法務委員会 第1号
- 発言数
- 232 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1993/10/27
会議録
○高橋委員長 これより会議を開きます。 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が二名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、理事に 山田 正彦君 及び 枝野 幸男君を指名いたします。 ――――◇―――――
○高橋委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 裁判所の司法行政に関する事項 法務行政及び検察行政に関する事項 国内治安に関する事項 人権擁護に関する事項の各事項につきまして、本会期中国政に関する調査を行うため、議長に対し、国政調査承認要求を行うこととし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――◇―――――
○高橋委員長 この際、お諮りいたします。 本日、最高裁判所金谷事務総長、上田総務局長、泉人事局長、今井民事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 この際、最高裁判所金谷事務総長から発言を求められておりますので、これを許します。金谷事務総長。
○金谷最高裁判所長官代理者 去る九月十三日付で最高裁判所の事務総長を命ぜられました金谷でございます。至らない者でございますが、千種前事務総長が最高裁判所の判事に任命されました後を受けまして、司法行政の任に当たらせていただくことになりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。 申し上げるまでもございませんが、裁判所は、個々の事件の裁判を通しまして、国民の権利を守り、法秩序を維持するという大切な役割を担っております。裁判所がこの役割を十分に果たすことができるよう、司法行政の面におきまして精いっぱい微力を尽くしてまいりたいと思っております。 幸い、今日まで、当委員会の委員長及び委員の皆様方の深い御理解と力強い御支援によりまして、裁判所の運営というのは逐次充実してまいっております。今後とも、どうぞ変わらぬ御支援を賜りますようお願い申し上げまして、簡単でございますが、就任のごあいさつとさせていただきます。どうかよろしくお願い申し上げます。 ――――◇―――――
○高橋委員長 内閣提出、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 まず、趣旨の説明を聴取いたします。三ケ月法務大臣。 ――――――――――――― 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する 法律案 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する 法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○三ケ月国務大臣 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を便宜一括して御説明いたします。 政府においては、人事院勧告の趣旨等にかんがみ、一般の政府職員の給与を改善する必要を認め、今国会に一般職の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を提出いたしました。そこで、裁判官及び検察官につきましても、一般の政府職員の例に準じて、その給与を改善する措置を講ずるため、この両法律案を提出した次第でありまして、改正の内容は、次のとおりであります。 第一に、最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官の報酬並びに検事総長、次長検事及び検事長の俸給は、従来、特別職の職員の給与に関する法律の適用を受ける内閣総理大臣その他の特別職の職員の俸給に準じて定められておりますところ、今回、内閣総理大臣その他の特別職の職員について、その俸給を増額することとしておりますので、おおむねこれに準じて、これらの報酬または俸給を増額することといたしております。 第二に、判事、判事補及び簡易裁判所判事の報酬並びに検事及び副検事の俸給につきましては、おおむねその額においてこれに対応する一般職の職員の給与等に関する法律の適用を受ける職員の俸給の増額に準じて、いずれもこれを増額することといたしております。 これらの給与の改定は、一般の政府職員の場合と同様に、平成五年四月一日にさかのぼってこれを行うことといたしております。 以上が、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○高橋委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
○高橋委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小森龍邦君。
○小森委員 社会党の小森龍邦でございます。 今回は、新たに連立細川政権が出発をいたしまして、法務委員会としては、冒頭における実質審議の機会である、こういうことでございます。したがいまして、与党各党の皆さん方の若干の配慮もいただきまして、ある意味では与党各党を代表して不明な点をお尋ねする、こういう性格を持っておりますので、その点も冒頭に申し上げておきたいと思います。 そこで、まずお尋ねをしたいと思います点は、四月一日にさかのぼって支給をする、今回の人勧に基づく給与の改定でございますが、漏れ承るところによりますと、新内閣の持ち味を出して、支給すべきものは一日も早く支給する、そこで、国会もそれに対してぜひ御協力を、こういう意味だと思います。 そういうふうなことからいたしまして、若干これは景気にかかわって、少しでも刺激をしよう、つまり、払うべきものは早く払って、そして、少しばかり財布のひもを緩めてもらって消費購買力の刺激というような意味もあるのではないかと思いますが、その点につきましては、法務大臣は閣僚の一員としてどのように受けとめておられるのでしょうか、お尋ねいたします。
○永井(紀)政府委員 お答えいたします。 私どもの立場から果たしてこういうことをお答えするのが適切かどうか、若干疑問がございますが、委員御承知のとおり、本年の人事院勧告は八月三日に出されました。そこで、今回御審議をいただきます改正法案は、この人事院勧告どおりに一般の政府職員の給与が改定されることに伴いまして、裁判官及び検察官の給与を改定しようとするものでございます。 政府におきましては、本年十月八日に、一般職の職員の給与につきましては人事院勧告どおりの改定を行うとともに、特別職の職員の給与につきましてもおおむねその趣旨に沿ってその改定を行うことと決定いたしました。 確かに、昨年度におきましては同様の閣議決定が十月二十三日だったと思いますが、このようなことに照らしますと、本年の決定は若干早くなっておりますし、国会の御審議も十二月に入ってからというケースが近年は多かったかと思います。国会におかれましても、そういう意味では早期の審議にお入りになられたのだ、かように思っておりますが、もっともこの点につきましては、人事院勧告自体が、従来からも国会及び内閣に対しまして勧告後速やかに実施するよう要請しているところでございますので、政府においてはその趣旨にかんがみてできる限り早期に決定したものと思われますし、また国会も人事院の勧告の趣旨を十分考慮されたものではないかと推察しているところでございます。 また、今回の改定では、俸給の引き上げという点はございますが、逆に期末手当の支給割合が〇・一五カ月分減じられるという点がございます。委員御指摘のとおり、この支給の基準日が実は十二月一日とされているところでございまして、これに合わせるという支給の都合も考慮されたのではないかという点が一つございます。 それから、ただいま委員が御指摘されましたとおり、景気対策の上からも早期実施が望ましいとの考え方が政府・与党にあるとも聞いておりまして、このようなことも背景事情としてあるのではないかと私どもは推察している、こういうことでございます。
○小森委員 政府・与党の考え方を聞いておるのではないのでありまして、一応表向きは、やはり政府は政府でありますから、したがって、新しい政府の持ち味というものを打ち出そうというお気持ちがあってのことではないかと思うし、それに呼応して国会も速やかな審議に応ずる。 私も法務委員会の理事を続いて四年間こうしてやらせていただいておりますが、法案が二十六日に出ましてそして二十七日に審議というのは、これはもう超特急の審議でございます。したがって、それだけにやはり政府は、一つの政策的効果を上げるための誘導的なといいますか、力の作用というものも当然考慮に入れてのことだと思いますので、与党の考えはもちろん私も与党の一員ですからそうだと思いますが、政府もできることなら少しでも景気の刺激と、おくれて金を持つよりは早く持った方が少しでもお互いの財布のひもが緩むのではないか、こんなことを考えておられるのではないかと漏れ承っておりますので、その点はひとつそういう角度で、政府側の考えということでお答えをいただきたいと思います。
○三ケ月国務大臣 法務大臣という立場からの御答弁を求められたわけでございますので、お答えさせていただきます。 私も何分初めてこういう世界に入った者でございますけれども、やはり、閣議の席上におきましても、非常に財政的な問題がいろいろございますけれども、やはり人事院勧告の趣旨は尊重して、できるだけ早くお払いすべきものはお払いすべきではないか、こういうふうな気持ちがいろいろと深くございましてこういうふうな時期の選定に相なったものと、私は私なりに理解いたしておるところでございます。
○小森委員 政府の考え方は大体それでわかりました。 そこで、続いて、先ほども答弁の中で触れておられましたが、今回の人事院勧告は、期末手当分については〇・一カ月減額、削る、どういう表現が一番正しいのか私もよく承知しておりませんが、とにかく〇・一カ月分が減る、従来の感覚からいきますと。そういうことでありまして、これは人事院勧告として、民間給与との兼ね合いを考えてやられたことだと思います。 しかし、私が思いますのは、これは、民間がこうだから景気が悪いなということをまた公務員の皆さん方が一般職を含めて何百万人の方が思われる。それはまた、地方自治体もおおむね横並びになりますから、何百万人の方あるいは家族を含めると一千万人にも及ぶかもわかりませんが、いやどうも不景気だな、こういうふうなことは、経済あるいは財政の数字的な問題ばかりでなくて、非常に国民の心に及ぼす影響というものが大きいと思うのですね。 私も、生かじりではありますけれども、例えば経済学者のケインズなどは、個々の人間が考える主観的な意図によってかなり経済的衝動は変わってくる、こういう分析をする、これがいわゆる限界効用逓減の法則と呼ばれているものだと思うのですが、わずかなことで心理的に不景気だという認識をうんと浸透させて、そして財布のひもを緩めようと思って早く審議をして、財布のひもを締めさせるようなことになる、私はそういう懸念を持つわけです。しかし、これは人事院がやられたことなんでありまして、ここへ人事院の方においでをいただいていないわけですから、そのことの究極的な是非を論ずることはできません。しかし、そういった懸念を持つものに対して、人事院勧告を受けてそのままやろうとされております政府はどういうお考えでしょうか、これをお尋ねしたいと思います。 そのことについてちょっと申し上げておきたいと思いますが、私は若いころから地方自治体に勤務したり、そこの労働者であったわけではないのですけれども、私の所属する政党の立場から、常に人事院勧告というものについてはかなりかかわってきたものなんです。値切られるときには人事院勧告完全実施ということを一生懸命言っておったのですね。だから、値切るときもあったのですよ、政府は。簡単に言うと、けちなことをしてきたときには、もうそれは人々の意識にも影響するから、これはもうこうやったらいいじゃないかという形の、労働者側からいうとプラスの判断というものもあってしかるべきではないか、過去の経過に照らして、値切ったときもあるからね。というようなことが私の気持ちにありますから、この一カ月分にかかわって、景気浮揚策ということからいって、国民に及ぼす心理的影響が非常にマイナスなのではないかということを思いますので、その点ひとつお考えがあればお知らせいただきたいと思います。
○永井(紀)政府委員 今度の八月三日の人事院勧告は一・九二%の官民較差を埋めるという改善もされているのですが、同時に民間における賞与等の支給状況を踏まえて、期末・勤勉手当の支給割合を、一カ月ではございませんで、〇・一五カ月分引き下げる、こういう勧告になっているわけでございます。私どもの関係の裁判官、検察官につきましても、この期末手当の支給割合が〇・一五カ月分減じられるところでございます。 委員がただいまお話しいただきました、こういう心理的な効果といいますか、そういうことは確かにあろうかと思いますし、また、こういうことは、ある面では経済的な景気問題につきましては非常にそういった心理効果というものが否定し切れない点があるということも御指摘のとおりだと思います。 ただ、今度の給与改定につきましては、報酬または俸給に諸手当を加えた給与総額といたしましては約一%の増額になるということも現実でございまして、早期支給の効果はやはりある程度あるものと推測することができるように思っているところでございます。端的に申しますならば、十二月中旬に差額支給がされますと、年末の消費性向がそれなりに促進されるなどの効果があるのではないか、このような考え方もあるわけでございます。
○小森委員 余り切り詰めた議論はここではできをせんので、その程度でこの問題は次に移らせていただきますが、この「裁判官・検察官の報酬・俸給月額改定対比表」というのを見ますと、増額の率、増率部分ですね、これがランクによって一番多いところは二・二%、それから少ないところになると一・七%というのがございます。これは、一般職員でいえば給与でしょうが、報酬とか俸給とかという、この給与の表というものが我々のような素人では読み取ることがなかなか難しいわけでありまして、これには二・二のところもあるし一・七のところもあるということについてはそれなりの理由があってのことだと思うのですが、この点について、できればちょっと私にもわかるような、全部でなくて一カ所かニカ所をとって説明いただければと思います。
○永井(紀)政府委員 裁判官と検察官の給与につきましては、既に四十数年前から、一般職公務員それから特別職公務員と一応金額的に対応した部分につきまして、一般職の公務員、特別職の公務員が上がりますとその比率に従ってスライドさせて上げていく、我々よく対応金額スライド方式という言い方をしておりますが、そういう形で、一般職公務員あるいは特別職公務員の方々と同じランクの金額でありますと、その方々が一・九%上がりますとそれに対応する検察官、裁判官も一・九%上げる。それから、特に下の方の方々は二・二%上がっているわけですが、判事補でありますとか検事の新しく任官された方々につきましては二・二%上がっているのですが、これも公務員の例えば五級でありますとか、五級一号俸あたりの金額に対応させて上げていくものですから、人事院勧告の結果、一般公務員の同じランクの方々が二・二%上がりますと検察官、裁判官もそれに対応する金額で上げていく、こういうシステムをとっているわけでございます。
○小森委員 だんだん時間がなくなりますので、ごく事務的なことでございますが、簡単にお答えいただきたいと思います。 今回のこの給与改定に関係してお尋ねをするわけでありますが、裁判官、検察官等に対しましても住居手当とか扶養手当あるいは単身赴任手当などがあるようでございますが、その点について数字的にお知らせをいただきたいと思います。
○永井(紀)政府委員 ただいまお話がありましたとおり、裁判官、検察官につきましても一般職の職員の例による取り扱いとなっておりますので、判検事につきましても、一般職の職員と同様に扶養手当、住居手当、単身赴任手当が改善されることになっております。具体的な内容を申し上げますと、まず第一に扶養手当でございますが、配偶者以外の扶養親族のうち三人目以下の子供などにつきまして、従来一人につき一千円という金額でございましたが、これが二千円となります。すなわち千円アップするということでございます。それから、満十六歳から満二十二歳の子供につきまして、一人一千円を加算するということがございます。 第二番目に住居手当でございますが、借家等ですと、従来住居手当の最高支給限度額が二万六千円となっておりましたが、これを二万七千円と千円アップする、こういうことになっております。 最後に、第三番目に単身赴任手当でございますが、交通距離の区分に応じた加算額の改定がされて、おります。従来、五区分で最高は一千キロメートル以上で一万八千円ということでございました。これを八区分に分けまして、最高一千五百キロメートル以上で二万九千円という最高額になりました。この点では相当なアップになっているかと思います。 以上でございます。
○小森委員 ありがとうございました。 概略のところを承りまして、まだまだ意を尽くしませんけれども、時間の配分上、給与関係についてはその程度にさせていただきまして、発言を得た機会に一、二お尋ねをしたいことがございます。 それは主として刑事局の方にお尋ねをしてみるわけでありますが、内閣もかわりましたし、やはり一つの節目でございますから、改めて確認ということでお尋ねをさせていただくわけであります。 従来、再審請求というものが行われた際に、再審を請求しておる者が仮出獄を申請をするとかしているとかという関係において、そこに仮出獄の場合の「改俊ノ状」ということがよく問題になってまいりました。これは我が党の坂上先生の方からも尋ねておられますし、また参議院の方では深田先生、また本委員会におきまして三年か四年前に私も尋ねまして、その「改俊ノ状」とは情けの情ではない、状況の状だという意味のことがございました。要するに、簡単に言うと、再審請求をしておる者は無罪を主張しておるわけでありますから、無罪を主張しておるから「改俊ノ状」がないという判断には立たない、こういう意味の答弁を再三にわたっていただいておるわけでございますが、この時期、法務省当局はどういうお考えでおられるか、確認の意味でお尋ねをいたしたいと思います。
○杉原政府委員 お答えいたします。 この問題につきましては、ただいま委員御指摘のように、何度か法務省の方からお答えしているとおりでございますが、御案内のように、仮出獄につきましては、一般的に刑法二十八条が「懲役又ハ禁錮二処セラレタル者改俊ノ状アルトキハ有期刑二付テハ其刑期三分ノ一無期刑二付テハ十年ヲ経過シタル後行政官庁ノ処分ヲ以テ仮二出獄ヲ許スコトヲ得」と規定しておりまして、刑法によりまして仮出獄の実質的要件としての「改俊ノ状アルトキ」というのが掲げられているわけでございます。 これを具体的に申し上げるならば、さらに仮釈放及び保護観察等に関する規則第三十二条によりまして、対象者、つまり当該受刑者等の悔悟の情、更生の意欲、再犯のおそれ、あるいは社会感情等を総合的に判断いたしまして、保護観察に付することが本人の改善更生のために相当であると認められるときに仮出獄を許すということになっておるわけであります。 したがいまして、ただいま御質問のありました再審請求を行うなどして罪状を否認している、無罪を主張しているというような者につきましては、一般的に申し上げるならば、「改俊ノ状」の判断において問題とされることが多いかと思われますけれども、否認しているということだけをもって「改俊ノ状」がないとして仮出獄を許可しないということはないのであって、ただいま申し上げましたような諸要件を多角的、総合的に検討いたしまして、それぞれ個々に仮出獄の可否の決定がなされることになるというふうに考えております。
○小森委員 従来の答弁とほぼ同じであると確認をいたします。試みに、政府側におかれても再度そういうことについてはしっかりとした考え方の整理をお願いをしておきたいと思います。 参議院におけるこの質問に対しましてこういう答弁を当時の政府委員飛田さんがされております。「再審の請求とそれから仮出獄をいつ申請するかということは、これは全く別の問題でございますから、刑務所としてはそれは考えていない、こういうふうに言って差し支えございません。」こういうことを言っておりまして、要するに、再審請求をしておる者はけしからぬから、したがって仮出獄はそのゆえをもって認めないということはないんだ、こういう意味のことを言われておりますので、先ほどの答弁とほぼ一致しておると思いますから、この際、私らの方もそのことをしっかりと再認識をいたしますが、政府側においても、その点はややもするとどうも「改俊ノ状」ということについて曇りが出てくるのではないかと思いますので、よろしくお願いをしておきたいと思います。 それからもう一点、これも以前議論になったことでありますが、未決勾留の問題でございます。 未決勾留の後に刑が確定をし、しかもそのまま未決勾留が相当長期にわたっておるというケースの方もおられると思いますが、未決勾留の後に刑が確定をし無期懲役刑に服役することになった。従来から議論として、無期懲役というのは簡単に言うと無限大の刑だから、そこから仮に未決勾留を引くとしても、幾ら引いても無限大から何ぼ引いたって無限大だ、こういう考え方があるようでございますが、実は現在の法務事務次官根來さんの方から、この人が刑事局長の時代にこの点は私が質問したことでありますが、私がこれから言うことが正確塗言葉であるかどうかは議事録に照らさなければなりませんけれども、大体の趣旨は、この仮出獄を決定する場合に、未決勾留長期にわたる方に対しては、その未決勾留の期間も考慮の中の一つの要件である、こういう意味のことがございました。私は、それはそれでそのときには納得をしたのであります。 ただ、今もやもやしておるのは、無期懲役刑の人が十年も十二年も十三年も未決勾留であった場合に、それは相当考慮に入れなければならないのではないかと思いますけれども、それは今私の議論の対象ではございません。要は、その根來さんの答弁というものを今もそういうふうに法務省とすれば認識をされておるかどうか、この点をただしておきたいと思います。
○杉原政府委員 お答えいたします。 委員御質問の点につきましては、既にこれまで国会の場で答弁申し上げているとおりでございまして、仮出獄の決定は地方更生保護委員会の判断によってなされるわけでありますけれども、この際、未決勾留通算日数につきましては、無期刑の場合は刑期に算入されないというのが法務省の見解であります。 しかしながら、実際の仮出獄の審理に際しましては、その点も考慮すべき多数の事項の一つとして、仮出獄の審理の際に考慮の対象になると考えておりまして、これまで御答弁申し上げたとおりでございます。
○小森委員 あと二分ほどになりましたが、大体それで従来どおりの考えでおられるということを確認をさせていただきました。 ただ、また後に、これは議論があればその際に議論をさせていただきたいと思いますが、無期懲役の場合はそういうことは算入しない、考慮の要件の一つだということで、従来どおりの答弁ということはわかるのですが、算入しないものをなぜ、高裁にしても最高裁にしてもこれこれの未決勾留期間は刑に算定するものとするというような判決がつくのか。これはもうきょうはよろしいです、時間がないですから、それはまた別の機会にやらせていただきたいと思います。 それからもう一つは、こういう場所でありますからどこということは申し上げませんし、具体的な名前も申し上げませんが、国会におけるこの議論と現地の刑務所長の見解とが、例えば仮出獄と再審の問題について少しばかり違うニュアンスが出てきておるのです。法治国家、しかもこれだけかっちりと整然と統一された法律に基づいて行われておる日本の政治の行政のあり方ですから、ちょっと聞いてニュアンスが違うなというようなことがなるべくないように、特にこういうことを問題にする者は非常に微妙なデリケートな気持ちを持って刑務所長あたりにもお尋ねをしておるようなことでございますので、どうぞその点を配慮しておいていただきたい。 時間が参りましたので、失礼します。
○高橋委員長 正森成二君。
○正森委員 日本共産党の正森でございます。 まず最初に、裁判官及び検察官の給与法改定について簡単に聞かせていただきます。 裁判官報酬法並びに検察官俸給法の改正案は一般職給与法の改正に準じて改正されるものであり、内容は、人事院勧告に基づいて給与の月額を平均一・九二%引き上げることとしている一般職給与法改正案と同様であります。 しかしながら、一般職と違って、本法案には含まれておりませんが、規則で定めることになっている期末手当について、最高裁は人事院勧告に基づいて年〇・一五カ月分を減額する規則改定を行おうとしております。この点について、全体としてこの給与改定は増額でありますから、厳しい経済条件のもとで、私どもは法案に賛成するという態度をとりたいと思いますが、しかし人事院勧告というのは公務員に対してスト権が剥奪された代償として与えられたものであり、これは有名な都教組そのほかの教職員のストライキについての裁判でも繰り返し被告人側が主張し、裁判所の一部にはその法理を認めたものがあります。したがって、人事院勧告自体が実施されることはもちろん、人事院勧告がその成立した趣旨に従って機能しなければなりません。 人事院勧告の基本的な考え方は民間準拠ということで、ストライキ権はなくても、ストライキ権も保障された中で労使の力関係で決まった民間の給与水準が公務員にも反映されるということであったと思います。 ところが、九二年末のボーナス等、あるいは九三年のボーナスというのを見ますと、いずれも、幅は広いですが、増額になっております。したがって、期末手当についても、以前のとおりにするというなら話はわかるのですが、それを減額するということは、人事院勧告の趣旨に照らしても妥当ではないというように思われます。最高裁の御意見を承りたいと思います。
○泉最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 裁判官に対する期末手当の仕組みでございますけれども、御承知のように、裁判官の報酬等に関する法律九条で、裁判官に対する「報酬以外の給与」は、他の国家公務員の例に準じて最高裁判所の定めるところにより支給するという規定になっておりまして、期末手当もその「報酬以外の給与」に当たるわけでございます。このように他の国家公務員の例に準じてというところから、他の国家公務員につきまして人事院勧告に基づき支給率がカットされるということになりますと、裁判官についても同様の改正を行わざるを得ないというふうに考えているわけでございます。 ただいま委員の方から仰せのありましたように、国家公務員の方が民間準拠、情勢適応の原則、これに基づいて行われているために、裁判官の期末手当もやはり民間の給与に連動しているというものでございますので、今回の措置はやむを得ないものであろうかと思っております。
○正森委員 まず民間準拠でいいますと、九二年の各一時金の対前年伸び率は二・七%、それから年末は〇・二%それぞれ伸びております。したがって、民間準拠といえば、期末手当がそのまま据え置かれることはあっても〇・一五カ月引き下げられるいわれはありません。 それからまた、あなたが、一般職の給与が引き下げられる場合には、裁判官も引き下げられてもやむを得ないという意味のことを言われたのですが、まさにそれと同じ論理を今から十五年前に、昭和五十三年の十月十七日に当委員会で私が質問しましたときに、当時の勝見最高裁判所長官代理者というのがあなたと同じ役職にあったのだろうと思いますけれども、そういう意味の答弁をしているのです。しかし、裁判官は、言うまでもなく憲法七十九条と八十条で、在任の期間中、その報酬を意に反して減らされないという規定がありまして、その点に関して法律の解釈で勝見さんが答弁したのですが、そのときにいろいろ議論をした上で、一般職の人が減らされる、あるいはそんなにふえないという場合、それと同様の場合には憲法上の問題は起こらない、一般職よりもさらに下げるというようなことがあれば、それは憲法上の問題が起きるのだという答弁でありましたけれども、その後のいろいろなやりとりの中で、たとえ一般職と同じであっても、俸給が著しく減額されて、裁判官の面目を保つことができない。あるいは職務の公正を確保することができないというような状況に至った場合には、一般職が下がったから裁判官も下がっていいのだという理屈は成り立たないので、その場合には憲法上の考慮も必要だということを最後に答弁して、それなら結構ですと言って私が矛をおさめた。あなたの場合はどうですか。どれだけ下げられても一般職と同じだったら構わないという、そういうあれですか、非常に謙虚な考えですか。
○泉最高裁判所長官代理者 ただいま委員の仰せになった憲法の規定の趣旨は、裁判官の独立あるいは司法権の独立というものを給与の面から保障しようという精神に基づいておるものでございますので、裁判官の生活を脅かし、その裁判活動に影響を及ぼすような大幅な減額が行われたり、あるいは個々の裁判官あるいは裁判官全体について合理的でない、いわば憲法が擁護しようとしている司法権そのものに何か干渉しようというような形で出てくるものでございました場合には、やはりこれは憲法の精神に反する、こういうふうに考えております。
○正森委員 そういう見解を承りましたから、法案には賛成ですから、これ以上は申しません。 それで、先ほどの質問者も質問いたしましたが、午後の一般質問、私時間が非常に短うございますので、残された時間はあと三分しかございませんけれども、頭出しだけさせていただきますのでお許しいただきたいと思います。 この間の十月二十二日未明に、私も住んでおる大阪の千里救命救急センターで、脳死の状態でありました患者について肝臓移植が行われました。この問題は、我々法務委員会として十分関心を持たなければならない問題を含んでいるというように思われますので、その点について伺いたいと思います。 この患者は、十月二十二日の未明に血圧が急低下するということがございましたので、手術室に入っておりましたが、午前四時二十九分に、手術室で提供者の腹部を切開し、冷却用のチューブを動脈と門脈に入れた。五時三十一分に提供者の脈がとぎれ出したため、同三十四分に冷却液の注入を始めた。それから、その一分後に心臓が停止、直ちに肝臓の摘出作業を始めた。こうなっておりますが、その摘出作業のときにも、人工呼吸器や強心剤などは最後まで保ったままであったというように言われております。 それで、脳死臨調に関係の深い識者、例えば脳死臨調の元参与の光石弁護士は、「肝臓にメスを入れたのが心停止後であっても、心臓が動いている時点で摘出のために患者の腹部を切開したとすれば、脳死状態で肝臓摘出に着手したといえる。心停止後の摘出との病院側の説明は奇弁ではないか。」というように言っておられますし、あるいは生命倫理に詳しい中川大阪大学名誉教授は、「脈拍があるのに液を入れたのは、脳死状態からの移植と同じようなものだ。これを心停止後の移植と言うのは不誠実だ。」というように言っておられます。冷却用の液の注入によって心停止が著しく早まったという可能性も、医学的にはあるそうであります。 これは、言うまでもなく法律学界では、死亡というのは三つの徴候によって判断するというようになっておりますから、そういう点からいえば、人の死というものについてもゆるがせにできない問題点を含んでいると思いますが、まずその答弁を聞いて、あとは午後聞かせていただきます。
○濱政府委員 委員が今御指摘になっておられます具体的事案に立ち入ってのお答えは差し控えさせていただきますけれども、お尋ねの御趣旨は、脳死体からの臓器移植において、医師の判断いかんによっては不当な行為が行われるのではないかという観点からのお尋ねではなかろうかというふうに思うわけでございます。 あくまでこれは一般論としてお答え申し上げたいと思うわけでございますが、脳死状態にも至っていない者から臓器を摘出すれば、これは被摘出者に対する殺人罪等の成立が考えられるわけでございます。また、およそ医療行為として不必要あるいは不適切であるのにかかわらず摘出に係る臓器を移植するということになりますと、被移植者に対する関係で傷害罪等の成立が考えられるわけでございます。もちろん、脳死状態に至っているかどうか、あるいは臓器移植が医療行為として必要か、あるいは適切なものであるかどうかというようなことは、これはもう個々の事案において判断されるべき事柄であるというふうに思うわけでございます。 いずれにいたしましても、脳死判定あるいは臓器移植の必要性等についての判断につきましては、これは適正に行われるべきであるのはもとより当然のことでございます。これを担保するための基準あるいは手続のあり方につきましては、医学的知見等に基づきまして、各方面で検討がなされているものというふうに承知しているわけでございます。
○高橋委員長 これにて質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○高橋委員長 これより討議に入るのでありますが、討議の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 まず、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○高橋委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○高橋委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高橋委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○高橋委員長 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、人権擁護に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。笹川堯君。
○笹川委員 昨日の政治改革委員会のときに官房長官にはお尋ねをいたしまして、きょうの法務委員会に宮内庁から御出席をいただいて質問をするということを既に通告をしてありますので、ただいまから質問をさせていただきます。 御案内のように、週刊文春あるいはまたそのほかの雑誌で、皇后陛下への中傷記事と申しますか、いろいろ書かれたわけでありますが、これによって、皇后陛下が、失語症と言うんですか、あるいはまた心因症と言うんでしょうか、医学的用語は別にして、お言葉が不自由になった。大変大きな問題であります。もちろん、報道機関は報道の自由、あるいはまた、国民が知る自由があるんだ、知る権利があるんだ、このことはよく理解できるところではありますが、皇室という特殊なところで、弁解が非常にできない、しかも、法律的には、訴えることも訴えられることも非常に難しいような環境の中の皇室の方に対して一方的にこういう記事を書いて、言葉が出なくなった。このことは、恐らく外国の通信社を経由して、諸外国にも私は行っていると思うんですね。こういうことは、今まで日本の皇室の歴史の中でなかったわけであります。 戦後、開かれた皇室という意味で、皇室の皆様方も国民になるべく率直に、しかも間隔をあけないように、今は今の陛下なりに大変御苦労なさっていると思います。例えば、天皇陛下が町を走られるときには、ほとんどもう警察官が信号を赤にした。ところが、今の陛下の希望で、なるべくそういうことはやらないで、信号機に従って運行してほしい、あるいは警備もソフトにしてもらいたい。私は、大変気を使っておられると思うんですね。また、警備の側からしたら、逆に、とめちゃった方が簡単でいいんだ、楽なんだというようなことも一方ではあるかもわかりませんが、そういうことで私は宮内庁の役目についてお伺いするんですが、実はこういう文章が大分前から出ておるにもかかわらず、宮内庁が対応したということは実は新聞記事で全然見てないわけであります。けさの新聞で対応が、初の反論とかということでいろいろな新聞に載っておりますが、宮内庁というのは皇室の表の行事を担当するわけでありますから、言ってみれば、皇室の手となり足となり、時には口の代弁もしなきゃならぬ、こう思うんですね。ところが、きのうやるつもりでやったのか、あるいは私が質問したから慌てて記者会見をしたのかわかりませんが、いずれにしても、宮内庁の対応がなまぬるい、遅い、私はこういうふうに思うんですね。国民の一人として非常に寂しい思いがする。皇后陛下が声が出ないので紙に書いて渡されたそうでありますが、大変私はせつない気持ちで聞きました。本来こういうことを書かれて失語症になったということは、我々民間人なら当然民事事件で損害賠償を請求することができるわけであります。皇后陛下だって、宮内庁がそういう、する意思があれば、それは法務省の訟務局を使って訴訟することもできるわけであります。しかし、そのことがいいかどうかということは別問題として、そういう対応もしようと思えばできる。その点について、今回の事件について宮内庁はどういうふうに今まで対応してきたのか、これからもこういうことは起こり得る可能性がある、そのことについてひとつお伺いをしたい、こう思います。
○宮尾政府委員 まず、最近のマスコミ報道に関してでございますけれども、御指摘がありましたように週刊誌とか月刊誌等におきまして、私どもから見れば、これは極めて一面的な取材をしておったり、あるいは根拠のないような伝聞等に基づきまして憶測を交えた記事というものがたびたび掲載をされております。そしてまた、それが真実であるかどうかという検証もされずに他のメディアに引用されるというようなことがたび重なりまして、皇后陛下を批判するような報道が繰り返されているということにつきましては、御指摘のとおりであります。このような事実に基づかない情報というものが広く読者に提供されまして、それに基づいて国民の間にさまざまな論議というものが巻き起こってきておるということは、私どもも大変憂慮にたえないと考えておりますし、まことに遺憾であるというふうに考えておるわけでございます。 御指摘のように、宮内庁は両陛下のもろもろのお世話をしなければならない立場でありまして、そういう意味で宮内庁の広報体制と言いますか、広報の仕方、報道に対する対応の仕方というものについては、いろいろ私どもも反省をしなければならない点が多々あるというふうに考えておりますし、また、今回こういったことによりまして、両陛下に非常に御迷惑をおかけしている面があるんではないかということで、恐縮をいたしておるわけでございます。 それで、そういった報道に対する宮内庁の基本的な考え方というのはどうか、どういうような対応をしてきたかというところでございますが、宮内庁の基本姿勢といたしましては、これまでもいろいろな事実に反する報道等がなされた場合、それが先ほど申し上げましたように検証もされずにいろいろメディアの中でひとり歩きする、こういう例がありますので、そのような報道に対しては、これを指摘をしまして今後の報道に適正を期するように申し入れをしたり、それから、放置をしておきますと読者に大変著しい誤解を与えるような場合には記事の訂正を求めるというようなことをしたりしまして、個々の実情に応じながら適宜対応をとる、こういうのが基本的な考え方であります。 そういった考え方に基づきまして、これまでも事実に反するような報道が幾つかなされておりますので、私どもとして訂正を求めるとかあるいは申し入れをするとかいうような、それぞれの事態に応じた措置は幾つかやってまいっておりますけれども、最近非常にたくさんの記事が出ておりますので、まだすべて十分な対応ができていないというあるいはおしかりを受けるような点があろうかというふうに考えておるわけでございます。
○笹川委員 今、宮内庁がこれから記事の訂正あるいは申し入れその他の対応をするということは了解できたのですが、私の言っている法的対応も含まれているかどうかということをひとつお尋ねしたい。
○宮尾政府委員 法的な対応といいますと、例えば名誉毀損罪というようなことも一つの事例かというふうに思いますが、事実に反する報道があった場合、先ほどのようなことでまず対応を図っていく、こういう考え方ておりますが、ただ、その報道に違法性が認められて、そしてその違法性の程度とかあるいは被害の程度、それから報道側に対していろいろな措置を求めたことに対する対応の仕方、相手方の対応の仕方、そういうものを総合的に判断をいたしまして、必要と認められる場合には法的措置を講ずる、こういうことは私どももあり得ることだというふうに考えております。 ただ、今回のこういった一連のケースにつきましてそういうことを考えておるのかどうかということになりますと、一つは、名誉毀損罪というのは親告罪であります。したがいまして、そういう点を一つ考えなきゃいかぬ。 それから、皇后陛下のお誕生日に当たりまして、宮内記者会の方から質問が出て、文書で皇后陛下がお答えをいたしておりますが、そこでは皇后陛下は、「どのような批判も、自分を省みるよすがとして耳を傾けねばと思います。」ところどころ省略をいたしますが、「しかし事実でない報道には、大きな悲しみと戸惑いを覚えます。」「幾つかの事例についてだけでも、関係者」、これは宮内庁という意味だと思いますが、「の説明がなされ、人々の納得を得られれば幸せに思います。」とお答えになっておるわけでございます。 そういうことからいたしまして、宮内庁としては、直ちに法的措置をとるということは今考えておりませんけれども、先ほども申し上げましたように、事実に反する記事については間違いを指摘したりしまして、適切な措置を講ずるように相手方に求めていく考えであります。 それから、なお今後ともいろいろな機会を通じまして、国民に対して、事実に反する報道について、宮内庁としてそれは違っているよということを十分説明をして、皇室のお姿というものが国民に正しく理解されるような努力をもっとしていかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。
○笹川委員 今、最後に、国民に対して理解がいただけるように正しく報道を伝える。こういうことは、今まで宮内庁というのはともすると、新聞記者、雑誌記者そうですが、対応が余りよくない、だから逆に言って、もっとそこの対応をやっておればこういうこともなかったのじゃないかと思うのだけれども、写真もこの位置じゃなきゃ撮っちゃいかぬとか一あるいは事前に文書で出さなきゃならぬとか、非常にそういう制約が、あるのはしょうがないと思うのだけれども、この辺も十分にひとつ気をつけられた方が、まあ、数百人の宮内庁の職員が多分いるのだろうと思うから、これぐらいのことは早急に対応できなければ、宮内庁の職員がいてもいなくても何にもならない、私はそういうふうに思うのですよ。 それから、具体的事項ですが、「皇居自然林が丸坊主」なんて載りますと、御案内のように今、地球環境を守ろう、地球的な規模の環境破壊はと非常に載っているわけですね。知らない人が、丸坊主というと、まあ国民の常識では本当の丸坊主だよね。ところが、東京都内というのはなかなか住宅事情が悪いから、一般国民からすれば百坪でも大きい土地で、丸坊主という感覚があるかもわかりませんが、これは、皇室というのは日本のものですから、個人のものじゃないのだから、そういうことを考えると、私も、上空は飛行したことはありませんが、しょっちゅう横を通りますので、ああ大分できてきたな、もうじき新居に移られるのかなということは個人で思っていました。ところが、丸坊主の状況なんか全くないですよ。まさかここに絵をかいて説明するわけにはいきませんが。だから、そういう点はしっかり言わないと、さきの天皇はもう自然を愛された、ところが今度の陛下になったら丸坊主だ、そういう印象を与えたということは宮内庁のPRが悪いのじゃないのかな、私はこう思う。 例えば、「洋服新調代が三千五百万円」、僕もこれを読んだときは、三千五百万というのはすごいなと思いましたよ。しかし、考えてみたら、男と違って女性というのは、やはりどうしても衣装がえをしなければならぬ。考えてみると、これも国の財産と言えば国の財産のような気もします。 だから、比べ方によって国民の目には非常に高いものと映ることがあるでしょう。特にそういうことを今後も宮内庁自身も気をつけて、十分にひとつPR等を、間違ったときには早急にあなたの方から出かけていって、新聞社を呼ぶのじゃなくしてどんどん出かけていって、この点は違うとか、あるいはゲラ刷りのことでわかるのだから、ここはひとつこういうふうに訂正をしてください、こういう努力もやはりしないと、書かれてしまってから、これはけしからぬ、取り消せと言われても、取り消し記事というのはこんなに小さいのですよ。ところが、記事というものはこんなに大きい。 同時に、報道というのは事実を報道すればいいのだと、真実を報道する義務はないのですね、裁判所じゃないから。そうすると、事実の報道ということになると、だれかが言ったことを真実だと思って書いたと言われればどうにもならない。私は、自由というものは大変ありがたいものだと思うけれども、自由の中にもやはり規律というものもあるし、他人に対する思いやりというものも、私は報道機関もぜひ持ってほしい。それは、悪いことは悪いと書かれてしょうがないのですよ。それはそれでいいのだけれども、そういうことをぜひお願いをしたい。 特に自衛隊の問題については、両陛下は自衛隊の制服が嫌いだと書かれている。これは大変なことなんだ。今、自衛隊員が制服を着てPKO、すなわち外国の困っている人のところへ助けに行っている。そういう行為を日本全体がやっている中で、天皇陛下が制服が嫌いなんだよ。これは出迎えのことを称しているわけでありますが、聞いてみると、ふだん幕僚長以下面会するときには、全員制服のはずですね。制服なんです。たまたまこの羽田のときには、警察庁の長官だとか、恐らく皇宮警察の本部長も私服で行ったというふうに言わ机ているから、別にとりたてて自衛隊員だけが制服を脱がされて私服――その私服と、平服というのだけれども、普通私たちはこれは平服であります。しかし、自衛官の場合には、平服というのは自衛隊で定められた軍服ですな、軍服というといけない、自衛隊服というのかな。背広じゃないですね。 だから、本来ならば制服の自衛官というものはどこへ出るのでも制服を着ていくべきだけれども、別にこのときには宮内庁で普通の背広を着てこなければだめですよということを言ったのじゃないでしょう。その辺、明らかにしておいてください。
○宮尾政府委員 まず、最初にお話がありました宮内庁の広報体制というものをもっとしっかりしなければいかぬのじゃないか、こういう点については、私どもも、これまでの経験からしまして、もっともっとそこを考えていかなければならないということを痛感をいたしております。なかなかこれは、もちろん宮内庁に千何百人、千百人程度おりますけれども、そういう仕事に携わっているのは、ほんのわずかの要員しか割けないという状況にありまして、もう少し何らかの広報体制の強化ということを通じて皇室の正しい姿というものを国民にお知らせをする、こういう努力をしていきたい、こういうふうに思っております。 それから、自然林の問題でございますが、これは私どもそういういろいろな機会を通じてクラブ等にも発表したり、実態は伝えておるつもりでございますけれども、今お話がありましたように、皇居全体の面積からいったらわずか二・八%程度のところを、これはどうしても新御所をつくらなければならぬという必要性から、できるだけ移植をする、それからどうしても大きな木で移植できないようなものは残す工夫をするというようなことをして、建物に必要な部分の、昔ゴルフ場であってそこに木が生えてきている、そういうところを選んで、環境をできるだけいいものを維持していくように、こういう努力をしてやっておるわけでございます。ところが、どういう取材をされておるのかわかりませんが、そのような記事になってしまう。ここらはまさに私どもの広報のやり方の足らざるところだというふうに思っておりますので、もっと努力をしていかなければならないと思っております。 それから、自衛隊の服装の関係についての御質問でありますが、これは外国御訪問の場合には、宮内庁の行事としましてお見送り、お出迎えということを貴賓室において行うのがしきたりになっております。そこには三権の長とか重立った方々においでいただいて、そのお見送りの行事、お出迎えの行事ということがあるわけでございます。それで、そのお出迎えのまさに宮内庁がその貴賓室の中で行う行事、その際には、服装のこともありますから、おいでになる方に通知を差し上げて、私どもも参列をしておりますので、その中には平服と、こういうことが書かれてある。その平服ということをめぐって、制服ではいかぬと宮内庁が言ったというような記事になっておりますが、そういう事実はありません。平服でお願いをすることになっております。それから、今お話がありましたように、制服を着ることが比較的多い警察関係の方々、これも今までの慣例として平服ということで、普通の背広といいますか、私たちの平服でおいでになっているわけでございまして、初めてのケースだったからそこにいろいろ誤解があったり行き違いがあったというふうに思っておりますが、防衛庁の方でどういうふうにそれをお受け取りになられたか、どういうふうに考えておられたかというようなことについては、私どもから申し上げるのはいささかいかがかと思いますが、宮内庁でのあれはただいま御説明したようなことでございます。
○笹川委員 宝島という本でありますが、「皇室の危機」というので、これは宮内庁に勤務した人が書いた、いやいやこれは名前を使っただけだとか、いろいろな議論があるだろうと思うのですが、確かに我々一般の国民にとってはわからない、非常に微に入り細に入り書いてあります。全部が全部違うということも言えないし、全部が全部本当だとも思えないところもあるわけでありますが、いずれにしても、戦争中の皇室と違って、今の皇室は日本国民の象徴であります。象徴というのは、お互いに傷をつけてはならない、守らなければならぬ、こういうものだと私は思っています。戦争中のように、二階から天皇陛下の車列を眺めたらこれだけでももう不敬罪でありましたし、第一通過のときに目をあけておってもいかぬかったわけでありますから、そういう時代に過ごした私にしてみると、まさに今開かれて、私も昨年十月五日の山形国体で両陛下を御案内いたしまして、御説明役をさせていただきましたが、非常に愉快でした。生まれて初めてで、今後もそういうことはないかもわかりませんが、そういうことを考えると、やはり皇室が気をつけられているということもわかりますし、あるいはまた軽井沢でテニスなんかしていると、一般庶民はテニスはできない、私もできませんが、それは短いスカートをはいたらどうとかこうとか書いてある。あるいはヨーロッパヘ行ったときには何か新婚気分で行った。新婚気分でいいですよ、もう還暦間近なんですからね。だから私は、やはりそういう、千何百人いるけれどもこういう広報を担当する職員が少ないというのは、それは宮内庁の弁明であって、こういう時代というのはメディアが非常に大切なんだから、ほかの部署を割愛しても、あるいはまたこういう専門官を入れるとか、あるいは育成するとか、そういうことをして、今後もやはりこういうことでトラブルが起きて、お互いに迷惑をし、お互いに寂しい思いをしないように、ぜひひとつ、宮内庁はふんどしを締めて取りかかってもらいたい、このことを強く要望しておきます。 時間の関係があるので、これだけやっているわけにいきませんからきょうはこれで終わりますが、もし将来こういうことがあればもっと厳しく糾弾をしなければならぬ、こういうことになりますので、ひとつよろしくお願いをしておきます。 何か最後に一言ありますか。
○宮尾政府委員 最近の報道に関しまして、笹川先生の方から御注意といいますか、宮内庁がしっかりやっていかなければいかぬ、こういう御指摘をされましたことについては、私どもも真剣にこれを受けとめまして、もう少し広報体制の強化とか、あるいはいろいろな機会に適切な説明をもっとしていくというようなことを努力をいたしまして、できるだけ先生の御趣旨に沿うように、また皇室の姿が正しく国民に伝わるように、今後とも努力を重ねていきたいというふうに思っております。
○笹川委員 それでは、宮内庁、帰っていただいて結構です。 それでは、本題の方に入るわけでありますが、きょうは法務行政全般ということの質問でありますので、緊急ということでひとつ法務省にお尋ねをいたします。 実は私の選挙区でありますが、ある判事が裁判のときに年じゅう居眠りをしていた、こういうことで戒告処分というのか、文書か何かで恐らく処分されたのでしょう。その結果、地方裁判所の判事を退官したわけであります。たまたま先般、全国の調停委員会の大会のときに、最高裁判所の長官にこのことを申し上げました。ひどい判事がいると、大変申しわけない、迷惑をかけました、病気であったのでやめさせましたということを最高裁判所の長官から私は聞いた。だからてっきり病気で任にたえないからやめさせたんだと思っておったら、たまたま地元の弁護士に、今度の監獄法の改正について、私も素人でありますから、弁護士の立場としての意見があるかどうかを、国会に反映させるからぜひ意見を言ってくれと言った際、いや、この間の居眠り判事のことで最高裁判所の長官にクレームをつけたら、病気なんでやめさせたという答えだったよと言ったら、いやいやあれは松戸の簡裁で判事を務めていますよ、こういうことだった。話が全然違う。いやしくも法と秩序を守る最高裁判所の長官が国会議員に対してうそをついたということになる。もちろんこれはやめさせたんだから退職金は一回支給している。しかし、改めて簡裁の判事に任命しているということですね。もちろん簡裁の判事というのは、それは地裁とか高裁、最高裁と違って権限は確かに少ないと思う。しかし、そのことではなくして、病気で任にたえない人間を、たとえ権限が小さくとも国民の身体、生命、財産を守る役目に再び採用したということは、私は許すことができない。裁判官というのは、普通の職員と違って国民に対して厳しいことを課せられるわけであります。しかも、病気ということはもうみんなが恐らくわかっておったのでしょう。赴任したときから眠っていてほとんど判決を書いてないんだから。年じゅう和解しろ、和解しろと言っていた。しかし、弁護士にしてみると、裁判所に対してクレームをつけるということは、職業柄非常にできない。遠慮しておった。しかし、余りひどいので、ある弁護士が、忌避の申し立てというか何というか、クレームをつけたらそういう処分になった。これは最高裁判所の長官が私にそう言ったのだ。私は素直にやめさせたと言うから信じていたら、こういうざまだった。これについてひとつ最高裁判所として弁明があれば聞きたいと思います。
○泉最高裁判所長官代理者 元前橋地家裁桐生支部判事がことし法廷で居眠りをいたしまして、事件の関係者の方、また国民の方に大変御迷惑をおかけしましたことを深くおわび申し上げます。 本人に対しましては、ただいま御指摘のありましたように、厳重書面注意をいたしておりまして、本人は十月一日に判事を退官いたしております。ただ、この居眠りの原因を私どもの方で調査しておりまして、その原因というものが、本人の病気と申しますか、本人は糖尿病を思っておりまして、糖尿病に原因をしているということが判明いたしまして、医師に相談をいたしましたところ、本人は単身赴任生活を九年以上にわたって続けておりますが、家族のもとで食事管理を十分にし、また、病気につきましても、医療機関で適切な措置をとれば、かつまた、職務につきまして軽減をすれば十分職務にたえられるという医師の判断でございました。そこで、本人に対しまして、やめさせたということでございますけれども、本人に退職を勧めまして、判事を退職したものでございます。そのことがやめさせたという表現になっているわけでございます。 ただいま申しましたような医師の判断もございまして、簡易裁判所判事に十月四日に採用いたしまして、家族のもとで通える状態にいたしました。また、本人につきましては現在国立病院に入院させまして、そこで十分な管理をさせております。今後とも、私どもといたしましては、健康管理等に十分注意をいたしまして、国民の皆様に御迷惑のかからないよう十分に注意してまいりたいというふうに存じます。おわびして御説明いたします。
○笹川委員 糖尿病が原因でそういうことになった。病気でありますから、病気を治せばいいのですが、それならば、十月一日に退官をした、そして、例えば数カ月でも治療に専念をして、健康が十分に回復できた、そのときに改めて採用するなら今のあなたの説明は理解できるけれども、これは、もう日が全然置いてないのだから、一日で退官して、四日に採用でしょう。そうすると引き続き採用したというふうに世間の常識では私は判断できると思うのです。これは、単身赴任ということはわからぬこともないけれども、全国民みんな単身赴任、国会議員だって単身ですよ。そのことは、もしそういうことがわかっておるならば、もう少し、本人から恐らく申請するとか医師の診断書、そういうことがあるのでしょうから、それなら松戸の近くに配置がえをしてやればいいのであって、そんなことは国民に対して何の理由にもならぬ。国民だって盗人をすれば、腹がすいていたから盗人をしたと言ったって、それはだめなのです。 判事というのはもう本当に、神聖にしてと言うぐらいの立場の人ですから、それが居眠りばかり。最初から一年半もして、それでやめさせたと言ったら途端に、それはやめさせたんじゃなくて次に採用した。もしあのときに最高裁の長官が、いや、地裁の判事はやめさせましたが退職金を払って簡裁の判事で採用したと言ったらただじゃ済まないよ。裁判官の場合は分限裁判ができると思うのだけれども、それは社会通念でいけば、やめさせたということは、やめさせたんだよ。だから、弁護士になったとかというなら、それは、弁護士は幾らでも開業できるのですから、別に生活権を奪ったことにはならぬと僕は思う。これは、簡裁の判事にしたというのは大きな人事権の乱用だと僕は思いますよ。違いますか。
○泉最高裁判所長官代理者 委員御承知のように、裁判官には身分保障がございまして、手厚い措置がとられているわけでございます。先ほどからやめさせたというお言葉がございますが、やめさせるということは、これは分限裁判で罷免の判決をしなければいけない、こういう手続になっておりまして、本人がみずから申し出て退官をする、こういう形になるわけでございます。そういう本人に、その過程におきまして、もちろん現地におきまして、所長等の説得といいますか、話といいますか、そういうことがあるのは当然でございますけれども、その過程におきまして、本人が定年までの間に、実際上罷免をするということはなかなか困難であるという判断、しかし、本人の健康状態でありますとか、そういった面から職務権限を軽減するのが適当である、そういった判断、そういったところから今回の措置をとったわけでございます。その点、よろしく御理解いただきたいというふうに思います。
○笹川委員 今の説明では本人のためと言うけれども、国民のために公務員はあるのですよ。本人のためじゃないのです。国民のためなんです。だから、やめさせたと言うんなら、それは分限裁判になるのかどうか私にはわかりません。身分保障がありますから、自分から退職願を書かない限りだめなんでしょうけれども、いろいろとそのときに話し合いがあったかどうか、それは国民の知る曲もありませんが、結果として、私は病気だからやめさせました、迷惑をかけましたという最高裁判所の長官の言ったことは、うそなんですか。
○泉最高裁判所長官代理者 本人は判事を退官いたしております。判事としては、そこはもう全く身分が切りかわっております。その十月一日の段階ですべて官を失っているわけでございます。そのことを、そういっただいま御指摘のような表現になったのかもしれませんが、そういう面では、本人は全く十月一日の段階で身分を失っているわけでございますので、いわゆる間違ったことを御説明したわけではございません。 表現につきましては、確かにやめさせたという言葉は、これは正確には罷免ということに法律上はなるわけですが、罷免ではございませんけれども、本人のみずからの申し出による退官でございます。それで本人は退官したということを御説明申し上げたものでございます。
○笹川委員 何か私が言葉の理解が足りなかったか、この場でうそを言ったと思われると困るので、できたら最高裁の長官と対決したいと思います。やめさせたと言えば、私は素直にそうかなと思ったのです。だから、そのときに日本弁護士会の会長は、長官そんなことまで御存じですかと言ったよ。というのは、そんな県の小さい一判事のことまで知っていますか、こういう意味ですね。いや、それはもう判事のことですから全部知っています、こう答えたのです。知っているのです。ですから、そこで、いや病気で迷惑をかけましたのでやめさせました、だけれども定年前なので簡裁の判事として働かせました、それはそれでしまいだよ。私はそれでも文句を言っているのじゃないのだ。全然そういう説明はしていないのだもの、やめさせたぼっきりだから。これはもう時間の関係で、これ以上局長を責めてみてもどうにもならぬけれども、いずれにしても、こういうことはまことに好ましくないし、裁判所に対する国民の信頼を傷つけることには間違いない。このことは、本人が病気ならそれは病気を治されることが一番いいのだし、別に本人が寝ていて云々ということをこれ以上言うつもりはありませんが、いずれにしても、このことはたまたま私が知る機会があったからよかったけれども、知る機会がなかったらこのままでしょう。過去にもこういうことがあったかどうか私にはわかりませんが、このことは私は放置できませんので、また次の機会に続いてやるかもわかりません。それは私の方だって、検察官だって裁判官だって間違っていれば、これは訴えれば、当然国会で取り上げられるのですよ、裁判官訴追委員会というのがあるのだから。これにかけられるのでしょう。どうですか。
○泉最高裁判所長官代理者 おっしゃるとおりでございます。
○笹川委員 それでは、この問題は一応留保いたしまして、次の法務委員会のときに結論を出したいと思いますが、私の質問の趣旨をよく踏まえて対応をしていただきたい、このことだけ最高裁判所に強く要請をいたしておきます。 さて、法務大臣にお伺いいたします。 実は、監獄法の改正について質問をするわけでありますが、現行の監獄法を改正する刑事施設法案につきましては、平成三年四月一日、第百二十回国会に再提出されましたが、本年六月十八日、百二十六回国会における衆議院の解散に伴いまして廃案になりました。これは御案内のように、明治四十一年に制定されて以来、施行後八十年たっているわけです。その間に、もう戦争にも負けているし、新しい憲法もできているし、国連というまさに新しい組織もできた。日本はGNP世界第二位になった、いわゆる先進国です。ところが、これだけはどうにもこうにもならない。よく世界では人種差別とか、あるいはまた罪を犯した人でも、罪を憎んで人を憎まず、あるいはまた反省してなるべく早く社会に出て再起してほしい、こういう願いが皆入っているわけです。どういうことか、この法案だけは、実はもう三回だめになってしまっているのです。 そこで、刑務所とか拘置所の運営制度の基本となる法律でありますから、文章にしましても片仮名で、また文語体でわからない。専門家はわかるけれども、我々一般国民には非常に難しい。第一、難しいというより読めない字もあるわけです。中に、陸海軍監獄というのが実はあって、私はびっくりしたのです。陸軍も海軍もないんだよ。ただ、外国から言わせれば、陸上自衛隊はアーミーですから陸軍ですわな、解釈すると。それから、海上自衛隊はネービーですよ、どう訳したって。それはわかるけれども、陸海軍監獄といった、こういうようなないものが現実に残っているんだもの、法律の中には。そうですね。そういうことで、国際連合においても、拘禁されている人の最低の待遇といいますか、規則というかそういうものをいろいろ考えているさなかに、今の国会ももう間もなく終わってしまうのですが、今回の臨時国会にはこの法案が法務省として再度提出されていません。恐らく次の通常国会に提出されるのかどうかわかりませんが、法務省として、法務大臣として、最高責任者として、この法案を今後出すつもりがあるのか。全然ないというなら質疑しません、直さないというのに、出さないというのに聞いてもしょうがないから。もし大臣として、政権はかわったけれども、別に法務行政が根底から変わるわけではありませんから、その点についての御見解をぜひひとつ承りたい、こう思います。
○三ケ月国務大臣 お答え申し上げます。 まず、監獄法一般についてでございますが、まさに先生御案内のとおり、現行の監獄法の条文は、片仮名まじりで非常に難しい漢語がいっぱい詰まっておりまして、一般に用いられなくなった言葉がございます。死文化した条文もありまして、もはや一般に理解しにくいものとなっているのは、まことに事実でございます。内容的に見ましても、やはりかなり厳しいものがございまして、現代の刑事政策理念にそぐわないような面もあるわけでございまして、その全面改正は必要であるという認識は私も持っておるわけでございます。 次に、それと関連いたします再提出の見通しに関することでございます。 御案内のとおり刑事施設法案は、今申しましたように、もはや現在の行刑思想に合わなくなったものを現代化する、全面的に改正するものであって、我が国の行刑運営の近代化、効率化並びに今御指摘のように国際化を図るためには必要不可欠であると私も考えております。しかしながら、これも今も御指摘ございましたように、同法案は過去に数度の廃案、提出を繰り返してきていることも事実でございまして、私といたしましては、同法案の問題点がどこにあるのか、その内容について十分慎重な検討を重ねながら、再提出に向けて努力をしていく所存でございます。
○笹川委員 今法務大臣から問題点を直してというか、話し合ってというか、解明してというか、そういうことで再提出をしたいという意思表示がありましたので、それでは内容についてある程度申し上げたい、こう思います。 御案内のように、監獄法、法務省が直接監督している監獄、刑務所ですね、あるいは拘置所。もう一つは、問題点というのは、警察に留置場がありまして、四十八時間は警察の持ち時間ということでありますが、それを超えますと、今度は警察署の留置場を代用監獄ということでそこへとめ置く。これが実は、日本弁護士会等から、それはどうもアンフェアだ、攻める方と守る方が中立じゃない、攻める方に有利だ、こういうような見解であろうと思います。私も直接弁護士さんの方々から聞いたわけであります。 ところが、現実にそれを全部解消しようと思うと、弁護士さんもとてもじゃないけれども、県に一つならそこへ行かなければならぬ。あるいは被疑者の人権の問題もありましょう。あるいはまた、金銭的に、予算がとてもじゃないけれども、そんな拘置所を方々につくるわけにはいかない。あるいはまた、お金があったとしても、これは地域の住民がつくることに賛成しなければできぬわけですね。これはまさに、不可能というわけにはいかぬけれども、成田の飛行場、滑走路一本つくるのでもあの騒ぎですから、とてもじゃないけれども非常に難しいということになるわけです。 そこで、代用監獄制度そのものが将来は廃止の方向に向かっていくことは、これは学問的にも正しいことだと思うのですが、代用監獄制度、今警察の留置場を警察官が、調べる方が管理しているのはけしからぬという議論で、留置場に責任者ができて、一応警察の中では別組織というか、別責任というふうに変えたわけですね。しかし、それは、内部では変わったというけれども、外部から見ると、きのうまで留置場の責任者が、あした捜査課長で行かないとは限らぬわけですね。そうすると、どう公平に見ても、これは直したといっても暫定的なものだ。それよりは、私は思うのですが、留置場に法務省の職員、すなわち刑務官というのでしょうか、これを配置をして、管理の責任を持てば、十分これで対応できるのじゃないか、こう私は思うのですね。例えば、今警察官は地方公務員がほとんどでありますが、刑務官は国家公務員であります。その辺、総務庁で職員の定員の問題等あるかもわかりませんが、これは重大な問題ですから、大体どこの省庁の法案も三回もだめというのはめったにないですね。それでもうあきらめてしまうならいいけれども、やはり法務大臣は出したいと。私もこれは文化国家としてやはり改正すべきものは改正していかなきゃいかぬと思うので、私の考えている、施設もそのまま使う、もし何だったら警察官の中で留置場の職員が余るのなら移籍すればいいのであって、今だって全然移籍ができないということはありませんから、そういう考え方を私は持っているのですが、いかがですか。
○三ケ月国務大臣 代用監獄制度についてまことに明確な御認識を御披露いただきまして、いろいろ教えられるところが多うございました。 いわゆる代用監獄制度につきましては、今も御指摘ございましたように、昭和五十五年十一月の法制審議会の答申は、同審議会の全会一致の結論として、制度上及び運用上所要の改善を加えた上で存置することといたしております。いささか私ごとにわたりますが、私もまたこの会議に委員として参画いたしておりました。その理由は今も御指摘にございましたが、警察官署の留置場にかわるべき多数の拘置所、拘置支所を近い将来に増設することが現下の財政事情等にかんがみ、財政事情のみならずいろいろな今御指摘になったような事情が絡み合っておるわけでございまして、まずほとんど全部がえるということは不可能であることが考慮されたと私は承知いたしておるわけでございます。 さきの衆議院の解散により廃案となりました刑事施設法案におきましても、この答申の趣旨に沿い、制度上及び運用上所要の改善を加えた上で留置施設への代替収容制度として具体化していたところでございます。 なお、法制審議会の答申には、法改正の実施に当たっての運用上の配慮事項といたしまして、将来できる限り拘置所または拘置支所の増設及び収容能力の増強に努めて、被勾留者を留置施設に収容する例を漸次少なくすることが示されておりますので、今後ともそういうような方向も考えまして、できる限りの努力をいたしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○笹川委員 運用を考えて存置することは認められた、それはそのとおりなんですが、それでも政権が交代する前はなかなか野党の人が認めなかった。その辺は、今私の言った警察官が責任を持って運営している間はだめだ、こういうことですね、簡単に言えば。 そこで、私は折衷案じゃないけれども、法務省の人間を配置がえして、例えば鉄道の公安警察隊なんてありましたね、昔、国鉄の時分。これは今鉄道警察隊というふうになりまして、全員地方警察官に身分を転換しているのですね。やろうと思えば、幾らでもできるのです。 だから、そういう私のアイデアに対して、急にこの場でお尋ねしたので非常に難しいかもわかりませんが、返事ができなければ相談をしてもらっても結構ですから、ぜひひとつその点留意をしていただきたい。
○三ケ月国務大臣 突然のお尋ねでもございますし、なかなか、どういうふうに改善するかということにつきましては、ひとつ局長の方から具体的な考えをお示しいただきたいと思いますが、ひとつよろしゅうございましょうか。(笹川委員「結構です」と呼ぶ)
○松田(昇)政府委員 矯正局長でございます。 お答えいたします。 非常に貴重な御提言、御指摘をいただいたと思っておりますが、所管しておりますのが警察の留置場は警察庁でございますので、今後警察庁との樹議もございます。それから、今後法案を仮に出すとして、いろいろな問題点を洗い出しておりますので、その中の一つとして考えさせていただきたい、参考にさせていただきたい、かように思っております。
○笹川委員 今答弁いただいたわけですが、確かにこれは警察と関係がありまして、警察の方は所管が地方行政の方ですから、なかなか法務省も大変だと思いますが、いずれにしても最終的には法務省の責任になるわけですから、ぜひひとつなるべく早く国会を通過するように細かいところを煮詰めて、問題点はもうそこしかないのだから。 特に、弁護士に言わせると、接見の機会が、いつでも会わせてくれ、おれの方は守る方だ。ところが、攻める方はいつでも引っ張り出して会えるのに、守る方が回数制限があるわけですから、一日一回とかあるいは一日二回だとか、その場所によっても違う、施設の大きさによっても。そうすると、非常に多い施設のあったところの被疑者というのは待遇がいいということになるのですよ。面会が二回。待遇が悪いところは一回しか……。そうすると、防御権の面からすると非常に僕は不公平が生じている、こう思うのです。 あるいはまた刑務所の施設にしても、暖房のあるところはもう全部あるのでしょう。中には、逆に言うと警察なんか今もう冷暖房完備なんですね、どんどん新築して。そうすると、入っている人は警察の方がいいという人もいるそうですな。刑務所は厳しいから警察の方が楽だ。いや、本当の話。酒は飲ませないけれども、たばこも吸わせてくれるし。そういうことを考えると、おまえそんなに移す話をするな、今のままでいいよなんて言われても困るわけですが、その辺、運営の基準が違う。違うということはやはりよくないと私は思うのですね。 例えば、警察に勾留される人と、あるいは東京拘置所の方に勾留される人、言ってみると、東京拘置所に入れられる人というのは社会的に地位が高い人があそこへ入れられちゃう。余り高くないのは警察署へ入れられちゃうわけだから、非常に待遇が違うわけですが、国民の目から見ると、やはり公平であるということが法の建前で私は必要なことだと思うので、ひとつその辺を十分に勘案をして警察庁とも打ち合わせをしてもらいたい。 警察にしてみると、いやいや、うちの方はみんなやります、そんな、法務省が来ても。実際言うよ。それを言わせていたんじゃいつまでたったってこの法案は通らないですから、通るためにはやはり法務省も少しはきちっと言うべきものは言わないと私は無理だと思いますよ。だれだってルーズな方がいいに決まっているのだから。 それと、今、私は国会で初めてエイズについて質問をしたわけでありますが、アメリカの刑務所なんかは実はエイズが非常に問題になっていまして、エイズの患者なんか引っ張られたってすぐ出されちゃうのですよ。出されるから、また悪いことをしてまた入るわけですね。ぐるぐるぐるぐる回っている。日本の場合にはまだ服役した人がエイズの云々というのは、実は厚生省でも発表したことがないのですが、法務省としては服役している人の中にエイズの患者がいることを確認しているかどうか、あるいは入所するときに、これは本人の承諾がないと難しいかもわかりませんが、給査をしているかどうか、ちょっとお尋ねします。
○松田(昇)政府委員 エイズの関係でございますが、突然のお尋ねでもございますし、用意しておりませんので、明確なことを申せませんが、実はきょうも全国の刑務所の医療部長を集めて協議会をやっておりまして、そういう種々の感染症対策について協議いたしております。できるだけそういう患者がないように、また十分にチェックして、職員の健康の問題もございますし、データの、一般社会の問題もございますので、十分配慮してまいりたいと思いますが、この程度できょうは御勘弁いただきたいと思います。
○笹川委員 突然法務省にエイズのことを聞いて悪かったのですが、ふっとけさ思い出したので。だから僕は答弁に政府委員が要ると言っているんだよ。しかし、与党の方が政府委員に答弁させない、大臣と政務次官で対応すると言う。それは別に余り口角泡を飛ばす必要がないので、きょうは専門家が出ていただいたのですが、私は血液事業をもう二十三年間やっているものですから、このエイズ発生のときに厚生省の責任を追及して、加熱製剤をなぜ使わなかったかということを実は国会で議論したのは、私が初めてなんですよ。そういうことでふっと考えたのは、やはり刑務所の中もこういう問題は必ず普通の世界と切り離せません。特に麻薬常習者は多いのですよ。これ以上説明しなくてもわかる。もしそういうエイズの講演が必要なら、いつでも僕が行ってやりますから呼んでください。 さて、もう時間がだんだんなくなってしまって、聞きたいことの半分も聞けなくなってしまったんですが、実はここに「日本の行刑」という本をいただきました。大変詳しく書いてありますので読ませていただきましたが、実は、この中に医務官が何人いるということも書かれているんですが、これは医務官は全国で五百五十六人ですか、ドクター。これは六ページに書いてあります。収容されている人の食費の単価も、成人は何か主食が百五十円、少年受刑者は百六十三円。少年の方がうんと食べ盛りで食べるからちゃんと配慮していると思うんですが、一生懸命見てみたら、なるほどちゃんとされているなというふうに、一日の生活費が千百五十七円ですか、詳しく書いてあるので、非常に私自身も初めてこういう委員会に入って勉強さしていただきました。余り勉強しない方がいい問題だとは思いますが、今新聞ではゼネコン汚職で国会議員の信用も相当低下してしまって非常に残念だとは思っていますが、信用が上がるように我々もしていかなきゃならぬと思っています。 また、きょうはもう時間の関係で詳しく聞けませんが、実は自殺ということが大きな問題だろうと思うんですが、この二十八ページにあります十二人、八人、三人、七人というのは、これは年間の人数でしょうか。一そうですか。はい、いいです。こっくりでわかりました。ここまで歩んでいただいていると時間がなくなってしまうから。 では、自殺の動機というのはいろいろあるでしょうが、例えばもう刑期が長くて全然見込みがないとか、あるいは病状的なものがあって、それはやはり何というか衝動的というのか、やってしまったとか、主にどういうケースですか。もしわかったら説明してください。わからなかったらいいですから。
○松田(昇)政府委員 委員御指摘の自殺の件は、主に未決によく起きるケースでございます。動機は必ずしもわからない部分もございますけれども、判明している部分を調べてみますと、残された遺書等から見ますと千差万別でございます。発作的なのもございますし、もともとそういう兆候がある方がやるということもございます。そのほかに、自殺として挙がっておりませんけれども、刑務職員の綿密な行動観察によって未然に防止している数というのが相当数ございまして、その点もどうぞ先生御記憶いただきたいと思います。
○笹川委員 来月ですか、府中刑務所を私たちも見学させていただいて勉強させていただきますが、なるべく受刑者の方々が快適な、と言ってしまうと、入ったくてみんな志願されると困るのですが、快適じゃなくて、人権を損なわない。やはり人間というのは、自由に行動できないということ、制約されるだけでも僕はそれは刑の目的だと思うのです。だから、自由に外出できない、それで十分事足りているわけだから、中で余り厳しくして人権を損なうことのないような、全国各地の刑務所が恐らく規則というものは一つのものでやっていると思いますが、聞くところによると、やはり刑務所によって相当幅があるということも実は言われております。なかなか受刑者に知り合いがいないものだから、直接聞けなくてあれなんですが、ぜひひとつ、きょうの時間だけで質問が全部終了できませんが、また同僚議員がいろいろな面から御質問をすると思いますが、勾留尋問に弁護士が同席をしたなんということもありますし、そのときには弁護士が、やはりその裁判官に拘置場所を警察署から拘置所に変更してほしい、こういう依頼をしたら裁判官も認めて拘置所に変わった。私はこれを読んで非常によかったなというわけでありますので、ぜひひとつ、これからもそういう面の改革をお願いをして、私の質問を終わらせていただきます。
○高橋委員長 午後一時に再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ――――◇――――― 午後一時開議
○高橋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。斉藤斗志二君。
○斉藤(斗)委員 きょうは大臣にも御出席をいただきまして質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、現在世上をにぎわしておりますゼネコン問題についてお伺いをいたしたいと思います。 御案内のように、東北の都市並びに県に関係をいたしまして多くの残念な不祥事が多々発生しているわけでございます。今、これだけ大きなゼネコン汚職に関する事件ということについて、国民においても、一体どうなっているんだろうということが大変関心が高こうございまして、まず最初に、一連のゼネコン事件解明に向けての法務大臣のお考え、その決意を、この問題に対しての取り組みとしてお伺いいたしたいと思います。
○三ケ月国務大臣 お答え申し上げます。一いわゆるゼネコンをめぐる汚職事件につきましては、検察当局におきまして厳正にして不偏不党の立場で対処しておりますことは御案内のとおりでございます。なお、今後におきましても、私は、検察はこういうふうな形で、法と証拠に基づいて厳格、適正に対応していくものと確信いたしておるところでございます。
○斉藤(斗)委員 ただいま法務大臣から、法と証拠に基づいて厳正にというお言葉をいただいたわけでありますけれども、まさしく不正が許されてはならないわけでございまして、そのような大臣の強い決意のもとでこの捜査が進められることを願うわけでございます。 次に、もう既に明日から公判が開始されるというようなこともございますが、この一連のゼネコン事件の捜査の処理、今更での状況について御説明をいただきたいと思います。
○濱政府委員 今委員が御指摘の、いわゆるゼネコンをめぐる贈収賄事件の捜査処理の状況でございます。 この事件につきましては、東京地方検察庁が、本年七月十九日に、前仙台市長石井亨ほか一名を収賄罪で、株式会社間組前会長兼社長本田茂ほか四名を贈賄罪によって、また八月九日に、前三和町長大山真弘ほか一名を受託収賄罪、間組東京支店長大津留学ほか一名を贈賄罪により、また八月十二日に、前茨城県知事竹内藤男を収賄罪、本田前会長ほか一名を贈賄罪により、また十月十一日に、前茨城県知事竹内藤男を収賄罪、清水建設株式会社会長吉野照蔵ほか二名を贈賄罪により、さらに十月十八日には、前宮城県知事本間俊太郎ほか一名を収賄罪、大成建設株式会社副社長橋本番ほか二名を贈賄罪により、それぞれ東京地方裁判所に公判請求したわけでございます。 また、東京地方検察庁におきましては、十月十八日、前仙台市長石井亨ほか一名を収賄罪、大成建設株式会社副社長橋本喬ほか一名を贈賄の事実によって、また十月二十一日、鹿島建設株式会社東北支店次長鈴木和己ほか一名を前仙台市長石井亨に対する贈賄の事実により、さらに昨十月二十六日、前茨城県知事竹内藤男を収賄、鹿島建設株式会社副社長清山信二を贈賄の事実により、それぞれ逮捕するなどして、なお引き続き捜査を続けているところでございます。
○斉藤(斗)委員 今、刑事局長から事件の今までの捜査状況についてお伺いしたわけでございます。 今回の場合は非常にルートが多岐にわたり、そして複雑化しているというようなことでございまして、確認を申し上げたいわけでございますが、現状まででは大きく分けて八つの事件といいますかルートがあって、それについて厳正な対応をしている、同時にそれぞれのルートにおいては、一社の場合もあるし、数社の場合もあるし、そういった複数のゼネコン会社がかかわりを持っている、こういうような理解でよろしゅうございますか。
○濱政府委員 今委員が御指摘のとおりでございます。
○斉藤(斗)委員 そして、最初の仙台ルートに関しましては、私ども聞き及ぶところ、四社の共謀といいますか、四社が絡んだということで、非常に特殊性があるのだと理解をいたしておるわけでございまして、他のルートはおおむね一社と首長との関係、こういうようなとらえ方で理解をいたしておるわけでございます。四社が共同しての事件だということで、これはかなりの特殊性があるのかどうかということで質問をさせていただきたいと思いますが、いかがでございますか。
○濱政府委員 今委員御指摘になられましたように、仙台ルートの間組を主体とした関係、三和ルート、茨城ルートの間組関係、茨城ルートの清水建設関係、宮城ルートの大成建設関係、仙台ルートの大成建設関係、それから仙台ルートの鹿島関係、茨城ルートの鹿島関係ということで、八つの山と申しますかルートで捜査が行われ、またその一部について処理が行われているわけでございます。 一番最初の仙台ルートの間組が主体となった事実関係について特殊性があるかというお尋ねでございますけれども、公訴事実自体につきましては、これは委員御案内のとおり、仙台ルートの、今委員が御指摘の一番最初の事件と申しますのは、間組関係者それから清水建設関係者、西松建設関係者、三井建設関係者の共謀による事実として公訴提起されていることはそのとおりでございます。 ばかのルートにつきましては、いずれもそれぞれのゼネコンの一つの会社と申しますか関係ということで、捜査あるいは処理が行われていることは御指摘のとおりでございます。
○斉藤(斗)委員 今、そのような背景の中で捜査が進んでいるということでお答えいただいたわけであります。 次に、このゼネコン事件に関して、今後の捜査の見通しについてお伺いをいたしたいと思います。今後どのような見通しの中で捜査がなされていくのか。
○濱政府委員 これは改めて申し上げるまでもないことでございますけれども、捜査が今後どういうふうに進展するかということにつきましては、捜査を行っております検察当局において判断することでございますので、法務当局からお答えすることはいたしかねるわけでございます。 ただ、申し上げられることは、検察当局におきましては、捜査の過程において刑事事件として取り上げるべきものがあれば厳正に対処するということを申し上げておきたいと思うわけでございます。
○斉藤(斗)委員 大前提として厳正に取り扱うということではございますが、今回の事件、先ほど山が八つあるというようなお答えをいただいたわけです。非常に膨大なものになっているという感がいたすわけでございますが、今後の見通しの中で具体的に、例えば年内には終わる見通しがあるのかないのか、その辺の一つのめどについても質問させていただきたいと思います。
○濱政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、捜査のめどと申しますか、見通しにつきましては、それ以上のことはちょっとお答えいたしかねるわけでございます。いずれにいたしましても、現在検察当局において鋭意捜査を続けているところでございます。
○斉藤(斗)委員 この今後の捜査の見通しということについては、予断が許されないということもございますでしょうから、その答弁で私は結構だというふうに思います。 次に、今、国会開会中でございまして、今国会中に捜査当局といたしましては中間報告というような形で行う考えがあるのかどうか、国会にそのようなことを報告する考えがあるかどうか、お聞きしたいと思います。
○三ケ月国務大臣 いわゆるゼネコン疑惑事件につきまして国会から中間報告を行うようにとの御要請がありましたならば、その時点におきまして、法令に照らして御協力できる範囲や内容について検討することといたします。 ただ、本件については、東京地検による捜査が続けられておるところであること、刑事局長がおっしゃったとおりでございますので、その点を踏まえつつ適切に対処いたしたいと考えておるところであります。
○斉藤(斗)委員 今回の事件は大変広範囲にもわたっておりますし、特に収賄、受託収賄、事前収賄等々刑法百九十七条に関係するもの、さらにあっせん収賄、これは百九十七条ノ四になるわけでありますが、それに関連するもの、そしてさらに、刑法関係だけで申し上げても、競売入札妨害、談合の九十六条ノ三というようなこともございまして、私は国民の厳しい監視の中でこの捜査が行われていくのだというふうに思っておるわけでございます。 なお、膨大なだけに本庁だけでは対応し切れないのではないかなという心配もいたしておりまして、お聞きしますと、地方からの応援も得たという、これはマスコミ情報もあるわけでございますが、この点につきましては、その対応が今の戦力で十分やり得るのかどうか、そこら辺の質問をちょっとさせていただきたいと思いますが、刑事局長。
○濱政府委員 委員御案内のとおり、このいわゆるゼネコンをめぐる贈収賄事件につきましては、現在東京地検の特捜部において捜査を進めているわけでございます。今委員が御指摘になられましたように、どのような事件でございましても、捜査している事件の規模、複雑性あるいはその捜査の難易度等に応じまして、必要に応じてその捜査に従事する検察官、検察事務官を動員いたしまして捜査を行うわけでございまして、この事件につきましても、東京地検において必要と考えられる人員を投入して捜査を行っているということで御理解をいただきたいと思います。
○斉藤(斗)委員 今回の事件というのは、別の角度から見ますと、今景気が非常に悪いという中、大変不況の真っただ中にあって、そしてさらに、雇用問題等々が心配されて本格的に深刻化してくる中で起きた事件だというタイミング的なとらえ方もできるわけでございまして、一部には公共投資の執行において停滞が出るのではないか、要するに悪影響が出るのではないかと心配している向きもあるわけでございます。 私としては、法律と証拠に基づいて厳正にやっていただくという大前提でありますけれども、このゼネコン事件によって萎縮が見られるところもあるのではないか、一部指摘があるわけでありますが、萎縮することによって景気全体がさらに落ち込むというような悪影響が出ないような、そのような迅速な対応というのもお願いをいたしておきたいというふうに思います。それでは刑事局長、もう一回迅速ということについて刑事局長からちょっと答えてください。
○濱政府委員 これはもう改めて申し上げるまでもないことでございますが、事件の捜査処理におきましては、常に迅速に事案を解明して適正な処理を行うということは至上命題でございます。したがいまして、東京地検におきましては、法と証拠に照らして必要な捜査を迅速に行い、事案の解明を早期に行うということで努力を続けていると いうふうに思うわけでございます。
○斉藤(斗)委員 それでは次の質問に入りたいと思います。 きょうはわざわざ大蔵省の方から税制第三課長にお越しいただいておりますので、その方の関係をちょっとお伺いしたいというふうに思います。 相続にかかわる基本的な問題でございますけれども、バブルの崩壊によりまして最近は多少鎮静化いたしたとはいいましても、近年の東京一極集中、またバブル経済によって首都圏の地価が異常に値上がりをいたしました。それに伴って相続税額もはね上がり、先祖伝来住みなれた土地家屋を売却しなければ税金が払えないという問題も少なからず生じているようでございまして、そこで相続制度、特に相続税について基本的な問題があるのではないかと思ってお尋ねするわけでございます。 相続について法務大臣の御見解をお伺いいたしたいと思いますが、日本国憲法の中における位置づけ、そしてさらに相続を認める根拠、そしてさらに相続税の重税感、こういったものについて大臣の所見をお伺いいたしたいというふうに思います。
○三ケ月国務大臣 相続について憲法上どのような位置づけを与えているかという御質問でございます。憲法上特に相続について定めた規定は存在しないと思いますが、憲法二十九条はその第一項におきまして、「財産権は、これを侵してはならない。」として私有財産制を保障するとともに、二項におきまして、財産権の内容は、公共の福祉に適合するように法律で定めるとしておりまして、これを受けまして民法が被相続人に帰属した財産を一定範囲の親族が承継するものとする相続制度を定めているものと考えておるわけでございます。したがいまして、相続権は我が国の制度のもとでは法律の認める範囲内で財産権としての保障を受けることになるかと、こういうふうに考えております。 〔委員長退席、笹川委員長代理着席〕
○斉藤(斗)委員 そこで、従来そのような解釈のもとで相続並びに相続税というのが取り扱われてきたわけでございますが、日本が本当に戦後間もないころ、食べられなかった時代から現在大変豊かな時代になったときに、これは憲法十三条にあるのでありますけれども、個人の尊重、幸福の追求権というところがありまして、この幸福の追求権の基準そのものがかなり変わってきたのではないかなと私思うわけでございます。そして庶民のといいますか国民の悲痛な叫びの中に、この相続を続けていったならばとても仕事が継承されていかない、また農業にしてもしかり、林野にしてもしかり、こういうような悲痛な叫びがあるわけでございまして、私はこの相続税が余りにも重いということになりますと、国民の幸福を追求する権利並びに日本の社会全体の活力というのが失われていくのではないなという心配をいたしているわけでございます。 ここに、これはつい八月でございますが、相続税対策ということで幾つかのマスコミ報道がされているわけでございます。また、御案内のように、物件の申請件数におきましても、近年とみに増加してきているという指摘もできるわけでございまして、例えばこの相続に関しまして、物納できるのは資産に比較的余裕がある相続人だけ、借地権の物納は建物つきでもなかなか認められないので、自分が住む家と土地だけが遺産という場合は物納も難しいというような生活権そのものが脅かされてきているというような現状がこの日本にあるわけでございまして、この点につきまして、きょうは大蔵省、お越しいただいておるわけでございますが、同時並行として政府税調がこの問題についても取り上げておられます。相続税軽減ということにつきまして、私としてはぜひともこれは、特に小規模に関するものに関してはやるべきではないかなというふうに思っているわけでございますが、まず最初に、きょうは大蔵省来ていただいていますので、現在の法体系の中で租税特別措置法第六十九条の四に関して、相続開始前三年以内に取得した土地については財産評価基準によらず実際の取得価額により課税されるということでございますが、この規定については私は廃止されてもいいのではないかなというふうに思っておりますが、いかがですか。
○渡邊説明員 お答え申し上げます。 今御指摘がございました租税特別措置法の規定でございますが、これは現在土地の評価につきましては、実際の売買の際の取引の状況によって必ずしも公示価格といったいわゆる実勢価格で取引ができないという状況もございますので、いわば安全度を見込みまして八割で評価をするという制度をとっているわけでございます。また、この法律が施行されました当時は、実際上は七割を目途に評価をしておりました、そういうことがございますので、仮に十億円の土地を十億円で買った場合に、その直後に仮に相続が発生した場合に、これが当時であれば七億円という評価を受ける。したがって、その段階で三億円実際上は課税財産から消えてしまうという形がございまして、結局それをねらって不要不急の土地を購入するという動きが一部に見られまして、それが形としては結局相続税の節税という形になってきたわけでございます。 したがいまして、その相続税の負担という面でも問題がございますし、あるいはそれがために要らない土地に対して需要が起こる、それによって結局また土地の値段を上げるという意味での土地政策上の問題がございまして、そういう面で、直前に買ったものについてはある程度相続税対策という色彩もあろうかということで、そういうものにつきましては、先ほど申し上げた例で言えば、十億円のものは十億円で評価をするという形で課税の公平を図ろうということで入れたものでございます。 多分、今この御指摘は、最近は土地の値段が下がっている、したがってその三年前に買った土地はかなり現在先ほど申し上げた三割とか二割の評価減を上回る形で減額をしているはずであるから、それに対して何らかの考慮をという御指摘であろうかというふうに考えておりますが、ただ、今の六十九条の四というのは住宅の用地に対しては適用になっておりませんで、適用になっておりますのはまさに事業用の土地でございます。したがいまして、そのなけなしの金をはたいてマイホームを買った直後に御不幸にして相続が発生したという場合には、そもそもこの条文の適用がないわけでございます。ただ、それでも新規に開業した場合に、そういうところで事業用地ということで適用を受けるということもあろうかと思いますが、ただ普通の場合には、その事業用地を入手する場合というのはある程度借入金をもってそれに対応しているというのが実態でありますから、そういう意味では相続財産の中に借入金という負債の項目も立っているという場合が多いということでございますので、現在その六十九条の四があるがために不当に税負担が高まっているという状況はないのではないかというふうに私どもとしては考えているところでございます。
○斉藤(斗)委員 今事業用と住宅用という違いを説明もいただいたわけでございますが、事業用に関しまして、今、国の方では現状の対応で十分ではないかなというようなお考えを披瀝されたわけでありますが、私は、都心の店舗兼住宅など狭い土地でも重い相続税負担に苦しむケースが少なくないわけでございまして、財産の大半が土地でそこに住み続けたいという、また事業を続けたいという人にはさらなる負担軽減が必要ではないかなと思っておるわけでございます。これにつきまして今税制調査会でもいろいろな検討がされているというふうに聞いておりますが、その税調での議論を踏まえて、その点についてお伺いしたいと思います。
○渡邊説明員 お答え申し上げます。 今、委員御指摘のように、この問題につきましても政府税制調査会で議論が行われているところでございます。今回の政府税制調査会におきましては、所得、消費、資産の間においてバランスのとれた課税ということについてさまざまな角度から議論をいただいているところでございますが、その資産課税の一環として今の相続税の問題も御議論されているわけでございます。 相続税一般の負担につきましては、所得税の問題あるいは間接税の問題との関連でその負担をどうするかということについてはさまざまな議論が、あるいはさまざまなお立場からの議論があるわけでございますけれども、今までの税制調査会でのいろいろな御発言を聞いておりますと、まさに今委員御指摘がございましたように、住宅用の土地あるいは事業用の土地ということで特に長年そこに住みあるいは長年そこで生産を行ってきた土地、そういうものに対する相続というものについてはある程度別途の観点から配慮する必要があるのではないかというお声があることは、私どもとしても承知しているところでございます。 したがいまして、たまたまそこに住んでいたのが、さまざまな理由で周辺の土地の地価が上がる、その結果として、土地の値段が上がってしまうということによって負担がある程度上がってくるわけでございますけれども、そういうものに対する税負担というのは、例えば預金とか現金とかあるいは株式といった流動性といいますか、割合処分のしやすいものに対する負担とは少し違って考えるということは、一つのお考えであろうかと思います。 現在の法律におきましても、例えば二百平方メートルまでの土地、これを通常小規模住宅地あるいは小規模宅地と言っているわけでございますが、これにつきましては現在、事業用の土地であれば七割を減額する、仮に十億円という評価であればそれを三億円で課税の計算をする、あるいは住宅用の土地であれば六割減額いたしまして、今の例で言えば四億円に減額をしてそれで計算をするということでやっているわけでございます。 ただ、それによりましてもまだ一部の土地において非常に地価が高い、したがってそういうような措置を講じまして税額の計算をいたしましてもかなりの税額になってしまい、それが課税財産の中にありますいわゆる流動性の資産の額を大きく上回っている、それによって例えば物納がふえるとか延納を強いられるといった状況が出ているという御事情になっていることは、まさに委員御指摘のとおりでございます。 したがいまして、そういう点から、土地といったものあるいは今御指摘がありました借地権も含めましていわゆる不動産的なものについての課税、これをどのように考えていくかということにつきましては、全体としての負担がどうなるかという中であわせてこれから議論を進めていく、一応そういうことで今税調の審議は進んでいると思いますけれども、まだ資産課税につきましてはワンラウンド終わったところでございまして、また来週第二ラウンドが始まるということで、そこら辺の点につきましても重ねて御議論があるというふうに理解をしているところでございます。
○斉藤(斗)委員 今住んでいる土地に引き続き居住していきたいという切なる願いがあるわけですね、一般論として。相続人は相続財産の処分権を取得するだけで現実に処分したわけではないというケースになるわけです。したがって、その段階では、課税の根拠とされている富の偏在、こういうような概念があって、これがあるから相続税についてもきちっと課税するんだという考え方だと思いますが、この富の偏在が現実化したとは言えないというのが近年の、特に大都市部での住宅事情ではないのかなというふうに思うわけであります。 そこで、住宅用の、これは住宅用でありますが、住宅用の土地を手放さなければ相続税を納付できないというような制度、今現実にそういうのが起きてきているわけです。ですから、居住、移転の自由とか生活権の侵害、こういったものに当たってくるのではないか、そして相続権そのものの否定につながるのではないかという切なる庶民の心配事があるわけでございまして、このような現状、実際そのような問題が生じてきているということにつきまして、これは民事局長の方からお聞きしたいと思います。
○濱崎政府委員 相続に伴ってその住居をそのまま確保することができないというような事態が相続権の立場からどうかという御質問と思うわけでございますが、委員御指摘のとおり、相続税制につきましては、これは、税制上本来の目的のほかに、民法の次元におきましては、相続による私有財産の偏在の増大の防止といった目的があるというふうに言われておるところでございます。 そういう目的との兼ね合いで、具体的にそういった住居あるいは事業用の建物についてどういう税制をとるのが適当かということは、これは主として税制上の問題であろうかと思いますし、ただいま税制当局から御答弁がありましたように、いろいろ御検討がされているということでございますが、民事法上の立場から見ました場合に、やはり一般的に相続制度というものを考えるわけでございますので、どうしても民事法のレベルでは個々の不動産の種類ごとにいろいろ対応するというわけにはまいらないわけでございますけれども、相続税の関係で一定の物自体をそのままの形で相続することが必ずしも保障されないからといって、相続権というものが否定されるあるいは相続権の否定につながるという性質のものであるというふうには考えておらないところでございます。 そういった問題は、ただいま御説明がございましたように、税制御当局においていろいろ御検討されているところというふうに承知しております。
○斉藤(斗)委員 時間の関係もありますので、次にいきたいと思います。大蔵省ありがとう。 次に、法務行政の合理化ということでお伺いをいたしたいというふうに思います。 世は合理化時代、特にスリム化時代、それから行政もサービスの向上に相努めなければならないというようなことが言われておりまして、そのように取り組まれておられるというふうには思いますが、今、登記事務のコンピューター化ということで鋭意推進をされているというふうに聞いておりますが、この現状についてお伺いしたいと思います。
○濱崎政府委員 登記事務のコンピューター化につきましては、昭和六十三年の十月に、コンピューターで登記事務を処理する登記所の第一号として東京法務局の板橋出張所が指定されまして、そこで、登記簿冊を用いない、コンピューターのみによる、私どもブックレスシステムと呼んでおりますが、そういうシステムの稼働を開始いたしました。 以来、順次その対象の登記所を拡大してまいりました。本日現在全国で七十四の登記所、これは、法務局、地方法務局にして八法務局、土地方法務局にまたがりますが、七十四の登記所でこのブックレスシステムが稼働している状況でございます。 なお、今年度中には全国で九十庁がブックレス化されるということを予定しております。
○斉藤(斗)委員 これは全国的に対応しなければならないコンピューター化だというふうに思いますが、ごく一部の完成をお聞きいたしましたが、このコンピューター化、全国のネット化等々については、完成の予定というのはいつごろをお考えになっていらっしゃるのか。また、数年内にこれができないということになりますと、どのような――完成予定だけ先に聞きましょう。
○濱崎政府委員 既に御案内のことかと思いますが、登記所の登記事務をコンピューター化していくためには、膨大な量の、現在の登記簿の簿冊に記録されている情報を磁気ディスクに移しかえなければならないという作業を伴うわけでございまして、そういうことで、主としてそういう事情で、これは順次展開していくというやり方をとらざるを得ないということでございます。 したがいまして、これは、そういう要請等もございまして、現在、いつまでに完成するという正確な見通しを述べることは難しいのでございますけれども、現在の時点では、十年あるいはもう少し、十年余りという期間内で全国の登記所についてコンピューター化を完成させたいということで取り組んでおるところでございます。
○斉藤(斗)委員 国民へのサービスということでこのようなコンピューター化が進められなければならないというふうに思いますが、今お聞きしますと、十年ぐらいというような大変長いスパンでの説明をいただいた。これはやはりかなり早いピッチでやられなければならない性質のものではないかなというふうに思っているのですが、ここ数年のうちにこういったコンピューター化が完成できないということになりますと、一体どういうような制約から、単に予算面の問題がどうか、その点についても聞かせていただきたいと思います。
○濱崎政府委員 私どもといたしましても、できるだけ早く完成させたいということで取り組んでいることをまず申し上げさせていただきたいと存じますが、これはもっと短い期間で完成させられないかという御指摘でございますが、そうすることがなかなか難しいというのは、今御指摘のございましたような予算の問題もございますし、また、登記簿冊の情報を移しかえる作業、これについては、最終的には法務局の正規の職員がこれをチェックしなければならないということで、そういった移行上の法務局の職員の人員の制約というものもございますが、より重要な問題は、この務しかえる作業につきましては、これは、現在の登記所の職員、これは日常業務に従事しておるわけでございますので、その力だけではできませんので、できるだけ外部に委託して行うということにしておりますけれども、外部に委託するにしましても、登記簿に記録された情報を正確に移しかえるということを確保いたしますためには、その作業の中で登記官経験者クラスの要員というものが必要になるわけでございます。いわゆる登記官OBというものの活力を活用して外部で作業をしていただいているわけでございますが、そういった要員が欠かせないわけでございます。 そういった面で考えますと、現在、順次移行している時点におきまして、全国で数百人のそういった方々の活力を活用しているわけでございますが、これを一時にあるいは短期間にやるということになりますと、その何倍ものそういった要員が必要になるという問題もございます。 それから、さらにはコンピューター化するには施設面の整備ということが必要な場合もございます。そういったもろもろの要素を考えまして、私ども、最も効率的にかつできるだけ早くということでいろいろ計画をしておりまして、その結果、先ほど申し上げたような見通しを立ててやっているということでございます。
○斉藤(斗)委員 今かなりの時間がかかるという説明を聞いたのですが、今大不況の中でございまして、失業等々雇用面も出てくる、そして、公共投資もかなり強力にやらなければならない、こういうときにこそ、こういった事務の合理化等々、多年の課題をきちっと大幅に前進させるということが大事ではないかと私は思いますので、予算面等々、私ども応援できる範囲については精いっぱい応援させていただきたいと思いますが、国民へのサービスという点から一日も早いこの完成を望みたいというふうに思います。 時間の関係で次にいきたいと思いますが、次は外国人労働者問題でございます。 大変多くの外国人が労働者として入国をいたしておりまして、そしてまた新たな課題も生じてきているわけでございます。 そこで、出入国管理行政を取り巻く現在の国内外の情勢を踏まえまして、外国人労働者問題を含めた今後の出入国管理行政のあり方について、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○三ケ月国務大臣 お答え申し上げます。 今日の我が国を取り巻く国際環境の変化や我が国の国際社会における地位の向上等に伴いまして、我が国が国際社会において果たすべき役割がますます大きくなるということは、委員の御認識と全く同一でございます。したがいまして、外国人の入国、在留管理を所掌する出入国管理行政は、国際協調ということと国際交流の増進に寄与するとともに、あわせまして、我が国社会の健全な発展を確保する、こういうことを理念に運営されるべきものであると法務大臣としては考えておるわけでございます。 このような基本理念のもとで、専門的技術等を有する労働者、研修生、留学生等を幅広く受け入れることとしておりまして、さらに、平成三年十二月の第三次行革審第二次答申の趣旨に沿いまして、研修制度の充実拡充を図る観点から、本年四月には技能実習制度というものを創設いたしております。 これに対しまして、他方、いわゆる単純労働者の受け入れ問題につきましては、我が国の経済社会全般に影響を及ぼすところが極めて大きく、どう対処するかにつきまして国内のコンセンサスを確保することがまず必要であり、関係省庁と協議しながら、総合的観点から慎重に検討を続けることといたしております。 なお、我が国社会の秩序に悪影響を及ぼす不法就労者等につきましては、厳正に対処してまいるつもりでございます。
○斉藤(斗)委員 現在、不法就労者はかなりの数に上るというふうにお伺いしておりますが、法務省におきましては、不法就労者対策、これについて、先ほどちょっと大臣から触れてはいただきましたけれども、具体的にどのような対策を講じていらっしゃるのか。また、今犯罪もがなり生じているという中で、外国人の取り調べ等々で御苦労もされているというようなこともお伺いしておるのでございますが、まずその辺についてお答えをいただけますか。
○塚田政府委員 今般入管局長を拝命いたしました塚田でございます。よろしくお願いを申し上げます。 ただいまの委員の御質問にお答え申し上げます。 不法就労者は潜伏しているために、その実数を把握するのは困難なところがございますが、法務省の電算機統計に基づく推計によりますと、平成五年の五月一日現在で二十九万八千六百四十六人が不法残留している、そのほとんどが不法就労者ではないかと推定されております。 これらの不法就労者に対しましては、その定着化を防止しつつ減少を図るために各般の努力を重ねてきたところでございます。 具体的には、入国事前審査及び入国審査の厳格化ということにより不法就労目的の入国者を阻止すること、在留審査の厳格化による違反の防止と早期発見に努めること、ブローカー介在事案等悪質事犯を中心にした摘発活動の一層の強化、情報交換や合同摘発など関係機関との連携の強化、あるいは、外務省とともに査証発給の厳格化及び査証免除協定の一時停止措置の検討、警察庁及び労働省等と定期協議を開催し、合同摘発の推進や不法就労助長罪の効果的適用による悪質事犯の厳重な取り締まり、さらには、国内、海外に対する広報活動の強化などの対策を講じているところでございます。
○斉藤(斗)委員 犯罪についてちょっとお伺いしたいのですが、国内で起きる、同時に外国人が関与する、そして言葉の問題も生じてくるということでございます。例えば英語とかメジャーな言葉につきましてはそれなりに通訳もおられるだろうし、かなりの意思疎通というのは可能だというふうに思うのでありますが、日本へそういう格好で来られる方には少数言語を扱う方も多々あるのかなというふうに思っておりまして、この少数言語の方々が日本に来られて犯罪等々に関与した場合の対応というのは、これはスムーズにいっているのかどうか、言語問題等々についてお伺いしたいと思います。
○濱政府委員 今委員御指摘になられましたように、日本語を理解しない外国人による犯罪が増加するに従いまして、刑事司法の手続の過程におきましても、日本語を理解しない外国人に対して適正な刑事手続を確保するという観点から、通訳人の確保ということは非常に重要な問題になっているわけでございます。特に、今委員が御指摘になっておられます少数言語と申しますか、につきましては、その有能な通訳人を確保するということは非常に難しい面もあるわけでございますけれども、刑事司法に携わる法務省だけでなしに、警察等の捜査機関におきましても、そういう少数言語につきましても、刑事手続を適正に運営するということに欠けてはならないという観点から、できるだけ有能な通訳人を確保していくということで、例えば通訳人名簿を作成して配付するとか、あるいは、通訳人向けの刑事手続の概要を説明したパンフレットを作成配付するとかいうようないろいろな方途を講じまして、できる限り、先ほど申し上げました適正な刑事手続を確保する観点から欠けるところがないようにということで努力をしているところでございます。
○斉藤(斗)委員 時間になりましたので、最後にひとつ大臣から、現在国際化がどんどん進む、同時に、地方の時代で地方の国際化もどんどん進む、そういう中で地方の入国管理官署における出入国管理体制の整備というのが急務だというふうに思います。例えば、これも大きなところになりますが、来年九月には関西空港なんかもできてくる等々ありまして、現在二千数百人体制だというふうに聞いておるのでありますが、こういった問題について今後問題が生じないかどうか、地方の管理体制も含めて、最後にお聞かせいただきたい。
○三ケ月国務大臣 御指摘の点は全くそのとおりでございますが、そういう難しい事態に適切に対処いたしますために、平成五年度の予算におきまして百八十二名の定員増等の措置をしていただきました。なお、これに引き続きまして、業務運営全般の効率化に努力しているところでございます。 また、特に御指摘がございましたが、こういう不法就労外国人問題が国民の一般的な関心事となっていることのほかに、平成六年九月には関西国際空港の開港が予定されておること、まさに御指摘のとおりでございまして、これにどういうふうに対処するのか、これらの課題に的確に対処するために、関係当局の御理解を得るように、できるだけ私としても努力してまいりたい、できるだけこういう業務が円滑に進むように努力してまいりたいというのが私の考えでございます。
○斉藤(斗)委員 終わります。
○笹川委員長代理 斉藤斗志二君の質疑を終了しました。 傍聴人に申し上げます。長時間座っている人は、できたら交代してあげてください。 山本有二君。
○山本(有)委員 現在の世相、あるいは今の政治状況というのは極めて深刻な問題を抱えております。それは、政治が信頼をされていないということでございます。したがって、今こうした時間にも政治改革委員会が開かれて法案が審議され、そして通過を待望しておるわけでありますけれども、その発端となりましたことがいわゆる金銭にまつわるスキャンダルでございます。そして、政界が腐敗している、さらにその政界の腐敗を何とかしなければならない、腐敗防止法をつくり、政治資金の透明化を図り、さらに選挙制度まで変えようというのが今の現状でございます。 しかし、まだその法案が完成していない、新しい時代を迎えていないということにつきましては、国民の皆様はこの法と正義の実現、これをぜひ警察あるいは検察、そういった力に頼っていきたい、頼らざるを得ないというような、そんな姿ではないかと思います。特に、政界、官界、財界それぞれの癒着構造と言われながら今の国家組織自体がその信を問われておる、こういう事態でございます。そこで、政治に左右されない、さらに巨悪を逃さない、そういうことを法務、検察当局は期待されておるわけでありまして、このことは、公正、正義をまさしく一つの理想に掲げながら法務省、検察の運営がなされていっていただきたいし、そうでなければならないというように思います。 ただ、こういう時期に、大変私としても残念でありますけれども、これから次の質問に移るわけでありますけれども、マスコミのことがございます。 今、逓信委員会ではテレビ朝日の社長さんが参考人として呼ばれておるそうでありますが、マスコミのこの行き過ぎ、それは選挙にも影響する、さらには世相、国の基本的な物の考え方等にも影響する。まさに第二次世界大戦前に一億火の玉となっていくというようなそんな傾向も以前、もう半世紀以上前にもあったわけでありますが、今はマスコミュニケーションという媒体を通じてさらに加速されてくるというようなことを考えますと、何より今現在の最大の権力者はマスコミかもしれないというように思います。 そのマスコミの一つに週刊誌というものがございます。この週刊誌というのは、私ども政治に携わる者は軽視をしております。しかし、軽視をしているというその背景は、まさしく虚偽の事実、指摩憶測、そして証拠に基づかないこと、そういったものをこれ見よがしに、売らんかなという姿勢で、いつも見出しをでかでかとしながらこれを活字にして、それで販売をしていく。それで市場経済主義の中で企業を維持しているわけでありますから、それも仕方がないとはいえ、その影響たるや大であります。その弊害たるや大であります。そういうことを考えていくならば、週刊誌に載ったことは虚偽の推定があるとまで言っても過言ではないかもしれません。しかしながら、一般大衆、国民の皆さんが全く知らない世界をこの週刊誌の見出しだけで見たときには、ああそうかもしれないなと思うことも間々あろうかと思います。 そんな意味で、私は実は、八月二十六日の週刊新潮、さらに十月三十一日のその後追いのサンデー毎日等々をごらんになった方々は、ひょっとしてと、見出しだけ見ればそんな危惧感も覚えるのではないかというように思います。その中身が当法務委員会に関係しております。まさしく法務大臣の就任のいきさつに関しておるものでありますので、私はあえて、この現代の中で検察の役割というのが非常に重い、そして法務省の役割も重い。さらに、ここしか頼るものがない。そして、公正、正義というものがその理想に掲げられなければならない。その公正、正義さを、いわばまるでそれがないような、そんな週刊誌の見出しで大臣の就任がささやかれたことに対して私自身も憤りを覚えるわけでありますが、法務省当局がこの問題についてどういう対処をされたのか、それをお伺いさせていただきたいと思います。
○則定政府委員 お答えいたします。 今御指摘の記事は、ある図書出版社の週刊雑誌に、本年八月下旬号に掲載された記事のことであろうと思います。御指摘のとおり、大変ひどい見出してございまして、「三ケ月法務大臣は創価学会の「回し者」と、大変大きな活字で組んであるわけでございます。その内容は御案内のとおり、三ケ月大臣が、相当前のことでございますけれども、訴訟法の専門学者といたしまして、創価学会が当事者となっております訴訟につきまして、当該争点が司法判断になじむか否かということにつきまして専門的な立場から鑑定意見書を出したということを根拠といたしまして、今回法務大臣に就任されたのは、そういう創価学会という特定の宗教団体の意向に沿った任命ではないか、こういう筋で報道内容がまとめられているわけでございます。 今申しましたように「回し者」という大きな活字でございまして、これを見る人の受けとめ方といたしますと、一般的に、特定の組織、団体がその組織のために働かせる目的で特定のポストにつかせた、こういうことに理解するわけでございますので、私どもはこれを放置するのは、三ケ月大臣の名誉のみならず、中正、中立な法務行政を遂行する立場から放置できない、こう考えまして、まず第一に、どういう根拠で「回し者」という表現を使ったのか、この点について当該出版社に問い合わせたわけでございます。 回答を得たわけでございますけれども、その内容は、先ほど申しました鑑定書をつくったということ以外に特段の具体的な根拠がないものでございますので、さらに、最終的に私どもといたしましては抗議文を送りつけまして、当該内容を当該雑誌に掲載されたいという要請を行って抗議の形をとった、こういうことでございます。
○山本(有)委員 わかりました。厳重な抗議をされたということでございます。 我が国の内閣の制度というのは議院内閣制をとっております。議院内閣制というのは、議員がその任にふさわしいとなった場合に総理大臣の任命によって閣僚に入るわけでございます。したがいまして、原則的には衆議院議員が閣僚になる、こういうことでありまして、特定の団体から支援され、また政治活動をやっている者が大臣になるのが普通でありますし、また創価学会の支援を受けた方が大臣になっても、憲法上、法律上別におかしくはないわけであります。しかし、民間人から大臣は起用されております。民間人から起用されるということは、今まで政治的に色のついた人ばかりが法務行政に携わってきた、だからそれ以上に、民間人であれば公正さが保たれるだろう、こういうような御期待のもとに多分任命を受けたんだろうというように思います。ですから、客観的に見れば政治家がやるよりも公正であることは間違いないわけでありますけれども、さらに公正さを願っているという気持ちもわからないわけではないわけでございまして、そんな意味で大臣に降りかかった火の粉であろうと思いますけれども、なお大臣からこの点についての釈明、弁明をいただければありがたいと存じます。
○三ケ月国務大臣 釈明の機会を与えていただきまして大変ありがとうございます。御指摘の記事は、理由がなく特定宗教団体と特別な関係があるかのような表現を用いているわけでございますが、私は衆議院の予算委員会でも申し上げましたように、私のうちの宗教は禅宗でございます。そういうふうなことでございまして、これは特定の宗教団体と特別な関係があるわけではございません。にもかかわらず「回し者」という表現、これは私個人に対する問題としては笑って済ませる問題かもしれないとは思うのでございますが、今まさに委員の御指摘のように、中立、公正、法の厳正な行便ということを任務とする法務省のトップに立つ者が回し者であるというふうなことに立ちますと、これは私個人の問題を離れた問題であり、国民の法務省に対する信頼を損なうものであろう、これは一個人の問題を超えた問題であるというふうに考えまして、私はこの問題の処理を法務省にお任せをいたしまして、ただいま官房長から御報告のあったような形での対策をとっていただいたということでございます。
○山本(有)委員 はっきり申しまして、本当に売らんかなのこの週刊誌でありまして、このようなことのないように、報道、特に公器とまで言われかねない出版数の多い、信用の高いと言われる雑誌については、厳重な自己規制、正しい方向に国をもっていく報道を期待するところでございます。 続いて、昨日午前に鹿島建設の副社長が逮捕されたいわゆるゼネコン疑惑、これについてお伺いをいたします。 金丸事件に端を発しまして、建設業界から大量の裏献金が政界に流れた。さらにその証拠を洗ってみると、まだまだ大きな問題が幾つもある。茨城の前知事さんや仙台の前市長さんというようなものにもこれは累を及ぼす。逮捕され、またそれがさらに広がっている、こういう事実が現在ございます。しかし、私どもよく考えてみますと、公共事業というのは、公共事業の契約があるわけであります。契約というのは決して随意契約ではない。茨城県知事さんからそのまま発注をいただくわけでもありませんし、市長さんから発注をそのままいただくわけでもありません。にもかかわらず、そこに贈収賄の関係があるということに対して、若干の疑問なしとしないわけではありません。 実際、公共事業というのはどういう形で発注されているかと申しますと、これは指名競争入札、指名競争入札というのは指名に入った業者間で公平に市場経済性を保ちながら競争して、そして最も価格の低い者が落札をして契約をするという、非常に仕組み的にはよく考えられたうまい方法をとっているわけであります。しかし、指名に入った者が数に限定がありますので、例えば十社あるいは二十社、そういったものであるならば話し合いができる。しかもその話し合いにおいては、話し合いだけでは罪にならない。罪になるのはいわゆる談合行為、刑法で言われる談合であり独禁法で言われる談合、その談合にまで至るためには、入札価格や落札予定者の意思の連絡がなければならぬというようなところまで踏み込まなければ談合というものが成立をしない。さらに談合が成立をした後、発注者へわざわざ談合がまとまりましたよと言って依頼に行って、さらに発注者がそのことでよろしいよと、例えば鹿島建設でよろしいよ、そういうことを了解をして、さらに了解した上で落札して、契約成立していよいよ着工というところで初めて多額の全員の授受ということで、因果の連鎖があるときに贈収賄ということになるんだろうと思います。 しかし、このゼネコン疑惑というものを考えたときに、なかなか容易じゃないことが幾つかあるなというように思います。容易じゃないことが幾つかあるわけでありますけれども、このことを乗り越えて、一連の疑惑、そして事件捜査、逮捕、起訴というところまでこぎっけられた、この御苦労は大変なものであろうと思います。 そこで、各事件の概要、先ほども刑事局長からお知らせをいただいたわけでありますが、さらにもう一度、その概要、進捗状況等についてお伺いをいたします。
○濱政府委員 いわゆるゼネコンをめぐる贈収賄事件の捜査処理の進捗状況についてのお尋ねでございます。 この件につきましては、東京地方検察庁が、本年の七月十九日に、前仙台市長石井亨ほか一名を収賄罪、株式会社間組前会長兼社長本田茂ほか四名を贈賄罪により、また八月九日に、前三和町長大山真弘ほか一名を受託収賄罪、間組東京支店長大津留学ほか一名を贈賄罪により、また八月十二日に、前茨城県知事竹内藤男を収賄罪、本田前会長ほか一名を贈賄罪により、また十月十一日に、前茨城県知事竹内藤男を収賄罪、清水建設株式会社会長吉野照蔵ほか二名を贈賄罪により、さらに十月十八日には、前宮城県知事本間俊太郎ほか一名を収賄罪、大成建設株式会社副社長橋本喬ぼか二名を贈賄罪により、それぞれ東京地方裁判所に公判請求したわけでございます。 また、東京地方検察庁は、十月十八日、前仙台市長石井亨ほか一名を収賄、大成建設株式会社副社長橋本喬ほか一名を贈賄罪の事実により、また十月二十一日、鹿島建設株式会社東北支店次長鈴木和己ほか一名を前仙台市長石井亨に対する贈賄の事実により、さらに昨十月二十六日、前茨城県知事竹内藤男を収賄、鹿島建設株式会社副社長清山信二を贈賄の事実により、それぞれ逮捕するなどして、現在なお引き続き捜査を進めているところでございます。
○山本(有)委員 大変たくさんの方々が関与され、また被疑者になったり被告になったりしているわけでありますが、地方公共団体の首長さんと公共事業というのは切っても切れない問題でございます。特に我が国はヨーロッパ諸国に比べまして社会資本の整備が非常におくれております。経済力は世界のトップクラスでありますけれども、国民生活というのは第三等国にふさわしい、そんなものでございまして、これを生活も一流にするためには、どうしても橋や道路やあるいは下水や公園というものを充実していかなければなりません。そうすると、地方公共団体が勢いいろいろな形で公共事業を発注するわけでありますが、その発注の段階でこうした疑惑が起こるということ自体が、もう国家の機能が麻痺している。そして、国家自体に対して国民がなお政治不信プラスそういったすべてのこと、地方公共団体まですべて政治のセの字がつけば全部疑ってかかるというような末期的、世紀末的な現象になろうというように思います。 そこで、何とかしなければならぬという気持ちはお互いでございます。私どももそうであります。私もいろいろ調べてみますと、三段階ぐらいやはり改革の要があるのではないか。 第一番目は、指名競争入札というもの自体を変えていく必要があるだろうというようにも思いました。しかし、イギリスで指名競争入札を以前廃止して、一般契約、一般競争入札にしてみた。しかし、一九六二年から、もうこれは一般競争では維持できないということで、また指名に返ったわけでありますが、一般競争にすると、やはり大きい資本の方が小さい資本を食っていくといういわば資本の論理がありますし、また、ともかく公共事業であればなかなか発注手続に手間がかかる。二百社も三百社も来るというようなことをだれがするかというのは、なかなか手間がかかるというようなことで、どうもなじまないようでございます。しかし、指名競争自体に改善の余地があるということが一つ。 もう一つが、これが談合にメスを入れる。これはもっと検察、警察で捜査の手を厳重に入れていただきたいし、公取もそのことを考えていただきたい。これが第二段階。 問題点は、第三段階であろうと思います。第三段階が、いわゆる公共事業、地方の首長さんの携わることでございますけれども、刑事局長さんに次にお伺いしたいところでございますが、公共事業というのは大体年間二十四兆円あるそうでございます。国発注分がその二分の一で十二兆円、地方発注分がその二分の一で十二兆円、大量な公共事業が地方に出されております。 また、それほど大きなこんないわゆる土木建設工事でありますけれども、さてその中で特にわいろに使われるのが使途不明金というものでございまして、この使途不明金は、去年一年間で五百五十八億円、うち建設業界が三百八十二億円、六八%が建設業界に絡む使途不明金である。何でこんなに使途不明金が建設業界に多いのかと調べてみますと、現地発注、単品生産、さらに請負の片務性、さらに請負契約者が零細である。もっと聞いてみますと、近隣の騒音対策だとか用地買収等々にどうしても不正なお金を使わざるを得ない。契約のお金はいただくけれども、用地のお金は、公共事業ではこれ以上では買えない。したがって、何らかの形でお金を出していったりというような無理をさんざんしているということがよくわかりました。 さらにもう一つ、業界の特殊性がありました。市場性が極めて不足しております。発注する仙台市というのは一つであり、宮城県というのは一つであって、ところが業者というのは何百というような業者がございます。そういうようなことから、市場性がない、出血受注をする、そして工期を守らなければならぬ、クレーム処理にお金が要る、そして買い手独占市場というようなことから、業界は青息吐息である。そんな中で選挙が行われるわけです。 三千三百の地方公共団体、市町村、全部選挙が行われております。そういうときに、脆弱な業者が何とかして工事が欲しい、そして営業努力をしていってもらうわけでありますけれども、指名に入れてもらわなければならぬ。指名に入れていただくことが最初であるとするならば、選挙のときに手伝ったらどうか、こういう営業努力につながってくるわけであります。 それでは、選挙のときに手伝いましょう。人を応援して、例えば私だったら山本有二をよろしくとどんどん宣伝してくれる。そして、それがひいては企業の存亡につながってくる。公共事業だけで食っている、あるいは公共事業で会社の従業員の一人分、二人分出てくる、こういうことになりますと、どうしてもとりたい、こういうのが人情でございます。こういったことが業者側の論理。そして、例えば市長さんの論理であるならば、これまた、さあ、おれは市長選挙に出た、勝たなければならぬ、勝つためにはポスターも要る、電話も引かなければいかぬ、事務所もつくらなければいかぬ、そういうことを考えたときに、政治献金をもらう。献金だけで済めばいいけれども、業者としては、その応援する市長さんが負けたならば食いっぱぐれ、指名から外れる。勝ったならば、指名に入れてもらって公共事業が入るかもしれない。生殺与奪、企業存亡をかけ、また当落を考えて、どうしてもそこに一つの大きな大きな業界体質と選挙というものの特質と日本人の精神構造、意識構造、社会風潮、そういったものが一緒になって、いわゆる業者と政界の癒着という問題が出てこざるを得ないという問題があろうかと思います。 そういうことに対して、もし警察、検察が三千三百の市町村長さんを克明に、選挙のときからだれが応援した、選挙のときからどういう政治資金が入った、選挙のときからどうしたということを、そしてさらにその当選後どこにどういう発注があったか全部調べ上げることになりますと、例えば私は選挙運動のお手伝いをした、ビラを配った、これはやはり便宜供与ですよ。そういうことを考えてみますと、全部の選挙をやったところ、発注をしたところは疑いがかかってくるというように思います。疑いがかかる、さらにそのことを晴らしたい、しかし選挙には勝たなければならぬ、企業は存続させなければならぬ、こんな風潮、今はゼネコン疑惑というのは大手建設会社だけで、ゼネコンと言われるところだけでやっているわけでありますけれども、この日本列島すべてそんな首長選挙がやられているとするならば、これはひいては小さな、中のゼネコン疑惑、小のゼネコン疑惑、いつまでもいつまでもこれに検察がかかずらわっていなければならぬということにもなるわけであります。 こういった点、ゼネコン疑惑、特にこういう発注、受注の問題に関して捜査のメスを入れるところの基準、あるいは、ではどこまでがその疑惑として立件すべきなのか、可罰性があるのか、被疑事実があると認定するのか、そんな点がありましたら、こういう事情の中での日本の業界でありますから、ひとつ区切りがあるならば、それについて一つの刑事局長の御意見等があればお願いをしたいと思います。
○濱政府委員 今、委員の方からるる、この例えばいわゆるゼネコンをめぐる贈収賄事件、現在捜査が行われておりますところの贈収賄事件等々の背景事情と申しますか、背景となるいろいろな事情あるいはその温床となる土壌等の問題点について、幾つが御指摘をいただいたわけでございます。 法務当局からお答え申し上げられることは、今委員が御指摘になられた点のすべてについてもちろんお答えできる事柄ではないわけでございますけれども、まず一つ申し上げられることは、検察当局を含めまして、捜査機関すべてについてこれは共通することだと思いますが、その使命は、あくまでも法と証拠に照らして刑事事件として取り上げるべきものがあれば、厳正に対処してその捜査処理を行っていくということに尽きるわけでございます。 委員の御質問の御趣旨は、さらにそうとした場合に、今後例えばほかの地方公共団体の首長さん等に対する捜査の見通しというようなものがどうなっているのかということも含めて、お尋ねになっておられるのではないかと思うわけでございますけれども、その点につきましても、これは改めて申し上げるまでもないことでございますが、検察が今後どのような捜査を進めていくかということにつきましては、これほ検察当局が判断するわけでございまして、法務当局からお答えを申し上げることはいたしかねるわけでございます。先ほど申し上げましたように、検察当局としてはあくまでも法と証拠の範囲内で刑事事件として取り上げるべきものがありますれば、厳正に対処していくということに尽きるというふうに思うわけでございます。
○山本(有)委員 刑事局長さんの御答弁ではわかりにくいかもしれません。しかし、それ以上に踏み込んで言うことは、事件が特殊であり個別であり、そして検察官というのは個々人が独立の機関でありますから、それは仕方がないことだろうと思いますし、よくそこまでお答えいただいたと感謝するところでございます。 しかし、私としましては、政治改革を他方でやっている、そして他方でこのゼネコン疑惑の解明をされている、これは歴史の偶然にせよ、大事なことだろうというように思います。このことをうやむやにしたままで、それでまた次のスキャンダルヘ向かうということだけは、もう二度と繰り返していただきたくないというように思います。 時代の転換というのは犠牲が必ず伴うものでございますし、この際思い切って、我々自身もその犠牲者にあすはなるかもしれませんけれども、しかし十九世紀の真ん中ぐらいに、百年前にそれこそイギリスが腐敗防止の思い切った制度を導入して、同時に小選挙区を導入して、それで今日もう何十年も選挙に対して金銭のスキャンダルというのがないのだというようなことを聞くと、まさに百年前のイギリスがちょうど今の日本であろうと想像したいわけでございます。そうなると、ゼネコン疑惑というのが他方でやられているということ、しかもこれを徹底的に究明して、首長さん、地方公共団体の公共事業に関してはもう不正はないんだというところまで検察がこの機会に踏み込んでやっていただくことが、政治改革の大変強力な後押しになるだろうというように思います。 そこで、刑事局長さん、と同時に法務大臣のこれに対する御決意を、まさしく政治改革を含めての御決意を賜りたいというように思います。
○濱政府委員 私からお答え申し上げることは、先ほども申し上げましたように、検察当局におきましては、捜査の過程において刑事事件として取り上げるものがあれば、厳正に対処していくということを信じているわけでございます。
○三ケ月国務大臣 私といたしましても、検察当局といたしましては、あくまでも法と証拠に基づいて、刑事事件として処理すべきものであるならば、厳正、的確に処理するものと確信しておるわけでございます。
○山本(有)委員 ゼネコン疑惑、これについては厳正にやっていただきたい。 他方で、もう一つゼネコン疑惑に関する、これは付随的な影響が世の中にあるような気が私はいたしてなりません。それは景気のことでございます。 今まさに消費が低迷して景気が落ち込んでおりまして、未曾有の大不況だというように言われております。そんな中で、毎日、新聞を見れば朝刊も夕刊もゼネコン疑惑、そして今までは尊敬を集めておった日本の財界人と言われる方々が逮捕されるというようなこと、さらには指名の停止あるいは受注が回避される等々、こういったことは、一つは業界全体にとっての営業ができないこと、さらに営業のイメージが悪いこと、さらには国民大衆ももうそういうものにさわりたくないという辟易感、そういったものを含めまして、景気へ決してプラス要因ではないというように思います。 そこで、この捜査、解明を十分にやった後、私は景気刺激にも逆になるのかもしれないと思うことがあります。それは、大きな事件であればあるほど、例えば終息宣言というようなことを行いますけれども、そういう意味で、この事件は大変巨大な事件でありますが、これに対して終息宣言等々を行う、一応区切りがついた後には行うといつおつもりがあるのかどうか、景気対策上お伺いさせていただきたいと思います。
○濱政府委員 今委員がお触れになっておられますいわゆるゼネコンをめぐる贈収賄事件につきましては、先ほど来お答え申し上げておりますように、現在、東京地検において鋭意捜査を進めている段階でございます。したがって、先ほどもお答え申し上げましたように、捜査の見通しあるいは捜査の進み方と同じように、捜査の終結につきまして、そのことに言及するかどうかということも含めまして、検察当局においてこれは判断すべき事柄でございますので、今の段階で法務当局からあれこれ申し上げることは、これは差し控えるべきものであるというふうに考えているわけでございます。
○山本(有)委員 わかりました。確かに経済とは直接に関係もありませんし、法務省がこういうものをにらみながら何らかの行為をするということは多少いかがなものかなとも思いますし、その意味では一つのお答えであろうというように思います。 次に、最後になりますけれども、ゼネコン疑惑のことで、いわゆるゼネコン疑惑の贈賄側、収賄側の弁護士さんの問題についてお伺いいたします。 検事さんというのは、公訴権を持ち、捜査権を持ち、国民の身柄拘束をする手続をされるという大変な権限を持っております。そういう権限が大きい人であるならばあるほど、その身を処するということは非常に大事なことだろうと思います。社会正義の実現、これは検事さんの終局目的であるわけでございますし、その目的完遂において我々は治安が維持されて平穏であるということで、本当に幸福に生きていけるわけでありますけれども、さて、検事さんがおやめになった場合、特に特捜検事さんとか高検の検事長さんとかいう方がおやめになると弁護士さんになられるわけでございます。弁護士さんになられてどんな事件を受任しようが、それはそれで一つの生き方であろうと思います。しかし、李下に冠を正さずとか、あるいは現職の皆さんの公正さを疑わせないとかいう、先輩の逆の配慮とかいうことを考えた場合に、検事さんをやめた方が、例えば贈賄側の弁護士になったり収賄側の弁護士になったりというようなことがあることが、一つ国民にとっては不可思議に映るということは事実だろうと思います。これを刑事政策的には特権的免責性というように思うわけでありますが、例えば特権階級であれば、後進国の例でありますけれども、後進国であればあるほど、王様に近い人はほとんど免罪されるだろうとか、これは歴史的によくあることでございます。そういうような意味において、検事さんに何らかの形で特権的免責性あるいはグループ間の仲間意識というようなことがもしあるとするならば、これは不名誉なことでございます。現職の皆さんが正しくやっているということに対して国民は非常な期待をしているからこそ、あえてこのことをお聞きするわけであります。 十月十六日の朝日の朝刊の「論壇」佐木隆三さんという小説家がこのことをるる書いておられます。また、つい最近の、十月二十二日の読者の投書欄にも「汚職の弁護が検察OBでは」なんという投書も出てきております。国民の皆さんは、ゼネコン疑惑が報道されればされるほどその中身について知りたいし、そして、知れば知るほどこんなことが疑問になってくるということも事実であります。 佐木隆三さんの「論壇」の中身を私読んでみまして、とにかく大した中身ではないということだけは言えるわけでありますが、ただ最後に、「公益の代表たる検察官が、その晩年も奉仕者である姿勢は、とても美しいものであった。」、そしてさらに、検察OBが弁護するそれは、ゼネコン疑惑を弁護するその姿勢は、やはり美しくない。美学というか、感情論で終わっておるわけでありまして、格別法に触れるとかなんとかでないわけでありますけれども、このあたりについては現職の検事さんとしてはいかようにも言いがたいと思いますけれども、しかし、この点においての確かな回答を委員会で議事録として残しておきたいというようにも思いますので、御答弁をお願いいたします。
○濱政府委員 まず、一般的に申し上げまして、かつて検察官であった者が弁護士として登録を受けてその職務を行うこと、これは申すまでもなく職業選択の自由によって保障されているところであるというふうに思うわけでございます。また、その在職中に取り扱った事件について弁護士としての職務を行うというような例外的な場合は、弁護士法で禁じられておりますけれども、そういう例外的な場合はともかくといたしまして、いわゆる顧問弁護士となって関係者の正当な利益や権利を擁護するための弁護活動を行うということも、これは法的にも倫理的にも全く問題はないというふうに理解しているわけでございます。また、弁護士として与えられた権限と職務の範囲内でいかなる弁護活動をするかということは、これは当該個々人の弁護士さんの判断にゆだねられていることであろうというふうに考えているわけでございます。基本的には、今申し上げた考え方を持っているわけでございます。 ただ、今委員が御指摘になっておられます、これは朝日新聞の「論壇」の御意見でございますか、この中には、検察OBが贈収賄側の弁護人にづいたときに、後輩に当たる現職の特捜検事に何らかの影響を及ぼすのではないかという危惧の念を覚えるから、こういうふうに言うんだという意味のことが書かれているかと思うわけでございます。これは委員十分御存じのとおりでございますから、あえて申し上げるまでもないと思うわけでございますが、先ほど来から申し上げておりますとおり、検察官は法と証拠に照らしまして事案の真相を解明する、適正な捜査処理を行うという使命感に徹して職務を行っているわけでございます。 したがいまして、かつて検察官であった人が刑事事件の弁護人になられ、例えば現職の検察官と捜査、公判の場で対峙することが仮にあるといたしましても、それは、例えば現職の検察官の立場からしますれば、特別の考慮を払うことはもちろんございませんし、また影響を受けるというようなことも全くないわけでございます。したがいまして、そういうことを申し上げれば、十分御理解をいただけるのではないかというふうに思うわけでございます。
○山本(有)委員 ぜひ担当検事さん等に影響のない、そんな間柄であってほしいと希望するものでございます。 次に、紛争解決としての訴訟についてお伺いさせていただきます。特に私は法学部を出ておるわけでありまして、三ケ月先生の御著書を読みながら学校を出た覚えもございますし、その専門家の先生が大臣に就任をされたということに対しては、物すごく大きな期待をさせていただいておるところでございます。 そこで、日本の訴訟事件についてお伺いさせていただきますが、各国の比較をしていただきたいと思います。特にイギリスやドイツやアメリカと比べて、日本の訴訟事件の件数、実態はどうなっているかということをお伺いいたします。
○今井最高裁判所長官代理者 各国の訴訟制度は、それぞれの国の歴史と伝統あるいは実情というようなことがいろいろございまして、一概に比較というのは難しゅうございますけれども、さしあたり最近活字にされました資料から見まして、各国の概要、それから日本の概要ということについて申し上げたいと思います。 まず我が国の訴訟事件でございますけれども、平成四年度の事件で申しますと、地方裁判所の民事の第一審訴訟事件、これは新受事件でありますが、十三万八千二百八十六件ということでございます。同じように簡易裁判所でございますが、同じく平成四年度で十六万九千四百六十四件ということになっております。 それで諸外国でございますが、アメリカについて活字にされたもので見てみますと、若干年度が違うわけですけれども、一九九〇年のアメリカ、御承知のようにアメリカは連邦と州の裁判所がございますけれども、連邦の地方裁判所でいきますと約二十二万件ということでございます。それから州の第一審裁判所でありますが、これはちょっと年度がその一つ前ですが、一九八九年で見ますと約千七百万件という数でございます。それからイギリスでございますが、イギリスの第一審でございますが、これも高等法院と県裁判所というのがございますが、いずれも一九八九年の数字で申し上げますと、高等法院が三十一万九千百件、それから県の裁判所、これは高等法院よりやや小さな裁判所ということでございますが、二百六十一万五千五百八件ということでございます。それからドイツでございますが、これは一九八九年の数字でありまして、地方裁判所が三十五万一千四百五十五件、それから区裁判所でありますが、百二十三万六千四百四十八件。それからフランス、これは一九九一年の数字でありますが、大審裁判所、これが原則的には第一審裁判所でございますが、四十八万六千四百九十二件、それから小審裁判所、これはいわゆる少額裁判所に相当するものでございますが、五十五万三千六百件、こういう数字になっておるわけでございます。
○山本(有)委員 先進国に比べて日本は約十分の一、さらにアメリカなんかに比べますと百分の一近い、事件数が少ないのです。私は、この事件数が少ないということは紛争が少ないということじゃないと思うのです。紛争はたくさんある、しかし裁判所が開かれていないんじゃないか、そういう向きがある。これは事件が少ないのに、例えば日本人自体権利意識が少ないという議論が一つ、それから裁判所が開かれていないんだという二つの理屈があるそうですけれども、このあたりになりますと、法務大臣が何よりの専門家でございます。ともかくこの事件数はふやして、民事介入暴力なんというのは、多分民事で救済されない人、裁判所に頼ったってしょうがないと思う人が、それがどんどんやくざを使ったり示談屋を使ったりということになるから、こんなふうな世の中になっちゃって皆が逆に困ってくるということでしょうから、まさしく開かれた裁判所にして民事手続をもっと簡素にして、さらに少額裁判所も設けて、簡易裁判所も形を変えてどんどん公の組織で紛争を解決してあげる、そんな社会になっていただきたいと思うので、最後に大臣に、このあたりについての大臣としての理想やら提言をお聞かせいただきたいと思います。
○三ケ月国務大臣 私も学者でございますから、学者では随分いろいろなことも申してまいりましたが、法務大臣としての立場で申しますと、いろいろと予算の制約であるとかその他のことを考えまして発言がおのずからどうも慎重にならざるを得ないのはまことに恐縮でございます。もしそういうふうな点で不適当な点がございましたならば、その点はどうぞ御覧宥をいただきたいと思うのでございます。 率直に申しまして、私個人の考え方は、非常に先生のおっしゃったことと同じように、もっともっとと申しますか、これからの国際化の時代に即しまして、やはり世界の水準というものに余りにもかけ離れ形ではよろしくないのではないか。しかしながら同時に、アメリカに見られますように、いわば行き過ぎた訴訟社会になるというのも、これまた非常に慎重に避けていかなきゃならないんじゃないか。日本のいい伝統はいい伝統として残していかなければならないであろう、その辺の抜け道をどういうふうに求めていくかということにこれからの日本の民事司法制度の大きな課題があるんだというふうに、これは学者としても、また法務省の責任者としても考えておるわけでございます。 なぜ少ないかということにつきましては、先ほども最高裁の民事局長からのお答えもございましたように、いろいろな伝統の面、それから国民のメンタリティーの面もございますが、やはり制度の面もございます。 私、この仕事につかせていただきます前に、御案内のとおり、民事訴訟法の改正作業というふうなものに、これが最後の御奉公と思って、本当に懸命に取り組んでまいりました。そこでは、ただいま御指摘のございましたように、もっと開かれた裁判所、例えば簡易裁判所などはもっと思い切って少額事件を処理するようにすべきではないだろうか、さらには、やはり国民の司法へのアクセスというふうなことを考えますためには、単に手続法をいじるだけでなしに、もう少し機構的な面、あるいはまた法律扶助の拡充というふうな制度的側面もあわせてやっていかないと、これは手続法だけでは対処できないというふうな面もあるのではないだろうかと思いながら、いろいろとそういうような点で弁護士会の皆様とできるだけ議論を闘わせ、そして、できることならば法曹三者の一致でもって、今先生の御指摘になりましたような、より開かれた、また世界にも通用するような民事司法制度への一つの曲がり角というふうなことの方向にでも何がしかのお役ができれば、私が老骨をもってこのような仕事を、あえて全く違った世界に踏み込みましたことのあるいはささやかな意義もあるのかなというふうに感じて、いろいろとやってまいりたいと念じておるところでございます。 ただ、一つ忘れてなりませんことは、非常に訴訟事件が少ない反面に、それでもやはり去年の統計になりますと、ざっと三十万件ございます。戦後私が訴訟法など勉強していましたときには十数万件でございました。それに比べますと、やはり徐々に国民の権利意識の伸長に伴いまして裁判所の窓口も広がってまいっております上に、もう一つ忘れてはなりませんことは、これは日本人の伝統ないしメンタリティーとも深くかかわるところでございますが、日本では、世界に全然例のないADR、すなわち裁判外紛争処理制度、オールターナティブ・ディスピュート・リゾリューションでございますが、この調停制度というふうなものがもう既に七十年近い歴史を持っておりまして、これが訴訟とほぼ同じような数のところまで、このごろはちょっと減っておりますが、戦後のある時期におきましてはかえって訴訟を凌駕するようなところまで来ておる。むしろ諸外国は、こういうふうなところの制度が欠けておりますのにどんどん現代型の新しい紛争が出てきますので、彼らの唯一の頼みでありますところの訴訟よりもやはりこういうふうなところを見直すべきではないかという動きも出てまいりまして、向こうからこっちに接近するというふうな動きもないでもございません。 我々といたしましては、もう少し世界の普遍的な動向に接近するように努力すべきであろう。そういうふうな形で、将来の日本の民事裁判制度あるいは民事紛争処理制度というものが、おっしゃるとおり、国民がすぐ駆け込めるようにして、法以外の方式に訴えなくても、やはり的確にして迅速な、また法に基づいた解決が得られますような司法制度が実現できますように、私としても精いっぱい努力してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。 お答えになりましたかどうか、そういうふうに考えておるということだけ申し上げさせていただきます。
○山本(有)委員 大臣の御活躍を御期待申し上げまして、質問を終わります。
○笹川委員長代理 これにて山本君の質疑は終了いたしました。 永井哲男君。
○永井(哲)委員 まず最初に、自己破産の件数が急増しているということに関連して質問したいというふうに思います。 第一次サラ金パニックと言われる昭和五十九年に、自己破産の申し立てが、これは自然人でありますけれども、二万一千件を超えた。それ以来二万件を超えたことがなく、平成二年のときには一万一千件程度であった自己破産の申し立てが、平成三年には一挙に倍の二万三千件になる、そして平成四年には四万三千百四十四件にもなるという状況であります。一時期に比べて四倍にもなっている。そして、ことしの統計でありますけれども、八月末までの状況で、四万件を超えた去年が二万七千百八十一件に対して、ことしは既に二万八千八百九十二件、昨年度よりも千七百十一件、六・三%も多いというような状況になっております。ピークを迎えたというのでなく、高いところでとまっているというような状況であります。 この自己破産の件数がこのような状況であるということに対して、法務御当局の見解をお伺いしたいというふうに思います。 〔笹川委員長代理退席、委員長着席〕
○濱崎政府委員 いわゆる消費者信用市場の急速な拡大ということに伴いまして、消費者が複数の業者から返済能力を超えた多額の債務を負担するといった事例が増加しているということに伴いまして、資産のない自然人の自己破産申し立て事件が、委員御指摘のように急増しているということは、私どもも間接的に承知しているところでございまして、私どもとしても、こういう状態は好ましくない状態であるという認識を持っております。 こういった問題にどう対処するかということについてはいろいろ問題があるかと思いますが、私ども法務当局の所管事項といたしましては、こういった問題、これはいわゆる倒産制度あるいは破産制度における検討課題として一つの重要な側面であるというふうに認識しているところでございます。
○永井(哲)委員 このように自己破産が急増したという背景には、消費者信用業界、その業界が急成長している、六年間でその売り上げが倍になる、今では約七十兆円、国家予算と同じくらいの規模になっている、これはわずか六年前にはその半分でしかなかった、こういうような消費者信用業界の急成長というものがあると思います。この間に、国民所得の方は倍になるというわけではないのであります。 そして、なぜこれだけ業界が急成長したかということは、特に個人業務の関係でいえば、高利率、高手数料というものに支えられて高収益の業務分野である、いわばもうかる商売である。そしてもう一つは、過剰な信用供与を業界の方でしているのではないか、いわば無差別ともいえるカード発行、過剰な貸し付け、こういうことの背景というものが、かような破産の急増というものになっているのではないかというふうに言われております。特に、通常人で無理なく返済できるというのはせいぜい収入の二〇%程度である、そう言われているわけですけれども、現在、国民所得関係で、可処分所得の消費者信用業界残高の割合というのが、既に二三%という形で二〇%を超えだというような状況になっていて、これは平均でありますから、平均自体がもう既に相当限度に来ているというような形になるのではないかというふうに思います。 破産事件としては四万件という形でありますけれども、第一審、地家裁、貸し金・立てかえ金請求事件とか、貸金業関係の調停事件、支払い命令、動産執行というような実質破産、多量債務者がほとんどであると思われる事件は、統計だけでも八十三万件という形になっております。潜在的な人たちを含めれば破産予備軍というのが百万人を超えるのではないか。百万人ということになれば、百二十人に一人がそのような経済状況である。これは既に大きな社会問題であると思います。これを単に自己の返済能力を超えるということだけで、借りた者が悪いということだけでは余りにも片手落ちな状況認識ということになると思います。 そういう点で、このような破産事件の急増、そして今言ったような状況等につきまして、監督官庁である大蔵、そして通産省の考え、このような事態に対してどう考えるか、そしてどのように対処しているかという点についてお聞きいたしたいと思います。
○松元説明員 近年、自己破産が大変ふえてきておるということでございます。最高裁判所の統計によりましても、自然人の自己破産の申し立て件数が近年急増しているということは、委員御指摘のとおりでございます。 私ども大蔵省といたしましては、貸金業規制法を所管いたしておりますが、同十三条におきまして、貸金業者に過剰貸し付けを禁止いたしておるところでございます。具体的には基本事項通達によりまして、貸金業者が貸し付けを行うに当たりまして、窓口における簡易な審査のみによって、無担保、無保証で貸し付ける場合、当面、当該資金需要者に対します一業者当たりの金額につきまして五十万円、または当該資金需要者の年収額の一〇%に相当する金額とするように指導を行っております。 また、多数の業者からの借り入れによります多重債務を防止するという観点から、プライバシー保護に配慮しつつ信用情報機関を活用するよう指導をいたしておるところでございます。 またさらに、貸金業者の行います広告につきまして、貸金業規制法第十六条におきまして、貸し付けの利率その他の貸し付けの条件につきましての誇大広告を禁止いたしております。これに関しましても、基本事項通達によりまして、従来より、借入者の借り入れ意欲を不当にあおるような表示等の禁止を指導いたしておるところでございます。 今後とも、貸金業者の過剰な貸し付けを防止いたしますために、貸金業者に対しまして、顧客審査の徹底、厳正な与信の確保及び公正な広告表示につきまして指導してまいりたいと考えております。
○安延説明員 先ほど大蔵省の方からもお答えがございましたが、先生おっしゃいました自己破産者の急増を初めとしますいわゆる多重債務者問題につきましては、消費者利益の保護、それからさらに経済社会の健全な発展を図るという観点から、当省としても非常に重要な問題であると認識をしております。 他方、クレジット産業サイドにとりましても、多重債務者の増加といった事態は結果としてみずからの首を絞めるということにもなりますので、クレジット会社の方がみずから進んで過剰与信に走るということがあるとは考えておりませんが、他方で、企業の与信に当たっての信用情報の活用とか、カードの発行体制や与信体制をさらに改善をしていくということで対応をする余地はあると考えております。 こうした考え方のもとに、通産省といたしましては、クレジット業界に対しまして、多重債務者防止といった観点からさまざまな指導を実施いたしますとともに、昨年の九月からことしの六月まで、割賦販売審議会クレジット産業部会を開催いたしまして、多重債務者問題に関するさらなる対策のあり方について検討をお願いをし、報告を取りまとめていただいたところでございます。 こうした報告も受けまして、通産省といたしましては、先生おっしゃいました加入に当たっての審査の適正化、クレジットカードの利用限度額の引き下げ、特に新規加入者に対しての引き下げ、プライバシー保護にも配慮しつつ信用情報機関への登録情報の充実、その適正な利用、それから信用照会端末、CATと呼ばれているものでございますが、これの増設といった対策を現在順次実施をいたしますとともに、関係省庁、関係団体とも協力をしつつ、消費者啓発のためのカウンセリング等も推進をしておるところでございます。 さらに、こうした対策を進めまして、クレジット会社の与信体制の適正化、それから、当然ですが、プライバシー保護にも配慮しつつ信用情報の一層の充実等について今後とも努力をいたしていきたいと考えているところでございます。
○永井(哲)委員 それぞれ過剰貸し付け、過剰ということに対する防止策、通達等にあるわけですけれども、特に大蔵との関係で言えば、一業者当たり五十万円または年収の一〇%というのは、これはあくまでも一業者当たりでありまして、これが何社か多重になることによって、あっと言う間に五〇%、一〇〇%と、年収の一〇〇%以上を借りてしまうことも可能となるというような状況が問題であると思います。 以前に比べて少しは改善されていると思いますけれども、「他店の利用者又は返済能力がないと思われる者を対象として勧誘する表示」、借り入れやすいといった点を過度に強調したり、実際よりも軽い返済負担であると誤解させたり、顧客の借り入れ意欲をそそるような表示等というものぽ通達自体で禁止、してはならない広告というふうにしているわけですけれども、これが余り守られていないという状況にあるのではないかと思います。例えばたばこでも、健康のために吸い過ぎに注意しましょうというような形でその危険性というものを表示するわけですけれども、広告を見ましても、年収の一〇%程度に抑えましょうというような広告をしているのは、ほんの数社というような程度であります。特に、そういうような指導について、今後の考えというか、その点厳しく考えてほしいと思いますけれども、その点の大蔵省の御見解をお聞きしたいと思います。
○松元説明員 現在、先ほど御説明しましたようなことで、通達に基づきまして、貸金業者がしてはならない行為を具体的に示して業者を指導しておるところでございます。委員からただいま御指摘ございましたような、「他店の利用者又は返済能力がないと思われる者を対象として勧誘する表示」あるいは「無条件、無審査で借入れ可能との誤解を招くような表示」をしてはならないということになっております。こういった指導を徹底してまいりたいと考えております。 また、五十万円、一〇%ということで指導いたしておりますが、形式上それに該当すれば何でもいいということではもちろんないわけでございまして、これにつきましては、適切な信用情報機関の利用によりまして、過剰な貸し付けにならないように、情報機関を利用いたしまして他店で相当の借り入れをしているというような場合は、五十万円以下でありましても当然過剰な貸し付けになるということがあるわけでございまして、そういったことも当然過剰な貸し付けになるということを指導いたしておるわけでございますけれども、今後とも一層適切な指導に努めてまいりたいと考えております。
○永井(哲)委員 消費者保護という観点から見て、特に現在の我が国の法制度、業界を指導監督する、業界育成というような立場から規制されて、消費者はその反射的利益を享受しているにすぎないのではないか、もっと消費者自体の、消費者主権というか消費者主体に物を考えていくべきではないかという提案というものがされております。日本弁護士連合会消費者問題対策委員会というところでも、「消費者に武器を!消費者主権の確立をめざして」という小冊子をつくっておりますけれども、そういう中で、消費者法、消費者庁というものを設けるべきではないかというふうな提案もしております。直ちに消費者庁というのはそういう意味では無理、難しいということであっても、特に消費者の立場に立って、関係業界、関係省庁の調整を図るというようなことも必要ではないかというふうに思います。 その点、法務省として、人権擁護というような見地をだ破産予防というような立場、そして、前回の国会で消費者というものを問題にした製造物責任法の所管委員会でもあったというようなこと、そしてまた、法務大臣が総理大臣を頂点とする消費者保護会議の構成閣僚であるというようなことからも、そういう意味での消費者保護ということに対して積極的に取り組むべき立場にあるのではないかというふうに私は思うのでありますけれども、その点の法務省の御見解をお伺いしたいと思います。
○濱崎政府委員 委員御指摘のとおり、消費者保護という観点からの対応につきましては、各省庁の所管事項ごとにそれぞれ対応しているわけでございまして、法務当局からこれを行政組織的にどういうふうにやるべきかということを申し上げることについては、限度があるということを御理解いただきたいと思うわけでございます。 御案内のとおり、法務省としては、民事面では一般的な民事法というものを所管しているわけでございまして、時代とともに変転する業態ごとに、その業界の取り締まり、指導といったこと、あるいは消費者に対する啓発といったこと、それらにつきましては、それぞれ所管庁において御尽力をされているということでございまして、現段階で法務省としてどういう取り組みをするかということを申し上げることができない状況にございますが、先ほども申しましたように、一つは、倒産法制という面で消費者倒産といった問題は一つの重要な側面であるということで、私どもも取り組んでいかなければならないという認識は持っております。各省庁間のそういった連絡といったことについては、御指摘の点も踏まえて、私どもも十分に心していきたいというふうに考えております。
○永井(哲)委員 例えばクレジットと貸し金という形で見れば、一方では金利というものが規制されておりながら、他方では手数料というものが余り制限されていないというような、統一されるべきものがばらばらであるというようなことがありますので、その点十分にまた法務省としても、調整という観点からも頑張っていただきたいというふうに思います。 その中で、今もおっしゃいましたけれども、破産法という中で、アメリカは先ほど言った消費者信用残高の可処分所得に占める割合というのが、九一年の場合ですと二〇%を切っている、一八・五%だったと思いますが、日本はそれに対して二三・五%という形で非常に大きいわけです。そのアメリカでは、破産の法制がちょっと違うという関係もありますけれども、破産が毎年九十万件である、人口の割合にすると日本で四十五万件ぐらいあってもおかしくない、そういうような状況。そしてまた、最近、免責制度、そういうものに、一部異論といいますかそういうような問題も出ております。通産省のクレジット産業部会の中間報告の中にもそういうようなコメントが一部されているようでありますけれども、このような破産の件数というのは急には下がらないだろう、ひょっとしたらもっと多くなる、そういうような中で、破違法の改正ということについてどの程度お考えになっているか、質問したいと思います。
○濱崎政府委員 実は現在、法制審議会の民事訴訟法部会においては、民事訴訟法の見直しについての審議を行っているわけでございますが、この審議事項を決定する前の段階で、平成二年七月の部会で、次に何をやるべきかということの御議論をいただいたわけであります。その際にも、破産法制を含む倒産法制の見直しということが重要な検討課題である、その一つであるということについては異論がなかったわけでございますけれども、当面最も緊急を要するという課題として、民事訴訟法手続の見直しということに取り組み、現在審議をしているわけでございます。 その際の御議論の中でも、例えば委員御指摘の消費者破産に関しましては、現在の免責制度、これがその目的を誠実な破産者に対する特典と見るのか、あるいは不誠実でない破産者の当然の権利であるというふうに見るのかという、基本的な考え方にもいろいる考え方がございました。あるいはまた、例えば自然人についても、いきなり破産ということでなくて、会社更生手続のような更生的な手続を設けるということはどうかというような御議論もございました。 そういったいろいろな考え方があるわけでございますけれども、そういった問題を含む倒産法制の見直しについては、委員の御指摘を含め各界からの指摘もあるわけでございますので、そういった御意見、実情等を踏まえて適切に対処していかなければならぬ問題だという認識を持っております。
○永井(哲)委員 時間がありませんので、次の問題に移らせていただきます。 嫡出子、非嫡出子の問題でありますけれども、ことしの六月二十三日に東京高裁で決定が出されております。それは、民法九百条四号のただし書き、相続分を非嫡出子は半分にしているということは憲法十四条一項に違反するということであります。この決定についてどのように考えているか、お伺いいたします。
○濱崎政府委員 御指摘のとおり、平成五年六月二十三日の東京高裁の決定といたしまして、非嫡出子の相続分を嫡出子の二分の一としていることは憲法十四条に違反するという決定がなされたことは承知しております。 この問題につきましては、従来から見解が対立しているところでございまして、御指摘の東京高裁の決定のほかに平成三年の三月に同じ東京高裁でこの制度が憲法に違反しないという趣旨の決定がされて、それが現在最高裁判所に係属中であるという事件もあるわけでございます。それは両様の考え方があろうかと思うわけでございますが、法務省といたしましては、民法の御指摘の現在の規定は結局のところ法律上の婚姻、それによって生じた家庭の保護を目的とするものであって、合理性のある、合理性を有する制度である、したがって、そういう区別を設けていることについて一つの合理性がある制度であるから、憲法に違反するということはないというふうに考えているところでございます。 ただ、憲法に違反しないという前提に立ちましても、立法政策としてそういう制度を維持すべきかあるいは平等化すべきかということについては、これはまた別個の問題であるというふうに認識をしております。ただ、この問題は単に理屈の問題ばかりではなくて、国民の価値観、感情というもの、とりわけ婚姻制度についての考え方というものに深く根差したもので、深くかかわる問題であるということと思いますので、そういった世論の動向等を見ながら慎重に検討していかなければならない問題であるというふうに認識している次第であります。
○永井(哲)委員 改正の、立法裁量といいますか必要性ということから考えてみましても、これは憲法に反する、反しないというのはひとまずおいたとしても、昭和二十二年の旧民法を改正する際に、一方ではこの非嫡出子には相続権を与えること自体反対だという見解と、個人の尊厳というところから半分にすること自体が問題である、平等にすべきであるという見解のいわば妥協案として現在の、そのまま踏襲された、そういうこともあって、衆議院のそのときの附帯決議で、可及的速やかにさらに改正する必要があるという附帯決議もされているという事情があります。また、昭和五十四年に法務省自体が「相続に関する民法改正要綱試案」という中でこれ自体平等化を図ろうとした、それが五十五年の民法改正の際には見送られたわけですけれども、その見送られた理由というものについて簡単にお答え願いたいと思います。
○濱崎政府委員 五十五年の改正に先立つ審議におきましては、その途中で発表いたしました中間試案の中で、嫡出子と非嫡出子の相続分を平等にするという改正案が盛り込まれておったわけでございます。それに対して、試案について意見を伺いましたところ、かなり大きな反対意見があったということが一つ。それからその過程の中で、総理府を通じましてこの問題について世論調査をいたしたわけでございますが、それに対する意見としては、反対である、現行制度を維持すべきであるという意見が四八%、賛成であるという意見が一六%、その他はどちらとも言えない、わからないということでございまして、反対意見がかなり圧倒的な割合を占めていたということ、そういった点を考慮いたしまして、その時点では、なおその改正は時期尚早であるという判断が法制審議会においてされたというふうに承知しております。
○永井(哲)委員 そういうような状況ですけれども、それからもう十年以上たっているというようなこと、それから、これから我が国でも子どもの権利条約というものが批准されようとしておりますけれども、その子どもの権利に関する条約のその二条において、出生によって差別してはいけないということが明白に書かれているわけであります。この条約どこの九百条の存在というのが衝突しないかどうかということについて御意見をお伺いしたいというふうに思います。
○濱崎政府委員 これはいわゆる児童権利条約の二条の規定の解釈問題ということに絡むわけでございますが、その二条の第一項におきましては、児童に対して出生等の「地位にかかわらず、いかなる差別もなしにこの条約に定める権利を尊重し、及び確保する。」というふうに規定されておりますが、具体的な各条を見てみますと、児童に対し尊重し確保することを締約国に課している本条に掲げる権利、これには条約全体から見て相続分の取り扱いということは含まれておらないということでございます。 それから二条におきまして、児童が父母等の家族の構成員の地位によるあらゆる形態の差別または処罰から保護されることを確保するための措置をとるという趣旨の規定がございますが、この規定に言うところの父母等の家族の構成員の地位の概念につきましては、これはこの規定の中にそれと並べられて「活動、表明した意見又は信念」というものが並列的に並べられているということからいたしまして、これはそういった活動、表明された意見、信念といったことと並ぶ社会的または政治的地位を指しているというふうに解される、これはこの条文が制定された経緯に照らしても、そのように解されるわけでございます。したがって、父母の身分上の地位に基づく嫡出子と非嫡出子との間の相続分の差異、これはこの同条の2による保護の直接の対象にはならないという条約の解釈でございます。 そういうことで、法務省といたしましては、この民法の相続分に関する規定が本条に直接抵触するものではないというふうに考えておりまして、したがって、批准に伴って当然にこれを改正しなければならないという問題ではないというふうに考えているわけでございます。ただし、先ほども申しましたように、今後の立法政策の問題はまた別個の問題であるというふうに認識しているわけでございます。
○永井(哲)委員 先ほどの東京高裁決定も論及しておりますけれども、憲法十四条の平等というものを図る場合でもいわば三段階にそれなりに区別して図るべきではないか、そういうようなことも言われております。必要不可欠な公益の基準という一番厳しいものと、実質的な合理的関連性の基準という比較的緩やかなもの、そして合理的根拠の基準という一番緩やかなもの、一番緩やかなものは経済的事由に関するものであるけれども、特に出生というようなものについては実質的な合理的関連という比較的厳しい基準で考えなければいけない。そういう中で個人の尊厳を重視する現在の憲法とこの非嫡出子の差別というものが相反するというのが高裁の決定でありまして、これは十分に耳を傾ける必要があるというふうに私は思います。そしてそれが相続分の問題ばかりでなく、戸籍法十三条の戸籍の記載事項という中で、この区別というものが十分に明らかにならないような、本人に不利益のないような形にすべきであるというふうに考えます。その点、今後とも十分に法務省としてもお考えいただきたいというふうに意見を述べまして、私の質問を終わらせていただきます。
○高橋委員長 星野行男君。
○星野委員 さきの山本委員の御質問で、三ケ月大臣に関する御発言がございましたが、私も、思い起こしますと、昭和三十七年司法試験合格組でございます。その際、民事訴訟法は三ケ月章教授の御著書を基本書に勉強させていただきました。個人的に三ケ月先生が法務大臣に御就任されましたことを心から喜んでいる一人でございます。 さて、質問でございますが、私は、外国弁護士問題と法律扶助制度の二点について、お伺いをさせていただきます。 まず、外国弁護士問題についてでございます。 今や国際化は時代の趨勢でございまして、日本の企業も日本人も世界の至るところで活躍をしておりまして、物、金、情報は国境の垣根を越えて駆けめぐっております。このような国際情勢の中で、国際協調は不可欠であります。しかし、またその反面、国家としての存立を保持していくために、守るべきものはきちんと守っていかなければならないこともまた当然のことであります。私は、その一つが司法制度であり、そして、その一翼を担う弁護士制度であると考えます。 ところで、まず、渉外事件について外国人弁護士の能力を活用することも必要であり、昭和六十二年、外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法が制定されたところでございますが、同法施行後、外国法事務弁護士として法務大臣の承認を受けた者の数とその原資格国はどのようになっておりましょうか。また、その活動状況につきまして、わかる範囲で御説明を願います。
○永井(紀)政府委員 ただいま委員がお話しになりましたように、いわゆる外弁法は昭和六十二年四月から施行になっております。それで、これまでの間に承認を受けた方は、全体で百五十人いらっしゃいます。百五十人承認を受けておられますが、二、三年でまた外国へ戻られる方がありまして、現在の登録者数は八十四名でございます。十月二十七日付で八十四名いらっしやいまして、原資格国と言われます、要するに外国の本籍地といいますかそれを見ますと、アメリカ合衆国が五十八人、それから連合王国、イギリスが二十二人、それからフランス、ドイツ、オーストラリア及びオランダがそれぞれ一人ということで、合計八十四名でございます。地域的にはほとんどが東京にいらっしゃいまして、東京が八十二名、大阪に一人、名古屋に一人、こういう状況でございます。 活動状況といいますか現在の仕事は、外弁法によって一応の規制を受けておりまして、原資格国法、いわばそこで弁護士資格を取った国の法律、及びほかの国でもそれだけの能力があると法務大臣が認定した指定法というのがございますが、それを受けておられる方もございまして、こういったことに関する法律事務を扱っているわけでございます。ただし、御承知のとおり、国内の裁判所、検察庁その他の官公署における手続の代理等の事務はできないことになっております。 以上でございます。
○星野委員 この外国弁護士問題につきましては、例えば、外国法事務弁護士の資格要件の問題とか、あるいはローファームの名称使用の問題とかいろいろとございますが、外国弁護士問題における基本的な問題は、この外国人の弁護士と日本の弁護士との共同経営や、あるいは外国人弁護士が日本の弁護士を雇用するかどうかという雇用の問題等々であろうと思います。この点につきまして、米国の各州やECの主要国ではどのような態度をとっておりましょうか、お聞かせ願います。
○永井(紀)政府委員 現在、我が国におきましては、外弁法四十九条によりまして、「外国法事務弁護士は、弁護士を雇用してはならない。」すなわち外国の弁護士が日本の弁護士を雇ってはいけないということになっております。 それから、同じ四十九条の第二項で、外国法事務弁護士は、組合契約その他の契約により、特定の弁護士と法律事務を行うことを目的とする共同の事業を営んではいけない、あるいはこういう契約に基づきまして、日本の弁護士が法律事務を行って得る報酬その他の収益の分配を受けてはならない、こういう規制があります。すなわち、雇用もいけない、共同事業もいけない、こういう規定になっております。 それが委員仰せの、いろいろ外国からも、もう少し共同事業を認めてもいいのではないか、雇用を認めてもらえないかという要求になってきておるわけでございます。 そこで、米国各州やEC諸国の雇用、共同経営に関してどういう態度かということを、それぞれ国の事情が違いますのでこれを要約するのは非常に難しゅうございます。ただ、概要で申しますと、例えば外国弁護士による地元の弁護士の雇用ができるかどうかというところでは、大ざっぱに言いますと、認めている国は、アメリカではニューヨーク州、カリフォルニア州、ワシントンDCでございます。ところが、他の十三ぐらいの州は、外国人弁護士というものを認めているのですが、どうも雇用ができるかどうかはっきりいたしておりません。多分相当制限的ではないかと思われます。それから、認めている国では、ヨーロッパではオランダ、ドイツがほぼ認めていると言われます。それから、禁止国がありまして、ベルギーとかカナダ、オーストラリア等は禁止をしております。 それからイギリスは、ソリシターを例えば日本の弁護士が雇うことはできることになっていますが、イギリスのソリシターを雇った場合には、そのイギリスのソリシターはソリシターとしての仕事はできない、要するにいわば補助職的にしかできない。そういう意味では、原則的には雇用できるといっても実際にはできないようなことになっております。また、フランスなどは特別な制度がありまして、実はいわば雇用、共同経営の問題が生じないような体制になっておりまして、これはまたぢょっと細かく説明を後で申し上げますが、この点は、フランスはそういう問題が今ございません。 それから、外国弁護士と地元弁護士との共同経営でございますが、認めている国はやはりアメリカのニューヨーク州、カリフォルニア州、ワシントンDCでございます。他の州はまだわかりません。それからイギリスは、ソリシターについては共同経営が認められております。それから、ベルギー、オランダがやはり認められております。それからオーストラリアでは、ニューサウスウェールズ州のみが認められております。 ただ、共同経営につきましては、ドイツにおきましても連邦弁護士法の改正作業が進んでおりまして、いずれ共同経営は認められる方向にある。それからカナダなども、カナダの弁護士連合会が可能とする制度を設ける方向で今議論をしている。あるいはオーストラリアにおきましても、ニューサウスウェールズ州以外の州についてもできるだけ受け入れが可能になりかつ共同経営ができるようにしてはどうかという状況でございます。 それで、これを要約いたしますと、世界的に見ますと雇用、共同経営を禁止している国や州あるいは制限している国は少なくありません。ただ、少なくとも共同経営につきましては次第に緩和していく方向に現在ある、こういう状況かと思います。
○星野委員 ただいまの御答弁でよくわかりました。 さて、ガット・ウルグアイ・ラウンドのサービス分野でこの弁護士開放が問題にされ、交渉が行われてきたはずでございますが、この交渉期限も目前に迫ってきているわけであります。交渉の経過と見通しについて、外務省の方から御説明を願います。
○美根説明員 ガット・ウルグアイ・ラウンドのサービス分野における交渉におきましては、我が国は、外国弁護士問題につきましてアメリカ、ECなどより一層の自由化を求められておるわけでございます。 我が国の外国弁護士に関する特別措置法につきましては、これは相互主義を基本原則の一つとしておりますので、我が国といたしましては、外国弁護士が我が国において自由に活動を行えるというそういう約束を行う立場にはないわけでございます。しかしながら、日弁連におきましても、この相互主義について改正をするという検討がなされていると承知いたしております。この改正が行われた場合には、外国弁護士の我が国における活動の自由化について一定の約束を行うということが可能になると思います。 この報告書でございますけれども、この問題につきまして法務省及び日弁連等関係の方面で約一年間の御検討をなされた結果のようでございますが、これが報告書が提出されたということだと承知しております。 〔委員長退席、笹川委員長代理着席〕
○星野委員 今お話しのとおり、法務省と日弁連で昨年九月、外国弁護士問題研究会を設置いたしまして、この問題について精力的に調査研究、検討を行い、最近報告書が提出されたわけでございますが、その概要について法務省の方から御説明を願います。
○永井(紀)政府委員 要点のみ御説明いたします。 やはり一番問題になりましたのは、共同事業といいますか、いわゆる共同経営と言われるものでございますが、この研究会の報告書におきましては、現在の、先ほども述べました外弁法四十九条の二項を改正して、外国法事務弁護士と我が国の弁護士が共同事業を営むことができるものとし、「共同事業の方式としては、多様な形態を選択することができるような新しい制度を設けることを提言する。」としております。 ただ、この場合に若干の条件がついておりまして、「外国法事務弁護士が弁護士の日本法に関する法律事務の処理に介入することを防止」するため、「日弁連による監督を維持し、弁護士の職務の独立性を確保する方策を講ずる必要がある。」こういうふうになっております。 次の大きな問題点は雇用でございますが、雇用につきましては、現在の四十九条一項を維持し、引き続き外国法事務弁護士が単独で弁護士を雇用することは禁止するのが相当である。すなわち、外国法事務弁護士のみで日本の弁護士を雇用することは禁止する、これは維持しなさい。しかし、弁護士と外国法事務弁護士との共同事務所においては、日本の弁護士を雇用することが認められるように制度を改正することを提言するとなっております。 それからもう一つ、外国法事務弁護士となる資格の承認の要件でございます五年の職務経験を緩和することを提言しております。すなわち現在、外弁法十条では、原資格国で五年以上弁護士としての職務を行った経験がある者というような制限がございます。これについては、「我が国におけるトレーニーとしての実務経験期間を、一定限度で職務経験期間として算入することによって、職務経験要件を緩和するように制度を改正することを提言する。」となっております。 それからもう一点だけ申し上げますと、ローファーム名称の使用についてでございます。 現在外国法事務弁護士は多くの人がアメリカ等の大きな法律事務所、いわゆるローファームから派遣されてきている場合が事実上あります。この場合、現在の外弁法によりますと、法律事務所の名前としては自分の名前を必ず使いなさいということを言っているわけです。ただし、ローファームの名称を付加してよろしいということになっておりますが、ローファーム名称を直接事務所名として使用することはできないかということの要望がかねてからあったのですが、これを直接使用できるよう規制を緩和することを提言する、そういうふうに言っております。 そのほか、国際商事仲裁代理の問題もございますが、これはなお「一層の自由化に向けて制度を改正する方向で、今後速やかに関係各機関との連携の下に鋭意検討を進めていくことを提言する。」このようになっております。 以上でございます。
○星野委員 報告書の内容を御説明願いましたが、資格要件の緩和とかあるいはローファームの名称を付加するということは、これは私も特段問題はなかろうと思います。 問題は、この共同経営を認め、共同の中で――弁護士会の監督によって日本法への介入を阻止をする、こういうことでございますが、ただ、そこで私が心配するのは、私も弁護士事務所を十年ほど経営をやったことがございますが、やはり経営でございまして、収入がなければ経営ができない。そういうことは説明の要もないわけでありますが、そういうことから、この共同経営を認め、経営でございますからできるだけ事件が欲しい、そういう中で日本法事件への外国法事務弁護士の影響力が行使されるというようなことが全くないことはないのではないかという気がしないでもありません。あるいはまた、共同事務所が日本人の弁護士を雇用するということを認めよう、こういうことでございますが、そうなりますと、なおさらそういう影響が心配されるわけであります。 そういうことについて法務省は、要するに、外国法事務弁護士が結果的に国内法事件に介入する余地は、こういうことを認めても全く心配ない、こう言い切れるのかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○永井(紀)政府委員 ただいまの御質問は、外国法事務弁護士と日本の弁護士との共同事業を認めたりあるいは共同事務所において日本の弁護士を雇用することを認めたりすると、要するに外国法事務弁護士が国内事件、すなわち純粋に日本法のみに関する法律事務の処理に介入する可能性がないかどうかということでございますが、これは介入する可能性が全くないとは言い切れないと思います。 したがいまして、共同事業を認めるという制度改正を行うに当たりましては、日弁連による監督の維持と弁護士の職務の独立性の確保ということを基本に据えまして、外国法事務弁護士が日本の弁護士の日本法に関する法律事務の処理に介入することを防止しなければならないと考えております。そういった観点から、日弁連でも、どういう方策が一番いいかということを今検討中だと伺っております。もっとも現在外国法事務弁護士として活動していらっしゃる方々は、純粋に日本法の事件について自分たちが介入するというそういう気持ちは全くない、そういうことを述べておられます。 それから、なお、共同事業を認めるなどの制度改正を行いますと、結果的に濫訴を助長するのではないかとかいろいろなそういう御懸念もあります。確かに外国の巨大ローファームによります日本の渉外事務所の席巻といいますか、こういったことも外弁研でいろいろ議論されました。非常に弁護士制度等に精通しておられます学者や実務家、弁護士からこの点について意見をいろいろ聞きました。このような弊害も全く可能性を否定することはできないけれども、将来の事柄という事の性質上、その発生を具体的に予測することは困難であるという結論に達しております。 なお、現実には、我が国のいわゆる渉外事務所におきましては、訴訟事件を取り扱うことは比較的少ないと言われておりまして、弁護士と外国法事務弁護士とが共同事業を行いましても、そのために訴訟事件が目に見えて増加したりあるいは濫訴の風潮が起きるとは言えないのではないかという意見が有力でございました。 以上でございます。
○星野委員 今法務省からお考え方をお聞きしたわけでございますが、最高裁判所の方からもこの点について一言お話を伺っておきたいと思います。 現在でも裁判遅延が言われておりまして、なかなか努力されても一件の処理をするのにかなりの期間がかかるという状況でございます。また、現場の裁判官は一人で百件からの事件を抱えて、もう土曜、日曜も宅調で書類を抱えてあっぶあっぷしている、こういう話も聞くわけであります。そういう状況の中で、今のような外国法事務弁護士と日本の弁護士との共同経営を認めるとかあるいはさらにその共同事務所で日本の弁護士を雇うというようなことが認められて、かなりアメリカ型の訴訟形態になって、まあそこは防ぐということでありますけれども、そういうことで訴えが多くなってくるということも予測されるわけでございます。 そういう状況を踏まえる中で、今裁判所の方では、現行の体制でそういう状況に対応できるのかどうか、どんなふうに考えておられるか、お聞かせください。
○上田最高裁判所長官代理者 委員御承知のとおり、裁判所の使命と申しますか役割は、裁判所に提起されます各種の事件を適正かつ迅速に解決するというところにあるわけでございます。そのためには裁判所の職員、とりわけ裁判官の充実ということが必要であろうかと考えております。提言いたしますと、質の高い裁判官を一人でも多く確保していくこと、それによって紛争を迅速適正に解決していくこと、それが必要であろうかと考えております。 そういった観点から、私どもこれまで当委員会のお手を煩わせまして毎年定員法の審議をやっていただきまして、ちなみに、最近二十年間で百六十四人の裁判官の増員を認めていただいたところでございます。今後も、裁判所にはいろいろな事件が提起されようかと思いますが、それに対しまして裁判所の使命ないし役割を十分果たしていくために増員に努めていきたい、このように考えております。
○星野委員 ただいま外国弁護士問題についてるるお伺いをさせていただいたところでございますが、世界の趨勢あるいは国際化の流れ、そういう中で日本の司法制度を守りあるいは弁護士制度の健全性を維持していくというようなことにつきまして、法務大臣の御見解を一言伺っておきたいと思います。
○三ケ月国務大臣 まことに司法制度の根幹に触れます大きな問題でございます。 弁護士は司法制度の存立及び維持に不可欠な担い手でございます。裁判官が不可欠であるのも言うまでもございませんが、それと車の両輪のような形で不可欠な任務を持つものでございまして、これは御案内のように、弁護士法の第一条にありますように、「基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とする。」と書かれてありますように、一面で非常に公共的な役割が強調されるわけでございます。しかしながら、国際的に見ますと、そういうふうな見方と並びまして、むしろ制度の利用者である依頼者のために専門的なサービスを提供して、そして依頼者の利益の実現に資するという、いわばサービス業という面から弁護士制度を眺める見方もございます。 そういうふうな二つの見方がまさにがっちりとぶつかり合いまして、どういうふうにバランスをとっていくかというところに、これから国際化時代の弁護士の大きな課題があると同時に、先ほど来非常に専門的な御質問もいただきました外国法事務弁護士の問題などは、まさにそれの象徴的なあらわれであると私は理解しておるわけでございます。 今後の日本の行き方といたしましては、私などは、やはり先ほど申しました日本の伝統的な、何といいますか、公共的な役割、基本的人権擁護、社会正義の実現という、そういうふうな側面と、それから、やはり諸外国の方にもある程度は通用いたしますような専門的な、法律的なサービスというものを提供しながら国際社会における紛争の解決の円滑化を図っていく、こういうふうなことを調和させていくということが時代の要請ではなかろうか、そういうふうに考えておるわけでございます。 今後とも司法制度、弁護士制度を改善していかなければならない。やはり政治改革、行政改革、それから経済改革の次に控えておりますのは、こういうふうな問題での改革というふうなことも、やがて今後の日本は立ち向かっていかなければならないのではないだろうかというふうに考えておるわけであります。 そういう面から、特に、非常に人数が多く、先ほど訴訟社会の弊害が多いと申し上げましたアメリカなどというものと取り組んでまいりますということになりますと、我が国の弁護士制度は、欧米諸国と比較いたしますと弁護士人口がやはり少ない。先ほど御指摘のように、裁判官ももう少しふやしていかなければならないと同じような意味におきまして、やはりこういうふうなものも少しずっふやしていかなければならない、そういうふうなことを考えておりまして、公共的役割及び利用者のニーズの双方に十分にこたえるようにするには、やはり制度の基盤を整備する必要があると考えておりますけれども、これはやはりそう短兵急に考えるよりも、十分に弁護士会の皆様ともお話し合いをしながら、そうして、むしろ法曹一元というものをそういうプロセスの中を通じて実現していくことが大事なのではないかと法務大臣としては考えておるということを申し上げさせていただきます。
○星野委員 ありがとうございました。 この問題、これで終わりますけれども、日本の弁護士資格のない外国人弁護士が日本法に介入することのないような歯どめだけはやはりしっかり考えておく必要があろうか、そのようにお願い申し上げておきます。 次に、法律扶助制度についてお伺いをいたします。 憲法第三十二条は、「何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。」と定めておりますが、資力が乏しいために泣き寝入りをしている人も少なくございません。この憲法の規定と現実との落差を埋めるのが法律扶助制度でございます。 法務省は、年々、国庫補助金の増額に努力されておられますが、欧米諸国や隣の韓国に比べますと、その額は極めて少額であります。また、平成四年度実績を見ますと、法律扶助申し込みが一万六千百二十九件あったのに対しまして、扶助決定は五千三百三十六件でございまして、三分の一ということであります。資金面の制約から十分な対応ができていないことがうかがわれるところでございます。 法律扶助制度の現状につきまして、どのような御認識をお持ちか、お伺いをいたします。
○筧政府委員 ただいま委員が御指摘のように、資力が乏しいということのために裁判上の権利の行使ができず、泣き寝入りをするというようなことはあってはならないことであると考えております。 法務省といたしましては、法律扶助に対する国民の需要にこたえるために、財政当局の御理解を得ながら補助金の増額に努めてきたところでございまして、これにより、扶助件数もかなり増加してきたところでございます。例えば、法務省が補助金を交付いたしました昭和三十三年という年間を見ますと、扶助件数は二百五十六件でございましたけれども、平成四年度におきましては、五千三百三十六件というような状態になっておるわけでございます。 ただいま委員から扶助申込件数と扶助件数に差があるという御指摘を受けましたわけでございますが、これは扶助をいたすためには勝訴の見込みあるいは一定の資力についての要件を必要とするわけでございますが、そのことを御説明申し上げた結果、申請者がみずから申請を取り下げたというものがこの中にかなり含まれておる。また、要件審査の結果、扶助が認められなかったというごとによるものも、これまたかなりあるということを御説明させていただきたいと思っております。 ただ、法律扶助に対する国民の需要というものは大変強いものがあるということを承知しておりますので、法務省といたしましては、今後ともこの制度の充実、安定に務めてまいりたいと考えております。
○星野委員 次に、英国では資力基準にさえ合致しておれば、国籍や出身地、居住地にかかわりなく扶助申請ができることになっておるわけであります。日本も国際国家として、外国人も法律扶助対象にすることを検討すべきであると考えますが、いかがでございましょうか。
○筧政府委員 国から法律扶助協会に補助金を交付いたしますときには、交付要領というのを定めておるわけでございますが、その対象を「資力に乏しい国民」というようにしておるわけでございます。 ただ、これを実際に運用しております法律扶助協会の実際の運用におきましては、外国人であっても事件が終結して立てかえ金の償還が完了するまで日本に居住する見込みがある者につきましては、日本国民と同様の取り扱いをして扶助の対象としているわけでございまして、実際上は外国人においても日本人と同じように扶助事業の対象となっておるというように承知しております。
○星野委員 わかりましたが、ただ、扶助協会の運用だけではなくて、やはり国庫補助対象にそういうものも加算していくべきではないか、そう思うのでございますが、ご検討をお願いいたします。 次に、刑事被疑者の弁護活動についてでございますが、弁護士会が当番弁護士制度を設けましてこれに積極的に取り組んでおり、これは冤罪を防止するなど人権擁護の面から極めて有意義なことであると考えております。この刑事被疑者弁護問題を国選弁護制度に組み込むか、あるいはまた法律扶助の補助対象にするか、いずれにしても明確な位置づけが必要であると考えますが、御見解をお伺いいたします。
○筧政府委員 刑事被疑者弁護に関します国庫補助という問題は、大変難しい問題のようでございます。ただ、私ども法務省が従前やってまいりました法律扶助事業に対する国庫補助と申しますのは、これは昭和三十三年以来引き続いてやっておることでございますが、民事事件に対して、経済的な理由で裁判を受けられない人たちに対して裁判を受ける権利を実質的に保障するという考え方のもとに、その制度の安定、充実に努めてまいったわけでございます。したがいまして、終始、終始といいますか、今までの私どものやっております法律扶助事業というのは、民事裁判に関しまして扶助を行うということを前提として、その制度の安定、拡張に努めてまいったわけでございます。そして、この状態は、現在においても民事扶助事業についての充実の要望というのが極めて強いという状況になっておりまして、私どもといたしましては、まず民事法律扶助事業の充実、拡大ということに対しまして全力を尽くしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○星野委員 実は、日弁連で国会議員に対してアンケート調査をやった資料がございますが、当番弁護士制度について回答した国会議員の中で、有効な制度であると考えるという方が六〇%、さらに充実させるべきであると考えた国会議員が二九%、合計いたしますと八九%、九〇%近い方々が当番弁護士制度を充実させるべきである、非常にいいことであると考えていらっしゃる、こういうアンケート調査の結果がございます。 今のお話はわかりますけれども、結局それは財源問題に絡んでくるわけでございますが、先ほど申し上げたように、過去の事件処理の中で、自白強要とかいろいろと問題が提起をされ、結果的に無罪になりましたけれども、その本人は一生を台なしにした、こういうことも幾つか既に事例があるわけでございます。そういうことを考えてみますと、冤罪の防止ということは人権擁護の面から非常に重要なことであり、それは被疑者段階から弁護士がつくことによってある程度防ぐことができるのではないか、そう考えるわけであります。そういたしますと、この当番弁護士制度、刑事被疑者弁護制度というものは、はっきりとした制度的な位置づけを与えて充実させる必要があろうか、そう私は考えます。今後、御検討をよろしくお願いを申し上げる次第であります。 さで、平成三年度は、今お話しのとおり、民事法律扶助費だけでその支出総額が八億八千七百万円に上っておりまして、国庫補助金一億二千七百万円に償還金六億二百万円を加えましても一億六千万円の不足を生じており、法律扶助事業は財政面で破綻に瀕しているわけでございます。しかも、さきに述べましたとおり、これから取り組まなければならない幾つかの問題を抱えており、さらに将来、製造物責任法が制定された場合、法律扶助の需要は一層増大するのではないか、そう考えます。 また、アメリカやイギリス、ドイツなどの欧米先進国だけでなく、隣の韓国におきましても法律扶助制度を法制化しております。また、本院の当法務委員会におきましても、去る六月二日、全会一致をもちまして、法律扶助に関する申し合わせを行っているところでございます。 日本も主要先進国のむしろリーダーの一員といたしまして、法律扶助制度の法制化とその抜本的な改善、充実を図ることにより人権基盤を確立することが急務であろうと考えますけれども、この点につきまして、法務大臣の御見解を伺いまして終わりとしたいと思います。
○三ケ月国務大臣 この法律扶助制度というものは、時代の進展とともにますます重要性を帯びてまいりますし、それの世界的な傾向というものも非常に広げる方向に進んでまいっておるということは御承知のとおりでございます。 翻って考えてみますと、まさにこの制度は、資力のない者が自己の権利を守るに当たって不利益を受けることのないようにすることを目的とするものでありまして、裁判を受ける権利を保障している憲法三十二条の趣旨から申しましても、その実質を保障するという意味におきましても、まことに重要な制度であると私も認識いたしております。 現在、法務省、日弁連、法律扶助協会とで、我が国の法律扶助制度の運用上の問題点、法律扶助の需要状況、諸外国の法律扶助制度の概要等についていろいろ勉強を行っているところでございます。 また、民事訴訟法の改正に私も携わったわけでございますが、その中でも、やはり手続の改正と並んで車の両輪のような形で、国民の裁判へのアクセスの一つの手段として法律扶助制度というものを忘れてはなるまいという議論がしょっちゅう出てまいっておるわけでございまして、法律扶助制度の充実発展策はぜひとも考えてまいらなければならず、ただ、そのためには、いろいろな日本特有の事情もあり、諸外国と違っているところもございますので、十分な検討を行う必要があるということも確かでございます。 御指摘のございましたように、私は就任いたしましてから勉強いたしまして、ことしの、私の前任者の後藤田大臣のときに、この委員会におきまして法律扶助の拡充についての進言をいただきまして、大臣も、誠意をもってそれに対応するというふうなことを約束されたということを記録で拝見しております。その実現といたしまして、平成六年度予算でその経費を要求しておるわけでございます。そして、ちょうど外弁法の問題の検討の場合に非常にいい成果が見られましたような成果が、将来法律扶助制度について、こういう研究会を通じまして、この委員会で御報告できるような成果が上がりますようにというふうなことを私としても念じておるところでございます。
○星野委員 ありがとうございました。 この法律扶助制度は、日本の場合は予算措置で行っているわけでございますが、やはり法制化してきちっと位置づけて、充実発展を図っていくということが必要かと存じます。大臣から、そういう面でひとつ御努力をよろしくお願いを申し上げます。 以上です。終わります。
○笹川委員長代理 これにて星野行男君の質疑は終了しました。 富田茂之君。
○富田委員 公明党の富田茂之でございます。今回初当選で新人でございますが、一生懸命やってまいりますので、どうかよろしくお願いいたします。 星野委員が司法修習中大臣の書物を勉強されたと申しておりましたが、私のときには新堂さんという新しい先生が出ておりまして、大臣の見解と対立する見解で勉強してきたものでございます。どうかよろしくお願いいたします。 私も、星野委員と同じように、まず法律扶助の問題に関してお尋ねしたいと思います。 先ほど大臣から、今回の予算要求におきまして、法律扶助に関し予算措置を講じたというお話がございました。平成六年度の法務省の予算要求の中に、法律扶助制度研究会の調査費用として二千三百万円が計上されております。大臣はこのことを指されたと思いますが、これは、先ほども星野委員の方から御指摘がございましたように、六月二日の当委員会理事会の申し合わせの趣旨を十分にお酌み取りいただいたもので、国民に目を向けた生活者優先の政治の実現を目指す細川内閣の姿勢が大変よくあらわれていると思います。先般、日本弁護士連合会執行部と懇談する機会がございましたが、日弁連の執行部の皆様もこの点を高く評価されておりました。この席をおかりしてお伝えさせていただきます。その意味からも、何としてもこの予算要求額二千三百万円の満額確保に御努力いただきたいと思います。 さて、この予算要求に掲げられました法律扶助制度研究会ですが、具体的にはどのような調査研究を予定されているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○筧政府委員 先ほど大臣が星野委員の御質問に対してお答えいたしましたように、従前から法務省、日本弁護士連合会、法律扶助協会の担当者による勉強会というのを続けてまいったわけでございますが、さきの法務委員会の理事会の申し合わせを受けまして、法務省としてはさらにこの問題について本格的な検討、研究をするということを計画しておるわけでございます。この研究会におきましては、我が国の司法の現状及び近い将来想定される司法の状況を踏まえつつ、これにふさわしい法律扶助制度のあり方について調査研究するとともに、制度論も含めた抜本的な検討を行いたい、このように考えております。
○富田委員 制度論を含めた抜本的な研究を行いたいという御回答でしたが、それは法律扶助に関する基本法の制定をもにらんだ検討をしていくという御趣旨でしょうか、お答えください。
○筧政府委員 立法の問題も含めた制度論ということでございます。
○富田委員 平成六年度の法務省の予算要求には、ただいまの法律扶助制度研究会のほかに、扶助費補助金が平成五年度より二千万増額され二億二百万、また平成五年度から開始されました法律相談補助が倍増され二千万とされておりますが、平成七年度以降これらの補助金についてさらなる増額を予定されているのでありましょうか、また予定されているとしたらどのような計画なのか、お聞かせ願いたいと思います。 〔笹川委員長代理退席、委員長着席〕
○筧政府委員 この法律扶助の補助金につきましては、法務省といたしましても、最も重要な問題として従前から取り組んでおります。特に昭和六十三年度以降におきまして、六十三年度ベースにして平成元年から五カ年間で倍増をするという計画を立てまして、その五カ年計画を四カ年間で達成するということをいたしたわけでございます。さらに、平成五年度から毎年ほぼ二千万ずつ三カ年間にわたって補助金を増額するということを計画しておりまして、ただいま要求しておりますのは、その一環として要求しておるわけでございます。 ただ、もう一つのお話の法律相談事業に関しましては、昨年度初めて九百八十万円の補助金を交付したところでございまして、さらに来年度の予算要求におきまして九百八十万円増額するという要求をしておるわけでございますが、それをさらにその後拡大するかどうかにつきましては、法律扶助事業に関します実績等も十分検討した上でその方針を決定したい、このように考えております。
○富田委員 ただいま法律相談補助に関しまして、実績を検討した上でというお答えでしたが、この点に関しては、平成五年度は法律扶助協会東京支部並びに大阪支部に対して実施され、六年度は兵庫県支部、愛知県支部が予定されておるようであります。このような補助の対象はどのように決定されているのでしょうか。二つずつ増加していくというような五年度、六年度の実績を見ますと、法律扶助協会側としては、次は自分のところにやってくれるんじゃないかというふうに当然期待すると思うのですが、そのあたりはどのようにお考えなんでしょうか。
○筧政府委員 この法律相談に関しまして、要求の段階で支部といいますか、場所を特定をして要求しておりますのは、法律扶助協会の御意見をお聞きいたしまして、この法律相談についての需要が比較的多いと思われるところを選んで順次その補助金を交付するということにいたしておるわけでございます。
○富田委員 ありがとうございました。 続きまして、星野委員からもお尋ねがございましたが、被疑者国選弁護制度について何点がお尋ねをしたいと思います。 現在、起訴後の被告人につきましては、裁判所を運営主体とする国選弁護制度が整備されており、弁護人の弁護を受ける権利が保障されておりますが、逮捕、勾留という捜査段階における被疑者にはこのような制度が全くございません。犯罪を犯したとの嫌疑を受け、逮捕、勾留された被疑者にとりましては、これまで経験したことのない身柄拘束を受け、家族らとの連絡もなかなかとれない、そういう中で、刑事手続はもちろんのこと、自分がこの後どうなっていくのか、それさえわからないといったような状況が続くのであります。刑事司法手続上、弁護人の適切なアドバイスが最も必要なのは、この捜査段階だと言っても過言ではありません。資力が乏しくみずから弁護士を依頼できない、あるいは弁護を依頼できる弁護士を知らないという人々に、被疑者段階においても弁護士へのアクセスのために効率的な手続と適切な応答をなす機構制度、すなわち被疑者国選弁護制度が必要不可欠と思いますが、この点につきまして、法務大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
○三ケ月国務大臣 被疑者段階におきましても、被疑者は起訴前でありましても、弁護人の弁護を受ける権利は持っております。
○富田委員 被疑者段階でも弁護人の弁護を受ける権利を持っているというお答えですが、実質的に貧困な者にとっては弁護士を依頼するということがなかなか困難な状況にございます。そういう場合にこそ、国が責務を果たして被疑者国選弁護制度の創設に向けて何らかの努力をしていくべきだと思いますが、その点は大臣はどのようにお考えでしょうか。
○三ケ月国務大臣 御指摘のことでございますが、被疑者に対して国選の弁護人を付する制度を設けるべきである、こういう御意見があることは承知いたしております。被疑者段階での国選弁護人制度を設けることにつきましては、迅速な真実の究明と被疑者の権利保障との調和を保つという点から、刑事手続全体の構造との関連に誓いて慎重な検討を要する問題であると考えております。
○富田委員 わかりました。ありがとうございます。 被疑者に対する国選弁護人制度が存在しないという欠陥を補うために、現在全国五十二の単位弁護士会では、先ほども星野委員の方から御指摘がございましたように、当番弁護士制度が実施されております。当番弁護士制度というのは、御案内のように、被疑者の弁護人になろうとする弁護士についてあらかじめ当番日を決めて、当番弁護士は、被疑者から弁護士の援助を求められたときは直ちに行動を起こすことができるよう待機する制度でございます。私の所属しております千葉県弁護士会でも平成四年四月一日から実施されるようになりまして、私も議員にならせていただく前に三回ほど当番弁護士の担当をさせていただきました。 この制度は、当番弁護士は二十四時間以内か遅くとも四十八時間以内に被疑者と面会して、被疑者に対して自己を防御するために必要な助言をし、相談に応ずるものであります。この段階までは基本的に無償で行っております。被疑者と面会した弁護士が弁護人選任の申し出を受けたときは原則として受任する義務があり、もし貧困その他の理由によりみずからの資力で弁護人を選任できないときは、財団法人法律扶助協会の援助を求める手続をして弁護人を選任できるようにしております。千葉県の例でございますが、この財団法人法律扶助協会の援助を求めた手続で弁護人が選任されますと、弁護士に支払われる報酬というのは着手金、報酬を合わせて十万円でございます。現行の国選弁護制度と比較しましてもかなり低額という感は免れないと思います。 日弁連の方からいただきました当番弁護士制度運用状況集計表という表がございますが、これは本年の一月から六月までの間の全国集計をしたものですけれども、これによりますと、当番弁護士制度を利用した被疑者の件数、すなわち弁護士会の方から見ますと受け付け事件数ということでございますが、これはトータルで四千四百八十一件、このうち当番弁護士が受任して弁護人となったのが千六百八十七件、パーセンテージにしますと四一・五九%になります。さらに、この受任事件数のうち財団法人法律扶助協会が援助した件数が五百三十八件、一三・二六%となっております。平成二年度以降各地の単位弁護士会で当番弁護士制度が順次実施されてまいりましたが、全国の単位弁護士会で当番弁護士制度が実施されるようになったのは昨年の十月一日であったことを考えますと、受け付け事件数、援助件数等かなりの数字であると思います。 との点について、法務省は各単位弁護士会の行っている当番弁護士制度について、その運用状況をどの程度把握されているのか、また運用状況についてどのように評価されているのかお聞かせいただきたいと思います。
○濱政府委員 今委員御指摘になられましたように、当番弁護士制度は昨年十月一日に全国五十二弁護士会で発足したものであるということを承知しております。 それで、日弁連から提供を受けました資料等によって当番弁護士制度の運用の実情について私どもの現在把握している内容をちょっと申し上げますと、本年六月一日現在で実施弁護士全数がもちろん五十二会でございますが、当番弁護士への登録率というものが三七%、形態につきましては、待機制をとっている弁護士会が二十七会、名簿制をとっている弁護士会が二十五会というふうに承知しているわけでございます。 この制度につきましては、弁護士を派遣することができない地域が存在するということも聞いておりますし、また、被疑者の依頼があった場合に当番弁護士が事件を受任する義務を負うかという点につきましても各弁護士会で対応が異なっているということなど、必ずしも全国で統一的な運用が行われているとは思われない状況にあると承知しているわけでございます。 今後も、委員も御案内と思いますけれども、日弁連との間で開催しておりますところの実務協議会を通じまして、各地の実情をさらに正確に把握していきたいというふうに考えているところでございます。
○富田委員 ありがとうございます。 現行の当番弁護士制度は、基本的には弁護士のボランティア活動により支えられております。つまり、当番弁護士の活動は、弁護士会により無償の場合もあり、有償の場合でもその財源は弁護士会の乏しい財産か、あるいは弁護士の寄附であります。貧困者などに対する法律扶助による被疑者弁護人の援助の主要財源は、一般人からの寄附であります。したがって、その資金規模は極めて貧弱であり、弁護士会の改善努力といっても限界があります。この点をぜひとも考慮いただきまして、協議会等の場で、法律扶助制度研究会の調査研究課題に被疑者国選弁護制度も視野に入れた検討を行っていただきたいと希望して、この点に関する質問を終わらせていただきます。 続きまして、製造物責任法案について若干お尋ねいたします。 消費者重視を掲げる細川内閣は、いわゆる製造物責任法の制定について積極的であるとマスコミの方で報道されております。過日も、久保田経済企画庁長官も記者会見で、早期の法制化への期待を表明されております。三ケ月法務大臣は製造物責任法の制定についてはどのようにお考えか、その御所見をお伺いしたいと思います。
○三ケ月国務大臣 製造物責任制度につきましては、現在、昨日でございましたか、法制審議会において民事法上の問題点について審議を開始いたしました。そして他方で政府部内の各種の審議会においても検討が行われていることは御承知のとおりでございます。したがいまして、細川内閣ではということではございませんですが、こういう全般の動きというものを考えまして、やはり製造物責任制度を立法化するというふうな問題が出てまいるわけでございますが、立法化する場合には、法務省としてどういう態度で立法作業に取り組むべきかということが問題となるわけでございます。 その場合に、既によその審議会でいろいろと審議が進んでいるところでもございますし、そういうふうなこととの関連におきまして、民事責任原則というふうなものの改正、これが法務省の基本法との関連で一番大きな問題でございますので、そこのところを対象とする立法として速やかに制定するのか、それとも他の各種審議会で検討されておりますところの製品の安全対策とか原因究明機関とか裁判外紛争解決処理機関等の行政的な施策を含めた、より大きな包括的な立法形式にするか、そういう問題につきましては、今後関係省庁と協議して検討する必要があると考えております。 私といたしましては、やはり法務省としても前向きに対応するということが、法制審議会に諮ったということの中にあらわれていると理解いたしております。
○富田委員 ありがとうございます。ぜひとも前向きに対応していただきたいと思います。 ただ、今大臣の御答弁の中にありましたように、民事責任原則の改正という形で対応していくのか、それとも他の省庁等でもいろいろ検討されております包括的な立法という方向でいくのか、この点について、現段階においてで結構ですので、法務省としてはどちらの方向にいきたいか、お伺いしたいと思います。
○濱崎政府委員 いずれにいたしましても、仮に立法化されるということになりますと民事責任原則の規定を導入するということになるのであろうというふうに考えております。そういう問題意識は法務省としてもかねがね持っておったところでございまして、したがって、内部的にはいろいろ各審議会で審議がされている状況を踏まえて法務省としても検討してまいったところでございますが、委員御指摘のような状況を踏まえて、大臣も御答弁申し上げましたように、法制審議会で審議を開始したという次第でございます。 したがいまして、いずれにいたしましても、民事責任ルールの問題については法務省として責任ある対応をしていかなければならないというふうに思っておりますが、立法形式として、それだけを取り出してやった方がいいのか、それともそれとあわせていろいろな行政的な措置をも含んだ包括立法とするのがいいのか、そのどちらをとるかによって準備の期間が違うのかどうかというようなことも含めて、これらの問題は、いずれにいたしましても関係各省庁と十分協議をした上で法務省としての態度も決定したいと思っている次第でございまして、現段階においてどちらにしたいということを私ども内部的にも決めていない状況でございます。
○富田委員 現段階ではどちらとも決めていないということですが、新聞報道等によりますと、現在通産大臣の諮問機関でございます産業構造審議会の総合製品安全部会で製造物責任法案についての審議が進められており、産業構造審議会が十一月中旬に首相の諮問機関である国民生活審議会に通産省案として報告し、国民生活審議会はこれらをもとに最終報告をまとめるというふうにされているようであります。 先ほど大臣の方から、法制審議会にも諮問をした、前向きに対応しているのだという御答弁がございましたが、この他の審議会との関係というのはどのようになるのでありましょうか、お教えいただきたいと思います。
○濱崎政府委員 法制審議会と御指摘の他の審議会と直接にその調整を図るというようなことは、現段階では考えておらないところでございますが、事務的には、お互いの審議状況を連絡し合って、その状況を把握しながら審議を進めていくということになろうかと思うわけでございます。 ただ、産業構造審議会あるいは国民生活審議会の御検討の中でも、民事責任ルールの問題について、現段階でいわゆる国民の大方の賛同が得られるレベルとしてどの程度のものがいいのかということについては、これは各界の方々の意見を集めて検討しておられるというふうに聞いております。ただ、その中身が、民事法、不法行為の体系の中できちんと整合性があるものかどうか、これはまさに民事法の問題でございますので、これは法制審議会の民法部会で御検討いただくべき問題であるというふうに考えている次第でございます。これから鋭意その関係については調整をとりながら、お互いの審議を集めていきたいというふうに考えているところであります。
○富田委員 ありがとうございます。 私ども公明党でも、通産省等いろいろな省庁と勉強会をさせていただいておりますが、どうも消費者重視と言いながら、かなり後退した内容になっていくのじゃないかなという心配がございます。ぜひとも法務省が取りまとめ役として、本当に消費者重視を掲げる細川内閣の提出する法案だと国民が納得できるような法案の作成に努力していただきたいと思います。 次に、入管の業務につきましてひとつお伺いしたいと思います。 毎日新聞のことしの十月八日付の夕刊に、来年の八月に横浜で国際エイズ会議が開かれるという報道がございました。その報道の中で、参加者の中に麻薬、売春経験者がかなりいる、その入国、参加について論議があるんだという指摘がございました。入管の担当者のお話ということで「麻薬、売春について厳格に法を適用してきた。会議の参加者だからといって例外を認める考えはない」という談話が載っておりますが、入管の担当者は、この新聞記事に載っているような発言を本当になされたのでしょうか、その点をお伺いしたいと思います。
○塚田政府委員 ただいまお尋ねの新聞記事につきましては、記者からの問い合わせに対してインタビューに答えだということは事実でございます。 委員のお尋ねに対するお答えでございますけれども、出入国管理及び難民認定法において、エイズに感染している外国人について上陸拒否にかかわる規定を置いていますが、同法上、上陸を拒否できるのは、エイズに感染している外国人であって、多数の者にその病原体を感染させるおそれのある者についてでございます。したがって、第十回国際エイズ会議に出席する外国人の中にエイズに感染している者がいたとしても、それのみによって上陸を拒否されることはなく、これらの人たちが他の多数の者にその病原体を感染させるおそれがあると判断されない限り、上陸を拒否されることはないわけでございます。 売春関係の業務に従事したことがある者、あるいは麻薬等の取締法に違反して刑に処せられたことのある者、麻薬を不法に所持する者などは、エイズ感染の有無にかかわらず、上陸拒否の事由に該当することになります。
○富田委員 ただいまの回答についてなんですが、この新聞記事は多少センセーショナルに扱っているので、このまま議論の対象にはならないと思いますが、厚生省の担当者にお尋ねしましたら、このエイズ会議は本当に重要な会議だ、エイズ感染者であって、なおかつ、エイズの件について本当に民間人としても勉強している人たちがかなり多く出席を予定している、そういう方の中に売春経験者のグループがあるということも事実だということでございまして、そういう方が仮に入国を希望した場合に、売春経験があるからということで入国は拒絶されるのでしょうか。この点、ちょっとお聞かせください。
○塚田政府委員 過去に売春に従事していた者がこの会議に出席するという場合には、すべて上陸を拒否するのかというお尋ねだと思いますけれども、エイズ予防に必要な役割を果たしている者として会議に参加するものであっても、過去に売春に従事していた者や、先ほど申しましたように、麻薬取締法違反で刑に処せられたことのある者は、入管法上の上陸拒否事由に該当いたします。そのような者から上陸の申請があったときは、入管法上、入国審査官がその場で直ちに上陸を拒否するわけではなくて、本人が希望すれば、法務大臣に対して異議申し出を行うことができる手続が用意されております。その場合には、法務大臣が最終的に上陸の可否を判断されるという仕組みになっております。
○富田委員 ただいまの御回答は、法務大臣の特別許可を求めることもできるのだという趣旨だと思うのですが、この方たちは、法務大臣の特別許可を求めると、その点が入管の記録に残る、そうすると次また入国のときに、なぜ特別許可を求めないんだというふうに言われるのがすごく嫌だというようなグループもあるようです。その点についてはどのように考えていられるのでしょうか。 また、職業として売春婦というふうに書く方はなかなかいないと思うのですが、この記事にございましたように、ベルリンの会議では何かかなりそういうトラブルが起きたというようなことも書かれております。その点については、入管当局の方としてはどのように考えていらっしやるのでしょうか。
○塚田政府委員 率直に申しまして、この会議はまだ来年の八月ということで、時間がございます。それと、会議の態様と申しますか、どのような規模でどのような参加者があるのかも、実は会議の開催ごとにバラエティーに富んでおりまして、今の時点では、新聞報道等で一部漏れ伺うというようなことはございますけれども、全貌は正直申しましてはっきりしておらないわけでございます。 私どもとしましては、もう少し事情が判明したらその時点で検討はいたしますけれども、基本的な検討の基準と申しますかルールは、ただいま申し上げました入管法上の規定に従って行うということになろうかと存じます。
○富田委員 ありがとうございました。かなり運用面で期待ができるのではないかと思っておりますので、先ほど午前中ですが、笹川委員の方から、エイズを取り上げたのは笹川委員であるというような御指摘もありましたが、かなり大きな問題になっていくと思いますので、どうか入管当局も大きな視点に立ってこのエイズ会議を見守っていただきたいと思います。 以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。
○高橋委員長 枝野幸男君。
○枝野委員 個人の尊厳を至高の価値といたしまして男女の平等を定めました憲法の施行から間もなく五十年になろうとしています。この間女性の実質的な地位の向上は少しずつ前進してきたと思われます。そうした中で、今回国権の最高機関の長を女性が占めるというところまでなってまいりました。 しかしながら、全体として見てみますと、残念ながら、古い慣習に縛られて社会進出によって能力を発揮する機会を奪われている、あるいはさまざまな困難に直面している、そうした女性が非常に多いということもまた否定できない事実であると考えられます。これはさまざまな古い慣習、しがらみ等によってそうした事実が起きているわけですが、その女性の社会進出を拒んでいる理由の一つに婚姻による氏の変更という問題があると思います。 社会生活、特に職業生活に関しまして、長年使用し、周囲から認知されています氏が婚姻によって変更になった場合、せっかく長い間築いてきたその氏名による信用というものが使えなくなるということで大きなハンディが生じるのは事実でございます。もちろん通称という形で旧姓を使用することは可能ではございますが、やはりいろいろな社会生活の中で、例えばこの国会でも、参議院においては通称の使用が認められないということでマスコミ等にも最近報道されておりますけれども、そうした問題がございます。あるいは、例えば身分を証明するものとしてパスポートや運転免許証などがよく使われますけれども、こうしたものは戸籍名が記載されるということで、氏の変更によるトラブル、ハンディを避けるために仮に通称を使用していた場合、今度は通称と戸籍名との食い違いによるハンディキャップを負うことになります。こうした現状があるために、婚姻による氏の変更というハンディを負わないためにやむを得ず法律婚をせずに事実婚の状態でいる、そうした夫婦が私の周りにも少なくございません。そうしたことから、夫婦の選択的な別氏、選択的別姓というふうな要望がかなり強く出されておりまして、昨年の十二月には法制審議会の身分法小委員会での中間報告もなされておりますが、その中間報告以降の法制審あるいは法務省の対応等について、事実関係について簡単で結構ですので御報告をお願いしたいと思います。
○濱崎政府委員 御指摘のとおり、法制審議会の民法部会身分法小委員会におきましては、平成三年初めから婚姻、離婚制度の全般について必要な見直しのための審議を開始しておりまして、昨年の十二月にその中間的な議論を踏まえて中間報告、これは検討すべき論点を整理したものでございますが、それを公表して御意見をいただいたところであります。 その中には、御指摘の夫婦別氏制度導入の問題も大きなテーマとして取り上げられているところでございますが、そのほかにも、婚姻の最低年齢の問題であるとか再婚禁止期間の問題であるとか、あるいは裁判上の離婚原因の問題であるとか、そういった婚姻、離婚制度の全般について検討が必要な事項が幾つか掲げられているわけでございます。 法制審議会の身分法小委員会におきましては、現在そういった諸問題について、いただいた意見を参考にして鋭意審議を継続しているところでございまして、先般公表したものは論点整理ということでございますので、いずれ法律案、要綱案をまとめる前の段階で改正の方向を示した中間試案、こういったものを、深く論点について改正を必要とする事項につきまして作成してお示しし、改めて御意見を聞いた上で最終的な法律案の要綱を取りまとめたいというふうに考えているところでございます。現在その中間試案等の作成のための審議を鋭意行っているという状況でございます。
○枝野委員 夫婦選択別氏が、近い将来なのか遠い将来なのか、もし採用された場合には戸籍法の法律改正を含んだ戸籍制度の変更、調整が必ず必要になると思いますが、これは、実際に選択別氏がどういった形で採用されるかによって細かい点は若干変わってくるとは思いますが、一般的には婚姻の届け出のときに共通氏か選択氏がというのを選択できるような形が想定されると思いますが、もし仮にそういった夫婦選択別氏という民法の改正がなされた場合には、戸籍制度の問題としてどのような対応をしなければならないのか。そして、その対応を行うためには予算措置あるいは人員の増強等についてどの程度のものが必要なのか、あるいは必要でないのか、そういったところについてお教えいただきたいと思います。
○濱崎政府委員 夫婦別氏の制度を導入するということになりますと、いずれにいたしましても、戸籍の編製方法等について見直しが必要になります。現行の戸籍制度は、一つの夫婦、これは氏を同じくするわけでございますし、これと氏を同じくする手ごとに編製されておりますので、その編製方法について改正を加えるということが必要になります。 しかし、夫婦別氏制度を導入するといたしましても、その戸籍編製方法がどうなるかということにつきましては、その夫婦別氏制度をどういった内容のものとして導入するかということによって変わってくる性質のものでございます。もちろんいろいろな場合を想定して事務的には内部で検討しておりますが、それをどうするかという具体的な詰めというのは、法制審議会の審議でどういう内容のものとして夫婦別氏制度が導入されるかどうかということをいま少し見きわめた上で詰めをしなければならないという性質の問題でございます。 また、戸籍制度につきましては、戸籍事務を実際に担当している市区町村の関係者、それから戸籍制度に関係を持たれる一般の学識経験者、そういった方々の意見というものを聞くための民事行政審議会という法務大臣の諮問機関がございますが、そこに最終的にはお諮りをしなければならないというふうに考えておるところでございます。 それから、その場合に人員、予算等の問題の御質問がございましたけれども、これも戸籍編製方法の変更がどの程度のものになるかということによって変わってくるわけでございますので、現段階で戸籍編製方法がどうなるのか、あるいはそのための人員、予算がどのぐらいかかるのかということはちょっとまだ申し上げることはできない段階でございます。
○枝野委員 確かに法制審の審議という問題もございますが、法制審の中間報告の中にも出ておりましたが、夫婦選択別氏について消極的な見解の根拠となっておりますものは、中間報告では大体二点になると思います。 その一点は、夫婦あるいは親子が同じ氏を名のるということが夫婦、親子の一体性を示すものとして長年親しまれてきたという点、もう一つは、子の福祉を維持し、社会的な混乱を避けるためには夫婦、親子同じ氏を名のるべきであるという点、この二点にあるのではないかというふうに、中間報告を要約すると感じられます。 どころが、例えば「子の福祉を維持し、社会的な混乱を避ける」というふうな消極論の根拠について考えてみますと、先ほど私が申し上げましたとおり、婚姻による氏の変更を避けるためにやむを得ず、本来なら法律婚をしたいのであるけれども、法律婚をあえてせずに、婚姻届をせずに事実婚の状態でいるという夫婦が少なくないという現状がございます。 ということは、逆に、夫婦別氏を認めない、それによって法律婚がしがたいという状況のために、子の福祉に反し、これは先ほどの嫡出子、非嫡出子という問題が当然出てきますので、子の福祉に反し、そして社会的な混乱、夫婦であるのになぜか戸籍には入っていないという夫婦がかなり出てきているということで、子の福祉を維持して社会的な混乱を避けるという消極論の根拠については、かなり状況が違っているのではないか。 それからもう一つ、長年親しまれてきたんだという論拠については、確かに長年の慣習であるとか社会全体のコンセンサスということは、法秩序の維持の観点からも非常に重要な問題だとは思いまずし、社会的なコンセンサスを得られないような法改正が果たして妥当なのかどうかという問題は常につきまどうものではありますが、この夫婦別氏の問題というのは、個人が社会生活上の不利益を受ける、同氏を強制されるために不利益を受けるという意味では、一種の人権の問題である。私たちの日本の国の法体系が、何よりも憲法を頂点として個人の尊厳、個人の価値というものを重視していることは、これは争いの余地のないところでございます。 しかも、夫婦選択別氏の問題は、あくまでも選沢を認めるという話であって、日本じゅう全部の夫婦は結婚しても名字は変わらないという制度にしようという議論ではなくて、あくまでも、夫婦でも別々の氏を名のりたいという人だけにそれを認めるということで今議論されていると考えますが、それであれば、どうしても夫婦であるのだから、親子であるのだから同じ氏を名のりたい、名のるべきなんだと考えでいる人たちには、別氏を強制されることにはならない。 そうした意味で、今法制審で審議されております別の問題、例えば、婚姻の最低年齢の変更や離婚原因についての問題、これはもし改正が行われれば、それに賛成の者も反対の者も、あらゆる者に対してその改正が及んで、それを強制されるということになるわけですけれども、選択別氏ということでは、希望しない人は選択しなければいいということで、そうした自由は維持されるということでは、必ずしも国民全員のコンセンサスを得なければならない問題とは違うのではないか。あるいはこれは、例えば先ほどの永井先生の御質問にあったような嫡出子、非嫡出子制度、これなども、これが例えば改正されれば、すべての国民がそれによって影響を受けますけれども、夫婦別氏であれば、選択別氏であれば、選択しない人たちは同じ名字を今までどおり名のっていればいいという問題ですので、むしろ社会全体のコンセンサスや長年の慣習というものを重視するよりも、今現実に困っているという個人に目を向けて、ほかの民法改正の問題とは切り離して、単独で早期に、それも人権にかかわる問題ですので、政治的な判断をしてもいい性格を持っているのではないかというふうに考えますが、この点について法務省の御見解、できれば法務大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○濱崎政府委員 まず、事務当局の方からお答えさせていただきます。 今、夫婦別姓の問題について、委員からいろいろ御指摘をいただきましたが、まさにそういう御意見が強くあるということを踏まえて法制審議会の審議が始まっているわけでございます。法制審議会では、先般の中間報告に対する意見、これは団体、個人から合計百四十三通の意見が寄せられておりまして、その中にはさまざまな御意見が寄せられておるわけでございますが、当然、委員御指摘のような意見も極めて有力な御意見として提起されているわけでございます。そういう御意見を踏まえて、法制審議会において適正な結論をお出しになるものだと思っております。 それから、提出時期、その問題だけの立法という御指摘でございましたけれども、この夫婦別姓の問題につきましても、夫婦の選択的別姓を認めるとしても、方法としては民法の氏の考え方をどうするかということを含めましていろいろな方法があるわけでございますし、さらにそれに付随する問題といたしましては、婚姻後にしばらくたってから別姓にする、あるいは別姓であったものを同姓にするということを認めるかどうかとか、あるいは御指摘もありました子供の氏をどうするのか、兄弟で氏が異なるというような制度であっていいのかどうか、それから子の氏が定められた後に、その子供の方からの氏の変更を認めるかどうか、そういったさまざまな詰めなければならない問題があるわけでございます。 これは、一たん法制度として成立いたしますと、国民の家庭生活、ひいては社会生活に大変大きな影響を及ぼす重大な改正でございますので、必要があるということであればできるだけ早期に措置をするということが適切であろうと思いますけれども、しかしながら、拙速であってはいけないという要請もあるわけでございまして、そういう点を踏まえつつ法制審議会で審議をいただいているということでございます。 また、そのほかに取り上げられている問題、婚姻最低年齢の問題とか再婚禁止期間の問題でありますとか裁判離婚の問題ですとか財産分与制度の改善の問題ですとか、こういった問題も各方面から指摘の強い大変重要な問題でございまして、それについてもできるだけ早い検討、結論を得るということが必要でございますので、そういうことを踏まえて、この検討を法制審議会で平成三年から始められておって、全体についてここまで審議が進められてきているわけでございますので、現在の法制審議会の民法部会身分法小委員会の御議論としては、そういう取り上げた問題すべてについて、改正すべきと思われるものについては一括して改正要綱案をつくって必要な改正をするということが適当であるという御判断のもとに審議を進めておられるわけでございます。 私どもも、そういう方向で御検討いただくのが、制度全体の時代に応じた改善を全体としてできるだけ早く実現するという観点から適当なのではないかというふうに考えておるところでございます。
○三ケ月国務大臣 ただいまの民事局長の答弁で尽きておるわけでございますが、事柄はやはり国民生活に非常に深く関連するところであり、かつまた他の制度等の改正が考えられている点ともどこかで深く関連しているところでございます。 特にこの点だけ切り離していくというふうな方向よりは、私は、法制審議会全体の御意見を踏まえながら立法していくのが、やはり私どもとしては適当なのではないかな、そういうような感じでおります。
○枝野委員 いろいろなお考えがあると思います。 実は、結婚、婚姻という問題は、適齢期という表現がいいのかどうかわかりませんけれども、実は私も独身でありまして、私ももう二十九歳ということで、私の周りの友人の女性たちなどが、今現実に夫婦別姓という問題に直面しておりまして、三年も五年も待っていたのでは困ってしまうという声は非常に切実なものとしてありますし、私自身も実は、おれは結婚するときは氏はどっちでもいいから、じゃんけんででも決めようと思っているんだなどということを若いころに、今でも若いつもりでいますけれども、言っていた手前もございまして、かといってこういう商売、商売と言っちゃいけないのかな、こういう立場になりますと、選挙等のことを考えますと、途中で氏が変わったりするととんでもないことになってしまいますので、以前公言していたことを守れないなどと、非常に切実な問題として考えております。ぜひ前向きに、そして早急な御検討をお願いしたいと思います。 続いて、ひとつ弁護士会のことについてお尋ねさせていただきたいと思います。 確認的なお尋ねになると思うのですが、御承知のとおり、弁護士会は、弁護士の資格の付与、監督、懲戒処分などを行うとされています。こうした資格の付与ですとか監督ですとか懲戒処分ですとか、こういったものに対する不服の審査の申し立ては行政不服審査法にのっとってなされます。あるいは、最高裁判所の昭和四十二年の判決、民集の二十一巻七号千九百五十五ページに載っているはずですが、この判決では、弁護士会の行う懲戒処分は行政処分の一種であるということを述べております。したがいまして、これらの処分が行政処分であることは明らかだと思いますし、こうした処分を行う組織として、弁護士会というものは単なる業界団体ではなくて、弁護士法を所管する一種の行政機関という側面を持っていると考えますが、この点について法務省の御見解を確認させていただきたいと思います。
○永井(紀)政府委員 弁護士法は、御承知のとおり、各弁護士会及び日弁連が十分な自治能力、自浄能力を有することを前提といたしました上で、その職務の独立性を確保するため、弁護士会及び日弁連に制度として独自の自治権を認めているわけでございます。そして、この弁護士会及び日弁連がその権限として資格審査や懲戒処分などを行うことができることとなっており、この処分に不服があるときは東京高等裁判所に提訴することができることとなっております。 こうした資格審査や懲戒処分の事務の本質というものは、講学上は国の行政作用の一部をなすものと解されております。したがいまして、行政庁というものは国または公共団体から公権力の行使の権限を与えられている機関というものであるというふうに理解いたしますと、各弁護士会及び日弁連も行政庁に該当する面を持っているということになろうかと思います。
○枝野委員 そこで、もう一点だけ確認させていただきたいのですが、そうした行政庁としての側面を持ちながら、弁護士会は御承知のとおり内閣の支配を受けない。指揮監督あるいは意見を言われるとかという立場じゃない。これはいわゆる弁護士自治の原則ということで、民主主義を担保するため、弁護士の自由な活動、独立性を維持するための重要な制度である。それに基づいて、内閣から全く独立した形で特殊な立場を認められているというふうな理解があると思いますが、これでよろしゅうございますね。
○永井(紀)政府委員 御承知のとおり、弁護士は、司法制度の一翼を担い、国民の基本的人権を擁護し、社会正義を実現するという重大な使命を有する法律専門家でありまして、このような弁護士の職務の特殊性にかんがみまして、弁護士法が独自の自治権を認めている、かように解しております。
○枝野委員 以上のことを前提といたしましてお尋ねさせていただきたいのですが、御承知のように、弁護士会の組織は、各地の地方裁判所ごとに一つの単位弁護士会があって、その上に日本弁護士連合会という連合体がある。ところが、唯一東京地方裁判所管内におかれましては、なぜか東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会と三つの弁護士会がございます。これは私の生まれる前の話ですので、書物で読んだ話、聞いた話ですけれども、大正時代に弁護士会の会長選挙をめぐる派閥争いで分裂したということが、弁護士会の会史というのでしょうか、弁護士会の歴史を記した本にも記載されているところでございます。これが残念ながら現在まで継続して、東京のみが三つの弁護士会が鼎立するという状況になっている。 ところで、この東京の三つの弁護士会が、日本弁護士連合会とともに霞が関の国有地をお借りして新しい弁護士会館を建てて、平成七年から同一の、一つの弁護士会館に入るということになっております。 御承知のとおり、弁護士会は弁護士だけのものではなくて、例えば法律相談などの活動を行うなど、市民のための活動を行うということを期待されている組織でございます。また、先ほどございました弁護士会の行う行政処分につきましても、一部のおかしな弁護士が市民に御迷惑をかける、そのような不届きな弁護士が出ないようにということのために、そういった弁護士を自律的に排除あるいは指導するために認められている行政処分であると考えられています。そうした意味で、弁護士会の存在というものは市民のために存在するものであるという性格が非常に強い。ところが、東京の三つの弁護士会が、国有地の上に建物を建てさせていただきながら、自分たちの都合で三つに分かれている。これは市民から見れば大変わかりにくい、そして不自然な状態であると考えられています。実は私も、第二東京弁護士会の会員でございますが、クライアントから、先生はいつ第一に昇格するんですかというふうなおかしな質問をされて、答えに困ったことがございます。 御承知のとおり、弁護士法には弁護士会の合併についての規定がございまして、これは当然この東京三弁護士会の合併のことしか想定されていないわけでございますが、これは弁護士会の会館が一つになるということを機会に、こうした市民から見て不自然な状況を解消して一つになるべきではないかと個人的に考えております。また、この東京の三つの弁護士会に対して、弁護士法四十五条二項に基づいて、いわゆる上級官庁の立場にある日本弁護士連合会が指導監督権を行使すべきではないかというふうにも考えております。 そこで、先ほどあえて確認させていただきましたとおり、弁護士自治という大切な原則がございますので、ここで法務省が日弁連に対して指導したり、あるいは日弁連に対して意見を述べたりということはあってはいけないということは当然でございます。こうした問題は弁護士会が自律的に判断すべきであるということは非常に重要なことでございますが、一方では、弁護士会と法務、検察というものは日本の司法を支える車の両輪とでもいうべき立場で、相互に密接な関係があるのも否定できない事実でございます。 そこで、ここでお尋ねの仕方が非常に難しいのですが、法務省としてこうした問題の存在を認識されていらっしゃるかどうか、そしてそれについての、御意見ではなくて、御感想のようなものがおありでしたらば、弁護士自治に反しない範囲でお述べいただければと考えております。
○三ケ月国務大臣 私も弁護士でございます。東京三弁護士会の統合問題がかねてより議論されていることは承知いたしておりますが、この問題につきましてはやはりいろいろな考え方が対立しておるようでございます。したがいまして、この問題につきまして、法務大臣としてでなくても、こういうような場で個人的な感想を述べることは差し控えさせていただきたいと思います。 むしろこの問題は、東京三弁護士会の各会内及び三会相互間において十分議論を尽くされて、時代の要請に応じた妥当な結論が出されることを期待しているというふうに申し上げさせていただきます。
○枝野委員 ありがとうございます。 時間もなくなりまして、本当はもっと次の件も長く聞きたかったのですが、製造物責任法について、せっかく法務大臣、日本の民事訴訟法学界を代表する先生が法務大臣をされているという機会でもございますので、一点だけお尋ねさせていただきたいと思います。 製造物責任法については、いろいろな争点、論点がございますが、今後一つかなり大きな争点になっていくと思われるのは、推定規定の有無というところに出てくると思います。実はその推定規定というものが、例えば因果関係について推定規定が置かれたときには、一般に被害者側、つまり原告側は何もしなくても、製造者、被告側は著しく弱い立場に置かれて、本当は実は因果関係がないんだというケースであっても、裁判の判決では責任を負わされることになってしまうのではないかというふうな認識を持たれている方が、特に製造者の側に非常に多くあるように見受けられます。 そこで、司法に密接な関係のある法務省のお立場、しかもそのトップの方が民事訴訟法の大家ということであえてお尋ねしたいのですが、一般論としてで結構ですので、推定規定が存在する、これは挙証責任が転換されるということとほぼ一緒だと考えていいと思うのですが、その挙証責任が原告にあるのか被告にあるのかということによって、判決が右に行ったり左に行ったりする、つまり証明ができたかできないかということで、一番最後の挙証責任の有無というところで判決が左右されるケースというのは、本当にそんなにたくさんあるのか。私も二年ほどの短い期間ですが弁護士をやっておりました経験からすれば、大部分のケースは、実際の証明が双方尽くされた中でどちらの言っていることが正しいという認定がなされるのであって、どうしてもどちらが正しいのかわからなくて、推定規定の存在の有無、立証責任がどちらにあるのかということで結論が出るというケースは現実には多くはないというのが、日本の民事裁判の制度ではないかと認識しておりますが、その点についてお教えいただければと思います。
○濱崎政府委員 突然の御質問でございますし、裁判において実際どうかという御質問でございますので、法務省から答えるのは適切でないのでございますが、大分前になりますが、私も裁判の仕事をやっておったことがある経験から申しますと、一般に、多くの場合はいずれかの証明がされたと認められる、したがって、立証責任がどちらにあるかによって結論が変わることはないというのが実情であろうと思います。 しかしながら、立証責任の配分という制度は、これはまさにいずれとも認定しがたい場合に備えて構築されている制度でございまして、立証責任の配分によって勝負が決まることはほとんどないというふうに申し上げるわけにはまいらないのではないか、そういう感想でございます。
○三ケ月国務大臣 御指名でございますので答弁させていただきますが、今おっしゃったとおりのことでございまして、この推定規定の存否そのものが国民生活や経済生活、さらには、場合によりますと、案外裁判実務にも大きな影響を及ぼすかもしれないという問題でありまして、現在、まさにその点を含めまして法制審議会で真剣な議論が闘わされておるところでございますので、そのような段階で、ある仮定に立ちまして、法務大臣として裁判実務への影響について言及するということはひとつ差し控えさせていただきたいと思います。
○枝野委員 PL法については、さまざまな省庁が関連して、さまざまな委員会、審議会で審議されておりますが、今のような裁判実務の現場を知らないとなかなかわからない微妙な問題が本質的なところに非常にあると思いますので、そういった意味では、そういったところに一番認識の深い法務省あるいは法制審議会等がかなり中心的に御意見を言っていただいて、議論をリードしていただくのが妥当な、適切な立法の方向を導くのではないかと考えておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 いろいろとお答えしにくい質問をさせていただきましたが、お答えいただきましてありがとうございました。終わらせていただきます。
○高橋委員長 吉田治君。
○吉田(治)委員 この法務委員会に入れていただきまして非常に人生の矛盾を感じておりまして、学生時代、法学部で一生懸命司法試験の勉強をして、何度やってもだめだった人間が、こうして議員になって法務委員会で法務行政をただすというのは、非常に世の中のおもしろさというものを身にしみて感じております。 本日は、まず最初に、外国弁護士問題もしくは外国人弁護士問題と言われている問題についてお聞きしたいと思います。 昭和六十二年に、EC並びにアメリカとの長い厳しい折衝、交渉が終わって、正式に外国弁護士を受け入れる、導入するというふうな形で一応の決着を見たこの問題が、平成元年、アメリカの通商代表部、USTRによって外国貿易の障壁であるというふうに報告書に書かれて、また再燃してまいった問題でございます。その過程で、例の皆さんおなじみのチョウネクタイの、あの弁護士出身の担当者の方が、御自身の東京時代の経験と言えばいいのですけれども、どうも御自身の感情によってこの問題を非常に強硬に進められて、重要なイシューというふうな形にされ、ガット・ウルグアイ・ラウンドでも問題になるようなものにしてしまったやに伝えられております。今のモンデール大使の出身州でございますミネソタ州の駐日代表、同じような通商担当をやっておりまして、まあ連邦と州とは違いますけれども、もしこれが事実とするならば、私自身非常に残念な問題ではないかなと思っております。 まず最初お聞きいたしますのは、昭和六十二年に導入が決定されて、これで一応決着を見たという問題が、なぜこんなに早くまた問題になったのでしょうか。
○永井(紀)政府委員 私の承知している限りでは、六十一年度の法改正がなされたときに既にもう萌芽がありまして、我が国の外国法事務弁護士の制度が、星野委員からのお尋ねにもありましたとおり、実は基本的に非常に抑制的な立法の仕方をしたわけでございます。すなわち、日本人弁護士との共同事業を認めないとか日本人弁護士を雇ってはいけない、あるいはローファームの名称そのものを直接使ってはいけないというふうに、非常に厳しく制限したといいますか、そういうような立法の仕方をしたわけでございます。 それはやはヶそれなりの理由がありまして、外国法事務弁護士を受け入れた場合、一体どのくらいの人間が入ってくるかわからない、ある面では非常に抑制的に立法を進めて、そこから始めていかなければいかぬだろうという当時の日弁連を含めた政策判断があったと思うのです。 ただ、一応の決着を見ました後にももう既に萌芽がありまして、やはり一緒にやらないと仕事の面で非常に不便があるという声がもう既に出ていたわけでございます。これはアメリカのUSTRが単に言っているだけではございませんで、やはり六十年代以降、世界経済のグローバル化あるいはボーダーレス化に伴いまして、経済活動とそれに伴います法律事務の非境界化といいますか、こういうことが進んでおりまして、世界の主要都市では、国内法といいますか、内国法だけでなくて、外国法も適用されるといういわゆる複合法域化ということが既に進行していたわけでございます。したがいまして、六十年代から今日までわずかの期間でありますけれども、弁護士の相互乗り入れということの必要性を非常に感じてきていた。あるいは利用者のニーズが多様化しておりまして、多様なニーズに対していわゆるワン・ストップ・ショッピングも可能であってほしいという要望が随分出てきております。現にこの外国弁護士問題研究会におきましても、いろいろな関係者から聞きますと、日本の弁護士のところへ行って相談し、それでは外国法に関係するから外国法事務弁護士のところへ行って相談する、一緒のところにいてくれたらいろいろ相談できるのに、なぜそうなんだろうかという要望が非常に強うございました。そういった背景がありまして、利用者のニーズというものが非常に強く出てきていた。 したがって、既に六十二年当時からその議論は現にあったわけでございまして、それがいわばアメリカのUSTR等を中心として噴出してきた、こういうような見方をしているわけでございます。
○吉田(治)委員 それでは、外国人弁護士、外国弁護士の問題というのは、これをオープンにしていくというのが、例えばアメリカなりECなりの世界の趨勢と考えさせていただいてよろしいでしょうか。
○永井(紀)政府委員 要約的に申しますと、外国弁護士受け入れに対する取り組みというものは、各国の司法制度あるいは弁護士制度の差異というものを背景にしておりまして、確かに国によって相当異なっておりますが、いわゆる先進国と言われているところにおきましては、趨勢としては、前向きに受け入れる方向で制度も改正し、あるいは改正する動向であると承知しております。ただ、現に外国法事務弁護士のように外国の弁護士を受け入れていない国も相当あることも間違いございません。ただ、先進国の中では、抽象的に言いますと、前向きに受け入れる方向で今改正をしつつあるというのが現状だと思います。 例えばアメリカにおきましても、実は外弁法制定の六、七年前に旧、外国弁護士受け入れ制度を設けていたのはわずか三州なんです。ニューヨーク州等のわずか三州だったのが現在は十六州がこの受け入れ制度を持つようになりまして、さらにアメリカ法曹協会でありますABAは、ことしの八月に外国弁護士受け入れに関するモデルルールを採択いたしまして、各州でこれをやってくれというような動きがあります。さらにカナダにおきましても、最近数年間に三州が新たに外国弁護士受け入れ制度を設けまして、本年二月、カナダの弁護士連合会は外国人受け入れ制度に対する議定書をつくりまして、全州にこれを広めようとしております。それからEC諸国におきましても、フランスを除きますと、イギリス、ドイツ、オランダ、ベルギーなどの主要国におきましては既に外国弁護士受け入れ制度が設けられておりまして、これらの国におきましても、共同経営の問題などにつきましては、一部例外もありますが、おおむね許容されている、そういう状況になっております。
○吉田(治)委員 懇切丁寧な御説明ありがとうございました。ただし、非常にその趨勢というのはいかがなものかと私個人は考えております。 今永井部長さんが言われましたように、フランスを飛ばされて、フランス以外ということを言われましたが、ある意味でフランスというのは、御承知のとおり外国人弁護士を積極的に受け入れてきたという経緯がございまして、コンセイユ・ジュリディックと呼ばれるアメリカ人の弁護士は、パリに約三百人おられる。それがフランス人弁護士は全部で一万八千人、それよりもその数倍も稼いでいるというふうなことで、これはよくないということでフランスではこのコンセイユ・ジュリディックをフランスの弁護士と同じ扱いにする、そのかわり今後一切外国弁護士は受け入れないというふうな決定をしたやに聞いております。またイタリア、スペインではこれを規制して絶対に入れない。唯一入れられているのはオランダ、ベルギーぐらいがECの中で入れられている。 今部長さんが、アメリカの中で十六州が受け入れられて、三州から十六州になったから大きな進歩だと言われましたが、平成五年十月十九日の日経の夕刊によりますと、日本においては相互主義というのでしょうか、これをジュネーブにおいて撤廃するんだというふうな記事が出ておりましたが、これは非常におかしいことではないでしょうか。日本がアメリカと交渉するについて、アメリカ五十州すべてにおいてこれが認められない限りは、日本も認めるべきではないと思います。 先ほど経済のグローバル化、非境界化というふうなことを言われましたけれども、そういうふうなことで考えましたら、私は、州政府代表をやっておりましたと先ほど申しましたけれども、現実に日本にその州政府の代表部が四十数州できている。四十数州の皆さんが日本に、投資をしてください、物を買ってください、アメリカヘ来てくださいというふうなプロモーションをかけている。アメリカから日本に来るときには、それが貿易障壁だから日本は開放しろ。日本からアメリカヘ行くときには、四十数州来てください、来てくださいというのに法体系もない、日本の弁護士も行けない。そういうところに行って活動して困ったらどこへ行け、カリフォルニア、ニューヨーク、ワシントンDCに弁護士がたくさんいるじゃないか、そこへ行けよというふうな話になるのは非常にいかがなものかと思いますけれども、そこまでして日本は外国弁護士問題というふうなものに対して取り組んで開放していかなければならないのでしょうか。大臣並びに担当官の御所見をお伺いしたい。
○永井(紀)政府委員 私、ここで個人的な意見を述べるといいますより、むしろこの一年間外国弁護士問題研究会で検討された結果に基づいて言いますと、これは非常に世界的な物の考え方の落差が出てきているんじゃないか。 その中で議論されたことを御紹介いたしますと、一つは、アメリカであろうがどこの国でも弁護士というのは非常にドメスチックな、その地域に根差した、例えば日本人の弁護士が、その地域のいろいろな個人対立の、日本法による日本人によるそういう仕事をやっているという世界が、どこの国でも多くあります。 ただ、一方では、非常に世界的な規模で、日本企業も含めて、アメリカ企業も含めて、企業間のいろいろな国際取引の場面においては、これは何も日本法だとかアメリカ法だとかなんとかいっていられない非常に大きなグローバルな、一つの統一的なところで法律事務をやっていられるところもあるわけです。 そういった落差が若干あるものですから、ある視点だけで見ますと、そんな開放をしたらいかぬという。ある視点で見ますと、いや、もっと開放しなければいかぬという。こういう若干の議論のすれ違いが出てくる場合があると思います。 ただ、日本では、やはり外分研の報告によりますと、日本法に介入させるようなことはしないけれども、それなりに外国の弁護士も日本人と一緒に活躍できるような場をもう少し考えるべきではないか、こういう提言になっているわけでございまして、基本論につきましてはいろいろまた御意見を聞かせていただきたいと思いますが、私ども別に法務省の立場でこういうことを申し上げているというより、外分研の中の有職者の御意見を紹介している、こういう趣旨でございます。
○三ケ月国務大臣 御指名でございますので私の考え方を述べさせていただきますが、ただいま永井さんが述べられたのと大体同じでございます。 先ほども御質問にお答えいたしたのでございますが、この問題は委員御指摘のように、司法制度のあり方というふうな形の問題に連なる一面と同時に、やはりサービスというふうな面もございます。むしろこれは、私、直接外弁研究会には入っていないのでございますが、専門に近いところでございますので、その審議などもずっと拝見してまいったわけでございますが、日本側といたしましても、これから国際交流がふえ、国際的な紛争がふえてくるならば、むしろそういうふうな形で利用していくのもいいではないかというふうな御意見もあったやに承っておるわけでございまして、そういう双方の面、先ほど私が申しましたように、日本の制度の根幹というふうなものを害されない、アメリカの悪いところがそのまま入ってくるようなことがないように、しかし同時に、やはりサービスというふうな点で国民の利便あるいは日本と取引をする相手方との国際交流上の配慮というふうなものを考えまして、この辺のところが現在においては妥当なところではないかなと考えておるわけでございます。
○吉田(治)委員 それでは、先ほどから部長さんが言われておりますように、この外弁に関する研究会の報告イコール日弁連の意見と考えさせていただいてよろしいのでしょうか。
○永井(紀)政府委員 一年間にわたりました外弁研は、御承知のとおり日弁連と法務省が共催したものでございます。それで、半分以上が外部委員でございまして、必ずしも日弁連と法務省の役人だけが入ったわけじゃございません。こういう研究会の性格上、その研究成果であります報告書の内容を十分尊重していかなければいけないということは、日弁連も法務省も考えているわけでございます。法務省の立場といたしましては、もちろん日弁連の自主性を尊重しまして、日弁連と協議しながらどういう外国弁護士受け入れ制度の改善を行うべきかということを今検討中でございます。 いずれにいたしましても、外分研の報告そのものが日弁連の考え方だあるいは法務省の考え方だというわけではございません。むしろ有職者を含めました全体的な、相当の部分のコンセンサスが得られた、現在の我が国における一応の考え方というふうに考えております。
○吉田(治)委員 もう時間も終わりが近づいてまいりましたので、一言意見を申し添えさせていただいて終わりにさせていただきたいと思いますけれども、どうも余りに規制緩和という側面と、また固有の文化、先ほど部長さんが言われましたように、大臣が言われましたように、ドメスチックな部分に非常に目の向く弁護士さんに、こう開放していくということ、これは非常に文化の問題もいろいろ出てくるのではないかと思います。その中で、どうも一面的なとらえ方ではありますけれども、世界の弁護士の八〇%がアメリカに集まっている、アメリカには日本に輸出するものがなくて、今度は弁護士でも輸出してサービス産業の輸出入の勘定を何とか合わせて、貿易の赤字を少なくするのじゃないかとか、そういうふうな意見も聞いております。 しかしながら、私個人といたしまして最後に申し上げたいのは、日本では弁護士の費用というものは大体GNPの〇・〇一%以下と聞いておりますが、アメリカにおきましてはGNPの一・四%も弁護士費用に払われている。ある意味で言いましたら、アメリカという国はスー族、スーというのは訴訟をする、訴えるという、スー族と言われておりますが、どうも余りこれをし過ぎますと、日本もスー族になってしまうのではないか、その危険性がないように頑張っていただきたいと思いまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○高橋委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十分散会 ――――◇―――――