環境特別委員会 第3号
- 発言数
- 316 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1993/10/27
会議録
○委員長(竹村泰子君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。 初めに、委員の異動について御報告いたします。 昨日、清水澄子君が委員を辞任され、その補欠として栗原君子君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(竹村泰子君) 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題とし、公害対策及び環境保全の諸施策に関する件について質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
○石渡清元君 過般の大臣の所信表明をお伺いいたしまして、ともに長年にわたって参議院環境特別委員会で大変大臣は御活躍をされ、その中で今度の八月九日に新内閣の大臣になられたということは、まさにはまり役ではないかと考えておるわけでございます。 大臣就任以来二カ月半、今の御感想やら、あるいは閣議、省議等々の御感想も含めて心境をお伺いいたします。
○国務大臣(広中和歌子君) 大変複雑な気分でもあるわけでございますけれども、きのうは一日衆議院の環境委員会で環境基本法を審議させていただき、大変緊張いたしましたけれども、きょうは参議院環境特別委員会に戻りまして、何か里帰りをしたような、そのような気分で、多少リラックスしております。 どうぞ、きょう一日よろしくお願い申し上げます。
○石渡清元君 実家に帰ったつもりで、ひとつ御答弁をいただきたいと思うわけでございます。 大臣就任時、現在の環境、この現状認識について簡単に御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) 我が国を取り巻く環境の状況は、かつての激甚な公害は軽減されてきましたものの、大都市地域における窒素酸化物等による大気汚染や生活排水などによる水質汚濁など、都市・生活型公害に関しましては改善が余りはかばかしくございません。そしてまた、人類の生存基盤にかかわる地球環境問題にも直面しているわけでございます。 このように、現在環境問題は身近な問題から地球的規模の問題に至るまでその範囲を広げ、また国民一人一人の日常生活のあり方に極めて密接にかかわるようになるなど、その対象範囲が非常に広まっております。 このような課題に対処していくためには、従来からの規制的手法を中心とした政策的取り組みでは不十分でございまして、地球環境時代にふさわしい新たな政策展開を図るための手法や政策を盛り込んだ環境基本法の早期成立が望まれる、そのように認識しております。
○石渡清元君 それでは、例えば新内閣の各閣僚の就任時の記者会見を聞きますと、行政の継続・性、そのために自民党政権の重要事項についてはそのまま引き継ぐんだと、こういうコメントが各大臣、大臣もそのような御発言があったかと思いますけれども、今の内閣と自民党政権時代の環境政策との違いはどこにあるんでしょうか。
○国務大臣(広中和歌子君) 私は、環境政策に関しましては、与党、野党といった違いはないというふうに受けとめております。細川内閣といたしましては、豊かさを実感できる、国民の声を吸い上げる、そうした環境政策ということも含めて言っているわけでございまして、この意味におきまして環境政策の推進は非常に大切だというふうに受けとめております。 このために、まず環境の保全の基本的理念と、これに基づく基本的施策の総合的枠組みを定める環境基本法の今国会における一日も早い成立を期すとともに、この環境基本法の枠組みのもとに、環境基本計画の策定を初めとした環境政策の新たな展開に向けた取り組みを推進していくところでございまして、これはまさにこれまでの政権を引き継ぐものだということでございます。
○石渡清元君 細川内閣の所信では、豊かさが実感できるような質実国家づくりを目指す、こういう基本課題を総理は出しておりますけれども、その中で大臣は、環境の側面からそれを打ち出していくんだと。「資源環境対策」という雑誌の十月号のインタビューで、就任に当たっての大臣の言葉に、「私は、環境の視点からの豊かさの実現ということを進めたい」と、これは具体的にどういう手法なんでしょうか。
○国務大臣(広中和歌子君) 自然環境の保全とかアメニティー、それから安全な生活環境、そうしたものを私は意味しているものでございまして、そのために環境政策を推進していくことが国民の豊かさを実感することにつながっていく、そういう視点から発言したところでございます。
○石渡清元君 総論的にわかるんでございますけれども、それでは言い方を変えて、細川内閣は行政改革あるいは規制緩和、地方分権、こういったようなことを前面に出して政策運営をしていこう、こういうふうに言っておりますけれども、それでは行政改革とか、そういったような推進の中で、環境行政をどんどんどんどん地方におろすとか、具体的に新しい内閣のそういう行革、規制緩和あるいは地方分権、それと環境行政の関係というのはどういうふうにお考えになり、あるいは具体的にどういうふうに進めていこうとするおつもりなのか。
○国務大臣(広中和歌子君) 地方分権につきましては、環境庁においては、従来から公害防止対策や自然環境保全対策に見られるように、国が国家的見地から実施しなければならない権限以外のものはできる限り地方に移譲する、そういう考え方に立って環境行政を推進してきたところでございます。今後とも必要な地方分権を進めていく、そういうことでございます。 また、規制緩和についてなんでございますけれども、これは今度の細川内閣の行政改革の推進の目玉になっているわけでございます。環境庁に関する限り、環境庁が所管している各種の規制は、国民の健康の保護、生活環境の保全、かけがえのない自然環境の保護等の観点から行っているという性質があるために、いわゆる経済的規制と同列に扱うことはできない、そんなふうに考えております。
○石渡清元君 従来の環境特別委員会での答弁とそれほど変わっていないような印象を私は受けておるんです。 角度を変えますと、今回の細川内閣は七党一会派の連立なわけでございまして、そのときに、例えば基本的なことは合意しているとかということを新聞等々で聞くわけでありますけれども、環境政策について何かそういう八党の基本合意、そういったようなものがあるんですか。
○国務大臣(広中和歌子君) 連立与党は、環境政策につきましては、地球環境保全への協力を当面する重要な政策課題の一つとして掲げておりまして、「地球環境保全に対する人的、技術的、資金的協力、国連における環境理事会の設置に努力するなど、環境政策に積極的に取り組む。」との合意を行ったところでございます。
○石渡清元君 一つの目標に向かってやろうということ、今テーマを挙げられたのはそうですね、それは理解できるんです。ただ、具体的な政策決定をするときにどのような手続でそれでは与党合意をされるのか。 というのは、これは読売新聞のインタビューで見ておるんですけれども、大臣の談です。「環境先進国同様に日本でも、大臣同士が勉強しあい、政府の環境政策のディシジョン・メーキング(意思決定)を図るべき時期にきている。」ということを読売新聞に語っている。その方法とかあるいは手続を御説明いただきたい。
○国務大臣(広中和歌子君) インタビューをいろいろな新聞社から受けまして私の気持ちを申し述べたものだと思いますけれども、私は、先ほどから申し上げておりますように、自民党の基本的な政策をさらに推し進めるという意味で継続ということを申し上げているわけでございます。 私は、環境庁は総合企画調整機能を十二分に発揮して、さらに強力なリーダーシップを発揮していただきたいと、絶えず野党議員であるときから思ってきたわけでございます。今、環境庁長官という立場に立たせていただいたときに、それを長官という立場を利用いたしまして関係各大臣などに直接対話をし、そしてまた他の国々の環境大臣など、私は就任以来多くの方の訪問を受けているわけでございます。 そうしたような直接的な対話を通じましてコミュニケートし、そして強力なリーダーシップを発揮していきたいな、そのように希望しているところでございます。
○石渡清元君 こういうふうに受け取ってもいいんですか。それでは、環境庁が調整官庁以上の機能を持つように、そういう方向に大臣は意識されている、こういう感じでいいですか。
○国務大臣(広中和歌子君) 環境庁としては、総理府のもとに置かれた官庁でございまして、おのずと行政上の制約はあると思います。 ただ、気分といたしましては、環境の視点から、これからの国民生活の豊かさにつながるような形で環境政策を行っていきたい。そのためには、関係各省庁とのコミュニケーションを図りつつ、同意を得ながらいろいろな政策を進めていきたい。そういう意欲の問題といたしましては、私は前政権を引き継ぎつつ、さらに一歩前進したい、そのように思っているところでございます。
○石渡清元君 それでは次の問題、これも大臣の得意なところでございます。 国際協調、国際貢献でございますけれども、所信で「その国際的地位にふさわしい役割を率先して果たしていくことが必要」と述べ、またいろいろなインタビューにもそういうふうに答えられておりました。大臣自身も常々地球環境問題について国際的な活躍をされている方でございまして、いつも大臣の言われている持論の中に、日本の環境政策の実績を海外にもっと一層理解をさせたいことを含めて、どういうふうに具体的にリーダーシップをとるのか。
○国務大臣(広中和歌子君) 少々お答えが長くなるかもしれませんけれども、お許しいただきたいと思います。 地球温暖化、オゾン層の破壊等の地球環境問題は、人類の生存基盤にかかわる緊急かつ重大な課題でございまして、環境の保全に関するさまざまな経験と技術を有する我が国といたしましては、こうした経験や技術を生かし、その国際的地位にふさわしい役割を率先して果たしていくことが必要であるという認識は、先生の御指摘になったとおりでございます。 具体的には、地球サミットの合意を実現するために国連持続可能な開発委員会を中心に進められている国際的な取り組みを積極的にリードしていきたいということ、特に気候変動枠組み条約の発効に向けた準備、本年十二月末に発効する生物多様性条約の円滑な実施等に取り組むとともに、貿易と環境等の新たな課題に関する国際的枠組みづくりに積極的に貢献していきたいと思っております。また、昨年、地球サミットで表明いたしました環境ODAの拡充強化に向けまして、途上国の環境問題対処能力の向上を含めました環境ODAを積極的に推進してまいりたいと思っております。 こうした点を含めまして、私としては、各国の環境大臣との協力、協調を図っていきたい、そのように思っております。
○石渡清元君 それはよくわかるのでございますけれども、「就任御挨拶 就任一か月を経て」という文章の中で、終わりの方に、国際協調、国際貢献について具体的な環境協力のアクションプランを描いてみたいというふうに述べておられますけれども、これはどのように進められて、現状ではどういうふうになっているんでしょうか。
○国務大臣(広中和歌子君) これからいろいろ考えていきたい、そのように思っているところでございまして、まだ具体的なことは進んでおりません。
○石渡清元君 それでは、次に環境基本法の提出についてお伺いいたします。 これも前国会で大臣は非常に熱心に審議をされてきておりまして、大臣のこの特別委員会における会議録を見ますと、「この基本法をじっくり読みますと、一気に読めない難解な文章である、表現にも非常にあいまいなところが多く、どう読み取ってよいのか理解に苦しむ箇所が少なくありません。」と。そういうことで二回にわたって逐条的にやられて、私も委員会に所属しておりましたので聞いておりました。 今回出される基本法はまた別途質疑の時間があろうかと思いますけれども、難しい、理解がしにくいそういったような基本法について、二つの修正を含めて同じものが出てきたわけですから、一般的に理解させるための方策というか、大臣の今までの懸念というのはどこで払拭されていくのか。
○国務大臣(広中和歌子君) おっしゃるとおりで、私も非常にあいまいだ、わかりにくい、そういうところで各条項ごとに御質問し、今は割合さっと読めるようになったわけですけれども、ともかく法律特有の言い回しになっているところが多いわけで、この法律自体が社会経済システムの中に環境の保全を組み込んでいくための考え方や、合意形成の手順を法技術的に十分に検討して規定された、そうした事情から仕方がないんだなというふうに思います。 この環境基本法でございますけれども、持続可能な社会づくりの第一歩となるものでございまして、また国民の理解と協力を得ながら、新たな環境行政を展開していくことは極めて大切でございますから、この法律を成立させていただきました後は、一生懸命この周知徹底また御理解を得るようにいろいろな形で努力をさせていただきたい、そのように思っております。
○石渡清元君 次に、所信で述べられております水俣病問題対策でございますが、実はこの各論についてちょっと理事会が遅くなってしまったわけでございますけれども、これについても大臣はかなり前向きで、いろいろ委員会発言をされておるわけでございますけれども、所信で述べられていることについて具体的にこれからどういうふうに推し進めていかれるか、基本的な考え方をお伺いします。
○国務大臣(広中和歌子君) 水俣病問題につきましては、今日においても環境行政の重要な課題の一つであると認識しておりまして、早期にこの問題が解決されることが望ましい、そういう考え方はずっと持ち続けております。 環境庁といたしましては、これまで公害健康被害の補償等に関する法律により二千九百四十六名の患者の方々を認定し、医学を基礎として公正な救済を推進してまいったところでございます。また、平成四年度から水俣病とは認定されていないものの健康に不安を持っている方々に対し、医療費の自己負担分及び療養手当を支給するなど、水俣病総合対策事業を実施しているところでございます。今後とも、これらの行政施策を推進することによって水俣病問題の早期解決を行っていきたい、そのように願っております。
○石渡清元君 新聞等々で伝えられているように、大臣就任当時の会見では比較的前向きかなという印象を受けたのに、だんだん後退をしていっているような、今までの環境庁の答弁の域を出ないような印象を今受けるわけなんでございます。 大臣の平成二年十一月二日の会議録を持っておるんですが、ここで大臣は、当時北川環境庁長官でございましたが、「和解のテーブルに着くことを拒否なさった理由というのは何でございましょう」というところまで実は踏み込んでいるわけでございまして、大臣という拘束があってそのような範囲の答弁しかできないならば、はやりの個人的な見解がおありになったら、大臣としてはこうだけれども、実は個人的にはこうなんですということがありましたら率直にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) ここに御出席の方皆様方そうじゃないかと思いますけれども、水俣病問題は公害の原点でございまして、それがいまだに尾を引いているということ、解決されないで残っているということに関しましては皆本当に心を悩ませているものだと思います。私もそうした気持ちからいろいろこれまで発言してきたところでございます。 環境庁長官となりまして国の立場ということをいろいろ勉強いたしました。その後裁判の結果などについてもいろいろ知ったわけでございますけれども、水俣病訴訟では、地裁において四つの判決が出されておりますが、国の責任の有無についての判断は分かれておりまして、和解勧告に応じることは困難であるという状況は変わらない、そういうのが国、環境庁の立場でございます。 私どもとしては、水俣病問題の早期解決を図るために、今後とも認定業務の促進、水俣病総合対策事業の実施などの行政施策の点でこの問題を推進していきたい、それが現在の環境庁の態度でございます。
○石渡清元君 個人的な心情をお伺いしたかったんですが、ちょっとそのお席では無理かなと思います。 それでは、NGO活動にも非常に御理解があり、今回のロシアの放射性廃棄物投棄の問題でもグリーンピースが問題を提起した、このNGOに対する環境庁の姿勢をお伺いしながら、「サンデー毎日」によりますと、ロシアの環境天然資源大臣に申し入れの手紙を書かれたと、そのことについてちょっと内容等々をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) NGOの活動につきましては、環境問題の解決のためには国民等の自主的、積極的な取り組みが不可欠でございまして、とりわけ環境NGOの活動は国民一人一人の足元からの行動を促進し、あるいは草の根の環境協力を進める上で非常に大切だ、そういうふうに思っているところでございます。 そういう中で、グリーンピースのプレスリリースによって私はロシアの核廃棄のことを知ったわけでございますけれども、それは週末のことでございましたけれども、早速グリーンピースの本部に連絡をいたしまして詳しい情報をとるとともに、外務省あるいは科学技術庁にも事実の確認をするようにということで調査したわけでございます。その後、もちろんこれは政府」体となって解決する問題でございますので、内閣の対応を見守りつつ、他方、環境庁といたしましては、外務省あるいは科学技術庁の担当の方からいろいろ事実、その後の経過なども伺ったところでございます。 環境庁としても何かやはり発信をしたい。これは日本海、我が国周辺で起こった、非常に国民に懸念とそれから不安をかき立てるものでございましたから、やはり環境問題を扱う環境庁長官としては何か行動を起こしたい、そのようなことで、私としては、相方でありますところのロシアの環境大臣に手紙を、最初は抗議の手紙と思ったわけでございますけれども、第二回目の投棄は中止をするという発表がございましたので、手紙の内容を変えまして、そしてそのことについては評価する、しかし今後一切投棄をやめてほしい、そういうことも書きました。 そして、ロシアの環境問題に関しましては我が国にとっても非常に関心があるところだから、これからもいろいろな環境問題について政策対話を図っていきたい、そのような趣旨をしたためて手紙を出したのが先週のことでございます。
○石渡清元君 環境庁としてというのと、その手紙自体ちょっとややプライベート的など聞こえるのでございますけれども、その手紙は環境庁の内部決裁を得た公的なものなのか、あるいはその返事が来たのかについて。
○国務大臣(広中和歌子君) 内部決裁という言葉は私よくわかりませんけれども、ともかく環境庁長官といたしまして、担当の方と相談しつつ手紙をしたためましたし、それを外務省あるいは科学技術庁の担当官とも相談して、そしてお手紙をお送りした先は、エリツィン大統領を避けまして環境庁長官にいたしましたところでございます。
○石渡清元君 内部決裁というのは、いわゆる公文書で控えもあり、公式な大臣と大臣のやりとり、そういう意味でございまして、返事が来たかどうかという御答弁もありませんし、また具体的にそういう何か返ってきたらこの委員会で御説明なり御発表をしていただくような気持ちがあるかどうか。
○国務大臣(広中和歌子君) 外務省を通じて送らせていただいたということを先ほど申し忘れましたので、そのことを申し上げます。 もちろん、お手紙を出したのが先週の金曜日のことでございますので、まだお返事はいただいておりませんけれども、お返事があり次第こちらで御報告する機会を得たいと思っております。
○石渡清元君 それでは、問題を次に進めさせていただきます。 海外進出企業の環境問題についてお伺いをしたいんですが、それらについて海外企業の調査を環境庁あるいは通産省がしていると思うんですが、その調査の結果を簡単に御説明をいただき、また、どのような行政指導をしているかということも含めて、だんだん時間が迫ってまいりましたので簡単で結構でございますので、それぞれの担当からお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(森仁美君) 在外日系企業の環境保全活動調査というのを環境庁で行っておりますが、これは海外進出日系企業の環境保全状況についての実態把握、それから今後の施策の基礎資料を得る、こういう目的でございます。 ことしの二月から三月にかけまして、タイ、インドネシアの日系企業四百三十三社を対象に郵送によりアンケート調査を実施いたしました。回収件数は八十二件でございまして、回収率にいたしますと一九%と、必ずしもいい結果であったとは思えない回収率でございます。これはまだ最初でございますので、これからこういうものを少し熱を入れて充実をしていく必要があろうというふうに考えております。
○説明員(市川隆治君) 通産省におきましては、昭和四十五年度より実施しております我が国企業の海外事業活動動向調査におきまして、平成四年度について海外進出日系企業の取り組み等について調査したところでございます。 環境問題に関する進出企業の対応ぶりにつきましては、製造業現地法人二千六百九十五社から回答がございました。そのうち九六%が特に問題ないという回答をいただいております。残りの何らかの対応があったとした企業につきましては、公的機関から指導があった企業が二・八%、周辺住民から苦情があった企業が〇・八%等となっております。 海外進出企業は、投資先国における現地法人として事業を行う以上、投資先国が定めている環境保全のための諸規制を遵守することは当然でございます。加えて、公害対策先進国たる我が国のすぐれた技術等を生かし、現地の環境保全に積極的に貢献することが期待されるところでございます。 通産省としましては、平成元年に産業構造審議会で環境面への配慮の重要性の指摘を含んだ海外事業展開に当たって期待される企業行動十項目というものを策定いたしまして、我が国企業に対して周知徹底を図ってきたところでございますが、本年六月、地球規模の環境問題への取り組みが国際的な重要課題となってきた現状を踏まえまして、この十項目の見直しを行いました。すなわち、従来の環境の項目を一層充実させ、投資先企業による環境への一層の配慮の必要性を強調するとともに、環境対策担当セクションの設置、必要な技術移転の促進等をも盛り込んだところでございます。 当初は、この改定の後、我が国の百十八の産業経済団体を通じまして、その傘下の企業等に対し当指針の周知徹底を行ってきたところでございますが、今後も機会あるごとにその遵守を関係企業及び関係業界等に求めていく所存でございます。
○石渡清元君 なぜこの問題をあれしてたかといいますと、平成三年の参議院環境特別委員会で、日本企業の海外進出等における環境への配慮に関する決議を実は行っておって、大臣がそれの採択に至るまでのかなり御熱心な発案者でもあったのを私は承知しておるわけでございます。 その参議院の決議というのは海外進出企業の環境問題にどこまで拘束力があるのか、それをちょっとお伺いしたいと思います。
○政府委員(森仁美君) ただいま拘束力というお尋ねでございますが、実は私も定かではございませんが、院の特別委員会の御意思があらわれているものでございますから、それぞれ関係者はその重みを十分受けとめるもの、それを拘束と言えば拘束でございますし、尊重して事に対処するというふうな感覚で受けとめるものではないかと考えております。
○石渡清元君 最近非常に決議がはやっておりまして、それが外まで及ぶというのが非常にわかったようなわからないような感じになってしまう。 例えば、マレーシアの三菱化成系のエイシアン・レア・アースの訴訟事件で負けているわけです。住民が勝っているわけです。そういったようなのを含めて、いわゆる公害輸出という言葉は行政用語にはないと思いますけれども、いろいろな調査が非常に盛んになって、今環境庁、通産省からお話しのとおりだったんですが、実態は、例えば在外日系企業調査を見ても、現地の国よりも厳しい基準でやっている企業はもう四分の一しかないというんだな。あるいは日本の現地法人での工場建設でアセス、環境影響評価をしているのは五割以下、そういう会社は。ARE社が扱っていたモナザイト等の、トリウム鉱石の取り扱いについては、日本では原子炉等規制法が働くんです。ところが、向こうでは一切適用されていない。 ということは、そういう決議とかいろんなことをやっても、いわゆる公害輸出というのは適当な言葉じゃないけれども、公害輸出を規制する立法は存在をしていないという、そういう理解でいいんですね。
○国務大臣(広中和歌子君) 今ちょっと日時を確かめたわけでございますけれども、日本企業の海外進出等における環境への配慮に関する決議、これは平成三年四月二十四日に参議院環境特別委員会で決議されているところでございます。 そして、ほとんど同じ時期の平成三年四月に、経団連は地球環境憲章を策定しておりますが、その中で、環境保全に配慮した指針として海外進出に際しての環境配慮事項を位置づけ、環境アセスメントを実施すること、有害物質について我が国で適用されている基準と同等のものを適用することを含め、投資先の環境保全に努力しているはずなのでございます。 それがどのように実行されているかとして、ともかく今回の調査が行われたわけですけれども、環境庁としては今後ともこれらの措置がどのように実行されるか、そういうことも見ることも含めまして調査を深め、そしてまた憂慮すべき問題があるとしたならば各関係省庁と話し合いを進めていきたい、そのように思います。
○石渡清元君 それもよくわかるんですけれども、例えば角度を変えれば、公害の輸出防止のチェックというのは、今通産省も答えたけれども、その機能が余り働いていないような気がするし、また調査の結果を見ても環境庁と通産省はややニュアンスが、通産省は割合具体的に企業との結びつきというのがよくわかる。環境庁はややマクロ的な、総論的なことを言っているような気がするんです。 悪い環境を輸出しないチェック方法というのはどういうのがあるのか。例えば外為法なんかでチェックして、工場の中身を見てそれはだめですよと国内で防止ができるわけですけれども、そういったような何か方策のようなものがあったらお答えをいただきたい。
○政府委員(森仁美君) ただいまお話しのチェック方法といいますか、個々のものが出ていった結果どうなっているかということを公的な形でチェックをするという仕組みはないと思っております。 ただ、そうではいけませんので、これまでのところその公害防止のための取り組み状況について今調査を行い、どういうところに問題があり、どういうふうにすべきかというところに取りかかっているわけでございますので、その結果も踏まえながらよく検討していく必要があろう、こう思っております。 それから、ただいまお話の中で、環境庁はやや抽象的だというお話がございましたが、むしろ私ども環境庁の役割は、大きな目から状況をつかまえて、そして関係省庁にそれを渡す、個別の部分をやってもらう、こういうふうな形をとるべきではないか、それが効果的ではないかと思っておりますものですから、そのとり方に若干差が出てくるのではないかと思います。
○石渡清元君 それでいいです。それが間違っていると言っているわけじゃないんだけれども、なかなかそれが効果が上がらない。効果が上がらないというのは、ほとんど海外進出企業は現地法人ですから、それでもう現地法人に従っているだけという感じで、それ以上のことをすれば主権侵害にもなりかねないような状況、日本が環境問題について口を挟むと。ですから、それはやむを得ないとしても、ただこれだけで本当に地球環境が守れるかどうかという懸念からお伺いをしておるわけでございまして、この問題はこの程度にさせていただきます。 先ほどのグリーンピースの話ではありませんけれども、過般のロシアの放射性廃棄物の海洋投棄、これは本来は外務省とか科学技術庁がよくわかるわけでありますけれども、国民の関心は環境マナーということで非常に心配をしておるわけでございまして、今回の事件、時間がもうあと数分しかありませんので、背景やらあるいは今までの国際的な規制についてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) 今石渡委員の御質問、趣旨をいろいろ受けとめまして、大変にこれはありがたいサジェスチョンだなと、非常にすばらしい御意見だと、そのように受けとめております。 確かに、私どもは国内において公害を克服したという体験もあり、そして発展途上国が、我々がこうむったような環境被害、公害による被害を受けないように、そういう意味で環境の配慮をすることはすばらしいことだと思っているわけでございますけれども、いわゆるアナウンスメント効果というんでしょうか、それだけでは十分ではないということ、どのようにして実行させていくかということ、これはこれからの課題であろうと思います。 そしてまた、我が国近海で起きます例えば水質汚染、これは核によるものであろうとそうでなかろうと、私どもとしては非常に大きな関心事でございます。つまり、我が国の公害問題だけではなくてよその国の公害問題、それにも我々は積極的に関与せざるを得ないような状況でございまして、それが主権の侵害ですか、そういうこととの問題もございますけれども、事地球環境に関しましては私どもは少し果敢に発言していくべきであろう、そのように思っております。
○説明員(塚腰勇君) 先ほどの御質問では、国際的な基準等はどうなっているかというお話でございますけれども、ロンドン条約というのがございまして、ロンドン条約で、締約国は、いわゆる低レベル放射性廃棄物の海洋投棄につきましては、特別許可を与えるに際して十分に考慮すべきであるとされている国際原子力機関、IAEAと言っておりますけれども、そこの勧告では、今回ソ連がしたような非密封の液体廃棄物を直接海洋に投棄することは認めていないということでございまして、投棄物や投棄場所に関しては基準が示されているわけでございます。 今回のロシアの廃棄物につきましては、明らかに非密封の液体放射性廃棄物でございまして、勧告では投棄は認められていないわけでございます。ほかの基準につきましては、実際の廃棄物や廃棄場所の詳しい情報がなければ判断できないわけでございますけれども、少なくとも、船から直接液体放射性廃棄物を投棄していましたロシアの海洋投棄は、先ほど言いましたIAEAの勧告に適合していないものと考えられます。
○石渡清元君 ロンドン条約あるいはIAEAの勧告に適合していない、それだけで終わっているんです。それで、新聞等々では今回の問題が非常に微量なキュリーだったと言うんですけれども、今までソ連が一万九千キュリーも投棄しちゃっているんです。ですから、今回は微量だったかもしれないけれども、それが堆積あるいは濃縮していく可能性はないとは言えませんし、まさに僕は地球環境問題だと思うんです。 それについて、今度の廃液もトリチウムだからそんなに人体には影響ないかもしれないけれども、環境庁はもう少し具体的にこの問題について、これは核の関係は科学技術庁です、これではちょっと通らないんじゃないかと思うんですけれども、その辺の見解はいかがですか。
○政府委員(森仁美君) 若干誤解があるといけませんので事実関係を申し上げますが、放射性廃棄物による汚染の問題についてはそれぞれ法律がございますものですから、その法律の規制にゆだねるということの限りでは環境庁の所管からずれているわけでございます。しかし、環境の汚染という観点では放射能によるものであろうと、すべて環境庁の関心の範囲でございまして、そういう意味で、具体の手法のところに環境庁の法律的な仕組みがないということでございます。 したがいまして、この海洋投棄に関しましても、それが野生生物に与えていく影響でございますとかという点が出てまいります。そういう意味では、地球環境の問題として十分に関心を持っておりますし、また持てる仕組みになっていると考えております。
○石渡清元君 別に誤解をしているわけじゃないんですが、その関心事というのは今までもそうだった、これからも核兵器の解体をやるわけでしょう。もう二万発近い核弾頭を解体しなきゃいけないんだ、これをどうやって処理し、それから出てくる放射性物質をどうやって処理するか、これがこれからのかなりの関心事でありますので、環境庁としてはどういうふうに取り組むのかということを聞いたんです。
○国務大臣(広中和歌子君) 私は、環境庁として、環境の視点からこのような手紙を書くということで行動を起こしたわけでございます。 政府全体といたしましては、例えばロンドン条約において一切の核廃棄物の海洋投棄を禁じるという、申し合わせではなくてきっちり法律改正を行うといったような動きも出ておりますところですから、私どもは政府の中で意見を言いつつ、日本周辺の海域の環境に関して引き続き関心を持ち、注意を払っていきたいと、そのように思っております。そして、何か違法的な行為、危険が起こりましたときにはきちんと発言をしていきたい、そのように思っております。
○石渡清元君 ぜひひとつお願いをしたいと思うんです。きょうから日ロ専門家会議も始まりますし、ただ今回新聞で騒がれたから、科学的には問題ないと、そういうことではなくて、ぜひひとつ注目をしていただきたい。 特に、大臣はグリーンピースとよくおつき合いがあるようでございますけれども、要は、今回もグリーンピースの報道で日本が知ったと、こういう状態でありますので、政府関係も情報収集についてはやはりもう少し緻密にやらないと、これからの放射性廃棄物処理が問題だと私は思っておりますけれども、その辺のところも、環境庁はその問題についての対応は限界があるということなんですか、国民は環境サイドで心配しているんだと思う。
○国務大臣(広中和歌子君) 環境庁としては、この問題に対して関心を払い、調査をし積極的に発言をしていきたいと思います。
○説明員(塚腰勇君) 先ほど先生への御答弁にちょっと足りない点がございましたので、補足をさせていただきたいと思います。 ロシア政府が本年の四月に海洋投棄の調査結果を取りまとめまして発表しました白書がございますけれども、それによりますと、極東海域において一九六六年がち一九九二年までの間に約二万キュリー近くの液体、固体の放射性廃棄物を日本海、オホーツク海、カムチャツカ沖の太平洋に投棄しております。また、今回日本海において行われました投棄につきましては、ロシア側は液体放射性廃棄物を約九百立方メートル、放射能量にしまして一・〇八キュリーを投棄しております。 かかる投棄の影響につきましては、軽々しくは論じられないわけでございますけれども、本年春に綿密に日本海におきまして行いました海洋環境放射能調査におきましては、特段の異常が認められていなかったことから、我が国国民に対して影響が及んでいるものではないと判断しているところでございますが、また今回の液体放射性廃棄物の投棄につきましても、その量が約一キュリーであることを勘案しますと、春に行った調査の結果に基づく判断が変化するとは常識的には考えられないわけでございます。 しかしながら、念には念を入れまして、今回の廃棄につきましては、海水、海産生物を採取し、分析評価し、実際に確認することが大切であるとの観点から、放射能対策本部幹事会におきまして調査計画を決定しまして、現在鋭意調査を実施いたしておるところでございます。
○須藤良太郎君 石渡理事からもお話がありましたように、長く環境関係に御苦労いただきました長官が、今度環境問題の総指揮官として御苦労いただくと、こういうことで大きな期待を持っておるわけでございます。特に女性大臣として、恐らく国の最大の課題である環境なり地球環境、これに取り組んでいただくわけでございますが、ぜひひとつ積極的な対応をお願いいたしたいと思うわけでございますし、委員会の同士としてできるだけひとつ御協力というと問題があるかもしれませんけれども対応していきたい、こういうふうに考えております。 一つ所信表明でお伺いしたいわけでありますけれども、大変意欲的な所信表明でございまして、特に「生活者の視点に立って質の高い実のある国づくりを目指す」と、これはちょっとわかりにくい質実国家の内容と思いますけれども、この問題に環境の視点から挑戦する、こういうふうに言われておるわけでございます。宮澤内閣も生活大国づくりということを掲げて環境基本法に取り組んだわけでありますけれども、今回も長官は環境基本法を再度提出して、前文によりますと、これまでの社会経済システムのあり方あるいは行動様式を見直して環境負荷の少ない持続的発展可能な社会づくりをやるんだと、こういうふうに言っておるわけでございます。 わかるようなことでございますけれども、この点だけひとつ長官からわかりやすく、社会経済システムがどうあればいいのか、あるいは行動様式をどう見直すのか、この点を最初にお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) 環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を構築するとはどういうことかと。私は、これは大変大きな問題だと思います。簡単に答えられることではないと思う。そしてまた、お答えしたとしても、具体的にどうなのかと言われますと、本当に大変なことだと思いますけれども、私どもとしてイメージしておりますところは、生産、流通、消費、廃棄という経済活動のシステムの中で、資源エネルギーの使用のより一層の効率化、それから物の再利用や再生利用をさらに進めること、そしてまた消費的な使い捨ての生活習慣を見直していくこと、そういうようなことをお答えできるかなと思います。
○須藤良太郎君 環境問題はいろいろあると思いますけれども、今回はまず最初に、若干一般の環境行政とは違っておると思いますけれども、あえて農村につきまして二、三、環境面からお伺いしたい、こういうふうに思っておるわけでございます。 それは、一つは御承知のように、今農村は凶作なり災害に大変打ちひしがれておるわけでございまして、極めて厳しい状況にあります。そういう中で少しでも希望なり夢を与えるということは、政府、行政としても極めて重要なことでありますし、環境庁もぜひそういう点からひとつ対応してもらいたい、こういう希望が一つであります。それから農山村というのは、御承知のように国民全体のこれからの豊かさの宝庫としてあるわけでありますから、これを全体が享受できるために環境面からもいろいろ対応していただいたらどうかと、こういうふうに考えておるわけでございます。 そういう意味で、私はきょうは一つはこの農山村の宝庫をできるだけ生かして、それは農村の人にも国民のためにもなるような、そういう環境行政をひとつお願いしたい、これが一点。 二つ目は、そう言いながらも農村はけた違いに低い生活水準にとまっている。こういう問題を、下水道等が中心でありますけれども、どう環境庁として対応していくか、これが二点目。 それから三点目は、特に農山村は厳しい条件、産業面では不利な条件にあります中山間地帯、こういうところの自然環境の保全面で環境庁として積極的に乗り出す方策はないのか、これらについてお伺いしたいと思っておるわけでございます。 第一点は、自然環境の利用、活用の問題でありますけれども、お話しのように、従来の効率優先のあり方から豊かさなりゆとりを実現していこう、こういうことを挙げておるわけでございます。そういう意味からは、やはり農山村は非常に緑なり豊かな空間を持っておるわけでありますから、都市の人にもこれは大きく提供すべき問題でありますし、またよく言われますように、民族の苗代であり活力の根源と、こういうふうに思うわけでございます。 いろいろ各地域、自治体、苦労しておるわけでありまして、のびのび王国なりあるいはゆったり農村とか、そういうことをやっておりますけれども、私は環境庁がひとつこういう宝庫を利用、活用する、そういう一つの立場からこの環境行政を考えられないかと、この点をまず一つお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(奥村明雄君) 先生御指摘のとおり、森林や農地などは農林業の生産の場であるとともに、私どものいわばふるさとの自然といいますか、多様な自然環境の一部をなすものでございます。私どもとしても自然環境を保全しつつ、自然教育の場あるいは自然と触れ合う場ということで適正な利用を図っていきたいと考えておるところでございます。 こうした地域については、主として県立自然公園や県設定の自然環境保全地域ということで保全をいたしますとともに、かねてから私どもいろいろな施策を講じておりまして、例えば自然観察の森ということで、カシの森とかコナラの森でありますとか、ゲンジボタルの谷といったようなものを保全しつつ触れ合う場として整備をいたしますと同時に、最近ではふるさといきものふれあいの里というようなことで、トンボの生息する湿地帯でありますとか、あるいは環境と文化のむらということで農林業の生産体験をしていただく場というようなものを整備いたしまして、自然と触れ合う場、自然教育の場として活用しつつ、また地元の特色ある振興ということでお役に立ちたいというふうに考えておる次第でございます。
○須藤良太郎君 余り遠慮しないでできるだけ思い切った施策をやっていただきたいというふうに思います。 第二点は生活水準の問題でありますけれども、私は、これからの国政の大きな課題はやはり格差、ひずみの是正というふうに考えておるわけでございます。いろいろ格差があるわけでありまして、地方と都市あるいは農村と都市、そして医療なり教育なり福祉、いろいろな格差がありますけれども、本当はこの格差、ひずみの元凶は地方と都市、農村と都市の格差、これがいろいろな面で大もとになっておるのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。これは一極集中と過疎化の形で農村の高齢化なり、あるいは教育、医療、そういう面に全部弊害を出している、こういうふうに思うわけでありまして、そういう面で農村は、生活面では相当立ちおくれている、こういうふうに思います。 特にその中で、今農村地域は下水道なり道路という生活環境の基本的なインフラ、これが立ちおくれておりまして、この格差は年々拡大する傾向にもある、こういうふうに見られておるわけでございます。御承知と思いますけれども、今農村の下水道の普及率はわずか数%、都市では九割、全国平均でも四五、六%、こういうけたが違う状況にあるわけでございまして、これが今生活関連重視なりあるいは消費者重視というかけ声の中で、農村の方が何か都市に対して非常に冷遇される、こういう感じを政府が持たせるということは非常にこれは問題ではないか、こういうふうにも考えておるわけでございます。 自治省と総理府の調査によりましても、一人当たりの生活関連投資額では農業圏は非農業圏の七〇%にも満たない、こういうことが報告されておるわけでございます。そういう意味では、一極集中是正、均衡ある発展のようなったい文句で終わらせるのではなくて、本当に農村の快適な住環境、定住条件、こういうものを確保していくことを痛感するわけでございます。直接いろいろ事業は担当しないわけでありますけれども、生活排水なり下水、そういう面で取り組みを始めておるわけでありますから、この辺をひとつ強力に進めていただけないか、こういうふうに思うわけでございまして、これが二点目の農村の生活水準格差の問題でございます。
○政府委員(野中和雄君) 農村におきます下水道あるいは集落排水等の整備の状況でございますけれども、御指摘のようにほかの都市等に比べましてかなりおくれている状況でございまして、集落排水施設を含みます下水道の整備率等を平成三年で見ましても、中都市が四七・四%であるのに対しまして町村の方は八・三%というようなことでございまして、道路なり上水道なりの指標に比べましても下水道等の整備がかなりおくれているというような状況でございます。 農村地域におきましては、農村における人々の快適な生活環境のためにも、あるいは外からお客さんが来るというようなことも含めまして、農村地域の振興のためにもトイレの水洗化を望むような声もまた高まっているわけでございます。 こういうようなことで、農村集落におきます快適な生活の環境を確保することは大変重要なことでありますが、また同時に、水質の面につきましても近年では生活排水系の負荷というのが非常に大きくなっておるというような状況にもございます。そういうような意味も含めまして、農村地域におきまして下水道なり農業集落排水なり合併浄化槽の整備、こういうような生活排水処理施設の整備を推進していくことは極めて重要であるというふうに考えているわけでございます。 環境庁といたしましても、これらの整備が一層進みますように関係省庁にも十分働きかけてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○須藤良太郎君 後で生活排水に若干触れたいと思いますけれども、もう一つこの農村問題で、一般に言えば自然環境保全ということになるかと思いますけれども、特に私申し上げたいのは、中山間地帯と言われる山合いの条件の悪い地帯、この問題について申し上げたいと思うんです。 今回のこの長雨なり台風、災害によりまして、南九州、特に鹿児島では非常にとうとい人命が失われておるわけでございます。私も金峰町という一瞬にして二十人が亡くなったところに行ったわけでありますけれども、本当に悲惨でございまして、ここに駆けつける人も同じ村には住んでいない親族、みんな親族はほかの市町村から来る、こういう状況であるわけでございます。ほかの中山間地でも今回何人がずつ犠牲者が出ておるわけでありますけれども、その多くが高齢者、こういうことでございますから、そういう意味では過疎化の弊害なり悲惨さが今回の災害で如実に露呈された、こういうふうに思っております。 そういう意味から、中山間地帯は国土、環境の荒廃の最前線、そういうふうにも思うわけでございます。今まではいろいろ先人が努力してバランスを自然にとっておったわけでありますけれども、御承知のように農業、林業が衰退していく、そういう中で人がいなくなる。それは必然的に山崩れなり河川災害を激化させる、こういうことになっているのではないかと思うわけでございます。 これは農業、林業、あるいはいろいろな産業を振興して人に住んでもらうということももちろんあるとは思います。かつて「水田ハ地球ヲ救フ」という本も出ましたし、山は水田がつくったと、こういうふうにも言われておるわけでありますけれども、やはり山を守り洪水から守るという面では水田稲作、こういうものが非常に重要な役割を果たしておるということも本当の現実ではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。 私は、もちろんこういう問題の解決はいろいろな角度、分野から挑戦していかないとできないことは当然であると思いますけれども、自然環境の保全を担う環境庁としてやはり相当取り組める問題があるんじゃないかと。農政も社会政策あるいは国土政策として取り組むわけでありますけれども、こういう条件の悪い、不利な自然環境地帯に環境庁として取り組む姿勢、そういうものが必要ではないか、そういう段階に来ているんじゃないかと、こういうふうに考えております。特に日本の地形の特質からいたしますと、中山間は非常に多いわけでありますし、できれば環境庁にいわゆる中山間地帯自然環境保全対策というような担当もつくっていいぐらいの問題ではないか、こういうふうにも考えておるわけでございます。 こういういろいろな農村の問題を含めまして、長官からお考えをお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) 細川内閣は生活者の視点に立った政策を推し進めるということを言っているわけでございますけれども、ただいま須藤委員から農村の抱える問題点についてさまざまな角度から浮き彫りにしていただきまして大変参考になりました。 いわゆる生活環境の豊かさ、アメニティーというものは自然と人工物が相まって創造されるものでございますけれども、特に農村部におけるアメニティーにつきましては、自然環境そのものの持つ重要さというものは非常に大きいものと考えるところでございます。 最近人口や経済活動の都市への集中が進み、都市においては都市・生活型公害が発生している。一方では、農村部においては過疎化が進行し、農村部における大事な環境保全能力の維持が困難になっている、そういう状況があるわけでございまして、これは農村のアメニティーに対しても大きな影響を与えている。御指摘のとおりだろうと思います。したがいまして、環境庁としては関係省庁の御協力を得ながら農村部のアメニティー推進に当たりまして、御指摘のようにその地域特性を踏まえた取り組みを進めていくことが大事である、必要であると、そのように考えております。
○須藤良太郎君 都市のごみなり炭酸ガス、いろいろ重要ではありますけれども、やはり日本の農山村を守る方に、あるいは守りからむしろ積極的な攻めの、そういう環境行政をぜひお願いしたいというふうに思います。 次に、水質保全の問題でありますけれども、いろいろな環境基準は好転していると思いますけれども、水質についてはなかなか改善されない面があるのではないか。そういう面でごく大略水質汚濁の状態をお聞きしたいわけでありますけれども、平成二年、三年前に生活排水対策として水質汚濁防止法を改正したわけでありまして、従来のいわゆる工場なり産業の排水の規制に加えて生活排水を盛り込んだと。しかし、盛り込んだといっても生活排水は個々の家庭に関連することでもありまして、法的規制なりあるいは制度的位置づけは非常に問題があるということで、特別な工夫をした改正だったと思うわけであります。 最近、いわゆる閉鎖性の水域、あるいは町に近い中小河川の水は生活排水によって相当大きく汚染されてきている。こういう実態から見ますと、前回の法改正は時宜を得たと思いますけれども、相当不十分ではないか。そういう面ではさらにこれを改正していく必要があるのではないか、こういうふうにも思っておるわけでございます。 この前の改正のときには、たしか知事が重点地域を指定して、ここにいろいろな下水道等の事業が優先的に推進できる、そういう形をとったわけですけれども、まだ何年もたっておりませんからその効果といってもわかりにくいかもしれませんけれども、現在の取り組み状況を教えていただきたいと思います。
○政府委員(野中和雄君) お話がございましたように、改正されました水質汚濁防止法では、都道府県知事が生活排水対策重点地域を指定いたしまして、重点地域に指定をされました市町村は、生活排水対策推進計画を策定して対策の推進に当たることとされているわけでございます。 平成三年の一月に、群馬県の館林市、甘楽町が全国で初めて生活排水対策重点地域に指定をされましたけれども、その後順次指定が進行をいたしておりまして、平成四年度までに全国で二百七十の市町村が指定をされております。このうち百七十二の市町村で推進計画を策定いたしまして、計画に沿った対策を推進しているというところでございます。計画の推進にも若干かかりまして、それから事業ということでございますので、明確に数字として効果ということはまだ出ていないわけでございます。 いずれにいたしましても、重点地域におきましては、この推進計画に基づきまして計画的、総合的な対策を行うということになっているわけでございまして、下水道なり農業集落排水施設あるいは合併浄化槽等の生活排水施設の整備事業を重点的に実施していただくように関係省庁に働きかけをしているところでございます。 また、環境庁独自といたしましても、平成三年度より推進計画策定等に対しまして補助制度を創設いたしました。特に、重点地域におきましては、汚濁した水路を直接浄化する事業を積極的に推進する必要があるということで、五年度には三億円の予算によって補助事業も行っているということでございます。この制度は発足をして今着々と指定なり計画の樹立ということをやっている段階でございまして、私どもといたしましては、この制度を十分活用いたしまして水質保全の効果が上がりますように、さらに積極的に推進を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○須藤良太郎君 予算を持たないところですから非常に大変だと思いますけれども、ぜひ効果が上がるような措置を講じていただきたいというふうに思います。 これに関連して、今ちまたに伝えられております水源保全法案の問題でありますけれども、この新聞の見出しては、官僚の浄化がまず必要というような評価がされておりますけれども、これはどういう状況になっておるのかということでございます。国民としては、この水道水源の水質確保なり、あるいは保全というのは極めてこれは関心の高い、要望の高いことは間違いないわけでございます。 ただ、先ほどの水質汚濁防止法もそうでありますけれども、水質全般について環境庁は総括的に対応しなきゃならない、そういうことでありますから、この水質問題はやはり主導的な役割を果たさなければならないんではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。そうでないとすぐばらばら行政、縦割り行政ということで環境庁の存在も非常に問われる、こういうことではないかと思っておるわけでございます。 そういうことで、生活排水まで踏み込んだ汚濁法を持ちながら、今回この水源保全法案に対してはどういう格好になっておるのか、それと中央公害対策審議会ですか、そこには水道水の水質保全なり安全のようなものを諮問しているというふうに聞いておるわけでありますけれども、この答申がいつ出るかわかりませんが、それとこの水源保全法案との関係はどうなるのか、その辺も含めてひとつ御説明いただきたいと思います。
○政府委員(野中和雄君) 私どもといたしましても、お話しのように現在の水道の問題につきまして、かび臭いとか、あるいはトリハロメタンの問題があるというようなことなど、多くの問題を抱えているということは十分承知をいたしているわけでございます。 そういう意味で、私どもといたしましては、水質保全行政を預かる環境庁といたしまして、この問題につきまして全体的にどういうふうに対処をするのかというような全体的な検討を行いまして、総合的な対策を国民の皆さんにお示しすることが必要ではないかというふうに考えているところでございまして、現在、お話しのように中央公害対策審議会の方に諮問をいたしまして、水道利用に配慮をいたしました水質保全対策全般について御審議をお願いいたしておるところでございます。 この審議会の中では、水道の問題全般につきまして、例えば浄水操作に伴いまして発生をいたしますトリハロメタン等の問題についてどういうふうに対処をするのかというような問題、さらには農薬の問題でありますとか、地下水の問題、あるいは生活排水対策の強化というような問題、それからそれらを通じまして、また視点といたしましては、こういうような水道の問題を解決していきます場合に、浄水場で例えば高度処理を行うというようなことで対処できる問題もございますし、また公共用水域の方で規制等によって対処をするというようなこともございます。それらをどういうふうに連携をさせていくのかというような問題。 それから汚濁の問題につきましても、先ほど先生お話しございましたように、従来の工場、事業場だけではなくて、生活排水系につきましても何らかの規制を行うべきかどうかというような問題。さらには水道の問題ということになりますと、下流で取水をしているわけでございまして、生活排水なり開発の問題というのは上流で起こってくるわけでございますので、したがいまして上流の方の対策と、それからその効果を享受いたします下流の自治体、住民といったような方々の負担の関係をどういうふうに公平にしていくのかというような視点も含めまして、今実は毎週のようにこの審議会を開いて検討を行っているところでございます。 私どもといたしましては、これらの結果を踏まえまして総合的な対策というのを取りまとめてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○須藤良太郎君 この問題は環境庁の真価を発揮する問題でもあると思いますけれども、長官としては、厚生省との関係になるわけでありますけれども、どういう態度で臨まれるのかお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) この問題あるいはその対応につきましては今局長が御答弁したところでございます。私どもといたしましては、中央公害対策審議会の答申を、できれば十一月末か十二月初めにいただきまして、そして法制化を含めてどのような取り組みをしたらいいかということで関係省庁と、もちろん厚生省、農林省、そうしたところと連携をとり、話し合いながらその対策を総合的に進めていきたい、そのように思っております。
○須藤良太郎君 そういうことでひとつ頑張っていただきたいと思います。 もう一つ、十月十五日の新聞に、土壌の発がん性物質が基準の一千倍を超えているという大きい記事があったわけでありますけれども、これは非常にびっくりするような記事なんですが、どうもこの内容がよくわからない。しかも、これは環境庁が全国的に調査したものという書き方でありますけれども、この内容をちょっと説明していただきたいと思います。
○政府委員(野中和雄君) 土壌汚染の状況でございますけれども、各地方公共団体におきます土壌汚染の判明状況あるいは対策の実施状況などを把握することを目的といたしまして、実は平成四年の八月に全国的な調査を実施いたしまして、その結果を公表したものでございます。 この結果、百七十七件の土壌汚染事例が報告をされておりまして、このうち六十三件が地下水に対して影響を及ぼしているということが判明をしたわけでございます。地下水に影響を与えました汚染物質といたしましては、トリクロロエチレンが二十三件で最も多く、次いでテトラクロロエチレンが二十二件という状況でございます。 判明いたしました土壌汚染につきましては、各地方公共団体の指導等によりまして汚染事例自体の六三%で既に対策が完了しております。三六%では対策を今実施中、さらには対策の検討をされているものというようなものがいろいろある、こういうような調査の状況でございます。
○須藤良太郎君 その一千倍という表現というのはどういうふうに受けとめればいいんですか。
○政府委員(野中和雄君) この一千倍といいますのは、実は土壌汚染の問題につきましては、環境庁の方でこの問題に対処いたしますために、平成三年に土壌の汚染に係る環境基準を設定いたしたりしておるわけでございまして、それらをもとにいたしまして評価基準というのをつくりまして、それに基づいて、その基準を超えるものがどのぐらいあるのかというような調査をいたしているわけでございます。 汚染をしているところでございますのでかなりこれらの汚染物質が出ているわけでございまして、これらをただいま御説明いたしました環境基準、あるいはそれに追加をいたしまして、例えばトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等につきましては環境基準が設定をされておりませんので、現在中央公害対策審議会において土壌環境基準への項目追加等について御審議をいただいているところでございます。そのもととなります値、評価基準等と比較をいたしますと、単純に割り算をいたしますとそういうような検出の状況になる事例がある、一番高い地点ではそういうような倍数に計算をすればなるというようなことでございます。
○須藤良太郎君 新聞に書いてあることはあながち誇張、間違いではないという見方ができるのかどうか知りませんけれども、ひとつその辺は国民によく納得できるような形で報道していただきたいというふうに思います。 次に、温暖化の問題に移りたいと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、ことしは大変な集中豪雨なり冷害ということでダブルパンチ、トリプルパンチの状況でございます。こうなりますと、国民は地球温暖化の影響がそろそろ出てきているのじゃないか、いよいよ出たのじゃないか、こういうふうに思うのは当然だと思うわけでありまして、そういう面で温暖化の最新の情報というか研究成果というか、そういうものを教えていただきたいと思うわけでございます。 特に、御承知のように温暖化の問題は、単に炭酸ガスなりメタンガスなり、あるいは熱帯林が減った、こういう人為的な問題でなくて、いわゆる長いサイクルの自然現象、あるいはこの数十年のスケールの火山噴火なり太陽熱の問題、そういう自然的要因もあるわけでありますけれども、ただ現実に炭酸ガス、メタンガス、そういうものがふえている。しかもここ百五十年ぐらいずっと温度が上がり続けているような格好になっておるわけでありますから、人為的な問題も相当クロというふうに思えるわけでございます。 そういう中で、先ほど申し上げました温暖化の最近の状況なり、また今回の集中豪雨あるいは冷夏、そういうものに対して温暖化との関係の論議がされているのかどうか。また、こういう温暖化に対する国内なりあるいは国際協調の取り組み、そういう面の体制について御説明いただきたいと思います。
○政府委員(森仁美君) 地球環境問題、特に国際機関との連携の問題がございますものですから、地球環境部長から答弁をさせることをお許し願いたいと存じます。
○説明員(澤村宏君) まず初めに、地球温暖化によるこれからの温度上昇の見込みはどうか、どう予測しているかということでお尋ねでございますが、世界気象機関と国連環境計画によります気候変動に関する政府間パネル、その報告によりますと、何も対策をとらなかった場合に地球全体の平均気温は二〇二五年には現在に比べて約一度、二十一世紀末には約三度上昇するというふうに予測をされております。 それから、ことしの冷夏のことに関するお尋ねがあったわけでございますが、我が国のことしの夏の気候と地球の温暖化との関係につきましてはわかっておりません。
○須藤良太郎君 私は、温暖化の今後の予測なりあるいは温暖化によるいろいろな影響、この問題は今非常に重要な段階になってきたんじゃないか、こういうふうに感じておるわけであります。 今の説明は二〇二五年に一度、二十一世紀末に三度、こういうことでありますけれども、一つの資料では二〇三七年に、一九五八年と比べて二度C上がると。これは東京の今平均気温が十五・三度、それから鹿児島がたしか十七・三度。そうすると、あと四十年足らずで南九州が関東に来る、こういう状況になるわけで、これは非常に現実的な話になるわけでございます。そういうことになりますと、これは非常にインパクトが強いわけでありまして、生態系なりあるいは食糧、農業、それから社会全体、すべてにわたって影響が大きい、こういうふうに思うわけであります。 今、冷害で食糧の備蓄をどうするんだ、日本の食糧を二百万トンにするのかと、いろいろ論議がありますけれども、本当はこの問題が多少わかれば少しその根拠になるわけでありますけれども、あるいは世界の食糧はどうなるか、こういうことだと思うんですけれども、実際にはなかなかこの関連は難しいということも私もわかるわけであります。 しかし、最近いろいろ資料を見ていますと、定性的でなくて定量的にもある程度影響予測をしておる資料、外国のもありますし、日本のもある。そういうことでぜひひとつ、これは金をかけても相当真剣に環境庁が取り組む必要があるんではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。そういうひとつの研究体制、取り組み、それと一番重要なのは情報をしっかり一カ所で、環境庁で押さえてそれを刻々知らせる、そういう体制をぜひとってもらいたい、こういうふうに思うわけであります。 買いかぶった言い方をすれば、これから環境問題というのがいわゆる国際政治も覆していく、そういうぐらい大きい問題だと思うわけでありまして、それがこれから国政の最大の課題は環境、こういうふうに言われるゆえんだ、こういうふうに思っておりますので、その辺を踏まえてひとつお考えをお聞きいたしたいと思います。
○説明員(澤村宏君) ただいま先生御指摘のとおり、地球温暖化は穀倉地帯の収穫の減少あるいは森林の衰退を招いたり、急激な気候変動に適応できない動植物が絶滅するなど、生態系や農業等への影響が指摘されているところでございます。 環境庁といたしましては、自然植生や森林、希少植物、農作物などへの影響の解明を急務と考えておりまして、地球環境研究総合推進費によりまして植物に及ぼす影響の解明に関する研究、それから地球温暖化の世界食糧需給への影響とその対策に関する研究等を現在推進しているところでございます。 なお、こうした研究の成果につきましては、地球環境問題に関する情報として、さまざまな機会を活用して周知を図っていくというようなことに今後とも努めてまいりたいと考えております。
○須藤良太郎君 長官からもひとつ御決意を。
○国務大臣(広中和歌子君) 温暖化に関してはもう本当にすべての人類、生きとし生けるものの関心である、そういうことで国立環境研究所を初めといたしまして環境庁としては一生懸命に調査研究、そして情報収集、そういうことに努めてまいりたい、そしてそうした結果に基づきまして発信も同時にしていきたい、そのように思っております。
○須藤良太郎君 もう一つ、地球環境基金の問題についてお聞きいたしたいと思いますけれども、昨年の国連環境開発会議では、二十一世紀に向けまして地球における環境と開発、この原則なり行動計画を決めて新たな出発を期したわけでございます。 私は、この地球環境問題を私なりに要約すると、一つはエネルギー問題、もう一つは食糧問題ではないかと。これを先進国と途上国がどう調整していくか、こういう問題ではないかと思っておるわけであります。 御承知のように、エネルギーについては、もう太陽エネルギーなり水力エネルギーにできるだけ持っていく。食糧についてはリサイクル可能な持続農業、こういうものに向けていくわけでありますけれども、問題は先進国が相当譲歩し節約していかないと途上国の問題は非常に大変になるんではないか、こういうふうに思っておるわけであります。そういう面で、これからこの地球環境問題で一番重要なのは途上国の対応ではないか、こういうふうに思っておるわけでございます。 で、どうして大変かというと、一つはいろいろ国際条約をつくっても、フロンガスもそうだと思いますけれども、途上国は実際には参加していない、国民もそういう関心がない、そういうところの問題でありますから非常に難しい問題を持っているというふうに思います。もう一つは、途上国中心に相当これから人口増加が続く、恐らくこの人口増加はすぐ貧困、飢餓、こういうふうに結びついて、それは相当乱雑な環境破壊をやっていく。しかも、これからの地域紛争は恐らくこの食糧がもとになって起こるだろう、こういう識者の見方も強い。こういう二点からしまして、途上国の環境保全関係の対応がこの地球環境では一番重要な問題というふうに認識しておるわけでございます。 そういう中で、いろいろ皆さんの努力によって地球環境基金ができたわけでありますが、これは非常に評価すべきものだと思います。この金を環境保全に使う、しかも民間団体の活動に使うと、こういうことであります。そういう意味では、ODAもいろいろ保全には努めておりますけれども問題もある、そういう中でその隘路を民間団体が埋めていくと。そういう意味では非常に意味があると思いますし、民間団体は本当に草の根なり住民に密着した活動をするわけですから、ぜひ両輪でひとつ頑張っていく必要があるんじゃないか、こういうふうに私は考えておるわけでございます。 御承知のように、参議院でもNGOを通じて、いわゆる中古品ですけれどもこれを供与しようと。前回成立しそうになってだめになりましたけれども、今回また出しますけれども。そういうことでひとつ、民間団体も環境保全に大きく利用しようということは非常に重要であると思いますし、ぜひひとつこの辺は自信を持って地球環境基金も民間の寄附を大いにもらって国際貢献に努めていくべきではないか、こういうふうに思います。 そういう意味で、その地球環境基金につきまして状況を御説明いただきたいと思います。
○政府委員(森仁美君) 当委員会でも大変御議論をいただきまして成立し動き出しました環境事業団法の改正に伴う地球環境基金でございます。ただいま須藤委員からお話しのような趣旨で一生懸命やってまいりました。 概要でございますが、ことしの状況は、助成を要望してまいった団体などの様子は二百五十八件、二十一億円余りの要望でございました。この状況は私どもが考えておりましたよりもかなり多いということでございまして、その関心の高さ、それからこの基金に寄せられる期待というのをそこから読み取っているわけでございます。これに対しまして、今年度は初年度でございますし、予算上もかなり制約がございまして、五億円の事業費補助のほかに民間の拠出というものを原資にして助成先を決めるということになりまして、今月の八日に八十一件、約三億円の助成先を決定いたしました。 その助成先の概要でございますが、まず開発途上地域の環境保全に対して助成をしていく、こういうものは件数で見ますと四十七件。総計八十一件のうちの四十七件は開発途上地域に向けていく、こういうものでございます。それから、その内訳といたしましては、熱帯林等の保護のための植林を行う、こういったものが十一件、それから砂漠化の防止というものに活動分野を求めるものが六件、野生生物の保護などが十五件、大気汚染や水質汚濁の防止が十一件、その他四件、これが開発途上地域の環境保全活動の分野別のものでございます。 それから国別に見ますと、中国が九件、フィリピン六件、ネパール、インドネシア、ベトナム、タイ、タンザニア、その他ということで、かなり幅広の地域に向かっているということでございます。 総じて、初年度でございますので、幅広にいろんなこれまでの御指摘を踏まえて今回助成先を決定しているということでございます。
○須藤良太郎君 地球環境基金というのは、最初二千億とかいろいろ言われた記憶があるんですけれども、どのくらいに持っていくつもりで今おられるんですか。
○政府委員(森仁美君) 今年度予算では、政府としては十億円の出資、それから五億円の事業費補助ということで計上し、さらに民間からの拠出を募るということでございます。ただいままでのところ、民間の拠出は一千万円程度でございます。 これをどの程度のスケールまで持っていくかということでございます。いろんな事情がございますし、大きな目標を立てても実現しなければ意味はございません。私どもは、先ほど申し上げました助成要望が二百五十八件、それから二十一億、こういうようなものがございますものですから、それにこたえるようなスケール、こういうものを考えながら努力をしてまいりたいと思っております。
○須藤良太郎君 最後に、広報活動の問題でお願いしていきたいと思います。 最近の総理府の環境保全に関する調査を見たわけでありますが、いわゆる生活排水、ごみのような生活に起因する問題に対する関心が一番高い。次いで温暖化なりオゾン層の破壊、こういう地球環境の問題が二番目。あとは大気汚染、いろいろあるわけでありますけれども、若い人がとにかく年齢別では地球環境問題に相当高い関心を示している。未来のある人がそう思うのは当然だと思うわけでありますけれども。そういう意味では非常に問題意識を国民の皆さんが持ってきているんではないか、こういうふうに思うわけであります。 環境基本法案の何条かに教育なり研修なり、あるいは広報活動を条文として入れるわけでありますけれども、やはりこれからは国民に対する広報活動、そういうものを本当に真剣にやっていく必要があるんじゃないかと。これは、足元からという話も長官からありましたけれども、自分自身との闘いという問題ではないか、こういうふうに思うわけであります。ひとつ環境庁としてはそういう大きな役割に向かって頑張っていただきたいし、これはお答えは要りません。 私は、炭酸ガスの問題、いろいろエネルギーの問題、排出ガス等ありますけれども、最近いろいろそういう傾向にありますが、公用車等はできるだけ小型化にしちゃうと。そのくらいのことを申し合わせるようなことでいかないとなかなかこれは進まない。そういうことも申し上げて、ひとつ広報問題についての御決意を聞いて終わりにいたしたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) 今須藤委員から御指摘がございましたように、最近の公害問題というのはむしろ都市型でございまして、それは国民一人一人にもかかわる問題でございまして、国民が被害者であると同時に加害者でもあるというようなことから環境への関心というのは高まりつつあるのではないかと思います。 しかし、もっともっと高める必要があるわけでございまして、そういう中で環境庁といたしましては、その意欲をさらに高めるために広報誌とか環境月間などの行事をつくったりしているわけでございます。さらにいろいろな工夫をしながら、クリエーティブな意見を受けとめつつ、この広報につきましてはこれからもますます努力していきたいと思っております。いいお知恵がございましたら、どうぞお寄せくださいますように。
○須藤良太郎君 どうもありがとうございました。
○委員長(竹村泰子君) 本件に対する午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開いたします。 午前十一時五十五分休憩 ―――――・――――― 午後一時五分開会
○委員長(竹村泰子君) ただいまから環境特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題とし、公害対策及び環境保全の諸施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○野間赳君 まず、昨年一年間、私も環境特別委員会に所属をさせていただいておりまして、広中長官には理事のお立場で何かと御指導をいただいてまいりましたが、このたび長官に御就任をなされまして、大いに期待を寄せているところでございます。ひとつ大いに頑張っていただきたいと思います。 それでは、まず、今日の我が国の環境行政を見ましたときに、戦後の高度経済成長の中で各種の思わぬ公害の発生から始まっておるわけでありますが、昭和四十二年に公害対策基本法が制定、翌四十三年大気汚染防止法、四十四年公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法と続けて制定をされてまいりました。昭和四十五年に公害対策本部が設置をされて、この年の第六十四回臨時国会におきましては、公害国会と呼ばれました公害対策基本法の一部改正、そういった問題が議論をなされたわけでございます。十四の法案が改正をされて、また制定をされたのがそんなころであったかと思うのであります。このような状況の中で、昭和四十六年、当時の佐藤総理のイニシアチブによりまして環境庁が発足をされたのであります。以後、環境行政の中心として今日に至っておるという経緯であろうかと思います。 この二十二年間に二十七人の自民党の議員が長官としてその陣頭をとってこられました。各党の了解も得ながら、各種の法律の制定、国際的な協定の締結と関係機関の設置など、自民党が中心になって積極的に推し進めてきたものである、このように思っております。 それで、これまでの環境行政、いわば自民党の環境政策に対して、二十八代目の広中長官におかれてはどのようにそのことを評価をなされておるのか、そのことについてまずお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) 三十八年に及ぶ自民党政権下の我が国においては、著しい産業公害問題の発生とその克服、その後顕在化した都市・生活型公害への対応、さらには地球環境問題への対応と、その時代時代に対応した環境政策の推進がなされてきたということでございまして、とりわけ産業公害の克服は今日各国の模範として評価されるべきだ、そのように思っております。 また、都市・生活型公害につきましてはなお多くの課題を残しており、また、地球環境問題への取り組みの一層の推進が必要とされるなど、現在まで持ち越された課題は多いものの、今日の環境問題に対応するための新たな枠組みを環境基本法の形で定めようとするところまで環境政策を推し進めてきた、その自民党政権の取り組みに関しては評価してしかるべきだと、そのように思っております。
○野間赳君 連立政権下におきましても、環境政策、今お話しのとおり積極的に取り組んでいかれるということでありますが、その具体的な内容が少しわかりにくいという面が私には感じられます。今までの環境政策からどのように変わっていくのか御説明を賜りたい。あわせまして、細川総理より環境政策について何か特に御指示があったかどうか、あればそのことについてお尋ねを申し上げます。
○国務大臣(広中和歌子君) 御指摘のとおり、細川内閣にとっては環境政策の推進は重要な政策課題の一つでございまして、所信の中でも表明されたところでございますし、先ごろ行われました国連における総理のスピーチの中でも、特に地球環境問題の大切さについて、そして日本の貢献については言及されたところでございます。 自民党時代と、そして現在の細川内閣における環境政策の違いでございますけれども、私はかねがねこの環境問題に関しましては、きょうの皆様方の御審議の内容からもよくわかりますように、党派を超えた問題、超党派で環境を推進しようとする方々の集まりがこの当委員会だと思っておりますし、そうしたものだと思っております。そういうことで、私は、新しい政権でございますけれども、環境政策に関しましては自民党の政策をこれからも引き継いでいくということだと思っております。
○野間赳君 長官の所信をお伺いいたしますと、その内容はまさに第百二十六回国会で廃案となりました環境基本法案の理念そのものであると存じます。 今国会では前回修正されたものと全く同じ内容で提案をされているわけでありますが、今回は提案者というお立場であられるわけでありますが、まず長官に、環境基本法案をどのように評価をなされておられるのか、そのことについてお尋ねをいたしたい、こう思います、
○国務大臣(広中和歌子君) 環境基本法案は、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会づくりという今日の世界共通の課題に、我が国として率先して取り組むための枠組みを定める法律であり、地球サミットを受けての最初の取り組みでもあり、国際的にも重要な意義を持つ法案だというふうに理解しております。
○野間赳君 前回のときには、先ほど申し上げましたように、長官も当委員会の理事としてこちらの方にお座りになられておったわけでありますが、廃案となりました経緯につきましては十分御承知のことであります。 私から多くは申し上げませんが、審議も十分尽くし、公聴会も開き、当時の宮澤総理にも委員会にお越しをいただいて、我が自民党といたしましても当時の野党の皆様方の御要望をお聞きする形で参議院での修正を行い、附帯決議も含めて全会一致で当委員会において可決をされたわけであります。今回再提出をされたわけでありますが、国の内外の情勢から見て、本法案は一刻も早く成立をさせ、我が国の環境行政のよりどころとしていくべきでないかと思っております。現在、我が自民党は野党という立場でありますが、この法案に関しましては何ら異を唱えるものではないのでございます。 聞くところでは、提案者側におかれましては、与党内で異論があるようにとも聞いておるわけでございますが、長官は所信の第一項目でこの法案について述べられております。どのような意気込みで環境基本法に対処なされるおつもりか、お聞かせをいただきたいのであります。
○国務大臣(広中和歌子君) ただいま野間委員がるる述べられましたように、これまでのいきさつを踏まえ、そして政府・自民党によって本当に苦心してつくられたこの法案に敬意を表する意味もありましてぜひ通していただきたいと、一日も早い成立をお願いしたいところでございます。 環境基本法案は、地球サミットの成果を踏まえ、環境の保全の基本的理念とこれに基づく基本的施策の総合的枠組みを定めるものであり、地球環境時代に対応した新しい環境政策の総合的展開を図るためにも不可欠である、そのように評価しております。 参議院におきましても一日も早く成立させ、そして環境庁といたしまして新たな環境政策の展開に取り組んでまいりたい、そのように念じております。
○野間赳君 続きまして、地球環境保全につきましてお尋ねをいたします。 長官は以前より地球環境につきましては特に御熱心でございました。環境庁長官は、同時に地球環境問題担当大臣でもあらせられるわけでありますが、この職は一体どのような役割をお持ちになられておるのか、お教えをいただきたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) 地球環境担当大臣としての役割でございますけれども、地球環境問題に対応するための施策を政府一体となって円滑に推進するための行政各部の所管する事務の調整を行うこと、調整機能でございます。
○野間赳君 また、閣内におかれましては、地球環境保全関係閣僚会議という組織があったかと私は記憶をいたしておるわけでありますが、少なくとも前内閣の時分にはそういう閣僚会議がたびたび開かれてまいってきたのでございますが、現在の細川内閣におきましてはその閣僚会議がどのようなことになっておりますか、お教えをいただきたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) この地球環境保全に関する閣僚会議は、細川内閣ができましたときにすべての閣僚会議と一緒にまず廃止されたわけでございます。そして、順次それぞれ必要に応じて再開をするということになっておりまして、現時点におきましては、この地球環境保全に関する関係閣僚会議は今のところ開かれておりません。
○野間赳君 私は、このことが大変大事なことであると感じておるわけでありますが、ぜひ再開をされるように長官の御努力もいただいて当面いたしております大変重要な課題がある、環境を取り巻いております問題はたくさん私はあると思いますので、再開に向けての御努力をお願いいたしたいと思いますが、長官のお気持ちがございましたらひとつ。
○政府委員(森仁美君) 私どもいろいろ行政を進めていく場合、特に環境庁のような調整機能を発揮しなければならないセクションの場合に、この関係閣僚会議は調整機能を持つ非常に大事なものでございます。私ども事務方からもぜひ内閣として定めていただくように大臣に働いていただきたいと考えているところでございます。
○野間赳君 さきの我が党の先輩諸氏から質疑も出たわけでありますが、先般のロシアによる放射性廃棄物を日本海に投棄をした問題では、政府として影響調査を実施することが決められたということでありますが、放射性廃棄物の海洋汚染はまさに地球環境問題の最重要課題であると私は思います。本来なら、こういったときにこそ地球環境保全関係閣僚会議で協議をして、そして地球環境問題担当大臣としての御見解をそういった場所で述べていただくようなことにならなければならないと私は考えております。このことにつきましての担当大臣としての御見解、また今回はどこでこの問題につきましての協議がなされたのか、長官はまたどのように関与をなされてこられたのか、そのようなことをお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) この核投棄の問題につきましては、グリーンピースからプレスリリースがあり、そしてNHKで報道されたのが十七日のことでございましたけれども、私はこの問題に関しましては、早速グリーンピースからプレス発表資料を入手するとともに、ロシア大使館、科学技術庁そして外務省に事実関係を問い合わせたところでございます。その後、外務省等の責任者を呼ぶなどをして、事実の掌握に努めるとともに、政府の対応を見守ったわけでございます。 関係閣僚会議の後、閣僚懇談会というのがあるわけでございますけれども、当然その中でもこれが議題になりまして、そしてそういう中で科学技術庁、外務省が中心となって対応をする。それを見守りつつ、環境庁としても何か、私は地球環境担当として発言、発信するべきではないか。そういうことでロシア側に抗議の手紙を書くことを思いついたわけでございます。 しかし、そのうち二回目の投棄が廃止になるというようなことで、手紙の相手そしてトーンは大分変わってきたわけでございますけれども、結果としていたしましたことは、二十二日、外交ルートを通じましてロシアのダニロフダニリャン環境大臣に書簡を書き、この書簡の内容ですけれども、二回目の投棄を中止したことを評価するとともに、今回の投棄が我が国に引き起こした波紋の大きさを指摘し、投棄の規模、汚染の大小にかかわらず、今後とも投棄を停止することを求めました。さらに、ロシアの環境問題に我が国の関心が高いこと、したがって今後とも両国でコミュニケーションを保っていきたいこと、日本でできることがあれば知らせてほしい、その旨を申したところでございます。 こうした問題について、私としては今後ともあらゆる機会に積極的に発言をし、環境の立場から外交の問題にもかかわっていきたい、そのように思っております。
○野間赳君 ただいまの御答弁、雑誌のインタビューその他で拝見もさせていただいたわけであります、 ここでお尋ねをいたしたいのは、グリーンピースとは一体どのような組織であるのか、その御認識があればお教えをいただきたい、その実態をお教えいただきたい。また、最初にグリーンピースから資料をもらったということでありますが、環境庁とグリーンピースとの関係はどのようなものであったのか、他省庁との連絡の前にグリーンピースとのコンタクトをとっておるということはどういうふうなことであったのか、お聞かせいただきたいということであります。
○国務大臣(広中和歌子君) 実を申しますと、私はグリーンピースについてそれほどよく知っているわけじゃございませんで、三年ぐらい前でしたか、議員団の一員といたしましてオーストラリアに環境視察に参りましたときに、オーストラリア政府がグリーンピースのオーストラリア支部に案内してくれまして、そこでその活動を初めて知ったわけでございます。そしてまた、日本にもグリーンピース・ジャパンというのがある、そういうことぐらいは知っておりまして、一、二度お目にかかったことがあるかもしれません。 今回、なぜグリーンピース・ジャパンに連絡したかといいますと、NHKで大きく報道されたのをたまたま耳にしたものでございますから、事実を確かめるつもりでグリーンピース・ジャパンの本部に連絡をいたしましたならば、プレスリリースと同じものを入手することができたわけです。しかし、それをそのままうのみにするわけじゃなくて、やはり外務省、そして科学技術庁等に事実の確認を行う必要があるということでその後の対応をしたわけでございます。
○野間赳君 次に移らせていただきます。 昨年の六月にブラジルで開催をされました地球サミットについてお伺いをいたします。 我が国の積極的な働きかけもありまして、環境と開発に関するリオ宣言、アジェンダ21等の採択、気候変動枠組み条約、生物多様性条約の署名等が行われました。同時に、日本政府といたしましても、環境ODAの大幅な拡充強化を約束するなど、地球環境保全に積極的に貢献をしていく決意を表明をしたのであります。 そこで、これは確認という意味でありますが、こうした地球サミットでの合意事項や日本が国際的に約束をしたものについては、細川内閣においても継承をして、積極的に実行していただきたいと考えております。確認の意味で、長官よりお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) 現在、アジェンダ21国別行動計画を一生懸命練っているところでございますけれども、この行動計画を作成していただいた後、決定していただくために関係閣僚会議をまず開いていただきたい、そういうことで努力をしているところでございます。 そのほか、地球サミットにおける合意事項に関しましては、我が国は既に気候変動枠組み条約、生物多様性条約の二条約を締結するとともに、今申しましたアジェンダ21については、現在我が国としての行動計画を作成中であり、率先してそのフォローアップに努めているところでございます。 また、地球サミットにおいて我が国は、環境ODAを一九九二年度より五年間にわたって九千億から一兆円を目途として大幅に拡充強化することに努める旨表明したわけでございますが、既に一九九二年度のみで約二千八百億円を達成しております。今後とも地球サミットの合意を実現するために、国内における実施に率先して取り組むとともに、国連持続可能な開発委員会を中心に進められている国際的な取り組みに積極的にリーダー役として加わっていきたい、そのように思っております。
○野間赳君 今後、地球規模での環境問題はますます増加していくことと思います。日本の対応は全世界の中で注視をされておると思います。 このような中で、地球環境保全関係閣僚会議が細川内閣においてなくなったと先ほど申されましたが、大変私はこのことにつきまして憂慮をいたしておるところでありますが、政府として、今後とも間違いのないように、しかも敏速な対応ができるように何らかの機関が必要であれば設置をしていかにゃならぬ、このように思っておりますが、若干先ほどの質疑とも重複をするかもわかりませんが、長官の御見解があれば重ねてお願いをいたしたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) 先ほど、ちょっと話が前後して恐縮でしたけれども、申し上げましたように、現在作成を進めているアジェンダ21の国別行動計画を決定していただくためにぜひこの地球環境保全関係閣僚会議の復活をお願いしたい、そういうことで調整しているところでございます。
○野間赳君 環境保護と自由貿易に関する問題でありますが、今後の重要な課題の一つと、このことも考えております。長官の所信でもその国際ルールづくりに積極的に貢献をしていく旨が述べられておりました。来年度予算の概算要求におきましても調査費が計上をされております。 この問題についての長官の認識、また取り組み方について具体的に御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) ガット・ウルグアイ・ラウンド、そういう自由貿易体制の中で環境の視点というのはどういうふうにかかわっていくんだろうかということは大変興味深いテーマでございます。 この問題に関してでございますけれども、両者を相対するものとして考えるのではなくて、アジェンダ21にも書かれておりますように持続可能な開発の実現に向けて相互補強的なものとする観点、これが必要であろう、そういうふうに思うわけでございます。環境は非常に大切でございますけれども、決して環境を口実にして自由貿易が損なわれてはならない、そしてまた自由貿易を主張する余りに環境が無視されてもいけない、そういうことだろうと思います。 環境庁としては、このような観点から貿易と環境の相互関係に関する分析をもう既に行っているところでございますけれども、これをさらに続けると同時に、関係省庁と連携して環境政策を担当する立場からガットやOECD等の場における国際的な議論に積極的に貢献してまいりたい、そのように思っております。
○野間赳君 地球環境基金の問題につきましてお尋ねをいたします。 石渡先生の方から午前中の質疑で若干出たかと思いますが、さきの通常国会で当委員会で審議をされました環境事業団法が改正をされ、地球環境基金が設置をされました。我が自由民主党もこれに積極的に取り組んでまいったのでありますが、先般、基金の初年度の助成が決定をなされたようでありますが、まずその概要につきまして御報告をしていただきたいと思います。
○政府委員(森仁美君) 大変大きな反響を呼んだ地球環境基金の助成対象の決定問題でございました。先ほども申し上げましたように、二百五十八件、二十一億円と大変大きなものでございます。私どもいろいろ検討し、いろんな角度から初回でございますので慎重に対応をいたしました。 活動形態別に全体を見てみますと、植林などの住民や国民が参加した実践活動、こういうものに八十一件中の三十三件、知識の普及とか啓発活動、これが三十二件、それから調査研究や国際会議といったものが十六件、こういう状況で、ここは活動形態別には私どもバランスがとれたんだなと思っておるところでございます。 それから活動分野別では、国内国外、こういうふうに分けてみますと、開発途上地域で環境保全に資するものというのが八十一件中の四十七件、それから国内で活動するもの、これが三十四件ということで、開発途上地域に行って環境保全活動をするもの、これが助成案件として割合的には多い、こういうことになっております。 それで、開発途上地域で環境保全活動をするものというのは、熱帯林、砂漠化、あるいは野生生物、大気汚染、水質汚濁、こういったことでございますが、国内での環境保全活動、これについては、緑化などを行う環境保全活動に助成をするというものが四件、それから再生紙、瓶や空き缶などのリサイクル活動、これを五件、それから大気保全、水質保全などの活動が八件、野生生物保護などの自然保護について六件、環境教育などの環境保全活動一般について十一件、こういうことになるわけでございます。 開発途上地域は中国その他かなり広範な地域にまたがる、こういうことでございますので、まず初回八十一件、約三億円、これをこういう形で助成決定をいたしました。 私どもは、この助成をいたします事業が本来の目的を達しますように本当にうまく動いてくれるといいなと念じておりますとともに、これから先この活動をさらに活発にしていくための方策をいろいろ考えなければならないと思っているところでございます。
○野間赳君 よくわかりましたが、どのような基準でその助成が決定をされておるのか、お差し支えない範囲でお知らせをいただきたいと思います。
○政府委員(森仁美君) 私どももこれは、この事業に入ります前からいろいろまた御意見があった分野でございますし、慎重に、かつその目的をうまく達せられるようにということでいろいろ知恵を絞りました。 それで、この仕組みは、繰り返して恐縮でございますが、環境事業団に置かれた基金についてそれを運営していくために環境事業団に地球環境基金運営委員会というのを設けまして、その委員の皆さんの御意見を集約してそこで決定をしていただく、こういう仕組みにしてことしの助成案件の選定を行ったわけでございます。もちろん来年以降もこの仕組みでやっていくことが適当だろうと思っております。 それで、この運営委員会での御意見を集約いたしますと、ことしは特に初年度でございます、そこでできるだけ多くの助成要望に応じたいということでございまして、数が大変多かったものでございますから、また一団体から二件三件という要請が出ておりましたものですから、一団体の裁決は一件、一団体一件、それから一件当たりの助成額は、海外活動をするものは五百万円程度、国内活動は三百万円程度、これも多くの方に分けるという意味で、若干お金が低いかもしれませんが、こういうことにいたしました。 それから、全体としてはさまざまな活動の形態、分野のバランスを特に配慮しなきゃいかぬということが一点、それから活動分野で見ましても、植林、それからリサイクルまで非常に幅広い活動、これに分けていく、こういう考え方でやりまして、それが結果として先ほど御報告したような形になったということでございます。
○野間赳君 そういう状況の中でありますが、今日の景気の状態でありますし、当初その基金も一千億円ぐちいというようなことで出発をしたかと思うわけでございますが、終局的には十億円という基金でありますし、今のような民間の冷え込んだ状況でありますから、これからの運営というのを非常に私は心配を実はいたしておるわけでございますが、今後こういった面に対します対応をどのように分析をされてお考えになられておるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(森仁美君) ただいまも申し上げましたように、この環境基金に対する要請は大変強いものがございます。環境基金自体は、国と民間の双方が力を合わせて地球環境保全に取り組む民間団体の活動を支援しよう、こういうものでございますから、現在の大変厳しい財政状況のもとでございましても引き続きこれまでと同じように国からの出資をするという点と、活動に対する補助をするという点について努力を続けていきたいと思っております。現に来年度の概算要求にも所要額を計上して要求をしているところでございます。 それからもう一つは、この民間からの寄附でございます。経済情勢が大変厳しい折ではございますが、徐々にその趣旨は広がっているんではないかなと期待をしながら、さらに、本基金の趣旨などにつきまして広く国民、企業等に対して広報活動をして御理解をいただき、多くの寄金が集められるように努力をしてまいりたいと思います。 それで、この寄附をいただくといいますか寄附を寄せていただくときに税制上の措置も考えていく必要があろうということで、既に法人税、所得税についての免税措置は五年度からやっておりますが、平成六年度の税制改正の中で、基金に対する相続財産の寄附の場合の相続税の免税措置というものを入れたいということで今考えているところでございます。 いずれにしましても大変厳しい状況下、しかし、一方でその期待されるところは大変強いわけでございますので、いろんな方にお知恵をかりながら頑張ってまいりたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
○野間赳君 次に、景観の保全についてお伺いをいたしたいと思います。 いわゆる景観につきまして、広中長官は諸外国の風景、また景観などが大変すぐれておるということをよく言われておられるわけでありますが、その保全のため、環境庁がどのような取り組みをなされておるのか、どのようなことをしようとしているのか、お伺いをいたしたいと思います。 私は、町並み、建物などにつきましては建設省の関係になろうかと思うわけでございますが、自分の土地に家を建てるときに、設計者のイメージ、また家を建てる方の考え方、そういったものが反映をされて、建ぺい率とか容積率とかそういうふうな建築基準法的なもので建物が建てられると思っております。ですから、三角の家を建てようと、また丸いものを建てようと、またどんな色を塗ろうと、赤いものを使おうと黒いものを使おうと、そういうふうな規制は今の日本の建築基準法の中にはないわけでありますが、特別な行政区画をつくって町並みをつくっていこうというような条例がぽつぽつ出かかっておるわけでございます。 環境庁として、特に広中長官はそういった面、御関心が深いと私はお見受けをいたしておるわけでありますが、建設省との関係も非常にあるわけでありますが、環境庁としてのそういった面での考え方、取り組み方がございましたらお尋ねをいたしたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) 私は個人的なことを申させていただければ、人の暮らしということに非常に関心がございまして、中でも、何というんでしょうか、都市計画ですね、そういうものに非常に関心がありまして、旅行いたしますときにはそういう視点から世界の町を見てきたわけでございます。 そして、国によって地勢や歴史、風土など異なっておりまして、それぞれに特徴があり、おもしろいと思うわけでございますけれども、一番驚いたのは、ちょっと話が長くなって恐縮ですけれども、ブラジルのリオに行ったときでございました。これはサミットの前だったんですけれども、ブラジルは非常に借金を抱えて大変経済的に苦しいというふうなイメージを持って伺ったわけでございますけれども、そこで、自然と都市のその調和が非常にきれいに見えたので驚いたわけでございます。 海に向かって埋め立てをしているんですけれども、我が国は埋め立てをして工場をつくる。ところがあちらの国は埋め立てて公園をつくり、そしてプロムナードというんでしょうか、いろいろな歩道とか車道とか、非常にきれいにつくり上げているということで、非常に感心したことを覚えております。 そうした諸外国の例が我が国にすぐに役立つかどうかはわかりませんけれども、私たち、豊かさを実感できる日本ということを今言い始めているわけでございまして、そういう視点から、外国の例なども参考にしつつ、美しい居住環境というのをつくっていかなければならない。 そういう中で、環境庁としてはエコシティー構想なども出しているわけでございまして、こうしたものを受けて他の省庁などもお考えいただいている。特に建設省ではこの前、環境の視点からの町づくりというんでしょうか、そういう提案をいただいたところでございまして、各省庁と話し合いを持ちながら、こうした環境庁の考え方を進めていきたい、そのように思っております。
○野間赳君 ありがとうございます。 景観保全の問題に関しまして、空き缶、たばこの吸い殻の対策に悩みます自治体では、禁止条例を制定する動きが全国的に広まってきておると思っております。私の地元、愛媛県内でも、本年九月から美化推進及び美観の保護に関する条例を施行しました市があります。 広中長官は、以前に、当委員会での質問におきましても、処理業者の不法投棄について、景観の面からの取り締まりについて述べられておられたと思っております。このような自治体の動き、対応についてどのように認識をなされ、国としての支援を行っていく考えがあるかどうか、お伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) この問題、廃棄物処理に関しましては、厚生省がきっちりやってくれているはずなんでございますけれども、しかし、空き缶のぽい捨て、植え込みにはめ込む、道路わき、それからこんなのをなぜ捨てるのかと思うような不法投棄がいっぱいあるわけでございまして、どうしたら環境庁はこういう問題に積極的にかかわれるかということを非常に関心事として考えてきたところでございまして、実効性のある対応ができればいいなと思っているところでございます。 具体的なことに関しましては今の段階ではちょっと申し上げられないんですけれども、考えていることは事実でございます。
○野間赳君 平成六年度の概算要求の概要を見ますと、快適環境づくりへの支援の関係経費が主要な項目の一つに挙げられておるわけでございますが、具体的にどのようなことをやろうとしておるのか、これまでどのように取り組んできたのかお伺いをいたします。 また、アメニティーの分野を推進するには環境庁の企画調整機能を十分に発揮する必要があると考えます。その具体的な手段についてお伺いをいたします。
○政府委員(森仁美君) アメニティーの向上というために環境庁がどうやって取り組むか、こういう問題でございます。アメニティーという概念自体は大変幅広の概念でございまして、いわゆるハード、ソフト両面にわたって幅広に取り組みを進めていく必要があるテーマでございます。 ただ、そういうことをずっと突き詰めてまいりますと、アメニティーの向上という点では我々のなすべき環境行政の大変重要な課題の究極的な姿ではなかろうかと思うぐらいの問題でございます。それに至るためには環境庁として大変重要なポイントは企画調整機能ということで、各省がおやりになっていること、それからほかの事業主体がおやりになっていること、そういうのをうまく合わせていくということに尽きるわけでございますので、関係省庁あるいは自治体とも協力しながら、そして地域の特性を生かしながら環境づくりが進められるようにしていくということで、私どもも積極的に取り組んでまいりたいと思っております。 そして、来年度の概算要求では、額は少のうございますが、一つは、これまでやってまいっております快適環境シンポジウムを開催するための経費、それからアメニティーの創造のための調査検討費ということで、合わせ千七百万円の概算要求を組んでいるところでございます。
○野間赳君 それでは最後に、米国の温室効果ガスの排出の抑制についてお伺いをいたします。 アメリカのクリントン政権はブッシュ前政権に比べまして環境問題には非常に積極的に取り組んでおられるように考えます。その見方のとおり、これまで消極的な対応が指摘をされておりました地球温暖化問題に関しまして、クリントン大統領は去る十九日、温室効果ガスの排出を抑制するための行動計画を発表したのであります。しかし、これに対しましては、アメリカ国内の環境保護団体等からは実効性を疑問視をする声も出ておると伝え聞いておるのであります。これについて、我が国の地球温暖化防止行動計画と比較をしてどのように評価をされるのかお伺いをいたしまして、最後の質問にいたします。
○国務大臣(広中和歌子君) 今回、十月十九日でございますけれども、クリントン大統領が発表した行動計画では、CO2等の温室効果ガスの排出量を二〇〇〇年までに九〇年レベルに戻すことが掲げられております。そして、省エネルギーから森林保全まで広範多岐にわたる対策が盛り込まれているところでございます。 この計画ですけれども、官民のパートナーシップを形成しつつ民間資金を活用すること等により費用効果的にその実施を図るべきことを強調している。ちょっとわかりにくい言い方かもしれませんけれども、ともかく、民活ということではないかと思います。環境投資を促進することにしておりまして、つまり環境投資によりまして、経済の活性化と国際競争力の強化をねらっているというところが非常にユニークなところだろうと思います。 世界のCO2排出の約二割強を占める米国がこのような方針を明らかにしたことは、早ければ来年早々にも発効が見込まれている気候変動枠組み条約に基づき、先進各国がその責務を着実に実施していく上で大きな力になるものと、そのように考えているところでございます。
○野間赳君 どうもありがとうございました。
○堂本暁子君 初めての質問ですけれども、政権交代で今まで野党の理事として御一緒に仕事をしてきた広中長官が、環境行政の責任者となられたことを大変うれしく思っております。と同時に、所信で述べられておられるように、従来の社会システムを見直して、環境保全型の社会の実現に努めるとおっしゃっているので、そのことに積極的に取り組んでいただきたいということ。そして、従来の自民党の長官にはできなかった環境行政の飛躍的な前進を期待したいというふうに私は思っています。 今、野間議員も言われましたけれども、アメリカの場合には、最近私アメリカヘ行って本当に驚いたんですけれども、本当にクリントン政権は政権交代以後熱心に環境問題に取り組んでいます。しかも、ゴア副大統領を中心に今の温暖化の問題と同時に生物多様性条約の、まだ批准はしていませんけれども、サインに伴って野生動物の調査も一斉に始めるということで、もうぎしぎしと音がするほど大きな変化が起きている。当然反動もたくさん出ています。しかし、何としてもこれは推進するのだという覚悟で前進しているということで、驚きました。 広中長官は、国際的にも知られている方なので、日本でも、もう広中さんが長官になられたんだから、同じように大いに変わっていくんだろうという期待が国際的にも持たれていると私は思います。そういった意味でも、環境行政をマイナーな立場から政策の主軸、国家の政策の主軸に押し出す努力をぜひしていただきたい。今度は与党になったわけで、精いっぱいの応援をさせていただきたいというふうに最初に申し上げたいと思います。 まず、長官はGLOBEジャパンのプレジデントをやっていらしたわけですが、私がそれを引き継ぎまして、八月三十日から九月一日まで東京で、この参議院の委員会室で会議を開きました。十二本の行動計画が採択されました。再生不可能な資源の消費に対する課税の実施など、そういったさまざまな問題でございます。生物多様性については、国連の最初の会議に、先日ジュネーブで、私も持っていって、実際に可能な限り実行してほしいということを申しました。 まず、所信の問題に触れる前に、GLOBEの十二本のこれらの決議は、各国政府において実行していただくということを積極的にお願いするわけですが、今回は特に北方海域の保全の問題も加わっております。GLOBEジャパンの前プレジデントとして、今は長官としてそれを積極的に御推進いただけるのかどうか、そのことをまず伺いたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) GLOBEジャパンのアクションアジェンダ、それを私も一部ですけれども拝見いたしまして、その趣旨に沿って御協力できるもの、御一緒にやらせていただきたいもの、そういうものは一生懸命頑張らせていただきたい、そのように思っているところでございます。
○堂本暁子君 GLOBEジャパンじゃなくて、GLOBEインターナショナル。
○国務大臣(広中和歌子君) ごめんなさい、GLOBEインターナショナル。言い直します。
○堂本暁子君 それでは、所信に沿って伺いたいと思います。 まず基本法ですが、一番ポイントはやはり開発か環境がという大きな時代の流れの中で、アセスメントの問題かと存じます。詳しくは後、大脇議員が時期の問題、そして調査の問題に触れられますが、私はそのことには触れませんが、まず今の制度の中で、どこまで積極的にアセスメントをやるのか。調査に二年、三年というような歳月、そして予定も拝見したわけですけれども、今刻々と公共投資が言われている中でアセスメントが必要になっておりますので、長官としてはどういうことができるかといえば、長官が必要だと考える場合にアセスメントについて注文が出せるのが今の非常に消極的な日本のアセスメントの制度になっておりますけれども、長官としては一それから、質問はお願いしていないので、長官の覚悟を伺いたいわけです。 どこまで本気で今の制度の中で充実してやってくださるおつもりなのか、その心意気と申しますか御覚悟のほどを伺いたいと存じます。
○国務大臣(広中和歌子君) 環境アセスの重要性というものは十分に認識しております。 現在我が国におきましては、環境アセスというものは法律としてはないわけでございますけれども、閣議要綱ですとか、それから地方自治体においての条例とか、そういう形でいろいろ行われております。そういう中におきまして、環境庁が事業の計画段階において意見を求められるということがあるわけでございまして、その中におきまして、環境という分野に限りますけれども意見を言うことができる。環境に影響があるかどうかということに関して非常に狭い意味で解釈した範囲だというふうに私は残念ながら認めざるを得ないわけですけれども、そういうことで意見を言うことはできます。そういうシステムはあるということは委員も御存じだろうと思います。
○堂本暁子君 今そのシステムに沿って伺っているんですが、環境庁長官の方から意見をおっしゃっていただけるか、意見を言うだけではなくて、きちんとこういうことはこうしてほしいということの意見をおっしゃっていただきたいわけですが、それはなさるわけですね。
○国務大臣(広中和歌子君) 求められたことに関しては意見を言うことができます。
○堂本暁子君 求められない場合に意見を言うことはなさいますか。
○国務大臣(広中和歌子君) 今のシステムの中ではできません。
○堂本暁子君 どうしてできないんでしょうか。 それはとても不思議で、与野党逆転ということに関係なく、やはり環境庁としてはいろいろな、例えば保全の制度があるわけでございまして、そこで環境庁の方の政策と抵触しているような形でさまざま事が起こっている場合には、環境庁長官として制度とかそういうこと以前に大臣同士でお話しになることぐらいはできるんじゃないかと思いますが。
○国務大臣(広中和歌子君) これはアセスメントの制度についてではなくて、環境庁長官としての意見を言うことができるかどうかということであるとしたら、それは言えます。それはどういう形で言うかということも含めていろいろ形はあると思いますけれども。 私も大臣就任以来、いろいろ御意見など寄せられることがございまして、そういうものを一応調べたりしておりますけれども、そういう中でこれはどうも問題ではないかという件に今のところちょっとぶち当たっておりませんけれども、ぶち当たりました場合には、それはさまざまな機関を通して、関係を通して発言することはできる、そのように思います。
○堂本暁子君 では大いにそこを期待させていただいて、次に参ります。 所信で、気候変動枠組み条約とそれから生物多様性条約の円滑な実施に取り組みたいというふうにおっしゃっていらっしゃいますが、この点について、特に私が生物多様性条約の面では大いに期待したいところなんですけれども、今後この条約に盛られていることを実施するのは環境庁だと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。 これも長官のどこまで積極的に本当に運営する気があるのかという覚悟のほどを伺いたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) 生物多様性の保全、堂本議員非常に熱心にやっていらしたことに関していつも敬意を表しているところでございます。 おっしゃるまでもなく、この保全というのは人類の生存基盤維持の観点から極めて重要であると認識しておりまして、環境基本法におきましても、環境保全施策を目指すべき方向の一つに位置づけているところでございます。 我が国では、従来より多様な生物とその生息環境について自然保護、自然環境保全や鳥獣保護等に基づきその保全を図ってきたところでございますが、環境庁としてはさらに生物多様性条約の批准を受けまして、今後とも絶滅のおそれのある野生動物についての生息地の保護増殖などの対策や、生物の多様性について把握するための調査研究を推進する。これについては来年度予算で調査費をお願いしているところでございますが、生物多様性の保全のための施策を一生懸命進めてまいりたいと思っております。
○堂本暁子君 大蔵省、お越しいただいていると思いますが、この生物多様性について、国際的にはGEF、グローバル・エンバイロンメント・ファシリティーの日本は大変大きな拠出国になっていますけれども、アメリカは世銀のシステムと分けて独立した形で小さいプロジェクト、実効のある状況でこれを運営していきたいというふうに述べていますけれども、日本政府としてはどういう態度をおとりになりますか。
○説明員(梅本守君) 御説明申し上げます。 このGEFは、平成三年五月に三年間のパイロットプログラムとして創設されたものでございます。
○堂本暁子君 どういう形で対応されるかだけで、歴史は結構です。
○説明員(梅本守君) 現在そのGEFの今後のあり方につきまして見直しがなされているわけでございまして、我が国もこの検討に積極的に参加しているところでございまして、基本的には効率的実施を確保する観点から検討しているというところでございます。 とのGEFは世銀のイニシアチブによりまして創設されたものでございますので、世銀と密接なつながりがあるということでございます。米国の方も世銀のサポートを必要と認めているところでございまして、我が国も引き続き世銀が中心的な役割を担うことを期待しているというところが基本的なポイントでございます。 なお、その小規模プロジェクトにつきましては、現在も数百万ドルの小規模プロジェクトを実施しているところでございますので、引き続きこのGEFが小規模プロジェクトを支援していくことについては有意義だと考えているところでございます。
○堂本暁子君 ちょっと質問を聞き違えられたと思いますが、アメリカが主張している、世銀の中で独立した例えば事務総長を持ったというような違った審議システムを持つというそのことに賛成ですかということを伺っているわけです。
○説明員(梅本守君) 現在検討中でございますので、米国のスタンスがどういったものかにつきましてはまだ定かではございませんので、引き続き我が国としては積極的にその検討に参加しているというところでございます。
○堂本暁子君 決まっていないということですか、日本の姿勢は。
○説明員(梅本守君) まだ正式には決まっておりません。
○堂本暁子君 それでは次に、生物多様性に限りませんが、長官、先ほど午前中の質疑で最初に、日本の自然の保全も必要だということをおっしゃいました。 私は、非常に気になることが幾つかあるんですけれども、環境庁が制定した絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律、この法律の中でレッドデータブックに記載されている種類、アマミノクロウサギのように国際的に貴重であるということが認められているものでも、その国際的なレッドデータブックでは絶滅危惧種になっている。しかし、日本ではランクの低い危急種になっているわけなんですが、このような扱いを今後どうなさるのか、その点について局長に伺います。
○政府委員(奥村明雄君) お答えを申し上げます。 先生御案内のように、国際自然保護連合で世界版のレッドデータブックをつくったわけでございますが、そのレッドデータブックは各国の研究者からの報告をもとにつくられているところでございます。私どものレッドデータブックは、こうしたIUCNの資料も当然参照いたしまして、また全国の専門家の意見も集約いたしまして、それぞれの分類群ごとの専門家から成る検討会において御検討をいただきまして、最新のデータに基づきまして御検討をいただいた結果を、我が国のレッドデータブックということで取りまとめたところでございます。 先生御指摘のように、若干その結果としてIUCNのリストとは食い違っておるところがございますが、これはそれぞれの検討の基礎としてとられたデータの内容に時点の食い違い等があってこういう結果になったのではないかと思う次第でございます。 私どもとしては、このレッドデータブックについては、今後とも生息状況や生息地の状況に関するデータを引き続き収集いたしまして、定期的に評価の見直しをしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○堂本暁子君 余り納得のいかない御答弁でございますが、これはここで幾ら議論をしても始まらないので、やはり国際的にも絶滅種だと思われている種を日本の方が軽く考えるというのはおかしいわけでして、ぜひともその点は至急改めていただきたい、ということが一つ。 それからあとは、今のレッドデータブックに記載されているものと法律との間の整合性ということも、ぜひ考えていただきたいということで、これはいずれゆっくり伺わせて――今の御答弁からは余りよくわかりませんでした。 具体的にアマミノクロウサギなんですが、前の国会で私が予算委員会で宮澤総理にそのアマミノクロウサギについて伺いましたときに、当時総理は行政的に対応するというふうにおっしゃったんですが、環境庁としてどのくらい対応しているのか。今までやっていることの御答弁はもう結構です。そして、新しく何をやろうとしているのか。本当にこのウサギを守るということを少なくとも一国の総理大臣が発言されたんですから、調査、そのレベルのことはもうお答えいただかなくて結構でございます。 調査ではなくて、実際に今ゴルフ場がつくられようとしている。そこに枠がはめられている。そして後で林野庁に伺いますが、林道もそこに近接して開発されようとしている。そういった危険がある。そのゴルフ場の開発あるいはそういった林道などの問題についてどのような対策を環境庁としてとられているのか一少なくとも総理が行政的に対応するとおっしゃったことについては環境庁に責任があると思います。どういう施策を今までにおとりくださったかお答えください。(「今までとこれからの問題と」と呼ぶ者あり)そう、両方ですね。ありがとうございます、追加していただいて。
○政府委員(奥村明雄君) 先生御指摘の予算委員会での質疑が行われたわけでございますけれども、とりあえず私どもとしては今年度から地元の研究者の方々の御協力を得まして、定期的な生息状況調査というものを始めたところでございます。 それから、具体的な保護の問題でございますけれども、先生御指摘のように、ゴルフ場の開発の問題と林道整備の問題と二つございます。ゴルフ場の開発については、鹿児島県の土地利用対策要綱に基づきまして、県知事と協議するという制度が県の制度としてございますので、現在県が事業者に調査を指示して、調査が終わるまで着工が延期をされているという状況というふうに承知をしております。 また、広域基幹林道につきましてもできるだけ野生動植物の生息に影響を及ぼさないように配慮しつつ計画策定を進めているという段階であるというふうに承知をしております。 いずれにいたしましても、私どもとしても鹿児島県等を通じまして状況を把握し、適切な対応がなされるよう見守っていきたいと考えておるところでございます。
○堂本暁子君 一国の総理がこれは行政的に対応すると予算委員会でおっしゃったことに対しての対応はその程度ですか。それで守れますか、実際に。
○政府委員(奥村明雄君) ただいま申し上げましたように、現地の方で具体的な調査なり、それから計画の策定というものが行われている段階でございますので、その状況を十分フォローしてまいりたいと思っております。
○堂本暁子君 そのことは総理の答弁を受けてきちんと環境庁からいろいろ指示は出していらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(奥村明雄君) 県とも十分連絡をとって対応しているところでございます。
○堂本暁子君 私としては、予算も拝見しましたけれども、この程度のことではウサギは守れないと思います。ウサギだけの問題じゃないんです、姿勢の問題なんですね。ですから、そういう形で、代表選手としてクロウサギをあのときも挙げたわけでして、総理が少なくとも行政的に対応すると言った場合、どの程度のことをなさるかということを見守ってきたわけですが、その程度のことであったら、長官が最初に言われたような自然の保護なんということは全くできないわけで、日本じゅうだめになっちゃいます。それはもう火を見るよりも明らか。 とすれば、少なくとも総理がやるということまでおっしゃったからには、それなりの対応を環境庁としては積極的にやってほしい。私としては、総理がおっしゃったことに対して、環境庁長官だけならいざ知らず、一国の総理が対応すると言ったからには、国の責任としてやると言ったんですからね。ですから、けたが違うと私は悪いけど思う。総理大臣は総理大臣なんですよ。あらゆるところの行政に、環境庁だけじゃなくて、総理がそう言ったということは、あらゆる、例えば県に対してでもそれから林野庁に対してでも、どこに対してでも、そういった役所を越えて、今までの環境庁の域を越えて動くべきだというふうに思います。これからでもやっていただきたい。 林野庁の方に伺いますが、鹿児島県の中でこのアセスを十分にやっていらっしゃるのかどうか。鹿児島県が平成五年度の末までにルートのほか環境アセスの調査を行って予算も計上している。林野庁と協議をする仕組みになっているはずだそうですけれども、林野庁としては、その林道を今工事を進める中で、十分にそこのクロウサギについてのアセスメン小をなさったのかどうか。それからなさっているとすれば、どのような結果が出ているのかお教えください。
○説明員(大槻幸一郎君) お答えいたします。 先生御指摘の林道でございますが、鹿児島県の住用村の森林地帯を東西に縦走する骨格的な林道として現在予定しているものでございます。先ほど来御指摘ございますように、当林道区域内、アマミノクロウサギが生息しているということもございまして、この林道の開設に伴ってこれら動植物あるいは自然環境などへの影響について十分検討して、路線の選定、設計、施工をする必要があるというふうに考えておりまして、現在、全体計画調査を実行している段階でございます。この全体計画調査の結果を受けまして、鹿児島県といたしましてこのアマミノクロウサギ等の貴重な動植物の保護にも十分配慮された対応、林道事業を実施するようにというような形で私ども指導してまいりたいと考えております。
○堂本暁子君 そうしますと、その結果がわかるまでは工事は着工なさらないということですね。
○説明員(大槻幸一郎君) この調査は本年の七月から年度末までかけまして行う予定でございますので、現在はあくまでも調査、いわば工事の着手という段階ではございません。
○堂本暁子君 国有林の機能類型について伺いますが、自然維持林とされた場合には、原生的な森林生態系の維持等の自然環境の保全を第一とすべきということが書かれていますね。とすれば、ここの地域は自然維持林としての範囲に指定するべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○説明員(大槻幸一郎君) 御指摘のように、国有林では森林の持つ機能を四つのタイプに分けて森林の取り扱いを慎重に行うための一つの手法として現在行っている段階でございますが、この利用区域に入っておりますわずか八十ヘクタール程度の国有林ではございますが、現地での調査では、先生御指摘のアマミノクロウサギ等の生息といいますか、その国有林の中も現在人工林になっております。そういうような状況からかと思いますが、生息の知見が得られなかったというような状況から木材生産林に指定されております。
○堂本暁子君 そのことはちょっと私納得いきませんので、これもまた後日ゆっくりお話をしたいと思います。 長官にお願いしたいんですけれども、自民党の政策を継承するということもおっしゃられたわけですけれども、そういった面で言えばやはり総理の答弁は継承していただきたい。長官として、少なくとも宮澤総理の答弁をもう一度お読みいただいて、長官からきちんと役所の方に指示を出していただきたいと思いますが、お約束いただけますでしょうか。
○国務大臣(広中和歌子君) 読ませていただいて、検討させていただきます。
○堂本暁子君 読ませていただいてということですけれども、少なくとも総理大臣は行政的に対応をするというふうにお答えになったわけです。ですから、それは少なくとも行政的に対応していただきたい。 それでは、次に参ります。福島県の博士山というところの、今度はウサギじゃございませんで、イヌワシの話に移りたいと思います。いろんな動物が出てきますが、決して動物たちだけではなくて、やはり私たちの本質的な問題だと思っていますので、よろしくお願いいたします。 このイヌワシの件ですけれども、イヌワシだけではなくてそこにはクマタカですとかオオタカとかいろいろ生息しているんですが、そこで今農水省の新宮川ダムの建設工事、これはまだ本体工事は未着工です。それから、福島県営の広域基幹林道大滝線、それから国営の大規模林道飯豊-檜枝岐線、それから森林伐採計画、それから昭和村の博士山リゾート開発、それから柳津町の博士山リゾート開発、東宝映画の下郷リゾート開発などさまざまあります。しかし、ここには大変なブナ林の生態系がまだ残っている、日本の中では非常に大事な、自神山地にまさるとも劣らない立派なブナ林であるということで、ここのところが今開発の波に洗われているということで、しっかりとここのことを伺いたいと思うのです。 まず最初に、環境庁に伺いますが、イヌワシの保護対策。イヌワシはきちんとこれは保護する絶滅危惧種になっていますが、どのような保護対策を考えているのか。それから、県議会の答弁でどういうふうに県が答えているかというと、いわゆる種の保存法の適用等を含めて適切な保護対策が図られるよう努力する、これは県の方の答弁です。これに対して国としてはどのように県に協力するのか、それから国としてもともと抜本的にどういう対策をおとりになるのか、その辺をまず伺います。
○政府委員(奥村明雄君) イヌワシはワシタカ類の中で大変大型の鳥でございまして、生息数も全国で四百羽以下ということで大変少ない数でございます。そして、先生御指摘のように、絶滅危惧種ということにランクをされておりまして、大変保護の必要性が高い鳥であるというふうに考えております。 絶滅のおそれのある動植物につきましては、種の保存法に基づきまして指定をいたしまして保護対策を講ずることになるわけでございますが、このイヌワシにつきましては、本年二月に既に国内希少野生動植物に指定をしているところでございまして、今後保護対策を積極的に進めていきたいというふうに考えているところでございます。 御指摘の博士山の件でございますが、この博士山については先生御指摘のように工事があるわけでございますが、営巣地から二・五キロほど離れていくということで、県の対応といたしましては繁殖期を避けて工事を実施する、それからイヌワシに対して発破音などの刺激を与えないような対策を講ずるというようなとりあえずの対応をいたしているということでございます。 また、今後のイヌワシの保護対策につきましては、ワシタカ類の専門家の先生を生息調査等の検討委員会ということで委嘱をしまして、本年一月より具体的な保護対策の検討に着手をしておるというふうに聞いておるところでございます。今後、県とも連絡をとりながら、適切な対策が講じられるよう対処してまいりたいと考えているところでございます。
○堂本暁子君 現地からの報告によりますと、今局長が言われたこととは大分違いまして、繁殖期である十二月-六月の間は営巣地の二キロ以内では工事は自粛するということを県では望んでいる。しかし、林野庁の工事は全くそれに関係なく、どんどんその間も行われているということですし、それからそのダムの方の発破もその時期に関係なく破裂しているということです。炸裂していると言った方がいいでしょうか。 問題は、アセスメントに戻りますけれども、これは林野庁に伺いますが、ここの大滝林道、それから大規模林道工事について十分にこういった動物の生息についてアセスメントをなさったのか、それから繁殖期にきちっと今の県の方の意思に従ってとにかく工事をやめているのかどうか、その点を御答弁ください。
○説明員(大槻幸一郎君) 先ほどアマミノクロウサギの点でも御説明申し上げましたが、広域基幹林道等の大規模の林道を作設する際には、事前に一年程度かけましてアセスに類した全体計画調査というのを実行することにしておりますので、当該林道につきましても、大滝線でございますが、それなりになされているというふうに私どもとしては理解しております。あわせて、大規模林道についても同様な公団の自主的な環境アセスが実行されているというふうに理解しております。 後段の方の御指摘の、イヌワシ繁殖期間につきましては林道工事を実施しない、さらには騒音の減少方策等にも配慮するというふうな県での方針につきましては、私どもの報告では、そのとおりやられているというふうな理解を持っております。
○堂本暁子君 それでは、そのことは確認させていただきますし、今後は影響のないような形、それから今一月からという自然保護局長の調査のこともございますので、十分にそれを考慮していただきたい。 それから、今アセスメントをやっているということなので、その内容はぜひ拝見させてください。そして、それが道路をつけるためのアセスメントなのか、それとも自然環境を壊さないためのアセスメントなのか。アセスメントというのはどっちもあるわけですから、どっちのアセスメントなのかを後でゆっくり見せていただきたいと思います。ともかく、ワシが生息するためのえさ場がなくなるということはワシが絶滅する前提なわけですから、そういうえさ場がなくならないようなところに道路のつけ方をぜひとも変えてほしいということです。 それで、今までにあった道路があるそうですけれども、その上のところにずっと今新しい道路が、地図を見る限りでは計画がなされている。私は、一つ非常に気になりますのは、九州、四国あたりでほとんど広葉樹林がなくなって、そして形とかヒノキにかわっていった。それは、道ができた途端にそうなっていくわけですね。ここはもう、東北地方というのは数少ないそういったブナ林の残っているところなのに、今何でまたそういった九州地区と同じようなことを繰り返さなきゃならないのか。これはまあ簡単にこの場でお話ししてもとても尽きることではないと思いますけれども、その辺のところでやはり長い目で、二十一世紀、二十二世紀まで日本の自然環境を残すのであれば、その点は林野庁は、国有林でもありますし十分に御配慮をいただきたいと思います。 例えば、その伐採の中止を申し入れている。これも聞き入れていただけない。特に、ここもまたもう一つ自然維持林にしてほしいということの申し入れがあるそうですが、それもどうなのか。木材生産林になっているというふうに聞いています。そのこともひとつ伺いたい。 それから再度、もう一つは、第一級の保安林になっている、その保安林解除が簡単にできるのかどうか。地上権者と抵当権者との同意を得ていないのにそこを解除したとしたら、そこには違法性があるんではないか。そのこともきちっと伺いたい。これは大滝林道ですけれども、この点だけについて、今お答えいただけますか。
○説明員(大槻幸一郎君) 前段の方の、これからの森林の取り扱いという点を御指摘ございましたので、お答えさせていただきますけれども、現在日本の森林の一千万ヘクタールほどが既に杉、ヒノキの人工林に変わっております。 先生御指摘のように、九州の方が非常に多いわけでございますが、私ども林野庁としては、自然環境の保全ということを今後十分留意する中で、残されているいわゆる広葉樹林、これについても慎重な取り扱いをしていく必要があるだろうということでいわゆる広葉樹を針葉樹に切りかえていく、拡大造林と私ども申しておりますが、このような方針は縮小していくという形の施業の転換を図っております。 また、先ほど来御指摘の広域基幹林道につきましては、大方が民有林でございまして、国有林の取り扱いもその中に一部入っておりますけれども、先ほど申し上げたように、森林の取り扱い、木材生産林等を指定する場合には、現地の調査を行って、踏まえてやっておりますので、御指摘のようなイヌワシ生息区域がいわば自然環境保全に十分配慮するための地区に指定されるという可能性もそれは当然あるわけでございますが、御指摘のあった点は木材生産林として今後木材生産を十分行っていくにふさわしい森林であろうというふうに現地で考えて指定したというふうに考えております。 なお、残りの保安林等の御指摘の部分については改めて御説明に上がらしていただければと考えております。
○堂本暁子君 十分に私はそこが配慮されているのかどうか大変疑問に思います。 もう一つ、国営の新宮川ダムの建設についても、これはアセスメントが行われていないんだそうです。国営なのですがその規定外ということなんです。先ほど長官がおっしゃったように、また今自然保護局長は絶滅危惧種、これは保護しなければならないものだというふうにおっしゃいました。一方で、開発はそういう形でダムあり、道あり、リゾート開発ありということでるるございますので、これは長官がさっきおっしゃったとおりに、アセスメントの内容をきちんとチェックしていただく、していないとすればきちんとさせるということをお約束いただけますでしょうか。
○国務大臣(広中和歌子君) 今お話を伺っていたわけですけれども、さらに事実関係などを伺いまして検討させていただきます。
○堂本暁子君 今の、国営新宮川ダムは農水省のダムですけれども、ぜひよくお調べいただきたい。そして、アセスメントをやってないのであるとすれば、これだけ非常に豊かな多様性のある、動物もそれから植物も、特に林野庁お詳しいと思いますが、豊かな広葉樹林の残っているところですので、十分に調査して積極的に、これはクリントンさん並みの勢いで、今までにない長官の力を発揮していただくということを期待いたします。 最後に、ここで問題になりますことは、ここは鉄砲水が出て、大変多くの死者の方が出たというところで、そういった意味でも私は根がたくさん張る広葉樹林の大事さを嫌というほど感じるところです。ですから、ブナの木を切るということはぜひやめてほしい。 それは地元の方の、私の持っている資料によりますと、地元の人はほとんどが切ることについては反対の署名をしたそうです。それは長い間の歴史的な経験からくることなんですね、鉄砲水が出て。ですから、ブナの木を切ったために鉄砲水が出たということはいっぱいあるわけで、この間の鹿児島の災害でもそれは言われました。ですから、その辺もあわせて御検討いただきたいと思います。そして大滝川の旧道を利用した改良工事を進めればいいのではないかという地元の意見もあるわけですので、その辺も林野庁にはよろしくお願いしたいと思います。 次に、環境庁に伺いたいんですが、沖縄へ飛びまして、西表をどのように環境的に位置づけておられるか、その点をまず伺いたいと存じます。
○政府委員(奥村明雄君) 西表島は亜熱帯地域に位置しまして、極めて多様な野生動植物が生息、生育していると認識しております。また貴重な野生動植物も多く、環境庁で取りまとめました動物版のレッドデータブックにおいても、脊椎動物及び昆虫では絶滅危惧種四種、危急種三種、希少種三十六種の生息が見られるというような貴重な地域であるというふうに考えております。
○堂本暁子君 こちらは農水省の土地改良事業が行われておりまして、そこの場合に、今まで農水省としてはそこで農業をする、畑をつくるための果たして、アセスメントはなさったかもしれません。 しかし、今度指定されようとしているイリオモテヤマネコとか、そういったものを今問題にしております西表島の大富団地東工区というところですけれども、そこのさまざまな動物や植物についてのアセスメントはやっておられるかどうか、その点の御答弁をお願いいたします。
○説明員(森田昌史君) 先生の御質問、西表島の農用地開発に関してでございますけれども、まず、この農地開発事業は農産物の需要の動向や農業経営の改善の方向に即しまして、農地の造成を行って農業生産性の向上あるいは農業構造の改善を図るために実施しておるものでございます。 御指摘の沖縄県西表島に実施しております農地開発事業大富地区につきましては、沖縄県が事業主体となりまして、八十六ヘクタールの農地の造成を目標としまして、六十二年度に着工して平成四年度までに約半分の三十九ヘクタールの農地を造成したところでございます。 この事業の実施に当たりましては、自然保護の観点から県、地元受益者と地元の自然保護団体であります西表自然史研究会との間において、平成二年からことしにかけまして各種の調整が行われまして、その結果、造成面積を十二ヘクタール縮減する等の事業内容の一部見直しの方向を打ち出されておるところでございます。 こういった調整を踏まえまして、平成五年度におきましては、さらに自然保護と事業の円滑な推進を図るため、県、自然保護団体、町、受益農家によって構成されます検討会議が来月の九日に設置される予定と聞いております。 今後の事業の推進につきましては、事業主体であります沖縄県が基本的に判断するものと考えておりますけれども、先ほどの検討会議によって実態調査が実施されると聞いておるところでありますし、こういった検討結果を見守りながら適切に対処してまいりたい、そういうふうに考えております。
○堂本暁子君 私の知る限りでは、コウモリのことについてだけの検討会が行われていると思っています。コウモリは物すごく大事なんです。虫をたくさん食べるし、もしコウモリがいなくなれば、その分除草剤やなんかを使わなければならなくなる。そういう意味でコウモリはすごく大事ですけれども、同じにヤマネコも大事ですし、植物も大事なんです。 コウモリだけでのそういった検討会をやっていただいていたのでは問題でありまして、むしろ西表島の周辺ですね、ここはどんどん農地改良で失われていって、そのことは確かにあそこに住んでいる農民の方にとっては大変大事かもしれません。しかし、農民の方の要求をずっと入れていって、どこまで開拓されるのか私はわかりませんが、周辺地区をやるということは結局あらゆる動物にとってえさ場がなくなるということになっていくわけで、結局は西表のサンゴ礁にしろ、そういったいわゆる一番豊かな生物多様性のあるところが失われるということになるわけです。 私は、決して農民の方がそれじゃ我慢をしていただきたいということではなくて、今まで農水省の方にはるる申し上げてきたことですけれども、こういった環境と開発という時代にどうやって環境を残しながら、先ほど環境庁の方では大変大事なところだという御答弁だった。とすれば、これは国際的にも大事だと言われている。みんな見ているわけです、あそこのコウモリはどうなるか。アメリカヘ行ってもヨーロッパヘ行ってもみんな知っていました。今まで石垣にもいた、波照間にもいた、そこは全部開発してもう西表にしか残っていないわけです。 そういったのを世界じゅうの人が見ている。そこに対してどうやって農民も本当に満足でき一そして自然も保護できるのか。それは昭和二十何年かにできた農地改良法だけではできない。もっと違った知恵がこの地球環境の時代に必要なんではないかというふうに思うわけです。 ですから、さんざん今までお話もしてきたことなんですけれども、やはり新しい知恵を出していただきたい。そうしない限りは、環境庁が主張している日本の自然の中では一番豊かな多様性を持っている島をそういう形で残せないわけです。ですから、アメリカでもスイスでもそこのところには十分な違った形の補助を出して自然を残している。そのことも日本は導入していいんではないかというふうに私は思います。ですから、今までの方式だけでやっていたのではできない。その非常にいい典型的な例がこの西表だと思う。奄美もそうでしょう、そしてイヌワシもそうだろうと思うんです。そういう接点の部分なんですね。そういうところは何とか新しい知恵を出していただく。 今長官も、制度としてはできません、できませんというような、非常に消極的なんですけれども、そういうことでは困るんであって、やはり事業官庁がそういうことに耳をかしていただかない限りは、環境庁は何もできない構図が、それでは困るんですけれども、どうもあるみたいです。 ですから、この西表についてもるるお願いしたいことたくさんあります。コウモリのことについても果たして環境庁が調べていらっしゃるのかどうか。それから、農水省はどれだけ今までアセスメントを動物や植物についてやった上で計画しているのか。恐らく農地にするためのアセスメントはやっていても環境を守るためのアセスメントはやっていない。その辺のところでの接点を何とか研究してみていただきたいというふうに思います。 時間がなくなったので次に参りますけれども、最後に、所信の中で有害廃棄物についてもおっしゃっていらっしゃいます。私は、バーゼル条約についても随分審議に参加してきたんですけれども、厚生省と環境庁と両方に伺いたいんですが、昨年の十二月に審議された特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律、これがどのような施行状態になっているか簡単に御説明ください。
○政府委員(野中和雄君) 法律につきましては昨年の十二月に成立をし公布をさせていただいたわけでございますけれども、その後政令、省令、告示、それぞれ検討をしてまいりまして、全部政省令の整備をいたしたところでございまして、それを受けまして本年の九月十八日に国際連合に対しまして条約の加入書の寄託を行ったところでございます。 したがいまして、この条約は本年の十二月十七日から我が国に対して効力を生ずるわけでございまして、同時に国内法あるいは関係法令等も同日から施行されるということになっているところでございます。
○説明員(飯島孝君) 御説明いたします。 ただいま説明のございましたバーゼル条約に対応する国内法とあわせまして、厚生省では昨年廃棄物処理法の改正法を成立させていただいたところでございます。これは十二月十六日に公布されまして、一年以内の施行ということで本年の十二月十五日を目途に施行すべく、ただいま政令、省令等の準備作業をしているところでございます。
○堂本暁子君 通産省にも伺いたかったんですが、申しわけございません、時間がなくなってしまいました。 私台湾へ行きまして、非常に膨大な日本の廃棄物が捨てられていることをこの目で見てまいりました。この間の連合審査のときにも写真でるる御説明いたしましたけれども、肉眼で見てきて余りにもひどいんで、またさらにショックを受けております。やはりリサイクルという名のもとの輸出はやめていただきたい。そして十分に考えて、国内処理をどの程度できるのか、そういったことを厚生省としては検討していただきたい。 それから通産省は、環境庁がお答えくだすったことなんですが、相手国については十分に環境を配慮する、そのことを通産省に通告するということも前の連合審査のときに前任者の赤木局長が御答弁くだすっています。通産省にそのことをきちっと確認をとるということのお話も前の委員会でしているわけですので、通産省もその点をぜひきちんと御確認くだすって、日本の有害廃棄物、放射性廃棄物が、台湾だけではありませんが、ベトナムとかマレーシアとか、いろいろなところにそういうリサイクルという名目で輸出されています。そのことの環境上のチェック、事業官庁の二省にぜひお願いしたいと思います。 ありがとうございました。
○大脇雅子君 私は、ただいま問題になっておりますロシアの核廃棄物投棄をめぐりまして質問をさせていただきます。 先ほど広中環境庁長官を言われましたように、環境庁が最初に把握したニュースというのがNHKの画面であり、そしてグリーンピースのプレスリリースであったということは、私どもにとりましても大変大きな問題であると思います。どうしてそういう我が国の情報収集システムが機能しなかったのかということについて、まずお尋ねをしたいと思います。 ロシアは、十月六日、書面で国際原子力機関、いわゆるIAEAへ通告したと言っておりますが、これがどうして日本に届かなかったのでしょうか。
○説明員(河村悦孝君) 先生御指摘のとおり、まさに今回の事態でロシアの投棄の情報が事前に入手することができなかったのは甚だ遺憾であったわけでございます。ロシア側からの後の発表によりますと、確かに五日付でIAEAに通報があったということでございますが、本来この種の通報は条約上はIMOにすべきであったものでございます。 しかしながら、ロシア側はIMOの確認によりますとしておらなかった。他方、IAEAの方は、自分たちは受けたけれども、それを技術的な情報として受けただけで、これを各国に通報する、そういう義務はなかったということで通報がなかったわけでございます。
○大脇雅子君 そうしますと国際海事機関、IMOにロシアが通報しなかったことがやはり何か国際条約の違反を構成しますか。
○説明員(河村悦孝君) これは、ロンドン条約上は手続的にはロシア側の違反であったと考えております。
○大脇雅子君 そうしますと、いわゆるロンドンの海洋投棄規制条約というところを見ますと、高レベルの放射性廃棄物というものは投棄が禁止されております。そして、低レベルの放射性廃棄物については、一般的な各締約国の一つの機関の許可を得て投棄ができるんですよね。そうすると、今回のロシアの投棄されたもの、そしてその核種などについて把握しておられますか。
○説明員(河村悦孝君) 低レベルの廃棄物の投棄につきましては、これは投棄する国の政府当局が特別許可を投棄する者に出すということになっています。したがいまして、その際にIMOに通告をしなければいけないということでございます。そして今回のロシア側の説明によりますと、低レベルの液体廃棄物ということでございます。
○大脇雅子君 核種、どういう核廃棄物だったのかというか放射能の種類というものは把握しておられますか。
○説明員(塚腰勇君) 今回の核種ですけれども、ストロンチウム、コバルト、セシウムが含まれておりました。
○大脇雅子君 その濃度などについてはまだ発表はありませんか。低レベルだということはどこから言えるんですか。
○説明員(塚腰勇君) 濃度につきましては、今回の液体放射性廃棄物としまして九百立方メートルでございますけれども、それの平均放射能値としまして一・二マイクロキュリー・パー・リットルということでございます。
○大脇雅子君 これはロシア海軍がいわゆる放射性の廃棄物を投棄するということで、環境天然資源大臣が許可をした。それに対して原子力大臣がおかしいというようなことを言っているという新聞報道があるわけですが、ロシアにおける命令系統についてはどういうふうに理解しておられるでしょうか。
○説明員(河村悦孝君) まさに先生がおっしゃいましたように、これは環境省が許可をしたということで、それで原子力省はこれについては協議を受けていた。ただし、原子力安全委員会は協議を受けていないというような種々の報道がなされておりますが、この辺につきましても現在二十七、二十八日の、きょうから始まっております日ロ専門家会議及び十日、十一日のモスクワにおきます合同作業部会で十分に解明してまいりたいと考えております。
○大脇雅子君 そうしますと、ロシアは本年の四月二日に放射性廃棄物の海洋投棄の問題に関する政府委員会の調査結果をまとめた白書を公表しておりますが、この白書は日本としても御検討、内容などの検討をしておられますか。そして、その信頼性はどのように理解したらよろしいんでしょうか。
○説明員(塚腰勇君) 白書の内容いかんということでございますけれども、外務省が旧ソ連、ロシアの放射性廃棄物の海洋投棄につきまして、本年の四月にロシア政府の調査結果を取りまとめまして公表されました白書を入手しておるわけでございますけれども、科学技術庁としましては外務省その他関係省庁と協力しつつ、この白書の分析を行ったところでございます。 白書の主な概要は四点ほどから成っておりまして、一点は、ロシアは一九五九年から一九九二年までの間、バレンツ海等北部海域のほかにオホーツク海あるいは日本海及びカムチャッカ沖におきまして、総放射能汚染量としまして一万三千キュリーの液体、それから六千二百キュリーの放射性固体廃棄物の投棄を行ってきたこと。 それから二つ目としまして、核燃料を抜いた原子炉二基及び原子炉関連機材が極東海域に投棄されておりますが、沈められた原子炉等の放射線レベルは、現在正確に確定しておりませんけれども、本報告書に掲げられたデータは将来再確認する必要があること。 それから三点目としまして、ソ連時代から存在し現在もロシア連邦内で有効な海洋投棄に関する国内法規はロンドン条約等の国際条約に矛盾していること。 それから最後の四点目としまして、本件海洋投棄は沿岸貯蔵場、それから処理施設が存在しない状況下では即時に停止できないという内容でありました。
○大脇雅子君 そうしますと、国内のいわゆる貯蔵施設が十分ではないということで海洋投棄中止ができないということがことしの四月二日に公表されておりまして、グリーンピースとしては、ずっと長い間の調査の蓄積の上に立ってでしょうが、今回の廃棄ということを察知したわけです。 この間、グリーンピースのオランダの人が来られまして聞いたわけですが、彼が言うには、各国は薄々そんなことはわかっていたはずだというようなことを言っておられるわけですが、やはり今思うと、日本のいわゆるそういう情報収集のシステムには欠陥はなかったのでしょうか。
○説明員(河村悦孝君) 本件につきまして、白書が発表されて以来、私どももこの海洋投棄につきましては、五月の合同作業部会におきましてもこのような行為を即時停止するよう、それ以降も繰り返し申し上げておりました。そして、その関連におきまして共同海洋調査について実施を提案しているわけでございまして、その具体的な実施細目については今度の十一月の十日、十一日の合同部会で決めることになっております。
○大脇雅子君 そうすると何回か中止をするようにということは言っておられたわけですか。何回ぐらい言っておられたのでしょうか。
○説明員(河村悦孝君) 五月の作業部会以来、ことしエリツィン大統領が七月に参りまして、それまでにたしか三回ぐらい申し入れていると思います。
○大脇雅子君 そうしますと、このロンドン条約の決議によりますと、一九八五年ですか、いわゆる低レベルの放射性廃棄物の海洋処分の一時停止の決議というのがございますが、これの違反ということも言えるわけですか。
○説明員(河村悦孝君) この決議に違反していると思います。
○大脇雅子君 そうすると、一時停止の決議にも違反しておりますが、勧告を読みますと、要するに廃棄場所についても北緯五十度から南緯五十度までの海での投棄の禁止とか、四千メートル以下の地域ではだめとか、あるいは火山活動の地域とがいわゆる適切でないいろいろな自然現象のある場所とか、あるいはまた、さまざまな資源のあるところでは廃棄は禁止、こう言っておりますが、この観点からロシアの廃棄というのはどうでしょうか。
○説明員(河村悦孝君) まさに低レベルの放射性物質を投棄する場合にはIAEAの勧告に基づかなければならない、それを十分に考慮しなければいけないということになっております。 そのIAEAの勧告の中にまさに先生のおっしゃったようなことがあるわけでございまして、その中で特に、今回の場合ですと、日本海は四千メーターより浅いわけでございます。それですから、その面でも違反ということであります。 それから同じくIAEAの勧告の中には、液体廃棄物はそのまま、要するに垂れ流してはいけないということになっておりますのですが、今回の場合はまさに垂れ流してございますので、その面からも違反であると思っております。
○大脇雅子君 そうすると、またその勧告を読んでみますと、許可に従ってなされた廃棄物でも定期的な検査を行わなければいけないとか、いわゆる将来的な安全性を考慮しなきゃいけないというようなことも言っていると思うんですが、これは事前のチェックのことを言うんでしょうか、事後のチェックのことを言うんでしょうか。
○説明員(河村悦孝君) これは投棄後にどういうことになっているかということの調査でございますので、事後チェックということでございます。
○大脇雅子君 そうすると、実際これだけロシアのいわば行為がロンドン条約や勧告に違反している場合に、それをチェックして見守っていく機関というのは一体どこになるわけでしょうか。
○説明員(河村悦孝君) 先生の御質問は、そのチェックをする機関がどこであるかということだと了解してよろしゅうございますか。これは基本的には投棄国がやらなければならないということだと思いますが、そのほかのどこの国際機関というのは、申しわけございませんが、ちょっと承知しておりません。
○大脇雅子君 そうすると、日本の対応について伺いたいわけですが、こういう事態が起こって、今度さまざまなロシアとの会議が持たれることは承知しているんですが、主として日本ではどこの官庁というか、どういうプロジェクトでロシアの問題に対応されているんでしょうか。
○説明員(塚腰勇君) 今回の旧ソ連、ロシアによる放射性廃棄物の海洋投棄に関しましては、投棄の詳しい実態を明らかにするよう求めていきますとともに、その影響を評価するため十分な調査が必要であると認識しておるわけでございます。 このような観点から、去る五月にモスクワで開催されました日ロ合同作業部会において情報収集を行いますとともに、ことしの春には放射能対策本部幹事会の決定に基づきまして、特に旧ソ連、ロシアが実施した海洋投棄に焦点を当てた日本海における緊急の海洋調査を実施いたしました。また、今回のロシアによる液体放射性廃棄物の海洋投棄につきましては、IAEAの勧告に合致しないものでありまして、放射能対策本部幹事会を開催して、直ちに我が国独自の調査を行いますことを決定し調査を開始しているところでございます。 今後は、当該投棄海域における日日共同による海洋調査の早期実施に向けまして鋭意ロシア側と調整を進めていくこととしておりまして、このため、現在当庁の担当室長を海上保安庁あるいは気象庁、水産庁の専門家とともにモスクワに派遣しておりまして、ロシア側と協議を進めております。また、我が国の国民の健康への影響を長期的に監視するため、日本周辺海域の環境放射静調査を充実していくことを計画いたしております。
○大脇雅子君 こちらはその放射能対策本部というところが中心になっているんですが、これは先回伺ったところによりますと昭和三十六年の閣議決定でつくられていて、本部長はどなたでございますか。科学技術庁の長官ですか。
○説明員(塚腰勇君) そうでございます。
○大脇雅子君 そうすると、私ちょっとお聞きしたいんですが、環境庁はどういう立場で機構的にこの問題にアクセスしていけるかということですが。
○政府委員(大西孝夫君) お答え申し上げます。 環境庁は、この対策本部の幹事会におきましてオブザーバーという立場で参画をさせていただいております。
○大脇雅子君 要するに本部長は科学技術庁の長官であって、あと外務省とか海上保安庁、気象庁、水産庁などが入っているんですが、核の問題といいますか、核の廃棄物という問題は環境に最も大きな影響を及ぼす。日本海は閉鎖性であって第二の水俣の事件だという意見もありますが、私はむしろ水俣にまさるとも劣らない大きな影響を及ぼす問題だと思うんです。 というのは、核の問題というか放射能の問題というのは、遺伝子を傷つけてその影響が何世代も続くであろう、そしてまたその怖さというものがほとんど明快にされていないという意味で、私どもは本当に地球の環境を保全するということであれば、この問題を環境庁が手がけないでいわば次の世代に受け渡していく地球環境の問題は語れないというふうに思うわけです。 本来、科学技術庁がいけないというわけではないんですが、これは実施官庁でありまして、環境の問題からのアクセスは環境庁だと思うわけです。ぜひ環境庁はオブザーバーという立場ではなくてまさにメンバーの一人として、そしてまたそれを総合調整する大きな立場で加わっていただきたいというふうに私は切望するものでございますが、そういう機構改革に対してはどのような難点がございましょうか。
○政府委員(大西孝夫君) 放射能対策本部が、先生も御承知のように昭和三十六年でしたか、環境庁の歴史より前にスタートしているということもございまして、そういう歴史的な経緯もございますが、放射能による環境汚染問題を政府における事務配分の中で科学技術庁が中心になって処理をする体制ができておりまして、それを環境庁ができます際にそのまま引き継いだという形でございます。 現在、私どもオブザーバーという立場で参画させていただいておりますが、能力的に見て正直言いますとまだそういうこともありますが、専門家あるいは必要な設備等について事業に直接タッチしていけるだけの能力がないのも事実でございますが、御指摘のように環境問題として非常に大きな意味を持っておりますので、そういう従来のあり方でいいのか今私ども自身自問いたしております。 少し機構をいじるということになりますとこれは政府全体の問題でございますし、それぞれの関係省庁と十分意見交換をした上でということになろうと思いますが、気持ちとしてはこのままでいいのかなという気持ちは私ども自身持っております。
○大脇雅子君 環境庁長官は積極的に手紙なども出されて、いわゆる前向きの姿勢というものは国民に大変大きく受け入れられていると思うんですが、私は気持ちをきちっとシステムの中で生かしていくという手法がまさに政治であるというふうに考えますので、この点についてどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(広中和歌子君) 今回の事件というんでしょうか、でわかったことは廃棄物の投棄というのは、システムとしては科学技術庁とか外務省、そして今官房長が御説明いたしましたように放射能対策本部、これは科学技術庁が主管していらっしゃいまして環境庁はオブザーバーにすぎない。そしてまた、こういった問題に実際に対処したくても、いわゆる能力というのでしょうか、人員も、そして機材もない、専門家もいないといったような状況でございまして、大変にブラストレーディングなことだというふうに思っております。 ただ、きょうのいろいろな委員の御発言もございましたし、それから二日間にわたって行われました衆議院における環境委員会でも同様の意見がたくさん出まして、環境庁は地球環境担当として、核廃棄の問題にも環境の視点からもっと積極的に対応すべきではないかというおしかりを受けたわけでございます。 本当に官房長の言葉どおり、やはり私どもとしては何かもっと機構の点からも関与できるような、そういったことも含めまして検討させていただきたい。そして、より広い視点から、環境の問題に関する限り、これは国民の健康、安全にかかわることでございますので、出しゃばり、出過ぎというようなそしりを物ともせずに、できるだけ積極的に発言をしていきたい、そのように思っているところでございます。
○大脇雅子君 外務省や科学技術庁にお願いをしたいわけですが、今いらっしゃる方でこの問題についてお答えをいただくわけにはいかないと思いますけれども、やはり環境という問題が非常に大きな国際的な問題になって、まさに環境がトランスナショナルといいますか、本当に国家を超えた問題であるということですので、そういう構成についてぜひとも御検討いただくようお伝えいただきたいというふうに思います。 それで次に、十月二十七日、二十八日に専門家会合がモスクワで行われまして、十一月十日、十一日に第二回の日ロ合同作業部会が開かれる、こういうことでありますが、もちろんこれの議題でしょうが、具体的にどういう戦略でこれに臨もうとしておられるのかということを、お尋ねしたいと思います。
○説明員(河村悦孝君) まず、二十七、二十八日のモスクワにおきましての専門家会合でございますが、今次投棄の実態を解明いたしまして、それでその後に共同海洋調査に関する協議を行いまして、ウラジオストクを専門家会合の参加者が訪問いたします。これが二十九日、三十日でございます。そして、そこにおきまして共同調査のための調査船の視察とか、それから、できれば廃棄物の陸上貯蔵施設の調査を行うようにということで、ロシアと協議しているという次第でございます。 それから、作業部会につきまして、これは十一月十日、十一日でございますが、ここで海洋共同調査の実施計画について合意するとともに、今後の日ロ協力につき協議を行う予定にしております。
○大脇雅子君 ロンドン条約で、一九八五年に一時停止の決議というのがなされましたが、今回十一月八日から開かれますロンドン条約の締約国会議で、いわゆる低廃棄物の一時停止というこのモラトリアムの決議を条文化しようという議題が出ていると聞いておりますが、そうでしょうか。
○説明員(河村悦孝君) そのとおりでございます。
○大脇雅子君 先回、日本はこのとき棄権という態度をとられたと聞いているわけですが、今回はどういう態度で臨まれるのでしょうか。
○説明員(河村悦孝君) 二十一日の日に、武村官房長官が、このロシアの海洋投棄につきまして記者会見で述べられておりますとおり、放射性廃棄物の海洋投棄の問題は、国際的な協力と枠組みの設定により初めて根本的な解決が可能となると考えているわけでございます。 したがいまして、来るロンドン条約締約国協議会議におきましては、我が国といたしまして、低レベル放射性物質の海洋投棄の禁止に向けて努力したいと考えておりまして、現在最終的な詰めの作業を行っております。なお、具体的には低レベルの放射性物質の海洋投棄を禁止するとの条約改正案が御指摘のとおり提案されておりまして、この提案を支持する方向で検討していきたいというふうに考えております。
○大脇雅子君 支持する方向で検討ということは、この低レベル放射性物質の投棄禁止に賛成というふうに伺ってよろしいですか。
○説明員(河村悦孝君) そういう方向でございます。
○大脇雅子君 さらに、核の問題と関連いたしまして、日本の今までの海洋投棄の実情というものについては、どんなふうであったのか。例えば、南太平洋に投棄するときに、さまざまな周辺住民の反対があってストップをしたということがありますが、いつから日本は中止をしておりますか。そして、中止をしない前はどの程度のものをどこに投棄したかということはわかりますか。
○説明員(塚腰勇君) 御質問は今二点あろうかと思います。 過去にそういうものを投棄したかどうかということ、それからあとは、そういう計画はあったかということ、いつ中止したかということだと思いますけれども、一点目につきまして、過去に我が国が海洋投棄をした実績といたしましては、昭和三十年から昭和四十四年にかけまして、試験的な海洋投棄を十五回ほどいたしております。放射能量としましては、約四百七キュリーでございます。種類としましては、今回ロシアが海洋投棄したのとは異なりまして、放射性同位元素の取り扱いに伴って発生しました放射性廃棄物をコンクリートで固化したドラム缶等につきまして投棄をいたしております。投棄場所としましては、都合十五回で、主に房総沖で十三回行っております。 それから、二点目のお話でございますけれども、我が国で原子炉等から出てまいります放射性の低レベルの廃棄物につきまして、試験的な海洋投棄を実施するという計画が昭和五十五年当時進。められておりました。具体的な投棄としましては、試験的な海洋投棄としまして、投棄予定場所を北緯三十度、それから深さ六千メートルで、処分量は五百キュリー等を予定していましたけれども、これにつきましては今のIAEAの基準に照らしても満足しているところでございます。 いずれにしましても、この投棄の予定は昭和六十年のロンドン締約国協議のモラトリアム決議、あるいは昭和六十年の関係国の懸念を無視して強行しないという考え方等によりまして、海洋投棄については慎重に対応するということから停止をいたしております。
○大脇雅子君 そうすると、これはロンドン条約で政府の方が禁止ということになると、こういう場合は原子力発電所だとか再処理工場の廃液もだめということになりますか。
○説明員(塚腰勇君) 今おっしゃったもの、例えば再処理工場から出てまいります廃棄物につきましては、一応高レベルということになっておりますので、これは条約上もそれからIAEAの勧告上も禁止ということでございます。
○大脇雅子君 今、日本は原子力発電所のそういういわゆる廃液の処理について問題があると言われておりますが、そうではありませんか。何か希釈して流しているというようなことがいろいろ言われているわけですがこれは陸路に流して海へ行くということですか。
○説明員(塚腰勇君) ロンドン条約上は、投棄と原子力施設から出てまいります排出というものを明確に区分いたしておりまして、排出を規制するものではないと了解しております。 これは各国共通のものだと思いますけれども、原子力施設から出てくる低レベルの液体廃棄物については、ろ過とか蒸発、イオン交換樹脂法によりまして吸着等の処理を行って放射性物質の濃度をできるだけ低くした後、放射性物質の濃度等を確認した上で十分な希釈効果を有する排出口から排出するということでございまして、これにつきましては原子炉等規制法に基づきまして厳重に管理されていると認識しております。
○大脇雅子君 そうすると、禁止される低レベルの放射能というのはどの程度のレベルのものを言うのかということはどうですか。
○説明員(塚腰勇君) レベルの概念ということではなくて、条約上は投棄、ダンピングと言っておりますけれども、投棄はだめですけれども、排出、ディスチャージということを言っておりますけれども、これについては規制しているものではありませんということでございます。
○大脇雅子君 そうすると、日本が今まで三十年から四十四年に投棄した核のコンクリートで固化したドラム缶の行方というか、そういうもののモニターみたいなものはしておられますか。
○説明員(塚腰勇君) 過去に行ったものについてはいたしております。その結果は問題ないということを確認いたしております。
○大脇雅子君 それでは、核の問題とちょっと関連いたしまして、私はことし初めにマレーシアのAREの現場を見てまいりました。そして、日本ではとてもあのような立地で、放射能の被害が出るような工場はとても建たないということでまずびっくりいたしました。 そしてまた、歩きまして、放射能の測定器ではかりまして、やはり大きくガイガーが鳴ったりいたしますと非常にショックを受けたわけですけれども、現在ARE問題というのはどのような状況で、各省庁、特に通産省などは対応しておられるのか、現況についてお話しいただきたい。
○説明員(市川隆治君) ARE問題につきましては、一九八五年にマレーシアにおいて訴訟が提訴されております。通産省としましては、三菱化成に対しまして事情聴取を行うほか、現地社会との協調と融和のため、現地政府の規制等の遵守につき指導を行うとともに、在外公館等を通じた情報収集に努めてきたところでございます。 また、昨年七月、イポー高裁の判決が出された以降におきましても、投資先の環境に十分配慮すべき旨とともに、地元との融和にも配慮しつつ適切に対応するよう伝えてきたところでございます。 しかしながら、本件はあくまでマレーシア国内において司法権が行使されている問題でございまして、当該国の主権の問題も絡むことでございまして、他国の行政府としましては慎重な対応が必要と考えております。 いずれにせよ、国際化社会の中で我が国企業の関与した現地法人がトラブルの渦中にあるということは好ましいことではございませんので、我が国としても一刻も早く問題が解決されることを期待しているところでございます。
○大脇雅子君 こういう公害の問題で必ず言われるのは相手国の主権ということであります。しかし、そういう公害被害の問題は人権の問題でありまして、本来ならばその主権を超えるべき解決の道を探るのが政治だというふうに考えられます。特に、国際的ないわば広がりを持つに至った環境行政について、私は、主権を超えるいわば一つの手法みたいなものをみんなの知恵で生み出していくということを、日本が先駆けて国際社会に発言していくのも道の一つではないかというふうに考えるわけです。 ですから、環境庁と通産省とそれから環境庁長官にお尋ねをしたいわけですが、海外進出企業がその相手国の中でそういった人権侵害を侵さないような努力というものを今どのようにされようとしているのかお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○説明員(市川隆治君) 通産省におきましては、昭和四十五年度より実施しております我が国企業の海外事業活動動向調査において、先生御指摘のような問題につきまして実態の把握に努めておるところでございます。 また、産業構造審議会の提言を受けまして、海外事業展開に当たって期待される企業行動十項目というものを策定いたしておりまして、本年六月にはさらにこの十項目の見直しを行い、我が国の百十八の産業経済団体を通じまして、傘下の企業等に対して指針の周知徹底を行っているところでございますが、今後も機会あるごとにその遵守を関係企業、業界等に求めていく所存でございます。
○国務大臣(広中和歌子君) 我が国の企業が海外に進出する際には、現地の環境保全というんでしょうか、配慮することはもう当然でございます。特に、我が国といたしましては、環境面で世界的なリーダーシップをとっていこう、そういうふうに言っているわけでございますから、ぜひこの点は大事にしていかなくちゃならない、そのように思っておるところでございます。 環境庁としては、今までおっしゃられた措置の充実、それから環境配慮が一層行われますように努力していくということを申し上げるしか言うことはないんですけれども、同時に、相手国の環境問題への対処能力を向上させることが重要だと思います。それで、関係省庁等の協力のもとに、そのための支援を推進してまいりたいと思います。 また本委員会の、先ほど話題となりました日本企業の海外進出等における環境への配慮に関する決議、これを踏まえまして、関係省庁と話し合いをしながら日本の企業の海外活動あるいはODAの活動におきまして環境が守られるように配慮する、そういうことで環境庁といたしましてはリーダーシップを発揮していきたい、そのように思っております。
○大脇雅子君 最後に、各省庁の御努力もさることながら、環境問題に対する省庁ごとの分解現象ということは国民の目から見るとどうにも歯がゆいことでございます。 例えば長良川河口ぜきの問題で、当時の北川環境庁長官が新しくコメントを発表されまして行動されたときに、一つの新しい展開が生まれたというのも私は地元で見ておりますので、やはりこういった問題に対して環境庁長官が勇気を持って一歩踏み出されて、そして今までの機構のいわばさびついたところを取っていただいて、本当に環境庁が求心力を持った行政ということを私は実現していただきたいということを心から希望いたしまして、終わります。
○横尾和伸君 公明党の横尾でございます。 まず、私からは、国民のライフスタイルの変化という観点から初めに大臣にお尋ねしたいと思うんですけれども、四十年代の公害問題、環境も含めた環境公害問題と言ったらいいでしょうか、特に有害物質を排出する工場、その工場に対して有害物質の濃度を規制して、あるいは総量で規制して排出口から出さないようにするというような対策、そういうパターンでこれまでの公害防止対策というのが進んできたという感じがいたします。 そんな中で次に出てきたのがノンポイントソースという言葉、要するに排水口だけを見ていればいいんではなくてということなんですが、長官のお言葉をおかりすれば被害者と加害者が一緒になった、国民一人一人が被害者でありそのまま加害者であるという時代に入ってきた、こういうことだと思います。つまり、これからは国民一人一人の自覚の問題、生活態度の問題、これが問い直されるということを覚悟しなければならないということだと思うんです。 ちなみに、環境庁の初代地球環境部長、今二代目の環境部長がいらっしゃいますけれども、初代の環境部長加藤三郎氏におきましては、先日、環境文明研究所を設立された。その趣旨がやはり同じ、私今申し上げた私たち自身の生活を見直し、ひいては文明そのものをもう一度見直していくということをしなければいけない。そのためには大変な痛みを伴うこともあるかもしれない。なかなか自分の生活を省みる、あるいは直していくのは大変だということで、しかし、それも座して待つわけにはいかない。地球が住めなくなるという方向に変化していくのを座して待つわけにはいかないということで、加藤三郎氏御自身は立ち上がったというふうに聞いております。 同じような考え方で、実は日本国じゅういろんな方がいろんな努力をされている。私の知る限りでも、公明党の党員さんを中心に全国で相当な数での地道な活動をしていることも知っております。例えば、ごみの減量化の問題や廃油石けんづくりとか、あるいは再生紙の利用とか、そういった一つ一つの努力をいろんな立場の方がいろんな観点からしているということでございます。 こういったこれからの環境問題への取り組みの中で、どうしても避けて通れない大きな問題が国民のライフスタイルの変化だということだとすれば、まず環境庁は、この問題を環境庁としてどのようにとらえているのかということと、さらにこの問題をもう一歩深めていくと、次世代を担う子供たちへの環境教育の問題が具体的なものの一つとして挙げられると思います。 ライフスタイル全般についての環境庁の取り組み、中でも特に環境教育を一層促進するという観点からどのようなお取り組みをされようとしているのか、長官にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) 委員御指摘のように都市公害型の環境問題に取り組んでいくためには、ある意味では意識改革が必要だ、意識革命が必要だというようなことをおっしゃる方もあるようでございまして、国民一人一人が人間と環境とのかかわりについて理解を深め、そして環境への負荷の少ない行動をとるということが大切でございまして、そのためにはさまざまな形の教育というんでしょうか、そういうことが必要なんだろうと思います。 それもいろいろなタイプがあると思うんですけれども、環境庁としては、まず環境に優しいライフスタイルに関する教材等の作成、そしてそれを提供する。それから、地方公共団体が行う環境教育事業の支援。それから、文部省との提携による学校における環境教育の推進。これはもう文部省で既にたくさんつくっていただいておりまして、指導要領などもできているわけでございます。こうしたいわゆる教育というんですか、そういう部分の推進に努めるほか、地球環境基金等による環境NGOの支援を行うなどして、子供から大人まで幅広い国民を対象にした施策を講じてきたところであり、今後もそうした対応を進めていきたい、そのように思っております。
○横尾和伸君 私一月ほど前に、環境に関係する者の一人として国立公園の実態を知りたいということで、十和田八幡平の国立公園の視察に行きました。そこで、たまたまだったんですけれども、パークボランティア、実はその言葉も初めてそこで教えていただいたわけですけれども、大変生き生きとしてさわやかな応対をされている、応対というのは要するに一般の方に対して説明をされたり、ごみ拾いをしているんです。それをはたから見ておりまして、大変さわやかで親切でいいなという印象を受けたんです。 パークボランティアというのは国立公園の管理に関してボランティアの方がある程度組織、組織的と言っていいのかどうか、何か活動を積極的にされているということなんですが、その辺私は正確な定義はわからないんですけれども、このパークボランティアの実態について、人数とかあるいは処遇などについてお伺いしたいと思います。
○政府委員(奥村明雄君) 先生御指摘のパークボランティアでございますが、昭和六十年度から実施をしております事業でございまして、現在国立公園の二十七地区で千三百人の方が登録をしていただきまして、各地区で自然解説でありますとか美化清掃でありますとか、各種の公共施設の維持管理などのボランティア活動に従事していただいているものでございます。 環境庁といたしましては、このパークボランティアの方々に全国統一の帽子それからワッペンを配付させていただいておりますほか、ボランティア保険に加入するための費用を環境庁として出させていただいているということで、これら三つの費用を合わせますとボランティア一人につき約三千円ということで、大変少額でありますが、こうした費用を出させていただいておるというのが現状でございます。
○横尾和伸君 私は、パークボランティアの方に、たまたまお一人だけだったんですけれども、お会いして大変さわやかな気分になるとともに、日本もなかなか捨てたもんじゃないなという印象を正直持ちました。もともと国立公園の管理に携わっている専門家の方はかなり数的に少ないと聞いておりましたけれども、その少ない部分をこういった形で補っていらっしゃるという意味でもすばらしいことだと思いました。 そこで、さらにこういった運動をこれからも強化していく必要があるんではないかという観点からお尋ねするんですが、パークボランティアなどの努力を正当に評価して広く国民に知らしめることが大切だと思います。もとよりボランティアの方は決してそういった報酬なり特別なものを求めるということは本来ないとは思いますけれども、そういうことではなくて、やはり知らしめ、またさらに発展させるという意味で何か励みになる、例えば表彰制度とか、別にその表彰制度にこだわりませんけれども、そういった励みになる行為を環境庁として行事化していくようなことが必要なんではないか、こう思うんですけれども、長官、この点についてはどうお考えになるでしょうか。
○国務大臣(広中和歌子君) 御指摘のパークボランティア活動でございますけれども、私もつい最近高尾山に登りましたときに知ったわけでございまして、すばらしい制度だと思いました。 これは自然保護思想の普及啓発、そして国立公園の保護管理、両方にとって非常に大切なものでございまして、ぜひ推進したい。そういう中で表彰制度というのは大変すばらしいアイデアだと思いますので、そういうことも含めましてこの啓蒙普及に努めてまいりたいと思います。どうも御指摘ありがとうございました。
○横尾和伸君 ありがとうございます。ぜひ推進していただきたいと思います。 次に、NOx対策と温暖化防止対策もあわせ持つ低公害車の普及の問題についてお尋ねしたいと思うんです。この低公害車、今電気自動車、メタノール車、天然ガス自動車、ハイブリッド車と四種類あるそうでございますけれども、その普及の現状と、それから時間の都合もあるので一緒に聞きますけれども、普及の現状と、それからこれを普及させるためには公的機関への率先導入がまず必要であろうと思うんですけれども、その公的機関への率先導入の実態、この二点について一緒にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(松田朗君) お答えいたします。 先生御指摘のように、低公害車の普及というのは非常に私どもは地球温暖化の防止に役立つという点と、それから今非常に都会で特に問題になっております自動車の窒素酸化物による大気汚染対策に役立つ、こういう二つの面で非常に有意義であるというふうに考えております。 実態はどうかということでございますが、まず今先生御指摘の四種類の低公害車と言われているもの、まず電気自動車につきましては千三百台、これは全国でございます、みんなそうでございますが、メタノール自動車も約二百十台、天然ガス自動車が約百台、ハイブリッド自動車が約四十台という実態でございまして、率直に申し上げまして、全国に約六千万台あると言われる自動車の中で占めるウエートはまだまだであるということでございます。 それから、先生御指摘のようにこういうものを官庁あるいは公的な機関で率先導入すべきじゃないかということは当然私どもは考えております。その実態につきましては、地方自治体では電気自動車が四百七十七台、メタノール車が五十四台、天然ガス自動車が九台、それからハイブリッド自動車が二十九台というようなことで、これも非常に全体としては少ないという感じでございまして、主にこういうものは公害パトロールだとか、あるいはその他環境関連の業務に主として使われておるやに聞いております。
○横尾和伸君 これも質問しようと思ったんですが、時間を省くために要望に変えさせていただきますけれども、低公害車の導入については企業の努力だけにまっているということではなくて、推進をする。その推進について国が果たすべき役割というのはほかではできない役割があるわけで、まず間違いなく言えることは目標をつくるというようなことではないかと思うんです。その目標についても、現在聞くところによりますと余りはっきりした目標が定められていないということですので、ぜひこの目標を明確にして、関係の皆さんがその目標に向かって全力を挙げて努力ができるように旗を振っていただきたいと思います。これは要望に変えておきます。 それから次に、フロンの回収、再利用についてお尋ねしたいんですが、フロン対策は九五年特定フロン全廃という言葉にどういうわけか特別の響きがありまして、フロン対策は終わったというようなムードを醸し出しておりますけれども、実はそうではないんだという面からお伺いしたいんです。 四十六億年前に地球ができて、四億年前から生物が海から陸地に上がってきた。それはなぜかというと、オゾン層が現在のレベルにまで地球を包むようになって有害な紫外線を反射する、地球に届かないようにしていた、それが一つの大きな要因になって生物が陸地に上がってきた。つまり、有害な紫外線というのは生物の細胞を破壊するという大変恐ろしい力を持っている。 私が言うまでもないんですけれども、その中には人間に当たれば皮膚がんができる、また同じように、ほかの生物や植物に当たれば細胞を壊すわけで、例えば農産物なんかも大変な被害を受けると言われています。そういう意味では将来の食糧問題にも関係してくる、そういう面があるわけです。最近このオゾン層の破壊が予想外に早く進んでいるという報道が目立つわけですけれども、その実態を端的に教えていただきたいと思います。
○政府委員(松田朗君) 委員御指摘のように、オゾン層の破壊というものは、今や全地球的に進んでおります。これもかつて予想された以上にどうもそのスピードが速いんじゃないかというようなことが言われまして、具体的に申しますと、最近の五年間連続してオゾンホールの規模が非常に大きくなっていると。その大きさは過去最大であった昨年と同じであるというようなことが指摘をされておりますし、我が国におきましても札幌の上空の方ではオゾン層の減少傾向がもう見られるようになってきているというようなことでございます。
○横尾和伸君 オゾンを破壊する特定フロンの点でお尋ねしますが、特定フロンの最近の使用実態についてお尋ねします。
○政府委員(松田朗君) お答えします。 このオゾン層の保護法ができまして、その直後ぐらいまでは非常にこれはふえてきておりまして、ちょうどそのピークになりましたのが平成元年でございまして、当時約十六万トンぐらいのものが利用をされていた。それがその後いろいろ生産を調整するようになりまして、平成四年の実態ではそれが六万トンに減ってきているということでございます。しかしまだまだこれも量が多いということでございまして、その内訳ではやはり一番大きいのが洗浄に使われている、続いて冷媒、クーラー、冷蔵庫等に使われている、三番手が発泡剤関係と、こういうことでございます。
○横尾和伸君 ある学者の計算によりますと、生産量は世界じゅうの累積で二千七百万トン、数字を聞いても余りぴんとこないんですけれども、大変な量だと思います。という計算がありますが、その計算の中で、実は現在オゾン層に到達している特定フロンの量というのはせいぜい一割、高く見積もっても二割だというんです。つまり、残りの八割ないし九割は現在使われているものだと、何らかの形で使われている。その中に今お話のあった洗浄用のものも冷媒用のものもあるかと思うんですけれども、いずれにしても八割ないし九割は既に使われている。 全廃というのはこれからつくらないということであって、それは今すぐつくらないんであっても、これまでつくられたものの八割ないし九割というのは、これは回収が、または再利用か、そういったことを具体的にしなければ相当な量が何らかの形でこれから環境に排出され、オゾン層に到達する。先ほどのオゾン層の破壊状況のお答えがありましたけれども、その破壊状況というのは今申し上げましたように、ざっと計算して一割程度の特定フロンが原因だということが推定されているわけです。 これはもう大変な問題だということで、昨年の十一月にモントリオール議定書の第四回締約国会合で初めて特定フロンの回収、再利用、つまり生産についてはもともと言っていたんですが、回収と再利用については第四回目にして初めて取り上げられてその推進が決議されたということですけれども、その主な理由というのは恐らく今申し上げた点にあるのではないかと思うんですけれども、環境庁の御理解はいかがでしょうか。
○政府委員(松田朗君) 委員御指摘のとおりでございまして、先ほど御説明しましたように、全地球レベルでオゾン層の破壊が予想以上に早く進んでいるという実態を知りまして、昨年の十一月のモントリオール議定書の会合におきましても、ただ将来生産を中止するだけじゃなくて、今使われているものに対しても早急の対応が必要だということで、今御指摘のリサイクル、再利用もしくはそれで使えないものは破壊する、こういうものにも力を入れてやるようにというような勧告がなされたわけでございます。
○横尾和伸君 特定フロンの回収、再利用については、いち早く今の点に気づいて市民団体や地方公共団体が活動を始めております。 例えば、市民団体でいうと群馬県の「フロンガス回収をすすめる会」あるいは青森県の「青森アップル会」、こういった市民団体は、目に見えないオゾン、または回収、再利用してもその結果というのは自分の目で確かめられない、こういった難しい問題に対して果敢にチャレンジしているわけです。回収、再利用しないと大変なことになる、自分の損得には当面全然かかわりないんだけれども何としてもやらなきゃいけないということで必死の思いでやっている姿を、先日、私も青森に参りまして団体の方とお話しして大変厳しい印象を、厳しいというのは厳しい状況であると。その厳しい状況に立ち向かっているすばらしい姿を見せていただいて感じました。 また、そのほかにも地方公共団体としては、群馬県の伊勢崎市や埼玉県の越谷市、あるいはそのほかにもあるかもしれませんけれども、こういった市民団体や地方自治体があるわけですけれども、個別の評価ということではなく、こういった動きに対して環境庁はどう評価しているのか。また、これらを踏まえて今後どのように取り組んでいくのか。私は、庶民の声をしっかり聞くことが政治の基本であり、耳だけではなく対策に生かしていくということが大切だと思います。そういう観点からお聞きするのですけれども、大臣のお考えをお聞きいたします。
○国務大臣(広中和歌子君) フロンにつきまして大変にユニークな視点からいい指摘をしていただいたと思います。 確かに我々は、特定フロンの生産に関しましては規制をしよう、そういうコンセンサスが我が国だけではなくて世界じゅうに広がっているわけでございますけれども、もう既に使われて器具の中に入っている、それをいかに回収していくかという問題、非常に大切だと思います。このような中で、御指摘いただきましたように、市民団体とか地方自治体の積極的な取り組みは、回収、再利用を促進する上で非常に大切だというふうに思いますし、ありがたい取り組みだと思っております。 環境庁といたしましても、これらの活動を踏まえまして関係省庁と連携して回収、再利用等を積極的に推進してまいる所存でございます。折があれば現場を見に行ってみたい、そのように思います。
○横尾和伸君 次に、水道水源の点についてお尋ねします。 実は私、昭和五十六年の秋だったと思いますけれども、千葉県に住んでおりまして、利根川下流の水を水源として、千葉市に柏井浄水場というところがありまして、そこで処理された水を飲む、そういう地域に住んでおりました。そこで、手賀沼の水があふれ出て、富栄養化が大分進んでおりますけれども、その水を一カ月ほど飲まされた経験があります。 そのときはもう大変臭くて、まずふろに入ろうとすると物すごいにおいで、においというのはすぐなれてしまいますけれども、すごいにおいがする。また、ふろから上がって水割りを飲もうとしても水割りもばっと吐き出してしまうぐらい強烈なにおいでした。翌日朝起きて、みそ汁を飲んでもみそ汁が臭くて飲めない。みそ汁というのはいっぱいいろんなものが入っているから大丈夫だと思うんですけれども、それでも飲めません。昼間コーヒーを飲もうと思って、昼間コーヒーが飲めるというのは日曜だけですけれども、コーヒーを飲もうと思ってもコーヒーも臭くて飲めない。 こういう状態が一カ月続いたときに、いわゆる水道の水質基準に合格している、していないの問題ではなくて、これを飲み続けたらどういうことになるんだろうということについて大変底知れない不安を感じたことを覚えております。 それは臭みだけではないんです。人間が臭みを感じるというのは、やはり危険を察知するある意味での大変すぐれた能力という面もあると思うんですけれども、本能的なものか、非常に恐ろしいという、その恐ろしさも底知れぬものを感じました。そういう異臭味の問題で悩んでいらっしゃる方が全人口の約二割ほどいるというのが今の現状だそうでございます、二千万人。それから、そのほかにも私たちの生活の中に、数え方にもよりますけれども、少なく数えても一万種類の化学物質、その微量化学物質がまた最終的には大気なり小なりにまじり込んでくると。こういうことで水道水源問題が今大変に注目されているわけでございます。 大臣の所信には「生活者の視点に立って質の高い実のある国づくり」と、大変ずんとこたえる、非常にわかりやすい目標を持っておられるわけですけれども、特にこういう観点からしたら、水道水源の問題は生活者の視点に立った問題としてどうしても取り上げなければならない問題だと思います。 そこで、大臣にお尋ねしたいんですけれども、今そのために中公審に答申をされている。また職員の方は、お休みもないくらい精力的に取り組まれているということもお聞きしております。その中公審の答申と、答申が得られた後の具体的なスケジュールについて、今おわかりの範囲で結構ですけれども、そのスケジュール一またさらに実効ある抜本対策を講ずる御決意を大臣からお聞きして終わりたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) 水道利用に配慮した公共用水域の水質保全、おっしゃるとおり緊急に対策を講ずるべき事項だと思っております。現在、中央公害対策審議会の審議を急いでいただいているところでございますが、できれば十一月末か十二月頭に答申をいただきたいと期待しております。 環境庁といたしましては、その答申を踏まえまして、関係省庁の御協力も得て法的措置を含む総合的な対策をできる限り早急に取りまとめまして、トリハロメタンやカビ臭の対策など、現在国民が求めている課題の解決のために尽力したい、そのように思っております。
○横尾和伸君 終わります。
○粟森喬君 まず、環境庁長官に一つお尋ねを申し上げたいと思います。 長官は私どもと同じ環境特別委員会のメンバーとしてこれまでも参画しておりましたし、その間も、特に市民団体の皆さんやNGOであるとか、さっきたまたまグリーンピースの話が出ていましたが、いろんな方々とお会いをしたり集会に参加をしていたということを私は記憶をしております。私は、そういう姿勢を評価しているつもりでございます。 したがって、長官になれば当然多忙でございますから、同じような視点で物をやろうとしても、なかなか集会に出たりお会いするということができないのかもしれませんが、私はぜひともお願いをしたいのは、大臣がこれからも市民団体やNGOの皆さんとも積極的に意見を交換して、委員会を通じてのいろんな我々の提案もお聞きいただくとともに、長官としてはそういう立場というのをこれからも貫いていただきたい、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(広中和歌子君) どうもありがとうございます。 私自身も、突然野党の身から与党になり、しかも環境庁長官になったわけでございまして、戸惑っているわけでございますけれども、立場が変わりましても私という人間は変わるわけではございません。そして、こういう立場を与えられました以上、もちろんこれまでの政府が積み上げてまいりました基本の政策、そういうものは非常に大切にしつつ、さらにそれを熱心に積み上げていきたいと思っているところでございます。 そういう中にありまして、私長官になりましてからもうかれこれ三カ月近くになるわけでございますけれども、かなり早い時期にNGOの方々に環境庁においでいただきまして集会を持ったわけでございます。そのとき、私は、特に省内の方々にお声をかけたわけではないんですけれども、事務次官以下、ここにいらっしゃる方々も含め大勢参加してくださいまして、そして、NGOの方々と省内の方々との話し合いの時間というんでしょうか、二時間ぐらい懇談の時間が持てたわけでございます。本当に私としてはありがたく感謝しているところなんですけれども、そういうことで長い間の自民党の政策を受け継ぎつつ、しかし新しい要素といたしましては、そうした庶民というんでしょうか、国民の声を反映するようなNGOの方々ともコミュニケーションを図っていきたいと思っております。
○粟森喬君 前向きに受けとめていただいて、大変お忙しいと思いますが、ぜひともそういうことを生かしていただくことが大事なことだと思いますので、お願い申し上げたいと思います。 ちなみに、環境基本法案の問題でも、私どももいろんな市民団体の方から意見をいただいて、何となく政府というか長官の顔なんか見えないと、あの法案だけを幾ら読んでおっても環境庁の姿勢というのがどうも実感として受けとめられないということがよくございます。したがって、今言われたことをやりながら、これから環境基本法案を衆議院の状況を見ながらぜひともお互いに協力していいものに仕上げていきたい、こういうように思います。 そこで、次の質問をさせていただきたいんですが、平成六年度概算要求についてお尋ねを申し上げたいと思います。 といいますのは、多少私が思っていることを申し上げますと、概算要求というのは事務レベルが大蔵省に取りまとめをして出すといいますか、そういう手法としては私どもも承知をしております。この概算要求の概要なり重点事項を見たときにちょっと気がついたことでございますが、環境基本法案が前国会でああいう格好で流れてしまった。それで、今回のこの重点事項なり概算要求をつくるに当たって、基本法案とのかかわりをどの程度環境庁として配意したのか。端的に言うと、じゃこの法案があってもなくてもこの予算原案のつくり方は違わなかったのかどうか。行政としてのあるべき姿として、その辺についで何となくけじめとしての姿をお示しいただきたい、こういうふうに思っています。
○政府委員(大西孝夫君) お答え申し上げます。 平成六年度の概算要求でございますが、私どもこれをまとめる際に、環境基本法案がこの臨時国会で成立するということを前提に、それを踏まえた取りまとめをいたした次第でございます。 内容的には、環境基本計画策定の経費でありますとか、環境影響評価制度の特別調査のための経費でありますとか、それから情報の提供を進めるために環境庁における情報の処理、提供システムを今洗い直して一から少し再構築しようというための経費でありますとか、それから環境と経済、環境と貿易といった大きな問題に対しての調査研究費など、基本法を踏まえた新たな政策展開のための経費という位置づけのものを計上いたしております。 また、地球環境保全という観点から、地球環境基金の拡充でありますとか、アジア・太平洋地域環境の長期展望策定調査費、あるいは温室効果ガス関係の調査、あるいはライフスタイルに係りますCO2削減手法の検討経費でありますとか、地球環境保全推進という観点でまとめ得る経費がございます。それから、基本法の中に生物多様性の保全という概念が新たに盛り込まれたわけでございますし、また、自然と人間の触れ合いの増進、推進という用語も入ったわけでありますが、そういう点を踏まえまして生物多様性調査あるいは生物多様性のデータセンターの設置の調査費、それから自然公園の施設整備といった経費が計上されております。 基本法なかりせばというお話がございましたが、なくてもこのうちのかなりの部分はもちろん予算措置という形で要求をせざるを得ないものが多いと思いますが、基本法がありますればその要求そのものが非常にアクセントを伴って、要求の何といいましょうか、筋がよくなるということもございまして、基本法を予算面から再構築すると初年度はこういう姿になるという意味では、それなりにまとまった予算ではないかと思っております。
○粟森喬君 ほかの省庁の予算でも予算案が可決してから関連法案を通すことがありますから、私はそのことについて全面的に否定するつもりはありません。しかし私は、文書として出されるものの扱いのときに、その種のことがきちんとわかるようなけじめのつけ方をこれからしてもらいたい。そうしませんと、何となく行政の側の予算が先に来ちゃって、法律というか立法過程との関係が明確でないというのは私は余りいいことではないんではないか、こういう思いをします。だから、原案をつくることについては私は否定をしませんが、説明資料にはそういうことについてこれから検討していただいて、できるだけそういう配慮をしていただくことが大事ではないかと思いまして申し上げました。 次に、そのことと関連をして、ちょっと同僚の委員の方の意見ともダブるかと思いますが、長官にもう一度お尋ねをしたいんですが、前総理が環境影響評価制度については法制化も含めて所要の見直しを検討する、こういうふうに述べられました。これは立法するかどうかも含めてこれから検討だという域を出ていません。しかし、昨今の内外の声の高まりというのは、いわゆる今の閣議決定といいますか政省令から立法化の方向をとるべきだという意見の方がかなり多いのではないか、こういうふうに私は思います。 したがって、大臣としては当然このことの指揮に当たるわけでございますから、基本的に私どもが言う流れというものを認識されて、きょうは立法化以外の道は考えていないというふうに答えていただくというつもりじゃないんですが、そういう流れについて御認識いただいているかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) 申し上げるまでもないかもしれませんけれども、環境影響評価については、政府としてはこれまでも閣議決定要綱とか個別法等に基づきその的確な推進に努めてきたところであり、今後とも現行制度の適正な運用に一層努めるとともに、内外の制度の実施状況等に関して関係省庁一体となって調査研究を行い、その結果を踏まえ、社会経済情勢の変化を勘案しつつ、法制化を含め所要の見直しについて検討する、そういうことを今の時点で申し上げます。このことは、去る八月二十七日の参議院本会議において細川総理から答弁申し上げたところでございまして、その内容は前通常国会での環境基本法案の審議の際の総理答弁と同じでございます。法制化を含めて検討させていただきます。
○粟森喬君 最後の質問にしたいと思います。 一つは、環境影響評価制度とも関係するわけでございますが、まず経済的な問題で申し上げますと、環境税やデポジット制の問題でございます。といいますのは、例えば水俣の問題なんかも、解決が非常に難しい問題として経済的な問題などもございます。それから、今日的に環境税のことについて余り議論が深まっていないようでございますが、今の全体の政府税調の流れの中でも、税制の新しい流れみたいなものを考えるというときに、この環境税の問題というのは非常に環境庁にとって大事な問題であるわけです。このことについてどういうふうに調査、検討を進めていくのか。あるいはデポジット制の問題も、通産サイドや厚生サイドからも意見が出ていますが、環境庁としてどういうコミットをしていくのか、このことについて見解をお尋ねして私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(森仁美君) お尋ねのいわゆる経済的手法の導入に関する問題でございます。 この経済的手法の導入という点については、その趣旨についてはもうただいま粟森委員よく御承知の上でのお尋ねと思いますが、あえて申し上げますと、この経済活動全体のメカニズムを利用しながら環境の改善を図っていくというところに主眼があるわけでございます。その結果として税収あるいは課徴金収入あるいはデポジット制度による収入というものが出てまいるわけで、今議論はその目的とするところが、我々が意識しておりますのは、環境改善のためにこういう手法を用いるということにまず問題があるわけでございます。その後に、その税収あるいは収入をどういうふうに振り向けていくかという議論が出てくるのではないか、まず理屈の上ではそういうふうになってまいります。現実進行は、またそれが相互に絡み合っていくということになるのではなかろうかと私は考えております。 そういう面で、大変理論の上あるいは実態を予測する上で難しい問題を含んでいることは確かでございますので、現在、環境庁内に幾つかの勉強会を設けて検討を進めているところでございます。税という切り口からは環境税研究会、それからもう一つはリサイクルという観点で、デポジットを中心とした観点からリサイクルのための経済的手法検討会、そうして地球温暖化という切り口から全体を見たときにどうなるかということで地球温暖化経済システム検討会、こういう勉強会を今回時に走らせております。そしてさらに、経済的手段の環境保全上の効果についての調査ということで今調査を一つ手がけている、こういう勉強、調査、これらを組み合わせて今一生懸命あれこれ考えているということでございます。外部にお話をできる状況になればもちろんお話を申し上げ、いろんな御議論を賜りたい。この方向に決めたというものは今持っておりません。
○粟森喬君 終わります。
○勝木健司君 細川総理は豊かさを実感できる社会の実現を目指しておられるわけでありますけれども、この豊かさを実感できる社会とはどういった社会だと広中環境庁長官は考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。そして、その豊かさを実感できる社会の実現を目指してどのように長官として取り組んでいくおつもりなのか、お考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) 生活者の視点に立って豊かさを実感できる社会をつくり上げていくということを申し上げているわけですけれども、その中身、私としては、豊かな自然環境と安全で快適な生活環境を実現していくことが必要だ、そういうふうに思っております。この意味におきまして、環境政策の推進は極めて重要な政策課題である、そのように思います。このために、まず環境の保全の基本的理念と、これに基づく基本的施策の総合的枠組みを定めるところの環境基本法の今国会における一日も早い成立をお願いしたいところでございまして、そしてそれに基づきまして、環境基本法の枠組みのもとに環境基本計画の策定を初めとした環境政策の新たな展開に向けた取り組みを推進していきたい、そのように思っております。
○勝木健司君 年末に向けて予算編成が行われるわけでありますけれども、環境庁としてどのような考え方で臨まれるのかということで、とりわけ今長官の考え方が出されましたけれども、そして先日も長官の所信の内容を承ったわけでありますけれども、この要求に向けて、予算の編成に向けてどのように具体化をされて盛り込まれておるのかという点、そしてまた、その中での新しい施策というのは概してどういう問題が盛り込まれておるのかをお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(大西孝夫君) 平成六年度予算編成に向けての私どものスタンスでございますが、先ほど粟森委員にお答えした部分とかなり重複する仁とになるとは思いますが、所信表明で申し上げましたように、環境基本法をこの国会で早期に成立させていただき、そこに盛り込まれた理念、施策の方向性を踏まえて新しい施策を展開していこう、そういうための予算をお願いしているわけでございます。 幾つか例示として挙げますと、まずは法律に基づきます環境基本計画の策定の経費が当然に挙がってまいりますし、今議論になっております環境影響評価制度についての特別調査研究の経費、それから環境情報の提供のために私どもの環境情報処理提供システムを見直そうという経費、それから環境と経済、あるいは環境と貿易といった課題に対します調査の経費など、新しい基本法の枠組みに沿って大きな政策の枠組みをつくっていこうというための経費をまずお願いしてございます。 それから、所信表明にもありますように、大きな課題が地球環境保全でございますが、そういう観点に沿いまして、地球環境基金を拡充する経費でありますとか、アジア・太平洋地域環境の長期展望策定のための調査経費、それから温室効果ガス関係の調査、それからライフスタイルにかかわりますCO2の排出削減手法のための総合的な検討経費等々がその地球環境保全という観点で新たにお願いをしておる経費でございます。 それから、生物多様性という考え方あるいは自然との触れ合いの促進という観点、これが基本法の中にはっきり法文として取り込まれたことを踏まえまして生物多様性の調査の経費、それからデータセンター設置のための調査の経費、それから自然公園におきます各種の施設整備等々でございます。 それから、所信表明におきましては、特に来年度以降新たに展開していくという意味以外にも従来からの施策をさらに拡充して対応していきたいという幾つかの項目を掲げてございますが、例えば、ディーゼルの排気微粒子低減対策、あるいは今問題になっております異臭味問題等に対応します水質関係の検討経費、あるいは土壌汚染関係の調査経費といった大気、水、土壌環境の保全のための、これは従来の施策をさらに伸ばしていくという意味の経費でございます。 それから、言うまでもなく水俣病の総合対策経費、これも引き続き拡充していく必要があるわけでありまして、そういった点が所信表明に示されたものに対応する予算の要求内容でございます。
○勝木健司君 最近、規制緩和の推進が言われておるわけでありますけれども、私も、経済を活性化させてまた新たなサービスを生み出すという可能性のあるこの規制緩和の実施には大いに賛成をするわけでありますし、またその効果にも期待をしておるわけであります。 しかし、この公的規制の中には環境保全の点からその存続が必要なものも数多くあるというふうに思います。九月に発表されました緊急経済対策の中では、規制緩和策に環境庁所管の項目が何点か盛り込まれておるわけであります。この規制緩和は今後も継続して検討されるべきものでありますが、こういった中で、いかに環境保全と規制緩和というもののバランスをとっていくかということがこの環境問題における規制緩和の策定に当たっての重要なポイントであろうというふうに思うわけでありますが、この点について長官の御認識をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(広中和歌子君) 規制緩和、これは大切でございますけれども、やはり分けて考えなきゃいけないと思います。経済的な規制に関しましては規制緩和をしていただくということが大切であろうと思いますけれども、社会的な規制、つまり国民の健康の保護とか生活環境の保全、かけがえのない自然環境の保護等の観点からは必要な規制というのは残さなければならない、あるいは場合によってはむしろふやさなければならない、そのように思っているところでございます。 ただ、手続上のことに関しましては、これはまた別でございまして、国民にとりましてもっと、事務手続の簡素化とか迅速化の観点からこうしたものに関しましては緩和をしていく、そういう個別の取り組みをしていかなければならないと思っております。
○勝木健司君 環境庁の管轄する公的規制が百六十五項目あるやに伺っておるわけでありますが、しかし、この環境保全に関する公的規制はそれにとどまらないんじゃないか、他省庁にまたがっておるんじゃないかということで、他省庁が管轄しておるものも数多くあろうかというふうに思います。 そこで、環境庁は企画調整官庁として環境保全に関するさまざまな公的規制に対してどのようにかかわっておられるのかということの現状をお伺いしたい。そしてまた、積極的に環境庁が企画調整機能を発揮されて、他省庁との連携も深めて、規制の一つ一つの項目を点検評価する仕組みをつくることがやはり今後の課題として必要じゃないかというふうに思いますが、これについての長官の御所見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(大西孝夫君) 大変大きな問題かと思いますが、今、長官の答弁にもありましたように、社会的規制という観点でこの公害関係の規制あるいは自然保護関係の規制というものは非常にゆるがせにできない要素を持っておりまして、今後ともその必要なものについては場合によっては強化することも考えた対応が必要だということでございますが、各省にまたがって同じように各般の規制がされていることも事実だと思います。 これはもちろん環境庁としましていろいろな、今回の基本方針を踏まえ、さらに今後関連する法律の見直し等をしてまいります際に、各法律に盛られましたいろいろな規制の内容を今日的な規制の緩和あるいは国民の負担軽減のための手続の簡素化といった観点を踏まえまして、やはり見直しをするという姿勢は今後とも不断に持ち続ける必要があろうと思っております。 そういう過程で、各省庁にまたがるものにつきましても、いわゆる環境政策という形で共通の土俵を持っている分野のものにつきましては、私どももその調整機能というものを十分に発揮させていただきまして、お互いに意見交換をしながら必要な見直しをするという形をとっていく必要があろうと思っておりまして、そういう意味では御指摘の趣旨は十分尊重していかなきゃならぬと思っております。
○勝木健司君 環境監査についてお尋ねをいたしたいと思います。 この地球環境問題に対する関心の高まりを背景といたしまして、国際的にも国内的にもやはり企業の環境行動に対する関心が高まっておるわけであります。国内では、平成三年に経団連が発表いたしました地球環境憲章では年一回以上の内部監査をすることが望ましいとされておるわけでありまして、また、同じく三年の経済同友会が発表した地球環境問題への取り組みでも環境マネジメントについての考え方が盛り込まれておるわけであります。また、この環境管理あるいは環境監査等の言葉とともに、特に欧米を中心に企業の環境行動に関する制度等が最近議論をされておるわけであります。 そこで、この環境管理あるいは環境監査につきまして日本においても制度として導入するために、海外の状況を見ながら今検討しておるというふうに伺っておるわけでありますが、この検討状況は現在どうなっておるのか、また、この環境監査について、長官は一体どのような評価をされておるのかということをお伺いしたいというふうに思います。
○政府委員(森仁美君) ただいまお話しの環境監査ということでございますが、これは企業などの事業組織が行う環境管理の活動について、それを点検したり検証したりすることを環境監査と、こういうふうに言っているわけでございます。 このような仕組みについては、御承知のISO、国際標準化機構で検討が始められておりまして、きょうもまだ現地の方で会合が行われており、私どもの職員もそちらの方に参っております。そういうことで国際的に今動いているわけでございますが、一方、私どもの方もことしの二月に産業界などの有識者の参加を得まして「環境にやさしい企業行動指針」というものを作成いたしましたが、その中で環境管理システム点検のための定期的な内部監査の実施というのを提案いたしております。 今、状況はそういう状況にございますが、さらにこれからの状況を考えてまいりますと、国際的な動向もさらに明確になってまいろうと思いますので、関係省庁はもとより、民間の方々とも協力をしながら我が国における適切な環境監査のあり方について今やっております検討をさらに深めていくということで、もうしばらくその検討作業を進めていきたいと思っております。
○勝木健司君 最後に水俣問題についてお伺いをしたいと思います。 世界の公害克服の象徴とまでなっておりますこの水俣問題、発生から三十八年たった現在までほとんど解決されずに来ましたことは、被害者の方々あるいはその家族の方々のことを思いますと、私も同県人の一人として心痛きわまりない思いであるわけであります。熊本地裁におきましても国及び県の行政責任を認める判決がなされたという事実もございますし、また、細川総理も水俣問題の解決に前向きの姿勢を示しておるようでありますので、被害者、御家族の方々の解決に向けた期待が高まっているところであるわけであります。 そこで、この水俣問題に対しまして広中環境庁長官はどう対処されるおつもりなのか、お考えをお伺いいたしたいと思います。
○説明員(野村瞭君) 水俣病問題につきましては、午前中も長官からお答え申し上げたわけでございますが、この問題は今日におきましても環境行政の重要課題の一つであると認識をしておりまして、早期にこの問題が解決されることが望ましいと考えておるところでございます。 環境庁といたしましては、これまで公害健康被害の補償等に関する法律によりまして二千九百四十六名の患者の方々を認定いたしまして、医学を基礎として公正な救済を推進してきたところでございます。 また、平成四年度からは、水俣病とは認定されないものの健康に不安を持っておられる方々に対しまして、療養費の自己負担分及び療養手当を支給するなどの水俣病総合対策事業を実施しておるところでございます。 今後ともこれらの行政施策を推進することによりまして、この問題の早期解決に努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○国務大臣(広中和歌子君) 今保健部長が言われたとおりでございますけれども、水俣病に関する解決といった場合、今まで私どもがいろいろこうした取り組みをしてきたわけでございますけれども、一つ大きな問題として水俣病訴訟の問題がございます。これにつきましては私もいろいろ勉強させていただいたわけですけれども、その争点が法に基づく国の行政のあり方の根幹にかかわる問題であるということから、和解というのは非常に困難だなと、そういう認識を持っているところでございます。
○勝木健司君 終わります。
○有働正治君 私は、長官の所信表明とのかかわりで、本刀はブナ林の保全の問題について質問いたします。 ブナ林は、人間の暮らしにとりまして大きな恵みをもたらしてくれる貴重な自然であります。私も、九月十五日、仙台近郊船形連峰のブナ林の現地調査を行いました。その際、「仙台のブナ林と水、自然をまもる会」の庄司幸助さんたちは、そのブナ林の重要性につきましてこう述べておられました。私もそのことを実感いたしました。 ブナ林は、春の芽吹き、新緑、梅雨どき、炎熱の夏、紅葉の秋、雪の冬と、移り変わる四季のそれぞれの美しさを私たちに楽しませてくれますし、腐葉土の層は三百ミリの雨を吸収し、清例な川の流れに変えてくれます。山肌を崩壊から救い、河川のはんらんを防ぎ、国土を守ってくれます。また、ブナ林の存在は、学術調査によれば、植生、哺乳類、鳥類、両生類、昆虫類多数、その他微生物等々、自然界の豊かな生態系のかなめとなっています。ブナ林は世界で一番美しく豊かな森、そして水のふるさととなっていますと強調されておられましたし、私も実感いたしました。 そこで、まず環境庁にお尋ねします。ブナ林につきましての環境庁の認識、またその保全についての基本的考えについて簡潔にお述べいただければと思います。
○政府委員(奥村明雄君) 先生御指摘のブナ林でございますが、東北日本を中心といたしますいわゆる冷温帯の落葉樹林を代表する植生でありまして、先生の御指摘にもありましたが、国土の保全とか水源涵養とか、森林としての大変大きな機能を持っておりますほかに、大型の野生動物を初め、多様な野生生物の生息地等として重要な役割を果たしているというふうに考えております。また、西南日本を代表する照葉樹林と並んだ東日本の原植生ということで、文化的にも重要性が指摘をされているところでございます。 環境庁といたしましては、このようなブナ林を初め、国土に存在する多様な自然がそれぞれ特性に応じて適切に保全されるよう対処しているところでございます。
○有働正治君 ところが、このブナ林の破壊が今日進行して多くの、国民だけではありません、自然環境団体も極めて憂慮している事態であります。特に近年、いろいろなこれまでの諸条件に加えまして、リゾート開発の過程の中でその破壊が進行しようとしています。 仙台市近郊のブナ林の伐採等々の関連で仙台市民の飲料水にも影響しかねない事態で、幾度か大きな深刻な影を落としつつあります。 最近の研究によりますと、この、全国の水源ダムや河川で大きな問題になっています河川の濁りにつきまして、ウォッシュロードと呼ばれる微粒子によるものという指摘がなされています。なかなかこれは沈殿しない。したがって、川の流れの中で非常に大きな影響を長期的に及ぼすという事態のようであります。 京都大学の芦田和男教授によりますと、河床材料中に有意に存在しない微細な粒径範囲の土砂であって、十ミクロン程度以下の微細成分は最近各地で注目されている貯水池の濁水問題に関係し、水環境の立場からその挙動は重要であると、こういう指摘もなされています。 この水質汚濁の原因となるウォッシュロードというのは、山肌がいわば裸になっているという裸地斜面でつくられて、林道工事や乱伐によってそれが加速されている状況であります。自然につくり出された裸地とは別に人為的につくり出された裸地、それが拡大されるという事態であります。 例えば宮城県の調査では、自然の裸地斜面が〇・二%、十七ヘクタールにすぎなかったのに、林道による人為的な裸地斜面が三、四倍もつくり出され、その上、山腹カットによる裸地化したのり面の面積を加えますと、大変な裸地化が営林署の手によって進められていると、こういうふうに指摘されています。さらに、林道以外の作業道やブルドーザー集材による裸地化の促進、ブナ伐採による林冠喪失に伴う地表被覆の喪失と浸食、風化が加わりまして水の濁りを広げているという事態であります。 一例を具体的に申しますと、大倉ダム上流の横川流域の上流部で現在ブナが相当に切り尽くされて、林道は荒れほうだいであります。一方、大倉川流域について見ますと、百十三杯班の上手あるいは百二十九林班、源流部の百三十一林班などで大雨の降る都度表土が流出し続けています。本来禁止されているはずの押し出し工法による山腹カットの土砂の投棄が数年前に百三十一林班等でも見られ、林道によってカットされました山腹ののり面、路肩崩壊が毎年繰り返され、その土砂が沢に投棄されて事態を深刻化している。この記録の写真も撮ってあります。 そういう点で、ブナ林破壊、それからそれらにまつわる水質汚濁の上で林野庁の責任は重大でありますし、環境庁としての対応も求められていると考えるわけであります。 そこで、まず環境庁にお尋ねします。水道水源を汚染するゴルフ場などの農薬だとかその他汚染物質につきましては、不十分ながらも一定の規制があります。しかし、この上水道水源のダム、下流河川汚濁の原因になっていますウォッシュロードを発生させるものに対する規制というものが余り考慮されていないという事態にあると私は考えるわけであります。その点で環境庁として、水環境保全の立場からこのウォッシュロードとのかかわりでこうした問題、新たな対応が求められていると私は考えるわけであります。そういう点で積極的に対応すべきであるし、必要な検討、提言、対策等が求められているというふうに考えるわけでありますが、この点どう対応されようとしているのか、お答えください。
○政府委員(野中和雄君) 濁水の問題につきましては、水質の観点からいいますとSSという指標で規定をしているわけでございますけれども、御指摘のように、最近、上流の水源地におきます立木の伐採あるいは土地の形質の変更等によりまして、降雨時等に土砂が流出して水質の汚濁が発生をするというようなことが各地で聞かれているわけでございます。 この問題につきましては、御承知のとおり、森林法等各種法律の規定等もあるわけでございますけれども、水道に関連をいたしましてこのような問題がございますので、現在私どもといたしましては、中央公害対策審議会で水道利用に配慮をいたしました公共用水域等の水質保全対策のあり方について御議論をいただいている最中でございますので、こういう中で、一般的な問題といたしまして、上流域の開発行為が水道に利用されている公共用水域の水質に与える影響、またその対策等につきましても御議論をいただこうというところでございます。この答申を踏まえまして、関係省庁とも連携をしつつ必要な対策を講じてまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○有働正治君 具体的な積極的対応を求めます。 環境庁として自然公園法等々によりまして一定のブナ林保護を行っておられることは承知しています。ですが、例えば、特別保護区や第一種特別地域では禁伐とされていますけれども、現実にはその外側でブナ林破壊が相当に進行しているという事態があるわけであります。そういう点で、環境庁としましても、保護地域をもつと広げていただくよう対応する等々の対策が求められていると私は考えるわけであります。そういう点でどう対応されるのか、答弁願います。
○政府委員(奥村明雄君) 先生御指摘のように、環境庁といたしましては、自然公園や自然環境保全地域ということで指定をして、その保護に努めてきたところでございます。ただ、先生御指摘のように、いろいろなケースで指定地域外で工事があるというようなケースがあるわけでございまして、こうした指定地域の見直しということが重要な課題となってきております。 国立公園あるいは国定公園、それから県立自然公園などにつきましても、公園を取り巻く自然的社会的状況の変化に応じて地域の見直しあるいは保護のレベルの見直しということを行うことが必要でありまして、これまでもそういう対応をしてきておりますけれども、今後とも地域の理解を得ながらそうした対応をし、保護の充実に努めてまいりたいと考えております。
○有働正治君 林野庁にお尋ねします。 リゾート開発の過程でブナ林破壊が進行しているわけでありますが、私は具体的にお伺いいたします。 県立自然公園の船形連峰内のブナ原生林というのは三市十六町村の上水道や農業用水の水源涵養保安林でありますが、その主要部分は相次ぐ乱伐によって昔の面影をとどめ得ない状況に今陥っています。にもかかわらず、中新田営林署は、ことし策定いたしました国有林の森林機能区分によりまして、わずかに残るブナ原生林を含みます地域をも森林空間利用林として指定し、営林署管制の国有林の実に二六%の面積を開発可能地域としています。 ここは積水化学がリゾート構想を進めている地域であります。既に土地買収も進めているようであります。前船形山のスキー場開発も計画をしているようであります。これらの中には国有林が含まれています。この前船形一帯は、営林署が切り残したブナ原生林がいまだに存在して、地元の保護団体を初め、極めて影響の重大性を憂慮しているところであるわけです。また、中新田営林署の森林空間利用林の比率が二六%というのは、宮城県内のほかの営林署と比べても異常に高いものと言えまして、その点で関係者の間からは、青森営林局の積水化学についての対応が非常に甘いと、積水化学との癒着のうわささえ指摘されている事態があるわけであります。 林野庁として保全の方向で積極的に対応していただきたいというのが強い要望でありますが、この点いかがですか。簡潔に。
○説明員(長岡壽男君) 御説明申し上げます。 林野庁におきましては、すぐれた景観の場やスポーツ、レクリエーションの活動の場の提供、さらには都市周辺の風致の維持に係る機能を重点的に発揮させる、そういう国有林野につきまして、森林空間利用林として区分いたしました。積極的に国民の利用に供しているところでございます。 この森林空間利用林という区分づけは、必ずしも施設整備を前提とするものではございません。ただ、私どもが聞いておりますところによりますと、中新田営林署の管内の小野田町の森林空間利用林の一部につきましては、平成二年三月に承認されました宮域県の栗駒・船形フレッシュリゾート構想におきまして、地元の小野田町を事業主体として木材工芸館、散策道等の森林浴施設、案内所、駐車場の整備が位置づけられる、そういうふうに聞いているわけでございます。こういった施設整備につきましては、まだ構想段階であるようでございまして、私どもとしましては、国有林野の活用につきましては、これが具体化した段階で適切に対処してまいりたいというふうに考えているところでございます。 また、お尋ねのありましたスキー場、ゴルフ場のたぐいにつきまして私どもが聞き及んでいるところによりますと、国有林とはちょっと離れた場所ではないかというように聞いているわけでございまして、この辺につきましてはちょっと今の段階ではっきりしたお答えはできないということを御了承いただきたいと思います。
○有働正治君 毅然とした対応を私は求めます。 といいますのは、青森営林局というのは、現在宮域、岩手にまたがります粟駒・栃ケ森の森林生態系保護地域の設定のために設定委員会をつくっています。これ自体は結構なことでありますが、その設定委員の人選についてお聞きします。 設定委員の中に守屋光雄なる人物がいると思いますが、どういう人物だと認識しておられますか。また、委員として今日もいただいた資料によりますと存在しているはずでありますが、これは今日の時点でも妥当と考えておられるのかどうか。
○説明員(根橋達三君) 森林生態系保護地域につきましては、営林局長が森林生態系保護地域を設定しようとする場合には、森林生態系保護地域委員会を設置しましてその意見を求めるものということにしているところでございます。 設定委員会につきましては、林学、生態学、遺伝学等について学術的見識を有する者のほか、有識者や地方公共団体の長により構成するものとされておりまして、その選定に当たりましては、幅広い意見が反映されるよう努めているところでございます。
○有働正治君 質問に答えてください。
○説明員(根橋達三君) 先生お尋ねの粟駒山・栃ケ森周辺生態系保護地域に係ります委員についてでありますが、個人的な事情ということから逮捕者が出たということでございます。十月十八日付をもちまして青森営林局長に辞任届が提出されたところでありまして、現在受理するということで手続中でございます。
○有働正治君 この人物というのは、あの宮城県知事や仙台市長のゼネコン汚職の中枢の人物であります。フィクサーとして逮捕された人物であります。例えば、私今手元に朝日新聞の十月十九日付を持っていますけれども、各紙もまた検察側を通じての報道等でも共通していますけれども、この守屋、木材会社の社長でありますけれども、社長が扱った石井前仙台市長と本間俊太郎前宮城県知事へのやみ献金の総額は合わせて約二億五千万円、その仲介をやった人物がこの人物であります。「宮城の政商とよばれるフィクサー役の実態」、フィクサー役だと明確に指摘されている人物であります。 それだけじゃないんです。県内営林署からブナの立木払い下げをほしいままにして巨額の財をなし、ブナ保護団体、市民団体等々から山荒らしの張本人とかねてから指摘されてきたいわくつきの人物であります。この人物を設定委員会の、しかも小委員会のメンバーとして林野庁営林局は人選してきたわけであります。 小委員会というのはいわば専門委員会的な存在でありまして、営林局長がこの設定委員会の意見を聞いて生態系保護地域の設定を図るそのいわば線引きの、検討する上での中心に当たるところになるわけですけれども、そこにこういう人物を選定したということであります。 この点について、林野庁として今日の時点でどう考えておられるのか、問題であったと考えるのかどうか。やはりこういう点で、かねてからいわくつきの人物を選定したところに林野庁のこういうゼネコン政治の中枢にいる人物に対する対応の姿勢がこれは示されている一例だと私は言わざるを得ないわけでありますが、その点、今受理するとおっしゃられたけれども、明快な反省なり今後の対応を求めます。
○説明員(根橋達三君) 先生御指摘のように、委員の中で逮捕者が出たということにつきましては、まことに遺憾なことであると思っております。いずれにいたしましても、辞任届けは提出されておりますので、速やかに受理することで手続を進めたいというふうに考えております。
○有働正治君 各地の設定委員会におきましても、こういうことが起きないように毅然として見直していただきたい。 同時に、私はこういう設定委員会の中にしかるべき自然保護団体等が入っていることも承知していますけれども、そういう人を積極的に登用する、特に小委員の中に登用して生態系の保護地域設定に当たるということで、一層前向きに対応していただきたいと思うわけでありますが、いかがでありますか。
○説明員(根橋達三君) 先ほども申し上げましたように、委員の選定に当たりましては広く意見が反映されるように努めているところでありまして、自然保護団体の代表者等につきましても営林局長、営林支局長が適切に選定しているところであります。また、必要に応じて専門的検討を行うために設置される小委員会におきましても営林局長が適切に委員の選定を行っているというように聞いております。
○有働正治君 この地域のブナ林保全とのかかわりで、狸々池へ私も行ってまいりました。そこを含みます百二十七林班から下流の大倉川右岸地域というのは、戸立沢まで第二種地区で択伐地域であります。そういうところを禁伐というふうに区域を広げるなり積極的に対応していただきたい。 また、全国的にも自然維持林地域を広げてブナ林保護を進めていただきたい。また、林道、作業道、ブルドーザー集材などによるブナ林破壊とウォッシュロード、水質汚濁からブナ林を守り、水を守るために、林野庁としても積極的により厳格な対応を求めたいと思うわけでありますが、いかがでありますか。
○説明員(根橋達三君) 国有林野の適切な管理、経営を推進するという観点に立ちまして、森林の持つ機能が高度に発揮されるように、林野庁といたしましては四つのタイプ区分を設けているところでございます。 すなわち、国土保全林、自然維持林、森林空間利用材、木材生産林というように機能類型化しまして、その区分に応じまして適切な森林施業を実施しているというところでございます。当該地域につきましても、法令に基づく制限の状況、先生御案内のように水源涵養保安林、さらには県立自然公園の指定等もかかっておりますが、そういった状況、自然的、社会的、経済的条件を踏まえまして、地元自治体の意見を聞いた上で、どの機能に重点を発揮させるべきかということからタイプの区分をしているというところでございます。 現在、大倉ダム上流域の国有林野の機能類型を面積で申し上げますと、自然維持林につきましては二千ヘクタール……
○有働正治君 対応だけで結構です。申しわけありません、時間がありませんので。
○説明員(根橋達三君) いずれにいたしましても、このようなことで決定しているところでございまして、今後とも適切な森林施業を通じましてブナ林の保全、維持培養に努めてまいりたいというように考えております。
○有働正治君 長官に最後に一問だけお願いします。 長官は所信の中で、白神山地等々の保全に万全を期してまいりますと述べられました。今申しましたように、私は白神山地のみならず、私が挙げました具体的な地域を含めまして、全国的にブナ林保全のために、長官としての決意と対応を求めるわけであります。
○国務大臣(広中和歌子君) 我が国の豊かな自然を代表する要素の一つであるブナ林を適切に保全していくこと、環境庁といたしましてはその行政を進めていく立場からも非常に大切なことだと考えております。 環境庁といたしましても、世界自然遺産としての登録を推薦している白神山地に代表されるような重要なブナ林について、関係機関とも連携を図りながら、生態系の保全やすぐれた風景の保護の観点からその保護に取り組んでいきたい、そのように思っております。先生の御指摘も念頭に置きながら、今後ともブナ林を含む我が国の自然環境の適切な保全を図ってまいりたいと思います。
○有働正治君 終わります。
○河本英典君 最後になりましたけれども、もう一人おりますのでよろしくお願いいたします。 私は、環境庁長官の所信に対しまして少しばかり質問させていただきたいと思います。 我が国の環境行政は、産業公害対策からスタートいたしましたが、近年、環境問題は家庭ごみから地球的規模の環境政策に至るまで非常に幅が広がりました。それだけに環境庁の果たす役割も大変重要になってきたと思います。しかし、この環境の問題は行政サイドの施策だけで十分対処できるものではなく、国民一人一人がみずからの生活を足元から見直し、環境に対していかに負荷を少なくするかということを考えなければ根本的な解決はできないと思います。広中長官は女性でもありますし、こういった観点からもきめの細かい配慮がいただけるものと思います。重複すると思いますけれども、長官に環境行政に取り組む決意をお願いいたします。
○国務大臣(広中和歌子君) 細川内閣といたしましては、豊かさが実感できる国づくりを目指すとともに、世界的な課題に積極的な役割を果たすこととしておりまして、私としてはこれらの課題に環境の観点から積極的に取り組んでまいりたいと思っております。 そのためにはまず、大変くどいようでございますけれども、環境基本法を今国会で一日も早く成立させていただきたいとお願いしたいところでございます。
○河本英典君 今おっしゃったとおり環境基本法、この間も本会議までいってあんなことになりましたので、私もぜひとも急いで通っていただきたいなと思っておりますので、応援させていただきたいと思います。 それから次に、本年新たに設けられました地球環境基金、これもさっき須藤先生が少し触れられましたんですけれども、伺いたいと思います。 私は、常日ごろより、環境を保全するためには政府と民間が一体となって取り組む必要を痛感しているわけであります。現在の日本の状況を見たとき、民間の環境保護団体の中に環境保全の熱意はみなぎっているわけですけれども、活動するための資金がない、そういった例を多く見受けるわけであります。私は、こうした状況を解決するために、ぜひ地球環境基金が順調に機能することを希望しておるわけであります。非常に関心を持って注目しているところでありますが、伺うところによれば、先ほども伺いましたけれども、民間からの資金拠出がなかなか思うようにはかどっていないようにも聞きます。 環境庁としては、この地球環境基金を今後どのように充実させていくお考えなのか、長官の御決意を伺いたいと思います。
○政府委員(森仁美君) 先ほども申し上げましたが、民間からの拠出はようやく一千万円ということでございます。いろんな事情が重なっておりまして、いわゆる大口の寄附というのがなかなか集まりにくい状況下にございます。これは私どもこういう基金があり、こういう役割を持っている、そして大変大事な基金だということをいろんな機会を持って広報宣伝をしているわけでございます。大変ずうずうしいようで恐縮でございますが、諸先生方にもいろんな機会がおありと思いますので、言いろんなときにお話しをいただければ私ども大変ありがたいと、こう思っております。 そういうことで、国としては出資金をふやす、そしてまた活動費について補助をするということを引き続きやってまいりますが、やはり民間の皆さんの基金拠出を入れて、そしてみんなで育てるということをやってまいることがやはり本筋であろうと思っておりますので、ぜひひとつ応援をお願いしたいと存じます。
○河本英典君 先ほども、午前中でしたか広報活動の話が出ておりましたので、今おっしゃったとおり、基金につきましてぜひとも民間にもっとPRしていただきたいとお願いいたします。 最後にもう一つお願いいたします。 私滋賀県でございますので、琵琶湖のことばかり言って申しわけないんですけれども、琵琶湖の水質保全の問題について伺いたいと思います。 滋賀県にとりまして、琵琶湖は人々の生活と切っても切れない存在であるわけであります。また同時に、滋賀県だけということじゃなしに、近畿の水がめということでございますし、下流府県にも、そしてまた日本の琵琶湖でございまして、大変重要な存在であるわけでございますけれども、近年この琵琶湖の水質汚濁が問題となっておりまして、滋賀県など地方自治体においても独自の取り組みを進めておりまして、また国においても各種対策を進めていただいておるところでございます。 しかしながら、いまだに水質の改善がはかばかしくない上に、水道水、特に下流県からでございますけれども、臭いといろいろ言われておるわけでございます。琵琶湖の水質保全はいわば地元の悲願とも言えるものになっておるわけでございます。環境庁としては琵琶湖の水質改善に向けてどのように取り組んでいくのか、この機会に伺いたいと思います。
○政府委員(野中和雄君) 琵琶湖は先生お話しのとおり大変重要な湖でございますが、この水質の状況について見ますと、代表的な指標でございますCODの七五%値が、北湖では六十年度で二・四ミリグラム・パー・リットルでございましたものが平成四年度で二・七、南湖では同じ年度でございますが、三・七でございましたものが三・八というような状況でございまして、近年の琵琶湖の水質状況は、南湖はほぼ横ばいの状況でございますけれども、北湖はやや悪化の傾向でございます。 琵琶湖の水質保全対策につきましては、お話しのとおり、地元でも大変いろんな施策を講じていただいているわけでございますが、国の施策といたしましては、湖沼水質保全特別措置法に基づきます指定湖沼に指定がなされておるわけでございまして、この法律の規定に基づきまして滋賀県と京都府両府県が策定主体となって湖沼水質保全計画が六十二年に策定をされておるわけでございます。そして、平成四年の三月には第二期の湖沼水質保全計画を策定をしているわけでございまして、この中では従来からございましたCODに加えまして、富栄養化の原因になっております窒素、燐につきましての水質目標値も掲げまして、いろんな対策を講じることとしたところでございます。 この二期の計画に基づきまして、現在県と環境庁あるいは関係省庁が連携をいたしまして、汚濁源に対する各種の規制、それから事業といたしましては下水道事業、農業集落排水施設事業、あるいはこれらの高度施設の整備、合併浄化槽の整備、あるいは底泥のしゅんせつ、内湖の浄化対策、住民に対する家庭排水等につきますいろんな普及啓発といったような各種の施策を総合的、計画的に推進をしているところでございます。 また、異臭味の問題がございましたが、こういうような問題に絡みまして、水道の利用に配慮をいたしました水質保全対策全般につきまして、現在中央公害対策審議会においても検討をしておりまして、総合的な対策も講じることとしておるところでございます。 今後とも環境庁といたしましては、関係省庁あるいは地元の各府県と連携を図りまして、この湖沼水質保全計画に盛り込みました各種の施策の着実な実施あるいはその他新たな対策を講じまして琵琶湖の水質の改善のために格段の努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○河本英典君 環境庁だけにお願いしても申しわけないんですけれども、ぜひともリーダーシップを発揮していただきまして、各省庁、企画調整機能を活用していただきまして、琵琶湖をよろしくお願い申し上げます。 時間も迫っておりますので、これで終わります。
○委員長(竹村泰子君) 本件に対する質疑は以上で終了いたします。
○委員長(竹村泰子君) 次に、水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 発議者衆議院議員矢上雅義君から趣旨説明を聴取いたします。矢上雅義君。
○衆議院議員(矢上雅義君) ただいま議題となりました水俣病の認定業務の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 水俣病対策は環境行政の重要課題の一つであり、水俣病患者の迅速かつ公正な救済のためには、まず、その認定業務を促進することが求められております。 この認定業務は、基本的には、公害健康被害の補償等に関する法律、いわゆる補償法に基づき、関係県知事等により行われておりますが、その促進を図るため、これまで熊本県において検診・審査体制の充実強化が図られる等の措置が講じられ、さらに昭和五十三年十月に本臨時措置法が制定され、翌昭和五十四年二月十四日から施行されました。その後、昭和五十九年、昭和六十二年及び平成二年に認定申請期限を延長する等の改正が行われ、現在に至っております。 現行の臨時措置法においては、旧公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法、いわゆる旧救済法により県知事等に対し水俣病に係る認定の申請をしていた者及び補償法により昭和五十七年八月三十一日以前に同じく申請をしていた者で当該申請に関する処分を受けていないものは、平成五年九月三十日までの間、環境庁長官に対して認定の申請をすることができることとなっておりました。 臨時措置法施行を含む国及び県の認定業務促進に係る努力の結果、一時は六千人以上を数えた未処分者数は平成五年九月末現在で約二千二百人にまで減少してきております。しかしながら、なお相当数の未処分者が存在する状況にあることから、長期にわたる申請滞留者を速やかに解消することにより水俣病対策の推進に資するため、この法律案を提出した次第であります。 以下、法律案の内容を御説明申し上げます。 第一は、認定の申請期限の延長であります。 旧救済法または補償法による水俣病に係る申請者でいまだ申請に関する処分を受けていないものは、平成八年九月三十日まで環境庁長官に対して認定の申請をすることができることといたしております。 第二は、環境庁長官に対して認定の申請をすることができる者の範囲の拡大であります。 補償法による水俣病に係る申請をした者で環境庁長官に対して認定の申請をすることができるものの範囲を、昭和六十二年八月三十一日以前に補償法による申請をしていた者でいまだ申請に関する処分を受けていないものまで拡大することといたしております。 なお、この法律は、公布の日より施行することといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(竹村泰子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十三分散会 ―――――・―――――