどう示すことができるのか、それがかかっているのではなかろうかと思います。 それぞれの政党は、特定の利益集団の代表的な部分もあるかもしれませんし、しかしそうではなく、幅広いグローバルな視点から国民の代表としての役割を果たさなければならない、そういう政党の立場もあると思いますから、それぞれの政党が持つ理想像というものが違っておると思います。社会党の場合には社会党の理念を持ち、そしてその理念に沿って現実政治の場における国民の皆さんの要求にどうこたえるか、こういう視点からつくることになると思いますし、そうした政党のそれぞれの努力というものが今最も強く期待されている、そういう時代に突入している、こういうように承知をしているところでございます。
○風間昶君 次に、先ほども鈴木委員の方からお話がありました戸別訪問の解禁の問題でございます。 先ほども議論になっておりましたが、戸別訪問の禁止というのは、まさに欧米諸国に例を見ない選挙運動の規制であって、憲法学者の間でも解禁論を持っていらっしゃる方が多いわけでありますけれども、一方で、先ほど鈴木先生の方から、日本の風土のもとではいわば買収行為等が行われていく、その懸念を言われておりましたが、またもう一方では確かにプライバシーの侵害を懸念する声もあって、候補者でなくて支援者の多い組織化された政党に有利であるという声もあるけれども、しかし、本来戸別訪問というのは私は一選挙民として最も自由な政治活動の一つだというふうに思っているわけであります。 戸別訪問を解禁すると買収が横行するという声がありますけれども、私はそうは思わない。買収がふえるというふうに思うということは、ある意味では今の有権者に対しての認識が不足しているような気もするわけです。もっと言えば、有権者の方々の意識の高さを軽視したことにもつながっていくのではないかというふうに思うわけです。 したがいまして、戸別訪問というのは、有権者と候補者が最も気軽に政策や政治を語り合える、そしてその中で、例えばA候補者とB候補者が一人の有権者の前に来て堂々と自分の意見、政策を述べ合って、そしてそれを聞いて有権者が判断するという政治活動の原点ではないかというふうに私は思うわけでございますけれども、政治活動をやっていく上での今回の戸別訪問全面解禁についての山花大臣のお考えをお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(山花貞夫君) 若干総論的に答えて、具体論はまたちょっと自治大臣に補足してもらいたいと思っています。 御指摘のとおり、戸別訪問の問題は憲法にかかわるテーマだと思っています。 実は私自身も、かつて戸別訪問は憲法違反であるということで裁判など随分担当してきた経験も持っているところでございます。先ほど来議論がありましたけれども、最高裁のリーディングケースとしては昭和二十五年九月の判決ということになると思いますが、憲法二十一条は絶対無制限のものではなくて、公共の観点から合理的理由があれば合憲であるという判決を出して以来十幾つかの最高裁の判決が出されていることも承知しておりますけれども、同時に下級審におきましては、この問題について憲法違反論はずっと争われてきたという歴史も持っているわけであります。 結論的には私は政策判断の問題ではないかと思っています。今回はその政策判断をお示ししたところでございまして、衆議院の段階の議論があった上でこれからまた若干持ち越しの形で当院でも御議論いただいているわけでありますけれども、最終的には院の御議論を十分尊重して決定したいと思っておりますけれども、先生もお触れになったような理由から今回は全面的に解禁する、これを政府としては政策判断として示したところでございます。 ちょっと関連して自治大臣から。
○国務大臣(佐藤観樹君) 先ほど鈴木委員にも御答弁申し上げたんですが、候補者自身が有権者と直接接する、人間として直接接するというのは、今の公選法では街頭演説をするかあるいは個人演説会をするかしかないんです。あとは、はがきとか公報とか候補者の顔が載ったものが行きますけれども、それから運動員の場合でも戸別訪問は現行法では禁止されておりますので、したがってビラを配るなりあるいは外で会ったときに声をかけるなりということで、そういう意味でいきますと極めて非常に限られておるわけでございます。 そこで、山花政治改革担当相からお話しございましたように、この際政党本位、政策本位にすることでございますから、それをする有効な手段といたしまして戸別訪問というものを、時間のみ制限をつけますが、あとは全面的に解禁をすることが、有権者の側もやる方も随分意識が変わってきておるわけでございますので、適当ではないかということで政府としては出させていただきました。 ただ、先ほど鈴木委員からも御指摘がございましたように、大変いろいろな別の角度、動員合戦になるんじゃないだろうかとか、まだやはりそこで物を持っていったりというようなことがあるんじゃないかというようないろんな角度の御指摘も衆議院の方でもございました。したがって、衆議院の最終的な採決の折に各党の話し合いの中で、参議院でもひとつ十二分に御議論いただくことにしようや、こういうことで三つのテーマのうちの一つとしてこの参議院での御議論をいただいているということで、政府の考え方はそうでございますが、いろいろな角度から別の意味での質疑があったことも十分踏まえて我々としては対応していかなきゃいかぬというふうに考えております。
○風間昶君 繰り返すようですけれども、私は戸別訪問解禁というのは本当に画期的な出来事だというふうに思っております。先ほど鈴木先生の方からも、選挙は戦争だと。それも一面的でありますが、もう一面では選挙というのはお祭りだとも多くの先輩から聞かされたこともあるわけですけれども、そういう意味からすると、本当に国民の一人一人の自由な政治活動の大きな柱としてもおかしくはないのではないかというふうに私は思うわけでございます。 一昨日でしたか、読売新聞でしたが、「「戸別訪問」全面禁止に」という報道が見出しで出ておりまして、今まで言っていたこととちょっと違う方向になっていくのかというようなあれがあるわけですけれども、どうでございましょうか、この記事について御存じだと思いますけれども。
○国務大臣(山花貞夫君) その報道については私も拝見しておりますけれども、まさに報道ということで受けとめているところでございまして、当委員会に臨む我々の態度としては、政府としては後半出しております政策判断ですということで御審議を現在お願いしているところでございます。
○風間昶君 それでは、次に定数是正の問題について御質問させていただきたいと思います。 新しい今度の選挙制度のもとで定数が確定しますととりあえず投票価値の格差の是正が実現されるわけですけれども、しかし、人口増減によってはまた格差が生じて憲法問題が生じる、常にこれはあり得ることだと思います。政府案によれば、総理府のもとに選挙区画定審議会を置いて、十年ごとに実施される国勢調査の結果、格差があったら一年以内、また著しい人口不均衡が生じた場合には区割りの改定案を勧告するというふうになっておると思いますが、著しい不均衡を生じたというその内容について、じゃ格差は何倍ぐらいを想定しているのか、それをまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 時間の関係がございますのでまとめて御答弁した方がいいのかと思いますけれども、委員御指摘のように、十年ごとの国勢調査が行われますとそれに基づきまして一年以内に審議会は勧告をするということになっておりますが、そのほかに、人口の著しい不均衡その他特別の事情があると認められるときは五年ごとに行われます国勢調査の簡易調査でも出せることになっております。 この際言うところの人口の著しい不均衡その他特別の事情があるときというのは、まず一つは、言うまでもなく人口の格差が三倍以上になった場合というのは当然考えられるわけであります。それからもう一つは、二倍以上になりましても二百七十四の小選挙区でほとんどが二倍以上だったというようなことになった場合には、これはここで言うところの人口の著しい不均衡その他特別の事情があると認められるときという概念で考えておるわけでございます。 その背景の中にこれから地方分権の中で市町村合併ということも出てくることもあろうかと思いますが、そんなことも頭に入れつつ、いずれにしろやはり投票権の平等ということをできる限り当然重んじてこういう勧告をしていただくということでございます。
○風間昶君 勧告の内容についてはこれから吟味されていくことでしょうけれども、勧告そのもののいわば法的効果、じゃ勧告が出た場合にどうするのかということをこれから議論していかなければならないかというふうに思うわけですけれども、勧告が出た場合どうしていくのか、またその勧告の位置づけというものをきちっと御説明いただきたいというふうに思うわけです。
○国務大臣(佐藤観樹君) 先生御承知のように、事の中身の性格上これはできる限り二倍以下にすることを基本とするという均衡状況と、それからもう一つは、さりとて行政区画、地勢、交通等総合的にその地域を勘案しなきゃならぬという二つの要素がございますから、そういう中で七人の審議会の委員の方がいろいろ考えて、考えに考えた末の勧告をしていただくわけでございます。したがいまして、その勧告を総理大臣は尊重するということになっておりますが、この前御答弁申し上げましたように、尊重するという言葉は、この尊重というのは非常に重い尊重だというふうに当然取り扱うべきものだと私は考えております。 そして、それをもとに法案を出し、衆議院、参議院で御審議をいただくということになるわけでございまして、今の人口の配置の状況から申しますと非常に難しい結果をその審議会では出していただかなきゃならぬわけでございますから、なるがゆえに第三者機関、公正なる第三者機関でやっていただくわけでありますが、その勧告というのは非常に重いものとして受けて国会に法律を出す、こういうことになろうと思っております。
○風間昶君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○委員長(本岡昭次君) 午後一時十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時五分休憩 —————・————— 午後一時十四分開会
○委員長(本岡昭次君) ただいまから政治改革に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、六案について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○宮崎秀樹君 やっと政治改革特別委員会が参議院の方で開かれ、審議を現在行っておるという状況になったわけでございます。 過去に何回かごの特別委員会がございました。委員会が参議院に設けられたことはこれが初めてじゃございません。かつて私も理事をさせていただきましたけれども、理事懇を二、三回開いたところで幻の委員会に終わったわけでございます。 きょうは、大変基礎的な問題等を含めまして、初めて参議院で私審議をさせていただきますので、きょうは三役の皆様方に、ちょうど初場所が始まりましたので、胸をかりてひとつけいこをつけてもらいたい、こう思うわけでございます。しかし、気を抜きますと三役の方もけがすることがございますので、まじめに答えていただきたいと思います。猫だましのようなことは決してなさらぬようにひとつお願い申し上げたいと思う次第でございます。 そこで、羽田副総理は週末お働きになって大変御苦労さまでございました。まず冒頭、中国へ行ってこられまして、その中国で得られた成果、そしてまたその中で、特に日本の国連に対する安保理への意欲、これが今までとはちょっとニュアンスの違った強い意欲になってきている。これは自衛隊の派遣問題等もこれから恐らく論議しなきゃならないと思います。その点が一つ。 それからもう一つは、北京で記者会見をなさったときに、この政治改革法案につきまして、骨格部分の修正まで話し合いをしてもいいではないだろうかというようなお話が新聞記事に載っておりましたので、その辺のところを、今後の経緯を見た中で最終的に、もちろん自民党もここで政治改革法案というものを通すという前提がなければこれはとてもその話はないと思いますけれども、そういう中で副総理としてどういうようにそこら辺を考えていらっしゃるか、御意見をお聞かせ願いたいと存じます。
○国務大臣(羽田孜君) まず第一の問題といたしまして、中国を訪問いたしましたが、中国はちょうど国交正常化して二十一年、そして平和条約を結んでちょうどことしが十六年目になるということで、一昨年、昨年とそれぞれいろんな祝いがありました。そして天皇陛下も御訪中されるというようなことで、私どもこれを振り返ったときに、非常に広く、しかも深く中国とおつき合いするようになりましたね、まさに新しい段階を迎えておるということを申しました。 中国と日本、関係が深まればやっぱりお互いの疑念だとかいろんな問題が出てくる。貿易の問題も出てきます。そういうことで、これから我々は率直に話し合っていきましょうということ、しかもそのときには常に大局に立って物を考えましょうというお話をいたしまして、これからの未来に向けての姿勢、日本として反省すべきものは反省する、しかしこれからはお互いに未来へ向けて日本と中国が、両国のためにもあるいはアジア・太平洋、世界のためにも、お互いに貢献することが大事であり、また、互いに協力するときにその力を有するものであろうというお話を申し上げました。 また、中国側の方も、例えばこの委員会でODA問題なんかについて中国の軍事はどうなんだというような御質問もありましたが、こういった問題について日本の国会でも懸念を持つ人がある、そしてそれにはODA大綱というものがあるんですよというようなお話を申し上げ、そしてまた、これは日本だけではなくてアジアの中でも懸念を持つ、また、あるときには日本に対しても軍事大国になるんじゃないのかという懸念もあるというようなことで、それぞれの問題について相当突っ込んで率直なお話し合いをし、やっぱりお互いにそういった問題について話し合っていかなきゃならぬ時代だなと。 そして、特に江沢民主席の場合には、みずから中国の軍事というのはこういう考え方ですよということを率直に語ってくださったということと、APECの会議にお出になってアメリカの大統領とも話し合い、あるいはアジアの指導者たちと話し合ったこと、本当にこれは物すごくよかったと。やっぱりこのアジア・太平洋の地域というものを本当に平和なものにしていかなきゃいかぬなという実は話し合いがなされたということでありまして、私は、お互いがともかく思ったことを率直に話し合えるようになったということは非常にいいなと思って、これからの日中の両国の関係というものがいい方向に、新しい段階を迎えておるということを申し上げることができると思います。 なお、この間、内外懇がありまして、そのときに質問があったのは全部政治改革の問題だけでありました。そして、そのときに記者さんの方から骨格部分はとかいろんな質疑がありました。ただ、私が申し上げたのは、これは今まさに参議院の委員会の中で委員の皆さんと、あるいは我々閣僚と、そして委員会の理事会の中で本当に腹を割りながらお話しをしているはずなんであって、私は政治改革をやっておったといっても、今は外務大臣という立場なんで、私がうっかりしたことを言うとかえって誤解を呼んでしまうことになるだろうということを前提にしながらお話ししました。 じゃ、全然何もしないのかといったらそうじゃなくて、少なくも私が常にずっと言い続けていることは、議会制民主主義の土俵づくりなんだ、土俵づくりということなんであるから、お互いに率直に話し合う中でお互いに譲り合うことがあればこれはやっぱり大胆なお互いの話し合いというものもあることでしょうと。 いずれにいたしましても、やっぱりこの改革だけはもうなし遂げないと、これを次の国会だとかあるいはその次にまたもう一度やり直そうじゃないかなんということはもう国民にも許されないし、そういったことが本当の政治が行えないもとになるんじゃないのかということを率直にお話しいたしますと、まあ報道の記事というのはおもしろいもので、そんなふうにとられるのかという思いが実はありますけれども、私は率直に今申し上げたことを話したということであります。
○宮崎秀樹君 中国訪問、大変御苦労さまでございました。 そこで、最後の部分の骨格部分の修正という話ですけれども、民主主義というのは、もう話し合いを十分して話し合いが尽きたときに多数決で決める、これは民主主義のあり方の大前提です。 最近の国会運営を見ていますと、どうもかつての我々が与党のときにとらなかったような手法が、どうもファッショ的な強権的なようなことが起きてくるというような感じを私は抱いておるんです。これは大変心配だと思うんですが、私はやはりこの政治改革というのは、一回決めてしまったら当分、これはすぐ変えるわけにはいかない、朝令暮改できないわけですから。だから、ここはやはり慎重に我々野党の意見も十分酌んでいただいて、その論議の中で、骨格部分ができないとかできるとか、今そういうことをここで言っていただくと困るわけです。ところが、もう新聞紙上は連立与党の皆様方がいろんなことをおっしゃっているんです。 きょう、ちょうど党首の方皆さんいらっしゃるから私はそれぞれお聞きしたいんです。社会党は前委員長の山花大臣がいらっしゃいますが、私は、やはり骨格部分にどうのこうのという問題は、まだ今審議していますから、その中で仮におかしい、やはり改めるべきは改めるんだということになれば、これはそれなりに政府としても考えてもらわなきゃいけない、連立与党としても考えてもらわなきゃいけない、そう思うんですが、そういう考え方でよろしいかどうか、山花大臣から一度ちょっとその御意見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(山花貞夫君) 今、副総理がお話しになっていましたけれども、政治改革を仕上げなきゃならぬ、先送りしてはいかぬ、こういう気持ちについては全く決意は一致しているわけでございまして、その上に立って、私の立場ですと法案を出した自治大臣とともに責任者ということもございますけれども、今回はこれまでのかなりの議論というものを踏まえて、ベストはこれだということで四法案を出した経過でございます。 ただ同時に、提案しても、これを議論していただいてその結論が成立しなければいけないわけですから、衆議院におきましても十分与野党で御議論いただいて、そこでの結論については尊重する姿勢は持っております、こう一貫してお話ししてまいりました。 そうした経過もありまして、衆議院段階において与野党のかなり詰まった議論もございました。残念ながらトップ会談できちんとした妥協ということにはなりませんでしたけれども、そこでの議員修正につきましては、政府はベストだと思って法案を出してはおりましたけれども、議員修正については国会の御議論として尊重してきた、こういう経過でございます。 立場としてはベストだと出しておりますけれども、与野党の合意というものがある、あるいはそうした意味におきまして修正問題があった場合にはこれはこれとして尊重する、こういう一般的な姿勢については当初から変わらず今田も持っているつもりでございます。
○宮崎秀樹君 石田大臣、お立場でこれに対して御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(石田幸四郎君) お答えを申し上げたいと存じますが、衆議院のこの法案が提出されて、特別委員会の皆様の間でもいろいろな御議論がございました。またその中で、ぜひ個人的にはこういうふうに思うけれども修正をすべきではないか、そういうような御議論もあった上で、衆議院段階としましてはいわゆるトップ会談において修正がなされる方向で決まったわけでございます。 今、参議院の方でさらに御議論をしていただいておるわけでございますが、先日来の御審議の中で、やはり個人個人によりまして修正すべき問題のウエートの違い、さまざま御議論をいただいたところでございます。そういった御議論をいただいた上で、最終的にこれは与野党の間で協議して決めるべきものは決めるというふうになるのが先生が今御指摘になりました、よく議論をし合って最終的に採決するのが民主的な原則であるというふうにおっしゃったことに沿うのではないか。 特に私が強く感じておりますのは、何といいましてもこの議論は大変長い議論でございました。政治改革の議論はもう五年もあったわけでございますし、また前回の国会におきましてはあのような形で解散総選挙になりましたけれども、その時点におきます当時の与党である自民党の皆さんの議論と野党の議論にはかなり大きな隔たりがございましたけれども、だんだん歩み寄りの話が委員会の中で展開された印象を強く持っているわけでございます。 そういう流れの中で今日まで来たわけでございますので、もうそろそろ結論を出すべき時期ではないか、このように思っております。また、皆様方の御議論を踏まえて私どもも対応すべきものは対応すべきである、このように心得ている次第でございます。
○宮崎秀樹君 参議院で審議をするのは極めてまだ少ない時間でございます。そういうことで、我々としてはやはり十分納得のいく審議を尽くして、そして妥協するものは妥協し国民のためになることはやはり取り入れてやる、こういう姿勢が必要かと思います。大内大臣、お願いします。
○国務大臣(大内啓伍君) 選挙制度の改正は、言うまでもなく民主政治の共通の土俵にかかわる問題でございますから、やはり与野党が合意し得る案を見出すためにどの立場にあろうとも努力をするということが大事である、私は一貫してそういうことを主張しておりまして、昨年の五月末の野党の党首会談においてこの問題を取り決めるときにも連用制を軸にというお話がございましたんですけれども、私はそれだけにこだわっていると与野党の合意を得られるかどうか、逆に排他的な案をつくることにもなりかねない、したがって、あの合意文書の中には与野党が合意できる案をつくるために全力を尽くすという言葉を挿入していただいた経緯もございます。 その信念は今日も変わらないわけでございまして、話し合いはあらゆる分野について行われるべきで、そしてそれが審議が尽くされて、できれば与野党の合意をもってこの問題が議了されるということが最も望ましい形である、私は今もそうかたく信じております。
○宮崎秀樹君 江田長官、お願いいたします。
○国務大臣(江田五月君) 参議院での質疑の結果改めるべきところが出てきたらそれを改めるにやぶさかでないか、こういう御質問だと思います。 もちろん、それはそのとおりだと思います。私は所管ではございませんが、閣僚の一員として、内閣として精いっぱい考えてこれがベストだというもので出したわけでございまして、国権の最高機関は国会ですから、あとはもうそこで十分議論をいただいて、こういう点はこう改めようということになればお改めいただきたい。現に衆議院でもそういうふうにされたわけでございます。 ただしかし、私どもはまないたの上のコイでございますが、料理はしていただかなきゃいけないということだと思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
○宮崎秀樹君 今、料理のお話が出ましたけれども、味つけだとか、基本的に腐っているもめはやはりそれはかえていかなきゃいけないし、いろいろあろうかと思います。 そこで、きょう私、これからちょっと大内大臣は御用があるというので、順番を変えまして大内大臣から御質問します。 これから私が申し上げるのは、平成三年に海部内閣のときに出しました小選挙区比例代表並立制につきまして、そちらにお座りの皆さん方がこんな悪い法律はないんだということを実は決めつけておるわけでございます。 私は、きょうは揚げ足をとるわけじゃございません。今これに賛成の立場で政府案として皆さん方はお出しになっているので、これは、国民に対して、何でそういうふうに黒が白になっちゃったのか、ここら辺がわからないと。これは今からなら取り返しがっくんですよ、まだ日にちがありますから。だから、ここら辺がわかるように、私はきょうは胸をかりて相撲をとると言いましたから、勉強させてもらうつもりで質問するんですから、決して私は嫌みでやらないですから、そこら辺は、このやろうなんて思わないでひとつ率直に御説明していただきたいと思うわけでございます。 そこで、大内大臣、大臣は平成三年一月二十九日に衆議院の国務大臣の演説に関する質疑をやっていらっしゃいます。その中で大臣は、「自民党政治改革要綱で示された小選挙区比例代表並立制は、どのような試算によっても自民党が四割の得票で八割もの議席を獲得するという、世界に例を見ない非民主的な選挙制度であります。議席に生かされない死票は、現行の中選挙区制の約三倍にも達するのであります。まさに、この案は、国民の意見を政治に正しく反映するという政治改革本来の目的から遠く離れたものと断ぜざるを得ません。」、そういうことをおっしゃっております。 また、平成三年八月八日に衆議院の国務大臣の演説に対する大内啓伍君の質疑というところでは、これはいろいろおっしゃっているんですが、「政府が導入しようとしている小選挙区比例代表並立制案は、あらゆる点で欠陥制度であると断ぜざるを得ません。選挙制度で最も肝要なことは、国民の多様な意見を国政に反映させることであると確信いたします。その面で小選挙区制は最悪であります。」と。 もう一つは、政治改革の根本である政治倫理確立のためにまず政治倫理法を制定し、また、政党選挙、政策選挙を助長するための政党助成法の制定、政治資金の透明化を実現するための政治資金規正法の改正を行うということを先にやれ、こういうことでございます。 このように小選挙区比例代表並立制ということに対して大臣はこのときは真っ向から実は反対されたんですけれども、現在は賛成のお立場と、こういうことでございます。その辺の変わりようというか、現在なぜそれが全く反対の立場で賛成なさっているか、御説明いただければありがたいと思います。
○国務大臣(大内啓伍君) 事実に即しまして率直にお答えをさせていただきたいと思います。 今の御指摘、お読みになりました点は、これは公の席の発言でございますからそのとおりでございます。したがって、そのような発言をどういう考え方に立って述べているかという背景を事実に即して申し上げたいのは、私は選挙制度の改正については二つのことを申し上げております。 つまり、日本の政治の今日的な課題というのは、三十八年にも及ぶ自民党の一党支配というものが続くような状態では民主政治というものは健全に機能しない、したがって、政権のもう一つの軸というものをつくり上げることに与野党ともに努力しなければならない、したがって、当時のような政治状況のもとで小選挙区比例代表並立制というものを導入した場合には自民党の一党支配を固定化してしまう、つまり今日の政治的な課題にこたえられない、したがって、そういう状況における小選挙区比例並立制の採用には断固として反対であるということを一つ述べております。 それからもう一つは、その政治状況というものが変われば我々はその選挙制度について自分の党の案だけに固執せずに大胆に決断して変化することがある、これは党大会の私の委員長あいさつでも外に向かって申し上げているわけでございます。 そういう前提に立ちますと、例えば一つは昨年の七月の総選挙におきまして連立政権というものが誕生いたしまして、政治状況が根本的に変わった。つまり、政権の移動というものが行われまして、その段階で小選挙区比例並立制というものを仮に採用いたしましても、自民党の三十八年の長期政権を続かせるということにはならない。それからもう一つは、民意をできるだけ反映せよという面で、御案内のとおり、これは政府案は二百五十対二百五十でございますので、比例代表部分というものが自民党案、つまり当時の海部案の百七十一よりか大きく変化したのでございます。 したがって、同じ並立制といいましてもその中身は大きく変わり、また政治資金規正法その他では企業献金の問題も大きく変わりました。この二つの問題が大きく変化した。とすれば、日本の民主政治を健全に機能させるという一つの方法論として比例並立制というものを採用する条件というものが出てきた。したがって、その我々の方針については大胆に変化していいのだと。そういう意味で、新たな方針をとった次第でございます。
○宮崎秀樹君 それではお尋ねいたしますけれども、ただいまのお話ですと、自民党の一党支配を続けさせるから小選挙区比例代表並立制はだめなんだと。今の中選挙区制でこれは変わったわけですね。そうしたら、制度をいじる必要はこれであるんですか。それでは何で今度は二百五十、二百五十がいいというふうにお変わりになったんでしょうか。
○国務大臣(大内啓伍君) 自民党の単独政権が昨年の七月の段階で崩壊したということは、極めて異常な政治事態というものが発生したわけでございまして、それは言うまでもなく例の金丸事件に発する国民の皆さんの大変な政治不信、政治に対する怒りというものがやはりああいう政権の交代を引き起こしたわけでございまして、通常の政策論争の中で変わるという状況ではなかったと思うのであります。 したがいまして、あの七月の政変というのは、相当異例なといいますか、ハプニング的な一つの事態から生まれたものであって、これから自民党の一党支配というものが崩れたという前提に立ちますときに比例並立制を導入するということは、それを通じて政権交代というものが一層促進される条件が整った、私どもはそう理解しておりまして、したがって、そういう立場からすれば、小選挙区比例並立制というものをとり得る条件を日本の政治は持つに至ったと、私どもはそう判断した次第でございます。
○宮崎秀樹君 確かに自民党は、金丸事件等で大変金権体質というものをあらわしたことは事実でございます。大いに私どもは反省しなきゃならない。反省した中で、新生党へ大部分そのような人が打っちゃって、羽田さんは私違うと思いますけれども、御一緒に連立を組んでいらっしゃるんですから、同じ穴のムジナと言われても仕方ないわけでございます。 いずれにいたしましても、政策論争で、そして変わるのは小選挙区比例代表並立制であるというふうに今大臣はお考えでございますね。間違いございませんね。そうすると、中選挙区ではそういう政策論争では政権交代が行われないというふうにお考えでしょうか。なぜ行われないんでしょうか。
○国務大臣(大内啓伍君) 自民党の一党支配が三十八年続いた背景としては、私はやはり大差の二大政党といいますか、自社五五年体制というものが基本にあったと思うのでございます。ところが、昨年七月の選挙でそれも崩れてきた。そして、そういう状況の中で小選挙区比例並立制というものをとる場合には、やっぱり小差の二大政党づくり、私は二大政党論者ではありませんが、少なくとも政権の軸としては二つの大きな流れというものが出てくるであろうと。小選挙区比例並立制というのは、そういう政治状況が生まれた場合には機能すると。 つまり、かつての野党も、自社の対立政治ではなくて、やっぱり双方に政策的には相当小差の拮抗するような勢力というものがこの並立制によって助長されるという基盤ができたのではないか。ですから私は、昨年の七月の政変というものは選挙制度について我々の判断を変えるべき条件が出てきた、そういう意味で実は賛成したのであります。
○宮崎秀樹君 大内大臣にばかり聞いておりますとほかの大臣のところへ順番が回りませんので、最初大変恐縮でございました。どうぞ御用の方へお立ちください。 本命の山花大臣でございますけれども、大臣はその担当でございます。 山花大臣も、平成三年八月二十日、予算委員会で御質問にお立ちになっていらっしゃいます。相手はこれは海部総理でございます。 要するに小選挙区比例並立にすればすべて解決する、こういうことなんでしょうか。と、こう言っております。 初めに小選挙区比例並立制ありきで、政治倫理の問題とか政治資金の問題を私たちから言わせれば棚上げしているんじゃなかろうかと言わざるを得ません。できることをなぜやらないのか、こういう疑問を投げかけなければならないと思っています。 と、ここではできることを先にやれと、こういうことでございます。そして、小選挙区制につきましては、 選挙制度ということについて、自民党の皆さんは、特に今度の小選挙区比例並立の中身を見た場合には、何か選挙制度というのは自分たちが当選するための選挙のシステムをつくること、これが選挙制度の議論だと勘違いしているんじゃないですか、そう言わざるを得ないというのが今度の小選挙区比例並立だと思います。 野党と話すこともない、選ばれる側のほんの一部の自民党の中のまたどのくらいの割合でしょうか、そういう皆さんがつくった小選挙区比例並立ということで、私は、国民の納得するところにはならないと思っているところであります。 と、そういうこともおっしゃっておりますし、明治以来の選挙制度、小選挙区、大選挙区、中選挙区がありましたけれども、小選挙区の時代、どうだったでしょうか。やはりお金かかかったのじゃないでしょうか。その反省の中で選挙制度は変わりました。 また、余り指摘されていないのですけれども、私が一番最初の六回の小選挙区の制度、その後二回を調べてみると、むしろ中選挙区になったときに二大政治勢力が集まっていますね。小選挙区のときは四つプラスアルファぐらいの政党の競争ということになっています。この辺のところはどうも御説明と私は違うのじゃなかろうかと思っているわけでありまして、 と、こういうことで、どうもこれを読んでおっしゃったことを見ていますと、今おっしゃっていることと大変矛盾しているというふうに私思うんですよね。 だから、そこら辺は、現在、大臣は政治改革の担当大臣でございますから、特にこの最後の部分、小選挙区には金がかかるんだ、そして二大勢力が集まっているというようなことを言っていますが、そこら辺のところもどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか御説明願いたいと思います。
○国務大臣(山花貞夫君) 予算委員会等における海部内閣提出の小選挙区比例並立に対する批判と見解につきましては、私は今日においても、当時の議論として正しかったと、こう思っているところでございます。 今、議論の中でも触れておられますとおり、私も八六年の八増七減、そして政治倫理綱領の制定等々からこの問題を担当してまいりました。政治改革はすべて選挙制度に問題があるのではなく、政治倫理の問題、政治資金の問題、腐敗防止の問題等々、全体としての政治改革を進めなければならない、こういう立論でございまして、当時はそうした立場から今引用されました批判をしておったということだったと思っております。 第二番目、海部内閣と今日の政府が提案した選挙の中身を比べていただきますと、明らかに大きな差がございます。一番大きな問題というのは、そこでまさに私が指摘しております全体一体となった改革をしなければならないという部分であると私は考えております。 実は、よく引用されております平成五年七月二十三日の「政治改革政権の提唱」、新党、さきがけの提唱でありますけれども、政治改革法案の要点は以下の三つの点を挙げているわけであります。 第一は、小選挙区二百五十名、比例代表二百五十名による小選挙区比例代表並立制を基本とする。しかし、これだけではなかったわけでして、第二番目に、徹底した政治の腐敗防止のため、連座制の拡大や罰則の強化などを図る。第三番目に、政治資金の透明化を図り税額控除制度及び政党に対する公費助成を導入することによって企業団体献金の廃止に踏み出す。こうした三本の柱が加わっているところであります。 最大のポイントは、企業・団体献金の廃止に一歩踏み出すことを含めた腐敗防止のための施策、連座制も厳しくいたしまして政治資金規正法についても私はかなりの前進があると思っておりますけれども、そうしたものを全体一体として政治改革の法案として提出しているところでございます。 評価ということになれば、そうした新しい観点、総選挙における国民の政治不信が頂点となった中でなされた審判を重く受けとめて政権交代を実現された、そうした経過の中で全体としての政治改革を進めよう、こうしたことになっているわけでありますから、単に形だけ選挙制度の部分について海部内閣のときの並立制、今回の並立制ということだけではなく、全体としての政治改革についてこれまでの議論と国民の要請、期待にこたえた部分というものが全く違っているものである、こういうように考えている次第でございます。
○宮崎秀樹君 山花大臣のお話は、今のお話を聞くとよくわかるんです。 ただ問題は、このときに、それならばこうしたらどうだという御提案なり、そういうふうに踏み込んだ政治改革をやろうじゃないかという姿勢が果たしてあったかどうかという問題、そこら辺は、今になっていい子になっているようなことでおっしゃっているけれども、そのとき既にそれがあればとっくに政治改革はもうなし遂げられていたんです。そこら辺はやっぱり私は認識をここで反省をしていただかないといけないんじゃないかと思いますよ。 続けて佐藤大臣、時間がございませんので、せっかくお呼びしたのでちょっと聞かないと悪いですから。 大臣はわりかしいいことを言っているんですけれども、しかし、この制度は「何か木に竹を接いたような制度でこれによって政権交代が起こりやすい、民意が正確に反映できるようなことを言っていますが、全然逆です。」と、こう言っているんですね。これは平成三年九月十三日の政治改革に関する特別委員会でございますが、そこで大臣がそういうことをおっしゃっているんですが、大臣、これは一体どういうことなんでございましょうか。
○国務大臣(佐藤観樹君) 当時の山花委員長からもお話しがございましたけれども、比例代表制というものと小選挙区制というものが持っている性格が違うことはもう委員御承知のとおりでございます。したがいまして、海部内閣のときには小選挙区制を中心にして補完的に比例代表を使ってそういう制度が出てきたわけであります。政治資金につきましては、企業・団体献金を当時は二つだけそういう政治団体として認めるという制度だったわけでありますが、いずれにしろその後党内の中でもいろんな議論がありました。 そして、どうも宮崎委員のお話を今お伺いしていると、変わったことが悪いようにとられるのでありますけれども、しかしどうでしょうか、今の国民が求めていることに対して政党として政治改革を実現するために、御承知のように党内にはいろいろな議論がある中を、難しい中ではございますけれども、やはり国民の期待というものにこたえて苦しい中を進めていくというのが私は政党としての役割だというふうに思っておるわけでございます。 したがいまして、昨年二月ぐらいから私の方は公明党さんと一緒に法案をつくって、そして併用案を出しました。それから、自民党さんの方は五百名の小選挙区制を出されました。これをいろいろ議論をいたしまして、政権の集約化、民意の集約化、あるいは多様な民意の反映化ということで、政治資金は企業・団体献金は認めるべきか認めざるべきかということで百何十時間と議論をしたわけでございまして、そのいろいろな議論を踏まえてここに出てきているわけでございまして、その制度そのものを学者的にいろいろな評価をすればいろんなことは言えると思いますが、しかし、現実、我々は政治の中におるわけでございますから、やっぱり国民の皆さん方の期待に沿うようにおのおの各党とも譲り合って出してきたのがこの政府の案でございますので、そういうふうに御理解をいただければ十分おわかりいただけるのではないかと、こう思っております。
○宮崎秀樹君 今私が変えないのが悪いというのは誤解でございまして、悪いと思っているのはあなた方の方でなきゃいけないわけですよ。というのは、木に竹を接いだようなと、これはもうだめだとこう言っているわけでしょう。ところが、今、小選挙区と比例代表、まさに全然違う制度を組み合わせてやっているわけですから、それを今やっていて、私は賛成なんですよ、いいんですよ、だけどあなた方がこのときに反対をしていたということは政治改革をおくらせたということなんですよと。それで今になってまさに悪いのは自民党だというようなことを言われたんじゃ、これはやはりおかしいんで、だからこれはお互い悪いところは悪い、いいことはいいと認め合ってやっていかないと物事は進んでいかない、私はそう思うわけであります。 私は佐藤さんのお人柄をよく知っていますから、皆さん自分だけがいいと言っているけれども、それが大きな間違いでありまして、これは反省するところは反省し、また助け合うところは助け合っていく。そして国民のため、国家のためになることはみんな賛成する、それが私は国民から選ばれた人の責務ではないかと思うわけでございます。 ただ、これはやはりはっきりしておかないと国民がわからないわけですよ。だから、こうやって議事録に残るようなことをきちっと私はやりたいと思ってきょう言っているだけの話でございますから、決して揚げ足取りではないということを再々申し上げます。 そこで、石田大臣でございますけれども、また石田さんも激しいことをおっしゃっているんですわ。これは平成三年八月七日、国務大臣の演説に対する石田幸四郎君の質疑ということで、これは、 その第一は、得票率と議席占有率の著しいずれが生ずるということであります。四〇%台の得票率で七〇%、八〇%の議席獲得率に結びつくと見られる制度がどうして公正な選挙制度でしょうか。 そして、 小選挙区比例代表並立制は民主政治の公正の原則に完全に背を向けたものであります。 第二には、小選挙区制では死票が多く、少数意見の抹殺につながり、新人が当選しにくいなど、まことに非近代的な選挙制度であります。 第三は、小選挙区制は政権交代を可能にし、二大政党時代を促進するという議論を持ち出されますが、果たしてそうでありましょうか。二大政党どころか、一強のみをつくることになりかねないゆゆしき制度であります。 それから、 ともあれ、政府・自民党が導入しようとする小選挙区比例代表並立制は、政治改革につながらず、政治改悪にほかなりません。私どもは、小選挙区比例代表並立制には断固反対であります。 そこで、「(拍手)」と、こうなっておりますが、これは当時の野党の方の拍手だと思いますけれども、いずれにしろ、そういうことをおっしゃったということに関しまして、現在この小選挙区比例代表並立制を進める立場で、どういう経緯でこのように全く変わられたか、御説明をお願いしたいと思います。
○国務大臣(石田幸四郎君) お答えを申し上げたいと存じます。 まず、公明党がまさに現時点におきまして従来の認識を変えて、そして今、このような立場で連立政権を組み、新しい政治改革をお願いいたしておるわけでございます。 なぜ公明党がそのように変わってきたかということを若干申し述べさせていただきたいと思うのですが、二つは、やはり日本の政治の基本的な欠陥は政権交代が長い間行われてこなかったというこの現実、これを何としても変えたいと思いながら、中選挙区におきますいわゆる定数の変更を強く要求をしてきた経過がございます。 しかし、それは成功しませんでした。そして、海部内閣が小選挙区並立制を御提案され、そしてまた宮澤政権におきまして単純小選挙区制を提案されました。私は、そこからにわかにこの政治改革論議というのは政界全体に強く検討すべきという、そういう状況に立ち至ったというふうに理解をいたしておるところでございます。 公明党の転機が二つございました。 その一つは、おととしの党大会におきまして、新しい政権の軸づくりということを党大会で提案をし決めておるところでございます。これはやはり長い間の自社体制がございましたし、その中で政権交代ができなかったという歴史的な事実があるわけでございますから、また時代の変化、社会の変化、国民の期待、そういったものを考えたときに、まさにもう新しい政権の軸づくりが必要ではないかということを考えたわけでございます。これが党内に一つの大きな転換期になっておるわけでございます。 もう一つは、いわゆるこの政治改革論議が盛んに行われるようになりまして、特に宮澤政権下におきますあのような特別委員会の議論というものは、お互いに対立をしてはおりましたけれども、政治改革をどうしてもやらなければならないという各党の強い意思というものがあの委員会の中で私は明確になってきたと思うわけでございます。そういったわけで、多くの会派があるわけでございますから、また共通の土俵をつくるという政治改革の性格が決定づけられているわけでございますので、どうしても合意を得なければならない、合意を得られるような案をつくらなければならない、こう私どもは考えたわけでございます。 そういうわけで、当初は社会党さんや他の政党の方々と併用制を単純小選挙区制にぶつけて、そういう案を出したわけでございますが、あの特別委員会の論議の進展の中で、何としても共通の土俵づくりのために努力をしようという雰囲気が出てまいりました。そういう中で、お互いに接点を見出せるものは何だろうかということを考えたときに、併用制ではなく連用制というものがいわゆる亀井さんたちの提案によって出てきたわけでございます。私どもは、これは一つの接点になり得る、かなりお互いが近づき得る案だというふうに思いまして、当時、社会党を軸に六会派の代表が集まりましてこの連用制に踏み切ったわけでございます。これが第二の転換期でございました。 私たち公明党としましては、この連用制というものはどちらかと言えば併用制よりも小選挙区並立制に近いものだと、そこに踏み切るにはかなりの議論があったのでございますけれども、接点を求めなければならないという国会の状況、国民の皆さん方の御期待ということを考えたときに、まさにルビコンを渡らなきゃならぬ、こういう強い意思で実は連用制に踏み切った経過があるわけでございます。 そして、連立政権ができまして、この小選挙区比例代表並立制というものが提案をされて八会派の合意で連立政権ができたわけでございますが、そのときは、いわゆる連用制からもう一歩踏み出すような案が将来出てくるだろう、こう実は覚悟を決めておりましたものですから、率直に申し上げましてそこでそういう並立制に踏み切った。ただその場合、政府提案が二百五十、二百五十でありましたように、やはり民意の集約、反映というものも相当加味されたものであるというふうに私たちが理解をして当初お願いをした経過があったわけでございます。 過去において、確かにそういうような並立制に対する厳しい私たちは批判を展開いたしました。その議論はその当時の政治状況からいってそう間違った議論ではないとは存じますけれども、今御指摘をされてみますれば、確かにおっしゃる問題点があったであろうということは認めざるを得ないわけでございます。ただ、時代の変化、どうしても新しい時代に新しい政治が対応できる状況をつくらなければならないという悲願にも似た気持ちをぜひ御理解いただければと思うのでございます。
○宮崎秀樹君 大変まじめな御答弁をいただきました。私は、それはそれなりに今お聞きいたしましたけれども、非常に苦渋に満ちたいわゆる選択であったというふうに理解するわけです。 時間がございませんので、江田長官、長官はわりかしマイルドなことをおっしゃっているんですね。ただ一言、並立というのは小選挙区が基本で、併用というのは比例代表が基本で、これは水と油だからまじらないといいます、私たちもあるいは理論的にはそうだと思うと、これは肯定していますね。 そこで、江田大臣はこれをどういうふうに今お考えになっていらっしゃるんですか。
○国務大臣(江田五月君) 長い経緯はもう省略をさせていただきたいと思いますが、やはり政権交代がずっと起きないという状態を見て、どんな制度でもそれぞれ長所も短所もあると思いますが、同じ制度をずっと続けていくとどうしてもそこに悪いところがたまっていいところが消されてしまうということがあると思うんです。私は、中選挙区制度というのもそういうもので、一言で言えば制度疲労、これは変えたい。 そこで、私どもは随分前からいわゆる併用制というものを提案していたわけで、そこへ海部内閣当時に並立制の提案があった。並立制というのは小選挙区の欠陥も比例代表の欠陥も両方ともそのまま残って両方のいい面がうまく組み合わされない、これを組み合わせたものが併用制だからその方がいいんじゃないか。そこで、海部内閣の当時に私たちは併用制の主張をして、並立制の政府案を批判していたわけです。 ただ私は、海部内閣当時、当時の海部総理大臣と衆議院の方の委員会で対峙をいたしまして、そのときに海部さんに聞いたんです。並立制と併用制は水と油だ、まじり合わない、そういう言い方があると。理論的にはそうであろうが、しかし国民から見ますと、一人を選ぶ選挙区で一票をまず行使します、そして次にもう一票で政党を選びますと。それがどういうようにつながっていくかというのが選挙制度ですが、国民がそういう選択をするときの基準というのは同じことなので、それが水と油だという議論の方がむしろ国民にはなじまないのじゃないでしょうかと。海部さん、ひとつ野党と妥協する気持ちを持ったらどうですかと。そうすると野党の方も妥協する気持ちを持って、そこに両方が合意できれば一つの改革ができるじゃないですか、どうですかと。こういうことを聞いたわけなんです。 ところが、当時、海部内閣総理大臣はその妥協の一歩を踏み出すことができなくてつぶれたということでありまして、私は今でも同じような気持ちで並立、併用ということに、余り言葉にこだわるのじゃない、むしろ並立だって海部内閣のときだって重複立候補、そして惜敗率による比例順位の決定、そういう知恵があるわけだから、そこをじっくり議論をしてみる必要がある、今もそう思っております。
○宮崎秀樹君 この話は切りがございませんので、時間がございませんので次に参ります。 そこで、公職選挙法の一部を改正する法律案要綱、これが出ました。そもそも憲法四十二条で「国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。」と憲法で認められておるわけでございますが、今まで衆議院、参議院の議論を通じて、参議院の選挙制度に関しましては、衆議院のこの選挙法の改革を見た中であとはあんた方で勝手にやりなさいよと、こういう答弁がございました。ところが、この公職選挙法の一部を改正する法律案要綱の中で、一体参議院の選挙制度にまで足を踏み込んでどの部分まで口を出しているのかと。あと、もうこれ、全然全体を考えなくて別に参議院がつくってもいいのか、一体そこら辺はどういうふうに基本的に考えていらっしゃるか、山花大臣、お答え願いたいと思います。
○国務大臣(山花貞夫君) 一言、さっき触れていただいた、当時、政治改革全体の中では選挙制度、衆議院、参議院、地方とこういう格好での問題提起もしたことも記憶しておるわけですが、決して参議院を忘れたということではございません。 やっぱり八次審の流れ、そして、以来、与野党におけるそれぞれの内部の議論、最近の参議院段階における御議論等々につきましてもできる限り勉強させていただいたつもりでございまして、全体としては、年内あるいは選挙の審判を受けて早期に政治改革を仕上げなければならない、こうしたことから考えるならば、まずは衆議院についてこれまでの議論を踏まえて改革をなし遂げ、そして同時に参議院についても御議論をしていただきたい。引き続いて参議院の選挙制度につきましても、いろいろ時間の見通しもおありになると思っておりますけれども、与野党の議論を進めていただき、それを十分拝聴しながらこれからのことについて検討を進めなければならぬ、こういう気持ちでございます。 今回の法案では、いわば参議院の制度の骨格についてはもちろん触れておりません。どうしても触れなければならない部分というものはございました。例えば衆議院の制度とのかかわりで、ビラとかポスター等々につきましてはどうしても変えなければいけないという部分でございましたし、それから問題になっている戸別訪問の問題等についても、これまた片方だけというわけには、同日などがあると、これは衆参だけではなく地方選挙との同時選挙等々を考えると、どうしてもやっぱり決めなければいかぬという格好で、骨格につきましては実はセーブした形になっているわけであります。 それは今日既に進んでいる、自民党内部でも議論が進んで、過日は参議院の選挙制度改革大綱が出ておりますし、与党の皆さんも御議論をしているということを承っております。 したがって、まずは衆議院について改革をなし遂げ、そして引き続いて参議院についても、これはもうピッチを上げてやらなければいけないテーマだと思いますけれども、やっていただきたい、こういうことでございまして、その意味では骨格については触れていない、こういうことでございます。
○宮崎秀樹君 それでは、この中の「第一 衆議院議員の選挙制度に関する事項」というのがございます。その四番に「投票」というのがあります。「投票は、記号式投票の方法によりこと、これはもう衆議院だけでございますね。
○国務大臣(山花貞夫君) 現在、提案しているのはそのとおりでございます。
○宮崎秀樹君 そうしますと、衆参同日選挙になりますと、投票方法が比例代表で全然違うということになりますと、これは選挙民は大混乱を起こすんじゃないでしょうか。だからこういうことも、参議院というものがあって、そして一緒に話し合いをするものはその中で二院制であるのだからやらなきゃいけないと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(山花貞夫君) 現在、知事の選挙あるいは自治体におきましても補欠選挙などについては既に記号投票が導入されているところもございます。その意味におきましては、ちょっと全体の進め方がばらばらになっているという現状ですけれども、今回、衆議院につきましては一票か二票か等々の議論も重なりまして、まず衆議院においてこの記号投票を初めて本格的に導入したい、こういうことでいろいろ利点なども考えた中で提案させていただいた次第でございます。 当然、ここで衆議院について記号投票ということになれば、将来の選挙の仕組みがどうなるかと関連しますけれども、参議院についても記号投票ということにいろいろ研究が進むのではなかろうか、こういうように思っているところでございます。候補の人数その他もいろいろ検討しなきゃいかぬというところはありますけれども、当然そういう方向での検討が期待されるところではなかろうか、こう思っております。
○宮崎秀樹君 この記号式の投票に関しましては、配列、右側から左側へいくのか、上下にやるのか、こういう問題がございますね。これは順番が早い方が得じゃないか、非常に不公平じゃないかといろんな御意見があります。なぜ自書式じゃいけないんでしょうか。
○国務大臣(佐藤観樹君) 今の御質問は二つの問題があると思います。 一つは、記号式を採用いたしましたのは、やはり有権者の投票の意思というものをできるだけ、つまり無効投票にならないようにするためには判定がしやすいとか、あるいは選挙訴訟がそれによって少なくなるとか、短時間で投票ができるとか、投票の秘密、例えば極端な話、余り長い人の名前ですと割合長くいる者があれを書いたんじゃないかと小さな村なんかで言われるというようなこともあったりして、画数の多い氏名とかそんなようなこともあって、投票の秘密が守られるとかいうことがあり、その前提として、ちょっと山花大臣からも言われましたように、小選挙区で出る候補者の数もあるいは衆議院の比例で出る数も政党としては大体そんなに多くならないであろうと。したがって記号式が可能ではないか。ところが、参議院の比例の場合には四十幾つでございますか、出ていると思います。したがって、これをあらかじめ印刷してやるというのは非常に難しいということがございましたものですから、この際、今申しましたような記号式の利点を衆議院に入れるために記号式にしたわけでございます。 それから、小選挙区の場合に氏名を書く順番でございますけれども、小選挙区は各県ごとの選管が扱いますので、選管におきましてくじ引きをやってもらうというのが法の第四十六条第六項に書かれております。比例代表は全国一本でございますから、これは中央選挙管理委員会でくじを引いてその順番に並べさせていただく、こういうことになっております。
○宮崎秀樹君 そうしますと、衆議院の方はそれでいくんだ、参議院の方は参議院の方でこれから議論して別の方法でやってもいいんだと。いいんだということはこれから議論になるわけでございますけれども、全くそれにはこれは触れていないというふうに理解してよろしいですね。 それでは、時間がございませんので、医療にかかわる問題をちょっと聞きたいと思います。 現在、寝たきり老人が大体七十万から八十万おります。また、在宅で介護している病人、そういう方々も相当な数に上っておる。こういう方々のいわゆる投票に関しまして下村委員から先般ここで御質問があったと思いますけれども、そういう方々に対する対応といいますか、そういう者に対する特段の配慮というものは今検討されておりますでしょうか。
○国務大臣(佐藤観樹君) 投票に関しましては、できるだけ投票者の利便を促進するために、病院とか老人ホームの場合には、先生がよく御存じのように、おおむね五十人以上のところは選挙管理委員会が指定をいたしましてそこでやっていいということになっておるわけでございます。ただ、寝たきりの在宅の方につきましては、この前も答弁させていただきましたように、郵便投票を認めたらどうかというお話もあるのでありますが、本人が書いたのかどうかを一体どうやって判定するかということが難しいものですから、それがなかなかできない。 いずれにいたしましても、この指定の病院とか老人ホームの投票というのは不在者投票として例外的な取り扱いになっておるものですから、冒頭申し上げましたように、やっぱりそこで本人が投票したというその選挙の公正ということが期待できる五十人以上という一定の規模を持っているものについて、選挙のそういった投票する場所を隔離してやれるというところで五十人という線で一応仕切っておるわけでございまして、その意味では在宅の方の投票というのが、私、下村委員の答弁にも申しましたけれども、まことに頭が痛い、こういう状況になっております。
○宮崎秀樹君 大臣、有床診療所というのは、これは特に佐賀県とか、もうわりかし田舎の方へ行くと非常に多いんです。十九床までです、これは。こういうところも手当てしてもらわないと、やっぱり抜けるわけでございますから、これはひとつお考えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(佐藤観樹君) そこが、今申しましたように投票用紙の交換の問題とかあるいは不正にほかの人が入れちゃわないかどうか、どうやってそれを十九床の規模で、監視をすると言うと変な言い方でございますけれども、選挙の公正を害させないようにするのか、そういうことで今悩んでおるところであります。 なお、ちなみに病院につきましては、もう時間がありませんから簡単に申し上げますが、指定率が七〇・八%、老人ホームが九二・八%、身体障害者更生援護施設が四一・八%、保護施設が三七・三%という状況になっておりまして、平均しますと一万四千九百五十五の施設に対しまして一万九百五十ということで、七三・二%というのが指定の病院あるいは老人ホームということで例外的な扱いとして不在者投票を認めているわけでございます。 先生御指摘のように二十床以下のものについてどうしていくかというのは、これからなお慎重に、そういった意味で選挙の公正をどうやって担保するかという観点から慎重に考えなきゃいかぬことだというふうに思っております。
○宮崎秀樹君 ぜひこれは実現に向かって努力していただきたいと思います。 総理が来られましたので、政治倫理の問題に入りたいと思います。 総理、昭和六十年の十月に政治倫理綱領を国会の場で議決しているんですが、御存じでしょうか。
○国務大臣(細川護煕君) 存じております。
○宮崎秀樹君 そこに、 われわれは、国民の信頼に値するより高い倫理的義務に徹し、政治不信を招く公私混淆を断ち、清廉を持し、かりそめにも国民の非難を受けないよう政治腐敗の根絶と政治倫理の向上に努めなければならない。 またもう一つは、 われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。 こううたっておるわけであります。 そこで、先般私どもの清水委員、服部委員から佐川問題が出まして、そのときに、総理は会計面においてまさに公私混交ではないかという指摘があったと思うんです。というのは、領収書をもらっても、いわゆる個人的な問題に使ったものをこれもわからないと。しかも政治的なものをやっている人も同じ事務所を使っていると。こうなりますと、やはり公私混交ととられても仕方ないと思うんです。 この辺は、この政治倫理綱領に照らして総理はどういうふうに考えていらっしゃるでしょうか。また、今後それをどういうふうにお改めになるか、その辺をちょっとお伺いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(細川護煕君) 再々この委員会でも申し上げておりますが、政治問題について借入をしたということではございませんで、あくまでも他の問題について借入をしたということでございますから、確かにおっしゃるように、その事務を担当した者は私の事務所で担当したわけでございますからダブっておるわけでございますが、しかし、そこのところは厳然と区別をしてやってきたつもりでございまして、今お話しの政治倫理綱領というものにもとるようなことはなかったというふうに私は確信をいたしております。
○宮崎秀樹君 ただ、総理、新聞紙上でも疑惑はあるんだというふうに国民はみんなとっていますので、ここら辺は総理のお考えと国民の考え方は乖離していると思うんです。ですから、そこら辺はきちっと整理なさった方が、これは一国のまさに国民のかがみである総理でございますから、やはりそこはきちっと今後やっていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(細川護煕君) 疑わしきことについてそれを晴らしていかなければならないという点につきましてはもう当然のことだと思いますし、私としてもできる限りの努力をしているところでございます。 今後とも、そうした点につきまして私のできる限りの努力をしてまいりたいと思っております。
○宮崎秀樹君 ぜひそうお願いしたいと思います。 ここで、大蔵大臣が来られたので、唐突なことなんでございますが、政治改革を今やっております。しかし、不況対策等、非常に今国民の現場では大変これが頭の痛い問題になっております。また、先般話が出ました医療機関も大変なダメージを今受けておりまして、四月の医療費の改定、これが来年度予算が成立しない、要するに四月一日からの予算が執行できない、それで四月一日からもう恐らく無理だろうと。早くて七月、遅くなれば十月だなんという声も聞こえできますが、これじゃ大変なんですね。 それにさらにかてて加えて、最近の新聞紙上で、いわゆる社会保険診療報酬にかかわる事業税の非課税措置の撤廃というのが、自治大臣、出ましたですね。私どもも非常に今、医療界から、こういう事態にさらにこういうことをやられると、私が先般予算委員会で質問いたしましたけれども、まあ赤字病院がほとんどでございます、そういう中でこういうことをやられては困ると。あれは普通の税制と違うんですね。あれは議員立法でできた税制で、大臣もう詳しく御存じだと思いますので説明いたしませんけれども、政策税制でございますから、これはきちっと守ってもらわなきゃ困る。 一つは医療費の改定問題、それからもう一つは税制問題、この二つについて、大臣、ひとつ前向きの御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) まず、現在の景気の情勢というものは非常に重大に私ども受けとめております。 総理から十二月十七日に御指示がありまして、経済企画庁長官を中心として経済対策を早急に立案するように、現在中旬に向けて努力をいたしております。その中に第三次補正が当然入ることはもう御承知のとおりであります。 そういう後を受けて平成六年度予算の編成作業に入るわけでありますが、御承知のように、今もまさに宮崎委員御指摘のように、平成六年度本予算というのは、景気だけではない、やはり医療のあり方とか社会保障のあり方、教育のあり方、防衛のあり方というような細川内閣の基本方針を示すものであります。そういう中で今お話しの点は議論していくべきことだと考えておりますし、今医療機関というものが非常に一時のような状況ではないということもよく承知をいたしておりまして、そういう中で検討させていただきたいと思います。 また、世に言ういわゆる政策減税の問題でございます。医療の問題が特別の理由によってできている経緯もよく承知をいたしておりますが、同時に、現在、税制のあり方というものの中でやはり政策減税というものを、もうあらゆるものについて一度白紙で見直すべきではないかという強い御意見があるということも事実でございますもので、平成六年度においては税制改正の中でいわゆる政策減税のあり方は議論していかなければならないと考えております。 ただ、今の御指摘のことは事業税でございますので、佐藤自治大臣がお答えすべきことではないかと考えております。
○宮崎秀樹君 大蔵大臣から自治大臣の方へバトンタッチでございますけれども、自治大臣、今社会保険診療報酬の事業税の非課税を撤廃されますと、大体七百五十億ぐらいだと思うんですが、しかし、私ども医師、また医療機関が担っている状況を御説明しますと、学校医だとか、それから住民健診だとか、予防注射だとか、これらはボランティアの全く安い料金でやっておりまして、これは学校医やなんか年間平均二十一万ぐらいですから、これを正規の社会保険診療報酬の点数に置きかえて、事業税の非課税が撤廃されれば、いただくとなりますと、これは七千億か八千億になるんですよ。今の十倍ぐらいいただかなきゃいけない。だから七百五十億じゃ撤廃されると我々は、事業税というのはもう赤字になることをやっちゃいけないんですから、救急医療みたいな不採算性医療はできなくなるわけですね。 そうなってくるとやはり私は社会に及ぼす影響というのは大変大きいものがあると思うんで、いろんなことを勘案した中で、これは自治体としてもやはり地域の医療、国民医療を守るという責務があります。しかも、救急医療というのは今八〇%民間の医療機関がやっているわけですよ。公的医療機関というのは余りやっていないんです。 ですから、そういうことも考えた中でひとつ御返事をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(佐藤観樹君) 御承知のように、税調から指摘を受けております不公平税制は法人事業税の関係で二つございまして、一つはマスコミ七税と言われる問題、それから社会保険診療報酬にかかわる問題でございます。 おのおのはちょっと状況が違いまして、一つは、マスコミ七税の関係は、ことしの三月で期限切れになる問題でございます。それから社会保険診療報酬の方の問題は、あれは昭和三十一年か二年だと思いましたが、池田大蔵大臣の時代からずっと続いているいろいろな経過を持っている問題でございます。 あわせて、今、社会全体がこういう不景気な中でございます。そのことを背景にしながら、委員今御指摘のような状況も、あるいは我々の方の公立病院の経営の状況等も、私も理解といいましょうか状況を承知しておりますので、そのあたりで藤井大蔵大臣とかくあるべきかということにつきまして十分議論して結論を出していきたい、こういうふうに考えております。
○宮崎秀樹君 大蔵大臣と自治大臣とお二人で話し合って結論が出るならこれは非常にありがたいんですけれども、連立の方々は八つ頭がありますのでおまとめになるのは非常に大変だと思います。 総理、今のお話を聞いて、総理としてこういう状況を実際にどうやって打破していくか、総理のお考えがあったらお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(細川護煕君) よく両大臣でお話しいただいて詰めていただきたい、このように思っております。
○宮崎秀樹君 総理もそれぞれいろんな人を抱えているから大変だと思いますけれども、総理は最高責任者ですから、最後に決断を下すのは総理なんですから、ひとつそこら辺は毅然としていい方向へ結論を出していただくようにお願いいたします。 今答えていただいても結構ですけれども、お答えできませんか。
○国務大臣(細川護煕君) 今のお話もよく踏まえまして、両大臣でよく検討をさせていただきます。
○宮崎秀樹君 これ以上幾ら言っても私の納得いく回答は得られないと思いますけれども、今の社会全般が大変な不景気ということで今みんな頭を抱えております。どこへ行ってもそう言われております。私は月曜日は、きょうは月曜日でございますけれども、国会がなければ大体患者さんを診ております。患者さんから言われるのは、何とかこの景気をきちっと立て直してくれということでございます。 そういうことでございますので、政治改革ももちろん大切でございますけれども、どうか景気対策に向かって全閣僚、ひとつ力を合わせてやっていただきたいと思います。 これで質問を終わります。(拍手)
○楢崎泰昌君 楢崎でございます。 今、私どもちまたを歩きあるいはいろいろな方と接触をしていますと、経済の悪化が一番心配をされ、ちまたにはその声が満ち満ちているということでございます。きょうは政特ということでございますが、予算委員会を開いていただきたい、この議論をしていただきたいと言ってもなかなかそういうことがないようでございますので、きょうは私は、そういう意味で総理が御出席なすっておられるところで若干予算に触れての質問をしたいと思います。 私は、今、今の与党の中で経済政策が大変おくれている、経済政策をなかなかやらないじゃないかという声の原因は、昨年の暮れに予算委員会が十五日で終わったにもかかわらず年内編成をしないと言ったところにすべての原因があると思いますが、年内編成をしないということをお決めになった理由は何でございますか、総理からお伺いしたいと思います。
○国務大臣(細川護煕君) 政府としては、年内編成という方針、方向のもとにできる限りの努力をしてきたわけでございますが、しかしながら現下の経済情勢に対応するための第三次補正予算の編成もございましたし、また政治改革法案の審議の状況というものもにらみながら対応していかなければならないということもございましたし、平成六年度予算については残念ながら越年ということになったわけでございます。
○楢崎泰昌君 今いろいろ理由を述べられましたが、実の理由は、所得税減税をしようと思うんだけれども実はその財源について政府・与党の中で調整がつかなかった、したがって予算編成を行おうとすれば与党の中で意見の統一がとれないので年内編成はできないということで、それがさらにがたがたすると政治改革特別委員会の審議にも影響が及ぶんじゃないかと恐れて年内編成を延期されたんじゃないんですか。
○国務大臣(細川護煕君) 基本的な理由は先ほど申し上げたとおりでございますが、財源の問題についてももちろん本格的な景気対策というものを講じていく上でそこのところを十分に詰めていかなければならない、そこのところの作業についても時間的にまだまだもう少し時間が必要であるというような事情があったこともそれは確かでございますが、一面で事実でございますが、しかし主たる理由は先ほど申し上げたとおりでございます。
○楢崎泰昌君 いや、今お伺いしてびっくりしているんです。予算というのは、通常十二月中に編成をして、そして一月の終わりには国会に出すというのが普通なんですね。普通ならば普通らしくおやりになればいい。いろんな問題がある。そんなものいろんな問題は毎年あるに決まっていますよ。しかし、越年予算編成を決めた、年内予算編成ができなかったのは減税のせいじゃないんですか、もう一遍お答えください。
○国務大臣(細川護煕君) 何回も同じことを申し上げて恐縮ですが、先ほども申し上げたとおり、ことしの予算、それから二次補正、それからまた三次補正、それからまた新年度の予算、とにかく切れ目のない財政出動というものをすることによって景気に配慮した姿というものをつくっていこう、そういうことで努力をしていこうということでこのようなことにしたということでございます。
○楢崎泰昌君 今、御回答でございましたけれども、私はちゃんとした御答弁をしていただけてないと思うんです。 それならば、なぜ一月の中旬にやらないんですか。十二月の末にできなかった、それはそれでいろいろな事情はあったかと思います。だけれども、一月の中旬にやればいいじゃないですか。やらない。どういうわけでしょうかね。それじゃ、平成六年度の本予算の編成はいつおつくりになるのか。今まで政府はいつつくるということを避けて通っておられまして、延びる延びるとしか言っていないんですよ。 政治改革特別委員会が終わってからこの厄介な問題に手をつけよう、そういうお考えですか。総理、お答えください。
○国務大臣(細川護煕君) 三次補正のお話の方が先になるということはもちろんでございましょうが、できる限り早くそれに引き続いて当初予算を編成したい、こういうことで努力をしているということでございます。
○楢崎泰昌君 今、三次補正が大事なんだというお話がございました。三次補正というのは、ずっと新聞等で拝見をしておりますと、一月の中旬に経済対策をお決めになって、そして、それをもとにして補正予算をおつくりになるというぐあいに考えるんですけれども、それはそうなんですか。
○国務大臣(細川護煕君) 一月中旬を目途に経済対策というものを策定いたしまして、そして三次補正を考えていく、そういうことでございます。
○楢崎泰昌君 経済企画庁長官にお伺いをしたいと思います。 第三次と言ってよろしいかと思いますが、緊急経済対策は一月の中旬におつくりになる目途で今作業をしておられると思いますが、それはそのとおりに考えてよろしいんですか。
○国務大臣(久保田真苗君) 経済企画庁としましては、三次補正の追加対策を含む総合的な経済対策を一月中旬に取りまとめるようにという御指示をいただいておりますので、その目途で作業中でございます。
○楢崎泰昌君 どういうことを対象として作業しておられますか。概略を伺わせてください。
○国務大臣(久保田真苗君) これは、景気浮揚全般にできるだけ役立つような施策を取りまとめるということでございまして、年の初めに総理が記者会見でもお示しになった六項目というものがございまして、大体その筋に沿って各省が作業をし、それを私どもと協議しながら取り入れていくということになります。 具体的に申し上げますと、景気に即効性のある規制緩和の実施、三次補正と六年度予算をあわせた十五カ月予算の作成、農業・中小企業などの構造謝整支援、リストラ産業など雇用支援に関するトータルプログラム、金融・税制面を含めた土地流動化対策、また、平岩委員会などの報告を踏まえました税制改革、大体その六項目で具体的にやっているところでございます。
○楢崎泰昌君 六項目の一番最後に減税がございました。 そうすると、きのう、NHKの放送を拝見していますと、官房長官も税制、減税を含むというぐあいにおっしゃっておられたようですが、それに間違いございませんか。官房長官お願いします。
○国務大臣(武村正義君) 今回の不況の中で、不況対策としては国民の中でも所得税の減税の論議、声が大変高くなってきておりますし、政府としてもこのことに大きな関心を持って今日に至っております。当然、景気対策全体の中でこの減税政策をどう位置づけるか、規模や中身も財源も含めてしっかり見据えて間違いのない決断をしなければいけない時期に来ていると認識をいたしております。
○楢崎泰昌君 そうなると、さっき年内編成ができなかったといういろんな問題を含んだ所得税減税を二十日までの、新聞によると二十日にとてもできないという新聞もありましたけれども、二十日までの経済政策の中で減税について言及をなさるということになると思うんです。 それでは、言及をなさるということになればそのときの財源対策というのは明示なさるんでしょうね。お答えください。総理、いかがですか。
○国務大臣(細川護煕君) これも何回も申し上げておりますように、政府・与党の経済問題協議会におきまして今作業をしていただいているところでございますから、その作業の結果というものを見守って結論を出したいと考えております。
○楢崎泰昌君 いや、さっきお伺いしましたように、経済対策として減税をお書きになる、そのときには財源をどういうぐあいに調達するのかどうか、これについては言うのか言わないのかわからぬと、こういうお話ですか。さっき、当然のことながら減税をおやりになる、内容も規模も書かにゃいかぬとおっしゃった。それならば、それに対して政府として責任を持ってその財源をどういうぐあいにするのかということを経済対策の中に書かなければ経済対策にならないじゃないですか。お答えください。
○国務大臣(細川護煕君) 今お話しございましたようなことも含めて経済対策協議会でまさに御協議をいただいているところでございます。
○楢崎泰昌君 これは常識的に考えて、二十日の日に経済対策を出すとすれば、財源を明示しなければ何のための政府がということになりますよ。こんなもの、経済対策会議にお願いしていますからというようなことだけで答えなんかになりはしませんよ。経済対策会議にお願いをしてそのときにちゃんと財源を明示しなければ、何ともならないでしょう。経済対策会議で財源を明示しないんだということで、それでいいんですか。総理としての責任が保てるんですか。お答えください。
○国務大臣(細川護煕君) まあしかし、自民党でも税調のようなものがおありになって、そこで随分御議論をなすってそして予算の編成の前にそういう結論というものを出されたわけでございましょうし、今、与党の中におきましてもまさに、税調というものはございませんが、それにかわるものとして経済協議会というものがそのような仕事をしているわけでございますから、その結論を待ってと申し上げているわけでございます。
○楢崎泰昌君 ここに状況をもう少しはっきりさせるために、新聞記事でございますが若干読ませていただきます。 景気対策の焦点・所得税減税のネックは財源問題である。減税だけを食い逃げし、そのツケを赤字国債に回すことは絶対にあってはならないと大蔵省は何度も総理に念を押している。所得税減税を切り出せば財源問題に触れぬわけにはいかない。いいですか、財源問題に触れないわけにいかないんですよ。二十日の日に財源問題なくして減税のスローガンを上げるのは絶対だめですよ。しかし、唯一可能な財源と見られる消費税率アップに言及すれば、連立与党内では社会党などの猛反対を招くのは必至。これは私が言っているんじゃないんです。新聞が書いているんです。国会でも自民党に追及の口実を与えるだろう、こう書いてあるんですね。 そこで、一番反対をしておられると考えられる、あるいは各党首に、一言だけコメントをいただきたいと思うのです。 外務大臣、中国に行かれて大変御苦労でございました。財源問題についてどういうぐあいに考えるか、時間がありませんから簡単にお答えください。
○国務大臣(羽田孜君) このいわゆる新しい予算を組むに当たりましては、歳入欠陥が非常に大きいということがある。まずその問題があります。 それともう一つは、今お話しありましたように所得減税をやってほしいという話がある。これに対しては、当然、財源の問題を考えなきゃなりません。そういう中にありまして、私ども今いろんな検討をしておりますものは、不公平税制の問題があります。あるいは歳出をある程度抑制することができるのかという問題があります。 それともう一つは、今御指摘のある問題等につきましては、将来どういう国のあり方というものをつくっていくのが、こういったものをやっぱりきちんと国民に示さなければならない。そういった問題を含めて私たちは検討しなければならないと思っております。
○楢崎泰昌君 今、外務大臣が言われた問題は確かにあると思います。しかし、それは所得税減税の財源に及ぶような金額のものじゃないんですね。再度質問はいたしません。 石田国務大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(石田幸四郎君) 大変難しい厳しい問題だというふうに理解をいたしておりますが、やはり各界の御意見を伺っても、所得税減税はやらなければならない、このように思っているところでございます。 しかし、それが直ちに消費税に結びつく問題であってはならないというふうに思っておりますし、やはり消費税を議論するにつきましては、これからの高齢化社会に対する総合的な福祉の問題並びに経費の問題、そのおおよその見通しをつけなければ消費税の問題に言及することは困難と、このように思っておるところでございます。その間、やはりつなぎ国債か何かでやっていく以外ないのではなかろうか、こう思っておるところでございます。
○楢崎泰昌君 今、御答弁を聞いておりますと、いろんなものを検討せにゃいかぬと。二十日までに検討できるんですか。私は大変疑問に思っています。 それじゃ、社会党にお伺いしたいんですが、前委員長にお考えをお願いします。
○国務大臣(山花貞夫君) 私としては、閣僚の立場で党の動向をいろいろ報告を受けたり伺ったりしておりますけれども、各党首が今お話ししたようなテーマなどをも含めて社会党の税調で議論をした上で、今お話しありました経済問題協議会の中に代表が出てそこで議論を進める、こうした現状でございます。事実は、少なくともこうした事態ですから、鋭意検討が進められるものと承知をしているところでございます。
○楢崎泰昌君 各党それぞれ意見が違っていることは新聞その他で拝見をしているんですけれども、私は、二十日の日に経済対策を発表するならば、二十日までにやるならば、所得税減税の財源をどうするかということをけりをつけて、そして経済対策に臨んでもらいたいと思っております。 さらに若干付言しますけれども、税調では一体的成案化ということを言っております。平岩委員会は一体化の上で先行ということを言っております。審議会の御答申でございますから、細川内閣としてはそれらのことを恐らく十分配慮されるというぐあいに信じております。 またさらに、細川総理は特例公債の垂れ流し的発行はしないということを本会議でも何回も何回も言明されている。それをちゃんと頭の中に置いて経済対策をやっていただきたいというぐあいに思うところでございます。 私は、今思い起こすんですけれども、我が国が経済不況に陥ったときというのは何回かあるんですが、特に昭和大恐慌のときに浜口雄幸が男子の本懐であると言ってみずからの初心を貫いたということがこのごろ非常に強く思い出されるんです。細川さんの政治姿勢は若干違っていて、柔和な優しさをお持ちになっておると思いますけれども、こういう国家の基本に関するときには毅然たる決意を持っておやりをいただきたい、私はかように要望をしたいと思います。 さて、そこで、もう時間がなくなってきましたので、せっかく大蔵大臣、質問しておりませんから、大蔵大臣に若干質問を申し上げたいというぐあいに思います。 実は、私は今の経済の運営に大変危惧を持っております。危倶を持っているという意味は、大蔵大臣の御手腕に対して危惧という意味ではなくて、現在の財政の状況に対して非常に危惧を持っております。先般の委員会で十一月決算を見ても大丈夫だというぐあいに御答弁なすっておられましたけれども、私は、こんなことを言って大変恐縮ですけれども、十一月の税務執行状況を見て法人税の下落が大変多くなっているということに危惧を持っております。五十五兆円というラインが確保できるのかどうかということについて危惧を持っていますが、それに関連して若干の御質問を申し上げたいというぐあいに思うんです。 まず第一は減税の点で、現在の経済政策の中で一番問題になるのはやっぱり土地の流動化が不足していることなんですね。 先般、通産大臣との会合の中でも、土地の流動化について、苦労しようじゃないか、苦心しようじゃないかというお話を随分されたというぐあいに承っています。そして、その上で法人の土地の短期取得及び法人の買いかえ資産等々については考慮に入れようじゃないかというお話があったんですけれども、それの中に個人の譲渡所得の話が抜けているんですね。今三九%の高い税率でございます。やっぱり土地の流動化のためには供給それから取得等々を全部頭の中に入れなきゃぐあいが悪い。それについて何ら経済対策の中で触れておられないように思いますので、それについての御見解をお願いいたしたいと思います。
○国務大臣(藤井裕久君) 先ほど来楢崎委員のお話を承っておりまして、むしろ私ども激励されたような御質問だったと思っています。 そこで、総需要政策も極めて重要だと思いますが、総需要政策に加えて、いつも申し上げておりますように構造問題というもの、特にこの資産インフレ時代のいろんなひずみというものを直すということがこれから経済を正常な軌道に乗せていく上で非常に重要だと思っております。その一つが今御指摘の問題だと思うんです。特に金融の不良債権化等々を通じてこれが顕在化しているわけでありますから、これを何とかしなきゃいけないということで御指摘のように熊谷通産大臣ともお話しをいたしました。 そこで、土地の流動化、これはミニバブルをつくるなどということとは全く違います。これを値上げしようということであれば、私たちは反対しなければなりません。流動化という意味でございます。その流動化という意味において何が一体流動化を阻害しているのかということだろうと思いますが、私はただひとり税だけではないと思います。きょうは国土庁長官お見えになっておりませんが、監視問題等々を通ずる規制の問題が一つあると思います。そして、一つのファクターとして税があることも否定いたしません。 そこで、税をどうするかでありますが、これももう御承知のように、平成元年に成立をいたしました土地基本法の理念というのは、私は単に土地が一時的に値上がりしたからあれができたのではないというふうに確信をいたしておりますし、前政権もそのような基本のもとにあれをおつくりになったというか提案されたと思います。そして、それを国会が御承認になったものでありまして、この基本は守っていかなければならない。その基本に基づいて今の税の根幹ができていることも否定できないと思います。 そこで、その中で一体土地の流動化のために何をやったらいいかということを今勉強してもらっているわけでございますが、果たしてお話しの三九%問題がどういうふうな位置づけになるのかということでございましょう。私どもは、これは土地基本法の基本理念に基づいた一つの仕組みであって、当時土地が値上がりをしたことの対策ではないと考えております。預金で持とうと株式で持とうとどういう資産を持とうと、土地が特に有利でないという形にしなければいけない。あのころで言う土地神話でございましょうか、それからきた税制の基本でございますので、この三九%問題というものは動かすべきではない、その上に立って政策税制を考えたい、このように考えております。
○楢崎泰昌君 時間がなくなってきましたので、最後に。 新聞によりますと、たばこ税、酒税、これの値上げをするというぐあいに読売新聞も書き、あるいは日経新聞も書くという状態でございます。消費税問題がこれだけこじれているときに、先ほど総需要というお話がございましたが、私は、たばこ税、酒税については、まず第一に、これは大衆課税じゃないか。これは総需要を実は抑える方に回っているんですね。それで、今景気対策をやろうというときに総需要を抑える方向で物を考えるというのはいかがかなという感じがまずいたしております。 それから、総理、御存じかと思いますけれども、たばこの税金というのは六〇%なんですね。昔から五公五民と言います。六割公租がふえちゃうと、これは百姓一揆が起こるんですよ。お酒も現在四四%の税率でございます。このことによって需要が落ちるんですね。これはかって昭和五十九年に酒税の値上げをしたことがございましたが、そのときに総需要が落ちて業界がひどい苦しみに陥ったことは大蔵大臣よく御存じのとおりでございます。 さらに申し上げますと、これは中小企業いじめじゃないですか。小さい零細な企業をいじめる、こういうような税金を上げるということを、所得税を減税しようというときに随分ひどい話だなと思って伺ったんですが、大蔵大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(藤井裕久君) 酒税、たばこ税の問題については、今御指摘のあったようなことはよく承知をいたしております。 ただ、これはしばらくの間ずっと抑えてまいりましたもので、税制調査会では随時こういうものは見直しをすることが必要であるということの御提言もいただいているのは事実でありますが、いずれにいたしましてもこれは平成六年度の税制改正で決めるべき問題でございまして、今何らの新聞に書いてあるような結論は持っておりません。
○楢崎泰昌君 質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○立木洋君 私は与えられた質問の時間、まず最初の部分で首相にいろいろお尋ねしたいと思います。後半の部分で関係閣僚にお尋ねするという形で進めさせていただきます。 最初に選挙制度の問題ですが、もう言うまでもなく我が国の憲法では主権が国民にあるということが明記されておりますし、そして国政は国民の厳粛な信託によるものである、ですからその権威は国民に由来するということも指摘されております。まさに国民主権主義という立場が明確であります。そういう我が国の最高機関である国会の選挙という点は、代表民主主義の原点に立って、そして正確に正当な選挙によって国会が選出されるということが憲法の要請だろうというふうに考えます。 この点からして、国民主権のもとでの国会と政権のあり方の基本は、国会が民意が正確に反映された者によって構成されるということが大前提であるというふうに考えるわけですが、この憲法の求めるところについて首相がどのようにお考えになっているのか、最初にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(細川護煕君) 小選挙区は民意の集約であり比例選挙は民意の反映であるというところを踏まえてのお尋ねであろうと思いますが、確かに小選挙区というのはいわゆる死に票などが多いというようなことが言われておりますが、その死に票などを補うということで今度の改正案におきましては比例制度を加味したわけでございまして、単純小選挙区という制度とは相当異なるものであり、そうした意味で、今おっしゃった憲法の趣旨というものに今この出しておるものがそういった観点からも私は相反するものではない、その趣旨にたがうものではない、このように思っております。
○立木洋君 今の首相の憲法の答弁はやっぱり無理があると思うんですね。 つまり、国民の代表として民意が議席に正確に反映されるというそういう国会が構成されて、初めて政権も民意に基づく政権になるわけです。基本はそこにあると思うんです。ですから、今までのように、小選挙区制というのは、言われていますように半数以下の得票率で半数以上の議席を占める、つまり議席率と得票率というのが非常に不一致をつくる。だから、これはいわゆる問題だということが厳しく指摘されてきたわけですね。ところが、これに比例を加味することによって並立するんだから問題がないんだというような今のお話なんです。 ところが、昨年の十月四日の衆議院の予算委員会で日本共産党の志位書記局長が、この制度がもともと民意をゆがめる、第一党が得票率以上に議席を獲得するということを認めますね、こういう質問をしたわけですね。それに対して細川首相は、それは比例制で緩和されます、それは多少ではなくて大幅に緩和されますと言ったんです。つまり、小選挙区制で民意がゆがめられた事態が抜本的に是正されるんじゃないんです。あなたは緩和されると言ったんです。緩和というのはゆがめられた事態を多少緩めるという意味なんですね。緩和されるという言葉を明確に使っている。そして同時に、あなたは小選挙区制の本質でいえばそれはそうですと言って、小選挙区制そのものが民意をゆがめるものであるということを認められた。 私がここで指摘したいのは、あなたがいみじくも緩和という言葉を使われたことは、あなたが本来考えていることをそのまま述べたことだろうと思うんですが、つまりそれはどういうことかというと、議席率と得票率、これを極めて一致する状態に近づけるということで本当の意味で民意を正確に反映した国会を構成することになるわけですが、そうではなくて、それを緩和するということになることは、抜本的な是正にならないんです。民意が大幅にゆがめられる。ですから、それは多少緩和されても、それを逆転させてそういう事態が全くなくなるということが比例を加味することによってできるものではない。だから、まさに明確にあなた自身が先回の衆議院の答弁で述べられましたように、民意がゆがめられるというこの性質そのものがやっぱりこの選挙制度の並立制の本質だということについて、あなたはお認めにならないんでしょうか。 もう一度その点、はっきりさせていただきたい。
○国務大臣(細川護煕君) ずっとこの論議が始まりましてから申し上げてきたことは、並立制によってお互いに相補う制度であると。民意の集約と反映というものを、あるいは政権への反映とより広範な民意というものを集めていくということについて、それが相補うものであるということを申し上げてきたわけでございまして、今おっしゃったような議論も今までも随分伺ってまいりました。そしてまた、そういう一面も確かにあろうかとも思いますが、しかし、これも今までの長い御論議の中で、このような組み合わせでいくことが今選び得る最善の道であろうということで集約をされてきたのが今日の姿である、このように考えておりますので、その今までの経緯を尊重していかなければならないというところもぜひ御理解をいただきたいと、こう思うわけでございます。
○立木洋君 今いみじくも首相は、一面そういう面はあると思いますがと言われました。あなたは民意をゆがめるものではないということを証明することができないということは、今のあなたの答弁でも私は明確だと思うんです。 つまり、そのように少数の得票でいわゆる多数の議席を占めるということは、つくられた多数なんですね。これは国民の真の信任を得た多数で国会が構成されるということにはならないんです。つまり、つくられた多数、いわゆる人工的な多数なんですよ。だから、そういうものは正しい政権選択にはならないということもまた明確だと思うんです。つくられた多数によってつくられた政権というものがどういうものか。これはまさに多数の民意を反映した憲法の基本理念から見て、やっぱりそういうことは許されないということを私は明確に申し上げておきたいと思うんです。 さて、その上で問題になるわけですが、国民が選挙するまず第一次的な目的は何か。国の最高機関を選出するということです。つまり、代表機関である国会を選出するということなんです。立法府である国会を選出するということなんです。政権の選択をするのが第一次的な目的ではないんです。これは憲法の構成によっても明確にされているんです。 それをあなたは、今おっしゃるように、民意が反映されるという、憲法から要請されている代表機関の選出という第一次的な目的を定めておる憲法の内容を、政権を選択するという、いわゆる国会がつくられて後に政権がつくられるという、国会と内閣ということが憲法の構成でも明確に区分されておりますように、それを同次元のものとして持ってきて行うということは、憲法の正しい理解からいっても誤っている。 第一次的には最高機関である国会を選挙する。その選挙された民意を正確に反映された国会が内閣を、つまり総理大臣を議決し、そして内閣が構成される。だから、国会が構成されるという第一次的な目的と異なるいわゆる政権選択ということを国政選挙の目的に持ってくもということになるならば、これは本末転倒になるんではないかというふうに指摘せざるを得ないんですが、その点については憲法をどのように首相は解釈されているんでしょうか。
○国務大臣(細川護煕君) 今回の政府案におきましては、政権選択ということを第一義的に考えているというふうに申し上げているわけではございません。ございませんが、しかし衆議院の選挙制度である限り政権の選択ということは重要な要素でありますということを私は申し上げておきたいと思います。
○立木洋君 これまでの首相の答弁の内容と若干変わってきたようなニュアンスに私は今聞いたんですけれどもね。 憲法の内容をごらんになったらおわかりのように、結局、国会の構成と内閣の構成というのは違うんですね。ちゃんと第四章、第五章というふうに区別してあるわけですよ。ですから、民意を正確に反映した国会、つまり得票率と一致した形での議席率、これで構成するということが正当に選出された国会なんですね。その国会の任務としてあるのが、御承知のように内閣の組閣の問題として六十七条で総理大臣が国会で議決される、六十八条で総理が閣僚を任命する、そして、六十六条に戻れば、内閣は行政権の行使について国会に対して連帯の責任を負う、国民に対して直接の責任を負うんではなく国会を通じて国民に責任を負うということです。 ですから、政権の選択ということは、つまり問題は、私は何も選挙が政権の選択を全く度外視していいとかなんとかというようなことを言っているわけでは毛頭ないんです。つまり、国の政権を構成するのは、まず第一に民意が正確に反映された国会を構成するということが憲法の精神なんです。その代表を、民主主義の理念に基づいて、いわゆる民意を反映された国会が総理大臣を議決し内閣を組閣する。つまりそれを政権の選択だということで民意の集約ということが大切なんだということを強調して、そしてその余り、結局小選挙区制を土台とするような並立制を導入して民意がゆがめられるということになるならば、これは憲法の精神に反するという事態になりかねない。そういう危険な事態だということを私は指摘したいんですが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(山花貞夫君) 委員長。
○立木洋君 ちょっとお待ちください。山花担当大臣には後で私ゆっくりこの問題でまたお聞きしますから。私もう総理にお尋ねするのは二十分しかないんです。二十分しかないものですから、もうあと限られているので、総理の御見解を先の時間にぜひお聞きしておきたいということを言ったんですから、山花担当大臣、しばらくそこでお座りになってお聞きください。
○国務大臣(細川護煕君) 同じことを申し上げるしかないんですが、民意の反映ということがもちろん基本的に極めて重要な問題であるということは、これはもう何もここで改めて申し上げるまでもないことでございます。 しかし、先ほども申し上げましたように、衆議院の選挙制度というものにおきましては、民意の反映と同時に政権の選択というものも、やはりしっかりとそこで国民の意思が示されるということも、これもまた極めて重要な要素であるということを申し上げているわけでございます。そういう観点から、今までの御論議も踏まえて並立制というものを提案させていただいている、こういうことでございます。
○立木洋君 この憲法についての解釈、理解というのはやっぱり無理があると思うんですよ、首相のおっしゃるのは。 つまり、今まで小選挙区制をなぜ導入するのかと。民意の反映ということが憲法で要請されているにもかかわらず、なぜ小選挙区制という問題を、それを並立させるにしても並立させないにしても、小選挙区制という問題を考えるのか。これは、つまり少数の得票で多数の議席を占める、それを合理化するために民意の集約ということをあなたは主張してこられた。民意の集約ということは大切なんだ、それが国政選挙で求められないといけないんだ、だから小選挙区制が必要なんだ、民意の集約が必要なんだ一民意の反映とあわせて民意の集約が必要なんだということを盛んに強調されてこられたんです。 だから、民意の正確な反映を土台とするならば、小選挙区制なんてそもそも入れる必要はないんです。民意を正確に反映させるという憲法の理念に基づいて選挙制度をきちっとつくるということで行うならば、民意の集約などという形で小選挙区制を入れる必要はないんです。 つまり、そこには政権の選択という、聞けば道理があるかのように聞こえる内容を持ち込んできている。憲法に掲げられている内容を結局はゆがめてしまうような結果になりかねない重大な事態がこの小選挙区比例代表並立制にあるんですよ。つまり、小選挙区制そのものが民意をゆがめるんです。それに何ぼ比例を加味しても、それは加味したのは緩和されるにすぎないのであって、根本的な是正にはなり得ないんです。だから憲法の理解についてのあなたの解釈というのは私は全く納得するわけにはいかない。 つまり、そこであなたが言われる民意の集約という概念を持ち出して、それが小選挙区制度という制度によって実現されるんだ、両方の制度の片一方によって実現されるんだ、並立させるから問題ないんだということは、憲法に対する正確な理解にはならない。これはやはり二重三重に憲法の、つくられた多数ではなく、民意を正確に反映させるという見地から見ても、また憲法で求められている、第一義的には最高機関である国会を選出するというのが風致選挙の任務である、その民意の正確な反映によってつくられた国会によって内閣がつくられる、こういう憲法の構成から見ても正しくない。この二重の問題がこの中には重大な誤りとして含まれているということを私は重ねて指摘したいわけですが、総理いかがでしょうか。 私の言っていることに間違いがあったら反論してくださいよ。
○国務大臣(細川護煕君) 共産党の御主張はそれなりの一つのお考えだと思います。お考えだと思いますが、しかし、まあ民意の反映だけで、つまり比例制度というものだけで果たしてうまくいくものかどうかということになりますと、これはまたたくさん小政党が乱立をするといったようなことも出てまいりましょう。また、それに伴ういろいろなメリットもあるし、デメリットもそこに出てくる。 そういう観点から、今までの御議論も踏まえて、結局そういう御議論がいろいろあった末に、その両方の兼ね合いというものをどういうところでとるかというところから今度の法案ができてきた経緯があるわけでございますから、おっしゃることもよくわかりますが、私はまさに兼ね合いということを今申し上げましたけれども、その辺のところをよく踏まえて考えていくというのが現実的なのではないか、こう思っておるわけでございます。
○立木洋君 いろいろな経緯ということを主張しなければ何としてでもこれをこじつけるわけにはいかない首相の答弁は、どうも大変無理がある。いかなる人も納得させることができない。憲法の見地から見るならば、そのような主張というのは無理がある。 私、そこでちょっと角度を変えて言います。 確かに、世界の国の中にはいろんな選挙制度があります。これはもう無数にありますから、なかなかそれを抽象的に色分けするというのは難しい。しかし、大きく分けるならば、これはやはり、一つは比例代表制あるいは準比例制とか言われるような比例に類する型、もう一つは、小選挙区制あるいは多数決制とも言われますけれども、そういう型に類する選挙制度、二つの選挙制度が大体大きく分ければ見ることができると思うんです。 私はこれを抽象化して言うわけではもちろんありませんけれども、個々の国の事情に応じて問題を考えなければなりませんが、一八四八年にスイスやフランスで御承知のように男子普通選挙権というのが布告されて以降、世界のいろんなこれまでの歴史の歩みを見てみますと、特に二十世紀になってから民主主義を探求するという方向にずっと世界の歴史は動きました。それから、植民地や従属国から独立していくというふうな動きや、あるいは君主制の国家から共和制の国家へというのが多数の国の形態になっていくというふうに、民主主義というのを世界の人類が前進させてきた歴史というのがあるわけですね。そういう歴史の中で、この選挙制度ということも民主主義を探求するという方向で前進してきたと思うんです。 当初は、選挙制度ができたときには小選挙区制というのがほとんどだったんですよ。ところが、それが理論的にも研究されて、やはり民意をいかに正確に反映させて、民意に基づいた政治をどうするかということが理論的にも研究され、歴史的な大きな流れの中で、第一次世界大戦の後に、西ヨーロッパにおいては御承知のように比例制の選挙制度をとる国がふえてきた。そして御承知のように、男子参政権だけではなくて女子の参政権ということも確立されるようになってきた。そして今度のソ連や東ヨーロッパにおける事態の後から、東ヨーロッパでも比例制をとる国というのもふえてきた。そういうふうに、民意をいかに反映させるかというのが人類の民主主義を探求する歴史の中でつくられてきた選挙制度を確立する上での知恵なんですよ。 こういう大きな世界の歴史に反して、いわゆる小選挙区制が政権の選択にやっぱり理由があるんだというふうなこじつけをなさって世界の歴史に反するようなやり方をするということは、これは私は大変なことにならざるを得ないということを指摘せぬといかぬと思うんです。 私は、そういう世界の歴史の流れを大きく見ながら、また日本の憲法が要請する見地から見ても、この小選挙区比例代表並立制は廃案にすべきだというふうなことを私は重ねてここで主張したいんですが、この点は、首相、真剣に考えていただきたいと思います。だてや酔狂で私は言っているんじゃないんです。憲法の問題の原理、原点に基づいて私は主張し、世界の歴史の流れに基づいて私はあなたに強く要求しているわけですから、その点についてのあなたのお考えを聞いて、首相に対する質問の時間はこれで終わりになりましたから終わりますが、明確な何答をお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(細川護煕君) おっしゃることもよくわかるんですが、やっぱりこれはちょっと見解が少し違うと申し上げざるを得ません。 先ほど申し上げましたように、ここのところは、今の選挙制度というものがいろいろな問題点をはらんでいるということを考えますと、少しでもそれを改善していくための方策というものを考えていかなければならない。そういうところからこういう知恵が出てきているわけでありまして、それが十歩前進しなくても百歩前進しなくても、半歩でも一歩でも前に進めなければならないというのが今のやはり国民の大方のお気持ちではないかというふうに思いますし、そうした意味でぜひこの四法案に御理解をいただきたい、政府としてはこう思っているところでございます。
○立木洋君 今の首相の答弁は何としてもいただけないということを重ねて申し述べざるを得ません。一歩でも半歩でも前進と言われますけれども、これは前進どころか、民主主義の原理原点から見て重大な後退になる。そういうことを重ねて指摘しておきたいと思います。 さてそれで、どうもお待ちかねでございました。今から関係閣僚にいろいろとお尋ねすることにいたしたいと思います。 最初に、これは自治相にお尋ねすることになるんじゃないかと思うんですが、一票の格差の問題です。 これは私たちも、今度の細川内閣の小選挙区比例代表並立制の法案に基づいて、その法案で規定されている内容、つまり、まず四十七都道府県に一人ずつを割り振るだとか、それから市町村の境は変えないだとか飛び地をつくらないだとか、これらの問題を全部あれして計算しますと、結局、一票の格差は最大二・四七倍に広がるということになるわけですね。そして、この格差二倍以上の選挙区は六十五選挙区にもなるんです。これは最も人口の多いところでは大阪八区、それから最も少ないところでは徳島三区ということになって、徳島三区は大阪八区の二・四七倍になるというのが私たちの試算で出されております。 これはただ単に私たちの試算ということだけではなくて、この格差二倍未満の問題についてはどうなるのかということでいろいろな新聞が試算をしております。一つ一つの新聞の名前は挙げませんけれども、それぞれの新聞の試算としているところでは、こういう格差が二倍以上になるというところが四十から多いところでは六十五になるということが出されております。その六十五という選挙区はどうなるのかというと、そこに住む人口は全人口の三割、約三千六百万人に上る人々が住んでいる地域になるんです。約三割に上る選挙区が格差二倍以上になるということが明確なんですわ。 〔委員長退席、理事一井淳治君着席〕 そうすると、これは今度の法案の中で明確にされていますように、この格差の問題は一対二未満に基本的には抑えるということになっているわけですが、この問題というのは、これは八六年の国会決議の合意によっても選挙区によって一人が二票以上持つような状況は憲法の要請に反するというふうな指摘がありますし、あるいは八〇年の東京高裁の判決でも一対二を超えるような場合は憲法に保障する平等の原則に反するというふうなことが指摘されていると思いますが、今の政府の出している法案でその規定に基づいてやるとすべてを一対二未満に抑えることができないということは明白じゃないかと私は思うんですが、一対二未満に抑えることが確実にできるのかどうなのか、まず明確に答弁していただきたいと思います。
○国務大臣(佐藤観樹君) 委員御承知のように、今度のあり方につきましては、人口の比率を一対二未満にすることを基本としてということが一つであり、もう一つは、御承知のように、行政区画、地勢、交通等を総合的に勘案して合理的に分区をするということを七人の審議会の委員の方にお願いをしているわけでございます。ですから、それは前者の二倍未満ということに完全にこだわれば、境を三つに割ったり、どこをと例を出すのはどうかと思いますが、完全にそれはやろうと思えば全くできないことはありません。 しかし、それは今の地方自治体、地方公共団体のあり方として、また有権者の意識として一体それが果たして妥当かどうか。そこで私たちとしては、行政区画、地勢、交通等を総合的に勘案して合理的なやり方でということをしているわけでございまして、その意味で、率直に言いまして二倍以内におさまるということは難しいだろうと私も思っております。 ただ、どこの市をどう切って、そして二倍をちょっと超えるところを下げた方がいいものかどうかの判断は、これは審議会の委員の方々にお願いをするわけでございますので、その兼ね合いだと思っております。 それから、先ほど裁判の例を挙げられましたけれども、結局裁判では最高裁の判決というのが最終でございますから、その意味で私もあの判決が、三倍未満なら絶対いいとは思っていませんけれども、やはり前後左右見れば三倍未満ならば一応現状の最高裁判決では憲法問題をクリアしている、こうとっておりますので、その範囲内で十分できると思っております。
○立木洋君 一対二未満を基本とするという「基本」という表現で何とか答弁されているわけですが、これは国会の決議によっても、つまり一対二、一人が二票以上を持つような状況は憲法の要請に反するということは国会の決議であるんですね。 それで問題は、一対三以内であれば憲法上いいんだというふうに考えてこれを出すということ自身がそもそも私は問題だと思うんですよ。一対二以上になるということは、未満に抑えるために努力することが求められたことでありながら、既に出した法案自体に憲法上瑕疵が認められるような法案を出しているということになるんですよ。三千六百万人の人々の一票の重さに憲法上から見て重大な疑義が生じるような事態で出されているのがこの法案だとなったら、これは憲法上瑕疵のある法案だということは明確じゃないですか。その点についてどうでしょうか。
○国務大臣(佐藤観樹君) 共産党さんの憲法解釈のもとに一対二を超えたら憲法違反であると決めつけられることにつきまして、私たちは是認をするわけにはまいらぬわけでございます。 私たちも一対二未満になることを基本として、しかしそれだけでは現実に有権者の地域意識からいって、じゃ何丁目の何番地のどなたかの家で線が切れていいかということになりますと、これは中選挙区制でやってきた者からいえばやはり常識的な範囲があるんじゃないでしょうか。そのあたりを決めていただくわけでありまして、それは一対二未満になることにこしたことはありませんけれども、今の地域の人口の偏在からいいますと一対二を超えることは幾らがあり得るだろう。しかし、それは三倍未満なら何でもかんでもいいと言っているわけじゃないので、当然のことながら一対二未満になることを基本として、かつ地域の現状というものに合わせて地勢とか行政区画等々を合理的に決めていただくということでありまして、憲法違反であるという法案を政府が出せるわけがないわけでありまして、決めつけはいかがなものか。それは御無理ではないかと思います。
○立木洋君 一人が二票以上を持つような状況は憲法の要請に反すると言っているんですよ。憲法の要請に反するということは、憲法で決められたことに反するということなんですよ。これは国会の決議なんです。あなたも賛成しているはずですよ。そういう決議でなされているんですから、憲法上瑕疵がある問題を最初から仕方がないんだなんというようなことを考えて出すということ自体がやっぱり問題だ。そのあたりは一票の格差、一票の票の重さということを真剣に考えるならば、そういうような答弁では私は納得できません。その点についてはもっと明確にしていただきたい。憲法上瑕疵のある法案が提出されているんだということを私は指摘をしておきたいと思うんです。 さてそこで、山花大臣——まだ質問してないんです。何をお答えになるのか、質問する前にお答えしたいことがあるようでありますけれども、私はまだお尋ねしていない。 先ほどの憲法上の問題で何か一生懸命御発言なさりたいようなことだったので、改めてその点を私は述べておきたいと思うんですが、得票率といわゆる議席率、これに大きな開きが出てくるというのは単純小選挙区制で私は明確だと思うんです。これはそういう欠陥を持っているのが単純小選挙区制だと思うんです。イギリスの場合が特に小選挙区制のいわゆる典型であるかのようによく言われます。そして、一九四五年から一九九二年まで行われた十四回にわたる総選挙、この総選挙の中では過半数の得票をただの一回もとっていないんです。そして、それは問題はどういうことかというと、つまり半数以下の得票しか得ないのに五割以上の議席を占めているというのがイギリスでの選挙の状況なんですね。 〔理事一井淳治君退席、委員長着席〕 これは問題は、結局そのような単純小選挙区制というのは、少数の得票で多数の議席を占めるというつくられた多数ということになるわけです。 もっとひどいことは、一九五一年の選挙あるいは一九七四年の選挙、この二回の選挙を見てみますと、五一年の選挙の場合では労働党より得票率の少ない保守党の方が二十六議席多いんですね。それから、一九七四年の二月の選挙では得票率の少ない労働党の方が保守党より四議席多いという大変な逆転現象を生んでいるんですね。これは民意の正確な反映どころか、民意そのものが完全にゆがめられてしまっているということが議席の状態にあらわれるようなことになるわけです。 さて、そこで、いつも山花大臣が問題にされるのは、結局その問題は比例を加味することによって緩和されるんだ、比例が加味されるんだから、並立なんだからそういう問題ではないんだということを繰り返し答弁されております。 その問題について、幾つか並立制をとっている国々が外国にあります。例えばハンガリーなんかの国にしてもそうですし、あるいは南朝鮮、韓国なんかの場合についてもそうですし、その他幾つかの国々があります。ところが、それらの国々で見ても、小選挙区制で得た得票、これがいわゆる多数を占める、得票が少ないのに多数を占めるという状態をさらに逆転させて、根本的に得票率と議席率を完全に一致させる方向にまで比例が加味されることによってなるという状態では全くないんです。幾ら並立制であろうとも、これはつくられた多数にならざるを得ない。これは多くのシミュレーションの中でも明確にされている点だと思うんです。 この点と憲法とのかかわり合いについて山花担当相の御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山花貞夫君) 先ほどの御質問の中で、国会決議の中に二倍以上は憲法上の要請であるという文章があるけれども、それに違反したこの本法案は憲法上瑕疵がある、こういう御指摘がありましたけれども……
○立木洋君 憲法上瑕疵があるという言葉は私の言葉です。
○国務大臣(山花貞夫君) という御主張でしたけれども、国会決議はそういう趣旨ではなかったかと思います。我々としては、今回の法案については、憲法の精神にのっとり、主権在民、民主主義の復権ということを目指して出したものでありますので、憲法上瑕疵があるとは全く考えておりません。 また、質問の前提として、民意の集約と民意の反映という言葉を概念として全く相矛盾するという前提で質問されておるようですけれども、私はそうではないと思っています。それぞれが民意を反映する部分もあり民意を集約するという意味合いがあるのだと思っています。全く相矛盾する概念として考えれば、今の委員の論理の展開となるのではなかろうかと思います。 しかし、イギリスなどの場合、ごらんになっていただいても、では一体民意をゆがめた制度であると一般に言われているでしょうか。あるいはつくられた多数だから民主的でない、こういう評価を受けているでしょうか。今御指摘のような幾つかの問題があったことについては私も勉強させていただいておりますけれども、それはイギリスの政治風土の中にある今日の小選挙区制の選挙制度についてこういう問題点があるんだという指摘であって、イギリスの国内においても長年そうした問題点について議論されているということではないでしょうか。イギリスの選挙制度についての決定的な致命傷ということではないと私は思っているところでございます。そして、選挙制度というものはそういうものだと思っています。 憲法四十三条、そして四十七条全体として考えてみるならば、四十七条におきましては、我が国でどのような選挙制度をとるか、議員の選挙制度の具体的内容については国会で定めるとして、国会の裁量にゆだねられている。こうした大前提のもとにおいて国会で御議論をいただくということでありますから、憲法に沿った私たちは提案をしておると考えています。 ただ、小選挙区の形だけを考えるならば、我が国でも例えば自治体の長の選挙、過半数一人が当選ですから、じゃ一体、知事あるいは市長などについては民意をゆがめていると、こういう評価になるんでしょうか。そうではなくて、そこではそういう地元の自治体における民意を反映したという部分もあるんじゃないでしょうか。概念は相矛盾するものではないと思います。 参議院の選挙制度につきましても、一人区が二十六ございます。そうした二十六の一人区で当選した方は、沖縄も含めて民意をゆがめているということなんでしょうか。そうじゃないんだと思います。それはやっぱり一人区、二人区含めて、そうした選挙制度をとった中で全体としてのバランスをどうとるか、こうした問題が国会の裁量にゆだねられていると考えています。 そうした意味におきましては、私は、確かに今委員の御指摘のとおり、小選挙区に対して比例代表のこの仕組みというものは相補うものであり、御指摘のような問題を解消することであるということにつきましては、そういう部分では申し上げておきましたけれども、全体としてどういう制度かといった、こうした議論でありますので、その意味におきましては、単に比例が小選挙区を修正するということだけではなく全体としての提案である、こういうように我々は考えて今回出しているわけでありまして、したがって憲法の趣旨に反する、瑕疵があるということではない、こういうように考えているところでございます。
○立木洋君 その一対二未満の問題については、憲法上瑕疵があるということについて懸命に否定されましたけれども、それについてはあなたの答弁では証明することができません。ですから、私は依然として一対二未満の問題については私の指摘を変えるつもりは毛頭ありません。 同時に、もう一つの問題、政治、政権の選択の問題について私が言っているのは、第一義的にと言っているんです、最高権力機関を選出するのが国会の任務であると。だけれども、私は政権を選択するということについて、私はそれを度外視するだとかそれを対立的に見るだとかいうふうな考え方で申し述べているんではありません。明確にやっぱり、第一に、民意の正確な反映を求めた国会を選出し、その国会のもとで政権が選ばれる、こういう順序を申し上げているんであって、それを私は対立した形で申し上げたんではないということも明確にしておきたいと思います。 それから、この国政の問題で言っているのは、国政選挙で特に重要なことは、御承知のように四十三条ですかに明確にされているように、全国民から選ばれた、つまり国の最高機関を選ぶんですから、地方の行政機関の問題とは若干異なりがあるということも私はあえて指摘をしておきたいと思うんです、山花さんの言われた点に関してはですね。 ですから、この問題については、結局、小選挙区制を土台とした比例を加味した並立制であっても、根本的に民意をゆがめたということが根本的に是正されるものではないということを改めて指摘をしておきたいと思うんです。 そこで、さらに問題がある点としては、時間がだんだんなくなってきますので、もっと本当は私は審議をしたいんですが、幾つかの問題点だけを指摘します。 死に票が大変な問題になるということは、もうこれは担当相もこれまでも繰り返し認められた内容だと思うんです。死に票が問題だということですね。それからもう一つは、投票率が実際にはどうなっていくんだろうかということも多くの問題があります。 つまり、有権者が正当に自分の参政権を保障するこの投票率、この問題について言うならば、前回の投票率は、総選挙では過去最低の六七・三%が投票率でした。ところが、これは立候補者がより少なくなる小選挙区制のもとではどうなるかというと、いわゆる有権者の選択が限定されてくるわけですね。そして、そういう状態が長く続けばどうなるか。例えばアメリカでの単純な小選挙制のもとで行われた下院選挙、ここでは三〇%台の投票率だという極めて低い投票率です。これが大統領選挙と同時に行われた下院選挙の場合でも五〇%台という投票率の極めて低い状態です。 こういうようなことを考えた場合に、つまり存権者の選択肢を限定するという点から見るならば、有権者の参政権という点から見てこれまた問題があるんではないだろうかということも指摘をせざるを得ない、死票の問題とあわせてですね。 ざらに、これまでも問題になりましたけれども、例えば女性議員の進出の問題、この問題についてはどうなんだろうか。これ、女性議員の進出は小選挙区制のもとでは非常に少なくなるということが世界的な統計でも示されております。これは決して偶然ではなくて、比例代表の場合には女性の候補者が、環境問題だとかその他市民層の候補者が立候補して何人かのうちの一人として当選するだとか、比例として配分されて当選するということがあり得るわけですが、一人に絞られる小選挙区ではいわゆる地域の有力者がやはり出てくるという可能性が極めて多いわけです。 ですから、女性議員の進出の比率を見ますと、小選挙区制のフランスでは五・七%ですよ。オーストラリアでは六・七%、イギリスでは九・一%、アメリカでは一〇・八%、カナダでは一二・二%。ところが、比例代表制のフィンランドでは女性議員の進出が三八・五%です。スウェーデンが三七・八%、ノルウェーが三五・八%、デンマークでは三二・九%、オランダでは二六%。何倍という女性議員が比例代表制あるいは準比例のもとでは進出ができるという状態になっているんです。 こういう問題を考えるならば、民意を反映させるという点から言うならば、いかに比例制を加味するといっても、並立制で民意をゆがめるという根本的なことがなくならない限り、これらの有権者の問題、投票率の問題についても、死票の問題についても、女性の進出の問題についても、あらゆる点で得票率と議席率が大幅に異なった状態がつくり出されるという根本的な内容が改正されない限り、やはり憲法上問題があると指摘せざるを得ないと思うんですが、これらの問題についてどのようにお考えになっているのか、ちょっと端的に、余り長くならないようにひとつ。
○国務大臣(山花貞夫君) 今、委員御指摘の中で、事実関係については私は認める部分もございますけれども、ただ結論としての論旨、死に票、率、女性の進出等の問題につきましては若干違う見解を持ちます。 まず死に票の問題につきましては、先ほど相矛盾する概念とは考えていないとおっしゃいましたけれども、既に国政段階の選挙、地方の首長だけではなく参議院におきましても一人区二十六、二人区十五というこうした非常に議席の少ないところがあったわけですが、その面ではこれまでも死に票ということが問題とされておりましたけれども、直ちにそれが制度としての欠陥であって民主主義を否定するものである、こういうことではなかったかと思っています。そこではそれなりに民意を反映する部分もあった。まさに民意の反映があったからこそ議席を得ることができたということであり、要するに憲法の四十二条、四十七条の精神にのっとりどのような代表制を国会で決めるか、そこにかかっているのではなかろうかと思っているところでございます。 第二番目に、投票率につきましても、これは私ちょっと手元に資料ありませんのでまた必要ならば改めてと思いますけれども、衆議院の場合でも一人区、二人区から六人区までございましたけれども、全般的に投票率が悪いときには各選挙区を通じて悪いというのが平均的な傾向ではなかったかと私は思っているところでございます。自治体選挙におきましても、県会議員ならば一人区から十八人区ということでしたけれども、それは選挙区の大きさによって違いますけれども、単に選挙の区制だけではなく、政党あるいは政治が国民の皆さんにとってどれだけのその選挙において関心を集めることができるかどうか、ここに投票率というものは一番大きな影響を受けてきたのではなかろうかと思っています。最近の低投票率というのは、まさにその意味において政治が国民の信頼を失っていること、政党が国民の期待にこたえていなかったこと、そこでの政治不信というものが大きな原因ではなかったかと思っています。 女性の進出の問題につきましては、この点については、世界諸国の状況を見ると確かに比例代表の制度について女性の進出ということがあることについては私も承知をしております。比例代表ですと、国によっては名簿を男、女、男、女、あるいは女、男、男、女、こういう一人置きに並べるというようなことが選挙の戦術的に組まれるというようなことも相まって、その意味におきましてはさまざまな女性進出の機会というものがあることについては承知をしておりますけれども、今回の制度におきましても、これは各党がどれだけ女性を議員として擁立しているか、いわゆるクオータ制についてどれだけそれを目指そうとしているか、そうしたそれぞれの政党の体質がこれから問われるのではなかろうかと思っています。 私たちは、そうした面を考えてみるならば、決してこの制度の問題だけではなく、政党自身の改革と、そうした意味における女性に対する呼びかけというものをそれぞれの政党でどう行っていくかということが、大きな比重を我が国では占めるのではなかろうかと思っているところでございます。 結論として、今、委員御指摘のような、では比例でなければだめではないか、こういう議論については、趣旨としてはわかりますけれども、しかし、その議論にとどまった中では現実には政治改革はできなかったのではないでしょうか。今、国民の過日における審判を受けまして、何よりも腐敗防止と一体となった政治改革を仕上げなければならない。こうした期待にこたえるためには、あるべき選挙制度ということを理論的に論ずるのではなく、現実に日本の政治の中で今日でき得る改革というものを国会で議論して結論を出す、これが今日的な課題ではなかろうかと思っています。政府の提案はそうした趣旨にのっとって提出したものでございます。
○立木洋君 これはあと何日間も議論せぬといかぬような状態に私の心境はなっております。 これは最後の質問になるかどうかわかりませんけれども、先ほど言われた法律、つまり制度を国会で決めるという点について私は否定しているわけではもちろんありません。しかし、その決められる制度、あるいは法律が憲法の精神に基づいて決められなければならないという点に重大な問題があるので、先ほど来私は総理にも問題を提起して指摘をしてきているところなんです。憲法をどう理解するかということが最大の問題ですから、その点だけは重ねて指摘をしておきたいと思います。 さて、私がここで言っているのは、民意が正確に反映される国会を構成するということに基づいて、そして政権をもそういう民意を反映した国会のもとで選出されるということが、私は最も正当なあり方だというのが憲法の理解なんです。それを小選挙区制という形で民意をゆがめて、それを比例を加味しているから何とかなるんだというふうな形で、事実上民意をゆがめるということを根本的に是正できないような選挙制度そのものを持ち込むこと自体が憲法に反しているんだということを述べたわけです。 つまり、そういう選挙制度そのもので民意の正確な反映を求めることのないような制度を入れるということになってつくられた多数のもとでの国会はどうなるかといえば、民意をどのように保障していくのかという問題になっていくわけですね。 ちょっと済みません。時間が来ましたけれども、私は一つの例だけ述べておきたいと思うんですが、これは私は何も単純に言っているわけではありません。 社会保障なんかの支出をGNPの問題と比較してみますと、小選挙区制の選挙制度をとっているもとでは社会保障の支出というのがGNPの中でどの程度占めているか。イギリスでは一七・七%、カナダでは一五・一%、オーストラリアでは一二・一%、アメリカでは一二・七%というふうになっております。比例代表の国ではどうかといいますと、オランダでは二八・六%、デンマークでは二六・九%、ノルウェーでは二〇・三%、スウェーデンでは三二%というふうになっております。 これは、私は単純に選挙制度イコール社会保障支出の比率の問題を提起しているわけではないんです。なぜこれは偶然でないということを言いたいかといえば、問題は、さまざまな民意の反映をした代表が選ばれる国会で議論することによって、民意に基づく社会保障制度の問題でもこういうふうな違いが出てくるんではないかということを指摘したいから、私はあえて述べたわけです。つまり、民意の正確な反映を選挙制度そのものからゆがめるという状況のもとで真に民意に基づく政治が保障できないということを私はあえて最後に指摘したいわけですが、その点について担当相の答弁を求めて、私の質問の最後にいたします。
○委員長(本岡昭次君) 時間が来ておりますので、お願いします。
○国務大臣(山花貞夫君) 委員の御主張としては伺いましたけれども、ただ、例えば憲法の理念と精神を現実政治の場でどう生かすかということを考えてみた場合には、何よりもまず議会制民主主義のバロメーターとも言うべき政権交代を行って、そして腐敗防止を組み込んだ政治改革を実現すること、そのことが実態的には憲法の今規定している理念というものを生かす道になると私たちは考えております。そうした立場で法案についても提出をした次第でございます。
○立木洋君 どうもありがとうございました。(拍手)
○楢崎泰昌君 先ほどに引き続いて、政治改革特別法案について質問させていただきたいと思います。 最初に、政党助成法につきましてお伺いをいたしたいと思いますが、前段としてこの政党助成の目的及び根拠について簡単にお話を承りたいと思います。
○国務大臣(山花貞夫君) 午前中もちょっと触れたんですけれども、今回、政治改革政権提唱という新党、さきがけの提案の中身として、一つには制度の問題、腐敗防止の問題、そして政党助成法によって企業・団体献金の廃止に一歩踏み出す、こうした位置づけが行われているところでございます。いろいろまたそれだけの理由ではないこともありますけれども、話を省略いたしますとそうした経過で今回政党助成法を提出いたしました。
○楢崎泰昌君 衆議院で政党助成法の金額、単位等について修正がなされたと思いますが、きょう修正の提案をなさった先生に来ていただいておりますので御説明を願いたいと思います。なぜ修正をしたのか、いかなる根拠で修正をしたのか、お願いいたします。
○衆議院議員(堀込征雄君) お答えをさせていただきます。 衆議院におきましてこの問題についてもいろいろな議論がございました。政府案、自民案それぞれの議論の中でこれは二百五十円の自民案がいいという結論になったわけでありますが、先生御存じのように衆議院の最終段階で実は自民党さんの方から二十一項目にわたって政府案と違いがあるという御指摘がございまして、それを、ある項目については理事間協議でやろう、ある項目については少し上へ上げてと申しますか、そういう中で議論しようというようなことがありまして、これは主として上へ上がったといいますか、森幹事長あるいは与党側は市川書記長さんが出られて交渉された。しかし、全部が協議相調ったわけではなくして、衆議院の議論の中で修正をした方がいいということで結論が出されたものでございます。
○楢崎泰昌君 与党と野党で御協議の上で決められたという話ですが、政府はこれについて責任を持つんですか持たないんですか。
○国務大臣(山花貞夫君) 政府提案をベストと思って提出させていただいておったわけですが、国会の御議論についてはその結論を尊重するということについては当初から申し上げてきたとおりでございまして、今回の与党議員修正につきましては当然これを尊重して全体の法案一体として成立をお願いしたい、こういう立場でございます。
○楢崎泰昌君 尊重されたと言いますから、この金額をどうして算定したか、その他について責任を持っておられるんですか、いないんですか。
○国務大臣(山花貞夫君) 新しい制度ですのでどのように金額を確定するかということにつきましてはさまざまな考え方があり得ると思いますけれども、一つの制度をつくる場合には推定ということも必要になってくると思っています。 そうした意味におきましては、平成三年の自民党案におきまして、現実に各政党の本部、支部で支出している金額というものを計算をいたしまして、当時はそのおよそ三分の一、こういうことで二百五十円、三百億円という数字を確定したと思っておりますけれども、今回の政府案に当たりましても、計算の方式についてはこの政府案に準拠いたしました。新しい選挙制度、新しい政治資金の制度のもとにおける政党本部の支出というものが政党本位の選挙制度になることによって一体どうなるか等々を含め若干の修正を行いましたけれども、一応そうした準拠したところに基づいて四百十四億円という結論を出したところでございます。 したがって、これまでの推計というもののつくり方につきましては、そうしてこれまでの案を参考にしたところはありますけれども、責任を持って出させていただいたつもりでございます。しかし、それが議員修正で減額になったということにつきましては、公聴会等の御意見あるいは衆議院段階における御意見などを受けての与党の修正、こういうように考えているところでございまして、それは金額の多い少ないということについては議論はあるかと思いますけれども、国民世論の新しい制度に対する批判的な御意見ということもあったことを踏まえれば、この金額でやっていくということにつきましては政府としては責任を持ってまた参議院にお諮りをしているところでございます。
○楢崎泰昌君 だから政府は責任を持っているということですね。その積算についてもちゃんと御答弁をいただけるということですね。 それで、実は政府案と修正をされたものとでは相当の金額の差があるんですけれども、その根拠は、それぞれ準拠してというぐあいに今仰せになりました。政府案は支出総額が千二百四十二億円で自民党案は九百億円ということで算定基礎がそれぞれ違っているわけですが、この算定基礎が違っていることについてはどういうぐあいにお考えでしょうか。これは政党支部を二分の一にしてあるんですね。それは一体政府としてはどう考えてこの案で結構だというぐあいにおっしゃったんでしょうか。
○国務大臣(山花貞夫君) 前回の政府案と相違した点というところから御説明する必要があると思いますけれども、まず一つは、算定の根拠となる数値を前回の昭和六十一年度分から平成元年分という政府案に対して、平成元年から三年ということで直近のものに改めたということでございます。第二番目は、政党の所要額に見込む範囲として、前回は政党の支部についてはその二分の一といたしましたが、今回は支部の全部を含めるものといたしました。 後段の部分については若干理由が必要かと思います。今回、前回の自民党案とは違って、企業・団体献金の禁止に一歩踏み出すということから、企業。団体献金というものは政党、政治資金団体だけに絞り政治家個人あるいは後援会等その他の政治団体については即時全面禁止、こういう仕組みにいたしました。 前回の政府案におきましてはこの点についてたしか二つの政治資金調達団体を認めるということになっておったことと違っておりますし、また今回は、政党本位の選挙ということを通じて政党の政治活動というものが単に本部だけのものではなく支部においても政党の政治活動が行われるであろう、こういうことを勘案いたしましてこの点についてその二分の一ではなく全部含めることにしたというところが計算の手法についての相違でございます。 理由については申し上げたとおりです。
○楢崎泰昌君 私はそこの点を申し上げているんです。すなわち、自民党の海部政権のときの案は若干の政治資金を個人に認めていた、したがって政党支部の計算は二分の一だと。それで、いや、それはそうじゃないと。 山花大臣は、衆議院における坂本委員に対する質問に対して、一番大きく違ったのは、要するに二分の一にしなかった理由ですが、一番大きなところは一つは企業・団体献全廃止に踏み出したことだというぐあいに御答弁なすっておられるんですわ。 ところが、自民党案はそこのところを若干留保してやっていた。だけど今度は自民党案にすり寄ってきた。ただすり寄りゃいいというわけじゃないんですよ。やっぱりきちんとした論拠がなければすり寄ってきてもらっては困るんです。ちゃんとしっかり物事をやってもらいたいと思っているんですよ。 ということは、私が言いたいことは、ここのところで、多分そうおっしゃらないかもしれないけれども、企業、団体の政治団体に対する献金を認める案にこれだけ見ていると与党の方は賛同なさったんじゃないですか、二分の一にしたということは。
○国務大臣(山花貞夫君) そういう趣旨ではございません。また、すり寄ったというつもりは毛頭ないわけでして、新しい制度をつくる場合の推計の手法ということについては、いろいろ考えてもやっぱり実績をどう判断するかということになるんじゃないでしょうかという趣旨をも含めて今回は出させていただき、また修正についてもそうした世論その他の御議論というものを踏まえて修正したつもりでございまして、ぜひ御理解いただきたい、こう思っているところでございます。
○楢崎泰昌君 私は、自民党案と同じ公的助成にしたならば、個人献金は認めないとどうも論理一貫しないという感じを持っています。 そこで、これは年間費用の三分の一にされたと言いますが、三分の一にされた根拠はどうですか。
○国務大臣(山花貞夫君) 基本は、八次審の答申にもありましたとおり過度に政党が公的助成に依存してはならない、こういう考え方がございます。同時に、さまざまな議論の中で過度というのは過半数、五〇%を超したのは当然過半数でいけないということだと思いますけれども、そういう意味では三〇%というのは一つの基準であり、これは自民党案におきましてもそうした考え方というものがおありになった、こういうように伺っているところでございます。 ただ、今回は修正によりまして大体四分の一というような数値になってくると思いますけれども、この何分の一ということにつきましても、これ点じゃ四分の一がいいのか三分の一がいいのか幾つかということにつきましては、新しい制度と新しいこの運用ということを見きわめなければ結論は出しにくいところもあると思っています。 したがって、政党本位の選挙制度を行うことによって政党の経費というものが一体どう膨らんでくるのか、あるいは日常活動についてどうなのか、あるいは今回制度として入れた税額控除を初めとした個人献金の動向がどうなるのか等々の状況について十分見きわめた中で五年後見直しということがございますので、これは企業・団体献全廃止の問題だけではなく、こうした政党助成問題を含めて見直すということになると考えているところでございます。
○楢崎泰昌君 先ほどもちょっとお話しがありましたけれども、これは企業献金を認めないということの代償のようなものであるというような感じの御発言がありましたけれども、今回の禁止措置で政治団体に対して企業献金が減る額はどれだけでございますか。
○国務大臣(山花貞夫君) 一言つけ加えますと、企業・団体禁止だけではなく、さまざまな新しい政党本位の選挙ともかかわっているということについて少し舌足らずだったかもしれませんから、つけ加えておきたいと思います。 今御指摘の問題は、企業、団体から政党、政治資金団体に出ていたお金、企業、団体から政治家個人などに出ていったお金等々などをこれまでの資料によって考えますと、今度の法律によって、一番新しい資料で該当する金額といいますと約六百億円という数字があったのではなかったかと思っております。
○楢崎泰昌君 自治省からいただいた数字では六百億になっているんです。ところが、これは先ほどおっしゃった算定根拠になる政党及びその政党に属する政治家個人、政治家に属する政治団体、これは分離ができないんですね。これはどうなんでしょうか。六百億の中には政党に属していない政治家の企業献金もあるんですよ。自治省、わからないですか。
○政府委員(佐野徹治君) 六百億の数字の御説明を申し上げますと、平成三年分の政治資金の収支報告から拾い上げますと、政党、政治資金団体以外のいわゆるその他の政治団体でございますけれども、これに対します法人なり団体なり、こういった寄附が六百一億五千八百万円でございます。
○楢崎泰昌君 要するに、わからないんです。それは統計が分けてないからわからない。しかし、千何百億と計算するときは一つ一つ拾ったみたいですね。拾ったときに、禁止される金額が幾らであって、それに見合うような助成金を、代償というわけばかりじゃないというように仰せになりましたが、政党政治もあるでしょう、しかし代償になるような金額で余りかけ離れちゃ困るんです。 それは一体幾らかというのは御精査なさらなかったんですか。
○国務大臣(山花貞夫君) 今、選挙部長が御報告いたしましたとおり、今回の政治資金規正法改正案において禁止されるという金額については平成三年度資金で六百億余ということですけれども、私は説明の中で、企業・団体献金に一歩踏み出す、それを一つには政党助成を行うことによってと、こういうところだけを御説明させていただきましたけれども、それだけではなく、個人献金についても政党としても努力をしなければいけないと思いますし、これからスタートする税額控除の制度についてどれだけのものが利用していただけるかということもあると思います。ということからするならば、ストレートにこの数字が直結して全部政党交付金ということではないと思っています。また、私はそれではいけないのではなかろうかと思っております。 世界の立法の潮流を見ると、ここのところの関係だけでやりとりしていたところもありますけれども、全体としては総額を少なくしていくという努力がある中で考えなきゃいけない問題だと思っていますから、ストレートに六百億なきゃいかぬということではないと思っております。
○楢崎泰昌君 私は、何も六百億なきゃいかぬということを言っているわけじゃないんです。六百億はさっきも言ったように政党に関係ない政治家の政治団体の金額が含まれているじゃないか。公的助成をやったときに公的助成をやった金額が政党にとって膨れ上がるようじゃ困るんです。だから、それは幾らかということで勉強したのかというと、政府としては勉強してなかった、こういうことですね。 私は、公的助成の金額というのは非常にあいまいだというぐあいに思っているんです。先ほどもおっしゃったように、三分の一が、四分の一がいいか、それはわからない、しかしまあやってみようやということでおやりになったと思うんですけれども、私は、非常にこの算定基礎があいまいであって、大蔵大臣がおられますけれども、これは税金ですからそんなにあいまいなことじゃ困るんですよ。 それで、時間が余りありませんから次の質問に参ります。 実は、現実の三百九億ですか、それを各政党に配分したら一体どうなるのか。これは衆議院でも随分議論されていますから簡単に申し上げますけれども、共産党は辞退なさっておられるんです。私は共産党がなぜ辞退されているのかと思ったら、政治献金で企業献金はほとんどないということで今ので十分だと。十分とおっしゃっているかどうかわかりませんけれども、これは辞退される、こういうぐあいにおっしゃっているんですね。ちなみに共産党は二十億円ぐらいの配分であるというぐあいに聞いています。新聞に載っています。自民党が百三十億、社会党が六十二億、新生党が二十二億、公明党が三十億、こういう数字になっていますね。 それで、これはちょっと嫌みになるかもしれませんけれども、やはり公的助成をちょうだいするからには、この委員会でも質問がありましたけれども、補助金適正化法の適用はあるのか、あるいは会計検査院の検査はあるのか、あるいはそれに伴って補助率ということを考えたらどうかというようないろんな議論がありました。それは公的助成の使い道その他についての大きな危惧、その根拠のあいまいさというものに由来をしていると思うんです。 ちょっとこれは嫌みになりますけれども、社会党が六十二億ということになりますと、党の中央の財政をほぼ賄い得るような金額になっているわけですね。社会党としては辞退するお気持ちはありますか。
○国務大臣(佐藤観樹君) 今、社会党出身の閣僚でございますが、社会党自身がどうするかは聞いておりませんが、一般論で申し上げさせていただきますと、もちろんまだ六十二億という計算をしたことはありません。それから、楢崎委員御承知のように社会党は本部だけが政治団体なのではなくて支部もございますから、それとも比較をしていただきたいと思います。 それから、確かにそういうふうに計算してまいりますと、やはり国民の意識の中で、俗な言い方をすれば、ブームに乗ってお金をかけなくてもかなりの議席や得票率を得られた政党もあれば、かなりお金をかけたけれども議席や得票率に余り結びつかなかったというのも、現行中選挙区制からこれから新しい制度に移るわけでございますので、その間にはあり得るわけでございます。いわば、そういった意味では国民の期待率というようなことも加味をしてなされるわけでありまして、これが今度新しい選挙制度になったときにこれからどういうふうにそれがなっていくのかということ等もございますので、それも含めて五年後の見直しということにつながってくるわけでございます。 したがって、社会党が辞退するかどうかは村山委員長に聞いてみなければわからぬと思いますが、長いこと社会党におった者から申しますれば、そういうことはないと私は思っております。
○楢崎泰昌君 いずれにしても、この公的助成は企業献金を取りやめた、禁止なさる案を出された、それの反映あるいは代償として出てきたんだというぐあいに思っているんです。 さてそこで、いろんな場面で議論されていますので簡単にお答え願いたいんですが、企業献金は悪とお考えですか。
○国務大臣(山花貞夫君) そういう前提はとっておりません。
○楢崎泰昌君 企業献金というのは、社会的実在をしている、したがって政治活動というものは保障されているので、その活動の一環として政治献金というものはあるんだということを先日の委員会でも再三お答えになっておりますので、その点についてはそれらのことを前提としてお伺いをしたいというぐあいに私は思っております。 企業献金で一番問題なのは、透明性とか企業との癒着とか、そういうことが問題になっているんですね。 そこで、大変恐縮なんですけれども、企業献金が正規に収支報告書に登載をされているような献金、これは今回だめということにされたわけですね。政治団体の場合ですよ。政党の場合じゃないです。政治団体の場合にはだめということにされたんですけれども、金丸さんの事件とかいろんな事件がございまして国民の中に企業献金が大変に問題を起こしているということはもちろん私は承知をしておりますけれども、収支報告書に記載されているような献金でこれまで事件を起こしたことがあるんでしょうか。 ちょうど法務大臣にお出ましを願っておりますので、法務大臣と公安委員長であられる佐藤大臣にお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(三ケ月章君) 御質問の趣旨でございますが、正規の政治献金の授受が犯罪行為として認定されたことがあるか、こういう趣旨と理解してよろしゅうございましょうか。 実は、法務当局といたしましては、御指摘のような事例が果たしてあるかどうかということを判断するのには、御承知のように確定した個々の有罪判決を精査する以外にはどうもないわけでございます。例えば、贈収賄事件におきまして、金品の授受について有罪とされた判決というのは非常にたくさんございます。しかし、そのような判決においては、実は授受された金品がわいろに当たるんだ、刑法上の構成要件に該当するんだということを認定すれば足りるわけでございまして、これが果たして先生今御指摘の正規の政治献金に該当するか否かというのを裁判上認定する必要はないというふうにされていると承知いたしております。 というものでございますから、そのような観点から実は統計をとっておるわけでございませんので、御指摘のような形でどのような処罰された事例がどのぐらいあるんだろうかという点につきましては残念ながらお答え申し上げることはできないというのが実情であるということを御了解いただきたいと存じます。
○国務大臣(佐藤観樹君) 政治資金報告書を提出していただく自治大臣として、また犯罪に関係をいたします国家公安委員長という立場で答えさせていただきますが、政治資金として正規の処理がなされたものであって、それが増収賄事件に問われた事例が過去あるかどうかについては承知していないというふうにお答えさせていただきたいと存じます。
○楢崎泰昌君 法務大臣の御答弁も公安委員長の御答弁も、正規の届け出をした政治資金について収賄が問われたことは恐らく、私も不敏でございますからわかりませんが、ほとんどないと思うんです。私聞いたことないです。ということは、政治資金規正法の届け出をした資金について贈収賄が起こるということと、今盛んに企業献金が悪である、だから政治献金をとめなきゃいかぬのだということとは相当大きな差があると思うんですね。金丸さんの事件があった、だから政治献金はいかぬと。ちょっと短絡過ぎるんじゃないでしょうか。 ここでお伺いするとちょっとあれですけれども、先般、新生党のざる先生が五百万円の献金をゼネコンから受けた、それについて記者会見をしたというような事件がありますけれども、あれだって同じような政治資金の正規の処理をしたんだということでそのままになっているんですね。 そういうことを考えますと、私は正規の政治資金として届け出られたものが悪の温床になるからこれを全部禁止すべきだという議論はどうも、あつものに懲りてなますを吹くという格言もあります、牛刀をもって鶏を割くという格言もあります、少しおかしいんじゃないですか。 それで、しかもお話によれば、政党に対する企業献金は性善説で善である。それをひもつきで、この人に渡してくださいということはいいんだ、こういう議論ですね。それは一向に妨げない。それはなぜかというと、政党の中で一たんスクリーンにかけられて透明性が保たれるからいいんだと。 個々の政治団体に政治資金規正法によって届け出をすることは、スクリーンが届いていないということなんですか。いかがでしょうか。
○国務大臣(佐藤観樹君) はしょって物を言わせていただければ、今までいろいろと問題が起こってきたのは、確かに委員御指摘のように届けられたものについては恐らくそれは余りないと思いますが、いわゆるやみ献金、裏の献金ということが贈収賄事件の具体的な金銭だと思います。 その場合に何が起こったかというと、結局政治家個人と企業との癒着関係ということが起こってきておるわけでございまして、最近で言えばリクルートから始まって企業と政治家個人というものとの癒着で数々のその後贈収賄事件というのが起きてきているわけでございますので、私たちは、この際ひとつこの企業献金というものにつきましては政党のみに認めることにして、この汚職の温床というものを断ち切ることが必要であるという大きな世論をバックにこの法案を出しているわけでございます。 八幡判決でも、この前も当委員会で議論になりましたけれども、ただ社会的存在だからいいんだというのではなくて、社会にいろいろな問題を起こすときには立法政策によっていいんだということも判決に書いてあるわけでございますし、そういった意味では今やらなければいかぬのは、私たちはそういった企業・団体献金を政党に限る。今の先生のお話ですと、政党というのは何かイメージ的に個人の後援会のようなイメージでございます。 政党である限りは、やはりそこでできるものというのは、第三者としての政党が介在をすることによって、ある献金がこれがいいか悪いかという第三者的な客観的な一つの評価を下した上受けるか受けないかということになるわけでありまして、迂回献金だから無条件にいいということではないわけで、そこには政党というものの別の角度からの判断が入るわけでございますから、そういうことによってひとつ政治というものについて信頼性を増していこうというのが趣旨でございます。
○楢崎泰昌君 いかにも政党を回るのは政党が全部チェックするんだと、これもそのとおりかもしれません。しかし、法律にはそんなこと書いてないんですよ。私どもは法律論やっているんですから、何もお話を聞いているわけじゃないんですから、その点ははっきりさせてもらわなきゃいかぬと思いますよ。企業、団体から献金をして個人に回すことは自由だと何遍も答弁しているじゃないですか。 そこでお伺いをしますが、それでは透明性とかさっき判断と言われたけれども、判断なんというのは何も書いてないんです。透明性という点からいいますと、政党の中で献金が行われたことは届け出ればわかる。しかし、例えば個人に行く、そのときに個人に行ったのが一体どこの金が行ったのかさっばりわからない、それは幾らでもいいということになっているんだから。その方がはるかに透明性がないんじゃないですか。 個人の政治団体、個人のというのか、政治家の政治団体にどこそこの企業から献金が行けば、制限を加えるとすればその制限の範囲内で何らかの献金が行くということがはっきりわかるじゃないですか。その方がはるかに透明性があり、国民にわかりやすいんですね。今の案だと全然わからないんですよ。どこからその個人に、個人というよりも政治家の政治団体に行っているかさっぱりわからないんですが、いかがですか。
○国務大臣(佐藤観樹君) 政党がチェックをするという意味ではなくて、政党というのはいろんな方が集まって一つの思想、信条、政策に基づいてできている団体でございますから、個人の後援会、政治団体とは違うわけですね。 したがって、そういうふうに性格が違うところに入れることによって、委員御指摘のように、それがどこの企業から来たかというのは、政党に入ってそれから来た場合にはわからないことは確かに事実でございますけれども、金の性格が、個人と企業という関係から、政党といういわば性格の違うところに入れることによってこの企業献金というものについて客観性を持たせるという表現が正しいかどうかわかりませんけれども、他の目もあるわけですね、政党の中には。 そういうことによって個人と企業との癒着というものを断ち切って、そして必要な一定の期間、つまり見直しということも五年間であるわけでございますから、その間は政党にだけは認めようという意味でございますので、金の性格というのは、個人と企業の関係から、いわば客観的な社会的存在としての政党というものが責任をすべて持つというふうに性格が変わってくると、こういうことの趣旨のためにできておるわけでございます。
○楢崎泰昌君 自治大臣は大変苦しい答弁をしておられるというぐあいに思うんですわ。先ほどから申し上げていますように、政党から個人にお金が行く、それはどこから出ているんだかさっぱりわからぬ、こういうことになってもそれは政党が責任を持つからいいんだと、こういうお話ですよね。 しからば、政党助成法のときに監査報告を出しますね。そのときに公認会計士の意見書をつけるでしょう。公的助成だけですよね。ほかのところは監査人が意見をつければそれでいいということになっていますね。しかし、政党の規定によって監査人をどういうぐあいにつけるかは政党の自由なんでしょう。専門家がおやりになるかどうかわからない。それならば、ちゃんとそこら辺のところをはっきりさせるなら、公認会計士であるとかあるいは会計帳簿について責任を持っている相当の経験を経た税理士さんが政党の経費の監査をして出すということになれば、それは大臣のおっしゃるように政党で責任持って云々というのが制度的には担保されますよ。それはどうですか。
○国務大臣(佐藤観樹君) 公認会計士によりますところの第三者としての監査につきましては、御承知のように政党交付金について行うことになっており、かつ政党交付金のお金と政党のお金というのは別の帳簿にするということになっておるわけであります。 後者の、政党に対して公認会計士でやるかだれがやるか、内部監査にするか外部監査にするか、これはいわば政党の自主性の範囲に入ることでございまして、私たちは政治活動の自由という面において、政党交付金ではなくてその他の一般の資金のあり方について、それは一つの自主的な団体、政治活動の自由というものを重んずる立場で、それは内部監査していただくというのか、内部監査でいいというふうに考えておるわけでございます。
○楢崎泰昌君 政党に対して大変信頼感厚く御答弁なさっておられますけれども、私は株式会社にしろ何にしろ、要するに透明性を確保するということを政府はお題目にしておられるわけですから、それならばそれらしくきちんとやるべきであるというぐあいに考えます。−この問題はどうも押し問答をやっても余りいい答弁してくれそうもないので、ちょっと視点を変えますが、今度は政治家を支援する政治団体以外の政治団体の話です。 先ほども言われたように、企業というものは政治的活動をする権利を持っている、そう思います。もちろん政治的な主張をしても構わぬ。業界の利益を主張したって、政治的な運動をやっても一向構わない。それじゃ企業、業界の団体には政治献金は法人及び団体から許されるんですか。
○政府委員(佐野徹治君) いわゆる企業等で構成をする業界の政治団体、これにつきましてのお話ではないかと思われますが、これらの政治団体につきましても企業等の団体献金、これは受けることができなくなるわけでございます。
○楢崎泰昌君 そうすると、業界の政治団体は資金なしで政治運動をやれ、こういう御趣旨でしょうか。
○政府委員(佐野徹治君) 企業等の団体献金は受けることができなくなるわけでございますけれども、それ以外の収入といたしましては個人の献金だとか事業収入だとか、こういった収入がございますので、こういったもので活動をしていただくことになるのではないかと思われます。
○楢崎泰昌君 私は業界の政治団体の話をしているんです。業界の政治団体は、参加している企業から献金をもらわなければ事業活動なんてやっていませんよ。そんなもの、事業活動なんて。業界の団体、企業から献金を受けなければ。政治活動をやっちゃいかぬ、そういうことですか。もう一遍お答えください。
○国務大臣(山花貞夫君) その意味では、今回の企業・団体献金の禁止に一歩踏み出すということが大変それぞれに対して新しい収入の道というものを余儀なくされる、こういう面を持っているわけでありますけれども、委員御指摘の今のテーマにつきましても同じように新しいシステムを考えていただきたい、結論的にはそういう方向でございます。
○楢崎泰昌君 随分無責任な話をされていますね。企業団体は勝手におまえ資金調達の方法をこれから考えろ。冗談じゃないよ。今まで政治活動をやっているわけでしょう。それは一体どうなるんですか。 それは個人が主体の団体もありますよ。労働組合なんかそうでしょう。しかし、業界というものが厳然としてあるわけですから、そういうものが政治団体を今幾つもこしらえているわけですよ。その業界はもう政治活動をしなくてもいいよという御趣旨なんですか、こういうぐあいに聞いているんです。それは、いや個人献金はやればいいじゃないかと。冗談じゃない、そんなもの。社長さんが個人献金やれ、こういうぐあいにおっしゃるんですか。 私は暴論に近いと思うけれども、社長さんの月給を上げてその分を献金させればいいじゃないかというような暴論もあるように聞いていますけれども、そういうことなんですか。
○国務大臣(佐藤観樹君) 佐野部長からも答えましたように、企業・団体献金の禁止ということになっておるわけでございますから、個人献金あるいはパーティー等の事業収入、そういうことで運営をしていただくということで、企業・団体献金の禁止に一歩踏み出すということで新たな状況になってきておるわけでございますから、山花大臣から言いましたようにそれに対応できるようにしていただきたい、こういうことでございます。
○楢崎泰昌君 要するに協力をしてくれ、こういう話ですね。私は随分無理がある議論だと思います。 先ほどから申し上げていますように、政治家の政治団体にしても、今までずっと何十年間やってきた。本当はいろいろ問題があるのかもしれないけれども、少なくとも国家公安委員長あるいは法務大臣がおっしゃっている限り、収支報告書に載っているもので問題を起こした事例というのはなかなか見つからない、見当たらないんです。それはだめだとおっしゃる。極めておかしいことと言わなきゃいかぬ。そして政党経由でそういう団体にお金が来るのは大変結構なことだ、こういうぐあいにおっしゃる。しかし、それよりも、一つ一つの政治団体に収支報告を出させて、この議員はこの法人、企業から金をもらっているということが明らかになった方がはるかに透明性があって、私はその方がはるかに今の政治をよくする方向であるというぐあいに考えております。 いずれにしても、今、原案を提出されているんでなかなかお変えにならないかもしれないけれども、私は自民党が主張しておりますように、二団体、そしてそれについて二十四万円ずつの政治献金を許すということが、今の政治腐敗を助長するとか、あるいはそれの解決策を除外するとか阻害するとか、そういうぐあいには全然思いませんが、もう一遍御答弁ください。
○国務大臣(佐藤観樹君) 今やはり国民が求めているのはかなり厳しい。企業と政治家個人、あるいは事実上それをバックアップいたします政治団体との関係は断ち切れというのが私たちは世論だと思っておるわけでございます。 したがいまして、私たちとしましては、それは与党の中には五年後全廃せよという意見も踏まえつつ、この五年間の間に政党の活動がどうなっていくか、つまり党費なり事業収入なりどういうふうになっていくかということを見ながら、やはり国民の皆さんの世論にこたえて、政治というものが金まみれになることのないような政治改革をしていくことがぜひ必要なのでございます。その意味では一歩踏み出すということで、政党自身がお金の問題については十二分に責任を持っていただいて、足らざる点は政党助成法という法律に基づくところの政党交付金で政治活動をしていただく、そういうことで私たちはこの政治改革というものを金の面についてはなし遂げるべきだというふうに考えておるわけでございます。
○楢崎泰昌君 今の一歩踏み出すときの踏み出す先が少しふらふらっとしているような気がいたしますね。 そこで次に、先ほど個人の政治献金のお話がございました。その政治献金のお話について若干お伺いをしたいと思いますけれども、従来とも特別措置法で、政治献金につきましては所得税の特別控除の規定があるわけですね。それをあえて今回、税額控除の制度に踏み切られた理由は何でしょう。
○国務大臣(佐藤観樹君) これは三〇%ということになっておりますので、少額の方は所得控除ではなかなか減税の効果にならないということで、税額控除を入れて、そして個人献金を促進していただきたいということで税額控除制度を新たに創設をしたわけでございます。
○楢崎泰昌君 これを政党に対するのみの個人献金に適用するようにされたのはなぜでございますか。
○政府委員(佐野徹治君) これは今回の政治改革の基本的な考え方でございますけれども、政党中心、政党本位の選挙に移行しよう、こういうことでございます。また、政治活動も政党がその中核を担うということになると考えられますので、政党を通じて国民の政治参加を促進することが重要であるということ。 それから、政党の財政基盤につきましては、個人献金で賄われる、できるだけこういう方向で進んでいくということが望ましい、こういう考え方に立ちまして今回の税額控除につきましては政党に対するものに限ったものでございます。
○楢崎泰昌君 どうも、所得控除という制度があるにもかかわらず税額控除の制度を新たに導入され、かつ、これはあらゆる政治団体ではなくて政党にしか認めないという制度をとられたことは、非常に重複しわかりにくくしているというぐあいに思いますね。 私は、先ほどからお伺いしておりますが、政府の案は、政治家を支援する政治団体に対してひどくつらく当たって、そしてその補償というんでしょうか、として税額控除を設けましたよと言って盛んに宣伝しておられるけれども、今御質問申し上げたように、この制度は政党にしか適用がないんですよ。 これまた、もう時間が余りなくなっておりますから言わにゃならぬですけれども、地方政治家の話がございますね。これをどうするのかというのは政府としても一生懸命頭を悩ましていると思いますけれども、地方の無所属の政治家に税額控除をさせようということになる。今、指定都市以上ですね。指定都市以下にしようとすると税務が煩雑になってとってもいけない、その区別もなかなかとれないから全市町村はだめなんだと従来から言っておられる。そうなんですかね。それを今度は政党に対する税額控除をやる、こういうぐあいに言っているんですよ。 先ほどちょっと小耳に挟んだんですけれども、労働組合では、組合費を減じてその分を政党補助にしようやという動きがある、こういうぐあいに聞いていますが、そうなんですか。それで大量に組合がお世話を申し上げて税額控除をやる。まあ、そんな奇特な組合があるかどうか後でまた教えてもらいたいんですけれども、あるんでしょうかね。(「初耳だ、それは」と呼ぶ者あり)ああ、そうですか。 いや、私は、政党に対する献金の税額控除をするというのがどの程度になるんだろうか、これ経験がないですから皆さん方おわかりにならぬでしょうけれども、そういういい加減など言うとちょっと語弊があるかもしれませんけれども、制度をおつくりになるというのは、私は極めて奇異に感じます。いかがですか。
○国務大臣(佐藤観樹君) ちょっと誤解があるようでございますが、今、委員、組合かと言われておりますが、組合も企業と同じ扱いになるわけでございますから、組合自身が政党に対してそのような格好で献金するということはこれもいけないわけでございますので、組合員個人が政党にすることは結構でございます。その点はひとつ誤解のないようにお願いいたします。
○楢崎泰昌君 私の質問に的確に答えていませんからもう一問だけさせてください。 組合費を減じてそのかわりに政治献金をしたい、こういうぐあいに言っている組合があるというぐあいに聞いたんですけれども、そのようなことは許されるんですかと聞いているんです。
○国務大臣(山花貞夫君) 私も今初耳ではありますが、ただやっぱり法案ができましたならば、税額控除の問題を含め個人献金をふやしていただくということについてはいろいろ説明、働きかけを行わなければいけないと思っています。 それは労働組合だけではなく、個人献金をふやしていただくということにつきましては、あるべき政党の政治資金づくりの観点から大変大事な観点だと思っておりますので、そういう動きが出るかどうかということはまた見きわめなければなりませんけれども、全体としては企業・団体献金から個人献金をふやす、こういう方向で法案も考えているところでございます。
○楢崎泰昌君 ただ、これが非常に大きくなりますと税務当局にも大変なあれがかかります。私は大きくなるかどうか極めて疑問に思っておりますけれども、ただこれが大きくなったときにはそれなりにちゃんとした手当てをしないと事務当局が困りますよ。 終わります。(拍手)
○下村泰君 先週の七日にもいろいろとお話をしたんですけれども、障害者の問題で取り残されていることがたくさんありますので、障害者の参政権のことについてまたいろいろお伺いさせていただきたいと思います。 この間も申し上げましたけれども、アンケートをとりますと、とにかく三割以上の方が行きたくても行けない。なぜ行けないかというと、その人の障害の状態によって、それぞれ歩行が困難である、移送に非常に問題がある、それからボランティアの数も知れておる、余り手助けをしてくださる方々も少ないというようなことで行かない方が三割ぐらいいる。 じゃ、この問題を解決するのはどうしたらいいかということになるわけですけれども、例えばこの方たちが行くにしても、いわゆる障害者をお送りする例えばリフトバス、現在通常の公共バスでさえリフトバスというのはほとんどないんです。アメリカの方へ行きますとそういう方々を差別してはいけないという法律があるんですけれども、日本にはまだないわけです。しかも、通常の都営バスにしても各私鉄の会社のバスにしてもそういうバスがないわけです。ですから、投票所へ行きたくても行かれない。そうすると、今度は障害者用のマークのついたタクシー、こういうものを利用せにゃいかぬわけです。そうすると投票所へ行くためにえらい出費が強いられるわけです。何か公平だ公正だと言いながらも、非常に私はそういうのは公正さを欠いていると思うんです。 そこで、例えば運輸省なら運輸省がそういった投票所へ行くリフトバスの巡回バスみたいな、実際に諸官庁の間なんというのはそういった巡回バスみたいなものがありますし、各選挙区でそのくらいのサービスは私はやってもいいんじゃないかなというような感じがするんです。厚生省と自治省と運輸省とお話し合いになって、こういうことのためのサービス、障害者の投票のためのサービス、そのくらいのことは考えてもいいんじゃないかなと思うんですけれども、きょうはせっかく運輸大臣と厚生大臣に来ていただいたわけですから、そこのところをちょっと見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(伊藤茂君) 運輸省といたしましても、就任以来、弱者に優しいというと言い方は悪いかもしれませんが、ハンディキャップを持った方々に同じ役割を果たせるような交通手段をつくるということを大きな目標にさせていただいております。 今お話しございました三割の方が行けない、何かの方法でやはり国政に参加していただくということにつきまして、巡回バスということもございましたが、リフトバスも調べてみましたら路線バスでリフトバスを採用しているのが一割弱のようです、あとは福祉バスということのようなので、それらをどうしたらいいのか。自治体との関係もございますし厚生省との関係もございますので、ぜひこれは積極的に検討して具体化を図りたいと思っております。 私の方も八月以来、エレベーター設置基準をついに改正をする、それから御案内のように、全盲の方からお手紙が参りまして手帳を一々見せないと切符が買えませんとございましたので、内部ですぐ相談いたしまして、子供のところを押してください、手帳は一々見せなくとも半額の切符をお買いになってそれで安心してお乗りくださいなどなど、努力いたしておりますが、今御指摘ございました点もぜひ積極的に検討させていただきたいと思います。
○国務大臣(大内啓伍君) 委員御指摘のように、視覚障害者に対する移動手段の確保という面はまだまだ不完全でございます。 例えば厚生省関係ではリフトつるの福祉バスといったようなものを運行しておりますけれども、これは日曜日等は運行しない。そうすると投票日にはこれが利用できないといったような面がございまして、そういう面の活用が一つ考えられます。 それから、言うまでもなく郵便による在宅投票、不在者投票というものも今やらせていただいておりますし、また一定の規模のところにおきましては不在者投票をそこでやるというような制度がございますので、輸送手段の問題は、自治省とかあるいは運輸省ともう少し横の連絡を強化いたしまして、何とか下村先生御指摘の問題が解決されるように鋭意話し合ってみたい、こう思っておりまして、最大限御期待にこたえるように努力をさせていただきます。
○下村泰君 自治大臣にも。
○国務大臣(佐藤観樹君) 下村委員御指摘のように、ハンディキャップを持っていらっしゃる方々に参政権の具体的なあり方としてそういった便宜をいろいろと図っていきたいというふうに私たちも考えております。 ただ、やっぱり我々の方は選挙の公正ということも考えなければいかぬものですから、それとの兼ね合いでいろいろとこれまた課題はございますけれども、できる限り前向きにできるようにしていきたい、こういうふうに考えております。
○下村泰君 自治大臣はよく公正公正とおっしゃるんです。だけど、健常者は自分で行けるんです。行けない人のためにいろいろな手段を講じるのは私は決して不公平じゃないと思いますよ。だれがどう見たって、足で行ける人が足の動かない人のために例えばリフトバスを動かしている姿を見て、だれも役所がその人にひいきしていると思わないんじゃないですか。 だから、この間から私は、どうも自治大臣のおっしゃっている公正公正という言葉はどこか違うんじゃないか、使い方をちょっと間違えているんじゃないか、そんな気がしてしょうがないんですがね。
○国務大臣(佐藤観樹君) それは結局、各自治体にそこにいらっしゃる障害者の方をそれだけ運ぶだけの実際にリフトバスの運行等が限られた投票時間でございますからできるかどうか。できるできないなんということがあっても困るものですから、そういう意味でのことを申し上げておるわけでございます。しかしいずれにしろ、どこまで実態ができているか我々の方でも必ずしもつかんでおるわけじゃないものですから、十分精査して、なお一層努力をさせていただく、こういうことでございます。
○下村泰君 日本のこれだけの高度の成長の中でこういうことがおくれているというのは本来みっともないんですよ。それで、アジアの障害者の十年、本来これを促進するのは日本が主でやらなきゃならないことでしょう。日本がリーダーシップをとってやるというその日本が、こんな状態でほかの国にでっかい顔はできないと私は思いますよ。ですから、やはりそれだけの力を持っている国がそれだけのことができないというところに各為政者の心のあらわれといいますか、人間の心としての形が出ていないんじゃないか、私はこんな気がしてなりません。私は口が悪いんですから、生まれたとさは口から生まれているものですから、思ったことをそのまま言わせていただきますけれども。 日本の官庁というのは本当に縦割りはしっかりしていますよ、上から下までは、すとんと。ただ、横が全然ないんですよ。橋本龍太郎さんという方が厚生大臣のときにも、労働大臣とお話をしてくださいと私は申し上げたことがあるんですよ、社労委員会で。そうしましたら、いつ幾日に話をするからと。それから一月か二月たってやったら、全然そんなことを覚えていないんですから。ですから、労働省と厚生省と同じようなことを出して同じょうに予算をとることをやっておるんです。内容は同じなんです。何でこんなことが一つにまとまらないんかな、一つにまとまればもっとしっかりしたのができるのにと常々思います。 これはもっとも今までの政党の方、どうだったかそれは知りませんよ。せっかく連立ができて皆さん方お話し合いができるような状態なんですから、もっとも今の方が余計話し合いができないかもわかりませんけれども、どうぞひとつそういうことでよろしくお願いをいたします。短兵急にやれとは申し上げません。できることをまずやっていただきたいと思います。 厚生大臣、運輸大臣、結構でございます。ありがとうございました。 さて、そこで、今も寝たきり老人、厚生大臣の方からちょっとお話が出ましたけれども、こういう投書があったんです。茨城県取手市の佐藤敏子さんとおっしゃる七十二歳の主婦の方からの投書なんですけれども、 夫は八十歳を過ぎており、足が不自由で歩行が困難だ。だが、今回の衆院選挙にはぜひ、投票したいと思っていた。これは昨年のことですね。 老人ホーム、老人病院に入っていれば、そこで不在者投票ができる。身体障害者手帳を持っていれば、その程度によって、自宅から郵送で投票できることになっている。 夫の場合は障害者手帳を持っていない。何か方法がないものかと市の選管に問い合わせた。 しかし、「法律上、無理。車イスか何かを使って投票所に来られなければ、棄権もやむをえない」という返事だった。 どうも恐れ入谷の鬼子母神ですな、こういう返事は。 寝たきり老人や、足腰が不自由で医者にも行けない老人でも、政治に対して意見を持っている人もあるだろうし、老人問題や福祉に大いに関心のある人もいるだろう。こんな人たちのためにも、どうにかして、投票することができないかと切に思うのだ。 七月は県の「在宅福祉推進月間」だ。せめて、明日の希望のために、力を貸すのも、老人福祉の一環ではないかと考える。 こういう投書なんです。 先ほど申し上げました障害者手帳を持っている方々のためにはあるけれども、そうでない寝たきり老人、難病の方々、こういった方々に一体どういうふうに対処するのか、自治省のお考えを伺いたい。
○国務大臣(佐藤観樹君) どなたかの御質問にも御答弁申し上げたんですけれども、一つは、寝たきり老人の方々を、数が大変多くなってきておるわけでございますが、冒頭の質問とも重なるんですが、どうやってそれを、やはり行政というのは、あの人は運んだけれどもあの人は運べないということはこれは許せないものですから、それだけの方をどういう体制で投票所まで運べるかどうか、それから、その際に、寝たきりの特に在宅の方の証明書の問題というよりも投票日の限られた時間にそれだけの方を全部運べるかどうかという体制の問題だと思いますし、また郵便投票ということにしますと、じゃほかの人が書いてしまったらどうするということを、制度そのものを認めると訴えられるのは今度はこちらなものですから、本人の確認という選挙の公正、また言われるかもしれませんが、ということは我々にとりましては非常に重要なことなものですから、そのあたりを総合的に検討する時間を少しいただきたい。 厚生省あるいは運輸省ともああいう御答弁ございましたので、ちょっと時間はかかることをお許しいただいて、ひとつ研究をさせていただきたいということで御理解をいただければと思います。
○下村泰君 今の大臣のお答えに関しては別に異存はございません。今まで、私に端的に言わせてもらえば、面倒くさいからやらなかったということだと思いますよ。やる気さえあってそれだけの人間を確保すれば、できないことはないんですよ。例えばボランティアで動いている人たちにお願いしても、それこそパート、臨時雇いですよ。そんな処遇でもその人たちは一生懸命やってくれるはずです。例えば無料でもそういう方たちはその人たちのためにと思えばやってくれるはずです。結局、役所の方にそういう熱意がないから動く人も動けないというのが私は実情じゃないかと思います。ですからそういう意味で、自治大臣が今そうお答えくださったんですから、そのようにひとつこれからも頑張っていただきたいと思います。 それから、もう一つ、投票でこういうことがあるんです。お考えいただきたいのは知的障害者です。こういう例があるんです。 ある知的障害者の母親がどういう形で投票させていいのか悩んだあげくに、自分の意思を表現できる手段として、こうしたいかと、そういう質問をしたときに手を挙げる、これで何とかしようというので、それを頼りに投票所へ行ったわけです。それで、お母さんが立会人の前で候補者の名前を一人ずつ言うわけです。そうすると、その知的障害のお子さんが手を挙げた。手を挙げたところでその人の名前を書いてやっと投票したと。こう言うんです。 事前に特定の候補者の名前を練習させる施設がありますよ。私も現に行ったことがあります。長野県の方のある施設では、一生懸命知的障害者の方が黒板に字を書いて、こう書くんだ、こう書くんだと。たまたま私の名前を書かなかったから腹立ったけれども。もっとも、そのときは私はまだそういう立場じゃございませんからあれでしたけれども。ああなるほど、こうやって投票所へ行かせるんだなということは目の前で見てきました。こういうふうなやり方もあるということですね。今の例のような配慮もあるわけです。 ほかに、写真を使うとか本人のプライドも保たれるような配慮も必要だと思いますけれども、知的障害の方々の投票についてはどういうふうに大臣はお考えでしょうか。
○国務大臣(佐藤観樹君) 障害を持っていらっしゃる方の投票のあり方につきましては、たびたびお話がございましたように、施設等によりますところの不在者投票というものもございますし、点字投票もございますし、あるいは郵便によりますところの不在者投票、それから字の書けない方についての代理投票ということが認められておるわけでございます。 今、下村委員の言われたのは選挙の立会人ですね。——立会人の前で代理投票というのは私の知っている限り認められているというふうに考えておりますので、ちょっと何だったら選挙部長の方に答弁させますが、今言われたようなことでしたら、代理投票というのは私は認められていると思っておりますが。
○政府委員(佐野徹治君) これは現行の制度の御説明だけさせていただきます。 公職選挙法の第四十八条に代理投票という規定がございまして、これは、身体の故障または文盲によりみずからその選挙の候補者の氏名を記載することができない選挙人は、投票管理者に申請をいたしまして、代理投票をさせることができる。これが第一項でございます。 第二項で、この場合には、投票管理者は、投票立会人の意見を聞いて、投票を補助すべき者二人をその承諾を得て定め、その一人に投票の記載をする場所において投票用紙に選挙人が指示する候補者一人の名前を記載させ、他の一人にはこれを立ち会わせなければならない。こういった公職選挙法の規定がございます。
○下村泰君 その場合に、立会人が承諾しなきゃだめということになるのかな。
○政府委員(佐野徹治君) 先ほどの四十八条の二項の規定でございますけれども、この代理投票の申請は投票管理者にいたすわけでございますけれども、投票管理者はこの申請がありました場合には投票立会人の意見を聞いてその選挙人の投票を補助すべき者二人をその承諾を得てと、こういうことになってございます。
○下村泰君 難しいんです、言い回しが。 それは、投票所へ行く前に事前に通知せにゃいかぬわけですか、親なら親が。
○政府委員(佐野徹治君) これはその場で結構でございます。
○下村泰君 その場でいいのですね。 それから、手話通訳のこともお話ししましたけれども、実は聾唖者の皆さんの間で、政見放送が出ますと、そうすると、そのビデオテープをお借りして、それについて手話のできる方々がそのビデオテープを見ながら聾唖者の皆様方によくわかるようにやる、いわゆる集会でもってビデオテープを見せるというのがあるんです。これは実際に自治省はどのくらい把握していますか、どことどことどこがどういうふうにやっているというのは。
○政府委員(佐野徹治君) 一昨年の七月二十六日、に行われました参議院の通常選挙におきまして、政見放送を録画したビデオを手話通訳を介して見るための聾唖者の方々の集会に対してビデオの貸し出し等の便宜供与を行った団体の数でございますけれども、これは四十七の都道府県のうちの二十二の都道府県であったと把握をいたしております。
○下村泰君 それは自治省の調査ですね。二十二。いかに自治省がいいかげんかというのがこれでわかるんですよ。全日本聾唖連盟の一九九二年九月の調査ですと、前回の参議院選の調査で、実施しているのは三十二都道府県なんですよ。おたく、十足りないんです。そのかわり内容がばらばら、もうてんでんばらばら。相撲の追い出し太鼓みたいなものです、これは。 私の手元にこういう資料があるんです。「九二参議院選挙政見放送ビデオ上映会」、自治省はこういうのがありますか。ないですね。 これによりますると、ひどい県がありますよ。たまたま総理が来たから、総理のところの熊本県はなんと言ったら総理はびくっとするでしょう、熊本県は回数が十五回。それで、これを公費で負担するかしないかと言ったら、決算中というわけです。総理の出ている県でもこれですわ。 そうして、これを見てみますと千葉県なんというのはまるっきり何にもしていない。都合によりやらないというんです、答えが。どうしようもない。だからイバチバ選挙というんでしょうけれどもね。それから滋賀県もまるでだめ。京都もだめ。京都なんというのは、本来ならばこんなことは普通だったら率先して全国に先駆けてやらなきゃならない。京都は全然だめ。大阪もだめ、実施しなかったというんですね。それから和歌山県、これもだめ。島根、これもだめ。それから岡山、これもだめ。徳島もだめ。愛媛もだめ。高知に至っては選管が認めないというんです。 自治省、どうにかならないのかね、こういうのは。耳の不自由な方々が自分たちも選挙に参加したい、だからこういう手段を講じているのに、選管がそんなものはやれないなんてそんなばかなことを言うんですか。ちょっとこれは自治大臣、どう思いますか。
○国務大臣(佐藤観樹君) 下村委員にはおしかりばかり受けておりますけれども、私もこの表を見まして、かなり積極的に選挙管理委員会がビデオのテープを貸し出しましてやっているところもあるのでございますが、いずれにしろ御指摘をいただきました問題、選挙管理委員会の連合体もございますのでそういったところを通じ、あるいは別のルートを通じまして、各県、そして御要望があればできるようにならないのか、いろいろと研究させていただきたいと思います。
○下村泰君 ですから、佐藤自治大臣がおっしゃるように、公正かというと公正じゃないんです、これは。しかも、自治体によってはこの貸し出しに対する費用を自治体で持ってくれるところもある。ところが、全然持ってくれないために聾唖者の皆さんが自分たちで費用を負担している、こういうのもある。こんなことで果たして公正というものが期せるかどうか、これは問題だと思いますよ。 政改担当大臣、今まで聞いていてどうですか。
○国務大臣(山花貞夫君) 今お話を伺っていまして、この資料、私もこの各県の対応というものがかなり違っておると。ちょっと表は別かもしれませんけれども。委員今御指摘の費用負担の関係等につきましても、例えばいろいろ謝礼の金額も違っておれば実費負担しているかどうかも違っている。かなりばらばらで、しかし努力を始めているというところはうかがえるわけでございます。 今、自治大臣も答弁させていただいておりましたけれども、こうした実態につきましては、なお自治省にも頑張って調べていただくだけではなく、調査研究の方向としてはできる限りこれを広げ、ある程度内規、基準などについてもしっかりして、期待にこたえられるようなことにしなければならないのではなかろうかということを、質疑を伺いながらこれを拝見して痛感しておったところでございます。 また自治大臣ともよく相談をして、前進するために努力を私もしていきたいと思っております。
○下村泰君 何しろ手帳を持っている方は四十万いますけれども、この間も申し上げましたように、難聴者の方はふえていますから、ですから何百万という数になっているんですから、その方たちが寄って寄り寄り自分たちも選挙に対してという真摯なる一生懸命の態度をとっているのに、役所の方の勝手な判断でそれはだめだ、それは貸さないなんて言われたんじゃこれはたまったものじゃないと思いますから、よろしくお願いします。 さて、昨年の八月十六日に、玉野ふいさんという方が亡くなられました、七十一歳だったと思いますけれども。この玉野さんという方は、一九五八年五月に下の唇、それからべろ、舌の先端部に腫瘍ができまして、言語障害によりまして身体障害四級の認定を受けました。その後、あご、それからこめかみの骨を取り除き、マスクを常用するようになりました。言語のみのコミュニケーションは困難な状態になりました。 その玉野さんが、一九八〇年のダブル選挙のとき、たまたま聞いた選挙の演説会である候補者の演説に胸を打たれまして、この候補者の後援会の入会申込書の入った封筒を近所の九軒の家に配った。五十八歳にして初めて選挙運動をなさったんだそうです。これが法定外文書頒布の違反に問われ、検挙され、裁判となりました。配ってはならない文書があることを知らなかったんですね。そして、言語に障害のある玉野さんにとってできる唯一とも言える意思表示が許されなかったわけです。こういう人は選挙運動をしてはならないということになるんですか。昨年十月五日に最高裁は公訴棄却を決定して裁判は終わりました、この方は亡くなりましたから。 総理と自治大臣、これだけの説明では不十分ですわね。玉野さんという方は、お生まれになった家が貧しくて文字も書けなかった。当然筆談もできないんです、文字を書けませんから。どんな障害についても言えることなんですが、健常者の理解を超えた障害者の生活の背景を知らないと理解できない問題が大変多いんです。だから、本当に語り尽くせぬ差別やハンディの中で生きているわけです、こういう人たちは。 障害によって二次的、三次的な差別が生まれてくるんですけれども、そのことも踏まえまして、この事件をこのまま終わらせてはいけないと思うんですが、どういうふうにこれをお受けとめになったでしょうか。まず自治大臣から伺わせていただきます。
○国務大臣(佐藤観樹君) 私が見解を申し上げるのはまことに難しい問題だと率直に言って思っております。 公式的には、今御説明がございましたように、公職選挙法に問われた事件でございますけれども、これは三審だと思いましたけれども、御本人は亡くなられたということで公訴が棄却になっているということでございます。 一政治家という立場で言いますと、これは私の全く個人的な意見でございますけれども、組織的にやられたということではないというごとで、ここまで公選法というのは、取り締まる立場にあります警察庁を所管します国家公安委員長として言っていいのかどうかわかりませんけれども、形態からいいますと、どちらかというと形式犯に非常に近い、実質犯ではないということからいいますと、配った枚数も九枚というふうに聞いておりますので、ここまで一つ一つあげつらうといいましょうか、逮捕するということが果たしていいのか。これは何らかの格好で、注意なりなんなりということで済ませることができる事件ではなかったのか、今、下村委員の御指摘の生活環境、生い立ち等々からそれを総合的に考えてみてもそうではないかと。 ただし、あくまでも申し上げますが、国家公安委員長という立場、法律を守るべき自治大臣の立場でその答弁がいいかどうかわかりませんが、政治家、また選挙法をずっとやってきた者からいいますと私はそういう感じを受けました。
○下村泰君 総理のお答えを伺いたいんですけれども、時間がありませんので次に行きます。まとめてお答えしていただければ幸いだと思います。 今度は、OHP、要約筆記の保障、これがどういう扱いになっているかということなんですけれども、一九九一年七月の広島県福山市長選で選管からストップがかかった。百四十三条二項でアドバルーン、ネオン・サインまたは電光による表示、スライドその他の方法による映写等の類を掲示する行為が禁止されているので、候補者の話をシートに記入しスクリーンに拡大表示するOHP、要約筆記はだめということになったんです。自治省の選挙課は、はがきなどで候補者の政見を知る方法はほかにもある、現行法を解釈する限りはOHPの使用は違反というコメントを出した。これには私は非常にあきれ返って話にもならないんです。 例えば総理がこの間プロンプターをお使いになりましたね。あのプロンプターというのは、総理がお話しする自分の原稿が反射板に映ります。それをお話しするんです。自治省、もしこの間の総理の使ったプロンプターを有権者の方に向けて、今ここに字が出ているとすると、その字が演説をする人も見える、それから今度は有権者の方にも見られる。この場合は違反か、この百四十三条に触れるのか。
○政府委員(佐野徹治君) 具体的なお話でございますのでこれは少しいろんな角度から検討させていただかないといけないかもしれませんが、公職選挙法の百四十二条では、選挙運動のために、アドバルーン、ネオン・サインまたは電光による表示、スライドその他の方法による映写等の類を掲示する行為、これは禁止をする、こういう規定がございます。 先ほどのケースにつきましては、これは具体的なケースでございますのでよく検討をさせていただかないといけないとは思いますが、スライドその他の方法による映写等の類を掲示する行為は現行法では禁止されておるところでございます。
○下村泰君 時間が参りましたのでやめますけれども、総理、いいですか。先ほども申し上げましたように、お年をとった難聴者が今ふえているんです。その方たちは手話を覚えろといったってなかなか覚え切れないんですよ。こういう人たちにとっては、しゃべっているのを下で要約筆記をしていきますとそれが映ります、それを見ることによってわかるんです。ですから、これを要約筆記と言っているわけですね。 そうすると、この間総理が使ったプロンプター、あれも条件からいえば有権者に対して同じことなんですよ。こういうことを違反だとかなんとかいったら、これはいつまでたってもこういう方たちに対しては選挙の公正は期せられないわけなんです。 今までの私の話を聞いてくださって、今の答えでどういうふうに総理がお考えになりますか、それを聞いて終わらせていただきます。
○国務大臣(細川護煕君) きょうのいろいろの御指摘もそうでございますし、先般来の障害者を初めとして何らかのハンディを持っておられる方々に対する配慮が欠けているのではないか、こうした観点から一連のお尋ねがございました。一々ごもっともなことだと思って拝聴をいたしております。 先般も申し上げましたが、またきょうも両大臣からいろいろお答えがあったんだと思いますが、確かに技術的な問題もあろうかと思いますが、そうした方々が安心して投票に行けるように、また積極的に政治に参加していただけるように、政府としても改めるべきところは早急に改めるように努力をさせていただきたい、こう思っております。
○角田義一君 委員長。
○委員長(本岡昭次君) 角田義一君。
○角田義一君 本委員会で……(発言する者多く、聴取不能)……公職選挙法の一部を改正する法律案……(発言する者多く、聴取不能)……提出します。
○委員長(本岡昭次君) ただいまの角田君の動議に賛成の方の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○委員長(本岡昭次君) 多数と認めます。よって、さよう決定いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十六分散会