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128回国会参議院1993/10/19

外務委員会 第1号

発言数
242
登壇者
25
会派数
10
開催日
1993/10/19

会議録

井上章平自由民主党

○委員長(井上章平君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る九月十六日、田村秀昭君が委員を辞任され、その補欠として永野茂門君が選任されました。  また、去る九月二十一日、堂本暁子君が委員を辞任され、その補欠として松前達郎君が選任されました。     ―――――――――――――

井上章平自由民主党

○委員長(井上章平君) 国政調査に関する件についてお諮りいたします。  本委員会は、今期国会におきましても、国際情勢等に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上章平自由民主党

○委員長(井上章平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  速記をとめてください。    〔速記中止〕

井上章平自由民主党

○委員長(井上章平君) 速記を起こしてください。     ―――――――――――――

井上章平自由民主党

○委員長(井上章平君) この際、羽田外務大臣及び東外務政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。羽田外務大臣。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 第百二十八回国会の参議院外務委員会の冒頭に当たりまして、外務大臣といたしまして皆様にごあいさつを申し上げるとともに、所信の一端を申し述べさせていただきます。  国際情勢は依然として厳しい局面にあります。 世界各地の地域紛争、核兵器等の大量破壊兵器の拡散問題、ロシア等の改革に伴う諸困難はその例であります。また、先進国経済の回復のおくれ、開発途上国の貧困など、平和のため克服していくべき数多くの問題があります。さらに、ウルグアイ・ラウンド交渉も重要であります。その一方、この二カ月間には中東の和平、カンボジア情勢等、平和に向けた歴史的な動きも見られています。  このような中で、我が国は、国際社会の責任ある一員として、世界が直面する問題を克服し、建設的で安定した国際関係を構築するため、国力にふさわしい役割を果たしていかなければなりません。これは、まさに我が国自身の平和と繁栄を確保するためにも極めて重要であろうと考えます。  このような問題意識を持って、私は、これまでの我が国の外交政策を継承し、さらに発展させていく決意であります。  具体的には、世界経済の繁栄の確保、世界平和の確保のため、国連を中心とする国際的努力や軍備管理・軍縮の一層の進展、各国における民主主義の導入と市場経済化への努力の支援、南北問題及び地球環境といった地球規模の問題の解決等の分野で、積極的で主体的な外交を展開していく方針であります。  こうした方針に従って、細川内閣発足以来、先般の国連総会への出席、中東和平への積極的関与等、積極的な外交活動を展開しております。また、先週のエリツィン・ロシア大統領の訪日に際しましては、両国首脳間で領土問題を含む二国間関係及び国際情勢について率直な意見交換が行われました。  今日、外交と内政は一体であり、国際社会における我が国の立場と果たすべき役割について国民の御理解を得るためにも、本委員会の役割が高まっていることは申すまでもないことであります。  私は、外務大臣としての任務を全うすべく全力を尽くす決意であります。本委員会の皆様の御指導と御協力を賜りますようお願いを申し上げます。  以上であります。

井上章平自由民主党

○委員長(井上章平君) 次に、東外務政務次官。

東祥三公明党外務政務次官

○政府委員(東祥三君) 外務政務次官の東祥三でございます。私も一言ごあいさつさせていただきます。  私が外務政務次官に就任してはや二カ月以上がたちました。この間、先ほど外務大臣からお話しありましたとおり、中東和平、そしてまたカンボジアにおける復興の支援、さらにまた懸案でありましたエリツィン・ロシア大統領の訪日等、歴史的な出来事が起こりました。このように我が国にとって外交のかじ取りがかつてないほど重要となっているだけに、責任の重さに身の引き締まる思いがいたします。  世界はさまざまな困難に直面いたしております。旧ユーゴあるいはまたソマリアにおける地域紛争、核兵器等の拡散、ロシア情勢、先進国経済の回復のおくれ、さらにまた難民問題、テロの問題、麻薬問題、そしてまた地球環境の問題、発展途上国の貧困の問題等、数多くの問題がございます。これらの問題を克服して、より平和で自由で豊かな世界を築くことは我々に課された歴史的な課題である、このように思っております。  また今日、国際社会の中における日本の存在は、想像を絶する以上に飛躍的に大きくなっております。我が国はこうした課題に取り組みまして、よりよき世界を築くため、政治そしてまた経済のみならず文化面においてもより積極的、主体的な役割を果たしていかなければならない、このように思っております。  このような考えのもと、私は羽田外務大臣を補佐して、そして職務を全うするために全力を傾注していく決意でございます。  外交に精通されております井上委員長を初め本委員会の皆様方の御指導と御協力をお願い申し上げまして、私のあいさつとさせていただきます。     ―――――――――――――  どうぞよろしくお願いいたします。

井上章平自由民主党

○委員長(井上章平君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 ただいま外務大臣からごあいさつを承りました。内外大変多端のときでございますが、どうか我が国外交の伸長のために御活躍のほどをお祈りいたします。  きょう私は、当面の問題二、三について、大臣及び事務当局に伺いたいと思います。  まず、ロシアによる放射性廃棄物の日本海への投棄の問題でございますが、最初に事務当局に伺いますが、初めは日本に何か通告をしたと言って、どうもこれは通告をしたというのは誤りであったと。これはそのとおりであればそれでいいと思いますが、そのとおりでなければおっしゃっていただきたい。  それから事務当局に伺いたいことは、核の廃棄物等にかかわる問題でロンドン条約がございますが、ロンドン条約では一定のレベル以下のものについては直接規制の対象になっていない、しかし関係国は自粛をすることになっている、こういうふうに聞いておりますけれども、この問題とロンドン条約との関係について簡明に承りたい。

河村悦孝外務省総合外交政策局外務参事官

○説明員(河村悦孝君) 最初の御質問でございますけれども、事前の通告をしたかどうかという質問でございますが、これはロシア外務省に確認いたしましたところ、十月五日付でIAEAすなわち国際原子力機関……

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 いや、日本に通告があったかどうかだけ、あったかないかだけで結構です。

河村悦孝外務省総合外交政策局外務参事官

○説明員(河村悦孝君) それに関しましては、我が国に対してはございません。  それからロンドン条約との関係でございますが、これは高レベルの放射性物質についての投棄は禁止されております。低レベルの放射性物質につきましては、当局の特別許可があった場合に投棄ができるということになっております。  ただ、現在までのところ、一九八三年と八五年に開かれました会議におきまして、放射性物質の海洋投棄に関する問題の検討が終了するまでは放射性物質の海洋投棄は停止するという決議がございます。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 大臣に伺いたいんですが、ただいまロンドン条約でも低レベルのものでも停止をするという決議があると。そういうことを前提にして、しかも先日エリツィン大統領が日本へ参りまして東京宣言がございまして、その中でも双方は放射性廃棄物の海洋投棄が世界的な規模において、なかんずく関係諸国の環境に与える影響の見地から深刻な懸念を惹起していることを確認し、日ロ合同作業部会を通じ緊密に協議していくことに同意すると、こういう両首脳の同意があった。その舌の根の乾かぬ先にと申しますか、そういうような了解があったにもかかわらず、そのやさきにこういう事件が起きた。まことに無責任であり、かつ不条理であるというふうに考えます。  これはもう私どもばかりでなく国民一般そう思っておりまして、どうもロシア政府のこの問題に対する姿勢については不信を抱かざるを得ないと思いますが、この辺について大臣のお考えを承りたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今、御指摘がありましたとおり、首脳会談におきましてこの海洋投棄等につきます共同調査、これについて話し合われ、しかも細川総理の方から率直な提案をされたものに対しまして、大統領の方は本来十月にこの調査を行いたいというのが私たちの希望であったけれどもいろんな事情でなかなかそれができなかったことは残念である、できるだけ早いときにやりたい、そしてできれば十一月にやりたいというようなことまで実は言われておった。このやさきと言いますかそれこそ本当に、今、舌の根が乾かぬうちにというお話がありましたけれども、そういう話し合いがあったすぐ直後であるだけに、私たちといたしましても本当に残念であると同時に遺憾であるというのがもう率直な思いであるところであります。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 ロシアに対しては厳重に抗議をなさ いましたか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) はい。私どもの方といたしましては、まずこれが本当に実際にどうだったのかということを調査し、もしそういうことがあるとしたら大変遺憾であるぞということをモスクワにおいて、あるいは東京で大使に対しましてそのことが行われたところでありまして、またそういった事実が今一つずつはっきりしてきているわけでありますから、そういったものをもとにして率直にロシア政府に対し私どもは申し上げていかなければならないだろうというふうに思っております。  ただロシア側の方では、先ほどお話がありましたように、関係国という中に、私どもはこれは通告をもらっておりませんけれども、ロンドン条約の事務局ですか、そういったところに対してはこれは九月のたしか幾日かに何か通告してあるというような話も聞いておりまして、そのあたりもしっかりと詰めていきたいと思っております。

井上章平自由民主党

○委員長(井上章平君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

井上章平自由民主党

○委員長(井上章平君) 速記を起こして。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 今後こういうことがあっては絶対にならぬと思うんです、特に我が国の国民感情の上から申しまして。ところが、向こうの当局が最近のうちにもう一度やるんだと、何か来月の十五日までにというようなことを公然と言っているようでありますけれども、こういうことはどうも我が国としては絶対に認められないと思いますが、その辺についての大臣のお考えを承りたい。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) この点につきましては、私どもの方も抗議を申し入れると同時に、今後の問題についても当然これはただすと同時に、これらについて海洋投棄をやめてほしい、このことをやっぱり強く申し入れなければならないというふうに思っております。  ただ、これはこういうことを言うと誤解を呼ぶといけませんけれども、あえて申し上げたいと思うんですけれども、実際に海洋投棄するものは一体どういう処理をこれからしていくのか、そのあたりもきちんと我々チェックしていかなきゃいかぬ問題だろうというふうに思っております。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 なおこの問題で幾つか伺いたいんですが、例えば至急に調査をなさらなければいけないと思いますし、それからまた、あんなに広い国なんですからどこか陸上で考えられるじゃないかと私ども常識的に思いますので、そういうことに対する経済的あるいは技術的な援助が必要ならばやる問題もありましょう。これは私、ほかの問題も伺いたいので問題提起にとどめておきますが、ひとつどうぞ御検討をいただきたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) ただいま私が後段で申し上げたのは、まさに今、宮澤委員の方から御指摘のあったことを念頭に置きながら、実際に投棄しなきゃならぬものがあるとしたらそれがどう投棄されるべきなのかあるいはそういったものに経済的にどう対応するのか、そんなこともきちんと話していかなきゃならぬ問題だろうと思っております。ありがとうございます。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 次に、国連の安全保障理事会の常任理事国入りの問題について伺いたいと思います。  これにつきましては、過日予算委員会で総理大臣の国連における演説の御報告がございました。そしてその中で、国連が取り組むべき三つの改革として、平和維持活動の機能強化、安全保障理事会改組、行財政改革、こういうふうにまずおっしゃって、「そして、我が国は、これらの三点を踏まえて、改革された国連においてなし得る限りの責任を果たす用意があることを表明した」、こういう御報告を予算委員会でなさったわけであります。  これを見まして恐らくだれでも、私もその一人でありましたが、「改革された国連においてなし得る限りの責任を果たす用意がある」ということでありますから、安保理常任理事国になるのは改革された国連、改革が進行中ということはあるいはあるかもしれませんが、少なくとも改革後というふうに読むのが普通だと思うのであります。私が予算委員会で御質問をいたしましたところが、推されて常任理事国になってから改革に着手されることもあるというような御答弁であったり、私がなお伺いますと、国連改革が前提ではない、こう明白に言っていらっしゃる。これはどうも私は甚だ理解に苦しむ。この演説の原稿をそのまま読みますと、どうしても三つの改革があってと、「これらの三点を踏まえて、改革された国連において」とはっきり書いてあるんですね。この辺は大臣どう思われますか。私は総理のおっしゃることが甚だ理屈に合わぬと思うんです。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 確かに御指摘がありましたように、総理が国連総会で演説申し上げた中で、三つの改革についてお話しになっております。  ただ、国連改革としてはこのようなさまざまな分野での改革があり得るけれども、これら全ての国連改革がなされない限り日本は常任理事国としての責任を果たさないというものじゃない。そして、総理が先般改革が安保理常任理事国入りの前提条件ではないと述べたのは、こうした趣旨であったろうと思っております。  ただ、安保理の改組といいますか、これは安保理の席の数をどうするかということになるわけでございまして、この改革がなければ当然新たに我々が議席を得ることができないわけでありますけれども、その他の問題については、これは当然全部ができ上がらないと入らないよというものじゃないというふうに御理解いただくことが正しいんじゃなかろうかと思っております。  いずれにしましても、国連に対する要請というものが国際的にも非常に高まっているときでありまして、国連が果たさなきゃならない役割がある。それに対して対応できる能力、意思を持つ国というものは、それに対して適切に対応していくことが望まれるんだろうというふうに私は考えております。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 これは総理の御発言でございますから、余り外務大臣をここできゅうきゅう締めても仕方がない話でございますが、総理ははっきりと、推されて常任理事国になってから改革に着手されることもある、こういうふうにも答弁をしておいでになるんですね。論理的にこの演説を読めばどうしてもそうなる。  それから今、いすがなければ入れない、そのいすも国連改革だとおっしゃいましたが、それはちょっとやや子供だましと申し上げては失礼だけれども、当たり前のことで、いすがなければそれは座れないんです。そんなことを改革された国連というふうに読むというのは私はいかがかと思います。思いますけれども、これは総理の御答弁ですから、ここで外務大臣にこれ以上云々申し上げませんけれども、私としてはどうもこの国連総会における総理の演説を読みまして、今の外務大臣の御答弁も腑に落ちない。  現に私、幾つか新聞を持ってきておりますが、総会演説の後の新聞は、「PKO・安保理・財政の三項目 常任理入りの前提」、こう書いてあるんです。こちらも「国連改組を条件に常任理事国めざす」というふうに書いてある。ですから、あの総理の国連演説を聞けばだれでもそう思うのが当たり前です。あるいは、私はそれ以後総理のお考えが変わったとおっしゃるのならそれはそれで一つの御説明だと思いますけれども、しかし総理の予算委員会における御回答、あるいは今の大臣のお話を承ってもどうも私は氷解できないというか理解できない。やはり国連で演説されたのは改革された国連というものを前提にして常任理事国入りを考えておられたに違いないと思いますけれども、これはこれ以上外務大臣と問答をいたしましても切りがございませんのでこの程度にいたしておきたいと思いますが、私は理解できないということを申し上げておきます。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 一点だけ。  今の安保理の改組について余り大したあれじゃないんじゃないかというお話があったんですが、これはぜひ御理解いただきたいと思いますのは、今の五カ国体制というのは戦勝国がみんな入っておるということ、それから当時五十一から今百八 十四カ国の加盟国になったということで、この安保理というものは多くの問題に影響を及ぼしているわけです。ですから、そこに今までの戦勝国だけでない国がその中に参加するということは国連を改革する意味で私は大変大きな要素になるんじゃないのかと思いまして、余計なことでありますけれども、また特に御理解をいただければありがたいと存じます。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 大臣がそうおっしゃいますと、私やめようと思いましたんですがもう一つ申し上げますが、私が申しましたのは、いすをふやすということはそれは重大なことだと思います。しかし、いすが一つなり二つなりふえなけりゃ座れないんでございますから、それをもって改組された国連とか国連改革というふうにもしとるとすれば、その理論はどうもいただけないなということを申し上げただけでございます。  それから最後にもう一つ、PKOの関係でこれは要望を申し上げておくんですが、カンボジアにPKOを出す前と出してから後とでは恐らくその状況というものが机の上で考えたことと現実に向こうに行って経験したことと随分違うと思うんです。現地の指揮官などもPKOとPKFというのはそう明白に区別できないというような印象を新聞で語っておりますし、あるいは文民警察官の任務にいたしましても、当初主たる任務というふうに言われておりました現地の警察の指導ということでなくしてそのほかの任務の方が多かったり、いろいろ机上で考えたことと現実に体験したこととは非常に違うことが少なくなかったと思いますので、この件につきましては私は御回答を今いただくつもりはございませんので、どうかひとつ関係者の間でよく検討をしていただいて、まだこれからある話でございますから、よく十分に勉強、検討をしていただきたいということを申し上げて、お願いをしておきたいと思います。  そこで、大臣にこの際承りたいことは、PKOに関係をいたしまして国際紛争や内戦の未然防止をねらって国連部隊の予防展開をしようではないか、こういう議論があって、最近、国連総会でPKOのあり方として正式承認をする決議を全会一致で採択したと新聞は報じておりますんですが、この予防展開という概念なりなんなりは、我が国の現在のPKO法にはこの概念というものは私はないというか、ちょっと受け入れがたいものではなかろうかと思います。したがいまして、この予防展開ということについて大臣はどう考えられるかということが質問の一点でございます。  それからもう一つは、これはもう一、二カ月前でありましたか、ガリ事務総長が独自判断による撤退、これを再検討をしようではないかという提案をしたということを新聞が報じております。この独割判断による撤退ということは、今の我が国のPKOの五原則の一つであったと私は思いますので、これもまた今の我が国の考え方なり仕組みなりというものと衝突するというか調整を要する問題だと思いますが、この二点の問題につきまして大臣の御見解を承りたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) ただいまお話のありました予防展開の問題でありますけれども、これはまさに今日まで幾つかの国連が関与するPKOがあるわけでありますけれども、こういう中にあって、予防展開という議論が今だんだん進展しつつあるというふうに思っております。  その態様ですとか性格、これは大変多様なもので、流動的なものであろうというふうに思います。国連がその要員を予防展開する場合に、我が国が国際平和協力法のもとで協力を行うかについては、いわゆるこの五原則、これを含む法律の上の基本原則、あるいは活動が予定される国、地域の状況、それから我が国が派遣を要請される要員の任務内容などいろんな観点を踏まえながら、ケース・バイ・ケースということで我々としては慎重に対応していく問題であろうというふうに考えておるところであります。  それから、二番目に御指摘のございましたいわゆる独自の撤収の問題でありますけれども、国連の慣行といたしまして、各参加国は事前に国連に対して通告をした上で自国の要員を撤収させることはできることになっておりまして、本件の提案はこのようなことを否定するとの趣旨じゃないというふうに私どもは認識をいたしております。  いずれにいたしましても、我が国の要員あるいは部隊の派遣は、業務の中断あるいは派遣の終了を含むいわゆるPKO五原則と言っておりますこの五原則を規定する国際平和協力法に従って行われることを国連との間で私どもは既に確認をしておるということを申し上げたいと存じます。

宮澤弘自由民主党

○宮澤弘君 時間が参りましたのでこれでやめますが、今、予防展開についてはケース・バイ・ケースとおっしゃいましたけれども、恐らく普通に考えれば、今のPKO法なり五原則を前提にして考えますと、この予防展開という概念というものはなかなか受け入れがたい概念ではなかろうかと私は思いますので、もう時間がございませんからこれ以上お答えはいただけませんが、いずれまた機会があれば承りたいと思います。  どうもありがとうございました。

大木浩自由民主党

○大木浩君 大木でございます。  本日は細川内閣発足後最初の参議院の外務委員会ということでございますし、はっきり言って政府がかわってしまったという大変に大変動の後でございまして、私どもから見ますと、細川内閣の基本的な外交姿勢というものについてまだひとつ十分に理解しがたいと考えているところもございます。ということですので、きょうは各論はなるべく避けて、基本的に細川内閣としては今本当に激動しかも大変革のあった国際情勢の中でどういう外交政策をこれから展開していくのかということを、まさしくその最高責任者でございます羽田外務大臣兼副総理から直接できるだけお聞きしたいということで御質問をさせていただきたいと思います。  先日、私、これは外務省のPR、広報誌だと思いますけれども、「外交フォーラム」、これを外務大臣の御発言も書いてありますから読ませていただきました。そこに、外務大臣としては歴代日本の外交責任者あるいは外務大臣の中でどういう人を非常に印象深く考えておられるかというところで、陸奥宗光、小村寿太郎お二人の名前がここに書いてありました。これは外務大臣直接の対談録ですから、内容は大体御記憶だと思います。御存じのとおりに陸奥大臣も小村大臣も日清あるいは日露という戦争の前後に外務大臣を務められた方であります。つまり外交というのはやはり武器を使わない戦争といいますか、国益を守るためにいろいろと努力をしなきゃいかぬ、よその国と交渉をしなきゃいかぬ、一種の闘いもしなきゃいかぬ、そういうことであろうと思います。  そこでまず外務大臣に最初にお伺いしたいと思うんですが、外務大臣は個人的には日清、日露の戦争というのは侵略戦争だと思われますか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) これは歴史的にはまだ確定はしておりませんけれども、今までの内閣の御答弁を私もずっと実は精査させていただいたんですけれども、侵略ということを指摘されたときにそれを否定することはできないという言い方がされておりまして、受け取る側によるんでしょうけれども、一般に先方の皆様方は侵略と受けとめておるというふうに私どもは今感じておるところであります。

大木浩自由民主党

○大木浩君 今のお話は、私は日本として侵略性があったかということを言っているんですが、そういうことはなかったと、向こうは侵略をしてきたんだと、細かい点はいろいろあると思いますけれども、基本的にこれは日本の侵略戦争ではなかったというふうにお考えですか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 少なくとも日露については私は侵略という観念は持っておりません。

大木浩自由民主党

○大木浩君 どうも日露と日清を分けておられるようでございますけれども、日本が戦争を過去に何回かやっておりますけれども、それぞれの状況というのがあるということでございまして、すべて日本が悪いということは言い切れないんじゃないか。それは最近の戦争、太平洋戦争というか昔は大東亜戦争と言っておりましたが、これにつ いてもいろいろと議論があるところでございます。ですから、私は総理あるいは外務大臣として過去のことについて触れられるときも、そういった歴史的な状況というものを十分に含んだ上で御発言を願いたい。  ということからいいますと、私は最近の細川総理のいわゆる日本の侵略行為ということについての御発言というのはいささか短絡的過ぎるんじゃないかという気持ちを持っております。きょうは総理はおられませんし、ここでこれ以上議論するつもりはありませんけれども、そういったことについてはこれから日本の国益を守っていただくという総理であり、外務大臣でありますから、どうぞその辺のところを十分に歴史的な認識というのを持って、何か外国に向かってにこにこすればいいんだ、頭を下げればすぐにそれによって日本の評判がよくなるんだというような簡単なものではないと思いますので、ぜひこれは、これから外務、大臣兼副総理として、羽田外務大臣はむしろ国会では総理以上の経験者でございますから、ある意味におきましては総理をこれから単なる補佐じゃなくて指導もしていかなきゃならぬというお立場でございますので、ぜひひとつよろしくお願いをしたいと思うわけでございます。  今のことについてはこれ以上の御答弁は要りませんが、最近の国際情勢は非常に大変な変動の時期を迎えておるということで、私ども常識的というか、一般的には今の国際情勢というものはポスト冷戦時代だというふうに言っておる。ジャーナリズムでもそういう言い方をしていると思いますが、先ほどのごあいさつでもちょっと触れられましたけれども、現在のポスト冷戦時代というのは一体どういう状態なんだということをごく簡潔にひとつ外務大臣の御意見を伺いたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) ポスト冷戦、まさに東西が真っ正面から向かい合いながら、核というものを抑止力としながら対峙しておったというのがいわゆる東西の向かい合いであったというふうに思います。これがソビエトが崩壊するあるいはその他の国が社会主義から市場経済へ向けて動き出しておるということで、私はその意味で一つの大きな新しい前進というものはあったというふうに思っております。  ただ、問題は、そういったおもしがなくなったという中で、民族あるいは宗教、国境、歴史的なものを背景としたもの、こういった中で各地域における紛争あるいは内戦というものが起きてきておるというふうに思っております。一方で大きな面では核に対する脅威というものがある程度薄れたかなという思いがある、しかし、一方ではそういうものが生まれてきておるということが言えるのじゃなかろうかというふうに思っております。  そういう面で先ほどお話がありましたようにまさに外交というものが非常に大事なものになってきた、そして日本がそこで果たしていく役割というものが非常に大きくなってきているのかなという思いを持っておるということを率直に申し上げさせていただきます。

大木浩自由民主党

○大木浩君 今、東西対決がなくなった、こういうふうに言われたと思いますが、東西それぞれが違う考え方を持っている、そしてそれぞれが非常に強力なる軍事力を持って対立しておった。それが私の考えでは、これは東西のせめぎ合いがいろいろありますね、ある程度軍事力を持ってお互いに自分の軍事力を背景にして主張する、あるいは具体的にはいろいろと勢力範囲も拡大する、いろいろなせめぎ合いがあったと思いますけれども、これは東西両方がお互いにやめようと言ってやめたんではなくて、基本的には力の対決で西側が、私は勝った負けたということは余り言いたくないんですけれども、少なくとも現在の状況というは自由主義陣営が勝利、勝利と言うとあれですけれども、とにかく東側がその体制を続けることに耐え切れなくなって、東側の方から改革を始めた、こういうふうに私は理解しておりますが、その点は外務大臣、同じでございましょうか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) まさに御指摘のとおりでありまして、当時、レーガンさんでしたか大変厳しい姿勢をとられた。強いアメリカということで徹底して国防なんかについても拡充する方向をとった。これに対してとてももうついていけなくなったというのが私は本当のところであったろうというふうに思っております。  それと同時に、高度情報化社会といいますか、これがもたらしたものは非常に大きい。かの地にも自由社会というものが自由な競争の中で繁栄していく、それに比較して自分たちは一体どうなんだろうか、そういう思いが国民の中に広く伝わると同時に、その思いが隣の国、あちらの国というふうに大きく伝播していったんじゃなかろうかというふうに思っておりまして、基本的に今御指摘があったとおりだというふうに思っております。

大木浩自由民主党

○大木浩君 そうしますと、戦後の日本の外交というものを振り返ってみますと、サンフランシスコ条約の時代から、少なくとも自民党あるいは自民党の前身である保守政党というものは西側陣営との協力というものを基本として外交を展開してきた。そして協力をするためには西と東の間の力のバランスということも意識しながら、それを維持するために協力もしてきた、私どもはこういうふうに理解しております。そういう点におきましては、西側と協力しながら現在のポスト冷戦時代の実現というものに努力をしてきたというふうに私は理解をしております。  他方、戦後の国会におきます議論をずっと振り返ってみますと、一番の最大の与野党の争点というのは常に外交問題であった。常に日米協力体制というものを主張する自民党とそれに疑念を挟まれる野党、こういう図式がずっと続いてきたと思います。社会党、共産党さんは常に反対という立場をとられましたし、民社党さんあるいは公明党さんはそのときどきで多少の変動があったと思いますけれども、基本的には日米協力を軸としようということで一貫する自民党とそれに対して反対をする野党という図式がずっと大ざっぱに言えば続いてきたわけですね。  先般来の細川内閣発足後のいろいろな議論、本会議、予算委員会あるいは政治改革委員会でもいろいろと議論が出ておりますけれども、少なくとも新政権の最大与党である社会党さんはその点については従来と余り変わったことを言っておられないじゃないかというふうに私は思いますけれども、その点、外務大臣、どういうふうに御理解しておられますか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私ども、選挙に臨むに当たりまして、御案内のとおりにお互いの合意というものをつくりました。その合意の一番重要であったのは外交の基本というものを承継すること、そして安全保障、いわゆる防衛、これを継承していこうということ、こういったことが合意され、そして選挙を戦われたということであろうと思っております。  そして社会党さん自身、先ほどお話のあったポスト冷戦、これ以後いろんな点で私は大きな変化をもたらしておるというふうに思っております。かつてはアメリカにも余りお出かけになることがなかった。しかし積極的にアメリカへ行って議論をしたり、あるいは協力関係の話なんかもされるというふうにして大きく変化していることを私はぜひ認めていただきたいし、私は、今日までまだ二カ月ぐらいの経験でありますけれども、この間に我々の中でこの外交の問題で支障を来したということは一切なかったということを申し上げたいと存じます。

大木浩自由民主党

○大木浩君 国際情勢が非常に大きく変動しておるということでそれに対応するという意味はわかるんですけれども、私はこの間からの予算委員会等々での議論というのを聞いておりますと、どうも社会党さん、特に今閣僚をたくさん出しておられるわけですけれども、閣僚に入っているうちはほかの党と一緒になって、しかも自民党の外交政策、防衛政策を継承していくんだと言っておられます。では社会党自体はどうですかという、きょうは社会党の先生方もここに座っておられますから、質問するわけにいきませんけれども、社会党さん、きょうはひとつ聞いておいてください、こ れは。  どうも一国民としてお聞きしておりますとよくわからない。閣僚であろうがなかろうが社会党という党があってそれが一つの立派な大政党としてやっておられる以上は、いや閣僚に入っているときはこうだ、出たらまたもとへ戻るとかいうような議論では、これはどうしても私は理解できないわけでございますし、そういった社会党さんと一緒に手を組んでこれから大いに外交をやっていこうと言われておる細川内閣についてもいささか疑念を持たざるを得ないというふうに感じております。  特に、これはもう従来の外交問題で一番大きな問題でございました例えばあのPKO法案は、社会党さんはあれだけの牛歩戦術もやられたし、一時は議員辞職というようなこともたしか言われたというふうに理解しておるわけでございます。例えば経済政策で減税を二兆円にするとか三兆円にするとかいったような話ならこれは程度の問題ということですけれども、あの時点でPKOについてあれだけのすさまじい反対をされた社会党さんというものが、状況が変わったからといって、しかも仮の姿で閣僚に入っている人だけはちょっと自民党の言っていたことに協調するよというようなお話では、これは私は国際社会にも通じないし、日本国民も容易に理解しがたいというふうに思います。  いやいや、あらかじめ選挙の前に話は大体つけたんだ、選挙の後もまたいろいろ話し合いをしたんだとおっしゃいますけれども、私は今のPKOの問題、それから先ほどからいろいろと議論を既にされております非核三原則の問題、あるいはそれの扱い、特にアメリカとの関係で核を持ち込ませずの問題というのは非常に微妙な問題で自民党政権も随分苦労してきたわけでございますけれども、まさにそういった今まで国会での本当に与野党の論戦の中心になっていた問題というものが何かさりげなくさっと通っているというのは、これは少し理解しがたいというふうに感じます。  そして、その基本にはもちろん自衛隊をどうするかというような話もございましたけれども、これもまた非常に基本的な問題で憲法論争にまでつながっております。まあ憲法はちょっと横に置きまして、現実の外交の基本になるところでどうしてこういう連立が可能なのか、これは社会党さんにも聞かなきゃいけませんけれども、新生党の幹部でございます外務大臣兼副総理の羽田先生の御見解を伺いたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 公党にかかわる問題ですから、私からどうこうということは慎まなければいけないと思いますけれども、先ほど申し上げたように、選挙に臨むに当たって我々がこの選挙に勝利したならばこうしますよということの基本的な合意というものをつくっておるわけです。ですから、よく閣僚閣僚と言われるわけですけれども、政党と政党がみんなで合意したことであるということでありますから、連立政権が崩れるということになったらそれはいろんなお考えもあると思いますけれども、少なくも基本的には連立政権というのが組まれている間というものは私どもはお互いにそういったものを承継していこうということを言っておるわけでありますから、私はこれは世界各国のいろんな動きを見ましても、連立政権というのはそういうものであろうと思っております。  それともう一つ、これこそ党にかかわる問題ですから本当は慎まなければいけないのですけれども、もう委員会ですから率直にこうやってお話ししていきますと、ポスト冷戦というもの、これの世界の動きを見ておりましても、もうともかく大きくみんな変わっているわけですね。この間エリツィンさんが日本にやってこられましたけれども、まさに彼は市場経済を目指して今一生懸命努力されておる。それに対してアメリカとかあるいはその他日本も含めたG7の国が支援しましょう。これはまさに自由主義そして市場経済の国です。こういった国が支援しましょうということでやっておる。しかし、彼の前身を見てみますと本当に数年前まではあの国の共産主義の大幹部であった方であります。しかし、これはエリツィンさんだけではなくて、そのほかの東欧、中欧の国なんかでもみんな大きく現実に変わってきておるということがあろうと思っております。  ですから、私たち政権を組んでいく中にありまして、私たちもどちらかというと、例えば私たちの一つの考え方というものも、社会党さんやあるいは公明党さん、民社党さん、そのほかの政党とこうやって一緒になって話している中で、こういった点は取り入れた方がいいなというような問題だってだんだん出てくるであろうというふうに思っておりまして、お互いが刺激し合う中で、私はさらに国民の福利とそして国際的な貢献という問題でも新しい道をだんだんつくり上げていくことができるんじゃないのか、今、連立政権をつくりながら各党の皆様といろんな議論をする機会が多いときに改めてそのことを感じて、私は決して不安定なものとかあるいはむちゃな野合じゃないかというような指摘は全然当たらないというふうに思っております。

大木浩自由民主党

○大木浩君 今の大臣の言葉じりをとらえるわけじゃないんですけれども、党が党としてみんなで話をし合って一つの、それは党ですから多少ともみんな立場は違うけれども話し合いをし合って、それで最大公約数といいますかつくったとおっしゃいますけれども、どうも私は、先般来予算委員会あるいは政治改革委員会でも同じような議論が出ていたと思いますけれども、お話はそうじゃないんじゃないかと。つまり、社会党さんというのは基本的には今までの政策は間違っていたと思わないんだと。相変わらず自衛隊は違憲だ、それから非核三原則の解釈についても社会党としては閣僚とは違うんだ、こういう私は印象を受けておりますが、どうなんですか、どっちなんでしょうか。  私は、社会党さんが国際情勢が変わったんで今まではおれたちの判断誤っていたけれどもここで変えるとおっしゃるなら、それはそれで一つの立場だと思いますけれども、そうじゃなくて、社会党としては今までと同じことだと、しかしたまたま閣僚に入っちゃったからその人たちだけは違うということで、仮の姿といいますか当面はそういうことでやりましょうとおっしゃるのは、これは少し国民も理解しがたいと思いますが、いかがでしょうか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) これは冒頭に申し上げましたように、選挙に入る直前に私どもは、五党でございましたけれども、五党合意というのをつくりました。その中にはまさに先ほどから申し上げていることについて、これは連立政権をつくる、我々はそれを目指しますという中でお互いに合意しているものでありまして、閣僚に入っているから閣僚としてということよりは、連立政権を築いておるという中での考え方であるというふうに、私自身が代表としてこの合意をつくったわけでありますから、そのように理解をいたしております。

大木浩自由民主党

○大木浩君 どうもいまだにちょっと吹っ切れないんですけれども、連立政権をつくるというのは、多少の政策の差はあるにしても基本については同じような考え方を持っているんだという人が連立政権をつくるというのが世の常じゃないかと思います。  たしかあれは衆議院の予算委員会でも同じような話が出ていたと思いますけれども、そもそも憲政の常道というか常識からいえば比較第一党があればそれを中心にしてできるだけ政策も似ているところがつくるのが政情安定を求めるための方策じゃないか、こういう議論があったと思いますし、世界じゅうでもほとんどの国が比較第一党を中心としてできるだけ政策的に近いところがもし連立が必要ならつくると、こういうのが常識じゃないかというふうに思います。  たしか例外としてスウェーデンだけは比較第一党が中心じゃないというようなお話もございましたけれども、スウェーデンは御存じのとおりに比較的近いですね。日本で言えば自民党に近いようなところとか民社党さんに近いようなところとか そういうところがたくさんありまして、基本的には大体似たような政党が多いというところでいろいろとその時その時で組み合わせができるわけですから、私はあれは例外だと思います。  やはり羽田大臣もつい最近までは自民党で大蔵大臣もやっておられたわけですし、私は基本的には外交政策につきましても羽田大臣のお考えと自民党の考えとはそんなに違っているはずはないと思います。ところが、それでは社会党さんとは非常に近いかと言われれば、少なくとも私どもが今まで体験してきたところからいえば、全く百八十度か、最近は変わっても百六十度ぐらいの違いがあるというふうに感ずるわけであります。そこをいやいやいろいろ話をして野合じゃないよと、とにかくよく話したんだからいいとおっしゃるところがどうも私どもにはよく理解ができない。むしろ自民党と新生党とこれからこういう難しい時代だから一緒にやっていこうというお話の方がよくわかるわけでございまして、その辺のところがどうもよくわからない。何か新しいものをつくるために、あるいは自民党をとにかく追い出すためだけで連立がつくられたというふうに私どもは考えたくなるわけでございますが、どうなんでしょうか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私が当時思いましたことは、まさにあのときには、私は政策で争って飛び出た人間じゃありませんで、どうしてもこれだけはやらなきゃならないというのが残念ですけれどもだめになってしまうということになると政治不信というものを倍加してしまうことになるだろう、そうすると大変な事態になるぞと。当時宮澤総理もお話しになっておったことであります。私はそういう思いを持ったときにああいう挙に出たわけであります。  そして思ったことは、一番いけなかったということは、これは私自身が自民党にあったとき政治改革を論議したときに常に申し上げておったことでありますけれども、一党の政権というものが余り長く続いていくとこれはどうしてもよどんでしまう、だから交代するということは非常に大事なことである、しかし交代するといってもなかなか難しいねと。本当は選挙制度を変えた上で、あの選挙制度のもとでだんだんお互い集約されていくだろう、そうするともう一つの勢力ができる、そこで政権の交代ができるんじゃないのかということを予測しておって、ああいう事態の中で今日の事態を迎えてしまうということは私自身も実は思っておらなかったというのが現実です。  しかし、私は三十八年間の長い政権全部がいけないと思っていないし、誇りにする部分というのは相当大きいところがあるわけです。自民党にあって自分たちがやってきたことについて誇りに思うことは大変大きいわけでありますけれども、しかし三十八年間もあれしますとどうしても小回りがきかなくなってしまうということで、やはりもう一つの政権に交代するということが私は大事なことだろうというふうに思いました。  それともう一つは、自民党と常に対決しているというこの構図というのは破れなかったわけです。しかし、今度新しく政権交代することによって、そして今御指摘がありましたけれども連立政権というのができ上がった、こんな中でいろんな活力が生まれつつあるんじゃないのかなという思いを持っておりますし、また各党も非常に現実的になっておるということ、それから国を動かすということに対する政権の重みというものをそれぞれが感じられる、そういう中で非常に現実的に対応されてくること、私は日本の政治のために大きな前進であったというふうに考えております。

大木浩自由民主党

○大木浩君 この問題は外務委員会だけで議論が尽くされないと思いますし、別途機会もあると思いますので議論もまた続けたいと思います。  ちょっと議題を変えまして、これから外務省、外務省ばかりじゃなくて政府としてこういう非常に難しい時代に外交を展開していかれる、あるいは狭い意味の外交というよりはこれからの国際社会で日本はいろんな意味での国際交流を展開していくという意味で、私はそういった体制がきちっとできているのかなということについてはいささか心配があるわけでございます。  大臣も、大蔵大臣の立場でいろいろと外務省の予算も見られた御経験もあるし、あるいは行財政調査会でしたかの立場からいろいろと定員の問題というようなことを見られたこともあると思うんです。私が外務省に奉職しておりましたころ、これはもう十六、七年前だと思いますけれども、外務省に外交機能強化対策室というものをつくりまして外交実施体制の強化ということに努力してまいりました。私も議員になってからもその点はいささか努力しているつもりでございますけれども、当時私が一番の目標として掲げておったのは、何といいましてもとにかく人間が足りないということで、当時外務省の定員は三千人程度だったと思いますけれども、十年がかりで五千人ということを目標に掲げました。それから十何年たっておるわけですが、今、外務省の定員はどれくらいですか、四千何人ぐらいだと思いますが。

林貞行外務省大臣官房長

○政府委員(林貞行君) 平成五年度末の外務省の定員は四千六百三十六名でございます。

大木浩自由民主党

○大木浩君 定員も、できるだけ公務員の定員は切ろうという時代に、毎年そういった着実と言えば着実な伸びを示しておるということは関係の皆様方の御努力の結果だと思います。私は、外務省ばかりではなくて日本政府全体がこれから国際関係のいろんな仕事をしていくためにはどれだけの人間が要るんだということをぜひ総体的に検討していただきたいし、それを実施するためには相当思い切った、元大蔵大臣にもお願いいたしますけれども、これは相当重点事項として取り上げないとなかなかいかないんじゃないかと思います。  定員の問題は引き続き御努力いただきたいと思いますし、これは今申し上げましたように外務省ばかりの話じゃないわけでありまして、例えば最近は在外公館へ行きますと中堅幹部はほとんどよその省なんですね。大使と電信係だけが外務省で、あと参事官も書記官もよその省だと。私は、大蔵省とか通産省あたりは大分長い間いろいろと在外公館に人を出しておる経験もあるものですから、そういうことをかなり意識して、人によっては二回も三回も在外公館勤めされる方もあるし、それからまた、入省したての若い人も初めから外国の大学にやって大いに勉強させるというようなことで、かなりそういった対外業務に携わる能力というのはついておられると思いますけれども、まだ日本政府全体としては十分じゃないんじゃないか。例えば、よその省の方が急にぽっと在外公館に行けと言われると、自分の赴任するその国のこともよくわからないというようなことになるわけでございますから、これはぜひひとつ、せっかく副総理の立場でございますから、こういう時代ですから全面的な見直しというものをしていただきたいと思います。  これは、今の外交機能強化ということは単に人の数の問題だけじゃなくて質も強化しなきゃいかぬということで、質ということはやはり在外におる職員がちゃんと仕事ができるための機動力を備える、あるいはまた個人個人の外交官としての能力も高めるということも必要じゃないかと思います。  実は私、日本の話学教育について前から非常に気になっておりまして、大臣もよく御存じだと思いますが、日本の話学教育というのは大学入試用の英語ですよね、英語が多いわけです。英語教育を中学校から高等学校あるいは大学の教養学部もやるんですかな、とにかく何年もかけてやりますけれども、日本人全体として非常にまだ不十分じゃないか。  大臣、日本の外交官の英語はよその国に比べてどうだと思っておりますか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 確かに、外交官の方も差というものはあろうと思いますね。そして、実際に私どもは通訳をしてもらうという立場でありますからなおさらそれがわかるんですけれども、質問したことがすぽっと返ってくる場合と、質問したことと全然違うようなことで、おかしいな何でなんだろうなと話がかみ合わないことがある。そ れは研修の問題なんかが非常に大きな問題で、各省からお手伝いいただいているわけでありますけれども、そういった方々なんかの場合にも、本当の言葉ができないと本当の仕事ができないということでありますから、いわゆる語学教育というのは非常に重要である。私もよく計算してみたら十年やっているんですけれども、何にもしゃべれないわけでありまして、何をやっていたのかなと今改めて思っております。ただし、最近では若い人たちが非常にしゃべれるようになってきたということは語学教育が変わってきたのかなという思いを持っております。  それと、言葉というのは単に技術用語とか、あるいはただ話せるというだけじゃいけないんで、相手の国の歴史だとかあるいは地理だとかいろんなものを勉強して言葉に深みが出てくるのかなという思いを持っておりまして、そんな点も十分注意した教育をしなきゃいけないというふうに思っております。

大木浩自由民主党

○大木浩君 実は、私も最近はみんなうまくなったんじゃないかと思ってちょっと調べてもらったんです。これ、私外務省の研修所からいただいてきたんですが、例えば英語圏へ行かれる方はTOEFLという試験を受けて、まず外務省へ入ってくるときにどれくらいの点数だと。これはいろんな方がおるわけですから、いわゆる外務省でいう上級とか専門職という方の英語研修の成績表、入ったときのを見ますと五百五十点以下という人が大半なんです。この五百五十点というのはアメリカでいうと大体アメリカのまともな大学へ入る基準なわけです。六百点がたしか大学院だと思いますが、少なくとも外務省へ入ってくるときはほとんどが五百五十点以下だ。それで今、二、三年研修してくると思いますけれども、二年あると大分よくなります。それでも六百点に達している人は非常に少ない、こういうふうな状況です。私どもが外務省におりましたときは戦後で、戦争中に英語を勉強させてもらえなかったから下手なのが当たり前だと言っていたんですけれども、今の人はそういう言いわけはできないわけでございますし、これは外務省の問題じゃなくて本来ならば私は文部省の問題だと思います。  きょうはあえて文部省呼んでありませんけれども、これはとても一年や二年の話じゃないんです。これから五年、十年とたって、本当に外務省あるいは日本政府、あるいは政府ばかりじゃなくていろんな財界人だって、あるいはいろんな国際交流に携わる人だって、これだけ時間をかけても余り英語をしゃべれない。これは実は、しゃべるだけじゃなくて、TOEFLの試験というのはヒアリングがありますけれども基本的には読み書きなんです。あれだけ一生懸命勉強しても読み書きも含めてこういう点数が出ているんですから、これは決してしゃべるだけの英語の問題じゃありませんので、やはりどこか基本的に教え方が悪いんじゃないかという気持ちがあります。ぜひひとつこれは政府全体として取り上げていただきたい。私も文部省には前から言っているんですけれども、これはひとつこういうことで私は資料をいただいてちょっと首をひねっておりますので、よろしくお願いしたい。  それから、外交機能強化対策ということを今申しましたけれども、私はさっきから言っているように、いわゆる狭い意味の外交だけじゃなくて、これからの日本が国際社会で生きていくためにはいろんな意味での外国人との交流があるわけですが、その中で一番今問題になっているのは外国人労働者です。  外国人労働者という範疇の中には、現実には例えば就学生というような形でアジアの方が来られて、半分働き半分勉強するというふうな方もあります。こういう方の状況は必ずしもきちっといっていないんじゃないかということで、せっかく勉強にきてもその体制ができてない。たしか日本語学校で勉強するという名目で就学生という範疇で来られますけれども、それがうまくいってない。あるいは労働者で来られるけれども、その人たちがきちっと決まったところで働いていないので不法労働者とかあるいは不法滞在者というふうな状況にあるという話を聞いておりますが、きょうは法務省おられますか。  法務省、ちょっと今の外国人、広い意味での外国人労働者です、就学生も含めて一体どれくらいおられて、どういうふうな今状況になっているか、一言でいいですからひとつ教えてください。余り細かい話はあれですから、要するに何十万人ぐらいの外国人労働者がいて、どれくらい不法の状況にあるのかちょっと教えていただきたいと思います。

杉内直敏法務省入国管理局総務課長

○説明員(杉内直敏君) 外国人労働者の数でございますけれども、これは、合法それから非合法と両方含めて大体六十万人ちょっとぐらいではないかというふうに考えております。

大木浩自由民主党

○大木浩君 何十万人という人が外国人労働者という形で来られて、一時はそれは日本は労働力というのが非常に足りないということで、むしろどんどん入れてくれというような感じもありましたけれども、不況になると途端に今度は一番最初に首切るのは外国人だというような状況もあるし、それから法務省あるいは警察等々でも現状をなかなか把握できないんですね、非常に数が多いので。  私、きょうこの問題を取り上げましたのは、これはもう外国人労働者の問題、要するに労働者というか、最初は難民のような形で入ってこられる方もあるんですが、これをきちっとしませんと本当に大変なことになるんじゃないかという感じがしておるし、それを今処理する能力というのは、本当にどの役所もとてもじゃないが人が足りない。  私は、よく人に頼まれて地元の選挙区の入管の事務所へ行って、この人は査証を申請しているはずだけれども調べてくれと言っても、もうとにかく地方の入管は外国人を見たらうそつきと思えというような気持ちで、というのは、そういうことが残念ながらままあるものですから、それは非常に慎重になるということでもう書類の山になっていますね。入管やら外務省のいろんな係の人に電話かけてもほとんど電話に出てくれません。忙しくて電話に応対しておったら仕事にならぬ、こういうふうな状況がありますし、在外公館でも査証の受け付けというのはもらったらまず一月はほかしているというようなところもありますよ。それぐらいにしないと本省が今度はパンクしてしまう。  こういうようなことでありますから、非常に日本へ行きたいという人が多いんですが、これを受け付ける能力がまだできてないということなんで、ぜひともこれは関係各省でひとつ、外国人問題というのはこれは基本的には国際交流だ、日本で働きたいという人があるならある程度入れてもいいんじゃないかというような議論もありますけれども、なかなかそう簡単でない。これはもう大臣よく御存じだと思いますけれども、ヨーロッパでも初めはにこにこして外国人たくさん入れておったのが、後で困っておって、ドイツとかフランスも最近はそうらしいですけれども、今非常な大問題になっております。最近は、日本をつぶすにはミサイルも何も要らない、外国人を十万人ぐらいいきなり日本に持ってきたらつぶれてしまうんじゃないかということを冗談に言う人もありますけれども、本当にそれに近い状況だと思います。  ということですので、これもさっき外務省の人間をふやせと言ったすぐ後でまたほかの省のことも言わなきゃいかぬのですが、やはり入管とか、あと現実には入ってきたその外国人の事情をよく調べるためにはまた警察の人だって相当要るんじゃないか。外国の人が犯罪を犯しますと、警察が捕まえてもきちっとした調書をとるためには通訳が要るんですね。だけれども、それもとても足りない。しかも英語だけじゃなくて何かイラン語だとかアラビア語なんという人も出てくると、これは本当に大変なわけであります。  ということで、現実は人手が足りないから結局わかってはいるけれども十分な対策が行われていないというのが私は現状であろうと思いますので、ぜひともこれはひとつ、私どももいろいろ勉 強させていただいておりますけれども、関係する省が非常に多いものですから、例えば先ほどの就学生、これは本来なら日本語学校へ入ってくるんだから文部省がきちっと処理してもらいたいんですけれども、日本語学校というのは文部省の正規の学校じゃないということで、何か町の塾みたいな形で発足しているのが多くて、しかも日本語学校へ入るのが条件ということでビザを出すとか、そういうような状況にありますから、現実は非常に混乱しておるわけです。  これは、きょうは時間がございませんので、ぜひこの問題を取り上げてこれからひとつ勉強させていただきたいと思いますが、関連する省が非常に多い。法務省、外務省ばかりじゃなくて、労働問題では労働省とか地方へ行けば自治省だとか、警察、文部、通産、運輸、建設、厚生、農林と、いろんな分野で働いている人も多いものですから、それぞれがみんなばらばらにやっておるような感触を私は持っております。これはひとつぜひ副総理であります外務大臣のところでも、外国人労働問題というのは与党の方でもいろいろと御勉強だと思いますし、自民党の方でもいろいろやっておりますが、これを放置しておきますと本当に重大問題になるんじゃないかというふうに思います。  先般も参議院の方でも宮澤先生が団長になって各国見てこられましたけれども、これはなかなか国によって状況が違います。今申し上げましたように、時代もだんだん変化しておるし、日本の場合には同じアジアの方とそれからほかの地域から来られる方で違うわけですけれども、ひとつこれは一年とか二年とか今すぐ先の問題でなくて、五年、十年の計画として御検討願いたいということを大臣にお願いしておくわけでございます。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) もう御指摘のあったとおりでありまして、私もこのまま放置しておきますと大変厄介なことに、なるぞというので、五、六年前ですか、それこそ八省ぐらいの人に集まっていただいて勉強会をやっておったことがあります。そして自民党の中にもこの問題についての勉強会ができたことは私も承知いたしております。  いずれにしましても、今お話がありましたように、日本を嫌いで来る人じゃないということ、それから何か働きたいなという思いは持っている人であろうと思う。しかし、その者が不法で入ってきたために、またやたらに受け入れるということになったらこれは大変になってしまうということになって、これをただ取り締まるということだけだと、それこそせっかくいろんな国と協力して日本がだんだん理解されつつあるのに今度は逆のことをしてしまうということになるであろう。そんなことを考えたときに、この問題をきちんと処理していくことが大事であろう、また対応をきちんとしなきゃならぬということが大事であろうというふうに思います。  私、閣議でも今御指摘のあったことを申しまして、各省がよく連絡をとりながらこういった問題に対して将来に向かってどう対応するのかということについてきちんとしないと、まさに国際交流の基本を逆に崩してしまうということを頭に置かなきゃいかぬだろうと思っております。  ありがとうございます。

大木浩自由民主党

○大木浩君 たしか労働省では従来、ある程度技術を持った労働者は認める、しかし単純労働者となるとこれはいろいろ問題あるぞということで、その辺に線を引いておられます。ところが、今度新労働大臣は単純労働者もある程度入れなきゃいけないんじゃないかというようなことをたしか組閣早々に言われて、後で多少修正発言をされたと思いますけれども、いずれにしても、これは私は、国際友好だからまず入れろということではなくて、入れた後で問題が起こるよりはまず最初にきちっとしておくということが必要だと思いますので、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。  ちょうど時間が参りましたので、これで質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

野沢太三自由民主党

○野沢太三君 羽田大臣におかれましては、御就任以来大変多忙な毎日をお過ごしてございます。かねてから、普通の言葉で普通の人の考え方を代表して政治を行うという姿勢につきましては大変私といたしましても感銘しておりまして、わかりやすい政治という点につきましてはこれからもひとつぜひともその方向で御努力をいただきまして、お国のためあるいは世界のために御健闘をお祈りする次第でございます。  そういう中でエリツィン大統領をお迎えして歴史的な会見をやっていただいたわけでございますが、エリツィン大統領が来日前に大変な流血の惨事を起こして、そしてこちらへ来たと。しかも、飛行機に乗る直前に領土問題には触れないでほしいというようなことを記者会見をして乗り込んだ。それを羽田大臣が羽田で箱乗りもされてお話をされながらお迎えをしたという経緯があろうかと思います。  東京宣言、経済宣言と二つに分けて結果を御発表になったという、この一連の会談の評価あるいはこの交渉に当たられました感想等ございましたらお伺いいたしたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) エリツィン大統領が二回来れなくなったことを踏まえて今度おいでになったわけでありまして、私どもといたしましては、すぐお隣の大変大きな国であるということ、それから過去の古い歴史の中にあっては日本とのいろんな関係があった国であるということ、そして資源も持っている国でありますし、また一面、相当レベルの高い技術を持っている国でもあるということ、そういった国と率直に話し合うことができないという環境はどんなことがあっても私は打破しなければいけないという強い思いがありましたし、総理にも私はその思いがあられたと思っております。その意味で、今度大統領が来日されまして忌憚のない意見交換をすることができたということは、新たなロシアとの外交の一ページを切り開くことになったであろうというふうに思っております。  ただ、問題は、今お話がありましたように、ちょうど来られる直前にロシアの国内で流血の騒動があったということ、これを私たち日本人としますと、大変残念であると同時に、一体どうなっているんだという率直な思いを持ったことは事実であります。  しかし、御案内のとおり、大統領としては民主化、そして市場経済、こういったものを進めようということで改革のために努力をされておられた。このことを私たちはずっと静かに追っていきますと、議会との妥協というものも何回もされておったことを我々承知しておりますし、あるいはロシア正教の方を仲介役として何とか流血というような騒ぎにならないようにということ。それから、銃を持って議会の中に篭城された人たちがあったわけでありますけれども、これに対しても自分たちとしてはでき得る限り流血というものは避けたいということで呼びかけを相当執拗にやられておったんじゃなかろうかというふうに思っております。  しかるに、議会の中に閉じこもった人たちの中では、例えば国営放送ですとかあるいはコメコンビルにあるモスクワ市役所を占拠する、こういった銃を持った人たちをそこへ差し向けてそれを占拠するというような事態、まさに流血が起こってくるということであって、軍を出さざるを得なかったのかなという実は思いを持っておりまして、大変残念なことであって遺憾に思うわけでありますけれども、本来の結果についてはやはりロシア国民が決する問題であろうというふうに思っております。  ただ、私たちは常にこのときは申し上げてきたし、またG7の議長国として申し上げてきたことは、我々としては彼らが民主的改革の努力をしているこの行為を、エリツィン大統領が進めるその行為を支持するということを申してきたわけでありまして、幸い十二月十二日には議会の新しい選挙も行う、しかも民主的な手続によって行おう、また各国からもオブザーバーを招いてやろうとい うことまで実は言われておるわけでありまして、ぜひひとつこれを成功させて本当に民主化というものを進めると同時に、政治を安定させてもらいたいと思っております。  簡単に申し上げますと、二日間という短い期間であったわけでありますけれども、会議あるいは宮中での晩さん会、首相官邸での午さん会、こういったものを通じながら非常に人間的な関係というもの、個人的な信頼醸成というものを細川首相と両者が行うことができたということ、これは私はよかったなと思っております。  そして、東京宣言そして経済宣言と二つに分けたわけでありますけれども、領土問題ですとかそういった問題を含めた政治的な宣言としていわゆる東京宣言が発せられ、そして今後あの国が改革を進めながら経済をより高いものに持っていこうということのために両国がどんな協力ができるのかということ、こういった問題についての割合と細かいことにわたるところの経済宣言を打ち立てることができたこと、これは私は非常に評価すべきものであり、また、もう一つ、あと十六の文書、協定といいますか、これを結んだこと、これも両国の新しい歴史の第一歩になるものであろうというふうに思っておりまして、総じて私どもは今度の日ロ首脳会談というのは非常に大きな成果があったというふうに思っております。  一言つけ加えるならば、その後の海洋投棄については、これはなぜというのが今私たちの率直な思いであることを申し添えさせていただきます。

野沢太三自由民主党

○野沢太三君 民主主義の一番大事なことは、目的が正しいということとあわせて手段が正しいと、そこで手順、手続を踏むということが極めて大事なことだと、目的と同様に手段、方法、手順というものを尊重するということにあるんじゃないかと思うんです。ロシアが新しく民主主義でしかも自由な経済でと言っているのであれば、今回の事件はまことにやむを得ない事情があったとは申しながら、そういう事態を招くような政治の誘導をしてしまったと、この責任はやはり残るんじゃないかと思うわけでございます。問答無用、気に入らなければ鉄砲あるいは大砲を撃ち込む、この体質が残っていく限り、どうも安心しておつき合いできないんじゃないか、あるいは自由とか民主主義とかという名前をかりての独裁政権ができ上がっているんではないか、それをまた我々が追認し、承認しているのではないかという批判が一部の言論界にもあるわけでございます。  この点につきまして、これからのエリツィン政権が文字どおり自由で民主的な政権として育つためにどのような手だてを、あるいは日本としてできる協力をするようにお考えなのか、この点をひとつお話しいただきたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) まず、先ほど申し上げましたように、私どもといたしましては、十二月十二日に行うという選挙を、整々と国民の公正な中における選挙、この結果というものを私たちは見守りたいし、またあのときに我が国に対してお誘いがあったわけでございますから、そして細川総理はそれをお受けしたということであります。いわゆるオブザーバーとしてこの選挙の状況というものを見守るために、私どもはオブザーバーを派遣するということをしたいと思います。  それと同時に、日ロ間の中で作業部会というものがある、これは平和条約でありますけれども、この作業部会というものを頻繁にやりましょうという話し合いもできておりますし、また両首脳が会うと同時に、外務大臣も少なくも年に二回はひとつお互いに交流しましょうという話があります。そういうところで忌憚のない率直な話し合い、御意見を申し上げることは率直に申し上げていくというような関係を構築していく中で、私は本当の民主主義というもの、これは日本としてできる中にあって彼らの民主主義あるいは市場経済への協力というものをしていくことが必要なんじゃなかろうかというふうに思っております。

野沢太三自由民主党

○野沢太三君 旧議会というのが古い体制の中で選ばれたということもあって、確かにエリツィン大統領としては思うようにコントロールできない、こういった悩みがあったことは私どもがこちらから見ていてもわかるわけであります。新しい議会が、その意味でいわゆるエリツィン与党というような形で多数派形成を目指して既に努力が始まっている、こういう動きも情報としていただいておるわけでございますが、そういった面で、ぜひとも民主的な選挙、そして国民の各層各分野を代表する方々が選ばれる、これが非常に大事だという意味で、日本の戦後の経験あるいは諸外国の皆様の助言、こういうものが大変大きな意味を持つんじゃないかと思うわけであります。ただ、もう一つ大事なことは、議会というのはあくまで代表者でございますけれども、その下にやはり民衆、いわゆる国民がいるわけでございます。  今回、エリツィンさんが来日されまして抑留者の謝罪をなさった。四回にわたって発言をされ、しかも経済団体の会議におきましては深々と黙祷をされたという姿がモスクワのテレビにそのまま映った。映った姿を見てモスクワの市民の何人かの方がその感想を述べておる。当たり前だと言う人もいました。遅過ぎたと言う人もいました。本当にやはりよかったと言う人もおりまして、大部分の方がこれを肯定しておられる。まことにこの姿を見まして、私は、人間の素直な感覚としてはこれでよかったんだな、私自身も身内が犠牲になった経験はございますが、そういったことを乗り越えまして心の通い合う状況というものがこの一シーンで生まれてきたんではないかと思うわけでございます。  これまで両政府におかれましては、ここに今持ってきておりますが、外務省とロシアの外務省で「日露間領土問題の歴史に関する共同作成資料集」、これをロシア語と日本語で出されまして関係の各所にお配りいただいた。大変これはいい仕事をしておられると思うんですが、伺いますとこれは部数が大変少のうございまして、恐らく要路にある方の手にすら渡ったかどうかわからない。これは大量にお刷りになってPRをしていただきたいと思うわけでございます。どのくらいこれを今後お刷りになるのか。その辺につきまして、御計画がありましたら。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今御指摘にありましたように、まさにこれは地図まで入り、しかも日本語とロシア語両方で書かれているものであって、非常に精緻な資料であるということであちこちから評価されております。  今御案内がございましたように、確かに配付先についてもっと考えるという御指摘、私どももよく承りまして、今度作業部会が具体的にいろんな問題について一つずつ詰めてフォローアップしていこうということでありますから、この作業部会の席で御提案を申し上げていきたいと思っております。その中で、一体どのくらいの部数が必要なのかということ、こういった問題も話されることになろうと思いまして、今どのぐらいということを申し上げるのはちょっとおかしていただきたいと思っております。

野沢太三自由民主党

○野沢太三君 どうぞひとつ積極的にこういった事実のPR、そして事実の認識というものを両国民、特にロシア国民の間で広げていただく、このことを全力を挙げてやっていただきたい。お互いに世論というものがあるんだということが前から言われておるわけでございます。  その意味で一つ提案がございますが、十六の文書を交わされて今いろいろな新しい、文化交流を初め技術交流あるいは経済交流を深めておられるわけでございますけれども、情報の交流というものが大変大きな力になるということが中長期的に見ると否定できないと思います。その意味で、ただいまの技術レベルでは通信衛星とか放送衛星とかそういったものが大変発達しておるわけでございます。両国のテレビのチャンネルのシステムが違うために大変見にくいという問題はございますが、これらは技術的に克服できない話ではないと思いますので、作業部会等におかれて早急に、両国民のテレビが今のアメリカやイギリスのテレビ同様に日本で見られるような手だてを講じていただきたい。これは提案でございます。何かこれに ついての作業がございましたらお話を聞かせていただきたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 通信手段の改善を通じます日ロ間の相互理解の促進というのは、これは今御指摘のありましたとおり全く重要な課題であろうというふうに思っております。  このような観点から、今回エリツィン大統領訪日の際に署名された経済宣言、ここで一層の交流拡大を図る分野の一つとして通信の分野が実は上げられておるところであります。今回署名されました文化交流拡大に関する覚書におきましても、視聴覚の媒体を通じた文化紹介事業、これの拡大のために必要な措置をとることが表明されておりまして、私どもといたしましても、こうした交流の拡大にさらに努めていきたいと思っております。  特に、御指摘のテレビ通信網の整備あるいは協力につきましては、関係各省庁とも十分私ども連絡をとりながら、しかるべく検討してまいりたいというふうに考えておることを申し上げさせていただきます。

野沢太三自由民主党

○野沢太三君 急がば回れということもございますので、そういった両国民の世論形成についてしっかりとこれから取り組んでいただきたいと要望を申し上げたいわけでございます。  そこで、先ほど同僚議員からも御指摘があったわけでございますが、最近の核廃棄物の投棄問題でございます。  今回のロシアとの会談の陰の主役というのは、エリツィンさんとかあるいは細川さんという表の主役以外に、核兵器とそれから戦略ロケットを初めとする運搬手段、これが正常に管理されているのか、あるいはまたこれが正常に廃棄される手順になっているのかどうか、この点が私は実は大きな力になっていたのではないかと思うわけでございます。ただ隣の国であるから仲よくするというだけではなくて、一つ間違うと大変なことになるという陰の恐怖、これはもう恐らく私どもがこれからも長らく忘れずに考えていかなければならないことでございますが、その一つの問題点が今回あらわれたのではないかと思うわけでございます。  今回の核投棄については、私どもはまずグリーンピースからの発信によって事実の相当部分を知った、こういうことがございますが、このグリーンピースの船の中に日本の記者が乗っていたということについて、外務省は御存じでございましょうか。

河村悦孝外務省総合外交政策局外務参事官

○説明員(河村悦孝君) 私どもも、報道によりますと一人乗っていたというふうに聞いております。

野沢太三自由民主党

○野沢太三君 既に、民間団体ですらこういった投棄計画というものを察知して、それに対して記者を配置して送信をする、そこまで来ておるわけであります。しかも、先ほどもお話がありましたように、IAEAの方には通告が行っておったと。そうすると、IAEAというのは日本には何の連絡もしなかったのかどうか、この点について。

河村悦孝外務省総合外交政策局外務参事官

○説明員(河村悦孝君) 御指摘のとおり、ロシア外務省に確認しましたところ、IAEAとIMOには通告をしたということでございますが、IAEAからの私どもに対する通告はございません。

野沢太三自由民主党

○野沢太三君 そういうことで、お互いに信頼をして、これから領土の返還を初めとし、あるいは核兵器の廃絶を初めとするさまざまの大きな課題に取り組んでいくのにまことにこれは残念至極、遺憾至極と言わざるを得ないわけでございます。そういった意味での相互信頼、これがない状態で平和も友好もあり得ない。まさにその辺の体質が私は一番心配なところでありまして、依然として日本を無視しておるのではないか。というよりも、隣の国、普通のつき合いというものをないがしろにする、これはもうロシア政府の体質と言ってもいいのかもしれません。これは厳しくとがめて、やはり自由なつき合いとかあるいは民主的な政治とか、こういったものに関して大事に一つずつ取り組むということ自体がその第一歩だということを厳しくひとつ御指摘をいただきたい、厳重な抗議をお願いしたいと思いますが、この点について、大臣、一言。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 隣国であり、しかもこれから友好を深めていかなければならないということでありますから、それはお互いが信頼できる基本がなきゃならぬわけでありまして、今御指摘ありましたとおり、首脳同士で幾ら個人的な信頼醸成ができたとしても、実際にその国の中で、末端でそういうことが行われているということになるとすると、これは我が国民の理解も得られなくなってしまうということであろうと思っておりまして、私どもは率直に申し上げるべきところは申し上げ、そして事実が一体どうしてああいうことになったのかということ等についてもきちんと話し合っていきたいというふうに考えております。

野沢太三自由民主党

○野沢太三君 特に、もう一回捨てると言っていることについてはどうしてもこれは阻止する、こういうかたい決意で取り組んでいただきたい、これは要望でございます。  引き続きまして、時間が厳しくなりましたのでもう一点御質問したいと思いますが、カンボジアにおきまするいわゆるPKO活動、これは大変な関係各方面の皆様の御努力によって大きな成果をおさめたと思うわけでございますが、大臣は最近また御当地にも行かれましてつぶさに現地における事情をごらんになり、あるいは関係者の御意見を承ってきているかと思います。このカンボジアPKOの評価、それからこの経験に基づいてこれから私どもの平和協力活動をいかように改善したらいいか、この点についての大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今御指摘がありましたように、私は先ごろカンボジアヘ参りまして現地の皆様とお話し合いをしてまいりました。ただ、たった二日間の日程でありましたので、そうつぶさにというわけにはいかなかったんです。  ただ、私が現地の人たちとお話をして感じましたことは、非常にきめの細かい活動をUNTACがされたということでありましょう。特に、ラジオその他いろんな通信手段を通じまして、国民の皆様方に対して、民主的な選挙というのはどんなに大切なことか、あるいは平和というのはどんなに大事なのかというようなこと、こういったことを実にきめ細かく知らせたようでございます。そういったものがあの選挙の、八六%ですか、投票率というものにつながったんじゃないのかというふうに思っております。  それから、実際にPKOに参加した施設大隊あるいはその他の監視要員の皆様方といろいろとお話ししたわけでありますけれども、彼らが話している中に、道路をつくるとかあるいは橋をかけるとかあるいは選挙の監視をするのをお手伝いするとか、そういう中で住民といろいろな結びつきができたということ、しかもたしか四十一カ国でしたか、こういう国が集まってそういういろいろな仕事をした、お互いに協力しながら仕事をした、こういう中で一つの国にこういう平和をもたらすきっかけをつくれたということは、これを本当に自分たちも誇りとするということを言っておりました。  そして、今度のカンボジアのUNTACの活動の成果というものは、単にカンボジアの人が評価しているというだけではなくて、私が国連総会に行きましたときにだれもがまず真っ先にカンボジアよかったですねと。それから、明石代表なんかの功績をたたえると同時に、そこに参加している人たちについても非常にたたえておりまして、これからのPKOなんというのはこんなものをというものをこれから基本に、あるいはこういうやり方があるんだというきめ細かい見方をしてPKOというものを進める必要があるんじゃないのかということを言われておったことは大変印象的であったというふうに思っておりまして、私どももこれからのPKOというものを起こしていくために、国連に対してもそういった問題について相当配慮していくこと、こういったことをやっぱり我々としても提言していくことが必要であろうと思っております。  いずれにしましても、よくその国の状況というものをつかみながら対応するということが大事なんじゃないのかというふうに思います。

野沢太三自由民主党

○野沢太三君 確かに忍耐と話し合いというのが大変大事と明石さんもおっしゃっておられますが、日本の対応としての今のPKOの法律そのものはいろんな面で問題が残されていると伺っております。特に、現地に行かれました方々にとっては、例えば身を守る武器の使用の問題、その指揮権の問題、さらには五原則の中で引き揚げをするしないのような問題、こういった点については私は早急に見直すべきポイントではないかと思うわけでございます。どうかひとつ、連立与党にはいろいろ御意見もあるようでございますが、これを外務大臣としてはおまとめいただいて、日本が本当に国際国家として一人前になるためにはどうしてもこの点は欠かすことのできない条件であるということをさらに確かなものにしていただくようお願いを申し上げます。  私、質問を幾つか用意したんですが、時間がございませんので次回等の機会に譲りたいと思います。  どうもありがとうございました。

井上章平自由民主党

○委員長(井上章平君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時十八分休憩      ――――◇―――――    午後一時二分開会

井上章平自由民主党

○委員長(井上章平君) ただいまから外務委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国際情勢等に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

田英夫日本社会党・護憲民主連合

○田英夫君 先日来、予算委員会にも出ておりまして感じることは、お互いに与野党が逆さまになりましたので、どうもまだその立場がお互いにしっくりしないという感じがあります。きょう私はやや野党的なことを行政府に対して伺うことになるかもしれませんが、私はやはり立法府対行政府という立場があるということを最近常々思います。これは非常に重要なことであって、特に従来、思想信条といいますかイギオロギーで政党が分かれていた時代は行政府も与党と一つの考えを持ちながらやられたようですけれども、最近のようなこういう状況になってきますと、与党といえども行政府が誤ったことをやっていれば、これは厳しく国民の名において指摘をするということが非常に重要になってくるんではないかなと。  きょう、そういう意味で私は金大中さんの問題を、もう二十年前の歴史的なことですけれども、取り上げたいと思いますが、そういう立場で私の意見を主張いたしますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。  去る十月十二日に、警察庁は成田にトランジットで立ち寄られた金大中さんから初めて事情聴取を行われ、そして御本人から被害届が提出されたということを聞きますけれども、この事情聴取の内容をできる限りここで御説明願いたいと思います。

上原美都男警察庁警備局外事課長

○説明員(上原美都男君) お答えをいたします。  金大中氏が十月十二日に成田に立ち寄られた際に事情聴取を申し入れまして、翌十月十二日に、一時間という限られた時間ではございましたが、事情聴取に応じていただきました。  その際、被害届を受理いたしまして、犯行当日の状況など私どもの知りたい点につきましていろいろとお聞きをいたしましたが、その詳細な内容につきましては、捜査中でございますので差し控えさせていただきたいと思います。

田英夫日本社会党・護憲民主連合

○田英夫君 そういうお答えが返ってくるだろうとは思ったんですが、私ごとで恐縮ですが、私ごとというより上原さんの私ごとですが、二十年前、ちょうど金大中事件の年に入省されたということをさっき伺って、もう歴史的なことだなと改めて思うわけですが、この委員会席にも当時のことを御存じの方はほとんどおられないと思います。しかし、金大中さんの拉致事件は、こんな一冊の本になるぐらい真相はわかっていると言っていいんじゃないでしょうか。  そういう中で、実はちょうど今、昼休みにソウルから電話がありまして、きょう午前中に金大中氏が日本の新聞記者のインタビューに答えたという内容を若干知らせてきたんですけれども、私にとっても新しいことが一つ、二つあります。  一つは、一九七三年八月八日に拉致されて、そのままホテル・グランドパレスから東名高速、名神高速を走って神戸付近に連れていかれるわけですが、そのときに京都付近で警察の検問にひっかかった。しかし、中を改めるということもなく通過してしまったということをきょう言っておられますが、これは御存じですか、警察は。

上原美都男警察庁警備局外事課長

○説明員(上原美都男君) お答えをいたします。  当時の捜査記録を繰り返し読んでおりますが、警察が検問にかけて金大中氏の乗ったであろう車両について行き先を聞いたという事実はございません。

田英夫日本社会党・護憲民主連合

○田英夫君 それはひっかからなかったんですから当然警察には届けはないというわけで、金大中さんはこのことについては日本の捜査当局の検問はいいかげんなものだったんじゃないかということを言っておられるようであります。  それから、船に乗せられて連れ去られる途中で飛行機が飛来をしていたという事実がありまして、これは今韓国では改めて非常に問題になっています。といいますのは、九月に、アメリカのCIAの元部員で後に韓国大使をやったグレッグ氏がこのことに関連をして民主党の調査団に語ったわけですが、アメリカの飛行機ではないということを非常にはっきり言ったわけです。きょう午前中のインタビューで金大中さんは、私は日本の飛行機だと確信をしていると、そして、それは日本の飛行機だということをその後日本の高官から聞いた記憶があるということを言っておられます。  この飛行機がなぜ問題なのかというと、どこの国が金大中さんの命を助けたかということになるからです。この点については外務省あるいは捜査当局で何らかの情報をお持ちでしょうか。

上原美都男警察庁警備局外事課長

○説明員(上原美都男君) 金大中氏が事件後韓国で行われました記者会見の内容に基づきまして、日本国内において当時捜査当局は飛行機が大阪周辺を飛んだかどうかという捜査をいたしました。ただ、結果として、日本の飛行機が飛んだという事実は確認できませんでした。

田英夫日本社会党・護憲民主連合

○田英夫君 まあ今まではそうだと思います。今申し上げたように、これはどこの国が金大中さんの命を助けたかということに関連をして非常に重要な問題になっているわけですが、二十年前のことで、当時の日本政府の、特に高官の皆さんの考え方というのはわからないままになっているわけです。  きょう、もう一つ新しい事実として金大中さんは、韓国に上陸をしてから田舎の農家のようなところへ連れ込まれて用便を足したりさせられて、その直後に睡眠薬を注射されて、意識不明で何日いたかわからないけれども、気がついたらソウルヘ行っていた、こういうことを言っておりまして、私の記憶にはやはりこれもありません。  そういうことですけれども、二十年たって捜査的に言えば捜査は継続中ということを政府は言っておられる。先日、国家公安委員長にもお会いしましたが、そういうことであります。政府全体として、きょうはここは外務省と捜査当局ですが、この金大中さんの事件の真相を解明するということは今後もおやりになるのかどうか、基本的な姿勢を伺いたいと思います。

上原美都男警察庁警備局外事課長

○説明員(上原美都男君) 警察庁といたしましては、事件発生の昭和四十八年八月八日以来、本事件の真相解明のために今なお捜査を続行しているところでございまして、今後ともその姿勢に変わりはございません。

田英夫日本社会党・護憲民主連合

○田英夫君 これは政府の外務大臣、副総理というお立場の羽田さんに伺った方がいいと思いますが、先日成田に来られた金大中さん、あるいは九月に私はソウルでも会いましたけれども、同じこ とを言っておられた。日本政府は韓国政府から要請があれば真相究明について対応をする、こういうことを武村官房長官あるいは佐藤国家公安委員長が表明をしておられるけれども、それはおかしいんじゃないか、日本は被害者だ、加害者である韓国政府から要請があればこれにこたえるというのは逆さまじゃないか、こういうことを金大中さんは指摘をしておられます。  日本政府は韓国政府から要請があれば対応するという態度は、どういう理由からでしょうか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 政府といたしましては、金大中氏及び韓国の民主党が今この問題について真相究明を求めているということを、私どもも直接民主党の方にお目にかかりましたりして承知をいたしておるところであります。こうした韓国側の真相究明の動きにつきましては、我々も関心を持っておるところであります。  他方、そもそも本事件の性格というものを見ますときに、まずは韓国側の方から拉致事件自体の解明が行われるべきであるというふうに考えておるということを申し上げたいと思います。

田英夫日本社会党・護憲民主連合

○田英夫君 今の外務大臣のお言葉は、私には余りよく理解できないんですね。やはり金大中さんの言っていることの方が筋が通っていると思います。国の主権という非常に重要なものが韓国の公権力によって侵されたということが明らかなわけですから、これは明らかに被害者だと言わざるを得ない。金大中さん自身は、人権を侵されたという意味で自分は被害者だと言っておられる。ところが、武村官房長官はこの点について、韓国の公権力が加わったものでやったことであるということを確認できない状態であるというふうに言っておられますが、外務省としてはそういう態度ですか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私どもといたしましては、この問題につきまして、当時のいろんないきさつがあったことはもう御案内のとおりでありますから申し上げませんけれども、大局的な一つの見地ということで、外交的に決着を図ったということで、二国間で外交問題化しないということになったというふうに私ども承知しておりまして、それを今日まで踏襲してきているんであろうというふうに思っております。

田英夫日本社会党・護憲民主連合

○田英夫君 細川内閣が発足したときに、外交はもちろん安全保障を含めて従来の国としての政策を継承するというふうに言われた。私は与党の一人ですけれども、そのことに対していまだに疑問を持っている一人です。この問題などはそれにかかわる問題だと思います。  確かに二国間で二次にわたる政治決着というものがつけられた。一つは田中総理と金鍾泌首相、もう一つは宮澤外務大臣と韓国の外務大臣で口上書を交わして、金東雲の指紋があるにもかかわらずこれにふたをして政治決着を図った。一九七五年のことであります。これは確かに政府間の約束ですけれども、ちょうど条約局長おられるけれども、口上書で二国間政府が約束をしたということは、国際的な取り決めとしては条約とか協定とか口上書とかいう形になるわけですが、口上書による約束というのはどの程度の重みがあるものだと思いますか。

丹波實外務省条約局長

○政府委員(丹波實君) 国際約束の形には、今、田先生自身おっしゃったとおり、例えば名前が条約とか協定とかあるいは議定書とかいろんなものがございます。口上書もその一つでございますが、純粋に法的な観点からは、法的な拘束度の差が名前の違いから出てくるというものではございません。

田英夫日本社会党・護憲民主連合

○田英夫君 したがって、今、条約局長が言いたかったのは、日本政府は金東雲の指紋が明確にあるにもかかわらず犯人とは特定できないという内容の口上書を取り交わした、自民党政府時代のこの二国間政府の取り決めは現在も生きているし、今後もそれを守らざるを得ないということを言いたいわけですか。

丹波實外務省条約局長

○政府委員(丹波實君) 二国間の法的な約束事としては現在も生きておるわけでございます。しかしながら、御承知のとおり、日本側におきましても捜査は継続中でございまして、新しいことが出てきたらこれはまた見直す契機にもなり得るということも政府が従来から申し上げてきておることは十分先生御承知のとおりだと思います。

田英夫日本社会党・護憲民主連合

○田英夫君 警察庁に伺いますけれども、金東雲の指紋というのは捜査の立場からいうとどういう価値が、今の外交上の決着とは切り離して考えると捜査当局としてはこれは事件の解明に対してどういう価値があるものだと思いますか。

上原美都男警察庁警備局外事課長

○説明員(上原美都男君) 当時から国会で何度もお答えをいたしておりますが、金東雲につきまして、犯行現場に遺留されていた指紋を含めましてエレベーター内での目撃者の証言などから総合的に判断いたしまして、犯人グループの重要容疑者の一人であると今なお考えでいるところであります。

田英夫日本社会党・護憲民主連合

○田英夫君 それは非常に重要なことで、容疑者の一人と考えているということで、昭和四十八年、一九七三年九月十八日、この参議院の外務委員会で、私の質問に対して当時の中島二郎警察庁警備局参事官は、「この指紋につきましては、肉眼で鑑定をしても一致するというふうに見られるわけでございますが、さらに精密な鑑定もいたしまして、私どもとしては絶対間違いがないという確信を持っております。」、ここまで言い切っておられる。それにふたをして外交的に口上書でごまかしたというのが事実、表現は悪いですけれども、二国間政府の政治決着だと言わざるを得ない。  私は、さっき申し上げたように、行政府が誤ったことをやったなら与野党であろうとただすべきものはただす、そして過去の過ちは直すをいうのが正しい姿勢だと思いますね。そういう意味で、実はこの事件の真相というのはほとんど重要な部分は全部わかっていると言っていいと思うんですよ。  ここに一枚の紙っぺらがあります。ハングルの手書きで書いたこの紙は、事件後ほぼ一年後に私の事務所に発信人不明の封書で送られてきた。ハングルの手書きで全く読めませんから、それを韓国の言葉のできる人に翻訳をしてもらった紙がここにありますが、金大中事件真相、元凶だれだれ、現場の総指揮だれだれ、現場の指揮、下千人|下千人という言葉を使っているんですね。ということで八人の名前が書いてあるんです。その中には現場の総指揮は金在権駐日大使館公使、そして今の金東雲在日大使館一等書記官、こういう名前があって、これと全く同一の名簿を、その事件の三年ほど前にKCIA長官をやめた金炯旭という人物がアメリカに亡命をしてアメリカで名簿を発表して、これと全く同じ名前を言っているということで、犯人の名前まで八人全部挙がっている。その中の一人な捜査当局が確信を持っているという指紋まで挙がっている。指紋が確実なものであればそれ一つで起訴し有罪にすることができるというのは、これはもう捜査当局の、司法の国際的な常識であります。  そういうことになると、これだけのことがわかっている事件にふたをしたということは、当時の日本政府は犯罪を隠ぺいしたという罪を犯しているんじゃないですか。外務大臣、どう思いますか。

高野紀元外務省アジア局長

○政府委員(高野紀元君) 先生のお話の点でございますが、金東雲書記官が犯行に加担した容疑が当時濃厚となりまして日本国の主権が侵害された可能性が強くなったということでございますが、同書記官よりの捜査協力が得られなかったという事情がございまして、韓国側の公権力の行使を裏づける確証が得られなかったという次第でございます。このような事情のもとで、我が国としてはやむを得ず日韓友好関係の維持という大局的見地に立って外交的決着を図ったものでございます。  他方、先ほど来御答弁申し上げましたように、我が国としてはその後も国内における刑事事件としての捜査は継続しているということでございまして、将来、仮に韓国側による公権力の行使を明白に裏づける証拠が新たに出てきた場合にはこの外交的決着を見直すことはあり得るという立場をとってきておるところでございます。

田英夫日本社会党・護憲民主連合

○田英夫君 これは、当時から非常に問題にしていたんだけれども、ほおかぶりし続けてきた問題ですけれども、八人のうちのたった一人かもしれないけれども金東雲という人物については捜査当局が確信を持っているという指紋が出ているんですよ。彼は一等書記官というまさに公権力に属する人物だということもこれも明らか。韓国政府は、当時、大平外務大臣からの要請で、つまり日本政府の要請で金東雲の出頭を求めたところが外交特権を理由にこれを拒否した。ここに、大平さんが答弁されたことが速記録に残っておりますけれども、大平さんもまことに遺憾であると言っておられる。同時に、当時の松永条約局長は、国際法上外交特権は派遣国が放棄しない限りある、それを理由にされていると何ともしょうがないという意味の答弁をされている。韓国政府はそこまでやっているんですよ。  外交特権を振り回すということは公権力の一員であるということをみずから証明したことになりませんか。公権力が介在したかどうかが確認できないというのはいかなる理由ですか。

高野紀元外務省アジア局長

○政府委員(高野紀元君) 繰り返しで恐縮でございますが、当時、我が方から韓国側に同書記官よりの捜査協力が得られるよう要求したわけでございますが、韓国側の協力が得られないという事情のもとに韓国側による公権力の行使を裏づける確証が得られなかったという事情がございます。そういう事情を踏まえ、今申し上げました当時の最高首脳間における外交的決着をしたという経緯があるわけでございます。

田英夫日本社会党・護憲民主連合

○田英夫君 これは何度聞いてもそういう答えをしている限り、行政府として恥ずかしいと思ってくださいよ。国民はそんなことを納得するわけがないし、二十年たった今日もなおかつ日韓の間でのどに刺さったとげだと言われている。早くそのとげを抜こうじゃないかということを韓国の皆さんも言っている。今だんだん新聞記者の皆さんも当時の事件のことを知らない方ばかりになりましたよ。改めて勉強しなければならないわけですよ。事件はそこまでもう歴史的なものになってしまった。にもかかわらず日本政府がそういうことを言って引き延ばして、これが本当の日韓の友好になりますか。これは外務大臣、政治家として決断をしなければならないときですよ。  しかも、韓国にも、金泳三政権ができて、彼は御存じのとおり韓国の民主化のために今まで闘ってきた、金大中さんと一緒に闘ってきた。その人が大統領になって、そして首相に対して最高責任者として金大中事件の韓国政府が持っている資料を全部出せという指示もし始めている。そういう状況の中で日本政府が依然として今のような態度をとり続けているということは恥ずかしいことですよ。  さっきロシアのことで隣の国というお言葉が質問者からも答弁者からもあったけれども、韓国はまさに一番近い隣国ですよ。しかも過去に日本が迷惑をかけているという歴史を持ったこの国の国民と国民の本当の友好を考えたときに今のことでいいですか。  これは最後に外務大臣に、政治家として、今のこの政府の責任者としてお答えをいただきたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) この問題につきましてはもう既に田委員とは何回も議論があることですから私どもの方から細かいことはあれしませんけれども、私どもとしましては、今お話がありましたけれども、韓国の大統領がかわった、そしてそういう中にあって首相に対してそういった要請をしたというお話があるわけでありますけれども、いずれにしましても私どもといたしましては、韓国側から拉致事件自体について解明、これが行われる、その動きというものを待ちたいし、そして私どもとしては、捜査は継続ということでありますから、今、警察の方からもお話がありましたように、新しい事実というものが判明してきたときにはこれが新たな問題に展開するということもあり得るということを申しておるところでありまして、その点は御理解をいただきたいというふうに思います。

田英夫日本社会党・護憲民主連合

○田英夫君 私は全く納得ができませんし、私自身も政治家として、国会に身を置く人間として、こんなことでは日本の政治は恥ずかしいことになるぞということを申し上げて、質問を終わります。

清水澄子日本社会党・護憲民主連合

○清水澄子君 私は、けさから問題になっておりましたロシアの核廃棄物の海洋投棄についてまずお伺いをいたします。  既にお話もありましたけれども、エリツィン大統領が訪日されて、そして日ロ関係に関する東京宣言の中で放射性廃棄物の海洋投棄が世界的な規模において、なかんずく周辺諸国の環境に与える影響の見地から深刻な懸念を引き起こしていることを確認すると明確に宣言をされたその直後の問題であったと思います。  けさの新聞では、モスクワ発として日本海の核廃棄物の海洋投棄の内容について報道されているわけですけれども、政府自身は今回のロシアの核廃棄物の海洋投棄の事実関係をどの程度把握をしておられるのか。特に核廃棄物の種類、放射能のレベル、その分量、それから投棄海域の位置等について御説明ください。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○説明員(林暘君) お答え申し上げます。  私どもが把握しております内容は昨日モスクワでロシア側政府から発表になりました内容でございますが、ロシア側が廃棄しましたものは、放射能の総量が約二キュリー、二段階に分けて廃棄をする予定の第一段階として九百立方メートルの廃棄物をナホトカの南約百キロの区域で投棄したということを知らされております。  液体廃棄物の中身についてはストロンチウム、コバルト、セシウムが含まれており、アルファ線核種は含まれていなかったという説明でございます。今回の廃棄物の……

清水澄子日本社会党・護憲民主連合

○清水澄子君 済みません。林審議官、マスコミに出ているものだけならば結構です、時間がありませんから。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○説明員(林暘君) 昨日モスクワで説明を受けましたのは、プレスの方と一緒に説明を受けておりますので、基本的にはプレスが報じたのと同じ内容でございます。

清水澄子日本社会党・護憲民主連合

○清水澄子君 先ほど野沢議員も御発言がありましたけれども、民間団体が事前にこの投棄計画を察知して、しかも素早く監視行動を展開しているわけですけれども、なぜ政府はこういう投棄を事前にキャッチするということができなかったのか。あるいはその監視体制をずっと続けてきていないのかどうか。さらに、今後五年間投棄するということをモスクワは発表しているわけですけれども、そういうことについて政府は監視体制というのをどのように考えていらっしゃるのか、お尋ねしたいと思います。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○説明員(林暘君) 今御指摘のグリーンピースが事前に察知して監視する船を派遣していたにもかかわらず政府は察知していなかったのかという御質問の点でございますけれども、事前に政府は承知しておりませんでした。それから、いわゆる監視体制ということで当該区域に船を出しているというようなことは政府としてはいたしておりません。  ロシア側の説明では、この液体廃棄物というのは、御案内のとおり、海軍の原子力潜水艦の解体修理その他によって出てくる低レベルの廃棄物でございますが、これの処理施設能力というのが残念ながら現在のところないと。したがって、たまってしまった液体廃棄物については投棄をせざるを得ない状況であるという説明を受けております。  我々としては、このような形の海洋投棄というものが今後行われないように申し入れておりますし、かつ今後ロシア側がこういう海洋投棄を行わないということが可能になるようなことに我々としてできる範囲でどういう形で協力ができるのかということは、十一月にも共同作業部会を開きますので、その席上でもロシア側とは十分話し合っていきたいというふうに思っております。

清水澄子日本社会党・護憲民主連合

○清水澄子君 このロンドン条約には高レベル放射性物質の海洋投棄も低レベルのものも一応禁止をしているわけです。そうしますと、今回の行為 はロンドン条約に違反するというふうに言えると思うんですけれども、政府はどういう見解をお持ちでしょうか。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○説明員(林暘君) ロンドン条約によりますと、高レベルの放射能廃棄物と低レベルの放射能廃棄物は分けて規定をしてございます。高レベルの放射能廃棄物については、御指摘のとおり海洋投棄をすることは禁止をされております。低レベルの放射能廃棄物につきましては、特別の許可を得て廃棄することができる規定になっております。特別の許可と申しますのは、当該国の権限のある当局からの特別の許可でございます。  ロンドン条約そのものについてはそういう規定になっておりますが、別途ロンドン条約の締約国会議におきまして低レベルの放射能廃棄物につきましても海洋投棄をするということが安全性の点で問題がないのかという議論がございまして、安全性の問題について結論が出るまでの間、低レベルの放射能廃棄物についても海洋投棄をやめるべきであると一時自粛の決議が一九八五年に成立をしておりまして、現在そのモラトリアムはまだ有効な期間でございます。  なお、ロシアはこの決議案については棄権をいたしております。

清水澄子日本社会党・護憲民主連合

○清水澄子君 その辺はことしの四月六日の外務委員会で同じく外務省の方が同僚議員の質問に答えていらっしゃるのは、これはあくまでロンドン条約に違反であるという見解を表明していらっしゃいますけれども、それは違うわけですね。その点は後ほどまた調べていただきたいと思います。  そこで、今回のこの海洋投棄については、もちろんこれは日本に対してもまた国際的な関係でも、人類の健康やらいろんな核に対する不安、そういう意味では国際信義に反すると思うわけですけれども、とりわけ日本人は魚を食べて生きている民族ですし、特に魚介類の放射能汚染というのはどちらかといえば心理的な打撃が大きいと思います。  現在、日本海沿岸は非常に冷害に苦しんでいるわけですから、さらにそこで漁業に影響が生ずるとすれば経済的な面でも私ははかり知れない影響があると思います。  また、IAEAでも内海にそういう廃棄物を投棄することは規制もしておりますけれども、日本海というのは内海面に当たると思うんです。海水の出入りが非常に小さくて汚染物質の滞留が予想されるわけです。しかも、ロンドン条約は今後この核廃棄物を全面的に禁止しようということがことしの秋さらに検討されるという、その直前にこういうことが行われる。  これらに対して私は、本当に国民は不安とか、ロシアのこういう行為、まさに反モラル的といいますか、こういうやり方に対して大変皆さんが納得できない怒りを持っていると思うんです。ですから、政府は緊急に特使をロシアに派遣をして中止を申し入れるべきだと思いますが、そういうお考えはありませんか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) まず、私どもといたしましては、事実関係を確認すること、それと同時に遺憾の意を表し、そして抗議を申し入れてまいったわけでありますけれども、先ほど報告がありましたように、向こうが海洋投棄をした、そしてこういうものをしたということははっきりしておりますから、私どもといたしましては、きょうも実は大使を呼びまして今度の海洋投棄に対して正式に我が国として抗議を申し入れるという対応をしております。  それと同時に、モスクワにありましても、これは非常に今も御指摘があったような事情が日本にあるんだよということを率直に向こうの外務大臣に対しても申し入れていこうという措置を今いたしておるところでございます。

清水澄子日本社会党・護憲民主連合

○清水澄子君 私は抗議だけではだめだと思います。やはり中止を要請を。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) もちろん今のお話のとおり、中止を申し入れるということであります。

清水澄子日本社会党・護憲民主連合

○清水澄子君 特使を派遣しませんか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) その問題については私どもも実はその話をしておるわけでありますけれども、より効果の上がることをしていかなければいけないということでおることを御理解いただきたいと思います。

清水澄子日本社会党・護憲民主連合

○清水澄子君 科学技術庁にお尋ねしたいわけですけれども、新聞によってですが、科学技術庁は直ちに影響はないということを発言しておられるわけですが、調査もなさらないで何を根拠にそういう発言をされていらっしゃいますか。

松岡浩科学技術庁原子力安全局原子力安全課防災環境対策室長

○説明員(松岡浩君) 今御質問のありました件につきましては大ざっぱな評価を御説明したまでで、今まで日本海に捨てられております液体廃棄物、ロシアが捨てましたとされています放射性液体廃棄物の総量が一万キュリー以上を超えております。それに関連しまして、ことしの春、関係省庁と協力しまして日本海の調査をやったわけですが、その結果特に異常な放射能は出ていませんでしたので、その時点で少なくとも我が国の国民に影響が及んでいるものではないという判断ができたわけであります。  今回、ロシア側が発表しましたとおり約二キュリーの追加の放射能が海洋投棄されたということですと、過去に一万キュリー以上という放射能の減衰を見込んでもけたが大きいものが出ていて、それに二キュリーぐらい追加になったということで、今できる大ざっぱな判断をしますと、二キュリー捨てられる前と後で日本海全体の放射能レベルに有意な変化があるということは常識的には考えられないわけです。  ただし、これはあくまで大ざっぱな評価でありまして、早速そのことを確認するためにあした放射能対策本部の幹事会を開くことを予定しております。そして、我が国独自の調査、海水のサンプリング、分析を行う方向で、その実施をあした決定する方向で取り組んでまいりたいと思っております。

清水澄子日本社会党・護憲民主連合

○清水澄子君 先ほども申し上げているように、ロンドン条約でこれから全面的に禁止しようと言っているときに、科学技術庁はいつも影響がないとかその程度の数字とか、そういうのはロンドン条約の精神に反していくことではないかと思います。  ロンドン条約の第十条では核廃棄物の投棄の環境に与える損害について規定があるわけですけれども、万が一にも日本海産の魚介類に損害が生じた場合に、損害賠償請求権を保留することをロシア政府に申し入れる必要があると思うんですけれども、どのようにお考えになりますか。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○説明員(林暘君) もちろん被害が出た場合にどうするかということは真剣に考えなくちゃいけない問題でございますけれども、事実関係がどういうことになっているかということを調査した上で、そういう実態があれば条約に沿った措置をとりたいというふうに考えております。  今御指摘のロンドン条約の十条でございますが、十条につきましては、規定は「投棄についての責任の評価及び投棄に関する紛争の解決のための手続を作成することを約束する。」という形になっておりますので、ちょっと私は詳細をこの時点で申し上げる知識を有しておりませんけれども、この十条の規定は手続の作成についての規定というふうに承知をしております。

清水澄子日本社会党・護憲民主連合

○清水澄子君 ぜひ損害賠償請求権を保留するという強い姿勢で、本当に中止を要請するならば、そういう日本が持っているあらゆる権利というものを行使していただきたいと思います。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○説明員(林暘君) 当然に国際法上損害が生じた場合に日本国にロシアに対する損害賠償の請求権というのはあるわけでございますので、そういう当然の権利は行使することにやぶさかでございません。

清水澄子日本社会党・護憲民主連合

○清水澄子君 次に、戦後補償関係について質問いたします。  細川総理は就任の記者会見において、また国会における所信演説において、第二次世界大戦での日本の戦争行為を侵略戦争あるいは侵略行為として見解を表明されました。この細川総理の発言と いうのは、中国政府は当然ですけれども、アジア諸国、そしてまたアメリカ、ヨーロッパ諸国でも大変好意的な共感といいますか、日本が率直に過去の過ちを認めているということで、非常なある意味での評価がなされております。  しかし一方では、今日、従軍慰安婦問題を初めとして、中国人、朝鮮人の強制連行の問題とか戦時中のイギリス人捕虜虐待問題とか占領下のインドネシアのオランダ人強制収容所問題とか、また香港の軍票補償問題など、いわゆる戦後補償の問題が次から次と提訴をされて当事者からの補償要求が出されているわけですけれども、細川政権の外務大臣として、また副総理として、いわゆるこの戦後補償に対してどのような基本的な姿勢で臨もうとされているのか、お聞かせいただきたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 総理が侵略戦争あるいは侵略行為といった表現を用いられましたのは、さきの大戦におきまして多くの人々に、また多くの国に、こういったところに耐えがたい苦しみと悲しみをもたらしたという認識を率直に述べられたものであるというふうに私どもは理解をいたしております。  ただ他方、いわゆる戦後処理の問題は、今幾つかの事例を挙げての御指摘がありましたけれども、この問題につきましては、我が国はサンフランシスコ平和条約あるいは二国間の平和条約、そしてその他の関連する条約等によりまして日本としては誠実に処理をしてきたということでございまして、このような立場につきましては私どもは今見直しを行うということは考えておらないということを率直に申し上げさせていただきます。

清水澄子日本社会党・護憲民主連合

○清水澄子君 その見解はさきの宮澤内閣でもそういうお考えでありましたけれども、そのことは国家間の外交権としての保護権が消滅しているのであって、民間の個人の請求権は国内法的には消滅していないという見解が一方でずっとなされてきましたけれども、この件については外務大臣ももちろんそれは御承知だと思いますが、よろしいですね、確認して。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) それはそのとおりでございます。

清水澄子日本社会党・護憲民主連合

○清水澄子君 私は、ことし八月にスイスのジュネーブで開催されました国連人権委員会差別防止・少数者保護小委員会に出席してまいりました。そこで奴隷の現代的形態に関する決議というのが日本の委員も共同提案者に加わって採択をされたわけです。  この決議には、内戦を含む戦時における組織的強姦、それから性的奴隷、これは慰安婦のことです。そして奴隷的類似行為、これは強制連行とか強制労働ですが、そういうことが取り上げられております。いずれも従軍慰安婦と強制連行が奴隷の現代的形態として決議の中に取り入れられたわけです。そして、重大な人権侵害であるという認識が示されました。  そこでお尋ねしたいわけですけれども、政府としてはこの決議をどのように受けとめられておられますか。

梅津至外務省総合外交政策局国際社会協力部外務参事官

○説明員(梅津至君) ただいまの決議につきましては、先生御指摘のとおり、ことし八月に開かれました国連人権委員会の差別防止・少数者保護小委員会、このメンバーは個人の資格で選出された委員から構成されておるわけでございますけれども、国内武力紛争を含む戦時における組織的強姦、性的奴隷ないしはこれに類似する行為の状況に関する詳細な研究を行うために、同小委員会のシャベスという委員、この方を特別報告者として任命するということ及びその特別報告者に研究結果を同小委員会に報告させるという内容を盛り込んだ決議でございます。  我が国といたしましては、この研究の推移を関心を持って見守っていく所存でございます。

清水澄子日本社会党・護憲民主連合

○清水澄子君 現在の決議についてはどのように受けとめていらっしゃいますか。

梅津至外務省総合外交政策局国際社会協力部外務参事官

○説明員(梅津至君) 先生御指摘の問題意識は私ども十分理解するわけでございますけれども、本シャベス特別報告者が依頼されました研究内容というものは、シャベス委員の報告というか実際に書かれた文書の背景的なところに述べられているわけでございますけれども、そこで述べられている考え方が最終的にどのように報告書に反映されるかということは明らかでございませんので、したがいまして、私どもといたしましては本研究の推移を関心を持って見守っていきたいと考える次第でございます。

清水澄子日本社会党・護憲民主連合

○清水澄子君 それでは、政府は、決議の内容を先ほど申し上げましたけれども、決議と同じように従軍慰安婦と強制連行が奴隷の現代的形態として重大な人権侵害であるという認識はお持ちになるでしょうかならないのでしょうか。

梅津至外務省総合外交政策局国際社会協力部外務参事官

○説明員(梅津至君) この決議は、旧ユーゴスラビアにおきます女性の強姦及び虐待を強く非難した国連人権委員会の決議などを引用しながら、特に国内武力紛争を含む戦時における組織的強姦、性的奴隷ないしこれに類似する行為の状況に関する詳細な研究を行うために、差別小委員会のシャベス委員を今申し上げましたように特別報告者として任命したわけでございます。そういう内容でございまして、先生御指摘の従軍慰安婦問題やいわゆる強制連行の問題について直接的に言及はなされていないわけでございます。  しかし、いずれにしましても、政府といたしましてはこれまで累次の機会に、過去の我が国の行為が多くの人々に耐えがたい苦しみと悲しみを与えたことに対しておわびと反省の気持ちを表明しているところでございます。

清水澄子日本社会党・護憲民主連合

○清水澄子君 時間がありませんから、後で勉強していただきたいんですけれども、慰安婦問題に全然触れていないという認識は全く逆でして、旧ユーゴの問題はその中で同時に論議されておりますけれども、組織的強姦というのがユーゴの問題になります。そして性的奴隷というのが慰安婦の問題になります。そして、国連の中でこの問題がNGOから出されて取り上げられたのが二年前でして、そこから出発しておりまして、慰安婦問題は全然関係がないというのは余りにも認識不足ではないかと思います。この問題をそういうふうな認識でお取り上げになっているとすれば私は非常に重大な問題だと思うんですけれども、そうであるならばあの決議は全く日本とは関係ないということになりますね。

梅津至外務省総合外交政策局国際社会協力部外務参事官

○説明員(梅津至君) 先ほど申し上げましたように、従軍慰安婦問題それから御指摘の強制連行等の問題は直接的に言及されていないと申し上げたわけでございます。しかしながら、そのシャベス委員が実際に報告書に関する御自分の考え方をまとめた文書がございますけれども、その中に書かれていることが今後どのように最終的な報告書に反映されてくるかということにつきまして、私どもは関心を持って見守っていきたいと考えております。

清水澄子日本社会党・護憲民主連合

○清水澄子君 ここは本当はこのままでは私は納得できないんです。決議を十分読んでいただけば、その前に「ファン・ボーベンさんの報告を前提とし」とあります。そのことは全部この慰安婦問題の調査の上にのっとってとなっておりますし、私もリンダ・チャベスさんと会ってまいりましたけれども、当然ですということであります。ですから日本の方にも調査に来られるわけですので、ユーゴの問題で日本に調査に来られるはずはございません。  特別報告官として任命されたリンダ・チャベスさんが人権小委員会に調査報告をするために今度アジア諸国を調査に来られます。日本にも来られますけれども、では、そのとき政府はこれはユーゴ問題として対処されますか。

梅津至外務省総合外交政策局国際社会協力部外務参事官

○説明員(梅津至君) シャベス特別報告者に対しましては、我が国政府から既に、日本政府として何か協力できることがあればぜひおっしゃっていただきたい、我が方としてはその協力の用意はあります、もしそういうことであれば御連絡願いたいということを申し上げでございます。報告者からそういった日本政府の申し出を多とするという返事を得ているところでございまして、シャベスさんの研究に私どもは協力してまいる所存でござ います。

清水澄子日本社会党・護憲民主連合

○清水澄子君 それは何を調査されるかは当然内容は明らかだと思います。ぜひ協力体制をとっていただくようにお願いしたいと思います。  次に、従軍慰安婦とか強制連行の問題が今言いました差別小委員会におきまして奴隷制度の現代的な形態という認定になっているということは非常に重要な問題だと思うんです。それは単なる過去というんじゃなくて、これからこういう問題をどう予防するかという形において真剣な論議がなされております。  それで、そのことに関連して、日本が批准しております国際人権規約B規約八条に奴隷及び強制労働の禁止の規定があるわけですけれども、これらは今日のそういう現代的な奴隷制の形態に当てはまる、現在生存してそれを訴えている人たちに対して、この人権規約のB規約八条の違反には当たらないでしょうか。

梅津至外務省総合外交政策局国際社会協力部外務参事官

○説明員(梅津至君) 先生御指摘の国際人権B規約と申しますのは、正式の名称を市民的及び政治的権利に関する国際規約と申します。これは国際人権A規約、正式名称を経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約とともに基本的人権について包括的に定めたものでございます。  B規約の方は、一九七六年に署名のために開放されまして効力が発生いたしました。日本につきましては一九七九年六月に締結をいたしまして、同年九月から日本については効力が生じております。  御指摘の従軍慰安婦の問題は本規約が我が国に対して効力を生ずる以前に生じた問題でございまして、本規約に違反するか否かという問題は起こり得ないものと考えております。

清水澄子日本社会党・護憲民主連合

○清水澄子君 多分そういうお答えが出るのだろうと思っていたのですけれども、ただし九条では、身体の自由及び逮捕抑留の要件の第五項に「違法に逮捕され又は抑留された者は、賠償を受ける権利を有する。」、これは過去形で規定されているわけです。ですから、その辺で九条との関係も含めてどうなのかなというふうに思ったわけですが、政府はこの点どういう見解をお持ちでしょうか。

丹波實外務省条約局長

○政府委員(丹波實君) 先生の御意見を承りましたけれども、あくまでも国際法的に見まして、このA規約及びB規約ともにこの規約が発効した以降の事態というものを対象としておりますので、今の第二次大戦中の事柄というのは対象にはならないというのが私たちの解釈でございます。

清水澄子日本社会党・護憲民主連合

○清水澄子君 いろいろ見解があるんですけれども、きょうはこれで終わります。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 荒木でございます。まず、大臣にお聞きしたいんですけれども、冒頭の所信表明で従前の外交政策を継承し発展させる、そういうことをお述べになりましたけれども、私はこの発展させる、その言葉に非常に期待を抱いているわけでございます。大臣にお聞きすることは、従来の外交姿勢についてここは変えていきたい、あるいは自分の任期中にこれはぜひともやっておきたいということがあれば、ぜひここでお聞きをしたいというふうに思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) これは一般論としてでありますけれども、私も大蔵大臣あるいは農林水産大臣のころからいろんな国の皆様方とお目にかかる機会が多くなりまして、お話をいたしておりますと日本に対する期待というのは非常に大きいわけですね。そして、これはただお金というだけでなくて、日本の国が海外からいろんな資源、エネルギー、こういうものを求めておる、あるいは世界各国から買っていただいておるという中で今日の繁栄を築いている。そういう中でそれぞれの国のいろんな痛みですとか、そういったものもわかる国であるというふうに多くの国の人たちが理解をしてくださっておりまして、そういった面においての、例えば先進国と途上国との間のパイプの役割を果たしてほしいなんという要請なんかも実はあるわけでございまして、こういった問題に対応していくということ。あるいは、例えば今度の中東和平の問題につきましても我々は積極的に行動をしたわけでありますし、またそのことに対して大変な評価を実はいただいたわけでありますけれども、こういった面なんかでも私たちは積極的に対応していくということで、この言い方はどうかと思いますけれども、今までなかなか小回りが、長いことずっと一つのあれが続いておりますとできない、そういう中で、追随なんという言葉がよく言われましたけれども、私どもとしてやり得るべきものについて積極的に対応していくということが望まれているんじゃなかろうかというふうに思っております。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 大いに期待をしたいと思います。  それではロシア関係につきまして、なるべく重複を避けましてお聞きをしたいと思います。  今回の放射性廃棄物の投棄につきましては、ロシアとしては二週間ぐらい前にIAEA並びにロンドン条約の事務局に通告をしてあるというふうに言っておりまして、どうも事実のようであります。そうであれば、二週間ほど前に通告があったのになぜ日本にその情報が伝わってこなかったのかという点についてお聞きをしたいんですけれども、いかがでしょうか。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○説明員(林暘君) 今御指摘のIAEA及びIMOに対するロシアからの事前通告につきましては、昨日ロシア政府がモスクワで発表した中にもそうしたということをロシア政府は確認をいたしました。我々の方でもIAEAに照会しましたところ、十月五日付で通報が来ているという確認もIAEA側からとりました。しかし、この通報について我々の方に連絡はなかったというのが事実でございまして、どうしてそういうことになったかにつきましては事実関係を調査したいというふうに思っております。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 今回の廃棄につきましては、先ほどのお話ですとロンドン条約の決議に違反をしているというお話だったわけですけれども、そういう決議に違反するような投棄をするという通告が条約の事務当局にありながらその事務局としては関係国に通知をしないということですと何のための事務局かという話になると思うんです。そのあたり、今度ロンドン条約の締約国会議があるようですが、通報体制といいますか、事務局のあり方等につきまして日本から提言といいますか申し入れをするべきではありませんでしょうか。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○説明員(林暘君) 十一月にロンドン条約の会議が開催されます。その際に事前通告の点について提言をしたらという今の御質問でございますが、どういう形でこの問題を取り上げるかについては前向きに検討させていただきたいと思います。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 民間のグリーンピースの方では事前に情報を得ましてTNT-27を追跡したという事実があるわけですけれども、そういう活動をしているということも外務当局としては把握ができなかったわけですか。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○説明員(林暘君) 把握をいたしておりませんでした。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 口の悪い人に言わせますと、外務省は事前に知っておったんではないかと言う人もあります。私はそんなことはないと思いますが、しかし少なくとも知り得る立場にはあったんではないかというのが一つの反省点ではないかと思いますが、この点はいかがですか。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○説明員(林暘君) 知り得る立場にあったというのがちょっとどういう御趣旨がわかりかねますが、先ほど申し上げましたように、グリーンピースは確かに監視船をその前の段階で函館から出したようでございますので何らかの情報を得ていたということは確かだと思いますけれども、残念ながら我々はそういう情報を得るに至りませんでした。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 昨年もこうした放射性廃棄物の投棄がありまして、ことしの春ですか、その事実が判明したと思いますが、その際に外務省は抗議をしておりますか。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○説明員(林暘君) ことしの春の段階でロシア側が白書を発表いたしまして、過去の投棄についての事実を明らかにした時点でロシア政府に対して抗議いたしております。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 厳重に抗議をしたにもかかわらず再び投棄をしているわけでして、今回も厳しく抗議をする、あるいは中止要請をする、これは当然だと思いますけれども、そんな一片の抗議で直ちに改善ができるというようなロシアの情勢ではないということは厳然たる事実ではないかというふうに思うわけなんです。現実にもう一回投棄をする、しかも一週間以内に投棄をするというようなことを表明しているようでして、これをどうやって阻止するかということが一つ大きな課題ではないかと思うんですね。  それで、私としましては、ロシアに抗議をする際に、もし再びそうした不法投棄をした場合には対日支援のあり方そのものを考え直すぞと、そのぐらい強いことを言わないとなかなかこちらの要請というのは聞いてもらえないんじゃないかというふうに思うわけでありますけれども、大臣、いかがでしょうか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) この問題につきましては、実際に事実関係というものをきちんともう少し詳しく把握することが大事であろうと思いますと同時に、私どもといたしましても、単にこれは我が国だけの問題ではないということでありますから、国際的なこの問題に対して関心のある機関あるいは関心のある国、こういった国々とも十分連絡をとりながら効果のあることをしていかなければならないだろうというふうに思っております。  そして、ロシア側がなぜこれを廃棄しなければならないのか、これはもういろんな報道なんかにもあるところでありますからくどく申し上げませんけれども、そういったことなんかにつきましてもきちんと話していかなきゃならぬ問題だろうというふうに理解をいたしております。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 よく拡大均衡ということが言われますけれども、それは単に領土問題との関連だけじゃなくて、こうした我々の生命にかかわるような問題との関係でも当然適用される原則ではないかというふうに私は思っております。  報道によりますと、この問題は余りセンセーショナルに取り上げるべきではないというような発言を外務省がされたというふうにも報道されておりますけれども、大臣もそういうスタンスですか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) センセーショナルに取り上げるとか取り上げないという問題じゃなくて事実をきちんとつかんで、要するにロンドン条約、そしてそういう会議を持つということは現実にそれが世界の中にあるということなんですね。そのあたりのことをきちんと詰めて、そういうことをしなくて済むような措置というものをやらせるということでなければ、いろんな国民の皆さん方のこうやって大変高ぶる気持ち、これは私は当然だろうというふうに認識しております。ただ、私たちが対応するときにはそういったものをきちんと詰めた上で、そして本当にそういったことをなくさせるということが私は大事だろうというふうに考えて、有効な措置というものをできるだけ機敏にとっていきたいというふうに考えております。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 それは一つのそれとしまして、しかしながら先般のエリツィン大統領の訪日は大成功であったというふうに私は考えておりますし、特にシベリア抑留の問題で謝罪を引き出したということの意味は非常に大きいというふうに思います。  そこで、大臣にお聞きしますけれども、懸案の領土問題につきましては、今回の首脳会談で前進したというふうに評価してよろしいんでしょうか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私どもといたしましては、東京宣言の中でもうたわれておりますように、いわゆる歴史的なものあるいは二国間で交わされたものにつきましてはこれを継承していくということを明確に言われたこと、それから両国間に領土問題が存在するということ、そしてこれはやはり解決しなければならない問題であるということを認識しておられるということ、そして法と正義に基づいてこれを進めていきたいということを言われておることでありまして、私どもはそのことを評価したいし、またこれから領土問題について交渉していく基礎というものがはっきりとつくられたということは言えるだろうというふうに思って、前進であろうと思っております。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 私も同感であります。  第一回首脳会談の折にエリツィン大統領の方から、北方領土の駐留ロシア軍は既に半分撤退させたという我が方にとっては朗報、朗報といいますか、そういうことがあったわけでありますけれども、これは事実でありましょうか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) そのとおりでありまして、ただ大統領が言われたのは、最後に残すものはいわゆる国境警備隊、これだけは残さざるを得ないことを理解していただきたいということを言われておったことを申し上げます。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 現に駐留軍が半分撤退をした、そういう事実があるわけですか。その点の確認はいかがですか。

野村一成外務省欧亜局長

○政府委員(野村一成君) この点につきましては防衛庁なんかとも話しておりますけれども、必ずしも私どもの方として的確な情報を得ている状況ではございません。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 まだ事実は確認できていないということでよろしいんですね。  この首脳会談でサハリンの石油開発を初めとするロシアの四大プロジェクトの推進ということが日ロ経済協力の一つの柱として議題になったようであります。しかしながら、現実には日ロ間の貿易関係、あるいは日本からの民間投資というのは冷え切っているというのが現状でありまして、報道によりますと、九二年の日ロ貿易は、相互の貿易を合わせますと前年比で三〇%以上も減額になっているというふうに言われておりますけれども、これはそのとおりですか。

野村一成外務省欧亜局長

○政府委員(野村一成君) 今そのパーセンテージで私は持っておりませんけれども、一番多かった時点で約五十億ドルぐらいあったのが大体三十四億ドルまで下がっている、非常に大きく貿易額が落ち込んでいるという実態はそのとおりでございます。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 民間分野での経済協力が進まないところかむしろ減退をしていると。その大きな原因はどこにありますか。

野村一成外務省欧亜局長

○政府委員(野村一成君) 率直に申し上げまして、やはり貿易は例えば物を売ったらその代金が支払われるというのが大前提だと思います。そういう意味におきまして、この代金の決済がきちんといっておらない。これは御案内のとおり、公的私的の両方を合わせまして非常に大きな債務の返済問題として残っておるわけでございますけれども、そのような貿易のベースになる点が欠けておるということで、では今そういう状況でどうしたらいいかと申しますと、結局現金決済でやるとか原始的なバーター取引でやるとか、あるいは今時に対日支援関係で貿易保険を政府でつけておりますのでそういうカバーのもとでやるとか、非常にごく限られた形でないと民間企業としてはロシアとの貿易に前向きになれない、これはまさにその実態そのものだというふうに考えております。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 共同記者会見後に、ガイダル第一副首相から民間企業の対日投資に対する貿易保険の適用制限を緩和してほしいという要請があったというふうに言われておりますけれども、政府として貿易保険の適用制限の緩和を検討する余地はありませんか。

野村一成外務省欧亜局長

○政府委員(野村一成君) 私は今そのガイダル第一副首相の発言云々について詳細承知しておりませんけれども、これは私の理解する限り、貿易保険につきましてはきちんとした仕組みがございまして、それにのっとってなされているものだし、またそういう性格のものだというふうに理解しております。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 そうしますと、向こう側の未払いの貿易代金の決済については、特に政府としてとるべき施策は今のところ考えられないということになりますか。

野村一成外務省欧亜局長

○政府委員(野村一成君) この決済の問題、遅延 をどうするかというのは、先生御案内のとおり、第一義的にはもうロシア側がきちんと対応しないといけないわけでございますけれども、公的債務につきましてはパリ・クラブ、私的債務につきましてはロンドン・クラブというところでどうするかということが話し合われております。我が国もその中で応分の協力をいたしております。  一挙にというわけにはいかないかと思いますけれども、これはやはり貿易を行うにはお互いにきちんとした信頼関係が代金決済をめぐってあるというのが基本でございますので、そういう点でこの問題ができるだけ早く解決するということを希望しております。特に私的の債務についてどうするかという点で、例えば代金の遅延の債権の部分を金融債券化するとか、具体的な話し合いも若干行われているようでございます。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 民間投資が進むように十分努力をしていただきたいと思います。  最後に、国連の安保理の常任理事国入りにつきまして残された時間を費やしたいと思います。  政権交代がありまして、この常任理事国入りにつきましては従来の積極的な姿勢から若干慎重な立場に変化をしたというふうに一般には言われているわけでありますけれども、そういう理解でよろしいんでしょうか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 国連に対します世界のニーズというのはポスト冷戦という中で私は非常に大きくなってきておると思っております。その意味で、そういうニーズに対してこたえていく、私どもといたしましてもそのニーズに対するこたえというものはしなければいけないであろうと思っておりますし、また我が国が世界からそういったことに対して、ないしそういうことについて日本がそういう役割を果たすことを大変強く要求されておるということもあろうと思っております。  ですから、日本という国は平和の中で今日築いてきておるということでありますから、日本の国はそういうことに対して積極的にこれから対応していく。とすれば、各国の要請がある中で、日本としてその果たすべき役割をきちんと務めることが大事であろうというふうに思っております。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 総理の言葉をかりますと、自然体といいますか、推されてなるべきであるというのが基本的なスタンスかと思いますけれども、いずれにしましても常任理事国になること自体が目的ではありませんで、なってから何をするのかということが一番問題ではないかというふうに思うわけなんですが、この点、常任理事国という立場といいますか道具を使って何をするのか、そういうビジョンは大臣持っていらっしゃいますか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私どもといたしましてこれからなしていくこと、これはもう既に私どもとしても務めていることでありますけれども、例えばUNHCR等に対する拠出ですとか、あるいは人的な貢献なんかも、これは緒方さんが今高等弁務官という形で務めておりますけれども、そういう面ですとか、あるいは環境あるいは貧困などの非軍事分野、こういったところで我々としては働くことができるだろうと思っておりますし、またいわゆる軍縮ですとかあるいは不拡散、こういった分野での努力、こういうものは日本が果たしていくのに非常に適した役割ではないかというふうに考えております。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 今、大臣から非軍事という言葉がありましたけれども、平和執行部隊あるいは国連のもとでの多国籍軍、あるいは将来あり得るかもしれない本来の国連軍への参加ということを考えますと、こういった武力行使を伴う国際的な安全保障活動への参加という点では、常任理事国入りをすればこれへのコミットを余儀なくされるのではないかという指摘が大変強いわけでありますけれども、その点大臣はどうお考えですか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 本来の国連軍ということになりますと、これはまだ先の話でありましょう。これから議論していかなきゃならぬ問題でありましょうけれども、軍事面での対応ということにつきましては加盟国は現行憲章上、兵力の提供、これを別に義務づけられているわけではないということでありまして、我が国としてもこのPKOの問題について我が国として果たし得るもの、要するに日本の憲法の枠の中でやり得ることを積極的にやるということで私は国連の中で十分活動、また常任理事国になったとしても十分活動できるであろうというふうに確信をしております。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 国連憲章の解釈はそうだと思いますけれども、しかし実際問題としましてそういう立場で国際世論の支持を得られるかということが疑問になると思いますが、大臣、いかがですか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) その点につきましては、今の常任理事国にありましても例えば多国籍軍に全部が参加しているというわけではありません。むしろ資金の面なんかでは日本が一番担当しておるということでありますし、また今度のカンボジアなんかにおきましても相当大きな役割を果たしている。この役割が大変大切だよということをこの間の国連の総会でもいろんな国の方がお話しくださっておりまして、それはいろんな議論があります。日本がそういうものを果たすべきであるなんという国もありますし、おいちょっと待てよ、日本はそこまでやる必要はないんだよと、今やっている業務といいますか担当しておるもの、これをむしろ積極的にやってもらうことがありがたいんだという国もあるわけでございまして、私どもは日本として今の憲法の枠組みの中で果たしていくことは十分あるだろうというふうに思っております。また、理解も得られると思っております。

荒木清寛公明党・国民会議

○荒木清寛君 一分残りましたので一つだけお聞きしたいんですけれども、今のハイチ情勢につきまして、あの国の民主化の支援につきまして我が方としてはどういう姿勢で臨んでいきますか。

荒船清彦外務省中南米局長

○説明員(荒船清彦君) ハイチ情勢は、本年七月、国連と全米州機構によりますがバナーズ島合意というのができまして、これでクーデター以来二十一カ月ぶりに民主主義の秩序回復のプロセスが開始されたということで、しかもアリスティド大統領、これはアメリカに退避中でございますが、十月三十日に帰国するということが予定されておりました。しかしながら、御存じのとおりのテロ、騒擾事件が起こりまして、国連派遣のハイチ・ミッションも米国要員が上陸を妨害されるというような事態になりましたので最初の予定とは大分スケジュールが狂ってまいりました。現在、安保理決議がさらに経済制裁措置を再開する決議をしておりますが、もしこういったことがもとに戻って民主化のプロセスが回復されるということになりましたら、それなりに経済協力その他も考えでできるだけ早くハイチが正常な道に返れるように協力しようという考えを持っておりますけれども、何せこのような緊急事態になったものでございますから現在それがとまっておる状況でございます。

中村鋭一日本新党・民主改革連合

○中村鋭一君 羽田外務大臣、御苦労さまでございます。  私、国会に議席を得て参議院でちょうどことしで満十年になりますが、そのほとんどを外務委員会におらせていただきまして、今こうやって与党の一員として、ついこの間までのいわば敵方でありました羽田さんとこういう形で味方同士でお話ができるのを大変光栄だと、こう思っております。  午前中から田委員や清水委員、与党ではありますけれども、なかなか厳しい質問をしていらっしゃいました。きょうは私、初顔合わせでございますから、御祝儀というわけではございませんが、与党の一人としての質問をさせていただこうと思います。  細川総理は、そういった外交姿勢というものが国際的にも、また国内的にも随分評価をされておりまして、評判がよろしいように思うんですね。ただ、その評判の大部分は、現実に細川さんや羽田さんが日本の外交で何をおやりになったというよりも、印象的な、例えば国連で英語でお話をなさったとかそのようなこと、あるいはクリントンさんと同年代でありどちらも知事の経験者である、そういうような点からの印象的な好評を得ておられるんじゃないかこう思いますが、そこで 羽田外務大臣、どうですか、細川内閣発足以来の外交につきまして御自分で採点なさると何点ぐらいおつけになりますか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 何点というのは、これは自分でつけられるものじゃございません。私たちは精いっぱい努めておるということを申し上げる以外にないと思うんです。  ただ、今お話がありましたように、私ども先送りするというよりはむしろ少しでも先取りしていこうということでありました。あれは土曜日の、いつでしたか、中東和平の調印式なんかにも、あそこにはそれぞれの主要国が集まるということが一番大事でありますから、たった一泊でありましたけれども、すぐ日本でも行こうということで出かけていったこと、あるいはその後の中東支援、こういった問題に対しても日本が速やかに一億ドルを人道的なものに、そして二年目にはもう一億ドルをインフラ整備のためにということで提供したこと、これはやっぱり大変高い実は評価を受けております。  そのほかクリントンさんとの話し合い、それからエリツィンさんとの話し合い、またメージャーさんとの話し合い、そのほか何人かの方がいらっしゃいましたけれども、非常に細川総理は率直に話されておるということ、この姿勢というものがただ格好というだけではなくて、やはり変わりつつあるなというものをそれぞれの方が受け取っていただいているんじゃなかろうかというふうに思っておりまして、私どもは日本が置かれた地位というもの、立場というもの、地位というよりは立場ですね、こういったものをよく検証しながら機敏にしかも的確に対応すること、これが大事であろうと思って私どもは今日まで、短い期間ではありましたけれども、そんなつもりで行動してきたということを申し上げたいと存じます。

中村鋭一日本新党・民主改革連合

○中村鋭一君 これは外務大臣に私からのお願いでございますが、安倍外務大臣または中山外務大臣は大変数多く外国に足を運ばれて文字どおり苦労をいとわず外交の実を上げられたと、こう思うんですね。  羽田外務大臣は、政治改革の羽田としてこれは国民一般も理解をしていると思う。私は羽田さんが外相に御就任のときにやや意外な感じがしたぐらいでございまして、したがって、今、国会で政治改革まさにたけなわになろうとしておりまして、当然ながら与野党を問わず、羽田外務大臣は日本にきっちりいて政治改革を仕上げてもらいたい、またそれについて話もしてもらいたい、こう思っている人も多かろうと思いますが、私は、羽田外相は外務大臣でありますから、これはその衝にある人がやればいいことで、やはり外相は外相としての仕事に専念をしていただきたい。とすれば、これからも機会あるごとに、国の大小とか経済力があるないとかじゃなくて、やっぱり日本の外務大臣として友好的な外国訪問をもっともっとこなしていただきたい、こう思いますが、それについてはどのようにお考えですか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 御指摘のとおりでありまして、私、外務大臣という立場であること、これはいっときも忘れてはならぬと思いますし、おろそかにしてはいかぬと思っております。幸い政治改革の方は山花さんがまさに担当大臣としていらっしゃいますし佐藤大臣もいらっしゃるということでありますから、私どもはもちろん国会の要請があるときには当然おこたえしなきゃならぬと思っておりますけれども、やはり一に外交ということ、これが大事なことであろうというふうに思っております。  そして、今お話がありましたように、大きな国小さな国ということではないということ、これはもう全くそのとおりでありまして、特に私どもが努めましたのは、まず私が行きましたのは、世界に平和をもたらす、そしてそれが日本のこれから生きる道だとするならば、国連に行く前に国連でやった仕事の現場であるカンボジアに行こうということでカンボジアに行く、結局その前に例の中東和平のためにワシントンに行ったわけでありますけれども、しかしそういうことをやるとか。あるいは国連の会議の節も全部で延べで大変な数の国の人にお会いしたんですが、そのほかに、例えば中南米の大臣の皆さん、あるいは南西アジアの大臣の皆さん、そしてアフリカの大臣の皆様方、この方々をお招きいたしまして、朝とか昼、こういったときに食事をともにしながら実は率直な話し合いをいたしてまいったところでありまして、そういった国からも自分の地域も見てもらいたいというような話なんかありました。  私は今度の話をしてみて大変よかったなと思うのは、それぞれの国はまだ途上国とかいろんなことを言われる国あるいはそのグループでありますけれども、しかし、その中で少しでも前に進んだところは、自分もこの地域に対してこういう努力をするから日本も協力してくれないかというような声を聞くこともできたわけでありまして、今お話しのあったとおり、小さな国でもその国が少しずつ前に進むことが周りに大変いい影響を与えていくということを考えるときに、我が国としてそういうところに特に目を向けていく必要があろうというふうに思っております。  ただ、残念ですけれども、エリツィンさんが来られた、それからメージャーさんが来られたということになりますと、国民の目には大きく触れるんですね。しかし、私が帰ってきてすぐにアフリカ支援の会議があって、各国から大統領が何人来ましたかね、四人か五人来られて、副大統領も来られ、首相なんかも大変な数の方が来られたんですけれども、それでしかも二日間ぐらい会議をやっておりました。それから、その後カンボジアのアンコールの遺跡の支援の会議もあったんです。ところが、余り国民の目に触れないんですね。ですから、せっかく東京でそういう会議をやっているんですけれども、私はある議員の方々に、えっ、そんな会議やっているのかって、議員の人にさえ実は知られておらないということで、なぜもうちょっとそういうことが国民の目に触れるようにならないのかなと、残念ですが寂しく思ったところであります。

中村鋭一日本新党・民主改革連合

○中村鋭一君 それはまた大いに細川流のパフォーマンスも、外務大臣、ひとつ勉強していただきまして、元首と話をするときは一遍ネクタイを外して上着を脱いでお茶でも飲みながらやってみるとか、それはそれで活路が開けると思います。  これからの課題は大きく分けて、国連とどのようにおつき合いをしていくのか、それからもう一つはロシアです。  私、残念なんですが、エリツィンさんが来て、ああやって十秒間頭を下げて随分迷惑をかけたと言って謝ってくださった。ああ、なかなか立派な人だったんだなと思っておりましたら、朝から委員方お尋ねのように、あれだけ我々歓迎して友好裏にお帰りになった瞬間に細川総理大臣の鼻頭を足でけ飛ばすようなああいうことを、ああいうものを垂れ流しにする。だから、やっぱりロシアという国ははっきり言いましてなかなか一筋縄ではいかないんだな、純情な人では、純真な人ではなかなかおつき合いが、やはり海千山千の根性のある人でないとロシア相手に外交はできない、こう思います。  そこで、一番大きな問題であります北方領土につきまして、当たり前のことですが、日本の領土ですよ、それを我々尋常に返してくれと何十年言い続けているわけでしょう。これからの外務大臣としての北方領土返還に向けてのスケジュールというのがありましたち、こういう手順で北方領土四島を返してもらうつもりだということを端的にひとつ教えていただけませんか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 首脳会談によりまして、そして東京宣言、こういったところでこの問題が確認され合ったわけであります。ですから、私どもはこれからこの北方四島返還の基礎というものができ上がったという認識を持っております。  そして、そのときに話し合ったことは、これをさらに進展をさせていくために、平和条約の作業部会というのがございます、これを活発にやっていこうということ、このやっていく内容としては、この間両方でつくりました本が、共同資料集です か、これがございますけれども、こういったものに基づきながらその住民の人ですとかあるいはそれぞれの国民の人たちに北方領土問題というものを理解してもらうような努力をしましょう、そういうことについて今度提案したり話し合っていきたいというふうに思っております。  それと同時に、我々が年に最低二度は会おう、外務大臣たちも会うようにということを首脳間で話し合われたということ、首脳会談もできるだけやっていきましょうというようなこと、私どもはそういうことをやりながらお互いの理解というものを深める、そういう中で整々と北方四島というのが返還されるように手はずを整えていくことが大事であり、そこにまた平和条約というものが結ばれていくんであろうと思っております。そんな手順を着実に踏んでいきたいというふうに思っております。

中村鋭一日本新党・民主改革連合

○中村鋭一君 これは私の具体的な提案ですけれども、この間エリツィンさんは、なるほど一九五六年の二島返還についてこれを認めるような発言でございました。しかし、そのことについて具体的な言及はされておられないわけですね。我々はそれについて言及されたという理解でありますけれども、これはロシアの方でありますからまたどうなるものでもありませんから、外務大臣、これはひとつ一遍ロシアに行かれて、一九五六年にさかのぼったあの合意を、それは議定書でも口上書でもいいですから文書で確認をするという作業をひとつぜひやっていただきたい、こう思いますが、それについてはいかがでございますか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) この点につきましては、たしかエリツィン大統領も記者会見でも話されておりましたし、要するにそういった過去の文書というものあるいは取り交わしたもの、こういうものについては私どもは全部継承していきますということを明確に申されているわけでございまして、私はその点は間違いないものであるというふうに感じております。それで、締結されたのは文字どおりすべての合意及び条約を履行すべき義務を回避するものではない、そこにはもちろん、この宣言というのは五六年宣言でありますけれども、これも含まれるということを言われておりますし、また共同記者会見でもそのことを言われておりますから、これは私は確認されて、まさに私が交渉の基盤というのができたというのはそのことを申し上げておるということであります。

中村鋭一日本新党・民主改革連合

○中村鋭一君 しかし、私は心配しているんです。それはそのことについてもっと具体的にはっきりともう一遍確認をしておかないと、だって行きつ戻りつをしているわけでしょう、ああ北方領土はもう解決済みだと何十回言ってきたことですか。だから、それはやはりある機会をつかまえてもう一度コンファームをしていただく努力をお願いしておきたいと思います。  最後に、これはほかの委員の方からも質問がございましたけれども、細川総理が国連の安保理につきましてどうもあいまい、ファジーな表現をしておられるわけですね。これは巷間伝えられるところでは、顧問でございますか補佐官でございますか、田中秀征さんが、細川さん安保理のことを余りはっきり言わぬ方がいいぞと、ああそうかと言って細川さんが二歩か三歩か下がられたというふうな報道がされているわけでございます。私は、これも私個人の意見でございますけれども、入ってくれと言うなら安保理のいすに座ってもいいぞというような言い方よりも、これだけ金も出して一生懸命やっているんですから、PKOだってこれだけの貢献をしているんですから、我々としては安保理にその座を占めるということについてもっと積極的な姿勢を示してもいいんじゃないかと思う。  それからもう一つは例の敵国条項の問題でありますが、これだけ国連に対して貢献して一生懸命働いている日本がいまだに敵国条項というようなもので縛られているというのは私はどうもこれは気に入りません。こういうことにつきまして外務大臣がどのようにお考えであるかお伺いして、私の質問を終わります。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 国連の安保常任理事国入りの問題はもう御指摘のとおりでありまして、総理は普通お話しになるときに割合と遠慮した言葉を使われますからね。しかし、私は総理ともこの問題で議論をしたわけでありますけれども、日本として国連中心の外交を進めるということは従来からずっと言い続けてきていることであり、また国連に東西冷戦が終局したという中で新しいニーズというものが今生まれてきておる、そういう意味で日本として積極的に貢献していかなきゃならないというお話をして、全く総理もそのことについては同感をされておるわけであります。  私どもといたしましては、ただお金を出しているからということだけでなくて、やはり日本が今日平和の中で繁栄してきたこのノウハウというのは大変なものがあると思いますね。ですから、そういうノウハウというものを世界の、本当にひょっとすると、甘い話じゃありませんけれども、しかしいろんな最近の動きを見ていますと、人類が追い求めてきた平和というものを間違いなく一つずつ確保していくことができるきっかけだけは今あるだろうと思っております。ですから、なおさら日本としてはそういった面での役割というものを果たしていかなきゃならぬだろうと思っております。  それから、敵国条項についての問題につきましては、これはもはやもう適用がないものというふうに考えておりますけれども、しかし、いずれにしましても、これまでもたびたび総会の場でこのことを明示的に主張してきたということがございますので、私どもはこういった問題について、やはりこれが文章の中にあるというのはどうあっても困った話でございますので、このことは率直に訴えていきたいというふうに思っております。

中村鋭一日本新党・民主改革連合

○中村鋭一君 ありがとうございました。

武田邦太郎日本新党・改革連合

○武田邦太郎君 私はウルグアイ・ラウンドについて大臣のお考えを伺いたいと思います。  まだ関税化とか輸入自由化という言葉は確定的になったわけではありませんけれども、各地を歩いてみますと、多くの農家はもうあきらめていますね。前のかんきつの問題にせよ牛肉にせよ、自由化しないと言い続けておってさっとやってしまった、米もそうだろう、こういうことが多くの農家の受けとめ方でありまして、おれたちは自分が食う米だけはつくるわい、こういう考え方がだんだん広がっているようでありますが、農水省はこういう農民心理の非常に不健康な広がりについて必ずしも認識が十分でないように思います。  一番困るのは、仮に自由化された場合に日本の農業はどうなるのか、こういう展望なり計画なりがほとんどない、こういうことが一番困った問題でありまして、これは当然農水大臣や文部大臣のお仕事でありますけれども、大臣は現内閣における農政の最高峰でいられるわけで、十分の御経験もあるわけでありますので、幾らか私見を申し上げてお考えを伺いたい、こう思います。    〔委員長退席、理事野沢太三君着席〕  これから先の日本の農業を考える場合の一番のかぎは、若い世代がいかに農業に絶望して農業を離れているか、これの実態であります。  去年の一月一日現在の調査によりますと、農家八十九軒に一人しか後継者がおりません。それも稲作に偏った県ほど後継者がおりません。コシヒカリの横網の新潟県では二百五十六軒に一人しかおりませんし、あきたこまちの秋田県では二百四十二軒に一人しかおりませんし、ササニシキの故郷の宮城県では百八十軒に一人という状況であります。大臣のおひざ元も、御承知でしょうけれども長野県は二百七十六軒に一人しか後継者がおりません。  こういう状況は全くただごとではないので、余りにも生産性が低くて所得の少ない農業の構造が根本から崩壊過程に突入していると断定してもおかしくない状況でありますしかるに、肝心な危機的様相がほとんど、政治家でも行政官でも農業団体でも、あるいは農家自身さえその危険な状況が確認されておらない、こういうことであります。  農家八十九軒に一人ということは、一人当たり 耕地面積が百二十ヘクタールに広がるほど若者がいなくなっておるということを意味しております。もちろんこういう統計はその数字どおり受ける必要はございませんで、百二十町歩になることはあり得ないかと思います。そんなことになったらもう農業はもうかり過ぎて大変でありますから、それは都会に行っている人も帰るでしょうし、新しく学校を出る人も今よりうんと入るようになるでしょう。  だから、結局のところ、仮に自由化を前提としますと、自由化の値段で売っても都会並みの所得の上がる営農規模に一応安定的に落ちつくではないかと、こういう想定はごく常識でありますけれども想定できないことはないわけです。    〔理事野沢太三君退席、委員長着席〕  しからばどれぐらいの規模かといいますと、毎年の農業白書によりますと、農業者一人と二次・三次産業従事者一人の年間の付加価値は大体一対三・二あるいは三・五ぐらいの格差がございます。農家はその一を得るために輸入価格に比べて六倍から七倍高く売って一でございますから、こういう計算は政治的判断が必要で、そのまま数字を算術計算的には言えませんが、掛け合わせるとすれば、一対二〇ぐらいの生産性格差がある。  輸入価格よりもとんでもなく高いということは高度成長以後の問題でありまして、高度成長の始まりました昭和三十五年時点では、輸入のお米よりも日本の国内の米のコストの方が四割安いんですね。つまり、三十五年時点では自由化なんか何でもなかったわけです。それが高度成長の過程において労賃が高くなるためにコストが高くなりまして、自民党政府は米価を相当上げたのでありますけれども追っつかない。  こういう状況で、今日では輸入の値段よりも六倍、七倍高く売っても三分の一以下、都会に比べてそれぐらいの生産性なり所得なり、こういうことになっているわけであります。これは現時点だけで計算すれば恐らく営農規模を二十ヘクにすれば大丈夫ということになりますし、これを十年計画でやるとすれば、これから先の経済成長は容易ならぬことでございましょうけれども、まず十年間に五〇%伸びると見ていけば十分だろうと思うんですね。ですから、三十ヘクに設定すれば当然裏作も発展しますから、ぐんとゆとりのできる農業の未来像が描かれるわけであります。北海道は、これは一毛作しかできませんから恐らく五十ヘク、七十ヘク、あるいはそれ以上と。それにしましても、北海道でも十一軒に一人しか後継者がおりませんから、百ヘク以上に広がるほど若者はいないわけですよ。  ですから、去年六月に発表されました農水省の新政策では全く歯の立たない問題なんですね。なぜこういう状況であるのに農水省が十ヘク、二十ヘクの目標を設定しているのか。あるいは組織経営におきましても一人当たり十何ヘク程度のものでありまして、全く私には理解ができません。  それでは面積がどれぐらいあるかと申しますと、平野部の水田の面積が二百万ヘクございますから、アメリカに対抗するような田んぼをつくっても二百万ヘク、現在の単収が五百キロですから一千万トンは平野部の田んぼだけで十分自給できるわけです。だから、自由化されても十分確信を持って自給できる自然の条件があるわけでありまして、以後、平野部の水田は生産調整はしない、こういう基本方針を堅持すべきではないかと思います。  こういうようにやるのにお金が幾らかかるか。御承知の農水省は今後十年間に第四次土地改良長期計画に四十一兆円の事業費を計上しているわけです。ところが、二百万ヘクタールの平野部の水田をアメリカに負けない水田につくり直すのに大体十兆円は要らないと思います。そうしますと五年はかからないわけです。新聞あたりが言っているように、ウルグアイ・ラウンド受け入れとかあるいは自由化に六年の猶予をとるというようなことであれば、これはやる気になれば十分やれることであります。そういうことについてまず農家に自信を持たせる、あるいは政治家、行政官、特に大学の先生たちが十分の研究を積みましてこの確信を全国的な世論の高まりの中に設定することに努力すれば、一応の目算が立つわけではないかと思います。  時間が参りましたのでこれぐらいにしますけれども、大臣は私の言うことは大体御承知のことばかりなので、改めて言うわけじゃないんですけれども、順序として申し上げたわけです。一番大事なのは文部省、それと並行して農水省でありますので、どうか大所高所から適切なアドバイスをお願いいたします。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) ただいま武田先生から御指摘のございました点、もう持論で、私もずっとお聞かせをいただいてまいったわけでありますけれども、ウルグアイ・ラウンドの今度の交渉に臨むということはまさに将来の農業の展望というものをどうしていくのかということにつながってくるということでありまして、今のお話があったとしましても相当な年次というものは必要であろうというふうに思っております。ただ、国会の中でも私ども御決議いただいております。こういうことをもとにしながら、ただ、日本の場合には食糧の自給率がここまで下がってしまっているという現実もあるわけですね。ですから、そういったことも踏まえながら、私どもこの交渉にはせっかく努力していきたいというふうに思っております。  そして、今お話しのあった、これからの農業構造というものをどうするのかということについては、今お話しのあったとおり国民的な一つの段階で私ども徹底して議論することであろうと思っております。やはりタブーというものを設けずに議論していく必要があろうと思っております。ですから、交渉の問題と一応切り離して聞かせていただくことでお許しをいただきたいと思います。

武田邦太郎日本新党・改革連合

○武田邦太郎君 どうかお願いします。  終わります。

猪木寛至民社党・スポーツ・国民連合

○猪木寛至君 きょうは新しい政権での初めての外務委員会ということで、先ほどからもう既に核廃棄の問題やなんか質問が出ております。きょうも時間が余りありませんので、大臣が先ほどから言われております大国だけじゃなくていろんな国ともこれからつき合いを積極的にやられるということで、また私も拝見しておりまして、まさに積極的にいろんな国と対話をされているということで、本当にすばらしいことだと思っております。私どももこの一月に中東へ国際問題調査会で議員派遣という形で行ってまいりましたが、今回のPLOの暫定自治ということで、本当はシリアとイスラエルの関係の方が先になるのかなと思っていたらPLOが先になりました。積極的な外交を展開されていくと、ぜひお願いしたいと思います。  一昨日でしょうか、十二月の後半に訪中されるという記事が出ておりましたが、これは事実なんでしょうか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私どもといたしましては、やはり隣国中国をできるだけ早く訪問したいというふうに考えております。ただ、日程等の問題がございますので、今、外交ルートを通じながら話し合っておるところであるということであります。ですから、まだ日程は決まってございません。

猪木寛至民社党・スポーツ・国民連合

○猪木寛至君 中国問題はまた改めてお聞きしようと思います。  先ほど同僚議員から出ましたがハイチの制裁措置、同時に、キューバ問題をちょっと取り組んでおりまして、中南米のやはりこれも安定というか中東の和平、そして次に残された問題というのはユーゴスラビアの問題、南アフリカの今後の民主化に向けての選挙ということ。そしてキューバ問題というのは、これはアメリカの前政権のブッシュ大統領がかなり強硬に経済措置をとっている。今の政権も変わってはいないと思うんですが、でも世の中が変わってきた中でこの膠着したキューバ問題は多分アメリカとしても何とかしなきゃいけない問題、あるいはクリントン政権としても次のテーマではないかなと思うんです。  ハイチ問題、それから同時にキューバの難民が出ると非常に大きな報道をされます。たまたま私 が得た情報ではメキシコから毎日相当な数がリオグランデを越えて密入国をしているわけですが、そういう問題は一切取り上げられない。キューバがちょっとあれをすると大変な報道になる。これは恐らく政治的な配慮があるんじゃないかなと思うんです。  私の情報というか考え方も含めて、恐らくキューバもこの一年以内に、あるいは一年前後と言っていいでしょうか、相当大きく変化をするんじゃないか。同時に、そのときこそまさにアメリカとキューバの硬直した問題を解決する時期じゃないか。今回の中東和平では陰で動いた方がいますが、再三私も言っているんですが、日本が非常にそれの仲介役としては適役じゃないかなと思っているんですが、政府の考え方あるいは大臣の考え方をちょっと聞かせていただきたいと思います。

荒船清彦外務省中南米局長

○説明員(荒船清彦君) キューバまたハイチ、両方とも確かに先生の御指摘のとおり、難民が非常にアメリカに対して多くなり、そしてまたその難民を現地に帰すと現地でもまた問題になるというふうに、米国にとりましては少なくとも内政上非常に問題があるという絡みが同時にあると思います。  今私どもの知っておるところでは、今の時点ではまだ基本的にアメリカの政策がキューバに対して大きく変わるというような情報は得ておりませんが、ただ去年来の動きの中で、一部のキューバ国民の人たちに対する支援を政府とは別に行うというアメリカ側のこれまでの基本ラインに沿って特に通信施設やらチャーター便の増便というようなことを若干行っておりますが、他方、送金については厳しく制限して、いるというようなことで、基本的にはまだ大きな変化はないというふうに見ております。  今、日本側としてはアメリカとは違いまして外交関係を有しておりますし通商関係も有しておりますし、それなりの立場はございます。現在いろいろなところの動き、諸般の事情を検討しながら情勢を見守っておるところでございますが、まだ依然としてキューバ側が大きな変化を見せているとはどうも見られない様子で、私どもとしてはキューバが民主的な改革あるいは経済的にはその自由化措置というようなことをすることを希望しているわけでございますけれども、その意味で若干の措置はとられながらもまだ大きな変化はないように見受けられますので、しばらくは様子を見てみたいというふうに考えております。

猪木寛至民社党・スポーツ・国民連合

○猪木寛至君 今マイアミに上陸した、それからまたハイチからクーデター以後経済的に困難ということでアメリカに亡命を希望した三万人からの人たち、これもアメリカとしては受け入れることなく政治的亡命じゃないということで強制的に送還をしたようですけれども、逆にキューバについては、そういう人たちは例えば仕事あるいは年金というものを保障して受け入れている。これはどういう意味なんでしょうか。

荒船清彦外務省中南米局長

○説明員(荒船清彦君) 私の存じ上げている限りは、アメリカの内政上の配慮が一つ、それからキューバの国民に対する手当てという面の措置であろうというふうに推測しておるという程度でございます。

猪木寛至民社党・スポーツ・国民連合

○猪木寛至君 これは私の勝手な憶測なんですが、これからアメリカがクリントン政権の人気でひとつ今の不況を打破するというか、あるいは国際的な地位を、さっきパフォーマンスという言葉が出ましたが、そういうパフォーマンス的な部分ではキューバ問題は解決していかなきゃいけないという部分で何か打ち出されるという期待と情報というかあるいは期待の方が強いのかもしれませんが、今そういうことでいろんな経済交流が既に水面下で起きています。先ほど航空便の問題が出ていましたが、今月からでしょうか既にもう実質的定期便というかそういうものが運航を始めた。その辺で日本の外交というか、これはアメリカの裏庭ということですから日本が顔を出す必要はないということじゃなくて、大臣が先ほど言われたように、いろんな国にこれから日本が手を差し伸べていく、あるいはまた協力していく、世界は一つという意味で、  私も五度ほどカストロさんとも会うことがありまして、キューバの本音というのはアメリカと手を結びたいということを再三言っているんですが、それがどうしてもアメリカにストレートに入っていかない。逆に言えばそういうような不信感の塊の中で硬直している問題、ちょうど世の中が変わってきた時代なんであえてきょうこの委員会で申し上げるわけなんですが、日本としてどうするか、キューバの問題は。アメリカがどう思うかはともかくとして、だれかそういうような仲人役がいないとこういう国際問題というのはなかなか解決しない。今まではそういう意味では日本は余りそういう役割を果たす必要はなかったかもしれませんが、今後やはり大臣が先ほど申されたような部分で大きな期待と同時に役割が課せられているんだとすれば、ぜひひとつキューバ問題に大臣も、多分いろんな情報が入っておると思うんですが、取り組んでいただきたいなと思っております。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 日本もカンボジアの問題については東京会議を開くとか、あるいは中東の和平についても環境問題の議長を務めるとかそういうことをしながら国際的な一つの和解というものを前進させるためにいろんな形で今動き始めておるということはあります。  今、キューバについて特にお話があったわけでありますけれども、先ほど担当の方からも御答弁を申し上げておりますように、キューバとは日本は幸い国交があるわけでありますし、また東京にも大使館がございまして私どもも大使なんかともお目にかかる機会もあります。それと、アメリカともいろんな面でお話を率直に今できる環境にあります。そういう中で、私どもとして何かお役に立てることができるのか。ともかく本当に平和、あるいはみんなが和解するきっかけを日本もできるだけつかんでお手伝いしていくこと、これが平和の中で生きてきた日本、あるいはまた気配りとか心配りなんということは日本は得意な国であるということでありまして、UNTACなんかの成功も明石さんにあるということが言われております。そういう意味で、日本の持てる能力というものをそういう面でできるだけ発揮するために我々も努力したいと思います。

猪木寛至民社党・スポーツ・国民連合

○猪木寛至君 どうもありがとうございました。

立木洋日本共産党

○立木洋君 最初に、日本外交の責任者である羽田さんに米の問題についてお尋ねしておきたいと思います。  四日前でしたか、御承知のように、米の完全自由化を六年先に実施するという趣旨の問題で日米の秘密交渉が進められているんではないかという衝撃的なニュースがあったわけですが、これは国会の中での答弁で、総理も農水大臣もそれぞれそういう事実はないという否定の答弁をされております。  私は、果たしてそうなんだろうか、一抹のやっぱり疑問を持つんです。この問題が流された、提起されたというのはアメリカ政府筋であり、一つは韓国の政府筋であり、もう一つはガットの事務局、つまりただの一カ所、一つのところから出てきたということではないんですね。一斉に起こってきた。そして韓国なんかではいわゆる日本政府筋から知らせがあったんだということさえ述べている。こういうふうに見てくると、この問題については極めて重大な問題であって、火のないところには煙が立たないというふうに言われるように、私はやっぱり極めてこの報道には信憑性があるんではないかというふうに疑わざるを得ない、そういう感じを強く持っているんです。  それで、外交の責任者ですから外務大臣に、この問題についての日米秘密交渉というものがあるのかないのか、それから同時に、将来のこの例外なき関税化の問題に関して、米の問題ですが、これについてはどういう態度をおとりになるのか、明確な御答弁を最初に求めておきたいんですが、いかがでしょうか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私も今までガット事務局 の関係の人、あるいはアメリカ、そのほか主要国の皆様方とお目にかかるたびに日本の立場を率直に実は申し上げてまいったものでありまして、先ほど武田委員の方から御指摘のありました新しい日本の農業という物の考え方の中で、いろんな考え方があると思うんですけれども、ただまだ日本の国が関税の中で生きていくということは実際にできないであろうということで、私は今日までその旨を述べてきたところであります。いずれにしましても、国会の決議というものがありますから、それに従いながら私どもは交渉していきたいと思っております。  ただ、交渉がひとつの最終段階を迎えているという現状の中で、各国とも農業問題に関してそれぞれ困難な問題を抱えておりますから、そういう中で相互協力によって解決に向けて最大限努力していきたいというふうに思っておりまして、私が知る限りにおいて、先ほど前段で申し上げた部分はないということを申し上げておきたいと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 そうすると、六年後に完全な自由化をする、六年間の猶予をもってというふうな内容が秘密的な交渉の舞台で問題になったことは一切ないというふうに明確に断言できますか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) おっしゃるとおりであります。  いずれにしましても、六年間の間に構造改革、先ほど先生からお話もありましたけれども、そう一朝一夕にはできるものでもありませんし、そして関税というのは恐ろしいものでして、私も今まで農業問題を扱ってまいりまして、一回ある程度のレベルのものを持っておりましても、例えばことし話して一〇%下げたとする、翌年また下げなさいという話なんかよくあるんですね。ですから、関税化すれば高い関税あげるから大丈夫だなんということをよくドンケルさんなんかも言っておられたことがありましたけれども、いや、あなたがずっとやって、これを間違いなく常にこうやって見守っていてくれるのならいいけれども、そうはいかぬでしょうと。関税が一たん決まったら途端に下げなさいという話になってきますよということなんかも申し上げたぐらいでありまして、私どもはその辺を踏まえながら対応していきたいと思っています。

立木洋日本共産党

○立木洋君 どうも羽田さん、歯切れが悪いんですよ、あなたの答弁を聞いていますと。つまり、この問題に関してはそういう秘密交渉は一切ない、そういうことは事実無根であり、こういう問題がアメリカ政府側や韓国政府から出されていることは虚偽であると明確に断言できますか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 十月十五日にジュネーブでドーニー議長のもとで開催されました十七カ国による農業分野の非公式会合におきましても、我が国の交渉担当者が包括的な関税は受け入れられませんという従来の主張を表明したということに尽きると思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 相手の政府筋の述べたことは虚偽であるということを断言するということは外交上非常に重要なことなんですよ。だから、断言できるのかどうなのか、虚偽である、アメリカ政府筋が述べたことも韓国政府筋が述べたことも虚偽である、一切事実無根であると断言できるかどうか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) そういう話は私のところに何にも来ないんですから、虚偽とかなんとかという筋合いのものじゃないと思いますけれども。

立木洋日本共産党

○立木洋君 僕はやはりこれはあいまいだと思うんです、どうしても。あなたは日本の外交の責任者なんですから、自分が預かっている外交の分野においてこれが間違いなら間違いだと明確に断言できるかできないかということは大変な問題です。  そうすると、もしかこの日米秘密交渉が現実に存在したということが将来明らかになったとき、あるいは例外なき関税化を引き受けるというふうな結論を出すようなことがないというふうなことをあなたが言われるならば、もしか近い将来にそういう問題でなかったということが明らかになったら、あなたは政治家として政治生命をかけて責任をとるというふうにここで断言できますか、

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 私ども直接本当に何にも聞いておらないものを、虚偽であるとか責任あるとか、そう言われましても、どうにもお答えしょうがないんですよ。今ここにもメモをもらいましたんですけれども、実際に担当しているのはオメーラさんというアメリカの方のようですが、この方も何の合意もしていないということを言われておるということでありまして、そう申し上げざるを得ません。

立木洋日本共産党

○立木洋君 これ以上ここで大臣を詰めても、それ以上の答弁をいただけないと思うので、私は、今進行している事態の中で日米秘密交渉にかかわる極めて重大な疑惑があるということだけは、今、大臣から受けた答弁の範囲としてはそういうふうにどうしても疑わざるを得ないということだけは述べておきたいと思います。  ですから、日本の国会決議に基づいて、先ほど大臣が言われたように、この国会決議は毅然と守るということについては明確に貫いていただきたいというふうに思いますが、その点は結構ですか。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) もう七年半そのことをずっと言い続けながら、今このときを迎えておるということであります。

立木洋日本共産党

○立木洋君 次に放射性廃棄物の問題ですが、これについては全くけしからぬことだと思うんですね、ロシア側の態度というのは。先ほど来問題になっていますからもう詳しくは述べませんけれども、日ロの首脳会談が行われた直後に、しかも事前の通告なしにこれがやられるというふうなことについては、言うならば言語道断だというふうに言わざるを得ないぐらい重大な問題だ。ましてやこれは日本だけの問題にかかわりなく国際的な環境問題や、いわゆる真の意味でのそういう条約に基づいて態度をとるべき国のあり方としても、私はやはりこの問題については厳しく考えなければならないというふうに思うんです。  それで、先ほど来もこの問題についてはきちっとロシアの側にも抗議をするし申し入れもするということを述べられたんですが、もう一度ここで確認をしておきたいんですが、内容としてはどういう要求を相手に申し入れることになるんでしょうか。その要求する内容について、この点とこの点を相手側に要求するということについて、ちょっと明確にしていただきたと思います。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○説明員(林暘君) きょうの午後、斉藤外務次官がチジョフ在京大使を呼んで申し入れをする予定になっておりますが、基本的に今の時点でロシア側に申し入れる主要な点は二点だろうと思います。  従来からの日本側からの強い申し入れ、すなわち廃棄物の投棄を中止してほしいという申し入れにもかかわらず今回海洋投棄を行ったということに対して極めて遺憾であるという点が第一点でございます。第二点は、今回のロシア側の発表でも第二回目の投棄をやるということが書かれておりますので、今後の海洋投棄をやめてほしい、中止してほしいという点が第二点目になる。主要点はその二点ということになろうかと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 林さん、第一点、最初のときに中止というふうに言われましたが、即時中止というふうに理解していいんですか。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○説明員(林暘君) 結構でございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 この問題、放射性廃棄物の海洋投棄の問題について、首脳会談の席で細川総理はエリツィン大統領にこの廃棄の問題については申し入れをしたんだろうと思うんですが、どういう申し入れ、話をされたんでしょうか、総理は。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○説明員(林暘君) 海洋投棄の関係の首脳会談におきましては、細川総理からはおおよそ次の二点についての発言をされました。  一つは、先ほども御説明しましたように、海洋投棄というものに対する日本国民の多大の懸念といいますか関心ということを踏まえまして、海洋投棄というものを即時中止してほしいという点。それから、この春に白書が発表されました後、共同作業部会をつくりましてそこで海洋の共同調査が合意されておるわけでございますが、その共同 調査を年内、遅くとも来年早々実施したい、協力してほしいという二点を細川総理は発言されました。

立木洋日本共産党

○立木洋君 即時中止してほしいという要求を総理が述べたのに対して、エリツィン大統領は何と答えましたか。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○説明員(林暘君) 第一点目については、エリツィン大統領からの直接の返事はなかったと私は承知しております。

立木洋日本共産党

○立木洋君 新聞の報道によりますと、何かエリツィンは、あなた方も核ではないが海洋投棄をやっているんじゃないか、一緒に調査をやろうというふうな答え方をして、ある意味で言えば日本側の要請に対して極めて何といいますか誠実ではない態度をとったようなニュースがあるんですが、これは事実でしょうか。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○説明員(林暘君) 報道で私も承知しておりますが、直接首脳会談におりました者に確かめましたところ、そういうやりとりはなかったというふうに連絡を受けております。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) この点につきましては、むしろエリツィンさんの方から、調査については本来十月にやった方がよかったんだけれども、これから冬に入るからなるべく早くこれをやりたいなというようなことで、準備が整えば十一月にでもやりたいというぐらいに、むしろこの問題については丁寧に答えられておったということだけは申し上げておきます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 私、今度の放射性廃棄物の海洋投棄の問題に関して、最も重要な時期に日ロ首脳会談が開かれたと思うんです。四月にこの海洋投棄の問題が問題になって、それからその問題について日本側からも何回もロシア側に申し入れをしてきた。ところが、ロシア側はそれでやめるとは言わなかった。将来ともやりますというふうな態度をずっととり続けてきた。そういう状況の中での日ロ首脳会談だったわけです。  そうすると、日ロ首脳会談で即時中止をすべきだというふうに申し入れたならば、その申し入れた内容は私はこの東京宣言の中で明確に明記した方がよかったと思うんです。その点については大臣いかにお考えでしょうか。  ここに書いてある東京宣言の中には、環境に与える影響の見地から深刻な懸念を惹起していることを確認すると同時に、緊密に協議していくという二点だけなんです。深刻な懸念を惹起するだけではなくて、日本側は即時中止してくれと申し入れたんでしょう。即時中止するということを日本側は申し入れたということをなぜこの東京宣言にお書きにならなかったのか。私だったら書かせますね。大臣、もう十何年か前にECの議連で共同文書をつくるときに羽田さんと一緒にやりましたよね。ちゃんと日本側の主張は日本側の主張としてきちっと書かせるようにやらせることは可能なんですよ。  だから、例えばこの場合でも、この放射性廃棄物については日本側は即時中止を申し入れたと、それに対してロシア側は留意をしたというふうな書き方だってできるんですよ、文書上は。何も相手が同意したと書かなくたっていいんだから。日本政府の厳しい姿勢をぴしっと示す。そうしたらロシアの国民だってわかるんですよ、日本側が即時中止を言っているんだなと。ロシアの国民だって全部わかるんですよ。読めば。世界じゅうにこの問題についての日本の政府の態度を明確にすることができる重要な時期に出された東京宣言にそういうふうなぴしっとした態度をとらないから、ある人に言わせればロシアになめられてしまうと。なぜそれをやらなかったか、大臣。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○説明員(林暘君) 私の方から一言答弁させていただきますが、まず第一点は、基本的に東京宣言、今御指摘のように片方はこう言った片方はこう言ったという、双方が違うことを言い合ったということを書くのではなくて、お互いに大体一致したことを書こうということででき上がっている、ごらんいただければわかると思いますが、ということであったということが第一点でございます。  それから第二点は、ここにもありますように、日ロ合同作業部会を近々、近々とは書いておりませんけれども、十一月にやる予定になっておりますが、そこの部会を通じてこの問題について協議していこうということで書かれているわけでございまして、そこの場で十分に協議をしていきたいという形になっておるわけでございます。

立木洋日本共産党

○立木洋君 私はそういう処理の仕方があり得るということもわからぬわけじゃないんです。しかし、そういう合意した面を書くことが今の時期に選択する選択肢なのか、それとも今の重要な時期にこの放射性廃棄物を一切認めないという態度を日本政府が明確に示すことが重要な問題として選択すべきことなのか、そのどちらを重視するかという政府の姿勢の問題にかかわるんです。共同宣言にそういう問題、何も不一致でしたと書かなくたっていいんだから、日本政府はそういうことを述べた、相手側はそれについて留意をしたと言ったっていいんだから。何も違う態度をロシアがとったと書かなくたっていいんですよ。文書の書き方というのはさまざまあるんです。  私は、日本政府がこの重要な時期にこの問題に対する明確な態度をとるならば、ロシアの今後のあり方に対して厳しい態度で臨むということを明確に国際的にも宣言することになったと思うからこそ言いたいんですよ。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 立木委員のお気持ちは私もよくわかります。ただ、やはりECの議員と日本の議員、この間で取り交わすものはまさにいろんな問題点……

立木洋日本共産党

○立木洋君 いやいや、それは例えで言っているんです。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) いや、それはわかります。しかし、これは今度お互いがスタート台にしようということですから、まずこれとこれは合意しましたよということを東京宣言と経済宣言という形で述べておるんだというふうに御理解いただければと思います。

立木洋日本共産党

○立木洋君 それではちょっとお尋ねしたいんですが、十一月に開かれるロンドン条約の締約国会議で放射性廃棄物の海洋投棄の全面禁止が議題になりますね。これについて日本政府はどういう態度をとるんですか。

林暘外務省総合外交政策局軍備管理・科学審議官

○説明員(林暘君) 御指摘のように、IAEAの調査結果が出ましたので、全面禁止についての協議が行われる予定でございます。  本年七月にも会合がございました。その際、我が国といたしましては、本件問題の重要性にかんがみて慎重な検討が必要であるという立場から、まさに今回行われました日本海におけるような海洋投棄の問題の重要性を指摘しつつ、本件問題について出されます低レベル廃棄物の海洋処分に関する専門家パネルの報告書の提出を待って十一月の会議で改めて検討したいという立場を表明したわけでございますけれども、十一月の会議で具体的にどういう態度をとるかということについては、現在、関係省庁の中で協議中でございまして、まだ最終的な態度は決まっておりません。

立木洋日本共産党

○立木洋君 つまり、すべての放射性廃棄物の海洋投棄の全面禁止という問題に関しては、日本政府はそれに賛成という態度をとっていないんですね、今のところ。決まっていない。つまり慎重な態度をとっていますよ。  それで、自分のところは、かつて一時期行われていた海洋投棄の問題については一時凍結していますよね。凍結しているけれども、いわゆる中止をする、今後一切しないという態度を日本政府はとっていない。日本政府は自分が中止しないでおいて、即刻中止せいとロシアに厳しく要求できるのかという問題がだから出てくるんですよ。日本政府は日本政府でロンドン条約で海洋投棄については全面禁止が議題になったら日本政府はそれを受け入れて全部中止しますと明確な態度をとる、ロシア側にもその問題について明確に守れという態度をとるのが私は外交上の筋だと思うんですよ。日本政府は慎重な態度をとって、中止するかどうかわかりませんと、慎重な検討をお待ちしますと言っておって、何ぼ口頭でロシア側に即時中止即時中止と言ったって、何言っているか、日本 政府だって即時中止と言っていないじゃないかということになったら、外交上筋が通らぬのですよ。  この問題は、羽田さん、ひとつ真剣に考えていただきたい。本当に十一月のこの締約国の会議で日本政府が明確な態度をとるかどうかという問題と今後のロシア外交とのあり方については日本国民が注目していますから、そしてまた国際的にも大きな問題になっていますから、明確な態度をとるかどうかというのは非常に重要な問題です。  最後に一言、この問題についての大臣の見解を、今の時点での見解でも結構ですから述べていただきたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) ただいま立木委員が御指摘のありました点も含めまして、私ども省内で十分検討していきたいと思っております。

永野茂門参議院新生党

○永野茂門君 大臣、日本の国益を守る第一の責任者として日々大変に努力されておられますことに敬意を表し、そしてまた感謝いたします。  時間も大分過ぎておりますし、それから私が準備しました質問の一部は既にいろんな先生方から質問されておりますので、二つに絞って御質問を申し上げます。  その第一は、北朝鮮の核開発疑惑並びにミサイルテスト問題についてであります。  本問題は、申すまでもなく極東の平和と安定に対する重大な危険な挑戦でありますし、特に我が国にとっては直接的な脅威となるものであります。我が国としては、核開発そのものは何が何でもこれを阻止しなければなりませんし、また核を含みミサイルにつきましても北朝鮮が無謀な使用をしないような環境条件をつくっていくということが極めて重要であると思います。  ところが、我が国は残念ながらその北朝鮮とは国交を持っておりませんし、最近まで大変に努力して会談を持ちましたけれども、その会談も中断せざるを得ないという状況になっておりますが、この極めて重大な外交懸案について我が国はどういうように対処していくかということについて、まずお伺いしたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) ただいま御指摘のございました北朝鮮の核開発の疑惑という問題につきましては、私どもも大変な懸念を持っておるところであります。そしてまた、その懸念があるときにミサイルが開発されたということ、しかも実験されたということを聞くに及んでは、これは本当に極東あるいは我が国自身の安全というものにもかかわってくる問題であって、私ども重大な関心を持っておるということであります。  その意味で、北朝鮮がIAEAの勧告にきちんと従ってもらうということが何といっても大事なことでありますし、そういうものに対して誠実に対応してほしいということ、これを私ども今お話のありましたとおり直接のあれがなかなか今とれないという状況にありますので、IAEAの委員会そしてアメリカとの関係、特に北朝鮮はこういった核の問題については米朝間での話ということを明確に言っておりますので、そういう機会をやっぱりつくってもらうこと、そして韓国、ここもやっぱり相当いろんな連絡があの国はあるわけですから、少なくも南北対話というものを盛んにやってもらえるように、いろいろな関係国に対しても、私どもからそういう環境ができるようにひとつあなた方も努力してほしいという実は要請をいたしておるところであります。

永野茂門参議院新生党

○永野茂門君 核開発問題につきましては格段の御努力をお願いしたいと思います。  次に、これに関連いたしましてミサイル防衛のシステムのアメリカとの共同開発についてでありますけれども、核開発をさせない、あるいはさらにミサイルを使わせないような環境条件を整えていくということ、これは極めて重大な問題であります。しかしながら、北朝鮮は御承知のような何をやるかわからないという、非常にその行動が予測しがたい国のサンプルのような典型的なものでありまして、したがいまして私どもはこのミサイルに対しましてはいかに防衛するかということについても十分な準備をやらなければならない。ところが、現在、ミサイル防衛のシステムというのは十分なものがありませんし、米国も日本と共同して開発をしたいということを申し込んできていることは御承知のとおりでありますけれども、これはいろんな問題を含んでおるわけでありまして、集団自衛権の行使の問題でありますとか、あるいはまた宇宙平和利用の問題でありますとか、あるいはコストが大変にかかる、時間がかかりそうだというようなこともあるわけであります。  特に、これはすぐれて軍事的な問題ではありますけれども、アメリカとの共同の問題、あるいはまた集団的自衛権等の問題も含まれますので、また外交上処理すべき極めて重要な問題でもあると思いますので、この開発について我が国はどういうような態度を持って進めるべきかということについて、外務大臣のお考え方を聞きたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) TMDの問題につきましては、日米間での話し合いというのはちょうどまだ緒についたというところでございまして、我が国として今後ともこの問題につきまして米側の考え方というものを十分に聞いてまいりたいというふうに思っております。  そして、その問題が我が国の安全保障政策上の位置づけとして一体どうなっていくのかということ、それから日米間の協力の取り進め方などを含めまして、これから我々として政府の対応というものを検討していくというまだ段階にあるということを申し上げておきます。

永野茂門参議院新生党

○永野茂門君 ミサイルは別に核兵器を使う必要はないんでありまして、日本に対しては通常弾頭でも大変な脅威になりますし、さらに核弾頭なんか使われますと大変なことになるわけでありまして、この防衛システムをつくる、TMDを共同開発してこれを展開するということは私は喫緊の大事なことだと思います。したがいまして、いろんな制約はありますし、いろんな問題点があるわけでありますけれども、それを克服していくような考え方で御努力をいただきたいと、私の希望を述べさせていただきます。次は、アジア・太平洋の安全保障の枠組みの構築についてでありますが、御承知のようにヨーロッパではCSCEあるいはその他の枠組みができておりまして、特にCSCEそのものはお互いの信頼を醸成し戦争そのもの紛争そのものを事前に防止するというための大変な努力を要求し、そしてまた成果を上げつつあるものでありますけれども、同じような状態、あるいはさらに進んで、佐藤局長あたりがよく唱えております安心感の醸成といいますか、あるいは不安感を取り除く、関係国の間に、これは平和と安定のために極めて重要なことであり、特にアジアの状況においてはそういうことでありますけれども、アジアでは全くそういう状況が成立していないわけであります。  我々は北朝鮮の状況ですら極めて漠としか掌握できない。ロシアについてもそうでありますし、中国についてもそうであるわけでありまして、したがってどうしても不信感、不安感がお互いの間にある。ASEAN諸国の間においてもそうでありますし、ASEAN諸国はさらに中国等に対してそういうような感じ方を強く持っておる。インド、パキスタンの間も同じでありますけれども、こういうものを除くことによって初めて安定というものを追求することができるという状態になると思うわけであります。  したがって、アジアにおいては大変な努力を要するということでありましたが、アメリカはしばらくこれについては二国間協定あるいは二国間条約だけでよろしいということで突っばねてきていたわけでありますけれども、最近に至ってアメリカも考え方を変えて、こういうシステムを追求すべきであるということになってまいりまして、したがって、最近ようやく機が熟してきたということが言えるかと思います。  こういうことにかんがみまして、我が国としてはどういうようなシステムを構築することを追求すべきであろうかということ、そしてまた、そのシステムをつくり上げることについて日本はどう いうような役割を遂行したらいいんだろうかということについてお伺いしたいと思います。

羽田孜新生党・改革連合外務大臣

○国務大臣(羽田孜君) 冷戦の終結ということによりまして、アジア・太平洋地域におきましても緊張緩和に向けた好ましい動き、これが見えるということは言えると思います。しかし一方では、先ほど来議論をしてまいりました核の疑惑の問題ですとか、そのほかむしろ軍事力を拡大しているなんという話もありましたり、まだ不安定要因があろうと思っております。その意味で、基本的には私どもやっぱり日米安保というもの、これはまだ堅持していかなきゃならんなと思いますし、また、米軍のアジア地域におけるプレゼンスというもの、これはアジアの国なんかも期待しておるという一面があろうかと思っております。  私どもはそういったことに基づきまして、この地域の安全保障のためには、我が国としてはこのような日米安保体制また米軍の存在というものを前提とした上で、朝鮮あるいはカンボジア等の個々の紛争あるいは対立のおのおのの状況に応じた解決のための外交努力というものはどうしても不可欠であろうというふうに思っております。  それと、域内各国の政策の透明性、これを深めることは大事でありまして、いつも佐藤局長が言っておるお互いの安心感を醸成すること、全域的な政治、あるいは安全保障対話、さらには域内各国の経済発展の確保促進といったことも総合的に考えていくことが重要と認識しておりまして、こうしたおのおのの分野でさまざまな努力というものを並行的に進めることが大事であろうと思っておりまして、これからもASEANなんかにおきましても安全保障、あるいは政治対話、こういったものを深めていくことが重要であろうと思っております。  ただ、この地域におきましてNATOのような単一の総合的な安全保障の枠組み、これをつくるのはどうもいろんな議論をしておりましても適当じゃないのかなということで、これは各国の中でも意見は一致しておるということを申し上げることができると思います。

永野茂門参議院新生党

○永野茂門君 従来の二国間の条約、協定を中心としながら、そしてまた、既存のASEANの拡大外相会議でありますとかAPECなどの場を利用してさらに話し合いの場、安心感醸成の場をつくっていくということは極めて重要であろうかと思います。こういうことについて日本も裏方のリーダーシップをとるといいますか、そういうようなやり方でしっかりとしたシステムをだんだんとつくり上げていくことに御努力をお願いしたいと思います。  終わります。ありがとうございました。

井上章平自由民主党

○委員長(井上章平君) 本日の調査はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。    午後三時三十八分散会      ――――◇―――――

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