災害対策特別委員会 第2号
- 発言数
- 210 件
- 登壇者
- 44 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1993/11/05
会議録
○委員長(西岡瑠璃子君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨四日、小川仁一君、篠崎年子君及び乾晴美君が委員を辞任され、その補欠として会田長栄君、藁科滿治承及び武田邦太郎君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(西岡瑠璃子君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松谷蒼一郎君 去る七月に起こりました北海道南西沖地震の災害について御質問をいたしたいと思いますが、その被害の大まかな概況と、それから八月三十日に北海道南西沖地震非常災害対策本部で決定をいたしました対策のその後の実施状況につきまして御説明をお願いいたします。
○政府委員(村瀬興一君) 今先生から御質問がありました北海道の南西沖地震でございます。まず、被害でございますが、死者、行方不明者合わせまして二百三十一人、負傷者三百五人、それから家屋の全壊五百九十棟、半壊三百四十七棟でございます。 それから、政府といたしましては、三回にわたりまして非常災害対策本部会議を開催いたしまして、被災者の住宅確保、激甚災害制度の適用、地域の再建、復興のための計画づくりへの指導、支援などの措置を重点的に実施していくということを決定いたしております。こうした決定を踏まえまして、各省庁、地元自治体との緊密な連携のもとに、災害公営住宅等の建設を促進するほか、中小企業への助成、天災融資法、共同利用小型漁船建造への補助に係る激甚災害制度の適用をしたところでございます。 また、地域の再建、復興のための計画づくりにつきましては、現在北海道において鋭意作業を進めつつあるところでございます。これを受けまして、政府としても必要な措置をとってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○松谷蒼一郎君 奥尻町におきましては大変な激震に見舞われまして、多くの家屋が被害に遭ったわけでございます。その家屋に入居されている方のその後の住宅対策についてお伺いいたしたいと思いますが、特に公営住宅の建設の進捗状況はいかがでございましょうか。
○説明員(那珂正君) 奥尻町におきます災害公営住宅の建設につきましては、当面の用地確保の見込み等を勘案しましてとりあえず七十六戸の建設計画を策定いたしまして、そのうち平成五年分として北海道営五十二戸を八月二十五日に着工したところでございます。これらの住宅につきましては、十二月下旬の入居を目標に鋭意工事の進捗に努めているところでございます。また、この九月には被災者の方々に対しまして住宅の意向調査を行いまして、公営住宅入居希望等を把握しつつある状況でございます。 一方、北海道及び奥尻町におきましては、現在住民の方々の意向を踏まえつつ、地域全体の復興計画の策定を進めているところでございます。災害公営住宅の建設につきましては、これらの住宅意向調査や町づくりにかかわります復興計画の策定状況を踏まえつつ、十二月末までを目標に追加計画を策定すべく準備中でございます。
○松谷蒼一郎君 被災世帯全体の大体何%ぐらい、どの程度ぐらいを公営住宅の入居で救済するような計画になっておりますか。それから、公営住宅の場合は収入制限がありますが、その点はクリアできるようになっておりますか。
○説明員(那珂正君) 先ほど御説明申し上げました九月に実施いたしました意向調査によりますと、被災者の方々のうち、おおむね百七十世帯程度の方がとりあえず公営住宅を希望しているというふうに一回目の調査では出ているわけでございます。 これらの方々が、先生御指摘のように、収入等の入居基準に適合するかどうかという問題がございますけれども、御案内のとおり、公営住宅の災害時における入居の措置につきましてはそれぞれ段階に応じまして特別の措置がございますので、収入等における制限については特に問題ないと認識しております。
○松谷蒼一郎君 奥尻町におきます家屋の被害状況は大変厳しいものがございますので、今後とも公営住宅の建設については特段の御配慮をお願いしたいと思います。 以上、北海道南西沖地震災害につきまして終わりまして、次に、本年の八月に起こりました南九州を中心とした豪雨災害及び台風十二号によります被災状況につきまして、その被災状況と対策、それからその復旧状況等につきまして、まず国土庁より概況の御説明をお願いいたしたいと思います。
○政府委員(村瀬興一君) 今回の八月豪雨によります被害は、死者、行方不明者九十三名、それから負傷者二百十八名、それから家屋の全壊五百十四棟、半壊四百四棟となっております。 政府といたしましては、二回にわたりまして非常災害対策本部会議を開催いたしまして、今後の施策対応に必要な調査、検討の早急な実施、被災中小企業者及び住宅被災者に対する救済措置などについて重点的に実施していくということを決定いたしております。こうした決定を踏まえまして、各省庁との緊密な連携のもとに農地、農業用施設の復旧に係る激甚災害法の適用、被災中小企業者に対する災害復旧貸し付けの発動、住宅被災者に対する融資などを行っているところでございます。 それから、台風十三号につきましては、死者、行方不明者合わせまして四十八名、重傷三十四名、住宅の全壊三百四十六棟、半壊が千二百九十棟というような状況になっております。これにつきましては、九月四日に災害対策関係省庁連絡会議を開催いたしまして、九月六日には担当官を鹿児島に派遣しております。さらに、九月七日には災害対策関係省庁連絡会議を開催いたしまして、行方不明者の捜索、電気、水道、電話等のライフライン、道路、鉄道等被災施設、被災河川、治山施設、農地、農業用施設等の早期復旧等につきまして決定いたしまして、実施しているところでございます。
○松谷蒼一郎君 災害の概況については今お伺いいたしましたが、道路でありますとか河川、あるいは特に被害の甚だしかったがけ崩れ、こういうようなことにつきましての各部門別の復旧状況、対策の実施状況につきまして、担当省であります建設省から御答弁をお願いいたします。 まず道路関係から、順次お願いいたします。
○説明員(辻靖三君) 道路につきまして説明いたしますと、八月六日の豪雨では、鹿児島県を中心にいたしまして高速自動車国道を初め幹線道路が各所で被害を受けました。県道以上の道路で全面通行どめ措置をとった箇所は延べ約六十カ所に上りました。また、九月三日から四日にかけての台風十三号により、鹿児島県、大分県を初め全国的に被害が生じました。県道以上の道路で全面通行どめ措置を行った箇所は延べ約六百カ所に上りました。各道路管理者は、一日も早い一般交通の確保を図るべく、これらの被災後直ちに応急復旧作業に取り組みまして、逐次通行どめ区間の交通開放を行ってきたところであります。 現在のところ、通行どめが続いている箇所は、九州南部を中心にいたしまして一般国道で二カ所、県道で三十一カ所でありますが、引き続き復旧作業に取り組んでいるところであります。 特に、国が直接管理をしております一般国道の指定区間では、甲突川のはんらんによりまして道路本体がえぐられました国道三号鹿児島市小山田付近と、橋脚の一部が流出いたしました国道十号隼人町の新川橋の二カ所については、かつて例のない大きな災害でありまして、現在通行どめ措置を継続し、鋭意復旧作業を進めているところであります。 国道三号小山田地区につきましては、約四百メートルの仮設道路による迂回路整備を行っておりまして、地元の皆様の御協力をいただきまして順調に進みまして、今月下旬にはこの迂回路の交通開放は可能という状況になってきております。なお、道路本体の復旧につきましては、河川のつけかえを前提に本格復旧する方針でおりますが、おおむね一年程度かかる見込みであります。 また、国道十号の新川橋につきましては、現在上流にかかる県道の橋を迂回路としておりますが、早急に一般交通を確保するべく仮橋を建設するように作業中でございますが、不発弾がありましてその処理に時間を要しております。しかし、一日も早い交通開放を目指して努力しているところでございます。 また、新川橋につきましては、かけかえる方針でございまして、完成は平成七年度の予定と考えでございます。今後とも、これらの箇所につきましては一日も早い復旧を図るべく努力してまいりたいと思っております。
○松谷蒼一郎君 次に、河川関係について。
○説明員(石川忠男君) 河川関係についてお答えいたします。 甲突川におきましては、八月豪雨及び台風十三号におきまして河川のはんらんが生じました。それぞれ一万一千五百戸、二千戸を超える家屋に浸水が発生したところであります。 八月豪雨の後、鹿児島県より八月二十日に河川激甚災害発生の報告書が出されまして、さらに十月二十日、河川激甚災害対策特別緊急事業の採択要望書が提出されたところでございます。これを受けまして、十一月一日付で河川激甚災害対策特別緊急事業として採択されたところでございます。今後、年内にも工事が着手できますよう手続の促進を図ってまいる所存でございます。一なお、それ以外の区間につきましても、激特事業とあわせまして改修を促進する計画でございます。 次に、新川でございますが、同じく八月豪雨及び台風十二号によりまして河川のはんらんが原因で五百二十戸、台風十三号におきましては七十戸の家屋の浸水が発生したところでございます。 このために、河口から大峰橋までの約六・九キロメートルの全体計画区域、区間を決めまして、この中の緊急を要する下流部、市街地からJRの新川橋までの約一・九キロメートルにつきまして、河道の拡幅、掘削及び堤防のかさ上げを実施中でございます。今後とも早期完成を目指して促進してまいる予定でございます。 なお、引き続きまして、JRの新川橋から上流につきましての約二・三キロメートルの区間につきましても改修に着手する計画でございます。 次に、稲荷川でございますが、同じく八月豪雨で七百九十戸、台風十二号で百五十戸の家屋の浸水が発生したところでございます。 稲荷川は、下流密集市街地部の直上流、滝の神地区において川が鹿児島湾に近接するという地形でございますので、その特徴を生かしまして上流からの洪水をその地点で分派する放水路を計画しております。現在、構造等について検討中でございます。今後は分派地点の用地買収を推進いたしますとともに、早期着工を目指してまいる所存でございます。 なお、稲荷川の本川沿いの下流の区間につきましては、鹿児島県が単独事業等によりまして改修を実施することとしております。
○松谷蒼一郎君 がけ崩れ関係につきましてお願いします。
○説明員(瀬尾克美君) それでは、がけ崩れの関係につきまして説明をさせていただきます。 八月豪雨と台風十三号によりますがけ崩れの被害状況でありますが、全国で八十八名の方が亡くなられたわけでございますが、鹿児島におきましてはそのうち八十名、約九割の方が犠牲になっておられます。また、なおかつ全半壊の戸数といたしましては全国で三百二十五戸ということですから、やはりそのうちの九割の二百八十九戸という被害状況でございます。 これに対しまして、災害関連緊急急傾斜地崩壊対策事業というもので対応しております。これは鹿児島県におきましては四十九カ所で事業費三十五億円ということでございます。さらに、激甚災害が生じた場合は実は二戸以上のものができるわけでございますが、これにつきましては現在関係の県とまだ協議中ということでございます。今のところ鹿児島では百カ所近くあるのではないか、こういうことになっておりますが、以上のとおりでございます。
○松谷蒼一郎君 鉄道関係はどうなっておりますでしょうか。運輸省の方はお見えですか。
○説明員(藤森泰明君) それでは、鉄道につきまして御説明させていただきます。 JR九州等で約九百五十カ所の被害を受けておりますが、その後、鋭意復旧に努力いたしまして、現在肥薩線とそれから豊肥本線においてまだ開通していないという状況になっております。
○松谷蒼一郎君 その復旧の対策の状況はいかがですか。
○説明員(藤森泰明君) 豊肥本線の方におきましては橋梁が流されるという被害を受けまして、河川管理者とも協議をしながら現在復旧方について努めておるところでございますが、十一月の一日に現地における復旧工事に着手することとなったというふうに聞いておるところでございます。
○松谷蒼一郎君 できるだけ早く、鉄道は何といっても生活の根幹的な部分でありますから、復旧に努めていただきたいと思います。 以上、八月の豪雨災害及び台風十三号による災害につきましてお伺いしたわけでございますが、大変痛ましい災害であります。大変な災害でございましたが、当然これについては激甚災の指定を政府としてはお考えになっていると思うんですが、激甚災の指定の今後の見通しについて長官にお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(上原康助君) 八月豪雨災害関連の激甚災害法の指定につきましてお答えさせていただきます。 この八月豪雨災害に係る激甚災害の指定につきましては、五月二十七日から八月十一日までの間の豪雨及び暴風雨を一連の気象現象ととらえた上で、一つには農地等の災害復旧事業等に係る補助の特例措置、二つ目に農林水産業共同利用施設災害復旧事業費の補助の特例に係る件、三つ目に小災害債に係る元利償還金の基準財政需要額への算入等の措置を講ずるための政令指定を十月八日の閣議で既に決定を見たところでございます。以上のようにこの豪雨につきましては既に決定を見ております。 台風十三号による災害に係る激甚災害の指定につきましても、一つは農地等の災害復旧事業等に係る補助の特例措置、二つ目に農林水産業共同利用施設災害復旧事業費の補助の特例、三つ目に森林災害復旧事業に対する補助、四つ目に小災害債に係る元利償還金の基準財政需要額への算入等、五つ目に大分県日田郡天瀬町の区域に係る災害について中小企業に関する特例の助成の措置を講ずるための政令指定を十一月二日の閣議で既に決定いたしました。 以上のように政府としては努力をさせていただいております。
○松谷蒼一郎君 大変な災害でありますので、今後とも復旧については十分な御配慮の上努力をしていただきたいと思います。 次に、冷害対策に移りたいと思います。 御存じのように、今回の米の不作、すなわち冷害によります米の作況は戦後最悪の状態になってきております。これについては農水省で十分な対策をお考えであろうと思いますが、ただ、私ども考えますに、減反政策を農水省として指導している。減反政策を実施はしていたんだが、実際には、冷害ということもありますし台風による不作ということもありますから、当然そこには備蓄は十分考えていたんじゃないだろうかというふうに思っていたのでございますが、新聞紙上等で報道するところによりますとそういったものは余り考えられていないように見受けます。これはやはり農水省として、我が国の主食である米についての政策というものがいかが相なっていたのだろうかというような思いがするわけでございます。 もちろん、大変な冷害で、予想ができなかったということはあると思いますが、こういった冷害についての米の備蓄の想定とそれから減反政策との関連につきましてお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 食糧管理制度というのは、御案内のとおり、国民に主要食糧を安定的に供給するというのを基本的な役割にしておるわけでございます。 かねて、在庫問題につきましては米の安定供給体制を整える一つとして昭和四十年代後半からいろいろ関係方面で論議されてきたところでございます。そういう中で、二回にわたる過剰処理を経験し、相当莫大な国費を投じたわけでございます。そういう中でも議論されましたし、またその後、五十九年度から始まる水田利用再編対策は、その前の五十五年から数年間作が悪かったというようなこともございまして、各年四十五万トンずつの在庫積み増しということを計画してやってきたわけでございます。今回もそういうことで安定的な在庫を持ちながら需給操作をすると。 ただ、最近は国民の良質米に対するニーズにこたえるため自流米の生産を図ってきたわけでございます。そういう点で自流米のウエートが七割それから八割にも及ぶというようなことで、全体としての在庫を回転させながら持つためには百万トン程度の在庫を持つことが必要なんではないかというようなことでやってきたわけでございますけれども、平成三年産米が作況九五ということで作が悪かったわけでございます。そのために在庫自身が二十数万トンの水準まで低落したわけでございまして、それで、平成四年から三年間でさらに積み増しを図っていくということで計画的な在庫造成を図っていたさなかに、ことしのようなかって想像もできなかったような未曾有の事態になったわけでございます。 在庫自身につきましては、常々そういういろんな需給事情の変遷を経て、常に関係方面で論議をしていただいた結果に基づいて対応したわけでございますけれども、残念ながら未曾有の災害によりまして緊急輸入をせざるを得ない事態になったわけでございます。 そういうことから、今年につきましても、現在、ことしからやっております水田営農活性化対策の中で、今後在庫造成をどうやってやっていくのか、しかも稲の播種の準備というものが始まると、麦の関係でどうやっていったらいいのかという営農の問題もございまして、できるだけ早急に残されております水田営農活性化対策の見直しをやれということで、十月末までにそれをはっきりして各方面に伝達するというようなことで論議を進めてきたわけでございます。短い間であったわけですけれども各方面で真剣な御論議をいただきまして、当面この対策の期間内で、その期間の末に、平年作ベースであれば百三十万トン程度の在庫造成を想定するということで減反緩和に踏み出したわけでございます。 私どもは、あと二年間にそういう目標の中でできるだけ県、市町村あるいは系統等とも連携をとりながらそういう在庫積み増しをやっていきたいと思っていますし、在庫につきましては、今申し上げましたようにかねてから真剣な議論の中で、過剰を繰り返し、また作が悪い事態で韓国に貸しておった米を返してもらうというようなこともあった中で、関係方面の真剣な議論の結果やってきたわけでございますけれども、こういう事態を受けて、緊急にそういう在庫積み増しを目標に置きまして減反政策を進めていくということをいたしておることを十分御理解いただきたいと思います。
○松谷蒼一郎君 異常な、予想もできなかったような冷害によって米の緊急輸入に踏み切らざるを得なかった、こういうような話でございますが、よく冷害といいますか米の不作は一年だけじゃなくて二年、三年と続くというように言われております。来年度あるいはそれ以降の米の備蓄につきましてはどんなふうにお考えでしょうか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 在庫造成につきましても国内産米で在庫を造成していくということが基本でございますし、かねて減反政策につきましても目標どおりの減反ということで系統あるいは行政を通じて指導したわけでございますけれども、過剰転作というようなことが見られたわけでございます。 今回、水田営農活性化対策の見直しに際しましては、そういうことを踏まえまして、つくっていただける本当に意欲のある農家に減反の緩和をやっていただく、またこれから稲作の担い手といいますか地域といいますか、そういうところに重点的に配分する、そういう観点に立ちまして今回減反緩和をやりまして、来年度、再来年度の減反面積を六十万ヘクタールということにいたして、この二年間で平年作ベースであれば百三十万トン程度の在庫を造成するという計画のもとにそういう減反政策を進めていくことにしたわけでございます。
○松谷蒼一郎君 今回、米の輸入について緊急措置をとるということでありますが、これが米の輸入自由化にはつながらないというように思いますが、ここで明確に長官より御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 今回、水田営農活性化対策の見直しに際しましていろいろ御議論いただいたわけでございますけれども、今回の見直し自身はかつてない、巷間いろいろ言われていますのは百年に一度の災害というようなことで、それに即して今後の需給、ゆとりある供給を行っていくための在庫造成ということで、極めて異例の措置であることは論をまたないわけでございます。 また他方、ウルグアイ・ラウンドにつきましては、貿易のルールを定めるという交渉をやっているわけでございまして、そういうものとは全く次元を異にするというようなことで、その両者が結びつくということではない、全然別次元の話であるというような認識で私どもいろいろ御説明をしておりますし、また大臣が最近各国の首脳といいますか大臣レベルでの交渉をする際にも、そのことはよく説明しながら対処しているところでございます。私どもとしては、その両者が結びつくというふうには理解しておりません。
○松谷蒼一郎君 大臣がただいま外国出張中でございますのでこれ以上は伺いませんが、米の輸入の自由化については我が党は例外なき関税化について反対でございますので、十分御認識の上政策を決定していただきたい、そういうように思います。 次に、今回の冷害につきまして農業共済より支払い金が出ると。その概要、予測につきまして御説明をいただきたいと思います。さらに、一般会計よりの支出金がどの程度になるのか、これらについてもお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(福島啓史郎君) 今回の未曾有の冷害に対処しまして、被災農家の営農と生活の安定を図るためには、先生今御指摘ありました共済金の早期日滑な支払いを確保することが必要でございます。 今回の共済金の支払い見込み額でございますが、現在のところ約四千九百億円と多額に上るところであります。異例に厳しい財政事情のもとではありますが、共済金を年内に支払うということに向けまして必要な国からの再保険金の支払い財源、これは手持ち財源を除きまして必要な手当て額は約三千七百億円程度を見込んでおります。この財源確保に万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○松谷蒼一郎君 今回の冷害は大変ないわば災害でありますので、これについては十分な手当てをしていただきたいわけでございます。特に、農業共済再保険特別会計の資金構造について、大蔵省との折衝があるんでございましょうが、やはり一般会計から原則としては支出をしていただく、そういうことでないと、財投からの資金の支出というようなことになりますと将来に禍根を残すことにもなりかねないと思うんです。 そういう意味で、これからの折衝があろうかとは思いますが、どうか農水省としてもぜひ一般会計からの支出を十分にいたしていただくようお願いを申し上げます。
○政府委員(福島啓史郎君) 先生御指摘のありました財源確保の具体的な内容でございますが、これは現在補正予算の編成までに決めるべく財政当局と協議をしておるわけでございます。 一般会計からの繰り入れあるいは財投からの借り入れ、その場合には利子を一般会計から繰り入れるといったようないろいろな方策があるわけでございますが、いずれにしましても農家に新たな負担のかかることのないように適切に対処してまいりたいというふうに考えております。
○松谷蒼一郎君 それでは、冷害についてはこれで終わりまして、私の地元であります雲仙岳の災害について御質問をいたしたいと思います。 雲仙・普賢岳災害につきましては、もう既に三年になりますが、相変わらず噴火の終息を見ない状況でございます。その中で、まだまだ警戒区域が指定されたままでございますし、なかなか工事が十分に遂行できないような状況でございます。 がしかし、住民としては、これだけ長引く災害についてはやはりある程度国の政策を受け入れざるを得ない、例えば用地買収あるいは集団移転等々につきましても国の政策に協調しながらやっていきたいというような機運が次第に出てきております。 そういう中で、雲仙水無川の砂防ダムあるいは導流堤工事の用地交渉はどういうふうに進展をしているか、またその進捗状況はどうであるか等についてお伺いをいたします。
○説明員(大久保駿君) 御説明申し上げます。 雲仙・普賢岳の水無川につきましては、現在上中流部の砂防ダム群それから下流部の導流堤、この二つから成ります基本計画を平成四年二月二十二日に策定いたしまして、地元に御説明申し上げております。これに基づきまして、平成五年度から国の直轄事業として事業を実施いたしております。 現在、鋭意事業用地の取得を先行させておりますが、ことし四月末から五月の初め土石流が発生いたしました。これに応急的に対応するために仮設導流堤の設置、さらに既設遊砂地の増強、こういう仕事を現在進めております。導流堤につきましては、国道五十七号から下流部につきましては建物補償はすべて完了いたしております。それから、用地につきましては約七〇%、七四%ぐらいの契約率ということになっておりまして、用地につきましては相当進捗いたしております。 用地の契約ができたところから順次施行することにいたしておりまして、当面遊砂地が三つございますけれども、一番下流の一号遊砂地それから二号遊砂地、この二つの遊砂地区間から左岸側へ土石流のはんらんを防止するために、左岸側に土石流がはんらんいたしますと島原市街地の方へ流れますので、これを防止するための仮設導流堤の設置、それから一号遊砂地の下流両岸の仮設導流堤の設置、これを現在進めておりまして、現在までに既に三百五十七メーターの区間が完成いたしておりますし、十一月末までにはさらに約千四百メーターの区間を完成させる予定にいたしております。この仮設導流堤が完成いたしますと、広域農道から二百五十一号までの区間の左岸側から島原市街地への土石流流出には当面対応できるのではないか、こういうふうに考えております。 一方、警戒区域がかなり下流までかかっておりますが、九月三十日に警戒区域の一部が解除されましたので、二号遊砂地が警戒区域から外れました。二号遊砂地にたまっている土砂の除石も既に開始いたしておりますし、また、その下流の一号遊砂地の増強についても実施すべく準備中でございます。 さらに、国道五十七号から上流の導流堤を設置する区間につきましては、用地の契約率は八一%になっておりまして、これも相当進んできております。さらにその上流の砂防ダム区間、これは現在のところ警戒区域の中にございます。現在航空写真等による用地平面図の作製を一部終えておりまして、地権者の同意があれば順次買い取り請求に応じていくという実態でございます。 さらに三号遊砂地でございますけれども、これの増強、それからさらにその上の四号遊砂地の新設を計画いたしておりますが、現在警戒区域の中ということで工事が中断されております。 現在のところ、そういう警戒区域等で危険な地域での事業も実施できるようにということで、無人化施工をやるべく技術開発をやっておりまして、これらの成果が間もなく出るんですが、これらも生かしながら地域の振興のために今後とも鋭意努力していきたい、こう考えております。
○松谷蒼一郎君 余り時間がありませんので、簡単にひとつよろしくお願いします。 雲仙中尾川の砂防対策はいかがでしょうか。
○説明員(大久保駿君) 中尾川につきましては、この四月二十八日から五月二日にかけまして土石流が発生いたしました。それに対応すべく遊砂地を計画いたしましたが、さらに警戒区域が下流まで広がったということでそれを下流に移しまして、現在遊砂地二基と砂防ダム二基を施工するべく準備を進めております。さらに火砕流も頻発いたしておりますので、流域状況が大きく変化しつつあるということで、恒久的な治水砂防計画の検討を現在進めているところでございます。 さきに申しました遊砂地二基、砂防ダム二基につきましては、用地の買収単価も提示いたしまして、順次実施できるように準備を進めているところでございます。
○松谷蒼一郎君 水無川流域に三角地帯と通称言われているところがありますが、その地帯は、現地に行けばわかりますが、土石流の被害で大変な埋没になっておるわけでございます。このままではなかなか土石の除去も大変である。いわば今の状態では民有地に入った土石を除去するのは不可能に近いほどの大変な状況であるわけでございます。 そこで、現地の方では、その三角地帯についてはかさ上げをしたらどうか、そして将来起こるかもしれない土石流災害については、かさ上げをした地点で被害を守るというような対策はとれないものだろうかというようなことで、その事業の計画を市を中心にして練っているところであります。これについて、建設省の砂防関係事業としてどういうような形で支援ができるか、ありましたらお伺いしたいと思います。
○説明員(大久保駿君) 先生御指摘のとおり、地元の島原市とそれからあの三角地帯、安中地区と申しますが、安中地区三角地帯かさ上げ推進協議会というのができまして、この区域のかさ上げ、地上げの要求が去る七月二十日に出されております。 砂防事業といたしましては、砂防事業自身でかさ上げということはできないわけでございますけれども、地元でこの地域のかさ上げ計画等が具体化いたしましたら、砂防事業といたしましては、例えば工事残土あるいは遊砂地等にたまっている土砂を除去しますが、そういう土砂の捨て場として利用させてもらえるという合意が得られましたら、実施可能な箇所から土捨てを行いまして、結果としてその地域がかさ上げできるという形での協力は可能ではないか、こういうふうに考えております。
○松谷蒼一郎君 八月二十日にやはり豪雨がありまして、島原を中心として土石流が発生をした。島原市の近くにあります眉山から土石流が発生をして、市街地にまで大きな被害を出した。島原市の眉山六渓というんでしょうか、そこで長崎営林署がその土石の除去について作業を進めていたわけでありますが、半分ぐらい除去をいたしましたところで事業を中断してしまった。 これらについて、一体何が起こって作業を中断したのかということで、地元の長崎新聞の十月二日付に出ておりますが、これは一つは、豪雨期が過ぎて当面安全性が確保されたために除去作業は中断をした。だがその一方で、除去作業のための予算を要求しているがまだ決定しておらぬ、予算が決まればまたやりたい。要するに、予算がないからできないんだということで事業を中断している、こういうような記事が出ているわけでございますが、こういったことは事実であるのかどうか。これらについてその事情、今後の対策等につきまして、農水省、林野庁でしたか。
○政府委員(塚本隆久君) 八月の集中豪雨等によりまして、渓流に堆積しておりました土石が土石流となりまして下流に大量に流れ出したわけでございますが、これにつましては大半が治山ダムでとめられまして、一部が島原の市街地に流出して住宅等への被害があったということで報告を受けております。 現在、その治山ダムに堆積をいたしました堆積土砂の排除を行っておるわけでございます。十月二十日ごろからこうした作業を進めておるところでございますが、今先生お話がございましたように、一応状況として安定をいたしておりますために一部作業を中断しているということでございまして、特に予算が足りないということではないというふうに私ども承知いたしております。 今後、残った土砂につきましては早急にこれを除去しますとともに、この治山ダムのかさ上げあるいはそでの部分の拡張を行う等によりまして、再度災害が起こることのないように全力を挙げてまいりたいと思っております。
○松谷蒼一郎君 市街地の中に土砂が山積をしているわけでございますから、予算がないから中断をしたということはないと思いますが、ぜひ早急に除去作業を継続していただきたいと御要望いたします。 次に、今島原の警戒区域を中心とした地域に災害危険区域が指定をされました。この地域に対して防災上の集団移転事業が施行されるということになっているわけでございますが、この集団移転事業の仕組みは、原則として災害危険区域ないしは防災事業が指定をされる地域につきまして、そこに現存をしている家屋またはその所有権等権利を有する住民、それらを移転させる移転先について、住宅を建設するときに住宅金融公庫等の融資をいただいて住宅を建設するなら、その金利分に ついて、例えば五%の金利を二十年間は利子を免除する、その分を先取りしていわば前払い金として補助金を供与するというような形で事業が実施をされているというように聞いております。 そうなってまいりますと、住宅をつくることができなければ、あるいは住宅をつくるために住宅ローンを利用するあるいは住宅金融公庫の融資を利用するということがなければ、集団移転事業に係る補助金ですとか助成金が支出されない、こういうことになるのかどうかその点について国土庁よりお伺いします。
○説明員(河出英治君) 防災集団移転促進事業は、今先生御指摘のとおりに、被災地域または今後発生のおそれのある地域につきまして、当該地域の住民の生命、身体及び財産を災害から保護するために住民の集団的移転を促進することが適当であると認められる場合におきまして、市町村がある程度の規模の団地を安全な地域に新たに造成し、そこへ被災地域等の住民が集団的に移転することを促進しようとする制度でございます。したがいまして、基本的には団地の中に新たに住宅を建設してもらう場合に利子補給等をする制度でございます。 なお、それ以外の地域で行う場合につきましては、現在この事業におきましては移転助成費ということで助成が行われているわけでございます。
○松谷蒼一郎君 移転助成費というのはいわゆる引っ越しのいわば事務費みたいなものですから大したことはないんで、やはり移転することについての、当該移転先地に住宅を建設する場合の利子補給金の前払い金として五百万円前後の資金が出るというところにこの事業の特徴があると思うんですね。その特徴が生かせないような状態が島原の場合にはある、これは大変残念だと思います。 例えば、火砕流あるいは土石流によって住宅を滅失した住民が非常に多いわけですが、その中には住宅金融公庫の融資を受けて住宅を建設した、営々として住宅の融資を償還していた、その途中において火砕流が発生した。住宅金融公庫融資は通常、火災保険を必ず義務としてつけさせますが、その火災保険が農業共済、JAの保険ですと八〇%程度出ますが、一般保険の場合には五%ぐらいしか出ない。そうすると、住宅金融公庫の融資の債務がほとんどそのまま残ってしまう。住宅金融公庫の融資の債務が残っていますと、今度は集団移転事業制度を適用されても、移転地に住宅を住宅金融公庫の融資を受けて建設しようとしても、債務が残っておりますから建設はできない。できないと今度は集団移転事業制度も適用できない、こういうふうに踏んだりけったりというような形になってくるわけです。 もう時間がございませんので、保険の仕組み等について、きょうわざわざ大蔵省の方にお見えになっていただきましたが、質問は控えますが、そういったせっかくの集団移転をやって補償をしてやろうという方々には、せめて、融資を受けなくても、移転先にたとえ簡素な住宅であっても住宅を建設してそしてそれを集団移転事業制度の対象として取り扱うというようなことができないものかどうか。しゃくし定規に金利の前払い分だけを差し上げますというのではなくて、移転事業の精神にのっとって、滅失した住宅の住民というのは大変厳しい状況にあるわけですから、そういった方にも補助金を出すというような仕組みがとれないものかどうかこれらについて伺いたいと思います。
○説明員(河出英治君) 国土庁の防災集団移転促進事業の基本的な仕組みにつきましては先ほど御説明したとおりでございますが、それ以外にも建設省関係の砂防事業、それからがけ地近接等危険住宅移転事業、この三つの事業が関係するわけでございまして、長崎県及び地元首長が十分住民にそれぞれの事業の内容を説明し、また意向を踏まえまして今回計画をつくり、私どもが承認したわけでございます。したがいまして、基本的には先生御指摘のような心配、懸念は少ないかとは思っておりますけれども、今後とも十分県とも協議しながら適切に対応してまいりたいと考えております。
○松谷蒼一郎君 いや、砂防事業とがけ地近接等危険住宅移転事業とは全く違う制度なんですよ。がけ近事業と集団移転事業とは、制度そのものは似ていますが、集団移転事業でやろうということについてがけ近で救うということは、これは二重になってしまいますからそれはできないわけで、むしろ集団移転事業の中で、公庫融資を受けて住宅をつくらなくても防災の助成金を支出するということができるような仕組みになれないものかどうか。運用ということはなかなか難しいかもしれませんが、制度そのものについて基本的に考えられないかどうかについてお伺いしたいと思います。
○説明員(河出英治君) この制度の基本的な趣旨が、集団的な移転、新たに団地をつくりまして安全な地域に集団的に住民に移転していただくということで、それに対して助成を行うという仕組みでございますので、全く別の地域にそれぞれの住民が独立して移転をする場合に同じような仕組みで助成をするということはこの制度の対象となっていないわけでございます。
○松谷蒼一郎君 これ以上はやめますが、いずれにしても、せっかくの防災集団移転事業が生かされない。むしろ住宅を滅失して非常に困っている住民の方がどうにもならないというような状態になっているわけです。その点ではほかのいろいろな事業の制度もあるかもしれませんが、そういうものを組み合わせながら何とか住民の間に、特にこの三年間災害で大変に気の毒な状態になっている人々でありますから、せっかくのすばらしい防災集団移転事業でありますから、それを活肝して立派に成果のあるものにしていただきたいと思うわけであります。 これについては最後に、もう時間がございませんので、長官にぜひ御決意をいただきたいと思うのでございますが、今お話し申し上げたようなことで、せっかくのいろいろな制度も運用によっては血肉が通らなくて弊害になるというような場合もあります。何とか国土庁として、関係省庁もあるかもしれませんが、これらの制度を活用して、住民の間に不公平感が広がらないように、そしてまた住民を本当に心から救っていただけるような制度として活用していただくように切にお願いを申し上げますが、最後に長官の決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(上原康助君) 地元の事情について大変お詳しい松谷先生のお尋ねですから、できるだけ誠意を持って期待が持てるようなお答えをしたいわけですが、今審議官から答弁ありましたように、この防災集団移転促進事業で行う集団移転というのはなかなか運用上制約があるようでございまして、今お尋ねのような方向での運用というのは容易でなさそうでございますが、いずれにいたしましても、先般来本委員会でも制度やあるいは法律の弾力的運用とか、また今日的次元に立ってもう少し改善、改正措置がとれないのかという強い御要望もありますので、そういう全般的な流れの中でよく先生の今の御指摘等についても検討をさせていただきたいと存じます。
○松谷蒼一郎君 せっかくの九州出身の大臣でもありますし、かねがね社会党さんはこういった災害対策については非常な熱意を持って委員会等でも質問をされておりましたので、何とかこの雲仙・普賢岳災害の集団移転事業等に伴う関係事業についても十分血の通った事業として実施をしていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○野村五男君 冷害と米の緊急輸入問題について質問をさせていただきます。 松谷委員と重複する場面があるかもしれませんが、十月十五日現在の米の作況指数は七五の著しい不良となり、ことしはまさしく戦後最悪、百年に一度の大凶作となったわけであります。こうした厳しい状況になることが事前に十分わかっていたのか、政府は九月十五日現在の作況指数が八〇となった時点で緊急特例措置として年度内二十万トンの米の緊急輸入実施を決めたところでありま す。ところが、作況指数が悪化するに伴い、米の緊急輸入量をさらに増大せざるを得ない状況にあります。一説によると、米の在庫の取り崩しや早場米などによっても年間消費量の二割に迫る二百万トンもの大量の米を輸入せざるを得ないと見られております。 ところで、来月十二月十五日を合意期限とし、現在交渉中のガット・ウルグアイ・ラウンド交渉では、ドンケルペーパーの農業部分において国境措置として輸入量の消費量に対する比率が三%未満のものについては初年度三%、最終年度五%のミニマムアクセスが設定されることとなっております。現在交渉中のガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉の関係もあって、今回の米緊急輸入が米の市場開放につながることを国民は大いに危惧しているところであります。政府はあくまでも緊急特例措置と主張されるが、それをどのように担保されるか、それをお伺いいたします。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 今回の米の緊急輸入措置は、予想し得なかった異常気象によりますかつてないような作柄不良に対応して、米の安定供給を行うという食管制度の基本的役割を果たすための緊急の応急的な措置であることは申すまでもありません。また、ガット・ウルグアイ・ラウンドにおきます農業交渉におきましては、貿易ルールの問題、どういうルールを設定するかという論議を重ねておるわけでございまして、両者は全く次元を異にするものであり、これにつきましては今後ともこれまでの基本方針のもとで対応してまいりたいというふうに考えています。現在、最終段階を迎えておるわけでございますが、私どもとしてはこういう我が国の立場なり今回の事情等につきまして、関係国の理解を得る努力に最善を尽くすつもりでございます。 たびたび国会等でも大臣からも御答弁申し上げておりますし、また記者会見その他を通じてそういう旨を発表しているわけでございますけれども、また過日、アメリカのエスピー長官が訪日されました際、あるいは現在、大臣、ヨーロッパヘ行っておるわけでございますけれども、サザーランド事務局長を初め、EC委員との交渉におきましてもそういう旨を十分説明し、日本の立場に立った対応をしていくというようなことで努力しているところでございます。
○野村五男君 一説によりますと、米の在庫量は現在既に三十万トンを割り込み、わずかに二十万程度とも言われておりますが、政府から正確な数字をお伺いいたします。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 米穀年度は例年、十一月一日から翌年の十月三十一日までを一つの年度としておるわけでございます。現在、もう十一月一日から六米穀年度に入っておるわけでございますけれども、この五米穀年度末の、十月末の在庫につきましては四年産米の持ち越し在庫と、それから五年産米の収穫、二つが今在庫としてあるわけでございます。 四年産米の持ち越し在庫につきましては、本年三月に策定しました基本計画では三十五万トンから四十五万トン程度と見通したわけでございますけれども、本年の著しい作柄不良あるいは生育のおくれによりまして五年産米の出荷量が相当おくれたことから、四年産米の販売数量を当初計画より増加させざるを得なかったわけでございます。そういう点で四年産米の持ち越し量は、現在まだ取りまとめの集計中でございますけれども、二十万トンをやや上回る、若干上回る程度になるのではないかと見込まれます。 また、五年産米の集荷につきましては、当初作柄の関係で三週間程度おくれていたわけでございますけれども、最近は十日から二週間程度のおくれで推移しておるわけでございますけれども、最近では二百八十万トン程度の集荷になっておるわけでございます。よく巷間言われておりますのは、昨年産米の持ち越しの話でございまして、今は新しい米と両方あるわけでございまして、そういうこととあわせまして万全の供給を行っていきたいというふうに考えておるところでございます。
○野村五男君 政府は来年度の減反目標面積について、緩和して六十万ヘクタールとすることを決めたところでありますが、しかし復円に対する農家の意向は必ずしも十分ではなく、実際の復田もそれほど期待はできないのではないかと思います。そのため、緊急特例措置である米の緊急輸入は今年度限りでは決して済まされない。当初の予定を大幅に上回って、結局端境期に向けて大量の主食用の米を輸入せざるを得ないのではないでしょうか。既に年度内に主食用の米を輸入するとの大臣発言もなされているところではありますが、政府の見解並びに米の総輸入量について明確な答弁をお願いします。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 先ほど来御指摘のように、平成五年産水稲の作柄が十月十五日現在、さらに悪化しまして七五の異常な不作になっておるわけでございます。 これを踏まえまして来年に向けての需給を見通しました場合、来年度需給につきましては昨年四年産米の持ち越しと五年産米の水稲の供給、これは減反を緩和し供給量を増加するとともに、減反緩和につきましてはできるだけ早期米地帯に配分を行うというような対応をいたしておるわけでございます。そういう五年産米の早食いと両方で対処していくわけでございますけれども、全体として見ました場合に、既に決定しました加工用米の二十万トンの輸入に加えまして、主食用につきましても相当量の輸入を行うことが必要であるわけでございます。 大臣が申し上げましたのは、総量を端境期に全部供給しますと、ある時期は外米ばかりになるというようなこともございまして、それを国産米と外米を並行して供給していくというのが米の消費の安定につながるのではないかというようなことで、年度内にも輸入し供給する体制をとる必要があるということを申し上げたわけでございます。 ただ、全体の輸入数量がどの程度になるかにつきましては、現在五年産米の集荷に系統団体と私どもが力を合わせまして極力努力しているわけでございます。その状況でありますとか、先ほど申しましたように来年産の米の作付の見通し等々によって変わってくるわけでございます。現段階で確たる見通しを御答弁することは困難な状況でございます。 いずれにしましても、今後の集荷状況それから来年のできるだけ適正な作付指導ということを重ねまして、あわせて所要量につきましては輸入を行うということで米の安定供給に遺漏のないような対応をしていきたいというふうに考えております。
○野村五男君 私は、この場をかりて政府に対して米の国内自給方針の堅持を重ねて強く要請するところであります。 既に我が党は、衆議院においては先月十月二十八日に、また本院においては去る二日に米の自給方針堅持に関する決議案を単独で提出し、我が党の立場を明確にしているところであります。そこでは、政府に対し、自由化反対のための例外なき関税化拒否への姿勢を貫き、米等の自給方針を堅持するよう一層努力すべきことを求めているところであります。 しかし、連立与党は、七月の八党派覚書において米の例外なき関税化には反対である旨合意しているにもかかわらず、四度目の国会決議については屋上屋を架するもの、一政府の交渉権限を拘束するといったことを理由に異論を唱え、衆参両院の本会議での決議を現在のところ拒否しているところであります。これはまことに遺憾なことであります。 そこで、これまで三度にわたる国会決議の持つ意味、意義をどのように政府としては考えているのか、御見解をお伺いします。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 国会の決議につきましては、政府としてはその趣旨を尊重してその実現に努力する立場にあるものであります。これまでの三たびの国会決議の重みについては十分認識しているところでございます。私どもとしましては、米についてはその重要性にかんがみまして、これまで同様その趣旨を体して国内産で自給するという基本方針のもとで対応しているところでございます。
○野村五男君 次に共済金の問題について質問いたします。 共済金がたとえ全額支払われても良質米地帯の大規模農家ほど所得の目減りが大きくなるということが報道されているところであります。これは単位当たり共済金額が政府米と他用途利用米の加重平均で算出されており、自主流通米は考慮されていないためであると見られております。このような共済金の算出方法では、自主流通米が総集荷量の八割を占める現状のもとで、自主流通米がつくられている地域では現状を反映していない結果となっております。自主流通米の拡大が行われてきた一方では、制度が自主流通米に対して不備であったため農家からは制度への不満の声が高まっているところであります。 さきの通常国会で、農業災害補償法改正に当たって、改正項目に自主流通米に対する対応が盛り込まれていなかったため、共済制度が現実の姿を反映していないとの指摘が行われたところであります。今回の冷害では共済制度のこのような問題点が現実に被災農家に悪影響を及ぼしているところであります。このことを政府はどのように認識しているのか、また今後法改正を含めどのように対処していくのかお伺いいたします。
○政府委員(福島啓史郎君) 現行の水稲の単位当たり共済金額でございますが、今先生御指摘のように、政府買い入れ価格を基礎としておりまして、他用途利用米価格との加重平均、これは政府米が九五%、他用途利用米が五%でございます。これにより算定しているところであります。 先生御質問の算定基礎に自主流通米価格を織り込むことでございますが、まず政府米、自主流通米は引き受け段階で区別することができないわけでございまして、一律に自主流通米価格を含めて価格設定をすれば超過保険となるという問題があるわけでございます。また、単位当たり共済金額の大幅な上昇は農家負担及び国庫負担の増高を招くことになるわけでございます。そうした問題もあるわけでございまして、なお引き続き検討していく必要があるというふうに考えております。
○野村五男君 時間の都合上あと二点ほどお伺いいたします。 農業技術についてお伺いいたします。冷害に強い品種の開発についてお伺いいたします。 ことしの冷害ではいわゆる耐冷性の品種であるひとめぼれにも被害が見られるところであります。耐冷性にすぐれた品種を引き続いて開発していく必要があると思われますが、政府はどのように認識しているのかお伺いします。
○政府委員(武政邦夫君) 米の品種改良についてでございますけれども、目下品種改良の目標といたしましては良質、多収に加えまして、耐冷性、いもち病抵抗性等を目標にいたしているわけでございます。先生御指摘のように、耐冷性にすぐれて良質で多収な品種としまして、これは平成三年ですけれども、ひとめぼれができたわけでございます。さらに最近には平成五年においていわゆるまいひめ、それからさらにこころまちというような品種が良質かつ耐冷性品種としてつくられているわけでございます。 ことしの結果でも、ササニシキと比較いたしますと、ササニシキの不稔歩合が約六割から八割ぐらいというふうに言われておりますけれども、それに対しましてひとめぼれは三割から四割程度の被害で済んだということで、耐冷性がやや発揮されていることがはっきりしているわけでございます。 ただし、いずれにいたしましても、ことしの冷害は過去に例を見ない非常に厳しいものでございます。そういう点から、研究面におきましても早急に技術対策としての検討を進めて、これらの結果をもとにして今後の改良方針というものを決めなきゃいかぬ、こう考えておるわけでございます。 幸い、今外国遺伝子資源を持っております、高度な抵抗性を持っていると言われておりますいわゆる中間母本、農八号、農二号というのが今できておりますので、これらを使いましてさらに耐冷性を付加するべく努力をいたしていきたい、こういうふうに考えております。
○野村五男君 最後に質問いたします。 伝承されてきました農業技術を生かし、圃場の深水かんがいを行い、肥料を施すに当たっても回数や量を変えることにより冷害の影響を最小限にした農家が少なからずあるところであります。このことから、伝承されてきた農業の基本的な技術を生かすことの重要性がさらに認識されたと言えるかもしれません。 今回の冷害は天災だけではなく人災でもあったと言われております。これまで減反の強化と減反の緩和が繰り返され、米価が据え置かれた結果、農家の生産意欲が減退し、また一方では兼業化が進んだため、肥培管理が大まかになったことが今回の冷害の被害をより大きくしたとも言えます。 そこで、伝承されてきた農業技術を多くの農家に普及し、また後世に伝えていくことが必要であるとは思いますが、これがうまく伝えられない原因はどのような理由であるのかお伺いし、またこうした技術の普及対策、肥培管理も含め普及、技術の有効活用の対策をどのようにとっていく考えであるのか、最後にお伺いいたします。
○政府委員(高橋政行君) ただいま先生からお話がございましたように、冷害を回避するための基本技術といたしまして深水かんがいあるいは窒素過多にならないような施肥技術とかそういったものがあるわけでございまして、我々もそういったことについての指導をしてきております。特にことしは七月ごろから低温ということが予想されましたので、各県にそういった技術指導の徹底をしてまいりました。各都道府県におきましてもこれを受けまして、例えば営農技術特別指導チームというようなものを設けるなどいたしまして、行政、普及、農業団体が一体となりまして、生産現場への指導を行ってきたところでございます。 しかしながら、先ほど御指摘のように、一部には担い手の兼業化あるいは労力不足、さらには深水かんがいがなかなか難しい畦畔の未整備といったようなものがございまして、これら基本技術が必ずしも十分に実行されていないという指摘があることも承知しておるところでございます。 現在、我々といたしましてはこういった稲作技術、それから生産体制の総点検をやりたいと思いまして、現在そういった実態調査も始めているところでございます。したがいまして、今後この結果を踏まえまして米生産安定のための基本技術の徹底あるいはそれが実行できる体制づくりといったものに努めてまいりたい、このように思っております。
○会田長栄君 質問に先立ちまして、本特別委員会が去る十月八日、西岡委員長初め皆さんに福島県の冷害による農作物被害の実情調査においでいただきましたこと、そして猪苗代、郡山市湖南町、岩瀬部長沼町というように多忙な日程の中で調査いただいたことに、心からこの場をかりて感謝を申し上げます。 とりわけ、自治体や農業団体、農家の皆さんの直接の声を委員長初め皆さんが聞いていただいたということで、大変喜んでいるわけでありまして、私もその一員で参加したものですから、かわりまして心から感謝を申し上げる次第であります。 同時に、大臣を初め関係者の皆さんが百年に一度と言われるこの冷害問題、大凶作問題、災害問題に真っ向からまじめに精いっぱい御努力されて、今日の総合冷害対策九項目を発表して御努力されていることに敬意を表する次第であります。 さて、質問に入ります。 時間が非常に短いので、私は端的にお聞きしますから、端的にお答えくだされば幸いであります。 その第一は、百年に一度と言われる大凶作ですから、被害総額というのは今どのくらいに押さえておりますか。
○説明員(嶌田道夫君) 本年の長雨、台風、低温等によります農作物の総被害額は、十月十五日現在の調査で全国で一兆二千百二十二億円となっております。なお、北海道では二千三百七十七億円、東北全体といたしましては五千八十二億円、九州では千百六十七億円というふうになっております。
○会田長栄君 若干作物別でお聞きします。水陸稲なら幾らです。水稲、陸稲。
○説明員(嶌田道夫君) 全国ベースで申しますと、一兆二千百二十二億円のうち水陸稲が九千三百十二億円、野菜が千百三十四億円、果樹が四百一億円、その他飼肥料がございまして、これが約四百億円弱でございます。
○会田長栄君 二つ目でありますが、総被害額の何%がこの水稲、陸稲に当てはまりますか。
○説明員(嶌田道夫君) 一兆二千億円のうちの約九千億円でございますので、これで計算いたしますと八割弱ぐらいになるんじゃないかと思います。
○会田長栄君 水稲、陸稲の総被害額というのは八一%ということでありますから、これは大変な問題であります。とりわけ昭和六十三年度のときに天災融資法の発動あるいは激甚災害の指定というのは十一月二十二日でした。今回は十一月五日、まことにこの二週間の御努力というのは大変だと私は思います。 そこで、三つ目お伺いします。 共済金の支払い総額というのを含めまして、これは年末までに本当に完了するんですか。
○政府委員(福島啓史郎君) 今回の冷害等に伴います農作物共済の水陸稲につきましては、年内に共済金を支払うという方向で対応しているところでございます。
○会田長栄君 共済支払い基金、これは現在幾らあって、最終的にはこれは再保険をして国が責任を持つという制度になっていますから、不足額は幾らですか。
○政府委員(福島啓史郎君) 現在共済金支払い見込み額の調査を実施しておるところでありますが、現時点では共済金支払い見込み額が約四千九百億円程度でありまして、このうち国の再保険財源のうち手持ち財源を除きまして必要な手当てを要する必要額は約三千七百億円程度と見込んでおります。
○会田長栄君 今お答えいただいたとおり、水稲、陸稲の総被害額というのは八千百五十六億、こうなっています。共済金の支払いというのは大体四千九百億だと、こういうことですね。そうすると、これは半数、半分よりはちょっと上ですけれどもね、これはやっぱり何%方になっていますか、総被害額の。
○政府委員(福島啓史郎君) 先ほど統計情報部の方から御報告がありました被害額と先ほど申しました農業共済の共済金支払い見込み類とを比較しますと、いわゆる農業共済には、先生御存じのように、足切りの問題であるとかあるいは引受価格の問題、あるいは引受率など算定方法が異なるわけでございまして、単純に比較はできないわけでございますが、仮に両者を比較するといたしますと、統計情報部の水陸稲被害額に対する共済金の支払い見込み額の割合は約五割程度というふうに試算されます。
○会田長栄君 それでは、その次にお伺いいたしますが、共済金引受方式の実態というのはどうなっていますか。
○政府委員(福島啓史郎君) 農業共済の引き受けにつきましてはいわゆる足切りがあるわけでございます。この足切りにつきましては、耕地一筆ごとの引受方式につきましては三割のいわゆる足切りでございます。また農家単位の半相殺につきましては二割、また農家単位の全相殺方式では一割の足切り割合になっております。
○会田長栄君 そうすると、大体一筆方式、半相殺方式あるいは全相殺方式という三通りがあり、百分の七十、百分の八十、百分の九十になっている。こういうことでございますから、契約の型として、全体の中のどの方式が一番多いですか。その割合を教えてください。
○政府委員(福島啓史郎君) ちょっと手元に資料がないので正確な……
○会田長栄君 大体でいいです。
○政府委員(福島啓史郎君) いわゆる一筆方式の三割足切り方式がたしか八割程度でございます。また、半相殺方式は一五%でございます。
○会田長栄君 これはもう私素人だから聞くんですよ。大体この一筆方式でいくと七割ですね、共済金支払いは。総被害額八千何ぼ、そして先ほど言ったように実際に支給される額は五割、その辺どういうものでこういう数字が出てくるんですか。
○政府委員(福島啓史郎君) 先ほどお答え申し上げましたとおり、被害額とそれから支払い共済金見込み額との違いにつきましては、算定方法が違うわけでございまして、一つには、先生御指摘がありましたような足切りの割合の問題がございます。そのほか引受価格、これは先ほど野村先生から御指摘がありましたように、自主流通米価格ではなくて政府米価格と他用途利用米価格を加重平均した価格になっているということ。そのほか引受率の問題がございまして、これはいわゆる当然加入を下回るものにつきましては共済へ加入してないという実態もございますので、そういう引受率の問題があるということでございます。
○会田長栄君 ありがとうございました。 それでは、その次お伺いします。 平成五年度の作柄について、先ほどお聞きしたからこれは結構であります。全国平均で七五、北海道、東北、九州というように大変悪い結果になっている。 食糧管理制度は、国民の主食である米を政府が責任を持って買い上げて安定供給するというところに目的があるんです、これ。そこでお伺いします。本年度の政府買い上げ米というのは、目標はどのくらいで、現実にこの冷害、凶作に遭って到達度はどこまでいきますか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 御案内のとおり、政府が管理している米、基本計画で押さえておる米は自主流通米とそれから政府米あわせた米でございます。やみ米を抑えるために両者を合わせまして大体七百万トンの限度数量を設定しているわけでございますけれども、最近は大体六百万トン程度が集荷されているというのが偽らざる実態でございます。現在のところ、十月末現在で両者合わせまして約二百八十万トンでございます。 現段階で北海道、北陸の集荷がほぼ終了したところでございまして、今後は北関東、東北の一部及び中・四国、九州の集荷が中心になるわけでございます。私ども系統団体と力を合わせまして、極力適正な集荷に乗せるよう努力していきたいというふうに考えております。
○会田長栄君 農水省は十二月十五日を控えて大変な御努力を今日願っている、こう思うんですけれども、問題は米の関税化問題をめぐりまして、大凶作と関連をして今日農家の皆さんは大変不安を持っています。農水大臣初め政府そのものは、御承知のとおり、緊急対策は緊急対策、米の自給方針は自給方針と、三度の国会決議に基づいて努力していると、こういうことでありますが、これに関連をしてお伺いします。 十月二十六日の衆議院農水委員会で、米の市場開放問題について極めて大まかな形で幾つかの選択肢が示されたと、こう総理が言っています。なかなか外交上微妙だとも言っています。こういうことを受けると、農家の皆さんにとっては大変不安になるんです。それは、畜産でも酪農でもミカンでも果汁類でもかつていろんな経験しているものですから大変不安がっておる。したがって、その点では幾つかの選択肢を農水省が検討しているとおっしゃっている。その上に例外なき関税化と国会決議とはその選択肢は矛盾しないともおっしゃっている。これに一縷の望みを託しているようです。この点で具体的に、心配しないように見解などを表明していただけますか。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 私ども前々から大臣以下申し上げましておりますように、農産物、特に米につきましては日本国民の主食でありまして、また我が国農業の基幹をなすものであります。また、水田稲作自身国土や自然環境の保全、地域経済上不可欠の役割を果たしているというふうなことから、米につきましてはその重要性にかんがみまして、これまで同様国会決議の趣旨を体して国内産で自給するという基本方針のもとで対処しているところでございますし、最後までそういう姿勢で対応していく考えでございます。
○会田長栄君 これ何で乱そういう質問するかというと、先ほど申し上げたとおり、従来の自給方針にかわる複数の妥協案が政府部内で用意されているというようなことがマスコミで活字になっているものですから、大変心配なんです。もちろん、このことと関連をして、妥協案の内容は外交交渉のことであり、控えさせていただくというものだから、より心臓を痛めている。ただ救われるのは、妥協案は例外なき関税化に反対するという政府の方針と矛盾しない内容でありますというから、ここでまた安心する。その意味では、きょう農水大臣はヨーロッパに行っている、総理もいないからそれ以上のことは答えられないと、こう思います。 このように百年に一度の大凶作のとき、ましてや長年日本政府の農政、この中にあって、今農家の皆さんは一代限りの時代に入りましたという認識になりつつあるんです。それはもうおやじの時代でいい、おまえはおまえで自分の好きな適を歩け、こういう気持ちを持つようになってきたときでありますから、今後の日本のあり方をめぐりまして、米の自給方針というのは、本当に世界一の輸入国だと言われているときでもありますから、とりわけその点について安心できるように私は施策を進めていくべきではないかという意見を持っているものですから、毎日御努力願っているところでありますが、改めて見解をお聞きしたい、こういうわけなんであります。
○政府委員(鶴岡俊彦君) 私、この間アメリカのエスピー長官が来て大臣と話し合いをした場にも出席していましたし、また今回大臣が訪欧され、サザーランド事務局長でありますとかECの農業委員との話し合い、交渉をやってきた報告も聞いております。その中で、大臣はかねがね国会で申し上げている姿勢にのっとりまして日本側の立場を強く主張しましたし、しておるところでございます。残念ながら、向こう側もかねての主張をし、私どもが言っている主張はのめないというふうなことで、平行線のまま終わっておりますけれども、私ども農水省は大臣以下そういう姿勢で最後まで交渉に臨む考えでございます。
○会田長栄君 どうぞよろしくお願いします。 最後に、自治省来ておりますね。 冷害に関連をしてお聞きするんですけれども、地方交付税の問題なんです。地方交付税は法律によって交付されているわけでありまして、新たな事態が来れば新たに法を改正してやるということであります。しかし、この交付税の中に災害とかあるいはことしの冷害みたいなものがあったときに、特例交付という財源が残っているはずです。その特例交付の財源というのは幾ら残っていますかということと、天災融資法、激甚災害指定をしたことによって、今度の災害にどのくらい今その財源を地方交付税として投資しようとしているのか聞かせてください。
○説明員(武田文男君) 御説明申し上げます。 今お話しのように、自治省における交付税の中に全体の六%相当分、ですから今年度で申し上げますと、交付税総額約十五兆円ということでございますので、それの六%、約九千億円というのが特別交付税という枠がございます。これらの配分に当たりましては、特別交付税に関する省令等におきましてそれぞれ配分の基準というものを定めまして、必要な、いわゆる特別の財政事情等を勘案して配分をすることにいたしております。 御指摘のように、今年度は災害もございました。また、今御審議いただいておりますような異常気象、そして冷害による農作物の被害というものもかなり出てきておるところでございます。地方公共団体におきましては、こういった冷害対策として営農指導あるいは種苗の確保、病害虫防除、またあるいは就労の確保、そういったさまざまな対策を講じておるわけでございます。 地方団体において、このような財政需要の増加もございます。また税収の落ち込み等もあろうかと思いますので、これらの地方公共団体の財源措置といたしまして、私どもとしても十分被害状況、そして財政状況等を勘案の上、適切に特別交付税の配分について配慮してまいりたいというふうに考えております。
○会田長栄君 ありがとうございました。
○中尾則幸君 きょう私は、北海道南西沖地震の復興対策について御質問申し上げます。 その前に、私北海道出身なものですから、ことしはなぜこうまで北海道がいじめられるのかという被害者意識が強うございます。一月十五日の釧路沖地震に始まりまして、七月十二日には北海道南西沖地震、それが終わったと思いましたら、ただいまもいろいろ委員の皆さんから御質問ありましたけれども、大冷災害でございます。特に、奥尻あるいは南西沖地震の被災地は米がほとんど収穫皆無という状況のところが多うございまして、大変な状況に北海道は今立たされております。 この際、この災害対策特別委員の皆さんには地震対策あるいは冷害対策について特段の御配慮をいただきまして、本当にありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い申します。 早速でございますけれども、私は八月三十一日の当委員会でビデオを使って質問させていただいたんですが、被害等は言うまでもなく、行方不明、亡くなった方二百三十一人でございます。そして、被害総額が一千四十五億円と聞いております。北海道、それから被災した町村、懸命の復興努力をしております。また、上原長官を先頭に各省庁、懸命な努力を願っているところでございますけれども、ここで改めて上原長官にお伺いしたいと思います。 長官は八月、被災地に早速足を入れられまして、その後の記者会見等で、従来の対策にないものも考えて真剣に対策を立てていきたいというような決意を述べられましたけれども、改めて大臣の決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(上原康助君) 今お尋ねの件につきましては、国土庁の防災局を中心にいろいろ、仮に見直しをするなりあるいは再検討をするとすればどういう点ができるのかということで、全体的な作業といいますか、勉強をしているところでございます。 ただ、なかなか本委員会なりで御指摘のあった点、あるいは御注文のあった点、各般にわたって見直すとか、弾力運用というのは非常に厳しいという報告も受けておりますが、私としては各省庁とも連携をとりながら、できるだけの努力をしていきたい、こう考えております。
○中尾則幸君 限られた時間なものですから、端的に伺います。 八月二十日に閣議で奥尻、それから島牧村、これは激甚指定をされました。中小企業の特別助成等々であります。それから、先ほどもお話がありましたけれども、共同利用小型漁船建造の補助等も順調に行われているようであります。農業関係、それから公共土木事業関係の激甚指定についてはどのような状態になっておりますでしょうか。
○政府委員(村瀬興一君) 激甚災害の指定のためには災害復旧事業についての査定等の作業が必要でございまして、現在、関係省庁において鋭意作業が進められているというところでございます。 なお、災害復旧事業自体は、激甚災害の指定がまだされておりませんでも事業そのものは着実に実施し得るわけでございまして、必要な場合には普通交付税の繰り上げ交付等の財政措置も講じられておりますし、当該地方公共団体の財政運営には支障がないような措置がとられておるところでございます。
○中尾則幸君 地元初め北海道庁、これは災害復興対策推進委員会というのを設けまして、今精力的に災害に強い町づくり等をやっております。そこでは、これもたびたび衆議院あるいは参議院の災害対策特別委員会でも話題になっております雲仙の復興基金、これが六百三十億円でございます。こういった災害対策基金制度について、いろいろ諸般の事情があるというふうには承っておりますけれども、この点について上原長官、八月二十四日の衆議院災害対策特別委員会で一考に値するというようにも述べられております。これについてちょっと簡単に御所見を賜りたいと思います。
○国務大臣(上原康助君) 雲仙の場合は、長崎県の御努力あるいは島原市等の熱意等によって、今先生御指摘のあったように基金制度が設けられて、私もせんだって視察をさせていただきましたが、かなり関係者並びに地元の方で好感を持たれているようであります。 そこで、北海道の奥尻島の地震災害につきまして、津波を含めての災害につきましても、今ありましたように、北海道庁に災害復興対策推進委員会が設置をされて、万般の対策あるいは復興、復旧措置を講ずる。その中でこの基金制度のことについても御検討をされると聞かされておりますので、国土庁としてもその推移を見ながら、いろいろと支援なりまた協力をしていきたい、こう考えております。
○中尾則幸君 大変前向きな御答弁ありがとうございました。 今、今回の奥尻につきましては大変全国各地から義援金等が寄せられておりまして、奥尻初め各被災町村、それから北海道、基金等の計画を立てております。その際には、これについてはぜひとも支援等よろしくお願いしたいと思います。 それでは、中小企業庁の方いらっしゃると思います。現地の方にいろいろ伺いましたら、農業、もちろん漁業、いろいろな対策が進められているんですけれども、中小企業あるいは零細対策はちょっといま一つだということで、確かに融資制度はあるんですが、これはもとより融資ですから、借りたものは当然返す。しかし、民宿にしても、それからお店屋さんにしても、例えば四千万、五千万のお金を借り入れて事業をしている、商店を経営している。それを根こそぎ持っていかれたものですから、新たに低利の融資をいただいてもなかなか既往の借金も返せない、新たに借金を借り入れるというのは大変厳しいというふうに聞いております。本来であれば補助金制度といいますか、そういうものがあれば非常に元気づくんだと私は思うんですが、ここで三点に絞ってちょっとお伺いします。 局地激甚災害指定の場合の保証枠の特例措置でございまして、無担保、無保証人保証が五百万、それから有保証人、無担保で保証人がいるのが二千万と聞いていますけれども、額がことし引き上げられたと言いますけれども、四、五千万借りる云々というのは、これはなかなかこの額じゃ足りないというふうに聞いています。これがまず第一点です。 それから、有保証人が二千万だと。ところが、例えば奥尻なんかを見ますと、もう皆さんが被災者なんです。保証したくても保証ができない。、担保もない、こういった状況。やっぱり融資要件の緩和等をぜひともお願いしたい。これが第二点でございます。 まず、この二つお答え願いたいと思います。
○説明員(稲見雅寿君) 第一点目でございますけれども、先生今御指摘ございましたように、信用保険法につきましてはさきの通常国会で法律を改正いたしまして、従来無担保保険一千五百万の限度額を二千万に拡大いたしまして、また特別小口保険、これは無担保、無保証人のものでございますが、これも四百五十万円を五百万円に引き上げたところでございまして、五年ぶりの大幅改正ということでございました。 奥尻町と島牧村につきましては激甚災害の指定を行いましたのでこれが倍になっておりまして、無担保保険が四千万、特別小口保険が一千万ということになっているところでございます。 また政府系金融機関に対しましては、貸し出しの実行に当たっては個別中小企業者の事情を十分把握して、それぞれの事情に応じて担保の徴求、あるいは保証人の徴求を弾力的に行うように指示しているところでございます。また、無担保保険の場合は保証人が要るわけでございますが、その際の保証人の徴求につきましても、やはり個々の中小企業者の実情を十分踏まえた上で弾力的に対応するよう保証協会に指導しておるところでございます。
○中尾則幸君 そうしますと、有保証人の二千万については弾力的にといっても保証人が要るわけですけれども、かなり緩やかというふうに解釈してよろしいんですか。
○説明員(稲見雅寿君) 個々の事情に応じていろいろ違いはあると思いますけれども、私どもとしましては被災という事情を考えて通常より緩くするように指導しているところでございます。
○中尾則幸君 今御説明ありましたように、激甚災指定になりますとこれは倍額になります。今二町村です、奥尻と島牧。ところが、関係市町村がたくさんあるんです、御存じのように。そうすると、例えば激甚指定になりますと四千万、それから無担保、無保証人、これは一千万ですけれども、指定になってない地域も結構あるわけです。それで半額なわけです。災害別枠という形になってますけれども、こういう場合、激甚災指定になってないからあなたのところは半分だよというのはこれはちょっと何とかならないかと。これは法制度があるからそんなに簡単にいきませんと言うかもしれませんけれども、それについてちょっと一言。
○説明員(稲見雅寿君) 法律上の制度としましては、激甚災害の場合に倍額になるということになっているわけでございますけれども、実はもう一つ法律外の制度がございまして、これはこういった被災によりまして、その土地の中小企業者の売り上げが一定パーセント以上落ちているというような現実があります場合には、その激甚災害地域以外にもこういう特別措置を講ずる制度がございます。これは自治体からの申し出に基づいて検討するということでございます。
○中尾則幸君 時間がありませんので、次に移ります。 もう一点。政府系金融機関、中小企業金融公庫、国民金融公庫等の取り扱い期限、平成六年一月三十一日、これは制度上は六カ月ということだろうと思うんです。そうすると、一月三十一日まで取り扱い期限というと、まだ奥尻だとか復興計画が決まってない状態の中でもう取り扱い終わりなんというのはこれは非常に冷たいと。これも要望がありまして、これは何とかなりませんか。
○説明員(稲見雅寿君) 先生御指摘のとおり、今の措置というのは来年一月三十一日までということでございまして、その後をどのように扱うかという点につきましては、資金需要の動きを十分見ました上で、やはり引き続き対策を講ずる必要があるということであれば関係省庁と連絡をとりながら検討してまいりたいと思います。
○中尾則幸君 言葉を返しますけれども、必要があればって、必要があるから今言っているんでしょう。これは大丈夫ですね。期限の一月三十一日以降についてもこれは必要なんですよ。皆さん、必要だと言っているんです。それは大丈夫ですね。
○説明員(稲見雅寿君) 今の時点で、二カ月先の話でございますのであれでございますけれども、その時点でそのときのいろいろ事情を伺って検討してまいりたいと思います。
○中尾則幸君 せっかくだから思い切ってどんと言ってくださいよ。何かあなたのお企みたいに、あなたの財布から出すんじゃないんだから。頼みますよ。 それでは、建設省の方に。 十月二十九日、もう既に御存じだと思いますけれども、鳥取市で開かれた日本地震学会で東大の地震研のグループが、奥尻、育苗地区などを襲った津波の高さが実測で二メートルから三メートルと。私ども現地で聞きましたら、十メートルだとか奥尻の育苗地区じゃないんですけれども、場合によっては三十メートルとかといって、すごいものが来たと思っていたんですが、実際に二、三メートルであったと。これは二、三メートルといったってかなりの津波でありますけれども。それで、防波堤を二メートルかさ上げしていればもうちょっと被害が少なく抑えられたんじゃないかという見解を発表しております。 最初に伺いますけれども、今回の北海道南西沖地震、建設省関係で例えばそういう危険箇所、今これ何カ所あって、そして今具体的にどのような手当てをしていて、そして査定がなんかもあると思うんですけれども、いつ工事を開始してということをまとめてちょっとお話しください。
○説明員(縣保佑君) 南西沖地震によります建設省所管の海岸施設につきましては、四十一カ所におきまして倒壊、決壊、沈下などの甚大な被害が発生しております。四十一カ所の内訳は奥尻島が二十四カ所、本島が十七カ所でございます。 現在。北海道道庁では査定の準備を鋭意進めておりまして、申請があり次第災害査定を実施することとしております。 また、再度災害防止のために改良復旧が必要な箇所につきましても、既に担当官の現地派遣や事前協議を行うなど現地の準備作業を早めるよう努力しております。 なお、災害査定につきましては、現地の準備が整います十一月下旬及び十二月初旬の二回に分けて実施いたしまして、実施が終わり次第関係省庁と協議を持つ、ことになっております。
○中尾則幸君 ちょっと確認しますけれども、そうしますと、査定はもう年内には終えて、それでもう早速要望のあった危険なところから工事を開始するということでよろしいですか。
○説明員(縣保佑君) 査定は年内に終わりますが、既に応急復旧が必要なところはやっておりますが、査定が終わり次第工事にかかる、こういうことでございます。
○中尾則幸君 もう時間がありませんけれども、私勉強不足で、実は防波堤の今の話を建設省だと思ったんです。港湾だけは別だと思っていたんですが、これは被害の突端まではよく聞いたら水産庁らしいです。 それでちょっと簡単に、この奥尻島の周囲に防波堤をつくるんだったら何省庁がかんでいるかちょっと教えていただけますか。港も含めて、住宅地だとかありますね。
○説明員(縣保佑君) 建設、運輸、農水の三省でございます。
○中尾則幸君 私ももうわかって聞いていて、嫌みを言ったわけじゃないんですけれども。同じ防波堤をつくるのに建設、農水、運輸なんです。 それで、この突端で例えばここまでは水産庁が、農水です。それで、その隣からは建設省だと言うんです。僕が、それじゃ防波堤の色だとかは変わらないんですかと聞いたら、いやそれは打ち合わせてやっていると。 私が何を言いたいかといったら、あと二分しかありませんので、上原長官、言いたくないけれども言います、やっぱりこれ縦割り行政なんです。 私はまだ一年三カ月しかたっていないのに、まず質問通告するとき何を考えるかといったら、どこの省庁かと。これはもう必ずミステークするんです。ですからそういう意味で、総合官庁として国土庁長官に、いろいろ各省庁のそれぞれの対策もおありでしょうけれども、どこかそういう防波堤、ここまでが水産庁で、ここの隣から建設省で、運輸省。これは実態になじまないんじゃないか。それを含めて、総合的な防災対策を国土庁に元気を出して本当に頑張っていただきたい。最後に一分ほどございますので、上原長官の決意を伺って、縦割り行政を何とかしていただきたいということを申し述べて、長官に一分差し上げますのでどうぞよろしくお願いします。
○国務大臣(上原康助君) いろいろ国土庁に対して御支援いただいてありがとうございます。 この点はやっぱり、長い閲歴代の内閣も行財政改革ということで努力をしているわけですが、なかなか我が国の伝統的な縦割り行政というものは、優秀な役人たちが一生懸命それぞれの省庁でやっていらっしゃる面もあって容易ではありませんが、かねがね私も申し上げてきましたように、特に災害等の復旧とか対策につきましては、やっぱり縦割りでやるよりも横の連携を密にしながら調整機能を国土庁なりにもっと持たせていただいて、各省庁協力をするという体制を一層強化するように、これは一存ではできませんので、農水大臣なり運輸大臣、建設大臣などの御理解もいただいて進めたい、こう考えております。御協力をお願いします。
○中尾則幸君 ありがとうございました。終わります。
○上山和人君 今まで四名の方々から御質問がございましていろんな問題が明らかにされております。ことしは地球規模の異常気象のもとで低温、長雨、集中豪雨、そして相次ぐ台風の襲来という本当に大変な一年でございましたので、未曾有の災害が全国的に発生しました。加えて、主食の米が戦後最低と言われる不作に見舞われておりまして、国に対して災害復旧や被災者への支援措置が強く求められておりますから、大変な年になったと思うのでございます。 きょうは国土庁長官が御出席でございますが、今回は、これまでにないと言ったら少し語弊があるかもしれませんけれども、本当に国土庁を中心にして各省庁が積極的にこの災害対策に努力をされている姿に非常に国民の評価が高いのでございまして、特に私の地元であります鹿児島ではみんな感謝の気持ちでいっぱいでございます。どうぞ引き続きこの姿勢を崩さずに、来年度あるいは再来年度にまたがる今回の災害復旧あるいは被災者への支援措置についてまた一段の御努力をお願いいたしたい、最初にお願いを申し上げる次第でございます。 私は、鹿児島の風水害対策を中心にいたしまして、全国的な教訓にもなり得るように数点にわたって御質問いたします。時間の制約は非常に厳しゅうございますので、関係省庁の皆さん、簡潔にしかも前向きにお答えいただければ大変ありがたいと思いますので、初めにお願い申し上げます。 今回の災害を見ておりますと、やっぱり私たちがこれから災害対策を進めていく場合に何を教訓にしなくちゃいけないか、ことしの災害から何を学ぶかということは大変大事なことのように思うんです。 エルニーニョ現象というのが発生しますと、太平洋高気圧の張り出しが弱くなるわけでありますから、日本列島が冷夏になるのと同時に、日本列島が台風の通り道になるわけでございまして、これは体験上明らかにされているわけでございます。ことしの異常気象がことし限りのものであるという保証が、今日世界的に異常気象になっておりますのでないんだと思うんですね。来年もそして再来年も予想される災害に備えての災害復旧工事でなければ意味をなさないんじゃないかと思うところでございます。したがって、そういう観点から建設省に二、三の点についてお伺いをいたしたいのでございます。 これからの災害復旧工事に当たって、これまでの災害復旧工事というのは原形に復旧する、原形復旧が中心でございました。これからは、やっぱりことしの災害を教訓にするならば、災害復旧工事というのは原形に復旧することにとどめないで、もう再び同じ災害を繰り返さないという観点から、改良復旧工事として採択をしてもらって工事を促進していただかなければならないと思うんですけれども、基本的な問題として今後建設省、どのようにお考えかはっきりお伺いしておきたいと思うんです。
○説明員(縣保佑君) 公共土木施設の災害復旧は、御指摘のとおり原形復旧が基本でございますが、原形復旧だけでは再度災害の発生を防止することが困難な場合には、未災箇所を含めまして一連の施設につきまして災害費に改良費を加えた改良復旧事業を積極的に活用し、再度災害防止に努めているところでございます。 今回の災害につきましても、被災状況を踏まえまして、採択基準に適合するものについては改良復旧事業として申請されておりまして、建設省といたしましても適切なものについては積極的に採択し、再度災害の防止に万全を期してまいりたいと思っております。
○上山和人君 今のお答えをお聞きいたしまして、大変前向きの御答弁でございますから、積極的な構えに私どもは大変心強い思いをいたしております。今御答弁がございましたように、これからはやっぱり原形復旧にとどめないで、申請のあったものについては改良復旧工事として進めるのをむしろ原則的なものにしたい、そういう構えだというふうに受けとめてよろしゅうございますか。そのように聞こえましたけれども。
○説明員(縣保佑君) 先ほど申しましたように、災害復旧は基本といたしましては原形復旧でございますので、これがあくまでも基本でございます。しかしながら、採択になったものについては積極的に改良復旧をしてまいりたいと思っております。
○上山和人君 今お答えがありましたように、原形復旧が基本ではあるけれども、ことしの災害を教訓にするなら、来年、再来年のことも考えて復旧工事をするとすれば、やっぱり改良復旧事業として採択をして事業を促進することが重要だという御認識は明確におありだと。したがって、ぜひこれからは、できる限りそういう改良復旧工事として採択をしながら進めたい、こういうお気持ちだと再度受けとめておきたいんですけれども、よろしゅうございますか。
○説明員(縣保佑君) 復旧事業につきましては改良計画を立てて、それに基づいてやってまいりたいと思っております。
○上山和人君 それではぜひよろしくお願い申し上げます。 そういう観点から、一つは今鹿児島の状態を申し上げますと、多くの県民が天気予報に大変敏感になっておりまして、雨が降るという予報が出たらやっぱりみんな家を逃げ出すといいますか、避難をするわけです、進んでみずから。大変精神的には不安定な状況に置かれております。それほどまだ、皆さんの御努力にもかかわらず復旧工事が進んでいないということにもなるわけでございまして、大変これからの復旧事業を急いでほしいわけであります。 いろんなことがたくさんありますけれども、やっぱり何よりもみんなが求めておりますのは、安全でそして安心できる生活基盤の整備、これが一番大事でございまして、そうするためには第八次の治水事業が、第三次の急傾斜地崩壊対策事業がそれぞれ五カ年計画としてありますので、私たちはやっぱりこの第八次、第三次の五カ年計画に基づいて生活基盤の安定を確保する復旧工事を進めていただくよりほかにないと思うのであります。 そういう立場に立ってみて一番気になりますのは、これは来年度にまたがることはもう明白になっている事業でございますので、来年度予算について果たして十分な生活基盤が整備できる災害対策の工事が進むような予算が確保されるだろうかというのが大変不安なところでございます。ぜひこの点については、これは財政事情は楽ではありませんけれども、十分私たちもお互いの問題として理解はしておりますけれども、それでもこの被災者の生活基盤を安全で安心できるものに整備するためには、この治水事業あるいは急傾斜地崩壊対策事業の予算は優先させて確保する、その御決意のほどをお伺いしておきたい。
○説明員(尾田栄章君) ただいま先生御指摘をいただきましたとおり、現在の治水施設の整備水準は、河川のはんらん区域のうち、時間雨量五十ミリメートル相当の降雨による洪水、このような洪水から守られている地域の割合が平成三年度末で四五%でございます。依然として大変低い数字にございます。このため、全国三千余市町村のうち約八割に及びます市町村が過去十年間に少なくとも一回の家屋浸水などの被害を受けている、そういう現状にございます。 また、御指摘の急傾斜地崩壊防止施設の整備水準につきましても、全国に八万一千八百五十カ所の危険区域、危険箇所が存在するわけでございます。このうち、事業を要する箇所に対します整備率が平成四年度末で二二%、依然として低い状態にございます。このため、最近五カ年の平均で見ましても年間約五百カ所の崩壊が発生しており、多くの生命、財産が失われているところでございます。特にことしは、御指摘のとおり、鹿児島県を中心といたしまして、豪雨によります災害で水害、土砂災害によります大きな被害を受けまして、特に多くの生命、財産が失われたところでございます。 このような状況を踏まえまして、来年度の予算編成に向けましては、第八次治水事業五カ年計画並びに第三次急傾斜地崩壊対策事業五カ年計画に基づきまして国民の生命と財産を守り、国民生活の質の向上に不可欠でございます治水事業及び急傾斜地崩壊対策事業を着実に推進をしたいと考えております。そのため、所要の事業費の確保に向けまして全力を傾けてまいりたいと考えておるところでございます。
○上山和人君 よくわかりましたので、ぜひそのようにお進めいただきたいと思います。 次に、生活基盤を整備することとあわせて、国民の生活を支えているのはやっぱり幹線道路なんです。特に鹿児島、九州の場合は国道三号、十号、これは先ほど御質問がございましてお答えいただいたので、現状の進捗状況はよくわかるのでありますけれども、この国道十号、三号の損傷というのは想像を絶するスケールの大きなものでございました。これは長官や国土庁の皆さんも直接ごらんになってよく御理解いただいているとおりでございます。 それと、このバイパス的役割を果たしているのが九州自動車縦貫道なんですが、これが再三不通になって南九州の県民の足は大変乱れた、生活が混乱したわけであります。これはことしの災害の教訓なんですけれども、やっぱり国道三号、十号という幹線国道の代替機能を果たすのが南九州自動車道あるいは東九州自動車道だということがことしの災害の教訓としてわかったわけです。 したがって、これは随分と御努力をいただいておりますけれども、来年度予算編成に当たりましてはぜひ国道三号、十号、先ほど御報告がありましたように、これは再来年にもまたがる規模の大きな工事でございます。それだけにこの三号、十号の復旧にかかわる予算の確保、さらには南九州西回り自動車道、東九州自動車道の早期整備にかかわる事業費についてまた格段の御配慮をいただきたい。来年度予算について一言決意のほどを、御決意だけで結構でございますから、ぜひお聞かせいただけませんか。
○説明員(辻靖三君) まず三号、十号につきましては、ただいま本格的な復旧工事にとりかかりつっありますが、先ほど先生おっしゃられましたように、特に十号線の新川橋につきましては、現在の橋では、もう戦前の橋でございますのでこれをそのまま復旧する形では非常に問題ですので、この際かけかえたいということで、現在その仮橋の工事をやっているところでございます。このように、さらに来年度以降も必要な事業については確保して事業を促進していきたいと思います。 また、東九州自動車道、南九州西回り自動車道等の骨格道路につきましては、おっしゃるように、今回の災害の教訓でもございますように、国道のネットワークとまた高速道路のネットワークができますと非常に地域の皆様方の生活の安定につながるものですから、早期なネットワーク整備を図っていきたいと考えております。 九州縦貫道また東九州自動車道、南九州西回り自動車道、それぞれにつきまして現在鋭意事業を進めておるところでございますが、いずれにしましても、十一次道路整備五カ年計画内のこれは重点事業の一つとして私ども考えておりますので、所要の事業費を確保して早期にネットワーク形成を図っていきたいと考えでございます。
○上山和人君 所要の事業費を確保するという明快な御答弁をいただきましたので、大変心強い限りでございますので、ぜひそのようにお願い申し上げます。 時間がどんどん過ぎておりますので、河川改修についてただ一つだけ。 二級河川甲突川については十一月一日付で河川激特の御採択をいただきましたので、大変県民挙げて感謝いたしているところでございます。もう一つの、この流域で大災害が発生いたしました二級河川思川水系につきましては、これは砂防激特だと思うんですけれども、もういろいろと申し上げません。この思川水系につきましては何とかして砂防激特を御採択いただいて事業を促進していただきたい、これだけお願いを申し上げますので、その見通しについて、また建設省の基本的な構えについて簡潔にお答えいただけませんか。
○説明員(大久保駿君) 先生御指摘のとおり、思川流域でたくさん土石流崩壊が起こっております。それで、今年度当面、災害関連緊急砂防事業という制度がございまして、これで十二渓流二十カ所について事業を実施することにいたしております。激特事業は次年度からということでございますけれども、平成六年度から三カ年の事業として一定の計画をつくりまして事業を実施していきたいと考えております。現在計画について鹿児島県と調整中でございます。
○上山和人君 砂防激特事業として採択するかしないかという結論めいたものはまだ出ていない……。
○説明員(大久保駿君) 県と私ども砂防課との間では激特事業でやっていこうという意思統一をいたしております。
○上山和人君 わかりました。ぜひひとつそのようにお進めください。 次に、時間がないんですけれども、今度の災害復旧を進めていく間に、現行の制度にやっぱり不備がある、矛盾があるという点について二、三私ども気づいておりますので、これは全国的なものとしても大変重要な問題でございますから、最初にこのことについて文部省にお伺いいたしたいんです。 一つは文教施設の災害の査定の手順の問題なんですけれども、復旧額が五千万円を超えるものと五千万円未満のものとに分けられていまして、災害の査定の手順が。五千万円未満のものから先に査定をして、一定の期間を経てから五千万円以上の学校の調査に移るという手順になっているんです。五千万円以上の規模の文教施設の方が工期ももちろん長くかかるし、非常に時間がかかるんです。したがって、今申し上げたように被害額の少ない方から査定をするという手順になっていますが、できるなら逆にしていただいて、五千万円以上の大きいものから先に査定をしていただかないと工事がうまく進まないということが報告されております。これはそう難しい問題じゃないんじゃないでしょうか。査定手順について御配慮いただきたいというのが一つでございます。 それからもう一つは、校舎内外の清掃と消毒に関する問題なんです。時間がありませんから端的に申し上げますが、学校の校舎内の清掃、消毒については補助の対象になっておりますが、校庭の清掃、消毒は補助の対象になって。いないんです。これは学校保健という観点から見ますと、校舎の中も校庭も子供たちに及ぼす危険度では同じなんです。むしろ校庭で泥まみれになって子供たちは遊ぶわけですから、なぜ校舎内の清掃、消毒が補助の対象にまるのに、校庭の清掃、消毒が補助の対象にならないのか、これは理解できないところでございます。これは制度上の不備だと思います。ぜひ今回の災害の教訓として受けとめていただきまして、善処方改めてくださいますように、今回の災害支援措置を進めるに当たって改めていただけないものかお願い申し上げる次第でございます。どうぞ簡単に。
○説明員(矢野重典君) お尋ね二つございまして、まず手順の件でございますが、これは被災額が五千万円以上ということで順番が決まっているということではございません。現地調査の日程は県や市町村と十分相談をして決めているところでございますが、財務局との間におきまして、学校以外の他の復旧事業の現地調査と日程調整を行う必要がございます。また、地理的条件もあるので必ずしも御要望のとおりにならない場合もございます。そのために文部省としては、緊急に復旧のする必要のある場合、現地調査以前に工事に着工するための事前着工の制度を活用するよう指導しているところでございます。 それから、第二点の校庭の清掃、消毒についてでございますが、これにつきましては、一般的には先生御指摘のように災害復旧費の補助対象にしてございませんけれども、特別な事情があるような場合につきましては、これを補助対象とするかどうかは実際に被災した学校の状況を個々に調査し、判断することとしたいと考えているところでございます。 なお、鹿児島の被災校の清掃、消毒につきましては、現在鹿児島県におきまして伝染病予防法に基づく補助制度の適用を検討中であるというふうに聞いております。
○上山和人君 わかりました。鹿児島市だけで校庭の消毒で六千万経費がかかっております。今のお答えでわかりましたので、ぜひまた御配慮方よろしくお願いを申し上げます。 それから同じような問題で、自治省にちょっとお尋ねいたしたいんですけれども、よろしゅうございますか。 実は、災害復旧事業で国庫補助制度のない施設があります。とりわけ社会教育施設は、文部省所管の教育施設は補助の対象になっていますけれども、しかし社会教育施設は、今、生涯学習の場として非常に重視されているんですけれども、これは建設のときにも大変補助が薄いです。その上、災害復旧事業については国庫補助制度が社会教育施設についてはないんです、今。これもやっぱり制度上の不備じゃないかと思うんですね。特に鹿児島アリーナというのが最近できまして、これが今度は六億近くの被害を受けているわけですけれども、全く補助の制度がない。こういう社会教育施設の補助制度についても十分御検討いただけないかと思うんです。どうぞお答えになる方、私の説明も要領が悪いんですけれども、答えだけにしていただけませんか。 もう一つこの機会に自治省には、先ほど地方交付税の問題、会田委員からも米の問題について御質問がございましたけれども、今回の災害復旧に当たって各地方の自治体はやっぱり特別交付税頼みなんですね。それで、来年度の概算要求の時点で、既に来年度の地方交付税は四百四十九億八千万ですか、減額するんだという計画があるものですから、来年度予算の中で特に今回の災害対策としての特別交付税が果たして確保されるんだろうかという心配があるわけです。そんなことは心配ない、概算要求段階での地方交付税の減額計画と災害対策のための特別交付税の予算確保は別問題だと、積極的に努力をしたいということで、一言ずつどうかひとつお答えいただけませんか。
○説明員(武田文男君) 御説明申し上げます。 まず、災害復旧事業についてでございますが、これは補助の対象になるかどうか、これにつきましては、一義的にはそれぞれ制度を所管しております各省庁の問題であろうかと思いますが、私ども自治省におきましても、単独の災害復旧事業に伴う地方負担に対しましては、地方債につきまして他の事業に比べても極めて高い充当率を充てておりますし、またその元利償還につきましても財政力に応じて普通交付税の基準財政需要額に算入する、こういった措置を講じておるところでございます。 また、特別交付税につきましては、その被害の状況に応じまして包括的に措置をしておるわけでございますが、今お話しのように、来年度の国税の収入等もなかなか厳しい状況だということの中で、交付税の総額が制度的には国税の正税にリンクをするという制度になっております。 そういうことで、なかなか伸びを見込めるようなことはないといいますか、大変厳しい状況にあるというふうに私ども今認識をいたしておりますが、できるだけこの交付税総額の確保に努めながら、特にこういう災害対策、こういったものにつきましては特別交付税の中で重点的配分に努めていきたいというように考えております。
○上山和人君 社会教育施設のことは。
○説明員(武田文男君) 今お話しの鹿児島アリーナのことであろうかと思います。 これにつきましては、恐らく建設のときにそういった文部省なりの補助を受けてやられた補助事業ではなくて、地方単独事業としてされたものだと思います。私ども県の方からそれらについてもかなりの被害を受けているということは聞いておりますが、これらについては恐らく単独災害復旧事業という形で措置をされると、今申し上げましたように起債の充当率を高める、あるいは交付税の元利償還で面倒を見ていく、こういう対応を私どもとしてはやっていきたいというふうに思っております。
○上山和人君 わかりましたので、ひとつよろしくお願いします。 時間が迫っていますが、あと郵政省にちょっとお伺いしたいのは、今回の災害の教訓として消防団の活動が大変重要だということがわかったわけです。ことしのような災害になりますと、道路があちこちで寸断されておりまして、常備の消防隊が現地へ行けない場合が非常にたくさんございました。したがって、それぞれの地域の消防団が救助活動に当たるという事例が非常にたくさんあったんです。しかし、消防団には消防無線の受令機だけが配備されておりましたために情報連絡が十分できなかった、指導が行き届かなかったという反省がございまして、やっぱり消防団にも無線機の配備が必要だということを今度の災害を通して痛感されております。特に、鹿児島市と鹿児島県の川内市が市町村波あるいは消防団波の増波を強く要望しておりますので、ぜひこの二つの市の増波要求におこたえいただきたいと思うんですけれども、イエスかノーかだけお答えいただけませんか。済みません。時間がないものですから。
○説明員(鬼頭達男君) 消防団の活動につきましては、基本的に消防署ですとか消防本部と一体となって消防活動を行うということで、私どもの原則的な考え方は、消防・救急業務用の周波数を多くの消防署と消防団が共用して使用できるようにお願いしているところでございます。ただ、必要に応じまして消防団の周波数を専用のものにしてほしいという要望もございますので、これについても弾力的に対応したいと思っております。 鹿児島市及び川内市につきましても、地元の御要望を踏まえまして、消防活動の状況あるいは通信のふくそう状況を十分に把握して、今回のような事態におきましても消防団が機能的に消防活動が行えるよう、周波数の割り当て等について対処してまいりたいと思っております。 以上でございます。
○上山和人君 要望に沿えるように対応したいというお答えだとお聞きしましたが、よろしゅうございますね。
○説明員(鬼頭達男君) そのとおりでございます。
○上山和人君 どうもありがとうございました。 厚生省にちょっと一点だけお伺いしたいんですが、上水道施設の災害復旧に対する国庫補助制度があるんですけれども、今度鹿児島市の上水道の災害につきましては大変多額の、合計十二億三千万余りの被害を受けているものですから、深刻な状況にあります。したがって、これまでやっぱり地震とかあるいは火山等による災害時には十分検討されて、そういう災害に見合うと言ったらおかしいですけれども、実情を勘案しながら高率補助が行われていることを私どもは十分知っております。 したがって、今回の鹿児島市の上水道被害につきましては、ぜひそういう過去の地震なり火山等で措置されたような高率補助を何とかして検討したいと現地は切に要望しているんですが、これもできるかできないか、ちょっと一言お答えいただけますか。
○説明員(浜田康敬君) お尋ねの水道施設に対する災害復旧事業に対する国庫補助でございますが、通常は補助率は二分の一ということでございます。ただ先生も御指摘のように、過去の例によりましては、マグニチュード六以上の地震あるいは火山活動による場合の災害については三分の二でありますとか十分の八という特例的な高率補助を適用した例はございます。 ただ、豪雨災害ということではいまだかつて例がないということもございまして、なかなか難しい面があるかと思いますけれども、御指摘のように大変多額な被害でもございましたので、今回高率補助が適用できるかどうかという点について、引き続き私ども関係の機関と相談を続けていきたいというふうに思っております。
○上山和人君 ぜひ検討を続けていただきたいと思います。 最後にちょっと、時間が来ましたけれども、一分だけ御了解ください。 JR九州支援につきまして、もう大変深刻な、JR九州は発足以来最大の危機に直面していますが、鉄道軌道整備法に基づく助成が不可欠だと思いますので、ぜひこれが適用できるように検討していただきたい。幾つかの適用条件がありますけれども、もうその大部分をクリアしていると私どもの調査では確信しておりますので、ぜひ関係省庁御相談の上、鉄道軌道整備法に基づく助成ができるように、JR九州への御配慮をお願い申し上げます。 もう一つは、鉄道防災事業補助金制度があります。この点についてもぜひ関係省庁でお話し合いの上、前向きに御検討いただいて、増額して、この補助金制度を活用して災害復旧の一助にしてほしい、お願いを申し上げます。 鉄道沿線を含めた広域的防災対策については国土庁がどうぞ調整役を果たしていただいて、これもぜひ前向きに積極的に配慮していただきますようにお願い申し上げて、二分間オーバーいたしまして大変恐縮でしたが、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○山下栄一君 私の方から、まず最初に総務庁の防災に関する行政監察、それに基づく勧告につきまして御質問したいと思います。 昨年十月、総務庁は、震災対策を中心として都市防災に関する調査結果報告書をまとめられたわけでございますけれども、自治省に対しまして防災対策を促進する観点から勧告をしております。その中で、特に地震による液状化対策といたしまして、次のような勧告をしております。「地方公共団体に対し、地域の実情に応じ液状化発生予想区域に関する調査、把握を行うとともに、調査した結果に基づいて地域防災計画に掲上し、又は液状化発生予想区域図を作成・公表するよう指導すること。」、このように勧告を行っておるわけでございます。 本年一月、釧路沖地震におきまして、この液状化による被害が特に目立った災害であったわけでございます。北海道におきましてこの勧告に基づく指導がどのような形で行われたのか、特に液状化に関する調査、調査に基づく防災計画の見直し、予想区域図の作成、公表、これが今どういう形になっておるのかということを御質問したいと思うわけであります。 特に、この予想区域図の公表につきましては非常にさまざまな、地価の問題とかまた住民に対する不安感を与えるとかということで、非常にこれも難しいという実情があるようでございますけれども、この総務庁の勧告に関して現在どのような形になっておるのかということを御質問したいと思います。
○説明員(赤間三郎君) 御説明申し上げます。 ただいまお話がありましたように、昨年十月の総務庁の行政監察におきまして、地方公共団体に対しまして液状化発生予想区域に関する調査を行い、その結果に基づき地域防災計画を作成する等の指導を行う旨の勧告があったわけでございます。 消防庁といたしましては、かねてから震災対策計画策定マニュアルというものをつくっておりまして、地盤調査を通じて液状化発生区域を明らかにし、地域防災計画を作成するよう地方公共団体を指導してきたところでございます。 今回の勧告の趣旨を踏まえまして、またことし一月に発生いたしました釧路沖地震における液状化現象による被害の状況等にかんがみまして、本年の三月に全国の地方公共団体に対しまして防災アセスメントを実施し、液状化予想区域の把握に努め、危険区域の指定等につきまして一層の充実を図り、地域防災計画の見直しを行うよう通知を出すとともに、現在指導を行っているところでございます。 今先生がおっしゃいましたように、確かにマップの公表とかいうことになりますと、いろいろ地方団体もちゅうちょするところがございますけれども、危険区域であるということであれば、広く住民に知らせることが大切であるということで指導に努めているところでございます。
○山下栄一君 具体的に北海道におきまして液状化に関する調査、どの程度進んでおるのか、また地域防災計画の見直しにまで至っておるのか、またこの予想区域図の作成はどこまで進んでいるのかということをお聞きしたいと思います。
○説明員(赤間三郎君) 北海道におきましては、過去に、昭和五十八年から三年間にかけまして北海道大学に委託いたしまして、北海道における地震災害の地域特性に関する調査研究ということで、六十一年度にその調査結果をまとめまして、北海道の関係市町村に通知して、それをもとにして地域防災計画を作成するようにというふうに北海道の方では指導しているわけでございます。現在、その調査報告に基づいて、北海道の各市町村では地域防災計画を見直ししながら進めているというふうに聞いております。
○山下栄一君 それじゃ、まだでき上がっておらないということなんでしょうか。
○説明員(赤間三郎君) 液状化区域を設定する場合には、やはりかなりの期間と財源を要しますので、それと、その辺の状況を慎重に把握しないと公表するには至らないということでございますので、多分にまだ時間がかかるんじゃないかというふうに思っております。 私どもといたしましては、今回北海道におきまして釧路沖や南西沖地震と大きな地震があったわけでございまして、その中で液状化というものがかなり問題になっておりますので、早急に危険区域の設定とか地域防災計画の見直しにつきまして指導していきたいというふうに考えております。
○山下栄一君 いずれにしましても、勧告が実効あるものになるためにも御指導のほどよろしくお願い申し上げたいと思います。 それから、同じく本年八月に勧告、報告されました総務庁の行政監察でございますけれども、都市内河川に関する行政監察、この中でも特に建設省に対しまして勧告があったようでございますが、特に住民の皆さん方の誘導と緊急時の避難等に役立たせるために浸水実績図や河川はんらん区域図を作成、公表する、また浸水予想区域図の作成、公表、これについても河川管理者に適切な指示、指導することということが勧告されております。また、市町村においても土石流危険渓流について、標識の設置、市町村地域防災計画への掲載及び土砂災害実績図の作成、公表が積極的になされるように市町村に対して都道府県が指導するようにというふうな勧告が行われておるわけでございます。 先ほどお話ございました鹿児島におきましては、この勧告に基づいてどのような形で指導されておるのかということ、またその勧告に関して建設省がどのような受けとめ方をされておるのかということにつきまして、お願いしたいと思います。
○説明員(尾田栄章君) 我が国は、大変厳しい気象条件、急峻な地形条件、そしてもろい地質条件でございますので、大変水害を受けやすい、また土砂害を受けやすい国土にございます。 このため私ども建設省といたしましては、国民の生命、財産を守るという立場に立ちまして、まずハードの対策が第一義だと考えております。そういう観点に立ちまして、治水事業、砂防事業、急傾斜地崩壊対策事業等精力的に進めてまいっておるところでございますが、それと相まちまして、ただいま先生御指摘のソフト面での対策、特に貴重な人命を守るという意味では河川に関するあるいは土砂害に関します情報を一般の住民の方たちに十分周知していただく、周知するということは大変重要なことだと認識をいたしておるところでございます。そういう観点に立ちまして、河川につきましては河川はんらん区域図、浸水実績図及び浸水予想区域図を作成、公表しているところでございます。 このうち、河川はんらん区域図につきましては、全国百九水系の大臣管理区間すべてについて作成を終わっております。そういう意味では、御指摘の鹿児島県関連河川につきましても一級水系については終わっておるところでございます。このような資料につきましては、関係の約一千の市町村、四十六の都道府県、関係住民の方々に配付をさせていただいておるところでございます。 それから、浸水実績図につきましては、流域の都市化の進展の著しい河川そういう意味ではまさしく都市河川でございます。そういう河川につきまして過去の洪水時の浸水実績を図示したものでございまして、平成四年十二月現在では四百七十六河川について作成、公表しておるところでございます。 また、御指摘の浸水予想区域図につきましては、これは一定規模の降雨があった場合に浸水がどういうところに起こるかということの予想をした区域を示したものでございまして、流域の都市化の進展が特に著しい新河岸川、中川、綾瀬川、鶴見川及び猪名川について作成、公表しておるところでございます。そういう意味では、鹿児島県の河川は該当になっておらないということでございます。 それから、土砂災害についてでございますが、土砂災害危険箇所マップ及び土砂災害危険区域図を作成、公表しておるところでございます。土砂災害危険箇所マップにつきましては、全国十六万カ所ございます土砂災害危険箇所のすべてについて各都道府県の土木事務所の管内ごとに作成をいたしておるところでございまして、関係市町村を通じて関係住民に配付をさせていただいているところでございます。そういう意味では、鹿児島についても配付をいたしておるところでございます。また、土砂災害危険区域図につきましては、土砂災害により被害の想定される区域を地図に落としたものでございまして、平成五年度末までに四十七都府県の三百二地区にモデル的に配付をしたいというふうに考えておるところでございます。 御指摘の都市内河川に関します行政監察の勧告も踏まえまして、今まで進めてきたことに加えまして、さらに今後とも土砂災害から住民の生命、財産を保全するため、このようなマップの配付や市町村地域防災計画書への掲載等、住民に対します周知徹底を今後さらに推進をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○山下栄一君 防災マップの配付をしただけじゃ問題解決にはなりませんので、住民の皆さん方がきちっと知れるような状況をつくるための御指導もよろしくお願いしたいと思います。 北海道南西沖地震の災害のことでございますけれども、地震観測の点でございます。この震源の場所がちょうど北米プレートとユーラシアプレートの境界線上にあるということで、非常に海底地盤が不安定で地震が起こりやすい状況にあるということだったわけですけれども、地震が起きるまで地震観測の機器が設置されておらなかったと。その後応急的な対応はされておるようでございますが、この地域の恒久的な観測体制、観測設備等、これが今後どのような形で設置されるのかということ、これをお聞きしたいと思います。
○説明員(森俊雄君) 気象庁の観測体制について説明させていただきます。 気象庁では、北海道南西沖地震の発生直後に地震機動観測班を派遣いたしまして観測の強化を図る等の措置を講じております。今回の北海道の南西沖地震の経験にかんがみまして、津波予報に必要な震源の観測精度の維持向上を図るため、必要な観測点について小地震観測装置の改良更新を計画しております。また、北海道南西地域におきましては、江差検潮所の隔測化の検討をしております。 今後とも地震津波観測監視体制の強化を図るとともに、適時適切な津波予報及び地震津波情報の発表に努めてまいりたいと存じます。
○山下栄一君 具体的な計画という形で進んでおるということですね、恒久的な観測設備の件については。
○説明員(森俊雄君) 小地震観測装置、今ある既存の装置でございますけれども、こういうものが少し古くなってきているということと精度が落ちてきているということもございますので、観測装置の改良更新ということで計画いたしてございます。
○山下栄一君 奥尻島にはそういう設置計画はないんですね。
○説明員(森俊雄君) 今のところはございませんけれども、今後とも観測体制の強化につきましては努めてまいりたいと存じます。
○山下栄一君 奥尻島の漁業者の救済の面でございます。 九月初めに奥尻町は激甚災害の指定を受けたわけでございますけれども、この中に、特に漁業者救済のため、先ほども述べられました共同利用小型漁船建造費補助というのがあるわけです。八月の時点で奥尻漁協が行いましたアンケートによりますと、組合員総数は四百五人だそうですが、調査対象三百二十人中二百九十人が激甚の指定適用があれば補助を受けたい、このように答えておられたわけでございますけれども、現在までの申請状況と見通しにつきましてお願いしたいと思います。
○政府委員(鎭西迪雄君) 本年七月十二日に発生いたしました北海道南西沖地震によります被害の復旧を図るため、委員ただいま御指摘のとおり、九月十日に激甚災害法第十一条に規定いたします共同利用小型漁船の建造費の補助につきまして政令指定が行われたところでございます。 現在、北海道におきまして共同利用小型漁船の建造計画を取りまとめているところでございますが、水産庁といたしましては共同利用小型漁船の円滑かつ適正な建造が図られるよう北海道庁と十分連絡をとりながら適切に対処してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○山下栄一君 この申請の期限とかそういうのはどうなっているんですか。
○政府委員(鎭西迪雄君) ただいま取りまとめておりまして、私どもといたしましては、政令上の補助の対象になります漁協の要件等一定の要件があるわけでございますが、申請が行われましてその審査を受ければ希望する漁業者がただいま大体建造計画案に乗っているというように道庁では、現時点では聞いております。
○山下栄一君 津波対策、防波堤の問題につきましては、先ほども御質問ございましたが、この防波堤の建設は町の復興計画と一体であるというふうに考えるわけです。地元の計画が出てこないことには具体化しないということだと思うんですけれども、津波に強い町づくり、これの一環といたしまして、防波堤のかさ上げにつきましてはできる限り柔軟な対処をしていただきたいと思いますけれども、これにつきましてお考えをお聞きしたいと思います。まず最初に、運輸省の方に伺います。
○説明員(石田省三君) 御説明いたします。 我が国の沿岸につきましては、これまで既往最大規模クラスの津波を対象として計画的に海岸堤防あるいは津波防波堤等の整備を行ってきております。 北海道奥尻島の港につきましては、既往最大規模の津波と申しますと、昭和五十八年の日本海中部地震、このときの津波に対応した施設整備を行ってきたところでございますが、今般の地震ではこの日本海中部地震を大幅に上回る津波が来襲している、そういうことから大きな被害を生じたものでございます。現在、被害実態等の調査を進めておりまして、それらの検討を現在進めているところでございます。どういう対応をこれからするかということの検討を進めております。 それから、さらには地元の御要望をいろいろお伺いしまして、適切に対応を進めていきたい、このように考えております。
○山下栄一君 特に、奥尻町青苗地区の漁港の防波堤の問題ですけれども、十年前の、今も申し上げられました日本海中部地震のときにかさ上げが行われたわけでございますが、今度はそれを乗り越えて津波の被害があったということで、このかさ上げにつきましては海岸法に基づいて実施基準が定めてあると。過去の災害の実態を見ながら高潮と津波のどちらが高かったかという、高い方を基準にしておられるわけでございますけれども、今回の災害で新たな状況になったわけでございますので、この青苗地区の防波堤のかさ上げにつきましてはどのような対応になっておるか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(鎭西迪雄君) ただいま運輸省の方からお話がございましたように、今回の津波でも防波堤あるいは護岸といった施設の背後では比較的被害が小さい傾向がございまして、これらの施設が津波対策上からも有効であるということが認められたんだろうと思います。 このため、今後被災地におきまして、基本的には津波堤防等を整備していくということが重要になるわけでございますが、防波堤等の漁港施設の効果も勘案いたしまして、地元要望も踏まえまして総合的な復興対策というものを推進していきたい、かように考えているところでございます。
○山下栄一君 ということは、改良されるということですね、計画が出てくれば、申請があれば。
○政府委員(鎭西迪雄君) 具体的には、青苗漁港の例えば防波堤、当初一メートルぐらい沈下いたしたんでございますが、その後若干復元いたしまして、現在で六十センチメートルぐらい沈下しているというように聞いております。そういうものだとか、あるいは転倒というのもございますので、これの復旧、それからそこの後背地を含めました、ただいま申しました津波堤防等を整備する必要があるということでございまして、そういうものをあわせまして総合的な復興対策という中でやっていきたい、かように考えているところでございます。
○山下栄一君 鹿児島の集中豪雨災害につきましてでございますが、急傾斜地の対策でございます。 今回の鹿児島の集中豪雨における災害は、がけ崩れによる死者が大変被害が大きかったわけでございます。特にシラス土壌による土砂崩れ、これによる災害が大部分であろうかと思うわけです。五カ年計画に基づいて急傾斜地崩壊対策事業がずっと行われてきたわけでございますけれども、この鹿児島の土壌の特殊性からシラス土壌対策を強化する必要があるのではないか。特に、今回の災害を教訓といたしましてそのように考えるわけですが、この五カ年計画の見直しも含めましてシラス土壌対策強化につきまして御質問したいと思います。
○説明員(瀬尾克美君) 鹿児島の件につきましては、がけ崩れが三百八十二カ所発生しましたけれども、そのうち三百三十カ所がシラス地帯と、こういうことでございます。これにつきましては、確かに鹿児島ではシラスというものが大変大きな問題になるわけでありますが、これまた全国的に見ますと、全国で八万二千カ所危険箇所がありますが、すべてこの危険箇所ががけ崩れを起こす要素があるわけであります。 そういうことで、我々としましてはすべてにわたって対応をやっていかなければならない、こう思っております。しかし、シラスにつきましては、特にシラス対策の工法につきまして、特にシラス地帯における土工設計施工指針、こういうものを設けまして、しっかりとした対応をしたい、こう思っておりますし、なおかつ予算的には特殊土じょう地帯災害防除及び振興臨時措置法によりまして、いわゆる補助率のかさ上げというようなことをもちまして重点的な整備をやっていきたい、こういうふうに思っておるところであります。
○山下栄一君 重点的に整備を行っていくということですね。
○説明員(瀬尾克美君) はい。
○山下栄一君 よろしくお願いいたします。 最後に一点だけ。先ほども消防団の話がございましたが、地域住民の自主防災組織の整備育成という観点でございますが、特に鹿児島県の場合は自主防災組織率が数字的には、全国平均四二・八%に対し、鹿児島県一五・八%であろうと思います。 具体的には、先般の委員派遣による報告書にもございましたように、国分市の姫城地区においては、この組織がしっかりしておったために大被害にもかかわらず人的被害はゼロであったというような報告が出ているわけです。実際、鹿児島県では数回にわたってシラスがけ崩れによる多数の死者が出ておるわけでございまして、そういうことから考えますと、この自主防災組織率の低さというのは、非常に気になるわけでございます。 これに関連いたしまして、鹿児島県における自主防災組織の育成の問題といいますか、消防庁の御報告をお願いしたい。
○説明員(今井康容君) 台風や豪雨などによりまして大きな災害が発生をいたしました場合に被害を最小限に食いとめるためには、消防機関を初めといたします防災関係機関の活動と同時に、先生御指摘の地域住民の連帯意識に基づく自主的な防災活動が極めて重要であると考えておるわけでございます。 そこで、鹿児島県の現在の自主防災組織の組織率でございますが、平成五年、ことしの四月一日に新しい数字が入ってございまして、それで申し上げますと一七・〇と若干ふえてはおりますが、なお全国平均から比べると若干低いという傾向にございます。消防庁におきましては、従来から自主防災組織の活動拠点となります防災センターの整備促進でありますとか自主防災組織の手引の作成、配布など育成強化に積極的に取り組むほか、将来に向けまして少年消防クラブなどの育成も図ってきたところでございます。 今後とも、今回の豪雨災害の教訓も踏まえまして、組織率の高い地域においては既結成組織の一層の活性化を、また低い組織率にとどまっている地域におきましては、自治会など既存の組織を活用いたしました結成促進が図られますように引き続き支援助成を行うほか、育成や活性化をするためのマニュアルを作成するなど啓発指導の強化に今後とも努めてまいりたいと存じております。
○山下栄一君 時間になりましたけれども、若干低いというか相当低いという状況でありますし、災害の頻度から申しましても自主防災組織の育成というのは緊急の課題であると思いますので、適切な御指導をぜひともしっかりとお願いしたいと思います。 以上でございます。
○武田邦太郎君 このたびの農業災害に迅速な救済措置をおとりくださいまして、心から感謝と敬意を表するものでありますが、被災した個々の農家は、おれのところにはどれだけの金が来るのかということを一日千秋の思いを持って待っているわけです。 農業共済のお金は年末までということになっておりますけれども、農業共済なら幾らと。例えば、宮城一県を平均して一・五ヘクタールの稲作をやっておって、三割の減収になった農家が共済金がどれぐらいもらえるのかあるいは天災融資法とか自作農維持資金関係の融資はどれくらい来るのか。つまり、それらを総計してこの冬越しのプランを立て来年の営農の計画を立てるわけです。お金が来ることは早いことはいいけれども、幾ら来るのかということが一戸一戸の農家で迅速に計算されるようにならないと、この名あるいは来年の春の計画は立たないわけであります。 国から都道府県へ、都道府県から市町村へ、それから農家へ、このようにいくのがあんまりゆっくりでは、せっかく国が迅速な対策をとられても現実に農家の助けになることは、非常に悠長な施策になるわけであります。大体何日ぐらいたてば現実の農家がこれとこれとこれを手当てすればこれぐらいのお金が来ると、こういう計算ができるものでしょうか、お願いいたします。
○政府委員(福島啓史郎君) 先生御指摘がありましたように、共済金を年内に支払うということで進めているわけでございます。主要な農家の経営対策あるいは生活対策といたしましては共済金と、それから残る部分につきまして、営農資金につきましては天災資金、また生活資金につきましては自作農維持資金という三本柱が主要な柱ではないかと思います。 それぞれにつきましては、天災資金につきましての激甚法の発動につきまして、また自作農維持資金の金利の引き下げにつきまして本日の閣議で決定したところであります。それを受けまして、限度額であるとかあるいは貸し付け手続といったような具体的な仕組みにつきまして、都道府県あるいは市町村あるいは農協等を通じましてPR、普及に努めてまいりたいというふうに思っております。
○武田邦太郎君 応急の救済の対策はそういうふうに迅速を期していただいたわけでありますけれども、本当は来年以後の稲作に希望と確信を持ってやれるかどうか、これが本当の農業災害に対する実質上の対策になると思うんです。 ところが、最近国会でもお米の自給というようなことが問題になりますけれども、実際、現在の稲作は、全国のお米のコスト、六十キロ当たり大体二万円ですね。国の買い上げ価格は一万六千四百円でありますから、農家としては国に一俵売るごとに三千六百円赤字で売るわけです。こういうような稲作で将来とも日本でお米を自給しろというようなことは到底政治の言うべき言葉ではないと思います。もちろん、これは農水省だけの責任ではありません、政治家全体の責任でありますけれども。 こういうような形、自作農が多いから自分のやっている田んぼの地代とか自分が働いたコストの中の家族労働費とか、それを所得に計算しますから、去年の米で日当計算九千五百円ですか、おととしは単収がちょっと落ちたから七千四十円ですか、細かい数字は忘れましたが。要するに現在の稲作の低所得というのは目を覆うばかりです。フィリピンの人が日本に来て裸一貫土木工事をやっても日当は一万から一万二千円です。しかるに米をつくったら七千円、九千円。これで若い世代に今後とも米をつくれと言うことはできません。 しからばお米の値段が安いのか。これは安いと言うわけにはいきませんですね、世界で飛び抜けて高いんですから。そうすると、コストを下げる以外に手がない。こういうことになるわけでありますけれども、そういうことなしに国境を封鎖しさえすれば米が自給できると考えること自体が非常に盲目的であると言わなければならぬと思うんです。 去年の六月、農水省が発表されました新政策では、私などは大化の改新以来の歴史的な構造政策だと非常に高く評価しておりますが、コストはどれぐらいになる見当でございますか。
○政府委員(入澤肇君) 新政策を出したときの総務審議官でございますので官房にかわって答弁いたしますと、十年後において十ないし二十万ヘクタールの稲作が我が国の大宗を占めるという一つの試算ですね、これは試算でございますが、それによりますコストが大体半減するということで、農地の集約化を進めていこうじゃないかということを言っているわけでございます。 しかし、農民の土地に対する権利意識であるとか集落の問題であるとか、いろんな問題がございまして、日本全国を十とか二十ヘクタールの規模にするということはなかなか私は難しいのではないかというふうに思っております。
○武田邦太郎君 まずそういう構造政策を思い切ってやられるということについては大変私は喜んで敬意を表するわけであります。 ことしの災害を振り返って、生産性を高めると同時に安全性を期する場合、私は山形県の庄内の百姓でありますけれども、ずっと歩いてみますと、同じ庄内の平野部でも、ことしても十俵以上とっている農家がおります。すぐそばで白い旗を立てて農業共済金をもらうという農家がずらっとあるわけです。 こういうように、先ほど野村委員がおっしゃったように、個々の農家の農業技術レベルにおいて非常に災害に対する抵抗力は違うと。私どものところでも、さらに中山間地を歩くと、全く棒のように突っ立って一粒もなっていない田んぼがずっとあります。でありますから、何とかして技術の水準は高めるとして、中山間地の水田は安全作目に全面的にかえるべきではないか。 御承知のように、平野部の水田だけで二百万ヘクタールあるわけですから、平野部の稲作の生産調整をやめれば現在の単収五百キロで一千万トンはとれるわけです。あるいは、兼業農業の大部分はこれはアマチュア農家でありますけれども、生活を稲作にかけていないわけですね。だから、これを本当に稲作に生活をかけるプロ農家に主体を担わせれば、二百万ヘクタールあれば、恐らく十アール五百五十キロは軽いでしょうから千百万トンの玄米はとれるわけであります。 中山間地はそれじゃどうなのかといえば、果物でありましても、畜産でありましても、施設園芸でありましても、これは作目を選ぶことによって平野部にも負けないだけの農業経営はやれるわけであります。いや、中山間地で田んぼはダムのような仕事しておるんだから大事だという人もおりますけれども、これなどは全く実証的根拠のない錯覚であります。それならば、田んぼでない中山間地はいっぱいありますけれども、どこに水関係で災害があったのか。中山間地で非常にたくさんの水田がもう水田ではなくなっておりますけれども、全く水の被害はありません。断固としてお米というものは平野部で確保していく。生産調整はやめて、中山間地は中山間地に適地適作のものをやらせる、こういう方向転換はいかがでしょうか。
○政府委員(入澤肇君) なかなか現状から見ると難しいんですが、傾斜度百分の一未満の水田というのは今先生おっしゃった二百万ヘクタールに近い百九十六万ヘクタールございます。日本の水田二百三十万ヘクタール前後ございますけれども、中山間地域にも相当の水田があることは事実でございます。 新政策では、平たん部で規模拡大ができるようなところは可能な限り規模拡大をして生産性を上げてコストを下げていこうじゃないかという方針で臨まなくちゃいけない。中山間地域のように条件の不利なところでは、新しい作物を導入する等の工夫によって米プラスアルファでもいいし、米にかわるべき作物でもいいし、それによって農業所得を確保するということを基本として政策を展開しなくちゃいけないということでまとめられているわけでございます。私どもその方針に従って、さきの国会で二つの法律通していただきまして、現在その法律の施行に当たっているわけでございます。
○武田邦太郎君 いろいろお考えがあるのは大変結構だと思いますが、ともかくも経済行為というやつはもうからなきゃやらないんですね。だから、幾ら権力によってつくらそうと思いましても、もうからないものはもう若い人はやめていくわけです。 〔委員長退席、理事上山和人君着席〕 現に農家の後継者が、去年の一月一日現在の農水省の調査では全国平均八十八・六軒に一人しかおりません。しかも、稲作の優越しておる新潟県では二百五十六・二軒に一人しかいない。秋田県は二百四十一・九軒に一人しかいない。宮城県は百七十九・五軒に一人しかいない。同じ町や村でも稲作地帯には後継者がいなくて、果物や野菜、施設園芸のところには幾らか後継者がいる。これなどは、幾らつくらそうと思ってももうからなきゃやらないんだということは明らかであります。 政治というものは、そういう経済の法則なりあるいは大きく言えば歴史の法則なりに乗って行動しなければ、結局現在の稲作のようになってしまう。もう若い世代の大部分は絶望しているわけであります。でありますから、若い世代に希望を持たせるということが何より大事な問題だということを十分お考えいただきたい、こう思います。 それからさらに、若い人に本当に希望を持たせる場合、例えば二十四歳で学校を出た、一生涯農業をやるとすれば、今から三十五年農業をやるわけですよ。その間に絶対に自由化はないものと保証できるか。これは農水省じゃなくて我々政治家の問題でありますけれども、三十数年絶対に自由化しないと保証できるのか。そうじゃなくて、自由化しても大丈夫という農業、稲作は絶対に不可能なのか、そういう研究はまだどこの大学でもやっておりません。 農水省では歴史的な構造政策に着手されるわけでありますけれども、一戸当たり稲作を十ヘクタール、二十ヘクタールというふうにおやりになるならば、ついでに三十ヘクタールになされば自由化に対抗するだけの採算規模になるわけです。農業白書を毎年見ますと、農業と二次、三次産業との従事者一人当たりの純生産、付加価値でしょうね、これは農業を一とすれば二次、三次産業は三二一から三・四くらいの開きがございます。農業はその一を得るために輸入価格の大体六倍前後の高い生産者価格をもって売って一でありますから、仮に自由化ということを将来の問題として考える場合には、実質上の生産性格差は一対二十、こういうことになります。 それはとんでもない話だといって結構いろいろ調べてみますと、昭和三十五年、高度成長のスタートの年には輸入米の値段よりも国内のお米のコストの総平均の方が四割安かったわけです。でありますから、大昔から日本の米というものは高いものだということは言えないわけです、昭和三十五年には日本の国内の平均コストの方が輸入米より四割安かったんでありますから。そういうことを振り返りますと、高度成長下に労賃が高くなってみたり、あるいは高い労賃を省力しようと思って機械を使うと過剰投資になって機械代がふえたり、あるいは土地政策がうまくいかないもんですから地代が高くなってみたり、これが昭和三十五年以後に惨たんたる農業、稲作のコストアップの最大の原因であります。 今申し上げたように、これは田中内閣の列島改造のときに大いに問題にしたわけでありますが、日本の国土全体の総合的な計画の中で、今後少なくとも三十年、五十年は農地に使う。今から何十ヘクタール減ってもいいから、今は毎年三万ヘクタールずつ減っていますよね、うんと減っていいから、今後半永久的に農業に使うところをきちっとしていく。そこに思い切った構造政策をやるということが、つまり若い世代に確信と希望を持たせる根本であろう、こういうふうに思います。 〔理事上山和人君退席、委員長着席〕 今申しましたように、現在一対二十くらいの生産性格差があるわけでありますから、十年後の経済成長は何とも計算できませんけれども、これからの経済成長ではまあ三十倍ということはあり得ないでしょう。だから、三十ヘクタールあれば十分。三十ヘクタールあれば、農水省の計画はそうなっておりませんけれども、必ず裏作の麦、菜種がもうかるようになりますから。私どもが百姓やっておったころは、もう三十何年前でありますが、全部裏作はやったものです。だけれども、高度成長の結果、麦、菜種よりも出稼ぎする方がもうかるから全部やらなくなっただけの話でありまして、条件がちゃんとあります。もうかるようになれば復活します。二毛作できないのは北海道だけです。そういうわけでありますと、北海道はもう五十から七十ヘクタール、所によってはそれ以上要るんでしょうね。しかし、北海道でも十一軒に一人しか後継者がおりませんから、百ヘクタール以上に広がるような条件ができつつあるわけであります。 時間がなくなりましたが、そういうことで、将来本当にアメリカと相撲をとるような農業をやるために必要なお金は、大体平野部、お米だけに限定すれば二百万ヘクタールでありますから、私どもの計算では十兆円あればできます。農水省の第四次土地改良長期計画では、十年間に四十一兆円の事業費を予定しておられるわけでありますから、一年平均すれば四兆一千億ですね。だから、水田のために二兆円使う、五年で日本の二百万ヘクタールの水田は全部アメリカと相撲をとれる田んぼに、算術計算ですがなるわけです。だが、農家がそれを承知するとはなかなか思えません。だから、そのように準備するには一年か一年半農家を説得するということにかかると思います。時間がないから申し上げられません。 それで、基盤整備をやったらあと一年か二年くらいは土地が熟するまで必要ですから、まず八年あればアメリカと相撲をとれる準備は完成する。その間、絶対自由化しないんだということを稲作農家に約束できるかどうか、これは私はできるはずであります。文明国がいやしくも自由化の理想を達成するために、ある国の農業に重大な犠牲、混乱を来さないようなプロセスを踏んで自由化しようじゃないか、これは堂々とガットに言えるわけで、それはアメリカだってECだって同じことです。彼らはいきなり全部自由化できないです。だからそういうことを考えても、どこかで御検討いただけるとありがたい、こう思います。 時間が来ました。終わります。
○江本孟紀君 災害時における医療体制についてお尋ねしたいと思います。 最近、救急医療に関する改善策としましては、新たな国家資格を持つ救急救命士制度の創設が実現されました。きょうの朝日新聞にもこの救急救命士の活躍ぶりが載っております。そういうことで今後の成果がますます期待されているところだと思いますが、災害時の医療体制についてはいまだに多くの問題点が残されているように思われます。 特に、大量の被災者が発生する大規模災害においてより多くの人命を救助するためには、災害発生直後からの救急医療チームの迅速な対応が望まれると思います。予期せぬ場所と予期せぬ時間に大量の被災者が発生した場合、我が国では出動した機関がどのような基準に基づきどのような資格や判断で被災者の症状を判断し人命救助のための対応をしているのか厚生省、自治省、防衛庁にお伺いしたいと思います。
○説明員(小島比登志君) お答えを申し上げます。 大規模災害の発生によりまして傷病者が多数生じた場合の対応でございますが、傷病者の症状の判断並びに医学的処置につきましては、高度の医学的知識を要することから医師が行うべきであると考えております。災害時には一刻も早く医師、看護婦等のスタッフを災害現場に派遣する必要があるわけでございます。 制度的に申し上げますと、災害対策基本法に基づきまして各自治体においてあらかじめ作成されております地域防災計画というものがございます。その中に救急医療救護計画というものもあるわけでございますが、それに基づきまして日本赤十字社からの医師を含む救護班の派遣あるいは地元医師会の応援を得ました医師の派遣等々定められてございまして、その地域防災計画によりまして適切な対応がなされているところでございます。
○説明員(山中昭栄君) 消防機関の救急隊が多数の傷病者が発生をいたしました救急現場に出場をいたします場合は、消防部隊や他の関係機関と緊密な連携をとりまして傷病者の救出、救護、これを最優先にいたしまして迅速かつ安全な搬送を行うということがまず必要でございます。 お尋ねの点につきましては、最先着の、一番初めに現場に到着をいたしました救急隊が、それまでの教育と訓練あるいは経験に基づきまして傷病者の重症度を、重症の部位あるいは出血の程度、心肺停止の状況、そういったことで観察、判断をいたしまして必要な応急処置、搬送先医療機関の選定を行うことといたしております。現場に医師が到着をいたしました時点からはその医師の判断と指示に基づいてその任務を遂行するということでございます。
○説明員(土居眞君) 被災地へ派遣される場合、我々の方は医療支援部隊という形で医官及び看護婦等を中心にして派遣するという形になります。今御質問の判断をするのは、部隊として派遣されますので基本的には医官が中心となって判断をしていくという形になると思います。 判断の基準でございますけれども、基本的には諸外国等でもやられておりますいわゆるトリアージの方法がございます。自衛隊におきましては、一応優先度というのを決めまして、一度、二度、三度ということで、症状に応じて一応ランクづけをしながら対応をしている、その後の方法、処置を決めていくという形にしてございます。
○江本孟紀君 今お聞きいたしましたけれども、この災害救助に出動するときの問題ですけれども、最初に出動されます。そのときに、災害が発生してからどのような形で行けるかということになると、今順番にお聞きしましたら、かなり命令系統とかそういうことになるとちょっとばらばらじゃないかなというような気もするんです。 そこで、災害救助のための根拠となる法律は災害救助法施行令というようなことになっております。その中に、第一条において、この法律が適用される基準をこの法律の中の別表に書いてありますけれども、例えば人口が五千人未満だと三十戸の住宅が倒壊したり滅失したりということであれば出動するというようなことであります。そしてその後に、救助の程度とか方法及び期間は、大臣の承認を受けた上都道府県知事が決定してからでないと定まらないことがこの法律の九条の二に明記をされております。 災害規模の基準がこのように具体的な数字だけで拘束されていますと、救助法の適用がされるか否かについては被害状況が大方判明をしてからでないとなかなか見通しが立たない。救助に対する対応は著しくおくれてしまうというような原因になっているんではないかと思います。このことは多くの医療現場からでも指摘をされております。 最近の日本医師会の雑誌なんかにでもそういう災害医療ということで、非常にこういうことに関心があるというようなテーマで特集を組んであったりします。それから現場の先生ということであれば、実際には日本赤十字社医療センター外科副部長の高橋さんとか、それから日本医師会の常任理事の宮坂さん、それから大阪府立千里救命救急センター所長の太田さんとか、こういう人も含めてこの救急医療について話題にされております。 また、この基準というのは昭和二十二年に定められまして昭和三十七年に追加されたものですけれども、当時と比べはるかに複雑な都市機能や産業を抱える現代社会においては、この数字だけで災害救助の発動を判断することはいささか現実から遊離していると考えますけれども、いかがでしょうか。数字の設定根拠も含めてもう少し、多角的判断基準や緊急対応に対する補償も含め早急に見直すべきだと思います。 というのは、さっき言いましたように、人口五千人未満で三十戸が滅失する。そうすると出動した人たちには、先ほどお答えありましたけれども多少の補助その他のものが、補助というよりも手当ですか、そういったものが出動された方には与えられるということですけれども、仮に二十九戸だった場合はどうするか。そうするとただ働きみたいになるわけですね。そういった現実に見直さなければいけないところというのは、詳しくは言いませんけれどもいろいろあると思います。 そういうことで、その辺に関して厚生省、国土庁の見解をお伺いしたいと思います。
○説明員(松尾武昌君) 災害救助法に基づきます応急救助の実施は、災害に際しまして応急的に必要な救助を行い、災害にかかった者の保護と社会秩序の保全を図ることを目的としております。したがいまして、個人の基本的生活権と全体的な社会秩序に影響を与える一定規模以上の災害で、一市町村のみでは対応が困難なものを対象としておりまして、国から都道府県知事にその実施責任を全面的に委任してやっているところでございます。 本法による応急救助を実施する場合、都道府県知事には従事命令あるいは協力命令あるいは施設の管理、土地、家屋の使用等、幾多の強制権限が付与されておりますので、この取り扱いを期す上からも本法による救助が行われる際については一定の基準を設けているところでございます。 また、国の責任によって行われる本法の救助が各都道府県によって差異が生じないよう、救助の適正、公平な実施を行う上からも一定の基準を設ける必要がありますし、さらに一定の基準を設けることによって都道府県知事が法の適用の可否を迅速に判断するべきものと考えております。 例えば先般の奥尻の地震におきましては、奥尻町につきましては地震発生が二十二時十七分でございましたが、二十二時十七分から零時三十分の間に災害救助の適用をしているところでございます。 災害救助の適用基準についてのお尋ねでございましたのでその内容について御説明申し上げますと、住家の被害を基準としておるところでございます。この住家の被害を基準としておりますのは、台風、水害、地震あるいは火災等の被害において一般に救助を要する程度、住家に被害を受けた世帯の数とその程度に比例するのが通常であるということで、住家の被害を基準としております。 具体的には住家の滅失世帯を、先ほどおっしゃいましたとおりでございまして、ただし住家の滅失世帯を標準としまして住家の半壊を二分の一、床上浸水すれば三分の一世帯とみなしまして適用基準を換算しているところでございます。 そのほか、この一般の基準以外に例えば火山の噴火あるいは船舶の遭難等につきましては、厚生大臣と協議の上適用することとしております。この基準につきましては多々の災害について適用に当たっておりますが、おおむね妥当なものと考えておるところでございます。
○政府委員(村瀬興一君) 今、厚生省の方からお話がございましたように住家の被害を一応基準としておりますけれども、弾力的に運用するという余地も残っておるわけでございますので、現行災害救助法によって適切な対応は可能ではないかというふうに考えておるところでございます。
○江本孟紀君 災害に対しまして現場の医師や機関がタイムリーに対応できるための基準の見直しというのは重ねて求めたいと思います。さらに一番大事な人命救助という観点からいいましても、医療体制について、例えばアメリカでは過去にたび重なる大災害それからベトナム戦争なんかにおける医療経験をもとに、一九七〇年代に国家災害医療システム、それから要するに米国連邦災害対策管理局、それからそれに基づいて災害医療支援隊というのが一チーム二十九名の構成で全米に配備をされております。 この災害医療支援隊というのは、災害通報を受けますと地元の医療機関や救急隊とは別に連邦レベルの判断で現場に急行し、被災者に対するトリアージ、先ほどどなたかおっしゃっておりましたけれども、トリアージと呼ばれる患者選別とそして救出、初期治療を施すことを使命として、そしてなおかつ後方の高度医療機関に対する搬送確保や必要な医療品、医薬品、医師の種類や数を指示しながら体系的な災害医療を施しており、これは大変大きな成果を上げております。その土地元の救助隊で十分対応できると判断したときは現場の判断に従って撤収するといった、ある程度のむだを承知でやることもあります。ともかくも緊急医療対応を目指した組織であります。 私は、先日の奥尻地震や雲仙・普賢岳災害の教訓からも災害に対する第一次的判断を当該自治体だけに任せるのではなくて、より多くの人命救助のための緊急性を生じた場合は独自の判断で出動できる国レベルの早期医療支援隊を関係省庁横断して創設すべきだと考えます。今後我が国の災害医療のあるべき姿を検討する機関の設置を含め、厚生省の所見を伺います。 こういうことは、いろんな医療関係者からの必要性というのを伺っております。ぜひその辺を考慮していただきたいと思います。
○説明員(小島比登志君) ただいま先生御指摘いただきましたアメリカの国家災害医療システムということでございますが、フィーマと申します災害全般について防災から発災時の対応、罹災地の復旧支援まで含め、関係省庁の施策を支援するいわゆる行政庁、これが管理をしておりまして、そのもとに先ほど御指摘がありましたディーマットと呼ばれる主として民間病院から募ったボランティアの医師等から成る救護隊というものが活躍をしているというのは、私ども概略は承知しておるわけでございます。しかしながら、具体的な実績内容あるいは評価につきましては、今後の問題とも思われますので、関係省庁とも連絡しつつさらに研究をしてまいりたいと考えております。
○江本孟紀君 そういうことでぜひ検討していただきたいと思います。 それからもう一つは、災害が急に起きたときに、やはりそれに対する資金援助というようなことからいいますと、やはりこれは特別に救急災害基金制度みたいなものをつくって、例えば大規模な劇場だとかスタジアムとか、そういったところへの入場者に対して少し保険という意味ではないですけれども、十円ぐらいは基金をしてずっとためて取るというような方法も考えられたらどうかなと思います。これは私の単なる意見ですので、これで終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○林紀子君 ことしの冷夏、長雨、台風十三号の農産物被害は一兆二千百二十二億円に上るということを昨日農水省は発表なさいました。過去最悪の規模だということで、私は被害に遭われた皆様方にまず心からお見舞いを申し上げたいと思います。 きょうは農産物被害を中心にお聞きをしたいと思いますが、まずその前に、基本的な問題として国土庁長官にお伺いいたします。 八月三十一日に開かれました当委員会で、私は土地や家屋、家財に対する個人補償制度を検討していくべきではないかと質問をいたしました。これに対しまして長官は、「勉強すべき点は将来課題として勉強することはいいのじゃないか」というふうにお答えくださいました。現在どのような検討、勉強が進んでいるのかということをまず伺いたいと思います。
○国務大臣(上原康助君) 先ほども少しお答えをいたしましたが、国土庁防災局でいろいろ本委員会等で指摘をされている点などについて、今勉強というか検討を進めております。 一般的に、今御指摘の自然災害による個人が私有財産等に被害を受けた場合についての補償ということは、なかなか現在の制度やまた今の法律行為では困難であるということであります。やっぱり自然災害による補償ということにつきましては、政府の立場では自助努力を支援していくということが基本だということでありますので、そういう点を踏まえながらどういうことができるのか。災害弔慰金等の早期支給とかあるいはその額の改善等についてはこれまでもなされておりますので、そういう観点から改善措置ができるのかどうかいろいろ検討は引き続きさせていただきたいと存じます。
○林紀子君 先ほど集団移転事業に絡みまして質問がありましたが、その中でも住宅を失った住民の方々がいかに困難に直面しているかというお話もありました。私はそれを聞きながらやはり土地や家屋、家財に対する個人補償制度、これを確立できましたら一番すっきりと解決するということも感じたわけです。二カ月たったわけで、二カ月というのはそう長くもありませんが、短くもありませんので、ぜひとも今後将来課題として御検討を早急に進めていただくということも重ねてお願いをしたいと思います。 次に、冷害対策の具体的な問題についてお伺いします。 本日の閣議で、ことしの冷害に対して天災融資法の発動、激甚災害法の適用が決定されたわけです。そこで、天災資金についてですけれども、これを借りられる被災農家は専業農家や第一種兼業農家に限るのですか。秋田市農協や青森県常盤村、浪岡町というところでは、説明会や災害資金の案内で専業農家や第一種兼業農家に限定するように書かれているわけです。貸し付けに当たっては二種兼業農家を除外しないというのが趣旨だと思いますので、こういうことを徹底すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(福島啓史郎君) 先生御質問の天災資金の融資対象者でありますが、「農業をおもな業務とする者」とあるわけでございます。具体的には、農業経営の主宰者として責任を負う者であること、またその者の年間総所得のうち農業に係る所得が五〇%以上を占めているということとして運用しているわけでございます。 この場合、当該農家の農業に係る所得は農業経営の主宰者の年間総所得に含めまして、当該農家世帯の構成員が得ている農外所得の方はその者の年間総所得から除外するというふうにしておりますし、またその場合の農外所得につきましては、一定の所得が恒常的に期待できるもののみを対象として季節、出稼ぎ等の所得は除いて算定するという運用をしているわけでございます。 以上を踏まえまして、第二種兼業農家を一律に除外することのないよう従来から指導しているところでありますが、今後ともこの趣旨が市町村あるいは融資機関に徹底されるよう十分に指導してまいりたいというふうに考えております。
○林紀子君 それから、先ほどこの災害にかかわるお金というのは共済金と自作農維持資金と天災資金の三本柱というお話がありましたが、自作農資金の方は担保や保証人というのが必ずしも厳しく言われていないということを聞いたわけです。ところが、天災資金の方は保証人を二人必要とするということですので、せめて自作農維持資金と同様に扱っていただきたいというふうに思うわけですが、いかがでしょうか。
○政府委員(福島啓史郎君) 天災資金の原資は農協系統等の金融機関の原資といたしまして、一般の金融機関が融資をし、これに国と地方公共団体が利子補給することによりまして、被害農業者への営農資金の円滑な融通を図っているものでございます。この場合、融資機関としては一定の債権保全措置を講ずることが必要になるわけでございます。 この場合におきまして、保証人二名の件でございますけれども、被害農業者に対する経営資金の融通に関する利子補給及び損失補償契約例の中で保証人二名を例示しているわけでございますが、これはあくまでも契約の参照例でありまして、地方公共団体及び金融機関が相互にその立場を尊重し、かつそれぞれの実情に応じた内容の契約とすることが前提になっているわけでございます。 また、天災資金の保証人の取り扱いにつきましては、融資機関における一般的な貸し付けと同様な債帳保全を求めているものでありまして、必ずしも保証人二名をとることを義務づけているものではないわけでございます。 したがいまして、今後とも地域の実情に即しまして、地方公共団体と金融機関が相互に同意し得る契約内容となるようその趣旨の徹底を指導してまいりたいというふうに思っております。
○林紀子君 やはり天災資金を大変頼りにしている、それが被災農家の方たちだと思いますので、弾力的にお考えいただくという今の言葉をぜひ徹底させていただきたいと思います。 それから次に、ちょっと細かくなりますが、天災資金の使い道というのは厳しく制限されているわけですね。性格としてそれはやむを得ないことだと思うわけですが、この中で農機具の購入費というのがあるわけですが、それが十二万円以下というふうになっているわけです。しかし、今考えてみて十二万円以下で買える農業機械、農機具というのがどれくらいあるかということがあるわけですので、ぜひこれは実態に合ったように額を引き上げていただきたいということもあわせてお願いしたいと思います。
○政府委員(福島啓史郎君) 天災資金の資金使途としましては、先生御存じのように、農林漁業経営に必要な経営資金でございますから、肥料であるとかあるいは種苗、飼料、農薬等の購入に必要な経営資金を融通することを基本としておりまして、農機具等の施設復旧費につきましては経営資金の延長線上にあると認められるもの、モーターであるとかポンプといったようなものに限って資金使途として認めているわけでございます。 一般の農機具の災害復旧のための資金といたしましては、農林漁業金融公庫の農林漁業施設資金等の活用の道が開かれておりまして、この場合、農林公庫の貸付金額の最低限度は原則として五十万でありますが、例外的に十万円。したがいまして、融資対象物件といたしましては、融資率八〇%といたしまして十二万円以上としているところでございます。 こうしたことを踏まえまして、天災資金で対象としております農機具につきましては、いわゆる設備資金ではなく経営資金の延長線上にあるものを対象とするということ、また、他の制度資金では対象とならないものを対象とするということから十二万円以下としているところであります。 この上限価格の引き上げは、経営資金を融資するという天災資金の性格なり、あるいは天災資金と他の制度金融との融資分野の調整といったような問題があり、難しい事情にあるということを御理解いただきたいというふうに思います。
○林紀子君 ぜひ実情に合わせていただきたいということを重ねてお願いして、その次は復円対策についてお伺いしたいと思うわけです。 農水省では、来年度の減反面積を緩和して六十万ヘクタールとするということを発表なさいました。しかし、この復円というのが今までどういう状況になっていたかといいますと、雑誌の「農業と経済」という中で農政調査委員会の吉田俊幸氏という方が次のように分析しています。四年産の作付緩和十三万ヘクタールに対する復円率は四五%であった。半分も作付緩和というのが実現をされてい一ないということなんです。 私は、全国町村会長からこういう要望書をいただきました。「転作目標未達成の場合の農林水産省の各種補助事業の採択停止措置を廃止すること。」。やはり復円を進めるためにはこの要望に沿った形で実行していただきたいということが一点。 それからもう一点で、補助事業で水田基盤整備を実施した場合に義務づけられているいわゆる義務転作、こういうものがあるわけですね。これは六年度からは今までの二七%から二四%に引き下げだということも伺いましたけれども、しかし、せっかく基盤整備をした立派な田んぼになるところを四分の一近く転作をしなくちゃいけない、これが義務になっている。これはどう見てもおかしいと思うわけです。ですから、復円を進めるためにはこうした義務転作も廃止をするべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○政府委員(高橋政行君) 我々、我が国の米につきまして潜在的な需給ギャップが依然として存在しているということで、米の生産調整は引き続き必要な状況にある、このようにまず認識をしておるわけでございます。 そうした中で転作を円滑に推進していくためには、一定の補助事業の採択に当たりまして転作目標が達成されていることを条件とするということは必要な措置であるというふうに考えて現在やっておるわけでございます。しかしながら、水稲作への復帰ということも今回緩和をするわけですから重要なことになるわけでございますので、弾力的な、余り硬直的にならないように、できるだけ実態に応じました運用をすることをしたいというふうに考えております。 なお、同様な考え方によりまして、現在圃場整備事業等を実施した場合には、そういうところでは転作がより容易にできるではないかというような考え方で、当該地区には一定の率の転作の目標を設定しているところでございます。 これにつきましても、今回転作目標面積の緩和に対応いたしまして、事業を実施したことに伴う義務的な転作につきましては、これは三%ぐらい現在引き下げることを考えておりまして、総体として転作率を二二%と設定しておるわけでございます。そういう引き下げを行うなど、適切な運用をしてまいりたい、こう思っております。
○林紀子君 どうもなかなかそれは適切じゃないと思うわけですね。学者の中には、米の生産量はこれから低下傾向をたどり、いずれ平年作でも輸入が必要になる、こういう警鐘を鳴らしている人さえいるわけですから、せめて今度農水省が計画を立てた七万六千ヘクタールの復円、これを絶対できるように、今申し上げたようなことはきっぱりと廃止をしていただきたいということを重ねて申し上げたいと思います。 それからあと一点、これは自治省にお伺いするんですが、農作物被害を受けた際の地方税の減免措置ですけれども、昭和三十九年の自治事務次官通達「災害被害者に対する地方税の減免措置等について」、これによって指導が行われているわけですね。 それによりますと、減免を受けられる農家は、損失額の合計額が平年の合計収入額の十分の三以上で前年中の合計所得金額が六百万円以下、さらに合計所得額のうち農業所得以外の所得が二百四十万円を超える者を除く。こういうことになっておりますと、ほとんどの兼業の方、農業以外の仕事をしている人はこれに当てはまらなくなってしまう。どうしても実情にこれも合わないと思うわけです。地方税が減免されるかどうかによって高校授業料の減免を受けられるかどうか、これにもかかわってくる。こういう意味では、ぜひこれも実態に合ったように改めていただきたいということを最後にお願いしたいと思います。
○説明員(西川一誠君) お尋ねの農家に対する税の救済措置の問題でございますが、今おっしゃいましたように、一般的には通達を流しておりまして、これによって減免等を指導いたしております。 今回、九月三十日に農林水産省とも御相談をいたしまして通達を旅させていただいておりますが、この基準というのが、特定の方が具体的に本当に税負担ができるかどうかということは別にして、ある程度多数の方について簡単にわかりやすい客観的な基準で画一的にある程度事務を処理しようということで、また地方団体間で余り差が出ないような公平な扱いということで基準を定めているものでございます。 それで、おっしゃいました具体的な基準は、国の所得税の災害減免法の基準と同様のものを従来から用いておりまして、地方の個人の住民税というのは所得税と同じ課税ベースを使っておりますので、これと同じものをあわせて用いております。したがって、今後国税におきますいろんな取り扱いを見ながら適切に対応してまいりたいと思っておるところでございます。
○釘宮磐君 最後であります。皆さんお疲れでしょうけれども、あと十五分ほどよろしくお願いを申し上げたいと思います。 個別の被害対策については既に相当質問が出尽くしたようであります。そこで、私は災害復旧事業の制度に関する問題について、若干の問題を提起しながら質問をさせていただきたい、このように思うわけであります。 最近の災害の特徴は、どうも連続して起こるようであります。我々が鹿児島県の災害視察をしてから一週間もたたないうちにまた台風十三号に見舞われたわけでありまして、そういうことからしてみますと、まさに復旧に取りかからないうちに次の被害が起こっているということが言えようかと思います。 私の出身であります大分県でも、実は平成三年に台風十九号がありまして、その風倒木が十分今でも片づいていないわけでありますけれども、その風倒木が実は今回の台風十三号で川に流出しまして、それが橋脚にひっかかってそこにせきをつくってそれが一気に決壊をしたような状況の中から、とうとい人命を失うというような大きな被害につながっていっているわけであります。そういう意味では、こういう災害復旧事業というのは一日も早くやらなければならないということは論をまたないわけであります。 しかしながら、どうもすぐに復旧作業に着手できない事情があるのじゃないのかということがよく言われるわけであります。それはどういうことかといいますと、もう皆さんも御案内のように、災害査定というものが非常に時間がかかるということであります。もともと時間がかかるのにもってきて、最近は被害が膨大でありますので、なおさらこれがおくれていくということになっているわけでありまして、こういった面では改善が今後必要になっていくんではないかこのように考えるわけであります。 私は今回、災害が起こりましてすぐに台風十三号の被害を受けた大分県下の市町村を歩きました。その中でいろんな意見を聞いたわけであります。 まず第一に、査定をもっと簡素化してもらえないかというような切実な意見がありました。特に、続けて災害に遭うというケースが最近多いということを先ほど申しましたけれども、本来の事務事業をストップしても対応しなければならない、しかも期限は限られているというようなことで、もっと手続の簡素化、簡略化を検討してほしいというような意見がありました。 それから、最近では国も職員数の関係などで査定の簡素化を図ろうということで机上査定を多くしているようでありますが、この机上査定についても、現場の状況を図面や写真で査定官が判断していくために現地査定以上に多くの資料を用意しなきゃならないということで、本来、少しでも簡素化しようということでスタートした机上査定が逆に市町村にとって大きな負担になっている。この辺もぜひ考えてほしいというような意見がありました。 さらに、査定前着工の簡素化を進めてほしいとか、簡易積算方法の拡充をもっともっと採用してほしいとか、さらには査定設計書の簡素化、これは私も聞いてびっくりしたんですけれども、この査定設計書は災害復旧用の指示された単価及び歩掛けを用いているために、電算に通常の単価というのは打ち込んであるんですけれども、特別に災害のための単価、歩掛けでやらなきゃならないために電算が使えないで手作業でやらなければならない、こういうことで大変困っているというような話でありました。そしてそれが、さらに今度は発注時にはまた実施単価に戻さなきゃならない、置き直さなきゃならない。こういうふうな極めて矛盾したようなことがかえって市町村の事務量を増大させているというようなこともあるようであります。そういうことで、ぜひ実施単価査定を検討できないだろうかというようなことも意見としてありました。 さらに、災害規模が大きくなりますと、保留をかけられて大蔵省の決定までさらに時間がかかるというようなこともあるようであります。こういうふうにるる述べてまいりましたけれども、このような災害査定についての問題、これが実は大変当該市町村、被害を受けた市町村にとって大きな負担になっている。さらにはまた、すぐに災害復旧に取りかかれないというようなことになっているわけでありますから、この辺についてぜひ、私はもう見直す時期というか、実情に合わせたものに変えていかなきゃならないんじゃないのかというふうに思うわけであります。 このような問題についてどのように認識をなさっておられるのか。さらにまた、今回の災害に対処するための改善というものがもしなされているとするならばそこのところをお聞きしたいし、さらに中長期的にはどういうふうなお考えなのか。具体的に建設省、農水省、さらに所管大臣であります上原長官にもお聞かせをいただきたい、このように思います。
○説明員(縣保佑君) たくさんの御指摘がございましたので、まず簡素化の観点から御説明申し上げたいと思います。 災害査定の簡素化につきましては、基本的には査定を迅速に行うため、比較的金額の小さい箇所につきましては現地に行かずに査定を机上で行う御指摘の机上査定制度や簡略した設計書により査定を受けられる総合単価制度、こういうものを活用して迅速化に努めております。また、改良復旧や金額の大きな箇所につきましては、あらかじめ担当官の現地派遣や復旧工法の事前協議、こういうものを行いまして、現地の準備作業を早めるよう努力しております。 特に、本年の災害につきましては、被害の激甚な鹿児島県などに対しましては、机上査定や総合単価を適用できる上限額を現行の二倍に引き上げる特例措置を講じたところであります。また、査定の迅速化を図るため、査定官等も通常の最大数の二倍以上を派遣しまして査定の早期完了に努めているところであります。なお、被害の拡大防止や道路交通の確保など緊急要素のものにつきましては、災害査定を待たずに応急復旧工事を実施しているところであります。 今後とも、早期復旧に適切に対応できますよう、地方公共団体や関係機関との連携を密にしながら事務手続、作成処理あるいは現地業務などにつきまして簡素化に努めてまいりたいと思います。 具体的な案件でございますが、机上査定の件でございますが、これにつきましては通常の現地査定がベースでございますが、現地査定に加えた資料といたしましては、当該箇所が異常天然現象により被災した事実などを記載した確認書を追加するだけでございますので、それほど大きな手間とは考えているところではございません。 それから、査定を待たずに着工する場合の手続でございますが、先ほど御説明申し上げましたとおり、災害後直ちに応急復旧工事に着手することができることとしております。ただし、応急工事費の金額が一千五百万円以上と大きくなる場合にはあらかじめ建設省に事前協議をしていただくこととされております。 それから、単価が二重になっているんじゃないか、こういうことでございますが、確かに従前は災害発生からできるだけ早く査定をしなければいけないということで、実施単価と違う査定単価といいますか、こういう単価を使っておったわけでございますが、最近における積算の電算化等の進展から、査定積算基準と実施積算基準の統一を図る、こういう観点から本年七月一日に災害査定積算基準の改定を行ったばかりでございます。これによって総合単価を用いた場合を除きまして査定設計と実施設計の積算基準は基本的に同一となっております。 あらかた以上であろうかと思います。よろしくお願いします。
○政府委員(福島啓史郎君) ただいま建設省からの答弁とおおむね同様でございます。 机上査定あるいは総合単価制度の枠の拡大等を実施しております。また、査定官の確保のために、他の地方農政局等の査定経験者を九州農政局管内などへ動員するなど、全国的な査定体制の整備を図ることにより迅速な査定の実施に努めております。また、必要により事前に担当官を派遣しまして、復旧工法の指導等現地の準備作業を円滑に行えるよう努めているところでございます。 今後とも、鋭意災害査定を実施して早期復旧に努めてまいりたいというふうに思っております。
○国務大臣(上原康助君) 災害査定の手続簡素化は、今釘宮先生御指摘のように、もっと迅速にやってもらいたいという強い要望はよくわかります。私も御指摘の趣旨に同感であります。 ただ、今それぞれ建設省、農水省からありましたように、余りずさんな査定をしてもいけない、一定の実情把握、実態把握をしなければいけないということもありますので、そこらはよく念頭に置いてできるだけ簡素化して迅速にやる、そして各省庁が縦割りだけでやっていこうとしたらなかなかうまくいきませんので、国土庁としても関係省庁に御協力を仰ぎながら、いただきながら、ぜひ御期待に沿うように進めてまいりたい、こう思います。
○釘宮磐君 時間がだんだんなくなってくるし、もう五時五分ですから、質問を少しはしょりたいと思うんですが、今申し上げましたように、自治体は大変なパニック状態の中で、しかしやっていかなければならないということでありますので、今のような問題については現状で満足せずにまだもっと簡素化できるところはやっていくという姿勢をぜひお持ちをいただきたい。 同じようにいろんな悩みがあるようでありまして、例えば査定設計書の作成のための測量とか設計費なんかがこれが認められてない。認められても非常に少額なために超過負担が大変大きくて自治体が大変な負担を強いられている。ある自治体では今回の台風十三号の査定設計書作成費だけでも一億四千万かかっている。これは実際問題コンサルタントあたりに頼むわけですから、どうしたってそれは値引きができないわけであります。そういう状況から、これは一般財源によって賄われているということで、非常に悩みとして訴えられました。 さらに、これはもうお答えは結構だと思うんですが、実情を聞いていただければそれでいいと思うんですが、例えば公共土木災害復旧費で見積もる工事費と農地、農業用施設災害復旧費の見積もり、いわゆる農水省と建設省の単価が違うんです。そのために公共土木事業、建設省の方には業者が飛びつくんですけれども、農水省の方の災害復旧工事の方には業者がいろいろ言って、滑った転んだ言ってそれに乗ってこないというようなこともあるようでありまして、実際問題直接発注をする側としてはそういう部分では大変苦慮しているというようなこともありました。この辺もぜひお聞き届けをいただきたいというふうに思います。 最後に、私は私の意見を述べさせていただいて、それについて御批判をいただきたいと思うのでありますが、災害復旧工事に関しては、先ほど上山委員からも話がありましたように、原則原形復旧とされております。しかしながら、次の災害に備えるためにも、原形復旧にとどまらず改良事業をすることはぜひ必要であります。改良がなければ同程度の災害でまた被害が生じてしまうことになるわけでありますから、ぜひ今後は改良事業を中心として考えるべきであります。 この問題につきましては先ほど上山委員の指摘に対しまして前向きな答弁がありましたので、ぜひそれを進めていただきたいと思うのでありますが、ただ、改良事業を含む災害関連事業については総工事費の五割以下でなければならないとか、それから事業によっては災害関連事業のないものもあるようであります。被災地の地域づくりという観点、さらにはまた災害に強い町づくりをしようとする地域の人たちの思いを実現するという観点から見ましても、現在の制度には理念が欠如している、私はこのように言わざるを得ないというように思うわけであります。 したがいまして、やはり地域の人が本当に災害に強い町をつくるんだというそういう意欲が反映できるような制度に今の災害復旧制度はなってないんではないかということを私は指摘させていただきたいと思います。例えば、被災地の対応についてはもっと地域の自主性にゆだねる部分を大きくできないものだろうかと思うわけであります。結局災害に立ち向かっていかなければならないのはその地域の人々でありますから、早期復旧や災害対応力の強化が必要であると思います。 これは私の一つの案でありますけれども、災害査定を書類査定や事後査定にして災害復旧を地方の自由にさせてはどうだろうか。そのかわりに、被災額の査定基準を客観化し、その規模に応じて定額の国庫補助金を交付する、そしてどの程度の改良事業をするかは地方団体の自主性に任せることとする、地方団体の負担については財政措置を講ずることとする。こういったようなことで、今の災害復旧制度そのものが、査定をして国がそこにつけてやってそして原形復旧をするということだけにとどまらず、もっと地方がそういう災害に打ちかっていくための町づくりはどうすればいいのかということを自分たちの手でやっていく、そんな制度に切りかえられないものかどうか。これ は私の意見でありますけれども、御批判をいただきたいと思います。
○委員長(西岡瑠璃子君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後五時九分散会