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128回国会参議院1993/11/10

環境特別委員会 第5号

発言数
200
登壇者
23
会派数
6
開催日
1993/11/10

会議録

竹村泰子日本社会党・護憲民主連合

○委員長(竹村泰子君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る十月二十九日、堀利和君及び小林正君が委員を辞任され、その補欠として西野康雄君及び粟森喬君が選任されました。     ―――――――――――――

竹村泰子日本社会党・護憲民主連合

○委員長(竹村泰子君) 環境基本法案及び環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を議題といたします。  両案の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 ただいま委員長から議題にされました基本法案についてお伺いをいたしたい、このように思います。  さきの通常国会で当時の政府・自民党、私どもでございますが、提出いたしました環境基本法案が衆議院の解散という事態により廃案のやむなきに至ったのは大変残念であります。しかし、幸いにいたしまして環境基本法案が再び国会に提案され、先日、衆議院において全会一致で無事可決されたところでありますが、私は当時当委員会の理事をいたしておりまして、環境庁長官も同じく、会派は違いますけれども理事をなさっておったわけであります。当時の経過を振り返ってみますと、私といたしましては感無量でございます。環境基本法案は、地球環境時代に対応した新たな環境政策の第一歩となるものでありまして、ぜひともこの早期の成立を見たいものだと私自身も念願をいたしておるところであります。  そこで環境庁長官にお伺いいたしますが、環境問題について長い間、野党の立場でありましたけれども、この問題に取り組んでこられた長官であります。この問題は全地球人類の問題でもあろう、こう思いますが、法案成立を前にしまして、これは例えば生涯教育の一環でもあろうか、このようにも思うんです。学校教育等、教育の側面からも考えなければならぬのじゃなかろうか、こう思うんです。  幸い長官は、私も京都出身ですが、京都市の教育委員をなさっておった、こういうお立場もあるわけでありまして、この新しい法案につきましての制定に関して、その意義について長官の御意見をお伺いしながらも、先ほど申しましたように教育的見地からもその御経験からあわせてお伺いしたい。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 私は、西田委員のこの環境基本法への思い、まさに同感でございます。そして、今国会にこの法案が提出されましたことを私は大変にありがたいことだ、ぜひきょうを最後にいたしましてこの法案が可決され、そして環境庁といたしまして新たな取り組みができることを願っているところでございます。  今日の環境問題は、人類が直面する最大の課題であるという認識を持っております。その解決の ためには国、地方公共団体、事業者、国民が一丸となって取り組むことが必要でございまして、積極的に対応してまいりたいと思っております。  環境基本法は、地球サミットの成果を踏まえ、環境の保全に関する新しい基本理念とこれに基づく基本的施策の総合的な枠組みを定めるものでございまして、今後の我が国としては環境への新たな取り組みを明らかにする大きな意義を有するものと考えております。そして、この後いろいろな取り組みがなされるわけでございますけれども、教育的効果というふうなことをおっしゃっていただいたわけでございますけれども、さまざまな取り組みの中で環境の大切さ、そして特に一般国民の方々がどのように環境保全のために御協力していただけるかということのPR、非常に大切なことだと思っております。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 もう一遍、冒頭に確認をいたしておきたいと思うのでありますけれども、先ほど申し上げましたが、今回これは同じものを出しておられるわけてあります。この提案に先立ちまして与党間、与党八会派と申し上げでいいのかどうか、その中でいささか議論があり異論があって、温度差があるようにお聞きをしている。この点については、前回は衆議院、さらには参議院と二回にわたって法案の修正をいたしております。  したがって、今度出されたこれに対しましては与党間では、これから御質問もあると思いますけれども、これは長官、閣議の中で一致しているんでしょうな。このことだけ冒頭にお聞きしておきたいと思います。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 私は、民主主義の世の中で多様な意見が出、そしてその多様な議論がなされた結果としてまとまるということがすばらしい形だというふうに思っておりまして、今回の提案に関しましても、私どもはいろいろな意見を出し合いながらまとまったというふうに承知しているところでございます。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 基本法の計画についてお伺いをします。  美しい環境、私たちの先人、先輩からこれは継承されたものであります。同時に、言いかえてみますと、私たちの子や孫からの借り物だ、こういうふうにも私は理解をするのであります。でありますから、これを私たちの子供たちの時代に十二分に引き継いでいかなければならない、これが生きている私どもに課せられた使命であろう、このように思うわけであります。  地球的規模で環境を守り、次代に引き継いでいくための努力は緒についたばかりであります。これから実際の行動に結実させていく必要があるのでありますが、環境基本法はこのための第一歩である。同法案に盛り込まれた施策を今後具体的な施策に結びつけていくことが必要であります。今後の具体的な施策の中で、まず政府に期待いたしますのは、政府全体のマスタープランとしてふさわしい内容の環境基本計画の策定を私たちは望むところであります。  これについてお伺いをいたしたいと思いますが、環境庁として環境の保全に関する施策の推進に当たって、環境基本計画の実効性はどのように確保されることになるのかということでありますが、このお考えについて環境庁の御所見、環境庁長官の御意見をお伺いしたい。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 環境基本計画のことをマスタープランとおっしゃいましたけれども、まさにこのマスタープランは環境の保全に関する政府全体の基本的な計画といたしまして、政府内部の調整を経まして閣議の決定により定められるものでございます。ですから、環境の保全に関する国の施策は、環境基本計画の基本的な方向に沿って策定、実施されることが担保されていると考えております。  環境庁としては、環境基本計画が策定された後は、その基本的な方向に沿って関係各省庁と協力しつつ、環境の保全に関する施策の推進に全力を尽くしてまいりたいと思っております。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 今の御答弁をお伺いして、基本認識ですね、合いささかおっしゃいましたけれども、これについてもう少しお伺いしたいと思うんです。  我が国は高度に発達した産業社会であります。あらゆるものが経済的な成長、拡大といった尺度ではかられがちで今日まであるわけでありますけれども、この根底にはGNPを初めとする既存の経済指標が人々の活動を拘束しているという事態があるのではないかと思うのであります。  例えば、我が国のすばらしい自然の価値がカウントされていないことや、環境が破壊され、その回復のために多大な費用が必要である。この費用をかけた場合はGNPがふえるといったようないわゆる矛盾がある。このような状況を改革し、経済の環境政策への調和を図るように、将来の経済活動を支える基盤としての環境を重視する持続可能な開発、この考え方を我が国の経済施策の中にもしっかり根づかせていかなければならない必要があるのじゃなかろうか、このように私は考えるわけであります。  そこでお伺いいたしますが、経済指標の中に環境の価値を反映させる手段として、グリーンGNPなどの総合指標の確立に向けた検討が国際的に進められていると仄聞いたすのでありますが、我が国としての調査、検討は現状いかがなものか、この点まず一点お伺いをしたい、こう思います。  第二番目には、環境保全を経済活動の中に取り込んでいくためには、環境基本計画にグリーンGNPといった指標で環境保全の必要性と効果を国民にもわかりやすい形で示す必要があるのではないかと考えます。環境庁としての御意見を二点お伺いしたい。

森仁美環境庁企画調整局長

○政府委員(森仁美君) ただいまお尋ねのございましたグリーンGNP等の総合指標の問題でございます。  これは、環境と経済を総合的に評価する手法ということでグリーンGNPということが言われているわけでございます。この手法は環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を構築していくという、我々のこれからの目標の上で極めて有用なものであると考えております。このことはただいま西田委員お話しのとおりでございます。国際的には国連あるいはOECDにおいてもその手法の確立に向けた作業が進められております。  我が国では、平成四年度から環境庁それから経済企画庁、農林水産省において共同研究を行ってまいっております。まだその成果というところには至っておりませんが、これからさらに国際的な研究の動向も踏まえながら環境資源勘定など環境と経済の状況を総合的に評価する手法、この手法の開発に努力をしてまいりたいと考えております。  それから、こういうような考え方を環境基本計画の中に入れられないのかというお尋ねでございますが、環境基本計画はただいま大臣からも申し上げましたように大変重要な計画でございます。内容的にはいろんなものを網羅することになるということでございますが、それを国民の前に明らかにしたときに環境保全の必要性などを国民にわかりやすい形で示すというのは極めて重要なことであると私ども思っております。  その中で、今お話しのグリーンGNPというようなものを入れられないかということでございますが、今グリーンGNPは申し上げましたように研究段階にございます。これから先、環境基本計画は中央環境審議会の御審議をいただきながら作成してまいるということになりますので、その中でどういうような取り組みができるか、全体として環境政策の総合的、計画的な推進のために十分な効果を発揮できるものとなるように努力をいたしますが、その中で検討を進めていただくことになろうと思っております。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 基本計画の今は策定の問題ですが、次は基本計画の実効をあらしめるために国と地方公共団体の連携が重要な課題ではないかと私は考えるんです。  これは前々国会でも随分議論なさったところでありますけれども、地方公共団体においても地域の実情を踏まえた環境の保全に関する基本的な計 画が策定され、国の環境基本計画と相まちまして環境保全施策全体が総合的、計画的に推進されることが必要であると、このように私は考えるのであります。  そこで、先ほども言いましたように、第百二十六回国会の本委員会の修正によりまして、国と地方公共団体が和協力する旨の規定が加えられたわけでありますが、この規定を受けて国も地方公共団体の環境の保全に関する計画づくりに積極的に協力、支援していくべきではないかと、このように思うものであります。この点についてお伺いをいたします。

森仁美環境庁企画調整局長

○政府委員(森仁美君) 環境基本法案の三十六条では、地方公共団体は、その地方公共団体の区域の自然的社会的条件に応じた施策を、それらの総合的かつ計画的な推進を図りつつ実施するということが書かれてあることは、ただいまお話しのとおりでございます。そして、地方公共団体がこの趣旨にのっとりましてどのように環境保全施策を総合的、計画的に実施していくかということは、その地方公共団体が地域の実情に応じまして自主的に判断していく事柄になろうと思います。  環境庁といたしましては、計画の策定を初めといたします環境保全施策の総合的、計画的な推進に向けた地方公共団体の自主的な取り組みが一層促進されますように、さきの国会で追加されました第四十条の「国及び地方公共団体は、環境の保全に関する施策を講ずるにつき、相協力するものとする。」、この条項の趣旨も踏まえまして公共団体を支援し、また公共団体の施策に協力をしてまいりたいと考えております。  なお、平成六年度には地球環境計画推進経費ということで、約千三百万円ばかりでございますが、概算要求にも具体の形として経費の要求をいたしているという状況にございます。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 大変質問が多うございますので、はしよりますけれども、お許しください。  アセスメントについてお伺いをしたいと思うんです。特に長官にこれをお伺いします。  環境アセスメントは公害や自然破壊の未然防止のために重要なものであるのは、もう言を待たないところです。環境基本法案にもその重要性が位置づけられたところでありますが、さきの通常国会に環境基本法案を提出した際に、環境アセスメントについて過去の経緯もありますから、宮澤前総理大臣から本委員会におきまして、今後とも現行の環境影響評価制度の適正な運用に一層努めるとともに、内外の制度の実施状況等に関し、関係省庁一体となって調査研究を行い、その結果を踏まえ経済社会情勢の変化等を勘案しつつ、法制化も含め所要の見直しについて検討する旨の答弁をされたところであります。  そこで環境庁長官、新政権においてもこの環境アセスメントについての考え方は前政権と同じなのかどうか、この点が一点であります。  もう一点は、今後どのように調査研究と検討を進められていくのか、この点についてお伺いをしたい。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 第一点、環境アセスメントについての新政権の考え方でございますけれども、今委員御指摘のとおりでございまして、そしてそれは同時に細川総理からの答弁と一致するところでございます。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 検討については。

森仁美環境庁企画調整局長

○政府委員(森仁美君) この総理答弁を受けまして、関係省庁一体となって調査研究を行っていくということについて、どのように調査研究と検討を進めていくかということでございます。既に私ども来年度予算の概算要求で環境影響評価制度特別総合調査研究費ということで予算要求をいたしております。  この調査研究では、関係省庁が一体となりまして、これまでの閣議決定要綱やあるいは個別法などの仕組み、あるいは地方公共団体の条例や要綱等に基づいて実績が積み重ねられてきております我が国における環境影響評価の実施状況やその評価、また諸外国におきます環境影響評価制度の内容、その背景、実施状況、さらにはこれらの諸制度における技術手法等について、制度、運用の両面から詳細な調査研究を行いたいと考えているところでございます。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 それでは経済的な手法でございますけれども、環境税さらにはデポジット制などの経済的手法について伺いたいと思いますが、今日の環境問題の特質は、通常の経済活動や日常の生活からさまざまな環境への負荷が生じているということであります。  この特質にかんがみますと、特に環境に負荷を与える行為を規制するだけではなく、市場メカニズムを通じて社会経済活動を環境への負荷の少ないものとしていく経済的手法を活用していくことを検討していくことは大変有益だと、このように思うのであります。例えば、文化都市京都におきましてもこの空き缶の問題のデポジット制問題等も随分議論をされたのも長官はよく御存じだと、こう思いますが、そのように私は考えるところであります。  しかしながら、環境税、デポジット制等の経済的負担を課す措置の具体的な導入に当たっては、国民に負担を求めるものでありますから、その措置を導入した場合の効果、経済への影響等について国民的な議論を十分に行い、国民の理解と協力を得る必要が不可欠であると考えます。  そこで、経済的手法を環境政策に導入することの意義及び効果、または施策の具体化に向けての、現在検討しておられるならその状況についてお伺いをしたい。

森仁美環境庁企画調整局長

○政府委員(森仁美君) お話の経済的手法ということについては、広く環境保全のための各主体におきます自主的な取り組みを促し、市場の活力を生かす点で長所があると言われております。既に先進各国においても導入例が見られるようになってまいっております。現在のような幅広い経済社会活動に起因する複雑な環境問題への対策ということで、国際的にもその有用性が期待されているということは先生御承知のとおりでございます。  これらにつきまして、現在私どもは環境庁内に勉強会を設けまして、地球温暖化対策の観点からの環境税を含めた経済的手段、あるいはリサイクルのためのデポジット制度を含めた経済的手段、こういったものについて調査、検討を進めております。その具体的な活用に当たりましては、その環境保全の効果、経済に対する影響等に関する調査研究をよく進める必要がございますし、国民的な議論を十分に行っていく必要があると思っております。  こういうことを背景にしながら、これからも内外の研究成果あるいは政策の実際などを十分参考にしながら調査研究を続けてまいりたいと考えております。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 次に、地球環境問題についてお伺いをします。  人類の経済社会活動は、地球という限りある環境の持つ復元力を超えるような規模にまで至っておる。今や私どもは、人類を含むすべての生物の生存基盤である地球環境を破壊しつつあるのでありますが、我が国は本年五月、気候変動枠組み条約及び生物多様性条約を締結したところでありますが、今後とも地球サミットの成果も踏まえながら、地球環境保全に積極的に取り組んでいく必要があろう、このように思うわけであります。  地球環境保全に係る国際協力に関して、環境庁としてどのように対処をしていかれるのか、その御姿勢をお伺いいたしたいと思います。

森仁美環境庁企画調整局長

○政府委員(森仁美君) 地球環境部長に答弁させることをお許しいただきたいと存じます。

澤村宏環境庁企画調整局地球環境部長

○説明員(澤村宏君) 環境保全にかかわる国際協力についてのお尋ねでございますが、地球の温暖化、オゾン層の破壊などの地球環境問題は人類の生存基盤にかかわる緊急かつ重大な課題でございます。環境の保全に関するさまざまな経験と技術を有する我が国といたしましては、こうした経験や技術を生かして、その国際的地位にふさわしい役割を率先して果たしていくことが必要であると考えております。  このため、環境庁といたしましては、特に次の ような分野における取り組みに積極的に貢献していきたいというふうに考えております。  まず第一には、地球サミットの合意を実現するために、国連持続可能な開発委員会を中心に進められております国際的な取り組みを積極的にリードすること。第二には、気候変動枠組み条約の発効に向けた準備、そして本年十二月末に発効いたします生物多様性条約の円滑な実施等に取り組むとともに、環境と貿易などの新しい課題に関する国際的枠組みづくりに積極的に貢献していくこと。第三には、昨年、地球サミットで表明した環境ODAの拡充強化に向けて、途上国の環境問題対処能力の向上を含めました環境ODAを積極的に推進していくことということでございます。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 次に、民間の環境保全の活動推進についてお伺いをいたしたいと思います。  地球環境問題を初めとする今日の環境問題は、先ほど来申し上げますように、通常の経済活動や日常の生活に起因するところが多いわけでありますが、事業者、国民、すべての主体が自主的、積極的に行動、努力して環境保全に取り組んでいくことが必要になっております。  しかしながら、環境保全のための取り組みへの意欲や関心があっても、実際には多くの人たちがどのような環境保全活動ができるのか、情報がない、仲間がいないなどといった問題点が指摘をされております。民間による自主的な環境保全活動を活発にしていくためには、このような障害を取り除いていくことが有効である、このように私は考えるのであります。  そこで、環境基本法を受けて、民間の環境保全活動の一層の推進に向けて、今後具体的にどのように取り組んでいくのか、環境庁の方針をお伺いしたい。  二番目に、これは衆議院で修正されたんだと思いますが、法案に環境の日の規定が設定をされました。その趣旨にかんがみまして、環境の日の趣旨にふさわしい事業を今後積極的に実施していく必要があろうと思いますが、環境庁として今後どのようにこの環境の日について取り組んでいかれるのか、この二点についてお伺いをしたいと思います。

森仁美環境庁企画調整局長

○政府委員(森仁美君) 民間の環境保全活動の促進方策でございますが、今見られますような都市・生活型公害、あるいは地球環境問題といったような複雑、多様な環境問題の解決のためには、国や地方公共団体だけではなくて、国民、事業者あるいは民間団体などが自主的にかつ積極的に取り組んでいくということが大変重要であると思います。このことを踏まえまして、環境基本法案におきましても、民間各部門におきます環境保全活動を促進するための措置が環境の保全のための基本的な施策の中に位置づけられているところでございます。  私どもはこれからこれらの規定の趣旨を受けまして、一つは環境に優しいライフスタイルということに関します普及啓発などの国民に対する環境教育、あるいは環境学習といったものを推進していこうというのが一点でございます。それから、既にやってまいっておりますが、環境に優しい企業行動指針というものをつくりまして企業にそれを普及させる。それからエコマーク事業の推進を図るということによりまして環境保全に資するような事業活動や製品を奨励していくというのが二つ目でございます。それから、既に発足いたしております地球環境基金、これを通じました環境NGO活動の支援というのがこれから重要になってまいろうと思いますので、これが第三番目。  それから広範な環境保全活動の促進に関する情報の整備、提供、これもまた大変大事なことでございます。これにも力を入れていきたいということを考えております。これらをあわせて民間の環境保全活動の一層の推進ということを考え方の大もとに置き、一生懸命に取り組んでまいりたいと思っております。

大西孝夫環境庁長官官房長

○政府委員(大西孝夫君) 第二点目の環境の日に関する御質問にお答え申し上げたいと思います。  御指摘のとおり、環境基本法に六月五日を環境の日とする定めがあるわけでございまして、私どももこの趣旨に沿いまして国民等の間に広く環境保全についての関心と理解を深めるということとともに、積極的に環境保全に関する活動を行う意欲を高めてもらおう、そういう趣旨の全国的なキャンペーン活動を展開いたしたいと思っております。  具体的に申し上げますと、とりあえず来年度の概算要求におきましては環境保全活動促進のための国民運動実施経費というものを要求いたしております。これが確保できましたならば、地方自治体と協力いたしまして、環境の日周知全国一斉キャンペーン事業という一長い名前になるわけでありますが、それを六月五日に全国規模で一斉に集中的にやりたい。同時に、国民が環境保全の方法でどういうふうに取り組めるか、国民が取り組めるような方法などをいろいろ書いた小冊子も配布したりいたしまして、国民挙げて環境保全に取り組めるような環境づくりをまず第一歩から始めていきたいと思っております。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 予算要求はどれくらいしてあるんですか。

大西孝夫環境庁長官官房長

○政府委員(大西孝夫君) 金額的には二千五百万でそう多くはございませんが、できるだけ知恵を出してまいりたいと思っております。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 それでは、環境行政の機能強化についてお伺いをいたしたいと思います。  地球環境問題を初めとする今日の環境問題に適切に対応していくためには、政府が一体となり関係省庁が相互に緊密な連携を図りつつ施策の円滑な推進に努めることが重要であると考えます。そして、環境基本法の制定を受けて新たな環境政策の枠組みのもとで政府全体の環境保全施策を総合的、計画的に推進していくためには、環境庁が企画調整機能を十分に発揮して関係省庁を積極的にリードしていくことが求められていこうと思います。そのためには、環境庁の機構、組織の強化を図る必要があると私は考えますが、長官、環境庁のあるべき姿としてのお考えをぜひお伺いしたい。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 環境にかかわる課題は非常に多岐にわたっておりまして、その行政も多くの省庁にまたがるものが多いということは御案内のとおりでございます。したがいまして、環境行政を積極的に展開していくためには政府一体となった取り組み体制を充実強化していくことが必要であると認識しております。  私といたしましては、環境庁が政府全体の環境行政の中枢としての機能を十分発揮できるよう、とりわけ広範な環境問題に関する情報収集、そしてその的確な解析、政策の企画立案への連携ですね、政策の企画立案へ結びつける機能、それから総合調整の機能の強化を図る、こうしたことをやってまいりたい、そのように思っております。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 金の面も十分につけてもらうように要望してください、野党から応援しているんだから。あとちょっと関連してやりますけれども、環境基本法案、長官のちょっと決意をお聞きしておきたいんです、今おっしゃいましたけれども。  環境基本法は環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会づくりという重要な役割を担った法案であると私は思うんです。そして、さらに重要なことは、この法案を受けて政府が具体的にどのような施策を実施していくのかということであります。先ほど言うとおりなんです。私はこのような観点から、今後の環境行政の基本的方向について幾つかの点をお伺いしたわけでありますけれども、長官にお伺いしたいのは、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会づくりという大きな課題に取り組むに当たって、環境庁長官の決意をまず一遍ここでお伺いをしたい。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 今日の環境問題の多くは私たちの生活のあり方とか企業のあり方に多くかかわっているものでございます。つまり、大量生産、大量消費、大量廃棄といった現在の企業活動や国民一人一人の生活のあり方そのものに根差しておりまして、それが現在問われているのではないかと思っております。こうした社会経済の システムのあり方や行動様式を見直し、社会全体を環境への負荷の少ない持続的発展が可能なものへ変えていくことが必要であるというふうに認識しております。  もとより環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会づくりは我が国だけではできるものではございませんで、世界と手を携えながら息長く取り組んでいく必要がある大きな挑戦でございまして、環境基本法をそのための第一歩としたい、そのような覚悟ております。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 そこで、ちょっと具体的な問題でお伺いしたいんですが、悪臭問題について見解をお伺いしたい。  地球的規模で環境破壊の顕在化など社会情勢の推移を背景として環境基本法が制定されることになったのでありますが、しかし一方で従来の公害問題についても依然として解決を図らなければならない問題があります。そこで、同基本法の第二条に定義されている公害の中で悪臭を例にとってお伺いをいたしたいと思うのであります。  環境基本法に基づく各種の規制は科学的根拠に基づいてなされるべきであると思いますが、例えば畜産に伴う公害てこの種の問題は水質汚濁や騒音のほかに悪臭、いわゆる俗に言う臭い、汚い、やかましい、こういう悪臭についても科学的根拠に基づく規制基準が設定されておるのかどうか、この点についてお伺いをしたいと思います。

松田朗環境庁大気保全局長

○政府委員(松田朗君) お答えいたします。  悪臭に対しましては現在悪臭防止法というものがございまして、ここにおきましては不快なにおいの原因となっておりますもの、あるいはそれによって生活環境を損なうおそれのあるものということでその原因となる物質を特定いたしまして、現在二十二の物質を指定しております。それで水質汚濁防止法と同じように、その物質ごとに濃度に対して規制を行っております。  具体的には、今の二十二物質のそれぞれの悪臭の強さ、それを六段階に、全然においのしないところから非常に強烈なにおいまでを六段階に分けまして、その真ん中辺に当たるところのにおいは今度は濃度におきましてどのくらいの濃度かというような実験的な比を求めまして、そしてそれぞれの規制基準値を設けているわけでございます。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 いや、そこが問題なんですね。例えば、コーヒーのにおいや香水のにおいが嫌いな人があるわけです。においの感じ方に対しては個人差があるわけなんですね。規制を行うのにはこの点をどう考えていったもいいのか。  例えば、私はいささかたしなむ方なんです。そうすると、このごろ京都におりますと酒蔵で新酒の香りといってすごく宣伝されて、冬到来、新酒到来というようなものです。ところが、酒の嫌いな人もこの中にあろうと思うんです。こういう人にしてみたら、これは大変不愉快なものじゃなかろうかな、こう思うんです。今言いましたようにコーヒーの問題だってそうだと思う、香水だってそうなんです。  こういう問題について、あなたの今言われるようなのは感情的なものに等しいような気がするんだけれども、科学的根拠のはっきりしたものがいいんです。今おっしゃったように、水質汚濁の問題で二十二だとか、さらには科学的根拠のはっきりしたもの、こういうものがいいけれども、これをもう一回答えてください。

松田朗環境庁大気保全局長

○政府委員(松田朗君) 今先生の御指摘のにおいにもいろんな種類がありまして、入によってはよいと感じる場合も不快と感じる場合もある、そのとおりでございまして、物質によっては短時間であればいいけれども繰り返しかいでおれば非常に不快になる、いろいろございますし、あるいは個人差もございます。  したがいまして、先ほど申し上げましたにおいの強さという判定レベルの設け方と、もう一つ今先生が御指摘の不快というものにつきましても九段階のものを設けまして、そして極端に不快なものから逆に非常に心地よいものというものの幅を九段階に分けまして、一応それぞれの今の悪臭物質についてチェックをしております。においの強度とそれから不快の強度とをかみ合わせまして、そして悪臭物質を指定しているわけでございまして、現在その二十二の物質につきましては、今先生の御指摘の不快の観点から見ましても不快度がプラスに出ているものになっておるわけでございます。  というようなことで、今後ともこういうにおいについての基準といいますか、規制値のとらえ方については引き続き研究に値するものだと考えております。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 東京都では人の鼻、臭覚ですけれども、人の鼻を用いる悪臭の試験、これを官能試験、こう言うそうですね、これで規制している、こういうふうに聞くんです。じゃ、全国の自治体でこういうような官能試験の導入状況はどういうふうになっておるのか、この辺ちょっと聞かせてください。

松田朗環境庁大気保全局長

○政府委員(松田朗君) 先生御指摘のように、今の官能試験、要するに検知器で悪臭物質ごとにはかつて云々するというんじゃなくて、その物質を特定せずにトータルのにおいとしてどうであるかという観点から試験をしているのが官能試験でございます。  これは、最近の傾向では非常に自治体の方で普及しておりまして、現在三十八の自治体でこの官能試験という方法を導入しているようでございます。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 環境庁はどうですか。それでは、環境庁では官能試験による規制についてはどのように取り組んでおられるんですか。

松田朗環境庁大気保全局長

○政府委員(松田朗君) 今申しました官能試験につきましては、私どもも非常に重要な方法だというふうに位置づけておりまして、従来の機械だけによって物質ごとに悪臭を測定するという方法よりも、やはり感覚的なものということで重要に位置づけております。  平成四年十二月でございますが、今申しましたように各自治体でこの方法が普及しているということにかんがみまして、やはりその官能試験のレベルも自治体で余り差があってはいけないということで、嗅覚を用いる場合の判定試験の方法というものについてこういうものがいいんじゃないかというようなものを告示で示しております。  さらに自治体レベル以外、民間の検査機関等でもこういう方法が依頼をされているというようなこともありまして、本年一月でございますが、環境庁長官名で認定することになりました臭気判定技士審査証明事業というものを社団法人の臭気対策研究協会というものにお願いしてやっていただいておりまして、この官能試験というものの普及に努めたいと考えておるところでございます。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 先に答えてくれたらいいような気がするんだけれどもね。試験士制度ができているんですか。まあいいですよ、後で一遍にお尋ねします。  環境基本法第十六条は、悪臭については環境基準を設定することに有っていない、科学的根拠に基づいて規制を行うためには悪臭についても環境基準の導入が私は図られるべきだ、こう思うんです。  そこで、私が冒頭言いましたように畜産の問題で言いますと、汚い、臭い、やかましい、こう三つあるんです。そうすると、やかましいというのはこれは例えばデシベルで、昔のホン、これでわかる。汚いというのは、どこから汚いんだということになるとこれは大変難しい問題だと思うんですよ。それから、特に臭いという根拠は、例えば今おっしゃったように二十二というのはこれは水質汚濁の問題をおっしゃった。しかし、悪臭には幾つあるのかわかりませんが、例えばアンモニアのガスがある、これは数値が出ます、メタンも出る。  しかし、人間に体臭があるように大動物でも中動物でも小動物でも、みんな体臭を持つんです。しかも、物を食べるんですから必ず排せつするんです。水質問題が言われるのは、大動物においては水質汚濁の問題も出てくる、小動物、鶏とかの家禽、こういうものについては御案内のように尿 をこかない、水質には私は全然関係ない、このように私は思うんです。そうすると今、ことしは百年に一遍の不作だ、こう言われているんですが、食糧安保論も出ておる。日本の食生活が多様化してきて、御案内のようにたんぱくの供給、たんぱく資源の確保というものが大変重要になるんです。  例えば、東京都の二十三区で鶏を飼ったり、大動物を飼ったり中動物を飼うということはこれは常識的にいかがなものか、私はこう考える。しかし一遍、日本列島の中で考えてみたら客観的に言ったらまだたくさんそういう適地はあろうと思うけれども、この三つの問題があるだけに、例えば京都市内、東京都内、大阪市内、こういうような大都会でもともとやっておった人が公害だといって追い出されていったんです、昭和四十二年のあの公害対策基本法ができてから。そして、その次に新天地を求めた人は荒野を開いたんです。道路をつけた、電柱をつけたんです。そこでやっと軌道に乗りかけたなと思うと、人は後で居住してくるんです、開発で。そして、汚い、臭い、やかましいのこの三つで追い出していくんです。  とうとうこのごろ追い出してしまったら、補完行政をやります都道府県は市町村に対して適地だなと思ってもなかなかそういうことの振興してくれと言ったってやってくれない。市町村の町長さんや首長さんだってみんな選挙の洗礼を受けるんですから、そんなもの持ってきたんではと、こういうことになっちゃう。僕はこういうような基本法ができたときに、そういう問題をきちっとやっぱりやっておくべきだと。  農水省お見えになっていますね。農水省、ちょっとこの辺一遍、今そのことを申し上げながらきょうまで一体どういうような公害の除去に対しての施策、さらには畜産振興そのものについて、おとりになった今日までの経緯を教えてください。

信國卓史農林水産省畜産局畜産経営課長

○説明員(信國卓史君) 畜産経営に起因いたします環境問題の発生、これを寄せられます苦骨の数というふうな形で見てまいりますと、近年一貫して減少しております。しかし一方で、経営規模が大変拡大しておりますこと、あるいは農家と非農家が同じ地域に住むといういわゆる混住化が進展している、また一方で環境規制が強化されるというふうなことがございまして、一部地域におきましては畜産の環境問題というのは大変深刻化しているところでございます。  その中でもやはり悪臭関連が特に苦情の発生が多うございまして、畜産の苦情につきましての約六割を占めている状況でございます。このような畜産環境問題の発生は畜産にマイナスイメージを与えまして、例えば後継者の確保がなかなか難しい、こういうことの原因にもなっておりますので、畜産の発展にとりましてこういう阻害要因になっております環境問題をどうやって解決するのか、特に畜産環境問題の主因となっております家畜のふん尿の適切な処理というのがますます重要になっておると考えておるところでございます。その場合、家畜のふん尿は一方では多くの有機物を含んでおりますので、これを堆肥化し土壌に還元するということは、環境保全のみならず資源の有効利用という観点からも極めて有効でございます。  このようなことから、畜産環境問題の対策といたしましては、畜産農家に対します家畜ふん尿の適切な処理のための指導、あるいは共同利用の家畜ふん尿処理施設につきましてのこれを整備いたします場合への助成、あるいは先生先ほどおっしゃいましたような経営移転を集団的に行う場合の助成、あるいは個人施設に対しましてはふん尿処理施設等のリースあるいは低利融資といったような対策を講じてきているところでございます。  さらに六年度、来年度の概算要求といたしまして、新たに水質保全に係ります規制が強化されたことに対応いたしまして、高度な家畜ふん尿処理施設を緊急に整備するための事業あるいは家畜ふん尿処理に関しまして新しい技術の実用化を進めておりますが、その中で悪臭の抑制効果のございます有用微生物等、新しい素材に関します調査並びにそれらの最適利用体系の確立のための事業といったことをあわせ要求しているところでございます。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 新しい素材というのは何ですか。

信國卓史農林水産省畜産局畜産経営課長

○説明員(信國卓史君) これは、素材は微生物が主材でございますけれども、そのほか鉱物でございますとか、いろんなものがございます。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 今言われるのは、いわゆる共同事業でやっているところの公害施設に対しての融資を行うとか、制度資金を持つとか、そういうことをおっしゃっているんだと、こう思うんです。  この問題は大体農水委員会の問題ですから、多くは僕は入りませんけれども、ちょうどこの基本法が制定されるときですから、私の言っているのは、畜産業を営む場合にはそういう公害をできるだけ飛散しない、こういうことは基本やと、こう思うんです。思うんですけれども、そのこととは別個の問題として公害、いわゆる悪臭、汚い、騒音についてはホンがありますね。しかし、人間が声を出すように牛だって豚だって鶏だって声を上げるんですよ。こんなのマスクはめさすわけにいかぬ。  だから、僕は人間に体臭があるがごとく動物にも体臭があるんだと、こういうことなんですから畜産の公害、畜産を環境破壊だというような、こういうことのとらまえ方をしていくと今農水省のお答えのように畜産がだんだん追いやられてしまって、たんぱく資源の提供する場所がなくなってしまう。自由化の問題でどんどん切り捨ててしまって、何ですかホルスタインの肉が下がってしまう。これは農水問題だから余りやったらいかぬのだけれども、まあお許しください。  そういうことからいくと、この基本法によって畜産のたんぱく生産が追いやられる、こういうことの懸念を持ちますから、この辺を私は実はここで指摘をしておるわけでありまして、これは長官どのようにお考えですか。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 悪臭というのは生活に密着した環境問題であるということで、これまでは私も含めまして多くの人たちは生活者の視点から苦情を言い続けてきたのではないかと思います。  きょう先生は、事業者の視点から、あるいは食糧供給という視点から新たな立場で問題提起をなさったということで大変関心を持ち、興味深く伺ったところでございます。ただ悪臭という問題は、他の公害問題と同様に、やはり積極的に解決を図るべきものだと思いますし、それは単に事業者の移転や廃止などによって解決を図るだけではなくて、適切な対策を講じることによって住民の生活環境の保全との両立を図る、そういうことが必要だろうと思います。  環境庁といたしましては、悪臭防止法の適切な運用、それから環境事業団による融資を行うとともに、今後ともこのような視点に立ちまして関係省庁なかんずく農水省などと連携を図りつつ自治体を指導してまいりたいと、そのように思っているところでございます。ちなみに、環境事業団からの低利融資もございまして、環境庁としては技術的、経済的に悪臭防止を支援しているところでございます。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 関係省庁と特に畜産振興のためにも長官ひとつよろしくお願いします。要望しておきます。  議題を変えまして、ロシアによる核廃棄物の海洋投棄問題についてお伺いをしたいと思うんですが、時間がございませんので、あらかじめ用意いたしました質問は少しはしょって申し上げたいのですが、日本海への核廃棄物の不法な投棄は、エリツィン大統領が帰国をしてからたった三日後の十月十六日に行われたものであります。これは先委員会で議論になったところであります。  しかも、日ロ首脳会談の東京宣言の中で核廃棄物の海洋投棄の環境に与える影響を日ロ共同で調査するということを決めたやさきのことでありまして、我々日本人のプライドを大きく踏みにじったものだと、このように私は思うのであります。まさに暴挙であります。このことは、今後日本と ロシア両国の信頼関係、協力関係に水を差すものである、極めて遺憾である、同時に重大な外交問題である、このように私は考えておることを申し上げておきたいと思うのであります。  そこで、今回の不法な投棄について、ロシア側から我が国に対して何らかの事前通告はあったのか。この前もお伺いがありましたけれども、簡単に答えてください。

天野之弥外務省総合外交政策局科学原子力課長

○説明員(天野之弥君) お答えいたします。  今回の件に関しましてロシア側からの事前通告は一切ございませんでした。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 日本の政府は、今回のこの海洋投棄の事実についてどのようなルートを通して知ったのか、この辺についてお伺いしたいと思います。  一部報道によれば、グリーンピースから情報を得たとも言われている。しかも日本人がそこにおってカメラで撮ってその事実が放映された。このことが事実ならば、政府のロシア関係の情報収集体制はどうなっているのか、この点についてお伺いしたい。

天野之弥外務省総合外交政策局科学原子力課長

○説明員(天野之弥君) ただいまお答えいたしましたように、ロシアからは事前の通報はございませんでした。自後、直ちにロシア政府に対して照会をいたしましたところ、十八日になりましてロシア政府から事実関係の確認があったところでございます。また、先般十月二十七日、二十八日、専門家会合を開きまして、私はロシアに行ってまいりましたが、その際により詳しい情報の提供を受けてまいりました。  以上でございます。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 今回の海洋投棄は、我が国のみならず韓国初め諸外国からも強い批判を受けているところであります。ロシアは海洋投棄を現在のところ一時停止をしたようではありますが、一昨日、今月の八日からロンドンにおいてロンドン条約締約国会議が行われております。  今回の論議の的は、低レベル放射性廃棄物を含めた海洋投棄の全面禁止である。日本は既に支持の表明をしていると聞いておりますが、このような状況の中でロシアの軍事関係者はこれからも引き続いて投棄を行うと言っている。そういう報道がある。政府はロシアが今後海洋投棄を行わないという確証を得ておるのかどうか。外交上の問題ですからね。その辺はどうなんですか、教えてください。

天野之弥外務省総合外交政策局科学原子力課長

○説明員(天野之弥君) まずロンドン条約の関係につきましてお答えいたします。  ロンドン条約の締約国協議会が今月の八日から十二日までロンドンで開催されております。このロンドン条約の締約国協議会議におきましては、条約改正問題を主要議題として取り上げております。その一環として低レベルの放射性廃棄物の海洋投棄問題も検討されております。この問題に関しまして、大勢は低レベル放射性廃棄物の海洋投棄の禁止の提案を支持しておりますが、一部の先進国などが意見を異にしておりますので、現在作業部会を設けまして協議を行っているところでございます。  なお、我が国は低レベル放射性廃棄物の海洋投棄の禁止を内容とする条約改正案を支持することとしております。  次に、ロシアの軍部による発言などにつきましてお答えいたします。先生御指摘のとおり、十月十七日の投棄の事実が確認された直後、外務大臣などハイレベルから投棄の即時中止を強く申し入れまして、二十一日、ロシア側は投棄の中止を発表したという経緯がございます。しかし、それにもかかわらず、一部の海軍関係者などから投棄の継続に関する発言が繰り返し行われております。これに対しまして、私どもは、十一月一日、我が方のロシア大使館からロシアの外務省に対しまして申し入れを行いましたところ、先方は中止を決定したという決定以外いかなる新しい決定も行われていないということを回答してきております。また、二日、環境天然資源省次官に対しても同様の申し入れをいたしまして、先方からも同趣旨の回答が来ております。また、四日には、枝村大使からクロモプロシア海軍総司令官に対しまして申し入れを行いました。この申し入れに対しまして、海軍としては政府の決定は厳格に尊重するということを確認いたしまして、また、今後報道されたような発言がないように注意するというようなことを回答してきております。  以上でございます。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 お隣におられる我が党の石渡理事でありますけれども、先委員会での質問に対しまして、科学技術庁からは、今回の海洋投棄物は低レベルのもので余り問題はないとの答弁があった。グリーンピースの測定では、普通自然界のバックグラウンド放射能レベルは五ミリシーベルト程度のものなのに対して、現場付近の測定値は六百八十ミリシーベルトであったと言っている。つまり、百数十倍ものすさまじいレベルまで上昇しているのであって、専門家の中にはこれは決して低レベルのものではない、そういうような廃棄物じゃないとの見方をしている人もおります。  さらに、投棄の場所が三千メートルの深海だから影響がないと言われておりますけれども、今回のグリーンピースの廃棄船の映像を見ても、とても深海に廃棄物を流し込むような装置をしているとは思えない。私もあのテレビを見てそう思う、素人ですけれども、また、御承知のように、日本海は海底がすり鉢のようになっている。真ん中が四千メートル級の深海に対して周囲が盛り上がっておる、こういうような海底だそうであります。深さが均一であれば海流も均一に拡散して、問題はないと言えばおかしいですけれども、まだましだろうと。もし何らかの海流の作用である地点だけ流れのよどみが生じる可能性があるとしたなら、漁業資源等に対する影響は大変なものが出てくるのではないか、このように言われております。  私は京都でありますが、今河本先生がおられますけれども、滋賀県には日本で一番大きな琵琶湖がある。あの琵琶湖は、琵琶湖大橋というのがあって、北側が北湖、南側が南湖と言う。御案内のように琵琶湖は随分条例をつくって今防止をしておりますが、私ども地方議会におったときに見学をした。あの北湖の方は深さ六十メートルだと、こう言われる。南湖は大体深さが五メーターから八メーターぐらいだと。南湖が今汚れている。しかし、これはしゅんせつをするとまだ間に合う、こう言われているんです。万が一あの北湖六十メートルのところを汚したとしたら、一世紀間は今の技術ではもとへ戻すことができないだろう、こういう学者の話をかって聞いたことがある。  こういうこと等から考えますと、この問題は重要な問題だということで、地方自治六団体から私どものところにも、さらには漁業関係団体からも、海洋投棄に対して大きな不安を持っている、全面禁止と適切な処理体制の確立、徹底的な調査を求めた要望書がここにも参っております。  ここで、科学技術庁は、本年八月三十日、「旧ソ連・ロシアによる放射性廃棄物海洋投棄」について調査結果の最終的取りまとめを行いましたが、ここにこれをもらっております。それによると、「現在までの調査(本年四月~六月)によれば、本件海洋投棄により我が国国民の健康に対して影響が及んでいるものではない、との判断を再確認することができたと考えています。」とありますが、今回の海洋投棄についてはどういう見解を持っておられるのか。これは四月から六月ですから、先ほどもちょっとおっしゃったけれども、もう一遍きちっとこの点について見解をお述べいただきたい。

三角逸郎科学技術庁原子力安全局原子力安全課長

○説明員(三角逸郎君) 御説明を申し上げます。  ただいま西田先生からの御指摘、重々承りました。我が科学技術庁といたしましては、この旧ソ連、ロシアによる放射性廃棄物の海洋投棄につきましては、今先生から御指摘がございましたけれども、本年の四月、これは白書が実は四月二日に公表されてございますが、本年の四月から六月にかけまして、過去に旧ソ連時代、それからロシアになってからでもございますが、実施した海洋投棄に焦点を当てまして、日本海における緊急の海 洋調査を実施してございます。  今回、ロシアによる新たな投棄、これは一キュリーもしくは最近の話だと〇・三八キュリーと申してございますが、いずれにしましても、今回のロシアによる新たな投棄という事態を受けまして、十月二十日でございますが、放射能対策本部の幹事会を開催いたしまして、本件の影響の重大性と内容の調査といったようなことの目的のために、海上保安庁だとか気象庁、水産庁といったような関係各省の御協力を得まして、緊急に海水の採取だとか分析等を行うということで日本独自の調査をして実施しております。現在やっておるところでございます。  それから、特に従来は日本海ということで日本側の海域での調査でございましたけれども、投棄された当該海域におきましても日ロで共同で作業をしよう、調査をしようということで合同作業部会、ちょうどきょうでございますが、きょう、あす行われているところでございます。  それから、先生から大体一キュリープラスアルファといったような前回の御議論も踏まえて御指摘があったわけでございますけれども、新たな投棄も含めましてこのような旧ソ連、ロシアにおける投棄というのは国際的な合意にも反しておりますし、特に御指摘の日本海といったようなことで近隣諸国への配慮も欠けるという認識を私ども持ってございます。特に先ほど水産関係の御心配の要望等も我々たくさんいただいてございます。今回の事態に対しての国民の皆様方の深い懸念ということに重きをいたしまして、十分に今後遺漏のないように調査もし、相手方から情報も求め、慎重にその影響を評価していきたいというふうに取り扱ってまいりたいと思ってございますので、御理解をお願いしたいと思います。  以上でございます。

竹村泰子日本社会党・護憲民主連合

○委員長(竹村泰子君) 西田さん、時間です。

西田吉宏自由民主党

○西田吉宏君 時間ですから終わりますが、ちょっと三十秒だけください。  一言だけつけ加えておきますが、今おっしゃったからそれで私も理解はいささかいたしますけれども、誤解を招くような発言をしてもらったら困る。この前の石渡質問に対しまして、あなたのところの科学技術庁放射性廃棄物規制室長さん、この方が追答弁をされまして、かつては一九六六年から一九九二年まで二十七年間にわたって二万キュリー近くも海洋投棄をしておるんだと、今回のはわずか一・〇八七キュリーだと、したがってこれは調査したところ特段異常が認められていなかった、こういうことを答弁した。  こういうようなことを――報道機関の方もみんなおられるんです、傍聴の方もおられるんです。国民は、日本だけじゃなしに韓国とかみんな含めて海洋投棄に対しては大変戦々恐々としておる。そういうときにそういう答弁をなさるということは大変私どもにとりましては不心得だ、このように思うんです。今後注意してもらいたい。このことだけ申し上げて、質問を終わります。

西野康雄日本社会党・護憲民主連合

○西野康雄君 環境基本法、今西田先生のいろいろな御質問を聞いておりまして、特に畜産公害のことなんか、何か戦前の東京帝大の美濃部達吉さんがニューザンスの法理論というのを紹介して、ロンドン郊外にパン屋があって、そこでパンを焼いていたんですが、どんどんと住宅が広がってくる。その中でパンは売れるのはよいけれども、朝の二時ぐらいからまきは割るし煙は出てくるわというので地域住民から出ていけと言われて、結局パン屋さんはおまえのところの方が後から来たやないかと言うたんやけれども、裁判の方ではパン屋が出ていけというふうになったと。さりとて住民もパンを食べなきゃならぬわけで、どこかその辺の折り合いというものが今日求められているのではないかな。  そうすると、この環境基本法も、パン屋さんと住民の関係で、あっちでつつかれ、環境庁は出したんだけれども、通産でつつかれ農水でつつかれ建設省でつつかれ、よれよれになりながらようやく参議院にたどり着いたなと。腹を減らした人間をウナギ屋さんの前に連れていってにおいだけかげと言っているようなもので、文句言うたら、食わないよりましやろと言っているような感じがこの基本法の中からしてくるわけです。  およそ十二ほど基本法というのは今あるわけです。しかし、その実効性というならば、本当に基本法というものはまるで実効性がないわけです。公対法やとか自然環境保全法を中に入れて今日の環境問題を衣で包んでてんぷらで揚げているなという感じがせぬことはないわけです。  ロシアの放射性廃棄物の問題だけやないんですけれども、この十三条を見ますというと、「放射性物質による大気の汚染等の防止」というところで「放射性物質による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚染の防止のための措置については、原子力基本法その他の関係法律で定めるところによる。」、こういうふうにしてあります。しかし、原発から出される放射性物質の処理だとか温排水の問題あるいはCO2の排出抑制の観点からのコストベネフィットを踏まえた環境政策上、どうこれを位置づけるのかとか、あるいは原発というようなものは大体都会から離れた、自然環境上いろいろなところで保全すべきそういうふうな面の多いところに立地させるわけです。立地の際の自然への影響とか環境問題を考えたら、この条項、環境問題と放射性物質だとか原発だとか原子力、全く別体系として考えているというのはどうも私は腑に落ちぬわけです。なぜ別の法に「放射性物質による大気の汚染等の防止」を譲ったのか、その辺ちょっとお尋ねしたいんですが。

森仁美環境庁企画調整局長

○政府委員(森仁美君) ただいま十三条をお話してございます。十三条では、「放射性物質による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚染の防止のための措置については、原子力基本法その他の関係法律で定めるところによる。」ということで他の法体系に譲っているわけでございます。これは、既に原子力基本法を初めとする諸法令が整備されておりまして、環境の保全に支障が生じないように厳重にこれらの法令によって規制が行われていることから、この汚染の防止のための措置については公害対策基本法の規定を引き継ぎまして、既に整備されている原子力基本法その他の関係法律によることを規定したものでございます。なお、放射性物質によります大気汚染等の問題も、これが生ずれば当然のことながら環境問題に含まれるものになるわけでございまして、環境基本法の対象にはなってまいります。  放射性物質による大気の汚染等の防止のための措置以外の規定につきまして、例えば環境基本法の基本理念でございますとか責務などの規定というのは当然放射性物質による環境汚染問題にも適用される、こういう構成でございます。

西野康雄日本社会党・護憲民主連合

○西野康雄君 原子力基本法その他というのも抜け穴の多いものだと思いますし、しかし放射性物質による大気の汚染防止等のそういうふうなところで今ちょっと念押しをさせていただきました。  続いて第十五条でございます。環境基本計画を定めるということは結構なことだと思うんです。だけれども、環境基本計画と民間とが、地方公共団体、国だとかがいろいろな開発行為を行います。その辺の関係がちょっと不明確ですな。だから、環境基本計画はこっち側につくったけれども、それは勝手にやっておくんなはれ、うちはうちでやりますねんと。そんなもの、国が勝手に環境基本計画をつくったって、私のところとは全然関係ないんですよというふうな形で開発事業が実施されるおそれがあると、この条文を見ているとそういうふうに思うわけです。  基本計画の優位性というものはどこにあるのか、そしてまたその基本計画というものはどこまでそういうふうな開発行為に対して歯どめがきいているのか、その辺ちょっと押さえさせてもらえますか。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 環境基本計画は、環境保全に関する基本的な計画として政府部内の調整を経て閣議で決定されるものでございます。したがいまして、国の施策や計画は、環境の保全に関しては環境基本計画の基本的な方向に沿ったものになることが担保されていると考えておりま す。  御指摘のような個別の開発事業についても、関係する事業計画等が環境の保全に関しまして環境基本計画に示す基本的な方向に沿って策定されることなどにより、環境の保全に関する配慮は確保されるものと考えております。また、環境基本計画では、国以外にも地方公共団体、事業者、国民に関しても環境の保全に関する責務を定めておりまして、環境基本計画においては国の施策のみならず地方公共団体、事業者等の取り組みを盛り込むことにしております。  環境基本計画が策定された後は、計画に盛り込まれた地方公共団体や民間の取り組みの具体化が図られ、環境基本計画が効果的なものになるよう各種の施策を積極的に講じてまいりたい、そのように思っております。

西野康雄日本社会党・護憲民主連合

○西野康雄君 ところが、ずっと条文を見ていると、「努めるものとする」とか責務があると、こういうふうなことだけでここから強制力のあるものというものは全く出てこないわけですよ。それは、国や地方公共団体にもこないさせますねんとかあるいは民間デベロッパーにもこないさせますねんという御答弁は御答弁で結構なんですが、しかしその実効性の担保というものに関してはもう今の答弁では何一つ出てこない。じゃ、これで民間が無視したって、一体どこに法的な措置だとかそういうふうなものが出てくるのかというと、全く何も出てこない。実効性が本当にあるのかしらというふうな感じですよね。  だから、今するりっとお逃げにはなったけれども、基本計画の優位性というものはどこにあるのかという、この基本的な疑問というものは今の御答弁の中でも結局は出てこなかったなというふうな感が私するわけでございます。ですから、今後その基本計画に沿ってずっと出てきたときに、また環境庁のより一層の実効性のあるものの担保とでも申しましょうか、そういうものを私自身は求めていきたいと思いますし、今後とも努力をしていただきたい、かように思うわけでございます。  二十二条でございますね。これはしかし大変な名文とでも申しましょうか、まさにあちこちでつつかれてきた文章だなという思いがするわけでございます。一遍読んでこれがわかるかというと、わからぬのが普通ではないかと思いますよ。まず一項で、  国は、環境への負荷を生じさせる活動又は生じさせる原因となる活動(以下この条において「負荷活動」という。)を行う者がその負荷活動に係る環境への負荷の低減のための施設の整備その他の適切な措置をとることを助長することにより環境の保全上の支障を防止するため、その負荷活動を行う者にその者の経済的な状況等を勘案じつつ必要かつ適正な経済的な助成を行うために必要な措置を講ずるように努めるものとする。 と、これすっと読んでわかるかな。  まあそういう中で経済的助成とは何かということですね。恐らく財界の方は、補助金を出してくれたならば、公害防止のためにいろんなものをするのはやぶさかではございませんよというふうなことだろうと思うんです。この一項の経済的助成とは何なんでしょうか。

森仁美環境庁企画調整局長

○政府委員(森仁美君) 二十二条一項を今お読みになりました。ここで考えております助成措置、具体的には各種の低利融資でありますとか税制上の優遇措置というものが該当すると考えております。そのほか環境事業団による建設譲渡事業といったような形もその変形に当たろうかと思います。

西野康雄日本社会党・護憲民主連合

○西野康雄君 問題は二項なんですよね。二項は、  国は、負荷活動を行う者に対し適正かつ公平な経済的な負担を課すことによりその者が自らその負荷活動に係る環境への負荷の低減に努めることとなるように誘導することを目的とする施策が、環境の保全上の支障を防止するための有効性を期待され、国際的にも推奨されていることにかんがみ、その施策に関し、これに係る措置を講じた場合における環境の保全上の支障の防止に係る効果、我が国の経済に与える影響等を適切に調査し及び研究するとともに、その措置を講ずる必要がある場合には、その措置に係る施策を活用して環境の保全上の支障を防止することについて国民の理解と協力を得るように努めるものとする。この場合において、その措置が地球環境保全のための施策に係るものであるときは、その効果が適切に確保されるようにするため、国際的な連携に配慮するものとする。 と、これは何を言いたいんだろうかと思う。その中で、「公平な経済的な負担を課す」ということですよね。この「公平な経済的な負担を課す」というのは税金なのか賦課金なのか課徴金なのか罰金なのか、この条文を読んだ限りは出てこないですわな。これは恐らく環境税だとか炭素税だとかそういうふうなものを概念に置いているんでしょうけれども、そうなりますと、やはりこれは第二の消費税がなというふうな感じもせぬことはない。一体この「公平な経済的な負担」とは何なのか、お答えください。

森仁美環境庁企画調整局長

○政府委員(森仁美君) ただいまお読みをいただきました第二十二条第二項でございます。この条文は、環境への負荷を低減するために経済的な負担を求める施策についてさまざまな調査研究を行い、税、課徴金、デポジットといったような経済的な負担を求める具体的な措置を導入する必要がある場合には、その措置についての活用について国民の理解と協力を得るように努める旨を規定しているものでございます。  したがいまして、このような施策というのは国民に新たな負担を求めることになるわけでありますから、環境の保全上の支障の防止についての効果、それから個々の負荷活動を行う者に対する負担が適正で不公平であってはならないということから、この言い方を「適正かつ公平な」という言葉で表現をしたわけでございます。したがって、言いかえますと、適正かつ公平な形で税、課徴金、デポジット等の経済的な負担を考える、こういう趣旨でございます。

西野康雄日本社会党・護憲民主連合

○西野康雄君 要するに、国民に新たに負担を求めるというそれの呼び水である条項には変わりはないわけですよ。だからこそ、ここの部分においてもあだやおろそかに、はい、やりますよというふうなことはやってもらいたくはない。十二分に国民の合意を得ていただけるように努力もしていただきたいわけです。  二十七条でございます。「個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ」というふうなことがある。このような文言は情報公開を拒否する理由であるともとれるわけですよね。公害、環境に関する情報の公開というのはほかの利益よりも優先的に扱われなければならないというのは、これはもう水俣病の例をまたないわけですよ。ところが、この利益保護配慮規定というものがござます。そうすると、要するにこれは情報公開を被害者が求めてきても、いやその法人の権利があります、利益がありますから、法人のそこの利益がありますからだめですよというふうな断るような条文でしかないわけですが、その利益保護配慮規定というのは何を意味するんですか。

森仁美環境庁企画調整局長

○政府委員(森仁美君) この二十七条で書いております「個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ」というのは、情報提供をしていくに当たって留意しなければならない事項として個人のプライバシーや法人の営業秘密の保護等に配慮すると、こういうことでございます。  事業者に関する情報につきましては、政府部内で平成三年に行政情報公開基準というものを申し合わせいたしておりますが、この場合これによりますと、「法人その他の団体に関する情報であって、公開することにより法人等の競争上の地位、財産権その他正当な利益を害するおそれがあるもの」は非公開とすることができる、「ただし、事業活動によって生ずる国民の生命、身体若しくは健康への危害又は財産・生活の侵害から保護するため公開することが特に必要と認められる場合を除 く」と、こういう場合には情報を公開すると、こういう趣旨でございます。  それで、この二十七条が成立した暁にはこの行政情報公開基準、こういう考え方を踏まえながら適切に情報提供を行ってまいるということでございます。

西野康雄日本社会党・護憲民主連合

○西野康雄君 そこを押さえておかないと、この法律だけ読んだ方はどう思うかというと、やっぱりこれは情報公開をしてくれおいんだ、ここにプライバシーがあるからだとか、ここに企業の秘密があるからだという形でこの条項で門前払いを食わされるという、そういうふうな危惧を非常に持っておるわけですよ。  ですから、そういうふうなことは、本当はこういうふうな「配慮しつつ」ということ自身を私自身は疑問に思うわけ。ですけれども、長官、もう一度その辺のところをお答え願えますか。国は「情報を適切に提供するように努めるものとする」とありますけれども、「努める」とある以上は情報公開してもしなくても国はよいともとれるわけですよね、努めるものとするんですから。その情報公開制度、実効性は疑わしいなと思うんですが、長官どうでございますか。

森仁美環境庁企画調整局長

○政府委員(森仁美君) ちょっと技術的な部分にわたりますので私からお答えをさせていただきますが、この二十七条では提供の必要な情報を保有していない場合などには情報を提供しようと思っても物理的な制約があるわけでございますし、提供の義務づけを含む情報公開一般につきましては昨年十二月の行政改革大綱において、「これまでに整理された検討課題を踏まえつつ、引き続き所要の調査研究等を進める」とされている段階でありますので、このような制約を踏まえた規定でございます。  ただ、今日の環境問題を解決してまいりますには、環境の保全に関する情報を広く的確に提供していくことが必要であることは言うまでもございません。環境基本法が成立した暁には、先ほど申し上げましたような二十七条の規定の趣旨に従いまして、積極的な情報提供、こういうものを行ってまいりたいと考えております。

西野康雄日本社会党・護憲民主連合

○西野康雄君 二十条の環境影響評価の推進についてお伺いをいたしますが、事業を行う事業者が、「環境への影響について自ら適正に調査、予測又は評価を行い、その結果に基づき、その事業に係る環境の保全について」とあります。  事業者みずから行うというのは、例えば奄美大島にアマミノクロウサギというのがもう絶滅寸前でいるわけですよ。ところがそこヘゴルフ場ができる。ゴルフ場業者は勝手にそこへ囲いをしてしまってアマミノクロウサギを絶滅に追い込んでおると。業者は勝手に調査せいというふうなことをやっておるというふうなことも聞く。私は、「自ら適正に調査、予測」というふうなことは、これは信頼できないわけですよ。国や地方自治体がきっちり環境アセスメントを行う、そういうふうな姿をこの基本法で見せてくる必要があるんじゃないかなと思うんですが、どうでしょうか。

森仁美環境庁企画調整局長

○政府委員(森仁美君) この環境影響評価を事業者が実施することにいたしておりますのは、規模が大きくて環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業を行おうとする者が、事業の実施に伴います環境への影響について、みずからの責任と負担で配慮するということが当然ではなかろうかというのが一点でございます。それから、調査、予測、評価を一体的に事業者に行わせた方が、その結果を踏まえまして事業者みずからが事業計画や公害防止措置等の手直しもできるという点がございます。  その個別事業の環境影響評価は、実は対象事業ごとに既に得られております科学的知見に基づいて主務大臣が環境庁長官に協議して定めた技術指針に従いまして実施する、こういうことになっております。さらにこの調査等に基づき作成された準備書は、住民の意見や関係地方団体の意見、それから許認可を行う行政庁の審査等の手続を踏むことによりまして、慎重に審査をされているところでございます。環境庁でもみずからのスタッフによりまして、厳正、慎重にいろいろなことをやっておりまして、その信頼性の確保というところに最大の意を用いているところでございます。

西野康雄日本社会党・護憲民主連合

○西野康雄君 自然保護団体だとか一般市民はそんなんでは納得しませんわ、はっきり申し上げまして。事業者がみずから行うというようなこと、これ自身が、何ぼ答弁したって無理ですよ。しかしまあ、もう時間がございません。  最後になりました。環境影響評価について、環境庁は三年かけて調査研究を行うと聞いておるわけです。この調査研究の調査期間、環境アセスメントだけでももう十年来やられていることじゃないですか。それをまた三年かけますとか、そんなおかしな話はないわけですよ。調査期間を短縮すべきと思うんですけれども、これは長官にお伺いをいたします。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) この調査研究は内外の環境影響評価に関する詳細かつ深度のある調査を行うものでありまして、特に海外の調査研究については相当の期間を要する、そういうことから時間をかけなければならないということでございますが、できるだけ早期に成果が得られるよう、早速本年度から関係省庁で必要な予備的な調査を開始することといたしまして、既に関連情報の収集に着手したところでございます。  環境庁としては、関係省庁とも十分相談、協力しながら精力的に調査研究を進め、調査期間を短縮すべきであるとのただいまの御指摘の点を踏まえながら、できるだけ短縮して早期に成果が得られるよう努力させていただきます。

西野康雄日本社会党・護憲民主連合

○西野康雄君 短縮してという長官のお言葉がございましたので、私自身も少し安心をいたしたところでございます。  三十一条二項についても質問をしたいんですが、時間が参りました。ありがとうございました。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 私は環境特別委員会で、前々国会でも今国会でも何度も何度ももう基本法についての質問を繰り返してまいりました。きょうは大詰めでございます。  各省庁おいでいただきましたが、環境庁に限っては質問を長官だけに絞って、そして政府委員の御答弁はこちらから指定した場合だけに限らせていただきます。  というのは、私はゆうべつくづく思いましたのは、どんなにいい法律ができても結局は行政が執行しなければほごと同じだということを、もう成立する前に思ったわけでございます。あとはどれだけ行政の長であられる長官が陣頭指揮をとり、やる覚悟があるか、本当にやるのかどうかというその決心を聞く以外にきょうはない、そういう気持ちでここに立っております。  まず伺いたいのは、公害対策基本法そして自然環境保全法が環境基本法になるわけですけれども、その精神というのは地球環境そして自然保護ということが強化されたというふうに思っていますが、その点で、書いたものはないと思いますが、長官はその二点、地球環境と自然保護について成立した場合には本気で取り組む覚悟はおありになるかどうか、まずそのことを伺いたい。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 取り組むつもりは十分にございます。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 はい、ありがとうございました。  その十分という言葉は地球ほど重いというふうに私は受けとめさせていただくので、今後環境行政については、その十分にございますというのを常日ごろずっと使っていきたいと思いますので、よろしくお心得いただきたい。  そしてまず七条から伺いますが、地方自治体の主体性、「自然的社会的」という言葉で書いてあるんですが、十分に尊重するというか、責務を負わせているわけですが、この点についても環境基本法よりも地方自治体の主体性というのを重視なさるかどうか明確にお答えいただきたい。  これは長官にお願いいたします。基本法の七条をお読みになれば書いてございますから、それをしっかりと実行するということだけ確認しているわけで、それ以外に何もございません。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) はい……。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 はいではわからない。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) この条項の趣旨にのっとりまして実行してまいります。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 建設省、お越しいただいていると思いますが、一番関係のある省庁でいらっしゃいます。この精神にのっとってこれからいろいろ町づくりの条例を多々つくられると思うんですね。よりアメニティーを大事にしようとか、それから身近な自然との調和を大事にしようということもあると存じます。そういったものを十分にこの基本法が制定された暁にはまず建設省として重視してくださるかどうか。  例えば、具体的には町並み、家並みを景観の観点から二階以上のものを建てないというようなところもあるそうですが、そういったようなものも十分に御配慮くださるかどうか、ぜひお答えいただきとうございます。

馬渡五郎建設省建設経済局調整課環境調整室長

○説明員(馬渡五郎君) 具体の条例の内容につきましては、個別に判断しないといけないことでございますけれども、自治体が町の環境整備に取り組んでいただくということは非常に大切なことだと認識しております。  御指摘の点につきましては、建設行政分野における環境問題の取り組みの充実強化の観点から、環境基本法その他の諸法令の趣旨、規定の範囲内で地方公共団体において環境に積極的に取り組む条例が策定されました場合は、適正な執行がなされますように建設省としても努力をしていきたいと考えております。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 具体例を申しましたが、例えば二階以上の家並みはつくらないというようなときに、六階建てをどうしてもやるというような業者が出た場合、建設省としてはその点は条例の方を配慮していただけますでしょうか。

馬渡五郎建設省建設経済局調整課環境調整室長

○説明員(馬渡五郎君) これは法令と条例との関係でございますので、それぞれ個別の条例ごとに判断をしていかなければならないと考えております。  この点におきましては、条例につきましては法令に違反しない限りにおいて制定できるとか、あるいは国の法令と条例との関係についてはその趣旨、目的、内容について総合的に勘案しなくちゃいけないとかいろんな考えがあるところでございますので、具体的な内容につきましては個々の条例ごとに、個別の自治体ごとにあるわけでございますので、それと法令との関係で判断すべきものだと考えておりますけれども、ただいま申し上げましたとおり、環境基本法も含む諸法令の趣旨、規定の範囲内で各条例が尊重されるように図ってまいりたいと考えております。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 建設省としても多分前向きに取り組む覚悟でいらっしゃるでしょうし、それが時代性がとも存じます。  例えば住民の意思で十分の八の同意がなければ開発を決めないとか、逆に開発をすることに決めるというようなそういったところも出てきているようです。例えば川崎市とか武蔵野市などでも都市の自然を守るということから条例が制定されておりますので、そういった点でもぜひ今後前向きに対応していただきたいと思いますが、よろしくお願いいたします。  環境基本法は環境庁だけではなくて、建設省でも基本法として地方自治の条例を大いに尊重していただきたい。非常に国レベルでは違うんだということの、特に建設省側からの圧力があるという声を多々聞きますので、この基本法ができたらそういったこともなくなるかと思いますが、最後に一言伺いたいです、建設省。

馬渡五郎建設省建設経済局調整課環境調整室長

○説明員(馬渡五郎君) 先生御指摘の第七条も含めまして環境基本法に示されております諸課題につきましては、この法案が成立いたしました後は、これを建設省みずからの課題といたしまして積極的、主体的に取り組んでいく所存でございます。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 次に移ります。  今度は二十条のアセスメントの問題でございますが、前回環境庁長官に福島県の博士山のブナ林の問題、イヌワシの問題等について伺いました。検討しますというふうにお答えいただきましたが、どのように指示なさり、どのような報告を長官としては受けておられますか。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 葉山周辺のブナ林につきましては、国立公園に加え、県の自然環境保全地域の指定によりまして、まとまりのある中核的なブナ林の保護を図っているところでございます。土砂の崩壊等の危険性については御指摘でございますけれども、林道の開設に当たってはもとより土砂崩壊等によりいたずらに自然の状況を改変しないよう慎重な措置が講じられるべきでありまして、このような観点から関心を持って見守っていきたい、そのようにお答えいたします。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 検討するとおっしゃったんですが、現地にはどのような連絡をおとりになったんでしょうか。  いえ、きょうは長官に。もし長官が御存じなければ報告を受けていないというお返事で結構でございます。検討するとおっしゃったので、そのお答えを伺っているわけです。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) これについて説明は受けました。そして今のようなお答えになったわけでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 長官への説明ではなくて現地のどういうところにどういう調査をなさり、どのような指示をなさったかということを伺っているわけです。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 説明を聞き、現地と連絡をとりながら対策を講じる、そういう状況でございます。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 大変不満ですけれども、二十条には土地の改変その他書いてございまして、「必要な措置を講ずる」ということが書いてあるわけなので、この前も説明がありましたようにアセスメントを必要とする規模のダムではないわけです、後で農水省の方からお答えをいただきますが。しかし、長官の方からこれは勧告ができるということにもなっているそうですが、少なくとも委員会で問題にしたにもかかわらず長官の方からは何もなさらなかった。これは長官の権限でできることなんです。農水省としてはそういった義務はないけれども、結局今後長官として――聞いてください。黙っていてください。局長、こちらの質問が長官に聞こえないでしょう。長官と話しているときはあなたは黙っていてください。  ですから、長官としてはこの間検討するとおっしゃった。とすれば今度これが成立した暁にはきちんとそれに対して対応していただけるかどうか、お答えいただきたい。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) はっきり申し上げます。  御質問、非常に熱心な御関心、非常に評価申し上げますけれども、私どもの時間的な制約、そして多く持ち込まれる問題の中ですぐに対応できるということは確約申し上げられない、そういうことも御理解いただきたいと思います。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 よくわかります。けれども、時間というのも、これはそんなに長くないかもしれません。もっと長いものも後で出てきますので、それはそれでまた伺います。  それから、委員会で問題にしたことに対しての委員会での御答弁、そういったものに対してどう対応されるのか、それは単なる陳情とかそういったものとまた違うのではないかというふうに私は理解しているので、それは長官の責任ではなくて、環境庁がどれだけ委員会の質問なり質疑なりに対して真剣に対応しているのかしていないのかということについて申し上げているんです。  農水省に伺いますが、きょうはダムの担当者に来ていただきました。この新宮川ダムに関してですが、農水省としては十九条の環境影響の問題、それから十四条の生物多様性そして森林の問題、こういったことから見まして、そのアセスメントを環境庁からはなかなかおっしゃらないようですが、少なくとも農水省としてはアセスメントをやり直すべきであると思いますし、イヌワシが巣をつくるときには工事を控えるということを求めている、県がそういうことを求めている。これにつ いて今後どう対応なさるのか。それから、この前の委員会から今までにどういうことをなさったか御報告ください。

近藤勝英農林水産省構造改善局建設部水利課長

○説明員(近藤勝英君) 先生が言われました福島県における農業ダムとして建設を予定しています新宮川ダムの周辺にイヌワシの生息が確認されていることについては、現地において直接ダム建設を担当しております東北農政局の会津農業水利事務所においても十分承知いたしております。  当該ダムの建設工事は、平成六年度に予定される本格工事に向けまして現在水没道路のつけかえ道路等の準備工事をしているところでございます。本格的工事の実施に当たりましては、貴重な動植物の保護を図る観点から福島県の担当部局と工事期間、工事方法等につきまして十分な打ち合わせを行い、イヌワシの生息に極力影響のないよう工事を施工してまいりたいと考えておりまして、農政局とも打ち合わせをしているところでございます。  さらに、今後のことでございますが、農林省といたしましても、天然記念物等貴重な動植物が確認された場合には、自然保護と工事の計画的な推進の双方の観点から所要の調整に努めまして円滑な工事の推進を図ってまいりたい、このように考えております。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 発破をずっとかけ続けているということについては今後どう対応なさいますか。現地とは連絡をとりましたか。

近藤勝英農林水産省構造改善局建設部水利課長

○説明員(近藤勝英君) 現在準備作業中ということで、六月ごろから始めているわけですけれども、現在のところ二、三日に一回ぐらい発破をかけております。現地からは三キロぐらい離れておりますけれども、できるだけ工法等については慎重に対応するようにということで県とも調整をとりながら進めるように指示しております。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 ありがとうございました。  御熱心などか、個別な問題とかで伺っているわけではございません。きょうはあくまでも基本法の審議なので、先ほどから申し上げているように、具体例を出さないとアセスメントといってもどういうことかわからないからこういう事例をお出ししている。前回も申し上げた事例ですが、今のまさに発破をかけているところにしましてもアセスメントが今の閣議決定の領域ではできない、やらなくていいということになっている以上、そういった自然保護の方の、今最初に十分に覚悟はあるとおっしゃった。  とすれば、基本法が制定された後は積極的に環境庁は各省庁に対して勧告をするなりアセスメントをするように求めていくということを具体的にしない限り、今西野さんは少しでも早くにということをおっしゃいましたけれども、外国のことを調べるよりも本当は私は一刻も早く制定されるべきだと思う。しかし、されないのであれば現行法の中でどれだけ実際になさるのか、そういったことで伺っているわけでございまして、アセスメントについて今後必要な場合には勧告を次々と出していただけるかどうか、もう一度お答えください。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 一般的に事業を実施する場合でございますけれども、環境保全上の問題が生ずるおそれのある場合には事業者において必要な措置を講ずべきものだと、そのように考えておりまして、環境基本法第八条にはこのような事業者の一般的な責務が規定されており、さらには事業者が国である場合には、第十九条により、施策の策定、実施に当たり環境保全についての配慮をしなければならないとされております。  環境庁としては、環境保全行政を預かる立場から、必要に応じて自治体を指導するなど必要な対応を講じていきたい、そのように思っているところでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 今伺ったのは、法律に書いてあることを読んでいただくことではなくて、今閣議で決まっているアセスメントのやり方、そのことについて漏れている部分があるわけですね、今お答えいただいた新宮川ダムのように。一方で自然保護の絶滅種なり危急種なりというのは、これは環境庁の範囲のものです。そういったものが両方出てきた場合に、それに対して行動をとっていただきたいというお願いです。結構です、次に参ります。  次は三十五条の国際協力についてですが、これは企画調整局長に伺いますが、三十五条で「必要な措置」というふうに言っている部分ですが、積極的に環境庁サイドとしてガイドラインなりを設定し、そして予算もつけて考えるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

森仁美環境庁企画調整局長

○政府委員(森仁美君) 国の内外を問わず、事業活動に際して環境保全に努めていくということとは大変重要なことでございます。環境庁といたしましては、民間の自主的な環境保全活動を把握するために、ただいまお話のございましたような調査を実施しておりますが、この調査につきましてはまだまだ深度を深めて十分なものにしないといけないと思っております。これにまず力を注ぐことが第一点。  それから、こうした調査結果を参考といたしましてどのような措置を講じていくかという点であります。これは、ただいまのガイドラインのようなものがつくれないかというような先生の御意見も十分に踏まえながら関係省庁と十分協議をし、その目的に向かって邁進してまいりたいと考えております。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 公害輸出という言葉もございますし、例えばきのう通産省の企業行動というのも見せていただきました。その環境の部分について「我が国における経験を活かした一層の努力を行うことが期待される。」というようなことが書いてございますし、それから経団連なんかにもございます。  しかし、細かいガイドラインというものは経団連の側にも、それから通産省でおつくりになったものの中にもないわけです。そういったものをもう少しきめ細かくこの基本法に沿っておつくりいただくことが必要ではないかと思いますが、局長、もう一度お願いいたします。

森仁美環境庁企画調整局長

○政府委員(森仁美君) 私ども今考えておりますのは、まず環境庁としてはその状態をよく把握しなきゃいかぬと。実はこれを始めたばかりでございます、調査全体として見ますと。そういう意味で、完全なものではございません。  したがいまして、先ほど申し上げたように、深度のある調査をまずやりたい、そしてその調査結果を参考としながらどんな措置を講ずることがいいのか、効果的なのかということをよく検討してまいりたいということでございます。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 環境庁の調査では二五%の回収率。そして通産省の調査では回答のうちの九六%が特に環境については問題がないというふうに答えていらっしゃる。これは企業の側としては、恐らくその通産省のガイドラインにあるように、日本でやっている公害防止の企業努力はやっているんではないかというふうに私は解釈いたしました。それじゃなぜ公害輸出と言われるのか。これは地球環境、そして最初に申し上げているような自然の保護といったような観点がやはりどうしても企業の側にはないのではないか、この点はやはり環境庁がやるべき仕事だと私は理解いたします。  そういった意味で、調査をやってくださるのは結構ですけれども、通産省の方にもこれだけ立派な調査があるのであれば、独自になさることよりは一緒にそこで、もう今省際的な時代でございますから一緒にやっていただいてはどうか。そして、むしろ通産省にできないことを環境庁としてやるべきではないかと思いますが、同時に通産省の方もよりそういった自然保護というような観点も入れていただきたいと思うので、ぜひ、基本法の成立に当たって通産省としてはどういう御覚悟か、伺わせてください。

永谷安賢通商産業省産業政策局国際企業課長

○説明員(永谷安賢君) 先生野によく御案内のとおり、私どもの方で我が国企業の海外事業活動動向調査なるものを実施しております。ある程度の状況は把握をしつつある、そういう情報を今ストックしている状況にあるということだろうと思い ます。  基本的にこの問題に関する我々の考え方を申し上げますと、海外への進出企業が投資先国での現地法人という形で事業を行う以上は、その投資先国が定めている環境保全のための規制を遵守するというのは当然のことだろうと思っております。それに加えまして、公害対策の先進国でございます日本のすぐれた技術等を生かして現地の環境保全に積極的に貢献していくという必要があもというふうに認識しております。  そういう基本的な認識のもとに、先ほど御指摘ございましたけれども、平成元年以降、海外事業展開に当たって期待される企業行動十項目というものを策定しております。これも御案内のとおり、ことしの六月に、それ以降さらに環境に対する問題の高まりという状況を受けまして、それの見直しを行っている。見直しの中身につきましては、従来以上に環境問題に対する重要性というのが高まっているということを強調しております。  それと同時に、企業での責任体制を明確化させるということで環境対策の担当セクションを設置しなさいとか、あるいは企業の環境問題に対する取り組みについて情報提供を現地できちっとやってくれとか広報をちゃんとやってくださいという話、さらには現地での人材の育成と必要な技術移転というのが必要であるというようなことを、この新しい十項目の中で提示させていただいているというところでございます。  この見直しを行いまして以降、既に私どもも百十八の産業団体なり経済団体というものを通じてそれの周知徹底を図っているという状況でございます。今後とも機会あるたびにこの新しい十項目の遵守を呼びかけていくというつもりでおります。

堂本暁子日本社会党・護憲民主連合

○堂本暁子君 まだまだお願いしたいことがありますが、きょうは時間がないので次に移ります。  先ほど時間がないというふうに長官はおっしゃったんですが、私は時間の問題ではないんじゃないかというふうに思う。どれだけプライオリティーをつけていくかということだと思います。  三月の予算委員会で山形県葉山の林道の問題、そしてアマミノクロウサギの問題、しかしどちらも対応していらっしゃらないということをきのう発見しました。時間がないので両方一緒に伺いますが、林野庁には葉山の気象的それから地形的、地質的な危なさが指摘されているので、今後これを調査し、そしてそれを再検討していただきたいということで、そのお答えがいただきたい。  それから環境庁には、アマミノクロウサギですけれども、きのう環境庁からこれだけの紙をいただいたんですが、長官ぜひ後で見ていただきたいんですが、そこに書いてあるのは岩崎産業というゴルフ業者に今調査をさせていると。まず長官に伺いたいんですけれども、これは林野庁の後で伺いたいんですが、つくるゴルフ業者が調査をするということであった場合に、言ってみれば人間であれば私は殺されそうです、絶滅種になってきたんですと言っているときに、犯人に安全かどうかを調査しなさいと言っているのと同じ構図だと思うんです。でも、自然保護局長の御説明によると、それが総理大臣の行政的対応のやり方はそれだというお答えなんですね。こんなばかなことは私はない、基本法を制定するからにはそんなことはやっていただきたくない。  ましてやここに、これもミズ・ヒロナカという、ここにIUCNからの手紙がございます。お手元に届いてないということはないと思いますが、そこにも早急に絶滅法の中でこれは絶滅種としてリストアップしてくれと。これはもう前回質問いたしました。それに対してどういう対応をなすったのか、それも知りません。  それから、クロウサギの状況について調査をするようにということでも、そのことに対してどう対応されているのか、これもわからない。環境庁は果たして調査に行っているのかどうか。視察にすら行っていないということです。エディンバラ公がロンドンから来るよりは長官が奄美までいらっしゃることの方が易しいので、十二月に結論を出すと、少なくとも総理大臣が言い、そして長官も検討するとおっしゃりながら、環境庁から人一人送られていない。これはとても無責任だと思うので、私は、長官が御自分でいらっしゃれないんなら審議官なり自然保護局長なりを十二月までの間に長官の権限において派遣していただきたい。そして、きちんと御報告いただきたい。そのお願いをいたします。  それから、委員長にお願いしたいのですが、三月から今まで時間がないと、それから総理大臣が決めてもそれに対してそういった対応しかなさらないのであれば、もうこのIUCNに対してのお返事は出していらっしゃると思うので、それを環境特別委員会に御提出いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。  以上三つのことを、林野庁とそれから長官と委員長にお願いいたします。

大槻幸一郎林野庁指導部基盤整備課長

○説明員(大槻幸一郎君) 葉山の件について御説明申し上げます。  既に御承知のとおり、大規模林道事業につきましては、事業区域の指定、さらには基本計画の策定に当たりまして極力その路線が自然公園などの環境保全上重要な区域に含まれないよう配慮しているところでございます。また、森林開発公団に対しましては、林道の設計、施工におきまして、動植物や地形、地質などの現況を把握いたしまして、自然環境への影響を最小限に抑えるよう指導しているところでございます。  御指摘の山形県の葉山にかかわります大規模林道につきましては、これまで長い経緯があるわけでございますが、自然保護関係の皆様方の意見なども踏まえて、湿原の保全などに配慮するとともに、御指摘のございました深層風化の進んでいるそういうもろい箇所の地形を迂回するとか基盤の安定した緩やかな傾斜地を通るなど、林地保全にも配慮した路線の選定を行ってきているところでございます。  現在、葉山周辺での工事には着手してございませんが、今後公団が工事を行うに際しましてはへ必要があれば専門家の意見を聞くなどし、慎重な取り組みをするよう公団を指導してまいりたいと考えております。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) ともかく御指摘の線に沿いまして、担当職員、専門家の派遣について検討したいと思います。私自身に関しましては、私は専門家ではございませんので恐らくそこに行きましても何のお役にも立てないのではないか、そのように思っております。

竹村泰子日本社会党・護憲民主連合

○委員長(竹村泰子君) 委員長に依頼をされましたものにつきましては、これは絶滅種に関する非常に大事な件であると思いますので、後日、理事会にて協議をいたしまして十分御相談申し上げたいと思っております。  両案に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後零時五十五分まで休憩いたします。    午後零時九分休憩      ―――――・―――――    午後零時五十五分開会

竹村泰子日本社会党・護憲民主連合

○委員長(竹村泰子君) ただいまから環境特別委員会を再開いたします。  この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、狩野安君が委員を辞任され、その補欠として南野知惠子君が選任されました。     ―――――――――――――

竹村泰子日本社会党・護憲民主連合

○委員長(竹村泰子君) 休憩前に引き続き、環境基本法案及び環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の両案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

横尾和伸公明党・国民会議

○横尾和伸君 公明党の横尾和伸でございます。   環境基本法案はさきの第百二十六回国会に提案され、衆参両院における十分な審議を経てさまざまな御意見を調整の上、修正されて全会一致で可決されてきたものの、衆議院の解散により廃案となったものでありますが、同法案の重要性にかんがみ、さきの第百二十六回国会にお ける御審議を尊重し、その過程で追加されました二条項を取り込み、本国会に再び提案することといたした次第でございます。 これは過日、長官が提案理由を説明された一部でございます。「さきの第百二十六回国会における御審議を尊重しことありますけれども、これは尊重して二条項を取り込んだという、その同じ扱いといいますか、一体不可分の関係で整理をされたそのときの附帯決議があったはずでございます。これは全会一致で委員会においては可決されて、ある意味では基本法の読み方の難しさ、あるいは抽象的なところを何とかカバーをしようと。そして、心を入れようと。心の一部だというふうに私は考えておりました。  提案理由の中には明確には出ておりませんけれども、実はその部分を、今回この最終段階でありますけれども、その心は生きているはずだという立場から確認をさせていただきたいと、こう思います。  内容について今まで午前中からの御質疑の中で確認されたこともありますけれども、重複がありますが、あえて全項目について確認をさせていただくために読み上げたいと思います。  衆議院で先に附帯決議がまとめられたという経緯がありますけれども、そのことを踏まえて参議院で重複を避けたということもございますので、心としては一本でございます。初めに、衆議院での附帯決議についてですが、   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。  一 環境政策の推進に当たっては、環境の保全上の支障の未然防止が重要であることにかんがみ、科学的知見の充実に努めるとともに、科学的知見が完全でないことをもって、対策が遅れ環境に深刻な又は不可逆的な支障を及ぼさないよう、積極的に施策を講ずること。  二 環境基本計画とその他の国の計画は、環境の保全に関して調和が保たれたものとするとともに、環境の保全に関する施策は、環境基本計画の示す基本的な方向に沿って総合的かつ計画的な推進を図ることとし、これにより環境基本計画を実効あるものとするように努めること。  三 すべての者が環境の保全の重要性を理解し、活動のための意欲を持つようになることが重要であることにかんがみ、学校、地域、家庭、自然とのふれあいの場など幅広い場所における環境教育・学習を振興するとともに、環境の保全に関する知識や経験を有する人材の育成をはじめ、環境保全活動を促進するための措置の一層の充実を図ること。  四 環境の保全上の支障を未然に防止し、環境を良好な状態に維持するため、環境の状況その他の環境の保全に関する必要な情報については、環境教育・学習の振興のためのものを含め、広く適切に公表されるよう努めること。  五 生物多様性の重要性にかんがみ、自然環境の現状を認識するための調査研究に努めること。  六 環境保全に係る地域的な問題については地方公共団体の役割が重要であることにかんがみ、地方自治の精神を尊重し、地方公共団体が憲法及び地方自治法の定めるところにより地域の自然的社会的条件に応じて講じる独自の施策と相まって、環境の保全の一層の効果的、積極的な推進に努めること。  七 環境問題の重要性にかんがみ、本法の制定に伴い、必要な関係法令の見直しを含めた具体的な施策の的確な実施を図ること。 以上が衆議院での附帯決議の内容でございました。次に、参議院の附帯決議の内容でございますが、   政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。  一 健康で文化的な生活を営む権利を確保するためには環境の恵沢の享受が重要であることにかんがみ、現在及び将来のすべての者が環境の恵沢を等しく分かち合うことができるよう、第三条の基本理念にのっとって、政策全般にわたり、環境の保全に努めること。  二 有害な化学物質については、その環境中での挙動や人の健康や生態系に与える影響に関して、国際的な連携をとりつつ、引き続き調査研究に取り組むとともに適切な措置を講ずることにより環境の保全に万全を期すこと。  三 生態系、生物種、遺伝子の各レベルにおける生物多様性の保全の重要性にかんがみ、自然環境の現状を把握するための調査研究を充実するとともに、野生動植物について絶滅のおそれが生ずることを未然に防止するため、種ごとの分布、生息地その他の現況の調査を行い、必要な施策を講ずること。  四 今日の大量消費社会において、国民の環境の保全についての意識を高め、日常の消費生活において、環境への負荷の低減に資する製品等を利用するよう促進するために必要な措置を講ずること。  五 ごみ、生活雑排水、大気汚染など多様な環境への負荷の発生源において環境への負荷の発生を抑制するとともに、環境への負荷の低減に資する製品等の開発を促進するために必要な措置を講ずること。  六 国際協力の実施に当たっては地球環境保全等に十分配慮し適切な措置を採るとともに、事業者が海外活動においても環境保全に努めるようにすること。 以上、六項目。衆議院の七項目と参議院での六項目、十三項目でございますが、手続上は前回廃案になったことによって一回はこれは別なことになりますけれども、心はやはりこの環境基本法と一体のものとして生かすべきだと思うわけでございます。  基本法を所管する環境庁長官というお立場でお答えをいただきたいんですけれども、この基本法の施行に当たって、前々国会において同法案の附帯決議が全員一致で決まったその経緯と趣旨を十分尊重すべきであると思うのですが、長官のお考えを伺います。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) この環境基本法は、今後の我が国の環境政策の展開の基礎となるものであるとともに世界に向けて日本の顔を明らかにするものでございまして、地球環境時代に対応した新たな環境政策の総合的展開を図っていくための不可欠な法律でございます。この法案が、この委員会で御審議の後、制定されました後、私はこれに基づきまして新たな環境政策の展開に先頭に立って取り組んでいくつもりでございます。  ただいま御指摘のありましたさきの国会での御審議の際に提出されました附帯決議でございますけれども、環境庁長官といたしましては、そのいきさつと趣旨を十分に尊重し、精神を生かしてまいりたい、そのように決意しているところでございます。

横尾和伸公明党・国民会議

○横尾和伸君 ありがとうございました。  ぜひこの十三項目、全会一致で皆様の心の結晶だ、努力の結晶だと思いますので、ぜひともこれから先、法案が通った暁には、施行に当たって十分に尊重されるようお願いいたします。  一つの例題みたいなことになりますけれども、ちょうど今水道水源の対策について中央公害対策審議会で御検討だと聞いておりますけれども、今回のこの基本法が通りますと特に二十一条一項二号、当然これも踏まえて水道水源対策の充実が図られるかと思うんですけれども、二十一条は「国は、環境の保全上の支障を防止するため、次に掲げる規制の措置を講じなければならない。」、こういうことで講じなければならないんですが、その中に二十一条一項二号「土地利用に関し公害を防止するために必要な規制の措置」云々、こういった措置をとらなければならないということになっておりますけれども、特にこの「土地利用に関し公害を防止するために必要な規制の措置」についてどのような検討をされているのが。  まだ中途段階ですので結論には至らないとは思 いますけれども、方向性なり中間報告なりで結構でございます。現在の状況をお知らせいただきたいと思います。

野中和雄環境庁水質保全局長

○政府委員(野中和雄君) 現在、環境庁といたしましてはこの水道の問題につきまして、水道利用に配慮した公共用水域等の水質保全対策のあり方ということで中央公害対策審議会に御審議をお願いしているところでございまして、この中で上流域の開発行為に伴います影響の軽減対策につきましても検討課題となっているところでございます。  具体的な問題といたしましては、開発に伴う工事などによりまして濁水が発生をいたしまして簡易な水道への影響が発生するという問題、さらにはゴルフ場あるいは廃棄物処理場が設置されまして農薬等有害な化学物質により水質が汚濁されるのではないかというような懸念等があるわけでございます。  しかしながら、この問題につきましては、土地利用につきまして現在森林法等によります規制があるわけでございますし、廃棄物処分場につきましては廃棄物処理法等による規制がございます。また、ゴルフ場等につきましては環境庁による指導等がなされているというような状況でございます。  このような実態を踏まえまして、現在の法制度等に加えましてどのような対策を進めていく必要があるのかどうか、その内容は何かといったようなことにつきまして現在、中央公害対策審議会で御審議をいただいているところでございまして、まだその答申をいただくに至っていないわけでございます。答申を踏まえまして、関係省庁とも連携をしつつ対策を検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。

横尾和伸公明党・国民会議

○横尾和伸君 最後に、一つ放射能に関する情報提供のあり方といいますか、この点についてお伺いしたいと思います。  チェルノブイリ原発の大事故、もう大分たっているようにも思いますし、また記憶に新しいという印象もございます。また、核実験の再開を検討する国の情報などもちらちらと飛び交っておりますし、あかつき丸によるプルトニウムの輸送問題、あるいは最近のホットな問題としてロシアによる核廃棄物の日本海への投棄、こういった中で大変国民の皆さんは不安を持っているということが顕在化しました。もちろん、もともと大きな不安を持っているわけですけれども、そういう中で今回環境基本法が審議されている。  この地球環境保全の観点からしたときに、やはり放射能に関する情報というのはかなり基本の中の基本だと思います。汚染防止のための措置については原子力基本法によるということになっておって、そのことをどうこう言うわけではないんですけれども、放射能に関する情報を考えたときに、いわゆる環境一般の情報と少し質が違うんではないかということに気がついたわけです。どのくらいの量だったら危ないのか、どのくらいの量をいつも日本国内では通常浴びているのか、あるいは雨の中ではどうやってチェックされているのか、雨の中に含まれているそういったチェックはどのようにされているのかというようなこと、基本的なそういったいわゆる放射能に関する環境情報、これをもっと充実させなければいけないんではないかという観点でちょっと勉強させていただいたところ、やはりしっかりやっているという面もあるようでございます。  ただ、その十分、不十分は今回また別な機会に譲りますけれども、ただ、やはり環境問題、特に地球環境問題の大きな柱の一つで、しかも国民の皆さんが大変大きな不安を抱いているということも確かであります。こういった状況を踏まえて、放射能に関する情報提供、白書をちょっと調べてみましたら、こういう調査はやっている、ああいう調査はやっているという、調査をやっているということは確かに出ておりましたけれども、その調査の結果については出ておりません。評価も出ておりません。調査をやっているということだけしか出ていないので、これから特にこういう時代に、またその上に環境問題としての位置づけを改めてしていかなければいけないと思うわけです。  そういう観点からも、所管は環境庁ではないにしても、情報の提供に関するあり方というのはもう少し強化していただいて、国民の皆さんに基本的な情報が行き渡るように、不安があっても国民の皆さんがそれなりに、専門家でなくてもある程度の判断ができるようになった方が環境時代にふさわしいのではないか、またそれを国民の皆さんは求めているんだと思います。  そういう観点で、これは要望も兼ねてお尋ねするんですけれども、より一歩でも強化していただきたい、こういうことでこの点に関してのお答えをいただきたいと思います。

三角逸郎科学技術庁原子力安全局原子力安全課長

○説明員(三角逸郎君) 御説明申し上げます。  委員御指摘のように、地球を生活環境としている私たちの周りには、放射線だとかあと自然放射性物質からの放射線のほかにも、例えば御指摘のような核爆発の実験だとか、原子力の平和利用に伴う原子力施設の稼働といったようなことから、種々さまざまな放射線がありますということでございます。  そのことにつきましては、当庁といたしましても、特に環境放射能調査といったようなことで、昭和三十年代にさかのぼるわけでございますが、関係省庁それから各都道府県の御理解を得まして環境放射能の水準の調査を実施しておるところでございます。  具体的には、現在四十七都道府県におきまして、これもいろいろ放射線とか放射能に関する単位なんか言葉遣いが難しくて、我々もわかりやすくみんなにわか至言葉でお話しすることが必要だと思いますけれども、空間にある放射線の線量率だとか、そういうことで熱心にやってございますが、特に委員御指摘の広報に関しましては、今の御指摘の点を踏まえまして、特に一般の方々にわかりやすいパンフレットだとか白書等も用意してございますけれども、特にそういう中で、周辺にある環境放射能の問題につきましては、なお一層委員御指摘の点を踏まえまして努力してまいりたいというふうに思いますので、御了解いただきたいと思います。  以上でございます。

横尾和伸公明党・国民会議

○横尾和伸君 終わります。

勝木健司民社党・スポーツ・国民連合

○勝木健司君 環境基本法は、環境問題が将来にわたって重要であることを指摘しておりますし、また、地球的な視野に立って環境への負荷の少ない持続的な発展が可能な社会を構築することを目指しておりますし、豊かな環境と経済の両立てきる社会の構築を強調しておる点で、私は大変意義深いものと考えております。  地球環境問題については、国際社会における日本の地位にふさわしい役割を果たすということも指摘しておりますし、事業者の責務、国民の責務についても言及をされておる。そして、政府が環境基本計画をつくることを具体的に定めておるわけであります。  この具体的な施策であります環境基本計画の策定について、策定そのものが今後の環境政策を具体的に方向づけていくんじゃないかといった意味では、非常に重要なものであると考えておるわけでありますが、この環境基本計画を実効あらしめるものとするために、環境保全のそれぞれの分野ごとに明確な目標を設定をして、それぞれの分野の施策をリードしていくことが重要であろうというふうに考えるわけでありますが、広中長官の御見解をまずお伺いしておきたいと思います。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 環境基本計画には、環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱として、望ましい環境のあり方及び環境保全に関する講ずべき施策の全体像を盛り込むこととしております。  環境基本計画の具体的内容につきましては、中央環境審議会の御審議をいただいて計画案を作成し、閣議で決定することとしておりまして、御指摘の点も踏まえまして環境政策の総合的、計画的な推進のために十分な効果を発揮できるよう検討してまいりたいと思っております。

勝木健司民社党・スポーツ・国民連合

○勝木健司君 ほぼ前環境庁長官の林長官の回答と同じような回答でありますが、この環境の保全のためには、社会のすべての主体が自主的、積極的に取り組んでいくことが必要でありますので、この環境基本計画の策定も、各界各層の意見が反映されることが当然必要になってくると思いますが、この中央環境審議会の意見を十分尊重することとされておるわけでありますが、私はこのボランティア等幅広く国民の意見も取り入れられるような措置、仕組みというものが必要になってくるんじゃないかというふうに考えますが、長官のお考えをお伺いしておきたいと思います。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 中央環境審議会そのものが各界各層の方から成り立っているわけでございまして、そういう意味では今御質問の御趣旨に沿うものになっていると思いますけれども、さらに幅広くいろいろな方の御意見を伺えますようなヒアリングを実施したり、文書で意見を反映させるといった方法で国民の意見をお伺いし、立派なものにしていきたい、そのように思っております。

勝木健司民社党・スポーツ・国民連合

○勝木健司君 次に、地球環境保全のための国際貢献についてお伺いをいたしたいと思います。  この問題につきましては、これまでも具体的な取り組みについて私もお尋ねをしてきたところでありますけれども、気候変動枠組み条約あるいは生物多様性条約を締結するなど、我が国も地球環境保全への取り組みも徐々に具体化してきておると思いますけれども、この環境基本法の成立を受けて、今後この環境分野における国際的な枠組みづくりにどのように取り組んでいかれるのか、予定も含めてお考えをお聞きしたいと思います。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 地球環境保全につきましては、我が国の能力を生かし、国際的協調のもとに積極的に推進しなければならないわけでございますが、当面我が国といたしましては、地球サミットの合意を実現するために、国連持続可能な開発委員会を中心に進められている国際的な取り組みに積極的に貢献するとともに、気候変動枠組み条約の発効に向けた準備、本年十二月末に発効する生物多様性条約の円滑な実施、さらに環境と貿易等の新たな課題に積極的に取り組んでいくつもりでございます。

勝木健司民社党・スポーツ・国民連合

○勝木健司君 地球環境保全の具体的な取り組みになりますと、枠組みづくりへの積極的な参画ももちろん大事でありますけれども、環境ODAの分野での取り組みも大切ではないかというふうに思います。  これもたびたびお尋ねをいたしておりますが、中期的な目標として五年間で一兆円の環境ODAを実施していくと聞いておるわけでありますが、具体的にどのような分野に力を入れていかれるのか、そしてこのODAの推進の中で環境庁としてどのような役割を果たしていかれるおつもりなのか、長官にお伺いをしたいと思います。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 御指摘のように我が国では、昨年の地球サミットにおける宮澤総理の演説草稿で、昨年度から五年間に九千億から一兆円を目途に環境分野のODAの大幅な拡充強化に努める旨を発表しております。援助の具体的な実施に当たりましては、途上国との政策対話を通じて優良な案件の発掘、形成、実施を積極的に進め、地球の緑、水、空気の保全及び途上国の対処能力の向上に重点を置いて、各国の実情に応じた協力をきめ細かく実施していくことが重要と考えております。  環境庁におきましては、従来より発展途上国の環境問題に関する調査研究を実施する等、所管のODA予算の拡充に努めるとともに、環境問題に対する途上国自身の対処能力の向上を図ることが重要との見地から、外務省などと協力いたしまして専門家の派遣、研修員の受け入れや、それからタイ、中国、インドネシア等の環境研修センターの設立への支援を行っているところでございます。  今後とも途上国との政策対話を強化しつつ、関係省庁等の緊密な協力のもとに環境ODAの着実な推進が図られるよう努めてまいりたいと思っております。

勝木健司民社党・スポーツ・国民連合

○勝木健司君 次に、環境アセスメントの問題についてもお伺いをいたしておきたいと思います。  政府は、この法制化も含めて現行制度の見直しについて検討をされるとの方針を明らかにしておられるわけでありますが、この環境アセスメントは、地域の環境を保全していく上で極めて私も重要な施策であると。これを推進していくべきことは広く認識されているところでありますが、その具体的方策については今後十分な議論が必要じゃなかろうかというふうに思います。  地域の環境保全は、やはり個々の地域がその地域特性を踏まえて、その責任において行うべきものじゃないかということで、環境アセスメントについても私は同様ではないかと思います。現在の我が国における環境アセスメントは、国の閣議決定要綱や個別の法律、あるいは地方自治体の条例や要綱等によって実施されておるところでありますが、この地方自治体の環境アセスメントについての取り組みをどのように環境庁として評価されておるのか、お伺いをいたしたいと思います。

森仁美環境庁企画調整局長

○政府委員(森仁美君) 地方公共団体におきましては、条例及び要綱等に基づきまして環境影響評価を実施しておられるところが多いわけでございます。  公共団体の数で見ますと、都道府県と政令指定都市で合わせますと、ことしの四月一日現在で四十二団体がそういう仕組みを持って実施をいたしておられます。このうち、条例を制定しておられるというのは北海道、東京都、神奈川県、川崎市の四団体でございます。また、要綱等を定めておられるのは三十四団体四政令指定都市の三十八団体、こういうことになるわけでございます。  環境庁といたしましては、地方公共団体の環境影響評価制度は、その対象事業の範囲や規模におきまして地域の実情に応じた特長を持っているということから、国の制度と相まって環境汚染の未然防止の観点から重要な役割を果たしていると考えております。

勝木健司民社党・スポーツ・国民連合

○勝木健司君 この環境アセスメントの実施に当たっては、地方自治体の独自性を尊重することが重要だろうというふうに思いますし、今回答でも重要であるというふうにお伺いしたわけでありますが、地域によって環境の状況はもとより経済社会の条件等々も異なるわけでありますのに、それにもかかわらず全国画一的な環境アセスメントを実施するということになりますと、やはり地域によっては今の条例とか要綱よりも緩やかなアセスメントが行われるようになりはしないかとか、あるいは新たな開発が非常に困難になるところも出てくるんじゃないかというふうに予想されるわけであります。  そういった意味で、今後のこの現行制度の見直しに当たりましては、地方分権というのを推進する立場からもこの現行の閣議決定要綱の内容を補強強化していただこう、そしてまた、地方自治体が作成する環境アセスメント条例の最低限度を国の方でガイドライン的なものとする方向で検討すべきじゃないかというふうに考えるわけでありますが、広中長官の見解をお伺いしておきたいと思います。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) ただいま御指摘になりましたように、地方の実情に即し、そしていかに地方公共団体においてアセスが条例などによって行われているのか、そういう実情を検討しつつ、また我が国だけではなくて内外の制度の実施状況などに関しましても、関係省庁と一体となって調査研究を行います。そして、その結果を踏まえ、経済社会情勢の変化等を勘案しつつ、法制化を含め所要の見直しについて検討させていただく、そのように考えております。

勝木健司民社党・スポーツ・国民連合

○勝木健司君 くれぐれも慎重に取り扱っていただきたいというふうに思います。  そこで、次にこれまでお伺いした問題も含めまして、情報問題についてお伺いしたいと思いますが、この環境基本法成立後の環境政策の推進に当たりましては、環境に関する情報あるいは環境保全に関する情報というのが社会のすべてに行き渡 って、国民一人一人がこの地球の現在の危機とみずからの日常の活動とのかかわり合いを深く認識をしていく、率先して環境保全に努めることがやはり重要じゃないかと、何よりも重要だろうというふうに思うわけでありますが、そういった意味では国民各界一体となって環境保全に取り組んでこそ、この基本法が我が国の環境憲法となり得るんじゃないかというふうに考えるわけであります。  そういった意味で環境保全の基本となります環境基本法の成立を受けての環境情報の提供、環境情報システムの整備等について、具体的に今度の予算とかあるいは今後の取り組みについての考え方をお聞きしておきたいと思います。

大西孝夫環境庁長官官房長

○政府委員(大西孝夫君) 環境情報の提供に関しましては、環境基本法に加えまして昨年の地球サミットでも、各個人が行政機関の有する環境に関する情報への適切なアクセスを有するべきである、こういうふうにされておりまして、実際の需要も高まりつつあるというふうに認識をしております。  現在のところ、この環境情報に関しまして環境庁内部部局あるいは関係省庁におきまして、それぞれの立場で情報の整理を進めているわけでございますが、正直申しましてこれらの情報の体系的な整備と、それから国民に対する提供の体制ということについて必ずしも十分ではないというふうに考えておりまして、そういう現状を踏まえまして、平成六年度からは環境情報提供システムの整備に着手したいと考えておりまして、予算要求でまずとりあえず五千七百万円の要求を合いたしております。  この事業におきましては、政府それから地方公共団体、企業、それから民間団体等のさまざまな主体が所有しております環境情報を体系的に収集整理した上で、必要に応じて編集加工をしまして地方自治体、民間団体、事業者と、広く一般に対してパソコン通信でありますとかファクス通信を利用した形の提供を行いたい、そういうふうに持っていきたいと思っておりまして、そういうパソコン通信上で民間の相互情報交流の促進を図ってまいりたいと思っております。  ただ、システムが具体的に試験運用に移せるのは一応七年度を予定しておるところでございます。

勝木健司民社党・スポーツ・国民連合

○勝木健司君 時間が参りましたので、最後に長官に。  この環境基本法の成立を受けて環境庁も、例えば環境予算の関連については十七省庁にまたがっておるわけでありますけれども、これの調整、企画あるいは企画調整官庁からもう一段と強力にリーダーシップを発揮していただきたいというふうに思うわけでありますけれども、御決意のほどをお伺いしておきたいと思います。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 環境基本法に定められた新たな環境政策の枠組みは、従来型の規制を中心とした公害対策とか自然環境保全対策にとどまらず、社会経済活動や国民の生活様式のあり方を見直し、社会全体を環境への負荷の少ない持続的発展が可能なものにしていく多様な施策が必要でございまして、御指摘にありましたように各省庁にまたがって環境施策が推進されなければならないわけでございます。こうした幅広い施策を展開していくために、関係省庁間の緊密な連携のもと、政府一体となって環境保全に関する施策を総合的に推進していくことが必要でございます。  環境庁といたしましては、政府全体の環境行政の中枢として総合調整の機能と能力の強化を図り、積極的なリーダーシップを発揮していきたい、そして委員各位の御声援と御支持をお願いしたいところでございます。

勝木健司民社党・スポーツ・国民連合

○勝木健司君 終わります。

有働正治日本共産党

○有働正治君 議題となっています法案は、政権が交代したにもかかわらず、さきの国会と同じ内容のものであります。環境団体、日弁連など多くの団体はより実効ある内容にということで修正を強く求めていたはずであります。私ども日本共産党といたしましては、こうした要望を受けとめてより実効あるものとするために抜本的な修正案を提起していく立場であります。  きょうは幾つかの点についてお尋ねいたします。  公害対策基本法など従来の関連法は今度の基本法に引き継がれることになるわけであります。そこで長官にお尋ねします。これによりましてこれまでの公害対策、被害者救済、これが後退することはないというふうに考えますが、明言していただきたいと思います。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 公害対策につきましては環境基本法でも大きな柱でございます。その重要性はいささかも変わるものではございません。公害対策基本法の諸規定は本法案に引き継がれており、今後とも公害対策の推進や被害者救済には全力を尽くしてまいる所存でございます。

有働正治日本共産党

○有働正治君 公害環境問題の現状認識と対応の基本認識についてお伺いいたします。  去る九月二十七日の国連総会における細川総理の演説の中でこういうくだりがございます。地球的規模への取り組みの中で、我が国は過去に深刻な公害を克服したみずからの経験と能力を生かして問題解決に向けた国際的努力に主導的な役割を果たしますという言い分であります。公害環境の現状をどう認識するかという点は、基本法制定、それからこれからの環境行政の大前提になっていると私は考えるわけであります。  総理の言い分によりますと、深刻な公害は克服した、今や世界に向かって大いにイニシアチブを発揮すると言わんばかりの態度でありますけれども、日本の公害環境の現状というのは公害問題を克服したと言えるような状況には私はないと思うんであります。一々事例を挙げる時間はありませんけれども、例えば大気汚染の現状においても極めて私は深刻であると思いますし、土壌汚染についてもしかりだと思っています。  そういう点で、長官として今日の公害環境の現状、もう公害環境は終わったというような認識でおられるのかどうなのか、基本認識をまずお伺いします。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 我が国におきましては高度経済成長とともに激甚な産業公害が生じ大きな社会問題になりましたけれども、このような激甚な公害はその後の官民挙げての継続的な取り組みにより軽減されてきたということは認められるのではないかと思います。  しかし一方で、広範な経済社会活動を発生源とする窒素酸化物や騒音、水質汚濁などは悪化の傾向をたどっているものもあり、また改善の見られるものもありといったような状況でございます。また、土壌、地下水、底質の汚染などのいわば蓄積性の汚染なども新たな問題となっております。  今日こうした汚染等は、例えば酸性雨に見られるように確実に生活環境や自然生態系への負荷となっておりまして、将来それが蓄積して影響が顕在化しかねない状況にあるということを認識しております。

有働正治日本共産党

○有働正治君 そういう点では、私は総理の演説というのは国際的に日本の環境問題の現状を誤らせる危険が大きいということで、極めて遺憾であります。私は、水俣問題にしても今なお解決していない、そういう点で、やはり足元の日本の今日の具体的な公害環境問題をきっちり解決して対応していくというのは非常に大事だと思うんです。その点いかがでしょうか。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 御指摘のとおりで、その分野に関しまして一生懸命これからやっていきたい、そのように決意をしているところでございます。  ただ、総理の御発言でございますけれども、私もちょっと原文を見させていただきましたけれども、公害を克服したという部分だけ取り上げられましたけれども、公害を克服する際に得たさまざまな技術、それを国際貢献に使っていきたい、そういう趣旨でございますので、もし何でございましたら原文をお見せいたします。

有働正治日本共産党

○有働正治君 いずれにしても、現状が解決していない多々の問題があることはお認めになったわ けで、その現実に立脚した具体的な対応が求められているということを改めて指摘しておきます。  その幾つかの問題について私はお尋ねします。一つは、基本法案の第二章第一節第十四条にかかわる問題で、その一項に「人の健康が保護され、及び生活環境が保全され、並びに自然環境が適正に保全されるよう、大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。」ということが明記されているわけであります。これとの関係で、まず私は大気汚染問題についてお尋ねします。  大気汚染の悪化を反映いたしまして、患者も以前にも増してふえ続けているという状況で、極めて私は深刻な状況にあると考えます。きのうもNHKの夜の番組でこの問題を取り上げておられました。環八通り、環八を中心にしてディーゼル車による環境の悪化の問題、そのために気流に乗って環八の上空に環八雲と言われるような雲まで発生する、あるいはマウス実験によってがん発生の大きな要因になっている等々を映像で私も拝見させていただいたわけです。  きょうは時間の関係で対策について求めたいと思います。大気汚染の主役であります二酸化窒素、そしてまた今日大きな問題になっています浮遊粒子状の物質、SPMの濃度悪化による健康被害への対策が極めて急がれているというふうに私は考えるわけであります。例えばNO2の問題について申しますと、これまでも研究結果の中で、環境庁の九一年十二月発表の八六年からの五年間の調査結果、大気汚染健康影響継続観察調査によりますと、二酸化窒素濃度の高い地域ほどぜんそく発症率が高いという指摘がされています。  一方、SPMとのかかわりについては、九二年一月、結核研究グループによる動物実験の十年間の研究結果による試算によりますと、東京で肺がんで死ぬ方の約八%がディーゼル粉じんが原因であるということを指摘しています。そしてまた、ことしの二月、環境庁の環境研究所のマウス実験による研究グループの発表によりますと、ディーゼル車の排気微粒子、DEPが小児ぜんそくなどの気管支ぜんそく、慢性気管支炎など呼吸器障害の原因になるということを指摘しています。  また、大学の先生たちの研究、例えばことし九月、徳島大学医学部の大西教授らの研究グループの研究結果といたしまして、自動車排ガス中の成分が人体内で発がん性作用の強い変異原性の強力なニトロピレン化合物がつくられるという健康影響への新たな問題を指摘される等々の研究結果、調査結果等が発表されているところであります。そういう点で非常に重大だと私は考えているわけであります。  こういうNO2なりSPMについて、一連の重大な問題の指摘がなされていることを環境庁は事実として確認しておられるんでありましょうか。簡潔にお願いします。

松田朗環境庁大気保全局長

○政府委員(松田朗君) お答えします。  ただいま先生御指摘の各国レベルの調査研究あるいは自治体でやっている調査研究の報告等については、私どもも物を入手し承知しております。深刻な問題だととらえております。

有働正治日本共産党

○有働正治君 今おっしゃられましたように極めて深刻だと受けとめておられるようでありますけれども、問題は環境庁のイニシアによる積極的な対策がやはり求められている。しかも、それは急がれている段階ではないか。命にかかわる問題だけにそのことが強調されなければならないと私は考えます。  その点で、環境庁としてNO2対策、そしてSPM濃度汚染悪化による健康被害に対する、とりわけ大型トラックなどディーゼル車の排気微粒子、DEP問題への影響等に対する対策の問題が急がれると思いますけれども、簡潔に対策を求めたいと思います。

松田朗環境庁大気保全局長

○政府委員(松田朗君) 私どもNOxあるいはSPM等については環境基準というものを持っておりますが、確かに御指摘のようにそれをクリアしていないところが大都市地域で多いということで引き続き、NOxでございますが、工場等に対します排出規制を実施する、あるいは今までどおり自動車の排ガス規制を強化する、さらには低公害車の開発普及を促進する、こういうようなことをやっていきたいと思っているわけでございますが、特にNOxにつきましては非常に問題であるということで、昨年、自動車NOx法というものを成立させていただきましたから、これに基づきまして強力な施策を推進していきたいと思っているところでございます。  このNOx法によりますと、ことしの十二月からは指定された特定の地域におきましては使用車について非常に厳しい制限が課せられることになりますので、私どもはその効果を非常に期待していきたいというのが一つでございます。  それからもう一つの重要な問題になっておりますSPMでございますが、これも従来どおり環境基準を達成すべくいろいろ規制をやっておりますが、特に御指摘のディーゼルによるDEPでございますが、これが非常に問題になっておりますので、これにつきましては今あるSPMの基準に加えまして、中公審の答申で、平成元年でございますが、特別に目標をつくって削減しろということをいただきましたものですから、そういう目標値に向かって今対策を進めておる。特に長期目標というものを達成するために、現時点の目標値よりもさらに六〇%ぐらい削減するという厳しい基準値を設けて、現在いろんな協議の結果、平成九年ごろにこの目標を達成できるような技術開発が一部のものでは可能であるというふうに見通しを立てているところでございます。

有働正治日本共産党

○有働正治君 事態がこれほど深刻になるまで対応がおくれていたというのは、環境庁の重大な責任だと私は思うんです。そういう点で、NO2についても、それがそのとおり実行されるというのはだれも思っていないというのが今の現状で、地域の人はそのことを強く要求しているわけであります。  また、DEP対策も具体的に指針を示して具体的な手だてが急がれるという状況にあると思うので、その点長官として、人の命にかかわるこれだけ大きな問題になっている、一刻も早く繰り上げ実施するなど、積極的な対応を求めるわけでありますけれども、その決断を求めます。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 今大気保全局長が答弁したことに尽きるわけでございますけれども、環境庁といたしましては、大気汚染による健康影響が生じないように、今後とも自動車排出ガス規制の強化、低公害車の普及促進、自動車NOx法の効果的な実施に特に力を入れるほか、工場に対する規制等を行うとともに、健康影響に関する調査研究を進めることによって大気汚染防止対策の推進を図ってまいりたいと思っております。

有働正治日本共産党

○有働正治君 いま一つ、土壌汚染の問題です。  環境庁がさきに発表された土壌汚染の全国調査結果によりましても、発がん物質による土壌汚染が広がり、地下水などへの二次汚染によって、平均値で安全な水質基準の一千倍以上の濃度が示されるなどの事態が指摘されているわけであります。  例えば、私は熊本当身でありますが、飲料水を地下水に依存している熊本市では、操業中の電機メーカーの敷地で発がん性有害物質のトリクロロエチレンで基準の四千倍の濃度の汚染が明らかにされ、しかも問題なのは、この地下水、飲料水の二次汚染を発見したのは一市民で、自宅の飲料水の汚染に疑いを持ったのが発端であったわけであります。市民の告発でようやく汚染源企業が突きとめられて対応しているという状況です。  東京都の九二年度の地下水の水質測定結果によりましても、高濃度の発がん性物質が検出されています。大田区の場合には、テトラクロロエチレンの評価基準濃度の七百四十倍、八王子市ではトリクロロエチレンの評価基準濃度の五十三倍等々でありますけれども、発がん性の物質であるだけに対応が急がれるということであります。  トリクロロエチレンなどに対する対応、基準をやはり速やかに決めて、積極的に対応するということが求められているわけでありますけれども、 この点の対応について簡潔にお願いします。

野中和雄環境庁水質保全局長

○政府委員(野中和雄君) 環境庁の平成四年度の調査によりますと、全国で土壌汚染事例百七十七件が報告をされておりますが、このうちトリクロロエチレンによる汚染事例は二十八件でございます。環境庁といたしましては、平成三年に土壌の汚染に係る環境基準を設定いたしまして、この達成、維持に向けましていろいろな調査あるいは対策、指導等を実施してきたところでございます。  また、現在のところ、まだ環境基準が設定をされておりませんトリクロロエチレン等につきましては、現在中央公害対策審議会におきまして土壌環境基準への項目追加等、御審議をいただいているところでございまして、本年じゅうを目途に答申をいただきまして、速やかに環境基準を設定してまいりたいというふうに考えているところでございます。  さらにまた、効率的、経済的な土壌浄化技術によります汚染対策の促進を図りますために、本年度から国の内外で実用化あるいは開発されつつあります土壌浄化技術の実証試験を実施いたしておりまして、これらの成果を速やかにマニュアル等の形で提示をいたしまして、実際に汚染源地で浄化対策を行う際の参考に寄与してまいりたいというふうに考えているところでございます。

有働正治日本共産党

○有働正治君 もう一つ、PCB問題があります。  全国のPCBの廃棄物の保管状況、これは厚生省の方でまとめられたもののようでありますが、二万事業所のうち四千事業所で紛失、不明、その量は二百五十トン分というふうに言われているわけであります。しかも、三〇%近くが不適正保管が指摘されているわけで、土壌、水質汚染、人体障害への危険も大いにあるところであります。これへの積極的な対応が環境庁に求められていると思いますが、この点について簡潔にお願いします。

森仁美環境庁企画調整局長

○政府委員(森仁美君) ただいまお話しのように、厚生省におきまして実施をいたしましたPCBの保管状況に関する調査で、不明、紛失というものが相当数あったということでございます。環境保全の観点から見ますと、大変遺憾なことでございます。  環境庁といたしましては、PCB関係廃棄物の適正保管の徹底が重要でありますし、必要に応じまして厚生省、通産省等との協力をとりながら、保管対策の徹底に協力をしてまいりたいと考えております。

有働正治日本共産党

○有働正治君 熊本市の事例、私も実情を聞きましたけれども、汚染されてからの後処理というのはやはり大変なものであります。したがって、それに先立ってきっちり対応すると。要は命にかかわる、直結する問題でもあるわけで、そういう点で、私が指摘した二点につきましても長官としての積極的な対応が求められると思いますので、その決意のほどをお願いしたい。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 御指摘の点につきまして、一層の環境基準の達成、維持に努めていきたいと思っております。

有働正治日本共産党

○有働正治君 これとのかかわりで、去る十月二十五日、米軍横田基地内におきまして、貯油タンク地下三メートル内の航空燃料が減少している事実が明らかにされました。基地の発表によりますと、漏れ出した可能性があるのはJR―四燃料六十八キロリットル、ドラム缶三百四十本分というふうに指摘されているところであります。  この横田基地にかかわりましては、一九六七年に昭島市で燃える水として大問題となりました井戸水にガソリンが漏れ出ていたことがありました。昭島市内で六十八カ所の井戸からガソリンが出てきて、横田基地から漏れ出たもので、それ以来浅い井戸は使わなくなったという深刻な事態を引き起こした、そのまた事故が判明したと。  そこで、環境庁にまずお尋ねします。九日の東京都衛生局の発表によりますと、六カ所の井戸水の水質検査の結果については、汚染はなかった、何カ所かについて大腸菌が検出されたというふうになっていますけれども、二十五年前のときも事故の三年後に井戸水にガソリンが漏れ出したということで、地下水というのは一日に数メートル移動すると言われているわけで、今回の油漏れは数年後に井戸水に出てくるおそれがあるわけであります。  したがって、今度の水質検査で事終われりとするわけにはいかないわけであります。航空機燃料が減少したのは事実であるわけでありますし、何らかの影響がないはずはないわけであります。地元では、今回の事故の事実関係の調査、原因究明、対応、これを公表してもらうこと、そして政府機関、関係自治体の合同調査のもとで調査、原因究明を進めて、そして長期間にわたりまして水質検査など監視体制をとっていただくことを強く要望しています。  環境庁として、引き続き今後調査、監視体制を進め、万全の体制をとっていくべきだと考えますが、この点いかがでしょうか。

野中和雄環境庁水質保全局長

○政府委員(野中和雄君) 米軍横田基地からの燃料漏れにつきましては、東京都とも連携を図りながら、基地周辺の井戸等に影響がないのかどうか調査をしてきたところでございますけれども、御指摘のように、これまでのところは燃料漏れ等による汚染は生じていないというふうに今承知をしているところでございます。  現在、この問題につきましては、原因の究明、さらに漏れた油がどの範囲ぐらいまで広がっているのか等々につきまして米国側によりまして調査が実施をされているところでございまして、私どもといたしましても東京都とも連携をとりながら、今後とも状況の把握に努めてまいりたいというふうに思っているところでございます。

有働正治日本共産党

○有働正治君 私も、昨年十二月七日、商工、厚生、環境の連合審査のときに取り上げましたけれども、在日のアメリカ軍基地内の環境問題というのは極めて深刻なわけです。独立した監視がないために環境が無視されて、しかも大体うやむやに隠されてきているというのが多いわけであります。問題なしということで片づけられるということが多いわけであります。  多くの外国軍事施設の中や周辺の土壌、地下水、河川、港湾、これがジェット燃料や使用済みのオイルあるいはPCBだとか酸だとか、燃料のヘドロ等々、シアン化物等を含めまして、化学有害物質のいわばるつぼになっている状況もかねがね指摘されているわけであります。そういう点で、今回の横田基地でのこの事故はこれからの日本の政府の姿勢、環境庁の姿勢を問う一つの問題だと私は重視しているわけであります。  長官にお尋ねします。日米地位協定に基づきまして、こうした事故への対応が協議対象とされているはずであります。そこで、第一に事実関係、その原因、これを明確にする。それから、第二に井戸水の汚染防止措置など万全の対策をとる、そしてまた再発防止に万全の対策をとるよう、環境庁は環境庁としてアメリカ側に申し入れるなど、積極的な対応を私はする必要があると考えるわけでありますが、長官の決意のほどを求めます。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) この事故の原因の究明、漏出範囲の特定等につきましては、現在米国側により調査が実施されております。  政府といたしましては、調査結果に基づき米国側に対しまして、環境影響が生じないように適正に対処すること、及び今後同様な事故が起こらないよう必要な措置を講ずることについて要請を行うつもりでございます。

有働正治日本共産党

○有働正治君 時間が限られてまいりました。  最後に、基本法案の中の絶滅の危険のある動物の保護措置を講ずることを規定した条項とのかかわり、そして民間団体の活動の支援を規定いたしました条項とのかかわりで、私はさきの国会の六月四日、環境特別委員会でイヌワシの保護を民間のボランティア任せにしないで、国も一定の援助をすべきだと質問いたしました。当時の長官からも前向きな答弁をいただきました。  その後、環境庁の方から、イヌワシ研究会に対しまして地球環境基金に対して資金援助の申請をするよう指導もありまして、イヌワシ研究会が五 百万円の申請をしたところ、最近三百五十万円の交付が決定されたようであります。金額的には少し不満もありますが、イヌワシの保護に対して初めての公的助成だということで、関係者は非常に喜んでいるところであります。  一つは、この交付決定の事実関係を求めます。そして、あわせて質問といたしまして、このイヌワシを含めまして希少野生動植物等の保護増殖につきまして、そして研究体制の確立につきまして、どのように進めていかれるのか、積極的な対応を求めるわけでありますが、いかがでありましょうか。

森仁美環境庁企画調整局長

○政府委員(森仁美君) 助成の事実だけを申し上げます。  ただいまお話のございました日本イヌワシ研究会、これは日本のイヌワシの調査研究と保護を目的とし、全国各地の民間研究者が参加している研究会でございます。この研究会が全国のイヌワシの生息数、繁殖状況の調査を実施したい、それから繁殖に障害のある営巣場所を把握し巣の落下防止、繁茂植物の除去等の補修を実施したい、こういう活動をしたいということで地球環境基金に対して助成申請がございました。これに対しまして、環境事業団におきます慎重な審査、地球環境基金運営委員会の意見、審議を経まして三百五十万円の助成を決定したという報告を受けております。

奥村明雄環境庁自然保護局長

○政府委員(奥村明雄君) 希少野生動植物の保護についてお答えをいたします。  先生御指摘のイヌワシを初めといたします希少動植物の保護につきましては、本年四月から種の保存に関する法律が施行になりまして、個体の捕獲、譲渡の規制、生息地の保護と並んで、先生御指摘の保護増殖事業が大きな柱として今後対応を急がなければいけない課題となっているところでございます。  私どもといたしましては、野生動植物の専門的な知見を有する広範な学識経験者で構成された野生生物保護の検討会を設置しまして、そこで具体的な増殖のあり方についで御検討いただき、対策を強化してまいりたいと思っております。これまでもイリオモテヤマネコなど各般の保護増殖対策を実施しておりますが、現在こうした地域について、西表島でありますとか屋久島でありますとか、それから釧路などについては野生生物保護センターを設置しておりまして、こういうところを研究の拠点として御活用いただき、民間団体を初め関係者ともども研究の促進、保護対策の促進を図ってまいりたいというように考えておるところでございます。

竹村泰子日本社会党・護憲民主連合

○委員長(竹村泰子君) 有働さん、時間です。

有働正治日本共産党

○有働正治君 終わります。

竹村泰子日本社会党・護憲民主連合

○委員長(竹村泰子君) これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

石川弘自由民主党

○石川弘君 私は、自由民主党を代表いたしまして総理にこの環境基本法及びその周辺の問題点についてお聞きをいたします。  私は、主として環境と規制緩和の問題、それからもう一つは環境と貿易の問題についてお伺いしたいと思いますが、本論に入ります前に本法を総理が政府提案としてお出しになった経過について若干お聞きをしておきたいと思います。  と申しますのは、本年の六月十四日でございますからちょうど五カ月ぐらい前、当時の宮澤総理にこの議場に来ていただきまして締めくくりの質疑をいたしまして、当時の野党の皆さん方の非常な協力をいただきまして全会一致で実はこの法案は委員会で可決されたわけでございます。あのような経過の中で新しい政権が発足しまして、この法案について、私ども全会一致で通りました法案でございますから、極力早くこれが出されて日の目を見るということを望んでいたわけでございますけれども、九月のたしか下旬でございますか、いろいろと新聞報道等によりますと現在の与党の一部にこの法案について十分ではないというお考えがあると、したがって修正もするんだというようなことが出ておりました。私自身は、全会一致の法案でございますから、当然当時の政府案に衆参両院において修正されました部分を加味されたものが出てくると思ったわけでございますが、そういう動きがあったことは実は事実でございます。  そういう中で、現在の連立与党においてもこの現在の姿、結局当時の政府案に衆議院及び参議院で修正をいたしました部分を修正いたしまして御提案をなさってきたわけでございますが、これを御提案なされました総理のお考え、現在の法案をどのように評価をなさってお出しになっているかを、まず伺わせていただきたいと思います。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) 環境の恵沢を現役の世代あるいは将来世代がともに享受をしていくことができるように環境をしっかり守っていくということは、これはもう極めて当然の我々全地球市民の義務であろうと思いますし、また、そのような理念というものを進めていくための基本的な施策の枠組みというものを定めたものがこの法案であろうと思っております。  今お話がございましたように、さまざまな御議論は前回の法案が廃案になりました後もあったと思いますが、しかし何と申しましても審議会で十分御論議をいただいた上に前国会でも衆参で十分に御論議をいただいて、そして修正の上で全会一致で可決をされてきた法案でございますし、そのようなことを踏まえて今日に至った経緯である、そのように認識をいたしております。  したがいまして、ぜひとも今国会で成立をさせていただくように、そのように願っている次第でございます。

石川弘自由民主党

○石川弘君 私もそう考えておる一員でございます。  当時の新聞等を見ますと、与党の一部に基本計画を制定しても担保となる具体的な実施計画がないので法律が形骸化する、基本的人権としての環境権が明記されていない、環境アセスメントを入れるべきであるというようなところが論点であったように思います。衆議院における総理の御答弁を見ますと、現時点におけるベストの法案とおっしゃっております。  私はそういう意味で、本日午前中の質疑の中で、今問題とされた点をかなり明確に問題点として指摘された与党の先生方がございます。私は、そういう問題点を指摘したことがいいとか悪いとか申し上げているんではなくて、やはりこの法案の持ついろんな難しさをみんなで議論しながら最終的に仕上げてきたのが現在の姿だと思っております。したがいまして、私も現時点においてベストの法案ということで審議をしていきたいと思っております。  そこで本論に入ります。先ほど申しましたように、この法案は実は宮澤前総理も締めくくりにお出になっている。細川現総理も今ここで締めくくりの総括に出ていただいている。一つの法案で締めくくりに二人の総理大臣がお出になるというのは、余り私も例を知りません。難産だったかもしれないけれどもいい子供が生まれたのかな、実はそう思っておるんですけれども。  実は総理、おとといの、総理の諮問機関例の経済改革研究会、あの中間報告を読ませていただきましてちょっと心配になってまいりました。これは私の杞憂かもしれませんが、そのことについてひとつお答えをいただきたいと思っております。  あれを読ませていただいておりますと、経済的規制に対して原則自由、社会的規制について自己責任を原則に最小限度の規制という考え方で貫いていらっしゃるように思います。私も、各種の規制というものが利権化したりあるいは恒常化し過ぎて弾力性がなくなるということについては大いに考えるべきことだと思っております。ただ、この社会的規制というものの非常に多くの部分というのは、私的な経済なり私的な企業あるいは個人の自由ということだけで事柄を律します場合に、公的ないわば要請というもの、公共の福祉とかそういうものとのバランスにおいてつくられている制度でございますから、ただ何となく見直せというわけにはなかなかいかない。あの文章の中で も、安全、環境保全の見地から行われる規制も、二というのは一つ上に書いてありますけれども、二と同じ最小限度にとどめるところが必要なんだという記述をなさっております。そういう意味では他のいろんな規制と同じように、あるいは同じようにという言葉はよくないかもしれませんが、やはり自己責任で最小限の規制というお考えのように思います。  そこで、あの別表を見させていただきました。あの別表は、上に注が書いてありますように、何もこれだからやる、これじゃなかったらやらぬということでもないと書いてありますけれども、あの中にこの環境基本法をつくるに当たって、今まで環境庁がその規制を守るためにいろいろお考えになった法律の名前が列挙されております。全部やればこれとても時間がありませんから、代表的なものとして大気汚染防止法、水質汚濁防止法、自然環境保全法、自然公園法、こういうのがちゃんと出ております。  私も、何か規制緩和しろというときはどういうことかなというんで、イメージがわくんです。ところが、この四つの法律について、どんなイメージで今言った自己責任で規制を最小限度というこの言葉で割り切るのか、イメージがわいてきません。ここは所管の環境庁長官はどういうイメージでこれを考えていらっしゃるか、お答えをいただきたい。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 御指摘のこの各法律は、国民の健康の保護、生活環境の保全、自然環境の保護等の政策目的に沿って、必要最小限の規制内容になっているということでございますが、私どもに関する限り、事務手続の簡素化、迅速化の観点からこの内容が妥当であるかどうかを検討することが必要だ、私どもはそのように限定して考えております。

石川弘自由民主党

○石川弘君 事務手続ということだけというようなお話ですが、この自己責任云々ということは、この言葉の本来的な意味からいうと、事務的かどうかなんという話じゃないことを実は言っているように私は思うんです。決して事務的なことが自己責任なんという話にならないんです。  したがって私は、例えば変に勘ぐれば、大気汚染防止法なんというと四日市ぜんそくはもういいじゃないかとか新宿の柳町のあそこの大気問題はもういいじゃないかとか、あるいは自然公園法の中で、例のリゾート法がどんどんできてきた中で、自然環境保護の規制はきつ過ぎるんじゃないかというような声が現にありました。まさかそんなことがここでいう自己責任のことじゃないんだろうと思うんですが、長官いかがでございますか。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 中間報告は一昨日に出たばっかりでございまして、何か逃げを打つようで大変恐縮なんでございますけれども、個別の法律につきましては、その手続の簡素化だけではなくて、やはりもう一度これから勉強し直すということも大切かと存じます。

石川弘自由民主党

○石川弘君 ですから、もちろんお出しになったのはあれだけれども、あれ読んでみますとずっとたくさんあります。私が所管している労働問題でも最低賃金法なんて書いてあります。労働省に最低賃金法のどこが自己責任なんだと聞いたら、頭抱えていたわけですよ。  ですから、言葉だけじゃなくてその背後にあるいろんな問題をきちっとやりませんと、非常にわかりやすくて非常に明快だとかなんとかと座長がおっしゃっていますけれども、私は問題は相当あると思うんです。したがって総理、私はこんなところだけをやっておられませんから先へ進みますけれども、そういう問題意識はぜひお持ちになっていただきたいと思います。  次に、こういう公的規制の中の土地利用の話。実は、いろんな今までの経緯からいいますと、経済界の方がこういう規制緩和を求められるときに、非常に多くの部分は実は土地利用規制問題なんです。私自身のいろんな経験からいいましても、いろんな経済活動を活発化していく中で必ず土地利用規制を緩めるという話が出て、そしてある程度以上物事が進んだ段階で、今まで経済の活性化と言っていたのがころっとひっくり返って環境を守れと、こういうのは過去において何度も例があったわけです。  一つは、御承知の列島改造でございますね。列島改造をやる中で、それはいいことだとどんどんやっていたら、とんでもないということで問題になった。その中の一つの例に林地開発規制というのがあるわけですよ。これは、御承知のように山は保安林で守っておりましたけれども、要するに保安林のないところを全部買い占めてやってひっくり返し出して、それで保安林で幾ら守ろうとしても守れない。それで、しようがありませんから、たしか昭和四十九年でございますか、森林法を直して林地開発規制というのを入れていったわけです、  これは、要するに農家の人が裏山を使っている状況はそうではなかったけれども、やはり土地の利用が基本的に変わる、一種のリストラなわけですね。そういう場合には必ず、そういう土地の利用が基本的に変わるときにこういう公害問題が起こってきた、環境破壊が起こってきた。で、普通称ですから、これは別に補償とか何にもしてないんですけれども、そのままほうっておいたんじゃどうしようもないというんで、当時フランスの森林法だとかドイツのバイエルンの森林法なんかを例にとりまして、普通林といえども林地が林地でなくなることによって生ずるいろんな問題は森林の所有者の責任において開発許可でコントロールするという制度を入れたわけです。  私はそういう意味で、今度の規制緩和も非常に多くの部分は経済の活性化ということで、私はそのことを何も一概に否定しませんけれども、経済の活性化の背後にこういう構造的な変革があるときは必ずそういう問題が起こるというのは、既に列島改造のころから明白になっている。自然環境保全法もあの時期にできた法律です。  したがって、私は、その種の社会的規制、特にこの土地利用規制に関しては、森林法のこともあります、都市計画法のこともあります、あるいは農地法とのこともありましょう、この種の規制緩和についてはかなり慎重な配慮をしていただきませんと、せっかく取り戻した環境を再びもとへ返すということになってはいけないと思っています。総理、いかがお考えでございましょうか。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) まことにおっしゃるとおりだと思います。国土の利用に当たりましては環境の保全ということに十分注意しながら進めていかなければなりませんし、自然的な条件あるいはまた文化的な条件、経済的な条件、さまざまなそうした問題に配慮しながら国土の利用というものを進めていかなければならないということは、もうおっしゃるとおりだと思います。  今度の土地利用規制の緩和の措置につきましても、そうしたことにも十分配慮しながら進めてまいらなければならない、そのことはまことにおっしゃるとおりだと思っております。

石川弘自由民主党

○石川弘君 ぜひ、そういう形でこの規制緩和問題に取り組んでいただきたいと思います。  その次に、これは今利用側の規制を言ったんですが、もう一つは、民活に始まりますバブルというこの経済状態の変革の中で、土地利用というのは大変乱れたわけでございますね。それで、例えばどんどん新しい形で土地を使いたいということが、例えて言いますと、よくこれは国土庁なんかの資料を見ますと、例えば大きな企業が持っていらっしゃる七十万ヘクタールぐらいの土地の中の九万ヘクタールはまだ未利用のままだとか、そういうのがあるのに線引きを外せとか、そういうプレッシャーがしょっちゅう来る。  ここで総理、ぜひ御理解いただきたいのは、環境を守るという立場というのは非常にある意味では抽象的なんですね。しかし、この土地を買ってゴルフ場にしたいとか、ここは何とかにしたいというのは非常に具体的なんですね。具体的で、片っ方は利益を生む話ですから力が強いんですよ。  ですから、そういう意味で規制緩和というのはかなり役所の方も腕力を使いながら頑張らぬと頑 張れぬ制度。それを対比として、経済活動の活発化は善で、押さえるのは何か権限を守るために押さえ込んだというような設定でやりますと、この土地利用問題、地価問題、地価はきのう例の線引きのあれを少し緩めるというお話がありました。私は、そういうことも必要なときにやるべきだと思いますけれども、その辺はやはり片方の企業活動によって生み出される何といいますか強引な力、これがバブルその他になったわけですが、そういうことと線引きのような格好で利用を守っていくということは、よほど力のバランスをお考えになってやっていただかなきゃいかぬと思います。これは、総理が先ほどおっしゃったことの中に含まれておりますので、あえてお答えを求めませんが、ぜひそのような配慮をこの規制緩和問題でひとつおやりになっていただきたいと思います。  次に、実はこの中間報告を読ませていただきまして、座長さんは非常にわかりやすい、こうおっしゃっていたんですが、私、読んでみてわからぬところが一つあるんです。一番わかりにくいのがこの報告の中の第三者機関による管理監督のところです。ここは「法律に基づき強力な第三者機関を設置する。この機関は」「規制緩和推進計画を審議するとともに、その実施を監視し、必要に応じ内閣総理大臣及び関係行政機関の長に勧告、意見表明する。」、こうあるわけです。これは、「監視し」という言葉は一体だれを監視するかというのをいるいろ考えてみたんですけれども、非常にわかりにくいんですよ、私は。  総理、これはだれを監視するとお読みになりますか。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) 確かにおっしゃるように監視とか勧告でしたか、そういうことが書かれておりますのですが、第三者機関につきましてはまだこれからの検討課題でありまして、行政の整合性の枠組みの中で、枠組みを踏まえてどのような第三者機関にしていくのがいいかということにつきましては、来年の通常国会に法案を出すということになるわけでございましょうから、そのころまでには具体的なことを考えなければなるまいというふうに思っているところでございまして、まさにこれからの検討すべき課題だというふうに思っております。

石川弘自由民主党

○石川弘君 私は、総理はこの研究会にはみずからほとんど出ていらっしゃるというお話を聞いています。私、大変御努力なされていると、こんなこと言ったら失礼かもしれぬが、いいことだと思うんですが、私はこれを見ておりまして、特に新聞報道なんかで、この会合のいろんなものを決めていくプロセスを書いているものを見ますと、私が頭に描いているものとどうも姿が違うんですよ。  といいますのは、私は規制の中心はやっぱり立法措置だと思っているんです。なぜかといいますと、国民の権利を制限するとか義務を課すというのは法律事項なんですね。昔のような勅令なんとかではっと役人がやるというわけにいかぬわけです。したがいまして、つまらない届け出までなんて書くというかもしれぬけれども、あの届け出なんかも大半法律事項ですね。そうしますと、規制緩和の問題を本当にやろうと思うとこの立法措置でどういうことをやるか。私は、あれを見ましてまさか立法府を監視するんじゃなかろうなと実は思ったんです。そういう性質のことが大変あるんだけれども、何か行政の方をチェックするとやれるんだという見方があるんじゃないかな。  したがいまして、こういう見出しを見ていますとみんな、首相やる気に財界乗るとか、省庁の不満巻き返しの道探るとか、私は別に見出しでどうこう言いませんけれども、こういうトーンが多いんですね。しかし、私は事の本質は立法政策上非常に深くかかわったことだと思うんです。したがって、立法府を監視なんかされることはないと思います。総理のおっしゃるとおり、今度法案でお出しになるわけです。  ところが私は、これも新聞の中である大学の教授がおっしゃっているのを見て、案外そういうことを考えている人もいるのかなと思ったんです。第三者機関の権限、「規制緩和を進めるうえで、各省庁の上に立つ権限を持たせるべきだ。「第三者機関」の権限を定める新法は石油業法や銀行法など、規制緩和の障害になりかねない「業法」より優先することを明確に」すべきだと書いてあります。スーパー三〇一条がなんかみたいな上からかぶせるような法律をつくれと大学の教授が書いているんです。  ですから、私は総理がこの問題に熱意を持っていらっしゃることに敬意を表しますけれども、間違ってもこういうような事柄がだれかとだれかの対立だとか、それからどこかの上に乗っかれとか、こういうようなことではなくて、地道な改善措置をおやりいただきたいと思うが、いかがでございますか。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) よくおっしゃることはわかります。  先ほども申し上げましたように、やはりこれは行政の整合性ということをよく考えていかなければならないと思いますので、その辺のところに十分配慮しながら今後適切に考えてまいりたいと思っております。

石川弘自由民主党

○石川弘君 私も、この前証券でいろいろ問題がありましたときに、証券取引等監視委員会というのをつくったときの経緯を自分でも考えてみますと、事がわあっと沸き立ちますと何かそういうのをつくるということになりかねない。そのこと自身私は、逆に言うと、ああいうのができたから今そういう不祥事がないんだという見方もあるかと思いますよ。しかし、これはあくまでも行政が何かやるのを、それをうまくコントロールしていくということですから、それは総理であり各省大臣がみずからの責任でおやりになるというのがやっぱり一番の筋だと私は思っております。  それでは、次に話題を変えまして環境とウルグアイ・ラウンドのこと、ひょっとしてこれはウルグアイ・ラウンドと言うと余りぎらぎらし過ぎるのなら、環境と貿易問題ということでお聞きをいたします。  御承知のように、ガットの中にも九一年に貿易と環境に関する作業部会というのができました。しかし私は、プンタデルエステで始まって以来、どちらかというとこのガットは貿易の自由化、経済の活性化ということには頭を置いておりますけれども、環境問題はUNCEDあたりでああいう意味でいろんなものが出てくるより先に出発していますし、その後の活動も経済という問題を中心に活動してきたのはある意味では仕方がなかったかと思います。この点、総理はガットのいろんな諸活動とこの環境問題についてどのような認識をお持ちでございましょうか。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) 実は私も余りきょうお尋ねいただくまでよく知らなかったんですが、今お話がございましたように、ガットにおきましても九一年からそういう作業部会が設けられているということでございますし、部会におきましてはガットと国際環境条約との、国際環境条約というのはそういう条約の端的な個々の名前ではなくて、一般的な国際環境条約との関連あるいは環境保全の目的でとられる貿易関連措置の透明性といったようなことについて精力的に議論が行われているというふうに承知をいたしております。  我が国としても議長を出すといったような形でそれに積極的に協力をしているというふうに聞いておりますし、御承知のように、ラウンドそのものにおきましては環境自体が交渉の対象になっているわけではございませんが、多角的な貿易機関の設定の協定における環境についての言及でありますとか、あるいはまた環境委員会の設立といったようなことも議論の対象になっているということでございますし、我が国としても今後ガットにおける貿易と環境の問題についてこれまで以上に真剣な関心を払って取り組んでいくということが大事なことではないかというふうに理解をしているところでございます。

石川弘自由民主党

○石川弘君 実は、前の予算委員会で私当時の宮澤総理に御質問したときに、一つはガットはそう いうぐあいに片方でドンケル・ペーパーが出でどんどん走っていたんですが、むしろそれから後から来たNAFTAがこの環境問題でつまずいて、つまずいてというのはおかしいですが、それを抜きにしては通らぬということになりまして、八月の十三日でございますか、NAFTAは環境問題、労働問題、それからセーフガード問題の三つの補完条約を入れてようやくその合意が見られた。要するにこの環境問題を抜きにして北米自由貿易協定は成り立たぬという姿勢でやったわけですよ。  そのときは例のワックスマン決議みたいなものが動議になってだんだんやったんですけれども、私はそういう意味で、北米協定で環境条項が補足的に入るのであれば、本当ならばウルグアイ・ラウンドだってこの環境問題をもっと大きな形で取り上げてもらわなきゃ困ると思っているんです。  今度お出かけになる二日前の十七日がこのNAFTAのアメリカにおける採決の時期でございますから、それがどうなるかということを見守らなきゃいかぬかと思いますけれども、私は、今や貿易問題を単に自由な経済のやりとりということだけでは、これはアメリカがNAFTAでこういうものを入れろと言ったのは、非常に環境条件の違うようなところと競争し合うことがいかにおかしいかということを彼らみずからが気がついてそういうことを入れているわけですから、私はこの問題は実はぜひ考えてもらわなきゃいかぬと思っております。  そこで、今度はそれじゃガットはそういうことをやっていると言いますけれども、さっき言いましたように、ドンケル・ペーパーの中にはまだまだこんなところは入りてないです。ドンケル・ペーパーの中で環境のことを言っていると強いて言えば、公的備蓄をして、要するに自分の国が人から買ったものを備蓄しているのの金は削減補助金に入れないとか、国内環境施策に使った金は削減対象に入れないといった程度のことなんです。  したがって、私は根っこからやり直すのが本当だと幾ら思ってももう現にこれだけ走っているものをもとへ戻せませんと言うのであれば、それならばなおさら我々がかねがね主張している問題、これは御承知のように森林とか農地というのは環境の保全にどんなに役立つかとこの環境基本法にも書いてあります。ですから、そういう観点から我々が、総理も含めて今まで主張してきた主張は決して何か日本一国が特別のことを言っているというんじゃなしに、むしろある意味では私は先見的な考え方だとでも言えるぐらいの主張だと思っているわけです。  ぜひそういう意味で、私はきょうは環境中心でお話ししますのでそんなにあちこち話題が飛べませんけれども、御承知のように今のガットのラウンドの考え方は穀物その他みんな余っているという大前提ですね。これは総理も御承知で、余っているから輸出補助金を残すんです。余っているから効率の悪い国の農業をやめさせようとしているわけですね。しかし、そんなことが本当にその国々の農業、環境ということにどういう影響を与えているかということをもっと真剣に考えるならば、私は日本の今までの主張をもっと膨らませても実はいいんじゃないかとさえ思っています。  しかし、総理も国会でいろんな御答弁の中で、従来の考え方に従って行動なさるということを聞いておりますので、私はここではちょっと二つだけ別の角度で総理に伺っておきたいと思うんです。一つは、これまた中間報告が出ました。中間報告が出たとき私は夕刊を全部見ましたけれども、あの中間報告が出たときの副題は全部米検討の対象としか書いてないんですな。それは役人流に言えば、国家貿易品目九品目の中に米が入っていることは事実だから、それはそういうことで別表に載せたという説明かもしれませんが、座長さんのお話を聞いても、あるいは各種のジャーナリズムでの評価を見ましても、これは自由化の一歩じゃないか式の理解、あるいはそういうことが大変多く書かれておりました。  総理は今度十九日、これのことを言うとおかしいですが中間報告を携えてカナダの方にお出かけというふうなことも新聞に出ておりますけれども、国家貿易品目九品目の中の米として例示したということでも経済的な規制は原則自由なんだというのが前に書いてあることも事実なんです。ですから、とり方次第では今私が言ったような懸念は決して懸念ではないという気持ちもします。それが一点です。  もう一点は、実は国会決議の取り扱いにつきましていろんな論議がありました。党利党略というようなお話もありました。しかし、先ほど述べましたような私の考え方から言いますと、別にそんなに遠慮しなきゃいかぬことではないというのが私の持論です、それはいろんな考え方はありましょうけれども。私はそういう持論からいうと、実は総理がかねがね国会でお答えになっているのを今度は勉強のために全部拾って読んでみました。  八月の二十五日の衆議院本会議以来、私はつい最近のところまではわかりませんけれども二十数回お答えになっています。総理からお答えしていただくのがいいんでしょうが、時間が余りありませんから、大体四つのことをおっしゃっていらっしゃると思うんです。  ラウンドの早期終結に向けて努力するというのが一点ですね。それから、我が国の農業が将来にわたって安心してできるような魅力のあるようなそういう環境づくりをしていこうというお話。三番目は、これは各国みんないろんな困難な問題を抱えているんだから、お互い努力せにゃだめなんだというお話。それから、米についてはその重要性にかんがみ、国会決議の趣旨を体し国内産で自給するという基本方針のもとで対処をする。大体この四つ。その日によって何か質問者のぐあいで少し数が少ない場合もありますけれども、私はこの四つだと思うんです。  今申し上げましたラウンドについての考え方を頭に置いてみますと、先ほどの中間報告に書かれた米の取り扱いの話、それからこの決議をするかしないかということでいろんな報道をされた、そういうことを頭に置いて、全国の農業者、いろんな意味で悩んでいらっしゃる方が多いと思いますが、私は私なりにそう理解しているんです。総理のおっしゃったこの言葉で理解しているんですが、何か新聞に出たからどうこうという意味じゃなくて、今私が申し上げました中間報告に書かれた問題、それから、かねがね総理がおっしゃっておりましたこのウルグアイ・ラウンドについての総理のお考え、これは私が今申し上げたようなことでよろしゅうございましょうか。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) 別表のお話は先ほどもちょっとございましたが、これはあくまでも例示として挙げているものでございまして、例示をしたから規制を緩和するという話でもございませんし、また、例示していないからそれは別だということでもないわけでございまして、あくまでもこれは例示的に挙げたということでございます。  それはそういうことでございますが、ラウンドについての基本的な考え方というものは、今幾つか整理しておっしゃっていただきましたが、米の問題も含めてまさに基本的にそういう従来方針に基づいて今ぎりぎりの交渉をやっているということでございます。

石川弘自由民主党

○石川弘君 私は貿易問題ではもう一つ木材の話をちょっとお聞きしたいんですが、その前に総理、お出かけになりまして大変お忙しい日程だと思います。当然のこととして、そういうお忙しい日程の中でこの中間報告をお出しになれば、いろんな論議が出ると思うんです。私は、やはりそういう場合にややもすればみんなが心配するというのは、ただここへ出たからどうだとかという、そういうことがなるべくないように、あったら積極的に総理に否定をしていただいて、落ちついた雰囲気の中で交渉ができるように御配慮をぜひお願いしたいと思います。  もう一点。山の話といいますか、木材貿易のことについてお聞きをいたしたいと思います。  実は、御承知のように今度のこの基本法の中でも先ほどちょっと言いました農地とか林地とかと いうものが環境に大変大事だという趣旨の規定もございます。それだけじゃなくて、やはり今の経済のいろんな転換の中で、私は山というのは維持していくのが物すごく大変な事態になったと思うんです。昔は山持ちというのは大体金持ちという言葉とイコールだったと思っていましたけれども、私は本当に今山を持ってみずから経営していくというのは容易なことではないと思っています。ですからそういう中で、それにもかかわらず世界一の人工林といいますか、要するに山を今まで育て上げてきた人にとって、この山をどうやって後世代につなぐかというのは大変大事なことだと思います。  そこで、御承知のように日本は大変な山をつくってまいりましたけれども、今は圧倒的に外材輸入をしているわけです。例のUNCEDの考え方なんかの中で、山というのは要するに回転して、維持発展しながら持っていけるような山につくらにゃいかぬというのはそれは常識なわけです。山が、木がありがたいのは鉱物資源のように掘ったらなくなるんじゃないんですね。うまく手入れをしていけば、未来永劫とまではなかなか言えぬかもしれませんけれども、半永久的に使える。そういう意味じゃ、山が本当にそういう資源として動いているかどうかというのは私は大変大事なことだと思うんです。  今日本が入れているのはアメリカとかカナダのような北米材、それから南方材、それとソ連材、その他オーストラリア、あるいは日本は既にいろんなところから入れていますけれども、大別すればそういうアメリカの針葉樹グループと南方系の森林とソ連系の森林だと思うんです。  私の知る限りでは、世界の林業統計その他を読む限りは、成長をしているよりも切っている方が少ない。これは間違いなく回転します。そういう国は非常に少ない。日本とニュージーランドぐらいじゃないでしょうか、はっきり言えるのは。ただ、大きい国のものは切りましても成長に物すごい長いサイクルで回していますからなかなか数字に出てきませんけれども、一番そういう意味でははっきりしている問題は御承知の熱帯林です。熱帯林は大体世界で合計しましても年率〇・八%減というと大したことはないようですけれども、百二十年だったらなくなると言ったらすぐびっくりするわけです。特に、その中のアジア・太平洋地域は一・二%減というのは八十年たったらなくなるというわけです。もう木の世界で言って八十年なんというのはあっと言う間に来ます。  そう考えると、そういうところの森林も保続経営ができながら、しかも日本の苦しい林業の中でも後継者が育ち、やっぱり山を持ってよかったと。山は自分の財産だけじゃなくてその他のいろんな環境面でのプラスを持っているわけですから、そういうことにぜひしたいと思っておりまして、私なども及ばずながらこういうことに力を入れてきた人間でございますけれども、御承知のように、かつてのいろんな意味での自由化前倒しみたいな施策の中で木材の関税なんというのは日米間協議でかなり早い時期に前倒しをしてきている。それはやはりある種の合意のもとにやったことですから、今それがおかしいということは言いませんけれども、片一方で円が強くなるというようなことを考えますと、国内で山を経営するということと外国から入れてくるという条件はますます厳しくなってきていると思うんです。  私はその中で、総理も御承知だと思いますが、ウルグアイ・ラウンドの中で実はこの木材についてもゼロ・ゼロ・オプション、要するに両方ともみんなゼロにしようというのに入ってきて、かなり強い要請が出ております。関税化というのもなかなか怖いのは、関税化するとその次は引き下げ、引き下げの次はゼロ・ゼロだと言ったらだれも関税化なんかついてこないんですが、木材に既にそれがあらわれているわけです。  サステーナブルなそういう回るようなことをやっているもの同士の貿易ならまだいいんですが、今言ったような、例えばシベリアで切りたいほうだい切って、それが林地として戻るどころか土地としても危うくなっている、永久凍土が解けて水浸しになってなんてよく写真に出ています。そういう状態の森林伐採というのは、逆に言って日本がそういうものを入れることが人の国の環境を物すごく悪くしている、そういうような気持ちがありまして、単なるゼロ・ゼロ問題だけじゃなくて、やっぱり森林とか林業とか環境ということの背後にある物すごいつらい問題の一つだと考えています。  六月の十四日ですか、前の総理がお出ましになって締めくくりをしましたときに現環境庁長官はその問題を実は御指摘になりました。私は大変いい御質問だと思って拍手を送りたかったんですが、その中に、今のラウンドは難しいかもしれぬけれども、この次のラウンドまでにはというのが入っておりまして、私はそれはちょっといただけないなと。そんなこの次のラウンドなんて言っていますとそのずっと前にこちらはひどい目に遭いますから。私は、あのとき広中現長官が御指摘になったのは今すぐの話だと理解しておるんですが、その後長官はどのようにお考えでございますか。

広中和歌子公明党・国民会議環境庁長官

○国務大臣(広中和歌子君) 大変いい御指摘をいただいたと今傾聴していたところでございます。  私があのときに、少なくとも次のラウンドではと言いましたのは、このウルグアイ・ラウンドはうまくいきましたらば年内妥結ということで、次のラウンドの準備が始まるわけでございましょう。MTOですか、それにつきましてどのような貿易委員会になるかといったような方向づけがなされるのが現在ではなかろうかと思っております。そういう意味ではまさに環境と貿易の問題というのは現在の緊急課題である、そのような認識をしておりますので、環境庁といたしましても貿易と環境の問題についてはずっと勉強をしつつ、環境庁としての提案みたいなものができればと思っております。  また、他の省庁におきましても、そういう点で調査研究、そして方針を決めるという作業をなさっているというふうに伺っております。

石川弘自由民主党

○石川弘君 今おっしゃったように、次のラウンドと言ったらその次というんじゃなしに、私はその次のラウンドに行く前に、実はゼロ・ゼロ・オプションというのは今ラウンドにもう既に要求されているわけです。ですから、私は長官のおっしゃるような意味のことは今度のラウンドを終結させる段階においても大いに主張しなきゃいかぬし、さらにこの次にはもっとというお話かと思います。  そこで、御承知のように日本の場合は丸太の輸入というのは日本で加工してそしてやるということなものですから、非常に早い段階で無税の扱いでみんな入れてきておりました。しかし、丸太は環境の制限問題もありまして、御承知のように輸出制限みたいなことを片方でやっているわけです。それは我々とすれば非常に片手落ちだと言っておりますけれども、この製材の問題でも先にそういうところへ到達すればもう回復できない。ラウンドの話というのは一遍譲ればもうもとへ戻れないというのが常識でございます。このゼロ・ゼロ問題について、細かいことかもしれませんが総理もどのようにお考えか、伺わせていただきたいと思います。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) 今るるお話がございましたように、国土の保全であるとかあるいは環境の維持であるとかあるいはまた林業の経営の観点からも、おっしゃるようなサステーナブルな状況というものが維持されていくということが何よりも大事なことだと思っております。そういう観点からも先ほどお話がございましたゼロ・ゼロということは困るということで、林産物の関税の問題については相互撤廃に応じられないということを我が国の立場として強く主張してきているところでございまして、そういう方針のもとに今後とも臨んでまいりたいと思っております。  林業と環境の問題については今環境庁長官からもお答えがございましたように、MTOにおきましても環境の問題が取り上げられるようになって きておりますし、また先ほどの御質問でも出ておりました環境委員会といったようなものもつくられることになっておりますから、こうした点についての国際的な関心というものも高まってきつつあるし、我が国としてもそうした取り組みというものを積極的に支持をし、また参加をしていくことが必要ではないか、このように考えているところでございます。

石川弘自由民主党

○石川弘君 私が総理にお尋ねしたいと思っておりましたのは、大体以上のような項目でございますが、締めくくりに当たりまして感想も含めて若干お願いをしたいと思います。  私は実はこの環境特別委員会はずっと、ほかはいろいろ予算だとか内閣は変わりましたけれども、ここだけは一遍も外れずにずっとやってきました。ここの議論はある意味では非常に地道といいますか、やっぱり環境問題ですから個別、具体的にはいろいろな個々のあれがあるんですけれども、私は後の世代、先ほど最初に大臣がおっしゃったように、総理もおっしゃったように、次の次の世代ぐらいまで考えてやらなきゃいかぬことが実は大半じゃないかと思うんです。  私も自分でもこう考えてみておりますと、先ほど言いました規制問題、規制をどうするかという問題も過去既に二回、そういう経済的な活性化がその後にかえって規制をつくる。森林法の例の林地開発規制はそれは逆につくったわけですね、そういう事態も起きた。それからバブルの後にまたいろんな規制が出た。アセスの法制化問題というのも実はそういうことと裏腹だと思うんです。今までの任意のアセスから強制、これは権利義務を伴うアセスをつくるということは何かそういうのがあるからつくろうという話です。ですから、私はそういう意味では、何と申しますか、焦り過ぎて後戻りするというのはコストが非常にかかると、結果的には焦り過ぎて、功を焦ってかえっておかしくなったという例の一つだと思っているんです。そういう意味で、私は実は国内においていろんな国内の環境を守るというようなことも地道にやっていかなきゃいかぬと思っております。  それから、その次に申し上げました食糧の問題とかあるいは森林の問題もやはりそういうことではないかと。先ほど言いましたように、余っているという大前提で今つくっています。余っているという大前提でつくったはずのものが足らなくなるということはこれは間違いなくあるんです。私はかねがね言っておりますが、何で余ったかといったら、足らなくなったから余ったんですね。御承知のように、昭和四十八年とか五十年の穀物ショックで世界じゅうの穀物生産が下がったわけですね。そうしたら日本はそのとき金がありましたから、外国から高い小麦を買ってきて、二年間で二千億も金をつぎ込んで安くしてやったから日本は助かったと。しかし、金のない国はそんなことができないから自分でつくるしかしょうがないというので大増産をした。それが余るもとだったわけです。  私は、最近のこの天候不順その他を見ていますと、日本が凶作というんじゃないんですね。太平洋の温暖のベルトはみんなそうです。こういう状態があると余るはずのものが足らなくなるということはこれは十分考えられる。しかも、中長期的に考えれば世界の耕地は減ってきます。これは砂漠化みたいなことも進みます。熱帯林をもう切ることもできないでしょう。人口は増加します。それから我々が生活に豊かになれば穀物をそのまま食べないで、家畜を通して、家畜の肉を食うようになればますます足らなくなる。  そういう状態にありますので、私はしつこいように申し上げますけれども、このウルグアイ・ラウンドの問題も単に、何と申しますか経済交渉の一つとして何とかうまくという話じゃなくて、やはりかなり中長期的な先を見た姿で総理がこの問題をコントロールなさって決断をなさるということをぜひお願いをしたいと思っております。  私の申し上げましたことに何かお答えいただけますならば、お答えをいただきまして終わります。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) 全く私も同感でございます。  ウルグアイ・ラウンドやガットでは食糧の需給ということについて直接に触れてはいないわけでございますが、おっしゃるような国際的な食糧需給の傾向にあるわけでございましょうし、そうしたことを十分念頭に置きながら中長期的な観点で我が国としても対応していかなければならないだろう。全く私もおっしゃることに同感でございます。

有働正治日本共産党

○有働正治君 今日環境問題を考える場合に、ゼネコン政治というのが環境破壊と結びついているというのが一つの特徴になっていると私は考えるわけであります。その一つに長良川河口ぜきの問題があると考えます。私も十月十日、長良川河口ぜきで行われました「ニッポンの川を問う」という野外シンポジウムに参加いたしました。全国から一万人近い方々が集まられて、徒歩で、自転車で、自動車で、カヌーで、船でということで、ゼネコン政治の長良川河口ぜき建設中止の非常に強い要望が出されました。  そこで、総理にお尋ねします。長良川河口ぜきをめぐりましてゼネコンとのかかわりが指摘されています。例えば工事が始まるはるか十七年も前に疑惑の焦点の鹿島、大成建設らの談合で決まったことが指摘されています。また、金丸被告は決定的な役割を果たしてきました。例えば田中内閣の建設大臣に就任するや大臣就任中の約一年間に三度、このうちの一度は竹下登氏も同行して現地視察を行う、そして建設認可へ向けて強引に事を進められた経緯があります。また、九〇年十一月、私どもも御本人に確認いたしましたが、本人はそのとおりですと事実を認められました。長良川を現地視察されて反対の意向を表明された当時の北川石松環境庁長官に金丸被告が三度にわたりまして、大臣でありながら河口ぜきに反対するとは何事か、選挙にも影響するぞと圧力をかけていわば脅迫を行っていたということ。また、鹿島などによる裏金による政界工作が金丸、竹下氏らに行われていた疑惑も指摘されているところであります。  表の金も私の調べでは、当時の政権党でありました自民党の政治団体に対して、鹿島、大成、五洋建設の受注三社と水資源開発公団が工事請負契約を結んだ八八年から九二年の五年間で六億三千二百五十万円の政治献金が行われています。しかも、請負が決まれば献金額が七千万円台、翌年八千万円台、翌年一億二千万円台、翌年一億五千万円台と、金額的にもふえています。工事費も私どもの調査では、当初事業費七一年二百三十五億が八八年一千五百億円へと、六・四倍に異常に膨れ上がっているわけであります。  そこで、総理にお尋ねします。長良川河口ぜきをめぐるゼネコンとのかかわりの疑惑、幾つかの点につきましてはマスコミでも指摘されている問題でありますが、当然御存じだと思いますが、いかがでありましょうか。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) 古い話で忘れておりましたが、きょうお尋ねがあるというので新聞を見せられて改めて承知をしたところでございます。

有働正治日本共産党

○有働正治君 極めて認識が甘いと、私は。これだけ大問題になっている中の一つの渦中だと私は思っているわけでありますけれども。  認識されたということでありますので、そうであれば環境団体、市民団体の方々は、こういうゼネコンとのかかわり、疑惑について、やはり政府の責任において納得のいく調査解明を行っていただきたいという強い要望がありますけれども、この点について総理、御見解はいかがでしょうか。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) 事業主体である水資源公団の方で事情聴取をされたということでございますが、関係者から事情を聞いたということでございますが、その結果は河口ぜきの受注に当たって報じられたようなことは一切ないということでありまして、長良川の建設工事の契約は適正に実施をされたものというふうに承知をいたしております。

有働正治日本共産党

○有働正治君 今総理の指摘された水資源開発公 団の談合はなかったという調査結果自体が私は問題だと思っているわけであります。関係者からの事情聴取は、工事請負契約を行った八八年当時の営業担当者が主たる対象であります。談合はそれより十七年も前に行われているわけであります。その当時の土工協幹部や各社の当時の首脳クラスがこれにかかわっているということが指摘されているわけで、そういう当事者から事情聴取は行ってはおられないと私は承知しています。そういう点で調査はまともに行われたというふうには私は認識していません。  そういう点で私は総理の認識、それから水資源公団の対応にまだ多くの疑問と問題が指摘される。改めてきっちりした調査、検討を求めます。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) 今申し上げましたように、適正に調査をしてそして対応してきたということでございますから、今のところまた改めてその調査をやるということは考えておりません。

有働正治日本共産党

○有働正治君 総理は国民に視点を置いた政治というのを繰り返し強調されます。国民の世論調査を見ますとNHKの世論調査等々、九一年十二月、岐阜市の場合、中止、一時凍結が八九%で推進は一二%、長島町の場合に中止、一時凍結は七四%で推進は二五%。世論は圧倒的に中止、凍結を求めているというのが国民の声であります。  国民の視点に立った政治ということは、そのことを尊重する必要がある。そして、この点では著名な方々からも多くの指摘がされています。梅原猛国際日本文化研究センター所長等々は、建設中止を政治改革の第一歩にしたらどうかということを主張されているわけであります。  ゼネコンが問題になって、改めてこれだけ問題になっているわけで、私は水資源開発公団の調査自体は問題だと明確に指摘しているわけで、国民もそのことを求めている以上、そしてまた総理自身も国民の視点に立った政治と言われる以上、やはりきっちり納得のいく調査をやるべきだ、検討すべきだと私は思いますが、再度求めます。

細川護煕さきがけ・日本新党内閣総理大臣

○国務大臣(細川護煕君) いろいろな御議論があって今日に至っているということでございましょうし、既に工事の九五%近くが進捗をしているという状況であるということでございますから、そういう状況を踏まえてやはり現実的な対応というものを行政の責任者としては考えていかなければならないだろう、このように思っております。  治水上も、あるいはまた水資源の確保という観点からも、地元の自治体からはぜひやってほしいという要望があり、また環境の観点からもさまざまな議論を経た上で、調査を経た上で行われてきた。  私もかねて一度訪ねてみたいと思っておりましたんですが、まだ実際には行く機会がなくて今日に至っておりまして、そういう話を聞いているというだけのことでございますが、しかしさまざまな関係者の方々から話を聞きますと、さまざまな関係者と申し上げたのは行政でございますが、話を聞きますと、今とり得る考えられることは、現実にここまで地元の要望を受けて進めてきた、そしてまた環境面に対する配慮もそれなりにやってきた、こういう説明を受けているわけでありまして、私としては来年度、六年度でございますか、の完成に向けて引き続きそれを進めていくということがやはり現実的なとるべき道ではないか、このように考えているところでございます。

有働正治日本共産党

○有働正治君 現実的な対応という点では今からでも私は遅くないし、例えば島根、鳥取にまたがる宍道湖・中海の淡水化事業をめぐりまして、膨大な国費を投入いたしましたけれども、国民の皆様方の世論でこれは凍結していただきたいということで、ゲートがおろされる直前において凍結された過去の教訓もあるわけであります。  こうした教訓、現実的な対応が私は求められている、そういう点で国民の視点に立った云々という点からいって大きな問題もありますし、ゼネコン問題の解明について極めて私は消極的と言わざるを得ないわけであります。  四月九日、宮澤前首相と不破委員長との党首会談で、不破委員長が国の税金の使い道とのかかわりでこれだけ大きなゼネコン疑惑が指摘されている以上きちんとした解明をという要求をしたのに対し、当時の宮澤総理は、指摘はそのとおりであるし、犯罪行為を構成したかどうかは別に、公共事業の発注、受注の上でフェアな関係であったかどうかを究明する責任があると述べられたわけであります。  従来の政府の基本は引き継ぐと言っている以上、こういう認識は継承されたらいかがですか。再度強く要望し、来年度予算についても述べられましたが、予算を凍結して根本的に見直すということを求めて、時間でありますので質問を終わります。

竹村泰子日本社会党・護憲民主連合

○委員長(竹村泰子君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹村泰子日本社会党・護憲民主連合

○委員長(竹村泰子君) 御異議ないと認めます。  環境基本法案の修正について有働君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。有働君。

有働正治日本共産党

○有働正治君 私は、日本共産党を代表して、議題となっています環境基本法案に対する修正案の趣旨を説明いたします。  これは、議題の法案に我々は賛意を表するものでありますが、これをより実効あるものとする立場からのものであります。  修正案は、既にお手元に配付されておりますので、詳細は説明いたしません。  その内容は、第一に、基本理念に「良好な環境が国民共通の財産であること及びその下で健康かつ安全で文化的な生活を営むことは基本的な権利であること」を明記するとともに、「環境への負荷の少ない社会の構築」、「汚染原因者負担の原則」「住民の意思の尊重、情報の公開」、「環境保全基準を確保するための環境管理計画の策定」及び「実施計画の策定」等を規定することによって、原案が不明確にしている環境保全の諸基本原則を明確にしたものであります。  第二に、「環境影響評価制度を確立するため、必要な措置を講ずるものとする」として環境アセスの法制化を規定し、あわせて地域住民の意思が反映される手続を措置することによって、原案が国民の声に背を向け実質上、その法制化を見送った環境アセスメントの法制化を明確にしたものであります。  第三に、企業が負担すべきものを「環境税」として国民にしわ寄せすることを正当化するような経済的措置の条項を削除し、事業者の責務に基づいて事業活動を行う範囲を「本邦の内外における」と規定すること及び「事業者に対する指導を講ずるもの」とすることによって、原案があいまいにしている事業者の「汚染原因者負担の原則」を明確にし、大企業の横暴な海外活動に対するあいまいな規制を厳しくしたものであります。  第四に、企業の無過失責任制と立証責任制の制度を整備し、「地方自治体の施策の尊重」、及びいわゆる「上乗せ、横だし」を規定すると同時に、新たに「総合的見地に立った行政組織の整備及び行政運営の改善」を明記することによって、原案が改善を図ろうとしない被害者救済を拡充強化し、不十分な環境庁と地方自治体の行政と権限を拡充強化したものであります。  以上、委員の皆さんの御賛同をお願いいたしまして、趣旨説明を終わるものであります。

竹村泰子日本社会党・護憲民主連合

○委員長(竹村泰子君) これより両案並びに環算基本法案に対する修正案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより順次両案の採決に入ります。  環境基本法案について採決に入ります。  まず、有働君提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

竹村泰子日本社会党・護憲民主連合

○委員長(竹村泰子君) 少数と認めます。よって、有働君提出の修正案は否決されました。  それでは、次に原案全部の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

竹村泰子日本社会党・護憲民主連合

○委員長(竹村泰子君) 全会一致と認めます。よって、環境基本法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について採決に入ります。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

竹村泰子日本社会党・護憲民主連合

○委員長(竹村泰子君) 全会一致と認めます。よって、環境基本法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

竹村泰子日本社会党・護憲民主連合

○委員長(竹村泰子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時八分散会      ―――――・―――――

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