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128回国会参議院1993/11/04

外務委員会 第2号

発言数
84
登壇者
13
会派数
3
開催日
1993/11/04

会議録

井上章平自由民主党

○委員長(井上章平君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  本日、松前達郎君が委員を辞任され、その補欠として菅野壽君が選任されました。     ―――――――――――――

井上章平自由民主党

○委員長(井上章平君) みなみまぐろの保存のための条約の締結について承認を求めるの件、航空業務に関する日本国とネパール王国との間の協定の締結について承認を求めるの件、日本国と中華人民共和国との間の航空運送協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、以上三件を一括して議題といたします。  まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。羽田外務大臣。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) ただいま議題となりましたみなみまぐろの保存のための条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  我が国は、昭和五十七年以来毎年オーストラリア及びニュージーランドとの間でミナミマグロ三国間協議を開催し、毎漁期の三カ国によるミナミマグロの総漁獲可能量及びその各国別割り当て量につき協議することを通じてミナミマグロの保存及び管理を図ってきましたが、近年の漁業資源の保存に対する国際的な関心の高まりを背景として、ミナミマグロの保存及び管理に係る枠組みを一層整備することが必要であると認識されるに至りました。このような状況のもとで、昭和六十三年四月以降三国間で協議を重ねてきました結果、ミナミマグロの保存及び管理に係る国際的な法的枠組みを設定することで意見が一致し、条約案文についても最終的合意を見るに至りましたので、平成五年五月十日にキャンベラにおいて、この条約に署名を行った次第であります。  この条約は、ミナミマグロの保存及び最適利用を適当な管理を通じて確保することを目的としており、そのため、みなみまぐろ保存委員会を設置し、ミナミマグロの保存、管理等に係る措置を決定することを定めております。また、締約国は、この条約の目的の達成を促進するため、他国のこの条約への加入を奨励することにつき協力するほか、この条約の締約国でない国等のミナミマグロの漁獲活動がこの条約の目的の達成に不利な影響を与える可能性がある場合には、そのような活動を抑止するための適切な手段をとることについても協力すること等を定めております。  この条約の締結によりまして、ミナミマグロの保存及び最適利用が関係国による国際的な管理体制のもとで一層効果的に確保されることが期待されるほか、漁業資源の保存に対し国際的な関心が高まりつつある中で、この条約を通じてミナミマグロの科学的かつ合理的な資源管理を行っていることを示すことは、我が国漁業者によるミナミマグロ漁業の安定的操業の維持を図る上でも重要なことと考えられます。  よって、ここに、この条約の締結につき御承認を求める次第であります。  次に、航空業務に関する日本国とネパール王国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  政府は、ネパールとの間で航空協定を締結するため、ネパール政府と交渉を行いました結果、平成五年二月十七日にカトマンズにおいて、我が方伊藤駐ネパール特命全権大使と先方ジョシ観光民間航空大臣との間でこの協定に署名を行いました。  この協定は、我が国とネパールとの間の定期航空業務を開設することを目的としており、そのための権利を相互に許与すること、業務の開始及び運営についての手続及び条件等を取り決めるとともに、両国の指定航空企業がそれぞれの業務を行うことができる路線を定めるものであります。また、この協定は、我が国が従来締結した多くの航空協定と形式、内容においてほぼ同様のものであります。  この協定の締結によって我が国とネパールとの間の人的交流及び経済的交流が増進され、両国間の友好関係の一層の強化に資することとなることが期待されます。  よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。  次に、日本国と中華人民共和国との間の航空運送協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。  政府は、昭和四十九年四月に署名された中国との間の現行の航空運送協定を改正する議定書を締結するため、中国政府と交渉を行いました結果、平成五年二月十七日に北京において、我が方國廣駐中国特命全権大使と先方銭其シン外交部長との間でこの議定書に署名を行いました。  この議定書は、近年の両国間の航空運送需要の増加等に対応することを目的として、定期航空業務の運営のため、両国が指定できる航空企業の数を現行の「一又は二」から「一又は二以上」に改めるものであります。  この議定書の締結によって我が国と中国のそれぞれ二社を超える数の航空企業による両国間の定期航空路線の開設が可能となり、両国間の人的交流及び経済的交流の促進に資することとなることが期待されます。  よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。  以上三件は、いずれも第百二十六回国会に提出されましたが、審議未了となったものであります。何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いを申し上げます。  以上であります。

井上章平自由民主党

○委員長(井上章平君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより三件の質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

笠原潤一自由民主党

○笠原潤一君 お許しをいただきましたので、外務大臣並びに政府当局者に質問を行いたいと思います。七件ほどでありますが、ちょっと膨大になりますので言葉が早目になるかもわかりませんが、ひとつよろしくお願いしたいと思います。  二日に行われたニューヨークの市長選挙で、共和党のジュリアーニ氏が当選、またニュージャージー州、バージニア州でも共和党の知事が民主党を敗って当選、国内外で政策の弱さを露呈したクリントン政権に早くも米国民が失望している現状が如実に示されたと思います。  一方、我が国においては、細川連立政権は成立以来三カ月、外交、防衛の国家の基本政策が全く異なる政権が果たして外交上世界に規範を示し、またその信用が得られるかどうか、全く疑問視せざるを得ないと思います。  事実、政権発足以来、連立与党、官邸の食い違いが随所に見られ、かつまた与党内においても全く異質の論議がかみ合わない結果となって、連立政権の矛盾が多く見られておりました。国民の大多数が本当に国家の運命を託せられるかどうか非常に心配しているところであります。  先ごろ、鳴り物入りで迎えられたロシアのエリツィン大統領の訪日結果は、六五%が不成功であったと見ております。これから細川総理がガット・ウルグアイ・ラウンドに向けて懸案の諸案件解決に本当に手腕が発揮できるか、リーダーシップがとれるのか、国民は大変危惧いたしております。連立政権に大きな政策に考え方の違いがあり官邸とまたしばしば意見が異なった場合、外交政策が一貫できるのか、もちろん自民党を含め、連立与党、官邸、外務省が外交政策の合一性がなければ、内外の信用を失墜することは明白であると思います。  内閣のかなめである副総理、外務大臣である羽田外務大臣の所信と、また同時にあなたの今後の外交政策の理念、かつまた外交史観についてお聞かせをいただきたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) ただいま御指摘にありましたように、アメリカにおける選挙結果というのはああいう結果が出ております。ただ、世界各国、例えばカナダなんかでも大変大きな変革をもたらしておりますね。そんなふうにしていろんな価値観というものに対して、世界の国が今大きくいろいろなものを考え出したということが言えるのかなというふうに思っております。  それから、エリツィン大統領の訪日についていろんな見方があると思いますけれども、ただ、残念ですけれども核の廃液の投棄というのがすぐありましたね。せっかくシベリアの問題で我々の精神的ないろんな問題について彼は素直にわびたということである程度ロシアに対するみんなの目が変わってきたと思ったんですけれども、あれをやった結果が非常に厳しいものであったというふうに思っております。しかし、私は少し時間がたつに従って、こういった問題に対してもきちんと物を言える間柄になったということを国民が理解してくれたときに、私はお互いが話し合える国になったということは一つの成果であったんじゃないのかなというふうに評価をいたしておるところであります。  そして、全体的なこれからの私どもの外交というものでありますけれども、確かにそれぞれ生まれが違いますし育ちが違うといつも私は申し上げておりますけれども、この党がみんな一緒になるわけでありますからいろんな議論というのはあります。しかし、今私どもはそういうものに基づきながら対応しておりますけれども、各国はむしろ割合と大きく、日本の外交というのは積極的に物をやるなということでは評価してくれているんじゃないのかなというふうに私は思っておりまして、それはそのつもりで我々もこれからよく歩調を合わせながら対応しなきゃいかぬというふうに思っております。  それで、国際情勢というのは極めて不透明で流動的な状況にあろうと思っておりますし、世界経済が低迷しておるという中で、地域紛争、こういう困難な問題が山積しておるという現状であろうと思っております。我が国としてこういう中にあって、平和と国際協調という日本の憲法の精神といいますか、これを尊重しながら世界的な諸問題の解決に汗を流していく、責任を果たしていくということが重要であろうと思います。具体的には各国がインフレなき持続可能な成長というものを確保できるようにお互いが協力し合うということであろうし、自分の持てる力を発揮するべきであろうと思います。  それから、世界平和のためにやはり国連の強化ということは大事なことでありまして、国連に対する人的な貢献あるいは軍備管理・軍縮の一層の促進ということ、それと開発途上国と旧社会主義諸国、これが大きく転換しようとしておりますから、我が国として積極的にこういったところに手を差し伸べてあげるということが大事であろうということと、地球規模の問題について国際的な協力というものをしていくことが今私たちに求められているものであろうというふうに考えており、我々はこういった問題を先取りしながら積極的に外交を展開してまいりたい、かように考えております。

笠原潤一自由民主党

○笠原潤一君 よくわかりましたが、実は、きのうアフガニスタンが大統領派と首相派とで内戦が勃発したということは御存じだと思いますが、実は三十一日に細川総理大臣が朝霞の観閲式で、いわゆる防衛大綱を見直すんだと、こうおっしゃっておるわけです、訓示の中で。したがって、一体これは、あれだけの防衛大綱を見直すとなれば、閣内で何らかの話があったかどうかということが非常に疑問に思えてくるわけです。そういう点で言えばちょっと独断に過ぎたのではないか。  さらにアフガニスタンを初め、実はお隣の中国だって旧ソ連だって実際に果たして政情が固定しているかというと非常に不安定なところがあるわけです。ましてやボスニア・ヘルツェゴビナを初め、ハイチもそうだしソマリアもそうだし、世界で頻発する地域紛争がたくさんあるわけです。ましてやお隣の北朝鮮についても米国の国防長官ははっきり、大変核の脅威がある、これは制裁しなければならぬのじゃないかと言っておるときに、総理大臣が防衛大綱を見直すんだということを簡単におっしゃるんだけれども、実はどうもそこら辺のところが私ども腑に落ちないんですが、羽田外務大臣、その辺のことについて、閣内の一番かなめである大臣の所見をお聞かせいただきながら、一体閣内でそういう話が行われたのかどうかということもお聞かせいただきたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 特別に閣議その他でそういった話があったということじゃありません。ただ、総理が言われたのは、防衛計画の大綱にしてもその後の目覚ましい科学技術の進歩というものを考えると今果たして時代の要請にそれが適合しているかどうか改めて基本的な考え方について整理してみる必要があろうということで、どちらかというと科学技術の進歩というものを中心にとらまえながらお話しになっているということであります。  それで、私どもは、前内閣の時代にもこの防衛計画の大綱について議論がありまして、確かに冷戦というものも考えなきゃならぬだろうと。しかし、今全く御指摘にありましたように、日本を取り巻きます環境というのは決していい方向だけでなくて、むしろ懸念するべき問題もあろうというふうに思うわけです。そういうことで、私どもといたしまして、いわゆるこの間の予算のときにも中期防の問題についてもいろいろと手当てをしたわけでございまして、こういったことなんかも私ども念頭に置きながら、効率的で節度のある防衛力の整備ということを考え、そしていろんな情報というものを、我々外務省なんかは特にそういったものをきちんと把握する必要もあるなということを改めて思っていることを申し上げます。

笠原潤一自由民主党

○笠原潤一君 それからもう一つ、六日から韓国へ細川総理がお出かけになりますが、ここで戦争責任について、特に朝鮮半島政策について何か陳謝の意を表するようなことを新聞で拝見しておりますが、私は、細川総理の前の侵略戦争の発言にしてもその後の侵略発言にしても、どうもその意味がわからない。細川総理の育ってきたバックグラウンドがどうであったか、これはわかりませんけれども。  羽田外務大臣は、前の外務委員会でどなたかの御質問に、自分の一番尊敬しているのは陸奥宗光、小村寿太郎であるとおっしゃいました。実は私もそのとおりで、私も最大の敬意を払っております。その小村寿太郎さんがポーツマス条約に行くときに、ニューヨークで当時の外務省の顧問であったデニソンさんと話し合っているんですよ。これは私の一番好きな吉村昭さんの本ですが、この中に書いてあるんです。将来、日本がアメリカと宿命的な敵同士となるかどうかということを彼は言っているわけです、デニソンさんに。デニソンさんは、まことに残念だがそうである、こう言っておりまして、当時ルーズベルトさんも、あるいはデニソンさん自身も、また小村さんもそう思っているんですよ。それ以後、実は御承知のようにアメリカにおいては黄禍論、排日移民法ができ上がってどんどんどんどん変わってきたわけです、事実。  したがって、そういうバックグラウンド、明治維新以後の今日に至るまでの長い間の外交史観といいますか、外交のいろんな問題についてどうも安易に日本人を自虐的なことで言っているんじゃないかと。こんなふうに考えられてはかなわないんです、私どもは。外務大臣はこの前、小村さん、陸奥さんを御尊敬なさるとおっしゃっておりましたが、日本外交というのは連綿として続いておって、私は一貫性があったと思うんです。したがって、いろんな不幸なことがあったかもわかりませんけれども、余りにもそんなに自虐的に自分の国家を卑下するようなことになっていったら私はこれは大変なことだと思っておるので、そういう点について、簡単でいいですから外務大臣、時間がございませんから。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) この件につきましては、各国が割合と高く評価しておるということ、それから日本人が言うべきことをきちんと言ったねということ、というのは、今までも天皇陛下が御旅行をされる、各国を訪問される、そういったときのお言葉なんということがいつも言われているわけで、こんなことがいつまでもあったら、私はむしろこれから日本の国を誇りを持ちながら生きていく若い人たちにとってもよくないというふうに考えております。ですから、ただおわびと同時に、要するに戦争というものは本当に不毛なものなんだということを確認する、そして再びこういったことは日本は起こさないよと、そして平和の中で今日日本を築いたんだからこれからも平和をつくり出すために日本というのは各国に対して努力していきますよという意味で、細川総理の腹の底にはそういう思いがあるだろう、私はその点は同感しておるということだけを申し上げたいと思います。

笠原潤一自由民主党

○笠原潤一君 細川総理がそうおっしゃられたこと、それはそれなりにあの人の見解ですから。  ただ、私は、一九五七年にアメリカにおりまして、大変大きな印象を受けたんですよ。それはどういうことかといいますと、ワイオミングでとんとんと僕の肩をたたく人がおったんですよ。彼はブリティッシュギアナから来たんです。おまえは日本人か、当時日本人なんかいないころで、いやおれらはおまえの国に本当に感謝していると。というのは、考えてみたら東洋で独立国というのは日本だけですよ、いろんなことがあっても。したがって、ブリティッシュギアナのような国でも独立できたんだと、大変に彼は感謝しているわけです。  だから、そういう点を考えますと、単なる侵略戦争だけで、何か自分だけが悪かったようなことじゃなくて、戦争史観といいますか、歴史観というものをもう少ししっかりとしないと日本人の中でいろんな違和感が起きてくる、そんなことを考えております。これは私の意見ですから。  それから、第二番目として国連の安全保障理事会の常任理事国入りの問題ですが、これはいろいろとやかく論議の種になっていますが、今回、非常任理事国を交代されたわけですね、日本国は。したがって、国連第二のいわゆる経費負担をしている日本が今非常任理事国にも入っていないということになった場合、今後予想されるPKOの問題にしても対外支援の問題にしましてもこれは大変なことだと思うんですよ。その辺で早く日本が確固たる立場を貫かないとこれから大変問題になってくると私は思っていますが、その点大臣どうですか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 御指摘のございましたように、我が国は財政面の貢献を初めといたしまして、環境、難民、貧困、あるいは非軍事面、こういった面で取り組みは非常に積極的でありますし、あるいは軍縮ですとか不拡散といった分野での努力、また国連平和維持活動への積極的な参加ということ、あるいは紛争の予防及び解決のための努力といったような、非常に最近多方面にわたって日本が活動をしておるということであります。  この間の国連の総会の中でもいろんな国から、国連というものをもう一度改組しなきゃいけない、特に常任理事国、非常任理事国についても改組の声が上がったわけでありますけれども、その中で我が国に対する期待の声というのは非常に大きかった。そして、この間来られたオーストラリアの閣僚の会議でも日本に対し常任理事国的な役割を果たしてほしいというような強いお話もあったわけでございまして、やはり私どもは、日本という国が今の新しい時代の国際情勢の中で果たす役割というのは非常に高いものを日本は持っておるというふうに確信をいたしておりまして、そういった意味でこれから国連の中で日本は活動していくべきであろう。  そして、常任理事国というのは、何の問題でも常任理事国で大体話し合われるんですね。ですから、ここに参加しろと言われたときに、我々がこれに対して積極的にこたえるということ、これは世界の平和をつくり出していくという日本の使命といいますか、そういった面からも大事なのかなということを改めて今御指摘をお伺いしながら感じます。

笠原潤一自由民主党

○笠原潤一君 それで、非常任理事国をおりたわけですけれども、これは交互で交代することになっていますから。したがって、その間、では日本はそういういろんな問題に対してどう対処していくかというのはこれは非常に大きな問題だと思いますが、その点大臣どうですか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私どもに対してはいろんなことで国連の機関で要請がございますし、あるいは安保理の中で決定された問題なんかについても我が国に対するいろんな要請がございます。そういったところで発言をする、あるいは我々が役割を果たしていくという中でさらに各国の理解も得られると思いますし、また日本の国としてはそういった行動というものを積極的にとっていくべきであろうというふうに考えております。

笠原潤一自由民主党

○笠原潤一君 それから米の問題ですが、大臣もかつて農林水産大臣でおられたんでよく御存じと思いますが、この十数年間絶えず変わって、きのう、おとといと原稿を書いたんですけれども、その都度、もうきのう、きょうあたりからまた随分変わってきているわけですよ、情勢が。というよりも、だんだんもう包括関税を受け入れざるを得ないような形になってきていますが、しかしひとり畑農水大臣は大変頑張っておられるということなんです。  その中でちょっと気にかかったことは、日本とフランスが今一番その問題の当事国ですが、畑農水大臣が今ジュネーブですか行っていらして、何か実はフランスへ行くのをためらっておられるのか、どうもそちらへ行かれるのを大分遠慮しておられるようなことが書いてあるんですが、私は日本もフランスも考えてみますとお互いに共通の立場だと思うんですよ。こんなこと言うと失礼かもわからぬけれども、フランスへ行ってパリへ行けば必ずだれでも訪れるところはルーブル美術館ですよね。そこで一番何に感動するかといえば、これはモナリザの絵をだれでも見ます。同時にもう一つ、ミレーの「晩鐘」を見てみんな感動するんですよ。そこに本当にこの絵が持つ何といいますか、農村の二人の夫婦がアンジェラスの鐘で祈りをささげている。日本もフランスも農村の立場は一緒なんであって、この問題についてはお互いになぜ協調して当たれないのか。フランスへ行くとどうも何かおかしいんじゃないか、アメリカを刺激しやしないかというようなことでは私はちょっと問題だと思いますね。  それから、今度の米の問題についてもアメリカ側にも私は責任があると思うんですよ。大臣は特に農政通であってよく御存じだと思いますが、私は一九五七年、アメリカに新農法ができたときにおったんですよ。御承知のように、当時のアメリカというのは小さな農家がどんどん淘汰されて大農になっていってしまった。しかし、結果的には大農主義になったけれどもアメリカの農業はだめになってしまう。作付制限しなきゃならぬ、ローテーションをやる。それで全部が失敗なんですよ。ですから、そういう点で言えば日本も同じような道を歩いてきたんじゃないか。したがって、今考えられることは、そういうアメリカの農政の失敗をどうも日本だけにツケが回されているんじゃないかということと、アメリカだって実際クエーカーとかあるいはアーミッシュなんというのは本当に十八世紀的な農業のやり方で結構発展してみんな豊かなんですよ。しかし、かえって大農業主義のアメリカは悪くて、農業経営を非常に圧迫しておる。したがって、そういうこともアメリカの農業者がもっとよく知らなきゃいかぬし、同時に、長い農業交渉の結果、どうも日本政府はワシントンだけを相手にしているというような気がしないでもないんです。  アメリカの世論をどこが形成するかといえばアメリカの州政府だ。州の上下両院の議員さんがおるナショナル・コンファレンス・ステートレジス・レーチャーとか、あるいはアメリカン・ファーム・ビューロー・フェデレーションというような農業団体があって、どうもそういう人たちと話し合った形跡が非常に少ない。そしてアメリカは、どうもワシントンやニューヨークでなくって実は中西部の方に力がありますし、大体、日本は何百億ドルという小麦とかトウモロコシとかいうものを中西部から入れてきているんですよ。ですから、USAツデーでもいいし、あるいはアメリカの各地域の新聞にもっとキャンペーンを張って日本の立場をもっと説明すべきじゃないか、私はそう思うんですよ。  そういう点について大臣は、今非常にこの問題大変な時期に来ておりますが、やはり外務省としてもそういうことをもう一度、PRとかそういうものに努められる必要があると思いますが、その点はいかがですか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私はただいま農林水産大臣の臨時代理を務めておりまして、両方の立場から申し上げたいと思います。  フランスの問題につきましては、確かにフランスと私も何回も話してまいりました。ただ問題は、事ここに至りますと、フランスの主張と日本の主張というのは反対という面では同じなんですけれども、反対の仕方が全然逆の方向でございまして、片っ方は輸出補助金というものをカットするのはできるだけやめてほしいということでありますし、我々の方はアクセス、これを余り障壁を低くするのは困るよという話でございまして、そのあたりにちょっと違いがあるのかなと思っております。  それから、アメリカとの点についてはもう今御指摘にありましたとおりで、私どもも今まで申し上げてきたことは、また努力してまいりましたことは、ただ連邦政府と話しているだけでなくて、地域からみんな国会議員も選ばれているわけでありますから、その地元、そしてそういったところの人たちに日本の立場というものを理解してもらう必要があろうということで、今までもやり得ることについては積極的にやってきたということだけは申し上げたいと思うんです。  それからもう一つは、十二月十五日というのは、これは単にアメリカのファーストトラックということだけでなくてG7の中でこれが確認されていることと、ガットの事務局を中心にしながらガット全体もやはり十二月十五日までに決着をつけていこうという中で、我々としても日本の立場を何とか理解してもらいたいということで、今、多分畑農林水産大臣もそのために奮闘されておるんだろうというふうに思っております。我々としても全力を尽くしてまいりたいというふうに思います。

笠原潤一自由民主党

○笠原潤一君 それではみなみまぐろの条約の問題ですが、これは先ほど大臣が趣旨説明を行われて、前回いわゆる廃案になったわけですけれども、この問題で実は私非常に心配している問題がたくさんありまして、特にこの条約に加盟していない国の問題、それからお隣の韓国あるいは台湾とかはみんな実はとっていて、条約に入っていないものですから日本の市場へどんどんこのミナミマグロが入ってきているわけです。これはたまたま韓国、台湾から入ってくればこれは規制の対象になるかもわかりませんが、これがパラオで揚がったりいろんなところで揚がってきますと、これはおかしな話ですがそこの産で来るわけですよ。したがって、我が方だけがこの条約に加盟しておっても割を食ってしまうんじゃないか。  それからまた、話が長くなるといけませんけれども、どうも日本の遠洋漁業は衰退に次ぐ衰退で、南米の沖なんかでも私が前に行ったときには、本当にイカ漁で日本の漁船がひしめいておったわけですよ、モンテビデオの沖。しかるにもう一人も日本人はいない。ほとんど韓国がとっている。そういうことでありまして、これをほうっておきますと日本の漁業の後継者が跡を継がなくなったら海洋国家日本というのはだめになってしまうということになって、ほとんど魚をよそから入れてこなきゃならぬ。あの二百海里の問題から特にそういうことが顕著になってまいりまして、かつてブロー法案のときも私はアメリカへ行って向こうのスパーク・マツナガ上院議員とも話したりしてやってきましたが、ああいうことの結果、どうも日本の漁業従事者が跡を絶っていくようなことになってしまった。したがって、この最大の懸念はそういうことで、こういう条約の結果、日本の漁業は衰退していってしまいはすまいかという大変懸念がありますが、この点どうですか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) この問題につきまして、私がちょうど政務次官になりましたときに二百海里問題というのが起こりました。それから、たしか第一回目の大臣のときでございましたけれども、さらに厳しくなっておるということで、そういう中で漁業全体についてこうやって見ておりますときに、今お話のありましたとおり、非常に厳しくなってきておるというのが現状です。  ただ、これらの発端というのは、全部が資源というものをきちんと管理しなければいけないということと、資源が枯渇していってはいけないということ、こういったことが中心になっておるということでありまして、私どもは、せっかく私どもやあるいはこれに加盟している二カ国がそれをやっていてもよそが荒らしてしまったらどうするんだという御指摘は全くそのとおりでありまして、私どもはそういう意味でなぜこれをしなきゃいけないんだということを世界の漁獲する国に対してよくPRする必要があろうと思いますし、それからこの条項の中にはどうぞお入りなさいという条項もあるわけでございますから、そういったものをよく各国に知らせて、我々と一緒に話し合い、行動できるような方向に誘導していくことが大事であろう、しかし今御指摘の点は我々もよく念頭に置きながら対応しなければいけないと思っております。

笠原潤一自由民主党

○笠原潤一君 ソ連の日本海の核廃棄物の問題、それからハイチの情勢について質問したいと思いましたが、ちょっと時間がありませんから最後に一つ。  実は大臣、これは御存じかもわかりませんが、日本の講和条約というのは、日清は下関、それから最後の単独講和はサンフランシスコ、しかしあなたが先ほどおっしゃった小村寿太郎さんが結んだポーツマス条約、これは日本のやった有名な三大条約の一つですが、その小村さんがお泊まりになったウェントワースというホテルがあるんですよ。私も実はこの四月二十五日、三十年かかって一回行きたいと思ってたところへ行ってきたんです。そうしたら、ロシアのウィッテ側の方はもう壊されていまして、本当に日本側だけ残っているわけです。このポーツマスの問題をもっと長く話しているといいんですけれども、時間がありませんから後で大臣に、実は司馬遼太郎さんが書かれたものがありますからあなたに差し上げます。  これ読んでいただきますとわかりますが、日本はあの当時、本当に五万ドルもニューハンプシャー政府に基金を出しているんですよ。これは小村さん、偉かったんです。すばらしいところです。湘南と軽井沢を合わせたようないいところですし、大西洋を見てすばらしいところです。このホテルを何とか日本の手で残して、そして青少年の教育の場にしてもいいし、ニューハンプシャー政府も何とかこれを日本の手で保存してもらいたいと言っているそうですから、何とかこれを保存できないかどうか。  これは羽田外務大臣にとって私は大きな仕事だと思うし、アンコールワットも大事ですけれども、私はこれ本当に大事なことだと思うんで、ひとつ大臣の所感の一端と何とかしてもらいたいということを最後にお尋ねして、私の質問を終わります。

佐藤行雄外務省北米局長

○政府委員(佐藤行雄君) このホテルについては我々も大変関心を持っております。見ていただきまして大変ありがたく思います。  今、ニューハンプシャー州の日米協会が中心になってこれをいかに保存しようかということで、まずはポーツマス条約の意義を少しみんなに啓発しようということで、来年を目指して日米ロを中心に会議でもやろうかという話になっています。そういう機会で、まあ我々政府といきなりお金というわけにもいきませんけれども、いろんな方の関心を高めて基金が集まるように我々も努力をしたいと思っております。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私どももこういった歴史的なもの、こういったものをかの国に持つということは大変これ意義のあることでありますので、今局長がお答えいたしましたことを私どもも拳々服膺しながら、何とか成功したいなという思いを申し上げておきたいと思います。

笠原潤一自由民主党

○笠原潤一君 最後に。  ですから大臣、一回ここへ見に行ってもらうといいと思うんですよ。本当にすばらしいところです。これ、何か売るという話が出ていますから何とかこれを早く、売らせないように、どうも持ち主の方もそんなことを言っているそうですから、どうかその点をぜひとも御配慮いただいてお願いしたい、こういうことを思います。  それでは質問を終わります。どうもありがとうございました。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 私からは、中華人民共和国との航空協定改定並びに中華人民共和国に関連する事柄をまず質問させていただこうと思っています。  先ほど大臣から話されましたように、まさにこの航空協定改定、日中間のつながりが緊密化してきたということで私も将来に向かって大きく胸を膨らませているところでありますけれども、それに加えまして、昨今、海外での日本人の事故が大変多くなってきているということも新聞で散見されるわけであります。まして来年から関西国際空港がオープンするということでありますと、飛躍的に出国者がふえるということも当然予測されます。  そんな中で、外務省として安全確保のため積極果敢な活動を展開されているとは思うんでありますけれども、その辺の状況をひとつ御説明願いたいと思います。

荒義尚外務大臣官房領事移住部長

○政府委員(荒義尚君) 私の方からお答えいたしますけれども、ただいま御指摘のように、現在我が国の国民の海外への進出が引き続き増大しておると。ただその反面、これも御案内のとおりでございますけれども、各地でいろいろな紛争が多発する、あるいは各地とも犯罪発生率が非常に上昇しているということで、一般的に国民に対する危険度というものが増大しているという深刻な認識を我々持っております。その上に立ちまして、我々としても在外邦人の保護体制の強化に現在真剣に取り組んでいるというところでございます。  具体的に中国に言及されましたので中国関係の安全対策を御説明いたしますけれども、中国につきましても渡航者が年々増加しておりまして、現在おおむね五十八万、六十万人に達しておりますし、また長期滞在者も約一万人ということで邦人がいろんな形で巻き込まれます事故、事件というのが増加しておるということでございまして、我々としましても安全対策につきましては、中国も含め、次のような措置をとっているということでございます。  まず、国内では昭和六十二年から私ども外務省内に海外安全相談センターというものをつくりまして、いろいろ外部からの応答に当たっております。また、都道府県、旅行業界それから日本在外企業協会等を通じまして各地の安全情報を提供しておるということでございます。ほかにもいろいろ啓発のためのパンフレットであるとかあるいはビデオを作成して国民の利用に供しておるということでございます。  また、在外におきましては、中国の場合、大使館を含め四つの公館がございますけれども、各公館におきまして現地の在留邦人の代表者の方々と安全問題に関する情報交換を定期的に開いておるということでございます。また、それとあわせまして、いろいろな防犯、治安の手引というものを作成しまして各関係者に配付しておるということでございます。  それから、もちろん外交ルートも使いまして、これは随時でございますけれども、中国側に対しまして、邦人を含む外国人一般の保護のための対策の強化、それとあわせまして我が方との連絡の緊密化につきまして随時申し入れを行っているという状況でございます。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 冷戦終結後におけるアジア・太平洋地域の新秩序構築についてお伺いをします。  東西の冷戦終結後、新たな地域紛争が世界各国で、各地域で多発していることは、今さら指摘することもないと思うんでありますけれども、アジア・太平洋地域においても一応カンボジアは和平の実現を見たわけでありますけれども、反面朝鮮半島の緊張状態は北朝鮮の核開発疑惑並びに労働一号ミサイルの発射実験など新たな情勢が加わりまして大変不透明な状況である。加えて中華人民共和国の軍拡路線もこれまた問題にしなければいけないことだと思っております。  こうした国際情勢、地域情勢の中で、我が国としてはポスト冷戦時代においてアジア・太平洋地域の平和と安定、繁栄のためにどのような新しい秩序を模索し構築していくかに大きな関心を寄せている。そこで、特に私が注目したいのは最近のアメリカと中国の関係であります。  両国は御承知のとおり、天安門事件以後、人権問題をめぐって厳しい関係に一時あったわけでありますけれども、このところ全く従来とは違った動きが見られるわけであります。今月、シアトルで開かれる予定でありますAPECの首脳会議には御案内のとおり江沢民中国主席が出席する。大変な期待を寄せているというふうな報道も見ております。そのほかにも米中関係の改善を予測させるいろんな事実があるわけでありますが、要するにアメリカのクリントン政権は、みずからさきの東京サミットの機会に表明したとおり、新太平洋共同体構想の実現に向けて着々と歩みを進め、特にその中でも中国の存在を極めて重要視している、こういうふうに見受けられるわけであります。  米中関係の最近の動きを政府はどのように見ておられるのか、まずお伺いをします。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 良好な米中関係というのは、アジア・太平洋地域だけではなくて世界の平和あるいは安定、こういったものへの重要な要素であろうという我々認識を持っております。  そして、そういう中にあって天安門以来関係が少し冷えておりました。しかし、今お話がありましたように、このところ、例えばシャタック人権・人道担当国務次官補あるいはエスピー農務長官、バシェフスキー通商代表部次席代表あるいはフリーマン国防次官補、こういった人たちが相次いで訪中されておるということですし、また十一月には劉華秋外交部の副部長が訪米するということ、そして今お話がありましたように、江沢民さんもAPECに参加しようという中で、多分この首脳会談が行われるだろうということが言われておりまして、私どもは、中国とアメリカというのが互いに理解をし合うために交流を深めてもらう、話し合ってもらう、こういったことはどうしても欠かすことのできないことであろうと思っております。  そして、その周辺のいろんな問題につきましても米中が話し合って互いに理解することが大切なことであろうというふうに考えておりまして、私どもも米側の皆さんあるいは中国側の皆さんとお話しするときにもこういったことが大変大切ですよということをそれぞれに申し上げてまいったところでありまして、私どもはこういった中で米中関係が本当に理解し合いあるいは協力する、そういう仲になってほしいというふうに願っておるところであります。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 そういった米中関係の推移は、特にアジア・太平洋地域の将来にとっては大変重要な案件だと思われます。そんな中で、そういうような関係を注目しつつ、また同時に日本がアメリカと中国との二国間の関係をより緊密にし、そしてアジア・太平洋の新秩序の形成者として主体的な責任、能力を発揮していくべきだと、強く考えるところであります。  今や、経済的な責任を負担するだけではなくて、この地域において政治的な責任も果たしていく、このことは日本に課せられた大きな使命である、こういうふうに考えておりますし、その手法たるやいろんな考え方があろうと思います。  宮澤総理がことしの一月、バンコクで表明されたツートラックアプローチですか、こんな考えも一つであろうし、ASEAN拡大外相会議で合意されたASEAN地域フォーラム、こんなことも一つの大きな考え方だなと。また、そのほかにも全欧州安全保障協力会議に類似した全アジア安全保障協力会議、CSCAといった組織をつくるべきだという考え方もあるようであります。また、アジアの現状を分析しますと大変多様性を持っているということで、当面は二国間の交渉によって紛争を解決すべきだ、こんな考え方もあるようであります。また、北大西洋条約機構をモデルにして北太平洋条約機構をつくってみたらどうなんだと、いろんな意見が交錯をしているようであります。  現在の時点でどのような構造が果たして望ましいんだろうかと、いまだ大変流動的でありますけれども、まさにアメリカ、ロシア、中国、これらの主要国が太平洋を囲んであるわけでありまして、その新しい秩序づくりは大変重要な案件だと思いますので、その中で我が国はどのような役割を果たしていくことができるのか、その辺の考え方を外務大臣にお伺いをいたします。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) この地域にとりましては、私どもが堅持しております日米安全保障条約の体制、この米軍の存在というものもやはり大切なものであろうと思っております。そして、そういう中にあって、今お話がありましたようにいろんなところに不安定な状況というものが生まれてきているということもあります。そういう意味で、我々としてはASEANならASEANという中にあって、政治あるいは安全保障、こういったものの対話というものを相当積極的に深めていくということが大事であり、我々としてはそういったことをこれから積極的にしていきたいというふうに思っております。  そして、今お話がありましたCSCEにつきましては、これはヨーロッパの方にはもともとNATOというものがある。しかもそういう中に一つずつ築いてきた一つの枠組みがあります。そういう上にこのCSCEというのは成り立っておるということでありまして、相当歴史的な蓄積があろうというふうに思っております。そういった意味でアジア地域の安全保障ということでCSCEのような会議というものを今すぐにこの地域に持とうというのはまだ早いのかな、今お話がありましたようなことを一つずつ積み重ねていくということ、これが大事であろうというふうに思っております。  今まで我々はどうもアジアとの対話といいますと経済のことが主であったわけですけれども、しかしやはり安全保障あるいは政治的な対話、こういったものをさらに深めていく、この努力をこれからしていきたいというふうに思っております。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 私、いろんな報道を仄聞しますと、まさにアメリカがこの中でも主体性を持ちたいなというような考えが強いようだな、こういうふうな感触がうかがわれます。反面、東南アジアの諸国は、日本よ頑張れ、こんなような気持ちも大変強いなということもあわせて感じられます。そんな中で、日本の主体性というものをぜひ確保していっていただきたいな、こうお願いしたいと思います。  それから、先ほど指摘させていただいた中国の軍拡ということでお伺いを申し上げますけれども、南沙、西沙それぞれの諸島に中国の軍事的進出が大変顕著だというふうなことであります。  インドネシアのバンドン会議で、領有権を棚上げして資源の共同開発を推進しようというふうな考え方で関係国の一応の合意が得られたと聞いておるのでありますけれども、その一方、翌年の二月、中国が領海法を制定して、その中で南沙諸島を中国領としたことでまさに領有権問題が再燃した、こういうことであります。  中国は、南沙諸島に対する主権は譲れないというような基本路線を主張しているわけでありますし、この諸島近辺で軍事演習の規模拡大をまさに行っている。加えて西沙諸島についても、既に飛行場を建設、なおかつ昨今では海軍基地と見られる港湾も建設したとの報道もありました。このような領有権問題に絡んだ形での中国の南シナ海への軍事的進出、このことは東アジア全体の安全保障にとっても大きな緊張要因になろうと、こう考えております。  政府はこの点をどういうふうに考えておられるのか、見解をお伺いいたします。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 南シナ海の諸群島というのは海上交通の要衝であろうということでありまして、我が国にとっても大変関心を持つところであります。それと同時に、豊富な海洋資源を擁する地域でもありますし、また同地域の安定というのは我が国を含む東アジア地域全体の安定と極めて重要な、密接な関係にあろうというふうに思っております。  このような中で、中国その他の関係諸国は南シナ海諸島群島の領有権問題、これを平和的に解決しようとの意向を表明しておりまして、そのためインドネシアなんかも中心になりながらこの問題についての話し合いを進められておるというふうに私どもも承知いたしております。  我が国としまして、このような関係諸国によるこの問題についての平和的な解決の姿勢、これを我々は支持をするとともに、関係諸国の要望がございますならば、我が国としてもやはり可能な貢献というものをしていく必要があろうということを私どもも考えておるところであります。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 加えまして、香港の問題をお伺いいたします。  九七年六月三十日になりますと、中国に帰属するわけでありますけれども、当面中国当局は社会主義と資本主義、二つの制度を共存共栄させるというふうな考えを公表しております。しかしながら、香港住民の不安は大変大きいものと聞いておりまして、中間管理職層やらテクノクラート、知識人やら約百万人の人たちが返還の九七年までには海外脱出を希望しているというふうなことも聞いております。  アジアの経済成長の推進力としてその一翼を担ってきた香港の今後の動向は、日中関係を含むアジアの政治経済の将来に与える影響は大変重大だと考えます。この点についての政府の基本的なスタンスについて、外務大臣にお伺いをいたします。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 香港は、やはりNIESの一つとしまして貿易とかあるいは金融、これは投資面とか、これはアジア・太平洋地域におきましてまさに一つのセンターとも言われるぐらいの重要な地位があろうというふうに思っております。  このような存在である香港というのが九七年の中国への返還以降も政治的に経済的に開かれた体制を維持していくことは、これはただ香港というだけではなくて中国の改革あるいは開放政策の実施という観点からも、また我が国も一番の投資国でもあるということもございます、またアジアのその他の国もここに大きな投資をしております、そういった人たちにとっても、この安定ということは非常に大事なことであろうと思っております。  私自身も今までも例えば中国の要人の皆様方に対しまして、ここが安定して返還され、そして英国と中国で共同声明を発表していますが、こういったものに基づいて平和裏にしかも安定することが大事ですよと、これは中国にとっても大事ですよということを実は何回も申し上げておりますし、また英国の皆様方に対しましても、そういったところをよく念頭に置かれながら中国側と率直な話し合いをしてほしいよということも実は申し上げておるところでございます。  しかし、そういう中で私ども香港を見ていますと、不安という一方であそこに新しい空港ですとかあるいは鉄道網ですとかあるいは道路等を整備する、また住宅街を整備していくというような積極的な投資も行われようと実はいたしておりまして、私は、そういったものが安定して、しかも平和の中にそういうものが着実に進むように我々としても十分注意し、またそれぞれに対して対話をしていく必要があろうというふうに考えております。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 先ほど来アジア・太平洋の新秩序という観点からるる質問させていただいたわけでありますけれども、加えて中華人民共和国との連携が強化されれば強化されるほど無視できない存在はやはり台湾の存在だと思うんであります。  今さら言うまでもないと思うんでありますけれども、日中間の人的交流が七十万になったよというふうな話でありますけれども、その約倍の人的交流が既に九二年に確保され、なおかつ貿易関係も対中国の貿易を上回るような緊密な関係も維持しているという現在であります。西側諸国、中国は一つだということで北京政権がただ唯一の正統政府だというふうな公の発表の中で、あえて台湾との交流も維持しているのが現在かなと。そんなことを考えますと、日本もそろそろ表舞台でどう対応するのかなということも考えなければいけない時期に来たんではないか。  私もこの間李総統にお会いする機会がありまして、並み並みならぬ国連加盟についての熱意を表されていました。そうなりますと、いつまでも部屋の隅に置いたままというふうな議論はできかねるというような感じがいたしますし、なおかつ冒頭に申し上げたアジア・太平洋というふうな秩序を考えたときに、その辺での今後の対応というものはどうあるべきかな、その辺のひとつ外務大臣の所感をお伺いしたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) この問題につきましては、今お話のありましたように、確かに台湾そのものが例えば香港、香港を経由して中国・深センその他に大変大きな投資しているという現実もあります。また、相当多くの方々がいろんな形で往来しているというようなことも私どもも承知しております。また、確かに幾つかの国の要路の方々が台湾を訪れておるという現実もあります。それとあと国際的な機関、こういった話し合いのときにも三つの中国がありますねなんてこの間もある国の方が言っておりましたけれども、中国大陸、香港、そして台湾というような言い方をされておりました。  ただ私ども、これは隣国である中国と国交正常化した、ちょうど平和条約を結んだのが十五年前であって二十一年前に例の日中共同声明というのを発したわけでありますけれども、それから二十一年の間に日中関係というのは広く、しかも深い関係になってきているというふうに思っております。この問題についていろんな人たちがいろんなお考えがあるということ、方々で私ども聞かされますし、承知をいたしております。また中国の方に民間の方々それぞれのお立場の方がこうこうこういう現状じゃないかというようなことを率直に話されている方もあることも私どもよく承知しております。  ただ私は、現在の段階にあっては、この日中共同声明というものを我が日本としてはやはり今大事にしておくことが必要であろうという思いを持っていることを率直に申し上げさせていただきたいと思います。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 今、大臣がおっしゃるように日中関係を大切にしたい、この気持ち私も一緒であります。反面、いつまでも台湾の存在というものを部屋の隅に置くことはできないと思うんです。こういうことも現在配慮しなければいけないことだと思うんでありまして、その点も十分考慮に入れながら、既成事実の積み上げで一つの成果があらわれると思っておりますから、ぜひそんなことに御努力あられんことをお願いを申し上げます。  先般、エリツィン大統領が三度目にやっと訪日されたわけでありますけれども、まさに日本国民との対話を、悲願とでも申しましょうか、日ロ両国間の平和条約を早く締結をしたい、そのためにもエリツィン大統領の訪日ということに期待を胸膨らませたのが去年の九月九日だったと思います。しかしながら、十三日の来日を直前にしまして、一つはタス通信を通して訪日延期、なおかつ宮澤総理も直接電話でロシア国内諸般の事情のため訪日を延期しますというふうな連絡を受けたわけであります。私は、このことは極めて外交上異例なことではないかな、当時こういう感じを受けたわけでありまして、なおかつその後、平成四年の十一月十八日から二十日までエリツィン大統領は韓国を訪問している。加えて、ことし四月中旬でありますか、東京で先進七カ国外相・蔵相会議が開催されたそのタイミングに合わせまして、五月末には訪日するぞというふうな打診もあったわけであります。しかしながら、五月に入りましてクラシコフ報道室長から五月のエリツィン訪日は延期をしますというふうなやはり一方的な通告を受けた。そして、今回十月の十一日から十三日、やっとエリツィン大統領の訪日が実現できたわけであります。  しかしながら、時の国内状況を考えますと、当初昨年の九月に訪日するぞと言った状況と果たしてどちらが険悪であったかなと思うと、今回の訪日直前がまさに険悪な状況ではなかったのかなというふうに判断するわけであります。でありますから、二回も約束をほごにしておきながら今回あの状況下で訪日が決行された、本当の意味でのエリツィン大統領の目的が何だったんだろうな、なおかつああいう状況下で日本に訪日をいただきながら、どれだけの成果ある対談ができたかなと思いますと、大変私は疑問を抱かざるを得ないんです。  私も地方議会に三期務めましたが、地方議会では御案内のとおり国交、外交、防衛問題は議論の対象ではない。ですから、あえて基本的な外交のあり方ということを外務大臣にお伺いしたいんであります。  ロシアに対する国民感情の不信は大変大きなものになった。加えて、今回の海洋投棄一つとらえてみても、細川総理から直接即時中止を申し込んだにもかかわらず残念ながらああいうふうなことになってしまった。あの放映たるや大変ショッキングな放映でありました。まず私は、外交というのは信頼関係をいかに樹立するか、そしてその信頼関係の中で友好関係を深めながら、経済的に、そして人的交流を形づけていくというふうなことが一つの外交の手段かなと。しかしながら、価値観も人生観も文化観も違うお互いでありますから、一朝一夕には当然成果が上がるというふうなこともなかなか難しい。このことは私なりに理解はさせていただいているつもりであります。  しかしながら、この一連の流れを見ますと余りにも異例づくめで、日本として主体性ある外交はどうあるべきか、こう思ったときに、ぜひ今後の日本の外交の指針としまして羽田外務大臣の外務大臣としての日本の外交のあり方、この辺のひとつ率直な御意見をお伺いしたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今、幅広い示唆に富んだお話をいただきましたことをまずお礼を申し上げたいと思います。  確かにエリツィンさんの属しますロシアが大変難しい状況にこのところあったことは、もう今御指摘のとおりであります。そういう中にあって、どうもロシアと日本の中に何かお互いに相互信頼関係というのが失われておったということが現実にやはりあったんだろうと思うんですね。しかし、この厳しい中にあって今度来日されたということ、そういう中でしかも率直にこちらが語りかける、また向こうも率直に話す、そこでお互いに今お話があったように信頼関係というものを築くことができたということ、これは私はやはり相当大きな成果であったろうと思います。  そして、東京宣言の中でも認めておりますように、やはり領土問題があるんだということをきちんと認めたこと、しかも四島にわたって、名前はあれしながらこれが認められたということ、そしてこれはやはり解決しなきゃならないことだということを認められたこと、そして今お話があったいわゆるシベリアについての率直な謝罪があったということ、これは日本人の中に精神的な一つの和解といいますか、こういったものを生み出したんだろうと思います。  ただ問題は、今お話があった海洋投棄の問題、なぜあのときにしたんだと。しかもこちらの方で今までの海洋投棄の問題について話し、これはやめてもらわなければ困りますよ、そしてこういった問題についての共同調査しましょうという話をしたすぐその直後であったということで、これは私たちも本当になぜなんだという思いが率直にありました。  しかし、このことについて私どもといたしましては正式に抗議を大使館に申し入れると同時に、外務大臣に対して電話でこのことについて率直な私どもの感じを申し上げ、またエリツィン来日というものを一体どういうふうにしてしまうのかということについて率直にお話ししました。そういう中で二回目の投棄というものを、非常に難しい、多分私は本当につかんでなかったと思うんですけれども、そういう中でわずかの時間に走り回られながら、多分大統領を通じてだったと思いますけれども二回目の海洋投棄がやめられたということ、これはやはりこういう話し合いがお互いにできるようになったということは一つの成果なのかなというふうに思っております。  そういう意味で、今後、東京宣言あるいは経済宣言というものをもとにして、いわゆる拡大均衡という中にありまして、日ロ間の経済あるいは実務関係、こういったものが一つ展望されたということは私は成果としてやはり大切にするべきであろうと思っております。  それから、基本的には私たちはこういうそれぞれの国とのつき合い方ということは、たしか日中国交正常化ができたときですか、田中総理が反対する人、賛成する人、渦巻く自民党本部に帰られてまず第一に発言されたことは、隣国に中国という大きな国がある、この国とはいいことも話さなきゃならぬし、あるときにはお前さんの国のやり方これはおかしいぞということも言わなきゃならぬ、そういうことが一部のルートを通じてしか語れないということはこれは非常に不幸なことだと、やはり本当にお互いが率直な話し合いをすることが大事であろう、このことを考えたときに私は国交正常化を決断しましたということを言われました。私はそのことを今でも鮮烈に覚えておりますけれども、どこの国とも本当に率直に話し合いができる、それが私は大事であろうと思います。  そして、日本の国はそういう率直な話し合いをする中でいろんな国との調整なんかを果たすこともできていくであろうというふうに思っておりまして、私はこれからの日本の外交の基本というのは、どこの国ともちゃんと対等に、しかも率直にいいことも悪いことも話せる、そういう関係を築いていくということは、これはもう本当に普通の言葉でありますけれども、率直に私が今思っておる外交の基本というものをそんなところに置いておく必要があろうというふうに思っております。そして、我々が主体性を持ってきちんと話し合うことが大事であろうというふうに思っております。

矢野哲朗自由民主党

○矢野哲朗君 時間がなくなってしまったものですから、きょうはここで終わりにするわけでありますけれども、ぜひ今のお話のように本当に信頼関係樹立のために、今外務大臣が先頭に立たれまして大変御苦労が多いことかもわかりませんけれども、世界の中の日本だという位置づけはもう間違いない事実でありますから、主体性ある外交展開を私も殊のほか御期待申し上げますので、ひとつ積極的な活動を心から期待したいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) ありがとうございます。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 日本とネパールとの航空協定についてお伺いいたします。  昨年の七月に、タイの国際航空機がカトマンズの北方のヒマラヤ山中に墜落して乗員・乗客百十三名全員が死亡した事件がございました。国際協力事業団ネパール事務所の方も御家族と一緒に七名の方がお亡くなりになったということで、心からお悔やみ申し上げるわけですが、翌々月の九月にはパキスタン航空の大きな飛行機事故がございまして、わずか二カ月足らずの間に二度の大きな墜落事故がありました。  ネパールのカトマンズ空港は山々に囲まれた盆地状にあって航空パイロットの間で世界屈指の難所と言われるそうですが、先進国の空港にはほとんどあるレーダーによる着陸誘導装置がカトマンズ空港にはなくて、パイロットは高度計を見ながら速度を調節して目測で機体を降下させなければならないということを聞いております。しかも気象状況が変わりやすくて視界が悪化することなどもしばしばで、このようなことが危険度を高めていると指摘されております。  ネパールの首相は事故再発防止のために日本を含む各国にカトマンズ空港のレーダー施設設置の協力を求めていると聞いておりますが、このような点について、いかがでしょうか。

上田秀明外務省経済協力局長事務代理

○政府委員(上田秀明君) カトマンズの事故の続きました後、直ちにネパール政府の御要請もございましたので十一月にまず現地に調査団を派遣いたしまして、レーダー等の設置、いかなる協力が可能かということをまず予備的にお話をいたしました。  その後、ことしの二月になりまして事前調査団をさらに現地に派遣いたしまして、具体的な協力の内容、この協力はまずカトマンズ空港整備計画を調査する、こういう協力でございますが、航空保安施設、それから通信施設、管制施設、そういったものを対象といたしました安全性向上のための調査を行う、それから二〇一〇年を目標年次といたします整備計画を策定する、それからあわせてレーダー設置等に係る協力についてはフィージビリティー調査を行う、それから技術調査も行う、こういうようなことをネパール側と合意をいたしました。  六月から本格的な調査を開始しておりまして、現在も調査を実施中でございます。その調査は平成六年の五月に最終報告書が完成する予定でございます。  こういった調査を行う傍ら、既に無償資金協力によりましてレーダー設置等の可能性がいかがかということを詳細に検討するために、目下、まさに十一月三日からでございますが、国際協力事業団によります基本設計調査団をネパールに派遣しているところでございます。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 ネパール政府が設置した事故調査委員会がネパール首相に提出した報告の概要によりますと、操縦士の判断ミスがあった、操縦士と管制塔との連絡がうまくつかなかった、操縦士と副操縦士との間の調整が適正に行われなかったという報告がなされております。  今後、日本とネパールとの間に本協定が締結されて将来航空機の相互乗り入れが行われるようになってくると、現在の我が国の過密な航空機の運航状態から考えると安全性は一体どうなるのか。さきに事故を起こしたのはタイ国際航空とパキスタン国際航空の飛行機でありますが、カトマンズ空港の整備やレーダーの設置だけではなくて、ネパール側の指定航空企業であるロイヤル・ネパール航空の運航体制やパイロットに対する協力も極めて重要ではないかと思いますが、こういった点についてはどうでしょう。

上田秀明外務省経済協力局長事務代理

○政府委員(上田秀明君) 御指摘の点でございますけれども、これまでも航空管制の業務、それから航空保安業務に関しますセミナーを開催しておりまして、ネパールを含む途上国からの研修員を受け入れてきております。ネパールからも平成五年度で二名、平成三年、四年で各一名の航空管制セミナーへの参加者、それから航空保安セミナーにも平成四年度で一名の参加者を得ているところでございます。  先ほど御説明申し上げました全般的な調査結果を踏まえまして、さらに具体的にいかなる協力が可能かということも検討してまいりたいと存じております。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 ネパールとの航空協定に関してはそれまでで、今度はロシアとの問題についてお伺いしたいと思います。  細川首相は、先月の十八日に韓国の東亜日報の洪編集局長と会って、十一月の六、七日に内定している韓国訪問に関連して、金泳三大統領と外交、経済問題やロシアの放射性廃棄物の海洋投棄問題を含めて議論したいと述べておられます。  また、日韓編集セミナーに参加した朝日新聞など報道各社の代表は、十月二十日にソウルの青瓦台で金泳三大統領と会見して、その席上、金大統領はロシアの日本海への核廃棄物投棄問題について、十一月上旬に予定される細川首相との初の首脳会談で議題として取り上げ、日米韓三国で共同対処するための具体案を協議する意向を示されました。金大統領は、ロシアは国際法や慣習を無視している。被害がないといっても信じられない。細川首相が訪韓したら直接、突っ込んだ協議をする予定だと述べておられます。米国も強硬姿勢をとっている。米日韓三国が協力して、ロシアに海洋投棄をやめさせるよういろいろな措置を講じなければならないと、日米韓三国の協力の必要性を強調されたと十月二十一日の朝日新聞に掲載されています。  その前日に、「武村官房長官は記者会見で、ロシアの核廃棄物海洋投棄問題での日本政府の対応として、①G7として共同で即時中止をロシア政府に申し入れる②十一月八日から開かれるロンドン条約締約国会議で、ロシア政府から投棄の実態について報告を求め、対応策を協議する③日本政府がロシアなど旧ソ連四カ国に提供する一億ドルの核兵器解体援助資金の一部を、放射性廃液貯蔵施設の拡充に回すよう検討する、の三点を挙げた。」と新聞報道されております。  ロシアの核廃棄物投棄の問題に関して、隣の最も我々にとって重要な国の一つでありまた日本と同じように大きな脅威と被害を受けている韓国から大統領がそのような声明を出され、また六日、七日には細川総理も行かれて突っ込んで金大統領と話し合われるということですが、外務大臣から話し合う内容、そういった点についての見解をお伺いしたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今回の韓国訪問、これは金泳三大統領と初めての首脳会談であるということでございます。その意味で、先ほどからお話ししておりますように、互いに個人的な信頼醸成というものが非常に重要であるということで、可能な限り格式にとらわれないで、自由な雰囲気の中で朝鮮半島情勢とかあるいは北東アジアの情勢、こういった最近の国際情勢、これらについて話し合おう、それと同時に、日韓関係、こういった問題についての重要性について大所高所から意見を交換しようというのが基本にあるということであります。  ただ、この放射性廃棄物の海洋投棄問題、これは今お話がありましたように、それからたしか一回目の投棄がなされた後に韓国の方でも声明を発せられているように、この問題については韓国もやはり大変憂慮している、懸念しておったということでありまして、そういう意味でこれは当然話題になるだろうというふうに思っております。  なお、米韓等の関係国との協力につきましては、情報交換とかあるいは問題意識の共有のためということで十一月八日から始まりますロンドン条約の締約国の会議の機会に関係国とお話し合いをする、それはノルウェーとかあるいはそのほかG7の国の皆さん方も来られます。韓国は何かメンバーではないんだそうでありますけれども、韓国もこれに出席をされるという情報を得ております。そういったことで、今後その海洋投棄等の問題につきましてどう国際的に対応していくのかということは、我々話し合っていく問題であろうというふうに思っております。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 ある軍事評論家が、一九九〇年と九三年の防衛白書によるとロシアの原子力潜水艦は七十五隻から五十隻に減っている、ロシアの原子力潜水艦は大体原子炉を二基積んでいるからこれだけで五十基近い原子炉がリタイアしたことになる、既に八〇年ごろから原潜のリタイアが始まっているので現在までのリタイアした原子炉はほぼ百基ほどと推定される、今後もリタイアする原子力潜水艦はふえるはずであるから費用と交通網の問題からいってもロシアはこれらの処理は海洋投棄以外には考えられない、今後確実に海洋投棄される核廃棄物の量はふえるはずだ、こういうことを言っております。  また、ロシア沿海州の環境保護委員会のセルゲイ・キセリョフ副委員長は、十月二十八日の毎日新聞の記者との会見で、液体廃棄物の日本海への二回目投棄以降の投棄が中止されたために廃棄物を満載した専用船や原子力潜水艦がウラジオストク周辺の波止場に停泊したままになっている、早く処理しなければ暴風雨などにより予測できない核汚染が起き、住民に被害が出る可能性があると指摘をしております。  また、きょうの読売新聞によりますと、「タス通信によると、ロシア太平洋艦隊のゲオルギー・グリノフ司令官は三日、沿海地方のラジオ放送で「現行の計画に従い液体放射性廃棄物の日本海への投棄を続ける」と言明した。」。同司令官は、「①貯蔵を続ければ周辺の自然環境や住民の健康を脅かす②西側先進国は時にはロシアより放射性の高い廃棄物を海洋投棄している――などと主張。廃艦になった原子力潜水艦の解体や炉心の無害化について日本側が協力を表明しているとして「我々は、こうした協力をひどく必要としている」と強調した。」。このように報道されております。  外務大臣のこれらに対する御見解はいかがでございましょうか。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○説明員(林暘君) 御指摘のロシアの原子力潜水艦の廃棄でございますが、本年の七月のロシアのイズベスチヤによりますと、ロシアには現在二百三十五隻の原子力艦船がございまして、原子炉は合計で四百七個その原子力艦船に載っているようでございます。廃棄につきましては、海軍は九十三隻の廃棄された潜水艦を保有しておりまして、二〇〇〇年までには百五十隻以上の原子力潜水艦が退役する予定であるというふうにロシアのイズベスチヤには報道されております。  このような原子力潜水艦の廃棄に伴いまして発生します廃棄物のうち、原子炉を含みますいわゆる固形放射性廃棄物につきましては、ロシア側は五月に開催されました第一回の合同作業部会の場で海洋投棄は行わないというふうに説明をいたしております。他方、御指摘のように、液体性廃棄物につきましては、海洋投棄を行う可能性を示唆しているわけでございますし、現に十月に投棄が行われたということでございます。  それから、海軍の関係者が投棄の継続に関する発言を行っているのも新聞に報道されているとおりでございまして、ロシア海軍第一副司令官とかロシア太平洋艦隊の報道部長ないしは太平洋艦隊司令官というような人々が、今後の投棄の可能性について言及していることがございます。  これにつきましては、ロシア政府の方に我々としても正式に申し入れを行いまして、ロシア政府から、これは外務省と環境省でございますけれども、去る十月二十一日に公表されました投棄中止の決定に変更はないという確認をこの一日の時点で我々としては得ております。  以上でございます。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 とにかく満杯の状態でロシアの廃棄船があるわけですが、これはこのままでおったら再三抗議を行い調査を申し入れてもまたやられるんじゃないかと。そういったことに対して、東北、北海道の知事もこれを即時中止するような要請を行っていますし、日本海沿岸の二十六市の市長もこういったものに対して即時中止することを要望する要望書も出しているようでございます。  日ロ会談で拡大均衡ということが、先ほど外務大臣もおっしゃられましたけれども、基本原則というものが確認をされて、従来の政経不可分という路線から一歩踏み出して拡大均衡という方向に向かったんですが、今回のこういった核廃棄物の海洋投棄というものと、その地域の人たちの生命の安全やあるいは財産に対する不安というものから考えたら、国民感情として拡大均衡じゃなくて縮小均衡でと、こんな国にどうして日本の貴重な税金をつぎ込むのかという率直なそういった感情があるのではないかと。我々はあくまでもロシアとの友好関係を築いていきたいという気持ちには変わりはございませんけれども、しかしながら、あくまでも経済支援をやろうというのは、ロシアの社会が民主化されて市場経済を進めてもらいたい、また環境にもきちんと配慮するような国になってほしい、世界にとってこういうた大事な姿勢を示してもらうことが前提で経済的な応援をしようと我々は考えているわけです。  しかしながら、現実にはこのような海洋投棄を行おうとする姿勢を依然として持ち続けている。こういったものに対して、今後日本の国としても単なる調査や抗議だけではなく実効のある、そういう海洋投棄をやめさせるような、そういった面での外務大臣の決意や具体的な方策がございましたらお教えいただきたいんですが。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) ただいまの御指摘はこの海を取り巻く各県あるいは自治体にとって大変心配であること、これはもう私も全く同感であります。  ただ、あの国には今御議論がありましたように潜水艦、しかもこれを軍縮していきましょうという中で、解体していかなきゃならないものあるいは古くなったものを解体するというようなことがある。現実にそういったものがあるということです。ですから、そういったものを一体どうするのかということについて我々はもう率直に現実をとらまえながらそういったことをなくすようにしなきゃいかぬ。しかし一方では、運航している船のものまで捨てるということになると、あそこの何というんですか海軍といいますか原子力の潜水艦に対して力をかしてしまうようなことになるということもある。そういったものも含めて、よく情報をきちんと分析した上で、私どもとしてもやっぱりそういう海洋投棄というものはさせない方向に考えていかなきゃいけない。  この間、ミハイロフ原子力大臣ですか、この方が来られたときにも、もう本当に今度やったことは悲しいことであるということ、それから私は海洋投棄というものに対しては反対なんだということを言われておりました。そういうことなんかも私どもはもとにしながら具体的にどうするんだということを、この間も専門家会議が開かれたわけでありますけれども、そういう話し合いを通じながら実際に海洋投棄がされないような方向に向かって我々としても対応していきたいと思っておりますし、またロンドン条約、今度はこういった問題に対して我が国としても態度を鮮明にしなければならないということでありますから、こういったところでもきちんと発言をするようにして、また各国とも話し合いながら具体的な対応というものをしていきたいというふうに考えております。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 今、外務大臣からも御発言がございましたように、放射性廃液を海洋投棄させないためにも廃液の地上における処分の施設をこれからつくっていくという問題が取り上げられているんですが、確かに外務大臣がおっしゃられたように、この核廃棄物、原子力潜水艦の解体から出る廃液、原子力潜水艦の修理の際に出る廃液あるいは活動によって出る廃液、これはどういう形で分けるのか私は専門的知識がないからわかりませんけれども、こういったもの、うっかりするとロシアの軍事活動に我々が手をかすのではないか、こういったことに対しての十分な配慮というものが我々は必要じゃないかと。  そういった面で、世界でただ一つの原子爆弾による被爆国である日本国民の平和に対する強い願いと国民感情といった面も十分御考慮いただいてこの問題に対して、ただこの問題について現実的な対応はもちろん大事ではありますしまたやらなければならないわけですが、単なる感情的な問題を超えて、そういった問題に対して、ロシアの軍事力に手をかすようなことのないような、そういった面での外務当局、特に外務大臣の御決意と今後の対応について最後にお聞かせいただきたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) もうお話のございましたとおり、軍事機能を維持させるあるいはそれを強める、そういったことに我々が協力してしまったというのではこれはとても国民にも理解されるものじゃありませんし、また国際的にも理解されないものであろうというふうに思っております。  そういったところを見きわめると同時に、一方では軍縮のためにやらなきゃならぬということ、あるいは実際に原子力の平和利用の中から生まれてくるもの、これを投棄しなきゃならぬ問題があるということ、そういった問題等をよく私ども見きわめながら、また我々として何ができるのかということを御指摘のことを踏まえながら対応していきたいということ、かたい決意を持っておりますことを申し上げたいと思います。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 それから、今度六日から細川総理が韓国に行かれますけれども、慶州にいらっしゃるので半ば非公式の訪問のような形で行かれるということを伺っておりますけれども、やはり我々としても今後アジアの国々の協力と理解を得る意味においても十分この問題を話し合われ、またこういった問題について韓国の理解と共同歩調がとれるような御配慮をいただきたい。続いて九日からまたアメリカへ行かれるわけですから、当然そういう意味において日本やアメリカとのそういったような、これはまだ決定されてないかどうか知りませんが、そういった御予定等伺っておりますけれども、そういう意味においても日本とアジアの各国との協力と理解が得られるように、特に韓国はプライドの高い国だと伺っておりますので、そういう面での御配慮の上でこういう問題についての対処をお願いしたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今御指摘のありましたことを総理の方にも、やはりお互いが話し合う中で、協力し合う中でそういったものが、要するに不安というものが除去されるようにお話しいただくことを、きょう委員から御指摘があったことを御報告申し上げたいと思います。

成瀬守重自由民主党

○成瀬守重君 以上です。

立木洋日本共産党

○立木洋君 航空議定書並びに協定、この二件については前回の通常国会のときに既にお尋ねしておりますので、みなみまぐろ保存条約について二、三、まずお尋ねしたいというふうに思います。  マグロの問題に関しては、資源をよく保存し、さらには効率的な利用を進めるというふうなことで国際的な枠組みがいろいろできてきているということはもう御承知のとおりですが、こういう中でみなみまぐろ保存条約というのがここに締結される。  ただ、いろいろ新聞等の報道を見ていますと、台湾におけるマグロの漁獲というのが急激にふえて、特に日本に対する対日輸出、これが急速にふえているんですね。四、五年の統計を見せていただいただけでも何か三倍近くにもなっているというふうな状況がある。この問題については、市場の安定の問題だとか資源の保存の問題だとかというふうなことを考えるならば、これは十分に配慮していかなければならないんじゃないかという大きな問題になってきているんですね。台湾だけじゃなくて便宜置籍船の問題としても問題があるというふうなことも出されています。  この現状についてはどういうふうに把握されておられるのか、その実態をちょっと最初に御説明いただきたいんですが。

鎭西迪雄水産庁長官

○政府委員(鎭西迪雄君) ただいま委員御指摘のように、マグロにつきましては特に台湾から最近冷凍のキハダマグロの輸入が急増いたしまして、非常に国内の価格低迷を来している。この背景には、一つは我が国の経済、かなり長い間にわたりまして景気が低調でございまして、非常に早いスピードでかつ高品質のマグロ市場が拡大してまいったわけでございますけれども、これがいま一つ勢いが出ないという背景が基本的にございますけれども、冷凍キハダマグロを中心にした台湾物の輸入急増というのを昨今の我が国カツオ・マグロ漁業者が大変懸念している状況でございます。  それから国際的には、先ほど外務大臣の方から趣旨の御説明がございましたが、カツオ、マグロといった高度回遊性魚類、これについてやはり自然保護あるいは環境保全といった、地球環境保全という大きい生態系の維持という観点でございますけれども、そういう観点から国際的に規制をすべきであるという動きが非常に最近強くなっております。  マグロにつきましては、ただいま委員御指摘のとおり、国際的な資源管理の機構あるいは地域的な資源管理の機構、幾つかのものが既に現在ございまして、そういう中で機能しているということでございまして、ミナミマグロはそのうちの高級マグロの一つでございますけれども、これも先ほどの外務大臣のお話のように一九八二年以来、豪州、ニュージーランド、日本の間で三国間会議というものを開催いたしまして、自主的に各国別の割り当て数量というものを協議してまいった、これを今回条約という形で制度的にきちっとしたものにしようということであると理解しております。

立木洋日本共産党

○立木洋君 ことしの二月でしたか、アジア四カ国のマグロ漁業を行っている経済地域や国の業者の団体が集まって話し合いをしているんですが、この会議の中で台湾から対日輸出の量としては大体六万六千トンぐらいにしてほしいということで合意したわけですが、既に八月の時点で七万トンを超える、そういう状況ではことしじゅうに十二万にも十三万トンにもなる可能性があるじゃないかというふうなことになっているんですね。今度のみなみまぐろ保存条約との関係で言えば、あそこは国ではありませんから、中国の一つの省ということでそういう対応の仕方になっていますから、国としてこの条約に参加するということはできないわけです。  しかし、今後の世界的なマグロの資源の保存等の問題も考え環境の問題なんかもよく考えてみるならば、今台湾に超低温の低温船が結局三百十三隻かある、世界的にそれを行って、またミナミマグロの水域の方にも参入するというふうな動きも出てきているわけですが、これは水産庁の方としてはどういうふうに対応していくのが望ましいというふうに考えているのか、そのお話をお聞きした上で外務省の方としての対応はどんなふうにお考えになっているのか、それぞれ省別にお答えいただきたいと思います。

鎭西迪雄水産庁長官

○政府委員(鎭西迪雄君) ただいまの委員のお話、先ほど私が御説明いたしました台湾からの、これは主として冷凍のキハダマグロが多いわけでございまして、ミナミマグロについてはまだ台湾の漁獲実績あるいは我が国への輸出実績は非常に少量でございます、御承知のとおりでございます。そういうことを前提に置きまして、まず基本的に申しますと、近年、先ほど御説明いたしましたように台湾のマグロ漁業が急激に増大いたしておりまして、このことは私どもマグロ類の国際資源管理上からも大きな問題であるというように認識しております。  また、台湾等の国によります無秩序な操業を行うということになりますと、御承知のとおりマグロの刺身市場、これは我が国がほとんど世界で唯一の市場と言ってもいい国でございますので、そういうものを大量に輸入している我が国への国際的な批判を招きかねないということで、これも問題であろうと考えております。  こういうようなことから、先ほど委員が御指摘されましたように、私どもといたしましては、従来から日本と台湾の間での民間の業界間会合などを通じまして、台湾に対しまして秩序ある操業というものを働きかけてまいっております。この成果が先般の、ただいま委員のお話にございました民間での今年度の輸入の目標数量というものを設定しようじゃないかという動きになって結実したわけでございますけれども、残念ながらことしの一―八月期あるいは一―九月期を見ますと、その目標数量の六万六千トンが倍近くになるんではないかというように見通されていることは御承知のとおりでございまして、大変そのことについて、国内のマグロ漁業者あるいは流通業者も含めてでございますが、これ以上台湾物が急増するということになりますと我が国のマーケットが非常に混乱するということで、先般も急遽台湾に漁業者代表あるいは流通業者の代表も行きまして、臨時の会議を開催したところでございます。  その中で、双方とも資源の維持管理の必要性ということについては基本的に認識は一致しているのでございますけれども、台湾側のいろんな事情もございます。あるいはことしが非常にある海域によって豊漁であったというようなこともございましてふえたわけでございますけれども、今後とも引き続き緊密な需給あるいは価格の動向について情報交換をしようと。あるいは我が国においてそういった情報連絡会議を行う場合に、これは生産者、流通業者、市場関係者、消費者サイドが入っているのでございますが、台湾の業界からもオブザーバーとして参加を願おうというような話し合いをしたところでございます。

小池寛治外務大臣官房審議官

○政府委員(小池寛治君) 委員の方から台湾と条約との関連について御質問がありましたので、お答えいたします。  委員御承知のとおり、台湾については一九七二年以来の日台関係を律する枠組みというものがございます。我が国として台湾のこの条約への加入を認め得る立場にはございません。また、この条約におきまして第十八条に加入条項の規定がございますけれども、それは国に限定されております。  他方、委員から御指摘ありましたように、ミナミマグロを保存して最適利用を確保しようというこの条約の目的を達成するという見地に立ちますと、ミナミマグロを漁獲している台湾についてもこの条約のもとで、ミナミマグロの保存、管理の枠組みがございますけれども何らかの適当な方法でそれに参加、関与せしめるということが必要であるというのもまた事実かと思います。こういう見地からこの条約は、この条約の締約国でない国または団体であっても、すなわち台湾も含みますけれども、この条約でつくられます委員会あるいは科学委員会の会合にオブザーバーとして招請することはできると、その中で協力を要請することはできるというような仕組みになっております。

立木洋日本共産党

○立木洋君 大臣お聞きのように、今後この事態が放置されていくと非常に大きな問題になりかねないと思うんです、もう多くは私は言いませんけれども。だからこの問題については、もちろん中国の一つの省ですから国として扱うということは原則的にはできません。しかし、アジア・太平洋経済協力閣僚会議なんかにはオブザーバーとして地域経済体としては参加していますから、経済問題についてやはり言うべきことはきちっと言うということは場合によって私は必要だと思うんです。ですから、そのけじめはきちっとしながらもしかるべき対応をとって、事態が大きくなって問題が拡大しないように努力をしていただきたい。  業界の団体のいろいろなお話をお聞きしますと、台湾の業者はもう守る意思なんか全くないよと。あそこにはあそこで困難があるけれども、なかなか大変だというふうな声も漏らしておりますから、ひとつ十分に対応をお願いしたいということを最後に申し上げておきたいと思います。よろしいですか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) はい。今お話しございましたことは、私どもも念頭に置きながらしかるべく対応をしていきたいというふうに存じます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 次に領土の問題について、この間エリツィン大統領が来て領土問題の話し合いをしているわけですが、前回お聞きしようと思ったけれども時間がなかったのでお尋ねできなかったので、きょうお尋ねすることにいたします。  東京宣言の中でも法と正義の原則を基礎として解決するということが言われております。これは今回新しい表現ではなくて、九一年の秋に当時のハズブラートフ最高会議議長代行が日本に来たときにこの法と正義ということが最初に提起されたと私は記憶をしております。それ以後、法と正義の原則に基づいてということはよく言われるんですが、さてその法と正義の原則というのは一体何を意味しているのか、まずその基本的な内容について大臣にお尋ねしたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 領土問題を解決するに当たりましては、法と正義の原則ということを今度も実は言われているわけです。これは、国際法の諸原則を遵守するということ、そして客観的事実に立脚して普遍的正義という価値に基づいてということであろうというふうに私どもは実は整理をいたしておるところであります。  特に我が国としては、正義の内容としてはやはりスターリンの全体主義の残滓の除去、これは実は会談の中でも何回か言われていることであります。それから戦勝国と敗戦国との関係の克服、こういったものが重要であろうというふうに私どもは考えております。

立木洋日本共産党

○立木洋君 今までも何回か言われておりました大西洋憲章ですか、あるいはカイロ宣言、ポツダム宣言、これらの内容について言えば領土不拡大の原則ということが基本になっているわけです。ですから、日本の政府としての立場とするならば、もともと暴力だとかどん欲で我々がせしめた土地でない領土についてはこれは戦争の処理の原則としてそれを取り上げるということはまかりならぬと。だから、もともと日本の平和的な領土はやはり日本自身のものとすべきだと。そういう戦争の処理原則の誤り、これがいわゆるスターリンの大国主義とかいろいろ覇権主義とか、私たちは全体主義という言い方はしませんけれども、そういうものとして厳しく批判をして戦後処理の誤りを正すということが日本にとっては国際法上のいわゆる法と正義に基づく見地だと思うんです。  さてそこで、そういう領土不拡大の原則に基づいてスターリンの重大な誤りを正すという点ではソ連あるいはロシアとの間で完全な合意ができているんですか。法と正義の内容はそういう内容であるという合意は完全にできているんでしょうか。

丹波實外務省条約局長

○政府委員(丹波實君) 私の方から御説明させていただきますと、ただいまの大臣の御答弁で尽きていると思いますけれども、法と正義というものの定義あるいは意味に関しましては国際法上確立された解釈というものはないわけでございますけれども、北方領土にこれを当てはめて考えますと、法といった場合には他国の領土の不法占拠というものは許されないといったような一般国際法、それから日ソあるいは日ロ間の種々の二国間の条約関係、具体的な例を挙げますと、申し上げるまでもない一九五六年の日ソ共同宣言、あるいはサンフランシスコ平和条約におきますところの千島列島の放棄には四島は入っていないという法的あるいは歴史的な事実、それからまさに先生御指摘の領土不拡大の原則、そういったものが全部私たちとしては含まれているというふうに考えて、この言葉を理解しておる次第でございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 いや、丹波さんがそういうふうにおっしゃるということは私はわからぬわけじゃないんだけれども、お聞きしたいのは、つまり領土不拡大の原則における戦後処理のスターリンの誤り、これを正すという内容について、日本とロシアの間で、日本とソ連の間でただの一回でも合意があったんですかと聞いているんですよ。ないんじゃないですか。

丹波實外務省条約局長

○政府委員(丹波實君) この点につきましては、御承知のとおり、日本が北方四島は日本固有の領土であって返還されなければならないという主張をする場合に、主として次の二つの点を主張しておるわけですが、第一点は先生が今おっしゃっておられる領土不拡大の原則というものが基本であると。それから第二に、先ほど申し上げましたけれども、過去の領土の帰属の歴史からしてクリル諸島と言った場合にそれは四島というものは入っていないんだという点でございまして、これらの点につきましては、過去の日ソ平和条約作業グループあるいはその他の機会に何度も繰り返し日本側として主張しておりまして、この考え方は先生も御承知の日ロ両外務省の共同で編さんされた資料集の序文をごらんいただきますとにじみ出てきている、ロシア側の考え方としてもにじみ出てきておると私たちは思っておる次第でございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 私はソ連の、つまり日本の領土問題に関する文献を全部見ましたよ。だけれども、ソ連側があるいはロシア側が領土不拡大の原則に基づいてこの千島問題を処理するなんというのはどこにも書いてないですよ。ましてやそういう見地から、スターリンが他国の領土、とってはならないものを取り上げた、その誤りを正すんだという考え方はただの一言もないですよ。私は全部見ましたよ、ソ連の文献、ロシアの文献。  領土不拡大の原則という問題は第二次世界大戦の戦後処理の原則なんですよ、最も重要な。だからこそ我々は、平和的に我々の領土であった領土を、あるいはもともと固有の領土であった領土を何でソ連が取り上げる必要があるんだというところに国際法上の我々が主張する最大の根拠があるんですよ。その問題をあいまいにしているのが例えばこういう文書、この間おっしゃったこの共同作成資料集なんかでも、これ見てみますとあれも入っているでしょう、ヤルタ協定なんかの問題も入っていますし、結局玉虫色なんですよ。領土問題を解決すべきいわゆる法と正義の原則というその原則そのものについて、日本とロシアとの間の考え方というのは玉虫色なんですよ。  だから我々は、この問題について再々問題になるのは、法と正義の原則に基づいて領土問題を解決しなければならないと。だから何かの交換条件を出して、これをロシア側にやるからおまえ領土返してくれなんて、そんなばかげたことは絶対できない。それはもちろんそういうことですよね。また、我々が頭を下げてお願いして、我々のあれなんだから何とかお聞き届けくださいといってやるべき交渉の内容でもないんですよ。第二次世界大戦のいわゆる戦後処理の原則に基づいて解決しなければならないのが基本なんです。そのことが認められていない、ロシア側は十分にそのことを認識していない。それが交渉が進展しない僕はネックにあると思う。  それは丹波さんなかなかお答えしにくいだろうけれどもそのことはわかっていただきたいのですが、それならば私はここで申し上げると、さっき丹波さんは経過の問題も述べられた。そうすると、この北千島、私たちが言う北千島、あなた方は放棄した千島列島というふうに言いますけれども私たちは北千島、この北千島をいわゆる法と正義の原則に基づいてなぜ放棄する必要があるんですか、日本は。これは戦争の暴力だとかどん欲で取り上げた領土じゃないんでしょう。いわゆる樺太千島交換条約で平和的に日本の領土になったものです。だから、第二次世界大戦の戦後処理の原則に基づくならば北千島というのは日本が放棄しなければならない領土じゃないんですよ。なぜそれを放棄するのか。そうするとこれには、法と正義の原則というのが北千島には適用しないということになるんではないかと思いますが、つまりそれは……

丹波實外務省条約局長

○政府委員(丹波實君) ちょっと一点だけ。

立木洋日本共産党

○立木洋君 いや、丹波さんいいですよ、外務大臣の政治的な判断をお聞きしたいので。

丹波實外務省条約局長

○政府委員(丹波實君) 大臣からの御答弁があると思いますけれども、この点まさに私は先生の結論のねらいはその点だなと推測しておったわけでございますが、千島列島をなぜ放棄したかという点につきましては、私は議論としては全くわからないわけではございませんけれども、この点は従来政府側から何度も御説明しておりますとおり、講和条約の当時の状況としてあのような、何と申しますか、代償という言葉を使われる方もございますし代価という言葉を使われる方もございますけれども、あのような犠牲を払わなければ国際社会に復帰することができなかったという当時の状況から見て千島列島の放棄はやむを得なかったということを政府は従来から申し上げてきているとおりでございます。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今、局長から御答弁申し上げたとおりであります。

立木洋日本共産党

○立木洋君 この九三年度版に出ているんです、丹波さん、九三年版「われらの北方領土」というのに。その思いがにじみ出ていると言うならこの文章こそ私はにじみ出ていると言いたい。「千島列島は、」これは千島列島というのは私たちの言う北千島です、「樺太千島交換条約によって平和裡にわが国が譲り受けたもので、日本によって暴力および貪欲により略取された地域でないことはいうまでもありません。」と、言うまでもないんだから、そんなもの放棄する必要ないんですよ。  これは、どうして私はこのことにこだわるかというと、千島問題を正しく解決する、南千島にしても、これは歯舞、色丹は千島列島じゃありませんから大体取り上げるなんていうこと自身がとんでもないことです。いわゆる南千島だってあれは取り上げたこと自身がけしからぬことなんですね。ところが、南千島の問題を我々が正確に解決する場合には、たとえ戦勝国であろうとも領土不拡大の原則に基づいて負けた国から領土を取り上げてはならないというのが原則だからこそ我々が千島列島を返せということを言えるわけでしょう。そうしたら今度は北千島は、平和的に我々日本の国になった自分たちの領土でありながら、外国から暴力やどん欲でとった領土でない千島、北千島は捨てます、南千島は返してくださいということになると、つまり国際法上の我々日本政府が主張する根拠は極めて薄弱なんですよ。一方では領土不拡大の原則は認める、主張すると言いながら、一方では領土不拡大の原則には基づかない領土の処理というのが北千島には当たっているわけです。これは筋を通すなら領土不拡大の原則そのものに基づいて主張しなければ領土問題というのは将来とも長引くんです。日本の子々孫々に我々が領土を残すときに、北千島の問題についてはあのような間違ったやり方をしたというふうに将来の日本の我々の子孫から批判されるようなことになるんですよね。そしてまた、その問題はいつまでも日本とロシアの間で領土問題が正しく解決されなかったとげとして残る問題になるんです。だからこそ私は、法と正義ということを主張するならばその原則に基づいて解決することこそが今最も重要だと思うんです。  そのことを私は、政治的な判断はやはり外務大臣の御答弁をいただかなければならないので、その点についてどのようにお考えになっているのか、はっきりしていただきたい。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) この問題については共産党がかねがね御主張されていることは承知しております。しかし、そういった御議論のことをも踏まえながらも我が国として先ほど局長の方から御答弁しました姿勢でずっとロシアと交渉しているわけですね。そして、今まさにその交渉の基盤というのが新たに築かれたというところでございまして、これはこの姿勢で貫いていくことを御理解いただきたいというふうにお願いしたいと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 これ以上やりとりしても詰まらぬでしょうけれども、いわゆる結論がはっきりとここで出されてくる問題じゃないでしょうけれども、今の状態を残しておけば、いわゆる戦後処理の誤りであってスターリンの重大な誤りを正すということが領土問題の根源にあるのでこの問題を明確にしない限りロシア側は絶対頭を下げませんよ、自分たちは悪くないと思っていますから。だから、それだったらおまえたち日本が頭を下げれば何とか考えてやってもいいよ、場合によっては、交換条件でもいいよみたいなことまで出てきかねない。  だから問題は、正しく正義に基づいて解決するかどうかということは、これは先ほど言うべきことを言うと大臣おっしゃった、同僚議員の質問に。これは今でもいわゆる戦後の処理の誤りがあるならばこれは正さなければならない。チェコスロバキアに侵略したでしょう、ソ連軍が。謝ったじゃないですか。そうでしょう。頭を下げたんですよ。ポーランドに対する虐殺だって頭を下げたんですよ。そして日本に対するあの捕虜の問題だって頭を下げたんです。なんでこの問題だけ頭を下げさせることができないのか。  日本の外交が、それぞれの主義主張の違いがあっても正しいことを貫くということは外交上最も重要な原則なんですよ。だからこの問題は本当に今後ともよくお考えいただいて、真剣にこの問題に対応するようにしていただきたい。そうしないと、領土問題については正しい意味で解決するということは我々の時代にできなくなるという厳しい点を指摘しておきたいと思うんですが、その点について大臣一言。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) お話よく承っておきたいと存じます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 承っただけでなくて、ひとつよろしく。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) はい。

立木洋日本共産党

○立木洋君 それからもう一つ、これは前回お尋ねした問題ですけれども、お米の問題、まあ大臣が関税化をやるような状態じゃない、だめだというふうにおっしゃって、私もそういうことに賛成しないというふうに言われた。  ただ、この問題で私は、韓国だとかアメリカ筋等とかのあれを出してお尋ねして、私はそういうことを聞いていないというふうにおっしゃったわけですが、韓国の方では許信行という農林水産相が、日本政府は米の問題に対する態度を変えた、しかし韓国政府は米の問題に対する態度は変えないと、日本政府からあなた方とこれまで共同歩調をとってきたけれども今度はこういう共同歩調をとれなくなったということについて謝罪の意味を含めた知らせがあったという筋の内容についてはお確かめになったでしょうか。韓国にそういう情報、報告を日本政府が出したという問題については、大臣はお確かめになったでしょうか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) これについて韓国の方に対して私どもが確認したということはございません。ただ、私どもの情報を得ているところでは、あれはたしか新聞で報道されたということは承知しておりますけれども、それ以上には私どもは承知しておりません。  それで、私どもとしては、交渉は今、畑農林水産大臣もジュネーブの方に出かけておりますけれども、日本の国会でございました決議、こういったものを踏まえながら、例外なき包括関税というものは我が国としてはのめないということを今主張されておるという報告は受けております。

井上章平自由民主党

○委員長(井上章平君) 他に御発言もなければ、三件の質疑は終局したものと認めます。  それでは、これより三件の討論に入ります。――別に御意見もないようでありますので、これより直ちに採決に入ります。  まず、みなみまぐろの保存のための条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

井上章平自由民主党

○委員長(井上章平君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、航空業務に関する日本国とネパール王国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

井上章平自由民主党

○委員長(井上章平君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  次に、日本国と中華人民共和国との間の航空運送協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。  本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

井上章平自由民主党

○委員長(井上章平君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  なお、三件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上章平自由民主党

○委員長(井上章平君) 御異議ないと認め、そう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五分散会

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