国民生活に関する調査会 第2号
- 発言数
- 190 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1993/11/12
会議録
○会長(鈴木省吾君) ただいまから国民生活に関する調査会を開会いたします。 国民生活に関する調査を議題とし、本格的高齢社会への対応に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○清水嘉与子君 おはようございます。 それでは、私どもの調査会がテーマとしております本格的な高齢社会への対応に関する件につきまして、先般政府の方からいろいろとそのフォローアップの状況を伺ったわけでありますけれども、私はきょうは厚生省を中心にお話を伺いたいと思っております。 日本が今日またさらに今後とも世界のトップを行く長寿国として発展していくということについて、大変幸せに思っている次第でございます。しかし、経済的に豊かになったとはいいましても、残念なことに多くの国民は自分の、そしてまた家族の老後に非常に不安を持っているというのが現状でございます。 この問題につきましては、歴代政府におきましても非常に政策にいろんな提言をしてきたわけでありまして、今日本でやっている高齢者施策のメニューというのを見てみますと、かなり豊富になっているというふうに思います。ただそうは言いましても、やはり客観的に見ますと、量的質的にこれは十分な量とはあるいは十分な質とは言えないというのが現状ではないかというふうに思います。生産活動の第一線から引いた高齢者の方々が、肉体的な衰えはあるにしても、しかし豊かな知恵だとかあるいは経験を生かして堂々と生きがいを持って生活していただくという状況を早く見出したいものと思っておりますけれども、なかなかそれができない。できるだけ長く自分の住みなれたところで住み続けられるような支援ということが大事だというふうに思っております。 先般、私どもこの国民生活調査会で福祉の先進国の視察をしてまいりましたけれども、どこの国でもやはり共通でございますが、高齢者もできるだけ自立する、一人で自立できるというような方向が見られますし、また、しかしいざとなったときには必要なケアを受けるのは、これは個人の責任というよりは国民としての当然の権利であるというような考え方がもう浸透しているといいましょうか、そしてそういう考え方はやはり我が国でもこれから受け入れられるのではないかというふうに考えております。 ところで、今日、六十五歳以上の人口が約一千六百万人、そしてこのうち病院だとかあるいは社会福祉施設等施設に入所している方々が約百万人、多くの方々は元気で地域にいらっしゃるわけでございまして、その元気な方々の御心配といえば、当然のことながら来年の年金制度の改正の問題であり、あるいは給食材料費の自己負担なんということがささやかれております医療保険制度の改革であり、またこの不景気な状況をもろに受けている高齢者雇用の問題と、いろんなことがあるわけであります。 きょうは、私は前にも申し上げましたように、先般の中間報告に対するフォローアップということに絞っておりますものですから、在宅のケア、つまりその百万人の方々あるいは千五百万人の中の一部の方々に必要な在宅のケアを中心にお話を伺いたいというふうに思っているところでございます。 まず、さっき百万人が施設に入っている生言ったわけですが、そのうちの六十九万人が病院に入っておられる。福祉施設、例えば特養なんかですとこれは今度は市町村で措置されるというようなことで、ある程度選ばれたといいましょうか、本当に必要性の高い方から入所している。それから老健につきましても、ある程度一定の期間中間施設というようなことで、だんだん在所期間も長くなってはおりますけれども、中間的な施設としての位置づけができていると思います。 ところが、問題は老人の病院でございます。病院に入っている六十九万人というのは一体本当に医療施設に入るべき人なのかどうかというあたりが実ははっきりしない点が多々あるわけでございまして、いわゆる社会的入院ということが非常に多いんじゃないかというふうに言われておりますけれども、一体この社会的入院というのがどんな状況になっているのかというようなあたりを厚生省でどう把握していらっしゃるのか、まずその辺からお伺いしたいと思います。
○政府委員(横尾和子君) 一般的に社会的入院というふうに表現されますが、御病状から見て引き続いて入院をする必要がないにもかかわらず御家庭の事情等で退院できないで病院にとどまっている方、こういうふうに定義といいますか、考えていいと思いますが、こういうものの調査というのは基本的にはなかなか難しい。入院治療する必要がないかどうかということを個々に判定するというようなことも難しいので、数として私どもも把握をしているわけではございません。 ただ、老人の長期入院患者数については、三年ごとに行います患者調査で長期入院については調べております。例えば、平成二年の患者調査で申しますと、七十歳以上の入院患者の方の三三%は一年以上の入院、四四%が六カ月以上の入院というようなことでございまして、この中には五年を超える入院が八%あるというふうな状況もありまして、非常に高齢者の入院というのが長くなっているというのが実情でございます。そして一般病院、老人病院、精神病院というふうに病院の類型別に考えてみますと、特に精神病院については八割ぐらいの方が非常に長期の入院になっているという状況でございます。
○清水嘉与子君 退院患者さんの平均在院日数の年次推移をずっと見てみますと、だんだん減ってきていますよね。日本は非常に在院期間が長い長いと言われているんですけれども、年次的に見るとかなり減ってきている。時には老人病院から追い出されているというような声も聞くんですけれども、基本的には必要でない方が医療機関にいるということはやはり適当でないことですので、もっと適切なケアができるのであれば、それが好ましいことだというふうに思いますけれども、その辺が、一体どうなんだろうかというようなこと。 あるいは看護婦さんから聞きますと、確かにもう治療なんかすることがほとんどなくなってしまった。だけれども帰るに帰れない。しかも、さっき局長おっしゃいましたように、こんなに長く何年も入院しておられますと帰るに帰るところがなくなっちゃっている、もうどうしょうもないというようなケースがたくさんあるわけでございまして、これを病院で見ていることに対する疑問が相当看護婦から出ております。 しからば、じゃそういう長期の患者さんはやはり家庭に帰した方が本当は患者さんにとっても幸せなんじゃないでしょうかなんて言いますと、逆にまた今のような状況でお年寄りを家庭に帰したら本当にもう気の毒で、今私たちがこうやって守っているからこのお年寄りが元気でいられるんだから、とても帰せないというような逆の意見も出てきております。 そこで、私はこれからのますますの高齢化を考えますと、やはり病院に入っていらっしゃる方の実態、さっきつかまえるのはなかなか難しいというお話でありましたけれども、一体どういう状況なら帰れるのか、帰れないならどういう対応が必要なのか、今の病院の狭いベッドの中で何年も暮らしているという生活はやはり耐えがたいものじゃないかというふうに思います。その辺私は、役所としてできなければいろんな医療団体もありましょうし、いろんなことを考えれば、まず実態をつかまなければそれにどう対応したらいいのかという施策が出てこないと思いますので、ぜひその辺についてもお考えいただきたいと思うのです。 きょうは、実は調査会ということでございますので、これができるとかできないとか政府からお答えを求めようとは思いません。しかし、そういうことをやはりぜひ前向きにお考えいただきまして進めていただけたらなというふうに思っている次第でございます。 そこで、とにかく数はわからないにしても社会的入院と言われるような対象がいることは確かであろうと思いますけれども、それをもし少なくする方向ができるとすればどんな施策があるか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(横尾和子君) 先ほど長期入院の数を申し上げましたが、その後の患者調査の結果というのが出ていないので数字では申し上げられませんが、例えば特別養護老人ホームに新たに入所した方がどこから入所したか、家庭からか、ほかの施設からかということを見ますと、かなりの方が病院から特別養護老人ホームへ入所する。こういうようなことは老人保健施設への入所者についても見られるところでございまして、そう考えてみますと、特別養護老人ホームあるいは老健施設の整備が社会的な入院とされていた方を現実によりよい療養環境の方に持っていっているというのが実情であろうと思います。 これからは、こういった施設に加えまして、先生御指摘のように、本来あってほしいという在宅を進めるために、ゴールドプランを中心とする在宅サービスの進展にも努めてまいりたいというふうに考えております。
○清水嘉与子君 それでは、次にゴールドプランにつきましてお話を伺いたいわけでありますけれども、ゴールドプランが平成元年の消費税導入の趣旨を踏まえて、高齢者の保健福祉の分野における公共サービスの基盤整備を進める、そして在宅福祉、施設福祉等の事業について今世紀中に実現すべき十カ年の目標を掲げて推進を図るというようなことで始められました。平成二年から始まりまして、既に今日平成六年の予算の概算要求がなされるという段階になってまいりました。 ところが、今日見てみますと、三年度までの実績しかまだ出ていないわけであります。それで見ますと、多少は予算よりオーバーしているものもございますけれども、予算要求したものに追いついていないような内容が相当あるわけでございます。しかし、そうは言いながら予算の方では四年、五年、六年とどんどん進めるような予算がとられているわけであります。この実績からいきますと、何か特別に施策が進めばいいのかもしれませんけれども、とても追いつかないんじゃないかというふうに思うんですね。確かに十一年までの十カ年の計画の中でこの施策が進められると思いますけれども、とにかく十一年目の行き着く先はもう決まっている、しかも相当急カーブで行かなければ間に合わない、その急カーブでもとても追いつかないんじゃないだろうかというのが私の心配でございます。 そこで、六年、七年あたりになりますと、この半分の時期になってもう一回見直しをしてゴールドプランの立て直しということがどうしても必要になるんじゃないだろうかというふうに思うわけでございます。よくゴールドプランを前倒ししたらどうかというような意見がたくさんございますけれども、今のままで計画だけ前倒しを幾らいたしましても、かえって実態とそごを来すのではないかということが心配でございます。まず、その辺がどうであろうかと。 それで私は、できればこの際、このゴールドプランができました後に、例えば訪問看護ステーションのような新しい施策も生まれてまいりましたし、また一方におきましてこういった施策が市町村を中心に行われるという方向でございます し、市町村の中には既に老人に対するヘルス事業の部門もあるわけでございますから、こういったものをもっとまとめるといいましょうか、一緒にして内容のあるゴールドプランに練り上げるべきじゃないだろうかというふうに思いますが、その辺についていかがでございましょうか。
○政府委員(横尾和子君) 先生は平成三年の進捗状況についてコメントされました。多少数字が動く可能性がありますが、四年度の実績ということを申し上げたいと存じます。 精査が済んでいない数字ということでお許しをいただきたいと思いますが、ショートステイが予算上一万五千六百床余りに対しまして実績が約一万七千床。デイサービスが予算上の三千四百八十カ所に対しまして実績が約三千カ所。在宅介護支援センター、予算上千二百カ所に対し実績が約八百。特別養護老人ホーム、予算上十九万二千床に対しまして実績が約十九万七千床。老人保健施設、予算上九万一千八百床に対し実績が約七万一千床。ケアハウス、予算上の九千七百人に対し実績が約四千となっております。なお、ホームヘルパーについては四年度実績がまとまっておりませんで、三年度においての予算上四万九百人に対しまして実績が四万八千五百九十一という数字にとどまっております。 ただいま申し上げました四年度のゴールドプランの進捗状況を大きく分類いたしますと、ショートステイや特別養護老人ホームはかなりのところで一〇〇%を上回る状況になっております。デイサービス、老人保健施設といったものが大体七割から八割でございます。非常に進捗の悪いのがケアハウスでございまして、五〇%にとどまっているというのが実情でございます。こうしたことにかんがみまして、私どもおくれているものについてなおてこ入れを図りたいというふうに思っております。 また、次に御指摘のありましたゴールドプランにヘルスの部門を加えるべきではないかという御指摘でございます。既に現在の国レベルあるいは自治体がつくるゴールドプランの中におきましてもヘルス部門を勘案してつくるようにということでございまして、具体的には第三次ヘルス事業を織り込んだり、寝たきりゼロ作戦を織り込んだりということをしているわけでございますが、御指摘の訪問看護ステーションのようにゴールドブランができました以降新たに設けられました制度につきましては、いずれ地方自治体のゴールドプランが出そろったところで私どもももう一度点検をしたいと思っておりますので、そのときの大切な検討項目というふうに考えさせていただいております。
○清水嘉与子君 そこで、その訪問看護ステーションでございます。 平成四年からこの訪問看護ステーションが始まるということで、先ほどから問題になっております社会的入院解消の一つの受け皿として期待をしているわけでございますが、しかし実績を評価するまでに、まあ時間的にも足りないということもありますけれども、なかなかそこまでいっていないんじゃないだろうか。逆に、開設して間もなく業務を停止してしまったというようなステーションも出ているというふうに伺っておりますけれども、実際にこの訪問看護ステーションについては、役所としてどんなふうに評価していらっしゃるでしょうか。まずそこをお伺いしたいと思います。
○政府委員(横尾和子君) 平成四年の四月に制度化をしたというものでございますが、ことしの九月未時点で二百九十一カ所の整備が行われておりまして、実際に利用している方からも高い評価を得ておりますし、また地域の開業医の方、看護関係者の御理解も大変進んでいるので、概括すれば順調な滑り出しであるというふうに認識をしております。
○清水嘉与子君 大体いいんじゃないだろうかという御評価でございますが、実際運営している人たちの話を聞きますと、かなり大変な仕事をしているわけです。特にいろんな病院を併設したり、あるいは特養なんかでそういうものを併設しているところについてはかなりうまく回してやることができるかもわかりませんけれども、この事業を単独でやっております看護協会の人たちに聞きますと、やっぱりまず仕事については非常に魅力のある仕事である、看護婦にとっても大変やりがいのある、患者さんにも直接肌と肌で、触れてそして責任を持って仕事ができるということで、本当にやりがいのあるいい仕事だというふうなことはもうみんな一致しているわけでありますけれども、しかし現実の問題としてこれを経営してみますと、今の老人訪問看護療養費の経費ではとても運営できないのが実態でございます。 実際に運営している実態を見ますと、まず人件費を本当に切り込んでやっているわけでありまして、もうそこしか切り込むところがないわけですが、それでも赤字を出して何とかやっているというふうなことでございます。 一つには、その訪問看護という形態が日本でまだ十分に患者さんの方に知られていないということもですし、そういう形態で家庭に来られて看護を受けるということが十分普及していないからだというふうにも思いますけれども、思ったほどにケースが広がっていかないということもあると思います。ですから、またこの経費で一回のあれが決まっているわけですから、とても運営できないという話になるんじゃないかと思います。やっている方々の一年たってからの成果を評価して見ますと、やっぱり一回一万二千くらいまでもらわないととてもできませんよというようなことでございます。これも、それでも随分遠慮しているんじゃないかという感じもしているわけであります。 それとかまた、幾ら濃密な看護を、ケアをいたしましてもこれは定額になっているわけでございますから、非常に自分たちの技術というものが評価されないんじゃないか、そういう点数じゃないかというふうな批判もございます。また、場所のいい、事務所費の高いようなところでやっているようなところにつきましては、まず駐車場代とか事務所費とかそれだけで相当経費が飛んでしまうというような問題。これはもうしかし訪問看護ステーションだけの問題ではなくて、みんな同じだと思います。 それから、あるいは実際に看護をいたしますと、ただ褥瘡のお世話とか寝たきりのお世話だけでなくて、相当な医療行為を伴ってやっていかなきゃならない方がたくさんいるわけですね。いろいろチューブをつけたり、あるいはもうお食事もできなくて管をのみながら生活しているような方もあるわけで、その方々のケアをするときに、どうしても例えばカテーテルとかチューブとかの取りかえとか、そういったものもしなきゃいけないという場面が出てくる。そうすると、訪問看護ステーションではそういう看護機器といいましょうか、そういったものを取り扱えない。今は保険では取り扱えないわけですね。それなものですから患者さんに御自分で負担していただく、用意していただくとか、そんなようなこともありますので、もっとこのステーションを進めるという方向でありますならば、その辺についてもぜひ御研究をいただいて、保険で取り扱えるような許可もしてほしいといったようなことも出されているわけでございます。 まだまだ十分成果を上げているところは少ないかもわかりませんけれども、しかし真剣にこの問題についてみんなが一生懸命努力をしてやろうとしておりますので、ぜひ役所におきましてもこの実態をよく分析していただきまして、なるたけみんながあきらめてやめてしまわないように、そして広がっていくように支えていただきたいなというふうに思うわけでございます。この辺いかがでございましょうか。
○政府委員(横尾和子君) 看護協会が母体となってつくられております訪問看護ステーションが、先ほど申し上げました二百九十一カ所のうち十四カ所現在動いているわけでございまして、特にそういう独立的な看護ステーションの状況については、今お話のありましたようなことを承っている ところでございます。私どもも運営を改善していく第一歩はやはりある程度の利用者があるということが大前提だというふうに思っておりますが、それでもこの動き出しました制度が生きていくように育てていくという姿勢でこれからも取り組んでいきたいと思っております。 これまでも社会福祉・医療事業団の低利融資などの制度を新たに設けるなどしてまいりましたけれども、お話のありました療養費につきましては、今後中医協での御論議の中にも織り込んでいただきたいというふうに考えております。
○清水嘉与子君 もう一言訪問看護について申し上げるとすると、今は限られた人数の中で限られた範囲の中で仕事をしているわけでありますけれども、この枠を外れてかなり例えばがんの未期患者さんのターミナルケアなんかを引き受けているような、そして自分で開業して仕事をしているような看護婦さんも出てきております。もちろんこれから医師との連絡も十分深めながら二十四時間対応と、そうしなければ、幾ら病院から出ていただくにしても素人だけではとてもできない、引き受けられないというケースがたくさんあるわけでございます。そうしますと、いざというときにすぐ対応できるような二十四時間対応ということも必要ですし、そしてまた、潜在看護婦さんを掘り起こしてきてやればいいというようなことではなくて、もっと高い看護技術が提供できるような、そういう仕組みもぜひつくっていかなきゃいけないだろうというふうに思うんです。 今はなかなかそこまで踏み切れないと思いますけれども、一部実際に有料で開業しているような方々はそういうことをやはり非常にニードがあってやっているわけでありますけれども、実際には今そのやる仕組みがありませんから会社をつくってやっているというのが実態でございます。私は、やはりこういった方々の仕事を支えるためにも、できれば看護法人のような形でもきちんとして、そして仕事ができるような形にしなきゃいけないと思いますし、またそこまでいかないにしても、まずこういった仕事を将来訪問看護ステーションの中にもできるような体制づくりをぜひ進めていきたいというふうに思っているわけでございます。この辺につきましては、局長よく御存じでいらっしゃると思いますけれども、ぜひ前向きに御検討もいただきたいというふうに思うわけでございます。もう時間がなくなりましたので、それはお願いだけにしておきます。 それから最後に、そうはいいましても、幾ら在宅といいましても、家庭へ帰ってこられたときにはどうしても家庭でのお世話というものが入ってまいります。ところが、もう家庭での介護力が落ちてきているわけですし、介護の社会化ということが今もう始まっているわけでありまして、この高齢者の介護は家族の当然の役割というふうに見ること自身はもうとても無理になっている状況であります。しかし、そうはいいましても、人が人の世話をする、いたわり合うというようなこの営みあるいは楽しみということを本当に価値のないこと、大変なこと、つまらないことというふうにしてしまうことは私は問題だというふうに思っているわけでございます。 ですので、現実の問題として家庭での家族介護というのはどうしても続くと思いますし、日本の日本らしい家庭生活の中ではこういう問題が出てくると思いますけれども、やはり家族の介護の負担を何とか解消するという方に手だてを尽くさなきゃいけないというふうに思います。そういう意味では、さっきショートステイも随分ふえているというふうなことも伺いましたので、もっともっとやっていただきたいと思いますが、さらにこの経済的な面を含めて積極的な家族の支援策が必要ではないかというふうに思いますが、最後にこれを局長にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(横尾和子君) 私は、基本的に高齢者と家族の関係というのは、ある意味で高齢者が生きていくための励ます役割を一義的には家族に求めるべきで、そういったよい人間関係を維持するためにも、家族が介護のために疲れ切ってしまうというようなことを避けるような手だてを行政として講ずべきだという考えを持っております。その意味で、さまざまな在宅サービスも早目に出動して家族の手による介護と同時に公的なサービスが並行して行われる、こういう中でいい人間関係をなるべく長い間維持できる、こういうふうに持っていきたいということで努力をしてまいりたいと思っております。 その中で、家族介護をする上でさまざまな負担の中で一つ考えなければいけないのは、療養環境としての家とか設備の問題でございまして、これはさまざまな福祉機器の利用ということも、また費用の面からも応援をする仕組みを一層展開しなければならないだろうというふうに思っております。 ただ、財政援助という中でとかく介護手当が必要だと言われておりますが、私は今のところ介護手当を考えるよりは、まず在宅介護サービスの現物給付を行う供給体制を整備するということが前提になるべきではないかというふうに思っております。
○清水嘉与子君 ありがとうございました。
○木暮山人君 おはようございます。質問いたしたいと思います。 高齢者保健福祉推進十カ年戦略、これは日本の福祉対策が急激な長寿社会に突入いたしまして相当足並みが乱れて後追いの状態になっていた時代に、それの足並みをそろえまして目標に向かって施策を推進していこうという、非常に短期間に充足しようという心意気があらわれてきているのではないかと考えるのであります。だれしもがゴールドプランと言って拝見させていただく文章と高齢者保健福祉推進十カ年戦略と言った場合の感じ、これはちょっと違ってくるのではないかと思います。 そこで、最初のスタートの時点で、ゴールドプランじゃなくて戦略という問題につきまして御質問させていただきたいと思うのでございます。別に悪い質問じゃございません。戦略という目的、これがあるとすると、これに続いては戦術という方法論が出てくるんじゃないか。こういうことにつきまして、まず第一に、その路線に沿ったこのゴールドプランに対しますところの細部にわたりますところの目標値をちょっとお聞きいたしたいと思うのでございますが、よろしくお願いします。
○政府委員(横尾和子君) ゴールドプランの最終目標値は数字でお示しできるものについてはお示しをしておりますので、先生の御質問はそのことではないと理解をいたしますが、基本的にゴールドプランが策定されます前段階として昭和六十三年に、「長寿・福祉社会を実現するための施策の基本的考え方と目標について」というものを国会の場にお示しをしているわけでございまして、その哲学といいますか理念というものは、このいわゆる福祉ビジョンと言われるものの中に掲げられているわけでございます。 御承知のことと存じますが、若干そのあたりをコメントさせていただきますと、その哲学の一つとして「ゆきとどいた保健、医療、福祉サービスを受けつつ、高齢者が可能な限り家庭や地域の中で生活できるよう、総合的に施策を進め、わたきり老人や痴呆性老人の介護に当たる家族を支援する。さらに、施設への入所が必要な者については、その状態に応じ、特別養護老人ホームや老人保健施設に入所できるようにする。」、これが福祉ビジョンの際の基本的な方向でございます。 ゴールドプランがマクロでの目標をお示しいたしまして、それに引き続きましてそれがどの程度のサービス量になるかということにつきましては、老人保健福祉計画を策定する場合の手引の中で、例えばホームヘルパーについては、要介護の老人の場合は週三ないし六回の利用ができる、あるいは虚弱老人の場合は週一ないし二回の利用ができる水準というふうに、個別にサービス量の水準もお示しをしているところでございます。
○木暮山人君 それがいわゆる戦略でありますか。
○政府委員(横尾和子君) 私どもはそういうふうに考え、それを目標としております。
○木暮山人君 やはり戦略というものを打ち出す場合は、それの戦略は目的であります。何をしようという目的が基本的な戦略という文字になると思うんです。そういたしますと、その目的を達するにはどういうような方法を今そろえているんだよと。どういうような方法をそろえたということになりますと、今度は戦略、戦術、諜報、謀略、作戦という、兵法の中にはそういう五段階の問題があるわけです。そしてこの戦略という言葉があるんですね。その中からただ戦略だけ持ち出して、あとはこうなったときはこうやるとか、それは対策でありまして、それは作戦と言うわけです。最も重要な「戦略」という字を打ち出した、これ自体が私はちょっとやはり今の日本の御時世にはそぐわない、私みたいに民主主義な立場でありますと。 そうなると、せっかく「戦略」という言葉をここで用いられたんだから、これに対する方法論。いわゆる日本の国は急激に高齢化社会になってきている。また、日本の家族制度はある程度民主化されて崩壊してしまって、親の面倒を見ない人もいないわけだけれども、前から見るとそういうものは薄れてきている。じゃそれを社会的にどういうぐあいにフォローしていくのか。そしてまた、そういうような方法には医療の問題とか施設の問題とか介護の問題とか、いろんな問題がそれには必要になってくると思います。そういうような受け皿を全部そろえて、これを展開して目的を達成する方向に行くんだと、そこまでは戦略、戦術になると思いますね。 それで、その次の段階というと、今度は情報。今日本の国内はどんなふうになっているか行政の立場でお調べになって、確かに女性の方がたくさんになってきているとか、いろんなバランスというものを見ていく。そういうようなことを一つ一つ調べまして、それで作戦というのはいよいよ事業行動に移るわけですね。そういうようなちゃんと分析されたものがこれに付随してあるわけだと思いまして質問させていただいておるわけでございます。ひとつそこら辺をもう一度お願いしたいと思います。
○政府委員(横尾和子君) 目標を定めましてそれを確実に実現するために、こういった福祉サービスの分野では初めての長期計画というものを策定したことが、私どもはこのゴールドプランを進める上での非常に重大な事実であろうと思っております。 今先生おっしゃいましたことそれぞれ重要なことだと思っておりますが、今の日本の予算編成の仕組みの中で、私ども毎年この長期的な計画、政府がお約束をした計画というものを実現するために、毎年の予算編成の中でしかるべき枠が必要であるということを強く主張して取り組んでいるつもりでございます。 まあ蛇足で申し上げれば、私自身は謀略というのはしないつもりでおります。
○木暮山人君 そういうことになりましたら、最初の戦略もお使いにならない方がいいと思う。私はゴールドプランで結構だと思う。今局長のおっしゃっていることは事業の計画でありまして、こんな字を使う問題じゃないと思うんですね。「戦略」という言葉を使うなら、それに対してちゃんとした具体的な分析をした――今謀略という言葉が出ましたけれども、謀略というのは、いわゆる今の言葉で言いますと、事業的な面で言えば現況調整というやつですね。集まった情報を調整して、それについて事業計画を立てるわけですから、そういうものの中に一連としましてこの戦略というのがあるわけだから。ところが、それが抜けているわけですよ、全部。それは厳密に言えば全部あると思う。それはいいんです。 余りこの問題ばかりやっていてもつまらないと思いますから、次に進みまして、二ページ目のところに、高齢者保健福祉推進十カ年戦略、ゴールドプランの進捗状況というのがございますね、この間ちょうだいいたしました中に。そうしますと、今おっしゃるようにいろいろな計画をお立てになっているんだけれども、ここの二ページ目にホームヘルパー、それからショートステイ、デイサービス、介護支援センター、特別養護老人ホーム、老人保健施設、ケアハウスと、いろいろこうございます。 これにまだ必要なことは未知数の患者の発生状況、それとそれに対応するところの、これは施設じゃなくて介護するお医者さん、介護人、看護婦さん、こういうふうにたくさんあるんですね。そのいわゆる施設と患者と介護する方のお医者さん等、介護のすべてのもののバランスを見ていかなきゃならないと思うんです。施設だけたくさんつくっても、患者さんが少なくなってもこれは困りますし、全部そろっても介護人が少なくては困る。 しかし、やはり厚生当局の目標値というものは、そういうような患者を求める方向じゃなくて、健全ないわゆる次代に影響の持てる国民を確保する方が目標だと思えば、それとの誤差がどうしても出てくると思うんですね。そこら辺の見方を出していかなきゃならないと思います。先ほど局長さんのおっしゃいました、いやこうでございます、ああやりますと言いましても、それの誤差というのが今出てきていると思うんですね。 それというのは、やはり現状の分析、それが先ほど申しました戦略から言えば諜報、今の言葉で言えば現況認識ですね、こういう考え方というものをもう少し区分して分析していきませんと、次の最後の問題としてバランスをとっていくというところに誤差がどんどん生じてくると思うんですけれども、そこら辺についてひとつお聞きしたいと思います。
○政府委員(横尾和子君) ゴールドプランの一番の特徴は、これは国のレベルでの計画であると同時に、それぞれの市町村、全市町村での計画であるという点だろうと思います。これは従来のさまざまな長期計画にはない特色でございます。 その個々の市町村は、全部実態調査を踏まえて計画をつくるというふうなことを指示しておりますので、先生御指摘の現状把握という意味では、これまでにない状況で管内の高齢者の実情、あるいは供給サイドで言えばどういう社会資源があるかということを調査した上で各自治体が計画をつくっておりますので、おっしゃいますように、それぞれの現場の計画というのは実情に合ったものができてくると思います。これを今年度中につくってくれとお願いしてありますので、でき上がってきたところで、私どもこの平成元年にお示ししたゴールドプランの目標数値と積み上げとの関係をよく精査した上で、またしかるべき対応があるかどうか考えさせていただきたい、こういう姿勢でいるわけでございます。実情がなくてやっているという意味ではないつもりでございます。
○木暮山人君 そういたしますと、もう的確にこの施策は百点なんだとおっしゃるわけですね。だって、もう実情を把握した上で全部対策をとって、各市町村でそれに対応しておるということになれば、何の欠点も欠陥もないんですよと、こういうことでありますね。ひとつお伺いしておきます。
○政府委員(横尾和子君) 評価はそれぞれの立場でなされると思いますが、私ども関係者としては、一番いい形を実現しようと努力しているところでございます。
○木暮山人君 そういたしますと、病院の窓口、待合室、それと市町村のいろんな手続関係、これはもう全部理想的に進んでいるとおっしゃるのでありますか。
○政府委員(横尾和子君) 私、ちょっと御質問の意味合いがわからないで申しわけありませんが、ゴールドプランを進めていく上では、先ほど申し上げましたような手順を踏んで、考え方を持っているということを申し上げておるわけでございます。
○木暮山人君 ゴールドプランはよろしいのでございまして、私は、ゴールドプランを受ける側の国民の立場としまして、せっかくいろいろな施設ができていくわけでございます。そういうものに対しまして、実際受益できなければ困るわけです。やる方の側は、ゴールドプランはいいプランで、みんなこのとおりいけばいいんだよと。しかし、 そのとっている情報というものは二年か三年前の統計で今動いているわけです、来年ですね。今の状況で今動いていく、これは不可能なことではございますけれども、私はそういうところの誤差を先に読んで大体の予測でおやりになっていくんではないかと思うのでございますけれども、予測でやっていけばどうしても誤差が出てくるんだと。その誤差を今度は全般的に修正するのは、じゃどういうところで修正なさっているんですかとお聞きしているわけです。わかりましたでしょうか。 私は、ゴールドプランは非常にいいと思うんですね。これは選挙のときに急にぽんと出てきたわけでしょう。後追いで出てきた施策でありますから、理想的なものではないんだから、今大臣がおっしゃっているように、いろいろフォローしていかなければならないと思うんですね。言うならば、後追いの施策が出てきて、ようやく今この三、四年で現状に追い越せ遣い抜けのところまで来てほっとしているときだと思うんですよ。しかし、この先まだ十何年、できれば二〇二〇年ぐらいのピークまで走らなければならないのでありますから、その走り方を今までどおりのような追い越せ追い抜けで来たら、立派な基本的に落ちついた安定した施策が私はとれないんではないかと考えております。 もっと先のことを言いますと、ピークまではいいですよ。看護学校つくりなさい、あれもつくりなさいというのでみんなつくる。しかし、そのピークを越えると、今度は今から四、五年前の動態に戻るわけですよ、患者さんの数も半減していくし。そのときに看護婦さんもたくさんできた、介護人もたくさんできた、お医者さんもたくさんできた、施設もたくさんできた。しかし、じゃそれをピークを過ぎてからどういうぐあいに処置するのか。ただ要らなくなったからそんなもの投げてしまえと、山の分校みたいに荒れほうだいにしておくのかと、そういうことは私はないと思うんですね。ですから、そういうところまで今からは見通していかなきゃだめなんじゃないか。 それで、早い話が、これやるにしましても、局長のところの財布から出してもらうんじゃなくて、やっぱり国のお金でやるわけですから、国民のお金でありますから、非常に倹約して最高の効果が出るようにするには、これはもうよほど的確な情報を収集して、的確にむだのないように、ロスのないように計画を立てていく。だから、そういうようにもうきちっとした体制を整えていくのには、ただの事業計画ぐらいでは私はだめだと思って、そこでこういう孫子の兵法の言葉を持ち出して、大したものだなと思って私は敬服しているところなんです。 だから、せっかく敬服させてもらったんだから、その中身をもう少し具体的に、こういうときはこうやるんだと、情報をこうやって集めて、そういうものの上に立って、偉い局長さんがみんな集まって、地方の自治体も来てもらって、こうするんだよと。そうなると非常に国民としては安心して見通せるわけですね。だから、そこら辺を順を追ってひとつ御説明願えませんと私どもではなかなか理解がつきませんので、何か選挙のとき呼び物でやって失敗したみたいなことじゃ困ると思って、そこのところを今確認のつもりも含めまして質問したのでございます。 これはわからないと、こうおっしゃっておりましたけれども、三年度予算から見ますと、例えばホームヘルパーが二〇%ぐらい増になっているんだと、それからショートステイが二十何%プラスになっているんだと、これはいいことだと思うんですね、事業が伸びているのでありますから。逆に、デイサービスになるとマイナス一五%ぐらい目標値に達しなかったよと、それと在宅看護も四〇%ぐらいいかないんだと。それはいいんです、いかないのはいかないでいいんですけれども、それが今度は四年度、五年度になりましてそれをおいおい整理していくわけですね。 しかし、そのときのことを一つお伺いしたいと思うのは、こちらが年に何人ずつ患者さんがふえていくんだと、そうすると施設もこれぐらいつくらなきゃならないよ、介護人もお医者さんも薬も全部こういうぐあいにバランスをとっていかなきゃだめだよと。そのとき、いやこれは地方の自治体にみんな任せておやりになっていただいているんだから、もうこれは的確なものであるという考えじゃなくて、やっぱり横尾局長さんのところが総本部でありますから、こういう状況を見渡して、ああこういうところはへこんでいる、ここはもう少し出さなきゃだめだと。 そう思っていたところが、患者さんの数が思うように進まなくなったと、医療の指導がよくて。そうなると、患者さんがたくさん発生しない。そうすると、もう少しこうしようじゃないかと。そのバランスのとり方、とる場合の方法、場所、そういうのはどういうところにあるかということをお聞きしたいと思うんですが、いかがなものでしょうか。
○政府委員(横尾和子君) 全体の需要の把握という意味では、今最初のスタートに着いているところでございまして、先ほど申し上げました地域の実態調査というのは、現実に今の時点で地域の中にどういう需要がどの程度あるかということを見ると同時に、今後二〇〇〇年までの間にどうふえていくかという推定もしていただいているところでございます。その中で計画を立てていただいているわけでございますが、今後ある時点に立ちましてもう一度そういう実態調査をするということは当然必要であり、それに基づきまして将来の先生おっしゃいますところの患者数あるいは利用者の数ということもさらに推計をし直す。その地域の状況を踏まえまして、また国としての目標数値も吟味をする必要があるだろうというふうに思っております。 それから、御質疑の中で二〇二〇年のことを述べられましたが、恐らくこういった計画というのは、一定の期間がたてば、もう一度リボルビングをするということが当然必要なことだというふうに考えております。
○木暮山人君 結局、時々見直される、こういうことが必要だと今おっしゃるわけでございますね。これはできれば、ああ失敗だ、だからこれやめてこうだと、やめなくてもこうしようというんじゃなくて、やっぱりそこら辺でだれかが常にコントロールしながら、そっちはちょっとセーブしてこっちはもう少しこうやれとかという、これが政治だと思うんです。行政だと思うんです。だから、そこら辺はどういうセクションでやっておるかといえば、局長のところでやらなきゃならない仕事だと思うんですよ、実際は。 そのやらなきゃならないところで一般の事業計画だけ見定めて、今度はこれ対策だと思うんですが、ここはこうだからこうしろというんじゃなくて、長期計画の上に立って、十カ年の計画ですから、早い話かごまかしみたいなものなんです、十カ年なんというこういうのを出すのは。しかし、十カ年じゃ足らないわけですよ、本当は、日本の長寿社会はまだ延びていくんですから。ですから、やはりこれは長寿社会がだんだん減少しまして、もとのところに戻ってきたら、これは四年前、五年前ぐらいの状態の施設で日本は十分間に合うわけですね。そうすると、この間につくった病院から施設から、いろんな特養から要らなくなってくる時代も来るわけですね、今から二十五、六年から三十年後になりますと。 そうすると、建物、箱物の耐久年限とかそういうのからやれば、木造は十八年で鉄筋は三十五年とか四十二年とかあるわけですね。そういう問題につきまして、私はやっぱりどこかでコントロールしていかなきゃこのゴールドプランはスムーズにいかないから、そこら辺はどうなっているかということをしつこく聞くんですけれども、大体これでこれはもうやめますから、もう一度ひとつお願いします。
○政府委員(横尾和子君) 御指摘のように、事業の計画を立てて、その具体的な事業が達成されるように促進方するということにとどまらず、もうちょっと国民生活と申しますか、高齢者の生活実態ということを全体見ながら柔軟に対応すべきだ という御指摘だというふうに理解をいたしますれば、私どもはゴールドプランも決してその場限りのことを考えたつもりではなくて、非常に慎重に考えたつもりではございますけれども、そのときそのときの実情把握についてはしっかり受けとめて対応したいというふうに思っております。
○木暮山人君 それでは、そのようにひとつしっかり受けとめてお願いしたいと思います。 次に、質問の前にちょっとお伺いしたいと思うのでございますけれども、「家族介護者への支援」というのが三ページにございますけれども、これはまことにいいと思うんです。この家族制度の崩壊した、道徳規範が低下した、教育が自由になってしまったところに、おまえは親を面倒見なさい、おまえのところのお父さんとお母さんの面倒を見なきゃだめじゃないかという、家庭的な完全な欠格環境にあるものは、これはやっぱり国で生活保護を兼ねて見てやらなきゃいけないと思うんです。これは極端な一つの問題だと思うんです。そういう人にやれ、やらなかったらだめだよという刑罰を科せるなんということじゃないと思うんです。 今私は、国が施設を充実してやっていく方法、そうすると、前の方に少しつながりますけれども、ピークを過ぎたとき非常に大変なことになると思うんです。ところが、家族介護者に対する援助、いわゆるうちでお父さんお母さんは面倒見なさいよと。そのかわり面倒見ましたら、それに対して、施設を使ってないんだから手当みたいなものを相当上げなきゃならないんじゃないの。 それともう一つは、昔はこういう親孝行の話とか、非常に地域社会に、町内に尽くしてくれた人とか、そういうのには何かお褒めの言葉というのがあったわけですわ。今はそんなものは通用しないけれども、しかしそれが本当になかったら、家庭内にいわゆる大切に介護しようという気持ちは私ははぐくまれていかないと思うんですよ。 もう一つ、さっきちょっと考えましたのは福祉マインドの育成という言葉を使っておいでになりますね、その次のところに。そうすると、厚生省ですから教育じゃないから育成でいいんですけれども、育成というのははぐくみなすということなんですね。しかし、育成だったら、はぐくんでいるうちに方向を定めずにはぐくんでいるわけで、これのもっと強いのが教えはぐくむというやつですよ。これは文部省の中にはまる言葉だから、今ここのところで育成するんだということでいいのでございますけれども、ここら辺もやはり道徳規範というものはもう少し、親を大切にしようとか、自分の同じ家族の生活している中で、みんなで親切にやろうじゃないかというのを考えていかなきゃならないと思うんですね。 そうしますと、それでも手に負えない、どうにも手の差し伸べようのない人たち、これはやっぱり国民のうちで三〇%なり、今だったら四〇%ぐらいあるんじゃないかと思うんですね。その人はきっちり施設に収容いたしましてちゃんとしてあげる、これはいいことだと思うんですね。そうすると、いわゆる全般的に相当倹約になる。倹約の話をここですることもないと思うけれども、やはりこれは予算があってくっついていくことでありますから、倹約という言葉と、それから充足と充実とぜいたくな対策、この三つ。じゃ、実質的に充足すれば、間に合えばいいのか、快適に充足すりゃいいのか、それからぜいたくに充足すりゃいいのか。最初からぜいたくに充足させようといったら予算がパンクしてしまうと思うんです。そうしましたら、まず実質的に充足する方向にそういう施設は取っておいて、あとはなるべく家庭内で全面的に支援する。 しかし、そのとき、やったふりという言葉が今たくさんありまして、うちではもう親切にやったんだよなんと言って手当だけちょうだいなんというのも出てこないとも限らないから、そういうのはやはりちゃんとした指導者とか、監視人じゃないけれども、そういうような体制を組織的に整えて、家庭内でちゃんとやった人に対しては国がどれだけかの補助をする、手当を出してあげる。この手当がたくさんになればなるほどみんなうちでやると思うんですわ。 そういうところからいきますと、一つこれでお聞きしておかなきゃいけないのはマンパワーで、介護人というのは昔はいなかったんですけれども、看護婦さんでもよろしゅうございますし、そういうのにかかわっている人、看護婦さんで失礼かもしれないけれども、ちょっとひとつ看護婦さんのことを取り上げさせていただきまして、八〇年代に看護婦さんの給料というのはお一人二十五歳ぐらいでどれぐらいしたものなんでしょうね。
○政府委員(横尾和子君) にわかなお尋ねなので資料を持ち合わせておりません。
○木暮山人君 いや、申しわけないですね、急なことを言って。 九〇年代のいわゆる給料、それと二〇〇〇年代、二〇一〇年代と給料がだんだん高くなっていく。それで家庭内の介護というものに、だからみんながその方向に目を向けるには相当の介護費用というのを負担してあげなきゃならないと思うんです。そうしますと、やはり今までのそういう仕事をやった方々の、経済の動向等の流れがありますから、そういう上に立って、家庭の中でそういう家族介護をする方に出すような手当というのもそれよりも率よくやってあげたら、みんなそういう方向に進んでいって、全般的にうまくいくんではないかと思うのでございます。 最後にその問題について、そんなのだめだよとか、それでいいじゃないかというのをひとつ御見解をお伺いいたします。どうも申しわけございませんでした。
○政府委員(横尾和子君) 私どもは家庭内で介護を受けるあるいは在宅を進めるというのは高齢者の生活の質を高めるという観点から大変大切なことだということで重視をし、それを支援していきたいというふうに思っておりますが、看護婦さんのかわりに家族が世話をする、あるいは介護人のかわりに家族が世話をするということについては、世話をされる方が非常に高齢になってきている、つまり八十歳代の方々が非常にふえてきているということを前提といたしますと、その配偶者であるとか子であるとかという方も相当数高齢になってきているわけでございまして、十分な手当があれば十分な介護ができるように結びつくというのはなかなか難しいのではないかというふうに考えておりまして、やはりその手当で家庭内の介護を充足するよりは、外からのサービスが得やすいような形で介護の条件を整えていく方が先決ではないかというふうに考えております。
○木暮山人君 途中でしり切れトンボになって、またいずれ質問いたします。どうも皆さんありがとうございました。
○三重野栄子君 本格的高齢社会への対応としての中間報告の中で、高齢者福祉を中心として十項目提案をさせていただいておりますが、その中で、厚生省には第一項、第二項を中心に、また郵政省には第六項を中心に御見解などをお伺いさせていただきたいと思います。 まず、高齢者保健福祉推進十カ年計画、これゴールドプランと呼ばせていただきたいのでございますが、今お二人の先生方の御質問を拝聴しながら、大変深まってまいったと思います。先ほど局長から、このプランにつきましては国のレベルと全市町村の計画に基づいて推進しているという御見解を伺ったところでございますが、私どもの提案の第一項目に、このゴールドプランの着実な推進を図るとともに、達成が可能な分野については、極力前倒しの達成に努めていただきたいということを申しておるわけでございます。今まで御説明いただきましたことにつけ加えまして、これの推進についてはどのようにお考えでございましょうか、お尋ねいたします。
○政府委員(横尾和子君) 基本的に現状を申し上げますと、来年がゴールドプランの中間点と申しますか、五年次になるわけでございます。その五年次というのは、恐らくゴールドプランを始めたときになじみが少なくて出おくれたものについてもある程度進捗が見られる、あるいはそこの時点 でも進捗が進まないものについて、その原因ということがもう少しはっきりしてくるのではないかというふうに思っております。 また同時に、先ほど来申し上げているように、各自治体の目標ということもわかってまいりますので、その両方に目を配りながら、来年度あたりもう一度しっかり見直しをしてみたいというふうに思っております。
○三重野栄子君 このゴールドプランの推進に当たりましては、各方面から大変期待をされ、期待をしているところでありますが、その実施の中で、一つの在宅ケアと医療とのかかわりについての経験というのを申し上げながらこのゴールドプランの推進についての御見解を伺いたいというふうに思います。 それは、人口約四十万人の都市近郊の農村地帯にある老人保健施設の状況でございます。定員九十床、デイケア定員十名で、利用率は約九六%、全体の退所率は九〇%、自宅への退所率は七〇%でございます。これは現在のところ家で介護できる条件があり、施設としても積極的に利用することを呼びかけているという状況でありますので、医療機関の往診とか訪問看護が確立しているということで、施設としては自負しているということでございます。 しかしながら、現状、最近では幾つかの問題点が出てきているそうでございます。それはまず第一に、平均五万円ぐらいの自己負担が大変きつい、これはおむつ代以外でございますけれども、そういう声が大変大きくなっています。それから、家族が長期入所を希望しているのに期間が一定に決まっているので、この点は何とかならないかという問題点。 それから第三番目としては、医療機関からの入所者というのは在宅ケアに移行できないでいる。医療機関から来た人はもう家に帰らないというのが多い。一方では入所待ちが非常に多い。医療機関側からの施設に対する説明が不足である。それから、入所待ちの増加と関連をして重介護や痴呆の入所者がだんだんふえてきている、希望がふえてきている。それから、独居老人や老人所帯からの入所者も増加しているということが今までと違った問題だということが言われております。 そこで、在宅ケアが叫ばれている今日、介護する側の問題点といたしましては、まず介護の重度化、それから介護者の介護力の低下。言うなれば高齢になったとか病的であるとか、あるいは介護することに消極的とか。そういう意味で、介護する度合いが非常に大きくなったということ。それから介護者への支援が少ない。 二番目は、往診医とかあるいは訪問看護婦が非常に不足をしている。それは、一方では、開業医の皆さんが高齢化しているとか、あるいは看護婦が不足しているということがあるのではないか。 第三番目には、保健・医療・福祉との連携がまだまだ不十分であるというようなことを介護する側から言われているところでございます。 それから、福祉サービスを受ける側からの問題点としては、そういうところに行くと世間体が悪い、お上の迷惑になりたくないとかお世話になりたくない。それから、他人からあのうちはねというふうなことを言われるから行きにくいとか、手続が面倒だとか、遠いところにあるので利用しにくいとか、あるいは福祉施設の医療体制に対する不安、これで大丈夫かなというようなことも言われている。それから、全般的にこういう福祉サービスがあるということを知らないというようなことが言われているわけであります。 そこで、在宅ケアの条件として医療者の側から考えているのが、入院しているときと同じような程度の医療というものをやはり確保してもらいたい。というのは、往診とか訪問看護婦さんを充実してもらいたいとか、救急のときの明確な医療機関側の体制が必要なのではないか。それから、保健管理者や日ごろから相談できるカウンセラーをもっと充実してもらいたい。それから、高齢者の中で寝たきりとか重度痴呆症に対する医療のあり方を家族とともに検討する必要があるのではないかというようなことが言われているところでございます。 と同時に、福祉との連携を見ますと、やはり医療機関側の福祉への認識が少し薄いのではないか、医療機関を担っておられる方々には大変申しわけないんですけれども、そういう意見が出ております。それから、医療機関と福祉担当者のセクトというか、そういうものがあるのではないか、こういうことを排除すべきだということを施設の人が言っているわけであります。 以上の経験は、これはただ一つの場所ではなかろうと、ほかにももっとあるのではないかと思うんですけれども、そういう意味でゴールドプランを推進しておられます厚生省としては、今申し上げましたような課題といいましょうか、問題点はもう御存じかと思いますけれども、どのような方向を今後御検討なさるのでしょうか、お尋ねいたします。
○政府委員(横尾和子君) 老人保健施設、かなり積極的に取り組んでいらっしゃる御様子の老人保健施設の利用者という立場からのたくさんの御指摘がございました。 少し整理をさせていただいた上でお答えを申し上げますと、在宅と医療機関との関係等々、ある意味で関係施策の連携が不十分ではないかという点の御指摘が第一点だろうと思います。これからの高齢者対策を進めていきます上で、どんなによくなさっている施設でありましても、一点豪華主義といいますか、一つの施策が立派であればほかは要らないということはないというのが私どもの認識でございまして、ある意味では幕の内弁当のようにいろいろなものがそろってなければ利用者の側からの要望にはこたえられないというのが実情になるだろうというふうに思っているわけです。先ほど来申し上げております地域の計画を立てるという意味も、その全体のバランスも考えていただくということになるわけですが、計画は計画といたしましても、それぞれの仕事を担当する方々が具体的に連携をとる姿勢がないとなかなかこれはうまくいかないというふうに思っております。 そういう意味で、例えば一つの病院であるとか施設であるとかがさまざまの在宅介護支援のための施策をあわせ持つということが一つの方法でございますし、もう一つは、その地域の中で連携をとるための仕組みを持つということであろうと思います。 御指摘のように、全国的に見れば、一つの施設がさまざまなサービスを持っていれば、司令塔が一つですから割合うまくいっておりますが、運営主体の違う方々が集まって地域のために考えるという仕組みはなかなかどこでも十分だというところまでいっていないのが実情だと思います。しかしながら最近、そのことこそがゴールドプランを意味あるものにするのに必要だという意識を行政側も事業の主体者、運営主体もお気づきいただきまして、幾つかの地域で非常にいい連絡がとれてきているという報告もいただいているわけでございます。特に私どもは、それぞれの事業主体、例えば医師会であるとか看護協会であるとか行政だとか病院だとかのトップの方々の打ち合わせと同時に、実務者としての打ち合わせという両方を求めてその連携を進めたいというふうに思っているわけでございます。 もう一つ御指摘のありましたのは、利用する側が福祉は利用しにくいとか、どの病院がいいかわからないというある意味での相談体制の不備ということであろうと思っております。利用しにくいということで、施策がふえればふえるほど利用者の側は迷うわけでございまして、この相談体制の不備というのは私ども大変深刻な問題だと思っております。 基本的には、在宅介護支援センターを整備して、その在宅介護支援センターが利用者に成りかわってどういうサービスがいいかということを提示して、それが利用したいということになったら利用者に成りかわってそれぞれのところにかけ合う、代理人のような役割をこの介護支援センターに求 めていく方向で今検討を進めているところでございます。
○三重野栄子君 今伺いました点の医療関係のトップの打ち合わせあるいは事務担当者の打ち合わせ、そういうことを企画、推進していくというのは、どこが担当するという言い方はおかしゅうございますけれども、どこがリーダーシップをとっていくようにお考えでございますか。
○政府委員(横尾和子君) 私どもは基本的には行政の仕組みの中でそういうものをつくるようにという指示をしておりますが、他方、それぞれの専門団体の方々にも御協力をお願いしておりまして、今多くの医師会、看護協会、それぞれ施設の運営協議会の皆さん、関係者の方々にそういう場にかかわるようにという働きかけをしていただいているところでございます。
○三重野栄子君 今伺いまして、福祉の問題だけでもいろいろ広範にわたるわけでございますけれども、私どもが提案をしております十項目を見ていただきましても、各方面から、先ほど木暮議員のお話もありましたけれども、いろんな問題でこの福祉の問題を考えていかなくちゃならない、解決していかなくちゃならないということでありますが、二項目として長寿社会対策十カ年計画の策定を提言しているところでございますけれども、厚生省としてはこの点をどのようにお考えでございましょうか。
○政府委員(横尾和子君) 私ども厚生省が今動いておりますのは、長寿社会対策大綱、政府が決定いたしましたものをベースにして、それを踏まえて福祉ビジョン、あるいはゴールドプランを持っているわけでございます。 恐らく長寿社会というのは、厚生行政以外の部分でもさまざまなことが要請されると思っておりますので、今後その閣議決定をいたしました長寿社会対策大綱が、次なる大綱が必要かどうかということについて、関係方面に御相談をするなりしてみたいというふうに思っております。
○三重野栄子君 次なる相談をしていただく場合には、やはり女性の場合の世界行動計画、国内行動計画をつくるに当たりましては、総理府が担当なさいまして各省庁お集めになって、そして推進してきたように思うわけでございますけれども、この長寿社会の問題につきましても各省庁にわたることがあると思いますので、そういう点でしていただく方がいいのではないか、これは私の単なる意見でございますけれども、そういうことを思っているところでございます。 それでは、トピックスと申しましょうか、最近はマスコミの問題が大変みんなの話題になるわけでございますけれども、どこかでマスコミで取り上げられますと、みんなそうなるんではないかと大変心配する向きがございますが、二点ほど御見解をお伺いしたいと思います。 十一月九日付の朝日新聞によりますと、「医療以外に収益事業」という見出しで医療法人に関する記事がございました。平成五年六月の全国公私病院連盟の調査によりますと、総収入支出が赤字の病院は八四%、それから平成四年六月の調査によりますと、赤字病院が七三%で、病院の経営は非常に厳しくなっているというふうに私は理解しているところであります。 開設者別に見ますと、赤字病院の割合は、自治体病院が九一・二%、その他公的病院で六六・五%、私的病院が六三・三%ということで、このようなことが出ますと、病院の経営というのは今後一体どうなっていくのだろうか、営利に走っていかれた場合に、あとこれがもしうまくいかなかったときはどうなるんだろうかという心配の声があちこちから聞こえてまいりますので、この点についての見解を伺いたいと思います。
○政府委員(寺松尚君) 今先生からの御質問の件でございますけれども、確かに十一月九日に朝日新聞と、たしか日経新聞だったと思いますが、載っておりましたことは私ども承知をいたしておりますが、そのようなことを厚生省が決めたわけではございませんということをまず申し上げたいと思います。 ちょっと事情をいろいろ御説明したいと思いますが、十一月九日に、医療法人の制度につきましていろいろと御議論があるというふうに言われておりますので、ひとつ医療法人の制度全般にわたって検討してみようということで検討会を実は発足させたわけでございます。それが一つございます。 それから、これは先生も御承知と思いますが、現行の医療法によりまして医療法人に与えられております業務としていわゆる附帯事業というような形で言われておりますのは、法律で定められておりまして医療、保健、衛生等に関する限られた事業しか認めていない、こういうことでございます。 〔会長退席、理事竹山裕君着席〕 例えば、医学、医術につきましての研究所でございますとか、あるいは疾病予防のための運動施設、それから温泉利用型の健康増進の施設というようなものでございます。どちらかというと不採算のものが非常に多いということでございます。 ところが、御承知と思いますが、社会福祉法人でございますとか、学校法人、宗教法人、いろいろ法人がございますが、その法人のそれぞれにつきましては、附帯業務として一定の要件を課してはございますけれども、認めておられるという事実がございます。しかしながら、医療法人の方が、先ほど申し上げましたように、極めて厳しい状況に置かれてございます。 そこで、私どものこれからの考えでございますけれども、医療法人につきまして収益事業の扱いをどうすることがいいのかというようなことにつきまして、先ほど申し上げました検討委員会におきまして検討をこれから幅広に御議論いただくというような段階でございます。したがいまして、その御議論が詰まりましてこういうふうなことがいいだろうというようなお話になりましたら、私ども誠意を持ってその実現に努力をいたしたい、このように考えておるわけでございます。もちろん収益事業だけではございませんで、いろんな問題について、医療法人の問題について議論していただくことになっておるわけでございます。 それから、もう一つの民間病院の赤字の新聞等での報道についてでございますけれども、確かにいろんな報道がなされております。公私病院連盟の方からも資料が提出されておりますし、私どもも要請をいろいろ受けておるわけでございますが、実は国会におきまして御質問がございました。それに対しまして当時の丹羽大臣がお答えになりました。民間病院の実態につきましては、私どものデータが非常に少ないということ。そこで、私どもは民間病院を対象に経営の緊急調査をやらせていただこうと、こういうことで、実は六月に実施したわけでございます。 そうしますと、今先生がちょっと御指摘になりましたように、三割の病院が赤字である。しかも三年度と四年度を比べてみますと、ややその割合がふえておる。そして全体的には経営が非常に厳しいというふうな状況でございました。いろいろとそのほかのデータもとっておるわけでございますが、そういうふうなことでございます。 そこで、私どもはこの調査の結果を今詳しく分析しておるところでございますが、中間的には既に九月の末に発表させていただきました。そこで、その調査の結果を分析しながら有識者等から成ります医療機関経営健全化対策検討委員会というのを設けまして、既に二回御議論をいただきました。 その中で具体的にどういう議論をやっておるかと申しますと、項目を挙げさせていただければ、一つは資金調達を含めました収入支出対策、収入をどういうふうな形で確保するか、支出をどういうふうにして抑えていくかというふうなことでございます。それから二番目は、公的助成、国庫補助金なども含めてでございますが、そういう公的助成をどのように考えるか、あるいはどのようなものについてやるかというようなことでございます。それから三番目は、経営管理方策というものにつきまして、経営管理基準等の作成とか、そのようなことが話題に現在なっておりまして、これ から年度末に向けまして御議論をいただくことになっております。 もう先生既に御承知でございますが、ちょっと長くなりますが、実は何もしていないかというと、そういうことではございませんで、ちょっと私どもの民間病院に対します対応策につきまして申し上げたいと思います。既に五年度におきまして、民間病院等の患者の療養環境というものの整備につきまして国庫補助金を三分の一でございますけれども出しておるわけでございます。そこで、来年度につきまして私ども概算要求を今やっておるところでございますが、一つは患者環境、それから勤務環境あるいは衛生環境というふうなものを含めまして、その辺を改善するということで、病院の近代化施設整備事業というのを要求いたしております。ここで補助制度を大幅に拡大したいというふうな私どもの要求でございます。 それからもう一つは、これは融資の面でございますけれども、社会福祉・医療事業団の融資枠の拡大、それから融資条件の改善というふうなことをやっておるわけでございます。 いずれにいたしましても、検討委員会におきまして幅広にいろいろと御提案をいただき、それに従いまして私ども民間病院の総合的な経営健全化対策に取り組んでまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○三重野栄子君 命を預かる病院でございますので、ぜひ御援助のほどもお願いしたいところでございます。 同じく新聞の記事でございます。十一月一日の朝日新聞によりますと、病院給食保険外、患者負担は二万円増という内容の記事が出ておりました。今も病院の経営については御検討いただいておりますけれども、来春は診療報酬の改定の計画もあるようでございますけれども、そういう中で、国民の自己負担増というのはやはりできるだけ財源を別に求めていただきたいという願いを込めまして、この病院給食の新聞記事の真偽のほどにつきまして御見解をいただきたいと思います。
○政府委員(多田宏君) 十一月一日の朝日新聞で病院給食保険外という見出しで取り上げられた記事の件に関しまして、多少コメントをさせていただきたいと思います。 給食問題に限らずに医療保険制度全般につきまして、人口の高齢化や疾病構造の変化、あるいは医療に対する国民ニーズの多様化あるいは高度化といったようないろんな大きな変化、こういうものに対しまして、一体これからどういうふうに対処していくのが医療保険制度としていいかということ全般につきまして、今、医療保険審議会が昨年九月から総合的な検討を開始したという状況になっておりまして、その最初に、保険給付の範囲、内容のあり方あたりを中心に議論をしようというような形で進められてきました。そして、本年六月に中間まとめというものが公表されたわけでございます。 この中間まとめの中では、例えば今の御指摘の記事に関連しての給食でありますれば、「在宅・施設間を通じた負担の公平、給付の重点化、給食の質の向上を図る等の観点から、給食に係る給付の在り方を見直す必要がある。」という指摘がなされておりまして、この中間まとめは既に公表されたところでございます。そして、現在、この医療保険審議会は引き続きこの中間まとめを受けてさらに掘り下げた検討をしようということで検討が進められているところでございますが、先ほど申し上げたように、これは何も給食だけを議論しているわけではなくて、保険給付の範囲、内容といったものを中心に幅広く議論が進められていると、こういう状況でございます。 審議の仕方として、小委員会というのにたたき台をつくってもらおうという議論がありまして、たたき台がつくられて、それを審議会でさらに今いろいろとディスカッスをしているという状況でございますが、このたたき台に関しましては、審議会の意見がまだまとまっていない段階で公表されてもかえって混乱を招くであろうということで、審議会としては公表しないということで、今のところさらに詰めた議論を審議会でやっていただいていると、こういう状況にあるわけでございます。 厚生省といたしましては、審議会の結論が得られたその部分につきましては積極的に必要な措置を講じていく考えでございます。
○三重野栄子君 審議会の結論を待つということでございますが、病院給食について厚生省は現在いかがお考えですか。
○政府委員(多田宏君) 審議会が六月に公表されましたこの給食についての考え方というものについては、基本的に私どもも全く同一の意見を持っております。したがいまして、在宅・施設間を通じた負担の公平、給付の重点化、給食の質の向上を図る等の観点から給付のあり方は見直される時期ではあろうというふうに考えております。
○三重野栄子君 大変ショッキングなお話を伺いました。病院給食の問題と在宅の食べ物とがどういうふうに負担するかということで議論になっているということは伺いましたけれども、厚生省もそういう御意見であるということで、これから私どもはもう少し皆さんと十分意見を交換しながらこの点の問題については深めていかなきゃならないというふうに思います。 時間が参りましたが、一点だけ、ちょっと郵政省に第六項目について伺っておりましたので。社会資本の整備促進を掲げておりますけれども、これらに関する情報通信技術の現状と将来展望、長くならないように、簡単に、大変難しいお願いでありますけれども、御説明いただきたいと思います。
○説明員(大須賀克己君) お答えいたします。 近年の著しい技術革新を背景といたしまして情報通信は国民の生活を支えるあらゆる分野で重要性がますます増してきておりまして、今後の高齢化社会においても同様な役割を担っていくんじゃないかというふうに認識しております。そのため、郵政省といたしましては、二十一世紀に向けて豊かでゆとりある高度情報社会をつくるためのいろいろ仕組みを考えておりますが、その中で先生おっしゃいましたようなことも十分配慮しながらやっております。 現在、高齢者対応といたしましては、ひとり暮らしの高齢者が緊急の場合に通報するようなシステムですとか難聴者のためのシルバーホンなどが利用されております。今後、社会の高齢化に伴いまして、例えば自宅にいながらにして診察が受けられるような遠隔医療システムなども求められてくるんじゃないかというふうに思っております。 郵政省といたしましては、将来の高齢化社会に対応して特に技術開発でいろんな仕組みが必要になるんじゃないかと思っております。特に高齢者の社会参加、福祉、医療などの充実に貢献するような、言ってみれば高齢者に優しいような電気通信システムが要求されてくるというふうに考えておりまして、これに対しても積極的に研究開発を進めていく所存でございます。
○三重野栄子君 終わります。
○栗原君子君 栗原でございます。よろしくお願いをいたします。 私は、実は町議会の出身でございまして、町や村の状況というのが大変気にかかるわけでございまして、私は、今回厚生省がゴールドプランを出されまして、そのことによりまして、ある自治体の村長さん、町長さんに、今一番困っていらっしゃることは何ですか、皆さん方の力でこれができますかと、そういうことをお聞きいたしました。そして、いろいろとお話が返ってまいりましたので、このことにつきまして質問をさせていただきたいと思っております。 まず第一は、自治体の保健福祉計画、これは来年の三月までに一応つくるようにということが言われておりますけれども、本当にこれがきちっとできると思っていらっしゃるものかどうか、このことをお伺いしたいと思うのであります。 今まで高齢化問題というのは大変日陰の状況に置かれていたわけでございますけれども、今回、この数年前から急にひなたに出されたということ になりまして、住民はもちろんでございますけれども、町役場の職員たちも本当に何から手がけていいかわからない、こういうことが実態として出てきているわけでございます。現在三千数百自治体があるわけでございますが、この中で本当に自力でこの保健福祉計画ができる自治体がどれだけあるのか、私は大変このことが心配であるわけでございます。何十万人とかあるいは何万人というような町や市の段階でしたらスタッフもいらっしゃいましてできるかもわかりませんけれども、一万人そこそこの印とかあるいは何千人かの村とか、そういうところでしたら町役場の職員全体でも百人いるかいないかというような自治体がたくさんあるわけでございます。 そして、福祉の関係をしている福祉課の職員といいますと十人にも満たない。その中で高齢者の問題をやってい各人は本当に一人か二人かあるいは三人か、そういう中でこの保健福祉計画を立てることに今頑張っているわけでございます。だから、自分の町ではできないから、そういう能力がないから業者に委託をして何千万も金を出してつくってもらうとか、そういうことがあるわけでございます。それから、それをしないところは、隣町がつくったのを幾つか手直しをして一応作文だけはっくるのでございましょうけれども、こういう状況があるわけでございますけれども、このことについてどのようにお考えがお答えをお願いします。
○政府委員(横尾和子君) 自治体の計画の進捗状況を申し上げますと、九月の末までの状況で三百五十七の市町村、自治体数の一一%に相当いたしますが、既に計画の決定を見ております。 これに加えまして、千七百八市町村が計画原案ができまして関係方面と調整中ということでございますので、既に全体の六三%が計画をつくっているという状況でございます。小さな町や村の状況をお話しいただきましたが、町で申しますと百五十、村では百二十で計画が決定されているということでございます。 私どもこの計画をつくるに当たりまして、御指摘のありましたような点大変心配をいたしまして、私どもなりに慎重に進めてきたつもりでございます。既に平成二年度、三年度の両年にかけましてモデルの市町村を選んで、ここではこういう形で計画をつくるのだということを実際にやりまして、それを全国の市町村にお示しをいたしました。同時に、各県あるいは自治体の職員の方々を対象にいたしました研修というのを平成四年度に行いまして、ブロック別に行いましたが、大体三千名程度の職員の参加をいただきました。また、おっしゃいましたように、自治体のトップの方々の問題認識ということが重要ということで、トップセミナーということを各地で実施させていただきまして取り組みをお願いするというふうなことをいたしました。 同時に、具体的に計画をつくるためのノウハウが必要ということで、例えば策定の指針をお示ししたり、あるいは市町村の人口の将来推計のやり方をお示しする、あるいは要介護老人の把握方法についてお示しする、実態調査を行うときのモデル調査票というようなものを御参考までにお示しするというふうに、道具の面でもかなりお手伝いをしてきたつもりでございます。 中には先生のお耳に入るような状態のところもあるかもしれませんが、総じて申しますと、大変御苦労はされておられますけれども、事柄の意義ということを御理解いただいて前向きに取り組んでいただいているというのが私の認識でございます。
○栗原君子君 ある町ではスタッフもいないわけでございまして、係長が一人でもう頑張っているとか、あるいは課員一人がやっているとか、そういう状況があるわけでございます。それでも何とかつくらなきゃいけないということになっておりますので、作文だけはっくると言うんですよね。作文だけはつくるけれども、その次がどうなるか自分たちはわからないと、こういうことが発言として出ておりますものですから、ぜひともこれから、市町村には十分な御苦労をしていただいておりますので、厚生省としても十分な手だてができますようにお願いをしたいと思います。 そして次に、私は、自治体の施設の使用乗り入れ、こういうことはできないかと、このことについて御質問をさせていただきたいと思うんです。 例えば、ある町でデイサービスをしようと思った。そうしたら、給食の設備がないためにこれはちょっと難しくて、何か別にそういったものをつくるとなると大変ままたお金も要ることだし、労力も要ることだし、そうしたら、学校の調理室があいているじゃないか、あそこを使わせてくれればいいじゃないか、そんな話もあったわけでございます。 それから、これは私の町で起きたわけでございますけれども、デイサービスをするのにやっぱり調理室がないわけでございまして、ないから町立の保育所の調理室があいているから、時間をちょっとずらしてそこを使用させてもらって、お弁当をつくって食べてもらったらどうであろうか、こういう話が出たわけでございます。だけど、高齢者のデイサービスと、それから保育所の調理室を使わせてくれという保育所と、同じ厚生省の管轄でもこれができなかったんですよね、実際に。こういうことなんです。 だから、ましてや文部省の管轄になる学校の調理室まで入り込めるものかどうか。調理室だけでなくても、例えば学校の施設を使わせてもらう。今、割に地域に開放しているのは運動場とか体育館は開放しておりますけれども、その次がなかなか地域に開放されるということになっていない中で、小さい町では別に施設をつくることができないから、何とかあるものを使ってやらせてくれれば少しでも早くできるんじゃなかろうか、こういう話が出ておりますけれども、このことについていかがでございましょう。
○政府委員(横尾和子君) 保育所を高齢者のデイサービス等に活用するというのは大変名案でありまして、特に地方へ行けば行くほど保育所というのが地域の中で定着した存在であるわけでございまして、おっしゃいますように、保育所のスペースあるいは機能を活用することについて近く児童家庭局長と私の連名の通知で上手に使うことを促進するようにというのを出すべく今努力をしているところでございます。
○説明員(近藤信司君) 学校給食の活用の件につきましてお答え申し上げます。 地域の高齢者の方々に対しましては、食事を提供するためにその食事の調理を学校給食施設で実施をするということにつきましては、例えば当該施設に余剰の調理能力がある場合などにはこれは可能であろうと考えております。例えば、現実の問題でございますけれども、品川区などでは週に二回でございますけれども、まだ全校というわけではございませんけれども、小学校で学校給食を実施する際にひとり暮らしの御老人に対しましても学校給食を配食しておると、こういった事例はあるわけでございます。 いずれにいたしましても、学校給食施設の設置者であります市町村におきまして、地域の実情を踏まえ、本来の目的であります学校給食の実施に支障を生じないかどうか、あるいは経費の負担区分、設備や人の問題その他運営上の諸問題があるわけでございますけれども、総合的に検討して行っていく必要があろうかと、このように考えているところでございます。
○栗原君子君 ある町長さんがおっしゃったんですけれども、これを黙って勝手にやって、わかって怒られたと、こういう話があるわけでございますので、ぜひ私は小自治体においては、もうとにかく町の中で小学校のあるところ、保育園のあるところというのは、何といいますか、中心部のようなところでございまして、小学校とか保育園とかというのは地域のコミュニティーの場のような感じがあるわけでございます。 ここらを住民の人から見て、何で同じ町の職員であるのにあそこを使えないのかと、そういう素朴な願いを持っていらっしゃる住民もいらっしゃ るわけでございまして、そこの自治体の財政の規模からしても、なかなかそういった施設一つつくるにしても十分ではないわけでございますから、あるものを乗り入れをしてやることをさせていただければ、もう少し早くこれらが進んでいくのではなかろうか、こんなことを思うわけでございます。 それから次に、私は優しい町づくりをしていこうと思えば、さまざまな形で障害者とか高齢者とか、そういった人たちの何といいますか生活が手助けできるようなものがつくられる必要があると思うんです。例えば、家を建てるときとか、個人の家でもそうでございますけれども、公の施設をつくるときにも障害者のためのスロープをつくるとか、あるいはトイレをつくるとか、こういうことをする必要があると思うんです。 それとあわせまして、個人の住宅で在宅のケアをしようとすればできないわけでございますので、自治体の窓口に行って資金の融資を受けるとか、そういうことが今なされているわけでございますが、これを年をとってからそういうことをするのでなくて、もっと若いうちに家をつくる段階で、建築確認の申請をするときに窓口でこれをアドバイスしてもらうという、こういうことにはならないかと思うんですけれども、いかがでございましょうか。
○説明員(山本繁太郎君) 今御指摘がありました、どうせだんだんみんな年をとっていくわけだから、家をつくるときに高齢者対応の仕様できちんとしておく方が国民経済的にも望ましいのではないかという御指摘でございます。私ども全く同じ認識でおります。 それじゃ、それをどういうふうに実現していくかということでございますけれども、実は私ども二通りのやり方でこれを進めておりまして、一つは、まず公共の主体が供給いたします住宅でございます。住宅公団がつくります住宅でありますとか地方公共団体でおつくりいただく公営住宅、これにつきましては、平成三年度から建設の基準につきまして高齢者対応を図るようにということで基準を順次改定してきておりまして、手すりをつけるでありますとか、あるいは段差を除くでありますとか、そういった高齢者対応の住宅を新規に供給するということで進めてまいっております。 それから、民間の方でおつくりいただく住宅、持ち家も賃貸住宅も含めてでございますけれども、これにつきましては、ただいま申し上げましたような仕様で住宅をつくる場合にコストがかかりますので、その分だけ一番低い金利でお貸しする額を割り増しするという制度をつくっておりまして、これをこういう形で進めております。 ただ、制度をつくりましても実際に住宅をつくっていただくのは国民の皆様個人個人でございますので、例えば住宅金融公庫の相談窓口でありますとか、あるいは全国各地で都道府県など公共団体と協力いたしまして住宅フェアなどのイベントをやっております。毎年十月を住宅月間と定めてそういうことをやっておりますけれども、住宅フェアのやっぱり最近ではメーンの目玉が高齢者対応の住宅あるいは環境共生の住宅でございます。そういうことでございますので、そういった機会をとらえて、できるだけ住宅をおつくりになる国民の皆様に御理解をいただくように精いっぱい努力をしていきたいと思っている次第でございます。
○栗原君子君 ここにちょっと新聞の切り抜きがあるわけでございますけれども、今施設から在宅で自分の老後を過ごしていきたい、そういう人たちの願いが大変多くなってきているので、このことについていろんな資金の援助の制度をもっと拡充してほしい、こういった中身の新聞記事でございます。 この中で、台所の床の板を厚くして居間との段差をなくしていくとか、それからトイレや浴室に手すりをつけるとか、あるいはまた、今は手すりは若いからまだ要らないけれども、将来は手すりがどうしてもここに欲しい、そういうことになるわけでございますから、そうすれば、もう壁の中に前もって板を埋め込んでおくとかすることをさせれば、私はもっと何といいますか安い金額で手すりをつける方法ができると思うんですよね、初めから削らなくてもいいし。それから、一般の民家の場合でも、ちょっとしたスロープを先につくってもらうように窓口で私は幾らでもアドバイスができるであろう、このように思うわけでございます。ぜひそこらを頑張っていただいて、きちんと皆さんにアドバイスができるようにしていただきたいと思うんです。 そして、在宅の介護が不可能だという人たちもやっぱりあるわけでございます。ここに首都圏で調査をしたものが出ておりますけれども、首都圏で四割の人たちというのはもう在宅では不可能であると、こういうことをおっしゃっておられるんです。その中身というのは、現在の自宅の状況では大変手狭であるということをおっしゃる方がありますし、部屋の数がないとか、あるいは段差が多いとか、そんな状況でございます。 そして、自宅でも可能である、こうおっしゃっておられる方もあるわけでございますが、自宅で可能だとはっきりとおっしゃった方が約二〇%。これは首都圏でございますから、地方へ行けばもっとこれが私高くなると思うんです。それから、多少の手入れをすれば可能になると、これが三八%ありまして、五八%の人は自宅で何とか過ごせそうだと、このようにおっしゃっておられるわけでございますから、もっと何かいろいろ皆さんの方からアドバイスをしていただくことによってこの率を上げることができるんじゃないかなと、こう思うわけでございます。よろしくお願いをいたします。 それから、一番望んでいらっしゃるものは浴室の増改築とか、あるいはまた廊下とか階段への手すりを設置するとか、トイレの増改築とか、段差の解消とか、こういった本当にちょっとしたことでございますので、これは幾らでも私は建築確認のときに窓口でアドバイスをしていただけるものであろうと、そのように思っております。 それから、公の施設につきましては、近ごろ割と自治体の方へも考えが徹底しているようでございまして、障害者のトイレとか段差を解消するとか、あるいはまたエレベーターをつけるとか、こういったことで大分進んできたように思うわけでございますが、まだ十分ではありませんので、ぜひこれからもよろしくお願いいたします。 次に、高齢者福祉といいますと、私は人材確保が一番大切であろうと思うんです。大変手間暇かかることなんですよね。言ったから、やったからすぐできるとか、そんなもんじゃないと思うわけでございますけれども。看護婦さんとか、それから保健婦さん、ケースワーカー、いろんな人たちの知恵とか手間をかりなきゃいけないわけでございますけれども。 この中で、小さい自治体になりますと人が来てくれない、こういうことをおっしゃるわけでございます。うちの町から出ていってある市でケースワーカーをやっている人とか看護婦さんをやっている人がいるんだけれども、ああいう人がもっとこの田舎に帰ってきて地域のこういった福祉を支えてくれる担い手になってほしいんだと、こうおっしゃる方が自治体の首長さんの中に結構多いわけでございます。こういった専門家と言われる人たちが町の職員の給与体系では帰ってきてくれない、民間の方が高いからそちらの方に行っているんだとか、そういう話も聞くし、それから、今まあ不況だから割と集まりやすいんだけれども、でもこの不況を当てにするようなことではいけないのでありまして、もう根本的にその人材確保というものを我が町でもやらなきゃいけないと、そうおっしゃる方がたくさんあるわけでございます。 それとあわせまして、地方の議会の中で職員の定数条例を出しますと、議会が、今人を入れることはけしからぬと言って反対をされて、人を入れることもできないんだと、こういう状況もやっぱりあるわけでございますが、ここらをどのようにお考えでいらっしゃるか、よろしくお願いいたします。
○政府委員(土井豊君) 高齢化社会に備えての人材確保の問題でございますが、大変重要な課題であると認識をいたしております。 昨年、福祉の現場で働く職員や看護婦さん方のためのマンパワーの法律案を成立させていただきました。現在これに基づきましていろいろ努力をしているところでございますが、ことしの四月には基本指針を策定いたしまして、それに基づいて必要な取り組みを開始しているところでございます。その一つといたしまして福祉人材センターの設置ということをいたしておりますけれども、各都道府県に一つ福祉人材センターをつくりまして、これは今年度全都道府県で出そろうことに相なっておりますが、地域地域における人材の確保に努力をする、あるいは研修等を通じて質の向上に努力をするというような活動を開始しているところでございます。 町村部において個別的にいろいろ人材確保に困難を来しているというところがあろうかと思いますけれども、こういった各都道府県の福祉人材センターの一つの仕事として、そういった県内に対する全体的な調整といったようなことにも目配りをしていければというふうに思います。 それからなお、定数条例の問題は、これは議会の問題でございますので私の立場から云々することは難しいと思いますけれども、例えば福祉の新しい施設をつくった場合に必要な人材と人数の確保ということはどうしても要るわけでございまして、そのために最低基準といったような一定の人数の確保の基準を定めてもおりますものですから、そういったふうに全体としてどういう定数を各市町村が持つべきであるかというような形で御議論をいただければというふうに思う次第でございます。
○栗原君子君 それで、人材、確かに専門家も必要なんですけれども、やっぱり地域全体でこれを支えていこうという意識が起こらなきゃ絶対に私できないと思うんです。それが地域もまだまだ不十分でありますけれども、それよりもまず私は村役場、町役場の職員の段階でどうかなと思うことがいっぱいあるんです。福祉課の職員だけは一生懸命やっているんですけれども、あとの課の職員というのは知らん顔をしているような状況でございますから、これは印とか村で職員の研修を徹底してやってもらわなきゃいけないわけでございますから、これから本当に高齢化社会を支えていこうと思ったら、地域がもう本当に頑張っていかなきゃこれはできないであろう、私はこう思うんです。 そのためには保育園とかあるいはまた幼稚園の段階からでも福祉教育ということを念頭に入れたそういった幼児教育、小学校、中学校での学校教育、こういったこともしっかり頑張っていただかなきゃできないであろう、こう思うんです。ぜひそこらを厚生省の方から関係の各省庁にすべて呼びかけていただいて、少々のものは後回しででもこれをやらなきゃいけないんだというぐらいな熱意を持ってやっていただかなきゃ、絶対に私できないと思うんです。そういったことで、また横尾局長の決意の一端をお聞かせいただければと思うんです。
○政府委員(横尾和子君) 一つは高齢化社会、四人に一人というときに考えなければいけないのは、四人に一人の人が、冒頭に清水委員がおっしゃいましたように、自立をする、そういう気持ちを持っていただけるような条件整備をする、これが大事だというふうに思っております。同時に、手助けが必要になったときには、行政もでございますけれども、いろいろな生活の局面でお手伝いをする、あるいは高齢者の対応について理解をしているというふうなことが大切だろうというふうに思っております。 御指摘でもございますので、関係者の方々にいろいろお願いをするということもあろうと思いますし、小さいお子さんも含めて、あるいは企業のボランティアというようなことも広まってまいりますし、また高齢者自身も高齢者を支えるという気持ちを持っていただくことも重要ではないかと思っておりますので、取り組まさせていただきます。
○栗原君子君 ありがとうございます。 人があればいいというものじゃありませんで、人権を踏みにじるようなヘルパーが何人おっても私は役に立たぬと思うんですね。そういった根底に人権というものを見据えたところで専門家あるいはまた地域の人たちにもっともっとこういったことが波及するように私も祈念をいたしまして、終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○理事(竹山裕君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。 午後零時二十六分休憩 ―――――・――――― 午後一時二十二分開会
○会長(鈴木省吾君) ただいまから国民生活に関する調査会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国民生活に関する調査を議題とし、本格的高齢社会への対応に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○和田教美君 当調査会の中間報告のフォローアップに関する各省の説明に対しまして、私はその中で運輸省関係と建設省関係について質問したいと思います。順次、さきに各省から出されましたペーパーに基づいて質問をいたします。 そこで、まず運輸省運輸政策局長にお尋ねしたいんですけれども、高齢化社会が進むにつれて足腰が弱い高齢者、車いすを利用せざるを得ない高齢者等がだんだんふえてまいります。そして、これに対応する交通機関の整備が不可欠であるわけでございますが、例えば整備計画を立てる上で、移動にハンディキャップを持つ者の交通需要、それが一体どのくらいなのかというふうなことを調査した上で具体的な見通しを持っておられるのかどうか。それから、それを中長期的な整備計画に織り込むお考えなのかどうか、その辺のところをまずお聞きしたいと思います。
○政府委員(豊田実君) お答えいたします。 高齢者、障害者のための公共交通機関の施設設備というものについて、私どもこれまでも努力をしてまいってきておりますが、政府全体としまして長寿社会対策大綱、これは昭和六十一年に閣議決定しておりますが、また本年三月に障害者対策に関する新長期計画というようなものがありまして、この中で公共交通機関についても指摘を受けてきております。 私ども、こういう長期計画の中で交通問題について取り組んでいくということですが、今お話しのように、具体的に利用者側の要請というものがどういう形で把握されるかということだと思いますが、私どもとしては本年度から三年かけまして、これはモデル地区を横浜と金沢両市、それぞれ規模を前提にして二つの市を選んでおるわけですが、その市におきまして、高齢者とか障害者の方が移動するに当たってどういう連続性のある交通体系をつくっていく必要があるかということを、この両市をモデルにしまして計画を策定したいということで、三年計画で今取り組み始めたところです。 こういうような具体的な都市の実際のいわば交通需要といいますか、そういうものを把握した上で、全国の各都市でそれらのモデルを前提に取り組んでいくというふうに私どもとしてはやりたいと思っております。
○和田教美君 ぺーパーの二ページに書いておられます鉄道駅におけるエレベーター整備指針の問題ですけれども、これによりますと、平成三年に鉄道駅におけるエスカレーターの整備指針をつくっている。最近はさらにエレベーターの整備指針も策定してその整備を進めているというふうに書いてございます。 ところが、四ページを見てみますと、現在までのエスカレーター、エレベーターの設置率というのは非常にまだ低いわけでございます。これで見ますと、エスカレーターについては整備率は一 一・七%、エレベーターについてはわずかに四・三%ということで、これからこれが相当なスピードでよくなっていくのかどうか、一体どういうことか、現在までこんなに設置率が低いという原因はどこにあるのか、その辺についてお尋ねをしたいと思います。
○説明員(小杉昭夫君) ただいま先生御指摘のございました移動制約者の方々のための施設整備の必要性、私ども十分認識しているところでございます。特に駅における段差の解消のため、ただいま先生もお話がございましたが、平成三年六月に鉄道駅におけるエスカレーターの整備指針、これを策定しましてエスカレーターの設置を図るよう指導してまいったところでございます。さらに本年八月には、鉄道駅におけるエレベーター整備指針を策定しまして、エレベーターにつきましても設置を行うよう今鋭意関係事業者を指導しているところでございます。 しかしながら、鉄道駅にエレベーター、エスカレーターの施設整備を行う場合には、特に既設駅におきましては大変大規模な駅構造の改良、また出入口のための新たな用地が必要だという大変困難な問題があるわけでございまして、このような制約条件があるため必ずしも十分には整備が進まない状況にありますが、指針を踏まえて鉄道事業者にエスカレーター、エレベーターの設置をさらに指導してまいりたいというふうに考えております。
○和田教美君 まだどのくらいという見通しは立ちませんか。
○説明員(小杉昭夫君) 具体的な数値につきましてはまだこれからですが、今先生御指摘のございました設置率を高めるようさらに指導してまいりたいと思います。
○和田教美君 エスカレーターについて整備指針というのを見てみたんですけれども、平成三年にできたわけですが、そこではプラットホームと改札口などがある公共通路、これはいわゆるコンコース階といいますか、それを結ぶエスカレーターの設置について決められておりますが、以前から指摘されていることですけれども、地下鉄は、例えばこの国会の周辺でも有楽町線の有楽町駅を見てみますと、要するに改札口のある、そして公共通路につながっている階と、それから地上の出口は違うわけですね。それから、改札を出てからさらに階段で登らなきゃいかぬ。それまでの間はエスカレーターがついている。こういうところが非常に多いわけです。 これは理屈からいったら全部エスカレーターにすべきじゃないかというふうに思うんですけれども、実際に一部の駅ではそういうふうになっているところもあると思うんですけれども、一体どの程度がそういうふうに連続的に地上の出口までつながるようになっているのかどうか。それから、今後どういう方針でこれをやっていくつもりか、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(小杉昭夫君) 地下鉄にエスカレーターを設置する場合、ただいま御指摘のございましたように、ホームから地上の出入口までできるだけ連続して移動できるようなエスカレーターが一番好ましいわけでございますが、ただ何分いろいろ駅の構造上の制約、地下にいろんな埋設物が複雑に入り込んでいるというような場合もございまして、その場合はそこにはエスカレーターは設置できないわけで、設置できるその他の上下の方向に設置するというというような場合もございます。我々も連続したエスカレーター設置の必要性は十分承知しておりますが、駅の構造上の問題等がございまして一部連続していないのもございます。ただ、連続したエスカレーター全体がどれほどかということにつきましては、今後十分調査をしていきたいと思っております。
○和田教美君 次に、二ページですが、エレベーター整備指針、これは本年の八月に策定された。それによって、駅舎においてエレベーターを設置することに伴ってどの程度コスト増になるのか。また、エスカレーターの設置に比べてエレベーターの方が高くつくだろうとは思うんですが、そのコスト増の割合、両者の比較はどの程度なのか、お聞かせ願いたいと思います。
○説明員(小杉昭夫君) エレベーター、エスカレーターの設置費用のお尋ねでございますが、エレベーター、エスカレーター、それぞれの本体の設備の価格としましては、一基当たりいずれも約三千万ぐらいというふうに聞いておりますが、それらを設置するためにはいろいろ附帯した工事が必要でございます。また、所要の設置スペースの確保、場合によりましては取りつけ通路の確保という関係する工事費用が大幅に増加することとなりますので、これらの費用も含めて全体的な設置費用ということで見てみますと、エレベーター、エスカレーター、まあエレベーターの方が若干高くなるかと思いますが、一駅当たり平均的に見ますと、いずれも数億円程度という費用が必要になるというふうに考えております。
○和田教美君 整備指針の策定によりまして、今後新設駅、大改良駅でのエレベーターの設置についてはどの程度整備していくつもりか、進めるつもりか、その見込みをひとつお知らせ願いたいと思います。
○説明員(小杉昭夫君) 先般、八月にエレベーターの整備指針を策定したわけでございますが、その指針におきましては、新設、大改良の駅では、スロープで対応できる場合は結構ですが、スロープで対応できない場合は基本的にエレベーターを設置するということになっておりますので、新設、大改良の駅につきましてはすべて段差が解消されていくということになります。 一方、既設駅につきましては、先ほども御説明しましたけれども、大規模な工事、また新たな用地の確保というような困難な問題がたくさんありますので、必然的に投資額も大変大きくなるということでございます。このような制約条件の中でその設置が進むには、やはり駅の所在する地域の協力、これがぜひ我々も必要だろうというふうに思っておりますが、個々の駅につきまして、その所在する地域の協力の程度というものを勘案しながら、今後順次整備するよう事業者を指導してまいりたいというふうに思っております。
○和田教美君 次に、高齢者、障害者のために、特別なエスカレーターなりエレベーターが設置されている場所まで移る移動手段をどういうふうに確保するかということが非常に重要な問題になってくると思うんです。 これは、例えばスウェーデンとかイギリスとかドイツとかフランスなどでは、通常の交通機関を利用できない重度の障害者あるいは高齢者に対する移動サービスを提供するスペシャル・トランスポート・サービス、STSという制度が発達をしているというふうに聞いておりますが、日本でもそういうことについて配慮しなければいけないと私は思うんです。私自身、近親者に障害者がおるものですから、非常にそれを痛感いたしております。駅ではエレベーター、エスカレーターが完備されてきたけれども、そこに行くまでの移動手段が大変だという問題でございます。 そこで、スウェーデンでは、一九八〇年にコミューンがSTSを提供することが法律によって義務づけられているというふうに聞いておりますし、またイギリスでは、代表的なSTSとしてボランティア団体によるドア・ツー・ドア・サービスというふうなものも行われているというふうに聞いているわけでございます。 ですから、どういうふうな手段で駅まで持っていくかというふうなこと。その意味では、地域の交通ネットワークの中でボランティア団体による交通ネットワークを考える。つまり、例えばイギリスの制度のように、電話一本かければすぐそのネットワークに乗ることができるとか、特別の福祉タクシーなども考えるとか、そういうことも位置づけていかなければ、重視していかなければならないことだと思うんですが、その辺について運輸省はどういうふうにお考えなのか、お聞かせを願いたいと思います。
○説明員(春田謙君) ただいま先生の方からお尋ねがございましたスウェーデンにおきましては、 御指摘のとおり、STS、スペシャル・トランスポート・サービスというサービスを、いわゆる鉄道でございますとかあるいはバスといった公共交通機関を利用できない重度の障害を持たれた身体障害者の方々のためのサービスとして地方公共団体が提供している、そういうサービスがあるということを聞いております。 我が国におきまして、いわゆる身体障害者の方のためにリフトつきの車両、まあリフトつきの自動車でございますが、これをサービスとして事業として行っている体制といたしましては、いわゆるタクシー事業者によりましてそういう車両によるサービスというものが提供されております。ちょうどことしの四月一日現在で見ますと、五百四十両の車両が全国で導入をされているところでございます。これは、実は昨年の四月現在に比べますと、昨年の四月現在で四百七十両程度でございましたので、その間七十両近くふえているというような状況でございます。 ただ、このリフトつきタクシーというものにつきましては、身体障害者の御利用いただく方々には大変重宝なものであるということで評価されておるわけでございますが、一方で、運行する側の問題といたしまして非常に車両の価格が高いということがございます。通常の大型タクシーの車両に比べますと、倍以上の価格がする。それから、運行効率につきましても、どうしても一回利用していただく回数というのも、通常の場合に比べますと相当回数が少のうございますし、また全体の収入という面でも限られる、こういうことがございます。 そういった意味では、タクシー事業者がみずからの力でこういったサービスを進めていくということにもおのずと限界があるところでございます。そういった意味で、私ども福祉行政との連携というようなものを図りながら、こういった事業に対しまして積極的な対応に努力してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○和田教美君 時間がなくなりましたから、建設省関係に移らせていただきます。 建設省関係のぺーパーの一ページに、人にやさしい福祉の生活空間づくり大綱を策定するというふうにおっしゃっております。この大綱というのは、建築物や歩道などのバリアフリー化について統一的な方針や基準を定めるものというふうに聞いておるわけですけれども、具体的な内容は一体どういうものなのか、具体的な整備目標などを盛り込んだものになるのか。また、策定のスケジュール、いつごろまでにつくるというふうな、そういうことが出ておるのかどうか、その辺のところをひとつお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(三井康壽君) 今御指摘の、人にやさしい福祉の生活空間づくり大綱につきましては、来年度建設省の所管行政の中で、高齢者あるいは障害者のために建築物あるいは道路、公園につきまして、それぞれの施設ごとの整備目標というのをつくっていきたいと考えております。 例えば、建築物でございますと、住宅であれば公共住宅、公営住宅とか公団住宅の高齢者、障害者仕様住宅の建設の促進の目標でございます。あるいは建築物につきましては、一般の、特に駅前などにございます、あるいは中心市街地にございますデパートとかたくさんの方々が出入りされるようなところの建築物の高齢者、障害者の方々に使いやすいような建築物の基準づくりをするとか、あるいは道路につきましては歩道切り下げ、あるいはスロープ式あるいはエスカレーターつきの歩道橋とか、そういった整備目標をそれぞれつくりますし、公園も同様の形で整備の目標をつくっていきたいと考えております。来年度に入りまして早々に、省内で調整をしまして、そういった目標をつくっていきたいという考えでございます。
○和田教美君 次に、このペーパーの三ページに住宅困窮高齢者の居住の確保というのがございまして、大都市等の住宅困窮高齢者に対する公的賃貸住宅の供給の促進のほか、高齢者を排除しないよう民間業者への指導等を行うということを挙げております。 実際、住宅供給の多くの部分は民営借家というのに依存しているのが現実でございますけれども、どうも聞いてみますと、こういう民営借家は、高齢者の入居が大都市圏においては歓迎されないというか、非常に困難だという状態があるように聞いておるわけです。家主は家賃の支払いだとか、火災、病気になったときの対応、転居の困難性などを心配してなかなか貸したがらないというふうに言われておりますが、そういう家主が高齢者を受け入れるようにするための誘導策、インセンティブづくりというものをもっと考えていくべきではないか。このぺーパーによると、高齢者を排除しないよう民間業者への指導を行うというようなことですけれども、そんなことでこれが改善されるのかどうかちょっと疑問だというふうに思うのです。 地方公共団体の中には、転居の際に家賃が高くなるから家賃補助なんという制度も現に行っているところもございますね。国としてこういう策をもっと積極的に取り入れていくべきではないかというふうに思うんですけれども、その点はいかがお考えでしょうか。
○政府委員(三井康壽君) 御指摘のとおり、民営借家が約一千万戸ぐらいございまして、民営借家問題は住宅政策として非常に大きな悩みの種でございます。 一つは、非常に狭いという問題。それから、今おっしゃられました契約の問題で、どなたでも入れるように家主さんが望んでおられないという問題があるわけでございます。特に、例えば風俗営業に従事しておられる方とか国籍がない方とか、そういったことの次に高齢者の入居を好まないという家主が多いわけでございます。 したがいまして、それは一つは契約の自由の原則もございますので、強制的に民営借家の場合にどなたも制限しないで入れるようにというのはなかなか難しいわけでございますので、一つは啓蒙普及ということでここに掲げさせていただいたわけでございますが、別途公共的な賃貸住宅につきましては入居の制限をいたしておりません。公営住宅でありますとか公団住宅でも同様でございます。 そして、最近では民間の地主の方々が借家を建てる際に、ことしの国会でお認めいただきました特定優良賃貸住宅制度というのがございますけれども、そういった民間の地主で建てられる方につきましても、公的なお金の入りましたものは入居の制限をしないようにしておりますので、そういった方向を拡大していくのが私どもの現在の基本的な考え方でございます。 先ほど申し上げましたように、借家は非常に居住水準、広さの問題、設備の問題がよくないわけでございますので、御指摘のように、公共団体の一部で高齢者の立ち退き等に伴いまして家賃補助を行う例もございますけれども、国全体といたしましてはより広い住宅で、しかも家賃を安くする、そういったところに国としてはお金を使っていくのが現在は一番妥当ではないかというふうに考えているところでございます。
○和田教美君 時間が参りましたが、もう一問建設省にお伺いしたいと思います。 高齢者の居住に適した住宅の問題ですけれども、民間住宅の場合、住宅建設や住宅改造における高齢者の使用に適した構造とすることについて、住宅金融公庫融資において割り増し融資をするということが六ページに書いてございます。午前中にもそういう説明がございました。しかし調べてみますと、これは五十万の住宅金融公庫の割り増し貸し付けを、もうちょっと五十万ふやして百万にするという程度のものであって、利用度は非常に低いというふうに話を聞いておるわけですが、その原因について一体どうお考えなのか。広報不足、PR不足という問題もあるかもしれませんけれども、この程度のものでは余り魅力がないということがあるんじゃないか。 むしろ、例えば東京の江戸川区等の一部の地方公共団体では、住宅改造等に対する公的助成、補 助ですね、こういうものをやっておるわけで、これは非常に効果的で評判がいいという話を聞いているんですが、そこまで踏み出したらどうかというふうにも思うわけなんですが、その点どうお考えでしょうか。
○政府委員(三井康壽君) 私どもも、高齢社会に突入するわけでございますので、新しい家をつくられる若い世代の方々も、それに備えた設計仕様でつくっていただきたいという希望を持っているわけでございます。特に公共住宅につきましては、第六期の五カ年計画、平成三年度からやらせていただいているわけでございますが、公営、公団すべてバリアフリー化でやっております。 民間の場合は、ややお金の窮屈さとかあるいは敷地条件が狭い。高齢仕様になりますと、おふろを広くしなきゃいけない、廊下も広くしなきゃいけない、階段もやや広くとらなきゃいけない。そういうこともございまして、なかなかこの普及が難しいといいますか、そういうのが実態であろうかと思うわけでございます。確かに御指摘のように利用率が非常に低いわけでございます。ただしこの五十万円というのは、仮にその住宅を建てられる際に、一般的な貸付金は二千万とかお貸しするわけでございますが、その上に上乗せでございます。 先ほど江戸川区のお話がございましたけれども、江戸川区ですとか大阪の大東市でやっておりますものを平均いたしますと、六十万とか三十五万とか、そういう助成額でございまして、単独にそれだけをおやりになる場合は五十万ぐらいというのが一つの平均的な値ではないかと見ております。 さらにそれに加えまして、先生の今御指摘にもございましたし、来年度はこの割り増し貸し付けの額を百万にしたいというふうに考えておりますので、ぜひこれを御利用いただきたい。やはり若い方で公庫を利用される方は、平均しますと戸建てで三十七、八歳でございます。三十七、八歳の方々は具体にお聞きしましても、まだ僕たちは早いぞというふうな御意見もありまして、さらなるPRをしなきゃいけないんじゃないかというふうに思っているところでございます。
○和田教美君 終わります。
○浜四津敏子君 それでは、まず労働省の方にお伺いいたします。 雇用保険についてでございますが、雇用保険法は昭和二十二年制定の失業保険法の目的である失業補償に加えまして、昭和四十九年に失業予防機能をあわせ持った新しい形で誕生して今日に至っております。この間、雇用を取り巻く経済情勢は大変大きな変化が続きまして、殊に最近では長期不況の影響で失業給付が急増してきたというふうに言われております。さらに高齢化社会を迎えまして、高齢者の雇用継続あるいは再雇用など雇用の確保の要請もますます大きくなってまいりました。 こうした高齢者の方々の雇用の現場では、定年後の継続雇用や、あるいは再就職後の給料が従前の給料よりかなり下回る場合が多いのが実情であります。そうしたときに、むしろそうした低い給料をもらうよりは仕事をやめて失業保険の給付を受ける方が得だ、こういういわゆる逆転現象が起きております。 たびたび指摘されておりますけれども、こうした中で、本当は働きたいけれども給料より高い失業給付をもらうために仕事をやめてしまう。こういう問題を解決するためにも、この給料の減額分を何とか雇用保険で補えないものだろうかということで私どもかねてから主張してまいりましたけれども、雇用保険によるこうした高齢者雇用継続給付についてどのように具体的に取り組まれるのか、お答えいただきたいと思います。
○説明員(戸苅利和君) 今お話しのように、高齢化が非常に進んでおる中で、雇用保険の制度につきましても、失業をした場合だけじゃなくて労働者の方が安心して働き続けられるようにするための援助といいますか、そういったものを考えてみる必要があるのではないかというふうに考えております。六十歳定年は着実に定着しているわけですけれども、六十歳定年を超えてしまいますと、再就職したりあるいは雇用継続がなされたりした場合でも賃金がかなり下がってしまうというケースが見られるわけです。そうなりますと、今先生お話しのように、失業給付と賃金と逆転してしまうということで、せっかく働く意欲がありましても、まず雇用保険をもらってしまおうというふうな方々が少なからず見られるわけであります。 そういった実態に対応いたしまして、六十五歳まで引き続いて働いていただけるように、働く意欲、能力を持っておられる方への支援といいますか、そういったものを考えようというふうに考えておりまして、六十歳を超えて一定水準以上賃金が下がった場合に、下がった賃金の一定割合を雇用保険から新しい給付制度で援助していくというふうな検討を行っておるわけであります。 これにつきましては、中央職業安定審議会、これは労働大臣の諮問機関でございますが、そこに雇用保険部会というのがございまして、そこで現在御検討をいただいておるところであります。私どもとしてもこの部会での労使の御意見を承りながら、なるべく早く年内にも結論が得られるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○浜四津敏子君 次に、同じく雇用保険による育児休業給付について伺います。 平成三年五月に育児休業等に関する法律が成立いたしまして、昨年四月一日から施行されておりますが、一歩前進とはいえ、何といってもやはり無給であるということが大きなネックになっているというふうに考えられております。 私どもかつてスウェーデンに行きましたときに、スウェーデンでは両親保険でこうした給付が賄われておりまして、たしか当初一年間は給料の九割が支給されている。こうした手厚い子育て支援が充実しておりますスウェーデンでは、先進諸国の中で唯一出生率が向上しているというふうに言われておりまして、日本にもこうした育児休業給付が実現できないものかというふうに希望してまいりました。この育児休業給付というものが雇用保険の中で実現できないものかどうか、どう取り組まれるのか。そしてまた、私どもは、仮にこの実現がなされるとしますと、将来的にはいずれ介護休業の給付にもつながる、そうした道も開けるのではないかというふうに期待しておりますが、そのあたりのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(戸苅利和君) 先ほど申し上げましたような観点から、現在、雇用保険のあり方について検討を行っているわけですが、その検討の中でも育児休業を取得されている方に対する経済的援助をどうするかということも一つのテーマになってございます。いろいろな形の休業がございまして、そういった休業がとれなければ失業せざるを得ないというふうなことで、そういった休業の社会的な必要性というのも認識が高まっておるところでございます。 育児休業については、今お話しのように、育児休業法ができまして社会的なコンセンサスも得られているのではないかというふうに考えておりまして、そういった意味で雇用保険で育児休業取得者に対する何らかの経済的援助を行おうということで、先ほどの高齢者の雇用継続に対する給付とあわせて検討を行っておるという状況でございます。 介護休業につきましては、これからいろんな検討が関係各方面でなされることになるのではないかというふうに思っておりまして、雇用保険は、これは労使の折半の保険料ということでございますので、やはりこういう公的な保険制度に乗せるということになりますと、社会的なコンセンサスがどういうふうに得られているか、そのあたりを十分検討させていただきたいと思います。また財源の問題がどうなるのかということもあろうかと思います。介護につきましては、介護休業のあり方についての各方面での検討状況、あるいは国民的なコンセンサスの行方、そういったものを見定 めながら、いずれといいますか、適当な時期に検討が必要であれば検討していくということかなというふうに現在考えております。
○浜四津敏子君 高齢者雇用継続給付も、また育児休業給付も、いずれも高速なスピードで進んでおります高齢化社会が要請する大変重要な政策であるというふうに考えますので、早期の実現をぜひよろしくお願いしたいと思います。また、それに関連しまして、今お話しいただきました介護休業給付につきましても、できるだけ早い段階での実現がなされるように取り組んでいただきたいと希望いたします。 ただ、この高齢者雇用継続給付、それから育児休業給付が実現した場合に、保険料率とかあるいは国民負担率が大幅アップになるのではないかという危倶が一部にあるかと思いますが、このあたりはいかがでしょうか。
○説明員(戸苅利和君) 今回の雇用保険制度のあり方についての検討に際しましては、制度の内容をもう一度再検討いたしまして、必要度の高いもの、それからもはやその必要性が薄れてきているもの、そういったものを雇用情勢に対応して見直し、不要のものは縮小するということで、そういったところから必要な財源を確保しようという考えに立っております。 そういったことで、今回の高齢者雇用継続給付それから育児休業給付を新設したといたしましても、雇用保険の料率は現行の水準を維持したいということで検討いたしております。
○浜四津敏子君 それでは、次に介護休業制度の普及率について伺います。 前回報告していただきましたものを見ますと、平成二年度の調査では介護休業制度があるという企業が一三・七%、ないという企業が八六・〇%という結果が報告されております。年々わずかながら普及率は向上しているということがこの報告書でわかりますけれども、昨年、国がガイドラインを定めました。それが多少は弾みとなっているかとも思われます。介護休業制度に前向きな企業も少しずつふえていることは確かだというふうに思います。この制度を新設する企業の中には、従来のノーワーク・ノーペイを原則としながらも、補助金とかあるいは見舞金といった名目で援助をするというような工夫をしているところもあります。しかし他方で、殊に中小企業におきましては、到底そこまで面倒を見切れないというところが多いのが実情でございまして、殊にこの不況の中でますます厳しい状況が続いております。 全体的に見ますと、介護休業制度の普及はまだまだと言わざるを得ないと考えられますけれども、今後この普及率向上のためにどのように取り組まれるのか、それから介護休業法の法制化の見通しはどうか、その二点についてお伺いいたします。
○政府委員(松原亘子君) 先生御指摘のように、昨年七月に私ども介護休業制度をなるべく早く多くの企業に導入していただきたいということで、介護休業制度等に関するガイドラインというものを策定いたしました。その後、わずかながらふえているかというふうに私どもも思っておりますけれども、現在どの程度の状況かということにつきましては、ことしの五月時点の状況を調査し、今最終的な取りまとめの段階にございますので、現段階ではまだはっきりしたところはわかりません。ただ、もちろん全企業に導入されているとは言えないというのは確かでございますし、引き続き私どもなるべく早くガイドラインに沿った介護休業制度が導入されるようにしていきたいというふうに思っております。 具体的には、まず社会全体がこの介護と仕事という問題について理解を深めていただくということが必要であることから、シンポジウムを開催するとか、ガイドラインについて多くの企業に内容を理解してもらうということから使用者会議を開催する。そのほか具体的に導入を検討したいという企業もあるわけでございますので、そういった企業にお集まりをいただきまして具体的な検討のためのいろんな諸準備、就業規則の問題ですとかその他さまざまな雇用管理に関する検討というのが必要になってまいりますので、そういったことについて検討していただく研究会を開催するといったようなことを地方の婦人少年室を中心といたしましてこれまでもやってきておりますし、今後ともさらに積極的にやっていきたいというふうに思っております。 お尋ねの法制化の問題でございますけれども、ことしの四月以来、婦人少年問題審議会におきまして、その問題以外もあるわけでございますけれども、介護休業制度の有効な普及対策について法制化も含めた検討というのをお願いしております。それ以外の問題もありますことから、この介護休業の問題についてどう考えるかということについて、九月末に一応の審議会での整理をしていただきました。それによりますと、法制化の問題も含めて検討するわけでございますけれども、それに当たりましては要介護の状態というのをどういうふうに考えるのか、そのためにどういったケアが必要になってくるのか、またそれに伴う勤務時間のあり方、休業も含めまして勤務態様のあり方というのはどういったものが必要とされるのかといったようなことについて、もう少し専門的、技術的な見地から検討を深める必要があるのではないかというようにまとめていただきました。 そういうことで、たまたま本日が第一回なんでございますけれども、今申し上げましたような点についての専門家の方々にお集まりいただきました検討の会議といったものを開かせていただきたいというふうに思っておりまして、そこでの結論を得次第、審議会で具体的な検討に移っていただくというようなスケジュールで進めていきたいというふうに思っているところでございます。
○浜四津敏子君 介護休業制度がなかなか普及しないために、介護のためやめざるを得ない女性もまだまだ大勢おりまして、介護する例あるいは介護される側にとってもさまざまな問題を抱えておりますので、さまざまな角度から一日も早い制度の普及ということをお願いしたいというふうに思います。 次に、厚生省に伺います。先ほども質問で出ましたが、現在、各市町村におきまして保健・医療・福祉の総合的なサービス体制を整えるための老人保健福祉計画の作成が進められております。これは秋田県鷹巣町という大変小さな町での取り組みの模様が新聞に紹介されましたが、この鷹巣町では住民がワーキンググループをつくって、町と住民が一体となって福祉の町づくりに取り組んでいる、こういう例が紹介されております。住民の声をどこまで反映できるかがかぎと言われておりますこの老人保健福祉計画、大変参考になる例ではないかというふうに思います。 またもう一つは宮城県涌谷町というところで、この涌谷町は昨年の春にいち早くこの計画を策定したところでございますけれども、町立の総合病院とそれから役場の保健・福祉部門が同居している、そして病院の看護婦さんと役場の訪問看護婦さんが連携して在宅ケアに取り組んでおられる、こういう紹介がありました。医療・保健・福祉の連携もかぎと言われております中で、これも大変参考になる例がというふうに思います。 またもう一つは新潟県の南魚沼郡大和町。ここでも在宅ケアを中心として医療・福祉サービスに一生懸命取り組んだ結果医療費が軽減した、こういう結果が出たという記事が新聞に紹介されておりました。患者さんの早期退院をも可能にして、また住民一人当たりの国民健康保険料を年間七千円近くも下げたというふうに報告されております。そしてこれを進めた、中心になってこられた病院の院長先生が、自分たちは医療費を減らすのが目的だったわけではなくて、住民の幸せのために何ができるかを追求してきた結果こういうことになった、こういう話が載っておりました。 私は、この三つの紹介された例というのは、こうした地域における老人保健福祉計画の策定に当たって、あるいはこれからの福祉のあり方に非常に大きな示唆を含むものではないかというふうに思っております。 こうした大変先駆的な、あるいはそれぞれの地域でいろんな試行錯誤を繰り返しながら一生懸命取り組んでいるところと、一部ではコンサルタント会社に委託してやらせているところもあるというふうに伺っておりますけれども、厚生省として、こうした各地域でかなりばらつきがある取り組みにつきまして、先ほど一応のお答えはいただきましたけれども、これからさらに行政と住民が一体となって取り組む、それからまた医療・保健・福祉の連携を図る、それから本来のこうした福祉の目的あるいは行政の取り組みの目的というのは、住民の方々がどれだけ満足し充実し幸せに暮らせるのか、その追求にあるんだと。こうした三つの視点から各地域が本格的に取り組むように厚生省としてどのように指導されるのか、お話を伺わせていただきたいと思います。
○政府委員(横尾和子君) ちょうど一年前あたりから極めて具体的に各自治体が準備であるとかその第一着手としての実態調査等に踏み切っていったわけでございますが、本年一月の時点で、各自治体が計画を立案するに当たってみずからの力でどの程度づくっているか、あるいは住民の声をどのように聞いているか、その状況について私どもで調査をいたしました。 その時点で、御指摘のように、一部の県に偏ってはおりましたけれども、幾つかの市町村でコンサルタントにすっかり任せているというような、あるいは任せていこうとする姿勢が見えました。そのために、具体的にそれぞれの県を通じて働きかけをして、計画の趣旨というものを理解していただくやりとりを行ったわけですが、その結果、そういうような自治体についてもすべてをゆだねるということを撤回していただきまして、みずからかかわりを持って取り組んでいただけるようになりました。したがって、現在のところ一〇〇%コンサルタント会社委託というのはゼロであります。 そうした結果に基づきながら、進捗状況は、大体三百五十七の市町村で計画決定しておりまして、それに加えまして、原案が策定できましたのが千七百八市町村、大体原案作成中の市町村も合わせて九九・七%が計画の姿が見えてきて、残りがまだ実態調査中というようなのが状況でございます。
○浜四津敏子君 先ほども申し上げましたけれども、これらの町の取り組みが行政のあり方とかあるいは福祉のあり方を教えているように私自身は感じました。 実はある公立の老人ホームを訪ねたことがございます。大変立派な老人ホームでしたけれども、そこの中にいらした方が、そのホームの中のいろんな設備、例えば物を入れるところとかあるいは手すりとか、私たちから見ますと一見全部そろっているように見えましたけれども、実は実際に使っておられる御老人の立場に立つと、その物入れの下の部分は使えない、もう少し高いところに設置されている部分も使えない、あるいは手すりについてもあとほんの何十センチかこちらにあればいい、こんな細かいお話を伺わせていただいたんです。なぜそうなったかといいますと、その老人ホームは、設計をされた方が健常者の方であった、そして現場の声をほとんど聞いてもらえなかった、こんなお話を伺いました。私は、その現場の声を聞くということがまず出発点ではないかというふうにそのときにも思いました。 それからまた、ある目の不自由な方は、白いつえをつきながら町を歩いているときに善意の方が手をかしてくださろうとする。ほとんどの方はどういうふうに助けてくださろうとするかというと、そのつえを持って誘導してくださる。ところが、自分たちにとってはつえというのは自分の目と同じである、むしろ後ろから腕を支えていただけるとありがたいんだと、こんなお話を聞いたことがあります。私自身も目の不自由な方をどう手助けしていいのかというのがわからないために、本当にその方の役に立つような手助けの仕方ができなかったということがございました。 そんなことからも、現場の声、そしてまた本当にその立場に立った、その視点での政策というのがいかに大切かということをいろんな場面で学ばせていただきました。特に厚生省は国民一人一人の今、健康を預かっておられる役所でございますから、どうか積極的に現場にもお入りいただいて、そしてそうした一人一人の声を直接聞いていただいて行政を進めていただければというふうに希望いたします。 大変ありがとうございました。終わります。
○笹野貞子君 私は、質問というよりも、ここにいらっしゃる皆さん方が全部公平に年をとるわけですから、これからは人間すべての英知を出してこの高齢化社会の問題について一緒に考えてまいりたいというふうに思っております。公平に年をとらないのはここにいらっしゃる鈴木会長ぐらいなものじゃないかというふうに思いますけれども、自分のこととして一生懸命になって、私たちの時代でできないことは次の世代にこういういい知恵があるんだということを残していきたいという、そんな思いでこれから幾つか質問させていただきたいというふうに思っております。 この秋にこの調査会からヨーロッパの方に視察に参りました。そのときに福祉先進国であるスウェーデンやデンマークヘ行って、私は福祉という問題の受けとめ方が日本の福祉とは厚さというか、重みが全く違うということをつくづくと痛感して帰ってまいりました。 つまり、福祉というのは人間が生まれて、青春時代を過ごし、壮年を過ごし、そして老年期を迎えるという人間の一生をそのままの形で直視しながら自然体で見ていく、その自然体の中で自分たちは何をなすべきなのかということを深い愛情を持って見ること、これがヨーロッパではもう本当にできている。赤ちゃんというのは生まれたときに、大変申しわけありませんけれども、おしっこをする。これは赤ちゃんのときには当たり前なんだと。そして、年をとると腰が曲がってきたり、目が悪くなったり足が悪くなったりする。これも当たり前なんだと。そういう人間を自然体に見る愛情というのがヨーロッパやスウェーデン、デンマークはもう定着している。そういう意味では、私は人間をそばにいて見る、人間の一生というのを自然体の中で、生活の中で見る、そういう思いかなければいけないということをつくづくと痛感をしております。 そういう点では、厚生省の皆さん方が日夜大変御苦労なさっていることに対して敬意を表しますが、やっぱりこういう物の考え方というのは、小さいときからきちっと理解していかなければ、これまた達成できるものではありません。そういう意味で、きょうは実はこの間中央区の「マイホームはるみ」というところに視察に行きましていろいろのことを考えさせられましたので、そのことについてちょっとお尋ねをいたしたいというふうに思います。 まず、私は人間を自然体の中で自然に直視する訓練というのは、これは小さいときから、そして生活の中で見ていかなければいけない、ただ理念だけではだれでもできるわけですから。そういう理念を具体的に教える教育の現場というのは大変重大だというふうに思います。もちろん厚生省はそういう意味で啓発活動というのはやっていると思いますが、きょうは文部省にちょっとお尋ねをいたしたいというふうに思います。 文部省は、この崇高な理念を現状の教育の中で具体的にどのように進めているのか、ちょっと話を聞きたいと思います。
○説明員(河上恭雄君) 学校教育におきまして、福祉について正しい理解を深めみということは大変大切なことでございまして、従来から子供の発達段階に応じまして社会科とか家庭科とか、あるいはまた道徳の時間などにおきまして国民の福祉の重要性、あるいは高齢者、障害者に対する思いやりの心、公共のために尽くす心、そういったものを育てることなどにつきまして指導しております。 昨年度から小学校、中学校、高等学校と順次学習指導要領が改訂になっておりまして、このたび の改訂の方針の一つにも「豊かな心を持ち、たくましく生きる人間の育成を図ること。」ということを掲げまして、他人を思いやる心あるいは感謝の心、公共のために尽くす心、そういったものを育てることなどを重視しておりますが、そのほかに高齢化の進展をどの社会の変化に適切に対応する観点から、内容の改善を図っております。 例えば中学校の社会科の中に公民という分野がございます。そこでは国民生活の向上と福祉の増大を図るためには社会保障の充実などが必要であることを理解させるということを言っております。また、高等学校は今度家庭科が男女必修になりましたけれども、その中に新たに「高齢者の生活と福祉」という項目を設けまして、社会福祉の意義とか課題、あるいはボランティア活動などを通しての高齢者への理解等について指導しております。 さらに、そういった教科の時間だけではなくて、特別活動という時間がございまして、そこでは学校行事の中で「勤労生産・奉仕的行事」という項目を新たにつくりまして、社会奉仕などの精神を養うように強調しているところでございます。そういった学校教育活動の強化あるいはそういった具体的ないろんな活動の中で、福祉の大切さというものを知識だけではなくて身につけるようにしているところでございます。
○笹野貞子君 教育の理念としては大変それで結構だというふうに思いますけれども、具体外的にそれを実行している生徒と理念だけで終わっている生徒というのは、何か文部省としてはその実行に移している人としない人、そういう峻別はしておりますか。
○説明員(河上恭雄君) 教育活動はいろんな活動を行っておるわけでございますが、高等学校の入試でそういった子供たちの福祉活動あるいはボランティア活動の成果というものを評価するということを考えたいということで、今各県の入試改善について指導をしているところでございます。
○笹野貞子君 ということは、今のお話を聞きますと、現状はしていないという意味にとってよろしいんですか。
○説明員(河上恭雄君) 実は、本年の二月に高等学校の入試選抜の改善に関する通知を出しまして、その中で今申し上げたようなことを指導しているわけでございます。 つまり、教科だけではなくて、それ以外の行動の記録について評価をするようにということで指導をしているわけでございますが、既にボランティアとかそういった福祉活動の大切さというものが全国の教育委員会でも理解されておりまして、幾つかの県におきましてはことしといいますか、この三月の高等学校の入試におきましてもそういった福祉活動の評価をするような入試を行っている県がございまして、それが全国で十一県ございます。
○笹野貞子君 その評価は、入試に対してつまりどういう具体的な評価となっているんですか。
○説明員(河上恭雄君) 高等学校の入試におきましては、学習成績の記録ということで教科の評価について見ますが、それとともに調査書の中にスポーツ活動、文化活動、社会活動、ボランティア活動に関する特記事項ということで、そういった活動について個々の子供が特にすぐれた活動をしている場合に、それを記載してもらうという形でもって評価をしているわけでございます。
○笹野貞子君 今のお話を聞きますと、たった十一県しかしていないということは、子供をもし評価するとすれば、していないところとの差が出てくるわけですから、これはちょっとぐあいが悪いんじゃないかなという思いがしたんですけれども、いかがなものでしょうか。
○説明員(河上恭雄君) 入試というものは各県ごとで行っておりまして、各県の御判断でやるわけでございますが、先ほど言いましたように本年の二月に各県あてに通知を出しまして、そういったいろんな子供たちのいい面を評価するように、入試の改善をするようにということで指導をしております。 先ほど言いましたのは、ことしの三月の入試の状況でございまして、今来年度の入試につきましては各県から報告をいただいておりますが、まだ具体的に各県の入試要綱というのが決まっておりませんので何県になるかということは申し上げられませんけれども、そういった方向で各県とも努力しているということは聞いているところでございます。
○笹野貞子君 きょうはたくさん聞きたいことがありますが、今のお話を聞いていますと、結局そういうボランティア活動、福祉をしている子供に対しては、していない人と比べてこうこうこういうふうに入試のときに有利だというような確たるお返事がありませんので、本当のことを言うとやっぱりアメリカのように、そういうボランティアをし福祉に手をかした子供に対してはこういうふうに評価しているんだ、そういう具体的なお返事がいただける日まで待ちますけれども、結局入試という競争の中では、ボランティアに時間をとっている子は不利になっていくというのが現状だというふうに思います。 ボランティアをしている子が自分の成績が不利になるようなことがあってはいけません。やっぱりそういうことを評価するのであるならば、全部の学校が評価するというやり方をとっていただきたいものだというふうに思います。一つだけ資料を請求させていただきますが、十一の県でボランティアを評価しているという今お話がありました。ボランティアをやっている子とやっていない子の入試のときに入る率と落ちる率をちょっと調べていただいて、私の方にお知らせいただければ大変光栄に存じますので、後ほどで構いません、どうぞよろしくお願いいたします。 さて続きまして、私はこの間マイホームはるみというところを視察に参りました。大変興味を持って参ったんですけれども、不思議な現象に次々と遭いました。この不思議な現象というのは、まず現場の施設の方に聞きますと、これをつくるに当たっては文部省が非常に消極的であって、文部省を説得するのに時間がかかったということを聞きました。私は、こんないいことをするのに文部省が非常に消極的だったというのは非常に不思議なことだということで調べてみました。 ここに文教施設の整備充実のための方策、文教施設のインテリジェント化の推進というのがありまして、この構想の中に文教施設の持つさまざまな機能の高度化を図るための施設、環境の有機的な連携をとりなさい、こういうふうに書いているんですけれども、この施設、環境の有機的連携というのは具体的に言うと何と何とを連携しようということですか。
○説明員(矢野重典君) 今日、学校施設につきましては教育学習機能の、先ほどお話がございましたけれども高機能化、多機能化を図る、その手法の一つとして学校施設と他の文教施設の複合化が大変有効であるというふうに考えられておるところでございまして、その対象となる施設につきましては、教育施設ということで考えますれば社会教育施設とかあるいは文化施設というのが通例は多いかと思います。
○笹野貞子君 福祉は文化だとお考えですか、どうですか。
○説明員(矢野重典君) 広い意味では文化だと思いますけれども、ここで言う学校施設としての複合化というときには一般的には先ほど申し上げましたように、教育あるいは文化施設というのが多かろうかと思われるわけであります。
○笹野貞子君 今わかったようなわからないようなお答えだったんですけれども、じゃ福祉という施設は文化施設には入れないというふうにとってよろしいんですか。
○説明員(矢野重典君) どの施設と複合化を図るというのは、国がどうこう決めるわけではございませんで、設置者がその地域の実情に応じて決めるわけでございまして、現に学校施設と社会福祉施設が複合化している例もあるわけでございます。
○笹野貞子君 ますますわかったようなわからな いようになっちゃうんですけれども、ここでこういうのを私は拝見いたしました。どう取り組む老人保健福祉計画策定という特集がありまして、きょうおいでの横尾和子局長は、「学校、児童館など既存施設の有効利用を」というところがありまして、そこでこう言っているんですね。 「デイサービスセンターを新たに整備しなくても、小学校の空き教室や公民館などを利用することが考えられます。既に時間差を設けて児童館を高齢者のために使っているところがあります。」「土地がない、土地がないとおっしゃる時は、市役所の二階でも三階でもデイサービスセンターにしてくださいとお願いしています。なぜなら役所は、交通の便がいいからです。」、こういうふうに局長の特集号があります。これは私は、きょうは局長に拍手喝采を送りたいというふうに思っております。 ところが、文部省の方から余裕教室活用指針というのが出ていまして、ここに、教室が余ったら活用しようという活用の優先順位というのがあって、これが通達になっているんですけれども、「(1)児童生徒の学習のスペース、児童生徒の生活・交流のスペース及び授業準備のスペースの設置について検討すること。」、(2)、(3)とあるんですが、福祉施設と活用せよとは全然書いていないんですね。これを見ますと、文部省はそういう空き教室を福祉施設に活用するという気が全くないということがこれでやっとわかりました。 中央区のマイホームはるみのときに、文部省が非常に消極的で説得するのに大変時間がかかったというのですが、さて文部省に聞きますけれども、福祉施設と合築するときになぜそういう反対をなさるのか、ちょっと理由をお聞かせください。
○説明員(矢野重典君) 先ほど申し上げましたように、複合化というのは大変施設全体の高機能化、多機能化ということで有効であるというふうに私ども考えておるところでございまして、そのため文部省といたしましては、学校施設の複合化に当たりまして、施設計画等についての留意事項を示した指針を策定いたしまして、良好な施設整備について指導をしてきたところでございます。 お尋ねの中央区晴海の複合施設のような学校施設と特別養護老人ホームのケースだと思いますが、そういう施設目的や施設機能を異にする施設との複合につきましては、今申し上げましたような観点に基づきまして、設置者に対して良好な学習環境の確保がなされるように施設整備において十分な検討を行うようお願いしたところでございまして、誤解のないように申し上げますが、複合化そのものについて消極的であったということではございません。
○笹野貞子君 何か御説明を聞けば聞くほど、複合化には賛成なんだけれども結局福祉の施設は反対と、こういう意味にとれてくるんですけれども、別にもう回答は要りません。だって現場の方が、文部省は物すごく消極的だったとおっしゃっているんですから、それで納得はいきましたけれども。 しかし、私はきょうは別に詰問をするわけでも何でもありません。一緒に考えましょう、こう言っているわけですから、やっぱりいいと思うことは、別に追及したり弁解することなしに、これから一緒にいいと思うことをやりましょうという提案をしているわけですから、その点は別にそんな弁解は要りません。 ただ、私がびっくりいたしましたのは、このマイホームはるみについて新聞記事が幾つかあるんです。これは、読売の平成四年十月二日に出ていますから一年たちますが、こういうふうに書いています。「同じビルにありながら、ホームと学校に共有スペースがないのも交流の進展を妨げている。玄関、エレベーターはそれぞれ別。同じ階でも廊下はつながっていない。 中央区によると、玄関を分けたのは「それぞれの施設の機能をそこなわないように」という国の指導。また、消防法上の設備費用の問題、文部省、厚生省と管轄が違う」という、そういう弊害もあるだろう、こう書いています。 そしてまた、もう一つの新聞を見ますと、地元のPTAの方が合築はやめてと、教育の低下になるからということでお母さんたちが反対をしている、こういう記事もあわせて出ております。こういう教育の機能が低下するからというような、福祉をそんなふうに考えているというのは、私はこれからの高齢化社会に向けて、学校現場の教育のあり方ではないというふうに強く思っております。何もこの調査会というのは別に追及し合ったりするんではなくて、やっぱりそれはよくないんじゃないですかというふうに強く言いたいんです。ですから、そういうPTAのお母さんたちが出たときには、これからの高齢化社会に向けての福祉というものを文部省がきっちりと説得して、文部省自身がそういう考え方にならなければ私はいけないんじゃないかという、そういう気持ちできょうは取り上げさせていただきました。 私は、あのマイホームはるみというのは本当に絶好の現場教育である、ああいうのがどんどんこれから建っていかなければいけない。福祉というのは本当にありのままの人間を愛することであって、一年に一遍しか会わない、パフォーマンスするのが福祉ではないというふうに思っております。どうぞ文部省の皆さん、高齢化社会に向けて福祉というものに対してもっと御理解をいただきたいということを切に私はお願いいたします。 それでは文部省の方、大変御苦労さまでした。いいことをやりましょう、英知を出しましょう。別に何もその場で弁解するとか追及する必要はないので、これから人類の未来に向けて私たちは英知を出しながら高齢化社会を迎えたいというふうに思っております。 続きまして、きょうは盲導犬と介護犬のことを厚生省に聞きたいというふうに思っております。私も年をとりましてだんだん目が悪くなりました。初めはただ老眼だけだったんですが、このごろは乱視が入りまして、もう五メートル先の人の顔が見分けがつかなくなりました、大変便利なときもありますけれども。段差があっても乱視というのは段差が真っすぐに見えたりしますので、大変危ないというふうに思っております。年をとると、こういうときに転んで足を折るのかなというふうな思いをしております。 こういうときにわざわざ人の手を煩わせることも大変ですし、マンパワーというのは一番ラッキーなんです。ですから、どうしても自分ができないときにはマンパワーのお世話になりますけれども、できるだけ自立したい。そういうときには盲導犬のような犬があれば、大変生きがいも感じながら、お互いに激励し合いながらやっていける時代が来るんじゃないか。私はこれからこういう介護犬とか盲導犬というものを大いに活用する時代が来るんではないかというふうに思いまして、ちょっと厚生省にお尋ねをしたいというふうに思います。 私はこの間、アイメイトという盲導犬の育成の一番大きいところに視察に参りました。動物好きの私のことですから、もう大変賢い盲導犬に私は感激をして頭をなで回してきたんですけれども、まず第一に、非常に狭い環境の悪いところで、経済的にも悪戦苦闘をしているのが盲導犬の飼育現場でした。そして、やっとの思いで遠くに土地を買ったそうですけれども、固定資産税にあえいだり、いろんなことがあるということを聞きました。 そして、介護犬というのが日本にただ一匹いるそうです。これなどは電話のベルが鳴ったときに教えてくれたり、客が来たときに教えてくれたり、物を落としたときに拾ってくれたり、スイッチを入れてくれたり、まさに高齢化社会にとっては大変便利な犬だと思いますけれども、厚生省はこういう盲導犬とか介護犬について、これからの高齢社会でどのようなお考えでいらっしゃるのか、ちょっとお聞かせください。
○政府委員(土井豊君) まず、盲導犬についてでございますが、現在、お話がありました団体を含めまして、全国八つの団体でこれを育成をしているという状況でございまして、私どもも障害者の明るい暮らし促進事業という中で、一つのメニューとして盲導犬の育成ということを取り上げており ます。これからもそういう面ではこういったことに力を入れてまいりたいと考えております。なお、今年度、平成五年度の税制改革におきまして、盲導犬の育成団体に対する寄附が優遇措置を受けられるというような一歩前進の措置が講じられているところでございます。 なお、もう一つお話しの介護犬のお話でございますけれども、実はごく最近新聞等でお話がありましたようなことが報道されておりまして、私どももこれから勉強していこうという状況でございます。
○笹野貞子君 大変心強いんですけれども、こういう盲導犬とか介護犬を必要としている人の大体の人数は把握しているでしょうか。 そして、現状の盲導犬、これは私聞きましたら年間三十七頭しかアイメイトさんは飼育していないということですから、この一番大きいところで三十七頭、八つでどのぐらいになって、必要な人に対してどのくらいの割合なんでしょうか。
○政府委員(土井豊君) 現在実働しておる盲導犬の数でございますけれども、全国で約七百五十頭というふうに私ども承知をしております。なお、先ほど言いました八団体の、訓練をして盲導犬になった頭数でございますけれども、平成四年度の実績で見ますと七十一頭ということでございます。 それから、どの程度この盲導犬を必要とする人がおられるかという点でございますけれども、これはなかなかはっきりした推計はございません。イギリスでは目の不自由な方々の三%ぐらい、アメリカでは二%ぐらいというふうに言われておりますが、仮にそういう数字を日本の二十六万人の方々に当てはめて計算をしてみますと、低い方では五千頭、高い方では八千頭ということでございます。 ただ、これは非常に個人差もありますし、このデータ自体が正しいかどうかということはわかりませんので、私どももこれから関係団体のいろんな御要望等についてよく調査をしてみたいと思っているところでございます。いずれにしても、新年度の概算要求の中で従来よりももっと育成する頭数をふやしたいということで努力してまいる考えでございます。
○笹野貞子君 日本で目の不自由な方が三十万人おられるという数字が出ております。そして、高齢になりますと大体みんな目と耳が悪くなるわけですね。介護犬は日本に一頭しかいないといいますので、厚生省はこの介護犬の育成にも力を入れていただきまして、育成した暁には、私もぜひとも介護犬と一緒に住みたいと思いますので、どうぞ私の方にも一頭回していただきたいというふうに思います。 本当のことを言うともっと聞きたいんですが、続きまして建設省と運輸省にお話をお聞きいたしたいというふうに思います。この間幕張の自動車ショーというのをテレビで見ておりますと、いよいよこれからは電気自動車の時代が来る。そして一人乗りの電気自動車の展示がありまして、それに乗っているところがありました。私は、今までの日本の高齢化社会の最も悪いところは、障害を持つ人とか年寄りは黙って外なんかうろうろしないで家の中に引っ込んでいなさいという、そういう隔離されたものがあったんではないかというふうに思います。これからの高齢化社会というのは、人に触れ、自然に触れ、生きがいを持ち、やっぱり社会に参加していかなきゃいけないということで、道路というのは大変重大になってくると同時に、自動車という移動する手段というのが大変重要になってくるというふうに思います。 私も学校で教師をしておりますが、生徒に一番あこがれるところへ連れていってあげると言うと、シルクロードというふうに生徒は言います。道路というのは人類のあこがれであり、しかもロマンと文化を運ぶというふうに思います。そういう意味で私は、この一人乗りの低速の自動車、たしかそのとき横が一・二か三で、長さが二メートルぐらいの本当に小型の自動車でした。こういう自動車が高齢化社会でいっぱい道路に、私も乗りたいと思っております、もちろん介護犬を連れて乗りますが。 そこでまず建設省に、こういう自動車がたくさん町へあふれたときに今の道路ではどのような対策があるのか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
○説明員(佐藤信彦君) お答えいたします。 建設省におきましては、ことしから第十一次の道路整備五カ年計画を進めさせていただいておりますが、その中で高齢者の方々の安全な、それで快適な移動といったことを確保することが一つの柱として挙げられております。そういったことの対応方を一生懸命やっているところでございますが一現在高齢者の方々の歩行環境につきましては、車いすが大分改善されてきておりまして、車いすを歩道の中で、従来の歩道・では幅が狭いもので、そういったものに対してすれ違いができるような、そういった広幅員の歩道を設置するようなことを推進してきております。先生御指摘の一人乗りのそういう電気自動車は現在開発、試作段階ではないかと思いますが、これは現在歩行者が使われている範囲と、それから自動車が走っている範囲の恐らく中間的な役割を将来果たす可能性のある車両かと思います。そういったものについての仕様とかは開発段階ですのでよくわかりませんが、聞くところによりますと、その試作段階の車の速度がかなり速い、四十キロぐらいは出るような話も伺っております。そういうものですと、当然歩道の上でそれを走らすというのは非常に危険が伴います。さりとて車道の方でということになりますと、車道の方は、国道においては六十キロぐらいの速度の車が走っております。そういったことで、それを混合的に扱うということは非常に難しいんじゃないかと思います。 それと、その場合の道路の実態が、これは全国の道路、いろいろな道路がございます。車がそれほど頻繁でないところ、歩行者がそれほど頻繁でないところといったところでは、そういったものが混在した形でもあるいは危険がないのかもわかりません。しかし、車とかそういったものが非常に多いところでは混在した状態というのはなかなか難しいんじゃないか。恐らくこれは私どもの想定の話でございますが、やはり歩道とかそれから普通の車道とは分離したものを考えていかざるを得ないんじゃないかといった感じがいたします。いずれにしましても、この車両、私も見ておりませんが、まだ開発段階でもございますし、普及の度合いとか、それからそれに対応します道路の状態、そこら辺のところを今後考えながら、必要な対応といったものも検討していきたいというふうに考えております。 以上でございます。
○笹野貞子君 先ほど新長期構想の本という、こういう将来の道路の立派な本をいただきました。建設省も道路についてはお考えなんですけれども、これを見てもどこにも低速で走る小型の、老人が一人で人生を楽しみながら遠出じゃなくてちょっと申出ができるという、そういう時代が私は来るというふうに思いますので、どうぞそれもあわせて御検討を今からしていただきたいというふうに思います。 続いて運輸省にお聞きしたいんですけれども、こういう道路の上を、片っ方を若者の車が高速でぴゅうと走り、そして老人というのはもう歩くことしか想定にない道路づくりです、今建設省は。だから、歩道の方は一生懸命やっているんですが、歩くにはやっぱりちょっと時間がかかる。都会なんかこのごろバスで一停留所ほど乗らなければ買い物ができないということがあるわけですから、そういうときにこの安全面というのを確保する、そういう構想、今ありますでしょうか。
○説明員(中島恒夫君) 先生御指摘のとおり、運輸省におきましては、車の構造面を所管しております省庁でございますけれども、車の運行におきまする安全性の確保と公害の防止等を図るために、道路運送車両法に基づきまする道路運送車両の保安基準という省令でもちましてその確保を図っておるところでございまして、今日本で走っ ておりまする電気自動車につきましては、すべてこの基準に適合しているということを確認しております。 しかしながら、先生御指摘のとおり、今後一人乗りの小型の電気自動車、これは今研究開発されておりまして、実用化されるということになりますると、その電気自動車固有の問題があるような場合におきましては、高齢者の視点に立ちましてその特性に留意した基準の整備というものについて今後検討してまいりたいというふうに考えております。
○笹野貞子君 大変ありがとうございました。 私の子供のときには自転車が唯一の乗り物でありまして、今のようなモータリゼーションの社会が来るなんていうのは想像もできなかった時代でした。私は、これからの高齢化社会というのは、高齢者が移動しにくい、これを解消していくという努力が必要じゃないかというふうに思っておりますので、どうぞ建設省の皆さん方と運輸省の皆さん方、そういう社会を想定して、安全で移動しやすい社会の実現にひとつ一緒に知恵を出し合って頑張りたいというふうに思っております。 大変ありがとうございました。
○鈴木栄治君 鈴木です。よろしくお願いいたします。 ボランティア活動、日本語で言うならば志願奉仕活動と申すものでございます。特に最近、カンボジアにおいてのボランティア活動はいろいろとニュースになったりして光が当たり、より一層ボランティア活動というものに対して非常に国民の関心を集めているところでございます。 厚生省においても最近、国民の参加指針を定めたと聞いております。また、中央社会福祉審議会からボランティア活動の中長期的な振興方策についての意見も出ていると聞いておりますが、厚生省、国民のボランティア活動の現状並びに最近のボランティアの動向についてちょっとお聞かせ願いたいのでございますが。
○政府委員(土井豊君) ボランティア活動の現状でございますけれども、社会福祉協議会に登録をされているボランティアの方の人数でございますが、現在四百十一万人というふうに報告を聞いております。これは十年前に比べて約二・五倍という状況でございます。また、ボランティアのグループの数でございますけれども、四万八千グループということでございまして、これも十年前に比べると約三倍ということで、大きな伸びを示していると考えております。 最近におきましては、企業や労働組合などにおきましても、例えば社会貢献のための組織をつくるといったような動きも出てまいっておりますし、また、生活協同組合とか農協などにおきましても福祉面への参画といったような動きが出ておりまして、私どももこういった大きなボランティアの広がりというものが今後育つように努力してまいりたいと考えているところでございます。
○鈴木栄治君 これは平成五年八月四日、読売新聞に出ていたんですが、「老人施設で宿泊介護」、学生さんが実体験したんだと思いますが、この体験学習に参加した一人は、「ボランティアは初めての経験だったけど、実際にお年寄りの笑顔に接してみて福祉の道への決意が強まった」と話しております。やっぱりそうですね、私思うんでございますが、実体験というのは大事でございますね。 私も小さいころ町内会で清掃をやるんですよ。空き缶を拾ったり、たばこの吸い殻を拾ったりして、小さいころ何で大人というのはこんな手前勝手なことをするんだろうと思いながら、私は本当にどぶ掃除なんかもやっておりました。ですから、私は大きくなってからもたばこのぽい捨てをやるやつは絶対許せない。また、空き缶なんかをその辺にぽんぽん捨てるやつは許せない。これはやっぱり小さいころの実体験並びに教育だったと私は思うんでございます。 しかし、厚生省は大したものだなと思うんでございますが、こういう勉強を学校との連携といいますか、福祉協力校という形でこれをうまく学校教育の中へ普及を図っていく、そのように聞いているんでございますが、どのような形で協力を要請しているのか。また、その成果がございましたらお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(土井豊君) 私どもでは、昭和五十二年度から学童・生徒のボランティア活動普及事業というものをスタートさせておりまして、その中で小中高校を福祉協力校として指定をさせていただいて、今お話がありましたようなボランティア活動に児童生徒が参加していただくというような機会を設けているところでございます。 毎年、新規に千八百校余りを指定いたしておりますけれども、平成五年度までの全体の数を申しますと約九千八百校という学校の数になっております。これからもこの事業は非常に重要であると考えておりまして、努力をしてまいる所存でございます。
○鈴木栄治君 その成果と申しますか、例えば、その児童のこういう今までの考え方が変わっただとか、これからはこういうふうに自分たちもやっていきたいとか、そのような感想並びに成果、成果というとまた変な言い方かもしれませんが、それなりの資料はあるんでございましょうか。
○政府委員(土井豊君) 今ここにお尋ねがありましたような資料を持ってきておりませんけれども、幼少のころにこの種の体験をするということは、大きく成人した後においても福祉への基本的な理解を体験学習等を通じまして身につけると、そういう意味で非常に貴重な体験であると考えております。 また、私どもはいろんな催し物を通じましてそういう、例えばボランティアフェスティバルというのを昨年から始めておりますけれども、そういった際にも学童生徒のボランティアの非常にすぐれた実績を残しているところを表彰するといったようなこともあわせて行っておりまして、今後これらの事業には力を注いでまいりたいと考えております。 恐縮でございますが、手元にちょっと具体的な事例等を持ち合わせておりませんので、後ほどまたお届けするなりいたしたいと存じます。
○鈴木栄治君 これ以上いろいろとまたお話していきますと文部省との関係もいろいろと出てきますので、改めてゆっくりお話をさせていただきます。 しかし局長、最近特に老人がふえておりますけれども、私なんかももう間もなく老人になると思うんでございます。間もなくということじゃないです、もうちょっとありますが。しかし、いろいろなお話の中で老人を介護する人が少なくなるというか、どうしても少ないんです。私、自分も絶対、これは年をとれるまで生きりゃいいんでございますが、生きたときにおいては必ずそういうこともあり得るだろうと。ところが、人材確保、マンパワーの確保でございますか、それは非常に難しい。 私もない知恵でいろいろ考えているんでございます。例えば、定年を迎えて元気な人がいますわね。会長なんというのは本当にとんでもない人なんですが、こういう元気な方もいっぱいいらっしゃるんです。しかし、働き口がない。そういうときにどうでしょう、地域でそういう老人なんかの介護をする、そういうボランティア活動をできるようにしてあげる。そして、その人は本当に介護が必要になったときにおいては何か優先的に介護を受けられるとか、そのようなことをつけて、つけてあげるというと変な言い方でございますが、それからまた、その実績によっては財政面も何か特典があるとか、そのように柔軟に考えていったならば人材確保もある程度できるんじゃないかと私は思うのでございますが、いかがでございますか。
○政府委員(横尾和子君) 大変興味深い御提案をいただきまして、ありがとうございます。 現実の問題といたしまして、具体的には、近いところでは横浜市でございますけれども、定年退職をされた男性の方がホームヘルプ協会のメンバーとして活躍をされておられます。介護を受けられる方の中には、特に男性は男性の介護者に介護をしてもらいたいという御要請もあったりいた しまして、また企業人としての経験を積んでこられたことがいろいろな関係者を組織化するといいますか、チームを組んで仕事をする場合のリーダーとしての資格をお持ちになるような方がいらっしゃいまして、非常にいい仕事をされていらっしゃる方が現実にいらっしゃいますので、私はこの老人介護の問題というのは定年退職後の方々にもボランティア以前の働き手として十分御活躍がいただける世界ではなかろうかというふうにまず思っております。 また、ボランティアとしても大いに期待をさせていただいておりまして、先ほど来中高生のボランティアということのお話が出ておりましたが、本当を申せば私ども現に働いている者もできるところからボランティアをするようなことが高齢化社会を支える上で必要じゃないか。ボランティアは子供にしてもらおうというのもやや子供に気の毒ではないかというような気持ちも持っておりまして、年配の人々のボランティア活動ということをこれから特に老人介護の面で考えていきたいというふうに思っております。 つけ加えさせていただきますと、そういうボランティアをしたら何かお金を上げるとか優先順位をつけるとかということにつきましては、例えば時間貯蓄といったような御提案がかねてからありまして、私どももこのことについて研究会を持ってその扱いを検討してまいりました。 そこで得られました結論は、大変おもしろい仕組みであっていろいろこれからも活用する場面が多いと思うけれども、これだけのボランティアをやったら必ず同じレベルのサービスが保証されるという保証のシステムとしては不安定なものであるから、やはりボランティアはボランティアとして位置づけておいて、そういった活躍をされたことのあかしを何か別の社会的な評価として考えてはどうか。つまり、ボランティアをした分がお金で返ってくるとか、将来その介護を必ず受けられるとかということを位置づけることはちょっと難しい、こういう結論をいただいております。
○鈴木栄治君 局長のお話を聞いていますと、まさにそのとおりだなと本当に私うなづいてしまいます。局長、先輩を敬い後輩をいたわる、こういう教育は最近すさんでいますね。本当に教育はちゃんと考えてもらわなきゃいけないなとつくづく思うのでございます。 それはさておいて、また私ちょっとくだらないことを申しますが、国民生活調査会中間報告書においても、そういう老人の人たちにわかりやすい用語と利用しやすい手続、それから、大内厚生大臣もそういう老人の人たちにもわかりやすい行政をと言っておりますね。この間のときも私お願いしたのでございますが、それをどのようにお受けとめになって、また実際に御活用なさっているか、ちょっとお聞きしたいのでございますが。
○政府委員(横尾和子君) わかりやすい利用手続といった面につきましては、私どもまだ研究途上でございますが、これから利用の窓口といたしましては、午前中の御質疑にもありましたように、在宅介護支援センターのところに駆け込めばいろいろなことがわかるような仕組みということをそこの機能として求めたいというふうに思っております。 また、利用しやすいという意味では、アイサービスを受ける、あるいはホームヘルパーを受けたい、一々その都度利用の申請をするのではなくて、例えば手帳のようなものをもらっておけば、いつでもその手帳を見せることによって利用が開始できるというような手続の簡素化の方法も工夫してまいりたいと思っております。
○鈴木栄治君 わかりやすい用語についてはいかがでございましょうか。
○政府委員(佐々木典夫君) いろんな施策、サービスをしていく上で、利用をする立場からわかりやすい用語を使っていくべきだというようなことで、実はこの問題につきましては先生の方からもかねて予算委員会あるいは当調査会等で御指摘、御提言もいただいているわけでございます。文字どおり厚生省の行政は、高齢者あるいは児童を含めまして、いわばすべての国民を対象とした行政を保健・医療・福祉の分野で担当しているわけでございますので、まさに国民生活とのかかわりが大変深い分野でございます。その施策の推進に当たりましては、できる限り国民にわかりやすく、誤解を生ずるようなことがない言葉を使っていくということは常に心がけていくべきことだというふうに存じます。 先生にはかねてこの点御指摘いただいておりましたわけですが、去る九月でございますけれども、宮崎勇先生を座長といたしまする高齢者施策の基本方向に関する懇談会というようなことで、専門有識者の先生方から将来の施策について御報告をいただいたわけでございます。その中でも、保健・福祉サービスを利用しやすくする上で、御指摘いただいたような用語の問題についてもぜひ検討していく必要があるというようなことをさらに重ねてちょうだいしているところでございます。 厚生省におきますこの問題の対応につきましては、去る十月二十七日の当調査会におきまする御説明に際しましても申し上げたわけでございますが、基本的に外来語、片仮名用語の使用につきましては、これはできるだけ避けていく。しかし同時に、どうしても例外的に使用していく場合、外来語を使う方がより適当な場合、幾つかケースがあると思いますが、そのような場合にも極力わかりやすくする工夫をしていくといったような基本方針を定めて臨んできているところでございます。確かに、いろんな調査で見ましても、若い人の方には外来語、片仮名語等を支持するというか、抵抗が少ないわけでございますが、高齢の方の場合にはやはりなかなか受け入れにくい要素がございます。 例えば、さしとスプーンについてどっちの使い方をするだろうかといいますと、さじかげんという場合は、これはさじしかないんですけれども、スプーンを使うかさじを使うか、これはNHKが十年ほど前に調べられたものをちょっと見たわけでございますが、そんな場合でも大体四十歳代ぐらいまでは七割五分以上がスプーン、あるいは両方使う。七十を超えた方々の場合は、たしかかなりウエートが減りまして圧倒的にさし派である、こういうふうな数字もございました。 〔会長退席、理事竹山裕君着席〕 七十歳を超えますとスプーンは二五%、ちょっと数字があれですが、二五%ぐらいでございます。それから、四十歳代までは七五%から八二%ぐらいまではもうスプーン派である、こんなのもあります。 そういう意味では、若い人の方は外来語がいろんな意味で抵抗が少なくなっているわけでございますが、しかしお話にもございましたとおり、特に高齢者の福祉サービスの分野におきましては、文字どおり利用する立場を考えますれば、極力先ほど申しました片仮名、外来語用語についてはこれを抑えていく、もしどうしても使っていく場合についてはそれに対する工夫をする、これはやはりどうしても常に留意をして進める必要があるというふうに思ってございます。 そのような観点に立ちまして、絶えず言葉の使い方につきまして留意を持って臨みたい。そういう意味で、高齢者に限りませんけれども、特に高齢者の問題を中心にしながら行政分野で仕事を進めていく上には、国民にわかりやすい用語をできるだけ使っていくということについて引き続き努力をしてまいりたい、かように考えております。
○鈴木栄治君 本当に仲間内といいますか、実際に専門的な人がお使いになるときは幾ら何語を使ったってそれは構いませんけれども、やっぱりおじいちゃん、おばあちゃんといいますと非常に難しいですね。 この間施設を回っても、ああここは何の部屋がなと思ってはっと見たら、部屋の上にデイルームと書いてあるんですね。デイルームって私でもどういう意味なのかなというんで、ましてやおじいちゃん、おばあちゃんですと非常にわかりづらいんじゃないか。私はぜひその辺を、それがまた一つのわかりやすい行政かなと思うんでございま す。 きょうはありがとうございました。終わります。
○吉岡吉典君 私も、今話題になりました、わかりやすい言葉という点を最初に問題提起しようと思っていたわけです。かなり今論議がありましたから繰り返しませんけれども、なぜ外来語を使うのかという点で厚生省にお尋ねしておきたいんです。 便利だというので使われるのか、あるいはその方が外から見てレベルが高いように見える、学問があるように見られるというふうなことがあるのかどうなのかということですわ。そこで、何か横文字で書くとレベルが高い、立派だみたいな感覚があって使っておられるということがあれば、これはなかなか直らないだろうと思うんです。この間、ある人に聞いていたら何か職員の人は横文字で呼んでもらった方が立派な仕事をしているような感じもあるんだということが厚生省のある方と話しているときにありました。しかし、片仮名で呼ぶと立派な仕事で日本語で言うと立派な仕事でないということは僕はないと思いますし、僕なんか純粋日本人ですから、日本語で語らないとどうも感じが出ないということです。 それで今も話がありましたが、できるだけ片仮名を避けるように努力していくということでありましたけれども、この間もらった資料を見ても、これは必ず横文字で書かなくても通じるんじゃないかという言葉が幾つかあります、時間がありませんから一々読み上げませんけれども。これは福祉関係の言葉だけじゃなくて、日本の官庁用語には横文字がすごくある。地方のいろいろな計画を見てもこのごろは全部横文字ですね。私はそれにも大いに抵抗を感じているわけです。 調査会は中間報告で、外来語や造語が安易に使用されているという見地からそれをなくそうという提言になっているわけですけれども、これはどういうわけでなくならないか。なくす場合に、これは厚生省だけじゃなくて我々もそう言いながらつい使うこともあると思いますし、そうおっしゃる中間報告だってもうちょっと片仮名はなくした方がいいじゃないかという反論もあるいはあるかもしれませんから、これは全体が努力し、どういう言葉にした方が一番いいのかというのは、大変苦労をして言葉をつくっていかなくちゃならないものもあると思いますけれども、お考えをお伺いします。
○政府委員(横尾和子君) けさほど高齢者保健福祉十カ年戦略、これは孫子の兵法という御質疑がありまして、日本語もなかなか難しかったなというのが実感でございますが、基本的には利用される方がわかりやすいようにというのはそのとおりでございますが、実際問題として、いい日本語を見つけ出す力がやや私どもに欠けているというところもありまして、海外で使われている言葉をそのまま持ち込んできたという経過がございます。 先ほどのホームヘルパーもいっとき家庭奉仕員というふうに使いましたけれども、これも働く方の気持ちとしては余りそぐわないというような御意見がありまして、またホームヘルパーに戻ってしまった経過がございます。それでは家庭奉仕員ではなくて、もっといい案はないだろうかというふうに思っておりますうちにどうやら多少定着してきたかなという思いがありまして、ホームヘルパーについてはホームヘルパーのままにさせていただいているわけでございます。しかしながら、これからまたいろいろな施策を進めていく上で、なるべく御指摘のようなことを念頭に置いて取り組んでいきたいというふうに思っております。 例えば、もう一つ困っておりますのが○○センターとか○○ステーションとかという言葉が、外国の言葉ではなくてもう日本語になってきているというようなこともありまして、片仮名語イコールよくない言葉というわけにもいかなくなっているという点も一つ難問として考えております。
○吉岡吉典君 私、片仮名は全部使わないようにとまでは申し上げません。社会的に定着してしまった言葉は使ってもいいと思いますけれども、役所がそういう言葉で先端を切る必要はない。国民にある程度定着したら、それが自然に役所の使う言葉になってもいいと思います。 今の社会福祉や高齢者対策なんかこれから広げなくちゃいかぬ。そうすると、厚生省が使う言葉というのは地方の役所が使う言葉にもなって、例えばこの間、話がありましたマイホームはるみに行ってパンフレットをもらっても、わざわざここをなぜデイホームと書かなくちゃいかぬのかなと思うようなのもあるし、部屋の入り口には鈴木委員から話があったような言葉が使われる。上から下へ流行して、わからない言葉を無理に定着させることはないと思います。そういう意味で、片仮名一切排除ということまで私は申し上げようと思っておりません。ただ考え方は、言葉遣いに苦労しているというお話ですので、もっともっとお互いに苦労してわかりやすい言葉を見出す努力をしていくようにと思います。これはこの程度にしておきます。 私、二番目にお伺いしたいと思うのは、高齢者対策の上での家族の役割と行政の役割という点です。これは十月二十七日のヨーロッパ視察報告の中で、視察に行った者全員が強調した点でもありました。私もヨーロッパの社会福祉を視察して一番感じたことは、家族の役割ということをいろいろな形で重視してはいるけれども、最終的には、高齢者対策は行政が責任を負うということが、デンマーク、スウェーデン等では非常に強調されているということです。 私は、おくれて出発した日本が直ちに同じレベルのものになるということはなかなか大変な面もあると思いますけれども、考え方として、高齢者の介護は家族だということで出発するか、最終的には行政が責任を負わなくちゃならないという考え方で出発するか、これは大変違いがあるところだと思います。もちろん国の違い、いろいろな法律上の違いもあると思いますけれども、そこらは厚生省としてはどのようにお考えになっているか確かめた上で、次の問題に入りたいと思います。
○政府委員(横尾和子君) 私ども施策を進めていく上で、介護の責任は家族であるべきだ、行政であるべきだというような、あるべき論を精査するよりも、実態としては、仮に家族が介護をすべきであるとしたとしても、日本の高齢化の実情というのはそれを許さないほど激しく進展をしているわけでございますから、やはり高齢者の実情に着目をすれば公的な介護サービスというのは強力に推し進めなければならない。そういうあるべき論を超えたといいますか、それを差しおいても現実対応での公的サービスの必要性は歴然としているというふうに考えております。
○吉岡吉典君 あるべき論はどっちでもいいという考えは、私はどうも納得できないところですけれども、それは家族の責任ということは、もちろんヨーロッパでも強調もしているし私も必要だと思いますけれども、しかし家族任せてはならないという場合に、最終的に行政、社会が責任を持ってくれるかどうかということは、高齢者がどこによりどころを求めるかという点での非常に重要な問題だと思います。 私は、そういう意味でヨーロッパからいろいろ福祉対策を学ぶ場合にも考え方、哲学を学ぶ必要があるということを、この間の報告の中でも強調しましたけれども、それは相当厚生省の考えは違うようです。これはここで論議していたのではしようがありませんから、次に進めていきます。そこで、その違いがどういう形で出てくるかという場合にどういう問題が出るかというと、やはり家族介護へのいろいろな援助という、この中間報告でも述べている問題になるわけです。 それで、私は一つだけ午前の論議を聞いていてお伺いしたいわけですけれども、家族介護手当というのは考えないということでしたけれども、これを考えないのはどういうわけで考えないのか。今はそこまで手が届かないということなのか、考え方としてそういうのはまずいというお考えがあるのかどうか、まずこれをお伺いしたいと思います。
○政府委員(横尾和子君) 現金給付としての介護 手当というものは、さまざまな目的、内容のものを多くの方々が介護手当ということで表現をされているように思います。例えば、介護をされている方を慰めるというような、あるいは激励のための手当てとして何か配った方がいいのではないかとか、在宅のための掛かり増しの経費を負担するために介護を受ける方本人に対する援助として配った方がいいのであるとか、あるいは介護をしている介護者のために何か給料的な色彩のものを支払った方がいいのではないか、さまざまなものが介護手当という表現で御提案をされたり検討の項目として挙げられているように思っております。 私は、そういったものを論ずるよりも優先順位としてただいまのところは、手当てを出すよりも具体的にサービスが提供されて、現に御苦労をされている人の手を休めることができる、あるいは介護を受けられている方の生活の内容がよりよくなる、そういう現物サービスの供給体制の整備が急務である、それを踏まえた上で改めていろいろな立場からの性質の介護手当というものはまたお考えをいただく余地はあるというふうに申し上げたつもりでございます。
○吉岡吉典君 今いろいろおっしゃいましたけれども、私はとりわけ介護に当たっている家族への手当てということを重点に述べております。この中間報告は介護手当を必要とするという見地に立っているわけですけれども、これに考え方として異論があっての午前の答弁だったのか、もっと言えばそうでなくて、優先順位で今どこに力を注ぐべきかという点での違いなのかという点はどうやら後者だろうというふうに、今わかりました。 それから、私がこのことを言いますのは、家族がいろいろお年寄りの親の面倒を見ている。その結果、私が知っているのでもいろいろな家庭悲劇が起こっていますよ、親の面倒を見るのは大変、それから生活をどうするかという問題もあるわけですからね。だから、そこへ手当てをするということは必要なことであり、中間報告は少なくとも優先順位で、将来の課題でいいということではなく、ここには提起をしているわけなんです。ですから、そういうところへできるだけ早く進む必要があるから提起しているわけで、それに対してはどういうふうにお考えになるかということ。 地方自治体では、いろいろな形でそういう支援が具体化されている。例えば、東京なんかではかなりのレベルのそういう支援が行われているということを聞いておりますので、その東京都の例、もしおわかりでしたらここで紹介していただき、そういうことはいいのか、あるいはそういうことについて厚生省は余り感心していないということなのか、その考えとあわせて御報告願います。
○政府委員(横尾和子君) 中間報告の御提案は、先生方の一つのお考えの中でこれまでの御研究を踏まえての御提案だというふうに私も重く受けとめているつもりでございます。 したがいまして、将来介護問題を幅広に検討する場合には、そういった現金給付の可能性ということも視野に入れながら検討をすべきだというふうに思っております。その場合には、例えば先ほど来御検討が行われました介護休業における休業中の補償の問題でありますとか、あるいは相続についての民法上の取り扱いでありますとか、あるいは相続税の問題でありますとか、非常な幅広な検討の中でこの問題も位置づけなければならないというふうに思っております。 お尋ねの二番目の、東京都の介護手当はどうかということでございますが、東京都は七十歳以上の方に月額四万九千円を出しておられるというふうに聞いております。
○吉岡吉典君 私は、最初の方の中間報告を尊重するとおっしゃるわけですけれども、今のお話を聞いていると、何をお考えになっているのか相続税との関係というふうなことまで出てくるとよくわからないんですね、何をお考えなのか。 私、ヨーロッパヘ行って非常に感じた点は、要するにだれかが高齢者の面倒を見なくちゃいかぬ、家族に介護してもらうのを年寄りは一番喜ぶんだと。そうすると、その人は生活をそっちに充てなくちゃいかぬから、ヘルパーを充てるかわりにその人が面倒を見るんだから、ヘルパーに当然支払うべき手当てをその人に支払うんだと、そういう努力をやっていると。そういう制度が行われれば日本でも安心してお年寄りの面倒も見れるようになると。そういうことはどうかというのが私のここで問いかけているところですけれども、そういうのが相続税の話が飛び出したりなんかすると、一体何をお考えになっているのかわかりません。 〔理事竹山裕君退席、会長着席〕 私は、中間報告でも出しており、ヨーロッパ視察してみんなが感じて帰った、そういうふうなものをより一層真剣に検討していただきたいと思います。東京都の例は今四万円という報告で、そういうことを積極的な措置と見ているかどうかということをあわせてお伺いしたんですけれども、それはお答えありませんでしたけれども、それはいいです。 それで、その次にそれの具体的な問題ですけれども、介護休業制度の問題です。この間二十七日の労働省の報告の中ではこの点で普及率が今一三・七%ですか、というお話がありました。これは新しく始まったばかりですから、普及率は現状そうだろうと思います。これ普及率を高めなくちゃならないわけですが、同時に、休んで介護に当たるということになるとたちまち収入がどうなるかという問題が出るわけで、現状はどうなっているか。将来、休業補償として、それについて企業あるいは国あるいは自治体がどういう補償をするようになるのが望ましいか。 そういうことについてのお考えと実情とをあわせてお伺いします。
○政府委員(松原亘子君) まず、実情でございますけれども、先ほど先生御指摘になりました一三・七%の企業の内訳ということではございませんが、私どもが別途平成三年十一月に調査した結果を御紹介させていただきたいと思います。 その調査で介護休業制度がある企業二百十三社を対象として集計いたしましたけれども、その内容を申し上げますと、そのうち対象となる要介護者の範囲については制限があるという企業が約三分の二でございます。その制限がある場合にはどういう家族までその対象にしているかということを見ますと、配偶者ですとか自分の父母、子供の場合には九割を超える企業が対象にいたしております。配偶者の父母につきましては七七・八%の企業が対象にしているということでございますが、いずれの場合にも同居をしているとか、扶養をしているといったような条件をつけているとか、他に介護する人がいない場合に介護休業ができるといったような条件をつけている企業というのがかなり多いという実態でございます。 休業中の賃金の取り扱いでございますけれども、これについては有給というふうにしている企業は三二・三%ございました。その内訳を見てみますと、休業期間が一カ月未満であるという最長休業期間を決めているところがほとんどでございますが、その最長休業期間が一カ月未満というふうに決めている企業に比較的有給の企業が多い。また、制度の形といたしましてさまざまな形がございますけれども、失効した年次有給休暇を認めて介護休業に充てることができるというふうにしている企業の場合には有給とする企業の割合が高いというような実態が出てございます。 なお、最新の状況につきましては、この五月時点の調査、今やっておりまして集計中でございます。もう少し詳しい全国的な状況が把握できるかというふうには思っております。 この介護休業制度、現在ガイドラインに沿いまして、私ども普及指導をやっておりますけれども、昨年策定いたしましたガイドラインにおきましては、休業中の賃金については労使が十分話し合った上決定し、その上で労働者に周知させるための措置を講ずることということで労使の自治にゆだねているというところでございまして、労働省としては当面制度の導入を早くやってほしいという ところに重点を置いて指導をやっているというのが実情でございます。 なお、介護休業の法制化問題というのも当然私ども重要な課題だというふうに考えまして、今後の施策の検討に当たって視野に入れているところでございますが、これにつきましては専門的、技術的な研究をやっていただいた上審議会で御検討いただこうというふうに思っております。 その際には、今先生が御指摘になりましたような休業する労働者に対する経済的援助の問題、育児休業の場合にも議論になりましたけれども、それと同じような形で議論というのは出てくるということは私どもも考えておりますが、いずれにいたしましてもその検討に当たりましては各方面の意見を十分に聞いて対応いたしたいというふうに考えておるところでございます。
○吉岡吉典君 私、最初の方で高齢者福祉の最終責任をどこに見出すかという点が重要だと言ったのはそういう問題があるからでありまして、私は今の休業補償制度の法律化、介護休業法の制定も必要だと思いますし、それからまた、家族が親の介護を行うという場合にも生活の保障がなければならないという状況は日本の家族構造の変化の中でますますそういう問題が強くなっていると思いますので、家族か行政かということじゃなくて、やはり最終的には政治が責任を負うんだと。その中で家族の責任の負い方がどうかということも当然伴うわけですけれども、そういうことは大いに日本でも具体化し、研究もしていただきたいと思います。 幾つかまだお伺いしたい点がありますが、時間もありませんので一つお伺いしておきたいと思いますのは、ゴールドプランに基づくいろいろな施設をつくる場合に、国の基準ではどうにもならない、地方自治体の超過負担が非常にふえて大変だということを、私どもは地方自治体から問題提起を聞いています。 私の手元にある資料によると、新潟県のまとめた資料では超過負担率が五一・一%、福岡県で五二・二%、東京都中野区の例では五四・五%だと、そういうことが出ておりますし、この間、テレビでは東京の八王子では超過負担が九割にも及ぶというようなことも放送されていたという状況ですね。こういう状況というのは、いろいろな説明を聞きますけれども、私は時間がありませんから、ここで現状はどうなっているかということじゃなくて、超過負担がこういう状況ではゴールドプランの号令をかけただけではなかなか具体化できないと思うんです。 ここで要請したい点は、実情がどうなっているかということの調査はやっていただけないかと。この点だけ私はここで問題提起したいんですが、調査をしていただけますか。それともだめですか、どうでしょうか。
○政府委員(横尾和子君) 私どもは具体的な調査というよりも毎年の予算の中でそれぞれ対応ができるような予算をとっていくということが重要だと思っております。 今おっしゃった超過負担をもたらす由来は、一つは補助対象面積というものが国が定めている基準よりもゆとりのある、あるいは付加的な設備を設けたいということで面積の問題がありますし、それからもう一つはそれぞれの建築単価の問題があると思います。 特に、御指摘のありました都会についてはここ数年の建築単価の高騰というのは大きゅうございましたので、これは平成四年度、引き続きまして本年度におきましてもゴールドプランにかかわる施設整備について特に都市部については一〇%の割り増しをするというような対応で、実情に合うように調整をしてまいりたいと思います。特に実態調査をする考えはございません。
○吉岡吉典君 そうおっしゃればこれはまた別途我々はそれに対応せざるを得ないわけですけれども、国の基準でやれと、それ以外はもう目を向けないという態度では私はまずいと思うんです。 ですから私も最初、超過負担が出るのにはいろいろな事情があるだろうと。だからそれは国の責任にならないものもあるかもしれません。地方自治体が国の基準よりももっと立派なものをつくりたいために超過負担がふえている例もあるかもしれません。それは国に文句を言われても困るという理由もあると思います。しかし、いずれにせよ、地方自治体から大変だから何とかしてくれと言っているのに対して、私は地方自治体の要求を全部聞けと言っているわけじゃなくて、調査ぐらいはしてもいいじゃないかと思いますけれども、それもやらないというのが厚生省の態度ならそれはそれで結構です。私は別途これに対しては対応させていただきます。 その次にお伺いしたいのは、午前の論議でも出ておりましたけれども、高齢者向けの住宅改造問題です。午前も名前が出ましたけれども、私は、例えば東京の江戸川区、大阪の大東市等ではそういう高齢者向けの住宅改造について非常にすぐれた措置をとっているというふうに聞いておりますので、どういうことがやられているかちょっと御報告願います。
○政府委員(三井康壽君) 東京都の江戸川区でやっております「すこやか住まい助成事業」につきまして御紹介をさせていただきたいと思います。 これは、介助を必要とする熟年の方、六十歳が持ち家を持っておられまして、高齢者あるいは身体障害者の手帳の交付を受けた方、両方入っておられますけれども、その方々が、区に申請をされまして、障害者用、高齢者用の設備に直すという改造工事につきまして、区が認めます費用の全額を区が助成をするという制度でございまして、平成二年の十月から区の方で実施をしておられるようでございます。今までの累計で、五年度は途中でございますけれども、千三百八件の方が申請され、実際の助成は千二百十九件、トータルの累計助成金額は約八億でございます。それを一件当たりで見てみますと、一番大きい金額の助成は三百九十二万円余、最小の金額は一万円からのようでございます。平均いたしまして六十七万五千円、大体は五十万円までで六〇%ぐらいの割合、そういった状況と聞いているところでございます。
○吉岡吉典君 これで十分かどうかいろいろまた議論があるかもしれませんけれども、私はこういういろいろな進んだ経験というのは大いに全国にも広めてもらいたいと思います。 時間がありませんので、私最後に、ちょっと今までの話と違った問題になりますけれども、高齢者対策という点からも今問題になっている国立病院の統廃合問題を改めて検討し直してもらいたいという陳情をこの九日に幾つかの団体から受けました。 その一つですが、私の出身地である島根県の大田の国立病院の例で申し上げますと、その陳情書にはこういうふうに書かれております。私もよく知っているところですけれども、全国的にも屈指の過疎地域で、高齢化が一段と進むとともに無医地区も広がっており、僻地中核病院、二次救急病院として非常に重要な役割を果たしている。そういう病院であり、だから一日平均四百七十人、そして病床利用率も九三%という状況の病院であり、そういう高齢化が進む中でこういう病院がなくなることは大変だということでの要望であります。 この例のように、過疎が進む中で国立病院が果たしている役割が一層重要だということでのほかの全国的な国立病院の統廃合問題の再検討の要請であります。そして島根県の大田の国立病院については、特に三十人ぐらいの高齢者がお見えになっての要望でございましたけれども、こういう陳情項目があります。「地方老人医療センターとして、特に循環器・脳外科・呼吸器疾患の高度医療施設とし又、地域ガンセンター・循環器センター・母子医療センター・難病リハビリテーションなどの機能強化」を図ってもらいたい、こういう要望がございました。私も、高齢者対策という点からもこういう要望について検討をお願いしたいと思います。これは私の要請でございます。ここで答弁できる問題でもないかもしれません。 私は、それと関連して、あわせてもう一つ重要 な陳情を受けました。それは、こういうことですね。こういう統廃合の対象になっている施設に対しては、定員増や施設整備を意識的に怠って立ち枯れ政策を強行していると。そういうところでは、結局そういうおくれた状態で、患者も安心しておれない状態、そういう立ち枯れ状態をつくって、自然になくす方向へ持っていこうとするそういう政策が行われていると。そういうことは少なくとも医療機関として存続している限りあってはならないことだと思うという要請でございました。私、これが事実だとすれば、これは重大な問題だと思いますし、現在もそういうことはあってはならないし、将来もまたこういうことがあってはならないと思います。医療機関として将来厚生省がどうしたい医療機関であろうと、現に医療機関として地域で重要な役割を果たしている限りは、地域にあるいは患者に責任を持たなくちゃいかぬ。そのために医療機関として必要な人員も、施設、設備等も当然責任を持ってきちっとやられなきゃならないと思います。 この点については、実際そういう立ち枯れ政策が行われているのかどうなのか、将来ともそういうことは考えるのか考えないのか、そういうことを含めて、この最後の問題については、この場できちっとしたお答えをお願いしたいと思います。
○説明員(廣瀬省君) お答えいたします。 国立病院の再編成の問題でございますが、国の財政事情、それから定員事情が大変厳しいという中で、現在二百四十二の国立病院・療養所を持っておりますが、このすべての施設を充実強化するということは、現実的には大変困難な状況にあると考えております。そして、国立病院特別会計も経営が大変厳しい状況になっておりまして、経営改善をするのが一番の大きな課題ということで指摘されております。そういう中で、特段動きのない再編成対象施設であっても、運営していく上で必要な措置はきちんと講じていかなければならないというふうに考えております。 しかし、限られた予算の中で幾つかの再編計画が具体的に同時進行しておりまして、その整備についても考えてまいらなければいけません。そういう中で、優先順位をつけて計画的に行っていかなければいけないということも、この実情をぜひ御理解いただきたいというふうに思います。
○吉岡吉典君 ちょっと時間ですけれども、よくわからないんですね。立ち枯れ政策をとっているのかとっていないのかというのが私の質問ですからね。だから、それにはっきり答えてもらわなければ私のところへやってきた人は安心しませんよ。 それは要望があることすべてができるかどうかということはいろいろあるかもしれませんけれども、統廃合の対象になっているんだから自然に立ち枯れさせるんだという政策をとっていると言って、こういうことをやめるように政治家として働いてくれと言って、これは私のところへ来ただけじゃありませんよ。ですから、これはきちっとしてくださいよ。
○説明員(廣瀬省君) 今ほど申し上げましたが、運営していく上で必要な措置は講じていかなければいけないというふうに考えております。
○吉岡吉典君 はっきりしませんね。もっとはっきり言ったらどうですか、もうちょっと。
○説明員(廣瀬省君) 運営していく上に必要な措置ということは、その病院の運営にかかわる、要するに患者さんを扱っている以上、それに対して必要な措置を講じていきますということでございます。
○吉岡吉典君 どうやらやましいところがあるんじゃないかと思いますね、今のようなはっきり言えないことは。文書で来ていますよ、立ち枯れ政策を強行しているという申し入れが。口頭でこそこそ言ったわけではありませんからね。 そういう問題だから私は、これはそんなことはないと言って大きい声でここでは厚生省は言うんだろうなとばかり思っていたら、何かあいまいな答弁で、これはだめですよ、そういう態度では。患者が安心できる答弁をきちっとしてもらわなければ、そういうことはないならない、今後ともやらないならやらないと。しかし、今のようなわけのわからぬ答弁だとやっぱり胸を張ってそんなことはないと言えないんじゃないんですか。そうすると、活字にしたこういう文書で来ている意味があるのかなと私はとらざるを得なくなるんですよ。
○説明員(廣瀬省君) 誤解されるような言い方をして大変申しわけありません。 病院の質に関しては、それぞれ地域の実情においてそれぞれの質がございます。大変高度な部分、がんセンター的な部分もございます。それからそうでない部分もございます。それをどういう意味で考えていくかということになりますが、私が申しておりますのは、基本的に立ち枯れ的政策をとっているのではなくて、運営していく上に必要なものはちゃんと面倒を見ていかなきゃいけない、つまり患者さんに不安を与えることのないような形でやってまいりたいということを申しているつもりでおります。
○吉岡吉典君 終わります。
○下村泰君 まず、建設省の方から伺いたいと思います。 町づくりからちょっとお伺いしたいんですけれども、大阪府、兵庫県、こういうところで福祉の町づくり条例というのが施行されています。この条例制定の過程及びこの条例そのものにもいろいろ問題点や疑問点があるわけなんですが、それを差し引いても画期的なことだと思います。神奈川県もいち早くこれに近い条例を策定しました。そのときに私も、神奈川の方に来ていただいていろいろ御説明を受けたことがあるんですが、いずれにしてもここ数年の動きはますます加速的になっております。また加速していくだろうと思います。現に東京都も含めて三十近い自治体にもその検討あるいは策定の動きが出ています。 まず、福祉の町づくり条例をどのように把握、認識し評価しているのか。また、建設省としても積極的にバックアップする必要があると思いますけれども、どのように対応したのか、あるいは今後どのように対応するのかをまずお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(三井康壽君) 御指摘のとおり、大阪府あるいは兵庫県あるいは神戸市という自治体におきまして、最近、福祉の町づくり条例というのが制定されているわけでございます。その地域地域によって若干の内容に差がございます。これは公共団体の特殊性、それぞれの地域の実情に応じているわけでございますけれども、考え方といたしましては高齢者、障害者対策を自治体レベルで総合的にやっていこうということでございまして、この中には全般的な福祉に対する基本的な考え方から始まりまして、町の中で重要な位置を占めております公共施設や建築物につきまして一定の整備水準あるいは規制の基準というふうなものを設けるということによりまして、地域全体として福祉に優しい町づくりといいますか、そういったことをやっていくというふうに理解、評価をいたしておりまして、また私どもとしても大変有意義な試みであるというふうに認識しているわけでございます。 したがいまして、こういった総合的な行政は地方公共団体が即地的にやるのが非常にやりやすいという面もございますので、私どももそういったことを支援するといいますか、さらにまた建設省といたしましても所管の必要な建築物あるいは住宅の建て方の問題、あるいは道路や公園などの公共施設につきまして、福祉に優しいような施設整備を進めていくという基本的な考え方でおります。 したがいまして、特にこういった御熱心な公共団体がおやりになるようなところでは、私ども重点的に御支援をしていきたいという考えでございます。
○下村泰君 実際にそういった指針が出ていますけれども、例えば既設のもの、既にでき上がったものに対してはこれこれこういう方法がありますよ、これからつくるものに対してはこれこれこういう方法がありますよと、まことに丁寧にでき上 がっていますね。殊に新設の場合に、目の不自由な方には盲導鈴といいますか鈴でいろいろと案内するとか、あるいは扉の形式、ドアの形をいろいろ変えてみるとか、あるいは点字の案内板だとか、そういうようなものを新設するとかいろいろございます。これは大変結構なことだと思います。 ここに来年度の重点施策の一つとして高齢者、障害者にも優しい生活空間、福祉の生活空間づくりを推進します、として幾つかの施策が書かれてあります。こうした施策のねらい及び背景は何か。さらに、建築審議会で諮問された高齢者、障害者に配慮した建築物のあり方についてのねらい、内容についてこの二点、重なるところがあると思いますけれども、お聞かせ願いたいと思います。
○説明員(林桂一君) 建設省におきましては、毎年度その次の年度の建設行政にかかわります重点的な施策を取りまとめまして、予算、税制あるいは制度の改正というものに反映させていこうとしているわけでございますが、御指摘のような来年度の重点施策におきましては、福祉の生活空間づくりということも一つの柱にいたしております。 申すまでもなく、今後急速な高齢化社会を迎えるわけでございますが、その場合に高齢者が豊かな住生活を営むことができるように、また快適に社会参加ができるようにしなければならない。そういうことを通じて国民が生涯を通じて安心して生活を営むことができるような社会づくりが必要であるという背景があるわけでございます。 こういった背景のもとに来年度の重点施策の中では、特に生活者の視点を重視する生活者のニーズを踏まえた質の高い生活空間づくりを主要課題の第一に挙げておりまして、その一環といたしまして、文化性豊かな美しい町並みづくりとか、充実した自由時間を過ごすための余暇空間づくりとか、そういった課題もありますが、それなどとともに、人に優しい福祉の生活空間づくりを今日的な課題として取り上げたものでございます。そのねらいといたしましては、建設行政のいろいろな分野で人に優しい福祉の生活空間づくりを目指そうということでございまして、例えば人にやさしい福祉の生活空間づくり大綱の策定とか、あるいは高齢者、障害者が住みやすい住宅整備の推進のために住宅金融公庫の融資の融資率や割り増し融資額の引き上げとか、あるいはデパートやホテルなどの建築物につきまして、高齢者、障害者も利用しやすいようなものに誘導していくというような施策とか、あるいは歩道などの公共空間の整備とか、そういったものを進めるということが内容として盛り込まれているところでございます。
○下村泰君 五十嵐建設大臣が「高齢化社会の到来と障害者の社会参加の急増に配慮した優良な建築物の在り方」というのを諮問したんだそうです、審議会に。次期通常国会に出るような話も承っておりますけれども、新法として制定されると言われていますけれども、福祉の町づくり条例の制定と建築基準法施行条例の改正によって行われている先ほどの自治体の福祉の町づくりに対応する意味から、建築基準法の改正や町づくり法などの制定というのは、こんなことを考えていらっしゃいますか。
○政府委員(三井康壽君) ただいま建築審議会の諮問につきましてのお尋ねでございますけれども、御承知のとおりことしの、平成五年の三月に障害者対策の新長期計画などができまして、これは高齢化社会を当然含んでいるわけでございますけれども、建築物につきましても高齢化社会あるいは障害者社会といいますか、それに適応したものをつくっていかなければいけないということから、建築審議会に高齢者、障害者に配慮した建築物のあり方につきまして御諮問をさせていただいたわけでございます。 現実に福祉の町づくり条例とか、あるいは建築基準法の四十条に基づきます、特殊建築物と言っておるんですけれども、人がたくさん来られる劇場あるいはデパート、社会福祉施設、学校等々につきましての基準というのは公共団体で試行的にやっているわけでございますが、それを含めまして、全般的に今後のこういった建築物のあり方の御諮問をさせていただきました。現在、ようやく審議を始めていただいたところでございますので、まだ先のことは審議会の議論ということでございますけれども、私どもとしましては、その過程の中で法制度につきましても恐らく議論をしていただくことになるであろう。 ただ、今まで私どもの基本的に申し上げてきているところをやや申し上げますと、建築基準法は最低の建築基準ということでございますので、高齢者、障害者に配慮した建築物を最低の基準として位置づけられるかどうかというのはやや法律的に問題がないわけではない。むしろ誘導するような基準というものを考えて法制度化していったらどうかという御議論もかなり強くあるわけでございます。そういったことを含めまして審議会で御議論いただきまして、必要な法制度という御答申がいただければそういったことで取り組んで、この国会等で御審議をいただくように進めてまいるという考えでございます。
○下村泰君 事を進めるに当たっていろいろな段階があると思います。今もいみじくもおっしゃいましたが、誘導ではなくて、やっぱり義務的整備基準というものがないとこれまでのような施策を見ても実効が上がりにくいと思います。これは事実もそうだと思います。 町づくりを考えるときに、建物だけを考えてもだめなわけで、まさに交通もあれば道路、それからソフトの面もいろいろとありましょう。総合的な町づくりの法が必要と考えます。これは建設省だけでできることではありません。各省それぞれ優しい町づくり、福祉の町づくりに取り組んでおられるのは十分承知しておりますが、その全体をまとめる法律の制定についてお考えを、運輸、厚生そして建設省にお伺いしたいと思います。 と申しますのは、例えば一番簡単な例を挙げれば、横断歩道橋というのがありますね。あの歩道橋はできたときは大変よかった。いいように感じた。ところが、あんな不便なものは結果的にはなかったわけですね。老人は上りおりできない、お子さんを連れた人が上ったりおりたりするのは大変、乳母車はどうすればいいんだ、それから障害者の乗っている車いすはどうすればいいんだ、結局あれは無用の長物になった、結果的には。わざわざあの横断歩道橋の下ヘゼブラ模様をつけているところもあるわけですね、シマウマの模様を。もちろんそれはあの横断歩道橋がきちんと有効に使われている場所もありますよ。例えば、地方の方にはおわかりにならないかもわからないけれども、渋谷の駅前なんかのは有効に使われていますね、あそこは。車を運転する人も大変気楽に行かれます。ところが、何のためにあの歩道橋をつくったのか。本当に意味をなさないんです。あれじゃ困るわけです、ああいう結果ではね。 ですから、各省が連絡をとり合ってやっているのはわかりますけれども、目前に迫った高齢化社会に向けて一層促進する意味から、どういうふうに各省お考えでしょうか、お考えがあったら聞かせてください。
○政府委員(土井豊君) ただいまお話しの障害者や高齢者が住みなれた地域で安心して生活できるような、そういう生活環境の整備を進めるための法律の問題でございますけれども、そのこと自体は私どもも非常に重要な課題であると認識いたしておりまして、ことしの三月に新しい長期計画が策定されておりますけれども、その中でも今先生御指摘の福祉の町づくりということが非常に重要な課題ということで指摘されているとおりでございます。 厚生省も、これまで住みよい福祉の町づくり、予算上の事業としては全力を挙げて取り組んできておりますし、これからもそれをさらに拡充したいという考え方で臨んでおりますが、ただ法律の制定ということについて見ると、現時点ではまだ考えていないというのが実情でございます。 ただ、御案内のとおり、今回議員提案で基本法の改正が今国会で上程されるというふうに伺っておりますが、その中にも、抽象的な規定ではございますけれども、公共施設の利用に関しまして、 国、地方公共団体が講ずべき施策の内容あるいは民間事業者に対する努力規定といったような規定も盛り込まれておりますので、私どもとしては現在新しい法律ということは考えておりませんけれども、先ほど初めに述べましたような事業の推進には全力を挙げたいという考えております。
○政府委員(豊田実君) お答え申し上げます。 高齢者の方あるいは障害者の方の社会活動において、交通分野、特にターミナルなどの問題というのは非常に大きなウエートがあるということはよく認識しております。今お話にありましたように、福祉の町づくりという全体の中で、やっぱりターミナルというのは地域の一つの大きな施設でございますので、私どもとしては高齢者の方、障害者の方がスムーズに移動できるような対策をとりたいと思っております。それで、法律的な措置も含めまして今関係省庁と検討を進めておるところでございます。
○説明員(林桂一君) 高齢者や障害者に配慮した町づくりを総合的に進めるためには、建築行政とか道路行政あるいは都市計画、それから交通施策、福祉施策、そういうような各分野の連携のもとに柔軟かつ機動的に対応することが必要であるということを考えております。 当面そのような連携のもとに努力を積み上げていくということをしたいと思っておりますけれども、先生御指摘の総合的な法制化が必要という御指摘につきましては、他省庁とも関係する事柄でもありますので、よく相談してまいりたいというふうに思います。
○下村泰君 さて、ちょっと話は変わりますけれども、JR西日本の沿線の駅舎についての話なんですけれども、ことしに入ってから西日本の沿線における駅舎の問題を何度か取り上げました。運輸省、建設省ともに改善の指導を行う旨の御答弁をいただきまして、大変これはありがたかったんですが、その後どうなったのか。八月二日の報道によりますと、 JR西日本は高架駅でのエレベーター設置について一日までに、これまで消極的だった方針を転換、早ければ今年度から大規模駅を中心に毎年十数億円をかけ、六-九駅に設置する方針を固めた。全国のJR、私鉄全駅のエレベーター設置率は約四%と極めて低く、障害者がJR西日本に対し、エレベーター設置を予定していない阪和線高架化事業の差し止め訴訟を準備している。運輸省もエレベーター設置指針作りに取り組んでおり、同社はこうした背景や高齢化社会への対応などから決断した。 こういうふうなものが出ておりますけれども、その後どうなっていますか。先日来、私の方から申し上げてきた件についてその後の状況をどのように承知されていますか、お聞かせください。
○説明員(小杉昭夫君) ただいま先生御指摘のございました、まずJR西日本の尼崎駅でございます。これは先生御存じのとおり建設中の片福連絡線との結節点となる重要な拠点駅でございまして、橋上化の工事が進められております。この間、地元からエレベーターの設置につきまして強い要望がございまして、尼崎市とJR西日本との協議によりエレベーターを設置する方向で現在調整中と私ども聞いております。 さらに、阪和線の高架化に伴いまして四駅が高架駅となるわけでございますが、おのおのの駅のエレベーターの設置につきまして、こちらもJR西日本が大阪市と協議を進め、現在エレベーターを設置する方向でまとまるというふうに私どもは聞いております。
○下村泰君 それから、こんな悲しい出来事が出てきてまたかと思うんですが、車いすの女性に暴言を吐いたということで、これは運輸省側も御存じだろうと思います。これは細かくは申し上げませんが、こういうことを申し上げると必ず職員を注意したり謝罪をするということだけで終わっているんですけれども、同じやるならもうちょっと突っ込んでみて、例えば駅の職員にアイマスクをかけさせたり、障害者と同じような状態をつくってひとつ訓練してみたらどうなんでしょうか。一回でも二回でも、そんなことをやってみたらどうですか。 一般の健常者が、アイマスクをかけたりあるいは車いすに乗ったりして、実際に駅というものは不便だな、駅というのはこんなに使いにくいところなのか、何でこんなに不便につくったんだろうかと。おれたちには電車に乗るな、旅をするな、家の中にじっとしていればいいというようなことを政府の方は要求しているのかなということを、普通の体の丈夫な健常の方々がそういった状態をつくって味わっている。にもかかわらず、従事している職員の方々がそういうような行動をとってないというのはどうも解せないんだ、私は。 この間もちょっとお話ししましたけれども、新宿駅に行ってもそうなんだ。あれだけの大きな駅ですよ。それで、助役に聞いたら、はいあそこに障害者用のエレベーターがありますよと、あそこといったってどこだかわからないんだ。行ってみたら本当にわからないんだ、私が行ってみて。それから職員に聞いたら、ありましたかなそんなものはと言うんだよ。どういうことだね、これは。そうなるとますます腹が立ってくるんですわ。それでこういうことが起きると体裁だけの謝罪なんだ。 何かそんなようなお考えはありますか、訓練をしてみようなんという。
○説明員(小杉昭夫君) お答えいたします。 ただいま先生御指摘のとおり、身体障害者の方々を含めました鉄道利用者に対して、安全確保はもちろんでございますが、それに加え適切な輸送サービスを提供するということは公共交通機関としての当然の責務であるというふうに考えております。こうした認識のもとに、私どもとしましては従来からJR各社、鉄道事業者各社に対しまして、接客マニュアルの作成、また各社なりのいろいろ工夫をした講習会の開催というようなことで社員教育の徹底を図る、と同時に利用者の声をできるだけ反映させましたサービスの向上に努めておるところでございます。 しかしながら、このような状況の中で、ただいま御指摘のございましたJRの一部の駅員の対応に非常に不適切な事例があった、御迷惑をかけたということは私どもまことに残念なことというふうに考えておりまして、JR各社、鉄道事業者各社に対しまして、さらに利用者の方々への適切な対応、特に身体障害者の方々、高齢者の方々を念頭に置いた接遇の向上に努めるよう、引き続きさらに指導の徹底に努めてまいりたいというふうに考えております。
○下村泰君 私は別に運輸省を悪くばかり言っているわけじゃないんですよ。随分中には親切な人もいます。うれしいなと思うときもあります。殊にお体の不自由な方々がそういうふうな態度をとられたときに、こんなにありがたいことはないと思いますよ。同じ車いすに乗った方の中にも非常に腕力のある方は上手にエスカレーターに乗っていくんですよ。ところがそうでない人もいるわけです。殊に電動に乗っている方はそんな器用なことはできない方も多いわけですかも、そこのところは考えてください。 ましてや、最近は新幹線に乗ると女性の方が入ってきていろんなことを面倒見てくれますね。あれなんかは、私は昔から言っておるんです。漫才やっておるときからあれは言っていたんです、私は。大体人がいい気持ちで寝ているときにむくつけき男が入ってきて、夏になると麻の服を着て入ってきて、毎度御面倒さまなんて、毎度御面倒なら来るなというんだ、おれは。人がせっかく寝ているのに人の切符を切って、これから先何時間ありますからごゆっくりどうぞって、起こすなというんだ。そんなことをよくやったことがありますよ。ですから、ああいう男はかえて女性にしろと。ただし一メートル六十以上はいかぬ、おれが一メートル六十二しかないからなんてやったことがありますけれども、今大変結構なものです。旅が楽しくなっています。 そういうこともありますよ。悪口ばかり言うわけじゃない、いいこともあります。ですけれども、少なくとも皆様方の方からそういう方たちに対す る体制を御自分たちの中でつくってほしいんですよ、こういう席で言われてやるんでなくて。僕らそれを見たら源流すよ、私はもう涙腺故障者だからね。 それから、本年五月に建設省の建設政策研究センターが「高齢者住宅整備による介護費用軽減効果」という研究報告をされていますね。その内容を簡単に説明してください。
○説明員(林桂一君) 御指摘の調査は「高齢者住宅整備による介護費用軽減効果」という表題の本年五月に建設省の建設政策研究センターにおいて取りまとめたものでございますが、この調査におきましては、高齢者が豊かで人間的で、また可能な限り自立した生活を送ることができるようなそういった住宅を整備することによりまして、結果として期待できる介護負担の費用軽減について試算をしたものでございます。 その内容は、具体的に申し上げますと、新築時に高齢者のために屋内の段差の解消とかあるいは手すりの設置など自立できる住宅を整備するという条件で試算をいたしますと、一九九〇年から二〇二五年までに投入されるこれら住宅の整備費用の増加額八兆二千億円に対しまして、介護費用の軽減額が十九兆七千億円、その差額が十一兆五千億円という便益効果が見込まれるというものでございます。
○下村泰君 今あなたはくしくもおっしゃいましたけれども、建築費用のアップ分が総額八兆二千億円、介護費用の軽減額が累計で十九兆七千億円、差し引き十一兆五千億円の経済効果が期待できる結果となった、こういうふうになりますね。 これだけはっきり言われると何にもしないというわけにはいかないと思うんです。具体的に今いろいろお話をいただきました施策ということになるのかもしれませんが、これは今やっておかないと将来じゃできないよと分析をされているようなものじゃないかと思うんですが、急務の問題と言われています。 今の建設省の施策で十分ですか。それとも、建設省というよりは厚生省も含めて政府全体の問題だと思いますが、いかがでございましょうか。
○説明員(林桂一君) 今後、高齢化社会は急速に来るわけでございますが、その意味でこういった住宅政策の観点から高齢化社会へ対応する施策を進めてきております。 特に、今御指摘の観点から申し上げますと、従来から例えば新設の公営、公団住宅において手すりの設置とか、あるいは滑りにくい階段などの高齢化対応仕様の標準化を推進してきておりますし、また民間住宅につきましては、新築の際の住宅金融公庫の割り増し貸し付けの活用ということでバリアフリー化の誘導に努めてきておるところでございますけれども、新築のときから高齢者に配慮した住宅の供給を進めていくということが重要でございます。こういった調査の結果なども踏まえまして、例えば公営住宅等の工事費の単価の引き上げとか、あるいは住宅金融公庫融資の割り増し貸し付けの引き上げとかいったような内容の制度の充実、改善などにもこれから努めていこうというふうに考えているところでございます。 各省との連携ということの御指摘もございましたが、そういった面にも十分配慮して進めさせていただきたいというふうに思うわけでございます。
○下村泰君 それじゃひとつ今度は、町づくりは置きまして、住宅の方に伺いたいと思いますが、建設省として障害者用住宅建設に当たっての基本的考え方はどういうことでしょうか。
○政府委員(三井康壽君) 障害者に対します住宅対策といたしましては、第六期住宅建設五カ年計画、これは平成三年度からやらせていただいているわけでございますけれども、その中におきましても、障害者につきましては高齢者と同様に居住環境、住宅の設計、設備等に関しましてその世帯特性に応じた適切な配慮を行って進めていくんだ、こういう基本方針を打ち出しているわけでございます。これに従いまして公的な賃貸住宅の供給、公営住宅とか公団住宅につきましては障害者の身体特性とかニーズに配慮した規模、設備を備えさせていく、これが第一でございます。 ただし、一般的な高齢者と違いまして障害者の方々は、その障害の程度とかあるいは部位によって手すりの位置も左なのか右なのかとか、非常に個別性が強いわけでございます。したがいまして、入居の際に特定入居という制度がございまして、公共団体が入っていただく方の特性に応じて設備を変えられるような、そういったことの工夫が必要でございます。これが一つございます。 それから、民間のそういった障害者の方々につきましては、公庫融資という形でやらせていただいているわけでございまして、そういった公的な住宅の供給あるいは民間の方々がおやりになる際に使われる公庫融資につきまして、それぞれの助成措置といいますか、その促進を図っていこうということでございます。 現在までの実績をちょっと御紹介させていただきますと、例えば公営住宅につきましては、障害者世帯向け公営住宅というのを建てておりまして、これはなかなか建設が進まないんでございますけれども、平成四年度ぐらいで約三百戸強でございます。今までの累計は一万六千戸ぐらいが障害者世帯向けの優先入居の対象でございます。これは、優先入居以外に御家族の中で一般の抽せんて入っておられる方がございますけれども、それはちょっと統計でとれておりませんので、優先入居という特別の措置で入っておられる方の数が一万六千世帯、こういうふうになっております。 また、公団住宅につきましては、同じような設計、設備ということでやっているわけでございますけれども、これは公営住宅とやや違いまして、障害者の方々には抽せんをされる際に倍率優遇、十倍という倍率優遇で抽せんをさせていただいています。すなわち、一人で十人分の申し込みができる、倍率十倍でございます。そういった形でやっておりまして、現在平成四年度でございますけれども、これによってお入りになった方々が平成四年度一年間で二千三百戸お入りになっている。これが公的な賃貸住宅の実績でございます。 なお、公営住宅につきましては、やや地方によって独自の政策をやっておりまして、例えば東京都の場合を御紹介いたしますと、東京都の新規募集は、抽せんの中でも先ほど申し上げました特別の優先入居のほかにも倍率優遇というのが七倍でやっております。それから空き家につきましては、空き家のうちの二五%をポイント制で高齢者あるいは障害者、母子世帯、これは優先的に入っていただくということになっておりまして、都営住宅の新規募集のうち障害者世帯が入っているのは四・五%、空き家募集は四分の一の二五%がポイント方式でございます。そのうちの三割が障害者世帯が入っている、こういった実情でございます。 なお、公庫融資につきましては、普通の貸し付けのほかに割り増し貸し付けというのがございまして、普通は例えば戸建てで二千万ぐらいの御融資をするんでございますけれども、高齢者用の例えばバスとかトイレとか、そういう工事につきましては百万円、それから普通の工事の場合は五十万円、それから住宅改良、リフォームをする際も五十万円、普通の貸付額のほかに割り増し貸し付けというのをさせていただいております。 以上でございます。
○下村泰君 えらいまた細かく、こちらが聞いていないことまで一生懸命お答えくださいまして、まことにありがとうございます。 九二年度の東京都の障害者長期計画、今くしくもおっしゃいましたけれども、計画目標も書かれてあるんですが、実によくできていると思うんです。事業内容という項目のところに「住宅に困窮する車いす使用者が、地域社会のなかで健康で安全・快適な生活が送れるよう、住宅の基本設計に配慮するとともに、入居に際し、障害に応じて個別に内部設計を行うハーフメイド方式の車いす使用者向け住宅を建設する。」、計画目標として平成二年度末ストック戸数五百十八戸、今後必要とされる戸数が八百戸、平成十二年度における戸数が 千三百十八戸、こういうふうにプランが出ております。 建設省として、都のこの長期計画や厚生省がやっている高齢者保健福祉計画に見られるような具体的、数量的数値、すなわち障害者、高齢者といっても一様ではないわけで、それを踏まえて目標値を持つべきだと思いますが、全体で幾らというのではなくて、そうではないものをお持ちでしたら教えていただきたいと思います。
○政府委員(三井康壽君) 甚だ申しわけないんでございますけれども、高齢化社会対応の十カ年計画の二十万戸計画というのは持っているわけでございますけれども、全国的に障害者向けの住宅をトータルでどういうふうな数字でやるべきかということは、今まだ勉強中というごともございまして甚だ今お答えするのができなくて恐縮でございますけれども、先ほどうちの官房の政策課長がお話をさせていただきました来年度のいわゆる大綱づくりをする中で議論をさせていただきたいと考えているところでございます。
○下村泰君 現在、障害者、高齢者のための住宅についての細部にわたる基準というのはどうなっているんでしょうか。例えばサニタリー。サニタリーって何だよと思ったんですが、これはトイレとか台所だとか、そういったような施設のことをいうんだそうですけれども、こんなものも細部にわたって検討なさっていらっしゃいますか。
○政府委員(三井康壽君) 先ほどちょっと余計なことを申し上げたのかもしれませんけれども、ちょっと触れさせていただいた中で、障害者向けの住宅はかなり個別性が強いと申し上げました。 したがいまして、私ども持っております公営住宅、公団住宅の建設基準も、高齢者用は割と一般化した数字もかなり詳細に入れたものをつくりつつございますけれども、障害者の方につきましては定性的な建設基準は持っているわけでございますけれども、障害の程度とか部位とか、それから障害の種類というんでございますか、そういったことによってやり方が違ってまいりますので、そこまで細かい基準はまだ持っていないわけでございます。 しかし、これはいずれよく、私どもも未知の分野もございまして、そういった御専門の先生などの御意見を聞かせていただきながらつくっていきたいと考えておりますし、現在段階では各地方公共団体におきましてそれぞれ障害世帯の方がお入りになる際に工夫しながら積み上げをしている、こういう状況でございます。こういった情報を全国的にまとめたり、あるいは学問、研究の分野で進んでいるところを取り入れながら基準をさらに詰めていく必要があると考えているところでございます。
○下村泰君 先ほどからも出ていましたけれども、障害者や高齢者がだれもが住みやすく住み続けられる住宅の確保というとやっぱりこれは公営住宅になるわけで、大変公営住宅の持つ意味は大きいと思います。 今言われているんですがバリアフリー、先ほどから片仮名はやめろやめろという言葉が出ているんで、一体これは何じゃいと思ったら、障壁というような意味なんだそうですけれども、必要な改装が容易にできる。アメリカの方で始まっているんですけれども、アダブダブル化というんだそうですけれども、これは住みやすく適応するというような言葉なんだそうです。アクセシブル住宅、これは障害者に近づきやすく利用しやすい住宅の総称をアクセシブル住宅と言うんだそうです。それで、アダブダブル住宅というのは適応可能な住宅、日本語で訳すとこういうふうになるんだそうで、一々言っていると長くなりますけれども、これはもう既にアメリカの方では実施されているわけですね。 先ほどから前の委員もおっしゃっていましたけれども、例えば手すりをつくるときに下に板を張っておけばすぐに取りつけができるとか、あるいはエレベーターの空間を持つとか、いろんなことができるわけです、最初からそういうふうにしておけば。それがこのアダブダブル住宅の意味なんだそうですけれども、そういったようなことの計画というのはございますか、建設省の方に。
○政府委員(三井康壽君) 私どもの申し上げておりますのは、今までバリアフリーという形は申し上げておりましたけれども、今先生御指摘のアクセシブルとアダブダブル、これはまだ私ども不勉強でございまして、アメリカの制度をまた勉強させていただきたいと思っておりますけれども、いずれにいたしましてもバリアフリーも割と最近取り組まさせていただいているわけでございます。 特に公営住宅につきましては、平成三年度の第六期住宅建設五カ年計画におきまして高齢者、障害者対策を大きな柱の一つにしたときから、公営住宅の建設基準あるいは予算の単価につきましてこういったことを順次進めております。平成三年度から平成六年度なり七年度まで非常に細かい基準をつくりまして、それぞれ予算化をしていくわけでございますが、その中心は手すりをつくるとか、これは階段とか廊下とかおふろ場とかトイレ、それが一番中心でございまして、来年度はその手すりの設置もベッドルームとかあるいは居間とか、そういうところまで一応基準を徐々につくっているところでございます。 したがいまして、合格点がいただけるかどうかは別にいたしまして、それぞれ非常に細かい基準などつくりながら公営住宅については進めておりますし、また、つくりましたものにつきましてさらにまた御意見、御批判をいただきまして直していきたいと考えております。 なお、こういったバリアフリーをやっていくに当たりまして一番問題なのは住宅の広さでございます。やっぱり住宅が狭いと廊下とか階段が狭くて、いざというときにそういうのを作りつけにくいとか問題がございまして、やっぱり広さをどうやって広げていくかというのが、家賃の問題とかいろいろ難しい問題がございますけれども、高齢化社会あるいは障害者に優しい住宅をつくっていく上では基本的に大事なことだというふうに認識しておりますので、よろしく御支援をいただきたいと思います。
○下村泰君 残された時間は一分ですが、三十秒で伺いますが、昭和四十五年-四十七年で千戸を超えていた年度別の特定目的公営住宅がだんだん少なくなって、平成四年度の見込みが三百三十六戸しかないんですね。これはどこどこ減ってきたわけですけれども、この減ってきた流れというのは一体どういうことなんですか。それだけ聞いておしまいにします。
○政府委員(三井康壽君) 昭和四十六、七年ごろ公営住宅の建設戸数も多かったというのも一つでございますが、それは抜きにいたしましても、特定目的の特に障害者向けの住宅が減っておることは間違いございません。これは私どもの方といたしましては、こういった御要望は、要望があれば優先的に先に予算化するという考えでございますけれども、各自治体におきましていろいろな事情があるようでございますけれども、なかなかそこに新規の建設がしにくい、建てかえの際はどうしても従前居住者優先とか、そういったこともございまして、私どもに対する予算の要望がややその勢いが少なくなっている。 しかし、もっとこれがもとに戻るように私どももすべきではないかと思いまして、公共団体ともよく相談をいたしまして、制度になお問題があれば我々も改善をしていかなきゃならないと考えております。
○会長(鈴木省吾君) 本日の調査はこの程度とし、これにて散会いたします。 午後四時三十四分散会