決算委員会 第2号
- 発言数
- 116 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1993/11/05
会議録
○委員長(三上隆雄君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る十月二十八日、島袋宗康君が委員を辞任され、その補欠として西川潔君が選任されました。 また、昨日、清水澄子君が委員を辞任され、その補欠として國弘正雄君が選任されました。 —————————————
○委員長(三上隆雄君) 平成三年度決算外二件を議題といたします。 本日は、皇室費、国会、会計検査院、法務省及び裁判所の決算について審査を行います。 —————————————
○委員長(三上隆雄君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三上隆雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○委員長(三上隆雄君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○鈴木貞敏君 自由民主党の鈴木でございます。きょうは法務省を中心に、与えられた時間、御質疑をいたしたいと思います。 それにつきましても、内外ともに国際化の時代でそれぞれの分野で大変御活躍のこと、心から敬意を表する次第でございます。 今ゼネコン汚職とかいろいろ日々のマスコミをにぎわしているわけでございますが、そういう暗いいろいろなニュースの中で、国民生活一般、非常に日本の治安水準は高いなというふうな評価は依然として世界的に変わっていないんじゃないかと私は思います。 実はつい最近のニューヨークの市長選挙、ここにおきまして政治の課題がまさに治安問題ということになって、ニューヨークは犯罪都市というようなことで、これをいかにして平穏な都市にするかということが選挙の一つの大きな闘争の眼目になったと、こういうふうなニュースも聞いたわけでございます。 またさらに、ついきのうの新聞でございますか外務省の治安情報サービスというふうなことで、日本外交協会等のやっておりまするそれぞれの諸外国の治安状況がどうなっておるか、すなわち、海外に年間千数百万人が日本から出国するということでございますけれども、そういう方たちが外国に行くについて、留学生がピストルで撃たれたとかいろいろ何やかにやの報道があるわけでございますが、そういう中の不安、こういったことでそれぞれの国の治安がどうなっておるのか、どういう点を注意したらいいかというような照会が殺到しておる、開設して三日で二千件、もう照会電話もパンクしそうだというふうな記事も載っておりました。 それやこれやで今治安問題というのが、水と治安はただであるというふうな言葉もあるわけでございますが、そういう中でやはり治安という問題が大変いろいろ注目を浴びていると言ってもいいんじゃないかと思います。そういう中で、日本の治安水準は非常に高い、非常に安心して諸外国から来た方もこの日本をエンジョイして帰られる、こういうふうなことでございますけれども、これは一体どんなところにこういった治安水準の高さを保つ理由があるんだろうかということでございます。 私もかつて警察におりました際に、外国人からどうして日本はこんなに治安がいいんだということをいろいろ聞かれることがございました。 それはあるいはいろいろの難しい理由はあるでしょうが、私なりにそういう際にお答えしておった要旨は、日本は何といっても島国である、海に隔てられているということが大きな一つの理由だろう、そしてまたそこに住んでいる日本国民というのが同一民族的な色彩が非常に強い、そういう点。そしてまた、日本は農耕民族である、いわば社会帰属意識といいましょうか、あるいは村としてお互いに力を合わせて仕事をやっていくというような共同精神といいましょうか、そういう精神構造、こういったものが一つ一つの支えになっておるんじゃないか。さらに、それぞれ第一次捜査機関としての警察、そしてまた起訴機関としての検察、そしてそれを裁判する裁判所、こういったそれぞれの系列のそれぞれの職員が真摯にその職務を果たしておるといったこと。そしてまた、全国一律の法律といいましょうか、もちろん条例とかいろいろあるわけでございますが、基本的には一貫した法律というものが全国均てんして及んでおるというふうなこと。そしてまた、第一次捜査機関としての警察の組織というものが都道府県警察というふうなことで、いわばアメリカのようなシェリフとかなんとか二、三名の小さい町の警察というんじゃなくて、都道府県を一つの単位に、そして警察庁という組織のもとに誠実なる職務執行をしておるというふうなこと。 さらに、いろいろ挙げられるでしょうが、具体的にはガンコントロールといいましょうか、けん銃に対する規制あるいはまた薬物に対する規制、こういったものを先制的に、早目早目に法律を改正して罰則を重くしたり、それぞれ手を打ちながらそういった禍を防ぐというふうな努力をしておるというようなこと。 そしてまた、何よりもそういった治安維持機関に対して民間の人たちのボランティアな支援といいましょうか、警察だけを見てみましても、防犯協会とか交通安全協会とか機動隊を励ます会とかいろいろのそういったボランタリーな組織がありまして、その士気をそれぞれ鼓舞してくれる、サポートしてくれるというふうな組織がある。交通関係であれば朝夕町に立って旗を振って交通事故防止を呼びかける、こういった民間の方たちのボランタリーな活動というものに支えられておるんじゃないかということをいろいろ言ってきたんです。 そういう面で、民間から法務大臣になられた法務大臣、私のそういった非常に幼稚な考えについて、日本の治安水準が高いという評価に対してどういう御見解をお持ちか、そしてその背景は何だろうかという点について大臣の御所見を例えれば幸いと思います。
○国務大臣(三ケ月章君) 我が国の治安が比較的と申しますか、非常にと申しますか、良好に保たれておることにつきましては御指摘のとおりでございまして、私もこの職を拝命いたします前の学問生活をいたしましたときに、かなり長期にわたりヨーロッパ並びにアメリカに留学した経験があり、それぞれのところにおける治安というふうなものを自分で体験してまいったわけでございますが、そういう自分の経験を踏まえましても、委員御指摘のように我が国の治安はまことにすぐれておるというふうに思うわけでございます。 さて、その要因として何が考えられるかということでございますが、ただいま委員御指摘の諸点、実はこれは私が申し上げようと思っておりましたことと大きく重なっている点が多々ございまして、すべての点につきまして、いずれもそれらはこういう良好な治安というものを生み出す要因として働いているというふうに認識いたしておるところでございます。強いて委員の御指摘のほかになおもうちょっと、小さな点かもしれませんがつけ加える点があるとすれば、こんなことを私は考えております。 やはり何と申しますか、原因は一つこれだというのはなかなか言いにくいのでありまして、すべてが総合的に相乗的に働いて今のような結果を実現していると思うわけでございまして、必ずしもどれが一番大きな原因であるかとはなかなか断定しにくいのでございますが、ただいま委員の御指摘になりましたようなことと多少重なるかもしれませんが、やはり経済発展と低失業率及びこれに伴う社会情勢の安定、さらにこれも御指摘ございましたが遵法精神に富む国民性、これまた御指摘ございましたが地域社会の防犯機能の存在、それからこれまた御指摘のございましたように刑事司法機関に対する国民の積極的な協力、それから高い検挙率に示される効果的な警察活動、そして最後の締めくくりとしての厳正な刑事司法の運営等々が挙げられると私は考えているところでございます。
○鈴木貞敏君 ありがとうございました。 それで、一応高い治安水準と評価はされておるものの、これから一体どうなるんだろう、このままの水準を維持できるのかどうかというふうな面について考えますと、楽観的ないい要素は余り私は見出せませんで、本当にこれから努力しないと大変なことになるなというふうな感じを持っているものでございます。 国際化、ボーダーレスの時代とかいいますし、さらにまた犯罪の質も大変多様化しておる。価値観が多様化してくるに伴って、犯罪の動機、原因、そういったものも極めて複雑多岐にわたり、昔であれば殺しは恨みと金とか非常に単純な動機でのものでございましたが、今は保険金詐取とか計画的な本当に悪質なものもあるというふうな世の中でございますし、さらにまたけん銃あるいは麻薬を含めた薬物の問題、いろいろそういったものが底辺が広がって拡大しておるというふうな状況、都市化は犯罪を生むというふうな言葉もございますけれども、そういう面で明るい要素は余り見出せない。 そういう波の中で、本当にそれぞれの治安機関にいる者は努力していかぬと平穏な生活を乱す要素がいよいよふえてくるんじゃないかということを恐れている者の一人でございますけれども、そういう面で大臣、こういうことをやるべきだ、こういう点が一つ問題だというふうな点のお考えについてお聞かせ願えればありがたいと思います。
○国務大臣(三ケ月章君) ただいまお答えいたしましたとおり、我が国の治安がこれまでのところ良好に保たれている要因につきましては種々のものがございまして、それがさらに相互に有機的に作用しているということは申し上げたとおりでございますが、そういうさまざまな要因のほかに、今委員御指摘のように、国際化に伴いますいろいろな新しい問題がどんどん日本の社会においても出てまいります。そういたしますと、ますますそういうふうなものの関連ということが問題になるであろうというふうな感じを持つわけでございますが、さて、では現段階において将来の我が国の治安を悪化させる要因は特にこれとこれとこれであるというぐあいに果たして特定して申し上げることができるかと申しますと、今申しましたようにこれらは絡み合っておりますので特定して申し上げるのは困難ではなかろうかと思うのでございます。 しかしながら、今委員御指摘のございますようないろいろな将来の展望ということを考えますと、何と申しましても良好な治安の維持ということは国家社会存立のまさに基盤でございます。それでございますので、先ほど申し上げましたような諸要因と、それから委員御指摘のような国際化に伴う新しい要因の動向というものに非常に注意を怠らず、これを注視しながら、関係機関と緊密な連携を保ちつつ、社会情勢や犯罪情勢の変化に即応した適正かつ効果的な刑事司法の運営に努める、そして我が国の良好な治安をますます難しいこの社会においても今後も維持するように最大限の努力をしていくということがやはり法務大臣の一つの責任であろうかと考えておるところでございます。
○鈴木貞敏君 ありがとうございました、 その治安水準がいいということと必ずしも関連するということじゃございませんが、ちょっと観点を変えまして、死刑問題について大臣のお考えをお聞きしたいと思います。 実はつい最近、私のところに「死刑廃止国際条約の批准を求めるフォーラム90」ということで賛同を求めるという書面をいただきました。国会議員百六十何名が賛同しているということでございました。まさに超党派で死刑を廃止すべきだという方のお名前がずっと書いてあるという書面でございました。 さらにまた、つい一週間ほど前でしょうか、新聞に、フランスで中立保守系の方百三十四名が死刑復活の法案を提出したと。これは殺人の累犯とか拷問殺人とか公務中の警察官殺害、こういったとにかく最も悪いのは死刑を復活すべきだという案を百三十四名の議員が提出したというような記事もございました。 この死刑問題、本当にある意味じゃ大変奥の深い、また国民のそういった法意識あるいは道義、正義感、いろいろなものに関連して大変難しい問題であろうと思います。まさに理想としては死刑のない社会を我々は実現しなくちゃならぬと思うわけでございますが、残念ながらまさに頻繁に極めて残忍な、極めて計画的な、極めて悪質な犯罪が現実に我々の目の前に発生しておる、こういう現実があるわけでございます。 そしてまた、世論調査等も五年に一回ずつやっているようでございますけれども、国民の六六%でございますか、やはり死刑廃止は反対だというふうな一つの調査結果もあるようでございますし、さらにまた国民一般の気持ちとしては、その世論調査等の中でも、死刑をもし廃止すれば犯罪が多発するんじゃないか、あるいは死刑の犯罪抑止力、そういった点はやはり非常に大きなものがあるんだということが死刑廃止反対の大きなウエートを占めておるようにも見受けられるわけでございます。 そういうことで、三年数カ月ぶりで死刑が執行された、こういう報道もあったわけでございまして、それを契機にこの死刑問題というものについていろいろ各界の意見、論議というものが盛り上がってきておるというふうにも受け取れるわけでございます。そういう面につきまして、法務大臣の判がなければ死刑の執行はできない、こういう法律になっておるわけでございますけれども、本当に厳しいそういった、立場におられる法務大臣の死刑問題についてのお考えをひとつお伺いしたいと思います。
○国務大臣(三ケ月章君) 御質問が二つに分かれるかと思います。一つは死刑制度に対する私の考え方ということと、もう一つは死刑による犯罪の抑止力というものをどういうふうに考えるかという点であろうかと思います。 一括して答えさせていただきますが、確かに死刑をめぐる世界の論議、それからまたいろいろと識者の間の議論、さまざまでございます。私もその点はよく承知しておるつもりでございますが、一国の刑政に責任を負う法務大臣といたしましては、死刑の存廃の問題につきましてはただいま委員御指摘のような国民世論の動向というものに十分配慮しながら、国家社会における正義の維持等、さまざまな観点から慎重に検討し、対応すべきものと考えておるところでございます。 これも委員の御指摘がございましたが、総理府が継続的に行ってまいりました世論調査の結果によれば、国民の多数は極度に凶悪な犯罪を犯した者に死刑を科すことを正当であると考え、しかも死刑に凶悪犯罪抑制の特別な効果があることを信じているものと読みとれると私は考えておるわけでございまして、しかもこうした結果はここ三十年余り、世の中がいろいろな変化を経験しているにもかかわらず余り変わっていないというふうな感じを持つわけでございます。 こういうふうな事情にかんがみましても、これも委員御指摘でございましたが、犯罪の罪質であるとかその動機、結果の重大性、特に日本におきましては被害者の側の被害感情、それから社会的な影響、こういうふうなものを総合勘案いたしまして、その罪責が著しく重い凶悪事犯を犯した者に対してはやはり死刑を科することが必要であると言わざるを得ない。今直ちに死刑を全面的に廃止することは私といたしましては適当ではないと考えておるところでございます。 抑止力の問題につきましても今多少触れたわけでございますが、死刑存置論の一つの論拠になっておりますのは、やはり死刑にはかなり有効な犯罪抑止力があるということでございます。ただ、死刑の犯罪抑止力を科学的、統計的に明らかにすることは困難な面がございますけれども、一般的に刑罰は犯罪に対して抑止力を伴うものであり、特に刑罰の一種としての死刑にもこのような抑止力が強く存在するということについては広く認識されていると私は考えております。先ほどの世論調査のところにも、我が国の国民の多くもまたそのような考え方に立っているというふうに私といたしましては理解しておるところでございます。
○鈴木貞敏君 ありがとうございました。 この死刑問題についても、学者の方のいろいろのものを読んだりしましても、刑の執行者すなわち刑務官等を含めて、何年かたった後神様のような心境になった人を殺す、いわば絞首刑を執行するその心理を非常にリアルに我々の心を打つような描写で、反対論の一つの根拠にされておるということも見るわけでございます。一面、被疑者の人権、被害者の人権というもの、これはもとよりもう差異はございません。しかし、どっちかというと戦後どうも被害者の人権よりも被疑者の人権の方だけが論じられるような傾向がないのかなというふうなことを私は感じた者の一人でございます。 そういう意味で、非常に凶悪な殺人事件があるという現場に行きまして、そこの現場を見る、そして何としても遺族その他のお気持ちを察してこれを検挙しなくちゃならぬという第一次捜査機関としての警察官、刑事といいましょうか、そういった者の気持ちを受けて凶悪事件が発生すれば捜査本部を設けて、これは昼夜を問わずもう犯人追及のために努力する。お宮入りしないように努力する。そういう第一線の捜査機関の気持ちといったものはほとんど論じられない。いわば執行の終末だけの問題が論じられるということは、私もその辺非常に疑問に思っておった者の一人でございます。 とにかく死刑問題というものは、まさに国民のコンセンサスといいますか、それに基づかなくちゃどうこう言う問題じゃございません。そういう意味で五年に一回ぐらい世論調査をやっておるわけでございますが、平成元年にやった統計を見たわけでございますが、もうこういう時期に、五年たちましたから、ひとつまた世論調査をやられてはいかがかというふうなことが一つ。 それから刑法草案でございますが、明治四十年にできた刑法、まさに片仮名で大変難しい言葉もあるようなものでございますが、せめて現代文で平仮名で書いたらどうだというような御意見もあろうかと思います。基本的なこの刑法とかいうものはなかなか成案を得られないということも非常に残念なことの一つだと私思っているわけでございます。手続法的なものは比較的通るのでしょうが、基本的なこういった刑法になるともう何年たってもどうも表に出てこないということでございますが、この刑法草案、こういったものについても死刑というものがどういうふうに取り扱われているのかなということをあわせてお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(三ケ月章君) 死刑制度に対する世論調査でございますが、これは今も御指摘がございましたように、古くは昭和三十一年、あるいは四十二年、それから五十年、五十五年、それから最近のものとしては平成元年というふうに五回行っておるわけでございます。それほど大きなぶれがないということは先ほどもちょっと申し上げたとおりでございますが、もう既に時間も大分たっておりますこととて、今後の世論調査ということにつきましては所管部局におきましてその実施時期、新しい時代における調査内容というふうなものを含め、種々の観点から検討しているというふうに申し上げていいかと存ずるわけであります。 また、刑法改正作業の中ではどうなっておるかということでございますが、確かに刑法典の改正、非常に実質的な改正は難しいというものでございますけれども、このままやはりほうっておくわけにはいかないということで、ただいま現にやっておりますことは、委員も御指摘の中の一点でございますけれども、法務省刑事局におきまして刑法典の現代用語化を進めております。ただいま進めております刑法改正作業におきましては、まさに難しい言葉というものを改めまして、現代用語化ということに最重点を置き、これが緊急の課題であるというふうに考えまして、そのことに取り組んでおるわけでございます。内容の実質的な変更を伴うような改正は行うことなしに、むしろ現行法典を忠実に現代用語化してわかりやすい言葉に置きかえるということを基本方針としておるわけでございます。 したがって、死刑適用犯罪について変更を加えるというふうなことは実体に触れるわけでございますので、ただいま進行中の現代用語化の作業の中におきましては予定していないと私は承知しているところでございます。
○鈴木貞敏君 話題を変えますけれども、さて、そういった治安水準の問題とも関連してくると思いますが、不法就労外国人の問題でございます。 ひところバブル時代は、とにかく人は足りないわ欲しいわというふうなことでいろいろ単純労働者の問題を含めて論議がございました。しかし、こう景気が悪くなるとそういう論議がちょっと下火になっているのかな、こう思いますけれども、いずれにしましてもこの不法就労外国人の問題につきましては、よかろうときによかろう人だけ安かろう賃金で雇おうという考えではいかぬ。やはりこれは国際化の中で本当に外国人の人権というものを基礎にして、日本人と同じ立場でそれぞれ処遇せぬといかぬというのは当然でございます。 私も「出入国管理」という入国管理局の本を読ませていただいて、いろいろ苦労されておる入国管理についての実態の一端を勉強させていただいたわけでございますが、しかしそれにしろ、この不法就労外国人が年々ふえておるという実態、すなわち新規入国者が平成四年で三百二十五万人ある。そのうち不法在留が約二十九万三千人、三十万人ぐらいが不法在留だ、こういうふうなことでございまして、平成二年と比べてももう大変なふえ方でございます。 そして、こういった在日外国人の犯罪というものも、まさに凶悪犯、薬物犯罪を含め大変ふえておるというふうな実情であるようでございますけれども、こういった不法就労外国人が年々増加している原因なり、そしてまたこれに対してどういう対策を打つべきかという点について、非常に大きな問題でございますけれども、お伺いしたいと思います。
○政府委員(塚田千裕君) 二つ御質問があったかと存じます。 一つは、年々増加しているその原因は何かということ。もう一つは、どんな対策をとっているかというお尋ねであったと思います。 まず、原因の方でございますけれども、増加の原因といたしましては、一つには、近隣アジア地域等の諸国と我が国との経済格差に基づく我が国への出稼ぎ志向の存在、これらの国の人々を日本へ押し出そうという。プレッシャーがございます。二つには、これら諸国における雇用機会が不足しているということでございます。さらには、我が国内の一部産業において不法就労外国人を求めざるを得ない労働事情があろうかと思います。そして、不法就労をあっせんする組織的ブローカー等の存在も考えられる次第でございます。 増加の原因としては、おおよそこのようなことではなかろうかと私どもは考えております。 また、これに対する対策をどのように行っているかという点でございますが、不法就労外国人が我が国社会に与える影響の重大さにかんがみまして、私どもにおきましては、その定着化を防止しつつ減少を図っていくという基本方針のもとでさまざまな努力を重ねているわけでございます。 今後とも、一つには、入国審査の厳格化による不法就労目的の外国人の入国阻止、まず入ってくる段階でございます。二つには、在留審査の厳格化による違反の防止と早期発見に努める。三つには、ブローカー介在事案等悪質な事案を中心にした摘発活動を一層強化せねばなるまいかと思っております。さらには、情報交換や合同摘発などの関係機関との連携強化も考えております。また、国内、海外に対する広報活動の強化等の対策も推進していく必要があろうかと思います。 対策につきましては、ざっと以上のようなことを考え、かつ実施しているところでございます。
○鈴木貞敏君 ありがとうございました。 私の聞いているところでは、外国人労働者というのは五十七万人いる。そのうち、今研修制度とかいろいろのあれで枠の拡大なりを努力されているわけでございますが、専門技術者が七万名、アルバイト的な者が五万名、それから日系人が十五万人、そして不法滞在者が三十万人というふうなことで、大体この三十万人がもうほとんど単純労働者と、こういうことであろうかと思います。 単純労働者の問題には、この四年版の「出入国管理」にもいろいろ非常に細かく方針なり考え方が載せられておりますので私も勉強させてもらいましたが、国としてやはり一つのはっきりした姿勢をこういった問題には打ち出しておきませんと、まさに底なしになるという危険があるのじゃないか。 私も、実は数年前、選挙区の山形に帰ってこういった問題を聞かれますと、人道主義的な立場からいらっしゃい、いらっしゃいと言うのは結構だけれども、やはり人の問題というのは物と金と違って、これはちゃんと国としての方針でコントロールしなければ大変なことになりますよ。 今日本の国内でもアンタッチャブルな一部の地域が云々されるような中で、こういった格差が大変ある。いわゆる労働移動圧力なんという言葉が使われておりますけれども、中国であれば日本の七十二分の一しか国民所得がない。そうすれば、日本に来ればちょっと働けば家が建つ、やれ何年分の稼ぎができるということで、その圧力というのは大変なものであるわけでございますから、そういう意味で、いらっしゃいとなれば、十一億の中国から一億ぐらい日本に来たら一体どうするんだと。非常に極論でございますが、我々の俸給を半分にしてもいいから中国から一億人の人いらっしゃい、そういう大きな度量があるならいいだろうけれども、決してそうはいかぬのでというふうな、冗談ともつかない極論を言いながら話した経緯もあるわけでございます。やはり入国管理というのは、国際化の中でそれぞれ受け入れなくちゃならぬ、枠をふやしていく、難民の問題もそうですが、そういう要素があるわけでございます。やはりひとつはっきりした方針で、不法なものは見逃さないということを前提にいたしませんと大変なことになるなということを思っているものでございます。 そういう意味で、今御答弁のございましたそういう労働移動圧力といいますか、大変格差がひど過ぎるという面から、むしろ水が高さに流れてくるような格好で日本を目指して各国からいろいろ来るというふうな状況であるわけでございます。 そういう中で、大変細かい問題になりますけれども、数点局長にお伺いしたいわけでございます。いろいろ方針等をお伺いしたわけでございますが、二、三その中で、細かくなりますけれども、収容者がもういつもいっぱいだということで、収容体制の充実が必要なんじゃないか。これを見ますと、東西両方にセンターをつくって、何か六年度に完成すると書いておりますが、そういう面でこれからの収容体制の整備充実というのは一体どういうふうになっておるのかということ。 それから送還費用の負担でございますが、これも法律によれば国費が原則なんでしょうか。そして自費で出る場合には入国警備官、審査官に申し出てというふうな、要するに建前は送還費は国費、自己負担は例外と、こういうふうになっているように理解するのですが、その点一体、国費で送還されるというのはどのくらいの比率になっているかというような問題が二つ。 それから不法残留者につきまして警察からの照会に応ずる体制。土曜、日曜の休みはもう勤務していない、警察からいろいろ問い合わせても答えなし。これではやっぱり困るわけでございますので、そういう面の警察の一線の取り締まりに不都合のないような照会に応ずる体制というものが一体どうなっておるのかというふうなこと。 さしあたりこの三点、お伺いしたいと思います。
○政府委員(塚田千裕君) 収容施設の増強及び拡充等についての計画といいますか考え方、見通しについてまずお答え申し上げます。 私どもは、御指摘のとおり不法就労外国人等の摘発の必要性を認め、その強化を図っているところでございますが、それら違反者を収容する施設につきましては従来からその拡充整備にも努めてきたところでございます。一番大口であります東京の入国管理局を初めといたしまして、大都市圏の収容場、例えば横浜、名古屋等でございますが、順次拡充しておりますし、近々また大阪にもこの拡充計画を広げていきたいと考えているところでございます。また、横浜の入国者収容所、これは大きな施設でございますけれども、これを来月移転いたしまして、さらに拡充整備を図っているところでございます。 次に送還費用の問題でございますけれども、被退去強制者、退去を命ぜられた者の送還につきましては三通りの形がございます。 一つは自費による出国でございます。二つには運送業者負担による送還でございまして、さらには委員御指摘の国費送還というものがございますが、不法就労防止を図る観点、これが一番大事でございますので、自費出国可能な者については極力その努力をさせる。帰国用航空券または帰国費用の工面のつかないため送還が困難となっている事案につきましては国費送還の措置をとり円滑な送還に努めている、そういう順番になっております。 さらに、入国管理局が不法残留者についての警察からの照会等に応ずる体制の問題でございます。 私どもといたしましては、警察等捜査機関からの出入国事実等の照会がございました場合は、可能な限り迅速に対応するように努めております。しかしながら、不法残留者をチェックする最も有効な手だては電算機の稼働でございますが、予算や人員というような制約もございますので、二十四時間いつでも機械を動かして対応するということがまだ事実上困難な状況にございます。この点につきましては、ただいま御質問のございました趣旨に沿いますよう、今後とも体制及び電算機器の整備に努めてまいる所存でございます。
○鈴木貞敏君 殊に人の問題、機械の問題といいましょうか、それが入国管理には非常に大切なのかなと思います。入管の電算システムのトータルネットワークというふうなことを鋭意努力されておるということ、あるいはまた入国管理情報センター、こういったものの設置構想、大変時宜に適した計画であろうと思うわけでございますが、そういう面、ひとつなるべく早くそういったネットワークを完成していただくように努力していただきたいと思います。 さらにまた要員の面でございますが、約二千名でございますか、入管の職員の方でお仕事をされておる。その間仕事はどんどんふえる、人は余りそれに追いつかないというふうなことで大変な苦労だと思うわけでございます。要員も年々若干の増員で二千名近くになったというふうにうかがわれるわけでございますが、そういった面を含めてこれからの入管体制について、これは最もやらなくちゃならぬという点の改善策といいましょうか、そういう面での局長の入管御当局としてのお考え、この点だけはぜひやらないと仕事の万全を期せられないという点、あるいは関係機関との問題を含めてで結構でございますが、あればお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(塚田千裕君) 入管体制の現状はこれでよいのかというお尋ねかと存じます。 私どもは外国人の入国、在留管理を所掌する立場といたしまして、一方で国際協調と国際交流の増進に寄与しつつも、もう一方で我が国社会の健全な発展も確保しなければならないという理念のもとで仕事をしているわけでございます。このような基本理念のもと、ただいま御指摘がございましたとおりさまざまの外国人が日本へやってきているわけでございまして、これを幅広く受け入れるという状況になっております。ただし、他方、我が国社会の秩序に悪影響を及ぼす不法残留者等につきましては厳正に対処してまいらねばなりませんので、そのために必要な体制の整備にはこれまで極力努めてきたわけでございます。 要員、経費、関係機関との協力などで心すべき点、改善すべき点ほどのようなものがあるかというお尋ねでございますのでこの機会に幾つかお答えさせていただきますが、今も申し上げました出入国管理の仕事に伴う入国の審査、在留の審査あるいは退去強制、どのような分野をとりましても業務量の増大が見込まれております。さらには明年九月、関西の国際空港の開港も予定されております。したがいまして、まずは入管職員の増員等が必要でございまして、逐年その充実を図ってきたところでございますが、特に平成五年度におきましては、関係当局の御理解を得まして百八十二人という大幅な定員増が認められ、出入国管理体制が強化されました。そして、今後もこのような業務量の増加に的確に対応していくために所要の人員や経費の確保並びに施設の整備等に努めるつもりでございます。 また、特に不法就労等、我が国の経済や労働等社会全般に大きな影響を及ぼす問題につきましては、私どものみでは対応が非常に難しいわけでございまして、関係各省庁との密接な連携が必要との認識を有しております。現在までのところ関係省庁との密接な連携、協力関係におきまして特段の問題があるとは思っておりませんけれども、今後とも関係機関との協力関係は密にしてまいりたい、この面も心がけていきたいと考えている次第でございます。
○鈴木貞敏君 法務省入管局、そして外務省、警察庁あるいは労働省、こういったところが中核になるんだと思いますけれども、それぞれ強力なる協力のもとに入管管理の適正というものをひとつぜひぜひこれからも推進していただきたい。そういう面で、今おっしゃったような面についての壁を打ち破ってやっていただきたいということをお願いするわけでございます。 最後に入国管理問題について、大臣、今のこういった現状、不法滞在者がこんなにたくさんいる、これをひとつきれいにしてこそ本当に正規の入国者の人権を尊重し、そして国際化に対応していくその前提ではないかと思いますけれども、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(三ケ月章君) 法務省の対応につきましては、ただいまの政府委員の御説明以上に具体的につけ加えるところはないわけでございますけれども、法務大臣といたしましては、ただいま入管局長が申しましたように、非常に新しい難しい問題は、一方で国際化というものの流れに協力しながら、しかしやっぱり国内の秩序の維持というふうな二律背反的なものを追い求めるためにどうすべきかということを常時考え続けていくと同時に、やはり何と申しますか、人的、物的な面でこういう増大する仕事に対応し得るような形での体制強化とでも申しますか、そういうふうなことを図っていかなければならないということを痛感しているわけでございます。 いささか余談になりますけれども、先日、法務委員会に出ましたときに、私が法務委員会でごあいさつを申し上げましたところの第一位に置きましたのが、やはり入国管理体制の強化ということでございます。そういうことから御了解いただきたいと思いますけれども、私どももぜひ委員御指摘のような方向で全力を挙げて国際化の生み出す新しい問題に対応してまいりたい、こういうふうに法務大臣としては考えておるところでございます。
○鈴木貞敏君 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。 時間も残り少なくなりましたけれども、時間の範囲内で御質問いたします。 これも入管関係でございますけれども、ことしの八月下旬でございますか、大阪入管京都出張所で証印が紛失したというふうなことでございます。新聞記事によれば、それによって省令を改正して偽造、変造に備えたというふうなことでございますが、このスタンプ盗難事件の概要と対策というようなものについてひとつ簡単にお答え願いたいと思います。
○政府委員(塚田千裕君) 事件の経緯と対策につきまして簡単にお答え申し上げます。 本年の八月二十二日、日曜日でございますけれども、大阪入国管理局京都出張所におきまして、外部からの侵入による上陸許可証印、出国証印及び帰国証印などの盗難事件が発生いたしました。証印につきましては、その重要性にかんがみ、私ども常日ごろから厳格な管理を行っていたところでございますけれども、このような事件の発生を見たことはまことに遺憾に存じております。 事件発生後、私どもといたしましては、保管管理を一層強化するよう全国の地方入国管理官署に指示するとともに、十月十八日からは上陸許可証印等の様式を全面的に改めまして、盗難証印の悪用防止を期する等の対策を講じております。 以上でございます。
○鈴木貞敏君 こういった偽造、変造事犯が大変多いというふうなことで、紙上でも日々、結婚詐欺的なあれでの偽造とかいうようなものが話題になっているわけでございますが、盗まれたものはしょうがないといえばしょうがないかもしれませんが、その対策と、それからこういったスタンプ、証印というのは、やっぱりある程度期間が来たら新しいものにかえて、それをチェックする機能を果たしていくということも必要じゃないかと思いますけれども、ひとつよろしくその点の措置をお願いしたいと思います。 最後でございますが、裁判所関係職員の不祥事についてお伺いしたいと思います。 本当にそれぞれの裁判所の職員の方は御苦労願っているわけでございますが、残念ながら二年度の決算の検査報告で出張旅費の問題が挙げられておりました。今回対象になっている三年度の報告におきましても、職員の不正行為の事実が報告されております。いわゆる東京高裁職員の印紙はぎ取り事件でございますが、二百二十一枚で二千二百十万円の損害であるというふうなことで、この報告書には摘記されているわけでございます。非常に長い期間どうしてこういった事犯が発覚しなかったのか、それに対して再発防止の措置をどうされておるのか、二千二百十万円という損害は一体どういうふうに処置されたのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(涌井紀夫君) 三点ばかり質問がございましたので、最初の二点について私の方からお答えさせていただきたいと思います。 まず、この不正行為がどうして長い間発覚しなかったかという点でございますが、この事件の態様は新聞等でも報道されましたので御承知かと思いますが、控訴状に貼付されてまいります収入印紙でまだ使用済みの消印を施していないもの、これを裁判部に所属しておりました事務官がひそかにはぎ取って領得してしまった、こういう事案でございます。 通常の場合ですと、こういうふうな行為がありますと、記録自体を見れば、印紙がはぎ取られていることがわかるわけでございますので、主任書記官なりあるいは他の書記官がこれを発見することが可能なわけでございますが、この事件の場合、実はこの事務官がはぎ取りました印紙の跡に、カラーコピーを用いましてかなり精巧な偽造印紙をつくりましてそれを張りつけて、その上に消印までしておった。こういう犯行の隠ぺい工作と申しますか、そういうふうなことをやっておりました関係でなかなかこれが容易に見つからなかったという、こういう事態があったわけでございます。私どもの方では、裁判所の部内者がそういう不正行為をするという事態というのはおよそ予想しておりませんで、そういう不正行為まで前提にしたような事務処理体制というのは実はしいておらなかったわけでございます。 この事件が出ましてからは、やはりそういった万一の事態をも防げるような事務体制を整備する必要があるんではないかということを考えまして、例えば収入印紙の取り扱いに関する事務につきまして、未使用の収入印紙に消印をするのも一人の職員に任せきりにしないで、その部に配置されております複数の職員が相互にそれをチェックし合う、そういう体制をつくるとか、あるいはそもそも受け入れました印紙を消印しないで長時間保管しておきますとこういう不正行為が発生する可能性がありますので、できるだけこれを早く消印してしまうようなそういう処理体制をつくろうということを考えまして、昨年の八月に現実にその関係の通達の改正を行いまして、原則として控訴状等を受け入れまして、印紙が貼用されております場合にはもうその日のうちにこれを消印してしまう、そういう扱いをとることにいたしました。 こういう体制をとりましたので、今後この種の不正行為というのはできるだけ防止することができるようになったんではないか、かように考えております。
○最高裁判所長官代理者(仁田陸郎君) まず、一般に御信頼をいただいている裁判所職員がこのような不正行為を行いましたことについてはまことに申しわけないことだというように考えておりますので、この場をおかりしましておわびを申し上げたいと思います。 お尋ねの損害額の補てんのことでございますけれども、実は今日まで弁済はなされておりません。昨年の三月に本人は本件で懲役三年の実刑判決を受けまして、今、三重の刑務所で服役中でございまして、回収が非常に困難な状況にございます。とは申しましても、債権管理の手続は厳格に進めなくてはなりませんので、私どもは本年の七月に関係当局に当たります法務局に訴えの提起を依頼いたしまして、今、津の地方法務局で訴訟の手続の準備をしておる、こういう段階でございます。
○鈴木貞敏君 終わります。ありがとうございました。
○守住有信君 自民党の守住でございます。 先ほど鈴木委員から、治安の関係、社会秩序、法秩序、そして特に最後のところで入管の問題をお話しになりまして、私もだんだん思い出してきまして、私も何年か前、皆さん方法務、入管御当局だけでなくて総務庁の行政管理局、定員を持っていますから、それで両方並べて大いに強調した覚えがあるわけでございます。 それは何かといいますと、何年か前、あのシナ海から偽装ベトナム難民と称するのが鹿児島や私の天草や長崎へ多数入ってまいりまして、警察も海上保安庁も必死でございましたが、その後を引き受けたのが入管の職員でございまして、大村、例の場所でございますが、あのときに苦労した福団地方支局の職員がとうとう月月火水木金金でやって病気で死んだ。私は花を贈りました。そういう非常にショッキングなこともありました。 そして、全体を今鈴木委員がお話しになりましたようなことがどんどんバブル時代からさらに大きくなってきて、小さな政府とは申しますけれども、こういう権力行使的なことは純粋の国家公務員でなきゃできない。何か外部に、民間に委託とか、一般論としていろいろジャーナリストがそういうことを言いますけれども、これは入管職員でなきゃ絶対できない、刑法に関連する問題ですからね。それを一般論的に小さな政府小さな政府と言って、細川総理もそういう思想を持っておるんじゃないかと思うんです、分権とかね。これは分権できないんですよ、地方分権できない。 私なんか熊本の空港を本当に国際空港にしようと思うけれども、三つの関門がありますな。国が直接行う、税関もあります、入管がある。それから例の厚生省の方の健康維持です、これ三つあったと思いますけれども、なかなかそれの対応、一地方空港でも国際化といってもそれができない。まして、もっと重要なそういう治安の最大の、国際化と口では言いながらその中でいろいろ紛れ込んできておる、マフィアまで入っておる。台湾マフィア、香港マフィア、新宿歌舞伎町その他例を挙げれば切りがありません。 こういう現象に対して、三省庁と言いますけれども、外務省は外交、それで労働省は労働、通産省は通産、建設省は建設。これではと思いながら、しかしその任務を持っておられるのは法務省でございますから、やっぱり法務省が法秩序、国内秩序、何も異民族をどうこうするというわけじゃありませんよ。ぴしゃっと相手の国にもはっきり申し入れて、何だかんだいろんなことがあるんだ、そして我が方はやはり日本政府として入管職員の定員の問題、マンパワーですよ、マンパワーでしかできないのであります。警察の方は地方公務員ですから定員増ができますね。これに対応する入管とか検事とかその他はなかなかできない。こういう私は地方公務員と国家公務員の間の接点の矛盾を感じておりますのであえてまた申し上げた次第でございます。 御質問したいのは、刑法関係は鈴木君がやりましたので、三ケ月法務大臣、民法、民訴の権威でいらっしゃいますから、私は実は東大のころは経済学部でございまして法律はやりませんでした。しかし、私の友だちが弁護士になったり先生の研究室におった者もおります。そういう思いで、以下主として民事関係のことについて申し上げたい、またお尋ねをしたい、そしてまたお教えをいただきたい、こういう気持ちでございますので、大臣は最後のところでよろしゅうございますから、それなりのお考え、御感想を言っていただければ、あとは政府委員で結構でございます。 そこで、第一のテーマは、特別養子制度という問題でございます。あれはたしか六十年代に入ってからでございますか、民法、養子制度に特別養子制度、法制審の答申を受けてこういう制度をおつくりになりました。私の関心は、今高齢化社会ということで非常な関心を浴びておりますけれども、もう一つある。乳幼児、孤児でございますな、今は余り孤児と言ってはいかぬかもしれませんけれども、これの幸せ、将来。 そしてもう一つ大きく感じますのは、日本の家族制度、親子、孫、この家族制度がいわゆる戦後、アメリカの思想といいますか、民法が、まず均分相続、これから始まったと思っております。そして、配偶者、妻の相続のウエートも、いわゆる悪平等といいますか、終戦直後からずっと民法はそうだったかなと思います。これは後の二番目の高齢者と遺言の問題にも関連してまいります。けれども、その前に特に、いわゆる世相の中で子供が生まれて、妻に押しつけて、夫はどこへ行ったかわからぬ、行方不明だ。母子家族でございますね。それから、最近は、いろいろ聞いておりますと、もう妻まで産みっ放しで、どこへ行ったかわからぬ、こういう現象がある。 そこで、まず厚生省の方に先にお尋ねしたいんですが、正確には児童養護施設ですか、乳児院というのもあるようでございますけれども、こういう施設が今の時代、厚生省もうんと力を入れておられます、高齢者だけでなくて。これが全国で何カ所ぐらいあって、そして収容の人たち、恐らく十八歳未満までだろうと思いますけれども、全国に養護施設で養護を受けておるその孤児の人たちはどれくらいいらっしゃるだろうか、まずお伺いしたいと思います。
○説明員(大泉博子君) 平成四年十月の数字がございます。先生おっしゃった養護施設でございますけれども、五百三十施設、二万六千三百五十七人の子供が入ってございます。 それから、二歳までの乳児院でございますけれども、百十七施設、二千六百七十一人の子供が入所してございます。
○守住有信君 こういう具体的な客観的な数字があるわけで、それ以外にも、一方ではそういう施設でない方々でいろんな立派な方、御面倒を見ておられる方も、家族もあるだろうと思います。 ところが、一方では今養子制度という、子供が一人とかあるいは病気で亡くなったとか、養子制度は健全なものがございますけれども、ただ私が聞いておりましたところでは、あれは、学校に行きそして戸籍を出す、そうすると養子と書いてある。そうすると、まだ見ぬ実父母があるんじゃないか。養父母は一生懸命これを養育してきた。ところが、その肝心の子供の心には、何か本当の産みの親が別にいるんだということになる。それやこれやで、私よく存じませんが、特別養子制度を制度としておつくりになった。しかも、あれは、私の印象ですが、家庭裁判所というものが入って、どういう手続でございますかな、二年間ぐらい本当にお預かりしたうちが、両親が本当に我が子のように育てたというものを何か事実認定ですか、こういうもののプロセスを経て家庭裁判所長の判決で特別養子、実の子供と同じような法的な扱いをするというふうに私は聞いておったんですが、そこら辺のところをもう少し、私アバウトでございますので、より正確に御説明いただいて勉強させていただきたいと思います。
○政府委員(濱崎恭生君) 御指摘の特別養子制度、これは昭和六十二年の民法の改正によって導入されて、六十三年の一月一日から施行されたというものでございます。 この特別養子制度の特色と申しますのは、従来から認められております一般の養子制度に比べての特色を申し上げますと、これは専ら子供のための養子制度という位置づけでございまして、監護する者に恵まれない子供に親を与え家庭を与え、それによってそういった子供の健全な育成を図ろうという趣旨で設けられたものでございます。一般の養子制度でございますと、実親とそれから養親と両方との間に親子関係が存続する、また養子縁組をしました場合にも、その後、当事者間で任意にこれを解消することができる、それから養子になるのは幾つになっても養子になれるということでございました。 この特別養子制度は、この養子縁組をいたしますと実方との親子関係を切るということで、専らその養親と養子との間の親子関係のみを形成するということ。それから子供の方は、そういう制度でございますので原則として六歳未満の子供、例外的に八歳までという場合もございますけれども、原則としてそういう小さい子供に限る。親の方も、必ず婚姻した者同士が同時に一緒に養親になるということでなければならない。それから、任意に離縁をするということは認めませんで、特別の事情がある場合にはやはり家庭裁判所の審判を経て離縁をすることができる。それも極めて厳格な場合に限る、こういう制度でございます。 それから、御指摘になりました養子縁組の審判をするまでの試験養育期間でございますが、これは原則として六カ月以上の期間監護した状況を見て決定をする、こういう制度になってございます。
○守住有信君 実は私はこの制度を知りまして、自分のふるさとで、あれは助産婦会でございますけれども、もう一つは、医師会の中の産婦人科のお医者さん、こういう人たちとも実はこの制度ができましたよということも話したわけですが、余り知識、認識はありませんでした。実感としては、実は自分が取り上げた子供だけを残して病院から抜けていっちゃったとか、そんな話は幾つも聞きましたけれども。 それで、考えてみましたら、今度は厚生省でございますけれども、民生委員、児童委員、これは全国に物すごく多数いらっしゃいますね。法務の世界では人権擁護委員とか家庭裁判所の調停委員とかもろもろがございますが、その両方が情報とか地域とか運動とか、どうも余りドッキングしていないような感じを持っておるんです。 そこで、実はこの特別養子制度が法的に道が開かれましてから今までどれくらいの、社会学でございますから統計数字でどういう傾向を今たどっておるだろうかということを、そういう関心のもとにちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(濱崎恭生君) 特別養子縁組事件の推移につきまして最高裁判所当局からお聞きしたところを御紹介申し上げますが、まず申し立て事件数、受理事件数の推移でございますが、先ほど申しましたように、昭和六十三年から導入されたわけですが、これは暦年でございます、六十三年が三千二百一件、以下平成元年、二年、三年、四年と申し上げますと、元年が千二百八十七件、二年が九百九十九件、三年が八百五十二件、四年が七百件ということで、状況だけから見ますと最初が随分多かったということでございます。 ただ、当初事件数が多かった事情についていろいろ伺ってみますと、要するにこの制度が実施されるのを待っておられた方が多かったということ。それから、これまで普通養子であったものを特別養子に切りかえるということを望む人たちが多かった。さらには、新しい制度ができたばかりでございますので、その要件は極めて厳格にできておりますが、必ずしもその要件についての周知が十分できておらなくて、その要件を満たさないのに申し立てをしたという件数が多かった、こういった事情があるというふうに聞いております。 ただ、その事件の中で申立人、要するに養親となる者と養子になる者との関係について見ますと、制度の発足当初は特別養子となる者が申立人の一方あるいは双方の普通養子であるというケースが多かったわけですが、この制度が先ほど申しましたような趣旨から本来目的としている、いわゆる里子といったような子供を特別養子にするというケースを拾い出してみますと、これも六十三年から平成四年まで順次申し上げますと、二百九十五件、三百九十九件、三百八十三件、三百七十五件、三百四十六件というふうに、これはかなり安定した数字になってございます。こういう状況を考えますと、今後はそういったケースが主流になって、この制度が安定的に利用されていくということではないかなという印象を持っているところでございます。
○守住有信君 そこで、実はそういう家庭裁判所、法務御当局と厚生省の方と御一緒に私は来ていただいたんですよ。その気持ちは、児童の福祉ということで、孤児の人たちを一生懸命になって厚生省関連、地方自治体と一緒になっていろんな方々、福祉団体、ボランティアがやっておられます。そちらと家庭裁判所というか、そういう養子制度というのはなかなかあれなものだから、それを結びつけてもっと啓蒙するというか浸透するというか、それは家庭のプライバシーと関連しますからいろいろあるでしょうけれども、一般論的にはもっと、こういう仕組みがある、そして本当の実の子と同じように、子供のない両親は多数おります、今後も。いろいろ高齢化の問題を一方では考えながら、小さい子供、またその養い親、それが本当の家庭生活の幸せになっていくんじゃないか、こういう思いでおります。 後はいろいろ申し上げませんけれども、厚生省のこういう児童福祉関係の全国的な方々と法務省なり家庭裁判所、それぞれの地域に家庭裁判所がありますからいろいろ専門の体験を持った方々がいらっしゃる。女性の裁判官等も多数いらっしゃいます、調停委員とかいろいろ。そういう方々と地域地域で連携して、こういう仕組みが本当の日本のよき家族制度に向かって一番欠落しておるのでございますから、子供がいないということ、それでこれから高齢化を迎えるわけですね。こんな意味で、あえて厚生省と法務省の御関係の方、裁判所御両省に来ていただいて、そういう啓蒙とか地域への結びつけといいますか、すぐさま特別養子制度が成るとは思いませんけれども、そういう考え方で、年寄りを考えながらもやっぱり小さい子供の父なし子、母なし子、これを健全な家庭生活に持っていきたい。これこそ私は、日本の美風、戦前から持っておるいにしえからの日本の家族制度、こういうものに思いをいたしておりますので一あえて申し上げた次第でございます。 それからちょっと角度を変えまして、もう一つは、西川さんのビデオ遺言相続という御質問でふっと思ったんですが、この遺言の問題。高齢化社会の中、家族制度の中での遺産相続、これがどうも私は、戦後の民主主義といいますかアメリカ法といいますか、日本の家族制度は均分相続で崩れたんじゃないか。それで、やっと配偶者の地位は高まりました。昔は長子相続でございまして、義務がありました。子供が二人か三人、娘もおりますし嫁にも行っておるだろう。だれが一体高齢化社会の、年老いて体が動かぬようになっていく両親の面倒を見るんだろうか。近ごろの風潮を見ますと、何でも国の責任、自治体の責任、そして亡くなった場合は相続の争い。こういうことを弁護士の諸君からもよく聞くわけでございます。 そういう点で、どういう角度からお尋ねしていいかわかりませんが、高齢化社会の中での日本の民法の相続。ただし、遺言という制度があるから、本当に自分の将来老後を面倒見てくれる子供には、娘であっても息子であってもそれを遺言として残していく。ところが遺言の手続が非常に厳格で難しくてなかなかいかぬという点。亡くなれば「兄弟牆に鬩ぐ」。逆に仲よしである。「父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ」という教育勅語の精神がだんだん日本の社会の中で希薄になってきておるんだ。 こういう現象を見るにつけて、どういうふうに我々政治家として地方自治体、いろんなボランティアの人たちに呼びかけていけばいいのだろうか。司法書士の諸君もおられます、制度についてはすぐ説明はぽんぽんとできるんだが、この遺言の活用というのを法務御当局としても、その外側におられるいろんな法務関係で知識を持った方々、弁護士さんを初め司法書士とかいろんな方々を通じて、遺言という制度はあるんだけれどもなかなか有効でない。 そこらあたりについて新しい目で、まさしく一方では高齢化社会高齢化社会でございます。各省庁、高齢化社会に向かっての対応策を一生懸命になって考えて努力をしておる。そういう中で本当の、横から行政がどうこうするんじゃなくて、親子、孫のこの関係、日本の立派な家族制度。これを財産争い、今どきいろいろあるんですけれども、家一軒ぐらい持っておりますわね。これは一億円以上だと。持ち家政策で住宅金融低利長期融資とかいろいろどんどんやっておる。一軒ぐらい持っておる、ところがどっこいという現象を皆さん方もお感じになっておられると思います。 そこらあたりを同じ民法の権威である法務大臣からいろんな角度で私らにお教えいただいたら、私は政治運動員としてあっちこっちに火をつけて回りたい、このように思っておりますので、そこらあたり専門性もありますけれども、お教えをいただきたいと思うわけでございます。
○国務大臣(三ケ月章君) 実は率直に申しまして、それほどの専門家ではございませんので余り当てにならないところでございますが、民事訴訟法の方ならばよろしいのでございますが、法制審議会の方には入っておりますが、実体法その他につきましては率直に申しまして弱いのでございますが、私、法律家として考えますところを率直に申し上げますならば、現行の民法が遺言について委員御指摘のようにかなり厳格な方式を定めているというのも、まあそういう面がないわけではございません。 これはなぜかと申しますと、遺言をする者にやはりこれは慎重な意思表示をさせる。こういうことがありますと、委員がおっしゃったのとまた別な意味での争いのもとにもなりかねないわけでございますので、できるだけ慎重に意思表示をさせるとともに、やはり他人による偽造なども防ぐということもあわせ考えなければならない。遺言者の死亡後におきまして遺言者の真意を確保するためにも、やはりある程度の方式化というものは欠くことができないように考えているわけでございます。しかし、やはり御指摘のように、現行の制度のもとにおきましてもまだ一般に外国ほど遺言制度というものの普及度と申しますか理解度と申しますか、これが足りない。だから、せっかくそういう制度がありながらそれが余り利用されなかったり、私ども法律家から見ますとそれほど面倒くさい手続ではないんですけれども、実は面倒くさいような印象を受けるというふうなものが、そういう感覚が残っておるというのは、やはり法律家として反省しなければならないところであるなというふうに思っておるわけでございます。 ですから、遺言制度の改革も必要ではございましょうが、それより、と並んであるいはそれに先立って必要なことは、現行の遺言制度というものを利用しやすいものにするために、やはり御指摘のような形でいろいろとPRをいたしましたり、普及宣伝をいたしましたりというふうなことをもって、関心を持ってそういうようなものと取り組んでいくというのが必要なことではないだろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。 私の見ますところ、戦後のある時期に比べますと、やはりかなりの程度、遺言というものについての知識も徐々にではございますが普及しつつあるように感じておるわけでございます。それから、そういうふうなものを補助するためにいろいろと民法改正のたびに説明会などにおいて紹介、説明しておるわけでございますが、あわせまして、法務局が所掌しております登記、人権擁護、公証などの事務を通じまして、一般国民からの相談に応じてこの遺言制度などの普及にも努力するようなことをやっておるということも申し上げたいのでございます。 足りない点もまだ多々あるかと存じますので、委員御指摘の精神を踏まえましてこういうふうな制度がもっと定着して、今御指摘のございましたような家族生活のゆがみというふうなものの是正に何がしかの奉仕ができるように持っていければと、こういうふうに考えておるところでございます。
○守住有信君 厚生省の方、お見えは児童福祉の方だろうと思いますけれども、お帰りになりましたら、老人福祉の方の御担当の局長以下課長に、一遍民事局の方と十分お打ち合わせいただいて、特に特別養護老人ホーム等々、そこでそういう法務の世界の方々をお招きして、この仕組みというものをお年寄りの方々によく説明していただくような一つの運動、仕組みを両省が一緒になって下へおろす。機関委任、事務委任も契約も、皆施設もずっとありますからね。 私が特別養護老人ホームなんかに慰問に行きます。それでこの話をしますと、お年寄りが車いすに乗ったまま、えっと、こうして物すごい目なんですね。私はそこへ行ったって、その話ばかりするわけにもいかぬし、限りはあります。もっと中央政府の省庁が横で連携して下へおろして、下の方で、実戦の場で、法務は法務でいろんな場でおやりになっておると思いますけれども、特別養護老人ホームに行ってそういうお話をなさったということはひょっとするとあるかもしれませんよ、立派な方がここへ行こうということでね。 だから、どうかもっと組織的に、政府は一体ですから、そういう役割、機能は最前線のところで、最前線とは特別養護老人ホームとか老健施設とかいろいろございますな、そういう場の中でひとつお年寄りの皆さんに、この相続といいますか遺言といいますか、その仕組みの話を両方で連携して、専門の方のお話の方がやっぱりオーソライズしてお年寄りはすっと入りますから、それでどうすればいいということ。そうすると、その場の中でお年寄り同士いつもお話し合いしておられますから、それで今度は息子が来たとき、娘が来たときとか、いろいろ連携ができると思うんですね。 きょうは皆さん厚生省の代表で来ておられますから、両方と、それでこれを下におろしていく。下は下で連携する。こういうやり方をぜひとも具体的に、抽象的なこの場限りの、答弁がどうとかそういうことじゃなくて、運動の実戦論として、まず役所同士が率先してやっていく、下へおろしていく。文書にもして、成文主義でいかにゃいかぬからね。口でだけじゃだめなんです。そして、地域地域のそういう民法に関連した、遺言とかその他関連したそれなりの方がそういう施設の中へ行って話をして、それでその認識というか、これを広げていただくということをひとつ特にお願いを申し上げておくわけでございます。 また、法務省の方ももっと、受け身じゃなくて、基本法を持っておるわけですから、民法、刑法、商法も持っておられる。そういうことで、社会運動としてこれを両省で連携しながらどんどん下へおろして刺激していく。一つの啓蒙運動ですからね。どうか両方ともお願いを申し上げる次第でございます。特にお年寄りにかわってお願い申し上げます。 今度はちょっと話題をかえまして、会計検査院の方おられますな。これも同じでございまして、役割は違うけれども、私は会計検査院と行政監察、それぞれ特別な任務を持って、立場、視点は違いましてもあるわけですな。それでこの連携はどうだとお聞きしたら、何かやっとこさ、昭和六十二年からですか、三年からか知らぬが、そこらあたりから年に一回行監と会計検査院と連携し合ってお互いの勉強会をして、視点は違うかもしれぬけれどもお互いにそれぞれを参考にしてやり出したというお話だけを聞いたわけでございます。 そこで、今それの実態、どうやっておられるか、やりながらなおこうあってほしいとか、そういう点も含めましてそれぞれのお立場で実体験の中からお話をしていただければありがたいと思います。よろしく。
○会計検査院長(中島隆君) 会計検査院は、国の決算につきまして検査をするという憲法で決められたもののほかに、国あるいは各種機関の会計経理を監督するという責務を持っているわけであります。一方、総務庁の行政監察は、内閣に所属しております各行政機関の業務の実施状況の監察という使命を持っておられるというふうに認識しております。 このように立場も目的もそれぞれ違うんでございますが、具体的なケースになりますと非常に共通する場がございます。したがいまして、私ども会計検査院といたしましても、行政監察の担当の方々との連携、連絡を従前から密にしているように努力しているところでございます。常時何か連絡すべきものがありましたときは気軽にそれぞれの情報を交換し合うということはやっておるんでございますが、特に最近は年に二回ずつそれぞれの役所が主催いたしまして、私どもの会計検査の検査報告ができ上がりましたならば、私どもがその内容につきまして、この一年間の検査の実態につきまして、問題点につきまして具体的に行政監察の方に御説明申し上げている。また年度が終わりまして夏ごろになりますと、行政監察の年間の結果、それからまた今後のスケジュール等について私どもが伺う、それでこれからの私どもの検査の参考にさせていただくというふうなことをやっておりまして、最近は非常に緊密な関係を保っているというのが実情でございます。
○説明員(塚本壽雄君) 私ども総務庁といたしましても、ただいま会計検査院長が御答弁になりましたように、この両方の機関が連携をとっているということは、トータルといたしまして行政の適正化、効率化というものがなお進むことになるというふうに理解しているところでございます。 ただいま年二回の連絡会ということについてのお話がございましたけれども、それ以外にも、私どもは監察の結果を出しますとその都度会計検査院の方にこれをお送りし、また検査院の方からも報告をお出しになりますとちょうだいしているというふうなこともございます。 また、政府の活動の適正化という意味から申しますと、各省庁におきます内部監査あるいは検査の機能、こういうものが強化されると申しますか、力を高めていただくということも極めて重要と考えております。そういうことで私ども総務庁といたしましては、内部監査に関係する方々のセミナーというようなものも開かせていただいておりますけれども、このセミナーの機会には講師として会計検査院の専門家に参加していただくということをやっております。 かように直接あるいは間接にいろいろ連絡をとらせていただきながら、連携をとって全体としての政府活動の適正化、効率化の効果が上がるようにこれからも努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○守住有信君 よくわかりました。これはどっちかというと東京で、本省同士ですから非常にやりやすい。最初のテーマの方は、前のテーマはこれは地方でございますから、現場でございますから、よほどこれ下に浸透していかぬと、なかなか厚生省と民法を御担当の家庭裁判所等とあれだなとも思いながらおるわけで、本省の方では、両方が立場は違っても、メスの入れ方、情報、地域、いろんな角度で交換しておられるということを承知しましたので安心をいたしました。いろんな幅広い行政監察は、またちょっと角度違いますものね、会計検査院と。しかし、どこかで同じようなものがあるはずだと。視点は違い、テーマは同じようなテーマがあり得ると、こういうふうに感じておりますので、お願いを申し上げた次第でございます。 余り時間もございませんので、あと、この間外務省の北米局長さんに、湾岸平和協力基金かな、あれにつきまして、この決算委員会が終わるまでにはこれを政府として公表するということの御答弁をいただきました。二年半ぐらいかかっていたけれども、それなりのいろいろ事情はあったでしょうけれども、これはやっぱり税金を使っておるわけですから広く国民に公表する、これが一番大事だ、これが決算委員会の役割、任務じゃないかと思っておりまして、そちらはよろしゅうございます。 残るのが、一番最後に書いてありますな、ODAの関連。四つぐらいグループがありますけれども、無償援助から、国際機関とかあるいは有償援助とか円借款等々ございますけれども、その中でやっと検査院も、特に決算委員会だったと思いますけれども、ODAのあり方について、昔はフィリピンその他インドネシアとかいろいろ話題をまきまして、検査院もそれに対して、外交上の関係がありますから十分とはいかないけれども、まあ五カ国ぐらいですか実態調査に行かれました。やっぱり外交ですから相手の主権を尊重せにゃいかぬものだから、本当はこういうプロジェクトよりもこっちのプロジェクトの方がいいんじゃないかと思いながらも、相手の政府が優先的に持ってきたものにやっぱり取り組まざるを得ない。それで、やっておるうちに環境破壊とODAなんて言われ出したんです。 これは余談ですけれども、私自身の憤激したことですからちょっと申し上げておきますけれども、約一カ月ぐらい前でございますか、共同通信社の配信で、私の熊本の熊日新聞あるいは岐阜新聞、信濃日日ですか、これに配信したのを大きく載せたんですね。木を切ったところとか写真まで入れて。環境破壊、そしてその後が郵便貯金だと、ODAのね。有償援助は主力は郵便貯金ですから。基金の方は一般会計から出して、コストダウンして低利長期融資ですけれども。それで、最後には郵便貯金をやめて、そして労働金庫とか信用金庫に入れましょうと。こういうグループKIKI何か江戸川区のNGOの特定の思想を持ったグループだけれども、それが共同通信の配信で地方の県紙に、三つだけですけれども載った。 郵便貯金は大衆貯金でございます。県紙というのは大衆が読んでおります。朝日とか読売とか日経ぐらいは、これはインテリの方、経営者とかそっちが読んでおるけれども、地方に行けば行くほどローカル紙ですよ。郵便貯金の大部分の方も大衆社会ですよ。これに大きく環境破壊、ODA、郵便貯金資金だというのでいろいろ載っておりまして、憤激しまして私は共同通信に乗り込んでいったんですよ、社長に会わせると言って。 それで、整理本部長ともばんばんやりましたけれども、いやこれは我々のミスでございます、裏もとらぬで。新聞記者というのは裏をとってからやらにゃいかぬでしょう。それをやりもせぬでこのまま載せてしまいましたと。土曜、日曜の何かだったらしいんだな。それで、上層部もおりませんでと。それで私はすぐ御承知のとおり経済協力局長のところに文句を言いに行きましたよ。それからもう一つは大蔵省へ行った、理財局長に。それは資金運用部の、郵便貯金の資金が基金の方へ膨大な金額を融資されておるということでございますから、両方に行きましたね。 こういうことで誤解を受けるようなもの、一部の新聞でだあっと、こんな大きいですからね。日曜版の埋め草記事がなんか使われておったみたいですね。熊日にも行きましたよ。社長、編集局長、政経部長。そういうことの体験があるんですよ。だから、そこのあたりを本当に一生懸命になってそれぞれが外国とも在外公館ともやりながら、四省庁を中心にやっておられるけれども、一番の根っこのところが、そこがどっかり大きく抜けておるなということを私は身をもって体験したものでございます。 そこらあたりの、どう言いますかね、厚い冊子はつくられます。これは「日本の防衛」という防衛白書と同じですよ。だれも読んでおらぬ。本当に関心を持った人だけがODA白書を読むのでね。一般大衆なんです、そして仲介するのはマスコミなんですよ。だれも文句を言わぬ、マスコミに対しては。何もテレ朝だけじゃありませんよ。新聞記事ですから、ちゃんと証拠は山ほど持っておる。文書や写真で載った。これは極端な例だとは思いますけれども、近ごろ環境論の中でそういう非常に誤った認識がいろんな面に出ておるということを非常に痛感しておるわけです。 そこで、これは外務省だけじゃないかもしれませんけれども、こういうODAの特に基金の方ですね、JICAの方はいろいろ青年海外協力隊を初め、もう近ごろは募集したら女性の方々が何千人か、カンボジアPKO以来、物すごくふえた。これはもう本当にアフリカとかいろんな奥地へ行って、いろんな技術を教える、やっておられます。ところが、こっちの、大蔵省出身の総裁だな、西垣君だな、あそこのところのあれが本当に日本国民に、各界各層の方々にわかりやすく啓蒙されておらぬということを身をもって体験したんですよ。 そこらあたりに対して、これは外務省だけじゃないかもしれぬけれども、これからますます重要になってくるODAの役割、効果、これについて直すべきところは直していかにゃいけませんけれども、全体的な広報、啓蒙活動がどうなんだということをお尋ねしたいわけでございます。
○政府委員(上田秀明君) 先生御指摘のとおり、日本の経済協力のもとは国民の税金であり、また皆様方の貯金その他であるということを銘記して、経済協力が真に先方の国民の必要に合ったものであって、喜ばれるものでなければならない。それからそれが効率的に有益に運用されなければならないということは私ども常々肝に銘じているところでございまして、ことし発行いたしました政府開発援助に関しますいわゆるODA白書でもそのように明記をして服腐しているところでございます。 ODAにかかわります広報につきましては、今申し上げました、あるいは先生に御指摘をいただきましたいわゆるODA白書を出しておりますが、確かに大部な点もございましてなかなか全部の皆様方に行き渡るということもあるいは不十分かとも思いますけれども、そういうようなものを発行いたします際に私どもの方でも、例えばそれこそ各新聞社や放送社の方々に対する御説明などいたしまして、それを報道していただくように努力しております。 国際協力の日というのを十月六日に設けておりますけれども、その国際協力の日に関連いたしましてさまざまな催しを行いまして、できる限り今御指摘の例えば青年海外協力隊の活動でございますとか、円借款でいろんなインフラストラクチャーができ上がって、先方政府あるいは先方の国民に非常に喜んでいただいているというようなことを努めて広報するように努力しているところでございます。 関連でございますけれども、国際協力プラザという場所を広尾にこのたび開設いたしまして、そこではビデオとか写真とかそういうことも用意いたしまして、一般国民の皆様、それから各種のNGOの皆さんあるいは学生の皆さん、皆さんにおいでいただいて、そういったODAの事業に関しますことで情報交換をしたり、あるいはそこを意見交換の場に使っていただいたり、そういうようなこともこれから試みていくことにしております。 各都道府県との連携もとっておりまして、ますます今のような国際協力に関します広報を行ってまいりたいと思っております。 総理府の広報の方とも御連絡させていただきまして、さまざまな機会に、例えば政府広報の「時の動き」でございますとか「今週の日本」とかあるいは「フォト」とか、そういったような政府の広報誌などでも国際協力の点について取り上げていただくようにしているところでございます。 まだまだ不十分かとも思いますけれども、今後とも一層啓発に努めてまいる所存でございますので、御支援をいただきたいというふうに思っております。
○守住有信君 時間がなくなりましたので、ちょっと最後に一言だけ。 最近、中国が核実験しましたね。中国に対しては膨大な無償援助、円借款を枠組みでどんどん続けておるけれども、そういう軍縮とか、これは閣議決定したらしいですな、答弁は要りません。こういうのに対しても堂々と是は是、非は非で物を言っていかぬと、これだけはお帰りになりましたら、きょうは外務大臣は出ておられぬけれども、はっきり物を言っておいていただきたい。これだけを最後に指摘申し上げまして、終わらせていただきます。
○委員長(三上隆雄君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時十分まで休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 ————◇————— 午後一時十分開会
○委員長(三上隆雄君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成三年度決算外二件を議題とし、皇室費、国会、会計検査院、法務省及び裁判所の決算について審査を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○高崎裕子君 まず、法務大臣にお尋ねいたします。 クレジットカードやローン契約が今や国民の中にかなりというか非常に普及されておりますが、クレジットカードの発行件数というのは九二年度で二億枚に達するという膨大な数となっております。その一方で、こういう契約におけるトラブルが多発しており、きょうから全国の四十七カ所で一斉にクレジット・サラ金・カード一一〇番という電話相談が実施されているところです。特に、国民にはほとんど理解されていない公正証書をめぐって重大な社会的問題が起きております。 公正証書というのは、言うまでもなく金銭の支払いについて裁判の手続を経ないで差し押さえなどの強制執行を行うことができるもので、極めて正確、公正かつ慎重に扱わなければならない重要な公文書だと思います。 具体的に日本信販株式会社のケースで見ますと、私は手元にたくさん契約書それから公正証書の写し等を持っておりますけれども、クレジットカードを利用して支払いが遅延したり困難になったときに裁判になったら大変だよ、一遍に支払わないといけないことになるということで、支払いやすくするという説明で従来の債務について特別に組み直しをする。そして、特別融資の名目で裁判回避のために準消費貸借契約という公正証書が作成される。これは裁判になるよりも不利益な中身なんですが、信販会社にとってみれば裁判をすれば得ることのできない利益を得るということで、具体的には公正証書の内容としては従前の契約の残債務にさまざまな金額を不当に加算する。 一つは、利息制限法に違反して元本の充当計算をせず帳面上の残金をそのまま元本としたり、もっとひどいのはこの公正証書を作成する時点で発生している将来の利息も含めて利息制限法を超える利息を加算する、これを元金とするということですね。それからもう一つは、割賦販売法では遅延損害金が六%に制限されている。それにもかかわらずこれを脱法して利息一八%、遅延損害金三六%あるいは二九・二%というのもありますが、そういうものが取られているという違法な公正証書が驚くべきことにつくられている。 こうした例というのは、日本信販だけではなくさまざまな信販会社でも同様に行われているところですが、これについては釧路の今際美弁護士が原告代理人になって訴訟となり、五月に釧路地裁の判決も違法な公正証書であるということを指摘しております。 この五月二十四日の判決では公正証書の無効と国の賠償責任を認めるということで、原告が作成を承諾していない、代理権がなかった、それから利息制限法に違反する、割賦販売法に違反するということで無効だ、そして公証人は違法な公正証書を作成しないという義務があるのにその内容の確認を怠ったとして国賠法に基づく国の責任を認めるという内容なわけです。 違法な公正証書を作成するということは絶対にあってはならないということだと思いますが、どのように問題を把握され、どう対応していかれるのかお伺いいたします。
○政府委員(濱崎恭生君) 現状の認識の問題につきまして事務当局の方からお答えさせていただきます。 委員御指摘のとおり、最近信販会社を相被告として違法な公正証書の作成によって損害をこうむったということで、国家賠償を求める訴訟につきまして判決が出たと。そして、その後何件か類似の事件について訴えの提起があったということは私どもも承知しているところでございます。 ただ、この判決につきましては、主として公証人の注意義務の程度、それに伴う過失の存否ということについて不服があるということで控訴をして上訴審の判断を求めているという状況でございますので、個別の事件についてそれが違法な公正証書であるのかどうかということについては論評を差し控えさせていただきますが、公証人を地方法務局で監督している立場にございますので、日本公証人連合会、あるいは各単位の公証人会に対してそういう判決、あるいは訴えの提起がある、したがってそこで指摘されているような違反がくれぐれもないように、現行の手続の厳格な運用を徹底するようにということで注意を促しているところでございます。 また、日本公証人連合会、あるいは各公証人会においても、機関誌等を通じてそういったことについて会員への周知を図っているというふうに承知しております。
○高崎裕子君 それでは、通産省と大蔵省にお尋ねいたしますけれども、信販業界のしにせでもある最も大手の日本信販株式会社です。これが割賦販売法や利息制限法に違反する公正証書を作成していたということは極めて重大な問題だというふうに思うわけですね。 クレジット・サラ金被害者の会や全国クレジット・サラ金問題対策協議会の事務局長である木村達也弁護士、あるいは先ほどの合弁護士等が日本信販にこういう脱法行為についての改善の申し入れを何回も行っていたところ、木村弁護士に対して日本信販は重大な事実を最近認めました。 それは、公正証書を作成するに当たって、割賦販売法の遅延損害金六%を超えた利息一八%、遅延損害金三六%を課していた。そして貸し金についても利息制限法違反を行っていたというこの二点について認めた上で、九年前、つまり五十九年ごろから、これは割賦販売法が改正された、六%条項ができたそのころから、言ってみれば脱法するために公正証書をつくったのと符合する時期なんですけれども、年間数千通、これまでに合計数万通、違法な公正証書を作成してきたという事実を初めて認めました。 そして、公正証書を作成するに当たって、こういう脱法行為ということで計算書がコンピューターに導入されてつくられていたという、これを違法のないように改めますと、一月一日から実施したいということで今システムを変えるということでお話があったということなんですね。これは非常に重大な問題だというふうに私は思うわけで、通産省、大蔵省それぞれ厳重に調査をして速やかに改善させる必要があると思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(川田洋輝君) お答え申し上げます。 個別の案件につきましては、現在民事裁判で係争中と承っておりまして、通産省としてのコメントは差し控えさせていただきたいと存じますが、私どもの今御指摘の点についての考え方を申し述べさせていただきたいと存じます。 割賦販売法におきましては、御指摘のように割賦購入あっせん契約の支払い義務が履行されない場合には、違約金の定めなどがあるときにおいても支払い残額及び支払い残額に法定利率六%でございますが、これを乗じた額の合計額を超えて請求することができない旨規定をしておるところでございます。この規定は、その制定の際に割賦購入あっせん契約に基づく債務を原債務とした準消費貸借契約までも念頭に置いていたものではございませんけれども、返済困難となった債務者にとりまして、当事者間の合意により期限の利益を付与した準消費貸借契約を締結することは一つの現実的な対応策と考えられる面もございます。 こうした場合における当該契約の内容につきましては、割賦販売法の趣旨を踏まえて債務者にとって不利なものになることがないように、通産省として企業に対して必要な注意喚起を行ってまいりたいというように思っております。
○説明員(花野昭男君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、大蔵省は貸金業規制法のもとで貸金業者に対する指導監督を行っているところでございます。御指摘の点につきましては、利息制限法の解釈として現在民事裁判において争われているという段階でございまして、コメントを差し控えさせていただきたいと思います。 今通産省の方からもお答えがありましたように、一般論として申し上げますと、カードの多額利用の結果返済不能となった債務者に対しまして、債務者と同意の上で契約を更改し、債務者に期限の利益を付与するということは一つの現実的な問題解決方法であると考えているところでございます。 なお、本件について、繰り返しになりますけれども、民事訴訟で争われているということでございますのでコメントを差し控えますが、いずれにいたしましても大蔵省といたしましては、関係当局と協力しつつ貸金業者の適切な指導監督に当たっていきたいと思います。
○高崎裕子君 通産省にもう一度お尋ねいたしますけれども、厳しく指導していただきたいと思いますが、日本信販が割賦販売法違反、利息制限法違反のものを改めて、損害金年六%ということでコンピューターのシステムを変えるというふうに、これは伺っておりますね。
○政府委員(川田洋輝君) はい、そのように聞いております。
○高崎裕子君 それでは、法務大臣に二点お尋ねいたします。 一つは、こういう違法な無効な公正証書が存在するということ自体が問題で、これは言わずもがなのことですけれども、強制執行が存在するということはできるわけで、それを争うときには請求異議の裁判を起こさなきゃならないということで、今数万通という違法な公正証書があるということを日本信販みずからが認めているわけで、これがある以上常にこの当事者は強制執行をいつされるかわからないという状態があるわけなんです。ですから、これについては回収するなど何らかの措置をとって強制執行ができない手だてを、こういう形で関係省庁とも連携しながら改善指導していただきたいと思います。 もう一点は、公正証書のあり方が厳しく問われる中で、釧路地裁の判決では、公証人の注意義務の範囲として、法令違反の存在、法律行為の無効等の疑いが生じた場合はもちろんだけれども、公証事務処理及びそれ以前の事務処理の過程で知った事情から法令違反の存在等の疑いが生じた場合においても、債権者に必要な説明を求めるなどして違法な公正証書を作成しないようにする義務がある。 大臣みずからその著書の「民事執行法」の中でも、金融機関等が債権者側に有利な記載を経済的に弱い立場に立つ債務者に強要する傾きがないとは言えないということで、言われるままに債務者が白紙委任するということになりがちだということで、公証人の態度としても契約の実体に立ち入って問題のある公正証書の作成を阻止するというにはほど遠いというふうに御指摘されていらっしゃいます。 こういう大量に組織的に違法な公正証書がつくられているということですから、形式的な審査権だけではなく、この違法を断ち切る意味で実質的審査義務を持つ方向で改善、検討していただきたいというふうに思いますので、この二点についてよろしくお願いします。
○国務大臣(三ケ月章君) 違法な公正証書が作成されている場合に回収とか変更などの対策が必要ではないかという点についてお答え申し上げます。 確かに、公証人の作成する公正証書は委員御指摘のとおり執行力を伴っておりまして、非常に強い効力を持っておるわけであります。ひいてはまた、社会一般に対する信頼性も高いわけでありますから、それだけに一たん作成された公正証書を強制的に自後に回収するとか、その内容を変更するなどの対応をとるということは制度的に困難であると考えております。 しからば、そういうふうなものを防止するにどうしたらいいんだろうかということでございます。 これは先ほどの政府委員の答弁と多少ダブりまして申しわけございませんけれども、重ねて私から申し上げますならば、公証人は一般にはこの現行法のもとで適正にその職務を遂行しているものと監督する者の立場としては考えているわけでございますが、委員の御指摘を踏まえまして、いやしくも公証人の責めに帰すべき事由、ここらは多少問題でございますが、法律の解釈になるわけでございますが、いやしくも公証人の責めに帰すべき事由によって無効な公正証書が作成されることがないように現行手続の厳格な適用、運用につきまして日本公証人連合会及び単位会を通じて指導していくことによりまして、こういうふうな不祥事の起きないように指導してまいりたい。 先ほどの政府委員の答弁と重なりまして申しわけございませんが、そういうふうに考えておる次第でございます。
○政府委員(濱崎恭生君) もう既に実質審査権の問題につきましては委員御案内と思いますが、現行法の公証人法の規定におきまして公証人は法令に違反した事項や無効の法律行為等について公正証書をつくることはできないということになっており、それを踏まえまして具体的な注意義務として公証人法施行規則の十三条一項におきまして、証書を作成する等の場合には、その法律行為が有効であるかどうか等について疑いがあるときは関係人に注意をし、かつ、その者に必要な説明をさせなければならないということになっております。今大臣が御答弁申し上げました現行法のもとでの適正な運用を確保したいというのは、この規定に従って公証人が公正証書の作成に当たるということを確保したいということでございます。 公証人が公正証書を作成する場合にどの程度の審査をするべきかというのはいろいろ御意見があるところでございますが、公正証書制度を利用しやすくするという観点との権衡の問題もございまして、私どもとしては現行規定のもとでの厳格な運用ということで御指摘の問題に対応したいと考えているところでございます。
○西川潔君 西川でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 国会に参りましてもう七年半ぐらいになるわけですけれども、最初委員会に所属させていただきましたのが法務委員会でございまして、その節には大変法務省にお世話になりました。久しぶりにきょうは法務省に質問をさせていただきたいのですが、その折、私は高齢化社会、お年寄りの福祉をやりたいということで国会に参りまして、遺言のことをいろいろと質問させていただきました。 高齢化に伴いまして体力の衰え、そしてまた視力や聴力、お年寄りは大変弱い立場にあります。そしてただいま自筆証書、公正証書、秘密証書、三万式ございますが、四番目にビデオテープで遺言を認めてもらえないかという質問をさせていただきました。公証人に両サイドにお座りいただきまして、そして前にビデオテープをセットしましたカメラを据えつけまして、そしておじいちゃんやおばあちゃん、つまりお父さんやお母さんが長男に次男に、そしてまた娘にというふうに遺言を残していただくということでございまして、我々にとりましても何代目向こうの御先祖さんの顔などはわからないわけで、道徳的にも後世、つまり子供たちにもいい教育になるのではないかな、そういう観点からいろいろと遺言について御質問をさせていただきました。 最後は平成元年十月の予算委員会にビデオ遺言のことを質問させていただきましたが、そのときには内容が不明確ではないか、不正確にはならないか、筆跡鑑定は一〇〇%に近いものがありますが、声紋鑑定の方はまだそこまでの水準には達しておりません等々、いろいろ御答弁をいただいたんですが、検討課題であるというふうにお伺いいたしましたが、その後検討していただいておりますでしょうか、お尋ねをしたいと思います。
○政府委員(濱崎恭生君) 御指摘の御提案については、御説明あったとおりこれまで何回が御指摘をいただきまして考えさせていただいているところでございますが、やはり御指摘のようなビデオに撮るという方法による遺言については、現在現行法が認めている方式と対比してみました場合に、やはりどうしても改ざんのおそれということが払拭できないということ。 あるいは現行法のように紙に書いた遺言でございますと内容を一覧することができるわけですが、ビデオの遺言ということになりますと、そういう一覧性に欠けるということから、例えば遺言者の真意と異なることを言ってしまった、あるいは後で中身を訂正したいといったような場合の訂正について困難を生ずるという問題などがあるのではないかというふうに現時点では考えているわけでございます。要するに、遺言者の真意の確保という点について、現行の紙で書くということに比べてなかなか難しい問題があるという認識がまだ払拭できないわけでございます。 遺言の方法といたしまして、今御指摘のとおり三つの方法があるわけでございますが、今お話がございましたように、公証人が関与するということを前提として考えますと、やはり公証人のもとで文書にするということの方が安全確実なのではないかという考え方がどうしても抜け切れないということでございます。そういった問題が解決されるのかどうかということにつきましては、さらに考えてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○西川潔君 今後の検討もひとつどうぞよろしくお願いいたします。 次に、矯正行政における高齢者問題についてお伺いをしたいと思います。 この問題につきましても、昭和六十二年五月十四日の法務委員会におきまして御質問をさせていただきました。当時、高齢受刑者の比率は全受刑者の三%で、一般人に比べではまだまだ少ない、加害者として刑務所に入っている人は非常に少ないという御答弁をいただきました。その後、平成三年版の犯罪白書では高齢化社会と犯罪についての問題が特集されております。 前回お伺いしてから六年が過ぎました。この間、この問題についてはどのような傾向にあるのか、またこれまでに新たな対策がとられた経緯がございましたらお伺いいたします。
○政府委員(松田昇君) 私から御答弁させていただきます。 委員御指摘のとおり、全国の行刑施設に収容いたしております年齢六十歳以上の高齢受刑者数は、御指摘の昭和六十一年末の時点では一千四百二名で、全受刑者中に占める比率は三%でございました。その後、逐年増加を続けておりまして、平成四年末には二千百六十七名、比率も五・八%と増加いたしております。増加傾向は否めないところであろうと思います。 ただ一方、我が国の全人口に占めております年齢六十五歳以上の者の比率でございますけれども、これを見ますと、昭和六十年が一〇・三%であるのに対しまして、平成四年が一三・一%となっております。そうしますと、行刑施設における高齢者の比率は、一般社会の人口比と比較しますと、まだ高いとは言い切れない、まだまだ低い段階にあるのではないかということも言えようかと思います。 なお、処遇につきましては、委員御指摘のとおりでございますけれども、行刑の本質を守りながら、高齢受刑者の、当該被収容者の心身の状況に応じまして各施設でいろいろな工夫をいたして実施しております。 例えば、食事につきましては、減塩食とかそれからやわらかく煮炊きしたものを出す、あるいは副食のものを細かく裁断して出すとか、そういう気遣いをいたしておりますし、冬季の衣類、寝具につきましては、枚数をふやしたり、湯たんぼを入れたり、その他のことをやっております。刑務作業も時間を短縮いたしておりますし、一般受刑者の作業よりは軽い紙細工などの作業もさせております。また、健康診断の回数も努めてふやすようにいたしまして、成人病などの早期発見にも留意しているというようなことで、適切な処遇を続けられるように引き続き努力をいたしているところでございます。
○西川潔君 私も初登院以来、法務省には全国のいろいろな矯正施設へ視察等勉強にお伺いさせていただきまして、収容者の人たちのためにいろいろな御工夫を、人権を守って、日夜本当に御苦労さまでございます。 平成三年版の犯罪白書によりますと、平成三年十月九日読売新聞の社説でございますが、少し読ませていただきたいと思います。 白書は、高齢受刑者像を次のように描き出す。検挙罪名は窃盗が七割を占め、次いで横領、詐欺が多いが、それも万引きや無銭飲食などの単純なものが大半だ。動機は私欲、生活苦、酒。再犯率も高く、受刑六回以上が五割を超えている。再犯者の場合は一家離散、あるいは家族から見放された天涯孤独が、四五%を占めている。 彼らが更生し、社会復帰する際の最大の問題点は、貧困と病弱と孤独だ。出所しても、更生保護会や生活保護などの福祉に頼る人が、半数を超えている。 「豊かな社会の裏側」という一片の言葉で片づけるには、あまりにも寒々とした現実だ。罪名から見て、大半は更生・社会復帰が十分可能と思われるが、犯罪の原因となった悪環境を改善しない限り、再犯を繰り返させることにもなりかねない。 こういう記事も読ませていただいたのですけれども、高齢受刑者が出所後自立していくために、この不安という点につきまして法務省といたしましてはどういうふうにすればいいのかなというようなお考えでしょうか。
○政府委員(松田昇君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、高齢者全般にわたる共通の問題であろうかと思いまして、なかなか複雑で困難な問題だと思いますけれども、高齢受刑者につきましても、身体の不調とか疾病に罹患している者が多うございまして、健康面での不安を強く抱いているのも現実であります。また、出所後の帰住先とか就職先などで経済的な自立の面での不安も多うございますし、孤独感も持っている者が多い、これも現実でございます。 それらの高齢受刑者の中で最も問題なのは、犯罪行為を繰り返して、自立更生の機会を逸してしまって、年を重ねた受刑者のグループでございます。これらのグループは、慨しまして就業意欲とか能力が乏しいことが多く、また経済的基盤も委員御指摘のとおり弱い、その上に家族等からも見放されて保護環境も劣悪ということになっております。 さて、その再犯を防止するために、出すときにどうするかという問題でございますけれども、私どもは施設内で収容している限りでの改善更生を図っているわけでございまして、限度はございますけれども、その中でも行刑施設に収容中、釈放する前に釈放前教育というものをやっております。また、日常の行刑の中での生活の指導で、社会性をつける、きちんとした生活態度をつける、医療を通して体を治す、それから作業を通して勤労意欲を喚起する。こういうようなことを粘り強く繰り返しながらやっておりまして、社会に出た後の円滑な社会復帰を図るための方途として、出る前から、例えば釈放時に帰る家のための更生保護会との連絡とか、就職のための公共職業安定所との連絡とか、それから福祉事務所において生活保護の問題、あとは病院ですね、引き続き療養するときに病院の医療の問題とか、そういうところの外部の保護関係の関係機関との必要な連絡調整に努めております。 そうしまして、各受刑者の持っております個々の問題に努めて援助や協力が得られますように外部の機関とも連携を保っておりますと同時に、先ほど申しましたように、収容者の中でも何とかして、教育を通してこういう高齢受刑者の方が自立心を強めるということと、それから健康面にも配慮するということと、不安を少しでも取り除いて自力で更生できるようにいろいろ指導しているというところが現状でございます。
○西川潔君 ありがとうございました。 老後の不安といたしましては、お年寄りの皆さん方には健康の不安、そして今いろいろおっしゃいました所得の不安、住宅の不安、たくさんの不安がございます。一般の高齢者も同じでございますが、高齢受刑者にとりましてはやはり何といいましても所得に対する不安、老後の生活費に対する不安が大きいのではないかということが白書にも示されております。調査の結果からもそういうふうに読み取れると思うのですけれども、その生活費をどのように確保するか、その点につきまして公的年金に関する期待は高齢受刑者にとって、特に初入者にとっては強くなっております。しかしながら、白書での指摘では、高年群の初入者が公的年金を「もらえる」とした人が約半数いるのに対しまして、再入者では二割強にすぎず、五十歳以上の高年群受刑者、特に再入者の備えの不足が認められております。 この公的年金が高齢受刑者の更生復帰にとりましてどのような役割を担うと思われるか、法務大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(三ケ月章君) 法務大臣として、高齢受刑者の社会復帰にとって公的年金の果たす役割は大きいと考えるかという御質問の趣旨と承りました。 全く御指摘のとおりでございまして、出所後の生活保障を確保する上で公的年金の果たす役割は重要であると考えております。
○西川潔君 昭和三十六年に国民皆年金制度が実施されまして、老後の生活設計を立てる上ではこの公的年金はその基礎的な役割を担うわけですが、老齢年金を受給するためには原則二十五年以上の保険料納付期間あるいは免除期間が必要となるわけですけれども、満たない場合は老齢年金が受給できない、いわゆる無年金者になってしまいます。 そこで、厚生省に本日お伺いしたいのですが、公的年金に関する法律の中で、服役中の受刑者に対する特別な規定がございましたらお伺いしたいと思います。
○説明員(小牟禮敏秀君) お答えいたします。 年金受給者になりまして受刑者になったというときに年金が支給されるかという問題が一つございます。 現在の制度の中でございますけれども、国民年金制度におきまして、いわゆる無拠出の年金制度、いわば老齢福祉年金、それから二十歳前の障害年金をもらっている方、こういう方につきましては、監獄または労役場その他これに準ずるところに拘禁されたときには支給が停止される。 この考え方としましては、無拠出の年金でございまして、全額国庫で年金を給付しているということでございまして、こういうところに収容されている間は国費によりその生活が賄われているという考え方から支給の停止がされているところでございます。そのほかの年金につきましては支給の停止はございません。
○西川潔君 そこで、お伺いいたします。 刑務所に入所中の場合でありましても当然公的年金への加入は義務づけられるわけですから、被保険者の中で例えば保険料を納付している、あるいは免除を受けている、そしてまた保険料を滞納している、こういう割合は把握されておられるのでしょうか。
○説明員(小牟禮敏秀君) はっきり申し上げまして、被保険者である者を受刑中とか一般とかの区分けはございませんで、何人が今受刑中というような記録はございません。それはちょっと今つかんでおりません。
○西川潔君 という厚生省からの御答弁をいただいたわけですけれども、公的年金受給の見通しについて、「もらえる」と言われるその初入者の方で五〇・一%、再入者では二一・五%となっているわけです。 刑務所入所中の場合でありましても、国民年金の加入は国民の義務であるということでございますので、保険料の負担能力がない場合には免除制度が設置されているわけですから、二十から六十歳までの全受刑者が滞納状態とならないよう、法務省といたしましても公的年金に対する指導を徹底するとともに、受刑者の加入状況につきまして調査を行っていただけないかと思うのですけれども、私はいろいろお願いすることばかりなんですが、このこともお願いできないでしょうか。
○国務大臣(三ケ月章君) 加入状況の調査でございますが、これを実施するといたしましてもプライバシーの問題もございます。また、法務当局としては本人から事情を聴取するという程度が法務当局の限界でございまして、本人の認識が不正確でございましたり、あいまいな記憶に左右されるということが予想されないでもございません。不正確な情報しか把握できないおそれ等もある、このような次第でございますので、むしろこれまでのやり方を引き続きまして、受刑者の入所時の教育の機会などを通じまして、そして具体的に今御指摘の点などを指導することとし、個々の具体的なケースに応じた相談等についていわば個別的な指導を強めていくということをもう少しやってまいりたい、そういう形が適当ではないだろうかと考えておるところでございます。
○西川潔君 どうぞよろしくお願いいたします。 四十八分まででございますので、あと三分しかございませんのですが、次に会計検査院にお伺いしたいと思います。 平成三年度会計検査の結果におきまして、国民年金の未納保険料の収納の促進についての項目がございました。その内容について御説明いただきたいのと、最後に社会保険庁にその対応についてのお考えをお伺いしておきたいと思います。
○説明員(森下伸昭君) お答え申し上げます。 国民年金は、国民の老齢、障害等に関しまして年金の給付を行うものでございまして、その費用は被保険者の納付する保険料などにより賄われているわけでございます。 そこで、会計検査院で保険料の納付の状況を北海道ほか十八都府県の五百二十一万余人を対象として調査いたしましたところ、その未納者百三十九万余人のうち、国民健康保険の保険料を最高限度額で納付していて、その上、過去に国民年金の保険料の納付実績もあるという、そういう納付の督励を強化する要があると認められる者が二万三千三百九十三人見受けられました。これらの者に係ります平成二、三両年度の未納保険料は三十八億余円に上っております。 そこで、このような場合に納付督励を強化する要があると認められる者の具体的な選定要件などを定めて、社会保険庁では市区町村に示し、また社会保険事務所と市区町村が連携をとることにより積極的な納付督励を行うよう指導するなどいたしまして、未納保険料の収納の促進を図る要があるというふうに認められましたので、社会保険庁に対しまして是正改善の処置を要求したものでございます。
○説明員(小牟禮敏秀君) 国民年金の保険料の収納につきましては、個人個人から収納するということで非常に困難な面もございますけれども、特に都市部におきまして人口の移動が激しい、また若年者につきましては年金の理解が薄いということ等がございまして難しい面もございますけれども、これまでも保険料を納めやすい環境づくりに努力する、また納付していない者に対しましては個別に納付督励をし、また説得をするという努力を重ねてきているところでございます。 具体的には、口座振替の推進を行うとか、保険料を納めやすい環境をつくりまして理解していただく。また、納め忘れ等につきましては催告状の発行とか、また電話による督励とか督促とか、それから戸別訪問等を実施しているわけでございまして、国民の国民年金に対する参加意識の向上に努めておりまして、年々着実に向上を見ているところでございます。 しかしながら、昨年、会計検査院の指摘を受けましたことでございますし、我々、検査院から指摘を受けましたことを踏まえまして、収納実績が不振な都市部が中心になっておりますので、その都市部対策といたしまして高額所得者等の保険料負担能力が十分ある者、こういう者に対しまして的を絞って納付督励に取り組んでまいりたいと思っております。また、そのときには、あわせて公的年金のメリットというものを周知しながら契約していきたいと思います。今後とも我々こういう面で努力していきたいと思います。
○西川潔君 ありがとうございました。
○浜四津敏子君 浜四津でございます。よろしくお願いいたします。 初めに、ゼネコン疑惑の解明について法務大臣に五点お伺いいたします。 今政治改革が細川内閣最大の課題となっております。長年にわたる政官財の癒着構造は、政治と金に絡む不祥事を絶えることなく生み続けてまいりました。国民の信頼を回復する政治改革を一日も早くなし遂げることが私ども政治に携わる者の責務であるというふうに考えております。そのためにもゼネコン疑惑の徹底解明は不可欠でありまして、また検察の威信回復にも大きく寄与するものであるというふうに考えております。 十月二十八日には石井前仙台市長の初公判が開かれました。また、その二日前の二十六日には鹿島建設の副社長が逮捕されるなど、事件は依然とどまる気配を見せておりません。 事件の捜査方針にかかわる質疑は差し控えますが、第一点は、ゼネコン事件の捜査の現況について、殊に何か新たな進展があったのかどうか、簡単に御報告をお願いいたします。 第二点。十月八日に官房副長官が、逮捕者は首長どまりではないか、こういう発言をいたしました。それに対しまして法務大臣は直ちに不快感を表明されたと聞いております。検事総長を指揮される立場におられる法務大臣の事件に対する決意のあらわれの一端であると理解しておりますけれども、大臣の決意のほどをお伺いしたいと思います。 第三点。大臣は就任の記者会見で検察の盾となるというふうにおっしゃいました。また、官房副長官の捜査見通しに対する発言に不快感を示されました。これらは、ゼネコン捜査及びその処分に対して政治的圧力をかけるような指揮権発動などは毛頭考えておられないということの決意のあらわれとは存じますが、検察庁法十四条で認められております法務大臣の指揮監督権についての認識及び対応をお聞かせいただきたいと存じます。 第四点。捜査状況の中間報告を参議院にお出しいただけないかとお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。 第五点。国会の国政調査権についてのお考えをお伺いしたいと思います。 国会は国政上のさまざまな事実を十分に知った上で的確な判断を下すことが必要でありまして、そのために国政調査権というものは本来的かつ固有の権利と位置づけられてまいりました。とりわけ英米法では、強制権の裏づけのもとに強力な役割を発揮してまいりました。これに対しまして、日本においては現実には必ずしも強力な役割を果たしてきたとも言えないと思います。また、その的確な行使がなされてきたのか疑問に思うところもございます。 憲法第四十一条には、国会は国権の最高機関であると定められております。また、国民には知る権利がございまして、国会は国民への情報提供の機能も果たすべきではないか、したがって国政調査権は強力な機能であるべきだという意見もございます。 また、東京地裁、昭和五十五年七月二十四日判決は、次のように判示しております。国政調査権と検察権の併行調査は原則的に許容される。そして、一定の場合に限って例外的に国政調査権行使の自制が要請される。その自制が要請される例外的な場合とは、司法権の独立ないし刑事司法の公正に触れる危険性があると認められる場合であるとして、具体的な例を挙げております。 その一つは、起訴、不起訴について政治的圧力を加えることが目的と考えられる場合。二番目は、起訴事件に直接関連ある捜査及び公訴追行の内容を対象とする調査である場合。三番目に、捜査の続行に重大な支障を来す方法による調査の場合。こういう例外的な場合には自制せよ、こう判示しております。 従来、殊に政治腐敗事件については、単に捜査中であるという理由によりまして国会ではほとんど何ら意味のある答弁がなされずにまいりました。しかし、捜査中との一事をもって国政調査権に応じないというのは十分な根拠がないのではないかというふうに考えておりますが、どのようにお考えでしょうか。 以上五点、まとめてお答えいただければと思います。
○国務大臣(三ケ月章君) 五点のお尋ねをいただきましたが、第一問の捜査の現況につきましては刑事局長の方からお答えさせていただきたいと存じます。
○政府委員(濱邦久君) 第一点の、いわゆるゼネコンをめぐる贈収賄事件の捜査の現況でございます。 この件につきましては、東京地方検察庁が本年七月十九日から十月十八日までの間に、前茨城県知事竹内藤男外六名を収賄罪あるいは受託収賄罪によって、また株式会社間組前会長本田茂外十二名を贈賄罪によって、それぞれ東京地方裁判所に公判請求いたしました。 また、東京地方検察庁はその後十一月二日までの間に、前茨城県知事竹内藤男外二名を収賄の事実によりまして、また鹿島建設株式会社副社長清山信二外五名を贈賄の事実によって、それぞれ逮捕するなどして、現在なお引き続き捜査を進めているところでございます。
○国務大臣(三ケ月章君) 二番目から五番目までの御質問に対しまして一つずつお答えさせていただきます。 まず二番目の問題は、ゼネコン事件解明についての大臣の決意はどうかという御質問でございます。 いわゆるゼネコンをめぐる贈収賄事件につきましては、検察当局におきまして、大手建設会社役員及び地方自治体首長らを逮捕するなどして、法と証拠に基づき厳正適正な捜査処理を行っていることは、ただいま政府委員から具体的にお答えをしたとおりでございます。 私といたしましては、検察当局は今後とも刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づき不偏不党、厳正に対処するものと確信しておるところでございます。これが私の決意でございます。 第三問は、法務大臣の指揮権についての認識及び対応のお尋ねでございました。 検察庁法十四条が法務大臣に対して検察権の行使に関する一般的な指揮監督権を規定しながら、具体的事件に関する場合は検事総長のみを指揮することができると定めているのは、これは、検察権が行政権に属することによる法務大臣、すなわち内閣の一員としての法務大臣の責任と、また他面で司法権と密接不可分の関係にある検察権の独立性確保の要請との調和を図ったものと解しておるわけでございます。 私といたしましては、具体的事件の捜査や処理に関しまして検察権の行使に不当な制約を加えるようなことはいたさない所存でございます。これが指揮権についての私の認識でございます。 次のお尋ねは、ゼネコン事件捜査状況の中間報告をすべきだがどうか、こういうお尋ねであったと思います。 いわゆるゼネコン事件につきましては、国会から中間報告を行うようにとの御要請がありましたならば、その時点において法令に照らして御協力できる範囲や内容について検討することとなります。しかしながら、本件につきましては、東京地検による捜査が続けられているところでありますので、その点を踏まえながら適切に対処してまいりたいと考えておるところでございます。 最後の御質問は、国政調査権に対する協力のあり方、国政調査権についての私の所見の御質問がございました。 これまでのお答えの中にもちょっと出てまいりましたが、検察権の行使、これはもちろん行政権の一部でございます。したがいまして、国政調査権の対象となるものではございますが、これも先ほど申しましたように、その一面だけでなく、もう一面は司法権と密接な関連を持っており、準司法的な性格を持つという点がございます。したがいまして、司法が公正に行われるためには、その前提をなす検察権もまた適正に行使される必要があるわけでございます。 そのようなことで、国政調査権の行使については法務、検察がこれに協力すべきは当然でございますが、あとの点、すなわち三権分立、特に司法権の独立等の憲法上の諸原則やこれに由来する法令上の制約、例えば刑事訴訟法四十七条などの制約がありますことから、法の許容する範囲を超えて協力することを控えなければならない面があることも十分御理解をいただきたいと存ずるのであります。 いずれにせよ、今後、国会から国政調査権に基づき具体的な御要請がありましたならば、先ほども触れましたようにその時点においてどのような御協力ができるか検討したいわけでございますが、ただいま申しましたような制約もあり、慎重な検討を要する事柄であることを改めて御理解いただきたいと存ずる次第でございます。
○浜四津敏子君 次に、子供の人権保障のための国内法整備について伺います。 一九八九年十一月二十日の国連総会で採択されました子どもの権利条約は、本年十月十八日現在批准国百五十一カ国、署各国十六カ国に及んでおります。我が国においてもさきの国会で承認が得られる予定でありましたが、解散により残念ながら再び見送られる結果となりました。一日も早い批准が切望されるところであります。 子供の人権保障の観点から今回は四点、一点ずつ質問させていただきます。 第一点。これまでに機会あるごとに繰り返し指摘されてきた点ではございますが、非嫡出子に対する差別は何ら正当な根拠を持たないものと思われます。したがいまして、これを容認する規定の見直しをするべきであるというふうに考えます。中でも民法九百条四号は、非嫡出子が遺産相続をする場合に、その相続分が嫡出子の二分の一とされております。本年六月二十三日、東京高裁におきまして、民法九百条四号の規定は憲法十四条一項に違反する、こういう旨の決定がなされました。非嫡出子差別廃止についての御見解及び今後の廃止へ向けての取り組みの見通しについて伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(三ケ月章君) 嫡出子と嫡出でない子の相続分の差異を定める民法九百条四号ただし書きの規定でございますが、これは児童の権利条約に抵触するものではないというふうにこれまで政府として考えてまいりましたし、またその目的は正当な婚姻関係及びこれによって生じた家族を保護することにあり、憲法十四条に違反するものではないと考えております。 ただ、先ほども御指摘いただきましたように、いろいろ新しい問題も出ておるところでございます。したがいまして、今後もこのような制度を維持するかどうかにつきましては立法政策の問題といたしまして、国民の価値観の変化や国民感情の動向などを見きわめながら慎重に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
○浜四津敏子君 それでは次に第二点、子供の養育費の支払い確保について伺います。 夫婦が別居しまたは離婚した場合でも、その夫婦に未成年の子供があれば夫婦ともに共同でその子を養育する責任があります。 ところで、現実の問題といたしましては、婚姻中、母親の多くは、子供の養育のために家にいるか、あるいは職を持ち働いていたとしてもその収入は総じて低く、子供の養育費を含めた生活費の大半は父親が負担することが多いのが現実であります。このために、夫婦が別居または離婚した後に子供を引き取った母親は、子供を養育するだけの経済力がない場合が多くあります。離婚の際、養育費の取り決めが全くなされなかったり、あるいは夫婦が話し合いで、あるいは調停で、もしくは裁判などで月々の子供の養育費の支払いを決めたとしても、それが実行されないケースが多いのが現実であります。調停で決められた養育費を父親が支払わない場合には家庭裁判所からその父親に対する履行勧告等の制度がありますが、しかしこの制度も父親が任意に応じなければそれまでであります。 したがって、こうした場合に強制的に子供の養育費を取り立てようとすれば民事執行する以外に方法はありませんが、執行すべき財産を持っていなかったり、あるいは財産を持っていたとしても名義を変えていたり、あるいは職を転々としてなかなか執行できないといった場合が多く見られます。私自身も弁護士をしていた時代にはこうした事例にたくさんぶつかりまして、その日の生活費にも困る母子にこうした現実の壁が非常に厚くて幾度も歯がゆい思いをしてまいりました。 こうした問題を少しでも解消するために、四つの提案をさせていただきたいというふうに思っております。 まず第一は、協議離婚届け出に当たっての養育費取り決め届け出制度を新設してはどうかという点でございます。現在、協議離婚の届け出に当たりましては、離婚する旨、あるいはどちらが親権者になるか、そうしたことを届け出ればいいことになっておりまして、養育費については全く届け出の制度自体がございません。 第二が、裁判離婚の場合に、離婚判決に附帯して養育費の額及び支払い方法を定めることができる旨、人事訴訟法十五条一項に明示していただきたい。本来、人事訴訟法十五条二項によれば離婚判決に附帯して金銭の支払いを裁判所は命ずることができることになっておりますが、現実には月々の養育費支払いについては命じられない扱いになっております。そこで、この人事訴訟法十五条一項に明示していただいてはどうかというふうに考えております。 三番目は、養育費支払い命令制度の新設でございます。簡単な、緊急な必要に迫られる養育費支払いの問題でございますので、何とか現在の支払い命令制度に準じた養育費の支払い命令制度を新設していただきたい。 四番目は、養育費の立てかえ払い制度の新設を希望いたします。この制度につきましては、私ども女性の法律家でスウェーデンに行きましたときに向こうで学ばせていただいた制度でございますけれども、本来、父親が母親に支払うべき養育費を公共機関がまず立てかえて母親に支払いまして、その後この公共機関が国なり地方公共団体なり、あるいは特別の公共機関でも結構でございますけれども、そこが父親から債権として取り立てる、こういう制度でございまして、もう既に実施されておりました。日本においても決して不可能なことではないというふうに考えます。 これらが実現されれば、生活に困る母子は格段に減るはずであるというふうに考えておりますが、この点についての立法政策の問題あるいは法整備の問題ということになりますが、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(濱崎恭生君) ただいま四点についての御提案をお伺いしたわけでございますが、順序は逆になりますが、まず二番目に御指摘の人事訴訟法十五条一項の規定の関係についてお答えさせていただきます。 御案内のとおり、現行民法の七百六十六条で、父母が協議離婚するときは子の監護をすべき者その他監護について必要な事項を協議で定めるということになっておりまして、それを受けて人事訴訟法では、離婚の訴えにおいて申立人によって子の監護をなすべき者その他子の監護に必要なる事項を定めるというふうに規定されているわけでございます。 この人事訴訟法の規定の解釈につきましては、従前はこの中に監護費用の金銭給付を命ずることが含まれるかどうかということについて解釈の争いがあったというふうに承知しておりますが、平成元年十二月十一日の最高裁判決によって、離婚判決の主文で、当事者の申し立てがあれば、離婚後の監護費用の支払いを命ずることができるという判例が出されて、現在の実務としては、一般にそういう申し立てがあればそれに対応する裁判をするという運用がされているというふうに伺っているところであります。 なお、この問題に関しましては現在、法制審議会身分法小委員会におきましても離婚法制の一つの問題点として、今申しました民法七百六十六条の中にもう少し具体的にこの養育費用の分担義務を明記するかどうかということが一つの検討課題になっておりまして、これは法制審議会でどういう結論が出るかはまだわかりませんけれども、それに関連する問題として検討されるものと考えております。 それから、一番目と三番目の協議離婚の届け出に当たっての養育費取り決め届け出制度、それから簡易な養育費支払い命令制度の新設という御提案でございました。この簡易な支払い命令制度の新設という中身がどういう中身のものであるか、今の御質問から必ずしもしかと認識できなかったわけでございますが、恐らく離婚届に当たってその取り決めを届け出て、それと連動させて簡易な支払い命令制度というような御提案ではないかというふうに理解いたしまして、そういう前提でお答えさせていただきます。 そういう制度をとることが必要かどうかということについては、いろいろ実態の調査の必要性の問題もございますが、そういう制度につきましては、届け出に当たって提出された合意書が本当に双方の合意によって真正につくられたものかどうかということを担保する手段をどうするかといったような問題、それから、そこで支払い義務者とされた者の手続保障が支払い命令制度の中にどういうふうに生かせば十分かどうかといった問題、それから、そういう類似のいろんな家事関係の債権債務の問題があるわけでございまして、財産分与でございますとか扶養料でございますとか、そういった各種の家事関係の債務についての取り扱いとの関連でこれだけをそういうことにするのがいいかどうかといったような問題、そういった観点からいろいろ慎重に検討する必要がある問題点を含んでいるのではないかというふうに現在認識しているところでございます。 それから、四番目に御指摘の立てかえ払いの制度でございますが、この問題は単に民事法の問題ということよりも社会保障の制度全般とも深く関連する問題でございまして、国全体の施策のあり方にもかかわるということでございますので、現段階で法務当局からいいとか悪いとかということを申し上げるのはちょっと差し控えさせていただきたいというふうに考えております。
○浜四津敏子君 わかりました。 それでは次に第三点、子供の虐待防止のための法整備について伺います。 近年、我が国におきましては子供の虐待の事件が目立って増加しております。世田谷区で子供の虐待の問題に取り組まれてこられた子供の虐待防止センター代表の広岡知彦さん、そしてその活動を支えておられる方々に本年六月にお会いし、お話を伺う機会がありました。子供の虐待の相談は全国で年間千五百から千六百件ある、一日多いときには十件の相談が寄せられるというお話でした。苦しんでいる母親、罪悪感を持ちながら自分でもどうしようもなく子供を虐待してしまう、こういった母親を手助けし、また子供たちを助けたいという思いから始めたこの活動は、当初活動の資金すらありませんで、借金して出発したということでございます。現在はようやく東京都の支援を受けて、その財団から一部のみ援助を受けるようになったということでございますが、国からの補助は現段階では全くなされておりません。 我が国ではこうした民間の心ある人の活動、そしてまた児童相談所等の関係諸機関の現場において個々的に防止及び救済に取り組んでいるのが現状であります。国として子供の虐待を予防する取り組みも弱く、また被虐待児を発見し、保護し、また助けるための系統的かつ統一的な法制度を含む制度一般が存在しておりません。子どもの権利条約は、虐待から子供を保護するためにあらゆる適切な立法上、行政上、社会上、教育上の措置をとることを要請しております。法的にも民法の親権喪失の規定や、あるいは児童福祉法の要保護児童の通告、また一時保護の規定等の関連規定が個々ばらばらに存在するのみで、統一的な法律の制定が望まれるところでございます。 今回は時間の関係もありまして、親権に関連する部分のみ質問いたします。 現在、虐待されている子供は、必要に応じて児童相談所長が児童相談所に一時保護し、あるいは親権者の意に反する場合に家庭裁判所の承認を得て施設入所措置をとって保護しております。しかし、この場合にも、親が強引に子供を引き取りに来た場合に、行政解釈では子供を返さなければならないというふうに考えられておりまして、再び虐待され子供の身体に重大な危害が加えられることが明らかな場合であっても、子供を親元に返さざるを得ないというのが実情であります。 私ごとで恐縮ですが、弁護士としてかかわったことがございますが、これも法制度あるいはその他の制度不備のために、親がどうしても引き取りたいと言った場合に返さざるを得ませんで、どう助けようもなかったというケースがございました。 児童相談所への保護及び入所について裁判所の許可あるいは命令などの強制的な手続を設け、必要に応じ親権の一時停止、一部喪失等の弾力的な制度の新設が必要と思われます。親権の喪失の手続をとればいいではないかとおっしゃるかもしれませんが、家庭裁判所はなかなか親権全部を喪失させるということには消極的でございます。また時間的にもかかります。何とか弾力的な制度を新設してこうした緊急の援助が必要な場合に対処していただきたい、こう希望しております。これについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(濱崎恭生君) 御指摘のように、親権に関する民法の規定の運用、これは主として家庭裁判所の場で運用されるわけでございますが、他方、児童福祉法を所管されているところで行政的な児童の福祉の保護を図っておられる。それぞれの立場で処理しておられるわけですが、家庭裁判所と児童相談所との間については運用上いろいろな協力関係を持ってやっておられるように伺っておるところでございます。 御指摘の親権の一時停止、一部喪失等の導入の問題でございますが、御案内のとおり、あるいはただいまも御指摘がございましたように、民法上は民法八百三十四条において親権喪失宣告の制度が設けられておりまして、さらには家事審判法十五条の三、それからそれに基づく家事審判規則七十四条等の規定によりまして、親権の喪失の宣告の申し立てがあった場合に、子供の利益のために必要があるときは、申立人の申し立てによって、審判の効力が生ずるまでの間、本人の職務の執行を停止し、あるいはその職務代行者を選任することができるという規定もございます。この中立人は民法上は親族または検察官ということですが、児童福祉法の規定によって児童相談所長も親権喪失宣告の申し立てをすることができる。申立人になれば、ただいま申しました家事審判法に基づく仮処分の申し立てもすることができるということに相なろうかと思うわけでございます。 そういったことで親権の剥奪あるいは停止ということに対応しているわけでございまして、それを超えてさらにもっと簡易に、必要な一定の期間、一時的に親権を制限したり停止したりする制度を御提唱されているのだと思いますけれども、そういった制度については、そういった制限、停止をどのような要件、どういう場合にやるのか、だれを申し立て権者にするのか、あるいはそういった申し立てが逆に乱用されるおそれがないかどうか、そういったいろいろ難しい問題がございますとともに、親子の問題に公的機関、特に裁判所がどこまで介入すべきなのか、余り介入し過ぎると弊害が生ずるおそれがないかといったようなことについていろんな御意見があるのではないかなというふうに推測しているわけでございまして、そういった諸問題について慎重な検討が必要な問題ではないだろうかというふうに考えているところでございます。
○浜四津敏子君 今お答えいただきました親権喪失を目的とした、その前段階の仮の親権一時停止とか、あるいは申し立て権者、児童相談所長あるいは検察官、こうした制度は現行の制度では十分に機能しておりません。現実に子供が親によって殺された、こういう事件もかなりございますけれども、そうなって初めて国が何らかの手を差し伸べるというのでは遅いというのが現場の実感でございます。何とかこうした現場の声が十分に反映できるようなシステムを早急にとっていただきたい。親子の間に国があるいは公権力がなるべく介入しない方がいいということについてはそのとおりとは思いますけれども、少なくとも抵抗の手段を持たない子供たちが現実に虐待され、また本当に生命、身体に重大な侵害を及ぼされる事件がふえてきておりますので、何とか早急に御検討いただきたいというふうに思います。 それでは第四点、子供の人権を守るための少年司法のあり方について伺います。 本年一月、山形県の中学校で一年生の児玉有平君が体操用マットの中で窒息死させられるという大変痛ましい事件が起こりました。この事件においては少年事件の捜査のあり方が問われ、さらにまた少年審判のあり方が問われました。近年、少年がかかわったと見られる大きな事件での冤罪が相次いております。こうした冤罪につきましては、密室での取り調べあるいは威圧されながら自白を強要された、こういう捜査のあり方が冤罪を生んだんだという指摘がなされております。 子供たちの人権を守り、また冤罪を防ぐためには、捜査のあり方の見直し、そしてまたそれとともに、逮捕された段階から付添人、特に弁護士による付添人をつけ審判に立ち会わせるということを制度化することがぜひとも必要かと思われます。必要的付添人制度及び国選による付添人制度の導入が必要と考えますが、捜査のあり方について及び付添人制度についての御見解及び見通しについて伺います。 また次に、現行の裁判所法では家庭裁判所が行う少年事件の調査及び審判はすべて一人の裁判官が単独で取り扱うということになっております。少年事件についてはより慎重に審理を行うことが要請されます。家庭裁判所が行う少年審判について、裁判官三人で行う合議体で取り扱うことが可能な制度を導入すべきであるというふうに考えますが、この点についての最高裁判所の御所見をお伺いしたいと思います。 ちなみに、家庭裁判所ではこうした少年事件のみならず、家事事件につきましてもすべて単独体で審理されております。一人の裁判官の方には余りにも大変過ぎると思われるような事件も多々ありました。家庭裁判所における家事事件につきましての合議体審理の制度の導入についても関連してお答えいただければと思います。 また、子どもの権利条約におきましては黙秘権の告知を要求しておりますが、現行少年法には黙秘権告知の規定がありません。また証人尋問権、特に反対尋問権も現行法上保障されておりません。また上訴権についても制限されております。 真に子供の人権を守るための少年司法のあり方について、殊に否認事件においては適正手続の保障をすべきと考えますが、どのようにお考えなのか、検討されておられるのか、またその見通しについてお伺いいたします。
○政府委員(濱邦久君) 先に法務省の方からお答えできる範囲のことをお答えさせていただきたいと思います。 委員のお尋ねの第一点の必要的付添人制度あるいは国選による付添人制度の導入の可否の問題でございます。 これはもう委員も十分御案内のとおり、現行法のもとでは、少年は被疑者または被告人といたしましては刑事訴訟法によりまして成人と同様に弁護人選任権が認められているわけでございます。また、事件が家庭裁判所に係属中は少年法によって付添人を選任することが認められているわけでございます。 ところで、昭和五十二年の法制審議会の少年法改正についての中間答申には、これも委員十分御案内のとおりでございますが、国選付添人制度、それから年長少年の一定の重大事件についての必要的付添人制度が、少年審判における検察官関与等とともに盛り込まれていたわけでございます。この答申に基づく改正には、日弁連等の反対もありましたなどの事情もあって立法には至っておらない、今直ちに立法できるという見通しも立っていないわけでございます。 それから、第三番目の御質問になるわけでございますが、現行少年法についての、例えば黙秘権告知の規定がない、あるいは証人尋問権、特に反対尋問権が保障されていないのではないか、あるいは三十二条で抗告が制限されている、こういう点についての考え方はどうかというお尋ねについてお答えを申し上げたいと思います。 委員が御指摘になられましたとおり、少年法には黙秘権あるいは証人尋問権に関する具体的な規定はございません。しかしながら、現在行われておりますところの実務の運用におきましては、これらの権利は十分に保障されているものというふうに承知しているわけでございます。 もう少し具体的に申し上げますと、実務の運用につきましては、これは本来法務省でお答えすべき事柄ではないかもしれませんが、私ども承知しておりますところについてお答え申し上げますと、まず委員御指摘の黙秘権告知の点でございますけれども、在宅の事件につきましては、各家庭裁判所において、例えば少年と保護者の皆さんへなどと題する書面を少年に郵送あるいは交付するという方法で黙秘権等を告知しているというふうに承知しているわけでございます。また、身柄事件の場合には、家庭裁判所において観護措置決定を行う場合に少年に対して黙秘権を告知しているというふうに承知しているわけでございます。さらに、審判を行う場合には、第一回の審判期日において裁判官が少年に対してまず黙秘権を告知する、その後に非行事実を説明して陳述を聞く運用がなされているというふうに理解しているわけでございます。 次に、委員が御指摘の証人尋問請求権の問題でございます。 少年法は、申すまでもないことでございますが、職権主義的審間構造をとっていることから、少年及び付添人からの直接的な証人尋問請求権に関する規定はございません。しかしながら、少年及び付添人は証人尋問に関しまして裁判官の職権発動を求める申し立てができるわけでございます。また、裁判官が合理的な理由がなくて証人を尋問しない、あるいはそれが保護処分の決定に影響を及ぼす場合には、これは抗告理由となるというふうにされているわけでございます。裁判官がこれを十分尊重する運用が定着しているというふうに考えているわけでございます。 少年審判の実務運用上は、裁判官は少年の言い分を十分に聞いた上で事実を争う機会を与えておるわけでございまして、少年が第三者の供述調書の重要な部分を争っているというような場合には、裁判所は原供述者、もとの供述者を証人尋問して少年側に反対尋問の機会を与えている。弁護士である付添人が選任されていない場合には、裁判官が少年側の希望する事項について少年側にかわって尋問するというような配慮もなされているというふうに承知しているわけでございます。 それから、委員が御指摘の第三番目の抗告の権利でございますが、少年法三十二条は、「保護処分の決定に対しては、決定に影響を及ぼす法令の違反、重大な事実の誤認又は処分の著しい不当を理由とする」抗告を認めておりますけれども、保護処分の決定以外の決定については、抗告は認められていないわけでございます。 その理由につきましては、ごくかいつまんで申し上げますと、例えば審判不開始及び不処分決定に対する抗告が認められていないというのは、これは非行事実の存在を認めた点を争いたいという場合でありましても、これらの決定が少年にとっては不利益な処分ではないということなどから、刑事訴訟手続においても免訴、控訴棄却、管轄外の裁判に対する被告人の上訴が認められていないのと同様に、抗告を認める必要はないと考えられているからであろうというふうに考えるわけでございます。 また、児童相談所長等送致決定あるいは刑事処分相当の検察官送致決定につきましては、これは端的に申しますと、当該事件の処理という面から見れば、言うなれば中間的な処分にすぎないという理由から抗告を認める必要はないというふうに考えられているものと理解しているわけでございます。 いずれにいたしましても、昭和五十二年の法制審議会の少年法改正についてのいわゆる中間答申では、「少年の権利保障の強化及び一定の限度内における検察官関与の両面から現行少年審判手続の改善を図るものとすること。」とされておるわけでございます。 委員御指摘の見地からの改正事項として、少年の証拠調べ請求権及び証人尋問請求権等について事実認定手続に関する規定を整備するということ、それから少年等の不服申し立て制度を整備してこれを拡充するということが盛り込まれているわけでございます。この答申に基づく改正には、先ほど申し上げましたように、日弁連等を初めとして強い反対があることなどから実現には至っていないわけでございます。 質問事項が多岐にわたっておりますので、項を分けてお答えいたしました。以上でございます。
○最高裁判所長官代理者(木村要君) それでは私の方からは、少年事件や家事審判事件につきましても裁定合議制を導入すべきではないかという御意見につきまして、簡単にお答えいたします。 裁判所法三十一条の四によりますと、家庭裁判所が審判または裁判を行うときは一人の裁判官で取り扱うものと定められております。これは家庭裁判所で取り扱う事件の中にはさほど複雑でないものが少なくないばかりでなく、家庭裁判所には、いわゆるケースワーカーとしての家裁調査官というものが置かれておりまして、裁判官はその補助を受けることができる関係からも合議制を採用する必要性が少ないからというように説明されております。しかし、少年事件の中にも極めて重大な事件や非行事実の認定が困難な事件が存在するということ、また家事審判事件の中にも、遺産分割事件のように当事者が多数で事案の複雑な事件が存在することも否定できないところであります。 したがいまして、少年事件及び家事審判事件につきましても裁定合議制を導入すべきではないかという意見は、十分に傾聴に値するものとこちらも考えております。ただ、合議制の導入が少年審判や家事審判の構造等にどのような影響を与えるかなど検討を要する点もあると思われますので、今後これらの点を含めた総合的な検討が必要ではないかと考えております。 以上です。
○浜四津敏子君 ありがとうございました。
○稲村稔夫君 私は、今度初めてこの決算委員会で質問させていただくということになりました。したがいまして、きょうの決算の質疑ということの中では、皇室費だとか会計検査院のあり方であるとか国会図書館の経費であるとか、いろいろとわからない点も随分ございまして、本当はいろいろと聞きたいことがいっぱいあったわけでありますが、私の持ち時間は三十分でございますので、きょうは法務省関係に絞る、しかもその法務省関係と言っても二点に絞ってお伺いをしたいと思います。 という準備をしておりましたところが、衆議院の政治改革の委員会で、私が一番聞きたいと思っておりました濱刑事局長がまた呼ばれている、こういう話であります。そこで、濱局長に先にお伺いをして、しかもそれを一問一答やっていますとまた時間が食ってもいけませんので、伺いたいことを先にそれぞれ申し上げますので、ひとつお答えをいただきたいと思います。 それは企業献金、特に政治腐敗と極めて深いかかわりがあると言われていますゼネコン汚職等についてということであります。 ここのところ、ゼネコン汚職の根の深さというのはもう大変なものであって、広がりも大変だという状況で、毎日毎日、新聞でどこかに何かが報ぜられている。とうとうけさの朝日新聞等は、トップでゼネコンと政治家とのかかわりがかなり大きく、かかわりと言ったらあれかもしれませんけれども、盆暮れつけ届けなんでしょうか、というようなことが掲載されたりしております。それだけにこの問題は、大変根が深いと同時に広いという問題であると思います。 さらに、これは政治とのかかわりばかりではありませんで、もう既にゼネコンの大手建設会社では不正事件というようなものも起こっているということが報道されたり、現に横浜地検で大成建設の室長らが逮捕されたというようなことが報ぜられたりしております。また、鹿島建設の石川会長が、郵政審会長を初め幾つかの公職である審議会会長等をやめられる。やめられるという報道が載ったらもう間もなく、今度は鹿島の本社もいろいろと汚職に関与していたのではないかという疑いで事情聴取を受けているなどという報道があります。こういうことを見てまいりますと本当に根が深いと思うんであります。 そこで、このゼネコン汚職の捜査を通じて一体どの程度のことを知ることができるのか、明らかにすることができるのかということに私どもはやはり大きな関心を持っているわけであります。今後、この捜査はまだ相当期間継続をされるということになるんだろうか、あるいは近いうちに終結をしてその全容が我々の前に明らかにされるんであろうかというようなこと。それからさらにその中でも、特にこの捜査を通じて、いろいろな裏金づくりというのがやられているけれども、裏金づくりというのは錬金術とも言われる、この錬金術の全容というものを明らかにすることが可能なんだろうか、本当に今の捜査を通じて錬金術が全部明らかになるんだろうか。それを明らかにすることによって悪をとめることができる、方法が見つかる、こういうことにもなるんじゃないかと思いますし、それらの点についての、これは法的な制約もいろいろとあるんじゃないかという気もいたしますし、その辺のところをお聞かせをいただきたい。 また、私は新潟の出身なものですから、佐川問題の新潟ルートというのはまだこれからというような感じが私はしているのでありますが、これはさらに捜査を継続していかれるんであろうかどうだろうかというようなことについてお答えをいただきたいと思うんです。 できるだけ具体的にわかりやすくしていただければありがたいと思います。ただし、時間の関係もはかりながらです。
○政府委員(濱邦久君) まず、委員お尋ねの、いわゆるゼネコンをめぐる贈収賄事件の捜査がまだ相当期間継続されるのか、あるいはどういうことになるのかというお尋ねの点でございます。この点につきましては、改めて申し上げるまでもないことでございますが、捜査の終結を含めまして、検察が今後どのように捜査を続けていくかということにつきましては検察当局が判断する事柄でございますので、法務当局からその見通し等についてお答えすることは御勘弁をいただきたいというふうに思うわけでございます。 それから、いわゆるゼネコンをめぐる贈収賄事件、現在東京地検において進めております事件の捜査を通して、今委員のお言葉にございました例えば裏金づくりの錬金術というものの全容を明らかにすることは可能なのかどうかというようなお尋ねの点でございます。これも改めて申し上げるまでもないことでございますが、刑事事件の捜査は、個々の具体的事案につきまして特定の犯罪に関する被疑者の刑事責任があるかどうか、あるとすればその程度はいかがなものかということを判断するために必要な証拠を収集することを目的とする手続でございます。いわゆるゼネコン事件についても同様のことが言えるわけでございます。 したがいまして、いわゆるその裏金づくりということについても、裏金づくりの全容解明自体を目的として捜査を行っているものでないことはもとより申すまでもないことでございますし、それが被疑者らの刑事責任の有無、あるいはその程度を判断するために必要である限度で捜査の対象となり得るものであるということを御理解いただきたいというふうに思うわけでございます。 それから、最後のお尋ねの中で、佐川事件関係の新潟ルートの捜査に触れられた御質問でございます。これは委員も御案内のとおりでございますが、昨年の十二月に検察当局において金子清陣営等に対する政治資金規正法及び所得税法違反事件の告発を受け、その告発を受けた事態を踏まえまして、それまでの捜査を踏まえながら所要の捜査を行っているところでございます。しかしながら、その進捗状況等につきましては、これは捜査の中身と申しますか捜査の秘密に属する事柄にわたることになりますのでお答えは差し控えさせていただきたいというふうに思うわけでございます。
○稲村稔夫君 多分、刑事局長の御答弁はそんなふうになるんだろうと想像しながら質問をしているんですけれども、しかし、私はそこのところがやっぱりすとんとこないんですよ。 なぜかといいますと、報道ではいろいろなことが書かれるわけですね。ところが、国会には捜査上の秘密でございましてと、本当はこれはおかしいと思うんですよ。だから、今の刑事局長の立場ではそういうふうにしか答弁できないとするならば、これはどこか変えなきゃならない。犯罪というのは、もう釈迦に説法ですからあれですけれども、起こったのを罰するというよりも、起こらないようにすることが大事なんでしょう。ということになれば、もっといろいろなことが国会でもきちんとわかって、当然そういうことについていろいろな議論をしなければならない、こう思うのであります。この点は、後ほどまた法務大臣の御見解も伺いたいというふうに思っているわけであります。 そこで、もう一つの点では、刑事事件の捜査であるからその事実関係については証拠に基づいてと、これはもうそのとおりだと思うんですよ。しかし、例えが余りよくないから困る、言葉がちょっとうまいのが見つからないのですけれども、泥棒に入られた、泥棒の手口を全部解明していかないで、そういう泥棒を防ぐ手だてというのはどうやったら見つかるんですか。こういうことになると、錬金術というのは今非常に大きな問題なわけでしょう、裏金がつくられて物すごい量が流れているわけですから。そうすると、この手口がやっぱり明らかにされていかないとこれを防ぐ手だてというのはできてこないんじゃないか、そんなふうにも思うんですよ。 この点は、一つは国会という我々立法府で考えなきゃならない問題であることはもちろんなんですけれども、同時に具体的にそういう捜査なんかに当たっておられるそのいろいろな経験や知恵やそして情報が生かされてこなきゃそれに対応するものができないということになるんだと思うんですよ。ぜひその辺は何とかしないと、いつまでたっても、石川五右衛門じゃありませんけれども、浜の真砂と何とかはというような話が続くんじゃないだろうかと私は心配をいたしますので、その辺はどういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(濱邦久君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、捜査機関が犯罪の捜査を行いますのは、あくまでも被疑者の刑事責任の有無あるいはその程度を明らかにするという目的のために捜査を行うわけでございます。したがいまして、それゆえに刑事訴訟法等の規定によりまして、他人の秘密等にわたる事項にも強大な権限を行使して立ち入ることが許されているわけでございます。 言葉を変えて申しますと、そういう捜査機関が犯罪捜査の目的のために、刑事手続で使用する目的のために捜査を行うわけでございますから、その刑事手続に使用する目的で捜査の過程で得られた証拠資料あるいは捜査の過程で把握した事実等のいわゆる捜査の秘密にわたる事項につきましては、これが刑事手続以外の目的に利用される、あるいはそれが公になるということになりますると、司法手続に対する不当な影響を防止するとかあるいは捜査、公判に対する国民の協力を得るという観点からも、また関係者の人権、名誉を保護するという観点からも重大な支障が生じてくるわけでございまして、刑事訴訟法四十七条等の規定によって捜査の秘密に属する事柄についてこれを秘匿しなければならないとされていることは、そういう趣旨、そういう理由に出るものというふうに理解しているわけでございます。 もちろん、委員が御指摘になっておられるのは、例えば国政調査の場で、捜査機関が得た資料あるいは捜査の過程で把握した事実について、できる限りこれを明らかにすべきではないかという御趣旨の御意見であろうと思うわけでございます。もちろん法務当局におきましても、国政調査にできる限り法令の許す範囲内で御協力しなければならないという観点から、今申しました刑事訴訟法四十七条を初めとする法令の許される範囲内においてできる限りの協力をこれまでもしてきたつもりでございますし、今後もそのつもりではございますけれども、今申しました捜査上の秘密を秘匿しなければならないという法令上のいろんな制約あるいは司法権の作用との関係等にかんがみまして、なかなかお話しできないと申しますか、お答えできないのはそういう理由によるわけでございまして、そこはひとつ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○稲村稔夫君 濱さん、衆議院の方に呼ばれているんで気もそぞろだろうと思いますから、これ以上あなたに答弁は求めませんけれども、御答弁の内容はそのとおりなんだということで、生まじめな御答弁として私は伺っているんです。 しかし、こういう問題を将来何とかしなきゃならないということは、今までのような、法の範囲はこうだからというそのことだけで、国会とのコミュニケーションというのが必ずしもざっくばらんにやられていなかったんじゃないかという気もいたします。そういうものがないと、これが今後解決していけないものを随分含んでいるんじゃないか、そういう判断があるのであえて私は伺っています。もう結構です。 それで、法務大臣、今やりとりを濱刑事局長とやっておりましたけれども、問題はこういう政治腐敗をなくさなきゃならない、根絶しなきゃならないということになると思うんです。そして、それは先ほども言いましたように余りにも根が深く広くなっている。言ってみれば、政治腐敗というだけではなくて、もう政治家にそういうことをやっているのがあるんだったらおれたちだってやれるわいと、極端なことを言えばそういう社会的腐敗にまで病根を広げつつあるという感じで、これは私は極めてゆゆしい問題だと思っているんです。それだけに政治家の責任が大きいと思うんです。 そういたしますと、私が非常に短い時間で端的な、部分的なことを伺っていますから、なかなか靴の上からかかとをかいているような形になってしまうんですけれども、現実に今起こっていることを、どうしてそれが起こってくるか、その根源のところというのをやっぱり我々立法府は立法府なりに理解をして、そして立法が必要であれば立法しなきゃならぬということになると思うんです。そのときに行政府として立法府にどういう御協力がいただけるのか。 これは先ほど質問に出ていた国政調査権とのかかわりで、先ほどのお答えは私は極めて、何とい。うんでしょうか、今までの大臣と同じような御答弁なんだという感じがいたします。私はもっと法の条理に基づくきちんとしたお考えが大臣はおありになるんじゃないかと思いますので、その辺のところ、条文解釈ではなくて、条理としてどのようにお考えになるか、お答えをいただければありがたいと思います。
○国務大臣(三ケ月章君) 汚職の一掃とか政治腐敗根絶ということは、確かに今国民並びに政治に携わる者が直面している大きな問題でございまして、これに対してどういうふうに対処していくべきかという問題でございますが、法律家として私が考えておりますことは、先ほども刑事局長が言われましたように、検察権の行使というものは万能ではございませんで、やはり一つの枠と申しますか、刑事訴訟のための捜査をし、そして犯罪の処罰のために刑事事件として立件し、公判を維持するという目的によって制約されているものであり、そうして、だからこそ非常に強い捜査権も認められているものであると思うわけでございます。 そういうことでございますので、検察というものが社会悪というふうなものと闘うといいましても、これは万能ではございませんで、あくまでも枠の中にとどまるということが大事なことであり、枠の外に出ることはまた別な意味での危険を非常に多く包蔵するというふうに私は一人の法律家として考えておるわけでございます。 法務大臣として答弁するということになりますと、それを一般論として申し上げるということにならざるを得ないわけでございますが、そういたしますと、先ほども政府委員から申しましたように、やはりどうしても多少今までどおりの法務大臣の発言と同じではないかということにならざるを得ないわけでございます。 私人としての意見を述べることはこういう国会の法務大臣としての立場としては許されないことであると私は考えておりますので、その立場で申し上げさせていただきますと、大変恐縮でございますが、一般論として申し上げるならばというその限定で申し上げさせていただきますが、やはりこの汚職事件というものは、政治や公務に対する国民の不信を招来して民主主義の前提条件を損なうものである、非常に悪いことであるということになりますから、これを処理するために、検察権の行使というふうなことも現に要求されている面があるかと思いますが、それはあくまでも、今申しましたように法と証拠に基づいたそういう法的な処理というふうなところにとどまるべきであろう。 また、それ以上のことに立ち入っていろいろと申し上げるということは、先ほど申しましたように、検察権が非常に強い権限を持っていることであり、それが個人のプライバシーを害し、あるいは世間にほかのいろいろな波及的なエフェクトを及ぼすというふうなこととの対応関係におきまして、やはりこれは枠の中にとどめておかなければならないことであると考えるわけでございます。 そういう一般論として申しますならば、やはり私は、検察当局は現在まで、このたびのゼネコン汚職につきましてもその職責の範囲内におきまして権限を適切に行使しているものと、こういうふうに信じているわけでございますし、また、この種の事案について今後も取り上げるべきものがあれば取り上げ、厳正に対処する、こういうふうなことを信じているわけでございます。 余りかわりばえのない答弁でまことに申しわけございませんが、法務大臣として国会でお話しするというのはこれがやはり精いっぱいではないだろうかというのが私の考えでございます。
○稲村稔夫君 私はなお法務大臣には期待をしたいと思います。永田町の住人ではいらっしゃらないし、そしてまた、俗に言われている霞が関の住人でもいらっしゃらないんだと思うんですよ。そういう立場でやはり私はきちっと考えて当たっていただきたい。そのことが従来のパターンをどこかで乗り越えていただけるんではないかと、そんなふうに期待をしておりますので、どうぞひとつ頑張っていただきたいと思います。 ただし、もう一つだけこれは法務大臣に伺っておきたいと思いますのは、先日の衆議院の政治改革特別委員会で岡原元最高裁長官が参考人としていろいろとお話しになったということの中に、八幡製鉄の企業献金を容認した一九七〇年の最高裁判決についてはいろいろ政治配慮があったのではないかという意味のことを述べられたというように新聞報道は載っております。私は、判決に政治判断が入るということになればいろいろとまた考えなきゃならない問題があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、その辺は大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(三ケ月章君) 八幡判決につきましては、大分前のことでございますから、多少申し上げたいこともございますが、お時間が足りないというのでその内容には立ち入らないで、今の御質問に端的にお答えさせていただきます。 裁判所の判決と申しますものは、裁判書き、裁判書でございますね、判決書に記載されたところに従ってのみ受け取るべきものであって、そこに記載されたもの以上の事情というふうなものは、特に法務大臣としてあるいは学者としては知り得べきものではないと思うわけでございます。したがいまして、御指摘の発言、岡原さんかどういう趣旨でおやりになったかというふうなことにつきましては、これは論評は差し控えさせていただくのが適当である、こういうふうに考えるわけでございます。
○稲村稔夫君 私は、人間の集まっているものは、組織にしてもあるいはこういう機構にしても、それぞれやはり人間と同じものを持っていると思うんですよ。ですから、全然周囲のことを判断の中に入れないで独自に歩くなどというのはあり得ないと思っています。ただ、その程度の問題がいろいろと問題になるんだと思います。 そういう意味では、裁判所の判決の中にいろいろな配慮が働くということが皆無だと私は言えないんだと思います。許される範囲というのがあるんだと思います。そういうことなども考えてまいりますと、しかしこれは元最高裁の長官の御発言だけに、企業献金を容認したのは政治的ないろんな判断が入ったということにもしなるとすれば、そこのところはやはり許される範囲というのからちょっと超えているのかなという感じも、これは私個人の考えですけれども、感じとして持つわけであります。そういう意味では、やはりきちっと大臣の方も事実関係をお調べになられた方がよろしいのではないだろうかというふうに思います。 ということをやっていましたら、もうあと私の持ち時間は四分しかなくなってしまいました。 そこで、コンピューター化の問題に入らせていただきます。 登記事務のコンピューター化について、私は、実は総務庁の行政監察の結果というのを拝読いたしましてからちょっとびっくりしていることがいっぱいあるわけであります。本当は技術的なことも随分いろいろと伺いたいところがあったのでありますけれども、時間がありませんから問題点の一つと思うことだけを伺います。 それは、決算委員会ですから予算の執行の関係でいきますと、コンピューター化を計画しているのに、その計画している庁舎がコンピューターを置く場所を入れないで新築をしているというものが中にどうもあるようであります。庁舎整備計画の状況という中で、せっかく庁舎をつくってもコンピューター計画の中で全部全国ネット化していかなきゃならないようですね。サービス化、一本化していかなきゃならないんでしょうが、コンピューター計画によって機材を置いたりいろいろ配置をしていくそういう施設を全然しないで、庁舎は庁舎なりの縦割り予算でずっと建ってしまっているというのがあるそうであります。 こういう指摘があるんですけれども、これは修正をされましたか。計画は事実でありましょうか。そしてこの計画が事実だとすれば、計画と庁舎整備計画とが整合性が合うように検討し直されたでありましょうか。その辺のところだけお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(濱崎恭生君) 登記事務のコンピューター化につきましては、現在約千百庁ある登記所のうちで七十四庁がコンピューター化しているという実情でございまして、これまでは必ずしもコンピューター化が十分に進んでおらなかったという経過の中で、行政監察結果の中で御指摘を受けているような実情が従前はあったということはそのとおりであろうというふうに思っております。ただ、現在は庁舎整備計画とそれからコンピューター化の展開計画というものの整合性を十分にらみながら庁舎整備を図っているということでございます。 ただ、コンピューター化計画はこれからさらに十年あるいは十数年かかるという見込みを持っておりますが、そのコンピューター化がずっと先になる庁については、やはり庁舎が狭隘、老朽であるということからとりあえず整備しなきゃならないというものもあるわけでございまして、その辺についてはやはりどうしてもとりあえず整備をして、またコンピューター化のときにもう一回手直しをせざるを得ないというものも、それは例外的にはあるということは御了解いただく必要があるかと思っております。
○稲村稔夫君 もう私の時間が来ましたから、要望と今後のしっかりしたコンピューターに対応できる体制づくりを、これは要望というよりももう私ども要求せざるを得ないと思っております。 第一は、この監察結果を拝読さしていただいて結論として得たことは、私はコンピューターのことを十分に御承知になっている方が計画を立てられたかどうか疑問ですということが一つ。 それから、今予算の関係などもいろいろとあるということなんでしょうが、整備計画とコンピューター化の計画とが一致しないものも中には、先のところにはあるというお話がありましたけれども、これは、その時期になってからコンピューターを入れるそのための場所をつくるとかいろいろやりますと、経費はもう新たにつくるよりずっとかかるんですよ。むだ遣いになります。むだを省くといったら、今の計画の段階からある程度は、少なくとも最低限の対策は立てておかなけりゃならぬのです。そういうようなことをやっぱりきちんと踏まえてこれからの予算には当たっていただきたい。いかがでしょう、そのことをお答えいただいて終わりたいと思います。
○政府委員(濱崎恭生君) 二点の指摘がございましたが、コンピューターということをよくわかってやっているのかということでございますが、コンピューター化の推進につきましては、これはやはり民間の専門家の知識を利用させていただけましたらという部分があることは御理解いただきたいと思いますが、それに振り回されることがないように、民事局、法務局の職員もしっかりそれを監視できるような資質を持つようにということでこれまでも鋭意内部研修を重ねてまいりましたし、これから一層充実していきたいというふうに思っております。 それから庁舎整備との関係でございますが、これは庁舎整備計画も、現地の土地の取得の関係等の問題がございまして、なかなか予定したとおりいかないというような問題もあって大変苦慮しております。従来からも御指摘のようなむだがないように努めてまいったつもりでございますが、今回、行政監察において指摘されていることも十分踏まえまして、これから全体的な効率的な展開ということに十分の努力を払ってまいりたいと考えておりますので、よろしく御指導いただきたいと思います。
○稲村稔夫君 終わります。
○村田誠醇君 私も、ゼネコンに関連した一連の不祥事件についてお聞きをしたいと思います。 それで、私の記憶にありますのは、平成三年に金融証券の不祥事件が発生したわけでございますので、この委員会で私もいろいろ質問をさせていただきました。 今回の事件と比較して、金融証券不祥事というのは使途不明金という形のものが使われておった。ところが、今回のゼネコンの不正経理、俗な形で言えば裏金づくりは、使途不明金とは少し違う完全な意味での裏金づくりをしていた、もちろん使途不明金の一部も入っておりましたけれども。こういうことが行われてきた。平成三年度の金融証券関係の部分、そしてことしのゼネコン、大手建設業者をめぐるこういった経理、これは明らかに会社内部における管理体制がどうも不備だったんじゃないだろうかということがうかがわれます。 つまり、役員会やあるいは一部役員の暴走や独走をチェックする機能が社内的に働かなかった、だからこういう問題が起こってきたんだと思うわけです。そして、実は法律上、制度上はこれをチェックするシステムというのが幾つも形の上ではでき上がっているわけでございます。一つは、社内チェックのやり方として監査役という役員が置かれた。それから、社外の第三者によるチェックをさせるために会計監査人という制度ができ上がっておる。二重のチェックをするようになっているにもかかわらず、どうも暴走や独走をチェックできない。 そこで、お聞きをしたい。 商法上に書かれております監査役の権限、義務、こういったものは一体どういうことが書かれているのか、簡単で結構でございますが、ちょっと御説明をしていただけませんでしょうか。
○政府委員(濱崎恭生君) 御案内のとおり、監査役の職務につきましては商法二百七十四条で「監査役ハ取締役ノ職務ノ執行ヲ監査ス」というふうに規定されておりまして、これが基本規定でございます。資本金一億円以下のいわゆる小規模会社を除きまして、監査役は一方で取締役の行う職務の適正を確保する観点からの監査をするとともに、会社の計算が適正に処理されるという観点からの監査をする、こういうシステムになっております。そのためにさまざまな規定が用意されているわけでございます。御質問の趣旨がその程度の御説明でよろしければ、そのように答弁させていただきます。
○村田誠醇君 取締役に対する監査等々が入っておるわけですね。あるいは取締役の職務執行の停止も請求できる権限があるわけですね。これは商法を読んでみれば、法令なり定款に違反する行為が存在した場合はできると書いてある。ところが、現実問題としていろんな問題が発生してきている。 新聞に出ていること等々を見ますと、明らかに会計帳簿あるいは会計計算書類、貸借対照表等の計算が間違えている、中の記載事項が明らかに違っているんじゃないかと思われるケースが随分出てきている。その場合、監査役が見た経理の中身と現実的に後日発覚した中身との食い違いが出てきたような場合には、一体監査役としてはどういう権限なりあるいは責任、義務を負うのか、この点についての見解をちょっと教えていただきたい。
○政府委員(濱崎恭生君) 会社の計算の処理につきましては、商法の二百八十一条から二百八十三条までに規定されておるわけでございますが、まず取締役が毎決算期ごとに計算書類をつくってこれを定時総会に提出して承認を求めるということになっておりまして、監査役は定時総会に提出するに先立ってその計算書類が法令、定款に違反していないかどうかといったことを調査して監査報告書に記載し、その監査報告書の謄本が定時総会の招集通知に添付される。そういう資料に基づいて定時総会において承認されれば、それによってその期における会社の計算が確定する、こういう仕組みになっているわけでございます。 そういうふうに、監査役は事前に監査をするということになっているわけでございますが、そういう手続を経て計算書類が総会で承認され確定した後に、要するに違法な処理があったということが判明した場合にそれによって当然にはその効力が覆るわけではないわけでございますが、その計算書類の内容が定款に違反するというものであるときはその承認決議が訴えをもって取り消されるということになっておりまして、取り消されれば計算は確定していないということになるわけでございます。また、承認された計算書類の内容が法令に違反するものであるときは、承認決議そのものが当然に無効であるという解釈が一般でございます。 監査役は、そういう事実を発見したときは承認決議の取り消しの訴え、あるいは承認決議の無効確認の訴えを提起することができるという権限が与えられておりまして、こういった方法で事後的に是正する機能が与えられているわけでございます。
○村田誠醇君 それじゃ、具体的にお聞きをいたします。 法務省の方から前仙台市長の起訴の冒頭陳述の文書をいただきました。この中にこのような記載がされております。要するに、前市長に対するわいろ金をどうやって捻出したかということが検察側の冒頭陳述の中で書いてございます。 ハザマは、本社の資金及び支店の資金から架空外注費を計上する方法により現金三千万円を捻出した。清水建設は、同社建築本部の資金から仮払金として現金一千五百万円を捻出した。三井建設は、東北支店の資金の中から架空雑費を計上する方法により現金一千万円を捻出した。西松建設は、本社の資金の中から架空雑費を計上する方法により現金三千万円を捻出したと書いてありますね。このうち、まあ会計処理を最終的にどうしたのかわかりませんが、これで読む限り法令上問題のないのは清水建設の仮払金だけです。後でどういう処理をしたのかはこの文書を見る限りわかりませんが、それ以外は全部架空発注もしくは架空の雑費を計上した。要するに、帳面を操作したということがはっきりしている。としますと、会社の決算報告の中身が明らかに違っていたということを検察側はここで指摘をしているんです。 そこでお聞きをしたいんです。 これは私が読み上げたんだが間違いないと思うんですけれども、こういう冒頭陳述があるのかないのか。それから、その中身についてどういう点を検察側はとらえて指摘しているのかについても、あわせて詳しい御説明をいただけますでしょうか。
○説明員(古田佑紀君) ただいまお尋ねの冒頭陳述の中に、先生御指摘のような内容の部分が含まれているというふうに承知しております。 ただ、その詳しい内容につきましては、これから先の公判におきます立証事項とも関係することでございますので、まことに恐縮でございますが、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
○村田誠醇君 これは、前回の決算委員会のときに私が大蔵省に対して、少なくとも消費税の税務申告についておかしいんじゃないかということを指摘した。そうしたら、大蔵省の見解は具体的な事実がわからないからと答弁を逃げた。しかし、検察側は明らかに架空雑費なり架空発注をしたということを言っている。どっちの見解が正しいのかということが出てくると思うんですね。やがて検察側がこの事実を立証するんであれば、どこでやったかということは当然国会においても報告をしてもらわなきゃならぬ。当然だと思うんですよね。どこだかわからないお金を持ってきてやったということじゃないんですから、明らかにどういう方法でこのお金を捻出したかということを言っているんですから。 もう一つお聞きをしたい。 先ほど何回かの答弁の中で、いろいろな捜査資料の中で集めた結果、ここに書いてあるところだけが恐らくわいろ性が認定されるお金として検察が把握したものということなんですね。しかし、税法上から見る限りは、果たしてこの方法のわいろ性があるかないかは別問題として、架空発注や架空雑費で計上されたものであっても、税法上や他の法令上にひっかかる場合が出てくると思うんですね。全貌を明らかにしてもらわなきゃいけない場合が出てくると思うんですが、もしこの仙台市長の事件、それから前茨城県知事の公判廷において、こういう中身を検察側が主張もしくは陳述というんですか、私はちょっと弁護士じゃないからわかりませんが法廷内で説明、証明をしたときには、その資料はすかさず国会に出していただけますか。その点についてはいかがでしょうか。
○説明員(古田佑紀君) ただいまお尋ねの件につきましては、捜査段階で集めた資料、そしてそれを公判で証拠として使いましたものに、これはあくまでその被告についての刑事責任の有無、その程度を判断するということでございまして、そのような捜査資料自身を御提出するとかそういうことになりますと、これは今後の捜査あるいは裁判等につきましていろいろな問題も生じてくるということでございまして、そういう点に配慮が必要であるというふうに考えております。 ただ、いずれにいたしましても公判で立証いたしましたこと自体は、公開の法廷で行われることでございますので、そこでどういうふうな立証が行われたかということは明らかになるというふうに考えております。
○村田誠醇君 法令に違反しないものまでも全部出せと言っているわけじゃないんで、明らかに税法上違反することがはっきりしているものであれば当然出せると思うんですよ。要するに、起訴もできると思うんですけれども、そのことをやりとりしていてもしようがありませんので、法務省に対する最後の質問として大臣にお伺いをしたいんでございます。 商法の中にいろいろと取締役に対する監査役の権限あるいは義務が明記されている。これだけずっとある程度整備されていながら、監査役の人はこんな金が使われていたということを全くわからなかったんでしょうか。それとも、わかっていて黙っているんでしょうかね。つまり、表現が悪けりゃ、権利をすべてきちっとしてあげてシステムも全部してあるけれども、それを行使する人間がいろいろ人間関係があって言えないんですということになれば、商法上の規定も含めて考え直さなきゃいけない。そうじゃなくて、もっと表現悪くすれば、監査役の取締役会に対する権限が弱過ぎるんです、もっと立場を強くしてあげればできるんですと。権利の付与をしてあげればその行使ができるのか。その一体どっちなんだろうか。 もし義理や人情でこういうのはなかなか難しいんですよというんであれば、それでは我が国は法律なんか、表現悪いんですけれども何も要らなくなっちゃう。制度を幾らつくってもまさに仏つくって魂入れずということで、形だけは確かに何か正しいことになっていますけれども、実態は何にも変わらないんですということになって、監査役というのは前々から言われているように盲腸的存在になっちゃうのかなと思うわけでございます。 その点で、一体大臣としての所見は、監査役制度に対する個人的な見解で結構でございますよ、すぐ法律改正につなぐとかそういうことじゃなくて、なぜこのシステムが有効に機能しないんだろうかということについてはどんなような御所見をお持ちなのか、お聞きをしたいと思います。
○国務大臣(三ケ月章君) ただいまの御質問は非常に難しい問題で、制度上の問題とまた人の問題と両面にわたるわけでございます。人の問題となりますと、これは日本にたくさんの会社がございまして、いろんな人がいろんな役職についておるというところがございまして、一律には御返事できないわけでございます。 制度の方の問題から入らせていただきますが、監査役は、今委員御指摘のございますように、取締役の職務の執行を監査する職責を持っております。そして、その権限は徐々に広げられてまいりました。そして、業務執行及び会計監査の両面に及んでおります。監査役をめぐる商法の改正はこれまで数回にわたって行われておるわけでございますので、監査役の法的な権限というものほかなり強化されておると考えておるわけでございます。とりわけ、本年六月の商法の改正による監査制度の改善は、それまでの権限をより実効的に行使することができるように監査役の任期を伸長して、その地位の安定、強化を図り、また大会社については監査役の員数を増加し、社外監査役及び監査役会の制度を導入するというふうなことを試みたわけでございまして、これによりまして、従来に比べてより組織的かつ効率的な監査が行われる基盤は整備されたと私は認識いたしております。 ただ、こういうふうな制度に本年六月改正になりましたけれども、それがすぐ日本全国津々浦々実効を上げられるかと申しますと、先ほど申しました人の問題に戻るわけでございまして、結局制度を生かすのも殺すのも人の問題でございます。このような制度上の改善に加えまして、やはり各会社において監査役としてふさわしい人を得る、あるいはそういう監査役を養成していくことに努力する、こういうふうなことが制度に魂を入れるゆえんであろうと考えるわけでございまして、せっかくこういう制度的な枠ができましたので、各会社ともこういうふうな事態、特に委員御質問のような現在の社会の問題点というものを深刻に反省しながら、こういう制度が動きますように各会社が努力することを期待する、こういうのが法務省としての基本的なスタンスであろうと考えておるわけでございます。
○村田誠醇君 わかりました。 それでは、社外の、第三者のチェック体制についてお聞きをしたい。 これをする会計監査人として国家資格で認定された公認会計士という人たちがいるわけですね。この人たちは他人の求めに応じて報酬を得て証明をする、監査証明をする。ですから、でたらめなことをやってもらっては困るというのは当然なことでございます。したがって、もし故意とか過失、相当の注意を怠って虚偽または不当の証明をした者に対しては懲戒をすることができるという規定が大蔵大臣の所管事項の中にございます。そのことについてお聞きをしたい。 こういうことがあるわけですね。虚偽または不当の証明、これ文章で読むと前二条と書いてあるんですが、要するに、虚偽または不当の証明ということに該当する事実があると思料するときは職権をもって大蔵大臣は必要な調査をすることができる、このように書いてある。そうすると、今私が質問しました大手建設会社の会計の帳面、帳票類、貸借対照表、決算書、これがこの事項に該当するのかしないのか、公認会計士がその職務を正当に果たしたのかどうかということが当然疑問になってくるわけでございます。その点について大蔵省は一体どのような見解をお持ちなのか、ひとつお聞きをしたいと思います。
○説明員(新原芳明君) お答えをいたします。 まず、先生御指摘の具体的な内容でございますけれども、現在、まだ捜査当局の捜査が行われておりまして、捜査の推移を私ども見守りたいと考えておりますので、まことに申しわけございませんが具体的な内容についてはお許しをいただきたいと思います。 なお、一般論として申し上げますと、公認会計士の監査というものは、投資家の保護を目的とする証券取引法の開示制度のもとで、企業が作成した財務諸表が企業の財政状態及び経営成績を適正に表示しているかどうかについて企業会計の観点からチェックをしてございます。 したがいまして、先生御指摘のような場合に、具体的に企業会計の面から見てどういう処理がされている可能性があるかということでございますが、そういう報道されているものの中にも、先ほど先生仮払いというようなことでおっしゃいましたけれども、あるいは何らかの費目で経理されて財務諸表に適切に反映されているというものもあるかと存じます。 しかしながら、中で仮に企業会計上適切な経理がなされておらず、投資判断に影響を与えかねないような場合がある場合には、これは証券取引法に基づいて有価証券報告書等の訂正をしていただくことになろうかと思いますが、その際には公認会計士の先生にもその訂正の内容が正しいかどうか改めて監査をしていただくということになろうかと存じます。
○村田誠醇君 おかしいじゃないですか。先ほど言ったように、架空外注費だとか、架空雑費でやりましたということを検察は冒頭陳述で述べているんです。私が言ったのは、仮払いでやったのはあなたの言ったとおりですよ、何らかの費目になっているかもしれない、それが正しいかどうかというのはこれだけではわからない。しかし、明らかに会社名でいけばハザマと三井と西松に関しては架空であったということをはっきり言っているんですね。 そこで、これらの事実がこの公認会計士法で言っているところの虚偽や不当の証明に該当するような事実があると思料するとき、これはもう大臣、専門家ですから、広辞苑を引いておわかりのとおり、確定した事実じゃないですよね、この思料というのは。明らかに思われるときとか、あるいはそういうふうに考えられるときは大蔵大臣は職権をもって必要な調査をすることができると書いてある。具体的な事実が確定していなきゃできないと書いてあるわけじゃないと思うんですね。 そうしたら、検察が言っている仙台の市長選の公判で述べた検察側の冒頭陳述のこの該当した事実は、まさにこのことを調査するのに十分に足るだけの思料だと我々は判断するんですよ。私は特に判断するんですが、これにまさに大蔵省は該当しない、もしくは調べてみたけれどもこれに該当しないというんでしょうか。それとも、裁判が確定するまではやれないというなら、片っ方は時効の問題も恐らく出てくるんだろうと思うんですよね。何年かかっても確定しない限りはやれない。それではこの規定は一体何の役に立つのかなということがあるんです。 問題は、大蔵大臣が職権をもってやるのかどうかということなんですね。あるいはやるに足る事実なのかどうかという判断をお聞きしたい。
○説明員(新原芳明君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、公認会計士法第三十条には、「故意に、虚偽、錯誤又は脱漏のある財務書類を虚偽、錯誤及び脱漏のないものとして証明した場合には、」「一年以内の業務の停止又は登録の抹消の処分をすることができる。」、また第二項には、「公認会計士が、相当の注意を怠り、重大な虚偽、錯誤又は脱漏のある財務書類を重大な虚偽、錯誤及び脱漏のないものとして証明した場合には、大蔵大臣は、戒告又は一年以内の業務の停止の処分をすることができる。」という規定がございますので、具体的な判断はこういうものに当たるかどうかということになるとは存じますが、何分、先ほども申し上げましたとおり、現在、捜査当局の捜査も行われていることでございますので、この件につきましては捜査の推移を見守らせていただきたいと存じます。
○村田誠醇君 これも大蔵省からいただいた資料に、証券取引法の第百九十七条に、有価証券報告書若しくはその訂正報告書であって、重要な事項につき虚偽の記載のあるものを提出した者は三年以下の懲役云々という罰則規定があるんです。これは正当な理由だとか故意にだとか何にも書いてないんです。 つまり、大手建設会社が作成し、報告をした有価証券報告書の中身が明らかに違っている。その違いを生じさせたのは一体だれなんだろうか。会社側が意図的にやったんだとすれば、証取法の第百九十七条によってこっちで罰則を受ける。しかし、公認会計士が虚偽または不当の証明をしたんだと知っていて黙ってこのことについて伏せていたんだとすれば、公認会計士法第三十二条の規定によってこっちでも懲戒の罰則を受ける。一体、この有価証券報告書の中身の違いについて責任をとる人はだれなんですかということなんです。 どっちかが責任をとらなきゃいけないでしょう。会社側が資料をごまかしていたから公認会計士はわかりませんでしたというのか、それとも会社側の出した資料を見て公認会計士がわかっていて証明したのか、立場が全然違ってくるんです。それを調査して、どちらかが悪いということを決める権限は恐らく大蔵省にある、大蔵大臣にあると思う。これを行使しないというのであれば、それなら我々は、この会社の公認会計士それから監査役、両方の人に出てきてもらって、あなた方のうちどっちがうそをついているんですかということをこれは聞かざるを得ないと思うんですね。そうでなければ、大蔵大臣が職権をもって必要な調査をしてもらった結果、公認会計士の方の責任はありませんと言ってくれれば、会社が悪かったんだ、こういう答えがすぐ出てくる。出てくれば証券取引法によって報告書を直させるか、あるいは意図的に虚偽の内容を記載したものを提出したとして罰則も受けられる。それで聞いているんです。 これだけの強い権限を大蔵大臣は持っているんですよ。大蔵大臣がそれを使うわけじゃなくて、あなた方がこれに該当するかどうか判断してやるんだろうと思うんですね。法律をつくるときには権限がないからできません、つくってくださいと言って、権限を渡したら、実は捜査中だから使えませんとか中身がわからないからやりませんというのなら、子供のおもちゃと一緒で、渡したときは喜んでいるけれどもしばらくすればもうほっぽり投げて別のを下さいと。これでは幾ら法律をつくっても役に立たないと思うんです。 行使をするんなら行使をきちっとしてくださいよ。まさに横に大臣がいらっしゃるから後で聞いてもらえばわかるんです。虚偽または不当の証明をするような事実があると思料する、思われるときはというんですよ。我々はこれはあるんだろうと思うんですよ。ないというんならないではっきりわかるでしょう。捜査中だからわかりませんというのが一番わからないんです、我々には。 その点をもう一度ちょっとお聞きして、もし大蔵大臣がこの権限を発動しないというのであれば、私どもとしては、会計監査人もしくはこれらの会社の監査役の人たちに来てもらって、一体中身がどうだったのか、ここに検察が言っているような事実があるのかないのかも聞かなければしょうがない。そういう事実がありますといって初めてあなた方が権限を行使できますというんであれば、そういうふうにしなきゃいけないので、参考人なり証人なりに来てもらわなきゃいけない場合もある。 その点について、まず大蔵大臣が自分の持っている権限でこれに該当するんじゃないかと思って発動するのかしないのか、そのことについてきちっとお聞きをしたいと思います。
○説明員(新原芳明君) お答えいたします。 証券取引法の監査でございますが、証券取引法の監査の目的は、あくまでも投資家保護のために、企業の財務状況ですとか経営成績が投資家に対して提供する情報として適切かどうか、その点の監査をするというのが目的でございますので、その監査の目的に合っているかどうかという観点でこういった処分もなされるものと考えております。 具体的な御指摘の点につきましては、まことに申しわけございませんが、現在捜査中でございますので捜査の推移を見させていただきたいと思っておりますけれども、先ほどから申し上げておりますように、必ずしもすべての報道されているものが不適切なものかどうかということも、一般論として申し上げればわかりませんので、仮に問題があるというような場合には、証券取引法に従って必要な訂正も行わなければならない場合もあると思いますし、またそういう場合には証券取引法ないし公認会計士法に基づきまして適切な措置をとらせていただきたいと存じます。
○村田誠醇君 時間が来ましたので最後に言いますけれども、大蔵省の証券局長から公認会計士へ「厳正な監査の実施について」、こういう通達が何回も出ているわけです。企業の真実な経理内容を公開しなさい、あるいは監査人が公共的使命を帯びてきちんとやりなさい、こういうことも含めて出ているんです。 いみじくもあなたが言ったように、この有価証券報告書、なぜ虚偽の記載をしちゃいけないかといえば、投資家保護の精神だというわけでしょう。事実をきちっと報告させる。その金がどこに使われたかということは、投資家である人たち、あるいはこれから投資をしようとする人たちはこの有価証券報告書しか判断する材料がないんですよ。その中身が明らかに違っているんじゃないんですかということが指摘されている以上は、大蔵省はそれに対して厳しい態度をとるというのは当たり前の話だと思うんですよ。それが投資家保護なんです。 そういう意味で、これも監査役と同じように、公認会計士の制度も一部不備があると私は思うんです。不備があると思うけれども、問題はそれを大蔵省がきちっとした態度をとらない限りはこのままうやむやになっちゃうわけですよ。次々と、今度は茨城県知事の起訴の冒頭陳述でまた同じようなことが指摘されますよ。指摘されても指摘されても大蔵省は一向に腰を上げませんということになるとすれば、やはり参考人や証人でここへ来てもらって、あなたがこの公認会計士なら公認会計士の職務をきちんと間違いなくやりましたということを言ってもらわなきゃしようがなくなっちゃうと思うんです。自分で証明するしかない、大蔵省が証明しない限りは。 そういう意味で、私どもはこれからも追及していきますし、本来はちょっと消費税を含めた、国税庁の人にも来てほしかったんですけれども、それは前回やっておりましたので、これからまた論議はしますけれども、この公認会計士法の懲戒の手続に該当するような事実があるのかないのか。あるとすれば、どうするのかも含めてよく省内に帰ってもう一度検討していただきたいということをお願いいたします。 それと同時に、この件の真実を究明するためにも、関係者あるいは監査役も含めて場合によったら来ていただきたい。それはぜひ理事会で協議をしていただきたいということをお願いして、時間がちょっと一分ほど過ぎて申しわけございませんが、私の質問を終わらせていただきます。
○委員長(三上隆雄君) 他に御発言もないようですから、皇室費、国会、会計検査院、法務省及び裁判所の決算の審査はこの程度といたします。 次回の委員会は八日午前十時に開会し、全般的質疑の二回目を行います。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十九分散会 ————◇—————